総務委員会 第4号
- 発言数
- 230 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2026/03/31
会議録
○委員長(吉川沙織君) ただいまから総務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、小林一大君、松川るい君及び若井敦子君が委員を辞任され、その補欠として馬場成志君、石田昌宏君及びかまやち敏君が選任されました。 ─────────────
○委員長(吉川沙織君) 地方税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案に対する質疑は既に終局しておりますので、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 地方税法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(吉川沙織君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川沙織君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(吉川沙織君) 地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案に対する質疑は既に終局しておりますので、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(吉川沙織君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川沙織君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(吉川沙織君) 行政制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査を議題といたします。 岸君から発言を求められておりますので、これを許します。岸真紀子君。
○岸真紀子君 私は、自由民主党・無所属の会、立憲民主・無所属、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会、参政党、沖縄の風及びチームみらい・無所属の会の各派並びに各派に属しない議員齊藤健一郎君の共同提案による自立した安定的な財政運営を実現するための地方税財政制度の構築等に関する決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 自立した安定的な財政運営を実現するための地方税財政制度の構築等に関する決議(案) 地方公共団体が人口減少の下で疲弊する地域経済の現状を克服し、個性豊かで活力に満ちた地域社会を創造するために、政府は、自立した安定的な財政運営が可能となる地方税財政システムの確立を始め、次の諸点について格段の努力をすべきである。 一、交付団体を始め地方の安定的な財政運営に必要な一般財源総額については、前年度の地方財政計画の水準を下回らないよう、予見可能性を持って安定的に確保するとともに、物価高への対応に要する経費、社会保障関係費その他拡大する行政需要に合わせて拡充を図ること。 二、専門人材を始め、地方公共団体における人員確保が困難となっている状況を踏まえ、将来にわたって、行政サービスが持続可能な形で提供されるよう、地方公務員の人員確保や専門性向上に係る必要な財政措置その他の支援に万全を期すこと。特に、会計年度任用職員を含む地方公務員の人件費については、民間給与の上昇等の動向を踏まえ、その増加に要する財源を確実に措置するとともに、会計年度任用職員の給与改定の遡及等が確実に行われるよう徹底すること。また、会計年度任用職員制度の導入の趣旨を十分に踏まえ、地方公共団体において任用・勤務条件等に係る適正な取扱いが図られるよう、実態を把握しつつ適切な助言を行うこと。 三、地方交付税については、本来の役割である財源調整機能と財源保障機能が十分発揮できるよう、引き続き、地方税等と併せ必要な総額の充実確保を図るとともに、臨時財政対策債に依存しない財政運営の確立を目指すこと。また、今後、財政収支に大幅な不足が生じる場合には、地方交付税の法定率の引上げを行い、安定的に総額を確保すること。 四、地方交付税の原資となる税収の見積りに当たっては、特に減額による混乱を回避するため、正確を期すよう、万全の努力を払うこと。また、税収の見込額が減額される場合においては、地方公共団体の財政運営に支障が生じないよう、国の責任において十分な補填措置を講ずること。 五、地方税については、地方財政の自主性・自立性を確立し、安定的で充実した財源を確保できる地方税制の構築を図ること。また、減収が生ずる地方税制の見直しを行う場合には、代替の税源の確保等の措置を講ずるほか、税負担軽減措置等については、真に地域経済や住民生活に寄与するものに限られるよう慎重に対処すること。とりわけ固定資産税は、市町村の基幹税目であることを踏まえ、納税者の税負担にも配慮しつつ安定的税収の確保に努めること。 六、行政サービスの地域間格差が過度に生じないよう、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築に向け、地方公共団体の行財政の実態を踏まえ、適切な偏在是正措置を早急に講ずること。併せて、国と地方公共団体の適切な役割分担の下、国から地方への税源移譲を進めるなど、地方公共団体が担う行政サービスに見合った財源の充実確保を図ること。 七、ふるさと納税制度に関しては、応益性や負担分任性など地方税の性格に配慮するとともに、税制を通じて寄附者がふるさとを応援するという制度本来の趣旨に沿った適切な運用に向けた取組を進めること。また、寄附の募集や返礼品等に係る情報を掲載するポータルサイトの運営事業者に対して地方公共団体が支払う手数料等が増加していることに鑑み、できる限りその縮減を図りつつ、健全な運用に向けた取組を進めること。 八、昨今の金利上昇の影響にも留意しつつ、累積する地方債の元利償還については、将来において地方公共団体の財政運営に支障が生じないよう、万全の財政措置を講ずること。また、引き続き、臨時財政対策債や交付税特別会計借入金といった特例的な債務残高の縮減に努め、地方財政の健全化を進めること。 九、地方債については、財政力の弱い市町村が円滑に資金を調達できるよう、地方公共団体金融機構の機動的な活用を含め、公的資金の確保と適切な配分に最大限の配慮を行うこと。 十、国際情勢の影響等により更なる物価高騰も懸念される中、地方公共団体の官公需における価格転嫁の取組が適切に進むよう、必要な一般財源を確保するとともに、経済・物価動向等に応じて、必要がある場合には、迅速かつ適切に追加的な財政措置を講ずること。また、指定管理者や委託事業者が物価高騰に対応し、安定的な業務運営を行うため、指定管理料や契約金額の見直し等が適切に実施されるよう、必要な措置を講ずること。 十一、地方公共団体が維持管理する施設・インフラについては、今後とも老朽化に伴う更新需要の増大が見込まれており、近年の事故等を踏まえ、住民生活の安全確保を最優先する観点から、点検・調査、修繕、更新・老朽化対策に要する経費に関し、確実かつ安定的に財源を確保すること。 十二、地方公共団体情報システムの標準化については、標準準拠システムへの移行が完了するまでに要する経費を全額国費で支援するとともに、移行完了後の運用経費等についても、見積精査支援の拡充等を行うほか、移行の実態を踏まえて適切な財政措置を講じ、地方公共団体の運用経費等の負担を抑制すること。また、行政サービスの利便性向上及び行政運営の効率化を実現するため、デジタル技術・AIの活用により自治体DXが積極的に推進できるよう、財政措置を始めとする必要な支援を講ずること。 十三、東日本大震災の被災地方公共団体に対しては、その復旧・復興事業の着実な実施を図るため、引き続き、所要の震災復興特別交付税額を確保する等万全の支援措置を講ずること。また、近年、住民生活の安全・安心を脅かす自然災害等が多発している状況を踏まえ、事前防災の視点も含めた防災・減災の推進及び被災地の復旧・復興のための十分な人的・財政的支援を行うこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(吉川沙織君) ただいまの岸君提出の決議案の採決を行います。 本決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(吉川沙織君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、林総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。林総務大臣。
○国務大臣(林芳正君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。 ─────────────
○委員長(吉川沙織君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省情報流通行政局長豊嶋基暢君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川沙織君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(吉川沙織君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、日本放送協会経営委員会委員長古賀信行君外七名を参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川沙織君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(吉川沙織君) 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。林総務大臣。
○国務大臣(林芳正君) 日本放送協会の令和八年度の収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その提案理由及び内容の概要の御説明を申し上げます。 この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第七十条第二項の規定に基づき、総務大臣の意見を付すとともに、中期経営計画を添えて国会に提出するものであります。 まず、収支予算について、その概要の御説明を申し上げます。 事業収支につきましては、事業収入が六千百八十億円、事業支出が六千八百七十一億円となっており、事業収支差金六百九十億円の赤字につきましては、還元目的積立金をもって充てることとしております。 事業計画につきましては、放送及びインターネットによる情報空間の参照点となる正確で信頼できる情報の提供、コンテンツの質と量の確保、受信料の公平負担の徹底、ガバナンスの強化等に取り組むこととなっております。 総務大臣としては、中期経営計画の最終年度として受信料の適正かつ公平な負担の徹底に向けた取組を着実に進め、令和九年度以降の受信料収入と事業規模が均衡するよう、引き続き合理化に向けて取り組むこと、放送という手段に加え、インターネットを通じて放送番組を国民・視聴者に提供すること、健全な民主主義の発達に資するため、正確で信頼できる社会の基本的な情報を提供すること等を求めております。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願いを申し上げます。
○委員長(吉川沙織君) 次に、日本放送協会から説明を聴取いたします。井上日本放送協会会長。
○参考人(井上樹彦君) ただいま議題となっております日本放送協会の令和八年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御説明を申し上げます。 令和八年度は、経営計画の最終年度に当たります。健全な民主主義の発達に資するため、情報空間の参照点となる正確で信頼できる情報を放送及びインターネットで提供すること、そして、信頼できる多元性確保へ貢献することを基軸としまして、経営計画の確実な達成に向けた事業運営を推進いたします。 事業運営に当たりましては、構造改革を進めながら適切な資源配分を行い、コンテンツの質と量を確保します。東京渋谷の放送センターにおける新たな報道・情報発信拠点となる情報棟の本格運用を開始するなど、命と暮らしを守る報道の深化に取り組みます。多様で質の高いコンテンツで公共的価値を創造するほか、国際発信の質的充実を進めます。全国ネットワークを生かして地域の課題や魅力を伝えるとともに、人に優しい放送・サービスの充実にも取り組みます。 受信料の公平負担の徹底を図るため、新たな営業アプローチを一層強化し、受信料収入を確保するとともに、副次収入など受信料外収入の増収確保にも取り組みます。 NHKグループ全体でガバナンスの強化を図り、アカウンタブルな経営を徹底するなど、視聴者・国民から信頼される組織運営に努めます。 また、二元体制による放送ネットワークの効率化に向けて、基幹放送局提供子会社による中継局の共同利用事業や基金による中継局共同整備への助成事業、さらにメディア産業全体の多元性確保に貢献するための助成事業に還元目的積立金を活用します。 次に、建設計画につきましては、緊急報道設備や番組制作設備の整備を進めるとともに、いかなる災害時などにも安定的に放送・サービスを継続するための設備整備等を実施いたします。最新技術を導入した次世代地域放送会館を整備していく考え方に基づき、老朽化した地域放送会館建て替えの検討を進めていきます。 以上の事業計画に対応する収支予算は、一般勘定の事業収支におきまして、受信料などの収入六千百八十億円、国内放送などの支出六千八百七十一億円を計上しております。事業収支における不足六百九十億円につきましては、還元目的積立金を取り崩して補填します。 また、資本収支は、収入として、減価償却資金など総額千八十一億円を計上し、支出には建設費など千八十一億円を計上しております。 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に基づいて、資金の需要及び調達を見込んだものであります。 以上、令和八年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その概要を申し述べました。協会運営に当たりましては、公共放送の原点を堅持し、事実に基づく公平公正で正確、迅速な放送をお届けしてまいります。また、役職員一丸となって、事業計画の一つ一つの施策を着実に実行し、公共メディアとして視聴者の皆様の期待に応えてまいりたいと存じます。 委員各位の御理解と御支援をお願いいたします。あわせて、何とぞよろしく御審議の上、御承認賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(吉川沙織君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤井一博君 皆さん、おはようございます。NHK予算質疑、一番バッターの自由民主党の藤井一博でございます。 本日は野球に関しての質問もさせていただきますので、野球用語を使わせていただきました。 まず最初に、井上樹彦会長にお伺いをいたします。 この度、稲葉前会長の任期満了を受けて、一月二十五日にNHK新会長に就任をされました。これまで、NHK会長は経済界など外部出身の方が六代続いたこともありまして、内部からの選出は十八年ぶりでございます。 井上会長は、政治記者としてのキャリアを積み、また副会長として組織を支えてこられました。そのような経験から、今NHKが抱えている課題というものをどのように分析をされているのか、また、内部に精通されている強みを生かして、チームNHKというものをどのようにつくり上げていこうとされているのか、その決意を井上会長に伺います。
○参考人(井上樹彦君) お答え申し上げます。 NHKが今直面しております喫緊の課題は、事業構造それから収支構造の二つに集約できると考えております。 まず、事業構造についてですけれども、質の高いコンテンツを安定的に生み出すことのできる組織にすることが重要だというふうに考えております。そのために、コンテンツの開発力、発信力、国際展開力を抜本的に強化したいというふうに思っております。 また、こうした良質なコンテンツを全国にあまねく提供し続けていくためには、これを支える強固な財政的な基盤が欠かせません。この収支構造の課題については、まず、受信料収入の下げ止まりを実現したいと、これに不退転の決意で臨みたいというふうに思っております。 委員御指摘のとおり、私は、一九八〇年、昭和五十五年にNHKに入局しまして、以来、関連団体も含めて、NHKでの長い勤務経験がございます。多くの優秀な人材も把握しているつもりです。そうした知見も生かして、NHKグループの全ての役職員、社員がチームNHKとして一体となって取り組むことができる体制をつくり上げて、グループ全体の総合力を最大限発揮できるような、そういう経営のかじ取りをしていきたいというふうに思っております。
○藤井一博君 井上会長から大変力強い決意をいただきました。 連続テレビ小説も「風、薫る」が始まりまして、会長には、この十八年ぶりの内部からの選出ということで、やはり新風を吹かしていただきながらNHKをしっかりと引っ張っていただきたい、そのことをお願いを申し上げます。 続きまして、第二問もNHK会長にお伺いをいたしたいと思います。 会長は、場面場面で、二元体制、民間放送と公共放送の二元体制の維持は非常に大切だということをおっしゃっております。私も全く同感でございます。 私も、自分の幼い頃を思い返してみますと、やはり家族が集まる居間の中心にはテレビがありまして、夕御飯どきなど、子供だけがいるときは民放のバラエティーを楽しんでおりますけれども、仕事から遅く帰ってきた父親が居間に入ってくると、ガチャガチャッと無理やりNHKにチャンネルを変えられて、無理やりという言い方は悪いですけれども、変えられてしまいまして、昔の家庭の中では自然と民放と公共放送の二元体制を維持する仕組みがあったんだなと思い返しているところでございます。 ただ、時代も移り変わりまして、本当に国民・視聴者の皆様が情報を得る手法も大きく変わってまいりました。例えば、電車の中の風景も、一昔前は、外国人の方が驚いたのは、大人の方も漫画を読んでいたり、あと、治安の良さを反映して居眠りしている人がいるのを驚かれた、そういった話をよく聞きました。ただ、今、電車の風景を見ますと、漫画を読んでいる方も居眠りをしている方もいなくて、ひたすら皆さん自分のスマホを手にスマホとにらめっこをしている。一人きょろきょろ周りを見渡しているのは私ぐらいのような状況がございます。 そういった中で、ネット視聴時間の方が、テレビの視聴時間より国民の平日の生活の中でネット視聴時間の方が長くなってきたというのはもう数年前の報告でございまして、特に若い世代においてはその傾向がより顕著になっている状況がございます。また、単身の男性、若い世代におきましては、テレビを持っていない者が四割にも上るという報告もございました。 私、この視聴環境の変化というものは、公共放送の在り方を国民・視聴者が感じる上で非常に難しい状況になってきたのかなと思っております。私どもの頃は、やはりテレビがあり、限られたチャンネル数の中で自然にNHKに触れて、そういった公共放送の公平で非常に地域に根差した情報というものが私たちの生活を支えている、そういった感情を自然に持っていることができたと思っております。ただ、今はそういったことを肌感覚で感じることが非常に難しくなっている状況にあると思います。 ただ、私、やはり公共放送の崇高な理念というものは大切にしないといけないと思っておりますし、この点について、井上会長がまさにこの公共放送の意義というものをどのように伝えていき、またこれからの公共放送というものをどう形作っていこうとされているのか、そのことをお伺いしたいと思います。
○参考人(井上樹彦君) お答えいたします。 御質問のこの二元体制についてですけれども、放送法の下、受信料を基本財源とする公共放送NHKと広告料を主な財源とする民間放送、これがそれぞれの役割を担いながら共存することを基本に発展してきたというふうに認識しております。この二元体制は放送文化の根幹を成すものでありまして、NHKと民放がそれぞれの長所を生かして切磋琢磨することで視聴者の多様なニーズに応じてきたというふうに考えております。 その上で、公共放送NHKの意義は、受信料を財源とすることで、特定の利益や視聴率に左右されることなく、社会生活の基本となる確かな情報、豊かな文化を育む多様な番組を、いつでもどこでも誰にでも提供する役割を担っている点にあるというふうに考えております。 先生御指摘のように、最近はメディア環境や視聴スタイルが急速に変化しておりまして、そういった中でもこの民放との二元体制をしっかり堅持して、公共放送、公共メディアとしての使命や役割を果たしていくというのが重要だというふうに考えております。 これからも、民放とも適切に連携、協調しながら、放送でもまたインターネットでも、正確な情報や豊かな番組、コンテンツをお届けしていくと。そして、国民・視聴者の皆様の知る権利に応え、健全な民主主義の発達に資するというNHKの役割をこれからも果たし続けていきたいというふうに考えております。
○藤井一博君 御答弁をいただきました。 ただいま受信料のことにも言及をいただきました。受信料についても質問させていただきたいと思います。 井上会長も就任会見の中で、公共放送として、特定の利益あるいは視聴率に左右されずに、正確、公正公平な情報を多種多様な人に全国あまねく届けていくという役割を果たす上で、その財源として最上の制度なのではないかと思っていると御発言をされております。 この受信料収入の基盤をいかに強化していくかということにつきまして、受信料特別対策センターの成果も含めて御報告をいただきたいと思います。
○参考人(小池英夫君) お答えいたします。 受信料の公平負担の観点から、未収の増加に歯止めを掛けるため、昨年十月に受信料特別対策センターを本部に設置し、支払督促による民事手続を強化しております。 支払督促の申立て数については、今年度は前年度の十倍を超えます千三百六十八件となっております。二〇二六年度は二千件を超える規模の申立てを全ての都道府県で実施する予定であります。 昨年十一月に未収対策を強化することを報道発表してから二月末までに、未収の方からの支払が前年度の同じ時期に比べて二倍近くの実績となっております。さらに、インターネットを通じた新規契約の申出も大幅に増えております。 民事手続は、誠心誠意、丁寧に御説明してもなお御理解いただけない場合の最後の方法として実施するという方針は今後も変わりません。不公平感の解消に向けて、できることは全てやるという強い覚悟を持って、受信料の公平負担に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○藤井一博君 御答弁をいただきました。 未収対策も大変効果が出ているという御報告もございました。ただ、私、一点気になるのが、やはり、この未収対策というところが前面に出過ぎると、やはり国民の皆様の感情として複雑なところもあるかと思っております。やはり原点は、国民の皆様お一人お一人が公共放送を支えているという気持ちを持って、そこに受信料というものも自ら思いを持って払うと、そういう形をやっぱり追求していただきたいと思いますので、その点はどうぞよろしくお願いをいたします。 受信料の話になりましたので、一つお話をさせていただきたいんですけれども、受信料の推計世帯支払数、都道府県別のデータも出ております。全国の平均が七七・三%でございますけれども、全都道府県の中でこの平均を大きく上回る、九〇%を超えるところが八県ありました。これは、青森、岩手、秋田、山形、新潟、富山、鳥取、島根。鳥取、島根なんですね。平均を下回るところというのは、これは私が言っているわけではなくてデータであるんですけれども、東京、大阪、福岡といったところがあると。 これは分析として、やはり地方県の方が支払率が高くなる傾向があるというのはNHKの資料で分析をされておりました。私も、鳥取に住んでおりますと思いますのは、やはり何かあったときに、情報源が多様にあるという場所ではないだけに、やはりNHK、公共放送の情報を頼りにする気持ちが強くあるというところは感じているところでございます。 これは前提なんですけれども、この前提を持って少し次の質問に移らせていただきたいと思います。 地域放送会館の建て替え整備方針について伺います。 令和八年度NHK予算においては、地域放送会館の整備として一・一億円が計上されております。これが令和五年度予算では、この地域放送会館の整備に充てる予算は二十三・二億円でございました。今回、一・一億円ということで、大変大きく縮減をされているように感じます。 令和五年度の資料によりますと、建設から四十年以上が経過している放送会館が複数存在するなど、施設の老朽化が進んでいる、令和五年度予算では老朽化の著しい放送会館を中心に建て替えを検討するとされております。この検討対象には鳥取も含まれておりましたけれども、その後の予算においては具体的な記載が見当たりません。 地域放送会館は、平時の地域報道のみならず、災害発生時に迅速かつ的確な情報発信を行うための重要な拠点であり、その機能確保は極めて重要でございます。こうした観点を踏まえ、老朽化の現状をどのように認識しているのか、また、建て替えの進捗状況及び今後の整備方針について伺います。
○参考人(中嶋太一君) お答えいたします。 視聴者・国民の皆様の命と暮らしを守る報道は、公共放送、公共メディアの重要な役割でありまして、今御質問いただいた地域放送会館は、取材、制作、情報発信の重要な拠点だというふうに考えております。 老朽化した放送会館につきましては計画的に建て替えていく必要があるんですけれども、二〇二一年頃からの急激な物価高騰の影響を受けて入札で不落が続きまして、計画を進められない状況というのが進んでまいりました。ただ、命と暮らしを守るための放送機能が維持できなくなるということはあってはならないことでありまして、緊急時の取材・伝送拠点を別途整備するなど、必要な措置をとっているところであります。 さらに、放送をめぐるIP化、クラウド化などの技術革新が今大きく進展をしております。こうした最新技術を活用した省スペース、低コストの新たな地域放送会館の見通しが今立ってきたことから、今後の会館整備の基本要件をまとめまして、まず、南海トラフ地震で津波の浸水が想定される高知で今具体化を進めているところであります。 令和八年度予算では、老朽化が進む地域放送会館の建て替えに備えて、三百五十三億円を新たに建設積立資産に繰り入れることにしておりまして、ほかの放送会館についても、令和九年度からの次期中期経営計画に反映するなど、順次検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○藤井一博君 是非とも地域に寄り添った、地方に寄り添った予算計上も今後よろしくお願いをいたします。 続きまして、野球の話題に移らせていただきます。スポーツイベントでございます。 ワールド・ベースボール・クラシック、WBC、地上波で視聴できなかったということで、大きな議論が起こりました。私も、悲しい思いをした一人でございます。 衆議院の総務委員会でも多くの委員からの質疑があり、また、当総務委員会でも、まさにNHKのことを思い過ぎて夢にまでNHKが出てくるという齊藤委員が、熱くそのことについて議論をされました。私もこの質疑に立つ夢を見ましたので、齊藤委員の気持ちが少しだけ分かります。 この件に関しては、やはり放映権が高騰していく中でどのように考えていくのかというのは、本当に議論の俎上にこれから上がっていくんだと思います。 ユニバーサルアクセス権につきまして、会長も、今後そういった議論の俎上に上がってくることがあれば、各報道機関それぞれ思いがあるだろうということはおっしゃっておりましたけれども、今現時点でNHK会長としてどのような思いがあるのか、お聞かせいただければと思います。
○参考人(井上樹彦君) お答え申し上げます。 御指摘のように、大型スポーツイベントの放送権料は世界的に高騰する傾向にあります。一般的な話になりますけれども、放送権料の高騰によって国民的関心の高いスポーツイベントを視聴する機会が限られてくるというふうなことになったとしましたら、競技の普及という面からも好ましくないと感じております。 NHKとしては、こうした国民的なスポーツイベントを誰もが堪能できる機会を設けることは、公共放送、公共メディアとして果たすべき重要な役割の一つだというふうに考えております。一方で、受信料で運営されるNHKといたしましては、放送権料を無制限に支払うこともできません。多様で質の高いコンテンツを合理的なコストで視聴者の皆様にお届けできるように、放送権をめぐる情報を収集、分析して、NHKとして放送すべきスポーツコンテンツを取捨選択していきたいというふうに考えております。 先ほどのユニバーサルアクセス制度の件なんですけれども、これについては、視聴者や、あるいは放送・配信事業者、それから競技団体、そういった関係者の間で多様な意見があるのではないかというふうに考えます。そうした関係者の間で議論を行う場が設けられれば、NHKとしても公共メディアとして役割を果たしていきたいというふうに考えております。 以上です。
○藤井一博君 ありがとうございます。 今の会長の御意見を受けまして、林総務大臣にもお伺いをしたいんですけれども、衆議院の方でもユニバーサルアクセス制度のことのお話があって、大臣としては、総務省の有識者会議の中で放送の将来像については話されるので、そこで検討されることだろうというお答えございましたけれども、今NHK会長の御意見を受けて、率直な今の大臣の思いを一言いただければと思います。
○国務大臣(林芳正君) このスポーツ放映権でございますが、権利保有者と放送事業者のビジネス上の契約交渉、これによって取得されるものでございまして、個別スポーツ番組の放送については放送事業者が判断するものと考えております。 一方、今、藤井委員が提起されましたこの仕組み、EUの一部加盟国やイギリス等で、オリンピックやサッカーのワールドカップ等特定のスポーツイベントについて、有料放送事業者による生放送の独占を制限する制度が設けられているということでございますが、そうした制度が導入されている各国においてもスポーツ放映権の高騰は生じていると、こういうことでありまして、この制度の効果、これはよく見極めなきゃならぬなと思っております。 また、我が国において仮にこうした制度を導入するということになりますと、課題としては、放送番組の編集の自由を基本とする放送の枠組みとの整合性、それからスポーツ団体のビジネスの制約等の慎重、そうした課題、こういうものがあると考えております。 まずは、諸外国における制度、そしてその効果、関係者への影響、それらについて把握をいたしまして、必要に応じてスポーツ庁等の関係省庁とも連携してまいりたいと考えております。
○藤井一博君 大変丁寧な御答弁をいただき、ありがとうございました。是非、スポーツの力、公共放送の中で重視していただくようお願いをいたします。 最後に、コンテンツの力についてお伺いをいたします。 先週末に、連続テレビ小説「ばけばけ」が多くの皆様に感動を残しフィナーレを迎えました。このことについては、同郷の出川委員がNHK決算でも質問をいたしましたけれども、私からもしつこく言及をさせていただきたいと思います。 大変な経済効果がありまして、地元の銀行が推計したところによると、一年間で八十億円の経済効果があり、観光入り込み客数は百四十一万人ということで、やはり人の心を大きく揺り動かし、地域の実情さえ大きく変えてしまう、大きなコンテンツの力があるんだなというところを思ったところでございます。 このコンテンツの力というものは、やはり公共放送としてNHKが長きにわたり育んできたものであると確信をいたしております。会長は、コンテンツの力こそがNHKの力の源泉であり、将来を決定付ける最重要の要素であるとおっしゃっております。このコンテンツの力をこれからいかに磨き上げていくのか、そのことへの思いを会長にお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
○参考人(井上樹彦君) 「ばけばけ」は先週で終了いたしまして、今週から「風、薫る」という新しい朝のドラマが始まりました。おかげさまで、大変地元の方を中心に好評をいただきまして、私が就任以来言っております、コンテンツの力こそがNHKの源泉であり、また根幹である受信料制度を支えるものだというふうに言っておりましたけれども、まさにその一つの象徴ではないかというふうに考えております。 これからも、例えば朝ドラとか大河ドラマだけじゃなくて、地域の課題などを深掘りした番組だとか、そういった形で、日本全体の活性化のためにもNHKの番組を、是非いいコンテンツを作っていきたいというふうに考えております。
○藤井一博君 大変強い意気込みをいただきました。 やはりこのコンテンツの力というのは、民間でもない、国営放送でもできない、公共放送だからこそできているものだと思います。そして、それは本当に長年掛けて、NHKの皆様方が地域全体に良質な情報を届けたいという思いから今ある、まさに日本が誇るコンテンツの力であると思っております。会長としては、その力を磨き上げるというところで強い意気込みをいただきましたので、是非ともその方向性でお力を尽くしていただきますようお願い申し上げまして、私の質問終わります。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(吉川沙織君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、馬場成志君が委員を辞任され、その補欠として見坂茂範君が選任されました。 ─────────────
○いんどう周作君 自由民主党のいんどう周作でございます。 井上会長、この度は会長就任おめでとうございます。NHK始め放送業界、本当にネット配信との関係で厳しい状況にあると思いますが、その中での御就任であります。藤井委員からもありましたとおり、十八年ぶりですかね、生え抜きの会長ということで、現場もよく御存じの会長が、これから国民にとって本当にふさわしい公共放送を実現していっていただきたいと思っております。 今、放送業界、大変厳しい状況にあると申し上げましたけれども、今ほど放送とネット配信の関係を整理し直さなきゃいけない時期が来ていると思っております。これも、NHKだけでなく民間の放送事業者も含めて、これからの放送というものをどういう役割を担わせるのか、その役割を担わせるためにどういう放送の制度が必要なのかといったことを議論して、結論を出していかなきゃいけない時期に来ていると思います。 このネット配信とNHKの関係でいえば、私、総務省の出身でありまして、ちょうど生え抜きの会長の頃でした。二十五年ぐらい前に、海老沢さんが会長の頃に私はNHKの担当の課長補佐をしておりまして、その頃にNHKがこのネット配信に出てきたわけであります。 当時、まだ携帯もガラケーの世界で、サービスもiモードが中心の時代でしたので、今のNHKONEのように放送番組そのまま配信するということはできなくて、当時はニュース番組をニュースの項目ごとに、百数十字だったと思いますけれども、要約したテキストデータを携帯に流すようなサービスだったと思います。当時はそういう状況でありましたけれども、NHKがなぜそのニュース配信をネットでやるのかということで、当時、日本新聞協会からも相当いろんな意見が出されて、調整に苦労したことを覚えているんですが。 当時は、NHKの本来業務という位置付けでなくて、附帯業務という位置付けだったと思います。必須業務じゃなくて、附帯する業務ということで整理をしてニュース配信を行っていただいたわけでありますが、その後、もう御案内のとおり、ネット環境が本当に大きく変わって、携帯もスマホ、タブレットというPC並みの性能ができて、通信も高速大容量化という中で、動画もスムーズに配信できる状況になったわけであります。これを踏まえて令和六年の放送法改正があって、NHKの本来業務としてネット配信というのが位置付けられて、去年の秋にNHKONEがスタートしたんだと思っています。 ただ、この二十五年前私が担当していたときと違って、ネット市場というのが本当に大きくなり過ぎていて、だからこそ放送とネット市場の関係をどう整理するかというのが大きな課題で、今すぐにでも解決させなきゃいけない問題だと思っています。 そのポイントは、一つは、やっぱりネット市場というのは、巨大なITプラットフォーマー企業が競争相手といいますか、相手になっているということであります。そして、先ほど少しありましたけれども、若い人を中心にテレビチューナーのないモニターを買っている人が増えているということであります。それに伴いまして、民間放送事業者にとっては、その広告市場においてもネット市場の方がテレビの広告業界を凌駕する、こういう時代になってきているんだと思います。 そういう状況の中で、やはりネット配信との関係で放送がいかにあるべきかというのは検討しなきゃいけないわけでありますが、自民党の情報通信戦略調査会でも放送の将来像に関する小委員会で検討を開始しているわけでありますが、今、NHK会長として、このネット市場を踏まえて、公共放送、放送といったものがどういうふうに将来あるべきかということをお考えか、会長の見解をお伺いいたします。
○参考人(井上樹彦君) お答えいたします。 社会から期待される放送の役割は、放送法にありますように、放送が最大限に普及され、その効用をもたらし、その結果、健全な民主主義の発達に資するということだと考えております。 委員御指摘のように、昨年の十月から番組の配信などが必須業務となりました。これは、NHKが、ラジオ、テレビの放送に加えまして、人々の情報取得の主要な経路となりましたインターネットにおいても公共メディアとしての責務を果たすことになったという大きな転換点だというふうに受け止めております。 こうしたメディア環境や視聴スタイルが急速に変化する中におきましても、正確な情報、豊かな番組、コンテンツを届けるという使命は今後も変わらない、むしろ、時代状況が変化して情報の信頼性が揺らぐ中で、むしろかつてなく重要になっているというふうに認識しております。 私は、NHKは、放送や配信を通じて人々の役に立ち、励まし、時には命を救う、そうした人々の生きる力となる存在でありたいというふうに考えております。今後も正確で信頼できる報道を届けることはもちろん、人々の安全と安心に直結する情報、多様なジャンルで人々の暮らしに寄り添うコンテンツを放送でもまた配信でもお届けすることで、健全な民主主義の発達に貢献してまいりたいというふうに考えております。
○いんどう周作君 ありがとうございます。 おっしゃるように、情報の信頼性の確保、これが放送にこれから大きく期待される役割の一つじゃないかと思います。特に、ネット上の偽・誤情報対策というのが喫緊の課題になっている中で、放送が果たしていく役割というのはこれからも必要なんじゃないかと思っておりますけれども、是非、これからの将来の放送像について、引き続き議論を一緒に行っていただければと思っております。 この情報の信頼性の確保ということについては、最新技術の活用ということも大きな課題になってきているかと思います。特に、AI関連については、我が国の経済安保の確保という観点からも大変重要なテーマでありますけれども、令和八年度のNHK予算に対する総務大臣意見の中でも、安全、安心で信頼できるAIの開発等のため、協会が保有する放送番組等のコンテンツデータの提供について、モデルケースとなる事例を創出することというふうに記載されております。 自民党の情報通信戦略調査会でも議論になっておりますけれども、この情報の信頼性をネット空間も含めてしっかり確保していくためにも、そのAI開発にとってNHKの保有する報道番組等のこれまでの蓄積されたデータ、本当に有用なものだと思っておりますけれども、NHKにおけるこのAI開発に対するデータの活用の取組についてお伺いをしたいと思います。
○参考人(小池英夫君) お答えいたします。 NHKでは、AI原則というものをまとめまして、AIの利活用の強化を図っているところでございます。 国産AIの開発に関連して申し上げますと、NHKがAIの世界でしっかりと公共的な役割を果たしていくことは重要だと考えております。そのためには、NHKが保有するアーカイブスデータを外部AIなどへ安全に提供するために必要な技術やノウハウ、あるいは内部的な判断基準をどうするかなど、様々な知見をあらかじめ得ておくことが重要だと認識しております。これについては、これまで放送行政に関わってこられた議員の皆さんを始め、関係者の方々から様々な意見をいただいてきた経緯があります。 取組を進める中で、良質な日本語データについて長年研究開発を続けてきた総務省所管の国立研究開発法人のNICT、情報通信研究機構とNHKとの間で、共同研究を実施することで合意しました。NHKとして、必要な知見を得て、コンテンツの有効活用につなげていきたいと考えております。
○いんどう周作君 ありがとうございます。 是非、総務省のNICTと協調して取組を深化させていっていただければと思います。 次に、ネット配信との関係で、私もちょっとWBCの関係、先ほどと重複する部分もあるかと思いますけれども、取り上げたいと思います。 やっぱり、視聴者にとって公共放送の重要性を訴えていく上で、こういった国民的イベントの放送も大変重要なポイントだと私も思っております。WBC、日本は残念な結果になりましたけれども、やっぱり放送においても地上波で放送ができなかった、ネットフリックスが独占配信権を確保してしまったといったことについては何らかの対策を講じなきゃいけないと思っておりますけれども、WBCに限らず、国民的関心の高いスポーツイベントについての公共放送としての取組について会長にお伺いをさせていただきます。
○参考人(井上樹彦君) お答え申し上げます。 NHKは、スポーツ放送に関しても、公共放送にふさわしい多様で良質な番組を視聴者に届けることに努めております。国民的なスポーツイベントを誰もが堪能できる機会を設けることは、公共放送、公共メディアとしての重要な役割の一つというふうに考えております。 これもお話ししましたけれども、一方で、大型スポーツイベントの放送権料、世界的に高騰しておりまして、これによって国民的関心の高いスポーツイベントを視聴する機会が限られてくるような状況になるとしましたら、競技の普及などといった面からも好ましいことではないというふうに思っております。 受信料で運営されるNHKとしては、放送権料を無制限に支払うことができませんが、多様で質の高いコンテンツを合理的なコストで視聴者の皆様にお届けできるよう、放送権をめぐる情報を収集、分析して、NHKとして放送すべきスポーツコンテンツを取捨選択しているところであります。
○いんどう周作君 今会長から御答弁ありましたとおり、放送権料の高騰、これはネット市場との関係でそういう状況になっているわけでありますが、報道によれば、ネットフリックスのWBCの独占配信権、百五十億円というふうに出ていましたけれども、この放映権の高騰に対しての政府の対応というのも私は求められてくるんじゃないかなと思っています。 今回のWBC、韓国では、韓国の有料配信プラットフォームの事業者でティービングという会社があるそうですが、このティービングが独占配信権を獲得して、このティービングというプラットフォーム事業者が韓国の地上波三社と系列スポーツチャンネルにサブライセンス契約を行って、結果として韓国では無料の地上放送が行われたと聞いております。 韓国では、国民的イベントについての国民の視聴機会を確保するため、先ほどもありましたけれども、いわゆるユニバーサルアクセス制度があると聞いておりますけれども、今回、韓国でWBCが地上波で無料放送が実現できたのはこの制度の効果もあると思っておりますけれども、本制度について分かる範囲で、総務省の方で把握している内容、そして総務省の考え方についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(豊嶋基暢君) 委員御指摘がございました韓国におきましては、WBCやあるいはオリンピックといった特定のスポーツイベントの中継放送権者等に対しまして、放送により一定の割合以上の世帯が視聴できることを求める制度が設けられているというふうに承知をしております。このいわゆるユニバーサルアクセス制度につきましては、イギリス等においても類似の制度が存在するものと承知をしております。 韓国につきましては、一方で、本年二月に開催されました冬季オリンピックにつきましては、有料放送事業者によって独占放送されまして、無料放送がなかったというような事態も生じているということも併せて承知をしております。 総務省としましては、このような状況も踏まえまして、まずは諸外国におけます制度、あるいはその効果、関係者への影響等について把握をしまして、必要に応じまして、スポーツ庁などの関係省庁とも連携をして取組を進めてまいりたいというふうに考えております。
○いんどう周作君 是非、韓国以外の国についても調べていただいて、何が対応可能なのか、制度的な話だけじゃなくて、やはり民民ベースの話もあると思いますけれども、できるだけスポーツイベントについては、国民的関心の高いものについては放送が必要じゃないかなと私は思っております。 この点、やっぱり国民的関心事のスポーツイベントという意味では、先ほど豊嶋局長からもありましたけれども、スポーツ庁との連携というのがあるのかなと思っております。スポーツ振興とかスポーツを見る機会の確保、あるいはスポーツを通じた青少年の教育とか、こういう観点から、スポーツの観点からの政府の支援ということも考えられるんじゃないかと思いますけれども、この点について、今日はスポーツ庁にも来ていただいておりますので、御見解をお伺いします。
○政府参考人(籾井圭子君) お答え申し上げます。 国内で関心の高いスポーツ大会等におきまして広く国民の見る機会が確保されることは、スポーツ振興の観点からも重要であると考えております。 一方で、放映権収入につきましては、スポーツ団体等にとりまして、青少年も含めた選手育成等のための重要な資金源となると認識しております。 こうしたことも踏まえまして、スポーツ庁といたしましては、国民がスポーツを体験したり見る機会が確保されることは重要であり、総務省を始め関係省庁と連携をしながら、諸外国の動向について情報収集するなど、引き続きスポーツ振興に取り組んでまいります。
○いんどう周作君 ありがとうございます。 このスポーツ放映権については、総務省だけではなくて、やっぱりスポーツ庁あるいは経済産業省、いろんな役所と連携して、横につながって対策が必要かと思っております。是非、対策の検討を進めていっていただきたいと思います。 そして、ネット配信との関係でいうと、最近、英国のBBCの会長が、グーグルの役員が就任するという報道がありました。このようなところにもネット市場というのが放送に影響を与えているという状況が見られるわけであります。 このような中で、先ほど会長もおっしゃっていた、昨年十月から始まったNHKONEがスタートして、就任会見でもNHKグループ全体で確実に進化させるとおっしゃっております。 しかしながら、令和八年度の予算の中身を見てみますと、テレビの受信契約数に比べて、配信のみの契約者数の見込みが、約二万件という見込みが出ています。半年たったわけでありますけれども、この利用者数の年度目標としてこの二万という数字が十分と言えるのか。本当にネットの世界というのがどんどんどんどん拡大していく中で、この二万という数字が本当に妥当なのかどうか、それから、テレビ離れが進んでいる若い人たちへの公共放送としてのリーチの仕方、この辺りの現状認識と今後の対応についてNHK会長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(井上樹彦君) お答えいたします。 二〇二六年度予算では、テレビを持たずにインターネットのみで配信の受信を開始される方の数は約二万人と見込んでおります。これはNHKONEの開始前に実施したアンケート調査に基づくものであります。インターネット配信がNHKの必須業務となりましたことは極めて大きな転換点であって、NHKとしては、これまでテレビを持っていなかった方も含めて、より多くの方に御利用いただけるように、NHKONEの普及を促進していきたいというふうに考えております。 そのためには、コンテンツの充実、それから利便性の向上を両輪として、放送とネットを通じてより多くの方に公共的価値を届けていきたいというふうに考えております。この具体的な利便性の向上については、利用開始や登録プロセスの分かりにくさなどに御意見をいただいておりまして、問合せ対応などの改善も含めて、より使いやすいサービスとなるよう改善を重ねているところであります。また、NHKが必須業務として受信料財源で行っているNHKONE、それと任意業務として有料で過去の放送番組を提供しているNHKオンデマンド、これを一体となって、一体的に御利用いただけるように、サービス間の連携や表示の工夫を段階的に進めていこうというふうに考えております。 こうした取組と、NHKグループ全体で総力を挙げてこうした取組を進めていくことで、インターネットサービスの充実に努めてまいりたいというふうに考えております。
○いんどう周作君 ありがとうございます。 ネット市場は、アテンションエコノミーという言葉があるとおり、刺激性のある情報で視聴者のアテンションを引くというような市場でありますけれども、ある意味、このアテンションエコノミーに対抗するというよりは、公共放送として、若い人がもう一回テレビで放送を見る、そういう世界に戻ってくるようなアテンションを、今会長おっしゃっていたようなコンテンツの充実、利便性の向上といった辺りですね、是非実現していっていただきたいと思います。 最後に、ネット配信という世界にNHKが本格的に入っていった時代であります。これは国際的にいろんな情報発信ができるということであります。世界情勢、本当に激変している中で、我が国の政治、経済、文化といった情報、国情を積極的に発信することが求められると思いますけれども、是非、二〇〇八年ですかね、日本国際放送というのが設立されておりますが、その活用を含めて、しっかりと国際的な情報発信に努めていただくことをお願い申し上げて、時間になりましたので、これは御意見とさせていただきます。 終わります。
○小沢雅仁君 立憲民主・無所属の小沢雅仁でございます。 五十分いただいておりますので、たくさん質問を用意しましたから、テンポよく質問をさせていただきたいと思います。 まずは、井上会長、山名副会長、御就任おめでとうございます。よろしくお願いしたいと思います。 また、忙しい中、古賀経営委員会委員長にもお越しいただきました。ありがとうございます。 まず、井上会長にお尋ねしたいと思います。 第二十五代NHK会長に御就任されましたが、新会長としての抱負をお聞かせください。
○参考人(井上樹彦君) お答えいたします。 私は、NHKの価値の源泉は、何よりコンテンツ、番組そのものにあるというふうに考えております。質の高いコンテンツを安定的に生み出す組織にするために、コンテンツの開発力、発信力、国際展開力を抜本的に強化していきたいと。例えば、デジタルと放送の一層の連動、新しい新たなIP、知的財産の開発、グローバルな視点での番組展開といったことに、従来以上に攻めの姿勢で取り組んでいきたいというふうに思っております。 また、こうした良質なコンテンツを全国にあまねく提供していく、提供し続けていくためには、それを支える強固な財政基盤が必要であることは言うまでもありません。構造改革を着実に進めるとともに、まずは受信料収入の下げ止まりの実現に不退転の決意で臨みたいと考えております。 私は、NHKが放送や配信を通じて人々の役に立ち、励まし、時には命を救う、そうした人々の生きる力となる存在でありたいというふうに考えております。その役割を将来にわたって果たし続けるために、チームNHKとして、グループの総力を結集して取り組んでまいりたいというふうに決意しております。
○小沢雅仁君 力強い決意をいただきました。 その上で、会長は一月二十七日に山名専務理事を副会長に任命されました。そして、山名副会長はメディア総局長を兼任されており、経営の中枢を担い、会長を補佐する副会長としての役割と、番組制作を統括するメディア総局長としての二つの役割を担われることになりました。 そこで、井上会長にお尋ねしたいんですが、山名さんを副会長に任命された理由と、副会長とメディア総局長をどのように両立をさせていくお考えか、お伺いしたいと思います。
○参考人(井上樹彦君) お答えいたします。 現在のNHKの喫緊の課題は、収支構造と事業構造の二つというふうに考えております。今の執行部に求められておりますのは、この二つの課題に対して明確に結果を出していく実行力というふうに認識しております。 そのため、副会長には、私とともにこれらの課題に正面から取り組み、確実に結果を出すことができるパートナーを選びたいと考えておりました。とりわけ、事業構造の課題につきましては、コンテンツの力がNHKの将来を左右すると言っても過言ではありませんで、それを具体的なサービスとして形にしていくというのが不可欠であります。 こうした観点から、副会長につきましては、経営の視点とそれから現場の実情の双方が見える、担える人材が必要というふうに判断しました。その双方を備えている山名が最も適任というふうに判断した次第であります。 さらに、これまで稲葉前会長の下、私が副会長、それから山名がメディア総局長として三年間支えてまいりました。今後取り組むべき課題も明確に認識できております。この継続性の観点からも、副会長と総局長の兼務ということになっていますけれども、お互いに補完し合って経営に当たることができるというふうに考えました。
○小沢雅仁君 山名副会長がメディア総局長を兼任する理由というのはよく分かりました。 その上で、今までは井上会長が副会長を単独で担われていたわけでありますので、今度は、井上会長とそして山名副会長の役割分担をどのように整理をし、それぞれの経験や強みをどのように生かしてNHKの経営に当たっていくのか、会長と副会長のそれぞれの役割をどう考えているのか、もう一度お伺いしたいと思います。
○参考人(井上樹彦君) お答えいたします。 山名副会長は、「鶴瓶の家族に乾杯」あるいは「ブラタモリ」などエンターテインメントの番組を中心とした制作業務で長く活躍してまいりました。このほか、人事や経営企画などのコーポレート部門でも業務経験がありまして、現場と経営の両面で高い知見を持っております。このため、山名副会長には、そうした強みを生かして、現場の実情を踏まえながら、コンテンツ領域を中心に、現場の方針を具体的な番組やサービス、業務プロセスへと落とし込んで形にしていく役割を期待しているところであります。 私の方は、記者出身でありますために、報道分野を中心に一定の知見を持っておりますほかに、関連団体のトップとして長く務めた経験もありまして、山名副会長とはお互いに補完し合って経営に当たることができるんじゃないかというふうに考えております。 NHKが将来にわたって視聴者・国民の期待に応え続けることができる組織となるために、会長、副会長も含めまして、チームNHKとしてトータルで力が発揮できるようなしっかりした体制を整えてまいりたいというふうに考えております。
○小沢雅仁君 是非とも、会長、副会長がしっかりと連携して、チームNHKとして更なる高みに上げていただくようにお願いをさせていただきたいと思います。 次に、会長任命に関わる経営委員会の判断について、古賀経営委員会委員長にお尋ねをしたいと思います。 放送法において、NHK会長は経営委員会が任命することとされており、その際には、十二名の経営委員のうち九人以上の賛成が必要とされております。これまでの会長の任命を見ますと、経営委員会において全会一致で決定されていることが多かったと承知しています。しかしながら、今回の井上会長の任命に当たっては、経営委員の賛否が九対三に分かれたとのことであります。会長を任命する議決において賛否が分かれたのは、第十九代NHK会長の福地茂雄氏の任命議決以来、こちらも十八年ぶりとなります。 そこで、古賀委員長にお尋ねいたしますが、井上会長を任命した理由と、今回全会一致とならなかった背景や要因をどのように受け止められておられるのか、お聞きしたいと思います。
○参考人(古賀信行君) まず、お答えいたしますが、今回の会長選任に当たりまして、私、経営委員長として振り返ってみますと、どうもこれまでの会長選任のときに、外部で決めて後で裏書したような、そういう報道が多数なされています。あれは甚だ残念なことでございまして、私は、今回はNHK、なかんずく経営委員会の矜持をきちっと示すべきだと思いました。 したがいまして、今回のNHK会長選任に当たりましては、外部からのお声はいろいろございます、ございますが、そのお声を基に委員会では議論は一切いたしておりません。委員会では、NHKの現状を踏まえて、どういう体制がいいんだろうか、どういう人というよりも、会長だけで私は決まらないと思います。経営は、単にこのヘッドだけがやるものじゃなくて、やっぱり体制としてどうやるかというのが極めて重要だと、私の経験からもそう思っております。そこで、そういう議論を多種多様やりました。一切の根回しもやっておりません。 したがいまして、この経営委員会というのは、御承知のとおり、様々な分野の人の集まりであります。必ずしもこういう人選にたけた人の集まりではございません。だから、それはもういろんな議論がありますが、だけど最後はこの経営委員会が任命する。決定を、案を作って決定できるのは、放送法上、この会長任命だけであります。その重みをしっかり考えようということで運営してまいりまして、その結果、井上さん個人というよりは、井上さんを中心にした体制、これでチームをきちっと編成することがいいのではないかという結論を得ました。その結果、十二人中九名の方の御賛同を得ましたので、そうさせていただきました。 むしろ、全会一致というのはなかなかこの種のやつでは私は難しいと思います。そういう意味では、真にいろんな議論を経てできたというふうには自分自身も思っております。 以上でございます。よろしゅうございますでしょうか。
○小沢雅仁君 ありがとうございます。 全会一致ではなくて、賛同いただけなかった三人の委員の皆さんがいらっしゃいますけれど、是非、その委員の皆さん、今後の経営委員会の中で、NHKの井上会長を始め皆さんに対しても厳しい意見がいろいろ出されると思いますけれど、しっかり受け止めて、NHKのチーム、NHKの体制にしっかり生かしていただけたら有り難いなと思います。 そして、もう一問、古賀委員長にお伺いしたいんですが、井上会長による新たな体制の下で、NHKにどのような経営を期待されているのか、古賀委員長のお考えをお伺いしたいと思います。
○参考人(古賀信行君) 先ほども井上会長おっしゃっていましたけれども、NHKの問題というのは、そのいわゆる収益構造をきちんとしていく、それから事業構造をどう変えていくか、かなり具体的な課題が明確にあると思います。 これは、一番やっぱりNHKのこともよく知っている、今からNHKのことを勉強するではなくて、NHKのことをよく知っている人が真正面からそれを受け止めてそれに懸命に取り組んでいく、しかも、会長単独ではなくて、やっぱり会長を中心とした経営体制をきちっと組んでやっていくということが非常に肝要だと思います。 そういうことをきちんとやっていっていただきたい。先ほどの決意も述べられていましたが、そういうことで取り組まれておりますので、どうぞ御支援のほどよろしくお願い申し上げます。
○小沢雅仁君 大変よく理解できました。 大変お忙しい中おいでいただいておりますので、古賀委員長の質問については以上ですので、御退席をお願いしたいと思います。委員長、お取り計らいをお願いします。
○委員長(吉川沙織君) 古賀委員長におかれましては、御退席いただいて結構でございます。
○小沢雅仁君 次に、人事制度改革について伺いたいと思いますが、稲葉前会長は、就任前に進められてきた人事制度改革を検証し、公平公正を大原則に、プロフェッショナルを重視することを根本方針とする新たな人事制度への移行を進めてまいりました。最後の定例記者会見においても、急激な改革の影響により組織内に一定の綻びが生じているとの指摘があった旨に言及をされました。半年ほどで一定の対応ができたとの認識も示されておりました。私も、これまで人事制度について稲葉前会長に質疑を行い、職員に対して丁寧に説明を尽くし、理解と納得が得られるよう進めていただきたいと申し上げてまいりました。 そこで、井上会長に伺いたいと思いますが、副会長としてこれらの取組を間近で見てこられた立場から、一連の人事制度改革をどのように受け止めておられるのか、また、その評価を踏まえ、今後どのように人事制度を運用されていくのか、井上会長にお伺いしたいと思います。
○参考人(井上樹彦君) お答えいたします。 稲葉前会長の就任当時、急激な人事制度改革の影響で組織内に若干の綻びが生じているという指摘がありました。これに対して、稲葉前会長の体制の下で、改革の検証と発展という方針の下、公平公正を大原則にプロフェッショナル重視の考え方で見直しを進めてまいりました。 この改革の検証と発展によって再構築しました新しい人事制度は、現在、定着と運用の向上の段階に入っております。役職員が一丸となって公共放送の使命達成に取り組む基盤は整ったというふうに考えております。正確で信頼できる情報、豊かで良い番組、コンテンツを届け続けるためにも、新しい制度の下、人材を公平公正に評価するとともに、高い専門性の伸長を支援し、創造性が豊かで生産性の高い人材を育成していきます。 こうした取組の中で、多様な専門性を有する人材を組織として結集して、チームNHKとして、持てる力を最大限最大化して視聴者・国民の皆様の期待に応えていきたいというふうに考えているところであります。
○小沢雅仁君 まさしく、人事制度は働いている職員にとっては本当に礎になるものだというふうに思いますので、是非適正な運用に努めていただくようにお願いしたいと思います。 あわせて、職員が安心して働ける職場環境の確保ということは極めて重要だというふうに思います。井上会長は、就任翌日の一月二十六日に、会長名によるハラスメント防止・撲滅宣言を公表され、あらゆるハラスメントを許さないという強い姿勢を示されました。それと同時に、全ての人が安心して働ける、健全で良好な職場環境の構築を宣言をされました。 このハラスメント防止・撲滅宣言を公表された意図について、井上会長に伺いたいと思います。
○参考人(井上樹彦君) お答え申し上げます。 NHKとしては、これまでもハラスメント防止の取組を進めてきたところでありますけれども、会長就任に当たりまして、改めて、出演者、取材先、取引先との適切な関係を保って、人権意識の徹底、ハラスメントを絶対に許さない姿勢を示すとともに、NHKの業務に携わる全ての方々が安心して働ける、健全で良好な職場環境を構築していくという決意を述べた宣言であります。 公共メディアの使命達成には多様な人材の活躍が不可欠でありまして、取材や制作を始め、全ての業務の過程で人権、人格を尊重し、個人の人権や尊厳を傷つけるあらゆるハラスメントを防止、撲滅することをNHKハラスメント防止・撲滅宣言として公表いたしました。 また、今年の十月からは、カスタマーハラスメント防止のために雇用管理上必要な措置を講じることが義務化されます。 引き続き、職場内はもちろん、外部からのハラスメントもしない、させない、決して許さない、そして見過ごさない姿勢を堅持して、互いの目配りに努め、不適切な行為には厳しく対応してまいります。
○小沢雅仁君 この宣言公表されたことを高く評価したいと思います。 あわせて、その反面、職員の犯罪防止ということも徹底して取り組まなければならないと思いますし、視聴者・国民からNHKに対する厳しい目も向けられているのも事実だと思います。 そこで、職員の服務規律や健全な組織風土の在り方についてどのようなお考えをお持ちなのか、NHKにお伺いしたいと思います。
○参考人(安保華子君) お答えいたします。 NHKでは、昨年四月に、NHK倫理・行動憲章、行動指針を十七年ぶりに改定いたしまして、この憲章にのっとって、人権を第一に考え、公私において、法令を遵守するとともに、高い倫理観に基づく責任ある行動を取ることを視聴者の皆様に約束してきました。憲章では、業務に携わる全ての人の健康を大切にし、多様な価値観を認め合うことや、互いの目配りに努めること、不適切な行為には毅然として対応し、必要に応じて上司又は通報窓口などに連絡、相談することも明記しております。 これらの理念をNHK全体に浸透させることが健全な組織風土を醸成していくために重要だと考えており、e―ラーニングを始めとした研修や勉強会を実施するなど、改めてNHK倫理・行動憲章、行動指針の遵守徹底を図っていきたいと考えております。
○小沢雅仁君 承知いたしました。 そこで、平成二十五年及び令和元年にはNHK職員の過労死事案が発生をしております。長時間労働の改善に向けて様々な取組が進められていることも承知をしておりますが、社会全体で見ますと労災申請件数も過去最高となっております。 そこで、こうした状況を踏まえて、長時間労働の抑止を始め、職員が安心して働ける職場環境の確保に向けて今後どのように取り組んでいくお考えか、井上会長にお伺いしたいと思います。
○参考人(井上樹彦君) お答えいたします。 公共メディアを共に支える職員が亡くなり、二度にわたり労災認定を受けたことは痛恨の極みでありまして、大変重く受け止めております。今後このようなことを起こしてはならないと強く決意しております。 NHKは、災害、事件、事故を始めとして、二十四時間三百六十五日対応する体制が必須でありまして、長時間労働となりがちな面があります。しかしながら、職員の生命、健康、職場での安全が業務を行う上での大前提であります。役員全員で毎月の勤務状況について共有、確認し、必要があれば注意を促しております。また、繁忙期における業務体制の見直しなども進めています。こうした取組によって長時間労働の改善は着実に進んでいるところであります。 NHKグループ働き方改革宣言を掲げておりますけれども、業務に携わる全ての人の健康を最優先に考えること、そして、これまでの慣行を打破して働き方を抜本的に見直すという理念の下、現場の状況を十分に踏まえながら、長時間労働に頼らず、多様な人材が活躍できる職場の実現に向けて、今後も働き方改革の取組を着実に進めてまいります。
○小沢雅仁君 是非、着実に進めていただきたいと思います。 次に、経営計画の進捗状況と総括について伺いたいと思いますが、令和六年度に作成されたNHK経営計画は最終年度に当たります。そこで、これまでの取組の進捗についてどのように総括されているのか、また計画の達成状況や残された課題をどのように認識しているのか、最終年度として特に重点を置く事項があればお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(小池英夫君) お答えいたします。 二〇二六年度は、NHKの経営計画の最終年度を迎えます。信頼される情報空間の参照点の提供、民主主義の基盤である信頼できる多元性の確保の役割を果たすべく、質の高いコンテンツの提供に努めております。また、新たなインターネットサービス、NHKONEを開始し、放送とデジタルの垣根を越えて、信頼性の高い情報を一元的に届ける基盤を構築しました。事業収入の確保及び事業支出の削減については、これまでのところ、おおむね計画を上回る形で達成、進捗しております。 コンテンツ戦略六つの柱に基づき、ネット上の偽・誤情報への対応や選挙報道におけるファクトチェックも実施しました。また、放送百年プロジェクト関連番組の集中編成や、オリンピック放送、MLB中継など質の高いコンテンツをNHKONEを通じて提供して、幅広い視聴者の期待に応えております。 受信契約に関しましては、各種施策を組み合わせた新たな営業アプローチを強化しておりますが、未収の数の増加への対応が喫緊の課題であります。公平負担の徹底を図り、更なる増収の確保に向けた対策を強化してまいります。 支出面では、二〇二七年度の収支均衡を実現すべく、一千三百億円規模の支出削減を確実に実施していきます。設備投資の大幅な縮減や既存業務の大胆な見直しを進めるとともに、AIの活用や政策DXの推進による生産性の向上を積極的に図ってまいります。 今後も公共放送としての役割を果たし続けていくため、いずれも必要な取組だと考えており、業務の効率化及び生産性向上につながる構造改革を着実に進めながら、経営計画を着実に達成してまいります。
○小沢雅仁君 ありがとうございます。 次に、次期経営計画における中長期課題についてお伺いしたいと思います。 井上会長は就任会見において、NHKが直面する喫緊の課題として、ネット対応の高度化を始めとする事業構造と受信料収入の下げ止まりを始めとする収支構造という二つの大きな変化への対応を挙げられました。 そこで、こうした点も踏まえまして、次期経営計画の策定に当たり事業構造及び収支構造の変化をどのように認識されているのか、NHKとして取り組むべき中長期の課題をどのように整理した上で次期方針を、方向性を示していくのか、NHKの見解をお伺いしたいと思います。
○参考人(小池英夫君) お答えいたします。 公共メディアを取り巻く環境は、デジタル化の進展や視聴習慣の変化により、極めて大きな構造変化の渦中にあります。二〇二七年度からの中期経営計画では、NHKがこの激変する環境にどう適応し、公共放送、公共メディアとしての使命を果たし続けていくのか、その考え方を国民・視聴者の皆様にお示しする重要な機会になると認識しております。 現在、この環境変化への適応と使命達成の両立を図るべく、局内において組織横断的な検討チームをつくり、議論を重ねているところでございます。具体的には、これまでの構造改革の成果を土台としつつ、今後の事業運営や組織運営の最適な在り方、更なる構造改革の検討を含めて、課題の洗い出しと重点事項の絞り込みを行っております。 今後、計画の骨子案を取りまとめ、全体像をお示しして、視聴者からの意見募集など、透明性のあるプロセスを経て計画を作成していきたいと考えております。
○小沢雅仁君 分かりました。 次に、番組関連情報配信に関する日本新聞協会の懸念の対応についてお伺いしたいと思います。 NHKのインターネット配信の必須業務化をめぐって日本新聞協会メディア開発委員会が懸念を発信されて、昨年十二月の私、NHK決算の質疑でも稲葉会長にお伺いしたところ、基本的には御理解をいただいているという認識が示されました。 しかしながら、本年三月、同委員会が改めて懸念を表明をされております。こうした指摘をNHKとしてどのように受け止めておられるのか、今後の対応を含めて井上会長の見解を伺いたいと思います。
○参考人(井上樹彦君) お答えいたします。 昨年の十月から番組などのインターネット配信がNHKの必須業務となりまして、新聞協会からも指摘のあった予算規模に関しましては、これまでも申し上げておりますけれども、インターネットの関連経費をいたずらに拡大することは考えておりません。 また、番組関連情報に関する新聞協会の見解も承知しておりますけれども、NHKとしては、提供しているサービスは放送法や番組関連情報の業務規程などにのっとって実施しているものだというふうに考えております。 番組関連情報の配信は、放送法にも規定があるとおり、公正な競争を確保しながら実施すべきものと考えております。このため、専門家やメディア関係者の御意見を踏まえて業務規程を定め、継続的に検証を行っていくことで、引き続き公正な競争を確保してまいります。 こういったプロセスの中で、NHKの考え方も今後丁寧に説明していきたいというふうに考えております。
○小沢雅仁君 是非丁寧な説明、意思疎通をお願いをしておきたいと思います。 次に、受信料未収対策について伺いたいと思います。 既に質疑もされているところでありますけれど、今月十二日に、受信料が未収となっている二つの事業所に対して、七年ぶりに民事訴訟を提起したとの報道発表がありました。 NHKは未収の世帯や事業所に対して支払督促による民事手続を強化をしているということですが、この二つの事業所の民事訴訟内容と、なぜ民事手続を強化しているのか、お伺いしたいと思います。
○参考人(小池英夫君) お答えいたします。 今回提起しました二つの民事訴訟は、受信契約を結んでいるにもかかわらず、長期にわたって受信料をお支払いいただいていないホテル運営会社二社に対して、受信料の支払を求めて行ったものでございます。福岡県の事業所は約六年間、北海道の事業所は約八年間にわたり、誠心誠意丁寧に対応を重ねてもお支払に応じていただけなかったために、やむを得ず訴訟に踏み切ることにしました。 支払督促による民事手続を強化している背景には、未収となっている世帯や事業所の増加があります。未収世帯は五年間で約百万件増えており、事業所についてもこの五年間で増加傾向にあり、二〇一九年度の倍に当たる二万件となっております。未収の事業所に対しては、全国の放送局長が先頭に立って対応を進めるなど、対策を強化しているところでございます。 受信料をお支払いいただいている世帯や事業所に不公平感を持たれることがないように、しっかり取り組んでまいります。
○小沢雅仁君 井上会長に対する新聞のインタビュー記事を見てみますと、井上会長は契約の質を向上させていくとのことですが、具体的な考え方をお伺いしたいと思います。
○参考人(井上樹彦君) 今ありました契約の質の向上という言い方をしておりますけれども、これは単に受信契約を結ぶというだけにとどまらずに、その後継続して受信料をお支払いいただく方を増やして、受信料収入を安定的に確保していくということを意味しております。 そのためには、NHKのコンテンツに触れて公共的価値を実感し、NHKは必要だと視聴者の皆様に認識していただくことが欠かせません。インターネットサービスが必須業務となったことを契機に、今後は放送だけではなく、インターネットでも確かで信頼できる情報、豊かなコンテンツをこれまで以上に充実させてお届けしていきます。 受信料収入を安定的に確保していくためにも、長期にわたって受信料をお支払いいただけていない未収の方への対策を強化し、受信料の公平負担の徹底や不公平感の解消に努めてまいりたいというふうに考えております。
○小沢雅仁君 トップバッターで藤井先生も取り上げておりましたけれど、これまでの未収対策の強化による効果は具体的にどのように現れているのか、また今後はどのように取り組んでいくのか、お考えを伺いたいと思います。
○参考人(小池英夫君) お答えいたします。 支払督促による民事手続を強化することを報道発表してから、受信料を自主的にお支払いいただける方が増えてきております。昨年十一月に未収対策を強化することを報道発表してから、今年の二月末までに、未収の方からの支払が前年度の同じ時期と比べて二倍近くの実績となっております。さらに、インターネットを通じた新規契約の申出も大幅に増えており、着実に効果が現れております。二〇二六年度は、二千件を超える規模の支払督促の申立てを全ての都道府県で実施する予定でございます。 受信料の公平負担の観点から、未収の数の増加に歯止めを掛けて減少に転じさせ、受信料を継続してお支払いいただける方を増やして、引き続き受信料収入の確保に全力で取り組んでまいります。
○小沢雅仁君 是非、国民の皆さんが、受信料をお支払をするその重要性というか、先ほど会長が契約の質ということもおっしゃられておりましたけれど、丁寧に、受信料をしっかりと納めていただくような環境づくりにNHKの方でもしっかり取り組んでいただきたいと思います。 次に、還元目的積立金の活用の在り方について伺いたいと思います。 ネットワーク効率化に向けた取組について伺いたいと思いますが、NHKは、約六百億円のうち四百億円をNHK財団が新たに設立する基金に出捐し、小規模中継局の整備等への助成事業に充てるとしています。この点について、助成の対象となる中継局は全国に何局あり、本事業により何局の整備を想定しているのか、また、四百億円の積算根拠をお伺いしたいと思います。
○参考人(寺田健二君) お答えします。 基金は、条件不利地域における小規模中継局やミニサテと呼ばれる出力の小さい中継局の共同整備への経費助成と、将来にわたって放送ネットワーク維持に向けて、ブロードバンド等代替などの新たな伝送技術の開発、導入促進等への助成を見込んでおります。 このうち、共同整備への経費助成では、NHKと民放で設備や施設を共同で整備する小規模中継局に対する助成、そして共同で利用するミニサテ局に対して助成を行うことを想定しております。具体的なコストなどの内訳はメーカーとの交渉事項でもあり、機密性が高い情報であるため、詳細は申し上げられませんが、今回の基金の規模ではおよそ八百局程度に対して助成が可能と想定しております。 本事業により、民放との二元体制によるネットワークを将来にわたって維持し、条件不利地域も含め全国の視聴者に必要な情報を届けてまいりたいと思っています。
○小沢雅仁君 ありがとうございます。 そして、この基金を何年間で活用する計画なのか、あわせて、基金による助成については、中継局の整備等に要する経費のうちどの程度の割合を基金で賄う想定なのか、また、残余についてはNHKと民放放送事業者がそれぞれどのような割合で負担をするお考えなのか、伺いたいと思います。
○参考人(寺田健二君) お答えします。 基金への出捐は、本予算の承認をいただいた後、総務大臣の認可を受けて行うことになりますが、本事業は民放との二元体制によるネットワークを将来にわたって維持していくことを目指しておりまして、基金は約三十年にわたって運用していくことを想定しております。ミニサテや条件不利地域の小規模中継局の共同整備等への経費助成のみならず、将来にわたる放送ネットワークの維持に向けて、ブロードバンド等代替など新たな伝送技術の開発、導入促進等への助成を見込んでおります。 ミニサテや条件不利地域の中継局の共同整備への経費助成については、設備整備に必要な経費のうち五分の二を助成する想定であります。残り、残余の五分の三については、当該中継局が送信している電波の数に応じてNHK、民放各社が分担することとなると考えておりまして、認可申請に向け具体化を進めてまいります。
○小沢雅仁君 次に、約六百億円のうち残る二百億円は共同利用会社への出資に充て、全国約四百八十局のミニサテ局の一括管理、共同利用を行うとされています。 この二百億円の積算根拠と民間事業者への出資への参画予定の有無についてお伺いしたいと思います。
○参考人(寺田健二君) お答えします。 共同利用会社では、現在、放送事業者が共同で所有している約四百八十局のミニサテ設備を引き取るとともに、送信機やアンテナ、電源設備の更新を行います。また、アンテナなどを設置している鉄塔についても劣化状況に応じて更新することを見込んでおります。主にこれらの設備の引取りや更新を行うために必要となる経費を約二百億円規模と見込んでおります。 共同利用型モデルの事業内容の具体化については民放と協議を重ねている最中でありますが、民放からは共同利用会社への出資の申出があり、NHKとしてもこれを受け入れる方向で協議を進めております。 二元体制維持という本来の目的を踏まえ、NHKは民放と協力して放送ネットワークの維持に取り組む考えであり、共同利用モデルの事業を推進してまいります。
○小沢雅仁君 原資が受信料である以上、費用対効果の観点からも十分な検証を行い、視聴者・国民の信頼を損なうことがないように、適切な執行を強くお願いをしたいと思います。 次に、メディア産業全体への貢献について伺います。 NHKは、総務省の官民協議会において策定されるアクションプランを踏まえ、基金に百億円を拠出し、人材育成、技術開発、調査研究分野の支援を行うとしています。 本年一月に総務省が設置した実写コンテンツ展開力強化官民協議会では、二月に一次取りまとめが公表されております。 そこで、NHKが拠出する百億円の基金の活用についてどのような方向性が示されているのか、具体的に総務省に伺いたいと思います。
○政府参考人(豊嶋基暢君) 委員御指摘ございました実写コンテンツ展開力強化官民協議会でございますけれども、これは、NHKも含めまして、官民の関係者により構成されておるところでございまして、我が国発の放送・配信、発ですね、の放送・配信における実写コンテンツ、ドラマとかドキュメンタリーとか、そういう分野の制作力の強化、あるいは海外展開への促進を図るための方策について幅広く議論をしているところでございます。 本年二月にその基本的な方向性として一次取りまとめを行ったところでございますけれども、この取りまとめの中におきまして、特に、今後NHKが行う人材育成事業等に関連する部分にしましては、官民の関係者が連携をして、具体的には、番組制作を行うプロデューサーや映像制作技術などの分野についての人材の育成を特に集中的に取り組むべきというような方向性を打ち出したところでございます。 この協議会につきましては、今後議論を深めまして、四月の下旬をめどに取りまとめを行うこととしておりまして、この取りまとめを踏まえまして、NHKにおきまして具体的な人材育成の内容が決定されるものというふうに承知をしております。
○小沢雅仁君 ありがとうございます。 次に、財政安定のための繰越金の在り方について伺いたいというふうに思います。 NHKは、これまでも同繰越金について、大規模災害等による経済情勢の急激な変化が生じた場合であっても、放送・サービスを継続していくためには少なくとも五百億円程度は確保していく必要がある旨、国会答弁においてそのように答弁されてまいりました。しかし、今回、繰越金残高はいずれも百十七億円となる見込みであります。 そこで、五百億円程度が必要であるとされてきた根拠はどのようなものであったのか、また、現在の水準で放送継続に支障はないのか、さらに、今後の繰越金の在り方についてどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。
○参考人(小池英夫君) お答えいたします。 財政安定のための繰越金は、大規模な災害などによる経済状況の急激な変化に対応するほか、設備投資の財源として減価償却資金など当年度の自己資金では賄えない場合などに対応するものでございます。今の経営計画では、現時点で考えられる災害リスクや代替機能の強化の進捗などを踏まえて、必要最低限の額として少なくとも五百億円程度必要とお示しいたしました。 大規模な自然災害や経済状況の急激な変化などが起きる中でも、視聴者の皆様に追加の負担を強いることなく公共放送として放送・サービスを継続していくことが重要でございます。インフレの長期化に伴い物価高、価格転嫁が続いており、その先行きは不透明でございますが、財政安定のための繰越金は少なくとも五百億円程度確保したいと考えております。 今後、更なる経営努力によって財政安定のための繰越金の確保に努めてまいります。
○小沢雅仁君 これまでの国会答弁との整合性も踏まえて、やはりしっかり五百億円程度は確保していく必要があると思いますので、しっかりお取組をしていただきたいということを強く御要請申し上げておきたいと思います。 ちょっと質問の順番を変えまして、昨日、NHKラジオ第二放送が終了いたしました。NHK・AMとNHK・FMの二波体制ということに移行されました。早速、私も「らじる・らじる」というアプリをスマホにダウンロードして、今朝、朝六時半のNHKのラジオ体操を聞いたところであります。ダウンロードも本当に簡単にできて、そういった意味では、今まではラジオそのものがないとなかなかラジオ放送って聞くことができなかったんですが、手軽にスマートフォンでNHKのラジオ放送を聞くことができるようになりました。 そういった意味では、災害発生時のときにも、電源が喪失をしたりしてラジオが手元になければ、避難先で自分のスマホでNHKラジオを聞けることができるようになっているということは、非常に私はすばらしいことだなというふうに思っています。片方で、山間地域等では電波が届かなくてラジオを聞くことができない、そういうことも強く指摘をされているところであります。 こういったことで、FMに転換した場合、一部の地域で受信できなくなる可能性があるという、このような指摘にNHKとしてはどのような対応を考えているのか、お聞きしたいと思います。
○参考人(寺田健二君) お答えします。 ラジオについては、委員のおっしゃるとおり、放送だけでなくインターネットを使うリスナーが増えまして、利用形態が変化しております。そうした実態を踏まえ、二〇二六年三月三十日より、音声波をAM一波、FM一波に再編しました。ラジオ第二で放送していたほとんどの番組はNHK・AM、NHK・FMに移行し、高校講座や語学番組などの教育番組は再編後も原則FMで引き続き放送するなどの措置を行っています。再編後も、ラジオ放送によるサービスは基本的に変わらず、加えて、インターネットの活用によって利便性を高めるという両立を図っている考えです。 AMとFMのカバーエリアの大半は一致していますので、基本的には引き続き放送でお聞きいただけますが、委員が御指摘のように、AM放送とFM放送の電波の特性の違いから聞こえにくくなる地域が発生するおそれがあります。こうした地域については、NHKは、これまでも受信調査を実施した上で、地域の実情に合った適切な受信方法のアドバイスを行っています。 今後も、地域の実情や要望に配慮しながら、きめ細やかな受信相談対応に取り組んでまいります。
○小沢雅仁君 是非、この「らじる・らじる」というアプリ、多くの皆さんにダウンロードしていただいて、NHKラジオがすぐ聞けるということを認知してもらうことも私すごく重要だというふうに思いますが、多分、御年配の方がこのアプリをダウンロードするにはちょっとなかなかスムーズに進めない可能性がありますので、是非、ホームページのみならず、テレビの方でもそういったことを少しPRしていただけたら有り難いなということをお願いしておきたいというふうに思います。 もう一点、手話CGの活用拡大について伺いたいと思いますが、東京二〇二五デフリンピック応援アンバサダーに任命されたCGキャラクターのKIKI、これはNHKの子会社が開発したものでありまして、日本語手話のみならず、多くの他言語で情報を届けることができていると思います。 そこで、NHKにおける手話CG研究の現状、技術的課題、更なる実用の見通しについて、是非お伺いしたいと思います。
○参考人(寺田健二君) お答えします。 高齢者や障害者を含めた誰もが豊かな放送・サービスを楽しめるよう、人に優しい放送を目指すことは重要な役割の一つだと考えており、NHKはそのための研究開発を進めております。 手話CGの研究については、二〇一七年に気象電文から手話CGを自動生成する技術を開発し、その後、二〇二三年四月からインターネットで気象情報や災害情報などのある程度定型化された情報をお知らせする手話CGの提供を開始しております。二〇二五年十月からは、障害者のための防災情報サイトをリニューアルしまして、新たに手話CGの動画を付け、活用の場を増やしているところです。現在は、ニュース速報などの定型化されていない文章を手話に翻訳する技術、あるいは手話の伝わりやすさにとって重要な手の位置や口の形、動きを始めとした表現を再現する技術などの研究に取り組んでおります。今回のミラノ・コルティナ・オリンピック・パラリンピックでは、ハイライト番組などでそれらの成果を取り入れた手話CGを活用しました。 引き続き、手話翻訳などの技術の研究開発に取り組み、様々な番組での活用について検討を進めてまいります。
○小沢雅仁君 是非様々な番組でこの手話CG活用していただけたら有り難いなというふうに思います。とりわけ災害が発生したときに、やはり言葉が通じない外国から来日されている方々にとっては極めて生命線になるというふうに思いますので、是非そういったお取組もお願いしたいと思います。 時間が残されておりますので、もう質問はいたしませんが、質問しようと思っていました東日本大震災の教訓の継承と災害報道、NHKにおいては、NHK仙台において職員研修、東日本大震災伝承というような研修を、このリポートもちょっと見させていただきましたが、大変すばらしい研修をされております。 是非、当時震災を経験をされた方のみならず、震災後に入社した方も多くいらっしゃいますので、是非ともこういった研修をしっかり、体験した方々が、そのとき自分が何をできたかということが、また何ができなかったかということも伝えることも極めて重要だと思いますので、是非この研修しっかりと継続していただけるようにお願いをしたいと思います。 それと、私も老朽化の施設の質問をしようとしておりましたが、冒頭に質問出ておりました南海トラフ地震のみならず、もう既に半世紀以上もたっている老朽化したNHK放送局があるとお伺いしております。大地震で倒壊をしてそういう機能が失われることも可能性がありますので、是非とも老朽化した施設の早期建て替えをお願い申し上げまして、時間が参りましたので、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(吉川沙織君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十三分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(吉川沙織君) ただいまから総務委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、石田昌宏君が委員を辞任され、その補欠として加田裕之君が選任されました。 ─────────────
○委員長(吉川沙織君) 休憩前に引き続き、放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○奥村祥大君 国民民主党・新緑風会の奥村祥大でございます。 午後も是非皆さんと熱く議論を交わさせていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。 今、NHK、公共放送として成り立っているわけでありますけれども、諸外国を見ると、今まさに時代の変遷期にあるのかなということを思っています。例えば、今、午前の議論でもありましたけど、インターネットが主軸になってきたというところもあって、これまでの料金の徴収方法でよいのかというところが各国でも議論されているなというところを感じます。例えばドイツ、もう全世帯で徴収が始まったり、そうした動きがある中で、日本としてもこうした議論が必要だろうということを感じています。 国内でも、スクランブル放送にしようだとか、そうした議論もいろいろあるわけですが、こうした大きな議論は後続の齊藤委員に全て委ねたいということを思っておりまして、私からは、現行のこの公共放送で成り立っていると、その上で受信料の収入に大きく依存を今しているわけなんですが、この受信料、既に何度か近年も下がっていますけれども、更に下げられないのかなというところでちょっと議論をさせていただきたいと思います。 本日冒頭、井上会長からの御説明にも、副次収入など受信料外収入の増収確保にも取り組みますという御発言もいただいておったところでもあります。今、このNHKさんの来年度の予算見ると、受信料の収入が九五%を超えているということで、受信料の一本足打法というか、結構依存をしているというところなんですが、それ以外にも交付金、副次、財務、雑、特別収入等々があるという中であります。 一方で、放送法の第二十条四項、営利目的の禁止というものが規定と、文言としてありまして、こうした受信料以外の収入を伸ばしていくこと等には解釈の余地がいろいろあろうかなというふうに思います。 そこで、ちょっと総務省さんにまずここ確認をさせていただきたいのが、法的に、この営利目的の禁止というところ、この条文の意味するところを教えていただきたいと思います。
○政府参考人(豊嶋基暢君) お答えいたします。 NHKは、放送法に基づき設立をされた受信料を経営基盤とする特殊法人でございまして、放送法におきまして、その業務は営利目的で行ってはならないということが放送法第二十条の第四項に規定をされております。 ただ一方で、例えばNHKオンデマンドのようなサービスにつきましては受信料と別に料金の設定がされているわけでございますけれども、こういう業務の実施に当たって受益者から適正な対価を求めるということは、これは公平の観点から合理的であるということで、この範囲において放送法が禁じていることではないというふうに考えております。 その上で、このような業務の実施に当たりましては、受信料財源を毀損をし、本来目的とする放送等の業務の円滑な実施に支障を来さないようにNHKにおいて実施をすることが求められているものというふうに考えております。
○奥村祥大君 ありがとうございます。 適正な範囲であれば、こうした事業に関係する範囲で、もちろん民業圧迫等はしないという範囲でやっていってよいということかなというふうに理解をいたしました。 そこで、私が今回注目したいのは二つありまして、一つがまずNHKオンデマンドになります。これ、契約をすれば過去の作品含めて見放題になっていくということで、NHKの番組のファンの皆さんには大変有り難いものかなというふうに思っておるんですが、これ、直近、売上げ、三か年の推移で是非とも教えていただきたいと思います。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。 二〇二五年度、令和七年度の上半期は、大河ドラマ「べらぼう」ですとか連続テレビ小説「あんぱん」などの視聴が好調だったことや、アーカイブス番組の配信強化など利用促進施策によりまして、事業収入は前年度中間期比三億二千万円増の三十四億六千万円で、事業収支差金は六億一千万円でした。 直近三か年は、二〇二二年度事業収入が五十四億六千万円で、事業収支差金は二十二億七千万円、二三年度事業収入が五十八億一千万円で、事業収支差金は二十一億五千万円、二四年度事業収入は六十五億四千万円で、事業収支差金は九億円となっております。 二〇二六年、令和八年二月末現在、協会が利用者に直接提供するサービスの会員登録数はおよそ三百七十七万人を上回り、堅調に推移しているところでございます。
○奥村祥大君 商売の基本でありますけれども、売上げというのは単価とそれ掛ける契約数になろうかなというふうに思っておりまして、私の課題意識としては、単価設定が高過ぎるんではないかということをちょっと思っています。 例えば、動画配信サービス、大手になりますけれども、ネットフリックスであれば最低の一番スタンダードなプランで八百九十円、アマゾンプライムビデオは六百円という中にありまして、このNHKのオンデマンド見放題パックは九百九十円ということで、値付けが少々高いのかなということを感じています。 仮に、これちょっと値下げをして契約数が倍増は言い過ぎかもしれませんが、増えれば、その分総売上げは増えていくということで、NHKさんにとってもプラスなのかなというふうに私は考えがあるんですけれども。どういうふうに値付けをしてこの九百九十円というところに行き着いているのか、また今後この価格変えていくような余地はないのかというところを是非教えていただきたいと思います。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。 両社の、ネットフリックス、アマゾンプライムビデオのホームページによりますと、御指摘いただいたネットフリックスですとかアマゾンプライムビデオの料金、こちら広告付きのプランでございまして、現在のNHKオンデマンドの月額料金につきましては、市場調査を行いまして同業種の価格を参考に民業圧迫ということがないような水準の価格を設定しているところでございます。 なお、NHKオンデマンドは二〇二三年度末に繰越欠損金が解消しまして、これまで進められなかった配信システムですとかユーザーの使い勝手向上のためのインターフェースの改修、こういったことなどサービス拡充への投資を行っておりまして、持続可能で安定的な運営を目指している段階であります。 引き続き、より多彩なコンテンツを配信し、多くの方に御利用いただけるように取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○奥村祥大君 結局、その値段の改変というのは今議論に上がっているのかどうかという点、伺ってもよろしいですか。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。 繰り返しになりますけれども、まだ今はサービス拡充への投資を行っているという段階でございまして、持続可能で安定的な運営を目指すというような段階でございます。
○奥村祥大君 今後見直しの余地はあると思いますので、是非そこの辺りも検討いただきたいというふうに思います。 井上会長にも是非伺いたいと思いますけれども、冒頭申し上げたように、副次収入等を伸ばす中で、こうしたNHKオンデマンドというのも一つ伸ばしていく余地があろうかなというふうに私は思っているんですが、事業としてどのように伸ばしていきたいとお考えか、方向性、是非お示しをいただきたいと思います。
○参考人(井上樹彦君) お答えいたします。 このNHKオンデマンドのサービスの目的は、国民共有の財産であります放送番組を視聴者・国民の皆様に還元することだというふうに考えております。その収入はサービスの充実に充てるということを基本としておりますけれども、最終的に発生する事業収支差金は副次収入として一般勘定に現在も繰り入れておりまして、視聴者の負担増を抑制することにつながっております。 そうした観点からも、引き続きNHKオンデマンドのプラットフォームの成長に取り組んでいきたいというふうに思っております。配信番組の充実、それから外部プラットフォームとの連携、課金システムの多様化、NHKONEとNHKオンデマンドとの連携、こうしたことを更に推進しまして、サービスの拡充に努めて、NHKが培ってきたアーカイブスの価値の最大化を図っていきたいというふうに考えております。
○奥村祥大君 私は、NHKの予算、大体六千億円、これが縮減をする余地はあるのかも分からないんですが、仮に六千億で据え置いた場合に、その六千億をどう賄うのかという点を是非とも考えたいというふうに思っています。 受信料に今九五パー頼っているけれども、例えば今申し上げたようなNHKオンデマンドの売上げが伸ばすことによって受信料の割合を下げる、それがひいては国民の皆さんの負担が下がることにつながっていけばいいなという趣旨でございますので、是非ともコンテンツの充実、是非やっていただきたいというのと、価格設定であったり、あるいはどう売上げを伸ばすのかという点については是非とも御検討を進めていただきたいなというふうに思うところであります。 二つ目のところが子会社の関連になります。 NHKさんの資料等々をいろいろ拝見をすると、NHK本体とNHK子会社あるいは関連団体との取引が一定存在をするということでありました。 契約の方式として、随意契約と競争性の契約、競争入札等あるということは一般論としてあるわけなんですが、随意契約ですね、スピード感がある、あなたにお願いしますということでスピード感がある一方で、その分デメリットとして、金額が高いままになりがちというのがよく言われるところだと思いますが、そんな中で、子会社への、NHK本体から子会社の方に発注をして契約をしてお金を払うわけですけれども、この原資はもちろん受信料収入なわけですよね、九五パー依存しているので。そうなったときには、市場価格で取引をするのが本筋だろうということで、できる限り安い価格で契約を取っていく、これビジネスの基本でもあると思いますけど、そうなると、競争入札であったり競争性の契約が本来としては筋だろうというふうに私は思っています。 であれば、随意契約の割合を減らして競争入札の形が取られるべしというふうに私は思っているんですが、まず伺いたいのは、随意契約の割合、直近三か年、どう推移していますか。
○参考人(中嶋太一君) お答えいたします。 子会社などとの取引における随意契約の割合につきましては、二〇二二年度が九八・五%、二〇二三年度が九八・一%、二〇二四年度が九六・五%となっております。段階的に引き下げてはきているものの、更に取組を進めていかなければならないと認識しております。
○奥村祥大君 これ、一〇〇パー近いというか九割を大幅に超えている九八パーで、直近も九六・五パーということなんですが、これ、随分前から会計検査院等も指摘が入っている中でなかなか進んでいないということだと思うんですけれども、これ課題認識、是非伺いたいのと、あと、今年、来年度の予算からどういう対策していくのかというところ、手を打っているものを教えていただきたいと思います。
○参考人(中嶋太一君) お答えいたします。 随意契約の見直しにつきましては重要な課題であるというふうに認識をしております。今後、更に取組を進めていかなければならないと考えております。 御質問のありました対策につきましては、二〇二三年度から調達改革の部局横断のプロジェクトを立ち上げておりまして、随意契約の割合の引下げなどを目的といたしまして、一つ一つの契約について詳細な仕様の見直しを進めております。 二〇二四年度は放送設備関連などの競争契約化を実施し、さらに、二〇二五年度は人事、総務関係業務などを新たに競争契約に移行したものであります。二〇二六年度は競争契約化を更に加速させまして、随意契約の割合を八〇%台まで引き下げることを目指しておりまして、今後一層の取組を進めてまいりたいと考えております。
○奥村祥大君 ありがとうございます。 八〇%を目指していくということだったんですが、それでも国民の皆さんからすれば、なお高いのかなということを言われても仕方ないのかなと思うんですが、最終的にはこれ、どこの辺りまで、八〇%が一つのマイルストーンで置かれているということだと思いますけど、最終どこまで割合減らそうと思われていますかね。ちょっとこれ通告外なので、よろしくお願いします。
○参考人(中嶋太一君) お答えいたします。 今申し上げたとおり、随意契約の見直しは重要な課題でありまして、今後更に取組を進めていくということになると思います。先ほど申し上げた八〇%台というのは、今後目指していく、二〇二六年度に目指しているものでありますけれども、更に今後一層取組を進めていかなければならないと考えているところであります。
○奥村祥大君 何度も申し上げているとおり、競争入札等で価格を下げる、で、NHK本体から子会社に払う金額が減らせれば、それだけ支出が減る。つまりは、受信料で賄われているNHKの皆さんのそのお金が減るということは国民の皆さんの負担が減るということですから、是非ともここ、ちゃんとやっていただきたいなということでありまして。 続いて、契約体系のお話と、続いて、関連して子会社のガバナンス強化。やはり急務だなと思っておるわけなんですが、子会社の関連団体においては売上げを上げてもらって、NHK本体に配当なりなんなりの形でお金を回してもらえたら、それは私はいいことだなというふうに思っておりますが、一方で、NHK本体にどれだけ売上げを依存をしているのかなということをちょっと気にしておりまして、子会社、あるいは関連団体全部でも構わないです、その子会社が、売上高、全部の売上高の何%程度がNHK本体との取引なのか、教えていただけますでしょうか。
○参考人(根本拓也君) お答えいたします。 令和六年度、二〇二四年度決算におけます子会社の売上高に占めるNHKとの取引は六八・六%となっております。
○奥村祥大君 六八・六%、これ非常に高いと思っているんですが、これ、直近、基本的にはこの数値ということで間違いないですかね。
○参考人(根本拓也君) お答えいたします。 令和四年度が七〇・八%でありまして、令和六年度は六八・六%というふうに推移してございます。
○奥村祥大君 昨年、会計検査院が、NHKの子会社から計五十六億円、NHK本体に繰り入れる臨時配当可能じゃないかというような指摘がございました。近年でも、子会社の利益剰余金の一部を親会社であるNHK本体に臨時の配当である特例配当というような形で還元をされているというふうに承知をしております。 この子会社の利益剰余金、直近三か年、幾らくらいなんでしょうか。
○参考人(根本拓也君) お答えいたします。 子会社の利益剰余金の三か年の推移でございますが、令和四年度、二〇二二年度末が一千四十五億円、令和五年度、二〇二三年度末が一千三十億円、令和六年度、二〇二四年度末が一千五十億円となっております。
○奥村祥大君 済みません、もう一度お願いしてもいいですか。
○参考人(根本拓也君) お答えいたします。 利益剰余金、子会社三か年の推移でございますけれども、令和四年度、二〇二二年度末が一千四十五億円、令和五年度、二〇二三年度末が一千三十億円、令和六年度、二〇二四年度末が一千五十億円、以上でございます。
○奥村祥大君 ありがとうございます。 先ほど、売上げの子会社等の割合聞きました。大体七割程度、七〇%等がNHK本体との契約に依存をしているということだと理解をしました。 NHK本体の原資、何度も申し上げますけれども、受信料負担ということで国民の皆さんの負担で賄われているわけですから、国民の皆さんのおかげのお金をNHK本体が集めて、それが子会社と契約しているわけですね。そのうち、子会社の売上げの七割が本体との契約ということは、そこも、基本的には子会社の売上げの七割も受信料収入によって成り立っているというようなことも言えるのかなというふうに思います。 今伺ったところ、利益剰余金が令和四年一千四十五億、その後一千三十億、その後一千五十億ということかと思いますけれども、つまりは、受信料を払う我々のお金がそのまま子会社にどんどんどんどん積もっていると、利益剰余金として膨れ上がってきているということかと思います。であれば、やはり特例配当等の形でNHK本体に還元をして、もってNHK本体の受信料下げていくというような取組を進めるべきだというふうに私自身は考えるわけであります。 是非ともこの点、井上会長にお伺いをしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○参考人(井上樹彦君) お答えいたします。 子会社の配当につきましては、関連団体運営基準によって配当方針を定めておりまして、原則として、当期純利益の五〇%相当額を下限とし、その事業計画上の純利益を上回る場合はその八〇%を配当に充てるというふうにしております。 さらに、経営、資金両面で比較的安定している子会社につきましては、関連団体の維持、発展に必要な内部留保を除いた剰余金を原資とし、特例的な配当を計画的に実行することとしております。子会社の財務の健全性の確保を前提に、今後、NHKの収支状況を踏まえて、子会社に特例的な配当を要請していきます。 子会社は、NHKの業務を補完、支援することを基本としております。NHKが事業支出の大幅な削減に取り組む中、子会社には効率的な業務遂行による経費の削減や受信料外収入の拡大による財政貢献等を求めてまいります。
○奥村祥大君 今、売上げ何%かという話とこの利益剰余金のお話をさせていただいたわけです。やっぱり私は、本体、NHK本体に七割依存というところがもっと下がって、もっと子会社としても独立性を持っていく、売上げを上げていくような仕組みが必要だと思いますし、おっしゃっていただいたように、この利益剰余金が一千億円を超えているというのは、それ我々国民の負担で一千億円プールがされているようなものなので、ここの改革、絶対的に必要だと思います。 長年外部からの会長が来ていた中で、生え抜きの井上会長というのが今回誕生されて、是非とも、この子会社のガバナンス強化であったり改革には是非とも目を配って取り組んでいただきたいというふうに思っているんですが、こうした子会社への思いみたいなもの、井上会長からお伺いしてもよろしいでしょうか。
○参考人(井上樹彦君) 剰余金のことについてなんですけれども、令和六年度末の子会社の利益剰余金、先ほど説明がありましたけれども、一千五十億円となっております。実は、この中には子会社の運転資金、それから放送機材、社屋などの事業維持に必要な資産、あるいは特定の目的のための積立金などが含まれております。利益剰余金のうちこうした積立金などを差し引きますと、特例配当できる金額は五十四億円となります。今後、NHKの支出の状況を踏まえて、子会社に特例配当を要請していきたいと考えております。 NHKグループ全体として、受信料の負担の軽減、あるいは副次収入の増収等、一体となってこれから取り組んでいきたいというふうに考えております。
○奥村祥大君 五十四億円程度は配当金としていけるんじゃないかということだと思いますので、是非とも、そういったもの、本体への還元というのは是非ともやっていただきたいと思います。 今日、NHKオンデマンドというところと子会社のところで受信料の低減というところのお話をさせていただきました。冒頭申し上げたとおり、井上会長のお言葉でもありました、副次収入など受信料外収入の増収確保にも取り組みますということをいただいていますけれども、私が取り上げた二つ以外にも、もしお考えとしてあれば伺っておきたいと思います。
○参考人(井上樹彦君) お答えいたします。 NOD、NHKオンデマンドは、NHKにとりまして、アーカイブスという財産を最大限最大化して活用していくという意味では、非常にこれから受信料外収入として期待しているところでありますし、今日の御議論の中でも出ましたけれども、外部プラットフォームとの連携、あるいは国際展開、NHKの財産である質の高いコンテンツを存分に生かした、そうした受信料以外の収入の確保という道は十分広がっているんじゃないかというふうに思っておりまして、そういったところを今後具体的に展開戦略を詰めていきたいというふうに考えております。
○奥村祥大君 受信料収入に九五%依存をしているというこの体質を、放送法の範囲内で、抵触しない範囲で私はやっぱり増やしていくということが大事だと思っていますので、是非今おっしゃっていただいた点も含めて取り組んでいただきたいということと、受信料は国民の負担であるという点がやはり非常に重要だと思います。 今、物価高の中で、苦しい中でこのお金を払うのも結構きついと、これがあればもっとほかのことに充てられるという方々たくさんいらっしゃるわけなので、この金額が減れば減るほど国民の皆さんにとってはもちろんいいことだと私は思いますし、一方で公共放送としてのNHKの存在というのも同時に大事だと、この両立のバランスだと思っていますけれども、下げられるものなら私は受信料下げていきたいというふうに思っていまして、最後に、この受信料を、在り方、まあ下げる方向に私は持っていきたいと思っていますけれども、今が適正だと思っていらっしゃるのであればそれでも構いませんし、是非とも会長から受信料に対するお考え、お伺いをしたいと思います。
○参考人(井上樹彦君) これは冒頭の発言でもお伝えしましたけれども、コンテンツを中心とするNHKの事業の根幹は受信料制度というものにあるというふうに考えております。今後、ネットの拡大とメディア環境あるいは視聴スタイルの拡大、変化は非常に大きいと思うんですけれども、そういう中で、放送でも配信でもNHKのコンテンツの価値をより強めて、この受信料制度を今後も持続可能な制度として取り組んでいきたいと、継続のために取り組んでいきたいというふうに考えております。
○奥村祥大君 様々ありがとうございました。 是非、井上会長の下、改革進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。 本日はありがとうございました。
○佐々木雅文君 公明党の佐々木雅文でございます。 初めに、新しい体制での御出発に祝意を申し上げる次第でございます。 令和八年度のNHK予算の考え方につきまして、まず原則的な部分からお話を伺いたいと思います。 事業運営計画では、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすることが究極の使命であると規定をされていまして、そのうち一つが情報空間の参照点の提供、また二つ目に信頼できる多元性確保への貢献というふうに掲げていらっしゃいます。 これは、具体的にこの八年度予算の中でどのように実現をしていくものなのか、初めに見解を伺います。
○参考人(井上樹彦君) お答え申し上げます。 NHKは、現在の経営計画におきまして、情報空間全体の健全性の確保、多元性の確保を目指しておりまして、メディア産業全体のために外部との協調、連携を進め、貢献するということを二つの基軸として打ち出しております。 メディア環境が急速に変化する中、デジタル化の加速で利便性が高まる一方、偽情報、誤情報などが蔓延しています。正確で信頼できる情報を提供すること、多様な価値観を尊重し、情報空間の健全性を確保することがNHKの重要な役割だと考えています。 時代や環境が変わろうとも、公共放送、公共メディアとしての根幹は、豊かで質の高いコンテンツにあると考えています。正確で信頼できるニュース、多彩な番組、必要とされる情報を提供することで、健全な民主主義の発展に貢献していきます。 二〇二六年度予算におきましても、NHKは、フェイク情報対策、検証報道の強化などを通じまして、正確で信頼できる社会の基本的な情報を発信し、情報空間の参照点としての役割を放送とネットの両面で果たしてまいります。 また、全国ネットワークを生かした地域発コンテンツの充実、還元目的積立金を原資とした放送ネットワークの効率化に向けた取組、メディア産業全体の人材育成支援等の施策を組み合わせることで、信頼できる多元性の確保に貢献してまいります。 正確で信頼できる情報を提供することや情報空間の健全性を確保することはNHKの重要な役割と考えておりまして、しっかり取り組んでまいります。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。 そうした使命やビジョンを実現していくことは大変重要なことだと思いますし、また必要とされていることだとも思います。 そうすると、特に中核たる取組としては、この報道取材をいかに充実化させていくことではないかというふうに考えます。民間だけでは捉えることができない小さい声であったりとか、また多様な実情を広く社会で共有していくことこそが公共放送の意味だと思います。そして、それができないのであれば、存在理由を失うと思います。 この点、今回の予算の内訳を拝見すると、報道取材費はやや減少しているように思えます。効率化を図ったり、適材適所な配置をしたりすることが背景に、一因としてはあるのだと思います。それであればなおのこと、そうした効率化で得られた財産的余力や人的資源を報道体制への予算配分に強化すべきではないかと思います。 来年度の報道取材費に関する予算計上の背景や根拠についてお伺いをします。
○参考人(中嶋太一君) お答えいたします。 報道取材費の二〇二六年度予算は二百三十億円でありまして、前年度に対して七億円の減となっております。これは、前年度予算には参議院選挙の取材放送経費が入っていたためでありまして、これを除くとほぼ同額ということになります。 二〇二七年度の収支均衡に向けまして、国内放送費全体では予算を削減している部分があるわけですけれども、報道取材は、今御指摘がありましたとおり、NHKの中核、根幹でありますので、予算規模を維持しているということであります。 二〇二六年度予算につきましては、自然災害の多発、激甚化に対し、命と暮らしを守る報道を深化させること、それから、フェイクニュースなどの課題に対応するとともに、情報空間の健全性に貢献することなどに重点を置いて予算を編成しております。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。 先ほど来ありますとおり、今、SNSやネットメディアでの情報を得ることが当たり前になっている社会になっています。ただ、そうした情報の基礎となっていたり、また前提となっていたりする一次情報の獲得においては、その規模であったり体制については報道機関の優位性は変わらないと思います。そうした情報があるからこそ、その次の段階における各媒体での情報配信が可能となると思いますが、だからこそ、客観的な裏付けを得るための報道取材の充実化を図ってもらいたいというふうに思います。 そうした意味でも、取材に円滑に協力いただける環境整備も必要なのではないかというふうに思います。これは報道だけに限らず、その他の番組制作に当たっても関連することだと思いますが、例えば、取材対象者であったり、取材の前提となる事実関係や知見を確認するために情報提供を求めたりする場合に、名目のいかんを問わずに報酬などを支払っているようなことはあったりするのか、また、そうした協力をしていただいた方々に、情報のみを利用したりするなどで終わってしまうと、いわゆるただ乗りといいますか、フリーライドに終わってしまうような状況に陥っているような状況が発生していないかどうか、その点をお聞かせください。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。 日々の取材におきまして、通常、取材の対象者に謝礼をお支払いするということはございませんけれども、ニュース番組への生出演といった負担をお掛けした場合には社会常識の範囲でお支払いすることもあり、個別に判断しているというところでございます。 NHK放送ガイドラインでは、取材相手との関係につきまして、節度ある距離を保たなければならないとした上で、相手の利益を図ったり、癒着と受け止められる行動を取ったりしてはならないと定めております。 取材協力者への謝礼の支払につきましては、こうした原則に照らして、社会的な受け止めなどを考慮するとともに、取材協力者との間で認識のずれが生じることのないよう、今後も適切に対応してまいります。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。 今のお話にもありましたとおり、当然、距離感というのは大切になってくると思いますし、反面、相手の方の協力があってこそ成り立っている部分もあると思いますので、そうした部分でのきちんとした同意を得るとか合意を得るというふうなこともきちんと積み重ねていっていただければと思います。 次に、情報を発信していく面に関してのお伺いをしますが、国際放送についてお伺いをします。 ある意味では、他国からの視線や視点も考慮しないといけないわけですが、国内向けの放送と異なって国際放送はどういった位置付けになるのか、その所見を伺います。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。 NHKは、国際放送の番組編集に当たりまして、放送法に基づいて国際番組基準というものを自ら定めております。このうち、事実を客観的に取扱い、事実を報道すること、人権の尊重などは国内放送向けの国内番組基準と共通しているものでございます。これに加えまして、国際番組基準には、日本に対する理解を深めることや、我が国の重要な政策及び国際問題に対する公的見解並びに我が国の世論の動向を正しく伝えるということなど、独自の基準も含まれております。 世界で分断と対立が深まり不確かな情報が拡散する中で、NHKの国際放送は、取材に基づく公平公正な情報を日本から世界に発信し、国際社会における相互理解を深め、平和で持続可能な世界の構築に貢献していく重要な役割を担っているものと考えております。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。 今のお話も踏まえまして、この放送法の六十五条一項から三項にかけては国際放送の規定があります。これは総務大臣が要請して行う場合があるというふうにありますが、電波監理審議会の答申を踏まえて八年度の要請もされておりますけれども、海外への情報発信というのは、今もお話ありましたけれども、具体的にどういった戦略を持って構築しているのか、その点も所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 国際放送につきましては、我が国に対する認識、これを培うことによりまして国際親善の増進を図るなど、重要な役割を果たしていると考えております。 こうした観点から、NHK令和八年度収支予算等に付した総務大臣意見におきまして、我が国に対する正しい認識、理解、関心を培い、普及させるとともに、国際交流、親善の増進、経済交流の発展、地方創生の推進、在外邦人の安全確保、国際社会における我が国のプレゼンス向上等に資するよう国際放送のより一層の充実強化に努めることなどをNHKに求めておるところでございます。 また、総務省といたしましては、この先ほど申し上げました国際放送が果たしている役割、これを踏まえまして、放送法に基づき、電波監理審議会に諮問の上、国の重要な政策、邦人の生命、身体等の保護等に関わる放送事項や放送区域などを指定して、毎年度国際放送の実施を要請してきております。 NHKにおいては、公共放送としての社会的使命を十分に踏まえ、引き続き国際放送を適切に実施していただきたいと考えておるところでございます。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。 今お話ありました二月二十四日付けの大臣の御意見にも、視聴態様等の検証を踏まえた効果的なリーチ確保とコスト削減ということも付されていますが、具体的に今後どのような検証がされるのか、また予定があるのかということについてもお聞かせください。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。 NHKでは、国際発信の効果を客観的に検証するため、重点地域と位置付けましたアメリカやアジアなど七か国でインターネットによる国際戦略調査を二〇一五年度から毎年実施しております。調査では、NHKの国際放送への認知度、接触度、日本への理解度などを測定しまして、調査結果を基にニュースや番組の改善、編成の見直しなどの参考にしております。また、調査概要は四半期業務報告でも公開しております。 このほか、世界五十九の国と地域に住むおよそ二百人の番組モニターからの評価、国際放送の公式ウェブサイトですとかSNSへのアクセスなどの分析を通じまして、視聴者のニーズの把握に努めております。 こうした結果を踏まえて、効率的な配信網の整備ですとか見直しを進めるなど、効果とコストの両面を意識して国際放送の発信強化に取り組んでまいります。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。 今大臣から、またNHKさんからもありましたけれども、まさに国際放送は、公開情報として日本が何を伝えようとしているのか、また日本が国際社会においてどういう位置を、ポジションを目指すのかということを知らしめていく要素もあると思いますので、より効果的な発信、伝え方ができるように、より一層の工夫を重ねていっていただきたいというふうに思います。 次の点に行きます。私も受信料についてお話を伺いたいと思います。 受信料については、公平に徴収するという観点から、未払分をどのように減らしていくかという取組もこれまで行ってこられていると思います。先ほどもお話ありましたとおり、十分に対応していただくことが難しい場合は、法的手続として支払督促も活用されているということです。 昨年は受信料特別対策センターも設置をされて、この部分の業務を担っていると思いますけれども、現状の支払督促の申立て状況や訴訟移行の状況、また最終的な解決の状況について御教示をください。
○参考人(小池英夫君) お答えいたします。 これまでに申し立てた支払督促の総数は、二〇二五年度、十二月末で累計一万二千三百七十七件となっており、そのうち一万一千九十七件が解決済みでございます。異議申立てにより訴訟に至った件数は五千九十八件で、百四十六件が現在も係属中となっております。 申立てにつきましては、コロナ禍を受け訪問活動に制約が生じたことなどによりまして抑制した時期もありましたが、未収の数の増加に歯止めを掛けるため、今年度からは拡大を図っているところでございます。 NHKとしては、受信料制度の意義や公共放送の役割について誠心誠意丁寧に御案内し、民事手続に至る前に御理解をいただけるように最大限努めてまいります。
○佐々木雅文君 民事手続、法的手続に移行すると、どの段階になったとしても印紙代含めて申立ての手数料も掛かるわけでありますけれども、仮に本訴移行としたとしても簡裁事案が多いでしょうから、可能な限り組織内で対応してもらって、法的手続に係る経費も抑えていく中で費用対効果を是非高めていく必要があるのかなと思います。 その上で、そのほかの手続も含めまして発生している営業経費があると思います。受信料収入に対する営業経費の割合、決算ベースで近年八%台で推移をしていますけれども、本年度と来年度、予算ベースでは少し上昇をして九%台後半になっています。営業経費の変動要因や、今後の対策、目標数値の設定について所見を伺います。
○参考人(小池英夫君) お答えいたします。 二〇二六年度予算の営業経費は、システムの更新や文書施策の拡充などにより、前年度予算と比べて十七億円増加の五百九十一億円としております。受信料収入に対する営業経費率は九・九%を計画しています。営業経費率は、巡回型訪問営業の縮小に伴って訪問に係る手数料が大幅に削減されたことにより八%台となりましたが、二〇二三年十月に実施した受信料値下げの影響などにより分母となる受信料収入が減少したことや、郵便料金の値上げなどによる固定的な経費の増加もあり、現在は九%台となっております。 事業運営に必要な受信料収入の確保のためには、一定程度の経費が必要ではありますが、施策効果の最大化などに向けて取り組むとともに、既存業務の見直しといった間接費の削減にも努めて、可能な限り効率的な営業活動を目指していきたいと考えております。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。 ちょっと時間の都合で、次の副次収入の点は少し省略させていただいて、その次の財務収入、特別収入の点について伺いたいと思います。 特別収入の内訳は保有する固定資産の売却等があるかと思いますが、こうした売却物件については、その対象や時期の判断基準はどのようにされているのか、また、業者が媒介している場合はその業者の選定はどのようにされているのか、その点、それぞれ伺います。
○参考人(中嶋太一君) お答えします。 NHKでは、老朽化や用地の移転などで事業用として使用しなくなった放送会館、あるいは世帯寮、それから放送所などの固定資産につきましては、物件の安全性の問題や維持経費などの観点から、計画的に売却をしているところであります。 公共放送としての取引の透明性を確保する観点から、売却は規定に従いまして一般競争入札で行っております。媒介する業者につきましても、購入の当事者となり得るような不動産業者ではなくて、取引の中立性などの観点から信託銀行を選定しているところであります。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。 続いて、財務収入についても伺います。 受取利息は預貯金関係で、配当金は子会社、関連会社からの配当になっているかと思いますが、保有する資産について運用する体制とかはあるものなのか、そういう体制があるのであれば、そこからどのような運用益が発生しているのか、把握している限りで結構ですので、教えてください。
○参考人(中嶋太一君) お答えいたします。 保有する資産につきましては、国債や地方債、事業債などの債券や定期預金などによる運用を行っております。その源泉が受信料であることを踏まえまして、運用につきましては安全性の確保を最優先として取り組んでいるところであります。 二〇二五年度の運用利息、運用益は、中間期におきまして十六億円、平均利回りは〇・四九%となっております。これは、購入した債券は原則満期保有として運用していて、低金利時代に購入した債券も保有しているため、現在の市場金利に比べて平均利回りは低くなっております。 今後は、還元目的積立金の取崩しなどによりまして資金量は減少していきますが、金融情勢の把握に努めまして、安全性を確保しながら適切に運用してまいりたいと考えております。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。是非、適切な今後も対応をお願いをしたいと思います。 支出の点についてもお伺いをしたいと思います。 外部との協調、連携も掲げていて、共存共栄のための外部制作比率の確保や、人権、ビジネスの観点の取引も含めて、取引の透明化、公正性の確保ということを掲げています。 その上で、中小企業庁の昨年九月の価格交渉促進月間フォローアップ調査の結果では、放送コンテンツ業界は三十業界の中で下位にあって、価格転嫁が進んでいないという状態があります。これはNHKさんも含まれている部分かと思いますけれども、このNHKにおける制作会社さんとの価格転嫁、適正化進んでいるのかどうか、状況をお聞かせください。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。 NHKでは、価格交渉、価格転嫁の促進につきましてグループ全体として取り組んでおります。全局的な説明会を継続的に開催し、公正取引委員会の指針について周知しているほか、価格転嫁の状況に関する自主点検を行い、課題が確認された場合には、その都度改善に向けた対応を指示しております。 御指摘の中小企業庁による価格交渉促進月間のフォローアップ調査結果、こちらは直ちに協会内で共有し、改めて適切な価格交渉、価格転嫁を進めることを指示いたしました。今後も定期的に取組状況を確認し、適正な取引が行われるよう対応に万全を期す所存であります。 番組制作会社を始め、全ての取引先は公共放送を共に支える大切なパートナーでございまして、今後もNHKグループとして適正な取引を進めてまいります。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。是非これもお願いをしたいと思います。 済みません、時間の都合で、少し今の部分に関する質問を省略させていただいて、還元目的積立金について伺います。 意義付けとしては、先ほどもありましたけれども、視聴者の将来負担の軽減につながる先行支出ということになっていて、今回、メディア産業全体への貢献の一環として、総務省が設置する官民協議会に参画をして、そのプランを踏まえて基金に百億円を拠出というふうにあります。 この協議会は、実写のコンテンツ展開力強化官民協議会となっていますけれども、海外展開も目的とされていますが、ドラマなどの実写コンテンツがアニメなどの実写ではないコンテンツに比べてどの程度の成長の余地を見込んでいるのかという点を御教示ください。
○政府参考人(豊嶋基暢君) 我が国の実写コンテンツの海外展開につきましては、近年、我が国の放送番組の海外輸出額、過去四年間で全体として約一・二倍、このうち特にドラマの分野については約一・五倍に増加をしている状況がございます。さらに、配信プラットフォームにおける特にアジアのドラマの実写コンテンツの人気、これは最近急速に伸びているということも踏まえますと、将来的な成長の余地が極めて大きいものと考えております。 ドラマなどの実写コンテンツの制作力の強化と海外展開の促進などの方向性等具体策を検討するため、現在、官民協議会を開催しておりまして、その具体的な手法について議論を進めているところでございます。
○佐々木雅文君 アニメコンテンツは経産省さん所管かと思いますが、既に先行して進んでいる部分でもあると思いますので、一定のノウハウを共有していく中で是非展開を進めていただきたいと思います。 済みません、ちょっと時間の関係で、最後の質問に行きたいと思います。NHKさんの組織体制について伺います。 執行機関としての役員の方々とは別に、最高意思決定機関として経営委員会があります。この経営委員会の皆さんが毎年度の予算、事業計画などの経営に関する基本的な方針等を策定されているかと思いますが、その上で、そうした予算や計画を執行し、対外的にNHKを代表するのは、執行機関である役員また会長になられると思います。 役員が執行上の責任を負うのは当然として、経営委員会という組織は、自身が策定した予算や計画の内容の是非とか、また執行役員が忠実に執行をしたとしても妥当な結果が生じなかった場合の経営責任は負っているのかどうか、法文上、ちょっといまいちこれ明らかじゃないというか、明瞭でないというふうに私自身はちょっと思っていて、その点、総務省さん、またNHKさん、それぞれ所見を伺いたいと思います。
○委員長(吉川沙織君) まず、豊嶋局長。
○政府参考人(豊嶋基暢君) 経営委員会は、会長を始めとするいわゆる執行部から独立をし、役員の職務の執行を監督する機関として設置をされております。 その職務につきましては、放送法に基づき、NHKの経営に関する基本方針などの議決や、会長を始めとする執行部の職務執行の監督とされております。経営委員は、原則として協会の業務を執行することができないということが併せて規定をされております。 このことを踏まえますと、経営委員会については、放送法に基づき、執行部との適切な役割分担の下、その職務に関する責任、先ほど申し上げたとおり、具体的には執行部の職務執行の監督、そういうことなどの職務に関する責任を負っているものと考えております。
○委員長(吉川沙織君) 次に、日本放送協会経営委員会古賀委員長。
○参考人(古賀信行君) 議員御指摘のところでございますけれども、法文上の解釈は別にいたしまして、私自身、経営委員会を運営するに当たってどう考えているかを申し述べさせていただきます。 執行部は執行部でちゃんとやっているわけです。ただ、執行部をやっている弱みというのもあります。逆に、経営委員会は、執行は担っちゃいけないと今ありました。やっぱり執行を担っていない強みというのがあるはずです。執行をしている人は、やっぱり執行しやすいように、やすきに流れるというのが世の中の常識だと思います。経営委員会は、執行をしていない強み、これはしていないがゆえに言えることがあると思います。したがって、経営委員会では極力何でも言ってくれというスタイルを貫徹しようと思っております。 ただ、経営委員が言ったことをそのままやれというのは、これは間違いだと思います。その間違いを正すためにも、より良くなるために意見はたくさん言う、それを執行部がきちんと受け止めて執行に生かす、こういう運営ができていけばNHKは良くなると、このように感じております。
○佐々木雅文君 分かりました。是非、今後ともその両者の監督とそして執行というバランスを取りながら、より良い形を目指していただければと思います。 以上で終わります。ありがとうございます。
○岡崎太君 日本維新の会、岡崎太でございます。 冒頭、ちょっと嫌事から入らなあかんのですが、NHKの職員がわいせつ行為をしたということで、三月五日、不同意性交の疑いで逮捕されたということが報道に出ておりました。後に、三月二十五日、東京地検は不起訴処分をしたというように伺っております。 ただ、これ、報道されたようなことが本当にあるということであれば、極めて遺憾な話であり、国民の信頼を大きく損なうものであるというのは誰もが思うことではないかというように考えるのですが、NHKは、もう今ずっと言われていたとおり、国民の皆様からお支払いいただく受信料を基に運営される公共放送ということであります。NHKを視聴するにかかわらず、放送法はテレビ等の受信設備を設置した世帯や事業所に受信契約の義務を課しており、NHKは国民の皆様に支えられて成り立つ組織であるということであります。 ということであれば、個々のこういった事案だけではなくて、そもそもNHKの運営するに当たって、いろんなところで、制作とか放送で様々な業者間の取引もありますし、そういうことであるがゆえ、公共放送である以上、職員の一人一人、それから組織としても高い倫理観とコンプライアンスが求められるものというふうに考えております。今回の事案を重く受け止めていただいて、国民の信頼を損なうことのないよう、改めて組織として緊張感を持って対応していただきたいというように思います。 それでは、質疑に入ります。 令和八年一月二十五日、稲葉前会長の退任に伴いまして、新たに井上樹彦氏が会長に就任されました。井上会長は、昭和五十五年四月にNHKに入局したと。報道局取材センター部長などを歴任されて、長年にわたり報道の現場で経験を積んでこられました。 NHK会長は、平成二十年一月に就任したアサヒビール出身の福地茂雄氏以降、前会長の稲葉氏まで六人連続で外部から登用されてきたということであります。今回、NHK内部出身者が会長に就任するのは実に十八年ぶりということでございますけれども、現場を知っていて組織の内側を熟知した会長の誕生に、これ職員の中でも期待が寄せられているということであるんではないかなというふうに考えます。 現場で一生懸命働いている一人一人の思いに耳を傾けて、率直に意見を交わせる風通しの良い組織を築いていくこと、ここで重要になるのではないかと思いますが、その上で、内部出身としての経験と信頼関係を基盤に、それらをどのように組織運営に生かしていこうとしているのか、会長の所見をお伺いいたします。
○参考人(井上樹彦君) お答えいたします。 私自身は十八年ぶりの内部出身の会長であるということを殊更意識しているわけではありませんけれども、会長就任以来、職員あるいは関連会社の社員に対して、NHKグループの全役職員がチームNHKとして一つのチームとなり、総力を挙げて様々な課題に取り組んでいくという必要があると繰り返し訴えているところであります。 その際、委員御指摘のように、率直に意見を交わすことのできる風通しの良い組織づくりは重要だというふうに思っております。このため、地域放送局や番組の制作現場などに積極的に足を運んで、職員の声を直接聞く取組を既に始めておるところであります。 私は、NHKの価値の源泉は、何よりコンテンツ、番組そのものにあると考えております。質の高いコンテンツを安定的に生み出すことができる、そんな組織にしていきたい。そのためには、まず職員が安心して業務に専念できる職場環境を整えるということが重要でありまして、これがまず経営として果たすべき役割だというふうに考えております。
○岡崎太君 ありがとうございます。 チームNHK、いいですよね。要は、優れたコンテンツというのは、普通の物を売る会社でいえばいい商品を作るということだと思いますので、是非ともいい商品を提供していただくということに尽力していただきたいというように考えます。 それでは、ちょっと話変わりまして、渋谷のNHK放送センター、これ施設の老朽化ということでございますけれども、令和三年五月から建て替え工事が進められているということであります。令和六年十月末に、国内や海外に向けた報道と情報発信の新たなる拠点となる情報棟が完成したということです。 情報棟は令和八年度前半に本格運用が開始される予定というふうに承知をしておるんですけれども、この建て替え工事なんですが、視聴者の皆様が、これも受信料というものを当然ながら原資として進められているものであります。それゆえ、この新たな施設の整備、これによってNHKの放送やサービス、先ほど言ったコンテンツもきっとそうでしょう、がどのように向上していくのか、また、受信料による負担がどのような形で視聴者に還元をされていくのかについて、丁寧に説明、分かりやすく丁寧に説明していくということが重要だというふうに考えるんですが、そこで具体的には二点お伺いをいたします。 まず一点目ですが、情報棟の建設には総額でどの程度の費用が掛かったのか示していただきたいというのと、二点目です、情報棟の本格運用によって、NHKの放送や番組制作の体制、これがどのように変化が生じて、視聴者にどのような効果がもたらされると考えているのか、この説明の方をよろしくお願い申し上げます。
○参考人(中嶋太一君) お答えいたします。 一点目の情報棟の建設費につきましては、建物の建築費、あるいは設計監理料、電源設備費の総額で六百五十七億円というふうになっております。平成二十八年八月の計画公表の時点では想定建設費を六百億円というふうにしておりましたけれども、主として賃金あるいは物価の変動によるインフレスライド条項に基づいて契約金額が増加をしております。 続いて二点目ですけれども、情報棟は免震構造を採用し、首都直下地震などの大地震の発生時も機能を維持できるようにしております。BCP対策にも万全を期し、自家発電設備の整備や燃料の備蓄など、いかなるときも視聴者・国民の皆様に命と暮らしを守る放送や配信を届け続けられるように強化をしております。 さらに、ニュースセンターやラジオセンター、国際放送、それからインターネット配信など、分散をしておりました機能を集約いたしまして、IP技術など最先端技術を取り込みながら、コンテンツの制作、発信機能を強化することによって視聴者サービスの向上につなげていくというふうに考えております。 委員御指摘のように、費用が受信料で賄われているということを重く受け止めて、コストの抑制にも取り組みながら計画を進めてまいりたいというふうに考えております。
○岡崎太君 ありがとうございます。 やっぱり、六百五十七、決して安い金額ではないと思いますし、受信料で行われているという以上、やっぱり無駄のなく、しかも有効な活用というものは、これ建てた以上、必要だということでございますので、よろしくお願いを申し上げます。 次に、災害時の大阪放送局の役割についてお聞きをいたします。 地震とか台風の大規模災害、それから国民生活に重大な影響を及ぼす非常事態が発生した際、正確かつ迅速な情報を届けるということは、公共放送であるNHKに対して国民が最も強く期待する役割と、一つであるというように考えます。 とりわけ、災害時の情報は人命や暮らしを守る上で欠かすことができないというように考えるんですが、近年は災害時にSNS上で、先ほども話題に出ていました偽情報とか誤情報というものが拡散していくというのがあります。人々の不安とか混乱を招くケースというのももう見られました。実際に能登なんかのときもありましたね、ということであります。 こうした状況の中で、信頼できる情報源としてNHKが正確な情報を迅速に発信するという役割は、むしろこれまでよりも大きくなっているんじゃないかなという部分があります。 首都直下型地震などによって渋谷の放送センターが機能が停止した場合に備えて、大阪放送局が代替拠点として役割を担うことが想定されていると承知をしておりますが、大阪放送局では、東日本大震災以降、ニュース制作設備や送出設備などの整備が強化されまして、衛星放送を活用して全国への放送を維持する体制が整えられたというように聞いているんですが、そこで伺います。 衛星放送の活用に加え、NHKの必須業務となったインターネット配信サービスも含め、情報提供手段の多重化を図っていくということがこのNHKにとって重要であるというように考えるんですが、インターネット配信についても大阪放送局から対応できる体制になっているんでしょうかというのと、あわせて、災害時における大阪放送局の役割とその体制強化に向けたNHKの取組について説明をお願い申し上げます。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。 東京渋谷の放送センターは、阪神・淡路大震災クラスの震度七の地震でも機能を確保できる耐震性がありますけれども、万が一放送センターから放送が出せなくなった場合、大阪放送局から衛星放送を使って全国に向けた災害報道を発信し、その放送を各地の放送局ですとか放送所を通じて総合テレビやラジオなどに流すことにしております。このため、大阪放送局では、ニュース制作、送出機能、これを強化しておりまして、生字幕放送ですとか英語放送の機能を整備しております。 お尋ねのインターネット配信につきましても、大阪放送局でバックアップ体制を整えているほか、NHKONEの報道サイト、ニュース・防災アプリの制作は、平時から本部だけではなく大阪放送局にも要員を配置しており、東京から発信できなくなっても大阪からの発信が可能となっております。 情報棟への移転後は、耐震性がより向上し、首都直下地震の被災地である関東地方にもテレビやラジオを出し続けるということができる想定になっておりますけれども、それでも万が一に備え、大阪放送局からバックアップができる機能や体制は維持することにしております。
○岡崎太君 ありがとうございます。 これ、平時から即座にって結構重要だと思うんですね、BCP機能を発揮するときに。我々も、今、副首都について与党自民党さんといろんな話合いを持たせていただいておりますけれども、NHKさんのこの体制というのは、きっかけになるときに参考にさせていただきました。切れ目なく情報を発信し続けるということが災害時こそ重要であるということを考えれば、この体制、やっぱり今後も続けていただきたくお願いを申し上げます。 次に、有事における国際放送の役割ということと、ちょっと今回の話はマイナーなんですけど、短波国際放送の送信体制についてお聞かせいただきます。 アメリカとイスラエルの軍事攻撃を受けたイランでは、大規模なインターネットの遮断が続いているというように承知をいたしております。通信が制限されているということで、この影響で家族との連絡が困難となって、避難に必要な情報が十分に行き渡っていないという問題も指摘をされております。こうした中、NHKでは、現地に滞在する日本人に必要な情報を届けるため、短波による日本語のラジオ国際放送、NHKワールド・ラジオ日本の臨時送信を三月一日から実施しているというように承知しております。 現在、人々の情報収集の手段としてインターネットというものが主流になりつつあります。さっきもスマホでラジオが聞けるというような話もございましたけれども、今回のように通信が人為的に遮断される場合って、これ有事のときには十分起こり得るんではないかなというように考えます。ラジオさえあれば必要な情報を直接入手できるというこの短波放送は、有事における重要な情報伝達手段であると改めてその意義がここで示されたんではないかなと、ふだん本当に意識しないところなんですけどね、というように考えるんですが、不安定な国際情勢が続く中、在外邦人に対して我が国の情報、とりわけ人命や安全に関わる情報を確実に届けるということが求められているというように考えます。 こうした状況を踏まえて、在外邦人への情報提供を含めた国際放送の役割についてどのように認識されているのか、会長の見解をお聞かせください。
○参考人(井上樹彦君) お答えいたします。 イラン情勢を受けまして、NHKは、現地の日本人に必要な情報を日本語で届けるため、三月一日から短波による二十四時間の日本語ラジオを中東向けに臨時送信しております。短波放送は、インターネットなど通信環境が不安定な地域にも必要な情報を直接届けることができます。御指摘のとおり、有事の際の重要な情報伝達手段と考えております。 また、イランの周辺国を始め海外でも、インターネットがつながる地域では、国際放送の公式ウェブサイトやアプリを通じまして、英語や多言語に加え、日本語でもラジオとテレビの最新のニュースを同時、見逃し、聞き逃し配信でいつでも御利用いただけることになっています。 不安定な国際情勢が続く中、在外邦人の生命や安全に関わる情報を確実に届けていくことは、NHKの国際放送の重要な役割だと考えています。今後も、現地の情勢や通信環境を的確に見極めながら、在外邦人の安全、安心の確保のための情報提供に努めてまいります。
○岡崎太君 ありがとうございます。 こういう有事の情報提供って、インターネットができたからオーケーとかではなくて、今まであるものをやっぱり活用しながら、複数のラインでいろんな情報を提供していくという体制をしないと、これだったら受け取れたのにというのがやっぱり必ずどこかにあります。平時からこれをずっとやっておけというわけではございませんので、是非ともこういった手段というものを講じて、我々日本人の命が海外においても守られていくような、そんな手助けができるような、そんなこともNHKの役割の一つではないかなというように考えておりますので、是非とも、今後ともよろしくお願いを申し上げます。 次に、総務省の方に伺うんですが、NHKの臨時送信も行われているKDDI八俣送信所というのがあります。我が国唯一の短波国際放送の送信所ということでございますけれども、有事の際においても安定的に送信を継続できる体制を確保することが重要であるというように考えておるんですが、先ほど、今お話しいただいた今回の事例を踏まえて、短波による国際放送の重要性について、政府の御認識を総務大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(林芳正君) 短波放送、これは使用する周波数帯の特性によりまして、数百から数千キロメートルといった遠方まで、うまくいけば地球の裏側まで届くと、こういうふうなことを聞いたことはございますが、そこまで到達させることが可能でございますので、短波による国際放送、これは大変重要な情報伝達手段であると認識をしております。 こうした短波放送の重要性を踏まえまして、総務大臣意見においても、国際放送の安定的な実施を確保するため、八俣送信所を含む設備の維持管理や運用体制の構築に万全を期すこと、これを求めております。NHKにおいては、短波による国際放送の安定的な実施に引き続き取り組んでいただきたいと考えております。
○岡崎太君 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 最後の質問ですけれども、主権者教育の観点から見た公共放送の役割についてお伺いをしたいと思います。 令和八年二月、衆議院議員総選挙、今年のこの二月の総選挙です。総務省は、衆議院小選挙区における十八歳、十九歳の投票率の一部を投票区を抽出して調査した結果、四三・一一、むしろ、しかなかったというように公表をしています。これは、有権者全体の投票率よりも一三ポイントも低いということなんですね。 また、NHK放送文化研究所の中学生・高校生の生活と意識調査というものを見させていただきました。令和四年のちょっと古い結果なんですけれども、社会のことを考える前に、まず自分の生活を大切にすると答えた中学生、高校生、共に八割を超えているということです。まず、これ自身は別に悪いとは言いません。悪いとは言いませんけれども、将来の選挙について、毎回投票したいというふうに答えた人は何と三割ということでした。 こんな結果を見ると、やっぱり若い世代の中には、自分の生活と社会とか政治というもののつながり、これを十分に実感できていない人が少なくないと言えますし、これはもう我々の責任でもあるというように考えています。 こうした中で、若い世代がやっぱり社会の出来事に関心を持って、その背景を含めて理解を深める上で、公共放送の役割というのは一つここもあるんじゃないかなというふうに考えているんですが、NHKは子供向けのニュース番組やられています。政治とか経済とか国際問題とか、ああ、こういうことをこういうふうに伝えるんだというのは我々も演説するときにちょっと勉強させていただいたりする部分があるんですけれども、出来事だけじゃなくて、その背景についても解説委員が分かりやすくて、ここ大事なんですけど、平易な言葉で伝えているというような工夫がされていて、まあここで褒めるのもあれなんですが、本当に質が高いなというように思います。 こういうコンテンツを、先ほども会長おっしゃっていますけど、やっぱりしっかり届けていくということが重要ではないかというように考えるんですが、会長に伺います。主権者教育という観点、この言葉自身、ちょっと上から目線な感じで僕余り好きではないんですけど、主権者教育という観点から、若い世代が社会や政治への関心を高めて、社会の出来事を自分のこととして捉える力を育んでいくというために、公共放送として今後はどのような役割を果たしていくとお考えか、所見をお伺いいたします。
○参考人(井上樹彦君) ありがとうございます。 お答えいたします。 選挙権の年齢が満十八歳以上に引き下げられたことに伴いまして、学校教育においても主権者として求められる力を育成することが重要になっていると認識しています。NHKでは、こうした主権者教育の推進という動きを踏まえまして、放送や配信を通して学習効果を上げられる番組の企画、制作に取り組んでいるところであります。 また、若い世代はインターネットを通じて情報を得ることが当たり前になっております。そうした中、必須業務となったNHKONEを駆使しまして、情報空間の健全性を確保するため、正確で信頼できる情報を提供することや、公平公正な観点から背景や文脈を丁寧に掘り下げていくことも、また公共放送、公共メディアとしての大切な役割だと考えております。 こういうふうに、様々なコンテンツの放送、配信を通じまして、主権者教育に資する確かな情報を提供し、引き続き健全な民主主義の発展に貢献していきたいと思っております。
○岡崎太君 ありがとうございます。 若い方が興味を持ってもらえる政治、先ほど言ったように、我々側も本当に考えていかなければならないんですけれども、それを伝えていくということによって、重要な部分の掘り起こしというものが、社会の興味というものの掘り起こしというものがそこから始まってくる部分というのがどうしてもあります。 我々が一人一人、国会議員だけで七百十九人いるわけですけれども、そこで何ぼ街頭に出て演説したって、伝わる部分というのはやっぱり知れています。メディアの力というのはそこに非常に大きいというのと、公共放送の在り方というものを考えれば、この部分、主権者教育という部分もしっかりとやっていただきたいということをお願いして、私の質疑を終わります。
○神谷宗幣君 参政党の神谷宗幣です。よろしくお願いします。 冒頭、井上会長、まず御就任おめでとうございます。よろしくお願いします。 私、このNHKさんに対する質問は初めてになりますので、参政党というのは党員の声をかなり代弁する党でありますので、党員に少しアンケートを取って、NHKに対する感想や要望はありませんかというふうに聞きますと、やはり批判的な声が結構大きかったというふうに思います。料金とかそういうことかなというと、そういうことではなくて、やはり中身の問題、コンテンツにいろいろ不満があるというような声が結構多かったです。 一方で、私自身のことを言いますと、私、実は、国会議員になるまでの、その前約十年間ぐらい家にテレビがなくて、ほぼテレビ見ていなかったというような状況なんですが、国会議員になると「日曜討論」とか見ないといけないので、テレビ買って、見るようになりましたと。そうすると、サブスクリプションでネットフリックスとかアマゾンも見るようになると。 見ていると、NHKオンデマンドもボタンがあって、私、大河ドラマが好きなので、それも契約してみると、オンデマンドは過去のが全部いろいろ見れますので、かなり確かにコンテンツとしての資産をNHKは持っているなとか、あと、NHKONEも始まって、かなり見逃したやつも録画していなくても見れるようになったりする。ニュースにしてもドラマにしてもアニメにしても、やっぱりNHKさん、予算もあるから、きちっとしたもの作られているなというふうに評価する気持ちもありますので、何が言いたいかというと、一般国民は結構不満もあるけれども、じゃ、全部が悪いかというと全然そんなことはなくて、しっかりしたものもたくさんあるということですので、今日はその両方の視点で質問を幾つか聞いていきたいと思いますので、御対応をお願いいたします。 まず、私もそうでしたが、テレビを持たないとかテレビを視聴しないという国民が増えている中で、NHKの受信料払うの嫌だからスクランブル化してくださいというふうな声も結構あります。党員にもありました。これは、結局、料金だけの問題ではなくて、不公平だと、見ていないのに何で払わないといけないんだというふうな、そういう声なんですよね。 ここで、まず会長にちょっと所感をお聞きしたいんですけど、国民がテレビを見なくなっている理由というものをどういうふうに分析されているか、また、NHKに対してスクランブル化を求める声が結構あるということに対してどのように受け止められているか、この二点、回答をお願いします。
○参考人(井上樹彦君) お答えいたします。 メディア環境や視聴スタイルが急速に変化し、インターネットの利用時間が増えていく中で、委員御指摘のように、テレビの視聴時間が全体として減って、そもそもテレビを持たない方も増えている、そういったことは世論調査や放送、インターネットサービスに関する各種の調査などから、NHKとしても認識しています。 また、インターネット上では、定額制で動画などのコンテンツを利用できる、いわゆるサブスクリプションサービスが広く普及しておりまして、視聴者、利用者が自分の意思で見たいもの、関心のあるサービスを自由に選択したいといった対価意識もこれまで以上に高まっております。 一方、NHKはこれまで、受信料制度の下、特定の利益や視聴率に左右されず、正確な情報や多様な番組を全国にお届けしてまいりました。インターネット上では真偽不明の情報が拡散する中、NHKが今後も取材に裏打ちされた確かな情報を継続的に提供し、情報空間の参照点としての役割を果たしていくことの意義は一層高まっているというふうに考えております。こうした役割を今後も果たしていくための財源として、広く視聴者の皆様に負担していただく受信料制度が最もふさわしいと考えております。 スクランブルを導入した場合、よく見られる番組に偏り、内容が画一化していく懸念があるというふうに考えておりますし、NHKとしては、見られるかどうかという対価性の価値だけではなく、社会にとって必要な確かな情報や健全な民主主義の発達に資する価値のある番組、コンテンツをお届けすること、さらには、受信料が財源だからこそ放送できる番組をこれからも伝えていくことが必要だというふうに考えております。 受信料制度は視聴者・国民の皆様に御理解いただいて成り立っているものであり、引き続き受信料制度の意義を丁寧に説明してまいりたいと考えております。
○神谷宗幣君 御丁寧な答弁、ありがとうございました。 ただ、後段がちょっと。まあ、前半は分かるんですね、ネットとか選択肢が増えているので見なくなっていると。後段は、なぜ国民がスクランブルを求めているかということになると、今会長は、受信料をもらって配信することの意義ということをお話しになったんですけれども、国民がその意義が余り分かっていないということですね。つまり、コンテンツの魅力が国民に届いていないということなのではないかと思います。 私さっき言いましたように、党員の不満はあると。けど、私が見てみると、いや、いいものもあると。だから、いいものがちゃんと届いていないというところがやはりNHKのスクランブル化を求める声が大きくなる原因ではないかなということに私は考えているんですね。これは私の私見ですけれども。 それに続いて、次の質問ですけど、公共放送として半ば強制的に受信料取るわけですけれども、そこまでしてNHKは何をすべきなのかということですね。そのために、番組企画とか内容を公共放送としてどういう意思決定の過程で決められているのか、そこについて、改めてちょっと仕組みをお聞きしたいと思います。
○参考人(井上樹彦君) お答えいたします。 NHKは、政府から独立して受信料によって運営され、公共の福祉と文化の向上に寄与することを目的に設立されました。あまねく日本全国において受信できるよう、豊かで、かつ、良い番組を放送するとともに、放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行うといったことなどが放送法に定められております。 NHKの基本的な編集方針は、毎年度、中央番組審議会への諮問を経た後に、経営委員会の議決をもって決定しております。そして、具体個別的な番組編成はこの方針に沿って編成計画を策定し、放送を実施しているということであります。 正確で信頼できる報道、多様で質の高い番組を制作して放送、配信することに取り組んで、視聴者の関心にタイムリーに応えていくという方針で放送、配信を行っているところであります。
○神谷宗幣君 ありがとうございます。 ちょっと厳しいことを言うんですけれども、視聴者のニーズにタイムリーに応えられていないから、スクランブル放送を増やしてくれというふうになるんだと思うんですね。 受信料を取ってやるわけですから、民放との差別化というのがもっと必要なんではないかというふうに考えています。お笑いとかバラエティー、私も嫌いではないですけれども、それをNHKさんがやる必要があるのかなという声は結構党員からもありました。一方で、後でまた時間があったら触れたいんですが、国会中継とかそういったものをちゃんと流すべきなんじゃないかとか、そういったこともありました。 嫌事ばかり言ってもあれなので、ただ、ドキュメンタリーとかすごく時間掛けてしっかり作っていらっしゃるし、ああいうのは本当に日本の資産になるなというのもありますし、今、民放お金なくて、もう歴史ドラマとか作れないので、やっぱり日曜日の大河ドラマというのは楽しみにされている方多いと思います。それから、アニメにおいても、あえて名前挙げませんけど、歴史を取り扱ったアニメなんかも結構教育的な内容がしっかり含まれていますので、そういったものもいいなと思うんですよね。 ですから、やはりNHKは、民放とはやっぱり違うというところの差別化をもっとしっかりしていただきたいというふうに思います。だから、審議会があるのであれば、もっとそういったところの視点を入れて、NHKらしさというものを出してもらいたいと思うんですね。 例えば、公正中立なといったり多様な価値観というのは、今日キーワードたくさんありました。であれば、今実際やられていますけど、世界のニュースを集めて配信するというような番組もありますね。ただ、お昼間にやられていたり頻度が少ないので、ちょっとなかなか見にくいです。ですから、今イラン戦争やっていますけれども、アメリカ側、ヨーロッパ側のニュースもあれば、いや、イラン側とかロシア側、中国側のニュースもあるわけですよ。これ、ファクトチェックとかおっしゃるけれども、各国言っていること違います。それぞれの国のファクトが違うんですね、事実、見方が違うので。 だから、私は、民放はある程度、スポンサーとかがあるのでスポンサーに配慮しないといけません、企業とかスポンサーの、じゃなかったら打ち切られちゃいますから。でも、NHKは受信料なわけですから、スポンサーなんか気にしなくていいわけですね。国民のニーズにさえ応えていればいいんです。国民は多様なニュースを知りたいです。イラン戦争でアメリカが悪いんだと言っている国もあるでしょう。一方でイランが悪いんだと言っている国もあるでしょう。NHKに私、両方流してほしいんです。この国はこういうニュースを流している、この国はこういうニュースを流している、さあ我々日本はどうするべきですかねというようなことをアナウンサーの方なんかが国民に投げかけると。 先ほど主権者教育の話もありましたけれども、何か決まったファクトがある、決まった正しい政治的な答えがあるというのを決め打ちで押し付けられるとうっとうしいんですね、国民は。そうではなくて、いろんなニュースがあります、国によっていろんな見方があります、それをどう捉えるかは皆さん考えてくださいねといったことをちゃんと番組の中に入れてもらえば、ああ、これは民放ではできないねと、さすがNHKとなるわけであります。 ですので、是非そういった方針を意思決定の過程にもうちょっと入れていただくと、私が来年もしここに立っていたら、良くなりましたというふうに言えると思いますので、これは強く要望しておきたいというふうに思います。 続けて、会長にもう一問だけ、済みません。 ちょっと関係もするんですけれども、報道機関にとって重要なのはやっぱり中立性、信頼と。特にNHKさんは影響力一番大きい放送局だと思っています。ですから、特に報道の内容とかについて政治的な偏りとか事実の欠落がなかったかを検証する、そういう仕組みが必要だと思うんですね、影響力大きいですから。 そういったものをどういうふうに担保されているのかということと、実際に放送後に国民からいろんな声があると思うんですね、批判とか、もちろん賛同もあると思います。そういったものを検証して定期的に公表する制度というものを設けておられるかどうか、この二点、お聞かせください。
○参考人(井上樹彦君) お答えいたします。 NHKは、放送に当たりまして、番組基準や放送ガイドラインにのっとり、不偏不党の立場を守りながら公平公正、自主自律を堅持しております。 政治的公平性を確保するため自らチェックする仕組みとしては、番組を制作するメディア総局の外に設置された考査室で事前事後に内容をチェックしているほか、放送法で定められました放送番組審議会で外部の有識者から様々な意見をいただいております。 放送後に問題が発生した、発覚した場合には、これまでも、関係者のヒアリングを行うなどして問題点や取材、制作の過程を徹底的に検証し、調査報告書を公表しております。また、日々の放送の中で正確性を欠いたり誤解を生むような伝え方があったりした場合には、できるだけ速やかに放送で訂正や修正を行い、必要に応じて番組のホームページでも説明文を掲載するなどしております。 さらには、民放とともに放送倫理・番組向上機構、BPOを設置しておりまして、このBPOは、視聴者と放送局をつなぐ第三者機関として、視聴者から寄せられた放送に対する意見や苦情、放送倫理上の問題に対して独立した立場で判断し、放送局に伝えることで放送倫理を高めていくことを目指しております。 こうした対応は視聴者の皆様の信頼を得るために欠かせないものと認識しておりまして、説明責任を果たすために何ができるか、引き続き検討してまいります。
○神谷宗幣君 ありがとうございます。 こういったチェック機能があるんだということを広く国民の皆さんに知っていただいて活用いただきたいなと思って、この質問をいたしました。 今回、アンケートを私取ってやっぱり多かったのが、多文化共生とかLGBTのところ、結構推進するような意見は番組の中とかに読み取れるけれども、それに対して問題を感じている、我が党なんか感じるわけですけど、そういった声もあるので、そういったものもやっぱりちゃんと取り上げて両論併記でやってもらえるようなことが必要だという声ありましたし、BPOのことも出ましたけれども、我々、選挙期間中にかなり偏向報道されてBPOに訴えたんですけど全然取り合ってくれないので、それだけで、本当に機能しているのかどうかというところは怪しいなという気持ちもあります。 それからあと、これも、ごめんなさい、要望ですけれども、今、少子化がもう本当にひどいじゃないですか。若い人たちが、子育てを罰だと、お金ばっかり掛かるというような、そういったことをコメントでしていたりして、すごく悲しくなるんですね。 一昔前、私が子供の頃、皆さんもあったと思いますけど、何か家族とかそういう、地域のつながりとか、そういうドラマたくさんあったと思うんですよね。今でもありますけど、でもやはりちょっと減っているかなというふうに思います。子供を授かって育てていくの大変です、お金も掛かるし、もめ事もあるし、トラブルもあるし。けれども、その中で得られるもの、お金に換えられない価値、そういったものが何か国民の心に根付くような、そういう作品ももう少し入れていただいて。 やはり新しい、LGBTとか多文化共生とか、新しい考え方ですよ。そういったものも一部は、我々も全否定はしません。けれども、何というかな、昔ながらの日本の家族とか価値観とか、そういった保守的なものも入れていただいて、NHK両方あるねというふうなものにしていただけるといいですし、そのバランス悪いなと思ったときは、さっき言ったところに意見を出せば、それが公表されて、それが番組内容にちゃんと反映されましたというふうな形を可視化していただくと、もっとNHKの受信料を払うところに皆さん納得感が生まれるのではないかなというふうに考えております。 次、四番目の質問行きます。 次は事務的なところですけれども、NHKONEの役割、始めた理由と今後の展望についてお聞かせいただきたいと思います。まだ仕組みがしっかり理解できないという国民が多いので、簡潔かつ詳細にお願いします。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。 NHKONEは、メディア環境の変化に対応し、放送でもインターネットでも同等の価値を安定的に届け、インターネット空間でも信頼できる情報の参照点、こちらを提供するために開始したインターネットのサービスでございます。今後は、NHKONEの普及を促進し、より多くの方にこのサービスを御利用いただきたいというふうに考えております。 NHKONEは、利用している方の受信契約状況を確認するために、NHKONEアカウントというものと受信契約情報を登録していただき、それら二つを連携していただく手続をお願いしております。御指摘のとおり、こうした利用の仕組みが十分に認知されていない点は課題でございまして、放送での案内に加えまして、インフォメーションサイトですとか専用コールセンター、イベント会場などでの登録サポートも含めて分かりやすい周知、理解促進に努めているところです。 特に、メールアドレスやパスワードの登録が難しい、手順が多い、利用開始画面が分かりにくいなどといった声があるため、利用開始や登録などの使い勝手を一体で見直し、改善を急ぎたいというふうに考えております。 具体的には、入力の重複を減らして手続を短くし、利用開始時の画面も、既に受信契約をお持ちの方が迷わず使い始められるよう、文章ですとか選択肢を整理していきたいというふうに考えております。
○神谷宗幣君 ありがとうございます。 私は実は、NHKONEはいい、実はというか、いい仕組みになっているなというふうに思っていまして、「日曜討論」なんかは、私その時間見れないとこのNHKONEで見ていますし、倍速で見れるので三十分で「日曜討論」終わるというような形で、非常に情報を得るのにはいいコンテンツだなと思っているんですが、せっかくこういったインフラができたので、先ほど他党の議員さんも取り上げていらっしゃいましたが、NHKオンデマンドとの統合ですね、これを検討いただけないかなと思います。 NHKオンデマンド九百九十円、受信料千百円です。足すと今私は二千九十円払っているわけですけど、今、サブスクでいろんなサービスがありまして、大体千円から二千円ぐらいの間で、サブスクリプションで皆さん情報取っていらっしゃいますね。NHKオンデマンドのコンテンツは、さっきも言いましたが、サブスクリプションする価値が十分にあるものだというふうに思うんです。 ですから、なかなかまだ、聞いたら三百七十万人ぐらいですかね、しか登録者いらっしゃらないようなので、これをもう受信料とセットにして標準装備にしてしまえばいいんじゃないかというふうに思います。そうすると、受信料と言われるから何か抵抗感があるのであって、サブスクですと、NHKはサブスクなんですと、サブスクリプションですと。そして、そこに千五百円で過去のも全部見れますよということがあると、かなり納得が上がるんではないかなと思います。 もちろん、従来の、ネット使わない人もいますから、従来の受信機がある方千百円は維持しつつ、プラス、もう我々世代になったらスマホですから、もう統合して千五百円、月千五百円ぐらいにしていただいて、その代わり、もうスマホの契約のときにNHKのサブスクリプション、受信料込みのサブスクリプションを携帯ショップで一緒に登録してもらうと、するとこれから受信料若い人から集めるのに相当手間が省けるのではないかなと思うんですけど、こういったことが検討できないかどうか、少し御回答いただきたいと思います。
○参考人(小池英夫君) お答えいたします。 NHKONEとNHKオンデマンドの統合についてですが、NHKONEは受信料を主な財源とする必須業務のサービスです。一方、NHKオンデマンドは任意業務の有料サービスでございます。NHKONEとNHKオンデマンドは制度上の位置付けが異なり、会計を区分することも放送法で定められておりますので、統合は今の法律の下ではできないというふうに認識しております。 なお、スマートフォンを持っているだけで受信契約の対象になるといった誤解もありますが、スマートフォンやパソコンなどの通信端末機器を持っているだけでは受信契約の対象にはなりません。NHKONEのアプリをダウンロードしてサービスの利用を開始した方が受信契約の対象になると、こういったことも含めて丁寧に説明していきたいと考えております。
○神谷宗幣君 ありがとうございます。 事前の説明でも制度が違うんでということでしたけれども、であれば制度を変えてしまえばいいのであって、受信料ではなくて有料コンテンツを契約する、中に受信料も含まれているから、スマホしか持っていないけど、テレビを持とうと思ったら買えますよというふうな、そういった後付けでテレビを持つというふうな考えもあると思うんですね。 どうなんでしょうか。こういったことは制度改革を検討する余地あるんじゃないかと思うんですけど、井上会長の御見解、お聞かせできますか。
○参考人(井上樹彦君) お答えいたします。 御指摘のとおり、若い世代ほど気に入ったコンテンツにお金を払ってスマホで見るといったスタイルがもう定着していますことは、私どもも重要な前提として認識しています。制度上は受信料を財源とするNHKONE、それから任意業務の有料サービスであるNHKオンデマンド、これを明確に区別して運営する前提がありまして、したがって、現行制度のまま直ちにこの受信料制度とNODを一体的に運用することは難しいということになります。 ただ、視聴者の皆様からもNHKONEとオンデマンドを一体的に使いたいという声は多くて、公共メディアとしては、ニュースなどで触れたテーマから関連の番組やアーカイブスに自然につながっていくと、そこで理解が深められる利用の流れを整えるといったことは重要じゃないかというふうに考えています。 具体的には、まず、NHKONEの番組のシリーズのページからNHKオンデマンドの同一のシリーズへワンクリックで移動できる、そうした形で行き来が切れ目なく感じられる動線を実は整備を始めております。 引き続き、両者の連携をこうした形で進めていって、将来のサービスの拡充に努めていきたいというふうに考えております。
○神谷宗幣君 ありがとうございます。御検討いただきたいと思います。 最後の質問になるかと思いますけれども、今度、総務省や大臣にお聞きしたいんですけど、今はもう本当にネットフリックスとかアマゾンに押されてWBCの放映権も買えないというふうな状況になっているというところで、これ、NHKはNHKで、民放は民放でとやっていますと、どんどん日本のコンテンツ産業みたいなものが衰えていってしまうのではないかという懸念を持っているんですね。 ですから、私は、NHKのサービスを、もうスマホとかでも見れるそういうサブスクリプションみたいな形にしてしまって、そこに民放の作ったコンテンツなんかも載せて、民放とNHKが共同でアジアとか外国に打って出るというふうな、そういうサービスを国策事業としてできないのかなということを考えているわけですけれども、総務省の御見解、どうでしょうか。
○政府参考人(豊嶋基暢君) 映像コンテンツの配信に関する視聴が今拡大する中で、日本のその放送番組の海外展開においても、委員御指摘のとおり、やっぱり配信のその手段ということが非常に求められているというふうに認識をしております。 過去の総務省の有識者の会議におきましても、NHKと民間放送事業者などと協調した体制の構築だとか、あるいはリーチ力を強めるという点で、現地の配信プラットフォームも活用するとかというような提言をいただいておりまして、この提言を踏まえまして、総務省では実証事業という形で、日本の配信事業者とも連携をさせていただきまして、タイの大手配信プラットフォームも活用した状態で、NHK、民間放送事業者を始め計七十六社で、ドラマなど計千四百七十のエピソードを集約した配信事業を今月二十五日から開始をいたしたところでございます。 この事業では、配信をするためのコンテンツの例えば字幕付与のローカライズというものを総務省予算により対応するとともに、コンテンツ提供者にこの配信を通じて得られた視聴データを提供しまして、データに基づいて更なる良質なコンテンツを制作できるということを後押ししてまいりたいということで今事業を進めているところでございます。 現在、政府を挙げて日本発コンテンツの海外市場規模の拡大に取り組んでいるところでございまして、総務省では、経済産業省を始め関係省庁とも連携をしながら、ドラマなど実写コンテンツの展開力の強化を図ってまいりたいと考えております。
○神谷宗幣君 ありがとうございます。 今、タイの事例も挙げていただきましたけれども、そういった民間もNHKも協力した事業を考えておられるということはいいことだなと思います。 今日も日経新聞に、何か映画制作するのにお金が借りやすくなるというような制度をつくっていくということで、銀行がそういう発表をしたというので一面に載っていましたけれども、やっぱりコンテンツの発信って大事だと思うんですね。韓国なんかがやっぱり、大分前ですけれども、その映像を出していくんだということで、しっかりとコンテンツ出して韓国文化というものが、韓流みたいなものがはやったと思います。 日本ってやっぱり出遅れているので、是非その辺りを今後の課題として、ちょっともう時間なくなってしまったので質問はしませんが、林大臣にも前向きに捉えていただいて、NHKが持っている社会的な資産をしっかりと生かしながら、そこに民間を載せて、チーム・ジャパンですね、チームNHKも大事ですけど、チーム・ジャパンで日本のコンテンツの海外発信、力を入れていただきたいと要望して終わりたいと思います。
○伊波洋一君 ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。 二〇二六年度NHK予算に関連して伺います。 二〇二五年は、戦後八十年、地上戦で県民の四人に一人が命を落とした沖縄戦から八十年目の節目でした。 昨年、NHK沖縄放送局では、沖縄戦八十年プロジェクトとして、様々な番組制作やイベントでの情報発信が行われました。このプロジェクトはどのようなものだったでしょうか。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。 戦争体験者の高齢化が進み、沖縄戦の実相をどのように社会にお伝えし、次世代へ継承していくか、こちらが重要な課題となる中、NHK沖縄放送局では、去年、二〇二五年ですけれども、沖縄戦八十年プロジェクトを全局的な取組として実施いたしました。本プロジェクトでは、沖縄戦を現在の沖縄や日本の社会につながる歴史的事象として捉え、放送、事業、広報を連動させ、その実相を多角的に伝えることに取り組みました。 放送では、体験者の証言、遺骨収集、司令部ごうの実態、戦跡、平和教育を扱う企画などを全国ニュースで多数放送したほか、「NHKスペシャル」など全国放送の番組とも連動し、不発弾の問題など、沖縄戦を今も続く全国的な課題として捉えてもらおうと発信いたしました。 また、沖縄県域向けには、沖縄戦当時の出来事を時系列で整理し、アーカイブス映像や証言を交えて伝える企画、アナウンサーや記者が実際に戦跡を訪れて現状を伝える企画などを制作、放送いたしました。 放送、配信以外の取組では、一般には立ち入ることのできない司令部ごうの内部を再現し、仮想的に体験できるようにした体験型事業のほか、記者が学校や自治体に出向き、戦跡ですとか取材内容を題材とした出前授業などを行いました。
○伊波洋一君 この沖縄戦八十年プロジェクトに関連して、昨年九月にNHK沖縄放送局は、地元紙琉球新報とともに「沖縄戦八十年シンポジウム」を開催をいたしました。 お手元に配付してあります資料の一枚目、このパネルですけれども、このような形でシンポジウムを開催いたしました。(資料提示)どのようなシンポジウムだったでしょうか。
○参考人(井上樹彦君) お答えいたします。 今資料も配付されまして、この御質問の中にありましたシンポジウムは、沖縄戦八十年プロジェクトというプロジェクトの一環として、昨年、二〇二五年九月に地元紙琉球新報とNHKとで共同で開催いたしました。戦争体験者が少なくなる中で、特に若い世代にも沖縄戦に関心を持ってもらうということを重視しまして、舞台表現と討論を組み合わせた構成とするなど、工夫を懲らしたというふうに聞いております。 地元紙と共催でこの場を設けたことにつきましては、放送や紙面による発信にとどまらず、地域社会と向き合いながら沖縄戦を考える機会を提供するという狙いがあり、効果があったというふうに考えております。 NHKの経営計画では、コンテンツ戦略六つの柱のうちの一つに、民主主義の一翼を担い、平和で持続可能な世界の構築に貢献するということが入っておりまして、国際情勢が分断と混迷を深める中、戦争の歴史や実相を伝えていくことはますます重要になっていると認識しております。 今後も、様々な取組を通じまして、沖縄戦を始めとする戦争の実相を社会に伝え、次の世代に継承していくことで平和の実現に貢献していきたいと考えております。
○伊波洋一君 会長、説明ありがとうございました。 このNHK沖縄放送局と琉球新報との「沖縄戦八十年シンポジウム」は、「戦場にさせない道標」と題して、沖縄を再び戦場にさせないために、戦争の記憶を次の世代に継承していくために何が必要かを県内のエンターテイナーやあるいはジャーナリストが登壇し議論するものでした。 この沖縄を再び戦場にさせないというテーマは、全国には耳になじみのない過激な表現に聞こえるかもしれませんが、残念ながら、沖縄では住民の不安を非常にリアルに表した表現なのです。 先日の委員会でも質疑をしましたが、現在、石垣市、宮古島市、多良間村、竹富町、与那国町の先島五市町村では、台湾有事に十二万人の全島民を九州、山口に避難させることが日本政府によって計画され、毎年避難訓練が繰り返されています。 島外への避難指示が出れば、住民は、家や全ての財産、家畜、農地もなげうって、三辺の和が百センチ以内のバッグ一つで逃げなければなりません。計画では、有事であるにもかかわらず、避難先の九州、山口が武力攻撃のおそれのない安全な地域と仮定されており、基地のない島から軍事目標である米軍や自衛隊基地のある地域へ避難が計画されています。 また、沖縄島の面積一五%が米軍基地に占められていますが、沖縄島は屋内避難という方針になっています。さらに、奄美群島の住民十万五千人の九州本土への避難計画との調整もされていません。 政府による先島住民への島外避難の強制は、財産権や居住、移転の自由など、憲法の保障する人権を侵害するものです。 政府の計画は、住民の安全確保が重視されておらず、島々から住民を立ち退かせるのが優先されているように思えてなりません。有事の際に、島々をミサイル部隊の臨時の展開拠点、島々を戦場として提供するための日米共同作戦計画に応えるためのものではないでしょうか。 不安を覚えているのは一般住民だけではありません。狭小で逃げ場のない離島は守り切れないという沖縄戦が一つの教訓でした。今のままでは玉砕するしかありません。そのことに自衛隊自身が気付き、更なる軍備強化を求め、完全に悪循環に陥っています。 NHKのシンポジウムで議論された沖縄を再び戦場にさせないという問題は、沖縄県民にとってとても身近で切実なものなのです。 総務大臣、このような先島市町村から島外避難の計画は全面的に見直すべきではありませんか。
○国務大臣(林芳正君) この内閣官房が主に担当しておる件でございますが、御質問でございますので、私からお答えをいたします。 御指摘のあった先島五市町村の島外避難、九州、山口各県による避難住民の受入れ、手荷物容量の制限などにつきましては、いずれも訓練上の想定ということで、沖縄県、先島五市町村などと協議をした上で設定をしたものであるということでございます。 この取組は、万が一の事態の際に住民の安全を確保することを目的としたものでございまして、委員が御指摘をされましたような、軍事作戦の円滑な実施を目的としたものではありません。 引き続き、内閣官房を始めとする関係省庁とともに、沖縄県、先島五市町村などと十分連携をいたしまして、こうした検討、訓練を積み重ね、国民保護の実効性の向上に努めてまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、訓練上の想定につきましては、沖縄県、先島五市町村などとよく相談しながら設定をしてまいります。
○伊波洋一君 与那国、石垣、宮古では、島民を守るために自衛隊が必要だと言われて自衛隊基地が建設されましたが、その後、危険だから避難しろと言われた住民からは、これは誰のための、何のための住民避難なのか、だまされたという声も上がっています。 台湾をめぐる武力紛争が生じても、日本が直接攻撃される理由はないのですから、日本が自衛隊を派遣するなど軍事的な介入をすべきではありません。武力攻撃予測事態を設定して、全島避難を実施し、軍事介入のために自衛隊ミサイル部隊などを島々に展開すれば、むしろ島々が戦場にされ、焼け野原になるだけです。 沖縄島を含む南西諸島のような離島で住民の安全を確保するためには、できるだけ軍隊を置かず、外交で敵対的な関係を鎮静化を図り、ジュネーブ諸条約で認められた無防備地区やあるいは非武装地帯を設定して戦禍を逃れる方策を追求すべきなのです。 この資料の四番目ですけれども、このパネルですけれども、NHKオンデマンドの「NHKスペシャル ”国境の島”密着五百日 防衛の最前線はいま」のホームページです。 林大臣、先ほどのNHKの「沖縄戦八十年シンポジウム」は視聴できないようですけれども、与那国に暮らす島民のリアルな思いを丁寧に描いた「NHKスペシャル ”国境の島”密着五百日 防衛の最前線はいま」の方はNHKオンデマンドで視聴できるようですので、是非御視聴ください。 昨年のNHK放送局による沖縄戦八十年プロジェクトや「沖縄戦八十年シンポジウム」は、県民の思いを全国に発信するもので高く評価したいと思います。こうした取組は、事業計画のコンテンツ戦略の一つ、先ほども伺いましたが、民主主義の一翼を担い、平和で維持可能な世界の構築に貢献をするという目的にかなうものであり、来年度予算案にも反映されているということです。 今後とも、やはり公共放送、放送法第一条にあるように、健全な民主主義の発達に資することという、公共放送としての、沖縄だけでなく全国の地域から、そこで暮らす人々の声を丁寧にすくい上げ、情報を発信する取組をしていただきたいと、このように思っております。 少し時間がありますのでお話を続けますけれども、本日のNHKニュースは、防衛省が周辺国に届く敵基地攻撃ミサイルの配備を、熊本、静岡に配備をしたということが報じられました。佐世保のイージス艦にも、もう現時点でトマホークが装填されております。これが実は北海道から九州、沖縄まで全国につくられるんですね。これが安保三文書の五年間の計画です。それが二〇二七年度までにはでき上がってまいります。 私たちの国が周辺諸国に対する大きな脅威を、まさに全国でそこに装備するという事態になるわけです。憲法の九条という形で禁止はされているけれども、しかし、発射できるミサイルが現実に動き出していくと。こういうことを考えますと、私たちの国がすべきことは、やはりそういう国と外交交渉を、どの方、国々とやって、どういうふうにやっていくかということは真剣に考えなければいけないと思うんです。 現実に、二〇二二年一月七日の2プラス2協議で既に合意しているんですね。日米が要するに共同作戦計画を作って、その時点でこの奄美大島から与那国までの四十の有人離島を、そこで攻撃拠点をつくるということが合意されて、ですから、内閣官房は、そこから全住民を移す、沖縄島以外を移すということで今、計画が、訓練がされているわけです。 そういうことをしっかり、是非、NHKも事実は事実として報道してもらいながら、平和な日本をやはり我々はどうつくるべきかということを是非追求もしていただきたい。そのことを通してしか、日本の平和あるいは憲法を私たちが大事で何ができるかということを、それを大きな広い目で見ることができると思いますので、そういうことを期待して、今日の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○安野貴博君 チームみらいの安野貴博です。 まずは、井上会長、御就任おめでとうございます。 本日は、AI、デジタル時代における公共放送の役割という観点から、大きく三つお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 まず最初に、NHKアーカイブのAI開発への利活用について伺います。 昨年十二月の質疑において私は、AI開発目的でNHKアーカイブデータを提供していく予定があるかお尋ねをいたしました。その際、NHKの元稲葉会長からは、外部の事業者へのアーカイブコンテンツの提供について、受信料で制作された知的財産の価値保全を前提に、対応の在り方を検討するとの御答弁をいただいております。 あれから三か月がたちまして、この間、生成AIをめぐる国際的な競争は一層進んでおりますが、同時に、信頼できる日本語のデータ、そして日本に関するデータをどう確保していくかはより大きな課題となっております。 日本語や日本に関連する高品質な学習データが不足しているという問題は、国産の大規模言語モデルであるとか大規模な基盤モデルの開発に関わる多くの関係者が指摘しておるところでございまして、NHKが保有する映像、音声、テキストのアーカイブは、質、量共に日本に関するコンテンツとして極めて貴重な資産であり、まさにこの課題を解決し得る可能性を持っていると思います。また、NHKのアーカイブデータは、例えば経産省が進めているGENIACなどの国産基盤モデル開発プロジェクトにおいても活用が期待される資産でございます。 そこでまず、NHKに伺います。 前回の答弁以降、アーカイブデータの利活用に関する検討はどこまで進んでおりますでしょうか、進捗についてお聞かせください。また、外部事業者へのAI開発のデータ提供に当たり、NHKとして認識する課題があればお伺いしたいと思います。
○参考人(小池英夫君) お答えいたします。 NHKのコンテンツのAIへの利用につきましては、外部から様々なアプローチをいただいております。AIの学習データとしての提供であっても、受信料で制作されたコンテンツの知的財産としての価値はしっかりと守っていくことを前提に、AI事業者が求めるコンテンツの範囲、量、期間、そのAIの利用目的はどのようなものなのか、用途に制度上の問題はないのかなどの点を個別の案件ごとに詳細に検討して適切に対応していく、これがNHKの基本方針でございます。 そのための知見をあらかじめ得ておくことも重要でありまして、総務省所管の国立研究開発法人のNICT、情報通信研究機構との共同研究を始めたところでございます。 今後、開発が行われる国産AIには様々な種類のものがあると思われますが、その中には、学習済みのAIモデルを広く一般に公開することを目的としたものもあると聞いております。一方で、NHKとしては、受信料で制作されたコンテンツの知的財産としての価値をしっかりと守っていくことを考えますと、今後、仮に国産AIの開発が誰でも無料で情報を複製できる形を中心に進められることになれば、NHKからの学習データ提供は困難になると考えております。 引き続き、その推移を注意深く見守っていくところでございます。
○安野貴博君 御答弁いただき、ありがとうございます。 学習済みのAIモデル、広く一般に公開する。これ、例えばオープンソースというやり方もあると思いますし、ニューラルネットの重みだけ公開するオープンウエートという形もあると思っております。 そういった中で、続けて経産省にお伺いしたいと思います。 今、GENIACであるとか、様々な基盤モデルの学習を進めるようなプロジェクトを進められているかと思いますが、こうしたNHK側が認識されているような課題を把握しておられるか、また、課題を認識されておられる場合はどのような対応をなされる予定か、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(渋谷闘志彦君) 委員御指摘のとおり、AIの開発、利活用を促進していく上で、データ提供者の権利保護を図ることは非常に重要と考えております。 経済産業省が推進しているAI開発者を支援するプロジェクトでありますGENIACにおきましては、その審査において、データや既存モデルの知的財産を侵害しない取組であることを確認するとともに、データホルダーの権利保護とデータの利活用を両立する仕組みの構築をこれまで支援してまいりました。 また、現在公募中のフィジカルAIを見据えたマルチモーダル基盤モデルの開発プロジェクトにつきましても、その公募要領において、データ流出を含むリスクの特定とその対応策、それから、成果物の何を公開し、何を保護するかといった公開方針などを審査することとしております。 本開発事業の成果物は日本のモデル開発者に対して提供することとしておりますが、具体的な提供先や提供方法につきましては、今後適切に検討を進めてまいりたいと考えております。
○安野貴博君 ありがとうございます。 こちら税金を使って開発されるものでありますから、なるべく広くといったところと、あと、もう一方、やはりコンテンツホルダーの権利保護といったところ、これ非常に線引き難しいところではありますけれども、これゼロ、一〇〇の話ではなく、バランスを見ていく必要があると思いますので、どこまで公開することが適切なのか、その検討は進めていただければと思っております。 続きまして、選挙報道についてお伺いしたいと思います。 令和七年度のNHKの予算審議において、芳賀議員より、テレビにおける選挙報道の時間がおよそ二十年前と比較して減少しているという指摘がなされました。また、SNS上の真偽不明の情報が選挙結果に影響を与え得る懸念もますます大きくなっております。直近の国内外の選挙においても、偽情報やミスリーディングな情報の拡散が大きな問題となったことは皆様御承知のとおりでございます。 こうした状況において、正確で信頼できる情報を届ける公共放送の役割は、むしろこれまで以上に大きくなっていると考えております。 そこで、三点、順番にNHK会長と担当役員の方にお伺いしたいと思います。 まず、一つ目のポイントでございまして、選挙報道の改善の取組と評価についてです。 昨年以降、選挙報道についてどのような改善を行われたのか、直近の選挙において選挙関連番組の放送時間等に具体的な変化はあったのか、これまでの取組、何をしてきて、その進捗をどう評価されているか、お聞かせいただければと思います。
○参考人(井上樹彦君) お答えいたします。 去年、二〇二五年から本格的に取り組んでおります選挙報道改革では、ネット空間の情報を確認、検証するとともに、有権者に判断材料を提供するため、事前報道の質を高めて量を増やすことを目指しました。 NHK放送文化研究所が去年の参議院選挙における選挙報道を二〇二二年の選挙時と比較した調査によりますと、放送時間は、公示前五日間は「ニュースウオッチ9」で二・六倍に増えたほか、公示後十一日間では「ニュース7」で一〇%増などとなっています。 今年二月の衆議院選挙でも、これまでの選挙報道改革を継続、発展させました。特に今回は、できるだけ多くの選挙区の特徴や候補者の訴えを紹介することに取り組みまして、放送に加えて、延べ百三十三選挙区の候補者の演説について、要約や全文をウェブサイト上に掲載しました。さらに、物価高対策や経済財政政策などの争点について、全選挙区の候補者にアンケートを行ってウェブサイトに掲載し、訴えを比較できるようにしました。 こうした取組によって、今回も公平公正で多角的な情報を発信することができたと認識しておりますけれども、今後の国政選挙などに向けて、更に改革を進めて選挙報道を深化させてまいりたいというふうに考えています。
○安野貴博君 お答えいただき、ありがとうございます。 例えばアンケートについて全選挙区ウェブサイトに掲載しているといったような、ネットも生かしたような動きというのは非常に重要なポイントだと思っていまして、私も評価をしたいと考えております。 ちょっとそこに関連してという部分ですので、ちょっと二点目と三点目順番が前後しますが、二つ目にお聞きしたいのが、この政見放送というもののウェブアーカイブについてでございます。 政見放送に関して、NHKのウェブサイト上で全候補者分アーカイブして有権者がいつでも視聴できるようにすることについて、現行の公職選挙法上、これを禁止する規定はないものと承知しておりますが、現状、NHKではそのような取組行われていないと承知をしております。 先ほど御答弁もいただきましたとおり、インターネット等も通じながら様々な情報を提供していくという中において、政見放送はすごく有権者にとっても非常に大事な情報の一つでございます。そういった中で、インターネット上にあれば、有権者が特定の時間に見なかったとしても都合のいい時間帯に候補者の主張を比較検討できるような環境を整えられると思いますので、民主主義のインフラとしても極めて重要ではないかと考えております。 これに関して、現在なぜこれが実行されていないのか、技術的、制度的、あるいはその他の課題があれば、具体的にお示しいただければと思います。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。 政見放送についてでございますけれども、公職選挙法では、NHK及び基幹放送事業者は、選挙運動の期間中、政党又は候補者の政見をそのまま放送するということが義務付けられておりまして、NHKが主体的に企画、制作し放送する通常の放送番組とは大きく性質が異なるものであります。 放送法に基づいて定めているNHKの国内放送番組基準におきましても、公職選挙法に基づく政見放送及び経歴放送については、法律に従って実施すると特別な規定を置いているところでございます。 公職選挙法には、アーカイブスとして公開することを含めて、政見放送の配信に関わる規定は設けられておらず、よって立つべき法の規定がございません。そうした中で、NHKが主体的に企画、制作し放送する通常の放送番組とは大きく性質が異なる政見放送を配信することにつきましては、極めて慎重であるべきというふうに考えて今のような対応をしております。
○安野貴博君 お答えいただき、ありがとうございます。 法律に従って実施しなければならないという、そういった性質を持っているということは承知しておりますが、ただ、やはり、おっしゃっていただいたように、これ禁止する規定はないものと承知しておりますし、またこれが非常に重要な、有権者にとっても非常に重要な情報であるということもまた明らかでございますので、是非ここについては検討をしていただければと考えております。 最後、第三にというところですが、ファクトチェック体制の構築についてお伺いしたいと思います。 NHKのインターネットサービスが必須業務になったことを踏まえてですが、これ、先ほどもおっしゃっていただいたとおり、政策アンケートの結果等を公開する取組などは実施されているというところですが、その上で、今後更に踏み込んで、例えばイギリスのBBCでは、BBCベリファイという取組がございまして、これは独自のファクトチェック体制を設けていると。六十人規模のチームをつくり、またAIも使いながら様々な観点で情報を精査していくということをやっておりますが、このように候補者の主張や選挙に関する情報について体系的に検証を行う仕組みを設ける予定はあるか、あるいはそういった議論が今なされているか、お聞かせいただければと思います。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。 デジタル空間で真偽の不確かな情報があふれる中、信頼性の高い情報を提供するために、NHKでは、報道局にある専門チームがインターネット上の投稿などを二十四時間体制で確認しているほか、去年から本部と地域放送局にファクトチェックの担当者を置きまして、真偽不明の情報の確認、検証に連携して対応しているところでございます。 選挙報道でも対策を強化しておりまして、二月の衆議院選挙では、特に、ニュースや街頭インタビューを装って特定の政党や候補者をおとしめる内容の生成AIを使った偽の動画、偽の画像、こちらの拡散が目立ったことから、注意を呼びかけるニュースを発信いたしました。また、ニュースサイト上に掲載しました党首の第一声の全文テキストには客観的な参考情報へのリンクを付加する取組を行ったほか、争点の解説記事を掲載いたしました。 引き続き、有権者の判断のよりどころとなる正確な情報を提示し、情報空間の健全性確保に貢献していきたいというふうに考えております。
○安野貴博君 ありがとうございます。 次の質問とも関連する部分ですが、時間もないので端的に御質問できればと思っております。 AIの開発であるとか活用の促進といったところもNHKとして非常に重要なテーマだと考えておりますが、今申し上げたところの関連で、例えばBBCでは、AIも活用しながら、例えばディープフェイク画像がないかどうか検証するといったような、そういった試みがなされています。 NHKといたしましても、例えばこのようなところにAIを、例えば番組の制作の効率化であるとか業務の効率化といっただけではなくて、公共の包摂に生かせるような形で使っていく、そこに向けて投資や活用を推進していくといったようなことも大切かと思いますが、ここに関してもしお考えがあれば、いただければと思います。
○参考人(小池英夫君) お答えいたします。 現在の経営計画では、NHKが情報空間の健全性確保に貢献することを掲げておりまして、そのためにインターネット上のコンテンツの発信者を証明する技術を開発普及させるための団体、また社会に重大な害を及ぼすおそれのある偽情報に対抗するための国際的な枠組みに参加するなど、取組を進めております。 また、C2PAは、その画像や動画がいつ誰によって作成、加工されたかなどの履歴を証明し、メディアの信頼性を確保するための標準規格ですが、これを管理運営している団体にNHKは会員として参加しており、この技術に関する研究も行っております。 さらに、AIを公共価値の増大のために活用することは重要な経営課題だと考えており、NHKAI原則をまとめたところでございます。 一方で、AIの字幕の生成や多言語翻訳の導入を含め、AIを活用していく技術の投資は放送業界全体でも取り組むべきものだと考えております。
○安野貴博君 終わります。
○齊藤健一郎君 皆様、お待たせいたしました、齊藤の出番でございます。 さあ、会長との一回戦、いよいよやってまいりました。会長、ここから三年間になりますので、私の任期もあと二年半あります。ここから共に一緒にやっていきたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。 まず、会長にお聞きします。 NHKの受信料制度の根幹についてお伺いしますが、NHKは公平負担、これもう皆さん公平負担、御存じだと思います。この公平負担のその大前提となるのは、いつも私が申し上げる分母というところが大事になるんですけれども、その世帯及び事業者の真の対象総数、要するに一〇〇%の場合ということなんですけど、その一〇〇%を正確に把握しているかどうか、会長、お聞きします。
○参考人(井上樹彦君) お答えいたします。 NHKでは、受信料の公平負担の状況を表す指標として、受信料の支払率を推計して公表しております。支払率は、受信料をお支払いいただく対象となる世帯、事業所のうち、実際にお支払をいただいている割合を示した数値であります。 支払率の分母となる受信契約の対象数を実数で把握しますには全数調査が必要になり、多額のコストや労力を要することになるために、調査の実現性の観点を踏まえ、適さないと考えております。 そのため、国勢調査や経済センサス等の公的統計やNHKの独自調査により把握したテレビの所有率などを用いまして受信契約対象数を推計しております。この推計方法については、外部有識者等を交え、専門的かつ客観的な観点から検討を行い、おおむね適切であるとの結論を得ております。
○齊藤健一郎君 このことについては後ほどお伺いします。 経営委員長の方にお伺いします。古賀委員長、よろしくお願いします。 こちらですけれども、昨今のカーナビやホテルなど、その受信料というのの確保というのが大分増えてきておりますが、会長にお伺いしたいのは、これ、真に国民が納得をして払っている、それどのぐらいの、肌感覚で結構なんですけれども、受信料を肌感覚で納得して払っているというのは、視聴者の方の代表である経営委員、経営委員長としてどういうふうに感じておられるか、お伺いします。
○参考人(古賀信行君) 私、執行もいたしておりませんので、その何%というのは非常に正直言ってよく分からないんですが、ただ、私、日常見聞きしている中で申し上げれば、やっぱりNHK放送の有り難さというのを表明される方は非常に多いと思います。ほかとの比較はあえてしませんが、やっぱりNHKの番組見るという方は非常に多いというふうに思っています。 そういうことを受けてやっぱり受信料を払っている方がいらっしゃるんだろうと思いますから、私は、一定の理解はされた上で、それから、議員おっしゃるように、納得されてと言いますが、この種の問題というのはやっぱり納得度の問題であって、やっぱり納得度が高い形にしていかなきゃいけないというのがこの問題なんだと思います。 したがって、これ会長ほかずっとされていますけれども、やっぱり、受信者の方々、視聴者の方々に重ねて重ねてその納得度を高める、こういう動きを継続していくことが極めて重要だと、このように考えております。
○齊藤健一郎君 先のお答えいただきましたので、ここからは僕が一人でつらつらとしゃべっていきます。 先ほど会長がお答えいただきましたところをはっきり言います。これ、一〇〇%というのは現実的に不可能なんです。あくまでも推計というところで、これはもう一〇〇%が無理という、イコール、これはもう受信料の今の制度というものを公平に負担してもらうということが、それそもそもが破綻しているというところでございます。 そして、皆様にお配りしております、今回、参考資料を御覧ください。こちら、参考の資料の方にあります。これ、二〇一七年の方の世帯の方を見ていただいたら分かるんですけれども、四千六百九十九万二千件、これが世帯の二〇一七年です。これ、二〇二六年になると、これが四千五百万件に減っているんですね。これは多分、皆さんよく御存じのとおり、やっぱりテレビを持っている人が少なくなっていて、先ほどもこちらの中でもお話がありましたが、やはり単身世帯の方とかテレビを持っている方とか少なくなっているから、これは当然の数字なんですね。 しかし、その横の事業所というところを御覧ください。これ、二〇一七年の時点で三百七十二万三千件になっています。これ、二〇二六年になると四百五十九万二千件と増えているんです。これが私が前々から言っている分母の部分なんです。要するに、皆までは言いませんけれども、パンドラの箱を開けていっているということなんです。こうやって分母が変わってきているんですね。この時点で一〇〇%の総数というのがもう既におかしいんです。 本来であれば、事業所としても二〇一七年のここにある数字の段階でももっと高くないとおかしいし、これ多分、今後、NHKは七八%の契約を維持するために、この数増えてくると思われます。ここの分母の部分がこうやってNHKの操作によって変わってくるというふうな時点でこの受信料制度がもう破綻しているんだということを、まず皆さん知っていていただきたいなというふうに思います。 そして、これを解決するためにNHKはその受信料特別対策センターを立てたんですけれども、今日もこの委員会の中で話題になっているその未収の件数というのがどんどんどんどん増えてきて、それに対する対策でしっかり未収が最近回収ができているんですというようなお答えをNHK側はしているんですけれども、確かに増えているんです、確かに増えているけれども、ここで落ちていっているものもあるんです。これ何かといったら、はっきり言います、これ信頼です、国民の信頼が落ちていっています。国民から、先ほど経営委員長にお伺いしました、納得して受信料を払えている人がどこまでいるんですかという話なんですね。 これ、ほとんどの方がもう納得いっていないと言わざるを得ないです。これ、総務大臣にも前回の質疑のときにお伺いしたんですけれども、全国から本当に生の声を聞いていただきたいです。本当に納得して月額千百円の受信料を払っている人ってどこまでいるのか。NHKは必要だと思っている人もたくさんいるし、番組楽しいね、コンテンツいいよねと思っている方たくさんいる、これはよく分かっています。そういう声、私の元にも届きます。しかし、納得してこの受信料を払えている人がどこまでいるかといったら、これはもう甚だ疑問です。 これ、なぜ私がこういうふうに、国民の声が、こういうのがありますよと、NHK側と乖離していますよということを言うのかというと、皆さん御存じかどうか分からないですけれども、私の齊藤事務所として、NHKのこういう受信料の問題についてのコールセンターをやっているんです。これ、一日、多ければ四百件以上そこの電話に掛かってきて、平時でも百件ぐらいというのが当たり前のように掛かってきて、これ毎日全国のボランティアの方々が代わりに全部電話を掛け直して、今こういう状況です。そこで一番多いのが、NHKから来た、裁判を、脅しのような、強権的な、怖いという声が今すごく多いんですね。本当にこれは支払わないといけないんですか、これは支払わないと本当にこれ裁判でどうなるんですかと、非常に怖いという声が非常に高まっております。 本当に、こういうふうにどんどんどんどん、未収を回収すればするほど、裁判をすればするほど、これ、しなければならないんですけど、すればするほど国民からの信頼がもう本当に地に落ちつつあるということを、これをまず経営委員も含めてNHKの幹部にはしっかり御理解いただきたいなというふうに思っております。 その現状を踏まえて、私の方から、ここからは私の提案があります。これ何かというと、もうこれ、今まで私はスクランブル放送を掲げていたんですけれども、スクランブル放送の旗はもう下ろします。これ、もう現実的に無理です。ここまでNHKの信頼が没落している状態でスクランブル化を掛けると、これ、みんなお金集まらないです。なので、もう潰れていくしかない。じゃ、もうそうなったらどうなると。僕はNHK必要だと思っています、公共放送必要だと思っています。だからこそ、私が次に掲げるのはNHKの無償化です。無償化イコール国営放送なんです。もう私、これしかないかなというふうに思っています。もうスクランブル化が無理なのであれば、国営放送にしていくしかない。 じゃ、どうやって国営放送をやっていくのかというところで、ここでちょっと会長にお伺いをしたいんですけれども、国営放送にした場合というのはどんな不具合が起きるか、会長、お答えください。
○参考人(井上樹彦君) 受信料制度は、放送法に基づき、公共放送の業務に必要な経費を視聴者・国民の皆様に公平に御負担いただく仕組みであります。 二〇一七年の最高裁判所大法廷判決でも示されましたように、この仕組みは、特定の個人、団体又は国家機関などから財政面での支配や影響が及ぶことのないようにするためのものとなっています。これにより、NHKは高度な自主性が財政面から保障されていると考えています。 御質問の内容は仮定に基づくものであり、お答えしにくいんですが、一般論としては、御指摘の全て税金で賄う国営放送の弊害は、放送の自主自律や不偏不党の立場が脅かされるリスクが生じることだと考えています。 時代、状況が変化し情報の信頼性が揺らぐ中、NHKは、健全な民主主義の発達に資するという普遍的な使命の下、国民の知る権利に応え、正確で信頼できる情報や、多様なジャンルで人々の暮らしに寄り添うコンテンツを届ける大切な役割を担っております。特定の利益や視聴率に左右されず、自主自律を堅持して使命、役割を果たし続けていくためには、その財源として広く視聴者の皆様に御負担していただく受信料制度が最もふさわしいと考えております。 この受信料制度への理解を得るために最大限努力し、公平負担の徹底を図りながら、今後も、放送でもインターネットでも正確な情報や豊かな番組をお届けするという変わらぬ使命を果たし続けてまいりたいと考えております。
○齊藤健一郎君 ありがとうございます。 そうですね、案の定の答えなんですけれども、これ、政府によるその検閲とか介入というのは、それだったら守ればいいという話なんですよね。なので、新放送法を作るしかないかなというふうに思っております。新放送法によってその自主自律の部分をしっかり守っていく、そのような今現状の形をそのまますればいいだけです。 じゃ、次、税金を投入していって、どういうふうにこのNHKの無償化というのをやっていくかという話をちょっと残りやっていきたいと思います。 まず、そもそも全世帯にのしかかっている年間一万円以上のこの理不尽な受信料をゼロにするというのは、多分これ国民の圧倒的な同意得られると思います。 そして、国の資金が入ると、会計検査院、これかなり厳しくメスが入ってきます。今日も話題になりました。子会社のため込んだ利益などの還元など、健全化が進みます。 そして、現在でもその自主自律の基とも言える、これは古賀委員長にも追及しましたけれども、時給四・五万円みたいなという数字お話ししましたが、こういったことも国家公務員の特別職の職員の給与に準ずることができるから、適正価格に落ちてきます。 そして、これ、無償化するというのは、前もお伝えしたとおり、税金を投入するということになるので、結局財源の話になるんです。 じゃ、ちょっと財源についての提案も行います。 まず、その一。これ、現在、今電波というものは、この共益費用の負担方式という形で、テレビ局みんなで、掛かった電波の使用料をみんなで割ろうなと。これはおおよそNHKは今二十五億円です、支払っているのが。これを電波オークション方式であるとか、さらに、これNHKを国有化して、公共放送から国営放送にすることによって、掛かる費用の負担というのを、これ、電波の使用料から原資とするだけで、これ多分、数千億お金がまず出てきます。 そして、ここでも様々出てきましたが、かなりいろんなコンテンツ、IPを持っています。これをもちろん販売していくというのもそうですし、これ、先ほど委員の中でもありました。資産の運用の仕方が何と〇・四%ぐらいしか回っていないということで、〇・四九%運用ということで、これGPIFとかになるとこれ四・五パー、四パーから五パーぐらいで回っているんです。これでも数百億のお金を生み出していけます。そのようなコンテンツを生み出すことができたら、多分数千億の負担というものが、これ多分、税金の原資として出てきます。 そうなったら国民から物すごい納得してもらえるので、それこそNHKオンデマンドであるとかNHKONEというところに協力してくれる国民も増えてくる。そのぐらいの改革をしないと、NHKのこの信頼というのはもうもはや回復できないところまで僕は来ていると思っています。 ただ単に、私はこのNHK問題、ずうっとライフワークとしてやっていますけれども、嫌いでもなければ不必要とも思っていないです。でも、ここでやはり守らなければならないものというのは、やっぱりこのチーム・ジャパン、神谷さんがおっしゃっていましたけれども、チーム・ジャパンとしてNHKはやっぱり欠かせないと思っております、教育の部分も含めて。 というところを根幹的にそろそろ考えていかないといけないので、これ、じゃ、総務省ができるかとか、これNHKができるかとか、NHKの経営委員ができるかといったら、これかなり難しいところがあるので、これを本当に新放送法を作ってやっていこうと思うと、これ立法府が中心になって、ましてや政権与党である自民党が中心になってやっていかないといけないと思いますので、それ以外の今のNHKが生き残る方法、今後十年、二十年、三十年先までNHKがこの国にとって資するものになるために、そこも御一考いただけたらなというふうに思っております。 私の時間が来ましたので、これで終わります。ありがとうございました。
○委員長(吉川沙織君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○齊藤健一郎君 齊藤健一郎です。 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求める件に対して、反対の立場から討論いたします。 令和八年度収支予算及び事業計画は来年度も一向に改善が見られない。赤字の収支予算を認めるわけにはいきません。 NHKは税金徴収と同等な受信料収入で成り立っているため、政府は、国会へ提出する放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求める件を、まず先に国会でNHKの収支予算案と事業規模について審査、チェック機能を強化できるよう改正すべきです。 テレビに依存する時代が終わり、そこに人口減少、SNSの普及で生活環境が大きく変化しました。物価高騰の影響もあり、庶民の節約志向は高まるばかり、受信料収入を増やすことは不可能です。それを補うため、受信料の値上げを視聴者の皆様へ求めることは愚の骨頂、断じて認められません。 昨今の状況から、将来を見据え、NHKの国営化について検討、議論を進めていくべきと付け加え、本件の予算承認に反対の討論といたします。
○委員長(吉川沙織君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(吉川沙織君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。 この際、岸君から発言を求められておりますので、これを許します。岸真紀子君。
○岸真紀子君 私は、ただいま承認されました放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対し、自由民主党・無所属の会、立憲民主・無所属、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会、参政党、沖縄の風及びチームみらい・無所属の会の各派並びに各派に属しない議員齊藤健一郎君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案) 政府及び日本放送協会は、公共放送の使命を全うし、国民・視聴者の信頼に応えることができるよう、次の事項についてその実現に努めるべきである。 一、協会は、政治的公平性を確保し、事実を客観的かつ正確、公平・公正に伝え、真実に迫るための最善の努力を不断に行うとともに、意見が分かれている問題については、できる限り多くの角度から論点を明らかにするなど、放送法の原則を遵守すること。 また、正確で信頼できる、社会の基本的な情報を発信するとともに、近年深刻化している「偽情報・誤情報の流通」を防止する取組等を通じて、健全な民主主義の発達に資するという放送の社会的使命を果たすこと。 二、政府は、日本国憲法で保障された表現の自由、放送法に定める放送の自律性を尊重し、協会を含めた放送事業者の番組編集における自主・自律性が保障されるように放送法を運用すること。 三、協会は、できる限り早期に受信料収入と事業規模との均衡を確保すること。その際には、中期経営計画で掲げた事業支出の削減が、サービスやコンテンツの質の低下を招かないよう、また、協会の職員や関連団体に過度な負担を生じさせないよう十分に配慮すること。 四、協会は、公共放送の存在意義及び受信料制度に対する国民・視聴者の理解の促進や信頼感の継続的な醸成に努めること。 五、政府及び協会は、放送を受信する視聴者の減少を見据え、受信料制度の在り方を含め、協会の運営を持続可能なものとするための基本的な考え方を早期に提示すること。 六、協会は、多数の地方公共団体等において受信契約の締結漏れが確認されたことを踏まえ、事業所等における契約の取扱いについて周知の徹底を図るとともに、受信契約の単位等の在り方に関する現状の課題を速やかに検証し、必要な見直しを行うこと。 七、協会は、公共放送を担う者としての役職員の倫理観を高め、ガバナンスの強化、コンプライアンスの徹底、不祥事の再発防止策の確実な実施等を組織一体となって行うことにより、不祥事の根絶に努めること。 八、協会は、協会の職員の勤務条件及び処遇の改善に引き続き十分配慮すること。特に、協会の職員の給与については、他の民間企業従業員の賃金や物価の上昇等を踏まえ、引き続き適正な水準とすること。また、関連団体の従業員の勤務条件及び処遇の改善にも十分配慮すること。 九、協会は、協会の不十分な労務管理により職員の尊い生命が失われた事実を厳粛に受け止め、今後も協会の業務に携わる者の命と健康を最優先し、適正な業務運営と労働環境の改善に不断に取り組むこと。 十、協会は、国民・視聴者の生命と暮らしを守るため、災害時においても放送・サービスを途絶えさせることなく継続し、正確で信頼できる情報を確実に届けられるよう万全を期すこと。 また、大規模災害や経済情勢の急激な変化等が生じた場合であっても、公共放送としての役割を安定的に果たし続けられるよう、財政安定のための繰越金について十分な水準の確保に努めること。 十一、協会は、障がい者、高齢者及び外国人が、十分な情報アクセス機会を確保できるよう、当該視聴者からの要望を十分に踏まえ、「人にやさしい放送・サービス」の一層の充実等を図ること。 十二、協会は、放送センターの建設計画の見直しを踏まえ、当該見直しの合理性・妥当性及び計画の進捗について、国民・視聴者の理解が得られるよう丁寧な説明を尽くすこと。 十三、協会は、基幹放送局提供子会社による中継局の共同利用事業、基金による中継局共同整備への助成事業及びメディア産業全体の多元性確保に貢献するための助成事業の財源が国民・視聴者の受信料であることを踏まえ、これらの事業の目的と効果に関する説明責任を果たすこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(吉川沙織君) ただいま岸君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(吉川沙織君) 全会一致と認めます。よって、岸君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、林総務大臣及び井上日本放送協会会長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。林総務大臣。
○国務大臣(林芳正君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(吉川沙織君) 井上日本放送協会会長。
○参考人(井上樹彦君) 日本放送協会の令和八年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御承認を賜り、厚く御礼申し上げます。 本予算を執行するに当たりまして、御審議の過程でいただきました御意見並びに総務大臣意見の御趣旨を十分生かしてまいります。 また、ただいまの附帯決議は十分に踏まえて協会の運営に当たり、業務執行に万全を期したいと考えております。 本日はありがとうございました。
○委員長(吉川沙織君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川沙織君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十五分散会