財政金融委員会 第9号
- 発言数
- 135 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2026/05/26
会議録
○委員長(宮本周司君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官岡本利久君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮本周司君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 ─────────────
○委員長(宮本周司君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行副総裁氷見野良三君及び同理事神山一成君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮本周司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(宮本周司君) 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。 まず、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件について、政府から説明を聴取いたします。片山内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(片山さつき君) 令和七年十二月十二日に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出いたしました。 報告対象期間は、令和七年四月一日以降令和七年九月三十日までとなっております。 御審議に先立ちまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、今回の報告対象期間中に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は行われておりません。 次に、預金保険機構による資金援助のうち、救済金融機関等に対する金銭の贈与は、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で十九兆三百十九億円となっております。 また、預金保険機構による破綻金融機関等からの資産の買取りは、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で六兆五千百九十二億円となっております。 なお、預金保険機構の政府保証付借入れ等の残高は、令和七年九月三十日現在、各勘定合計で三千四百四十五億円となっております。 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講ずることに努めてきたところであります。 金融庁といたしましては、今後とも、各金融機関の健全性にも配慮しつつ、金融システムの安定確保に向けて、万全を期してまいる所存でございます。 御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○委員長(宮本周司君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○小林孝一郎君 おはようございます。自由民主党の小林孝一郎です。 本日は、租税特別措置、補助金、基金など、国家の財政運営の質をどのように高めていくのか、政府が設置した租税特別措置・補助金見直し担当室を中心とするいわゆる日本版DOGEの取組について質問をいたします。 まず初めに、日本版DOGEの意義についてお尋ねします。 我が国の一般会計総額は令和八年度予算で百二十兆円を超える規模となり、国債残高も一千三百兆円を超える水準にあります。一方で、物価高、安全保障、少子化、地方経済の再生など、国民生活を守るために必要な投資も待ったなしであります。だからこそ、今求められているのは、積極財政か緊縮財政かという単純な二項対立ではなく、限られた予算を真に必要な分野へ重点配分していくワイズスペンディング、すなわち財政の質を高める取組であります。 昨年秋の自民党と日本維新の会との合意を受け、政府では租税特別措置・補助金見直し担当室を設置し、日本版DOGEの取組が本格的に始まりました。令和八年度予算編成、税制改正では、政策効果の低い措置の縮減や補助制度の重点化など、一定の成果も示されたところであります。 高市内閣が掲げる責任ある積極財政は、単なる歳出拡大ではなく、成長分野や医療、介護など国民生活に真に必要な分野へ重点的に財源を振り向ける考え方であります。そのためには、既存制度を聖域なく点検し、効果の薄い歳出や税制を見直す政策の新陳代謝が不可欠であります。限られた財源の中で国民負担の抑制と成長投資を両立させるためにも、私は日本版DOGEは財政の質を高める重要な基盤であると考えています。 そこで、お尋ねします。 この租税特別措置・補助金見直し担当室の取組は、高市内閣が掲げる責任ある積極財政を進めていくに当たりどのような意義があるとお考えでしょうか、お伺いいたします。
○副大臣(舞立昇治君) 租税特別措置、補助金の見直しについてでございますが、まず、日本維新の会と自民党との連立合意にありますとおり、責任ある積極財政の考え方に基づき、効果的な官民の投資拡大を進めつつ、非効率な政府の在り方を見直すと。その一環として、政策効果の低い租税特別措置や補助金の見直しを進め、政策効果を高めるための総点検をしっかりと行っていくことが重要であると考えております。 その上で、年明けから二月末まで国民の皆様から見直し提案を募集し、総計約三万七千件もの御提案をいただきました。四月十日に開催した第二回租税特別措置・補助金見直しに関する関係閣僚等及び副大臣会議では、募集の結果について概要を公表するとともに、片山大臣から各府省庁に対し、こうした御提案等から得られた点検の視点も踏まえて、租特、補助金、基金についての自己点検を行っていただくよう要請したところでございます。この自己点検につきましては、六月下旬頃に各府省庁において公表していただくこととしております。 今後は、まずは令和九年度予算要求、税制改正要望に向けまして、既存の指摘とともに、今回いただいた御提案等、各府省庁において真摯に御検討いただき、無駄の徹底的な精査を含め、政策効果の低い租特や補助金、基金の見直しに要求、要望段階から取り組んでいただくこととしており、こうした行財政改革を徹底しつつ、政府債務残高対GDP比を安定的に引き下げることや財政の持続性確保にも資するものと考えております。
○小林孝一郎君 御答弁ありがとうございました。是非、こうした総点検を毎年実施していただきまして、見える化をしていただけたらと思っております。 次に、四月十日の副大臣会議、先ほど御答弁いただきましたこの副大臣会議で、各府省庁に求められた自己点検についてお伺いします。 副大臣会議では、令和九年度予算要求、税制改正要望に向け、各府省庁に対して租税特別措置や補助金等の自己点検を徹底するよう依頼がなされたと承知しています。これは、単に財務省や担当室が査定を行うだけでなく、各府省庁自らが政策効果や必要性を検証する点に特徴があると言えます。これまで、制度見直しはどうしても前例踏襲になりやすく、一度創設された制度が長期間継続される傾向にありました。しかし、人口減少や財政の制約が強まる中で、従来型の予算編成だけでは対応が難しくなってきています。 今回の取組では、政策目的は達成されているのか、民間投資や賃上げ、地方経済の活性化につながっているのか、費用対効果は十分かといった観点から、各府省庁が自ら検証することが求められています。また、EBPMの考え方を強化し、成果指標やデータに基づく点検を進めることも示されています。 そこで、お尋ねします。 今回の租税特別措置等の各府省庁の自己点検は、どういった点が新たな取組なのでしょうか、お伺いをいたします。
○副大臣(舞立昇治君) 租税特別措置等につきましては、これまでも、政策評価法に基づき、法人関係税制のうち、税負担の軽減等を図る措置の延長や拡充等を行う場合、各府省庁において政策評価を実施し、その結果の公表が行われてきたところでございます。 一方で、今回の自己点検につきましては、令和八年度与党税制改正大綱におきまして、令和九年度税制改正の要望段階から各府省庁がデータに基づいた説明責任を果たすことが求められたことが新たな点として挙げられると思います。その上で、従来の政策評価とは異なる新たな取組内容として、総点検を行う観点から、法人関係税制に限らず全ての税目に係る租税特別措置等を対象とし、各府省庁において、適用実績等のデータに基づき、税制によって行動変容が実現し政策効果が発現したことを定量的に示すことなどにより、税制改正要望の内容をこれまで以上に精査していただくこととしております。 財務省といたしましても、租特につきまして、引き続き、要望省庁とも協議しつつ、EBPMに基づいて必要性や政策効果を見極めつつ、不断の見直しを行ってまいりたいと考えております。
○小林孝一郎君 御答弁ありがとうございました。 まず各府省庁で自己点検をということでありました。自己点検ということになりますと、どうしても身内による評価ということになりますので、身内による評価というものがありますので、客観性を持たせる意味でも、省庁横断型、財務省がこの後全体的に検証されると思うんですけれども、省庁横断型で客観性を持たせた評価をしていただけたらと思います。 次に、基金の活用についてお伺いします。 基金は近年、経済安全保障、GX、半導体、防災・減災など、中長期かつ機動的な政策を進めるために急速に拡大してきました。実際、令和六年度時点での国の基金残高は十八兆円規模に達しており、コロナ対応を契機に大幅に増加しています。高市総理も、危機管理投資や成長投資を進める上で基金を戦略的に活用する重要性を指摘されています。 一方で、基金については、執行状況が見えにくい、使い残しが多い、事業終了後も残高が滞留しているなど、透明性やガバナンスの課題も指摘されています。会計検査院からも、基金の一部について改善を求める指摘がなされています。 さらに、金利のある時代に入り、国債金利も上昇傾向にあります。国の利払い費増加が懸念される中、基金に多額の資金を積み置くことは、以前にも増してコスト意識が求められる状況になっています。単に積めば安心という時代ではなく、政策効果と財政コストの両面を見極める必要があります。 そこで、お尋ねします。 今後、市場の信認を確保しつつ必要な投資を進めていくためには、改めて基金の活用の在り方を見直していくべきと考えますが、片山大臣の御見解をお伺いします。
○国務大臣(片山さつき君) 基金につきましては、これまでも不断の検証と適正化を進めてまいりましたが、委員御指摘のとおり、今後、市場の信認を確保しながら必要な投資を進めていくためには、租税特別措置、補助金見直しの取組の中でも、基金についてもしっかりと適正化を図っていくことが重要と考えております。 現に、先月公表いたしました国民の皆様からの提案募集におきましても、この基金について、一定期間ごとに成果指標等をちゃんと検証して資金配分に反映すべきだとか、基金の活用に付随する機会費用を軽減すべきだとか、基金をもっと見える化して透明性を確保すべきだといった、非常に端的、非常に貴重な御提案を各種いただいているわけで、これらを踏まえて、基金についても各府省庁で自己点検が現在進められていると承知をしております。 また、高市総理からは、これまで国会や経済財政諮問会議、特に五月二十二日ですね、この場で、危機管理投資、成長投資として、基金による投資促進策を大胆に進めるとともに、その中で成果管理を徹底することを前提に、柔軟で効率的な資金管理の観点も踏まえた基金ルールの見直しを検討していくという方針も示されておりまして、私といたしましては、関係大臣と協力して、この基金活用の在り方について検討を進めてまいる所存でございます。
○小林孝一郎君 御答弁ありがとうございました。 基金ルールの明確化という御答弁をいただきました。三年ルールというのは確かにあると思うんですけれども、国庫の返納でありますとか廃止、こうしたもの、いわゆる基金の出口に当たる部分、こういった出口に当たる部分のルールもしっかりと明確化していっていただけたらと思います。これを機に見直しを進めていただけたらと思いますので、よろしくお願いをいたします。 最後に、補正予算の当初化と補助金見直しについてお伺いをいたします。 これまで、経済対策や物価高対策などの名目で補正予算において恒常的に措置されてきた補助金は少なくありません。本来、補正予算は、災害対応や急激な景気変動など緊急性、突発性の高い支出に対応するためのものですが、近年では毎年度のように大型補正が編成され、実質的に恒常化しているとの指摘があります。実際、近年の補正予算は十三兆円を超える規模となっています。 こうした中、政府は補正予算の当初化を進める方針を示していますが、重要なのは、単なる付け替えではなく、本当に政策効果があったのか、役割を終えた制度ではないのか、民間投資や地域経済の活性化につながったのかといった観点から、日本版DOGEの下で徹底した検証を行うことが必要であります。 そこで、お尋ねします。 限られた財源を成長投資や安全保障、防災・減災、子育て支援など真に必要な分野へ重点配分していくためにも、これを機に補助金の見直しを行うべきだと考えますが、片山大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(片山さつき君) 高市内閣では、毎年度補正予算が組まれることを前提とした予算編成とは決別して、補正予算は緊要性の高いものに限定して、恒常的な施策については原則当初予算で措置していくという方針です。 これは、単に補正予算を当初予算に振り替えるという趣旨ではなくて、めり張り付けを行う中で、必要な予算は可能な限り当初予算で計画的に措置するとともに、必要のないものはもうやめていくということを念頭に置いたものでございます。 こうした観点から、租税特別措置、補助金見直しの取組によって、政策効果を高めるための総点検をしっかりと行っていくことは、当初予算においても、計画的に措置すべき補助金などを洗い出す上でも大変重要と考えております。 現在、各府省庁において、国民の皆様からいただいた御意見、御提案も踏まえて、六月下旬頃の公表を目指して、租特、補助金、基金についての自己点検を進めているところであると承知しております。 これらの自己点検を踏まえて、夏の要求段階から必要な見直しにしっかり取り組んでいただくべく、各府省庁の政務レベルから強力にリードしていただくと同時に、我々も厳しく見させていただきながら取組を進めていきたいと考えております。
○小林孝一郎君 御答弁ありがとうございました。 めり張りを付けて、そして厳しくというお言葉をいただきました。 より厳格な効果検証を行っていただきたいと思っておりますけれども、例えば三年連続で補正計上されている事業とか、こういったものについては、例えば自動的に当初予算化をするとか事業見直しの対象とするとか、何らかの仕組みを導入すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) 今おっしゃっていただいたような視点も含めて、まさに最初の見直しの趣旨で申し上げたように緊要性の高いものが本来補正予算でございますから、毎年ルーチンのようにそちらに寄せていたというものはもちろん趣旨じゃないので、委員の御意見も踏まえましてしっかりと見直しに取り組んでまいりたいと、かように考えております。
○小林孝一郎君 御答弁ありがとうございました。 本日、四つの質問をさせていただきました。いずれも限られた財源をどう生かすかという一点につながるものでありました。単なる歳出削減でも、単なる歳出拡大でもなく、政策効果を高めながら未来への投資を実現するワイズスペンディングをどう進めていくか、その実現に向けて日本版DOGEが実効性ある改革として進むことを御期待申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○高木真理君 立憲民主・無所属の高木真理です。 早速質問に入ってまいりたいと思います。 まず、金利の動向について伺いたいと思います。 今月十八日には政府の補正予算編成が行われるのではないかという報道の中、長期金利の速い上昇が報じられました。しかし、翌日には、六月には利上げではないかという観測が広がり、落ち着いた動きという報道に変わってまいりました。米欧対比で日本の長期金利の上昇速度というのが速く、総裁自身も速いスピードの上昇を認識されているという報道になっております。実際、十八日には、新発の十年国債の利回りが二・八〇〇%となって、二十九年ぶりの高水準を更新をしているということであります。次回の六月の金融政策決定会合では、国債の買入れの減額計画の中間評価、これが実施予定というふうに伺っております。 この金利上昇が金融政策運営に与える影響をどのように見ていらっしゃるか、伺います。
○参考人(氷見野良三君) お答えいたします。 御指摘がありました最近の長期金利の上昇につきましては、市場関係者の間では、中東情勢に伴う原油価格の上昇により、インフレ懸念の高まりが世界的な金利、長期金利の上昇をもたらしているというふうに言われております。また、我が国の先行きの経済・物価情勢や金融政策、財政政策に対する見方などが影響しているとの声も聞かれるところであります。 その上で、金融政策と長期金利の関係につきましては、先行き経済、物価、金融情勢に応じて適切なペースで金融緩和の度合いを調整していくことにより、インフレが適切にコントロールされていくという市場の信認が確保されることが重要であると考えております。 日本銀行といたしましては、そうした市場の信認が維持されるよう、物価安定目標の持続的、安定的な実現に向けて適切な政策運営に努めてまいりたいと考えております。 なお、国債買入れの減額計画につきましては、御指摘のありましたとおり、来月の決定会合において中間評価を実施する予定であります。先週には債券市場参加者との会合を開催して市場参加者の意見もお聞きしたところですが、こうした意見も参考にしながら、この間の長期金利の動きを含め、国債市場の動向や機能度についてしっかりと点検してまいりたいと考えております。
○高木真理君 それでは、その答弁を踏まえましてと申しましょうか、次に伺いたいと思います。 今年の春闘回答、五%台と好調でした。そして、二十二日発表の実質賃金も三か月連続プラスということでありましたけれども、一方で、中東情勢の負の影響が日増しに大きくなっておりまして、コストアップによる消費抑制が強まる危険がある状況になっております。こうした中では、経済成長に対して下押し圧力が掛かることとなっています。 日銀は、経済が低迷するリスクと物価が更に上昇するリスクとの間で大変難しい判断を求められる局面になっているというふうに思うのでありますけれども、今後の政策金利の在り方をどのように捉えているか、伺います。
○参考人(氷見野良三君) お答えいたします。 今後についての中心的な見通しといたしましては、我が国の経済は一旦減速するものの緩やかな成長は維持される、また、消費者物価は今年度を中心に伸び率を高めると予想しておりますけれども、こうした中心的な見通しは、中東情勢の帰趨次第で大きく変化し得るものであり、御指摘のとおり、経済の見通しについては下振れリスク、物価については上振れリスクの方が大きいと考えております。 今後の金融政策運営につきましては、現在の実質金利が極めて低い水準にあることを踏まえまして、経済、物価、金融情勢に応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えておりますが、調整のタイミングやペースにつきましては、中東情勢の展開が我が国経済、物価に及ぼす影響をよく分析いたしまして、中心的な見通しが実現する確度やリスクを点検しながら検討してまいりたいと考えております。
○高木真理君 まさに、中東情勢の不透明さというのがある中での難しい判断がいろいろ迫られるところかと思いますけれども、物価が上昇が激しいと国民生活にも多大な影響も出てまいりますので、しっかりとした御判断を注視してまいりたいというふうに思います。 日銀に対する質問、こちらまでとなりますので、委員長、お取り計らいよろしくお願いします。
○委員長(宮本周司君) 日本銀行氷見野副総裁におかれましては、御退席いただいて結構でございます。
○高木真理君 引き続き、JBICの融資について伺ってまいります。 戦略的投資イニシアチブ第一弾で、四月十七日に、オハイオ州のガス火力発電事業、それからテキサス州原油輸出ターミナル事業への対米投資、対米融資が決まりました。こうした中、JBICは、建設予定地未定のままオハイオ州ガス火力事業への支援検討を開始をしております。 JBICには環境配慮ガイドラインというものがあって、これにおいては、事前の環境影響評価、EIAというものを行うということになっているわけですけれども、これを行わないまま、まだ場所も未定なのにこの融資を四月十七日に決定をしてしまっています。 そもそも、二〇二二年、G7のエルマウ・サミットで一・五度目標に整合しない新規化石燃料事業への支援を二〇二二年度末までに終了すると合意をしているので、整合性も問われるところであります。なぜこんなことが起こったのか、あってはならないのではないか、伺います。
○国務大臣(片山さつき君) 日米戦略投資イニシアチブの第一弾のガス火力発電事業のことに関する御質問かと存じますが、JBICが策定している環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドラインというのがございますが、これは、案件の性質上、例外的に、出融資等の意思決定が必要な時点で環境レビューに必要な文書を入手できない場合には、融資決定後に環境レビューを行うことも規定されております。 この御指摘のガス火力発電事業につきましては、このプロジェクトに必要不可欠な部品を早期に確保するための資金が必要であった一方、実際の施設の建設にはなお一定の期間が掛かるということを踏まえ、融資決定後に環境レビューを行うことになったものと承知をしております。 そのような中でも、JBICといたしましては、可能な範囲で環境レビューに備えた調査等を行ったと聞いておりまして、本件の融資決定が、今御説明したように、ガイドラインに違反していたわけではないのではないかと理解をしているところです。
○高木真理君 今の、事後でもいいんだというような御説明でしたけれども、事後でもいいと言って、これだけの巨大プロジェクトで、政府が関わっていて、ちゃんと、おかしい内容が出てきたときに止まるんだろうかと思うんですけど、これ止まることになっているんでしょうか。
○政府参考人(緒方健太郎君) お答えいたします。 日米投資イニシアチブにおけます案件の進捗におきましては、全額を一度に払い込むのではございませんで、プロジェクトの案件の進捗に応じまして払込みを行っていき、その都度その案件の適格性を審査をしていくという形になってございます。
○高木真理君 やはりこうした、もう先ほども申し上げましたように、新規化石燃料事業への支援はもう二〇二二年度末までに終了するとも合意しているわけですし、環境負荷が大きいということは、この地域で既に稼働している、この地域じゃないですね、テキサス州の原油輸出ターミナル事業と同地域にあるフリーポートのLNGの方ですけれども、こちらでは、これはもう稼働している施設でありますけれども、爆発事故が起きたりとか、重大事故、災害リスク、大気・水質汚染、漁業、海洋生態系への影響、もう様々な被害が出ていて、異議申立てが制度の中で行われている状況なので、なかなかこのLNGの新規開発というのは環境負荷が大きいというところを、これをしっかりと踏まえていただかないといけないというふうに思います。 そうした中で、そもそも二〇二三年末のCOP28成果文書では、化石燃料からの脱却に合意もしています。新たにLNGを開発することをどう説明するんでしょうか。JBICの融資は公的資金でありますけれども、同事業から出荷されるLNGの多くが現状では転売もされております。転売するとなると、新規事業は不要ではないかと思われます。二〇二三年度、日本企業が取り扱った総量の三七%が国内で消費されずに海外へ転売されている。JBICが公的資金で支援したLNG事業でも、同事業から出荷され日本企業が取り扱っているLNGの多くが第三国に転売されていて、例えば、米国のキャメロンLNG事業で、日本企業が扱ったLNGの六四・五%は日本に輸出されず第三国に転売されているという事実があります。 こうした現状を踏まえまして、まず資源エネルギー庁さんに伺いたいんですけれども、今後も、国として、こうした中でも新たなLNG開発を行う方針なのでしょうか、伺います。
○政府参考人(佐々木雅人君) お答え申し上げます。 天然ガスにつきましては、化石燃料の中で温室効果ガスの排出量が最も少なく、また、出力が変動し得る再生可能エネルギーの変動を調整する、変動を吸収するような電源としても中心的な役割を果たし、カーボンニュートラルの実現後も重要なエネルギー源になると考えてございます。 極めて低温での管理、保管が必要であるなど貯蔵に一定の費用が生じるLNGの特性を踏まえて、効率的に安定供給に必要な体制を確保する、構築する観点から、平時は第三国向けに販売する分も含めて余剰のLNGを十分に確保していくことを目指す旨、第七次エネルギー基本計画においても掲げているところでございます。 また、IEAによれば、現在各国が実施しているエネルギー政策が今後も継続することを前提としたシナリオにおいて、今後の世界のLNG需要は堅調に増加していくことが見込まれており、二〇三〇年代半ばには需要が供給を上回る可能性もあることが示唆されているところであります。 一般的に資源開発を始めてから生産に至るまでに十年以上の時間が掛かる中、将来のエネルギーの安定供給を確保するためには足下の資源開発支援が不可欠であり、引き続き、上流権益の確保、供給源の確保に向けての支援に万全を期してまいりたいというふうに考えてございます。
○高木真理君 重要な役割を今果たしている資源であるということは分かるんですけれども、転売するほどの量があるんであれば、使っていくとだんだん枯渇していくこともあるので次のものを準備をしているんだという説明もレクでは伺いましたけれども、転売をしたりせずに、日本で使う分を確保してそれを消費していくということをやっていくのであれば、それほどのスピードで新規開発をしていかなくても十分今あるものを使っていけるのではないかと思うんですけれども、その点についてはどうお考えですか。
○政府参考人(佐々木雅人君) 先ほどお答えの中でも申し上げましたように、LNGというのは非常に貯蔵の難しい、極めて低温で保管しなければならない、貯蔵することにコストの掛かるものでありますので、いざというときのその安定供給ということを考えたときには一定程度の余剰のLNGを日本勢として確保した上で対応していくことが効率的であろうという判断の下で、エネルギー基本計画でもこういった日本勢が取り扱うLNGの量を一定量確保するという方針を明確にしたところでございます。
○高木真理君 今そうした意味での危機が来ているわけですけれども、そういう中で日本は、じゃ、輸出はやめて全量を日本で抱えるということをやっているのかどうか、そこも疑問だなというふうに思います。何か方便になっているんじゃないかなという気が大変するわけでありますけれども。 次は、JBICさんの方、JBICのことについて伺いたいと思いますが、こうした今の方針でいくという場合に、開発が行われていくという場合に、国がこのJBIC融資を通じた支援を行っていくつもりがあるのか、伺います。
○政府参考人(緒方健太郎君) お答えいたします。 ただいま経済産業省から答弁ありましたとおり、政府としましては、第七次エネルギー基本計画においてLNGの安定供給を確保すること等を目標に掲げておりまして、その上流権益の確保は重要と考えてございます。 JBICにおきましては、こうした政府の方針を踏まえまして、LNGを含めエネルギー資源の確保に対して金融面から支援を行っているところでございます。 政府としましては、このようなJBICによるエネルギー資源確保に対する金融面からの支援は我が国経済にとって意義があるものと考えてございます。
○高木真理君 今の御答弁だと、やはりこの二〇二二年度末までにこのエルマウ・サミットで約束した合意との整合性が問われるという問題クリアできないというふうにも思いますので、引き続き、この問題、私も注視してまいりたいと思います。 次に、スルガ銀行の問題に移ってまいります。 スルガ銀行問題の再発防止に向けた枠組みづくりについて、再発防止というふうに申し上げておりますけれども、もちろん今の被害者の皆さんを救う、その方策についても同じように考えていきたいというふうに思っております。 これまでの片山大臣の委員会答弁の中でスルガ銀行問題の再発防止の枠組みとして言及されているものが二回ございました、具体的なものですね。 委員会質問が行われるたびにこのスルガ銀行問題って各委員が取り上げておりますけれども、この片山大臣が取り上げられた回答のヒントというもの、一つ目は、三月二十六日の柴愼一議員への答弁で、東日本大震災の際に議員立法に片山大臣は奔走されて、平均四割以上の債権カットができたのでそれを使えるのではないかというふうに御発言をされたというのがあります。 四月二十一日には、森ゆうこ議員がこれを特措法という呼び方で適用可能性を再度大臣に質問したところ、特措法という言葉を当時の答弁でも使っていらっしゃらなかったので特措法って何を指しているのかなというふうに思われたんだと思うんですが、御指摘の私の答弁というのはどの部分のどれを指しているのかという御答弁になっておりました。 ただ、大臣の発言はとても重いので、何とかここに活路があるんじゃないか、これを適用すれば救っていくことができるんじゃないかというふうに、救われるんじゃないかというふうに思うわけですね。 二つ目は、四月九日のラサール石井議員の質問への答弁なわけでありますけれども、金融商品版PL法とおっしゃっているらしいということを伺いましたが、中略、実は金融サービス提供法というのがありましてとして、大臣は、御提案のような内容を制度化するということになりますと慎重に詰める必要があるという旨を答えております。 慎重にしなきゃいけない論点を幾つか挙げていらっしゃるわけですけれども、これも答弁を読むと、慎重にしなければいけないその論点、いろんなところに跳ねていくというような表現も使っていらっしゃいましたけれども、そこを詰めたら対応できる法律ができるんじゃないかというふうに思って聞くわけなんです。 ということで、これらの問題点、いろいろ困難があることは重々承知はするんですけれども、論点を詰めたら、あるいは問題点をクリアしたら被害者救済につなげられることができるということで御発言をされていたのではないかというふうに思いますので、これらの点、その後、どういうふうに進めることができたのか、検討がされているのか、伺いたいと思います。 で、情報の非対称性からいって、貸し手側に不正があっても借り手の個人の立証が、なかなか証拠が出てこない、不可能に近いということに鑑みて、民事訴訟法における立証責任の、転換措置だけでも制度化すべきじゃないかということを以前柴愼一議員が質問したときにも、これも各国でやっているのでやり方はあるというような御答弁もありましたので、ADRなどに答弁逃げずに、是非お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(片山さつき君) スルガ銀行のアパマン問題でございますが、これ何回もそのように申し上げていると思いますけど、訴訟の場でスルガ銀行によるその損害賠償責任というのが認められておりません、このアパマン問題については。調停が行われてきたわけですが、調停においてもスルガ銀行の不法行為が成立する余地がないではないという考えが示されるにとどまったということ、これも何回も申し上げましたが、申し上げておりますが、こうしたことを踏まえますと、この問題を銀行一般の問題として捉えて制度整備のための立法事実がそこにあるというふうに位置付けるということは、現時点ではできないんじゃないかなというふうには考えております。 これに加えまして、先ほど言及がありましたが、金融商品版の製造物責任、PLですね、製造物責任法のような制度、特に立証責任を転換するというような御提案については、これも私もお答えしていますが、顧客の保護、それから経済取引の安定性、融資実務等幅広い分野に影響が生じ、かえって金融の円滑を図るという公益が損なわれかねないということ、また、東日本大震災事業者再生支援機構法は、これは私自身が筆頭立法者でございまして、この参議院から出して通していただいたものでございますが、これを具体化するということになりますと、東日本大震災のような大規模な自然災害に起因する被害と、スルガ銀行の不正融資問題のように取引の相手方というのが存在して民事訴訟などによってその責任を追及する余地のある被害とを同列に論じるということになりますから、これは困難であると思われますので、こういった趣旨を今までも国会の場でも、本委員会も始めとして御説明してきたと私としては考えておりまして、こうした方策を制度化することは現時点ではできないと判断しておりますので、このことは御理解いただきたいと考えております。 金融庁としては、スルガ銀行と債務者の双方が合意した調停条項に従って真摯に協議を進めることが重要と考えておりまして、同行が債務者に十分に寄り添った対応を取るようしっかりと指導監督してまいりたいと思います。
○高木真理君 東日本大震災と、災害とは一緒にできないというふうにおっしゃいましたけれども、でも、それをこの答弁の場でそういうのも使えるんじゃないかということを大臣自身がおっしゃったわけですよね。だから、おっしゃっていますよ。なので、そういうのも使えるんじゃないかみたいなことですよね。なので、みんな真剣にそこを考えるわけですよ。 今、サービサーに売却するという案も浮上して、報道がされておりますけれども、これ個別に対応するということになるだけでは、いろんなリスクがあるものを一定みんな同じように対応することができなくてリスクが乗り越えられない懸念もあるので、こうしたサービサーに売却をして救っていくという案であっても、これを何か制度化して対応するということなども変化形として考えていただけないかと思うんですが、そうした検討とかというのはされているんでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) 変化形というのもなかなか難しいという、ちょっと今お伺いした限りではなかなか難しいと思うんですけれども。 先般、決算委員会がございまして、五月十一日に別の先生から高市総理に対して東日本大震災のようなというようなことの趣旨の御質問が出たときに、総理のお答えが、東日本大震災のような大規模自然災害に起因する被害と、スルガ銀行の不正融資問題のように取引の相手方が存在して民事訴訟などによってその責任を追及する余地のある被害とを同列に論じるということは困難だと考えますというふうにはっきり答弁を申し上げているところは御理解をいただきたいと思います。
○委員長(宮本周司君) 時間が来ておりますので、質問おまとめください。
○高木真理君 はい。 私が発言されたというふうに申し上げたのは、大臣の発言、三月二十六日の答弁であったわけでありますけれども、いずれにしても、再発防止のためにも枠組みをつくっていかなければいけないと思います。 以上、終わります。
○原田秀一君 国民民主党・新緑風会の原田秀一です。 本日は、NISAとiDeCoについて政府の見解を伺います。 いずれも共通する問題意識があります。政府は貯蓄から投資へを掲げていますが、その本質は国民一人一人が自らに合った形で長期資産を形成する環境を整えることだと考えます。特に、少子高齢化により現役世代の年金の実質給付水準は親世代より低下するのは確実です。社会保険料が増加し続け、世代間格差の中で構造的に損をしている現役世代、将来世代にとって、自ら老後に備えられる制度の整備は国の責務であると申し上げ、質問に入ります。 まず、NISAについて伺います。 長らく続いた長期金利の時代が終わり、金利のある世界に戻っています。長期金利は上昇傾向にあり、三十年国債の金利は三・九%と、イールドカーブのスティープ化、すなわち短期金利と長期金利の差が拡大しています。一方で、現在の個人向け国債は、利回り一・六七%の変動十年、利回り一・八九%の固定五年及び利回り一・五七%の固定三年の三種類にとどまっています。金利環境の変化を鑑み、三%程度の利回りが想定される二十年、三十年といった長期、超長期の個人向け国債の発行を検討すべきではないでしょうか。 個人が長期国債にアクセスできる手段を整備することは、家計の安定的な資産形成に資するだけではなく、国債市場における安定的な国内保有主体の育成という観点からも意義があります。 更に申し上げます。現在のNISAは、株式、投資信託中心の設計です。一方で、国民の資産形成ニーズは多様です。リスク資産への不安が強い層、地方の高齢世帯などにとっては、値動きの大きい株式中心では不安だという声が根強くあります。その結果、多くの高齢者がNISA利用をためらい、個人金融資産は預金のまま眠っています。 国民の資産形成力を高めるには、多様な資産をNISAに組入れ可能とすべきと考えます。個人向け国債や通常国債をNISAの対象に加えることで、国民の資産形成力を向上すべきではないでしょうか。 昨年十一月にこの提案をした際、大臣からは、貯蓄から投資へという意味では一〇〇%の保証のある国債はどうなのかというお話がありました。しかし、預金か株式かではなく、その中間に国債を位置付けることで、日本の家計金融資産の株式、債券、預金の適切なポートフォリオの構築につながると考えます。 現在の金融環境も踏まえ、二十年、三十年の個人向け国債の発行、さらには個人向け国債、通常国債をNISA対象とすることについて、大臣の見解を改めてお聞かせください。
○国務大臣(片山さつき君) 日銀の国債買入れ減額が行われている中で、国内外の幅広い投資家に国債を保有していただく努力は、今後の国債の安定的な消化の観点から一層重要になっていると我々把握をしているものでございますから、強く認識はしております。 その上で、個人向け国債の商品性、今、十年の変動、それから五年の固定、三年の固定というのがあるんですけれども、この商品性の在り方というのはもう不断に検討を進めていかなきゃいけないというふうに思っておりまして、まさに先生が今、委員が今おっしゃったような個々人の多様なニーズも踏まえてまいりたいと考えております。 また、国債そのものをNISAの対象とすべきかどうかについては、様々な投資信託がNISAの対象になっていて、その運用替えのときに国債が一瞬も入らないのかといったら、それはまた別なんですが、はい、これは国債ですよという形のものがストレートに一〇〇%のNISAの対象なのかというと、まあNISAのその当初の税制優遇をいただく趣旨が、国民の投資への関心を高め、貯蓄から投資への流れを進めるという制度でございます。 これが、預金と同様に元本が国債は保証されているわけですから、そのままはそのNISAの対象に、これをこのままの制度のまま持ってくるということはなかなか難しいのでちょっと考えられないとは思っております。そこは同じなんですけれども。 あらゆる世代の国民がお一人お一人の人生設計に沿った形で資産形成を行うことができるようにすることが非常に重要だと思っておりますので、今後とも、NISAの趣旨を踏まえて、NISAの対象商品については丁寧に検討してまいりたいというふうに考えておりまして、実際に、八年度の税制改正においては、つみたて投資枠の対象商品の拡充として、国債を含む債券中心の投資信託の要件を緩和はしているところでございます。
○原田秀一君 ありがとうございます。 次に、iDeCoについて伺います。 さて、本日出席の委員の皆様はiDeCoに御加入でしょうか。国会議員は、国民年金第一号被保険者です。つまり、現在六十五歳未満、本年十二月よりは七十歳未満の方はiDeCoに加入できる立場にあります。掛金上限は月六万八千円、年間八十一万六千円が全額所得控除、歳費水準を考えれば節税効果は相当なものです。ベテランの議員であられる西田先生も本年十二月よりは加入できると思います。もし未加入であれば御検討をいただければと思います。 しかし、多くの方が加入していないのが実情ではないでしょうか。その問題意識を一言申し上げ、現状の確認から入ります。 金融庁に伺います。 NISAとiDeCoについて、それぞれの直近の加入者を教えてください。また、現役世代、すなわち二十歳から五十九歳に限定した場合の加入者数もそれぞれ教えてください。
○政府参考人(岡田大君) お答え申し上げます。 二〇二五年十二月末時点でのNISAの口座数合計は速報値で二千八百二十五万五千六百六十四口座、二〇二六年三月末時点のiDeCoの加入者の数は速報値で三百九十二万八千二百七十八人となっております。また、二十歳から五十九歳に限定した二〇二五年六月末時点のNISAの口座数は千八百二十六万十四口座、二〇二六年三月末時点のiDeCo加入者の数は速報値で三百六十四万四千七百十人となっております。
○原田秀一君 ありがとうございます。 ただいま御答弁いただいた数字を踏まえ、伺います。 配付資料一にあるとおり、近年、NISAの利用者の増加は著しい一方、iDeCoはNISAの七分の一以下と遠く及ばない状況が続いています。もちろん、両制度には政策目的の違いがあることは承知しています。NISAは幅広い国民の自由な資産形成、iDeCoは公的年金を補完する老後専用の上乗せ年金という位置付けです。しかし、いずれも国民の資産形成を支援するという共通の目的を持つ制度です。この加入数の大きな格差について、政府の受け止めを教えてください。
○大臣政務官(神谷政幸君) お答えします。 NISAが家計の安定的な資産形成の支援を目的とした制度である一方、iDeCoは公的年金の上乗せ部分として老後に向けた資産形成を目的とした制度であることから、それぞれの制度の仕組みや対象者、税制上の措置も異なっているということは委員も御案内のことかと思います。また、公的年金の上乗せの制度としては企業年金等の制度もあり、iDeCo共に広く活用されているところであります。 このため、両者の加入者数を単純に比較することはできないものの、御指摘のありましたとおり、老後の資産形成の推進の観点から更なるiDeCoの普及推進を図ることは重要であり、厚生労働省としても、経済界とも連携して事業主から従業員への周知を促進するとともに、金融庁とも連携し、iDeCoの普及促進に業界全体で取り組むための特別会議の開催や、公的年金シミュレーターでのiDeCoの試算機能の追加等を行ってきております。 先ほども触れていただきましたとおり、本年十二月からは拠出限度額の引上げや加入年齢の、加入可能年齢の引上げといった制度の拡充も予定しており、年齢層などに応じたiDeCoの積極的な周知、広報に取り組んでまいりたいと考えております。
○原田秀一君 ありがとうございます。 今、厚労大臣政務官から広報や認知度の課題という答弁も少しありましたが、配付資料二を御覧ください。 確かに、iDeCoの認知度はNISAよりは少しは落ちますが、両者にさほどの差はありません。やはり単に知られていないのではなく、知った上で利用をためらう障害があると考えます。 第一の障害は転職時の問題です。厚労省に伺います。 企業DCの加入者が転職時期にiDeCoへの移換手続が行われない場合、資産は国民年金に自動移換され、現金化され、手数料だけで差し引かれ続ける状態になります。現在、この自動移換となっている人数と資産規模を教えてください。
○政府参考人(吉田修君) お答え申し上げます。 企業型DCの加入者の資産につきましては、今委員から御説明ございましたように、転退職時に手続を行わないなどの幾つかの要件を満たした場合には、国民年金基金連合会に自動的に移換され、その後は運用されずに国民年金基金連合会において管理されるということになります。 この国民年金基金連合会において管理をしております自動移換された資産でございますが、令和七年度末時点におきまして約八十二万人、資産の額としては約三千五百八十一億円となっているところでございます。
○原田秀一君 ありがとうございます。 政府は、労働移動を促進し、人への投資を掲げています。しかし、転職のたびに資産形成が止まり手数料だけが引かれ続ける制度で、本当に現役世代の長期積立てを支援できるでしょうか。 厚生労働省に伺います。 企業型DCの転職時、転退職時における、国民年金に自動移換され現金で放置されている八十二万人、三千億を超える資産を減らす取組を国民年金基金連合会としてやるべきではないでしょうか。放置するのではなく、本人に定期的に周知して、iDeCoに資産移換手続をやるように促すのが国の責務だと思いますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(神谷政幸君) お答えします。 企業型DCは、御本人がiDeCoの口座を開設している場合はiDeCoへ、また転職先に企業型DCがある場合は転職先の企業型DCへ資産の持ち運びが可能であり、これらの資産について適切に手続が行われ、安定的な老後の所得確保が実現されることが望ましいことであります。 また、御本人が既にiDeCoに加入されている場合や、転職先に企業型DCがある場合には、御本人の手続なしでiDeCoや企業型DCに移換される仕組みを平成三十年から開始しているところであります。 さらに、御本人への周知の取組も強化しており、本年四月には事業主から退職時の説明義務の強化を行うなど、自動移換を減らすための取組を累次にわたって進めてきているところであります。 御本人がiDeCoの口座を開設していない場合にはiDeCoへの移換を行うことは困難と認識しておりますが、企業型DC加入者の資産が退職後も適切に運用され、老後の資産形成に資するような、様々な御意見を伺いつつ、引き続き検討してまいりたいと考えております。
○原田秀一君 ありがとうございます。 第二の障壁は、手数料の問題です。 厚生労働省に伺います。 iDeCoでは、加入時、二千八百二十九円に加え、運用中、毎月、国民年金基金連合会等への固定手数料として月百七十一円、年間二千五十二円掛かります。来年から月百八十六円、年間二千二百三十二円に値上げされます。この固定費型の構造は、少額積立者ほど手数料負担が重くなる逆進的な設計です。 政府が本気で現役世代の資産形成を支援するなら、最も支援が必要な少額積立者が最も不利になる現状を放置すべきではないと考えます。DXやAIの進展が目覚ましい現状です。値上げではなく、基金連合会の自助努力でiDeCoの手数料軽減を検討すべきではないでしょうか。また、少額積立者や基礎手数料の、へのですね、基礎手数料の公費補助をすることの可否についても見解をお聞かせください。
○大臣政務官(神谷政幸君) お答えします。 iDeCoについては、実施主体である国民年金基金連合会において、加入資格の確認や掛金の拠出限度額の管理などの業務を担っており、これらに必要な経費やシステム費用については、加入者からの手数料により賄われております。 これまで、加入対象者の拡大や拠出限度額の引上げなど制度の充実とともに、オンライン手続の導入等を進めるなど、加入者の利便性向上が図られてきました。また、令和八年十二月に施行される掛金の拠出限度額や加入可能年齢の見直しなど、制度改正に着実に対応するためのシステム改修等の準備を進めておりますが、これらはいずれも主に借入金で賄ってきているのが現状であります。 iDeCoの運営に当たっては、こうした加入者の利便性向上等に取り組みつつ、引き続き効率的かつ安定的な運営が行われることが重要と考えております。
○原田秀一君 ありがとうございます。 次に、第三の障壁であります出口課税の問題についてお伺いします。 財務省に伺います。 iDeCoは、受取時に退職所得として課税されます。今年一月からは、五年のルールが十年ルールへ、十年に改正され、iDeCoと退職金の受取間隔を十年以上空けなければ退職所得控除が大幅に削られる仕組みになりました。本改正を改悪であるという国民の声が殺到しているのは御存じのとおりです。六十歳でiDeCoを受け取り、六十五歳で退職した場合、退職金の控除が減額され、税負担が数十万から場合によっては数百万円増加します。 退職金は、会社が支払う給与の後払いです。一方で、iDeCoは、本人が税引き前所得から自助努力で積み立てた老後資産です。性格が根本的に異なる二つの所得を同一の控除額で調整するのは、現役世代の自助努力を税制が罰する構造にもなっているとも言えます。 そもそも、iDeCoを一時金で受け取ることが多いのは、年金で受け取ると一回当たり四百四十円の手数料が掛かるからとも言われています。本来は年金で受け取りたいが、手数料が高いのでやむを得ず一時金にしている。 私の提案は、iDeCoの所得控除を退職金とは別枠とすることです。iDeCoについては、加入年数に応じ独立した控除枠を設けることで、自助努力が正当に報われる制度にすべきと考えますが、御意見をお聞かせください。
○副大臣(舞立昇治君) 先生御案内のように、iDeCoを一時金として受け取る場合には、所得税法上、退職手当等とみなされて退職所得課税の対象となるところでございますが、これらの退職所得含めまして、退職金につきましては他の所得に比べてかなり税負担を軽減しておりますが、複数の退職金を受給する場合には、課税の公平性の観点から、勤続期間の重複について調整した上で退職所得控除額を計算することとしております。 先生御指摘のように、iDeCoについて他の退職金と別枠の新たな控除を創設することにつきましては、既に拠出段階におきましても掛金の全額を所得控除するという手厚い税制措置を講じている中で、iDeCoによる一時金を受給する段階において更に大きな税負担の軽減を認めることとなりまして、課税の公平性の観点から課題があるものと考えておりますので、慎重に検討すべきものと考えております。
○原田秀一君 ありがとうございます。 続きまして、第四の障壁です。私がXで行ったアンケートで最も多かったものです。 厚生労働省に伺います。 現役世代がiDeCoを敬遠する最大の理由は、六十歳まで引き出せないというロックアップへの不安です。会社員は、既に厚生年金保険料として月収の約九%を強制的に拠出しています。その上で、さらに六十歳まで引き出せない制度に追加拠出することへの心理的抵抗は、税メリットがあっても相当大きいものになっています。老後資産形成専用という制度の趣旨は理解しますが、この障壁を放置する限り、普及には構造的な限界があります。 私の提案は、客観的に証明可能な一定の事由に限定した条件付の中途引き出し制度の導入です。例えば、長期離職、休職、被災、住宅購入費、十二か月以内の高等教育費の四つに限定します。その際の課税については、退職所得控除を適用せず、一時所得として課税する方法も提案します。積立時には既に所得控除の恩恵を受けているため、一時所得課税で引き出しても、トータルでマイナスにはなりません。長期保有インセンティブを保ちながらロックアップへの不安を解消する現実的な改革案と考えます。 米国の四〇一kには、こうしたハードシップの際の中途引き出し制度が存在しています。日本でも導入を検討すべき時期に来ているのではないでしょうか、政府の見解をお聞かせください。
○大臣政務官(神谷政幸君) お答えします。 iDeCoは、拠出や引き出しが自由な貯蓄とは異なり、公的年金の上乗せ部分として老後に向けた資産形成のための自主的な取組を支援することを目的としていることから、原則として六十歳到達前の中途引き出しは認められていないことは委員も御案内のことかと思います。 その上で、iDeCoを含む確定拠出年金制度における中途引き出しの在り方については、一昨年の社会保障審議会企業年金・個人年金部会において御議論をいただき、中途引き出しの要件を緩和し対象範囲を広げるべきという意見があった一方で、現在iDeCoに認められている税制上の優遇等を踏まえると安易に中途引き出しの要件を緩和すべきではないとの御意見もあったところであります。 iDeCoは、老後の多様なニーズに対応する制度であり、より多くの方に活用いただくことが重要です。厚生労働省としては、今後ともiDeCoの周知、広報に取り組むとともに、更なる課題の改善に向けては、様々な御意見を伺いながら、引き続き検討を行ってまいりたいと考えております。
○原田秀一君 ありがとうございます。 最後に、金融担当大臣に伺います。 iDeCo制度発足から四半世紀が経過しています。一方で、現役世代が加入をためらう根本的な障壁は依然として残っています。加入者三百九十三万人という現状は、制度の理念と設計の乖離を示していると思います。四半世紀を経た今こそ、抜本的な制度改革を取り込むときだと考えています。 金融大臣としてのiDeCoの更なる改善策の要否について、御見解をお聞かせください。
○国務大臣(片山さつき君) iDeCoにつきましては、所管の厚生労働省におきまして、加入者の利便性向上や普及促進に向けた方策を鋭意御検討されているものと承知しております。金融庁におきましても、私が分科会長を務める新戦略策定のための資産運用立国推進分科会における検討を踏まえた新たな金融戦略の骨子案の中で、加入者目線に立ったiDeCo制度の改善、広報の充実というのを盛り込んでおりまして、政府全体としても、iDeCoの普及促進に向けた検討は進めております。 金融庁といたしましても、家計の安定的な資産形成の推進に当たっては、お一人お一人のライフプランに沿いましてNISAやiDeCoが効果的に活用されることが重要であると考えておりまして、iDeCoの更なる普及促進に向けて、今厚生労働省からもるるお話がございましたが、先生の御指摘も踏まえて様々取組を進めてまいりたいと考えております。
○原田秀一君 ありがとうございます。 自助努力が報われる制度への改正を強く求めまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。 通告に従いまして順次質問をしてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いをいたします。 まず、補正予算について確認をしたいと思います。 時系列に沿って申し上げますと、先週、現下の物価高に対応するための補正予算の編成について、片山大臣に対して検討を指示したとの高市総理の発言がございました。申し上げるまでもなく、イラン情勢に伴う原油高は国民生活を直撃しておりますが、特に中小企業では、原材料費や燃料費の高騰によるコスト増が顕著であり、食材や包材の値上げ、値上がりを価格転嫁できず、売上げが減ったといった切実な声が寄せられ、事業経営を左右しかねない深刻な問題となっております。 こうした物価高対策については、立憲、公明の両党が提出した二六年度予算の修正案が参議院予算委員会で否決されて以降、私どもは、直ちに補正予算を編成し、国民の命と暮らしを守るために迅速に対応するよう政府に対し繰り返し訴えてまいりました。また、それと並行いたしまして、公明、立憲、中道の三党で緊急調査を実施し、全国各地から直接お伺いをした一万二千件以上の現場の声を取りまとめ、四月二十八日には官房長官に対し、直ちに補正予算を編成すべきであるとの申入れも行ってきたところでございます。 また、昨日二十五日には、中道、立憲、公明三党で、佐藤官房副長官に対しまして命と暮らしを守る緊急経済対策を申し入れたところであります。加えて、昨日は総理から、補正予算を来週にも国会に提出するとの表明がなされたわけでございます。 このように、ようやく補正予算の編成に動き始めたわけでございます。私ども日々の現場感覚からすれば、現在の政府・与党の姿勢は、国民生活の痛みに対して感覚が鈍いのではないか、また、対応の遅さだけでなく、庶民の声が届かない政権となってしまっているのではないかと厳しく指摘せざるを得ません。 そこで、片山大臣に質問いたしますが、まず補正予算につきまして、昨日総理が概要を表明されましたが、財務大臣としてどの程度の規模を想定し、いつ国会に提出する考えなのか、確認をしたいと思います。 あわせて、先週水曜日に発表し、昨日申入れをいたしました公明、立憲、中道の三党の命と暮らしを守る緊急経済対策で、電気・ガス料金などの引下げや原油高騰の影響を受ける事業者への金融支援等について具体的な政策提言を行わせていただきましたが、今般の補正予算の策定に際しましては、こういった現場の声、現場のニーズを反映した私どもの提言を十分に踏まえていただきたいというふうに思いますが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山さつき君) 補正予算につきましては、昨日の総理の会見において、中東情勢は依然として不透明であり、電気・ガス料金支援、これに限らず、必要な施策を臨機応変に講じていくと、このため、リスクの最小化の観点から、資金面で万全の備えを取るべく、補正予算を編成し、来週にも国会に提出するという御発言があったところでございます。 あわせて、昨日の会見で総理からは、補正予算の規模については三兆円強となる見込みであり、その内容としては、令和七年度補正予算で二兆円を措置した重点支援地方交付金について、電気・ガス料金の支援の対象とはならない特別高圧電力、いわゆる特別高圧、それからLPガスの利用者への支援など、また地域の実情に応じた支援を強化できるよう追加措置をするということと、また、今日、電気・ガス料金支援のために、使用を一般予備費から決定いたしました。この一般予備費の今日決定してしまったものの残高を元々の一兆円に復元するということ、これに併せまして、今後への万全の備えのために、新たに中東情勢等対応予備費を創設するとの御発言があったところでございます。 公明、中道、立憲三党の御提言につきましては、今般の令和八年度予備費を活用した電気・ガス代支援や補正予算については与党からの御提言を踏まえ検討しているものですが、御党、公明党様を含む三党からの御提言の御趣旨や内容とも拝見している限りは一定程度重なっている部分があると、このように認識をしている次第でございます。 この本補正予算の早期成立に向け、国会審議等を通じてより多くの皆様に御理解をいただけるよう私どもも丁寧な説明に努めてまいりたいと、このように考えております。
○杉久武君 今御答弁いただきました電気・ガス料金等については我々の提言も取り入れていただいたと思いますが、一方で、低所得、子育て世帯向けの現金給付でありましたり雇用調整助成金の要件緩和、拡充でありましたり、原油高騰の影響を受ける事業者への金融支援、こういったことも提言をさせていただいておりますけれども、その辺りがどういう形で反映されているのか、まだよく分からないところもございます。この中身につきましては予算審議でしっかりと質疑させていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。 次に、クロード・ミュトスについて確認をしたいと思いますが、先週、片山大臣にはフランスで開催されましたG7財務大臣・中央銀行総裁会議に出席をされておりますけれども、今般の会合における議題の一つに、先端人工知能を悪用したサイバー攻撃への対応についても議論されたと伺っております。会議では、最先端のAIモデルに関する最近の動向を踏まえ、適切な場合には情報共有を強化するとの宣言が出されたとも伺っておりますが、この最先端AIで注目されているのがアンソロピック社が開発したクロード・ミュトスであります。 我が国でも、先週五月十八日にはクロード・ミュトス対策に関する関係省庁会議が開催をされましたが、このクロード・ミュトスは、システムの脆弱性を見付け出す能力が著しく高いとされる反面、悪用した場合にはサイバー攻撃に利用されるおそれがあると指摘されていることから、こうした先端AIにつきましては、単なる利便性や効率性のみ追求するのではなく、私たちの生命や生活、生存を守る視点できちんと捉えた上での活用が不可欠であると同時に、AIを使う側である人間のガバナンス整備というものについても国として真剣に検討を進めていく必要があるのではないかというふうに思います。 そこで、片山大臣に質問いたしますが、クロード・ミュトスなどの先端AIによる金融分野等への新たな脅威に対しましてどのような課題を認識しているか伺うとともに、金融機関等に対するサイバー攻撃への対処をどのように進めるのか、また、銀行等との官民連携の強化、特にセキュリティー対策支援や人材育成について今後どのように取り組んでいくのか、併せて確認をしたいと思います。
○国務大臣(片山さつき君) パリで行われましたG7蔵相・中央銀行総裁会議におきまして、先端AI、フロンティアAIとも言われておりますが、これにつきまして議論がございまして、各国間の情報共有を強化するというようなことで文書が合意されて発表されておりますが、それ以前に、私と米国のベッセント長官も、ベッセント長官、来日をされておりますので、その間も何回か日米蔵相会談等も行っておりまして、一連の会談で話をしておりまして、日本の金融業界に対してはアクセスを付与する旨を直接伺っております。 AI技術が急速に進展する中、サイバー攻撃の速さ、規模が劇的に加速、拡大するなど、サイバーセキュリティーをめぐる脅威が急速に高まっているというふうにこの一連の議論を通じて認識をしております。 こうした中、金融庁は、AI脅威に対する金融分野のサイバーセキュリティ対策強化に関する官民連携会議の作業部会をつくりまして、既に作業会議をつくりまして、その冒頭の会議では私も発言させていただきましたが、その後、作業部会をつくって、これを開催して官民の連携強化を図っております。 さらに、加えまして、五月の二十二日には、金融庁が所管する全ての金融機関等に対して、フロンティアAIによる脅威変化を踏まえた金融機関等の短期的な対応に関する要請文書も発出しておりまして、必要な対応を早急に求めたところでございます。 加えまして、総理からは、金融担当大臣であり財務大臣である私と、それから私に、デジタル担当の松本大臣及び飯田内閣サイバー官と緊密に協力して万全な対応をするよう御指示がありまして、実際、先週の金曜日に緊急の三者の会合を行ったところでございます。 当然、人材も育てなければいけません、金融界においてもですね。人材育成につきましても、国家サイバー統括室が取りまとめた政府全体のこの対策パッケージにも盛り込まれていると承知しておりますが、金融庁といたしましても、関係省庁と連携して、今のように申し上げたような段取りも決まっておりますので、必要な対応を迅速に行ってまいりたいと考えております。
○杉久武君 是非、この先端AI技術が国民生活と金融システムの安全に資するようになるよう、万全な対策を進めていただきたいと思います。 次に、二輪車販売店などで自賠責保険の代理店契約が解除される事例が増加しているという件について取り上げたいというふうに思います。 ビッグモーター事案を踏まえまして、損保代理店の業務品質の向上を図る取組が進められていると思いますが、この取組自体は重要でございます。一方で、現場の中小零細代理店、特に自賠責を中心に扱う販売店からは、大規模代理店と同様の水準が求められている、対応できなければ契約継続が難しいとの不安の声が聞かれているところでございます。 保険業法改正時にも規模や業務実態に応じた対応の必要性が示されていたと承知をしておりますが、金融庁として現在の現場の状況をどのように認識されているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(石田晋也君) お答え申し上げます。 本年六月一日から施行されます改正保険業法によりまして、特に大規模な代理店、いわゆる特定大規模乗り合い損害保険代理店に対しまして法令等遵守責任者の設置等が求められておりますけれども、これらの体制整備義務につきましては中小規模の代理店は対象外としているところでございます。 また、損害保険業界におきましても、一連の不祥事案を踏まえました自主的な取組の一環といたしまして、業務の規模、特性に応じた体制整備のために業界共通の業務品質基準を策定するとともに、当該基準に基づく保険代理店による自己点検を踏まえまして、損害保険会社と保険代理店が対話を行い、顧客本位の業務運営を目指すための制度の運用が開始されているものと承知しております。 金融庁といたしましては、こうした取組を含めまして、法令上求められる体制整備等の対応を前提としつつも、規模や業務実態等を踏まえまして、保険会社及び保険代理店におきまして実効性のある対応が図られるよう、引き続きしっかりと確認してまいりたいと思っております。
○杉久武君 特に、自賠責保険は被害者保護と無保険者防止とを担う公共性の高い制度でありまして、地域の販売店や整備事業者がこの加入実務を支えてきたという実態がございます。品質管理の強化は重要である一方で、現場で過度な萎縮や代理店減少が進めば、かえって加入機会の低下につながる懸念もございます。 金融庁として、品質管理と現場実態、加入機会確保とのバランスを今後どのように図っていくお考えなのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(石田晋也君) お答え申し上げます。 自動車販売業や自動車整備業を兼業する保険代理店は、販売や整備の際に自賠責保険をワンストップで販売できる強みがございます。強制保険である自賠責保険の重要な役割を担っていると考えております。また、自賠責保険は一般の損害保険商品と比べまして補償内容や料率体系が簡素であるといった特性を踏まえまして、保険代理店に対しましては、顧客保護の実効性の確保を前提として、過不足のない管理体制の整備を求めていくことが重要であると考えております。 こうしたことから、例えば、現在、各損害保険会社が進めております代理店業務品質の向上に向けた取組におきましては、自賠責保険のみを取り扱う代理店向けの自己点検項目につきまして、一般の代理店と比較して平易化、簡素化する方針と承知しております。 金融庁といたしましては、損害保険会社の代理店業務品質向上に向けた取組や代理店の提供する保険商品を含めまして、代理店業務の規模、特性を踏まえたものとなっているか、引き続き確認していきたいと思っております。
○杉久武君 最後に国交省に伺います。まとめてお伺いしたいと思います。 自賠責保険は交通事故被害者保護の基盤であり、特に二輪、原付分野では地域の販売店や整備事業者が加入を支えてまいりました。一方で、現場からは、損保会社による代理店管理強化の中で、自賠責取扱いの継続に不安を感じる声や地域の販売店等が取引から撤退しかねないとの懸念も聞かれております。国交省として、現在、この状況をどのように認識をされているのか。 また、自賠責制度においては、適正な品質管理を進めると同時に、利用者が円滑に加入できる環境を維持することも重要でございます。特に地域における加入機会確保や無保険者防止の観点から、国交省として、今後どのような視点で制度運用、実態把握を進めていくのか、最後に国交省に伺います。
○政府参考人(大窪雅彦君) お答えをいたします。 委員御指摘のとおり、一部の二輪車の販売店などから、自賠責保険の取扱いが継続できるか不安に感じるという旨の懸念の声が上がっていることは承知をいたしております。 自動車は、自賠責保険が締結されているものでなければ運行の用に供してはならないとされておりまして、被害者保護の観点からも、自賠責保険の加入促進、無保険者対策を講じることは大変重要でございます。 そのため、国土交通省としては、自賠責保険の代理店を取り巻く状況についての実態把握を進めてまいりたいと考えておりまして、まずは、関係団体などと連携をしまして、二輪販売店等に対しヒアリングを行うなどして現場の声を聞いてまいりたいと考えております。その上で、ヒアリング結果を踏まえて、金融庁や損保協会などと連携し、二輪車ユーザーなどが自賠責保険に加入する機会を十分に確保するための方策について検討するなど、自賠責保険の加入促進に向けた各種対策をしっかりと講じてまいります。
○委員長(宮本周司君) 時間が来ております。おまとめください。
○杉久武君 時間になりましたので、以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。 私からは、冒頭、大臣から御説明のありました報告についてまず質問させていただきたいと思っております。トップバッターで、小林委員の方から基金ルールの明確化に関して言及がありました。私も同様の視点からこの報告に関して質問をさせていただきたいと思っております。 大臣の御説明でいきますと、預金保険機構の政府保証付借入残、合計で三千四百四十五億円という御報告がありました。それから、金銭の贈与、累計で十九兆三百十九億円という御報告がありました。これは、さらっと聞いてしまうとそれまでなんですが、まず、内訳を見ますと、金銭の贈与十九兆三百十九億円のうち、ペイオフコストの範囲内というのは七兆六千百三十三億円、それからペイオフコストを超える金銭の贈与が十一兆四千百八十六億円ということであります。そもそもペイオフコストに関してはある程度納得できるんですけれども、ペイオフコストを超える贈与、十一兆円を超えていると。これ、本来ですと、市場メカニズムでは債権者とか株主が負担すべきところを公的資金で補填していると。損失の社会化と言ってもいいかと思います。 もう一点、この預金保険機構の各勘定、内訳を見ますと、一般勘定とか金融再生勘定、金融機能早期健全化勘定、危機対応勘定、これみんな政府保証付きの借入金はゼロになっております。生き延びているのは、金融機能強化に関する政府保証付きの借入金三千四百四十五億円ということでございます。 翻って考えますと、先般、金融機能強化法という法案の改正がありまして、資金交付制度が令和十三年三月三十一日まで延長されていると。それから、経営基盤強化計画の認定が、これは当分の間ということになっております。こういう金融機能強化法の改正の立法事実がこういうところにあるんではないかなという思いがしております。 それで、支援とか、何か良くするためにお金を使って果たして良くなっているのかどうかという、評価もなしにただ報告を続けているということなんで、私は、例えば銀行、金融機関の評価ですと、自己資本比率が幾らとか、それから収益性が重要ですので、ROAの総資産利益率が〇・五%から一%とか、それからROEの自己資本利益率が三%から五%とか、それからこれが重要だと思うんですけれども、OHR、経費率というやつですね、経費を粗利で割ったやつ、これが六〇%以下になっているか、こういう経営を判断する指標はあるわけなんですね。 だから、こういう、どの指標がどういうふうになったらやめるとか改めるとか、どの指標がどういうままであるからまだ継続するとか、そういう立法事実の基になる報告ですので、むしろ順番を入れ替えて、こういう報告を先やっていただいた後でああいった金融機能強化法の改正とかが出てくると私たちも腑に落ちるところはあるんですけれども、それにしても、こういう状況で、こういうお金これだけつぎ込んでいるのに、業務改善がされているのか、経費率は下がっているのかというような指標を見て国の関与について決めたらいいと思うんですけれども、これは、そういうお考えは、金融担当大臣におかれましてはないんでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) 今委員の方から、昨年の十二月十二日にこの今回の報告書を国会に提出したわけですが、その内容を触れていただいて、その上で、今までの制度趣旨のようなことに言及していただいてその論点を提示していただいたわけでございますが。 制度としてまた更に申し上げるのもなかなか恐縮ではありますが、この国の資本参加によって取得した株式、まあ大体優先株が多いんですけれども、これの処分を行うときにどうしているかというと、原則といたしまして、この資本参加先から申出を受けてから預金保険機構の方で、先ほどお話があったように、金融機関の経営の健全性が損なわれないことということは、もう回復したということですよね、入れてもらって。回復したということでないと困りますし、当然、これを行うことによって、国民負担が行われるんじゃなくて回避することというのも当然必要ですし、さらに、金融システムの安定化のためにやっているわけですから、金融システムの安定化が損なわれないという、こういう基準を基に判断をしておりまして、もう当然十分な自己資本比率が確保できるとか、経営改善化計画が細かく出ておりますが、これが、今御指摘のあったような点も含めて、履行状況があるとか、市場の評価も問題がないとか、こういうことが全部入っております。 でも、大体もう返済が終わっているところが多いんですが、まだ残っているところもありますが、株式の処分を行うまでの間に資本参加先に対して何も見ていないかというと、そういうことでもないです。金融庁がフォローアップをしておりまして、これは地域経済の再生や活性化のための金融仲介機能の発揮に向けてちゃんと進んでいるかと、取組が進んでいるかという、もうこれがないと意味ないわけですね、誰のためのこの資金の器かということもありますので。 それから、収益力の強化によって公的資金の返済財源の確保に向けてちゃんと進んでいるのかということも、当然モニタリングを継続にして、このように返済の状況に至るところにつながっていっているということなのでまあ返ってきているのかなとは思うんですけど、金融庁の考えとしては、その委員が懸念されたようなノーズロに考えているということは全くございませんで、引き続いて、今申し上げましたように、業務が健全化して効率化するんだと、そして地域経済の活性化にも資するんだというこの資本参加制度の目的に沿って利用されるように運営をしているということで考えてございます。
○浅田均君 今大臣がおっしゃったような政策の効果が見られたらいいんですけれども、詳細を読みますと、ただ数値が下がっている、七五・五%が七五%に下がっていて、実際の経費率というのは六〇%以下が求められているのに、そういう指標がないから、ただ下がっている、上がっているとか、そういう評価抜きの報告でしかないので、そこで評価指標を設けていただきたいなというのが私の願いですので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 次、量子コンピューターについて御質問させていただきたいんですが、先ほど杉委員の方からクロード・ミュトスに関する言及がありました。 これ、量子コンピューターに行く前に、このクロード・ミュトス、アンソロピック社の、杉先生の方からも言及があったんですけれども、これ、サイバーセキュリティーに関する何とか、コーディングとか推論とか自律性とか、教えなくてももう勝手に自分の内部でそういう反応を起こして攻撃に行ったということなんですね。 だから、僕、この話を聞いて、スタンリー・キューブリックの「二〇〇一年宇宙の旅」って、まあ大臣も御覧になったと思うんですけれども、一九六九年だから、もう半世紀以上前にああいう未来を見越した映画がよくできたなと思うんですけど、あそこでHALというコンピューターシステムが人間に対して反乱を起こすわけですよね、人間が間違っている、私が正しいという。だから、そういう時代に入っておって、それで、ハッキングというか、世界最強のハッカーでも入り込めない仕組みの中に入り込んでいる可能性があるということであります。 それで、今、金融のところだけ見ますと、暗号の基盤というのがまあほとんど同じで、ベースが同じで、認証と鍵交換と暗号化と、この三つの層で成り立っていると言われています。 そこで、従来の古典、量子コンピューターに対して古典コンピューターという言い回しをされるんですけれども、鍵、暗号鍵、公開鍵の基礎になる部分は巨大な数の素因数分解であると。二千四十八ビットの素因数分解、十の三十乗年掛かると、古典コンピューターでは。それを、この量子コンピューターでは数時間で解決するだろうというふうに予測されています。 これで、量子コンピューターがまだ実用化されていないわけでありますけれども、今、そのアンソロピックのクロード・ミュトス的なハッカーがシステムに入り込んで、その信号を全て、データを持っていくと。だから、ハーベスト・ナウ・ディクリプト・レーター。だから、塊を保存しておいて、量子コンピューターができたときにそれで解読されるということによって、もう今の銀行の仕組みですね、だから現金の引き出しからネットバンキングとか決済とか、それから銀行間のお金のやり取りとか日銀とのお金のやり取り等、みんなそこでやられているわけですね。 それを破られてしまう可能性があるんで私はこういうことを問題にしているわけでありますけれども、G7声明に書かれている先端AI対応能力、オポチュニティーズ・アンド・ポテンシャル・リスクス、だから、ポテンシャルリスクの中に入ると思うんですけれども、そういう認識を前提として今取り組んでおられるのか、まず大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(片山さつき君) 実は、この問題は今回のパリのG7で初めて出たのではなくて、四月のワシントンのG7で、アメリカの財務長官の方から、四月の初旬にそのアンソロピック社の方から自己申告があって、大変能力が格段に上がるものができてしまったので、これは、あそこは本当に財務、金融も含めて、財務長官が全ての球を拾うようなケースが多いものですから、まとめて米国財務省の方でそのリスクを見て、これをどのように対応するかみたいなことになって、実際、実験をしてみたら、非常に短期間に多くのミスを、いわゆるバグですね、そういうものを発見して、マイクロソフトがそれを検証してみたら、七割は確かに本当にミスで、つまり入られたら困るミスだったと。ただ、三割は疑似陽性だったとか、そういうことを踏まえた上で、国際金融社会に報告してきたというのが初めでございます。 開発会社の方が自主的にその彼らの接続APIを非公開にして、一定のところだけに、グラスウイングと彼ら呼んでいますが、そこに公開して、日々実験を繰り返している中で、日米の方では五月の中旬に財務長官の来日の際を含めて何回か二国間蔵相会談等を行って、金融システムというのは国際金融で物すごい緊密な膨大なお互いの取引をしていますから、特に日米間は一番多いのの一つなので、日本において感染が行われたらアメリカにもすぐ広がるから、日本の金融システム、金融界の方にはアクセスを認めて、共に防御しましょうみたいな話にはなっておりまして、事務的なやり取りによりましても、それは確認をされております。 その中で、明確にこのハーベスト・ナウ・ディクリプト・レーターのようなところまでは出てきませんが、つまり発見された装置に早くパッチを当てないと、そこに入られてしまう能力のあるものなんですよね。つまり、今までは一定の時間が、発見された穴からそこに入るプログラムというか、そのコードが出てくるまであったんですが、それが、まあこの場で何分とは申し上げませんが、極めて短いので、瞬間的に膨大な穴に膨大なパッチを当てなければならなくて、それははっきり言って人間の手では無理であって、AIに対する対応がAIでしか無理であるということがるる理論的に説明されて、その対応が必要ということに関してはG7の我々の間では一応認識は共有されたと。 その上で、どうやって防いでいくかということで、まだ自己申告をしてきたアメリカ合衆国の企業であることについては把握はある程度自分たちが責任を持って、持つとアメリカ側が言われたと。ただ、そうじゃないものが追いかけでできてきてオープンになった場合は西側社会としては止められないので、オープンAIの後にある意味で中国のものが出てきて、これがオープン化されてしまっているのと同じようなことが起きるということが今までもずっと続いてきて、大体その間の余裕は六か月ということで、我々が六か月以内に対応を完成させないと困るというようなこともほぼ認識になっております。
○委員長(宮本周司君) もう時間が来ておりますので、おまとめください。
○浅田均君 はい。 時間になりましたので、終わらせていただきますが、日銀から耐量子暗号について質問させていただくべく来ていただきましたけれども、時間がなくて大変失礼なことをいたしました。次回必ず質問させていただきますので、どうぞよろしく御容赦をお願いいたします。 ありがとうございました。
○松田学君 参政党の松田学でございます。 今回、財政運営の基本的な考え方について幾つか御質問をしたいと思っていますが、いわゆる国民負担率がもう四六%前後、五公五民なんという言葉も聞こえる。さらに、これからは社会保障だってまだ、まだ高齢化が続いていくし、少子化対策、いろんな財政需要があって、その中で、この防衛費について、GDP比三・五%みたいな話も国際社会ではありますけれども、日本も、自民党でも安保三文書に向けていろんな検討をしているようですが、防衛費自体の顕著な増大は不可避であると、国民は結局増税におびえることになるんじゃないかという状況なんですけれども。 三月二十四日の本委員会で、防衛費、今後の防衛費の財源について私の方から、これ、増税とか他の歳出の削減で賄うというのはその金額からいって非現実的ではないかと、国家を永続させるための投資なんだから、一種の投資国債のような概念で起債対象とすべきであるというふうな問いをいたしましたところ、片山大臣から、財政の持続可能性にも十分配慮しながら、安定的な財源が確保されるよう対応を検討してまいりますと答弁されまして、場合によっては更なる防衛増税があるのかなという感じもいたしましたが。 その後、ほかの国防費の増大が見込まれます先進国の状況についてちょっと調べてみましたら、G7各国等でも、ほかの予算を振り分けるだけじゃなくて、国債ということも検討しているという事例がありました。ドイツはもう基本法の改正で債務ブレーキ撤廃ということで、これはかなり知られた話ですが、イタリアも、防衛費の一部を財政赤字の算定対象から除外するEUのNEC、ナショナル・エスケープ・クローズ条項を発動することを検討しているとか、また、カナダも防衛費の融資に特化した銀行を設立することを発表していると。また、アメリカの米国債がこれだけ巨額になっているのもアメリカの軍事費が要因であるということは知られたことだと思います。 日本では、防衛費のほんの一部が建設公債の対象になっていると。ですが、そもそも日本のような建設公債の原則を取っている国というのは例がなくて、国を守ることがすなわちこれ増税になるという財政の仕組みでありますと、国民が更なる負担に苦しむ、経済が萎縮することになってしまう。さらには、こんな指摘もあって、最近では技術進歩が著しいので、防衛装備品を購入しても、十年もたてば陳腐化してしまうと。しかし、国債は十年後以降もこの元利償還負担だけが残っていくと。これは日本だけが、世界の中で日本だけが営んでいる六十年償還ルールの裏返しの声ではないかという感じもいたします。 先般、防災庁設置法案に係る参院本会議での質問でも、私、高市総理に対しまして、この防災というのは危機管理投資の一環だと、防災の強化に伴って形成される知的資産あるいは人的資産、これは無形資産として広く起債、国債の起債対象にすべきではないかということを申し上げましたが、国民の増税への懸念を払拭しつつ、国際社会の動きにも対応して国を守っていくということで、ほかの国に比べて厳しい財政規律になっている六十年償還ルール、財政法四条、こういったものを国際標準並みに緩和していくべきではないかというふうに考えますが、先般の御答弁、安定的な財源という抽象論だけの防衛費の財源について、少し現実的な財源論をお聞かせいただけないかということで御質問させていただきます。
○国務大臣(片山さつき君) 現行の防衛力整備計画に基づく防衛力の抜本的強化につきましては、既に何回かお答えしておりますが、歳出改革、決算剰余金の活用、税外収入、税制上の措置によって財源を確保することというふうにしておりまして、先般、税制上の措置として防衛特別所得税の創設についても国会でお認めいただいたということでございます。 その上で、今後の防衛力の具体的な内容、それからこれを実現するための防衛費の水準については、まさにこの三文書改定に向けてこれから本格的な議論がなされていくものと承知をしておりますので、今いろんな御議論がございましたが、財源の在り方についても、こうした御議論を踏まえて、財政の持続可能性にも十分配慮をしながら、安定的な財源が確保されるよう必要な対応を検討してまいる所存でございます。
○松田学君 このところ高市政権から聞こえてくるのは、この責任ある積極財政が必ずしも財政拡大を意味するものではないというメッセージで、積極財政というとマーケットがネガティブな反応をすると。金利が、先ほどもあったように二・八%になったりとか、そういうこともあるのかなと。 四月九日の本委員会で、国債発行に対するマーケットの制約について私質問いたしましたところ、片山大臣からは、マーケットキャパの議論よりも公債等GDP比のコントロールが大事であるという趣旨の御答弁をいただいています。 ただ、現実を見ますと、金利の上昇というのは起こっていて、やはりマーケットの事実上のキャパがあるのではないか、そもそも国債は金融商品ですから需給関係によって決まりますし、マーケットの制約があることを認めざるを得ないのではないかという感じもしますが、最近の長期金利の上昇、イラン情勢もあるかもしれませんけれども、財政政策のスタンス、高市政権のですね、それに起因しているという御認識なのかどうか。また、公債等GDP比の安定的低下の姿を政府が示しさえすればマーケットの信認は維持される、また、別枠管理というのは、そうした投資によって当面は国債発行額増えても、長い目で見れば安定的に低下していくと、比率がですね、名目GDPが増える形で、という姿が示されればマーケットの信認が得られると、こういう意味なのか、その辺を少し詳しく御説明いただければと思います。
○国務大臣(片山さつき君) 大変広範な質問なので、全部にお答えし切れるかどうかちょっと分かりませんが、まず、金利のお話が今回G7でも、金利というか金融市場についての議論がいろいろ出まして、金利自体は様々な要因を背景に市場において決まるものでございまして、今回様々な要因の中で一番中東情勢は大きいわけですが、十八日、十九日の議論でも、この中東情勢を受けて世界的にインフレ懸念が上がっていて、これから債券安が生じておって、金融市場では投機的な動きが見られると。 これは、今までの石油ショック的なもののときに比べてもやっぱりその跳ね、跳ね度合いが大きいというような認識が非常に強くて、この原油価格の変動が為替、国債金利その他金融市場全般に波及する状況が、ある意味そこ悪化しておりまして、引き続き警戒を続けていかなければいけないというふうに私からも申し上げましたし、参加国間においてもこういった認識はほぼ共有されていると思われまして、中東の紛争が金融市場全体に与える影響を緊密に注視していこうと、必要に応じて、今回会議が十九日で終わってもまた機動的に招集掛けなきゃいけないようなことがあり得るぞというぐらいの、情報交換の場を設けるということを明記をしたということがございます。 御指摘のように、政府債務残高の対GDP比の安定的低下というのは、今、インフレ基調の中、経済が成長しておりますから、それは確かにその数字は見やすいというか、できていくわけですが、それだけでマーケットの信認が完全に維持されて長期金利が落ち着くというような単純なものではなくて、まさにこの中東問題も含めて様々なマーケット要因には、それはきちっと対応していくということで考えております。 御指摘の別枠管理でございますが、これはまだちょっと広く御説明をし切れておりませんので、誤解もあるかと思います。危機管理投資、成長投資のうち、経済安全保障上特に重要な分野の投資などについては、予見可能性を高める観点から、特別会計において複数年度で財源を確保した上で別枠で管理をするということにしておりまして、このようにもう経済財政諮問会議でもきちっと整理をしているところでございます。 この予算上、多年度で別枠で管理する仕組みと債務残高の対GDP比との関係を申し上げますと、既に、GX、AI・半導体フレームというのは、歳出が先行したとしても、複数年度にわたって必要な財源を確保して、特別会計において多年度で収支が完結させる枠組みというのが設定しておりまして、このことを踏まえて経費及び財源の金額が債務残高対GDP比等の指標から除外されております。このことは御承知いただいていると思います。 また、経済財政諮問会議の、特に四月十三日の会合においても、今般の別枠管理の仕組みについて、今申し上げたのと同様の理由によりまして、民間議員から、債務残高対GDP比等の指標において経費及び財源の金額を別枠で管理することが提案されていることで、提案されておりまして、この方向で今我々も検討をしております。
○松田学君 いずれにしても、あれですね、公債等GDP比の安定的な低下というのが大事だということなんですが。 内閣府の中長期の経済財政に関する試算では、この比率は最近数年間は低下を続けている、まあ物価上昇もあるんでしょうけれども。で、今後、二〇三五年度にかけての十年間について見ても、GDP成長率が一%台の過去投影ケースでも、二〇三五年度は一八七・五%と、二六年度の見込みの一八六・六%とほぼ横ばいでして、名目成長、GDP成長率が三%前後で推移する成長移行ケースでは三五年度は一六二・六%、三・五%前後で高まっていく高成長実現ケースでは一五七・六%と、既にそれこそ安定的に低下する姿が示されているわけですね。 しかし、このマーケットが、まあ今いろんな要因があるという話でしたけれども、積極財政とか消費税減税と言うと金利が上がったりしているという状況を見ていると、こういう姿は既に示されているのにもかかわらず、やはり信認が得られていないんじゃないかなと。今後、比率の安定的低下、どういうふうに示すのか分かりませんけれども、そういう感じがいたします。 時間の関係で、さらに次の質問に行きますけれども、それも踏まえて、五月二十二日に高市総理と日銀総裁が会談をして、総裁は、総理からは、高市内閣が進める物価高対策や危機管理投資、成長投資といった取組について理解の上、日銀としても適切な政策を遂行してほしいという話があったというふうにおっしゃられているんですが、かつては、アベノミクスの際に日銀と政府は協調して、国債たくさん買うということをやったわけですけれども、これ、やっぱりいざとなったら、市場の動き非常に荒いんで国債購入を今減らしていますけれども、増やす方向に政策転換してほしいという、そういった意味の要請をされたんであれば、私、話が非常によく分かるんですけれども。 この辺りについてどういうお考えか、先ほどの、GDP比の低下だけで、あの比率の低下だけでマーケット信認が得られていないんじゃないかという話と、だからこそ日銀の対応を政府は求めているのかどうか、この辺りについてお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(片山さつき君) 二十二日に総理と植田日銀総裁が会われているわけですけれども、これにつきましても私の方から申し上げられることは当然ございません。 ただ、そのぶら下がりで総裁が、政府、日銀のアコードに沿って、あくまでも政府、日銀のアコードに沿って、高市内閣が進める物価高対策や危機管理投資、成長投資といった取組について理解の上、日銀としても適切な政策を実行してほしいというお話がありましたという、いつもこういう話をされるんですから、そういうふうにおっしゃったというだけのことではないかと理解をしております。
○松田学君 五月二十二日の経済財政諮問会議で高市総理は、新たな投資枠について、前年度の予算にとらわれず必要な金額を確保するための仕組みであると、ということなんです。 いろんなお話聞いていると、この別枠管理というのは、要するに、予算編成の増分主義だとか、あるいは単年度主義という弊害を改める質的な改革であって、いわゆる積極財政の別枠管理なのかどうかちょっと見えにくくなっているんですが、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) 事業者に予見可能性を持って研究開発や設備投資をしていただきたいと、このためには、政府の予算の予見可能性を高めなければ当然それは無理でしょうと、付いてきていただけないでしょうと、こういうことを繰り返し考えておりますし、こういうことが重要だと思っておりますので、成果管理を徹底することを前提に、複数年度の財政出動をコミットする仕組みを構築するということにしております。 御指摘の危機管理投資、成長投資についても、通常の歳出とは別に、予見可能性を持って実施できる新たな投資枠を創設することとし、このうち、経済安全保障上特に重要な分野の投資等については、複数年度で財源を確保した上で別枠で管理するということとしております。 その上で、この新たな投資枠につきましては、こういった質的な改革だけでなくて、規模の面についても、御指摘の先日の経済財政諮問会議、五月二十二日におきましても、総理から、前年度の予算措置額にとらわれず、必要な金額が確保されるよう、通常の歳出とは別に設け、官民投資ロードマップの着実な実行に必要な規模と期間を確保していくとしっかり述べられているところでございまして、これを令和九年度から導入をできるように、この今後の骨太の方針に向けて鋭意検討を加速しているというところでございます。
○松田学君 なかなか、最近は積極財政という言葉を言うとマーケットの反応がやっぱり恐れているのかなという感じがして、なかなか踏み込んだ発言、最近余り見えないんですが、国債マーケットの制約のない形で、いわゆる量的な意味での積極財政ということでは幾つかの提案もなされているところですが、例えば、最近の円安による為替特会、外国為替特別会計の実現益ですね、特に最近では大規模介入によって実現した為替の評価益が実現したと、これを活用すべきであるという提案もあったり、あるいは政府が保有する資産を政府系、日本版政府系ファンドとして統合運用をしてその収益を活用するといった提案がなされていますが、最後に、この点についての実現見通しについてコメントいただければと思います。
○国務大臣(片山さつき君) 委員御承知だと思いますけれども、外為特会の収益の活用については、介入については私どもお答えをしておりませんので、一般論として申し上げますと、介入で得た円貨というのは償還期限を迎える政府短期証券の償還に充てるということが法令上決まっておりまして、これを財源として活用するということはできない法令上の仕組みになっております。 その外為特会につきましては、法令にのっとって、為替介入に伴う為替等の売却額が前々月の実勢レートに基づく当該外国為替等の評価額を超えた場合にはそれを売却益として計上するということが、これもルールとして決まっておりますので、一部報道にございますように、過去の円売り外貨買い介入時の為替水準との差で売却益が計算されるのではなくて、今私が申し上げたように、前々月の実勢レートということの、その超えた部分がなるだけでございますから、今巷間言われているようなことにはならないんですが、いずれにしても、その今決まっている方式で売却益が発生した場合にはこの外為特会の決算剰余金に含まれることとなりますが、この決算剰余金につきましては、外為特会で留保する部分を除いて既に一般会計に繰り入れ、防衛財源などにも活用しているというような形で使われているということでございます。
○委員長(宮本周司君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
○松田学君 はい。 なかなか量的な意味での積極財政は今の仕組みの下では八方塞がりのようにも聞こえますが、いろいろな新たな工夫を重ねて、是非、積極財政が実現するよう要望して、私の質問を終わりにさせていただきます。 どうもありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 スルガ銀行によるアパマン不正融資の問題なんですが、スルガ銀行は六百件で調停が成立して解決金支払対象外の方でも示談が進んでいるというふうにしています。一方で、最近、被害者同盟の皆さん、アンケートをやりまして、回答四百八十九件中四七%の方が未解決だと、完全に解決した方は一〇%にすぎないという結果が出ています。しかも、和解案に応諾した半数以上がテールヘビー、すなわち被害者平均八十四歳で四千五百万円の一括返済を求められると。 大臣にはアンケートもお届けしたと思うので、御覧になっているかと思うんですが、大臣、一生債務を背負って生きていけというようなやり方、先ほど債務者に寄り添った対応を求めていくということをおっしゃいましたけど、これが寄り添った対応と言えるんだろうか。やはりいまだ大半の方が未解決であるというのが実態だと思うんですが、そのことをお認めになりますか。
○国務大臣(片山さつき君) 小池委員からの御指摘ということで、私の手元にも十ページというふうに数えるんだと思いますが、スルガ銀行「解決済み六百件」の実態アンケート、これを拝見をさせていただいております。 そもそもですが、その二〇二二年の二月に被害者弁護団から申立てがありました民事調停につきまして、本年の一月二十日にスルガ銀行に対して解決金の支払を求めることを内容とした案件百九十三件の調停が成立いたしました。成立するとともに、本年三月までにスルガ銀行と被害者弁護団の双方が裁判所から示された調停勧告に応諾なさって、調停対象となっていた全六百物件が調停成立若しくは調停外の和解により示談が成立したものと承知をしております。この六百物件のうち、不法行為の申立てに係る解決金支払の対象外とされた四百七物件の調停は、不法行為が成立しないことを前提として返済プランについて誠実に協議し、示談による解決を目指すことを内容とするものと承知をしております。 今のこの私が申し上げましたアンケートの数字との関係の詳細につきましては、私たちは全部の調査能力があるわけじゃないんですが、スルガ銀行側の整理においては、四百七物件のうち、個々の返済プランまで合意に至っているものは百六十四物件、協議中のものが二百四十三物件と聞いております。この返済プランの内容について、例えば、スルガ銀行に対する返済を停止していた期間の家賃収入を融資の元金に充当した債務者については、テールヘビーであっても物件の売却等により完済が見込まれる水準となるように協議しているというふうなことを聞いております。これは一概に評価することが非常に難しくて、個々の状況に応じた適切な計画が策定されるということが重要ではないかと考えております。 金融庁といたしましては、引き続き、同行に対し債務者に十分に寄り添った適切な対応を促すとともに、同行が調停勧告に従った示談の成立に向けて適切に対応を行っているかについて、対応をしっかりと指導監督をしてまいりたいと思います。
○小池晃君 大臣、私は被害者同盟のアンケートの中身について聞いたのに、大臣言われたのは、スルガの言い分繰り返しているだけですよ。実態は違うんですよ。これがこのアンケート結果に示されていると私思うんですね。 しかも、このアンケート結果見ますと、この被害者の皆さん、話合い行われているんですけど、スルガの側から、提案のまないともう白紙に戻すというようなことを迫られていると。今、応諾したというふうにおっしゃいましたけど、返済プランに応諾した方のうち三八%の方は、これ、この返済プランについて将来的に解決まで見通せないとおっしゃっているんですよ。銀行側に追い込まれて解決の見込みのないプランに応諾しているというような実態もあるわけですよ。やっぱり被害者の声に応えるべきだと私思いますよ。だって、金融庁設置法の金融庁の設置の目的は、預金者、投資家などの保護じゃないですか。その立場に立って考えてもらわないと。 私、こうした中で、配付資料ありますが、クレディセゾンがスルガ銀行を買収すると、秒読み段階に入ったという報道があって、その報道では、不正融資問題終結のめどが立ったので、金融庁がセゾンの買収を認めると書いてあるんですが、金融庁、これ事実ですか。
○政府参考人(石田晋也君) お答え申し上げます。 現在、クレディセゾンがスルガ銀行の株式の約一七%を保有しておりまして、両者は業務提携の関係にございますが、そういう中にございまして、御指摘のクレディセゾンによるスルガ銀行の買収が秒読み段階に入ったといった記事が出ていたことは我々も承知しておりますけれども、この点につきましてスルガ銀行に確認したところ、記事にあるような事実はないということで回答を聞いているところでございます。 現在、当庁といたしましては、スルガ銀行のアパマン問題の融資、アパマン向け融資に係る問題の早期解決ということが非常に重要な問題だと考えておりますので、同行が債務者に対しまして十分に寄り添い、調停条項に沿った示談の成立に向けて適切に対応することが重要であり、同行の対応をしっかりと指導監督していくことが何よりも重要だということには変わりないと思っています。
○小池晃君 被害者の皆さんは、この報道に接して、これ、セゾンによる買収で被害者切り捨てられるんじゃないかというような不安の声も上がっているんですが、大臣、そんなことは決してないということは言明していただけますか。
○国務大臣(片山さつき君) 先ほど政府参考人からも申し上げたように、既にこの会社はスルガ銀行の株式の一七%を保有して業務提携はしておりますが、その記事について同行に確認したところ、記事にあるような事実はありませんという回答ですから、要するにそれはないと言っているわけですから、そういう前提でお答えをせざるを得ないんですが。 いずれにしても、この問題はきちっと金融庁としてスルガ銀行が合意した調停条項に基づいて債務者に対し真摯に対応することが重要で、この観点から、返済プランが未成立な案件については、業務改善命令等に基づいて個別の協議の状況について確認するとともに、同行に対して、協議事項についてはプレスリリースによって随時情報開示するよう求めておりまして、発表もしておりますので、きちっとフォローさせていただくということは別に一切こういうことは関係なくやるわけでございますので、御安心いただければと思います。
○小池晃君 いや、きちっとフォローするというのであれば、やはり私は、この被害者同盟のアンケートに出ているような実態に耳傾けるべきだと思いますよ。全く寄り添った対応になっていないわけですよ。これが実態だということを踏まえた、金融庁の設置目的にふさわしい対応をしていただきたい。 先ほど高木委員の質問に、大臣は今まで、私、政治家としてかなりいろんな知恵も出すような答弁されてきたと思うのを、何かできないできないって答弁繰り返されて、ちょっとがっかりしているんですよ。何か、役人から何か言われたんですか。政治家片山さつきとして、これ解決しなきゃいけないと思うんですよ、私、何としても。そのために知恵出そうじゃないですか。できないできないと言うんじゃなくて。 ちょっとこれは通告している話じゃないですけど、さっきの答弁聞いて、やっぱり大臣、これ解決すると、政治の責任で解決すると、大臣はそういう思いでいらっしゃるのかどうか、そこを明確にしていただきたい。
○国務大臣(片山さつき君) もちろん、金融庁の目的自身が預金者を守るということ、それから金融サービスが適切に提供される状況を確保しなきゃいけないということは、これは当たり前でございまして、皆様と御一緒にこの委員会におきまして、被害者弁護団の代表の方も被害者の方もここで御意見を言っていただいて、もう非常におつらい立場等々のことに対して寄り添った対応を適切にしていくような確認をというか、その方向に持っていくということをやっていくということはもう絶対に我々確保したいと思っておりますので。 この間の総理の答弁のことにつきましては、かなりきちっと詰めた形で法律のことを正面からお聞きになった質問が出ましたので、テレビ入りの決算委員会ではありましたが、ああいう総理答弁になったということでございまして、それと我々が誠意を持っているという姿勢が別に矛盾をするというわけではないので、いろんなことに知恵を出していくということは、もうそれは当然必要なことと考えております。
○小池晃君 本当にこれ、やっぱり与野党を超えて知恵出して解決しなきゃいけない課題だということを改めて申し上げたいと思います。 補正予算の問題、昨日、高市首相が説明されました。予備費の積み増し、ガソリンや電気・ガス代、料金の支援ということが中心だということなんですが、今の物価高、物不足はエネルギー、石油製品だけではないわけですね。暮らしに関わる全分野を支援する必要があると私は思います。 財務省として、原材料不足によって休業に追い込まれた中小企業に対する固定費の補助、あるいは資金繰りに対する返済免除を含む新しい融資制度、私はこういったこともこれは当然やるべきではないかというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(片山さつき君) 補正予算につきましては、昨日総理が会見されて、中東情勢が依然として不透明なので、まず電気・ガス料金支援に限らず必要な施策を臨機応変に講じることができるように講じていきますから、このため、リスクの最小化という観点から、資金面で万全の備えを取るべく補正予算を編成し、来週にも国会に提出すると申し上げておりまして、その上で、政府としては、中小企業に対して、既に政府系の金融機関と商工団体等における特別相談窓口をつくり、セーフティーネット貸付けにおける金利を〇・四%下げ、かつ雇用調整助成金の活用支援をする等の支援を講じておりまして、私どもも三月末に全金融機関を集めて、もう決して取り立てることではなくて、もうここは完全にセーフティーネットをしくような対応をしてくれということを申し伝えて、その対応をしていただいているものと理解をしております。 特に総理からは昨日、これに加えて、業況が厳しい業種を追加して信用保証による支援を強化するということと、取引Gメンや建設Gメンなど千人体制で中東情勢の影響を重点調査し、価格転嫁の徹底を図るなど、支援を強化するということも付け加えておりますので、引き続き、まさにあらゆる面でリスクが軽減できるように、リスクを最小限にできるように、中小企業に与える影響も注視して適切に対応をしてまいりたいと考えております。
○小池晃君 赤字国債の発行を最小限に抑えるんだというような話もあって、長期金利が上昇している、円安の問題もある。私は、やっぱり責任ある積極財政ということでやってきたことの矛盾がここに現れているんじゃないかなというふうに思うんですよ。やっぱり本当の意味で本格的な支援をやっていくためには、安定した財源をつくる、そのためにはやっぱりタックス・ザ・リッチ、大企業あるいは富裕層に対する行き過ぎた減税を見直して財源つくると。赤字国債だけに頼るんじゃなくて、本格的な、全面的な対策を打っていくということが私は求められているというふうに思うんですが、その点、いかがですか。
○国務大臣(片山さつき君) よくそういった御意見を小池委員からいただいているわけですけれども、今般の補正予算についての御質問でございますので、これにつきましては、総理が述べられたとおり、歳入としては特例国債は追加、特例公債は追加することになるけれども、前年度分の特例公債のうち、今後六月までの発行が予定されている三兆円分は税収、税外収入、歳出不用の見込みを踏まえると、実際には発行せずに済む見込みが立っているので、国債発行予定額全体の中で調整を行えば、市中への発行、市中発行総額は増やさないという対応ができるので、マーケットに影響を与えることなく実行可能と、この点を非常に重要と考えて対応をしておりますので。 また、税制改正、税負担の公平につきましては、今般のこの中東情勢に限ってのみのことではなくて、今様々な観点から対応が行われておることで、法人税につきましては、近年の与党税制改正大綱において、法人税改革は意図した結果を上げてこなかったと言わざるを得ず、法人税率を引き上げつつターゲットを絞った政策対応を実施するなど、めり張りのある法人税体系を構築していくという、委員の御趣旨に沿ったこともきっちりと含められておりますので、またこういった公平性の観点も含めて見直しを行ってまいることになると思います。
○委員長(宮本周司君) 時間が来ております。
○小池晃君 終わります。終わりますが、きっちりとやられていないじゃないですか。極めて不十分だと思いますよ。だから、それを今度の補正予算でそれやれって、なかなかそれはないかもしれないけど、今後の課題としてやっぱり本格的に踏み込まないといけないということを申し上げて、質問を終わります。
○大島九州男君 れいわ新選組、大島九州男でございます。 早速質問させていただきますが、米国のフリーポートLNGの件で現地の住民の方々が来日をされて、先日、政府やJBICと面談をしたと聞いていますが、何のために来日して、何をお話しされたのかを教えていただきたいと思います。
○政府参考人(緒方健太郎君) お答えいたします。 御指摘のとおり、五月十八日に現地の住民の方々から要請がありまして、JBIC、NEXI及び政府関係者が面談をいたしました。 現地の住民の方々は、面談の際に、同事業について、過去の爆発事故により付近の住民に負傷者が出ていること、それから、現地で環境汚染及び健康被害が生じていることなどを訴えておりまして、そういった主張に基づきまして、JBIC及びNEXIに対して環境社会配慮ガイドラインに関する異議申立書を提出したものと承知してございます。
○大島九州男君 高木委員の質疑にもありましたけれども、この環境保護庁、EPAのオゾン環境基準において、深刻な基準未達成の状態にあると。フリーポートLNGは、二〇二一年までに百件近くの大気汚染に係る許可違反を犯したが、科された罰金は僅か九千ドルにとどまったと。また、LNG事業は大量の水を消費し、メキシコ湾の生態系に近接した場所に産業排水を排出していると。 実は、現地の方が、私、水俣の関係をやっているということを御存じで、だから大島先生のところにちょっと話を聞いてもらいたいんだというふうにおいでになったわけです。こういうことで、健康被害があるということであれば、訴訟大国である米国が訴訟する可能性だってあるわけでしょう。 こういうところに公的資金を出資するというのは非常にやっぱり問題があると思うんですけれども、こういった部分について、大臣、どのような御見解でしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) 私、この本フリーポートLNGという方々にお会いをしていないんですが、委員の御質問によると、環境被害があるということで現地の住民の方々として来日されて、私どもではないですけれども、関係者とお会いになったということであるとすれば、JBICにおいてきちっとその対応がされているということが当然であると思いますが。 伺っているところ、JBICの方では、環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドラインというのを策定しておりまして、これに基づいて、融資等を行う全てのプロジェクトについては、プロジェクトの実施主体者、本件ではフリーポートLNGディベロップメントという会社ですね、これが適切な環境社会配慮を行っていることを確認しているものというふうに理解をしております。 政府の方といたしましては、このガイドラインを踏まえて、JBICさんの方で適切に対応するということが重要であると現時点では考えている次第でございます。
○大島九州男君 当然、いろんな融資を申請するということになれば、いや、自分たちはこういうふうにやっています、環境配慮をやっていますというふうにして、当然書類は出しますよね。だから、その書類だけ見れば、当然それはもう申請する側の理屈で出すわけだから、だから調査する方というのは、現実にそういう事故が起こっているのか、環境の影響がないのかどうかというところを自主的に見るべきだと思いますし、こういう資料の中に報告があるように、実際に百件近くの環境汚染の実績を持っているわけでしょう。普通だったら、そういうところで、もう最初から却下すると。 まあ水俣病でいうと、地域外の人はもう駄目ですよと検診も受けさせないで門前払いするんですから、こういった実績のある企業が公的融資を持ち込んできたら、もうその入口で却下するのが本当だと思うけれども、先ほどの質疑によると、いやいや、融資は決めていますよと。でも、それって環境基準とかいうのは後からやればいいという仕組みになっていますみたいな、もう本当にこれはいいかげんな抜け穴みたいな話じゃないですか。 そして、実際、決めたお金はすぐ全部出すわけじゃなくて、段階的に出していきますからというんだったら、それは途中でやめたら、それって、よく私言うんですけど、公共工事で橋桁だけ造って、いかにもここに道路ができますよというような格好だけ見せるような不良在庫になる。ここでは将来的な座礁資産化と言われていますけど、そういうところに公的資金を投入する、それも外国にですよ。こういうことを、まだ日本なら、まあ千歩譲っても許されないですけど、結局、こういうことをやって、外国の人の健康被害に及ぼすようなことをやっているということ、もう許されない話だと思うんですけど。 これ、現地の住民の方々、JBICに対しても環境社会配慮確認のためのガイドラインに基づいて異議申立てを行ったと。こういったガイドラインも、絵に描いた餅じゃなくて、しっかり対応するべきだと思いますけど、JBICはどんな対応なんですかね。
○政府参考人(緒方健太郎君) お答えいたします。 御指摘のフリーポートLNG事業についての、本年五月、現地の方々からJBICに対しまして、JBICのガイドラインの遵守状況に係る異議申立てが提出されたと承知してございます。 今後、JBIC内におきまして、まずプロセスとしまして、融資担当部署からは独立をした外部有識者が必要に応じて申立人や住民の方々などからヒアリングを含めたガイドラインの遵守状況に係る調査等を行うものと承知してございます。 政府としましては、JBICにおきまして、同行が定めるこのような手続に沿って適切かつ公正に対応がなされることが重要であると考えてございます。
○大島九州男君 まあ、それは当然建前。 ちょっと確認しますよ。今言った融資を決めたところと、こういう異議申立てを受けたところで調査する部署、これって、まるっきりの第三者の外部で審査するんじゃなくて、JBICの中でのその融資審査みたいな部分と、その申立てをチェックすると。言うなれば、スルガ銀行不正の中で、それこそいいかげんにやり取りして、こういう不正を生んで被害者を生むような構図と同じような仕組みじゃないのかということを私は懸念しているんですけど、そういう環境調査するのはまるっきり外部じゃないんでしょう。そこら辺、ちゃんと教えてください。
○政府参考人(緒方健太郎君) お答えいたします。 事前に、融資をする前に、環境ガイドライン、JBICの環境ガイドラインに沿っているかどうかというのは、そのJBICのまさに融資を行う担当者、専門家たちが事前に調査等を行って確認をするものでございます。 先ほど申し上げました外部の独立した有識者による調査と申しますのは、その事後に、当該環境ガイドラインに沿っているということでJBICが融資をした案件につきまして、沿っていないじゃないかということで異議申立てをされた場合に、それが実際にガイドラインに沿っているかどうかを調査する際には別の人たちが別途調査をするということでございます。
○大島九州男君 いや、何言っているんですか。 別の人たちというのは、融資を決定するときに審査した人がJBICの中のAさんとして、今度異議申立てを受けたら、それこそクレーム処理班みたいなのがいて、そのクレームに対してやる人は違う人でしょう、当然ね。これが同じだったらとんでもない話だけど。 でも、今言ったその違う人というのは、JBICの中の違う人でしょうという、そのことを聞いている。どうぞ。
○政府参考人(緒方健太郎君) お答えいたします。 御指摘のとおり、JBICの中の違う人に外部の有識者も加えてやってございます。ただ、外部の独立した有識者も加えてやってございます。
○大島九州男君 いや、こう言うと申し訳ないけど、私がその組織の中にいて、そして異議申立てをされて、それを受けて、じゃ、あんたがそんないいかげんな決定して、こんな異議申立て来ているんじゃないかと、おかしいだろう、それひっくり返せなんていうのは、そういうことができなかったから、スルガなんかでも、当然、そういう問題があっても中では言えなかったんでしょう、結局。頭取からどんどん融資しろと言われたら、やっぱりやらなきゃいけないって、みんなそれでやっているんだから、おまえそんなこと言うなよと言えない状況なんでしょう。 特に、こういう海外の部分で公的資金を導入していて、それをやったがためにこんな問題が起こりましたよというようなことを内部で言うような人は、それはなかなかいないでしょう。だから、結局、もう同じような被害の垂れ流し。これは水俣病もそうです。水俣も、水俣で起こったことを、新潟で同じようなことを起こしているわけだから、結果、そういう疑わしきはしっかりと対応しなきゃいけない。 こういう環境問題、特に人の命や健康に関わるような問題は、本当にちょっとおかしいなと思ったらすぐにでも止めるということをやらないから被害が被っているわけでしょう。だから、こういうことを政府は本当にやるのかと。対外八十兆、その国民の税金を使って海外の人に健康被害を及ぼすような、そういう投資をやるなんていうことは、それは許されないですよ。これは国民が納得しないですよ。 是非、そのところは、大臣、こういったちょっと問題のあるようなところに大事な国民の投資をするべきではないというふうに私は思うわけですよ。 だから、この日米戦略投資イニシアチブなんていって、トランプに言われたからやっているのか、何でやっているのか分かりませんけれども、フリーポートLNGのように、環境被害や健康被害を起こしているという事実のあるようなところに投資すべきじゃないんだということを明快にしてもらいたいんですが、いかがですか、大臣。
○国務大臣(片山さつき君) 先ほど、日米戦略投資イニシアチブにおいて、いわゆるそのガスタービンの一部を押さえなきゃいけないという理由によって先行融資が行われて、その時点では環境アセスメントが終わっていないというお話がありましたが、それは、環境アセスメントが後になって、環境アセスメントの結果が悪ければ、それは止まるんですよ。止まったら、それはそこから先、融資はしないのでございますが。 今、フリーポートLNGのことをおっしゃっていましたが、その二つの会社は同じ会社ではないので、今ここで起きていることがそのまま起きるというふうに私は断言することはしませんが、いずれにしても、そのガスタービンの予約について必要な融資ということのみで合理的な理由として、それを設置するところに行っていないわけですから、そこのところのアセスメントが事後に、その後になってくるけど、そのアセスメントは行うのであって、アセスメントが通らなければそれは止まることがあるというのは、止まるということは、これは当然のことではないかと思いますし、いずれにしても、今、フリーポートのことにつきましては、JBICのガイドラインに従った環境社会配慮の観点から適切に対応していただけるよう、しっかりと監督してまいります。
○委員長(宮本周司君) 時間が来ていますので、おまとめください。
○大島九州男君 はい、終わります。 当然、こういう人に害を及ぼすようなところに公的資金を投入するなんということは絶対にやめていただきたいということを言って、終わります。
○ラサール石井君 社民党、ラサール石井です。 まず、ギャンブル等依存症対策についてお聞きします。 去る五月十四日から二十日は、ギャンブル等依存症問題啓発週間でありました。金融庁におかれては、公式SNSで積極的な広報をされていたことに敬意を表します。 ギャンブル等依存症は、脳のブレーキに当たる部分が壊れ、欲求をコントロールできなくなってしまう病気であり、回復するためには依存症患者を孤立させない環境を整えること、依存症という病気を正しく理解し、社会全体で立ち向かうことが大切です。そもそも、依存症に苦しむ方を増やさないため、金融庁や金融機関が果たせる役割も多いと考えています。 五月十一日に行われた超党派、依存症対策議員連盟の勉強会で、公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会の田中紀子代表は、クレジットカードのような借金後払いによるギャンブルを禁止するよう提言されていましたので、政府として検討する必要があると思われます。 また、地域社会でできる取組として、巨額の送金を行おうとする顧客に対し、金融機関がその目的を確認し、ギャンブルで負債を抱えた親族等への送金だと判明した場合には、ギャンブル等依存症についての相談先を案内するということが考えられます。 宮城県のゆうちょ銀行で、そうやってギャンブル依存症の家族を救えた例があったそうですから、それ、ギャンブル依存症かもしれません、振り込む前に相談をというような呼びかけを全国の金融機関で行っていただくよう促すということも重要だと考えています。 金融庁として、ギャンブル等依存症で苦しむ方を生まないため、私が述べたことも含め、今後どのような取組を行っていくか、お考えをお聞かせください。
○国務大臣(片山さつき君) 御指摘のギャンブル等依存症に対する取組として、政府は、毎年五月の中旬をギャンブル等依存症問題啓発週間と定めまして、金融庁もこの啓発に取り組んでおります。 この業界団体や金融機関等を通じた取組としては、例えば金融機関等の窓口を通じて、多重債務問題やギャンブル等依存症に悩む方の相談先を記載したリーフレットを配っております。また、日本貸金業協会又は全国銀行個人信用情報センターへの申告を通じた貸付自粛制度のSNS等の活用をした周知、これ、先ほど調べさせたところ、数千件が登録されているそうですが、これを行っておりまして、金融庁としては、引き続きギャンブル等依存症への対応を進めてまいります。 なお、公営ギャンブルの賭け金の支払方法につきましては公営ギャンブルの種類によって異なっておりますので、ここをどうするか、賭け金がもうこれ以上行けないようにするかにつきましては、その所管の各省庁において御検討を行って、例えば、競馬だったら農水とか、競輪、オートレースだったら経産省、競艇だったら国交省というようなところでございます。
○ラサール石井君 是非細やかな取組をお願いしたいと思います。 では、続いて、選択的夫婦別姓についてお伺いします。 高市総理は、旧姓の単記も可能とする基盤整備の検討を進めることを関係閣僚に指示されましたが、三月二日、三日の衆院予算委員会で、マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど厳格な本人確認に用いられる書類については戸籍上の氏と旧氏の併記を求めると、前言撤回のような答弁もされました。 これらの証明書は、三点とも既に今も旧氏の併記が可能であります。これ以上どのような変更を加えるのでしょうか。
○政府参考人(中嶋護君) お答えいたします。 法案の具体的な内容につきましては現時点で検討中でありますが、高市総理は国会におきまして、厳格な本人確認に用いられる書類については併記を求めることを検討することは当然である、こういった書類を用いて本人確認の仕組みをしっかり機能させることで様々な手続で旧氏の単記も可能な範囲を広げていくことができる、こういった旨述べられておりまして、こうした方針に沿って必要な検討を進めていくこととしております。
○ラサール石井君 これ以上どのような変更を加えるのか分からなかったですが。 その関連法案、今回提出を見送られました。仮に旧姓単記を法制化した場合、金融面でも大きな弊害があると考えます。 政府は、マネーロンダリングやテロ行為等を防止するための重要な取組として、結婚、離婚などで姓が変わった、引っ越しなどで住所が変わった、転職して職業が変わった、電話番号やメールアドレスが変わったなど、個人情報が変わった際には各金融機関の窓口やウェブサイトから登録情報の変更をお願いしますと広報で呼びかけています。改めて、この呼びかけの目的をお答えください。 また、仮に旧姓の単記と併記が混在するような制度をつくると同一人物が二つの法的効力を持つ名前を持つことになりますが、その場合、同一人物が二つの名義を使い分けて複数の口座を開設することができるようになるのでしょうか。それはマネロン対策を厳格化しようという日本及び国際社会の流れに反するのではありませんか。
○政府参考人(石田晋也君) お答え申し上げます。 金融機関への登録情報の変更等を呼びかける広報活動につきましては、金融機関は、マネーロンダリングやテロ資金供与を防止する観点から、顧客一人一人の最新の情報を把握することが重要でございまして、こうした金融機関による確認に対しまして利用者の理解を得るために広報を行っているものでございます。 また、複数の名義による口座開設についての御質問について申し上げますと、現在でも旧氏名義による口座開設等を認めている銀行が約七割確認されているところでございます。そうした銀行におきましても、口座開設時には、犯罪収益移転防止法に基づきまして公的な書類による戸籍名の確認を行うことを始め、十分なマネロン対策が確保されるように取り組んでいるものと承知しております。 金融庁といたしましては、引き続き関係省庁と連携しまして、旧氏使用の拡大に努めるとともに、マネロン対策にも万全を期してまいりたいと思っております。
○ラサール石井君 結局、一々戸籍名を確認しているわけですね。 二〇二四年に作られたEUマネーロンダリング防止規則第二十二条は、規則対象企業に対し、顧客の本人確認としてオール・ネームズ・アンド・サーネームズを確認することを義務付けることにしています。日本人がEUで口座開設や金融取引等を行う場合、使用が法制化された旧姓は同規制のいうサーネームに該当するのでしょうか。旧姓が同規制のいうサーネームに該当しないにもかかわらず、政府が発行する身分証明書が旧姓単記であれば、本人確認に支障を来すのではありませんか。旧姓使用で法制化した場合、身分証明書と口座情報の間で複数の法的氏名が混在することにより、日本人が、海外で口座が凍結、取引停止になったり、取引の遅延、追加書類の要求をされる可能性があるのではありませんか。
○政府参考人(柳瀬護君) お答え申し上げます。 EUマネーロンダリング防止規則につきましては海外の規制でございまして、金融庁といたしまして当該海外法制度の適用の有無についてコメントする立場にはない点、御理解いただければと思っております。 旧姓使用に関する法制化の内容についてでございますが、今政府において検討中であると承知しております。日本人が海外で口座開設等を行う場合の影響等について、当庁といたしましても必要に応じて関係省庁と連携して対応してまいります。
○ラサール石井君 米国の税法である外国口座税務コンプライアンス法、FATCAですね、これにのっとり、日本の金融機関は、口座開設時や顧客が米国に転居する際に米国の納税義務者であるかを確認し、米国人等に該当する場合は顧客の同意の下に内国歳入庁に口座情報等を報告するとされています、IRSですね。 旧姓を法制化した場合、日本の金融機関がIRSに報告する口座名義人の名前は、戸籍名か旧姓、いずれになるのでしょうか。旧姓で開設した口座についてのIRS報告を戸籍名ではなく口座に合わせて旧姓で行った場合、米国当局はそれを法的に有効な名前と認めるのでしょうか。
○政府参考人(田原芳幸君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、アメリカにおきましては、アメリカの国内法でありますFATCAに基づきまして独自に外国の金融機関の米国人口座情報を取得しておりまして、その情報の中に氏名が含まれているものと承知してございます。 我が国の金融機関からFATCAに基づきまして米国人に係る口座保有者等の情報が米国当局に提供される場合におきます氏名の取扱いですが、これは米国の国内法の問題でございまして、私どもの立場で確たることは申し上げられないわけでございますが、米国当局が当該口座保有者の情報につきまして何らかの追加の情報を必要とするような場合におきましては、日米租税条約の情報交換規定に基づいて我が国から情報を提供することとしておりまして、制度実施の円滑化と国際的な税務コンプライアンスの向上に努めておるところでございます。
○ラサール石井君 何か一々面倒くさそうです。 そして、外国の金融機関等を利用した国際的な脱税及び租税回避に対処するため、OECDにおいて、非居住者に係る金融口座情報を税務当局間で自動的に交換するための国際基準である共通報告基準、CRSが作られました。これにより、各国の税務当局がその居住者の金融口座情報を名寄せできることになりましたが、旧姓はCRSに則した法的な名前として報告で使用できるのでしょうか。旧姓を法制化した場合において、日本国外に居住する日本人が日本国内に旧姓で作った口座を有している場合、あるいは日本人が海外で旧姓を用いて口座を開設した場合、名寄せに混乱が生じるのではありませんか。
○政府参考人(田原芳幸君) お答えいたします。 我が国におきましてCRSを実施するに当たりましては、法令上、口座開設者が金融機関等に口座を開設する際に提出する届出書は氏名を記載することとされておりまして、この氏名は戸籍上の氏名を記載していただくこととしております。その上で、金融機関等は届出書に記載された氏名を国税庁に報告する、このようになってございます。 お尋ねのその旧姓を法制化した場合、名寄せに混乱が生じるのではないかという点でございますが、現時点で旧姓の法制化がどのように行われますのか明らかではございませんので、確たることを申し上げることができないことを御理解いただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、国税庁では、氏名だけではなくマイナンバーや生年月日等の情報を活用いたしまして名寄せ等を実施しておりますので、こうした情報を活用しながら、適正、公平な課税の実現に努めてまいりたいと考えております。
○委員長(宮本周司君) 時間が来ておりますので、質疑をおまとめください。
○ラサール石井君 はい、終わりますが。 事ほどさように、旧姓を法案化すると非常に煩雑なことがたくさん起こる。これらを解決するのは、選択的夫婦別姓を認めれば即座に解決すると思われます。法案を取り下げ、今、出すのを、また、出すのをやめておられますけれども、そもそも出せないのではないかと考えております。 質問を終わります。
○委員長(宮本周司君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(宮本周司君) 外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。片山財務大臣。
○国務大臣(片山さつき君) ただいま議題となりました外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 外国為替及び外国貿易法は、対外取引自由を基本としつつ、一定の業種に対する対内直接投資等につきまして、国の安全等の観点から事前届出を求め、審査を行うこととしております。 我が国経済の健全な発展に寄与する対内直接投資を一層促進しつつ、安全保障の裾野が経済分野に急速に拡大する中、国の安全等を損なうおそれがある対内直接投資に適切に対応する必要があります。このような状況に鑑み、本法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、対内直接投資等の事前届出の届出事項に、国の安全等を損なうおそれに対応するための措置を追加することとしております。 第二に、本邦企業の株式等を一定以上所有している海外法人等の議決権を百分の五十以上取得する行為等を、対内直接投資等として規制の対象に加えることとしております。 第三に、経済安全保障の観点から対内直接投資等の審査等の実効性を高めるため、必要な場合に財務大臣及び事業所管大臣から関係行政機関の長への意見照会を義務付けることとしております。 その他、所要の改正を行うこととしております。 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(宮本周司君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十二分散会