法務委員会 第12号
- 発言数
- 141 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2026/06/02
会議録
○委員長(伊藤孝江君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、東野秀樹さん及び有村治子さんが委員を辞任され、その補欠として小林孝一郎さん及び加田裕之さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(伊藤孝江君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官鎌谷陽之さん外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤孝江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(伊藤孝江君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○鈴木宗男君 警察庁の生活安全局長にまず伺いますが、私は金曜日、火曜日に委員会があるから、質問の件があるのでと言って局長に電話しました。そうしたら局長は、いとも簡単に、審議官を出しますと、こう答えられました。警察庁は副大臣が担当としていないものですから、本来、副大臣が出ないときはこれは局長だと私は認識しているし、またそれが国会のルールだと、こう思っておりました。 あのとき局長が審議官を出しますというのは、何を根拠にして、過去の例からいっても私にとってはちょっと筋違いだなと思って、えらい人を軽く見た、ばかにした話だと、こう受け止めたんですよ。あのとき局長は何で審議官と、こう言ったのかを教えてください。
○政府参考人(山田好孝君) お答えいたします。 そのようなお電話があったことをよく記憶しております。 その上で、過去、法務委員会において、警察庁から審議官の出席が私がいる生活安全局では多く見られたことからそのように申し上げたわけでございますが、ただ一方で、誰が出席するかにおいては国会の御判断であるというふうに思っております。そのように認識をしております。
○鈴木宗男君 局長、国会の判断というよりも、まずは質疑者の意向なんですよ、国会のルールというのは。しかも、それは前例にのっとってやるんです。だから、副大臣がいなければ、当然、次の責任者というのは局長になるんですよ。私は知らないで言っているんじゃないですよ。少なくとも、ここにいる中で私が一番経験者としては、国会についてのですよ、あるわけですから言っているんです。あなたは、少なくとも人を、何か上から目線でですよ、すぐ審議官を出しますと、一人でと言われました。ここは改めた方がいいと思いますよ。よく官僚の中である例ですから。 その上でこの質問に入りますけれども、読売ジャイアンツの阿部前監督が家庭内における暴行容疑で現行犯逮捕されました。翌未明には釈放されて任意捜査に切り替わっておりますけれども、現行犯逮捕の運用基準について警察庁の見解を伺います。 同時に、氏名や住所、連絡先が明確で逃亡のおそれもなく、かつ証拠隠滅のおそれが低い事案においても、あえて令状なしの現行犯逮捕を判断したのはどういうことなのかということもお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(山田好孝君) お答えいたします。 まず、現行犯逮捕についての基準についてのお尋ねがございました。 現行犯逮捕につきましては、現に罪を行い、又は罪を行い終わった者を現行犯人として、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができることとされているところでございます。この現行犯逮捕をするか否かにつきましては、個別具体的な事実関係に即して、法と証拠に基づき判断がされるものというふうに承知をしております。 その上で、本件の対応についてでございますけれども、本件につきましては、委員御指摘のとおり、五月の二十五日、警視庁において、親から暴力を振るわれている旨の一一〇番通報を受け、現場に臨場した警察官が同人を暴行罪で現行犯逮捕した事案と承知をしております。 これにつきましては、警視庁からは、同人を、この被疑者を現に罪を行い終わった者と認めて現行犯逮捕をするに至ったものというふうに報告を受けております。 以上でございます。
○鈴木宗男君 現場での当事者からの話も聞いたりしての判断かと、そういう意味での今の説明だと思うんですけれども、現行犯逮捕の前に例えば任意同行するとかという選択はなかったんでしょうか。それなりの社会的地位で知名度のある方でもあります。当事者は親子関係です。これも後ではっきりしていますけれども、警察が行く前にはもう仲直りをしていたようなですね、後での娘さんの話もありますね。ならば、私は、現行犯逮捕よりも、まずは任意同行だとか身体拘束を伴わないやり方での選択肢、あるいは捜査の進め方があったのではないかと、こんな感じがするんですけれども、その点はいかがでしょう。
○政府参考人(山田好孝君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、一般論として、事件の関係者を事情聴取のために警察署などへの同行を求めることがあるというのは御指摘のとおりでございます。ただ、これが本件において実効的であったかについては、仮定の話でございまして、お答えすることは困難であるというふうに考えております。 いずれにいたしましても、本件におきましては、警視庁からは、本件の被疑者が現に罪を行い終わった者と認めて現行犯逮捕をするに至ったものと報告を受けておりますが、その際の状況がどのようなものであったのか、逮捕に至る背景事情に関わることにつきましては、被害者等関係者のプライバシーの保護の観点からも答弁は差し控えたいと考えております。
○鈴木宗男君 その背景なんですけれども、娘さんが公に手紙を発表していますね、もう仲直りをしておりますと。同時に、この手紙によると、父とのこのような大掛かりなけんかというは初めてのことであり、チャットGPTに相談した結果、匿名で相談できる児童相談所というものがありますよという形での説明書きがなされ、それでお電話させていただきました。どのようにすればいいか分からないといった形を児童相談所の職員に相談させていたにもかかわらず、どうしたらいいかといった私自身の意向が聞かれることなく警察に通報されるという形になってしまいました。警察が来て一番驚いているのは自分自身ですし、父が警察に連行された姿を見て、目前で私は泣き崩れてしまいましたと。これは公になっていますね。警察も把握はしていると思うんです。 暴力があったということで警察は現行犯逮捕という発表をしていますね、外向けには。しかし、本人いわく、殴られたことだとかいうことはありませんということもこの手紙の中ではっきり御本人、いわゆる被害者は書いておりますね。ならば、私は、現行犯というよりは、本来、任意同行して所轄の署なら署に行って事情を聞くというやり方も私は普通のやり方じゃないかと思うんですけれども、この点はどうなんでしょう。
○政府参考人(山田好孝君) 警視庁が逮捕した背景については先ほど御答弁したとおりでございますが、委員の御指摘に関し一般論として申し上げれば、この人身安全関連事案につきましては、事態が急展開する可能性がありますことから、被害者の安全確保を最優先にしつつ、個々の事案ごとの状況も踏まえながら適切に対応する必要があると考えておりまして、警察庁といたしましては、引き続きそのような観点から都道府県警察を指導してまいりたいと考えております。
○鈴木宗男君 局長、被害者の安全といっても、騒ぎは警察が行っているときはもう収まっているわけですね。これは間違いないですね。答えてください。
○政府参考人(山田好孝君) 先ほども御答弁したとおり、逮捕の背景事情に関することについては、プライバシーの観点もございますので、お答えは差し控えたいと思います。 その上で、一般論として申し上げれば、先ほど申し上げた今回の事案のような人身安全関連事案につきましては、被害、被害者、失礼しました、事態が急展開する可能性もあるという特徴、性質があるところでございます。それを留意して対応する必要があるということでございます。
○鈴木宗男君 局長、私はプライバシー関係ないと思いますよ。事実はどうであったかを聞いているんですよ。御本人が殴られたこともないと言っているんです、分かりますね。プライバシーというのは何のこと言うんです。プライバシーの問題があるから現行犯逮捕なんですか。それならば話違うでしょ、あなたの説明では。 本人自身が児相に相談しました。そうしたら、たまたまチャットGPTにやったら児相に相談しなさいということになったから電話した。その児相は被害者たる私に何の相談もなく警察に通報して、こんな事態になったって本人は戸惑っているんですよ。プライバシーって、局長、何のことを言ってプライバシーと言うんですか。 これ、法務大臣もそうですけど、いつもプライバシーだとか司法の独立だとかというような言葉使うけれども、今の答弁で何をもって、私はプライバシーのこと何も触れていませんよ、何をもってあなたはプライバシーと言っているんです。
○政府参考人(山田好孝君) お答えいたします。 本件につきまして、警視庁からは、現場に臨場した警察官が被害者等から状況の聴取を行った後に逮捕をした旨報告を受けておるところでございます。 警察庁としては、本件事案につきましては現在捜査中でもありますし、また、逮捕に至る背景事情、現場がどのような状況であったかにつきましては、家庭内の事柄でもあり、プライバシー保護の観点からも答弁は差し控えたいと考えております。
○鈴木宗男君 二十五日にこのことが起こって何日たっています。そんなに時間の掛かる話なんですか。しかも、もう当事者同士は一緒に生活している。その中にあって、あなたの今のその説明というのは、非常に私は違和感を感じますね。今もけんかして、本人同士が一緒にいないだとかというのなら分かります。同時に、この娘さんは、父はいつも陽気で私と笑い合う仲で、一緒に食事も出かけたりするなど通常の家族として交流しております、父とは既に仲直りをしておりますゆえ御安心くださいという、これは翌日に手紙で公に発表しているんですね。 じゃ、あなたの言うプライバシーというのは、何をもってプライバシーなんです。役人用語じゃないですか、あなた方の常套手段の。具体的に言ってください、何のプライバシーか。
○政府参考人(山田好孝君) お答えいたします。 先ほど来私の方から、本件逮捕に至る背景事情に関わることにつきましては、被害者等関係者のプライバシーの保護の観点からも答弁は差し控えたいと申し上げているところでございますが、これについては、捜査機関において、家庭内の事情について把握した状況、あるいは当時の逮捕の状況がどういうものであったのか、これについては、関係者、被害者等のプライバシーに関わるものであるというふうに考えているところでございます。
○鈴木宗男君 プライバシーに係るというならば、私は、子供の目の前で逮捕する、そっちの方がプライバシーの問題が大きいんじゃないでしょうか。子供自身が非常にそれにショックを受けていると言っているんですから。あなた方のプライバシーの、私は履き違えをしていると思いますね。 局長、私は、この阿部監督の件は現行犯逮捕するまでの事案でないと思っています。時々警察が間違った判断をする最たるものだと。冷静に考えれば、何か警察が行っても、トラブルが起きているというんで行ったって、もう穏やかに済んでいる話を、一方的に娘さんの事情を聞いて、そこで現行犯逮捕だという流れに私は考えるんですけどね。ちょっと行き過ぎでないかと、こう思います。 いずれこれまた次の委員会でやっていこうと思いますので、どうか局長、正しいまた次の機会での答えをいただきたいと思います。 終わります。
○泉房穂君 泉房穂です。 再審に関して質問をさせていただきます、二十五分間。 政府案に関しては、修正が必要との声が日増しに高まってきています。 資料をお配りしております。 資料七、御覧ください。新聞各紙共に、今のままではなく是非修正をという形の論調であります。 資料八、御覧ください。新聞協会につきましても、目的外使用の禁止に関しての反対声明が改めて出されました。 袴田事件の巖さんのお姉さん、ひで子さんも、ちょうど会派の会合で御一緒したときに私が質問しました。今の政府案のままでも一歩前進ということでやっぱり可決を望みますかと聞いたところ、袴田ひで子さんは、望みませんと。今の政府案のままで修正がなければ、急ぎませんと。五十八年間待ち続けたので、ここで変なものができるよりもちゃんとしたものを作ってほしいということを言われ、私はそれを目の前で聞いている立場であります。 そういった中で、立法趣旨にかなう形で改めて立法府において修正をしていくべきではないかという問題意識から今日は質問をさせていただきます。 このテーマは、押さえるときに大事なことは、個々の論点に入る前に、一体何のために今回の見直しをするのかという立法趣旨、そして立法事実を押さえる必要がまずあると思います。 資料六を御覧ください。 まず大臣にお伺いします。立法趣旨、大臣、済みません、もうコンパクトにお答えをお願いします。立法趣旨は何でしょうか。
○国務大臣(平口洋君) お答えいたします。 罪を犯していない人が処罰されることはあってはなりませんし、仮に犯人でない人を有罪とする確定裁判があれば、速やかに救済されなければならないところでございます。 しかしながら、近時、再審無罪判決の確定までに相当な長期間を要し、再審請求者等に大きな負担を生ずる事態となった事件があり、そうした事態の原因に関し、いわゆる証拠開示に多くの時間を要しているといった指摘や、再審開始決定に対する検察官の不服申立てが長期化の原因となっているといった指摘などがあるものと承知をしております。 本法律案は、こうした事態や様々な指摘を真摯に受け止め、再審制度が非常救済手続としてより適切に機能するようにするため、刑事訴訟法を改正して、誤判からの確実な救済と手続の円滑、迅速化を図るものでございます。
○泉房穂君 改めて資料六、御覧ください。 これ、法務省が、今回の法案の説明の一番最初のページの紙ですけど、真ん中から少し下に赤い字ではっきり書いておられます。大臣おっしゃったとおりです。今回の立法趣旨は大きく二つ。一つは、手続保障を充実化して、誤判からの確実な救済、キーワードは確実に救済することです。もう一つのキーワードは、次の行です、おっしゃったように、審理の円滑、迅速化、簡単に言えば迅速な救済です。 今回は、冤罪の被害者の救済に向けて二つのポイント、確実に救済すること、早く、迅速に救済すること、この二つが重要なポイントだということは確認し合えると思います。 そこで、立法事実に入ります。資料五の方を御覧ください。 まず押さえるべきは、残念ながら今の日本で、いまだに冤罪が次々と発覚といいますか救済になっていっている状況ですが、これまでに、死刑判決を受けながら再審で無罪になったものが全部で五つあります。免田事件、財田川事件、松山事件、そして島田事件です。そして五つ目が、二年前の再審無罪となった袴田さんの事件です。 共通点があります。五つともなぜ冤罪になったか。証拠を捏造したからです。自白を強要したからです。全てが全て一致しています。捜査機関が証拠を捏造し、捏造と矛盾する証拠を隠し、捏造証拠だけ出して裁判した結果、五つとも通常審で有罪になった。 じゃ、なぜそういった冤罪になったものが無罪になったか。五つとも共通しています。後になって捜査機関が持っていたまさに無罪につながる証拠、捏造を証明する証拠が後から出てきて、その結果、再審で無罪になった。五つともです。まさに立法事実。捜査機関が証拠を捏造した結果、冤罪となり、それと矛盾する証拠が出てきたから無罪になったという経緯であります。 ポイントは、まず一つ目です。確実な救済のためには、そういった捏造した証拠と矛盾する証拠を捜査機関が持っているのであれば、それをしっかりと確認することが重要。ポイントは、そういった証拠を廃棄したり隠したりせずにしっかりとオープンにすることだと思います。そして、出てきた証拠をしっかりと吟味をして、幅広い証拠を見ながら、果たして一審の有罪判決の根拠となった証拠は捏造ではなかったかどうかを確認すること、これが確実な救済に当たっての最大のポイントだと私は思っています。 続きまして、では、どうしてそういう状況なのに何十年も掛かるのか。御案内のとおり、資料五の方を御覧いただいたら分かりますが、袴田事件にて五十八年、日野町事件既に四十一年、福井事件三十八年だといいます。 なぜこんなに掛かったか。理由は簡単です。証拠を隠し続けたからです。再審開始決定が出たのに検察が抗告したからです。袴田さんの事件、証拠が出てくるまでに四十四年も隠していたんです。抗告しなければすぐ始まったのが、九年も引っ張ったんです。日野町事件についても、証拠を二十四年隠し続け、その後抗告して七年引っ張った。福井事件についても、三十六年隠し続け、その後、これは、済みません、最初に言った再審開始でありますが、そこからいうと十四年も引っ張っているんです。 どうすればいいか。証拠を早く出す、そして抗告を制限する、私はそのように考えております。 その点からまとめたのが、済みません、資料二です。資料の二の方で、これら論点を大きく二つに分けて、確実な救済にとって必要なこと、迅速な救済にとって必要なことを、今の政府案をどうすればその立法趣旨にかなうかという観点から整理したのが資料二。 それを、もう審議始まっていますから、それをどうすれば修正案として可決できるかを考えたのが資料一。法制局とも相談してもう既に作っていますから、立法府にてこれらの論点を一つ、二つ、三つと修正を掛ければ、大臣がおっしゃったようなより確実な救済、迅速な救済につながるという私は立場に立ちます。 これまで確認した上で、具体的な各論に入っていきたいと思います。 資料の三を御覧ください。 まずは最大の論点です。最大の論点は、証拠が果たして出てくるかどうかという論点です。これが出てこないと、抗告を論ずるまでもなく、そもそも再審開始決定には至りませんから、抗告の以前の問題として証拠が出てくる必要がある。 まず、確認です。現状ですが、現状は、規定がないがゆえにケース・バイ・ケース、裁判官次第となっておりまして、全く出てこない場合もあれば、幅広く出てくる場合もあると理解しております。局長、現状はそれで合っていますね。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 ケース・バイ・ケースというふうにおっしゃいましたけれども、基本的には、平成十六年に通常審において証拠開示のルールができました。そこで証拠開示のやり方というか大きなルールが定まったことを受けて、再審請求審におきましても、今現状、規定はないわけでありますが、そのような通常審の運用あるいはルールに倣って、裁判官あるいは検察官、弁護人がそういうものを参考にしながら証拠開示あるいは証拠提出の求めをして、それを受けて、裁判所が勧告などをして行われているというのが実情であると認識しておりまして、先ほど証拠隠しという話が、長年隠しという話がありましたけれども、そういうような運用が始まったことに伴いまして証拠開示が行われるようになり、その結果として様々な、袴田事件あるいは福井女子中学生事件においても証拠が開示されるようになったという認識でございますので、ケース・バイ・ケースという意味では確かにそのとおりでありますけれども、そのようなルールに基づいた運用が実務上行われるようになったということだと理解しております。
○泉房穂君 資料三の真ん中辺り、最大のポイントだと思いますが、政府案のところを御覧ください。 いわゆる幅広く証拠が開示されるか否かのときに、今の政府案だと狭いのではないか、現状よりもむしろ後退ではないかという意見も出ています。この点、どういう問題点かというと、私の理解からしますと、今回の政府案は、裁判所が自ら職権の場合も、また弁護人サイドからの請求の場合も一緒の条文を作っておられて、いわゆる一定の要件の下に関連性なども含めて相当と認めるときには、裁判所は義務を負って命令をする、命令を受けた検察官は義務を負って提出するというスキームだと理解しています。恐らく今の政府の立場はそれで十分だというお立場だと理解をします。 論点は、それで果たして十分なのだろうかというのが論点でありまして、どこに抜けがあるかといいますと、すなわち、裁判所の裁量における今おっしゃったような勧告などの場合に、検察官は果たして任意提出応じるか否かの論点です。それは、その証拠は関連性がありませんという立場に立つ検察としては、その証拠を出さないのではないか。とすると、これまで出てきたような袴田さんの五点の衣類のカラー写真とか日野町事件のネガなどは、関連性がないという理由で出てこなくなるのではないかという懸念であります。 これ基本的な理解として、構造的に、局長、確認です、基本的に今回の政府案は、明確に義務はなかった条文に義務を課す、しかし、その義務を課されるのは一定の要件を満たしたときである、それ以外の場合も現状できている運用の勧告などは可能だというふうに附帯事項にも書いてありますが、ここまでの理解、シンプルに、それは合っていますね。
○政府参考人(佐藤淳君) まず、再審請求審というのは、裁判所が再審請求者の主張する再審請求理由について審理、判断する仕組みでございます。そこで、今回の法案におきましては、証拠提出命令の対象は、その審理、判断に資する証拠として再審請求理由に関連する証拠と認められるものというふうに記載しているのは、委員御指摘のとおりでございます。 その上で、この再審請求理由と関連すると認められる証拠というのは、関連するというのはまさに審理、判断に資するということでありまして、かつ、証拠というのは、これは書類とか物を指して、それ以上の、日本語には証拠というのは根拠といった日常用語があるわけですけれども、ここ法律用語としては、実質的には書類や物を指しているものでありまして、そうしますと、再審請求理由の判断に資するような書類、物を指すということで、これを裁判所が判断するということでございますので、多くの、かなり相当の広がりを持つ意味の証拠であるというふうに理解しております。その上で、裁判所において、こういった証拠について取調べの必要があると考えるのであれば、それは関連性のある証拠であるというふうに理解しております。 その上で、こういった証拠の提出命令、これは裁判所にも義務でありますし、検察官にとっても義務があるわけでありますが、これは、この制度をつくることによって、従来行われている裁判所による証拠の提出、開示の勧告とか、検察官による任意の証拠の提出、開示という従来の実務運用を否定するものではなくて、こういったことに加えて、一定の場合に裁判所に対してこのような証拠提出命令をすることを創設したということでございます。
○泉房穂君 ここ、実はすごく大事なところで、局長も大変クレバーな方でいらっしゃるので、上手に言葉選んではります。ぶっちゃけ言います、ごまかしています。 いわゆる義務あるものを、一定の要件で裁判所に義務、そして検察に提出義務を課していますが、今おっしゃったように、現状の運用の勧告についてはできると言っています。でも、そのとき検察は義務を負いませんよね。裁判所が出しなさいと勧告はできるけれども、言われたところで検察が応じないことができるのが今回のポイントです。今回条文を作ることによって、かえって検察が出さない理由をつくるのが、今回のまさにポイントなんですよ。 なので、どうすればいいか。おっしゃったように、裁判所が提出を命じることができるのであれば、明確に条文で裁判所が裁量により提出命令をすることができる規定を入れれば、検察は義務を負うことになります。この条文があるかないかで、証拠が出てくるかどうかが全く違います。理解合っていますね。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 今の御指摘は、再審請求理由と関連しないものについてのその命令制度を設けるべきだというふうに受け止めました。 その上で、先ほど答弁したとおり、再審請求理由と関連する証拠というのはかなり広いものでありますが、一方で、今の、関連しない証拠とは一体何なのかといいますと、要するに、裁判所が再審請求理由の審理、判断に資さない書類や物というものでありまして、これ、捜査機関、警察、検察にある書類とか物とか、こういったものは観念上全て含まれるというようなことになりまして、そういうふうなものを裁判所が、これは判断に資するかどうか、済みません、議連案でも、必要性、相当性がある場合に関連性がなくても証拠の提出命令を認める、あっ、証拠の開示命令を認めるというものだと思っていますけど、我々の理解は、証拠の取調べの必要性があるという場合には、これは関連性がある、判断に資するものであるというふうな理解に立って議論しているところであります。 その上で、今現状、今、例えば通常審におきましても、主張に関連する証拠という形で、委員御案内のとおり、そういった形で証拠の開示が行われているわけですけれども、そこが証拠、主張に関連する証拠の開示が命令を待ってされているのだろうかというふうに言われますと、そうではなくて、それ以外のものは出してはないのではないかということではなくて、命令を待つことなく、裁判所や弁護人とのコミュニケーションを図った上で、そのようなものも通常は任意に開示され、あるいは、最後は勧告を受けて開示され、最後の最後、それでも、例えばマスキングの範囲がちょっと意見が異なるといった形で最後命令に至ることはあるとは思いますけれど、それが実務上の運用であり、今回の再審請求審でもそのような運用が行われるであろうというふうに申し上げているということでございます。
○泉房穂君 大変重要論点、刑事局長、随分言い訳をしてはります。ごまかしています。 何をごまかしているか。二つごまかしています。 これまでできたじゃないかというのは、これまでは規定がなかったがゆえに、裁判所が勧告のみならず命令を出すということを言いながら、その結果、規定がないがゆえに検察は応じたんです。今回は、義務規定を創設するがゆえに、義務がある場合は、まさに法律に基づく一定の要件を満たしたときに共に義務を負い、法律の要件を満たしていない条文がないところについては、あくまでも任意だということになりますから、検察は今後は隠し通すことができる論点です。最大の論点、ここです。上手な説明しているようで、ごまかしています。まさにこの図でいうところの、応じる義務なしの部分がどうかの論点なんですよ。ここを防がないと、そもそも抗告の論点に入る前に証拠は出てこなくなるんです。袴田さんも日野町事件も、全てがもみ消されるんですよ。そうならないためにどうするか、まさに一つ目です。裁判所の裁量にある提出の勧告のみならず、命令というものをしっかり条文で明記しないことには救われないんです。 そして、もう一個の論点。今おっしゃっている政府案の立場に立ったときに、関連性は広いとおっしゃいますが、その関連性を疎明するのは弁護人側です。その弁護人側に証拠の一覧表も見せずして、弁護士は何も分からない状況で関連性の証明は、疎明はできません。そして、かつ、相当と認めるときに限定するのでなく、せめて議連案のように、相当でないと認めるときというふうに幅広い概念にしないことには狭まってしまうんですよ。 つまり、これまで袴田さんや日野町事件で出た証拠が出てこなくなるというのが今回の法案の政府案です。そこの修正なくしてこのまま通したら改悪です。今よりもひどくなるということをはっきりお伝え申し上げたい。これは大変重要な論点。少なくともここの修正は不可欠だという私は立場に立ちます。 時間の関係がありますから、次に進みます。 目的外使用の規定についてです。これは資料二を御覧ください。 資料二、目的外使用については議論がありますが、ここも、通常審が目的外使用を禁じているから今回の再審請求審もというふうに同じだとおっしゃるけど、ごまかしています。通常審は直接開示型なので、証拠は直接弁護人の方に行ってしまうから、禁止することに仮に理由があるとしても、今回は提出型で裁判所に証拠が行きますから、裁判所が個々の証拠について、それを弁護人側に閲覧、謄写させるかどうかを決めることが可能です。一旦、裁判所をかませるルールです。であれば、一律禁止ではなくて、個別制限規定を設ければ目的は達せられる。被害者等のプライバシーについては、一律禁止まで至らなくても、個別制限規定を置く形で十分その趣旨はかなうんです。なので、ここも修正をして、全面禁止ではなく個別制限規定に入れ替えるだけで、政府の言っている理由付けであるプライバシーとのバランスは可能だという立場に立ちます。答弁は求めません。 続きまして、証拠の保管の問題は今日は飛ばします。 続いて、もう一つの大きな論点、抗告の禁止の論点です。資料三を御覧ください。 ここの最大の論点は、重大な、十分な根拠が何かではありません。どんな言葉を使おうが、それを判断するのが誰かの問題です。検察が判断するだけであれば、検察が言えば全部抗告できるんです。誰もチェックしないんです。何の意味もありません。どうすればいいか、いわゆる行為規範として位置付けている今を裁判規範に変えればいいだけです。どうすればいいか、条文を作ればいいんです。どういう条文か、十分な根拠の有無を抗告審にて、それをちゃんと対象として、十分な根拠がなければ速やかに棄却するという条文を入れれば、今の十分な根拠については検察官任せではなく裁判所がチェックするシステムとなり、いわゆる裁判規範になります。 国会答弁で幾ら求めたところで、行為規範が裁判規範に変わるわけではありません。新しい条文なくして十分な根拠というのは意味を持ちません。与党内審査において十分な根拠を入れたことについては法的には無意味です。そんな無意味なことをあたかも意味があるかのように報道は言いはっておりますが、そうではないんです。必要なことは、新しい条文で裁判所がそのこれまでと違った十分な根拠という要件を審判対象にすることです。私はそのように求めたいと思います。 確認します。局長、今のままだと、何度も答弁しておられますが、あくまでも行為規範ですから、検察官を信頼してください、検察官が十分な根拠がなければしません、あればしますというような答弁です。新設条文ができたら、裁判所がそれを判断して棄却することになります。質問は、新しい条文ができれば、まさに裁判規範に変わるという理解は間違っていませんね。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 今の条文でありますけど、再審開始決定が取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠がある場合に限って抗告ができるという規定になっているわけでありますけれども、ここに十分な根拠がない場合、チェックがないというふうにもおっしゃられましたけれども、この不服申立てに十分な根拠がない場合には、抗告裁判所において、通常、当該不服申立てに理由がないと判断されて棄却されることとなると考えておりますので、そのような意味でチェックがないということではないというふうに理解しております。
○泉房穂君 今もごまかしています。 抗告審についての審判対象は、おっしゃったように、理由の有無です。再審理由があるかないかを審理するのが原則です。今おっしゃったのは、ごまかしておられて、基本的に十分な根拠があるといって抗告した場合に、今おっしゃったような理由があるかないかというのは審理が要ります。長期間の審理を経て初めて棄却なんです。私が言っているのはそうではありません。入口にて棄却です。そもそも、十分な根拠もなく、抗告した瞬間に裁判所がそれを棄却するということですから、スピード感が全く違います、同じではありません。そのように私は提案したいと思います。 そのほか、資料二の方に幾つかの論点を、ある意味、論点整理をし、先ほどもお伝えしました資料一にて、条文化もう間もなくで、もうほぼ条文ができる状況であります。幾つも重要な論点ありますが、特に改めて三点お伝えしたい。 一つ目は、証拠開示を幅広くするには、裁判所が裁量で証拠提出、勧告ではなく、勧告には義務がありませんから、命令には義務があります。だから、明確に証拠提出命令を裁判所が裁量でできる規定を入れない限り証拠は出てこない、修正が不可欠です。二つ目は、目的外使用禁止規定、これは一律禁止ではなく個別制限規定に修正する必要がある。三つ目、抗告については全面禁止が望ましいという立場ですが、仮に十分な根拠という立場に立つにしても、裁判規範化の条文がなければ意味がありません。以上、最低三点の修正を求め続けたいと思います。 お聞きいただいている、まさにこれもネットも中継されているでしょうから、是非共に修正をし、まさに、繰り返し言います、戦っているわけではありません。冒頭大臣がおっしゃったように、確実な救済、迅速な救済という立法趣旨にかなう修正です。別に政府側としても抵抗する必要もなかろうと思います。法務省の立場からしても、今の三つの論点は、法務省が言っておられるまさに一つ目の幅広い証拠開示、そして二つ目のプライバシーとのバランス、そして三つ目、十分な根拠ということについてちゃんと整合性が取れていると私は理解をします。是非法務省におかれましても前向きに修正に応じていただくことをお願い申し上げ、私の質疑とさせていただきます。共に頑張りましょう。
○川合孝典君 国民民主党の川合です。 本日は、これまで法務委員会で様々取り上げてきた課題の中で、その後の取組状況について確認を幾つかさせていただきたいと思います。 まず、入管の医療提供体制について、この機会に確認をさせていただきます。 名古屋における事案を受けて、医療提供体制、入管施設における医療提供体制を充実させるということを当時の法務委員会で議論し、令和三年以降、医療提供体制の改善に向けたお取組を進めていただいているということは承知しておりますが、報告を最後に受けたのは令和四年七月の資料で止まっております。その後、いわゆる外国人の受入れ等も含めて様々環境が変わってきていることでニーズ、需要というものも当然高まってきていると理解しておりますが、こうした状況を受けて、現在の入管施設の医療提供体制の整備状況がどうなっているのかということについて御説明を願います。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 出入国在留管理庁では、名古屋入管における死亡事案の発生後、同様の事案を二度と起こさないという強い決意の下、調査報告書で示された十二の改善策を中心に、それを具体化して組織、業務の改革を着実に推進しているところでございます。 お尋ねの入管施設の医療提供体制につきましては、医療体制強化に係る有識者会議の提言も踏まえ、令和四年六月時点、先般のお尋ねの際は、医師六人、看護師十三人、薬剤師六人という定員状況だったところ、令和八年六月現在は、医師十二人、看護師十四人、薬剤師六人の定員を配置しております。もっとも、実人員につきまして、医師の方はやっぱり苦戦しているところございまして、六人という状況でございます。 この常勤医師について申し上げれば、その確保のために、常勤医師の採用を促進するための医師募集動画の作成、ユーチューブへの掲載、常勤医師募集のためのリーフレットを作成し医療機関を含む関係機関に配布、常勤医師を継続的かつ安定的に確保するため兼業要件を緩和し柔軟な兼業を可能とする、民間の医師求人サイトへの求人情報の掲載など様々な取組をさせていただいているところでございます。 このような取組により、本年四月には、ちょっと辞めた方の補充という形だったんですけれども、本年四月には、大阪出入国在留管理局において新たに常勤医師一名を採用するに至っているところでございます。また、准看護師資格を有している入国警備官を配置する取組も進めております。それから、医療機器の整備も着実に行っておりまして、先生に御心配をお掛けしました名古屋入管の方の点滴等につきましても、ちゃんと整備、現在ではしております。 引き続き入管収容施設の医療体制の強化に向けた取組を継続してまいりたいと思います。
○川合孝典君 お取り組みいただいていることは分かりましたが、数字を全て丸めて御報告いただきましたので、入管の施設が東日本センターから大阪まで六局ですか、の中でどういった形で配置されているのかということについては、委員会までにまとめて資料を頂戴したいということで要請していたんですけど、ちょっと間に合わなかったみたいなので、改めて資料を提出していただくようにお願いをしたいと思います。 その上で、常勤の医師ということで、これ令和四年の時点では、横浜、名古屋はいわゆる常勤の医師がいないということだったんですが、ここも常勤の医師がきちんと配置されているという理解でいいのか。それから、点滴すらできないという問題が要は指摘されておりましたけど、名古屋でも点滴の施設は一応入ったということではありますけど、ほかの施設も含めて全て体制が整ったという理解でよろしいんですか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) 各施設の医療体制の状況につきましては、先生の資料要求をいただきまして、今庁内で取りまとめて、御提供する準備、鋭意進めさせていただいているところでございます。 今お尋ねのございました医師の配備状況でございますけれども、東京局では令和三年四月に常勤医師一名の増が実現しまして、定員は二名なんですけれども、横浜支局の方では常勤医師一名の増を実現できているところでございます。 そのほか、名古屋の方でも、先ほど申し上げたとおり、一応点滴等の施設の整備は実現しておるところでございます。そのような状況でございます。
○川合孝典君 常勤の医師を配置するに当たってこれだけ苦労しながら取組を進めていただいているわけですけど、根本的なその常勤医師を配置する上での問題点、感じていらっしゃることは多分あろうかと思いますけど、どういったことが問題だとお感じ、お考えになっていますか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 常勤医師の確保におきましては、収容されている外国人の方が患者であるという入管医療の特殊性、困難性による負担の大きさ、民間医療機関と比較した場合の待遇面の差や勤務条件、それから医師のスキルアップ等の機会の欠如等、様々な課題が指摘されているところでございまして、常勤医師の確保が課題、困難な状況にはございます。 そのような中、先ほど申し上げたような各種取組を我々もしているところですけれども、引き続き、いろいろな国会審議での状況とか先生の御指摘踏まえて、医師の確保に向けて取組を進めてまいりたい、このように考えております。
○川合孝典君 今おっしゃったとおりで、要は、処遇面も含めて来ていただける方が極めて限定されてしまっていると。大阪局でお辞めになったドクターのこと等もありますけれども、一般の病院や施設で診療していらっしゃる医師に比べると相当待遇的にも悪いわけですよね。 そうした状況の中で、とはいえ、入管として常勤医師を配置しておかなければいけないということを考えたときに、募集を掛けたら来てくれるというような簡単な話じゃないということを考えると、地域における大学医学部や国公私立病院なんかとどう連携をしていくのかということ。これは入管の問題だけではなくて、国全体として様々な連携、官学の連携というのもやっているわけですので、そうした連携の枠組みの中で、いわゆる大学の医師などがローテーションで要は常勤で入っていただけるようなことを枠組みとして考える必要が根本的にあるんじゃないかということを私自身考えておりますので、是非その点も含めてちょっと検討を進めていただきたいんですけど、今の意見についてどう思われますか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) 御指摘ありがとうございます。 常勤医師を確保するための様々な取組を不断に行っているところでございまして、常勤医師が不在の地方出入国在留管理官署であっても、非常勤医師による診療や外部病院の受診などにより被収容者に適切な医療を提供を試みているところでございます。 また、多くの官署におきましては、地域の医療機関職員を対象とした入管収容施設に係る参観を実施するとともに、業務説明会あるいは意見交換を行い、外部医療機関との更なる連携の維持強化を図っているところでございます。さらに、被収容者の円滑な受診につながるよう、外部医療機関との協定の締結も進めているところでございます。 今後も、委員からいただいた御指摘踏まえながら、引き続き、常勤医師の確保を含め、被収容者に適切な医療を提供できるよう努めてまいりたい、このように考えております。
○川合孝典君 是非よろしくお願いします。 次の質問に移ります。保護司制度の現状と課題について質問させていただきたいと思います。 昨年、保護司法が改正をされて、今取組が進んでいるところだと承知しておりますけれども、保護司の人員がここへ来て激減しているという報道がなされております。令和八年一月一日の実人員が四万五千三十三人ということで、昨年一年間だけで千十人減少しているということで、昭和四十九年以降初めて四万六千人を割り込んだと。定員は五万二千人ということでありますので、定員割れが六千人という、今こういう状況であります。 人員確保策の取組状況について、現在の現状を御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(吉川崇君) お答えいたします。 昨年十二月に成立いたしました改正保護司法におきましては、保護司の適任者確保に向けて、広報や関係機関との連携が保護観察所の長の責務として規定されました。これをも踏まえ、保護観察所では、保護司活動についての各地の説明会の実施、地方公共団体の広報誌等を通じた保護司活動の紹介や募集、SNSなど様々な媒体を通じた広報など、取組を推進しております。 このような取組を通じまして、いわゆる現役世代を含む幅広い世代から新たに保護司に就任していただく事例も報告されておりますし、また、近い将来保護司になることを希望し、各保護観察所にメンバーシップ登録というものがございますが、をする方々もいらっしゃいます。 法務省としては、引き続き、関係機関等々の協力も得ながら、多様な保護司の担い手の確保に努めてまいる所存でございます。
○川合孝典君 ざくっと全体の話としてはそういうお取組を始めていらっしゃるということは分かるんですけど。 では、ちょっと切り口変えて。法律が改正されてから半年経過がいたしましたけれども、保護司の実人員というのは上昇傾向に転じているんでしょうか。
○政府参考人(吉川崇君) お答えいたします。 時点的な検討はしておりませんが、あえて人数のことを申し上げますと、一年間で新任の保護司の委嘱人員数が約二千六百人でございます。一方で、保護司の退任員数が約三千六百ということで、この千人の開差があるということでございます。 その開差が生じた理由としましては、近年のその新任保護司の委嘱人員の多寡に大きな変動はございません。そうすると、保護司の高齢化によって保護司としての上限年齢に達したことなどによる退任者数の増加傾向、これがこの減少に影響しているものというふうに分析しているところでございます。
○川合孝典君 その状況を踏まえて新たに採用する、要は保護司さんをどう確保して増やしていくのかということが今問われているわけで、今の取組で今年一年間締めた結果として、保護司の実人員の減少に歯止めが掛かって増加に転じるという見通しは、局長としてはおありになるという理解でよろしいですか。
○政府参考人(吉川崇君) もちろん、未来のことでございますので確たることは申し上げられませんが、実感といたしましては、若い世代あるいは多様な人材が入ってこようとしているという実感はございます。 ですので、さらに保護観察所において今の取組、さらには、今、プラスアルファやりながら、こういうことが効果を生じているというのを全国に展開しながら、更なる保護司の適任者の確保に努めていきたいと思っておるところでございます。
○川合孝典君 呼びかけに応じて応募をしていただいている方は、当然そのことを理解した上でお越しになっているわけですから、面談している方とのやり取りの中で手応えをお感じになられるのはある意味当たり前のことでありまして、そうではなくて、全体の中で、言わば国全体の保護司制度としてどう今後もこの制度を維持していくのかということを考えたときに、増えないと意味がない。 定員が、五万二千人という定員が適正な定員なのかということも今後議論しなければいけないと思いますけれど、私がこの場であえて指摘させていただいているのは、従来の考え方の延長線上で取組を進めていると、要は減少に歯止めが掛からないと。実際に、来る人より辞める人の方が千人多いという状況になっているわけでありますので、この傾向は恐らく今後も、よほど何かてこ入れをしないと続くであろうという懸念があるがゆえに本日は指摘をさせていただいているということであります。 無報酬で非常に負荷も高くて、かつ事件が、大津の事件が起こって危険度も高いという要は認識が広がったことで、これまで以上に保護司になろうとされる方の門戸が狭まってしまっているとか、やっぱり危ないから受けられない、本人にやる気があっても家族が反対する、こういったことも指摘をされているということを考えたときに、そうした状況の中で、それでもあえて保護司を目指していただくということのために何が必要なのかを御議論いただきたいと思います。 これでこの問題についても終わりにしたいと思いますけれども、その保護司制度自体が世界に誇るべき日本のいわゆる立ち直り支援のための制度であるということ、これを日本として海外にアピールしていらっしゃることもよく承知はしておりますが、保護司制度のそもそもの目的は立ち直りを支援するということであって、海外に対してアピールすることがそもそもの目的ではないということを考えたときに、保護司制度自体を今後どう守っていくのか、維持していくのかということを、そうした視点からこの取組を進めていただきたいと思います。来年、法務委員をやっていたら、また来年も聞かせていただきたいと思います。 次の質問に移りたいと思います。 次は、司法通訳人を取り巻く現状と課題についてということで少し確認をさせていただきたいと思います。 聞き慣れない言葉ですが、司法通訳人とは、刑事裁判における法廷通訳に限らずに、捜査における通訳や弁護活動における通訳、また、民事裁判それから民事調停などにおける通訳など、幅広く司法に関わる通訳を行う通訳人の総称ということであります。 御承知のとおり、在留外国人の方も増えてきている、外国籍の方も増えてきているということで、近年、裁判、いわゆる通訳を要する裁判の数が増えてきているということが指摘されておりますけれども、その通訳を要する法廷、裁判のときに正しく通訳がされなければ、いわゆる被告人なりの権利が守られない、人権が守られないことにもつながるわけでありまして、いろいろな取組を強化するということと同時に、それに見合うだけの権利保障が訴訟、裁判においても担保されていないといけないと私は考えておりまして、そこで御質問なんですが、在留外国人の増加に伴ってこの需要が増加している司法通訳人について、人材の確保を行うことの必要性が高まっていると私は理解しているんですが、この点についての政府参考人の見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 検察庁における通訳人の確保の取組についてお答えさせていただきます。 まず、委員御指摘のとおり、適切な刑事手続の実現のためには有能な通訳人を確保することが必要不可欠でございます。これは、真相解明の観点からも、適正手続の観点からも極めて重要であるというふうに認識しているところであります。 その上で、検察庁におきましては、平素から通訳人の確保に努めて、通常必要な言語及び人数を確保した上で外国人の取調べ等を行っているところでございます。また、検察当局におきましては、最高検察庁において各地方検察庁が登録している通訳人のデータベースを作成し、必要な場合に地方検察庁相互間で通訳人を利用できるように体制を整えているほかに、いわゆる遠隔通訳システムと呼んでおりますけれども、別の検察庁で実施する検察官の取調べをモニター中継して通訳を実施してもらうといった取組も行っているところでございます。 それから、質という観点からいきますと、毎年法務省は検察庁などと共催の形で通訳人セミナーというものを実施しておりまして、全国から通訳人の方に集まっていただきまして、通訳をめぐる諸課題であるとか、通訳人から見た刑事司法に対する、例えば取調べのやり方とか発問とか、そういったことに対する御要望であるとか、そういったことをお聞きして、その質を高めるような取組を行っているところでありますが、今後も引き続きそういうことをやっていくのが大事だというふうに考えているところでございます。
○川合孝典君 あわせて、最高裁判所にも御質問したいと思いますが、この司法通訳人を必要とする裁判の件数の状況及び司法通訳人確保のための取組の状況について御説明をお願いします。
○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答えいたします。 刑事事件の通常第一審における被告人に通訳翻訳人が付いた外国人事件の終局人員数でございますが、令和二年が四千四百四十一人、令和三年が四千百二十六人、令和四年が三千四百七十一人、令和五年が三千八百五十一人、令和六年が四千六百四十九人でございます。なお、民事訴訟における法廷通訳人を付した事件数については、統計を取得していないため把握しているところではございません。 裁判所における法廷通訳人確保のための取組といたしましては、法廷通訳に関するパンフレットを大使館等に配布いたしましたり、裁判所のホームページにおいて通訳人を募集を行うといった広報活動に加えまして、裁判官が大学に赴いて法廷通訳に関する講義等を実施する取組を行うなどしているところでございます。 こうした取組を通じて、法廷通訳人については事件処理に支障のない人員を確保しているところでありまして、例えば少数言語などで近隣の通訳人の確保が難しい場合においては、遠隔地に所在する通訳人との間で通訳を行う遠隔通訳の方法等により対応することも可能となっております。 裁判所といたしましても、法廷通訳人の確保は重要であると考えておりまして、今後も引き続き法廷通訳人の確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○川合孝典君 ありがとうございます。 お聞きいただいてお分かりになったとおり、極めて高い知識が必要な司法通訳人が、結局、ながら仕事と言ったら失礼なんですけど、専門職ではないところで隙間を縫って通訳していただいている方々で支えられているというのが今の現状であります。 今日はこれで終わりにしたいと思いますけれども、観光案内の通訳人は全国通訳案内士というのが国家資格としてあるわけですよね。となると、司法の方は更に専門性が要するということを考えたときに、この通訳人の資格化ということも含めて、今後の外国人との共生ということを考えたときには必要になるのではないのかと思いますので、その点ちょっと指摘させていただいて、私の質問終わります。 ありがとうございました。
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。 今日は、まず子供の人権について伺ってまいります。 五月二十二日に今年度のこどもの人権SOSミニレターの配布が始まりました。これは、学校におけるいじめ、体罰、児童生徒に対する暴言その他の不適切な指導や家庭内における虐待など、親や学校の先生など身近な人に相談できない子供たちの悩み事を的確に把握し、問題の解決に当たるためのものです。こどもの人権SOSミニレターに相談したいことを書いて、裏面の封筒部分を切り取り、便箋部分を入れてポストに投函すると最寄りの法務局に届きます。切手は不要です。法務局では、職員や人権擁護委員がその全てに目を通し、一通一通に丁寧に返事を出してくれるという、そういう仕組みになっています。 そこで、こどもの人権SOSミニレターを通じた相談件数の推移、また、これらの相談に対して令和七年度はどのような救済措置を実施したのか、伺います。
○政府参考人(杉浦直紀君) お答えいたします。 法務省の人権擁護機関におきまして、こどもの人権SOSミニレターにより相談を受けた件数は、令和五年度が七千五百十一件、令和六年度が七千六百七十七件、令和七年度が六千七百十三件でございます。 また、こどもの人権SOSミニレターを端緒に法務省の人権擁護機関が救済措置を講じた事例としましては、家庭における暴行、虐待に関する事案につきまして、相談者の意向に応じて専門機関を紹介するなどした結果、相談者等の心身の安全を図るため継続的な見守り体制が構築された事例や、小学校におけるいじめに関する事案につきまして、保護者から学校のいじめへの対応が不十分との指摘があったことから、学校と保護者との意見交換の場を設けるなどした結果、当事者間の関係改善がなされた事例などがございます。
○横山信一君 法務省では、子供の人権をめぐる人権侵害事案に対する窓口として、こどもの人権一一〇番を設けています。いじめや虐待、学校や家庭での悩みについて子供自身や保護者が無料で相談できる専用電話窓口です。ほかにも、LINEアプリを使った法務局LINEじんけん相談もあります。LINEアプリで、アットマークLINEじんけん相談とアルファベットで入力して検索すると出てきます。ほかにも、こどもの人権SOS―eメール、それからこどもの人権SOSチャットと、様々な相談窓口を設けています。 実際に検索してみると、これらに共通しているんですけれども、簡単に直感的にサイトにたどり着きづらいというのを感じました。ミニレターには、このこどもの人権SOSミニレターにはバーコードが印刷されているんですけれども、もっと直感的に検索できるような工夫が必要ではないかというふうに感じました。 これらの相談窓口、いろいろ言いましたけれども、相談窓口に加えてこどもの人権SOSミニレターを配布している理由を伺います。
○政府参考人(杉浦直紀君) お答えいたします。 子供たちの悩みを取りこぼさないようにするためには、相談のためのツールを幅広く用意することは重要であると考えております。このような観点から、法務省の人権擁護機関として相談ツールの拡充に努めてきたところでありまして、これまで、社会におけるインターネットの普及等を踏まえて、メールやチャットを活用した相談ツールを導入してきたところでございます。 一方、こどもの人権SOSミニレターにつきましては、手紙だからこその相談しやすさもあると考えております。 例えば、手紙はパソコンやスマートフォン等がなくても筆記用具があればすぐに書けるものでありますし、文章だけでなく絵などが描かれたものもありまして、手書きだからこその表現の柔軟さや、文字から伝わる子供の心情なども読み取ることができる場合もございます。また、今でもスマートフォンを持っていない児童生徒は少なからずいることから、こどもの人権SOSミニレターには十分な意義があると考えているところでございます。
○横山信一君 子供の年齢にもよるんですけれども、先ほどの阿部監督のこともありますが、小学校高学年から中学になってくると、AIチャットの方が身近だったりするわけであります。そういう意味でも、やはり直感的にたどり着けるような、そういう相談窓口というのを工夫してもらいたいと思います。 その上で、今局長がおっしゃられたように、文字を書く、手紙にするということのメリットというのもあるというのは認めるところであります。 法務省は平成十八年度からこどもの人権SOSミニレター配布を開始しており、今年度で二十年になるということであります。特に、小学生からの相談が多くを占めているというふうに聞いています。 こどもの人権SOSミニレターの配布には今までどのような効果があったと考えているのか、伺います。
○政府参考人(杉浦直紀君) こどもの人権SOSミニレターは、全国の小中学校の全ての児童生徒の手元に届くよう、学校を通じて一人一人に配布されるようにしております。 令和七年度においても、こどもの人権SOSミニレターによる相談が六千件以上寄せられておりまして、これらの相談をきっかけに、いじめや虐待などの人権問題の救済につながった事例も相当数あることから、ミニレターが子供の人権侵害からの救済に役立っているものと考えております。 また、ミニレターの用紙には、あらかじめ電話相談の番号などの他の各種相談ツールの案内も掲載しておりまして、全ての児童生徒の手元に届くようにしていることとも相まって、人権相談その他の法務省の人権擁護機関の取組についての広報効果も大きいものと考えております。 このように、こどもの人権SOSミニレターは、子供の人権侵害の早期発見と速やかな救済のための重要なツールとして一定の効果を発揮しているものと考えているところでございます。
○横山信一君 このこどもの人権SOSミニレターは、通常、便箋型であります。まあレターですから便箋なんでしょうけれども、昨年度は、長野県と長崎県ではがき型のミニレターが配布をされました。本年度は、この二件に加えて、和歌山県と三重県でもはがき型のミニレターが配布されることになっています。 はがき型のミニレターを配布する目的を伺います。
○政府参考人(杉浦直紀君) 従来、全国的に配布してきたミニレターは、相談者におきまして、用紙から便箋や封筒となる部分を切り取り、のり付けをして封書を作成するといった手間を要するものでございますが、はがき型ミニレターは、はさみやのりを使用することなく投函することができるものでございます。 このように、はがき型のミニレターは、小学校低学年の児童であっても、これを用いて手間を掛けずに気軽に相談ができると考えられますことから、一部の地域で試行的に配布して、相談件数の増加が継続して見込まれるかや、記入スペースなどのレイアウトの改善点等の有無を検証しているところでございます。
○横山信一君 今局長おっしゃられたように、従来のこのこどもの人権SOSミニレター、便箋兼封筒型ということで組み立てる必要があるんですね。そういう意味では、小学校の低学年の児童等を考えると、組立てがうまくできない子供なんかも想像されるわけです。はがき型はそうした手間が掛からないということで、小学校低学年でも悩み事や困り事を書いてすぐ出せるという特徴があるわけです。 じゃ、実際、この今増加があるかどうかという話も局長から出ていましたが、実際、この長野県、長崎県、昨年やってみて、今年もやるんですけれども、やってみた、その試行してみた結果はどうであったのか、伺います。
○政府参考人(杉浦直紀君) 昨年度、試行としてはがき型ミニレターを配布した長崎県及び長野県では、昨年よりもSOSミニレターによる相談件数が増加しているところでございます。 今年度も試行を実施することから、引き続きその効果を検証する必要があるものの、はがき型ミニレターには、子供たちからの悩み事をすくい上げる上で一定の効果があるものと考えております。
○横山信一君 ちょっと確認なんですけれども、子供が文章を書いたものをすぐに見られないようにするという工夫はされていますか。
○政府参考人(杉浦直紀君) はがきにはあらかじめ目隠しシールが付いておりまして、それを使うことによって内容が見えないようにするという、そういう工夫がしてございます。
○横山信一君 増加しているということでありますから、より子供たちには使いやすいものだということが想像されるわけであります。この試行期間経てはがき型になっていくのかなということも期待をしているところであります。 このはがき型のミニレターの配布を拡大していくためにはどのような課題があるのか、またどのような対策を実施しているのか、伺います。
○政府参考人(杉浦直紀君) はがき型ミニレターは従来のものよりも手間を掛けずに気軽に利用することができるというメリットがある反面、通常のミニレターと比べまして、サイズが小さく、子供たちが悩み事を記入するスペースが少ないため、小さい文字で書かなければならず、書きにくいと感じたり、相談内容を書き切れないと感じたりする子供もいる可能性がありまして、これにどのように配慮するかという課題があると考えられているところでございます。 そのため、できる限り相談内容を記入しやすくなるようなレイアウトとなるよう見直したり、ミニレターに対して法務局から返信する際には、相談内容を書き切れるように返信用の封筒と便箋を同封するなどの工夫を検討しているところでございます。 引き続き、試行結果も踏まえながら、子供たちがより相談しやすいものとなるよう改善に努めてまいりたいと考えております。
○横山信一君 令和七年度の人権教育・啓発白書によりますと、法務省の人権擁護機関が調査、処理を行う人権侵犯事件について、令和六年では、学校におけるいじめ事案が千二百二件、教育職員による体罰に関する事案が七十九件、児童に対する暴行・虐待事案が二百十九件と高水準で推移しています。このような状況において、子供の人権侵害の早期発見や速やかな救済のためにどのように取り組んでいくのか、法務大臣に伺います。
○国務大臣(平口洋君) お答えいたします。 法務省の人権擁護機関では、こどもの人権SOSミニレターを始めとした様々なツールにより子供からの人権相談に幅広く応じており、人権相談等を通じて人権侵害の疑いのある事案を認知した場合には、人権侵犯事件として調査を行い、事案に応じた適切な措置を講じているところでございます。 また、こどもの人権を守ろうを啓発活動強調事項の一つに掲げ、各種人権啓発活動を実施しているところでございます。 今後とも、子供一人一人の人権と尊厳が尊重され、健やかで生き生きとした生活を送ることができる社会を目指して、これらの人権擁護活動をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
○横山信一君 よろしくお願いします。 じゃ、残りの時間で、入国警備官のことについて伺います。 出入国在留管理庁の推計では、令和七年一月一日時点、不法残留している外国人は七万四千八百六十三人にも上っています。日本の安全と国民生活を守り、社会秩序を維持するためには、入国警備官の確保が重要です。 出入国在留管理庁において、入国警備官採用試験の受験者を増やすために、今年度実施の試験から見直しを行うということですけれども、何のためにどのような見直しを行うのか、伺います。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 出入国在留管理庁におきましては、令和八年度の入国警備官採用試験について、この採用試験につきましては知能試験とか知識試験も当然あるんですけれども、そのうちの体力試験の項目追加及び基準改正を行ったところでございます。 この改正は、入国警備官としての資質を担保しつつ採用の門戸を広げることを目的に、これまで立ち幅跳び、上体起こしといった二項目で行っていた体力検査を、反復横跳びを加えまして三項目にする、それから、体力検査の基準に比較的高い第一水準及びそうではない第二水準を設けまして、三項目全てで第二水準を超えるとともに、三項目のうち一項目が第一水準に達していれば合格とすることとしたものでございます。 出入国在留管理庁としましては、この改正により、これまで以上に多くの方に受験いただき、多様な取組を行っているところでございますが、優秀な人材を採用したいと考えております。
○横山信一君 入国警備官の試験に体力検査があるというのは僕はこれで初めて知ったんですけれども、体力検査があって、項目を増やすということは、より合格しやすい環境をつくっているということだというふうに思います。 出入国在留管理業務の専門家としての業務を行う入国警備官には、業務処理に必要な法律知識に加えて、バランスの取れた国際感覚、外国人の多様な風俗、習慣、宗教及び人権に配慮した柔軟な対応が求められます。こうした対応には、やはりすぐにはなかなか対応できない、熟練というか経験を積み重ねていかないとなかなかそうはなっていかないと、役に立つ警備官にはなれないということであります。 この熟練した人材を育成するために、若手人材の採用と定着率の向上が不可欠になりますけれども、若手人材の採用と定着率の向上、さらに熟練した人材を育成するためにどのように取り組むのか、伺います。
○副大臣(三谷英弘君) お答えいたします。 今、横山委員御指摘のとおり、若手人材の採用とその定着率の向上というのは極めて重要な課題だというふうに認識をしております。 まず、この出入国在留管理庁におきましては、人材確保のため、大学や専門学校の学生に対する業務説明会を実施するなどして採用活動を行っております。また、令和八年度の入国警備官採用試験につきましては、今御説明もありましたけれども、体力検査の項目追加及び基準改正を行いまして、入国警備官としての資質を担保しつつも採用の門戸を広げることとしたところでございます。 また、入国警備官には、出入国管理業務の専門家といたしまして、法令の知識のみならず、人権に配慮した対応などが求められるというのは当然でございます。新規に採用された入国警備官に対しましては、採用間もない時期に全員研修を受講させております。その後も、職階に応じた研修や、入国警備官が従事する違反調査などの業務に特化した研修も実施しています。これらの研修においては、入管法や関係法令に関する講義、逮捕術等の実技、従事する職務に応じた事例の検討などのほか、外部の講師を招いて人権や国際教養に関する講義を行うことで、職務の遂行に必要な知識や技能等の習得を図っているところでございます。 また、この定着率でございますけれども、いわゆる所属官署においては、OJTの方式で先輩職員が若手職員にきめ細かい指導を行い、知識や技能の継承を図るとともに、この人と人とのきずなとか相互の信頼関係、そういった関係性をしっかりと構築することで若手職員の定着を図っているところでもございます。 出入国在留管理庁の職員への研修、教育は適切に業務を行っていく上で大変重要なことであるというふうに考えておりまして、引き続き、職員研修の一層の充実に努め、職員の質の向上を図っていきたいというふうに考えております。 なお、なお、本日ここで掲示することはいたしませんが、この入国警備官について新しいポスターもでき上がっているところでございます。これデザインも一新をしておりますが、これは七月十日にいわゆる受付開始をするというところでございます。間もなく採用が始まりますので、周りに興味ある方がいらっしゃいましたら、是非その旨を、気合入っているので是非というふうにお伝えいただければと思います。 以上です。
○横山信一君 入国警備官の試験も間もなく始まるということで、ここにいらっしゃる皆さん、是非宣伝をしてもらいたいと思います。 何よりも定着率を図ることで重要なのは、やはり先輩の姿を見てやりがいを感じる、格好いいと思えるかどうかだというふうに思いますので、使命感をしっかりと育てていけるように、育んでいけるようによろしくお願いします。 以上で質問を終わります。
○嘉田由紀子君 日本維新の会、嘉田由紀子でございます。 今、子供の人権、横山議員が質問してくださいましたけど、年間六千件、七千件。子供というのは、小学生、中学生で一千万人ほどいるんですよね。ですから、本当に、この人権の制度はあっても、本当もうごく一部しか法務省に届いていないということだろうと思います。そのことも頭に置きまして、今日、資料二枚お配りしております。 ようやく共同親権が選択できるようになって、四月に法制度施行されました。ただ、この悲劇は本当に収まっていないというか、皆さん期待をしていたけど、四月以降変わっていないじゃないかという声が毎日のように届いております。三谷副大臣も随分御尽力いただきましたけれども、その実態を二つ取り上げさせていただきたいと思います。 まず資料一ですが、新聞記事です。長男と会えず自殺。遺族が市と妻を提訴。 あらっと思われるかもしれませんが、少し事情を説明しますと、川崎市の男性会社員が、四十七歳、長男と会えなくなったことを理由に自殺したのは、市の指南により妻が長男を連れ去り親権が侵害されたためだとして、遺族が市と妻に二億三千万円の損害賠償を求めて横浜地裁川崎支部に提訴したということです。子が連れ去られたとして行政に法的責任を問う訴訟は初めてということです。 具体的には、私自身もこの方のケースは、弁護士の方、また当事者のお姉さん、また御両親、コンタクトを取らせていただいておりますので詳しく知らせていただいておりますけれども、子供さん、もう時間が余りないので申し上げませんが、お父さん、一人っ子で、子供さんが一人っ子で本当に仲よかったと。小学校二年生、サッカーが大好き。そして、実は、二〇二四年の三月末に突然、修了式の日にお母さんが、おじいちゃんが病気だからといって連れ去って、その後、本当に突然のことで、お父さんも分からなかった。でも、市とそれから教育委員会に夫のDVを相談していたらしいんですけど、このポイントは、DVがアセスメントされていなかったということです。口で言うだけで、あっ、それは大変だと、先ほどの阿部監督の例もありますけど、DV言われたら緊急の避難をさせなきゃということで、市役所や、あるいは様々、母親の言い分を認めてすぐに引っ越しさせて、そして、その後、実は半年間、調査官調査なども入って、調査を見ると、お父さんとサッカーしたい、お父さんの作ってくれるスパゲッティ食べたい、会いたいと子供さんも必死に訴えたんですけど、結果的には、十一月十五日に裁判官が会わせる必要ないということで、十一月十六日、翌日に自死をしてしまわれました。 そのことで、今日は、まず質問一ですけれども、この住民票を移さないまま転居することの見解ですね、総務省さんに、住民票を移さないまま転居してこの窓口が対応する、しかも、後ほど文科省さんにもお伺いしますけど、学校も変えているんですね。このことについて、総務省さん、お願いできますか。
○政府参考人(坂越健一君) お答えいたします。 川崎市の事例につきましては、詳細を承知しておりませんので、お答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、その上で、一般論として申し上げますと、住民基本台帳法上、住所を移動した場合は、移動の年月日や移動先の住所等を市町村長に届け出なければならないとされております。
○嘉田由紀子君 届け出なければならないと。 それで、届けなかった場合は何か罰則はあるんですか。ごめんなさい、これ更問いですが。
○政府参考人(坂越健一君) 届け出ることは住民基本台帳法上義務になっており、努力義務になっておりますが、これに関しまして、正当な理由がない場合には罰則等が掛かる可能性もあるという条文となっております。
○嘉田由紀子君 正当な理由ですね。DVを受けたと口で言うだけで正当かどうか、このことはまたそれぞれの事例で考えていただいたらと思います。 例えば、四月にも御紹介しましたけど、神奈川県の寒川町では、町自身が、住民票、特に未成年の住民票を異動するときには父、母両方の共同親権者の枠を作っております。これ、寒川だけではなくて全国で広がっておりますので、この辺もまた今後努力していただきたいと思います。 文科省さんですけれども、共同親権下にある子供、まだ離婚もしていませんので、一方の親権者の同意のないまま住民票も移さない状態で教育委員会を通じて転校する手続について、文部科学省さんの見解を伺います。
○政府参考人(三木忠一君) お答えします。 御質問の川崎市の事案につきましては、係争中の事案と承知しておりますので、お答えを差し控えさせていただきます。 その上で、一般論でございますけれども、転学は、監護及び教育に関する日常の行為に該当しないため、父、母が共同して手続を行うことが原則ですけれども、子の利益のため急迫の事情があるときは、父、母の一方が親権を行うことが可能でございます。 転学時の手続に関しては、一般的に住民票の異動を伴うものと理解しておりますけれども、例えばDVや虐待から避難するために住民基本台帳の住所地を変更せずに転学の手続を行うことが可能となってございます。
○嘉田由紀子君 キーポイントは、急迫の事情ですね。 それで、ここが、繰り返しになりますけれども、日本の場合に、まさに口で言うだけで一方的に、この川崎の場合もそうです、DVを、しかも暴力ではなくて、身体的暴力ではなくてモラハラだと、夫が、例えば髪の毛が落ちていたら、それ汚いよと言う、これをモラハラだといって訴えているんですね。というようなことで、そういうケースでもアセスメントができていないということが大変重要なんです。ここは、是非、警察の方とも今後相談をして、DVのアセスメントしていただく。フランスあるいはアメリカの事例なども、DVと訴えがあったらアセスメントしないと次のアクション起こさないということになっていますので、これは日本の法律の大きな問題だろうと思います。 次の質問三ですけど、このような提訴がなされて、法的、社会的背景についてようやく民法が変わったわけですから、その法務省さんとしては、基本的認識、法務大臣、どう思われますか。
○国務大臣(平口洋君) 法務大臣としての立場で個別の民事訴訟、つまり川崎市の件についてお答えすることは差し控えたいと存じますが、その上で、一般論として申し上げましたら、適切な形で親子交流の継続が図られるということは子供さんの健やかな成長と幸せにもつながるものであって、子供の利益を確保する観点から極めて重要なことであると認識をしております。
○嘉田由紀子君 ここもキーワード、子供の利益ですね。ただ、この川崎市の場合に、子供の利益、調査官調査あるいは弁護士さんも会わせてくれということを言いながら、子供も会いたいと言いながら、結果的にはお父さん失ってしまったということです。 資料二ですが、実は、子の連れ去りの規制を求めて父母ら三十人が国賠、国に賠償を求めました。国が連れ去りを規制する法整備を怠ったため、親権、監護権など憲法が保障する基本的人権が侵害されたとして、一人五万円の損害賠償を提訴いたしました。ここにつきまして、法務省さんとしてはどう考えられるでしょうか。
○委員長(伊藤孝江君) 時間を経過しておりますので、簡潔に御答弁いただきますようお願いします。
○国務大臣(平口洋君) 法務大臣としての立場で個別の国家賠償請求訴訟についてお答えすることは差し控えたいと存じますが、その上で申し上げましたら、本年四月一日から施行された令和六年民法等改正法は、父母相互の人格尊重、協力義務を定めるなどの見直しを行ったところであります。父母双方が親権者である場合において、その一方が正当な理由なく他方に無断で子供を転居させる行為は、個別具体的な事情によってはこの義務に違反するという場合があると考えられます。 このことを含む改正法の趣旨、内容が広く理解されるように、引き続き関係府省庁とも連携して周知、広報に取り組んでまいりたいと考えております。
○委員長(伊藤孝江君) 時間過ぎておりますので。
○嘉田由紀子君 一分ほど過ぎておりますので。 周知、広報を是非ともお願いいたします。子供の命、親の命さえ関わっているという大変な問題です。よろしくお願いいたします。
○安達悠司君 参政党の安達悠司です。 先日、五月二十日の党首討論で参政党の神谷代表が、公職の候補者の帰化歴の公開を提案しましたが、総理からは、帰化した者の法の下の平等の観点からも慎重に考える必要があるとの答弁でした。 しかし、ここで問題となっているのは選挙の公正などの公益や国の安全保障上の利益であり、公職に就こうとする者に限って公開を求めることは合理性があり、法の下の平等にも反していないと考えられます。 帰化歴の確認が国の安全保障上も重要であることは、今既に存在する制度からも裏付けられます。特定秘密保護法や重要経済安保情報保護活用法の適性評価、セキュリティークリアランスの質問票においては、日本国籍や外国籍の有無及び帰化歴の有無を尋ねる項目があります。 そこで、内閣官房に質問しますが、国の防衛や外交などの重要な機密を取り扱う者について、政府はなぜ帰化歴を確認する必要があると判断しているのでしょうか。
○政府参考人(鎌谷陽之君) お答えをいたします。 特定秘密保護法及び重要経済安保情報保護活用法に基づく適性評価の対象者について、七つの事項に関し調査を行うこととされ、その中で評価対象者やその家族が過去に有していたものを含む国籍や帰化歴については、特定秘密保護法では特定有害活動及びテロリズムとの関係に関する事項として、また重要経済安保情報保護活用法では重要経済基盤毀損活動との関係に関する事項として調査をすることとしております。 これは、評価対象者やその家族が過去を含めほかの国籍を有していたり帰化歴があった場合には、それら関係国の情報機関等から本国に居住する親族に対し危害を及ぼす可能性を示唆されるなどにより働きかけを受けるおそれがあり得ると考えられるためであり、特定秘密等を漏らすおそれがないと認められるかの判断に当たり、国籍の保有状況や帰化歴の確認が必要と考えております。 なお、適性評価は、先ほど申し上げた法定の七つの事項についての調査結果を総合して判断しており、他の国籍を有していたことや帰化歴があることをもって直ちに適性がないと判断するものではございません。
○安達悠司君 ありがとうございます。過去の国籍の確認も重要だということですね。 そこで、適性評価ですね、特定秘密を取り扱う国家公務員だけでなく、今後、重要経済安保情報を取り扱う民間の適合事業者で働く方にも適用されることになりますが、適性評価を受ける人数として今後想定される人数は年間何人でしょうか。
○政府参考人(鎌谷陽之君) お答えします。 特定秘密保護法に基づく適性評価の実施実績については、直近の五年では、令和二年は五万九千九百五十八件、令和三年は二万七千六百二件、令和四年は二万三千五百八十三件、令和五年は二万四千五百六十九件、令和六年は三万五千八百三十九件となっております。 適性評価の今後の実施見込みについては、各行政機関における特定秘密の指定や特定秘密文書の作成等の状況によるため正確に見通すことは困難ですが、その上で申し上げれば、基本的には年間二万から三万件程度をベースとしつつ、特定秘密保護法の施行後、適性評価の実施が本格化した平成二十七年から適性評価の有効期間である五年を経過するタイミングごとに五万件余りに増加するといった形でおおむね推移していくのではないかと考えているところです。
○安達悠司君 ありがとうございます。 この、結構何万件という単位で必要なんですけれども、この帰化歴の有無は今の戸籍法の下では最新の戸籍には必ずしも記載されないため、出生から現在までの全ての戸籍を確認する必要がありますが、政府は帰化歴の有無に対する回答の正確性をどのように担保しているんでしょうか。
○政府参考人(鎌谷陽之君) お答えをいたします。 適性評価に際しては、評価対象者が記載した質問票への記載内容が誤りがないかを確認するため、上司等への質問や人事管理情報等による確認、また公務所及び公私の団体への照会や評価対象者本人に対する面接などを行って、特定秘密や重要経済安保情報を漏らすおそれがないかを判断をしております。 個々の調査事項について具体的にどのような方法で確認を行っているかについては、その詳細を明らかにすることにより、今後の適性評価に関する事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えは差し控えさせていただきます。
○安達悠司君 ありがとうございます。 冒頭述べたように、私は公職候補者の帰化歴の開示が必要だと考えていますが、あわせて、本人が希望する場合に限り、法務省が戸籍等に基づき帰化していないことを確認する証明書を交付する制度をつくることも検討に値するのではないでしょうか。 これは、本人の意思に基づく任意の制度であり、国民への説明責任を果たす一つの手段にもなり、また適性評価上も帰化歴がないことの簡便な証明手段になります。プライバシー保護にも留意した上で、帰化していないことの証明書を申請形式で創設することにつき、法務大臣の見解を求めます。
○国務大臣(平口洋君) お答えいたします。 帰化した者については、帰化の届出をすることにより戸籍が作成され、帰化日及び帰化の際の国籍等が戸籍に記載されることとなります。婚姻などがあって新たに戸籍が編製されるなどした場合であっても、従前の戸籍を確認することにより、現行制度においても帰化の事実の有無を確認することはできるわけでございます。 現行制度でも確認する手段がある中で委員御指摘のような見直しをすることについては、その必要性や帰化した者に新たに社会生活上の不利益が生ずるおそれなどの観点から、慎重な検討が必要であると考えております。
○安達悠司君 昨年の十一月二十日とほぼ同じ答弁でしたが、是非検討をお願いしたいと思います。 次に、不法滞在者ゼロプラン、五月二十二日ですね、記者会見で、法務大臣は不法滞在者ゼロプラン強力推進パッケージを公表されました。現在の不法滞在者ゼロプランとの違いとして一体何があるのかということを簡潔にお話しいただきたいのと、また、我が国には不法残留者が六万八千人余りいます。いつまでに不法滞在者ゼロをどのような段階を経て実現するのか、期限と数値目標について説明を求めます。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 本年五月二十二日に法務大臣が公表しました不法滞在者ゼロプラン強力推進パッケージは、昨年五月に公表した不法滞在者ゼロプランを強力に推進するために、重点的に取り組むべき施策を取りまとめたものでございます。 具体的には、不法残留者数の増減要因などを分析した上で、増加要因を減らす施策及び減少要因を増やす施策を取りまとめたものでございます。 例えば、増加要因を減らす施策としては、JESTAの導入や厳格な査証審査に活用するための出入国在留管理庁と外務省の情報連携の強化等を盛り込んでおり、減少要因を増やす施策としては、摘発や不法就労対策の強化、護送官付国費送還の更なる推進等、両方に効果がある施策としては、難民認定申請の審査の迅速化や出入国在留管理のDXを盛り込んでいるところでございます。 当面の目標でございますが、令和八年中に新規受理した難民認定申請について平均六か月以内での処理を目指す。令和十二年までに、全ての難民認定申請の平均六か月以内の処理を目指す。令和九年までに、護送官付国費送還の実績に関し、令和六年の実績から倍増させることを目指す。令和十二年末までに、退去強制が確定した外国人数に関し、令和六年末の数から半減させるということを目指すこと。これらを掲げております。 引き続き、不法滞在者ゼロを目指すことを理念としまして、関連する取組を強力に推進してまいりたい、このように考えております。
○安達悠司君 これについて、不法滞在者ゼロプランというからには、この今、査証は、在留資格の期限が切れて出国していない人というのは、これ法務省は、入管庁は把握しているわけですよね。で、このいわゆる不法残留者六万八千人余りのリストは入管庁は持っているわけですね。これ、オーバーステイであり、入管法の七十条違反、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金となりまして、犯罪行為です。ゼロプランというからには、この六万八千人を摘発してゼロにしていく必要があるんではないかと思います。 入管庁は、この不法在留者のリストを全部警察に渡しているんでしょうか。渡していないとしたら、何で渡していないんですか、その理由を求めます。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 不法残留、御指摘のとおり、犯罪を構成するわけですけれども、実際上は、行政的な退去強制という形で処理するもの、それから刑事罰を科すもの、両方ございます。 行政的な面から申し上げますと、外国人の個人情報につきましては、出入国在留管理庁は、出入国在留管理行政の施策策定並びに外国人の出入国及び在留の管理を図るために利用することを目的として取得、保有しております。このことは不法残留者の情報であっても同じでございまして、そのために、御指摘のように、他の行政機関に一律かつ網羅的に提供するということは、利用目的の観点から慎重な判断を要するものと考えております。 他方、地方出入国在留管理官署におきましては、警察等の関係機関との協力関係を強化し、緊密な情報共有を行うために、関係機関と合同で入管法違反者に係る摘発を積極的に行うなどしているところでございます。特に、緊密な情報共有に関していえば、例えば捜査機関からの照会に対しては迅速に対応するなどの対応を取っているところでございます。 このように、必要な情報は適宜適切に関係機関に提供しているところでございまして、引き続き効果的かつ効率的な入管法違反者の摘発を推進してまいりたい、このように考えております。
○安達悠司君 このちょっと目的外利用というのはよく分からないんですけど、犯罪になっているわけなんで、まさに法令に基づく場合に当たるんではないかと思いますしですね。 また、入国警備官の人数、これは千人もいません。令和六年度末で八百十八人と。警察官は、他方、令和七年度の定員で二十九万人余りということなんで、警察の方が圧倒的にマンパワーは多いわけですね。警察は、最近、自転車の取締りにも力を入れていますが、やはりもうこの六万八千人余りの不法残留者の摘発にもちゃんと取り組むべきであると考えます。 警察の方にお聞きしますと、職務質問を端緒に入管の人に照会したら、やっとこれはオーバーステイだというふうに教えてくれたというふうな話なんですね。なので、警察も情報を欲しがっているわけですね。そうであれば、最初から入管庁が六万八千人のこのオーバーステイの犯罪行為になっているこの人のリストを渡すべきではないかと思うんですね。 これ、何でしないのかで考えられることとして、例えば一つの可能性は、全て摘発されても、結局強制送還は入管庁がやるわけですから、マンパワーが足りないとか収容施設のキャパが足りないとか、そういった可能性もありますし、また、本人が自主帰国を促すように、あるいは泳がせているといった可能性もありますが、入管庁として、これ通告していませんけど、この点について、副大臣、どうですかね、強力推進パッケージを取りまとめられましたが、今の点で、もし何か感想であったりこれからの方向性、もし何かあればお尋ねしたいと思います。
○副大臣(三谷英弘君) 不法残留者の中には、所在が不明な者もおれば退去強制手続中の者もいるということで、様々な状態がございます。告発した上で刑事手続を進めていく上では、個別の状態確認した上で捜査機関と十分に調整を行うという必要がございまして、現状、これをどう整理するかというところなんですけれども、ただ、御指摘の点は重要な点だというふうには思っております。 ですから、我々として、出入国や在留管理、在留外国人数の増加等への対応、不法滞在者対策を進める上では、やはりこういった二十九万人と入国警備官の人数の点も含めて考えますと、やはりこの出入国在留管理庁の体制整備というのは極めて重要であるというふうに認識をしておりまして、そういった御指摘も踏まえまして、適正な出入国在留管理行政を実現するに当たりまして、このパッケージを着実に実行するために必要な体制整備に最善を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
○安達悠司君 まあ通告していなかったので。 是非こういった情報共有も取り組んでいただきたいと思います。 次に、今回のゼロプランの改定で、外国人の人材紹介会社や登録支援機関に対する規制や監督強化、こういったものが含まれているのかどうかということが気になります。 許可を受けた人材紹介会社は国内に対する事業所の数で三万以上あると言われていますし、外国人採用の端緒として、受入先に対する営業活動などを通じて人材紹介会社が大きな役割を果たしているのではないかと考えます。 不法滞在や不法就労を防止する上で、人材紹介会社に対する規制強化が今回のゼロプランの強化パッケージに盛り込まれているのでしょうか。また、厚生労働省は、昨年のゼロプラン以降、人材紹介会社に対する規制の在り方として変化があったのでしょうか。これ、厚生労働省にも併せてお尋ねします。
○政府参考人(内藤惣一郎君) まず、入管庁の担当しているところからお答え申し上げます。 お尋ねの事業等に関する規制強化自体は今回の強力推進パッケージには含まれていないところでございますが、退去強制手続を取った外国人のうち、不法就労事実が認められた者が七割以上を占めていることを踏まえれば、不法就労への対策は重要なものと認識しております。 この点、今回の強力推進パッケージにおいては、関係機関と連携して取り組む不法就労対策パッケージを盛り込んでおり、不法就労の予防や摘発を強化することとしております。この中では、特に取締りに関して、地方出入国在留管理官署におきまして警察や労働局等の関係機関と緊密な情報共有を行うとともに、これらの機関と合同で不法就労助長者を含む入管法違反者に係る摘発を積極的に行うこととしております。 こうした取組における取締り対象には職業安定法等の労働関係法令違反事犯も想定しておりまして、まずは不法就労助長を行うような職業紹介事業を行う者等を着実に取り締まることで不法就労を抑制することとしております。 補足して申し上げますと、サイバーパトロールの実施、これもかなり実効的な施策になるのではないかと我々としては考えております。そのため、職業紹介事業等の規制強化自体は今回の強力推進パッケージには盛り込んでいないところではございますが、こうした不法就労助長者に対する取締り状況も踏まえつつ、関係省庁と連携しながら、更に効果的、効率的な取組を検討してまいりたい、このように考えております。
○政府参考人(古舘哲生君) お答え申し上げます。 職業紹介事業につきましては職業安定法により規律をされておりますところ、職業安定法の適用につきましては日本人か外国人かで異なるところがないということになっております。 このため、外国人の職業紹介に限った規制というものは設けておらず、お尋ねいただきました昨年五月以降につきましても、外国人の職業紹介に限った規制の変更というものは行っていないところでございます。 その上で、職業紹介事業につきましては、法令に基づく適正な事業運営を確保するという観点から指導監督を行っておりますところ、特に外国人の職業紹介に当たりましては出入国管理法等の法令を遵守いただく必要があるということを周知してきたところでございまして、引き続き出入国管理庁さんとも連携をしながら取り組んでいきたいというふうに考えております。
○委員長(伊藤孝江君) 時間になりましたので、おまとめください。
○安達悠司君 この人材紹介会社や人材サービス業界といったところに対する規制も是非やっていただきたいと思います。 また、その後、AIと自殺関与などの質問も用意しておりましたが、ちょっと時間の関係でまた次回以降に行いたいと思います。 ありがとうございました。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 衆議院で審査中の再審法改正についての政府案について、まず、法務省が原則禁止というふうに説明をしている検察官抗告についての法文の意味を刑事局長にお尋ねしたいと思います。 法案は、即時抗告できる対象を定めた四百五十条から再審開始決定を意味する第四百四十八条一項を削除するという法案になっているわけです。これは、再審開始決定に対して即時抗告権はないということを意味するわけですか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 本法律案におきましては、再審開始決定に対する不服申立てについて、これを原則として禁止し、当該決定が取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠がある場合に限ってすることができることとしておりまして、検察官はこの例外要件を満たす場合でなければ再審開始決定に対する不服申立てをすることができないということでございます。 したがって、この例外要件を満たさない不服申立ては、刑事訴訟法上違法となると考えられるところでございます。
○仁比聡平君 例外が認められないときは刑事訴訟法上違法であるという答弁ですけれども、もうちょっとちゃんと聞きたいのは、新聞報道などでも言われている原則禁止、十分な根拠がある場合は例外として行うという、この一文で、今も刑事局長お答えになりましたけれども、法文はそうではないんですね。 四百五十条という即時抗告の対象を定めている規定、これ、刑事訴訟法では、即時抗告、つまり不服申立てを行うことができるのできる対象の決定や判決については、これ明文で創設しているわけです。だから、四百五十条に再審開始決定がこれまで含まれていた、現行法では含まれている、だから再審開始決定に対する抗告が行われるという、いわゆる創設規定ということでしょう。 ですから、この四百五十条から再審開始決定を削除しているわけですから、ですから、一般論としては、つまり原則論としては、再審開始決定に対する即時抗告権というのは、これは、これまではあった、もしこの政府案に立つとすれば、ないと、そういう意味ですね。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 ちょっと御質問の趣旨が十分理解できているかどうかはあれなんですけれども、本法律案は、先ほど申し上げたとおり、検察官はこの例外要件を満たす場合でなければ再審開始決定に対する不服申立てをすることはできないという例外を定めているということであります。 一方で、先ほどのように、刑事訴訟法四百五十条から四百四十八条第一項を削除していることに伴いましてこれを禁止したということでございます。
○仁比聡平君 例外という表現をメディアもしているんですけれども、その言葉は法理としては不正確ではないかなと思っているんですよ。つまり、四百五十条の二という新しく創設される規定が政府案にはあると。そこに、再審開始決定に対しては、当該決定が取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠がある場合に限り、即時抗告をすることができるという条文になっているわけですね。これは、この四百五十条の二の一項によって、この十分な根拠がある場合に限って再審開始決定に対する抗告権が成立する、あるいは発生する、そうでない場合は存在しないと。そういう条文の言わば構造ではありませんか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 構造というのがどういうことを意味するかというのはちょっと私も今十分把握できているか自信がないのでありますけれども、いずれにしましても、法務当局といたしましては、本法律案について、再審開始決定に対する検察官の不服申立てを原則として禁止し、こういった例外の場合に限ってできることとして、検察官はこの例外要件を満たす場合でなければ再審開始決定に対する不服申立てをすることができないということを定めたものというふうに理解しているところでございます。
○仁比聡平君 今のように、刑事局長は、原則禁止、例外行使という、そういう論理で説明をするんですけれども、法文はそうではない。例外行使の要件がというふうな認識に立つから、行為規範だという議論になるんでしょうけど、それは、法文からも、そういう説明にこだわられるべきではないんじゃないかなと思うんですよ。 ちょっと、大臣に、原則禁止でいいんですけど、この原則禁止の趣旨についてお尋ねしたいと思うんですね。 つまり、これまでは、元々の現行法の条文だったら、再審開始決定について抗告ができる、即時抗告ができると書いてあるわけですよ。これに基づいて検察は抗告をしてきたんですね。その即時抗告できるという規定から、再審開始決定を除く、除外する、削除したという、この条文の変更提案というのはとても重いですよ。その趣旨というのは、大臣、何なんですか。
○国務大臣(平口洋君) 原則禁止という意味は、原則的にこういう権限がないということでありまして、そのただし書として、条文は場合に限り即時抗告をすることができるとありますので、そういう場合は即時抗告の権限があるということだと思います。
○仁比聡平君 そういう場合は即時抗告の権限がある。つまり、十分な根拠があるというふうな場合に即時抗告権が成立するんだという解釈を大臣がしていただいていると思うんですけど、私、原則、例外ではないでしょうと今日お尋ねをしているんですけれども、その原則、例外ではないんですが、再審開始決定に対して即時抗告を原則禁止するとした趣旨については、そもそもの法案の提案理由に関わるんだと思うんですね。 大臣御自身が今日説明をされていますけれども、つまり、再審無罪事件に長期間を要する、再審請求者等に大きな負担を生ずる事態となっている、その原因について、証拠隠しや捏造の問題、不当な検察官抗告による長期化の問題、現在の再審手続について、その手続保障が十分でない、そのことによる再審格差といった指摘というふうに大臣おっしゃっていますよね。 私は、これは単なる指摘ではなく、事実だと思いますけれども、少なくとも、政府もその指摘について、こうした事態や様々な指摘は従来の再審制度やその運用の在り方に大きな反省を迫るものであり、これを真摯に受け止めた上で、再審制度の趣旨に立ち返りつつ、反省、改善すべき点について速やかに手当てを講ずる必要があるとしてこの法案を提出されているわけでしょう。その大きな柱が、再審開始決定に対する検察官抗告の原則禁止ですよね。 このこれまでの事態や指摘を真摯に受け止めた上で、反省してこの法案を出しているという、そういう趣旨ですね。
○国務大臣(平口洋君) おおむねおっしゃるとおりだと思います。
○仁比聡平君 であれば、この再審開始決定を削除した、政府案に言う四百五十条の意味というのはどういう意味になるのかと。これは、再審請求審という裁判上の手続の性格をどういうふうに見るのかということに関わると思うんです。 そこで、大臣ないし局長にお尋ねしたいと思うんですけれども、再審請求審というのは、最高裁の白鳥決定にもよって、再審請求者が新たな新規性のある証拠を提出して再審開始を求める、これを契機にして始まるわけですが、元々の証拠、旧証拠というふうに実務家は言うわけですけど、新旧証拠を総合して判断をして無罪判決を行うべきだという、そういう合理的な疑いが生じたときには開始決定をするという、こういう仕組みになっているわけですよね。 ですから、再審開始決定が行われたときには、これは原則禁止、抗告を原則禁止する、つまり、争わずに再審公判で実体審理がなされるべきだという、そういう趣旨に捉えるべきだと思うんですよ、私は。 検察官が争わない、争ってはならないとするということでしょう、禁止するということは。なぜ争ってならないかというと、再審開始決定が、今申し上げたような理由があると裁判官が認めて決定を出したときには、再審公判で実体的な審理、無罪という、ここの判決に向けた審理が行われるべきだという趣旨としか考えられないと思うんですが、局長、いかがですか。
○政府参考人(佐藤淳君) 再審請求審で再審開始の決定が出た場合には検察官は原則争わずにというふうな表現の裏表になるかと言われると、必ずしも裏表にはならずに、検察官はその不服申立てについて、当該決定が取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠がある場合に限って再抗告をすることができるということでありまして、原則とはいえ、その十分な根拠の有無につきましては、原則として不服申立てが禁止されていることを前提といたしまして、個別の事案に応じて、その再審開始決定の内容とか具体的な事実関係、証拠関係等を踏まえて、抗告裁判所の審査に堪え得る客観的に妥当なものかという観点から十分に検討を尽くした上で慎重に行われることになるだろうというふうに考えているところでございます。
○仁比聡平君 今の説明なら、これまでと変わらないじゃないですかということになる。それは、与党の審査の中で、こうした政府原案が修正された意味、趣旨、言わば立法趣旨に反する説明をされているということになる。 この問題は衆議院で徹底して議論されているところですから、ちょっと時間も今日ないから、これでまたの機会に譲りますけれども、再審開始決定に対する抗告権はないんだと。であれば、政府案のこの四百五十条の二の理解というのは、十分な根拠がある場合に限って成立するんだということなんですから、だから、行為規範なんかじゃない、抗告の成立要件という意味で、冒頭、刑訴法上違法となるという話がありましたけれども、裁判規範、法的規範でなければ政府案は成り立たないはずなんですね。 これを行為規範だというふうに刑事局長おっしゃるのは、これは全くのごまかしの上に、十分な根拠という用語は、これは解釈の幅が広過ぎて極めて曖昧で、これを検察組織が判断するんだというのでは、そもそも大臣が説明をしておられる法案の提案理由にもとることになると。 この点を厳しく審議を行うべきだということ申し上げて、今日は質問を終わります。
○北村晴男君 日本保守党の北村晴男です。よろしくお願いします。 本日は、重婚や偽装結婚を用いた在留資格の不正取得の問題について質問します。 現在、SNSを中心に、日本女性を在留資格を得るための道具として利用するスキームがあると、そういう動画が出回っています。これによりますと、外国人が本国に妻や子がいることを隠して虚偽の独身証明書を用いて日本女性と結婚し、日本で永住者としての在留資格を得た後に日本人女性と離婚し、本国の妻や家族を多数呼び寄せるとのことです。これは重婚を利用した不正取得です。 また、配付資料にある偽装結婚の事例について聞き取り調査を行ったところ、五年ほど前に中国人女性が日本人男性と結婚して在留資格を得た上で団地で暮らしていたが、男性は、偽装の結婚ですから、一年一緒に暮らしたら私は山梨に帰りますと話しており、夫婦としての実態もないように見受けられ、実際に、一年たったら男性は他県に移っていき、団地には中国人女性だけが残った、そして、この中国人女性が中国から母親を呼び寄せていたとのことでした。仮に制度の悪用があるというふうにすれば、きちんと実態を把握した上で適切な対策を講じる必要があると考えます。 そこで、お聞きします。 日本人と結婚して在留資格を得るとなると、まずは日本人の配偶者等との在留資格を得ることになると思われますが、この在留審査において、当該婚姻が真実のものか否かを確認するためにどのようなチェックをされておられますか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 確認手法については個別の申請ごとに異なり得るものであるため、あくまでも一般論として申し上げますと、在留資格、日本人の配偶者等に係る在留審査におきましては、双方の国籍国において有効に婚姻が成立していることを確認するため、戸籍謄本や婚姻証明書の提出を求めているほか、婚姻に至る経緯に関して説明を求めるなど、婚姻の信憑性に疑義がないか確認しているところでございます。 また、審査におきましては、関係機関に照会を行うこともあるほか、当庁が保有する情報も踏まえ、当該婚姻が実態を伴うものであるかを確認するため、生活実態等について実態調査を行うこともございます。 以上でございます。
○北村晴男君 ありがとうございます。形式的な審査、書類審査等にとどまらず、場合によっては実態の調査もされているということは理解しました。 ただ、先ほど申し上げた聞き取り調査をした事案では、一年間一緒に暮らしてから帰ると、元の山梨県に帰るというようなことですから、生活実態の調査が行われたとしても怪しまれないように一年間は一緒に暮らす、その後、頃合いを見計らって帰ると。つまり、夫婦の実態ありとされてしまうというようなケースも当然あり得るのかと思われますと。 そこで、お聞きします。 実際に、在留審査の場面や審査後になって明らかになったということでも結構ですが、偽装結婚であることが判明するケース、これはそれなりにあるのでしょうか。また、自治体に提出される独身証明書が虚偽のものだと判明したケースも把握しておられたら、お示しください。入管庁と法務省民事局にお尋ねします。
○政府参考人(内藤惣一郎君) まず、入管庁所管の部分からお答え申し上げます。 お尋ねの偽装結婚につきまして明確に定義することは困難であることから、統計として把握しているものではございませんが、在留審査の過程において、婚姻の信憑性に疑義が認められ、不許可処分等となる事案は存在するものと承知しております。
○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。 日本人と外国人が我が国において婚姻する場合、民法第七百三十二条の重婚禁止の規律に違反して婚姻届がされていないかを確認するため、市区町村は、外国人について、本国の独身証明書等の婚姻をしていないことを証明する書面の提出を求めております。 一般に、裁判所その他の官庁等がその職務上、独身証明書等が虚偽のものであり、重婚により戸籍の記載が法律上許されないものであることを知った場合には、戸籍法第二十四条第四項により、遅滞なく本人の本籍地の市区町村長にその旨を通知することとされております。このようなケースがどの程度あるかについての統計はなく、また、個別の事案についてはお答えは差し控えますが、このようなケースにおいて実際に本籍地の市区町村長に対して通知がされた事例があることは承知をしております。
○北村晴男君 偽装結婚とか独身証明書が偽造されたケースもあると理解しました。 これらは恐らく氷山の一角だと思われます。犯罪に暗数があるように、こういったケースも当然暗数があるものというふうに想像をするところでございます。 さて、日本人の在留、ごめんなさい、日本人の配偶者等の在留資格は当然ながら日本人との婚姻関係を前提とする資格ですから、当該婚姻が虚偽でない真正なものであるということはしっかりとチェックする必要があります。 他方、婚姻が虚偽でないかどうか又は婚姻関係が継続しているかどうかを完璧に確認することは困難であることも理解できます。だからこそ、現行制度上も日本人の配偶者等の在留資格は一定期間に限られ、期限が来れば更新が必要であり、その都度入管庁の方で確認するということになっているものと理解しています。この点は合理的だと考えています。問題は、こうした日本人の配偶者等の在留資格を有していた者が永住許可を得るに至った場合でございます。 まず確認ですが、日本人と結婚している外国人の場合、永住許可の要件はかなり緩和されているということで間違いないでしょうか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 永住許可につきましては、入管法第二十二条第二項の規定に基づき、同項第一号に掲げる素行善良要件及び同項第二号に掲げる独立生計要件のいずれにも適合し、かつ、その者の永住が日本国の利益に合致すると認めたときに限り申請を許可することができるものとされております。その上で、日本人の配偶者の身分を有する者につきましては、同項ただし書において、素行善良要件及び独立生計要件のいずれにも適合することを要しないこととされております。 したがって、この意味におきまして、法律上、永住許可要件が緩和されているということになります。
○北村晴男君 独立生計要件が緩和されているというのは理解できなくもないのですが、素行善良要件、これが緩和されている、つまり、素行不良の外国人でもオーケーと、永住資格が得られるというところ、これについてはどういう理屈なのかお示しいただけますか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 日本人の配偶者につきましては、日本人と婚姻関係を有し、本邦に生活の本拠を有している者であることから、配偶者である日本人とともに家族単位で安定した生活を営むことができるようにすることが相当である、このような考え方から、御指摘の素行善良要件に適合しなくても永住許可を受けることができることとされているものと承知しております。 他方で、永住許可に関するガイドラインで明らかにしておりますとおり、罰金や拘禁刑などを受けていないこと、公的義務を適正に履行していることはいわゆる国益要件として定め、求めており、そのような者の永住が日本国の利益に合致すると認められないような場合には永住許可を受けることはできない、こういうふうな枠組みになっております。
○北村晴男君 今おっしゃったことを全く理解できないわけではありません。平たく言えば、外国人と結婚している日本人家族の利益を保護しようと、そのために、素行善良要件はカットしたというふうに理解しました。理解できないわけではないのですが、そうした運用をすることでもって、素行の悪い外国人に永住権獲得のために日本人との結婚が利用されるという事態、そういった可能性も十分考慮するべきだというふうに考えております。 他方、先ほどおっしゃった罰金刑、拘禁刑などを受けていないことというガイドラインの要件、このなどですね、罰金刑や拘禁刑などを受けていないことなどという要件だったかと思いますが、このなどにはどういったケースが含まれるか、教えてください。例えば、性犯罪を犯して示談成立で不起訴になったもの、これはこのなどに入りますでしょうか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 御指摘の罰金刑や拘禁刑などを受けていないことは、先ほどお答え申し上げたとおり、永住許可に関するガイドラインにおいていわゆる国益要件として掲げられているものでございますが、罰金刑及び拘禁刑などとあるとおり、必ずしも罰金刑及び拘禁刑に限定されるものではございませんで、その対応を踏まえて個別具体的に判断することになるため、一概にお答えすることは困難でございます。 なお、お尋ねのケースにつきましては、現状、不起訴になったものに係る情報がすべからく当庁に寄せられるような仕組みにはなっておりませんが、そのような情報を把握した場合には、事実関係を踏まえ、個別具体的に判断することとなります。したがって、一般論として言えば、該当する場合もあり得るということになるかと承知しております。
○北村晴男君 今おっしゃった罰金刑や拘禁刑などを受けていないこと、この要件で素行不良者がはじかれる可能性はあるというふうに理解しました。 永住許可に関するガイドラインを読む限り、日本人と結婚していれば素行不良でも永住を許可しますというふうに言っているように見えてしまいます。ガイドラインの表現ぶりについては工夫の余地があるようにも感じます。 その上で、次の御質問します。 現行制度上、一度永住許可を得ると、離婚しても、そのことをもって永住許可が取り消されることはないと理解しています。日本人の配偶者であることをもって緩和された要件、緩い要件、すなわち、独立生計要件は聞かない、素行善良要件も聞かない、そういった緩い要件で永住許可を得た外国人が離婚した場合、その場合には原則この永住許可を取り消すことができるという方向で検討することが適切ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 出入国管理及び難民認定法第二十二条の四第一項におきまして在留資格の取消し事由が規定されているところ、日本人配偶者との離婚は取消し事由とされておらず、委員御指摘のような場合に直ちに取り消すことは困難であると理解しております。 その上で、本年一月に取りまとめられた外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策におきまして、永住許可の在り方を検討することとされておりますが、今後の課題の一つとして、令和九年四月一日に施行される改正入管法の施行状況を踏まえ、取消し事由の範囲の拡大を含めた更なる検討を進めることと、このようになっております。
○北村晴男君 更なる検討をお願いしたいと思います。 さて、現状は原則取消しはできないということですが、せめて、日本人の配偶者として永住許可を得た外国人については、離婚した場合、その情報、つまり離婚したという情報が入管当局に伝わるような仕組み、これを構築した上で、在留許可時に日本人の配偶者であることをもって満たさなくてもよいとされた要件、つまり、素行善良要件、あるいは独立生計要件、これを改めて確認して、これを満たさない場合には永住許可を取り消すべきではないかというふうに考えます。 これをしないと、やはり日本人との結婚を悪用した素行要件、素行善良要件も独立生計要件も満たさない外国人の永住者を生み出すことになるというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) 委員御指摘の取消し事由の問題と、この入管への通報というか報告義務の問題でございますが、これ一体の問題なのかなというふうに承知しております。 これにつきましては、先ほどお答え申し上げたとおり、この総合的対応策に掲げられました今後の課題、すなわち、改正入管法の施行状況を踏まえ、取消し事由の範囲の拡大を含めた更なる検討を進める、この中で検討される事柄かなと、このように理解しております。
○北村晴男君 ありがとうございます。 最後に、家族の呼び寄せについてお聞きします。 永住許可を得た外国人が本国の家族を呼び寄せるためにはどのような要件を満たす必要がありますか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) 例えば、在留資格、永住者を有する外国人の配偶者につきましては、在留資格、永住者の配偶者等に該当し得るほか、本邦外で出生したお子さん、こういった方については、永住者の扶養を受けて生活する未成年で未婚の実子であれば在留資格、定住者に該当し得ることとなりますが、審査におきましては、身分関係に疑義がないことに加え、本邦において安定的、継続的に活動を行うことができるよう、世帯として一定の生計能力を有していること等について確認しているところでございます。
○委員長(伊藤孝江君) 時間になりましたので、おまとめください。
○北村晴男君 はい。 ありがとうございます。先ほどのこれから更に検討すべきとお答えになった点、厳格にというか十分に検討していただきたいというふうに要望して、終わります。ありがとうございました。
○委員長(伊藤孝江君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(伊藤孝江君) 民法等の一部を改正する法律案及び民法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。平口法務大臣。
○国務大臣(平口洋君) 民法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 この法律案は、高齢化の進展、単身高齢者世帯の増加等の社会経済情勢の変化に鑑み、成年後見及び遺言の制度を国民がより利用しやすいものとする等の観点から、民法等の一部を改正しようとするものでございます。 その要点は、次のとおりであります。 第一に、民法を改正し、後見及び保佐の制度を廃止し、精神上の理由により事理を弁識する能力が不十分である者の全てを補助の対象とした上で、家庭裁判所が、必要があると認めるときは、補助開始の審判を受けた者のために特定の法律行為について補助人に代理権を付与する旨の審判等をすることができることとするほか、精神上の理由により事理を弁識する能力を欠く常況にある者のため、その者がした法定の重要な財産上の行為を取り消す権限等を有する補助人として特定補助人を付する旨の審判をすることができることとしております。また、家庭裁判所は、必要がなくなったと認めるときは、補助の制度に係る各審判を取り消すことができること、補助開始の審判を受けた者の利益のために特に必要があるときは、補助人を解任することができること、補助人は、補助の事務を行うに当たっては、補助開始の審判を受けた者の心身の状態に応じて、適切な方法によりその事務に関する意向を把握するようにしなければならないこと等の規定を設けることとしております。さらに、普通の方式の遺言として、電磁的記録等をもって作成し、法務局において保管する保管証書遺言を創設するほか、特別の方式の遺言のうち死亡危急時遺言等について、遺言する状況を録音、録画により記録すること等を内容とする方式を追加するとともに、自筆証書遺言における遺言者の押印要件を廃止する等の措置を講ずることとしております。 第二に、任意後見契約に関する法律の一部を改正し、家庭裁判所は、明らかに任意後見監督人による監督の必要がないと認めるときは、任意後見監督人を選任しないことができることとするとともに、本人が補助開始の審判を受けたときに任意後見契約が終了するとの規定を削除する等の措置を講ずることとしております。 第三に、後見登記等に関する法律の一部を改正し、登記事項等に関する規定の整備を行うこととしております。 第四に、家事事件手続法の一部を改正し、家事審判手続に関する規定の整備を行うこととしております。 第五に、法務局における遺言書の保管等に関する法律の一部を改正し、保管証書遺言について、保管、閲覧、証明等の手続に関する規定を設けることとしております。 このほか、施行日前に改正前の民法の規定により後見開始又は保佐開始の審判を受けた者等に関する民法の規定の適用については、原則としてなお従前の例によることとしつつ、これらの者について、請求により、改正後の民法の規定による補助開始の審判等をすることや、後見開始又は保佐開始の審判を取り消すことを可能とするなど、所要の経過措置を定めることとしております。 続いて、民法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 この法律案は、民法等の一部を改正する法律の施行に伴い、商法ほか六十の関係法律に所要の整備等を行うとともに、所要の経過措置を定めようとするものであります。 以上が、これら法律案の趣旨であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○委員長(伊藤孝江君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。 両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ─────────────
○委員長(伊藤孝江君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 民法等の一部を改正する法律案及び民法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤孝江君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤孝江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十七分散会