内閣委員会 第22号
- 発言数
- 345 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2026/06/24
会議録
○山下委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案に対する質疑は、去る十九日に終局いたしております。 この際、本案に対し、長谷川淳二君外四名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ及びチームみらいの共同提案による修正案が提出されております。 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。森ようすけ君。 ――――――――――――― 科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○森(よ)委員 ただいま議題となりました科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨及び内容を御説明申し上げます。 政府原案では、先端技術研究成果活用推進機構に対する行政財産の貸付けについて、無償で行うことができることとされています。しかしながら、無償貸付けの場合、実質的には有償貸付分を国が負担しているにもかかわらず、その額が予算上明らかにならず、国民の目が及びにくくなります。また、機構の健全な運営という面から見ても、経営上の指標である土地や建物の借入れコストが明らかにならないという課題があります。 そこで、本修正案では、機構に対する行政財産の貸付けを有償化することとしております。 以上が、本修正案の趣旨及び内容であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○山下委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 ―――――――――――――
○山下委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。 討論の申出がありますので、順次これを許します。高山聡史君。
○高山委員 チームみらいの高山聡史です。 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律の一部を改正する法律案について、原案及び修正案に賛成の立場から討論を行います。 本法案が対象とするディープテックは、研究開発から事業化までに十年以上を要することもある息の長い分野です。一つ一つの挑戦は、必ずしも成功するとは限りません。しかし、成功すれば、社会や産業、そして世界の在り方を大きく変える可能性を秘めています。だからこそ国が、資金、人材、拠点、そして世界とのつながりを、長期的な視点で一気通貫で育てていく必要があります。 優れたベンチャーディレクターに責任と権限を大胆に委ね、世界で活躍する研究者、起業家、投資家が集う拠点を日本国内につくる。その国家戦略的な意義を、私は高く評価をいたします。 同時に、国有財産と公的資金を用いる以上、説明責任とガバナンスは不可欠です。今回、条文修正によって行政財産の貸付けを有償とすることが明確化されたことは、公平性と財政規律の観点からも妥当なものであるというふうに考えます。 また、フラッグシップ拠点について、本委員会での議論を通じて、まずは必要十分な規模で、一年でも早く、そして安く立ち上げ、需要の高まりに応じて段階的に拡張していくという考え方も示されました。小さく始めて大きく育てるという考え方は、構想の志や将来の可能性を限定するものではありません。コストを抑制しながら将来の拡張性を担保するための建設的な提案であると考えます。 最後に、本構想の評価に当たっては、政府に対し、短期的な事業化の件数だけでなく、拠点全体を長期目線で評価することを求めます。 国は長期的に支え、現場には口を出し過ぎず、優れた人材に責任と権限を委ねる。この原則の下で、フラッグシップ拠点が世界中から才能が集まる魅力的な拠点となり、この構想がなければ生まれていなかったような事業が、一つでも多く生まれる。そうした未来を期待し、私の討論といたします。(拍手)
○山下委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、科学技術・イノベーション活性化法改正案に対し、反対の討論を行います。 本案は、政府が進めるグローバル・スタートアップ・キャンパス構想、いわゆるGSC構想を実施する認可法人として、先端技術研究成果活用推進機構を設立しようというものです。 GSC構想は、大学や研究機関等が保有するAIや量子技術等の先端技術の事業化を狙って、研究開発から事業化までを支援する拠点を整備しようというものです。しかし、政府は、拠点施設の具体的な内容や建設費用、完成予定時期等について一切明らかにせず、本委員会の審議直前になって、単純計算で九百七十億円もの巨額の建設費用が示されるなど、極めていいかげんなものだと言わざるを得ません。 自民党政権は、財界の要求に沿って、科学技術基本法を科学技術・イノベーション基本法に改悪するなど、科学研究を産業に直結した成果を追求するものに変えてきました。本案は、これを一層推進して、学問の自由や大学の自治、大学等の研究活動の自主性、自律性を侵害し、大学等の研究成果を時々の政権の成長戦略への奉仕を優先するものです。目先の経済的利益に結びつく研究が重視される一方で、研究者の自由な発想や知的探求心に基づく基礎研究を軽視してきたことが、日本の研究力の低下を招いてきたことは論をまちません。ノーベル賞受賞者の方たちが口々に強調する基礎研究の軽視に対する警鐘を重く受け止めるべきです。本案は、産業化が狙える先端技術だけを対象に、研究開発から事業化まで一気通貫に支援するというものであり、このような従来の科学技術政策の延長では、本来豊かなイノベーションを生み出す基礎研究が一層軽視されかねず、容認できません。 看過できないのは、機構の支援対象には軍事分野も含まれ得ることです。量子技術やAI等の先端技術は、デュアルユース技術であり、軍事利用可能です。政府がスタートアップを防衛力強化に活用する方針を掲げている下で、GSC構想の基本方針には防衛省との連携が書き込まれています。本案が、日本の科学研究とスタートアップを新たな軍需産業の担い手として組み込む一環であることは明らかです。軍事偏重のイノベーションの推進には反対です。 なお、修正案は、法案の問題点を解消するものではないため、賛同できません。 以上申し述べ、討論を終わります。
○山下委員長 これにて討論は終局いたしました。 ―――――――――――――
○山下委員長 これより採決に入ります。 内閣提出、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。 まず、長谷川淳二君外四名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山下委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山下委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○山下委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、長谷川淳二君外五名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、チームみらい及び中村はやと君の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。森ようすけ君。
○森(よ)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明いたします。 案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。 科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たっては、次の事項について特段の配慮をすべきである。 一 グローバル・スタートアップ・キャンパス構想の実現に当たっては、東京圏への過度な一極集中の是正や付加価値創出型の地方経済の創生のため、地域スタートアップ・エコシステムとの連携、地方大学との共同研究の強化など、日本全国が一体となったスタートアップ振興施策を展開するよう留意すること。 二 民間事業者が運営するスタートアップのアクセラレーターやインキュベーション施設が既に存在することを踏まえ、こうした民間の活動を阻害することがないよう、相乗効果を発揮するための十分な連携が図られるようにすること。 三 フラッグシップ拠点の規模については、当初は令和六年の文部科学省の成果報告書で示された案以下の規模から始め、建設費を抑制するとともに、必要に応じ見直すこと。 四 先端技術研究成果活用推進機構への土地その他行政財産の貸付けに当たっては、国有財産法、財政法等の規定に基づいた適正な貸付料とすること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○山下委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山下委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。小野田国務大臣。
○小野田国務大臣 ただいま御決議のありました事項については、その趣旨を十分に尊重してまいります。 ―――――――――――――
○山下委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ――――◇―――――
○山下委員長 次に、内閣の重要政策に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府総合海洋政策推進事務局長舟本浩君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○山下委員長 有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。 本件につきましては、武部新君外七名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党、チームみらいの共同提案により、お手元に配付いたしておりますとおりの有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法の一部を改正する法律案の起草案を成案とし、本委員会提出の法律案として決定すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。武部新君。
○武部委員 有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法の一部を改正する法律案の起草案につきまして、提出者を代表して、その趣旨及び内容を御説明申し上げます。 有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法は、有人国境離島地域が我が国の領海等の保全に関する活動拠点として極めて重要な機能を有していることから、その保全と地域社会の維持を目的として、平成二十八年に十年間の時限立法として制定されました。その制定以来、有人国境離島地域においては、保全や地域社会の維持に係る施策が実施されてきたことにより、人口の社会減が一定程度抑制されております。一方で、人口減少や高齢化が全国と比して厳しい状況にあるなど、依然として多岐にわたる課題を抱えております。また、我が国を取り巻く国際情勢も厳しさを増しております。 本起草案は、このような状況において、有人国境離島地域が、現下の諸課題を克服し、今後もその役割を安定的かつ継続的に果たすことが必要であることを踏まえ、所要の改正を行おうとするもので、その内容は次のとおりであります。 第一に、都道県が有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持について大きな役割を果たしていることから、都道県の責務に係る規定を追加することとしております。 第二に、国及び地方公共団体は、特定有人国境離島地域と他の地域との間の交流の拡大を図るため、当該特定有人国境離島地域の観光資源を活用した滞在型観光の促進について適切な配慮をするものとするとともに、基本方針及び都道県計画に定める事項に、滞在型観光の促進に関する事項を追加することとしております。 第三に、特別措置法の有効期限を令和十九年三月三十一日まで十年間延長することとしております。 第四に、特定有人国境離島地域として、天売・焼尻、飛島、新島・式根島及び粟島を追加することとしております。 第五に、この法律の施行後五年を経過した場合において、改正後の法律の施行状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすることとしております。 なお、この法律は、一部の規定を除き、公布の日から施行することとしております。 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。 何とぞ速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。 ――――――――――――― 有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○山下委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 本件について発言を求められておりますので、これを許します。塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。 有人国境離島法改正案について質問をいたします。 我が党は、有人国境離島法の改正案に賛成をするものであります。 今回の法律案の改正の背景として、有人国境離島地域は、有人国境離島法の施行以降、人口の社会減が一定程度抑制されている一方、人口減少や高齢化が全国と比して厳しい状況にあるなど、依然として多岐にわたる課題を抱えているとしております。 有人国境離島法の成果をどう評価をするか、課題は何か、それを踏まえて、今回の改正の趣旨について御説明ください。
○長谷川委員 塩川鉄也委員にお答えをいたします。 有人国境離島法は、有人国境離島地域が我が国の領海、排他的経済水域等を適切に管理するための活動の拠点として重要な機能を果たせるよう、平成二十八年に議員立法により制定されたものでございます。翌平成二十九年の法施行以降、国及び地方公共団体によりその管理と地域社会維持に係る施策が進められてまいりました。 法施行から約九年が経過いたしますが、これまで特定有人国境離島地域において、法制定前に年間二千人程度ありました社会減が法制定後は一千四百人程度の減に改善しておりますほか、幾つかの特定有人国境離島市町村では社会増も達成しているなど、特定有人国境離島地域の人口の社会減が一定程度抑制されており、本法律には一定の成果があったものと認識をしております。 一方、有人国境離島地域と全国を比べますと、人口減少や高齢化が全国と比して厳しい状況にあり、持続的な有人国境離島の社会維持には引き続き課題があると考えております。 このため、有人国境離島地域が、現下の諸課題を克服し、今後もその役割を安定的かつ継続的に果たせるよう、同法の有効期限の十年間の延長を行うとともに、都道県の責務及び滞在型観光の促進に係る規定の追加、特定有人国境離島地域の追加などの所要の改正を行うこととしたいと考え、本改正案を提出したものであります。
○塩川委員 社会減の一定程度の抑制を図るという点での成果とともに、やはり課題は残されているということでの今回の法改正と承知しました。 この間、自然的、社会的に条件不利性の高い特定有人国境離島に対し交付金が措置をされて、離島住民の方の航路や航空路の運賃が三割、四割引き下げられるという支援策が行われてきたことは重要であります。 この特定有人国境離島地域社会維持推進交付金の対象となる特定有人国境離島地域について、その選定基準はそもそもどのようなもので、その選定基準は、今回新たに追加をされたことについて、これまでと違うものなのか、この点をお聞きするものであります。そういう点では、選定基準についてお尋ねをいたします。
○武部委員 特定有人国境離島地域については、有人国境離島法第二条第二項におきまして、有人国境離島地域のうち、継続的な居住が可能となる環境の整備を図ることがその地域社会を維持するために特に必要と認められる地域を本法律の別表に定めることとされております。 その必要性を判断するに当たりましては、本法の制定時も今回も、人口、距離を勘案した上で、その地域社会の維持を図るための施策が特に必要な地域であるかを総合的に検討を行ったところでございます。今申し上げたとおり、その必要性の考え方については、本法の制定時と今回で変更はございません。 今回、天売島・焼尻島、粟島、飛島、新島・式根島については、法施行後十年を経て、現行法で既に定められている特定有人国境離島地域と同程度に厳しい状況に置かれていることから、同地域に追加し、地域社会の維持を図るための施策を実施する必要があると判断したものであります。
○塩川委員 これまでと同等の選定基準ということであります。 同時に、やはり、困難性が増しているような離島も残されているところであります。今回の改正で、検討条項として、改正法の施行後五年を経過した場合に、施行状況について検討を加え、その結果に基づいた必要な措置を講ずる旨を附則に書いております。施行後五年の見直しにおいて、特定有人国境離島地域の追加をするということもあり得るんでしょうか。
○武部委員 今般、社会経済情勢の変化や有人国境離島地域の実情を踏まえまして、必要な見直しを柔軟に行うことができるよう、五年後検討に関する規定を設けております。 見直しの内容については、特定有人国境離島地域の追加も含め、改正法の施行後五年時点での状況を踏まえまして具体的に検討していくことになると考えております。
○塩川委員 追加も含め、検討ということであります。 内閣府にお尋ねします。 特定有人国境離島地域社会維持推進交付金の成果について説明ください。
○舟本政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘の交付金は、内閣府が所管しております交付金でございます。 特定有人国境離島地域の地方自治体などが主体となって行います離島住民向けの航路、航空路運賃の低廉化事業や、農水産品の輸送費の支援事業、また雇用機会の拡充への支援事業等の実施に要する経費の一部を負担する交付金でございます。 御質問の交付金の成果でございます。 運賃の低廉化事業につきましては、離島住民の離島と本土との往来に必要な航路、航空路の運賃を平均で約四割から五割、この成果として引き下げられているところでございます。令和六年度では、約二百三十万回御利用いただいているところでございます。 輸送費の支援事業につきましてでございます。農水産品のうち、生鮮品の国境離島地域から本土への移出とその原材料の離島への移入に係る経費の支援を実施しております。令和六年度では、各地域の農協、漁協を始めとする四百四十の事業者に御活用いただいているところでございます。 また、雇用機会の拡充事業についてでございます。民間事業者等が雇用増に寄与する創業、事業拡大を行う場合に必要な設備費や人件費の支援を実施しております。令和六年度では約百六十件の事業への支援を行っておりまして、これまで、法施行後八年間の累計で二千五百人を超える新規の雇用が生まれているものと承知してございます。
○塩川委員 離島団体からはこの交付金について評価をいただいているところでありますが、ただ、もっとより工夫して拡充強化を求める、そういう御意見も寄せられているところであります。 提出者にお尋ねしますが、この特定有人国境離島地域社会維持推進交付金の成果の評価と課題についてどのように考えるのか、また、それを踏まえてこの交付金の拡充強化、増額を図るべきではないのか、この点についてお答えください。
○吉田(宣)委員 御答弁申し上げます。 特定有人国境離島地域社会維持交付金は、今政府からも御答弁がございましたとおり、特定有人国境離島地域の離島住民向けの航路、それから航空路運賃の低廉化や輸送費の支援、雇用機会の拡充への支援等に活用をされてきております。 各自治体からも交付金制度の継続、充実、拡充を強く要望されるなど、本交付金は特定有人国境離島地域の社会維持になくてはならない役割を果たしてきたと考えております。 一方、昨今、航路、航空路の運賃の値上げがその頻度、値上げ幅共に増加しており、また設備費、また人件費といった事業コストも趨勢的に上昇をしているところでございます。 こうした中におきまして、国境離島住民の方に安心して生活をしていただき、継続的に事業活動をしていただくことが重要でございまして、そのために必要不可欠な交付金予算の確保、拡充が特に重要な課題であるというふうに考えております。 このような状況を踏まえて、特定有人国境離島地域社会維持推進交付金を通じた地域社会の維持のための施策を引き続き継続をさせていただくことに加えまして、今般の法改正のタイミングで、地域からの切実な要望などを踏まえて、必要な施策の拡充を行うよう、政府にしっかり働きかけてまいりたいと存じます。
○塩川委員 拡充強化、また増額を図るということで取り組んでいきたいと思います。 今回、新たに特定有人国境離島地域に追加される離島の一つとして、山形県酒田市の飛島があります。飛島では、この冬、海が荒れて、昨年の十二月の二十四日から一月十四日の年末年始にかけて、長期間にわたって飛島―酒田間の航路の定期便が停止をするという深刻な事態がありました。我が党の酒田の議員が議会でこの問題を取り上げて、長期欠航は、単なる交通の不便だけではなく、島が孤立をして島民の生活基盤を揺るがす事態となり、島民に多くの不安を与えたと訴えておりました。 交付金の拡充強化とともに、離島振興法、また関係法制の拡充強化も求められております。こういった支援を更に強めていく、そういう点で、離島振興法と一連の離島振興関連の法制度の拡充強化を図ることが必要ではないでしょうか。
○鈴木(英)委員 答弁を申し上げます。 今、塩川先生からおっしゃっていただいた事例は、私の選挙区も離島がありますので、非常に問題意識を共有するところであります。 その上で、離島振興法につきましては、令和四年の離島振興法の改正に当たって、離島の状況を踏まえて、医療、通信、生活環境整備、教育等の分野について配慮規定を充実させるとともに、日常生活に必要な環境の維持が図られるよう、小規模離島への配慮を新たに設けたところであります。 そして、今般の有人国境離島法の改正に当たりましても、離島自治体を始めとした関係者から、先ほどのことなんかも含めて、様々な、切実な御要望を頂戴したところでありまして、我々としましても、政府に対して、関係省庁が連携をし、離島振興施策の充実を図って、強力に推進するように求めてまいりたいと考えております。
○塩川委員 住み続けられる離島の実現のために、支援の強化を強く求めていきたいと思っております。 最後に、有人国境離島法に基づく基本方針には、国の行政機関の施設の設置として、自衛隊部隊の増強が盛り込まれている点は問題であります。 そもそも、歴史的にも、国境に接する離島は、国交が持たれるずっと以前から、人々の間で自由に交易、交流が行われ、文化が交わり、国と国を結ぶ豊かな地域として発展してきました。国境に接する離島の住民が望んでいることは、安全に漁業ができるような海にすることであって、平和の海、友好の海にするための協力の推進を図ることであります。 国境をめぐる問題の解決に当たっては、歴史的事実と道理に立ち、対話を通じた外交交渉によって平和的に解決すべきであり、憲法九条の精神にのっとった対応が求められます。決して、軍事的対応、日米同盟最優先といった対応ではない、このことを申し上げて、質問を終わります。
○山下委員長 これにて発言は終わりました。 お諮りいたします。 本起草案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山下委員長 起立総員。よって、そのように決しました。 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――◇―――――
○山下委員長 次に、松野博一君外十六名提出、国旗の損壊等の処罰に関する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。提出者松野博一君。 ――――――――――――― 国旗の損壊等の処罰に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○松野議員 ただいま議題となりました国旗の損壊等の処罰に関する法律案につきまして、提出者を代表して、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 国旗を大切に思う気持ちは万国共通であると考えられますが、我が国では、G7で唯一、外国国旗の損壊等に関する罪の規定はあるものの、自国国旗の損壊等に関しては同様の規定がないという状況にあります。国内でも日本国旗を損壊する事例が確認され、また、近年のSNSの加速度的な普及やグローバル化の進展が見られる中で、そのような事案の発生を将来に向かって抑止する必要があることから、国旗を大切に思う国民感情を保護するため、日本国旗を損壊等する行為についての処罰規定を設ける本法案を取りまとめました。 次に、本法案の内容の概要を御説明申し上げます。 第一に、国旗の定義を設け、国旗・国歌法に定めるサイズの割合や日の丸の位置と必ずしも同じである必要はなく、社会通念上国旗として用いられている有体物であれば、自己所有のものも含め、対象となることを規定しております。 第二に、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により、公然と国旗を損壊し、除去し、又は汚損した者について、外国国章損壊罪と同様、二年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金に処することとしております。なお、このような方法に当たるかどうかの判断は、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案して行うものとするとの規定を設けております。 第三に、この法律の適用に当たっては、表現の自由その他の日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないように留意しなければならないとの規定を設けております。 第四に、検討条項を設け、この法律の規定については、法施行後三年を目途として、国旗を損壊等する状況に係る映像に関するインターネット等の利用の状況、損壊等された国旗を公然と陳列する行為又はこれに類する行為の発生の状況その他この法律の施行状況等を勘案し、国旗を大切に思う国民感情を保護するのに必要かつ十分なものとなっているかどうか等の観点から検討が加えられ、必要があると認められるときは、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるものとすることとしております。 最後に、本法案は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行することとしております。 以上が、本法案の提案理由及び内容の概要であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○山下委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 ―――――――――――――
○山下委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本案審査のため、明二十五日木曜日午前九時、参考人として日本大学名誉教授百地章君、桃山学院大学副学長・法学部教授江藤隆之君、中央大学法科大学院教授・弁護士野村修也君、武蔵野美術大学造形学部教授・学長補佐志田陽子君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 引き続き、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣府大臣官房長笹川武君外三名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○山下委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申出がありますので、順次これを許します。金澤結衣君。
○金澤委員 自由民主党、神奈川県二十区選出の金澤結衣です。 本日は、国旗の損壊等の処罰に関する法律案への質問に、初めて内閣委員会に立たせていただきます。このような機会をいただきました与野党理事各位の皆様に感謝申し上げます。 本法律案は議員立法ということで、法律案作成に当たられた各党担当者の皆様、衆議院法制局の皆様ほか、これまで御尽力された皆様に敬意を表します。 本法律案は、国旗を大切に思う国民感情を保護するため、日本国の国旗を損壊する等の行為についての罰則を定めるものとされています。 本題に入る前に、まず冒頭、国旗とは何かについてお伺いしたいと思います。 平成十一年に成立した国旗及び国歌に関する法律では、第一条において、国旗は日章旗とすると定められています。また、当時の国会議論において、政府は、一般的には、国旗は国家を象徴する標識として認識されており、また、国旗を通じて国民が自国についての帰属意識、一体感等を抱くことにより、国民の気持ちの上での統合の役割を果たしているものと考えていると答弁しています。 私は、国旗は我が国の象徴であり、主権や独立、歴史や文化を体現する存在であると認識しています。また、地元の様々な行事においても国旗が掲げられる場面に接しており、多くの国民の皆様にとって身近な存在であると感じております。 この国旗・国歌法制定後、四半世紀以上が経過しました現在、社会環境も大きく変化しております。インターネットやSNSの普及、国際交流の拡大などを背景に、国旗に対する国民の意識や受け止め方も多様化していると考えられます。 そこで、まず、本法律案の議論の前提として、現在において国旗がどのような意義を有するものと考えているのか、また、国旗に対する国民の認識についてどのように受け止めておられるのか、提案者、政府それぞれに所見をお伺いしたいと思います。
○石橋議員 御質問ありがとうございました。お答えを申し上げます。 平成十一年に国旗・国歌法が制定されました趣旨は、長年の慣行により国民の間に広く定着している国旗等の根拠を成文法に明確化するものであったと承知をしているところであります。 国旗・国歌法の制定から四半世紀以上が経過した現在、例えば現在サッカーのワールドカップも開催されておりますけれども、そうしたイベント等でも日の丸を掲げ、日本代表に対し声援を送っているああした姿を拝見いたしましても、国民の皆様が国旗の下に日本、自国についての帰属意識や一体感を抱いているという印象を受けているところであります。 国旗は我が国の象徴として大切であるとする国民意識が広く涵養されてきたのではないかと、法案提出者としては考えているところであります。
○笹川政府参考人 お答え申し上げます。 まず、国旗の意義につきましては、国旗は、国民が自国についての帰属意識、一体感等を抱くことにより、国民の気持ちの上での統合の役割を果たしているというふうに考えております。 その上で、冒頭御紹介いただきました国旗・国歌法は、日章旗が長年の慣行により国旗として国民の間に広く定着してきたことを踏まえ、二十一世紀を迎えることを一つの契機として、成文法にその根拠を明確に規定することが必要であるという認識の下で制定されたところです。 国旗に対する国民の認識については、国旗は国家を象徴する標識でございまして、先生御指摘のとおり、国家の象徴として、いずれの国においても大切に扱われているものというふうに受け止めております。
○金澤委員 ありがとうございます。 国旗が国家を象徴する標識としての役割を有し、また、サッカーのワールドカップのお話もございましたが、国民の皆様の帰属意識や一体感、国民統合の役割を果たしているという考え方について改めて確認することができました。本法律案もこうした国旗の持つ意義を前提として議論されるものと理解しております。そうした中で、なぜ今回新たな法整備が必要なのか、どのような法益を保護しようとしているのかが重要になると考えます。 そこで、続いて、本法律案提出の意義と必要性について伺います。 一部からは、本法律案について、そもそも立法事実が存在しないのではないか、あるいは、実際に重大な事象が発生していない以上、新たな法整備は不要ではないかといった指摘がなされるとも伺っております。 新たな刑罰を設ける以上、その必要性や合理性について国民の皆様に十分な説明がなされることは極めて重要であります。また、刑事立法においては、立法事実の存在が重要な判断要素となります。 一方で、立法事実とは、必ずしも大量の被害が現実に発生していることのみを意味するものではないと思っております。法益侵害の危険性が現に存在している場合や、社会情勢の変化に伴って将来的に重大な影響が生じる蓋然性が認められる場合には、その侵害を未然に防止する観点から法整備が行われることも少なくないと認識しております。実際に深刻な被害が広域に発生してから対応するのではなく、社会として保護すべき重要な法益に対する侵害の可能性を踏まえ、あらかじめ法的な枠組みを整備することも、立法の重要な役割の一つであると考えております。 例えば、サイバー犯罪対策に関する法律案は、重大な被害が発生する前の段階から危険行為を規制することによって社会全体の安全を確保することを目的としております。また、先日、私、厚生労働委員会で質問に立たせていただきましたが、その際に、ヒトゲノム編集胚の取扱いの規制に関する法律案を行いました。現時点で重大な問題が顕在化しているからというだけではなく、将来的な倫理的、社会的リスクを未然に防止するという考え方に立脚した立法であると理解しております。 このように、我が国の法制度には、重要な法益に対する侵害の危険性を踏まえ、被害の発生を未然に防止する観点から一定の規制を設けるという考え方が広く存在しているものと考えます。 以上のような観点から、本法律案の提案の根拠となる立法事実について、どのような問題意識の下で提案に至ったのか、また、どのような具体的事例や社会的状況を踏まえて立法の必要性を判断されたのか、提案者から御説明をいただければと思います。 また、本法律案につきましても、国家の象徴である国旗に対する侵害行為の拡大を未然に防止し、保護するという予防的な目的を有しているものと理解してよいのか、併せて提案者の見解をお伺いいたします。
○石橋議員 お答えいたします。 今ほど御質問のありました、まず立法事実でありますけれども、立法事実に関して言いますと、例えば、昭和六十二年に、競技会場に掲揚されていた日の丸を引き降ろし、ライターで火をつけて掲げた後、その場に投げ捨て、半分ほど焼失させた事例があります。また、平成三年、大学生が大学正門に掲揚されていた日の丸を引きずり降ろした事例、また、平成八年、旧日本海軍殉職者記念碑近くのポールに掲揚されていた日の丸を燃やした事例、また、平成二十年、神社の境内で参拝客が所持していた日の丸を奪い、足で踏みつけた上に、さおを折った事例等を確認をしているところであります。 今ほど申し上げた事例は、いずれも器物損壊罪や暴行罪等で検挙された事例でありますけれども、こうしたことが報道されて事実関係が明らかになり、こうした事例があると確認ができたものとなっております。 また、SNS等が加速度的に普及をし、グローバル化が進展する中、国内にとどまらず、海外でも生じている国旗を損壊等する行為がリアルタイムあるいはまたそれに近い形で我が国の人々が知るところとなり、過激であればあるほど耳目を集め、様々な形で影響を与えることも否定できないと考えているところであります。こうした事情も踏まえつつ、国旗を損壊等する事案の発生を将来に向かって抑止する必要があるということも立法事実の一つであると考えております。 先ほど先生御指摘のありましたヒトゲノム編集胚の取扱いの規制に関する法律案も、そのような考えに基づいているものというふうに理解をしているところであります。 以上が本法案の立法事実として根拠としているものでありまして、刑罰法規を立法する際のものとして必要かつ十分なものと提案者としては考えております。
○金澤委員 ありがとうございました。 また、事例に関してもありがとうございます。器物損壊ということでお話がございましたが、国旗を大切に思うその国民の尊厳というものは一切守られていない状況だと思っております。 また、将来に向かって考えられているということも確認できまして、ありがとうございます。 そこで、次に、本法律案において保護しようとしている法益について伺います。 憲法学においては、何を保護するために処罰を行うのかという、保護法益の考え方が極めて重要です。処罰そのものを目的とするのではなく、一定の法益を保護するために刑罰権が行使されるというのが、近代刑法の基本的な考え方であります。 本法律案についても、何を保護するためにこの処罰規定を設けようとしているのかという点を明らかにすることは、本法律案の意義や必要性を理解する上で重要であると考えます。 外国国章損壊罪との関係で議論されることもありますが、外国国章損壊罪は、一般に、外国との友好関係を保護法益とするものと理解しています。一方で、本法律案は、日本国の国旗を対象とするものであり、保護しようとする法益も異なると考えられます。また、諸外国においても、自国の国旗に対する損壊行為を処罰する規定を有する国は存在しますが、その保護法益や各国の法体系や歴史的背景によって様々であると承知しています。 そこで、本法律案において保護しようとしている法益をどのように整理しておられるのか、また、本法律案が保護しようとしている社会的法益について、提案者のお考えをお伺いいたします。
○石橋議員 御質問ありがとうございます。 本法案第二条の罪の保護法益は、国旗を大切に思う国民感情という社会的法益であるというふうに考えています。 また、本罪と同じく、ある種の社会的に共有されている感情を社会的法益として保護するものの例でありますけれども、例えば、礼拝所に対する一般の宗教的な感情を保護する礼拝所不敬罪や、健全な性秩序、性風俗ないし公衆の性的感情を保護する公然わいせつ罪などがあるところであります。
○金澤委員 ありがとうございます。 私自身、国旗を大切に思う多くの国民の皆様にとって、国旗を意図的に損壊する行為によって侵害される社会的法益については、適切に保護されるべきものだと考えております。また、本法律案についても、単に国旗に対する感情的反発を処罰しようとするものではなく、国旗を通じて維持される社会的利益や社会秩序との関係で議論されるべきものだと考えております。 保護法益をどのように捉えるかは、本法律案の意義や必要性を考える上で極めて重要な論点であると考えます。一方で、国旗に対する問題は、憲法上保障されている自由との関係についても慎重に考える必要がある論点だと思っております。 私は、漫画やアニメ、ゲームなどのコンテンツ文化に親しんできた一人であり、また、国会においても、コンテンツ産業やクリエーター支援に関わる活動に取り組んでおります。表現の自由は、民主主義社会を支える基盤であるとともに、多様な文化や創造性を育む上でも重要な権利であると認識しています。我が国における表現の自由は、他人の人権や社会的利益との衝突を調整するため、公共の福祉による必要最小限の制限は認められるというのが現在の判例、通説の基本的な考え方ではあるものの、憲法第二十一条において保障される重要な権利だと認識しています。一部からは、本法律案は表現の自由を侵害するので憲法違反ではないかとの指摘もあると承知しております。 そこで、本法律案では表現の自由との関係についてどのような整理がなされているのか、提案者にお伺いいたします。
○石橋議員 お答えいたします。 表現の自由、今ほど委員御指摘のとおり、基本的人権のうちで特に、とりわけ重要なものではあります。しかしながら、国旗を大切に思う国民感情という社会全体の重要な利益の保護を図るために、本法案二条の罰則を設ける必要性が極めて高いこと、また、本法案二条の罰則は、国旗の損壊等の行為によってなされる表現の内容、すなわち、伝達されるメッセージ等とは全く無関係に、その行動がもたらす弊害を防止するためのものにすぎず、表現の自由に対する制約の程度は小さいこと、こうした理由から、本法案二条の罰則は必要かつ合理的な規制であり、表現の自由を保障する憲法二十一条一項に違反するものではないと提案者としては考えております。 また、このことは、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により公然とという客観的な行為態様を構成要件とする規定でありますとか、その方法に該当するかどうかの判断につきましては、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情に基づいて行う旨を定める規定など、本法案の規定自体から明らかであるというふうに考えております。 さらに加えて、本法案におきましては、今申し上げたことを前提としつつも、なお入念的に、本法の適用に当たって表現の自由等を不当に害することのないよう、いわゆる適用上の注意の規定を設けて、その万全を期すこととしております。
○金澤委員 ありがとうございます。 表現の自由は、民主主義社会の基盤であるとともに、多様な文化や創造性を支える非常に重要な権利であります。私自身も、コンテンツ産業、クリエーター支援に関わる活動に取り組む中で、その重要性を強く認識しております。その上で、本法律案が表現の自由との関係にも配慮しながら構成されているということ、承知いたしました。ありがとうございます。 次に、思想及び良心の自由について伺います。 思想及び良心の自由も、憲法第十九条において保障されている、民主主義を支える前提の一つとなる自由権の一つであります。特に、思想及び良心の自由は、個人の内心そのものを国家権力から保護する自由として、憲法上重要な権利であります。我が国の憲法秩序においても、国家が特定の思想や価値観を国民に強制することは許されないという考え方が確立しております。 本法律案は、国旗・国歌法と同様に、国旗尊重義務等を設けるものではなく、また、国民に特定の国家観や価値観を求めるものではないと理解しております。 そこで、本法律案と思想及び良心の自由との関係について、提案者のお考えをお伺いいたします。 〔委員長退席、鳩山委員長代理着席〕
○石橋議員 お答えいたします。 本法案二条の罰則は、あくまでも国旗の損壊等として外形に表れた客観的な行為を処罰の対象とするものでありまして、個人の内心に立ち入って、その行為の基礎となった思想や信条を処罰するものではありません。また、その思想や信条に反する特定の行動を強いるものでもございませんので、思想及び良心の自由を保障する憲法十九条に違反するものではないというふうに考えております。 先ほどの表現の自由と同様でありますけれども、客観的な行為態様を構成要件とする規定、また、その方法に該当するかどうかの判断は、行為の外形や周囲の状況その他の客観的な事情に基づいて判断をするという規定を設けておりまして、なお、さらに加えて、本法の適用に当たっては思想及び良心の自由を含む日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害することのないように、適用上の注意の規定も設けているところであります。
○金澤委員 ありがとうございます。 本法律案が、国民の内心に立ち入ることなく、思想及び良心の自由との関係にも十分配慮されたものであるということを確認いたしました。 私自身、外国国章損壊罪が存在する一方で、日本国旗を保護する規定が存在してこなかったことには以前から問題意識を持っており、本法律案には大きな意義があると考えております。 また、国旗や国歌、我が国の歴史や伝統を大切に考えると同時に、漫画やアニメ、ゲームを始めとするコンテンツ文化や創作活動も大切に考えております。その意味で、国旗を保護することと表現の自由を尊重するということは、決して相反することではなく、両立されるものであるべきと考えております。 続いて、教育と国民理解について伺います。 私は、自国への愛着や国旗への敬意は、教育や国民理解によって自然と育まれるものだと考えています。国旗には、我が国の歴史や文化、先人たちの歩みが込められています。国旗にどのような歴史的背景があり、どのような文化的意義やその意味が込められているのかを理解することによって初めて、自然な尊重の意識が生まれると思います。そうした意味で、教育の果たす役割は極めて大きいものと考えます。 学校教育において、国旗の意義やこれらの歴史についてどのような教育が行われてきたのか、政府に伺います。
○三木政府参考人 学校での国旗の意義に関する指導につきましては、国の定める学習指導要領において、例えば、小学校の社会科で、我が国の国旗の意義を理解し、これを尊重する態度を養うとともに、諸外国の国旗も同様に尊重する態度を養うこととし、中学校の社会科で同様の規定があるほか、小中高等学校の入学式や卒業式などで、国旗の意義を踏まえ、掲揚することとしております。 また、国旗の歴史につきましては、小学校社会の学習指導要領の解説において、我が国の国旗は、歴史を背景に、長年の慣行により日章旗が国旗であることが広く国民の認識として定着していることを踏まえて、法律によって定められていることを理解できるようにすることとしております。 こうしたことを踏まえ、例えば小学校六年生の社会科の教科書において、日の丸は幕末から日本船の総船印として定められ、その後、明治政府によって商船旗として定められたことなどの経緯をたどって国旗として扱われるようになり、平成十一年に法律で定めることとなったことなどの記述がございまして、学校において国旗に関する教育が行われているところでございます。
○金澤委員 ありがとうございます。 学校教育において国旗の意義や歴史について学ぶ機会は、非常に重要だと考えております。私は、国旗への敬意は、法規制や義務によって生まれるものではなく、正しい歴史や文化的背景を理解することによって自然に育まれるものであると考えております。だからこそ、国旗とは何か、日本とは何かを学ぶ教育は重要であり、そのことが結果として、他国や他者への理解にもつながるのではないかと思います。また、こうした理解や意識は、一朝一夕に身につくものではなく、次代を担う子供たちや若い世代へ着実に受け継いでいくことが重要であると考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。 一方で、グローバル化が進展し、人や物、情報が国境を越えて行き交うとともに、我が国の社会においても価値観や文化の多様性が一層進んでおります。そのような時代だからこそ、私たち日本人一人一人が自分たち自身の歴史や文化、伝統、そして日本という国について正しく知り、理解を深めることが重要であると考えます。 私は、自国について理解し、誇りを持つことと、他国の歴史や文化、価値観を尊重することは決して矛盾するものではないと考えております。むしろ、自国への理解があるからこそ、他者への理解や尊重にもつながり、真の意味での国際協調や相互理解にもつながると考えております。 そこで、提案者に伺います。 国旗や我が国の歴史、文化についての理解を深め、その価値を次代を担う子供たちや若い世代へ受け継いでいくためには、今後どのような取組や考え方が重要であるとお考えでしょうか。お願いいたします。 〔鳩山委員長代理退席、委員長着席〕
○石橋議員 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、国際社会の一員として活動していくためには、自国の伝統、文化を理解し、尊重しつつ、同様に他国の文化にも敬意を払うこと、これは極めて重要なことであるというふうに認識をしております。 そして、そのような態度を、学校の教育現場において自国や他国のよさ、また課題を学ぶこと、そして、そういったことを客観的に見る視点を育てていくことなどを通じて身につけていくものだというふうに考えておりますし、さらには、家庭や職場といったふだんの生活の場での他者とのコミュニケーションを通じて、自他の人格を尊重し、他人を思いやる心を育むことも重要だというふうに考えます。 今ほど文部科学省からは国旗の意義に関する教育の現状について答弁がありましたけれども、自国の伝統や文化を理解し、尊重しつつ、同様に他国の文化にも敬意を払うといった態度、こうしたことを身につけることができるような取組を今後も進めていくことが極めて重要であるというふうに考えております。
○金澤委員 ありがとうございます。 グローバル化が進み、価値観が多様化する時代だからこそ、私たち自身が我が国の正しい歴史や文化、伝統について客観的に理解を深め、また、家庭でもその価値を次の世代へとしっかりと受け継いでいくことが重要だと私も考えております。 国旗は、先人たちが築いてきた歴史や文化、そして未来への思いをつなぐ象徴であり、先人から受け継いできた日本を次の世代へつないでいく象徴でもあると思います。本法律案の議論が、国旗とは何か、日本とは何か、そして我が国の歴史や文化とは何かについて改めて考える契機となることを期待しております。 次に、現代における国旗の意義についてお伺いします。 今日では、SNSを通じて情報が瞬時に世界中へ拡散する時代となりました。一方で、その利便性の裏側で、社会的分断や対立が先鋭化しやすい環境が生まれていることも指摘されています。近年のSNSの加速度的な普及やグローバル化の進展の中で、実際に国旗損壊行為が国内でも確認されています。また、AI技術の進展によって画像や映像の生成、加工も容易となり、国旗をめぐる様々な問題が新たに生じる可能性もあります。 本法律案ではこうした時代の変化にどのように対応していくお考えなのか、今後の課題も含めて御答弁いただければと思います。
○石橋議員 お答え申し上げます。 本法案は、生成AI等により作り出される国旗の損壊の映像や、国旗の損壊等の状況を撮影した映像のSNSでの事後配信について、これらを処罰対象とすることによってもたらされる弊害もあるのではないかなどの指摘も考慮した上で、処罰対象外として整理をしたものであります。 しかし、委員御指摘のとおり、今後更に生成AIやSNSが発達した状況に至れば、本法案で処罰対象となっている行為と同程度に国旗を大切に思う国民感情という保護法益が侵害される事態が生じることも予測され得るところであります。 そこで、本法案では、附則第二項に、法施行後三年を目途とした検討条項を設けております。必要があると認められるときには、法改正も含め、必要な措置が講じられることとしておるところであります。
○金澤委員 ありがとうございます。 時代の変化に合わせて対応をお願いできればと思います。 そこで、最後に、そうした時代における国旗の意義について伺います。 AIやSNSの発展によって、私たちを取り巻く環境や社会が大きく変化しているかと思います。時代が大きく変化する中にあっても、国旗は我が国の歴史や文化、伝統を象徴する存在であり、その意義や役割について改めて考えることが重要であると感じております。 先ほどお話にもありましたワールドカップ、またオリンピックなどの国際大会では、立場や世代を超えて多くの国民の皆様が国旗の下で一つになる光景を見ることがあります。また、災害や困難に直面した際にも、国旗は国民が共通の思いを抱く象徴としての役割を果たしてきました。私は、このような時代だからこそ、国旗のような国民共通の象徴こそが果たせる役割も多くあるのではないかと考えております。 そこで、最後に提案者に伺います。 AI、SNS時代において、国旗はどのような意義を持つとお考えでしょうか。
○石橋議員 お答え申し上げます。 生成AIの発展によって情報空間が大きく変化し、あるいはSNSの加速度的な普及によって社会の分断や対立が一層あおられる時代を迎えていることは、委員御指摘のとおりであるというふうに考えます。 生成AI、またSNSといったテクノロジーの進化は、必ずしもメリットだけではなく、時には生成AIによって事実がゆがめられることもありますし、SNSでの一言が紛争を生じさせる契機となるといった、そういったデメリットも生じているということは紛れもない事実であるというふうに考えます。しかし、そのような時代であるからこそ、これまで以上に、国民が自国についての帰属意識、また一体感等を抱くことにより、国民の気持ちの上での統合の役割を果たすというこの国旗の役割は大切になってきているというふうに考えております。 そうした意味で、国旗は、国家を象徴する標識として今後も大切に取り扱わなければならないものであるというふうに考えます。
○金澤委員 ありがとうございます。 私も、改めて、国旗が我が国の歴史や文化、伝統を象徴する存在であり、多くの国民の皆様にとって共通のよりどころであるものであると、私もそのように感じております。また、災害や困難に直面した際、あるいは国際社会の中で我が国を代表する場面において、国旗は国民が共有する象徴としての役割を果たしてきたと私も思っております。 本法律案の意義は、国旗とは何か、国家とは何か、そして、私たちが次の世代へ何を受け継いでいくのかについて改めて考える契機となる点にもあると考えております。 国旗への理解や敬意は、決して強制的に生まれるものではないと思います。教育や社会、また、先ほどありました家庭における対話を通じてその歴史や意義を理解し、その結果として自然な尊重の意識が育まれていくことが大切であると考えております。 私たちが今日享受している平和や繁栄は、先人たちのたゆまぬ努力の上に築かれたものです。その歩みを知り、その思いを受け継ぎ、未来を担う子供たちへつないでいくことが、今を生きる私たちの責任であると考えております。 本日の議論が先人から受け継いだ日本を次の世代へつないでいくための一助となることを期待申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○山下委員長 次に、階猛君。
○階委員 中道改革連合の階猛です。 本日、国旗損壊罪について、提案者の皆さんに質問させていただければと思います。 自民党と日本維新の会の連立合意書には、令和八年通常国会において、日本国旗損壊罪を制定し、外国国章損壊罪のみ存在する矛盾を是正するというくだりがあります。このことが、本法案が会期末近くになって提出された最大の理由だと考えております。 そこで、まず、国旗損壊罪を設けることで、外国国章損壊罪のみが存在している現行刑法との矛盾、あるいはアンバランスの解消につながるのかという観点から質問を始めたいと思います。 まず、外国国章損壊罪と同列に扱いたいというのであれば、なぜ刑法改正案としないのかという点です。 今回は特別立法なんですけれども、自民党や参政党は、過去には刑法改正案、九十四条の二というところで、この国旗損壊罪を設けようとしていたときもありました。今回はなぜ特別法なのか。自民党の提出者に問いたいと思います。
○塩崎議員 階先生にお答えいたします。 本法案の立案に当たりましては、外国国章損壊罪と同様に刑法に規定する、こういう選択肢についても検討したことは事実でございます。 ただし、検討の過程の中で、やはり、保護法益を侵害する行為としてどういったものを処罰対象とするのか、そして表現の自由の侵害にならないように配慮するべきではないか、こうした議論が様々ありました。そうした中で、今回の法案でございますけれども、構成要件該当性の判断は、客観的事情を総合的に勘案して行う旨の規定、これを設けるであるとか、本法の適用に当たっては、表現の自由等を不当に侵害しないように留意する旨の規定を設けております。 御案内のように、こうした規定はなかなか刑法の本法になじむ形式ではないので、今回は、罰則部分を含め、一つのパッケージとして特別刑法として提案をさせていただいている次第でございます。
○階委員 元々、刑法には外国国章損壊罪のみがあるから矛盾だと言っていたわけですけれども、結局、矛盾を改正するという目的ではなくて、別個独立の目的でこの罪を提案しているという理解でよろしいですか。重ねてお願いします。
○塩崎議員 今回の法律、我々の提案している法律ですけれども、元々、外国国章損壊罪では、外国の国旗の損壊行為は処罰されるけれども、日本の国旗の損壊行為に対する処罰ができないのではないか、こうした様々な声がある中で、今回、そこのアンバランスといいますか、そこについての、感情についての手当てということで、本法を提案させていただいている次第でございます。
○階委員 今言ったように、刑法に定めがないということだけではなくて、要件的にも外国国章損壊罪とは大きく違っているわけです。 私はむしろ、矛盾とかアンバランスを解消するというのであれば、もっと適切なやり方があると思っております。それは、これはイギリスとかカナダがそうなんですが、外国国章損壊罪は両国にはありません。日本もそれに倣って、外国国章損壊罪を廃止して、内外の国旗をすべからく器物損壊罪で処罰対象にするという方が、アンバランスや矛盾の解消に資するのではないかと考えておりますが、この点についてお願いします。
○塩崎議員 お答えいたします。 階先生の今の御提案も、傾聴に値するお考えだとは思います。 一方、我々としても、検討していく中で、一つは、器物損壊罪というお話が今ありましたが、これは自己所有の国旗などを損壊したときに適用ができないという制約がございます。また、親告罪でありますので、被害者からの告訴がなければ起訴がされない、こういう形式となっているところでございます。 それを今回の国旗という損壊行為に当てはめた場合に、保護法益において国旗を大切に思う国民感情と置くと、やはり、自己所有の国旗だから破っていいんだとか、又は被害者からの告訴がないから処罰しなくていいんだという、この器物損壊罪の形式には必ずしもなじまないのではないか、そういった意味で、国民の皆様の感情を正面から保護する形で今回、国旗損壊罪という法案を提出させていただいている次第でございます。
○階委員 自己所有のものが処罰対象にならないのは問題だということでありましたけれども、所有権絶対の原則というのが民法上ありまして、もし、所有権があるものについても国旗損壊罪が成立するとなれば、それ相応の、相当の理由が必要だと考えております。 そこで、保護法益について質問させていただきたいんですが、今回いただいている資料、私が配っております資料の一というのを御覧になってください。一番上の方に、国旗を大切に思う国民感情を保護するためとありますね。すなわち、国旗を大切に思う国民感情というのが保護法益なわけです。一方、二つ目の、基本的な考え方と丸がついているところを見ますと、個人の内心に立ち入ることを想定せずというくだりがあります。 さはさりながら、さっき言ったように、国旗を大切に思う国民感情を保護法益とするというのであれば、そのような感情を尊重する思想を刑罰をもって強制することになり、憲法の思想、信条の自由に反するのではないかと考えますが、この点、いかがでしょうか。
○塩崎議員 お答えします。 階先生が今おっしゃったような御懸念につきましても、我々が今回法案を作っていく中で、まさに検討したポイントでございます。 そうした意味では、我々としても、個人の内心の自由、これはやはり、憲法上保護される非常に高度な必要性のあるものだというふうに考えております。 そういった意味で、今回の法案のたてつけとしては、あくまで国旗の損壊として外形に表れた、かつ公然と行われた行為に限定する形で処罰の対象とするものでございまして、心の中でどういうことを思っているかとか、又は公然でないプライベートな空間でどういう行為を行うかとか、そういった思想や信条を処罰するものとはしておりません。 以上でございます。
○階委員 そうはいっても、保護法益は、国旗を大切に思う国民感情というふうにしているわけですよね。これを事実上強制していることにつながるというふうに考えております。 そして、もう一つ保護法益の関係で指摘しなくてはいけないのは、国旗・国歌法の制定の際、時の小渕総理は、法制化に伴い、国旗に対する尊重規定や侮辱罪を創設することは考えていないと明確に答弁されています。この法案はこれと整合するんでしょうか、お答えください。
○塩崎議員 お答えいたします。 今、階先生からありました小渕総理の御発言、これにつきましては我々としても認識をしております。法制化に伴い、国旗に関する尊重規定や侮辱罪を創設することは考えていないと当時おっしゃられたわけでございます。 我々としては、今回の法案というものは、尊重義務を課すような内容ではないと考えておりますし、侮辱罪に当たるようなものでもないというふうに考えております。 今回の我々の提案している国旗損壊罪というのは、あくまで国旗の損壊、除去、汚損という特定の外形的な行為、これのみを処罰の対象とするものでございますので、そういった意味では、今回の法案の射程というものは限定されているかというふうに思っております。 過去の政府答弁との整合性の点につきましては、これはちょっと、我々でお答えするというよりは、政府の方からお答えいただければと思います。
○階委員 立案者としては、過去の答弁とは整合しているというお答えでした。 ただ、今回、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法で国旗損壊をすると処罰されるということですから、尊重を欠く行為であるとか国旗を侮辱する行為も処罰対象とはなり得るわけですよ。すなわち、国旗に対する尊重義務や国旗に対する侮辱罪を創設しないという小渕総理の言葉に反して、実際には、尊重を欠く行為とか国旗を侮辱する行為は処罰対象となり得ると思うんですが、この点は矛盾しませんか。
○塩崎議員 今私の方から申し上げましたように、今回の法律自体は、あくまで外形的な特定の行為に関する処罰を規定するものでございます。内心において国歌・国旗を尊重しなければならないというような小渕総理のおっしゃられた尊重規定であるとか、又は広範な侮辱罪、こういったものとは性質を異にするものであるというふうに理解しております。
○階委員 法文上は、国旗に対する侮辱罪とか尊重義務というのは確かに課せられていませんけれども、しかし、実際の処罰対象には、国旗に対する侮辱とか、あるいは国旗への尊重を欠く行為も処罰対象となり得るわけですから、やはり小渕総理の答弁とは抵触するというふうに私は考えます。 そこで、処罰対象について議論を進めたいんですけれども、先ほど言ったように、今回、自己所有の国旗にも処罰対象が及ぶということなんですが、まず、その前に、他人所有の国旗の損壊行為について議論したいんです。 これは、今回もしこの法案が成立しますと、器物損壊罪よりも法定刑が軽くなるわけですよね。器物損壊罪は、先ほどおっしゃられました、確かに親告罪なので、告訴がなければ処罰できないんですけれども、ただ、元々、矛盾があると言った外国国章損壊罪との関係、外国国章損壊罪は、外国政府の請求と、告訴に類するものがちゃんと要件としてあるわけですよ。だから、日本の国旗損壊罪についても、親告罪であっても何らアンバランスということにはならないと思っております。 また、国旗損壊罪の、さっき言った、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法に当たるかどうかということについて、別のところでは、客観的な事情を総合判断してこれを判定するといったような文言もありますね。客観的な事情を総合判断するのであれば、まさに告訴があったかどうかも客観的な事情として判断要素に含めるべきで、私は、そういう立場からすれば、器物損壊罪で他人所有の国旗損壊行為を処罰すれば足りるのではないかと考えますが、この点、いかがでしょうか。
○塩崎議員 お答えいたします。 器物損壊罪と適用場面が重複する部分があるのではないかという御指摘、大変鋭い御指摘だと思っております。 御案内のとおり、今、他人の国旗を勝手に破いたり汚損したりした場合には、普通に考えれば器物損壊罪の構成要件に係ってくる部分がございます。 ただ、今先生からお話がありましたように、器物損壊罪については親告罪となっておりますので、被害者からの告訴がなければ起訴されないということになっております。今回の我々の法案の趣旨としては、国旗につきましては、これはやはり、国民の感情の観点から、被害に遭った方の告訴を待つことなく、構成要件に該当するものとして処罰していく必要があるのではないか、こういうことで、告訴、親告罪とはしない形で設計をしております。 仮に、ある方が他人の国旗を損壊して、そしてその被害者の方から親告があった場合には、御案内のように、国旗損壊罪と器物損壊罪、両方成立し得るということになるかと思いますが、そうした場合には、両罪、観念的競合という形になりますので、恐らく、罪の重い、罰則の重い方の適用という形に実務上は処理されていくのではないかと思います。
○階委員 やはり矛盾があると思うんですね。 人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法を客観的に判断するというのであれば、まず、その行為の一番の当事者である国旗の所有者、この人がどう感じているかというのを重視すべきではないですか。すなわち、その人が被害者として告訴するかどうか、それを待って処罰すべきだと思いますが、親告罪としないというところは、まさに、本当にこれが客観的な外形行為だけを捉えて処罰対象にしているのかどうかということに疑いが生じると思います。 さらに、今度は、自己所有の国旗の損壊行為についてお尋ねしたいと思います。 こういった行為が政治的主張に付随して行われた場合、処罰対象となるかどうか、これについてお答えください。
○塩崎議員 お答えいたします。 自己所有の国旗の損壊行為が政治的主張に付随して行われた場合であっても、これが公然と行われて、そして著しく不快又は嫌悪の情を催す方法で行われた場合であれば、これは構成要件に該当し得るというふうに考えております。 ただ、実際にそれが処罰されるかどうかということにつきましては、これはまさに、一連の行為の態様であるとか周辺の事情、こうした個別事情を総合的に判断してされるというふうに理解しております。
○階委員 どっちつかずの答えだったんですけれども、具体的な例に即して伺いたいと思います。 私の資料の最後のページ、資料四というところを御覧になっていただきたいんですが、上の方に、国旗損壊罪に該当し得るものということで、一番目に、駅前広場など人通りの多い場所で、自ら持参した国旗を引き裂いたり、燃やしたり、切り刻んだりする行為、これは自己所有だと思うんですけれども、この行為を行う際に、当然のことながら、この法案が成立した前提でお尋ねしていますけれども、国旗損壊罪に反対だという立場を鮮明にするために1のような行為に及んだ場合、これは処罰対象になるんでしょうか、お答えください。
○山下委員長 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○山下委員長 速記を起こしてください。 提出者塩崎君。
○塩崎議員 お答えいたします。 階先生の資料四の一番の事例でございますが、こうした行為に及んだ場合に、行為の目的は今回の法案の要件となっておりませんので、構成要件には該当し得るということだと考えております。
○階委員 アメリカの最高裁判決では、こういった行為に国旗損壊罪を適用すると違憲だという判例があるのは御存じですか。
○塩崎議員 米国に限らず、海外でも様々な検討、こうした議論、表現の自由にまつわる議論が行われているということは承知しております。 今申し上げましたように、今回の国旗損壊罪におきましては目的要件を課しておりませんので、外形的に構成要件には当たり得るわけでございますが、実際にそれを処罰対象とするかどうか、これにつきましては、まさに個別の事情、事案ごとに、外形的な事情、周辺の状況であるとか一連の行為、こういったものを総合的に判断して適用がされるものというふうに理解しております。
○階委員 結局、処罰範囲が不明確なんですよ。 それで、もう一つ、処罰範囲が曖昧なところを申し上げたいと思います。今見ていただいた資料四の一の4、自室で自ら国旗を切り刻んで燃やしている状況をスマホで撮影し、その動画をライブ配信する場合、これは処罰対象になるということなんですが、一方、二の7、自室で自ら国旗を切り刻んで燃やしている状況を撮影し、その動画を後で配信する場合、これは不可罰だというふうになっています。 これは、ライブ配信であろうと事後配信であろうと、見ている人にとってはほとんど区別なく、同じように、皆さんのお言葉で言う、人に著しく不快な又は嫌悪の情を催させるような方法と捉えられると思うんですね。なぜここで区別されるのかということを理論的に説明していただけますか。
○塩崎議員 お答えいたします。 ここの点は、まさに委員の御指摘されるように、今回の法案の中では、生配信、これは処罰対象としますが、行った行為を録画して事後配信した場合には処罰対象外とするという整理をさせていただいております。 この点、立案の過程の中では、自ら損壊等している動画を事後的に配信する行為も、法益侵害の程度、これについては公然と国旗を損壊する行為と実質的に同じと考えることができるのではないか、こういう御意見もありまして、同様の処罰対象とするべきという御意見も確かにありました。 ただ、今回、なるべく多くの会派の皆様から賛同を得るべく関係各党と協議に当たった結果、やはり保護法益である国旗を大切に思う国民感情を侵害する蓋然性が最も高い、公然と国旗を損壊等する行為、こうしたことに限定をさせていただくという形にしたところでございます。
○階委員 行為者がこの条文を読んで、そういった、ライブとそして事後配信で判断が分かれるということが読み取れますかね。全く読み取れないと思いますよ、この条文では。 それで、これから、国旗損壊罪を設けることについて合憲性を議論したいんですが、塩崎先生も弁護士さんとして、憲法三十一条の罪刑法定主義はよくよく御存じだと思います。憲法を学んだ者であれば、徳島市公安条例事件判決という最高裁の有名な判決、この中で、刑罰法規は通常の判断能力を有する一般人の理解において具体的場合に当該行為が適用を受けるかどうかが読み取れなくてはならないという、いわゆる明確性の原則というのが明らかにされているわけですね。 今、二つほど事例を挙げましたけれども、こうした事例を見ても明らかなとおり、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法に当たるかというのは、通常の判断能力を有する一般人の理解において具体的場合で判断が困難だと言わざるを得ないと思いますよ。 最高裁判例に照らしてみれば違憲立法の疑いがあると思うんですが、この点については、私はあえて国民民主党の提出者に伺いたいと思っております。と申しますのも、国民民主党の玉木代表がかつて記者会見で、罰則の対象となるかどうかの判断は行為の外形、周囲の状況及びその他の客観的な事情を総合的に勘案して行うという点について、何が罪に問われているのか極めて曖昧だ、罪刑法定主義の観点からも問題だと言って、違憲立法の疑いがあるといったようなことを述べられていますね。 今私が指摘したことを踏まえて、なお違憲立法の疑いは消えないのではないかというふうに私は考えますが、この点、いかがでしょうか。
○飯泉議員 お答えをさせていただきます。 今おっしゃるように、罪刑法定主義、これについてはやはり明らかにしていく、この点が大変重要だと我々も考え、そして実は、今回の法令協議に当たりまして、なるべくその辺りを凝縮をさせていくということで、今、塩崎解説者の方からも話がありましたように、この点について、元々の二条二項、ここが今、階先生がおっしゃられました、ライブ配信と録画をして配信をした、この部分、特に後段について、これを処罰をする、そうした状況であったわけでありますが、我々としてはここの点については、あくまでも公然、これを尊重すべきであるということで、二条二項、この削除、これを強く申し上げ、そして結果として今の現法案になったということでありますので、より罪刑法定主義、これをしっかりと尊重する形で今回この法案を出させていただいた、このように考えております。
○階委員 処罰範囲を限定するということは、ある意味それは方向性としては正しいんでしょうが、私が今問題にしているのは処罰範囲を限定するかどうかではなくて、刑罰法規の大原則であり最高裁が認めている、刑罰法規は明確でなくてはいけない、これに反するのではないかということを玉木代表も言っているわけですよ。 明確性の原則との関係で違憲立法ではないかということについて、どうお考えになりますか。
○飯泉議員 ここのところにつきましては、今のライブ配信の事例、これを見ても明らかなように、当然、公然とリアルで配信をするその部分と、これを例えばアーカイブであるとか、あるいは公式LINE、予告配信をする、これについては、逆に行為者自身ははっきりとその違いが分かっているところでありますので……(階委員「そんな個別の話じゃないですよ、全体として明確性の原則に反しないかどうか」と呼ぶ)
○山下委員長 答弁を続けてください。(階委員「質問に答えてください」と呼ぶ)いや、答弁を続けてください。
○飯泉議員 ということで、そこのところについては、はっきりと何を問うのかといった点について、我々としてもその点については、まずは、この行為をはっきりと定めるということ、それから、その処罰の範囲、これをしっかりと定めるということ、また、これについて多くの皆さん方が、ただ個人がどうという内心の部分ではなく、あくまでも社会通念上、外形的に見て、これは明らかに抵触をするんだと、こうした点を考え、考案をした中で、今回のものを出させていただいたということであります。
○階委員 ちょっと、何を言っているか分からない。明確性の原則に反しないかということに答えない。
○塩崎議員 お答えいたします。 今、階先生から、条文の構成要件の中に、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法というこの要件が、一般人を基準に判断される部分が、明確性の原則に反するのではないかという御指摘がありました。 確かに、そのような明確性を担保していくということは罪刑法定主義の観点から非常に大事であるというふうに我々も考えております。そういった意味では、今回の構成要件の書き方自体は、ほかの法令、例えばストーカー規制法又は軽犯罪法における規定ぶりと大きく変わるものではないというふうに考えております。 例えばストーカー規制法におきましては、汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付するという構成要件を書いておりまして、何が著しく不快又は嫌悪の情を催させる物かどうかということは、客観的に社会通念上そのように評価できるかどうか、こうした基準を用いているところでございます。 こうした他の法令との平仄を比較検討したときに、今回の法律の文案として設計させていただいたものでございます。
○階委員 ストーカー行為規制法と今回の国旗損壊罪の法案では、全く刑罰の重みが違うと思うんですよね。やはり、この国旗損壊罪によって、さっき言ったように、政治的な主張が制限されたりされなかったり、あるいは、ライブ配信か事後配信かで表現の自由の守ったり守られなかったりということで、表現の自由という最も重要な民主主義を支える人権が侵害されたり、また政治的主張の機会も制限されたりということで、厳格な明確性が要求されると思うわけですよ。 ですから、さっきの比較は私は説得力がないと思っています。 それで、百歩譲って、この法案を通したとしましょう。通したとして、さっきアメリカの例を御紹介しましたけれども、さっきの政治的主張の部分ですね、処罰対象とした場合、すなわち、国旗損壊罪に反対だといって公の場で国旗を損壊した場合に、適用違憲になるのではないかというふうに考えています。 先ほども言いましたが、米国ではそうした事案について適用違憲だという連邦最高裁判所の判決が出ているわけですよ。今、私はここで取り上げました。これは国民の皆さんも見られる状況です。こういった状況を立法者の皆様は知りながら立法行為に及ぶというのは、非常にこれはゆゆしき問題だと思いますよ。 もし適用違憲だということになれば、適用違憲の法案で摘発された行為者、これは損害賠償をしてくる可能性があります。立法行為に対する損害賠償というのは国賠法上認められるかどうか、これも大きな論点なんですが、極めて明白な違憲だということがあれば損害賠償は認められるといったような趣旨の判例がたしかあったと思います。 そうした中で、既にアメリカという我が国が常々いろいろな場面でお手本にしてきた国で適用違憲の判決が出ているわけですよ。今回の法案によって摘発するようなことがあれば、そこに座っている皆さんは、後から大変なことになり得る可能性がある、そういうことは認識されていますでしょうか。そのことも承知で立法行為に踏み切ろうとしていらっしゃるんでしょうか。お答えいただけますか。
○塩崎議員 お答えいたします。 私も、階先生同様に法曹の後輩でございますので、憲法の表現の自由がいかに重要なものであるか、民主主義の根幹を成すものであるかということについては思いを同じくしているところでございます。 今回の国旗損壊罪でございますけれども、ここを改めて強調させていただきたいのは、政治的な意見そのものを処罰しようという法案ではございません。これは、あくまでその外形的な行為として表れた、かつ特定の行為について処罰を科すというものでございます。公然に行われるもの又は多くの方の感情を著しく害するようなこうした行為、こうした構成要件の下での判断となります。 今、適用違憲のお話がございました。適用違憲というのはまさに当てはめの、個別の事例の判断のお話でございますが、まさに日本でこの法律が施行された後、そうした適用違憲とされるような運用とならないように、しっかりこれは運用していただくことを期待しているところでございます。 そういったことも含めて、本法案の中に、表現の自由にも配慮するという規定をあえて設けさせていただいた次第でございます。
○階委員 前半の今の答弁の中で、政治的主張は守るんだというお話があったと思いますけれども、政治的表現の自由ということを守るためには、さっき言ったような、国旗損壊罪に反対して、まあ、デモでも集会でもいいですよ、そういう場で国旗を損壊する行為というのが罰せられるのかどうかというのは非常に重要な問題だと思いますよ。 アメリカの例を言いますと、国旗保護法が成立した後、ワシントンのシアトルで開催された国旗保護法の制定に抗議する集会で、合衆国郵便局に掲揚されていた国旗を焼却したということで訴追されて、これが適用違憲だということになっているわけですよ。ということは、この国旗損壊罪に反対する自由、これの一環として国旗を損壊する行為は保護されている、処罰の対象にならないということがアメリカの判例では認められているわけで、日本もそれを踏襲するという理解でよろしいですか。
○塩崎議員 お答えいたします。 米国の当該判例の件につきましては承知をしているところでございますが、米国と日本は法体系も裁判の仕組みも異なるところでございますので、そのまま日本で米国の判例がこうだからという判断になるというものではないというふうに、これは階先生もそう御理解されていると思います。 その上で、やはり、表現の自由の重要性については、我々は、法案作成に当たっても、本当に議論を重ねてまいりました。表現の自由、これは非常に重要なものでございますが、政治的な表現の自由も、どんな表現の自由でも、完全に、何でもやっていいということでは憲法上もないわけでございまして、当然、名誉毀損とか様々なほかの法律もありますけれども、ほかの様々な権利との公共の福祉による調整に服するものであると思っております。 そうした難しいこのバランスをどう設計していくのかという中で、我々としては、国旗損壊については、公然性という要件、そして外形的な行為の中で著しく感情を害する、こういう構成要件で限定をかけた上で今回は処罰対象とさせていただく、そういうバランスを取らせていただくことを提案させていただいております。
○階委員 表現の自由の保護に配慮するといったような条文もありますけれども、ちょっと今のような説明では全く心もとないと思っております。 いずれにしても、この法案、刑罰法規、しかも、重要な民主主義や表現の自由に関わる刑罰法規ですから、やはりこれは、本来であれば、刑法改正の要否を検討すべき事項であって、法制審議会に諮問して、そもそも刑罰が必要かどうかも含めて慎重に議論すべきだと考えます。 最後に、この点について答弁を求めます。
○塩崎議員 お答えいたします。 委員御指摘のとおり、国旗損壊罪を刑法に規定する、追加するという案についても検討したところでございます。 しかしながら、刑罰法規に、必ずしも刑法の本則に入れることについてはなじまない、先ほど申し上げましたような、表現の自由への配慮の規定であるとか、そうしたものがある関係で、今回は、刑法とは別の形で、罰則部分を含む一つのパッケージとして提示することがふさわしいと考えたところでございます。 国旗損壊罪の創設は、国旗を大切に思う国民感情を保護するためのものであり、これは様々な御意見がある中で、やはり政府から提案するというよりは、国民の意思を代表する立法府において案が作成されることがより適切であるということを考えまして、議員立法という形で御提案をさせていただいている次第でございます。
○階委員 これで質問を終わりますが、冤罪被害を防ぐための再審法の見直しでは、議員立法をやろうとしたところ、法制審議会でストップがかかって、結局、与党の皆さんは法制審議会の意見に従ったわけじゃないですか。それとは全く真逆のことをやろうとして、拙速にこういった重要な法案を議員間の十分な議論を尽くしたとは思えないような内容で通そうとしているということに強く抗議を申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○山下委員長 次に、長妻昭君。
○長妻委員 長妻昭です。よろしくお願いいたします。 私も、国旗を前にしますと厳粛な気持ちになりますし、国旗を損壊されたら不快な念を持つわけであります。しかし、だからといって、自己保有の、自分で持っている国旗に対しても現行犯逮捕される。しかも、今議論を聞いて私も驚きましたけれども、何か勢いで作っちゃったようなイメージを私は持ちました、大変いいかげんな議論。根拠がきちっとあったのかというふうに疑わざるを得ない質疑でありました。 私自身は、やはり法律の罰則というのはできるだけ少ない方がいい、どうしても必要不可欠なものに限定をして罰則はかけるというのが息苦しい社会を生まないことにつながるのではないかというふうに思うわけであります。 まずお伺いしたいのは、先ほど立法事実ということで四つの国旗損壊の事例をおっしゃいましたけれども、これは、それぞれみんな逮捕されているのではないでしょうか。
○勝目議員 お答えを申し上げます。 先ほど四つの事例というものを答弁しておるかと思いますが、そのように承知をしております。
○長妻委員 ということは、これは、それぞれどういう罪で逮捕されているんですか。 一回止めてください。
○山下委員長 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○山下委員長 速記を起こしてください。 勝目君。
○勝目議員 失礼いたしました。 全て器物損壊罪ということで承知しております。
○長妻委員 立法事実として公の国会の場で四つの事例を挙げられて、これは全て器物損壊罪で検挙されているんですね、逮捕されているわけです。これでなぜ事足りないのか。しかも、器物損壊罪は上限が拘禁刑三年、今回議論しているのは二年ということであります。 これは、なぜ器物損壊罪では駄目なんでしょうか。
○勝目議員 お答え申し上げます。 器物損壊罪につきましては、まず一つは、自己所有の国旗を損壊したところで処罰されるわけではない、これが一点です。それからもう一点は、親告罪でございますので、被害者からの告訴がなければ起訴されないということでございます。 今回のこの法案につきましては、これは保護法益を、個人法益ではなくて、国旗を大切に思うという国民感情、いわゆる社会法益に置いておるところでございます。ですので、自己所有の国旗であるかどうか、あるいは告訴があるかどうかにかかわらず、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により公然と国旗を損壊等する行為自体が保護法益を侵害する蓋然性が高いということで、処罰の対象とさせていただくものでございます。
○長妻委員 そうしたら、立法事実という観点でお尋ねします。 立法事実というのは、辞書を見ますと、ある法が存在する合理性の根拠となる社会的事実、各種の統計や世論調査、専門家の諮問など様々というふうにありますので、事実ということで四つ挙げられて、これは器物損壊罪ということなんですが。 では、お伺いするのは、自己所有の国旗を損壊した、そういう事例というのはどのぐらい把握しているんですか。これは最近増えているんでしょうか。
○勝目議員 自己所有の国旗損壊の数が増えているかどうかということでございますが、そもそも、現在処罰対象としていないということもありますので、報道等にも載ってこないわけでございます。 そうしたことから、自己所有の国旗の損壊事例が多発している等の事実を確認しているわけではございませんので、年間何件かといった具体的な数字をお示しすることは難しゅうございます。
○長妻委員 そうすると、ここにおられる法案提出者の中で、そういうことを見聞きした、最近でもいいんですけれども、あるいは報道でもいいんですけれども、そういう方は一人もおられないということですか。もし一人でもおられたら、ちょっと紹介いただきたいんですが。
○勝目議員 現在こちらに並んでおります提出者の中では、おらないということでございます。現在こちらに在席をしている提出者においては、おらないということでございます。
○長妻委員 普通、私らも国会で議員立法や法律、閣法の審議をするときに、やはり国民的に、これはちょっと問題だなと社会問題になって、これは法律で取り締まる必要があるんじゃないかと機運が上がってきて、そして罰則をかける、かけないを慎重に議論をしていく。罪刑法定主義の観点から、明確な様態が分かるような形に限定をして、議論をして、法律を審議する、こういう手順なんですけれども、ちょっと今驚きましたのは、自己保有の国旗を損壊する事例を見聞きしたことも、法案提出者には誰もいない、しかも、過去の報道も含めてどなたもないということで、これは非常に根底から立法事実がないというふうになってしまうんじゃないかなということでございます。 もう一点お伺いしますと、例えば、この法律がなかった場合、どういう不利益が社会や国民の皆さんに起こってくるのか。気分を害するというのはもちろんここに書いてありますけれども、それが積もりに積もって何か社会で混乱が起こって、分断化して、騒乱が起きるとか、つまり、この法律がない場合、どういう具体的な不都合が社会に、日本に起こってくるのかということをお示しいただければ。
○勝目議員 国旗を大切に思う心というのは、先ほど長妻委員からもお話がございましたけれども、これは多く国民において共有されている、そういう感情であろうと思います。 今回のこの法案において保護法益としておりますのは社会的法益ということでございますから、個別具体の、いわゆる被害者というんでしょうか、行為者自身であるとかあるいはこれを見た者が現実に不快感、嫌悪感を覚えたか否かというものを問題にするものではございませんので、そういう社会的法益を守るための法律案だということで御理解を賜れればと思います。
○長妻委員 不快な念を持つ国民感情ということで、先ほども申し上げましたけれども、私も国旗を損壊されたら不快な気分は持ちますけれども、ただ、ほかのものを損壊されても、不快な気分を持つものというのはたくさんあります。それと憲法の二十一条の表現の自由や憲法十九条の思想、信条の自由との兼ね合いで、それでもこれはやるべきだということなのかどうか。その根拠が、今お伺いすると、非常に不安定だなというふうに言わざるを得ないんですね。 国旗・国歌法制定時に、先ほども階議員から紹介がありましたが、具体的な答弁もあるんですね。法務大臣から、一九九九年の六月の衆議院の本会議、国旗を汚すなどした人を罰するべきかという質問に対して、国家の威信の保護の在り方として、刑罰をもって強制することが適当かどうかという根本問題があるということで拒否されておられるんですが、急に今これが出てきた背景というのは、どういう事実があるんでしょうか。
○勝目議員 今の御答弁は、御紹介があったところから察するに、それは国家の威信ということでございますので、国家的法益ということを想定しての御答弁であるかのように承りました。 今回の法案における保護法益は、先ほど来申し上げておりますように、国旗を大切に思うという感情、つまり社会的法益ということでございますので、その点の違いというものはあるということでございます。 その上で、今回の法案は、客観的、外形的なものを構成要件としておるところでございまして、内心の自由に立ち入っての、そこを処罰をするということでもありませんし、また、侮辱の目的といった、目的という主観的要件をここにかませているものでもないということでございます。その点については何とぞ御理解を賜りたいというふうに思います。 そしてまた、現在、SNSも発達をしてきている中で、国旗を損壊するということが社会にどんどん流布をしていく、広がっていく、そういった態様というものも非常に懸念をされるところでございます。既に答弁もあったかと思いますけれども、やはりそういったものに対する予防的措置というものも、これは立法事実として私どもとしてはしっかり踏まえないといけないというふうに考えております。
○長妻委員 それでは、SNSで国旗を損壊した映像というのは見た方はいらっしゃいますか、提出者の中で。
○勝目議員 SNSでということではあれですけれども、テレビのニュースでは見たことがあるというような声は今ございました。 SNSは結構アルゴリズムによるものでもありますから、我々はそういうものは余り視聴しないということももしかしたらあるのかもしれませんけれども、いずれにしても、そういうことでございます。
○長妻委員 テレビニュースで見たというのは、器物損壊罪ではできなかったケースですか。いつのケースですか。
○勝目議員 器物損壊罪に該当するかどうかというのは、まさに個別具体の判断の中で、刑事司法プロセスの中で判断されるものだと思いますので、テレビニュースを見た中でそれがそれに当たるのかどうかというのは、ちょっとにわかに分かりかねるということであろうと思います。
○長妻委員 先ほどSNSをすごく強調されておられましたけれども、さっきも質疑がありましたが、ライブ配信は、公然とということで処罰対象、構成要件に当たり得るということだと思いますが、例えば、ビデオを撮って一分遅れで動画配信をする、これは当てはまらないんですか。
○勝目議員 今回の法案でございますけれども、動画を事後的に配信するといったような行為につきましては本法案の処罰対象には当たらないというふうに考えております。 というのは、立案過程において様々議論をして御意見を承りながら、その中で、処罰範囲というものを、国旗を大切に思う国民感情を最も侵害し得る公然と損壊するという行為に限定をし、それを構成要件としているからでございます。動画の事後的な配信というものはここに当たらないというふうに解してございます。
○長妻委員 ちょっと矛盾だと思うんですね。保護法益については、別にライブ配信だろうがライブでなくても同じだと思うんですね、全く同じ映像ですから。違いが分からないわけです。 SNSを相当根拠にされておられるようでありますが、そうすると、附則に検討事項がありますけれども、検討事項の中で普通の動画配信も今後は認める可能性も出てくる、こういうことですか。
○勝目議員 御指摘のとおり、本法案の附則には検討事項を掲げさせていただいております。 そうした中にありまして、国旗を損壊し、除去し、又は汚損する状況に係る映像に関するインターネット等の利用の状況も勘案をして、国旗を大切に思う国民感情を保護するのに必要かつ十分な規定となっているかどうかといった観点から検討を加えるということになってございます。 特段の方向性を今出しているわけではございませんが、こうした観点での検討を行うこととしております。
○長妻委員 そして、もう一つ、一番大きいのが、今回の法案というのは、皆さんもおっしゃっておられますけれども、外国国章損壊罪とのバランスですね、それはあるのに自国の国旗はないということ。 高市首相も、二〇二一年にこういうことをおっしゃっておられます。外国国旗損壊と同等の刑罰をもってしっかりと対応することが重要であるというふうにおっしゃっておられる。 ただ、さっきの答弁にもあったとおり、外国国章損壊罪は、自己保有は処罰をしない、通説、かつ、公的な掲揚をする、公的な場所にそれが掲揚されている、掲げられているということでないと構成要件に当てはまらないということなんですが、国章というのが入っているんですね。 国章、これは国旗のみならず、いろいろな国家を象徴するようなものということだと思いますが、そうすると、例えば日本でいうと、お伺いすると、恐らく菊の御紋なども国章なのではないかというふうに聞きました。将来、そういうところにも検討事項として拡大する可能性というのはあるわけですか。
○勝目議員 お答えを申し上げます。 この法律案要綱におけます附則の検討条項でございますけれども、映像に関するインターネット等の利用の状況、そして、公然と陳列する行為又はこれに類する行為の発生の状況その他この法律の施行状況等を勘案し、国旗を大切に思う国民感情を保護するのに必要かつ十分なものになっているかどうかといった観点から検討が加えられ、必要があると認められるときは、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるものとするというふうになっておりますので、こうした観点から、そのときにおいて判断をされるものと思います。
○長妻委員 例えば、菊の御紋のような、外国国章損傷罪とのバランスでいえば、これは国章も入っているわけですから、国旗のみならず、外国のシンボルも入っているわけですから、菊の御紋というのも検討対象として否定はされないということですね。
○山下委員長 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○山下委員長 速記を起こしてください。 提出者勝目君。
○勝目議員 失礼いたしました。 お答えを申し上げます。 現在、この附則の書き方が、国旗を大切に思う国民感情を保護するのに必要かつ十分なものとなっているかどうかというふうに書いておりますので、現時点では国旗を対象とするというふうに考えておりますけれども、そのときにどういった事態になっているかというところを踏まえて、総合的にその時点で判断をされるものと承知をしております。
○長妻委員 検討に入っているのか入っていないのか。
○勝目議員 立法者といたしまして、この附則に書いてあるのは、国旗を大切に思う国民感情を保護するのに必要かつ十分なものになっているかどうかというのが観点でありますから、一義的には国旗ということを現時点では想定しているということでございます。(長妻委員「入っているんですか」と呼ぶ)国旗と書いているということです。(長妻委員「入っていないんですか」と呼ぶ)国旗というのは、国章の中の、国章よりも狭い概念でございます。
○山下委員長 質疑者は、指名されてから質問してください。(発言する者あり) では、国旗以外の国章は入るのかについて、提出者勝目君。
○勝目議員 提出者といたしましては、現時点では国旗以外の国章は入らないというのがこの法文上解されるところだと思っております。
○長妻委員 ちょっと曖昧な、今何かこの場で議論したということで、非常に私は今の答弁を聞いても、私ももちろん国章も損傷、損壊されれば不快になりますよ、ただ、それでは何でもかんでも、どんどんどんどん広がっていく可能性が否定できないような、非常に不安定な答弁だと思うんです。 外国国章損壊罪については、もう御存じだと思いますが、立法事実があるということで、一八九一年、明治二十四年の大津事件、ロシアの皇太子が来日されたとき大津で切りつけられたということで、これを契機に旧刑法に入れて、今引き継がれている。そのときの趣旨としては、他国の象徴である国旗や国章を損壊する行為は、深刻な外交摩擦、最悪、国際紛争、武力衝突に結びつく、外交上の危機管理の観点からこれを入れたというようなことが資料で残っているわけです、これは親告罪ではありますけれども。だから、親告罪なんですね。 ところが、今回の法案というのは、明確な立法事実というのがなかなか見当たらないというふうにちょっと言わざるを得ないわけです。 表現の自由との関係でお尋ねいたしますけれども、これは内容中立規制なのか内容規制なのか、いかがでしょうか。
○勝目議員 お答えをいたします。 本法案は、国旗の損壊等の行為によってなされる表現、メッセージの内容とは全く無関係に、そのような行為がもたらす弊害、つまり、国旗を大切に思う国民感情に対する侵害を防止するためのもので、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させる方法で公然と損壊等を行うという客観的な行為態様を構成要件とするものでございます。 方法に該当するかどうかの判断については、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な……(長妻委員「内容中立規制か内容規制か、どっちですか」と呼ぶ)今申し上げます。客観的な事情に基づいて行う旨を定めておりますから、表現やメッセージの内容に着目をした内容規制ではないと考えております。
○長妻委員 ただ、表現の自由を規制できる場合は、内容中立規制は、例えば、夜中にいろいろな大きな音でいろいろなことをする、こういう内容にはかかわらず、手段、あるいは態様規制と言われておりますけれども、迷惑ということで、ただ、内容規制の場合は、見解などを、あるいは主題規制もありますけれども、これを規制していくということです。 今回、内容規制ではないとおっしゃいましたけれども、例えば、国旗を損壊する場合、そこに非常に好意的なメッセージを書く場合と、好意的でないメッセージをマジックインキで書く場合、これは本法案の構成要件というのは変わってくるわけですよね。
○勝目議員 先ほど来申しておりますように、今回の法案によって対象とするものというのは、表現の内容ではなくて行為そのものであります。これもまた客観的な事情に基づいて判断することになっております。
○長妻委員 そうすると、例えば、日の丸を埋め尽くすような寄せ書きと、日の丸にバッテンをつけるもの、これはそれぞれ違うわけですよね。
○勝目議員 したがいまして、今おっしゃったような、内容に着目をするのではなくて、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させる方法で公然と損壊、除去、汚損するというこの客観的な行為態様でもって、それが構成要件になってございますので、そういう表現の内容に着目をする法律ではないということでございます。
○長妻委員 とはいいながら、結局は、国旗損壊といったときに、善意で寄せ書きをしたものまで処罰するとは私は思えないんですね。寄せ書きも処罰するということは私は思えない。皆さんも、たしかそういうことをおっしゃっておられたと思います。そういう意味では、私は内容規制に限りなく近いんじゃないかと。 例えば、かつてSNSでこういう言葉が流布されました、保育園落ちた日本死ねと。かなりきつい言葉であります。日本死ねだけ聞けば非常に厳しい言葉だなと思いますが、その背景とか社会的状況を感じてこれが一定の共感を得て、その後、待機児童の減少につながった、こういう一つのムーブメントのきっかけにもなったと私は承知しているんです。 これは国旗とは関係ありませんけれども、本当にいろいろな思いを持って、国旗に対して政治的なメッセージとしていろいろなことをされるということについても、今回はもちろん取り締まるということになるわけですかね。
○勝目議員 委員が御紹介された、保育園落ちた日本死ねというところからいろいろな動きがあったということは私も承知をしております。 繰り返しになって大変恐縮ですが、今回の法案は、表現の内容に立ち入って、それを構成要件として処罰するというものではありませんので、あくまで損壊のまさに外形的な行為、そこに着目をするものでございます。ですから、人に著しく不快、嫌悪の情を催させる方法で公然と損壊、除去、汚損するというのが構成要件でありますから、何が書かれているかという表現の内容は構成要件にはなっていないということ、これは重ねて申し上げたいと思います。
○長妻委員 そういう意味では、当然含まれるわけですよね、政治的なメッセージなどについても。 もう一つ、今日は警察も来ていただいておりますけれども、お尋ねしたいのは、今回の法案というのは、私もお話をお伺いしてみますと、例えば、自宅で国旗を損壊をしてそれを外に持ち出すという場合は処罰されないというふうに聞いておりますけれども、となると、損壊した場所というのが非常に重要になってくるわけですし、あるいは、まだ損壊されていない国旗でも、外でデモ隊などが持っている場合、それが損壊されるのかどうかということに着目した捜査とか監視というのが、この法案が仮に成立したら出てくるのではないかと思うんです。 警察にお伺いしますが、仮にこの法案が成立した場合は、何か監視や着目点というのは変わるんでしょうか。
○千代延政府参考人 お答えいたします。 まず、現在御審議中の議員立法についてのお尋ねでございますので、その内容を前提とした御質問にお答えすることは困難であることにつきまして御理解いただければと思います。 その上で、一般論として申し上げますと、警察としては、先ほどデモ等というお話がございましたけれども、デモ等に伴い、違法行為や事故が発生するおそれがあることなどから、それらを未然に防止するために、必要な警備措置を講じたり、必要な情報収集を行ったりする場合がございます。 こうした警察活動は、一般的には、特定の犯罪を念頭に置いているというより、その時々の情勢に応じて発生し得る様々な違法行為や事故の可能性を念頭に置いて行っているものであるところ、現在のデモ等に対する警察活動の在り方が直ちに変わるものとは現時点では考えておりません。
○長妻委員 当然、直ちに変わるわけではありませんけれども、もちろん、この法律ができれば着目をして捜査をされるというふうに事前にはお伺いしました。 これは自民党の中でも異論が上がっていると聞いておりまして、六月十二日号の雑誌で、岩屋毅さんがインタビューに応じておられて、非常に私の気持ちとほぼ同じことをおっしゃっておられて、見識の深さを感じるわけでありますけれども、こういうことをおっしゃっているんですね、今回の国旗損壊法について。そもそも、立法の動機そのものが純粋な法益保護ではなく、一部の政治的主張や特定の支持層へのアピールから始まっていると言わざるを得ない、そこに大いなる憲法上の懸念を抱くと。 そして、もう一つおっしゃっておられるのは、かつてのように国民の思想統制の道具に、この国旗損壊罪がまかり間違えば悪用されるおそれすらあります。法益の曖昧な刑罰の新設は国家権力の肥大化につながり、近代立憲主義の理念に背反すると思います。最大の懸念は、内心の自由や表現の自由への深刻な萎縮効果です。どういう形状なら国旗と認定されるのか、どこからが損壊や汚損に該当するのか。アートや風刺における表現の境界線はどこか。本来なら国民が心配する必要のない細部に至るまで国家の視線を意識せざるを得なくなる。エスカレートしていくと、なぜあそこの家は国旗を掲げないのかという相互監視の同調圧力へと発展しかねません。国旗が自然な敬愛の対象から処罰の対象へと変容すれば、日本が戦後培ってきた自由主義、民主主義の土台が掘り崩されていく端緒になりかねないとおっしゃっておられるわけです。 こういう非常に心配の声が自民党の中からも、この方以外にも上がっていると聞いております。石破首相からも、六月六日の番組で、刑罰をもって臨むことなのか、法理論的に余り正しくない、保護法益が明確でないと。私も同感であります。 ちょっと配付資料をお配りしました。これは戦前の新聞記事の抜粋ですが、一九三八年から、国旗に対して相当神経質に国がなってきた。国家精神総動員ということで国がスローガンを掲げて、二ページ目を御覧いただきますと、これは対米戦争が始まる三年前の新聞であります、「白地に赤き純潔の“日の丸”を守れ! 国旗冒涜者が意外に多いと県が検閲標準を定む」。一ページ目を御覧いただくと、「「日の丸」を濫用するな カフエーやバーの宣伝マツチ 内務省断乎乗出す」「“尊厳を高めよ”」ということで、国旗の印をマッチのところに描いたりしてけしからぬ、尊厳を守れということが出てきました。三ページ目ですけれども、「“日の丸広告”にお灸 県でもキツイお達し」というようなことが出てまいりました。四ページ目は、「日章旗に文字を書き込んではいけません」ということで、こういう話が出てくると、皆さんは限定限定、客観的とおっしゃいますけれども、やはり萎縮効果が上がってくる、大きくなってくるんじゃないかなと私は心配するんですね。 かつての日本は、言うまでもないことですけれども、かなり空気がつくり上げられて、一旦一方的な空気がつくり上げられると、やはりそこに、ぎゅっと極端な方向に行ってしまう、非常に日本は同調圧力の強い国でありますので。そういうことも考えながら、声を上げやすい社会にしていく、異論を排すのではなくて、声を上げやすい社会にしていく、余りにも萎縮効果を高めるようなことは極力防いでいく、必要やむを得ないときは、明確に構成要件を決めて罰則をかけていくということが私は原則で、我が国が道を誤らない最も重要なことだというふうに思っているんです。 アメリカの話も先ほど出ましたけれども、米国も、調べてみますと、国旗損壊罪という、法律があるわけでありますが、これが違憲判決が出てしまったんですね。連邦最高裁が、逮捕についても、国旗損壊行為の処罰は表現の自由を規定する合衆国憲法に違反するとの判決を下して、確定している、国旗損壊行為を処罰する法律は、存在はしているけれども、実際には存在していないことと同じ状況になっているということです。 保守派の裁判官が、最高裁判事がこういうことをおっしゃっているということも紹介がありました。この方は、私は疑いなく愛国主義の保守派であり、国旗を燃やすことを嫌悪している、私が王だったら処罰する、しかし、政府、議会、裁判所、そして国家や国旗さえも侮辱する権利を保障しているのが憲法であるという言葉を残している、愛国主義の自身の立場よりも、米国は王でなく憲法が支配する国だという基本理念を優先させていた、こういうような紹介があるわけであります。 是非、国民の皆さんが萎縮しないように、きちっとした議論、明確な根拠、そして明確な立法事実、これを示していただくということが何よりも重要だというふうに考えております。 どうもありがとうございました。
○山下委員長 次に、後藤祐一君。
○後藤(祐)委員 中道改革連合の後藤祐一でございます。 基本的に、自民党の提出者に伺いたいと思います。 この法案は、表現の自由との衝突が生じ得る、つまり、表現の自由という、基本的人権の中でも最も尊重されるべき精神的自由が、国旗を大切に思う国民感情の保護という公共の福祉で制約できるのかという、いわゆる二重の基準論を踏まえた、合憲かどうかの説明責任を負っているということでよろしいでしょうか。
○高木(啓)議員 後藤委員の御質問にお答え申し上げます。 今回の法案でございますが、国旗の損壊等の行為は、通常、表現としての意味を持たないものの、そのような行為によって自己の意思、感情等を表出する象徴的表現行為として、憲法二十一条一項の「表現」に含まれる場合がございまして、そのような場合には、本法案が当該行為をした者に対して刑事罰を科すことは、表現の自由との関係が問われる場合があるものと承知をいたしております。 そして、そのような場合には、御指摘のとおり、それが公共の福祉による必要かつ合理的な制限として是認されるかどうかが問われることになるかと理解をいたしております。
○後藤(祐)委員 これは昔からある憲法のテーマなんですね。 ちょっと一問飛ばしますが、そうしますと、国旗が損壊された場合に、具体的に、誰がどのような損害、法的侵害を受けるんでしょうか。また、これまで国旗を大切に思う国民感情が害されたことがどの程度あるんでしょうか。
○高木(啓)議員 本法案が定めるように、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により、公然と国旗が損壊され、除去され、又は汚損された場合には、国旗を大切に思う国民感情という社会的法益の侵害の危険性が生ずることとなると思われます。 これまで国旗を大切に思う国民感情が害されたことがどの程度あるかというお尋ねについては、一概にお答えし難いものがありますが、実際に国旗の損壊等の行為が行われた事例としては、次のような事例が確認されています。 昭和六十二年に、競技会場に掲揚されていた日の丸を引きずり降ろし、ライターで火をつけて掲げた後、その場に投げ捨てて、半分ほど焼失させた事例。二つ目は、平成三年に、大学生四人が大学の正門に掲揚されていた日の丸を引きずり降ろした事例。三つ目には、平成八年に、旧日本海軍殉職者記念碑近くのポールに掲揚されていた日の丸を焼いた事例。四つ目には、平成二十年に、神社の境内で参拝客が所持していた日の丸を奪い、足で踏みつけた上、さおを折った事例。このようなものがあると認識をいたしております。
○後藤(祐)委員 今の四つの事例、全て器物損壊罪の対象ですよね。他人の所有するものだし、公的なところに掲揚されているものがほとんどですよね。器物損壊罪の方が刑罰は重いですから、先ほど観念的競合になるからそうすると重い方が適用される、つまり、器物損壊罪が適用されるわけです。 ですから、先ほど来議論にあるように、自己所有物たる国旗を損壊した場合であって、国旗を大切に思う国民感情が害されたようなことがこれまでどの程度あったんですかということに対しては、答えられないということだと思うんですね。 実際、そういった自己所有の国旗が損壊されることでこういった国民感情が害される、明らかに差し迫った重大な危険と言えるようなものはあるんですか。少なくとも、そういった法益の侵害というのは、政治的表現だったり芸術的表現だったりすることもあり得るわけですけれども、それを刑事罰で規制しなければ防ぐことができないほど重大かつ具体的なものというのはあるんですか。
○長谷川議員 お答えいたします。 今回の国旗の損壊等の処罰に関する法律は、先ほど来答弁させていただいておりますが、まず国旗の定義を明確に定め、そして、国旗を大切に思う気持ちは万国共通であるということで、その大切に思う気持ちを保護するために処罰規定を設けるという上で、先ほど来御指摘にもありましたように、まずは、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させる、方法規制である、内容規制ではないということと、公然性というのを要件にしているということとともに、その方法の認定に当たっては行為の外形等の外形基準によって判断する、さらには入念規定として、表現の自由を不当に侵害しないように留意する、そういった上で、そうした今の国旗を損壊する事例、あるいは将来にわたるそうした損壊をする懸念に対する立法事実を認めた上で処罰するものでございます。 差し迫った危険があるかどうかという御指摘ではございますけれども、判例上、こうした明白かつ現在の危険の基準というのは、私どもの認識では、いわゆる自由に対する保護の必要性が特に高く、制限の程度も重要であるような場合には、明白かつ現在の危険の基準が適用されるというふうに私どもは認識しています。 一方、我々が提案している法案につきましては、先ほど来申し上げているように、公然性を基準とする、構成要件該当性についても外形基準を設ける等々、行動がもたらす弊害を防止するための、そうした制限の程度も重大ではない、程度は小さいと考えますことから、差し迫った危険という基準を用いず、国旗の損壊の立法事実に対して処罰を講じるというふうな考え方で提案をさせていただいています。
○後藤(祐)委員 制限の程度、重大だと思いますよ。 今のところは結構重要な答弁だと思いますし、今後の日本の憲法学の基準を作っていくような答弁ですよ。よく検証した上でまた聞きたいと思いますが。 今もありましたし、先ほどの答弁もありましたが、これは内容規制ではないということでよろしいですね。ということは、さっき長妻委員もやっていましたけれども、日本の国旗に、赤い丸のところも含めて大きく何か書いた場合に、何を書いてもそこは同じだということでよろしいですね。
○長谷川議員 お答えします。 本法案において処罰の対象としております構成要件は、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により、公然と国旗を損壊し、除去し、又は汚損した者でございます。したがいまして、行為の外形等を総合的に勘案して行う規定も設けておりますので、方法規制でありまして、内容規制ではございません。
○後藤(祐)委員 でも、内容によって差があるんじゃないんですか。 例えば、国際的なスポーツ大会で、日の丸に、赤い丸にかかるような形で日本頑張れと書く場合と、全く同じような大きさで、同じような形態で、例えば、増税反対あるいは国旗損壊罪反対と例えばデモだとか集会で示す場合で、これは全く、対象になる、ならない、同じだということでよろしいですか。
○長谷川議員 お答えいたします。 御指摘の、国旗を損壊等する行為が、ある種の表現行為、政治的活動等の上での表現としてなされた場合でも、それが人に著しく不快又は嫌悪の情を催させる方法かどうかの判断は、あくまでも行為それ自体の客観的な態様やこれを取り巻く客観的な状況などを考慮して行うものでございます。行為者が伝達しようとしていた表現、メッセージの内容を考慮に入れて判断するものではございません。 そのような判断方法を取ることを、先ほど答弁したように、条文上も明らかにしているところであります。すなわち、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案して行うものとする旨を規定したところでございます。 したがいまして、様々今メッセージの御指摘がございましたが、そのメッセージの内容によって構成要件に該当するかどうかが判断されるわけでなく、個々の事実関係に基づいて、あくまでも行為それ自体の客観的な態様やこれを取り巻く客観的な状況などを考慮して判断されるというふうに考えております。
○後藤(祐)委員 この法律は、内心に立ち入らず、客観的な事実だけで判断すると言っていたんじゃないんですか。 じゃ、先ほどの、日本頑張れと書いた場合と国旗損壊罪反対と書いた場合で、感情に与える影響が違うから、日本頑張れはいいけれども国旗損壊罪反対はアウトになるという可能性があるのかないのか、お答えください。
○長谷川議員 お答えいたします。 政治活動上の表現の自由として行われたような、そういったものについては、あくまでも違法性阻却事由の有無等において判断されるものであると認識しています。 先ほど来申し上げているのは、この構成要件該当性につきましては、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により、公然と国旗を損壊し、除去し、又は汚損した者について構成要件該当性を認め、その方法の判断についても、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案して行うということでございます。 その上で、いわゆる刑法上の正当行為等に当たるとして、違法性阻却事由においては委員御指摘のような表現行為等が考慮されることはあると思いますが、それはあくまでも個々具体的な事情に基づいて、事実に照らして判断されるものだと認識をしております。
○後藤(祐)委員 答えていません。差が出る可能性があるのかないのか、はっきりお答えください。
○長谷川議員 構成要件該当性については、さっき言いましたように、外形的に判断されるものであり、メッセージの内容について構成要件該当性に差異が出るものではございません。
○後藤(祐)委員 外形的という意味は、じゃ、日本頑張れだろうが国旗損壊罪反対だろうが、構成要件としては、どっちもアウトになるか、どっちもいいかであって、差が出ることはないということでよろしいですね。
○長谷川議員 一連の行為について、まず分けて考える必要があると思うんですね。 我々が提案している国旗損壊罪処罰法は、構成要件については、あくまでも内容規制ではなく方法規制として御提案をしています。その判断の基準についても、行為の外形等を総合的に勘案する。 その上で、表現の自由との抵触の可能性があると冒頭委員御指摘ありましたように、そうした一つ一つの表現行為が刑法における正当行為等に当たる、違法性阻却事由に当たるかどうかというのは、あくまでも個々の事情に応じて判断されるものでありまして、それについて差が生じるということを申し上げることは困難でございます。
○後藤(祐)委員 答えておりません。 委員長に提案しますが、日の丸に、赤い丸にかかるような形で大きく日本頑張れと書いた場合、国旗損壊罪反対と書いた場合で、両方ともこの法律の対象となって駄目ということになるのか、あるいは両方とも問題ないのか、それともその対応に差が発生し得るのかを、今、構成要件に該当するかどうかというのと違法性阻却に該当するかどうかというのを交ぜて答弁していますが、そこを整理して文書で提出いただくよう、お願いいたします。
○山下委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議いたします。
○後藤(祐)委員 もしこれが、対応が違い得るんだとすれば、内容規制そのものじゃないですか。その文字の内容を見て国民がどう感じるかということで判断することになったら、書く内容によって差が出るということじゃないですか。内容規制だとすると、これは、表現の自由を制約するという意味においては、憲法上極めて慎重でなきゃいけないということになるんですよ。 そうすると、この法案第三条で、「表現の自由その他の日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないように留意しなければならない。」と書いてありますけれども、具体的にどうやって留意するんですか。今の事例、どっちかあるいは両方が対象となり得るような場合、具体的にどうやって留意するのか、お答えください。
○山下委員長 提出者長谷川君。(発言する者あり) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○山下委員長 速記を起こしてください。 提出者長谷川君。
○長谷川議員 失礼いたしました。三条の適用上の留意規定の、どのように留意するのかというお尋ねでございます。失礼いたしました。 本法案三条の適用上の注意の規定は、本法案の二条の規定が、個人の内心に立ち入って規制を加えたり表現の自由に着目して規制を加えたりするものでなく、必要かつ合理的な規制として憲法上許されることを前提としつつ、先ほど来答弁しているとおりでございます、なお入念的に、本法の適用に当たっていやしくも国民の思想及び良心の自由や表現の自由等を不当に侵害することがないように万全を期すための規定でございます。 したがって、どのように留意するかということでございます。この在り方としては、例えば、先ほど来話がございます、あくまでも例示としてあえて挙げるとすれば、捜査機関において、国旗の損壊等の行為を行った行為者の思想、世界観、主義主張や、その行為によってなされた表現の内容を狙い撃ちするような形で検挙するなどということのないように留意するといった運用の在り方が考えられると思います。
○後藤(祐)委員 だから、さっき出してくれと言った文書に、具体的な形で、両方とも対象にしないと言ってくれれば、すごく留意したことになると思いますよ。そこが曖昧だと留意したことにならないと思いますよ。よく考えて文書を作っていただきたいと思います。 それでは、刑法との関係に行きたいと思います。 立法事実の話は今日いろいろ出てきているので、ちょっと聞きにくい質問ですが、国民民主党の提出者に伺いますが、玉木代表は立法事実はないと発言されていますけれども、立法事実がないのになぜ刑罰を伴う刑事法を立法できるんですか。
○飯泉議員 今の話は六月の十六日の記者会見での玉木代表のお言葉というふうに捉えさせていただきたいと思います。 実は、この発言につきましては、与党との協議、その過程におきまして、今も言われるように、なかなか現実にそうした事例が少ないではないかと。ただ、その事例については、先ほど後藤先生もお聞きになったように、過去四つの事例が紹介がなされたところであります。(後藤(祐)委員「全部器物損壊。観念的競合で消えちゃう」と呼ぶ)ええ、ただ、十分な立法の事実がないと思うということを申し上げたところでもあります。 確かに、先ほど、一番新しい事例が器物損壊でありますけれども、平成二十年ですから、十五年以上もたっているものでありますので、しかもマスコミに報道されたものということですから。 そうした意味で、さらには、この会見に続きまして、問題となる事案の発生、将来に向けてこれを抑止をしていくための予防的な立法事実、こうした点も必要なんだといった点が与党側から説明があったということで、これを受け入れる形での発言もされているところであります。つまり、予防的立法事実ということであります。 こうした点を踏まえまして、我が党につきましても、具体的な立法事実がある旨を確認をし、共同提出の会派の一つとなったところであります。 以上です。
○後藤(祐)委員 新しい理論を編み出しましたね。予防的立法事実、何ですか、それ。 立法事実についてはさっき長妻さんがやったので、自己の所有する国旗に関して本当に損壊が起きたことがあるのか、これについての立法事実があるのかどうか、過去にそういったことがあったのかどうか。自民党の提出者、答弁できますか。
○高木(啓)議員 先ほど御答弁があったと思いますが、自己所有のものについて、今のところ、それを取り締まるというか規制をする法律はありませんので、私たちとしては、その事実については承知をいたしておりません。
○後藤(祐)委員 じゃ、立法事実を承知していないのに、なぜ法律を作るんですか。
○高木(啓)議員 昨今の御時世に鑑みまして、やはり、この法案が、外国国章損壊罪とのバランスの問題、そして社会的法益を守っていく必要があろうという、そうした観点、様々考えた結果、私たちとしては、この国旗損壊罪ということを、外形的な判断基準によってしっかりと国民の皆さんにお守りをいただきたいという思いで提出をさせていただきました。
○後藤(祐)委員 御時世とか思いとか、やめてほしいんですよ、刑罰を科すのは。何ですか、その答弁。御時世とか思いで人に刑罰を科すんですか。ひどい答弁だ。 刑事法を新たに立法する場合は、本質的に人権侵害、人権制限の性質を有することから、ほかの手段では足りず、刑罰を用いる必要があり、かつ、用いることが合理的である必要性を示す必要があるんじゃないんですか。簡単に言うと、最後の手段であることを立証することが必要なんじゃないんですか。
○長谷川議員 お答えいたします。 自己所有の国旗についての事例が我々としては把握をしていないということでございますけれども、これは、グローバル化が進展する中で、やはり、自国の国旗を損壊する行為が海外でも拡大をし、我が国でもそういう危険があるということ、それを、今回、国旗を損壊等する事案の発生を将来に向かって抑止する必要性が我々としては高いのではないかということで、これを立法事実の一つとして提案をさせていただいております。
○後藤(祐)委員 こんな曖昧なことで刑罰に処せるんですかね。 ほかの手段ということは、全然説明になっていないじゃないですか。器物損壊罪でできないところというのは自己所有しかないんだから、自己所有のところの立法事実を証明できていないんだから、ほかの手段のところが説明できていないじゃないですか。まあ、金曜日に続きをやりましょう。 罪刑法定主義、明確性原則に行きますが、一つ飛ばして、ちょっとこれは例示でいきたいと思いますが、国旗を地面に置くパフォーマンス、あるいは泥や雨で汚れたようなところに置くような場合、あるいは車が往来するような道路に置いた場合、こういったものも処罰対象になるんでしょうか。
○高木(啓)議員 今事例をお話をされましたが、お尋ねのその事例でございますけれども、本法案において処罰の対象になるかどうかについては、一概に処罰対象となるかどうかをお答えすることはできませんが、個別具体の事案ごとに具体的な事実関係や証拠関係を踏まえて判断をされるものと承知をいたしております。
○後藤(祐)委員 ほら、こういう答弁が来るから罪刑法定主義違反だと言っているんですよ。分からないわけですよ、どこまでやっていいのかが。 個別事案によりますという答弁では、国民は事前に適法性を判断できないんじゃないんですか。
○高木(啓)議員 本法案は、国旗を大切に思う国民感情に対する侵害を防止するため、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させる方法で公然と損壊、除去、汚損するという客観的な行為態様を構成要件とするとともに、その方法に該当するかどうかの判断については、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情に基づいて行う旨を定めさせていただいております。 このような構成要件の下では、通常の判断能力を有する一般人の理解において、その行為の態様や周囲の状況などから、具体的場合に自分の行為が本法案の適用を受けるものかどうかの判断は可能であると考えております。
○後藤(祐)委員 可能ですか、皆さん。泥や雨で汚れる可能性のあるようなところに国旗を置いた場合、オーケーかどうか判断できますか、自民党の皆さん。車が往来する道路に置いた場合、それが該当するか判断できますか。できないですよ。 これは芸術との関係もいろいろあるわけですよ。ちょっと時間がないから省略するけれども、金曜日にしますが、どのような客体、どのような態様、どのような行為による損壊等が構成要件を満たすのか、そして、どのような場合は違法性阻却されるのかを、具体的な事例で詳細に示す必要があるんじゃないんですか。
○高木(啓)議員 抗議活動や芸術表現としての損壊行為であっても、それが著しく不快又は嫌悪の情を催す方法で行われた場合であれば、構成要件に該当し、処罰対象になり得ますが、仮に構成要件に該当したとしても、個別の事案ごとに具体的な事実関係、証拠関係等を踏まえまして、社会通念上相当と認められる場合には違法性が阻却される可能性があると考えております。
○後藤(祐)委員 何も具体的に言っていないじゃないですか。 これが示せないということは、明確性の原則、すなわち、構成要件該当性の問題があるんですよ。罪刑法定主義違反ですよ。示していないじゃないですか。部会で出せと言ったから、先ほど階委員が言っていた幾つかの事例は示されました。あんなのじゃ全然足りないですよ。 もっと精緻な、先ほど私が言ったような事例も含めて、国旗に何を書くかとかも含めて、具体的な客体、態様、行為、そして違法性阻却はこういう場合になる、それを精緻に具体的に書いたものを提出いただけるよう、委員長に求めたいと思います。
○山下委員長 ただいまの件につきましては、理事会にて協議いたします。
○後藤(祐)委員 ただ、先ほどの答弁の中で違法性阻却の話が出てきたのは大事な話で、構成要件のところで余り差がつけられないとしても、違法性阻却のところを非常に広く読んで、ほとんどの政治的メッセージは違法性阻却される、ほとんどの芸術作品は違法性阻却される、そういうせめて運用にしないと、危ないと思うんですよ、これ。そういうことでよろしいですか。捜査対象を限定するということでよろしいですか。
○長谷川議員 お答えいたします。 違法性阻却事由については、元々、これは委員御案内のとおり、極めて個別性の判断の話でございますが、あえてその当てはめの考え方を申し上げると、今ほど来話しております政治的なメッセージですとか芸術性等々の表現行為についての構成要件該当性の判断は、あくまでも方法規制、構成要件該当性については、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により、公然と国旗を損壊し、除去し、又は汚損した者が該当するということでございます。 その上で、個々の行為について、社会通念上許容されるかどうかという判断において、やはり、その中では、御指摘のとおり、政治的意見を表明するためであったか等の犯行、行為に至る経緯や動機に関わるものとして、違法性阻却の有無の判断に関わることもあり得ると考えています。 ただ、それはあくまでも違法性阻却事由の判断に当たってでございまして、構成要件該当性については方法規制ということで、我々としては峻別をさせていただいております。
○後藤(祐)委員 だから、やはり、長谷川さんの方がちょっと深化した答弁をしていただいてありがたいんだけれども、政治改革のときと全く同じなんですよ。 違法性阻却が、どういった場合は違法性阻却されるのかということをもうちょっと具体的に示していただきたいんです。今ここで答弁で言えというのは無理があると思うので、先ほど私が申し上げたように、政治的メッセージあるいは芸術表現、これについては、よほど政治的表現だとか芸術表現に名をかりた、単純に国旗損壊するような行為がもしかしてあるかもしれないけれども、そういう、ごく一部そういったものを除いて、政治的表現だとか芸術表現は、構成要件の方ではねられることもあるかもしれないけれども、基本的には、ああ、違法性阻却されるという趣旨の文書を提出してください。 委員長、御判断をお願いします。
○山下委員長 理事会で協議いたします。
○後藤(祐)委員 この辺、本当にしっかり出さないと、運用できないですよ、現場で、警察官も。 外国国章の話は先ほどの答弁を踏まえて詰めてやりたいと思うので、四の方に行きたいと思いますけれども、まさに今の政治的意見の表明と単なる嫌がらせとしての国旗損壊行為、どう区別するんでしょうか。 そのときに、今のは紙の内容なのでそれそのものは聞きません、ただ、その区別のためには、結局、四の三ですけれども、行為者の表現目的、つまり内心を調べないと判断できないんじゃないんですか、具体的にどうやって判断するんですか。警察が任意同行して調べることもあり得るんですか。
○長谷川議員 お答えいたします。 御指摘の国旗を損壊する行為の目的が、政治的意見を表明するためであったのか、あるいは単なる嫌がらせであったのかの区別は、先ほど来ずっと繰り返し申し上げていますが、構成要件該当性の判断に関わるものではございません。それは方法規制として客観的に判断する。 その上で、犯行に至る経緯や動機に関わるものとして、先ほど言いました、政治的意見を表明するためであったのか、単なる嫌がらせであったのかについては、違法性阻却事由の有無の判断に関わることもあり得ると考えています。 その上で、その判断は内心を調べないとできないかということでございますけれども、捜査機関においては、これも一般的な話でありますけれども、犯行に至る経緯や動機等に関わる事実についても、証拠を収集し、真相解明に努めるものでありまして、本法案についても、処罰の捜査に当たっては、こうした動機、経緯に関わる事実についても、証拠を収集し、真相究明に努めるものと認識しています。その捜査の一環として、被疑者の取調べにおいて犯行に至る経緯や動機等を確認することもあり得るというふうに考えています。 ただ、内心を取り調べないと判断できないかということについては、これも捜査の一般的なことではございますけれども、犯行に至る経緯や動機等については、被疑者の取調べにおける供述内容だけでなく、客観証拠等を含めた収集された証拠に基づいて最終的には判断されるものでありますので、必ずしも内心を調べないと判断できないものではないというふうに考えております。
○後藤(祐)委員 正直ですけれども、恐ろしい答弁ですよ、今の。やはり、内心を調べないと違法性阻却に該当するかどうか分からない、だから、証拠を集めなきゃいけないから取調べも行う、こういう答弁ですよ。怖くて、国旗に余計なことを書けないですよね。(長谷川議員「それは違います」と呼ぶ)違うというんだったら、もう一回答弁してくださいよ。取調べすることはあり得るんですね。内心がどうであったかが分からないと、実際にこれが警察が逮捕に値する行為かどうか分からないから、結局、この表現目的を調べないと判断できないんじゃないんですか。そして、そのために警察が任意同行で取調べするということはあるということですよね、今の答弁。何か違うというんだったら、違うと言ってください。
○長谷川議員 お答えいたします。 委員の御質問は、内心を調べないと判断できないんじゃないかという御指摘でございましたので、捜査の一環として、被疑者の取調べにおいて犯行に至る経緯や動機等を確認することもあり得るわけではございますが、一般的に、捜査においては、被疑者の取調べにおける供述内容ではなく、客観的な証拠も含めて収集された証拠に基づいて判断されるものでありますので、内心を取り調べないと判断できないということの懸念は当たらないということでございます。
○後藤(祐)委員 任意同行を求めて取調べすることはあり得るということでいいんですね。
○長谷川議員 違法性阻却事由等の捜査の判断において、捜査当局において必要と判断されれば、そうした御指摘の捜査も行われるものと思いますが、これはあくまでも捜査当局の判断であります。
○後藤(祐)委員 まだ、捜査当局が取り調べる可能性もあるということですよね。 最後に、もう一つ心配なのは芸術との関係なんですよ。 実写映画の中で国旗を損壊する状況が流れるような場合は処罰対象外という説明なんですが、公然となされた場合でも対象外だとすれば、その理由は一体何なんでしょうか。 もうちょっとまとめて聞きますが、芸術家が国旗を題材とした作品を制作する場合、自らの作品が処罰対象になるか否かを事前に判断できるんでしょうか。政治的表現や芸術表現を行う者が処罰されないと確信できる、客観的判断のみで区別できる具体的基準を示していただきたいと思いますが、示していただけますか。
○高木(啓)議員 まず、本法案で処罰対象としているのは公然と国旗を損壊等する行為でありまして、その状況を撮影した動画等を見せる行為は処罰対象外といたしました。したがいまして、国旗を損壊等する行為が実写映画のシーンとして流れても、本法案により処罰されることはないと考えています。 その上で、実写映画で、そのような行為を含むシーンを大勢の人が見ている公開ロケ等の撮影の場合においては、著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により公然と行われたとすれば処罰対象となり得るところ、仮にそのように判断される場合にあっても、映画撮影用のセットが組まれているなど、撮影現場であることが明らかな状況であれば、社会通念上相当なものとして違法性が阻却されるものもあり得ると考えております。 また、芸術との関係でいいますと、現代アートや写真作品、インスタレーションは様々でありまして、一概に処罰対象外かどうかを述べることはできませんけれども、例えばそれが国旗の損壊等の状況を撮影した動画や写真集を利用して展示等するものであるとすれば、本法案では、損壊等の行為をした後にその状況を撮影した動画や写真を不特定又は多数人に展示する等の行為は処罰対象外とされているため、処罰されることはないと考えております。 事例につきましては、そもそも、芸術家が国旗を題材とした作品を制作する場合は、アトリエ等で国旗を損壊等する状況を撮影したり、国旗に何かを描いたりして作品を完成させ、それを展示することが多いと考えられますが、本法案は、公然と損壊等する行為を処罰するのであって、損壊等したものを後から見せる行為は処罰対象外であることから、そのような芸術作品が処罰されないことは明らかであると考えます。
○後藤(祐)委員 続きは次回やります。ありがとうございました。
○山下委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十七分休憩 ――――◇――――― 午後一時開議
○山下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。西田薫君。
○西田(薫)委員 日本維新の会の西田薫でございます。本日もよろしくお願いいたします。 今回は、国旗の損壊罪、議員立法ということでありますが、私たち日本維新の会も賛成者といいますか提案者ということでありますので、もちろん賛成の立場から質問していきたいというふうに思っております。 ただ、午前中の質疑の中で、多くの議員の方々がいろいろな角度で質問されました、重複している部分が非常に多いんじゃないかなというふうに思っておりますが、私も二日前に通告はしております、質問を変えられないということで、場合によっては同じ答弁になるかもしれないんですが、御了承いただきたいというふうに思っております。 それと、先ほど自民党の議員さんの質問の中で、文科省からの政府参考人の方が御答弁されておりました。今は来られていないんですよね。国旗を敬う心を育む、これは学習指導要領にも明記をされているということで、現に学校ではそういった指導をしているという御答弁があったんですが、これは全く違います。それは後ほど、一番最後に話をしていきたいというふうに思っております。 それでは、質問していきたいというふうに思っていますが、これも何度も質問が出たと思うんですが、本法案の立法目的について質問していきたいというふうに思います。 現行刑法におきましては、外国の国旗、国章を損壊する、これは刑法九十二条ですね、処罰になる、一方で、自国の国旗にはその規定がないということで、ここもずっと質問が出ていた部分ではあるんですが、自国の国旗だけがこの保護対象になっていない、いわばいびつな構造になっているんじゃないかというふうに思っております。 そういった中で、この現状を法体系上の非対称と捉え、今回の法案で何を是正しようとしているのか、とりわけ、外国の国章損壊罪との均衡という観点から、本法案の立法目的と保護法益、これを簡潔に御答弁いただければと思います。
○黒田議員 お答えいたします。 端的にということでありますので、端的にお答えをさせていただきたいと思います。 まず、立法目的は、日本国旗を公然かつ著しく侮辱する行為を抑止をしながら、国旗を大切に思うという社会的規範を維持、確認をすることが必要かなというふうに考えております。 保護法益にいたしましては、日本国旗を大切に思う国民感情という社会的法益、すなわち、日本社会に広く共有された国旗への尊重感情、象徴としての価値、これをしっかりと保護する必要があるというふうに考えております。
○西田(薫)委員 今、保護法益の件も答弁いただきました。 そこで、この保護法益について質問していきたいというふうに思っていますが、これは報道等で知ったんですが、自民党の皆さんとの協議の中で、今も答弁であったんですが、本罪の保護法益、自国の国旗を大切に思う一般的な国民感情という社会的法益に置いてきたというふうにされていると思うんですね。実際、各地の自治体の意見書などを見ると、国旗、国章損壊は国民感情を著しく害するという表現がなされております。 一方で、この国民感情というのが抽象的な概念で、刑罰、抽象的な概念を刑罰で保護対象にするということは、これは恣意的な運用につながるのではないかという懸念があるという声も聞いております。 そこで、本罪の保護法益を具体的にどのように定義をして、一般的国民感情という概念を罪刑法定主義との関係でどのように正当化をしているのか、例えば器物損壊罪であったりとか威力業務妨害罪が守る法益とどのように区別しているのか、この辺りを御答弁いただければと思います。
○黒田議員 お答えいたします。 今お話ありました外国国章損壊罪というのは、直接的には我が国の外交作用の円滑、安全を保護するものでありますけれども、そのために外国の人々の感情を害するような行為を禁じようとするものであるというふうにも捉えられております。 このように考えたときに、日本国国旗損壊罪がない現状においては、少なからぬ国民にとって、国旗を大切に思う国民の気持ちは万国共通であるにもかかわらず、我が国では、外国の国民の気持ちは保護される一方で、日本国民の気持ちは保護されず、アンバランスであると受け止められる状況にあるというふうに考えております。 このような意味において、本法律案の趣旨は、外国国章損壊罪のみ存在する矛盾を是正することを含むものとしているところであります。 以上です。
○西田(薫)委員 全くそのとおりだというふうに私も思っております。 それでは、次に、構成要件の文言についてお伺いをします。 本法案というのは、日本国旗を人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法又は状況で損壊、除去、汚損した場合というのが刑罰のところに書いていますよね。というのがその処罰対象というふうになっております。ただ、不快、嫌悪という主観的感情というのを構成要件に取り込むことはちょっと曖昧であるんじゃないか、そしてまた、表現の自由を広く萎縮させてしまうんじゃないかという指摘というのも確かにあろうかと思っているんです。 そこで、どういった行為を典型的な処罰対象として想定しているのか、この文言の採用をしたのか、ここを御答弁いただきたい。そして、著しくという限定をどのように解釈をし、例えば通常のデモやパフォーマンス、こういった政治的表現としての行為を処罰対象から外すつもりなのかどうか、具体的な基準や例示をもって御説明いただければなと思います。
○黒田議員 お答えいたします。 本法案二条の罪の保護法益は、国旗を大切に思う国民の感情という社会的法益であると先ほども申し上げましたけれども、本罪と同じく、ある種の社会的に共有されている感情を社会的法益として保護するものとしては、例えば、礼拝所に対する一般的な宗教的な感情を保護する礼拝所不敬罪や、健全な性秩序、性風俗ないし公衆の性的感情を保護する公然わいせつ罪などがありまして、感情を保護法益としているからといって、恣意的な運用につながるのではないかというそのような指摘は当たらないというふうに考えております。 その上で、本法案は、処罰対象について、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により公然とという客観的な行為態様を構成要件とするとともに、その方法に該当するかどうかの判断については、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情に基づいて行う旨を定めております。 このような構成要件は、例えばストーカー規制法や軽犯罪法などに用いられている文言を参考にしたものであり、その意味からも、罪刑法定主義に反するものではないというふうに考えております。
○西田(薫)委員 それでは、次の質問に移りたいと思います。 次は、過去の国旗損壊事件や判例との関係について伺っていきます。 先ほども質問の中で出ていたんですが、我が国では、これまでも、沖縄国体の日の丸焼却事件であったり、国旗の焼却行為が争点となった事案というのがありました。そのときは、威力業務妨害罪などで処理をされている中で、表現の自由との関係というのが議論されてきたと思うんですね。 一部から、こうした判例の分析も踏まえて、現行法で十分対応可能であるんじゃないか、そして、新たなこの犯罪創設の立法事実が示されていない、これは午前中の質疑の中でもあったと思うんですが、そういった指摘もなされておりました。 そこで、まず、過去の国旗損壊事件や裁判例をどのように整理をし、本法案が必要だと判断するに至ったのか、そしてまた、具体的に、既存の器物損壊罪や業務妨害罪では評価し切れない、象徴としての国旗への悪質な侮辱という要素をどのように補完しようとしているのか、できれば事例も含めてお答えいただければと思います。
○黒田議員 例えば、他人の国旗を損壊した場合には器物損壊罪が、国旗を損壊等することにより他人の業務の遂行を妨害した場合には威力業務妨害罪が、そして、橋などで国旗を燃やした結果、橋などを焼損させ、公共の危険を生じさせた場合には建造物等以外放火罪がそれぞれ適用されるなど、現行法で対処できる領域があることは承知をしております。 他方で、例えば器物損壊罪でいえば、自己所有の国旗を損壊したところを処罰されるわけでもなく、また、親告罪であるため、被害者からの告訴がなければ起訴されないということになります。しかし、本法案における保護法益が国旗を大切に思う国民感情である以上、自己所有の国旗であるかどうか、あるいは被害者からの告訴があったかどうかにかかわらず、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させる方法により公然と国旗を損壊等する行為はその保護法益を侵害する蓋然性が高いわけでありますので、そのような行為を行った者は処罰対象となってしかるべきであるというふうに考えております。 このように、現行法では対処できない領域がありまして、国旗を大切に思う国民感情を正面から保護する必要がある以上、本法案を制定する意義があるというふうに考えております。
○西田(薫)委員 答弁ありがとうございます。 それでは、次の質問なんですが、次は、立法事実と必要性について伺います。 報道によりますと、刑法九十二条の外国国章損壊罪においては、実際に判決というのが確認できる適用事例というのは非常に少ないんじゃないかなというふうに思っているんですね。ですので、運用実績は極めて限定的だというふうに思っています。その一方で、与党内からも立法事実が乏しいのではないかというような懸念が示されたと報じておられました。先ほど午前中の質疑の中でもそれを引用された質問というのはあったかと思うんですね。 こうした実態を踏まえた上で、あえて新たな国旗損壊罪を創設する必要があると判断した理由はどういったものなのか、刑法の補完性の原則に照らして、どの程度の頻度や深刻さの事案があれば新罪創設が正当化されると考えているのかどうか、この辺りを御説明いただければと思います。
○池下議員 御質問ありがとうございます。 立法事実に関しましては、例えば、昭和六十二年に、競技会場に掲揚されていた日の丸を引き降ろし、ライターで火をつけて掲げた後、その場に投げ捨て、半分ほど焼失させた事例、平成三年に、大学生四人が大学正門に掲揚されていた日の丸を引きずり降ろした事例、平成八年に、旧日本海軍殉職者記念碑近くのポールに掲揚されていた日の丸を焼いた事例などを確認しております。これらはいずれも器物損壊罪や暴行罪等で検挙された事例で、報道されて事実関係が明らかになったものであるため、確認ができたものでございます。検挙に至っていない事例であればこれ以上になるものと考えております。 そして、SNS等が加速度的に普及し、グローバル化が進展する中で、国内にとどまらず、海外でも生じている国旗を損壊する等の行為がリアルタイムあるいはそれに近い形で我が国の人々が知るところになり、過激であればあるほど耳目を集め、様々な形で影響を与えることは否定できません。このような事情も踏まえつつ、国旗を損壊する等の事案の発生を将来に向かって抑止する必要があることも立法事実の一つであると考えております。 以上が、本法案の立法事実として前提としているものであり、刑罰法規を立法する際のものとして必要かつ十分なものだと考えております。 以上です。
○西田(薫)委員 御答弁ありがとうございます。 それでは、次に、法案作成過程で、修正経過について伺っていきたいと思っております。 当初の検討段階では、損壊された国旗を掲げる行為や国旗損壊の様子を動画配信をする行為まで処罰対象に含める案が検討されたかと思うんですね、事後も含めて。ところが、表現の自由への懸念から削除されたというふうに聞いているんです。 そこで、どういった議論を経て、どの条項を削って、最終的に現在の条文構成に落ち着いたのか、その結果、本法案は表現の自由への配慮としてどの程度まで修正が加えられたと評価をされているのか、あわせて、附則で施行後の見直しをうたった趣旨、そしてその見直し時にどのようなデータ、事例を重視すべきと考えているのか、具体的に御答弁いただければと思います。
○黒田議員 おっしゃられるように、当初の検討段階の案では、公然と国旗を損壊する等の行為が、国旗を大切に思う国民感情を最も害する可能性が高いと考え、次に、自ら損壊している動画を事後的に配信する行為も法益侵害の程度は実質的に同じと評価できるものと考えて、後者の行為も、前者の行為と同様に処罰対象とすることとしておりました。 しかし、自ら損壊等している動画を事後的に配信する行為を処罰対象とすることについて、表現の自由を不当に制約するものではないと我々は認識をしておりましたけれども、各党との協議を進める中で、各党からの御指摘も最大限に配慮をして、本法案では、処罰範囲を、中核となる、公然と損壊等する行為に限定をしたものであります。 なお、検討条項を設けた趣旨は、本法案で処罰対象となる公然と国旗を損壊する行為以外にも、例えば、先ほど述べられました、自ら国旗を損壊し、その様子を撮影した映像をSNSで事後配信するという行為、そして、既に損壊され又は汚損された国旗を人前に掲げるような行為も、公然と損壊等する行為と同程度に国旗を大切に思う国民感情を害する可能性があるのではないかとの指摘があったことも踏まえまして、法施行後三年をめどに、本法律の規定について、国旗を大切に思う国民感情を保護するのに必要かつ十分なものとなっているかどうか等の観点から検討を加え、必要があると認められるときは、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるものであるというところであります。 以上です。
○西田(薫)委員 御答弁ありがとうございます。 今日午前中の質疑の中でもあったと思うんですけれども、ライブ配信だったら駄目であって、事後だったらいいというのがやはり私も分かりにくいかと思うんですよね。例えば十秒後に配信するとなった場合どうなのかというようなことであったりとかというのが、いろいろ出てくるんじゃないかなというふうに思うんです。今御答弁の中で、三年後に見直し、全般を含めた見直しということだと思うんですけれども、見直しされるということですので、そういったものもきっちりと今後検討していかないといけないなというふうには個人的には思っております。 それでは、次の質問に移りたいと思いますが、次は、国旗への敬意をどう育てるかという観点から質問していきたいというふうに思っております。 世論調査を見ますと、各社もいろいろ分かれるんですが、国旗損壊罪に賛成というのが半数以上いらっしゃる。しかし一方で、必要性が乏しいであったりとか、愛国心の強制につながる、そういった否定的な意見を言われる方もいらっしゃいます。国旗への敬意というのは、本来、罰則による恐怖ではなく、自発的な尊重として根づくべきだというふうな指摘もあるんですね。 そこで、本法案の成立後、学校教育や社会教育と一体でどのように国旗への理解と敬意を育てていくべきなのか、御答弁願います。
○黒田議員 今御質問いただいた中でありましたように、その心を養うに当たっては、ある意味、強制的にやるべきではないというのは、そのとおりだというふうに思っております。その上で、本法案は国旗への敬意を強制するものではなくて、あくまで国旗を大切に思う国民感情を保護するため、国旗を一定の方法で損壊する等の行為について処罰規定を設けようとするものであります。 国旗への敬意は、まさに国民一人一人の自発的な思いに基づくものでありまして、それが国民一般に広く定着していくことが望ましいというふうに考えております。このような思いを育むためには、自国の伝統や文化を理解し、尊重しつつ、同じように他国の文化にも敬意を払うということも極めて重要であるというふうに認識をしております。 そして、そのような態度は、学校教育の場において自国や他国のよさや課題を知識として学ぶとともに、それらを客観的に見る視点を育てていくことを通じて身につくものであるというふうにも考えられますし、さらに、それだけにとどまらず、家庭、職場といったふだんの生活の場における他者とのコミュニケーションを通じて、自他の人格を尊重し、他人を思いやる心を育むことも重要であるというふうに考えております。そのような取組を、学校教育や社会教育とが一体となって進めていく必要があるというふうに考えております。
○西田(薫)委員 御答弁ありがとうございました。 私も、この質問をしたものの、今いろいろな要素を基にというような御答弁だったと思うんですけれども、本来は自発的というか、当たり前に、国を思うという気持ちは皆が持っているかと思うんですよね。 今日答弁に立たれる議員の皆さんもそれぞれ御地元があろうかと思います、そして生まれ育ったふるさとがあると思います。ふるさとは好きですよね、愛していますよね。これは、国際感覚といいますか、外国に行った場合でも、日本で生まれ育ったということにやはり自信、誇りを持つかと思うんですよね。本来、自分の生まれ育った場所というのは愛着を持ちますし、自発的にそういう思いというか、それは生まれ持ってそういう気持ちになるものだというふうに思っているんですよね。 ただ、一番最初、冒頭に言いました、そうじゃないというのは、やはりいまだに自虐史観を基に偏向教育が行われている、私、昨年、一年前ですか、衆議院予算委員会でもそういう指摘をさせていただいたんですが、こういった現状がある、だから、国旗であったり国歌を否定しようという思いが芽生えてくるんじゃないかなと。そこをやはりしっかりと変えていかないと、しっかりとした教育をしていくようにならないと、なかなか大きな、根深い問題じゃないかなというふうに思っているんですね。 平成二十三年に、大阪府におきましては、国旗の常時掲揚の条例を制定させていただきました。常時というのは、もちろん御承知のとおり、毎日掲揚するという意味です。 その背景は、実は昭和三十八年に大阪府議会で、府の所有する施設には国旗を常時掲揚しようという決議が採択をされたんですね。昭和三十八年です、ちょうど翌年に東京オリンピックを迎える前年にあって、日本全体でこの機運を盛り上げようということから、大阪府におきましては、昭和三十八年、国旗の常時掲揚する決議が採択をされたわけなんですね。通常、我々、三十八年決議というふうに言わせていただいていたんです。 その提出者の中に、当時府会議員で、その後国会議員になった方というと、例えば北川石松先生であったり中山太郎先生も、その決議の提案者に名前が連なっておられました。 それ以降、大阪府の府有施設というのは国旗が常時掲揚されることになったんですが、ただ、学校であったり教育委員会所管の施設というのが全く無視をされ続けたわけです。 そして、平成二十二年に、私、その現状を捉えて、大阪府には、決議がなされているにもかかわらず、教育委員会はそれを全く無視している、これはおかしいんじゃないかということを、当時私は大阪府議会議員でありましたので、教育常任委員会で質問させていただきました。すると、教育長の答弁は、法的拘束力がないからということを言われたんですよね。だったら条例を作りましょうということで、ちょうど平成二十三年四月に私たち大阪維新の会が大阪府議会で初めて過半数を取りまして、大阪維新の会が真っ先に作った条例というのがこの国旗の常時掲揚の条例だったんですね。というのが大阪府にはあったんです。 そこで教育の正常化も含めて大分変わってきたんじゃないかなというふうに思っていたんですが、令和三年です、今から五年前になるんですが、私はその当時も大阪府議会議員でありまして、政調会長をさせていただいていたんですが、府議会の本会議で質問したことなんですが、常時掲揚の条例ができた、それでようやく学校も国旗を常時掲揚することになったんですが、ただ、二十四時間三百六十五日ずっと掲揚しているんですね。雨風に打たれて、日の丸がぼろぼろになっているんですよ。近所の皆さん、地域の皆さんであったりとか、PTAの皆さんも、この現状はおかしいでしょうと、学校に何度も抗議に行ったんです。しかし、学校は全然改善をしようとしなかった。そこで私が本会議で質問をしました。その翌日から、常時掲揚というか、二十四時間ずっと掲揚しっ放しというのがようやくなくなったんですね。 そのときも、一部の教職員の人たちは、条例においては、執務時間において国旗を掲揚することということが条文に書かれているんです、そこで、一部の教員の皆さんたちは、降納が書かれていない、だから降ろしていないんだと、こんな言い訳といいますかね、理由づけをされたんですね。だから、本当に、抵抗する皆さんというのはここまで抵抗するのかと。ぼろぼろになった日の丸を見ても何にも思わない、むしろそれを喜んでいるというのが、本当に悔しい思いでいっぱいだったんですね。そういったのが現に大阪でもあったんです。五年前にこれがあったことですからね。ようやくそれが改善されたというふうに思っております。 今回こういった法案を機に、やはり教育というのは本当に大事だと思うんですよね。生まれ育った町であったりとか国というのは本来愛すべきものでありますから、それを否定した教育があるからこそ、今回こういった法案制定においてもいろいろな意見が出てくるんじゃないかなというふうに思っておりますので、やはり教育は大事です。 私は、今回この法案が成立した暁にはといいますか、成立を機にそういった教育の正常化というのを、もう一度、出発点になるんじゃないかなというそういった思い、そういった意味も持って、私はこれは大賛成していきたいなというふうには思っております。 もう時間が参りましたので。 ただ、私、ずっと、地方議員時代から、自分の事務所には国旗を常時掲揚しております。今日答弁に立たれている議員の皆さんも、地元の事務所に国旗掲揚されている皆さんもいらっしゃろうかと思うんですが、是非、今日はこういった委員会審議で答弁もされているということですので、御地元の事務所にも国旗を常時掲揚していただきたい、これは毎日という意味です、常時掲揚していただきたいということを申し上げて、私の質問を終了とさせていただきます。
○山下委員長 次に、森ようすけ君。
○森(よ)委員 国民民主党の森ようすけでございます。 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。 この国旗損壊罪の法案について、まず大前提として、他国の国旗と同じように我が国の国旗を尊重して、損壊してはならないという考え方は基本だというふうに私も捉えております。やはり国旗を大切に思う国民感情を保護すること、これは大変重要なことであります。 その上で、この法案に関しては、我が党、国民民主党も共同提出をしているところでありますが、幾つかの点で懸念があるというふうに認識をしております。具体的には、これまでの質疑にも出てきましたが、罪刑法定主義の観点から構成要件が不明確であること。処罰範囲を過度に広げないために、どのような対象物に対する行為が処罰対象となるのか、こちらについて立法者としての意思を確認することが必要であるというふうに認識をしています。加えて、憲法が保障する表現の自由を過度に制約することなく、適正な調和を図ること。 こうした懸念を持っているところでありますので、こうした点について国会質疑を通じて解消していくことが大切なことだと考えておりますので、そうした観点から、本日は、国民民主党の提出者、そして自由民主党の提出者、それぞれについて御質問をしていきたいと思います。 まず最初に、立法事実についてお伺いをいたします。 この法案の立法事実とは、これもこれまでの審議でもなされておりましたが、これまで、国内における国旗損壊行為として、具体的にどのような事例があるのか、とりわけ、そのうち器物損壊罪が適用されない事例としてどのようなものがあるのか、国民民主党の提出者にお伺いいたします。
○飯泉議員 お答えをさせていただきます。 まず、一番至近な、特に報道をなされた事例としては、平成二十年の事例がございます。これは、神社に参拝に来られた参拝客、そこから国旗を強奪をいたしまして、それを踏みつける、さおを折るという行為がありまして、これは今もお話がありましたように器物損壊罪、これによって処罰がなされたところであります。こうした点が報道でなされた一番至近の例ということですが、それ以外にも、確かに認められているものが四点、これは午前中の審議でも出たところでもあります。 ただ、これ以外のものとして、器物損壊以外でどういったものが処罰されたのかというのは、一つ暴行罪があるというふうには聞いております。 以上です。
○森(よ)委員 今、一つ具体例を挙げていただきましたが、それ以外でも、本日質疑にも出ておりましたが、例えば、国体の会場に掲揚されていた日の丸を引き降ろして、ライターで火をつけて掲げた後、その場に投げ捨てて、半分ほど焼失をさせ、逮捕されたといったような事例もあるというふうに私としても認識しているところであります。 ところが、これは、今御答弁いただいたとおり、ほかの法律、ほかの罰則によって処罰されている例が多々ある中で、なかなか、この国旗損壊罪を新たに立法して、立法事実が明確ではない中、本当にこれが必要なのかというところは明確に丁寧に説明することが国民に対して必要なことだと考えているんですが、立法事実がなかなか明確ではない中で、国旗損壊行為に対して刑罰を科すこの法案をなぜ必要だと捉えているのか、お伺いいたします。
○飯泉議員 お答えをさせていただきます。 事例につきましては、先ほど御答弁をさせていただいた点、あるいは森委員から言われた点、国内にはあるところでありますし、検挙に至ったものであるということでございます。 ただ、今、グローバル化がどんどん進む中で、インターネット、こうしたもので、海外において、自国の国旗を損壊をする、又は目立つという行為、これがどうしてもネットの世界では盛んになされるということで、そうしたものが国内に目立てば目立つほど入ってくる、こうした事例があるところであります。 そこで、そうした事情を踏まえつつ、国旗をそうした形での損壊をしていく、愉快犯ではありませんが、そうした風潮が広がる、こうした点を予防的に抑える必要があるのではないか、予防的ないわゆる立法事実、こうしたものを踏まえる必要がある、このように考えているところであります。
○森(よ)委員 まさにこうして御答弁いただきましたとおり、SNSでしたりインターネットの普及によって状況が変わってきていること、加えて、予防的な取組が必要だということが立法事実だということで御答弁いただきました。理解させていただきました。 次の項目に移りますが、今回の法案の条文を見てみると、具体的に処罰となるような行為について細かく規定をしているというよりかは、抽象的に書いているような条文であるというふうに認識をしております。 加えてなのですが、二条の二項において、この対象に該当するか、この方法に該当するかの判断については、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案して行うものとするというような規定もされておりますが、明示的に行為を縛っているというよりかは、ある程度の幅を持たせているような条文、法律になっているというふうに認識をしております。 そこで、お伺いをしますが、この罰則となる対象行為を明確に示せていない法案となっておりますが、罪刑法定主義の観点から問題ないというふうに認識をしているのか、お伺いいたします。
○飯泉議員 お答えをさせていただきます。 罪刑法定主義、委員おっしゃるとおりでありまして、やはりこの中で一番重要なのが明確性の原則ということであります。それはいかに担保されるのかといった点でありまして、特に、二条二項、ここのところに、解釈の判断に当たっての基準を示しているところでありますし、また、考慮的な要素、こうした点についても明かしているところであります。 また、明確性の原則ということであれば、これまでの様々な法令、こうしたものに用いられている表現ということで、例えば、ストーカー規制法二条第六号であるとか、あるいは軽犯罪法の第一条の二十号であるとか、あるいは自然公園法、こうしたものの形といったものを示させていただいているところでありまして、罪刑法定主義、特に明確性の原則にもとるものではない、このように考えております。
○森(よ)委員 御答弁ありがとうございます。 今回の国旗損壊罪の法案で用いているような、条文として、前例がない表現をしているわけではなくて、ストーカー規制法であったり、軽犯罪法であったり、自然公園法であったり、既存の法令において用いられている用例を使いながら、条文を工夫しながら作られているということで認識をさせていただきました。 ただ、いずれにせよ、この国会質疑の中で、具体的にどの行為が処罰対象になり得るのか、こうした行為については処罰対象となり得ないのか、こうしたことを具体的に国会質疑を通じて国民の皆さんに届けていくこと、そして裁判規範となるようなことを積み上げていくことも大切だと考えておりますので、その点は後ほどお伺いをしていきます。 具体的に条文を今述べさせていただきますと、二条の一項においてどのように書かれているかというと、「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」というような規定ぶりというふうにされているんですが、これも人によって捉え方は様々だというふうに認識をしております。「著しく不快又は嫌悪の情」というような規定がされておりますが、この不快感、嫌悪感というものはどの程度のものを想定をしているのか。どこからが「著しく」に該当するのか。また、国民の考えはやはり多様ですよね。いろいろな国民がいる中で、この行為を不快と思うのか、不快じゃないと思うのか、人によって様々だというふうに思います。 そうした多様な国民がいる中で、ここで言う、法律で言う「人」というのは誰を一体想定しているのか、お伺いいたします。
○飯泉議員 お答えさせていただきます。 著しく不快又は嫌悪の情、一体誰かということでありますが、こちらにつきましては、例えば、それを行った行為者であるとか、あるいはこれを見た者、その皆さん方が著しく不快あるいは嫌悪感を覚えたということではなくて、あくまでも、一般通常人の皆様方が見たとして、ひどく快く思わないとか、あるいは不愉快を感じさせる、こうしたものを対象にするということがまず一つ。 さらには、その損壊行為、これにつきましても、一連の行為、その過程で行われたのか、あるいは周囲の状況、例えば非常にウェルカムな状況でなされたものなのか、非常にバッシング、そうした環境の中でなされたのか、こうした点におきましても大きく変わるところでありまして、客観的な情勢、これを総合的に勘案する中で、社会通念によって判断をするもの、このように考えております。
○森(よ)委員 なので、まさしく御答弁いただいたとおり、特定の誰かが嫌悪の情を持った、不快に感じたということでは罰則に当てはまるものではなくて、一般通常人、平均的な日本人の多数が嫌悪の情そして不快に感じた場合に限って、客観的に、そして総合的に考慮した上で該当するのか該当しないのかということで判断されるというふうに認識をさせていただきました。 続いて、この二条一項においては、こうした「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により、」の次に、「公然と国旗を損壊し、除去し、又は汚損した者」というように続くわけでありますが、ここでの規定の公然というのが具体的に何を指しているのかということをお伺いしたいと思います。 公然というのは、不特定多数の人が知ることができる状態だというふうに私としては認識をしているんですが、この公然の範囲、具体的にどのような範囲を想定されているのか、お伺いいたします。
○飯泉議員 お答えをさせていただきます。 公然とはということにつきましては、不特定又は多数ということであります。 不特定又は多数ということでありますから、不特定であっても少数であるとか、あるいは逆に、少人数であっても不特定であるといった場合に公然に該当するということになる。また、特定しても、それが多数人数であれば、当然これも公然に該当するということ。オアという関係であるということであります。 具体的にどういった範囲なのかというお尋ねが今あったところでありますが、なかなか、こうであるということを断言するところが難しいところではありますが、今申し上げたように、公然についての解釈、例えば、罪刑法定主義、明確性の原則という点でいきますと、公然わいせつ罪、これは刑法の百七十四条に当たりますが、そうしたものであるとか、あるいは、わいせつ物頒布罪、これは刑法の百七十五条、また、礼拝所不敬罪、これは刑法の百八十八条の第一項などにおけるそれと同様であるところでありまして、そうした意味で、具体的に当てはめるということになれば、これらの罪の裁判例、積み重ねが参考になるかと思っております。
○森(よ)委員 御答弁ありがとうございます。 まさに、この点についても、この法案独自の表現として公然というのを使っているわけではなくて、既存の法令でも使われているような判例を生かしながら、活用しながら、前例としながら、公然に当てはまるのか、当てはまらないのかということを判断していくというふうに認識をさせていただきました。 この公然のところではあるんですが、まさに一番初めに御答弁いただいたとおり、今、SNSであったり、インターネットの技術であったり、そうした進歩が見られる中で、ライブ配信ということも一般的に想定し得る事象なのかなというふうに考えております。 仮に、特定の方が、ライブ配信、これはXでもユーチューブでもいいんですが、ライブ配信の中で、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法で国旗を損壊等した場合、これは、この法律において、公然に含まれることになるということでよいのか。 加えて、ライブ配信といっても、人気のライブ配信者もいれば、人気がないライブ配信者もいると思います。人気がないライブ配信の場合、同時接続者数がすごく少ないこともありますよね、五人とか三人とか、分かりませんが。そうした人気のないライブ配信、同時接続者数が少ない場合においても、公然とには該当し得るのでしょうか。その点、お願いいたします。
○飯泉議員 お答えさせていただきます。 公然とは、先ほど引用させていただきました公然わいせつ罪、刑法の百七十四条における公然と同様に、物理的な空間であるのか、あるいはネット空間であるのか、こうした点については問わないということが一つ。 また、不特定又は多数、この認識ができる状態をいうところでありまして、人前で国旗を損壊する、そうした場合のほか、国旗を損壊等している状況をライブで配信をする、こうした場合にも当然含まれるということになります。 そして、現実に不特定又は多数の認識をしたことも必要ではなく、不特定又は多人数が認識をできる可能性、こうしたものがあれば足りるために、例えば、ライブ配信の同時接続者が少ないといった場合でも、それをもって直ちに公然ではないということにはならず、また、不特定又は多数の人数が認識をできる、そうした可能性があったのであれば、公然に該当すると考えられるところであります。
○森(よ)委員 具体的な御答弁、ありがとうございます。 まさに、ライブ配信というのは公然に当てはまる、そして、人数の多い少ないということが関係してくるのではなくて、多数の者が見ることができる環境下においてライブ配信をするということが一つのキーワードになってくるというふうに認識をさせていただきました。 こうしたように、この法案においては、罪刑法定主義の観点から、具体的に処罰行為を具体化していくことが重要である一方で、大事なところでは、表現の自由であったり、芸術活動も含めて、余り処罰範囲を過度に広げ過ぎないことというのが大事だと思っております。 そうした中で、現行の法案の第二条第二項において、この判断については、「行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案して行うものとする。」というような条項が設けられているわけでありますが、ここの条項はいい条項だと思うんですが、これが拡大的に解釈される条項だと逆効果だというふうに認識をしております。 一方で、抑制的に判断することであれば、例えば、芸術活動であったり政治的意見表明を目的とするようなことだと捉えられるのでこれは処罰対象じゃないよねとか、そうした抑制的に判断するためにこの条項を解釈していくことが重要だというふうに認識をしているんですが、この条項を設けた趣旨として、抑制的に判断するためなのか、それとも拡大的に解釈するためなのか、そちらをお伺いいたします。
○飯泉議員 お答えをさせていただきます。 今御指摘をいただきました本条、二条の第二項についてでありますが、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法に該当するかどうか、その判断につきましては、行為の外形、あるいは周囲の状況、先ほど、ウェルカムなのか、あるいはバッシングなのか、申し上げたところでありますが、その他客観的な状況に基づいて行う旨定めているところであります。 そこで、本法案が、個人の内心、こちらに立ち入って規制を例えば加えたり、また表現の内容に着目をして規制を加えたりすることではないということをより明確にするため、といいますのも、第三条の中に、憲法の規定である第二十一条の表現の自由についての配慮、こうした点もつけ加えているところでもありますので、これらと相乗的な効果、これをもたらす、つまり、規制的に入れている、このようにお考えをいただければと思います。
○森(よ)委員 御答弁を聞いて安心しました。 こうしたように、拡大的に解釈をするのではなくて、できる限り処罰範囲を広げないようにしていくための条項であるというふうに理解させていただきましたので、表現の自由であったり、芸術活動であったり、政治的活動であったり、そうしたことを過度に制約しないような運用をしていくべきだというふうに認識をしております。 続いて、表現の自由の項目についてお伺いをしてまいります。 この国旗損壊罪の法案に関しては、国会への提出の前に、与野党でこうして交渉をしながら、条文協議をしながら、今の形になって国会に提出がされたものというふうに認識をさせていただいております。 元々の与党案に含まれていた、今の二条二項ではなく、旧二条二項といいますか、元々の二条二項においてどのような条文が入っていたかというと、二条一項に掲げる方法により国旗を損壊し、除去し、又は汚損し、その状況を撮影した者が、その撮影した映像を記録した電磁的記録その他の記録を不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列したときも、二条一項と同様とするというような規定が元々入っていたわけですけれども、これが我が党との交渉の過程で削除されたというふうに認識をしております。 まず、自民党の提出者にお伺いいたしますが、この旧第二条第二項を設けていた理由、趣旨についてお伺いいたします。
○藤原議員 与党原案では、御指摘のとおり、元々はそのような条項がございました。 これにつきましては、公然と国旗を損壊等する行為が、国旗を大切に思う国民感情を最も害する可能性が高いと考え、処罰対象にしております。その上で、自ら国旗を損壊等している動画を事後的に配信する行為も法益侵害の程度は実質的に同じと評価できるとの考えの下、後者の行為も前者の行為と同様に処罰対象とするということにしていたわけであります。
○森(よ)委員 元々の与党原案においてはそうした条文が入っていたわけなんですが、交渉の過程でこの旧二条二項というものは削除されたわけです。 原案では処罰対象とされていた行為が、この条項を削除することによって対象外になったわけですけれども、その削除によって対象外となった行為、具体的にはどのようなものが含まれますでしょうか。
○藤原議員 条文に記載のとおりでございますけれども、自ら国旗を損壊等している状況を撮影した動画、これにつきまして事後的に不特定又は多数の人に向けてネット等で配信するなどの行為、こういう行為が処罰の対象外になったということであります。
○森(よ)委員 まさに、この条項が残っていると、事後的に放送した、事後的に配布したものまで処罰対象になるわけですから、表現の自由の観点からは極めて重たい制約になるというふうに私も認識しているところでございます。 国民民主党の提出者にお伺いいたしますが、この規定については、国民民主党、我が党との交渉過程によって削除されたわけでありますが、この条項をなぜ削除すべきだと考えたのか、その点についてお伺いいたします。
○飯泉議員 お答えをさせていただきます。 やはり今、自民党藤原提出者の方からもお話がありましたように、我が党に示された原案、この中には、自ら国旗を損壊し、その映像を撮って、例えばその後でアーカイブあるいは予告配信をする、こうしたものも実は処罰の対象になっていたところであります。 しかし、やはり一番重要なのは憲法第二十一条第一項、表現の自由、これをしっかりと担保をしていく、さらには、萎縮を社会的にさせてしまう、こうした行為をなるべく除去していく必要があるということがありまして、公然の部分のみ残すという形での、国旗を大切に思う国民の皆さん方のその感情を害する蓋然性が最も高い、今申し上げた中核的な行為である公然と国旗を損壊する行為に限定をすべきではないかという形で御理解をいただいたところであります。
○森(よ)委員 まさにこの表現の自由をしっかり確保していくこと、そして、この法律が成立されることによってそうした活動が萎縮されないようにしていくことが極めて大切なことだというふうに私も認識をしているところでございます。ですので、与野党間の事前の協議の中でそうした表現の自由に配慮されていないような条項がしっかり落ちた上で国会に提出されていることは非常によいことだというふうに私も認識をさせていただいているところでございます。 続いて、罪刑法定主義のところに戻りまして、やはり国会の質疑を通じて、禁止される行為の外縁をしっかり画して、裁判規範となるような類型を示すことが、罪刑法定主義の問題を解消する上で一つ重要なことであるというふうに考えております。この国会質疑を通じて、何をしたら駄目なのか、ここまではしたらいいのかということが具体的に明確になることで、国民の皆さんもこの国旗損壊罪の必要性を十分理解していただけるものだというふうに認識をしますし、その後の警察の取締りなども含めて、運用もよくできるようになると思いますので、しっかり各個別行為について、これはいいのか、これは悪いのか、こうしたことを国会質疑を通じて明確にしていくことが大事だというふうに考えておりますが、提出者としてはいかがでしょうか。
○飯泉議員 お答えをさせていただきます。 罪刑法定主義の観点からは、やはり刑罰の法規、その構成要件、この明確性がまさに要求をされるもの、このように考えております。その意味では、委員おっしゃるとおり、国会での審議を通じまして、可能な限り、刑罰の対象、どれがアウトでどれがセーフで、ただ、全てが白黒つけられるわけではない部分があるわけでありますので、しかし、その行為を明らかにしていく。午前中でもそうした点に多く時間が割かれたところでありますので、その点は大変重要なことである、このように考えているところであります。
○森(よ)委員 なので、具体的にこの行為はマルで、この行為はバツでと、なかなか、言い切れるものと言い切れないものがある、それはそのとおりだと思います。そのための二条二項だというふうに認識をしています。行為の外形であったり、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案した上で、マルなのかバツなのかを判断していくというわけなんですが、この国会の質問の中で、ある程度、具体的に、この行為はいいのか、この行為は駄目なのか、そうしたことを明示的に確認していきたいというふうに考えております。 提出者として、具体的に、この国旗損壊罪の規定に該当し得る事例としてどのような事例を想定しているのか、そして、この行為については基本的に該当しないと思われるような事例は何なのか、その点、二つの点についてお伺いいたします。
○飯泉議員 お答えをさせていただきたいと思います。 まず、該当し得るのではないかといったものについて、四点ほど挙げたいと思います。 例えば、駅前広場などで、人通りの多い場所で、自ら持参した国旗を引き裂き、燃やしたり、切り刻んだりした行為。また、国や自治体の庁舎前に掲揚されている国旗を引きずり降ろす、そして投げ捨てる場合。また、公園や公道などで、国旗を勢いよく踏みつけて泥だらけにする場合や、国旗にふん尿などをすりつける、そして汚す行為。また、自宅で、自室で自ら国旗を切り刻んで燃やしている状況をスマホで撮影し、その動画をライブ配信をする場合。 今度は逆に、基本的に処罰対象にはならないのではないか、六点ほど挙げたいと思います。 古くなった、あるいは汚れてしまった国旗を廃棄するために屋外の人目につく場所でその国旗を焼却する場合。また、イベントで配布した小旗をイベント終了後に回収して廃棄をする場合。また、国旗を殴る場合。また、イベント会場に掲揚されていた国旗、こちらが照明施設に絡まり感電や落下の危険性があるため国旗を切って除去する場合。スポーツ大会などで我が国の代表チームを応援するために国旗に寄せ書きをする場合。また、実写映画の中で国旗を損壊をする状況が流れるような場合を想定しております。
○森(よ)委員 詳細に、該当し得る行為、そして基本的に該当しないと考えられる行為について、それぞれ列挙をして御説明をしていただき、ありがとうございます。 もう少し、それ以外にも、私として、これは入るのか、これは入らないのか、疑問に思うところもありますので、確認も込めまして、幾つかそれぞれ確認していきたいと思います。 まず一つ目としては、これはよくいろいろ見ることもあるんですけれども、街頭演説などの際に、事前に日本国旗に対して例えばバツの印をペイントしたものを街頭演説などに持ち込んで、それを振る行為というのはありますよね。これを見ると私も嫌な思いをするんですよ。日本国旗にバツ印が書かれていて、振られると、それは見ると嫌ですよね。こうした行為、一般的に皆さんも経験されること、見たことがある方も多いと思うんですが、こうした、事前に損壊、汚損した国旗を掲げる行為については、この法律上はどのように扱われるのでしょうか。お願いいたします。
○飯泉議員 お答えをさせていただきます。 先ほどの場合も、実はこの頭がかぶるところなんですが、実は、提出者として全て明確に答えるというのがなかなか難しい、最終的には司法の判断になる、こうした点については是非御理解をいただきたいと思います。その意味で、可能な範囲でお答えをさせていただいた。 その中で、街頭演説、この点につきましては本案の処罰の対象にはならない、このようにまず考えているところであります。
○森(よ)委員 こうしたように、事前に損壊、汚損した国旗を街頭演説などに持ち込んで振っても、それは処罰の対象にはならないというふうに理解させていただきました。 済みません、ちょっと質問を飛ばしてお伺いしたいんですが、自民党の提出者にお伺いしたいと思います。 街頭演説の際に事前に損壊、汚損した国旗を掲げる行為は、処罰の、罰則の対象外とされております。ただ、これは、やはり私もそうですけれども、見ると著しく不快感を感じる行為だというふうに思うんです。一方で、この法律においてはこの行為は含まれていないわけですけれども、条文の制定過程において、なぜこの行為は罰則に含まないというふうに判断されたのか、理由をお伺いいたします。
○藤原議員 先ほど飯泉先生からお話がありましたとおり、処罰の対象にならない可能性が高いということでございました。 本法案は、公然と国旗を損壊等する行為を処罰対象としております。これは、国旗を損壊等して、その状況を人に見せる行為が、保護法益である国旗を大切に思う国民感情を侵害する蓋然性が最も高いと考えたからであります。 これに加え、議論の過程においては、損壊等した国旗を公然と提示する行為、これを処罰対象とすべきかどうかについても様々な検討を加えました。この点、確かに、損壊等した国旗を公然と掲示する行為も、本法案の保護法益である国旗を大切に思う国民感情を侵害する蓋然性は一定程度ございます。先生の方からもそういう問題意識がございました。他方で、まさに国旗を損壊等している状況をありありと人に見せる行為こそが、刑罰をもって対処すべき程度に国旗を大切に思う国民感情を侵害する蓋然性が高い行為であると考えたところであります。 このため、既に損壊済みの国旗を人に見せる行為は、損壊等するそのリアルタイムの状況を人に見せてはいないため、処罰対象からは除外をするという結論に至ったものです。
○森(よ)委員 こうしたように、現状においては処罰対象には入れられていないわけなんですけれども、附則においてちゃんと記載がされていて、いいことだなというふうに思うんですが、「損壊され若しくは汚損された国旗を公然と陳列する行為又はこれに類する行為の発生の状況」、こうしたことを踏まえて、「検討が加えられ、必要があると認められるときは、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるものとする。」というような、附則にも設けられていますので、今のこの法律が完成形ではなくて、しっかり施行状況を見ながら、必要に応じて見直していくということが必要だというふうに私としても認識しているところでございます。 先ほどの質問に戻りまして、様々な行為として次に想定されるものとしては、例えば、雨の日に国旗を掲揚する行為というものも入るのか入らないのかということをお伺いしていきたいと思います。 というのも、我が党の議員の中で自衛隊出身の議員がおりまして、その議員が言っていたのは、自衛隊では、雨の日には国旗は基本的に掲揚しない方がいいと。掲揚するときは、雨の日用に作られた国旗というのがあって、それを掲揚するというふうに言って、しっかりと使い分けをして、普通の国旗を雨の日には掲揚しないようにしているということを強く指導されたということを、自分の体験を踏まえながら党内で話していたんですね。 なので、こうした雨の日に国旗を掲揚する行為も、一部の方からすると、嫌悪の情を催すような可能性はあるわけなんですけれども、雨の日に国旗を掲揚する行為というのは罰則対象となり得るのか、その点についてお伺いいたします。
○飯泉議員 お答えをさせていただきます。 雨の日に国旗を外へというと、スポーツイベントであるとか様々な集会、屋外で行われる式典など、こうしたものが想定をされるわけでありますので、そうした場合には、基本的には処罰の対象にならない、このように思うわけではありますが、その中には、逆に、故意でもって国旗をそうしてしまおうという場合があるかもしれませんので、そうした場合は、客観的な情勢、これを勘案して決めるということになるかと思います。
○森(よ)委員 続いて、ライブ配信については公然とに該当することになるので、ライブ配信において国旗を破る行為、汚損する行為というのは罰則対象になり得るというような御説明をいただいていましたが、改めて確認します。 ライブ配信ではなくて、アーカイブでの動画投稿ですね。映画ももちろんなんですが、ユーチューブでしたりXなどの各種SNSにおいて、国旗を損壊した動画を撮影して、それをアーカイブとして投稿すること、加えて、メールであったりLINEオフィシャルなどの、こうした一斉配信、一斉投稿するようなツールを用いて、撮影した動画を届けること、これは罰則対象になり得るのか、その点についてお伺いいたします。
○飯泉議員 お答えをさせていただきます。 いずれも、公然の概念に当たらないところとなりますので、本案の処罰対象にはならない、このように考えられるかと思います。
○森(よ)委員 アーカイブでのこうした投稿は処罰の対象にならないという明確な御答弁をいただきました。ありがとうございます。 少しちょっと細かいんですが、ライブ配信とアーカイブでの投稿のすごく中間的なものとして、例えば、ユーチューブでのプレミア公開というのがあると思うんですね。これは何かというと、昔の動画を上げるんだけれども、ライブ配信のように投稿することができるんですね、プレミア配信というのは。このユーチューブでのプレミア公開というのはライブ配信に近いような考え方なんですが、物としては、過去に撮影したものをアーカイブとして載せているだけなので該当しないという認識をしているんですが、それで問題ないのか、お伺いいたします。
○飯泉議員 お答えをさせていただきます。 形としては、アーカイブ風ということはライブ風ということにはなるわけでありますが、あくまでも風ということで、結局は、公然とという概念にはまらないということになりますので、処罰の対象にはならない、このように考えるところであります。
○森(よ)委員 ありがとうございます。 処罰の対象にならない行為として入るということで、明確におっしゃっていただき、ありがとうございます。 続いて、更に細かいんですけれども、やはり、表現の自由の観点から、アニメ、漫画はもちろんなんですが、例えば、Vチューバーというのが今はやっていますよね。このVチューバーというのは、私の顔を映して撮影しているんですが、私という人物をモデリングして、何かアイドルみたいなふうにして配信をするとか、Vチューバーというのがはやっておりますけれども、仮に、ライブ配信において、私が国旗を壊すんですけれども、私のことはVチューバーでアバター化されているような行為も想定されますよね。 こうしたように、Vチューバーとしてライブ配信で国旗を損壊する行為、これは該当するのか該当しないのか、そして、私だけではなくて、例えば国旗も完全にアバター化する場合もありますよね、完全ライブ配信なんですが、これも該当しないという認識でいいのか、お伺いいたします。
○飯泉議員 お答えをさせていただきます。 昨今のインターネット環境あるいはDX化の中では、今お話のあったアバター化、こうした点が多々使われるところであります。 そうした中で、仮に森委員がアバター化をして、でも、実際には森委員がその行為を行っているということであれば、当然のことながら、通常のライブ配信と何ら変わるものではないということになりますので、これにつきましては処罰の対象になり得るということになります。 逆に、国旗までを全部アバター化、映像化をしてしまうということになりますと、第一条に出てくる、今回の、国旗とは何ぞや、あくまでも有体物であるその国旗だということになりますので、こちらにつきましては処罰の対象にならない、このように考えるところであります。
○森(よ)委員 明確な答弁、ありがとうございます。 続いて、例えばアニメ、漫画、ゲームにおける創作物の中での、国旗の損壊をするような様子をこうした創作物の中に入れ込むということも一般的に想定し得るわけですけれども、こうした創作物の中での損壊行為は該当になるのかならないのか。加えて、生成AIの進展も目まぐるしい状況でありますが、こうしたAIによる生成画像、動画の中における損壊行為は含まれるのか、その点についてお伺いいたします。
○飯泉議員 お答えをさせていただきます。 アニメあるいは漫画、ゲーム、あるいは生成AIで作られたもの、これらにつきましては、やはり、有体物である国旗、第一条、ここに該当しないということになりますし、やはり、今、アニメ化あるいはゲームの世界、非常に人気の高いところでありますので、こうしたところに対して例えば規制を加えるということになりますと、まさに萎縮、この二文字がどんどん広がるということになりますので、この点につきましては、極力抑制的に適用するものと考えています。
○森(よ)委員 創作意欲を阻害しないような解釈をしっかりと提出者としてしているというふうに認識させていただきました。 続いて、これも細かいんですが、大衆の前で実物の旗を損壊、汚損した場合は罰則の対象になり得るわけなんですが、例えば、実物の旗を使うのではなくて、何か大きなモニターみたいなものを大量に持ってきて、そのモニターに日本国旗を映して、旗ではないんですが、旗に近いように見えるモニターというものを、例えばハンマーみたいなものを持ってきて壊すみたいな、そういうことも想定されますよね。こうしたことについてはこの規定に入るのか入らないのか、お伺いいたします。
○飯泉議員 お答えをさせていただきます。 実は、なかなか国旗自体を掲揚するというのが難しい場合、例えばイベント会場あるいは公の団体の場合にもよくあるわけなんですが、モニターに国旗を静止画像として映して、そしてそれを、全体で、例えばそちらに向かって礼をするとか、こうした行為は確かに考えられるところであります。 ということで、これらについては、まさに国旗である、あるいはライブ中継であるという捉え方もできるところでありますので、これにつきましては、国旗の損壊に当たり得るということになるかと思います。
○森(よ)委員 ありがとうございます。 こうしたように、少し細かい事例、行為を例示に挙げさせていただいて、それが処罰対象になるのか、なり得るのか、ならないのか、こうしたことを細かく確認させていただいたんですが、今の類型を整理すると、ある程度、これについては罰則になるのかならないのかということが見えるような形の質疑ができたのではないかというふうに考えております。 基準としては、損壊をする対象が有体物なのかどうなのか、そして、それを公然と行うのか行わないのか、そして、それが通常一般人に対して嫌悪の情を催させるような方法なのかということですね。ちょっと細かく例を挙げながら御答弁いただきましたので、そうしたメルクマールに基づいて、解釈に基づいて今後運用されていくのがいいんだろうなというふうに思います。 最後に、国民民主党の提出者に改めてお伺いをしますが、この国旗損壊罪の法案については、元々は、与党の連立合意に基づいて与党内で検討された後に、我が党も含む各党と調整の上、国会に提出をされたわけであります。 与党の当初案については、旧二条の二項ということで、表現の自由の観点から削除された条項があったわけですけれども、与党の当初案については、どのような懸念が含まれていたと考えているのか。そして、この国会質疑を通じて具体的にどのようなことを明確にすべきだと考えているのか。最後、改めて、まとめてお伺いいたします。
○飯泉議員 お答えをさせていただきます。 まず、案を示されたときに、ふと思いましたのは、当然、罪刑法定主義の点。あるいは、憲法二十一条の表現の自由。さらには、見直し規定、こちらがなかったものですから、例えば、昨今のDX化の進展によって様々な表現、こうしたものが変わってくるということでありますので、そうした点の懸念。実は、こうした点があったところであります。 しかし、今回、例えば、旧二条の二項、ライブ配信以外の部分が削除になったといった点、DX化の進展に対しての配慮がなされた、そして表現の自由、こうしたものが大幅に緩和をされたといった点、あるいは、罪刑法定主義の観点から保護法益として、当初は実は国旗を大切に思う国民感情といった点が明示をなされていなかったわけでありますが、こちらは附則の二項の方に具体的に書かれているところであります。 また、見直し事項ができ上がったということで、今後のDXの進展、こうした点、あるいは表現の自由、また社会通念上、あるいは社会経済活動の点でこの三年間で大きく様変わりをするのではないか、こうした点が想定をされますので、そうした点もしっかりと今回、この法案にはでき上がったというふうに考えているところであります。
○森(よ)委員 ありがとうございます。 まさに、表現の自由への配慮、そして、罪刑法定主義の観点から国会の質疑を通じて具体的明確化をしていくこと、そして、附則において見直し規定も設けられておりますので、これが一〇〇%の完成形ではなくて、施行の状況を見ながら改善ができるような法律になっていること、そうしたことをしっかりと理解させていただきました。 質疑はこれからもまだ続きますので、国会質疑を通じて更にこの法律の必要性について明確になることを祈念して、私からの質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○山下委員長 次に、川裕一郎君。
○川委員 参政党の川裕一郎です。よろしくお願いいたします。 本日は、国旗の損壊等の処罰に関する法律案について質問させていただきます。 国旗は、その国の歴史、伝統、文化、主権、そして国民統合を象徴する存在であります。 オリンピックやワールドカップなど国際舞台で日本人選手が活躍したとき、私たちは日の丸を見て誇りを感じます。災害や国難に直面したときには、国家という頼もしい共同体の存在を再認識します。海外で生活する日本人が自らのルーツや帰属意識を確認するときにも、そこには国旗という象徴があると思います。 国旗は、国家そのものではありませんが、国家を象徴する存在であり、多くの国民にとって特別な意味を持つものであります。 一方で、昨年の参議院選挙の選挙期間中、参政党が街頭演説の現場において日本国旗に大きくバツ印をつけた旗が掲げられるなど、国旗を侮辱する行為が繰り返されました。政治的主張や意思表明の自由は尊重されなければなりませんが、何をしてもよいということには決してなりません。 現在の日本の法制度を見ると、外国の国旗を保護する法律は存在する一方で、日本国旗を保護する法律は存在しませんでした。私は、この状態こそが長年放置されてきた法的課題であると考えています。 ここで重要なのは、表現の自由の価値を軽んじることなく、いかなる行為までが法的保護の名の下に容認され、いかなる行為については公共の法秩序との調整が必要なのかを冷静に整理することであります。 参政党は、この問題を単なる感情論としてではなく、法制度上の課題として捉えてまいりました。その結果、各党に先んじて国旗、国章損壊罪について検討を進め、昨年十月二十七日には参議院に議員立法を提出させていただきました。さらに、十一月六日の代表質問において、我が党の神谷宗幣代表は、高市総理に対し、外国国章損壊罪との不均衡を指摘をし、法整備への協力を求めました。 また、十二月から本年三月にかけて、参政党所属の地方議員が全国各地の地方議会において国旗損壊への法整備を求める意見書を提出し、複数の議会で可決もされました。さらには、現在会期中の通常国会においても、参政党は参議院に同趣旨の法案を提出しております。 そして今回、参政党、自民党、日本維新の会、国民民主党の四党が共同で本法案を提出するに至りました。 振り返れば、平成二十四年、当時野党であった自民党が同趣旨の法案を提出しております。それから現在に至るまで、外国国章損壊罪だけが存在をし、日本国旗には保護規定が存在しないという状況が続いてきました。 私は、この法案は、長年先送りされてきた課題に対してようやく立法府として一定の方向性を示そうとする、極めて意義深いものであると考えています。 まず、参政党の主張について豊田真由子議員にお聞きをします。 今回の法案に至るまでには、様々な議論がありました。平成二十四年の自民党案、そして、参政党が昨年十月及び今特別国会に提出した法案、保護法益の考え方や制度設計には違いもありました。参政党としては、国家の名誉、威信及び尊厳という観点を重視してまいりました。また、外国国章損壊罪との整合性をより強く意識した法案構成を提案してまいりました。 しかし、私は、今回の法案の価値は、各党が違いを認めながらも非常に大きな一歩を踏み出したところにあると考えています。法案形成の過程において各党が議論を重ね、処罰対象となる行為や将来の見通し等の内容を粘り強く交渉したこと自体が、この問題を単なるスローガンではなく、実際の実効性ある制度として構築しようとした証左でもあります。その意味で、今回の共同提出は、立法府として現実的な合意形成を行った点にも大きな意義があると感じています。 そして、ここで強調したいのは、特に我々参政党は、国旗を汚損する行為によって実際に被害を受けてきたということであります。 先ほど申し上げましたが、昨年夏の参議院選挙において、参政党は日本人ファーストを掲げて選挙戦を戦いました。その頃から、日本国旗、日の丸にバツ印をつけた国旗を掲げたり、演説会場で罵声を上げる方々が目立つようになりました。私たちにとっては、単なる政治的意見の表明、批判として受け止められるものではありませんでした。 政策への反対や政党への批判であれば、民主主義社会において当然認められるべきものでもあります。しかし、日本国旗そのものにバツ印をつけ、公然と屈辱の対象とする行為を目の当たりにした多くの党員や支持者からは、なぜ大切な日本の国旗がここまで侮辱されなければならないのか、悲しい、悔しいという声が多く寄せられました。私自身も、その光景を見て強い違和感と怒りを覚えました。これは、特定の政党を支持するか否かという問題ではなく、日本という国の象徴をどのように受け止めるかという問題であると考えております。 だからこそ、参政党は、この問題を単なる感情論ではなく、法制度上の課題として捉え、法案提出に取り組んでまいりました。 今回の法案では、公然と国旗を毀損した場合に罰則対象となりますが、例えば、自宅などの人目に触れない場所で国旗を損壊し、また汚損し、それを公然と掲示する行為は処罰対象にはならないと承知しており、これは参政党にとって非常に重要な点であります。 そこで、お聞きをします。 こうした点を踏まえた上で、今回どのような議論、経緯を経て共同提出に至ったのか、特に参政党員の思いをどのように酌んでいただけたのか、その意義について参政党の提出議員に、豊田議員にお聞きをします。
○豊田議員 参政党を始めとする政党の候補者、あるいは党員、支持者の方々などが、おっしゃられたように、街頭演説の際に、バツ印をつけた国旗を掲げられたり、大きな声で演説を妨害されたりするなどして本当につらい思いをされているということは、私自身も経験をしておりますので、よく承知をしております。 こうしたことを踏まえて、参政党は、国旗を損壊等する行為というものの問題を非常に強く認識をしておりまして、どこよりも先駆けて、昨年そして今国会に独自の議員立法を提出したところであります。 そして、今回の法案に関する政党間の交渉の経緯につきましては、その詳細を申し上げることは信義則の観点から差し控えたいとは思いますが、御指摘の点につきましては極めて重要な点でございますので、お相手の御了解を得た上でここで御説明申し上げたいというふうに思います。 自民党案におきましては、自宅など人目に触れない場所で国旗を損壊、汚損し、それを公然と掲示する行為は処罰対象とはなっておりません。ただ、私どもはそれでは困りますということで、実際に我々が被害を受けていることの一つは、どこかで損壊してきた、あるいは汚損してきた国旗、バツ印のついた国旗などを掲げる行為でございますので、当初、やはり非常にそこを変えていくことは難しいというようなお話でありましたけれども、粘り強く交渉を重ねまして、最終的には法案の今後の検討事項の中に参政党の主張がきちんと入れられるということになりました。 具体的には、本法案の附則に、法の施行後三年を目途として、損壊され若しくは汚損された国旗を陳列する行為又はこれに類する行為の発生の状況その他この法律の施行状況等を勘案し、必要があると認められるときは、その結果に基づいて所要の措置が講じられるものとするとの見直し規定が盛り込まれることとなりました。 実は、参政党の中にも、この自民党案には反対すべきという声も実際ございました。しかし、私は思います、立法府の一員として、責任ある国政政党として大切なことは政策を前に進めるということであり、全てが思いどおり、一〇〇にならない、そういう点があれば賛成しない、ゼロで構わないということにしてしまうのであれば、物事は何も進みません。問題は何も解決しない。このままでは、公然と日本の国旗を損壊等する行為すら何ら問題とされないままとなってしまいます。であるならば、私たちは、責任ある国政政党として、この重要な問題を一歩でも前に進める必要があると考えた次第であります。 今後につきましては、表現の自由の保護への配慮といったことももちろん極めて重要であります。こうしたことも踏まえ、参政党は共同提出をした政党として責任を持って本法案の施行状況や見直し規定の真摯な検討状況を今後も注視するとともに、政府や各党と今後とも議論を重ねて真摯に努めてまいりたいと考えております。
○川委員 ただいま附則に盛り込まれた見直し規定についての経緯についても御説明いただきました。 この件に関して、自民党の提出議員にお伺いをしたいと思います。今の豊田議員の答弁にあったとおり、参政党は、党員や支持者の思いを大切にし、自民党との協議等の中で、毀損され又は汚損された国旗を公然と掲示する行為についても処罰対象とするために将来的な検討を行うべきであると強く主張をしてまいりました。そして、真摯な協議が行われた結果、本法案の附則には、法の施行後三年をめどとして、毀損され、そして汚損された国旗を陳列する行為又はこれに類する行為の発生の状況その他この法律の施行状況などを勘案し、必要があると認められたときには、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるものとする旨の見直し規定が盛り込まれることになりました。 私は、この附則が盛り込まれたことは極めて大きな意義があると感じております。 ここで、お聞きをします。 参政党の要望を踏まえて附則に規定された見直し規定について、政府及び政権与党として今後真摯に検討していただきたいと考えておりますが、いかがでしょうか。自民党の提出議員にお聞きしたいと思います。
○石橋議員 お答えいたします。 国旗を大切に思う国民感情を保護するためにどのような行為を処罰対象とすべきかという点につきましては、本法案の作成に当たって様々な議論を重ねる中で、できるだけ多くの会派からの御賛同をいただいた上で法案を提出することが望ましいと考え、今回は国旗を大切に思う国民感情を害する可能性が高い、公然と損壊等する行為に限定したところであります。 他方、今お話がありましたように、既に損壊され又は汚損された国旗を人前に掲げるような行為も、これもまた公然と損壊等する行為と同程度に国旗を大切に思う国民感情を害する可能性があるのではないかとの御指摘を御党からいただいているところでございます。 そこで、この法律の規定については、法律の施行後三年を目途とした、国旗を損壊等する状況に係る映像に関するインターネット等の利用の状況、また損壊等された国旗を公然と陳列する行為等の発生の状況その他この法律の施行状況等を勘案し、国旗を大切に思う国民感情を保護するのに必要かつ十分なものとなっているかどうか等の観点から検討を加え、必要があると認められるときには、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるとする検討条項を設けたところでございます。 私たち法案提出者といたしましては、こうした経緯も踏まえまして、本法案成立後には、施行状況等を注視をしつつ、今後しっかりと各党間で適宜議論をしてまいりたいというふうに考えております。
○川委員 ありがとうございます。 見直し規定に盛り込んでいただいたことに関して感謝を申し上げるとともに、是非とも対応いただきたい、そのように思います。 次に、表現の自由についてお伺いをします。 本法案に対しては一部から、表現の自由を侵害するのではないかとの指摘があります。私は、この議論は真摯に受け止める必要があると考えています。なぜなら、表現の自由は民主主義の根幹を成す権利だからであります。しかし同時に、表現の自由も無制限ではありません。例えば名誉毀損罪や侮辱罪が存在するように、他者の権利や社会的利益との調整は常に行われています。 本法案が対象としているのは、思想、信条そのものではありません。あくまで国旗の損壊、除去又は汚損という行為であります。つまり、表現内容そのものを包括的に取り締まるのではなく、国家の象徴に対する特定の行為態様を問題としているものであります。 そこで、お聞きをします。 一部に指摘がありますが、本法案と憲法第二十一条が保障する表現の自由との関係についてどのように整理をしているのか、自民党提出者にお聞きしたいと思います。
○石橋議員 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、表現の自由は、基本的人権のうちでもとりわけ重要なものであります。とはいいながらも、国旗を大切に思う国民感情という社会全体の重要な利益の保護を図るために、本法案二条の罰則を設ける必要性は極めて高いというふうに考えております。 また、本法案第二条の罰則は、国旗の損壊等の行為によってなされる表現の内容、すなわち、その伝達されるメッセージとは全く無関係に、先ほど委員が御指摘のとおり、その外形、その行動がもたらす弊害を防止するためのものにすぎず、表現の自由に対する制約の程度は小さいというふうに考えております。 以上のことから、本法案二条の罰則は必要かつ合理的な規制であり、表現の自由を保障する憲法二十一条第一項に違反するものではないというふうに考えております。 また、このことは、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により公然とという客観的な行為態様を構成要件としている規定、また、その方法に該当するかどうかの判断についても、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情に基づいて判断を行う旨を定める規定など、本法案の規定自体からも明らかであるというふうに考えます。 また、本法案におきましては、今ほど申し上げたことを前提としつつ、さらに、なお入念にするために、本法の適用に当たって表現の自由等を不当に侵害することのないよう、いわゆる適用上の注意の規定を設け、その万全を期することとしております。
○川委員 適用上の注意ということで、是非とも御対応いただきたいと思います。 次に、構成要件についてお伺いをします。 刑法規定を定める以上、罰則範囲をどこまでにするかを明確にすることは極めて重要であると考えております。仮に目的要件がなければ、偶発的な破損や通常の廃棄行為、あるいは文化的、歴史的資料としての利用まで対象となる懸念が生じてしまいます。しかし、本法案はそのようなものではありません。あくまでも人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法によりという要件を求めることによって処罰範囲を限定しており、刑法体系との整合性も図られているものと理解をしております。 さらに、構成要件の明確性は処罰範囲を限定するという意味だけではなく、適法な、批判的言論や通常の社会生活を萎縮させないためにも不可欠であります。何が処罰対象となり何が処罰対象とならないかが一定程度見通せることによって、初めて国民の自由と法秩序との均衡が保たれるものと考えております。 そこで、お聞きをします。 人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法に当たるかどうかについては人によって異なるものであります。また、例えば、同じ行為、日本国旗に頑張れ日本とペンで書き込むとあっても、状況によってはこの要件に該当するかどうかは異なると考えますが、いかがでしょうか。豊田議員にお聞きをします。
○豊田議員 本法案における、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法とは、一般通常人から見てひどく快くないと感じさせ又は不愉快に感じさせるような方法をいいます。 これに該当するかどうかについては、行為者自身やこれを見た者が現実に不快感や嫌悪感を覚えたか否かではなく、あくまで一般通常人を基準として、損壊行為がどのような一連の行為の過程で行われたのか、周囲の状況はどうであったのかなどの客観的事情を総合的に勘案し、社会通念によって判断されることとなります。 そして、このような判断方法を取ることを条文上も明らかにするため、二条二項において、その判断は、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案して行うものとする旨を規定したところであります。 以上を踏まえますと、委員御指摘の国旗に頑張れ日本とペンで書き込む行為も、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案した結果、処罰対象になり得ることもなり得ないこともあり得るということになるかと思います。
○川委員 ありがとうございました。 最後に、本法案の成立の意義についてお聞きをしたいと思います。 本法案は、国民に国旗への敬意を強制する法律ではありません。また、思想、信条を取り締まる法律でもありません。外国国章損壊罪との不均衡を是正をし、国家の象徴に対する著しい侮辱行為について最小限の法的保護を与えるための法律であります。 平成二十四年の自民党案、昨年からの参政党による法案提出、地方議会での意見書採択、我が党の神谷代表による高市総理への代表質問、そして今回の四党の共同提出であります。それぞれの立場や考え方の違いについて、まず第一歩を踏み出そうとする努力の積み重ねが今回の法案につながったものと考えております。 特に、処罰範囲を慎重に限定しつつ、必要最小限の罰則を設け、なお、我が党の意向も踏まえた将来的な見直しを附則に設けたことは、立法府として現実に機能する制度を構築しようとした結果であると評価をしております。また、本法案の意義は処罰を新設すること自体に尽きるものではなく、国家の象徴を法秩序の中でどう位置づけるかについて国会が正面から判断を示す点にあります。長年残されてきた法的空白に対し立法府が責任を持って向き合うことこそ、国民に対する説明責任を果たすことにもつながるのではないでしょうか。 ここで、お聞きをします。 本法案の成立は日本国及び日本国民にとってどのような意義を持つのか、また今後の課題についてどのように考えているのか、参政党の提出議員にお聞きをします。
○豊田議員 自国の国旗を大切に思うという気持ちは万国共通であると思われますところ、我が国では、G7で唯一、外国国章損壊罪の規定はあるものの、日本国旗の損壊等に関しては同様の規定がないという状況にございます。 本法律案がない現状においては、少なからぬ国民の方にとって、国旗を大切に思う国民の気持ちは万国共通であるにもかかわらず、我が国では、外国国民の気持ちは保護される一方で、日本国民の気持ちは保護されず、アンバランスではないかと受け止められる状況にあるかと思いますが、本法案が成立することで、本来守られてしかるべき国旗を大切に思う国民感情が適切に保護されることとなり、日本国民及び日本国にとって非常に意義のある法案になると考えております。 また、自国の伝統や文化を理解し尊重しつつ、同じように他国の文化にも敬意を払うということが極めて重要であると認識しておりますが、そのような態度を、学校教育の場のみならず、御家庭や職場といったふだんの生活の場においても育んでいる環境をつくり出すといった取組が肝要ではないかとも考えております。 また、先ほど来申し上げましたとおり、参政党を始めとする今回共同提出をいたしました各政党のそれぞれの考えというものにつきましても、実際にたくさんの協議を重ねました結果、大きな一歩をそれぞれ踏み出すことができたのではないかというふうに考えております。
○川委員 時間になりましたので終わりますが、またあさって引き続き議論させていただきますので、よろしくお願いします。 ありがとうございました。
○山下委員長 次に、高山聡史君。
○高山委員 チームみらいの高山聡史です。 私自身、国旗を目にしますと自然とこれを大切にしたいと感じるものであり、国旗を公然と損壊するような行為によって、これを大切に思う国民の感情や尊厳を害し、傷つけるような事態は防ぎたいというふうに考えております。 それと同時に、本法案は新たに罰則を設ける法律でありますから、その構成要件は明確かつ厳格なものでなければならず、また、憲法が保障する思想、信条の自由、そして表現の自由を損なうものであってはならないというふうに考えます。 共感できる目的であっても、その手段については慎重でなくてはならない、そういった観点から本日は法案の提出者の皆様に順に御質問をしてまいりますので、将来の法解釈、そして運用の指針となるような明快な御答弁をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。改めて基本的な事柄からお伺いする中で、一部、午前中からの質問と重複する部分もあるかと存じますが、御容赦いただけますと幸いです。 まず、立法事実について自民党提出者に伺います。 新たに刑罰規定を設けるに当たっては、その大前提として、立法事実、すなわち、保護されるべき法益が現に侵害されている、あるいは将来侵害されるおそれがあるという社会的な事実が客観的に示される必要があると思います。これは、国民の自由を新たに制約する以上、その制約を正当化するに足る現実の必要性が存在することを立法府として確かめるという重要な作業であると思います。 そこで、お伺いいたします。 日本国旗を公然と損壊する等の事案が社会的に看過することのできない頻度あるいは実害の程度をもって生じていること、又は将来生じ得ることを示す具体的な事案として、どういったものがございますでしょうか。本法案の出発点となる事実関係として、できる限り具体的にお示しいただきたいというふうに思います。
○平沼議員 お答えを申し上げます。 立法事実に関してのお尋ねをいただきました。 まず、立法事実に関して言えば、例えば、昭和六十二年、競技会場に掲揚されていた日の丸を引き降ろし、ライターで火をつけて掲げた後、その場に投げ捨て、半分ほど焼失させた事例、二つ目に、平成三年に、大学生四名が大学正門に掲揚されていた日の丸を引きずり降ろした事例、三つ目に、平成八年に、旧日本海軍殉職者記念碑近くのポールに掲揚されていた日の丸を焼いた事例、四つ目に、平成二十年に、神社の境内で参拝客が所持していた日の丸を奪い、足で踏みつけた上、さおを折った事例などを確認をしております。 これらはいずれも器物損壊罪や暴行罪などで検挙された事例で、報道されて事実関係が明らかになったものであるため、確認ができているものであります。検挙に至っていない事例というものを考えれば、これ以上にもあるのではないかとは推測をされます。 そして、昨今、SNSなどが加速度的に普及して、グローバル化が進展する中で、国内にとどまらず、海外でも生じているそれぞれの自国の国旗を損壊等するなどの行為がリアルタイムあるいはそれに近い形で我が国の人々が知ることになり、過激であればあるほど耳目を集めて、様々な形で影響を与えることは否定できないと考えております。このような事情も踏まえつつ、国旗を損壊等する事案の発生を将来に向かって抑止する必要性があるということも立法事実の一つであると考えております。 以上が、本法案の立法事実として前提としているものでありまして、刑罰法規を立法する際のものとして必要かつ十分なものと考えております。
○高山委員 ありがとうございます。 具体的な事例としては器物損壊罪がある中で、それぞれおっしゃっていただいたような事例があるということと、また、将来に向かった抑止という側面もあるということで承知をいたしました。 次に、本法案が守ろうとしている保護法益について伺います。 本法案は、国旗を大切に思う国民の感情やその尊厳を保護法益とするものであると理解しております。これは、生命、身体、財産、名誉といったその輪郭が比較的明確で、個別的かつ具体的な利益と比較いたしますと、その内容や範囲が、ともすると捉えづらいのではないかという意見も聞かれるところです。 感情というのは人それぞれに濃淡があり、また、時とともに移ろい行くものでもございまして、これを刑罰によって保護する対象としていかに明確に位置づけるかというのは、本法案の正当性を支える重要な論点になるというふうに考えます。 そこで、自民党提出者に伺います。 現行の我が国の法体系において、国民の感情というものが刑罰による保護に値する法益とされている例として、どういったものがございますでしょうか。
○平沼議員 お答え申し上げます。 保護法益の実例ということで、こういった国民感情が刑罰によるというものをお伺いいたしました。 本罪と同じく、ある種の社会的に共有されている感情を社会的法益として保護するものとして、例えば、我が国では、礼拝所に対する一般の宗教的な感情を保護する礼拝所不敬罪、二つ目に、健全な性秩序、性風俗ないし公衆の性的感情を保護する公然わいせつ罪、三つ目に、動物愛護の良俗を保護する動物の愛護及び管理に関する法律における動物虐待罪などが挙げられます。
○高山委員 ありがとうございます。 国民の感情を保護法益とするような法律として、今挙げていただいたようなものは実際にあるというところを理解をいたしました。 次に、立法の根拠の一つとされる、いわゆる均衡論について伺います。 本法案の根拠として、先ほど来議論になっておりますとおり、外国の国章を損壊する罪は存在するにもかかわらず、自国の国章を損壊する罪は存在しない、これが均衡を欠くのではないかという考え方が示されております。 確かに、国民の感情という観点に照らして考えますと、いずれの国の国旗であっても、また自国の国旗であればなおのこと、敬意を持って扱いたいという感情は保護されてしかるべきとも考えられます。素朴な感情として理解できるものである。しかし、刑法九十二条の外国国章損壊罪は、その条文の置かれている位置からも明らかなとおり、国交に関する罪の一つとして規定されているものでございます。 すなわち、外国国章損壊罪は、我が国と諸外国との間の外交関係を危うくする行為を防ぐことにその主たる眼目があると解されており、今回の法案とは保護しようとしている法益が異なるのではないかという指摘があるものと承知をしております。 なお、外国国章損壊罪においては、外国政府の請求があって初めて公訴を提起し得るものとされていることからも、外交関係という国家的な利益に着目した規定であることをうかがわせる一つの手がかりもあると思います。 そうした場合に、仮に両者の保護法益が異なるものだとするのであれば、保護法益を異にする規定を均衡論の根拠とすることは、立法事実の論証として整合的と言えますでしょうか。この点につきましては、自民党提出者、そして維新提出者、それぞれの見解を伺います。
○平沼議員 お答え申し上げます。 高山委員御指摘のとおり、外国国章損壊罪は、直接的には我が国の外交作用の円滑、安全を保護するものでありますけれども、そのために外国の人々の感情を害するような行為を禁圧しようとするものでもあるとも捉えられます。 このように考えたとき、日本国国旗損壊罪がない現状においては、少なからぬ国民にとって、国旗を大切に思う国民の気持ちは万国共通であるにもかかわらず、我が国では、外国国民の気持ちは保護される一方で、日本国民の気持ちは保護されず、アンバランスであると受け止められる状況にあると思っております。 そのような意味で、外国国章損壊罪のみ存在する矛盾を是正するという説明は、立法の必要性の理屈づけの一つとして適当であると考えております。
○黒田議員 答弁内容としてはほぼかぶる部分があるかもしれませんけれども、私が準備したというか、今お答えできる範囲でお答えをさせていただきます。 外国国章損壊罪というのは、我が国の外交作用の円滑、安全という国家的法益、これを保護するという、先ほどもお話がありましたけれども、そのために外国の人々の感情を害する行為を禁圧しようとするものであります。 このように考えますと、日本国国旗損壊罪がない現状では、国旗を大切に思う心は万国共通であるにもかかわらず、外国国民の気持ちは保護される一方で、日本国民の気持ちは保護されないという、これも先ほど来ありますけれども、不均衡が生じており、少なからぬ国民がこれを問題だというふうに受け止めているものと認識をしております。 したがって、両罪の保護法益は厳密には異なるものの、外国国旗が保護されているのと同程度に自国の国旗も守りたいという国民感情の高まりを解消するという点において、均衡論は合理的かつ整合的な立法理由であるというふうに考えております。 これに加えまして、国旗損壊の具体的事案の発生という立法事実と、複数の地方議会からそういった意見書という、こういう民意の反映も存在をしている中で、これも立法事実の論証として相当性を有するものだというふうに考えております。
○高山委員 ありがとうございます。 いずれの御答弁においても、保護法益が一対一で対応する、同じくするものではないということは共通していた一方で、外国国章損壊罪においても、外国の国章を大切にする国民感情、これは外国の方の国民感情であったり、外国の国章に敬意を払う方の国民感情であったりすると思いますが、そういったものも保護法益に含まれるという御見解が示されたものというふうに承知をいたしました。外国国章損壊罪の保護法益の議論はここで行うものではないかなと思いますが、そういった関係性にあるというふうに理解をして、次の御質問に移りたいと思います。 次に、既存の法律との関係について伺います。 国旗を損壊する行為と申しましても、その態様は様々でございます。例えば、他人が所有する国旗を損壊すれば、現行法上、器物損壊罪が適用されると思います。また、国旗の損壊を手段として他人の業務を妨害すれば、業務妨害罪が適用されるものになると承知しています。 このように、国旗の損壊に関わる行為の中でも、相当部分は既に現行の刑罰法規によっても捕捉されているものと承知しております。 そういたしますと、本法案が新たに対処しようとしている領域、すなわち、既存の法律では対処することが難しい処罰の間隙が一体どこに存在をするのか、これを明らかにすることは、新たな立法の必要性を判断する上でも欠かすことのできない作業であるというふうに思います。 そこで、伺います。 既存法では対処することが難しい処罰の間隙は具体的にどこに存在し、そのうち、どのようなケースにおいて本法案がその間隙を埋めることができるとお考えでしょうか。これは、国民民主党提出者、そして参政党提出者、それぞれの御見解を伺いたいと思います。
○豊田議員 委員御指摘でありましたが、器物損壊罪、また威力業務妨害罪、もう一つ例をつけ加えますれば、例えば、橋などで国旗を燃やした結果、橋などを焼損させ、公共の危険を生じさせた場合には建造物等以外放火罪などがそれぞれ適用されるといったことで、現行法で対処できる領域があるということは私どもも承知をしております。 ただ、他方で、例えば、事例にお挙げになられました器物損壊罪でいえば、自己所有の国旗を損壊等したところで、これで処罰されるわけではありません。また、親告罪でありますため、被害者からの告訴がなければ起訴されないということになります。 しかし、本法案における保護法益が国旗を大切に思う国民感情である以上、自己所有の国旗であるかどうか、あるいは被害者からの告訴があったかどうかにかかわらず、国旗を損壊等する行為自体、その保護法益を侵害する蓋然性が高いわけでありますので、そのような行為を行った者については処罰対象とするということが適当であるというふうに考えた次第でございます。 このように、現行法では対処できない領域が少なからずあり、国旗を大切に思う国民感情を正面から保護するために、今回、本法案を制定する意義があるというふうに考えております。 また、本件につきましては、国民民主党さんも同旨であるというふうに承知をいたしております。
○飯泉議員 お答えさせていただきます。 今、大半の点については豊田議員からお答えをしたところでありますが、今挙げていただいた以外にも、例えば軽犯罪法、こうした点もあるところであります。 ただ、先ほどから出た、例えば器物損壊罪、あるいは威力業務妨害罪、そして軽犯罪法、それぞれ実は量刑がかなり変わってくるといった点もありますので、その場合にも、罪刑法定主義の量刑、こうした点についての均衡、こうした観点も必要になってくるのではないか、このように思うところであります。 以上です。
○高山委員 ありがとうございます。 量刑の観点というところもいただきましたが、具体的には、自己が所有する国旗を損壊する場合が既存法では捕捉できないのではないかということをいただいたというふうに思います。 これは、もしそこに限定できると考えてよいのであれば大変重要な答弁であったのではないかなと思うのですが、専ら、自らが適法に所有する国旗を本人の意思で損壊するような行為に対して今回の法案がその隙間を埋めるということなのであれば、そういった議論が進んでいくといいのかなと思いました。 そうすると、例えば、御自宅の敷地に国旗を掲げておられる方、先ほど例にもありましたが、そういった方がいらっしゃって、その国旗が第三者によって損壊されたというような場合においては、損壊された国旗がその敷地にあるからといって、元々その国旗を所有しておられた方が罰則の対象となるものではないというふうに理解をいたします。あくまで国旗を損壊した第三者こそが、例えば器物損壊罪を始めとする責めを負うべき者であるというふうに思います。 こういった具体的な場面の整理も含めて、本法案が埋めようとしている間隙の所在というものが明確にされるべきではないかというふうに思います。 少し順番を変えまして、続きまして七つ目、本法案の適用範囲について、より具体的に確認をさせていただきたいというふうに思います。 これは、本法案が本来の目的を超えて、例えば憲法が保障する表現の自由を過度に制約することのないよう、立法者としての意思をこの場で明確にしておくための確認の質問でございます。 まず、政治的な抗議として国旗を損壊する行為について伺います。 本法案が正当な政治的表現の自由を侵すものではないということをこの場で確認をさせていただくことは、本法案に対する国民の信頼を高める上でも意義のあることであるというふうに思います。表現の自由は、民主主義社会を支える最も基本的な権利の一つです。中には、政府の政策に対する批判や抗議といった政治的な表現もございます。そうした政治的な意思を表明する一つの手段として国旗が用いられるというケースも、午前中からの質疑にもあったとおり、想定し得るところではないかと思います。 そこで、伺います。 例えば、政府の特定の政策に対して抗議する意思を表明するために国旗を損壊する、こういった行為は本法案の処罰の対象となりますでしょうか。この点については、自民党提出者、そして国民民主党提出者、それぞれの明確な御答弁をいただきたいと思います。
○平沼議員 お答え申し上げます。 委員おっしゃるとおり、政治的な活動に対しては保障されるということは大変重要なことだと思っております。 政治的な抗議活動としての損壊行為であっても、それが人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法で行われた場合であれば、構成要件に該当し、処罰対象になり得ますけれども、仮に構成要件に該当したとしても、個別の事案ごとに具体的な事実関係、証拠関係等を踏まえ、社会通念上相当と認められるときには違法性が阻却される可能性があると考えております。 このような方法に当たるか否かについては、行為者自身やこれを見た者が現実に不快感や嫌悪感を覚えたか否かではなくて、あくまで一般通常人を基準として、国旗を大切に思う感情を害するに足ると認められるか否かを、損壊行為がどのような一連の行為の過程で行われたのか、周囲の状況はどうであったのかなどの客観的な事情を総合的に勘案をして、社会通念によって判断されることとなると思います。 どのような場合に構成要件の方法に該当して、あるいは該当しないかということを一概にお答えすることは困難であるんですけれども、政治的な抗議活動として国旗を損壊する等の行為も、その政治的な主張の内容によって構成要件該当性が判断されるものではないということは言えると考えております。
○飯泉議員 お答えさせていただきます。 大筋につきましては今自民党提出者が答弁をさせていただいたとおりであるわけでありますが、例えば政治活動、これは極力守られるべき、憲法二十一条、その対象となるところでありますが、ただ、そうした真摯な形での政治活動でなく、政治活動をしつらって、そして実際には国旗を損壊をしていく、こうした場合も考えられるところでありますので、やはり客観的に判断をする中で、対象になるのかどうか、そして最終的にはそれが阻却要件になるのかどうか、こうしたところの判断になるか、このように思います。
○高山委員 ありがとうございます。 政治的主張の内容によるものではないという御答弁は大変重要なものであるというふうに思います。 また、政治的主張であるということを、特定の人の主観によらず、客観的に判断するということも、例えば、本人がそう言ったかどうかであるとか、あるいはそれを主観によって判定する人がいるであるとか、そういった懸念が払拭されるということは非常に重要であるというふうに受け止めました。 続いて、八番目、芸術的あるいは創作的な表現との関係について伺います。 表現の自由には、政治的な表現のみならず、文化や芸術に関わる表現もまた当然に含まれるものでございます。映画や映像作品を始めとする創作活動、また、先ほどの質疑では、Vチューバーという表現活動もあるという話がございましたが、時にそういった表現は社会に対する鋭い風刺や批評を含み、また強い問題提起を伴うこともございます。 こうした創作の自由が刑罰への萎縮によって過度に狭められるということは、文化国家たる我が国にとって避けるべきことであるというふうに思います。なお、諸外国の例を見ても、芸術的、創作的な表現については慎重な取扱いがなされている例があることも承知をしております。 そこで、具体的な場面を想定してお尋ねいたします。 実写の映画や実写の映像作品を制作するに当たって、芸術、風刺、あるいはパロディーといった創作的な表現の一環として作品の中で国旗を損壊する場面を撮影する、このような行為は本法案の処罰の対象となるのでしょうか。自民党提出者、そして国民民主党提出者の明確な御答弁を求めます。
○平沼議員 お答え申し上げます。 委員おっしゃるとおり、こういった実写、そして表現の自由、こういうものが非常に重要だと思っております。本法案で処罰対象としておりますのは公然と国旗を損壊等する行為でありまして、その状況を撮影した動画等で見せる行為は処罰対象外とされております。 したがって、国旗を損壊等する行為が実写映画のシーンとして流れても、本法案により処罰することはないと考えております。
○飯泉議員 お答えをさせていただきます。 ただいまの自民党提出者の答弁で大体のところになるところであります。私としてもそのように考えるところでありまして、まずは、今回の場合については、そもそもこれは公然ではないといった観点から処罰の対象にならない、さらには、憲法二十一条の表現の自由、文化的な活動ということで、こちらについても、委員お話しのように、最大限に配慮されるべきもの、このように考えております。 ただ、一つあるのは、公然との中で、例えば、大勢の皆さん方の前で、実際の映像、そういう撮影をするという形でしつらえながらやってしまうという行為もあり得るので、場合によっては、そうした点を客観的に判断をして、その対象になるかどうか、こうしたことを決めることになるかと思います。 以上です。
○高山委員 ありがとうございます。 いずれの御答弁においても、そういった実写作品を流すみたいなことが処罰の対象として考えられているわけではないということは理解ができました。 ただ、一つ飯泉先生の御答弁の中であった点について確認させていただきたいのが、実写映画の撮影を、多くの人が見る場所でロケをするといったようなケースは考えられ得るものであるかなというふうに思うわけなのですが、例えば、人通りが多い場所で、そういったシーンであるよという前提で撮影を行うということは、作品を作るための行為でありますが、処罰の対象となり得るものでございましょうか。
○飯泉議員 お答えをさせていただきます。 撮影の現場で、ロケセット、明らかに撮影であるということがあるのであれば、それについては、仮に公然とというものに該当して、また多数の人という前提でありましたので、例えばそれが対象になるんだとしても、かなりの点でいわゆる阻却されるのではないか、このように思うところです。
○高山委員 ありがとうございます。 これは客観的に判断がなされるというふうに承知をしておりますが、明らかに作品の撮影であるということが判断をなされれば違法性が阻却されるというものと承知をいたしました。 質問を戻りまして、五つ目のところ、本法案が、単に理念を示すにとどまる法律ではなく、罰則を伴う法律であることの正当性と比例性について伺います。 法律の中には、国の基本的な方針や理念を明らかにする、いわゆる理念法というものもございます。その一方で、本法案は、構成要件に該当する行為に対して刑罰を科すという強い効果を伴うものでございます。刑罰は、しばしば最終手段と言われるように、ほかの、より穏やかな手段によっては目的を達成し得ない場合に初めて正当化されるべきものというふうに解されていると思います。これは、刑法の謙抑性あるいは比例原則と呼ばれる、刑事立法における基本的な要請であると承知をしております。 国旗を大切に思う国民感情を保護するという目的を達成するための手段としては、理念を法律で明らかにすること、あるいは、仮に何らかの強制的な措置を講じるとしても、選択肢自体は様々考えられるところではないかと思います。そうした中で、あえて刑罰という最も峻厳な手段を選択することについては、その理由を国民に対して説得的に説明することが立法者には求められるというふうに考えます。 そこで、自民党提出者に伺います。 理念法ではなく罰則を規定するということにつきまして、その正当性、そして目的と手段との間の比例性を国民に対してどのように御説明になりますでしょうか。御見解を伺います。
○平沼議員 お答え申し上げます。 まず第一に、国旗を大切に思う国民感情という社会全体の重要な利益の保護を図るために、本法案二条の罰則を設ける必要性が高いと考えております。 二つ目に、本法案二条の罰則は、国旗の損壊等の行為によってなされる表現の内容、すなわち、伝達されるメッセージとは全く無関係に、その行動がもたらす弊害を防止するためのものにすぎず、表現の自由に対する制約の程度は非常に小さいということから、罰則を規定することは必要かつ合理的であると考えておりまして、目的達成のために過度な制約であるとは考えておらず、正当性が認められると我々は考えております。
○高山委員 ありがとうございます。 まず、罰則がないと、今回防ぎたいと思っている事態の抑止が難しいという考え方であるということを承知いたしました。 あわせて、繰り返し強調いただいているとおり、これがメッセージの内容によるものではないということは非常に重要なポイントであるというふうに受け止めております。 最後に、構成要件の明確性について伺います。 罪刑法定主義、これは今日の質疑の中でも度々出てくる言葉でございますが、どのような行為が犯罪となり、どのような刑罰が科されるのかをあらかじめ法律によって明確に定めていくことを要請するものでございます。 これは、国民が、自らの行為が処罰の対象となるか否かをあらかじめ予測でき、安心して行動することができるようにするためのものであり、また同時に、刑罰権が恣意的に行使されることを防ぐためでもあるというふうに承知しています。この明確性の原則は、国民の自由を守るためにも極めて重要な原則であると考えます。 本法案は、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法を構成要件の一つとしております。しかし、何をもって著しく不快又は嫌悪の情を催させると言えるのかは、これを感じる人によっても受け止めが異なるように考えられます。ある人にとっては看過できないという行為が、別の人にとっては必ずしもそうではないということも、理屈の上では十分にあり得るところでございます。 そうすると、自らの行為が罰則の対象となるのかどうか、国民にとって予見可能性を欠くおそれがあるのではないか、そういった懸念も生じ得るところであると思います。 その上で、本法案がいかにして明確性の原則を満たし、国民の予見可能性を確保するものであるのか、こういった懸念に対して、自民党提出者、そして国民民主党提出者の御見解を伺います。
○飯泉議員 お答えをさせていただきます。 委員おっしゃるとおり、罪刑法定主義、そして明確性の原則は大変重要な点でありまして、その意味では、各個人個人、その受取方が違う、おっしゃるとおりであります。ということで、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるその方法の判断につきましては、その行為者であるとかあるいはそれを見た者が現実にどう思うか、そこではなくて、あくまでも一般通常人から見てひどくこれが不快である、あるいは不愉快だ、そうした点を今回対象としているところであります。 そうした意味で、今回の損壊行為、これらにつきましても、一体どういう工程でこれがなされたものなのか、あるいは周囲の状況がウェルカムな状況でなされたのか、いやいや、バッシングでなされたのか、そうした点も客観的に判断をした上で対応する。 そして、罪刑法定主義ということがございましたので、こちらにつきましてはストーカー規制法第二条第六号の表現を使っているところでありまして、今後、こうした国会での審議、あるいはストーカー規制法における裁判的な様々な判例、こうしたものがより深みを持ってくるのではないか、このように考えるところであります。
○平沼議員 お答え申し上げます。 先ほどの国民民主党の答弁でほぼ網羅はされているかと存じておりますけれども、あくまでも、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法というのは一般通常人から見てというところは、先ほども答弁をいたしたとおりであります。 こうした判断に当たって、損壊行為がどのような一連の行為の過程、これも繰り返しになりますけれども、周囲の状況はどうであったか、そういったところを勘案して、客観的事情を総合的に勘案して、社会通念によって判断されると思っております。 これも繰り返しになりますけれども、ストーカー規制法などを参考にしていることでありますので、将来予見性という形でもこれは担保しているものと考えております。
○高山委員 ありがとうございます。 これは繰り返しいただいているとおり、主観的なものではないというところは重要なところでございまして、国旗を大切に思う国民感情というのは素朴なものでありますが、自分が不快でないと思うからいいとか、あるいは自分が不快だとそれが罰せられるとか、そういったものではないというふうに理解をしております。 金曜日も質疑がございます。具体的にどういう例に罰則が適用されるのかというところを引き続き御質問させていただきたいと思います。 以上で私の質問を終わります。
○山下委員長 次に、畑野君枝君。
○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。 国旗の損壊等の処罰に関する法律案について質問します。 本法案は、国旗を大切に思う国民感情を保護することを目的として掲げ、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させる方法で国旗を損壊すれば刑罰に処するとしています。刑罰で内心の自由を侵害し、罪刑法定主義に反する明白な違憲立法と言わなくてはなりません。 まず、国民に刑罰を科すには、どんな行為が罰せられるのか明確でなくてはなりません。 そこで、法務省に伺います。 罪刑法定主義、明確性の原則とは何か、御説明ください。
○堤政府参考人 お答えいたします。 罪刑法定主義とは、一般に、一定の行為を犯罪とし行為者を処罰するためには、あらかじめ成文の刑罰法規によって犯罪と刑罰とが規定されていることを要するとする原則であると理解されているものと承知しております。 また、明確性の原則とは、一般に、刑罰法規は明確でなければならないとするものであり、憲法第三十一条が保障する罪刑法定主義の内容を成すものと理解されているものと承知しております。
○畑野委員 御答弁にありましたように、刑罰法規は明確でなくてはならない、憲法三十一条だということです。ところが、本法案の構成要件は曖昧です。 法案は、国旗・国歌法に定める国旗に限らず、国旗として用いられていると社会通念上認められる有体物に広げたのはなぜですか。
○鈴木(英)議員 お答え申し上げます。 本法案における、国旗として用いられていると社会通念上認められるという部分についてですが、国旗・国歌法では、国旗は日章旗とすると規定されるとともに、その寸法や色などのいわゆる制式が定められています。本法案における国旗も日章旗のことを意味しますけれども、国旗・国歌法に定める制式にのっとったものに限られず、少なくとも国旗として用いられていると社会通念上認められる有体物であればこれに当たると考えられます。 例えば、行事などで掲揚されている国旗、祝日などで各家庭の前とかで掲揚されている国旗、あるいは、何か政府高官などが記者会見などをするときのそういう国旗、こういうようなものが国旗として用いられていると社会通念上認められる有体物というふうに考えておりますので、こういうものを対象とするというふうに考えております。
○畑野委員 なぜ広げるのかということを併せてお答えいただけますか。つまり、いわゆる国旗・国歌法に言っている国旗に限る必要はない、そして自己所有のものも含めるというふうにされておりますので、そういうふうに広げる理由をお答えいただけますか。
○鈴木(英)議員 お答え申し上げます。 今回の法案の保護法益は国旗を大切に思う国民の感情というふうにさせていただきましたので、その大切に思う感情、それを害するか否かを判断するときに、必ずしも国旗・国歌法における制式どおりのものでなければならないということではないというふうに考えておりまして、その保護法益に照らして今回はそのような対応をさせていただいているということであります。
○畑野委員 できるだけ広く処罰しようということじゃありませんか。 次に伺います。 損壊、除去、汚損とは、どのような状態ですか。
○鈴木(英)議員 お答え申し上げます。 損壊、除去、汚損について、それぞれ申し上げます。 損壊は、国旗を引き裂く、切り刻む、焼損するなど、物質的に破壊する行為を指します。 除去は、国旗を掲揚されているさおから引き降ろすなど、場所的な移転行為や遮蔽する行為などを指します。 汚損は、国旗に墨汁を塗る、国旗を泥のついた靴で踏みつける、方法を問わず不潔にするなど、人に嫌悪の感を抱かせるものを付着又は附置して、国旗自体に対して嫌悪の感を抱かせる行為を指します。
○畑野委員 方法を問わずという言葉がありました。つまり、何らかの手を加えたら全て本罪の対象になるのか、どんな行為が該当するのか、条文からは判断できません。 例えば、墨汁を塗る行為が汚損に当たるなら、頑張れ日本と書き込む寄せ書きは汚損ではないのか。何が対象で、どんな行為が罪になるのか、非常に曖昧です。極めて広く、国旗を用いた表現活動を処罰しようとしている。 問題だと思うのは、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させる方法とは一体何なのか、なぜこれが要件として成り立つんですか。
○鈴木(英)議員 御答弁申し上げます。 人に著しく不快又は嫌悪の情を催させる方法についてですが、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させる方法とは、一般通常人から見てひどく快くないと感じさせ又は不愉快に感じさせるような方法をいいます。 これに該当するかどうかにつきましては、行為者自身やこれを見た方が現実に不快感や嫌悪感を覚えたか否かではなく、あくまで一般通常人を基準として、国旗を大切に思う感情を害するに足ると認められるか否かを、損壊行為がどのような一連の行為の過程で行われたのか、周囲の状況はどうであったのか等の客観的事情を総合的に勘案し、社会通念によって判断されることになります。 そして、このような判断方法を取ることを条文上も明らかにするため、その判断は、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案して行うものとする旨を規定したところであります。
○畑野委員 今の説明では全く分かりません。 総合的に勘案し、社会通念によって判断されると言いますが、どこにも客観性はないですね。不快感や嫌悪感といった感情は、そもそも個人の主観の問題です。政治的立場や時代によって激しく揺れ動く、極めて曖昧なものではないでしょうか。いかがですか。
○鈴木(英)議員 お答え申し上げます。 先ほどの答弁等の若干繰り返しになりますけれども、この客観的事情をということ、そういう判断方法を取るんだということを条文上も明らかにするために、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案して行うものとするというふうに明示的に規定をさせていただいております。 いずれにしろ、先ほど畑野委員がおっしゃっていただいたような墨汁の例なども、全体的なその一連の周囲の状況とか、そういうものを客観的に判断をしてやっていく、午前中からずっと議論がありますけれども、構成要件該当性というのは、客観的に、限定的にしっかり行っていくということであります。
○畑野委員 不快、嫌悪の情という主観で刑罰を科すというんですよ。我が国の法律にそんな刑罰法規はあるんですかと聞きましたら、私の法案説明の際にストーカー規制法を出されましたよね。ストーカー規制法でも著しく不快又は嫌悪の情というふうに規定しているんですが、その具体例、もしお示しできたら示していただけますか。分かりますか。
○鈴木(英)議員 済みません、ちょっと手持ちに資料がなかったものですから。 ストーカー行為等の規制等に関する法律におきましては、第二条六号におきまして、「汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。」というふうに規定をされております。
○畑野委員 お答えいただきました。極めて具体的で明確なんですね。ところが、こちらの提案の法案は何の具体的例示もない。人に著しく不快又は嫌悪の情を催させることを処罰するというんです。ストーカー規制法とは全く異なる。 こんな抽象的、曖昧な規定で処罰するなど許されないのではありませんか。どうですか。
○鈴木(英)議員 お答え申し上げます。 先ほども申し上げましたけれども、構成要件該当性というのは客観的な状況を見て判断をするということでありますので、繰り返しになりますけれども、そういうものをしっかり客観的に判断するんだということで、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案して行うという規定を明示的に置いたものであります。
○畑野委員 刑罰は、国家が強制的に個人の生命、財産、自由などを、権利を奪う制裁です。だからこそ、刑罰法規は、どのような行為が処罰対象となるのか明確でなくてはなりません。とりわけ、表現行為に刑罰をもって介入する場合は、明確性が強く要請されます。 この法案の不明確さは、捜査当局による恣意的な立件や拡大解釈の余地を残します。結果として、正当な表現活動までもが不当に弾圧される危険性があります。処罰範囲が不明確な本法案は、刑罰の明確性の原則に反し、罪刑法定主義に反すると言わなくてはなりません。 次に伺います。 まず、先ほどの議論もありましたので、提出者に、これは確認なんですが、一九九九年、国旗・国歌法が、国論を二分したまま強行採決で成立しました。その審議で、当時の小渕恵三総理は、法制化に伴い、国旗に対する尊重規定や侮辱罪を創設することは考えておりませんと答弁しました。また、野中広務官房長官や大森政輔内閣法制局長官は、この法律が成立したからといって、国民に何らかの義務が課されることは一切ございませんと繰り返し答弁しました。 今回の法案は、一九九九年の国旗・国歌法の政府答弁を真っ向から覆すものではありませんか。提案者、いかがですか。
○鈴木(英)議員 御答弁申し上げます。 先ほどの平成十一年の国旗・国歌法の制定時の答弁ということで、その整合性であります。 その法律の制定時、政府から、法制化の趣旨は、長年の慣行により国民の間に広く定着している国旗等の根拠を成文法に明確に規定するもので、法制化に伴って国旗に対する尊重義務規定や侮辱罪を置くことは考えていない旨の答弁があったことは承知をしております。 まず、国旗を貴ぶ心は万国共通の価値観であり、国旗はいずれの国でも国家の象徴として大切に扱われているところ、国旗損壊罪は、国旗を損壊する行為は、その目的とは無関係に、著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法で行われた場合には、国旗を大切に思う国民の感情を害することになることから、そのようなやり方で行うことを抑止するようなものであります。侮辱を加える目的など、行為の目的を理由として処罰するものではありませんから、国民の内心にまで立ち入って国旗・国歌に対する思いを強制するものではないという従前の政府答弁との間にそごはないと我々としては考えております。 また、国旗・国歌法制定時の野中官房長官からは、現内閣として、国旗に対する尊重義務や尊重規定を加えることはないという答弁も繰り返しなされているところであり、今回の国旗損壊罪は、外国国旗が保護されているのと同程度には自国国旗を守りたいという思いが広がりつつあること、国旗及び国歌に関する法律の制定後に国旗損壊、除去、汚損する行為が発生していることなど、国旗・国歌法制定後の状況の変化も踏まえて新設するものでありまして、過去の政府答弁と矛盾するものではないというふうに考えております。
○畑野委員 侮辱罪ではないといいますけれども、刑罰を科して、新たな義務を課すことはないという答弁を覆しています。 当時、刑罰を科すかどうか議論になりまして、陣内孝雄法務大臣は、国家の威信の保護の在り方として、刑罰をもって強制することが適当かという根本問題があると述べました。 今回の国旗損壊処罰法案は、刑罰をもって国旗を大切に思う国民感情を保護することを強制するものではありませんか。国旗を大切に思う国民感情を保護するということはどういうことですか。伺います。
○鈴木(英)議員 先ほどの、平成十一年の陣内法務大臣などの答弁始め、政府の答弁との関係で、先ほど畑野委員もおっしゃったとおり、国家の威信の保護の在り方として、刑罰をもって強制することが適当かという根本的な問題があるというふうに答弁していると承知をしております。 今回の国旗損壊罪は、国家の威信を保護するためのもの、つまり国家的法益ではなく、国旗を大切に思う国民感情を保護法益、社会的法益ですけれども、とするものでありまして、国旗を大切に思う国民感情が害されるような方法で行われる損壊等の行為を抑止しようとするものであります。 したがいまして、この法案と従前の政府答弁との間にそごはないと考えております。
○畑野委員 ここで言う国民感情の国民とは何ですか。
○鈴木(英)議員 お答え申し上げます。 本法案は、国民の国旗を大切に思う感情を保護法益とする法案でありまして、この場合における国民とは、国民一般を意味しまして、特定の国民を意味するものではありません。
○畑野委員 国旗をどう評価し、どんな感情を持つかは、本来、個人の内心の自由の問題です。 日の丸には、二千万人以上のアジア太平洋地域の人々や三百十万人を超える日本国民を犠牲にした侵略戦争のシンボルとしての歴史があります。国旗に愛着を持つ人もいれば、こうした歴史的経緯から嫌悪感を抱く人もいます。国旗には、様々なそれに対する感情があります。ところが、法案は、刑罰をもって国旗を大切に思う国民感情を保護するとしています。 これは、刑罰をもって特定の価値観への同調を押しつけ、個人の内心に踏み込むことになるのではありませんか。いかがですか。
○鈴木(英)議員 御答弁申し上げます。 国旗に対して嫌悪感を持つ国民感情は保護されないのかということでありますけれども、本法案が保護法益としますのは国旗を大切に思う国民の一般感情でありまして、特定の個人の感情を保護するものではありません。 そして、この方法、先ほど来申し上げております構成要件に該当するかどうかということも、先ほどの嫌悪とかの部分のところについては、通常一般人のものを基準として考えるということであります。
○畑野委員 一つ確認なんですけれども、国旗・国歌法の審議のときに、政府は、尊重は義務づけない、児童生徒の思想、良心を制約しようというものではないと繰り返し答弁しました。 ところが、成立後、実際の教育現場では、国旗掲揚、国歌斉唱が押しつけられ、これを拒んだ教員などは圧力をかけられて処分されました。重大な萎縮が起こりました。 この事実を提出者は認識されていらっしゃいますか。確認です。
○鈴木(英)議員 御答弁申し上げます。 今回の法案審議において、教育現場における、今、畑野委員が言うところの萎縮というものがあったかどうか、それについての状況認識ということについては、それぞれに解釈の仕方もあろうかと思いますし、法案提出者として答弁するのは控えたいと思います。
○畑野委員 誰もが知っている事実です。 法案提出者は、私の質問項目に対して、法案は萎縮効果を生むものではないと回答されました。尊重義務のない国旗・国歌法でも、事実上の強制と萎縮が現場で起きています。 刑罰をもって特定の思想を押しつける今回の法案は、更に強い圧力になっていく。国旗を大切に思う国民感情を保護し、国家や体制に対する批判や意思表示を封じ込めて、国旗への敬意を強制していくということは、国家が特定の思想を強制する思想統制にほかなりません。憲法十九条が保障する思想、良心の自由、内心の自由を侵害することは明らかです。そのことを申し上げて、次に進みます。 法務省に、刑事手続について伺います。 刑事訴訟法二百十三条は、「現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。」としています。これは、万引き犯を見つけた人が取り押さえることができるなど、私人による現行犯逮捕ができるということですね。そして、およそ全ての刑罰法規に適用されるということでいいでしょうか。
○堤政府参考人 お答えいたします。 刑事訴訟法においては、「現に罪を行い、又は現に罪を行い終つた者を現行犯人とする。」とした上で、「現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。」とされており、その要件を満たす場合には、私人による現行犯人逮捕も可能であると考えられております。
○畑野委員 公人に限らず、私人による現行犯逮捕はできるということです。 そこで、自民党の提出者に伺いますが、本法案でも、警察に限らず誰であっても、国旗を損壊や汚損などしていると判断すれば、現行犯で逮捕することができるということになるのではありませんか。
○鈴木(英)議員 お答え申し上げます。 私人による現行犯逮捕の対象となることなどについてですが、先ほども法務省から答弁がありましたけれども、本法のみならず、刑事訴訟法においては、二百十二条で、「現に罪を行い、又は現に罪を行い終つた者を現行犯人とする。」とした上で、二百十三条で、「現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。」とされており、その要件を満たす場合には、私人による現行犯逮捕も可能であると承知をしております。 我々としましては、本法のみならず、刑事訴訟法でこういうふうに規定されているという制度になっているということに尽きるというふうに考えます。
○畑野委員 本法案は、国旗の内容も処罰される行為も、何もかもが極めて曖昧で、主観的な判断によるものです。明白などとはとても言えるものではありません。それを、誰であっても自らの判断で逮捕できるということになれば、思想、信条の異なる市民同士が、不快だ、嫌悪感を持ったと互いの言動を監視し合う息苦しい社会へと変えることになると思いますが、提出者にその御認識はありますか。
○鈴木(英)議員 御答弁申し上げます。 繰り返しになりますけれども、今、現行犯逮捕のことについては、今の刑事訴訟法においてこういう規定に、こういう制度になっているということに尽きるというふうに申し上げましたけれども、そして畑野委員から主観的であるということを御指摘がありましたが、構成要件については、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させる方法であるとか、公然となどについて、繰り返しになりますけれども、この一連の行為、周囲の状況、客観的事情、行為の外形、そういうもので客観的に判断をしていくということでありますし、それについて明示的な規定を設けているということであります。
○畑野委員 ストーカー法では明確に、具体的に示しているのと比べて、全く曖昧だと御自分でも認めたわけです。市民が互いに監視し合う社会になれば自由な表現、意思表示ができなくなってしまう、その危険性を考えないままにこの法案を出していること自体が極めて問題だと申し上げておきます。 次に、外国国章損壊罪との関係を伺います。 自民党と維新の会の連立政権合意書は、「「日本国国章損壊罪」を制定し、「外国国章損壊罪」のみ存在する矛盾を是正する。」としています。 法務省に伺いますが、刑法九十二条の外国国章損壊罪の目的と親告罪であることについて御説明ください。まとめてどうぞ。
○堤政府参考人 お答えいたします。 外国国章損壊罪を規定する刑法第九十二条は、刑法第二編第四章の国交に関する罪の中に置かれているとおり、我が国の外交作用の円滑、安全等を考慮して規定されたものと考えられます。 刑法第九十二条第二項は、外国国章損壊等罪は、「外国政府の請求がなければ公訴を提起することができない。」と規定しております。同項につきましては、個々の外国の文化や慣習が必ずしも我が国と同じではなく、我が国において侮辱に相当する行為であっても当該外国においてはそうではないこともあること等から、外国国章損壊等罪に係る起訴、不起訴の判断を検察官に一任することは適当ではないことを踏まえて規定されたものと考えられます。
○畑野委員 外国国章の損壊行為が処罰される理由は、日本と外国との円滑な外交という外交上の保護法益を侵害するためです。そして、同罪の客体は外国の国家機関が公的に掲揚している国旗等であり、外国政府からの告訴がなければ起訴できない親告罪です。 ところが、本法案の目的は国旗を大切に思う国民感情であり、その客体は自己所有物にまで及び、具体的な被害者も不要である。外国国章損壊罪よりも処罰の対象が広範囲にわたるもので、逆に著しくバランスを損なうものではありませんか。いかがですか。
○鈴木(英)議員 お答え申し上げます。 外国国章損壊罪などとその客体などが異なることによってアンバランスではないかということでありますが、外国国章損壊罪は、直接的には、先ほど法務省からの説明もありましたが、我が国の外交作用の円滑、安全を保護するものでありますけれども、そのために外国の人々の感情を害するような行為を禁圧しようとするものであるとも捉えられます。 このように考えたとき、日本国国旗損壊罪がない現状においては、少なからぬ国民にとって、国旗を大切に思う国民の気持ちは万国共通であるにもかかわらず、我が国では、外国国民の気持ちは保護される一方で、日本国民の気持ちは保護されず、アンバランスであると受け止められ得る状況にあるというふうに考えております。 したがいまして、本法案はそのような状況を解消するものでありまして、外国国章損壊罪などと保護法益や訴訟条件などが異なることについては一定の合理性があると考えます。
○畑野委員 あれこれおっしゃいましたけれども、本法案と外国国章損壊罪は全く異なるものです。バランスを取るといいながら、刑罰をもって内心の自由に踏み込むことは許されません。 ところが、一月二十七日、高市総理は総選挙公示日の演説で、国旗損壊罪について、外国国旗を損壊したら二年以下の拘禁刑、日本国旗を損壊しても全くお沙汰なし、これはおかしいのでそろえようと述べました。この総理の認識は間違っていると言わなくてはなりません。 委員長、高市総理の見解をただす必要がございます。 国旗損壊罪法案、二〇一二年に高市早苗議員が提出者となって国会に出したのが始まりです。そして、昨年、高市政権の発足に当たって、日本維新の会との政権合意に日本国国章損壊罪を制定すると盛り込んだ高市首相の肝煎りの法案ですので、是非高市首相の当委員会への出席を求めます。委員長、御協議ください。
○山下委員長 後刻、理事会で協議いたします。
○畑野委員 最後に、自民党の提出者に伺います。 なぜ国家が内心の自由に踏み込んではいけないのか、伺います。
○鈴木(英)議員 お答え申し上げます。 今回も、様々午前中から議論がありますとおり、憲法十九条に保障される思想、信条の自由、そういうこととの関係で、そういうものが尊重されるというふうに、憲法で保護される、そういうような自由であるという認識から、そこに踏み込んでいくということは適切ではないということであると思います。
○畑野委員 この法案は、絶対的に自由であるべき領域に国家が踏み込もうとしています。憲法違反は明白です。廃案にするしかないということを申し上げて、質問を終わります。
○山下委員長 次回は、明二十五日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十分散会