厚生労働委員会 第3号
- 発言数
- 227 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2026/04/02
会議録
○委員長(小川克巳君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、上野ほたる君及び鬼木誠君が委員を辞任され、その補欠として新実彰平君及び山内佳菜子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(小川克巳君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川克巳君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に石田昌宏君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(小川克巳君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官森真弘君外十八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川克巳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(小川克巳君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 委嘱審査のため、本日の委員会に一般社団法人全国がん患者団体連合会理事長天野慎介君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川克巳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(小川克巳君) 去る三月三十日、予算委員会から、四月二日の一日間、令和八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生労働省所管について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 予算の説明につきましては既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○郡山りょう君 それでは、皆さん、御安全に。ちょっと反応がありましたね。よかったです。立憲民主・無所属の郡山りょうでございます。全員の方がちゃんと返していただけるように引き続き発言して、ありがとうございます、発言していきたいと思います。 時間も限られていますので、早速質疑の方に移りたいと思っています。 まず初めに、三菱マヒンドラ農機解散に伴う雇用対策についてお伺いしたいと思います。 先月、三月二日に、島根県にある三菱マヒンドラ農機が解散を発表しました。島根県における三菱マヒンドラ農機の解散は、グループ関連企業を含め約千人規模の雇用を直撃する極めて深刻な事態でございます。サプライチェーンは国内外三百十六社、島根県内七十四社以上に上ります。 会社側が再就職支援をうたう一方、連鎖倒産の懸念もある地元中小企業まで含めた地域全体のダメージを最小限にしていくには、現在の雇用をいかに維持していくのかというのが非常に重要でございます。雇用維持の初動が遅れれば地域経済は連鎖的に崩れますし、これ、企業、従業員だけでなく、家族、地域経済にも非常に影響が及び、例えば税金、国税、地方税の収入であったり、そして御省の関わる社会保険料のやはり収入減にもつながるということで、本当に全体的にインパクトの大きいものでございます。 そこで伺います。 本件について、雇用調整助成金の特例措置を検討されていらっしゃるのか、あわせて、取引先七十四社以上の影響把握は完了しているのか、お伺いいたします。お願いいたします。
○政府参考人(村山誠君) お答え申し上げます。 御指摘の雇用調整助成金につきましては、リーマン・ショック期などにおきまして支給要件の緩和といった特例措置を実施してまいりましたが、これらは全国規模の経済危機による経済活動の停滞において実施したものでございまして、今回のような個社の経営問題に対する対応とは状況が異なり、必ずしも同一に論じられるものではないというふうに考えてございます。 他方で、通常の雇用調整助成金制度におきましても、取引先の操業停止に伴い、事業活動を縮小し、休業などを余儀なくされた場合には、生産指標の直近三か月間の月平均値が前年同期との比較で一〇%以上低下等の支給要件を満たせば、雇用調整助成金の対象となり得るものでございます。 既に島根労働局から雇用調整助成金の活用を呼びかけているところでございまして、雇用調整に関わる相談があった場合には、島根始めとして全国の労働局、ハローワークにおいて丁寧な相談対応を行いまして、委員御指摘のサプライチェーンの皆様方も含めまして雇用調整助成金の活用を促してまいりたい、このように考えているところでございます。 以上でございます。
○郡山りょう君 これ過去にも、私の先輩である津田弥太郎前参議院議員も、リーマン・ショックのとき、東日本大震災のときに雇調金の拡充の方を求めて、拡充が実現して、私の前職も含めて多くの企業が助かったという実績がございます。 これ、例えば七十四社って、三菱マヒンドラ農機の事業だけじゃないと思うんですよね。ほかの仕事もやっていれば、先ほど言った条件ですよね、直近三か月、前年比の一〇%というところが実は満たせていない、その雇調金の支払の条件にという企業もあると思うんですよね。 これはやはり拡充という措置をとっていかなければならないと思っていますが、そちらについていかがでしょうか。
○政府参考人(村山誠君) 繰り返しで大変恐縮でございますけれども、ただいま御指摘いただきましたリーマン・ショック期あるいは東日本大震災、これらに関しましては、非常に大きな経済的なショックがあったということで、国全体の経済事情、あるいはまた非常に広域的な雇用面での影響ということが及んだということから、特例措置を実施したものでございます。 今回の事案に関しましては、個社の経営問題ということでございまして、全国規模の経営危機による経済活動の停滞とはまた少し違うものではないかというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、先ほど申しましたように、通常の制度に関しましてはしっかりと活用が進むように丁寧な相談対応等を努めてまいりたい、このように考えているところでございます。 以上でございます。
○郡山りょう君 確かに今までの前例に比べたらなんですが、島根県にとっては本当に重要な課題ですし、点からこれが大きく穴となって広がる可能性があるわけですよね。それを考えると、その規模ありきじゃなくて、その後の影響のことも検討をしながら特例措置というのも考えてもいいかと思うんですよね。 上野大臣、ちょっと突然の質問ですが、そちらについて何かお考えあればお伺いしたいと思います。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今し方局長が答弁したとおりでございますが、やはり全国的な影響はどうかということでこれまで特例措置が講じられてきたというふうに考えております。 ただ、島根県において非常に重要な課題だというふうに考えておりますので、その状況につきましては我々もしっかり注視はしていきたいと考えています。
○郡山りょう君 これ確かに、雇用保険の財源の中で、雇用保険二事業の中の雇用安定事業の中にあると思います。こちら、事業主の負担と、全負担という財源にはなっているので、是非、島根県の事業主の皆さん、ここしっかりと今までお支払いしていますので、こういう規模ありきじゃなくて、こういう困ったときにしっかりと措置ができるような体制を何とかお願いしたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 続きまして、次の質問に移りたいと思います。 今回の会社解散は、労働者の精神的動揺が非常に大きいです。形式的な再就職支援だけでは不十分だと思います。 三月十八日に、当該の三菱マヒンドラ農機、労働組合三社あるんですけど、その上部団体であるJAM、その地方組織であるJAM山陰が島根県、松江市、島根労働局へ、解散に伴う支援の要請書を提出させていただきました。 就職支援チームは確かに設置されましたが、JAM山陰、連合島根の労働者代表の参画について、協議の参画についてはまだ調整中ということでございます。やはり労働者の個々のニーズを不安も含めて把握するためには、やはり労働者側も参画してしっかりと政労使で取り組むことが課題だと、私は重要だと思っております。また、三か所の要請行動を通じてJAM山陰が感じたのは、各機関で縦割りで動いており、情報共有が機能していないのではという不安の声も上がっています。 そして、その三社の労働組合の一つであるリョーノーファクトリーの比田委員長から、やはり従業員の不安と不信感は日々大きくなっているということなんですね。こういうときって、大体労働組合のトップが従業員たちの声を結構全身で受け止めるんですね。でも、情報がないので答えられないという非常に苦しい立場です。過去もこういうケースがあったときに、私も当該の前職のときに、リーマン・ショックでそういったことが起こったときに、当時の委員長、書記長、非常に苦労されたところを目の当たりにしています。 ハローワークの窓口、特別窓口設置はもとより、雇用産業安定センターを早期に介入して、島根県、労働組合、国が一体となった政労使の機動的な支援スキームを早期に確立すべきだと考えます。就職支援チームが労側との連携を深めることで、労働者の個々のニーズをより的確に反映できると考えますが、大臣の認識と地域雇用を守る決意も含めてお伺いしたいと思います。お願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今委員からも御紹介をいただきました支援チームにつきましては、これ松江市が主体となって、島根県、また島根労働局などを構成員としまして、三月の九日に設置されたものだと承知をしています。 一般にですが、大規模な雇用調整が生じた場合には、必要な就職支援などの支援策の速やかな意思決定を行うために、地方公共団体や、あるいは都道府県の労働局などが参加する、参画する会議体を設置をいたしまして、関係機関が連携をした就職支援策を実施をしているものと承知をしています。 この際には、地域経済あるいは取引先企業への影響なども踏まえまして地域の経済団体が参画するケースもあり、また、数は少ないんですが、労働者団体が参画をされているというようなケースもある、このことは確認をしています。 本件に関しましては、まず、松江市がこの支援チームを設置をされておりますので、過去の事例等を踏まえれば、経済団体あるいは労働者団体の参画について一概に、一律にこれが適当だということを申し上げることはなかなか難しいわけでございますが、やはり大切なことは、関係行政機関等が労働者一人一人に寄り添って速やかな支援策、これを検討していただいて実施をしていただく、このことが一番大事でありますので、そうしたことを我々としてもしっかりサポートができればと考えております。 厚生労働省といたしましても、関係機関ともしっかり連携をして、取引先の従業員なども含めて、本件による離職予定者のみを対象とした専用求人の募集であったり、あるいは退職者への特別相談、また、取引先事業所に対する、今し方お話のあった雇用調整助成金、これの相談受付などの支援に万全を期していきたいと思いますし、その際には労働者代表の皆さんへも丁寧な情報提供、我々としても努めていきたいと考えています。
○郡山りょう君 神奈川のある労働組合を訪問したときに、同じような国内の事業所を畳むという話があったときに、これってやっぱり政労使がうまく機能してる事例があったんですよね。しっかりと労働者も話合いの中に参画をして、それは、市側、経営者側もしっかり受け止めながら、例えば掲示板にいろんな就職支援先のそういう求人票とか貼ってあったりとか、そういった形できめ細かな支援をして、まあ、無事といってはなんなんですけど、やっぱり滞りなくしっかりと就職先を見付けて閉鎖という事例もあるんですね。 是非こういった事例もしっかりとキャッチをしてもらいながら、島根県、松江市、そして経営者側、そして労働組合の方に是非呼びかけていただければと思いますので、是非、もう雇用を、次の雇用を見付けるということにもういち早くつなげて、不安を取り除いていきたいと私も考えていますので、どうぞよろしくお願いしたいなと思います。 続きまして、これ影響は島根県にとどまらず、隣の、隣県の鳥取県まで及んでいます。各地労働局が持つ求人情報をリアルタイムで共有し、広域マッチングを強化する具体策はございますでしょうか。 あわせて、JAM山陰の方から議論の過程が全く見えない等の懸念が寄せられており、先ほどの質問にもつながるんですが、労働者が納得して次の一歩を踏み出せるよう、自治体、企業間の協議結果の情報開示を徹底すべきだと思いますが、いかがですか。お願いいたします。
○政府参考人(村山誠君) お答え申し上げます。 大臣から先ほど御答弁ございましたとおり、三菱マヒンドラ農機株式会社等の解散に伴いまして、今後離職者の方々が生じることを見込まれるということを受けまして、ハローワークにおいて特別相談窓口の設置や離職者の方向けの求人募集を行っておりまして、その方々の希望や状況を踏まえ、円滑な再就職のために必要な支援を実施することが重要であるというふうに考えているところでございます。 大規模な雇用調整が生じた場合には、先ほど大臣からございましたとおり、ハローワークにおきましては、離職される方の希望職種などを踏まえた個別求人の開拓、また求人の確保、情報提供を行いますとともに、先ほど委員からも御指摘ございましたとおり、全国ネットワークを活用した隣県も含めたマッチングの支援などに取り組むこととしてございまして、既に三菱マヒンドラ農機株式会社の従業員の方々の採用を念頭に置きました求人を島根以外の労働局においても募集、開拓しているということでございます。 今後とも、厚生労働省といたしまして、全国のハローワークが連携して円滑な再就職支援に万全を期してまいりたいと考えておりますが、先ほど来委員から御指摘ございました労働側への情報提供ということに関しましては、ちょっと会議体云々ということではなくて、個別の対応も含めましてしっかりと対応するように島根労働局の方にしっかり指示をしてまいりたい、このように考えております。 以上でございます。
○郡山りょう君 是非ともお願いしたいと思っております。 私も、できるだけ情報を御省の方にしっかりと提供していきながら、少しでも働く人たちが安心して次のステップを踏むように私も協力してまいりたいと思いますので、是非ともよろしくお願いしたいなと思います。 続きまして、医療用資材等の供給危機と患者の安全保障について質問をさせていただきたいと思います。 まず初めに、三月三十一日に、中東情勢の悪化により供給不足が不安視される石油由来の素材を使った医療物資の確保に向けて、上野大臣と赤澤経済産業大臣をトップとする対策本部を立ち上げたということですが、この対策本部の中身ですね、機能等、ちょっと質問通告にはなかったんですが、もし説明できればお願いしたいなと思います。対策本部の中身ですね、お願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) まさに委員御指摘のとおり、三十一日に、赤澤大臣と私がトップとなる医薬品、医療機器また医療物資等の確保対策本部を立ち上げさせていただきました。この中では、まずはしっかり情報収集をして、在庫等も含めて今どういう状況なのかということをしっかり把握をしていきたい。 そうした中で、長期的に懸念がされるものも今幾つか出てきております。当面、今すぐに何か対応が特に必要なものということは考える想定はされておりませんが、長期的なものについても幾つか出てきておりますので、そうしたことについてどう対応していくか、また更に事態が進展をした場合にどういう対応が必要かなど、総合的な対策についてこの中でしっかり検討していきたい、また実行に向けて努力をしていきたいと考えています。
○郡山りょう君 ありがとうございます。大事なのはそこの確認の後だと思うんですよね。この対策本部でも、そういった在庫の把握だったり、その在庫に対してどう対応していくかの後が非常に大事だと思っております。 石油備蓄法には、ナフサなど川下製品の配分を政府が直接指示できる規定はないかと思います。例えば、どの医療機関だったり、どの製品というか、物を優先的に配分をするのか、代替品の使用を誰が承認していくのか、これ薬機法にも関わるかと思うんですが、これはまさに命の優先順位の判断だと思っております。 そこで、この対策本部において、今の対応だけでなく、例えば厚労省が持つ具体的な指揮権限というものの設置であったり、あとはその最終判断を下す、そして責任を負う司令塔というのをどこに設置するのか、誰が判断するのかということをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(森真弘君) 委員御指摘のように、個別具体的に品目精査した上で、じゃ、それについて何を優先していくのか、それからどういった対策をしていくのかというのをこれから全体像をつくっていくことが必要だというふうに考えております。 当該本部については、大臣を筆頭に立てさせていただいておりまして、厚労省と経産省で一体的にその必要なもの、必要な対策というのを決定していくことになるというふうに考えているところでございます。
○郡山りょう君 先日の三月二十五日の予算委員会のときにもそういった回答は、似たような回答はあったと思うんですが、やはりその情報に対してしっかりと、日々一刻、状況変わっていっているんですね、在庫についてもそうですし、本当に医療関係の皆さん相当不安な声が私の下にも寄せられていますので、やはりその情報をどう生かしていくのか。そして、今どう対策をする、それは誰が判断するのか。 そして、今後同じような危機って起こり得ると思うんですよね。そのときに、例えば、法律的な縛りがなければちゃんと法律に基づいて判断基準をして、どこに優先してやって、やっぱり命を守っていくのかというのが必要だと思うんですよね。そちらについて、今後そういったものを考えていらっしゃるのか伺いたいと思います。お願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 非常に大事な御指摘だというふうに思います。私ども、この今回の事態に際しまして、やはり命に関わるもの、これは最優先だというふうに考えております。これにつきましては赤澤大臣とも共有しているところであります。 今後具体的にどういう対応策が必要かということは、今まさに委員が御指摘のありましたとおり、様々な法制度上の問題も含めて対応していく必要があろうかと思います。優先的に配分をするといったとしても、それを具体的にどう進めるのか、あるいはどういう根拠に基づいてやっていくのか、様々な論点があろうかと思いますが、そうしたこともしっかり整理をしていきたいというふうに考えております。 大切なのは、必要なところに必要な物資がしっかり届くということでありますので、そうしたことを念頭に、十分赤澤大臣とも協力をして進めていきたいと考えています。
○郡山りょう君 その先にやっぱり判断していくの、それぞれの所管の大臣の皆様が判断して情報を、最終的に判断するのって総理大臣だと思うんですよね。何かそうしたスキームですよね、流れの。危機的な状況、ナフサも、医療用だけじゃなくて様々あって、やはり物が、運ぶそういう燃料がなければ、そうした医療機器、命に関わるものも運べないわけで、その優先順位って物すごく難しいと思うんですよね。そこは、本当に優秀な政府には皆さんおられますから、知恵を絞っていただきながら、最終的なそのルートですね、優先順位を最終的に総理が判断していただくのが一番いいかと思いますので、是非、そうしたスキームを是非つくっていただくように強く要望したいと思っております。 次の質問、ちょっと時間の関係もあるので、先ほどの質問の中に回答がありますので割愛をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 続きまして、最後の質問になります。 これ、不正受給、助成金の不正受給問題と制度の信頼回復について御質問したいと思っております。 これ、御存じの方も多いかもしれませんが、四月二日の週刊文春の報道によれば、東証上場企業であるIT企業が、人材開発助成金、これ、実は先ほどの雇用保険二事業の中の財源を使われていると思います。その助成金を自由に使える裏金のように宣伝し、組織的な不正受給を指南をしていたという疑いがございます。研修が実質無料、お釣りが出るといった誘い文句が横行しているのは、現行の審査体制に制度的な隙があるのではないかと考えます。 国が推進するリスキリング予算、とりわけIT社会に適応する人材、DX人材を育てていくための重要な補助事業の大切な財源、何か報道に、この記事によると二十億円以上ということなんですね。そういった企業の利益に消えているとすれば、これ、払っている方、事業者の方たちだと思うんですけど、真面目に取り組んでいる、背信行為であると思うんですね。そして、制度全体への信頼を根本から損なうのではないかと思います。 そこで、二点お伺いしたいと思います。 まず一つ目ですね。厚労省として、同社が関与した事案の実態調査、どこまで進んでいるのか。そして、指南役企業に対しては、助成金の返還にとどまらず、企業名の公表、厳罰化、さらには刑事告発も視野に入れた断固たる対応が必要だと考えますが、大臣の認識をお聞かせください。 そして、二つ目ですね。不正を未然に防ぐためには、書類チェックにとどまらず、研修現場への抜き打ち調査や受講者本人へのヒアリングの義務化など、性善説を捨てた審査体制の抜本的な転換が必要だと考えます。制度の信頼を回復し、真に学びを必要とする企業、労働者に予算をしっかりと届けていくための具体策と決意をお聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、記事につきましては承知をしておりますけれども、個別の事案でございますので、恐縮ですが、コメントは差し控えたいと思います。 その上で、一般論でございますが、助成金の適正利用のため、不正受給の疑いのある事案につきましては労働局で詳細に実地調査を行っております。不正受給と認められた場合には、企業名の公表など厳しく対応をしているところであります。 また、親子会社間あるいは同一グループ内に属するなど、助成金の申請事業主と密接な関係がある企業が提供する訓練につきましては、今年度の制度見直しによりまして助成の対象外とする予定であります。 これまでも、不正の疑いがある事業所には申請段階から事前訪問を行っておりますけれども、加えて、現在、AIなどのデジタル技術を活用して、審査過程で不正の疑いのある事業所、これを抽出することについての調査研究を鋭意進めているところであります。 引き続き、助成金の不正受給防止には、また適正利用の実施に向けてしっかり対応していきたいと考えています。
○郡山りょう君 ありがとうございます。 私も後ほど提案しようと思っていた、書類の審査のときにしっかりと技術を使って最新のチェックをするということ、大変いいことだなと思っていますので、まず未然に入口のところで塞いでいくというところも大切だと思いますし、あとはやはり、実際そのDX人材を育てるというところがやはり大事な部分じゃないですか、成長分野十七の一つになると思いますので、その後のやっぱりちゃんとつながっているかというチェックもそういった最新の技術を使いながら確認していくというところも大事だと思っております。 これ、やはり雇用保険、社会保険もそうですけど、やっぱりこういう何か隙を狙ったものが横行しているという事案が多いと思うんですよね。こちらについては、全体的にそこのしっかりと入口を防ぐということをやっていかなければ、もう事業主もそうですし、我々働く人たちが払っていただいている本当に貴重な財源が、その本来行くべきところに行かないというところは本当にあってはならないと思います。 先ほどの雇用調整助成金ですね、当然先例で特例措置というものがなかなか判断が難しいというお答えもありましたが、一方で、同じこの雇用保険二事業の中の雇用安定事業の財源の中でこうした二十億円と言われるものが不正に流れているということは本当にどうかなと思いますので、是非そこはしっかりと御省としてチェックをしていきながら、ちゃんと必要なところに流れていくことを強くお願い申し上げ、私からの質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○山内佳菜子君 立憲民主・無所属の山内佳菜子です。質問の機会をいただき、ありがとうございます。 本日は、高額療養費制度、そして特別児童扶養手当についてお伺いしたいと思います。 それでは初めに、高額療養費制度についてお伺いいたします。 昨年十二月二十五日に開催されました第九回高額療養費制度の在り方に関する専門委員会では、委員の皆様から多くの有意義な御指摘があったというふうに議事録からも読み取ることができますので、今回は、その皆様からの指摘にちょっと絞りまして、時間も限られていますので絞って、幾つかどのように今回の見直しに反映されたのかを確認をさせていただきたいと思います。 まず一つ目です。上智大学経済学部教授の中村さやか委員は、子供や障害者を扶養している場合など、所得だけでなく、生活実態を踏まえた負担能力の検討が必要だと指摘をしていただいております。 特に現役世代は、既に高い社会保険料を負担されている上に、子供さんへの教育費ですとか障害があるお子さんへの介護の費用も掛かってきます。出費が重なる時期です。 同じ所得でも、家族構成によって生活の厳しさや負担能力は変わってきます。こうした実態をどのように御検討され、また反映されたのでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、患者お一人お一人が置かれた状況、様々であるということを前提に基づきまして、まず患者団体の方が参画されました、参画していただきました専門委員会におきましては、家計への影響を検討するため、延べ二十を超える様々な疾病、所得の患者の医療費と家計調査を基にした家計の収支状況をお示しをしてまいりました。この家計調査のデータにつきましては、二人以上の勤労者世帯のものを使わせていただいております。 また、家計調査を用いて、家計の総収入から税、社会保険料や生活費を控除した額と高額療養費を活用した場合の年間負担額を比較をした資料、これも提出をして御議論をいただいてまいりました。 その上で、専門委員会の委員の皆様からは、療養期間が短期の方と長期の方で生活への影響が大きく異なり、長期療養者の方は経済的負担が累積をされるため生活や就労に直結する深刻な問題となっているといった意見がありました。また、扶養家族がいるにもかかわらず負担限度額が同じであることは負担感が重い、また、就労面では収入の減少といったケースも少なくない、現在の多数回該当のみの制度では長期療養者の生活への影響を緩和することは難しい、そういった御意見があったところであります。 こういった御意見を踏まえまして、専門委員会で議論を重ね、今回の見直し案に至ったものでございますが、今後とも、制度の持続可能性の確保、長期療養者や低所得者のセーフティーネット機能の強化といった見直しの趣旨につきましては丁寧に説明をしていきたい、また、今回の見直しによる患者の皆様への影響についても今後しっかりと注視をしていきたいと考えています。
○山内佳菜子君 あくまでも試算ということで、資料もたくさん拝見させていただいておりますが、一家庭、お一人お一人実情は違うので、そこをしっかり今後も把握をしていかないといけない、それを踏まえた上での見直し額の設定をなされなければいけないというふうに考えております。 続けます。次に、全国がん患者団体連合会理事長の天野委員の指摘です。多数回該当について、病気や受診は変わらないのに、転職や退職によって保険者が変わると回数がリセットされてカウントされなくなってしまいます、病気と治療は続く、だけど制度上はリセットされてしまうというこの仕組みについては見直すべきだというふうに指摘をされています。 どのように検討されましたか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 多数回該当の取扱いにつきましては、専門委員会においても議論がありました。 専門委員会で整理をいただきました基本的な考え方におきましては、実務的な課題もあるものの、カウントが引き継がれる仕組みの実現に向けた検討を進めていくべきであると整理をしたところであります。こうした考えに沿って、今後、この問題の解消に向けて検討を進めていきたいと考えております。 実現に向けましては、それぞれの被保険者の所得あるいは毎月の医療費の支払額の情報、これは各保険者でしか現在所有をしていない、そういった課題があります。また、各保険者がそれぞれのシステムで管理している中で、その各保険者の情報を連携させるためには実務面またシステム面での対応が必要である、そうした課題が存在もしております。これらに加えまして、個人情報保護法との関係も整理をする必要があります。 いずれにいたしましても、これは、実現に向けて整理すべき課題を抽出をして、必要な経費や期間なども含めまして、保険者を始めとした関係者との調整を具体的に進めていきたいと考えています。
○山内佳菜子君 検討を進めるということは、検討して反映した上で、見直しを踏み切るという判断をされなかったのでしょうか。その点は非常に私は疑問を抱いております。 検討した上で反映をして、そして皆さんに提案をして見直しを実施をする、スタートをする、このような段取りでよかったのではないかという意見は申し上げさせていただきます。 続けます。日本難病・疾病団体協議会代表理事、大黒委員の指摘です。 所得区分については、現在、前年所得を基準としていますが、重い病気になれば収入は大きく減少します、先ほど大臣もお話をいただきました。お金がない人に前年の年収で負担を求める、この現実をどう受け止めているのか。所得急減への配慮が必要ではありませんか。どのように検討されましたか。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、被用者保険におきましては、固定的賃金に変動があって、それが三か月継続をした場合には標準報酬月額を臨時で見直す臨時改定という仕組みがあります。収入が減少してこれに該当する場合には、高額療養費の所得区分が下がるということになります。 また、国民健康保険におきましては、非自発的失業者など、雇用保険の特定受給資格者等として認定を受けた者が国民健康保険に加入した場合には、本人からの申請に基づき、前年の給与所得をその百分の三十と見直して所得判定を行うこととなっております。その所得に応じた所得区分を高額療養費制度におきましても適用することとしております。
○山内佳菜子君 ありがとうございます。 続けます。健康保険組合連合会会長代理の佐野委員の指摘です。 将来にわたってその都度見直しを、その時代に合った見直しが必要ではないだろうかと、見直しのルールの策定を検討すべきではないかというような御指摘をいただいております。 この点、どのように御検討されましたか、反映されましたか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今の御指摘は、第九回の専門委員会におきまして、委員から、将来にわたって高額療養費制度を維持するためには、人口構造の変化などを踏まえ、見直しのルールの策定も含めた定期的な見直しを行っていただきたいという御意見があった、このことだと承知をしております。 この御発言なんですけれども、これまで高額療養費の制度改正につきましてはおおむね十年ごとに行っておりますので、これは見直しの頻度をルール化すべきだと、そういう趣旨だと私どもとしては理解をしております。 そうした御意見は御意見として受け止める必要があろうかと思いますが、まずはこの制度の持続可能性の確保、そして長期療養者や低所得者へのセーフティーネット機能の強化、そういった趣旨について丁寧に説明を尽くしていくとともに、年間上限の円滑な実施など、実務面でも滞りなく運用が行われますように、関係者との調整に万全を期していきたいと考えています。
○山内佳菜子君 おおむね十年ごとの頻度という趣旨だというふうに受け止めていらっしゃるということですが、そのおおむね十年ごとにまた見直しをするというふうな方針は持たれていらっしゃるのですか、検討されているのですか。確認させてください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 済みません、先ほど申し上げましたのは、現在おおむね十年ごとに制度が改正をされておりますので、もう少しルール化をして、どのタイミングで見直すかというのを明確にしろというのがこの委員からの御意見だというふうに承知をしています。 それにつきましては、先ほども申しましたが、今はこの制度の実現と、それが円滑に施行されるということを目指しております。制度自体を不断に見直すのは当然でありますけれども、次の見直しをいつにするかということを特段今検討しているわけではありません。
○山内佳菜子君 よく分かりました。理解できました。 頻度もなんですけれども、見直す際に、どのように何を評価、どのデータを誰が評価して、どういうふうに生かして、じゃ、誰が議論してどういうふうに合意形成をするのかといったルールみたいなものも、私は一定程度必要じゃないかなと思います。今回の九回の高額療養費の在り方に関する専門委員会の議論の過程を私は見させていただいた上で、その点は非常に強く感じたところでございます。 続けます。 第九回専門委員会で、これまで確認をさせていただいたように、それ以外も含めて様々な指摘がされていますが、具体的にこのほかにもどのような点が今回の見直し案に反映されているのか、明確にお示しください。お願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 第九回の専門委員会でございますが、この際には、まず、国民や患者の納得や理解が得られるように、今回の見直しの趣旨を含めて丁寧に説明をするべきだという御意見がありました。また、医療費節減に資するほかの代替手段についても引き続き十分な検討を行ってほしい、そういった御意見もありました。 そうしたことも踏まえまして、例えば、今回の見直しにおいて、年間上限額、これを新設をする予定でございますが、こうしたことにつきましても丁寧に、そして見直しの内容につきまして分かりやすく丁寧に国民の皆さんにお示しをする、そうした努力をしていきたいと思いますし、その際には、しっかりとした広報資料を用いていきたいと考えております。ホームページにも掲載をしたり、あるいは公式のアカウントでも周知を行っているところであります。 また、他の代替手段につきましても、これ医療制度全体の改革という観点が必要でございますので、本年の診療報酬改定におきましても、長期処方あるいはリフィル処方、残薬対策、こうしたものを強化する措置を講じているところであります。
○山内佳菜子君 説明ももちろん大事ですけれども、それ以前に、この見直し金額について様々な、見直すべきだと、生活破綻を起こすおそれがあるんじゃないかですとか、先ほど確認させていただきました、保険者が変わるとカウントがリセットされてしまうというような指摘については、まだ検討段階、反映がなされていないということを確認させていただいています。説明ももちろんですけれども、第九回で指摘されたこと、しっかりと反映した上で見直しについてもスタートをすると、それがあるべき姿ではないかというふうに思います。 やっぱり私は、この具体的な見直し額について、第九回だけでしか示されなかったという議論の在り方については、今も問題があったというふうに考えております。 三月二十六日の東京新聞の報道でも、患者側は同意していないという見出しで強い批判を示されております。せっかく議論の場を厚労省さんもつくっていただいたのに、なぜ最後に台なしにしてしまうのでしょうか。このプロセスが適切だったと認識されていますか。大臣のお考えをお伺いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) プロセス自体につきましては、これまでからも御説明をしているとおりでございますが、患者団体を始め保険者、医療関係者、学識経験者等からヒアリングを重ね、延べ二十を超える様々な事例であったり、あるいは家計調査を用いた収支状況、家計の収支状況について様々な資料をお示しをする中で御議論をいただいてまいりました。 こうした中で、この御議論の結果としまして、高額療養費制度を将来にわたって堅持していく必要があるという専門委員会の共通認識の下に、近年の一人当たり医療費の伸びを念頭に負担限度額の見直しを行うこと、あるいは現行で大くくりとなっている所得区分につきましては、応能負担の考え方を踏まえて、現在の限度額から著しく増加することのないように細分化をすること、また、当然見直しに当たっては長期療養者の方やあるいは所得の低い方への経済的な負担に配慮をする必要があること、そういった基本的な考え方については合意をいただいたものと考えております。具体的な金額につきましては、こうした考えの下に、政府において責任を持って決定をしたものであります。 どうしても、予算案に含まれる中身でございますので、政府全体の調整が必要だというようなことでこのタイミングとなりましたけれども、いずれにしろ、その趣旨につきましては丁寧にこれからも御説明をしていきたいと思いますし、丁寧に対応していきたいと考えています。
○山内佳菜子君 説明はもちろんです。だけど、議論を重ねてほしいです。そして、反映をしてほしいです。そのことを強く求めたいと思います。 ここからは、三月二十七日、予算委員会で答弁をいただいた内容についてもう少し詳しく確認させていただきます。 二万一千円の壁について、七十歳以上の方はレセプト二万一千円以下のものも合算ができる、だけど七十歳未満になると合算ができない。それは実は、四十年余り前の事務負担都合であったということを確認させていただいております。その際に、この二万一千円の壁を撤廃するためには一千億円以上の財源が必要だという答弁がありました。この積算の根拠についてお示しください。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 御指摘の、二万一千円以上というその基準を撤廃した場合の財政影響につきましては、二万一千円未満を含めた全てのレセプトを合算した場合と、それから現行制度であるその二万一千円以上のレセプトのみを合算した場合で高額療養費の影響というものを試算し、それらを比較して算出し、一千億円を大きく超えるというような大臣のお答えをさせていただいたところでございます。
○山内佳菜子君 このことについて、X上でも本当に患者の皆さんから、事務都合で、命懸かっているんですよと、この思いを何とか国に考えてほしいというような切実なお声もいただいています。 例えば、CTで一万円ですとか副作用の皮膚治療に一万五千円別の病院で掛かってしまった、この積み重なった負担についても合算ができないという非常に厳しい状況が続いています。撤廃すべきではないでしょうか。若しくは、この二万一千円未満という基準を少しでも下げるというようなこともせめて御検討いただけないでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 御指摘の点につきましては、課題としまして私どもも当然そうした理解をしているところであります。 一千億円を超える財源が必要と今し方局長からも答弁がありましたけれども、厳しい医療保険財政の中で、まずその点をどう考えるかというのは非常な大きな論点になろうかと思いますし、また、医療制度全体の改革の中でどういった優先順位を考えていくのかということも大事な視点かというふうに思っております。そうした課題を整理をして必要な検討を進める必要があろうかと考えています。
○山内佳菜子君 続けます。 間局長が、見直し実施後の調査を行うという御答弁をいただいております。調査はどのようにされるのでしょうか、お伺いいたします。
○政府参考人(間隆一郎君) 今回の高額療養費の見直しによる長期療養者の方や低所得者の方を含めた実際の受診行動の変化については、よく注視していく必要があるというふうに考えております。 今回の見直しの影響を評価する方策も含めて検討してまいりたいと思いますが、例えば、過去、一定以上の所得をお持ちの後期高齢者の窓口負担割合を一割から二割に引き上げた際、これ令和四年の改革でございますが、その場合には、事後的に対象者の一人当たり日数について時系列的な分析を行い、平均的な受診日数が一月当たり二%から四%減少したことを確認しております。こうした過去の分析手法も参考に、検証の方策について検討していきたいと思っております。 なお、これも予算委員会のときにお答えしておりますけれども、平成二十九年、三十年に外来特例の負担上限を引き上げた際にはマクロベースの受療率には変化がなかったというデータを確認しているところでございます。
○山内佳菜子君 例えば、そのような調査を行った後、令和八年から、今厚労省さんとしては令和八年から第一段階目の見直しを実施する、そして来年、令和九年の八月から第二段階目の見直しをスタートするということが想定されています。 第一段階目の後で調査を実施されると思うんですけれども、例えば、その調査の段階で影響が出てきたということが分かったときはどうするのでしょうか。私は、この第一段階目で調査をして、その影響を踏まえた上で第二段階目の見直し額について改めて協議をすべきだというふうに考えておりますが、その点についてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、二段階目でありますが、これは応能負担の徹底という観点からの所得区分の細分化のみならず、低所得者のセーフティーネット機能の強化という観点から、年収二百万円未満の課税世帯の多数回該当の金額の引下げなども実施をしていくこととしております。やはり、この制度全体の見直しの一環として、制度見直し全体の一環として、パッケージで私どもとしては実施をさせていただきたいと考えております。 なお、受診行動への変化につきましては、我々としてもしっかり注視をして把握をできるように努めていきたいと考えています。
○山内佳菜子君 特に、第二段階目になると所得によっては月三万円以上も負担が上がる方もいらっしゃいます。本当に命を削るような予算の削り方、あってはならないというふうに考えております。 これまでの質問で、専門委員会での指摘が、私は、私の認識としてはまだ十分に生かされていない、まだまだ生かせるところがあるのではないかというふうに考えております。また、患者団体さんは納得をされておられません。患者団体さんが共同声明で提案をされております見直し案についても、反映された形跡はございません。 一年前、石破政権は、患者さんの声もしっかりと聞いて丁寧に議論をする、そのために一旦凍結をした。にもかかわらず、最後の最後で患者団体さんにこのような対応をしてしまうという議論の在り方については、やはり私は問題が残るというふうに思っております。 大臣、もう一度、一旦凍結をして、見直しについて議論をすべきではないでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 繰り返しになって恐縮ではございますけれども、今回は患者団体の方にも御参加をいただいた専門委員会におきまして整理をして今回の見直し案としたものでございます。 この見直しにつきましては、高齢化、また高額薬剤の普及などによりまして医療費全体が年々増加する中で、制度の持続可能性と長期療養者や低所得者へのセーフティーネット機能の強化、これを両立を図るものであります。具体的には、制度全体の持続可能性の確保の観点から、低所得者の方の負担に配慮しつつ、主に療養期間が短期の方に追加の御負担をお願いをする、その一方で、多数回該当の金額の維持、あるいは年間上限の設定、そうしたことで長期療養の方や所得の低い方へも配慮をさせていただいている、そうした中身となっております。 そうしたことで、長期で療養される方の負担は増えず、むしろ減少される方もおられるというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、国民の皆様に今回の見直しの意義、内容を十分御理解いただけるように、その趣旨をこれからも丁寧に説明していきたいと考えています。
○山内佳菜子君 理解をいただきたいというのであれば、やはり議論と反映が必要だというふうに考えております。この問題は引き続き取り組みたいというふうに思います。 次の質問に移ります。特別児童扶養手当です。 私は所得制限の撤廃も必要だという立場ではありますが、それ以前に、自治体間格差があるのではないかという懸念の下で質問をさせていただきます。 都道府県ごとの支給判定割合、把握されていらっしゃいますでしょうか。格差があるのではないかという不安の声が届いております。また、直近の申請件数、受給決定件数、さらに過去五年間の推移についてお伺いいたします。
○政府参考人(野村知司君) お答え申し上げます。 政府の中で福祉行政報告例という調査統計ありまして、この中で、都道府県別の特別児童扶養手当の申請受付件数あるいは支給決定件数などなどについて把握をさせていただいております。 直近データの令和六年度で申し上げれば、全国合計で、六年度中に申請を受け付けた件数は四万三千三百二十四件、六年度中に支給決定に至った件数が三万七千六百四十件というふうに出ております。過去五年間でございますけれども、令和二年度から六年度までの年数遡ってみますと、この申請受付の件数、支給の決定の件数、いずれも共に前年を上回って増加をしてきているという状況でございます。 一方で、もう一つ、委員から御指摘ございましたこの判定割合、つまり申請を受け付けた件数に対して支給決定をした割合、申請に対する支給決定割合でございますけれども、これはこの報告例の中では示しておらず、これまで算出をしていないという状況でございます。いかな形でお示しすることができますか、一度ちょっと引き取らせていただいて検討させていただいた上で、その結果、先生に御報告上がらせたいと思います。
○山内佳菜子君 引っ越したら不支給になったとか、お医者さんの診断書の書き方で結果が変わってしまうというような声もネットでも確認することができますので、是非、自治体間の格差の解消ですとか判定のぶれの解消については是非取り組んでいただきたいというふうに考えます。 ちょっと時間が限られていますので、質問飛ばさせていただきます。 ここで、一つの実例を紹介させてください。宮崎県新富町の小嶋崇嗣町長のお話です。町長になる前、娘さんが小学校三年生のとき、1型糖尿病を発症されました。当初は所得制限で受給ができなかった。その後、所得が下がって、申請しても不支給でした。不服申立ても認められませんでした。国が様々な通知を出して配慮をしていただいているにもかかわらずです。町長はこう語っています。夜中も起きてインスリン注射を打って命をつなぐ痛み、障害がある痛み、そして特別児童扶養手当を受けられなかったことの痛み、その痛みを知る者として、町として支援の意思を示したい。その後、町長就任後、小嶋町長は新富町で独自に所得制限なしで障害児家庭を支援する制度を創設されました。 大臣、これは一つの自治体の判断です。どう受け止められますか。この日本が、国が全ての子供と子育てを応援するということを体現されていると思われませんか。どこに住んでいるかで支援が変わる社会であってはなりません。 大臣にお伺いいたします。求められているのはトップの判断です。特別児童扶養手当の所得制限、直ちに撤廃すべきではありませんか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 障害児の方に対する支援につきましては、現物給付である障害福祉サービスによる支援と、また特別児童扶養手当等の現金給付など、個別のニーズあるいは状況に応じた支援策を講じているところであります。 全額公費による現金給付におきましては、現金給付である特別児童扶養手当の所得制限でございますが、これも再三説明をさせていただいておりまして恐縮ではございますが、その制度の趣旨、あるいは障害基礎年金など他の所得制限を有する制度との均衡を踏まえたものでございます。 近年、やはり障害児に対する福祉サービスを充実をすることでその給付額というのは大幅に拡大をしており、また、受給者数も、少子化の中ではありますが、年々増加傾向にあります。また、近年の物価上昇を踏まえた支給額の増額改定も行っており、総支給額は過去十年間で約三割増しというふうになっているところであります。 こうした状況も踏まえて、現時点でそのような撤廃につきましては考えておりませんけれども、引き続き障害児支援に係る施策を所管するこども家庭庁とも連携をしつつ、障害福祉サービスも含めた支援策全般、そういった観点で引き続き取り組んでいきたいと考えています。
○山内佳菜子君 全ての命、全ての子供を国の責任で守りましょう。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。よろしくお願いいたします。 まず、ドラッグラグ、ロスの拡大についてお尋ねしたいと思います。 令和八年度当初予算、ドラッグラグ、ロスの対策の推進として合計で二億六千九百万円が計上されています。また、令和七年の補正予算も含めて、これまでもドラッグラグ、ロス、この対策について予算講じられております。 まず、政府参考人にお伺いしますが、ラグ、ロスの解消に向けて、国民に最新の医療を速やかに届ける、世界有数の創薬の地となる、投資とイノベーションの循環的発展、この三つの戦略目標を立てておりますけれども、その中で、我が国における国際共同治験の初回治験計画届件数、これを二〇二一年の百件から二〇二八年には百五十件にするという目標を掲げておられます。現在の進捗、目標達成に向けての状況を御説明ください。
○政府参考人(森真弘君) 国際共同治験の関係ですけれども、我が国における国際共同治験の初回治験届出件数、これ現在、令和三年度は百二件、年間百二件であったところですが、その後、新型コロナウイルスの影響が強く生じた令和五年度ではほぼ横ばいでしたが、令和六年度は年間百二十三件と増加しているところでございます。 国際共同治験の件数を伸ばしていくためには、海外のスタートアップ企業等が日本に進出する際の事務負担の軽減、それから国際共同治験に対応できる体制構築、それから治験に係る規制の国際調和を図ることが必要だというふうに考えております。 このため、海外のスタートアップ企業が日本へ進出する際のワンストップ相談窓口というのを設置いたしまして、そうしたことをやるとともに、世界レベルの研究に対応できる国際拠点型臨床研究中核病院を司令塔とした活性化、それから、治験審査の一括化を原則とする等、臨床試験の実施の基準の改正などを進めておりまして、二〇二八年度には年間百五十件まで増加させるという目標をきっちり達成していきたいというところで現在取り組んでいるところでございます。
○田村まみ君 大臣に通告していたんですけど、済みませんでした。出番を奪ってしまいました。 今進んでいるという実数はいただいたんですけれども、いろんな要因が絡んでくると思いますのでここを着実に進めていただきたいんですが、第三回日本成長戦略会議では、先行して検討を進めている主要な製品・技術等の官民投資ロードマップ素案の中で、バイオ医薬品や再生医療等製品、こういうものに対して、国際共同治験における資金面での部分であったり制度面、こういう課題解決、解消を図るというようなことが明示されております。 治験に伴う資金面や制度面の課題解消も必要なんですけれども、企業が治験に当たるに当たって日本を組み入れていくかどうかというところは、やはり日本市場の投資回収、ここが市場として見合うかどうか、ここも判断材料になるというふうに私は考えております。 今回、済みません、厚労省ではなくて内閣府の副大臣、鈴木大臣にお越しいただいております。 CAR―T治療等については、国内生産に向けて、経産省の再生・細胞医療や遺伝子治療の拠点整備事業というような支援、こういうふうに周りの支援は今進んでいるというふうに私自身受け止めております。ただ、従来の低分子薬ではなくて、今議論されているのは、新規モダリティーであったりオーダーメード医療につながっていく、こういうものが対象になっているというふうに考えております。 日本成長戦略会議において、開発や人材、拠点整備にとどまらず、患者アクセスや値付け、負担の在り方に至るまで検討しなければ、このラグ、ロスの解消につながらないというふうに考えますけれども、副大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(鈴木隼人君) お尋ねありがとうございます。 委員御指摘のとおり、そのドラッグラグまたドラッグロスの解消、極めて重要な課題であるというふうに認識をしております。 そういった観点から、成長戦略会議に創薬・先端医療ワーキンググループを設置をしております。 企業等が日本で医薬品開発や治験を実施するか否かを検討するに当たっては、投資回収の可能性、規制、治験環境など様々な要因が影響すると承知をしております。官民投資ロードマップ素案においても、患者アクセスの改善に向けた革新的新薬のイノベーションの評価を含め、創薬人材の育成、確保や研究開発力の強化、スタートアップへのリスクマネーの供給など、様々な政策を総合的に講じる旨を盛り込んでいるところであります。 引き続き、ワーキンググループ、巨視的な、大局的な視点にはなりますけれども、この観点から、ドラッグロス、ドラッグラグの解消に向けて検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
○田村まみ君 余りこんな裏話しちゃいけないのかもしれないんですけれども、これを質問通告したときに、私は最初に副大臣に是非答弁いただきたい、鈴木大臣に答弁いただきたいと通告したんですけれども、これ厚労省が答弁するのかどっちが答弁するのかと。私が最初、今回の通告の中で、薬価という言葉をあえて使いませんでした。薬価というふうになってしまうと、最後は中医協でという話になって、いつもの、国民負担とそしてアクセスの問題両方で、そこを見据えてという大臣答弁が来るというのは、もう私さんざん質問していて、もう分かっている。 だけど、今回、やはりここまで成長戦略分野として掲げて、しかも新規モダリティー、ここに対しての支援をしっかりやっていこうという中でいけば、どういうふうな形での値付けをしていくのか。これまでの低分子薬が大半であった値付けであったりアクセスの問題とは違った課題として、しっかりとここは戦略会議の方で答えを出していく、もうあと最後の議論を中医協に任せるではない、そういう今回は、私、意気込みだというふうに思って高市総理も設置されたんだというふうに信じております。 上野大臣、意気込みだけ御答弁いただければと、通告していないですけど。
○国務大臣(上野賢一郎君) 成長戦略の中でもこの創薬力というのは非常に重要で、我が国のこれからの産業政策の中でも特に力を入れなければいけない分野だと私も考えています。 値付け等につきましては、既存の制度もあるので、なかなかこうだということを申し上げにくいわけでありますが、我が国の創薬力を後押しする観点でどういった対応ができるかというのは、厚生労働省としてもしっかり検討は進めていきたいと考えています。
○田村まみ君 ちょうど、私の所属組織でもあるUAゼンセンの組合員のお子さんが、ちょうど難治性の急性骨髄性白血病発症されておる中で、国内での治療というところがもう既に全てのことをやり尽くして、もう手がないという中で、中国での治験が進められている最新のCAR―T治療を受けようと中国に渡航されるということを決断されたというのを聞いたんですね。 もう私は本当に悔しい思いをしました。今、実際にCAR―T治療については国内生産に向けても、先ほど言ったとおり、進めているんだけれども、やはり遅れているという現実が、本当に私この議論をずっとしている中でまさしくまた身近に起きているということを感じました。 改めて、慎重な答弁はいただいたんですけど、意気込みは受け止めましたので、是非、上野大臣、ここは成長戦略会議の中でしっかりと値付けの部分も、国内の中で、先ほど高額療養費の議論もありましたけれども、そもそもその治療が受けれるか受けれないかというところ、そこの入口ですので、そこしっかりと対応いただきたいということをお願いしておきたいというふうに思います。 委員長、鈴木副大臣の答弁ここまでですので、御配慮お願いします。
○委員長(小川克巳君) 鈴木副大臣、御退室なさって結構です。ありがとうございました。
○田村まみ君 次に、全国健康保険協会、協会けんぽですね、ここの国庫補助に関わる特例減額、これについても、予算に大きく関わっていくのでこの委嘱審査のところで質疑したいと思います。 昨年末の財務大臣との、厚労大臣と行われた大臣折衝において、全国健康保険協会、協会けんぽにおいて、足下では健全な財政運営が定着しており、準備金も法定準備金を大きく超過して積み上がっていることを踏まえ、医療保険料率の引下げ、〇・一%のマイナスですね、と併せて、国庫補助の在り方について見直しを講ずるというふうなことが大臣折衝で決められました。 令和八年度から令和十年度までの三年間、国庫補助に対する特例減額の控除額に時限措置として年五百億、計一千五百億を上乗せするということになっておりますけれども、この特例減額というのはそもそも平成二十七年から開始している措置なわけですね。ですが、措置開始前の二十六年から二十三年の四年間、この過去に遡及をして今回行うというようなことなんでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 今委員から御指摘のありました点、協会けんぽにつきましては、平成二十七年度以降、準備金残高が積み上がっていく場合に、新たな超過分の、積み上がった分のですね、国庫補助相当額一六・四%分を翌年度の国庫補助額から減額する特例減額という措置を講じております。 これについて、今委員から御紹介ありましたような厚労大臣、財務大臣の大臣折衝で合意されたものとして、この準備金も法定準備金を大きく超過して積み上がっていることも踏まえて、協会けんぽが決定した医療保険料率の引下げと併せ、国庫補助の在り方について見直すこととしたものでございます。 これも踏まえまして、先日十三日に、三月十三日に閣議決定をし、国会に提出させていただいております健康保険法等の改正法案におきまして、特例減額の開始前に剰余金が積み上がった期間である平成二十二年度から二十六年度において準備金として積み上がった金額のうち、国庫補助一六・四%に相当する総額約千五百億円について、国庫支出額から年間五百億円を三年間追加的に差し引く内容を新たに時限的な法律上の措置として盛り込ませていただいたものでございまして、その意味で新たなものでございますので、遡及ということでは単純にはなかろうというふうに考えております。
○田村まみ君 遡及ではない、今から決めることなんですよね。それ、二十七年から開始しているんですけれども、その前に適用していくというのはなぜなんでしょうか。今回の法改正の以前に何か規定があったというより、単純に積み上がっているからやっちゃえということになったのか、いかがでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 先ほどお答えしましたように、この現行の特例減額の仕組みは、委員御指摘のように、平成二十七年度に導入されたものでございます。当時の法改正で何か将来こうするということを決めていたということではございませんけれども、委員から御紹介ありましたような、足下で健全な財政状況が定着していて、そして準備金も法定準備金を大幅に上回っているなどの状況を踏まえますと、平成二十七年度以前の剰余金のうち国庫補助相当額についても、特例減額と同様の考え方に基づいて国庫に戻していただくということに合理性はあると考えられますことから、今回、健康保険法改正法案におきまして、三年間の時限的な措置として御提案をしているものでございます。
○田村まみ君 今答弁の中で合理性があるというふうな御説明がありましたけれども、協会けんぽの運営委員の皆さんや支部の評議会からは、結果論であって、唐突感、納得性に乏しいと、到底受け入れられないというような声、もちろんこういう措置なので上がってくるというふうには思うんですけれども、今後、国庫補助率についても引下げの検討が始まるんじゃないか、こんな不安の声も上がっております。 また、時限措置の終了について、国庫補助の見直しと併せて、医療保険料、これを含めた保険財政の運営の在り方を検討する、ここまで記載されるというふうに今伺っておりますけれども、これ国庫補助の引下げ等々も見込んだ上での明文化、条文化なんでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今し方局長から答弁をさせていただいたとおり、今回の措置は現行の特例減額措置と同様の考え方に基づくものであります。協会けんぽの運営委員会等でも様々な御議論があったというふうに承知をしておりますが、現行の延長線の対応だというふうに我々としては理解をしており、認識をしておりますので、この措置の趣旨を御理解いただけるように丁寧に説明していきたいと考えています。 この時限措置終了後の見直しなんですけれども、令和十年度までの間におきまして、持続的な保険財政運営の観点から必要な検討を行い、結論を得ると、そうしたことになっているところであります。これにつきましては、今回の医療保険料率の引下げと併せて、賃金上昇率あるいは医療給付費の伸びを踏まえた中長期的な保険財政の影響なども踏まえて検討する必要があろうかと考えております。 現段階でどういった中身か、具体的な方向性、それにつきましては持ち合わせているものではありませんので、これからしっかり検討していくということでございます。
○田村まみ君 今の答弁を信じて、ただ、いろんなパターンが含まれているというのがこの検討だというふうに思っております。 国庫補助に対する特例減額の仕組みを導入する、こういう議論をしていた当時の平成二十七年の、当時塩崎厚労大臣が、財政状況はここ一、二年は改善傾向に来ており、短期的には保険料率、この引下げも可能だが、中長期的に見れば高齢者医療への拠出金の増加等々ということで、料率は本来単年度で見る、引下げができるということはあるんだけれども、ここまで財政の安定化のために、いわゆる今社会保険料高いという声あるんですけれども、この財政の安定化のために保険料率一〇%を維持し続けてきた経緯があります。ようやく今下がったんですが、まず、そもそも国として中長期的な視点でこの財政運営というのを見ていく、ここに変わりがないかということを伺いたいと思います。 その上でなんですが、今日、資料一、準備させていただきました。 こちらは、協会けんぽが作成したこの先の収支見通しを示した試算になります。今日は、賃金上昇率、右上にケースⅡって書いてありますが、ちょうど真ん中のパターンのを持ってきていますけれども、これですら、一・四%の賃金上昇率では二〇三三年から収支、赤字になるというふうな見通し出ています。 今日付けていませんけれども、例えば楽観的に賃金上昇率高かった一・八としたとしても、二〇三五年には赤字になるというようなことがもうこの同じ冊子のところで出てきています。将来的にはほぼ単年度収支が赤字になるということが見えてきているわけなんですね。 この協会けんぽの将来的な財政状況や、国庫補助に対する厚労省の認識も併せてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、医療保険制度は短期保険でありまして、そういう意味では単年度収支が基本になるということは事実であります。他方、協会けんぽは被用者保険の最後のとりででもありますので、安定的な財政運営を講じていくことも重要だと考えています。 そのため、法律上も協会けんぽに対し、少なくとも今後五年間の被保険者数や保険料収入、医療費支出の見通しを作成することを義務付けておりまして、この見通しを踏まえ保険料率が設定をされるなど、中長期的な、中期的な財政運営という視点に立った制度設計としているところでありまして、その考え方自体には変わりはないところであります。 様々なシミュレーション、行われております。仮定の置き方によって程度差はあるものの、国庫補助率を現行どおりとした場合でも、堅めの前提を置いた場合には、約十年後には準備金残高が相当減少する、そういった見込みのケースもありますので、国庫補助が重要な役割を果たしていることは私どもも認識をしているところであります。 いずれにいたしましても、今後の国庫補助の在り方等につきましては、令和十年度末までの間におきまして、協会けんぽの財政状況、将来見通しなどを踏まえて改めて検討していくこととなっておりますので、そうした検討をこれからもしっかり続けていきたいと考えています。
○田村まみ君 中長期的に考えていく、国庫補助が重要だ、こういう答弁いただきました。 しかし、今私は、そもそも、この協会けんぽの話を出しましたけれども、今の医療保険全体の問題ですよね。この皆保険制度の支えている仕組み、中長期的な視点でいけば高齢者医療制度の拠出金も大きく影響してきていますし、例えば年齢で区切っている現行制度であったり、この高齢者医療保険制度の抜本改革も含めて、保険制度全体、こういうことも検討していかなければいけないというふうに私は考えます。 今日は、協会けんぽのところの単年度の収支赤字みたいなところがこういうことになっていく、今後の予算であったり健康保険法の改正のところで関係するのでここ出しましたけれども、根本的に医療保険制度全体を見直していく時期ではないかというふうに私は思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、一般論としてでございますが、医療制度全体は、やはり、これからの少子高齢化の中でやはり不断に見直しをしていくことは非常に大事なことだと考えております。 後期高齢者医療制度でございますが、現時点におきまして現行制度そのものを見直すということは検討はしておりませんけれども、一方で、現役世代の負担を軽減をして制度を、社会保障制度を持続可能なものとするためには、特に年齢にかかわらず、能力に応じて皆が支え合う全世代型社会保障の観点から、後期高齢者の自己負担割合の見直し、こうしたことは避けて通れない課題だと認識をしております。 こうした問題につきましても、令和八年度中に丁寧に検討を進めていくこととしておりますので、そうしたこと全体で様々な改革に取り組んでいきたいと考えています。
○田村まみ君 与党の方でもこの社会保障の問題というところは大きく議論されているというふうに伺っていますし、超党派では国民会議設けられております。今お題が消費税と給付付き税額控除にちょっと絞られていますけれども、そもそも、中低所得者の社会保険料の重さ、ここについて総理が課題として挙げられていることですので、是非こういうところもしっかりと議論に上げていただきたいというふうに指摘をしておきます。 次に、最後の項目、賃上げについて御質問したいと思います。 今日は、財務省、経産省、総務省の方にもお越しいただいておりますので、最後まで質問したいというふうに思いますので、お願いします。 三月の十八日が春闘の集中回答日でした。当日、私も予算委員会で高市総理や城内賃上げ環境整備担当大臣に質問させていただきました。その際、高市内閣として、賃上げの施策について、水準、金額目標だけではなくて、企業が賃上げ可能な環境整備、ここに重点を置くという姿勢を改めて明確にされました。 そこで、私は、環境整備の一つである価格転嫁推進、特に政府が主体となり得る官公需の価格転嫁について今日伺いたいと思います。 三月十二日、衆議院の予算委員会の片山大臣の答弁で、自治体における価格転嫁の取組状況を普通交付税の算定に反映する取組、こういうことをやっているというような答弁がありました。財務省として、官公需を含めて予算において経済・物価動向の反映ができるように取り組むとの答弁もありました。そのときに、答弁の中で具体的な業種も例示されていたんですけれども、印刷関連というところが言及ありませんでした。 財務省に伺います。官公需の価格転嫁に関する予算措置の中には、印刷物、ここも含まれるという認識でよろしいでしょうか。
○政府参考人(吉沢浩二郎君) お答えいたします。 官公需の価格転嫁につきましては、骨太の方針二〇二五におきまして、官公需における価格転嫁のための施策パッケージという取組がございまして、これに基づきまして必要となる予算を確保するということが書かれております。これを踏まえまして、令和八年度予算につきましても、官公需を含めて経済・物価動向等を適切に踏まえた予算としております。 したがいまして、委員御指摘のとおり、印刷物につきましても官公需の取組の対象に含まれるということでございます。
○田村まみ君 ありがとうございます。 相当、施設管理の役務であったりとかという、細々お話しされたんですけど、もう一つ大きい枠である印刷物のところに言及がなかったので、あえてお伺いをしました。特に厚労省関係での、住民の方たちにお知らせするあの紙の通知っていうのは相当、封書だったり印刷物使っておりますので、ここも実は私、厚労関係に大きく関係していると思って、あえて取り上げています。 その上で、総務省、経産省は、令和四年、六年に官公需印刷物の入札・契約に関する実態調査を実施されております。今日、資料の二枚目に、その調査した表紙を付けております。 この結果を踏まえて、原材料費及び人件費等の最新の実勢価格等を踏まえて、最低制限価格制度や低入札調査制度、この活用について通知も出されております。 資料の三枚目も御覧ください。 この令和四年、六年の調査において、上の②の四角囲み一、低入札価格調査制度、最低制限価格の制度、この導入状況なんですけれども、四角囲み、この導入している都道府県は二十七団体、括弧、令和四年度と同じ値、市町村は二百団体、括弧、令和四年度、百八十七団体、三団体しか増えていない、変化なし。こういう結果が出ていて、全く、この政府としても進めてはどうかと言っている入札の仕組み、これが変化見られておりません。 総務省政府参考人にお伺いしますけれども、総務省にお伺いしますけれども、調査では、必要性を認識していないとする回答が多数というのも出ています。これが資料の下の②の四角囲み三のところですね。これ導入した方がいいという通達が私出ているというふうに受け止めましたし、それが必要だといってこの調査内容が入っているというふうに思っているんですが、調査結果では、必要性を認識していないという回答数が多数という結果になっております。 この必要性を都道府県、市町村が認識していないというのは一体どういうことなのか、総務省としてどう捉えているのか、お伺いします。
○政府参考人(坂越健一君) お答えいたします。 委員御指摘の令和六年度に実施した調査におきまして、最低制限価格制度等の導入に関し自治体が必要性を認識していないと回答した理由につきましては、同調査におきまして理由が掲げられておりまして、請負ではなく物品購入契約として発注しているケースが多いこと、少額のために随意契約による発注しか実施しておらず、入札を実施していないケースがあること、それから、契約単価等について業者からの要望や苦情等が全くないケース等が理由として挙げられているところでございます。
○田村まみ君 最後の、業者からの申出がないというのは、なかなか契約形態変えてくれというのを、物品購入しているのにいきなり業者から言うというのはちょっと考えづらいなというふうには思うんですけれども。 続けて、その業所管省庁である経産省に伺いたいというふうに思います。 印刷物の入札契約について、製造の請負契約ではなく今ほど答弁あった物品購入契約だと価格転嫁が進みにくい、こういう認識はありますでしょうか。
○政府参考人(江澤正名君) お答え申し上げます。 印刷は、印刷物を製造し、納入させるものであることから、請負と物品購入の両方の契約形態があると承知しております。 印刷業界から聞くところでは、地方公共団体の調達において、最低制限価格制度や低入価格調査制度は印刷物の製造の請負契約でないと一般的に適用されないという話であるとか、さらには、請負契約では印刷の作業工程や納期に対応した単価が含まれ得るのに対し、物品の購入契約だと、印刷設備や人員を保有していない事業者が労務費等のコスト上昇を反映しない価格で受注してしまうため、結果として価格転嫁を進めることが難しくなるとの声があると認識しております。
○田村まみ君 そうなんですよ。だから、通知で、この契約形態もちゃんと検討しようということが私書かれていたと思います。もちろん物品購入でしっかりと価格転嫁をする交渉できればいいんですけれども、今言ったような事情で難しいわけなんです。 改めて、総務省の総務大臣政務官にお越しいただいております。現状の通達で自治体の行動変容が図られるんでしょうか。先ほど、調査した二回とも調査の後に出しているんですけれども、さっき変わっていないという数値見ていただいたわけなんですよね。変わるんでしょうか。
○大臣政務官(梶原大介君) お答え申し上げます。 先ほど委員からお触れいただきました令和七年六月に経済産業省の方から発出をされた通知におきましても、適切な価格転嫁の取組が要請をされておるところでございますが、これに合わせて、総務省といたしましても、経済産業省と連携をして、自治体の財政、契約担当部局に対して当該通知に係る周知を行ったところであります。 印刷物を含めた地方の官公需の価格転嫁については、令和七年六月に閣議決定をいたしました新しい資本主義実行計画等において様々な対策を講じることが明記をされており、総務省におきましては、この通知の発出を始め、全自治体の発注担当者向けの説明会の開催や、地方六団体が主催をする会議の場における首長、地方議会の議長への働きかけも行ってまいったところでございます。 さらに、価格転嫁のための必要な財源として、令和八年度地方財政計画において、委託料等について五千八百五十億円の増額計上を行ったことは委員からも先ほど触れていただきました。 また、今後、自治体における価格転嫁の取組状況については、しっかりとフォローアップを行い、その結果を公表するとともに、令和八年度の普通交付税の算定にも反映をしていくこととしておるところでございます。 引き続き、関係省庁とも連携をしながら、地方の官公需における価格転嫁の取組をしっかりと推進をしてまいりたいと存じております。
○田村まみ君 答弁は、どの分野でも、建設のところで国会ではよく質問されるんですけれども、同じように言っていただいているんですが、この印刷関連のところの変化がないというところをもう一回踏まえた上で、今までどおりでは、印刷物のところ、物品購入だろうというふうに、国会にお越しになられているかつて知事だった方とか首長だった方に聞いたら、まあそうだよなみたいな感じで、余りこの契約形態変更するというイメージすらないようです。是非、ここは総務省の方でももう一度しっかりと、この通知だけではなく、そして印刷物もというところ強調していただきたいんですよね。 そういう意味でいけば、今日、経産省の方からも経産副大臣にもお越しいただいております。業所管省庁として、やっぱりこの印刷業界の皆様、労働者の賃上げもしっかりしていかなきゃいけない、企業も継続的に持続可能なものにしていかなきゃいけないという中で御苦労されているわけですよね。 改めて、この価格転嫁の促進に資するようなこの入札の形態、こういうところも、自らもしっかりと言っていかなきゃいけないんだということも含めてですし、やはり受け止める知事側だったり首長側にもしっかりと経産省の方からお願いしていかなきゃいけないと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○副大臣(井野俊郎君) 先生御指摘のとおりでありまして、地方の印刷業者にとっては官公需が売上げに占める割合というのは大変大きいものがございまして、ここの価格転嫁というのは当然、産業政策上とても重要であるというふうに我々は考えております。 先生の御指摘踏まえて、地方公共団体における官公需印刷物の価格転嫁進むように、印刷物の請負契約への見直し等、最低制限価格制度などの導入拡大を促すためにも、新たな通知等の対応はしっかりと検討してまいりたいと思っております。
○田村まみ君 繰り返しになりますけれども、建設や役務提供のところは大分進んでいるというふうに私も声聞いています。まだ不十分ですよ。だけど、この印刷に関しては本当に進んでいないというのはデータでも表れていますし、現場の声もそうやって来ています。御存じだというふうに思います。 是非、この点については、厚労関係のいろんな、命や健康、そして生活に関わる通知使うときに封書で本当に通知していますから、しっかりと総務省、経産省、取り組んでいただきたいというふうに思います。 その上で、上野大臣にお伺いします。 地方版政労使会議の議事内容、把握されているでしょうか。なぜかというと、賃上げ環境整備にどのようにつながっているのかということを厚労省は、やっていることはちゃんと、何でしょう、調べていただいて、日にちはばあっと載っているんです。そのページは載っているんですけど、議事録載っていないところがほぼですし、何話されたんだというのは私ちょっと分からないんですよね。 一つ、厚労省としてどういうふうな議論されているかという見解伺いたいところと、もう一点、提案ですけれども、官公需の価格転嫁についてはちゃんと議題に上げて議論するべきだというふうに私は思います。議論の議題の提示、ここも検討いただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、地方版政労使会議の中身でございますが、会議におきましては、物価上昇に負けない賃上げを共通認識とすることができた、あるいは賃上げには生産性向上と収益力強化が重要であり、行政の支援が必要である、また価格転嫁に対しては、消費者への周知、広報も必要である、そういった御意見があったというふうな報告を受けております。会議の開催が地域での賃上げ機運の醸成につながっているというふうに認識をしております。 また、官公需につきましても、これはやはり、この賃上げに資する重要な、大変重要な取組でありますので、会議におきましても、国及び地方の官公需における価格転嫁の取組、これを今回、御紹介を会議でもさせていただいております。 先ほど来委員からもお話ありますが、官公需における価格転嫁の取組、これは内閣官房の資料、また各府省等の契約等の適切な価格転嫁の推進、地方公共団体の発注の適切な価格転嫁の実現、そうした周知もこの会議の席上でやらせていただいているところであります。 これからも、今し方委員からも問題意識がありましたけれども、価格転嫁というのは賃上げにとっても非常に重要なものでありますので、この地方政労使の会議の中でどういった取り上げ方が必要かということは十分考えていきたいと考えています。
○田村まみ君 答弁は終わっているんですけれども各省の皆さんに残っていただいているのは、今言った地方版の政労使会議、活用できると思うんですよ。是非、こういうところも視点に置いて、せっかく調査もしていただいて、通知も出して、予算も取っているわけですから、進むような後押し、手段、もう少し考えていただきたいということをお願いしておきたいというふうに思います。 時間短いんで、このまま行きます。 地域別の最低賃金の目標について維持されている、こういう答弁を実は予算委員会で高市総理にいただきました。年末までの予算委員会でちょっとその旗を下ろしたんじゃないかみたいな疑いがよくありましたので、私あえて聞きました。改めて厚労大臣からも、今の目標、明確に御答弁いただきたいと思います。 その上で、夏の成長戦略に向けて取りまとめを、今後の賃上げ環境整備含めてどうしていくか検討していくというのが答弁として繰り返されています。金額明示には消極的な姿勢だというふうに私は受け止めています。これまでの年限と金額目標、地域別の最低賃金のアップに向けて目標が示されていたこと、この効果と弊害について厚生労働大臣から、特に最賃の目安の議論への影響も含めてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、最低賃金の政府目標につきましては、先般総理からも答弁がありました、骨太の方針二〇二五等で閣議決定をいたしました二〇二〇年代に全国加重平均千五百円という最低賃金の目標は維持をされております。同時に、目標を事業者に丸投げをしない、これが高市内閣の基本的な考えだということも示されているかと存じます。 その上で、最低賃金を含むこれまでの政府決定への対応につきましては、今後の消費者物価上昇率や一般的な賃金の状況、また事業者の経営状況といった経済動向などを踏まえまして、夏の成長戦略の取りまとめに向け、具体的に検討していくものだと承知をしています。 また、これまでの効果、弊害等でございますが、この数値目標につきましては、やはり事業者や雇用者にとって予見可能性を高め、賃上げに向けた機運を醸成をする、そういった意見があろうかと思います。一方で、実際の賃金はもちろん国ではなくて企業が支払うものでありますので、国が将来の目標だけを示してその負担を企業に丸投げをするということは適切ではない、そうしたこともあろうかと考えております。
○田村まみ君 高市総理は私の答弁の最後に、賃金は、賃金を決めるのは事業者だと答弁されています。事業者なのかもしれませんけど、労使で決めるものだというふうに私は思っています。 弊害という意味でというよりも、私、課題だというふうに指摘したいんですけれども、今回の骨太で掲げられた方針も、政府だけで目標を決めたこと、ここが私は一番課題だったというふうに思うんですよね。政労使会議もやってるわけです。そして、夏までに成長戦略会議で取りまとめしていくというふうにおっしゃっているんですけれども、またこれ政府だけで議論するんですか。そうすると、また同じように、事業者は、いや、そんな高い目標できないよと言って、最賃の議論の場面で無理だ無理だという話をして、今回みたいに適用日、先延ばしにするというようなことが起きたり、そもそもの賃上げにつながっていかない、こういうことがあると思うんですね。 是非、政労使の場でこの目標ということをしっかり掲げていく、環境整備も含めてやっていく、そういう議論を進めていただきたいということを厚労大臣、上野大臣にお願いしておきたいと思います。 その上で、最後の質問ですけれども、経済社会情勢も大きく変化しています。成長戦略会議において産業分野を政府が特定している、こういう環境変化も起きているわけですね。最賃法において地域別最低賃金と特定最賃、それぞれの意義と役割を改めて確認して、労働組合の組織率の低下であったり働き方の多様化、本当にいろんな環境変化があります。こういうことを踏まえた上で、運用ルールの見直しの議論の必要性、これについては、厚労大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、最低賃金法上、地域別最低賃金は、全ての労働者の賃金の最低限を保障するセーフティーネットとして全ての地域において決定をしなければならないとされております。また、特定最低賃金は、労使が主体的に地域別最低賃金の上乗せをしようとする際の選択肢として労使のイニシアティブを尊重して定められるものであります。こうした地域別最低賃金や特定最低賃金の意義、役割、この重要性は依然として変わらないと考えております。 一方で、例えば地域別最低賃金につきましては、昨年度の審議結果を踏まえて、目安制度の在り方に関する全員協議会におきまして、公労使の委員の皆様に発効日の在り方等につきまして御議論をいただいております。また、特定最低賃金につきましても、地方最低賃金審議会において協議が進まない例がある、そうした国会での御指摘、御審議も踏まえまして、審議の活性化に資するような参考事例を取りまとめるなど、その時々の課題あるいは社会経済情勢の変化に照らして適切な運用がなされるように取り組んできたところでありますが、今後におきましても、こうした制度が法の趣旨に沿った意義、役割を担うことができますように、社会情勢の変化などにも照らして、運用等については当然不断の見直しを進めていくことが大事だと考えています。
○田村まみ君 不断の見直し、是非行っていただきたいと思いますが、今ほど、最賃は労使のイニシアチブというところは相当強調されるんですけれども、賃上げ全体の環境整備というふうになった瞬間に労使というところが抜け落ちるんだというふうに私は指摘しておきたいと思います。 是非、この賃上げの環境整備というのは、もちろん企業が賃上げできる環境をつくっていくとか、官公需であれば、政府も挙げてつくっていくというのは大事なんですけれども、やはり労使での話合いというところ。ただ、労働組合が全ての労働者が加入できているような状況でもない中で、そして、今のこの物価上昇と経済の情勢が不安定な中でどうやって賃上げをしていくかという、日本の経済のその消費者の購買力、ここをしっかり底上げしていくための大事な議論だと思うんですね。 是非、成長戦略会議のときに、政府だけで決めない、賃上げ環境整備、そして賃上げの仕組み、これを政労使で決めていただきたい。それを予算委員会でも提案しましたけれども、ここでも改めて提言させていただいて、質問終わりたいと思います。 各省庁の皆様も最後までありがとうございました。
○宮出千慧君 参政党の宮出千慧です。 昨年の臨時会では国土交通委員会に所属をしておりましたが、この特別会から厚生労働委員会の所属となりました。今日が厚生労働委員会での初めての質疑となります。委員の皆様におかれましては、御指導のほど何とぞよろしくお願い申し上げます。 少し私自身のことをお話をさせていただきます。 私が政治を志したきっかけには、間違いなく母との関係がありました。私の母は働く女性でありまして、私は幼い頃から保育園に預けられて育ちました。帰りがいつも最後だったんですけれども、母ともっと一緒にいたいなという寂しさを感じながらも、でも、一方で、毎日一生懸命働いている母の姿を見ていると、そんなわがままを言ってはいけないなと自分を押し殺しながら生きてまいりました。そして、気が付けば自分の考えを表に出すことができない、対人関係をうまく築くことができないというような生きづらさを感じるようになりまして、克服するのに相当の時間を要しました。 そして、五年ほど前に母ががんになりまして、当時はコロナ禍ということで、入院をしてしまうと家族に会えないということもありまして、一年にも満たない短い期間ではありましたが、母を自宅で看病し、その後自宅でみとるという経験をいたしました。幼い頃にあれだけ望んでいた母との時間を立場が逆転した状態で過ごしていることに、当時、少し皮肉に感じながらも不思議な感覚でおりました。 子供にとって親と過ごす時間は本当にかけがえのないものであり、親との関係が良くも悪くも子供のその後の人生を形作ると考えております。今、子供たちの自己肯定感が著しく低下をしており、いじめが増え、そして子供たちの自殺は毎年過去最高を更新して、昨年は五百三十八人。そしてまた、犯罪に手を染めたり、オーバードーズに陥る、そういった子供が増えているのを見ておりますと、彼らには何か安心できる場所が、居場所がないのではないかと。そして、その大きな原因が、幼い頃の愛着形成ができなかったことにあるのではないかというふうに考えております。 日本社会の未来そのものであるはずの今の子供たちが本当に幸せなのか、これから生まれてくる子供たちは幸せになれるのか、そして親や社会の在り方、これでいいのか、そんな問題意識が、母との関係を通して私の中に湧き上がってまいりました。このように、私と母の関係は、ケアに始まりケアに終わったと言えるかと思います。 そこで、今回の質疑では、ケア領域、保育や介護の分野を扱いたいと思います。 まず、こどもまんなかというスローガンについて考えたいと思います。 こどもまんなかとは、子供たちのために何が最もいいことかを常に考え、子供たちが健やかで幸せに成長できる社会を実現することを指していると理解をしております。 配付資料の図一を御覧ください。 こども家庭庁の令和八年度予算案の概要、事業別の資料集を計量テキスト分析に掛けて、子供、家庭、子育てを中心とする共起ネットワークという図を出力いたしました。この共起ネットワークとは、データ中でよく一緒に使用される概念を線で結んだものでございます。この円をノードといいまして、大きさで重要度を表しておりまして、線はエッジと呼びまして、関係の強さを距離で表しております。 一番左の図、見ていただきますと、子供を中心に置きますと子育てや支援というワードを通じてほかのノードと関係をしておりまして、この子育てや支援という政策手段に強く依存をしているということが分かります。また、子供の周りにあるのは、事業、目的、交付など、大人の都合に関係する言葉ばかりになっております。 一方で、家庭を中心に置きますと複数の大きなノードと密接に結び付いていることから、実際の政策の対象となっているのは、子供ではなく家庭にあるように見えます。 ここで、内閣府副大臣に本日お越しいただいております。副大臣にお伺いいたします。 図の共起ネットワークに示されたように、こども家庭庁の実際の関心は、子供ではなく家庭、すなわち親にあるようにも見えます。そうであれば、こどもまんなかとは言えないのではないでしょうか。もちろん、家庭支援が子供の利益につながることもあるとは思いますが、これをどのように捉えておられますでしょうか。
○副大臣(津島淳君) 宮出千慧委員の御質問にお答え申し上げます。 こども基本法第九条一項の規定によりまして令和五年十二月二十二日に閣議決定されましたこども大綱に、こういう記述がございます。基本方針として定められたものでございます。こどもまんなか社会の実現に向け、子供、若者の最善の利益を図ることを掲げているところでございます。こども家庭庁として、この基本方針に沿って各種施策を推進しております。 一方で、子供の最善の利益に資する施策を届けるために様々な手法を取る中で、一次的な対象を世帯や保護者としているものもございますが、こうした施策も最終的には子供の利益となるものでございます。 また、子供の最善の利益を図るため、施策の企画立案に当たって、子供、若者の意見を聞き反映する取組や、国や自治体における審議会等への子供、若者委員の登用の推進等を行っているところです。 政府としては、今後とも、子供や若者の最善の利益を第一に据え、子供、若者の声を真ん中に据えた政策を推進し、こどもまんなか社会の実現を目指して、引き続き取り組んでまいります。
○宮出千慧君 あくまでもこどもまんなかという気持ちで取り組んでいただいているということで、ありがとうございます。 最近は、児童福祉という言葉が使われる場面が減りまして、子供家庭福祉という言葉に、表現に置き換えられる傾向がありますが、これは制度設計が家庭や家族を単位とした支援に変化をしているためであるという指摘がございます。 子供が自ら権利を行使するということは難しい、つまり意思決定は親が代行するという場合が多いので、親を支援の対象とせざるを得ないという背景があるのは理解をしております。しかし、親や家庭を強調し過ぎると、子供が中心ではなくなってしまって、親の都合が優先される環境が醸成されてしまいます。 例えば、考えてみたいのが、長時間保育拡充の政策は誰のためかということなんですね。近年、十一時間保育というものが増えておりますが、長時間親に会えないこと、そして、その十一時間のうちに先生が入れ替わるということ、これが子供の発達、愛着形成、情緒的安定に与える影響については考えられているのかということも気になります。そのほかにも、ゼロ歳児保育というものについては、これ、保育士さんに話を伺いますと、生後数か月で預けられる子供たちは親と離れるとき最初はすごく泣くんだそうです。しかし、一か月ぐらいすると泣かなくなるということで、これが子供たちの慣れなのか、我慢なのか、諦めなのかというところは分からない。でも、赤ちゃんはやっぱり一対一の対応の中で育っていきます。それを親から引き離してというのは、やはり子供たちにとって影響がないはずはないというふうに思います。 こどもまんなかであるためには、こども家庭庁の政策は、子供をどうするのかではなく、子供がどうするのか、どうしたいのか、子供にとって何が幸せなのか、親や家庭、地域、国はそれをどう支えていくのか、そういう子供を主語にしたものであるべきだというふうに考えております。そういった視点でこれからも政策を進めていただきますようにお願いをいたします。 続きまして、保育や介護に従事する方々の処遇について伺いたいと思います。マイナビが二〇二四年に行ったエッセンシャルワーカーに関する調査では、看護、介護、保育に従事している方の現在の年収と自分の働きに見合うと思う理想年収額について報告されています。 配付資料の表一を御覧ください。 看護従事者の年収額は四百八十万円で、一般会社員の四百八十四万円と同程度であり、介護及び保育の従事者の年収額はそれぞれ三百八十七万円と三百七十四万円と、一般会社員よりも百万円程度低いことが分かります。さらに、看護、介護、保育の従事者が自分の働きに見合うと考える年収額と実際の年収額の間には百万円以上の乖離があり、これは一般会社員よりも大きくなっております。 ここで、厚生労働大臣及び内閣府副大臣に伺います。 特に、この介護、保育の賃金が他産業や看護と比べて低い水準にとどまっている要因や理想年収とのギャップが約百万円も生じている原因は何であるとお考えでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、この民間調査について、政府としてのコメントは差し控えたいと思いますが、処遇改善が重要だというのはもう論をまたないというふうに考えております。 これまで累次の取組を進めてまいりました。その結果として介護職員の皆さんの賃金は改善をしてきておりますが、他産業とはまだまだ差がある状況でありますので、人材不足、厳しい状況にあると認識をしております。引き続き介護分野における処遇改善にしっかり取り組んでいきたいと考えています。 令和八年度介護報酬改定におきましても、こうした考えの下で取組をさせていただきまして、介護、過去最大の水準となる、最大、定期昇給込みですが、最大月一・九万円、六・三%の賃上げが実現する措置を実施することとしておりますので、こうした今般の措置を通じまして他産業と他職種と遜色のない賃金水準、その実現に向けて取り組んでいきたいと考えています。
○副大臣(津島淳君) お答え申し上げます。 まずは、民間の調査に政府としてコメントを控えるというところは同様の立場でございます。 その上で、保育士の平均賃金については全産業平均を下回っている状況にございまして、また自治体が実施した調査などからは保育士が自分の処遇に必ずしも満足していない実態があると承知をしております。 こうした中で、保育士等の処遇については、保育人材の確保や保育の質の向上の観点から累次の改善を図ってきているところでございます。令和七年度補正予算でプラス五・三%の改善を実施し、令和八年度予算案においてもこれを反映しており、平成二十五年度以降では累計で約三九%の改善を図っております。令和六年十二月に公表した保育政策の新たな方向性では、保育士について、他職種と遜色ない処遇の実現を目標として掲げており、引き続き更なる処遇改善を進めてまいります。
○宮出千慧君 政府の方でしっかりと処遇改善には取り組んでいただいているということで、次にそのお話をさせていただきたいと思います。 御答弁いただきましたように、介護職員に対しては、介護報酬の介護職員等処遇改善加算の拡充を通じて、そして保育士に対しては公定価格上の人件費の改善を通じて実施をされているかと思います。しかし、これらは事業主に入っていくものであるために、介護職員や保育士の処遇改善にそのままつながるとは限らないのではないかと思います。 ここで厚労省及びこども家庭庁に伺います。 介護報酬、公定価格におけるお金の流れを踏まえまして、処遇改善の実現をどのように担保しているのかをお答えください。
○政府参考人(黒田秀郎君) お答え申し上げます。 委員御指摘の介護報酬の処遇改善加算につきましては、委員御指摘のとおり、事業主に介護報酬の加算として支払われるものではございますが、その支給の要件として、加算額の全額を賃金改善に充てることを要件としておりまして、その算定額に相当する賃金改善が行われない場合は返還事由に該当するという取扱いになっております。 このため、処遇改善加算は処遇改善を確実に継続的に講ずる効果があるものと考えておりまして、令和八年度改定におきましても、処遇改善加算の拡充によりまして対応しているところでございます。
○政府参考人(竹林悟史君) 保育士に関する部分につきましてお答え申し上げます。 先ほど副大臣からも御答弁いただきましたけれども、令和八年度予算案では、令和七年人事院勧告を踏まえましてプラス五・三%の改善をし、令和七年度補正予算に引き続いて反映しているところでございます。この人事院勧告を踏まえた公定価格の増額分につきましては、全て人件費でございます。施設や事業所に対しては、全額を確実に賃金の改善に充てることを要請するとともに、多くの事業所が取得しています処遇改善等加算の要件といたしまして、全額を確実に賃金の改善に充てていることを求めているところでございます。 こども家庭庁といたしましては、引き続き保育士の処遇改善が確実に実施されるよう取り組んでまいります。
○宮出千慧君 処遇改善加算が、処遇改善分は人件費に限定するということで担保していただいているということなんですが、しかし、この職員一人一人にどれだけ届いているかというのは確認ができておらず、ここはちょっと疑問符が付くところかなというふうに思います。現場からは、基本給ではなく手当として支給されるケースも多く、名目賃金は上がったとしても手取りが上がった感覚がないといった声も聞こえてまいります。ここにちょっと配り方の構造的な問題があるのかなというふうにも思っております。 そして、この介護報酬と公定価格はもちろん市場で決まるものではなく、政府が水準の管理を行っているものであることに鑑みれば、介護職員や保育士の処遇が相対的に低い水準にとどまっているのは政府の政策の結果であると言うことができます。しかし、これまでも本当に多くの方がこの点を指摘し続けてきても、まだ他産業に追い付かないであるとか、こういった低賃金の状態が続いているということは、もっと根本的な構造的な問題が存在することを示唆しているのではないかと考えております。 ここで、ケア労働という概念に注目をしたいと思います。ケア労働というのは他者の日常生活を支える活動でして、育児や介護がまさにこれに該当いたします。このケア労働は、歴史的に見ると女性が担ってきたと言えます。これは女性ならではの愛情や道徳に起因する自然な行動であるというふうにこれまでみなされてきた、そして家庭内の無償労働の延長にあるとみなされてきたということから、そのために専門性が見えづらく、対価を支払う理由が生じづらい環境が形成されてきたのではないかという指摘がございます。 つまり、一般の感覚でいえば、これまで家庭でやってきたことを外に任せるということで、実際には保育士さんも介護士さんも物すごく知識が必要で、高度な専門性を持っていらっしゃるにもかかわらず、社会的に子守や家事の延長であるというふうな誤解が残っているのではないかということでございます。この立場に立つと、介護や保育の低賃金構造の一側面が説明できるのではないかと思います。 ここで発見されたケア労働に関しては、更に脱家族化すべきだ、つまり、家族が行うのではなく、これをもう全て労働として変換可能な状態にすべきだということが併せて主張されております。私個人としては、この脱家族化にはちょっともろ手を挙げて賛同することはできないんですね。特に保育に関して言えば、先ほどの私の例を挙げるまでもなく、子供は本来親と一緒にいたいのであって、それを阻んでしまうのは、これはもう親の都合であって社会の都合だと思うからであります。 実際、このことはケア労働のジレンマとされているようでございます。ケア労働は家族関係を前提としているために、脱家族化をしてしまうと、家族の関係性を変質させてしまうという指摘もされております。裏を返すと、家族でケアをしたい、つまり、家族化し続けたいと思うことがケア労働の価格押し下げ圧力となっており、保育従事者の低賃金環境が続くことに加担してしまっていると言うこともできます。子供と一緒に過ごしたい、親として子供のためになることをしたいと、そういう純粋な親の気持ちが、こういった思いもよらぬ影響を与えているかもしれないということでございます。 これは保育が典型なんですけれども、介護においても、やはり住み慣れた地域で家族が面倒見てあげたいという方もいらっしゃいまして、このジレンマが一定当てはまるのではないかなというふうに思っております。 ここで、厚生労働大臣及び内閣府副大臣に伺います。 ケア労働にこういったジレンマがあると言われておりますが、在宅介護、家庭保育を希望する家族の思いと、そして施設、保育所等で働く従事者の処遇改善との両立を実現するためにはどのような方法があると思われるでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 介護保険制度につきましては、高齢者の介護を社会全体で支える仕組みでありまして、制度創設から二十五年が経過をいたしました。利用者数は三・六倍、約となっております。 今、介護保険制度、やはり高齢者の介護になくてはならないものとして、国民の間に定着、発展をしているのではないかと考えております。今し方ジレンマというお話がありましたが、必ずしも介護サービスは家庭内での無償労働の延長だと捉えていると言い切るのはなかなか難しいのではないかなというふうに考えております。 そうした中で、先ほども申し上げましたけれども、介護分野の職員の処遇改善、これ本当に重要だと考えておりますので、他職種と遜色のない処遇改善に向けて様々な取組をこれからも進めていきたいというふうに考えております。 また、介護の仕事自体のその意義であったりその重要性、そうしたものを広く国民の皆さんにもより知ってもらうという取組も大事だと思いますので、介護のしごと魅力発信等事業というのをやらせていただいておりますが、そうした取組を通じて、広く国民の皆さんにその仕事の重要性を認識していただけるようにこれからも努力していきたいと考えています。
○副大臣(津島淳君) お答え申し上げます。 子供政策の基本理念を定めたこども基本法におきましては、子供の養育について、家庭を基本として行われ、保護者が第一義的責任を有しており、家庭での養育が困難な子供にはできる限り家庭と同様の養育環境を確保することにより、子供が心身共に健やかに育成されるようにすることとされております。 その上で、保育所や認定こども園等においては、就労等の事由によって家庭での保育が困難な子供について、単に預かるだけでなく、質の高い教育、保育を提供し、一人一人の子供の育ちをしっかりと支援することができる環境を整えることが重要であると考えてございます。 このため、こども家庭庁としては、保育士は、子供の育ちを支え、日々の安全と安心、健やかな成長を育む大変重要な職業であると考えております。その上で、更なる処遇改善にしっかりと取り組んでまいります。
○宮出千慧君 ありがとうございます。 介護士さん、保育士さんの重要性を是非伝えていただいて、賃金が上がるようにしていただけたらと思います。 ここで、ちょっと看護師に注目をしたいと思います。看護も傷病者の生活を支えるというケア労働的な要素を有していると思いますが、先ほどの配付資料、表一のように、介護、保育の従事者と比較して年収が約百万円高く、一般会社員と同水準であり、低賃金構造から逃れていると言えるかと思います。この点に、介護、保育の処遇改善を図るヒントが隠れているのではないかと考えます。 厚労省の政府参考人にお伺いをいたします。 看護師がケア労働に由来する低賃金構造を逃れることができたのはなぜだと考えますでしょうか。
○政府参考人(森光敬子君) お答え申し上げます。 まず、看護師さんの多くは医療機関において従事をしていると承知をしております。看護師の給与水準につきましては、医療機関や施設ごとに労使で取り決められているものと承知をしておりまして、介護、保育との他の従事者との業務内容の違いだけでなく、個々の使用者ごとの賃金支払能力や労働需要の動向など様々な要因が影響するものと考えられることから、他の労働者と一概に比較するということは困難ではないだろうかと考えております。
○宮出千慧君 ありがとうございます。報酬形態の違いなどがあるということだと思います。 看護がこのように医療の技術評価制度に組み込まれたために、専門性を評価されるという環境を得たことと比較をしまして、介護や保育はそうなっていないと言えるのではないかと思います。それを支えた要素の一つが資格化であると思います。看護師、介護福祉士、保育士はいずれも国家資格ですが、看護師が業務独占資格であるのに対し、介護福祉士、保育士は名称独占資格でございます。 業務独占資格については、いい面としては大きく三つ指摘をされております。まず一点目は、特に女性において高い賃金と関連するということです。二点目は、その賃金プレミアムには競争制限効果を通じて生じる独占的レントがかなり含まれること。分かりやすく言うと、資格を持つ人が高い賃金をもらえるのは、資格のない人を締め出す仕組みがあるおかげで競争が少なくなっているからという部分がかなり大きいということがあります。そして三点目、これは、資格制度があることで低所得の職業の賃金を長期的に増加させるということですね。 しかし、その一方で、負の側面としては、資格が必要な職業においては働ける人が更に絞られてしまうという可能性も指摘がされております。つまり、業務独占資格化は賃金を増加させる可能性がある一方で、人手不足をもたらすおそれもあると言えるかと思います。 ここで、厚労省とこども家庭庁にお伺いいたします。 介護福祉士や保育士を業務独占資格化することは、処遇改善問題の解決につながると思われますでしょうか。
○政府参考人(鹿沼均君) お答えいたします。 今先生御質問の中で業務独占と賃金や人手不足との関係についてお話をされていましたが、そもそも的に言って、ある資格を業務独占とするのか名称独占とするのか、これは、その業務を資格がない人に行わせた場合の問題をどう考えるかなど、その業務の内容等を踏まえ決定されるものというふうに考えております。 端的に言えば、医師の方に、高いまさに専門的な教育を受けた医師の方にやっぱり医療行為は認められているけれども、無資格の方に認めていいのかというような問題があるのではないかと思っています。一方で、介護につきましては、日常生活の支援を行うものであり、介護分野に業務独占を導入することについては、こうしたこととの兼ね合いを考える必要がそもそも的にはあるというふうに思っております。 なお、介護職員の給与の原資となる介護事業者の収入は公定価格である介護報酬であり、介護福祉士を始めとする介護職員の処遇改善を実現していくことは極めて重要なことでありますので、引き続き必要な取組を進めてまいりたいと考えております。
○政府参考人(竹林悟史君) 保育士に関してお答え申し上げます。 今、厚生労働省からも答弁ございましたけれども、ある資格を業務独占とするかどうかにつきましては、その業務内容を踏まえて決定されるものだと考えております。 保育に関しては、保育士資格を持たない人による業務を例外なく認めない取扱いとすることは必ずしも適切でないというふうに考えております。ただし、保育の提供に当たりましては、その専門性が求められておりますので、保育所の配置基準に従って置くべき保育者は、原則として全ての保育者が保育士としての有資格者であることを要件としているところでございます。 いずれにいたしましても、もう今日の委員会の質疑でもずっと言ってきていただいておりますけれども、保育士の処遇改善は重要な課題であると考えております。先ほど副大臣からも答弁したとおりでございますけれども、平成二十五年度以降では累計で約三九%の改善を図っているところですが、引き続き更なる処遇改善に努めてまいりたいと考えております。
○宮出千慧君 様々考慮された結果、業務独占資格化というのはそぐわない面が多いということだと思います。 この資格に関する具体的な問題が、今、介護福祉士に関して生じているかと思います。御承知のとおり、介護福祉士の資格取得には、主に実務経験ルート、福祉系高校ルート、養成施設ルートの三つのルートが設けられております。二〇〇七年からはどのルートにおいても国家資格の合格が必要になりましたが、従来は卒業するだけで資格を取得できていた養成施設ルートには経過措置が設けられ、卒業後五年間は未受験、不合格でも有資格者として働くことができ、継続的に従事をしていれば六年目以降も就労することができました。先日、この経過措置が五年間延長される方針が発表されました。六年目以降の就労に関する経過措置が廃止されるかどうかはまだ分からないとのことなんですが、二重構造は取りあえず二〇三一年までは温存されそうだということです。 この経過措置の件は、人手不足の問題であると同時に外国人問題でもあるのではないかと考えております。なぜなら、二〇二五年にこの養成施設に入学した者の五七%が外国人留学生でありまして、少し言葉が悪いかもしれませんが、国家資格の合格率が四割に満たない外国人留学生を介護の現場に送り出す、その抜け道のようなものとして機能しているようにも見えてしまいます。 ここで厚労省の政府参考人に伺います。 この経過措置延長の目的は何でしょうか。また、国家資格に合格して就労する者と経過措置により就労する者が同じ有資格者として扱われることが介護福祉士の専門職としての価値を損ねてしまっているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。そして、これが低賃金構造を固定化させる一つの要因になっていないでしょうか。さらに、国家試験による品質管理を受けていない資格者が送り出されることで介護の現場に負担が生じてはいないでしょうか。厚労省の見解をお聞かせください。
○政府参考人(鹿沼均君) 今お話のありました介護福祉士養成施設の卒業者に対する国家試験義務付けに係る経過措置につきましては、既に現行制度においても、日本人、外国人問わず、国籍を問わず、令和八年度卒業生まで適用される措置とされておりますし、また、令和九年度以降どうするかにつきましては関係者の間に様々な御意見があるというふうに承知をしております。 昨年十二月に社会保障審議会の福祉部会の報告書を取りまとめましたが、その中でもまさに両論が出ておりまして、資格の質の担保、専門性の向上等の観点から終了すべきという意見、また、介護福祉士養成施設の入学者、介護人材確保等の観点から延長すべきといった意見、人材の質、量の両面での検討が必要であり本経過措置を延長するか否かという二者択一の議論だけでは不十分であるといった意見、こういった様々な種々の意見を十分に踏まえつつ必要な対応を講じられたいというふうにされているところでございます。 私どもといたしましては、この報告書を踏まえ、今後の経過措置の在り方について現在最終的な検討、調整を進めているところであり、その際の視点として、御指摘に質の確保というお話がございましたが、御指摘のようなそういった質の確保という点も当然考慮しながら対応していきたいというふうに考えております。 なお、現行制度においても、介護福祉士養成施設の課程修了により、介護現場で必要とされる知識や技能を一定程度修得して現場で御活躍いただいているものと考えておりますが、教育の質を向上し、養成施設に通う学生の国家試験受験・合格率を高めていくことが重要でありますので、引き続き、教育の質の向上に係る取組、学生の国家試験の合格に向けた支援、こういったものにしっかりと取り組んでいきたい、このように思っております。
○宮出千慧君 御答弁ありがとうございます。厚労省としても、しっかりとその現場の声に耳を傾けていただき、一時的な措置が恒久的な例外となり、さらにそれが当たり前になることのないように、必要な対策を講じていただきたいと思います。 最後に、社会保障制度の持続可能性についてお伺いをしたいと思います。 社会保障制度の持続可能性というと、ほとんどが財政や保険料、給付、人口動態、就労、そういった観点から議論がなされるかと思いますが、現在、日本社会における外国人の増加が社会保障制度の基盤を揺るがしているのではないかと思い、今回はこの視点からお話をさせていただきます。 社会保障制度は、豊かな人からお金を集めて貧しい人に再分配をするというのが基本構造です。これは、日本社会の構成員が会ったことがなくても同じ仲間だと思えるから成立をしているという指摘もされております。 しかし、現在、この日本社会の構成員である多くの日本人が上げている声は、端的に言えば、私たちと文化や習慣をなかなか共有し得ない、共有しようとしてくれない、そういった外国人を同じ仲間と思いづらいということではないかと思います。こういった状況を放置をしておくと、社会の連帯、統合が崩れていき、それによって支えられていた社会保障制度も国民の理解と共感を得られなくなると思います。 厚労大臣に伺います。 この社会保障制度の足下を支える社会の連帯、統合が揺らいでいる現在、その原因の一つである外国人問題に大臣はどのように向き合う意思をお持ちでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 御指摘の外国人関係の問題につきましては、政府としては、我が国の法やルールの中で日本人と外国人が互いに尊重し、安全、安心に暮らせる秩序ある共生社会の実現を目指しております。外国人の方にも、やはり日本の文化や制度、これを御理解をいただいて、ルールを守っていただく、これが大事だと考えています。 政府におきましては、外国の方が日本で生活する上で知っておくべきルールやマナー、文化などを把握できるようなガイドブックなど、動画などを掲載をしたポータルサイトの運営などを行っておりますが、こうした取組を通じて、外国人が日本社会に円滑に適応するための取組を行っていきたいと考えております。 社会保険制度でありますが、やはりこれは社会の連帯と相互扶助、この理念に基づいた制度であります。保険料の未納などの社会保障の不適切な利用があってはならないのは当然でありますので、このような観点から、外国人の国民健康保険料等納付情報、これを出入国在留管理庁と共有をして、在留審査時に活用するなどの取組を現在進めております。
○委員長(小川克巳君) 時間が参っております。
○宮出千慧君 はい。 制度の悪用を許さないというのは、それはもう大前提のこととして、受入れ環境の整備ということもしっかりとやっていただきたいということを要望して、私からの質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(小川克巳君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(小川克巳君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、木村義雄君が委員を辞任され、その補欠として脇雅昭君が選任されました。 ─────────────
○委員長(小川克巳君) 休憩前に引き続き、令和八年度総予算の委嘱審査を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てるように質疑をしたいと思います。 病理診断は、医療において最終診断ということでありまして、この質を上げるということは大変重要であります。かつて、病理診断を行う先生にただ顕微鏡で見てもらうだけではなくて、適切な臨床情報も病理の先生にお渡しをする、こういったことが重要であるとともに、また一方で、当時、病理の先生が対面診療がないから保険医療機関として認められないといったような事例もちょっとありましたので、一方で、病理を診断した先生が患者さんに説明をするということも重要だろうと、こういった議論を資料の一の二に付けておりますけれども、病理処方箋みたいなものを作って推進してはどうかと、御提案いただいて、厚労省から作っていただいたのが一の一の様式四十四ということであります。 当時、整理をしたつもりだったんですけれども、この中には、患者さんの個人情報、住所とか電話番号等も書く欄がありまして、この病理の検体を作るという関係で衛生検査所等も回ったりするものでありますから、そういったところには必要な情報だけを書くという整理だったんですけれども、ちょっとそこがまた問合せ等が少し増えてきておりますので、せっかく国会で実現したものでもありますので、この場を借りて確認をしたいと思いますが、この様式四十四、衛生検査所等にお渡しをする際に住所や電話番号等の個人情報に関わることを記載をしなくてはいけないのか、改めて確認したいと思います。
○政府参考人(間隆一郎君) ただいま委員から御質問の、御指摘いただきました保険医療機関間の連携による病理診断での情報提供様式、これ委員の以前の御質疑をきっかけとしてできたものでございますが、これは保険医療機関が病理標本の作製等を連携して行う場合に提供する診療情報を示しているものでございまして、これ法定の様式というよりは、もう参考としてお示しをしているものでございます。 この参考の様式は、その標本の送付側である医療機関から受け手の保険医療機関に送る場合にも、衛生検査所に情報提供に送る場合も、情報提供する場合も、いずれにも使われている様式でございまして、このうち標本を作製する衛生検査所に対して診療情報を提供する場合には、委員御指摘のように、標本の取り違えがないよう十分留意していただけるのであれば、患者さんの住所とか電話番号の記載をせずともよいものと考えているところでございます。
○秋野公造君 ありがとうございます。明確になりました。 資料の二の二から見ていただきますと、止血の際に用いるフィブリノゲン製剤の生産棟が新設されたということでありまして、写真の中見ていただきますと、私もテープカット参加させていただきましたが、私の左側に薬害HIV東京原告団の大平勝美理事長の奥様、その横が大阪原告団長の花井十伍理事長、その横が一番汗をかいた福島県立医大総括副学長の大戸先生であります。 止血の際には、このフィブリノゲンを使うしかなかったんですけれども、残念ながらこのフィブリノゲンが薬害を起こしまして、ちょうど私も厚労省で働かせていただいておりましたけれども、まさに適用を先天性のフィブリノゲンが足りない方のみに限られてしまうということで、産科領域や心臓血管外科領域の大量出血時にこれ使えない時代が続いていました。これを救ってくれたのがまさに大平さんであり、花井さんであり、薬害を受けた方々が声を上げてくれたからこそ、この話というのは進んだものであります。 薬事は製造販売業者と厚労省の間で完結すると日頃は強がってみても、こうやって薬害などが起こったならば、それはなかなか困難になります。薬害原告団の方々のお導きで、前に戻っていただきまして、二〇二一年に産科領域に適用拡大をすることができて、そしてこれまで心臓血管外科領域に適用拡大する準備をしてきました。返す返す申し上げますが、通常の手続というよりは、薬害の患者さん方の後押しをいただいて、過去の歴史的な経緯を乗り越えて実現をするものでありますが、心臓血管外科領域の進捗、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(宮本直樹君) お答えいたします。 フィブリノゲン製剤の適用拡大につきましては、議員今御指摘をいただいたとおり、薬害HIV訴訟原告の方々や秋野先生、それから関係学会からのお力添えをいただいて進んできたものでございまして、先生御指摘のように、産科危機的出血の適用拡大につきましては、令和四年三月に薬事承認をしております。 御指摘の心臓血管外科領域における適用拡大については、令和七年六月二十六日に製造販売業者から公知申請がされ、PMDAにおける審査、薬事審議会への報告を経て令和八年三月二十三日に薬事承認し、同日付けで保険適用がなされております。 フィブリノゲン製剤につきましては、過去の歴史的経緯を踏まえて、適正使用の確保が不可欠であることから、心臓血管外科領域における承認に際しては、製造販売業者及び関連学会等に対し、使用実績に関する情報を適切に収集し、必要に応じて適正使用のための措置を講じることを求めております。 フィブリノゲン製剤の適正使用の確保に向け、厚生労働省においても引き続き必要な対応を行ってまいりたいと考えております。
○秋野公造君 ありがとうございます。 資料の三、最後ですけど、就労定着支援事業、これ厚労省にやっていただきまして、一般就労した後三年間フォローいただくということで、前のページ見ていただきますと、障害と生きる方の平均勤続年数伸びております。とっても良かったと思います。 伸びたからこそ、逆にフォローが必要な人が増えています。この期間、三年ということについて見直すときが来ているのではないかと思いますが、厚労省の御見解お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(野村知司君) お答え申し上げます。 御指摘の就労定着支援事業でございますけれども、利用期間を三年としつつ、三年経過後も課題がある場合には、障害者就業・生活支援センターなど就労関係の関係機関に引き継ぐこととしております。 こうした就労支援系サービスにつきましては、令和九年度の次期報酬改定というのが控えておりますけれども、そうした際に、障害福祉給付費の急増する中で財源の確保であるとか、あるいは、昨今ちょっと不祥事も報道されておりますけど、就労継続系などを中心に、就労系サービスについて質の更なる確保をしていくための適正化策などなどといった課題にも向き合いつつ、御指摘の就労定着支援事業を含む就労支援の在り方について、今御指摘いただきましたその就労進捗の状況などを踏まえた課題であるとか、あるいは、この事業の実施状況などを踏まえながら、次期改定の中で検討してまいりたいと考えております。
○秋野公造君 終わります。ありがとうございました。
○川村雄大君 続きまして、公明党、川村雄大でございます。 まず初めに、今日は全がん連の天野理事長に参考人として来ていただきまして、ありがとうございます。そして、同席を御許可いただきました委員長、理事の皆様、ありがとうございます。 高療費に関しましてですけれども、この在り方に関する専門委員会、いわゆる専門委員会、全九回にわたって行われました。肝腎の自己負担引上げの、増額の実際の金額の部分について示されたのが第九回でありました。患者の声を反映するために持たれたこの専門委員会でありましたけれども、当然、九回目にその提示額がなされた、提示なされたのであれば、引き続いて専門委員会開催して議論を続けなければならなかったと思います。 ところで、参考人にお聞きいたしますけれども、この専門委員会が第九回以降も開催されることを期待しておられましたでしょうか。また、会議が今後も重ねられるというふうに受け止めておられましたでしょうか。
○参考人(天野慎介君) 御質問ありがとうございます。 今委員御指摘のとおり、専門委員会では、第九回の専門委員会で初めて具体的な金額が提示されました。この具体的な金額に対して、私からは、治療断念や生活破綻につながることがないように、月ごとの限度額については更なる抑制を引き続き検討していただきたいと意見を述べました。 加えて、ほかにも複数の委員の方々が具体的な金額について意見を述べられていらっしゃいまして、例えば上智大学の中村さやか教授は、ほんの僅かな標準報酬月額の違いで非常に大きな負担の差が生じているというところがそのままになってしまっているということは少し問題ではないかと指摘されていましたし、また、早稲田大学の菊池馨実教授も、高額所得者の方の負担減をもう少し低所得の方の更なる負担軽減に充てられる余地はないのだろうかと指摘をされていました。 これらの意見を受けまして、委員会の最後に委員長である東京大学の田辺教授が、本日委員の皆様方からいただいた御意見も踏まえまして、配慮が必要なものなど、引き続き検討事項となっている内容につきまして更なる検討を進めていただきたいとおっしゃっていたので、私も更なる検討があるものと期待した次第です。
○川村雄大君 非常に重大な御発言だというふうに思います。 大臣にお伺いをいたします。 大臣は、その後、専門委員会を持つおつもりでしたでしょうか。三月二十七日の予算委員会の質疑の中で、専門委員会を持たなかった理由として、選挙もありましたしとの御答弁もありました。資料八に添付してございます。選挙は理由になさらずに、選挙があっても大事な会議ですので持つべきだったのではないでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 高額療養費制度の見直しに当たりましては、患者団体の方にも御参画いただきました専門委員会におきまして、患者団体を始め、保険者、医療関係者、学識経験者等からヒアリングを重ねてまいりました。 家計への影響を検討するために、延べ二十を超える様々な疾病、所得の患者の医療費と家計調査を基にした家計の収支状況もお示しをし、また、家計調査を用いて、家計の総収入から税、社会保険料や生活費を控除した額と年間の自己負担額を比較した資料も提出をし、様々な角度からの御議論を頂戴をしてきたところであります。 第九回の専門委員会におきましては、委員からの御指摘、御意見も受け止めまして、今回の見直しの意義あるいは内容、これを十分に御理解をいただけるように、見直しの趣旨を国民の皆様に丁寧に説明をしていく旨事務局から御説明をしております。 本年八月からの施行に向けまして、分かりやすい広報資料の作成など、見直しの趣旨やあるいは丁寧な説明を続けていきたいと考えておりますし、年間上限の円滑な導入に向けました関係者との実務的な調整、また専門委員会で様々指摘をされた実務的な課題がございますので、その検討を現在進めているところであります。 そうした状況を踏まえて、今後、例えば運用上の課題に一定の整理が付きましたら専門委員会に御報告するなど、そうした対応をすることも考えられますが、いずれにしろ、専門委員会の持ち方につきましては委員長ともよく御相談をさせていただきたいと考えています。
○川村雄大君 患者団体の皆様が金額を最後に聞いて、それに対しての意見を申し述べて協議をする場を持つおつもりはなかったということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 患者団体の皆様には、基本的な考え方のところで意見の取りまとめをしていただいております。金額等につきましては、政府として決定をさせていただき、その後も第九回の場で御説明をさせていただいているところでございますが、そうしたものを踏まえて、今後適切な執行ができるように、引き続き丁寧な説明を続けていきたいと考えています。
○川村雄大君 患者の声を聞くといって持たれた在り方委員会でありますけれども、これでは患者の声十分に聞いたとは私は思えないわけでございます。 なぜこのように申し上げるかといいますと、資料一でございますけれども、そもそも昨年の三月七日に石破総理大臣がこう申しております。患者団体の皆様に御理解をいただけない理由の一つとして、本件の検討プロセスに丁寧さを欠いたとの御指摘をいただいておることを重く受け止めている、それから、患者の皆様に御不安を与えたまま見直しを実施することは望ましいことではございませんと述べて、全体の凍結を決断なされたからでございます。 大臣、この石破総理の御発言は尊重されますか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 昨年度、石破前総理が述べられたとおり、検討プロセスに丁寧さを欠いたとの御指摘をいただいたことを重く受け止めており、制度の見直しに当たってはできる限り丁寧なプロセスを重ねていくことが重要である、そのように考えております。 そのため、今回の見直しに当たりましても、まさに患者団体の方にも御参画をいただいた専門委員会におきましてヒアリングなど検討を進めさせていただいたところでございますし、また、患者団体の皆さんからも、例えば長期療養者、低所得者の皆さんへのセーフティーネットの機能の強化、そうした御指摘もいただいておりますので、年間上限の設定などの取組をさせていただいているところであります。そうしたことをこれからも十分に説明できるように取り組んでいきたいと考えています。
○川村雄大君 それでは、参考人にお聞きしますけれども、在り方委員会等を通じた議論、十分に丁寧なものであったとお考えになりますでしょうか。また、患者の皆様の間に御不安が残っているとお感じになりますでしょうか。
○参考人(天野慎介君) 御質問ありがとうございます。 いわゆる多数回該当の据置きであるとか年間上限の新設などについては、私たち患者団体や与野党の超党派議員連盟からの要望を反映していただいていると考えますが、一方で、具体的な見直し金額については、先ほど来出ていますように、十二月二十四日の厚労、財務大臣の大臣折衝において初めて決定され、翌日二十五日の第九回専門委員会において初めて具体的な金額を提示いただいていますので、この具体的な金額の部分については更なる議論の余地があると考えております。 また、患者の皆様からの声ですが、多数回該当の据置きであるとか年間上限の新設については見直しに期待する意見もいただいておりますが、一方で、月ごとの限度額の引上げについては不安の声を多数いただいているのが現状です。 いわゆる患者さん以外の現役世代の方々からも、私たちに対して、例えば、高額な社会保険料を支払っているにもかかわらず、これ以上限度額を引き上げられてしまっては、何のために高額な社会保険料を払っているのか意味が分からなくなってしまうなどの御意見もいただいている状態です。
○川村雄大君 議論自体の丁寧さもまさに画竜点睛を欠いている、それから、患者さんの中にも不安を拭えていません。高額療養費の見直しに係る議論の経過、状況については、まさに石破総理の発言にあった一年前と全く同じ状況であると言えると思います。 そもそも、この見直し論自体、今提出すべきだったんでしょうか。今提出すべきですか、大臣。
○国務大臣(上野賢一郎君) 私どもといたしましては、先ほど来申し上げておりますとおり、患者団体の皆様にも御参画をいただいて様々な角度からの議論を進めてきたところであります。 社会保険制度あるいは医療制度全体のやはり改革を進める中で、今回の見直しについても必要なものだと考えています。
○川村雄大君 高療費はまさに命に関わることでありますので、重大なことであります。だから、こうして議論をしているわけでございます。 次に、加入する医療保険による被保険者一人当たりの負担の違いについて改めて確認します。 健保組合、共済組合、協会けんぽ、国保、後期高齢者等とありますけれども、それぞれ、被保険者一人当たりの年額幾ら今回の見直しによって軽減されるかを端的に示してください。
○政府参考人(間隆一郎君) 今回の見直しによります保険料軽減効果を機械的に算出いたしますと、制度ごとに異なるわけではありますが、健康保険組合の場合には被保険者一人当たり約三千五百円、これ年間ですね、三千五百円、それから共済組合の場合は被保険者一人当たり約三千六百円、協会けんぽの場合には被保険者一人当たり約二千五百円、国民健康保険の場合は被保険者一人当たり約八百円、後期高齢者の場合には被保険者一人当たり約六百円、それぞれ保険料軽減がなされるものと考えています。
○川村雄大君 局長、ありがとうございます。 資料三に示された額だというふうに思います。そうしますと、保険料負担の軽減効果というのは、加入保険ごとに差があるわけでございます。かつ、協会けんぽ、国保の方々にはより保険料負担軽減効果についても恩恵が薄いという事実があるわけでございます。 さて、加入者一人当たりの平均所得を見てみますと、市町村国保は九十六万、協会けんぽ百七十五万円に対して、組合健保二百四十五万、共済組合二百四十六万等々と、資料五に記載がございます。つまり、より所得水準の低い層が多い協会けんぽ、国保の加入者ほど今回の見直しで一人当たりの保険料軽減効果は小さい、こういう認識で間違いないでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) 先ほど御説明しましたように、今回の見直しによる一人当たりの保険料への影響額は加入している保険によって異なります。ただ、これには理由があると思っています。各医療保険におきます制度ごとに、その財源構成、給付金に対する財源構成は、公費でありますとかあるいは支援金、後期高齢者への支援金、前期高齢者への納付金など様々な理由がありまして、例えば健康保険組合、協会けんぽ、国民健康保険では公費投入の有無、あるなしそのもの、またその割合、それから他の保険者からの納付金の有無など、財源構成が異なるため、今回の見直しによる保険料財源への影響もそれによって異なってくる部分が相当多くございます。 また、加入者の平均所得が異なるという点も、それは一定御指摘のとおりであります。また、被用者保険では被扶養者の仕組みもありますことから、被保険者一人当たりでは扶養される家族の分も含めた更改になることが挙げられると思います。 それから、今委員から御指摘のありました協会けんぽや国保には公費が投入されておりまして、国保は前期高齢者納付金があるなど、そもそも給付費に占める保険料財源の割合は健保組合よりも小さいこと、また、加入者の所得水準も健保組合よりは概して低いことから、協会けんぽや国保の保険料軽減効果は健保組合よりも小さくなっていると、このように考えております。
○川村雄大君 保険の成り立ちによって違うということはそうですが、被保険者一人当たりの恩恵ということに置き換えますと、まさに今御答弁いただいたとおり、私がお示ししたとおりでございます。 今、社会保障国民会議開催されておりますけれども、第一回の会議の議論を踏まえて高市総理は、特に税、社会保険料負担、それから物価高に苦しむ中所得者、低所得者の方々の負担を緩和したいと考えていますと御発言なさいました。資料二でございます。 高療費は、そもそもが中低所得者により恩恵の大きいセーフティーネット制度でございます。今回、自己負担額を引き上げて、加えて社会保険料負担軽減効果については、より中低所得者の加入者が多い協会けんぽや国保でむしろ恩恵が少ない条件設定になっていますけれども、これは総理の強い御決意の下進められている社会保障国民会議全体の議論の理念との整合性が取れず、むしろ逆行すると言えるんじゃないでしょうか。大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 国民会議での議論ももちろんでありますし、今与党で協議をしている社会保障制度の改革についてもそうでございますが、やはり保険料負担、特に現役世代の皆さんの保険料負担を抑制をしていく、そうした観点は非常に大事だというふうに考えております。 ただ、今回、今委員の方から御指摘があったことではございますが、先ほど来局長が答弁をしておりますとおり、まず平均的な標準報酬というものが、協会けんぽ、国保それぞれ、あるいは健保組合それぞれで異なっておりますので、同じような改革をしたとしてもその影響額が出てくるには差が生じます。 また、そもそも、協会けんぽ、そして国保には国費が充当されております。そうしたことも考慮すれば、先ほど試算したような見直しの効果が出てくるということは当然、見直したら出てくるということもあり得ると考えているところであります。
○川村雄大君 じゃ、ちょっと飛ばさせていただきます。 受診控えの実態についてお伺いいたしたいと思います。 資料三を提示いたしますけれども、今回の見直しによる給付費がマイナス二千四百五十億円、そのうち、実効給付率が変化した場合に経験的に得られている医療費の増減効果の算定式に、今回の見直しに伴う実効給付率を代入し機械的に算出された額と注釈があります。それがマイナス千七十億円ということでございます。 資料四を見ますと、これは前回の見直し議論のときの資料でございますけれども、ここにはこう書いてあります。実効給付率が変化した場合に経験的に得られている医療費の増減効果、いわゆる長瀬効果を見込んでいると明記してございます。 資料六、長瀬効果の説明資料でございますけれども、要するに長瀬効果というのは、患者負担が増加するような制度改革が実施されると、受診率が低下したり一件当たり日数が減少することを長瀬効果と言っているわけでございます。 以上を踏まえますと、資料三に示された給付費がマイナス千七十億円というのは、長瀬効果、すなわち受診抑制を見込むことで得られる給付費の減少額のことでよろしいですね。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 実効給付率が変化した場合に経験的に得られている医療費の増減効果の算定式に、今回の見直しに伴う実効給付率を代入し機械的に算出された額は、繰り返し、過去も繰り返し御説明申し上げておりますが、過去の制度改正時の取扱いと全く同様に、実効給付率の変化を機械的に代入して計算した結果を記載したものでございます。 その上で、今回の見直しは、多数回該当の据置きや年間上限の導入、年収二百万円未満の多数回該当の引下げなど、長期療養者や低所得者の方へのセーフティーネット機能を強化しておりまして、必要な受診が抑制されるということは想定していないところでございます。
○川村雄大君 さきの予算委員会で大臣は、我が党の原田議員の質疑に対しまして、今回の見直し後に必要な受診が抑制されるということは想定しておりません。また、医療制度の改革をさせていただくときには、一定の仮定を置いて、給付率の変化、これを機械的に代入して予算編成をさせていただいております等々答弁をなさいました。資料九でございます。 この一定の仮定というのは何を示しているんでしょうか。要するに、患者自己負担を上げれば受診抑制が起きるという過去の知見に基づいて、要するに長瀬効果を見込んで試算を出したという、そういう御答弁だったという理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 一定の仮定と申しますのは、これまでから説明をしておりますとおり、給付率を、一定の算式に基づきまして給付率が変化した場合に医療費がどのように変わるかということのその算式を念頭に置いて発言をさせていただきました。度々説明をさせていただいておりますとおり、これ、予算編成をする上で計数的な整理をする必要がありますので、これまでからもこうした数式を用いて予算編成を行っております。 結果的に、その負担割合が大きく変化をするような場合には受診日数の変化というのが見られたことはありますが、外来特例などの高額療養費の見直しで、見直しが行われた際には、結果的にはそうした影響がなかったということもありますので、それは、今後どういった影響が出るかというのは注視をしていきたいと考えております。
○川村雄大君 いやいや、今回のその見直しによって得られる財政効果というのを試算するわけで、そのときには長瀬効果を見込んで算出をしてマイナス千七十億円と出している。だから、受診抑制を仮定してこれだけの医療給付費が下がるということを見越しているということでよろしいですね。
○国務大臣(上野賢一郎君) 繰り返しになりますが、これまでも予算編成をする際には、医療制度改革を行った場合には、こうした一定の仮定を用いて、数式を用いて算定をしているのがこれまでの通例でございましたので、これまでの通例に従って予算の計数を整理をさせていただいたということでございます。
○川村雄大君 だから、これまでのやり方というのが長瀬効果を見越したものであったということで間違いないですね。 つまり、実効給付率というのは医療費全体における保険給付の割合でありまして、実効給付率が下がるということは患者負担が上がるということでございます。 そうすると、トータルで医療費が抑制されていく、これが長瀬効果だというふうに認識しておりますけれども、この仮定に基づいて、一定の仮定に基づいて今回財政試算を出しているということ自体は、別に何ら隠すことでも何でもないですし、医療政策つくる上で必要な考え方であるというふうに私も認識しておりますので、まずそのことを問いたいと思います。 受診抑制を見越した上でのこのマイナス千七十億円という試算であるということについて、もう一度お伺いします。
○政府参考人(間隆一郎君) 先ほど来大臣も御答弁申し上げておりますけれども、今回のその財政効果を計算するに当たっては、過去の見直しと同様に、実効給付率が変化した場合に機械的に得られている医療費の増減効果を試算しているものでございます。 これも今までの予算委員会での御質疑も含めて何度か国会でも御答弁申し上げているわけですけれども、過去の実例で申し上げますと、令和四年の後期高齢者医療におきまして、一割負担から、一定所得以上の方について二割負担をした場合、二割負担、場合の影響については、その後の事後検証を行いますと、二%から四%、一人当たり受診日数が低下したというような、そういうような、言わば理論値と実績が沿うような、そういうような実例もあったと。 他方で、先ほど大臣がちょっと申し上げましたけれども、平成二十九年から三十年にかけて、二年間掛けて行いました外来特例、七十歳以上の高齢者に対する外来特例の、高額療養費の外来特例について引上げをさせていただいたときには、このときにはマクロでは受療率は変わらなかったということでございますので、その予算の積算上ですね、こういうようなルールでやっていると。ただ、その効果については事後的にもしっかり検証していく必要があると、このように考えているところでございます。
○川村雄大君 局長の例示された例について、私も何度もお聞きしましたし、よく理解しているつもりでございます。 また、予算の積算を出すときに、やはり長瀬効果等々含んで、受診抑制を見込んだ上での積算を出されたということだというふうに思います。 資料三と四、改めて見返しますと、同じ内容の説明でありますけれども、前回はいわゆる長瀬効果と書いてありました。今回は長瀬効果と書いてありません。この文言をあえて消した理由、これについては、長瀬効果というのはいわゆる受診抑制を見込んだものである、需要抑制を含んだものであるということをあえてごまかすように思われてならないというふうに思います。 今回、何でこの長瀬効果という文言を消したんでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) これは、まさに我々がやろうとしていることが、実効給付率が変化した場合の医療費の増減効果を過去のデータに基づいて機械的に計算したというその事実を国民の皆様に正確に御理解いただけるよう、現在の記載としたものでございます。
○川村雄大君 ありがとうございます。 ちょっと時間なくなってしまいました。天野参考人にお伺いいたします。 この改定によって、実際に受診抑制、治療中断、治療抑制等につながる懸念というのはありますでしょうか。
○参考人(天野慎介君) 御質問ありがとうございます。 実は、現状の高額療養費の負担額でも、経済的に支払うことが困難で、より治療効果が低い、一世代前の古い治療薬を選択している患者さん、一定数いらっしゃいます。 加えて、特に現役世代で子育てをされている世帯の場合、いわゆる二馬力ですね、お父さんとお母さんが二人とも共働きで働くことによってお子さんを何とか育てているという家庭もございますし、またシングルマザーやシングルファーザーという形になりますと、更に厳しい負担の中で育てるような世帯もいらっしゃるわけですが、そうなりますと、子供の将来のためにお金を少しでも残すことを選びたいとおっしゃって治療自体を諦める決断をされたというがん患者さん、こちらも既にいらっしゃいます。また、いわゆる非正規雇用のがん患者さんの中には、医療費を支払うと毎月赤字なので、クレジットカードのリボ払いで何とかしのいでいるというがん患者さんもいらっしゃいます。 こういった状況を踏まえますと、現時点でも既に経済的負担のために治療を控える、あるいは治療を諦めている患者さんいらっしゃいますので、高額療養費の見直しによりそういった患者さんが更に増える可能性はあるかと考えます。
○川村雄大君 大変に、理事長、ありがとうございました。 本当、時間が来てしまいましたけれども、患者さんが置かれた状況というのは非常に困難でございまして、受診抑制、治療抑制というのは本当に、簡単に言いますけれども、本当に大変なことであります。その肌感覚を持って、丁寧に説明を尽くした上で、双方向の意見を聞いた上で話を進めるべき最重要の事項であるからこういうふうに申し上げているわけでございます。 時間を過ぎてしまいました。ありがとうございました。
○白川容子君 日本共産党の白川容子です。 まず一問目、中東情勢による医療材料の不足についてお伺いをいたします。 今日も十時から国民向けのトランプ大統領の演説があるということで、終戦かということを期待したんですけれども、しかし、今の報道では、今後二週間から三週間、イランを極めて激しく攻撃と表明をされました。今も予断を許さない状況が続いています。そして、日本の専門家も、国民生活に対して長期の影響がもたらされるのではないかという警鐘を鳴らしています。 大臣、三月三十一日の記者会見で、記者から、透析回路などの医療機器のヒアリング、メーカーに対して行ったけれども、現時点での在庫についてどれぐらいあるのか、これを問われて、在庫量については差し控えたいが、直ちに供給が滞るとの報告はないので、当面は安心していただければと述べられています。 しかし、患者さんや医療現場の皆さんからすれば、在庫量は言えないけれども、しかし、供給は直ちには滞らないから安心してください、こう言われても、やっぱりとても安心できるものではないと思うんです。 石油由来の医療物資について、現在政府が把握している在庫の状況ですとか供給の見通しについて、国民に、特に医療機関に対して明らかにするべきではないですか。お答えください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 中東情勢の影響を受ける医薬品、医療機器、医療物資等の確保は極めて重要な課題であります。現在、業界団体を通じて安定供給に関する調査を行っているところであります。 その上で、今御指摘ありましたけれども、在庫状況等の具体的な内容については、個別企業の情報を含むものであり、当該企業からも公表を控えるように要請を受けているところでありますので、この場でのお答えは差し控えさせていただきたいと考えています。
○白川容子君 私がお聞きしているのは、個別の企業のこの在庫量を公開しろと、そういうふうに言っているわけではないんです。そもそも全容が政府のその手のひらに乗っているかが、それがどうかが問われているんだと思うんです。政府がつかんでいるその物資の項目も、それから全体の量も明らかにしていないのに、安心だけを押し付けるようなやり方はやめるべきだと思うんです。 既に点滴用のプラスチックチューブの価格が二倍になり、それから医療用の手袋の生産調整も始まるなど、医療現場に影響が出始めています。大手の化学メーカーも次々と素材の値上げを発表しています。直ちに供給が滞る状態にないと言うけれども、エチレンプラントは既に減産をしています。中東からの輸入が途絶えれば、現場で枯渇するのは時間の問題だと思うんです。 大臣、医療危機を招く重大事態、何としても回避をしなければならないと思います。共同通信は、アラグチ外相が電話インタビューで日本関連船舶のホルムズ海峡の通過を認める用意があると表明をしたと二十一日に報じられています。国民の命を守る先頭に立つ厚労大臣として、高市首相にイランと交渉するように要請をすべきだと思いますが、大臣、やってもらえませんか。
○国務大臣(上野賢一郎君) お尋ねの点につきましては、所管外でありますので、お答えは差し控えます。
○白川容子君 これだけ医療現場にも、そして患者さんの命にも危機が迫っているというのに、実態把握も、それもまともに行われていない、そして首相にも進言をしないという、これでどうして国民の命が守れるというんですか。 医療機器や資材の高騰が起きても、医療機関は今七割が赤字の経営の上、公定価格なので価格転嫁できません。中東情勢による医療機器そして衛生資材の高騰に対して、二十六年度予算では何ら対策が含まれていません。緊急に医療機関や事業者への支援を検討するように強く求めまして、次の質問に移らせていただきます。 二問目が、予算委員会に引き続いて、高額療養費制度について質問をいたします。 高額療養費制度の見直しの背景、新経済・財政再生計画改革工程表の二〇二二において、世代間、世代内での負担の公平を図り、負担能力に応じた負担を求める観点からの検討を行う事項として検討が進められ、セーフティーネットとしての高額療養費の役割を維持しつつ、健康な方を含めた全ての世代の被保険者の保険料の負担の軽減を図る観点から各所得区分ごとの自己負担限度額を引き上げるとされました。 これらを踏まえて、昨年の見直し案では、賃金の伸び率に合わせ、医療費の削減額として五千三百三十億円が見込まれ、今回の見直しでは、一人当たりの医療費の伸びに合わせて医療費の削減額として二千四百五十億円を見込むとされています。 確認しますが、自己負担の限度額の引上げを賃金の伸び率から一人当たりの医療費の伸びとした具体的な根拠を、大臣、お示しください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今回の見直しに当たりましては、患者団体の方にも御参画をいただきました専門委員会におきまして整理の上合意をいただいた基本的な考え方、あるいは超党派議連の提言を踏まえたものであります。 具体的には、高額療養費の在り方につきましては、医療保険制度全体の改革を進めつつ全体感を持って検討していくことが必要という趣旨の専門委員会での御意見、こうしたものも踏まえまして、基本的な考え方によって一人当たりの医療費の伸びを踏まえた負担限度額の見直しを行っているものであります。
○白川容子君 一人当たりの医療費の伸びが変わらない状況で医療費の削減額を約半分としたということは、この金額で十分だという認識なんでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 先ほどのお答えと重なりますけれども、今回の見直しにおきましては、高額療養費の在り方については全体感を持って検討していくことが必要という趣旨の専門委員会での御意見を踏まえ、一人当たりの医療費の伸び率を踏まえた負担限度額の見直しとさせていただいております。 その上で、高額療養費制度の在り方はもとより、医療保険制度全体の在り方について現在多岐にわたる論点について御議論をいただいておりまして、この高額療養費のみならず、様々な例えばOTC類似薬の関係であったり、後期高齢者の金融所得の反映であったり、様々な観点から制度の改正について検討を進めさせていただいて、全体としての医療制度改革を進めようとしているところであります。
○白川容子君 今の御答弁では、具体的な根拠も金額も示せない。どうしてこれで負担増だけが具体的な金額として示せるのかが私は理解ができません。 月額上限の引上げについては、一人当たりの医療費の伸び、つまり、七%に合わせて、今年八月からと、それから来年八月からの二段階で引上げを行うとしていますが、来年八月からの見直しでは所得区分が細分化をされ、区分によっては七%以上、そして最大で三八%もの引上げになります。これまで三八%もの引上げを行ったことがあるのでしょうか。 あわせて、所得区分の細分化に関する過去の見直しと比較をすると引上げ幅を抑えていると説明していますが、これまでもこうしたことをやったことがあったんでしょうか。大臣、お答えください。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 過去の例ということで申し上げますと、平成二十七年に高額療養費制度の見直しを行ってございます。その際には、七十歳未満の方について、従来は非課税、一般層、上位層の三区分に分かれていたものを、一般層と上位層それぞれ二区分に細分化して、現在の五区分になってございます。 これによりまして、元々の制度であれば上位層に入る方について、従来の負担限度額が月十五万円プラス医療費の一%であったものが、上位層の中でも相対的に所得の高い方については、限度額が月二十五・三万円プラス医療費一%と約六八%の引上げ率となってございます。また、上位層の中でも相対的に所得が低い方は、限度額が月十六・七万円プラス医療費の一%と約一二%の引上げ率としておりまして、その引上げの幅について階段ができているということでございます。 その上で、令和七年度、昨年の御提案申し上げました見直し案では、細分化には最終的には七六%の引上げ率となる方がおられましたけれども、今回の見直し案ではその約半分のものに抑えたということでございます。
○白川容子君 失礼しました。通告は参考人でした。申し訳ありません。 所得区分の細分化の際に、これまでの見直しよりも引上げ幅を抑制したことは、現状の負担額でも既に大きな負担になっていて、これ以上の負担はもう厳しいという認識の裏返しだと思うんです。 さらに、問題なのが、医療費削減分のうち、受診抑制分として千七十億円を見込んでいることです。いわゆる長瀬効果について、給付率が低くなる、つまり患者負担が増加する制度改革が実施されると、患者の受診行動が変化をし、受診日数が減少する、こう説明をしています。 しかし、この受診日数の削減が、つまりは受診抑制のことではないのですか、大臣。
○国務大臣(上野賢一郎君) 先ほども議論がありましたけれども、これまで、例えば一定以上の所得をお持ちの後期高齢者の窓口負担割合を一割から二割に引き上げた際、これ令和四年ですが、平均的な受診日数が減少したことが確認をされています。一方で、平成二十九年、三十年に外来特例の負担上限額を引き上げた際には、マクロベースの受療率に変化は見られませんでした。 制度改正によってどのような影響があるかというのは様々だとは考えられますので、大切なことは、それをきっちり検証していくことではないかというふうに考えております。 なお、今回の見直しによりまして、多数回該当の維持、あるいは年間上限の新設、また年収二百万円未満の方の負担の軽減、様々な長期療養者や低所得者のセーフティーネット機能を強化をしておりますので、必要な受診が抑制をされるということは想定をしておりませんが、繰り返しになりますが、実際どういった受診行動になるのかといったことにつきましては、その影響をしっかりと注視をし、検証していく必要があろうかと考えています。
○白川容子君 千七十億円もの医療費の削減を見込んでいるのですから、受診日数の減少というのは受診抑制そのものではありませんか。なぜここ認めないんですか。大臣、もう一度御答弁ください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 先ほど来お話をしているとおり、計数上、一定の仮定を置いて数式に受診率の変化を代入をいたしまして、医療費の減少がどれだけあるかということを予算編成上は見込んでいるのはそのとおりでありますけれども、先ほど来申し上げておりますとおり、それは一定の、これまでそうした予算編成上のルールとしてそうしたことを行っております。 それが結果として受診抑制にどうつながるかということにつきましては、先ほど来申し上げておりますとおり、負担割合が大きく変わるときには確かにそういったことがありましたけれども、高額療養費の見直しに際しましてはそういったことは見られないといったケースもありましたので、それはなかなか一概には言えないので、しっかりと検証していくことが必要ではないかと考えているところであります。
○白川容子君 受診行動が変化をして一千七十億円もの医療費の削減がされるのですから、それは受診抑制以外の何物でもありません。 予算委員会で、轟参考人が、受診を迷っているという方は皆無ではなく、実際に声が届いている、そのことを重く受け止めていただきたいと発言がありましたが、この声を重く重く受け止めるべきだと思います。 そして、今回の見直しのように、ほぼ全ての所得区分であまねく負担増となったこと、これは過去の見直しであるのでしょうか。機械的に算出というのならば、過去の見直しでも同様に試算をしているはずですが、そのときの医療費の削減の見込額と、そして実績額、そのうち長瀬効果分をそれぞれお答えください。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 平成十八年度、少し前になりますが、平成十八年度の高額療養費の見直しを行った際には、住民税非課税区分を除く全ての所得区分において自己負担限度額の引上げを行っております。その改正における財政影響は、平成二十年度ベースで給付費千四百億円の減、国庫負担三百億円の減と試算をしております。 この計算におきましても、実効給付率が変化した場合に経験的に得られている医療費の増減効果の算定式を用いておりますが、当時、制度見直しによる給付の減少、これは何かといいますと、七十歳以上の方について、現役並み所得がある方については三割負担をお願いしてございます。こういった制度見直しによる給付の減少と併せて一体的に試算しているため、この高額療養費の分だけを切り出してお示しすることは困難であることを御理解いただきたいと思います。 また、改正影響の実績でございますが、平成十八年度の医療費総額は、医療費は総額で三十一・一兆円、対前年度からは〇・〇%の伸びとなっております。ただ、この年の診療報酬の改定率は、ネットでマイナス三%以上のマイナス改定でございました。そのことに留意が必要となっております。 こちらにつきましても、他の制度改正の影響等を分けることが困難であることから、高額療養費の部分のみをお示しすることは困難であることを御理解賜りたいと思います。
○白川容子君 マクロでの影響試算をして、そして医療費の削減を見込みつつも、長瀬効果による影響がどうだったのかを一切示すことができないという状況です。これでどうして受診行動の変化が確認できなかったと言えるのか、私は不思議でなりません。 大臣は、制度の見直しの影響を注視すると答弁してきましたけれども、制度の利用者は重篤な症状を抱えている方々が多く、影響が出てからでは取り返しが付かないことになります。命に責任が持てるのか、余りにも無責任な言動ではありませんか。専門委員会でも、委員から、患者の家計とか健康面への悪影響を否定できないから一律の適用は難しいのではないかと、慎重な意見が出ていたではありませんか。 医療費の削減額に受診抑制分を見込んでいること自体が問題ですけれども、先ほど制度全体でと答弁があったということは、受診行動の変化が起きなければ、医療費の削減は当初の見込額を割り込むことになり、そして他の部分で一層の削減を行わなければならなくなります。その一方、受診行動の変化が起きれば、医療費の削減にはなるが、受診抑制が発生することになります。 いずれにせよ、医療サービスやアクセスの低下、あるいは国民の負担増につながることになりはしませんか。大臣、お答えください。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、今回の見直しに当たりましては、特に治療に係る経済的負担が厳しいと考えられます長期療養者、あるいは所得の低い方に十分配慮をしております。必要な受診が抑制されることは想定をしておりません。 他方で、先ほども申し上げましたが、高額療養費制度のみならず、医療保険制度全体の改革、そのような視点が重要であります。そのような観点からは、OTC類似薬の保険給付の見直し、あるいは後期高齢者の金融所得の反映、長期処方、リフィル処方への取組強化や残薬対策などにも取り組んでいるところであります。 制度の全体としての持続可能性やセーフティーネット機能の強化、負担の公平性、サービスの効率化など、様々な視点に立って改革を進めることが重要だと考えています。
○白川容子君 制度全体で対応するのであれば、その枠内で増減をするしかありません。つまり、医療費の削減に伴う医療サービスの抑制か、国民に負担を強いるか、どちらかということになります。 次に質問進めますが、過去の見直しによる検証も十分に行わずに、制度の維持のためだといいながら、具体的な根拠や金額、規模感さえも示せない。そして、歳出削減ありきで医療費削減を進める、その負担を国民へ転嫁することは、社会保障の基本である公的責任をないがしろにするものであり、絶対に認められません。 二〇一五年に七十歳未満の所得区分の細分化や自己負担限度額の見直しを行いましたけれども、それ以降の公費、そして社会保険料、自己負担の割合の推移、お示しください。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 こちら事前に委員から、その期間の最大と最小でという幅だというふうに承っておりますので、それでお答えさせていただきます。 医療保険の医療費に関してお答えしますと、平成二十七年度から令和四年度まで、年度ごとに若干の上下があるところでございますが、医療費のうち、国費は二二・五%から二三・一%、地方費は九・七%から九・九%、保険料は五二・四%から五三・〇%、自己負担額が一四・五%から一五・二%の割合の範囲内で推移しているところでございます。
○白川容子君 公費のうち国費の負担割合二割強、ほとんど変わっていません。多くは保険料による財源構成になっています。 現役世代の保険料の負担軽減のための見直しであると主張していますけれども、そもそも保険料というのは、治療が必要になったときに備えて国民が健康なうちから負担をしておくもので、病気になった人の負担を増やして健康な人の負担を抑えればよいのかが問われているんだと思います。 しかも、今回の見直しでは微々たる保険料の負担の軽減にしかなりません。税と社会保障を合わせた対GDPの国民負担率、一九七〇年度は二四・三%でしたが、二〇二六年度の見直しでは四五・七%と、所得の約半分を占めています。特に現役世代への負担が重く、高止まりをしています。 高額療養費制度の上限引上げではなく引下げと、そして現役世代負担軽減の両立のためには、公費の負担を増やすことこそが必要なのではありませんか。大臣、お答えください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 社会保障制度の基本である社会保険制度におきましては、保険料を原資とすることを基本としつつ、所得の低い方も加入できるように保険料水準を下げるなどの各制度ごとの趣旨などに基づきまして公費が投入をされています。 これから全世代型社会保障を構築する観点からは、もちろん公費負担の在り方についても議論を進めることが必要だと考えておりますが、その際には、相互扶助の理念の下に成立をしております保険制度において公費を投入することの正当性について考える必要がある、あるいは、責任を持って実現をするためには恒久的な財源が必要になるなどにも留意をすることが必要であり、慎重な検討が必要かと考えています。
○白川容子君 最後にしますが、全がん連などの患者団体から、治療断念や生活破綻につながることがないように更なる負担抑制が必要だとの声明が出されたこと、そして、先日の予算委員会でも轟参考人から、引上げ案について納得をしていると誤解される可能性がある政府の答弁に驚きと悲しさを感じているのが正直なところだとの発言があったことから、関係者の納得が得られているとは到底言えません。 高額療養費の限度額引上げは撤回すべきだと申し上げて、質問を終わります。
○天畠大輔君 れいわ新選組の天畠大輔です。 私は脳死状態の経験者です。代読お願いします。 本日は、脳死下での臓器提供について、特に意思表示を周囲が受け取ることが困難な人たちに焦点を当てて質問します。 臓器提供数を増やすため、臓器提供できる対象者の条件は緩和されてきました。そんな中で、知的障害者始め、意思表示を周囲が受け取ることが難しい人たちからの臓器提供について、昨年、ガイドラインが改定されました。資料一が主な改定箇所です。知的障害者など含む全ての人について本人の意思を丁寧に推定すること、また、本人の拒否の意思が否定できない場合は拒否の意思表示があるとみなすこととなりました。 実は、三十年前の一九九六年、若年性急性糖尿病の症状で緊急搬送された私は、病院が適切な措置を怠ったため、入院三時間後に心肺停止になりました。集中治療室に入った翌日、私の親に対して医師は、脳波がフラットです、瞳孔も開いています、脳死状態ですと告げたそうです。親は、私の姿を見て、もうこの体に大輔はいないと思ったそうです。幸いにして、私の血圧、脈拍、体温はその後少しずつ改善し、コミュニケーションの方法も奇跡的に確立でき、今の私があります。 しかし、あのとき、今の臓器移植の制度があったとしたら、私は今、臓器摘出されずにこの世にいるだろうか、そう疑問に思います。というのも、私はこの意思推定自体が危険だと考えるからです。 厚労省は、ガイドライン改定の理由を、臓器移植についての分かりやすい情報提供の体制が整ってきていること、知的障害を理由に臓器提供の意思が尊重されないのは差別的ではないかという指摘があったことを挙げています。 しかしながら、重度の知的障害を始め、本人の意思を周囲が受け取りにくい人たちは、自ら望む場所で、望む人と、必要な支援を受けて自分らしく暮らしを営むことを奪われている現実があります。知的障害者の一二・一%が入所施設で暮らしていますが、それは、本人の希望というよりは、意思決定支援に基づく本人主体の生活をつくる社会資源の不足や家族の事情によるものでしょう。 つまり、本人と、家族、施設、支援者、ましてや医療関係者との間にはとても大きな力関係の差があります。私は、コミュニケーション支援を受けている当事者として、関係者による意思の推定の良き面と同時にその恐ろしさも身にしみて分かっているつもりです。臓器提供のときにだけ意思決定の平等を求める今回の改定は非常に危険だと考えます。 まず、今回のガイドライン改定がどのような結果を生むのか、特に障害や難病の人たちに対してどのような影響を及ぼすか正確に捉える必要があると考えます。まず現状を教えてください。厚労省による臓器移植事例の検証作業では、現在、どのような視点でどんなデータを収集していますか。
○政府参考人(大坪寛子君) お答えします。 脳死下での臓器提供事例に関する検証会、これでは、臓器提供者に対する救命治療の状況と臓器提供者に対する脳死とされ得る状態の診断及び法的脳死判定の状況、加えて日本臓器移植ネットワークが行ったあっせん業務の状況、これらを検証をしております。これらに必要な範囲でデータの収集を行っているところです。
○天畠大輔君 代読します。 臓器提供者の既往歴や障害があるかなどについては統計的データは作成していないということですね。 大臣に伺います。 臓器提供者の既往歴や障害や難病があるかといった項目を全事例について収集、個人情報が分からない形で統計的データを作成、検証を行い、公開すべきと考えますが、大臣の御見解はいかがですか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 令和七年十月の臓器移植法ガイドラインの改正による影響を検証する、このことは大変重要だと考えています。その検証の一環として、有効な意思表示が困難な方からの臓器提供事例に係る情報については、公益社団法人日本臓器移植ネットワーク等を通じて把握していきたいと考えています。 その上で、把握した情報の公開の在り方などにつきましては、個人情報あるいはドナー御家族の御心情にも配慮しつつ、今後検討していきたいと考えています。
○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 情報公開はすべきです。意思推定がどのように行われたのかについても収集すべきです。通告なしですが、大臣、いかがでしょうか。
○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。 私が先ほど申し上げました検証会議の中で、三点情報収集しているというふうに申し上げました。その臓器移植ネットワークが行っておりますあっせん業務の状況の中で、今先生からお話がありましたような評価チェックリストというものの中で、障害の有無ですとか、そういった情報はJOTの方で把握をしておりますので、また今後、そういったものをどのように公開すべきなのか、また様々関係者の中で議論してまいりたいと思っております。
○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、しばらくお待ちください。
○天畠大輔君 改定による影響を厚労省が調査して、改定を再検証すべきです。 次に行きます。代読お願いします。 資料二、脳死患者からの臓器提供の流れを御覧ください。 脳死判定前に主治医がコーディネーターからの説明を聞くかを家族に確認し、希望した場合はコーディネーターが説明をします。従来、承諾行為、つまり臓器提供を家族が承諾する行為は、日本臓器移植ネットワークのコーディネーターの立会いの下でしか行えなかったのですが、それでは臓器提供数が少ないということで、今般の制度改正で、医療機関に所属する認定ドナーコーディネーターという方々が行えるようになったそうです。複数学会の合同で認定ドナーコーディネーター協議会というものが既に立ち上がっており、研修項目や認定基準を決めるそうです。ただ、大まかな研修項目については、厚生科学審議会の臓器移植委員会で話し合われていると伺っています。 厚労省より、認定ドナーコーディネーターの研修項目について、現在の主な項目をお示しください。
○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。 厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会におきまして、認定ドナーコーディネーターに同意取得を行っていただくに当たりまして必要な研修、この項目について御議論をいただきまして、その中の項目として、コーディネーター業務の全体像、これに加えまして、患者の詳細情報の取得、またドナー家族との向き合い方などのシミュレーション教育、加えてオン・ザ・ジョブでの症例を踏まえたトレーニング、こういったことを認定ドナーコーディネーター研修の項目案とする方向で御議論を、御意見をいただいたところでございます。 現在でありますが、この研修の詳細につきましては、今申し上げた臓器移植委員会で議論された項目案に基づき、認定ドナーコーディネーター協議会、これは日本集中治療医学会、日本救急医学会、日本脳神経外科学会、日本移植コーディネーター協議会、加えて日本臓器移植ネットワークの五団体で構成された協議会でございますが、こちらにおいて現在検討を進めているところでございます。
○天畠大輔君 代読します。 ありがとうございます。 資料三を御覧ください。 西村帆花さんは生まれた直後に脳死に近い状態となり、今、人工呼吸器を付けて自宅で両親とともに暮らしています。彼女の暮らしは四年前映画にもなりました。脳死に近い状態であっても、どんなに障害が重くても、医療や公的な障害福祉を駆使し、在宅で生活し続けることができます。医学モデルでは、御本人の状態を医学的知見でのみ症状と捉える傾向にありますが、障害者権利条約の理念的支えである社会モデルの考え方に立てば、同じ状態でも、本人の状態や生き方は、周囲の環境が非常に大きく関わるという視点が強くなり、より周囲の社会資源を活用しつつ、本人の人権を守るという視点が強くなります。長期脳死という可能性もある中で今後を考える御本人や家族の方々にとって、社会モデルの考え方が伝えられにくい今の状態は偏りがあると思います。 認定ドナーコーディネーターの研修内容には、医療や障害福祉サービスを使い、重い障害があっても在宅生活している方もいること、またその理念的支えとなっている障害者権利条約などを入れるべきであり、さらに、研修内容決定のプロセスに重い障害を持つ当事者や周囲の支援者が参画すべきと考えますが、大臣の見解はいかがですか。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、認定ドナーコーディネーターは、臓器移植に関する説明を行うことを目的にした職種でありますので、その研修内容も臓器移植に関する事項が中心となります。ただ、研修を受講するためには一定の試験に合格することが要件となっておりますが、この中には、医療倫理であったり、あるいは家族支援などの基本的な知識を有することを確認をするものとなっておりますので、こうしたところで対応できるのではないかと考えています。 また、研修内容の決定プロセスでありますが、現在におきましても、臓器移植委員会において、障害者支援団体の方にも委員として参画をいただいております。その中で、この研修内容の概要につきまして御議論をいただいているところであります。
○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしております。お待ちください。
○天畠大輔君 医療職だけでは限界があると思います。代読お願いします。 臓器移植委員会に障害者支援団体は十七人中一人ですから、少なく、増やすべきですし、実際の内容を決める認定ドナーコーディネーター協議会にはいません。 昨年七月三十日の臓器移植委員会で、委員の川口有美子氏は、認定ドナーコーディネーターの研修に障害者総合支援法の介護サービスを入れていただきたい、自宅でみとりたいとか、自宅で世話をしたいという御家族に対しては、公平に選択肢を提示すべきと述べています。これに対し、厚労省は、一般的には、ドナーコーディネーターの方というのは、臓器提供について、ほかの選択肢については医療現場において、いろいろと御相談された上での詳しい説明に進むところという形で理解しておりますと答えています。 しかし、川口委員も私も、認定ドナーコーディネーターに進む前に、御家族らと接する主治医や医療関係者が十分に重度障害当事者の在宅生活を知っているとは思えないから、ドナーコーディネーターにもそのような研修をするように求めているのです。 資料四を御覧ください。 佐藤安夫さんの事例を紹介します。佐藤さんは、二〇一五年、心筋梗塞で心肺停止になり、集中治療により救命されましたが、意識不明となりました。家族が治療停止を選択せずにとどまったところ、意識を取り戻し、今では、歩行し、語れるようになっています。しかし、意識不明の五日目、医師はいつまで延命治療を続けるか家族に聞くのと同時に、人工呼吸器や胃瘻での延命治療を続ければ、介護は長期化し、家族の負担も大きくなると治療停止に誘導しようとしたそうです。在宅生活を送る障害者の相談に乗ったり、ヘルパー派遣をしている事業者の立場からすると、一部を除き、医療の方々は障害福祉や在宅生活の実態に明るくはありません。 改めて、資料二を御覧ください。 現在のガイドラインでは、臓器提供に関連して関わるのは、主治医などの医療職、また臓器移植コーディネーターです。認定ドナーコーディネーターは、厚労省やJOTの認定資格ではなく、基本的にはその医療機関が選定し、学会が行う研修を受けて、病院の下で働くことになります。質疑に向けた厚労省からの事前レクでは、認定ドナーコーディネーターのほとんどは看護師など医療職がなる想定だということでした。 私は、医療職の皆さんの働きが足りないと言っているのではありません。救急医療と集中治療によって命を救われ、生きたいと願い、在宅療養、リハビリ、コミュニケーション支援、重度訪問介護などの社会資源を駆使して家族や支援者とともに病院外で生きている当事者たちは、いまわの際にいる患者さんたちに自分の経験を共有することも、そのプロセスを定める主体としても想定もされていないことがおかしいと思います。 医師が在宅生活を送るための障害福祉を十分に知っているというデータはあるのでしょうか。臓器提供の判断の前に、医療職だけでなく、医療ソーシャルワーカーによる在宅生活の説明などを入れるべきではないでしょうか。大臣の見解を伺います。
○国務大臣(上野賢一郎君) 主治医、ドクターが障害福祉制度を十分に御存じかという質問に対しましては、現在そうしたデータがありませんので明確に承知をしているわけではありません。 重度のこうした脳機能障害に陥られてしまう、そうした場合には、まずは主治医の方から御本人あるいは御家族に対しまして、病状や在宅生活を含めた今後の方針を説明をしていただくことが基本かと考えておりますので、そうした中で十分に、在宅の場合も含めて、治療方針などを説明していただくことがまずは重要だと考えています。 その上で、現在におきましても、主治医だけでなくて、必要に応じて医療ソーシャルワーカーなどの院内の専門職種の皆様が連携をして、御家族等に対して在宅医療等についての説明も行っていただいているものだと考えています。 今お話のありましたとおり、やはり適切な情報を、あるいは適切な説明を、重度の方の場合にはとりわけ御家族にしていただくことが必要だと考えておりますので、そうした体制が十分かどうかというのは私どもとしてもしっかり見ていかなければいけないとは考えております。 その上で、先ほど来お話のありますとおり、研修内容等についてもより充実したものになるように取り組んでいきたいと考えています。
○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしております。お待ちください。
○天畠大輔君 必要に応じてというのはマジックワードです。 医療職以外の関わりは制度によって担保はされていないですよね。大臣、制度を改正すべきではないですか。
○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。 今、先ほど来大臣が申し上げたとおりでありますが、まず、その回復の可能性がある患者様について、あるかどうかも含めて、これは医療の現場において主治医等がよく判断の上、御本人、御家族に対して様々な選択肢、その後の過ごし方、病状、在宅生活を含めた方針、これは医療の現場の中で十分尽くされるものだというふうに考えております。 私ども、臓器移植の制度の中では、その医療の説明を経た後に、脳死の状態であるという場合において回復の可能性がないと判断されたところからスタートする制度でございますので、その今先生がおっしゃっている制度の改正というところが医療の部分を指すのか、ちょっとややここ答えにくいところではあるのですけれど、そういった職種の役割分担というものが現場においては機能しているというふうに思っております。
○委員長(小川克巳君) 発言の準備をしておりますので、少しお待ちください。
○天畠大輔君 臓器移植の意思決定の前に、障害福祉の視点をより入れてほしいという意味です。大臣からもお願いします。
○国務大臣(上野賢一郎君) まさに命に関わる大切な御指摘をいただいているというふうに思っております。 そうした局面でどういったふうにして障害福祉の観点を盛り込めるかという点については、貴重な御指摘だと思いますので、少し私どもの方で研究をさせていただきたいと思います。
○天畠大輔君 意思表示困難と見られがちな私だからこそ、引き続き注視します。 終わります。
○かまやち敏君 自由民主党のかまやち敏でございます。 令和八年度予算案の厚生労働分野におきましては、高齢者人口がピークに達すると予想される二〇四〇年頃に向けて、医療、介護、福祉の提供体制がその時々の需要に応じられるための準備が盛り込まれています。この中で特に大切なことは医療、介護、福祉を担う人材確保のための手当てでありますが、本日は医療関係職種の確保について主に質問をさせていただきます。 医療関係職種の国家資格には様々なものがあり、現場で役割を担うためには、実務経験の積み重ねと各職種の連携が不可欠です。一方、若年人口の減少が進行する中で、各職種の需給を踏まえた今後の養成の在り方について、取組の見通しをお尋ねいたします。
○副大臣(仁木博文君) かまやち議員の方にお答えします。 少子化が進む中で、多くの医療関係職種の養成校の定員充足数は既に低下傾向にあります。さらに、地域によっては十八歳人口の減少が急激に進むことから、今後、医療関係職種の持続的な養成体制をいかに構築していくかは検討すべき重要な課題として認識しております。 このため、昨年十二月の社会保障審議会医療部会においては、地域における医療関係職種の安定的な養成体制を確保するため国、都道府県等が取り組むべき事項について検討を進めることとする等の方向性を取りまとめたところであり、これを具体的に議論するための検討の場を立ち上げるべく、現在必要な調整を行っているところでございます。 また、看護職員の養成や確保の在り方について議論する場について、現在、今月早々の開催に向け、具体的な調整を進めております。 今後、御指摘の需給の状況も含め、医療関係職種を安定的に養成、確保するための方策について必要な検討を進めてまいりたいと考えております。 以上です。
○かまやち敏君 どうもありがとうございます。 今、仁木副大臣が御指摘くださったとおりだと思いますが、職種によってもいろいろ特徴がありますし、そしてまた、需給を考えていく場合には、職種によって特に不足感が強く予測される職種と比較的安定して養成できる職種とあると思いますので、その辺りのところをよく御検討いただいて、それぞれの必要な職種、これはもうどの職種がなくても医療は成り立ちませんので、それぞれの職種の検討が円滑に進むように、引き続きお願いを申し上げたいと思います。 次に、今度は医師についてでありますけれども、医師の場合に、平成十六年から医師臨床研修制度が変更されまして、それに伴い医療現場での医師不足が問題になって、平成二十年から医学部入学定員について臨時定員の地域枠を中心に増員が図られました。 一方、十八歳の同年代の人たちの中で何人に一人が医学部に入るのかというのを見てみますと、昭和四十五年頃には同学年の五百人に一人が医学部に入学するという状態でしたけれども、その後、どんどんこれが減っていって、直近では同学年の百人に一人が医学部に入るという状況、また今後の若年人口の減少によっては更に下がることも予想される中で、そのように多くの人が医師になっていただいても他の業務がどうなってしまうのかという問題があって、とてもそんなに医師を養成するというのは不可能だろうと思います。 この臨時定員等の増加に伴う平成二十年からの変更に伴って、これまでの年間の医師の養成数は、大体七千五百人ぐらいがずっと続いていたところが、今、九千五百人を超えるくらいの定員になっていて、これをこのままずっと続けていくというのはとても無理だろうと思います。 一方で、地域によっては医師が足りないから医師の養成は是非やらなきゃいけないという御意見もあり、その辺りが非常に懸念されるところであります。 そして、もう一つ大事な点は、医師の診療科の偏在であります。この件については、医療法あるいは健康保険法の改正に関する検討の場で既に質問をさせていただいていますが、今回は令和八年度の予算を目指してのところで特にお聞きをしたいと思いますが、医師の診療科の偏在という問題は、医師のその意思というか、憲法に保障された職業選択の自由との関係で、やはり自分で先々目指す方向を自分で決めたいというふうに思っておられる医師の方が多い中で、それをどういうふうに、多いというか、そういうふうに皆さん考えていらっしゃる中で、どういうふうに対応するのかということが非常に重要になってくると思いますが、まず現在、医師の養成によって直近でどういうふうに診療科の医師が養成されているのかというような情報をしっかりお伝えいただいて、これは公表されていますし伝えていただいているのですが、その辺りを含めて情報が行き渡ることと、それから、不足している診療科を選んでみたいというふうに思われるような誘導あるいはインセンティブというようなものも是非必要だろうと思います。 この辺りについて、特に令和八年度の予算でどのような取組がなされているかをお聞きいたします。
○政府参考人(森光敬子君) お答え申し上げます。 まず、医師の診療科偏在において、地域において必要な診療が受けられなくなる、そういう事態が生じないよう偏在の是正に向けた対策を講じる必要があると認識をしております。特に、外科の医師の現状といたしまして、医師の総数が増加する中で、外科医の数というのは横ばいとなっております。また、時間外・休日労働時間が多い医師の割合が高いといった状況を踏まえた対策が必要であるというふうに認識をしております。 地域で必要な診療科を確保できるように、まず令和六年の末に策定いたしました医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージに基づいて、まず外科医、外科等における勤務環境の改善に取り組む医療機関の伴走支援、これを行うほか、その成果を踏まえて、例えば効果的なチーム制の導入ですとか手術の手順や物品の標準化による業務効率化など、具体的な事例の横展開が進むように周知を行うこととしております。 また、診療科の魅力というところの中で、処遇改善につながるよう、令和八年度の診療報酬改定では、医師の働き方改革を推進しつつ、勤務環境、処遇改善等により医師の診療科偏在を解消して医療提供体制を確保する観点から、地域医療体制確保加算の評価等を見直すとともに、外科医療確保特別加算を新設する等の対応を行ったところでございます。 引き続き、診療科偏在の対策に向けて、働き方改革の推進を含めて、外科等の必要な分野が若手医師から選ばれるため、その環境づくりに取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
○かまやち敏君 ありがとうございます。 今局長からお話をいただいたとおりだと思いますが、やはり、新臨床研修制度というのは平成十六年から始まりまして、それぞれの診療科の特徴について、それ以前に比べてかなりいろいろなところを見聞きするチャンスが増えて、そしてその中で自分が何を目指していくかというのをそのそれぞれの診療科の勤務状況やあるいは環境なども見ながら選べるようになったということは非常に良いことだろうと思いますけれども、一方で、その結果として診療科の偏在というのが進んでしまうということもあってですね。 したがって、今御指摘のような、それぞれの現場の負担感が余り、ある診療科では非常に強くなるというようにならないようにするということも非常に大事だろうと思いますが、一方で、これは非常に不足している診療科の方々からの御意見としては、更にその不足している診療科に対する支援というか、あるいはインセンティブをもっと強く付けるべきだという御意見もあって、これはなかなかバランスが難しいので困難な面もありますけれども、その辺りも含めて、必要な診療科を積極的に養成していくというような取組が国としての方針として打ち出される必要があると思いますが、その辺りについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(森光敬子君) お答え申し上げます。 先生がおっしゃるとおり、特に負担感の強い診療領域については、少し若いドクターが忌避する傾向というのが一部見られます。 ただ一方で、そういう診療科についての魅力というのも若い医師というのは感じておるというところでございまして、やはりほかの分野と同じように、ワーク・ライフ・バランスがしっかり取れるということが必要だろうというふうに思っておるところでございまして、まずは診療科のそういう勤務環境、これを改善していくということ、例えばチーム制にするですとか、しっかりとした休日、夜間休めるようにする、インターバルが取れるようにするといったようなことを導入するというとともに、それらを可能とするような診療報酬といったような形、またそれらを、非常に厳しい労働を強いられている方に対しての報酬なりを一部しっかり取れるようにするということでのいわゆる処遇改善という部分が必要だろうというふうに考えておりまして、あわせて、私どもとしては、まずはそういう医療機関の取組を後押しする、そういう事業及び診療報酬といったようなもので後押しをしていきたいというふうに考えておるところでございます。
○かまやち敏君 どうもありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。 それで、医学部の教育の段階からその辺りのところは繰り返し、これから医師になる人たちに対しての働きかけということが必要だろうと思います。それぞれの医育機関においてこれは取り組むべきことですが、国としてしっかりそのことを支援していただいて、地域から必要な診療科の医師がなくなってしまうということにならないように、引き続きよろしくお願いを申し上げます。 また、それとともに大変大事な問題としては、医師の地域偏在の是正であります。 これまでも取組が進められてきたところですが、これまでは、どちらかというと医師になりたての人、これから研修をしていこうという方々、あるいは専門研修をしていこうという方々に対しての働きかけを主に行ってきたわけですが、それではやはり十分には地域偏在の解消になりませんので、更に幅広い年齢の医師が医師の不足地域で一定期間診療に従事できる取組ということが是非必要であると思われます。 医師不足地域に医師を派遣する体制についての取組が大分進んでまいりましたが、その医師少数地域で勤務する医師そのものに対する働きかけと、それから、その医師を送り出す医療機関に対する働きかけについてお尋ねをいたします。 特に、ある期間医師不足地域で勤務した場合に、もうそこでずっと定着しなければならないという状態になると、なかなかこれは仕組みとして回っていきませんので、必ず、一定期間勤務した後にまた元の職場に戻れるというような体制の構築が是非必要だろうと思います。これは、大学の附属病院、いわゆる特定機能病院もそうでありますし、また、それ以外の比較的医師の数の多い、その地域の中核病院の担う役割としても非常に大きいと思いますが、その辺りについて、特に令和八年度からの取組についてお伺い申し上げます。
○政府参考人(森光敬子君) お答え申し上げます。 医師の地域間の偏在については、将来にわたって地域で必要な医療提供体制を確保する上で非常に重要な課題でございまして、この医師偏在対策を進めるため、二〇二四年年末に策定いたしました医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージに基づいて、昨年成立させていただきました改正医療法において、都道府県知事が重点医師偏在対策支援区域、これを定めることができることとして、また、それに併せて医師手当事業を設ける等の措置を講じたところでございます。 先生御指摘のとおり、医師を送る方の病院への支援というものも重要でございまして、あわせて、令和八年度予算案においては、重点医師偏在対策支援区域における経済的インセンティブに係る事業といたしまして、重点医師偏在対策支援区域へ医師を派遣した派遣元医療機関に対する支援、これを盛り込んでおるというところでございまして、引き続き関係者の皆様方の御意見をいただきながら実効性のある取組を進めていきたいと考えておるところでございます。
○かまやち敏君 今お答えいただきました内容がなるべく幅広く周知されて、その取組が進捗することを期待いたしまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○新実彰平君 日本維新の会の新実彰平でございます。 質問の機会を頂戴しまして誠にありがとうございます。私の方からも、各委員からも今日提起がありました高額療養費制度の見直しについてまずは伺わせていただきます。 少子高齢化と医療の高度化によりまして社会保険料負担が限界に近づく中にあるということは累次私たち日本維新の会も申し上げていることでございますが、一方で、日本維新の会は、この高額療養費制度こそが医療の最後のとりでであるというふうに考えております。 まさに、こうした大きなリスクへの備えを守るために、我々、今、小さなリスクに対する過剰な備えとか、あるいは健康増進に資さない医療提供等を徹底的に洗い出して、そして適正化をしていこうという、そういった思いで、まさに自民党さんと日本維新の会の連立政権の中にあって努力をしているさなかでございます。まさにその取組道半ばでのこの月額限度額の一部引上げを含む本案には、じくじたる思いを持っているところでございます。 ただ、あわせて、より厳しい状況にある長期療養者の方に資する年間上限が同時に導入をされること、また低所得の方の多数回該当の際の負担額が引き下げられること、これらについては前向きに捉えさせていただいているところでございます。 ですから、トータルで見れば、とにかく重要になるのは、今回主に負担が増えることになります手術などで比較的短期間のうちにおいて比較的大きな負担が生じる方について、その財政的な影響は生じるわけですが、受診抑制につながらないこと、これが何より重要であろうと考えております。 まず、伺わせていただきますけれども、過去の月額上限見直しの際にはそのような重大な受診抑制は生じたのでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 前回の見直しになりますけれども、平成二十九年度、三十年度の二段階で、七十歳以上の高齢者を対象に、一つには外来特例について現役並み所得者の外来特例を廃止し、それ以外の課税の方、住民税非課税以外の医療費一割から二割負担の方について外来特例の限度額の引上げを行いました。また、入院等の月額限度額につきましても、応能負担の徹底という観点から、課税層の方については七十歳未満と同様の金額に引き上げたということでございます。 この制度改正による実際の受診動向の変化について見ますと、マクロベースの受診率や一人当たり診療費については改正前と比較しても低下が見られておりませんし、また、一人当たり入院医療費についても同様に改正前と比較して低下が見られていないということが確認をされています。
○新実彰平君 ありがとうございます。 あくまでも、マクロデータから受診抑制が見出せていないという今御答弁だったというふうに受け止めます。 特にこの月額上限の見直しについては、単月でこの上限を超えるようなケースというのは、やはり概して比較的重い疾患とか、あるいは外傷をお持ちである蓋然性が高いわけでございますから、御負担が増えることになることは大変心苦しいところではございますけれども、受診抑制が生じにくいという蓋然性が高いというのは理解をするところでございます。 その上で、こちらも各委員の御質問と重複するところですが、改めてお答えをいただきたいと思います。 厚労省としては、今回も重大な受診抑制は、特にこの月額上限の見直しについてですけれども、重大な受診抑制は生じないというお立場ということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 今回の見直しは、今、ただいま委員御指摘のように、月額上限の見直しと併せて、長期療養者や低所得者へのセーフティーネット機能を強化するというのを併せて行ってございます。これまで高額療養費制度の対象とならなかった方であっても、新たに設定する年間上限によって自己負担が減少する方がおられる、また、年収二百万円未満で課税対象になる方の多数回該当の金額を月額一万円引き下げるなど、特に治療の係る経済的負担が厳しいと考えられる方々、これも専門委員会の議論を経て御指摘のあった点でございますが、その点には十分配慮したものとしたところでございます。 こうした方々には、今よりもむしろ負担が軽減されることから、必要な受診が抑制されるということは想定していないところでございます。
○新実彰平君 ありがとうございます。 その月額上限を新たに設定をされたことと多数回該当も更にセーフティーネット機能を高めたということは重々理解をしておりますけれども、先ほど申し上げたように、今回の制度改正において最も重要なのは、手術等において比較的短期間において比較的大きな負担が生じる方の受診抑制が起きないかどうかと、ここを見極めることだというふうに思っておりますので、それは是非ともお忘れないようにいただきたいというふうに思いますし、前回の制度改正とはやはり引上げの在り方も、またその負担の絶対値も異なるわけでございますし、先ほど川村委員が招聘をされました参考人であります全がん連の天野理事長のお話というのも大変重たいものだというふうに思います。 今後、重大な受診抑制が生じていないかどうか累次継続的にチェックをし、場合によっては、万が一、致命的な受診抑制が生じているようなことがあれば、制度の再見直しも含め否定せず、継続的にチェックをいただくことをお約束をいただけますでしょうか。
○副大臣(仁木博文君) お答えします。 今回の高額療養費医療制度の見直しは、専門委員会や超党派議連で整理いただきました内容を踏まえまして、長期療養者や低所得者に十分配慮したものとしております。 その上で、委員も御指摘のように、長瀬効果が生じないように、特に治療に係る経済的負担が厳しいと考えられる方については、多数回該当の据置きに加えて自己負担額が減少する方もおられるため、必要な受診が抑制されるとは想定していませんが、他方で、制度全体の持続可能性を確保する観点から、低所得の方の負担の配慮につきまして、主に療養期間が短期間の方に対しましては一人当たりの医療費の伸びに応じた御負担をお願いすることとなっております。 つまり、こうした今回の見直しによる受診行動への影響を分析することの御提案については、社会保障審議会医療保険部会においても、高額療養費制度の見直しによる受診行動への変化に関しては事後的な検証が重要であるという趣旨の御意見をいただいておりまして、委員の意見とも併せまして、政府としてしっかりと対応していきたいと考えております。
○新実彰平君 継続的なチェックについてお約束をいただけたものと思います。 加えまして、私からも長瀬効果について伺いたいと思います。 やはり今のお話と矛盾する点というのを感じずにはいられません。制度見直しによる医療給付費の削減効果見込み、私、取り立てて所得区分の細分化を含む月額限度額の見直しによる医療給付費の削減効果のみを抽出をさせていただきますが、その額でいうと年間およそ一千七百三十億円と厚労省さん見込んでいらっしゃると思います。そのうちおよそ七百億円が長瀬効果に伴うものということだと思いますが、改めて長瀬効果について御説明をいただけますでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えします。 制度的な給付率の変更に伴い医療費水準が変化することが経験的に知られてございます。この効果を指して、いわゆる長瀬効果と呼んでいるものでございます。
○新実彰平君 ありがとうございます。 それを今回、この月額上限見直しで生じる医療給付費の削減効果にも見込んでいるということでありますので、受診抑制が起きると見込んでいるのかと累次各委員から指摘をされているのはもうごもっともであると言わざるを得ないというふうに思います。 ちょっと角度を変えて聞かせていただきますが、この長瀬効果の係数は疾病や外傷の重篤度に応じて変化するものなのでしょうか。つまり、受診を控えれば健康に重大な影響が生じ得るような疾患や外傷のときには受診抑制効果はさほど掛からないといったような係数は存在しているんでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) 一般論として申し上げますと、個々の患者さんの受診行動に与える影響については、どのような疾病に対する治療か、外来か、入院か、あるいは、によってその受ける医療の内容や、患者の所得がどうなっているか、見直しの内容によっても異なり得るというふうには認識しています。 一方で、今委員から御指摘いただきましたこの計算式の係数に関して申し上げますと、過去の見直しから経験的に得られている実効給付率が変化した場合のマクロの医療費の増減効果について設定したものでございまして、個々の患者さんの状況や見直しの内容を踏まえて設定されるものでは現状少なくともないということでございます。 患者さんの疾病や受ける医療の内容等は非常に様々でございますので、個々の患者さんの状況に応じた係数を設定することは難しいため、細かい区分では分けていないということでございます。
○新実彰平君 確かに、その各個人ごとの係数をというのはおっしゃるとおり難しいんですけれども、やはり一般的な外来の窓口負担の見直しと、こういった高額療養費制度の見直しにおいては、その患者さんがかかっていらっしゃるであろう疾患の重篤性などが異なる蓋然性が高いと、一定同じ類型の方がその制度を使われる蓋然性は高いわけでありますので、今の御説明ですと、つまり軽い風邪でも、あるいは胃がんの手術でも同じように、自己負担率が上がればひとしく受診を控えるという前提で考えられているのが長瀬効果であると言わざるを得ないと思います。受診効果を見込んでいるんだろうという御指摘はもうごもっともだと思いますけれども、そうでないと厚労省さんおっしゃるんであれば、逆に長瀬効果を見込むことがおかしいんではないかという角度で少し議論をさせていただければというふうに思います。 例えば、今後、我々自民党と維新で議論するというふうに合意をさせていただいている窓口負担割合の見直し、これが関わってくるような風邪などの軽微な疾患における外来受診については、過去にも実際に一定の抑制効果が働いてきましたし、その数字は長瀬効果と大きく離れないものであったというふうに認識をしています。こういう話であれば、健康影響さえなければ必要以上の受診が合理的に抑制されたと考えることもできるわけですけれども、繰り返しになりますが、比較的重篤な疾患や外傷のときに適用される蓋然性が高いこの月額上限見直しにこの長瀬効果を当てはめるというのは、やはり先ほどの重大な受診控えは起きないと見込んでいるという御答弁とは矛盾すると言わざるを得ません。 どうしてこの比較的重篤な疾患や外傷に伴う受診機会に関わり得る月額上限見直しによる医療費削減効果を試算する際に長瀬効果を見込んでしまったんでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 過去の高額療養費の見直しにおきましても、予算上は、実効給付率が変化した場合に経験的に得られている医療費の増減効果を機械的に計算していることも踏まえまして、今回も実効給付率の変化の数字をこの計算式に機械的に代入して、給付費の変化を約千七十億円と計算したものでございます。 これは、あくまで実効給付率が変化した場合の医療費の増減効果を過去のデータに基づいて機械的に計算したものなわけでございますが、これ実際どうなのかという点については、今委員からも御紹介いただきましたように、令和四年の後期高齢者の自己負担を一割から一定所得以上の方について二割にしたときには、やはり平均的な受診日数が一月当たり二から四%減少するということが、言わば理論値と実績値がほぼほぼ一致するような、そういう結果が出ている一方で、平成二十九年、三十年の先ほど御紹介したような外来特例等の見直しのときには、マクロベースの受療率に変化がないなどのことがあったところでございます。 そうした観点からは、先ほど副大臣からも御答弁申し上げましたように、こうした効果に、影響については、事後的にもしっかり検証していくことが必要だと、このように認識しているところでございます。
○新実彰平君 検証という言葉も使っていただきましたけれども、今の御説明ですと、つまり、ありとあらゆる保険給付の割合が低下をする改革については、全て機械的に長瀬効果を算入をしてこられたということだと思います。 繰り返しになりますが、重大な受診控え起きないと見込んでいるんであれば、やはり長瀬効果を見込むのは適切ではなかったと言わざるを得ません。いろんな理由がありますが、医療給付費の削減効果を本来生じるもの以上に上振れした形で表現してしまっている可能性も高くなるというふうに思います。 ほかにも、外来特例の見直しのような、外来特例は一旦お支払いになった上で上限超えていれば後で還付をされるという仕組みですから、患者自身が負担割合が上がっていることに直感的に気付きにくいような仕組みに対しても、これは長瀬効果を見込むべきかどうかは慎重に検討をするべきだというふうに思います。 つまり、この保険給付率の見直しに際して、どの程度受診機会の減少が起きるのか、ひいてはどの程度医療費支出の削減効果があるのかを類推するためにこの長瀬効果を使うに当たっては一定の条件が必要であることが分かります。 一つは、前段で申し上げましたけれども、強い自覚症状があったり、あるいは重篤な結果につながるような蓋然性が高い疾患、外傷のときに使う制度でないこと、今、更に加えて申し上げた、その負担増が患者にとって容易に実感できる、可視化されたものであること、少なくともこれくらいの条件は満たすときでなければ長瀬効果は見込んではいけないんじゃないかというふうに思いますけれども、この長瀬効果の適用範囲について、まずちょっと質問まとめて通告をさせていただいていますが、二つに分けてお答えをいただけますでしょうか。 この長瀬効果を見込むべき対象を、今申し上げたような条件で絞るべきではないかという提案についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 この効果試算につきましては、先ほど申し上げましたように、現状、個々の医療内容や改革の内容を踏まえて分析されるものではなく、実効給付率が変化した場合の医療費の増減効果を過去のデータに基づいて機械的に試算したものでございますので、個々の受診行動の変化を示すものではないということでございます。 ただ、その上で、やはり、その受診行動にどういうふうに影響を与えるのかというのについては、先ほどもちょっと御答弁申し上げましたけれども、外来の場合と入院の場合といった受ける医療の内容や、おっしゃるように、受診の都度払いの定率負担を見直した場合と月単位で管理する高額療養費を見直した場合など、改革の内容によって異なり得るというのは、それはそのとおりだろうというふうに思います。あとは、技術的にも、そういうことがどういうふうに計算できるのかというようなことだろうと、そこは課題なんじゃないかというふうに思っております。
○新実彰平君 ありがとうございます。 なかなか個々のケースに当てはめるのは難しいというお話がありましたけれども、一方で、そのトータル生じる受診抑制効果も、また医療費支出の削減効果も個々の事例の積み上げの結果であるわけでありますから、是非努力をいただきたいと思います。 繰り返しになりますが、受診抑制を見込んでいない、又は受診抑制があってはならない今回のようなケースに長瀬効果を見込むことは、やはり大いに誤解を生むものだというふうに思います。 また、医療給付費の削減効果も、実際は自己負担が増えた分だけにとどまるはずですが、本来は存在していない受診抑制による効果も上乗せをして表現されてしまう可能性がございます。 これは、国民に政策の妥当性を判断いただくときにやはり不誠実でありますし、また、これを基に予算まで決定をしていることの意味は小さくないというふうに思います。 改めて、これ御提案を申し上げますけれども、長瀬効果を残したままにその適用対象を絞るということが難しいのであれば、やはり新たな何らかの受診抑制効果を見込むための数理モデルの構築が必要ではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) 御指摘ありがとうございます。 今回の高額療養費の見直しで、実際の受診行動にどういう影響があったか、事後検証に取り組みますとともに、ただいまの委員の御指摘も踏まえまして、そういったものが効果試算に今後どういうふうに反映できるのか検討していきたいというふうに思います。
○新実彰平君 ありがとうございます。 もちろん、私も素人でございますし、累次これまでレクチャーをいただき、議論させていただく中にあっても、私よりもはるかに専門知識を持っている厚生労働省の職員の皆様が本当に頭をひねっている、頭を悩ませているということは重々理解をしておりますけれども、繰り返しになりますが、やはり今回のやり方というのは誤解を生むものでありますし、これまで予算委員会あるいはこの厚生労働委員会において各委員が御指摘をされていることはごもっともであると言わざるを得ません。 やはり、これは国民に対しても、政策判断をいただくための判断材料の提供の在り方としてやはり望ましいものではないというふうに思いますし、予算決定にも関わっていると、この予測が予算決定にも関わっているということの重大性はやはりしっかりと認識をして、今後の対応を是非ともお願いをしたいというふうに思います。 質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(小川克巳君) 以上をもちまして、令和八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生労働省所管についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川克巳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十九分散会