内閣委員会 第20号
- 発言数
- 202 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2026/07/16
会議録
○委員長(北村経夫君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、小林一大君が委員を辞任され、その補欠として青木一彦君が選任されました。 ─────────────
○委員長(北村経夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国旗の損壊等の処罰に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房長笹川武君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(北村経夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(北村経夫君) 国旗の損壊等の処罰に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりでございます。 先般の参考人質疑では、それぞれ異なるお立場の参考人の皆様、第一線で御活躍をしていただいている有識者の皆様に大変貴重な御意見を賜りました。賛同する御意見や、また御懸念点について深く掘り下げて御説明をいただいたかと思います。大変参考になりまして、本日は、その参考人質疑でいろいろ示された論点を踏まえて提案者に質問をさせていただきたいというふうに思います。 前回、私は、我が国において国旗に対する思いが「日のまる」という文部省唱歌を通じて自然な形で育まれてきたということを皆さんと共有をさせていただきました。今回は、諸外国における国旗への思いについてまずは伺っていきたいと思います。 先日の参考人質疑では、自国の国旗損壊罪を定めているイタリアやドイツ、フランス等、諸外国の背景についての御説明もございました。私は、各国におきまして保護法益に違いはあれど、自国に国旗損壊罪を定めている国、また定めていない国においても、歴史や文化、教育によって国旗を大切に思う国民感情は醸成されるのだろうというふうに考えております。 そういう中で、提案者は、このように国旗を大切に思う国民感情の性質や重要性について改めてどのようにお考えなのか、お聞かせください。
○衆議院議員(黒田征樹君) ありがとうございます。 本法案の立案に当たりましては、諸外国の立法例というのも調査をしたところでありますけれども、例えばアメリカ、フランス、ドイツ、イタリア、中国、韓国といった国々では、自国の国旗の損壊等に対する処罰規定が設けられております。もちろん、各国の法体系、また国旗に関する歴史的な背景などには違いがありますけれども、それぞれの国旗損壊罪の構成要件や保護法益は様々でありますが、いずれにせよ、国旗を大切に思う国民の気持ちは万国共通でありまして、これを守っていくことは極めて重要であるというふうに考えております。
○高木かおり君 今提案者の方からも、この国旗を思う気持ち、万国共通だということで、やはりお互いの国家や国民を尊重し合うことにつながっていくということで非常に重要なものだというふうに考えております。 そういう中で、本法案の合憲性についても順次伺っていきたいと思います。 参考人質疑では、憲法第三十一条の罪刑法定主義における明確性の原則であるとか、思想及び良心の自由、これは憲法第十九条です、表現の自由、憲法第二十一条という三つの観点から違憲の疑いが高いという御指摘が参考人質疑ではございました。しかしながら、本法案第二条の罰則は、国旗の損壊等として外形に表れた客観的な行為のみを構成要件として、個人の内心に立ち入って、その行為の基礎となった思想や信条を処罰するものではなく、また、その思想、信条に反する特定の行為を強いるものではないということでございます。加えて、目的犯とせず、保護法益を国民感情という社会的法益にとどめて、第二条第二項の総合的勘案規定、第三条の適用上の注意規定、こういったものを重ねることによって表現の自由に対する制約の程度を必要最小限にとどめる設計となっていると理解をしているわけです。 改めて、提案者に伺いたいと思います。 本法案が思想及び良心の自由、表現の自由、そして罪刑法定主義のいずれの観点からも憲法に違反するものではないと考える理由について、総合的な法設計の観点から御説明を願います。
○衆議院議員(黒田征樹君) ありがとうございます。 今質疑の中で述べられたその理解というのは、もうまさにそのとおりだなというふうに思います。 その上で、まず、本法案の二条の罰則というのは、あくまでも国旗の損壊等として外形に表れた客観的な行為を処罰の対象とするものでありまして、個人の内心に立ち入って、その行為の基礎となった思想、信条を処罰するものではありませんし、その思想、信条に反する特定の行動を強いるものでもありませんから、思想及び良心の自由を保障する憲法十九条に違反するものではないというふうに考えております。 また、確かに表現の自由というのは基本的人権のうちでもとりわけ重要なものであるというふうに考えておりますが、国旗を大切に思う国民感情の保護という社会全体の重要な利益の保護を図るために本法案二条の罰則を設ける必要性が極めて高いこと、また、本法案二条の罰則は、国旗の損壊等の行為によってなされる表現の内容、すなわち伝達されるメッセージとは全く無関係に、その行動がもたらす弊害を防止するためのものにすぎませんので、表現の自由に対する制約の程度は小さいことなどから、本法案二条の罰則は必要かつ合理的な規則であり、表現の自由を保障する憲法二十一条一項に違反するものではないというふうに考えております。 さらに、本法案二条一項の「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」と、その文言については、同条二項の規定が行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情に基づいて判断する旨を定めていることも併せて考えますと、その文言から、通常の判断能力を有する一般人の理解において、その行為の態様や周囲の状況などから具体的場合に当該行為がその適用を受けるものなのかどうかの判断を可能ならしめるような基準が十分に読み取れると考えられることから、刑罰法規として十分な明確性を備えており、憲法三十一条にも違反するものではないというふうに考えております。
○高木かおり君 丁寧に御説明をいただきまして、ありがとうございました。いずれも憲法に違反するものではないということで、合憲性に関連して、次の質問に移りたいと思います。 罪刑法定主義における明確性の原則というところにスポットを当てたいというふうに思います。 この本法案は、罪刑法定主義における明確性の原則、第二条第一項の「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により、」という文言について、何が処罰対象になるか国民があらかじめ判断できないほど曖昧ではないかが指摘されているので、ここもしっかりお聞きをしておきたいというふうに思います。 最高裁判例上、この明確性の原則というのは、通常の判断能力を有する一般人が、具体的な場合において自己の行為がその適用を受けるかどうかを判断できる基準が読み取れるか否かによって判断されるものと私は承知をしております。既にストーカー規制法を始めとする現行法には、著しく不安を覚えさせるようなといった評価的文言が用いられておりまして、それらが直ちに違憲とされてきたわけではありません。むしろ、こうした評価的文言は、あらゆる事案を機械的、網羅的に列挙することが技術的に不可能である以上、規範的な要件として一定程度設けざるを得ないものでありまして、そのこと自体が直ちに罪刑法定主義を違反する意味、違反を意味するものではないというふうに私は理解をしております。 本法案の文言も、対象を著しく不快又は嫌悪の情を催させる方法に限定することで、通常人であれば何が該当するかを合理的に判断し得る基準として機能するものだと考えるわけですが、提出者の御見解を改めてお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(黒田征樹君) 確かに、憲法上の権利を制限する規範は明確でなければならないと。特に、表現の自由を制限する法律については萎縮効果の防止の観点から、また、刑罰法規については罪刑法定主義の観点から高い明確性が要求されるもの、これは承知をしております。 しかしながら、今、高木委員の御指摘のとおり、一般に、法規は、規定の文言の表現力に限界があるばかりではなくて、その性質上、多かれ少なかれ抽象性を有しております。表現の自由を制限する法律や刑罰法規もその例外を成すものではありませんので、これが明確であるかどうかは、通常の判断能力を有する一般人の理解において、具体的場合に当該行為がその適用を受けるものかどうかの判断を可能ならしめるような基準が読み取れるかどうかによってこれを決定すべきであるというのが判例の考え方であるというふうに認識をしております。 この点、本法案二条一項の「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」との文言は、確かに一定の抽象性を有するものの、同条二項の規定が行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情に基づいて判断する旨を定めていることも併せて考えますと、社会通念に照らせば、自分がどのような状況下でどのような態様により国旗の損壊等の行為を行えば、国旗を大切に思う国民感情、これを侵害することになるかについては常識的に判断することが考えられるものでありまして、その意味でも、判例が示す基準が十分に読み取れるというふうに考えております。 したがって、本法案二条一項の「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」との文言は、表現の自由を制限する刑罰法規として十分な明確性を備えておりまして、憲法二十一条一項、三十一条に違反するものではないというふうに考えております。 なお、この文言については、先ほどありましたけれども、ストーカー規制法二条一項六号、DV防止法十条二項六号の「著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物」、また、軽犯罪法一条二十号の「公衆にけん悪の情を催させるような仕方」など、様々な類似の刑罰法規の文言の例も踏まえて規定したものでありまして、本法案の文言についてのみ規範として明確性を欠いているとの、そういった御指摘は当たらないというふうに考えております。
○高木かおり君 ありがとうございます。 質疑を通して、やっぱりこの立法事実についても何度も議論が交わされてまいりました。前回七月九日の質疑では、自己所有の国旗を損壊した具体的な国内事例が確認されていないということを理由に、立法事実が乏しいのではないかという御指摘もございました。しかしながら、現行法上、自己所有の国旗の損壊等を処罰する規定がない以上、そもそも統計や報道の対象となりようがないということ、また事例が確認されていないことをもって直ちに立法事実がないとは言えないのではないかというふうに私は考えております。 昨今、このSNSの加速度的な普及とグローバル化が進展する中におきまして、海外における国旗損壊事案がリアルタイムに近い形で我が国の人々に伝わってしまい、様々な影響を与えるということは否定できないというふうに思います。現在、今国会では、ヒトゲノム編集胚の将来に及ぼす影響に鑑み、取扱いの規制に関する法律案が審議をされております。将来にわたるこの法益侵害の蓋然性を踏まえた立法というのは共通するものがあるというふうに思われます。 この点に関しまして、改めて、本法案の立法事実に関する提出者の基本的な考え方をお伺いしておきたいと思います。
○衆議院議員(黒田征樹君) 立法事実に関しましては、例えば、昭和六十二年に競技会場に掲揚されていた日の丸を引き降ろしてライターで火を付けて掲げた後、その場に投げ捨てて半分ほど焼失させるといった事例、また、平成三年に大学生四人が大学正門に掲揚されていた日の丸を引きずり降ろした事例、平成八年には、旧日本海軍殉職者記念碑近くのポールに掲揚されていた日の丸を焼いた事例、平成二十年には、神社の境内で参拝客が所持していた日の丸を奪い、足で踏み付けた上、さおを折った事例など確認をされております。 これらはいずれも器物損壊罪や暴行罪等で検挙された事例で、報道されて事実関係が明らかになったものであるため確認できたものでありますけれども、御指摘の自己所有の国旗の損壊など検挙に至っていない事例であれば、これ以上にあるものと推察はされます。 そして、近年、SNSが加速度的に普及してグローバル化が進展する中で、国内にとどまらず海外でも生じている国旗を損壊する行為がリアルタイムあるいはそれに近い形で我が国の人々が知るところとなり、過激であればあるほど耳目を集め、様々な形で影響を与えることは否定できません。 このような事情を踏まえつつ、国旗を損壊する等する事案の発生を将来に向かって抑止する必要性があることも立法事実の一つではあるというふうに考えております。今御指摘ありましたヒトゲノム編集胚の取扱いの規制に関する法律案などもそのような考えに基づいているものだというふうに認識をしております。 以上が本法案の立法事実として前提としているものであり、刑罰法規を立法する際のものとして必要かつ十分なものだというふうに考えております。
○高木かおり君 ありがとうございます。 ちょっと時間の都合上、少し質問を飛ばさせていただいて、問い八に移りたいと思います。 悪ふざけ等のライブ配信についてということなんですが、やはり、この議論を通じても、このライブ配信に関する質問というのも各委員からたくさんあったかと思います。 先日の参考人質疑でも触れられておりましたとおり、本法案の適用に当たっては政治的表現や芸術表現などが中心に議論をされてきました。憲法上、特に手厚い保護に値する表現の行為が萎縮しないようにという観点からの議論であったというふうに認識をしております。 単に、受け狙い、面白半分、炎上目的、こういったいわゆる悪ふざけとして国旗を著しく不快な方法で公然と損壊したりライブ配信するような行為について、これは処罰対象と考えておりますが、これについて相違ないか、この点についてお答えください。
○衆議院議員(黒田征樹君) 人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法という構成要件に該当するか否かについては、どのような目的で行為に及んだかということは考慮せずに、行為の態様や周囲の状況等の客観的事情を総合的に勘案して判断することになります。このため、構成要件該当性の判断の段階において、単に悪ふざけの目的であったかどうかというような、そのような事情には左右されません。その上で、違法性阻却事由の有無の判断の段階においては、行為の目的も含め、個別事案ごとに認められる諸事情を総合的に勘案して、社会通念上相当性を有するものとして許容されるべきであるか否かが判断をされます。 一概には言えませんけれども、単なる悪ふざけによるものと認定されれば、社会通念上相当性を有するものとして許容されるとは言い難いとは思われます。ですので、違法性は阻却されないのではないかというふうにも考えられます。 以上です。
○高木かおり君 続いて、ライブ配信におけるシェアとかリポストということについてもお伺いをしていきたいと思います。 本法案では、この公然と国旗を損壊する行為をライブ配信する行為も処罰対象となっているわけです。近年のこのSNS社会、ある投稿が瞬時に不特定多数に拡散される構造になっておりまして、国旗を損壊する様子のライブ配信、そのURLを事情を知らない第三者が単純にシェアやリツイート、あるいは、いいねをする場面というのも想定されるわけです。 この単純なシェアやリツイートは通常、投稿者と正犯者との間に共犯としての意思の連絡があるとは認められず、幇助犯としても処罰の対象とはならないという理解でよろしいでしょうか、お答えください。
○衆議院議員(黒田征樹君) 国旗を損壊等する状況をライブ配信する動画を、今おっしゃられたようにシェアしたりリポストしたりする、そういう場合において、国旗を損壊等して、その状況をライブ配信する者と、これをシェアしたりリポストしたりする者との間で意思連携があって、共に犯罪を自覚しているという、そういうときにおいては、事案ごとの個別具体の判断になりますけれども、共同正犯あるいは幇助犯が成立することもあり得るというふうに考えております。 他方で、事情を知らない第三者が単純にシェアやリポストをする場合など、両者に意思連絡がない場合には共同正犯は成立せず、また、シェアやリポストによって公然と国旗を損壊する等する行為を容易ならしめたとは言えないということで、幇助犯も成立しないということではないかというふうに考えております。
○高木かおり君 ありがとうございます。 時間が参りましたので、質問少し残しましたが、これにて質問終了させていただきたいと思います。ありがとうございました。
○大津力君 参政党の大津力でございます。 今回で、参議院でも参考人質疑を含め三回目の質疑となります。そこで、改めて基本的なことを確認することとしたいと思います。 まず、憲法問題についてでございます。これまでの議論の中で、思想、良心の自由との関係、表現の自由との関係、そして罪刑法定主義との関係が憲法問題として問われてきたところであると承知をしております。 そこで、第一に、思想、良心の自由との関係についてでお尋ねします。 この法案については、国旗尊重義務規定も置かれていませんし、国旗を敬うことを強制するような規定もございません。他方で、憲法の保障する思想、良心の自由との関係がこれまでも問われてきたところでございます。この点、思想、良心の自由は絶対的なものであるということは誰もが共有をしているところであり、本法案も、国旗の損壊等の基礎となった思想、信条を処罰するものではないからこれを侵害するものではないと答弁をされてきたことは承知をしております。しかし、実質的には国旗に敬意を表したくない人に敬意を表することを要求するものであり、その意味で、思想、良心に対する制約に当たるのではないかとの考え方もあると聞いております。 このようなことを踏まえた上で、本法案が思想、信条の自由を侵害するものではないとするその考え方及びそれを担保するための条文構成について、改めて法案提出者にお伺いいたします。
○衆議院議員(豊田真由子君) 本法第二条の罰則は、あくまでも国旗の損壊等として外形に表れた客観的な行為を処罰の対象とするものであり、個人の内心に立ち入って、その行為の基礎となった思想や信条を処罰するものではございません。 したがって、例えば、国旗を否定する思想に基づき国旗の損壊等が行われた場合であっても、そうした思想そのものを処罰するものではなく、また、国旗を肯定する思想を持つことを強制したり、国旗を否定する思想を持つことを禁止したりすることではないことはもちろん、国旗を否定する思想に反する行為、例えば国旗に対して敬意を表明する行為を要求するものではございません。こうしたことから、思想及び良心の自由に対する制約にはならず、憲法第十九条には違反しないと考えております。 このことは、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により公然とという客観的な行為態様を構成要件としておる規定や、その方法に該当するかどうかの判断については、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情に基づいて行う旨を定める規定などの本法案の規定自体からも明らかであると考えております。 さらに、本法案では、これまで申し上げたようなことを前提としつつ、なお入念的に、適用に当たって思想及び良心の自由を含む日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害することのないよう、いわゆる適用上の注意の規定を設け、万全を期すことといたしております。
○大津力君 ありがとうございます。本法案が思想、信条の自由を侵害するものではないということがよく分かりました。 続きまして、第二に、表現の自由との関係についてお尋ねをいたします。 この点についても、表現の自由は憲法上保障される人権の中でもとりわけ重要なものであることを踏まえた上で、法案提出者は、表現の自由を侵害するものではないとの御説明を繰り返し御答弁されてきたところであると承知をしております。 しかしながら、それでもなお、本法案は表現の自由を侵害するおそれがあるのではないか、表現行為などに対して萎縮効果を及ぼすのではないかといった漠然とした不安が解消されずに残っている部分があるのかもしれません。国旗を損壊するという行為は、そこにメッセージを含む、言わば象徴的表現行為であることも考えられるわけですから、そのような行為を処罰することで象徴的表現行為を封じてしまうことにならないかといった疑問があるのかもしれません。 そこで、本法案が表現の自由を抵触するものではないとの考え方及びそれを担保するための条文構成について、最高裁判例とも照らし合わせた上で、改めて法案提出者にお伺いいたします。
○衆議院議員(豊田真由子君) 本法案が表現の自由を侵害するものでないということにつきましては、これまでも累次御答弁を申し上げてきておるところでございますが、それに加えまして、御指摘のあった象徴的表現行為につきましてお答えを申し上げます。 確かに、国旗の損壊等のような象徴的表現行為は、現代社会における効果的な表現手段となり得るものではございます。しかしながら、だからといって、常に個人が最も効果的であると思う表現手段を選択するという利益が、そのような表現手段が取られた場合に侵害される他の利益に優先されるわけではないということは最高裁の判例等においても示されているところでございます。 そして、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法で公然と国旗を損壊等する行為が何らかの政治的主張のための効果的な表現手段となり得る場合であっても、そのこと自体が国旗を大切に思う国民感情を保護する本法案の罰則を免責する十分な理由になるわけではないというふうに考えております。このことは、現行法におきましても、例えば、裸でデモ活動を行えば公然わいせつ罪、神社に政治的主張を落書きすれば礼拝所不敬罪に問われること、またその可能性があるということと同様でございます。 こうした考え方に基づきまして、本法案は、必要かつ合理的な規制として表現の自由を保障する憲法二十一条一項に違反するものではないというふうに考えております。
○大津力君 ありがとうございます。本法案が表現の自由に抵触するものではないという考え方がよく分かりました。 続きまして、第三に、罪刑法定主義との関係についてお尋ねをいたします。 本法案が刑罰を定める法案である以上、どのような行為をすれば犯罪行為として処罰されるのかが明確になっていなければならないということは言うまでもございません。この点、特に本法案第二条第一項の、人が著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法という文言について、具体的にどのような行為が該当するのかが分かりづらいのではないかといった御意見にもしっかり答えていく必要があるのではないかと思っております。 そこで、この文言が意味をするところ、また、そのことが刑罰としての明確性を欠くものではないという点について、最高裁判例の考え方とも照らし合わせた上で、改めて法案提出者にお伺いをいたします。
○衆議院議員(平沼正二郎君) お答えを申し上げます。 罪刑法定主義との関係については、本法案が刑罰法規である以上、明確で、明確でなければならないということは言うまでもございません。これは委員御指摘のとおりだと思っております。 その上で、本法案では、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法という構成要件を定めておりまして、この意味は、一般通常人から見てひどく快くないと感じさせ、また不愉快に感じさせるような方法をいい、これに該当するかどうかについては、行為者自身やこれを見た者が現実に不快感や嫌悪感を覚えたか否かではなくて、あくまで一般通常人を基準といたしまして、国旗を大切に思う感情を害するに足ると認められるか否かによって判断されることとしております。 このような規定ぶりとすることによって、最高裁判例でも示されている、通常の判断能力を有する一般人の理解において、具体的な場合に当該行為がその適用を受けるかどうかの判断を可能ならしめる基準は十分に読み取れるものでありまして、その意味で、本法案の処罰規定が罪刑法定主義に反するとは考えておりません。 なお、本法案の規定は、ストーカー規制法や軽犯罪法の規定を参考しているものでありまして、本法案についてのみ不明確であるという批判も当たらないと考えております。
○大津力君 ありがとうございます。 この本法案第二条第一項のこの文言が刑罰としての明確性を欠くものではないという考え方がよく分かりました。 それでは、続きまして、四点目、次に、附則の規定について質問をさせていただきます。 第一に、附則第一項でこの施行期日が定められており、そこでは公布の日から起算して二十日を経過した日とされております。本法案が刑罰を定める法律であるということを考えると、二十日という日数はかなり短いようにも思えるのでございますけれども、このように早期の施行を定めた理由をお聞かせいただきたいと思います。 また、あわせて、刑罰を定めるほかの法律で、公布の日から起算して二十日を経過した日といった同様の早期の施行期日を定める例があれば、併せてお聞かせいただきたいと思います。
○衆議院議員(豊田真由子君) 本法案は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行することとしております。これは、国旗を大切に思う国民感情を保護する必要があるとの社会的な要請も踏まえた上で、速やかに施行することとしたものでございます。 御指摘の、刑罰を定めるほかの法律で施行期日を公布の日から起算して二十日を経過した日と定めている例は、いわゆる性的姿態撮影等処罰法、そして、いわゆるAV出演被害防止・救済法など数多くあるところでございまして、本法案だけが特別早期の施行期日を定めているということではないというふうに考えております。
○大津力君 ありがとうございます。 この早期の施行を定めた理由がよく分かりました。ほかにも例があるということもよく分かりました。 それでは、続きまして、第二に、附則のところでございますけれども、附則第二項では、法施行後三年を目途とした検討条項が設けられております。その規定の中では、検討に当たって勘案すべき事項として、損壊若しくは汚損された国旗を公然と陳列する行為又はこれに類する行為の発生の状況を明記しているところでございます。 本法案においては今回このような行為は処罰の対象外とされたところでございますが、先日もお話があったとおり、我が党の講演会でバツ印を付けた日の丸を掲げた市民からの抗議を受け、党員の皆さんが非常に不快に思ったり、あるいは危険を感じたりしたところでございます。 我が党としては、このような行為も、今回処罰対象とされた、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法で公然と損壊等する行為と同程度に国旗を大切に思う国民感情を侵害すると考えることも自然ではないかと考えております。 そこで、この検討は、このような事情も踏まえ、本法案の規定が国旗を大切に思う国民感情を保護するのに必要かつ十分なものとなっているのかどうかをしっかりと確認する、そういった場になるということを、これは、最後、自民党の法案提出者に改めて確認をお願いいたします。
○衆議院議員(平沼正二郎君) 国旗を大切に思う国民感情を保護するためにどのような行為を処罰対象とすべきかという点については、本法案の作成に当たって様々な議論を重ねる中で、できるだけやはり多くの会派からの御賛同をいただいた上で法案を提出することが望ましいと考えまして、今回は国旗を大切に思う国民感情を最も害する可能性が高い公然と損壊等する行為に限定をすることとしたところであります。 他方で、これ以外の行為として、例えば、既に損壊され又は汚損された国旗を人前に掲げるような行為も公然と損壊等とする行為と同程度に国旗を大切に思う国民感情を害する可能性があるのではないかとの御指摘が参政党の皆様からあったところであります。 そこで、この法律の規定については、この法律の施行後三年を目途といたしまして、国旗を損壊等する状況に係る映像に関するインターネット等の利用の状況、損壊等された国旗を公然と陳列する行為等の発生の状況その他この法律の施行状況等を勘案し、国旗を大切に思う国民感情を保護するのに必要かつ十分なものになっているかどうか等の観点から検討が加えられ、必要があると認められるときは、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるとする検討条項を設けたところであります。 なお、法案提出者といたしましても、法案を成立させて終わりということではなくて、このような法案策定の経緯も踏まえる中でその施行状況等を注視しつつ、各党間で適宜議論をしてまいりたいと考えております。
○大津力君 ありがとうございます。この検討事項の考え方がよく分かりました。 是非とも、参政党も共同提出者でございますから、是非ともこの法案が成立することを願いまして、質問を終わりにさせていただきます。 ありがとうございました。
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。 まず、基本的な話をお聞きしたいと思いますけれども、衆議院で維新の発議者の方が、本法案の成立を契機に、今後一層、国旗を大切にするという気持ちが醸成されていく、愛国心ですかね、そういうものが醸成されていくということを期待するというような答弁をされまして、これは議員個人としての発言だということだそうですけれども、ただ、恐らく、こういう法案を発議される政党あるいは議員の方々の政治家としては正直な、ふだん思っていらっしゃるお気持ちではないかというふうに思うんですね。 つまり、国を思う気持ちを大事にしなさいと、そういう気持ちから国旗を粗末にする人は許せないというふうなことになるというふうに思うんですけれども、これは、実は最初にこの法案の原形、提案された高市総理もおっしゃっていることでございまして、つまり、国を思う気持ち、愛国心をどう捉えるかというのが、この法案だけではありませんけれども、自民党やほかの党の憲法改正案ですかね、にも表れておりますが、この種の問題の基本的な問題ではないかと思うんですね。 その点で、この法案そのものというよりも、発議者の方の政治家としての考えをお聞きしたいと思うんですけれども。先に私の考えを述べますと、政治家同士ということですね、私は、民主主義国家においては、国を思う気持ちとか愛する気持ちというのは、まずその国に生まれて良かったと、住んで良かったという、そう思える暮らし、暮らしがあって、自由と民主主義、人権が保障されて、またその国の歴史や文化に本当の意味で誇りが持てると。そういう中で自然と自発的に国を愛する気持ちが育まれてくるもの、醸成されてくるものではないかと。それが本当の愛国心というものではないかと思うんですけれども、政治家としてのお考えで結構なんですが、全員にお聞きするのもなんですから、かつて金融庁におられたときにお世話になりまして、建設業法改正でしたかね、大活躍されました柔軟な豊田さんにお聞きしたいと思いますが、豊田さんにとって愛国心とはどういうもので、どうすれば育まれていくものか、お考え聞かせてもらえればと思います。
○衆議院議員(豊田真由子君) 温かなお言葉を賜り、恐縮でございます。頑張りたいと思います。 愛国心、一般的には、辞書などもそうだと思いますけれども、自分の属する国、それは必ずしも国家ではないかと思いますが、共同体や国に対しての愛着から生ずる感情や態度ということだとございます。それは、それぞれの内面の問題だとは思いますけれども、それはどのように醸成されるかということは、それぞれの個々の方のパーソナリティーとか経験とか背景とかによってということでございますが、今回、共同提案者として私はここに今立っておりますので、私にとってどうかということとはまたちょっと別に、ここは一致した考え方で捉えているということが申し上げるべきかというふうに思っております。
○大門実紀史君 せっかくですからもう一つ聞きますと、国を愛する気持ちというのは、国家が何らかの手段で醸成するとか、あるいは、もう極端な話、強制するとか、そういうことはあり得るというお考えでしょうか。
○衆議院議員(豊田真由子君) それはあくまでも自発的といいますか、やはり自国の歴史や文化についてのその正しい知識を持って自国に自信と誇りを持つのは大切なことであると思いますし、そういった意味での愛国心がおのずと育まれるような環境が実現されるということが望ましいのではないかと考えております。
○大門実紀史君 私もそう思うんですね。人が何かを愛する気持ち、愛というものは人に強制できるものなのかと、そもそもですね。もしも人に愛が強制されたら、この世の中に片思いがなくなりますよね、ですよね。だから無理なんですよ。やっぱり、無理に愛を押し付けるというのは無理なんですね。 そういう点からいきますと、日本をいい国にするしかないと、みんなに愛される国にするしかないということに尽きると、政治家の役割はですね、ということに思うわけでありまして、何らかのそういう、愛を押し付けようというか、国家が醸成しようということがこの法案のやっぱり背景に、動機に見え隠れするものですから、そもそも違うんではないかというふうに思うわけでございます。 さらに、これまでの衆参における本法案の審議も同じような質疑が繰り返されているんですけれども、要するに、反対する野党は、罪刑法定主義、明確性の原則に反する、立法事実も定かでない、表現の自由、内心の自由を制約して、それを侵害するおそれがあると。つまり、憲法三十一条、二十一条、十九条ですかね、に抵触する憲法違反だというふうなことを指摘してきているわけであります。それに対して、発議者の方はもう曖昧模糊とした答弁を繰り返しておられて、かみ合わないというか、議論にならないんですね。 それはなぜかというと、この法案そのものが、立法事実、対象物、処罰の範囲、もうあらゆるものが曖昧過ぎて、そもそも刑罰を科す法案、刑罰を科す法案としての体を成していないと。通れば、これ憲法違反をことごとく引き起こすような危険なものだということだと思います。 したがって、この法案は、日弁連とか各地の弁護士会だけじゃなくて、もう本当に立場が違うんですけど、刑法学者の方々も、そのいろんな立場の方、憲法学者の方からも、押しなべて憲法違反、違憲ということが指摘されております。それは、やっぱり本法案の内容の何もかもが曖昧で主観的で、さっき申し上げました憲法三十一条ですかね、罪刑法定主義、明確化の原則に反しているということになると思うんですよね。 これがもし通ったら非常に危険なことが起こるということも含めて、刑法学者の方々、憲法学者の方々が、こぞってと言っていいほどやめるべきだとおっしゃっているわけで、こんな、こういうの余り見たことないですよね。日弁連や弁護士さんが猛反対というのはもう民主主義守るというのありますけど、立場の違う刑法学者の方、憲法学者の方々がほとんどみんなこれをやめるべきだとおっしゃっているのはちょっと前代未聞ではないかと思います。 参考人質疑で、資料を配りましたけれども、木下昌彦神戸大大学院教授が、もう本当にここまで指摘されるのかということをおっしゃっております。本法案は我が国の憲法法理によって合憲性を肯定することは困難であり、逆に、本法案を合憲にしようとすれば、これが合憲ならば、従来の表現の自由に関する憲法法理をほぼ解体する必要があると、解釈を全部覆さなきゃいけないと。また、本法案は、単なる新法制制定にとどまるものではなく、憲法改正と同じ効果を持つと。全部覆すわけですからね、憲法改正と同じ効果を持つというふうに、本法案の違憲性とともに法案の成立がもたらす危険性を指摘されております。 これだけの指摘をされた例は私、今まで聞いたことがございませんが、発議者は、この本当に刑法学者を代表しての、憲法学者を代表しての指摘だと思いますが、どう受け止めておられますか。
○衆議院議員(平沼正二郎君) 七月十四日の参考人の木下先生から、表現の自由、憲法二十一条一項の制約の観点から本法案に慎重な立場からの御意見があったことは承知をしておりまして、また貴重な御意見として拝聴をいたしたところであります。 その上で、法案提出者といたしましては、表現の自由については基本的人権のうちでとりわけ重要なものであると考えておりますが、国旗を大切に思う国民感情の保護という社会全体の重要な利益の保護を図るため、本法案二条の罰則を設ける必要性が高いこと、本法案二条の罰則は、国旗の損壊等の行為になされる表現の内容、すなわち伝達されるメッセージとは全く無関係に、その行動がもたらす弊害にするためのものにすぎず、表現の自由に対する制約の程度は小さいことなどから、本法案二条の罰則は必要かつ合理的な規制であり、最高裁判例の考え方に照らして、表現の自由を保障する憲法二十一条一項に違反するものではないと考えておる次第でございます。
○大門実紀史君 率直に申し上げて、国会議員は刑法学者じゃありませんよね。はっきり言って素人ですよね。法制局に頼んで議員の意向に沿うものを作ってもらうというようなことはあり得るんですけれども、参議院の法制局は厳しいですけど、衆議院は割と議員の気持ちを生かしてあげようというのが強いのでこんな曖昧なものが出てきたと思うんですけれども。 そもそも、そういう点でいいますと、なぜ議員立法なのかなんですよ。刑罰法規の一般法である刑法典の改正というのは、大抵は内閣が法案を提出するいわゆる閣法が通常です。法案提出するまでは、法務省において幾度も刑法学者、裁判官も加わった法制審議会の会議が開かれて、憲法上の法理や法体系に基づく検討が行われます。一年、二年掛けて行われる場合もあります。さらに、内閣法制局によって法案として憲法あるいは法体系上の観点から厳格な審査もされるわけですね。そうやって出てくるんですね、刑法の、刑罰を科す法律というのは。 参考人質疑でも、与党側が推薦された元自衛官の伊藤参考人でさえ、やはり法制局というのは、法制局を通す必要があったと。あそこで一回審議してもらうことはどれだけ重要なのかということをおっしゃって、ハードルは物すごく高いんだけれども、それは大事なんだということを伊藤参考人もおっしゃっているんですよね。 なぜこの法案は衆議院法制局に頼んで議員立法にしたんですか。
○衆議院議員(平沼正二郎君) なぜ議員立法なのかというお尋ねでありますけれども、この本法案、国旗損壊罪の創設は、国旗を大切に思う国民感情を保護するためのものでありまして、様々な御意見があることを踏まえて、政府から提案するよりも、国民の意思を代表する立法府において案が作成されることが適切と考えたことによる結果で議員立法とさせていただいておる次第でございます。
○大門実紀史君 いやいや、刑罰に科す法案ですからという意味で言っているんですけど。一般論じゃないです、皆さんの立法の理由じゃないですよ。なぜこれが議員立法なんですかということを聞いているんです。
○衆議院議員(平沼正二郎君) 内閣法制局等々を通すべきという指摘もあったということもありますけれども、繰り返しになって大変恐縮ではございますけれども、国旗損壊罪の創設は、国旗を大切に思う国民感情を保護するためのものでありまして、様々な御意見があり得ることも踏まえ、政府から提案するよりも、国民の意思を代表する立法府において案が作成されることがより適切と考え、議員立法により特別刑法として提出をいたしていただいているところでありまして、この点も踏まえまして御理解を賜れば幸いでございます。
○大門実紀史君 法案は様々な御意見が当たり前ですよ。様々な御意見あったら議員立法なんですか。 黒田さん、黒田衆議院議員はもうちょっといろんなこと答えておられるんですけど、一つは、本法案第二条第二項の総合的勘案の規定がありますよね、総合的勘案。総合的勘案と第三条の適用上の注意、こういうものは刑法典に直接盛り込むことは法技術的に困難であると、何かもっともらしい理由を述べておられるんですけれども、これそのものがおかしいんですよね。 例えば、総合的勘案と抽象的な文言自体が刑罰を科す法律を構成しないんですよね、こういう総合的判断で刑罰を科すなんというものはですね。だから、逆に言えば、曖昧だから刑法典の方が受け入れてくれないんですよ、刑法典の方が。だから議員立法に無理にしたわけなんですよね。簡単に言えば、刑法典から逸脱しているずさんな定義だから議員立法でこしらえたということになると思うんですよね。 もう一つ、第三条のことでいえば、表現の自由を不当に侵害しないよう留意すると、これがあるから、こういう留意規定があるから議員立法にしたんだということを黒田衆議院議員がどこかで答えられているんですけど、これそのものは、表現の自由を不当に侵害しないなんて当たり前のことでございまして、こんなものを書いてあるから議員立法と、わざわざ議員立法にしたんだと。成り立たないですよね。やっぱり刑法というのはもっと厳格なもので、表現の自由を不当に侵害しないのを前提で、前提で構成されるものなんですよね。 したがって、こういう、何といいますか、表現の自由を侵害しないようにするために議員立法にしたと、訳分からないですよね。刑法典というのはそもそも侵害しちゃいけない前提で作るものなんですよね。 そういう点からいって、議員立法にしたというのは、本当の意味での法案審査、憲法上の審査を避けるために、避けるために議員立法にしたんではないかと思いますが、いかがですか。
○衆議院議員(平沼正二郎君) るる御指摘をいただいておりますけれども、刑罰法規であれば刑法改正案として閣法で提出すべきということであるとすれば、議員立法であっても罰則を含む法案はこれまでも数多く提出されてきたものでありまして、刑罰法規であるからといって内閣法制局等々を通さなければならない、また、議員立法であっても、憲法適合性や刑罰法規としての合理性などについてもしっかりと議論した上で提出に至っているものであります。
○大門実紀史君 ちょっと、もう時間あればいっぱいやりたいんですけど、そんなのありませんよ、刑罰科すのでこんないいかげんな理由で議員立法にしたなんというのはありませんよ。ちょっと本当にずさん過ぎて、これをみんなで審議してくれというような法案じゃないですよ、これ、そもそも。もう余りにも無理があってですね。 それで、一つ聞いておきたいんですけれども、国旗・国歌法との関係なんですけれども、国旗・国歌法は、小渕内閣で、野中さんですかね、当時、野中さんとかが、これ、国旗に対する尊重規定や侮辱罪を創設することは考えていない云々があって、要するに、処罰ということは将来展開することないんだとおっしゃったんですけど、実際問題、国旗・国歌法が制定された後、東京都立高校の中学校において国歌斉唱のことで職務命令出された事件とか、あるいは国歌を歌わないスポーツ選手を非難するとか、いろんなこと起きているわけですね、実際問題。 今回の法案は、国旗・国歌法制定以上に内心の自由、表現の自由に対する更なる萎縮効果をもたらすということは当然考えられるわけでありまして、というのは、あれですよね、国旗も、国章じゃなくて、国旗の用に供している認識とされる有体物とか、しかも刑罰を科すということですから、そういう、何といいますかね、おそれが強まる、当然強まることが見込まれる法案だと思いますけれども、そういう認識はございますか。
○衆議院議員(平沼正二郎君) 本法案は、国旗を大切に思う国民感情を保護法益として、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法で公然と国旗を損壊する行為に対し罰則を設けるものであります。 すなわち、本法案は、対象を有体物である国旗に限定した上で、あくまでも国旗の損壊等として外形に表れた行為態様に着目して構成要件を定め、その趣旨を明らかにするため、構成要件のうち、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法に該当するか否かを判断するに当たっては、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案する旨の規定を置くとともに、さらに、このような本法案の罰則規定が、個人の内心に立ち入って規制を加えたり、表現の内容に着目して規制を加えたりするものではなくて、必要かつ合理的な規制として憲法上許されることを前提としつつ、なお入念的に、本法案の適用に当たって国民の思想及び良心の自由や表現の自由等を不当に侵害することのなきよう万全を期すために、三条において適用上の注意の規定を設けることとしたものであります。 このように、本法案で、本法案では表現の自由等の侵害につながらないように十分に配慮した上で、思想及び良心の自由や表現の自由といった憲法上の権利を不当に制約するものではなく、これらによる萎縮効果も生まないものと考えております。
○大門実紀史君 終わりますけれども、こういう今おっしゃったことそのものが曖昧なんですよ、そのものがですね。そういう、こんな法案、本当に、何というか、こういう、違憲法案ですよね。一旦撤回して出直すべきだということを申し上げて、質問を終わります。
○伊勢崎賢治君 議員会館の私の部屋には、一枚の国連旗が飾ってあります。かつて、私は、国連PKOの現場責任者として、内戦で焦土と化した紛争地、この場合、東ティモールでした、ここでは戦闘で、私の管轄してきた兵士が、殉職者が二名出してしまいました。この執務室に掲げてある国連旗というのは、この当時、国連の存在を示すために命懸けで掲げ、そして維持し続けた旗であります。汚れたその旗には、私の離任の際、部下たちが書き込んだ文字が埋まっております。資料一です。実はこのとき、ニューヨークの国連本部にこの部下の計画を告発した者がおり、問題になりかけました。 国連には国連旗に対する大変に厳格な取扱規則があります。これを国連旗コード、ユナイテッド・ネーション・フラッグ・コードといいます。ちなみに、国連旗というのは加盟国、日本を含む加盟国の国旗より地位が上であります。このように考えられております。その八条にはこう明記されております。いかなる性質のマーク、バッジ、文字、言葉、図形、デザイン、写真又は絵も、国連旗の上に置かれ、又は取り付けてはならないと。これは、旗だけではなくて、そのさおとか縄までであります。大変に厳格です。 ですので、私の部下がやったことはこの第八条に完全に違反しておりました。しかし、彼らは全く意に介することなく、その計画を実行しました。だから僕の部屋にこれがあるわけであります。 ちなみに、この国連旗コードには違反者に対する刑罰は存在しません。国連旗は、国連に対して激しい不満や抗議を持つ人々によってじゅうりんされることがあります。多々あります。でも、刑罰で縛れば、国連旗が持つ平和と対話の象徴としての力を自ら損なうことになります。 そして、国連旗の尊厳、国連旗の尊厳とは、現場から遠く離れたニューヨーク本部の、国連本部のエアコンの効いた部屋で踏ん反り返っている高級国連官僚が決めるものではありません。その旗の下の現場で任務に当たっている者たちがどれほどの犠牲を払っているか、そして彼らがその旗に払う敬意ときずな、それによってのみ旗は輝くのであります。 先日のこの委員会の質疑で私は、元海将、自衛隊の海将の伊藤参考人に、戦前の日本に国旗損壊罪が存在しなかった歴史的事実を確認しました。あの時代ですら、我が国旗を罰則で守る必要はなかった。 明治期の海軍大佐、真田鶴松氏は、その著書「日章旗考」においてこう書き残しております。ある人はこう尋ねるかもしれません、刑法に我が国の国旗を傷つける行為への罰則がないのは法律の欠陥ではないのかと。私は、これにこう答えたいと思います。もし仮にそれを法律の欠陥だと言うなら、あえてその欠陥のままにしてある理由こそが深く、そして極めて奥深いものなのですと。それこそが私たち日本人が誇るべきことなのであると。 私は、伊藤参考人に、こういうことを言える武人は格好いいと思いませんかと問いかけました。伊藤参考人は本法案を肯定する立場でありますが、同意していただけました。 法案提出者にお伺いします。 刑罰という国家の強制力に頼らなければ国旗の尊厳を守れないというのであれば、それは日本人の道徳心に対する国家の敗北宣言ではないでしょうか。どうぞ。
○衆議院議員(長谷川淳二君) 伊勢崎議員にお答えをいたします。 先ほど、せんだっての参考人質疑の際に、委員御指摘の真田大佐の文献が御紹介されたことは承知しております。 法案提出に至るまでの我が党の議論におきましても、国旗を大切に思う国民感情を保護するためには、国旗の意義などを教育を通じて教えていくことも大切ではないかと、そうした議論も当然のことながらあったところでございます。 その上で、まず、国旗の意義などに関する教育につきましては、我が国においては、学習指導要領等に基づいて、小学校の社会科では、国旗はいずれの国でもその象徴とされており、互いに尊重し合うことが必要であることを理解できるようにすることと、また、中学校の社会科では、小学校における学習の上に立って、国家間において相互に主権を尊重し、協力し合っていく上で、国旗を相互に尊重することが大切であることを理解できるようにすることとされていることを承知をしています。 さらに、その上で、法案提出者といたしましては、外国国旗が保護されているのと同程度に自国の国旗を守りたいとの思いが広がりつつあること、また国旗及び国歌に対する法律の制定後に国旗を損壊等する行為が発生していることなどを踏まえまして、国旗を大切に思う国民感情という社会全体の重要な利益について、これを害する蓋然性の最も高い行為である、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法で公然と国旗を損壊等した行為を罰則をもって対処する必要があり、また、外国国章が保護されるのと同程度に保護されるようにするためにも本法案を制定する必要性が高いと考えたところでございます。 これによって、国旗を大切に思う国民感情が法的に保護されることとなるものと考えております。
○伊勢崎賢治君 今お話に出てきた、子供たちへの影響について話を進めます。 この法案は、大人だけを対象にしたものではありません、大人だけを対象にしたものではありません。条文上、子供を除外する規定はありません。 現代の子供たちは、スマートフォンを持ち、SNSに日常的に動画を投稿いたします。政治的な意図など全くなく、悪ふざけ、仲間内の乗り、承認欲求から国旗を不適切に扱う動画を投稿してしまう、これは十分に起こり得る極めて現実的な場面であります。 その子が十四歳以上であれば、刑事責任年齢に達しております。十四歳未満であっても、警察の調査や児童相談所への通告、調査の対象になります。そして、一度ネットで拡散されれば、その子は国家に対する犯罪をした子供のように扱われ、特定され、非難され、いわゆるデジタルリンチにさらされる危険があります。未熟なたった一度の行為で子供の将来が一瞬にして損なわれる。これは抽象論ではありません。SNS時代の現実であります。新たないじめが始まるでしょう、これ。犠牲者が出たらどうしますか。 ここで確認したいのが子どもの権利条約であります。資料二であります。 我が国は、一九九四年に子どもの権利条約を批准しました。その際、幾つかの条項には留保や解釈宣言を付しましたが、第十三条の、条文第十三条の表現の自由、そして条文第十四条の思想、良心及び宗教の自由については、留保も解釈宣言も付けることなく、全面的に受け入れております。 特に、条文第十四条は、単に思想や宗教だけではなく、あえて良心、コンシエンスですね、コンシエンス、良心の自由を掲げております。私はこの良心という言葉を重く受け止めております。子供はまだ明確な政治思想や宗教的信念を持っていないこともあります。しかし、それでもその子なりの内なる道徳感覚、直感、これはおかしい、これは大切だという心の動きがあるはずです。その心の領域に国家が刑罰という土足で踏み込んではならない、これが条約第十四条の核心だと考えます。 もちろん、親や学校が子供に対して、親を大切にしなさいね、国旗を大切に扱いなさいねと教えることはあります。それは教育であり、この条約第十四条の第二項が認める、親や保護者による指導の範囲内であります。 しかし、強制は違います。親に反抗した子供を法律で処罰することが許されないのと同じように、国旗への敬意を十分に示さなかった子供に対し刑罰という国家権力を向けることは、もはやこれは教育ではございません。それは、子供の内心に対する、内心に対する強制でしかありません。 先日の参考人質疑において、私は、憲法学の木下参考人と橋本参考人に、本法案が子供の権利や教育に与える影響ですよ、影響について見解を求めました。お二人の答弁は極めて重いものでありました。 木下参考人は、社会には必ず不快な表現が存在するが、不快だからといって多数派が権力でどんどん抑圧していく姿を子供に見せることが民主主義の教育として適切なのかと強い懸念を示されました。民主主義を維持するために必要なのは、表現を刑罰で抑え込むことではない、それは違うという言論で対抗すること、すなわちこれをモアスピーチといいますけれども、これこそが重要であると述べられました。 また、橋本参考人は、本法案が独り歩きし、独り歩きし、教育現場で一種の強制の契機となる危険性を指摘されました。かつて最高裁が旭川学力テスト判決で示したように、国家の介入が子供の個としての人格の成長を妨げてはならない、子供が物事を批判的に捉え、主体的に考える能力を国家が一方的な価値観の植付けによって阻害してはならないという警告であります。 法案提出者にお聞きいたします。 不快な表現に対し、言論で向き合うのではなく、刑罰という国家権力で排除する、そのような大人の姿を子供たちに見せることが、民主主義を担う子供たちの教育として本当に、本当にふさわしいとお考えですか。あわせて、本法案が子どもの権利条約、この参考資料の第十四条の良心の自由、そして教育現場における子供たちの批判的思考の形成に与える萎縮効果についてどのように認識しているのか、お答えください。
○衆議院議員(長谷川淳二君) お答えいたします。 児童の権利に関する条約、いわゆる子どもの権利条約につきましては、委員御指摘の第三条、児童の最善の利益、第十三条、表現の自由、第十四条、良心の自由等は承知をしております。しかしながら、本法案の提出者として条約の解釈についてお答えできる立場ではないことを御理解いただきたいと思います。 その上で、本法案につきましては、国旗を大切に思う国民感情を保護するために、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させる方法で公然と損壊、除去、汚損するという客観的な行為態様を構成要件とするとともに、その方法に該当するかどうかの判断については、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情に基づいて行う旨を定めており、あくまでも国旗の損壊等として外形に表れた客観的な行為を処罰の対象とするものでございます。 したがいまして、内心の、個人の内心に立ち入って、その行為の基礎となった思想、信条を処罰するものでもございませんし、その思想、信条に反する特定の行為を強いるものでもございません。したがいまして、いわゆる子どもの権利条約に言う内心の自由や良心の自由を害するようなものではないと考えています。 また、表現の自由につきましても、基本的な、基本的人権のうちでもとりわけ重要なものであることを踏まえまして、国旗を大切に思う国民感情の保護という社会全体の重要な利益の保護を図るため、本法案二条の罰則を設ける必要性が極めて高いこと、一方、本法案二条の罰則は、国旗の損壊等の行為によってなされる表現の内容、すなわち伝達されるメッセージとは全く無関係に、その行動がもたらす弊害を除去するための、防止するためのものにすぎず、表現の自由に対する規制の程度は小さいことなどから、本法案二条の罰則は必要かつ合理的な規制であり、表現の自由を保障する憲法二十一条一項に違反するものではないと考えております。 このように、法案提出者としましては、国旗の損壊等として外形に表れた客観的な行為を処罰の対象とするもので、子供を含む個人の内心に立ち入って、議員御指摘のあった、これは正しい、あるいはこれは間違っていると、そうした行為の基礎となった思想や信条を処罰するものではなく、その思想や信条に反する特定の行動を強いるものではないことから、子供の批判的思考の形成を萎縮させるのではないかという御懸念は当たらないものと考えております。
○伊勢崎賢治君 法案提出者の、法案提出者並びに賛同者の皆さん、私の部屋にある国連旗を国連の内規違反だと騒ぎ立てた国連本部の高級官僚たちと皆さんが私には重なって見えて仕方がありません。 刑罰で、刑罰で強制された国旗への敬意に一体何の価値があるんですか。情けないです。子供たちに申し訳ない。 終わります。
○堂込麻紀子君 国民民主党・新緑風会の堂込麻紀子です。 本日は、国民民主党としては、この本法律案、共同提出しているという立場でございます。最初にその経緯について整理をさせていただければというふうに思っております。 六月十六日に玉木代表の定例会見で発言があったとおりなんですけれども、我が党は、与党の原案に対して、表現の自由及び罪刑法定主義、この観点から懸念があり、表現の自由に関しては、動画を配信する行為にまで規制が掛かっていた条文を削ることとし、この罪刑法定主義に関しては、三年後の見直し規定を設けて、実施状況を踏まえて見直しをしていくための修正をしておるところでございます。 また、共同提出者と加わって、答弁を通じて本法律案の罰則の対象を明確化していくというところの責任を負ったというところになります。 改めて、共同提出をすることに至った経緯について御答弁お願いいたします。
○衆議院議員(飯泉嘉門君) お答えをさせていただきます。 まず、我々が与党の皆さん方からこの法案、原案を提示されたときには二つ今と違うものがございました。一つは、今も少しお話がございましたが、旧二条の二項、つまりネットの事後配信、こちらも処罰の対象にするというものと、今後の見直し規定がなかったという二点であります。 やはり、表現の自由、憲法二十一条、また罪刑法定主義、明確化の原則、憲法第三十一条、これらをしっかりと担保しなければ、憲法違反という部分、あるいは国民の皆さん方の行動における萎縮、これを招いてしまうことから、まずは旧二条二項、事後配信、こちらの削除をお願いをしたところ、これがまず実現をしたところであります。 また、罪刑法定主義の観点からは、やはりしっかりとどんな事例が処罰の対象になるのか、これを積み重ねていく必要がある。そうした意味で、今後の見直し規定、こうしたものが必要となり、そして作られたところであります。 そこには二つほど事例が書かれている、附則の第二項でありますが、こうしたものはもとよりのことでありますが、やはり何といっても衆参の国会での審議、この場を経て、どんな事例が処罰の対象になるのか、しっかりとこれを積み重ねてくる、これまでも衆参三回、委員会が開かれたところでありますので、しっかりこうしたところで各処罰対象の事実を積み重ねていくことによって、罪刑法定主義、こうしたところの明確化の原則、これも担保できるようにできればと、今日もその場であると、このように考えているところであります。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 では、国民民主党所属の議員として、法律案の趣旨、また罰則の対象について国民の皆様に分かりやすくお伝えし、本法律案による萎縮効果などが生じさせないようにすることを目指しながら、この条文ごとに質問させていただければというふうに思っております。 まず、前提としてなんですけれども、立法事実や外国国章損壊罪、この関係性などについて伺えればというふうに思っております。この点については、国民の皆様に分かりやすくという観点からも、過去の日本の国旗損壊事例や予防的立法事実、また外国国章損壊罪、こうした、これのみに存在するということからアンバランスもあるということもありました。様々ある本法律案が必要な理由について、簡潔に御答弁いただければというふうに思います。
○衆議院議員(飯泉嘉門君) お答えをさせていただきます。 今、三点御質問をいただきました。 まずは、過去の事例、立法事実でありますが、こちらにつきましては、かつて、平成二十年でありますが、神社の境内におきまして、参拝客から持っていた国旗、これを奪い、そしてこれを踏み付け、さおを折るという、こうした事例もあったところであります。 またさらには、予防的な立法事実的なところでありますが、こちらにつきましては、今インターネット全盛期ということであり、世界中の様々な事例、例えばそれぞれの国の国旗あるいは日本に対して日本の国旗、こうしたものを燃やすなどの行為がやはり多く出ているところでありまして、これが国内にもたらされたその影響といったものを考え、国旗を尊ぶそうした国民の皆さん方の感情、こうしたものを刺激をしてしまうんではないか、こうした点で、将来に向けてのこうした事例に対しての予防的な意味合いを込めて今回規定をしているところであります。 そして、三番目として、アンバランスということであります。 実は、G7の中で、外国国旗に対しての毀損とそれから自国の国旗に対しての毀損について、自国についての毀損がないもの、処罰規定がないのは日本だけということがあります。国旗を大切に思う皆さん方のお気持ちからしますと、こうした点について、どうしてかな、こうした疑問が生じることがあるわけでありますので、そうしたアンバランス、こうした点についても解消する必要があると、このような考えから今回立法をしているところであります。 ということで、国旗を大切に思う国民の皆さん方のその感情といったもの、これを正面から保護をいたしまして、さらには、現行法では、例えば器物損壊罪などではこれを罪に問えない、そうしたものにつきまして対象にしようということから、国旗損壊罪、これを制定する意義があると、このように考えているところであります。
○堂込麻紀子君 国民感情の保護も含めたこうした今回の法案の提出に至った経緯というところも今確認、理由ですね、確認させていただきました。 では、法律案の附則から見ていきたいというふうに思います。 本法律案の附則第一項では、施行期日が公布の日から二十日というふうにされております。この期間で、本法律案を執行する警察官、また検察官、それに加えて国民の皆様というところです、ここにも周知する必要が重要であるというふうに考えておりますが、この点、さきの参考人質疑においても、この取締りに係る例示だったりガイドライン、こうしたものの作成の重要性についても伺ったところではあります。こうしたところから、正直に申し上げますと、公布から二十日でガイドラインの作成だったり事例を挙げたり、こうした国民への周知というところも含めて間に合うのかというところが大変疑問に感じているところでございます。 まず、法律案の提出者に、政府においての取締りのガイドライン等を作成する重要性に係る見解と施行期日を二十日とした理由について伺えればというふうに思います。 また、警察庁の政府参考人に、本法律案に基づく取締りに係るガイドラインのようなもの、これを作成する予定があるのかどうか伺えればというふうに思います。
○衆議院議員(飯泉嘉門君) まず、ガイドラインについてでありますが、当法案につきましては刑罰法規でありますことから、ガイドラインなどを作成することは我々立法府としては予定をしていないところであります。 ただし、先ほども申し上げましたように、国民の皆さん方の行動の萎縮、これを招かないように、どのようなものが刑罰の対象になり、どのようなものはならないのか、そうした事実、これをしっかりとこの国会審議の場で積み重ねていこうと、こうした点で、実はこれは衆議院の場でありましたが、七月の八日であります、衆議院の内閣委員会の理事懇談会の場におきまして、資料として一定の具体的な事例、これを提示させていただいているところであります。そして、今日の場もそうでありますが、しっかりと国会審議、これを通じましてそうした事例を積み重ねていくことができればと、このように考えているところであります。 また、二つ目の二十日間と、施行がですね、ここの部分についてでありますが、やはり国旗を大切に思う国民の皆様方のその感情、社会的保護法益、これをしっかりと守るためには、法律が成立をすれば速やかにこれを施行をしていくと、こうした考え方から実は出させていただいているところでありまして、実はこれまでにも、昭和、平成、そして令和と、多くの法律がこの施行期日二十日となっているところでありまして、それぞれの時代を代表するものとして、例えば、昭和四十五年、航空機の強取に関する法律、あるいは平成十一年、これは皆様方も御存じのオウム真理教ヘの対応、さらには、こちらは令和五年に入っての話でありますが、一般には撮影法、撮影罪と、このように言われておりまして、性的な姿態の撮影等に関する処罰と、そして、よく特徴としては、それを電磁記録として例えばスマホなどに入れている場合に対しての消去、こうしたものを定めたものがあるわけでありまして、我々としてもしっかりと、他の刑罰規定、これらも参考にしながら、しかし、御質問のあったように、しっかりと国民の皆様方に、この期間ではありますが広報をしっかりしていく、こうした務めがある、このように考えるところであります。
○政府参考人(重松弘教君) お答えいたします。 本法律案が成立した場合でございますけれども、警察庁におきましては、国会での御審議を踏まえまして、都道府県警察に対して成立した法律の趣旨やその内容を示すとともに、運用上の留意事項としまして、例えば、構成要件に該当するかどうかの判断に当たっては組織的に検討を行うとともに、検察当局とも緊密に連携して対応することなどにつきまして、通達等によりまして第一線への周知徹底を図ることを検討しておるところでございます。
○堂込麻紀子君 続けます。質問させていただきます。 附則の第二項において、三年後に本法律案を見直す規定が設けられております。国民民主党としては、この罪刑法定主義の観点からも盛り込んだ規定であるというふうに承知をしているところでございます。実際の運用も踏まえて、より罪刑法定主義が担保されるような形になるということが望ましいということになると思いますけれども、この点についての見解を伺えればというふうにまず思います。 また、実効性確保の観点から、実際に誰がどのように見直しをしていくのかというところも明らかにしていくことも重要だというふうに考えております。この法律案提案者においてどのような場で見直しが検討されることを想定されているでしょうか。 また、政府において運用における課題や改善点を整理することは最低限必要になるというふうに考えております。この運用に当たる警察庁と法務省においては、本法律案が施行された後、附則第二項に基づき、事案の発生状況等を把握して、三年を目途に運用上の課題等を整理するおつもりがあるかどうか伺えればというふうに思います。
○衆議院議員(飯泉嘉門君) 大きく二つ御質問をいただいております。 まず、附則の第二項につきましては、先ほども申し上げましたように、二つの事例、これを記載をさせていただいております。例えば、国旗を損壊する状況の映像、いわゆる事後配信、こうした点について、あるいは損壊を事前にされた国旗をさらす場合ということで、こうしたものがこの三年間の間でどのような形で実際に起こってくるのか、またそれ以外の事例などにつきましてもしっかりとこれらを勘案をする中で、そしてその対応をする必要があるのであればしっかりと検討を重ね、そして具現化をしていく、こうした流れで進めさせていただければと考えております。 さらに、どのような場でこれを行っていくのかという御質問であります。実は、今回の法は閣法ではございません。議員立法ということで、国民の皆様方の中に様々な御意見がある、そうしたことであれば、国民の皆様方の代表である我々立法府、こちらがしっかりと国民の皆様方の意思、こうしたものを具現化をしていく、その務めがあるということで立法をしたところでありまして、そこで法案を成立させればこれで終わりということではなく、やはり不断の見直し、検討、また社会的情勢をしっかり勘案した上で、この法律がしっかりと機能するのかしていないのか、あるいは行き過ぎであるのか、こうした点について踏まえ、そして具現化をさせていただければと、このように考えております。
○政府参考人(重松弘教君) お答えいたします。 本法律案が成立した場合、附則第二項に基づいて、施行後三年を目途として検討が加えられるものとなると認識をしております。 お尋ねにつきましては、現時点において具体的な対応の方向性を申し上げることは困難ではございますけれども、警察としましては、当該検討に資することになるように適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○政府参考人(堤良行君) お答えいたします。 お尋ねは現在審議中の議員立法の内容を前提としたものであるため、法務省として確たることをお答えすることは困難ではございますが、本法律案が成立した場合には、課題の有無等の整理に資するため、法務省といたしましても、附則第二項の趣旨を踏まえ、検察を所管する立場から、施行状況の把握に努めるなど、適切に対応していくことになるものと考えております。
○堂込麻紀子君 続きます。 次に、本法律案の第一条において国旗損壊罪における国旗というところを定義しております。国旗とは、国旗・国歌法に定める国旗として用いられていると社会通念上認められる有体物というふうになされております。国旗・国歌法に定める国旗についてですけれども、もう既に正式というものがございます。細かく定められているものでございます。 この本法律案においては、「国旗として用いられていると社会通念上認められる」という文言を使って、この正式の枠から少しずれるものであっても、一般に国旗と認識されるものであれば定義に該当するものと理解しております。 こうした認識でよろしいかどうかというところを伺いたいというところと、あと、この社会通念上国旗として用いられていると認められるか否かについては、特定の人ではなくて、本法律案の審議で度々登場されている、法律の分野で用いられる抽象的な概念である一般通常人から見て判断されるという認識でよいか、確認させてください。
○衆議院議員(飯泉嘉門君) 二点御質問をいただきました。 まず、第一点目の正式の点につきましては、委員おっしゃるとおりであります。 もう少し具体的に申し上げてまいりますと、一般に旗といった場合には、紙や布で作られたもの、そしてさおなどに掲揚されるものと、こうした定義があるわけであります。しかし、式典の場でその国旗を映像に映し出したモニター、こうしたものについても、例えばそれを壊してしまう、式典の場でということであれば処罰の対象になってくるということになりまして、こうしたものがその外延に当たるものと考えられるところであります。 また、第二点目、こちらにつきましては、いわゆる社会通念上の一般人、この方々の判断でよいのかといった点であります。 例えば、その行為をなした本人、あるいはそれを見ていた人々、その皆さん方の御判断ではないということで、委員おっしゃるとおりであります。これも憲法第二十一条、表現の自由、特に内面に踏み込まずにと、この点を最大限に考慮した結果であります。 以上です。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 まず、第一条関係でもう一点伺えればというふうに思います。 七月九日の内閣委員会における答弁において、お子様ランチの旗や国旗が印刷されているチラシ、こうしたもの、社会通念上は国旗の用に供しているとは言えないとして、処罰の対象ではないという旨の答弁がございました。これは、第一条の国旗として用いられているという要件に該当しないということだというふうに理解をします。お子様ランチの旗というのは、その見た目上からは明らかに国旗なんですけれども、あくまで子供が楽しむための飾りということでありまして、国旗の用に供しているとは言えないということで認識をしているところでございます。 また、国旗は国を象徴するシンボルであるというふうに承知をしておりますところですが、国旗として用いられていると社会通念上認められるかどうかの判断基準としては、例えば、国を象徴するシンボルとしての役割を果たしているか否かが一つの基準になるのではないかなというふうに思います。その点について、判断の基準について伺えればというふうに思います。
○衆議院議員(飯泉嘉門君) 二点御質問をいただきました。 まず、具体的な事例としての七月の九日、内閣委員会での答弁であります。お子様ランチのところに付いているいわゆる旗でありますが、これは、やはり社会通念上見て、お子様を楽しませるという概念からいきますと、とてもこれは国旗として用いられている、このようには考えられないところでありますので、委員おっしゃるとおり、これは対象外ということになります。 次に、二点目として、国旗として用いられている、社会通念上認められるか、あるいは認められないか、この点についてのメルクマールということでありまして、こちらにつきましては、個別的な事情、これを催して、例えば行為の外形であるとか、あるいは置かれた周囲の状況、客観的な状況で判断をする、こうした点も記しているところでありますので、一義的にその判断基準、これを申し上げるのは難しいところではありますが、しかし、先ほども、国民の皆様方の萎縮を招かない、できる限りクリアに答弁できるところはすると申し上げたところでありますので、まさに委員が今おっしゃられました、国を象徴するシンボルとしての役割を果たすか否かといった点については大きなメルクマールになるものと、このように考えるところであります。
○堂込麻紀子君 次に、第二条の第一項を見ますと、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により、公然と国旗を損壊し、除去し、又は汚損した者を罰するというふうにしています。 国旗を損壊等する行為のライブ配信は罰則の対象で、事後配信、これは罰則の対象ではないということはこの条文からも導かれておるところでございます。 この公然とという要件は、リアルであるのか、インターネット上であるのかを問わないというところにありますので、動画配信も当たるということ、そして、本法律案の処罰対象となる行為は、配信行為というわけではなく、損壊行為のみであるということから、損壊しているときに公然性があったかどうかが問われるということになると思います。 そのため、損壊している様子をライブ配信することは、公然と国旗を損壊したに当てはまりますけれども、自宅などの公然性のない場所で損壊した後にその様子を配信する行為というところは、損壊しているときには公然性がないということから、事後の動画配信は公然と国旗を損壊したという構成要件に当てはまらないという理解でよろしいでしょうか。 また、国民民主党の求めでこのような事後配信を罰則の対象としないこととなりました。事後の配信行為も罰則の対象とされた場合に懸念されることについても、是非御教示いただければというふうに思います。
○衆議院議員(飯泉嘉門君) 二点御質問をいただいたところであります。 まずは、公然とという点であります。こちらにつきましては、公然わいせつ罪、刑法第百七十四条でありますが、そこの公然と同意義ということでありまして、委員お話しのように、物理的空間であるか、ネット空間であるか、これは問わないということになります。 そして、不特定又は多数、こちらの人々が認識をできる状態、このことをいうところでありまして、かつ公然性、これが、国旗を損壊をしたなどのそのときになされると、さらにはこうした形となるところであります。 その意味では、お話がありました、自室などで公然性のない状況の下で事後的に配信をした者、これはもちろんのことながら構成要件対象外ということになります。 そして、第二点目。全体の総括的なところでありますが、やはり、御指摘のように、我々といたしましては、極力、憲法第三十一条、罪刑法定主義、特に明確化の原則、これにのっとる形で、もっとも、こうした点については、害する、特に国民の皆さん方の国旗を大切に思うこの社会的法益を最も毀損をする、そうした蓋然性の高いものに限るべきである、謙抑的に用いるべきだ、こうした考えから表現の自由を最大限に守る形で今回のようにさせていただき、これを皆さん方に御理解をいただいた。 そうした意味で、さらにはもう一点は、インターネットの今後の伸長あるいは進展、こうした点を考えますと、やはり事後配信などにつきましては、今の段階でこれを盛り込み、処罰の対象にするということは、かなり表現の自由といったもの、これに制約を来す、こういったことにつながる、このように考えたところであります。
○堂込麻紀子君 次に、損壊、除去、汚損の意味について、少し一つずつ事例に基づいて質問させていただければというふうに思っております。 処罰の対象の行為である損壊、除去、汚損についてです。本法律案においては、損壊、除去、汚損に当たる行為であった場合、その行為が人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法であるかを判断することになるというふうに承知をしております。 これを、これから伺う一連の問いに関しては、あくまで不快、嫌悪を催させる方法であるかというところを考慮する前の段階で単純に、損壊などに当たる行為は何かという観点から是非お答えいただければというふうに思います。 まずは損壊です。 損壊、除去、汚損は、外国国章損壊罪も同様の規定となっているということもあり、基本的には外国国章損壊罪で処罰される行為が本法律案でも処罰対象の行為に当たるということかというふうに考えております。 外国国章損壊罪の解説によりますと、損壊は、国旗等を物理的に破壊し、外国の威信、尊厳を侵害する程度に外観に変更を加えることとされているところでございます。つまり、国旗を引き裂いたり、切り刻んだり、燃やしたりする行為が該当するというふうに考えますが、本法律案においても同様の理解でよいか、補足があればお願いいたします。
○衆議院議員(飯泉嘉門君) 本条、第二条第一項、こちらの損壊につきましては、委員おっしゃるとおりであります。あと、これに更に加えるとすると、焼却などが加わるかと思います。
○堂込麻紀子君 続いて、除去になりますが、外国国章損壊罪における除去については、国旗等を場所的に移転をしたり、また隠蔽したりすることによって、それが現に所在している場所において果たしている威信、尊厳を象徴する効用を滅失又は減少させる行為であるというふうに承知をしているところでございます。掲げられている国旗を引きずり降ろしてどこかに投げ捨てる行為や、国旗を幕などで隠す行為がこれに該当するというふうに考えられますが、本法律案においても同様の考えでよいか、確認させてください。
○衆議院議員(飯泉嘉門君) 本条、第二条第一項におきます除去につきましては、まさに委員おっしゃるとおりであります。
○堂込麻紀子君 次に、汚損です。 外国国章損壊罪における汚損については、一般人に嫌悪感を催させるものを国旗等に付着させて、国旗等の効用を、これを侵害することというふうに承知をしているところでございます。例えば、国旗を泥靴で踏み付けたり、国旗に汚物を付けたりする行為がそれに該当するというふうに考えられますが、これもこの同様の理解でよいかどうか、確認させてください。
○衆議院議員(飯泉嘉門君) 第二条第一項における汚損につきましては、今委員の挙げていただいた事例、これら以外には、例えば墨汁などを国旗に塗り付けるといった行為もこれに加わるものと思います。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 次に、第二条第二項についてです。 これまで、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法であるかどうかというところは、国旗に書かれたメッセージなどの表現内容というわけではなく、国旗をどのような方法で損壊、除去、汚損したのかという行為の態様やその場の状況などの客観的事情によって判断するというふうな旨を答弁をいただいているというふうに思います。私は、この表現内容では判断しないという点について、これが国民の皆さんに十分に伝わっていないのではないかというふうに考えております。 まず一つ目なんですけれども、なぜ表現内容では判断しないのかという点についてです。これは、国家が表現の内容の良しあしを判断して処罰することは、憲法上保障された表現の自由との関係で極めて慎重であるという観点から、表現内容には立ち入らず、行為の体系を基準としているということで、そういう理解でよろしいかどうかというところです。 二つ目に、表現内容では判断しないという説明だけが独り歩きしますと、国旗に何か文字を書いただけで処罰されるのではないかという受け止められ方ですね、国民に不必要な萎縮を与えるということがあります。また、その言葉自体がまた、日本頑張れというふうに書いた場合や寄せ書きをするシーンもあるかというふうに思いますが、そうした場合に、その言葉自体が問題というわけではなく、仮に汚物などを用いて書けばその行為態様が汚損に当たり得るということで、日本頑張れという表現だから処罰されるというわけではなく、逆に、その表現だから処罰を逃れるというわけでもないということだというふうに思っています。 つまり、評価の対象というのはあくまで、何を書いたかというわけではなく、どのような方法で国旗を扱ったかというところが判断基準になるんだというふうに思っております。そうした理解でよろしかったでしょうか。
○衆議院議員(飯泉嘉門君) 二点いただいております。 一点目につきましては、もちろん憲法二十一条の表現の自由、これを最大限にということで、人々の行為を行った、あるいは見ている人の内面に踏み込まない、こうした点を尊重する形となっているところであります。 そして、二点目のところでありますが、あくまでも、その行為自体ではなくて、それが客観的に見て、つまり外形的あるいは置かれた状況、これがどうなのかというものを判断した上でということで、例えばその文字を書いたということだけということではなく、例えば式典などに乱入した者が公のそうした場におきまして国旗に文字を書いてしまうと、こうした場合については処罰の対象になり得る場合もあり得ると。あくまでも外形的に見ていく、客観的にということになります。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 この場では、より具体的に国民の皆様に理解いただけるようなまとめを引き出したというふうに考えております。引き続き御審議いただけるというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 ありがとうございます。
○委員長(北村経夫君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時四十四分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(北村経夫君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国旗の損壊等の処罰に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○渡辺猛之君 自由民主党の渡辺猛之でございます。 まずは、本法案をお取りまとめいただきました発議者並びに関係者の皆様方に敬意を申し上げたいと思います。 さて、その上で、発議者の阿部議員に質問をさせていただきたいと思います。改めて、本法案の目的についてお聞かせください。
○衆議院議員(阿部圭史君) お答え申し上げます。 法案提出者といたしましては、国旗を尊ぶ心は万国共通の価値観であり、外国国旗であれ日本国旗であれ、損壊等のやり方によっては国旗を大切に思う国民感情や尊厳を害することになると考えております。 そもそも国旗は、国家の象徴として大切に扱われているものではございますが、我が国では、G7諸国の中で唯一、外国国旗の損壊は処罰対象になるにもかかわらず、自国国旗の損壊について処罰する規定はございません。このため、少なからぬ国民にとって、国旗を大切に思う国民の気持ちは万国共通であるにもかかわらず、我が国では、外国国民の気持ちは保護される一方で、日本国民の気持ちは保護されず、アンバランスであると受け止められる、受け止められ得る状況にあると考えております。 この点に関しまして、日本国旗の損壊等の事案については器物損壊罪等によって対処可能ではないかとの御指摘がございますが、自己所有の国旗を損壊等したところで処罰されるわけではなく、また親告罪であるため、被害者からの告訴がなければ起訴されないことになります。 しかし、本法案における保護法益が国旗を大切に思う国民感情である以上、自己所有の国旗であるかどうか、あるいは被害者からの告訴があったかどうかにかかわらず、国旗を損壊等する行為自体がその保護法益を侵害する蓋然性が高いわけでございますので、そのような行為を行った者は処罰対象となってしかるべきであると考えております。 このようなことを踏まえまして、法案提出者としては、国旗を大切に思う国民感情を正面から保護し、現行法では対処できない領域をカバーするため、国旗損壊罪を制定する意義があると考えております。 その上で、本法案は、あくまで国旗の損壊等として外形的に表れた客観的な行為を処罰の対象とするものでございまして、個人の内心に立ち入って、その行為の基礎となった思想や信条を処罰するものではございませんし、その思想や信条に反する特定の行為を強いるものではございません。
○渡辺猛之君 御答弁ありがとうございました。 ただいま、本法案の目的、本法案の意義を、国旗を大切に思う国民感情を正面から保護し、現行法では対処できない領域をカバーするとのお答えをいただきました。 それでは、先日、当委員会でも議論になりましたけれども、六月二十六日、衆議院の内閣委員会での阿部議員の御発言はどういう意図での発言だったのか、お聞かせ願います。
○衆議院議員(阿部圭史君) お答えいたします。 先日の委員会でも御答弁させていただきましたけれども、六月二十六日の衆議院内閣委員会では、政治家として御答弁いただければという御質問をいただきましたので、私自身の政治信条に関する答弁をしたところでございまして、国民が自国についての帰属意識、一体感等を抱くことによりまして、国民の気持ちの上での結合、統合の役割を果たすという国旗の意義がますます向上し、今後一層、国旗を大切にするという気持ちが醸成されていく、そして愛国心、国を愛する心も醸成されていくのではないかというふうに考えております。 私の政治家としての発言について誤解のないように説明させていただきますと、私自身、愛国心、自国に対する自信や誇りというものは、刑罰等によって強制する類いのものではなく、自然に醸成されていくもの、いくべきものであると考えております。 また、国旗についての受け止めは、最終的には個々人の内心に関わる事項であると考えてございまして、国旗を大切にするという気持ちが醸成されていく、そして愛国心、国を愛する心も醸成されていくのではないかという衆議院内閣委員会での私の答弁は、できるだけ多くの国民の皆様に、国旗についての理解を深め、国旗を大切に取り扱うよう努めていただきたい、自国の歴史や文化について正しい知識を持ち、自国に自信と誇りを持つのは大切なことでございまして、そういった意味での愛国心がおのずと育まれていくような環境が実現されることが望ましいという趣旨でございまして、個人の内心に立ち入って特定の思想、良心や行動を強いるという趣旨のものではございません。
○渡辺猛之君 改めて、改めて確認をさせていただきますけれども、愛国心や国を愛する心の醸成というのは本法案の目的でも真の狙いでもなく、この法律ができることによって、こうなったらいいなと、こういう効果が現れたらいいなという、一人の政治家として阿部議員が望む願いやあるいは理想を述べられたという理解でよろしいでしょうか。簡潔にお答えください。
○衆議院議員(阿部圭史君) はい。御指摘のとおりでございます。
○渡辺猛之君 分かりました。この法案に、法案の作成に携わられた阿部議員、そしてまた本法律案も、決して愛国心の醸成を本法案の狙いや目的としていないということははっきり理解をいたしました。 しかしながら、先般の当委員会でも複数の委員の方から御質問がございましたが、衆議院内閣委員会での御答弁が、提案者としての説明と政治家としての個人的な信条の区別が分かりにくかったという面もあったかと思いますけれども、この点の受け止めはいかがでしょうか。
○衆議院議員(阿部圭史君) お答えいたします。 提案者としての説明と政治家としての個人的な信条の区別が分かりにくかったのであれば、遺憾でございます。 提案者として改めて申し上げますと、本法案は、あくまでも国旗の損壊等として外形に表れた客観的な行為を処罰の対象とするものでございまして、個人の内心に立ち入って、その行為の基礎となった思想や信条を処罰するものではございませんし、その思想や信条に反する特定の行動を強いるものではございません。
○渡辺猛之君 ありがとうございました。真摯な御答弁をいただいたことに感謝を申し上げます。 世界の国々のそれぞれの国民は、自分の国を愛する気持ちというものを普通に持っていると思います。同じように、多くの日本人も日本という国を愛する気持ちを持っていると私は信じております。一方で、我が国では、この自分の国を愛する気持ちというのが愛国心という単語に変換された途端に、さきの大戦の記憶が呼び起こされ、不安に思われる方が一定数いらっしゃるのも事実であります。私は、この愛国心という言葉が世界の国々で当たり前に使われているように、我が国でも当たり前に使われるようになることを願いつつ、そのために、引き続き日本が世界の平和を希求するリーダーとして活躍することが期待されていると思っています。 さて、最後の質問になりますけれども、これまでの質疑でも明らかになりましたように、この法案が提出されたそもそもの原点というのは、先ほども御答弁いただきましたが、G7の中で唯一、外国の国旗を損壊するのは処罰対象になるのに、この委員会でも多くの委員の皆さん方から、国旗が大好きだと、国旗を大切に思っているという表明がございましたが、国民の多くの皆様も大切に思っている我が国の国旗を損壊しても罪にならない。外国の国旗を損壊したら処罰対象だけれども、我が国の国旗を損壊しても処罰対象にならない、これはおかしいんじゃないかという、私も至極当然な感覚からこの議論がスタートしたものだと認識をしております。 一方で、衆参の委員会審議を通じて、例えば、事前に損壊した国旗を公然に掲げることは人に著しく不快又は嫌悪の情を催させる方法ではないのかとか、あるいは逆に、表現の自由や思想、信条の自由が制限されるのではないかという心配など、様々な論点が提示されました。 私は、この法案が三年後の見直し規定を設けていること、そして、この法案が議員立法である以上、国民の意見や感覚に最も近くにいるはずの選挙で選ばれた議員がもし修正や改正の必要があれば迅速に対応できることが議員立法のメリットだと考えておりますけれども、本法案が議員立法で提出された意義についてお尋ねをいたします。
○衆議院議員(松野博一君) 渡辺議員にお答えをさせていただきます。 国旗損壊罪の創設は、国旗を大切に思う国民感情を保護するためのものであり、様々な御意見があり得ることも踏まえ、政府から提案をするよりも、国民の意思を代表する立法府によって案が作成されることがより適切と考えたものであります。
○渡辺猛之君 ありがとうございました。真摯な御答弁をいただきましたことに改めて感謝を申し上げて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○杉尾秀哉君 立憲民主・無所属の杉尾秀哉でございます。 今の渡辺筆頭からの質問にもありました、法案提出者であります維新の会の阿部議員に、この愛国心発言について、この発言は極めて問題があります。撤回するんですか、しないんですか、どちらですか。
○衆議院議員(阿部圭史君) お答えいたします。 先日の委員会でも御答弁させていただきましたとおり、六月二十六日の衆議院内閣委員会では、政治家として御答弁いただければという御質問をいただきましたので、私自身の政治信条に関する答弁をしたところでございまして、国民が自国についての帰属意識、一体感等を抱くことによりまして、国民の気持ちの上での結合、統合の役割を果たすという国旗の意義がますます向上し、今後一層、国旗を大切にするという気持ちが醸成されていく、そして愛国心、国を愛する心も醸成されていくのではないかというふうに考えております。 私の政治家としての発言について誤解のないように改めて申し上げますと、私自身、愛国心、自国に対する自信や誇りというものは、刑罰等によって強制されるべきものではなく、自然に醸成されていくべきものであると考えております。 また、国旗についての受け止めは、最終的には個々人の内心に関わる事項であると考えてございまして、国旗を大切にするという気持ちが醸成されていく、そして愛国心、国を愛する心も醸成されていくのではないかという衆議院内閣委員会での私の答弁は、できるだけ多くの国民の皆様に、国旗についての理解を深め、国旗を大切に取り扱うよう努めていただきたい、自国の歴史や文化について正しい知識を持ち、自国に自信と誇りを持つのは大切なことであり、そういった意味での愛国心がおのずと育まれるような環境が実現されることが望ましいという趣旨でございまして、個人の内心に立ち入って特定の思想、良心や行動を強いるという趣旨のものではございません。 提案者としての説明と……
○委員長(北村経夫君) 答弁は簡潔に願います。
○衆議院議員(阿部圭史君) 政治家としての個人的な信条の区別が分かりにくかったならば、遺憾でございます。
○杉尾秀哉君 聞いたのは、撤回するかしないか、どちらですかと聞きました。それだけ答えてください。
○衆議院議員(阿部圭史君) お答えいたします。 提案者としての説明と政治家としての個人的な信条の区別が分かりにくかったのであれば、遺憾でございます。 提案者として改めて申し上げますと、本法案は、あくまでも国旗の損壊等として外形的に表れた客観的な行為を処罰の対象とするものでございます。個人の内心に立ち入って、その行為の基礎となった思想や信条を処罰するものではございませんし、その思想や信条に反する特定の行動を強いるものではございません。
○杉尾秀哉君 もう一回聞きますよ。 発議者として撤回するのかしないのか、それだけ答えてください。
○衆議院議員(阿部圭史君) 改めて申し上げます。 提案者としての説明と政治家としての個人的な信条の区別が分かりにくかったのであれば、遺憾でございます。
○杉尾秀哉君 そういう回答をされるんだったら、この法案、もう先に進められませんよ。そういういいかげんな人たちが出してきている法案だというふうにみなさざるを得ない。 これ、個人の意見って言いますけど、法案の核心なんですよ。あの質疑、簡単におさらいしますよ。質問をしたのは維新の西田薫議員です。大阪府の小学校で卒業式の国歌斉唱の際、多くの小学生が起立しなかったと、こういうエピソードを紹介した。これは戦後の自虐史観による偏向教育が原因だった。これに対して、国旗の常時掲揚の条例制定に取り組んだ結果、教育の正常化が進んだ、自慢げに言っているんですよ。今回も、この法案を成立させることで子供たちに愛国の思いを教える契機になるのではないか。先ほど、伊勢崎委員がこの子供の話をしました。まさにそうです。子供に愛国心を強要することになるんじゃないか、事実的に。 つまり、政治家として断りながらも、本法案が愛国心の醸成という個人の内心に影響を及ぼすことを期待しているということを図らずも、先ほどもおっしゃいました、期待しているというふうにおっしゃいましたよね。これでもこの法案が個人の内心と関係ないってどうして言えるんですか。
○衆議院議員(阿部圭史君) 西田議員からの御質問に政治家としての御答弁をということでお答えをしたものでございますので、あくまで提案者としての説明と政治家としての個人的な信条の区別について申し上げたものでございまして、改めて申し上げますが、本法案につきましては、その区別で申し上げたということでございます。
○杉尾秀哉君 皆さんの創業者の、維新のですね、橋下徹さんは、法案に反対の立場を表明した上で、愛国心の醸成を言ったらおしまいだと、こういうふうに言っているんです。思想的にはこれじゃ中国と全く同じじゃないかと言っているんですよ。皆さん、中国批判されていますよね。やろうとしていることはそれと同じじゃないかというふうに橋下さんはおっしゃっているんですよ。 あなた方がしようとしていることは、国旗への尊崇の念を通じて国民に愛国心を持たせる、それを刑罰をもって実現させようとしていることにほかならないんですよ。いかがですか。そうです。
○衆議院議員(阿部圭史君) お答え申し上げます。 提案者としては、本法案は、あくまでも国旗の損壊等として外形に表れた客観的な行為を処罰の対象とするものでございまして、個人の内心に立ち入って、その行為の基礎となった思想や信条を処罰するものではございませんし、その思想や信条に反する特定の行為を、行動を強いるものではございません。
○杉尾秀哉君 こういう不誠実な答弁を繰り返すんだったら、採決に応じられませんからね。それだけは筆頭理事として言っておきますから。 これね、本法案の目的であり効果、これは問題の核心なんですよ。そして、芥川賞作家の川上未映子さんがこういうふうにおっしゃっています。罰則で国家への敬意を求めることは服従への誘導だと、こういうふうに言っているんですよ。さっき、愛という話もありました。愛は強制や誘導ではできない、それと同じです、愛国心も。そういうことだと思います。 更に話を進めます。おとといの参考人質疑で二人の法学者が、憲法が保障する罪刑法定主義や言論、表現の自由に反する違憲立法だと、こういうふうにはっきりおっしゃいました。このうち、橋本参考人は、日本国憲法の歴史上初めて、政府を批判する、このことを禁止する法律ができようとしているんだ、こういうふうに言った。また、木下参考人は、発生する萎縮効果が取り返しが付かない事態を招く、つまり、萎縮効果というのは、罰則を伴うこういう法律によって愛国心を養成すると、こういうことです。醸成するということです。単なるこれは新法制定にとどまらず憲法改正と同じ効果を持つと、こういうふうに酷評されているんですよね。専門家の指摘というのは極めて重いと思います。 このまま違憲立法を進めていいんですか。どうですか、提案者。
○衆議院議員(塩崎彰久君) お答えいたします。 今、杉尾先生の方から御指摘がありましたように、七月十四日の参考人の質疑の中で、様々な今回の法案についてのお考えが示され、その中には、今御紹介がありましたように、表現の自由の制約及び罪刑法定主義の観点から違憲ではないかという御意見があったことは承知しております。 その上で、我々としての憲法との関係についての考え、こちらを改めて整理して申し上げるとすれば、法案提出者としては、表現の自由、これはもうもちろん基本的人権の中でもとりわけ重要なものだというふうに考えております。 その中で、国旗を大切に思う国民感情の保護というこの社会全体の重要な利益を守るために本法案二条の罰則を設ける必要性が高いこと、そして、本法案二条の罰則は、国旗の損壊等の行為によってなされる表現の内容、すなわち伝達されるメッセージとは無関係に、その行動がもたらす弊害を防止するためのものにすぎず、表現の自由に対する制約の程度は小さいことなどから、本法案二条の罰則は必要かつ合理的な規制であり、最高裁判例の考えに照らしても、表現の自由を保障する憲法二十一条一項に違反するものではないと考えております。
○杉尾秀哉君 この二人の参考人は、本当に議論を尽くしたんでしょうかともいうふうにおっしゃっているんですよ。しかも、憲法学者、私の周りの人ほぼ全員が憲法違反と、こういうふうに言っているというふうに言っているんですよ。こういう専門家の意見というのはどこまで聞いたんですか。 そして、先ほど質問がありましたけれども、今回は、内閣法制局通していない、その前の法制審も通していない。こうやって議論のプロセスを全く捨象しちゃって、いきなり法案を出して、自分たちの考えを押し付けて、あなたたちは法律の専門家なんですか、法学者なんですか、憲法学者なんですか、刑法学者なんですか。自分たちの思いだけでこういう法律を作って、これがどういう影響をこれから社会に及ぼすのか、この日本の国に及ぼすのか、そこまでちゃんとしっかりと議論した上でこの法案出しましたか、いかがですか。
○衆議院議員(塩崎彰久君) 今御指摘の点につきましてでございますが、今回の法律につきましては、国旗を大切に思う国民感情を保護するためのものであり、様々な御意見があり得ることも踏まえ、政府から提案するよりも、国民の意思を代表する立法府において案が作成されることがより適切と考えて議員立法により提出したものでございます。 そうした観点では、政府の内閣法制局を通すというものではございませんが、この法案の検討の過程では、衆議院の法制局を始め様々な専門的見知からの検討を踏まえた上で、先ほど申し上げたような憲法的な考えに基づいて提出しているものでございます。
○杉尾秀哉君 衆議院の法制局、困ったと思いますよ、こんな無理難題押し付けられて。どこか、ストーカー規制法とかほかに何か同じような条文のやつないかと思って探してきて、それで組み立てた法律でしょう。しかも、これ何ですか、これ中身すかすかじゃないですか。こんな法律、これ刑法の改正なんかでできませんよ、こんな法律。議員立法でしかできませんよ。それだけのことは皆さんは責任を持ってやっているという、その自覚が私は余りにも足りない。だから、先ほどみたいな、維新のあの阿部議員のようなああいう発言が出てくるんですよ。自分の思いだけしゃべっている。思いでこの国を動かす、しかも刑罰を使って国民を動かす。私は、絶対こういうやり方は認められない。 そして、この法律の運命は二つに一つだというふうにおとといの参考人質疑で橋本参考人はおっしゃいました。二つに一つですよ。最高裁で違憲無効とされるか、あるいは言論喪失の日本でその端緒となったと後世の歴史家に記述されるか、どちらか二つに一つしかないというふうに言っているんですよ。この専門家、刑法学者の意見、どう思いますか。
○衆議院議員(塩崎彰久君) 御質問にお答えいたします。 今、杉尾先生から御紹介いただいたような参考人の方からの厳しい御意見があったということは我々も承知しているところでございます。 この憲法に適合するかどうかについての法案提出者としての考えにつきましては先ほど申し上げたところでございますが、しっかりこの法に適した形でお通しをいただきまして、運用面におきましてもしっかり表現の自由などが守られていくということを期待して提出するものでございます。
○杉尾秀哉君 そんなの自分で勝手に期待しているだけでしょう。国民、そんな期待していませんよ。 ちょっと二を、三を飛ばしまして、著しく不快というのが前回も焦点になりました。さっきからずっと聞いていると、これずっと一貫してなんですけど、衆参共に、国民感情、国民感情、国民感情って、ずっと国民感情というふうに言っている。国民といっても、いろんな国民がいますよ。その意味で、著しく不快という、その処罰の対象となる行為の不明確さ、これ致命的なこの法案の欠陥なんです。 前回の法案質疑でも答弁者がとんちんかんな発言ばっかり繰り返して、壊れたテープレコーダーのように同じことを何度も言っている。野党席だけじゃないですよ、前回、自民党席からも失笑漏れていましたよ。だって分からないんだから。 あの著しく不快又は嫌悪の情を催させる行為による損壊行為、著しくの著しくというのはどの程度ですか。
○衆議院議員(塩崎彰久君) 御質問にお答えいたします。 御指摘のとおり、本法案の二条では、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法を構成要件としております。ここでの人に著しくというこの表現は、ストーカー規制法や軽犯罪法などの既存の法律の文言を参考にしたものでございますが、単に不快であるとか礼を欠くとか望ましくないと、こういう程度では足りず、一般通常人から見てひどく快くないと感じさせ又は不愉快に感じさせるような方法をいうものと考えております。
○杉尾秀哉君 ひどく快くないってどういうことですか。
○衆議院議員(塩崎彰久君) 今申し上げました、この一般通常人から見てひどく快くないという基準につきまして、まず、この判断基準となる一般通常人につきましては、最高裁判決におきまして、一般社会において行われている良識、すなわち社会通念と設定し、ここで言う社会通念とは、個々人の認識の集合又はその平均値ではなく、これを超えた集団意識であるから、個々人がこれに反する認識を持つことによって否定されるものではないという、この判例の考えを踏襲しております。
○杉尾秀哉君 じゃ、一般通常人じゃない人は特殊異常人なんですか。どうですか。
○衆議院議員(塩崎彰久君) 判例の考え方につきましては、今申し上げたとおりでございまして、一般通常人か一般通常人じゃないかというこの二分法ではなく、個々人の認識の集合又はその平均値ではない、これを超えた集団意識、これを判例としては一般通常人の理解として挙げているものと理解しております。
○杉尾秀哉君 今、最高裁の判例おっしゃいましたけど、実生活に即して考えてみてください。 前回の質疑で、これ塩崎議員だったと思うんですけど、処罰対象の明確化は困難だと、こういうふうにも答弁されているんですね。 一つの例挙げます。保育園落ちた日本死ねというフレーズがありました。これ国会で大問題になった。これ、大きな字で国旗にがあっと書いたら、日本死ねと書いたら、これどうなるんですか。これでも罪に問われないということでいいんですね。
○衆議院議員(塩崎彰久君) お答えいたします。 これまでも法案提出者が御答弁させていただいておりますように、書かれているメッセージの中身について評価が左右されるというものではなく、外形的な行為に基づいて構成要件該当性を判断する構成となっております。
○杉尾秀哉君 日本死ねというフレーズは、ある人にとってみればこんなに不快なフレーズないですよ。だけど、この問題の当事者の待機児童を持っている親御さんからすれば、物すごく共感の対象ですよ。 フレーズの中身は関係ないというふうにおっしゃいましたけれども、全く関係ないというふうなことはどこにも、法案読んでも聞き取れないんですよ。そういうふうに受け取れないんですよ。しかも、一般通常人も、立場や考え方によって全然違う。しかも、こういう政治的な問題であるとか、これは一般のやつと違いますから、芸術的な表現もそうですけれども。 これ、木下参考人がこういうふうにおとといおっしゃったんですけど、やってみないと分からない、後出しじゃんけんなんだと、警察官も検察官もこの法律が適用できないんじゃないかと、こういうふうに言っています。 私もそう思います。このまま例えば現行犯逮捕していいのか。しかも、一般人の場合は常人逮捕できますから、常人でも逮捕できる。現行犯であればできます。だけど、この逮捕行為が正しいかどうか。そして、しかも、仮に送検をして送られたとしても、起訴すべきかどうか。検察官は、これどう考えても怖くて手出せないですよ。 しかも、これが裁判になって、刑事裁判であっても、最高裁で争われて、最高裁で憲法判断が出たときに、この法律は違憲だというふうに言われたら、皆さんどうするんですか。いかがですか。
○衆議院議員(塩崎彰久君) この法律の構成要件の明確性が足りないのではないかという杉尾先生からの御指摘と受け止めさせていただきました。もちろん、そうした御指摘をいただいていることは重々承知しております。 法案提出者といたしましては、一方で、今回の構成要件の設計に当たりましては、まず客体を国旗、明確に定義された国旗に限定しております。それを公然という形で、そして損壊というものも三つの行為類型の限定列挙とさせていただいております。 その上で、その上で方法について、著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法という縛りを加えているものでございますので、もちろんその境界事例は、これ挙げればいろいろ出てくるんだと思いますが、かといって、それは中核領域が明確ではないということでは必ずしもないというふうに考えている次第でございます。
○杉尾秀哉君 多分、これが仮に法案が成立して、そして施行された場合、どこまでだったらこの刑罰に問われるんだろうかということで、チャレンジする人が出てくると思います。今もう既にSNSの中ではそういう言論が出ているとも聞いています。 そうしてチャレンジをされて、最高裁に行って、憲法違反だ、こういうふうな認定が下されれば、これ学者の先生が皆さんおっしゃっているわけだから、これ法案提出者の責任ってめちゃくちゃ重いですよ。それなのに、さっきのような個人的な見解を言うというのは、私は言語道断だというふうに思っていますけどね。 塩村委員が前回も指摘したんですけれども、この資料、不可解のオンパレードなんですよ、この提出資料。塩村委員が紹介したのは、新品で靴を踏む行為、これオーケーだというんですよね、不潔にしなければいい。そのときに、塩崎議員だと思いますけど、このくらいはいいだろうと言いましたよね。このくらいはいいだろうって、どのくらいはいいんですか、じゃ。
○衆議院議員(塩崎彰久君) お答えいたします。 先生もよく御理解の上でおっしゃっているんだろうと思いますが、前回の委員会のやり取りの中で、今おっしゃっていただいたようなやり取りの後で私の方から改めて、なぜ、我々がお出しをした例示の中で新品の靴がどうかということについて説明をさせていただきました。それは、つまり汚損という構成要件の定義に当たるかどうかというところがポイントでございまして、そうした観点からの例示として、この汚損に当たらない例として挙げさせていただいたものでございます。
○杉尾秀哉君 じゃ、新品でも間違って泥が付いちゃって、その靴で国旗踏んじゃったらどうなるんですか。
○衆議院議員(塩崎彰久君) 我々のこの提出している法律の構成要件上は、靴が新品かどうかということが問題ではなく、まさに国旗が汚損されたかどうか、そして汚損が仮にあったとした場合、公然に汚損があったとした場合に、人の感情を著しく不快にするような方法で行われたかどうかという判断になろうかと思います。
○杉尾秀哉君 態様はいろいろあるかもしれないですけど、だけど間違って泥が付いたかどうかなんて分からないじゃないですか。で、そのとき現行犯逮捕されちゃうんですよ。泥の付いた靴で踏んじゃったと、汚した、汚損したといって現行犯逮捕されるんですよ。間違って付いたかどうかなんてそのとき分からないじゃないですか。逮捕してからじゃないと分からないじゃないですか。 それから、この事例集がまたふざけていて、日の丸が書かれたゴルフボールをわざと池ポチャさせた場合は構成要件にならない。よくこんな例書きますよね。日の丸の書かれたゴルフボールを打つ場合なんてあるんですか。よくこれ考えたと思いますよ、これ。 この中で、違法性阻却事由にならない場合として、政治的表現や芸術的評論に名を借りて、社会に相当でない態様で行われた行為というのがあるんです、違法性阻却事由にならない場合。社会的に相当でない態様ってどういう態様ですか。
○衆議院議員(塩崎彰久君) お答えいたします。 今の日の丸のゴルフボールの例の御指摘もありましたが、今回我々から衆議院の理事会にお出しをさせていただいた資料につきましては、衆議院でも同様の議論がある中で、どういう行為が今回の構成要件に当たるのかどうかということについて、できるだけ具体的に、答弁の中で示したような考えを文書にして出してほしいと、こういう御要請があったものを踏まえて、具体的事例において、どのような行為がどの構成要件との関係で処罰対象になったりならなかったりという基本的な考えをお示ししたものでございます。ゴルフボールの事例も、これは委員会の中で答弁、質問で出てきた事例でございますので、そういった中で挙げているものと御理解いただければと思います。
○杉尾秀哉君 午前中の質疑で、隣の堂込委員からこのガイドラインの話ありましたけれども、これ立法者としてこういうことは確かにできないと思います。これから、仮にですよ、法案が成立したとき、警察、それから検察、法務当局でガイドライン的なのも作るんでしょうけど、こんなの何の参考にもなりませんよ。こんなんで逮捕されたり処罰されたらたまらないですからね。 最後に、これ伺います、どうしても。 これ、誰のため、何のための立法か全く分からないんですよ。そこが最大の問題なんですよ。で、予防的な立法事実というのがありました、将来の発生を抑止するという考え方ありましたよね。これ、木下参考人は、高度な必要性を論証するものではないと、予防的立法事実というのはね。抽象的な国民感情というのは、これは例えば殺人未遂であるとか、予備みたいなふうな形で、取り返しの付かない、そういう事態にならないためのそれは予防的措置は分かるけれども、国民的感情というのは取り返しの付かない利益とは言えないと、こういうふうに木下参考人はっきりとおっしゃいました。予防すべきは政治的言論に対する萎縮効果であって、本法により発生する萎縮効果が取り返しの付かないことになるんじゃないかと。極めて重要な指摘だと思います。もう既にネット上でもそういう言論あふれています。また、木下参考人は、国民感情を保護法益とし、不快や嫌悪を構成要件として国旗損壊を処罰する先進国は認められなかったと、こういうふうにもおっしゃっています。 そこで、木下参考人がこういうふうにおっしゃっている。先ほどちょっと大門委員からも質問あったかもしれません。本法案を合憲にしようとすれば、従来の表現の自由に関する憲法法理をほぼ解体する必要がある、これ事実上憲法改正と同じ効果を持つんですよと、こういうふうにおっしゃっています。これ提案者としてどういうふうに受け止めましたか。
○衆議院議員(塩崎彰久君) お答えいたします。 今、杉尾先生から御紹介いただいた木下参考人からの御指摘があったことは承知をしております。 我々法案提出者として改めて御説明をさせていただきますと、まずこの立法事実、何で、誰のための法律なんだということにつきましては、やはり国内において国旗を損壊等する事案が発生しているという事実を確認しているということに加えまして、SNSなどが加速的に普及し、グローバル化が進展する中で、国内にとどまらず海外でも生じている国旗を損壊する行為がリアルタイム又はそれに近い形で様々な影響を与えることは否定できない、こういった事情を踏まえつつ、この国旗損壊等の事案の発生を将来に向かって抑止する必要があるということを立法事実の一つとして考えております。 先ほど木下委員のお考えを御紹介いただきましたけれども、我々法案提出者としては、国旗を大切に思う国民感情という社会全体の重要な利益の保護を図るという、この法益もほかの法益に劣後するものではない大切な法益であるというふうに考えているところでございます。 今回、こうした様々な御指摘をいただいておりますけれども、我々としては、様々な検討を行った上で、憲法に守られている表現の自由を侵害するものではない適法な法案として提出をさせていただいている次第でございます。
○杉尾秀哉君 専門家の知見が全く生きていないんですよ、この法案には。 さっきも言ったように、抽象的な、国民感情もいろんな国民感情あります。これはもうずっとこの衆参の委員会の中で出てきている。日の丸に対して複雑な感情を持っていらっしゃる方もいる、その一方で、本当にこれは尊崇の念を持って、常に仰ぎ見るような立場として、そういうふうに捉えている人もいる、いろんな立場がいます。だけど、これが本当に取り返しの付かない利益なのかと言われると、そうじゃないんじゃないかという、こういう指摘なんです。 もう一つです。橋本参考人が、国旗は国家のシンボルであり、損壊する行為は最も強烈なこれ批判行為なんだと、国旗損壊行為を処罰することは、国家や政府に対する最も強力に批判を禁止することになる。先ほどの説明と全然違いますよ。その上で橋本参考人が、今回の立法措置で、日本国憲法の歴史上初めて政府批判を禁止する法律ができようとしている、それだけこの法律というのは重いんですよ。そして、しかも、保護法益が国民感情という曖昧模糊としたものです。それに比べて答弁の何と軽いことでしょうか。本当に軽いです、答弁が。橋本参考人が言うように、本法案の提案というのは唯一の立法機関である国会の権威をも損なうものではないかと、こういうふうにも指摘されています。 この政府批判を禁止する法律ではないかという見方、そして立法機関、国会の権威を損なう法案ではないかという、この二つについて反論があれば言ってください。
○衆議院議員(塩崎彰久君) お答えいたします。 今回の我々の法律は、政府批判を禁止しようという趣旨での法律ではございません。 また、この保護する法益が曖昧ではないかという御指摘でございますけれども、本罪以外にもある種の社会的に共有されている感情を社会的法益とする法律というのはございまして、礼拝所不敬罪、礼拝所に対する一般の宗教的な感情を保護法益にしているものであったり、又は健全な性風俗ないし公衆の性的感情を保護する公然わいせつ罪なども前例があるものでございます。 そうした意味で、繰り返しになりますが、我々としては、今回の法律が何も表現の自由を憲法の枠を超えて制約したり侵害するようなものではないと考えて提出している次第でございます。
○杉尾秀哉君 意図はそうじゃないかもしれませんけれども、そういう効果をもたらす可能性が極めて高いということです。こんな憲法違反の疑いのある法律なんか絶対作っちゃ駄目です。 以上です。
○小島とも子君 立憲民主・無所属の小島とも子です。 現在、この法案に対しまして約三十ほどの反対声明が上がっていらっしゃるのを皆さん御存じだと思います。刑事法研究者、美術評論家連盟の有志、そして日本弁護士連合会、各弁護士会、日本歴史学協会、日本キリスト教協議会、アムネスティ・インターナショナル・ジャパン、ヒューマンライツ・ナウ、日本ペンクラブ、大変いろんなところからいろんな反対の声明が出ています。 例えば、美術評論家連盟の有志からは、芸術表現と他の思想的又は政治的な表現を峻別することは困難ですとか、美術館等に収蔵されている過去の作品についても、展覧会等への出品の自主規制が強まり、鑑賞者の権利が制限されるおそれがある、そんなことが出されております。そして、宗教者の方からは、真の敬意は刑罰によって強制されるものではありません、それは、市民一人一人の自由な判断と対話の中で育まれるべきものです。この対話、先ほど伊勢崎委員が午前中におっしゃいましたモアスピーチそのものだというふうに考えるところであります。 さて、外国国章損壊罪は規定されているのに同様の法律が日本にないというのはアンバランスだ、この話は今日の答弁の中でも出てきたと思いますし、何度もやり取りをしています。 さて、本法案の保護法益というのは、国旗を大切に思う国民感情という社会的法益だとされています。国旗を大切に思う気持ちはどの国でも同様であり、外国国民の気持ちは保護されているのに日本国民の気持ちは保護されないのはアンバランスであるという意味でこの法案は必要であるという理解をされている国民も多くいらっしゃるのではないかと思います。 そこで、まずお伺いをしたい。 外国国章損壊罪の具体的な保護法益とは何であると認識をされていますか。
○衆議院議員(高木啓君) 小島とも子委員の御質問にお答え申し上げます。 外国国章損壊罪は、我が国の外交作用を、円滑、安全という国家法益を保護法益とするものであるというふうに承知をいたしております。
○小島とも子君 そうですね、二つ大きく考え方は実はあるんですけれども、最近は日本の外交上の利益であるという捉えが一般的だとされています。 それではお伺いをいたします。 このアンバランスだという論の中に感情がどうしても入るんですね。では、外国国章損壊罪の保護法益には、外国国民の気持ち、感情を保護するということは含まれているのでしょうか。
○衆議院議員(高木啓君) 先ほど申し上げましたが、外国国章損壊罪は直接的には我が国の外交作用の円滑、安全、そのことを保護するものでございますが、そのために外国の人の感情を害するような行為を禁圧しようというものであるというふうに捉えることもできるというふうに考えております。
○小島とも子君 それはあくまでも捉えであり、法律上は、保護法益は感情というものは入っておりません。その理解でよろしいか。
○衆議院議員(高木啓君) 繰り返しになりますが、これは外国の人々の感情を害するような行為を禁圧しようというような作用もあるというふうに捉えていますので、委員の御理解のとおりで、ある意味でよろしいのかなというふうに思います。
○小島とも子君 ということは、最後に確認をいたします。 外国国民の感情は保護されるのに日本国民の感情は保護されないということでよろしいですね、それは間違いであるということでよろしいですね。
○衆議院議員(高木啓君) 今提出をしておりますその国旗損壊罪については、これは、外国国章損壊罪とのバランスの中でアンバランスであるということを申し上げている次第でございまして、そのアンバランスを解消するために今私たちが提出をいたしているところでございます。
○小島とも子君 どこがアンバランスなのか、もう一度お答えいただけますか。
○衆議院議員(高木啓君) アンバランスなところは、外国国章損壊罪があるということで今現在ありますので、その外国国章損壊罪において外国の国章が保護されるに反して、現在の我が国の日本国旗についてはこれを保護するものがないというのがアンバランスだと申し上げております。
○小島とも子君 保護法益は、日本国旗そのものではありませんね、国民の感情だと思うんですよ、今皆さんが提案されているの。全く言っていることが違うなと思いますが、ここで時間は使いたくないです。アンバランスであるということは成り立たないということを申し上げておきたいと思います。 その上で、外国には自国の国旗損壊罪、国章損壊罪があるのに日本にはないではないか、そこがアンバランスだというお考えもあると思います。 先般、大門議員の質疑において、外国の国旗の成り立ち、そして持つ意味についての言及がありました。確認をいたします。 例えばドイツ、ナチス政権時の国旗を否定してつくられた現国旗であるということ、自由民主主義国家を表しています。イタリアは、イタリア国王の戦争責任を追及し、共和制国家となることを国民投票で可決した、その後につくられている旗であります。フランス、もちろん自由、平等、博愛を示します。そして、韓国取り上げますが、韓国は、日本から独立して戦後出発した今のこの国家体制を象徴するもの、そのように理解をしています。 それではお伺いをいたします。 ドイツ、イタリア、フランスを取り上げますけれども、この自国国旗等損壊罪の規定がそれぞれありますけれども、それぞれの国が、自国国旗に対し、この規定において保護しようとする保護法益は何だというふうにお考えでしょうか。
○衆議院議員(高木啓君) 今回、本法案を立法するに当たりまして、諸外国の立法例も私どもとしては調査をさせていただきました。 先生御指摘のとおりの、ドイツにおいては、憲法秩序の存続、イタリアにおいては、国家の威信と名誉、そしてフランスでは、フランスの偉大さへの尊重、これを保護するために、それぞれの刑法に国旗損壊罪が定められていると承知いたしております。
○小島とも子君 それぞれの国はそれぞれの国旗の成り立ちにおいて保護すべきものがしっかりと定められている、国民にそれを尊重するようにということがこの国旗損壊罪で、国章損壊罪で言われているわけですね。国旗に対する国民感情等ではありません。先ほど申し上げたとおり、これは、その国の国旗の成り立ちそのもの、そこに含まれている意味を保護するものだというふうに考えます。 ところが、日本は、残念ながらと言うべきか、戦争の結果、国家の在り方として、その反省を国旗に反映させるということは実はしてこなかった、これは事実であろうかというふうに思います。 ですので、次の質問です。 成り立ちが異なるものを同一に並べて、外国にも自国の国章損壊罪が存在をしているから日本も国章損壊罪、国旗損壊罪を制定する必要があるとは言えないと思いますけれども、見解をお伺いをいたします。
○衆議院議員(高木啓君) 先ほど申し上げたとおり、本法案立案に当たっては、諸外国の立法についても調査を行わせていただきました。本法案は、その調査結果やそれに対する認識も踏まえつつ、我が国において国旗損壊罪を創設することで保護しようとするその法益は何か、その法益は刑罰をもって保護すべき程度に成熟したものであるかどうか、そして、その法益は既存の法律ではカバーされないのか、これを侵害する蓋然性が高い行為としてどのような行為を処罰対象とするか、表現の自由等への不当な侵害にならないよう配慮すべきではないか等について真摯な議論を重ねてきたものでございます。そして、その上で取りまとめられたものであります。 したがいまして、本法案は、諸外国の法令に同様の規定があるからという単純な認識で立法に至ったものではないということを申し上げたいと思います。
○小島とも子君 だから、外国にあるから日本も作りましょうなんという、そういうバランスを取ろうという理由ではないということですよね。そのことを確認をさせていただきたいと思います。よろしいですか。
○衆議院議員(高木啓君) これも先ほど来お話をさせていただいておりますが、アンバランスを解消するという、私たちはやっぱり立法府でございますので、国民感情をどのように立法に結び付けていくのかということは大切なことだと思っています。 したがいまして、このアンバランスの解消のために、今回この国旗損壊罪に対する法案を提出をさせていただきました。
○小島とも子君 違うと思います。国民の中に、間違ったアンバランス解消のために、私たちの気持ちは大事にされないのに外国の人の気持ちが大事にされるのかとか、外国には自国の国章損壊罪があるのに日本にはないじゃないかという、そういう気持ちから作られたわけではないですね、国民の誤解ですねということをお尋ねをしています。お答えいただけますか。
○衆議院議員(高木啓君) 外国国章損壊罪を事例に出されましたので、それとの比較の中でお話をさせていただきますが、日本国旗損壊罪がない現状におきましては、少なからぬ国民にとって、国旗を大切に思う国民の気持ちは万国共通であるにもかかわらず、我が国では、外国国旗、外国国民の気持ちは保護される一方で、日本国民の気持ちは保護されずアンバランスであると受け止められる状況にあるというふうに認識をいたしております。 外国国章損壊罪のみ存在する矛盾を是正するという立法理由の説明はこのような状況を解消するという趣旨であるから、法案の内容と一致していないとの指摘は当たらないというふうに思っています。
○小島とも子君 もうやり取りをしていてもこれ以上お答えとかみ合わないと思うのでやめますけれども、全くお聞きをしている趣旨とは今の答弁は違います。 次に行きます。 木下昌彦神戸大学大学院法学研究科教授、先般の参考人の方ですけれども、国旗を燃やす等の行為は非言語活動であっても、特定の思想や主張が人から人へと伝達される場合は象徴的言論として表現の自由に含まれる、そのようにおっしゃっていました。人の意識や感情に働きかける行為は表現活動の核心的要素だとも述べられています。ですから、この木下先生の言っていることを細かくというか簡単にかみ砕くと、行為と考え方、内心にあることは不可分だということです。だから、どうしたって中にあるものが行為表現として出てくるということだろうと思います。 一九八七年、沖縄国体で起きた日の丸焼却事件、この件で、知花昌一さん、器物損壊罪で有罪判決を受けています。その息子、知花昌太朗さんは、チビチリガマの悲劇を伝える活動をしていますが、その息子さんは、悲惨な戦争を体験した人にとって日の丸と軍国主義のイメージは分かち難いというふうにおっしゃっているところです。 国旗というのは、単に物ではない、だからこそ、大切に思ったり複雑な感情を持ったりいたします。日本においては、負の歴史も含め、歴史とともに国旗はあり、権力国家主義や民族主義といったものと結び付けて、日本軍の権威や服従のシンボルとして残念ながらネガティブなイメージを持ってしまう国民の方もいらっしゃいます。だからこそ、国旗を燃やすなどの行為、国旗を使った表現活動は、かぎ括弧付きで木下先生がおっしゃいました、公共的事項に関する表現行為に該当し得る、そして、この公共的事項に関する表現の自由については、最高裁では特に重要な憲法上の権利とされているところだというふうにおっしゃっています。 では、五番飛ばします。 本法案は、法益保護のため、国民の感情を守るというための方法の規制であるというふうにずっと説明をしていらっしゃいますけれども、わざわざ表現の自由について第三条を置いているということからも分かるように、これはその行為の背景、考え方、信条を含む内容の規制につながる、あるいは内容規制そのものであると考えられるのではないか、そのように木下先生もおっしゃっているし、私も思いますが、どういうふうにお考えでしょうか。見解を伺います。
○衆議院議員(高木啓君) 本法案において、その第三条の適用上の注意の規定を設けた理由につきましては、本法案二条の規定が、個人の内心に立ち入って規制を加えたり、表現の内容に着目して規制を加えたりするものではなくて、必要かつ合理的な規制として憲法上許されるものであることを前提としつつ、なお入念的に、本法の適用に当たって国民の思想及び良心の自由や表現の自由等を不当に侵害することのないよう万全を期すために置いた規定でございます。 したがいまして、本法案が内容規制につながる、あるいは内容規制そのものであるという御指摘は当たらないものと考えております。
○小島とも子君 二条に著しく不快、嫌悪という言葉があります。これはあくまでもやっぱり人が感じるものですので、法的安定性には大変疑義があるというふうに感じざるを得ません。極めて内心的感覚の問題であろうかというふうに指摘をしておきたいというふうに思います。 再度申し上げます。 方法だけを問う、そんなことが本当に可能なのかどうか。行為と考え方、そしてその本当に根底にある内心というのは不可分である、そのように考えますが、いかがでしょう。 では、次に進みます。 第二条、先ほどから出ていますけれども、人という言葉が出てきます。この人について確認をさせていただきたい。人とは具体的に何を想定されておりますか。
○衆議院議員(高木啓君) 本法案は、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法で公然と国旗を損壊等した者を罰するものでありますが、これに該当するかどうかについては、行為者自身やこれを見た者が現実に不快感や嫌悪感を覚えたか否かではなく、あくまで一般通常人を基準として、損壊行為がどのような一連の行為の過程で行われたのか、周囲の状況はどうであったのか等の客観的事情を総合的に勘案して判断されることになるということでございます。 したがいまして、特定の人というものを想定しているものではないということを申し上げたいと存じます。
○小島とも子君 少し八番飛ばして、九番に行きます。 それでは、この件で私人逮捕が起こる場合、誰の判断によって私人逮捕が行われるか、お答えください。
○衆議院議員(高木啓君) 本法案第二条一項の人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法とは、一般通常人から見て、ひどく快くないと感じさせ、又は不快に感じさせるような方法をいいます。 これに該当するかどうかについては、行為者自身やこれを見た者が現実に不快感や嫌悪感を覚えたか否かではなくて、あくまで一般通常人を基準として、国旗を大切に思う感情を害するに足ると認められるか否かによって判断されるものと思います。 そして、二条二項は、こうした判断に当たって、損壊行為がどのような一連の行為の過程で行われたのか、周囲の状況はどうであったか等の客観的事情を総合的に勘案して判断されることを明確にしたものでございます。 したがいまして、仮に私人逮捕があるとしても、その行為を見ている人の個人的な感情といったものが判断基準になるわけではございません。
○小島とも子君 個人的感情でなかったら私人逮捕起こり得ないように思うんですけどね。皆さん、どんなふうにお考えでしょうか。 どこまで行っても、例えば私人逮捕の場合、あるいは通報でもそうです、一般に人というのは、先ほどもありました、通常判断能力を持つ一般人というふうにおっしゃっていますけれども、どこまで行っても判断をするのは私あるいは誰かの集まりにすぎないのではないかと。私が不快に思い、嫌悪の情を抱くから、通報や私人逮捕といった行動に結び付くのではないか。結局のところ、個人の捉え方やその際湧き起こる感情、内心の感情に左右される構成要件ではないのか。極めて抽象的であり、不明確であると言わざるを得ないなというふうに思っております。 それでは、私はそうやって申し上げましたけれども、例えば私人逮捕等の場合ですね、個人の捉え方、あるいはそれを現場で見るわけですから、私人逮捕、現行犯でしか起こり得ないわけですので、その際湧き起こる感情、内心の感情に左右される構成要件である、確固たる客観的構成要件たり得ないのではないか、そのように思いますが、いかがでしょう。
○衆議院議員(高木啓君) 大変恐縮です、繰り返しになりますけれども、本法案は、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法で公然と国旗を損壊等した者を罰するものでございますが、この方法に該当するかどうかについては、これを見た者が現実に不快感や嫌悪感を覚えたか否かではなくて、あくまで一般通常人を基準として、損壊行為がどのような一連の行為の過程で行われたのか、周囲の状況はどうであったか等の客観的事情を総合的に勘案して判断されることになります。 このため、構成要件に該当するかどうかを判断するに当たり、主観に左右されるのではないかとの御懸念は当たらないと考えております。
○小島とも子君 構成要件はっきりしないんですよね。杉尾委員にもありましたけれども、本当に分からない例がいっぱい挙げられている。国民がどうやって、これをやったら駄目だ、これはこういうことで駄目なんだなというふうに分かるのか、本当に甚だ不安であります。 参考人、先ほどから出ていらっしゃいますけれども、橋本基弘中央大学法学部教授は、こんなふうにおっしゃっていました。感じ方や感覚だけで人を結局処罰するわけですから、犯罪者にする怖さは人々に表現を萎縮させ、結果的に憲法二十一条二項が禁止する検閲の効果を持つ、極めて主観性の強い要素を構成要件に組むこと自体、意図があろうとなかろうと構成要件に組み込まれてしまっていると思いますけれども、相当な無理があると、そんなふうにおっしゃっているところです。 さて、それでは、先ほどの私人逮捕についてもう少しやり取りをさせてください。 刑事訴訟法第二百十三条、何人も、現行犯人を逮捕することができる。そして、ここには三つの要件が課されているわけであります。目の前で犯行が行われていること、誰が犯人かが明白であること、そして、この第三の要件です、犯罪の成立要件を全て満たしていることが客観的に明白であること。 それでは、客観的に明白であるってどういうことかなと考えると、具体的には、その物が社会通念上国旗として使われているのか、行為の方法が著しく不快又は嫌悪の情を生じさせるか、公然性があるか、私的な処分か否か、政治的、芸術的表現として違法性が阻却されるかされないか、そういう判断が必要ということになってきます。 そこでお伺いします。 法律の専門家でも本当に判断が難しいあるいは無理だとおっしゃっているこれらの要素を一般市民がその場で判断し、相手の身体を拘束するなどして、誤認逮捕あるいは市民間の衝突が生じる危険性、私は高まるというふうに思いますけれども、どんなふうに防止されるおつもりでしょうか。
○衆議院議員(高木啓君) 刑事訴訟法におきましては、「現に罪を行い、又は現に罪を行い終つた者を現行犯人とする。」とした上で、「現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。」、二百十三条、とされておりまして、その要件を満たす場合には私人による現行犯逮捕も可能であるとされております。 もっとも、私人逮捕についてはどのような犯罪に対しても行われ得るものでございまして、国旗損壊罪だけが特別に誤認逮捕や市民間の衝突を生じさせるおそれがあるとは言えないのではないかと考えます。 また、不正、不当な拘束があった場合には、その行為を行った者は刑事、民事上の責任を負うという意味で、私人逮捕の乱発に対する歯止めが存在することも今の現状でございます。
○小島とも子君 伊藤参考人ですね、この方はこの法案の成立に賛成をされている方でありました。国民の分断を未然に防ぐというふうにおっしゃっていられたんですけれども、でも、私は、この法案成立によって、逆に国民の間にその考え方の違いによって分断とかいさかいを生んでしまう、そういう危険性があるのではないかなというふうに思います。 例えば、私人逮捕が生じ得る場面想定しますと、政治的対立、考えの違いによる実力行使、これが過激化する可能性があるんじゃないか。例えば、過剰な暴力が生まれてしまったときは暴行罪、傷害罪、そして長時間の拘束、警察への不引渡しが起これば、これは逮捕監禁罪につながる。また、SNSのことがずっと言われていますけれども、スマホによって逮捕の様子を動画撮影し、そのまま拡散されるなどする事態が生じたら、民事上の損害賠償責任等も生じる可能性があるんじゃないか、そんなふうに思うところであります。 さて、そこでお伺いをします。 国民の間に無用な分断やいさかいを生むその危険性について、どのように認識していらっしゃるでしょう。
○衆議院議員(高木啓君) 本法案は、国旗を大切に思う国民感情を保護法益として、これを害する蓋然性の最も高い行為である、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法で公然と国旗を損壊する等する行為を処罰しようとするものでございます。 したがって、この法案が成立することによって国民の間に分断やいさかいが生じることになるとは考えておりません。
○小島とも子君 本法律案は、刑罰法規を科すという、そういう法案なので、これやってみてから考えようというのでは許されませんよというふうに憲法学者、お二人の方もおっしゃっていました。そして、先ほどからも出ています、憲法違反になる可能性が高いと。そういうふうにお二人の専門家が意見陳述してみえること、これは、我々立法府に身を置く者としては重く受け止めるべきではないかと思います。 最後の質問です。 本法案の附則、検討として、法律施行後三年を目途としていろんな状況を勘案して検討すると検討事項が置かれています。そして、その内容を見ますと、現在は処罰対象でない映像の事後配信、あるいは既に損壊されている国旗の展示などについて、将来、処罰対象を拡大するのではないかな、そんなふうに読み取れると思います。拡大する可能性を明記したものだ、そのように思います。 一方、先ほど申し上げました誤認逮捕、政治的表現、芸術的表現の萎縮、私人逮捕によるトラブルなどの規制が過剰であった場合の検証は全く書かれておりません。含まれておりません。なぜ規制拡大だけを対象として書き込まれたのか、お答えください。
○衆議院議員(高木啓君) 本法案では、附則第二項に、この法律の規定について、法施行後三年を目途に、この法律の施行状況等を勘案し、国旗を大切に思う国民感情を保護するのに必要かつ十分なものとなっているかどうか等の観点から検討が加えられ、必要があると認められるときは、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるものとするとの検討条項を設けております。 検討の方向性については、規制拡大だけを対象としているわけではございませんで、現時点において何か確定的に見直しの方向性が定まっているものではないと認識をいたしております。
○小島とも子君 書いてあるものからはそのようにしか読み取れません。 三年後の検討でこの表現活動の萎縮あるいは社会的混乱が法益保護を上回るというふうに判断をされた場合、この法律そのものを廃止をする、あるいは縮小するというようなお考えはございますか。もう法律成立後ですから。いかがでしょう。
○衆議院議員(高木啓君) 三年後を目途に行われる検討につきましては、この法律の施行状況等を勘案しながら進めていくことになるとは承知いたしておりますが、先ほど申し上げたとおり、現時点において何か確定的に見直しの方向性が定まっているものではないということでございます。
○小島とも子君 なかなかかみ合わないやり方だったなと思いますが、最後に、大門委員も言及されていました、一九九九年、平成十一年、国旗・国歌法が施行されました。政府関係者は、このとき、国旗・国歌の制定は強制とは結び付かないと度々明言されています。にもかかわらず、国旗・国歌の強制というのは起こったことであります。 何度も申し上げますけれども、この法案は国民に刑罰を科す法規だからこそ、何をしたら罪になるかということを国民が前もってきっちり分かるということが必ず必要であります。しかし、何が人に著しく不快又は嫌悪の情を催させる方法なのかというのは行為の後でしかしっかりと判断をされないというのがこの法の本質ではないのか。私は、この法律は成立させるべきではないと心から強く思っているということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○窪田哲也君 公明党の窪田哲也です。よろしくお願いを申し上げます。 先ほど、沖縄の知花さんのお話が出てきておりましたので、私も長く沖縄におりまして、記者として二回赴任をして、たくさんの戦争体験者の方も出会いましたし、いろんな方と出会いました。知花さんのあの事件というのは、あってはならない、とても残念な事件であります。 しかし、沖縄の、私は妻が久米島の出身なんですけれども、八重山、石垣島で出会った方がいらっしゃいます。日本軍の強制移住によって、戦争マラリアの問題で身内の十八人を失ったという、そしてたった一人で十七人分の死亡届を出したという方いらっしゃいました。 私は、議員としてやっていく中で、その人のことは忘れちゃいけないなと思いながらやってきているんですけれども、そういう歴史、様々なある中で知花さんのあの国体での事件もあったと思うんですね。日の丸に対して、国旗に対して様々な感情を持つ方が我が国にはいらっしゃるのだということは私たち政治家は理解をしなければいけないと思うんですね。 もちろん、この国旗を大切にしていきたいという、全く私もそのとおりの同じ思いを持っています。先日も申し上げましたけれども、小さいときから大切に我が家にも国旗がしまってあった。ほとんどの国民は国旗を大切に思っている、思っている人もいるし、様々な感情をお持ちの方もいらっしゃる、そうしたことを理解をした上で進めていかなければならない。刑罰をつくるわけですので、極めて慎重であらねばならないというふうに思っております。 先日の議論の中で私お伺いしました、今回、閣法ではなくて議員立法になっている、それ、なぜかということを聞いたんですけれども、先日の委員会では、様々な御意見があることを踏まえて、立法府において案が作成されることがより適切だと、このように提案者の方、言われたわけですけれども、様々な御意見があることを踏まえというのは、つまり、今回の法案によって国論を二分するような、そういうことが起きてもまあ致し方ないと、そのように私は捉えたんですね。 国論を二分する、今世界は分断、ヨーロッパもそうですけれども、アメリカもそうです、我が国もそういうふうに捉えることができるかもしれない。大きく世論、国民というのは分断をしてしまっている。そこに対して、国論二分してもいいからどんどん推し進めていけばいいのだと、議員立法で、そのように私は言われているのではないかというふうに捉えましたけれども、これはやはりそういうことですかね。国論二分してもいいというふうに提案者はお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
○衆議院議員(勝目康君) 窪田議員にお答えをいたします。 国論二分をしてもやむを得ないという考えかということでございますけれども、それは、そういう趣旨で議員立法として提案したわけではないということを申し上げたいと思います。 この法案は、国旗を大切に思うというこの国民感情を保護すると、これが保護法益でございます。これについて様々な御意見があることも踏まえて、政府から提案するよりも、国民の意思を代表する立法府において案が作成されることがより適切と考えたものであると、こういう答弁をさせていただいております。 この趣旨を申し上げたいと思います。 刑罰法規として何を保護法益として想定をするか、その保護法益を侵害する蓋然性が高い行為としてどのような範囲の行為を処罰対象とするか等につきまして、これはまさに、様々な御意見があるというのはこれまでの委員会審議においても出てきているところだと思います。こうしたことを踏まえまして、真摯に議論を積み重ねた上で、これはまさに、法案の立案段階からそういう議論を積み重ねた上で作成をするべきだということを申し上げたところでございます。 今回は、まさにその議員立法として提案をしておるというこの中にあって、自民党、維新というこの与党だけではなくて、国民民主党さん、そして参政党さんというこの野党にお立場を置かれる会派とも共同でこの法案として提出をさせていただいているところでございます。
○窪田哲也君 議員立法で今回出されてきているわけですけれども、先日の参考人質疑でも、様々なこれまで紹介ありましたとおり、違憲立法になるだろうと。罪刑法定主義全く満たしていない、法の支配の否定を意味すると、これ橋本先生言われていましたね。憲法違反、最高裁において違憲無効とされる運命にあると。様々な御指摘がありましたけれども、こうした意見は聞いてこられたんですかね。
○衆議院議員(勝目康君) この法案が、その思想、良心の自由であるとか表現の自由であるとか、そういうものを殊更に侵害するものではないか、こういう御指摘、あるいは罪刑法定主義に反するのではないかという御指摘につきましては、私どもとしてはそのようには捉えていないというのは、理由も含めましてこれまでるる御答弁をさせてきていただいているところでございます。 この法案の立案過程におきましては、私ども、まず、これは私は自民党として立っておりますので自民党内について申し上げますと、これは役員会も含めて合計十八回、二十時間以上審議をさせていただいております。こうした中で、この様々な立場、意見というのは党内にもあるわけでございまして、そうした中で、もちろん法曹出身の専門家もおるわけでございますけれども、そうした様々な意見をこの党内においてこれはもうしっかりと議論をした上で、今回この形で法案として提出をさせていただいているところでございます。
○窪田哲也君 たった十八回、二十時間ですか。余りにも少ないと思いますよ。人に刑罰を科す、心に踏み込むような、そういう法律を作ろうとされているわけですから、もっとしっかり議論をして閣法で出されるべきだったんじゃないかなというふうに思いますけれども、慎重意見というのはどういうものが出ましたか。
○衆議院議員(勝目康君) これは、党内での自由な議論の中で様々な議論が出てきたということでございますので、詳細について申し述べることは控えさせていただきますけれども、ただ、そうした中にあって、私どもとして、この構成要件をいかに客観的、外形的なものにしていくかということ、あるいは、この罪刑法定主義の観点から、この一般通常人というものを捉まえて、まさに個々人の感情あるいはその集合体、平均ではなく、この客観性というものを持たせるかということに意を砕きまして、そして今回の法案の内容となったということでございますので、どうか御理解を賜れればと思います。
○窪田哲也君 何が処罰になって何が処罰にならないのかということが全く分からないんですよ。これ、今ここにいる委員の皆さんも明確に答えることは恐らく難しいと思いますし、これまでも衆議院も含めて様々、先ほど池ポチャの話とか新しい靴の話とか様々出てきましたけれども、何が処罰対象で何が処罰対象でないのか、やってみなければ分からない、それが今回の法律じゃないですか。こんないいかげんなものはないと思いますよ。十八回、二十時間と言いますけれども、もう最初からこれ結論が決まっていてやられてこられたんじゃないかなというふうに思っているところなんですけれども。 十四日の参考人質疑の中では、賛成派の伊藤先生でさえ、内閣法制局の審査を通さないで議員立法が提出されたこと、これはまずいと苦言を言われましたけれども、賛成派で来ている人でさえまずいんじゃないかと言っている。これ、とても重い発言だと思いますよ。どう答えるんですか。
○衆議院議員(勝目康君) この法案をなぜ議員立法でこの国会に提出させていただくことになったのかという理由につきましては、先ほど御答弁をさせていただきました。 これは、私ども、これはまさに野党の委員の皆様についても、これは衆参それぞれに法制局があるわけでございますので、この法制局においてしっかり、この憲法適合性、刑罰法規としての合理性、こういうものが十分に審査をした上で国会の御審議をお願いをするということでございますので、これは、これまでも、この刑罰を伴う法規について、すべからくこの内閣法制局を通して閣法で出しているかというと、それはそうじゃない例というのはあまたあるわけでございまして、その意味では、この参考人の基本的なお立場がどうかということにかかわらず、私どもとしては、今回、先ほど申し上げたような理由で議員立法として提案をさせていただき、その立案過程において十二分に慎重に審査をしてきたということでございます。
○窪田哲也君 立法事実は今回ないというのは、我々の議論の中で、過去にないということは、これはもう私はそういうふうに理解しているんですけれども、将来に向けての抑止ということもおっしゃってこられました。 先日の議論の中では、将来の国旗損壊の多発の蓋然性について、SNSの加速度的普及、海外の国旗損壊行為が国民に影響を与えるのではないかということを否定することはできないというふうにおっしゃいましたけれども、この否定できないという根拠って何ですか。
○衆議院議員(勝目康君) これは、もう私ども、日々にSNSを政治活動の中で使っておるわけでございますので、その中でも、このSNSを通じたコミュニケーションというものがどういうものであるかということは実感をしているところではないかというふうに思います。 まさに今、あらゆるその広報、コミュニケーションの手段としてこのSNSというものが言わば主役となっているというようなことで、まさにそのスマホの使用時間なんかにもそういうところが反映されておるんじゃないか、そのように思っています。 このSNSというものは、やはりその拡散のスピード、そして拡散の範囲、これにおいて、これまでのコミュニケーションツールとはもう格段に違うというわけでございます。私どもも、場合によったら、それによって炎上するなんということもあるわけでございますけれども、こういう特性があるがゆえに、このSNSというものが世界各地における人々の社会行動に対して大きな影響を与えている。それは、つまり我が国においてもそういう影響を及ぼすということ、これを、じゃ、我々は果たして否定できるのかということではないかというふうに思っております。 このことにつきましては、国旗の損壊といった事象につきましても例外ではないのではないか、それが先日のこの提案者としての答弁の趣旨ではないかと考えるところでございます。
○窪田哲也君 これ、否定できないということになれば、どんな立法でもできちゃうわけですよ。可能性があるからということで新しい処罰をつくっていく、そんなことがあっていいんですか。可能性だけで。だって、今私聞いたのは、否定できないのはなぜかということを聞いたんですよ。可能性だけで新しい処罰をつくっていいと、そういうふうに考えられるということですか。
○衆議院議員(勝目康君) これまでに、実際にその国旗を損壊する、そして、それによって検挙されてきたという事例、これは、これまでるる申し述べてきたところでございます。それは、いずれも器物損壊罪ではないかという御指摘もいただいてきたわけですが、器物損壊罪というのは自己所有のものというのは対象外である、あるいは親告罪なので、それ以外のものというのはそもそも検挙の対象になってこないという、そういう制約の中で、今回、国旗を大切に思うというこの社会的法益を保護しようということで、この法案を準備をさせていただいたところであります。 その中におけるこの立法事実として、SNSの普及、そしてその影響というものを具体的にお示しをしながら、その蓋然性が高いということをこの立法事実の一つとして申し述べさせていただいているわけでございますので、抽象的、一般的に可能性があるから今回の立法に至ったというわけではないということは御理解いただければと思います。
○窪田哲也君 その可能性というのは、例えばどういう方が言われているんですか。可能性が高いというのは、具体的に。
○衆議院議員(勝目康君) これは、私ども立案者におきまして、まさにこれまで実際に国旗が損壊されたという事例があるということ、そしてSNSそのものが持つ特性というものを考え、そして現実に国旗が損壊をされている、これは自己所有かどうかというのは明らかではありませんが、ただ掲揚されているものを損壊したわけではないというこの映像、画像というものがネット上出ている、これは確認をさせていただいております。 そうしたことを総合的に勘案をいたしまして、その中で、これは抽象的、一般的な可能性ということではなくて、将来にわたってこの蓋然性が高いということで立法事実の一つとしてお示しをし、そして今回の法案提出に至ったということでございます。
○窪田哲也君 なかなかよく理解できないんですけれども、この予防的立法事実というのがですね、これがなかなか。 先ほども出ていましたけれども、先日も木下先生が言われましたけれども、もう差し迫った命や体に関わるような取り返しの付かないことであれば、そういう法益であれば予防的措置というのは必要だと。しかし、抽象的概念、国民感情の保護という、そういうことはこれ取り返しが付かないことではないわけで、そこを守るために可能性だけで立法していいとは私は思わないんですね。 九日の委員会質疑では、国旗を損壊する、を抑止をしていく方法として、今日も出ていましたが、国旗の意義をしっかりと浸透させていく、そして教育を通じてそういう国旗を大切に思う気持ちを育んでいく、そういうことも大事なのではないかと、むしろ教育を通してやっていくことが大事なのではないかという、そういう御意見も出てきていたというふうに伺いましたけれども。 じゃ、この教育では駄目で、罰則でやろうとするわけですよね。そういう判断になったわけですけれども、教育で駄目だと、教育ではそういう国民感情を守ることはできないと判断された理由をお聞かせください。
○衆議院議員(勝目康君) まさに教育においてどういうことを今やっているかといいますと、これは午前の答弁でもあったかと思いますが、学習指導要領に基づきまして、社会科において、国旗というものはいずれの国でもその象徴とされており、互いに尊重し合うことが必要だということを理解できるようにする、そして中学校では、小学校における学習の上に立って、国家間において相互に主権を尊重し、協力し合っていく上で、国旗を相互に尊重することが大切だと、こういうことを理解できるようにということで取り組んでいるところであります。 まさにこの教育を通じて、こういう国旗というものはそのように扱われるべきものなんだと、扱われるものとされているんだということ、こういうその気持ちを醸成していく、これは重要なことでありますし、今回この法案を制定したとしても、制定になった、成立したとしても、この重要性の意義というものは何ら変わらないというふうに思っております。 他方で、今回この法案が保護しようとしておりますのは、国旗を大切にするというこの国民感情でございます。これにつきまして、この罰則をもってそこの部分については担保をしていく。つまり、今回対象としているのは、国旗というものを、例えば尊重義務違反だとか、そういうことではないわけであります。内心には入らずに、あくまで外形的、客観的に人に著しく不快、嫌悪の情を催させるような方法で公然と損壊等をするという、こういうそのまさに行為、方法というものを対象とするものでありますから、なので、この教育か本法かということではなくて、教育によって醸成をする、このことも大事であるし、また、この本法によって国旗を大切に思うという社会的法益を守っていく、このことも大切だと、こう考えておるところでございます。
○窪田哲也君 私が聞いたのは、教育でしっかりこれやっていけばいいのではないかと、処罰は必要ではないのではないかという、そういう意見もあったというふうに聞いたから、なぜ教育では駄目なんだと、処罰をつくらないと駄目なんだと、そういうふうに判断した理由を聞いたんですよ。
○衆議院議員(勝目康君) これはまさに両方とも重要だということでございますけれども、じゃ、なぜこの刑罰をもってといいますと、例えばですけれども、これ直近、世論調査なんかも拝見しておりますと、この国旗損壊罪を罰則付きで設けることに賛成の意見というのは、調査によったら半数を大きく超える、そういう数字が出ているものもあります。あるいは、複数の地方公共団体からこの意見書が提出をされているということもございますので、この国旗損壊罪の制定が求められているということ、その裏付けとしてはあるというふうに理解をしているところでございます。 繰り返しになりますが、教育によってそういう気持ちを醸成していく、このことの大切さは何ら変わるところではありませんので、そのことは当然前提としながら、今回、国旗を大切に思うというその国民感情、社会法益を守っていこうと、そういう趣旨で本法案を提出させていただいているところでございます。
○窪田哲也君 この処罰をもって国旗を大切に扱う、また、感情をですね、大切に思う感情を守っていこうというのは、これは先ほども出ていましたけれども、そういう強制的なものというのはとても弱いと思いますよ。ここはしっかり、本来であれば、そういう意見もあったのですから、刑罰ではなくて、教育をどうしていくかということをやはりもっと考えるべきだったんじゃないかなと。短絡的なんですね、今回の法案が。 先ほど各議会のお話しされていましたけれども、一覧表もございますよ。令和三年にこの意見書が地方議会で出たのが最初でした。その後、何件かありますけれども、全部これ、令和七年十二月以降、最近なんですね。今の政権が誕生後に全て出てきた意見書なんですよ。昔からそういう感情は守っていかなきゃならないということがあったわけではないんですよ。だって、見たら、そうなっているじゃないですか。全部、令和七年十二月、十二月議会、令和八年一月議会、三月、十数件しかないんですよ。しかも、全部最近ですよね。 ずっと、そういう国民感情を守っていかなければならないという、そういう議論があったわけじゃないんです。ごくごく最近、政権が今の形になってから突如として、言ったら出てきた。これ、やりたいということで出てきた。そういうふうに私は理解をしましたね、むしろ。ですので、そういう国民感情が、あるいは世論が、あるいは不都合なことがあって今回に至っているのではないのじゃないかなというふうに思います。 趣旨説明の文章を先日いただきました。御説明いただきましたけれども、この趣旨説明でまず一番最初に来ているのが、G7で唯一ないと、状況が、アンバランスであるということがまず出てきているんですよ。国民感情ではなくて、このG7の中で唯一、外国国旗の損壊等に関する罪の規定はあるけれども、自国国旗の損壊等に関しては同様の規定がないという状況にあるというのが一番最初の理由に来ていますね。これは間違いないと思うんです、書いているんですから、ありますけれども、この間、一九〇七年ですか、外国国章損壊罪ができたのが、それ以降、今日に至るまでどのような不都合があったのか、伺いたいと思います。
○衆議院議員(勝目康君) 法律案の趣旨説明においてでございますけれども、今ほど御指摘のあった状況についての御説明でございますけれども、これはあくまで比較法的な状況を立法の背景として御紹介をさせていただいたものでございます。 この趣旨説明を御覧いただきますれば、その次にいわゆる立法事実を指摘をさせていただき、そして、それに続きまして直接的な立法目的、これはつまりは保護法益ということになるわけでありますが、として国旗を大切に思う国民感情を保護するという旨を説明したところでございます。 ですので、この順序というのが何もこの重要性の順序で並べているわけではなくて、あくまでその比較法的な背景を御説明をし、立法事実、そしてこの法案が何を目指しているのかという保護法益、こういう言わば論理立ててこの記載をさせていただいているところでございまして、そういう意味において、この今御指摘のありました状況というものをイの一番にその立法の目的として掲げさせていただいているわけではないということでございます。 そして、この外国国章損壊罪とのバランス論、アンバランス論でございますけれども、やはりこの外国国章については、これは外国の人々の感情を害するような行為を禁圧しようとするものであるとも捉えられるわけでございますけれども、それとの比較において、日本国旗について何ら規定がないということにつきましては、これは、少なからぬ国民にとって国旗を大切に思うというこの気持ち、これは万国共通であるということであるにもかかわらず、我が国では外国の国民の気持ちは保護されるけれども、その一方で、日本国民の気持ちはどこへ行くんだ、保護されないのか、これはアンバランスじゃないか、こういう受け止めがあり得る状況にあるということでございます。 この不都合といいますか、アンバランス論としての不都合がいつ頃からかということにつきまして、そのいつ頃ということは承知をしておりませんけれども、少なくとも今現在においては、先ほど来申し上げております世論調査でありますとか地方の声、こういうところで明らかになっているところというふうに認識をしているところでございます。 この地方の声につきましても、最近じゃないかという御指摘でございます。それは、時期としては確かにそうかと思いますけれども、そういう気持ちといいますか、御意見が醸成をされていないところでそういう意見書が降って湧くということもないだろうというふうに思っておりますので、そうした中で、やはり地方公共団体からしかるべき手続にのっとって出てきた意見書の存在というものは、これは重いというふうに理解をしております。
○窪田哲也君 このバランス論ということについて言えば、維新との、維新の皆さんとのこの連立政権合意書にも出てくるんですけれども、ここにも感情を保護すると一言も書いていないんですよ。矛盾を是正すると書いているんですよ。 ですので、先ほどのこの趣旨説明でもないですけれども、もありましたけれども、国民感情を保護していくということよりも、この矛盾を是正したい、我が国として。それが先にあって今回の法案化につながったのではないかなというふうに私は感じております。 今回、保護法益にしても全くこれ釣り合っていないですし、さらにまた、自己所有も対象となる、ならない、新しい、この新たなアンバランスが言ってみたら誕生しているわけですよ。これまでもアンバランスだったかもしれないけれども、バランス、これ解消されているのかどうなのかというのが全く分からない。逆に、新しいアンバランスが誕生しているのじゃないかなというふうに思います。 アンバランスを解消したいというのであれば、例えば英国やカナダのように外国国章損壊罪、これを廃止するという、そういう手だてもあったのではないかという、そういう議論もきっとあったと思うんですけれども、いかがでしょう。
○衆議院議員(勝目康君) アンバランスは解消されているのかということでございますけれども、これ、そもそもこのアンバランス論というものが出てきた、矛盾是正という形で書いてあるじゃないかということですが、まさに外国国章損壊罪を通じて、外国国民の気持ちはそうやって保護されるにもかかわらず、日本国旗について何ら規定がないことで、日本国民の国旗を大切に思うこの感情というものは何も保護されないのかという、こういうアンバランス論のことを申し上げております。 先ほども趣旨説明のところで申し上げましたように、こういうその比較法上のこの違いというものを背景として、今回私どもはこの本法案におきまして、まさにこの保護法益として社会的法益を掲げさせていただいたということでございます。 そして、この英国、カナダのように外国国章損壊罪の方をということでございますけれども、これにつきましても、私ども、今回保護法益として国旗を大切に思う国民の気持ち、このまさに社会法益を保護するというところを重く置いておりますので、このアンバランスのみの解消ということではないわけでございます。 近年のSNSの加速度的な進展、グローバル化の進展、こうした中でそうした事象の発生を抑止をしていかないといけないということに鑑みまして、この国旗を大切に思う国民感情を保護するために、日本国旗を損壊等する行為につきまして、あくまで外形的、客観的なものとして処罰規定を設ける必要があると、これが今回私どもが法案提出をさせていただいた理由でございます。
○窪田哲也君 ちょっと時間も来ましたので、二つ申し上げたいと思います。 外国国章損壊罪がこれまであって、我が国には自国の損壊罪はなかったと。先ほども伊勢崎先生言われましたけれども、私はこれは、損壊罪を設けてまで外国国旗を大事にする、損壊罪を設けなくても我が国国民は国旗を大切にしている、むしろ日本の私は誇るべき、そういうことだと思うんですね。法律を用いてまで、処罰を用いてまで外国の国旗を大事にしよう、処罰を用いずとも自分の国の国旗は大事にするんだと、それはむしろ日本の誇りじゃないですか。 そして、もう一つ言いたい。SNSのことをさんざん言われましたけれども、何が罪になって罪にならないのか、これ分からないから、今、その限界を試すようなそういう動きが起きていますよ、日本中で、国旗を。
○委員長(北村経夫君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
○窪田哲也君 そのようなことを誘発した、これはよくないと思います。この法律は成立させるべきではないということを申し上げたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(北村経夫君) 暫時休憩いたします。 午後二時四十三分休憩 ─────・───── 午後二時五十七分開会
○委員長(北村経夫君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国旗の損壊等の処罰に関する法律案を議題といたします。 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○塩村あやか君 立憲民主・無所属の塩村あやかです。 私は、会派を代表し、国旗損壊等処罰法案に対しまして、断固反対の立場から討論を行います。 そもそも、他人の所有する国旗を公然と損壊する行為は、既存の器物損壊罪や業務妨害罪などで既に処罰の対象となっています。しかし、本法案は、自己所有の国旗の損壊までも対象とし、国旗そのものではなく、国旗を大切に思う国民感情を保護するとして、新たな刑罰を設けようとするものです。国旗を大切に思う感情は尊重されるべきですが、これを刑罰という重い制裁を用いて保護しようとする発想には、極めて重大な危惧を抱かざるを得ません。 先日の参考人質疑において、憲法学の専門家から本法案の違憲性について極めて厳格な指摘がなされました。神戸大学の木下教授は、国旗損壊は意思伝達の典型的行為であり、本法案が成立をすれば、憲法上保護された表現行為に深刻な萎縮効果をもたらすと強く警告をされました。また、国民の不快感や嫌悪感を理由に国旗損壊を処罰する先進民主国は見当たらないとした上で、仮にこれが合憲とされるなら、これまでの憲法の理解が根本から覆る、単なる新法の制定ではなく、憲法改正と同等の意味を持つとまで断言をされています。 さらに、刑法に不可欠な明確性も全く担保されていません。中央大学の橋本教授が本法案を異常な法と断じたとおり、客体や行為態様の定義が曖昧で、予見可能性を欠いています。教授が、後出しじゃんけん的な解釈を許すもので、法の支配の全面否定だと喝破されたように、このような未熟な法案を成立させれば、誤った私人逮捕による人権侵害や警察実務への過大な負担を引き起こしかねません。そして、橋本教授は、日本国憲法史上初めて政府批判を禁止する法律になり得ると強い警鐘を鳴らしました。国旗の損壊は、歴史的に国家権力への抵抗など、最も強い政治的表現として用いられてきたからです。 提出者は、海外にも国旗損壊罪はあると主張します。しかし、例えばドイツの立法は、ナチス・ドイツへの反省を踏まえ、ナチス旗から現在の国旗へと国家体制そのものが転換されたという特殊な歴史的経緯に基づくものです。国旗が変わっていない我が国において、単に海外にあるからという理由は、いかなる正当化の根拠にもなり得ません。 かつて、我が国には、自由や人権が厳しく制限され、日章旗が抑圧と暴力を想起させた時代がありました。戦後八十年余りを経て、新しい憲法の下で国旗は万人に親しまれるものへと変わってきました。しかし、本法案によって国旗の尊重を強制すれば、かえって国旗を国民から遠ざけ、分断を生んでしまうのではないでしょうか。 衆議院の審議の中で提出者から、本法案で愛国心も醸成されるのではないかとの発言もありました。しかし、愛国心は、国家が個人を尊重することによって自然に、そして自発的に湧き出てくるものです。国家が国民に対して愛せと強制をすることは、健全な政府批判を封じるものであり、民主主義と立憲主義の否定にほかなりません。 刑事法の体系を無視し、法制審議会という当たり前の手続すら経ず、個人の自由や人権を制約する法律を数の力で強行することは、断じて許されません。 私たち国会議員の使命は、先人が多大な犠牲の末に獲得をした日本国憲法を擁護し、国民一人一人が尊重され、国旗が万人から自発的に愛される平和な社会を守り抜くことであると強く申し上げまして、反対討論といたします。
○堂込麻紀子君 国民民主党・新緑風会の堂込麻紀子です。 会派を代表しまして、国旗の損壊等の処罰に関する法律案に賛成の立場から討論を行います。 まず、我が党は、日本の国旗は守るべきであるという基本的な認識を有しているところでございます。 国旗損壊罪の創設に係る世論調査の結果を見ますと、いずれも過半数が賛成の回答をしていることから、多くの国民からも要請をされているものと受け止めております。また、地方議会からの意見書につきましても、国旗損壊罪法案の早期創設を求める声、寄せられているということも承知をしております。 一方で、本法律案に対しては、国民の内心の自由及び表現の自由を侵害するおそれがあるほか、罪刑法定主義の観点からも問題がある等の懸念が表明されているところであります。 これらの懸念も踏まえ、与党から提案のあった法律案では、国旗の損壊行為を処罰の対象とするだけではなく、国旗の損壊している様子を事後的に配信するという配信行為にまで処罰対象が及んでおりましたが、表現の自由を侵害するおそれがあるものであり、我が党の求めにより全面的に削除していただきました。 また、憲法第三十一条を根拠とする罪刑法定主義の明確性の原則の観点から、何が罪で何が罪でないのか分かりにくいという点については、三年後の見直し規定を設けることにより、実施の状況を踏まえ、将来的に罪刑法定主義を更に担保していくこととしたことに加え、国民民主党が本法律案の共同提出者として加わったことで、立法者としての質疑の中で何が処罰の対象となるのかならないのか、具体的事例を示しながら裁判規範となるような答弁を行うことで、その外延を画していくこととしました。 つまり、我が党は、責任ある野党として、憲法上の権利、自由を守る観点から、法文の修正協議に加わるとともに、自ら懸念に対する説明責任を負うということで歯止めを掛けていく役割を果たすことを選択いたしました。 また、衆参両院の質疑を通じて、国民民主党は、本法律案で創設する国旗損壊罪に該当し得る例や、逆に基本的に処罰対象にならないのではないかという行為について具体例をお示しすることに努めてまいりました。 さらに、参考人質疑では、本法律案に賛成の立場の参考人から、現代では、SNSを通じて相手国社会の分断をあおり、国民の相互不信、これを増幅させる認知戦、そして影響力工作が平素から行われており、国旗を公然と損壊する画像、映像がこの認知戦において極めて有効な弾薬となるとした上で、SNS時代には、国旗への多様な思い、多様な感情を抱く国民が対立を増す、このようなこと、ないため、これ以上、これまで以上に事前に国旗をめぐる自由の境界を明示すること、これは国家のリスクマネジメントとしても当然の要請であるとの意見が示されていました。こうした点にも本法律案の意義はあるのだというふうに考えております。 一方で、本法律案に慎重な立場の委員や参考人などからは、本法律案には依然として曖昧さや、また憲法上の懸念が残るといった厳しい御指摘もいただいているのは存じております。これらは、本法案の提出者となった我が党としても、真摯に、誠実に受け止める必要があるというふうに考えております。 また、実際の運用状況や施行後に社会に与える影響などについて課題が生じることも考えることができます。本法律案では国民民主党の要望で三年後見直しの規定が掛けられていることから、政府には、国旗損壊の発生状況や運用上の課題を整理していただき、罪刑法定主義や表現の自由の憲法上の懸念などが今以上にクリアになるように必要な措置がとられることが望まれることを申し上げまして、討論を終わります。
○窪田哲也君 公明党の窪田哲也です。 会派を代表して、国旗損壊処罰法案に反対の立場から討論します。 私は、国旗を心から大切に思う一人です。しかし、国旗を傷つける行為に刑罰を科さねばならないような根拠は乏しく、法案は不要と考えます。 本来、人に刑罰を科すような重い法案は、法制審議会で徹底的に議論し、閣法として国会提出され、正常かつ慎重、十分な国会審議を経て成立されるべきものです。そもそも、刑罰は国家による最も強い権力行使であり、極めて慎重であるべきです。他の手段で利益を守れない場合に限り、最終手段として必要最小限で用いるべきです。法案は国旗を大切に思う国民感情の保護を目的としていますが、法益を保護するために国旗の意義を教育を通じて国民に涵養していくなど、刑罰以外の方法があると考えます。それでもあえて刑罰を設けようとする以上、明白な立法事実が必要なのは言うまでもありません。 ところが、今、国旗が損壊される事例がどれほど起きているのでしょうか。提案者が示した事例は、いずれも他人所有の国旗の損壊であり、器物損壊罪で罰せられます。立法事実はないのです。そこで、提案者は、将来に向けた予防的立法事実と説明されます。しかし、将来、国旗を損壊する行為が社会に広がるような蓋然性はあるのでしょうか。提案者は、海外で国旗損壊が多発しており、そうした動きがSNSを通じて国内に伝播することを危惧しますが、説得力に乏しいと言わざるを得ません。 あらかじめ刑罰を科される犯罪行為を法律で定めておくという罪刑法定主義からも問題があります。人に著しく不快又は嫌悪の情を抱かせるとは何か。不快や嫌悪は極めて主観的な感情であり、何が処罰対象になるのかはっきりしません。条文上、罰則となる対象行為を明確に示せていないのです。 国旗損壊に嫌悪感を抱く人は確かに少なくありません。一方で、政府への抗議を表明するために国旗を燃やすなどの行為は、洋の東西を問わず行われてきたのも事実です。それを刑罰で抑え込もうとするのは、憲法が保障する表現の自由や思想、良心の自由に反します。だからこそ、国旗・国歌法制定時の尊重義務化をめぐる議論で、当時の小渕政権は、処罰をもって強制することが適当かという根本的な問題があるとの答弁書を閣議決定した経緯があります。法案は、尊重義務化を否定した過去の政府方針にも真っ向から反するものです。 提案者は、外国国章損壊罪はあるが、自国の国章損壊罪がないことのアンバランス解消を提案理由に挙げます。しかし、外国国章損壊罪の保護法益は我が国の外交上の国益であり、守るべき法益が釣り合っておらず、かつ、本法案は自己所有も処罰対象となるなど、新たなアンバランスを誕生させたことになります。 我が国では、これまで公然と国旗を損壊するような行為は極めて限定的でした。多くの国民は国旗に親しみを持ち、大切にしてきたのです。ところが、法案によって、国民が自然に尊重してきた対象が、処罰を用いて国民を威嚇する権威の象徴となってしまうのではないでしょうか。 今、SNSなどを通じて国旗損壊の限界事例を試すような動きが起きています。本法案が逆に国旗をおとしめるような動きを誘発したという事実を重く受け止めるべきであると訴え、国旗損壊処罰法案に対する反対討論とします。 以上です。
○大津力君 参政党の大津力でございます。 私は、国旗の損壊等の処罰に関する法律案に対し、賛成の立場から討論を行います。 国旗は、その国の歴史、伝統文化、主権、そして国民統合を象徴する存在であり、多くの国民にとって特別で大切な意味を持つものでございます。 我々参政党は、国旗を汚損する行為によって実際に被害を受けてまいりました。政策への反対や政党への批判といった表現の自由は尊重されるべきですが、国旗を公然と冒涜する行為までが無制限に許容される社会であってはなりません。だからこそ、我が党は、この問題を単なる感情論ではなく、法制度上の問題、課題と捉え、いち早く独自法案を提出し、法整備の必要性を強く訴え続けてまいりました。 本法案は、国民に国旗への敬意を強制したり、思想、信条を取り締まったりするものではありません。人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法で公然と損壊等を行うという客観的な行為の態様に着目し、必要最小限の制限を設けるものでございます。表現の自由との調和を図りつつ、国旗を大切に思う国民感情を社会的な法益として正面から保護しようとする姿勢を高く評価いたします。 また、本法案の策定に向けた共同提出四党の協議において、我が党は、自宅等で損壊した国旗を大衆の前に持ち込んで陳列する行為についても処罰対象に含めるべきだと強く主張をしました。結果、附則において、施行後三年を目途として、損壊され若しくは汚損された国旗を陳列する行為の発生状況等を勘案し、必要があれば所要の措置を講ずる旨の見直し規定が盛り込まれました。これは、我が党の実体験と危機感が反映されたものであり、将来に向けた極めて大きな意義を持つ成果であると考えております。 一日も早く国旗を大切に思う国民の感情を保護することを願い、賛成討論といたします。
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。 会派を代表して、国旗損壊処罰法案に反対の討論を行います。 反対する理由は、本法案が憲法で保障された内心の自由、表現の自由を侵害し、罪刑法定主義にも反する憲法違反の法案だからです。 本法案は、国旗を大切に思う国民感情を保護することを理由に、国旗に手を加える行為に刑事罰を科すものです。しかし、国旗にどのような感情を持つかは個人の自由です。とりわけ、日の丸はかつての侵略戦争のシンボルとされた歴史を持つものであり、国民の思いは一様ではありません。にもかかわらず、本法案は、刑罰によって特定の価値観を押し付け、国旗を大切に思う感情を強制するものであり、内心の自由を侵害するものにほかなりません。 また、本法案は、政治的なものから芸術的表現に至るまで、ありとあらゆる表現行為を処罰の対象とするもので、国民の自由な意思表明を広範に抑圧します。さらに、その対象は、国旗・国歌法に定められた国旗に限らず、自己所有物にまで及び、刑罰まで科すことから、表現の自由を著しく萎縮させます。 同時に、人に著しく不快、嫌悪の情を催させることを構成要件としており、極めて主観的です。対象物や行為、その態様に至るまで何もかも曖昧な本法案は、憲法三十一条の罪刑法定主義に真っ向から反するものです。 本法案は、憲法学者、刑法学者の多くから違憲性が指摘されています。参考人質疑においても、木下昌彦神戸大大学院教授は、本法案は我が国の憲法法理によって合憲性を肯定することは困難であり、逆に、本法案を合憲にしようとすれば、従来の表現の自由に関する憲法法理をほぼ解体する必要がある、本法案は単なる新法制定にとどまるものではなく、憲法改正と同じ効果を持つと言っても過言ではないと述べ、本法案の違憲性とともに、法案の成立がもたらす危険性を指摘しました。 憲法違反だけでなく、憲法法理まで解体する前代未聞の悪法は直ちに撤回すべきということを強く申し上げ、反対討論といたします。
○伊勢崎賢治君 れいわ新選組を代表し、本法案に反対いたします。 先日の参考人質疑で、木原長官、元海将の伊藤参考人は、私が引用した明治の海軍大佐がその著作で残した、国旗損壊への刑罰がないことこそ日本人が誇るべき奥深い理由があるという言葉に深く同意されました。国旗の下で実際に命を懸けた武人だからこそ、刑罰という強制ではなく、自発的な道徳心から生まれる敬意こそが真の尊厳であると知っているからであります。しかし、本法案がやろうとしていることは、その武人の誇りを根底から否定するものであります。 さらに見過ごせないのは、未来を担う子供たちへの影響であります。我が国が批准する子どもの権利条約は、子供の良心の自由を絶対的に保障しております。しかし、本法案は、SNSでのたわいのない悪ふざけすら国家への犯罪に仕立て上げます。これは、愛国や正義を大義名分とした凄惨なデジタルリンチに法的根拠を与え、子供たちの世界に愛国という名のむき出しのリンチ構造を持ち込むことにほかなりません。我々はどう責任を取るんですか。 法律で脅さなければ国民は国旗を敬わない、そう国民を見下すこの法案は、先人たちが育んできた日本人の誇りに対する重大な侮辱です。刑罰という国家権力で強制された敬意に一体何の価値があるんですか。そもそも、国民を脅して国旗への敬意を強要するこの法案を国権の最高機関で議論しているこの時間とこの空間そのものが我が国民に対する侮辱であるとさえ僕は感じております。 以上を私の反対討論といたします。
○委員長(北村経夫君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 国旗の損壊等の処罰に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(北村経夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、鬼木君から発言を求められておりますので、これを許します。鬼木誠君。
○鬼木誠君 私は、ただいま可決されました国旗の損壊等の処罰に関する法律案に対し、自由民主党・無所属の会、立憲民主・無所属、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会及び参政党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 国旗の損壊等の処罰に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。 一 特に政治的意見表現や芸術表現を含む国旗の使用への萎縮効果等を生じさせないようにすることに留意し、第二条第一項の罪(以下「国旗損壊罪」という。)の客体に該当するもの及びアニメ、漫画、ゲーム、生成AIによる制作物といった客体に該当しないものの双方について、できる限り具体的かつ明確に示すこと等を通じ、国民に対する本法の趣旨及び内容の周知に努めること。 二 「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」に該当するかどうかの判断については、国旗を損壊する等の行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案して行うものであり、国旗に記載された文言等の表現内容に基づいて判断するものではないことに十分留意すること。 三 政治的意見表現や芸術表現など「表現の自由その他の日本国憲法の保障する国民の自由と権利」として正当に保障される国旗への表現やメッセージの記載は第二条第一項の構成要件のうち「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」によるものに該当しないことを遵守して運用すること。 四 全国の警察官、検察官等が政治的意見表現や芸術表現などへの無用の萎縮を招かぬよう留意しつつ、本法を適切に運用するため、本法の趣旨及び内容を本法の施行までに周知徹底すること。 五 附則第二項に基づく検討に当たっては、国旗を損壊等する状況に係る映像に関するインターネット等の利用の状況、損壊等された国旗を公然と陳列する行為等の発生の状況、国旗損壊罪の運用状況等を適切に把握するとともに、「表現の自由その他の日本国憲法の保障する国民の自由と権利」に十分配慮すること。 六 国旗に対する感情は個々に醸成されるものであることから、国旗に対する特定の思想や感情を強制することのないようにすること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(北村経夫君) ただいま鬼木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(北村経夫君) 多数と認めます。よって、鬼木君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、木原内閣官房長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。木原内閣官房長官。
○国務大臣(木原稔君) ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、関係省庁とも連携を図りつつ努力をしてまいる所存でございます。
○委員長(北村経夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(北村経夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十三分散会