内閣委員会 第25号
- 発言数
- 200 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2026/07/10
会議録
○山下委員長 これより会議を開きます。 内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 各件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官末永洋之君外二十二名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○山下委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。村木汀君。
○村木委員 自民党衆議院議員、比例北海道選出の村木汀です。 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。また、日頃より地元北海道で応援をしてくださっている皆様、この質問をさせていただくに当たり御協力いただいた皆様にも感謝を申し上げます。 さて、本日は、地方の若者の経済不安や社会に対する閉塞感に関して質問をさせていただこうと思います。 そう申しますのも、私自身、現在二十六歳、女性であり、北海道で生まれ育ち、北海道で就学し、そして就職した経験を持つ当事者であるからです。 大学生だった頃、自民党北海道連青年局の学生部長の役を務めさせていただいておりました。その際、私と同世代、活動を通して知り合った仲間や小学校や中学校時代の友人と話していると、収入が低く、独り暮らしの家賃を払えない、地元では稼げる仕事が見つからないなどの声を聞くことが多くありました。実際に独り暮らしをしたいと言っていた友人の多くが、収入が低いことを理由とした実家暮らしであります。 彼らは、日々真面目に学び、正直に働く意欲を持った若者です。そして、次世代の日本を担う世代です。私を含め、地方に暮らす若者が、なぜ未来に希望を見出せず、むしろ不安を大きく持ってしまうのか。私自身、同世代の一人として、様々な悩みや不安に触れる中で、政治として何ができるのかを考え続けてまいりました。 本日は、私たちの世代、未来の日本を担う世代の率直な思いを国政へと届けられるよう質問をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 同世代の友人や仲間と話していると、就職や未来への不安について耳にする機会が少なくありません。 私の地元北海道では、地域を支えるすばらしい企業や産業がたくさんあります。一方で、若い世代が将来を見据えて就職先を選ぶには、都市部と比べて選択肢が限られていると感じる声も少なくありません。 そこで参考になるのが、日本経済新聞社とマイナビが毎年共同で調査を実施している大学生就職人気ランキングです。最新の調査結果では、一位は大手家具メーカー、二位は大手ドラッグストアでした。その後には銀行など、やはり大手で安定した職場を求めていることが分かります。 少し前の資料ですが、令和六年十二月に内閣府が公表いたしました地域課題分析レポート二〇二四年秋号、ポストコロナ禍の若者の地域選択と人口移動によりますと、新卒を含む二十代前半では、賃金の高い地域ほど転入超過率が高い傾向がはっきりしているとのことです。特に女性は、男性よりも相対賃金が転入超過率に与える影響が大きいとの結果が示されております。このように、地方に若者を定着させるためには、地域で安心して働き、将来設計を描ける雇用環境を整えることが重要だと思います。 そこで、若者世代の構造的な賃上げ、さらには、地域経済を支える地元企業の魅力向上と競争力強化に向けた取組についてお伺いをいたします。
○松本(圭)政府参考人 お答え申し上げます。 賃上げ環境整備は、日本全国であまねく取り組むべき課題でございまして、特定の世代や地域のみをターゲットとすべき課題とは異なると考えるものの、若者や中小企業も含め、事業者の皆様が賃上げしやすい環境を整えることが政府の役割と存じます。 政府といたしましては、賃上げの流れを地方や中小企業にも波及させていけるよう、賃上げ支援助成金パッケージによりまして、中小企業の生産性向上等への重点的な支援に取り組んでおります。また、地方版政労使会議を全都道府県において開催し、知事や労使団体のトップ等に御出席いただき、各地域における賃金引上げの機運醸成に取り組んでございます。さらに、若者雇用促進法に基づきまして、若者の採用、育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を厚生労働大臣が認定するユースエール認定制度により、地元企業の魅力発信及びマッチングの推進を図ってございます。 このような取組により、地方や中小企業を含め、事業者の皆様が賃上げでき、また若者が働きやすい環境整備に努めてまいりたいと存じます。
○村木委員 ありがとうございます。 私の元には、地元を離れて首都圏で働く同世代から様々な話が寄せられます。私の友人は、北海道で高齢者向けグループホームに勤務した後、現在は東京で独り暮らしをしております。東京で夜勤のアルバイトに入ると一晩で三万三千円ほどの収入になる一方、北海道では二万一千円ほどの収入であったそうです。同じ介護の仕事でありながら、約一万円も多いことになります。一回の勤務で約一万円、月に八回夜勤に入れば八万円以上の差になります。若い世代にとってこの差は決して小さいものではなく、お金のことだけではありませんが、友人は東京での働きがいをとても感じているそうです。 私自身も、介護事業所の経理部門に携わっておりましたので、北海道の事業者が厳しい経営環境の中で精いっぱい賃金改善に努めていることは承知しております。しかし、北海道でこれだけのアルバイト代を支払える事業所は少ないと思います。若い世代にとっては、このような収入の差が進路を考える上で大きな判断材料になっていることも事実だと感じております。 よく、地方と都市部では物価が違うからという言葉を聞きますが、若い世代は家賃を基準に部屋を選ぶことも多く、収入に対する家賃の割合はそれほど大きな差はないように思います。家賃や光熱水費など、実際の生活コストは想像以上に地方と都市部では差がなく、逆に、北海道などでは、冬場の暖房費が月額一万円から二万円余計にかかることや、交通の利便性の観点から自家用車を持つことが不可欠であるため、車の維持費などの負担も発生します。 もちろん、地域によって事情は様々ではありますが、若者からは、同じ仕事をするのであればより収入が得られる地域で働きたい、そういった声を耳にします。こうした積み重ねが地方から都市部への人の流れにつながっている一因ではないかと考えております。 先ほど御紹介しました地域課題分析レポート二〇二四年秋号には、コロナ禍を経て、Uターン希望割合も増加傾向にあるとの結果が出ておりました。別の調査では、やりがいがあり自分らしい仕事があれば地元に残りたかったと回答する若者も多いそうです。つまり、雇用の機会と質を上げることで、若者が地方での就職を選択する可能性が広がることを示しています。若者が地方に根づくことは、地方の活性化に直結いたします。雇用の機会と質を上げるための取組を充実させていかなければならないと、改めて提案させていただきたいと思います。 さて、現在、日本は、世界に類を見ない少子高齢化、人口減少社会を迎えております。厚生労働省が公表した直近の人口動態統計によりますと、出生数は過去最低を更新し、合計特殊出生率も深刻な水準に落ち込んでいます。 少子化には様々な要因があり、一つの理由だけで説明できるものではありません。ですが、実際に調査もなさっておられるとは思いますが、最も大きな要因と捉えられるのは婚姻数が減っていることだと承知しております。 私は二十六歳で、まさに結婚や将来について考える当事者の一人です。周りを見ても、結婚したい、子供が欲しい、そういう友人は決して少なくありません。また、そうした思いを抱きながらも、まずは仕事を覚えなければ、収入や生活を安定させなければ、そういった理由から一歩を踏み出せずにいる同世代も少なくありません。 そこで、結婚や子育てを望みながらも一歩踏み出せないという若い世代の心理的、経済的障壁をどのように分析し、認識されておられるのか、お聞かせください。
○水田政府参考人 お答えいたします。 若い世代の結婚に関する意識についてでございますが、社会保障・人口問題研究所が実施しております出生動向基本調査によれば、男女共に八割以上の未婚者がいずれ結婚することを希望しております。 ただ、その一方で、若者が独身でいる理由としましては、男女とも、適当な相手に巡り合わないといった回答が四割強で一番多くなっておりまして、次いで、自由さや気楽さを失いたくない、まだ必要性を感じないといった個人の価値観に関する回答が二から三割で続いております。さらに、男性では約二割が、結婚資金が足りないと、経済的負担について回答をしているところでございます。 また、一年以内に結婚するとした場合の障害としましては、男女共に結婚資金を挙げる回答が一番多くなっておりまして、次いで結婚生活のための住居、職業や仕事上の問題などが挙げられておりまして、経済的な要因が上位となっているところでございます。 こども家庭庁としましては、若者世代が結婚の希望がかなえられる環境づくりが重要であると認識しているところでございます。
○村木委員 ありがとうございます。 やはり、経済的な不安も要因の大きな一つになっていることが分かりました。 そこで、更に踏み込み、希望する人が結婚できるための環境づくりについてお尋ねいたします。 少子化の最大の背景とも指摘される未婚率は、総務省の国勢調査を見ても各年代で年々上昇を続けております。結婚はあくまでも個人の価値観や自由な意思によるものですが、結婚を希望しながらも一歩踏み出せない理由として、先ほど御答弁の中にもありましたとおり、男女共に、適当な相手に巡り合わないという項目が常に上位を占めております。また、経済的な不安もありますが、政府として若者の独身層が結婚に前向きになれるようどのような取組を行っているのか、お聞かせください。
○水田政府参考人 お答えいたします。 未婚化、晩婚化は少子化の大きな要因の一つと私どもとしても認識をしております。 先ほど答弁したとおり、若者が結婚しない理由として、結婚資金の不足ですとか、適当な相手に巡り合わないことなどが挙げられているということを承知しております。 このため、政府におきましては、若者の所得向上に向けて全力で取り組むとともに、地域の実情に応じた自治体の取組を支援しているところでございまして、具体的には、地域の結婚支援ボランティアや事業者等を活用した伴走型の結婚支援、ライフデザイン支援講座の提供、結婚、子育てを応援する機運醸成、こういったことについて支援を行っているところでございます。 引き続き、若い世代が自らの主体的な選択により結婚し、子供を産み育てたいと望んだ場合に、その希望がかなう社会の実現に全力で取り組んでまいります。
○村木委員 ありがとうございます。 現代は、スマートフォンやSNSの普及によって様々な価値観や生き方に触れる機会が増えました。結婚や子育てに対する考え方や価値観は人それぞれであり、様々なものになってきていると感じております。 一方で、そうした多様な価値観が存在する中でも、やはり、結婚したい、子供を授かり育てたい、そう願っている若い世代も確実に多く存在します。そうした意思を持つ人々が将来への不安や経済的な事情などの障壁なく安心して次の一歩を踏み出せる環境を整え続けることこそが、政治の重要な役割だと考えております。 先ほどの質問と重なる点もあるかもしれませんが、先般、こども未来戦略、加速化プランが公表されました。このプランは、若い世代の所得向上や子育て世帯を対象とした支援策の拡充が柱となっております。収入面の不安から出産や子育てを諦めることのないよう、政府として今後どのような支援策を充実させていくお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
○水田政府参考人 お答えいたします。 理想の子供数を持たない理由について、先ほど紹介しました出生動向基本調査によりますと、特に第二子、第三子以上を持てない理由は、子育てや教育にお金がかかり過ぎるからというものが最多となっておりまして、理想の子供数をかなえるため、経済的負担の軽減は重要であると認識しています。 このため、政府としましては、こども未来戦略の加速化プランに基づきまして、児童手当を拡充し、高校生年代までの延長や第三子の支給額増額等を行うとともに、妊婦のための支援給付を創設しまして子供一人当たり十万円を給付するなどの取組を着実に実施してきているところでございます。これらに加えて、強い経済の実現により若い世代の所得を増やし雇用を安定させることで、未来への不安を希望に変えてまいりたいと考えております。また、家事、育児と子育ての両立をしやすくする観点から、柔軟な働き方の推進や安全で質の高いベビーシッターの利用促進にも取り組んでいるところでございます。 引き続き、若い世代が結婚、妊娠、出産、子育ての希望をかなえられるよう、環境整備に取り組んでまいります。
○村木委員 ありがとうございます。 御答弁の中にもありましたが、やはり私自身も含め、結婚をためらう新たな課題としては、特に女性に多いとは思うのですが、結婚や出産を考えたとき、最も不安なのは仕事と育児を両立できるかという点です。この不安は、私一人ではなく、同世代の多くが共有しているものではないでしょうか。仕事と家庭の両立を支える環境整備は、政治が大きな役割を果たすべき分野ではないかと考えております。引き続き、そちらの課題の解決に向けて御尽力賜りますよう、お願いをいたします。 さて、やはり地方が活性化し、雇用の質が向上すれば、若い世代が、生まれ育った故郷で就職し、住み慣れた地域に根づいた豊かな暮らしを送ることができます。冒頭のデータにもございましたとおり、生まれ育ったふるさとで働きたい、故郷の発展に貢献したい、そう考える、希望に満ちた若者はたくさん存在します。 私は、故郷岩見沢の美しくも厳しい自然、そして広大な大地を支えてこられた皆様を心から誇りに思っております。このすばらしい地域を次の世代へと確実に引き継げるよう、微力ではございますが、地方の活性化に力を尽くしてまいります。 二十六歳の当事者として、地方で日々汗を流し、未来を模索している同世代の仲間たちに対して、私たちの未来には確かな希望があると胸を張って伝えられるよう、これからも私は現場の声を国政の場へと届けることをお誓い申し上げます。 以上で私の質問を終わります。本日はありがとうございました。
○山下委員長 次に、長妻昭君。
○長妻委員 長妻昭でございます。よろしくお願いをいたします。 今年六月、天皇陛下が会見をされて、こういうふうにおっしゃっておられました。皇室の在り方や活動の基本は、国民の幸福を常に願い、国民と苦楽を共にすることだと考えていますということでございます。大変ありがたいことです。皇室が末永く御繁栄することを心より願っております。 そこで、皇室典範改正についてお伺いをいたします。 まず、現行法では皇室の中での養子というのが禁止されておりますけれども、これは正副議長の取りまとめの中にも書いてございますけれども、皇統の紊乱を防ぐというようなことが書いてあるんですが、これはどういうふうに理解されておられますか。
○山下委員長 これは、答弁者。よろしいですか。(長妻委員「ちょっと止めてください」と呼ぶ) では、速記を止めてください。 〔速記中止〕
○山下委員長 速記を起こしてください。 木原官房長官。
○木原国務大臣 まず、安定的な皇位の継承を維持するということは、国家の基本に関わる極めて重要な事柄であるという認識の下、現行の皇室典範第一条においても、男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みなどを踏まえて、「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。」と規定されているものと考えております。(長妻委員「養子が禁止されている理由」と呼ぶ) その上で、現行憲法において養子が禁止されているという条文、この条文は今回も生かしたまま改正をさせていただいているところですが、そのような国民の分断というものは決してあってはならないという衆参正副議長の問題意識というものについては、私どもについても共有をさせていただいているところでございます。(長妻委員「違うよ。理由。紙が違うよ」と呼ぶ)
○山下委員長 同じ質問をしていいですか。
○長妻委員 では、分かりやすく言いますと、現行法では養子が禁止ですよね。それはなぜですか。
○木原国務大臣 これは、遡ると、明治における明治典範の第四十二条に「皇族ハ養子ヲ為スコトヲ得ス」と規定をされているところから、この流れが来ているというふうに存じております。 その理由としては、「皇室典範義解」においては、養子は中世以来のもので、古来の典例ではなく、皇族互いに男女の養子をなすことを禁ずるは宗系紊乱の門を塞ぐためとされている、これに由来するものと存じます。
○長妻委員 これは、取りまとめの皇統の紊乱ということですか。
○木原国務大臣 おっしゃるとおり、皇統の紊乱ということと同旨だというふうに思っております。
○長妻委員 今ちょっとおっしゃっていただきましたけれども、これまで養子が禁止されているのは、皇位継承の秩序が乱れて正統性が損なわれるおそれが出てくるからということで禁止をされていたというふうに承知しています。 今回は養子を認めるということですから、この皇統の紊乱を防ぐというのは肝に銘じなきゃいけないというのは正副議長の取りまとめでも書いてあるところで、ここを少し確認をさせていただきたい、大変重要なことだと思います。 まず、養子に来ていただく場合、養子対象者、十一宮家の養子対象者全員にお声をまずかける、こういう手順でございますか。
○木原国務大臣 まだ、この皇室典範改正自体が成立をしておりません。そして、政府としては、旧十一宮家の方には全く接しているという状況ではございませんので、成立させていただいた暁には、どのように旧宮家の方に接するかなども含めて、これはその後の検討ということになります。
○長妻委員 ただ、参議院に行って審議があるので、そこもやはりお伺いする必要があると思うんですね、明らかにしていただく必要があると思うんですね。皇統の紊乱を防ぐというのは、大変重要なことです。つまり、選ぶのか、選ばないのかということなんですね。 では、養子の親ですね、養親は、これは対象のところに、皆さんに平等にお声をかけるというような手はずなんでしょうか。
○木原国務大臣 養子縁組というものは、いわゆる旧十一宮家の皇族男子の子孫である男系の男子のうち、養子になられる意思をお持ちの方と、養親となられる御意思をお持ちの皇族との間で、相互の御意思が合致することで成立するものであろうかと思います。養親となられるかどうか、養子、子供となられるかどうかは、それぞれ自由な御意思に基づいて判断なされなければならないのではないかと考えております。 さらに、養親となられる御意思をお持ちの皇族がどの方と養子縁組を成立させるかを判断される際にも、これも自由な御意思に基づく必要がございます。 このように、相互の自由な御意思に基づいて養子縁組が成立するように、宮内庁において適切に取り組むものと承知をしているところでございます。
○長妻委員 これは私がどういう問題意識で質問しているかというと、政治の意図があって、この方を養子でお迎えしようとか、そういう特定の方を選ぶような、養親についても、政治の意図があって、ここに養親となっていただこうとか、こういうことが余りに、例えば特定の政党の意向とか、それはまさに紊乱につながるというふうに懸念するので聞いているんですけれども。そうすると、自由意思というふうに今はっきりおっしゃいまして、ということは、対象者全員の方々が、ある意味では手を挙げることができるような状況をつくり上げるということでよろしいわけですか。
○木原国務大臣 先ほど答弁したとおりでありますが、どの方と養子縁組を成立させるか、その判断をされる際には、双方の自由な御意思に基づく必要がありますので、委員のおっしゃるとおりだというふうに理解しております。
○長妻委員 ということは、政治の意思で、ここの方に養子になっていただこうとか、何か選ぶということではなくて、対象者の皆さんが御自由な意思でそれぞれ組合せをしていただく、こういうことでよろしいんですね。確認です。
○木原国務大臣 もちろん、これは皇室典範とはいえ、法律に基づいて行われることでございますから、政府といいますか、宮内庁において、これは適切に取り組むといいますか、お手伝いをさせていただくということだというふうに承知をいたしております。
○長妻委員 先ほど来の答弁で、是非、何か政党や政治の意思が入り込まないような形が望ましいのではないかというふうにも思います。 次に、三十年の意味をお伺いしたいんですが、附則の六条の二項に、三十年という見直し規定の年限が盛り込んでおりますけれども、例えば、官房長官にお伺いしますと、お子さんの身分、つまり、養子に入られた、皇族になった方のお子さんが皇位継承資格を持つか持たないのか、こういうようなことも三十年を待たずに検討、必要な措置をするということは妨げないということでよろしいんですね。
○木原国務大臣 見直し規定でありますけれども、御指摘のように、附則第六条の第二項は、三十年間は改正できない、そういう趣旨ではありませんで、必要があれば三十年ごとには見直すという趣旨であると認識しています。 一方で、見直し規定、附則第六条の一項との比較が先ほども御指摘があったところでありますけれども、改正後の法律の規定について、施行の状況を踏まえて所要の検討が加えられ、必要なときは、検討結果に基づいて所要の措置が講ぜられるとしておりますので、この検討条項をどのように運用して実際に検討あるいは見直しをしていくかについては、私ども政府としては、立法府の意思を尊重して対応したいというふうに存じます。
○長妻委員 ちょっと今はっきりしなかったので、もう一回確認ですけれども、つまり、養子に入られた方、皇族になった方、そのお子さんが皇位継承資格を持つのかどうか、改正案では持つとなっておりますけれども、それを見直す、例えば持たないようにするというようなことも含めて、それは三十年待たないとそういう検討や措置はできないのか、あるいは、三十年を待たずに適時適切にできるのか。どちらか、お答えいただければ。
○木原国務大臣 取りまとめに記載がこの点についてはありませんでしたので、現行の皇室典範の第一条及び第二条が適用されるということにはなりますが、先ほど申し上げたように、見直し規定の附則第六条の第一項には、これは必要なときには見直すことができるということですので、三十年を待つことはない、必ずしもそうではないということは言えると思います。
○長妻委員 はっきり明言いただきました。 もう一つは、例えば附帯決議ですね。今日、附帯決議も成立したと思いますが、附帯決議の三番目ですね。三番目の読み方というのは、今は男系男子しか皇位継承権はない、皇位継承資格はないというふうになっております、改正案でも同じでございますが、この附帯決議の三の読み方としては、仮に今後、立法府が議論をして、女性天皇、女系天皇を認めるというようなことがあれば、それも検討の俎上に含まれる、そういうふうに解してよろしいんでしょうか。
○木原国務大臣 この法案はまだ成立したわけではございませんけれども、先ほど衆議院の議院運営委員会において皇室典範改正の審議が行われ、附帯決議が議決をされたところであり、私は、その際には、この附帯決議というものは、政府としては尊重させていただきますということを申し上げております。
○長妻委員 だから、女系あるいは女性天皇ということを認めるということもこの検討の中に含まれているというふうに理解してよろしいんでしょうか。
○木原国務大臣 何か特定のことを具体例を挙げて申し上げることはできませんが、立法府における将来の検討というのを先取りをしたり、これを縛るような趣旨のものではありませんので、立法府の方で何かそういう結論が出たときには、それは尊重するということになります。
○長妻委員 そうすると、繰り返しですけれども、例えば女性天皇、女系天皇の検討も排除はされていないということでよろしいんですね。
○木原国務大臣 立法府における将来の検討は先取りはいたしませんし、これを縛ることもいたしません。
○長妻委員 排除されていないかどうか。
○山下委員長 先ほど、だから、国民の意思を尊重するということを。
○長妻委員 もう一回聞きます、これは重要なことなので。女性天皇、女系天皇、これについても検討の中に排除はされていないということでよろしいんですね。
○木原国務大臣 何か具体的なことを私がこの場で申し上げることはいたしません。 見直し規定をどのように運用していただくか、また実際に検討や見直しを行っていくかについては、この改正案が成立した暁には、政府としては立法府の意思を尊重して対応してまいります。(長妻委員「排除されているのか、排除されていないのかだけ聞きたいんです」と呼ぶ)
○山下委員長 今、特定の問題を先取りしてお答えできないということで、それで、そのときの国民の意思に、国会の意思に基づいてということでお答えにはなっていると思うんですが。 もう一度。排除されていないかということですか。
○長妻委員 排除されていないですね。 これ、ちょっととぼけているんですかね、官房長官。ひどいよ。
○木原国務大臣 何か個別の、既に先取りをされたようなことに対して、今、私が断定的に言うことはできません。 見直し規定というのは、これをどのように運用して、実際に検討していただくか、また、その上で見直しをされるかということについて、あくまでもこれは立法府の意思を尊重するということでございます。
○長妻委員 何でそれを言えないんですかね。非常に不思議な感じがいたします。 お伺いすると、今現在、皇族の方で三号被保険者の方というのはおられるんですか。
○木原国務大臣 これまで、皇族の方で国民年金の第三号被保険者や社会保険の被扶養者として認定された方はいらっしゃらないものと承知しています。
○長妻委員 ところが、今度、改正案が仮に通りますと、女性の皇族の方で、御結婚されても皇族の身分を離れないということになりますと、かつ、住基ネットというか住民基本台帳に登録されるので、初めて三号被保険者の皇族が誕生する、こういう理解でよろしいですか。
○木原国務大臣 これは皇室の方々の特別の事情を踏まえた取扱いでありますので、今般の皇室典範等の改正によって、婚姻後も引き続き皇族の身分を有することとなる内親王また女王についても、その扱いには変更はありませんので、被扶養者として認定される方は出てこられないものと考えております。
○長妻委員 これはちょっと事前にお伺いしているのと違う話でありましたけれども。そうすると、住民基本台帳に登録されるということは、住民票を持つわけですよね、住所がある。国民年金、つまり三号被保険者。 では、特例として、何らかの政令なり省令なりで、それはならないようにする、こういうことになるわけですか。
○木原国務大臣 現在、皇族への国民健康保険、国民年金、介護保険の適用については、特別な事情を総合的に勘案し、法の対象となるものとは異なる特別の事情にあることに鑑み、法の適用はなされないものと整理をされております。 今回の法改正によって、養子縁組により皇族となる男子及び婚姻後も皇族の身分を残す内親王、女王が新たに生じることとなりますけれども、これらの皇族の身分を有する者に対する適用関係についても、従前の取扱いからこれは変わるものではないということです。
○長妻委員 ただ、住民基本台帳に載せるというところが違うんですね。今、皇族の方で住民基本台帳に載っておられる方はいらっしゃらないんですよ。だから、これは何らかの法律の改正、政令あるいは省令、これは改正が必要だと思いますから、ちょっとその答弁は私は違うのではないかというふうに思いますので、また十分検討していただければと思います。 それでは、次の話題に入ります。 個人情報保護法改正案について、これは成立してしまいましたけれども、次にこの規則とかガイドラインを定めるということに入ってまいりますけれども、今日、大臣も来ていただいておりますので、この改正案の三十条の二の第五項の一号に、要配慮個人情報について、皆さんの名前、住所、そして病歴。病歴が名前、住所つきで、統計特例であれば、企業や個人事業主に渡すことができると。これは私はとんでもない改正だったと思うんですけれども、ただ、それを渡すときに、事前にホームページなどで、例えば、その情報を出す医療機関は書かないといけない、こういう情報を出しますよと、というのが条文に書いてあります。 そのときに是非お願いしたいのは、当たり前の話だと思いますが、名前と住所も入った病歴、実名の名前と住所が入った病歴を出す場合は、うちの病院はこの会社に名前と住所も入った病歴を出しますよということを、名前と住所ということも明記していただきたいと思うんですが、これは是非やっていただけますね。
○松本(尚)国務大臣 今委員お尋ねの件というのは、多分、患者さんが病院に来たときに、その病院がこの特例に関してどういう扱いをしているかということを明記をしておきなさいというふうになるとすれば、それは各病院が判断をすることでございます。いわゆる民と民との関係になりますので、その時点で……(長妻委員「条文」と呼ぶ) 条文の中ではそういったことについては規定をしておりませんので、少なくとも、病院に来たときにその病院がどういう扱いをしているかということについては、民民の契約の中でそれをやることは可能だというふうに理解をしております。
○長妻委員 ちょっと今ごまかしだと思うんですね、答弁は。 改正案の法律の条文に、出し手と受け手の、氏名、名称、統計作成等の内容、これは明記されていますね、条文に。その他、規則で定めるものを公開すると書いてあるんですね。だから、私が今申し上げたのは、規則でそれを入れてくださいと、これはお願いなんです。規則の中に、あなたの名前と住所も出ちゃいますよと、病歴とともに。それはやはり知りたいじゃないですか、事前に。私がかかっている、皆さんがかかっている病院は、名前と住所つきの病歴なのか、仮名化、仮の名前の病歴なのか、仮名化だったらまあしようがないなと思うと思いますが、実名も出ちゃうのということは知りたいわけで、それを事前に規則で定めてほしいということなんですよ。いかがですか。
○松本(尚)国務大臣 公表を通じて本人や社会に理解できるようにすることは重要なことだと思います。これは法の趣旨に即したものであるべきであって、公表事項を定めるに当たっても、このような法の趣旨に即したものに定めるべきだと思います。一般的に病歴は要配慮個人情報ですから、今述べたような法の趣旨を踏まえますと、名前や住所も含めた病歴が提供されることが本人や社会において理解できるような公表事項を求めていくということになります。 今後、委員会規則を定めるに当たっては、パブリックコメント、その他の手段により幅広く意見を聴取した上で決定してまいりたいというふうに思います。
○長妻委員 そうすると、名前と住所つきの病歴を出す場合は、名前と住所も入っていますよ、それを渡すんですよということも規則の中に含める、こういう検討はしていただけるということですね。
○松本(尚)国務大臣 現時点では、規則の内容、詳細な内容について私の方から予断を持ってここで述べることはできませんけれども、法の趣旨にのっとって意見を聞いて進めていくということはお約束できます。
○長妻委員 検討はしていただけるんですか。
○松本(尚)国務大臣 検討はしてまいりたい、検討項目の中に入ることは当然入ってくると思います。
○長妻委員 最後に、AIと防衛、安全保障についてお伺いしますが、パランティアというAIの企業と防衛省、つまり、軍事的にAIを使うということ、これは契約というのはあるんでしょうか、どんな中身でしょうか。
○伊藤政府参考人 お答えいたします。 防衛省におきましては、令和六年度から七年度にかけて、部隊の指揮官の意思決定を補佐するためのソフトウェアについて、パランティア社製のソフトウェアを用いて、利用に値するものか否かの検証を行ったという実績がございます。 どのようなものかということについてでございますけれども、潜入支援プラットフォームというものでございまして、パランティア社製のソフトウェアを用いて、部隊の指揮官による目標選定、ターゲティングに関する意思決定を支援するシステムでございます。陸上自衛隊の装備品と接続をしまして収集した映像情報を整理し、リアルタイムで地図上に集約し表示をすることにより、従来よりも迅速かつ正確な情報処理を可能とするものでございます。 あくまでもこのシステムは部隊の指揮官の意思決定を補佐するためのものでございまして、パランティア社製のソフトウェアを含め、あくまでも人間の判断をサポートするというものでございまして、意思決定そのものは人間の主体的な判断によって行われるものでございます。 現在、検証成果を踏まえまして、この潜入支援プラットフォームの導入の適否等を検討している段階でございまして、現時点で導入を決定しているという事実はないということを申し上げさせていただきます。
○長妻委員 この契約は幾らですか。
○伊藤政府参考人 金額につきましては、契約額で二億八千六百万円でございます。
○長妻委員 日本の安全保障はAIの導入が大幅に遅れています。私もAIの導入をもう少し早く、充実した進化をしないといけないと思っている一人なんですが、ただ、海外の動きを見ると、どのAIを使うかということが非常に重要になってまいります。 五ページ目でございますが、軒並みパランティアのシステム導入を、データ主権と安全保障の両面でリスクが大きいと判断して断念をするということが、皆さん御存じでしょうか、日本は一周、二周遅れていますよ。フランス、イギリス、ドイツ、デンマーク、オランダ、スイス、詳細な資料もございますけれども、国会図書館に調べていただいて、契約を見直したり、契約を拒否したり、除外をしたり、契約を見直すとか、パランティアのソフトは導入せずとか、フランスであれば、パランティアからフランス企業への切替えを発表したとかですね。 日本もROE、日本は憲法九条がありますから、手順が違うわけですね、アメリカと日本の安全保障の、やっていいこと、悪いこと、どこまで制約があるのかということもございますし。そして、海外の企業でありますと、何らかのことがあったときに使用が制限されるとか、あるいは、判断が正しいのか誤っているのか、その根拠がなかなか分からない。しかも、瞬時に判断しなきゃいけないので、AIが言っていたからそう判断したというふうになりかねないということで、非常に私は安全保障にAIは必要だというふうに考えておりますが、このパランティアについては、もう少しきちっと研究をしていただきたい。 これは官房長官も聞いていただいておりますので、デジタル担当の大臣も聞いていただいておりますので、是非よろしくお願いします。 以上です。ありがとうございました。
○山下委員長 次に、後藤祐一君。
○後藤(祐)委員 中道改革連合の後藤祐一でございます。 皇室典範等改正案については既に本会議で可決されておりますが、我が党は賛成ではございましたが、幾つか内容的には少し残念なところもあったりしますものですから、内容確認を幾つかさせていただきたいと思います。 ちょっとこれは通告しておりませんが、午前中の中野議員の議運における質問の中で、国民からの理解が得られているのかという質問がありました。特に、女性皇族が婚姻後も身分を保持する案は約七割の国民が賛成ということですが、旧宮家からの養子案への賛成というのはおおむね四〇%台半ば、調査によっては賛否が拮抗している、これは国民の理解が得られていると言えるんですかという質問がありました。それに対して、御理解がいただけるよう努めてまいりますという答弁を官房長官はされましたが、要するに、お答えになられていません。 ちゃんと答えていただけますでしょうか。旧宮家からの養子案は、現時点において国民の理解は得られているんでしょうか、官房長官。
○木原国務大臣 まず、今回の改正案を作成する根拠となっているのは、国会において、衆参の正副議長において、立法府の総意という形で議論が取りまとめられて、高市首相にそれを手交されたことを受けて、政府として、骨子やまた要綱を作り、衆参正副議長に確認をいただきました。さらに、その要綱というのは全体会議で御確認をいただき、御了承を得たというところでございます。その全体会議の中には各党各会派の方々がおられ、そして十回にわたっての御議論が行われたということであります。 加えて、地方議会において、昨日までに、四十七都道府県のうち三十四府県において、今回の皇室典範改正を進めてほしいという採択がなされたものというふうに報告しており、地方議会もまた国民の、それぞれの地域の代表の方の議会だと思いますので、そういったところも踏まえると、世論調査はそれぞれ聞き方や、また各種調査がございますので、そういったことは私も参考にはしておりますけれども、おおむね、そういう地方議会の状況であるとか、あるいは今回の全体会議の状況を見て、国民の総意は得られた上での今回の取りまとめ、そして法律案の作成というふうに理解をしております。
○後藤(祐)委員 ということは、国民の理解は得られているということでよろしいですか。
○木原国務大臣 今、国民の理解を得ている途中だということでございまして、しっかりと説明をさせていただければ必ず得られるもの、もちろん一〇〇%というわけにはいかないかもしれませんが、本日の衆議院における本会議の採決でも、九七%ほどの議員の方が賛成をされたと、そのように承知をしております。
○後藤(祐)委員 現時点では得られていないということを前提にした答弁だと思うんですね。実際、これは世論調査も出てくるでしょうから、今後の検討規定もあります、国民の理解が得られているのかどうかということを踏まえた今後の検討をお願いしたいと思います。 続きまして、通告に戻りますが、今回の改正は、提案理由説明にあるように、皇族数の確保のための措置を講ずるものであって、皇位継承についての措置を講ずるものではないということでよろしいですか。
○木原国務大臣 まず、令和三年ですが、政府の有識者会議報告には、「皇位継承の問題と切り離して、皇族数の確保を図ることが喫緊の課題」と。そのような認識の下で、女性皇族の身分保持制度案と皇族の養子制度案、一案、二案という形で二つの案が示されており、政府としてもこの報告を尊重しているところです。 その後、この報告を受けまして、先ほど申し上げたように、衆参正副議長による議論の取りまとめが行われ、これらの二案、二つの考え方はいずれも了となりました。この取りまとめを基に法制化することを求めるというふうに衆参正副議長から指示をいただいたところであります。 政府としては、皇族数の確保を目的として、この議論の取りまとめに沿って今回法案を作成し、今御審議をいただいているところでございます。
○後藤(祐)委員 質問に答えていただいていないんですが、皇位継承についての措置を講ずるものではないということでよろしいですか。
○木原国務大臣 政府としては、皇族数の確保を目的として、議論の取りまとめに沿って法案を作成したものでございます。
○後藤(祐)委員 お答えいただいていません。皇位継承についての措置を講ずるものではないということでよろしいですか。
○木原国務大臣 あくまでも、今回の目的というのは皇族数の確保ということでございます。そして、それ以降の様々な検討や見直しについては、これは立法府を縛るものではないというふうにも言っておりますので、その後のことについては、まさしく立法府の考えを尊重していきたいと思っております。
○後藤(祐)委員 何でここはそんなに答えにくいんでしょうかね。つまり、今回の皇室典範改正で皇位継承についても措置を講じたと言いたいということですか。でも、ストレートに言うとさすがにまずいから言いにくいという、何かそういうのが非常に感じられるんですよね。 まさにこの白表紙にも、今朝読んだ提案理由説明にも、「皇族数の確保のための措置を講ずるもの」という説明が明確にあるんですよ。だけれども、この皇室典範改正で皇位継承についての措置も講じましたと言外に言いたいという感じがかなりするんですよね。 皇位継承についての措置については、今回の附帯決議の三にもありますように、「安定的な皇位継承を確保するための方策について、引き続き、検討するものとする。」というふうにされているわけですから、これはこれからの検討事項だという整理ですよね。 配付資料で平成二十九年の退位法のときの附帯決議をお配りしていますけれども、この中にもありますように、「安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について、皇族方の御年齢からしても先延ばしすることはできない重要な課題である」とされています。 今回の皇室典範の改正案が仮に参議院で成立した場合に、それが施行された後も、平成二十九年のときの附帯決議にあるように、安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等は引き続き重要な課題であるという御認識でよろしいですか。
○木原国務大臣 先ほど私答弁をしたんですけれども、まず、令和三年の政府の有識者会議報告を尊重しているというふうに私は申し上げたわけで、その報告書の内容というのは、皇位継承の問題と切り離して、皇族数の確保を図ることが喫緊の課題であるとの認識の下で、女性皇族の身分保持制度案と皇族の養子制度案の二案が示されているということを紹介したつもりでありまして、皇位継承の問題と切り離してという、このことを尊重しているというふうに申し上げたところでございます。
○後藤(祐)委員 いや、そんなこと聞いていないんです。何か一巡遅れているんですよね。 配付資料があるからちゃんと見てください、平成二十九年の一にあるように、「安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について、」は、今も引き続き、今回の皇室典範改正が仮に成立して施行されたとしても、その後も引き続き重要な課題であるということでよろしいですね。
○木原国務大臣 今般の改正ですが、これは将来の皇位継承の在り方については立法府における将来の検討を先取りしませんということは申し上げております。また、これを縛ったりするような趣旨のものでもないと、そのようにも繰り返し申し上げているところでございます。
○後藤(祐)委員 いや、全くお答えになられておりません。 そうすると、平成二十九年の附帯決議は、特にこの一は、今回の皇室典範の改正でもってこの内容はもはや無効になったということを言っているんですか、それとも、これからも有効なんですか。どっちですか。
○木原国務大臣 繰り返しになりますけれども、これからの議論のことは、将来の検討というのは、私どもは先取りを一切いたしませんし、これを縛ったりもしませんというところで御理解をいただきたいと思います。
○後藤(祐)委員 縛らないからこそ、平成二十九年の附帯決議は今後も引き続き有効ということでよろしいですか。
○末永政府参考人 お答えいたします。 資料でお配りいただいておりますように、平成二十九年の退位特例法の附帯決議において、女性宮家の創設等について、政府において検討するというような附帯決議をいただいているところでございます。 私どもといたしましては、まず、女性宮家という言葉につきまして、宮家という言葉は、制度的な裏づけがあるものではない、天皇家のプライベートなものであるというふうな認識の下に、女性宮家の創設等ということにつきましては女性皇族の身分保持をするというふうに受け取らせていただいて、そういう前提で、有識者会議で御議論いただきまして今回結論を出させていただいた上で取りまとめにしていただき、法案にさせていただいているということでございますので、女性宮家の創設等についてということについては、そういった形で一定の結論を出させていただいたという認識でございます。
○後藤(祐)委員 女性宮家の創設については、もはや今回で、それをしないという結論を出したということですよね、今の答弁は。初めて聞いた話じゃないですか、それ。 少なくとも、安定的な皇位継承を確保するための諸課題は、引き続き検討課題だということでよろしいですね。だとすると、その中から女性宮家の創設は除かれてしまったわけですか。 そこをまとめて、では、丁寧に答弁いただけますか。
○末永政府参考人 お答えいたします。 先ほど申しましたのは、女性宮家の創設等についてという宿題をいただいたという認識でおりますが、それに対しては、女性皇族の身分保持ということで私どもは受け取って、その制度を整備させていただいたということを申し上げました。 それから、安定的な皇位継承を確保するための諸課題というのは今回の附帯決議にも盛り込まれているかと存じますので、そちらは立法府の方で御判断をいただければ私どもとしては十分尊重させていただくということは、先ほどの衆議院の委員会でも官房長官からお話をさせていただいたとおりでございます。
○後藤(祐)委員 では、この平成二十九年の附帯決議の一、女性宮家の創設等はやらないことで措置済み、安定的な皇位継承を確保するための諸課題はまだ引き続き検討課題であることが明らかになりました。 そうしましたら、これは官房長官にちゃんと通告しているのでお答えいただきたいと思いますが、今回の附則六条に基づく所要の見直しには、女性天皇の是非等も含めた安定的な皇位継承を確保するための方策、女性宮家の創設は入らないということですから、それは含まずでもいいですけれども、私はよくないですけれども、広く国民の理解を得つつ引き続き検討するということが含まれるということでよろしいですか。
○木原国務大臣 見直し規定の附則の第六条第一項ですが、これは改正後の各法律の規定全般について、必要があると認められるときは随時見直しが行われるという趣旨である、そのように認識をしております。 この見直しの規定をどのように運用して実際に検討や見直しをしていくかについては、これは立法府の意思をしっかりと尊重して対応してまいります。
○後藤(祐)委員 ちょっとよく分かりませんが、その附則六条に基づく検討では、女性天皇の是非等も含めた安定的な皇位継承を確保するための方策は検討対象として含まれ得るということでよろしいですか。
○木原国務大臣 繰り返しますが、附則第六条第一項は、改正後の各法律の規定全般について、必要があると認められるときには随時見直しが行われる趣旨の規定であると認識しています。
○後藤(祐)委員 そうすると、入らないということですか。
○木原国務大臣 見直し規定を今回改正で設けさせていただいております。その附則第六条第一項というのは、各法律の規定全般について、必要があると認められるときには随時見直しが行われるという趣旨であると認識をしているところでございます。
○後藤(祐)委員 今のは、入り得る、随時検討の中に入り得るということでよろしいですか。今のだと分からないんですけれども。どうしてもそれは答えたくないようなので、それは入るのか入らないのかを文書で、政府統一見解を理事会に出していただくよう求めます。委員長、よろしくお願いします。
○山下委員長 後刻、理事会で協議いたします。
○後藤(祐)委員 それでは、次に行きますが、午前中の玉木議員の質疑の中で、女性皇族、内親王・女王方と御結婚された場合、その配偶者あるいはお子さんが生まれた場合はそのお子さんが、皇室の方々がお住まいになられている公的な住居にお住まいになられることができるのかという質問に対して、できるという明確な答弁がありました。そうでない民間のマンションとかに住むこともできるんでしょうけれども。 しかも、玉木さんの質疑では、配偶者と子の警備については対象外だ、少なくとも今の解釈では対象外になっているという答弁もありましたが、これはリスクを考えると、皇族の皆様がお住まいになられている住居に家族一緒に住まわれた方がよろしいかと思いますが、官房長官、いかがですか。
○山下委員長 まず事務方から。 内閣官房末永審議官。
○末永政府参考人 お答えいたします。 玉木先生の答弁をさせていただいた者でございます。 まず、御一家の住まいということでございますけれども、どちらに住むということについて制度的に何か制限があるというふうには考えてございません。平たく言えば、自由に選んでいただける。その上でどうされるかというのは御判断だというふうに考えております。 警察庁の御答弁で警備のことがありまして、それにつきましては、その時々の情勢等に応じて必要な措置を講ずることになるというような答弁をされていたというふうに承知をしております。
○木原国務大臣 確かに、午前中、玉木委員からこのような質問があって、御用地に住む場合もあれば、御用地の外のマンションでお住まいになられる場合もあるというような趣旨で、制度上定めがあるものではない、そのような答弁をさせていただきました。 政府としては、内親王、女王と配偶者、そのお子様が御用地の内外のいずれにお住まいの場合でも問題が生じないように適切に対応してまいりたいと思っておりますが、具体的には、本法案成立後の内親王、女王の配偶者とその子の警備の問題になってくると思いますので、その点は、その時々の情勢等に応じて必要な措置を講ずることとなりますけれども、警備措置、これはしっかりと講じていきたい。今後の警察活動に対してしっかりと指導していくということになります。
○後藤(祐)委員 是非これは、リスクを考えても、御用地にお住まいになられた方がいいんじゃないかなということを申し上げておきたいと思います。 続きまして、内親王・女王方が例えば皇室関連の行事で海外ですとか地方へ御訪問されるということがあると思いますが、実際行くかどうかは別として、この配偶者の方やお子さんがこういった行事に同席されるようなことは可能なんでしょうか。
○木原国務大臣 皇族の御公務についてでございますが、皇族である内親王、女王が行うものについて、これに配偶者が同行するということは、これは可能であるというふうに考えています。 実際には、それぞれの活動の趣旨であるとか具体的な内容等に応じて判断されるものではないかというふうに考えています。
○後藤(祐)委員 重要な答弁だと思います。 この内親王・女王方の配偶者及びお子さんは、これはちょっと内親王・女王方は多分難しいと思いますが、公職への立候補、公職への立候補者への支援、特定の政党の結成、あるいは政治団体への寄附といった政治活動は可能なんでしょうか。
○木原国務大臣 内親王又は女王の配偶者及びそのお子様については、これは一般国民ということになります。したがいまして、基本的人権は制限をされません。したがって、政治活動も可能でございます。 他方で、内親王及び女王については、皇族という特殊な地位にあることから、その基本的人権について一定の制約があるものとされており、政治活動についても、例えば、具体的に言うと、選挙権、被選挙権を有していないなどといった制約がございます。
○後藤(祐)委員 先ほど長妻議員の質問で第三号被保険者の話がありましたが、ちょっと大丈夫かという感じがしたんですが、これは私も通告してありますのでそのまま質問いたしますが、政府参考人で結構です。 内親王・女王方の配偶者が民間事業者の社員として厚生年金、健康保険に加入している場合で、その妻である内親王・女王方が民間での仕事の収入がない場合、この配偶者の被扶養者に内親王・女王方はなられるんでしょうか。そして、第三号被保険者になるんでしょうか。また、医療保険上は配偶者の健康保険の対象者になるんでしょうか。
○熊木政府参考人 お答えいたします。 先ほど長妻委員の御質問に対して長官からお答えしたとおりでございます。 社会保険におきましては、主として被保険者により生計を維持する場合に、被扶養者、あるいは第三号被保険者となります。その認定に当たっては、個別の実態に基づき、被保険者との生計維持関係が判断されます。 その上で、皇室の方々につきましては、その身分について皇室典範等に特別の定めが置かれているほか、皇室における日常的な費用について皇室経済法等により国費で支出されているなどといった特別の事情にあることに鑑みますと、婚姻後も引き続き皇族の身分を有することとなる内親王、女王については、被保険者との生計維持関係は認められ難い。認められ難いということで、被扶養者及び第三号被保険者とはならないものと解されるものでございます。
○後藤(祐)委員 重要な答弁だと思います。 そうしますと、逆のケース、内親王・女王方が民間の事業者でお仕事をされる場合もあると思います。現実に女性皇族で働いていらっしゃる方はいらっしゃいます。そこで十分な仕事の収入があって、配偶者が、例えば重病になったとか、大けがをされたとか、いろいろな理由があると思いますけれども、無職になるということはあり得ると思うんですね。 その場合は、この配偶者は内親王・女王方が働く仕事の被扶養者になるんでしょうか。そして、内親王・女王方は厚生年金、健康保険の対象者となるんでしょうか。その配偶者は第三号被保険者になるんでしょうか。医療保険上は、妻である内親王・女王方の健康保険の対象者となるんでしょうか。
○熊木政府参考人 まず、御本人のケースでございますが、皇族の私的行為に属する勤務に伴い、該非、該当するか否かと判断が生じる、社会保険でございますので、その置かれる状況について皇族に特別な事情があるものではないため、一般の国民と同様に、法の要件に該当すれば適用されるものとなってございます。すなわち、民間企業等で被雇用者として一定の給与収入がある場合は、社会保険の被保険者となると解されます。 そして、もう一つ、夫に被保険者である内親王、女王との生計維持関係が認められた場合には、その方は被扶養者及び第三号被保険者として社会保険の適用がなされるというふうに解されてございます。
○後藤(祐)委員 少なくともそっち側はそうでないと不公平ということになるんじゃないかと思いますが、これも重要な答弁だと思います。 あと、戸籍の関係を確認したいと思いますが、内親王・女王方は皇統譜に登録され続けると言ったらいいですかね、ということですが、戸籍法上の戸籍は有しないということになるという話でございますが、その場合、お子さんは誰の戸籍に入って、母の欄はどう記載されるんでしょうか。また、内親王・女王方はそのお子さんの親権者になるんでしょうか。
○木原国務大臣 天皇及び皇族の身分に関する事項は、皇統譜に登録をされるため、内親王、女王は婚姻後も戸籍法の適用を受けず、戸籍は編製されることはありません。 他方で、今般の改正では、現時点で必要となる規定の整備としては、皇族でない男子が内親王、女王と婚姻した場合には、夫のみの戸籍を編製することになります。そして、お子さんはその戸籍に入る旨の規定を設けることとしているところです。また、内親王、女王は、民法の規定に基づき、子の親権者となり、戸籍法の規定に基づき、夫及び子の戸籍には配偶者や母として内親王の名が記載されるということになります。
○後藤(祐)委員 重要な答弁だと思います。 養子皇族男子について一つ聞きたいと思いますが、養子皇族男子に関する今回の三十八条の規定は、養子を禁じる第九条、これは残ったままなんですね、第九条を改正するのではなくて、九条を残したまま、本則の一番最後に三十八条として置いてあります。なぜこのような法形式を取ったんでしょうか。
○木原国務大臣 養子制度案につきましては、取りまとめにおいて書かれていることがありまして、我が国の歴史、伝統を踏まえ、慎重な制度設計を行う、そういうことでございました。また、皇族の養子については、旧皇室典範が制定されて以来、天皇及び皇族は養子をすることができないとされてきたところでもあります。 これらを踏まえまして、皇族の養子を禁ずる皇室典範第九条は存置をした上で、本則の末尾に第六章として新たに養子皇族男子及びその子孫に係る特例等を規定することとした次第でございます。
○後藤(祐)委員 ちょっと説明としてはよく分かりませんが、やはり、九条をそのまま残したという意味は、非常にそれはそれで意味のあることだということを申し上げて、質問を終わります。 ありがとうございました。
○山下委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。 午前中に続いて、皇室典範改正案について官房長官にお尋ねいたします。 今回の皇室典範の改正案は、現行法の規定を変えて、旧十一宮家の子孫を皇族に戻すというものであります。男系男子に固執をして、六百年前の室町時代まで遡る遠い血筋の人を養子にするということは、二〇〇五年の有識者会議の報告において、「これらの方々を広く国民が皇族として受け入れることができるか懸念される。皇族として親しまれていることが過去のどの時代よりも重要な意味を持つ象徴天皇の制度の下では、このような方策につき国民の理解と支持を得ることは難しい」と述べていたわけですが、こういったことの検討が何らなされていないという点が極めて問題だと思います。 官房長官にお尋ねします。 旧宮家の方だからといって、一般国民として生まれ育ってきた人々を特別な身分である皇族にすることは、憲法十四条一項が否定した門地による差別に抵触するのではないのか。その上、法案は、旧宮家の男系男子の子孫を将来にわたって養子候補とする恒久法であります。血筋がつながっている以上、子々孫々の男子は皇族になる可能性を持ちます。準皇族ともいうべき新たな特別身分をつくるようなものではありませんか。
○木原国務大臣 今般の皇室典範改正案につきましては、衆参正副議長による議論の取りまとめに沿って、忠実に法案を作成したという前提でございます。 その上で、憲法ですが、第十四条において法の下の平等を定める一方で、第二条においては皇位は世襲のものとし、また、第五条及び第四条第二項において摂政や国事行為の委任の制度を設けている。そういったことから、これらの制度を円滑に運用することは憲法自体の要請するものと考えているところでございます。 また、皇族の数が減少している現状に鑑み、天皇の御活動を支える皇族の数の確保というのは喫緊の課題と考えられます。このような状況において、皇室典範第十五条の特例として、皇統に属する方を、皇室の制度を担っていただくために、新たに皇族になることができることとすることは、これは憲法が禁止しているものとは解されないのではないかと考えます。 その上で、皇族に属する方のうち、いずれの方を養子の対象者とするかについては、憲法第一章の規定やこれまでの養子を禁じてきた趣旨などを踏まえて適切に定めることが法律である皇室典範に委任されているものと解されます。 日本国憲法及び現行の皇室典範の施行後も皇族の身分を有していた皇族男子の子孫である男系男子を養子の対象者とすることが、御指摘のような、憲法第十四条の規定に反するものとは考えておりません。
○塩川委員 特例として新たな皇族をつくるという仕組みであります。旧宮家の男系男子の子孫を将来にわたって養子候補とする恒久法ということであるわけで、この法案が成立をしたら、法律上で養子の対象とされる旧十一宮家の男系男子の子孫の方々、一般国民として生活している方々ですけれども、こういった旧宮家の男子の子孫の方々をどのように把握をしていくのか、どのように扱うのか、何かリストアップをするのか。その辺の扱いについてはどのようになるんでしょうか。
○末永政府参考人 お答えいたします。 政府におきましては、養子の対象者になる方につきましては、プライバシーの問題であるとか、現行規定では養子が禁止されているということを踏まえて、慎重な対応が必要であるという認識から、これまで把握はしておりませんでした。 養子の縁組といいますのは、自由意思に基づいた養親と養子の縁組でございますので、政府として調査をして何か圧力をかけるようなことになってもいけませんので、慎重な対応が引き続き必要だというふうに考えております。
○塩川委員 具体的に把握をするかどうかというのはおっしゃらないわけですけれども、実際に養子候補となる、恒久法、その対象となる旧宮家の男系の子孫の方々について、将来皇族にもなり得る方という意味で、品位の保持などということで、こういった旧宮家の子孫の方に対して特別な処遇を国として行うということはないんでしょうか。
○木原国務大臣 御指摘のような、品位を保つなどというような目的を持っていわゆる旧宮家の方々に対して何か国が特別な処遇を行うというようなことは想定はしていないところでございます。
○塩川委員 養子制度についてもう一つお聞きしたいのが、養子縁組が行われる際に、自由意思だというのが政府参考人答弁でありました。そうしますと、実際調える上で、その当事者、養親と養子となり得る方々のお二方が当事者でというのは実際なかなかハードルがあるような場合に、当然、第三者が関与するということというのはあるんでしょうか。その際に、そういったいわゆるマッチングについての何らかのルールというものはあるんでしょうか。
○木原国務大臣 養子縁組という制度でございますが、これは一般に行われるものと同じく、養親となる皇族と養子となるいわゆる旧十一宮家の男系男子孫の双方の自由な意思に基づく合意が前提となります。また、婚姻と同様に、養子縁組について、その成立に至るまでの今委員の御指摘のあったような決められたマッチングのルールとかプロセスというのが現在あるわけではございません。
○塩川委員 要するに、養子縁組に力をかすような、そういった第三者の方というのは特段どういう方という決めはなくて、限定はないということでしょうか。
○末永政府参考人 お答えいたします。 今ほど御答弁ございましたように、決められたプロセスがあるわけではございませんので、そうしたことも決めているわけではございません。
○塩川委員 第三者の関わりについて決めているものがないということになりますと、例えば、そういった取り持つような第三者の方というのは政治家の方もいらっしゃる、そういうことというのも排除されていないということですか。
○木原国務大臣 決められたプロセスというのがありませんので、この改正案が成立後に、様々な、宮内庁としてお手伝いはさせていただくことになると思いますが、例えば、皇族男子の婚姻の例であるとか、明治典範でもこれは禁止されていたわけですが、それ以前には養子縁組などの例があったというふうに聞いております。そういったことも参考にしながら、今後、宮内庁において検討されるものだというふうに承知をいたします。
○塩川委員 決められたプロセスがないということですから、政治家の関与というのも排除はされないということであります。 このことについては、識者の方なども、皇位継承のルールに人間の意思を介在させる養子制度には無理があるということを指摘しておられます。人間の意思を介在させる養子制度というのは、皇位継承という天皇の制度の政治利用を引き起こすおそれがあるんじゃないでしょうか。
○木原国務大臣 今申し上げましたように、養親となる皇族と養子となる十一宮家の男系男子孫の、その双方の自由な意思に基づく合意が前提となりますので、今委員の御懸念のような、政治が関与するような懸念というのは、これは当たらないというふうに思っております。
○塩川委員 いや、当事者同士は自由意思ということがありますけれども、その背景として政治家が関与することによって、結果として天皇の政治利用、こういうことになりはしないのかということは排除されないんじゃないですか、問題となるんじゃないですか。
○木原国務大臣 双方の自由な意思に基づく合意が前提でございますので、そのようなことは想定をしておりません。
○塩川委員 当然、結果として自由意思でとなるわけですけれども、その前段として政治家も関わるような形で行われた際に、それはやはり天皇の政治利用につながるようなこと、そういう危惧、おそれというのは拭えないんじゃないかなと率直に思うんですが、改めて、いかがですか。
○木原国務大臣 委員の御懸念は理解はできないことはないですけれども、しかし、そのようなことはないというふうに考えております。
○塩川委員 大変、養子制度というのは矛盾だらけだと思います。にもかかわらず、男系男子による皇位継承を不動の原則として固執をする政府の姿勢こそが問題であって、かつての家制度の下で男の子を産むことを強制し、多くの女性たちを苦しめてきた日本社会の姿と重なるものです。現在の日本社会における女性差別を助長するものだということも指摘をしなければなりません。 そこで、改定案は、女性皇族が結婚後も皇室から離れられないことを原則としています。男性皇族は天皇になる資格があるがゆえに皇族として拘束をされますが、一方、女性皇族は、天皇になる資格がないのに、皇室の行事を担うのに必要な皇族数を確保するためだけに皇族として拘束をされることになる。これは率直に言って二級皇族のような扱いではないのか、こういう声もありますが、いかがでしょうか。
○木原国務大臣 まず、委員が二級皇族ということを言われましたが、大変、私は、それは恐れ多い、不遜な発言ではないかなと思います。 その上で、現行の皇室典範第十一条第一項においては、男性、女性を問わず、年齢十五年以上の内親王、王及び女王は、その意思に基づき、皇室会議の議により、皇族の身分を離れることができることとされております。 女性皇族の身分保持制度については、皇族数確保の具体的方策として、衆参正副議長による議論の取りまとめに沿って法制化したものでありますので、六月十五日、これは全体会議がございましたが、その法律案の要綱を御説明した際にも、衆参正副議長より、取りまとめに沿ったものであるとの御判断をいただきました。 今般の改正によって皇族の男女の間でその位置づけに差別が生じるといった指摘は当たらないと考えます。
○塩川委員 同じ皇族なのに男女の違いによって扱いに違いがあるということになるのは当然でありますので、こういった指摘というのもうかがえる話だと思います。 今回の法案は、女性皇族を天皇にする道を閉ざし、女性皇族の配偶者や子を皇族にすることを閉ざすための、そういう布石と言わなければなりません。到底、国民の理解を得られないということを申し上げて、質問を終わります。
○山下委員長 次に、川裕一郎君。
○川委員 参政党の川裕一郎です。よろしくお願いいたします。 本日は、北朝鮮による日本人拉致問題について質問させていただきます。 拉致問題は、単なる人権問題ではなく、日本国民の生命と自由、そして国家主権が北朝鮮によって侵害された、我が国に対する重大な国家犯罪であります。 私は、石川県において約二十年間、救う会石川の活動に関わってまいりました。被害者家族の皆様が生きているうちに帰してほしいと訴え続けてこられた姿を、間近で見てきました。政府認定の拉致被害者五名が帰国してから、今年の十月で二十四年を迎えます。現在においても新たな帰国は実現しておらず、その一方で、被害者御家族の高齢化は年々深刻化しております。 私の地元石川県では、日本の拉致問題を語る上で極めて重要な地域であります。政府が認定した拉致事件の中でも、久米裕さんが拉致された宇出津事件は、日本国内で北朝鮮の工作員と国内協力者が連携をし日本人を国外に連れ去ったことが明らかになった事件であり、拉致問題の原点ともいうべき事件であります。 昭和五十二年九月十九日、当時五十二歳の久米さんは、石川県の奥能登に位置する宇出津海岸において北朝鮮の工作員金世鎬らによって拉致されたとされています。この際、北朝鮮の工作員に包摂され、いわゆる土台人とされていた在日朝鮮人李秋吉が、日本国内の協力者として決定的な役割を果たしてしまいました。 警察庁の公表資料によれば、北朝鮮工作員に取り込まれた在日朝鮮人が、北朝鮮の指示を受けて久米さんを海岸に誘い出し、沖合で待機していた工作船に引き渡したとされ、乱数表や暗号解読表など北朝鮮の工作機関による組織的な工作活動を裏づける資料も押収されています。 この宇出津事件を検証し、その教訓を現在の安全保障や危機管理体制にどう生かしているかを確認することは、日本国民の生命と主権を守る国会の重要な責務であると考えております。 そこで、順次お聞きしたいと思います。 宇出津事件は、北朝鮮の工作員と国内協力者による連携の下、日本人が日本国内の海岸から工作船で国外へ連れ去られた、我が国の主権と国民の生命、自由が侵害された事件であります。こうした事案を、政府として、国家犯罪としてどう位置づけ、どう総括をしているのか、あかま国家公安委員長に所見をお聞きしたいと思います。
○あかま国務大臣 お答えいたします。 今、川委員の方からも御披瀝ございましたけれども、宇出津事件でございますけれども、北朝鮮工作員に取り込まれた在日朝鮮人が、昭和五十二年の九月、久米裕さんを石川県の宇出津海岸に連れ出して、北朝鮮工作船で迎えに来た別の北朝鮮工作員に引き渡した事件だというふうに承知しております。 警察においては、所要の捜査の結果、宇出津事件の主犯格である北朝鮮工作員金世鎬の逮捕状の発付を得て国際手配を行っているものというふうに承知しております。 こうした北朝鮮による拉致容疑事案でございますけれども、我が国の主権を侵害し、国民の生命や身体に危険を及ぼすとともに、被害者やその御家族に耐え難い苦痛を与える許し難い犯罪であり、治安上、極めて重大な問題であるというふうに認識しております。 拉致被害者の方々、そして御家族の皆様が御高齢となる中で、もはや一刻の猶予も許されない状況にあるというふうに認識をしております。
○川委員 金世鎬の国際手配ということですけれども、時間もかなりたちましたし、もうなかなか見つけることはできないと思いますが、警察としての対応、今の所見もお聞きをしました。 次に、官房長官にお聞きをしたいと思います。 本年五月、政府のインテリジェンス機能強化に向け、総理を議長とする国家情報会議とその事務局である国家情報局の設置を定めた国家情報会議設置法が成立をしました。この法律は、重要情報活動及び外国情報活動への対処に関する重要事項を調査審議し、各省庁の情報を集約して総合的に分析、調整する体制を整備するものとされております。私も、何度も審議をさせていただきました。 ここで、お聞きをしたいと思います。 今国会で成立した国家情報会議設置法の下で、国家情報会議及び国家情報局は、北朝鮮による拉致工作活動への対応について、具体的にどのような役割を果たすことになるのか。宇出津事件のような事案の再発防止という観点から、この新たな枠組みをどのように活用していくのか、明らかにしてください。 さらに、国内に在住する者が外国政府や工作機関の指示を受けて拉致やスパイ活動に関与することを未然に防ぐために、警察、公安調査庁、入管庁、法務省など関係機関はどのような情報共有とリスク評価を行っているのか。宇出津事件における李秋吉のケースを念頭に、国内協力者対策強化の具体的な取組を木原官房長官にお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○木原国務大臣 拉致問題の担当大臣として、拉致問題の解決のためには、拉致被害者及び北朝鮮情勢に関する情報収集、そして分析等が極めて重要であると認識をしております。 国家情報会議設置法を今国会で成立をさせていただきましたが、これによって、重要な政策課題に関する情報の収集能力や、また外国情報機関による諸工作への対処能力を政府全体として高めようとするものになります。 現在、国家情報会議及び国家情報局設置のための準備を進めているところですが、政府全体の情報活動を俯瞰するという立場から、総合調整を行うことが可能となります。その結果、各省庁の保有する情報をより積極的に求め、そして多種多様な情報を集約することで総合的な分析が強化されることになる、そのように考えております。
○川委員 分析ということですけれども、その先にあるスパイ防止法の制定をしっかりとやっていただくということが、宇出津事件で行われた事案の再発防止につながっていくと思いますので、是非しっかりとした対応を求めたいと思います。 官房長官、これで退席いただいて結構です。ありがとうございました。
○山下委員長 官房長官は退席されて結構です。
○川委員 次に、公安委員長にまた改めて問いますけれども、宇出津事件では、久米さんを海岸に誘い出し、沖合の工作船へ引き渡した実行関与者が逮捕され、乱数表や暗号表などの証拠も押収されたにもかかわらず、国外移送拐取罪による起訴には至らず、不起訴、起訴猶予となった経緯が指摘されております。 その一方で、石川県の警察は、押収した乱数表の暗号解読に成功したこと、これをもってその捜査活動の功績が評価をされ、昭和五十四年、一九七九年に警察庁長官賞を受賞したとされています。 すなわち、捜査そのものは高く評価されながらも、拉致という国家犯罪の全容を司法の場で明らかにするには至らず、実行関与者は不起訴となり、釈放されてしまいました。 ここで、お聞きをしたいと思います。 当時、拉致事件として立件できなかった背景として、法制度の証拠評価、関係機関の連携、国際情勢などを踏まえ、政府はどのような課題があったと認識しているのか、具体的にお答えください。 特に、石川県警の捜査は高く評価され、長官賞まで受賞されたにもかかわらず、なぜ国外移送拐取罪の起訴に至らなかったのか。政府は、当時の証拠評価と法制度の限界をどのように分析しているのか。さらに、その分析を踏まえ、現在の法制度や運用において同様の事案が再び不起訴に終わることがないよう、どのように改善が図られているのか、具体的にお示ししていただきたいと思います。お願いします。
○あかま国務大臣 昭和五十二年の九月、石川県警察においては、久米裕さんを北朝鮮工作員に引き渡した在日朝鮮人を検挙し、拉致の経緯、動機、状況などに関する供述を得た上で、所要の裏づけ捜査を行ったものというふうに承知をしております。 こうした捜査を通じ、国外移送目的拐取についても、当時、最大限の努力をもって証拠の収集に努めたものの、特に被害者からの事情聴取ができないといった事情から立件には至らなかったというふうに承知をしております。 このように、被害者からの事情聴取が難しい事案の捜査においては、それ以外の証拠により粘り強く犯罪を立証していく必要があるというふうに認識をしております。 こうした認識を踏まえて、本件事案についても、その後、地道な捜査を継続していたところ、こうした中、平成十四年九月の日朝首脳会談において北朝鮮が拉致行為を自認し、状況の変化が生じた。こうしたことに伴い、新たな供述などを得るに至り、立件に必要な証拠資料がそろったため、平成十五年一月、本件に関与した北朝鮮工作員金世鎬に対する逮捕状の発付を得て国際手配を行ったところでございます。
○川委員 被害者からの聴取ができないということで起訴に至らなかったということで、当然、被害者は拉致をされていますから、聴取できるはずもありません。 ですから、このような事案が起きたら現在でも、被害者からの聴取が大前提として、そのほかの証拠もあると思うんですけれども、このような状況であれば、同じことが起きたら現在でも起訴できないという認識でよろしいですか。
○あかま国務大臣 それぞれの事案にあって、いかなる状況証拠、また証言、様々なものを集め切るか切らないか。とりわけ、当時でいえば、国外移送目的拐取については、被害者、そこからの様々な証拠、これらというものがどうしても必要であった、それには至らなかったということでございます。
○川委員 証拠に至らなかったと。幾つかの証拠は確実に出ていましたし、私自身は、当時、北朝鮮の工作員と関与した方々をせっかく捕まえたわけですから、しっかりとそこで対応しておけば、もう少し早い段階で、もしかしたら解決に向けての五人の帰国はもっと早かったかもしれないというふうに考えております。 次に、宇出津事件、実行犯とされる李秋吉は外国人登録法違反で検挙をされ、久米さんを北朝鮮工作員に引き渡したことを自供したとされながら、最終的には、国外移送拐取罪での、今ほど言った起訴には至らず、起訴猶予処分となり釈放されてしまいました。 ここで、もう一点お聞きしたいと思います。 政府として、日本国内に在住した拉致実行犯あるいは国内協力者に対する刑事責任の在り方について、当時はどのような判断が行われ、現在どのように総括をしているのか。また、こうした国内協力者への対応について、現行制度の下で同様の判断が繰り返されることのないよう、どのように見直し、改善が図られているのか、明確にお答えいただきたいと思います。
○あかま国務大臣 石川県警察が、昭和五十二年九月、宇出津事件の共犯者である在日朝鮮人を、今お話ございましたとおり、外国人登録法違反で逮捕し、その後、出入国管理令違反で逮捕しております。石川県警察においては、国外移送目的拐取についても、当時、最大限の努力をもって証拠の収集に努めたものの、国外移送目的拐取での立件には至らなかったというふうに承知しております。 あわせて、日本に在住した拉致実行犯などとして、これまで、辛光洙事件であるとか姉弟拉致容疑事案、ここにおいて、逮捕状を取得して国際手配を行うなどとしているというふうに承知をしております。 北朝鮮による拉致容疑事案の全容解明に向けて、警察では、拉致に関与した国内協力者の存在も念頭に、あらゆる可能性を視野に入れて、捜査に全力を挙げて取り組んでおるところであります。 今後でございますけれども、法と証拠に基づき厳正に捜査を行うよう、国家公安委員長として警察を指導してまいりたいというふうに考えております。
○川委員 先ほどと似たような、証拠の部分もありましたけれども、冒頭申し上げたとおり、乱数表や暗号解読表など、北朝鮮の工作員が使っていたものを押収したという証拠も実はありましたし、ある程度、僕はそろっていたのではないかなというふうに思います。ですから、同様な事案がもし起きたときには、しっかりと起訴できるように、また釈放を簡単にしないように対応いただきたいというふうに思いました。 最後に申し上げたいと思います。 私は、この宇出津事件を取り上げることで、半世紀前の関係者の判断を現在の物差しだけで批判したいものではありません。私が本日問いたかったのは、あの事件から国家として何を学び、その教訓を現在の安全保障、危機管理、情報体制、そして法制度の整備にどこまで生かしてきたのかということであります。宇出津事件は、日本国内で北朝鮮の工作員と国内協力者が連携をし、日本人を国外に連れ去った事件であります。日本の主権が侵害され、日本国民の生命と自由が奪われた重大な国家犯罪であり、その教訓は決して風化させてはなりません。 そして、この事件は決して過去の問題ではありません。現在も拉致事件は解決しておらず、多くの被害者の帰国は実現をしておりません。被害者御本人はもちろんのこと、長年帰りを待ち続けてこられた御家族の高齢化も深刻さを増し、残された時間は決して多くはありません。 また、宇出津事件が示したもう一つの教訓は、外国の工作活動は、国外だけで行われるものではなく、日本国内においても国内協力者を通じて実行され得るという厳しい現実であります。だからこそ、情報収集、分析、関係機関の連携、そして迅速な意思決定を可能とする国家の情報体制を不断に強化していかなければなりません。 本年成立した国家情報会議設置法も、単なる組織改編や制度創設で終わらせてはいけません。重要なのは、情報を集めること自体ではなく、その情報を国家として統合し、そして分析をし、適切に判断をし、具体的な行動へと結びつけることであります。国民の生命、自由、そして国家主権を守るという、本来国家が果たすべき責務を確実に果たす体制へとつなげていただきたいと思います。 拉致問題は、人権問題であると同時に、我が国の安全保障の根幹に関わる問題であります。二度と同じ悲劇を繰り返さないためにも、宇出津事件の教訓を国家全体で共有をし、再発防止に万全を尽くすことが求められています。 政府におかれては、拉致被害者全員の一刻も早い帰国の実現に向け、あらゆる手段を尽くしていただくとともに、同様の国家犯罪を二度と起こさない強固な情報、治安管理体制の構築に引き続き取り組んでいただくことを強く要望し、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○山下委員長 次に、黒田征樹君。
○黒田委員 日本維新の会、黒田征樹でございます。 今日は、人工知能基本計画における行政のAIの活用、そしてAIを使った偽情報、認知戦、こういったことにどういうふうに対抗していくのかというようなことで質疑を進めていただきたいというふうに思います。 現在、AIを積極的に活用しようとしているその政府の姿勢というものは大いに評価をしております。今日は、その取組を更に進めるために、現状の課題と今後の方向性について確認をさせていただきたいというふうに思っております。 今日は、若山政務官が参議院の方にも呼ばれているということでありまして、当初予定していた質疑の順番を少し変えさせていただきたいというふうに思います。 近年、世界では、認知戦と呼ばれる新しい脅威が広がっております。この認知戦とは、銃弾や爆弾を使わずに、人々の物の見方、考え方そのものに働きかけて、社会の信頼や結束を内側から崩していく、そういう攻撃であります。SNSで偽の情報を大量に流して、社会を分断させたり特定の人物や国への不信感を人工的に高めたりする、そういった手口が使われます。AIの登場がこの認知戦を格段に危険なものにしているということでありまして、AIを使えば、本物そっくりの偽の動画、音声、いわゆるディープフェイクを大量に自動生成ができます。 更に恐ろしいのは、それぞれの人の心理的な傾向、要は、何に不安を感じているのか、何に怒りを持つのか、そういう情報を、AIがSNSからデータを分析して、その人だけに最適化した偽情報を送り込むことができるようになる。それは人が気づかないうちに判断をゆがめられていくということでありまして、物理的な被害がなくても人々の信頼と判断力が傷つけられる、それが認知戦の本質的な恐ろしさであります。そして、こういうことが今、実際に世界で起きております。 こうした脅威に対抗するために何が必要かといいますと、AI生成コンテンツを判別、制御する技術の開発の支援、そして、生成AIによる偽情報の検知、対処、これを担う省庁横断的なAIエージェントの体制の整備、その情報を受け取る国民のリテラシーの向上、教育、これがまさに人工知能基本計画の政策課題だというふうに考えております。 一方で、AIの向上によって皆さんの仕事の在り方というのも大きく変わっていく、国民の暮らし、利便性が向上していくというのはもう言うまでもありません。そこで、まずは行政におけるAIの活用についてお聞きをしていきたいというふうに思います。 人口知能基本計画では、世界で最もAIを開発、活用しやすい国を目指すとされておりますが、その取組が実際に国民の生活にどう届いているのかというところを確認させていただきたいと思います。例えば役所に来庁する回数が減ったであるとか申請手続にかかる時間、待ち時間等が短くなったという、住民の皆さんが実感できる形での成果の把握、公表について、現在どのような取組をされているのか、お聞きをしたいと思います。 また、この夏をめどに予定されている計画の改定において、このようなKPI、そういったことを設定する方針が必要かというふうに思いますが、その点についてお聞かせをいただきたいと思います。
○恒藤政府参考人 AI法に基づきます人工知能基本計画、いわゆるAI基本計画につきましては、昨今の状況の変化を踏まえまして、改定に向けた検討を進めてきたところでございますが、本日の朝、総理大臣を本部長といたしますAI戦略本部が開催されまして、AI基本計画の改定案が決定されたところでございます。その中では、基本計画の進捗状況を把握するため、適切なベンチマークを設定した上でモニタリングを実施するとされたところでございます。 その具体的なベンチマークやモニタリングの方法につきましては今後検討するということにしてございまして、今御指摘をいただきました行政分野におけますAI活用の状況あるいはその成果につきましても、どのようなベンチマークあるいはKPIを設定することが適当か、有識者の意見も伺いつつ、関係省庁と連携し、これからしっかりと検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○黒田委員 ありがとうございます。 こういう案件でKPIを数値で設定するというのは難しいというのは重々理解はしておりますけれども、ただ、国民の皆さんからすると、そういう施策の進捗を把握するという、その言葉だけで、どれだけ生活、暮らしが変わってきたのかというところがなかなか難しいかというふうに思います。 私自身、堺市議会議員をしていたときに、十年ほど前になるかもしれませんが、さいたま市だったと思いますけれども、保育所の選定を、今まで二十人ぐらいの職員さんが、一週間ぐらい、延べ一千五百時間ほどかけて、この子はこの保育所に入れてみたいなことを積み上げては、駄目だと言ってばらしてまた積み上げてというような作業をしていたという、これはどこの市町村でも同じようなことをしていると思いますけれども、それが、AIを活用すると、ほんの数秒で、ほぼ人が選んだ内容と同等の結果が得られるということで。 これは何が言いたいかといいますと、AIを活用することによって具体的にそういうふうな形で効果が出る、それはもちろん皆さんの働き方の改革にもつながりますし、何よりもその空いた時間を更なる新たな住民サービスに充てる時間ができる、若しくは今あるサービスを向上する、そういうことができるというようなことがあると思いますので、そういう分かりやすい数値を国民の皆さんに示していく、そういう努力はしていただきたいというふうに思いますし、この夏の計画の改定で是非とも盛り込んでいただきたいというふうに思います。 それでは、今も申し上げましたけれども、AIを活用することで公務員の皆さんの業務効率が上がって、残業時間が減ることも期待されております。現時点で、AI導入によって国家公務員の残業時間や業務負担がどの程度改善されているのか、把握されている範囲でお答えいただきたいというふうに思います。 また、効率化で生まれた時間を政策立案、住民サービスの質の向上に振り向ける、そういう取組について、現状と今後の方向性、こういったことをお聞かせいただきたいと思います。
○松本(敦)政府参考人 お答え申し上げます。 国家公務員の生産性向上それから超過勤務の縮減のために、働き方改革を推進していくことは重要でございます。その中でも、行政サービスを維持向上するために、御指摘の生成AIの活用というのは非常に重要であると認識しておりまして、今、「源内」を政府内でようやく展開したといったところでございます。 各府省における業務は様々でございまして、また、職員一人一人が様々な業務を行っているということで、AI導入によってこれだけの時間が短くなったというのを直接比較するとかお示しするのはなかなか難しいところもございますけれども、AI導入に関する具体的な取組事例、例えばこういうものでこんなによくなったよということであるとか、その効果の把握、展開等に努めまして、政策の企画立案や実施等により多くの時間を充てられるように、政府内における活用が進むよう取り組んでまいりたいと考えてございます。
○黒田委員 全ての業務が当然そういうので見える化できないというのは分かるんですけれども、先ほど示した例のように、分かりやすい指標というのも中にはあろうかというふうに思いますので、そういうこともしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。 次に、行政手続にAIが活用されるケースが増えてきているというふうに思いますし、今後も増えると思います。補助金の審査、給付の判断などにAIが関わる場合、市民の方がなぜこういう結果になったのかということを知りたいと思うのは自然なことだというふうに思います。AIが関わった行政の判断においても、行政手続法、行政不服審査法が適用されて、市民が知る理由の提示を求めたり不服を申し立てたりする権利というのは担保されているということでありますが、AIの活用が広がる中で、市民が行政判断について説明してもらえる、申立てもできる、そういう安心と信頼できる仕組みというのは担保し続けないといけないというふうに思っております。 今後、新たな対応も必要な場合について、柔軟で迅速な対応が求められると思いますけれども、その点、政府の考え方をお聞かせいただきたいというふうに思います。 〔委員長退席、鳩山委員長代理着席〕
○佐藤政府参考人 お答えいたします。 いわゆる行政通則法であります行政手続法や行政不服審査法は、国民の権利利益の保護や行政の公正性、透明性確保を目的としまして、処分の際の理由提示等の事前手続や、処分に不服がある場合の審査請求による事後の救済手続について規定しております。このような目的は、行政でのAI利活用においても損なわれないようにする必要があると考えております。 総務省といたしましては、こうした行政通則法上の観点に立ちまして、行政における円滑かつ適正なAI利活用のための指針、留意点や、法的に許容されない利活用の限界線についてガイドラインを策定すべく現在検討を進めておりまして、この取組を進めてまいりたいと考えております。
○黒田委員 ありがとうございます。これからAIが行政の判断に関わる場面が増えてくるというふうに思いますので、継続的に点検をしていただくようにお願いをしたいというふうに思います。 それでは、今年の夏をめどに改定を予定している人口知能基本計画についてでありますけれども、先ほど来言っております住民目線のKPIの設定と公表、行政AI活用ルールの整備、質疑はしておりませんけれども先ほど申し上げました、省庁横断的なAIエージェントの体制の構築、AI偽情報を見抜くためのリテラシー教育の推進、この四点を計画に盛り込んでいただきたいなというふうに思いますが、政府の方針をお聞かせいただきたいと思います。 また、国民の皆さんにAIで自分の暮らしが変わると実感していただける計画にするために、政府としての決意を若山政務官からお聞かせいただきたいと思います。 〔鳩山委員長代理退席、委員長着席〕
○若山大臣政務官 委員には質問の順番を御配慮いただきまして、ありがとうございます。また、委員からの、AIの将来についての示唆に富む御指摘、誠に感謝を申し上げる次第でございます。 お答えを申し上げます。 急速にAI技術が進展、普及しているという中で、国民の皆様にAIによって生活の質が向上したと実感していただくことは大変重要なことであると認識をしております。政府としては、AI利活用の加速的推進を図っているところでもございます。 そうした中で、御指摘のKPIの設定についてでございますが、基本計画の進捗状況を把握するために、先ほど中身をしっかりとというお話の中で、適切にベンチマークを設定し、AIの効果を把握することとしているところでございます。KPI等の設定についても、公表に向けて、まずは検討を進めてまいりたいと考えております。 もう一つ、御指摘の行政AI活用のルール整備についてでございます。国民の権利保護や透明性、公正性を確保するため、行政事務におけるAI利活用時の留意点の整理を行うということを進めてまいりたいと考えております。 また、AIエージェントのお話でございますが、体制構築に関する御指摘については、本日決定をいたしましたAI基本計画案においても、社会課題の解決や、行政サービスの質の向上、効率化に向けて、AIエージェントを含め、積極的にAIを活用することとさせていただいております。 また、これは多分後で、偽情報のお話でございますね、これを見抜くためのリテラシーということについても大変重要でございます。そういう中で、AI基本計画案においても、全ての国民の皆様が、AIに関する基礎的な知見、知識として最低限のリテラシーを身につけて、適切に活用できる人材となれるように支援をするということとさせていただいたところでございます。 今後も国民の皆様にAIの効果を実感していただけるよう、新たなAI基本計画に基づき、政府一丸となって関係施策を強力に推進をしてまいる所存でございます。
○黒田委員 若山政務官、ありがとうございました。それでは、退席していただいても。
○山下委員長 若山政務官は退席されて結構です。
○黒田委員 それでは、ちょっと時間の関係上、最後にさせていただきたいというふうに思いますが、先ほど来申し上げております偽情報、そういったことに対して、AIを使った検知、対処の仕組みというのは必要不可欠です。 今お答えもいただきましたが、現在、デジタル庁を中心に、省庁横断での生成AIエージェントの活用に向けたガイドラインが整備されているということでありますが、その現状と今後の方向性についてお聞かせいただきたいと思います。 AIによる攻撃にはAIで対抗する必要がある、そういう問題意識を持っていただいて、偽情報への対処も視野に入れて政府内にAIエージェントの体制を構築する必要があるというふうに考えますが、ここも政府の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、政府においても、一定の自律性を持ってタスクを実行するAIエージェントを活用していくことについては、職員の業務の効率化また質の向上を図る上で今後も必要と考えております。 一方で、AIエージェントには意図しない行動などのリスクが生じ得ることから、ガバナンスの確保は非常に重要であると考えておるところでございます。 政府におけるAIの利活用等につきましては、行政の推進と革新のためのAI調達、利活用に係るガイドラインに基づき推進し、AI技術の進展等を踏まえ、ガイドライン自体も随時見直しを行っているところでございます。このガイドラインに基づき、現在、全ての府省庁にAI統括責任者、いわゆるCAIOが設置され、生成AIの利活用推進とガバナンス体制を構築しております。さらに、今年の六月におきましては、今後のAIエージェントの導入に対応し、リスクの高いAIエージェントの報告制度を導入するなど、同ガイドラインを改定しているところでございます。 今後も、政府におけるAIエージェントの導入、活用状況等を踏まえまして、具体的なルール等についても更に検討を深め、適切な活用が広がるように取り組んでまいります。
○黒田委員 まさにAIは、光と影の部分、しかも強烈な光と強烈な闇の部分もあろうかというふうに思います。その点、しっかりと私自身も勉強して皆さんと取組を進めたいと思いますので、よろしくお願いします。 ありがとうございました。
○山下委員長 次に、野村美穂君。
○野村委員 国民民主党の野村美穂です。 済みません、日曜日の夜から声が出なくなってしまいまして、お聞き苦しいですが、よろしくお願いいたします。 本日は、大きく二つのテーマ、カスタマーハラスメント対策と、セクシュアル・リプロダクティブヘルス・ライツの推進について質問いたします。 まず、カスタマーハラスメント対策についてです。 前回、六月十二日の内閣委員会で、カスハラが省庁横断的な国民的社会課題であることを取り上げましたが、時間の都合で質問できなかった点、十分に掘り下げられなかった点、そして新たに追加した論点について質問いたします。 前回の質疑では、十月一日から施行される改正労働施策総合推進法の意義について確認いたしました。しかし、現場が最も求めている具体的な判断基準や実効性ある対策については、まだ不十分な点が残されています。 また、これまでの議論は、主にBトゥーC、つまり企業と消費者間の取引におけるカスハラが中心でしたが、実は、BトゥーB、企業対企業間の取引においても深刻なハラスメントが存在しています。特に、中小企業が大手企業と取引を行う際の優越的地位の濫用による不当な労務提供の実態は、カスハラと同様の構造的問題を抱えています。 本日は、これらの積み残された課題と新たな論点について具体的な答弁を求めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。本日は、全部で十四点の質問を予定しています。 まず初めに、カスハラ対策について七点の質問です。 まず一点目、前回の質疑では時間の都合で質問できませんでしたが、現場で最も困っているのは、どこからがカスハラなのかという判断基準が不明確であることです。前回の答弁で、カスタマーハラスメント防止指針において、社会通念上許容される範囲を超えた言動の典型的な例を示していると伺いました。しかし、典型例だけでは現場の判断は困難です。 例えば、何度も同じ説明を求められる、大声でどなられる、長時間の対応を要求されるといった行為は、それ単体ではグレーゾーンです。しかし、これらが組み合わさったり、繰り返されたりした場合にカスハラとなるのか、また、頻度や継続性の具体的な目安はどのように考えればよいのかなど、現場の担当者たちは頭を悩ませています。 正当なクレームと悪質なカスハラを区別する、より具体的な判断基準、事例集、判断フローチャートなどを提供する必要があると考えますが、その予定はあるのでしょうか。
○大隈政府参考人 お答えいたします。 六月十二日の本委員会の質疑でお答えしたとおり、社会通念上許容される範囲を超えている言動に当たるか否かにつきましては、個別の事案ごとに当該言動の目的、経緯や状況、態様、頻度、継続性等を総合的に考慮して判断されるものでございます。 また、カスタマーハラスメントは、業種、業態により被害の実態や必要な対応も異なりますことから、全ての事業主に共通するものとして更に具体的な判断基準等をお示しすることは困難であると考えてございます。 こうした点も踏まえまして、厚生労働省としては、業所管省庁に対して、業種、業態ごとのマニュアルの策定などの取組を促しているほか、厚生労働省が業界を支援して策定した、スーパーマーケット業や宅配業におけるマニュアルを情報提供しているところでございます。 引き続き、業所管省庁との連携を図りながら、事業主の取組を支援してまいりたいと考えております。
○野村委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。 二点目です。現場の従業員や管理職が迷った際に相談できる専門窓口の整備状況についてお尋ねします。前回質問できなかった中小企業の担当者への支援についてです。 大企業と異なり、中小企業は、法務部門や専門の相談窓口を持たないことが多く、カスハラ対応が経営者や現場に大きな負担となっています。特に家族経営や小規模事業者では、一件のカスハラ対応が事業継続に影響を与えかねません。 中小企業向けの具体的な支援策として、以下の四点についてお尋ねします。 まず一点目、中小企業が実際に活用できる無料又は低コストの相談窓口は整備されているのでしょうか。二点目、簡易に導入できる中小企業向けの対応マニュアルやテンプレート、例えば就業規則への記載例、対応記録フォーマット、従業員への研修資料など、そういったものは提供されるのでしょうか。三点目、弁護士や社会保険労務士などの専門家による個別支援制度はあるのでしょうか。四点目、従業員向けのメンタルヘルス相談体制は中小企業の労働者も利用できるのでしょうか。 以上、お尋ねします。
○大隈政府参考人 お答えいたします。 本年十月から改正労働施策総合推進法が施行され、全ての事業主に対して、労働者の相談に対応するための窓口をあらかじめ定め、労働者に周知することが義務づけられます。仮にこうした措置が適切に実施されていない場合には、労働者の方は都道府県労働局に相談することができ、労働局はこれを踏まえて事業主に対して必要な助言指導を実施することとなります。 また、これまでは企業の自主的な取組に委ねてまいりましたカスタマーハラスメント対策について、企業規模を問わず、全ての企業において措置を実施していただくこととなるため、特に中小企業に対して支援を行うことは重要であると考えております。 このため、都道府県労働局が企業に対して、法令等の内容に関する助言や説明会の開催をしているほか、社会保険労務士などの専門家が、ハラスメント事案が生じた企業等の事業主や人事労務担当者からの相談に応じて、速やかにハラスメント事案を解決するための対応策を助言する事業、これを令和七年度から実施しているところでございます。 こうした様々な取組を通じまして、中小企業やその従業員の方々を支援してまいりたいと考えております。
○野村委員 ありがとうございます。 支援策は準備されているということでしたけれども、中小企業の方に、そういったメニューが準備されているということを徹底的に周知をしていただくことを改めてお願いをしたいと思います。 続きまして、三点目です。 前回の質疑で紹介したように、首をつかんで引きずる、元やくざだ、日本刀で勝負しようなどと脅す、六十分間監禁するといった行為は明らかに暴行罪、脅迫罪、監禁罪に該当する犯罪行為です。しかし、現場では、お客様だから、事を荒立てたくない、警察を呼ぶと企業イメージが悪化するといった理由で警察への通報をちゅうちょするケースが多いと聞きます。 そこで、厚生労働省に以下四点お尋ねします。 カスハラ防止指針において、一、明らかな犯罪行為についてはちゅうちょなく警察に通報すべきという方針を明記しているのでしょうか。二、企業が通報をちゅうちょしないための通報ガイドラインや判断基準を示しているのでしょうか。三、通報した従業員や企業が不利益を被らないための保護措置はあるのでしょうか。また、警察庁にもお尋ねします。カスハラに関連する犯罪行為、暴行、脅迫、監禁、業務妨害などの認知件数や検挙状況のデータはあるのでしょうか。企業や商業施設からの通報に対する迅速な対応体制は整備されているのでしょうか。カスハラ被害者、労働者の保護と支援について、現状の取組の紹介をお願いいたします。
○大隈政府参考人 お答えいたします。 カスタマーハラスメント防止指針におきましては、事業主があらかじめ定めなければならないカスタマーハラスメントの対処の内容や、特に悪質と考えられるものへの対処の方針の例として、暴行、傷害、脅迫などの犯罪に該当し得る言動については警察へ通報することをお示ししているところでございます。 また、昨年一月から開催しております関係省庁連携会議には警察庁にも参画いただいておりまして、本年四月に警察庁に対して、顧客等による犯罪に該当し得る行為について事業主等から通報があった場合は、適切に対応すべき旨を都道府県警察に対し周知いただくようお願いしており、それを受け、警察庁から都道府県警察に対して通達を発出いただいたものと認識しております。引き続き警察庁とも連携してカスタマーハラスメント対策を推進してまいりたいと考えております。 また、不利益取扱いについて御質問ございましたけれども、労働施策総合推進法三十三条におきまして、事業主は、労働者が職場におけるカスタマーハラスメントに関して相談したことなどを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないと定められておりまして、その旨は、カスタマーハラスメント防止指針においても、労働者に周知するようにという形で書いているところでございます。
○山田政府参考人 お答えいたします。 お尋ねのカスタマーハラスメントに関連する犯罪行為の認知件数や検挙状況に関する統計データについては、警察庁では保有をしていないところでございます。また、御指摘のカスタマーハラスメントに係る通報、相談があった際には、被害者の心情に寄り添い、訴えの内容を正確に把握し、適切な助言等を行うこととし、刑罰法令に違反する行為があれば、法と証拠に基づき適正に対処するよう警察庁から都道府県警察に対して指導しているところであります。 さらに、カスタマーハラスメントに係る通報、相談に適切に対応するため、企業等に対する防犯指導や各種通報受理業務、相談業務等に従事をする警察職員に対し、厚生労働省から公布されたカスタマーハラスメント防止指針等を周知し、カスタマーハラスメント対策への理解を浸透させるよう都道府県警察に指導しているところであります。 本年十月には、改正労働施策総合推進法及びカスタマーハラスメント防止指針が施行されますところ、警察としても、カスタマーハラスメントに係る通報、相談があった際には、被害者の心情に寄り添い、適切に対応してまいりたいと考えております。
○野村委員 ありがとうございました。 厚生労働省の方は警察庁と連携していくということも言われたんですけれども、データは保有していない、認知件数や検挙状況は保有していないという御答弁でしたけれども、こういったことを細かく積み上げていただきながら、また、連携してその対応策みたいなところをしっかりと練っていただけるとありがたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。 それでは、四点目の質問になります。 前回の質疑でも触れましたが、近年、SNSやインターネット上での企業、従業員への誹謗中傷、さらし行為、無断動画撮影、炎上扇動といったデジタル型カスハラが急増しています。店舗内で勝手に動画を撮影され、編集した上で、店員の態度が悪いなどの虚偽や誇張した内容をSNSに投稿される、実名や顔写真がさらされ個人攻撃を受ける、こうした被害は従来のカスハラとは異なる深刻な影響をもたらします。 このような新たな形態のカスハラに対する認識、法的保護の枠組み、プラットフォーム事業者との連携など、どのような対策を検討しているのか、厚生労働省にお尋ねします。
○大隈政府参考人 お答えいたします。 本年十月に施行される改正労働施策総合推進法におきましては、カスタマーハラスメントの行為者について「顧客、取引の相手方、施設の利用者その他の当該事業主の行う事業に関係を有する者」と規定しておりまして、SNSによる誹謗中傷についても、個別のケースごとの判断にはなりますけれども、社会通念上許容される範囲を超えて労働者の就業環境を害すると考えられるものにつきましては、カスタマーハラスメントに該当し得ると考えております。 本年二月に策定いたしましたカスタマーハラスメント防止指針におきましても、カスタマーハラスメントの三要素を満たす場合には、電話やSNS等のインターネット上で行われるものも職場におけるカスタマーハラスメントに含まれることを明記するとともに、カスタマーハラスメントに該当し得る例として、SNS等のインターネット上へ労働者のプライバシーに係る情報の投稿等をすることや、SNS等のインターネット上へ悪評を投稿することをほのめかす発言によって労働者を脅すことをお示ししているところでございます。 引き続き、こうした指針の内容等について周知をいたしまして、SNSにおいて行われるものも含めて、カスタマーハラスメント対策を推進してまいりたいと考えております。
○野村委員 ありがとうございます。 五点目です。ここからは、新たな論点であるBトゥーB、企業対企業間取引におけるハラスメントについて質問をいたします。 これまでのカスハラ議論は、主にBトゥーC、つまり企業と消費者間の取引が中心でした。しかし、企業対企業の取引、特に中小企業が大手企業と取引を行う場合にも優越的地位の濫用によるハラスメントが存在します。 今年の二月に、フード連合、UAゼンセンの合同調査、取引慣行アンケートの集計結果報告書が出されました。先日、内容の説明を受けました。その中で明らかになったのは、不当な労務提供の実態でした。 具体的には、中小企業の小売店や食品メーカーが、取引先である大手スーパーやコンビニチェーンに対して、以下のような労務を無償で提供させられているケースがあります。大手スーパーでの商品の陳列作業、店舗の清掃や棚卸し作業、販売促進イベントへの人員派遣、POP作成や商品説明員の配置など、これらは本来小売側が行うべき業務であり、仕入れ先に依頼する場合は正当な対価を支払うべきです。しかし、取引上の優越的地位を背景に、無償又は対価を請求できない雰囲気で労務提供を強いられているのが実態です。 公正取引委員会は、独占禁止法上の優越的地位の濫用として、こういった行為を厳しく禁止しています。 そこで、公正取引委員会にお尋ねします。 こうした不当な労務提供の実態についてどのように把握をされているのでしょうか。労務提供を受けた大手企業側に対して、実際に適正な支払いがされたかどうかの点検を行っているのでしょうか。行っていないのであれば、実効性を担保するためにも、抜き打ち検査や事後調査を実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。 厚生労働省にもお尋ねします。 BトゥーB取引における不当な労務提供は、派遣される労働者にとっても問題です。本来の業務外の作業を強いられることは、労働者の権利侵害にもつながります。未来への希望を胸に入社した新入社員が、想定していた仕事内容と実態がかけ離れていると退職してしまうこともあるそうです。このような問題について、厚生労働省としてどのような認識をお持ちなのでしょうか。カスハラ対策との関連で、BトゥーB取引におけるハラスメントについても今後検討する予定があるのか、お尋ねします。
○品川政府参考人 お答え申し上げます。 お尋ねのような行為につきましては、まず、一般論としては、取引上の地位が相手方に優越している事業者が、取引の相手方に対し従業員等の派遣を要請する場合でありまして、当該取引の相手方にあらかじめ計算できない不利益を与えることとなる場合や、従業員等の派遣を通じて当該取引の相手方が得る直接の利益等を勘案して合理的であると認められる範囲を超えた負担となり、当該取引の相手方に不利益を与えることとなる場合には、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えることとなるというものでございまして、優越的地位の濫用として問題となるものでございます。 公正取引委員会では、従業員等の無償派遣のような優越的地位の濫用として問題となる疑いのある行為につきましては、従来から様々な手段で情報収集を行ってございまして、匿名で誰でも利用できるような申告窓口も設けまして、広く情報を受け付けているところでございます。 公正取引委員会におきましては、最近でも、例えば令和七年度に二件、令和八年度に入りましてからも既に二件、小売業者が従業員の派遣のために通常必要な費用を自社で負担することなく納入業者の従業員等を派遣させていた疑いのある事案につきまして調査を行った結果、このような行為によって納入業者に生じた費用を支払わせるなどの法的措置を取っているところでございます。 公正取引委員会としましては、このような優越的地位の濫用に該当する行為に接した場合には、引き続き厳正に対処してまいりたいと考えてございます。
○大隈政府参考人 お答えいたします。 昨年六月に成立した改正労働施策総合推進法の規定における顧客等につきましては、取引先の担当者や企業間での契約締結に向けた交渉を行う際の担当者も含まれており、いわゆるBトゥーB取引において行われるものにつきましても、法律で定義する三つの要素を満たす場合にはカスタマーハラスメントに該当することとなります。 本年十月一日の施行に向けまして、都道府県労働局等による企業向け説明会の開催、リーフレットやパンフレットによる周知、ポータルサイトによる情報発信などを通じて、こうした内容も含めて周知してまいります。
○野村委員 ありがとうございました。 先ほど公正取引委員会からの御答弁で、匿名で相談できる窓口があるという御説明がありました。これは是非もう一度徹底的に周知をしていただきたいと思います。相談の件数が、先ほど報告していただきましたけれども、その件数は、その件数だけなのか。実はもっとあるんだけれども、相談窓口が分かっていなくて相談できていないのかということも考えられますので、是非改めて周知の方、よろしくお願いいたします。 続きまして、六点目です。 前回の答弁で、今年度、職場のハラスメントに関する実態調査を実施し、労働者が受けたカスハラの内容、場所、行為者、心身への影響などを調査すると伺いました。この調査の進捗状況はいかがでしょうか。また、その調査結果はいつ公表される予定でしょうか。
○大隈政府参考人 お答えいたします。 六月十二日の本委員会での質疑でお答えいたしましたとおり、厚生労働省では、カスタマーハラスメントの実態等に係る情報収集として、今年度、職場のハラスメントに関する実態調査を実施することを予定しております。 現在、具体的な調査項目などの検討を進めているところでございまして、現時点において、調査結果の公表時期を含めて今後のスケジュールは未定でございます。
○野村委員 ありがとうございました。では、また折を見て質問させていただきます。よろしくお願いします。 一つ目のテーマのカスハラ対策について、最後の質問です。 改正労働施策総合推進法の施行まで、あと残り三か月を切りました。十月一日から、全ての事業主に雇用管理上の措置が義務づけられますが、中小企業を中心に、まだ十分に準備が進んでいないという声も聞こえます。 施行に向けた企業への周知状況を、どのように認識をされているのでしょうか。特に、中小企業や零細事業者へのきめ細やかな支援は行き届いているのでしょうか。施行後、措置義務を履行できていない企業に対する指導監督体制はどのように準備されているのか、お尋ねします。
○大隈政府参考人 お答えいたします。 本年十月の改正労働施策総合推進法の施行に向けまして、特に中小企業に対して、改正法の内容の周知や取組支援を行うことは重要であると考えております。 このため、都道府県労働局が企業に対して法令等の内容に関する助言や説明会の開催を行っているほか、リーフレットやパンフレットによる周知、ポータルサイトによる情報発信などを実施しているところでございます。また、本年十月の施行後、カスタマーハラスメント防止のための措置義務が適切に実施されていない事業主に対しましては、他のハラスメントと同様に、都道府県労働局において助言指導などを実施することとなります。 こうした取組を通じまして、中小企業に対する周知、取組支援や履行確保などに努めてまいりたいと考えてございます。
○野村委員 よろしくお願いいたします。 続きまして、SRHRについて質問いたします。セクシュアル・リプロダクティブヘルス・ライツ、このSRHRは頭文字を取ったものです。日本語では、性と生殖に関する健康と権利と訳します。以下はSRHRと省略して言いますので、よろしくお願いいたします。 私は、これまで内閣委員会において、国民的健康課題として、更年期症状への支援や理解を広げるための質問、プレコンセプションケアの推進など、性と生殖に関わる国民的健康課題を取り上げてきました。本日は、より根本的な問題として、SRHRを基本的人権の観点から質問いたします。 重要なのは、SRHRは単なる女性政策ではないということです。妊娠、出産は女性だけでは成立しません。男性も当事者です。そして、全ての人が、自分の性と生殖について正しい知識を持ち、主体的に選択できることは、個人の尊厳と幸福、そして社会全体の健全な発展に不可欠です。さらに、進行する少子化の中で、将来の労働力をどう確保していくのか、若い世代が安心して子供を持つ選択ができる社会をどのようにつくっていくのか、これは国家の持続可能性に関わる重大な課題であり、SRHRはその根幹に位置する概念だと考えます。 質問に入ります。七点、予定しています。 まず、政府としてSRHRをどのように位置づけているのか、お尋ねします。男女共同参画基本計画やこども大綱において、SRHRの理念はどのように反映されているのでしょうか。内閣府として、SRHR推進のための具体的な施策や数値目標を定めているのでしょうか。SRHRという言葉が国民に十分認知されていない現状について、どのような認識を持ち、どのように改善をしていく予定があるのか、黄川田大臣にお尋ねします。
○黄川田国務大臣 お答えいたします。 男女が互いの身体的性差を十分に理解し合い、人権が尊重され、尊厳を持って生きることができることは、男女共同参画社会の形成に当たって大前提であります。 このため、第六次男女共同参画基本計画においては、生涯を通じた男女の健康支援として、SRHRの視点が殊に重要であるとしています。また、こども大綱においては、性と健康に関する普及啓発、相談支援等を進めることなどを盛り込んでいるところです。 具体的施策と数値目標についてのお尋ねでありますが、男女共同参画基本計画において、SRHRに関し数値目標は定めておりません。その視点に基づいた施策については、例えば、性別を問わず、適切な時期に、性や健康に関する正しい知識を持ち、妊娠、出産を含めた将来設計や将来の健康を考えて健康管理を行うプレコンセプションケア等の施策を盛り込んでいるところであります。 性と生殖に関する健康と権利については、引き続き、基本計画等に基づき、関係省庁が連携して取組を進めてまいりたいと考えております。
○野村委員 ありがとうございます。 やはりSRHRの具体的な数値目標が必要だと思います。今、国民に十分に認知されていない現状についてもお尋ねをしましたけれども、この言葉を知っているか知らないかというところの目標でも構わないと思います。こういうことがSRHRなんだなということで、言葉と実態が結びついていく、そこで認知度が上がっていくというふうにも思いますので、是非そういったところからも数値目標を設定して取組を進めていただきたいと思います。 続きまして、二点目です。 SRHRの実現には若い世代への正しい知識の提供が不可欠です。しかし、日本の学校教育における性教育は国際的に見て極めて不十分だと考えますが、いかがでしょうか。 現在の学習指導要領では、中学校で受精に至る過程は取り扱わないといういわゆる歯止め規定があると聞いています。妊娠の具体的なメカニズム、避妊、性感染症の予防、性的同意、多様な性の在り方など、若者が実際に必要とする情報が十分に教えられていない現状があります。 包括的性教育とは、人間関係、価値観、文化、人権、ジェンダー平等などを含む科学的根拠に基づいた性教育です。現在の学習指導要領における性教育の内容は、国際基準と比較してどのような状況にあると認識されているのでしょうか。歯止め規定が存在する理由と、それが生徒の健康や権利にどのような影響を与えていると捉えているのでしょうか。また、包括的性教育を導入する予定はあるのでしょうか。お尋ねします。
○大杉政府参考人 お答えいたします。 性に関する指導をどのように実施するかは国によって異なっており、一概に比較することは難しいと考えておりますが、我が国においては、中央教育審議会における議論を経て策定された学習指導要領に基づいて、例えば体育科、保健体育科におきましては、初経、精通、受精、妊娠、出産といった身体的な面に加え、性衝動への対応や性情報への適切な対処など、人間関係を含む様々な観点からの学習を行うこととしております。 御指摘の規定につきましては、当該事項について教えてはならないということではなく、児童生徒一人一人の発達の段階を踏まえつつ、保護者の理解を得ながら、個別の指導等も活用し、児童生徒が性に関して正しく理解し、適切な行動を取るために、必要な指導が行き届くように実施するという趣旨でありまして、こうした趣旨につきましては、国際的な視点からも適切なものであると考えております。 また、いわゆる包括的性教育につきましては、性に関して正しく理解し、自分と他者を尊重し、適切な行動を取ることができるようにするための資質、能力の育成を目指すものと認識しておりますが、こうした力等は、我が国において、体育科、保健体育科、特別活動を始めとした学習指導要領の内容を通じて育成を目指す資質、能力と異なるものではないと考えております。 こうした指導要領の趣旨につきまして、それが徹底され、指導が必要な子供たち一人一人にしっかりと行き届きますよう、更なる周知を図り、着実な指導の実施に努めてまいりたいと考えております。
○野村委員 ありがとうございました。 時間がありませんので、十番目、十一番目、十二番目の質問は割愛をさせていただきたいと思います。 六点目の質問として、あかま大臣と法務省にお尋ねをします。 現在、子供や若者の性被害の現状をどのように把握をされているのでしょうか。被害者が相談しやすい体制、迅速な保護体制の現状についてお尋ねします。 また、性犯罪の再発防止に向けた加害者教育において、性的同意やSRHRの概念は含まれているのか、お尋ねします。
○あかま国務大臣 令和七年中における児童買春事犯等の性犯罪検挙件数でございますけれども、四千八百五十八件と高水準で推移をしております。また、SNSに起因する児童の性被害等も前年から増加をしており、また、被害の低年齢化、これも見られるというふうに理解しています。 警察においては、少年、つまり二十歳に満たない者の犯罪被害など、少年に関するあらゆる相談を受け付けるヤングテレホンコーナーであるとか、都道府県警察の性犯罪被害相談電話につながる全国共通番号、シャープ八一〇三、通称シャープ「ハートさん」など、性被害に遭った子供が相談しやすい体制の整備に努めているところでございます。 被害に遭った子供に対しては、少年サポートセンターなどにおいてカウンセリングなどの継続的な支援を行うとともに、児童虐待が疑われる事案の情報は全て児童相談所に通告するなど、関係機関と連携をし、早い段階での適切な保護に努めているものというふうに承知をしております。 引き続き、子供が性被害に遭わないための対策はもとより、被害に遭った子供の保護対策について、関係機関などと連携しつつ、しっかりと取り組むよう警察を指導してまいりたい、そのように考えております。
○山本政府参考人 性犯罪の再発防止に向けた加害者の教育についてお答えいたします。 刑事施設及び保護観察所において、性犯罪をした者に対し、認知行動療法の手法を取り入れた性犯罪者処遇プログラムを現在実施しているところでございます。その内容の中に、性的同意に関する内容や性に関する健全な知識についても含まれているところでございます。 性犯罪者処遇プログラムにつきましては、これまでも効果検証を実施しておりまして、再犯の防止に一定の効果を上げていると認められるものでございますが、法務省としましては、その効果がより一層高まるよう、プログラムの内容を随時見直すなどしているところでございます。 引き続き、性犯罪をした者に対する再犯防止の取組を強化するため、同プログラムなどの更なる充実を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○野村委員 ありがとうございました。 余りにも飛ばし過ぎてしまって、なぜこの質問をしたのかが皆さんに理解できていなかったのではないかと思います。SRHRは、性暴力や性被害から保護される権利も含まれているということ、それで、全ての人が性的な自己決定権を持って同意のない性行為から守られること、これがSRHRの根幹であること、ですので今の質問をさせていただきました。 最後の質問になります。黄川田大臣にお尋ねします。 政府として、SRHRを国家戦略の一つとして明確に位置づける予定はあるのでしょうか。SRHRの推進を通じて、全ての人が自分の性と生殖について主体的に選択でき、健康で尊厳ある人生を送れる社会を実現できるように願っております。黄川田大臣の見解をお尋ねします。
○黄川田国務大臣 お答えいたします。 私は、大臣になる前から結構、SRHRについての会議とか国際的な取組とかに携わっておりました。このSRHRの考え方については、自分の体や性について必要な知識を持ち、主体的に自分の体や生き方を選択、決定できる、そういうことが重要であるというふうに考えております。その視点や考え方が広まるよう、取組を進めてまいりたいというふうに考えております。 ですので、第六次男女共同参画基本計画等にこういう考え方に沿った必要な施策を盛り込み、取組を進めているというふうに考えておりまして、引き続き、関係省庁がしっかりと連携しながら、施策を進めてまいりたいと考えております。
○野村委員 是非、強力に進めていただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○山下委員長 次に、峰島侑也君。
○峰島委員 チームみらいの峰島侑也でございます。 本日、質問のお時間をいただきまして、ありがとうございます。 本日、何点かテーマがございますが、まず最初、国会のデジタル化、いわゆる国会DXについてお伺いしたいと思います。 先般、七月七日、私も参加しております超党派のAIと民主主義に関する勉強会、こちらの委員の方々にも共同代表や幹事として御参加いただいているものですが、こちらの勉強会から立法府の機能強化に向けた提言をさせていただきました。 この提言は、AIやデジタル技術を活用することによって、国会の立法能力の向上や国民に対する情報開示をより強化していこうということについて取りまとめた提言案となっております。また同時に、国会が行政や民間にデジタル化やAIの活用を求めていく中で、立法府自らも率先してその生産性を高めていくということを提言したものでございます。 本日は、この提言の中でも、特に政府の御協力が不可欠となる点についてお伺いしていきたいと思います。 現在、デジタル庁は、ガバメントAIの取組の一環として、生成AIの利用環境である「源内」を内製で開発され、これを国会答弁の検索や法制度の調査を支援するアプリの提供に活用されておられます。これはまさに法制局や調査局といった衆参事務局の立法支援業務と直接につながるものだというふうに理解をしております。こちらは、AIを使うことによって、法律案の平仄のチェックや新旧対照表の作成、想定問答の作成といった法制執務にも大きく資するものだというふうに考えております。 昨年十二月のAI戦略本部では、高市総理自らが、ガバメントAIである「源内」の徹底活用を最重要の課題に掲げられたというふうに承知しております。二〇二六年度中には全府省庁約十八万人への展開を進めるとも伺っております。 先日の国会DX提言においても、「AIフレンドリーな環境整備による衆参事務局の立法支援力強化」という章の中で、政府がガバメントAIの整備の一環として開発している生成AI利用環境の「源内」を衆参事務局職員や国会議員にも利用できるように整備する、若しくは立法府として別途独自のAIシステムを整備するという提言を行っております。 そこで、デジタル庁にお伺いをいたします。この「源内」を衆参事務局の職員、さらには私ども国会議員も利用できるように、三権分立やセキュリティーといった課題があることは認識しつつも、デジタル庁として立法府への展開に御協力していく、そういったお考えはございますでしょうか、お伺いいたします。
○井幡政府参考人 お答えいたします。 超党派勉強会におかれまして、立法府機能強化に向けた提言が取りまとめられ、ガバメントAI「源内」につきましても、衆参事務局職員や国会議員も利用できるように整備するか、又は立法府として別途独自のAIシステムを整備するという旨の提言が公表されたことは承知しております。 ガバメントAI「源内」ですけれども、政府職員によるAIのふだん使い、こちらを定着させることを通じまして、行政業務の質の向上ですとか省力化を実現するために、デジタル庁において開発、実装を進めているものでございます。 また、衆議院事務局からの御依頼をいただきましたので、本年度に限りまして、この五月から「源内」の約百アカウントを試験的に提供させていただいているというところでございます。 お尋ねの今後の立法府への展開の可能性でございますけれども、衆議院、参議院から「源内」の利用に関する正式な御要請をいただいておりませんので、現時点では確たるお答えをすることは困難でございますけれども、仮に立法府に対して「源内」を提供する場合には、例えば、利用時に発生するトークン利用料等の経費負担、これをどうするのか、あるいは、「源内」は行政府での業務用にアプリケーションを開発しているものでございますので、委員から御指摘ございましたけれども、三権分立の観点、こういった観点から、立法府には提供が困難なアプリケーションが存在するということもございます。あるいは、提供に際しまして必要となるデジタル庁における人的体制確保、これをどうするのかといったような様々な課題があるものと考えております。 いずれにいたしましても、立法府の機能強化に資するAIの活用に向けては、デジタル庁といたしましても、「源内」の開発、実装を通じて得られたノウハウの提供でございますとか、「源内」のオープンソース化、こういった取組を通じまして、どのようなことができるのかを検討してまいりたいというふうに考えております。
○峰島委員 御答弁ありがとうございます。 まさしく今、要請があればいろいろな課題がある上で進めていくということかというふうに理解をしましたが、今おっしゃっていただいたような課題、例えば利用料の話であるとか、あとは、アプリケーションをどう切り分けていくかということは十分これは整理して解決していくことが可能な課題だというふうに考えておりますし、後段で触れてくださったオープンソース化であるとか、そういったものについては、三権分立の課題を考えていく上でもこちらは有効なソリューションの一つとなり得るというふうに理解をしておりますので、今後正式に提言を提出していくということになった後にこういった検討を是非前向きに進めさせていただければというふうに考えております。 二つ目、全くテーマが変わりまして、子供のインターネット利用の保護についてお伺いをいたします。 こども家庭庁が昨年八月、インターネットの利用を巡る青少年の保護の在り方に関する関係府省庁連絡会議を設置されました。青少年インターネット環境整備法の改正も視野に入れて、そして制度や組織の縦割りも排して政府横断で検討を進めていくということで、非常に重要な取組であると私も受け止めております。 私、息子がいますが、何か彼が最近ロブロックスというゲームが好きだということで、私も国会の中だと比較的若手議員に分類されるのかなというふうに自認をしておりますが、その私でもちょっとなかなか、こんな新しいものがあるんだというふうに思うようなものの中で子供たちが暮らしている。そういった中で、インターネットの青少年の適正な利用というものがどうあるべきかというのは、政府にとっても非常に重要な問題だというふうに考えております。 また、世界を見ても、皆さん御存じかもしれませんが、オーストラリアでは十六歳未満のSNSを原則禁止するという法律が施行されていて、一方で、それが三か月たってみて計測してみると、実は八六%ぐらいの子供がまだ使っているみたいな調査が出ていたり、また、EUにおいてもデジタルサービス法の下で未成年者保護のガイドラインが示されたりと、いろいろな動きがある分野でございます。 しかしながら、今回、取組自体は非常に重要なものだと思いますが、この連絡会議の設置要綱を拝見しますと、その構成員は、内閣官房、内閣府、警察庁、消費者庁、総務省、法務省、文部科学省、厚生労働省、そして経済産業省となっておりまして、個人情報保護委員会とデジタル庁が入っていないという状況になっております。この連絡会議の目的がまさしく縦割りを乗り越えるために設けられたものであると考えたときに、その趣旨から考えると、これからの制度設計の根幹に関わる二つの機関が関わっていないということは枠組みとして不十分なのではないかというふうに懸念をしております。 まず、個人情報保護委員会は、十六歳未満の子供の個人情報について、本人同意の在り方、利用停止請求など特別な保護規律を設ける方向で検討しているというふうに承知をしております。PPCが十六歳未満という年齢線を引いた上で別途ルールを作っていくか検討をしているということなので、これは仮に連絡会議側がSNS利用について別のルールの検討を並行して進めていったときに、近しい領域の中でそごが起き得るということを懸念しております。 また、SNSの年齢制限というところは、この連絡会の中でもメインのテーマの一つとなり得ると考えておりますが、まさしくその最有力のインフラといったところがマイナンバーカードやデジタル認証アプリだというふうに理解をしております。そういったときに、年齢確認をどのようにやっていくかというようなことを考えるときにも、その実装手段について最も知見を持つデジタル庁が議論に入っていないことには、技術的に実現できない制度やプライバシー配慮を欠いた制度設計となりかねないというふうに考えております。 そこで、お伺いをいたします。この関係府省庁連絡会議の構成員に個人情報保護委員会とデジタル庁を加えるべきではないでしょうか、政府のお考えをお聞かせください。
○古川大臣政務官 お答えいたします。 インターネットの利用を巡る青少年の保護の在り方に関する関係府省庁連絡会議は、昨今のインターネット利用をめぐる青少年保護の国内及び主要各国における動向に鑑み、インターネット利用をめぐる青少年の保護に関する課題や論点について、関係府省庁が緊密に協力して検討する体制を確保し、必要な政策決定を行うため、令和七年八月に設置されたものです。 これまで連絡会議においては、政府全体として取り組むべき事項を工程表として取りまとめるとともに、工程表に沿った取組の状況についてフォローアップを実施してまいりました。 御指摘の個人情報保護委員会及びデジタル庁については、それぞれ個人情報保護やデジタル社会に関する重要な知見を有する機関であると認識しております。 今後、インターネット利用をめぐる青少年の保護、特に実効性のある年齢確認の手法に関する議論を進めるに当たってはこれらの知見等が必要になると考えており、連絡会議の構成については、委員の御指摘も踏まえながら対応を検討してまいります。
○峰島委員 御答弁ありがとうございます。 まさしく今そういったことも含めて検討していただけるということで、その方向で是非お願いできればというふうに考えております。 それでは、最後の点として、スタートアップ振興と税制についてお伺いをしたいと思います。 私、本日は高山議員の差し替えということで質問させていただいておりますが、財務金融委員会において、ミニマムタックス改正について質問をこれまで複数回させていただきました。 今回、今年のミニマムタックスの改正によってかなり対象になる方が増える。その中には、スタートアップ創業者であるとか、スタートアップで働いていてストックオプションを受け取っているような従業員の方々、そういった方々も含まれ得るという状況になっております。 こういった、特に高所得の方々に対しての課税はしようがないじゃないかという意見もあることは承知をしておりますが、私自身ベンチャーキャピタルで働いていたり、その後、自分自身がベンチャー企業で働く中で見てきたのは、まず、そもそも百社の中で一社成功するかどうかだという中で、皆さん、本当だったら会社員として働けばもっともっと高収入が得られる方であったとしても、御自身の生活を削って無収入、低収入で会社をやっていらっしゃるという方々がほとんどで、その中の一部の方々が最終的に御自身の会社の株式を売却して収入を得るというものになっておりますし、しかも、そういったイベントは余り多くは、人生の中で一回、多い方で二回というような発生頻度で、決してこの方々が、その年は恵まれているかもしれませんが、長い期間を見たときに本当に課税を強化するべきなのかという観点はまだまだあるというふうに考えております。 今回、特にスタートアップを盛り上げていこうということで国としていろいろな施策を打っているとは思いますが、今、スタートアップ総力創出パッケージというものも作られたというふうに認識しておりまして、今後、より国として力を入れていかなければならないという中で、政府の中でまずはしっかりと整合した政策を各省庁から出していくということが大切になるというふうに考えています。 まず最初にお伺いしたいのは、このスタートアップ政策の司令塔であられる大臣として、政府内の政策の整合性をどのように確保していかれる考えなのか、これは税制に限らず、広い視点に立ったときにどのように担保していく考えなのかというところを、是非御所感を伺えればと思います。
○城内国務大臣 お答えします。 政府は、二〇二二年、令和四年にスタートアップ育成五か年計画を策定いたしまして、同年に設置されましたスタートアップ担当大臣の下、政府一体となってスタートアップの創出、育成に取り組んでまいりました。 高市内閣におきましては、今私が日本成長戦略大臣とスタートアップ担当大臣を兼任しておりますが、日本成長戦略における八つの分野横断的課題の一つにスタートアップをしっかりと位置づけて取り組んでおります。 そして、その上で、本年一月に、日本成長戦略会議の下に、私を分科会長とするスタートアップ政策推進分科会を立ち上げまして、関係省庁を交えて五か年計画の抜本強化に向けた検討を行いまして、その結果、五月に、スタートアップのスケールアップ、ディープテックスタートアップの支援、地域の経済社会を担うスタートアップの創出、育成という三つの柱で構成されるスタートアップ総力創出パッケージをまとめたところでございます。 御指摘のように、スタートアップ支援の施策、これは各省庁にまたがるものでありますので、私の下でまとめたこの総力創出パッケージを着実に実行すること、そしてまた、この分科会を引き続き適時適切に開催して議論します。 こうしたことによって、我が国発のスタートアップが主要なプレーヤーの一つとして活躍する強い経済を実現してまいる考えであります。
○峰島委員 こちらは最後の質問になりますが、今のような観点に立ったときに、先ほど私が申し上げたミニマムタックスの部分、こちらは、創業者のみならず、この総力創出パッケージの中でもディープテック企業をより頑張っていこうということを記載されていたかと思います。そういった中で、海外から優秀な人材をストックオプションを使って誘致するということも必要になってくる中で、そういった方々も今回このミニマムタックスの対象となり得るという状況になっていて、国全体として見たときに、人材の誘致の力というのを落としてしまうんじゃないかということを懸念しています。 大臣から見たときに、このミニマムタックスの改正がスタートアップ振興の方針と整合していると言えるのか。そういったところについて、現状の御認識をお伺いできればと思います。
○城内国務大臣 お答えします。 御指摘の、極めて高い所得に対する負担の適正化措置、これは、御案内のとおり、高所得者層について、分離課税の対象となる土地、建物や株式等の譲渡所得が所得全体に占める割合が高いことから、所得税の負担率が低下する、いわゆる一億円の壁、これに対応した所得税の税負担の在り方の見直しであるというふうに承知しております。 なお、本措置は、スタートアップ関係者に限って適用されるものではないため、スタートアップの創出、育成と矛盾するものとは考えておりません。 その上で、私の下で取りまとめたスタートアップ総力創出パッケージの中において「国内外の優秀でスケールアップする能力の高い起業家や投資家を我が国に惹き付け、我が国を世界に伍するスタートアップエコシステムとする観点から、これまでに講じた政策の効果検証を実施した上で、税制を含むスタートアップに関連する政策の在り方や必要な措置について検討を進める。」、このようになっております。 したがいまして、個別の政策、税制の在り方については、関係省庁における検討の後、最終的に与党税制調査会において議論されることになりますが、いずれにしましても、スタートアップ総力創出パッケージの今申し上げた記載を踏まえて対応してまいる考えであります。
○峰島委員 御答弁ありがとうございます。是非、検討の中で、こちらからも何かしら提案できればと思っております。 私の質疑を終了いたします。ありがとうございました。
○山下委員長 次回は、来る十五日水曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時一分散会