予算委員会 第2号
- 発言数
- 530 件
- 登壇者
- 41 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2026/03/16
会議録
○委員長(藤川政人君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 令和八年度総予算三案審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤川政人君) 御異議ないと認め、さよう取り扱います。 ─────────────
○委員長(藤川政人君) 令和八年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。 本日及び次回は基本的質疑を三百三十一分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党・無所属の会八十二分、立憲民主・無所属七十九分、国民民主党・新緑風会五十分、公明党四十分、日本維新の会三十分、参政党三十分、日本共産党十分、れいわ新選組十分、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(藤川政人君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(藤川政人君) 令和八年度一般会計予算、令和八年度特別会計予算、令和八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 これより基本的質疑に入ります。徳永エリさん。
○徳永エリ君 皆さん、おはようございます。立憲民主党、北海道の徳永エリでございます。今日もどうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。 衆議院での予算案の審議、審議時間が六十時間に届かなかった、五十九時間ということでありました。集中審議も一・五回、そして分科会は開かれなかったということであります。この参議院では、与野党の国対が例年に倣って充実した審議を行うということで合意をいたしております。例年に倣うということになりますと、昨年の本予算の審議は何と約七十四時間審議を行いました。そして、集中審議は衆議院を超える七回も行ったんです。慣行もしっかり守っていかなければなりません。どうか、熟議の府参議院では、課題も山積をいたしておりますので、委員長、しっかり審議時間を確保していただきますように、よろしくお願い申し上げたいと思います。 それでは、質問に入らせていただきます。 中東情勢に関連して、まずお伺いいたします。 ペルシャ湾内で滞留している商船三井所有の日本船舶のコンテナ船が損傷したという報道がありました。原因については調査中だということでありましたけれども、原因は分かったんでしょうか。 また、他国のタンカーや貨物船が攻撃を受け、死者や行方不明者も出ているということでございます。ホルムズ海峡の事実上の封鎖によって多くの船舶がペルシャ湾内に閉じ込められているという状況になっておりますけれども、今、このペルシャ湾内がどうなっているのか、政府はどのように把握しておられるでしょうか。まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) おはようございます。 政府として、ホルムズ海峡をめぐる情勢については、航行の自由及び安全が脅かされている状況、これを深く懸念をいたしております。 現在、ペルシャ湾内には全体で三千隻以上の船舶が滞留しておりまして、ただ、これはタンカーだけじゃなくて、本当にちっちゃな船も含めてということになるんですが、そのうち日本関係船舶は四十五隻、そしてその中の五隻に二十四名の邦人が乗船をしております。 これまで合計で十六件の船舶が被害を受けたと、こういう報道があります。商船三井の船舶についても損傷を受けましたが、乗組員にけがはなく、航行の支障は来していないと、こういった報告も受けているところであります。 機雷の設置の有無等については非常に情報が錯綜いたしておりまして、引き続き重大な関心を持って鋭意情報収集を行っているところであります。
○徳永エリ君 政府はどこからどういうふうに情報を収集しているんでしょうか。その点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 湾岸の各国それぞれ情報を持っております。私も直接やり取りを、カウンターパートの外務大臣等々行っております。それから、関係国たくさんありますので、そういった国々から、今、湾岸の状況はどうなっているかと、また、船舶を所有している組合また企業等々とも緊密に連携を取りながら全体の状況については把握をさせていただいております。
○徳永エリ君 本当に、こういう状況になると、やはりインテリジェンス機能の強化というのは重要だなということを改めて考えさせられます。 今も少しお話ありましたけれども、ホルムズ海峡でイラン革命防衛隊による機雷の敷設が行われたという報道がありました。これを受けてトランプ大統領は、そんなことはないとおっしゃったり、その機雷の敷設をする船舶とかボートを爆破しているような、そんな映像を公開したりしております。 果たしてホルムズ海峡に機雷が敷設されたのかされていないのか、我が国としてはどのように受け止めておられますでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 先ほども申し上げましたが、機雷、本当に航行ができなくなるためには、一個ということじゃなくて、それがかなり、ホルムズ海峡でいいますと三・五キロぐらいの航路の中に何個置かれているかということも重要なんですが、今確定的にどの位置にどれだけが置いてあると、こういった確認は取れておりませんし、実際に機雷をまいたかどうかというのについても情報いろいろ錯綜しておりますし、様々な発表がありますので、そういったものを精査しているところであります。
○徳永エリ君 もし実際に機雷が敷設されたとしたら、当分の間、ホルムズ海峡は安全な航行ができなくなるということですよね。
○国務大臣(茂木敏充君) 今申し上げたように、この航路、ある程度の距離、まあ決して広いわけではありませんけど、そこの中にどういう形で機雷が埋設をされているのかと、このことにもよってくるんじゃないかなと思います。
○徳永エリ君 かつて、ペルシャ湾に自衛隊が派遣されたことがありました。自衛隊法第九十九条に基づきまして、一九九一年の四月二十六日から十月三十日まで、機雷を除去するのに半年も掛かっているんですよね。 どれだけまかれているのか、実際にまかれているのか、そこは分かりませんけれども、最悪の場合、相当長い期間、安全に航行することが不可能なのではないかということを大変に懸念をしているところであります。 さて、先週、中道改革連合、立憲民主党、そして公明党の三党で、大変にお忙しい中、木原官房長官に要請をお受けいただきました、要請をさせていただきました。そのことについて御質問させていただきたいというふうに思います。 外務大臣からもお話ありましたけれども、ペルシャ湾内には、ホルムズ海峡から出ることができず、タンカーなど五十九隻の日本関係船舶が閉じ込められております。外務大臣からは四十五隻というお話がありましたが、これは日本船主協会加盟船舶の数でありまして、日本関係船舶ということになると五十九隻ということでございます。日本人が乗っている船舶は五隻、二十四人おられます。それらの船舶には、共に働き、共に生活をしている千名を超える外国人船員もいるということであります。 ペルシャ湾からいつになったら出られるのか分からず、船舶の航行の安全、船員の命が脅かされる事態に発展しています。これまで船員の方々が想定した中で最も危険な状態だと感じているということも聞いております。 船員の安全の確保、政府は今どのように対応しておられるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(金子恭之君) お答えいたします。 関係団体、日本船主協会も含めて安否確認をやっておりまして、現在のところ、安全な海域に停泊されているというふうに聞いております。
○徳永エリ君 大丈夫でしょうか。本当に安全なんでしょうか。ミサイルが横切っていったとか、他国のタンカーや貨物船が爆破されている、そういったニュースも流れておりますので、大変に心配をいたしております。 イラン・イラク戦争でもホルムズ海峡が封鎖されることはなくて、船団を組んだり護衛されてホルムズ海峡から出ることができたということですけれども、今回はいつ出られるか分からないということですし、本当に不安が高まっていると思います。 さらには、報道されていることが現場の船員の方々に届いているのかどうか分かりませんけれども、我々が報道で見る限りにおいては相当に緊張感が高まっているのではないかというふうに思っておりますので、もっと危機感を持って対応していただきたいと思います。 食料、水、燃料も、もって一か月、しかも、全ての船舶が同じ状況かどうかは分かりません。 そこで、木原官房長官に要望させていただいた内容についてそれぞれ大臣にお伺いしたいと思いますけれども、物資供給体制の構築、長期滞留を想定した場合の食料、水、医療品、燃料などの確保、供給ルートの確保及び運航会社との連携体制の確立。それから、退避体制の整備ですね、長期化、緊迫化した場合の対応措置の検討、関係者との協議、関係国との協力を求めなければなりません。また、海上での緊急退避体制を含む対応措置の検討、手段の確保、これ法律もどういった法律を使って救助するかということも問題になってくると思います。それから、上陸後の陸路での安全地域への退避手段、受入れ施設の事前確保。また、情報提供の強化、関係船舶、運航会社への正確かつ即時の情報提供、二十四時間体制での相談、そして緊急連絡、支援体制の確保、関係国政府及び国際機関との情報交換、連携強化。 やらなければいけないことがたくさんあるというふうに思うんですけれども、まずは国交大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(金子恭之君) お答えいたします。 現下のイラン情勢に鑑み、ペルシャ湾内に入域している日本関係船舶の乗組員におかれましては、大変な御苦労をされているものと承知をしております。また、船舶が損傷を受ける事案が発生している状況を深く懸念をしております。 ペルシャ湾内に入域している日本関係船舶と各運航会社との間では毎日安否確認を実施しており、現在のところ、水、食料の確保や乗組員の健康状態に問題が生じているとの報告は受けておりません。 国土交通省としては、船員及び船舶の安全確保を最優先に、情報収集を徹底するとともに、海路の状況把握等、関係者への情報提供を行ってまいります。
○徳永エリ君 長期化した場合の供給体制はどうなりますか。
○国務大臣(金子恭之君) お答えいたします。 先ほど申し上げましたとおり、水、食料、燃料については必要に応じて現地において補給がなされているとの報告を受けております。また、日本関係船舶と各運航会社との間では毎日安否確認を実施しており、現在のところ、水、食料、燃料の確保や乗組員の健康状態に問題が生じているとの報告は受けておらず、退避に関する要望にも接しておりません。 しかしながら、国土交通省としては、船員及び船舶の安全確保を最優先に、情報収集を徹底するとともに、今後の推移を見守りながら適時的確に対応させていただきたいと思います。
○徳永エリ君 外務大臣、関係国との協力体制、支援の要請、どうなっているでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 今、金子大臣の方から答弁させていただいたように、今、船舶の乗組員の方は退避したいと、こういう御要望はないようでありますが、御案内のように、周辺国に若しくはイランにいらっしゃる方々については、それぞれ安全な陸路での隣国への退避であったりとか、既に、日本にお帰りになりたいという方につきましては、政府として六便のチャーター便手配をいたしまして、千名を超える方、千百四十名ですか、の方々が既に無事に日本に帰国をしております。 同じような形で、退避の要請また出国の要請等々がありましたら、できる限りの対応というか、しっかりした対応を取ってまいりたいと考えております。
○徳永エリ君 防衛大臣にお伺いいたします。 事態が急変する場合もあると思います。そのときには直ちに救助をしなければいけないと、こういうことも考えられます。航空機による救助は多分無理だと思いますし、それから、陸路で退避するとしても、砂漠地帯ですよ、誰がサポートしながらその航空機に乗るところまでたどり着くのか。このサポート体制など、どのようにお考えになっておられますでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) おはようございます。よろしくお願いいたします。 幾つか徳永先生からの御指摘は論点があると思います。航空機、そして船、そしてまた陸路。例えば今回のケースという限定ではなく、一般論として申し上げさせていただきましたら、例えば、海外におきまして邦人等の退避を必要とする事態に至り、商用便での出国等が困難となった場合など、諸般の事情を勘案し邦人の安全確保のための手段として必要と判断される場合には、政府として自衛隊法第八十四条の四に基づく輸送の実施を検討することになります。具体的には、外務大臣から在外邦人等の輸送の依頼があった場合において、輸送に当たり予想される危険とこれを避けるための方策について防衛大臣と外務大臣が協議し、防衛大臣が輸送を安全に実施できると認められる場合に自衛隊法第八十四条の四に基づく在外邦人等の輸送を実施することができます。なお、この輸送を実施する際には、国際法上、派遣先国の同意も必要であります。 いずれにしても、防衛省・自衛隊として、状況を注視しながら、関係省庁と緊密に連携しつつ、いかなる事態に対しても対応できるように万全を期してまいります。自衛隊機も今モルディブで、前方で即応待機をしております。
○徳永エリ君 これまで、このペルシャ湾に滞留している船舶に関しては、官房長官が関係省庁と連絡を取り合って安否の確認とか物資の供給とか対応してこられたようでございますけれども、今各大臣にお話を伺いましたが、やはりその各大臣間の連携というのも大変に重要になってくるというふうに思います。もう今や物資の供給というレベルではなくて、戦争に巻き込まれて、私は本当に命の危険が迫っているというぐらい危機感を持っております。 そこで、総理にお願いなんですけれども、ホルムズ海峡、ペルシャ湾対策関係閣僚会議、こういったものを設置していただいて、船員の安全の確保と緊急時の対策について関係省庁で議論を深め、スピード感を持って対応し、船員の皆さんの安全を確保していただきたいと思いますけれども、検討していただけないでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 御指摘いただいたように、もう既に関係省庁、様々な情報の共有を密に行っております。昨日も、関係省庁集まっておりましたし、また夕方、私もその報告を受けました。 付近の海域の安全のために必要な情報は、これ、日本航行警報ということで、我が国独自の取組として発出もしております。また、現地における食料の流通状況ですとか港湾の稼働状況など、乗組員の皆様が必要とする情報を提供してまいります。 今後、どの会議体でやるか、現在も続けておりますけれども、そうですね、必要に応じて、国家安全保障会議四大臣会合、様々な形で情報共有を行ってまいります。
○徳永エリ君 是非ともよろしくお願い申し上げます。 それから、令和三年には、二〇一九年にオマーン港を航行していた日本関係船舶が攻撃を受ける事案が発生したことをきっかけに、中東地域の航行の安全に関する官民連絡会議、この連絡体制の強化のために設置されています。船舶関係者とも連携をしていただいて、船員だけではなくて、留守を預かっている家族の方、もう本当に心配していると思います。こういった家族の方々の安全にも是非とも努めていただきたいということも併せてお願いをさせていただきたいと思います。 それでは、次の質問に参ります。 私たち立憲民主党とそれから公明党で予算の修正案を検討しようというような話をしているところでございますので、これに関連して少しお話をさせていただきたいと思いますが、原油価格高騰による国民生活への影響です。 ガソリン価格の高騰を受けて、政府は、小売価格を百七十円程度に抑制するために、超える部分に関しては石油元売企業に対して全額補助することを決めました。しかし、原油はドル建てで取引されるので、為替の影響を大きく受けることになります。これ、円安が進むと、同じドル建て原油価格でも円換算の輸入コストが上昇するんですね。円安基調が続けば、原油価格が横ばいでもガソリン価格は押し上げられるということになります。そのことによって、補助金の支出額が膨張することになります。 今、一ドル百五十九円ぐらいでしょうか。これ、百六十円を超えるんじゃないかというふうに言われておりますが、補助に活用される燃料油価格激変緩和対策基金の補助金の支出額が膨らみ、約二千八百億円がこのまま円安が進行すればすぐに枯渇するのではないかと心配をいたしておりますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 今般の緊急的な激変緩和措置につきましては、中東情勢により原油価格が高騰する中で、国民の皆様の生活と経済活動を守るために、燃料油価格激変緩和基金の残高を活用して実施していく予定です。 他方で、中東情勢の先行き、いまだ予断を許さない状況にありますので、現時点で今後の補助金の支給額などの執行見込みを申し上げるというのは困難でございます。ただ、中東情勢、油価の状況を注視しながら、必要がありましたら、その他の予備費の使用状況も見極めた上で今年度の予備費を活用することも否定されるものではないと考えております。
○徳永エリ君 みずほリサーチ&テクノロジーズの服部氏、ガソリン価格が一リットル二百円、かつ販売量が前年と同じ想定で必要な補助金額を試算をしました。三月は十九日以降で一千三百九十五億円、四月以降は一か月当たり二千三百億円から二千五百億円が必要で、二千八百億円は一か月強で底をつく計算となるということであります。 また、服部氏は、今後中東の緊張が長期化すれば、補助金の増加に伴う財政支出の拡大が円安を招き、原油の調達価格が上がりガソリン代も上昇する、補助金の額が増え、更に財政が悪化するという悪循環に陥る可能性もあると指摘をしておりますけれども、この指摘に対してどうお考えになるのか、また、何か対策を打つお考えはおありでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) 今委員から御指摘がございましたように、約二千八百億円の基金残高がありますが、エコノミストの方が御指摘したような試算はおおむねのめどとしては、規模感を見る上であり得るところで、三分の一か月で計算すれば、例えば仮に約三千億円台のものは一千億円台になるので、それはそうでございまして、また、為替の水準につきましては、もう長い予算委員会の中でも、委員よく御承知のように、私の立場でも総理の立場でも水準にはコメントはできませんから。 いずれにしても、G7の財務大臣会合は一番初めに今回の一連のイラン問題で開いておりまして、その為替も含めたマーケットは非常に乱高下していることに共通して懸念を表しておりまして、我々も最大限の緊張感を持って、断固たる措置も含めてそういう姿勢でおりますので、これはこれの問題としまして、あとは年度内の予備費が八千六百億円ありまして、それにつきましては今総理が申し上げたとおりでございます。あとは、できるだけ早く本予算について御理解を賜れば、御賛成をいただくことがあれば、本予算案には一兆円の予備費はあるということは申し上げさせていただきたいと思います。
○徳永エリ君 中東情勢が悪化し、そして原油高が続き、また円安が進行していくということになると、補助の持続可能性の観点から、基金それから予備費というお話もありましたけれども、新たな財源の確保ということも考えなければならなくなるかもしれません。それから、この物価高対策という意味では、決して今物価高対策が十分だとは思わないんですね。特に、住民税非課税世帯、低所得者の方々に対する支援が足りてないと思っております。そういった新たな対策も考えていかなければなりませんので、予算の修正も必要になってくると思いますし、審議時間ももっともっと必要になってくると思いますし、暫定予算のことも考えなければいけないと、そんな状況にもなってくるんじゃないかということを申し上げておきたいと思います。 さて、国民生活にもこの様々な影響が出るわけでありますけれども、農林水産大臣にお伺いをしたいというふうに思います。 農家はこれから春耕、農耕期に入りますよね。一年で一番忙しい時期でありますけれども、一番トラクターなどの軽油をたくさん使う時期でもあります。もう現場からは、農協から軽油、ガソリン、このくらい上がりますよという知らせが来ていて、いや、どこまで上がるんだと大変に心配をしているんですね。 農林水産大臣は、この中東情勢、それから原油高、現場にどのような影響を及ぼすというふうに現時点でお考えでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。 先生おっしゃるとおりで、燃油につきましては、これから春の作業が始まるわけですから、たくさん農業の現場においても消費するということになろうかというふうに思っております。 十一日に高市総理が、このガソリン小売価格を全国平均で百七十円程度に抑制するとともに、軽油、そしてまたA重油などについても同様の措置を講じることを指示をされたところであります。まずは、本対策によって農業で使用する燃油の負担も一定程度は軽減される見込みではないかというふうに考えております。 さらに、農林水産省においては、現時点で、この施設園芸などA重油をたくさん使う分野については補填金をもう既に令和三年三月以降交付をしているところでありますので、こうしたことでしっかり経営支えてまいりたいというふうに考えております。
○徳永エリ君 大臣、影響は燃油だけではないと思いますけれども、肥料はどうなんでしょうか。肥料価格、原料価格が上がるだけではなくて、中東からホルムズ海峡を通って輸入している肥料原料もありますから、供給が足りなくなるんじゃないかと、そういう懸念もありますけど、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。 肥料につきましては、この中東は、先生御指摘のように、肥料原料のうち尿素の主産地域であります。 我が国の調達について見ますと、この尿素についてはマレーシア、ベトナムなどからの輸入が大半を占めておりまして、中東からはサウジアラビアから輸入をしておりますが、我が国向けの全体の五%程度と限定的でありますので、直ちに日本向けのこの肥料の供給に影響があるというような報告は受けておりませんが、ただ、全体としてこの価格がどんどんどんどん上がりつつあるというふうなことはよく認識をしておりますので、取りあえず春の作業に使用する肥料や資材については既にほとんどの農業者が調達済みと考えられておりますが、今後、生産資材、そして肥料、また燃料も、この価格動向はしっかりと注視をさせていただきまして、農業者の皆さんの経営をしっかり支えてまいりたいと考えております。
○徳永エリ君 いや、農水大臣も危機感がないですよね。私はすごく心配していますよ。 昨年は、農家倒産、過去三十年で最多でした。その原因、分かっておられますよね。
○国務大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。 基本的には、農家の皆さんが営農を継続できなかったということは、御高齢によって引退したという方もたくさんいらっしゃると思いますが、一方で、コスト高ですね、様々な資材のコストが高いことによって、結果として、それは価格転嫁なかなかできなくて経営が苦しくなったというような要因もあろうかというふうに思っております。
○徳永エリ君 あるかと思うじゃなくて、それが大きな原因ですよ。もう生産コストが高騰して、収入が増えても、コストを引くと所得は減少している。 生産コストももう四割ぐらい上がっているという、そんな悲鳴も聞こえてきておりますので、もっと危機感を持って取り組んでいただきたいと思いますし、何か新たな対策は検討されるんですか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 今後このイラン情勢、どのように、長期化をするのかどうなのかについては見通しが、見通すことが難しいわけですが、どんな状況になったとしても農業者の経営をしっかりと支えるということは変わりがありませんので、内々の検討も含めてしっかりやらせていただきたいと思います。
○徳永エリ君 またこの件に関しては委員会でしっかりやっていきたいと思っております。 さて、次の質問です。高額療養費制度についてです。 高市政権は、治療の中断や命に関わるという患者さんたちの悲痛な声を受けて、一旦凍結された高額療養費の自己負担額の上限を今年の八月から二段階で引き上げることを決めました。 衆議院でも影響についていろいろ議論がありましたが、特に、物価高で家計が厳しく、病院に行きたくても行けないという高齢者の健康への影響が大変に心配されます。 二〇二六年の年金給付改定額が発表されましたけれども、老齢基礎年金は一・九%、国民年金で月額千三百円しか上がっていないんですよ。これ、まあ千円や二千円ぐらい上がるぐらい大丈夫だろうと思っているかもしれませんけれども、本当に今ぎりぎりのところでやっているわけですから、具合が悪くても病院に行けないというのは、これ現実だと思っております。 高齢者の外来特例も廃止や見直しが検討されています。負担が増えれば受診行動に影響が出ることは否めません。受診できないことで病態の悪化を招いて、そして医療費が更に掛かるということにもなりかねません。 厚労大臣、制度は守れても命を守ることができなければ、これ本末転倒だと思いますけど、いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 高齢者の影響についてお尋ねがありました。 まず、前回の見直しから約十年が経過をしておりますので、全体といたしましては、一人当たりの医療費の伸びを基にいたしまして負担限度額の見直しを行っているところであります。 住民税非課税の高齢者の皆様に関しましては、昨年度そして本年度の年金改定率の範囲内にとどまるように、負担限度額の見直し幅に配慮をさせていただいております。 また、七十歳以上の高齢者の方のいわゆる外来特例でございますが、基礎年金のみで生活しておられる高齢者の負担額は据置きとさせていただいておりますし、厚生年金を受給しておられるものの住民税非課税の方につきましては、年間の負担額が今よりも増加しないようにする年間上限を設定をしておりますので、そうしたことをこれからも丁寧に御説明をしていきたいと考えています。
○徳永エリ君 いや本当に、この数年間の物価高の中で、低年金で暮らしている高齢者の方々がどんなに厳しいかということを本当に分かっておられるのかなと思いますね。 そして、昨年の総額一兆三千六百四十九億円の補正予算の介護・医療パッケージと、診療報酬の三十年ぶりの三%を超える高水準の引上げによって、経営が厳しい病院への支援をしっかりしていただきました。しかし、根本的な解決には至っていないんですよ。つまり、患者数がコロナ前にまだ戻っていないということなんですね。 二〇二五年十月時点では、入院が八・一%、外来が六・九%減少しています。さらに、この物価高で生活が苦しい中で、高額療養費の自己負担額の上限の引上げ、そして外来特例の廃止、見直しということになりますと、更に患者数が減少するということで、病院の経営がますます厳しくなるんじゃないかということも懸念しておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 医療機関に対しましては、委員御案内のとおりでありますが、まず、補正予算におきまして、合計約一兆円規模の支援、これをパッケージとして盛り込みました。また、令和八年度予算におきましては、賃上げ、物価対応といたしまして、診療報酬改定の改定率、本体改定率では三十年ぶりに三%を超える水準の予算を確保しております。 いずれにいたしましても、こうした補正予算、診療報酬、これをしっかり実施をすることによりまして、病院の経営などの支援をしっかりとやらせていただきたいと考えております。 なお、高額療養費制度につきましては、持続可能性の確保あるいはセーフティーネット機能の強化の両立を目指すものでありますので、少し医療機関の経営支援という観点ではございませんが、それにつきましても、先ほど申しましたように、丁寧に説明をしていきたいと考えています。
○徳永エリ君 机上の議論だけじゃなくて、数字だけじゃなくて、やっぱり、このことによって何が起きるのかという想像力を働かせていただいて、もっと時間を掛けていろんな方の意見も聞きながら私は慎重にやっていただきたいなというふうに思っておりますので、そのことはお話をしておきたいと思います。 次です。防衛増税についてお伺いをいたします。 防衛費増額の財源については、二〇二七年度以降に毎年度必要な四兆円分を歳出削減や剰余金、税外収入で三兆円ほど確保し、不足する一兆円強を増税で賄うということです。(資料提示) 今年の四月からは、このフリップを御覧いただきたいと思いますけれども、たばこ税、これが増税となります。それから、法人税も四%上乗せということで増税になるわけであります。そして、来年、二〇二七年の一月からは所得税も一%上乗せ、増税になるということであります。 衆議院でも、復興特別所得税の流用の是非、防衛特別所得税はいつまでと期限もありません、これ恒久化ですよね、新たな負担増にはならないという政府の詭弁、いろいろと指摘をされておりますけれども、法人税、たばこ税、所得税の三税の増税で確保するとしていた二七年度で一兆円強の防衛費、既にたばこ税と法人税で一兆円以上の税収を確保しているということでよろしいですよね。
○国務大臣(片山さつき君) 現行の防衛力整備計画で税制措置により三兆円程度の確保を見込んでいるというのは委員御指摘のとおりで、税制措置の施行時期が令和八年度からになりましたので、この防衛特別法人税、たばこ税の措置並びに防衛特別所得税による財源の確保額は、この令和八年度と九年度で約二兆円弱の見込みとなっております。 したがいまして、現行計画におきまして税制措置による財源確保が防衛特別所得税の創設によって過大になるということはなくて、税制措置が施行されるまでの間、令和五年度で積み立てた防衛力強化基金の取崩しですとか、追加的な税外収入等による財源確保で補ってきたという現実の経緯がございますので、そこで、令和八年度の税制改正法案、今お出ししているわけですが、これに盛り込ませていただいているとおりに防衛特別所得税を創設して、この令和九年の一月から課税を開始することによって、現行の計画において安定的な財政基盤を確保することができる、そのために必要だという、こういう計算になっております。
○徳永エリ君 計算は分かるんですけれども、三税でとしていたところ、もう二税で一兆円以上の税収を確保しているんですから、もう来年のこの所得税増税は一旦凍結した方がいいんじゃないでしょうか。 今、これ中東情勢もあって原油価格も上がっていて、これから国民生活への負担が増大するのではないかという懸念がある。そういう中で、国民の皆さんは少しでもこの負担を抑えたいと思っている中で、防衛税、防衛費の増税、この所得税の増税というのはやはり大変に不安になると思うので、是非とも一旦、この所得税、来年の一月からの増税は凍結する方向で考え直した方がよろしいんではないでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) 今のお話になるんですけれども、税制措置で三兆円程度の確保というのは、現行の今の防衛力整備計画で見込まれているところで、八年度、九年度でまだ二兆円弱でございますから、あと一兆円弱足りないということになりますので、この防衛特別所得税の創設は必要ということでお出ししているんですが、まさに御家庭の負担というお考えがございますので、その足下での負担が増加しないように、復興等の特別所得税の税率を引き下げさせていただくとともに、この財源の総額が確実に確保されるという観点から復興特別所得税の課税期間の方が延長されて、その議論はまた別途あるんですけれども、何とかぎりぎり厳しさを増している安保環境に対応しなきゃいけないと。 今、今日の現実の議論も見まして、厳しさを増している安全保障環境ということは委員におかれても十分御理解があるということは先ほどの質疑で伺いましたが、現下の家計を取り巻く状況という意味では、単年度のその瞬間ではパーセンテージは変わらない状態をつくる形の税制でございまして、あと、復興財源の総額の確保という意味で課税期間が延びるということで、これについてもめどの計算は示させていただいているので、決して恒久ということではないんですけれども、そういう形でのぎりぎりの、ぎりぎりの工夫でございますので、是非御理解を賜りたいと思っております。
○徳永エリ君 復興所得税は十年延びるということでありまして、その防衛特別所得税で一%そこから流用するということでありますけれども、つまり、今、物価が上がって厳しくなるんじゃないかという中で、この一%、ある意味、防衛特別所得税を凍結すると減税になるという考え方もあるんだというふうに思います。いずれまた時期が来れば考えればいいと思いますけれども、取りあえず現下のこの物価高の厳しい状況の中では、もう一兆円この二税で確保しているんですから、考えていただけないかということでございましたので、お受け止めいただきたいというふうに思います。 そして、次でございますけれども、農業についてもちょっとお伺いをしておきたいというふうに思います。ちょっと時間がなくなりましたので。 政府は、二〇三〇年に輸出五兆円目標達成に向けて今その輸出拡大に取り組んでいるわけでありますけれども、現下の農業の現場を見てみますと、今、基幹的農業従事者が減少いたしております。二〇〇〇年には二百四十万人を占めていた基幹的農業従事者が二十年で半減、二〇二四年には百十一万人、このままだと四分の一の、二十年後には三十万人まで減少すると言われているんです。農地面積もどんどん減っています。 総理は水田も畑もフル活用して食料自給率上げるとおっしゃっておりましたけれども、大変にこの農業の生産基盤が弱体しているという状況です。まずやるべきことは、この農業の生産基盤の弱体化、これをしっかり食い止めて強化することだと思いますけれども、農林水産大臣、最後に御答弁お伺いして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(鈴木憲和君) 食料安全保障の確保を図るためには、大切なことは、やはり生産基盤も含めて供給力の確保をしっかりと図っていくと同時に、需要もしっかりと拡大をしていくということが大事であろうかと思いまして、その両方を伸ばしていくことによりまして稼げる農林水産業を創出することが重要であるというふうに考えております。
○徳永エリ君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(藤川政人君) 以上で徳永エリさんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(藤川政人君) 次に、広田一君の質疑を行います。広田一君。
○広田一君 立憲民主・無所属会派の広田一でございます。どうかよろしくお願いを申し上げます。 まず、日米首脳会談についてお伺いをいたします。 十九日から首脳会談が開催をされるところでございます。今般のイラン情勢を踏まえて、世界が注目する会談になると考えます。そのイラン情勢について、トランプ大統領との信頼関係に基づいて、高市総理におかれましては、トランプ大統領の真意を確認をしてもらいたいなというふうに思います。総理も、突っ込んだ議論をしてみたい、こういうふうな旨を述べられているわけでございますけれども、日本の今の国益が懸かった重要な会談でございます。この首脳会談に向けての決意と基本方針についてお伺いをいたします。
○内閣総理大臣(高市早苗君) まず、イランによる核兵器の開発は決して許されないというのが我が国の一貫した立場です。その上で、我が国として、これまでの関係国などとも連携しながら、イランの核問題の解決に向けた外交努力を行ってまいりました。 日米首脳会談におきましては、このイラン問題を始めとする中東情勢、厳しさを増す国際情勢についても、我が国の立場や考えを踏まえてじっくりと議論を深めてまいります。
○広田一君 総理はこれまでイラン情勢について、早期の鎮静化を図っていきたい、そういった旨の答弁をされておりますけれども、この早期の鎮静化とは一体どういう意味なのか、そして、これについてトランプ大統領に求めていくのか、お伺いします。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 攻撃の応酬が継続化して地域全体の情勢が悪化している中、今何より大事なことは事態の早期鎮静化を図っていくことです。 三月十一日にG7首脳オンライン会議に出席しました。日本の立場も説明するとともに、事態の早期鎮静化に向けて関係国と緊密に連携して対応するということを確認しました。 日米首脳会談においても、やはり早期鎮静化に向けた日本の考え方、それから立場、そういったものを踏まえてしっかりと議論をしてまいりたいと思っております。
○広田一君 総理、早期の鎮静化とは一体どういうことなんでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 既に二週間以上にわたって攻撃の応酬が続いて、人的、物的被害が拡大して、エネルギー安定供給への懸念が深まっているということです。 早期の鎮静化というのは、これ、G7の首脳会議、また外務大臣レベルでも意思疎通をしておりますけれども、互いにエネルギーの安定供給、これが確保できること、そしてこの攻撃の応酬が収まる、そのためにしっかりとした外交努力、もちろん我が国からイランに対する働きかけも続けておりますので、まず、ホルムズ海峡が平和な安全な状況になること、湾の中に閉じ込められている船舶、こういったものが退出できること、そして、まず、エネルギー安定供給への懸念が深まっているこの状態をとにかく解決できる、そういったことであろうと思っております。
○広田一君 先ほど答弁があったんですけれども、それはつまり、アメリカとイラン、これ停戦合意をすること、これが鎮静化というふうに解釈してもいいんでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) アメリカ、イランのみならず、イスラエル、イラン、アメリカ、こういったことであろうと思っております。
○広田一君 じゃ、それについて、トランプ大統領にそういったもろもろおっしゃった鎮静化について要求、要望するという理解でよろしいんでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 日米首脳会談の詳細について現時点で明らかにすることはいたしません。
○広田一君 具体的なこと、つまびらかにしてほしいというふうに言っているわけではありませんけれども、総理が繰り返しておっしゃっている早期の鎮静化、またG7でも共有をしているというふうに先ほどおっしゃったとすれば、これ当然のことながらトランプ大統領にも求めるべきではないでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) ちなみに、G7の首脳会談にはトランプ大統領も出席をしておられました。(発言する者あり)
○委員長(藤川政人君) 高市早苗内閣総理大臣。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 鎮静化を働きかけるべきではないかということですが、御指摘の点も含めて、国益に沿うように適切に対応いたします。
○広田一君 もう一点確認したいと思いますけれども、早期の鎮静化というのは、米国の軍事作戦、これが完了したということも含まれるんでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 先ほどから総理答弁しておりますように、今、攻撃の、相互の攻撃の応酬というのは継続している、この状況が基本的には止まる、その止まり方として、委員おっしゃるような停戦もあると思いますし、違ったやり方もあると思いますが、この攻撃の応酬がなくなり、そして、ホルムズ海峡航行の安全が確保され、エネルギーの安定供給も図られる、こういう状況だと考えております。
○広田一君 確認ですが、エネルギーの安定供給、これが始まるまで事態は鎮静化していない、こういう判断になるんでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 相互に関連している問題だと思いますが、事態の鎮静化、そしてまた、エネルギー安全保障含めて、ホルムズ海峡、これが安全に通航できる状況と、これを確保される、これが確保されることが極めて重要だと考えております。
○広田一君 それは鎮静化ということの定義でしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 細かい意味でいいますと様々な状況というのがあると思うんですが、大きくはそういった問題だと思っております。
○広田一君 その上で、高市総理にお伺いしたいと思うんですけれども、米国は、イランに対する先制的、予防的武力行使の理由について、イランからの差し迫った脅威を排除し、アメリカ国民を守るためといった旨の主張をされているように承知をいたしております。 よって、この首脳会談において、この差し迫った脅威の根拠、理由、これについて確認すべきというふうに考えますが、高市総理の御所見お伺いします。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 日米首脳会談における個別の議論について予断することは差し控えさせていただきます。 その上で、日米首脳会談において、イラン問題を始めとする中東情勢、厳しさを増す国際情勢についても我が国の考えをしっかりと伝えていきたいと思っております。 法的評価については、米国及びイスラエルの攻撃に関する国際法上の評価については、我が国同様確定的な法的評価を行っていない場合も含め、各国の立場は様々です。また、専門家の間も含めて国際社会において様々な議論が行われているということを承知しております。日本は、その詳細な事実関係を十分把握する立場にないことから、確定的な法的評価は行っておりません。(発言する者あり)
○委員長(藤川政人君) 御静粛に。
○広田一君 総理、法的評価についてはまだ私、質問はしていないんです。そういう中で十分な把握ができていないというふうな御答弁が今ございました。だからこそ、首脳会談において、イランからの差し迫った脅威とは一体何なのか、その根拠、理由についてトランプ大統領にきっちりと聞くべきではないでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 三月一日に行われた中東情勢に関する国連安保理緊急会合における米国の主張、それからまた、三月十日付けの、これは書簡ですね、米国、国連常駐大使発の安保理議長宛ての書簡における米国の立場については承知をいたしております。 その上で、早期鎮静化に向けて我々がやるべきことも含めて、国際法上の法的評価について議論をするというつもりはございません。その上で、我が国の立場をしっかりと伝えるということになります。アメリカは、アメリカなりの国連憲章上の法的評価については、もう既に安保理に対して明らかにしております。
○広田一君 総理、法的な根拠については議論をしないというふうなこと、これについて、私は今後の国会のまた議論になるんじゃないかなというふうに思うところでございます。 そうした中で、やはりそれも含めて、なぜ今回米国が武力攻撃に転じたのか、イランからの差し迫った脅威、これについては、やはり国民の皆さんに総理の言葉から説明する責任があるというふうに私は思う。だからこそ確認すべきではないでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 先ほど申し上げました国連安保理の緊急会合において米国政府が説明したこと、それを超える内容について説明を求めて、聞けるんであれば詳細な情報を聞いてまいります。
○広田一君 是非とも詳細な説明を求めるよう強く要請をするところでございます。 その上で、先ほどの差し迫った脅威とも関係するんですけれども、今回、米国が武力攻撃をしたタイミングなんですけれども、これ実はイランとの核協議が交渉中になされたわけでございます。これは私は、外交上の信義上、信義則から考えても適切ではないというふうに思うところでございます。このタイミングでの武力行使、これに関する高市総理の御認識と、なぜ重要な交渉中に武力攻撃に踏み切ったのか、これについてトランプ大統領に真意を問うべきだというふうに考えますけれども、御所見お伺いします。
○国務大臣(茂木敏充君) 米国とイランとの間の協議、これ平和的な解決に向けて極めて重要だということで日本としても支持をしてきておりましたが、実際にオマーンが仲介に入ったりカタールが仲介に入ったりしまして、その状況も聞きましたが、そこの中で、協議についてこれからしっかり続けていこうという考えと、なかなか協議は難しいなと、こういう考えがありまして、当事者でありませんので、その協議が継続中であったかどうかについて確定的に日本として申し上げることは差し控えたいと、こんなふうに思っております。
○広田一君 茂木大臣のお考えは理解しました。 高市総理はどうでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 今外務大臣が申し上げたとおりでございます。
○広田一君 是非とも総理の言葉で頂戴したいというふうに思っておりました。 それで、総理は先ほど、日米首脳会談で今回の武力攻撃における法的な根拠については議論しないというふうなことでありましたけれども、さすれば、詳細なこともお聞きするということでございましたので、訪米後、諸般の事案を勘案しました上で速やかに法的な評価をされるのか、それとも、今後も法的評価については差し控える考えなのか、この点についてお伺いします。
○内閣総理大臣(高市早苗君) まず、米国は、イランは、米国及びイスラエルを標的とした一連のいわれのない武力攻撃、国連憲章違反及び中東全域における国際の平和と安全への脅威について責任を負う旨を述べた上で、米国は国連憲章第五十一条に基づきこれらの脅威に対処するための合法的な行動を取ったと説明していると承知をしております。 また、三月十日付け国連常駐代表発の安保理議長宛ての書簡で、今回の攻撃は、イラン政権による継続的な脅威に対処するために国連憲章第五十一条に反映される固有の自衛権を行使し、必要かつ均衡の取れた措置を行ったものである旨、説明をしております。 今もう各国、その国際法的な評価、これを明らかにしようとする動きよりも、もうこの事態の早期鎮静化、ホルムズ海峡の安全確保、こちらの方に議論が移っておりますし、確定的な法的評価をしている国というのは非常に少ないと考えております。
○広田一君 総理、二点確認したいと思うんですけど、今総理が御説明になった米国の主張、これは総理は支持をされるんですか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) これは米国の主張でございます。支持をするとかしないとかいうことではなくて、またさらに、ワシントンDCで詳しい話が聞けるかもしれませんし、支持をするとかしないとかいうことよりも、我が国は我が国の国益をしっかり守っていくと。国民の皆様の安全を守る、生活を守るためにできることを我が国の判断でやるという、今そういう状況だと考えております。
○広田一君 そうであれば、総理、今我が国が守るべき国益について説明ください。
○内閣総理大臣(高市早苗君) いかなる状況であっても国民の皆様の生命、財産を守る、ひいては我が国の国益を確保していく、これが政府の最も重要な責務です。 現下の情報を踏まえれば、まず邦人保護に引き続き万全を期すこと、エネルギー安全保障の確保が重要だと考えております。エネルギー安定供給のための対策についても既に第一弾を打ったところでございます。それから、積極的な外交努力も今続けております。
○広田一君 総理、その中に法の支配をこれからも守っていく、これは日本の国益なんでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 高市内閣の外交の柱はFOIPでございます。これは、自由、民主主義、法の支配、これを柱として、できるだけこの同志国を広げていく取組でございます。
○広田一君 つまり国益だということですね。
○内閣総理大臣(高市早苗君) この共通の価値観を持つ仲間を増やしていくということが、ひいてはインド太平洋地域の安定にもつながり、平和にもつながっていく、まさに我が国の国益だと考えております。
○広田一君 国益ということであれば、今回のこの米国の武力行使についても、法的な評価しなければいけないのではないでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 総理の方から国益、直接的に言えば、国民の生命、財産を守り、また、直近でいいますと、エネルギーの安定供給、こういったことを確保することによって、日本経済、さらには家計を守っていくということになると思いますが、国益、非常に広い概念でいいますと、そういった平和で安定した国際秩序をつくっていくと。そのために、自由、民主主義、法の支配、こういったものをインド太平洋地域、さらには世界全体に広げていくということも結果的には日本の国益につながるものであると、こんなふうに考えております。
○広田一君 先ほど茂木大臣の方から御答弁がございましたけれども、これについての総理の考え方をお伺いします。(発言する者あり)
○委員長(藤川政人君) 片道方式ですので、不必要な発言は控えてください。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 今外務大臣から説明がございました。総理として違う答弁をするつもりはございませんので、同じだと考えてください。
○広田一君 閣内一致ということで理解をしたところでございますけれども、しっかりとこういったことについても米国にきっちりと御主張してもらいたいなというふうに思うところでございます。 それでは次に、国益の一つである、先ほど徳永議員の方からも御質問がございました、ペルシャ湾に閉じ込められております日本関係船舶五十九隻の安全と乗組員二十四名の命を守るため、これまた望ましい安全保障環境をつくっていかなければなりません。 これについて、昨日のNHKの報道では、トランプ大統領が、ホルムズ海峡安全確保へ、日本を含む関係国が艦船を派遣することに期待を示したというふうにされます。現状、つまりイランとの交戦状態が続いたままで米国を主体とする船舶護衛活動は、私はかなりリスクが高いというふうに思うところでございます。 ただ一方、G7やトランプ大統領の発言を踏まえますと、今般の日米首脳会談で米国側から船舶の護衛活動への参加検討を求められる可能性が高いというふうに想定されますけれども、その場合どのように対応されるんでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) まだ求められておりませんので、仮定のことにはお答えしにくうございます。 日本政府として、必要な対応を行う方法を現在検討中です。もちろん、日本の法律の範囲内ででございますけれども、どのように日本関係船舶及びその乗員の命を守っていくか、何ができるかということを検討中でございます。
○広田一君 総理、その検討の中に、日本関係船舶の護衛、それに伴う自衛隊の派遣というものが含まれているんでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) 今、広田先生から自衛隊の関係の派遣についての御質問がありましたのでお答えをさせていただければ、現時点で、自衛隊の派遣、こういったことは考えておりません。そして、何よりも重要なことは、何よりも、先ほどから繰り返し鎮静化という言葉がありますけれども、この鎮静化に向けたあらゆる努力を外交努力も含めて行っていくことだと思っております。 その上で、現時点の現下の情勢ということではなくて、一般論としてお話をさせていただければ、例えば日本関係船舶の保護については、海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持のため特別の必要がある場合、海上警備行動を発令することが可能であり、この際、日本関係船舶を保護することが制度上は可能であります。 ただ、今般のイラン情勢をめぐる時々刻々と変化している状況があることから、実際にこうした行動を自衛隊が取るか、あるいは取れるかという仮定の質問への回答は差し控えさせていただきます。 ただ、大臣として、もちろん、自衛隊の活動に対しては、自衛隊員の安全確保を万全を期すと、そして、隊員や隊員の御家族の皆さんを万全に送り出せるような、そういった環境を整えなければいけませんから、活動を広く展開すればいいと、そういったものではありません。
○広田一君 関連してお伺いしますけれども、今出ました海上警備行動とは一体何なのか、そして、それに伴う調査研究も併せてどういうふうな仕組みなのか、お伺いします。
○国務大臣(小泉進次郎君) 今、二点御質問がありました。一つ一つお答えさせていただきます。 まず調査研究は何か、そしてもう一つが海上警備行動とは何か、こういったことですので、最初にこの調査研究からお答えさせていただきます。 防衛省設置法第四条第一項第十八号に定める所掌事務の遂行に必要な調査及び研究は、防衛省・自衛隊が艦艇、航空機などを用いて情報収集や警戒監視などを行うことができることを法律上明らかにするために設けられているものです。これが一点目です。 二点目の海上警備行動につきましては、自衛隊法第八十二条に定める海上警備行動は、海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持のため特別の必要がある場合、自衛隊の部隊に海上において必要な行動を取ることを防衛大臣が内閣総理大臣の承認を得て命ずることができるものであります。 以上、説明になります。
○広田一君 確認なんですけれども、海上警備行動、これは警察権の行使という理解でいいんでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) そのように理解しております。
○広田一君 警察権だと武器の使用に関して厳しい制限が掛かるというふうに思いますけれども、その内容について説明ください。
○国務大臣(小泉進次郎君) 海上警備行動の説明については先ほど申し上げたとおりでありますが、法理上は、我が国領域外であっても、海上警備行動を発令をして自衛隊が日本関係船舶を護衛することは排除されません。他方で、国又は国に準ずる組織に対しては我が国の警察権が及ばないことから、これらに対処することを前提として、海上警備行動を発令して我が国領域外に自衛隊を派遣することはありません。 そのような前提の上で、あくまで純粋な法の解釈に係る一般論としては、国又は国に準ずる組織からの侵害が予期されないことを前提として、海上警備行動に基づき自衛隊が行動している場合において、万が一、国又は国に準ずる組織からの侵害行為が自衛隊が行動している現場において予期せず発生した場合には、自己又は日本籍船を防護するため、言わば自己保存のための自然権権利として武器の使用を行うことは排除されません。 ただし、繰り返しになりますが、海上警備行動は我が国の警察権の行使であることから、警察権の及ばない相手方に対処することが想定される場合に、海上警備行動を発令して自衛隊に対応させることはありません。
○広田一君 小泉大臣、その御答弁はちょっとこれから質問する予定だったところの答弁なんですけれども、その前に、警察権の行使ということで、武器の使用についてはすごく制限されるということを国民の皆さんに理解してもらいたいんです。 つまり、警察官職務執行法が関わってくるというふうに思うんですけれども、この点について御説明願います。
○国務大臣(小泉進次郎君) 恐らく、今の点は通告がなかったんですけれども、多分、広田先生がおっしゃりたいことは、要は警察比例の原則かどうかということだと思いますが、そういったことからすれば、先ほど私が申し上げたとおり、この海上警備行動というのは、いわゆる警察権の行使として行うものであります。 そして、武器の使用が認められるケースかどうかということについては、先ほどちょっと私が質問先取りだったというお話がありましたが、るる述べさせていただいたとおり、自己保存、そのための自然的権利として武器の使用を行うこと自体は排除はされないと。ただ、これは、この海上警備行動が警察権の行使でありますから、警察権の及ばない相手方に対処することが想定される場合に、海上警備行動を発令して自衛隊に対応させるということはないということは改めて明確に申し上げておきます。
○広田一君 後段の部分についてちょっと後でまた議論をしたいというふうに思うんですけれども。 大臣、要するに、自己保存というふうなことと同時に、いわゆる正当防衛と緊急避難、こういったことはできるという理解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) 先ほど申し上げたとおり、この武器の使用に関しては説明をさせていただいたとおりであります。そして、隊員の命を守るために万全の体制を整えた上で、自衛隊を仮にこのような任務に当たらせるということがあれば、自衛隊の隊員の安全確保、これはもちろんのことであります。
○広田一君 是非とも安全確保は大事であります。 そして、大臣、ちょっと確認したいんですけど、先ほど海上警備行動の発令についてはまだ検討していないというふうな旨の答弁があったというふうに思いますけれども、そのとおりなんでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) 先ほど申し上げたのは、一般論として、海上警備行動ができるできないという観点から説明させていただいたものであります。 現在のイラン情勢の中で、海上警備行動の発令について今何ら考えていることはありません。まず何をおいても、この鎮静化、こういったものについての外交努力が行われること、そして、先ほどの徳永先生の御質問にあったような、今現地にいらっしゃる邦人の保護や輸送、こういったことについて万全の体制を取ることを政府全体として取り組む中で、防衛省としてやるべきことをしっかりと備えてやっております。
○広田一君 今明確にですね、検討していないというふうな答弁があったんですけれども、これに関連してお伺いします。 現状の中東情勢に関する閣議決定というものがあるんです。これ、令和七年十一月七日にされました。題名が「中東地域における日本関係船舶の安全確保に関する政府の取組について」でありますけれども、この内容について御説明願います。
○国務大臣(木原稔君) 過去の閣議決定ということですので私の方から答えさせていただきますと、御指摘の令和七年十一月七日の閣議決定ですが、中東地域における平和と安定及び日本関係船舶の安全の確保のための我が国独自の取組を定めた令和元年の閣議決定の期間延長などを行ったものであります。 その令和元年の閣議決定の内容を申し上げると、中東の緊張緩和と情勢の安定化に向けた更なる外交努力、関係業界との綿密な情報共有を始めとする航行安全対策の徹底、情報収集態勢強化のための自衛隊の艦艇及び航空機の活用について、政府一体となった総合的な施策を関係省庁が連携して実施することとしております。
○広田一君 官房長官、この閣議決定の中に、不測の事態が発生するなど状況が変化する場合の対応策がございますけれども、ここで言う不測の事態とはどのような事態を想定されているんでしょうか。
○委員長(藤川政人君) 不測の事態に対する御答弁はどちらが。
○国務大臣(小泉進次郎君) 今の点については事前の通告をいただいておりませんが、(発言する者あり)いや、今の時点ではありません。不測の事態についてはありませんが、この今の閣議決定の中で自衛隊がどのような活動をすることとされ、当該文書に基づいてどのような活動を行っているかというのが私に対する通告なのです。なので、それを多分御説明をさせていただくのが結果としていいのではないかなと思うんですが、そういったことではないんですね。 じゃ、まあ多分、立たせていただいているので、御説明をさせて、いいですね、ありがとうございます。 ということで、今の閣議決定につきまして、自衛隊は、政府の航行安全対策の一環として日本関係船舶の安全確保に必要な情報を収集することとされており、令和二年一月以降、現在に至るまでの間、オマーン湾、アラビア海北部及びバブ・エル・マンデブ海峡東側のアデン湾の公海において、護衛艦及び固定翼哨戒機により情報収集活動を実施してきたところであります。
○広田一君 大臣、その御説明では現状の活動の地理的範囲についての御答弁だったというふうに思いますが、私が質問しているのは、閣議決定があります不測の事態、これ一体どういう事態なのか、具体的に御説明を願います。
○国務大臣(小泉進次郎君) 先ほどから広田先生の各、私に限らずいろんなやり取りを聞いていますと、一般論としての不測の事態を考えられているのか、それとも技術的な部分の理解の中でのあれなのかは、ちょっと想像がなかなか付きにくいんですが、事態の発生場所やその状況など個別具体の状況を踏まえ慎重に判断することとなるため、一概に不測の事態はこれだと申し上げることは困難であることも御理解ください。
○国務大臣(木原稔君) 不測の事態の発生など状況が変化する場合の対応に関する御質問でございますが、不測の事態が発生するなど状況が変化する場合には、関係省庁は連携して状況の把握に努め、相互に緊密かつ迅速に情報共有するとともに、政府全体としての対応を強化するということであります。 その上で、当該状況への対応としては、自衛隊による更なる措置が必要と認められる場合には、自衛隊法第八十二条の規定に基づき、海上警備行動を発令して対応いたします。当該発令に際しては、迅速な意思決定に努めることとしております。(発言する者あり)
○委員長(藤川政人君) 木原内閣官房長官。
○国務大臣(木原稔君) これ、一般論として、不測の事態というのは、それを規定した当時に想定していなかった事態というのが不測の事態ということであります。
○広田一君 官房長官、ちょっと若干、禅問答みたいな感じになっているんですけど。 さすれば、今般の状態なんですけれども、先ほど来議論ございますように、イランによるホルムズ海峡の封鎖により、日本関係船舶が五十九隻、日本人二十四名が極めて危険な状態にあります。これ、明らかに不測の事態ではないでしょうか。極めて深刻な状況の変化でもあります。この点についてはどうでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 不測の事態が発生するなど状況の変化がある場合にということで、確かに今、状況様々動いておりますが、それが不測の事態であるかどうかについては、今時点で確定的に、これはもう不測の事態であると、こういう事態だからと言うことは難しいんだと思います。
○広田一君 総理、済みません、さすれば、じゃ、今のこのホルムズ海峡の状態というのは想定内のことだったんでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 委員が今質問されている閣議決定というのは、オマーン、アラビア海北部及びバブ・エル・マンデブ海峡東側のアデン湾の三湾海域の公海について、これ自衛隊が実施している、今も実施している情報収集活動に関するものだと思います。ですから、ここでホルムズ海峡が入っていないということでございます。 現状については不測の事態に当たるんでしょうけれども、この閣議決定の内容がカバーしている範囲はホルムズ海峡は入っていない。ですから、それに対して不測の事態かどうかという答え方はできないんです。
○広田一君 実はこれも後で議論しようと思っているんですけれども、この地理的範囲というふうな自衛隊の活動についてはそうなんですが、しかしながら、この閣議決定が係っているのは中東地域なんです。つまり、イランも含めたそういった中東地域に係っている事態でございますので、そういうふうなことを考えれば、不測の事態というものが今発生しているわけでございますので、これに基づけば、閣議決定に基づいて、やはり海上警備行動をどうするのか、その是非について検討すべきではないでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) 海上警備行動について、今具体的に自衛隊の派遣などについて考えていることはないと言ったのは、先ほど私が申し上げたとおりであります。 そして、今総理がお話をされたとおり、この閣議決定について広田先生お尋ねをされていますが、総理が言ったとおり、地理的範囲として自衛隊が情報収集活動をやっている中に、この閣議決定はペルシャ湾やホルムズ海峡を含んでおりません。ですので、後で質問しますということがあったんですけど、やり取りを聞いていますと、その質問をした上で議論させていただいた方がかみ合う議論ができるのではないかなと思っていますが、今私がこれ以上話してしまうとまた先取りになってしまうので、それはいいのかなというちょっと遠慮もありまして、(発言する者あり)いいですか、ありがとうございます。 でありますれば、恐らく、じゃ、なぜ広田先生はその範囲にペルシャ湾、そしてホルムズ海峡が含まれていないのかということも思いとしてあると思いますので、基本的な考えがあった上で、なぜ当時このホルムズ海峡若しくはペルシャ湾を含まなかったのかと。 こういったことについてのお話をさせていただければ、当時、自衛隊の情報収集活動の地理的範囲について政府として検討を行った結果、ホルムズ海峡からペルシャ湾に至る海域において、日本関係船舶の航行が集中する分離航路帯は主にイラン、オマーンを含む沿岸国の領海内であること、そして、もとより領海における船舶の安全な航行の確保には領海に主権を有する沿岸国が大きな役割を有していること、また、領海内における情報収集活動は、沿岸国から無害通航に該当しないと主張され得ること、そして、ペルシャ湾及びホルムズ海峡の情報については、アメリカや沿岸国を含む関係各国との連携を通じて一定の情報収集が可能であると見られること、こういったことを総合的に勘案し、ペルシャ湾、ホルムズ海峡においては自衛隊の情報収集を行わないとしたものであります。
○広田一君 大臣から今、含まない、ホルムズ海峡とペルシャ湾を含まないという御答弁があったわけでございますけれども、やはり、今のこの中東情勢の危機的な状態、ペルシャ湾に日本関係船舶が五十九隻、本当に閉じ込められている、こういうふうな状態を考えたら、まずは閣議決定、これを変更して、ペルシャ湾、そしてホルムズ海峡、これも地理的な対象範囲にすべきではないでしょうか。今、パネルの方も示したいというふうに思いますけれども。(資料提示) 現在はオマーン湾のところまで来ているわけでありますので、是非ともアメリカ、イラン、オマーンの理解を得てこの地理的範囲を広げるべきだというふうに思いますけれども、御所見をお伺いします。
○国務大臣(小泉進次郎君) まず、御指摘の閣議決定に規定する海上警備行動の発令につきましては、個別具体的な状況に応じて判断する必要がありますため、一概にお答えすることは困難であることを御理解ください。 そして、広田先生のお考えは、この閣議決定を変更して、地理的範囲をペルシャ湾、そしてホルムズ海峡まで広げて自衛隊をそこで活動させるべきだというお考えかもしれませんが、現時点で、やはり事態の鎮静化に向けた外交努力をしっかりと尽くすこと、そして、何度も繰り返し防衛大臣としての職責として申し上げさせていただきますが、やはり、あらゆる活動において自衛隊員の安全確保を万全に考えた上でなければ軽々に判断できることではありませんので、そういったことについても御理解いただければと思います。
○広田一君 そのことを理解した上で高市総理にお伺いをしたいんですけれども、先ほど小泉防衛大臣の方は、海上警備行動については今検討していないというふうなことでございましたが、今、米側から、このホルムズ海峡を通航する船舶の護衛、これに参加しないかというふうな話が出てくる可能性、極めて高いわけでございます。 そうすると、日本としては海上警備行動を使ってそれに参加することはないというふうに理解をするんですけれども、それでよろしいんでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 今、政府としては、ホルムズ海峡をめぐる情勢について重大な関心を持って情報収集を続けております。今後の対応について、予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきます。 日本としてどのような対応が可能か、法的観点も含めて総合的に検討を行っている最中でございます。
○広田一君 総理、ですから、法的な観点から検討をしているというふうにおっしゃっているんですけれども、それについて、このホルムズ海峡の民間船舶の護衛をする際に海上警備行動を発令するというのは検討の中に入っていないという理解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) 先ほど私が申し上げましたとおり、現時点で、やはり事態の鎮静化に向けた外交努力などが行われるということがまず大事なことだと思います。 そして、徳永先生の質疑でもありましたが、機雷などについての様々な情報も錯綜しております。あのやり取りの中で仮に機雷がまかれたらという話がありましたが、機雷というのは、まかれたかもしれないと、こういったことを思わせるだけで一定の効果を生じ得る、そういった戦略的な活用がされ得るものでもあります。 ですので、この情報収集、そしてその事の真偽、こういったことについても極めて難しい中で、様々な事態というのは、もちろん政府ですからあらゆる事態に備えるのは当然でありますが、一定の仮定を置いて、そして軽々にリスクなども勘案せずに、自衛隊が活動できるからということをもってできるかどうかということを判断することはありません。 やはり、安全確保をしっかり第一の上で、法的にできることと自衛隊がすべきかどうかということは、しっかりとした情報収集に基づいてやらなければならないと考えております。
○広田一君 大臣のおっしゃるとおりだというふうに思います。ですから、私も軽々に言っているつもりはありません。しかも、私言っているのは仮定の話ではないんです。極めて現実的に問われる、想定しなければならない事態だというふうに思うからなんです。 しかも、米国が、一緒になって船舶防護をやっていこう、こういうふうに要求される可能性もあるわけでございますので、そういった場合に国内法的にどのように対応をするのかということについては、まさしくあらゆる事態を想定して検討すべきではないでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) これも大変、ここまで言いたいことは出ているんですけれども、恐らく、いや、次の御質問の回答を私はしてしまうのではないかという思いがあるので、これ、先生用意されているパネルもありますので。 じゃ、元大臣の河野大臣の答弁などに基づいたああいったことというのはまだ言わない方が。これは発動していいことなんですか。(発言する者あり)はい。 であれば、これ、恐らく広田先生は河野元防衛大臣の答弁を引きまして、この国家主体が直接間接に関与している可能性が極めて高い情勢、こういったことについてかつての質疑がありますので、ここを基づいて御質問されていると思うんですが、当時は、この仮定した御質問の下で、仮定についてのお答えは差し控えた上で、当時の河野大臣は、あくまで一般論として海上警備行動の法律上の要件について述べたものと認識をしています。 ですので、当時の質疑のこの海上警備行動のやり取りと現時点での一般論としての海上警備行動に係る考え方に変化はありません。
○広田一君 大臣、それについてなんですけれども、じゃ、現状認識をどうするのかというふうな議論をしなければいけないというふうに思っております。 この議論は、令和元年の十一月十五日の衆議院の安保委員会で、当時の立憲民主党の篠原豪議員が御質問をされたわけでございます。これについて若干申し上げると、日本が関係する船舶が海上交通を脅かされるという事態の背景には、米国とイランの間の一触即発の軍事的緊張があると。そういった中で、船舶等への攻撃には国家主体が直接間接的に関与している可能性があるというふうな状況でございます。 今のこのペルシャ湾の状況を見て、そして今の段階で日本が日本関係船舶の護衛に当たるというふうになると、こういった事態になる蓋然性が私は極めて高いんだろうというふうに思うわけでございます。よって、今回のこの件について、海上警備行動を発令する可能性があるというふうに一般論としては述べているわけでありますから、これを想定され得る現実の事態に即してどう政府として整理をされているのか、この点について御答弁を願います。
○国務大臣(小泉進次郎君) 海上警備行動についての整理というのは、先ほどから何度もお話をさせていただいているとおりであります。ただ、今の状況に即してどのようにするかというのも、もう今ニュースを見ていればお分かりだと思いますが、毎日事態が動いていますよね。なので、日々、時々刻々と動いている中で、一定の固定のケースを置いて仮にこうであったらということではなくて、やはり今情報収集を鋭意進めて、その中で、このことだったら海上警備行動を発令をするという、その固定的なお話をすることができる状況にないことは御理解いただければと思います。
○広田一君 そうすると、大臣、海上警備行動の発令について、じゃ、検討しているということですね。
○国務大臣(小泉進次郎君) 発令を検討しているということを言っているわけではありません。現時点で自衛隊を派遣をすることは考えておりません。 ただ、その中で、海上警備行動は、海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持を目的として、公共の秩序の維持として行ういわゆる警察権の行使として行うものであり、法理上は、我が国領域外であっても、海上警備行動を発令して自衛隊が日本関係船舶を護衛することが排除されないと、こういった法的な整理をお話をさせていただいております。 ただ、これも何度も申し上げますが、このことを取り上げて、じゃ、これやるんだなと言われれば、全くそういったことはありません。この自衛隊が法的にできることと現時点においてやるべきこと、これは別のことでありますので、冷静な御理解をいただけることを期待をしております。
○広田一君 その上で、現実的に即してするときに、やはり情報収集活動、これがなくして海上警備行動ができるかできないかというふうな判断はできないというふうに私は考えるわけであります。 そういった意味で、先ほどパネルにもございましたように、ペルシャ湾そしてホルムズ海峡、こういったところに対しての情報収集の範囲を広げる、これはやはり、あらゆる事態に想定をした場合に必要なことではないでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) その広田先生の考えが、閣議決定を変更して自衛隊が活動できる範囲内を、この三海峡、今のオマーンとかバブ・エル・マンデブとかこういったことに加えて、ペルシャ湾そしてホルムズも加えるべきだということが御主張だとすれば、それは広田先生のお考えだとして承ります。 ただ一方で、現時点で鎮静化に至っていないとすれば、そこの任務に仮に行うとした場合は、自衛隊員のリスクも含めて考慮するべき材料は多くあります。 防衛大臣として、やはりどのような任務でも同じですが、これは一般論でありますが、自衛隊の安全確保抜きに任務を遂行し、それを命令するつもりはありません。
○広田一君 その大臣の答弁踏まえて高市総理にお伺いしたいというふうに思うんですけど、そうであれば、今回の米国主導のチームに護衛艦を派遣をすることはできないということになると思うんですけれども、高市総理の御見解をお伺いします。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 護衛艦の派遣ということについても、まだ一切決めておりません。 今、日本国独自として何ができるか、法的な枠組みの中で何ができるか、昨日もそうでございました、おとついもそうでございましたが、様々関係省庁も集まっていただいて、私自身もいろんな指示を出しながら検討を続けているということでございます。
○広田一君 済みません、先ほど小泉大臣の御答弁を踏まえると、米側から日本国の護衛艦のホルムズ海峡への派遣、これを検討してくれというふうに言われても現時点ではそれはできないというふうな結論が導かれるというふうに私は小泉大臣の答弁を聞いたら理解したんですけれども、高市総理はどうなんでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 先ほど、海上警備行動について委員がお尋ねだったと思います。これは、内閣総理大臣の承認、閣議決定を得て防衛大臣が発令するものでございます。 ただ、結果として、相手方として国又は国に準ずる組織が想定される場合には、これは派遣はできないということになります。
○広田一君 総理、そうすると、海上警備行動を発令する場合は、国又は国に準ずる組織が想定される場合にはできないというふうなことであれば、事態の鎮静化ということがない状況においてはペルシャ湾等への自衛隊の派遣はないと、こういう理解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) 先ほどから聞いていると、私がお答えさせていただいていることと少し広田先生の受け止めが違ったのかなと思うのは、私がお話しさせていただいているのはこれからの日米首脳会談を前提にした話ではありません。あくまでも我々は、海上警備行動を基づいた議論を、自衛隊をつかさどる防衛省、防衛大臣としてこのような法的整理になっている。そして、個別具体的な事例に基づいては、今は仮定のことについては詳細にお答えすることはできませんと。ただ、お答えをさせていただけるならば、法的整理はこのようになっておりますという話をさせていただいているので、総理がこれから向かわれる日米の会談に向けてこれができるできないというお話をしているわけではありませんので、そこを御理解いただきたいというふうに思います。 そして、この海上警備行動について度々、広田先生からお話がありますが、これは、繰り返しになりますけれども、海上警備行動は我が国の警察権の行使でありますから、警察権の及ばない相手方に対処することが想定される場合に、海上警備行動を発令して自衛隊に対応させることはありません。
○委員長(藤川政人君) 今の見解について。もう一度。
○広田一君 高市総理の見解を頂戴したいと思います。
○委員長(藤川政人君) 広田委員、申し訳ない、大臣の答弁が割と尺ありましたので、もう一度簡潔に。(発言する者あり) じゃ、まず木原稔内閣官房長官から整理をした上で答弁願います。
○国務大臣(木原稔君) これまでの御議論は、さきの閣議決定に基づいてこれまで自衛隊が実施したいわゆる情報収集活動の範囲というのが、先ほど総理が言われたように、オマーン海、アラビア海北部及びバブ・エル・マンデブ海峡東側のアデン湾、この三地域に限定していたので、ペルシャ湾とかホルムズ海峡は含まれていないので、その後どうするかということに起因していると思いますが、その当該閣議決定の下での自衛隊の活動の地理的範囲、今申し上げた範囲というのは、これは中東地域における平和と安定及び日本関係船舶の安全の確保という、そういう目的に照らして、その当時ですね、その当時の船舶の通航量や、また関係国の取組の状況等を踏まえて、その当時、総合的に勘案した結果に基づいた地理的範囲ということになります。 その上で、政府として、今回そのホルムズ海峡をめぐる情勢については、これは政府として重大な関心を持って今情報収集を続けているところであり、今後米国との対談、会談においてどのようなことになるか、これは相手からまだ何も言われていない状況の中で予断を持ってお答えするというのはなかなか難しいということでございます。(発言する者あり)
○委員長(藤川政人君) 広田一君。今の、答弁です。(発言する者あり) 委員長としての指名とさせていただきます。 御静粛に。
○広田一君 自分自身が聞いていることは仮定の話ではないんです。これまで様々な情報に接して、これは求められる可能性が極めて高い、つまり想定しなければならない事態ではないかなということであります。 ですから、高市総理に明確な御答弁、つまり、海上警備行動を発令をして日本関係船舶の護衛をする、米国から求められた場合にですね、そういうことも想定をされて今後対応していくのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 今も仮定の御質問だと思います。そういうことが想定される中ということでございます。 日本としては、米国から求められてということではなくて、日本が独自に何をすべきか、法的な枠組みの中で何ができるかということを、もうここ数日、本当に真剣に各省議論をいただいております。その中で最適な判断をさせていただきます。
○広田一君 その御答弁を踏まえてお伺いをしているんです。 日本が独自の責任で、そして国内法に照らして判断をしていく。そして、今ペルシャ湾に閉じ込められている日本関係船舶守らなければいけない。そのために、仮に自衛隊が派遣をするとなれば、どういった根拠法に基づいて、海上警備行動をお取りになろうかと思いますけれども、そういう検討はやはり不断にしなければいけないんじゃないかな、そして、しているんですね、そういう確認の質問であります。
○内閣総理大臣(高市早苗君) いたしておりますね。機雷除去のケース、船舶防護のケース、また、各国軍、よその国の軍に対する協力が必要な場合のケースなどを含めて、先ほど委員がおっしゃった情報収集、これは閣議決定で範囲を広げればいいと、そういったケースも含めて全て、根拠法、そして今起きていること、日本でできること、できないこと、こういった整理は行っております。それに応じて、しっかりと私が責任を持ち、それで閣議で決めなきゃいけませんから、関係省庁で議論の末、これは決めてまいります。
○広田一君 そうすると、海上警備行動の発令の是非についても検討しているということですね。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 先ほど私が申し上げましたように、仮にこれを私が承認をし、防衛大臣が発令をした場合に、やはり相手方として国又は国に準ずる組織が想定される場合というのは派遣ができない、こういうことになっております。非常に法的には難しいということです。 現行法の範囲内で何ができるのかと、何を今行うのがベストなのかということをしっかりと検討するとともに、今はとにかく事態の鎮静化に向けてイランにも働きかけを続けております。各国とも情報交換をいたしております。そのような状況の中にございます。
○広田一君 この点についてはまた議論したいというふうに思うんですけれども。 こういった中で、やはり日本を始めとする中東に原油の依存率の高い国々、例えばインドとか韓国、フィリピン、タイ、ベトナム、シンガポール、こういった諸国があろうかというふうに思いますけれども、これは同様に今回のホルムズ海峡危機で大変な深刻な影響を受けている国々でございますので、そういったことと連携をして、アメリカ、イランに対応する新しい国際的な枠組み、これをつくるべきだというふうに思いますけれども、高市総理の御所見をお伺いします。
○国務大臣(茂木敏充君) ホルムズ海峡における航行の安全の確保を含みます中東の平和と安定の維持は、エネルギー安全保障の観点から、日本、そして広田委員がおっしゃった国々も含め、国際社会にとって極めて重要であります。 日本としてイランに申入れを行っているということは既に申し上げましたが、日本はこれまで、ODAであったりとかOSAを通じて、東南アジア諸国を始めとするシーレーン沿岸国の海上保安能力であったりとか海洋安全保障能力の向上支援を行いまして、航行の自由にも貢献をしてきたところであります。このような我が国の従来の取組も踏まえて、今般の事態を受け、日本としていかなる役割が果たせるか、こういうことについて関係国とも連携してしっかりと考えていきたい。 あくまで、総理も強調しているように、どこかの国から言われてやるというよりも、日本の判断として、日本の国益上何がいいか、またどの国と一緒にやっていったらいいか、こういったことを判断していくことになると思います。
○委員長(藤川政人君) 時間が参っております。
○広田一君 はい。 以上で質問を終了します。どうもありがとうございました。
○委員長(藤川政人君) 以上で広田一君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(藤川政人君) 次に、小沢雅仁君の質疑を行います。小沢雅仁君。
○小沢雅仁君 立憲民主・無所属会派の小沢雅仁でございます。 まず、先週三月十一日、東日本大震災から十五年の節目を迎えました。 それぞれ、牧野大臣、ちょっと質問をしたいと思いますが、通告しておりませんけれど、先週、十五年の節目を迎えて、牧野大臣も高市総理もそれぞれ被災地の方に訪問して慰霊式に参加をされておりました。その節目である十五年を迎えた所感というか受け止めを、それぞれ牧野大臣、高市総理からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(牧野たかお君) お答えをさせていただきます。 先週、私は、宮城、岩手の方に行かせていただきました。 岩手の方では十五年の式典にも出させていただきましたけれども、そのときに申し述べさせていただきましたけれども、十五年たって、インフラとして整備が進んできた岩手、宮城の状況を述べましたけれども、ただ、インフラ側の整備が進んでも、心のケア、そうした問題はまだ中長期的な課題として残っていると。そして、福島については原発事故のまだ影響が残っていて、帰還をしたくてもまだ帰還できていない方が大勢いらっしゃると、そういうことを申し述べた上で、まだ復興は道半ばといいますか、まだ途中であると思っております。 これから全力を挙げて、とにかく帰還を希望されている方には、除染をしたり生活環境の整備をしたり、とにかく一日でも早く戻っていただけるような我々は取組を全力でやっていきたいと思っております。
○委員長(藤川政人君) では、総理からもよろしいですか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 私は、福島に伺ってまいりました。 やはり原子力災害があった地域とそうでないところでは随分これは復興に掛かる年数も違いますし、まだまだこれ先が長い話だということはよく分かりましたし、帰還を望んでおられるけれども裏山の線量が高いとか、それから、帰還をしてくださるかどうか分からないけれども荒れた農地がある、そこを除染しても、その後担い手がおられるのかどうか分からない、そういった課題もございますが、もう帰還をされると、その農地を、じゃ、自分たちで頑張ってみよう、そういう主体がおられましたら、これはもう国として全面的に応援をしていくということでございます。 先ほど牧野大臣も触れられたとおり、やはりインフラの整備を進めても、もういわれのない、もう心の本当に傷ついた、そして一生忘れ得ない経験をされたわけですから、心のケアという問題もこれは長期にわたって取り組むべきだと思いました。
○小沢雅仁君 ありがとうございます。 十五年たちました。節目でありますけど、区切りではないと思います。私も、災害復興特の理事として、一緒になって被災地の復興に引き続き取り組んでまいりたいと思います。 それでは、早速質問に入りたいと思いますが、今日は、労働基準関係法の見直しについて、働き方改革について質疑をしたいと思います。 まず、厚生労働省にお伺いします。労働基準法第一条と第二条を御紹介いただき、その趣旨をお答えください。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 労働基準法第一条でございますが、第一項で、「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。」、第二項で、「この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。」とされております。 労働者に人間、人格として価値ある生活を営む必要を満たすべき労働条件を保障するのを宣明したものと理解をしております。
○小沢雅仁君 この労働基準法を上野厚労大臣はどのように理解をされていますか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 労働基準法の基本理念等につきましては今し方局長からお答えをしたとおりでございますが、労働基準法は、労働者が人たるに値する生活を営むために必要な労働条件の最低基準を定めたものであると認識をしております。 具体的には、労使の交渉力の違いなどを踏まえ、法律によって最低限の基準を設け、労働基準法の適用を受ける労働者は全て、この法律を下回る労働条件で雇用されたとしても、この法律に規定された最低基準まで自動的に労働条件を引き上げる、そのような法的効果を持たせる、それとともに、労働基準監督官制度を設けることによりまして、履行の確保を図り、労働者の最低労働条件の確保を実効性あるものとするものだと承知をしております。
○小沢雅仁君 ありがとうございます。 皆さんのお手元に資料が配られたと思います。二ページを御覧いただきたいというふうに思います。 現在、労働政策審議会で働き方改革見直しの議論が続けられていますが、そもそも働き方改革関連法の制定がされることとなった経緯、その立法目的を上野厚労大臣に伺います。
○国務大臣(上野賢一郎君) お答えいたします。 平成三十年に成立をいたしましたこの働き方改革関連法でございますが、働く皆さんの健康を確保しつつ、その意欲や能力、これを発揮できる環境を整備するものであったと認識をしております。特に、時間外労働の上限規制につきましては、働く方の健康確保を図ることや、あるいは女性や高齢者を含め労働者が働きやすい環境を整備するためには長時間労働の是正が必要である、そのような考え方が示されたことを踏まえまして、当時の労使が合意をした水準を踏まえ、罰則付きで時間外労働の上限を定めることとしたものであるというふうに承知をしています。
○小沢雅仁君 今、立法目的が説明がされましたけれど、当時、過労死ということが極めて社会問題として大きくクローズアップされました。社会全体が働き過ぎによる悲惨な過労死、過労自死を撲滅することが目的でもあったのではないでしょうか。上野大臣、もう一度お伺いします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 働き方改革につきましては、当然ながら、働くことで命を落としたりあるいは健康を損なうことがあってはならないというふうに考えております。引き続き、そうした趣旨を踏まえ、過労死等の防止対策に取り組んでいくことが必要だと考えております。 働き方改革につきましては、週六十時間以上の長時間労働が減少傾向になったなど一定の成果が見られるところでありますが、引き続き、そのような趣旨を大切にしながら、過労死等の防止対策に取り組ませていただければと考えています。
○小沢雅仁君 資料三ページを皆さん御覧ください。 右側の上の表に労災請求件数がありますが、減っているんではなくて増えているんですね。上野大臣、では、過労死やこの労災件数が減少していない、特に通告はしてありませんけど、大臣としてどのように捉えていますか。是非考え方を聞かせてください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 先ほど申しましたように、一定の成果、長時間労働の是正等の成果はあるのですが、例えば、過重労働による脳・心臓疾患の労災認定件数、これ長期的には増減を繰り返しているんですけれども、令和四年度以降は増加傾向にございます。また、精神障害の労災認定件数も増加傾向にあるということがあるわけでございますので、そうした事態、我々としてもしっかり重く受け止めて、先ほど申しました過労死等の防止対策にこれからも力を入れていかなければいけないと考えています。
○小沢雅仁君 過労、この労災請求件数というのは減っていなくて増えているんですね。ですから、その六年前の働き方改革のこの実効性というものもしっかり問われなければならない、その上での今回の働き方改革の議論でなければならないと私は強く申し上げておきたいと思います。 そこで、二〇二一年六月に公表された裁量労働制実態調査について、この附帯決議が付されておりますけれど、参議院厚生労働委員会でどのような附帯決議が付されたのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 平成三十年六月に、御指摘の参議院厚生労働委員会で決議をされました働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案に対する附帯決議の十八では、「裁量労働制については、今回発覚した平成二十五年度労働時間等総合実態調査の公的統計としての有意性・信頼性に関わる問題を真摯に反省し、改めて、現行の専門業務型及び企画業務型それぞれの裁量労働制の適用・運用実態を正確に把握し得る調査手法の設計を労使関係者の意見を聴きながら検討し、包括的な再調査を実施すること。その上で、現行の裁量労働制の制度の適正化を図るための制度改革案について検討を実施し、労働政策審議会における議論を行った上で早期に適正化策の実行を図ること。」とされたところでございます。
○小沢雅仁君 その上で、皆さん、六ページを御覧ください。 この労使であらかじめ定めたみなし労働時間と実労働時間の一日の平均時間数、外れ値を除くと、その時間数の差を具体的に厚生労働省に伺いたいと思います。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 厚生労働省が令和元年に実施をいたしました裁量労働制実態調査の適用労働者調査における外れ値を除いた集計結果では、一日の平均実労働時間は九時間三分、一日の平均みなし労働時間は八時間十四分となってございます。
○小沢雅仁君 今説明がありましたとおり、一時間弱長くなっているんです、実労働時間が。一か月で二十時間、一年で二百時間超、これだけ長くなっているんですね。 健康確保とともに、その時間分の割増し賃金が支払われていない、こういう実態がある。これ厚生労働省の実態調査ですよ。こういうことも改善されていない中の、また働き方改革のこの議論ということでございます。 なぜこのような実態になっているのか、厚生労働省、答えられる範囲で答えてください。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 裁量労働制は、御案内のとおり、実労働時間ではなく、みなし労働時間を労使で定め、そのみなし労働時間に対して労働時間規制を適用し、その分、実労働時間の世界においては、働く方の裁量を生かし、めり張りのある働き方を実現する、こういう趣旨の下に設けられた制度でございますが、実態としまして、みなし労働時間と実労働時間の間に一定の不一致がある。そのケースは様々でございますけれども、一部その裁量労働制が想定するような裁量が労働者に実際に与えられていないなど、制度の趣旨に合わない運用が一部に見られる、こういった御指摘もあるところであり、そういったケースがこのみなし労働時間と実労働時間の差に関係しているものというふうに考えております。
○小沢雅仁君 長時間労働になりやすい実態が明らかになっているんですね。 この実態調査の結果に基づいて、労政審の労働条件分科会で議論が行われ、二〇二二年十二月に報告が取りまとめられました。この報告に基づく二〇二四年改正の趣旨と主な内容について上野大臣にお伺いします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 労政審における議論を行った結果、対象業務の追加を行うとともに、制度の適切な運用を図るための改正を行ったものと承知をしております。 具体的には、銀行や証券会社における、いわゆるMアンドAアドバイザーの業務を専門型の対象業務に追加をいたしました。また、労働者が理解、納得した上での制度適用ということから、本人同意や、あるいは同意の撤回の規定を整備をいたしました。また、労働者の健康確保のための健康・福祉確保措置の選択肢の追加、また、労使委員会の機能強化などといった見直しを行ったところであります。
○小沢雅仁君 二〇二四年四月に施行されたばかりです。まだ二年たっておりません。効果検証など、施行状況について網羅的な調査は実施されましたか。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 裁量労働制実態調査は令和元年に実施したものでございまして、令和六年四月に施行いたしました御指摘の裁量労働制の見直しについては、施行状況に関する調査は現時点ではまだ行っておりません。
○小沢雅仁君 行っていないということなんですね。ですから、この裁量労働制の運用の適正化の取組が現場レベルで徹底されているかどうか必ずしも明らかじゃないんですね。 資料七ページを御覧になっていただいていると思うんですけれど、拡充や緩和は長時間労働につながる懸念が非常に大きいということでございます。到底認めるわけにはいかないというふうに思っております。 そこで、そういう中で、経済団体が主張するような緩和を行うことになってしまえば、まさしく健康被害を増やしかねないのではないんですか。上野厚労大臣と高市総理にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、先ほど申し上げましたが、働くことで命を落としたり健康を損なうことはあってはならないわけでありますから、引き続きこの過労死等防止対策に取り組んでいきたいと考えております。 その上で、裁量労働制でございますが、これは適正な運用が行われますと、労使双方にとってメリットのある働き方が実現ができる。その一方で、制度の趣旨に沿っていない運用がなされた場合には、労働者の健康確保や処遇確保の観点から問題があるとも指摘をされておりますので、こうした点も含めて検討していく必要があると考えております。 今後、日本成長戦略会議の下に設けられます、設けられた労働市場改革分科会や厚労省の審議会において、運用、制度の両面から議論を進めていきたいと考えています。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 今厚生労働大臣が答弁をした、全く同じ答弁でございます。
○小沢雅仁君 そうした中で、法施行からおおむね七年、先ほどの冒頭ですけれど、過労死はなくなっておりませんし、労災請求も過去最高です。 二〇一八年度と二〇二四年度における死亡事案の請求件数と認定件数、それと、脳・心臓疾患、精神障害の請求件数と認定件数、それらの傾向について厚労省に伺います。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 過労死の労災補償状況につきまして、二〇一八年度の請求件数は四百五十四件、労災認定件数は百五十八件であり、二〇二四年度の請求件数は四百五十七件、労災認定件数は百五十九件でございます。 また、脳・心臓疾患全体の、これ亡くなった方以外も含めて全体の請求件数は、二〇一八年度は八百七十七件、労災認定件数は二百三十八件でございます。二〇二四年度の同じ請求件数は千三十件、労災認定件数は二百四十七件でございます。 精神障害全体の請求件数は、二〇一八年度は千八百二十件、労災認定件数は四百六十五件であり、二〇二四年度の請求件数は三千七百八十件、労災認定件数は千五十七件でございます。 二〇一八年度と二〇二四年度を比較いたしますと、過労死に係る労災認定件数は〇・六%増加、脳・心臓疾患全体の労災認定件数は三・八%増加、精神障害全体の労災認定件数は一二七・三%増加となってございます。
○小沢雅仁君 皆さん、聞かれてどう思いますか。こんなような状況で、非常にその客観的なデータからも健康被害は過去最高なんです。 もう一度、上野厚労大臣、このことについてお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、このような状況を我々としてもしっかり受け止めながら、その要因等について分析をこれからも進めていくことが必要だと考えております。 その上で、やはり厚生労働省といたしましては、長時間労働が疑われる事業場への監督指導、これを徹底をしていく、あるいはメンタルヘルス対策の推進やハラスメントの防止対策の徹底、そうしたことに努めているところでございますが、引き続きそうした対策をしっかりとやっていくことが大切だと考えています。
○小沢雅仁君 余りにも緊張感が足りないんじゃないですか。これだけ増えているんですよ。こんな中で働き方改革を緩和していくなんということは到底考えられません。そうじゃありませんか。 そこで、資料、別添で付けております五年の総点検の結果概要というものが配られているというふうに思いますけれど、上限規制の一つである月八十時間を超えて働きたいとの回答割合を含めて、どういう希望の状況になっているのか、厚生労働省が点検した調査でありますので、厚労省、お答えください。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 今月五日、厚生労働省におきまして、働き方改革関連法施行後五年の総点検の調査結果を公表いたしました。 労働者の労働時間の増減希望につきましては労働者へのアンケートで調査を行っておりまして、労働時間を増やしたいと回答した割合は約一〇・五%、このままでよいが約五九・五%、減らしたいが約三〇・〇%となっており、このうち、増やしたいという一〇・五%の内訳を見ますと、週所定労働時間三十五時間以下で年収二百万円未満の方が約三・四%、週所定労働時間三十五時間超又は年収二百万円以上で月八十時間の範囲内で労働時間を増やしたいとされる方が約四・九%、同じく上限を超えて労働時間を増やしたいという方は約〇・五%でございまして、パートタイム的に働いていらっしゃる方とフルタイム的に働いている方で上限の範囲内で労働時間を増やしたいという方の二類型が多いという結果となったところでございます。
○小沢雅仁君 御覧になって、まあ皆さん、ちょっと字が小さくて申し訳ないと思いますが、御覧になっていただいたとおり、希望される方というのは非常に少ないんですね、少ない。現状のままでよいという企業も二百一社。減らしたい、七十三社。増やしたいという企業の中でも、やっぱりこの歩合制のトラックドライバーが労働時間を増やしたいという希望がある一方で、長時間を望まないとの企業の声があるということなんですね。 こういう状況の中で、何というんでしょうか、働き方改革を進めるということは、緩和をする、労働規制の緩和を検討するというのは不要じゃないんですか。もう一度、上野大臣、高市総理に伺いたいと思います。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今し方委員からも御紹介いただきました調査でございます。 まず、これは、時間外労働の実態と上限規制との間に隙間がある、かねてからそういった御意見があったわけでありますが、隙間があって規制の範囲内で労働時間を増やしたい、そうした意見がこれまでからもあったと承知をしておりますけれども、この結果を見ますと、そのような実態が示されたと受け止めております。 何より大事なのは、やはり心身の健康の維持であり、これは大前提だと考えております。総理からも度々、過労死認定ラインでもある上限規制を超えるなどということは決して言いませんと答弁をされているところでありますが、当然私も同じ考えであり、働き方の実態とニーズを踏まえて今後とも議論を進めていくことが必要だと考えています。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 立て続けに厚労大臣と私に聞かれますと、持っている答弁書、内容が一字一句同じでございますので大変難しゅうございますが、とにかく、働くことで命を落としたり健康を損なうことがあってはならない、これが大前提です。 やはり、裁量労働制、適正な運用が行われればメリットありますけれども、そうでない、制度の趣旨に沿っていない運用がなされた場合には本当に厳しい状況になると思います。 このほか、日本成長戦略会議に委員から提出された資料には、裁量制で働きたい労働者が三三%に対して、裁量労働制で働いている労働者が一・六%というものもございます。これは、特に、めり張りを付けて自分のペースで働ける、また知識や経験、スキルを伸ばせる、場合によってはこれ、就労時間が短くても一定額の裁量労働手当がもらえる、成果に応じた処遇が受けられる可能性があるという前向きな捉え方をしていらっしゃる方もおいででございます。 とにかく健康第一ということは徹底してまいりたいと存じます。
○小沢雅仁君 ちょっと違う観点で質問したいと思います。 副業、兼業の実態、資料の八ページを御覧いただきたいというふうに思いますが、厚労省にお伺いしますけれど、この調査の結果、本業、副業とも正社員、本業正社員、副業非正社員の割合は何%であったのか、副業する理由として回答が高かったことも含め、お答えください。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 独立行政法人労働政策研究・研修機構が令和六年七月に公表いたしました副業者の就労に関する調査によりますと、まず、副業と本業の就業形態につきましては、本業、副業共に非正社員である方が三二・九%、本業が正社員で副業が非正社員の方が一九・五%でございました。 また、副業する理由についてでございますが、多かった回答といたしましては、収入を増やしたいからが五四・五%、一つの仕事だけでは収入が少なく生活自体ができないからが三八・二%、自分が活躍できる場を広げたいからが一八・七%等となっております。
○小沢雅仁君 このように、こういう理由があるということでありますけれど、そうなるということであれば、この現状に対して直接かつ効果的な対策は賃上げを含めた処遇改善なんです。それと正規雇用への転換、これをまず最優先にやるべきことが今求められている一番重要なことなんです。そういうふうに私は思っておりますが、厚生労働大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(上野賢一郎君) 委員から御指摘いただきましたとおり、非正規雇用労働者の処遇改善も含めて、物価上昇を上回る賃上げ、これが継続をするための環境整備を行うことが政府の役割だと考えています。 厚労省といたしましても、労働市場の幅広い賃上げニーズに対応できますように、令和八年度予算におきましても、賃上げ支援の助成金パッケージを取りまとめ、生産性向上などを通じた労働市場全体の賃上げを支援しているところでございますので、関係省庁一丸となってこうした環境整備に取り組むことが必要だと考えています。 また、非正規雇用労働者の処遇改善に向けて、希望する方々の正社員への転換支援、あるいは同一労働同一賃金の遵守徹底などにも引き続き取り組んでいきたいと考えています。
○小沢雅仁君 割増し賃金規制について伺いたいと思いますけれど、割増し賃金規制というのはどのような趣旨で設けられたのか、厚労省に伺いたいと思います。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 割増し賃金規制でございますが、御案内のとおり、法定労働時間を超える時間外労働に対しまして一定の割増し率を労働基準法で定めているものでございます。 この趣旨としましては、一つには、割増し賃金率を設定することによって通常の勤務時間とは違う特別の労働に対する労働者への補償をすること、もう一つは、使用者に対し経済的負担を時間外労働に対して課すことによりましてこれを抑制することを目的とする、こういう制度であると理解しております。
○小沢雅仁君 そのとおりですね。長時間労働を抑制する目的も含まれていると。 そういった意味では、この割増し賃金も含めた労働時間通算規定というのは、これは私は堅持するべきだというふうに思いますけれど、この点についての上野厚生労働大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(上野賢一郎君) お答えいたします。 副業、兼業時の割増し賃金に係る労働時間の通算についてでございますが、労使から様々な御意見を頂戴をしております。 健康確保のための労働時間通算規制を残すことを前提に見直しを図るべきだという意見がございますが、その一方で、副業、兼業を行わざるを得ない非正規雇用の方が多く、副業、兼業時の労働時間通算、労働時間の通算、割増し賃金規制の遵守徹底を行っていくべきだという御意見がございます。これにつきましても、働き方の実態とニーズなどを踏まえまして、労働政策審議会等におきましても議論を進めていきたいと考えております。
○小沢雅仁君 是非、この通算ということをしっかりと堅持していくということで議論を進めていただきたいと思います。 そんな中で、三ページを皆さん御覧ください。先ほど来の労災請求件数もありますけれど、不払残業、いわゆるサービス残業も非常に多い実態が右下の表に出されております。 日本の割増し率は二五%、先ほど、長時間労働を抑制する目的でありますけれど、更に長時間労働を抑制させるためにも、私は五〇%に引き上げるべきだと思います。大臣、どういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 割増し賃金率の引上げにつきましても労使双方から様々な御意見を頂戴をしておりますので、実態あるいはニーズ、あるいはこれまでの経緯等を踏まえて検討をする必要があろうかと考えております。
○小沢雅仁君 もう一つ、一点聞きたいことがあります。 日本成長戦略会議、それと労働市場改革分科会ですね。昨年から、この厚労省の諮問機関である労政審と労働条件分科会、これの構成、有識者、労働者代表、使用者代表のそれぞれの人数構成を、厚労省、教えてください。
○政府参考人(辺見聡君) お答え申し上げます。 労働政策審議会の公益代表委員、労働者代表委員、使用者代表委員の構成につきましては、本審はそれぞれ十名の計三十名、労働条件分科会はそれぞれ八名の計二十四名となっております。 日本成長戦略会議の労働市場改革分科会につきましては、労働市場改革について幅広い分野の知見を有する方々に構成員のお立場で御参画をいただいているものであり、労働者代表、使用者代表として御参画いただいているものではございませんが、構成員十一名のうち、使用者団体の日本商工会議所、日本経済団体連合会からそれぞれ一名の計二名、労働者団体の日本労働組合総連合会から一名に御参加をいただいているところでございます。
○小沢雅仁君 今ありましたとおり、使用者代表は二名、労働者代表は一名なんですね。なぜ労働者代表が一人なんですか。これは是非、上野厚生労働大臣が分科会の会長、そして成長戦略会議の方は高市総理が議長を務めております。お二人からそれぞれ理由をお聞かせください。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、労働市場改革分科会におきましては、我が国の経済の成長を実現する観点から、生産性の高い分野への円滑な労働移動、あるいは働き方改革を含めた労働市場改革について検討を進めていくこととしておりますが、そのために幅広い分野の知見を有する方々に構成員のお立場で御参画をいただくものでございます。 労働市場改革分科会において御意見を頂戴した上で、広く御意見を頂戴して議論を行った上で、各制度の具体的な議論につきましては、先ほど局長からお話のありました公労使三者で構成される労働政策審議会において議論を進めていくこととしております。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 日本成長戦略会議では、十七の戦略分野について供給及び需要の両面にアプローチする多角的な観点からの総合支援策など、多岐にわたる政策について御議論をいただきます。先ほどの労働市場改革も含む八つの横断的課題についての解決策も含まれますが、その点については厚生労働大臣が答弁したとおりです。 政府として、日本成長戦略会議の御議論も踏まえて、労働市場改革に関連して具体的な制度改正を検討する場合には、厚生労働省において公労使の三者で構成された労働政策審議会の議論を踏まえて検討することになります。この審議会は、御承知のとおり、労使十名ずつということで、同数でございます。
○小沢雅仁君 それで、やはりいろんな意見を聞くということは極めて重要だというふうに思いますが、やはりこの根底は労働基準法改正に向けての議論なんですね。その足場となるその成長戦略会議やまた分科会の中で、労使、使用者側と労働者の人数が違うというのは、これは冒頭確認しました労働基準法第二条、労働条件は労働者と使用者が対等の立場において決定するということになっているんです。その根底となる議論の中に労働者と使用者の数が対等でないというのは、これは私は問題だと思います。 是非、労働者代表をもう一人ずつ増やしていただきたいというふうに思いますが、これは高市総理に是非お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(城内実君) お答えします。 是非御理解いただきたいのは、日本成長戦略会議のこの構成員、これ有識者につきましては、労働界に加えまして、やはり様々な危機管理投資、戦略投資を議論する場でありますので、幅広い有識者の方々に御参加いただくことが適切ということで、労使同数となっておりません。 したがいまして、労働政策審議会、労働条件分科会、これは私が理解している限りでは、ILO条約の精神に基づいて三者構成そして労使同数となっているというふうに理解しておりますが、あくまでもこれは官民連携で投資をこれからどうやっていくかという議論でございますので、それがまさに日本成長戦略会議であり、かつ労働市場改革分科会なのでありますが、ただ、いずれにしましても、厚生労働省におきまして公労使の三者で構成されました、今申しました労働政策審議会などの議論も当然踏まえつつ検討することになるというふうに認識しております。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今し方、城内大臣から御答弁があったとおりでございますけれども、この分科会におきましても、労働者側の代表からの御意見というのは当然十分にお伺いをしていくことになります。その上で、最終的には、先ほど申し上げましたとおり、労政審の議論を経て具体化に向けて取り組む形になりますので、その点につきましても御理解をいただければと思います。
○小沢雅仁君 いずれにしましても、やはり労働者の代表をやっぱり対等にするべきだということはあえてもう一度申し上げたいというふうに思います。そのことを強く指摘しておきたいと思います。 いずれにしても、この労基法改正から六年が経過した働き方改革でありますけれど、先ほど来指摘しているとおり、様々な問題がいっぱいあるんですね。本当に一部の人のその希望というか、に基づいてこの緩和をしていくということは、更なる長時間労働の助長、また過労死を含めた労災認定の申請件数の増加ということに私全くつながっていくというふうに思います。 今やらなければならないのは、逆に、法規制強化と実効性確保が必要であります。そのことをきちんと労働政策審議会、また分科会でしっかりと議論をして、国民、労働者の命を守る、そういう議論にしていただけるよう強く求めて、次の質問に入りたいと思います。 質問の順番をちょっと、申し訳ありません、入れ替えさせていただいて、子供の自殺対策について先に触れたいというふうに思います。 極めて残念なことでございますけれど、昨年の小中高生の自殺者は五百三十二人と統計以来最多になりました。主要七か国、G7のうち、十代の死因の一位が自殺なのは日本のみであります。 政府はこの結果をどのように評価、分析しているのか、黄川田担当大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(黄川田仁志君) 委員御指摘のとおり、令和七年の小中高生の自殺者数が五百三十二人と過去最多になったこと、これについて大変重く受け止めております。 自殺の多くは多様かつ複合的な原因及び背景を有しておりまして、小中高生の自殺の原因、動機についても、警察庁の自殺統計データからは、健康問題、学校問題、家庭問題など多岐にわたり様々な要因が複合的に連鎖していることが推察されます。 また、こども家庭庁においては、関係機関が保有する自殺に関する統計や関連資料を集約し、多角的な要因分析を行う研究調査を実施しているところでございます。 引き続き、子供の自殺者数の増加の実態解明に取り組むとともに、増加している背景の評価、分析を深め、必要な政策の検討につなげてまいりたいと考えております。
○小沢雅仁君 自殺者全体の数は減少してきました。しかし、この令和六年、令和七年と二年連続で小中高生の自殺は過去最多となっています。 これまでの施策について、様々な取組をしていただいているのは重々承知をしております。その上で、これまでの施策でどの施策が効果を上げて、そして効果が不十分だったという施策はどういったことなのか、その検証、そして今後の自殺対策の見直しの必要性について、改めて黄川田大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(黄川田仁志君) 子供の自殺対策につきましては、令和五年の六月に取りまとめられましたこどもの自殺対策緊急強化プランに基づきまして、政府一丸となって取り組んでいるところであります。 しかしながら、子供の自殺の多くは多様かつ複合的な原因及び背景を有しておりまして、それが連鎖する中で起きているとされているため、自殺のリスクの早期発見から的確な対応に至るまで、それぞれの施策を連動させ、総合的に推進していくことが重要と考えております。 このため、昨年の九月に、関係機関や団体の連携、協働によりそれらが連動性を持って取り組むべき施策としてこども自殺対策推進パッケージとして取りまとめ、関係省庁の連携の下、対策を進めているところでございます。 また、この緊急強化プランに基づきまして、各施策の実施状況については、厚生労働省に設置されている自殺総合対策推進に関する有識者会議において、おおむね一年に一回、施策の状況、目標の達成等について検証をしているところでございます。 今後も、関係省庁と連携して施策の実施状況等も踏まえた見直しを行うこととしておりまして、子供が自ら命を絶つことのない社会の実現に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○小沢雅仁君 大臣、去年亡くなった子供さんの数、五百三十二人ですよ。一年は五十二週です。一週間で十人の子供が命を絶っているんです。その緊張感がありますか。一生懸命いろんなことをやっていただいているのは分かりますよ。でも、全体の自殺者数が減っているのに、小中高生、とりわけ女子高校生の自殺が増えているんです。何が原因だとお考えですか。もう一度答弁ください。
○国務大臣(黄川田仁志君) 先ほど申し上げたとおり、複合的な要因があるというふうに考えております。 その中で、二通り私は対策を打たなければならないというふうに考えておりまして、例えば、先ほど御紹介いたしましたこどもの自殺対策推進パッケージ、これは対応策が中心となっておりまして、この自殺の要因、これを早期に察知して、それで子供たちの自殺を思いとどまらせるという方向でございます。 これに加えて、私がもう一つ大切だというふうに思っておりますのが、そこに至る前ですね、そういうところに追い込まれる前に、自己肯定感を持って、それぞれの状況に応じて幸せに暮らす、育つ、そういう将来に夢と希望を持てる環境を整えていくということだと思います。これは自殺に特化した対策ではありませんが、子供が余裕を持つ、また大人に相談しやすい、そういうおおらかで包容力のある社会を築いていくことによって、自殺に追い込まれることのない社会を築いていきたいということを考えております。
○小沢雅仁君 一番大事なのは、子供さんの内心をどういうふうにキャッチしていくかということだと私は思います。身近な存在に相談しにくいという専門家の意見も出ています。子供が誰に相談していいのか分からない、そして相談するのを諦めてしまう。ですから、まずは子供の内心、どういうふうに本当に思っているかということをどうやって大人の皆さんが、周りの大人の皆さんがキャッチをしていくかということが一番先決だというふうに思います。 そんな中で、このパッケージの中に一人一台端末機等を活用した心の健康観察の推進についてということが盛り込まれています。その推進状況を文部科学大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(松本洋平君) まず冒頭ではありますけれども、令和七年の小中高生の自殺者数の暫定値が過去最多となっておりますことに対して、文部科学省としても極めて重大に受け止めているところであります。いかなる事情であれ、子供たちが自ら命を絶つようなことはあってはならない、そのように考えております。 その上で、御指摘のように、児童生徒の自殺のリスクを早期に発見をいたしまして、早期に対応をしていくことは大変重要な事柄であるというふうに考えているところであります。 文部科学省におきましては、児童生徒の心や体調変化の早期発見のために一人一台端末の活用を、一人一台端末を活用した心の健康観察を推進をしているところであります。これの活用におきまして成果が出ているというようなことも報告をいただいているところであります。実際、こちらの推進に関しまして今行っているところでありまして、具体的なちょっと、何件これがどれぐらい行っているかということに関しましては、ちょっと今手元に資料がございませんので、また別途お答えをさせていただきたいと思います。
○小沢雅仁君 この端末機でありますけれど、お聞きしたところ、小中、小学校、中学校には導入されているんですが、高校にはまだ導入されていないということを聞きました。先ほど申し上げたとおり、今、女子高校生の自殺が増加をしている。緊急的に対応する必要があると思うんですね。 早急に高校にも導入するべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(松本洋平君) 高校におきましても、今一人一台端末の導入が進んでいっているというふうに承知をしております。これに関しましても、各実際の所轄庁であります都道府県などとも連携をいたしまして、我々国としてもその支援というものをしてまいりたいと思います。 あと、ちょっと先ほどの質問に戻りますけれども、一人一台端末等を活用した健康観察の取組状況についてでありますけれども、令和七年度時点で、小学校では五四・九%、そして中学校におきましては五七・五%がこの健康観察を一人一台端末を利用して行っているということであります。
○小沢雅仁君 是非とも、やっぱり今の子供さん、なかなか自分が思っていることを表に出さない子供さんが非常に多いです。是非、今一人一台スマホを持っている時代であります、こういう端末を利用して内面、子供さんの内面をしっかりキャッチしていくということも物すごい大事なことだと思いますので、是非早急に力を入れて推進していただくようお願いしたいと思います。 そして、高市総理に伺いたい、ごめんなさい、もう一問質問したいと思います。 昨今、SNS上に、子供同士で、子供さんが暴力を振るう動画が拡散をされているという事案が発生をされております。この暴力行為の動画の投稿、拡散を受けた相談窓口というものを私は警察の方にも是非つくっていただきたいというふうに思いますが、現在、どのようなそういった仕組み、体制を整えているのか、警察庁にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(山田好孝君) お答えいたします。 一般論として申し上げれば、他人に対する暴力行為等は犯罪であり、当該暴力行為等が事実であると認められる場合には、法と証拠に基づいて厳正に対処する必要があるものと認識をしております。 御指摘の相談についてでありますが、警察においては、一一〇番や、全国統一番号の警察相談専用電話、シャープ九一一〇番に加えまして、各都道府県警察にヤング・テレホン・コーナー等を設置をし、学校における暴力行為等について児童から直接電話やメール等で相談等を受け付ける体制を整備しておりまして、各種媒体を通じまして周知を図っているところでございます。 警察以外の関係機関においても連携して子供向けの相談窓口の周知を図っているところと承知をしておりますが、こうした関係機関とも連携をしつつ、警察としても、被害児童からの相談にしっかりと対応してまいりたいと考えております。
○小沢雅仁君 ありがとうございます。 是非しっかりとした体制をつくって、相談体制、そして迅速な捜査に転じていただけるようにお願いをしたいと思います。 総理に伺います。 先ほど申し上げたとおり、一週間で十人の子供が命を絶っているというのが今の現状であります。子供たちが自ら命を絶つという社会に私は未来はないと思います。子供たちの命を守るためにこの現実に内閣総理大臣としてどのように向き合って、そして子供の命を守るために総動員をして命を救う、その御決意もお伺いをしたいと思います。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 多くの子供さんたちにお伝えしたいのは、あなたは一人で生まれてきたんじゃないということです。お父さん、お母さんを二人と数えて、そしておじいちゃん、おばあちゃん四人、そしてひいおじいちゃん、ひいおばあちゃん八人と、こう数えていきますと、七代前まで、直系だけで二百五十人を超える御先祖様が大人になり、また子宝に恵まれ、そのすごい偶然、すごい奇跡的な幸運に恵まれて一人の命がある。それは自分の命の重さもそうだし、他人様の命もそうだということは、是非みんなで共有したいと思います。 その上で、先ほど来答弁がありましたとおり、今年の一月に更新したこどもの自殺対策推進パッケージなどに基づいて、地方自治体とも関係者とも連携しなければなりませんけれども、子供さんの自殺対策、これを強力に進めてまいります。
○小沢雅仁君 今日はもうこれ以上取り上げませんけれど、学校教育現場においても、教員の不足、教員の皆さんの長時間労働、こういったことも、なかなか子供さん一人一人と向き合う時間が教員の皆さんに取れないという実態も数多く報告されております。 是非とも、文部科学大臣始め、この教員の勤務実態を踏まえた改正ですね、改善、これもやっぱり行っていかないと、子供の皆さんが先生に相談するということもなかなかできないと思います。是非、あらゆる政策を総動員をして子供の命を絶対に守っていくという決意で、高市内閣、取り組んでいただきたいと思います。 次に、奨学金返済問題を触れたいと思います。 二月二十六日の参議院本会議において、我が党の斎藤嘉隆議員が奨学金返済減税導入に対して質疑をしました。高市総理からは、奨学金の貸与を受けなかった方々の公平性、必要のない奨学金を借りるといったモラルハザードの可能性、日本学生支援機構の実施体制、所得が少ない方への効果が限定的であるなどと、検討すべき課題があると答弁されました。 この必要のない奨学金を借りるといったモラルハザードの可能性について、高市総理にもう一度お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(松本洋平君) このモラルハザードに関してでありますけれども、もちろん、多くの皆さんはしっかりと自分の学業のために必要な奨学金の貸与を受けてということでやっていらっしゃるというふうに承知をしているところでありますが、しかしながら一方で、本来必要とする金額よりも多くの奨学金を借りる可能性が皆無とも言えない、制度設計に当たってはこの点も検討する必要があると承知をしているところであります。 実際、具体的に申し上げることは控えたいと存じますが、一部におきまして、奨学金の本来の趣旨とは異なる目的で奨学金の貸与を受けることを勧める情報が発信をされているということもございます。 こうしたことからも、もちろんこれはもうまれなケースではありますが、それを無視することはできないというふうに考えているところであります。
○小沢雅仁君 具体的なことは、今日はテレビ放送もラジオも入っていますので、そういったことが拡散することは良くないということで具体的な答弁を求めませんでしたけれど、でも、それは法律違反になるんですか。文部科学省でも結構ですが、ちょっと考え方があればお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。 今大臣からも御答弁申し上げましたように、SNS等で奨学金を資金として運用することを推奨するような発信があるのは事実でございます。 先ほど大臣からも申し上げたとおり、奨学金、日本学生支援機構の奨学金は、民間の教育ローンとは異なり、無利子又は低利であり、基準を満たす希望者全員に貸与するという特徴を持つものでございます。私ども、こういう発信が違法、法令に違反するとは考えてございませんけれども、他方で、こういうものを防ぐということも難しゅうございますが、検討の考慮をしなければならないというふうに考えてございます。
○小沢雅仁君 奨学金制度のその問題だと思うんですね。奨学金を貸与するに当たって、それが適正に、奨学金制度の趣旨に照らし合わせた使用になっているかどうか。なっていないんであれば、その制度そのものをやっぱり見直す必要が私はあるというふうに思います。是非そのことを御検討いただきたいと思いますし、こういった制度に適正しないような使い方がされているということは、本当に借りたいというお子さんたちが借りれないということにもつながっているわけであって、根本的にこの奨学金制度の趣旨に照らし合わせた奨学金制度となるように改めて強く求めて、私の質疑を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(藤川政人君) 以上で小沢雅仁君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(藤川政人君) 次に、蓮舫さんの質疑を行います。蓮舫さん。
○蓮舫君 立憲民主党の蓮舫です。 韓国前大統領への賄賂で捜査される旧統一教会の韓総裁、その捜査過程で発覚したTM文書、トゥルーマザー、真のお母様への報告文書を、総理はテレビ番組で出所不明の文書、明らかに誤りと発言されましたが、その認識は変わっていませんか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) おっしゃっているのは、私が解散をしてから公示日までの間の党首討論会であったと思います。その中で、私の名前が三十何回出てくるという御指摘を野党からいただいたとき、私もその文書を見ておりましたので、そこで私が登場する部分というのは、総裁選挙に出馬をした候補者の名前が全部書かれている、総裁選挙の結果がどうなったといったような、要は事実ですね、日本の政界で起きていることの事実関係を説明したところに出てくるということでございました。 なおかつ、私が神奈川県の出身であるというようなことで私の選挙区も間違えてありましたので、これは、そのときはそれがどういう文書であるか分かりませんから、出所不明で、また不正確であるということを申し上げたまででございます。
○蓮舫君 いや、TM文書全体が誤りですか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 何せ韓国語で自分の名前が三十何回出てくるということをいっぱい指摘されておりましたので、自分の名前が出てくるところだけを訳していただきました。
○蓮舫君 教団の最高機密文書で、韓国の刑事裁判で証拠として採用されているんです。で、教団公式サイトで、文書には事実関係の誤りも含まれている、でも、教団幹部が検察に提出、教団内で幹部が韓総裁への報告のために作成したとこれ認めているんですね。日本側の元会長も自身のSNSで作成したことを認めています。で、文書で指摘された自民党議員がマッチング会員だった、これ御本人も認めています。あるいは、自民党の元大臣は、選挙で世話になった、教団名を変えるときに文科省に働きかけたと自ら証言しているんです。 誤りもあるけれども、事実関係も含まれているということはいいですか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) これ、韓国の文書ということになりますと、政府の業務として当該資料を分析するということは考えておりません。 私は、要は、選挙の公示日前の党首討論でこれをぎりぎり聞かれましたし、当時そういう報道がされましたので自分の名前が書いてあるところだけ訳してもらったと、それ以上ではありません。韓国の文書でございますので、これを特に分析するということは考えておりません。
○蓮舫君 御自身が書かれていることが間違いだというのは何度も答弁で伺っています。でも、自分以外の自民党の議員のことも書かれているんです。そこはいいんですか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 行政府の長たる内閣総理大臣として答弁しておりますので、その自民党の対応について申し上げるというのはこの場では控えるべきだと考えますけれども、問題の性格に鑑み、私の認識を申し上げます。 自民党では、令和四年に各議員が旧統一教会との過去の関係を詳細に点検、報告するとともに、それ以降に新たな接点が明らかとなった場合にはその都度追加的に報告、説明をするよう求めてきました。ですから、党として新たに調査するということも考えておりません。新たな接点が判明したら、速やかに報告、説明をしていただきたい。そして、未来に向かって当該団体と関係を持たないということを徹底しておりますので、その方針を堅持します。 政府として、内閣として当該文書を分析するということは考えておりません。
○蓮舫君 三月四日、統一教会への東京高裁の決定を教えてください。
○最高裁判所長官代理者(福田千恵子君) お答えいたします。 東京高等裁判所は、令和八年三月四日、世界平和統一家庭連合について、宗教法人法八十一条一項一号に該当する事由があるとして、解散を命じた東京地方裁判所の決定を相当とし、世界平和統一家庭連合からの即時抗告を棄却いたしました。
○蓮舫君 最高裁に教団が特別抗告をしましたが、解散命令の効力はこの高裁決定で生じるために清算手続は既に始まっています。 去年の東京地裁で算出された被害額と被害者数を教えてください。
○最高裁判所長官代理者(福田千恵子君) お答えいたします。 東京地方裁判所の決定においては、世界平和統一家庭連合の元信者等が提起した民事訴訟について、同宗教法人の損害賠償責任を認める内容の確定判決があるもの、同様の訴訟で訴訟上の和解が成立したもの、裁判外で金銭支払を含む合意が成立したもの、以上の三つの類型を合計すると、その人数は千五百五十九名、合計額は二百四億四千七百八十八万九千百五十七円であるとの事実が認定されております。
○蓮舫君 旧統一教会の日本人の被害者総数千五百五十九人、二百四億円の被害です。日本人を標的に、霊感商法、洗脳、高額な献金を集めたカルト集団で講演をする、会合に出る、会費を払う、パーティー券を買ってもらう、その写真や動画は布教や霊感商法に使われた可能性は否定できません。犯罪に加担したことも否定できない。その自民党の議員は百八十人もいるんです。 信者は、献金を強要されて破産をする、家が破壊をされる、自死をされた方もいる。しかも、教団は、天皇制をなくす、韓総裁にかしずかせる、日本人を、こういうことを主張している。 改めて、総理、この団体に支援されていた自民党議員は私は愛国とは言えないと思っています。この機会にもう一度、自民党は二度と旧統一教会とは関係を持たないと明言をしていただけますか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) もとより、旧統一教会の問題については、令和四年、当時の岸田総理が、当時に、当時の閣僚を含む多くの議員が社会的に問題がある旧統一教会、その関係団体と接点を有していたことが明らかになり、国民の皆様の政治への信頼を傷つけたことを率直におわびをしました。そして、新たな接点が判明した場合にはその都度追加的に報告、説明を行う、今後は関係を持たないことを徹底する方針としました。現在も同じでございます。
○委員長(藤川政人君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(藤川政人君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 令和八年度総予算三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。蓮舫さん。
○蓮舫君 立憲民主党の蓮舫です。 佐藤官房副長官、TM文書にある自身の記述は読まれましたか。
○内閣官房副長官(佐藤啓君) お答えいたします。 内容は確認しております。
○蓮舫君 旧統一教会奈良教区長と面識はありますか。
○内閣官房副長官(佐藤啓君) 分からないというのが本当のところでございます。
○蓮舫君 会ったことがあるかもしれない。
○内閣官房副長官(佐藤啓君) あるかもしれませんし、ないかもしれません。お名前も存じ上げないので、分からないということでございます。
○蓮舫君 TM文書にある奈良教区長の詳細な報告、それは事実ですか。
○内閣官房副長官(佐藤啓君) 一部事実の部分と、あとは事実が確認できない部分がございます。
○蓮舫君 事実とは何ですか。
○内閣官房副長官(佐藤啓君) お答えいたします。 そのTM特別報告では、私の妻が令和四年七月に旧統一教会側が開催した応援集会に参加したというふうにされておりまして、私の妻が私の代理としてお尋ねの応援集会に出席したことは事実でございます。 なお、自民党の調査では、会合への出席に関して本人又は親族の別の調査はなかったことから、妻の出席については、私は、本人が出席したものとして回答しておりまして、党の調査にも報告をしているところでございます。
○蓮舫君 その奥様が参加した旧統一教会の自民党奈良県公認候補、佐藤啓候補者の応援集会、その日は何の日ですか。
○内閣官房副長官(佐藤啓君) 七月八日でございますので、参議院選挙の期間中でありまして、また、まさに私の応援演説に来られた安倍晋三元総理が銃撃をされた、そういった日でございます。
○蓮舫君 安倍元総理が残念ながらお亡くなりになられた。そのほぼ同時刻に奥様が、その山上被告、お母様が統一教会の信者、まあ信者二世ですよね、で、犯行に及んだ。そのときに奥様は統一教会の集会に出ていた。その経緯は何ですか。
○内閣官房副長官(佐藤啓君) お答えいたします。 この応援集会なるものですね、これは、私、また私の事務所から依頼を、開催を依頼したものではありませんので、どういう経緯で開催をされたかは承知をしていないところでございます。
○蓮舫君 開催が依頼していないのに奥様が勝手に行ったということかしら。
○内閣官房副長官(佐藤啓君) 開催の経緯は承知しておりませんが、相手方から恐らく何らかの形で招かれたということになりますので、私の代理として出席をしたということでございます。
○蓮舫君 それは旧統一教会奈良教区に確認しましたか。
○内閣官房副長官(佐藤啓君) その事件以降は、先ほど総理もおっしゃいましたけれども、もう関係を、旧統一教会、また関連団体と絶っておりますので、確認をするということはもちろんしていないわけでございます。
○蓮舫君 昨年十月の山上被告裁判員裁判に副長官は出廷されています。何と証言されました。
○内閣官房副長官(佐藤啓君) 今先生が御指摘の裁判におきまして、私は令和七年十月二十九日に証人として出廷し、私人として証言をしております。 本日は、予算委員会に内閣官房副長官としての立場で出席しており、また当該事件は控訴審が係属中であることから、証言の逐一をお答えすることは差し控えますが、出廷した際には、証人として検察官やまた弁護人、また裁判官などから尋ねられたことについて証言をしております。
○蓮舫君 この裁判員裁判でも、あるいは自民党の調査で設問になかったとしても、銃撃されたその日、ほぼ同時刻に奥様が旧統一教会の佐藤候補を応援する集会に出ていたということは一言もお話しになっていないんですよね。 しかも、目の前で元総理が亡くなられた、その衝撃は大きかったと思います。ならばこそ、この統一教会の解散に追い込む一番先頭に立たなければいけないあなたが、証言でも自民党の調査でももっと前面に立って、自分も間違えた、この統一教会とのつながりはあったけどもう絶っているんだと、それを率先して言うべきだったんではないでしょうか。
○内閣官房副長官(佐藤啓君) お答えいたします。 この証言に当たっては、今ほど申し上げましたように、検察官や弁護人、裁判官などから尋ねられたことをお答えすると、そういうことになっています。 ですので、重ねてのお尋ねであることからあえて申し上げますが、検察官や弁護人、また裁判官などからの質問に、統一教会と私の関係に関する質問はなかったということでございます。
○蓮舫君 聞かれなければ答えない、報道されなければ認めない、私は、その姿勢で官房副長官が政府の中で旧統一教会の対応をしていくのには疑義があります。 官房長官は、この東京高裁の決定を受けて、今後政府は被害者救済に必要な対応を徹底すると言われました。全て協力します。その上においては、佐藤官房副長官は適していないと思うので、そこは外していただけないでしょうか。
○国務大臣(木原稔君) 人事につきましては、その人物の適性や能力、経験などを総合的に判断をして決定されるものであります。佐藤副長官を継続させるという、そういう決定に至っております。
○蓮舫君 次に、法務大臣にお伺いします。 法制審の役割を教えてください。
○国務大臣(平口洋君) 法制審の役割でございますけれども、民事上あるいは刑事上の問題について、諮問に応じて答申をする立場にございます。
○蓮舫君 昭和二十四年に設置された後、法務大臣から九十六の諮問を受け、百四十七の答申を行って、答申に沿った法案が国会で成立したのは実に百三十七あります。 一九九六年の民法の一部を改正する法律案要綱の中で、選択的夫婦別姓はどう答申されましたか。
○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。 選択的夫婦別氏制度につきましては、平成八年二月に、法制審議会がその導入等を内容とする民法の一部を改正する法律案要綱を答申いたしました。この答申は、夫婦の氏について、夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫若しくは妻の氏を称し、又は各自の婚姻前の氏を称するものとしております。 また、別氏を選択した夫婦の子の氏について、夫婦は、婚姻の際に、子が称する氏として夫又は妻の氏を定めなければならないものとしております。
○蓮舫君 この一か月前に、法務省民事局民事行政審議会は戸籍法改正の基本方針を答申。その中身は何でしょう。
○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。 民事行政審議会の答申につきましては、選択的夫婦別氏制度が導入されても、戸籍の公証、検索機能を維持するとともに、現行の戸籍と整合的なものとするとの観点から、戸籍について、一の夫婦及びその双方又は一方と氏を同じくする子ごとに編製するものとされたものと承知をしております。
○蓮舫君 今聞いていただいたように、二つの答申で、夫婦及び同氏の子、同一戸籍の原則を守り、別氏同戸籍案が答申されました。法律案の概要も示された。選べる。大好きな人の姓を選ぶことも、あるいは自分が育ったアイデンティティーの氏を選ぶことも、どっちも選ぶことができる。(資料提示) 法務大臣、これ、どうして法案を提出していないんでしょう。
○国務大臣(平口洋君) お答えをいたします。 法務省は、平成八年及び平成二十二年に、法制審議会の答申を踏まえた改正法案の提出に向けた準備をしたところでございます。しかしながら、この問題については、国民の間に様々な意見があったほか、当時の政権内部においても様々意見があったこと等から、改正法案の提出までには至らなかったものと考えております。 そして、現在でも、同制度については、戸籍上の氏まで夫婦、親子で別にすることについて、子供への影響などの観点から懸念を示す声もあるものと承知をしております。また、最近の多くの世論調査を見ると、現行制度の維持、旧氏の通称使用の拡大、法制化、夫婦別氏制度の導入の三者で調査した場合には、旧氏の通称使用の拡大、法制化を選択する割合が高くなる傾向にあると承知をしております。 そのため、選択的夫婦別氏制度の導入の是非については、国民各層の意見や国会における議論の動向等をよく踏まえる必要があると考えております。
○蓮舫君 総理は、選択的夫婦別姓、別氏制には反対ですか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 慎重な立場でございます。 なお、平成二十二年は民主党政権でございました。
○蓮舫君 私は、選択できる、姓を選べる制度を取り入れたいと思っているんです。 ただ一方で、総理は、通称使用を拡大していく、それで便利が増えるという、それは賛成なんですが、その方針でよろしいんですか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 私は、選択的夫婦別氏制度と、それから旧氏使用の拡大、これは全く別物だと思っております。 つまり、旧氏使用の拡大というのは現在でも行われてきております。そして、現在でも旧氏を通称で使っていらっしゃる方々、これらの方々の利便性を更に高めていくべきだと考えております。
○蓮舫君 今、男性の側に氏を変える女性は九四%なんです。 黄川田大臣は、先週金曜の閣議後の会見で、婚姻の氏の変更で不便、不利益を感じる人を更に減らせると発言。不便、不利益とは何でしょう。
○国務大臣(黄川田仁志君) 様々な不便、不利益があると思いますが、婚姻等の氏の変更によって社会生活での不便、また不利益を感じる方を減らすためにこの旧姓使用拡大は意義があるものだというふうに思っております。(発言する者あり)
○委員長(藤川政人君) 黄川田国務大臣。
○国務大臣(黄川田仁志君) 今まで、銀行のカードとかそういうものもあると思いますし、また、キャリアの継続の証明等で不利益があるという例も聞いております。また、今までは国家資格などの表記についても、どっちか等ということもありました。そういうものを少しずつ変えていって、単記でも可能なものにしていきたいというふうに考えております。
○蓮舫君 単記記載が可能なものは何ですか、具体的に。
○国務大臣(黄川田仁志君) 様々なものが今単記可能となってきていると思います。例えば会社の社員証とかも、これは法的根拠はないものではございますが、そういうものも単記になってきているということでありますし、また、省庁で併記とか必要ではないものには単記に変えていっているということも聞いております。
○蓮舫君 済みません、ちょっと全然分からないんですけれども。法的根拠を持たして、何が単記だけで、旧姓だけで使えるようになるんでしょうか。
○国務大臣(黄川田仁志君) これについては逆の話になりますが、併記でないとしっかりと自己証明ができないものについては併記にしてまいりたいと思います。その他、単記にできるものについては単記に変えていくという、そういう方向でございます。(発言する者あり)
○委員長(藤川政人君) 答弁はよろしいですか。
○国務大臣(黄川田仁志君) いや、法制化をすることによって、しっかりその単記にしたものに対して法的効力を発揮できるようにしたいということでございまして、単記にできるものは単記にするということで、今、何を単記にできるかということについては検討しているというところでございます。 併記にできる、併記にしなくちゃいけないものは併記で残していくと。その辺りを今精査して、何ができるか何ができないかというところを検討して、法制化に向けて考えているというところでございます。
○蓮舫君 大臣の答弁、ちょっと不安なんですけれども。 じゃ、確認します。 住民票、マイナカード、パスポート、免許証が旧姓のみ、それは便利になりますよね、戸籍までたどり寄せなくていいわけですから。それは、戸籍氏に載っていない旧姓単独で表記できるんですか。
○国務大臣(黄川田仁志君) 住民基本台帳の旧氏を活用するということです。になります。 戸籍はそのまま、そのまま変えないという方向です。(発言する者あり)
○委員長(藤川政人君) じゃ、まず黄川田大臣、答えてください。
○国務大臣(黄川田仁志君) 住民基本台帳の旧氏を活用することを念頭に置いています。戸籍の記載事項を変更することは考えておりません。 マイナンバーカードや運転免許証といった厳格な本人確認に用いられる書類については、戸籍上の氏と旧氏の併記を求めるという検討も当然必要となるというふうに考えているということでございます。
○蓮舫君 住基法を改正して、今、旧氏と戸籍氏が併記になっているもの、それを法定的に単記も可能にするという仕組みは分かっているんです。 じゃ、確認をしますが、戸籍と突合できない旧姓、旧氏のみの官公庁発行の公的証明書、これは発行できるんですか。
○国務大臣(黄川田仁志君) 今、そこを精査して検討しているということでございます。
○蓮舫君 できることもあるんですか。
○国務大臣(黄川田仁志君) それは、できることもあると思いますが、検討中でございます。
○蓮舫君 総理は衆議院の答弁で、今私が言ったマイナカードとかパスポートとか住民票は、それは単記にするとリスクがあるとまで言っているんです。 リスクないんですか。
○国務大臣(黄川田仁志君) そこを、リスクがあるかないかどうかも含めて、何ができるか何ができないかということを検討しているということでございます。
○蓮舫君 ちょっと分からないんですけれども。 今、併記、戸籍氏と自分の育った名前が両方あることによっていろんな不便があるんですね。 例えば外務省なんかは、パスポート、これは併記できるようになっているんですけれども、ICチップは戸籍氏なんです。だからこそ、ビザや航空券は通称で買わないでくださいって注意喚起しているんですよ、ホームページで、これ不便があるから。 あるいは、じゃ、銀行、金融機関で見ると、これ、信用金庫や信用銀行なんかも入れると五割を超える銀行が、金融機関が旧姓口座に対応していないんです。 じゃ、クレジットカードの発行はどうか。登録包括信用購入あっせん業者の総数、旧姓のみでクレカが発行契約できる事業者数を教えてください。
○政府参考人(江澤正名君) お答え申し上げます。 クレジットカードの契約手続と券面上の表記、それからクレジットカード会社の数でございます。割賦販売法における登録包括信用購入あっせん業者、現時点で、一月の時点で二百四十二社でございます。 クレジットカードの契約手続、契約締結の際には、犯罪収益移転防止法に基づきまして氏名等の確認を行うことが義務付けられています。このため、旧姓のみで契約締結が可能な事業者は存在しておりません。 一方で、クレジット、券面の名義については、同法又は割賦販売法において旧姓の使用を禁止する規定はなく、旧姓表記のクレジットカードを発行するかは事業者の判断でございます。 何社かということは、確認をした会社が全社じゃないんですけれども、実際に旧姓表記の発行を可能としているクレジット会社もあると承知しております。
○蓮舫君 あるって言いましたけれども、二百四十二社に聞き取ったんですか。
○政府参考人(江澤正名君) 今後検討したいと思います。 クレジットカード業界に対しまして、昨年の十月に、旧姓表記のクレジットカードの発行等、取組を行うように要請をしたところでございます。 引き続き状況を注視しまして、必要に応じてそういった調査とかも対応してまいりたいと、このように考えております。
○蓮舫君 あるって言ったのは間違いですか。
○政府参考人(江澤正名君) 五社に調査をした結果、一社は可能だという回答をいただいております。今後、更に拡大して調査をするといった対応は考えたいと思います。
○蓮舫君 二百四十二あるクレジットカード発行事業者のうち、旧姓のみで発行できるのはゼロ社。つまり、クレカの名前が戸籍氏だと、ホテルの予約あるいはデポジットで、あるいはカードを使うことができないから、やっぱりこれ結構不便なんですね。だから、これは変えられるのかどうか。 もう一つ聞きます。金融庁、旧姓名義での証券口座開設に対応する証券会社はありますか。
○政府参考人(石田晋也君) お答え申し上げます。 御質問の点でございますが、悉皆の調査は行っておりませんけれども、旧姓名義での証券口座開設に対応している証券会社は承知しておりません。
○蓮舫君 黄川田大臣、旧姓単記が可能になると、クレジットカードを自分の名前、旧姓で、あるいは証券口座も自分の名前で、飛躍的に伸びるようになるんですか。
○国務大臣(黄川田仁志君) 現段階で予断を持ってお答えすることはできませんが、担当局において、各行政機関や事業団体などから現状や課題などヒアリングを行いながら、法制面や制度面での対応について検討を行って、なるべく単記も可能なようにする方向で、(発言する者あり)これからですよ。だから、ちゃんと調査をして、ヒアリングを行いながら検討していくということになります。
○蓮舫君 銀行の口座開設、証券口座開設、クレジットカードを作る、全部旧姓単記でできるように検討しているんですね。
○国務大臣(黄川田仁志君) 業界団体としっかりとヒアリングを行いながら、できるところはできるし、できないことはできないという、そういういろんな、(発言する者あり)とにかく対応面での検討をしっかりと行っていくということでございます。
○蓮舫君 済みません、笑いながら、できるところはできる、できないところはできない。これ結構大きいんですよ。何が単記で記載され、自分がどうやってそれを認めてもらえるのか、保障されるのか。戸籍氏と違う旧姓だけで官公庁が出す公的書類が認められるか。これ、事業者側も別姓を求める方たちも、すごく関心があることなんです。もう一回。
○国務大臣(黄川田仁志君) 繰り返しになりますが、業界団体としっかりとヒアリングを行いながら、現状や課題などについて制度面での対応を検討してまいりたいというふうに思っております。
○蓮舫君 犯罪リスクを減らすために、本人認証は今物すごく厳しくなっているんですね。そんなときに、戸籍にひも付かない旧姓のみ単記が書かれた民間身分証やあるいは国家資格だけで、私は口座が開けるとはとても思えないんです。大丈夫ですか。
○国務大臣(黄川田仁志君) 厳格な本人確認が必要な手続については、マイナンバーカード等の本人確認の書類等を用いることで必要な本人確認ができるものというふうに考えております。 ですので、このマネロン、またダブルネームという課題についてしっかりと対応できるように、今後どういうやり方ができるかということを検討していくということでございます。
○蓮舫君 聞けば聞くほど、通称の法定化が今より便利になるか全く分からなくなりました。 日本人、親族関係を公証する戸籍簿に旧姓が記載されない限り、氏を変える多くの女性側の負担は、むしろ通称使用拡大が増えれば増えるほど重くなるように思えるんです。あるいは、企業や行政のダブルネーム管理、名寄せの負担、むしろもっと重くなるんじゃないですか。 相手の氏も自分の育った氏もどちらでも選べるようになったら、ダブルネームじゃなくてワンネームなんですよ。そちらの方が私はよほど簡易で負担のない制度設計だと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(黄川田仁志君) 御指摘のとおり、一定程度の事務負担等が発生することは想定されます。 しかしながら、旧姓使用の拡大に当たっては、現場における事務負担等についても考慮しつつ、不便等の解消に向けて政府全体で検討してまいりたいと思っております。
○蓮舫君 今日は検討しか聞いていません。 総理は、いろいろなところで御自身の考えを書かれたり講演されているんですが、戸籍による家族の一体感とは何でしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 旧氏使用の法制化というのは、現行の戸籍制度を維持しつつ、政府がこれ以上、二十年以上にわたって進めてきた旧氏使用の拡大の取組を一層進めようとするものでございます。 だから、戸籍において夫婦、親子、これが同氏であるというこのファミリーネームを維持しつつ、住民基本台帳法の方で、今既に住民票、併記で取れますよね。マイナンバーカードも併記になっている、運転免許証、パスポートなども併記になっております。こういった個人を厳格に証明するもの、それ以外については単記にできるんじゃないかということで、要は基盤整備の検討も含め、旧氏使用の更なる拡大、その周知に取り組むということを決めたわけでございます。 法律案については、今まだできておりません。国会に提出もいたしておりません。十分これは、付託された委員会で御議論いただくべきことだと考えております。
○蓮舫君 今お答えになられたのは、本来、黄川田大臣が答えるべきことでした。 私が伺ったのは、戸籍による家族の一体感とは何ですか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 戸籍において夫婦、親子が同氏であるということでございます。
○蓮舫君 律令時代や武家社会において氏が持てる身分の人たちは、それは血統の呼称でした。だから夫婦別姓でした。江戸時代、庶民は氏を持っていません。あるいは、明治になって、徴兵名簿管理等の必要性があって、国民皆、氏を持つようになりました。でも、そのときもまだ夫婦別姓でした。夫婦同氏になったのは、明治三十一年、家制度が入ってからです。日本古来の伝統だというのであれば、夫婦別姓の方が伝統ではないですか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 現在は、現在の戸籍制度に基づいて行政は運営されております。 あくまでも私たちが今進めたいと思っているのは、既にもう旧氏の、婚姻前の氏の通称使用が拡大している中で、それを十分に使えないと。先ほど金融機関の話もされましたよ。でも、そういったことを解消していこうと。だから、国の行政機関は今、かなり単記若しくは併記で対応できるようになっています。 でも、これを全ての都道府県、また民間事業者、公私の団体に広げていく。システムの対応も含めてと申し上げたのは、システム対応ができていないという金融機関があります。それが非常に大きな課題として提示されておりますので、そういったことも含めて、現在既に旧氏を、婚姻前の氏を通称として社会生活において使っておられる方の利便性を高めるというのが私どもの目指している方向でございます。 選択的夫婦別氏、いわゆる戸籍も、夫婦そして親子どちらかが別の氏になるということを目指すものとは全く切り分けて考えております。
○蓮舫君 総理は、子の氏の安定性から家族同姓を守る、そこで通称使用の拡大とおっしゃられるんですが、通称使用が定着すれば、日常生活や公私共に夫婦の名字が違う社会、通称を使う者と子供の名字も違う社会になりますね。氏が一緒なのは戸籍だけということになるんですよ、極論すれば。それは家族の一体感なんですか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 過去に私が執筆したものなどをお読みいただいたかと思いますが、私が今その家族の一体感ということにこだわっているものではございません。 その家族の一体感ということよりも、戸籍上、夫婦、親子同氏、私もそれを経験しました。そして、社会生活の場では高市でした。戸籍では山本でございました。でも、その場合、家に山本早苗様で手紙が届いても、それは戸籍上の私の名前ですから一切不快感を感じることはなく、そして、外に出たら高市さんだよね、それで何ら混乱が生じたことはございません。身分証明も併記で行われていたということでございました。 ただ、対応できていない事業者がいると、全て社会の公私の団体にそれが徹底されていないという不便を解消するためにこれまで政府は累次取組を進めてきた、これをもっと徹底しようということでございます。
○蓮舫君 夫婦、親子同氏にこだわっておられるんですが、私の両親は国際結婚です。私は国籍選択宣言で日本国籍を持っているんですけれども、小さい頃から父と母の名字が違う、私と父は同じ名字、それに対して違和感もなければ、友達や学校やいろんな大人の人たちから、それはおかしいと指摘されたことは一回もありませんでした。学生時代に、父の台湾姓から母の日本姓になりました。そのときも、誰からも、家族の一体感がないね、親子の氏が違ってかわいそうだねと言われたこともありません。私は両親を尊敬しているし、両親は私に愛情を持って育ててくれました。 親子の、夫婦の氏が違う私は、家族的におかしいんですか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) これまで二回にわたって、法制審の答申を受けて選択的夫婦別氏制度の導入に向けて法律案が用意された。一回は平成八年、一回は平成二十二年、まさに民主党政権のときでした。その政権の間になぜそれが実現しなかったのかということも考えますと、やはりこれは国民の皆様の間で大きく意見が分かれていることである、そういったことからだったと思います。 しかし、最近の世論調査見ますと、やはり現行制度の維持、それから旧氏の通称使用の拡大、法制化、これを足し合わせますと圧倒的に数が多いということで、旧氏の通称使用の拡大、法制化、これを選択する方の割合も高くなる傾向がございます。 ですから、まずは、今もう使っていらっしゃる方、これから結婚しても旧氏を通称で使いたいと思われる方を便利にするということに取り組みたいと思います。選択的夫婦別氏制度の導入とは全く別物であるということでございます。
○蓮舫君 民主党政権で実現しなかったのは、衆参がねじれたからです。法案が通らなかったんです。非常に悔しかったです。しかも、去年、二十八年ぶりにようやく選択的夫婦別姓、野党が出した法案が審議入りしたんですが、今年の総理の解散によって廃案になりました。非常に私は悔しいと思っています。 今、男性の三人に一人、女性の四人か五人に一人が生涯未婚、あるいは直近の離婚率は三八・三%、再婚率は二四・二%、お子様のいない人生を選択する御夫婦もおられます。家族の多様化。私は、立法府の一員として、多様化する生き方にいかに平等に権利を付与するかを行っていきたいと思っているんです。行政府の長として、総理はどうお考えですか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 今おっしゃったのは蓮舫委員の考え方でございます。行政府の長としての私の考え方、また男女共同参画、ここで今年になりまして確認したのは、まずは旧氏の通称使用、これをもっともっと便利にしようということでございました。
○蓮舫君 考え方の違いだというのは分かるんです。でも、総理がおっしゃっているように、同氏を選びたいという人は私は是非選んでください、でも、別氏で行きたいという人がいれば、それも選べる社会を私は求めていきたいんです。 通称使用を拡大するその法律ができても、置いていかれる方たちがいるんですね。婚姻カップルと事実婚カップルが受ける法律上の制度的な違い、子供、相続、税関係の違いには何があるでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) お答えをいたします。 氏を変えたくないという理由から事実婚にとどまっている方々がいるとの御指摘があることは承知をしております。 御指摘のとおり、事実婚のパートナーでは、相続、親子関係の決まり方について夫婦婚の夫婦と異なる点があり、離婚などによって財産を移転させたり、認知によって父子関係を成立させたりといった方法はあるものの、やはり氏を変えることなく法律婚を可能とする制度を望む空気があることも承知をいたしております。 しかしながら、他方において、選択的夫婦別氏制度については、戸籍上の氏まで夫婦、親子で別にすることについて、子供への影響などの観点から懸念を示す声もあることと承知をしております。また、最近の多くの調査を見ますと、旧姓の通称使用の拡大、法制化というものが多いということも確かでございます。 選択的夫婦別氏制度の導入の是非については、国民各層の意見や国会における議論の動向等をよく踏まえる必要があると考えております。
○蓮舫君 事実婚を選ぶって、いろいろな理由があると思うんですね。でも、同じ氏を選ばなければ婚姻届が出せない人は事実婚しか選べないんです。事実婚を選ぶと、税制面や相続面で本当に大きな違いがあるんです。あるいは、生死をさまよう、例えば手術同意なんかは、病院によっても扱いが違うんですよ。最も大きいのは、お子様は非嫡出子なんです。 いろいろな意味で、私は事実婚しか選べない人たち、この方たちが抱えている不便、不利益にも反応していかなければ、政治はそれが私は仕事だと思っているんです。総理、それでも別姓は認めませんか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 今、私ども内閣がやろうとしているのは、まずは、もう今でも旧氏を通称使用しておられる方の利便性を高めようとすることでございます。 法律婚と事実婚で例えば税法上の取扱いに差が生じるのは、税法の配偶者の概念が民法からの借用概念で、事実婚のパートナーが配偶者に該当しないと解されるからです。その上で、事実婚のパートナーを税法の配偶者に含めるということは、一律かつ強制的に徴収を行う税制の下で事実上の婚姻関係かどうかを統一的に判断することは極めて困難であるということを踏まえれば、各種制度で用いられている民法上の婚姻関係を基礎とせざるを得ないと考えられているからでございます。
○蓮舫君 非常に残念です。総理の考え方では、置いていかれる人たちはなお置いていかれる、この課題が残る。私たちは、まだ選択的夫婦別姓制度には引き続き取り組んでいきたいと思っています。 次に、皇室についてお伺いをいたします。 現行法制で、天皇皇后両陛下の第一皇女であられる愛子様は皇位を継承できますか。
○政府参考人(溝口洋君) お答えいたします。 皇室典範におきまして、「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。」と定められておるところでございます。
○蓮舫君 憲法で皇位は世襲と定められ、今答弁のあったように、皇室典範では男系男子。現行法規で、愛子様、女性天皇は誕生できません。 では、維新と自民党の連立政権合意と、自民党の総選挙の公約に掲げた皇室典範改正では、女性天皇は認められますか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 皇室典範は、「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。」と定めております。ですから、認められません。
○蓮舫君 総理は、国会の答弁でも女性天皇は否定していませんよね。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 過去に十代八方の男系の女性天皇がいらしたということは歴史的な事実ですから、過去の女性天皇を否定してしまうということは不敬に当たると考えるから、そう申し上げております。
○蓮舫君 天皇の退位等に関する皇室典範特例法の附帯決議、その有識者会議は、皇族数の確保を図ることが喫緊の課題として、一番下、二つの案を、二つの方策を提示しました。 この中身を丁寧に説明いただけます。
○政府参考人(溝口洋君) お答え申し上げます。 今御指摘いただきました有識者会議の報告におきましては、内親王、女王が婚姻後も皇族の身分を保持することとすること、それから二つ目として、皇族には認められていない養子縁組を可能とし、皇統に属する男系の男子を皇族とすること、それから三つ目といたしまして、皇統に属する男系の男子を法律により直接皇族とすること、この三つの方策が皇族数確保の方策として掲げられて、打ち出されているところでございます。
○蓮舫君 先ほど総理が御答弁いただいた自民と維新が目指している皇室典範の改正は、この二なんですね。 一はどこに行ったんでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) それは連立合意書についてのお尋ねでございますね。 基本的に、有識者会議において、この天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に示された課題につきましては大変丁寧に議論を尽くしていただいて、バランスの取れた報告書になっていると考えております。政府・与党としては、この報告書を尊重するところであります。で、国会にこれを報告したところですから、私もこの報告書を尊重いたしております。 一はどうなったのかということですが、何を優先的に記載するか、連立合意書に記載するかということは、これは政党間の話でございます。
○蓮舫君 報告書は尊重するけれども、政党間の、与党としての合意は二で、一ではないと。 宮内庁にお伺いします。現在、内親王、女王で未婚の皇族は何人おられて、大変恐縮ですが、御年齢も教えていただけますか。
○政府参考人(緒方禎己君) お答えいたします。 未婚の内親王及び女王は現在五方おられ、愛子内親王殿下は二十四歳、佳子内親王殿下は三十一歳、彬子女王殿下は四十四歳、瑶子女王殿下は四十二歳、承子女王殿下は四十歳でいらっしゃいます。
○蓮舫君 未婚の皇族五方全員が女性であることを踏まえ、有識者会議の報告では、将来どういう事態になると指摘をされていますか。
○政府参考人(溝口洋君) お答え申し上げます。 報告書におきましては、悠仁親王殿下の世代に悠仁親王殿下以外の皇族がどなたもいらっしゃらなくなるということが想定されます、現在の制度でまいりますと。ということから、そうした事態は避けなければならないと考えられるというふうに記載されているところでございます。
○蓮舫君 そうした事態は避けなければならないという大変重い御指摘なんですね。 そう考えると、未婚女性の皇族の方が御結婚後、皇籍維持という方策も、先送りするのではなく、今、二の案と同時にやはりこれは実現していかないといけないんではないでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 有識者会議の報告は、政府としても私自身としても尊重しております。内親王、女王が婚姻後も皇族の身分を保持することを打ち出しております。 ただし、女系継承となることへの懸念などから、配偶者と子は皇族の身分を有しないこととしております。この報告を尊重しております。
○蓮舫君 昨秋の皇室経済会議で、彬子女王は三笠宮家を継承することが御決定をされまして、信子殿下、これ麻生太郎代議士の妹さんです、は新しく三笠宮寛仁妃家を創設されました。 未婚の女性皇族が宮家の御当主となられるのは百六十二年ぶりです。民間御出身の方が宮家当主となられるのは歴史上初です。附帯決議にある女性宮家の創設がもう動き始めているんですね。 そうなると、内親王、女王は、結婚後も皇籍を保持することを可能にすることを総理はお認めになりますか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) ちょっと御質問の意図が分からなかったんですが、内親王、女王が婚姻後も皇族の身分を保持することについては、この報告を私は尊重いたしております。政府としてもそうでございます。
○蓮舫君 そうなると、政府として尊重しているということは、皇室典範を改正して御結婚後も皇籍離脱をしないで保持するという法改正をしないといけないんですね。その方向ですか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) この有識者の報告書は国会にも報告され、そして衆参両院議長の下で検討され、各党各会派の御意見をいただいて、そしてこの方向で行こうということが政府に示されましたら政府としては皇室典範の改正をする、そういう手順になっております。
○蓮舫君 では、その上で確認をします。 皇統に属する男系男子を養子縁組、皇族にされる。それは皇族数確保のための養子なのか、養子の方又はそのお子様が皇位を継承されるとのお考えなのか、どちらでしょうか。
○政府参考人(溝口洋君) お答え申し上げます。 先ほどお答え申し上げましたとおり、先ほど私が御答弁申し上げました三つの方策、皇族には認められていない養子縁組を可能とし、皇統に属する男系の男子を皇族とすることを含むこの三つの方策は、いずれも皇族数の確保という観点から報告書が提言をしているということでございます。
○蓮舫君 皇族数の確保ですね。皇位継承策ではないですね。
○政府参考人(溝口洋君) 皇族数の確保でございます。
○蓮舫君 皇族数の確保という部分では、やはり皆さん、同じ認識はお持ちだと思うんです。 そう考えると、一よりも二案を優先するのではなくて、同時に進めていくことがとても必要だと思っているんです。 皇統に属する男系男子も既に皇籍を離脱しているので、皇族に戻るのは今禁止をされているんですね。それを改正しようとしている。でも、生まれてから一般国民でお育ちになっている方たちもおられるんですよ。その方たちを、今は禁止している条文を改正して皇族になっていただく。でも、一も同時に進めないと、やっぱり内親王、女王が御結婚され皇籍離脱される可能性が残ったままだと、私、やっぱりこの方たちも皇籍保持を認める方がより広く皇族数の確保を図ることができると思うんです。いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 先ほど来お答えいたしておりますが、これは国会においてまず御議論いただくことです。その報告をいただいてから政府で皇室典範の改正案を作るということになりますので、まずは衆参両院の各党会派でしっかり御議論いただくべきことだと考えております。
○蓮舫君 国会の報告を待っていただけるというのは大変有り難いんですけれども、一方で、総選挙の公約で二案を高々と掲げている矛盾というのもあります。 最後に確認なんですが、世論は、六割、七割、八割、愛子天皇を認めるという声があります、女性天皇容認とも。総理は、女性天皇への法改正へ歩みを進むということはありますか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) もう時間ですね、済みません。 悠仁親王殿下の次代以降の皇位継承について具体的に議論するには現状が機が熟していない、かえって皇位継承を不安定化させるとも考えられるということで、有識者会議の報告も、今上陛下、秋篠宮皇嗣殿下、次世代の皇位継承資格者として悠仁親王殿下がいらっしゃることを前提に、この皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないと、こうなっております。 また、内親王、女王が婚姻後も皇族の身分を保持することが提案されたということで、この有識者会議の報告書を政府としては尊重しておりますが、でも、これは国会で御議論いただいて、政府にその意思をお示しいただいて、その上で法制化を進めると、法律案を提出するということになろうかと存じます。
○蓮舫君 終わります。
○委員長(藤川政人君) 以上で蓮舫さんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(藤川政人君) 次に、末松信介君の質疑を行います。末松信介君。
○末松信介君 自民党の末松信介です。自民党最初の質問者でございます。 質問に入る前に、参議院議員の大塚耕平先生が亡くなられました。この予算委員会で論理立って歯切れよく質問されていたことをよく覚えております。特に、麻生財務大臣に漫画のゴルゴ13を引き合いに出しまして意見を述べたときのことを何となくしっかりと覚えているわけでございます。心から御冥福をお祈り申し上げます。 私が初めて総理を遠くから見たのは、私が青年会議所の会員のときでして、三十歳の高市先生が講師で来られたんです、来られた。すごい経験豊富な方だなと思いました。 そして、それから何年かたって、高市早苗先生と山本拓さんとの大きな結婚披露パーティーに伺いました。来賓祝辞は小泉純一郎総理でした。小泉総理は、この二人の夫婦はすばらしいと、郵政民営化分かってくれた、本当にすばらしい、有り難いことだ、最高だということをおっしゃったことを覚えております。郵政民営化と二人の幸せとどう関係があったのかよく分かりませんけど、とにかくすばらしかったんです。 そして、一番の思い出は、実は総裁選に立候補された後、政調会長になられまして、私はこの本をいただきました。(資料提示)この本を持って、実は総理のところにお伺いをしました、政調会長のときに。そして、崇高雄渾と署名をいただいたわけであります、令和四年。 総理に、まず、施政方針演説で述べられましたが、憲法の改正など、この国家像と、この日本社会どのようにしていきたいか、改めたいところありましたらお話をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(高市早苗君) まず、四十七都道府県、どこに住んでいても安全に生活することができて、そして必要な医療や福祉を受けることができて、質の高い教育を受けることができて働く場所がある、そういう日本列島の姿をつくってまいりたいと思っております。 まさに、今年生まれた赤ちゃんも、そしてまた、初めて投票権を持たれた十八歳の若者も、多くが二十二世紀を迎えることができる方々ですので、そのときに日本が安全で豊かであるように、また、インド太平洋の輝く灯台として、自由と民主主義の国として世界から頼りにされる国であるように、若者たちが日本に生まれたことに誇りを感じ、また未来は明るいと自信を持って言える、そうした国をつくり上げたいと思っております。まさに崇高雄渾の思いで志高く、力強く必要な政策を一つずつ進めてまいる、そういう覚悟でございます。
○末松信介君 ありがとうございます。 実はこの本を全部読ませていただきました。蛍光ペンも全部入っています。九つの章、あらゆる施策、今取り組み始めておられます。敬意を表します。 この本の冒頭に今を生きる世代の責任とありまして、昭和三十六年、一九六一年三月七日、女の子誕生、内閣総理大臣は池田勇人という書き出しで始まります母の育児日記には、日々成長していく私のしぐさに一喜一憂する母の様子などが描かれ、そして文章がずっと続いていくわけでございます。 非常に等身大で庶民的で、家族が支え合っていた良き日本の原風景、総理が、その原点というのがよく見えたわけであります。そして、働けば生活が快適に便利になる、明るく元気な時代だったと振り返っておられます。 この本の通じるテーマとしては、真面目で勤勉な日本人の美徳を大切にすべきと、そして、頑張れば報われる社会、いま一度取り戻さなければならないと強い熱意であります。その観点から、私が、総理が主張してこられました努力が報われる税制、この本に即して言えば、勤労インセンティブを促す税制についての質問でございます。 総理は、その具体例として給付付き税額控除を掲げておられます。大切なことは、払う人ともらう人の二分化が進み過ぎますと、結局、リスクを取って努力する日本人がいなくなってしまうということ、分厚い中間層を、これを拡大していくということ、そのための政策を断行しなきゃならないということをおっしゃっています。 確かに、私も基本的に賛成なんですけれども、生活保護バッシングのように、今後、払う人がもらう人を攻撃したりとか、あるいはもらう人が負い目を感じる、そんな日本社会であってはならないと思います。 いろいろと国民の間でも、また各党いろんな考え方ありますけれども、総理の口から改めて、この給付付き税額控除の意図につきまして御説明をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 二〇二一年の秋に初めて自民党の総裁選挙に立候補したときに政策集代わりに出した本で、初めて給付付き税額控除の実現に向けた私なりの熱意を書かせていただきました。 その設計につきましては、税、社会保険料を含めた給付と負担の全体像を把握した上で、税、社会保険料の負担で苦しむ中所得者、低所得者の負担を集中的に軽減するということで、所得に応じて手取りが増えるようにするといった仕組みを念頭にしております。 消費税の意義を理解しており、かつ、給付付き税額控除の実現に取り組む政党との間で、先般から国民会議を開催して、検討を進めていきたいと思っております。 とにかく格差の是正を目指す場合に、勤労インセンティブを促す税制と著書の中で書かせていただいておりました。だから、給付付き税額控除を所得に応じて手取りが増える仕組みにすることで実現できると思っております。 払う人ともらう人の二分化が好ましくないとしていた点につきましても、給付付き税額控除を実現する中でも、全世代で能力に応じて負担し合える、負担して支え合える全世代型社会保障の財源である消費税、これを存続させることで改善できると思っております。当時からこの思いは変わっておりません。
○末松信介君 大分意味は分かりましたです。 国民会議でも話をしていますし、党でも会議が始まっております。取りあえず、税額控除というのは非常に複雑でややこしいので、給付だけ急ぐべしという御意見も党にございます。 そして、財源のことがやっぱり一番問題になってくると。今回、高額所得者の方の金融所得に対して適正な課税を行うことで二千八百七十億円を確保したということでありますから、こうした点、いろいろと工夫をしていっていただきたいと、かように思います。制度設計はこれからなんで、よろしくお願いします。 ところで、この本にもありますけれども、教育の話なんですけれども、今、伸び盛りの子供たちにしっかりとした教育を受けさせたいわけです。教育予算がまだ少ないと私は思っております。 OECDからも指摘を受けているわけです。五年、十年、その教育が先延ばしになりましたら、その分、今の子供たちの教育の質が高められないということ。我が国のやはり最大の資源は人材でございます。エネルギーもなければ資源もない国が戦後発展できたのは、やはり科学技術の力だと思います。 地方自治体でも、法人住民税の超過課税で、いろんなスポーツ施設とか、あるいは文化施設なんかを整備しているんですけれども、私は、これを一つのモデルとして、国の施策として教育目的税を制定するとか、何か考えるのは一つ必要だと思うんです。企業が将来日本の成長の源泉となる人材育成に直接的に財政支援をしていくという、この仕組みは大事だと思うんです。 教育目的税などを構築することについて政府の見解を求めたいと思います。単に負担ではなくて、日本の国際競争力が落ちていますので、やっぱり未来への投資ということで産業界に協力を求めるということ、これ大事だと思いますんで、御見解をお願いします。
○国務大臣(片山さつき君) 末松委員、文科大臣時代に大変御指導いただきましたが、まさにこの国の未来を担う人材を育成するということで、教育はもう最重要でございまして、教育費の負担軽減については、これまでも財源を確保しながら、幼少期から高等教育段階まで切れ目がないような形で取り組んでまいったわけで、まさにその方針を実現された方のお一人ですが、令和八年度からのいわゆる教育無償化についても、歳出改革、それから租税特別措置の見直しなどで新たな財源を確保した上で実現するということで今の予算案をお願いしているところですが、いろいろな考え方がございまして、教育は国債でという御意見も出ておりました。 それについては、リスクを最小化し、未来を創造するための投資に係る新しい財源調達の在り方をこの責任ある積極財政の下で検討するということになっておりますので、引き続き前向きに検討しているところでございますし、確かに、超過課税を使っておられるという自治体の経験も踏まえて、経済力の基盤になるのが人材力だから法人税にというような、当然そういう御意見も出るわけで、今の時点ではまだ具体的に検討は行っておりませんが、まさにおっしゃったように、教育こそが未来への投資、未来への人材投資であるという観点から、この財源確保の上で、今後、まさに与党での御意見を、そして御議論を踏まえながら、御一緒に頑張って対応してまいりたいと思っております。
○末松信介君 高校教育無償化、給食費の無償化で六千億くらい要るんでしょうか、八千億かな、必要でございます。このことを見ながらなんですけれども、教育国債は、私は国民民主党の玉木代表と大分考え方が一緒でございます。是非そのことは検討を続けていっていただきたいんですけれども。 重ねて、私は、企業に、これはトビタテ!JAPANで文科大臣もよく要請に行かれるんですけれども、十分な対応をいただいているかといったら、私は少ししょぼいんじゃないかと思います。もっと頑張ってほしいと、財界には、そのことをお願いをしたいと思います。側面から是非御協力をいただきたいと思います。片山大臣なら必ずできます。できます。 次に、イラン情勢についてお伺いします。 核施設や指導者層を標的としましたイラン空爆に対して、国際社会で非常に賛否が分かれております。米国際法協会では、今回のイラン空爆を国際法違反と断じております。この観点から、我が国も冷静に判断する必要があると思います。 他方、我が国と関係の深い二つの国がこれ明確に敵と味方に分かれて紛争が起きてしまった以上、我が国の国益上は、唯一の同盟国米国との立場を最大限尊重する必要はあると思います。 ただ、我が国同志国に対して、午前中にも広田先生から質問がありましたけれども、人、物、金、何らかの負担が求められたときにどうするかということでありますけれど、なかなかまだこれは仮定のことには答えられないという話でありますけれども、総理から改めてちょっと御見解をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(高市早苗君) まず、イランによる核兵器の開発は決して許されないというのは我が国の一貫した立場です。我が国としては、関係国とも連携しながら、イランの核問題解決に向けた外交努力を行ってまいりました。 今委員がおっしゃっていただいたとおり、イランとの間でも長年にわたる関係を築いてまいりましたので、今般の事案発生後、同盟国である米国との間でも緊密に意思疎通はしておりますが、イラン政府との間でも必要なやり取りを継続いたしております。 日米首脳会談においては、我が国の立場、考え方を伝えますが、今後の対応について予断するようなことはいたしません。いずれにしても、日本の国益に沿うように、適切に対応してまいります。
○末松信介君 国益を守るということのお話でありましたけれども、仮定のことは答えられませんけれども、想定はしておかなきゃならぬと私は思っておりますので、恐らくいろんな事実、こうなるのだろうという事実認定しながら、いろんなことをケース・バイ・ケースで勉強しているし、各省庁から、今、どんなことができるかということをまとめているというお話がございましたので、その点をよろしく対応いただきますようにお願いします。 なお、国内対策、やはり石油も上がってきていますし、これからほかの物価もずっと上がってまいりますので、是非この政策は誠実に、ぶれずに、時機を逸することなく迅速によろしくお願いします。昨日の「日曜討論」でも、これはもう予備費のことであるとか補正予算の話も出ておりますので、この予算が通ってからの話でありますけれども、よろしく対応をお願いいたします。 次に、私はお話し申し上げたいのはインテリジェンス機関の強化についてなんですけれども、核兵器の恐ろしさは、決して理屈だけで語ることはできないと思うんです。かつて、世界は核兵器により滅亡の危機を迎えたことがございます。言うまでもなく、一九六二年のキューバ危機でございます。 二〇〇三年、八十七歳の元国防長官であられましたロバート・マクナマラ氏が、ドキュメント映画で当時のことを告白されました。十年前に安倍総理にも同じ話をいたしました。 当時、私は小学校の一年生でした。一九六二年十月十六日にソ連が核ミサイルをキューバに持ち込んだ瞬間、当時アメリカの人口九千万人です、国民が核の危機にさらされました。そして、十一日後の十月二十七日に、フルシチョフ氏が、第一書記です、ホワイトハウスに二通の手紙を送ります。一通目は、アメリカがキューバに侵攻しなければ撤退する用意がある、友好的な手紙です。もう一通は、攻撃すれば大規模な反撃に出るという強硬な手紙でありました。 ケネディ大統領は困惑したんですね。ルメイ将軍は、即攻撃せよと言います。一方、前モスクワ大使のトンプソン氏は、友好的な一通目にだけ答えてくださいと進言するんです。しかし、ケネディ大統領は、それでは駄目だと、解決につながらないと反対しましたが、トンプソンはケネディ大統領に、あなたは間違っていますと真正面から反対をしました。結局、トンプソン氏はフルシチョフ氏と家族的な付き合いがありましたから、フルシチョフが今どんな立場に置かれているかということを、そのことがよく分かったわけであります、苦しい立場が。結局、一通目だけの手紙に回答しました。答えは正しかったんです。 しかし、マクナマラ元国防長官は、回顧録でこう語っています。核戦争に至らなかったのは運が良かっただけである、我々は瀬戸際まで行ったと。ケネディもフルシチョフもカストロも理性ある人間。にもかかわらず核戦争の寸前まで行ったと、その危険は今もあると。 三十年後の一九九二年、マクナマラ氏はキューバを訪れましてカストロ議長と対面します。そして、カストロに、あのときキューバは一体何発の核弾頭があったんですか。答えは百六十二発なんです。通訳の聞き間違いと思って確認したんですけれども、カストロの答えは同じでした。カストロは、核の存在を知っていた、フルシチョフに核の使用を進言する用意があった、使用すればキューバは滅亡していたであろうと明言したわけであります。 キューバ危機の最大のこの教訓というのは、人間の弱さと核兵器の恐ろしさであります。当時の二千五百発のこの核ミサイルが、一人の人間で、しかも十五分でそれを発射することができると。一人の人間が判断を誤れば瞬時にせん滅が起こると。この言葉は、今のイラン情勢に何か通ずるものを感じるんです。 イランが保有しているとされる核関連施設の実態は、表面上のことだけで決して分かりません。でも、突如核兵器が出てきたということが明らかになれば、それを予測できるようにその努力をする必要が、我が国は必要がございます。 高市総理の御著書に、インテリジェンスについて繰り返し主張されておられます。情報力を強くすることは、これは国防力を強くすること、外交力を強くすること、経済力を強くすること、あらゆる国力を強化することにつながるとおっしゃっています。その具体策こそ、内閣情報調査室を格上げして国家情報局を創設して、各省庁の情報を一元的に集めて、そして分析する、そういう司令塔が必要であるということです。 スパイ防止法の整備と併せまして、日本国が同盟国だけに頼らず、自律的に戦略判断ができるように、自国でそういった情報収集できる、それこそが私、高市提唱型のインテリジェンスだと思うんですけれども、総理のお考えを伺います。
○国務大臣(木原稔君) 先週の金曜日に国会に法案を提出させていただきました国家情報会議設置法案、その担当の大臣を務めますので、私の方から説明させていただきますと、この内容としては、閣僚級の国家情報会議と、そしてそれを支える国家情報局を設置して、インテリジェンスの司令塔機能を強化するものであります。これによって、質の高い、また時宜にかなった情報を基に政府として的確な意思決定を行うことにつながるというふうに考えております。 今、末松委員御指摘あったように、キューバ危機の事例に、あるいはイランの情勢触れていただきましたけれども、これいずれも、今後我が国にいつ降りかかるか分からないこの危機というものを未然に防ぎ、また国民の安全や国益を守るためには、政府の対外情報機能の充実や、また外国勢力による我が国の意思決定に不当に干渉するリスクに対処する仕組みが求められると、そのように思っております。 今回、連立政権合意書に掲げられた他のインテリジェンス政策も含めて、これはいずれも短期間に結論を得られるものばかりではありませんけれども、政府としては、様々な御意見、そして今委員のような様々な事例、こういったことも御指摘を、これを御意見なども賜りながらしっかりと検討を進めてまいる所存です。
○末松信介君 しっかりとした組織にしていただきたいと思います。 あのキューバ危機の教訓というのは、敵の立場に立って考えること、そして人間の理性には頼れないということ、これは二つ、やっぱりインテリジェンスの重要なところであります。 我が国は、安倍晋太郎外務大臣、安倍晋三元総理の下で、イランを訪問するなどバランス外交を展開してきました。アメリカに対していろんな考え方も内在していることは事実なんですけれども。 我が国、度重なる自然災害でいろんな経験しております。瓦れきの撤去や復興支援で必ず貢献できることがあると思うんですけれども、紛争国の国々とどのような関係を築いていくのか、将来のイラン紛争後の関与に関する考え方につきまして、現段階で結構ですので、イランにも行かれたことある外務大臣から御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 率直に申し上げて、今後の見通しについては、事態まさに進行中でありまして、現時点で確たることを申し上げるのは困難なことは末松委員もよく御案内だと思いますが、我が国、これまでも国際社会の責任ある一員として、中東地域の平和と安定のために様々な支援を行ってまいりました。また、日本の国内でもそうでありますが、例えばウクライナにおける復旧復興支援を始めとした各国への支援を通じて、瓦れきの処理であったりとか撤去であったりとか、様々な知見、経験を持っておりますので、今後の情勢を見極めて、これまでに得てきた知見、経験を生かして、地域の安定と、これに貢献をしていきたいと考えております。
○末松信介君 次の質問で総理に仲介の労をと思ったんですけれども、二〇一九年、安倍さんがイランへ行かれました。ロハニ大統領とハメネイ師と会ったんですけれども、あのときは紛争がまだ始まっていなかったので、今始まってしまいましたので、そう簡単ではないのですけれども、できるだけタイミングよく仲介の労を取れる機会があったらよろしくお願いしたいと。今、いろんなつながりがあるということをお話を聞きまして安心をいたしました。 次に、話はがらっと変わります。 いろんなエネルギーの問題ですけれども、エネルギーリスクを低減するために、SAFというのがございます。最近、テレビコマーシャルで賀来賢人さんが出演され、SAFの宣伝をされています。御家庭で、飲食店とかで使い終わった天ぷら油を再利用して航空燃料を作ることなんですが、ここで、このSAFというものはどういうもので、どのような目標を立てておられるのか、お伺いをします。 〔委員長退席、理事長谷川岳君着席〕
○政府参考人(山田仁君) お答え申し上げます。 SAFとは、化石由来のジェット燃料と比較して、CO2削減効果の高いバイオ由来のジェット燃料を含む持続可能な航空燃料のことでございます。 国際航空運送分野におけるCO2排出については、国際民間航空の国連専門機関であるICAOにおきまして、二〇二四年以降二〇三五年までのCO2排出量を二〇一九年の八五%以下に抑えるという厳しい目標が採択されております。その達成手段として最も期待されているのがSAFでございます。それを受け、我が国としては、本邦エアラインによる二〇三〇年時点の航空燃料使用量の一〇%をSAFに置き換えるという目標を掲げているところでございます。 SAFの製造技術といたしましては、廃食用油等を原料とするHEFA、アルコールを原料とするATJ、二酸化炭素と水素を合成して製造する合成燃料等がございます。足下ではHEFAの技術が確立されておりまして、今後、賦存量が豊富なATJ、合成燃料が確立されると見込んでございます。
○末松信介君 ありがとうございます。 昨年十二月に、持続可能な航空燃料の会、SAF議連も開催しました。石油業界、航空業界、関係業界、全部集まりました。いろんな意見をいただきました。一つ分かったことは、ある種両にらみ状態にあると。航空燃料は大体一リットル百円、SAF三百円。ですから、航空業界は、二百円もの差では注文できないという。石油元売会社は、航空会社が契約してくれないと作れないという。この値差を埋めないと、国産SAF製造拡大はできません。この状況を打破するために、政府が先導して政策を進める必要があると思うんです。 まず、SAFについて、日本としてどの程度重要であるかが認識されているのか、総理のお考えをお伺いします。
○内閣総理大臣(高市早苗君) まず、SAFを国内で供給するということは、脱炭素だけではなくて、航空燃料の安定供給確保を通じたエネルギー安全保障の強化、そして国内新規投資による経済成長にも資するものですから、極めて重要であります。 本年一月に、末松委員が中心となって取りまとめてくださった持続可能な国産燃料を考える会の御提言を踏まえまして、国産SAFの導入拡大やコスト低減に向けた取組を進めてまいります。具体的には、航空燃料供給事業者へのSAF供給の義務付けですとか、それから、SAFを利用する航空会社へのインセンティブの導入などを含めて取り組んでまいりたいと思っております。
○末松信介君 ありがとうございます。 続いて、国産SAFの立ち上げ、導入に向けて政府としてどのように進めておられるのか、経産大臣、御答弁願います。
○国務大臣(赤澤亮正君) SAFの重要性については今総理からお話がありましたので繰り返しませんが、国産SAFの導入を拡大するためには、競争力のある価格で安定的な供給を行う体制の構築と需要の創出が重要でございます。 経済産業省としては、GX経済移行債を活用して五年間で約三千四百億円の大規模なSAF製造設備への投資支援を行うこととしているほか、税制措置を通じ、投資、生産を後押ししてまいります。また、末松委員が会長を務められている議連の御提案をまさに踏まえて、SAF供給義務などの規制的措置の導入についても検討していきたいと思っております。 現在、国内で五件の大型SAFプロジェクトの立ち上げに向けた検討が進められております。これらはいずれも本年内、二〇二六年中には投資判断を求められる重要な局面を迎えており、今年が言わば勝負の年です。政府としても、スピード感を持ち、官民一体となって取組を進めてまいります。
○末松信介君 よろしく御対応のほどお願い申し上げます。 そして、値差支援です。 シンガポールでは既にこのSAF税を始めておりまして、日本の取組が遅れていると思うんです。日本政府としてどのような政策を考えておられるのか、国交大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(金子恭之君) お答えいたします。 SAFの導入促進に向けましては、利用者側としても、航空会社の自助努力に加えて、コスト負担に関する一定の支援の仕組みの検討が必要だと考えております。その際には、持続可能な仕組みとする観点から、御指摘のシンガポールを始め諸外国の事例も参考にしまして、利用者の理解が得られる範囲で、利用者全体で広く必要なコストを分かち合う仕組みの可能性について検討してまいります。 そのために、国土交通省といたしましては、本年四月にも有識者による検討会議を立ち上げまして具体の制度設計に向けた議論を進めるなど、官民一体となった取組を推進してまいります。
○末松信介君 よろしくお願い申し上げます。 日本は、エネルギー資源の九九%を輸入に頼っております。しかし、SAF生産を拡大しまして、二十二兆円規模に成長すると言われるアジア市場にこれ輸出をすると。我が国、これエネルギー輸入国からエネルギー輸出国へ転換できる一つの大きなチャンスだと思っています。資源戦略は経済成長のエンジンでありますので、よろしくお願いします。是非、政府は、四年後には混合率一〇%がこれある程度義務になっておりますので、そのことを念頭に置いていただきたいと思います。 次は、防災のイノベーションについて伺います。 高市総理は、三月十一日、東日本大震災の追悼式典に出席をされました。あれから十五年です。 福島第一原発では、廃炉作業が今なお進んでおります。その三号機で、今月五日に、十二センチメートルという小さな小型ドローンが格納容器の中を飛行しまして、内部の映像を撮ることに成功いたしました。今後も撮影を繰り返しまして、事故で溶け落ちた核燃料デブリの新たな情報を得ることが期待されています。 パネルを御覧ください。 昨年一月、埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故でも小型ドローンが使われました。硫化水素が発生している極めて危険な環境での調査でありまして、難航いたしておりました。小型ドローンを投入した当日、一回目の調査でトラックの運転席を発見したんです。また、発見しただけではなくて、陥没箇所近くの下水管が劣化している様子も写して帰ってきました。それが次のパネルでございます。 直径五メートルのこの下水道管の内部です。本来コンクリートで塗り固められているんですけれども、近づくにつれましてぼろぼろに剥がれています。 現在、下水道の内部の点検に小型ドローンが使われ始めております。ただ、下水道管は高度経済成長期に造られたものが多くて、老朽化対策が重要な課題となっております。しかし、下水道管の調査は硫化水素が発生することがありまして、極めて危険であります。八潮の事故から重点調査を行って、あれから四人の方が亡くなられております。小型ドローンならば作業の安全も確保した上で点検ができますが、他方、やはり大きな自治体ができて、小さな自治体ができません。予算の問題もあります。 政府が定めました成長戦略十七分野に防災が入っておりますけれども、総理がかねてからこの防災、技術革新、イノベーションを主張されておられますけれども、標準歩掛かりの設定始め、新技術を自治体にも導入しやすいように、政府として何らかの協力ができるように施策を組んでいただきたいと思います。御見解をお願いします。
○国務大臣(金子恭之君) お答え申し上げます。 自治体の限られた予算、体制で効率的にインフラメンテナンスを進めるため、また、委員御指摘の八潮市における道路陥没事故現場のように人がなかなか入り難い場所における作業を可能とするなどの観点からも、AI、ドローン、ロボットなどの新技術の導入を推進することが重要であります。 昨年六月に閣議決定いたしました第一次国土強靱化実施中期計画においても、インフラメンテナンスに当たりこうした新技術を活用することとしており、また、総理からも、令和の国土強靱化対策の中で、最新技術を活用した効率的な老朽化インフラ対策に取り組むよう御指示いただいております。 このため、国土交通省におきましては、中小規模の自治体も含め新技術を活用できるよう、新技術の概要や活用できる場面などを整理したカタログの公表、新技術を活用する場合における補助金の優先採択や交付金の重点配分、新技術導入のノウハウを有する専門家の自治体への派遣、新技術を活用した場合の発注業務が円滑にできるよう、新技術の活用を考慮した積算基準の整備などに取り組んでいるところでございます。 引き続き、地方公共団体のドローン等の最新技術を活用した効率的な老朽化インフラ対策を支援してまいります。
○末松信介君 ありがとうございます。 この小型ドローンは、能登半島の地震の際にも建物の床下の柱のずれを発見しました。安否不明者の捜索にも貢献できるはずです。 現在、ドローンの世界シェアは約八割が中国となっています。外を飛ぶ汎用型のドローンが大変強いと言われているんです。これに対抗していくには、日本は技術に難しい領域で挑戦するしかありません。劣悪な環境と狭いところに日本強いんです。この小型ドローンは、国内で作られた世界に冠たる技術です。撮影した映像はAIで処理をされます。老朽化対策はどの国でも必要でございますけれども、有毒ガスとか放射能があっても安全に点検できる、これは我が国だけでなく世界でも求められる、こういう技術だと思います。 やはり、危機管理投資でこうした成長の種というものを見付けて世界へ売り出すと、このことについて総理の見解を伺います。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 高市内閣では、成長戦略十七の戦略分野の一つに防災・国土強靱化を掲げ、投資を促進すべき主要な製品、技術として防災技術をお示ししました。ドローン、衛星、AI、また電磁波などを活用した防災技術について、技術開発をし、商品化をし、現場実装をし、その好循環を生み出す。 もちろん、それは国内で私たちの命を守るためにも使いますが、自然災害の激甚化ですとか頻発化というのは、もうこれ世界共通課題ですから、官民一体で海外展開もしっかり促進をして、日本の強い経済につなげてまいります。
○末松信介君 ありがとうございます。 実は、総理、この小型ドローンを開発した企業というのは、千葉工業大学のロボットを研究していた仲間でつくられたベンチャーです。我が国を成長させるためにも、理系、デジタル人材を増やしていくことが大変重要です。 パネルを御覧ください。 二〇四〇年に事務職が四百三十七万人あふれる、余剰するわけです。一方で、AI、ロボットを利活用する人材は三百三十九万人、大幅に不足することが予想されています。 また、政府が定めた成長戦略十七分野、もうAIも半導体も量子も宇宙も創薬も、これ全て理系人材がいないとこれは成り立ちませんです。 我が国の子供たちの理数リテラシーは世界トップレベルです。理科が好きな子供も多いんですが、しかし、高等教育段階になったら、理系から、理数系から離れてしまうんです。二〇四〇年の大卒、院卒の理系は百二十四万人不足すると言われています。 現在、文系と理系は大体三対七です。これを五対五に持っていきたいという考え方です。成長分野の展開に向けて、文部科学省の見解を伺います。
○国務大臣(松本洋平君) 今資料でもお示しをいただいておりますとおり、二〇四〇年には社会産業構造が変化をいたしまして、理工、デジタル分野の専門人材等が圧倒的に不足することが見込まれております。また、これも御案内でございますが、我が国の子供たちは、高い理数リテラシーを持っております。実際に国際調査においても、そのことは数字で示されているところであります。 しかしながら、早々に理数系の学びから離れてしまいまして、自分の好きでありますとか得意を伸ばせるような状況になっていない、これが課題であるというふうに認識をしております。高校、大学を通じた教育改革を進めることが重要であります。 そのため、初等中等教育段階におきまして、文系、理系双方の素養を有する人材の育成や、専門高校の機能強化、高度化の取組、これらと連動する形で、高等教育段階において、大都市の大学における理工、デジタル系人材育成の強化や、人文社会科学系学部における教育の質の向上に向けた取組を支援するなど、改革を一体的に進めてまいりたいと存じます。 特に、大学などにおきましては、成長分野への学部転換等を更に促進するため、大規模な改革に取り組む大学への補助拡大を含めまして、文理横断の学部再編などを対象にした支援を拡充すること、高専の新設などへの支援をしていくこととしております。また、日本成長戦略会議人材育成分科会の取りまとめ担当である私の下で、産業構造の変化も踏まえた高等教育改革の方向性についても検討を進めているところでもあります。 是非、今、末松委員からもお話がありましたそうした観点で教育分野も貢献をしていくことができるように、全力を尽くしてまいりたいと思います。
○末松信介君 教育未来創造会議の第一次提言は、この理数系人材を増やすということでございました。 やはり、数学を捨ててしまう段階が早いんです、日本は。だから、どうしても、高校まではきちっと学ばすということ、この改革をしない限りいけないと。そして、文系の大学にも数学を試験に入れるということをやっぱりやっていくとかしないとこれは伸びないので、具体的に、大臣、やっていただきたいんです。 通告していませんけど、答弁願います。
○国務大臣(松本洋平君) 問題意識は共有をしているところであります。だからこそ、今、その高校改革、そして大学、大学院改革の中で、この数学的な素養というものをしっかりと身に付けてもらうような、そうした教育の在り方というものを今検討をしているところであります。 また、今委員からもお話がございましたように、私は文系、私は理系ではなくて、やはりこれからの時代は、文系の道に進む皆さんにもやっぱり理系の素養というものはしっかりと身に付けていただく、基礎的なものは身に付けていただくなどして、できればその文理という垣根というものをできる限り低くしていくということも我々今後進めていかなければいけない、そういう問題意識を持っているところであります。 いずれにいたしましても、今、そうした日本成長戦略会議人材育成分科会の下で産業構造の変化も踏まえた高等教育改革の方向性について検討を進めているところでもありますけれども、こうしたところで有識者の皆さんを始め様々な御意見というものを伺いながら、同じ問題意識を共有しつつ、教育改革へ進めてまいりたいと存じます。
○末松信介君 成長分野への転換基金等々もありますし、そういったことを念頭に、増額もしなきゃいけませんが、よろしく文科大臣、対応いただきたいと思います。 次に、介護報酬についてです。 高市総理も、本当の介護と御苦労を知っておられます数少ない総理の一人であります。敬意を表します。 人手が今足らないんですね。閉鎖を余儀なくされています、株式会社も社会福祉法人も。介護事業者の三七・五%が赤字経営です。賃上げ、物価高に、公定価格であるこの介護報酬が追い付いていません。総理も片山大臣も上野大臣もそれを重く受け止めていただきまして、その結果、昨年末、臨時の介護報酬改定でプラス二・〇三という大きな数字を実現していただきました。 しかし、この介護業界も大変感謝しておるんですけれども、課題がございます。制度の複雑化なんです。 自立支援とか重度化防止とか生活機能の維持向上といったこの政策目標を実現するために、厚労省は結局新たな加算や細かな要件を設けまして、介護現場を政策誘導してきた一面があります。しかし、要件が厳しくて、現場の負担は増すばかりです。多くの事業所は、算定したくてもできない、算定要件を満たすための手間が報酬に見合わないと諦めてしまいます。 ここで厚労省にお伺いするんですけれども、入浴介助加算Ⅱの取得率と算定要件を教えてください。
○政府参考人(黒田秀郎君) お答え申し上げます。 委員御指摘のデイサービスにおける入浴介助加算Ⅱ、これは、利用者の方がデイサービスで入浴をするだけではなくて、利用者の方が自宅で入浴を行えるようにするということを目的とした加算でございます。 〔理事長谷川岳君退席、委員長着席〕 要件でございますが、専門職の関与の下、利用者宅の浴室の環境をまず踏まえた個別の入浴計画を策定をした上で入浴介助を行うことを評価する加算として設けられております。加算の算定率ですけれども、令和七年四月時点で一二・二%でございます。
○末松信介君 ありがとうございます。 加算というのは、総理、取りやすい加算と、絶対取れない加算と、頑張ったら取れる加算と三種類ありますんですね。この入浴介助加算というのは非常に、介護報酬、この処遇改善を拡充したとよく言われるんですけれども、現場の活力につながらないんですよ。その象徴的な例が今の入浴介助加算Ⅱなんですけれども、この加算、通所介護などで一日五十五単位と、割合高単価なんです、比較的高単価です。 先ほど答弁された算定要件、想像してみてください。デイサービスのスタッフとかケアマネジャーが利用者の御自宅に突然お邪魔して、浴室を見せてください言うんですね。そして、ここでどう動いていますかと細かくチェックすると。お宅の浴室を評価させてくださいと。高齢者のプライバシーや家族のプライドを思うと、そんなことは簡単に口にできる事業所は少ないんです。 ですから、厚労省は自宅で安全に入浴できるようにという目的だったと思いますが、事業所は、もうこれは取れない加算だから基本報酬で頑張るしかないと。結局、利用者はより質の高い入浴支援を受けにくくなる、そして誰も結局得をしないという、これが近年相次ぐ取得困難加算の典型的な例であります。 算定のため事務負担は増える一方ですし、現場の介護職は、利用者の笑顔を守るプロから加算取りのプロになってしまうと。取れない加算を幾ら増やしましても現場は疲弊するだけで、現場に即したより実効的な報酬体系を、これは令和九年度、第一歩として考えるべきではないかと思うんですが、これにつきまして、厚生労働大臣のお考え、お伺いします。
○国務大臣(上野賢一郎君) お答えいたします。 今委員から非常に大事な指摘をいただいたと考えております。 介護報酬の加算に対しましては、利用者に対する事業者のきめ細かな取組、これを評価するものでありますが、今御指摘がありましたとおり、介護の現場における事務負担、これが相当重くなっていたり、なかなか困難になっている状況があろうかと思いますので、それも重要な課題だというふうに考えております。 事務負担の軽減に向けましては、例えば処遇改善加算、前回の介護報酬改定において事務の簡素化の観点も踏まえて改定を行いました。これ、そもそも十八パターンあったんですけど、これを四パターンにしました。 こうした努力もしているところでございますが、いずれにいたしましても、前回の改定の審議報告で、事務負担軽減の観点から、報酬体系の簡素化あるいは制度の安定性を踏まえた報酬の在り方について引き続き検討していくということとされておりますので、現場の声をしっかりと受け止めながら、令和九年度の介護報酬改定に向けて、引き続き必要な対応を行ってまいりたいと考えています。
○末松信介君 是非、基本報酬を高めるというのは、努力している施設と努力していない施設が一緒になっちゃうんですね、ある面で、その部分までは。矛盾はあるんです、よく分かっているんですけれども。しかし、そこまで来るぐらい苦しくなってしまったという実態、人が集まらない問題、ここはやはり大臣、よろしく研究していただきたいと思います。一・九万円、鳴り物入りで総理のパンフレット、入っていますよね。あれだって、加算があって、きれいに一・九万円取れないんですよね。調べていただいたら分かります。そういうことでありますので、よろしくお願い申し上げます。 次に、瀬戸内海の再生についてでございます。 私は、議員活動で瀬戸内海の再生、豊かな海を取り戻す取組を行ってきました。海が大変きれいになりました。きれいになり過ぎたと言った方がいいかもしれません。水清くして魚すまずであります。超党派の瀬戸内海再生議員連盟を立ち上げまして、仲間と一緒に瀬戸内海環境保全特別措置法を二度改正しました。林大臣も会員に入っていただいておったですかね、ありがとうございます。 そのとき、二度目の改正のときには小泉進次郎大臣に本当にお世話になったんです。明石までお越しをいただいて、色落ちしたノリと色落ちしていないノリを食べていただいて、大変な法案審議の前に入っていただいて対応いただきました。心より感謝申し上げます。 一度目の法改正から十二年、二度目の法改正からこれ五年たちましたが、水産庁に伺います。漁獲量はどう推移しましたか。
○政府参考人(藤田仁司君) お答えいたします。 瀬戸内海におきます漁船漁業による漁獲量につきましては、昭和五十七年の約四十六万トンをピークとして減少を続けております。委員御指摘の平成二十六年は十六万トンでございますけれども、直近の令和六年、これは約十一万トンとなってございます。 平成二十六年以降の魚種別の状況を申し上げますと、マダイは増加傾向にございますけれども、カタクチイワシやサワラは横ばいでございます。イカナゴやタチウオ、エビ類などの漁獲量は大きく減少をしてございます。 水産資源の減少要因は魚種によって様々なものがございますけれども、例えばイカナゴにつきましては、海水温の上昇や栄養塩類の不足による餌生物の減少などが指摘されている状況でございます。
○末松信介君 やはり、三十年たって魚が減ったから、三十年掛けて魚を増やそうとしたんですけれども、十二年たっても十分な効果が出ていないと、私はそう思います。 それと、昨年、深刻なカキの大量へい死が起こりまして、養殖業を始め、加工、飲食業、広く打撃を受けました。へい死の原因究明は、自治体もいろいろなデータ出しますけれども、国が責任を持って対応すべきと思いますが、これどうなっていますか。
○国務大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。 昨年のカキの大量へい死につきましては、私もすぐに現地に伺わさせていただきましたが、余りにも厳しい現場の実態を目の当たりにさせていただいたところであります。 ですので、視察の翌月には、関係省庁の政策を総動員した高水温等によるカキへい死被害への政策パッケージ、これを取りまとめをさせていただきました。このへい死の原因究明は時間を要するものの、まず、今年一月には、次年度の生産に向けて、高水温や餌不足などの現時点で推測されるへい死要因と有効な対処方法を整理し、公表させていただきましたし、また、今週十九日には、水産庁や関係府県、試験研究機関による連絡協議会を開催をし、各県における次年度のへい死軽減に向けた取組について情報交換を行うことになっております。また、先月末から、水産研究・教育機構を中心に、カキ大量へい死の発生状況等の調査や、原因究明と対策に係る緊急研究を実施をスタートをさせております。 引き続き、この政策パッケージに基づいてしっかり対応してまいりたいと思います。
○末松信介君 今年の種付けと養殖が、カキ養殖が展開できるかということが大変心配でありましたけれども、その点をよく念頭に置いていただきたいと思います。すぐに原因が分かるわけではありませんし、今、海水温の上昇とか垂直護岸が増えまして、魚のすみかとなるところが減ってきました。藻場、干潟も減少しました。課題はたくさんあるんですけれども、根本的には、海の栄養が足らない、海が痩せてしまっているんですね。 人口が集中している大阪湾は、これは近隣の海域の栄養供給源なんです。直近の大阪湾流域別下水道整備総合計画、大阪湾流総といいますが、これ、放水濃度を上げていただきました。 関係自治体の協力の下、各下水処理場からの栄養塩の供給を増やしていく必要がありますけれども、このことにつきまして、国土交通大臣、御答弁をお願いします。
○政府参考人(石井宏幸君) お答えします。 豊かな海の再生に向け、下水処理場からの放流水に含まれる窒素やリンの濃度を上げる能動的運転管理を行っており、瀬戸内海沿岸では、令和六年度末時点で二十五自治体の下水処理場、四十四か所において取り組んでおります。 国土交通省としましても、窒素やリンの増加が求められる時期において、下水処理場からの放流水の上限を緩和する制度改善を行うなど、能動的運転管理が更に広がっていくよう取り組んでまいります。
○末松信介君 今言ったように、水温の問題があるのか、藻場、干潟が減ったのか、とにかく魚種も変わってきていますので、海の中のことは分かりませんから、とにかく全体として大きく、三十年前に比べて六四%ぐらい、これはもう山口県から大阪まで魚が減っているはずなので、研究を引き続き努めていただきたいと、かように願います。 最後に、創薬の競争力について、強化についてお伺いします。よろしいですか。ここは外すと言っていたんですけど、時間がちょっとあったので聞きます。 新型コロナから世界を救ったメッセンジャーRNAワクチンは、アメリカの大学発スタートアップのモデルナが、僅か数か月で開発をして実用化したものです。 日本は輸入に頼りまして、この調達費用が二兆四千億円掛かったんですね。もしあのとき日本で発見から実用化まで完結できる力があれば、日本発のワクチンで世界をリードしていたかもしれません。中国に大きく依存している原薬の輸入がストップされたその場合、抗生物質、ワクチンも手に入らなくなると、そんな医療安全保障の危機が現実の脅威です。 日本の創薬競争力がなぜ低下したのか、その核心は、私は、発見は日本、実用化は海外というこの構図を変えなければ、日本は永遠に創薬後進国のままです。だからこそ、発見から実用化まで、グローバル化まで日本で完結する創薬戦略が必要だと思います。 象徴的な例がオプジーボです。森喜朗先生がオプジーボで一命を取り留められました。私の地元、医療産業都市でありますけれども、ここの理事長を本庶佑先生がされたんです。一九九二年に、免疫のブレーキ、PD―1を発見して、がんの歴史を変えました。その成果をもって、二〇一八年、ノーベル賞を受賞されました。 しかし、国内での大規模資金や臨床開発が追い付かず……
○委員長(藤川政人君) まとめてください。
○末松信介君 はい。 小野薬品が開発を主導したものの、グローバル市場を制したのは米BMS社でした。余り言われたらこれで質問やめなきゃいけません。途中で切れますけれども。オプジーボで世界で数兆円の売上げを生みましたけれども、基盤発見した日本の収益の大部分は海外でした。基盤発見は日本、収益は海外でした。この構図を見て、大臣、どのように思われますか、見解を、その。
○国務大臣(小野田紀美君) じゃ、簡潔に。 いろいろ御指摘をいただきまして、ありがとうございます。 しっかりいろいろ、国がどれぐらい投資していくかとか、答弁用意していたんですけれども、時間もございますので、先生の、いただいた危機感をしっかりと共有しながら、官民投資ロードマップ、十七の戦略分野でしっかりまとめていきたいと思います。
○末松信介君 小野田大臣を信じています。 ありがとうございました。
○委員長(藤川政人君) 以上で末松信介君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(藤川政人君) 次に、山谷えり子さんの質疑を行います。山谷えり子さん。
○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。質問の機会をありがとうございます。 内外、大変に厳しい情勢です。多くの国民の皆様の納得、共感をいただきながら政治を前へ、大きな責任感を、責任を感じております。いろいろな安全保障、そして中東情勢、物価高、様々課題ございますが、同僚議員も御質問をされておりますので、私は今日は、国の構えをしっかりさせるということで、土地と安全保障、教育、成長戦略、文化、皇位継承、拉致問題等について御質問をさせていただきたいと思います。 前半は各省大臣に質問をいたしますので、総理は御退席いただいて結構でございます。
○委員長(藤川政人君) どうぞ。
○山谷えり子君 東日本大震災から十五年、いまだ二千五百十九人が行方不明、鎮魂の祈りをささげ続け、防災・減災に努めます。 小泉防衛大臣は、先日、ブルーインパルスに搭乗し、宮城、福島沿岸を視察。東京電力福島第一原発付近の上空では、機体から白いスモークを出して、廃炉作業に従事される皆さんに敬意と感謝を表しました。 同原発は二〇五一年に廃炉作業完了予定となっていますが、まだもっと掛かるかもしれないという声もある。現在も、約一日五千人の作業員が任務に、作業に当たっていただいています。本当に感謝です。 おとといの土曜日、防衛大学校の卒業式に出席をいたしました。国家国民のために覚悟を持って尽くし抜くという若い姿に、本当に胸がいっぱいになりました。高市総理、小泉防衛大臣の訓示は、思いのこもったすばらしいものでした。 日本は平和を願う国民性です。そのためにはリアリズムが大切。自らの国を自らの手で守る、その覚悟のない国を誰も助けてくれない。二十一世紀型のドローンやサイバー攻撃などの新しい戦いの備えも必要であります。 小泉大臣、卒業式の感想や、また戦後最も厳しいと言われる中での防衛の課題、お知らせください。
○国務大臣(小泉進次郎君) 山谷先生におかれましては、私の地元横須賀にあります防衛大学校の卒業式に御出席をいただきましたこと、本当にありがとうございました。 あの卒業式の後、北朝鮮のミサイル発射がありまして、防衛大学校において緊急の記者会見を私と若林政務官で持つことになったことも、今の日本の置かれている厳しさを表しているような気がいたします。 そういった中で、今後の新しい防衛省・自衛隊の在り方として、語り尽くせないほど課題はありますけれども、あえて申し上げれば、今の時代に自衛隊・防衛省が担っている役割は拡大をしています。その防衛省・自衛隊の今の担っていることに見合うような、そんなふさわしい組織へと変革をしていかなければならない。これは、高市総理も、当時のその防衛大学校での訓示で申し上げたとおりだと思っております。 そして、その変革の中心となるのは人です。今、防衛省・自衛隊の中で努力をし、献身的に働いている自衛隊の皆さんの待遇改善をしっかりと実現をすること、そのためにも、前倒しをして自衛隊独自の俸給表の改正に今着手をしています。 そして、その防衛省・自衛隊だけではなくて、今、防衛省の中には事務官、技官もいます。そういった一人一人にしっかりと目を配って、この日本の基盤となっている平和を守り続けるためにその体制をしっかりとしたものに変革をしていくこと、このことが私としては防衛大臣として特に思いを持っていることでございます。 与野党の皆様にそこに御理解を得られるように、この国会の予算審議にもしっかりと臨んでいきたいと思います。
○山谷えり子君 中東情勢の緊迫化、また東アジアの平和も心配でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 木原官房長官にお伺いいたします。 さきの大戦で亡くなられた海外での戦没者は二百四十万人。そのうち御帰還を果たせていない御遺骨、まだ約百十二万柱。私は、硫黄島の御遺骨収容に参りました。御遺族の方が、お父さんと一緒に帰るんだと作業をしていらっしゃいました。お働きでございました。 私の父は傷痍軍人で、よく、お釣りの人生、亡き戦友に申し訳ないと言っておりましたけれども、多くの方々がそういう気持ちで戦後復興をされたんだと思います。 そんな関係で、私は今、大東亜戦争全戦没者慰霊団体協議会と日本青年遺骨収集団、JYMAの顧問を務めております。来年創立六十年のJYMAは、全国の学生たちが本当に活動をしてくださっている。先日もみんなで靖国神社に参拝して報告会を行いました。御遺族の高齢化が進む中、DNA鑑定に三年も掛かる現状や情報発信の強化など、更なる支援を求めておられます。 政府は、令和十一年までが集中実施期間であります。関係省庁との取組等々、次世代の支援、よろしくお願いしますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(木原稔君) 山谷委員におかれては、この御遺骨収集、また慰霊顕彰、そういった分野に長きにわたってこれまで先頭に立って取り組んでいただいておりまして、議員連盟でも、平和を願い戦没者を慰霊顕彰する国会議員の会でも御一緒させていただいておりますが、今日の我が国の平和と繁栄というものは、これは戦没者の皆様方が祖国にささげられた尊い命、それと幾多の苦難の歴史の上に築かれたものであり、その御遺骨を一柱でも多く収容し、一日も早くふるさとにお迎えをするということ、このことは国としての重要な責務であると、そのような理解をしております。 また、そのため、政府におきましては、海外での遺骨収集については、厚生労働省を中心に外務省等の関係省庁ともこれ政府一体となって緊密に連携しつつ取組を進めているほか、DNA鑑定に関する広報としても、今年度も新聞広告等による周知、また戦没者の御遺族が受給する特別弔慰金の請求手続の機会を活用した広報、また映画とのタイアップによる発信、そういった多様な媒体を通じた情報発信に積極的に取り組んでいるところであります。 また同時に、記憶と教訓を、これを次世代へ継承するということが極めて重要でありますので、このため、国内外の民間建立慰霊碑の管理状況に関する実態調査、これは、国内だけじゃなくて海外にも、外国人が管理をしているものもございます。そういったことが完全に把握をしているわけでは、できているわけではありません。そこで、実態調査をし、また、戦争の悲惨さと平和の尊さを伝える平和の語り部事業への支援や、また全国の教育委員会に対する周知などを通じて伝承活動の推進にも取り組んでいるところです。 戦後八十年を迎えました。戦没者の御遺族の方々の高齢化が進んでいく中で、その切実な思いをしっかりと受け止め、遺骨収集、慰霊、さらには記憶の伝承に向けて、政府を挙げてこれからも引き続き取り組んでいく所存です。
○山谷えり子君 よろしくお願いいたします。 私は、島ガール、学生時代から島々を回ってきて、今は有人国境離島地域の保全・振興を推進する議員連盟の会長代行を務めています。日本書紀や古事記、国生みの神話、古事記では、イザナギ、イザナミの神様が天の浮橋に立って天の沼矛をこおろこおろとかき回して島々が生まれてきた。日本のいとおしい島々です。 平成二十八年、有人国境離島法が議員立法で成立しました。有効期限は令和九年三月三十一日、十年間の更なる延長を考えています。 国境を守り、美しい文化となりわいがある島々の厳しさ増すばかりです。現在、特定有人国境離島として七十一の島が指定されていますが、今回改正で、北海道の天売島、焼尻島、山形県の飛島、新潟県の粟島、東京都の伊豆諸島のうち新島、式根島を追加しようと考えているところです。 現地調査やヒアリングを重ね、更なる総合政策を考えています。ちなみに、私が学生時代、一夏アルバイトさせてもらった北海道の焼尻島は、今や昭和三十年から人口の減少率が九割、令和二年で百七十一人しかおられなくなりました。議員立法、多くの皆様に御賛同をいただきたいと思います。 あかま大臣、島を守る意義、そして予算内容の説明、お願いいたします。
○国務大臣(あかま二郎君) 山谷委員におかれましては、国境離島、これを守る議連の会長代行として大変御尽力いただいていることに改めて感謝を申し上げます。 委員今御案内ありました有人国境離島法でございますけれども、有人国境離島地域が我が国の領海等の保全に関する活動拠点として極めて重要な機能を有していることから、その保全と地域社会の維持を目的として、平成二十八年四月に議員立法により制定されたところでございます。 政府においては、同法等に基づき、有人国境離島地域における港湾整備であるとか、海上保安庁や自衛隊等の施設の設置等の保全に関する取組を進めているところでございます。 あわせて、特に継続的な居住が可能となる環境の整備を図る、そういった必要のある有人国境離島地域を特定有人国境離島地域として、離島住民向けの航路、また航空運賃等の低廉化等のほか、関係省庁において農林水産業への新規就業者対策等の支援を実施しております。 令和八年度当初予算においても、先ほど申し上げた施策等に必要な予算を計上しておるところでございます。このうち内閣府の所管する特定有人国境離島地域社会維持推進交付金についてでございますが、これは昨年より五億円多い五十五億円を計上しております。 有人国境離島法については令和九年三月末までの十年間の時限立法となっていることから、その改正、延長や今後の施策の方向性を含めて、現在、立法府において議論が進められているものというふうに承知をしております。 内閣府といたしましては、立法府の議論を踏まえながら、関係省庁と連携をしながら、必要な予算の確保にしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○山谷えり子君 島を守ることは国を守ること、国防と一体であります。そしてまた、住み続けることが抑止力であります。 小野田大臣にお伺いします。 私は十年前に、領土・海洋政策担当大臣をいたしました。そのとき国境離島の状況を調べたところ、五百二十五の島のうち二百七十三の島が所有者不明。本当に驚きましたし、しっかりしなくちゃと思いました。 そして、この度、外国人との秩序ある共生社会の視点から、全ての島々、一万四千百二十五の島について調べ、所有者不明の島は国有化を検討するということですが、是非してほしい。どのような方針で、いつ頃までにできますでしょうか。
○国務大臣(小野田紀美君) 今般、本年一月に取りまとめた外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策、こちらにおいて、外国人の土地取得等のルールの在り方等に関する議論の中で、国境離島以外の離島についてもプライオリティーを付けて、無主の場合には国有財産化を検討することとしたことを踏まえ、外国人との秩序ある共生社会推進担当大臣である私の下で、各省庁連携して取り組んでいくことになっております。 現在、まずは一万四千を超える全国の離島の位置、面積等の確認を行うとともに、実態把握のプライオリティーの検討に着手しています。離島の数は大変膨大でございまして、不動産登記簿に正確な地図が備え付けられていないケースなども想定されていることから、作業を完了する時期について、現時点で明確にお答えすることは困難ですけれども、国土の適切な利用及び管理の観点から、できることから早急に、着実に取り組んでまいりたいと思います。
○山谷えり子君 よろしくお願いします。 外国人の土地取得について、国民の不安はとても大きいです。安全保障と土地法制についてですが、有識者会議でこの夏を目途に法整備の在り方の方針を出すということです。 現在、重要土地等調査法で、防衛関係施設、原発、国境離島、空港など重要な土地区域指定による規制はありますが、立入調査を含めて更なる規制が必要ではないかという声があります。また、水が心配だということで、地下水の採取状況の調査など、検討が進められるということでございますが、この検討の内容等、いかがでしょうか。
○国務大臣(小野田紀美君) 議員御指摘のとおり、政府において一月に取りまとめたこの総合的対応策において、外国人の土地取得等の新たなルールの在り方を検討して、令和八年、本年夏までに骨格を取りまとめることとしました。 また、外国人による土地取得等のルールの在り方検討会、こちらでは、安全保障、国際関係、土地政策などに精通した有識者に御参画をいただいておりまして、規制の在り方について検討を深めていただく予定にしております。 担当大臣として、検討会での議論、そして与党での御議論を踏まえながら、関係大臣と緊密に連携し、着実に検討を進めてまいりたいと思っています。 なお、御指摘いただいた地下水、こちらに関しては、内閣官房及び国土交通省において別途有識者検討会が設置され、地下水の採取の実態把握、そして適正な保全、利用に向けた仕組みについて、こちらも本年夏の取りまとめを目指して検討が進められていると承知しています。
○山谷えり子君 これまで不動産移転登記や新たに森林所有者になった際の国籍届出義務化などの施策を打ち出してきましたが、徹底した実態把握と懸念を生じさせない仕組みづくり、お願いします。 重要土地等調査法現行法は調査、届出の義務化止まりでありまして、アメリカのような審査制度、イギリス、フランス、イタリアの取得規制の検討も必要ではないかの声もあります。放置すると取り返しが付かない。住宅、マンションの外国人による投機的売買についても調査、対策の検討をしてほしいのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小野田紀美君) ありがとうございます。 住宅価格の高騰については様々な要因があるので、外国人の投機的取得だけではないというふうにはなっているんですけれども、いずれにいたしましても、国民の皆様から様々な観点で不安が寄せられていることは承知しておりますので、それらも含めてしっかりと検討してまいりたいと思います。
○山谷えり子君 よろしくお願いします。 赤澤大臣にお聞きします。 外国資本が鉱山資源に高い関心を持っています。 北海道紋別市における決議を紹介します。紋別市内における外資系企業による金銀等の試掘並びに採掘に反対する決議というものなんですが、紋別市、オホーツク海に面する自然豊かな漁業、農業の美しい、ホタテのおいしい市です。その紋別市が、令和六年十二月、市議会全会一致で採択した決議なんです。複数の外資系企業が金鉱山開発に向けて試し掘り、試掘権の出願をしている。鉱山は、採掘すると鉱毒が流れます。外資系に許可を与えて大丈夫かと市民は心配をして、そうした中での決議でございます。 住民が不安を持っている、これについて、国が許可をするわけですから、どうお考えですか。
○国務大臣(赤澤亮正君) 国内で資源開発を行う場合は、鉱業法に基づき、日本人又は日本法人が試掘権や採掘権といった鉱業権を取得することが必要です。また、鉱業権の設定の際の審査基準について平成二十三年の鉱業法改正で厳格化をし、我が国の貴重な資源、しっかりと管理する体制をしきました。 具体的には、経済産業省の審査において、自然環境への影響を含めた保健衛生上の害がないこと、国内での需要が見込まれるにもかかわらず、開発した鉱物を全て海外で売却することを目的として鉱物の開発を行うなど、公共の利益の増進に支障を及ぼすものではないことなどを総合的に審査することとしています。 さらに、鉱業法に基づき、審査の際には、経済産業省から地元の関係自治体への協議を通じて、自然環境への影響といった点も含め調整を図ることとしております。協議結果を踏まえ、必要な場合には経済産業省から事業者に対策の実施を求めることもしております。 引き続き、法制度を厳格に運用し、国産資源の開発をしっかりと管理をしてまいります。
○山谷えり子君 金の値段が高くなって、北海道でも数か所、また鹿児島などでもそういう声が、動きがあるという声が聞こえてきますので、しっかりと審査基準の下に努めていただきたいと思います。 コンテンツ産業振興について伺います。 日本のコンテンツは力があります。漫画、アニメ、ゲーム、音楽、出版、映像など、海外の売上げは二〇二三年五・八兆円、半導体の五・五兆円、鉄鋼の四・五兆円を超えて、自動車産業二十二兆円に迫る可能性もある。二〇三三年二十兆円を目指すコンテンツは基幹産業と言えます。 政府は、十七の成長戦略分野の中にコンテンツを設定しました。私は、長く自民党の文化関係の会長を務めておりましたが、コンテンツは最も勝ち筋になると思っています。文化芸術と経済の好循環で、世界中に日本大好きというファンを増やす。安全保障、地方創生、インバウンドにもつながります。令和七年度補正予算で五百五十六・三億円、基金もできて複数年を見ることができるようになりました。 しかし、アメリカ、中国、フランス、韓国などと比べても、格段に予算少ないんです。政府支援、官民投資拡大が求められています。 ちなみに、世界で最も稼いでいるキャラクターはポケモン、二位がハローキティちゃん、そして六位にアンパンマン、九位にマリオなど、何と、ベストテンの中に五つも日本発が入っているんですね。本当にうれしい。 けれども、課題があるんです。海賊版被害や模倣品の被害は十兆円を超えている。また、海外展開を強力にするためにそれぞれの国の言語や商習慣に合わせるローカライズ支援が必要ですが、人材、拠点、不足しています。関係府省庁の連携進みましたが、まだ一気通貫の窓口になっていない。 課題いろいろ、どうお考えですか。
○国務大臣(小野田紀美君) 課題をいろいろ挙げていただいてありがとうございます。 先生おっしゃっていただいたとおり、二〇三三年までに海外市場規模約二十兆円に拡大するという目標を持ち、人材不足、制作環境、海外流通等の問題に腰を据えて取り組むことが必要だと思っております。 御指摘の海賊版対策については、官民で工程表を策定しておりまして、相談窓口の運営、あと海外当局と連携した着実な執行面での取組に加え、今年度補正予算も活用して、正規版流通促進への支援強化にも着手したところです。 また、ローカライズ、これについては、翻訳や現地の文化に合わせた修正の費用の補助に加えて、先ほどの補正予算を通じて、新たに翻訳人材の育成行っていきます、ちょっと足りていないので。 そして、ただ、先生おっしゃったように支援ツールがいっぱいあるんですけれども、これが、執行団体が多岐にわたって海外展開や補助金の執行が非効率であるという御指摘いただいていること、おっしゃるとおりです。こちらも、執行団体の連携をより強化すべく、関係省庁とともに検討を進めてまいりたいと思っております。 今年の春に向けて策定を進めている官民投資ロードマップには、夏になるかもしれないんですけど、夏に向けて策定を進めている官民投資ロードマップには、以上申し上げた課題とその解決策を具体的に盛り込ませていただく予定になっております。関係者の意見しっかり聞きながら進めておりますので、引き続き、コンテンツをしっかりと応援していきたいと思います。
○山谷えり子君 日本の文化の顔である国立劇場が令和五年に閉場しました。それから二回入札を掛けたんですが不調です。この三月末に三回目の入札公告をするということなんですが、今度こそ大丈夫なんでしょうね。いかがでしょう。
○国務大臣(松本洋平君) 国立劇場の再整備についてでありますが、昨年の十一月に策定された総合経済対策におきまして、建設市場の動向に合わせ、必要な時期に追加の財政措置を適切に行うことを明記をいたしまして、国が責任を持って進めることを明らかにしております。私のところにも、そうした文化芸術団体の皆さんから大変強い要望をいただいているところであります。 今御案内がありましたように、今月中に日本芸術文化振興会により入札公告が行われることになりますが、文部科学省としても、令和十五年度の再開場を目指しまして、しっかりと必要な予算を確保するとともに、内閣官房や国土交通省などの関係省庁と連携をしながら、一日も早い再開場に向けて全力で取り組んでまいりたいと存じます。今回は不調にならないように頑張ってまいりたいと思います。
○山谷えり子君 一日も早くとおっしゃいましたけれども、このままでは十年近く閉じたままという、もうパリのオペラ座が十年近く閉じたままってあり得ませんので、しっかりと国の責任で進めてほしいというふうに思います。歴史に残る良い建物、伝統芸能へのリスペクト、よろしくお願いいたします。 こども家庭庁が二月二十六日、インターネット利用の調査を発表しました。高校生で平日平均六時間四十四分、中学生で五時間二十四分使っている。平日の平均です。恐ろしいと思いました。 諸外国は規制で、SNS利用について規制を始めています。脳科学者など、またデータを集めてしっかりと子供たちを守ってほしいのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(黄川田仁志君) 山谷委員御指摘のとおり、子供のインターネット利用については、その低年齢化や長時間化が進んでおります。また、ネット上のいじめや誹謗中傷、児童ポルノなど、SNSに起因する子供の被害や加害が生じております。また、青少年有害情報の閲覧機会の最小化に軸を置いた青少年インターネット環境整備法に基づく制度は、スマートフォンの普及などに伴い、時代に合わなくなっているとの指摘もあります。子供が安全に安心してインターネットを利用できる環境整備は喫緊の課題であると認識しております。 こども家庭庁では、令和六年十一月以降、有識者会議において議論を重ねまして、昨年八月には八つの課題について論点を整理しました。そして、同年九月には政府全体の工程表を取りまとめたところでございます。 引き続き、こども家庭庁が司令塔となりまして、関係府省庁と連携しながら、この工程表に沿って、まずはできるものから速やかに着手してまいります。そして、中長期の検討を要するものには、令和八年を目途に具体的な内容を取りまとめることとしております。この作業を進めるために、本年一月には、こども家庭庁に有識者等を構成員とするワーキンググループを設置しまして議論を進めているところでございます。 引き続き、諸外国の状況を踏まえながら、法制上の対応も含めてしっかり検討し、具体的な方針を取りまとめたいと考えております。
○山谷えり子君 本当に、おっしゃるとおり、現在の青少年のインターネット利用環境整備法、時代に合わなくなっています。闇バイト、性被害、低年齢化、長時間利用による心身の悪影響、アルゴリズムの偏り、もう深刻です。 子供を守るために、ぬるい議論、対策ではなくて、法整備あるいは規制の在り方も含めて検討してほしいというふうに思います。親子で話し合いましょうとかリテラシーを学びましょうって、そんなぬるいことではもう全然駄目なんですね。リアルに現実を見詰めて、どうぞよろしくお願いいたします。 子供をめぐる状況が、ですから非常に激変して厳しくなっている。教育が心配です。給食や高校の無償化は保護者にとって有り難い。しかし、教育の質が心配です。人づくりは国づくり。 総理はお正月の産経新聞で、箱根駅伝で優勝した青山学院大学の原晋監督と対談され、原監督から義務教育の在り方を改革してほしいと言われたことに対し、安倍内閣のときの教育基本法改正に言及されました。 教育基本法改正により、教育の目標として、豊かな情操、道徳心、職業教育、公共の精神、命を尊び、自然を大切に、伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うことなどが挙げられました。普遍性を持った教育、人間観だと思います。 教育の質を高めるため、今何が必要か。例えば、給食無償化なら、これとセットで、セットで子供たちの農業体験を推し進めてほしい。実は、給食無償化の趣旨には、ちゃんと農林水産業の振興や地産地消、地方創生の視点がうたわれています。 今、農業人口は、二〇〇〇年の二百四十万人から半分の百二十万人になり、二十年後には三十万人くらいになると言われている。現在の農業従事者平均年齢六十八歳。食料安全保障の重要性を言うなら、食と農の理解、一体性が必要です。さらに、今、食育基本法改正に取り組んでいますけれども、給食の地産地消は栃木県や山口県では八割を超えているんですが、別の地域では八%というところもあって、地域差が本当に大きいんです。 農は国の基、命の源、土いじり、農業と食への感謝、いただきますの心を育むには、農業体験は必修。タブレットからでは得られない感性を養わないと、日本の未来、危ういと思います。 ナショナルスタンダードの視点から、国の役割、財政を含む支援策を考えてほしいのですが、鈴木農水大臣、農業体験、既に農水省やJAなども協力してくださっております。期待しています。いかがですか。
○国務大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。 農業の持続的な発展を支えていくためには、子供の頃から食や農林水産業への理解を深める食育を推進をしていくことが重要であるというふうに考えております。 農林水産省におきましては、文部科学省と連携をして、生産者と教員の連携のコーディネートなどを通じた地域での農林漁業体験機会の提供、そして学校給食への地場産物の供給、使用へ向けた機械、設備の導入などの取組を進めております。このような取組に加えまして、令和八年度からは、生産者が学校関係者と連携をして、児童生徒の農林漁業体験や地場産物の活用を総合的に実現をする農林漁業教育の実践を支援することとしております。 引き続き、山谷先生からも御指導いただきながら、文部科学省との連携の下で食育の取組を推進することで、子供の頃から食や農に対する理解醸成を深めてまいりたいというふうに考えております。
○山谷えり子君 地域差もありますし、一〇〇%を目指してほしいと思います。 耕作放棄地を活用するなどいろいろできると思いますので、松本文科大臣と一緒に、大臣、農業体験、あるいはほかの体験も含めて、いかがでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) 委員から御案内がありましたように、教育基本法におきましては、先ほど御紹介をいただいたような、そうした目標というものが掲げられているところであります。子供たちがじかに農業を体験する活動はこうした教育基本法の目標にも資するものであり、極めて意義が大きいものであると考えております。 学校現場におきましても、農山漁村に滞在し、農業の体験活動を行うなどの取組も行われているところでありますが、文科省としては、こうした学校が行う宿泊体験活動の取組への支援を行うとともに、農水省など関係省庁とも連携した取組を進めているところであります。 今御紹介がありましたように、農業体験にかかわらず、様々な体験というものを通じて、子供たちが学校での学び、そして教育の質を高めていくための取組というものも、文部科学省としても各関係省庁と連携をしながら進めてまいりたいと思います。 よろしくお願いします。
○山谷えり子君 教育基本法の考え方により、中学生の男女、武道必修化となりました。しかし、中身、もっと良くできると思います。 学習指導要領では、武道九種、柔道、剣道、相撲、空手道、なぎなた、弓道、合気道、少林寺拳法、銃剣道が示されています。必修化のときに、充実した授業ができるようにと武道関係団体による外部指導者活用や複数種目実施を望みましたけれども、今もってまだ十分に進みません。 先日、三月四日の武道振興大会で、これらのことに対して決議も行いました。ユネスコの無形文化遺産登録を今目指している武道です。世界の多くがリスペクトしてくれている武道です。 礼に始まり礼に終わる、そして体幹鍛えられ、相手を尊重する心が育まれる。武道は武道家に学んでほしい、武道家の人格、武道の奥深さに触れてほしいと思いますが、ロードマップを作ってしっかりとこれらの決議を実現させていく、その思いを文科大臣、お聞かせください。
○国務大臣(松本洋平君) 武道は我が国が世界に誇る歴史と伝統に培われた日本文化であります。心技体を一体として鍛え、礼節を重んじ、自らを律することや相手を思いやる気持ちを養うなど、豊かな人間形成に資するものと考えております。 今日では、日本国内はもとより、海外でも多くの方に親しまれております。武道と地域資源を融合させた武道ツーリズムも訪日外国人旅行者から高い人気を得ているというふうに承知をしております。 また、中学校で全ての生徒が学ぶ武道の授業において、武道に精通し、指導方法を熟知した外部指導者の協力を得ることは、子供たちに我が国の伝統と文化を伝えるとともに、安全に指導を行う意味でも意義深いことだと考えているところであります。 ちなみに、中学校の保健体育の授業での外部人材の活用を見てみますと、武道は二七・五%となっております。実はほかの運動領域に比べると高いわけではありますけれども、それでも二七・五%にとどまっているということでありまして、ここは大きな課題であるというふうに考えております。 文部科学省では、学校における武道指導の充実に向けまして、外部指導者の活用や多様な武道種目の指導推進などに取り組んでいるところであります。 子供たちが武道の奥深さに触れ、豊かな学びを得ることができるように、決議文の趣旨も踏まえまして、引き続き、武道関係団体の皆さんにも御協力をいただかないとできない事柄であります。しっかりと連携をしながら、どういう形でこの割合というものを高めていくことができるのか、我々としてもいろいろと検討し、工夫してまいりたいと思います。
○山谷えり子君 現在、次期学習指導要領に向けての議論が行われていますが、各科目だけではなくて、大きな視野で考えるときだと思います。文科省だけじゃなくて、財務省、農水省、総務省、厚労省、経産省、環境省、こども家庭庁など、もう省庁間の連携が必要です。 例えば、農業体験ならJAが頑張ってくれています。職業体験では民間企業の協力、ふるさと学では地域の人々、文化芸術体験では文化芸術団体が場を提供し、幼児触れ合い体験では保育園や幼稚園、認定こども園が協力、福祉施設もそうです。地域、公共を考え、味のある自立できる社会人となるために、もっと広く地域、人々の協力を求めて、そして夏休みや放課後も含め質の改革を進めてほしいと思います。 今、日本成長戦略本部の人材育成分科会は、高校教育以上が主な対象であります。乳幼児と義務教育を含めた令和の教育バージョンアップ、政府全体として、予算、官民連携、制度設計をする令和の教育戦略を、総理のリーダーシップで是非是非質の高い教育の実現をお願いいたします。
○内閣総理大臣(高市早苗君) まさに、国力の基盤となるのは人材力でございます。教育は人づくりの礎だと思います。 我が国の未来を見据えまして、豊かな道徳心を培い、国家、社会の形成者として必要な資質、能力を育成するということとともに、強い経済の基盤となるイノベーションを起こすことができる人材を育成していくことが重要です。私がリーダーシップを発揮し、各教育段階を通じた教育の質の向上に取り組んでまいります。
○山谷えり子君 今日の教育があしたの日本の未来の質を決めていくと思いますので、よろしくお願いいたします。 少子化、静かな有事です。 二〇二三年、ビッグローブが若者の価値観調査をしました。十八から二十五歳で、結婚も子供も欲しくないと答えた若者が三六%。子供を欲しくない若者の八割はお金の問題。でも、それ以外は複数回答で、育てる自信がない、五二%。子供が苦手、四六%。自由がなくなる、三六%。育てる自信がない、子供が苦手、自由がなくなる。ここから、皆様、何を感じられるでしょうか。 人口戦略本部と地域未来戦略本部の中に、心を育てる、地域格差をなくす、命の根源を見詰め人間力を高める教育の視点を入れるべきだというふうに思います。 また、政府の文書には、家事、育児を否定的に、負担とする表現が多く見られます。中学校や高校の教科書もかなりネガティブな面が強調、記述されています。家事や育児、大変な面もありますけれども、豊かな暮らしと命の営みであります。家事の中の豊かな生活文化、そして、育児は負担ではなくて恵みなんだという視点が育まれるような発信を心掛けなければ、何だか寂しい社会になってしまうような気がいたします。ウエルビーイングという言葉も皆さんが使うようになっています。 発信の仕方、総理は、言葉のセンスや力、大変にお持ちでございますので、結婚や育児に希望と敬意を持って発信する。これは、もちろん政府だけではなくて、メディアや私たち一人一人、一人一人みんなが考えることだとは思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) こども基本法の基本理念では、家庭や子育てに夢を持ち、子育てに伴う喜びを実感できる社会環境を整備するとされております。政府のこども未来戦略でも、若い世代が希望どおり結婚し、希望する誰もが子供を持ち、安心して子育てができる社会を目指すとされています。幅広い子ども・子育て支援施策の抜本強化は着実に実施してまいりますし、様々な機会を捉えて、結婚や子育てに夢や希望を抱いてもらえますように、こども家庭庁においてきめ細やかな情報発信に努めてまいりたいと思います。 私の言葉のセンスに触れていただきましたが、一回結婚に失敗しているのでどうかなと、適任かどうか分かりませんので、こども家庭庁で一生懸命発信をしてもらいます。
○山谷えり子君 ありがとうございます。 旧氏の使用に関することについて総理にお伺いいたします。 日本では、婚姻後、夫又は妻の氏を一つに定めるとなっています。働く女性も増えて、社会生活で不便、不利益を感じることもあることから、政府は長く旧氏の通称使用拡大に取り組んできました。 そして、さらに、この度、三月十三日の閣議決定で、結婚した人の旧姓の単記記載、単独記載の法制化に検討をということで、旧氏の単記も可能とする法制化を含めた基盤整備の検討を明記しました。法的効力を与えて旧氏の使用を後押しするということです。 総理は、既に、戸籍法、民法は変えず、住民基本台帳を基本とする考えを示されてもいます。これまで通知、運用で改善してきて、既に住民票、運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、印鑑登録など、公的書類に旧氏の併記は可能になっています。 私は、小川という人と結婚いたしまして、戸籍上は小川惠里子です。パスポートやマイナンバーカードは小川(山谷)惠里子と併記になっています。仕事上は山谷えり子で、例えば子供のPTAの会長は小川惠里子でやりました。 総理は、厳格な本人確認に用いられる書類、例えば免許証、パスポート、マイナンバーカードなどには併記を求める検討が必要、また、単記による新しいリスクは考慮すると衆議院予算委員会で答弁されましたが、一部では、なぜか実質夫婦別姓を選択したとの誤解が広まっています。我が国の社会システム全般に影響が出ます。精緻な検討、政府横断的な調整が必要です。業界の声も聞いていかなければなりません。 例えば、納税手続は、不動産取得の場合はどうなるのか、国家資格、医師免許、美容師さんなどは単記か併記か、どう使うかなどなど、単記の範囲、効果についての考え方、これから検討していくということでありますが、もう少し、何というか、方向性、あるいは社会生活、国民の間で混乱が生じないような進め方について御説明をいただければ有り難いです。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 具体的な制度設計は、与党とも緊密に連携しながら検討を進めているところでありますけれども、戸籍の記載事項は変更しない制度をまず想定しています。いわゆる夫婦別氏、選択的夫婦別氏制度とは全く異なるものでございます。 旧氏使用の法制化によりまして、政府、地方公共団体、公私の団体、事業者においてこれまでの取組が一層進めば、婚姻等による氏の変更によって社会生活で不便や不利益を感じる方を更に減らすことができると考えています。 おっしゃった単記使用の範囲につきましては、必要な本人確認に支障を生じない範囲で、できるだけ不便や不利益を減らしていくということに尽きますが、住民票やマイナンバーカードといった本人確認の仕組みをしっかり機能させるということで、様々な手続で旧氏の単記も可能な範囲は広げていけると思っております。 この法制度の検討や導入に当たりましては、社会生活や国民の間に混乱を生じさせないように、そこは十分留意しながら進めてまいりたいと存じます。
○山谷えり子君 恐らくそれぞれの業界やそれぞれの場面、いろいろ突っ込んだ意見のやり取りをしながら考えていかれるんだろうと思います。ダブルネームによる混乱や危険が生じないよう、実効性ある単記の実現を進めてほしいと思います。 国家的重要課題として、憲法改正、皇室典範改正の議論を加速させなければならないと考えています。 憲法改正は、条文検討の場をつくっていかなければ進みません。そして、皇室典範については、自民党の政権公約である、皇族には認められていない養子縁組を可能とし、皇統に属する男系の男子を皇族とする案が最重要であります。内親王、女王の方々が婚姻後も皇族の身分を保持するということも重要であります。ただし、内親王、女王の配偶者、子については皇族の身分を持たないこととする必要があると考えておりますけれども、高市総理、見解をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 今、山谷委員が御紹介いただいた、これは有識者会議の報告にも記されております。政府としても私個人としても、この報告を尊重しております。
○山谷えり子君 憲法改正と皇室典範の改正というのは国の背骨であります。与野党心を合わせて、熱を高めていきたいというふうに思います。豊かな国柄、そして自立した国家のためにどうしても必要だというふうに思っております。 続いて、拉致問題についてお伺いします。 今、官僚の皆様全員、拉致の救出のブルーリボンバッジを付けておられます。昨年十一月、総理は国民大集会で、既に北朝鮮側には首脳会談をしたいと伝えた、拉致被害者の命と国家主権が懸かった問題に手段を選ぶつもりはないと発言し、私も出席しておりましたが、会場から大きな拍手がございました。この一月の衆議院解散表明記者会見でも、真っ先に冒頭で拉致問題解決を訴えられました。 今度の日米首脳会談では、安全保障問題、中東問題、経済問題、レアアース開発など多岐にわたってお話を、意見交換をされると思いますが、大きな外交戦略、今練っておられるところだと思いますけれども、拉致問題についても話し合われると思います。解決への思いをお聞かせください。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 拉致問題解決のためには、もう我が国自身の主体的な取組に加えまして、米国を始めとする国際社会との連携が重要です。 昨年十月の日米首脳会談では、トランプ大統領に対しまして拉致問題の即時解決について理解と協力を求め、全面的な支持を得ました。今般の日米首脳会談においても、拉致問題の解決に向けた私の決意をお伝えして、改めて協力を確認したいと思います。 他国の首脳との会談でも、折に触れ、拉致問題の解決への協力を呼びかけております。もう、あらゆる選択肢を排除せず、私の代で何としても突破口を開く、そして拉致問題を解決していきたい、こういう決意でございます。
○山谷えり子君 北朝鮮、拉致問題が解決すれば大きな利益を得ます。難しい国ではありますけれども、それでも、強い政権、強いリーダーシップを持つ総理が現れたときに交渉の扉を開こうとする。小泉政権がそうでした。そして、今まさに高市政権がそうだというふうに思っています。 問題解決に向けて機運が高まっている、親の世代が存命のうちに解決をと、時間との闘いです。横田めぐみさん、被害者のお母様、早紀江さんは九十歳です。全拉致被害者に日本、ふるさとの地を踏んでもらえるよう、もらうよう、一丸となって頑張っていきたいと思います。 続いて、最後に、産業振興における知的財産の重要性についてお伺いをいたします。 成長戦略、投資、知的財産がもう鍵だというふうに思っています。この知的財産、しっかりさせなければ権利が守れない、稼げない。豊かになるためには、知的財産、知恵を守る体制強化が成長戦略十七分野に全て必要なのではないかというふうに思っています。 韓国は、知的財産省、役所をつくりました。中国は、知財を、市場経済を支配し、握る武器として使っている。そして、アメリカは元々戦略的に進めてまいりました。 日本はまだまだなんです。このまま中途半端な状態では、大企業から中小企業まで、製造業あるいは農業に対しても、様々な物づくり、作物、あるいはつくっても稼げない、売れないという、そういう状況が来てしまうのではないか、心配しています。 いいものが盗まれる、まねされる、つくれなくなる。知財を評価し、守り、稼ぐ力とする、日本の汗と知恵を無駄にしない、知財は成長のエンジン、もっともっとしっかりと守るべきですけれども、いかがお考えですか。
○国務大臣(小野田紀美君) ありがとうございます。 目下、資源に乏しく、少子高齢化で人口減少に直面する我が国において、イノベーションによる新技術やコンテンツといった知的財産は成長の切り札です。各企業が自身の技術やノウハウ、権利等を保護、活用して、いかにルールや市場の獲得を狙うのか、そしてどのように自身の付加価値や収益を高めていくのかといった点は、今後、いかなる産業にとっても欠かすことのできない成長戦略の中核、中身そのものであると私も思っています。 このため、政府では、内閣総理大臣を本部長とする知的財産戦略本部において知的財産推進計画を毎年策定し、関係省庁とともにその実施に取り組んでおります。 具体的には、知財、無形資産投資の促進、技術流出の防止、国際標準戦略の推進、コンテンツ戦略の推進等に向けた施策が盛り込まれているところでございますが、先生御指摘いただいたように、本当に、例えば農業だったら種苗法とか、守るための施策だったり仕組みというのは多岐にわたりますので、委員の御指摘をしっかり受け止めた上で、今後、我が国産業全体の成長に不可欠な知的財産の創造、保護及び活用を更に促進すべく、関係省庁とも連携しながら、次期知的財産推進計画に必要な施策を盛り込んで、企業と産業の行動変容につなげていきたいと思っています。
○山谷えり子君 国を守り発展させる、総理の、今やらぬでいつやるんよという言葉は、多くの人々の胸に届いているんじゃないでしょうか。国が明るくなりました。だからこそ、政治はしっかりと与野党充実審議をして応えていかなければならないと思います。 なぜか、私、選挙で回ったときも感じていたんですが、中学生、高校生がパンフレット欲しいと言って寄ってこられる。あのケネディの演説を思い出したんですね。国があなたに何をしてあげるかじゃなくて、あなたたちが国に、国のために何ができるかを考えてほしいと。ちょうど中学生でしたから、英語の先生が覚えなさいと言ったのを今でも覚えています。アスク・ノット・ホワット・ユア・カントリー・キャン・ドゥー・フォー・ユー、アスク・ホワット・ユー・キャン・ドゥー・フォー・ユア・カントリー。 日本中、それぞれの負い持つ技をみんな明るい気持ちで発揮しながら、この美しい豊かな国を頑張って次につなげていきたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(藤川政人君) 以上で山谷えり子さんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(藤川政人君) 次に、阿達雅志君の質疑を行います。阿達雅志君。
○阿達雅志君 自由民主党の阿達雅志です。 本日は、質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。 この週末、ガソリンスタンドでレギュラー一リットル二百円というのを見て非常に驚きました。原油価格が一バレル百ドルになり、そして為替が百五十九円になった結果です。政府では百七十円になるように補助金を出すということですが、ただ、これから原油価格が更に上がり、あるいは円安が進行したらどうするのか、いつまでも補助金を続けられるのか、財政上の不安があります。イラン情勢は物価、予算を直撃しております。ただ、余りにも不確定要素が多いので、今回は財務大臣への質問は控えさせていただきます。 そこで、まず外交から質問をさせていただきます。 昨年の予算委員会で、私は総理に、日本外交三原則の前提の国際秩序が崩れてきたのではないかという指摘をさせていただきましたが、事態は更に悪化しています。国連安保理は、今回、イランの湾岸諸国への攻撃を非難する決議しか可決できず、戦争は続いています。国連中心、法の支配に基づく国際秩序が大きく揺らいでおります。 核兵器、ミサイルに注目が行っていますが、実はイランは、石油、天然ガスだけではなく、鉱物資源、レアアースも豊富です。米国にとって、中国とイランの資源連携、さらには人民元建て資源取引の拡大は、米国の資源安全保障とドル覇権という二つの核心的利益への挑戦でした。米国の中国封じ込め戦略が背景にあったとしても、今回、イラン政権の脆弱性、攻撃による帰結を読み誤っていた可能性があります。 指導部暗殺で体制の求心力が逆に高まり、そして聖戦参加が宗教的義務となり、革命防衛隊と民兵のゲリラ戦体制は強化されています。イランの目標は生き残りです。米軍基地のある周辺国、海上輸送、エネルギー分野へと水平的エスカレーションで対抗し、長期戦で米国を疲弊させる戦略を取っています。ミサイルの撃ち合いは収まっても、たとえ停戦しても、ゲリラ戦やホルムズ海峡の実質機能停止は長期化しかねません。 今回の地政学リスクは一過性ではなく、構造的リスクです。イランの体制変革ができない限り、同じことが繰り返されます。ホルムズ海峡の封鎖は、エネルギー問題にとどまらず、地域の食料安全保障、世界の肥料供給、輸入依存国の政治的安定にまで波及する複合的な地政学リスクです。 万全の備えのためにも、今後のシナリオの検討は欠かせません。紛争の今後の展開について外務大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(茂木敏充君) 阿達委員、菅内閣で総理補佐官もお務めになって、国際情勢について極めてよく御存じだと思いますが、今のイランの情勢、確かに一部収まっていますが、攻撃の応酬が続くと。そして、周辺国を巻き込んだ形で、軍事施設に限らず、エネルギー施設であったりとか、様々な人的また物的被害が発生をしているわけであります。また、ホルムズ海峡、これをめぐる情勢も悪化をしておりまして、船舶の安全な航行が脅かされるとともに、エネルギー価格、それから関連する様々な価格の上昇、これを始めとする世界経済への影響というのは確かにもう出始めているという状況にあると思います。 今後の状況及び情勢を見通すというのはなかなか難しいんですが、まずはその攻撃の応酬というのがいつまで続くのか、さらにはどこまでいろんな分野に広がっていくのか、非常に流動的でありますが、我が国に与える影響を始めとして、事態の推移、引き続き綿密にフォローして、適切に対応してまいりたいと思っております。
○阿達雅志君 茂木大臣は商社にもお勤めで、そしてまたコンサル会社、あるいは経済評論家という経歴もございますので、今回の事態の世界経済に与える影響については一番よく分かっていらっしゃるというふうに思います。 なかなか現時点では言えない部分も多いとは思いますが、ただ、今回のこの事態というのは、単に石油の問題だけではない、そして世界経済全体に広がっていくんだ、こういう中で、特に世界各国の外交責任者とも非常に付き合いの長い茂木大臣がしっかりと情報を収集いただくこと、これ日本にとって極めて大事だというふうに思っています。本来であれば、ここで国家情報局があれば国家情報局がしっかりそういう役割を果たすわけですが、今はやはり茂木大臣がしっかりとその分取り組んでいただいて、そして、政府全体として最悪の事態に備えて混乱を回避できるように努めていただきたいと思います。 総理は、昨年の質疑で、世界の平和と繁栄に貢献する日本、頼りになる日本にしたいとお述べになられました。先週のG7オンライン会合でも、総理は混乱の早期収束を呼びかけられましたが、残念ながら平和への道筋はまだ見えていません。 今回の紛争は世界経済の大混乱を年単位で生じさせ、国際秩序の揺らぎは他の地域まで紛争を飛び火させかねません。米国が中東に注力し、ロシア制裁を緩和している間に中国やロシアの活動が活発化しかねません。紛争の拡大防止、混乱の鎮静化、収束が最優先だと思います。 この状況で、世界の平和と繁栄に貢献する日本であるために総理はどうすべきとお考えなのか、紛争拡大をどう防止すべきなのか、トランプ大統領との首脳会談を控える中でどういうことをお話しになられようとお考えなのか、総理の御所見をお聞かせください。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 我が国は、戦後一貫して平和国家としての道を歩んできました。世界の平和と安定、繁栄に積極的に貢献する日本の姿は国際社会には広く知られ、揺らぎのない信頼を得ております。これは、日本外交の強固な基礎となっております。種々の首脳会談や国際会議の場でも、もうそれは痛感する、私どもにとっての誇りであります。 今般の事態発生後も、同盟国である米国との間でも意思疎通はしておりますけれども、イラン政府との間でも、東京及びテヘランの双方で必要な外交努力を継続しています。今、茂木外務大臣も一生懸命にいろんな国々と情報交換をしてくれている。赤澤大臣もそうです、小泉大臣もそうです、昨日も二人とも頑張ってくれました。 来る日米首脳会談においてですが、トランプ大統領との間で、イラン問題を始めとする中東情勢、もちろん話をします。厳しさを増す国際情勢、経済安全保障などについても、我が国の立場、考えを踏まえてしっかり議論を深めていきたいと思っております。
○阿達雅志君 今回の紛争に、もう世界中が巻き込まれつつあります。この紛争が拡大しないように鎮静化をする、そして国際秩序を更に壊していくことがあってはいけない、そういう中で、日本の国益、しっかり主張いただきたいと思います。 この今回のいろんな紛争、この先を考えたときに、総理は所信表明の中でも、私たちが慣れ親しんだ自由で開かれた安定的な国際秩序が揺らいでいるからこそ、国際社会の平和と繁栄をつくる責任ある日本外交を展開するとおっしゃいました。現下の混乱の先の国際秩序を総理はどう考え、ここからどういう方法で実現を目指すお考えでしょうか。答弁をお願いします。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 今委員がおっしゃっていただいた私の発言でございますが、そのような状況の中で、外交と防衛を車の両輪として、我が国の独立と平和を守り抜くということとともに、分断と対立の進む世界を開放と協調に導いて、日本と世界が共に強く豊かになっていけるように積極的な役割を果たさなければならないと思っています。 ちょうど今年、安倍元総理が、自由で開かれたインド太平洋、FOIPを提唱してから十年になりますので、FOIPを日本外交の柱として、特に、経済安全保障上の協力、経済成長機会の創出、安全保障分野での連携強化を中心にこのFOIPの取組を戦略的に進化させてまいります。
○阿達雅志君 奈良の女である高市総理には、聖徳太子の和をもって貴しとなす、これを本当に軸にして、もう一度この国際秩序の再構築、しっかり日本が主導的な役割を発揮していただきたいと思います。 自分の国は自分で守るためには、事の是非とは別に、かつてない緊張下にある現在の中東情勢を冷静に分析し、現実的な危機管理を講じることが不可欠です。最悪を想定した万全の備えです。 中東からの邦人退避については、迅速なチャーター便派遣、ありがとうございます。現在、エミレーツ航空が頑張ってドバイ―羽田便を毎日飛ばしてくれており、現地に残っている皆さんの安心感につながっています。心より感謝申し上げます。 カタールの日本人はリヤドへ陸路で出る人が多く、大企業はその手配ができていますが、中小企業や個人で取り残されている人がいるかもしれません。地域の大使館、領事館が連携して邦人の安全確保に努めていただきたいと思います。 現在、ペルシャ湾内に、今朝の質疑では五十九隻の日本船が待機しているという話がありました。船主協会所属は四十五隻と、日本人二十四人、外国人船員を入れると約千名が残っています。精神的ストレスも限界に近づいており、水や食料も減ってきています。幸い今のところ通信はできているようですので、それぞれの船員の皆さんも家族との通話はできているというふうに聞いていますが、日本の海運業にとって、この方々に安全に湾外に出てもらうことは極めて大事です。今回、人道問題として、平和航路の設置、航行中の安全確保策を一日でも早く実現していくべきだと思います。 また、船舶保険が付保されていなければ、湾内にいる船も運航はできません。再保険が付かなければ国による再保険が必要になります。 この点、日本船舶の退避、船舶保険について、国交大臣の答弁をお願いいたします。
○国務大臣(金子恭之君) お答えいたします。 日本関係船舶につきましては、現時点でペルシャ湾内に四十五隻が入域しているとの報告を受けておりますが、これらの船舶と各運航会社との間では毎日安否確認を実施しており、現在のところ、水、食料の確保や乗組員の健康状態に問題が生じているとの報告は受けておりません。 国土交通省としては、船員、船舶の安全確保を最優先にしつつ、情報収集を徹底するとともに、海路の状況把握と関係者への情報提供を行ってまいります。 また、船舶保険につきましては、外航海運の業界団体からは、現時点におきまして、船舶の運航に必要となる基本的な保険は引き続き提供されているとの報告を受けておりますし、加えて、現時点で船舶の運航に支障を来す保険料の上昇は確認できておりません。 その上で、国土交通省としては、海上保険の観点も含めて情勢を注視するとともに、関係業界、事業者や関係省庁との間で連絡を密に取り、対応に万全を期してまいります。
○阿達雅志君 保険の方も大分プレミアムも上がってきております。今後、是非よろしくお願いしたいと思います。 また、シーレーン防衛の話も出ていますけれども、イランの動きによっては、民間船舶の護衛が軍事攻撃の対象になることもないとは言えません。また、その場合、日本は戦争の渦中に飛び込むことになりかねず、やはり安全確保が一番大事ではないかというふうに思います。また、護衛付きなら本当に民間船舶が更なる危険海域に行くかという問題、これもございます。 まずは、ペルシャ湾に閉じ込められている民間船舶の安全な域外退去に努めていただきたいと思いますし、また、現在の状況というのは事実上の湾内封鎖、機能停止ですから、是非、沿岸国との外交交渉、これをしっかりとお願いしたいと思います。 また、今後、石油製品や精製副産物を用いた窒素肥料や半導体用のヘリウム、臭素などの供給が滞り、世界経済全体に悪影響が広がるリスクがあります。一定期間、世界で生産あるいは物流が止まることを想定し、全産業でのグローバルサプライチェーンのリスク点検を実施し、万全の備えを取る必要があります。さらに、国民の皆さんが物不足でパニックに陥らないように、適切な情報提供、また便乗値上げ対策を政府にはお願いしたいと思います。 直近の最大の課題は石油の価格と量の確保です。高市総理が国家備蓄の放出を指示されましたが、準備を速やかに行うことが重要です。大量の備蓄原油輸送には大型外航タンカーによる輸送が必要ですが、内航輸送となるので、カボタージュ、日本船員要件が課されます。大型外航タンカーの船員はほとんどが外国人です。国土交通大臣がカボタージュの例外を特別に許可する必要がありますが、国土交通大臣の答弁をお願いいたします。
○国務大臣(金子恭之君) 阿達委員御指摘のとおり、備蓄石油を国内の精製事業者に円滑に届けるためには、その輸送を行う、担う船舶の確保が重要であると考えております。現在、備蓄石油の具体的な輸送需要を見極めながら、必要があれば、沿岸輸送特許も含め対応を検討しているところでございます。 いずれにしましても、国民生活や経済活動を支える観点から、備蓄石油の円滑な輸送に支障を来さないよう適切に判断してまいります。
○阿達雅志君 国交大臣におかれては、是非この点よろしくお願いをいたします。 今、国家備蓄が百五十日あるとはいえ、紛争長期化に備えると、やはりこの備蓄をしっかり補充していくことが大切です。原油の先物市場を見ると、直近は一バレル百ドル前後ですが、一年先は七十二ドルと、将来に行くほど安くなるバックワーデーションという状態になっています。 現在はボラティリティーが高過ぎて、現物、先物共に流動性が落ちていますが、これは世界全体で見ると増産余地があり、少し時間があれば絶対量の供給ができるということを示しているというふうに思います。国際エネルギー機関加盟国でまとまって産油国にしっかり増産を求めていくべきだと思います。 また、総理が示唆されたガソリン一リットル百七十円を維持するための原油価格は、ほぼ一バレル七十ドル前後ということになります。これは、大体今の現在の一年先先物価格と同じになっています。 将来の現物買いがはっきりしている場合、民間では先物で価格変動リスクのヘッジを行うことということがよくなされます。ガソリン価格は石油の国際価格で決まるので、国家備蓄払出しをしても量が確保されるだけですが、将来を考えれば、原油補充の調達コストを下げることは予算上も極めて重要だと思います。 国家備蓄払出し後の量の確保と価格リスクのヘッジについて、経産大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(赤澤亮正君) 一点だけちょっと指摘をしておくと、先物取引においては、当事者の支配を超えてなかなか予見できないような事態に、実際に、何か外国で発動されている例もありますが、フォースマジュールといったような形で契約上の義務の履行を免除、猶予とかが認められている例もあるようでありまして、その辺ちょっと整理をしないと、先物で確保していても手に入らないというと、もうこれ国内の混乱は収まりませんので、そういう意味でいろいろ考えていく必要があるということで、総理の御指示を受けて、本日十六日から備蓄放出を行います。 こうした取組と並行して、事態が長期化する場合に備え、委員御指摘の国家備蓄原油の放出分を補充するための調達も含めて、原油の代替調達先を確保していくことが非常に重要であります。 既に民間事業者において、サウジアラビアやUAEのホルムズ海峡の代替ルートによる調達や、米国を始め中央アジアや南米などの代替調達先を追求する中で、相対取引や先物市場の活用などのあらゆる可能性を検討しておられるというふうに承知しています。 政府としても、官民一体となって、あらゆる選択肢を排除せず、代替調達先の確保に全力を尽くしてまいります。
○阿達雅志君 今大臣御指摘のとおり、これ、先物取引の場合に実際に現物の引渡しがなされることというのは極めて少ないというふうに私も理解をしております。ただ、そういう場合であっても、差金決済という形で価格ヘッジというのは一定の場合には行われますので、是非そういう点も含めて御検討いただければと思います。 今後、石油製品、副産物の供給が厳しくなり、価格も急上昇しかねません。エネルギー価格上昇でいろんなものの価格が上がる可能性もあります。経産大臣にはしっかり万全の備えをお願いしたいと思います。 昨年のイスラエル・イラン十二日戦争では、数千機のドローンが飛び交い、サイバー攻撃で銀行やインフラが遮断、相手国に認知戦を仕掛けるなどの戦い方が見られました。 今回は、大量のドローンをアイアンビームという電子銃で撃ち落とす、あるいはドローン防御のためのジャミングで広範囲にGPSを無効化する、ターゲットの居場所を追いかけ地下深くまで攻撃するなど、更に進化しています。すさまじいスピードで戦い方が進化しています。 安保三文書の改定では、こうした技術進歩をしっかり見据えて装備整備を進めていくべきだと思いますが、防衛大臣の答弁をお願いいたします。
○国務大臣(小泉進次郎君) 今、阿達先生から言及のありましたドローンの関係もそうであります。無人機の大量運用を含む新しい戦い方が現実に行われておりまして、例えば、ウクライナ侵略の中で行われている、二、三週間のうちにドローンの性能がアップデートされるといった今までには考えられないような速度のフィードバックサイクルや、電子戦、AI、宇宙、サイバー、情報戦といった要素を、あらゆる要素を駆使した、以前よりも巧妙さを増したハイブリッド戦。そして、アメリカの陸軍長官が、アメリカ陸軍は今後二、三年で少なくとも百万機のドローンを購入すると、こういう発言をしているとおり、各国の進めている調達のスケールなども踏まえて、今後、日本としてどう対応するのかを見出していかなければなりません。 新たな三文書は、今年中に改定をすると高市総理が言っているとおりであります。この内容を予断を持ってお答えすることは差し控えますが、我が国としての新しい戦い方をいかに実現するかという観点から、スタートアップ企業や非防衛企業が持つ優れた技術も取り込むと、こういったことも含めて、防衛産業の強化なども併せて進めていきたいと考えております。
○阿達雅志君 今大臣御指摘のとおり、本当に今、新しい装備、これが本当に戦いの間、一週間、二週間の間でもどんどん変わっていっている、こういう状況だと思います。 そういう中で、日本が整備している、あるいはしようとしている装備の課題というのもいろいろ出てきているようです。 これは一部のニュースで出ていましたけれども、バーレーンでTHAADのレーダーが破壊されたとか、あるいはイランの超精密ミサイルが予想以上の威力だった、こういったような話も出てきています。また、サイバー戦も非常に進んできて、今まで以上の脅威というふうになっております。そしてまた、イランの今回の問題では、攻撃に対するインフラの脆弱性、港湾、電力施設、こういったものも明らかになっております。こういったものも含めて、しっかりと今回の安保三文書の中でも議論を進めていただきたいと思います。 次に、経済安全保障への取組についてお伺いをしたいと思います。 経済安全保障への取組をずっと進めてきたわけですけれども、ただ、石油や石油製品の中東依存はむしろ強まっていました。経済安保推進法に基づく特定重要物資の安定供給確保の取組に二・五兆円の予算が投じられてきましたが、特定重要物資に指定されている食料安保に直結する窒素肥料、半導体製造に不可欠なヘリウム、加えて臭素も中東に大幅に依存しています。これは、特定国の生産だけでなく、地域の物流もやはりしっかりと考えていかないといけないということだと思います。 また、港湾など物流拠点が機能しなくなった場合に、日本は機能停止となりかねないということも明らかになりました。なかなか対応のスピードが追い付いていないように感じます。この機会に経済安全保障の取組の進捗と時間軸をしっかり見直す必要があります。 先般、米国と重要鉱物の共同開発が合意されました。しかし、レアアースの鉱山開発や海底掘削、あるいは製錬所建設には十年は掛かります。残渣処理の問題もあります。それに比べれば、都市鉱山技術であれば、中古PCやスマホからレアアースを回収する、これが二、三年でできます。国内で完結します。 経済安全保障の取組では、時間軸や物流まで考えて取り組むべきだと思います。経済安全保障推進法改正に向けての小野田大臣の決意をお聞かせください。
○国務大臣(小野田紀美君) 阿達委員御指摘のとおり、今般のイランの事態を含め国際情勢が急速に変化している状況の中で、重要な物資の安定供給に関する様々なリスクを不断に点検し、必要な措置を随時講じていくことの重要性は日々高まっていると思います。 重要な物資の安定供給確保について申し上げれば、政府としても、従来より、経済安全保障推進法等を通じて重要鉱物、肥料、半導体などを特定重要物資に指定し、生産設備の増強、そして技術開発、備蓄支援といったサプライチェーンの強靱化を進めてきたところです。 こうした取組の中には、先ほど阿達委員に御指摘いただいたこの都市鉱山のことも入っておりまして、蓄電池や磁石の廃材からの重要鉱物のリサイクル、半導体製造に用いるネオン、黄リンのリサイクルといった資源循環による供給力確保に向けた事業のほか、半導体製造に用いるヘリウムの備蓄も含まれております。 昨年十一月には、法律の成立から三年を経て生じた変化や新たな課題に対応すべく、高市総理から早急に法改正に向けて検討するよう御指示をいただいております。迅速かつ精力的に有識者の皆様に御議論をいただき、本年一月に提言が取りまとめられたところです。阿達委員もメンバーである自民党経済安全保障推進本部などからの御意見もしっかりと踏まえつつ、今国会に改正法案を提出する予定でおります。 国際情勢の変化に適切に対応すべく、引き続き、スピード感を持って関係省庁と経済安全保障の確保に全力で取り組んでまいります。
○阿達雅志君 経済安全保障能力の強化には、時間が掛かるものも多数含まれております。また、グローバルエコノミー下ではサプライチェーンも極めて複雑です。今回の戦争では、イランのAIインフラであるデータセンターが攻撃対象にもなっています。データ保護の在り方など、まだまだできていないことがたくさんあります。小野田大臣の頑張りに期待いたします。 次に、情報通信についてお伺いします。 情報通信は、全ての成長戦略を支える基本インフラです。IoTで全てがつながる社会では、情報通信自体が大きな成長産業となります。また、地域未来戦略、国土強靱化にも情報通信は欠かせません。情報通信は、成長投資、危機管理投資の最重要対象です。 ただ、残念ながら、現状は、データトラフィックの増加に通信会社のインフラ整備が追い付いていません。繁華街では、基地局インフラが足りずネットがつながらない。そして国土の三分の一には電波が届いていません。5G特性を生かした通信ビジネスも進んでいません。日本のネットのスピードは世界で六十六位という調査まであります。 総務省では、昨年六月にデジタルインフラ整備計画二〇三〇を策定し、現在成長戦略を議論中ですが、実際に大きな投資を実行するのは通信事業者です。国として目指すべき、全国どこでもいつでもブロードバンドは、通信事業者の経済合理性とは必ずしも一致しません。個々の技術の支援だけではなく、もっと大きなビジョンに基づく成長投資が必要です。 APNネットワークの面的展開、無線基地局の共用で5GSA局整備を加速、あるいは周波数の再割当てによる電波利用の最適化といった大きなビジョンの中で官民投資を促進することが必要だと考えますが、林総務大臣の御決意をお聞かせください。
○国務大臣(林芳正君) まさに総務副大臣も経験されました阿達先生が今言っていただいたように、この情報通信分野、成長戦略の一つの分野であると同時に、社会活動、安全保障、災害対応、こうしたものにも不可欠なインフラでありまして、まさに先手を打って官民連携の戦略的投資を促進する、これは大事でございます。 御案内のように、今年一月からこの情報通信成長戦略官民協議会を開催して、この具体的な取組について検討を進めておりますが、まさに今委員が言っていただいたように、大容量、低遅延、低消費電力、これに優れたAPNですね、オール光ネットワーク、これを社会実装する。そして、複数の事業者で基地局を共用するインフラシェアリング、これを展開する。そして、5GSA、スタンドアローンなどの高速、低遅延な5Gの特徴、これを生かせる、まあ今ノンスタンドアローンでございますのでなかなかこの実感ができないところもありますので、スタンドアローンに持っていって高品質な通信サービスの普及をする。さらには、通信トラフィックの増加に対応するための一層の周波数の再編、こうしたデジタルインフラ全体の整備、これに取り組んでまいらなきゃいけないと思っております。 こうした取組を通じて強い経済を実現していくために、春頃にこの情報通信分野の成長戦略を取りまとめるべく、今議論を進めておるところでございます。
○阿達雅志君 総務大臣もよく御承知のとおり、民間というのは、やはり収益が上がらなければなかなか投資をいたしません。こういう人口減少社会では、幾ら掛け声掛けても民間投資はなかなか進まないというのが現実だと思います。どうすれば民間投資をそれぞれの分野で引き出せるか、民間の発想に合った具体的対応が必要だというふうに思います。 今、この情報通信分野も、民間の情報通信の投資不足が日本ベンダーの弱体化を引き起こしています。その結果、今後、AIで情報通信の変革がどんどん進んだときにインフラが追い付かず、結果として海外の型落ち機器やソフトウェアを売り付けられる、そしてまたデジタル赤字が広がる、こういったことが起こりかねないというふうに思います。この分野では、もう既に一〇〇%日本製というのは不可能な状況になっています。経済安全保障も含めた現実的な対策が必要だというふうに思います。 では、最後の質問ということで、今日、末松議員の方からも介護報酬の話がありましたので、ちょっとそれに関連した質問をさせていただきたいと思います。 過疎地域等においては、やはりここも人口減少、この問題が非常に大きくなっています。人口減少、高齢化、単身世帯の増加により、担い手不足が深刻化しています。介護保険があっても介護サービスが受けられない、介護崩壊が地方の在宅介護では現実のものとなり始めています。 厚労省が準備中の社会福祉法改正案では、中山間・人口減少地域で新たに介護、障害、子供、生活困窮分野の相談支援、地域づくり事業を一本化した包括的支援体制整備が求められていますが、社会福祉法人側のサービス連携、協働も必要だと思います。 保育、介護、障害の福祉サービスでは、ソーシャルワーク、ケアワークで共通する部分も多く存在します。人手不足の地方においては、こうした福祉サービス人材が多機能で働いていただく必要があります。施設を超えた法人裁量の柔軟化、多機能化促進のための制度の見直しを検討していくべきだと思いますが、厚労大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(上野賢一郎君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、高齢化の進展等で今後、中山間あるいは人口減少地域、こうした地域におきましてサービス基盤を維持あるいは充実していく、非常に重要な観点だと考えております。 二〇四〇年に向けまして、人口構造あるいは世帯構成の変化のスピードに地域差が見られることが想定をされます。サービス提供体制や担い手の確保につきましても、そうした地域の実情を十分考慮したものにする必要があろうかと考えております。 担い手の確保が困難となる中で、サービスの質を確保し、柔軟な対応を可能とするため、今委員からも少し御紹介のありました、中山間・人口減少地域の実情に応じて柔軟な介護サービス等の提供が可能となるような制度の創設を盛り込んだ法案を今国会に提出すべく検討を進めているところであります。 また、担い手の確保の観点からは、やはり特定の分野にとどまらない幅広い専門性、視点、それを有する人材の確保、育成も重要だと考えております。 例えば、社会福祉士や保育士の養成課程を修了した方に対しては、介護福祉士養成課程の教育内容の一部の短縮を認めるなどの取組を進めてきておりますし、さらに、昨年の十二月に取りまとめられました関係審議会の報告書におきましては、介護の実務経験者が介護福祉士国家試験の受験資格を得るための研修について、他の国家試験の養成課程を修了している場合等に関連科目を免除する、そうしたことなども提言をされておりますので、そうしたことを踏まえて一層の充実に取り組んでいきたいと考えています。
○阿達雅志君 人手不足の中で介護サービスの持続性を維持するために、処遇改善だけではなく、できることは全てやるということで是非取り組んでいただきたいと思います。 時間になりましたので、これで終わらせていただきます。
○委員長(藤川政人君) 以上で阿達雅志君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(藤川政人君) 次に、舟山康江さんの質疑を行います。舟山康江さん。
○舟山康江君 国民民主党・新緑風会の舟山康江でございます。 今日から参議院での予算審議が始まりました。衆議院では、迅速を超えて少し強引にも映った、そんな予算審議でありましたけれども、私はいたずらに時間を掛ければいいとは思っておりませんけれども、やはり熟議、慎重審議の中から様々な提案、様々な論点が見えてくるんだと思っております。 参議院では、二月二十五日の本会議代表質問にて与党自民党の幹事長もおっしゃっていたとおり、衆議院の多数決の論理とは異なり、丁重な議会運営を心掛けてきたところであり、改めて委員長には丁寧な審議を、そして総理には丁寧な御答弁をお願いしたいと思います。 さて、現在、世界各国で、法の支配を脅かす、力による現状変更の試みが激化しております。 そんな中で、総理は、今般の施政方針演説にて、自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値や原則を共有する国々と手を携えてまいりますと引き続き表明されたほか、それに先立つ一月七日、岩澤雄司、ICJ、国際司法裁判所所長、赤根智子、ICC、国際刑事裁判所所長と首相官邸でそれぞれ会談した際にも、両所長と、厳しい国際情勢の中でも法の支配の重要性、そしてその強化に向けて支援していくと力強く表明されました。 加えて、総理は同じ施政方針演説の中で、力又は威圧による一方的な現状変更の試みに対しても厳しい姿勢を示しているほか、あらゆる場面において、力による一方的な現状変更の試みを容認するべきではないと一貫して表明されております。 そこで、総理に確認をいたします。 今のイラン情勢に照らして、改めて法の支配と力による現状変更に対するお考え、お聞かせください。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 国家間の対立が激化、複雑化、常態化しており、私たちが慣れ親しんできた自由で開かれた安定的な国際秩序が今日大きく揺らいでおります。力又は威圧による一方的な現状変更の試みを認めず、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持強化していくことが重要でございます。 高市内閣としては、法の支配を中核的な理念とするFOIPを外交の柱として、戦略的にこれを進化させていく考えです。
○舟山康江君 これまでの我が国ではもう当たり前の価値観だと思いますけれども、残念ながら今、世界ではその価値観そのものが揺らいでおります。だからこそ、今、総理から改めて力強く世界に向けて発信いただきたいと思いますし、今週予定されている日米首脳会談でも、トランプ大統領に対してこの当たり前の価値観、強く発信していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) もちろん、イラン情勢についてもしっかりと議論を深めてまいりたいと思います。そしてまた、日本として言わなければならないことは申し上げてまいるつもりでございます。
○舟山康江君 是非よろしくお願いいたします。当たり前が当たり前じゃなくなりつつある、そんな状況ですので、強く求めたいと思います。 そして、総理は、同じく施政方針でこうもおっしゃっております。分断と対立の進む世界を開放と協調に導き、日本と世界が共に繁栄していくよう、積極的に役割を果たさなければなりません、先ほども言及されました。 アメリカ、イスラエルによるイラン攻撃をきっかけに、攻撃の応酬、湾岸各地に戦火が飛び火する、分断と対立が激化している今こそ、その総理の決意が生きるときです。 総理、是非、今、実質的には戦闘状態にあると考えますけれども、それによるホルムズ海峡の実質的封鎖が長引けば、日本を始めとする多くの国々が様々な影響を受けます。まさに日本こそが、これまで、これも既に言及ありましたけれども、イランとの長い交流の歴史の中で良好な関係を保ち、対話できる関係を構築してきています。日本が対話のテーブルを準備する役割果たしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 既にイランとの間でも必要なやり取りを行っております。もちろん、同盟国であります米国との間でも意思疎通は行っております。また、G7各国、友好国との間でも、各レベルでやり取りをいたしております。しっかりと早期の事態鎮静化に向けて取り組んでまいります。
○舟山康江君 我が国が様々な機会を通じて働きかけをいただいているのはよく分かっておりますけれども、やはり総理が、是非直接イランを訪問するなり、まあ今、危険な状況かもしれませんけれども、やはりそういった対話の準備していただきたいと思います。 二〇一九年六月に、このときもアメリカとイランが極めて厳しい緊張関係にありましたけれども、当時の安倍総理はイランを訪問して、最高指導者のハメネイ師、それからロウハニ大統領と直接対話をしております。国際平和に大きく貢献されました。是非、高市総理も直接の対話、試みていただきたいと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 今は、主にアラグチ外相と茂木外務大臣の間でやり取りをいたしております。まだその首脳会談といった形の環境は整っていないと思います。というのは、相手がなかなか今表に出られる状況でないように聞いておりますので、また時を待ち、必要があればしっかりと対応させていただきます。
○舟山康江君 改めて、本当に高市総理の役割は大変大きいと思います。大変だと思いますけれども、是非この平和構築に向けて、お力、御尽力いただきたいと思います。 そして、先ほど言及をいたしましたICCに関しましては、総理は一月七日の会談でも、日本政府としてICC及び赤根所長を力強く支援していくと述べられました。 一方で、ICCは、昨年二月六日のトランプ大統領令によりまして、この一年で十一名の裁判官、検察官などが制裁を受けております。アメリカによる制裁は、アメリカ国内の資産凍結や入国禁止だけではなく、間接制裁を恐れるアメリカ国外の銀行や企業との取引も含めた事実上の停止という効果を生んでいます。さらに、今後、赤根所長本人への制裁、さらにはICC本体への制裁のリスクも残っております。 ICCは、総理も御存じのとおり、東京裁判を始めとするこれまでの事後的に行われた裁判への反省から設置された、世界で初めての常設の国際刑事裁判所であり、日本が重要な役割を果たしてまいりました。現所長が日本人であるのもその象徴です。この重要なICCを、そして赤根所長をアメリカの制裁から是非守ってください。 その具体的な取組、働きかけについて教えてください。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 我が国は、重大な犯罪行為の撲滅と予防、法の支配の徹底のため、常設の国際刑事法廷であるICCを一貫して支援してきております。米国による対ICC制裁については、様々なレベルで米国側に働きかけ等行ってきております。 日本政府としては、ICCが独立性を維持し、その活動を全うできるように、ICC及び他の締約国とも意思疎通を行いながら対応を行ってまいります。
○舟山康江君 ちょうど日米首脳会談で今週訪米されますけれども、ICCと赤根所長の大きな応援団として、この件も日米首脳会談で要請いただきたいと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) ちょっと日米首脳会談の議題について、個別の議論について予断するということは差し控えさせてください。
○舟山康江君 是非、まさに法の支配の根幹ですから、このICCを、一国の様々な思惑で制裁を加えるというのはあってはならないと思います。是非、応援団としての高市総理の発信、期待したいと思います。具体的な中身はともかく、この件も是非要請いただけないでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) これまで累次にわたって米国側への働きかけをいたしております。
○舟山康江君 是非、外務大臣からも恐らく要請等をいただいていると思いますけれども、総理からもお願いしたいと思います。本当にこれ危機的状況だと思います。法の支配が揺らぐ、そして、先ほど言いましたけれども、本当に、こういった戦争犯罪等についてやはり様々な過去の反省を踏まえてやっとできた、これが揺らいではならないと思いますので、よろしくお願いいたします。 またホルムズ海峡の問題に戻りますけれども、混乱が続けば、我が国のみならず世界経済に大きな打撃を与えます。ここに来て、アメリカから各国に対して艦船派遣の呼びかけがあるようですけれども、自衛隊法八十二条に基づく海上警備行動での自衛隊艦船の派遣は、午前中、総理も現行法では難しいというこんなお話がありましたけど、やっぱり無理だと思います。 そういう中で、やはり改めて外交上の解決こそが重要だと、これも論をまたないと思いますけれども、まさに分断と対立の進む世界を開放と協調に導き、日本が世界とともに繁栄していくよう積極的に役割を果たす、そのときです。 是非、こういった解決に向けての役割、総理、果たしていただけないでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) ホルムズ海峡をめぐる情勢の安定化というのは、エネルギー安全保障の観点からも極めて重要でございます。 三月十一日のG7首脳オンライン会議においても、私からホルムズ海峡における安全な航行の確保の必要性を強調し、G7として緊密に連携し、対応していくことで一致をしました。 ホルムズ海峡を含む事態の早期鎮静化に向けて、国際社会と連携をしながら、必要なあらゆる外交努力を行ってまいります。
○舟山康江君 やはり、原因を取り除いていく必要があると思うんですよね。その攻撃の応酬が続く、それをなくしていく、やはり鎮静化ということ、是非力を尽くしていただきたいと思っております。 そういう中で、今総理からもありましたエネルギーですよね、本当に、日本はこの石油に多くを依存している中で、ホルムズ海峡が封鎖されれば相当大きな影響を受けます。そういう中で、今日、石油の備蓄放出を決定をいたしました。このタイミングでの放出というのが、もしかしたらもう既に足りないんじゃないかと、こういった懸念も世の中で広がっているのかなと思っています。 そういう中で、改めて、今日のタイミングで放出したその理由、背景を教えてください。
○国務大臣(赤澤亮正君) 原油タンカーがホルムズ海峡を事実上通れない状況が続く中、今月下旬、三月二十日の金曜日頃です、以降ですね、我が国への原油輸入は大幅に減少する見込みです。 我が国は、官民合わせて約八か月分の石油備蓄を有し、直ちに国内のエネルギー安定供給に支障が生じるものではありませんが、世界でも中東依存度が突出して高く、大きな影響を受ける我が国において、万が一にもガソリンなどの石油製品の供給に支障が生じないように、G7各国や国際エネルギー機関とも連携しながら、我が国が率先して我が国の石油備蓄を活用するということを明らかにしたということで、このタイミングになったものであります。 引き続き、中東情勢も注視しつつ、エネルギーの安定供給の確保に万全を期してまいります。
○舟山康江君 大臣、確認ですけれども、今、石油が足りないという状況ではない、という理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(赤澤亮正君) 繰り返しになりますが、原油についてはもう世界中ニーズがあるわけで、IEAという機関が、国際的には少なくとも九十日は備蓄をして耐えて、そうすると協調放出の体制が整うと言っているような中で、諸外国の平均備蓄は百四十二、我が国が二百五十四ということで、そういう意味ではがっちり備蓄をしておりますので、現時点において足りないということではないということは申し上げられると思います。
○舟山康江君 是非大臣、そのメッセージ、国民に向けてしっかり発信いただきたいと思います。 何かもう既に足りないんじゃないかということで、週末、地元に帰ってみましても、ガソリンスタンドに長蛇の列ができていたり、あとはもう既に大体平均三十円ぐらい、ガソリン、軽油が三十円ぐらい値上げをしている、A重油が、この間聞いたら四十円ぐらい値上げしているというんですよ。 これ、足りなくない中でどうしてこんなに上がっているのか、ちょっとその辺のメッセージ、お願いします。
○国務大臣(赤澤亮正君) 手元に整ったあれがあるわけではないんですが、衆議院でも同じことを御説明させていただき、大手の石油の元売が卸売価格を決めるのは、商慣習として毎週木曜日に決めると、そして前の週の価格と更にその前の週の価格との差を取るので、実は今回、三月十二日に原油価格が上がっているのが反映されてしまいました。 その結果、両方の価格の差で二十円以上一気に上がるということになったんですが、そういう仕組みでありますので、それによって、三月二十日以降にならないと、我が国に入るタンカーは減らないんですけど、現にホルムズ海峡の今回の事実上の封鎖とかがない状態と同じ状態が続いているんですが、そういうことでガソリンの価格が上がったということがあります。 三月十九日以降は、総理の指示に基づいて百七十円程度を目指す補助金が入り始め、そしてその補助金が入り始めれば、それよりも前に高い価格で仕入れたような油の在庫が減っていくにしたがって、十九日に補助金を開始し、その後一、二週間たてば百七十円程度に収束をしていくという見通しを私どもは持っております。
○舟山康江君 もう一点、大臣、その値上げ、価格が上がっているということに加えて、もう既に供給ができないという、大口の需要者のところでも、例えば、農業関係者で定期的に重油を購入しているところがもう売れないよと言われたりとか、企業なんかでももう在庫がないと言われたり、こんな状況も既に起きているというんですけれども、これはどうなんでしょうか。そこも、今実際ある中で、もしかしたら売惜しみというような、そんな懸念もあるんですけれども、その実態についてどのように把握されているでしょう。
○国務大臣(赤澤亮正君) これについてもちょっと整った資料なしでお話をいたしますが、まず、我が国、石油危機二回経験していますので、非常に、何というか備えて、いろんな買占めが起きたり、いろんなことをみんな想定しながら行動してしまうところがあるんですが、先ほど委員から有り難い御指摘いただいたように、現在の時点で何か原油が足りないとか、そういうことが起きているわけではありません。 その上で、やはり慎重を期して、問合せでこれぐらいの油を来週くださいねとかいう話をしたときに、いやいや、もうこういうイラン情勢なので、卸せるのはこれまでの半分ぐらいだというようなことが書面でのやり取りでいろんな産業分野で起きてしまっているようなところはあるようです。例えば、運送会社とかですね、そういったようなところに対して文書で、油を卸すところから、半分ぐらいしか次回はというような。 大変な不安が生じておりますけれども、私どもは、そういうものについて問合せをいただけば、一つ一つ、現状において足りないというようなことではない、こういう手も講じているので、そういう意味では余り、何というか、不安に駆られて、むしろその不安を増幅するような行動は取らないようにというような働きかけはしていきたいというふうに思っております。
○舟山康江君 是非、まず量ですよね、供給不安というところと、あと価格、実際これ元売の段階で上がっているというところはあるかもしれませんけれども、場合によっては、こういった不安の状況に乗じて便乗的な値上げというものも懸念されるところじゃないのかなと思っています。その辺り、是非大臣から、その問題指摘をし、監視体制、強めていただきたいと思いますけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(赤澤亮正君) まず、三月二十日まではタンカーは普通どおりに、ホルムズ海峡、事実上封鎖される前の状況で入ってくるはずなのに、なぜ価格が上がっているという国民の皆様からのお叱りはもう既にいろいろ受けておりまして、今は、じゃ、その安いコストで入れたものを高く売っているじゃないかと。それはそのとおりの面があるんですが、一方で、これ下がったときは、今度高い価格で仕入れていても、もう前週と前々週比べて値段が下がっていれば下げるということをこれは商慣習としてやっているはずなので、そこは、上がったときと下がったときをバランスすると、そこは便乗値上げということでは必ずしもないということは御理解いただきたいと思うのが一つと、あとは、やっぱり便乗値上げみたいなことに国民の皆さんの怒りが集中する気持ちはよく分かりますので、経産省としては、ネットで実は便乗値上げとか買占めとか、そういう情報があればここにお知らせくださいというものを、昨日だったか、作って始めたところであり、今の委員の御指摘大変ごもっともでありますので、私ども、得られるだけの情報をできるだけ集めて、何かそういう買占めとか便乗値上げとか情報があれば、そこに対する働きかけは積極的にやっていきたいというふうに思っております。
○舟山康江君 大臣、そしてまた政府を挙げてそういった不安に対処するような、そういったメッセージ発信、よろしくお願いいたします。 そして、今般のこういった緊急事態を受けまして、この燃料だけではなくて、例えば電気、ガス等の値上げ、今現在は補助金で、一月から三月まで電気、ガスについては補助をしているところなんですけれども、この後ですよね、四月以降、果たしてどうなっていくのか、こういった不安も非常に国民の皆様に強くあるんじゃないかと思っています。 そういう中で、私たち国民民主党、十二日に緊急物価高再燃対策として、お手元、これ配付資料だけですけれども、資料を配付させていただきましたとおり、五項目から成る対策を提案させていただきました。今申し上げました三月末で終了する電気、ガス、灯油等の緊急対策補助、これを四月以降も継続するなど、追加の対策を今すぐ講じるべきではないでしょうか。総理、お願いします。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 中東情勢による日本経済への影響について、現時点で予断を持って判断することは困難ですから、まずは物価高対策等を盛り込みました経済対策、令和七年度補正予算、これを着実かつ迅速に執行する、で、令和八年度予算及び関連法案の早期成立をお願いすることが重要だと考えております。 その上で、原油価格等につきましては、三月十一日に発表したとおり、足下で原油価格が高騰する中で、国民の皆様の生活、経済活動を守るために、緊急的な激変緩和措置として対応をいたしました。 これからまだ予断を許さない状況にありますので、事態が長期化した場合にも、息切れすることなく継続的に国民生活、また産業をお支えすることができるように、支援の在り方は柔軟に検討をさせていただきます。
○舟山康江君 ありがとうございます。 是非、柔軟に検討いただく中で、ちょっと一つ提案なんですけれども、今言いました燃油価格激変緩和対策、この基金が残り二千八百億円ということで、今年度は間に合うかもしれませんけれども、やはりこれをもし継続するとすれば足りなくなるんですね。それから、この電気代等の対策もこの一月から三月までの間で五千三百億円ぐらいの予算を計上していると思います。そうなりますと、例えば半年延ばせば一兆円を超える。今回の、今審議中の八年度予算案では予備費一兆円となっていますけれども、もしここに使うとすれば、これあっという間になくなっちゃうんです、足りなくなります。 そういう意味では、今目の前で起きている、衆議院での予算審議のときには想定できなかった緊急事態でありますので、改めて、この予算案に改めて組み込むか、若しくは、ちょうどこれ、審議の中で、場合によっては暫定の可能性もあります。その中にこういった対策も盛り込むなど、柔軟に考えていただければと思いますけれども、総理、いかがでしょう。
○国務大臣(片山さつき君) まさに、非常に今、情勢の判断が難しい時期でございます。 先ほどから各委員からいろいろ御心配をいただき大変有り難いと思っておりますが、まず、補正予算を今はまだ迅速に執行している状況にある中で、この七年度の予備費が八千六百億円ほどございます。先ほど御指摘いただいたように、基金が二千八百億ありますから、確実な見積りを示せる状況にはありませんが、めどとして、先ほど一か月分で三千億円ぐらいになるのではないかというお話も別の委員からありましたが、それは今は三月のもう十九日からしかできないわけですから、おおむねその場合は試算では三分の一を掛けるわけですから、一千億円台ということになっても、その後の状況を考えて、その予備費に行かなければいけないという状況は我々は全然否定しておりませんで、そこは柔軟に考えておりますし。 その後に、早速、八年度予算をどうするかを云々する前に補正というお声もあるんですが、皆さん、この委員会で長らくの御経験を積んでおられる方ばかりですが、どうやっても補正を組むには大変な時間が掛かりますので、そう考えますと、大変申し訳ないんですけれども、できるだけ早くこの予算案を何とか、何とかお通ししていただいて、その瞬間に一兆円の予備費が付きまして、暫定の方では予備費は三百六十五日分の暫定期間というのが通常のルールでございますから、ということをお考えになると、今我々は、そういうことで、何とか御委員御指摘の様々な点も含めてやり切れるのではないかと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○舟山康江君 本予算の審議中に補正予算の議論が出ること自体がちょっとどうかと思うんですよ。だったら、今のこの本予算を修正するとか、少し追加するとか、それから、このつなぎ、暫定予算に関しましては、与野党合意すれば新たな政策が入れられると。入れられないという規定にはなっていませんよね。とすれば、そういったことも含めて議論いただくべきではないかと思いますけれども、いかがでしょう。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 済みません、今、令和八年度予算の修正についてのお話ございましたが、そもそも令和八年度予算、既に衆議院で可決をいただいておりますので、国会法五十九条の規定により、内閣として修正を行うことはできません。また、補正予算につきましても、先ほど片山大臣がお答えしたとおりでございます。 今後、中東情勢や油価の状況を注視しながら、必要があれば、予備費のほかの使用状況も見極めた上で今年度及び令和八年度予備費の活用もできるということを踏まえれば、今その補正予算の編成が必要だとは考えておりません。 暫定予算につきましては、財政法第三十条二項に基づきまして、本予算に計上していない経費を暫定予算に計上することは想定されていないと考えております。 まずは、今御審議いただいている令和八年度予算、できるだけ早くお認めいただきますようお願いいたします。
○舟山康江君 このイラン情勢、刻々と変わってきている中で、この予算の審議内でもしまた更に大きな状況の変化等がありましたら、これは是非、参議院の中でも予算の修正等の議論、真摯に与野党を超えてやっていきたいと思っております。 そして、改めて、今回の案件を契機として、原油依存、ここから脱却しなければならないというところで、先ほど末松議員からはSAFの御提案もございました。私からは、新たなエネルギー源として注目されているメタンハイドレート、こういったもの、これまでも様々な調査してまいりました、されてきましたけれども、この可能性、現在の開発状況も含めてお答えください。
○国務大臣(赤澤亮正君) メタンハイドレートは日本周辺海域に賦存が確認されており、我が国のエネルギー安定供給に貢献し得る大変重要なエネルギー資源でございます。例えば、三重県沖の海域には、我が国の天然ガス消費量の約十年分に相当する資源量が賦存すると評価されています。 エネルギー基本計画においても、二〇三〇年度までに民間企業が主導する商業化に向けたプロジェクトが開始されることを目指すと明記されております。この目標に向けて、現在、メタンハイドレートの産出に必要な生産技術の開発や海洋調査等に取り組んでおり、実績、成果を着実に蓄積をしてきております。 引き続き、官民で連携を深め、開発、利用の実現に取り組んでまいります。
○舟山康江君 今御説明いただいたことは私も十分承知しておりますけれども、改めて、今般、やはりこの中東依存、石油依存のリスクというのが明らかになった中で、更なる加速が必要だと思いますけれども、その観点で質問いたしました。どうでしょうか。
○国務大臣(赤澤亮正君) もう委員御案内のとおりですけど、これ千メートルの海底から引き上げると、大変困難な技術を伴うものでもあり、そういう意味では、我々も加速したいのはやまやまですので、その可能性しっかり見ながら、予算を掛ければ加速できると思えば、そこはそういう工夫をしていきたいと思いますし、委員の御指摘を踏まえて全力で取り組んでまいりたいと思います。
○舟山康江君 改めて、安全保障、総理が常に言及されている安全保障ということを考えたときに、改めて、そういった可能性も更なる後押し、お願いしたいと思います。 続いて、食料品の消費税ゼロについてお聞きしたいと思います。 総理は、一月十九日の記者会見において、食料品の消費税ゼロは私自身の悲願だったと強調をされました。衆院選公示前日の党首討論では、令和八年度内を目指したいと、早期実現にも意欲を示されました。 改めて確認ですけれども、この食料品消費税ゼロの目的と政策効果、説明ください。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 税、社会保険料負担や物価高に苦しんでおられる中所得、低所得の方々の負担軽減、これが重要な課題でございます。 超党派で行う社会保障国民会議においては、給付付き税額控除の制度設計を進めていただくこととしております。 食料品の消費税率ゼロは、この改革の本丸である給付付き税額控除実施までの二年間に限ったつなぎの負担軽減策として検討を進めるものです。
○舟山康江君 今総理から御説明いただきました、つなぎということで、臨時なんですね。そしてまた、中低所得者の家計を助けるということですけれども、逆にこれ、様々な論点の中で、高所得者の方が恩恵を受けるんじゃないかという、こんな指摘もあります。 改めて、この導入に当たってのメリット、デメリット、こういったものを広く、国民会議で議論するのは詳細はそうかもしれませんけれども、やっぱり国会の場で更なる説明いただきたいと思いますけれども、いかがでしょう。
○内閣総理大臣(高市早苗君) まず、国民会議で議論しているのはまさにそれらの課題ですね。 様々な、そうですね、主体の方々からお話を伺う、そして課題を洗い出す、そしてその議論を経て最終的には政府としての案を決定して、必要な法律案を国会に提出した段階で国会で十分な御審議をお願いすることになると考えております。
○舟山康江君 やはり議論の前提として、いろんな影響、影響を受けるという方から懸念の声、私も聞いておりますし、多分総理のところにも様々な懸念の声も行っているかと思います。 そういう中で、是非真摯な議論、ちょっと今日は時間となってまいりましたので、続きは明日に回したいと思いますけれども、農家、外食産業からの不安の声、それから農協特例の問題、こういったものについて、明日また質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 以上です。(拍手)
○委員長(藤川政人君) 残余の質疑は次回に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十七分散会