第165回 参議院 法務委員会 第5号
○岡田広君 ありがとうございました。 制度をつくる場合にはメリットとデメリットとあるわけですけれども、今回の信託法案において新たに設けられた制度についても、しっかりとした弊害防止措置が講じられていなければならないと考えています。衆議院の法務委員会でも、この審議では、自己信託や受益者の定めのない信託について弊害のおそれが問題となったものと聞いております。 この弊害防止措置が講じられているのかについて、この点につきまして中田参考人にお尋ねを…
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出典: 国会会議録検索システム API(国立国会図書館) ↗○岡田広君 ありがとうございました。 制度をつくる場合にはメリットとデメリットとあるわけですけれども、今回の信託法案において新たに設けられた制度についても、しっかりとした弊害防止措置が講じられていなければならないと考えています。衆議院の法務委員会でも、この審議では、自己信託や受益者の定めのない信託について弊害のおそれが問題となったものと聞いております。 この弊害防止措置が講じられているのかについて、この点につきまして中田参考人にお尋ねを…
○近藤正道君 今ほど来の参考人の皆さんと委員とのやり取りの中で、私としてはこれから言う懸念は相当程度うせたわけなんですが、あえてせっかく質問として用意をしてきましたので、ちょっと聞きにくい質問で大変恐縮でございますが、もう一度池田参考人にお尋ねをしたいと思いますが。 今回の信託法案の改正、大幅に中身が変わるわけでございますが、信託業界の利益拡大というものがやっぱり相当その背景にあるんではないかと、こういうふうな指摘も一部にあるようでござ…
○参考人(池田輝彦君) お答え申し上げます。 まず、今般の信託法案のポイントの一つであります受託者の義務の合理化、これは現代社会に適合するように受託者の義務の規律の明確化を図るという趣旨でありまして、受託者の義務を従来以上に緩和するという趣旨ではないものと理解しております。 また、私ども信託銀行は、信託法だけではなく、信託業法及び兼営法の規律と相まって受託者の義務を果たしていくことになります。 また、信託法案では、信託事務を外部の専門家…
○委員長(家西悟君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。 信託法案及び信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について、法務委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山下栄一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 信託法案及び信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に警察庁生活安全局長竹花豊君、金融庁総務企画局審議官畑中龍太郎君、金融庁総務企画局参事官山崎穰一君、金融庁総務企画局参事官私市光生君、法務省民事局長寺田逸郎君、法務省刑事局長小津博司君、法務省矯正局長小貫芳信君、法務省入国管理局長稲見敏夫君、財務大臣官房審議官古谷一之君及…
○委員長(山下栄一君) 信託法案及び信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○岡田広君 自由民主党の岡田広です。 信託法案につきまして、大臣始め政府参考人の皆様方にお尋ねをさせていただきたいと思います。 まず初めに、この信託法案を提出するに至った経緯等につきましてお尋ねをしたいと思いますが、信託協会の統計などによれば、信託銀行や信託会社が受託者となっている信託の受託財産の残高は約六百兆円を超えるとのことであります。日本の予算がおよそ八十兆円であることを考えてみましても、これはかなりの金額であり、信託は実際にはか…
○国務大臣(長勢甚遠君) お尋ねのとおり、信託、余りなじみのない点があると思いますが、この信託法案におきましては、法律上定められた方法により、特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべきものとすることをいうというふうに規定をされております。非常にこの規定自体も分かりにくいわけでございますが、典型的には、委託者が自分の持っておる特定の財産を第三者である受託者に移転をして、その財産を一定の…
○岡田広君 この信託法の改正に当たっては、利用者である委託者、受益者、そして受託者の立場に立って信託制度を合理的で利用しやすい制度にするということが大事であると考えております。この点について、提案理由説明によれば、信託法案は、最近の社会経済の発展に的確に対応した信託制度を整備する観点から、国民に理解しやすい法制とするものであるとのことであります。このような視点は大変重要なものであると考えております。 そこで、今回の信託法がどのような内容…
○国務大臣(長勢甚遠君) 今回の法案は、大きく分けて三つの方向があるのかなと思っております。 一つは、今もお話がありましたように、利用しやすくするという観点でございますが、現行の信託法は、制定の経過もありまして、受託者等に対して極めて厳格な義務を課しているなどありまして、当事者の私的自治というものを過度に制約をしているのではないかという問題があったところでございます。 そこで、信託法案では、現行法において過度に規制的であった忠実義務や自…
○岡田広君 ありがとうございました。 それでは、改正のポイントについて幾つかお尋ねをしたいと思っております。 まず、受託者の義務の合理化についてであります。 提案理由説明によれば、受託者の義務に関して、形式的には受託者と受益者の利益とが相反する行為であっても、信託行為において許容する旨の定めがあるときなど実質的に受益者の利益を害しないときはこれを許容するとあります。これは、受託者の忠実義務を合理化したというものであると考えておりますが、…
○政府参考人(寺田逸郎君) この受託者の忠実義務、すなわち受託者が受益者のために信託財産の管理運用を行わなきゃならないという義務でございますが、これは信託の正に本質的な義務でございまして、現行信託法もこの忠実義務があることを前提とはいたしておりますが、現行法はその二十二条で、受託者が信託財産に属する財産を固有財産、自分の財産とすることを禁じている、あるいは信託財産に属する財産に対して自分が権利を取得するということを禁止することと、こう書…
○岡田広君 受託者の忠実義務を合理的な内容にするということは、信託の利用促進の観点からも大変大事なことだろうと考えております。 しかし、他方で、受託者の義務の合理化は義務の緩和とも置き換えられることもあると思います。受託者がその権限を濫用することによって受益者が不利益を被らない手当てを講じることが必要であると思っています。 衆議院の法務委員会では、この点についても、忠実義務の任意規定とすることに反対の考え方も出されたようでありますが、信…
○岡田広君 提案理由説明によりますと、信託事務の処理を第三者に委託することができる範囲を拡大するとあります。これは一般に受託者の自己執行義務を合理化したものであると考えておりますが、受託者の自己執行義務につきまして現行法でどのような問題があって、そして今回の信託法案ではどのような改正をしたのか、これについても、具体的な事例等もありましたら示しながら教えていただきたいと思います。
○政府参考人(寺田逸郎君) この点も、実は現行法が少し硬直的に過ぎる、あるいは使いにくいと言われるところでございまして、現行法の二十六条の一項によりますと、受託者は原則として自ら信託事務を処理しなければならないということになっているわけでございます。 しかしながら、この法律の下において、一体どこまで信託事務自体なのかということが必ずしも明らかでないわけでございます。例えば、ビルの管理というものを、先ほど申し上げましたような土地信託が行わ…
○岡田広君 信託目的に照らして相当な場合には、信託行為に定めがない場合であっても委託できるとする規定を削除する考え方の修正案が衆議院の法務委員会では出されたようでありますが、受託者が第三者に対して事務を委託することができる範囲を広げることによって受益者の利益が害されるおそれがないか。信託法案では、自己執行義務を緩和することについて受益者保護の観点からの弊害防止措置をどう講じているのか。局長にお尋ねしたいと思います。
○岡田広君 ありがとうございました。 次に、受益者の権利に関する規定の整備についてお尋ねしたいと思います。 提案理由説明によれば、受託者に対する損失てん補等の請求に加えて違法行為の差止め請求の制度を創設するとあります。信託法案において、受益者の差止め請求に関する規定を新設したのはなぜか。そしてまた、受益者の差止め請求権はどのような場合に使われることになるのか。寺田局長にお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(寺田逸郎君) 先ほど申しましたように、この規定を新設したところでございますが、現行法では、受託者が信託について違反をした場合、法令あるいは信託行為の定めに違反すると、こういうような行為が行われた場合にどういう救済手段があるかと申しますと二つ規定がございまして、一つは、損失をてん補するという義務が課せられるわけでございます。もう一つは、財産の処分行為を取り消すという権利が救済手段としては与えられるわけでございます。 しかしな…
○岡田広君 信託法案において受益者が多数決で意思決定することを認めたこの趣旨についても、寺田局長にお尋ねしたいと思います。