文部科学委員会 第8号
- 発言数
- 184 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2026/04/24
会議録
○斎藤委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、学校教育法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として文部科学省大臣官房学習基盤審議官堀野晶三君、大臣官房文教施設企画・防災部長蝦名喜之君、初等中等教育局長望月禎君、高等教育局長合田哲雄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斎藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○斎藤委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申出がありますので、順次これを許します。青山周平君。
○青山(周)委員 自民党の青山周平です。 本日は、学校教育法等の一部を改正する法律案について御質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 私は、令和元年、当時、文部科学大臣政務官として、萩生田文科大臣の下で、一人一台端末の整備を進めてまいりました。翌年の令和二年には、新型コロナウイルス感染症による学校の臨時休校という緊急事態がありました。そういったこともあって、端末の整備がその後一斉に進んだことを今でも覚えております。そうした環境整備を背景に、紙の教科書をそのままデジタル化した現行のデジタル教科書の活用が徐々に進んでまいりました。 令和五年十月には、私は副大臣として戸田市に視察に行ってまいりました。子供たちが、デジタル教科書を活用して、授業の中で個別最適な学び、協働的な学びに取り組む姿を見て、GIGAスクール以前では考えられなかったような学校現場の劇的な変化を実感いたしました。また、今後の学校教育現場におけるデジタルの活用に期待を持ったところであります。 今回、教科書の形態として、デジタルも取り入れて作成することを可能とする法律案が提出されましたが、まずは、改めて本法律案の目的について大臣にお伺いをいたします。
○松本(洋)国務大臣 まず、冒頭申し上げたいと思いますけれども、今回この法律を提出させていただいたその目的は、デジタル化を無理やり推進しようとするものではなくて、新たな技術を活用することによって教育の質を向上させようとしているものだということを申し上げたいと存じます。また、こうした取組ができますのも、今、委員が一生懸命に過去やっていただいたことを御紹介いただきましたけれども、一人一台端末の普及があってこそ、こうしたことができ上がっているということでありまして、心から敬意を申し上げたい、そのように思っているところであります。 本法律案でありますが、教科書の内容を子供たちにとって分かりやすくしたり、障害などにより教科書の内容を理解することが難しい状況がある子供にとってより学びやすくするため、これまで紙だけが認められてきた教科書に、デジタルの特性が生きる学習にデジタルを取り入れ、作成することを可能とすることによって、子供たちの学びの質を高めていくこと、これを目的としているところであります。
○青山(周)委員 ありがとうございました。 冒頭お話をいただいたとおり、デジタルにすることが目的ではなくて、私が見てきたとおり、デジタルの活用によって子供たちの教育がしっかりと進むようにということで、力強い御答弁ありがとうございました。 他方で、現在でももう既に教科書をそのままデジタル化したデジタル教科書が学校現場で活用をされております。さらに、教科書には二次元コードなど資料の活用も進んでおりますけれども、まずは、現行の制度の概要とこれまでの取組についてお伺いをいたします。
○望月政府参考人 お答えいたします。 平成三十年の学校教育法等の改正によりまして、紙の教科書の内容をそのままパソコンやタブレットなどで表示する教科書代替教材があるときは、使用義務の対象となる紙の教科書に代えて使用することができる制度を導入したところでございます。 この現行の教科書代替のデジタル教科書に関しましては、令和三年度より、一部の学年、教科で段階的に提供を進めてまいりました。令和八年度は、約一〇〇%の小中学校等に英語を、約五五%の小中学校等に、学校の希望によりですけれども、算数、数学を提供してございます。 その上で、文部科学省が令和六年度に、現行の教科書代替のデジタル教科書を提供している小中学校等の教師を対象に行った調査によりますと、過半数の教師が授業で半分以上は使用しているということが表れてございます。なお、使用年数が長い教師ほど、教材ですから、使用頻度が高くなるという傾向がございまして、デジタルの形態に慣れるにつれまして、多くの教師が効果を感じてきていると考えてございます。
○青山(周)委員 ありがとうございました。 これまで、この法律案の前に、代替教材として、紙の教科書をそのままデジタルに代える、これでこの使用を進めてきたということであります。さらには、いきなりやるのではなくて、ここも慎重にやっていただいたこと、私は評価できるところだというふうに思っております。それで、これまでの取組やその成果も踏まえて今回の法案の提出に至ったということであります。今お答えをいただきましてありがとうございました。 その上で、私は、紙の教科書をそのままデジタルにするだけでは、デジタルの有効活用とはなかなか言えないと思っております。デジタルならではの可能性をもっと発揮させるべきだと思っておりますが、制度改正後のデジタルな形態を含む教科書は現行のデジタル教科書とどのように異なるのか、お答えをいただきたいと思います。
○望月政府参考人 お答えいたします。 今後のデジタルを含む新たな教科書につきましては、現行の教科書代替教材とは異なりまして、紙の教科書の内容をそのままタブレット等に表示するというものではありません。 今回の制度改正によりまして、英語のネイティブ音声や、例えば、理科の実験動画等を教科書の一部として掲載したり、一部だけを順番に児童生徒に見てもらいながらデジタルならではの表示にしたりするなど、デジタルの特性を生かして、児童生徒にとってより分かりやすく学びやすい教科書を提供することが可能となると考えてございます。 現在は、教科書の紙面上についております二次元コード先の動画や音声、資料などのデジタルコンテンツは、これはついてございますけれども、教科書の一部ではなく教材の扱いでございます。したがって、教科書検定の直接の対象ではございませんが、今回の制度改正後は教科書の内容として検定の対象とすることによりまして、質の担保も図ってまいります。
○青山(周)委員 ありがとうございました。 これまでは二次元コードについては教科書検定の対象ではないということ、これを法改正後は教科書に入っている二次元コードは全て教科書検定の対象にしていくということ、分かりやすく御説明をいただきましてありがとうございます。 次に質問させていただきます。 ここからは、少し調査研究といいますか、いろいろな懸念もされておりますので、そういった先行研究に関して御質問させていただきたいと思っております。 一部報道によると、デジタルよりも紙の方が記憶や理解に対する効果が大きいというような先行研究も出ているようであります。文科省としてどのようにそういった研究を把握しておられるのか、また、紙とデジタルの学習効果についてどのように考えているのか、これについてお答えをいただきたいと思います。
○望月政府参考人 青山委員から、これまでのデジタル教科書と紙の教科書の比較をする先行研究などについて御紹介いただきました。 私どもも、いろいろなツール、手段におきまして、紙媒体とデジタル媒体で文章理解などを比較する先行研究があるということは承知をしてございますが、一定の条件、条件を同じにしたものではなく、あるいは被験者の年齢やデジタル媒体への慣れなどの違いによりまして、紙優位の結果が出ているものもあれば、デジタル優位の結果が出ているものもございまして、紙かデジタルかということで、そうした効果を一概に申し上げることは難しいと考えてございます。 文部科学省におきまして小学校五年生を対象に国語で実施した実証研究におきましては、現行の教科書代替のデジタル教科書を使用した学習と紙の教科書を使用した学習で比較を行いましたけれども、学習後に行いました記憶や理解のテストの面ではほぼ同等の結果となってございます。 今回の制度改正を通じまして、児童生徒や教師にとりまして、紙、デジタルのそれぞれのよさを生かした教科書が提供できるようにしたいと考えてございます。
○青山(周)委員 これまでずっと紙のみで教育が行われてきましたが、令和二年から一斉に一人一台端末の整備が進んで、一斉にデジタル化をしております。是非、この後も御質問いたしますが、実証研究だとかいろいろな研究に不断に取り組んでいただきながら、大胆に進めていくことは重要でありますけれども、慎重に効果を検証しながら進めていっていただきたいというふうに思っております。 ただ、教科書にデジタルを取り入れることの、先ほども申し上げましたとおり、学力へのプラスの効果、大いに期待をしております。既に、もう数年間、今、ネクストGIGAに入っておりますが、学校現場でこのデジタル教材の活用が進んできております。これまでの国の取組の中で、それに対しての実証研究や先行研究の分析も含めて、どのようにエビデンスを検証しているのか、それに関してお伺いをいたします。
○望月政府参考人 お答えいたします。 先ほど文部科学省における一定の調査研究のこともお答え申し上げましたけれども、現在、先ほど申し上げましたように、英語について一〇〇%の小中学校に代替教材を配付している、あるいは、算数、数学につきましては、希望の学校、五五%ぐらいの学校に配付している。あるいは、別の他の教科の調査研究などもこれまで実施してまいりました。 その中で我々が分かりましたことは、現行の教科書代替教材ではございますけれども、現行の教科書代替教材をいつも使う児童生徒ほど、授業内容の理解、主体的、対話的で深い学びといった項目での肯定的な回答割合が高いことが分かってまいりました。そうした授業理解、授業内容がよく分かる、あるいは、自分で自ら勉強しよう、つまり主体的に学んでいこうといった子供と全国学力・学習状況調査の正答率の関係は、相関関係がございます。 特に、英語につきましては、現行の教科書代替のデジタル教科書を積極的に活用しているグループの生徒ほど、音読課題や定期テストにおける得点が高いといった研究も確認をしたところでございます。 一方で、現行のデジタル教科書につきましては、紙の教科書をそのままパソコン、タブレット等で表示するだけのものでございまして、デジタルならではの可能性を狭めている面もあると考えられるため、今回の改正を通じまして、デジタルならではのよさを生かした教科の、教科書の内容、それをより分かりやすくする、あるいは、もっと自分で勉強してみよう、そうした学習意欲や関心を高めていくということにつなげていきたいと思ってございます。 そして、最終的には、このデジタルを含む教科書を安心して子供たちに使っていただき、学力面での効果にもつなげてまいりたいと考えているところでございます。
○青山(周)委員 ありがとうございました。 データ検証をしながら、この教材は、また、この教科に対しては有効なものが出ているなどなど、しっかりと教科別、年齢別、そういったところの検証を進めていただくことによって、更なるデジタル教材の活用を進めていただきたいというふうに思っております。 次は、ちょっと海外のことに関してお伺いをさせていただきます。 先日、一週間ぐらい前にBBCのニュースで、見出しは、こんなことが書かれておりました。紙の教科書へ回帰、スウェーデンは、なぜデジタル教材から離れているのか。 日本よりも早くデジタルを取り入れた北欧諸国があります。そういったところで、デジタル離れ、デジタル教材から離れているのかというような報道がありました。北欧などの諸外国の一部では、教育のデジタル化を先進的に進めてきた。ただ、学力が低下したことで、教育のデジタル化を見直して、紙中心の学習環境に回帰する動き、先ほどの記事もそうですが、というようなことが報じられております。 これは、実際はどうなのかというところを検証されているのか、それとともに、そのような事例を含めて諸外国の動向をどのように把握されているのか、お答えをいただきたいと思います。
○望月政府参考人 お答えいたします。 諸外国におきましては、日本と同様の教科書の使用義務あるいは検定制度がない国も多いわけでございまして、日本の教科書と一様に比較できるものではございません。 多くの欧米諸国におきましては、学校あるいは教師がそれぞれ自ら選んだ教材を教科書として使用しているケースもかなり多い。あるいは、一つの国においても各州ごとに取扱いは全く異なるといったものでございまして、日本の教科書制度のように、一定の質をしっかり担保をしながら、そして発行者の工夫も生かし、子供たちに学習指導要領に基づく適切な内容を教える、そうした仕組みあるいは内容のものに必ずしもなっているわけではございません。 それを前提とした上ででございますけれども、スウェーデンのお話がございました。スウェーデンにつきましては、印刷出版物である教科書の購入を補助する仕組みを近年導入したことは事実でございます。ただ、これは、デジタル化を全てやめて紙の教科書に全て回帰しようとか、あるいは紙にしようというものではございません。 実際、デジタル化を推進した二〇一〇年代には、スウェーデンは国際学力調査の順位は上昇していたこと、あるいは、OECDの分析によりますと、このスウェーデンの政策というのは、生徒の年齢等に応じたデジタルの活用のバランスを追求したものであるという分析もされてございます。また、スウェーデン国内でも、義務教育あるいは高校段階でのタブレット等の使用を廃止した事実もございません。 また、フィンランドのことも時々出ますけれども、フィンランドにつきましては、まさにフィンランドの中の自治体ごとによってデジタルの活用の方針というのは様々でございますが、フィンランド政府としては、デジタルと紙のそれぞれのよさを生かす方針であることを確認してございます。 諸外国の状況も文部科学省としても参考にしながら、今後とも、デジタルのよさを適切に生かすことができる学習環境の構築を着実に進め、学びの充実を図ってまいりたいと考えてございます。
○青山(周)委員 ありがとうございました。 私も、記事を深く読み進めていくと、今御答弁いただいたような内容を読ませていただいておりますが、何となくデジタルというと、やるかやらないか、紙かデジタルかみたいな議論になりがちでありますので、やはり双方のよさを取りながら子供たちの教育環境をつくっていくということが重要だと思います。 また、日本においては令和二年からですので、本当に世界でも最も急速に一人一台端末、デジタル化が進んだ国だと思います。スピード感はすばらしいのですが、他国、進んでいる国の実証研究をこれからも続けていただきながら、その変化を見て、日本の教育にもその教訓を生かしながら反映をさせていっていただきたい、そんなふうに思っております。 次に、今まではデジタル教材と紙の教材、そんな先行研究のお話をさせていただきましたが、体に関することで、教科書へのデジタル活用を含めて、学習活動における端末利用の頻度が増加するということに関して、脳の発達への影響を懸念する声もあります。 国として脳科学的な知見に基づく実証を実施するべきというふうに考えておりますが、文科省としてどのような見解でおられるか、お答えをいただきたいと思います。
○望月政府参考人 端末の使用と脳の発達の関係につきましては、国内外に幾つかの研究があることは認識してございます。ただ、それらの先行研究には、デジタル教科書ということに限定するものではなく、テレビあるいはビデオゲームなど、家庭における学習目的以外の端末使用の影響も含めて分析しているものなどもございます。したがいまして、端末の使用と脳の発達というのは確たる研究というのがまだ十分ないのではないかというふうに考えてございます。 教科書へのデジタルの活用につきましては、これまでも視力等の健康面の影響につきまして一定の実証研究を行ってまいりましたが、今後更に、文部科学省としましては、専門家への意見聴取も含めまして、学習目的の端末使用が脳の発達に及ぼす影響についても、どこまでできるか分かりませんけれども、調査研究を実施したいと考えてございまして、概算要求に向けて検討してまいります。
○青山(周)委員 ありがとうございます。 文科省として実証研究をいただけるということ、大変心強く思います。様々な観点からしっかりと調べながら、将来に向けてデジタルを進めていただきたいというふうに思います。 ここまでで、学習の効果、体への効果などなど、様々な論点を丁寧に検討した上で制度改正が進んでいるということをお伺いをさせていただきました。 しかしながら、これまで教育が長年培ってきた紙の教科書のよい面もあると考えております。このため、特に全てがデジタルの教科書については、まず基礎的な読み書きが必要であること、あと、まとまった文章を集中して読むことが必要な教科もありますし、慎重に進めていくことが必要であるというふうに思っております。 二十二日の委員会では、浮島委員の質疑がございました。それに対して大臣からは、全てがデジタルの教科書は、発達段階や教科特性を踏まえて、学年、教科を限定して発行、使用を認めるという答弁があったと思います。 何年以上、どの教科であれば全てがデジタルの教科書を認めるお考えなのか、検討会などの検討もあると思いますけれども、現段階でもしお話をいただけるところがありましたら、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 ただいま御紹介をいただきましたとおり、二十二日の当委員会での浮島委員からの質疑におきまして申し上げたとおり、全てがデジタルの教科書の扱いにつきましては、発達段階や教科特性を踏まえまして、今後策定する大臣指針の中で、限定的に認め得る学年、教科を示すことというふうに私の方から答弁をさせていただいたところであります。 新たに策定する大臣指針の内容は有識者会議で御議論をいただいているところでありますが、現行の教科書代替のデジタル教科書のこれまでの配付、活用の取組や、中教審や有識者会議におきましても、学校現場の実態を踏まえ、小学校低学年や中学年では慎重に考えるべきという意見が多く出されております。これらを踏まえまして、現時点では、全てがデジタルの教科書につきまして、小学校四年生以下では認めるべきではなく、また教科についても、当面は国語や社会、道徳などは認めるべきではない、そのように考えているところであります。
○青山(周)委員 ありがとうございます。 踏み込んだ質問でありましたが、お答えをいただきました。今後、そのような指針が大臣から出され、それを教科書として使っていくということになりますが、その上で、大臣指針を出したときに、それ自体にどれほどの拘束力があるのか、大臣指針で定める内容についてどのようにしてその実効性を担保するのか、大臣にお伺いをしたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 教科書は、学校教育法第三十四条に基づきまして、文部科学大臣の検定を経る必要があります。法に基づく検定規則の規定によりまして、検定申請可能な教科書の種目は文部科学大臣が定める仕組みとなっているところであります。 これも先日の浮島議員からの御質問の中で、検定の仕組みも整えることにより、指針で示す内容の実効性を担保すると御答弁申し上げたところでありますが、本法律案をお認めいただければ、大臣指針の中で示す内容を踏まえて、検定規則などにより示す学年、教科以外では、全てがデジタルの教科書の検定申請を受け付けないこととしたいと思っております。これによって実効性を担保してまいりたいと考えております。
○青山(周)委員 どうもありがとうございました。 実効性の担保についても、しっかりと行っていただきたいというふうに思います。 最後の質問にさせていただきたいと思います。 デジタルな形態を含む教科書が個別最適な学び、協働的な学びの実現のために活用されるためには、教科書を使って授業を行う教師がデジタルを効果的に取り入れながら指導を行うことが重要であるということは言うまでもありません。 学校現場でお話をお伺いすると、若い先生の方がデジタルを使うのはうまいんだけれども、指導で使っていくに当たっては、本当に指導力の高い先生がデジタルを使うということに対して効果が表れているというお話をお伺いしたこともあります。教師の実力、教師の力が重要であるということでありました。 新しい教科書の導入を見据えて、どのように教師の指導力を高めていくのか、また、それによって教室での学びはどう変わっていくのか、最後に大臣にお伺いをしたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 私自身、先週、学校現場を視察してまいりました。現行の教科書代替のデジタル教科書を活用している子供たちが、受け身ではなく、要は、先生が言ったことを聞いてそれを学ぶのではなくて、自ら主体的に学びを深めていく姿というものが大変印象的であったところであります。デジタルを効果的に活用した実践事例、これをしっかりと横展開していくことが重要である、そのように強く感じているところであります。 文部科学省ではこれまで、複数学年、教科での授業実践事例集や講義型動画の作成、教師、指導主事向けの研修の伴走支援による好事例の創出を行うとともに、教職員支援機構の全国教員研修プラットフォームにおいても、関連の研修動画を多く掲載をしているところであります。 今後、新たな教科書の使用が始まる令和十二年度を見据えまして、研修動画の充実や先進事例の更なる横展開などによりまして、全国の教師の皆様方が指導力を一層高めていただくことができるように取り組んでまいりたい、そのように考えているところであります。 文部科学省としては、これまでの我が国の学校教育が大切にしてまいりました書く力、読む力を育むことや、自ら体験して学ぶリアルな活動を重視しながら、デジタルのよさを取り入れた学習活動を推進してまいりたい、そのように考えております。
○青山(周)委員 どうもありがとうございました。 この法改正によって、更に日本のデジタルの教育が進むことを期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○斎藤委員長 次に、菊田真紀子君。
○菊田委員 おはようございます。中道改革連合の菊田真紀子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 デジタル教科書につきましては、我が国の今後の教育において重要な役割を果たし得るものであり、その活用を進めていく方向性自体については理解をしているところでございます。 一方で、我が国の学校教育は、学制施行以来、紙の教科書を主たる教材としてきました。教師が、紙の教科書で、黒板を使いしっかりと教える、児童や生徒は鉛筆でノートに丁寧に書き込み、必ずしも効率的とは言えなかったかもしれませんけれども、自分で考え、想像力や記憶力を育てる、そういう大切な過程になっていたと思います。したがって、本格的なデジタル化を進めるに当たっては、紙の教科書の価値を十分に踏まえつつ、教育の質の向上につながる形で慎重に制度設計を行うことが重要であるというふうに考えます。 また、デジタル教科書推進ワーキンググループの審議や有識者、教育委員会や保護者の皆様から、ICT環境整備や教員の指導力、学力向上の科学的根拠、児童生徒の健康面への影響など、様々な懸念や課題が指摘をされているところでございます。 本日は、こうした懸念や課題を取り上げながら、デジタル教科書の導入について文科省の見解を確認していきたいと思います。 まず最初に、デジタル教科書の活用を目的化するのではなく、あくまで学習者である児童や生徒の学びの充実を図ることが最も重要な目的であると考えます。 デジタル教科書推進ワーキンググループの審議におきましては、その効果は使い方や環境に大きく左右され、準備が不十分なまま導入を進めれば、かえって学習の質の低下や格差の拡大につながるという可能性があると指摘をされています。 また、過去の文部科学委員会の答弁におきましては、ICT活用の意義につきまして、不登校の児童生徒や特別な支援を要する児童生徒への対応、あるいは協働的な学びの促進などに効果があると説明されてきました。 必ずしも教科書として制度化しなくとも、従来どおり、教材としての活用でも十分に対応可能なのではないでしょうか。今あえてデジタル教科書として正式に制度化する必要性は何なのか、分かりやすく説明いただきたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 現行の教科書代替教材としてのデジタル教科書でありますが、紙の教科書の内容をそのままタブレットなどで表示をするものであります。したがいまして、英語のネイティブ音声や理科の実験動画などを教科書の一部として掲載をしたり、デジタルならではの表示をしたりすることはできませんが、今回の制度改正によりまして、そのようなデジタルの特性を生かした児童生徒にとって分かりやすく学びやすい教科書を提供することが可能となってまいります。 また、現在の教科書の紙面上についております二次元コード先の動画などのデジタルコンテンツでありますが、これは教科書の一部ではなくて教材の扱いでありまして、教科書検定の直接の対象ではありません。しかし、制度改正後は教科書の内容として検定の対象とすることによりまして、こちらにつきましても我々として質の担保を図ってまいりたい、そのように考えているところであります。
○菊田委員 ありがとうございました。 デジタル教科書については、文部科学省においてこれまで実証事業が行われておりますが、その効果や影響については引き続き検証が必要であるとされています。諸外国でもデジタル教育の見直しが起きている中で、我が国では、評価が十分に示されないまま制度化が進められようとしていることに懸念の声も上がっています。 一部有識者からは、デジタルの教材は情報量が多く、認知負荷が高まることで、特に小学校低学年では読解や理解に悪影響を与える可能性があるという指摘もあります。また、私たちの党の部会にお招きした有識者へのヒアリングでも、デジタル教材は、理解したつもりになりやすく、必ずしも深い理解につながらないのではないかという懸念、指摘もありました。 先ほどの青山委員の質問に重なる部分もありますけれども、改めて二点について文科省に伺います。 まず第一に、デジタル教科書の効果について、十分な検証と評価を踏まえた上でしっかりと制度設計すべきではないでしょうか。 第二に、学び始めの低学年への悪影響については、軽視すべきではなく、しっかり検証結果を出すこと、それが出る前に低学年に導入することは慎重にすべきではないか。この二点について伺います。
○松本(洋)国務大臣 この検証評価というのは、大変大事な御指摘だというふうに承知をしているところであります。 文部科学省が実施をしてまいりました実証研究におきましては、現行の教科書代替のデジタル教科書をいつも使うというふうに答えております児童生徒ほど、授業内容の理解、主体的、対話的で深い学びといった項目で肯定的な回答割合が高いことが分かっております。そして、これらの項目は、全国学力・学習状況調査の正答率とも相関関係にございます。つまり、デジタル教科書をいつも使う児童生徒は、理解、また主体的、対話的で深い学びというふうに答える割合が高いわけでありますけれども、今度は、その授業内容の理解、主体的、対話的で深い学びというものが深ければ深いほど、今度、実際に全国学力・学習状況調査の正答率が高いというような形で、それらが相関をしているということが分かっているところであります。 とりわけ英語につきましては、現行の教科書代替のデジタル教科書を積極的に活用しているグループの生徒ほど、音読課題や定期テストにおける得点が高いとする先行研究もあると確認をしているところであります。 一方で、現行のデジタル教科書は、紙の教科書をそのままPC、タブレットなどで表示する教科書代替の教材であって、デジタルならではの可能性を狭めている面も考えられるところであります。そのため、今回の改正を通じて、教科書の内容をより分かりやすくしたり、学習意欲や関心を高めたりすることなどによって、児童生徒の学力面での効果につなげていってまいりたいと考えております。 なお、御懸念の、全てがデジタルの教科書の扱いにつきましては、今後策定する大臣指針の中でお示しすることを考えているところでありますが、有識者会議で御議論をいただいています。その中でも、また同時に中教審でも、これまで有識者会議におきまして、学校現場の実態を踏まえまして、小学校低学年や中学年では慎重に考えるべきという意見が多く出されているところであります。委員の御懸念と同じ趣旨だというふうに承知をしております。こうしたことなどを踏まえまして、現時点では、小学校四年生以下では、全てがデジタルの教科書というものは認めることは適当ではない、そのように考えているところであります。
○菊田委員 小学校低学年への導入は慎重に行うという御答弁でございました。ありがとうございます。 デジタル教科書推進ワーキンググループ審議まとめにおきましては、デジタル教科書の学習効果は、教員の指導力に大きく依存をし、きちんと研修を受けた教員ほど活用が進むことが示されています。 また、子供たちの方がデジタル活用に抵抗感が少ないようで、先生、パソコンを使わないんですかと言われるなど、教員は得意、不得意にかかわらず、ICTを使わざるを得ない状況にあるとの指摘もありました。 先日、党で学校の視察に伺いまして、デジタル教科書と紙を組み合わせた授業を見せていただきました。担当の先生がとても上手に授業を進めておられたので、研修を受けられたんですかと私の方から御質問させていただきましたら、デジタル教科書に関する研修は特に受けておりませんという回答でございまして、独自に工夫をし、準備をされているという様子でございました。現状では、現場の先生方に対して、十分に研修が行き届いているというふうに言えないような状況のようであります。こうした状況でデジタル化が進めば、教員ごと、学校ごとに指導の質に差が生じるおそれがあります。 以上を踏まえまして、三点伺います。 第一に、研修が十分に行き届いていない現状について、文科省としてはどのように認識をされているのか。 第二に、教員がデジタル教科書を適切に活用できるように、研修を今後どのように整備していくのか、お示しをいただきたい。 第三に、教員の業務負担の軽減が求められる中で、研修の充実と働き方改革の両立をどのように図っていくのか、お答えいただきたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 先日、御党で現場の視察に行っていただきまして、本当にありがとうございました。 おっしゃるとおりでありまして、あくまでも、この教科書というものは、教育のための道具、ツールでありまして、実際には、その道具をいかに活用して教育の質を高めていくのかという観点も併せて考えていかなければならないというのは、もうおっしゃるとおりだと私自身も思っております。 そういう意味では、新たにこうしたデジタル教科書というものが認められていく中におきましては、当然、それを使って教える側の教員の皆様方にも、それをしっかりと使いこなすことができるような知識であったり、技能であったり、ノウハウであったりというものをしっかりと身につけていただくということも併せて行っていくことによって初めて教育の質というものが向上していくというのは、まさに御指摘のとおりであると考えているところであります。 ICTの活用指導力に関する研修というものを行っているわけでありますが、この受講率は向上をしているというふうに認識をしておりますが、これにかかわらず、全ての子供たちの可能性を引き出す個別最適な学びを実現する上では、教師のICT活用指導力の一層の向上を図ることは大変重要であると考えております。ちなみに、ICT活用指導力に関する教員の研修受講割合は、令和六年度で七三・五%、令和元年度が五〇・一%ですので、上昇はしてきているものの、まだまだ取組を進めていかなければいけないという状況だと認識をしております。 このため、文部科学省におきましては、教員が放課後などに参加できるオンライン学習会やアーカイブの配信、効果的な指導事例の周知、研修などを行えるアドバイザーの派遣支援など、教育指導面での支援を行っているところでありまして、引き続き教員の研修を推進してまいります。 また、教師がこうした研修にしっかり参加できるようにするためにも、業務の精選、見直しや、支援スタッフの配置充実などによります働き方改革、これを一層推進していくことが必要不可欠だと考えております。研修の方法に関しましても、対面、集合型の研修だけではなくて、オンデマンド型のオンライン研修を組み合わせるなど、効果的、効率的な方法を推進することにより、研修の充実と教員の働き方改革を両立させてまいりたい、そのように考えております。
○菊田委員 ありがとうございました。 是非、現場の教員の方々の負担にならない工夫をしていただきながら、働き方改革をしっかり進めつつ、この研修率の更なる向上を目指していただきたいというふうに思います。 政府参考人で結構なのですが、デジタル教科書の本格導入に向かう中で、教職課程の段階からの取組については、今後どのようになっていくのか、教えていただきたいと思います。
○堀野政府参考人 お答え申し上げます。 これまでも、教職課程における学修に情報通信技術の活用を位置づけているほか、教職課程コアカリキュラムにおきましても、教科の特性に応じた情報通信技術の効果的な活用法について教職課程を置く全ての大学で共通的に修得すべき資質、能力として位置づけているところでございます。 また、現在、中央教育審議会において、教師の養成、採用、研修の在り方について御議論いただく中で、学習指導要領の改訂においてデジタル学習基盤が前提とされていることを踏まえて、情報通信技術の活用に関する事項は充実をさせるべきだ、また、今日的な教育課題解決に資する事項として教育データの利活用を新たに加えるべきなどの御意見をいただいているところでございまして、こうした御意見を踏まえながら、教職課程におけるICTに関する指導の位置づけについても、引き続き検討してまいります。
○菊田委員 ありがとうございました。 特に小学校の低学年におきましては、漢字や基礎的な語彙の習得は、何度も繰り返し書いて覚える学習方法が依然として重要であると考えます。書くという行為そのものが理解や記憶の定着につながるという指摘もあり、こうした基礎的な学びのプロセスは軽視すべきではありません。また、小学校低学年では、力を込めてしっかり書く、ページをめくるといった身体的な感覚を通じた記憶が重要であり、こうした学びの側面では紙の方が優れているという指摘も、私たちの党の部会でお招きをした有識者から聞いております。 先日視察をさせていただきました中学校で、女子生徒から、私は紙の教科書の方がいいです、字を直接書き込む方が好きだからですという声も聞きました。また、保護者からも、授業におけるパソコン、タブレットの活用場面が増えることで、子供たちが手書きをする機会が減少してしまうのではないかという懸念の声が寄せられています。 デジタル教科書の活用が進む中においても、手書きによる学習の重要性について、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 今回の制度改正でありますが、あくまで紙を中心とした学習環境をこれまでどおり基本としつつ、デジタルの特性が生きる学習にデジタルを取り入れて作成することによりまして、子供たちの学びの質を高めていくことを目的としております。 児童生徒の学習環境から本やノートをなくしてデジタル一辺倒の学びを行うわけではなく、例えば、デジタルの部分で学んだことを紙のノートにまとめるといった、手を動かして書く活動は今後でも重要であると考えているところであります。 今後、有識者会議での議論を踏まえまして策定する大臣指針の中におきましても、書く活動、これを学習活動の中で確保していく重要性についても示してまいりたいと考えております。これによって、学校現場におきましても、引き続き手を動かして書くということをしっかりと子供たちに学んでいただくことができるようにしてまいりたい、そのように考えております。
○菊田委員 デジタル端末が常時手元にある環境では、時に授業と関係のない動画やゲームアプリ等の情報に容易にアクセスすることができます。その影響が教室の外にまで広がってしまうという懸念はないのでしょうか。場合によっては、操作に慣れた子供ほど上手に教員の目を盗み、授業とは関係のない使い方をする可能性も否定できないのではないでしょうか。 こうした状況を踏まえまして、二点文科省に伺います。 第一に、デジタル教科書の導入が進む中で、授業中におけるこうした学習目的外の利用について、どのように管理をし、適切な学習環境を確保していくのか、お示しください。 第二に、子供たちへのいわゆる情報モラルやリテラシー教育について、今後どのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。
○堀野政府参考人 お答え申し上げます。 まず、端末の目的外利用につきましては、端末を学習に関係のない目的では使わないように指導することなどを示した「学校設置者・学校・保護者等との間で確認・共有しておくことが望ましい主なポイント」を通知しております。 また、各教育委員会に対して、端末利用時における有害情報の閲覧を防止するためのフィルタリング設定を適切に行うことを要請してきておりまして、ほぼ全ての端末においてフィルタリング機能が導入されていることを確認しております。 これらを通じて、端末が学習目的で正しく利用されるよう徹底しているところでございます。 次に、情報モラル教育につきましては、学習指導要領において、情報モラルを含む情報活用能力を学習の基盤と位置づけ、各学校段階を通じて取り組むよう、全ての学校現場に求めております。 その上で、例えば、学習に関係のない目的では使わないこと、あるいは、いわゆるインターネットの使い過ぎによって起こる昼夜逆転や睡眠障害、学習への影響といった弊害などを理解し、適切な使い方を学ぶための児童生徒向けの学習コンテンツを提供したり、教職員を対象とした研修会を開催しておりまして、引き続きこうした取組の充実に努めてまいります。
○菊田委員 今私が指摘しました学習目的外利用は、大変重要な問題だというふうに思いますので、文科省としてもしっかりと管理をしていただきたいというふうに改めて要望させていただきたいと思います。 次に、健康面の課題について、先ほど青山委員からも御質問がありましたけれども、私からも伺いたいと思います。 ワーキンググループにおきましても、ガイドラインや通知、ガイドブック、リーフレットなどを通じまして学校、児童生徒、保護者への周知を一層徹底すべきという指摘がありましたけれども、具体的には、長時間連続して画面を見続けないこと、適切に休憩を取ること、目と画面の距離や姿勢に留意することなど、基本的な健康配慮が求められているところです。 一方で、文部科学省の学校保健統計によりますと、裸眼の視力一・〇未満の児童生徒の割合は、小学校で三割から四割、中学校で六割、高校では七割を超えるなど高い水準にあり、近年は悪化傾向がずっと続いています。こうした状況の中で、視力の低下のみならず、長時間の端末使用に伴う姿勢の悪化も含めて、健康への影響が懸念されます。 以上を踏まえて、二点について伺います。 第一に、児童生徒の視力低下や姿勢の悪化など、健康への影響をどのように認識をし、対応していくのか、お聞かせください。 第二に、単なる周知にとどまらず、真に実効性のある取組が必要と考えますが、具体的にどのような対策を講じていくのか、お示しいただきたい。
○望月政府参考人 お答えいたします。 今、菊田委員からもございましたけれども、視力の低下あるいは姿勢の悪化などの健康面への影響につきましては、私どもは絶えず留意をしていかなきゃいけないというふうに考えてございます。 今の教科書代替教材であるデジタル教科書が導入された後に、文部科学省におきましては、その使用に関して、日本眼科医会あるいは日本医師会のヒアリングの中で、姿勢をよくして画面との距離を三十センチ以上離すこと、三十分に一回は二十秒以上画面から目を離して目を休めることが大事であること、家庭でも就寝一時間前からICT機器の利用を控えるといったことを改めて知見をいただきまして、そうしたことを盛り込みましたガイドラインを定めてまいりました。そしてまた、その周知を図ってきたところでございます。 その周知状況を見ますと、実証事業の中では、六割の教師や児童生徒は実行できているという結果が出てございますけれども、その状況はまだ十分ではないというところもあると考えてございます。 今後は、デジタルを含む教科書、この制度改正がお認めいただければ、更に実証研究を続けるということも必要かと思ってございますけれども、その際、学校現場でのそうした取組の中で把握できることや、あるいは、今設置をしてございます大臣指針に向けた有識者会議の中におきましても医学的知見を持った方々からもいろいろお伺いをしまして、必要なことにつきましては、健康上の留意点については大臣指針で明記をしたいと考えているところでございます。 また、この大臣指針で示す事項につきましては、先ほど申し上げました実証研究などで判明した事実とかがあれば、令和十二年度に本格的にデジタルの形態を取り入れた教科書が実際に学校現場で多く使われ始めるという段階で、もし必要があれば、そうした点も更に周知をする、指針にも盛り込むといったことも検討をしたいというふうに考えているところでございます。
○菊田委員 絶えず周知徹底を是非お願いしたいというふうに思います。 先ほど申し上げましたが、私もこの前、学校を視察させていただきまして、やはり、紙を使い、そしてまたデジタルを使い、決められた授業時間の中で円滑に、全ての子供たちが取り残されることがないように授業を進めるというのは、かなり大変だなというふうに思いました。 その中でも、姿勢がどうだとか休憩をちゃんと取りなさいとか、本当に細かく目くばせをしなきゃいけない教員の負担は大変大きいというふうに思いますので、これはなかなか簡単ではないと思います。しかし、子供たちの健康に関わる問題ですので、しっかりと取り組んでいただきたいというふうにお願いをしたいと思います。 続きまして、学校のネットワーク環境についてお伺いいたします。 デジタル教科書の活用を進めるに当たっては、限られた授業時間内にストレスがなく端末を使用できる環境を整備することが前提となります。この点につきましては、前回、令和五年の調査では、いわゆる推奨帯域を満たす学校は約二割程度にとどまっていたものが、最近の調査では、約六割を超える水準まで大幅に改善していると承知しています。また、令和十年度にはおおむね九割台半ばまで達成する見通しも示されており、文科省として取組が着実に進んできていることは大いに評価できるというふうに思います。 一方で、児童生徒数が多い学校ほど達成率がやや低い傾向も見られるなど、学校間で一定の差があることも示されています。 こうした状況を踏まえ、文科省に伺います。 デジタル教科書を始めとするICTを授業の中でストレスなく円滑に活用していくために、全ての学校において安定的に利用できる環境をどのように着実に整備していくのか、お聞かせください。
○堀野政府参考人 お答えいたします。 GIGAスクール構想における個別最適な学びと協働的な学びを進めるために、一人一台端末をつなぐ高速ネットワークが非常に重要だという御指摘は、御指摘のとおりでございます。 また、委員御指摘のとおり、必要なネットワーク速度を確保済みの学校は、全国で六四%に上昇しまして、令和十年度末には、約九五%の設置者において必要なネットワークの速度の確保を完了する見込みとなっております。 残り五%、まだ残ってございます。まだめどが立っていない理由といたしましては、十一年度に改善する予定があるですとか、あるいは財政当局と協議中でまだお答えできないですとか、学校統廃合の見込みがあるので、それとの関連で考えますといったようなお話も伺っているところです。 文部科学省といたしましては、引き続き、各設置者における状況をしっかり確認をしながら、ネットワークアセスメントの結果を踏まえた改善に係る経費の補助、また通信契約の見直しの支援、こういったものに関する情報提供などを通して、各自治体に対して学校のネットワークの改善を促すことで、全国の学校において必要なネットワーク速度が確保されるよう努めてまいります。
○菊田委員 次に、家庭におけるICT環境について伺います。 先ほど申し上げましたとおり、学校におけるネットワーク環境の整備は着実に進んできているということで、デジタル教科書の活用に向けた基盤は整いつつあります。 一方で、家庭におけるICT環境については、かなりの差があるように見受けられます。学習塾や家庭でデジタル機器に触れる機会が多いかどうかによって、子供たちの習熟度に差が生じているとの指摘もございます。こうした差が、学校での授業の理解度に影響するだけでなく、ついていけない子供が孤立感を深めたり、学校生活において不利益につながることも否定できません。 デジタル教科書の本格導入が進められる中で、家庭環境や活用機会の差によって学びに格差が生じないように、文科省としてどのように対応していくのか、お考えをお聞かせください。
○堀野政府参考人 お答えいたします。 文部科学省としては、自宅でのICT端末等を活用した学習は、家庭学習の質を高めるという観点や、非常時における学びの継続を円滑に行う観点からも有効であると考えておりまして、積極的に取り組んでいただくようお願いをしているところでございます。 このため、家庭におけるICT環境の差によって学習の機会が損なわれるということのないように、学校教育に係る家庭における通信費、モバイルルーターの導入ですとか、こういったことに対しまして、義務教育段階においては就学援助、また高校生等奨学給付金、特別支援教育就学奨励費によって、WiFi、モバイルルーター等の支援を行っているところでございます。 引き続き、一人一台端末を活用した学びの充実が図れるよう、必要な支援に取り組んでまいります。
○菊田委員 次に、デジタル教科書におけるQRコードコンテンツの在り方について伺います。 今回の制度改正では、これまで教材とされてきたQRコード先のコンテンツについても、今後は教科書として位置づけ検定の対象としていく方向が示されております。 一方で、QRコード先のコンテンツについては、生徒の理解を助ける範囲、真に必要不可欠なものに限定するとの説明がありましたが、その基準は必ずしも具体的とは言えません。また、教科書として位置づけられた以上、これらのコンテンツは、全て教員が指導すべき内容となります。しかしながら、学習指導要領において授業時間数はあらかじめ定められており、その中で指導すべき内容が際限なく増えていけば、教員の負担につながり、対応し切れなくなるのではないかと懸念しています。 こうした懸念を裏づけるように、小学校六年生、中学校三年生の教科書に掲載された二次元バーコード数は、四年前の前回検定時に比べて三・五倍に増加しています。 この点について文科省に伺います。 デジタル教科書に掲載するQRコードコンテンツの数や範囲について、具体的な制限や基準を設けるべきではないでしょうか、見解をお聞かせください。
○望月政府参考人 お答えいたします。 新たな教科書におきます動画や音声などのQRコードコンテンツを含めたデジタル部分の具体的な検定方法などにつきましては、今後、教科書検定調査審議会において専門的な見地から審議していただくことにしてございますけれども、教科書は、学習指導要領に基づき指導するための主たる教材として、児童生徒が授業において共通的に学ぶ内容を記載するものでございます。こうした教科書の性質を踏まえまして、教科書として真に必要なものについて、一定の枠組みの下でQRコードコンテンツについては認める方向で検討したいと考えてございます。 また、次期学習指導要領につきまして、中央教育審議会における議論も踏まえまして、教科書全体の内容や分量の精選の観点から、動画などのデジタルコンテンツの分量の在り方につきましても、この教科書検定調査審議会において検討をいただきたいと考えているところでございます。
○菊田委員 私は、やはり数や範囲について具体的な制限や基準を設けないと、直接指導する、教える先生方の負担は大変大きくなるというふうに思っておりますので、是非御考慮いただきたいというふうに思います。 デジタル教科書における検定の在り方について伺います。 今回、動画や音声などのデジタル教材も検定の対象としていく方向が示されておりますが、紙の教科書の素材とは異なり、その内容や表現の幅が広がることから、検定の考え方についても、従来とは異なる対応が求められるのではないかと考えます。また、文章や図といった従来の教科書の素材と異なり、動画などの動的なコンテンツについては、どのような観点で適切性や妥当性を判断するのか、あらかじめ明確にしておく必要があると考えます。 文科省に伺います。 動画や音声などのデジタル素材について、どのような基準や考え方に基づいて検定が行われていくのか、現時点での基本的な考え方、方針をお示しください。
○望月政府参考人 お答えいたします。 制度改正後の新たな教科書におきましては、先ほど来から御説明していますけれども、動画や音声などのデジタル部分も教科書の一部として教科書検定の対象となりますので、形態が紙であるかデジタルの部分であるかということを問わず、引き続き、教科書として扱われる内容が適切であるかを審査する必要がございます。 新たに教科書の一部となる動画などの検定基準につきましては、具体的には教科書検定調査審議会において専門的見地から今後検討いただくわけでございますけれども、例えば、動画などの内容が文字や図画等の内容と適切な関連がなされているのかどうか、学習指導要領に基づきまして主たる教材として授業で用いる内容となっているのかどうか、音声であれば例えば外国語として通用する音声となっているのかどうかなどの観点なども考えられ、各教科の特性も踏まえて検討してまいりたいと考えてございます。
○菊田委員 具体的にお答えいただきまして、ありがとうございました。 次に、デジタル教科書に係るコストについてお伺いします。 クラウドによる配信や運用、更新対応など、従来の紙の教科書にはない新たなコストが発生するものと認識しております。文科省からは、デジタル教科書は無償配付の対象となり、国費で負担されるとの説明を受けています。しかしながら、クラウド配信や継続的な運用に係る費用など、従来の紙の教科書では想定されていなかった新たなコストが相当規模で発生することが見込まれる中で、それらのコストを誰がどのように負担していくのかという点は、この制度の持続性にも関わる重要な問題であると考えています。 無償配付を前提とする中で、教科書会社に対して実質的にコスト負担がしわ寄せされることや、価格や仕様の面で過度な制約が課されることがないのか、文科省の考えをお聞かせください。
○松本(洋)国務大臣 デジタルな形態を含む新たな教科書に係る費用についてでありますが、紙の教科書と同じく、物価変動などを注視しつつ、クラウド配信料など、製造、供給に係るコスト構造が紙の教科書と異なる点などについて考慮する必要がある、そのように考えております。 その際、次期学習指導要領に関する中教審における議論も踏まえつつ、教科書全体の内容、分量の精選の観点から、動画等デジタルコンテンツの分量の在り方についても教科書検定審議会において検討していただいていることも踏まえる必要がございます。 現在、文部科学省におきまして、中教審の審議まとめ以降、教科書発行者と新たな教科書の製造、供給に必要なコストの算出に向けた検討を始めたところであります。 本法案をお認めいただいた暁には、教科書発行者と丁寧な情報共有や意見交換を行いながら検討を加速させまして、その結果を踏まえ、必要なコストに見合った適正な教科書定価の設定、そして必要な予算の確保、これに努めてまいりたいと考えております。
○菊田委員 教科書発行者がコスト割れをしたり負担増になったりしないように、是非しっかりと御協議をいただきたいというふうに思っております。 次に、採択事務の負担軽減について伺います。 従来の紙の教科書のみの採択とは異なりまして、今後は、どの学年で、どの教科において、紙とデジタルのハイブリッドも含め、どの教科書を選択するのが適切かをしっかり判断していかなければなりません。そのためには、これまで以上に専門的な知識と十分な検討が求められることになると考えますが、各教育委員会等における採択事務の負担軽減についてはどのように取り組まれるのか、お聞かせください。
○望月政府参考人 文部科学省におきましては、児童生徒の発達段階や教科特性等を踏まえて、デジタルの活用が期待される学習場面を示した大臣指針を策定することにしてございますけれども、この大臣指針につきましては、教科書の採択に当たっての市町村教育委員会の判断の参考にもしていただけるものであると考えてございます。 また、制度改正後の新たな教科書につきましては、教科書の紙面上についている二次元コード先も、先ほど申し上げましたように、限定したものに認めていく方針でございまして、このことにつきましても、教育委員会や学校が採択を行う場合の調査研究の負担軽減にも資すると考えてございます。 その上で、教科書の無償措置法の第十条におきまして、都道府県は、教科書の研究を実施し、市町村の教育委員会等に対して、適切な指導、助言又は援助を行うということが法律上規定されてございます。市町村教育委員会が改めて、都道府県の行った調査研究に加えて、更に時間を使って多くの調査研究を必ずしもやらなくていい場合もあるかと存じております。 文部科学省としましては、市町村の教育委員会等の採択権者が教科書採択を円滑に行うことができるよう、今回の改正の機会を捉えまして、都道府県に指導助言をしてまいります。
○菊田委員 ありがとうございました。 もう最後の質問になりますけれども、高校段階のICT環境整備について伺いたいと思います。 昨年の秋、新潟県の教育委員会に伺ったところ、県内の公立高校では、前回のタブレット端末整備のときには、コロナの臨時交付金で、十分の十の国費措置で全額賄うことができたんですが、今年度は、更新時期を迎えているにもかかわらず、同様の国費措置は見込めず、更新費用をどうするのか、どう負担するのかということで大変悩んでいるというお話がありました。 この懸念は現実のものになりまして、先月、新潟県の公立高校では、二〇二七年度以降の入学生から、これまでの無償貸与を見直して、原則、保護者による購入制へ切り替えられることが報じられています。 しかし、これは新潟県だけの話ではなくて、文科省が公表している令和六年高等学校段階の端末整備状況についてを見ましても、同じく公費負担の割合がどんどん減少し、一方で保護者負担の割合が増加しているということで、全国規模で保護者負担への切替えが進んでいるということが分かります。 私が申し上げたいのは、国がGIGAスクール構想を推進し、端末活用を前提とした教育課程を組んでおきながら、その端末の整備は家庭任せにするのは政策として矛盾するのではないか、こういう観点でございます。 時間がありませんけれども、この現状をどのように認識し、是正していく考えがあるか、最後にお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 義務教育段階におきましては一人一台端末環境で学んでいただいているわけでありますが、その児童生徒が高校に進学した後も同様に一人一台端末で学ぶことができる環境を整える、これは大変重要なことであると考えております。 高校の端末整備については、普通科であったり専門学科であったり、教育内容が多様であることから必要な端末のスペックも異なるなど、様々な実態がございます。ですので、その費用負担の在り方も含めまして、各設置者が適切に判断いただくものというふうに考えているところであります。 なお、保護者負担を原則としております自治体においても、端末の貸与や購入費用の補助などの支援策が講じられているものと承知をしております。 国におきましては、高校の学習者用端末を含む学校のICT環境整備計画を策定しておりまして、この計画に基づきまして、学習者用端末の予備機や低所得者世帯への貸与機器の整備に必要な経費などにつきまして、所要の地方財政措置を講じております。 引き続きICT環境の整備に取り組んでまいりたいと考えておりますし、今、改めましてその実態把握のための調査というものも行っているところであります。こうした調査結果というものもしっかりと見極めつつ、そうした環境整備に我々としても努めてまいりたいと考えております。
○菊田委員 ありがとうございました。質問を終わります。
○斎藤委員長 次に、山崎正恭君。
○山崎委員 中道改革連合の山崎正恭です。 本日も質問の機会を与えていただきまして、大変にありがとうございます。貴重なお時間ですので、早速質問に入りたいと思います。 GIGAスクール構想により、児童生徒一人一台端末と高速通信環境が整備され、学校現場の風景はこの数年で大きく変わってきました。一方で、その活用については地域差や学校差も大きく、また学習効果や子供への影響についても様々な指摘がなされております。 こうした状況の中、今回、デジタル教科書を正式な教科書として法的に位置づけることは、単なるツールの追加ではなく、学びの質や方法、さらには教育制度全体の構造に影響を及ぼす重要な転換点であるとの認識の下、幾つかの論点について順次質問をさせていただきます。 まず、デジタル教科書導入の政策目的と目指す学びの将来像についてお伺いしたいと思います。 本法案においてデジタル教科書を正式な教科書として位置づける政策目的を政府としてどのように定義しているのか、デジタル教科書の導入を通じて子供たちのどのような力を伸ばしていこうとしているのか、これまでのGIGAスクール構想の取組の成果と課題を踏まえ、どのような学びの姿、将来像を描いているのか、大臣にお伺いします。
○松本(洋)国務大臣 文部科学省といたしましては、これまでの我が国の学校教育が大切にしてまいりました書く力、読む力を育むことや、自ら体験して学ぶリアルな活動を重視しながらデジタルのよさを取り入れた学習活動を推進することで、知徳体を一体的に育成してまいりたい、そのように考えているところであります。 以前もこれも国会で答弁をさせていただいたことがありますけれども、こうしたデジタル、またAI、様々な社会の変化の中で、それに対応して変わっていかなければいけないもの、そして変わるべきもの、変わっていった方がいいものがある一方で、決して変わってはいけない、守っていかなければいけないものも存在するということを、やはりしっかりと両輪で考えていくということが、これからの時代、私はとても大切なことだというふうに考えているところであります。 そうした考え方の下、情報技術の特性、強みを生かし、多様な子供たちを包摂しながら、主体的、対話的で深い学びを一層充実させる学習環境、これを実現するものとしてGIGAスクール構想を推進してきているところであります。 今回の制度改正によりまして、これまで紙だけが認められていた教科書に、デジタルの特性が生きる学習におきましてデジタルを取り入れて作成することを可能とすることで、教科書の内容をより分かりやすく学びやすくいたしまして、子供たちの学びの質を高めていくこと、これが目的でありますので、これを目指してまいりたい、そのように考えております。
○山崎委員 ありがとうございます。 今答弁の中にもありましたように、やはり多様な学びのスタイルを準備していくということが大事だと思いますので、その重要な一つとして、しっかりと多様な子供たちを包摂していくような、そういった学びの質を高める取組を是非お願いしたいと思います。 次に、紙の教科書との関係についてお伺いします。デジタル教科書を正式化するに当たり、紙の教科書を今後どのように位置づけていくのかは、これは現場の教員にとって極めて関心の高いところであります。 本法案では、紙とデジタルの併用、どちらかを使用するのは、学校や自治体の判断に委ねると承知していますが、どのような観点で使い分けを行うことを想定しているのか。例えば、教科や学年、学習内容による違い、あるいは子供の発達段階や特性に応じた使い分けなど、判断基準をどのように考えているかについてお伺いします。それと、併せて現場からよく聞かれるのは、将来的には完全移行をするのかというふうなことがよく聞かれるんですけれども、その点についても、現段階の判断としてどうなのか、お伺いします。
○望月政府参考人 お答えいたします。 先ほど大臣からも御答弁させていただきましたけれども、今回の制度改正を通じまして、教科書にもデジタルのよさを本格的に取り入れていくことによりまして、児童生徒の学びの充実につなげていきたいというふうに考えてございます。日本の学校教育が紙の教科書を使いながら培ってきた基礎的な力や学力、そうしたものを私どもとしては失うことがないように、デジタルのよさを取り入れた学習というものを学びの充実につなげていくことが大事であると考えてございます。 その観点から、今回の改正によりまして、紙の教科書を廃止して一律に全てデジタル形式の教科書に切り替えていくという考えは、現時点では持ってございません。将来のことは、なかなかそれは、社会の変化や、あるいは技術の進歩によりまして、今確たることは分かりませんが、今回の制度改正によりまして、学校現場におきまして、子供たちの多様な学びのスタイルが生まれ、また子供たちの学びが少しでも充実する方向に変わるチャンスである、きっかけであるというふうに考えてございます。 児童生徒の発達段階や教科の特性等を踏まえまして、全てがデジタルの教科書の扱い、デジタルの活用が期待される学習場面などについて指針の中でお示しをして、学校現場での活用に資するようにしていきたいと考えてございます。
○山崎委員 ありがとうございます。 先ほどの大臣の答弁からいいましても、多様な子供たち、子供たちの特性とか発達とかがこれだけ研究が進んでいる中で、多様な学習方式が重要なわけですので、紙がなくなるというのは当然将来にわたっても非常に考えにくいなというふうには思いますので、是非それぞれに合わせた、両方残した上での活用が私も望ましいかなというふうに思います。 次に、先ほど来、青山委員からも、また菊田委員からも出ておりましたけれども、教科書検定制度についてお伺いしたいと思います。 先ほどもありました、検定の基準がどう変わるのか。内容については、当然同一基準で行われるのが適しているというふうに思いますし、そうだと思うんですけれども、いわゆる動画や音声、外部リンク、コンテンツがどこまで検定の対象となるのか、範囲の問題等についても先ほど言及がございました。それとともに、コンテンツについては、教育の特性を考えると、更新の頻度なんかもやはり問題になってくるんじゃないかなというふうに思います。余り、古いものがずっと残っているというのはどうなのか。それは今までの教科書でもあったんですけれども、デジタルに変わるというところでいえば、この更新の頻度なんかがもう少し早くなれば、より学習内容にいい影響が与えられるのではないかなというふうに思うわけでございます。また、改訂プロセスの透明性や公平性をどう担保するかといった点も重要だと思います。 そこで、デジタル教科書が正式な教科書となることで教科書検定制度はどのように変わるのか、紙とデジタルの検定基準の違い、検定の範囲、更新頻度、改訂プロセスについてお伺いします。
○望月政府参考人 先ほどの菊田委員への答弁と重なる部分はございますけれども、制度改正後の新たな教科書におきましては、動画や音声などのデジタル部分も教科書の一部として教科書検定の対象となりますので、形態が紙であるかデジタルであるかを問わず、教科書として扱われる内容が適切であるかどうか、これを教科用図書検定調査審議会で審査をするということが一つ前提でございます。 その上で、教科書の一部となる動画等についての検定基準につきましては、今後、教科等の特性を踏まえて検討するとともに、QRコードなどで飛ぶ動画等につきましては、教科書発行者の責任の下で作成を管理し、学習指導要領に基づき必要なものに限定をするなど一定の枠組みの下で認めることを考えてございまして、別の団体等が運営するサイトへのリンクなどにつきましては、教科書ではなく副教材であるという位置づけを明確にしたいと考えてございます。 教科書の内容につきましては、社会の状況の変化、あるいは、新しい事柄を学ぶ、そして事実が異なることが分かった場合、こういった場合については文部科学大臣に訂正申請をすることができる仕組みになってございます。大きな構成の変更などにつきましては四年に一度の検定となりますが、社会情勢の変化等に応じて必要な修正については、発行者が検定後の状況の変化等に伴って更新をすることが可能でございます。 その場合に、これまでの紙の教科書での訂正申請の在り方と、また、教科書のデジタル部分の訂正方法とのことについては、若干留意をしなければいけない点もあるかもしれないと考えてございます。印刷や製本のプロセスを要しないデジタルの特性も踏まえまして、この訂正申請、文科大臣の承認といった、そうした訂正の在り方につきましても今後必要な検討を進めてまいります。
○山崎委員 大変丁寧な御答弁で、よく分かりました。ありがとうございました。 次に、現場での運用に関わる重要な点についてお伺いします。 先ほど来からも話が出ていますけれども、デジタル教科書を正式な教科書とする以上、その使用方法について、ここはデジタルにしなさいとかここは紙にしなさいとかということをがちがちにくくることは、これは趣旨上もおかしいと思いますし、それは大変やりにくいと思うんです。逆に、先日ヒアリングの中で校長会からも出ておったんですけれども、では、全てを現場の裁量に委ねるのだけでよいのかという問題があります。一定のめどを示してほしい、例えば紙とのバランスの問題や一定この分野はデジタルが望ましい、そういったことについての指針が欲しいということを言われておりました。 もう一つは、先ほど来出ております健康面への配慮です。健康面への配慮や集中力の持続等に関わる問題には一定の配慮が必要なので、そういったところについて何らかのめどを示すことが重要なのではないかというふうに思います。 そこで、デジタル教科書を正式な教科書とするならば、紙教材との併用割合や学年別の画面時間の目安など、教員の裁量に委ねる範囲について国として最低限守るべき基準といった一定の基準やガイドライン等、少なくとも告示レベルで示す考えはあるのか、お伺いします。
○望月政府参考人 お答えいたします。 学校現場で使用する教科書につきましては、教育委員会等の教科書採択権者が、その形態を含めて使用する教科書を採択する仕組みでございます。そして、その教科書を授業の中でどのように使うのか。子供たちの状況、学年の状況、クラスの状況、あるいは地域との関わりの状況の中で、その教科書をどのように活用して、そして子供たちに、分かった、あるいは自分自身に自信がついた、そういう実感を持ってもらう、そういう教科書の活用の仕方については、まさに学校の先生方の裁量であるというふうに考えてございます。 したがいまして、教科書のデジタル部分の使用について、量的な目安を一律に定めるということは現時点で考えてございません。今後、有識者会議でも、この点、意見をお伺いしてみたいというふうに考えてはございますけれども、少なくとも、先ほど来から申し上げましたように、専門家にはそうした健康面への知見をいただいた方にも入っていただいておりますし、我々としても必要なヒアリング等もさせていただきたいと思ってございますけれども、端末使用と健康面の関係、あるいはデジタルの活用がより期待される学習場面などについて丁寧にお示しをすることによりまして、学校現場での、このデジタルを含む教科書を採択した場合には、その上手な活用というものについての一つの参考となるようにしていきたいと考えているところでございます。
○山崎委員 ありがとうございます。 がちがちにくくっていくのは逆に非常に使いにくくなると思いますので。先ほどありましたけれども、やはりここは望ましいというふうな展開が大事だと思います。 私も、この辺のところを現場の方に聞いてみました。そうすると、デジタル教科書の利用が進まなかったり、あと、結構、最初、使いましょうということで使っているんですけれども、失速していくというか途中でやめる理由について何が原因だろうというふうに聞いてみると、一つは、使うとこんなに便利だよというのを教員が余り知らないというふうな問題があるというふうに言われておりました。先ほど局長からもあったように、もっともっと、こういうふうな使い方をすれば子供たちの学習が深まるという発信を強くしていくことが大事だと思います。教員は、一回、便利だなとか子供たちの反応がいいな、学習が深まったなと思うとずっと使う人も多いわけでありまして、しっかりと使ってもらいたいと思います。 もう一つは、これも仕方ないなと思ったんですけれども、もう一つの理由は、紙の教科書があるのでデジタルを使わなくても困らない、こういう問題もあるというふうに言われていました。これは仕方ない面もあると思いますので、しっかりと、これからどんどんどんどんデジタル教科書の技術が進んでいくと更にいいコンテンツも増えてくると思いますので、発信の強化をお願いしたいと思います。 次に、これも先ほど青山先生からもありましたけれども、デジタル教科書の学習効果について、そのエビデンスについてお伺いしたいと思います。 デジタル教科書が学力や理解度に与える影響については、国内外で多くの研究や実践が蓄積されているというふうに思います。スウェーデンの話が出ました。先日、党内のヒアリングの中でスウェーデンの話を聞いたときに、若干私も、今まで思っていた、報道から聞く印象と違うなというふうに思いました。一気に紙に戻っているのかなというと、そういうふうなニュアンスともちょっと違ったというふうに感じました。紙のよさを見直そうとか読書を強化していこうというふうな流れはあるけれども、全てがそうではない。先ほど答弁でもあったように、中学校以降はそのまま使っているような現状もありますということで、そもそも教科書の検定が違うというか、教科書検定がないので先生が自由に使えるというふうな話の中で、かなり事情も違った中だなというふうに思ったんです。 そうした中で、スウェーデンだけではなくて先ほどフィンランドなんかも話が出ていましたけれども、デジタル教科書を使ってきた国内の今までの取組とその検証について、研究について、そして国外の、今、そういったデジタル教科書についてのエビデンスについて、研究について、どのように整理して政策判断に生かしたのか、もう一度お伺いしたいと思います。 あわせて、特に、国内等の実践結果については、これからこれが進んでいくわけですから、保護者の方は不安もあります。現場や保護者、さらには我々国会に対しても、分かりやすく丁寧に今までの結果等について公表して、いかにこれを分析して、こういったことによって推進したということを説明していく必要があると思いますが、その点の認識と今後の方針についてお伺いします。
○望月政府参考人 令和三年度から、小学校五年生から中学校三年生を対象に、現行の教科書代替教材のデジタル教科書を国から提供しており、英語については、令和四年度以降、約一〇〇%の小中学校等に配付して、いろいろな私どもも検証を行ってまいりました。デジタル教科書の活用も年ごとに増えてきているというふうなことも踏まえてございます。 現行の教科書代替教材のデジタル教科書をいつも使う児童生徒ほど、授業内容の理解、主体的、対話的で深い学びといった項目での肯定的な回答の割合が高いことや、デジタル教科書を使ってからその教科のことが好きになったといったことも、いつも使う児童生徒の方が教科のことを好きになったと。そうした多くの子供たちに対して行ったアンケート調査結果でも出ていると確認をしてございます。これは教科書ですから使い方一つでございまして、慣れもあるかと思ってございます。 ただ、子供たちが自身で興味、関心を持って教科書を使いながら自学自習をする、あるいは、授業の場面においてそうした教科に自分自身が自信を持って臨んでいくという観点においては、これまでの教科書代替教材であるデジタル教科書であっても、一定の子供たちの反応や成果というのは見られているというふうに考えてございます。 長くなりましたが、諸外国について少し御説明をさせていただきたいと思っております。 先ほど山崎委員の方からも御指摘がございましたように、日本と同様の教科書の使用義務あるいは検定制度が他の諸国においてあるわけではございませんので、単純な比較は困難です。 韓国や米国のように多くの州で教科書へのデジタル活用を進める国がある。ただ、これも、日本と教科書制度が違いますから、教材でございます、これを教科書として使っている。これはどんどんデジタル活用を進める。 一方で、スウェーデンにつきましては、二〇二三年度から印刷出版物である教科書の購入を補助する仕組みを導入してございます。この政策につきましては、先ほど御答弁申し上げましたのに加えまして、教科書として活用しておりましたそうしたデジタル教材に広告が表示されるなどの問題が生じていたことなども踏まえまして、質の高いデジタル教材へのアクセスを保障しようとするものとしての新たな補助の仕組みというものでございまして、デジタル教材の使用の制限をするものではないと承知をしてございます。OECDも、生徒の年齢等に応じたデジタル活用のバランスを追求したものと分析をしているところでございます。 今後も、授業理解など児童生徒の学びを充実させるとともに、教科書のデジタルコンテンツの質を保障する仕組みや児童生徒の発達段階というものに留意しながらデジタルも活用した学習基盤の構築を進めてまいりますが、この法改正あるいは今後策定する指針などを通じまして、また実証研究を続ける中において分かりましたことについては、児童生徒や保護者などにもできる限り分かりやすく情報発信をしてまいります。もちろん、学校に対しても情報発信をしてまいりたいと考えてございます。
○山崎委員 これだけ社会全体がデジタルが進んでいますので、保護者も大きな反対はないと思うんですけれども、不安があるような保護者に対しては丁寧な対応をお願いしたいと思います。 続いて、今デジタル教科書を使っている現場の先生方の中で、よく言われる、数学とか英語とかは使いやすいと思うんですけれども、悩まれながらやられている先生の中に国語の先生がいらっしゃいます。それは、やはり書く力とか読む力は国語の基本というふうなところの考え方がありまして、悩まれながらも、両方のベストな組合せはどういうふうなことなのかということを考えながら実践されています。 デジタルが進んでいく中でちょっと懸念されているのが、子供同士の直接的な関わりや対話的な学びが希薄になるのではないかというふうな懸念。ただ、これはこの間現場の授業を見たときに、これはデジタルになってもしっかりと先生方が工夫すればそういったところは大丈夫なんじゃないかなというふうに思ったんですけれども。もう一つの問題は、これもよく言われます、本の手触りであるとか感触であるとか物に触れる感覚、ここがデジタルになかなか厳しいところではないかということで、これはすごく重要で、デジタルに進んでいく上での両立が非常に重要との声が大きいと思います。 そこで、デジタルの活用と併せて、対面での対話や、特に体験活動の充実をどのように推進、両立させていくのか、この点について、政府としてどのような考えを持っているのかお伺いします。
○望月政府参考人 学校現場にデジタルを取り入れる中にありましても、これまでのGIGAスクール構想の推進や今回の制度改正によりまして、委員御指摘の、友達との関わり、あるいは対話的な学びなど、それからリアルな体験ということが軽視されるということは、これは逆にあってはならないことだと考えてございます。学校ならではの学びというものが大事にされる中で、デジタルのよさを取り入れた学びというものが逆に生かされていくものだというふうに考えてございます。 リアルとデジタルのいわゆるバランスの取れた学びというものを追求しながら、自分自身が体験をしていくということは、どうした場面においても大事だと考えてございます。そうした、子供たちが自分の家庭環境では得られないような経験を得ることや、あるいは対人的な関係を、社会に出てからの第一歩となる基礎的な学習を行う学校において社会性等を育んでいくということ、これは今後の日本の教育でも忘れてはならない大事な点であると考えてございます。 体験活動も、学校の中でいろいろな活動をやってございます。これは、農山漁村体験であります、あるいは就業体験であります。それぞれの教科の中において、あるいは特別活動等も通じたいろいろな子供たち同士の触れ合い、あるいは教師と子供同士の触れ合いといった、そういう中で学んでいく、そうした体験ということについても、子供たちの将来の人生、人生を生きていく上では大事な一つのまさに経験になるということだと考えてございますので、これからもそうしたデジタルのよさを生かした学習とともに、そうした体験、自分自身で行う、自分自身で経験するといったことを忘れずに、学校教育全体を、デジタルとそれからリアルということを、バランスの取れた形での充実を進めていきたいと考えているところでございます。
○山崎委員 ありがとうございました。 次に、多様な子供たちへの対応支援について伺います。読み上げ機能や文字サイズの変更、背景色の調整など、デジタル教科書には読むことに困難を抱える児童生徒を支援する様々な機能が期待されています。 実は、私も教員時代に、読むことに困難さを抱える生徒さんがいまして、なかなかノートが書けないというふうな状況がありました。どうしてだろうと様々なことを模索する中でたどり着いたのが、短期記憶の問題で、黒板を見て確認していたことが下を向いてノートを書くときにはもう忘れているというような状況がありまして、あらかじめ教員が書いた板書の写真をタブレットに映し出してノートの真横に置くと、ノートを書くことができました。その生徒さんの場合は、そういった特性が影響してか、読むことに困難さがあり、そこで、テストのときに教員が横について問題文を読み上げました。すると、同じテストでも点数が十点以上上がったという経験があります。 そこで、こういった子供さんにはデジタル教科書を使用しての支援は期待ができると思っていますが、こうした支援をどこまで標準化するのか。また、視覚優位、聴覚優位といった多様な学習特性に対し、個々の理解のペースに応じた個別最適な学びの支援をどのようにデジタル教科書を使って進めていくのかお伺いします。
○望月政府参考人 お答えいたします。 文部科学省といたしましては、本法案をお認めいただけた後、デジタルな形態を含む新たな教科書についての標準仕様を策定することを考えてございます。読むことなどに困難を抱える児童生徒がより使いやすくなるように、読み上げ、ルビ振り、文字の大きさ、背景色の変更などの機能のほか、新たに教科書に掲載することになる動画に関する、例えば字幕の掲載や再生速度の調整などの機能の標準的な実装について検討をしてまいります。 また、検定教科書では、学習が困難な児童生徒のために作成される拡大教科書やデイジー教科書等の教科用特定図書等につきましても、デジタルな形態にも対応できるよう、国内外のアクセシビリティー規格を踏まえた標準規格の策定を検討してございます。多様な障害や、視覚優位、聴覚優位などの発達特性を有する児童生徒の学習上の困難の軽減を図ってまいります。 こうした機能につきましては、現場の御意見もお伺いしながら、標準規格を策定をして、標準仕様を策定してまいりますけれども、実際に児童生徒が学校現場でも活用できるように、教師の丁寧な周知にも努めてまいります。
○山崎委員 ありがとうございました。 機能については間違いなく効果があるのは分かっているので、ここの質問の肝は、それをそういった子供さんがいたときに各学校できちっと使ってもらいたいということです。ここの学校では使っていて、ここの学校では使われない、そういったことがあってはならないと思いますので、これはやはりしっかりと、そういった子供たちの支援のために現場が使っていくという周知に何とぞ力を入れていただきたいというふうに思います。 関連して、特別支援教育について伺います。 先ほどの質問とも関連しますが、今度は、特別支援学級に通う子供さんや特別支援学校に通う子供さんにもデジタル教科書は大きな可能性を有していると考えますが、その有用性についてどのようなエビデンスが蓄積されているのか、障害の種類にかかわらず全ての子供たちが利用しやすくするための具体的支援策について、お伺いします。
○望月政府参考人 現行の教科書代替教材に関する実証研究におきましては、特別支援学校に在籍する児童生徒を対象として、視覚障害、肢体不自由、発達障害等の障害や特性の種類、程度に応じた効果についても確認を行ってきたところでございます。 具体的には、視覚障害のある児童生徒が、拡大機能を活用することでルーペ等を使用せずとも教科書を読むことができる、体験が比較的少なくなってしまう肢体不自由の児童生徒が、シミュレーション機能を活用することで自然現象等をよりイメージしやすくなる、あるいは、文字を読むことや文章を読むことに困難のある児童生徒が、音声読み上げ機能や読み上げ部分のハイライト表示機能を活用することで文章内容の理解が促進されるなどの効果などを確認しているところでございます。 本法案をお認めいただいた場合には、特別支援教育で使用される教科書のアクセシビリティーの向上の観点も含めまして、今ここで申し上げましたようなこれまでの実証で効果が確認された機能に加えまして、更にデジタルな形態を含む新たな教科書の活用がより学校現場で進むように、現場の御意見もお伺いしながら標準仕様にも反映してまいりたいと考えてございます。
○山崎委員 ありがとうございました。 次に、不登校傾向の子供たちへの対応です。 対面でのコミュニケーションに困難を抱える児童生徒や不登校傾向にある子供たちにとって、デジタルは学びにアクセスするための重要な手段となります。 そこで、対話が苦手な児童生徒や不登校傾向の子供に対しデジタル教科書はどのような役割を果たし得ると考えているのか、お伺いします。
○望月政府参考人 一人一台端末の活用によりまして、自宅を始めとする多様な場と教室をつなぎまして、オンラインを活用した学習指導や、クラウドを活用して他の児童生徒と考えや学習状況などを共有することが可能になることから、デジタルの活用につきましては、対話が苦手な児童生徒や不登校傾向の児童生徒の学びの保障にも寄与するものと考えてございます。 今回の制度改正によりまして、例えば、図や写真を拡大することにより細部を確認することができるようになったり、自分が気づいたことを教科書に書き込んだりできることによって教科の内容をより理解しやすくなることや、動画やアニメーションなどのデジタルコンテンツで興味、関心をより持つこと、あるいは自分のペースで学習することの助けや学習上の困難の軽減にもつながることなどがより可能になるものと考えているところでございます。
○山崎委員 続いて、現場を支える体制整備について伺います。 デジタル教科書を正式な教科書として位置づける以上、それを支える人的体制の整備は不可欠であります。 現場の声を聞くと、最初の児童生徒の個人アカウントをデジタル教科書とひもづける作業が大変だとのことです。会社によって多少の違いはあるようですが、名簿があって、それを登録してライセンスとのひもづけというふうに続くようですけれども、私の地元高知県なんかは、全ての児童生徒に個人アカウントを付与しているのですが、子供のことを考えたら、できたら一つのアカウントでログインさせてあげたいので、その作業が大変なようですが、ICT支援員さんが配置されている学校はかなり助かっているようです。 今年度の学力・学習状況調査でも、中学三年生の英語でパソコンやタブレットを使ったCBT方式が導入されますが、この準備に関しても、ICT支援員さんが配置されている学校はかなり助かっているという声も聞こえてきています。現在、ICT支援員の配置を国も進めていますが、この状況のままでは教員の負担が増大し、結果としてデジタルの活用が進まないという事態も懸念されます。 そこで、今回、デジタル教科書を正式な教科書として法的に位置づける以上、ICT支援員や校内のサポート体制についてもある程度の標準配置基準を国として示していくなどの支援も必要だと考えますが、認識をお伺いします。
○堀野政府参考人 お答え申し上げます。 ICT支援員につきましては、文部科学省において策定した、令和七年度以降の学校におけるICT環境の整備方針におきまして、最低限必要とされ、かつ優先的に整備すべきものとして、四校に一人配置するということをお示ししております。これを踏まえて、学校のICT環境整備三か年計画を策定し、この計画に基づいて、必要な経費については国において所要の地方財政措置を講じております。 令和六年度の配置状況は全国平均で四・五校に一人にとどまっておりますが、実際の配置におきましては、一人が複数校を兼ねて支援している地域もあれば、一校に一人配置して支援している地域もございまして、多様なニーズや形態があると承知をしております。 文部科学省といたしましては、自治体や学校の実情も踏まえつつ、まずは全体として四校に一人の配置が満たされるように自治体に促してまいりたいと考えております。
○山崎委員 ありがとうございます。 先ほどの話じゃないんですけれども、仕事の大変さには質と量の問題があって、先ほどのアカウントのひもづけなんかは量の問題なので、年度初めの四月に集中します。その時期に作業として支援する側面なので、そこはICTに詳しい人じゃなくても、何らかの作業支援の形でもいいのかなというふうなところも思います。これは毎年変わらない定量支援として、デジタルが入るとどの学校も四月は大変だという、そこにICT支援員さんをどれぐらい、支援させていくということが大事だと思います。 質に関しては、アドバイスを、一回使い始めると技術的なことに関してはかなり慣れていくというふうに思いますし、新しい機能が増えたときに、そのときに教えてもらうということだと思いますので、しっかりとまずは四校に一人の配置を進めていただきたいなというふうに思います。 次に、制度の持続可能性と公平性に係る重要な論点についてお聞きしたいと思います。 デジタル分野においては、特定のプラットフォームへの依存、いわゆるベンダーロックインの問題が常に指摘されます。教科書データと閲覧、配信システムが一体化し、特定企業の仕様が事実上の標準となることで、教科書会社や学校が従属的な立場に置かれることへの懸念の声もあります。 そこで、こうした事態を防ぐためには、オープンで透明性の高い標準仕様を国主導で策定し、教科書データの相互運用性を確保するなど、いわゆる共通基盤の整備が不可欠であると考えます。これを国の責務として位置づけるべきではないかと考えますが、大臣の認識をお伺いします。
○松本(洋)国務大臣 本法案をお認めいただいた暁には、デジタルな形態を含む新たな教科書についての標準仕様を策定することとしております。 具体的には、読み上げ、ルビ振り等のアクセシビリティー機能、通信障害時などに備えた印刷、ダウンロード機能やコンテンツの拡散防止機能、また、先ほど、四月になると各教科書の登録作業みたいなものが一斉に発生して、それが大変事務量として過大な負担になるというお話がございました。私は、先日つくば市に視察に行ってきたところでありますけれども、担当の先生からも、その事務量が本当に大変なんです、それも各教科書会社ごとに異なるアカウントに登録しなきゃいけないので物すごい作業量なんですという話が出たこともありまして、実は、シングルサインオンで登録をし、また認証をするでありますとか、複数ビューアーへの一括登録などのアカウント管理機能、こういうものも標準的な実装として我々として検討してまいりたい、そのように考えているところであります。 標準仕様の検討に当たりましては、広く教科書発行者や配信事業者なども交えて協議、検討をすることで、現行の教科書代替のデジタル教科書に関して特定の事業者が採用される仕様に偏ることなく、バランスの取れた内容にしていきたい、そのように考えているところであります。 こうした検討を通じまして、いずれの教科書発行者が作成するデジタルな形態を含む教科書を使用する場合であっても、学習のために必要な機能を円滑に利用することができるよう、国としても必要な取組を進めてまいります。
○山崎委員 ありがとうございました。 次に、個人情報とデータ利活用について伺います。 デジタル教科書の活用により、学習履歴や解答状況、学習時間といった詳細なデータ、いわゆる学習ログが蓄積されることになります。これらは教育の質向上に資する可能性がある一方で、個人情報の保護や民間事業者との関係について保護者の間に不安があるのも事実です。 そこで、データの利活用範囲を教育目的に厳格に限定するのか、それとも一定の条件で外部提供を認めるのか、サイバー攻撃や情報漏えい等、学習データの収集、活用に関するガバナンスはどのように設計するのか、政府方針をお伺いします。
○松本(洋)国務大臣 まずもって、教育データの利活用に当たりましては、個人情報の適切な取扱い、情報セキュリティーの確保、これが前提になってまいります。 御指摘のように、教科書発行者が提供するデジタルな形態を含む教科書などを導入し、個人情報と結びつけてデータを利活用する場合には、取得される教育データの利用目的の特定や、提供民間事業者での取扱い、安全管理措置の確保を含めまして、法令上、教育委員会、学校で責任を持って取り扱う必要があるところであります。そのため、現状においても、文部科学省では、個人情報を取り扱う者の指定や適切なアクセス制御のための措置、目的外利用の禁止などの必要な事項を契約書などに明記することなどを示した教育データ利活用に係る留意事項を取りまとめ、教育委員会や学校に対して周知をいたしまして、個人情報の適切な管理を求めております。 加えて、文部科学省では、教育委員会が情報セキュリティーポリシーを策定するために参考といたします、教育情報セキュリティーポリシーに関するガイドラインも策定をしております。デジタルな形態を含む新たな教科書などを運用する際に、教育委員会において適切なセキュリティー対策が行われるように取り組んでまいります。
○山崎委員 済みません、この後、二問、施行後の検証についてと、それともう一問は、実は、視察に行ったときに、やってみてどうですかと言ったときに、校長先生の方から、デジタル教科書を使用していると、保護者の方から、それで使うのはいいんですけれども教科書に書かれている内容は全て終わったんですかというふうなことをよく聞かれるというふうにありました。 そもそも教科書というのは学びの一つの資源でありまして、それをどのように活用するかが重要であるので、是非ともデジタル教科書の導入に合わせて、そういった、教科書は絶対終わらせなければならないんだというような認識を変えていくチャンスになるんじゃないかなというふうな質問をしたかったんですけれども、ちょっと時間の関係で、済みません、二問飛ばさせてもらいます。準備していただいたのに申し訳ありません。 今回、視察に行って思いました。小学五年生の算数と中学二年生の英語、図の回転や発音とかリスニング、いわゆるデジタルが一番いいと言われている鉄板のような教科だったんですけれども、どちらもすばらしい授業でして、そのときにすごく感じたのは、やはり最後は教員の力だなというふうに思いました。 算数は習熟度別に五段階に分けている中で、一番理解度が厳しいクラスだということでしたけれども、そういうふうには見えませんでした。二名、少し違うことというか集中が途切れている子もいましたけれども、ほとんどの子が意欲的に学んでいて、頑張っていました。かなり正解に導いていたということで、そのときに思ったのは、やはり子供と先生の信頼関係、そして、先生が子供たちの特徴をしっかり捉えて、どういうふうに声がけして、どういうふうに使えばより学習が前に向くのか、そういったやはり教員の力がすばらしいなと。そういった力があるからこそデジタル教科書が生かされるというふうに強く感じたところでございます。 デジタル教科書の導入に合わせて、更なる教員の育成をお願いしたいと思います。 そしてもう一点は、繰り返しになりますけれども、使うとこんなに便利になるんだよというふうなデジタル教科書のよさの発信、これが非常に重要だと思います。 そして三点目、最後、よいコンテンツを作れる予算のしっかりとした確保、これが重要だと思いますので、以上三点をお願いして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○斎藤委員長 次に、村上智信君。
○村上(智)委員 日本維新の会の村上智信でございます。 学校教育法等の一部を改正する法律案について、早速質問を始めたいと思います。 今回の法改正では、デジタルによる教科書を教育現場で使えるようにするための措置を含んでいます。我が国においては、いわゆるGIGAスクール構想の下で、生徒にタブレットなどの端末を貸与し、教育のデジタル化が進展しています。このタブレットにより、教材を閲覧したり、問題を解いたり、学習に用いるようになっています。このような状況を更に進めて、デジタルによる教科書を使えるようにするのが今回の改正案であると理解をしております。昨今のICT、情報通信技術の発展を考えれば、教育現場においてもデジタルを用いた教科書を利用することは必然とも思えるのですが、様々な論点があるので確認をさせていただきたいと思います。 デジタルによる教科書、私はデジタル教科書と言うことにしますが、このデジタル教科書に関して大臣に質問します。デジタル教科書を導入する狙いを教えてください。 〔委員長退席、尾身委員長代理着席〕
○松本(洋)国務大臣 この法律案でありますけれども、教科書の内容を子供たちにとって分かりやすくしたり、また、障害などにより教科書の内容を理解することが難しい状況にある、そうした子供にとって学びやすくするために、これまで紙だけが認められていた教科書に、デジタルの特性が生きる学習にデジタルを取り入れて作成することによって子供たちの学びの質を高めていくことを目的とするものであります。 デジタル化をすることは、目的ではなくてあくまでも手段でありまして、教育の質をこのような形で高めていくことを目的にしております。
○村上(智)委員 ありがとうございました。 大臣は、この後、退室と聞いていますけれども、もう大丈夫ですので。私は質問しますが、よろしくお願いします。 デジタルには様々なメリットがあります。それを、ただいま大臣から御答弁いただいたように、教育の質を高めるように使っていただきたいというふうに思います。 まずは、動画が使えるものですから、動画によりまして立体の図形とか、こういうものを動かしながら勉強することとすれば分かりやすいというふうに思いますし、また、音声を聞くことができますので、英語の発音、日本人ではなかなか再現できませんけれども、これをデジタルで聞くことによりまして学習効果は高まると思います。特に英語の発音については、教師の質によります。うまい人とそうではない英語の先生がいるものですから、そういう教師に当たったときの当たり外れ、そういうものがデジタル教材によりまして補えるというふうに思います。 また、自宅に帰って学習することもできます。先ほど大臣がおっしゃったように、弱視の方には文字のサイズを大きくすることもできますし、聴覚の弱い方には音声のボリュームを上げて聞くこともできるし、何度も聞くこともできるということでは、多様な学習ニーズに応えられるというメリットがあると思います。 さて、デジタル教科書には様々なメリットがありますけれども、このメリットを享受できるようにデジタル教科書の整備が進むことを願っています。このために、文部科学省においては必要な対応を取っていただきたいと思いますけれども、まず対応として思いつくのは学習指導要領です。 私から言うまでもありませんが、学習指導要領は、日本の教育の基本方針を示して、学校に共通の目標や内容を定めています。教科書は学習指導要領に沿うように作成されるものですから、デジタル教科書の導入に関連して学習指導要領をどのように見直すのかが気になります。一方で、デジタル教科書に関連して指針を作成するという話も聞いております。 そこで、この二つに関連して併せて質問いたします。デジタル教科書の導入と学習指導要領の見直しはどのように関係するのでしょうか。また、デジタル教科書に関連する指針はどのような内容になるのでしょうか。
○望月政府参考人 お答えいたします。 教科書につきましては、子供たちが学ぶツールとして具体的な教材でございます。現在、学習指導要領の改訂につきまして、主体的、対話的で深い学びの実装、あるいは多様性の包摂などを基本的な方向として議論が中教審で進められているところでございますけれども、こうした学びを引き続き支えるツールとして、デジタルを含む教科書についても検討が行われてきているところでございます。 具体的には、今回の制度改正によるデジタルを含む新たな教科書の活用によりまして、英語のネイティブ音声や理科の実験動画などを自分のペースで何度も確認したり、グループで話し合った内容を学習支援ソフトも活用して瞬時に共有して学び合うなど、主体的、対話的で深い学びの充実にもつながるのではないかと考えてございます。また、紙の教科書では学習に困難がある児童生徒も、先ほど来から出ています音声読み上げ機能、あるいは動画などによりまして、より学びやすくなるなどの多様性の包摂にも資するのではないかと考えてございます。 有識者会議での議論を踏まえまして策定する大臣指針におきましては、児童生徒の発達段階や教科特性等を踏まえまして、デジタルの活用が期待される学習場面、また、より紙が活用できる学習場面などについても、学校現場に分かりやすくお伝えをしたいと考えてございます。 次期学習指導要領の実施に向けまして、デジタルを含む新たな教科書を学校現場で効果的に活用できるよう準備を進めてまいります。 〔尾身委員長代理退席、委員長着席〕
○村上(智)委員 ありがとうございました。 デジタル教科書と少し離れますけれども、学習指導要領を改訂しまして子供たちの主体性や多様性の尊重、これを育てられるようにするという話、非常に大切なことですので、どうぞよろしくお願いいたします。 次の質問に移ります。 教育の効果を正確に把握することは、教育現場の改善や政策立案に欠かせません。デジタル教科書の導入に当たっては特に大切になります。なぜなら、新しい取組であるデジタル教科書については、改善の余地が多くあるからだと考えるからです。 そこで、質問いたします。デジタル教科書の効果を高めるために、どのようなデジタルの教材によりどのような教育的な効果が得られるのかを調査したのでしょうか。
○望月政府参考人 学校現場におきますこれまでの文部科学省の実証研究の中におきまして、先ほど申し上げました、英語で、ネイティブ音声を自分の理解度やペースに応じて繰り返し聞くといったことに効果があるほか、算数で、シミュレーション機能を使い図形を動かしながら自身で試行錯誤しながら考える、そうしたことに役立つものである。あるいは、安全な実験手順を、自分自身が実験をする前に動画で視覚的に確認を行うといったようなことなどの活動でデジタルがとりわけ効果的であるということを把握してございます。 とりわけ英語につきましては、先ほどから私の方からお答えしていることに加えまして、現行の教科書代替のデジタル教科書の音声コンテンツを適度に使用したグループの生徒ほど、英語の民間試験の正答率が有意に高いとする先行研究なども新たに確認をしてございます。 今回の改正によりまして、教科書のデジタル活用を可能とすることによりまして、児童生徒の学習効果を高めていきたいと考えてございます。
○村上(智)委員 ありがとうございました。 様々な調査を行っていることが分かりました。このように調査をすれば、どのような場面でデジタル教科書を使えばいいのか、どのようなコンテンツを発信すればいいのか、こういうことが分かってくると思います。そのような知見が非常に大切だというふうに思います。 先ほど、デジタル教科書の導入に関連して、指針を作成するというふうに教えていただきました。その指針には、今調査して分かったこと、このように調査して分かったことは盛り込んでいただきたい。その指針に基づいて教育をし、新しい試みをし、そしてまた調査をして、その効果がどうだったか、これをよく諮って更に指針をブラッシュアップする。そういうことをぐるぐるぐるぐる繰り返していって、このデジタル教科書の教育効果を上げていただきたい、このように思っております。 ここまでデジタル教科書のメリットに着目して質問してまいりましたが、心配されることもあります。 まず、気になるのは学習の効果です。多くの先生が指摘しておりますけれども、紙の教科書のよさというものもあると思います。書き込みや線引きがしやすいので、暗記の定着において紙媒体の方が効果的という意見もあります。また、紙の方は、大きい紙面を準備することができますので、タブレットのように限られた画面ではないものですから、一覧的な見方、俯瞰的な見方がしやすい、地図や周期律表、こういうものは大きい紙の画面で見た方が分かりやすいんだというふうに思います。 そこで、質問いたします。デジタル教科書の導入により、紙の教科書はなくなるのでしょうか。紙の教科書によるよさを残すことを考えないのでしょうか。
○望月政府参考人 今、村上委員から御指摘いただきましたように、デジタルにはデジタルのよさがあり、紙には例えば教材としての一覧性の高さや、あるいは長文読解などで文章をじっくり読む活動に適しているといった、それぞれのよさがあると考えてございます。 紙とデジタルのよさを組み合わせて児童生徒の学びの充実につなげることが重要であると考えてございますけれども、今回の改正によりまして、紙の教科書を廃止して、一律に全てデジタル形式の教科書に切り替えていくというような考えは持ってございません。 今後、有識者会議の議論を踏まえて策定する指針の中におきましても、教科書の発行、資料の参考となるよう、デジタルの活用が期待される場面を、一回きりじゃなく何回か実証研究も通じながら、重ねてお示しをしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○村上(智)委員 ありがとうございました。デジタルのよさと紙のよさと両方とも使えるようになるんじゃないかという話でした。 もちろん、教科書会社がそのように紙の教科書と両方とも使ったハイブリッド方式にするかどうかにもよりますし、学校がどの教科書を選ぶかにもよりますけれども、確かにハイブリッドにするメリットが大きいのではないかというふうに私も思います。どちらのよさも使って、しかもどちらのデメリットも、欠点も補える、そのような学習ツールになるんじゃないかというふうに期待をいたします。 さて、デジタル教科書において次に心配されるのは、タブレット等の端末や通信機器の故障により授業が受けられないことです。紙の教科書でしたら、印刷物なので故障などのリスクを考えなくてよいので、先ほどのハイブリッドで行うということは、この点でもメリットがあります。デジタルの教科書が使えない場合でも、紙の教科書による授業ができるわけであります。ただし、ハイブリッドであっても、デジタル教科書も同時に使えた方がよいということに間違いはありません。 そこで、このことについて聞きたいんですけれども、タブレットなどの端末については、学校ごとに予備機があるというふうに伺っております。偶然の故障が幾つも重なれば、その予備機が足らなくなることがあるかもしれませんけれども、基本的にはないというふうに聞いております。問題になるのは、通信機器の故障です。 そこで、質問します。学校の通信機器の不具合などによりデジタル教科書が使えなくなった場合は、どのような対応が取られるのでしょうか。
○望月政府参考人 お答えいたします。 デジタルな形態を含む新たな教科書につきましては、通信機器の不具合等によりましてデジタル部分が一時的に使用できなくなる、そうした事態の想定はされるところでございます。こうした場合にも学校現場において学習を継続することができるように、デジタルで作成される部分につきましては印刷、ダウンロードできる機能も必要であると考えてございます。 デジタルな形態を含む新たな教科書についての標準仕様を策定する中におきまして、そうした印刷、ダウンロード機能の標準的な実装についても検討してまいりたいと考えているところでございます。
○村上(智)委員 ありがとうございました。 確かにそうですよね。私もそうですけれども、必要な書類だとか動画とかをスマホにダウンロードして残していくということがよくあります。ですから、デジタル教科書の教科の中身も、一週間先とか過去のものとか、こういうものはダウンロードして端末に残しておけるようにすれば問題ないと思います。予習も復習もできると思います。 デジタル教科書のほかの問題点として、自宅に持ち帰って使えるのかということも問題になると思っていましたけれども、自宅にWiFi環境があれば使用できるけれども、家庭の経済状況や方針によってWiFiをつけていないというお宅もあると思います。そのような場合でも、ダウンロード機能があれば自宅に帰っても勉強ができるということで、紙と同じように使えるんじゃないかということで期待をしております。先ほど、デジタル教科書に関連して、指針を作成するという話でしたけれども、是非この仕様については指針に盛り込んでいただきたいというふうに思います。 デジタル教科書で次に心配されますのは、デジタル化によるコストの増大です。教科書会社が紙の教科書を印刷すると印刷代などが生じますが、他方、デジタル教科書の場合は、印刷代は不要ですけれども、サーバーからの情報発信に費用がかかります。 そこで、質問します。デジタル教科書を導入することにより、教科書の無償配付に係る国の費用負担が増えるのでしょうか。
○望月政府参考人 デジタルな形態を含む教科書の価格、あるいは費用につきましては、紙の教科書と同じ部分はありますけれども、印刷という部分がなくなる一方で、クラウド配信料などの、製造、供給に係るコスト構造が異なるなどについても考慮する必要があるかと考えてございます。このため、中教審の審議まとめ以降、教科書発行者と、どのようなコストがかかるのか等につきまして、製造、供給に係る必要なコスト算出に向けて検討を始めたところでございます。 一方、今回の制度改正によりましては、教科書の紙面上についている二次元コード先のデジタルコンテンツについては、学習指導要領に基づいた教科書の一部として位置づけられるものに限定して認めていく方針としてございまして、デジタルコンテンツの無制限な拡大を抑制していく考えを持ってございます。 法案をお認めいただきましたら、教科書発行者とそうした様々な、今回の国会の御議論も踏まえて丁寧な情報共有や意見交換も行いながら検討を進めまして、適正な教科書定価を設定し、必要な予算の確保に努めてまいります。
○村上(智)委員 ありがとうございました。 デジタルの世界になってくると、突然故障することもあって、その修理代がかかるとか、また、思わぬコストがかかってくるかもしれません。場合によっては、紙の教科書よりもデジタル教科書にした方が高くなるということが起こるのかもしれません。しかし、大切なことは、そのコストに見合った学習効果を上げることだというふうに思います。 学習効果を上げるためには、先ほどの先生も質問がありましたけれども、デジタル教科書をよく教師が使って、使い回して、そして教育効果を上げる、このことが大切だと思います。教師によくよくデジタル教科書の使い方、よさを分かっていただく、このための研修が必要であろうというふうに考えます。この点について、文部科学省において必要な対応をお願いいたします。 次の質問に移ります。大学の理系学部における入試において女子を優遇している問題についてです。 東京科学大学や金沢大学などの令和八年度の大学入学者選抜において、女子枠が設けられました。このような女子学生の優遇措置については近年増えておりますが、その背景としては、女子学生の理系分野への進学率が低いことや社会全体で多様性が求められていること、こういうことが挙げられています。 そこで、大臣に伺います。理系学部の大学入試において女子を優遇している大学がありますが、大臣の御所見を伺います。
○松本(洋)国務大臣 入学者選抜におきまして、合理的な理由なく性別や年齢、出身、居住地域などの属性を理由といたしまして一律に取扱いの差異を設けることは、公平性、公正性を欠き、不適切であります。 しかしながら、高校、大学関係団体等との協議を経まして策定しております大学入学者選抜実施要項におきましては、進学機会の確保に困難があると認められる者や入学者の多様性を確保する観点から対象になると考える者を対象に、多様な入学者の選抜を工夫することが望ましいこと、こうした選抜の趣旨や方法について社会に対し合理的な説明を行うとともに、学力も適切に評価することなどを定め、これらを踏まえて各大学の判断で多様な入学者選抜を行うこととしております。 この際の合理的な説明といたしましては、具体的には、特定の属性の入学者が過少である理由や背景などをどのように分析をしているのか、どのような人材を養成するのか、どのような評価方法により選抜するかを明確にすることが重要である、そのように考えております。 このような前提の下、理工系分野の学生における女性の割合が低い我が国におきまして、各大学の判断により女性を対象とする選抜を実施することについては、文部科学省として一定の合理性があるものと考えております。
○村上(智)委員 ありがとうございました。 この女子枠について、今、文部科学省の考え方として、これは合理的であるというふうな回答をいただきましたけれども、世の中には、これはよろしくないというふうなことを言う意見もあります。是か非かという議論もしたいんですが、その前に、今大臣が話をしたとおり、この女子枠については文部科学省が推進しているという面があることは触れておきたいと思います。 大臣が今お話しになりました大学入学者選抜実施要項ですけれども、この中で、理工系分野における女子については、入学者の努力のプロセスや意欲などを重視した判定、評価を行うことが望ましいというふうに記述をしておりまして、文部科学省は、理工系分野における女子枠をつくることが望ましいというふうに言っているようにも見えるわけでございます。 この女子枠に関しては、複数の問題点が指摘されております。まず一つ目は、入試の公平性の問題です。女子枠を設けることによりまして、同等の学力であっても男子が受験で不利になるケースが生じ、公平な競争の原則が損なわれているという指摘です。性別などの属性で選抜されることは、受験生の納得感を損ない、場合によっては学部や大学に対する信頼を揺るがすおそれがあります。 次に、能力が劣っているにもかかわらず女子が優遇されて入学すれば、学生同士の切磋琢磨による教育効果については劣化します。その大学の教育の質を下げることにもなりかねません。そして、入学した女子大学生側には、自分の努力への評価を否定されているといった心理的な負担が生じる場合があります。女子優遇が女性は理系が苦手という前提の下に成り立っていると取られれば、学内外の女性の評価やキャリア形成にマイナス影響を及ぼしかねません。 近年の大学入試では女子枠が問題になっていますが、かつて、二〇一八年頃は、大学医学部の入試において男子や現役生の優遇が問題になりました。男子や現役生へ加点調整をして合格者が入れ替わるということが起こりました。 これに関する裁判が行われましたが、その東京高等裁判所の令和二年の判決文には、得点調整は憲法十四条一項に反すると記載されています。憲法第十四条一項では「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」と定めております。得点調整は、性別で差別したと判断されたことになります。このため、女子枠についても憲法十四条一項に反しているんじゃないかと心配されるわけです。 なお、一方だけ紹介すると不公平なので、女子枠を合憲とする判決も出ていることも紹介しておきますが、横浜地方裁判所において令和五年に判決が出ています。 ここまで聞くと、加点調整は違憲だけれども枠をつくるのは合憲なのかとか、あるいは、男子優遇は違憲だけれども女子優遇は合憲なのかとか、そういうふうに思ってしまうかもしれません。憲法違反かどうか、議論が様々深いと思いますので、このことは文科省に整理をしてほしいなというふうに思います。 次の質問に移ります。一問、質問を飛ばします。準備していた役所の方、済みません。 先ほど話しましたが、文部科学省が定めた大学入学者選抜実施要項において書かれていることですが、家庭環境、居住地域、国籍、性別等に関して多様な背景等を持った者などは、入学者の多様性を確保する観点から、意欲などを重視した評価、判定を行うことが望ましいとしています。このように、家庭環境、居住地域、国籍、性別等によって多様性を確保できるという趣旨に思えるのですが、質問いたします。 文部科学省は大学における学びにおいて多様性を重視していますが、多様性について教えてください。性別、所得水準、出身地、一人親かどうか、疾患の有無など属性は多くありますが、これらが多様性なのでしょうか。
○合田政府参考人 お答え申し上げます。 まず、その前に、先ほど訴訟についてお話がございました。 御指摘の東京医科大学に関する訴訟につきましては、医学部医学科の入学者選抜において、お話がございましたように、募集要項であらかじめ説明せず、かつ、合理的な理由がなく女性や過年度の受験生が不利になるような得点調整を行っていたものでございまして、属性による差別的な取扱いに当たるとして不法行為に該当すると認定されたものと承知をしております。 一方で、大学入学者選抜実施要項で示している入学者の多様性を確保する選抜につきましては、合理的な理由に基づき、あらかじめ募集要項に明示の上、入学志願者の能力、意欲、適性をしっかり評価して行われるものであり、差別的取扱いとされていた東京医科大学の医学部医学科の事案とは異なるというふうに考えておるところでございます。 その上で、お尋ねの多様性でございますけれども、文部科学省としては、受験生の能力、意欲、適性等を多面的、総合的に評価、判定することが重要であると考えてございまして、その観点から、総合型選抜あるいは学校推薦型選抜など多様な入試方法を工夫することが重要であると考えております。 同時に、多様性を生かすキャンパスの実現の観点から、家庭環境、居住地域、国籍、性別等の要因により進学機会の確保に困難があると認められる方を始め、入学者の多様性を確保する観点から対象になると考える方を対象に、多様な入学者の選抜を工夫することも望ましいと考えてございます。 あわせて、こうした選抜の趣旨や方法について、社会的に合理的な説明を行うとともに学力も適切に評価することが重要であり、文部科学省としては、引き続き、このような考え方の下で、各大学における入学者選抜が適切に実施されるように取り組んでまいります。
○村上(智)委員 ありがとうございました。憲法の話もまた追加で話をしていただきましたけれども、よく整理して、また教えていただけたらと思います。 大学の多様性、それを求めるのは分かります。多様な学生が集まれば、異なる視点や価値観による意見を交わすことができまして、互いに刺激を受けて新しいアイデアが生まれるというふうに思います。 しかし、このためには、見かけの性別や国籍の違いというのは意味がないというふうに思います。例えば、国籍は外国であっても、生まれてからほとんど日本で暮らして日本人と同様の発想をする学生には、外国籍ならではの多様な意見を期待できないというふうに思います。大学における多様性で大切なことは、見かけの国籍や性別ではなく、多様な考え方ができるかどうかだというふうに思います。 そして、大学において学生には多様性を重視する姿勢を身につけてほしいのですが、それは相手の意見を尊重することに通じると思います。 最後に、一つお話をしたいと思います。 ある学生のグループが、女子枠に反対することを文部科学省に伝えたいということで私に言ってきました。私はそれを文部科学省に紹介をし、実際に面談をしていただきました。お忙しい文部科学省なのに、お時間を取っていただいて、感謝をしております。多様性を重視する文部科学省ですから、学生の意見にも十分に耳を傾けて、十分にその意見を尊重していただけるものだと期待をしております。そして、文部科学省におかれては、大学における多様性の確保のために、見かけにこだわらない入試を検討していただきたいと思います。 以上をもちまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○斎藤委員長 次に、河井昭成君。
○河井委員 国民民主党の河井昭成です。 お時間いただきましたので、学校教育法等の一部を改正する法律案について質疑を行います。 この質疑もそうですけれども、このような原稿、資料は、ICT機器を使って作成をしています。多くの仕事、文書の作成含めてICT機器のお世話になっています。 とても便利なんですけれども、最近ちょっと困っていることがありまして、メモを取るときに漢字が出てこない、漢字が書けなくなってしまっています。ただ、機械で変換するときは、ちゃんと変換できているんじゃないかなと今ちょっと信じてはいるんですけれども、時々間違っています。でも、できているのは、昔書いていたからではないかなと今ちょっと自分では思っているんですけれども、漢字を、文章を書く、計算をする、ノートを取る、これを手を動かして書くことは、私自身の経験上、これまでの学習の中で非常に重要であったなと改めて思い返しているところです。 さて、デジタル教科書は、デジタルのよさを取り入れることによって、児童生徒により分かりやすい教科書とすることを実現しようとするものです。一方で、今日のこの委員会でもそうですが、様々な懸念が示されています。特に、画面上での閲覧や操作が中心となることで書く機会が減少するのではないかと、現場の教員や保護者から懸念が示されています。また、私の周囲の先生方からも、改めて紙の本、印刷物のよさ、そして書くことの大切さなどの声をいただいているところです。 そこで、まず、学習における書くことの重要性の認識、また、今回の法改正にて本格的にデジタル教科書が導入されることになりますが、このことによって更に進むことが想定される書く機会の減少への対応について、どのように書く機会を確保していくのか、大臣の見解をお伺いをいたします。
○松本(洋)国務大臣 今回の制度改正でありますが、あくまでこれまでの紙を中心とした学習環境を基本としつつ、デジタルの特性が生きる学習にデジタルを取り入れて教科書を作成することにより、子供たちの学びの質を高めていくことを目的とするものであります。 児童生徒の学習環境から本やノートをなくしてデジタル一辺倒の学びを行うわけではなく、例えば、デジタル部分で学んだことを紙のノートにまとめるといった、手を動かして書く活動や、紙の資料も活用して学ぶ活動は今後とも重要である、そのように考えているところであります。 今後、有識者会議での議論を踏まえまして策定する大臣指針でありますが、その中におきましても、書く活動、これを学習活動の中で確保していく重要性についても示してまいりたいと考えておりますし、それによって、そうした学習の場というものも子供たちにしっかりと提供をしてまいりたい、そのように考えているところであります。
○河井委員 意識して残してやろうとしないとなかなか減少の傾向は防げないのではないかなと思っているので、是非とも意識して取り組んでいただければと思います。 次に、私、技術系で、機器の仕様とかが大好きなもので、ちょっと細かい話になりますけれども、そもそもデジタル教科書とはどのようなものなのかについて確認をしたいと思います。 現状のデジタル教科書、正確には教科書代替教材ですが、紙の教科書の内容をそのままデジタル化したものです。したがって、その役割も、紙の教科書を補完する範囲にとどまっていたと理解をしています。できることも、文字の拡大、色の変更、音声読み上げ、ルビ表示など、デジタルのよさ、機能の一部しか利用していなかったと言えます。 今回の法改正で、紙媒体限定と解釈されてきた教科書をデジタルの形態も含み得るように規定することとしています。音声データや動画など従来の紙データでは扱えなかった多様なコンテンツを扱える可能性があり、デジタル教科書のイメージは、これまでのデジタル教科書とは大きく変わるものと考えます。 例えば図形を動かしながらという説明が今日ございましたけれども、多分、グラフを描く、皆さん、覚えておられますかね、動く点の問題とか。これ、変数を変えるとどうなるのかというのは、やってみると非常に学びが深まるのではないかと思うんですが、これは教科書に搭載すると面白いですよねという印象が持てるんじゃないかと思うんですけれども、でも、バックグラウンドにあるのは多分プログラムになるんじゃないかな。 また、最近AIの活用が広がっていますけれども、教科書にAIを搭載することはどうなのかみたいなことも含めて、今回の法改正で、紙の教科書をそのままデータ化したこれまでのデジタル教科書はどのように変わっていくのか、また、デジタルな形態を含み得るとしたデジタル教科書について、デジタルな形態としてどのようなものを想定しているのか、具体的に御説明ください。
○望月政府参考人 今、河井委員から御指摘いただきましたように、今後のデジタルを含む新たな教科書につきましては、現行の教科用図書代替教材とは異なりまして、紙の教科書の内容をそのままタブレット等で表示するというものではございません。 今回の制度改正によりまして導入される教科書のデジタル部分につきましては、単に静止画像を表示するだけではなく、例えば英語のネイティブ音声や理科の実験動画の再生、あるいは、算数、数学の立体図形の展開や回転などが可能になり、今御紹介いただきましたような、生徒自身が自由に係数等を設定をしてグラフを作成するといったような、視覚的に計算式をグラフで自分で動かして表す、そういったプログラム的なものも入るものと考えてございます。 デジタルの特性を生かし、児童生徒がより分かりやすく学びやすい教科書を提供するのが可能になると考えてございます。 AIのお話もございました。AIそれ自体について教科書に実装することにつきましても、本法案によります改正後の法律の条文では排除はされないものと理解してございます。一方で、AIの実装につきましては、まずは技術的な観点を含めた実証が必要であること、あるいは、まだ今、学校現場でのAIの活用については、ガイドラインを示しましたけれども、間違いも多かったり、あるいは、それ自身が発展していないというようなそういう状況もございますので、本制度後、直ちにAIの実装をすることは考えてはおりません。今後の技術の進展や実証成果も踏まえながら、検討が必要な課題であると認識はしてございます。
○河井委員 ありがとうございます。 教科書は、教育の根幹を支えるものでして、その内容の正確性、客観性、教育上不適切な内容が含まれていないことなどが求められ、これまでも厳格な検定制度によってこれらが担保をされてまいりました。一方で、デジタル教科書においては、従来の紙媒体とは異なり、動画や音声などの多様なコンテンツの活用や、場合によっては内容の更新が行われることも想定されていまして、その在り方は大きく変わるものと考えられます。 こうした中で、どの範囲までを検定の対象とするか、また、更新が行われる場合には、その都度どのように質を担保していくのかといった点は、制度の根幹に関わる重要な論点であります。前段でも問いがありました。詳細はこれから検討が進められるものと認識しておりますけれども、こうした新たなデジタル教科書の検定に対応するには、人的対応、技術的対応を含めた相応の体制整備が必要になると考えます。 そこで、今回の法改正によってデジタル教科書の検定を新たに行うことになりますが、デジタル教科書に対応した教科書検定の体制整備についてどのように想定をしているのか、見解をお伺いをいたします。
○望月政府参考人 新たな教科書におけるデジタル部分の検定につきましては、今後、教科書検定調査審議会におきまして、その具体的な検定方法、検定基準、それから審議会における委員の構成、あるいは委員がそのデジタル部分について確認するなどの審議会自体の検定体制の在り方についても議論が必要かと考えてございます。 その上で、文部科学省としましては、動画や音声等も確認をするために、教科書発行各社の検討状況もお聞きをして、どの程度申請件数に対応する必要があるかも把握をしたいと考えてございます。 そうした発行者の声もお聞きをしながら審議会の体制についても検討し、また、事務局としてのそうした動画や音声等を確認するための体制につきましても検討し、必要な準備を進めてまいりたい、そう考えてございます。
○河井委員 分量もまた増えるかもしれないですし、先ほどの話でいうならば、プログラムなども含み得るということであれば、この分野を技術的に理解できる方も検定の中に必要なのではないかということを考えたりもします。是非とも体制整備をしっかりと行っていただきたいと思います。 次の質問に移ります。 これまでの紙の教科書は、児童生徒に無償で給与されるものでした。いわば、一定、所有する形で使用し、内容の学習を終えた後にも手元に残って、繰り返し参照できるものでありました。 一方で、デジタルの場合、例えばコンピューターのソフトウェアは、購入して所有することは少なくなっておりまして、近年は、有形のものではないため、アクセスを認める使用権、ライセンスとして取り扱われるものが一般的となっています。今回の法改正で導入されるデジタル教科書の取扱いは、どのようになりますでしょうか。デジタル教科書は所有するものとして提供されるのか、それとも使用権として提供されるのか、その基本的な考え方について、現時点での整理を御説明ください。
○望月政府参考人 お答えいたします。 デジタルな形態を含む新たな教科書のうち、デジタル部分の利用につきましては、紙の図書のような有体物ではないため、使用権を取得した上で、クラウド配信されるコンテンツを閲覧、操作することになります。 このため、本法案では、義務教育段階の教科書のうち、デジタル部分の使用権を国が購入した上で、市町村等の学校の設置者に使用権を無償移転し、設置者は、使用権に基づいて教科書のデジタル部分を児童生徒に無償で使用させる、そういう仕組みとなるわけでございます。
○河井委員 ありがとうございます。 今の答弁では、デジタル教科書は使用権として提供されることを想定しているとのことでありました。この場合、紙媒体の教科書とは異なり、いつまでも利用できるものではなく、その利用可能期間が設定されるものと理解をいたします。 仮に、利用期間が年度ごとや在学中に限定されるとすると、過去に学習した内容を後から振り返ることが非常に難しくなります。中学校の受験の時期を考えると、一年生、二年生のときに学んだ内容をもう一回確認したいなと思う機会があるので、多年度にまたがっておく必要があるのではないかと考えられます。この利用できる期間がどのように設定されるのかは重要になると考えます。 そこで、デジタル教科書の利用期間については、どのような期間設定を想定しているのか、また、学習の振り返りや継続的な活用との関係について、どのように考えておられるか、御説明をお願いいたします。
○望月政府参考人 今、河井先生から御指摘をいただいた件、実は、中教審の審議まとめにおきましては、教科書のデジタル部分のライセンス期間は、多様な教育課程にも対応できるよう、教科書の使用学年を超えての使用も可能とする必要がある、そのために、少なくとも義務教育段階では三年以上、高等学校段階では四年以上とすることが望ましいという提言をいただいてございます。本法案をお認めいただければ、今後、その内容を、省令で具体的なことを定めてまいりたいと思ってございます。 また、教科書は、子供たちが家庭などでライセンス期間終了後も振り返り、復習し、あるいは、自分が学習したことを思い出としてもう一度勉強したり、そういう機能もあるかと考えてございます。子供たちが後に残しておきたいという必要な部分につきましては、ダウンロード、印刷することも可能としたいと考えてございまして、先ほどの通信障害等との対応にもなりますけれども、今後、デジタルな形態を含む新たな教科書についての標準仕様の中で、そうしたダウンロード、印刷機能に関することについても検討してまいりたいと考えてございます。
○河井委員 ありがとうございます。 デジタル教科書が使用権、ライセンスで提供されるものとのことでした。使用に当たっては、児童生徒がそれぞれアカウントIDやパスワードを設定し、ログインして利用することが前提となると考えられます。 これまでに学校現場では、一人一台端末で、eライブラリやスタディサプリ、これはちょっとサービス名になってしまいますが、学習支援サービスや、保護者連絡ツールのtetoruなど、オンラインサービスの利用などがあり、児童生徒は既にアカウントIDやパスワードを持って利用している事例があると認識しています。 これが今度、教科書ごとに必要となることが想定されます。IDの管理は、セキュリティーの確保と利便性の両立という観点からも、どのような運用が適切であるかは重要な論点であると考えます。 特に、低学年の児童にとっては、IDやパスワードを適切に管理すること自体が容易ではないと考えます。少なからず学校現場の混乱が想定されまして、その対応を担うのは現場の教員。教員の負担増につながるのではないかと懸念をするところです。これは新たな業務になるので、本当に負担増なのではないかということになります。 そこで、デジタル教科書のアカウント管理についての課題をどのように認識をされているか、また、教員の負担とならないようにどのような対応を想定しているのか、御説明をお願いいたします。
○堀野政府参考人 お答え申し上げます。 デジタルな形態を含む新たな教科書のうち、デジタル部分につきましては、閲覧のためのソフトウェアであるビューアーに児童生徒のアカウントを登録することが必要でございまして、市町村等の設置者や学校がアカウント管理を実施することとなります。多くの場合、これまでの例でいいますと、やはり学校の教師あるいはICT支援員が行っている例が多いと聞いているところでございます。 特に、年度当初のアカウント登録作業の負担を指摘する声もあることから、中教審の審議まとめでは、国が主導的に負担軽減の取組を強化していくことが必要であるとされております。 文部科学省としては、これまでは、現行の教科書代替のデジタル教科書について、アカウント登録のフォーマットの統一等の取組を進めてきたところですけれども、今後、さらに、デジタルな形態を含む新たな教科書の標準仕様の策定に向けて、複数のビューアーへのアカウントの一括登録機能の実装についても検討してまいります。
○河井委員 ICT支援員の現場の配置も全ての学校にというふうにはなっていないですし、教員の確保もなかなかままならない状況の現場から、この負担増はなかなかの重荷になるはずなので、是非とも、なるべくその作業は少なく、できるならば人を新たに配置をする、ICT支援員、これから更に重要性を増すのではないかと考えますので、その辺の対応も、まだ時間がありますので御検討いただければと思います。 次の質問に行きます。 これまでの紙の教科書の価格は、小学校で一学年当たり四千円程度、中学校で六千円程度とされています。例えば小学一年生の国語の教科書は、一冊四百円前後となっているようです。デジタル教科書においては、システムの開発、運用費、コンテンツの更新費用、サーバーの維持管理など、紙の教科書にはない、新たな費用が生じることが想定をされます。そのため、紙の教科書と同等の価格での作成は難しいと考えられます。当然ながら、教科書作成会社には、作成に必要なコストに見合った適正な価格設定等をできる必要があります。このため、教科書を提供する国の財政負担は増えることが想定をされています。 そこで、デジタル教科書の価格について、現時点でどの程度の価格水準を想定しているのか、また、紙の教科書と比較してコストはどのように変化すると見込んでいるのか、見解をお伺いいたします。
○望月政府参考人 お答えいたします。 今、河井委員からも御紹介いただきましたけれども、現在、児童生徒一人当たりの平均教科書費というのは、小学校が四千四百四十三円、中学校では六千百三十七円となってございます。一冊当たり、小学校では四百円程度となってございます。 今回、デジタルな形態を含む新たな教科書の価格につきましては、やはり紙とは違った特質の部分がございます。印刷代というものがなくなる一方で、クラウド通信料なども発生いたしますし、今後の物価変動等の状況も十分に注視をしなければならないと思ってございますので、現時点で、製造、供給に係るコスト構造がどのくらいであるかということについては、予断を持ってお答えすることは困難かと考えてございます。 一方で、そうした社会変化も踏まえまして、将来、子供たちがデジタルな形態を含む新たな教科書も十分に学校現場で活用することができるように、教科書発行者とも十分に意見交換をしながら、また情報共有をしながら、今後、検討を加速させてまいりたいと考えているところでございます。
○河井委員 ありがとうございます。 GIGAスクール構想により一人一台端末の整備が進む中で、実際に児童生徒が学習に使用する教室の環境が、その活用に十分対応できているのかという点に配慮が必要であると考えています。 例えば、従来、紙の教科書やノートを前提としてきた机の広さでは、端末を置いた上で、紙の教科書や教材、ノートなどのスペースが十分に確保できないとの声を聞いています。場合によっては端末の落下などで破損につながる懸念など、結果として学習のしづらさにつながっているのではないかという声があります。さらに、画面を見ることが前提となる中で、教室内の自然採光や光の反射を含めた照明の状況について、従来以上に配慮が求められるのではないかと考えます。こうした物理的な環境が十分に整っていない場合、児童生徒の集中力や学習効果、さらには視力の低下など、健康面にも影響を及ぼす可能性があります。 そこで、一人一台端末の活用を前提としたときの現在の教室の環境の課題についてどのように認識をされているか、今後、ICT機器の活用は前提となると考えられますので、教室の環境、机や照明などを含め、今後どのように改善を図ろうとされるのか、見解をお伺いいたします。
○蝦名政府参考人 お答えを申し上げます。 公立小中学校につきましては、児童生徒の急増期を迎えていた約四十年前までに建設された施設が、現在、全体の約六割に上ってございます。特に、これらの施設におきましては、老朽化による安全上の懸念はもとより、議員御指摘のように、新しい時代に対応した教育環境の整備の面で課題が多いものというふうに考えてございます。 文部科学省におきましては、学校教育を進める上で必要な施設機能を確保するために、計画及び設計上の留意事項を示しました学校施設整備指針を策定しているところでございます。 これは順次改定を行ってございますが、直近の改定を令和四年に実施をしたところでございますけれども、この指針の中では、ICTの活用などにより学びのスタイルが多様に変容していくこと等を踏まえ、学校施設も時代の変化、社会的な課題に対応していく可変性が重要であること、また、議員御指摘の机のありよう、あるいは日照と採光の問題などについても配慮事項を示しているところでございまして、各学校設置者に対して、この指針に十分配慮して施設の整備を行うよう求めているところでございます。 また、学校施設整備指針に加えまして、ICTの活用という観点からは、児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック、これも令和四年に改定をいたしたところでございますが、この中でも、御指摘のように、例えば、日照の問題でありますとか机の大きさの問題などについて、ICTを導入した際の適切な状態について一定の記述を設けまして、これらに基づく取組を各学校設置者に求めているところでございます。 文部科学省といたしましては、今後も引き続き、新たな教育手法等を踏まえた、新しい時代の学びに対応した教育環境の整備に努めてまいりたいと考えてございます。自治体が整備主体ということになりますけれども、学校施設の整備に対する国庫補助などを通じて、そうした取組を支援してまいりたいと考えているところでございます。
○河井委員 施設整備指針をお示しということなんですけれども、最近、長寿命化で、それこそ四十年ぐらい築年数がたった校舎も、大事に大事に大規模改修しながら使用しているという現状にあります。その当時の設計思想のまま使用されているわけです、大きく機能は改善しませんので。そういうことも踏まえて、やはり、ここから先、どういうふうに対応していくのかというのは大事なんじゃないかなと考えているところですので、是非、また引き続きの検討、対応をお願いをしたいと思っています。 また、急速にGIGAスクールを進めてきたので、この辺りの検証が十分できているかということもお考えいただけたらなと考えているところです。 次の質問に移ります。 ICT機器の活用は、子供たちの学習の理解の促進、意欲の向上、思考を深めたり広げたりすること、表現や技能を高めることなど、教育的効果があると承知をしています。一方で、その使用時間や使い方によっては、必ずしも学力の向上に結びつかない、あるいは、学習への集中や理解に影響を及ぼす可能性があるのではないかとの指摘もあります。 実際、ICT機器の学習における利用であっても、時間が長時間に及ぶ場合、学習効果との関係について必ずしもプラスではないとの調査結果もあり、使えばよい効果があるというものではなく、今後も検証が必要であると考えます。特に、家庭においても子供たちは、ゲームや動画視聴など、学習以外にも長時間ICT機器に触れているという状況にあります。 こうした点を踏まえるならば、ICT機器の活用については、そのメリットを生かしつつも、どの程度の時間とするかなど、学力の向上のための適切な使い方を明確にしていく必要があると考えます。 そこで、ICT機器の長時間使用が学力に与える影響について、現時点でどのような認識を持っておられるのか、また、その影響を踏まえ、学校現場における使用時間の目安や指導の在り方についてどのように対応していくのか、大臣の見解をお伺いをいたします。
○松本(洋)国務大臣 今委員が御指摘をいただきましたように、ICT機器を利用するということは、子供たちにとってメリットもあればデメリットもある、そういうことも指摘をされているところであります。 メリットといたしまして、ICTの活用と学力の関係につきましては、現行の教科書代替のデジタル教科書をいつも使う児童生徒は、そうでない生徒と比べて、授業内容がよく分かるでありますとか、主体的な学びや対話的で深い学びができていると回答をした割合が高く、また、課題解決に取り組み、考えをまとめ、発表、表現する場面でICTを活用している学校の児童生徒は学力調査の各教科の正答率が高い、こうした調査結果というものが出ているところであります。 ただ、一方で、長時間の利用等、ICT機器の利用の仕方によっては集中力の低下などがあるのではないかといったような不安の声があるのも事実であります。 文部科学省としては、使用時間を守るなど、児童生徒が端末を安全、安心に活用するために気をつけることなど、学校や保護者等との間で共有しておくことが望ましいポイントを周知するとともに、情報モラルを含む情報活用能力の育成や、児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブックの策定、周知に取り組んでいるところであります。 これは、おっしゃるとおりでありまして、そういう意味では、もちろん、学校現場については、文部科学省として、我々としてしっかりとそうした周知をし、また、先生方にも御協力を賜りつつ、いろいろと指導をしていくことが可能でありますけれども、トータルとして見た場合には、やはり御家庭でもしっかりと御理解をいただいて、一体となって取組を進めていくという意味では、当然、これは文部科学省だけではなくて、こども家庭庁など様々な省庁とも連携して取り組んでいくということも組み合わせてやっていくことが大変大事だと思っております。 文部科学省といたしましては、一人一台端末の整備やデジタルな形態を含む新たな教科書の活用に当たりましても、児童生徒が適切に活用しながら学びに向き合うことができるように必要な取組を進めてまいりたい、そのように考えております。
○河井委員 ありがとうございます。 小学校低学年の児童においても、ICT機器、またデジタル教科書を利用した学びについて、更に配慮が必要ではないかと考えます。 低学年の児童は、発達段階として、まだ集中の持続が非常に難しく、興味や関心が移ろいやすい時期であります。そうした中で、端末には様々な情報や機能が存在して、意図せず画面内の別の要素に注意が向いてしまう、あるいは、操作そのものに意識が向いてしまって授業への集中が途切れてしまうことがしばしば生じているというのが現場からの声です。 こうした点は、学びの質に直結する重要な論点であると考えます。基礎的な力を養うべき低学年においては、授業の分かりやすさとともに、落ち着いて学習に向き合う環境をいかに確保するのかも極めて重要な観点ではないでしょうか。 そこで、小学校低学年におけるデジタル教科書の利用の効果、影響をどのように評価をしておられるのか、また、児童が落ち着いて授業に取り組める環境を確保する観点から、どのような活用の在り方が望ましいと考えているのか、大臣に伺います。
○松本(洋)国務大臣 全てがデジタルの教科書の扱いにつきましては、今後策定する大臣指針の中でお示しすることを考えているところであります。 現在、有識者会議で御議論をいただいているところではありますが、中教審やこれまでの有識者会議におきましても、学校現場の実態を踏まえ、小学校低学年や中学年では慎重に考えるべきという意見が多く出されております。これを踏まえまして、現時点では小学校四年生以下では認めることは適当ではない、そのように考えているところであります。 これまでの我が国の学校教育において育んでまいりました自分で書く力や読む力を引き続き大切にしながら、発達段階に応じて、また教科に応じて、デジタルのよさも取り入れた教育環境の整備に取り組んでまいりたい、そのように考えております。
○河井委員 是非、デジタル教科書導入の目的に沿った形で進められますように御期待申し上げまして、質疑を終わります。 ありがとうございました。
○斎藤委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 ――――◇――――― 午後一時開議
○斎藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。西岡義高君。
○西岡(義)委員 国民民主党の西岡義高です。 早速、学校教育法等の一部を改正する法律案について質問してまいります。 本法律案は、情報通信技術の進展に鑑み、教科書にデジタルのよさを取り入れることにより、教育の充実を図るものであると認識しております。つまりは、紙のよさも残しつつデジタルのよさを取り入れていくものだ、そういう認識でございます。 文科省からの説明でも、紙かデジタルかではなく、紙とデジタルのハイブリッドを想定しているという御説明がございました。紙もデジタルもそれぞれメリット、デメリットがある中で、文科省の言うベストミックス、メリット、デメリットがあるからこそベストミックスなんだということを文科省はおっしゃっておりました。 では、このベストミックスというのは、どのような状況を想定しておっしゃっているのか、また、そこに向かってどのように着地させていくのか、具体的な道筋を伺いたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 デジタル、紙、それぞれメリット、デメリットというものがあろうかと思います。デジタルには、動画、音声などによる説明も可能であるといったよさがありますが、紙にも、教材としての一覧性の高さや、長文読解などで文章をじっくり読む活動に適しているといった、そうしたそれぞれのよさがあるというふうに認識をしているところであります。その紙とデジタルの双方のよさを適切に組み合わせまして、より分かりやすく学びやすい教科書とすることで子供たちの学びの充実につなげることが重要である、そのように考えております。 今後、本法案をお認めいただければ、有識者会議の議論を踏まえまして、デジタルな形態を含む新たな教科書の発行、採択などの大臣指針を策定することを考えておりますが、その中で、児童生徒の発達段階や教科の特性などを踏まえた、デジタルの活用が期待される学習場面などについて示してまいりたい、そのように考えているところであります。
○西岡(義)委員 御答弁ありがとうございます。 デジタル教科書のメリット、デメリット、両方が指摘されている中でございますけれども、デジタルツールを上手に使えない子供が紙を選択できたり、デジタル教科書をツールの一つとして捉えて子供たちが紙かデジタルかを選べたり、状況によって使い分けられる、このようにしてデジタルシチズンシップを教育することの重要性を指摘する意見もございます。 子供による選択、このことについてどのように考えていらっしゃるのか、伺います。
○望月政府参考人 お答えいたします。 今後のデジタルな形態を含む新たな教科書につきましては、紙の教科書の内容をそのままタブレットなどで表示する現行の教科書代替のデジタル教科書とは異なりまして、動画の掲載などデジタルならではの特性を生かした、紙の教科書とは異なる別の内容、構成になるものでございます。学校における学習は、通常、学級等の集団を単位として展開するものでございまして、児童生徒によって異なる内容の教科書を使用するということは、学習上、あるいは教師の指導上、支障の生じる可能性が高く、難しいのではないかと考えてございます。 なお、障害や特性のある児童生徒につきましては、これは教科用特定図書等を使用することが可能でございますので、これは特別支援教育支援員などとの連携もしながら、こうした障害のある児童生徒への対応は別に行っていかなければいけないと考えているところでございます。
○西岡(義)委員 御答弁ありがとうございます。より発展的なデジタル教材になっていくということで理解させていただきました。 次に、教職員の負担増の懸念について伺いたいと思います。 現状におきましても、機器のトラブル対応であったり管理業務において、一部のICT担当の先生であったりデジタル機器に詳しい教職員に負担が偏っている、そのような状況が見られております。負担の偏りを解消するために、デジタル機器の取扱いについては、全ての教職員が一定以上の知識と技術を身につけていく必要があるかと思います。しかし、今の学校の先生方の労働環境を見ますと、更にスキル習得のための研修を受ける余裕など、なかなかない状況だとも思われます。 デジタル教科書の使用教科が増えることで、トラブル対応も同時に増える可能性が考えられますけれども、教員の負担増の可能性についてどのように捉えているのか、また、今後のスキル習得の講習などの在り方を含め、どのように対応されていくのかを伺います。
○松本(洋)国務大臣 今後、デジタルな形態を含む新たな教科書が普及をしていく中、デジタル機器の管理やトラブルに対応する教員の負担をいかに軽減をしていくのかということは大変重要な課題であると考えております。 文部科学省では、教育の情報化を推進する観点から、教育委員会においてICT推進を担当する体制を整備するとともに、ICT支援員を始めとする専門人材の配置など、必要な体制の整備を促進しているところであります。 ICT支援員は、担当教師などと連携をいたしまして、デジタル教科書のアカウント設定、端末ネットワークの接続状況の確認、ハードウェア故障時の迅速な問題診断などの支援に当たっていると承知をしております。 今後とも、教員の負担軽減にも配慮しつつ必要な体制整備を促進してまいりたいと思いますが、なお、先ほどもお話をしましたけれども、今回デジタル教科書をお認めいただいたのであれば、そのアカウント管理というものをどうするのかということが話としてありました。例えば、各教科書会社のアカウントのIDやパスワードの設定方法などの基準を統一することによって、ただ単に一つのIDをそれぞれの会社に入れられるようにすればいいんじゃないかみたいな議論もあったんですけれども、それだと幾つも入力をしていかなきゃいけないという手間暇もありますし、管理も大変だというようなこともあったりします。そういう意味で、アカウント登録のフォーマットの統一などの取組を進めるだけではなくて、今回の制度改正を受けまして、今後は複数のビューアーへのアカウントの一括登録機能の実装など、こうしたものも検討をし始めているところであります。 これも、私が視察に行ったときの現場の先生から直接お話を聞いたことを基にいたしまして、こうした取組というものの検討を始めさせていただきました。これからも現場の、小さいことも含めていろいろなお声というものを聞きながら、少しでも現場の負担軽減につながるような、そういう取組を進めていければ、そのように考えております。
○西岡(義)委員 御答弁ありがとうございます。 本当に学校の先生、今現場は大変だと思いますので、是非積極的な取組、どんどん前に進めていただければと思います。 そして、今言及のありましたICT支援員、これは現在、四校に一人の割合で配置されているかと思います。不足も指摘されているICT支援員ではございますけれども、四校に一人だと、大体週に一回ぐらいしか回ってこないということであります。教職員の負担軽減のためには、やはりこのICT支援員を各校常勤化する必要があるかと思いますけれども、この点、お考えはいかがでしょうか。
○松本(洋)国務大臣 ICT支援員についてでありますが、学校のICT環境整備三か年計画におきまして、ICT環境の円滑な整備のために最低限必要な基準といたしまして、四校に一人配置することを示しております。この計画に基づきまして、所要の地方財政措置が講じられているところでもあります。 令和六年度のICT支援員の配置状況は全国平均で四・五校に一人にとどまっていますが、実際の配置においては、一人が複数校を兼ねて支援している地域もあれば、一校に一人配置をして支援をしている地域もあるというふうに承知をしているところであります。 文部科学省としては、ICT環境の充実に向けて、自治体や学校の実情も踏まえつつ、まずは全体として四校に一人の配置が満たされるように促してまいりたいと思いますし、また、現場との関係、様々な役割分担、いろいろなものも含めまして、こうした支援というものが現場にしっかりと行き届くような、そうした体制整備に努めてまいりたい、そのように考えております。
○西岡(義)委員 ありがとうございます。 現状、四校に一人まだ配置し切れていないということであれば、まず早急にそこを充足することをお願いいたします。 そして、その先に、仮にICTが得意な教員がたくさんいるような学校の場合でも、ICT支援員がちゃんといれば、先生方もその分、指導力の向上であったり、よりよい授業づくりなど、教職員にしかできない仕事に集中して取り組めるようになりますので、将来的には是非常勤化を見据えて検討も進めていただきたいと思います。 そして、教職員への一定以上のICTスキルを身につけさせることにつきまして、これらを使用した指導力の向上も含めまして、これから教員を目指そうとしている学生に教職課程段階からしっかり取り組ませていくことも必要になってくるかと思います。しかし、教員免許取得に必要な単位数を削減することも検討が行われているということを耳にしますので、そのような時間が教員免許取得の段階で確保されていくのか懸念を抱いているところでございます。 教職課程において、デジタル教科書の取扱いについて、どのように扱っていくのかを伺います。
○松本(洋)国務大臣 デジタルな形態を含む新たな教科書を含めまして、教師がICTを活用した指導の方法を身につけること、これは大変重要であります。これまでも、教職課程における学修に情報通信技術の活用を位置づけているところであります。また、教職課程コアカリキュラムにおきましても、教科の特性に応じた情報通信技術の効果的な活用法などを教職課程を置く全ての大学で共通的に修得すべき資質、能力として位置づけているところであります。 また、現在、中央教育審議会において、教師の養成、採用、研修の在り方について御議論をいただいているところであります。この議論におきまして、教職課程を厳選した上で強み、専門性を加えるべきとの御意見のほか、ICTや情報、教育データの利活用に関しましては、学習指導要領の改訂の議論におきましてデジタル学習基盤が前提とされていることから、情報通信技術の活用に関する事項は充実をさせるべき、今日的な教育課題解決に資する事項として教育データの利活用を新たに加えるべきなどの御意見をいただいているところであります。 こうした御議論も踏まえつつ、情報通信技術を活用するために必要な学習をどのように教職課程に位置づけていくか、引き続き検討をしてまいりたいと思っておりますし、教員になる前段階の教職課程だけではなくて、教職員となった後もそうした様々な研修、学習の機会というものを充実させていくことによって、教職員として仕事をしながらスキルアップをいかに図っていくのかということも大変重要な観点であると思っておりますので、そうした点も含めまして、我々といたしましては、そうした検討を進め、具体的な取組につなげてまいりたい、そのように考えております。
○西岡(義)委員 御答弁ありがとうございます。 教職課程の教科の指導法の中で、デジタル教科書に触れながら指導法も学んでいくということは重要だと思いますし、こういったデジタル技術は日進月歩で前に進んでおりますので、常にスキルアップをする体制も整えていっていただきたいと思います。 テーマは変わりまして、ランドセル症候群という言葉を御存じでしょうか。重過ぎるランドセルを背負うことで、前傾姿勢になったり反り腰になったり姿勢が悪くなって、肩凝りや腰痛、頭痛を訴えるお子さんがたくさんいらっしゃる。さらに、体の不調だけではなくて、通学自体がおっくうになるというような心理的な影響もあるのがランドセル症候群でございます。 私が護身術の出前授業に行ったときに、ランドセルを背負わせて子供を走らせるので、そのときにちょっとランドセルを持たせてもらったりするんですけれども、持った瞬間に重いと声が出てしまうぐらい、本当に重いんです。 それもそのはずで、ランドセル工業会の調べでは、ランドセルを除いた、小学生が持ち運んでいる荷物の重さは平均で四・七キロ、ランドセルを入れたら約六キロですね。体重三十キロの子供だったら、自分の体重の二〇%の重さを背負っている。我々大人で換算しましたら、野球場のビールの売り子が背負っているビールサーバー、あれを、満タンのビールサーバーを毎日背負って職場に通っているような、そんなイメージになるかと思います。 本当に重いのを背負って毎日学校に通っているわけですけれども、姿勢が悪くなることで、体に不調を来すだけではなく発育自体にも悪影響を及ぼします。心にも悪影響がありまして、不安感やいらいらの増幅、集中力や判断力の低下、ストレス耐性の低下、自己肯定感の低下なども指摘されているところでございます。 今回の教科書のデジタル化でタブレット端末を持ち帰る頻度が増えることも想定されております。そして、ランドセル症候群が増えたり、また、症状が悪化したりするのではないかと私は懸念を抱いているところではございますけれども、現状のランドセル症候群に対する文科省としての認識、そしてその対策、またデジタル教科書がどのような影響を与えていくと考えているのかを伺いたいと思います。
○望月政府参考人 お答えいたします。 ランドセル、あるいは通学かばんといった児童生徒の携行品の重さや量の課題については、これは必ずしも教科書のみが大判化した、あるいはページ数が増えたということだけによるものではないと思っておりますけれども、近年のそうした子供たちへの体の負担、姿勢、あるいは安全面を心配する声があるということは承知をしているところでございます。 文部科学省としては、教育委員会等に対しまして、家庭学習に必要な教材などのみを持ち帰るといった具体的な工夫例も通知等でお示ししながら、児童生徒の携行品に係る配慮をお願いしてきたところでございます。 今回の法改正によりまして、デジタルな形態を含む新たな教科書が導入されることによりまして、従来の紙の教科書の一部がデジタルにより作成されることで、紙の教科書そのものの重さが軽減されて、児童生徒の負担軽減につながる部分もあるかと考えてございます。 中教審における審議におきましても、この点、やはり同じように議論がございまして、デジタル教科書であれば他の教材を含めて全て端末で閲覧することができ、圧倒的に持ち運びが便利である、ランドセル等の軽量化が図れるといった声が多かったことも、デジタル教科書の学習環境の面での利点の一つとして挙げておく必要があると。これは、必ずしも、デジタル教科書になればそうしたランドセルが重いというようなことが全て解消するかというと、全くそうは思いませんけれども、教科書全体の内容、分量の精選についても議論しているところでございます。 こうした今回の改正も通じまして、教科書の形態や活用の仕方も変わっていくことを考えてございまして、子供たちの健康や発達の影響についても引き続き留意してまいりたいと考えてございます。
○西岡(義)委員 ありがとうございます。 次の質問に入ります。 今後、デジタル教科書において、生成AIを用いた動画や画像が使われることが想定されてきます。 生成AIにつきましては、写真をジブリ風の画像に変換するというのが昨年はやった頃から、クリエーターの権利を守る観点からの規制が必要だという声が非常に多く聞かれるようになりました。昨年のAI新法成立以降、様々な議論がなされている状況かとは思いますけれども、教科書作成時に生成AIを利用することについても、何々風画像といったものに教科書検定で対応していったり、何かしらの規制や条件を設けることが必要になっていくかとも考えられます。 クリエーターの権利を守る観点からも、今後、文科省としてはどのように考えているのか伺いたいと思います。
○望月政府参考人 教科書におきまして、学習指導要領を踏まえまして、どのような資料を用い、どのように記述するかにつきましては、記述等の欠陥がない範囲において民間の発行者の創意工夫に委ねられていることから、教科書の著作、編集に当たりまして、発行者が生成AIを活用して作成した動画や画像等を用いることもあり得ると考えてございますが、その場合におきましても、教科書検定基準に基づきまして、内容について適切な検定を行ってまいります。 教科書につきましては、権利者の許諾を得るなどの権利処理がなされる必要があるものにつきましては、各発行者の責任におきまして適切に処理した上で申請することを求めてございまして、検定手続においても、発行者が必要な権利処理をした上で申請しているものであることをしっかりと確認をしてまいります。
○西岡(義)委員 ありがとうございます。 次に、デジタル部分の政策について、動画や画像のコンテンツは、お金をかければかけただけいい内容ができるという側面もあるかと思います。 例えば歴史の教科書、関ケ原の戦いというリンクを開いたとします。そうしたら、一方は大河ドラマばりの合戦シーンの解説動画が流れ、片や図面の解説のみといった、このような差ですね。あとは、有名講師による解説動画が入っているとか。 そのように、お金がかけられる大きな教科書会社と余りお金をかけられない小さな教科書会社とで内容の差が開いていって、やはりお金をかけている教科書の方がいいよねと多くの採択者が考えたときに、小さな教科書会社が淘汰されてしまうような可能性もあるかと思います。そして、教科書会社が集約されてしまうと、教育内容に偏りが出てしまうという可能性もはらんでいるのではないかと思います。 デジタル化が教科書会社同士の競争をあおることにならないか、どのようにお考えになっていますでしょうか。
○松本(洋)国務大臣 教科書作りにおきまして、各発行者が学習指導要領などを踏まえまして創意工夫をしていくことは、我が国の教科書全体の質を維持向上させる上で重要なことであると考えております。 今回の制度改正によりまして、教科書へのデジタル活用を可能とすることで、教科書作りの幅が広がり、多様で質の高い、子供たちにとって分かりやすい教科書が増えることを期待しているところでありますが、一方で、新たに導入可能となる動画などのデジタルコンテンツでは、学習指導要領に基づいた、教科書の一部として位置づけられるものに限定をして認めていく考えであります。 文部科学省としては、必要なコストに見合った適正な教科書価格を検討いたしまして、必要な予算を確保することにより、制度改正後も各発行者がよりよい教科書作りに不断に取り組んでいただける環境を保っていきたい、そのように考えているところであります。
○西岡(義)委員 終わります。ありがとうございました。
○斎藤委員長 次に、渡辺藍理君。
○渡辺(藍)委員 参政党の渡辺藍理です。 本日も質疑のお時間をいただき、ありがとうございます。 学校教育法等の一部を改正する法律案について質疑を行いたいと思います。 まず初めに、これまでのデジタル教科書導入に向けての政府の取組について振り返りをしたいと思います。 二〇二〇年度から、GIGAスクール構想により、全国の学校で児童生徒一人一台端末また高速ネットワークの整備が一気に進んできたことを契機として、デジタル教科書の活用に向けた議論が本格化してきたと承知しております。その背景には、学校教育法施行規則の改正により、紙の教科書に代えてデジタル教科書を使用できる範囲が限定的に認められたことや、また、文部科学省が、デジタル教科書の位置づけの見直しや、学習者用デジタル教科書の標準搭載を検討してきたという経緯があります。 こうした流れの中で、参政党は、紙を主とする教科書を基盤とした制度設計をすべきだと考えております。 先日、党の政策検討の参考とするため、デジタル教科書に関する党内アンケートを実施しました。約三千五百件を超える回答を得ました。こちらは無作為抽出による世論調査ではありませんが、保護者や教員、また学校関係者を含む多くの声が寄せられました。その内容を見ると、デジタル教科書の正式な教科書化には慎重な意見が非常に強い一方で、英語や理科などでの限定的また補助的な活用には一定の理解も見られました。 アンケートでは、正式な教科書としての導入に反対若しくはどちらかといえば反対が合計八六・五%、また、紙の教科書を必ず残すべき、原則残すべきというものが九三・七%でした。とても高い数値が得られたと思っております。 他方で、デジタルの利点を全て否定しているわけではなく、紙を基本としつつ必要な場面で補助的に使うべきだという意見が七八・三%に上りました。つまり、現場や保護者の意見としては、全面デジタル化ではなく、紙を主とし、デジタルを補足とする慎重な制度設計を求めていると受け止めております。 先ほども申し上げたとおり、児童生徒一人一台端末また高速ネットワークの整備が進んだことで、デジタル教科書の活用に向けた議論がなされて約六年が経過いたしました。 デジタル教科書の在り方と推進方策について、デジタル教科書推進ワーキンググループの中間まとめや審議まとめのパブリックコメントでは、次のような意見も出ております。約半数の教員がデジタル教科書を四回に一回ほどしか使っていないという実態、また、教員の負担が増えたり、教育の質が低下、学習効果が不明確で費用対効果が低い、これらの反対意見も出ております。 このような意見を踏まえ、政府は、二〇二〇年度から進められていたGIGAスクール構想について、現時点でどのように総括されておりますでしょうか。松本文部科学大臣にお伺いいたします。
○松本(洋)国務大臣 GIGAスクール構想でありますけれども、令和元年度から実施をしておりまして、一人一台端末や通信ネットワークなどの学校ICT環境を整備、活用することによりまして、教育の質を向上させ、全ての子供たちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びを実現することを目的といたしまして、国策として進めてきたところであります。 これまでの成果といたしまして、我が国の学校教育において、一人一台端末を始めとするデジタル学習基盤が整備をされまして、児童生徒の学力との関係について一定の成果が出ていることや、不登校や病気療養中などの児童生徒の学びの保障にも大きく寄与していることなどが挙げられます。また、我が国の重要施策でありますデジタル人材育成の基盤としても重要な役割を果たしているものと考えているところであります。 GIGAスクール構想による学校教育の更なる充実を図っていくためには、今後、着実な端末更新や学校ネットワークの改善、AIを含む先端技術への対応、情報活用能力の抜本的向上、そして校務DXの加速などをしっかりと進めていく必要があります。 引き続き、これからの社会を生きる子供たちに必要な資質、能力が着実に育成されるよう、GIGAスクール構想の着実な推進に取り組んでまいりたい、そのように考えております。
○渡辺(藍)委員 御答弁ありがとうございます。 とてもよい評価をされているとのお話をいただきましたが、こちらの党内で行ったアンケートでは、不安の声がまだ多数届いておりますので、それらも踏まえ、次の質問に移らせていただきます。午前中の質疑でも数多く出ておりましたが、海外の事例についてです。 OECD、二〇一五年の報告書のICTと学力の調査によると、教育への技術導入が必ずしも成績に結びつかない可能性が示唆されております。 デジタル先進国として知られる北欧のノルウェーでは、十五歳を対象にした国際学習到達度調査で、読解力、数学的応用力、科学的応用力の全てで順位が低下していると出ております。特に読解力においては、二〇一五年の九位から、二〇二二年は二十五位まで落ち、また、長時間利用は脳の発達の遅れや睡眠不足、学習意欲の低下につながると指摘が出ています。 また、フィンランドのある都市では、二〇二四年の八月に方針転換を打ち出し、外国語、第二公用語そして数学の三つの教科書をデジタル教科書から紙の教科書に切り替え、また二〇二五年からは、物理と化学がこれに続く予定であると公表されました。 デジタル教科書について、子供たちを実験台にすべきではないという指摘を出している国もあります。 日本貿易振興機構、ジェトロの調査、スウェーデンに見る社会課題解決によると、スウェーデンでは、教育現場におけるデジタル化が積極的に進められてきたと記載されております。二〇一〇年に教科書の概念を広げ、二〇一七年には国家デジタル戦略を策定されましたが、しかしながら、政府は、二〇二二年に次期戦略案を不採択とし、読書時間の確保やスクリーン時間削減へ方針転換をしたそうです。基礎的スキルはアナログ環境で最も育まれるとし、特に低学年では紙の本を重視すべきとされております。 また、同国では、読解力の低下や学力調査結果の変動を背景に、一人一冊の紙の教科書の確保や低学年でのデジタル機器使用の抑制、また、デジタルに偏り過ぎた状況を見直す観点から、紙の教材の購入を支援する補助制度が導入されたとお聞きしましたが、これら諸外国の事例を認識した上でどのようにお考えでしょうか。政府参考人の方にお伺いいたします。
○望月政府参考人 お答えいたします。 今、いろいろ北欧の状況について御紹介いただきましたけれども、これはあくまで前提として、日本と同じ教科書の仕組みを取っている、あるいは教科書そのものを主たる教材として我が国のように定めているものではなく、多様な教材を教科書として他の国は使っているということでございますので、一様に比較できるものではないというふうにまずは考えてございます。 その上で、御指摘の事例として、スウェーデンにつきましては、デジタル化を推進しました二〇一〇年代、国際学力調査の順位は上昇しておりますが、二〇二三年の法改正によりまして、法律で印刷出版物として教科書を定義する中で、生徒の年齢等に応じたデジタル活用と紙のバランスを追求した政策を実施しているというふうに承知してございます。 また、フィンランドにつきましては、デジタル活用に関する方針は自治体によって様々でございまして、デジタルと紙のそれぞれのよさをという方針であるというふうに承知をしているところでございます。 また、ノルウェーにつきましては、デジタル教材の普及を推進し、デジタル教材開発に関する補助金などを実施しているということも承知してございます。 こうした諸外国の状況、これは北欧だけじゃなく、韓国やエストニアのように、元々からデジタル教科書というのを推進した国もありますし、各国によって状況が異なります、州によっても異なります。 そうした様々な教科書の活用の仕方が違う中におきまして、我が国では、教科書代替教材のデジタル教科書の学校現場での効果、あるいは、子供たちとの教材としての関わりなども含めて、実証研究を行ってまいりました。そうした実証研究の状況も踏まえまして、今回の制度改正によりまして、デジタルのよさを活用した学習を更に取り入れることによりまして、教育の質を更に高めていくということから、今回の制度改正に至っているということでございます。
○渡辺(藍)委員 ありがとうございます。 こちらも繰り返しになり大変恐縮ではありますが、党内のアンケートでは、デジタル教科書に対する最大の懸念として学力面の問題が挙げられました。判断基準として最も重視されたのは、読解力と記憶定着、こちらで七三・七%。そして、読解力また集中力の低下、こちらを懸念する声が七六・六%と、学習の質そのものに対する不安が非常に強く示されております。 そこで、政府参考人にお伺いいたします。 紙の教科書とデジタル教科書、一概には比較できないとのことでしたが、こちらの学力の違いについての調査、そしてその調査結果の御見解を再度お願いいたします。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。 紙媒体とデジタル媒体での学習効果などを比較する幾つかの研究があることは承知をしてございます。それぞれの研究によりまして、その対象、被験者の年齢、あるいはデジタル媒体への慣れといった様々な条件がございますので、必ずしも同じように比べることはできないと思ってございます。紙優位の結果が出ているものもあれば、その中ではデジタル優位の結果が出ているものもあって、一概に紙かデジタルどちらかという結果ではないというふうに承知をしてございます。 その上で、文部科学省において小学校五年生を対象に国語で実施した実証研究では、現行の教科書代替のデジタル教科書を使用した学習と紙の教科書を使用した学習で比較を行ったところ、学習後に行った記憶や理解テストでは同等の結果となってございます。 また、先ほど来から御答弁申し上げてございますけれども、これまで教科書代替教材としての学校現場で活用していただいた英語等の実証研究においては、主体的にデジタル教科書をいつも使う、あるいは、よく使う子供たちは、これは使い方一つではあるんですけれども、より自分たちから進んで学べるようになった、あるいは、理解が進んだ、その教科が好きになった、そういった結果も出てございます。 デジタル部分で学んだことをしっかり自分でも紙でまとめたり、あるいは、それを繰り返し自分で学習したりという、そうした活動というのはデジタルを取り入れる教科書においても重要でございまして、今回の新たなデジタルを含む教科書において、動画や音声による説明も可能にしてございますので、引き続き実証研究などを通じた学習効果についても我々としても注視してまいりたいと考えてございます。
○渡辺(藍)委員 ありがとうございます。 健康面についても何度か出てきてはおりますが、こちらもアンケート結果の紹介とともに、もう一度お聞かせください。 視力低下、姿勢悪化、こちらを心配する声は七八%と最も高く、自由記述箇所においても、目が疲れる、姿勢が悪くなる、また頭痛が増えたなど、具体的な体験が多数寄せられました。 文部科学省では、デジタル教科書の長時間使用が子供の視力、姿勢、睡眠など、その健康に与える影響について、医学的な検証を十分に行っていると言えるのでしょうか。こちらは、もし十分でない場合は、導入前に更に検証すべきと考えております。こちらも政府参考人の方に御見解をお願いいたします。
○望月政府参考人 お答えいたします。 現行の教科書代替のデジタル教科書の使用に関しましては、日本眼科医会や日本医師会のヒアリングを経まして、三十分に一回は二十秒以上画面から目を離して目を休めるということ、あるいは、就寝一時間前からICT機器の利用を控えることや、姿勢をよくして画面との距離を三十センチ以上離すことなど、留意事項を盛り込みましたガイドラインを作って周知を進めてまいりました。 一方、このガイドラインをしっかり遵守しながら子供たちの教育に当たっているかどうかということを調査いたしましたところ、約六割の教師や児童生徒が今はできているという結果でございます。 こうした、これまでの医師等の医学的、専門的知見を踏まえた留意事項につきましては、今回の制度改正によるデジタルを含む教科書、あるいはGIGAスクール構想で進めてきました一人一台端末によるデジタルの活用による学びにおいても、しっかり私どもも周知をしたいと思っておりますし、学校現場の様々なお声をお聞きしながら今後お示しします指針においても明記をし、そして更に実証研究を通じて継続的に状況を把握したいというふうに考えてございます。
○渡辺(藍)委員 ありがとうございます。 次に、知識を定着させる際、手を使って書くこと、また、マーカーで強調しながら読むことで理解が深まる生徒や、紙の教材で読むことを好む生徒、こうした多様な学習特性を持つ子供たちが確実に存在すると考えております。こちらも党内アンケートではありますが、紙面全体を見渡すことで理解が深まる生徒、また教科書に直接書き込みをしたいという数多くの回答が寄せられました。デジタル教科書の推進によって書く時間が減ること、また書く力が落ちることの懸念点が挙げられます。 制度設計に当たり、紙媒体の教育上の利点が失われないように検定基準や大臣指針、そして学校現場での運用において、どのように担保されますでしょうか。松本文部科学大臣にお伺いいたします。
○松本(洋)国務大臣 今回の制度改正の目的は、デジタル化を進めることではなく、紙、デジタルそれぞれ双方のいい部分というものを取り入れていくことによって、子供たちの学びの質を高めていくということにあります。そういう意味で、これまで紙だけが認められていた教科書に、デジタルの特性が生きる学習にデジタルを取り入れて作成することを可能とすることによりまして、この質を高めていきたい、そのように考えております。 児童生徒の学習環境から本やノートをなくしてデジタル一辺倒の学びを行うわけではありません。例えば、デジタルの部分で学んだことを紙のノートにまとめるといった、手を動かして書く活動や、紙の資料も活用して学ぶ活動は今後とも重要である、そのように考えているところであります。 こうした考えの下、今後、有識者会議での議論も踏まえて大臣指針の策定に取り組んでまいりたい、そのように考えております。
○渡辺(藍)委員 ありがとうございます。 私自身も学生時代、勉強する際、紙の教科書に直接書き込んだりとか、そこで理解が深まったという記憶もあります。一定数そのような児童生徒もいると思いますので、紙媒体の利点が失われないような制度設計を改めてお願い申し上げます。 次に、先日QRコードつきの英語の教科書を拝見いたしました。このQRコードを読み込むことで音声が再生される仕組み、こちらが大変整っているなと感じました。この法改正後にはQRコードの先の内容が教科書検定の対象になる、このことは十分承知しておりますが、既に整っている機能が十分に活用されるのであれば、あえて新たにデジタル教科書という枠を別途設ける必要がないのではと考えております。 この点についての御見解を政府参考人にお願いいたします。
○望月政府参考人 英語のデジタル教科書を見ていただいたということでございます。 いろいろな発行者が英語についてのデジタル教科書を作成してございますけれども、現行の英語の教科書の紙面上についております二次元コード先のデジタルコンテンツにつきましては、教科書の一部ではありませんものですから、教科書検定の直接の対象になってございません。たまたま渡辺委員が御覧いただいた英語の教科書については、ある程度使えるものとなっていたかもしれませんけれども、必ずしも全てがそうなっているとは言えませんで、文章を読み上げているものが外国語として違和感のない自然な音声であるかどうかを検定の対象として確認しているものではございません。 また、演習問題等が学習指導要領を踏まえた適切な記載となっているかどうかということも確認をしているわけではございません。そういう意味では、質の担保が十分に行われているわけではないものでございます。 制度改正後は、二次元コード先のデジタルコンテンツも教科書の内容として検定の対象とすることにより、質の担保を図ってまいります。 また、学校現場が二次元コード先も全て扱わなければならないのではないかと負担に感じていることや、多くの教育委員会で二次元コード先も教科書調査研究や採択考慮の対象としてございまして、そうした状況を踏まえまして、教科書発行者が二次元コードを大幅に増加させていることといった課題も同時にあると認識してございまして、今回の改正においては、こうした課題にも併せて対応してまいりたいと考えているところでございます。
○渡辺(藍)委員 ありがとうございます。 時間の関係で、次の質問を飛ばさせていただきます。 出版社側の負担についてお伺いいたします。 紙限定の教科書、紙とデジタルのハイブリッド型の教科書、そしてデジタルのみの教科書、こちらを製作、提供するためには製作費、システム開発費、維持費など、これまで以上のコストが発生すると考えられます。出版社としても、現行の低価格を維持しながら、紙とデジタル双方の教材整備に伴う負担を危惧する声もあります。 さらに、デジタル化により、小規模出版社が撤退し、教科書市場が大手数社に寡占されるとの懸念がある、そんな声も上がっておりますが、政府はこのリスクについてどのようにお考えでしょうか。政府参考人にお伺いしたいと思います。
○望月政府参考人 教科書発行者に対しましては、今後策定する大臣指針も踏まえまして、教科特性等に応じた形で教科書を作成いただくよう促していく考えでございまして、必ずしも同じ内容の教科書を複数の形態で発行いただくことを求めるというものではございません。 その上で、教科書の定価につきましては、今後の社会の状況の変化や、あるいは技術の進歩などによりまして、また物価の状況なども踏まえまして、適切な定価になるよう、発行者と連携を図りながら検討していきたいと考えておりますし、また、先ほども申し上げましたけれども、二次元コード先のデジタルコンテンツも今後、制度改正後は新たに教科書の一部となりますので、そうしたコンテンツの無制限な拡大を抑制していくことも含めまして、教科書発行者のコストの負担という観点も検討したいと考えてございます。
○渡辺(藍)委員 ありがとうございます。 では、最後の質問に入らせていただきます。 これまでの御答弁では、法改正後も、紙のみと紙とデジタル、この二つを基本とするというお話をいただきました。そうであるならば、いわゆる完全デジタル版を独立した形態と示すことは不要ではないでしょうか。法律案の記載内容からすると、完全デジタル版も教科書として今後認められることになります。 なぜ、完全デジタル版をあえて教科書として独立させる必要があるのでしょうか。当面の制度設計において、現場に誤解を与えないよう、標準型は紙のみ若しくは紙とデジタルであり、完全デジタル版は中長期的検討事項、若しくは限定的運用であることを明確にすべきであると考えております。 本来、文部科学省の提示する法案概要というのは、教育現場にとっての標準型を明確に示すためのものです。その中に、例外的にしか想定されていない完全デジタル版のみの教科書を、あたかも紙と同列の類型として並べてしまうと、完全デジタル版が一般化するのか、将来的に紙の教科書が縮小されるのではないかといった誤解を招きかねません。 したがって、完全デジタル版は例外的な扱いであり、原則は紙のみ若しくは紙とデジタルということを大臣指針ではなく法律に明記するべきではないでしょうか。この点について、松本文部科学大臣にお伺いいたします。
○松本(洋)国務大臣 教科書は、学校教育法第三十四条の規定に基づきまして、文部科学大臣の検定を経る必要がございまして、法に基づく検定規則の規定により、検定申請可能な教科書の種目は文部科学大臣が定める仕組みとなっているところであります。 今後、本法案をお認めいただければ、有識者会議の議論を踏まえて大臣指針を策定することを考えていますが、その中で、児童生徒の発達段階や、教科の特性などを踏まえた、全てがデジタルの教科書の扱いについて示してまいりたいと考えております。この大臣指針の中で示す内容を踏まえて、検定規則等により示す学年、教科以外では、全てがデジタルの教科書の検定申請を受け付けないこととすることで、大臣指針で示す全てがデジタルの教科書の扱いを制度的に担保してまいります。 これまでるるこのデジタル教科書に対する不安の声というものを御紹介をいただいたところでありますけれども、御党が取られた数字自体をどう捉えるのかということはあるにしても、同様の御懸念というものは我々としても承っているところでありまして、そうしたものというものも受け止めつつ、その上でなお紙とデジタルのよさをどのような形で担保をしていくのかというようなことを我々としても真摯に検討をさせていただいているところであります。 しっかりと、そうしたお声というものも我々としてもお受け止めをしつつ、指針の策定というものに法案成立の暁には取り組んでまいりたい、そのように考えております。
○渡辺(藍)委員 ありがとうございます。 大臣指針にデジタルのみは例外的に扱うともし記載をされたとしても、法律の規定が優先されると考えております。そのため、もし学校がデジタルのみの教科書を実質的に使用したとしても、法律上は違反にならないのではないかという懸念が生じます。つまり、仮に大臣指針で例外的と位置づけても、その文言上、デジタルのみの教科書が紙の教科書と同一に扱われるのであれば、現場運用が先行し、後に既成事実化するおそれがあると考えております。制度の安定性の観点から、より明確に規定すべきだと考えております。 繰り返しにはなりますが、現場でも紙を主とするという原則が確実に履行されるよう、こちらを明記すべきということをお伝えし、本日の私の質疑を終了いたします。 ありがとうございました。
○斎藤委員長 次に、河合道雄君。
○河合委員 よろしくお願いいたします。チームみらいの河合道雄です。 本日は、学校教育法等の一部を改正する法律案について質疑の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。 今回の法改正は、デジタル教科書を紙と並ぶ正式な教科書と位置づけるものです。教科書での学びの可能性を大きく広げ、個別最適な学びと協働的な学びの一体的充実につながるという目標については評価をいたします。しかし、制度を変えてデジタル教科書を選べるようにするだけでは、学びの転換は起きません。どのようにこの転換を生んでいくかの観点から質問をさせていただきます。 まず、教員研修についてお伺いをいたします。 デジタル教科書を活用した授業の定着には、現場の教員の皆様の指導力が鍵を握っております。令和六年度の大規模アンケート調査によれば、研修受講経験のある教師は約二割にとどまる一方、受講者は、使用頻度、時間共に高くなり、特に、形態としては、ワークショップ型や模擬授業型の研修が効果的であることも示されています。このデータが示唆することは、デジタル教科書を効果的に活用していくためには、しっかりと教員の方への研修をやり切るということが重要だということです。一方で、施行も迫っている中ではございます。 ここで、大臣にお伺いをいたします。令和九年度の施行が迫り、かつ教員の多忙化という時間的な制約もある中で、教員への研修をどのように拡充していくおつもりか、提供形態についての議論も含めてお伺いさせてください。
○松本(洋)国務大臣 御指摘のとおりでありまして、あくまでもデジタル教科書というのは道具でありまして、実際にそれを活用して子供たちに教育を施していく、そうした教職員の皆様方にも、これをどのように活用していけばいいのかということをしっかりと理解をしていただくこと、そして現場で実践をしていただくということが合わさって初めて教育の質というものは向上し、そして高めていくことができるということで考えているところであります。 そういう意味でも、効果的な活用事例の横展開、また研修の充実、これらが大変重要であると考えているところであります。 文部科学省では、これまで複数学年、教科での授業実践事例集や講義型動画を作成するとともに、モデル事業といたしまして、校内研修や地域内での横展開、さらに、都道府県レベルの広域研修の好事例の創出などに取り組んできたところであります。 今回の法案をお認めいただければ、今後、新たな教科書の使用が始まる令和十二年度を見据えまして、教師が参加しやすいオンライン研修等で使用いただけるよう研修動画の充実や、先進事例の更なる横展開などを通じて研修の充実を図り、全国の教師の皆様が指導力を一層高めていただけるように取り組んでまいります。
○河合委員 大臣、御答弁ありがとうございます。提供形態ですとか、デジタル、動画などを含めて工夫しながら御提供されることとして承りました。 私もいろいろな方のお声を伺っていますと、GIGAの際もなかなか研修が届かなかったみたいなお声も耳に届いてはおりますので、是非そういったところも配慮しながら、あるいは、動画等を提供する際にはいわゆる反転授業のような、その素材を基にしてワークの部分だけちょっとみんなでできるようにしていくだとか、いろいろな提供形態を既に御検討されていると思いますけれども、引き続き検討いただければと思います。 続いて、研究機関との連携についてお伺いいたします。 こういった研修の拡大と合わせまして、本日も再三議論に上がっていますけれども、いろいろな活用についての実証研究の重要性も非常に高いと考えております。その観点で見ますと、研究機関との連携による質的基盤をどう整備していくかは重要な課題です。どういうふうに発達段階や教科ごとの学習効果や教授法というものを実証的に積み重ねていくかという観点で見れば、研究機関とうまく連携していくことが重要と考えております。 文部科学省の施設等機関である国立教育政策研究所、こちらにおいては、ICTの活用と授業設計、そして学力の関係を実証分析した実績があると認識しております。 また、同様に、独立行政法人教職員支援機構においては、研修の実施であるとか資質能力の向上に関する調査研究及びその成果の普及を法定業務としておるというところでございまして、研修プログラムの開発、配信の中核となり得る機関とも言えるかと考えております。 こういった研究機関を念頭に置きつつ、デジタル教科書の実証研究や教員研修の展開において、こういった国立教育政策研究所や独立行政法人教職員支援機構を始めとする研究機関との連携についての見解はいかがでしょうか。また、どのように実証研究の成果を教科書発行者あるいは教育現場の皆様に展開していくおつもりか、政府参考人にお伺いいたします。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。 教科書へのデジタルの活用に当たりましては、教科書を使用する児童生徒あるいは教師といった学校現場の御意見でありますとか、あるいは、これを作成していく発行者の御意見とともに、御指摘のように専門的な知見も取り入れながら進めていくことが大変重要であるというふうに考えてございます。 これまで文部科学省の事業において、御紹介いただきました実証研究を行ってきましたけれども、ほかにも、現行の教科書代替のデジタル教科書の活用に関して大学等の研究者の知見もいただきながら、学校DX戦略アドバイザーのような形で支援、助言をしてきたことがございます。 独立行政法人教職員支援機構では、全国の教員がオンラインで活用可能な全国教員研修プラットフォームにおきまして、現行の教科書代替のデジタル教科書に関する研修動画を多く掲載をしていたり、あるいは、国立教育政策研究所では、公教育データ・プラットフォームにおきまして現行の教科書代替のデジタル教科書を含む実証研究成果や事例集を広く発信するなど、教科書へのデジタル活用に係る先行研究の把握、分析において知見の共有、意見交換を行ってきたところでございます。 今後、教職員支援機構などの研修機関とも連携しつつ、教職員の自ら自身の研修やあるいは教育委員会が実施する研修、そして、デジタル活用に関する研修コンテンツの充実や効果的なそうした実証研究の成果の発信、横展開を連携しながら進めてまいりたいと考えてございます。
○河合委員 御答弁いただきましてありがとうございました。 一層の連携を期待するとともに、こういった研究機関に対しての人員の手当てなどをより一層強く求めたいと考えております。 また、こういった議論が有識者会議で今後反映されていくということでございますけれども、実証研究自体の重みは非常に重いと思いますので、独立したそういった議論がされる場ができることを望んでおります。 続いて、教育委員会の人材配置についてお伺いをいたします。 デジタルな形態を含む教科書の採択、活用におきましては、教育委員会に適切な人材確保が重要と考えております。例えば指導主事でございます。指導主事は、教科書採択等、教育現場への展開で主導的な役割が期待される役割でございます。しかしながら、令和五年度の地方教育費調査によれば、市町村教育委員会での配置率は、全体でならすと七五・四%。特筆すべきは、人口五千人未満におきましては三五・五%、五千から八千人未満のレンジでは六六・九%と、小規模自治体ほど未配置が顕著な現状がございます。 また、ICT支援員に関しましても、四校に一人と、本日も再三触れられておりますけれども、こちらを満たしている自治体は五割ほどというデータもございまして、指導主事に限らず、こういった専門人材の配置について、ある種、人口規模に半ば相関する形で人的リソースが不足している可能性が高いと言えます。 さらに、これがデジタル教科書の専門性という観点になると、不足が顕著に予想されるわけでございますので、ここの課題に取り組むことが必須と考えております。 ここで、まず大臣にお伺いいたします。地方の教育委員会における人材不足に関しまして、現在どのような施策を講じているのでしょうか。また、本改正の施行に向けてどのような打ち手を講じていくのか、併せてお伺いさせてください。
○松本(洋)国務大臣 教育委員会が学校を適切に指導、支援をするために、学校教育に関して高い専門性を有します指導主事の役割が一層重要になっております。今回の法案で扱っております教科書の採択におきましても、指導主事が調査研究などの役割を担っている地方自治体もあると承知をしているところであります。 今委員から御指摘がありましたとおり、指導主事の配置状況には地域差がございまして、小規模な市町村ほど配置率が低く、配置人数も少ない傾向にあるところであります。こうした小規模自治体における教育委員会の体制整備の観点からは、例えば、校長経験者などを指導主事に準ずる者として配置をすること、都道府県による指導主事の派遣、近隣の市町村間での指導主事の共同設置などに取り組むことが有効と考えられているところであります。文部科学省としては、こうした考え方が示された有識者会議の報告書や好事例を掲載した手引を周知することなど、各市町村の参考となるよう取組を進めているところであります。 なお、教科書採択に関しましては、都道府県教育委員会が選定資料を作成いたしまして市町村教育委員会に提供することによって、各市町村教育委員会の調査研究事務の負担軽減が図られる仕組みとされているほか、複数の市町村で合同の調査研究を行いまして負担軽減に取り組むことも考えられております。 文部科学省としては、市町村の規模等にかかわらず、適切な教科書採択やデジタルな形態を含む教科書の活用を含めた学校への支援が行われるように着実に取り組んでまいります。
○河合委員 大臣、御答弁ありがとうございます。そういった措置をつくりながら、採択規模にも配慮しながら進んでいくことを期待しております。 加えまして、テクノロジー専門人材についてもお伺いしていきたいと思います。 文科省は、令和五年度以降、学校DX戦略アドバイザーを教育委員会等に派遣することをしていると承知しております。また、令和元年に出された教育の情報化に関する手引においては、情報化の統括責任者である教育CIO及び実務を担う教育CIO補佐官を教育委員会に配置することを求めています。このように、内外の人材を活用しながら適切な人材を配置していくことは非常に重要だと考えておりまして、これはいわば教育内容についての知見、教授法、教え方についての知見、そしてテクノロジーに関する知見、これらを組み合わせながら現場の教育体制をつくっていくために非常に重要なことと捉えています。 このように、教育の専門性を持った人材とICT、DXの専門性を持った人材が一体となって教育現場を支えていくことが重要だという観点から御質問をさせていただきます。 まず、政府参考人にお伺いをさせていただきます。教育委員会のICT人材体制について、内部人材と外部人材にどのような役割分担を想定しているのでしょうか。 その後、大臣にも続けてお伺いできればと思います。教育の専門家やICT、DXの専門家が一体となった教育委員会による現場支援をどう実現していくか、是非お考えをお聞かせください。お願いいたします。
○堀野政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘のとおり、教員がICTを円滑に活用できるよう、学校設置者である教育委員会が組織的に支援することが重要でございます。 御指摘のありました学校DX戦略アドバイザーにつきましては、教育委員会の方を支援する役割として、教育委員会へのICTの効果的な指導方法に関する専門的な助言や研修、こういったことを行う学校DX戦略アドバイザーの紹介、調整等を行う支援体制を整備したところであり、令和七年度においては五百六十二の案件に対応したところでございます。 また、個々の学校に対しましては、ICT機器の管理、トラブル対応等の支援を行うICT支援員についても、文部科学省が策定した学校のICT環境整備三か年計画に基づき所要の地方財政措置を講じているところであり、配置状況については令和六年度では四・五校に一人配置されております。 学校の情報化の推進に当たっては、学校の設置者である教育委員会が組織的に行いつつも、必ずしも教育委員会の職員だけでは専門性が十分ではないというところもありますので、外部の専門家による助言や支援を活用することで充実した支援体制を構築できるものと考えております。
○松本(洋)国務大臣 デジタル教科書の導入を含めましてICTを活用した学びを一層推進していくに当たりまして、御指摘のとおり、学校現場を支える体制の構築が不可欠でありまして、各教育委員会において、ICT推進を担当する組織体制の整備、ICT支援員を始めとする専門人材の配置など、必要な体制の整備をしていくことが重要であると考えております。 一方で、地域によってそれぞれの状況も様々であります。文部科学省としては、地域のニーズなどに応じて専門的な知見を有する学校DX戦略アドバイザーの派遣を行いまして、教育委員会や学校を支援しているところであります。 今後とも、ICT支援員の配置に係る地方財政措置と併せて、これらの施策について一体的に周知を図りつつ、各教育委員会等で活用を促すことによって教育委員会や学校の組織体制の強化が図られるよう取り組んでまいりたいと存じます。 委員の御質問の御趣旨というものは、こうしたそれぞれの、学校DX戦略アドバイザーもそうでありますし、またICT支援員もそうでありますし、それぞれ役割が違い、それぞれが配置される場所も違うわけでありますけれども、これらを一体的に機能させていくことが極めて大事だという趣旨だと私自身はお聞きをしながら思っているところでありまして、それは大変重要な御指摘だと思っております。そうした思いというものをしっかりと我々としても理解をしつつ、よりよい学校現場のサポートができるように取組を進めたいと思います。
○河合委員 政府参考人及び大臣、御答弁ありがとうございました。この領域の手当て並びに配置が一層進展することを期待しております。 では、ちょっと時間の都合上、一問飛ばさせていただきまして、アクセシビリティーについての質問をさせていただきます。 今般の法改正に伴いまして、教科書バリアフリー法に定める教科用特定図書についてもデジタル化が認められるようになっております。そうなってくるのであれば、障害のある児童生徒のアクセシビリティーを担保するために、アクセシビリティーの標準規格を定めることについても検討が必要と考えられ、実際にワーキンググループの審議まとめにも提言がされております。この議論は、次期学習指導要領に向けて、多様性の包摂というのが三位一体の柱に入っていることを鑑みれば、教科用特定図書のデジタル化に閉じず、デジタル教科書全般で検討されるべき論点と考えております。また、対象となる障害種別も重要な論点であり、視覚障害、肢体不自由のみならず、発達障害、読み書き困難、そして日本語の支援が必要な児童生徒など、多様なニーズへの対応も検討が必要です。 そして、規格を定めるのであれば、その策定プロセスへの当事者参加が不可欠です。日本も批准した障害者権利条約では、ナッシング・アバウト・アス・ウィズアウト・アスという策定原則がございます。この考え方が今回の策定でも重んじられることを希望しております。 ここで、政府参考人にお伺いをいたします。デジタル教科書の標準規格において、アクセシビリティーの観点をどのように位置づけるおつもりでしょうか。また、対象となる障害種別の範囲と、当事者が規格策定プロセスに参加できる機会をどのように確保するのか、見解をお伺いいたします。
○望月政府参考人 本法案を認めた後、デジタルな形態を含む新たな教科書についての標準仕様の策定を考えてございます。その中においては、アクセシビリティーの確保に関する機能としまして、読み上げ、ルビ振り、拡大、文字の大きさ、背景色の変更等の標準実装を検討してまいります。 障害の状況は一人一人異なりますが、デジタルな形態を含む新たな教科書では動画や音声が掲載できるようになるため、例えば字幕の掲載や再生速度の調整等の機能についても標準実装を検討したいと思っています。視覚障害や聴覚障害、肢体不自由、発達障害などの様々な特性を有する児童生徒に対するデジタルコンテンツに対応したアクセシビリティーの確保の観点も考えてまいりたいと思ってございます。 標準仕様の策定に当たりましては、特別支援教育の専門家や障害のある児童生徒の指導を担当する教師を含めまして御意見を伺い、障害のある児童生徒に必要な機能やその活用の在り方について検討をしてまいります。
○河合委員 御答弁ありがとうございました。 是非、そういった専門性のある方に加えて、当事者性のある方のプロセスへの参画を強く希望したいと思います。 では、お時間になりましたので、以上とさせていただきます。どうもありがとうございました。
○斎藤委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○斎藤委員長 これより討論に入ります。 討論の申出がありますので、これを許します。渡辺藍理君。
○渡辺(藍)委員 参政党、渡辺藍理です。 学校教育法の一部改正案に対し、党を代表して、反対の立場から討論いたします。 文部科学省は、教科書は紙のみ及び紙とデジタルを基本とすると説明しておりますが、制度改正後の三つの形態では、デジタルのみのケースもほかと同列のように記載をされております。デジタルのみも制度上排除されておりません。また、改正案の条文にもその記載がないものと認識しております。現場でも、紙を主とする原則、こちらが確実に履行されるよう、条文にもそれを明記すべきだと考えております。 大臣指針にその旨を記載されたとしても、法律の規定が優先されます。そのため、もし学校がデジタルのみの教科書を実質的に使用したとしても、法律上は違反にならないのではないかという懸念が生じております。つまり、法律の文言上、デジタルのみの教科書が紙の教科書と同一に扱われるのであれば、現場運用が先行し、後に既成事実化するおそれがあるのではないでしょうか。制度の安定性の観点から、法律又は実効性のある方法で、原則型と例外型、こちらをより明確に規定すべきです。 また、デジタル教科書推進ワーキンググループの審議まとめでも、健康面への懸念は論点として認識されており、全国一律導入を進めることは子供の成長に対する重大なリスクと受け止められています。 以上の理由から、参政党は本法案に反対いたします。 子供たちの健全な成長と学びの質を守るため、拙速なデジタル化ではなく、紙の教科書を基盤とした慎重な制度設計への見直しを強く求め、反対討論を終わります。
○斎藤委員長 これにて討論は終局いたしました。 ―――――――――――――
○斎藤委員長 これより採決に入ります。 内閣提出、学校教育法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○斎藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○斎藤委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、深澤陽一君外四名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ及びチームみらいの五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。山崎正恭君。
○山崎委員 私は、提出者を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明に代えさせていただきます。 学校教育法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府及び関係者は、本法の施行に当たっては、次の事項について特段の配慮をすべきである。 一 デジタル教科書のアクセシビリティ機能を充実し、障がいの有無や不登校、言語の壁を越えて、一人ひとりが得意を伸ばし自分らしく輝ける質の高い教育環境を全国に整備し、公教育の再生を加速化すること。また、国内外のアクセシビリティに関する標準規格を踏まえ、デジタルな教科用特定図書等が満たすべき技術的標準規格の策定に当たっては、当事者の声が規格策定のプロセスに適切に反映されるよう、参加の機会を確保すること。 二 ICTやデジタル教科書を賢く使いながらも、五感を通じた体験活動を子どもたちに保障し、紙の教科書・デジタル活用・体験活動のベストミックスでバランスがとれた学びを実現すること。国は、紙とデジタル教科書の最適な組み合わせについて、多角的に調査研究し続け、エビデンスに基づいて子どもの発達段階や教科特性を踏まえた指針を示すこと。 三 国は教員の専門性を最大限に引き出す支援に万全を期すこと。そのために、現職教員が受講しやすいよう、オンライン研修も含めた多様な形態による教員研修の抜本的拡充や効果的な活用事例の共有、教員養成課程での実践的指導法の修得、ICT支援員の配置による技術的サポート体制を国の責任において支援拡充すること。 四 新たな負担や格差を生まないよう、高校生等奨学給付金による端末購入支援や家庭の通信環境の整備支援の拡充に取り組むこと。また転校・進学時の学習履歴の継続性の確保及びネットワーク障害時でも学びが止まらないセーフティネットを構築すること。 五 デジタルな形態を含む教科書を活用するためには、学校における安定した通信環境が必要であることから、地方公共団体ごとの通信環境の違いが児童生徒の学習環境の格差につながることがないよう、ICT環境の整備に努めること。 六 地域間の格差が生じないよう、全ての教育委員会が適切な判断を行えるようにするため、教育委員会の採択負担の軽減策を講じること。 七 デジタルな形態の教科書の使用が認められることを契機として、教員がデジタルの活用も含めた授業研究のための時間を十分に確保できるようにするため、教員業務支援員等の学校を支えるスタッフの配置の一層の拡充等必要な措置を講ずるよう努めるとともに、併せて必要な予算措置を講ずること。 八 デジタル教科書の導入に伴うアカウント設定・管理等の事務的負担が学校現場において大きな課題となっていることを踏まえ、国は教科書発行者等と連携しながら負担軽減に向けた取組を進めるとともに、有効な対策や好事例を学校現場に積極的に周知・共有すること。 九 デジタル教科書の使用による児童生徒の視力低下など健康面に関する留意点を整理し、教育委員会や学校等への周知・啓発を図ること。スマートフォンのSNS依存等のリスクに対し、医学的知見に基づき、学校での利用ルールのガイドライン等の周知を保護者等にも徹底すること。 十 より良い教科書を子どもたちに確実に届けるため、教科書発行者との連携を図り、教科書の定価については、物価の変動や技術の進展等に伴い必要なコストに見合った適正な価格に設定すること。また義務教育段階の教科書の無償措置を実現するために必要な財政上の措置を確実に行うこと。 十一 著作物等を教科書に掲載する際の補償金額の検討に当たっては、学校教育における教科書の役割、教科書の安定的な発行・供給の確保、権利者への適切な対価還元等に十分留意すること。 以上であります。 何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○斎藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○斎藤委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議につきまして、文部科学大臣から発言を求められておりますので、これを許します。松本文部科学大臣。
○松本(洋)国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。 ―――――――――――――
○斎藤委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斎藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○斎藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時十五分散会