法務委員会 第2号
- 発言数
- 223 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2026/03/24
会議録
○委員長(伊藤孝江君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官中嶋護さん外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤孝江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(伊藤孝江君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、法務行政の基本方針に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○古庄玄知君 おはようございます。 再審法についてお尋ねしたいと思います。 今回の国会で再審法改正が項目として挙げられていますけれども、この改正の目的について大臣の方から御所見いただきたいと思います。
○国務大臣(平口洋君) 再審制度に関しましては、現行刑事訴訟法の制定以来改正が行われていないところ、近時、再審無罪事件等も相まって、再審請求者等の手続保障が必ずしも十分でないといった指摘や、手続規定が乏しいため審理運営上の困難が生じておりまして、事件によっては処理が遅延しているといった指摘がなされているというふうに承知をしております。 こうしたことを踏まえ、法務省としては、再審制度が非常救済手続としてより適切に機能するように、再審請求者等の手続保障の充実を図るとともに、その手続の迅速化に資するため、再審制度について所要の改正をする必要があるというふうに考えております。
○古庄玄知君 昨年十一月二十日の法務委員会で大臣は、再審制度は人権救済の最後の手段であると申されております。だとすれば、人権救済にふさわしい内容での改正でなければならないと思いますが、大臣、それでよろしいですか。
○国務大臣(平口洋君) その点も含めて、いろいろ御意見がありますので、検討をしてまいりたいと思っております。
○古庄玄知君 人権救済にふさわしい内容で改正するということでよろしいですか。
○国務大臣(平口洋君) 様々な立場の構成員によって幅広い観点から慎重かつ丁寧に議論が行われるべきものと考えておりまして、先生がおっしゃるのもその一つだろうというふうに思っております。
○古庄玄知君 そうすると、人権救済の目的というのはどこ行ったんですか。
○国務大臣(平口洋君) 当然のことながら、犯人でない人を処罰するということは、その人の人権を著しく侵害するものであって、あってはならないというふうに認識しております。
○古庄玄知君 次の質問行きます。 冤罪被害者で対立する当事者というのは、基本的には法務・検察当局であろうと思うんですね。法務・検察当局の誤りが再審無罪に結び付くということになるわけですけれども、その対立当事者の一方である法務・検察当局が立法に携わるということについて、この正当性についてはどのように大臣はお考えでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) 検察当局においては、「検察の理念」を踏まえて、公益の代表者として常に事案の真相に見合った処分等の実現に努めているというふうに承知をいたしております。 また、法務省は、基本法制の維持及び整備を任務とし、その任務を達成するため、刑事法制に関する企画及び立案に関する事務をつかさどるというふうにされております。 その上で、再審制度の改正は基本法である刑事訴訟法の改正に関わるものであることから、法務省において必要な検討を行い、法案の作成等を行う、担うということについて何ら問題はないとも考えております。
○古庄玄知君 今回の法制審議会の答申に関しては、多数の再審を専門にする刑事訴訟法学者、あるいは多くの元刑事裁判官、あるいは冤罪被害者とその家族、あるいは日本新聞協会など、多くの良心的な人たちが、大いに問題があると、むしろ現行法より悪くなる、この内容で立法化すべきではない、そういう趣旨の声明を出しておりますが、この点について大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) 法制審議会の答申について様々な御意見があるということは承知をしております。 もっとも、法制審議会においては、再審制度の在り方について様々な立場の構成員により幅広い観点から精力的かつ丁寧な議論がなされたものと承知をしており、法務省としては答申を重く受け止めております。答申を踏まえて、今国会への法案提出に向け、速やかに準備を進めてまいりたいと考えております。
○古庄玄知君 やってもいないのに死刑によっていつ執行されるか分からない、そういう状況に置かれたり、あるいはやってもいないのに長期間身柄拘束をされた、そういう冤罪被害者たくさんおるんですけれども、大臣自身がその冤罪被害者の声を直接聞いたことはありますか。
○国務大臣(平口洋君) 私としては特にそういう経験はないんですけれども、法務大臣として、個別の刑事事件の当事者やその御家族と面会することについては極めて慎重であるべきであると考えております。法務大臣に就任して以来、そのようなことはしていないということでございます。 なお、法制審議会においては、部会で再審無罪判決を受けた関係者の方からのヒアリングを含めた調査審議を行い、答申がなされたものと承知をいたしております。
○古庄玄知君 法制審議会に諮問したのは法務大臣だと承知しております。実際に被害を被っている冤罪被害者が目の前におるわけですね。どうして大臣、直接呼んで聞いたり、話を伺ったり、そういうことをしないんですか。法務大臣だからできないというのは、それは理屈にならぬと思いますよ。
○国務大臣(平口洋君) この後の法律手続もあるものですから、そういう意味では、法務大臣による具体的なそのヒアリングとか面談ということは考えていないということであります。 そのような姿勢に疑念を抱かれるおそれがあるような個別事件に関わる言動については慎重にならざるを得ないというふうに考えておりまして、そのような対応を考えているところでございます。
○古庄玄知君 その疑念を抱かれるというものは何を指しているんですかね。
○国務大臣(平口洋君) 検察庁法第十四条は、検察権の行使に関する法務大臣の一般的指揮監督権を規定しつつ、個別の事件の取調べ又は処分については、法務大臣は検事総長のみを指示することできると定めておりまして、いわゆる具体的指揮権に制約を加えているものと理解しております。 このように、個別事件の捜査に関して法務大臣による具体的指揮権が制限されている趣旨を踏まえますと、その行使には慎重であるべきものと考えており、既に確定した事件に関するもの、あるいは個別事件の捜査、公判そのものではないものであったとしても、そのような姿勢に疑念を抱かれるおそれがあるような個別事件に関わる言動については慎重にならざるを得ないと考えております。 そのため、御指摘の対応についても、こうした法務大臣としてのあるべき姿も踏まえた慎重な対応が必要と考えております。
○古庄玄知君 もうこの冤罪、無罪判決が出た後なんですよね、今言っているのは。これが個別の事案ということは非常に的外れだと思いますし、その被害者から意見聴取してそれを立法に生かすというのは、法務大臣としてはむしろ推奨されるべき行動じゃないかと思うんですが、その点、個別案件だからそれに対して意見を聞かない方が妥当だというのは正鵠を射ていないというふうに思います。
○国務大臣(平口洋君) 確定判決として確定しているということもありますが、その後でまだ国家賠償法なんかを受けているところでもありますし、その場合は訴訟当事者としてなるわけでございますので、その訴訟当事者同士で会うということは抑制されるべきものだと考えております。
○古庄玄知君 じゃ、次の質問に行きます。 次は刑事局長の方にお尋ねしますが、今回の法制審の答申のように、証拠開示の対象範囲を請求理由に関連する証拠、これに限定したときに、次の三つの冤罪事件について再審無罪の決め手となった各証拠は提出命令の対象となるかどうかについてお答えください。 まず一番目が、袴田事件における五点の衣類のカラー写真、これは請求理由に関連する証拠になるのかならないのか、いかがでしょうか。
○政府参考人(佐藤淳君) まず、法制審議会におきましては、今回の証拠の提出命令制度を創設しようとしているところでございますけれども、必要十分な証拠が裁判所に提出されることとなり、少なくとも現在の運用から後退することはない旨の意見が大勢を占めたものと承知しております。 その上で、今お話しされた証拠については、現に任意開示がなされているという状況もございまして、御指摘のような現行法の下においても、開示されている証拠については基本的に閲覧、謄写されることとなると考えているところでございます。
○古庄玄知君 請求理由に関連する証拠に該当するという、そういうあれですか。
○政府参考人(佐藤淳君) 済みません。 ここで法務当局の立場で、個別事案の証拠関係に基づいて、あのときこうだったらああだったらということは、裁判所の審理の運営に関わることでもございますので、なかなか答えづらいところもあるわけですけれども、その上で、御質問の趣旨に鑑みてあえて申し上げますと、そのような証拠は当然開示されるだろうということでございます。
○古庄玄知君 開示されるであろうという、そういうふうな、何というか推論という答えでいいんですか。
○政府参考人(佐藤淳君) 先ほど申し上げましたように、ちょっと法務当局の立場で、個別事件の証拠関係の中身、あるいはその当時の状況、弁護側の主張、そういったことを前提としてここを当てはめをするというのは大変難しいことではあると思いますけれども、今御指摘の御質問の趣旨に鑑みてあえてお答えいたしますと、今御指摘になったような証拠関係は、まさに再審請求審の中で主要な争点として争われた中身でございまして、任意開示なされている、したがってその当時任意開示がなされているということでありまして、今回、その証拠の提出命令制度をつくるわけですけれども、今まで任意開示されていた上に更に証拠の提出命令制度をつくるということでございまして、当然その開示がなされるだろうというふうに考えているところでございます。
○古庄玄知君 では、次の福井女子中学生殺人事件におけるアリバイに関する客観的証拠、すなわち歌番組の放映日に関する捜査報告書、これについては請求理由に関連する証拠になるんでしょうか。
○政府参考人(佐藤淳君) 先ほどと、済みません、大変前提がいろいろありまして、それを先ほどと同じ前提で申し上げさせていただきますと、今お話しした証拠についても、このような証拠開示命令制度、あるいはそれを前提とした任意開示の中で開示されるものであるというふうに認識をしております。 だからこそ、現にその再審請求事件、いわゆる福井女子中学生事件では現に開示されているということだと理解しております。
○古庄玄知君 それでは、日野町事件の引き当たり捜査に関する実況見分の写真のネガ、これも請求理由関連証拠に該当するんでしょうか。
○政府参考人(佐藤淳君) これまた先ほどと同じような話になりますけれども、先ほどから繰り返しお話し申し上げているように、結論から申し上げて、現に今の再審請求審の中で任意に開示されているようなもの、これについては当然今後も任意開示、及び裁判所の証拠開示の勧告に基づいて提出されているものについては、それに証拠の提出命令制度が加わった、むしろ裁判所が勧告とか任意開示を求めるに当たってその後ろ盾となる命令制度ができるわけでありますので、命令を出すかもしれないといった上で証拠開示の勧告をするということになるわけでありまして、現にここの今までの再審請求審の中で証拠開示されてきたものについては基本、基本と申し上げますのは、先ほど申し上げたように、個別の事件の中の証拠関係、そのときの、その時々の訴訟の経緯等がございますので、法務当局の立場でそれに立ち入ることはなかなか難しいのでありますけれども、今お話しされたような証拠については任意開示がなされるだろうということでございます。
○古庄玄知君 法制審議会の答申のように、請求理由に関連するという関連性を求めると、その検察とか警察の手元にある未知の証拠にアクセスできないんじゃないかなと、何があるかよう分からぬということが一番懸念しているところなので、この点については法務当局はどのように考えているんですか。
○政府参考人(佐藤淳君) 再審請求審というのは、再審請求理由の有無を確定、審議する訴訟でございまして、請求理由に必要、証拠として必要かつ相当だと裁判所が考えるのに請求に関連しないということはちょっと話として観念が難しいという状況はありますけれども、その上で、今お話ししたような検察、警察の保管証拠でありますが、これは平成十九年、平成二十年に最高裁が、警察の保管証拠も証拠開示の対象になる、これは平成十六年にできた証拠開示制度、公判前整理手続における証拠開示命令、失礼、証拠開示制度ができたことを前提とするものでありますが、それ以降そういったものは証拠開示の対象になるということで運用が行われていまして、今後とも、再審請求審においても同様であって、現に警察で保管されている証拠が証拠開示された、されているという状況にあると認識しております。
○古庄玄知君 次の質問に行きます。 次の三つの事件、代表的な三つの事件の再審開始決定日と再審開始決定が確定した日、それと再審無罪判決が確定した日、これを明らかにしてもらいたいと思います。 まず袴田事件、これ再審開始決定日と再審開始決定が確定した日、これはいつといつでしょうか。それと無罪判決が確定した日。
○政府参考人(佐藤淳君) いわゆる袴田事件につきましては、第一次再審請求審が二十七年ほど掛かっておりますけど、それは捨象するといたしまして、第二次再審請求審においては、平成二十六年三月二十七日に静岡地裁が再審開始を決定しております。その後、高裁、最高裁において様々な御判断ありましたけれども、令和五年三月十三日に東京高裁が検察官の即時抗告を棄却して、その後、令和五年三月二十一日に再審開始決定が確定したものと承知しております。 その上で、再審公判におきまして、令和六年九月二十六日に静岡地裁が無罪判決を言い渡しまして、同年十月九日、判決が確定したものと承知しております。
○古庄玄知君 私が調べたあれだと、二〇一四年三月二十七日に再審開始決定が出て、二〇二三年三月十三日に開始決定が確定したと、そういうふうに理解しているんですけど。
○政府参考人(佐藤淳君) 済みません、改めて繰り返しますと、今の、最後の確定した判決は、東京高裁のもの、再審開始、再審請求審においては東京高裁の判決が確定するわけでありますが、令和五年三月十三日に東京高裁が検察官の即時抗告を棄却して、これに対して検察官が特別抗告を行わなかったということで、その月の二十一日、三月十三日から遅れて二十一日に再審開始決定が確定したものと承知しているところでございます。
○古庄玄知君 私の把握では二〇一四年三月二十七日に再審開始決定が出たということで、検察官が抗告することによって約九年間決定が確定しなかったというふうに理解しているんですが、そういう理解でよろしいですか。それとも、その理解、間違い。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 今申し上げた、先ほど答弁しましたように、第二次再審請求審におきましては、平成二十六年三月に静岡地裁が再審開始決定をしております。これに対して東京高裁がその再審請求を一旦棄却する、それから、請求人側の特別抗告に対して最高裁がその高裁の決定を取り消して差し戻すといった経緯を経て、令和五年三月二十一日に再審開始決定が確定するというような時間軸ができるということでございます。
○古庄玄知君 次のあれに行きますけれども。 次に、福井女子中学生殺人事件、これの、私の調べたところでは、二〇一一年十一月三十日に再審開始決定が出て、二〇一八年の十月二十三日に再審開始決定が確定したと、そういうふうに理解しておりますが、これでよろしいですか。
○政府参考人(佐藤淳君) そのとおりでございます。
○古庄玄知君 そうすると、その間、検察官の抗告がなされることによって約七年間再審開始決定が確定しなかったと、そういうことですね。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 今委員が御指摘になったとおり、その後、先ほどの、最初の再審開始決定が平成二十三年十一月三十日でありますけれども、その後、一旦、第一次再審請求審においては、名古屋高裁、最高裁においてその請求が棄却されたという経緯を経て、第二次再審請求審において、先ほど委員が御指摘になったような形で再審開始決定がなされて、それが確定したという状況にございます。
○古庄玄知君 三つ目の事件として、日野町事件。これは、再審開始決定が二〇一八年で、いろいろ検察官抗告とかがあって、二〇二六年、ついこの間ですね、で、最高裁によって検察官抗告が棄却されることによって再審開始決定が確定したと。その間、約七年半掛かっていると、こういう理解でよろしいですか。
○委員長(伊藤孝江君) 時間になっておりますので、おまとめください。
○政府参考人(佐藤淳君) はい。 そのとおりでございます。
○古庄玄知君 最後。 そうすると、検察官抗告がなければ、その今言った十年近いそれぞれの事件、まあ七年か、そういう期間というのは早まって無罪判決が出ていたと、そういうことになりますね。
○委員長(伊藤孝江君) もう時間になっておりますので。
○古庄玄知君 終わります。
○打越さく良君 立憲民主・無所属の打越さく良です。 大臣の所信では、旧姓の通称使用の法制化を後押しするくだりがある一方、選択的夫婦別姓の実現に向けた決意を聞くことはできませんでした。大臣、旧姓の通称使用の法制化が選択的夫婦別姓を望む人の願いに沿うものだと胸を張って言えるでしょうか。 三月十八日、選択的夫婦別姓の実現を求めて法務大臣を被告として訴えている訴訟の口頭弁論が東京高裁で行われました。この日、原告のお一人は、旧姓使用の法制化は、喉が渇いて水が欲しいと言っている人に塩水を飲めと言っているようなものと語りました。水と塩水では、見た目は同じかもしれません、でも、当事者にとっては同じわけがありません。当事者の渇き、願いに応えるものでは決してないのです。 大臣、喉が渇いて水が欲しいと言っている女性たちに塩水を飲めと言い続けるおつもりでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) 旧氏使用の法制化は、これまで政府が二十年以上にわたって進めてまいりました旧氏使用の拡大の取組をより一層進めるものであります。これによりまして、婚姻等による氏の変更によって社会生活で不便や不利益を感ずる方を更に減らすことができると考えております。 これに対して、選択的夫婦別氏制度の導入は、こうした取組とは全く異なる課題であると認識しております。御指摘のように、選択的夫婦別氏制度の導入を求める声があることは承知をしておりますが、この点については現在でも国民の間に様々な意見があるため、国民各層の意見や国会における議論の動向等をよく踏まえる必要があると考えております。
○打越さく良君 塩水を飲めと言い続けるということと理解しました。 そもそも、なぜ選択的夫婦別姓の議論が始まったのでしょうか。言わずもがなと思っていましたが、振り返らざるを得ません。 一九九一年五月、今から三十五年も前に、婦人問題企画推進本部が、西暦二〇〇〇年に向けての新国内計画一次改定を発表しました。そこには、男女平等の見地から、夫婦の氏や待婚期間の在り方等を含めた婚姻及び離婚に関する法制の見直しを行うと明記されていました。これに呼応して、法制審議会が一九九一年に夫婦同姓などの民法の規定につき見直し作業を開始したのです。 出発点は男女平等です。ところが、今なお夫婦同姓しか許さない制度の下、九四%もの夫婦が夫の氏にしています。戦後民法七百五十条の下で夫婦同姓が規定されてから一貫して一〇〇%近くが夫の氏にしています。これは決して偶然ではありません。結婚すれば女性が改姓するのは当然だという社会構造、さらには、この夫婦同姓そのものが男女不平等をつくり出しているんです。 仮に旧姓の通称使用の法制化が実現しても、この不平等はそのままに決まっているじゃないですか。大臣が所信で言った旧姓の通称使用の法制化では、ほぼ一〇〇%の夫婦で女性が改姓を余儀なくされ続ける。大臣、男女不平等のままでいいというんでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) 御指摘のように、価値観の多様化に合わせまして、選択肢を増やす観点から、選択的夫婦別氏の制度を求める声があることは承知をいたしております。 夫婦別氏制度を定める民法第七百五十条については、夫婦同氏制度を定める民法第七百五十条については、平成二十七年の最高裁大法廷において、その文言上性別に基づく性的な差別的取扱いを定めるものではない、夫婦となろうとする者の間の個々の協議の結果として夫の氏を選択する夫婦が圧倒的多数を占めることが認められるとしても、それが規定の在り方自体から生じた結果であるということはできないといたしまして、憲法十四条一項に違反しない旨判断されているものと承知をいたしております。 そのため、現行の夫婦同氏制度により男女不平等が生じていることを前提とする御指摘は当たらないものと考えております。そして、このことは、現行の夫婦同氏制度を維持した上でお尋ねのように旧氏使用の法制化がされた場合でも異ならないものと考えております。
○打越さく良君 その大臣が今おっしゃった二〇一五年の最高裁大法廷、その判決、私は弁護団の事務局長として多くの女性たちとともに涙をしながら聞きました。圧倒的に多数の夫婦で女性が改姓を余儀なくされている状態が、それが形式的に男性でも女性でもいいことになっていても、平等と言えるのか、耐え難き不平等ではないかということがずっと指摘され続けているわけです。 そしてまた、先ほども大臣は、国民各層の意見と言いました。政府は、長年、世論を理由、口実にして選択的夫婦別姓を妨げてきた。しかし、世論が容認に傾くや、次なるマジックワードとして国民各層の意見というものを言い出したわけですね。でも、その国民各層の意見って何なんですか。もうこの圧倒的不平等な状況を維持して構わないんだという国民のある層の方たちと、私は塩水ではなくて水を飲みたいんだと、私の尊厳を何とか、何とか支えてほしい、そうした法制度であってほしいという女性たちの声と、国民各層の意見様々ですけれども、どうして、個人の尊厳を尊重しないような意見と、個人の尊厳を尊重してくれという意見と、どうして後者の方を優先しないんですか。 国民各層の意見が多様だからこそ、選択的夫婦別姓、選択制を認めるべきではないでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) そのような声があることも承知をしておりますが、他方で、戸籍上の氏まで夫婦、親子で別にすることにつきまして、子供への影響などの観点から懸念を示す声があるものと承知をいたしております。 最近の多くの世論調査を見ると、現行制度の維持、旧姓の通称使用の拡大、法制化、夫婦別氏制度の導入の三者択一で選択、調査した場合には、旧姓の通称使用の拡大、法制化を選択する割合がやや高くなる傾向にあると承知をいたしております。そのため、選択的夫婦別氏制度の導入の是非については、国民各層の意見や国会における議論の動向等をよく踏まえる必要があると考えております。
○打越さく良君 その世論を確認するに当たっても、質問項目自体変えてしまったじゃないですか。法務省の方が保守派との関係でもたないということで、世論を時間的に、継続的に経年変化を見るというその意義を捨てて、世論を、変えて、まだない旧姓の通称使用という問題がまるでクリアされたような、そんな誘導する質問項目を作ったわけじゃないですか。今の答弁は余りにもひどいと思いますね。 そして、あと、子供のこともおっしゃいましたけれども、既に親子別姓の家族はたくさんいるわけですよ、国際結婚とか。あるいは、世界各国でも、もう日本以外は選択的夫婦別姓認められているんですから、そうした家族の下での子供に対する偏見丸出しじゃないですか、今の答弁は。 そして、同性婚に関する質問でも、政府はコピペのように国民各層の御意見を注視するという答弁を続けていらっしゃる。注視するということは何もしないということで、余りに無責任です。五つの高等裁判所が同性カップルの結婚を認めない民法の規定を違憲と既に判断している。唯一の合憲判断となった東京高裁判決ですら、このままの状況が続けば、憲法第十三条、第十四条第一項との関係で憲法違反の問題が生じることは避けられないと述べています。 立憲民主党は、選択的夫婦別姓を実現する法案も、同性婚を認める婚姻平等法案も提出してまいりました。衆議院の解散で廃案になってしまいましたが、速やかに提出したいと考えています。 しかし、本来法務省にとって三十年も前からの宿題である選択的夫婦別姓、先ほど再審法について大臣は法制審から答申があったっておっしゃいましたけれども、三十年も前に選択的夫婦別姓については法制審から答申があって、その宿題を放置しているじゃないですか。その選択的夫婦別姓についても、違憲判断が重ねられてきた同性婚についても、もう法務省はこの国会でも何もしないんですか。速やかに閣法を提出するべきではないでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) まず、選択的夫婦別氏制度の導入については、国民各層の意見や国会における議論の動向等をよく踏まえる必要があると考えております。 法務省としましては、第六次男女共同参画基本計画等に基づき、旧氏使用の拡大について関係省庁と連携して必要な検討を行っていきたいと考えております。 以上でございます。
○打越さく良君 大臣、私、質問ですね、違う質問しているので、同じ答弁をなさらないでいただきたい。 そして、大臣もかつて多様な幸せが尊重されるべきだと正しく考えていらしたじゃないですか。二〇二四年の衆議院選挙の際、毎日新聞の候補者アンケートでは、大臣は、選択的夫婦別姓についても同性婚についても賛成と回答していらっしゃいましたよね。
○国務大臣(平口洋君) そのように答えておりますけれども、ここは法務大臣として答弁をいたしておりますので、私の個人の事柄については差し控えたいと思います。
○打越さく良君 実現すべき責任を負うポストに就かれたら、二〇二六年の衆議院選挙の同じ候補者アンケートでは無回答ですよ、大臣は。本当、これ余りにも無責任ではないでしょうか。 私が担当した第一次夫婦別姓訴訟の原告のお一人、塚本協子さんは、二〇一九年、八十四歳でお亡くなりになられました。自分の姓で生き、逝きたい、自分の姓で、塚本という姓で死にたいと、その願いはかなうことはできませんでした。 同性婚訴訟でも、東京原告の佐藤郁夫さんは、二〇二一年お亡くなりになっている。仙台家裁の申立人小浜耕治さんのパートナーは、二〇二六年お亡くなりになっています。 大臣、人の命には限りがあります。生きているうちにそれぞれの幸せを尊重する法制度を用意しなくてどうするんですか。限りある命の、その個人の尊厳の問題であると、多様な幸せを尊重する、その責任のあるお立場だと、その認識はあるんでしょうか。 再度申し上げます。同じ答弁はやめてください。真摯に向き合っていただきたいんですね。限りある人生を生きているお一人お一人の多様な幸せを尊重する法制度にする、その決意をおっしゃってください。
○国務大臣(平口洋君) 平成八年に法制審議会が答申を行った選択的夫婦別氏制度については、現在でも国民の間に様々な御意見があるものと承知をしております。 また、同性婚制度は、国民生活の基本に関わるものであり、国民一人一人の価値観とも密接に関わるものと認識をしております。 引き続き、国民各層の意見、国会における議論の状況を踏まえまして、選択的夫婦別氏制度についてはその対応を検討していく必要があり、同性婚については、そのような違憲状況のほか、同性婚に関する訴訟の動向というものもありますので、これらを注視していく必要があると考えております。
○打越さく良君 そうしたあるあるな答弁の全てがおかしいということを今私が質問で全て指摘してきたわけなのに、まとめてそうした答弁なのは非常に残念です。 大臣は所信にて、国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプランを強力に推進すると述べました。この国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン、このフレーズだけでも何重にも問題があるのではないでしょうか。 一九七五年の国連総会決議に基づき、各国では、イレギュラー、非正規、アンドキュメンテッド、未登録という表現が一般的です。不法滞在者という呼び方、さらには、国民の安心、安全のためと、こう銘打つことで、外国人の方たちと国民を分断する、そして外国人があたかも不安をあおるような存在であると、そうした印象を醸し出している。大臣、人権問題等への対応をすると言いながら、余りにもその政策については予算乏しい、そして制度も貧弱と。 私は、今国会でもじっくりと法務行政は差別や分断を助長するものであってはならないと質問していきます。 しかしまず、様々な人権問題等への対応も担う法務省として、共生社会に背を向けるこのフレーズ、このフレーズ自体改めると、そして政策も練り直す、その決意をお聞かせください。
○国務大臣(平口洋君) 国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプランは、不法滞在者など入管法の退去強制事由に該当する者を速やかに我が国から退去させるための対応策として取りまとめたものでございます。 したがって、ゼロプランが外国人への差別や国民の分断を生むというふうな御指摘は当たらないと考えておりまして、名称を変える必要はないと考えております。 引き続き、法令にのっとって外国人を受け入れるとともに、不法滞在者等に対しては、このゼロプランの下、厳格な対応を行い、また国民に対してこうした政府の考え方を丁寧に説明してまいりたいと考えております。
○打越さく良君 当たります。 差別や分断の解消を目指すには、ヘイトスピーチ対策が重要です。しかし、所信では言及がなく、非常に残念でした。今年は、二〇一六年のヘイトスピーチ解消法施行から十年、その効果を検証し、不十分な点を改正するべき節目となる年です。 法務省がヘイトスピーチについて調査を実施することには大変意義があります。しかし、重要なのはその内容です。 昨年十一月二十日、当委員会で、私が調査に当たり被害者の声を聞くべきと質問しましたところ、局長は、被害者の声を聞くことは非常に重要である、調査内容や方法の検討を進めると答弁なさいました。調査内容や方法はどうなったのでしょうか。
○政府参考人(杉浦直紀君) お答えいたします。 御指摘の実態調査の具体的な調査内容や手法については現在検討中ですが、インターネット上のヘイトスピーチに関する情報収集、全国の地方公共団体等が把握している事例等についての調査、国民を対象とした意識調査などを実施することを想定しております。 その上で、御指摘のとおり、ヘイトスピーチの解消に向けた取組を実施するに当たっては、ヘイトスピーチにより被害を受けた方の声を伺うことは非常に重要であると認識しております。他方、ヘイトスピーチの実態調査においては、ヘイトスピーチの発生状況をできる限り客観的に把握することも重要であると考えておりまして、そのような観点から、御指摘の点も含めて調査の内容や方法について検討を進めているところでございます。
○打越さく良君 ヘイトスピーチに関する調査、とりわけインターネット上のヘイトスピーチに関する調査は規模が大きく、国として行うことが大切だと思います。ヘイトスピーチは、しかし、差別の一部であって、これ全体の状況を調査する必要があります。 例えば、法務省は二〇一六年に、外国籍の方に対し、地方公共団体を通じて、ヘイトスピーチのみならず、就職、入居など生活全般についての差別についてアンケートを実施しました。これをベースにしていただくのはどうでしょうか。 十年前と比べてヘイトスピーチを始めとする差別は改善されたのかどうか、明確な数字のデータが必要ではないでしょうか。
○政府参考人(杉浦直紀君) 御指摘の外国人住民調査は、日本に居住する外国人を対象に、差別や偏見を感じた経験や国の施策をどのように感じているのかなどについて、外国人をめぐる人権状況を把握するために行ったものでございます。 他方、今回の実態調査は、ヘイトスピーチの現状を客観的に把握し、調査結果をヘイトスピーチの解消に向けた更なる取組の検討に活用するため、外国人に限定することなく、ヘイトスピーチ解消法第二条に規定する本邦外出身者に対する不当な差別的言動について行うものでありまして、御指摘の外国人住民調査とは調査の目的や対象が異なるため、比較を行うことは予定しておりません。 もっとも、法務省といたしましては、外国人の人権が尊重されることは重要であるとの認識の下、法務省の人権擁護機関において、外国人の人権を尊重しようを啓発活動強調事項の一つとして掲げ、啓発冊子の配布、啓発動画の配信等の各種人権啓発活動を実施しているところでございます。引き続きこれらの活動を推進してまいりたいと考えております。
○打越さく良君 どのような政策が必要なのかを考えるに当たっても、明確な数字のデータが必要であると考えています。 昨年十二月、国連の人種差別撤廃委員会から日本政府に対し、日本の第十二―十四回の報告書提出に先立つ事前質問項目が出されました。その第二項で次のような質問がなされています。先住民族、アフリカ系の人々、被差別部落民、民族的マイノリティー及び市民でない者の社会的、経済的状況、とりわけ教育、雇用、保健、住宅、社会保険給付、文化活動へのアクセス、政府機関、公的生活における統計情報を提供してくださいと、こうした質問がなされているんですが、回答期限は今年いっぱいですが、法務省として今回調査を行うのであれば、この質問に対応する回答が得られるように調査を行うべきではないでしょうか。具体的にどのような検討を行っているか、答弁をお願いします。
○政府参考人(杉浦直紀君) 今回のヘイトスピーチ実態調査は、ヘイトスピーチの現状を客観的に把握し、調査結果をヘイトスピーチの解消に向けた更なる取組の検討に活用するために実施するものでありまして、その具体的な調査内容や手法については現在検討中でございます。 人種差別撤廃委員会からの事前質問票については、所管に応じて各府省庁において対応を検討しているものと承知しておりますが、ヘイトスピーチに関する質問については、事前質問票への回答時期との兼ね合いもありますけれども、調査結果をできる限り活用してまいりたいというふうに考えております。
○打越さく良君 選挙運動において外国人に対するヘイトスピーチが横行しました。例えば、昨年の参議院選挙において埼玉県のある候補者は、クルド人について、NHKの政見放送で、知能指数の低いくず中のくずです、このようなくずには生きる権利はどこにもないと、申し上げるのもつらいような言葉を述べました。これはヘイトスピーチ解消法二条の不当な差別的言動に当たるのではないでしょうか。大臣の見解を伺います。
○国務大臣(平口洋君) どのような言動がヘイトスピーチ解消法に定める不当な差別的言動に該当するのかにつきましては、発言の背景や前後の文脈などの諸事情を総合的に考慮して判断されるべきものでありまして、個別の事案についてのコメントをすることは困難でございます。 その上で、一般論として申し上げますと、ヘイトスピーチ解消法に規定する本邦外出身者に対する不当な差別的言動というものはあってはならないものというふうに認識をしております。
○委員長(伊藤孝江君) 時間を過ぎております。
○打越さく良君 個別具体的な発言について取り上げたではないですか。法務大臣がこの明確なヘイトスピーチについて判断を控えるのであれば、誰がどのように判断し、抑制するのでしょうか。 引き続き取り上げていきたいと思います。 ─────────────
○委員長(伊藤孝江君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、有村治子さんが委員を辞任され、その補欠として小林一大さんが選任されました。 ─────────────
○泉房穂君 泉房穂です。よろしくお願いします。 質問の機会をいただき、本当に有り難く思っております。今日のテーマは、養育費そして親子交流に関するテーマです。私、個人的にも大変思い入れの強いテーマです。 四十年前、学生時代、私は教育学部で哲学をしておりました。そのときに、子供は親の持ち物ではない、子供の人生の主人公は子供自身なんだとレポートに書きました。三十年前、弁護士になり、愕然としました。日本の場合、離婚のときに子供の声が反映されず、不安に駆られている子供の声を誰が聞くのかと、弁護士時代に本当に痛切に感じました。海外を調べました。ほとんどの国は、親の離婚に際して子供を守るための法制度を整備していました、当時から。私はそういう思いの中で弁護士活動をし、二〇〇三年、今から二十三年前、衆議院の法務委員会にてこのテーマを取り上げました。残念ながら形になることがならず、やむなく、自分は明石市長となった後、誰もしなければ明石市で成功事例を示してみせる、そういった思いで取り組んできました。 今回、参議院議員となり、改めて、ほかの国でやれていることぐらい日本もしましょうよと、そういった強い思いの中で提案、そして質疑をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。 そういった中で、今日、資料結構配らせていただいております。 一つ目の資料が、私、このテーマに関する法制審議会に参考人として招かれたときの五年前のレジュメです。言いたいことは変わっていませんし、これらのことが満たされている状況には今ありません。 二つ目は、明石市こども養育支援ネットワークの奇跡というパンフレット。これは、明石市で取り組んできた十年分をしっかりと多くの方にお知りいただきたい、実際やれていますよと、成果もありますということをお伝えしたくまとめた冊子で、これも法制審議会にも提出させていただきました。同じく五年前であります。 そして、三つ目です。三つ目の資料は、実績です。この間の明石市の実績を数字をもって示しています。やっています。やれることです。やったら意味はあります。明石市では、一ページ目にあるように、親子交流に関して、明石市の市の職員が両親の連絡調整をし、立ち会ったり付き添ったりしています。現に今もやっているんです。やれているんです。難しいことではありません。養育費についても、参考書式を配り、専門相談をし、そして費用の補助もし、養育費を実際明石市が立て替えて払っています。やれているんです。当たり前にやっていることです。国がやればいいことだと私は思います。差押えについても費用補助もしています。あれもこれもやってきました。本来は国がやることです。 世界の中で、自治体がやっているのは、日本、明石市ぐらいでした。なぜか。ほかの国は国がやっているからです。特定の自治体だけに任せるのではなく、国自体がしっかりやるべきテーマ、そういった中で、今回の改正法の施行、大きな転換点を迎えたと思います。 そのことを思いまして、改めて幾つか質問をしていきたいと思いますが、まず大臣です。日本の養育費の受取率は、直近の調査、恐らく二八%だと思いますが、目標設定が二〇三一年に四〇%と決めておられますが、こんなの低過ぎます。今回、日本の課題は、いわゆる取決めをしていない問題とか、それが債務名義といって強制執行できにくい状況が課題でしたが、今回、まさに法定養育費、先取特権となった結果、かなり状況変わります。ちゃんと数値目標見直すべきです。私としては、少なくとも、四割程度が目標って寂し過ぎませんか。十人のうちの子供のうち四人しか受け取れなくていいわけないじゃないですか。本来は全員が受け取るべきもの、少なくとも中間目標としてもちゃんと七割や八割ぐらい設定すべきです。しっかりとした数値目標の見直しを求めたい。 このことにつきまして、大臣にまず、日本の受取率の現状、外国の状況、日本が低い理由、そして今後の数値目標、さらには、今回の大臣所信、何ですか。周知に取り組みます、そんな程度で子供を守れるんですか。周知では足りません。更なる法整備や運用改善も必要だと私は考えますが、大臣の決意をお述べください。
○国務大臣(平口洋君) 泉議員が御自身の経験も踏まえてこの問題についていろいろと御努力されていることは、大変多としたいと思います。 その上で、厚生労働省が令和三年に実施した全国ひとり親世帯調査の結果によりますと、養育費の支払を現在も受けていると答えた者の割合は、母子家庭で二八・一%、父子家庭で、父子世帯で二八・一%、父子世帯で八・七%。失礼しました、母子世帯で二八・一%、父子世帯で八・七%でありました。 諸外国に、海外における養育費の受領率について網羅的な調査は実施しておりませんが、養育費の支払確保は政府として取り組むべき重要な課題であると認識をしておりまして、女性活躍・男女共同参画の重点方針二〇二五では、二〇三一年に全体の受領率を四〇%、取決めをしている場合の受領率を七〇%とすることを目標としております。 養育費の受領率や親子交流の実施率が低い理由としては、例えば、親権者でない親が子の養育に積極的に関わらなくなる場合がある等の指摘がされております。 令和六年民法等改正法では、婚姻や親権の有無にかかわらず、父母が子に対して負う責務を明確化いたしました。まずは、関係府省庁等と連携し、引き続き民法等改正法の周知、広報に取り組むとともに、施行後の状況を注視してまいりたいと考えております。 その上で、離婚当事者である父母や子らの支援等の拡充も必要との観点から、法務省では、令和七年度の委託事業として、共同養育計画の作成促進、子の意見、意思の把握、反映に関する各調査研究を実施しております。 各研究で得られた支援等のモデルにつきましては、支援に関する施策等を所管する関係府省庁と連携して横展開に努めてまいりたいと考えております。
○泉房穂君 次の質問に行きますけれども、海外、調べたらすぐ分かります。養育費をしっかり確保する方法としては、よく言われるのは、立て替える、そして、強制徴収する、罰則を掛けるなどがあります。フランスや韓国は三つともやっています。ドイツや北欧は立替えをしています。アメリカなどは、カリフォルニア州などは不払があったときの悪質な場合には免許停止です。イギリスではパスポート停止です。日本は何もありません。立替えも強制徴収も罰則もなく放置している状況です、いまだに。 このテーマに関してお伺いしたいと思う。少なくとも、悪質な不払事案に関しては何らかの対応が要ると私は考えます。その点をお答えください。
○副大臣(三谷英弘君) お答えいたします。 御指摘のとおり、諸外国の中には、立替払や罰則をもって養育費の履行を確保している国があることは承知をしております。 例えば、令和二年四月に公表いたしました父母の離婚後の子の養育に関する海外法制についての調査結果によりますと、例えば、アメリカのワシントンDCでは、行政が養育費を求める親を代理して裁判所の支払命令の取得や支払命令の執行手続を行うといった支援の仕組み、あるいは、フランスでは、執行力を有する判決等により定められた扶養定期金について、債権者が私法上の執行手続を試みたにもかかわらず支払を得られなかった場合には、公的機関が債権者に代わって取立てを行う仕組みなどがあるものというふうに承知をしております。 一方、日本ではどうかと申しますと、家事調停や家事審判等で養育費が定められた場合において、支払義務を負う者がその支払をしないときは、家庭裁判所に対して履行勧告や履行命令を申し立てることはできますし、相手が正当な理由なく履行命令に従わないときは過料の制裁に処せられることがあるものというふうに承知をしています。 もちろん、十分かと、そういった問題意識があるということは承知をしておりますが、そもそも、子の養育費の支払を確保するというのは極めて重要なことというふうに考えておりまして、なぜそういったことになっているかといえば、そもそも子の養育費の取決めが行われていないということも非常に原因として多くあるというふうに承知をしております。なので、まずはこの離婚時に養育費を含めて子の監護に関する取決めがされることというのは極めて重要であるというふうに考えております。 そこで、法務省としては、離婚時の取決めを促進するとともに、養育費の履行確保の手段について周知、広報を行うということはもちろんのこと、先ほどから御指摘をいただいております養育費の未払の解消を含めまして、一人でも多くの子供に養育費が支払われるように努めてまいりたいというふうに考えています。
○泉房穂君 取決めが重要なのは否定しません。しかし、今回、法定養育費決まったんです。取決めなくても二万円はあり得るんです。子供が腹減ったときに、二万円も大きなお金です。状況は変わりました。改めて、例えば法定養育費の二万円を前提に立替えは可能だと思います。 ちなみに、明石市は毎月五万円立て替えていますよ。できることです。検討をお願いしたいと思います。いかがですか。
○副大臣(三谷英弘君) 御質問ありがとうございます。 子の養育費、法定養育費の導入をきっかけに様々な声があるということは承知をしております。そして、その中に、立替払の制度の導入というものを期待することがあることも承知をしております。 ただ、この立替払制度の導入につきましては、一つは、償還の確実性が必ずしも見込まれない中、本来当事者が負担すべき養育費を国民全体で負担することが合理的と言えるかという点と、また、お子様を養育することで給付される他の公的給付制度との関係をどのように考えるかなどの観点から、様々な慎重な検討が必要であるというふうには認識をしております。 先ほど委員も御指摘いただいたとおり、養育費債権に先取特権を付与するとともに、法定養育費制度を新設するなど、法務省といたしましても、令和六年民法等改正法による新たな仕組みの導入によって養育費の支払確保をしっかりと進めていきたいというふうに考えております。そういった、まずは新たな仕組みについて周知に取り組むとともに、改正法の施行後の状況を注視してまいりたいというふうに考えています。
○泉房穂君 続いて、親子交流です。 親任せでは実現、簡単ではありません。公的支援、行政なり司法なり、ほかの国はやっています。明石市では、実際、市の職員がちゃんと連絡調整してちゃんと支援していますよ。こんなの国が本来やることです。 親子交流の実現に向けて、国の決意をお願いします。
○副大臣(三谷英弘君) 御質問ありがとうございます。 今委員がおっしゃったこの親子交流というものが非常に、もちろん養育費の支払も重要ですし、親子交流の促進実施も重要だというふうに考えています。 その意味で、繰り返しになりますけれども、この父母の別居や離婚後も適切な形で親子の交流の継続が図られることは、子の利益の観点から重要であると考えております。そのため、令和六年民法等改正法では、安全、安心な親子交流の実現に向けた見直しを行ったところでございます。 その上で、御指摘のとおりでございますが、父母の離婚を経験する子の利益を確保するためには、法制度の見直しというのは一つ重要なことだと考えておりますが、支援等の拡充というものも非常に重要でございます。この点、明石市では親子交流の促進のために様々な取組を進めてきたことも承知をしております。 そのような観点から、法務省では、令和七年度の委託事業といたしまして、親子交流を含む共同養育計画の作成促進に関する調査研究を委託して実施しています。そこでは、自治体のほか、裁判所や親子交流支援団体の協力を得て、支援に関わる部署や職種による地域連携のネットワークの立ち上げや同ネットワークを通じた支援等について実証的な検討が行われました。この調査研究の結果については、来年度、令和八年度の早い時期に公表させていただく予定としております。 そういった中で、この調査研究で得られた支援のモデルについては、支援に関する施策等を所管する関係府省庁と連携して、これはあくまでも、自治体任せということではなく、しっかり我々としても主体的にしっかりと横展開に努めてまいりたいというふうに考えています。
○泉房穂君 次に、法テラスです。 法テラス、個人的には思い入れ強いです。二〇〇四年の創設時、衆議院時代に内閣提出法案を衆議院で修正掛けました。高齢者、障害者にも配慮することを、犯罪の被害者にもしっかり精通した弁護士をして対応することを、そしてもう一つ、関係機関の連携です。法テラスに期待している立場として、明石市長時代にも、法テラスを明石市役所内に窓口設置しました。こちらのパンフレットの二十ページ、二十一ページなどにもチラシがありますけれども、大変好評でした。ただ、いっときで終わってしまいました。 いずれにしても、法テラスが関係機関と連携しないとたどり着きません。みんなが法テラスを知っているわけじゃないんです。さらに、法テラスもお金取らぬでください、養育費のテーマで。子供に全額行ってしかるべきお金の養育費から、どうしてそれからお金取るんですか。そのぐらいのお金はしっかり公的支援にすべきだと、実質的な運用改善で無償化に向けてやるべきだと最初から言い続けていますけれども、この点などについて、法テラスのテーマについてお答えください。
○副大臣(三谷英弘君) お答えいたします。 まず、この明石市での先進的な取組については、その当時市長をされておりました鋭意については本当に敬意を表したいというふうに思います。 この明石市役所内におけるこの法テラスの窓口設置というのは、本当に御指摘のとおり、この法テラスに対してなかなかアクセスをできないという方々も少なくない中で、市民の方々が気軽に相談できる、法的援助を必要とする方々をワンストップで適切に支援につなぐ先駆的な取組であるというふうに承知をしておりまして、この法テラスと地方自治体を中心とした関係機関の連携の一つの好事例として参考になる取組だというふうに認識をしています。 その上で、少子高齢化の進行や人口、サービスの地域偏在など、人口動態や社会状況が変化する中におきまして、地方自治体を中心とした関係機関との連携の構築、強化により持続可能な総合法律支援体制の整備を図っていくということは非常に重要な課題であるというふうに考えております。 法務省としては、今月末から開催される法テラスの在り方に関する有識者検討会でも、先ほど申し上げた明石市の事例も参考にして、一つの参考とさせていただきながら議論し、引き続き地方自治体を中心とした関係機関等の連携構築、強化を推進してまいりたいというふうに考えております。 そして、その上で、先ほど御指摘にありました、なぜ子の養育費に関する相談について法テラスにおいて費用を徴収するのかという御指摘についてでございますけれども、確かに父母が離婚後の養育費の支払を確保することは、当然ながら、子供の利益を確保する観点から極めて重要なことというふうに認識をしています。その上で、さらに、経済的な理由で弁護士等による援助を受けることを諦めることがないようにするということがもちろん法テラスの趣旨でもありますし、子の養育費の確保の観点からも重要なことだというふうに考えております。 その上でではありますけれども、この総合法律支援法上、この民事法律扶助というのは、自己の権利を実現しようとする国民等を援助するものとされておりまして、子の養育費というものが、養育費の請求権者は親になっているというところが、その誰が費用負担をするかという上での一つの課題になっているということで、一足飛びに、それは無資力だから、子供は無資力だからこれは無償でというふうには、償還する必要がないというふうにはいかないわけではありますけれども、そうはいいながらも、様々なニーズというものも、必要性というものもございますので、子の養育を行う一人親が経済的な理由により弁護士の援助を受けることをちゅうちょしないようにする、そして子供のために養育費をできる限り確保できるようにするという観点から、令和六年四月一日から、一人親の方が養育費を請求するために民事法律扶助を利用した場合には立替金の償還免除等の要件を緩和するなどの運用改善を行わせていただいたところです。 これにより、例えば月々支払われる養育費については、従前は当該養育費から直接弁護士に回収されていた成功報酬を一定額まで法テラスが立て替えるほか、義務教育対象年齢までの子と同居して扶養している一人親については償還義務の免除要件を緩和するなどの運用も行わせているところでございます。 まだまだ御指摘もあるところだとは思いますけれども、法務省及び法テラスにおきましては、今後も運用等を、こうした運用等を通じて子供の権利利益が確実に保護されるように引き続き必要な検討を行っていきたいというふうに考えておりますので、引き続き委員の御指導もいただきたいと考えています。
○泉房穂君 養育費は特別です。ほかの国だって養育費に特化して制度つくっているんです。ほかと一緒では子供自身が自ら権利実現できにくいんですよ。そこの部分の知恵を絞って、運用改善も含めてです、是非お願いしたいと思います。 さらに、明石市が褒められたいだけでやっているんじゃないんです。本来、ほかの国でやっていることを日本がやっていないから明石市でやむなく始めたんです。本来日本の国がやることなんです。だから、私、参議員になって今こうやって訴えているんです。明石市がどうこうじゃなく、できないと言わさぬためにやったんです。やっていますから、現に。 ちょっとこのテーマでは、裁判所です。 明石市ではまさに、十九ページ、パンフレット、ネットワーク会議を開き、明石市は、養育、このテーマに関する、養育費や親子交流のテーマに関して関係機関会議を開催しました。裁判所も来てもらっています。今も来てもらっています。だから、行けないとは言わせません、現に明石市に来ているんですから。これをちゃんと全国展開してください。裁判所がちゃんとこのテーマに関して閉じることなく、関係機関、様々な関係機関とつながって、ちゃんと裁判所を、利用しやすい裁判所であるべきだと私は本当にそう思っております。 このテーマに関しては裁判所の役割も大きいと思いますので、できることをお答えください。
○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君) お答えします。 委員御指摘のとおり、改正家族法の施行によりまして、裁判所に期待される役割がこれまで以上に大きくなるということは我々も認識しておるところでございます。そして、その役割をしっかりと果たしていくために、改正家族法の趣旨、内容を踏まえた手続、運営の実現はもちろん、例えば書記官等の関係職種におきまして、来庁する当事者の方々を家事事件の手続にしっかりとつなげるための適切な手続説明等がなされるよう施行準備を進めてまいりました。 また、委員御指摘の自治体との連携ということにつきましては、これまでも各家庭裁判所におきまして、司法機関としての立場を踏まえた上で可能な協力をしてきたものと承知しております。 最高裁判所といたしましては、今後も、各裁判所を利用される方の利便性の向上に資するよう、各家庭裁判所における取組を後押ししてまいりたいと考えております。
○泉房穂君 次に、こども家庭庁です。 このテーマは、こども家庭庁がまさに司令塔機能を果たすべきテーマですよ。法制度は確かに法務省が所管していますけど、テーマ性からいって、しっかりこども家庭庁に取り組んでいただきたい。 今日配った資料一の、五年前に法制審で配った資料で書いていますが、言いたいことをあえてもう一回言います。この「はじめに」の部分です。子供は親の持ち物ではありません。法は家庭に入らずでは子供は救えません。子供や一人親家庭の貧困の責任は政治や法律の貧困にあると私は考えています。 まさに、子供が泣かなくて済むように、子供がおなかいっぱい食べられるように、子供が親と会いたくて、親も会いたければ会える環境整備をする、これはまさに政治の責任です、行政の責任です。そういった観点から、こども家庭庁には期待するところがいっぱいあります。 具体的に一つ提案します。これも明石市で全国初でやりましたけれども、八月には児童扶養手当の現況届を、児童扶養手当受給者の方がたくさん来られます。この機会に養育費のテーマも聞きますので、そのときに相談会やるんです。そのときに、いろんな就労支援でハローワークも呼びました。弁護士会とつながって弁護士の相談もつなぎました。法テラスにも来てもらいました。 そういう形で、ちゃんと全国的に八月に、養育費の八月というようなイメージも含めてですね、しっかりとこのテーマをしっかり多くの場で周知し、いろんな制度を利用してもらうことを、こども家庭庁、できることあると思うんですけど、お答えください。
○副大臣(津島淳君) 御質問ありがとうございます。 こども家庭庁としては、今おっしゃられた児童扶養手当の現況届の提出窓口等で養育費や親子交流を含む様々な相談に対応する集中相談体制を整備する自治体への補助事業を実施しておりますが、令和八年度予算案におきましては、この事業の国庫補助率の引上げを盛り込んで更なる取組を進めようと考えておるところでございます。 加えて、一人親に対して支援を確実に届けなければいけないという観点から、一人親が日常生活の中で利用する地域の様々な場所において、個々の状況に配慮しながら情報提供や相談が行われることが重要であると考えておりまして、引き続き相談機会の確保に努めてまいります。 以上です。
○委員長(伊藤孝江君) 時間になりましたので、おまとめください。
○泉房穂君 このテーマは引き続き共に頑張りましょう。よろしくお願いします。
○川合孝典君 国民民主党の川合です。 大臣所信に対して御質問させていただきたいと思いますが、前回までに引き続きまして、来年の四月以降施行されることになる育成就労制度に向けたいわゆる入管行政、技能実習制度等に関わる現状と課題について、大臣所信も踏まえて御質問させていただきたいと思います。 まず、大臣に御質問させていただきたいと思いますが、昨年の十一月二十七日の日の大臣所信への質疑の中で、技能実習生を始めとして、いわゆる入管や外国人技能実習機構で、相談窓口でたらい回しが起こっていると、この問題について指摘をさせていただきました。そうしたところ、大臣からは、引き続き技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図る観点から、技能実習生などからの相談に対して適切に対応していきたいと、このように考えておりますと、こういう御答弁を頂戴しております。 あれから四か月が経過しました。私が御指摘をした問題に対してどのような対応を取っていらっしゃるのか、大臣に御質問をします。
○国務大臣(平口洋君) 技能実習制度におきましては、外国人技能実習機構が、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図るために、技能実習生からの相談に応ずる等の援助を行うこととされております。このため、機構においては、適切な支援先につなぐことができるよう、関係行政機関と連携しながら、技能実習生に対する相談と対応に当たっているところでございます。 さらに、相談を受けた、地方出入国在留管理局の在留支援担当者が受けた場合には、的確な情報収集を行った上で、技能実習担当者等と共有するよう、出入国在留管理庁から指示をしているところでございます。 育成就労制度の施行に向け、現在、出入国在留管理庁を含む関係機関において相談対応を含む業務の質の向上に関する検討を進めてきており、平成七年度から外国人技能実習機構におけるオンライン相談を開始するなどの取組を進めてきたところでございます。 委員の御指摘も踏まえ、技能実習生による相談に適切に応じられるよう、両検討の中で議論を進めてまいりたいと考えております。
○川合孝典君 丁寧に御答弁はいただいているんですけれど、私が申し上げているのは、オンライン相談も令和七年から始めているとおっしゃっていますけれども、そうした取組を指示しているにもかかわらずたらい回しが起こっていることに対して新たにどういった取組を行っていらっしゃるのかということについて質問をさせていただいています。 改めて御答弁お願いします。じゃ、政府参考人で結構です。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 先生の先般の御質問に対しまして、例えばその議論の過程で技能実習手帳のこととかを御紹介したかと思うんですけれども、そのとき、手帳というのもねというようなお話もありまして、それに対して、アプリ版も用意してその普及を先生の御質問以降もいろいろな案内でやらせていただいて、細々としたことではございますけれども、現場の方でそういうふうな苦情が起きないように様々な工夫はさせていただいているところでございます。 それから、大臣御答弁いただきましたように、やはり育成就労制度の施行に向けて、今当庁では関係機関といろいろ御議論をさせていただいているところでございまして、先生の御指摘するような問題が起きないように更なる業務改善に取り組んでまいりたいと思っております。
○川合孝典君 ありがとうございます。 法務省、入管とそれから労働局と要は窓口が分散化していること、所管する省庁が他省庁にまたがっていること、このことの結果として、要は自分の守備範囲がどこなのかということで問合せをした者がたらい回されてしまうという、こういうことになっているわけですから、単純に考えてワンストップの相談窓口をつくればいいだけだと思うんですけど、大臣、どう思われますか。
○国務大臣(平口洋君) 厚生労働省の方とよく協議しながら進めていかなくちゃいけないというふうには思っております。
○川合孝典君 ここに相談すれば一通りのことはきちんと対応していただける窓口が必要なんです。元々語学力もおぼつかない状況の中で何とか相談窓口にたどり着いて、それでたらい回しにされてしまいますと、もう外国人の方どうしようもない状況に陥っている方が多いんです。だから、簡単に窓口にアクセスできるようにどういう体制を整えるのかということの御議論をいただきたい。 大臣、厚生労働省とも相談するとおっしゃっていただきましたので、是非御相談していただきたいと思います。また今後の委員会で、その後どうなりましたかと確認の質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 もう一点、次の質問に移りたいと思います。 技能実習生の、これも以前質問をしましたけれども、技能実習生の在留資格の変更手続期間が長期化していると、そのことによって、当然この手続期間中は就労できないということもあって非常に困っている方がいらっしゃると、このことを御指摘をさせていただきました。そうしましたところ、大臣からも、実際に、技能実習機構や法務省の方で入国管理手続をやる際に審査官なんかがおるわけですけれども、やっぱり相当足りないということが実情でありましてといったように、問題意識については共有をしていただいているということでありますが、この就労できない期間が申請が長引くことによって長期化している問題についての指摘を受けた対応方針を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(平口洋君) 先ほど平成七年と申しましたが、令和七年の間違いでございます。改めて訂正をさせていただきます。 出入国在留管理庁における在留資格が長期化することに伴い就労できない期間、その対応方針についてでございますけれども、標準処理期間を一か月から二か月と定めて運用をいたしております。在留資格、技能実習については、例えば団体監理型で一号から二号に移行する場合の在留資格変更申請の処分まで平均処理期間は、令和八年一月の実績で五十・七日となっており、平均的には標準処理期間内で処理されているところでございます。 他方で、在留申請の処理が遅れることで技能実習生が就労できないなど、不安、負担が生ずることがないよう、出入国在留管理庁に対し、引き続き速やかな案件処理を指導してまいりたいと考えております。
○川合孝典君 政府参考人の方で御答弁結構ですけれども、この就労できない期間についての対応というのは今のルールとしてはどうなっているのか、御説明いただけますか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) ちょっと補足して申し上げますと、大臣の今挙げていただきました五十日という数字がございましたが、より詳細に申し上げますと、要するに、我々の内部手続で、申請を受け付けてから内部の処理が終わりまして、当局まで来て、管轄の局まで来てくださいといってカードを渡すというプロセスで結了になるんですけれども、我々の内部処理期間は、例えば技能実習、団体監理型のもので申しますと五十・七日なんですけれども、実際に内部処理が終わるのは三十・一日でございまして、そこから御連絡して取りに来ていただくというところでもやっぱりそれなりの時間が掛かっているということをちょっと御紹介しておきたいと思います。 その上で、まず、そういうことで我々としてはできる限り迅速にやっておるんですけれども、まず、早めに申請いただければそれだけ早くお返しできるということもございますので、そういう案内に今努めているということとともに、やむを得ない事情で、例えば転籍されるときとかに隙間が空いてしまうと、そういうふうなこともあり得るわけでございますが、そういう場合に、やっぱり生活にお困りいただくことになってしまうとよろしくないものでございますので、個別に事案に応じまして、就労が可能の特定活動への在留資格への変更を許可するなどの措置をとらせていただいております。 引き続き、技能実習生の個別の事情に配慮した制度の運用を行うとともに、申請の早期処理、これに向けて、業務フローの見直しなど頑張ってまいりたいと思っております。
○川合孝典君 技能実習生を受け入れている受入先企業、やはり人手不足の中小零細が多いということでありますので、したがって、申請の手続を始めとすることについても、いわゆる大手企業ほどきちんと対応がし切れていないということもあろうかと思います。よって、そうした手続を取る、早めに申請を行うといったようなことも含めて、切れ目なく、要は業務に従事できるような体制を取るために何が必要なのかといった観点から今後も対応を続けていただきたい、このことをお願いしておきたいと思います。 大臣に質問させていただきたいと思いますが、人手不足も含めて、審査期間がどうしても長期化していくという問題や、審査の手続に時間が掛かるといったことは、これ慢性的に既に入管庁では起こっている問題ということでありますが、そうしたことを受けて、済みません、昨年の十一月二十七日の大臣への質問に対する御答弁として、人手が相当に足りないという、この点については毎年要求をしておりまして、その十分な人が確保されるように努力したいと思っておりますと、こう力強く御答弁をいただきました。 そこで御質問ですけれども、今年のいわゆる予算要求で、この出入国在留管理に係る様々な人員の確保等に向けた予算の措置や人の確保についてどういった要求をされているのか、詳細を大臣にお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(平口洋君) 令和八年度予算政府案において、人員につきましては、出入国在留管理庁職員百六十三名の増員を計上しております。また、予算については、人件費約五百三億円、物件費約四百八十五億円、合計で九百八十八億円を計上いたしております。 適正な出入国在留管理行政を実現するため、引き続き必要な体制整備に最善を尽くしてまいりたいと考えております。
○川合孝典君 ありがとうございます。少し増えてきているという話は理解しました。 政府参考人の方で結構ですので分かったら教えていただきたいんですけれど、今回のいわゆる予算の措置、それから人手を増やす、増員を掛けるということについてなんですが、今後もいわゆる出入国の数は増えていくと。育成就労についても、今後の見通しというか、目標に向けて一定数増えていくということが考えられる状況の中で、この人員の積算根拠というものがどこにあるのかということをもし分かったら教えていただきたいと思います。
○政府参考人(内藤惣一郎君) 大臣おっしゃられたとおり、当庁では、厳しい要求事情の下で、業務の合理化、効率化にも努めつつ、諸情勢、また先生おっしゃった業務量の増加状況なども勘案しつつ、人員、予算を含めた体制の整備を行ってきたところでございます。 その過程で、やはり個々の要求段階におきまして、諸状況を見て、個別にいろいろな事情を判断しながら要求段階でいろいろな数字を概算しまして関係当局と御相談させていただいているということでございます。 今後の見込みなんですけれども、やはり相当厳しい我々状況にもあるとは思っておりまして、先生御指摘のような客観的な指標の増加率、これも大事でございますし、また最近、総合的対応策等についても言われていますのは、やっぱり実態調査もちゃんとやれというようなお話を受けておりまして、そういった実態調査にやっぱり人員割いていくとかこういうことを考えますと、やはりそういったことも含めた適正人員というものをやっぱりいろいろなところに御相談していかなくてはいけないのかなというふうに考えているところでございます。 当庁としましては、DXの推進などによる業務の効率化、合理化、機動的な人員配置、研修、こういったことを考えつつ、引き続き必要な体制整備に最善を尽くしていきたいと思っております。
○川合孝典君 中長期的な見通しに基づいてどういう要求を組み立てていくのかという、そういう観点非常に大事だと思いますし、そういう意味では余り、入管に関してはここ数年人員の増強が図られているということですけど、トータルとして考えたときに、やはり足りないところ、家裁のいわゆる職員の人手の問題等も含めて、法務省全体として人手不足が顕著になっているところがあるわけでありますので、やはりそこは中長期的な視点を持って要求というものをしっかり組み立てていただきたいと思います。 それと、入管についても、実際に入管の現場は、御覧いただいたらお分かりになると思いますけれども、もう職員が仕事をする場所もないような状況の中で、あふれんばかりの入国審査を待っている外国人の方々が、座る椅子もなく物を書くテーブルもない状況の中で壁に紙を押し付けて申請書類を書いているなどというのは日常の光景になってしまっている。それを当たり前とせずに、今後、いわゆる外国人との共生、節度ある共生というものをどう図っていくのかということを考える上で、実はここの体制整備というのは根幹を成す、行政の施策の根幹を成す部分でもありますので、体制整備をしっかりお願いしたいんです。 これ、質問通告していませんので意見ということだけで申し上げておきたいんですが、今回、その出入国、いや、在留の手続についての手数料の見直しを行うということが今国会で提案されるということを伺いました。海外に比べて日本の手続手数料は物すごく安いということは私も理解しておりますので、適正な金額に見直しを行っていくということはこれはやればいいと思っておるんですが、そこで、要は、得られた手数料というものが今後その出入国在留管理や法務行政を進める上でのいわゆるその原資としてきちんと配分されるかどうかということ、ここは物すごく大事だと思うんですね。 役所とやり取りさせていただいておりましても、余りそういったところに対しては、無頓着とまでは言わないまでも、余り意識が向いていないようだというふうに私は理解しておりますので、今回、その出入国在留管理を適正に推進していく上で必要な体制、施設、人員、こうしたものを確保していく上で、その原資としてこの手数料というものがどう活用されていくのかということについても是非政府部内では御検討いただきたいということを、皆さん言いにくいでしょうから、私から申し上げておきたいと思います。 次の質問に移らせていただきたいと思います。 今後の育成就労制度への移行に向けた検討課題ということで、幾つか法務大臣に御質問させていただきたいと思います。 専門資格で実際、今既に入国させている外国人材ですね、これがいわゆる在留資格とは異なる労働に従事しているというケースが、事例が報道等でも取り上げられておりました。このいわゆる専門資格で入国をさせた外国人材を単純労働に従事させている事業者の存在、この問題への対処の方針について大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(平口洋君) 委員御指摘のとおり、外国人を受け入れた企業等において、認められた活動内容に該当しない業務に従事させている事実が、事案が存在し、その対策が必要になっていることは事実でございます。 法務省といたしましては、外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策に基づきまして、在留管理の適正化を進めているところでございます。具体的には、外国人の活動実態に疑義がある案件については勤務先に調査に赴くなどの実態調査に努めているほか、今月九日からは、在留資格、技術・人文知識・国際業務、いわゆる技人国に関しまして、外国人が派遣労働者として就労する場合には、労働者派遣個別契約書等により活動内容等を確認するとともに、派遣元及び派遣先の双方から資格該当性のある活動に従事させることの誓約書の提出を求めて審査するなどの厳格化を図っているところでございます。 法務省としては、在留資格が本来の目的に沿った形で運用されるよう、引き続き在留管理の適正化に取り組んでまいりたいと考えております。
○川合孝典君 ありがとうございます。 この問題に関しては、そもそも、いわゆる在留資格が明確に決まっている上で、こういった仕事に就きます、例えばIT業務に従事しますといって申請を出しておいて実際に工場の生産ラインで単純作業をしているというようなことが往々にして見受けられるわけであって、これって、申請書どおりにきちんと働いているのかどうかというのをいわゆる採用後というか、就労後にきちんと報告させればいいだけの話なわけで、そこがきちんとチェックされていない状態自体がなぜなのかということが私としては素朴な疑問としてありました。 今の御答弁の中で、三月九日以降、書類をもって対応を、きちんとチェックを行うということをおっしゃっていただきましたので、今後、新たな同様の事態を生じさせないということと同時に、現在既にそういった状況で働いていらっしゃる方が潜在的に大勢いらっしゃるということもきちんと考慮に入れた上で、今の働いていらっしゃる方々に対してのチェックというものも改めてきちんとやっていただきたいと思います。 なぜこんなことを言うのかというと、来年に育成就労制度が本格的に施行されることになりますと、完全に労働者性を認めた形で外国人労働者の一定期間の受入れを行うということになりますので、そうすると、日本の労働法制、いわゆる日本人に対して適用されているものと同じことをやらなければいけなくなるということですので、いわゆる技能実習制度という研修生を受け入れるという発想から完全に脱却して、新しい考え方というか、新たな制度を適正運用する上でどういうチェックが、審査が必要なのかということを是非御検討いただきたい、このように思います。 今、技人国のことを大臣の御答弁からも少し触れられましたので、この技人国、いわゆる技術・人文知識・国際業務という在留資格ですね、この在留資格について現場からちょっと上がってきている声ということで大臣の御認識を伺いたいと思うんですが、このいわゆる技人国の在留資格で従事可能な業務、これには当然、専門性が求められていることから、一定の制約が存在しております。こういう業務には就けるけどこういう業務には就けないという、いわゆる専門性のないところの業務には就けないと、こういうことになっておるんですが、こうした技人国の在留資格で入国された方が、例えば工場のいわゆるエンジニアリングだとかメンテナンスといったような仕事にお就きになられた場合に、その一連の業務のフローが当然その職場にはあるわけなんですけど、業務によっては自分の専門性を生かしてできる業務なんだけれども、一部、その専門性とは関係のない一般的な事務処理業務だとか、そういうものもその業務フローの中には含まれることになります。結果、一人のその技人国の在留資格の外国人労働者では一連の業務フロー全般を任せることができなくなってしまうと、結果、むしろ非効率になってしまっていると、こういう指摘も実は現場から出てきているんですね。 善かれと思ってやったことがかえって足かせになってしまっているということなんですが、こういった指摘に対して、大臣の御見解あればお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平口洋君) お尋ねの在留資格、技人国でございますけれども、それを持って在留する外国人は、学術上の素養を背景とする一定水準以上の専門的能力を必要とする業務や外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事する必要があるわけでございます。 そのため、例えば、特段の技術又は知識を要しない業務等はこの在留資格に該当しないと判断されるわけでございます。これを前提としつつ、実際に従事することができる業務の具体的事例については、入管庁において策定しているガイドラインを通じて周知を図っておりまして、その中では、一時的にこの在留資格に該当しない活動を行っても許容される場合があることなどを明らかにしております。 法務省としては、引き続き、技人国の在留資格を有する外国人が従事できる業務の明確化を図るなど、在留資格が本来の目的に沿った形で運用されるよう努めてまいりたいと考えております。
○川合孝典君 是非しっかりと御対応いただきたいと思いますが、その上で、これ御提案ということなんですけど、ほかの在留資格と比べて、この技人国、技術・人文知識・国際業務というこの一つのカテゴリーですね、これ正直言って何を指しているのかが分からない在留資格になってしまっています。 要は、幅広くいい在留資格にしてあるがゆえに、そこの行間に抜け道が生じてしまっているんではないのかと思っておりますので、そういう意味では、この技人国という在留資格自体についてももう少しきちんと業務を明確化させた上で、その専門知識を生かした業務に付随する業務についての、要は就労を認めるといったような形に整理し直すべきだと思います。 いずれにしても、この技人国の在留資格は抜け道があるということについて、その点についての問題意識を持っておいていただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。 次の質問に移りたいと思います。 監理団体や送り出し機関の構造的問題への対応についてということで、大臣に御質問させていただきたいと思います。 これまでも何度も委員会において御指摘させていただいておりますが、監理団体は受入れ企業と経済的な利害関係があります。当然ですよね、手数料払ってもらってやっているわけですから。そのため、経済的利害関係にあるため中立性を欠いているという指摘がこの間ずっとやっぱり現場から出続けております。 これまで当局としても不正防止に向けて様々な取組を行っていただいていることについては私も承知しておりますけれども、今現在の現場の対応を見ておりますと、いろいろな規制を行ったことで罰則が強化された、そのことの結果、いわゆる入管庁、法務省からのいわゆる罰則、チェックに対して、この罰則回避をすることが最優先となってしまって、実習生保護よりも形式的な法令遵守が優先されている傾向にあるといったような指摘が、これ現場からなされております。 一部では、ちょっと信じられないことであるんですけど、ダミー団体を使って認可の取消しを回避するなどといった制度の抜け穴が悪用されているようなケースも実は指摘されているということです。顔をしかめていらっしゃいますけど、現実にそういう問題が指摘されています。 送り出し機関についても、受入れ機関から報酬を受けているということがありますので、仮に技能実習生から相談を受けても、当然のことながら、きちんと技能実習生の立場に立った相談の受付になっていないといったようなこともあると。つまりは、やっぱり利益相反がある中で、本当の意味でその実習生、外国人労働者のきちんと権利保護につながるような対応ができているのかどうかということには、今なお疑念、懸念があるということであります。 そこで、大臣に質問させていただきたいと思いますが、この来年の育成就労制度への移行に当たって、監理団体や送り出し機関に対するいわゆる独立性担保のための資格要件の見直しですとか登録更新制度の見直しといったようなことを改めて検討するべきではないのかと思いますが、今のままの状態でいいのかどうかということを含めて、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平口洋君) いわゆる独立性の担保の問題でございますけれども、まず、監理支援機関につきましては、弁護士等の資格を有するなど一定の要件を満たした外部監査人の設置を義務化することで適正性を担保する、また、受入れ機関と密接な関係を有する監理支援機関の役職員が、入国後、講習等の一部を除いて監理支援等の業務に関与することを禁止するということで、受入れ機関からも独立性を担保することといたしております。 また、送り出し機関については、その認定基準として、監理支援機関や受入れ機関との過度な供応接待等のやり取りを禁止することで、御指摘の独立性を保ち、送り出し機関の適正性を担保することといたしております。 不適正な事案があった場合は、監理支援機関や受入れ機関への指導、処分や、二国間取決めを通じた相手国政府への通報、協議等により対処していく所存でございます。 その上で、外国人への支援は主に監理支援機関や外国人育成就労機構において行うこととしており、これらが適切に行われるよう指導していくつもりでございます。
○川合孝典君 お取組を進めていただくということについては従来の取組の延長線上でということでの御答弁だったと思いますけれども、今のその構造だと、どうやったって利益相反の関係というのは解消されないわけですよね。 直接いわゆる監理団体自体が地元の中小企業の関係者の人たちがつくって、そこが人手不足の企業に対して、送り出し国の送り出し機関とやり取りをして技能実習生を受け入れて、監理団体が地元の中小企業、事業主の方々に技能実習生を紹介するという、こういうスキームで物事は動いているわけですけど、当然のことながら、監理団体自体が人手不足で困っている中小事業主の方々の要望によってその人たちの力で立ち上げられた組織ということになりますから、どうやったってこれ利益相反の状態からは抜け出すことはできないわけですよね。そこに当然のことながら手数料ですとかいろいろなものが絡んでくるということになりますから、どうやってもこの、要は、規制を掛ければ当然のことながら指摘を受けている部分に対しての対応は行うということになっても、どうやっても根本的な問題の解決にならないと思います。 とすると、要は、個々にお金のやり取りをすることが本当にいいのかどうかということも含めて考えるべきなんじゃないのかと。要は、一元管理を行った上で、扱っていただいた事業に対して手数料を払う。監理団体は利益団体じゃありませんからね、別に収益をどこまで高めるのかということとは別なわけですから、正しく育成就労制度を今後運用していく上でどういういわゆる手数料も含めたお金の流れというものをつくっていくのかということについては、研修制度では既になくなるということを考えたときに、抜本的にその辺りのところの問題については見直すべき時期が来ているのではないのかということを指摘をさせていただきたいと思います。 時間の関係がありますので、次の質問に移らせていただきたいと思いますが、ちょっと時間がなくなってまいりましたので、七番、Qの七、一個飛ばして、Qの八番の方を質問させていただきたいと思います。 育成就労制度では、分野によって、一定の条件下、二年間の雇用の拘束を認めています。これだと、御承知のとおり、最大一年までの拘束を認める労働法制上の有期雇用契約に関する規定と平仄が合っていない。要は、労働法制上は一年、しかしながら育成就労制度では二年の拘束と、こういうことになっております。 転籍制限の期間を労働法制上の有期雇用における最大拘束期間とそろえて産業分野や業務区分の例外なく一年までにすべきなのではないのかという指摘が実はこれ産業界からも出ているということでありまして、この指摘に対する大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平口洋君) 大変難しい問題でございますけれども、御指摘のとおり、労働法制上、有償雇用契約の場合には一年を超えれば退職が可能であるということを踏まえますと、育成就労制度における本人意向による転籍の制限期間について一年とすることを目指すことが相当と考えられるわけでございます。 他方で、分野によっては一年での転籍を認めることで人材育成上の支障が生ずるといったような事情や、受入れ機関にとっての急な人材流出への不安に対しても適切に対処する必要があるわけでございます。 そこで、一年とすることを目指しつつも、当分の間、育成就労産業分野ごとに、その業務内容等を踏まえて一年から二年までの範囲内で就労育成の、育成就労の分野別運用方針で定めることとしたところでございます。 現在、二年と設定しているのは十七分野中八分野でございますけれども、これらの分野については、育成就労法施行後も転籍制限期間を一年を目指すための取組を不断に検討、実施するということといたしております。また、制度施行後も運用状況を断続的に把握し、制度施行から三年の経過後、転籍制限期間の見直しを検討するということといたしております。 法務省といたしましては、厚生労働省を始め関係省庁と連携しまして、育成就労制度を適切に運用してまいりたいと考えております。
○川合孝典君 ありがとうございます。 このことの議論をしたときに、いわゆる人材が定着しない、流出してしまうといったようなことの懸念ですとか、それから育成上一年では足りないといったようなことも含めて、要は、指摘が現場から上がってきているということは伺いましたが、その背景にあるのは、安い労働力なんですね。要は、人手不足だから外国人労働者を入れたいというニーズとは裏腹に、本音の部分でいくと、人手不足だから安い労働力を確保、外国から確保したいという、いわゆるその本音と建前の部分がある意味違うというところがそもそもの問題の本質にございます。 私がこのことをしつこくやらせていただいているのは、外国人労働者に来ていただいて働いていただくこと自体は別に問題ではないんですけれども、海外の要は事例を見たときに、ヨーロッパが移民問題で物すごい問題になった背景にあるのは、いわゆる3K、5Kの職場を始めとするそういう労働に最初外国人労働者の方が入ってきて、そういった方々は低賃金労働で働くことを余儀なくされて、保険にも加入せずに仕事してこられているわけです。その方々が元気で働いていらっしゃる間はいいんですけれども、当然のことながら、そういう低賃金で働く労働者の方が労働市場に大勢入ってこられるということは、安く同じ仕事をしてくださる労働者がそれだけ存在するということですので、企業経営者からしたら安い労働力の方がいいに決まっているわけですから、当然のことながら、そのことの結果として日本人の雇用が奪われるといったような指摘にもつながってくるわけですよね。 同時に、この三十年間、私は労働法の専門なんで労働法制三十年ずっと見てまいりましたけど、日本が賃金デフレに入ってしまった最大の理由は、派遣労働や非正規労働を増やしていって、そのことによって安い労働力というものを同じ職場に入れることで正社員労働者の賃上げの引下げ圧力となってしまったこと、このことが最大の原因になっていると考えております。 これで終わりにしたいと思いますけれども、この育成就労制度というのは、労働力として外国人を日本に受け入れるということである以上、日本人と同じ、安い労働力として受け入れてもらったら困るということでありますので、そのことも含めて来年に向けて議論を深めてまいりたいと思います。 本日はこれで終わります。ありがとうございました。
○委員長(伊藤孝江君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(伊藤孝江君) ただいまから法務委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、法務行政の基本方針に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。 まず、オンライン接見について伺います。 私、北海道出身なので、オンライン接見にはこだわっています。北海道は、四国と九州を合わせた面積よりも大きいと、しかも積雪寒冷地なので、冬になると接見のための移動が簡単ではありません。昨年も言ったんですけれども、車以外の移動方法というのは考えられない地域ばかりなんですね。弁護人の所在地から接見場所までの移動時間、稚内から名寄拘置支所までは車で三時間、旭川から稚内警察署までは車で約四時間、冬だと五時間ぐらい掛かっちゃいます。 そういうふうに今皆さん頑張って接見に行くわけですけれども、オンライン接見については、昨年の刑訴法改正の本院の附帯決議において、法施行後三年を目途にその進捗状況に応じて法制化の必要について検討を行うというふうにされました。今年度は、九道県十三地域を接続する外部交通が整備をされます。その上で、平口大臣から、昨年ですけれども、まずは必要性の高い地域において迅速に環境整備を行うことが必要と考えているという御答弁をいただいております。 そこで、まだ予算成立前でありますけれども、来年度については幾つの地域に拡大するおつもりなのか、副大臣に伺います。
○副大臣(三谷英弘君) 御質問ありがとうございます。 いわゆるオンライン接見、オンライン外部交通についてでございますけれども、将来的に全国でどれぐらいの地域に整備する予定かについて現時点で確たることは申し上げられないものの、令和八年度の拡大地域につきましては、現在、日本弁護士連合会等の関係機関と協議し、検討をしているところでございます。 令和七年度におきましては、現在、北海道の四地域を含みます九道県の十三地域におきまして運用を開始すべく取組を進めているところでございまして、法務省におきましては、令和八年度においてもおおむね同程度の地域において拡大することとし、本年度、次年度ですね、令和八年度予算案についても必要な予算を計上しているところでございます。 法務省といたしましては、必要性の高い地域において迅速に環境整備を行うことが必要であると考えておりまして、引き続き、日弁連様等と協議して、その取組を進めてまいりたいと考えています。
○横山信一君 接見場所によって接見の機会が損なわれるみたいなことが、不利益があってはいけないので、とにかく整備を精力的に進めていただきたいというふうに思います。 次に、死刑制度について伺います。 国連総会では、二〇〇七年から二〇二四年までに計十回の死刑執行停止を求める決議を採択しています。日本はいずれも反対票を投じています。当然ですが、死刑廃止条約にも締結していません。しかも、国際規約委員会から、死刑廃止を考慮し、公衆に対して、必要があれば、廃止が望ましいことを伝えるべきであるとの勧告を受けています。この勧告に対し、政府は廃止が望ましいことを国民に対しどう伝えているのか伺います。
○副大臣(三谷英弘君) 御質問ありがとうございます。 大前提といたしましてではありますけれども、死刑制度の存廃につきましては、国際機関における議論の状況や諸外国における動向等を参考にしつつも、基本的には各国において、国民感情、犯罪情勢、刑事政策の在り方等を踏まえて独自に決定すべき問題であると考えております。 この国民世論の多数が、極めて悪質、凶悪な犯罪については死刑もやむを得ないと考えており、多数の者に対する殺人や強盗殺人等の凶悪犯罪がいまだ後を絶たない状況等に鑑みると、その罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては死刑を科することもやむを得ないと考えております。したがって、法務省といたしましては、死刑を廃止することは適当でないと考えておりまして、死刑を廃止する方向で世論の喚起を図ることは考えておりません。 なお、御指摘の自由権規約委員会による勧告を含む総括所見自体につきましては、外務省において日本語仮訳を作成の上、同省ホームページ上に掲載して公開しているものと承知しております。
○横山信一君 日本政府の死刑存置の理由は、今副大臣おっしゃられたとおり、内閣府の世論調査を基にしているわけであります。死刑もやむを得ないという、そういう回答が八〇%以上あるということです。 二〇二四年の世論調査でも、死刑は廃止すべきであるが一六・五%であったのに対し、死刑もやむを得ないは八三・一%でした。この数字というのは、国民が死刑制度についての議論や、それから今申し上げた国連決議、そしてまた国際規約委員会の勧告を知らないからだと私は考えます。 外務省はホームページに公表していると今副大臣おっしゃっておりましたけど、公表しているというんですが、これ、検索してみると分かるんですが、非常に見付けづらい、見付けるのが大変です。むしろ法務省のホームページの方が見付けやすい。これはホームページに確かに公表はされているんだけれども、関心のある人は見るでしょうけれども、一般的に死刑制度について何かこうじっくり考えるという人はそれほど多くはないんじゃないかなと。 例えば、アンケートを受け取ったときに、ああ、どうなのかなってことは考えるかもしれないけれども、日常生活の中で、周りで、自分の周りに何か関係する人がいれば、そういう犯罪に関係する人がいれば考える機会あるかもしれませんが、多くの場合、死刑制度について考える機会というのは少ないであろうし、また、こうした外務省、法務省のホームページを検索する人も少ないというふうに思います。 ちなみに、私もこの質問をするに当たって、私の親しい地方議員とかあるいは秘書に、こういう勧告あるの知ってると聞いたら、知っている人は誰もいませんでした。 そういう意味では、その死刑制、今の国際世論とかそういったことについて、あるいは国際機関からの勧告があるということを知っていれば、先ほど言ったその死刑もやむを得ないという八三・一%の数字は変わってくるんじゃないかなというふうに思うわけです。 二〇二四年の国連総会での死刑執行停止を求める決議は、百三十か国の賛成により採択をされました。これは加盟国の三分の二に当たります。最初、この死刑執行停止を求める決議は、最初は二〇〇七年にあったんですけれども、このときの賛成した国は百四か国だったんですね。ですから、この百四か国から百三十か国ということで大きく前進をしている、増えていると、十四年間の間に。こうしたことを比較すると、国連加盟国の多くが死刑を合法的な刑罰として否定する方向に向かっているということを示しているというふうに考えます。 こうした国際動向を踏まえると、国際規約委員会が公衆に対して伝えるべきというふうに求めているのですから、国民に対して、死刑執行停止の勧告を受けているとか、あるいはまたこうした国際社会の動向というのをもっと政府は知ってもらう努力をすべきだというふうに考えます。ここは大臣の所見を伺います。
○国務大臣(平口洋君) 先ほど副大臣が申し上げたとおり、死刑を廃止することは適当でないと考えております。 そのため、御指摘の自由権規約委員会による総括意見について、現時点において副大臣が申し上げた以上のより積極的な対応が必要であるとは考えておりません。
○横山信一君 そういう答えになるんでしょうけれども、その国民世論を根拠にして死刑制度は廃止すべきではないというふうに考えるべきではないというのが私の今回の質問の意図なんですね。 ですから、多くの国民は、先ほど申し上げたように、この死刑制度、執行停止に関する勧告というのを知らないわけですから、だから、こうしたやむを得ないというふうな考え方になっている。あるいは、国際世論の動向が死刑執行停止に動いていると、そんな中で日本は取り残されているんだということも、まだ取り残される状況ではないかもしれないけれども、今のままでいくと取り残されていく可能性がある。そういうことを考えていくと、多くの国民に今の現実を知ってもらう努力をするべきだということを更に言っておきたいというふうに思います。 次に、選択的夫婦別姓について伺います。 この問題については、おさらいになりますけれども、一九九六年に法制審が制度の導入を答申していますが、社会情勢、世論が大きく変化しているにもかかわらず、いまだに法制化は実現していないと。多くの女性たち、経団連、労働組合からも選択的夫婦別姓の導入が求められています。国連の女性差別撤廃委員会からも、夫婦同姓の強制は女性差別の可能性があると勧告を受けています。 第六次男女共同参画基本計画に明記された通称使用法制化では、旧姓のみの単記使用にも法的効力を与えることになります。現状では、パスポート、運転免許証、マイナンバーカードは旧姓併記は可能ですが、単記はできません。これができるようになるということになります。 選択的夫婦別姓の実務的な必要性、先ほど打越先生が、そうではない、もっと根本的なことから言っていましたが、実務的な話をすると、仕事上の問題でこれで非常に不利益を被っている人たちにとっては、いわゆるグローバルに活躍する女性、こういう人たちが不利益を被るわけでありますけれども、通称に法的な効力があっても何にも変わらないわけです、今大変だと思っている人たちにとっては何も変わりはない、不利益のまま。旧姓併記による海外の出入国審査の際のICチップとのそご、これも解消されないと。 通称使用法制化は法制審議会の答申にどのように応えていることになるのか、平口大臣に伺います。
○国務大臣(平口洋君) 旧氏使用の法制化は、これまで政府が二十年以上にわたって進めてきた旧氏使用の拡大の取組をより一層進めるものであります。これにより、婚姻等による氏の変更によって社会生活で不便や不利益を感じる方を更に減らすことができると考えております。 これに対して、平成八年に法制審議会からその導入を内容とする答申がされた選択的夫婦別氏制度は、こうした取組とは全く異なる課題であると認識しております。御指摘のように、選択的夫婦別氏制度の導入を求める声があることなどは承知しておりますが、この点については、現在でも国民の間に様々な意見があるため、国民各層の意見や国会における議論の動向等をよく踏まえる必要があると考えております。
○横山信一君 昨年にも申し上げたんですけど、選択的ということが大事であって、要するに、別氏を選択してもしなくてもそれはいいわけです、選択的であれば。 ですから、別氏で不安を感じる人はそれは同姓を名のればいいのであって、そういう意味では、通称使用よりも非常に幅があるのが選択的夫婦別姓の考え方でありますし、通称使用を法制化したところで、先ほど申し上げたようなグローバルに活躍する主に女性の皆さん方の不利益は何にも解消されないということでありますから、こうした点を踏まえていただきたいというふうに思います。 通称使用法制化案では、民間事業者にも旧姓単記を使用できるよう努力義務を課すという方向であります。従業員が旧姓使用を求めた場合、マイナ保険証を始め社会保険や源泉徴収、所得税の徴収など、民間事業者は戸籍名と旧姓の二つの氏をひも付けて管理することになります。これは非常に煩雑になるというふうに思いますし、システム改修も必要になってくるんじゃないかということも懸念をされるわけでありますけれども、この点についてはどうなのか、内閣府の津島副大臣に伺います。
○副大臣(津島淳君) 御質問ありがとうございます。 法案については現在検討中でございますので、その点御理解いただきたいと思いますが、旧氏使用の法制化については、婚姻等による氏の変更によって社会生活で不便や不利益を感じる方を減らす取組の効果を更に大きくすることを目的としているものでございます。 旧氏の使用を推進することにより一定程度の事務負担等が発生することは想定され得るところでありますけれども、現場における事務負担等についても考慮しつつ、不便等の解消という大きな目標に向けて政府全体で検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○横山信一君 法案はまだ出ていないですからこれからなんですけれども、通称が法律上の姓になると、各種手続において通称を使用する人が多くなることが予想されます。今まで使っていたものをそのまま使った方が楽ですから。そうすると、婚姻の際に決めた夫婦が称する氏、戸籍姓を使用する場面が少なくなってくるんじゃないかと。戸籍姓の形骸化、ひいては戸籍そのものの形骸化を招くことにならないでしょうかと。 むしろ、選択的夫婦別姓制度を導入して、氏が異なる夫婦も同一戸籍に登録できる制度の方が、日本人の出生から死亡に至るまでの家族、親族関係を公的に証明する基盤としてその意義を全うできるんじゃないかと考えますけれども、再度大臣に伺います。
○国務大臣(平口洋君) 戸籍は、日本国民の親族的身分関係を登録、公証する唯一の公簿でありまして、真正な身分変動の登録、公証を行うという重要な機能を有していると認識しております。 旧氏使用の拡大は、一組の夫婦及びこれと氏を同じくする子を編製単位とする現行の戸籍制度を維持しつつ、婚姻等による氏の変更によって社会生活で不便や不利益を感じる方を減らすものであると考えております。 また、厳格な本人確認に用いられる書類につきましては戸籍上の氏と旧氏の併記を求めるという検討は当然必要になると考えております。 したがって、旧氏使用の拡大によって先ほど述べた戸籍の機能等が変わるものではなく、御指摘のような戸籍の形骸化を招くものではないと考えております。
○横山信一君 実際にどうなるか分からないんですけれども、そういう懸念があるよということをこの場で御指摘をしておきたいというふうに思います。 津島副大臣に対しての問いはこの後ありませんので、委員長のお取り計らいをお願いします。
○委員長(伊藤孝江君) 津島内閣府副大臣、御退室いただいて結構です。
○横山信一君 じゃ、次に、冤罪の防止について伺ってまいります。 まず、取調べの立会いについてであります。 取調べの立会いについては禁止規定がなく、法務省においても、取調べを行う検察官や警察官が取調べの機能を損なうおそれ、関係者の名誉及びプライバシーや捜査の秘密が害されるおそれ等を考慮し、事案に応じて適切に判断すべきものとされています。 しかし、日弁連によると、取調べに弁護人が立ち会った事例は一件も把握されていないということであります。この取調べの機能を損なうおそれという、これは全ての取調べに該当するんじゃないかと、どんなふうにでも解釈できそうなふうに思います。それが、いまだ一件も弁護人の立会いがないという結果に表れているんだというふうに思います。 そこで、この取調べの機能を損なうおそれとは具体的にどのような場合を指すのか、伺います。
○副大臣(三谷英弘君) お答えいたします。 この取調べの機能を損なうおそれでございますけれども、これ、一般論ではございますけれども、検察官による取調べに弁護人の立会いを認めた場合には、弁護人が取調べに介入して取調べ官の質問を遮ったりすることなどが可能となりまして、一つには、必要な説得や質問を通じて被疑者からありのままの供述を得ることは期待できなくなる、あるいは二つ目、不利益な供述がされ得る質問に対しまして、弁護人が助言することで被疑者が質問の一部又は全部に対して黙秘した場合、被疑者の供述が真実であるのか判断することが困難となる、そういったことが取調べが現に果たしている機能を大幅に損なうおそれが大きいと指摘されているものというふうに承知をしております。 これを踏まえましてお答えいたしますと、検察官による被疑者の取調べに弁護人の立会いを認めるかどうかにつきましては、取調べを行う検察官において、その必要性に加えまして、取調べの機能を損なうおそれや関係者の名誉及びプライバシーや捜査の秘密が害されるおそれなどを考慮して、事案に応じて適切に判断すべきものと承知をしております。 以上です。
○横山信一君 本来、こういうものというのは、きちっとガイドラインを定めるべきだと思うんですね。この取調べの検察官や警察官の判断に任せると、こうなっているわけですから。 ですから、ここでいう取調べの機能を損なうおそれというのは、言ってみれば、その検察官、警察官の判断で幾らでも、どんなふうにでも解釈できちゃうわけですよ。結果的に、それが弁護人の立会いを認めないという、そういう結果になっている。認めてもいいことになっているんだけど、認められた例は一例もないという、非常に厳しい。 だから、そういう意味では、そういう個々の判断に任せるのではなくて、きちっと政府として、法務省として、そういう、この弁護人の立会いを認められない場合はこういう場合だというふうにガイドラインをむしろ定めた方が、定めるべきだというふうに思います。 弁護人が立ち会っていればこんなこと起きなかったのにというのが、プレサンス事件です。 これは、言うまでもなく、二〇一九年十二月に、大手不動産会社であるプレサンスコーポレーション、この元代表取締役である山岸氏が業務上横領容疑で大阪地検特捜部に逮捕されたというものであります。もちろん冤罪だったわけですけれども、山岸氏は二百四十八日間にわたって身体拘束されています。二〇二一年十月に大阪地方裁判所は、山岸氏に対して業務上横領事件の無罪判決を言い渡しました。 このプレサンス事件というのは、録音も録画もされているんです。録音も録画もされていながら不適正な取調べが明るみに出た、そういう冤罪事件でありました。ここに、言わば素人の山岸氏ではなく、弁護人がここに立ち会っていれば、こうしたこの不適正な取調べというのが行われることはなかったのではないかというふうに考えられるわけです。 こうした取調べを防ぐために、被疑者が求めるときには弁護人を立ち会わせる権利を認め、制度として整備すべきではないかというふうに考えますけれども、大臣の所見を伺います。
○国務大臣(平口洋君) 個別事件における検察官の活動内容に関わる事項については差し控えたいと思いますが、その上で、一般論として申し上げれば、被疑者取調べへの弁護人の立会いにつきましては、様々な御議論があることは承知をいたしております。 被疑者取調べへの弁護人立会いの制度化については、以前、法制審議会において議論されたものの、証拠収集方法として重要な機能を有する取調べの在り方を根本的に変質させて、その機能を大幅に損なうおそれが大きいとか、どのような事情であれ、弁護人が立ち会わない限り取調べを行うことができないこととなるなどの問題点が指摘され、法整備の対象とはされなかったものと承知をいたしております。 また、近時、法務省で開催した改正刑事訴訟法に関する刑事手続の在り方協議会においても議論が行われましたが、同様の問題点が指摘され、法整備を行う方向性が示されなかったと承知をいたしております。 したがいまして、現時点において、被疑者取調べへの弁護人立会いを制度化することについては慎重な検討を要すると考えております。
○横山信一君 法制審のことを言い始めるとまたいろいろ言いたいこといっぱいあるので言いませんが、人選を含めていろいろ課題はあるというふうに思いますけれども、僕が何でプレサンス事件の話を持ち出したかといえば、これは弁護人がやれば絶対防げたんですよ。ですから、そういう意味では、わざわざ冤罪の温床をそのまま放置しておくような法制審の答申だったわけですよね。そういう現実があるわけですから、それに対してどういう改善を示していくのかというのが法務省の役割ですから、ここはやはりプレサンス事件を厳しくやはり受け止めていただきたいというふうに思います。 大川原化工機事件、ちょっと話変わりますけれども、化工機事件のときに、当時被告人とされた三名のうちの一人が、勾留中に進行性の胃がんが判明をいたしました。合計七回の保釈請求が却下される中で病気が進行し、保釈が認められないまま尊い命が失われるという悲劇が起きました。 刑事施設の被収容者には、人道的観点から、必要な医療を提供すべきです。もちろん今も提供される仕組みはできているんですが、しかし、七回の保釈請求があってそれを却下するということは、その病気に対してしっかりと手当てをする、そういう義務があるわけですから、そういった義務を履行しないから亡くなってしまったわけです。 そういう意味では、外部の医療機関との連携、あるいは各施設の医療提供体制の整備、こうしたことをこの大川原化工機事件を教訓としてしっかりこういったことを進めてもらいたいんですけれども、これも法務大臣に伺います。
○国務大臣(平口洋君) 被収容者の健康を保持するために社会一般の医療の水準に照らして適切な医療上の措置を講ずるということは、国の重要な責務であると認識しております。 各施設におきまして必要な医療を提供するために、これまでも医療の中心となる医師を始め医療スタッフの確保等に努めてきたところでございます。今後とも広報啓発活動を通じて矯正医療の重要性に関する国民の関心と理解を深めるとともに、積極的な採用活動を行うなど、矯正医官や看護師等の医療スタッフの安定的な確保に努めてまいりたいと考えております。 また、被収容者の傷病の種類や程度によって施設内では対応できない場合には、近隣の外部医療機関に通院又は入院させて対応する必要があると考えております。そのため、各施設においては、地域医療機関等の関係機関を構成員とする協議会を開催するなどして、矯正医療に対する理解と協力を求めているところでございます。 今後とも、被収容者に対する適切な医療の提供のため、地域医療機関等との連携を進めてまいりたいと考えております。
○横山信一君 矯正医療に従事する医師、看護師の人たち、理解を求めて来てもらうということは大事なのかなというのはちょっと首をかしげるところなんですが、待遇、これちょっと通告していないのであれですけれども、待遇ってどうなっているんですか、この人たちの。事務方でいいので。
○政府参考人(日笠和彦君) お答えいたします。 待遇というのは、ドクターでありますとか看護師でありますとかでありますけれども、医師も以前は定員になかなか数字が、実人員が少なかったところでありますけれども、その後、広報活動などをしまして、待遇も、矯正医官特例法を定めまして、その後の待遇、ドクターにつきましては、様々外の研究機関におけるその研究でありますとか、外部医療機関での医療技術の向上でありますとかというような機会も設けるようにしまして、できるだけその待遇を良くするようにということで努めております。
○横山信一君 広報活動をしないと集まらないという、それで実際どれぐらい集まるのか分からないですけれども、以前よりは改善しているという話がありましたが、要するに待遇が悪いんですよね。だから、そういう意味では、この矯正医療に携わる人たちはなかなか来たがらないという現実があるというふうに思います。 だから、来てくれる人はこのように胃がんの専門医でなかったりもする場合もあるわけですから、そういう意味では、専門医にしっかり見せられる体制もしっかりつくっておかなきゃいけないですし、一時的な応急処置ですから、矯正医療の場合はですね、そこから先へちゃんとつなげられるような仕組みづくりの方がずっと大事だというふうに思いますので、今後よろしくお願いしたいと思います。 改正刑訴法の附則九条に、今度可視化について伺っていきますけれども、取調べの録音・録画制度等に関する制度の在り方や再審請求審における証拠開示等の事項について、実務の運用の状況を共有しながら検討すべき課題を整理するため、改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会というのが令和四年七月から始まりました。そして、令和七年に報告書が取りまとめられました。三年間掛けて議論がされたわけでありますが、その中に、政府において、取調べの録音・録画の対象範囲の拡大を含む制度改正や運用の見直し、その他刑事手続における新たな制度の導入について、新たな検討の場を設けて具体的に検討を行うなど、所要の取組を推進することを強く期待したいという提言が出ています。 要するに、三年間議論したんだけれども、この可視化については結論が出なかったということですね。だから、更に研究会をつくって議論しなさい、議論してくれという、そういう話になったわけですが、昨年も、これいつからやるんですかということを聞いていたんですけれども、この提言を踏まえて、法務省では昨年十二月に、これからの刑事手続に関する研究会を発足させました。 そこで、この研究会の意義について法務大臣に伺います。
○国務大臣(平口洋君) 御指摘の研究会は、改正刑事訴訟法に関する刑事手続の在り方協議会の取りまとめの結果を踏まえ、法務省において今後の検討の参考とするため、刑事手続の在り方について、基礎的知見を幅広く収集するとともに、意見交換を行うために開催しているものでございます。 刑事司法制度は国民生活の基盤でありまして、引き続き刑事司法がその機能を適切に発揮できるように本研究会において幅広く知見の収集や意見交換を行うことには意義があるものと考えております。
○横山信一君 この研究会は、これまでに昨年十二月十九日と本年三月十一日の二回開催されています。これらの検討状況と今後のスケジュールについて伺います。
○政府参考人(佐藤淳君) お答え申し上げます。 本研究会におきましては、第一回会議におきまして、本研究会における今後の研究の進め方などについて議論が行われました。また、第二回会議におきましては、これからの刑事手続の在り方について、刑事法研究者である田口守一早稲田大学名誉教授と椎橋隆幸中央大学名誉教授からのヒアリングが行われたというところでございます。 その上で、本研究会の今後のスケジュールにつきましては研究会においてお決めいただくべき事柄でありまして、今後の議論の状況等にもよることから、現時点にて確たることを申し上げることは困難ではございますけれども、法務当局といたしましては、この研究会が充実したものとなるように努めてまいりたいと考えているところでございます。
○横山信一君 進行が遅いので早くやってくれというのが前の協議会の提言でもありますので、迅速に、そして充実した審議をお願いします。 ちょっと時間がなくなってきたので飛ばしまして、十四番目の日野町事件のことについて伺います。 二月二十四日に再審開始が決定をいたしました。冤罪が明らかになる可能性が高いものであります。 この日野町事件、一九八四年十二月に滋賀県日野町で酒店経営者が行方不明となり、翌年に町内で他殺体となって発見された強盗殺人事件。犯人とされた阪原さんは、公判中から無実を訴え続けたものの、無期懲役が確定し、服役中に病死をされました。御遺族が二〇一二年から行っていた再審請求に対して最高裁が再審開始を決定したということで、二〇一八年に大津地裁が再審開始を決定してから約八年もの年月を再審が開始されるまで掛かったと。 じゃ、何でそんなに時間が掛かったかというと、検察官が二〇一八年に即時抗告をした、そして二〇二三年に特別抗告を行ったということで、これら検察官による不服申立てがなければもっと早くこの再審が動いていたというふうに思うわけです。この事実を大臣はどう受け止めるのか、伺います。
○国務大臣(平口洋君) 個々の再審事件における審理の進め方は、裁判所におきまして個別具体的な事案の内容や訴訟関係者から提出される主張の内容等に応じて判断されるべき事柄でありますから、法務大臣としては、手続に要した期間や、の理由や、その長短に対する評価についてお答えすることは困難であります。
○横山信一君 ちょっと物足りないんだけど、時間がないのでちょっと最後の質問にしますけれども、冤罪はなぜ起こるのかということをどう分析しているのか、冤罪を生み出さないための対策として考えていることがあるのか、最後、大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(平口洋君) 犯人ではない人を処罰することはあってはならないということだと認識しております。 具体的事件において無罪判決が言い渡される理由は様々でございますが、例えば、証拠の吟味、検討が不十分であったことなどが指摘されてきたものと承知をいたしております。 その上で、取調べを含めた検察の捜査・公判活動が適切、適正に行われなければならないということは当然でありまして、「検察の理念」においても、被疑者、被告人等の主張に耳を傾け、積極、消極を問わず十分な証拠の収集、把握に努め、冷静かつ多角的にその評価を行うということ、そして、取調べにおいては、供述の任意性の確保その他必要な配慮をして、真実の供述が得られるよう努めることなどとされているところでございます。 検察当局においては、こうした「検察の理念」に基づいて、引き続き、基本に忠実で適正な捜査・公判活動に、公判遂行に努めていくことが肝要であると考えております。
○委員長(伊藤孝江君) 時間になっておりますので、おまとめください。
○横山信一君 はい、分かりました。 こういう冤罪防止のための努力はこれまでもいろいろ協議会を立ち上げてやってきているんだけれども、なかなか収まらないと、こういうことを今後もしっかりと追及してまいりたいと思います。 以上で終わります。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。日本維新の会、嘉田由紀子でございます。 日本は、明治民法以来百三十年近く、離婚後単独親権が続いてきました。これを私たちの仲間が縁切り文化と言ってきましたけど、離婚によって親子、父母、さらに祖父母、親族とのつながりが切断され、子供の経済的、精神的、また社会的孤立を助長してきたとも言えます。 午前中の泉房穂議員の明石市の事例は、親子分断の単独親権に共同親権を実践的に取り入れた大変先駆的な事例でございます。 私自身も滋賀県の知事時代に、子供の貧困や虐待、その背景を見てみますと、やはり単独親権の問題だということで、知事では民法を変えられない、それだったら自分が国会に行ってということで、来させていただきました。 その中で、もう七年目になりますけれども、二年前にはようやく選択的共同親権が法案化され、そしてこの四月一日にいよいよ施行となります。その間に、全国、北海道から沖縄まで、単独親権で苦しむ父、母、子供たち、祖父母の皆さんの声を聞かせていただき、本を出版しました。 ここはかなり包括的なテーマですけど、子供は誰のものか、泉議員も、子供は誰のものか、そこなんですね。子供は、子供自身、人権、そして父、母に愛され育つものだと。家制度の犠牲者ではない、社会の犠牲者ではないということです。 それで、ようやくこの四月一日に民法改正施行されますけれども、今回の施行が近づくにつれて自治体などの事例どうなっているか、ホームページかなり検索させてもらいました。そこに二つの方向が見えてきたんですね。 一つは、何か言い訳のように、共同親権は義務ではありません、DVや虐待のおそれがあったら共同親権にしなくていいんですという表現が大変多く埋め込まれておりまして、まるで離婚に直面する父母は、夫婦は、全てDVか虐待があるのかというふうなニュアンスが行間にある。 二つ目は、両親、どっちにしろ傷が入り始めているんですから、そこをうまく再生できるようなポジティブなメッセージがほとんどないんです、個別の規律ばっかりで。私は法務委員会でいろいろ個別の規律を議論してきましたけど、私が見ていても頭が痛くなるほど難しい文面ばっかりで、ここにもうちょっと希望を埋め込めるような、そういうメッセージが自治体に出してもらえないだろうかということで、今回この問題提案させていただきます。 家庭裁判所制度が始まった昭和二十二年ですか、「虎に翼」、テレビドラマですけど、あそこの主人公が、法は人が幸せになるためにあるんだということを言っておられます。ですから、人が幸せになるための法ということで、原点に返って質問させていただきたいんですけれども、今回は共同養育計画を取り上げさせていただきます。 実は、超党派の共同養育議連、三谷副大臣が事務局長を長い間務めていただきました。この原点は民主党時代の親子断絶防止法にありますので、議連としてももう十数年活躍をしていただきました。 その中で、まずは面会交流という言葉、これを親子交流という普通の、犯罪者が会うんじゃないんだからということで、普通のフラットな親子交流という言葉に提案させていただきました。これは今回の民法改正で採用されております。 もう一つは、離婚に伴う子供の貧困あるいは親子交流をきちんと埋め込むための共同養育計画、これを義務化してくださいと申し上げたんですが、ここのところは今回の法案に全く、法案の内部には取り入れられておりません。 それで、ようやくこの四月一日の施行を前に、今日皆さんに資料を出させていただいておりますけど、こどものための共同養育計画書を作っていただきました。間に合いましたね、ぎりぎり。うれしいです。三谷副大臣始め、民事局の皆様が御努力いただきました。 ここには、大変丁寧に分かりやすく、親子の分断を防ぎ、経済的、また親子交流で、どうやってそれぞれ住宅、住居を決めるのか、いざというときの婚費の問題、養育費の問題、親子交流、重要な事項の決め方ということで、丁寧に説明していただいております。 まず、質問ですけれども、法務大臣にお願いしたいんですが、この百三十年近く、親子分断がある意味で文化として当たり前、離婚したら片親だろうと信じておられる方がとっても多いこの日本の中で、新しく共同親権、父、母別れても、父子、母子、祖父母、皆が共につながりを維持するんですよという、この方向を、法務大臣、どのように国民の皆さんの間に周知していただけるでしょうか。簡単で結構ですけど、方針をお願いいたします。
○国務大臣(平口洋君) 離婚後共同親権を盛り込んだ令和六年の民法等改正法というのがこの度施行されるわけでございまして、法務省の方でも、こどものための共同養育計画書というふうなものを出してPRに努めているところでございます。 法務省では、改正法の趣旨や内容につきまして、解説動画を公開しているほか、パンフレットやポスター、QアンドA形式の解説資料を作成して、関係府省庁とも連携して、これらを活用した周知、広報に取り組んできたところでございます。また、今後、ウェブサイトの情報を充実させることなども予定しております。 御指摘のとおり、改正法の趣旨を広く国民に知っていただくことは大変重要なことでございまして、改正法の施行後も、引き続き積極的に周知、広報に取り組んでまいりたいと考えております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 是非、大臣、前に出て、率先、周知をしていただけたらと思います。 特に新聞あるいはマスコミで広く、このタイミングですから、広げていただくちょうどいい時期だと思います。 さて、資料一で見ていただいたこの共同養育計画パンフレットですが、具体的に自治体の窓口に置いていただくことになります。自治体の窓口は、実は離婚を考えている人がまず行くところは、離婚届を出すということで、戸籍担当の窓口ですね。戸籍担当の窓口でこの冊子をどのように配るのかと。具体的には、大体女性が行くことが多いんですけど、男性になかなか届かないということで、どうやって窓口に来ない方の親への情報提供を考えていらっしゃるのでしょうか。民事局長さんお願いします。
○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。 資料一のパンフレットは、共同養育計画の作成を促進するために作成したものであり、今月中に各法務局を通じて市区町村の戸籍担当部局に配布する予定でございます。 また、市区町村に対し、このパンフレットを市区町村の戸籍窓口に配架することに加え、このパンフレットを離婚届書に挟み込むなどして確実にこのパンフレットを交付していただき、離婚当事者への十分な周知を図っていただくよう依頼する事務連絡を発出しております。加えて、戸籍窓口を訪れない離婚当事者にもこのパンフレットの情報を提供するために、パンフレットのデータを法務省ウェブサイトに掲載しております。また、市区町村において、戸籍窓口を訪れた離婚当事者の一方の求めに応じて、窓口を訪れない離婚当事者の他方の分も合わせて二部交付していただくことも差し支えないと考えております。 引き続き、共同養育計画の作成を促進するために、関係府省庁等とも連携しながら、積極的な情報提供を行ってまいります。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 実は、ある自治体で、戸籍窓口と是非ともこの子供の支援の窓口つないでほしいとお願いをしたら、戸籍は法定受託事務で、その情報を子供窓口に出せないんだと、守秘義務があるということを言われたんですけど、この辺り、多分、明石市でもいろいろあったと思いますが、市長さんがその方針でいけたらいいんですけれども、そういう市はどっちかというと少ないです。 ということで、民事局長さん、子供のための支援とこの戸籍をどうやってつないでいったらいいでしょうか。御意見お願いします。
○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。 父母の離婚を経験する子の利益を確保する観点からは、離婚当事者である父母やその子らに対して適切な情報提供を行い、父母や子らを必要に応じて支援等につなげていくことが重要、必要であります。 しかしながら、我が国では裁判所が関与しない協議離婚が離婚全体の約九割を占めているため、情報提供の機会が限られていることが課題となっております。このような観点からは、市区町村の戸籍窓口における離婚届用紙の配付や離婚届書の受領は、情報提供の機会として貴重なものでございます。法務省としても、関係府省庁と連携して、市区町村の戸籍窓口と支援部門との連携の促進に取り組んでまいりました。 法務省が令和七年度の委託事業として実施した共同養育計画の作成促進に関する調査研究においては、自治体の関係部署や当該地域において支援を提供している者たちによる地域連携のネットワークの立ち上げ、また、同ネットワークを通じた支援について実証的な検討を行ってまいりました。このネットワークについては、各参加者が提供している支援の具体的な内容やそれぞれが有する悩みなどについて共有することができたとして肯定的な評価がされました。 一方で、委員御指摘のとおり、個人情報保護の観点から、ネットワークの会議等における具体的なケースの取扱いや、支援のニーズを把握した場合に父母や子らを適切な支援につなげるための個人情報の取扱いについて悩みがあるという課題が共有されたところでございます。 このような指摘を踏まえ、部署間のより円滑な連携による支援を実現するためには、個人情報保護の観点から個人情報の取扱いについて整理が必要であると受け止めておりまして、今後、関係府省庁と協議を行うなどしてまいりたいと考えております。
○嘉田由紀子君 子供の最善の利益というところで、是非お願いいたします。 実は、この共同養育計画、今民間がいろいろ工夫をしてくれております。私の手元にも幾つも民間の方が提案をしてくれているのがあるんですけれども、特に、オンラインで言わばADRのようなことを一般社団法人やあるいは会社経営でやり始めております。しかも、やっておられる方は、当事者で、本当に苦しんで自ら工夫した人たちが多いんですね。 こういう民間の動きとの連携、民事局長さん、どう考えるでしょうか。お願いします。
○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、共同養育計画の作成を支援する民間団体があり、例えば裁判所外で中立な第三者が当事者間の話合いをサポートする民間ADRにおいては、事業者によっては、オンラインで手続を進めることができたり、土日や夜間に手続を利用することができるなどのサービスを行っていると承知をしております。 法務省では、ADRを行う民間事業者の業務について、法務大臣が認証をして、ウェブサイト等において認証ADR事業者の情報提供を行うなどしております。 お尋ねの共同養育計画の作成も含め、当事者が必要に応じて民間ADRのサービスを利用することができるよう、引き続き民間ADRに関する情報の提供を行ってまいりたいと考えております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 今、家庭裁判所、本当にお忙しいのを存じ上げておりますので、是非、民間の力、連携していただきたいと思います。 それで、五点目、最後ですが、改正民法の施行後に新たな離婚届のチェック欄もあります。それ、今後どのように進んでいくのか実態把握が必要だと思います。今の、今回の改正法はまだ穴だらけです。是非とも次の改正も目指して、ここどうやったら広げられるのか、意識調査の必要性など、ここは三谷副大臣に方向性示していただけたらと思います。
○副大臣(三谷英弘君) 御質問ありがとうございます。 まず、共同養育計画書に関するパンフレットを評価いただきまして、ありがとうございます。より良いものにしていきたいと思っておりますので、御意見、引き続きよろしくお願い申し上げます。 その上でではありますけれども、これ、そもそもなんですけれども、養育費の支払ですとか親子交流の実施を含めまして、やっぱり子の利益を確保する観点からこの共同養育計画の作成というものを促進するというのは極めて重要だというふうに考えております。それをそもそもの大前提といたしますけれども、なぜそういったこの共同養育計画の作成が重要なのかを多くの方に理解をしていただくためにも、共同親権とはどういうものか、あるいは共同養育はなぜ必要か、そういった意義を広く周知することというのは極めて重要であるというふうに考えておりますし、そのためにも、今御指摘をいただきました共同親権や共同養育の実態を把握するというのは非常に重要なことというふうに考えております。 その上で、法務省では、これまでも離婚届出書のチェック欄を活用して親子交流や養育費の取決めに関する実態把握に努めてまいりました。また、御指摘のとおり、改正法の施行に伴いまして離婚届出書の様式を改定し、新たに子育ての分担の取決めに関するチェック欄を設けさせていただいたところでございます。 委員の御指摘も踏まえまして、引き続き、離婚届書のチェック欄を活用した実態把握に努めるとともに、共同親権や共同養育に関する認知度を含め国民の意識調査の在り方について検討をしてまいりたいというふうには考えておりますが、加えて、あえて申し上げれば、今月は、政府広報として改正法に関するテレビコマーシャルも放送させていただきました。また、今後新たな動画の作成も準備中でございます。 この、まずは、周知ということに関してはやり過ぎというものはありませんので、共同親権や共同養育の意義も含めまして、改正法の趣旨、内容の周知にまずは努めさせていただいて、その上で、どう意識が変化していくかについてはしっかりとフォローしていきたいというふうに思っています。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 実は、例えば共稼ぎをするのでも、片親より両親の方が女性にとっても共稼ぎしやすいんですね。そういうことも含めて、ポジティブな面を強調していただけたらと思います。 ちょっと時間が迫っているんですが、今回の大臣所信の中に、成年後見制度の見直しということが入っております。ここのところ二点、お願いしたいんですが、まず、成年後見制度は当事者の方から大変いろいろな課題をいただいております。そのうちまだ一点は、一度決めると死ぬまでやめられないということでなかなか替えられなかったんですけれども、ここをどうやって手続終了、あるいはその実効性担保できるのか、民事局長さんにお願いします。
○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。 成年後見制度の見直しにつきましては、本年二月の法制審議会総会において要綱が取りまとめられ、答申がされたところでございます。 この要綱では、成年後見制度に関し、必要な事項について個別に代理権等を付与する仕組みに基本的に一元化されるとともに、家庭裁判所が制度を利用する必要がなくなったと認めれば、制度の利用が終了するという仕組みとされております。そして、この終了の手続は、本人、配偶者、四親等内の親族等の申立てによることとされております。また、申立てがなくても、家庭裁判所は、補助人に義務付けられている毎年一回の報告を受けた場合において、制度利用の必要がなくなったと認めるときは、職権で制度の利用を終了する審判もできるとされております。 これらの手続により、必要がなくなった場合に制度の利用が終了することの実効性が担保されていると考えております。
○嘉田由紀子君 二点目ですけど、専門職の選任あるいは報酬等の家裁の審判について、その決定理由がなかなか知らされないというところに不満があるんですが、この辺りはどうですか。民事局長さん、お願いします。
○政府参考人(松井信憲君) 家事審判は、原則として理由の要旨を記載した審判書を作成する方法でするとなっておりますが、迅速な処理の要請に鑑みて、即時抗告ができない審判については、申立書又は調書に主文を記載すれば足り、この場合には理由の要旨の記載は要しないとされております。 補助人の選任の審判や報酬付与の審判は、即時抗告をすることができない審判でございますので、審判において理由の要旨の記載がされていない場合があるものと承知をしております。 もっとも、審判書を作成するかは事案に応じた適正な運用に委ねることとされており、各裁判官において、当該事案に応じて審判書を作成して理由の要旨を記載するかなどを適切に判断されることになると承知をしているところでございます。
○委員長(伊藤孝江君) 時間になりましたので、おまとめください。
○嘉田由紀子君 ありがとうございました。 法律は人が幸せになるためにあるということで、是非その原点をこの皆で共有して、まして、当局には実践をお願いいたします。 これで終わります。ありがとうございました。
○安達悠司君 参政党の安達悠司です。 今日は、法務大臣の所見にあった入国在留管理について主に伺っていきたいと思います。 まず最初に文部科学省の方にお伺いしたいんですけれども、去年の三月三十一日付けで、この留学生に関して国立大学協会というところが出しました我が国で将来を担う国立大学の新たな将来像という文書があります。これによると、二〇四〇年までに、現在七・九%の留学生受入れを三〇%まで拡大するんだということが書いてあります。 これは、法務大臣が、留学生の、留学というのも在留資格なのでこれに関しても権限持っているわけですけれども、この国立大学協会がこのような国立大学の全学生の三〇%を留学生にするんだと、これに関する政府の見解と、あとそれから、もしこれを政府が是認しているとすれば、その根拠をお願いいたします。
○副大臣(中村裕之君) お答え申し上げます。 御指摘の一般社団法人国立大学協会の提言は、同協会として取りまとめられたものでありまして、文部科学省としてその策定に関与したことはございません。 その上で、大学等における外国人留学生の受入れについては、受入れ機関における在籍管理の一層の徹底等を通じて質の向上を図る視点をより一層重視してまいりたいと考えているところであります。具体的な目標については、新たに策定することの是非も含めて、外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策等も踏まえながら、政府全体として議論していくべきものと考えております。 なお、国立大学の国際競争力を培うためには、経済安全保障の観点に留意しつつ、意欲と能力のある留学生を戦略的に受け入れることにより、多様性の中、日本人学生も切磋琢磨して新たな価値を生み出すことが重要であり、これにより我が国の創造的な成長に貢献することができると考えているところであります。
○安達悠司君 今、文部科学副大臣からお答えがありましたが、大学の現場では、やはりこういうふうな目標値が勝手に立てられて、政府は関知していないとおっしゃいましたが、それでも現場では、これらの目標によって受入れの圧力が、留学生を受け入れないといけないという圧力が掛かっているという声が上がっています。 また、そもそも国立大学とは一体何のためにあるのかと。政府は一兆円以上の運営費交付金を出しているわけですね。それについて、本来は、国家のために、日本のために優秀な若者、日本人をしっかり育成する場所ではなかったのかと思うんですね。じゃ、何のために一体政府はこれ以上、一兆円以上のお金を出しているんですかということもありますし、その定員割れを防ぐという観点もあるかもしれませんけど、留学生に依存するような運営なんて本末転倒ではないかといった問題意識を申し上げて、次の質問に移りたいと思います。 留学生に関する質問はこれまでですので、文部科学副大臣についてはもう質問はありませんので、御退席いただいても結構です。
○委員長(伊藤孝江君) 中村文部科学副大臣におかれましては、御退室いただいて結構です。
○安達悠司君 続きまして、今度は特定技能と育成就労についてお尋ねします。 私は、この特定技能と育成就労というものについて、これ、育成就労というのは令和六年の六月に法改正で、入管法の改正で導入されたんですけれども、そのとき参政党はまだ議員一人しかいませんでしたが、反対をいたしました。その反対した理由は、これは事実上移民政策であると、それから、ほかの国はもう失敗していると、そして、移民受入れによる巨額の負のコスト、こういったものを試算していないと、こういったこと、理由で、育成就労の創設には反対をいたしました。 そこでお尋ねしますが、政府はこの特定技能や育成就労といったものを今回、令和八年の一月二十三日でもう分野別運用方針を出して一層進めていく考えを出していますが、なぜこういった制度を進めるのか、目的を端的にお尋ねします。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 特定技能、育成就労制度は、人手不足が深刻な産業上の分野のうち、生産性向上や国内人材確保のための取組を十分に行った上でなお人材を確保することが困難な状況にある産業の分野に限って、当該分野の存続、発展のために必要な範囲で一定の専門性、技能を有する外国人材を育成、確保することを目的とした制度でございます。
○安達悠司君 今、人手不足だから人材確保しないといけないんだと、そのために外国人を受け入れると。しかも、この育成就労の外国人というのは、今までと違って、全く専門性もスキルも何も持っていない、真っ更な状態の人でもいいんだということなんですね。なので、これは事実上移民の受入れにほかならないということなんですよ。 今までの我が国の在留管理の在り方は、一定の専門性があったり非常に高度な技術をお持ちの方だったり、そういった方を、我が国にとって有益なそういう技術や専門性を身に付けた方を一定期間、限度を限って受け入れるといった在留管理の在り方でした。いわゆるその単純労働みたいなものは基本的には受け入れないといった方針だったわけですが、ここに来て事実上の移民国家化にかじを切ったということになります。 私は更にこれが問題だと思うのは、この背景にある考え方なんですね。一体なぜ我が国はこのような政策を取るんだろうかという、その背後にある思想や考え方こそ問題にしないといけないと思うんです。 参政党は反グローバリズムということを言って、今の我が国は、いわゆる一握りの自由競争の勝者であるグローバル企業やお金を持った個人が、国境を越えて、国のルールを変えてマーケットを拡大していくと。その中で、企業の利益のために、グローバル企業の利益のために、例えば移民を受け入れましょうとか、あるいは資本をもっと受け入れましょうとか、土地もっと買いましょう、そのために規制を緩やかにしましょうとかいって、規制の緩和だったり新自由主義的な発想の政策を次々と打ち出していくと。こういった背景があるわけなんですが、さらに、我が国においては、あたかも自分たちの国の人手が足りなければ外国から調達すればいいじゃないかと、いわゆる外国に依存しなければ我が国はやっていけないと、こういうふうな考え方に立っていないかということなんです。これは、戦後の占領政策で行われた教育や様々な報道などによって、我が国は外国に頼らなければやっていけない国なんだと、そういうふうな思想に基づいた政策ではないのかということなんです。 今までだったら我が国は、人手がなかったら、そうしたら、人手不足だったら、村から余っている人かき集めてそれでみんなでやりましょうとか、仕事が終わらなかったら残っている人みんなで最後までやりましょうとか、協力し合って我が国の中で国内の人材かき集めてやっていたはずなんです。しかし、何で今回は人手不足だったら外国から人入れるんですか。そこの背景にある考え方、これについて法務大臣にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(平口洋君) 人口減少に伴う人材、人手不足の状況におきまして、外国人を必要としている分野があることは事実であると考えております。 その上で、特定技能、育成就労制度による外国人の受入れは、生産性の向上や国内人材確保のための取組を十分に行った上でなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野に限って行われるものでございます。 この点、外国人の受入れによって日本人労働者の待遇低下を招かないように配慮しつつ、引き続き制度の適正な運営に努めてまいりたいと考えております。
○安達悠司君 私は、法務大臣には、是非、我が国は外国に依存しなくてもやっていける国なんだといった価値観をはっきり打ち出していただきたかったですね。 その上で、今回特定技能と育成就労合わせて一月二十三日に出した数字が、上限合計が、令和十年までに百二十三万一千九百人、この人手が足りませんということなんですね。しかし、今さっき国内の労働力の話もありましたが、国内の人材が本当にそんなにいないのかということなんです。百二十三万人という数字覚えてくださいね。本当に百二十三万人も足りないんですかという話なんです。 これで、いわゆる厚生労働省が出している労働経済白書を見ますと、令和七年度に出している令和七年版の労働経済の分析によれば、労働力人口は六千九百五十七万人で過去最高。就業者数六千七百九十一万人、これも過去最高。失業者、完全失業者が百七十六万人いるんですよ。いいですか。外国人足りないって言っている単純労働者が百二十三万人ですよ。我が国には、完全失業者が百七十六万人いるんです。そしてさらに、これだけじゃありません。潜在労働力といって、いわゆる完全失業者ではないけれども、つまり、完全失業者というのはいわゆるハローワークに二週間前、二週間以内にハローワーク行っていないといけないんですけれども、そうじゃないけれども、まだ更に就業希望はありますよという就業希望者といった人数がこれ二百三十三万人という数字がありまして、少なくとも二つ足し合わせると四百万人以上の潜在労働力がいるということになっているんです。 これについて厚生労働省にお尋ねしたいんですけれども、この国内のいわゆるこの潜在労働力、これは一体今何人いるんですか。また、なぜ、この四百万人以上いるとすれば、この潜在労働力を活用できないんでしょうか。厚生労働省のお考えをお聞かせください。
○政府参考人(古舘哲生君) お答えいたします。 潜在労働力につきまして必ずしも定まった定義はございませんけれども、総務省労働力調査の二〇二五年平均によりますと、完全失業者は百七十六万人、それから、求職活動をしていない非労働力人口のうち就業を希望する方が二百十二万人いらっしゃいまして、これらの方の合計をいたしますと三百八十八万人ということになっております。 ただ、就業を希望している非求職者の中には、求職活動を行っていない理由として、育児や介護などのほか、自分に合う仕事がないこと、あるいは健康上の理由などを挙げる方がいらっしゃいまして、この潜在労働力の活用が必ずしも容易ではない面もあることについては留意が必要かと考えております。 ただ、私ども厚生労働省といたしましても、希望する方の労働参加の実現、それから人手不足対応を適切に行っていくことが必要だというふうに考えておりまして、働き方改革など、女性、高齢者などの多様な方が活躍できる環境の整備とともに、ハローワークにおける丁寧な相談支援などを通じたきめ細かなマッチングなどを通じて、労働参加の実現にしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○安達悠司君 私は、厚生労働省が出しているもう一つの数字がありまして、令和六年版の労働経済の分析というこの労働経済白書によれば、もう一つ別の令和四年の就業構造基本調査という総務省の統計を基に算出しますと、求職活動はしていないが就業希望のある無業者、これが約四百六十万人、求職者が約三百二十万人ということになっていまして、これを合わせると、いわゆる就業希望のある人は七百八十万人となりますし、また、今現在仕事はしているんですけどもっと追加で働きたいですという追加就業希望者が、正規雇用で二百八十万人、非正規雇用で百八十万人という数字が出ています。 こういった数も合わせると、いや、もっと人いるんじゃないですかという話ですし、こういった就業を希望する人たちが仕事しやすいようにいろいろあっせんしたり職業紹介を行ったり、あるいはその募集広告など支援したり、企業だって人手不足なんだから、そういったことを、例えば人余りの業界から人足らずの業界へこの流動化を助けるのが厚生労働省の仕事なんじゃないですかと思うわけなんですよ。 もちろんそういった取組もされていらっしゃると思うんですけど、どうもここのところ、この移民というか、外国人に頼ればいいという発想が蔓延してきたせいか、こういった厚生労働省さんの取組がなかなか光が当たらなくなって、実際にこういう、今までだったら、人が足りなかったらそれこそ雇用の流動化で余っている業界からという話になるわけですよ。 でも、今こういう話を例えば聞いている方でも、人不足、人手不足だというと、国内で今も、業界や地域によっては確かに人手不足の業界もありますよ。しかし他方で、いや、仕事がないだとか、お客さん来ないと、何かもう何かやることがないと、暇だなと思いながらこれを聞いている方もいるわけですよ。そういう人余りの業界とか地域というところがあるわけなんで、それが例えば介護とかそういう様々な人足らずの業界があったら、そっちに向けて、職業紹介、募集広告、移住とか定住支援だったり、何より賃金ですよね、賃金増加や待遇改善といったことを官民挙げて積極的にやるべきじゃないかと思うんですね。 その上で、もう一つ、次のテーマに移るんですけど、この百二十三万人という数字も本当に根拠があるのかって話なんですね。 この百二十三万人というのは、令和八年一月二十三日付けの分野別運用方針というもので特定技能、育成就労合計が百二十三万一千九百人というのが出てきているわけなんですけど、この数字がどうやってはじき出されているかというのをお聞きしたんですね、厚生労働省の皆さんに。そしたら、これはまとまって百二十三じゃなくて、十九の分野ごと、様々な分野ごとに積み上げていった数字を合計して足したものだということですね。お手元の資料にもありますけれども、そういうその積み重なった数字なんですね。 例えば、この介護分野というのを見ますと、介護分野は、これは別に介護が一番左にあるからなんですけど、一番目にあるからなんですけど、ここを見ると、特定技能で十二万六千九百人、育成就労で三万三千八百人、合計十六万七百人が足りないとなっているんです。 じゃ、この十六万七百人が足りないというのはどこから来たんですかと聞くと、これは、まず必要就業者数という令和十年で必要になる人数が二百三十五万七千三百人ですと。現在の就業者が二百九万八千人ですと。差額が二十五万九千三百人、こんだけが令和十年に向けて足りませんという数字なんですね。 ここの前提もいろいろあるんですけど、これは仮によしとすると、じゃ、二十五万九千三百人が令和十年までに足りませんと。じゃ、令和十年に向けて何をしますかというと、次に書いてありますね、生産性向上で四万七千百人、国内人材確保で五万一千五百人。こういう生産性向上と国内人材確保の二つの取組をやっても今言った四万七千百人と五万一千五百人しか確保できませんので、そうすると、十六万七百人は絶対足りないんですと、こういう話になって、これを外国人で埋めましょうとなるんですね。 私はここでめちゃくちゃ疑問だったのが、物すごく疑問だったのが、国内人材確保をこれからやって五万一千五百人しか確保できませんという、この五万一千五百人しか確保できないという数字は一体どこから来たのかと、これをお尋ねしたいんです。何でこの介護分野において令和十年までに我が国は五万一千五百人しか確保できないと試算したのか、その根拠を教えてください。
○政府参考人(伊澤知法君) お答え申し上げます。 まず、今後、高齢者の増加、それから生産年齢人口の減少が進む中でも将来にわたって必要な介護サービスを安心して受けられるよう、担い手の確保は喫緊の課題というふうに認識しておりまして、こうした必要な介護の人材の確保に向けまして、まず、累次の処遇改善の取組を行っております上で、職員のキャリアアップのための研修受講の支援、それからICTなどのテクノロジーを活用した生産性向上の推進による現場の負担軽減、職場環境の改善、また、介護職としての魅力の向上といった、こういった総合的な取組にまず取り組んでおります。 その一方で、残念ながら、介護分野は他産業と比較して有効求人倍率が今でも非常に高く、また、介護職員数の推移でございますけれども、令和四年から五年にかけて減少し、令和六年はほぼ横ばいという状況になっておりまして、介護職員をめぐる状況は大変厳しいというものでございます。 そうした中で、特定技能制度と育成就労について、令和十年度までの介護分野における外国人材の受入れのこの見込み数、委員も御指摘いただいたように、国内人材確保の見込み数を五万一千五百人と設定しておりますけれども、これは、こうしたちょっと人材確保が厳しい中、そうはいっても引き続き国内人材の確保をしっかり図っていくという中で、平成三十年度時点の介護職員数と令和五年時点の介護職員数というこの実数の傾向を踏まえながら設定したというものでございます。
○安達悠司君 私が聞いた説明は、もうちょっとシンプルに、直近五年間の就業者数の平均増加数が年一万程度だったからと。直近五年間というのは、平成三十年から令和五年までの増加数が、要は平均年一万人程度しか増えなかったので、過去五年間、令和五年までの五年間で五万人ぐらいしか増えていないから五万一千五百人ですという説明を聞いたんですけど、そうではないんですか。
○政府参考人(伊澤知法君) お答え申し上げます。 補足いたします。 委員の御認識のとおりでございます。私が申し上げましたのは、その間差を取って年平均一万人という、こういう御説明になったということですので、説明の内容としては、コインの表裏といいますか、同じものでございます。
○安達悠司君 ということで、これはつまり、要するに、この国内人材確保というのは、これからを言っているんじゃなくて、これまで平成三十年から令和五年までの取組の結果、五万人しか確保できなかったからこれからの令和五年から令和十年までも五万人しか確保できないでしょうという数字なんです。これで本当にいいんですかという話なんですね。 つまり、例えば介護分野って物すごくやっぱり給与って大事なんですよね。私の周りでも、本当に介護分野、給与上げてほしいという人はいっぱいいます。そういうふうな給与の動きも見てみると、じゃ、平成三十年とかって給与どれだけ上がっているんですかというと、介護報酬、平成三十年度〇・五四%です。その三年後、三年置きなので、令和三年度〇・七%です。令和六年度になったら、やっと一・五九%上がるんです。今年度、令和八年度二・〇三%、給与もやっと一万から一・九万ぐらい上がるわけですね。 なのに、このようなその平成三十年から令和五年の時代を捉えて、そのときで五万人しか増えなかったから令和十年までも五万人しか増えません、だから外国人ですって、これおかしくないですか。これ、もう処遇改善やらないということですか、今までと同じ数しか。 こんなんだったら、それは、この五万人という数字は当てにならないですよね、法務大臣。私は、本当にこのような考え方に基づいてこの分野別運用方針で国内人材確保の、これ介護ね、別に介護だけを問題にしているわけじゃないんです。このような同じような考え方で十九の全ての分野がこういう数字を組み立てられて、その結果、人手不足が百二十三万人という数字が出てきているからなんです。このような試算はおかしいですよね。もう一回、この分野別運用方針の数字、見直した方がいいと思うんですけど、法務大臣、いかがですか。
○国務大臣(平口洋君) 厚生労働省の方がお答えになったように、令和十年度末の産業需要等を踏まえ、そこから生産性向上と国内人材確保策による人材確保数を除いて算出したものでございます。これらは、各分野の産業政策と各分野の事情を踏まえて各分野所管省庁において算出したものでございまして、有識者から意見を十分聴取した上で適切に制定されたものと認識をしております。 なお、十九分野それぞれにおいて国内人材確保の見込み数にわたる詳細な算出方法は異なっております。
○安達悠司君 私は、この、要は今、五万一千五百人という数字がまた変われば、これは国内人材だけで十分賄えますので、育成就労要らないですよ。本当に、もちろん外国人の中には優秀な人もいるので、そういう人たちを絶対一人も入れない、入れるべきではないとまで言いませんけど、やっぱりこの百二十三万という数字はもう一度見直すべきだと私は思います。 また、最後もう一問、来年四月からですね……
○委員長(伊藤孝江君) もう時間が過ぎておりますので、おまとめください。
○安達悠司君 はい、分かりました。 自転車の反則金の話も聞きたかったんですけど、それはまた次回に譲ることにいたしまして、私の質疑を終わります。 ありがとうございました。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 今日は、再審法の見直しは何のためかという点について大臣の認識を伺いたいと思います。 お手元に今資料が配られているところですけれども、元裁判官の皆さんが、昨年十二月に、再審法改正に関する元裁判官の共同声明というのをお出しになりました。冒頭の部分、皆さんにも御覧いただきたいと思いますけれども、現在再審制度の改正についての議論が本格化していると、これは、近時幾つもの再審無罪判決が出され、とりわけ一昨年の袴田事件の再審無罪判決により、現在の再審制度では冤罪救済という再審の目的を実効的に実現できないことが広く社会で認識された結果であるというんですね。 大臣、私は法務大臣もこの立場に立つべきだと思います。いかがですか。
○国務大臣(平口洋君) 再審制度の在り方については、御指摘の声明を含め、様々な御議論があることは承知をしております。 その上で、再審制度に関しては、現行の刑事訴訟法の制定以来改正が行われていないところ、近時、無罪判決とも相まって、再審請求者等の手続保障が必ずしも十分でないといった指摘や、手続規定が乏しいため審理運営上の困難が生じており、事件によっては処理が遅延しているといったような指摘がなされていると承知をしております。 こうしたことを踏まえ、法務省としては、再審制度が非常救済手段としてより適切に機能するよう、再審請求者等の手続保障の充実を図るとともに、手続の円滑化、迅速化に資するため、再審制度について所要の改正を行う必要があると考えております。
○仁比聡平君 大臣、今、より適切に機能するようとおっしゃいましたけど、今はうまくいっているという認識ですか。
○国務大臣(平口洋君) 一概に言い切ることはできませんけれども、あるものについては非常に事態が遅れていると、時間を要しているということが言えると思います。
○仁比聡平君 あるものについてはではないでしょう。この裁判官たちの共同声明がいうように、近時幾つもの再審無罪判決が出され、でしょう。大臣、何か特定の袴田事件だけでしたなんて言えませんよね。 今日、古庄議員の質問に対しても同じ答弁されましたけれども、必ずしも十分でないとか、事件によってはとか、より適切に機能するようにと、つまり、人権侵害を相対化しておられますよね。 再審の目的は何か。人権救済の最後の手段と大臣御自身答弁されたんじゃないんですか。人権救済の最後の手段であるべき再審制度がこのような人権侵害を繰り返している。一つの事件じゃない、数々の事件が現在起こっている。そのことについて一体どういう立場取るのかということが、私は政治に問われていると思うんですよ。 様々な意見があると繰り返しておっしゃっていますよね。私は様々な意見ではないと思います。どちらかだと思います。現行制度とその下における検察の活動、そして裁判の格差、これをよしとするのか否とするのかです。大臣は否という立場に立たなければならないんじゃないですか。そうしなければ、人権救済の最後の手段にふさわしい再審法の改正は実現できないのではありませんか。
○国務大臣(平口洋君) 一般論として申し上げれば、再審制度の在り方については、確定判決による法的安定性の要請と個々の事件における是正の必要性の双方を考慮しつつ、様々な角度から検討する必要があるというふうに考えております。 法制審議会においては、様々な立場の構成員により幅広い観点から慎重かつ丁寧に議論が行われたものと承知しておりまして、法務省としては、答申を重く受け止めているところでございます。
○仁比聡平君 確定判決の安定性と今おっしゃったんですが、大臣、何をおっしゃっているか御理解なさっていますか。 袴田事件でいうと、事件の発生から再審無罪の確定まで五十八年掛かりました。死刑という判決にさらされてきたでしょう。無期懲役という判決もありますよね。この人生を奪う誤った判決による明らかな冤罪からの救済というのがこれほど深刻な形で迅速性を欠いているというこのことについて、一方で確定判決がそう言ったんだからと、これ安定させなきゃいけないからだなんていう立場にお立ちになるんですか。 確定判決の、それは確定判決がちゃんと無罪を明らかにしてほしいですよ、私だって。だから、最後のとりでだと、再審は、なんだけど、確定判決が誤っていればそれを正すのが再審じゃないですか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(平口洋君) 委員がおっしゃることも確かにそのとおりでございますけれども、袴田事件ほど時間を要する必要性というこのものは今後ないというふうに信じております。
○仁比聡平君 信じてどうするんですか。大臣が幾ら信じても、制度とそれに基づく検察の活動、そして裁判の格差がある限り、同じ出来事は起こりますよ、起こり得ますよ。 ちょっと別の角度で聞きますけれど、高市総理がこの問題について二月二十七日の衆議院予算委員会で質問をされました。議事録を付けていますけれども、後藤祐一衆議院議員の質問に対して、こうおっしゃっているんですね。 法制審の答申というのは非常に重いものですけれども、審査がこれからありますので、例えば与党内、そして超党派の議連でも御議論いただいていますから、そういった御意見をしっかりと踏まえて適切に判断をするという種類のものであると思っております。 私、この高市総理の答弁を、大臣、横におられたんですけど、どう受け止めておられるのかということが今問われていると思うんですね。 政府は法案提出を検討しておられると、今、法案提出に向けて検討しておられるという段階にあるわけですが、この総理の言うとおり、そういった御意見、つまり、議連案のような意見をしっかりと踏まえて適切に判断するという種類のものである、これを私聞きまして思ったのは、大臣が繰り返しておられる、法制審の答申のような案を押し通すというような性格のテーマではないんだと、ちゃんと議論しなきゃいけないんだということかと思うんですが、どう受け止めておられるんですか。
○国務大臣(平口洋君) 総理の申し上げた件は、私もそのとおりでございます。
○仁比聡平君 であれば、私も参加をしておりますが、この再審法の問題での超党派の議連というのは、去年の五月一日の数字がありますけど、三百八十六人もの衆参の国会議員が、当然自民党を始め与野党を超えて参加をしていますし、直近、総会がこの間ありましたけれども、百八十二人の名立たる自民党の議員の方々も含めてメッセージを寄せられました。かつ、実務者の協議、幹事会、総会を幾度も重ねて、実務法曹、それから研究者、衆議院の法制局の力を借りて、議連の提出を一旦して、今廃案になっていますが、この法案というのはそうやって積み上げられたものなんですよ。 これを、法制審の案は案としてあるでしょうが、議連の案をちゃんと政府の案を検討するに当たってしっかり踏まえて行うんだと、それが総理の答弁の意味だと思うんですが、大臣はどのようにその検討を進めていくんですか。
○国務大臣(平口洋君) 現在、与党内の意見については取りまとめ中でございますので、今確たることは申し上げられませんけれども、それらの手続を経た上で判断をしたいと考えております。
○仁比聡平君 与党、中でも自民党、維新の会、皆さん頑張ってほしいと思うんですよ。問われているのは、国権の最高機関としての国会の責任の重さなんだと思います。 高市総理の言うような意味での検討、議連案もしっかり踏まえて適切に判断をするという種類のものであるという、こういう検討を否定されないと。否定されないどころか、そのように進めるんだというのが大臣のお立場なんだと思うんですね。 そうすると、資料の最後のところに、二月十三日の朝日新聞朝刊から記事をお配りをしています。「再審見直し 審議の裏で議員回り」という記事なんですが、刑事局長のお名前は出ていなかったかな、その刑事局長が永田町の議員会館に頻繁に通い、自ら面会を求めたケースもあれば、呼ばれた例もあるというので、再審制度についていろいろ議員回りをしているという記事なんですよね。 この中で一つ、四段目にあると思いますが、検察の不服申立てを禁止すれば、三審制の下で確定した有罪判決が一人の裁判官の判断でひっくり返るという説得を局長がしておられたんですかね。 こんな話は、先ほどの議連案はちゃんとしっかり尊重するということだったらば、検察官の不服申立ては禁止すべきだというのが私たちの立場です。こんな説得は今後はおやめになるんですね。
○政府参考人(佐藤淳君) この記事でありますけれども、私も取材さえ受けておりませんので、どのような根拠に基づいてお書きになられたのか私は全く分かりませんので。しかも、この個別の報道についてコメントすることは差し控えますけれども、ここで一つだけ申し上げたいのは、私は、この委員会も含めて、様々な場所で、昨年臨時国会中も議論の状況、法制審議会の議論の状況に問われることがありまして、その中で答弁などを繰り返している状況にございまして、その節も、法制審議会の議論の状況などについて、この個別の報道は別といたしまして、折々求められた場合には説明をする機会はあったということでございます。 その上で、様々、今の段階とはその当時また状況は異なっておりますけれども、何といいましょうか、現状、私どもの法制審議会の議論の状況も含めまして、あるいは我々の考え方も含めまして、様々な方々と御相談しているという状況にございます。
○仁比聡平君 いや、記事はそれは根拠があって書いているんだと思いますが、私が尋ねているのは、一人の裁判官の判断で確定判決を覆せるのは不合理だというのが法務省の立場なんですか。一人の裁判であろうが、間違った裁判を覆すことができるのは当たり前じゃないですか。
○政府参考人(佐藤淳君) まず前提として、個別の国会議員に対する具体的な御説明の状況などについてはお答えを差し控えさせていただきますけれども、今のお話でいいますと、この法制審の中でそのような御指摘があったということは事実でありまして、そのような状況があったということを御説明するのは、そのような意味で申し上げているということでございます。
○仁比聡平君 驚くべきことですね。一人の裁判官であろうが、救済すべきは救済するという答弁をされるのかと思っていました。 もう一つ、この不服申立てというのは不当な再審開始決定を正すためというふうに、検察から、検察というか、法務省からそういう答弁もあっていると思いますけれども、検察官による不服申立てがなぜ必要か。それは、不当な開始決定、再審開始決定を正すためだという、そういうお立場ですか。
○政府参考人(佐藤淳君) あくまで一般論として申し上げますと、裁判に対する不服申立てと申しますのは、違法、不当な裁判を是正する機会を確保するとともに、裁判所による慎重、適正な判断を制度的に担保しようとするものでございます。 これは通常審でも同じでありますけれども、再審開始決定に対する不服申立てについても同様でありまして、再審開始決定が三審制の下で確定した有罪判決を覆して再度の公判を開くという重大な効力を持つことから、違法、不当な再審開始決定を是正する機会を確保するとともに、再審開始事由についての裁判所による慎重、適正な判断を制度的に担保しようとするものであると考えられるところでございます。 その上で、そうした趣旨の中には、仮に再審開始事由についての判断が違法、不当なものであったとしても、その一回限りの判断によって三審制の下で確定した有罪判決を確定的に覆せるというのは不合理といった考慮も含まれると考えられるところでございます。
○仁比聡平君 私は、そこが根本的に違うんじゃないかと思うんですよ。通常審と同じなのかと。そうではないと思います。 再審開始決定の当不当を検察組織が判断し、有罪主張を続けてきたという構造、それができるという構造が検察官の不服申立てですよね。無辜の、そういう構造が無辜の非常救済を阻んできたと。検察は実際には公益の代表者なのかと、そうではないのではないかというのが、この相次ぐ再審、そして無罪という、この事件をめぐって裁判官たちが言うように、広く社会で認識されているということなのではないですか。 先ほど来、日野町事件が話題になっています。一九八四年に起こった強盗殺人事件ですけれども、検察が地裁、高裁の再審開始決定に対して特別抗告をしたと。それに対して最高裁が棄却した。この決定文を皆さんにお配りをしています。A4一枚のぺらだけですよ。アンダーラインが引いてあるのは、これは裁判所自身が、最高裁自身が付けてくれているものですけど、まさに三くだり半でしょう。 この最高裁に対して特別抗告をされた、再審開始決定、大阪高裁の決定を私、熟読しましたけれども、百三十ページにわたって、新旧証拠を詳細に検討して、無罪を言い渡すべきことが明らかな証拠に当たるという判断をしている。これに対して検察は特別抗告をした。そうしたら、最高裁は、ぺら一枚で、原判断に誤りがあるとは認められないと検察の主張を下したわけですよね。このことというのは一体何を意味しているのか。 冤罪被害者と家族の皆さんが一月に共同声明を出されています。そこの中で、再審公判で無罪が確定した今となっては、検察の抗告が無実の人を更に苦しめただけの無意味なものであったことは誰でも分かります。再審無罪が確定した例えば袴田さんにとって、検察の抗告が無実の人を更に苦しめただけの無意味なものだった。 この日野町事件はまだ無罪が確定しているわけではないけれど、この最高裁の三くだり半で、論外というこの決定というのは、結局この特別抗告というのは、無実の人、阪原さんを苦しめただけのものなんじゃないんですか。そこに反省はないんですか。
○政府参考人(佐藤淳君) 御指摘の事件につきましては、今後再審公判が予定されているところでございまして、個別事件における検察当局の活動内容、あるいはその最高裁判所の決定書に対する評価を法務当局としてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○仁比聡平君 証拠開示の問題について、先ほどの共同声明、裁判官の共同声明の一枚めくっていただくと、再審開始、無罪になった多くの事件において、決め手になったのは、それまで捜査機関の下で眠っていて、弁護人の度重なる求めによってようやく開示された証拠だという指摘がありますよね。 去年の夏に再審無罪が確定した福井の女子中学生殺人事件、前川彰司さんが長年の間冤罪だと闘い続けてきましたが、この事件は、六人の目撃証言がなかったのに、さもあったかのように供述が収れんしていくと。その下で、日弁連の資料お配りをしていますけれども、別の事件の逮捕者や周囲の関係者らが前川さんが関与していると供述をしたと、このことが有罪確定をさせ、再審を阻んでいく大きな原因になってきたんですね。ところが、第二次再審になって、その証言というのは、その目撃をした日に「夜のヒットスタジオ」を見たという証言が全然違う日の話だったという証拠が出てきて、覆された。しかも、その証拠というのが、一九九〇年の第一審、確定審の第一審のときから検察は知っていたということが明らかになったでしょう。
○委員長(伊藤孝江君) 仁比委員、時間ですので、おまとめください。
○仁比聡平君 三十年余りにわたって証拠を隠してこうやって人生を奪ってきたということに対して何の反省もないまま、まともな再審の法の改正の議論なんてできるはずがないと思いますが、時間が過ぎてしまいましたから、御答弁をいただくわけにいかないんでしょう。 局長も大臣も、根本的な反省に立ってこの議論に臨むべきだということを強く申し上げて、質問を終わります。
○北村晴男君 日本保守党の北村です。よろしくお願いします。 大臣所信において、外国人との秩序ある共生社会の実現について言及がありました。これまでの共生一辺倒の在り方を見直し、秩序ある形に変えていくという大方針には賛成いたしますが、個々の具体的な施策につきましてはただすべきものがあると考えております。 まず、外国人に対する生活保護についてでございます。 我が国に滞在する外国人に対する生活保護については、昭和二十九年の生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置についてと題する各都道府県知事に宛てた旧厚生省社会局長からの通知に基づき、各地方自治体において実施されているものと承知しています。この通知は、冒頭で、生活保護法により、外国人は法の適用対象とならないものであるがとして、法律の根拠なく単なる行政判断で通知するものであることを認めた上で、期間についても当分の間行うとしています。それ以来、国会の審議も経ずして、七十二年間もの間、外国人に対する生活保護を漫然と続けてきたものです。 まず、この生活保護法が定める際、国会があえて、その議論を経て対象範囲を日本国民に限定して生活保護を実施することに決定したにもかかわらず、厚生省社会局長の個人的な価値観なのか、あるいは厚生省独自の価値判断なのか、支給範囲を外国人に拡大する通知をして都道府県知事に従わせることとした点、これについては重大な疑問がありますが、古いことでもあり、ここでは一旦おきます。 この通知は、現在と比較して在留外国人の数自体が少なく、したがって、生活保護を受給する外国人の数も格段に少なかった時代に出されたものです。昭和二十九年の外国人登録者数は約六十二万人であったのに対し、令和七年末の在留外国人数は約四百十三万人と、約七倍になっています。他方、国民の暮らしに直結する国民負担率、すなわち、国民所得に占める税金や社会保障の負担の割合についても、昭和二十九年頃、これは正確な数字が見付かりませんでしたが、約二二%前後でした。それに対して、令和八年度は四五・七%の見込みとされています。 この国民負担率の異常な高さは本来大問題であって、働けど働けど我が暮らし楽にならずという実感を持っておられる国民の方も多いと思われるところ、この点は必ずしも、ごめんなさい、この点は必ず解決しなければならない政治の課題だと認識しておりますが、ところで、この二倍以上に国民負担率が増え、外国人数も約七倍に増えている中で、国会での議論もなく、七十二年前に厚生省局長の価値判断でなされたと思われる外国人への生活保護支給を続けることに納得できる国民は多くはないというふうに思われます。 加えて、行政、とりわけ地方行政は先例、慣例に強く縛られやすいところ、各地方自治体において現時点での是非をしっかり検討、判断した上でなされているものとは到底思えません。 この点についてまず事実確認をさせていただきますが、現在、全ての地方自治体で外国人も生活保護支給の対象とする運用になっているのでしょうか。また、政府として、この国会の議論も経ずに、昭和二十九年の局長通知に基づいて現在も同じ措置が講じられている現状について、これが適切であると認識されているのかどうか、厚生労働省にお聞きします。
○政府参考人(伊澤知法君) お答え申し上げます。 生活保護法は、憲法二十五条の理念に基づきまして、委員からも御指摘ございましたけども、日本国民を対象と定めているところでございます。 一方、生活に困窮する外国人につきましては、御指摘の昭和二十九年の通知に基づきまして、人道上の観点から、永住者、定住者等の一定の在留資格を有する場合について、行政措置として生活保護の取扱いに準じた保護を行うとしているところでございます。 また、保護の実施機関におきましては、この通知の趣旨に沿って、生活に困窮する外国人の方の実情に応じて対応していただいているものと認識してございますけれども、制度の利用実態の把握が十分ではないのではないかという課題が指摘されているところでもございますので、厚生労働省としては、制度の利用実態等に関する情報収集を進めてまいる所存でございます。
○北村晴男君 法律があえて日本国民に限定しているものを、これを拡大して税金を投入しているという事実、これを決して忘れないでいただきたいというふうに考えます。 先ほど申し上げたように、数が格段に増加していると思われる、そして国民にとっても負担が大きくなっていると思われる、この点は間違いありません。もちろん、人道上の措置を一概に否定する考えはありませんけれども、生活保護の原資は、これは、恐縮ですけど、行政官のポケットマネーで行われるものではなくて、税金で行われているものでありますから、広く国民の合意、納得の上で講じられるべきものであるというふうに考えています。 そうした意味で、手続的に全く国民の意思が反映していないこの現状については、国としても、漫然と先例に従うものではなく、その妥当性について考え直すべき時期に来ていると考えています。 次に、在留資格の更新、変更の許可について伺います。 在留資格の変更、更新の許可に当たっては、独立生計要件、すなわち、独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有することが要件となっており、許可を受ける外国人は将来的にも公共の負担にならないだろうと判断されているということになります。 入管庁として、当該外国人がどの程度の資産、技能を有していればこの要件を満たすと判断しているのか、具体的にお示しください。また、生活保護を受給している場合、基本的に独立生計要件を満たさず、不許可になるという理解でよいかどうか、併せてお答えください。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 出入国在留管理庁といたしましては、外国人から在留資格変更許可申請等がなされた場合には、申請人の生活状況として、日常生活において公共の負担になっておらず、かつ、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれるかどうかについて確認しております。 具体的な判断基準についてはお答えを差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げれば、生活保護を受給している事実が判明した場合には、在留資格変更許可申請等に係る審査におきまして消極要素として評価することとなり、基本的には人道上の理由が認められなければ不許可処分とすることになると考えております。 出入国在留管理庁といたしましては、引き続き適正な審査に努めていきたいと考えております。
○北村晴男君 今おっしゃった人道上の理由が認められる場合、これは具体的にどういうケースでしょうか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 具体的事例についてお答えすることは差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げれば、入管庁としては、人道上の理由を含め、申請人が有する様々な事情を個別具体的に踏まえて適切に判断させていただいているところでございます。
○北村晴男君 推測するところ、齋藤法務大臣の時代に在留特別許可が与えられたような、例えば子供が日本の学校に通っている場合、そんな場合が該当するのかなと想像いたしますけれども、そもそも、今申し上げたケースについて人道上の理由として在留許可を認めるということは極めて不適切だというふうに考えております。 といいますのは、日本人でも外国人でも、親の都合で転校しなけりゃいけない、あるいは外国に行ってその外国の学校に行かなきゃいけない、そういう事例はたくさんあるわけで、これが人道上問題があるケースとは誰も考えていないということでございます。ですから、難民、ごめんなさい、失礼しました、在留許可が与えられなければ本国に帰って本国の学校に通わなきゃいけない、それが人道上不適切、人道上問題があるというのは判断として間違っているというふうに考えております。 次に、永住許可の問題についてお聞きします。 許可時点で一度独立生計要件を満たせば、その後はこの要件についてチェックすることはないものと理解しています。そして、現行の入管法上、独立生計要件を満たせなくなったことは永住許可の取消し事由にはなっていないものと理解していますが、独立して生計を営むことが不可能又は困難となった外国人については永住許可を取り消すべき場合もあるのではないでしょうか。 令和八年一月二十三日の関係閣僚会議にて決定された外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策、以下、総合的対応策と呼ばせていただきますが、それにおいては、永住者の在り方の検討にも言及しておられますが、生活保護の受給状況、これを永住許可の取消し事由とすることについても検討されるのかどうか、お答えください。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 令和六年の入管法改正により、永住者に係る在留資格の取消し事由としまして、入管法に規定する義務を遵守しないこと、故意に公租公課の支払をしないこと、特定の刑罰法令違反により拘禁刑に処せられたことが追加されたところでございます。 一方、生活保護を受給していることについては取消し事由とはなされておりません。これは、永住者が生活保護を受給することとなった経緯や理由は様々であり、と考えられまして、生活保護を受給していることをもって一概に在留状況が適切でないと評価することはできないと考えられたことからでございます。 先生御指摘のとおり、先般取りまとめられました総合的対応策におきまして永住許可の在り方を検討することとしておりまして、今後の課題の一つとして、改正入管法の施行状況、これを踏まえまして、取消し事由の範囲の拡大を含めた更なる検討を進めることとしております。
○北村晴男君 今おっしゃったことは、一概に取消し事由にするのは適切でないケースもあるだろう、それは理解いたします。しかし、場合によっては取消し事由とすべきケース、ごめんなさい、取り消すべきケースもあると思われますので、この点も柔軟に対応できるような検討をお願いしたいというふうにお願いしておきます。 さて、帰化制度についてお聞きします。 帰化の許可につきましても永住許可と同様の問題がありますが、帰化の場合にはそもそも帰化の取消しの制度が定められていないという問題点があります。 例えば、生活保護を長期間受給している場合とか、あるいは犯罪を繰り返すなど日本の社会、文化に対する敵対的行為を繰り返す場合など、帰化の取消し制度を創設した上で、それらを帰化の取消し事由とすべきと考えております。 この点、先ほどの総合的対応策においては、帰化の厳格化を検討していくという記述がありますが、こういった点、つまり帰化の取消し制度の創設についても検討対象とされるのかどうか、お答えください。
○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。 帰化の審査に当たっては、申請者の経済状況や遵法精神を含め、個別の事案に応じて厳格な審査を行っているところでございます。 その上で、一般論として申し上げると、帰化した者は、通常は帰化によって日本国籍の単一国籍となり、日本国民として種々の権利義務が生じます。そのため、帰化の取消しによってその効果が覆されると、帰化した者は無国籍となり、その親族等にも大きな影響を与えることになるため、御指摘のような制度の導入については、その必要性や制度内容の在り方を含め、慎重に検討する必要があるものと考えております。 いずれにしても、総合的対応策における帰化の厳格化について、引き続きしっかりと検討してまいりたいと考えております。
○北村晴男君 今おっしゃった法的な安定性というのは一定程度理解はいたしますが、しかし、いかにその帰化の段階、帰化許可の段階で厳格な審査をするとはいっても、その人がどういう犯罪性向を有しているのかとか、あるいは日本に対して敵対的な心情を持っているのかとか、あるいは本当に生活力があるのかどうかなど、将来予測を正確にするということは基本的には非常に難しいことだと考えております。 であれば、先ほどおっしゃった、帰化をしたら日本人になるんだと、日本人としての権利義務を持つんだという、そのこと自体は分かりますが、そもそも最初に判断が難しいものである以上は、例えば法的な位置付けとしては、仮免許でも何でもいいんですけど、仮に許可された者という法的な位置付けをした上で、例えば帰化の許可から七年間とか十年間とか一定の期間を区切って、その間に、そもそもこの人は日本人になってもらっては困る人だよねと、そういうことが明らかになるような事情が出てきたら帰化を取り消す制度、つまり一定の期間に限ってですね、ということは極めて合理的なものと理解しております。 人間がつくる制度ですから、より日本人が、あるいは帰化された後の日本人が日本社会でもって幸せに生活できるような制度設計はどのようにでも可能なので、その点について十分に検討していただきたいというふうに考えております。 さて次に、難民認定の関係で御質問いたします。 以下に挙げる判例は、いずれも、難民申請がなされ国が難民と認定しなかったところ、訴訟で争われ、国が敗訴したものでございます。 一つ目は、令和五年三月十五日付け大阪地方裁判所判決です。ウガンダ国籍を有する原告について、レズビアンであることを理由に、ウガンダに帰国すると迫害を受けるおそれがあると認められ、難民に該当するとされたものです。 二つ目は、令和七年二月二十七日付け大阪高裁判決です。チュニジア国籍を有する男性について、チュニジアにおいて同性愛者であることを理由に家族から暴力を受け、警察官に助けを求めても逮捕を示唆され保護を受けられなかったことなどを理由に、難民に該当するというふうにされたものです。 これらの訴訟においては、迫害のおそれの有無、これが争点となりましたが、判決文を読む限り、迫害のおそれについて、いずれも現地調査、つまりその国、ウガンダやチュニジアでの現地調査を行っていないように見受けられました。 別件のトルコ国籍のクルド人、いわゆるクルド人について迫害のおそれがあるか否かが争われた訴訟では、法務省が約二十年前にトルコ国内で詳細な事実調査を行い、その調査結果が決め手となって迫害のおそれなしとされて国側が勝訴したものがありました。 そこで、お聞きします。 このチュニジアのケース、ウガンダのケースでは現地調査を行っていなかったという理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 お尋ねは個別の事案の審査や応訴対応の方針に関わるものであるため、お答えを差し控えさせていただきますが、御指摘の出身国において現地調査することは、現地の生の情報に接するといった点で有益であると考える一方、その国の国情、申請者のプライバシーの保護及び迫害の誘発のおそれのないことなどを十分に考慮する必要があること、また調査に係る負担等も考慮しなければならないと考えております。 一般論として申し上げれば、国籍国等においてLGBTとしての特定の行為を処罰することを目的とする法令が存在するというだけで我が国において難民と認められるものではなく、この点については御指摘の判決でも変わっていないところでございます。
○北村晴男君 ウガンダとチュニジアのケース、これは、例えばですけど、同性愛者であるということを主張すれば難民認定を得られると考える者が多数出てくる可能性があるという点で影響が大きいとも考えられます。 しかるべきときに現地調査を行うべきと考えますが、ここで、先ほど申し上げたクルド人のケースでもって現地調査を行った、それについて日弁連が、その調査の方法について人権侵害であるという警告を行いました。その警告の是非はさておき、それがあって法務省としては現地調査について二の足を踏んでいるのではないかというふうな疑念があります。日弁連の警告それ自体が必ずしも正しいとは言えないものであって、その警告の中に含まれている適切な部分は生かしつつも、しかし、現地調査をしなければ本当に迫害があるかどうか分からないというケースも大変多いものですから、その現地調査について、日弁連の警告によって萎縮することのないように、毅然として調査を行っていただきたいというふうに考えております。 最後に、昨年も同じ質問をしましたが、日本の治安にとって極めて重要な件であるにもかかわらず、法務省の認識が極めて甘いと考えられますので、再度お聞きします。 退去強制事由についてですが、罰金刑に処せられた外国人や犯罪の嫌疑があって逮捕、勾留され不起訴処分になった外国人については、現行入管法では国外退去させることができません。こうした外国人のうちで日本の治安を害するおそれがあると認められる者について国外退去させることができるように入管法を改正すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 委員御指摘の罰金刑に処せられた又は不起訴処分となった外国人については、刑事手続において違反行為の軽重等を考慮した上でそのような処分となったと考えられ、御指摘のような入管法改正を行うことについては慎重な判断が必要と認識しております。 その上ででございますが、本年一月、政府において取りまとめた外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策におきましては、当庁の割当てとしまして、退去強制事由の拡大について海外事例を参考にしながら検討する、こういう課題が与えられているところでございます。退去強制処分の性質等に鑑みながら検討を進めてまいりたいと考えております。
○北村晴男君 不起訴処分の中には、例えば性犯罪を行って示談が成立したとか、あるいは被害者が法廷に立ちたくないなど、そういった理由で不起訴になるケースも大変多いと。加えて、外国人については、コミュニケーションがうまくいかない、そして通訳を入れても日本人の取調べに比較して二倍、三倍、四倍の時間が掛かると。そのために、刑事訴訟法に定められた身柄拘束期間内で容疑を固めることができない。そこで、やむなく不起訴にせざるを得ない。こういう声は現場から大変上がってきております。 そんなことも考えますと、そこは柔軟な制度設計が必要な部分というふうに考えておりますので、是非とも前向きな検討をお願いしたいというふうに考えております。 以上です。ありがとうございました。
○委員長(伊藤孝江君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時十分散会