総務委員会 第10号
- 発言数
- 188 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2026/05/12
会議録
○古川委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、警察庁長官官房審議官遠藤剛君外四名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○古川委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申出がありますので、順次これを許します。前川恵君。
○前川委員 自由民主党の前川恵です。 貴重なお時間をありがとうございます。 本日は、携帯電話不正利用防止法の一部を改正する法律案について質問させていただきます。 近年、特殊詐欺の被害が急増している中で、メッセージアプリなどのデータ通信の悪用が指摘されています。その中でも特に被害が深刻なSNS型投資やロマンス詐欺などにおけるデータ通信サービスの不正利用の実態についてどのように把握しているのか、お伺いいたします。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 令和七年の特殊詐欺による被害額約三千二百四十一億円のうち、SNS型投資・ロマンス詐欺の被害額は約一千八百二十七億円を占めておりまして、被害者をだます際に使われる連絡ツールの九割以上においてメッセージアプリなどのデータ通信サービスが不正に利用されているところでございます。
○前川委員 相当の不正利用の実態があるということですが、これをしっかり防止していくことが重要と考えます。 既に大手の事業者を中心に、一部の事業者は自主的に契約者の本人確認を行っていますが、今回の改正案においてデータ通信専用SIMの契約者に本人確認を義務づけることとした狙いについてお伺いしたいと思います。
○湯本政府参考人 お答えを申し上げます。 御指摘のとおり、大手の主要事業者におきましては、データ通信専用SIMにつきまして、既に自主的に本人確認を行っているものと承知しているところでございます。一方で、本法における総務大臣による監督規定の対象とはならず、その結果として、本人確認の実効性が必ずしも確保できないケースもあるなどの課題があるところでございます。 また、中小規模の事業者の中には、データ通信専用SIMにつきまして、自主的な確認をそもそも行っていない者も相当数いるというふうに考えられます。 このため、データ通信専用SIMにつきましても本法における本人確認義務の対象とすることにより、匿名による携帯通信の不正利用の防止を確実にすることに狙いがございます。
○前川委員 特殊詐欺における携帯通信サービスの不正利用が巧妙化する中で、通常個人で利用することが想定されない多回線の契約が悪用されている実態があるという報告があります。こうした多回線契約に関する課題と、それに対して本改正案で講じる措置の内容について御説明をお願いいたします。
○湯本政府参考人 お答えを申し上げます。 通常個人で利用することが想定されない回線数の契約につきましては、詐欺などに悪用されるおそれが高いことから、現在、主要な事業者におきましては、契約回線数の上限を設けるなどの対策を自主的に講じているものと承知しているところでございます。 こうした対策が一定の成果を上げている一方で、自主的な対策を行っていない事業者やその取組が不十分な事業者も存在しており、そうした事業者を標的として、個人による多回線契約により提供された回線が不正に転売された事例が発生しているほか、契約回線数の上限や、どのような場合に一定数以上の回線を契約することの正当な理由を認めるかが事業者によって異なり、利用者にとって分かりにくい、こういった課題も生じているところでございます。 このような状況を踏まえまして、本法案は、契約回線数の上限について統一的な基準を示し、事業者がその上限を超える回線数の契約申込みを拒否できることを明確化することで、事業者の対策の一層の促進と、利用者にとって分かりやすい運用を図るものでございます。
○前川委員 これらの措置を実効的に講じていくためには、制度を改正するだけではなく、事業者に遵守させることがこれまで以上に重要です。 今後の携帯通信サービスの不正利用の防止に向けて、監督官庁としてどのように取り組んでいくか、堀内副大臣、御見解をお聞かせください。
○堀内副大臣 前川委員御指摘のとおり、本法案に基づく措置の実効性を確保するためには、携帯通信事業者において、改正の趣旨などについて十分に御理解いただいた上で、その着実な実施に取り組んでいただくことが重要であるというふうに考えております。 本法案を国会でお認めいただいた暁には、法案により厳格化する法人契約における契約担当者の権限の確認方法などについて、総務省のウェブサイトなどで明確化し、携帯通信事業者に対する周知を丁寧に行ってまいりたいというふうに思っております。 さらに、施行後においては、今回新たに規制の対象となるデータ通信専用SIMを提供する事業者への監督を含め、警察庁などの関係省庁と協力の上で、本法の厳正な執行を徹底してまいります。 このように、情報通信を所管する総務省の立場から、携帯通信サービスの適正な利用の促進に取り組んでまいりたいと存じます。
○前川委員 ありがとうございます。 今後も、新たな携帯通信サービスにおける不正利用が確認された際には、迅速かつ実効性のある対策を講じていただきますようお願い申し上げます。そして、必要な制度の改正についても迅速に行っていただきますようお願いいたします。 そして、携帯電話不正利用防止法は、特殊詐欺の防止に着目し、通信サービスの不正利用を防止する対策ですが、インターネット上においても、特殊詐欺に限らず、様々な課題が生じています。特に、プロバイダー責任制限法の改正により、情報流通プラットフォーム対処法として、インターネット上の権利侵害などの対策が拡充されました。 この改正法で、現状、虚偽情報や誹謗中傷、知的財産権や人格権など第三者の権利侵害を伴う情報の拡散などについて、インターネット上の権利侵害を十分に防止することができているとお考えでしょうか。現状の課題についてもお伺いしたいと思います。
○藤田政府参考人 お答えいたします。 インターネット上の誹謗中傷を含みます権利侵害情報による被害の拡大防止を図るため、大規模なプラットフォーム事業者に対し、削除対応の迅速化及び運用状況の透明化の義務を課す情報流通プラットフォーム対処法が昨年四月に施行されまして、現在、同法の適用を受ける事業者として九事業者を指定しております。 各事業者は、当該義務に基づきまして、削除申出窓口や削除基準を公表しておりまして、総務省におきましても、それらの情報をウェブサイト上に掲載するなど、その周知に努めております。 また、各事業者は、年度ごとに、投稿の削除やアカウントの停止等の措置の運用状況の公表が義務づけられております。 総務省としましては、情報流通プラットフォーム対処法の各義務の履行状況や課題について適切に把握、点検するとともに、昨日から開催された有識者検討会におきまして、今後、インターネット上の権利侵害情報等の発信、拡散をめぐる課題等を御議論いただくこととしておりまして、引き続き同法の実効性の確保に努めてまいります。
○前川委員 インターネット上の権利侵害の防止を一層強化するため、ネットに書き込む側への抑止力になるような予防策など、必要な対策を講じていくべきと考えます。 今後、政府としてどのように対策を講じていくのか、権利侵害による被害者をなくし、健全なインターネット社会を構築していくことに向けた決意をお聞かせいただけますでしょうか。
○堀内副大臣 ただいま前川委員が御指摘くださったとおり、インターネット上の誹謗中傷を含む権利侵害情報は、短時間で広範に流通、拡散し、そして、現実の国民生活や社会活動にも重大な影響を及ぼし得る深刻な課題であるというふうに認識しております。 こうした認識の下に、総務省では、インターネット上の権利侵害情報への対応として、情報流通プラットフォーム対処法による削除対応の迅速化、そして発信者情報開示に関する簡易な裁判手続の創設といった制度的な対応に加えて、利用者のリテラシーの向上、そして被害者からの相談体制の強化など、総合的に取組を進めてきたところでもございます。 また、先ほど政府参考人から答弁申し上げましたとおり、昨日、五月十一日に開催された有識者検討会では、インターネット上の権利侵害等の発信そして拡散をめぐる課題への対応の在り方を含めて検討することとしたところでございます。 総務省といたしましては、以上の取組も含め、引き続き、インターネット上の権利侵害情報による被害拡大の防止そして救済を図り、健全なデジタル空間を実現するために、不断の取組をしっかりと進めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○前川委員 ありがとうございます。 現在、インターネット上の被害について、たくさんの方が心を痛めています。こればかりは、法律によって削除依頼ができたり、又はそれぞれ心のケアもとても必要になってくると思います。 そのあたりも含めて、今、法律というものが、この情報流通プラットフォーム対処法が一番国民の身近にある法律ではありますが、ただ、私が思うには、書き込む側に関しての法律が必要と考えます。被害が起きた後、その後の法律だけではこの被害は収まらないと思います。やはり防止策というものが何よりも重要で、今、我々が書き込む側に話したとして、書き込む側は、法律がないから別に何を書き込んだっていいんだよということで、幾ら被害者が削除依頼をしても消せないことも多々あります。そういう声を私はたくさん聞いてきました。その被害者の方々のためにも、皆でよい法律を作っていかなければいけないと本当に切に思います。 そして、この被害の防止と、誰もが安心して利用できる携帯電話やインターネットの環境整備をお願い申し上げ、質問を終わります。
○古川委員長 次に、神谷裕君。
○神谷委員 おはようございます。中道改革連合の神谷裕でございます。 本日は、携帯電話の不正利用防止法について質疑の時間を頂戴しました。まずもって、委員各位、委員長に御礼を申し上げたいと思います。 それでは、早速質問に入らせていただきたいと思います。 今回の法案でございますけれども、もちろん、テレビ等、あるいは新聞等を見ておりましても、昨今の特殊詐欺事案であるとか、SNS型投資の案件であるとか、ロマンス詐欺等とか、本当に、被害の甚大化というか、被害を見ない日がないような状況でございます。 そういった状況の中で、今回の法改正ということは十分に理解ができるところでございますけれども、一方で申しますと、今回の法改正というのは、不法行為に対しての捜査手法の拡大をひょっとすると意味するところではないのか、あるいは、個人情報の管理、提供を事業者に対して強力に求めることになるのではないかということが懸念、懸念というか、考えなきゃいけないところだと思っております。 そういった意味において、人権との関係において、当然ながら丁寧な議論が必要になってくると思っております。ですので、この委員会でそういった議論をしっかりとさせていただいて、しっかりと議事録に残していきたい、このような意図で質問させていただきたいと思います。 その意味で、まずは総務大臣に、今回の法改正が、いわゆる通信の秘密であるとか、そういった人権と今回の立法事実との関係について比較考量した上で適切と言えるものであるのかどうか、それについての大臣の所感というのをまずお伺いをしたいと思います。いかがでしょうか。
○林国務大臣 本改正案につきましては、昨年四月に取りまとめられました国民を詐欺から守るための総合対策二・〇における政府全体の詐欺対策への取組強化の方針を踏まえまして作成したものでございます。 具体的な改正内容は、総務省が開催しております憲法、刑法、民法等の専門家から成る有識者会議において御議論いただいた内容に基づいておりまして、今委員からまさにございましたように、人権とそれから立法事実の関係を比較考量した上でも適切であるというふうに考えておるところでございます。 一例を挙げますと、警察署長による電気通信事業者への照会に係る規定、これにつきましては、今回の法改正においてデータ通信専用SIMを新たに契約時の本人確認の対象に加えることなどに伴いまして、現行法に既に規定している契約者確認の求めの実効性を確保するために整備するものでございます。 この規定では、恣意的な運用、また過度な事業者の負担を回避するという観点から、条文案上、その確認の求めを行うため必要があると認めるとき、これに限ることとしておりまして、また、照会に対する対応、これを事業者に義務づけるということもしておらないところでございます。 この法案をお認めいただいた暁には、これらの規定の趣旨をしっかり踏まえて、関係省庁と連携しつつ、適切に運用してまいりたいと考えております。
○神谷委員 私も、御案内のとおり、こういった現在の事案について何らかの措置が必要だということは十分に理解をするところでございます。そういった意味において、この法案が本当に適切なのかどうか、また確認をさせていただきたいと思いますが、まず確認しなければいけないのは、どんな罪に対して、どの程度の容疑事実というか、どのような適切性というか、どの程度の情報の提供を求めるかということがやはり重要なんじゃないかなと思います。 この点、法案を見ておりますと、第八条の二でございますけれども、ここに、刑法第二百四十六条、これは詐欺罪でございますけれども、あるいは第二百四十九条、これは恐喝罪です、あるいはその他政令で定めるところとございます。その他政令で定めると書いてあるものですから、じゃ、具体的に、この政令で定める罪というのは、例えば現状どんな罪が当たるというふうに考えているのか。当たるというふうに考えているというか、現状どういうふうに定められているのか、これについてお知らせをいただきたいと思います。いかがでしょうか。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 警察署長は、携帯電話が携帯電話不正利用防止法第八条第一項第一号及び同第二号に規定する犯罪に利用されていると認めるに足りる相当の理由がある場合、携帯通信事業者に対して契約者確認を求めることができるとされておりまして、お尋ねの政令で定める罪につきましては、現行法では、携帯音声通信役務が多く利用され、かつ、その行為による被害又は公共の危険を防止する必要性の高いものとして、覚醒剤取締法違反等の薬物犯罪、貸金業法違反等の闇金融事犯等の罪が政令に規定されております。
○神谷委員 いずれも、今定めているところについては、なるほどなというふうに思うところでございますけれども、この後定めるというところがあるんだと思います、その他定めるとなっておりますので。だとするならば、当然ながら、対象事案についてやはりある程度厳格に見ておかなきゃいけないと思うんですけれども、この次というか、この法案以降に、その他政令で定めるというのはどんな罪を予定しているのか、お知らせをいただきたいと思います。いかがでしょう。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 これまでは、警察署長による契約者確認の求めの対象は音声通信のみであったところでありますけれども、本法案によりまして、データ通信もこれに含まれるということとなります。 これに伴いまして、法第八条第一項第二号の罪を定める政令を改正するか否かにつきましては、データ通信の不正利用の実態でありますとか、契約者確認の求めの実効性等を勘案しつつ検討してまいりたいと考えておりますが、政令に新たに罪を加える改正を行うということになった場合には、改正案についてパブリックコメントを実施して、広く国民から意見を聴取するなど丁寧に対応してまいりたいというふうに考えております。
○神谷委員 やはりあくまで、警察、権力とはあえて言いませんけれども、どんな罪が当たるのかということはある程度法で規制していかなきゃいけないというか、ある程度明確にしていかなきゃいけないと思うので、政令をしっかり定めていただかなきゃいけないんですけれども、その際に、やはり民主的な統制という意味において、パブコメですか、かけていただけるということでございますから、そこはしっかりやっていただいて、周知をしていただきたい。要は、無限に拡大をしないようにしていただきたいということは、まず申し上げなければいけないかなと思っております。 この法案では、ほかに、第八条なんですけれども、警察署長が、不正な利用の防止を図るためとあります。不正な利用の防止ということであると、防止ですから、これは既遂のものばかりではなくて、当然、未遂のものについても警察署長の判断で提供を求めることができるというふうに解することになるわけでございますけれども、これについては、未遂のものも入ってくるのか。 あるいはまた、今回、裁判所の令状などによることなく、警察署長の判断でできるというふうになった理由について伺いたいと思います。いかがでしょう。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 現行の携帯電話不正利用防止法は、携帯音声通信役務の不正な利用の防止を図ることを目的としております。 そういった中で、未遂につきましては、被害者が犯行を察知して被害に遭わずに済んだ等々、様々な場合があるわけなんですが、犯罪の実行行為があった時点で不正な利用のおそれが一定程度あったと認められることから、契約者確認の求めは未遂の場合でも行うことができると解されておりまして、現に政令においても未遂罪も規定をしているところでございます。 このように、契約者確認の求めは未遂の場合でも行うことができるため、電気通信事業者に対する照会につきましても、確認の求めを行うため必要があると認めるときは、未遂の場合であっても必要な事項の報告を求めることができるものでございます。 また、警察署長の権限とした理由につきましては、携帯電話が犯罪に利用されている事実を最初に認知し、契約者確認の求めの対象となる電話番号等の情報を得るのは、通常警察署であります。また、契約者確認の求めを事業者に行うのも警察署長でありますので、その迅速性を確保するため、今回新たに設ける照会につきましても、その主体を警察署長としたものでございます。 また、本規定による照会は、電気通信事業者に任意の報告を求めるものということでもございます。
○神谷委員 審議官、念のための確認なんですが、未遂については、今、対象になるという話だったんですけれども、全ての罪に対して、未遂であっても適用になるということではないですよね。要するに、いわば未遂罪が設定されている罪については未遂であったとしても適用になるけれども、一般則において、全て未遂と言われる行為が対象になるということではないですよね。念のための確認ですが、いかがでしょう。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘のとおりでございます。
○神谷委員 審議官、もう一つ、これも念のための確認なんですが、警察署長の判断になった、警察署長の判断で終わってしまうということ、要するに、第三者の目が入らない事情としては、あくまでこれは任意の捜査であって、任意で、要は相手に求めることができるから、あくまで警察署長の判断でもできるけれども、強制性を伴う措置を取らなければいけないとなったときには、更に一段上の、いわば令状というか、裁判所の令状、あるいはそういったものが必要になってくるという理解でいいか、ここをもう一度確認させてください。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘のとおり、この規定による照会は、電気通信事業者に対しまして、事業者側の任意の回答を求めるという仕組みになってございます。そういったことで、強制処分として行うものではございませんので、裁判所の令状を必要とするというような形は取っていないということでございます。
○神谷委員 そこのところはちゃんと確認しておきたかったものですから、確認をさせていただきました。 また、同条第二項では、警察署長は、確認の求めを行うために必要があると認めるときはとなっているんですけれども、これは、国家公安委員会規則で定める方法による確認の求めを、求めるための必要があればということで、いわば事前に照会をかけられるという考え方でいいのか。素直に条文を読むとこういうふうになるんですけれども、これについてはいかがでしょうか。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 この規定、警察署長は、携帯電話が所定の犯罪に利用されていると認めるに足りる相当の理由がある場合、携帯通信事業者に対して、国家公安委員会規則に定める方法によって契約者確認を求めることができる、こうなっておりまして、従来は、被害者からの聴取などする中で犯行に用いられる携帯電話番号というのが把握できたわけなんですが、メッセージアプリ等が犯罪に利用されるといった場合は、例えば、アカウントにひもづく、アカウントの開設のときに利用された携帯電話番号といったものが契約者確認の求めには必要になるわけですけれども、それを把握するという必要がございますので、まさに契約者確認の求めの前段で、当該メッセージアプリ等の運営事業者からアカウント情報、携帯電話番号を入手する、こういう流れになります。 この規定は、このような場合に契約者確認の求めの前段階の照会を行う、そのための法令上の根拠を設けるものということでございます。
○神谷委員 済みません、これもまた確認なんですけれども、本来、私が考えるには、この国家公安委員会規則で定める方法なりなんなりで照会をかけるのかなと思ったんですけれども、国家公安委員会規則に定める方法による確認をする必要があるというときに警察署長の判断で照会がかけられるという、いわば事前の話になってくるので、あえて、この警察署長の判断は、国家公安委員会規則に定めるまでいかないのはなぜなのかというのが、疑問としてどうしてもあるわけなんです。 何だったらば、この警察署長の判断でかけられる照会も国家公安委員会規則で定めた方がいいんじゃないかなと私自身は思ったりもするんですけれども、こうなっていなかった理由というのを、もう一度、確認のためお知らせいただけますか。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 契約者確認の求めは、これを受けた携帯通信事業者が、契約者確認手続を行って、最終的には回線契約の解除にもつながり得るということから、その方法に関しましては国家公安委員会規則において定めることとされているところでございます。 他方で、今回規定されます照会につきましては、任意の手続として電気通信事業者に必要な情報を求めるものにとどまるため、契約者確認の求めとは異なって、その方法などを国家公安委員会規則で定めることとはしていないところでございます。
○神谷委員 あくまで事前の手続として任意で照会をかけるという認識なんですよね。ですので、国家公安委員会規則までは定めないということなんだろうというふうに理解をいたしましたけれども、それで大丈夫ですよね。
○遠藤政府参考人 そのとおりでございます。
○神谷委員 ありがとうございます。 ただ、任意で定めるにしても、できることであれば、国家公安委員会規則なりなんなり、一律の規制があった方がいいのかなというふうに私自身は思っておりますので、今後御検討いただけたらと思いますけれども、御検討いただくことは可能でしょうか。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 まずは、適切な運用が行われるように、都道府県警察の指導をしっかりと行ってまいりたいと考えております。必要があればそういった検討ということも、可能性としては否定はされないと思います。
○神谷委員 実は、その次の質問にもかかってきたんですけれども、今、警察署長が携帯音声事業者に行う契約者確認の求めは国家公安委員会規則に定める規則によるんですけれども、電気通信事業者への照会においては国家公安委員会規則に定めを設けないということだったものですから、これについてもやはり国家公安委員会規則で定める考えはないのかという趣旨も含めて伺ったつもりでございます。 そういったことで考えたときに、これもやはり同じように、定めることも含めて考えるということでよろしかったですか。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 現時点におきましては、必要性というのは認められないかと考えてございますけれども、いずれにしましても、都道府県警察に対し、適切な運用を図るよう、指導をしっかりと行ってまいりたいと思います。
○神谷委員 適切な運用をもちろんやっていただけるということは信じております、そこは信じておりますけれども、できることであれば規則として定めていただいた方が後々いいのかなというふうに思いますので、是非御検討いただけたらと思います。 今回の法改正により、犯罪抑止のための一助となることは期待をするんですけれども、一方でいいますと、なかなか被害が収まらない状況というのは、これを懸念をしているところでございます。報道によれば、国外から電話等によって行う詐欺など、国外のため対処に難しい部分があるとは承知しているんですけれども、犯罪防止の観点からも、放っておくことにはならないのではないかと思っております。 今回の法改正で予定をされているのは国内に事務所を有する事業者ということだと思うんですけれども、海外の事業者に対して、例えば我が国に事務所等を有しない事業者、そういった皆さんに対してどのように対処していくのか、実際には被害を防止するために何ができるのか、これについて、これは総務省だと思いますけれども、お話を聞かせていただけたらと思いますが、いかがでしょうか。
○湯本政府参考人 お答えを申し上げます。 多様化する電気通信サービスの不正利用を実効的に防止するためには、本法案に基づく措置のほか、様々な対策というのが必要だと認識しているところでございます。 特に、今委員から御指摘があったとおり、国際電話を悪用した犯罪、特殊詐欺につきましては、引き続き多数発生している状況でございまして、その防止に対しましては、国際電話を真に必要としない方における利用休止などの対応策が効果的である、このように考えているところでございます。 総務省といたしましては、犯罪対策閣僚会議で決定された国民を詐欺から守る総合対策二・〇に基づきまして、国際電話に関しましては、民間事業者が運営する国際電話不取扱受付センターにおける利用休止の促進、受付体制の強化、また、携帯電話に関しましては、迷惑電話などの拒否を可能とするサービスの低廉化や周知などを通じた普及促進など、官民一体となって対策を進めてまいりました。 今後とも、本法案に基づく措置のほか、国際電話を悪用した特殊詐欺対策を含め、電気通信サービスの不正利用に対しまして包括的な対策をしっかりと進めてまいります。
○神谷委員 ありがとうございます。 レクに来ていただいたときに、国際電話の不取扱センターですか、この事例についても御紹介をいただきました。正直言うと、初めて聞いた単語でございまして、なるほどなと思う反面、こういう取組はもっとしっかりと周知をしていただかなきゃいかぬなというふうに率直に思ったところです。 実際に、本来国際電話はかかってこない、ふだんかかる必要のない方まで含めて国際電話が取れるような状況にしておくことが果たしていいのか悪いのか。もちろん、本来はつながっている状況の方がいいに決まっているんですけれども、それによって不幸にして詐欺に遭っているようなこともあるということでございますから、できれば取らない方がいいのかな、可能性のない方は取らない方がいいのかなと思ったりもするところでありまして、そういう意味において、非常にいろいろな取組、いろいろな手法によって防止しようという観点は本当にありがたいと思います。 ただ、できることであれば、私も知らなかったし、私は、これを聞いてから高齢者の方に何人か聞きましたけれども、誰も知りませんでした。この状況はやっていないのと同じになってしまうので、やはりしっかりと周知していただかなきゃいけないと思うんです。 何回も言いますけれども、これはしっかり周知していただかなきゃいかぬと思うので、これについて、もう少し何かできる手法というのはないですか。いかがですか。
○湯本政府参考人 お答えを申し上げます。 今委員から御指摘がありましたとおり、周知というのは大変重要だというふうに考えているところでございます。 まさに、誰にも知られなければこういった枠組みもうまく機能しないということは事実でございますので、私どもといたしましても、様々な手段、広報を通じて今後もやっていきたいと思いますし、また、地方自治体や警察庁さんとも連携をしながら、一層の周知、普及に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○神谷委員 ありがとうございます。 多分、総務省の皆さんがやったとしても限界があると思うので、あるいは携帯会社なり、そういった皆さん方を通じてできれば周知をしていただきたいと思いますし、あるいは、窓口に来たときにこういうことを、高齢者の方なのか、一定の方にはある程度お伝えをするとか、そういった様々な手法を通じていただいて、いろいろな手法があるんだよということは是非広めていただきたいということを重ねてお願いをしたいと思います。 その上で、次の質問に移らせていただきますけれども、昨今の報道を見ておりますと、秘匿性の高い通信アプリの活用あるいは連絡手段を活用するなどと聞いているところなんですけれども、今回の法改正によって、こういった通信アプリ等の提供事業者は、情報の提供を求めることが可能となるのかどうか。そもそも、どういったところに情報の照会ができるのか、ここのところを明確にしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 昨今、特殊詐欺におきましては、犯人が被害者等に詐欺の欺罔電話をかける際などメッセージアプリが多く悪用されておりまして、照会先として、主にメッセージアプリ等の運営事業者を考えております。 また、秘匿性の高いようなアプリなどにつきましては、例えば海外の事業者というのが運営しているようなものがございます。 一般論を申し上げますと、例えば不正利用されているSNSのアカウントに海外の電話番号が登録されているというような場合、SNS事業者に対する犯行利用アカウントの利用停止を依頼するようなことを行いまして被害拡大防止を行っているところであり、今後もこのような形で対応してまいりたいと考えております。
○神谷委員 念のため、もう一回確認します。そもそもどういったところに照会ができるのか、ここについてはいかがですか。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 照会をする先といたしましては、メッセージアプリ等の運営事業者でございます。こういったもののほかにも、SNSでありますとかマッチングアプリ等もございますので、こういったところも照会の対象というふうに想定しております。
○神谷委員 照会の対象というか、照会ができるかできないかでありまして、そういったところには照会が可能なんですね。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 まず、法の対象となる電気通信事業者に対して照会ができるということでございまして、これに当たらないものについてはこの法に基づいた照会ができるわけではございませんが、そこにつきましては任意の協力を求めるということで働きかけを行っていく、こういう形になると考えております。
○神谷委員 ありがとうございます。 ただ、今、最後に気になる言葉として、任意のということになったんですけれども、海外の事業者というのは、割と任意だと提供いただけないなんという可能性があるのかなというふうに思っていまして、これまでも、例えば、いろいろな海外の事業者さんに対して、任意制に基づいた、例えば削除してくださいであるとか、いろいろな要請をかけたところ、法的な規制がなければできないんだ、あるいは簡単に応じないみたいな話も実は聞いているところでございまして、ここについて、特に海外事業者のとき、任意制であることがかえってマイナスにならないかどうか、要は実効性という意味においてですね。 もちろん人権の問題等あるんですけれども、やはり実際に情報が取れないと困る部分もあるんでしょうから、ここについての切り分けではないんですけれども、何らか、措置というのか、考える必要もあるような気がするんですけれども、これは任意ではなく、その次の手段も含めて考えるべきだと思うんですけれども、この点についていかがですか。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 純粋な海外の事業者のような、この法律の適用の対象にならないところにつきましては、海外となりますと、当然国の主権の及ばないというところでもございますので、また、法律のたてつけ上もそういったものが対象になっていないという中であれば、やはり任意で協力を求めていくということになっていかざるを得ないとは思います。 これまでも、法の対象になっていないような場合には協力を求めていくということで、事業の実態でありますとか、あるいはその効果というのは、それは事業者によってまちまちのところはございますけれども、できる限りそういったところに対する働きかけを行って、協力を求めていくという努力を続けていきたいというふうに考えております。
○神谷委員 よく理解をいたしました。 その上で、また実際にこれを走らせてみて、もしどうしようもないということであるならば、また法改正を含めた様々な検討が必要なのかなというふうに思っています。現状ではこういった措置が、任意でございますけれども、まあそれでいいのかなというふうにも思いました。 その次の質問なんですけれども、今回の法改正の端緒の一つとしては、中学生による不法な多回線契約や転売行為があったというふうに承知をしておりまして、もちろんこういった不正な行為というのは非難されるべきであると思うんですけれども、見方を変えてみますと、この中学生というのは、結構ICT人材としては有能な方なんじゃないかなと思ったりもしているところでございます。ホワイトハッカーとは言わないですけれども、こういった人材が、ICT人材が不足している中で、こういった、いわば天才とも言えるような人材を見つけ出すということが今非常に重要なんだろうというふうに思っておるところであります。 そういう意味でも、若いうちからこういう人材を発掘していく必要があると思うんですけれども、これについてのお話を総務省からいただけたらと思いますが、いかがでしょうか。
○三田政府参考人 お答えいたします。 我が国では、専門知識を有する高度人材を含むサイバーセキュリティー人材の不足が指摘されているところであり、委員御指摘のとおり、中学生を含め、有為な若手人材を発掘、育成することは重要な課題であると認識しています。 そこで、総務省では、情報通信研究機構、NICTを通じて、サイバーセキュリティー人材の発掘、育成の取組を進めており、その中で、中学生を含む二十五歳以下の若手人材を対象としたセキュリティーイノベーターの育成プログラム、SecHack365を実施しています。 この育成プログラムは、NICTの研究資産を活用し、実際のサイバー攻撃関連データに基づいたセキュリティー技術の研究開発を、第一線で活躍する研究者や技術者が継続的に指導するものであり、二〇一七年度から実施し、毎年四十名程度が修了しています。 総務省としては、このような育成プログラムについて、より多くの若手人材に知っていただけるよう、一層周知を強化するとともに、引き続き、若手のサイバーセキュリティー人材の発掘や育成に積極的に取り組んでまいります。
○神谷委員 是非、頑張ってそういう人材を見つけ出し、また養成していただきたいと思うんですけれども、ただいま四十名程度というお話でしたか、毎年人材を養成しているのは。四十名ではやはり足りないんじゃないかなと率直に思うところでございますし、多分、政府においてもこういった人材というのはどんどんどんどん欲しいんだろうというふうに思っているところでございます。 伺うところ、NICTさんだと、公募の形でこの人材というのは募集しているということでよかったですかね。公募ですと、なかなか難しいのかなというか、本当の意味で光る人材を見つけるときに、公募の形で、果たしてそれで足りるのか。いわば広く、いろいろな形でこういった人材を探し出す、見つけ出すということも必要なんじゃないかなと。この指止まればかりではやはりいけないんじゃないかなと思うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○三田政府参考人 お答えします。 先ほど申し上げましたSecHack365の募集に当たりましては、毎年文部科学省を通じて各大学、高専、高校へ周知を実施しているところでございますけれども、先ほど御指摘ありましたように、更に一層、人材の発掘についてどのような方法があるかということについては検討を進めていきたいと思っております。
○神谷委員 是非検討を進めていただきたいと思います。 今ほど申し上げたように、犯罪をされた方は中学生ということでございまして、より若い世代でももはや光る人材はいるのかなというふうに思っています。高校、高専ということなので、もう少し下に、実は、もっと言ってしまうと小学校ぐらいからむしろプログラム的に養成してもいいのかなというふうに思ったりもするわけでございます。 やはり、我が国の人材は明らかに不足していると思うんです。そういったところを考えたときに、多分NICTさんあるいは総務省さんの努力だけでは足りないと思うので、ここについては、むしろ総務大臣にお願いをして、政府全体で何とか頑張っていただきたいと思うので、この点については、通告していませんけれども、大臣、いかがですか。
○林国務大臣 私、文科大臣の経験がございますので、小中ということになると義務教育ということがあって、その辺はよく文科省に確認しなきゃいかぬのかなと。余りこちらの、NICTの方にずっと行って、学校に行けなくなるとどうなのかなというのが今ちょっとよぎりましたけれども。 いずれにしても、もう中学校どころか小学生でも、この分野は自分でどんどんどんどん進んでいくというのはよく見聞きしていることでございますので、そういったところも含めて、更にどうやったら広げていけるのか、今の御指摘を踏まえてしっかり検討していきたいと思います。
○神谷委員 ありがとうございます。こういうのは早い方がいいと思うので、いろいろ考えていただけたらと思います。 最後の質問なんですけれども、昨今の匿名・流動型犯罪などに対応していくために今回の法改正も実施されることと思うんですけれども、法改正を実施しても、警察組織やあるいは総務省内の体制が十分に整備されていなかったり、あるいはまたICTに対応する人材が十分に配置されていなければ、こういった犯罪に十分に対応することにならないんじゃないかなというふうに思うところでございます。 もちろん、御尽力をいただいていて徐々に体制整備は進んでいるものとは承知しているんですけれども、改めて、この体制の整備についてどういうふうに頑張っていくのか、これについてそれぞれお話を伺いたいと思います。いかがでしょうか。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。 委員が今御指摘あったとおり、本改正により、特殊詐欺を防止するための制度を整備することに加えまして、その実効性を確保するために必要な実施体制を構築するといったことは大変重要であると考えているところでございます。 言うまでもございませんが、近年の多様化、巧妙化する通信サービスの不正利用の防止、またサイバーセキュリティーの水準向上に対応していくために、総務省といたしましても、例えばでございますが、総合通信局といった我々の出先機関との間での連携体制をしっかりと構築していくであるとか、また、有識者の意見交換などによる民間の知見の活用など、必要な体制の整備に取り組んできたところでございます。 今回の法改正の趣旨も踏まえまして、今後の改正法に基づく措置の適切な実施に向けましては、特に専門的な人材の育成というのは非常に重要になってくると思いますので、このような人材の育成も含め、一層の体制の充実強化に努めてまいります。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 匿名・流動型犯罪グループなどに対する対策といたしまして、警察といたしましては、サイバー部門との連携も含めて、部門の垣根を越えた対策を講じるための体制を構築しております。その中で、戦略的な実態解明、取締り、あるいは犯罪収益の剥奪等、グループの弱体化、壊滅に向けた対策を進めてきたところでございます。 そしてまた、さらに、警察庁の司令塔機能を強化するため、昨年十月に組織改正を行いまして、警察庁に匿名・流動型犯罪グループ情報分析室というものを設置いたしまして、サイバー特別捜査部とも連携をしながら、匿名・流動型犯罪グループに係る実態解明を推進しているというところでございます。 引き続き、体制の在り方も含めてこれらの対策について不断の検討を行いながら、その弱体化、壊滅に向けた組織を挙げた取組を推進してまいりたい、このように考えております。
○神谷委員 ありがとうございました。 終わります。ありがとうございました。
○古川委員長 次に、平林晃君。
○平林委員 中道改革連合、平林晃でございます。 先ほどの神谷委員に続きまして、携帯電話不正利用防止法の改正案に関しまして質問させていただきます。大臣を始め御答弁いただく方、是非よろしくお願い申し上げます。 それでは、まず、立法事実から確認をさせていただきたいと思います。 携帯電話不正利用防止法は、平成十七年、議員立法によって成立をして、当時、いわゆる振り込め詐欺が横行していて、その実行に携帯音声通信が悪用されていたことから、契約時の本人確認と記録の保存が義務化された。三年後、平成二十年に改正をされたときには、レンタル携帯電話の規制逃れ、SIMの不正転売に対応するための規律が強化された、このように認識をしているところでございまして、それぞれ背景と対応があるというわけでございます。 そこで、伺うところでございますが、今回の改正案においては、背景として、近年のどのような犯罪の傾向に着目して、その犯罪に用いられる手段、とりわけ犯罪被害時において用いられている手段がどのようなものになっており、まず、それに対して今回の改正案がどのような抑止効果を持つことが期待されているのでしょうか、警察庁の見解を伺います。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 こういったSNS型投資・ロマンス詐欺等の被害に係ります被害者への連絡手段としては、音声通信以外、音声通話以外のものが使われることが多くなってきており、そういったものを多く使うSNS型投資詐欺、それからSNS型ロマンス詐欺におきましては、被害者をだます際に使われる連絡ツールにつきましては、令和七年においては、大手メッセージアプリ事業者のアプリが九割以上を占めて、その他一割というふうになっております。 こうした犯行では、被害者をだます過程で様々な公的機関等からの連絡を装って、多数の通信回線を用いることが一般的になっておりまして、したがいまして、今回の改正によって、データ通信専用SIMの本人確認や、多回線契約に係る役務提供拒否の規定等を設けることで、携帯電話回線が犯行グループによって不正に利用されることを抑止する効果があると考えております。
○平林委員 ちょっと、審議官、もう少しはっきりと御答弁いただきたいというのと、最初のところが余りよく聞こえなかったところがありましたので、よろしくお願いをいたします。 令和七年の数字で約九割がメッセージアプリを使われているということもあり、その他一割の部分もあるということでございます。SNSが初期段階の接触において用いられ、やり取りが進んでいく中で、徐々にメッセージアプリに移行していく、こういう状況もあるんだと認識をしております。その結果としてこの九割が、ある当該アプリを用いて、被疑者と被害者のやり取りに使われている、こういう実態かと存じます。 ちょうどこの質疑の準備をしているこの土曜日に、私の元にも見知らぬメールアドレスからショートメッセージが届いて、リモートのスタッフを募集、日給三万円、興味があればこれこれのメッセージアプリのIDに資料希望と連絡くださいということで、非常に分かりやすい内容ですよね。こうやってつながるんだなということを体感をさせていただいたわけでございまして、実際にはもっと巧妙に、もっと本当に、関係を築いていって、こんな分かるような方法ではなくて、ついつい、こんなに拒絶が簡単にできるような方法ではなくて、つながってしまうのではないかなと、こんなことを拝察、推測したところでございます。 こういう事案を抑制をするためにアカウントの本人確認をできるようにしようという立法趣旨は理解をしております。私の元に届いたショートメッセージも、携帯番号からではないんですよね。メールアドレスから届いているということで、恐らくこのメールアドレスは、たどっても本人は確認できないんだろうな、こんなことも想像しているわけでございますけれども、この立法趣旨を理解しております。 ここで問題になるのが、じゃ、そのアカウントの本人確認をできるようにしようとするということの手段が、今回、本当にこれで正しいのかどうかということに関して疑問を持ったところがありますので、その部分を中心に、しっかりとこの質疑によって明確にしていきたいと考えているところでございます。 先ほど大臣も御言及された国民を詐欺から守るための総合対策二・〇ですけれども、この中には、SNS型投資・ロマンス詐欺対策における各種サービスやインフラの不正利用を防止するための取組として六項目が挙げられております。そのうちの、六項目の中の一番は、「SNS事業者に係る本人確認の厳格化」と書いてございます。そして、ちょっと飛びますけれども、四番が、「データ通信専用SIMの契約時における本人確認の義務付け」、こう書いてあるわけですね。 今回の立法は、この四番を実現をするための立法になっていると理解をしているわけですけれども、私、今回の立法事実というのは直接的には一番なんじゃないかな、こういうような感覚も持つところなんですよね。SNS事業者に係る本人確認の厳格化ができれば、この最後のところの本人接触、被疑者と被害者との接触も、これも抑止していくことができる、こう考えるところでございます。 そこで、総務省に伺いますけれども、本改正案においては、一番のSNS直接というところではなくて、二番のデータSIMの本人確認義務づけを実現する、こういう立法方針を取られたのはなぜでしょうか。教えてください。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。 SNS型投資・ロマンス詐欺を含む特殊詐欺という被害が非常に深刻化する中で、これらの詐欺等におきましては、先ほど警察庁の方からも御説明があったとおり、被疑者との主な連絡手段として携帯データ通信が不正に利用されている、こういったことに加えまして、不正利用が確認されたデータ通信専用SIMの多くについて契約時等の本人確認が行われていなかったことが調査により明らかになっているところでございます。 また、この不正利用が確認されたデータ通信専用SIMの中には、SNS型投資・ロマンス詐欺以外の犯罪に利用されていたものも一定程度含まれているものと承知しているところでございます。 委員からも言及があったとおり、SNS等の事業者に対する措置、これにつきましても大変重要な課題ではございますが、今申し上げました実態を踏まえまして、携帯通信事業者における契約者の管理体制を強化し、特殊詐欺などにおける匿名による携帯通信サービスの不正利用防止を確実にするため、データ通信専用SIMについても本法の本人確認義務等の対象とするといったようなことでございます。 これによりまして、SNS型投資・ロマンス詐欺を含む携帯通信サービスを不正利用した特殊詐欺、この被害を実効的に防止するとともに、SNSの運営者も含む様々な事業者においても、SMS認証などを通じた利用者の本人確認が促進されるものと考えます。
○平林委員 今の御答弁、理解するところではございますけれども、結構、データ通信SIMを本人確認の規制対象とするということ、これが結果として、また後ほど詳しく申し述べますけれども、本人確認ができない場合には通信を停止する、こういったことにもつながっていくわけでございまして、この部分に関してやはりまだ疑問があるというところでございます。 要するに、規制が広くなり過ぎていないかという問題意識です。恐らく、総務省におかれましてもこの問題意識は共有していただいているのではないかなと思うわけです。であるがゆえに、規制を的確に制限しなくてはいけないのではないかという問題意識もやはり持っておられる、そういう立法になっているのではないかなというふうに思います。 例えば、改正案二条二項におきましては、携帯通信役務の定義におきまして、携帯通信に係る電気通信役務全体ではなく、役務の提供を受ける者の管理体制の整備を促進する必要があると認められるもの、こういう制限をしておられるんですよね、総務省令で定めるものというふうに言っておられます。要するに、この管理体制の整備を促進する必要があるのかないのか、そこの線引きをしましょう、こういうことを言っておられるわけですね。 この点について確認したいんですけれども、この考え方、どう基づいていかれるのでしょうか。また、具体的にどんな範囲に定まっていくのでしょうか。お願いいたします。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。 本人確認などの対象とするデータ通信専用SIMの種類につきましては、総務省で開催いたしました有識者会議の報告書におきましても、その不正利用の実態や利便性への影響、実効性、こういったものを勘案して決定するべきとされているところでございまして、これらの点を考慮した上で、具体的に対象とする役務を省令において規定してまいりたいと考えているところでございます。 警察庁の調査におきましては、特殊詐欺等において不正利用が確認されたデータ通信専用SIMの多くは、メッセージアプリのアカウント作成などに利用されるSMS機能つきのものであったところから、まずはこれを対象とすることを想定しております。 なお、SMS機能なしのものや、いわゆるIoT機器向けのものにつきましては、SMS機能つきのもののような不正利用のおそれは比較的低いと考えているところでございまして、これらを本人確認などの対象にした場合の利便性への影響も大きいことから、現時点では対象とすることは想定しておりません。 ただし、SMS機能なしのものにつきましても、不正利用の件数の例えば急激な増加、こういった点が確認された場合には、その利便性への影響や不正利用対策としての実効性等を勘案し、省令改正などにより本人確認などの対象に加えることを検討してまいります。
○平林委員 ありがとうございます。 実効性でありますとか不正利用の状況でありますとか、そういったものを勘案して判断をしていくということですけれども、基本的には、SMS機能なしであるとか、あるいはIoTの専用といったものは除外をしていく、こんなお考えであったかと思います。 これは裏返せば、SMS機能がついていたとしてもIoT専用であれば本人確認の対象にはならない、こういうことになるわけですよね。確認していいですか。
○湯本政府参考人 お答えを申し上げます。 詳細はいろいろなパターンがございますけれども、基本的には、IoT向けのもの、専用のものにつきましては対象としないということを考えているところでございます。
○平林委員 ありがとうございます。 そういった考えになっていくということなわけでございます。ここは本当に非常に重要なところであると考えます。 過剰な規制ということはやはりあってはならないというふうに思います。省令で適切に決めていただきたいと思いますし、今の局長の御答弁にもありましたけれども、状況を見ていくというお話がございました。その点におきましても、拡大をするにしても適切な拡大をしていくということが大事かというふうに思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。 続きまして、附則二条に規定される施行時利用者本人確認について伺います。 本改正案におけるデータSIMの本人確認義務は、施行時点における新規契約者にのみ課されるものではないということであります。当該時点において現に契約しているデータSIMについても本人確認の義務が課せられる、このように規定をされているわけでございます。それが施行時利用者本人確認であります。この点について幾つか質問させていただきます。 まず、この規律を知ったときに率直に疑問に思ったんですけれども、これは法の不遡及の原則に当たらないのかということでございます。 法の不遡及の原則とは、念のため確認しますが、新しく制定又は改正された法律、規則を、その施行日より前の行為、過去の行為や関係に遡って適用しないという原則であって、この施行時利用者本人確認等は、本人確認義務を新規のみならず既存の契約者に対しても遡って適用することになってしまうので、ちょっとここは混同するところが私の中にもあるんですけれども、この点、いかがでございましょう。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘の施行時利用者本人確認は、本法案の施行日時点で契約中のデータ通信専用SIMのうち、本人確認が行われていないものについて、施行後一定の期間内に本人確認を行うことなどを携帯通信事業者に義務づけるものでございます。 これは、あくまで施行日を基準として施行日以降において新たな義務を課す措置でございまして、いわゆる法の不遡及の原則には反しないと考えているところでございます。 しかしながら、このような措置は、携帯通信事業者や利用者に対しまして一定の負担をおかけする措置であることから、総務省といたしましても、事業者の準備状況を踏まえまして、十分な準備期間、こういったものを設けるとともに、事業者と協力しながら利用者への周知の徹底を図っていくなど、その円滑な実施に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○平林委員 ありがとうございます。 不遡及の原則に当たるものではないということを確認をさせていただきました。また、事業者への負担、この点、私も後ほどまた質問をさせていただきたいというふうに思います。 今の質問に関連しまして、過去の事実をもって契約不成立などの行政処分を行うのであれば遡及適用に当たるかもしれないけれども、今回はそういうことではなくて、本人確認していない契約者に対してはある一定の期間に本人確認をしてくださいよということであって、この一定の期間というのが、施行日から基本的には特定日まで、ちょっと早くなるということもお聞きしましたけれども、規定をされている、そんなような感じで理解をしております。 この特定日が、いつ頃が想定されるのでしょうか、また、仮に、この期日、特定日までに本人確認義務が実施されない場合、当該契約者はその後どのように扱われることになるのでしょうか。
○湯本政府参考人 施行時利用者本人確認を義務づける具体的な期日、いわゆる特定日につきましては、省令において規定することとしております。しかしながら、この点については、先ほど申し上げたように、事業者にとって十分な準備期間を確保するため、本法案をお認めいただいた後、中小規模の事業者も含めまして、その準備状況を伺いながら検討してまいりたいと考えているところでございます。 また、施行時利用者本人確認の対象となる契約者に対しましては、まずは携帯通信事業者において、本人確認に応じていただけるよう、合理的な手段を尽くしていただく必要があると考えているところでございますが、それでも期日までに確認に応じない方につきましては、一時的に役務提供を拒否できることとしております。
○平林委員 ありがとうございます。 意見を聞きながら、適切に、慎重に特定日は定めていく、こういう御答弁であったかというふうに思います。その上で、特定日までに本人確認が実施されなかった場合には、アプローチはしていく、その想定の下で役務提供にも及ぶことがある、こういう御答弁だったと理解をいたしました。 これは、改正案附則第六条に規定があるんですよね。当該施行時利用者又は代表者が、要するに、本人確認の義務に応じるまでの間、電気通信役務の提供を拒むことができる、この規定がありますので、これに基づく措置であると理解しているところですけれども、この点は、どうも私の中に疑問が残ってしまうところであります。 データ通信、これだけ広範な用途を持って、大半の国民にとってなくてはならないインフラとして利用されている現状にあります。この現状において、データ通信役務を停止をするというこの措置が過剰な規制になっていないかということなんですけれども、ちょっとこのことを補足、少し述べさせていただきたいと思うんです。 データ通信を停止すれば、もちろん悪意を持った利用ができなくなる、これは当然のことであります。その一方で、悪意のない通信も停止をされます。例えば時刻表示、これはふだん狂いませんよね。これは通信しているから狂わないわけです。通信が止まってしまえば、しばらくほっておけば時刻表示は狂ってまいります。あるいは、OSのアップデート、こういったことだって、通信しているからできる話であって、これもできなくなるということもあったりするわけです。こういった通信役務というのは、内容というのは、悪用は全く関係のない話なわけなんですよね。 先ほど、SIMの範囲を限定する、こういうお話が三番目の質問であったかというふうに思うんですけれども、この考え方も、悪用には関係のないSIMは、今回の規律を適用しませんよ、そうでない部分に関しては規律を適用しますよということがあったわけで、いろいろなSIMに対して適用しているこの考え方を、SIMの中身に対しても適用できなくもない、こんなことも私は思ってしまうわけでございます。 実際問題として、私、通信は専門ではないんですけれども、データ通信、こういった悪用が考えられないデータ通信は維持したままでも、悪用可能なところは停止するとか、一部は維持したままほかは停止するみたいな、こういう措置も取れるのではないかな、こんなことも、これは想像なんですけれども、考えるところでございます。 こんな、少々細かいかもしれませんけれども、丁寧な対応を取ることは、電気通信事業法百二十一条の精神ですよね。これはどういった内容かといいますと、まず第一項では、認定電気通信事業者は、この場合、携帯通信事業者ですけれども、正当な理由がない限り、電気通信役務の提供を拒んではならないとありまして、その第二項には、利用者の利益又は公共の利益を確保するために必要な限度において、業務の方法の改善その他の措置を取るべきことを総務大臣が命ずることができる、こういう規律があるわけでございます。 ここに述べられる正当な理由に本人確認義務に応じないことが合致するのかどうか、私ははっきり理解できていませんけれども、この利用者の利益又は公共の利益を確保するために必要な限度において、改善措置命令を取ることができる、この精神においては、デバイス専用の通信を残すということも合致してくるような気がするわけでございます。 そこでお聞きするんですけれども、本人確認が特定日までに実施されないことをもって、本人確認がなされるまでの間、当該デバイスの通信が一律に利用停止されるという措置は、過剰になっていないのでしょうか。総務省にお聞きいたします。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。 役務提供を拒否する措置につきましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、まず、その範囲というものをきちんと限定をして必要最小限にするというのが前提にございます。 その上で、この措置に関しましては、データ通信専用SIMを用いた通信そのものの利用を停止することを可能としております。これは委員御指摘のとおりです。ただし、実際停止するに当たりましては、まず、実施期限までの間、十分な準備期間、こういったものを確保するとともに、利用停止の期間につきましてはあくまでも利用者が本人確認に応じるまでの間に限定する、こういったことを取ることによって、不正利用の防止に真に必要な範囲に限定し、利用者の利益を過剰に制限するものとならないようにしているところでございます。 いずれにいたしましても、残念ながら長期間にわたって本人確認がされていないデータ通信専用SIMというのが残存して、結果として不正利用の温床となる可能性も指摘されてございます。そういった中で、総務省といたしましても、通信事業者と協力しながら、利用者の利便性を損なうことのないよう、周知の徹底を図っていくなど、その円滑な実施に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○平林委員 今の御答弁、基本的には、懸念というか、通信を停止することに対して、やはりこれはそれなりに大事な、慎重にやらなきゃいけない、こういう思いは共有いただいているのではないかなというふうに思うんですよね。 その上で、私が申し上げたような細かい技術的なことではないですけれども、しっかり利用者にアプローチをして、それでどうしても駄目な、要するに特定日まで行ってしまった場合には、仕方ない、止めますよ、その上で、本人確認してくれたらちゃんと復帰させますよ、それでもずっと行かないものは、やはりこれは、怪しいという言葉が適切かどうか分かりませんけれども、止めるに値するデータSIMであると判断する、こういう法のたてつけをしておられるのかな、このように理解をさせていただいたところでございまして、私のやり方とは違うところはありますけれども、懸念に対して対処していただいている、このように理解をさせていただきました。 その上でなんですけれども、そうなってくると、法案が成立した後の運用、これがとても重要になってくるのではないかなと考えるところでございまして、これに関連しましては最後に大臣にまとめて御質問させていただけたらというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げます。 施行時利用本人確認に関しまして、もう一点だけ。 この対応を実施していく場合におきましては、当該本人への通知の実効性や、契約者本人が取るべき手続の煩雑さなどが要因となって、必要な手続が取られないことも起こり得るのではないでしょうか。そうなりますと、改正案の趣旨である犯罪抑止効果が十分に発揮されないこともあり得るのではないかと考えております。この点をどのように乗り越えていかれるお考えでしょうか。総務省にお聞きします。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。 委員から御指摘のあったとおり、携帯通信事業者におきまして施行時利用者本人確認を確実に実施できない場合、本法案の目的である携帯通信サービスの不正利用の防止を十分に果たすことができないと考えておるところでございます。 携帯通信事業者が施行時利用者本人確認を行うに当たりましては、携帯通信事業者におきまして一義的には行われるものでございますが、総務省としても、事業者などの関係者の意見を丁寧に伺い、施行時利用者本人確認の実施に必要な期間を十分に確保するとともに、その実施に当たりまして、例えばでございますけれども、総務省のホームページなどを通じて、利用者への積極的な周知、広報というものを実施していきたいと考えているところでございます。 いずれにいたしましても、事業者や利用者の負担にも配慮しつつ、その確実な実施に向けた対策を講じてまいります。
○平林委員 この通知を受け取った本人が、これは怪しい通知じゃないかと、さっきの冒頭の私の話のようなものではないということがちゃんと分かるようにしていくという意味において、やはりホームページの表示はすごく大事だというふうに思います。 その上でなんですけれども、今、ユーザー側の負担のことを言いましたけれども、事業者側の負担に関しましても、先ほど局長から少しお話もありましたが、質問させていただきます。 現場の対応にも配慮が必要であると考えておりまして、新規契約については音声SIMと同様の手続をすることとなりますのでそこまで心配していませんけれども、既存契約者に対しても対応していかなければなりませんので、私の知人の携帯ショップ従業員経験者も現場業務の増大への心配はおっしゃっておられたところでございます。 本改正案が成立した場合に携帯通信事業者に対して新たに課せられることとなる負担に関しまして、契約時間の増加でありますとか追加のコストでありますとか販売機会を逸失してしまう可能性でありますとか、こういったことをどう評価しておられるのか。また、それがひょっとして利用者の料金でありますとかサービス水準に転嫁されることはないのか。こういったことに関しまして、総務省の見解を伺います。
○湯本政府参考人 本改正案におきましては、事業者に一定の負担をお願いするものでございますので、やはり携帯通信事業者に課せられる負担又は利用者料金などへの影響については勘案する必要があると思っています。 しかしながら、この点につきましては、各事業者における自主的な取組の状況、また事業者の規模などが様々であることから、定量的に評価することは困難でございますが、いずれにいたしましても、本改正案に基づく措置の円滑な実施に向け、その状況はしっかりと総務省としても注視をしていきたいというふうに考えているところでございます。 本改正案を施行するに当たりましては、その規制対象となる具体的な専用SIMの範囲につきましては必要最小限のものとするというような答弁を申し上げたとおりでございますが、事業者、利用者への過度な負担を課すことのないように、準備期間の点につきましては十分な期間を設けるといったことであるとか、引き続き関係事業者の声というのを丁寧に伺いながら、事前の周知も含む様々な環境整備にきちんと取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○平林委員 総務省とされまして、本当に丁寧にやっておられるということは結構私も理解をしております。その上で、事業者は結構総務省さんに言えないこともあるということもございます。本当にそういった本音にもしっかりと寄り添ってもらうということも大事かなというふうに思いますので、これは言い過ぎかもしれませんけれども、是非よろしくお願い申し上げます。 続きまして、警察庁さんにお伺いをするところでございます。 改正案八条二項では、警察署長は、前項の規定により確認の求めを行う必要があると認めるときは、電気通信事業者に照会して必要な事項の報告を求めることができると。この必要な事項とは、当該アカウントにひもづく電話番号以外に何か想定されるものはありますか。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 契約者確認の求めを的確に行うため、警察としては、不正利用されたデータ通信契約を特定するための情報が必要でありまして、現時点では、犯罪に利用されたメッセージアプリ等のアカウントを開設する際に行われるSMS認証に用いられた携帯電話番号を照会することを想定しております。
○平林委員 基本的には携帯番号ということでありますので、ここも不用意に広がることのないように慎重な運用をお願いしたいというふうに思います。 また、電気通信事業者ということも八条二項にあるわけですけれども、二万者を超えると確認をいたしました。現行法八条一項で規定されている携帯音声通信事業者の二千者程度に比べたら、格段に多い数字になってまいります。このことは警察の権限の過剰な拡大になっていないでしょうか。この懸念に関しても御答弁をよろしくお願いいたします。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 昨今の特殊詐欺においては、大手メッセージアプリが多く悪用されているということでございまして、本照会先としても主に想定しているのは、当該メッセージアプリの運営事業者であることは御指摘のとおりだと思いますが、特殊詐欺において被害者をだます際に使われる連絡ツールには、メッセージアプリのほか、SNSでありますとかマッチングアプリ等もありまして、こうしたサービスを運営する事業者の照会も想定しておりまして、電気通信事業者というふうに規定をしているところでございます。 また、こういったサービス、今後も多様化する可能性も考えられるところでございまして、限定的な列挙による規制の潜脱等を防止する必要があろうかと考えております。 ただ、条文上は、照会をすることができる場合としては、確認の求めを行うために必要があると認めるときと限定が付されているところでございます。
○平林委員 ありがとうございます。 これも的確な運用が大事になってくると思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 最後になりますけれども、本改正案に関しまして、過剰な規制になっていないかという点を中心に質問してまいりまして、私の持っている懸念に関しましては、ほぼ立法上は解消されたと考えているところでございます。その上で、やはり政令の定めでありますとか立法以降の対応に委ねられる部分もあることも判明した、このように認識をしたところでございます。 こういった点は適切に実施されなければならないと考えておりますので、この点についての大臣のお考えとともに、あわせて、犯罪抑止効果を高めるためには、冒頭に申し上げましたこの一番、SNS事業者に係る本人確認の厳格化、今回のデータSIMそのものではなくて、SNSそのものに対する本人確認の厳格化もやはり同時に重要と考えておりまして、この点についての取組を進める必要性、今回の改正案が成立しても変わることはないと考えておりますので、この二点に関しまして、大臣の御見解をお伺いいたします。
○林国務大臣 データ通信専用SIMの契約時における本人確認の義務づけ、これなどを内容とする本法案においては、累々事務方から答弁してきましたが、省令に委任されている事項の内容、これは、有識者ですとか事業者などの御意見を丁寧に伺いながら決定をし、施行後の運用についても、実効性を確保しつつ、事業者、そして利用者の御負担、これが過剰とならないように十分配意してまいりたいと考えております。 それから、御指摘のSNS事業者に係る本人確認についての方ですが、犯罪対策の観点から、令和六年の十二月に、総務省からSNS等を運営するプラットフォーム事業者に対して、アカウント開設時の本人確認手法の厳格化の検討、これはもう既に要請しておるところでございます。 グローバルにサービスを提供するプラットフォーム事業者に日本独自の対応を求めること、これは必ずしも容易ではないという課題もございますけれども、各事業者において、サービスの特性等に応じて本人確認を実施しているほか、本人確認を実施した上で、サービス上で確認済みであるという旨の表示を行う、例えば認証バッジみたいなものを掲げてもらうというのがございますが、ほかの利用者からの視認性の確保をこうしたことで図ってまいりまして、成り済ましによる詐欺被害等の防止に役立てている例もある、こういうふうに承知しておるところでございまして、こういうことも含めて、今後ともしっかり対応してまいらなければならないと思っております。 各事業者において犯罪対策の観点から適切な対応が図られますように、総務省としても、今後とも働きかけを実施してまいりたいと考えております。
○平林委員 ありがとうございます。 本当に過度な負担、規制とならないように、法の適正な執行を求めて、また、更なる必要な対応も十分検討いただくことを求めまして、私の質問を終わらせていただきます。 大変にありがとうございました。
○古川委員長 次に、高見亮君。
○高見(亮)委員 日本維新の会の高見でございます。 本日は、携帯電話の不正利用防止法の一部を改正する法律案について質疑の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。 今までいろいろ議論があったところですが、令和七年の特殊詐欺、SNS型投資・ロマンス詐欺の被害額、これは暫定値で約三千二百四十一億と、過去最高だった昨年からは約一・六倍近くということで、本当にもう年々年々増えているところでございまして、また、手口も、生成AIを用いた非常に高度な難しいものも出てきているというところでございます。 実は、私の知り合いもこれは割と直近でやられまして、なかなか、手口も、メッセージアプリを使いまして、ロマンス詐欺なんですけれども、一度も会うことなく、巧みにカード契約をさせて、カードローンでお金を引っ張られて、それを振り込みさせて、本当に一度も会うことなく半年間、ずっと信頼関係を築いて犯罪に至った。結局これは警察に相談して、相談されたときにすぐにぴんときて、これは絶対ロマンス詐欺だと思って、警察にすぐ相談して捜査もお願いしたんですけれども、やはりこれは犯人は見つかることはなかったです。 こういう被害を増やさないためにも、本改正案、とても意義があるとは思っているんですが、私の方からは、データSIMの本人確認と短期滞在外国人の本人確認、ここを中心にちょっと見解を確認させていただきたいと思っています。 まずは、データSIMの本人確認の実効性のところでございますが、今、データSIMはオンラインでの契約が主流になっているところでございます。 総務省は、デジタル社会の実現に向けた重点計画を踏まえて、よりセキュリティーの高いマイナンバーカードのICチップ読み取り方式への移行、これをどんどん進めていると承知しているところでございます。 そこで、本改正後のデータSIMの契約においても、同様の高い信頼性のマイナンバーカードを用いた確認方式、これをスピード感を持って進めていこうとしているのかどうかということと、これは、海外の事業者、データSIMを提供しているのは日本の事業者だけでありませんでして、アマゾンとかを見ると、日本でも使えるようなデータSIMを結構売っていたりするわけでございます。 こういう海外のサービス事業者に対して、今回の改正が、規制に入ってくるのかどうか、お願いします。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。 委員から御指摘ありましたとおり、現行法におきまして契約締結時の本人確認義務の対象となっている音声通信につきましては、券面を精巧に偽変造された本人確認書類の悪用の実態、こういったものがございましたので、閣議決定されたデジタル社会の実現に向けた重点計画に基づきまして、券面の提示のみによる本人確認を原則として廃止し、マイナンバーカードなどのICチップを読み取ることとするなど、その方法を厳格化することとしております。 偽変造のおそれなどにつきましては、音声通信、データ通信の別にかかわらず同様であると考えておりまして、本改正により新たに対象とするデータ通信専用SIMにつきましても、同様の本人確認方法とすることを想定しているところでございます。 また、もう一点御質問がございました海外事業者との関係でございますが、訪日外国人など、海外の通信事業者と契約している者につきましては、海外事業者と国内事業者の間の国際ローミング協定に基づきまして、本邦内でデータ通信を利用する場合がございます。 このような場合におきましては、通常、その契約者と国内事業者との間に直接の契約関係はないため、本邦内でデータ通信を利用したとしても、本法案の規制対象とはなりません。 海外事業者によりまして国内向けに提供されているサービスにつきましては、近年被害が拡大している特殊詐欺などにおいて、データ通信専用SIMのような具体的な不正利用の実態は確認されておりませんが、今後、その不正利用の動向などを注視し、必要に応じ、その対策を検討してまいります。
○高見(亮)委員 では、今のお答えのとおり、規制の対象外ということでございますが、これは、今、現状としては余り確認はできていないということですが、十分想定されることだと思うんです。 こういう海外SIMを犯罪に利用することになったときの、犯罪が起きないような実効性確保のための方策についてどのように考えているのか、ちょっと教えてください。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 本法の規制の対象外の、海外の携帯電話の不正利用等につきましてでありますが、警察における詐欺対策の実務として一般論を申し上げますと、例えば、不正利用されているSNSのアカウントに海外の電話番号が登録されているようなことが確認された場合も、SNS事業者に対する犯行利用アカウントの利用停止依頼を推進することによって被害拡大防止を図っているところでございます。 また、捜査の観点で申し上げますと、海外事業者から被疑者の契約を特定する情報を取得するため、外国の捜査機関に対し、ICPOを通じた捜査協力を求めるほか、外交ルートや条約、協定を活用した捜査共助を推進しているところでございます。 このように、被害防止及び捜査の両面で必要な対策を講じているところでございます。
○高見(亮)委員 もう一つ、短期滞在外国人の本人確認についてお伺いしたいんですが、今、空港カウンターとかオンラインとかでプリペイドSIMとかポケットWiFiとかを契約する場面、これが想定されるところなんですが、余り手続を煩雑にしてしまうと、やはり我々観光を推進している立場としては余りよろしくないところもあるかなと思っております。 では、実際、訪日外国人に対しての本人確認の具体的な運用イメージ、対面、非対面、それぞれについての具体的な方策について教えてください。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。 訪日外国人に対する本人確認におきましては、日本国内に居住している者と同様に住居などの確認をするといったようなことにした場合に、事業者が国外の住居について実効性を伴った確認を行うことは容易ではなく、また、訪日外国人にとりましても、我が国の事業者に自身の住居を説明することが負担となる、こういった場合も考えられるところでございます。 そこで、本改正におきましては、訪日外国人の負担にも配慮しつつ、実効性を伴った確認を行うことができるよう、訪日外国人の本人確認におきましては、住居に代わり、国籍及び旅券番号の確認を行うために必要な規定を整備することとしております。 具体的な本人確認方法につきましては、本法案をお認めいただいた後、関係者の意見を丁寧に伺いながら検討してまいりますが、現時点では、対面であれば旅券の提示、非対面であれば旅券の写しの送付により本人確認を行うことを想定しているところでございます。
○高見(亮)委員 ありがとうございます。 関係者の意見はしっかり聞いていただきたいところでございます。 パスポートがあればある程度はカバーできるのかなと思っているので、しっかりとした運用をお願いしたいところです。 そしてもう一点、短期滞在外国人の本人確認についてお聞きしたいのが、入口で規制強化する、それはいいと思うんですが、仮に出国したりとかオーバーステイ状態になったりしたときに、このSIMが第三者の手に渡って犯罪に利用されるということは割とよく想定されることなのかなと思っております。そういった事案に対して、政府としてどの程度内容を把握しているのか、リスクが高いとは思っているんですが、どう対応していくべきだと考えているのか、お聞かせください。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 少なからぬ短期滞在外国人が使用しているのではないかと考えられるデータ通信契約につきまして、現行法で本人確認の対象となっておりませんが、その上で、短期滞在外国人名義で契約されたSIMの転売や国内犯罪に悪用された事案につきまして、例えば、過去十年間において、短期滞在外国人による携帯電話の音声通信契約についての不正譲渡といった、携帯電話不正利用防止法違反での検挙事例はございません。その他の犯罪に悪用された事案につきましては、網羅的な把握はございません。 今回、携帯通信事業者の契約時の本人確認義務等の対象に新たにデータ通信専用SIMが加わって、訪日外国人に対して旅券等による確認を行う規定も整備されるなどの改正が行われることとなれば、事業者による契約管理や携帯通信の不正利用を防止するための環境整備が進むものと認識しております。
○高見(亮)委員 今後いろいろな手口が絶対出てくると思いますので、対策の方をよろしくお願いします。 こうやっていろいろ対策している中でも、結局被害者というのは増える一方になっているんですが、この被害者の方、犯罪被害に遭われた方に対して救済する制度というのは、一体今どんなものがあるのか、お聞かせください。
○山下政府参考人 お答えいたします。 特殊詐欺の被害者の救済に資する制度といたしましては、二〇〇八年に施行されたいわゆる振り込め詐欺救済法が一つ挙げられるところです。 同法におきましては、SNS型投資詐欺やロマンス詐欺を含めた預貯金口座への振り込みを利用して行われた犯罪について、その被害者の財産的被害の迅速な回復を図るため、犯罪に利用された預貯金口座について、金融機関において取引停止等の措置を適切に講じることとし、その口座に係る債権を一定の慎重な手続の下に消滅をさせ、それを原資として、当該口座を利用した犯罪により被害を受けた方に分配金を支払う手続などを定めております。 なお、直近の二〇二五年度におきまして、犯罪利用の疑いにより同法に基づく失権手続が行われた預貯金の額は約九十億円となっているところでございます。
○高見(亮)委員 ということで、実際これで救済されている方というのは、ほとんどというか、かなり少ないという現状なんです。 私、この特殊詐欺被害者の救済、大阪市会にいた頃もやっていたんですが、結構、自治体でいろいろやっております。ただ、現状では、犯罪被害者の方というのは、身体に何かあったときというのは結構カバーされたりするんですけれども、精神被害を負った場合というのは、これは全く、救済措置がほぼないんですよね。 私が陳情を受けた方で、不動産を売って老後の資金をつくったやつが投資詐欺に遭った。その後、結局、売却時の税金とか高い保険料だけが残って、免除してくれるような制度というのは何もなく、もう本人は本当に自殺したいぐらいのことまでおっしゃっておりました。なので、何でもとは言いませんが、特殊詐欺の被害者に対しての救済制度というのを、本当、何らかあってもいいのかなと思っているところでございますので、これは要望でございます。 あと、最後、そういった現状を踏まえて大臣にお伺いしたいんですが、この法案、大改正でございまして、本当に、携帯、SIMの犯罪インフラ化の防止のための重要な一歩だとは思っております。ただ、これだけでこの詐欺の被害というのが劇的に減るかというと、毎年倍々で増えているわけなので、多分、今後も増えていくであろう。なので、やはり全省庁的に対応すべき案件なのかなと思っております。 大阪、地方議会にいた頃も、当然、地方自治体はそういったいろいろな事業をやっておりまして、特殊被害対策事業をやっておりました。でも、このスマホ全盛時代に、メインの事業といえば留守番機能つきの固定電話を配付するみたいなことになったりするんですよね。それ以外の事業というのはほとんど啓発事業ばかりで、意味のあるというか、効果の高いものはほぼないような感じだったんです。 これもいろいろやっていたんですけれども、お金の問題もあってなかなか進まないというのもあって、結局、住民への最前線に立つのは自治体でございまして、特殊詐欺を減らしたいとか対策したいんだったら、自治体への支援も併せて考えるべきだと思っております。 そこで、通信を所管する、また自治行政を所管する総務大臣として今後どう対応していくのか、決意のほどをお願いします。
○林国務大臣 今、高見委員から御指摘がありましたように、特殊詐欺などへの対策、近年、この手口の複雑化、巧妙化が進んでおりまして、通信や金融など複数の分野を横断する取組、これを進めていくことが極めて重要であると考えております。 全大臣が参画する犯罪対策閣僚会議において取りまとめられました国民を詐欺から守るための総合対策二・〇、これを踏まえて、関係省庁で密接に連携して対応してきておるところでございます。 総務省としても、情報通信を所管する立場から、警察庁などの関係省庁との間で、周知、広報、また制度面での連動など、様々な観点から相互に連携して通信サービスの不正な利用に対処しているところでございます。 今後も、関係省庁間で緊密に連携して、国民の皆様が安心して通信サービスが利用できる環境を確保すべく、確実に対策を講じてまいりたいと考えておりますし、自治体との連携というお話もありました。この確実な周知、こういう策があるということについてなどなど、国と地方自治体の連携を進めていくこと、これも重要であると考えておりますので、地方自治体の御意見も伺いながら、効果的な地方自治体との連携の在り方などについてもしっかり検討してまいりたいと考えております。
○高見(亮)委員 大臣、ありがとうございました。 これで私の質疑は終わらせていただきます。
○古川委員長 次に、許斐亮太郎君。
○許斐委員 国民民主党の許斐亮太郎です。 本日も質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。 大臣と、そして政府参考人の皆様、本日四十分間、よろしくお願い申し上げます。 これまで議論にもありましたが、今回の法改正は、携帯電話を犯罪の道具として物理的に封じ込めるための極めて重要な一手だと思います。私は、単なる規制強化に終わらせずに、通信サービスの信頼を根幹から守るための法制度の再構築であると認識しています。 本日は、法改正による実効性、利便性、執行体制について質問をしていきたいと思っております。質問の内容によっては、これまでのほかの委員の皆様とかぶる点も多いと思いますが、改めて確認させていただきたいと思っております。 これまでは音声通信役務のみが対象でしたが、今回の改正により、それ以外の電気通信役務、具体的にはデータ通信役務も対象となりました。 まず最初に、今回の法改正を目指す背景について、総務省に改めてお伺いしたいと思います。
○湯本政府参考人 お答えを申し上げます。 警察庁の発表によれば、令和七年におけるSNS型投資・ロマンス詐欺を含む特殊詐欺による被害額は約三千二百億円となり、過去最悪であった令和六年の被害額、約二千億円を大きく上回っているなど、深刻な被害が生じております。 これらの詐欺におきましては、被害者との主な連絡手段として携帯データ通信が不正に利用されていること、また、不正利用が確認されたデータ通信専用SIMの多くについて契約時等の本人確認が行われていなかったことが明らかになっており、これらの詐欺等の防止のために実効的な対策の強化が急務でございます。 また、通常個人で利用することが想定されない回線数の契約につきましては、詐欺等に悪用されるおそれが高いことから、現在、主要な事業者において契約回線数の上限を設けるなどの対策を自主的に講じておりますが、その取組が不十分な事業者も存在しており、そうした事業者を標的として、個人による多回線契約により提供された回線が不正に転売された事例も発生しているところでございます。 これらの実態を踏まえ、本法案は、データ通信専用SIMについても本人確認義務の対象とするとともに、契約回線数の上限について統一的な基準を示し、事業者がその上限を超える回線数の契約申込みを拒否できることを明確化するなどの措置を講ずるものでございます。
○許斐委員 ありがとうございます。三千二百億円にこの詐欺の被害額が伸びている、これは本当にゆゆしき事態だと思っております。 音声通話からデータへ、つまりアプリを利用した犯罪が増えていることに対応するのは当然です。しかし、この言い方がもしかしたら不適切かもしれませんが、犯罪は日進月歩です。 そこで、警察庁に質問です。 詐欺等の犯罪の現状について、携帯通信役務が悪用された代表的な事案、また、本改正案のきっかけとなった代表的な事案など、具体的な例をお示しください。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 重立った事例として三つほど挙げさせていただこうかと思うんですが、一つ目は、インターネット上で著名人が投資を勧める偽の広告に関心を持った被害者が、大手メッセージアプリ上の投資グループに誘導され、同じアプリ上で詐欺グループとやり取りを重ねる中で相手を信用してしまい、投資名目で複数回にわたり多額の現金を振り込んだといった事案、二つ目は、還付金詐欺で使われていた携帯電話番号の名義人が、一つの携帯通信事業者と二百四十五枚のデータ通信専用SIMを契約していたということが判明した事案、三つ目は、中学生や高校生のグループが、ネットで不正に入手した大手携帯通信事業者のID、パスワードを使って同社のシステムに不正にログインし、多数のデータ通信回線を不正に契約したという事案があります。 これらの事案のように、メッセージアプリ上で詐欺行為が行われているということや、詐欺グループ等が多数の回線を容易に入手しているといった実態が認められるところでございます。
○許斐委員 三つの事例、ありがとうございました。有名人の成り済まし、二百四十五枚の契約、そしてネットでID、パスワードを不正利用した、そのこと、承知いたしました。 このように、犯罪はやはり進化しています。これは、法整備をしても抜け道がある、また別の手段が現れる、いわばイタチごっこ、若しくはモグラたたきだと思っています。しかし、一つでも穴を塞ぐ、犯罪者を追い詰めるという点では、やはり法律を強化しなければならないと思います。 大臣に質問したいと思います。 犯罪に対応するためには、柔軟かつ迅速に対応する必要がありますが、この法改正を起点として、どのような対応を今後行っていくのでしょうか。また、今後、法律や制度をどのように見直しやアップデートを考えているのか、大臣の考えをお聞かせください。
○林国務大臣 今、許斐委員がおっしゃられたとおりでありまして、犯罪の実態が変化していく中で、携帯通信サービスの不正利用の実態、これに応じて柔軟かつ迅速に対応していく必要があると考えておるところでございます。 この改正案によって、音声SIMに加えてデータ通信専用SIMも法の規制の対象となるわけですが、本人確認の具体的な方法や対象を省令で規定するということで、不正利用の実態の変化などにも対応して、柔軟かつ迅速な見直しをできるようにということになっております。 この改正案をお認めいただいた暁には、まずはその着実かつ適切な制度運用を図りつつ、引き続き、不正利用の実態等の的確な把握、これは不断にやっていかなければならないと思っておりますし、その結果、必要に応じて、迅速な省令の見直しなどによって、的確な対応を検討してまいりたいと思っております。
○許斐委員 ありがとうございます。省令での見直し、御答弁、しっかりと受け止めさせていただきます。 続けて、大臣にまたお伺いしたいと思います。 犯罪者を追い詰める、また犯罪の抑止という観点では規制の強化は必要ですが、いわゆる超超超超大多数の一般の人、正直で真面目に生きている人にとっては不便があってはならないと思います。法律による犯罪の抑止や不正利用防止のための規制強化と、いわゆる善良な大多数の利用者の利便性の確保をどのように両立していくのかを、大臣のお考えをお聞かせください。
○林国務大臣 これも委員御指摘のとおりでありまして、この超超超超大多数の利用者の利便性の確保、これと、不正利用の効果的な防止、これを両立をするということが大変大事でありまして、この法律を通していただいた暁には、どうやって執行していくか、また、今後、省令等をどう見直していくかということを考えるときには、常にそういう頭でいなければならないと思います。 この具体的な本人確認の方法や対象、今後省令で定めることとしておりますが、その際に、不正利用の実態の的確な把握に努めて、不正利用のリスクが低いと考えられるサービスは、利便性への影響も勘案して、本人確認の対象外とする、それから、本人確認の方法については、様々な方が携帯通信サービスを利用できるようにするため、厳格性を確保しつつ複数の方法を認めること、こういうことに留意する必要があると考えております。 こうした点について、引き続き、有識者ですとか事業者等の皆様の御意見、これを丁寧に伺いながら、不正利用防止の実効性と利用者利便とのバランスを取った対応に努めてまいりたいと考えております。
○許斐委員 特に本人確認について、丁寧な御答弁ありがとうございます。 しかし、例えば、本法律案で議論になっている回線の数に関しても、家族割サービスを利用して日々の家計をやりくりしている一般ユーザーもたくさんいます。いわゆる正直者がばかを見ることがないように、是非、御対応、よろしくお願い申し上げます。 そこでまず、今回の法改正の契機となった、いわゆる立法事実の一つでもある、令和七年に大きく報道された未成年が関わった回線の不正契約、SIMの不正転売について、確認の観点からお伺いします。先ほど警察庁からも答弁がありましたけれども、そのことだと思います。この事案において同一キャリアがターゲットにされていますが、狙われた理由を警察庁に改めてお伺いしたいと思います。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 御指摘の事案におきましては、特定の事業者が狙われた理由として、あくまでも犯行当時のことではありますが、一人が契約できる回線数が他の事業者と比べて多かったこと、そして、この事業者の携帯通信サービスを既に利用している場合は追加の回線契約時の本人確認手続が簡素化されていたことが挙げられるかと思います。
○許斐委員 ありがとうございます。 答弁にもありました、契約可能な回線数が多回線だったということ、そして、セキュリティーが甘いといいますか、既存の契約者であればいわゆるIDとかパスワードの確認のみで追加の回線が契約できたということを認識いたしました。 回線数に関して、やはり重要だと思いますので、質問を続けたいと思います。 本改正案では、個人が契約可能な回線数の上限はどの程度を想定しているのでしょうか。総務省令で定めることとなっている数について、今のお考えを総務省にお伺いいたします。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。 役務提供拒否が可能となる回線数につきましては、不正利用対策としての実効性を確保しつつ、正当な目的で多回線契約を望む方の利便性に配慮して定める必要があると考えているところでございます。 具体的な回線数につきましては、委員からもお話ありましたとおり省令で定める予定でございますが、本法案をお認めいただいた後、関係者の意見を丁寧に伺いながら検討してまいります。 例えば、現在MNO等が所属する電気通信事業者協会におきましては、音声通信に関する個人契約の上限回線数を原則五回線に制限する自主基準を設けているところでございます。 この基準につきましては、利用者からの苦情等も寄せられていないなど、円滑に運用されているものと伺っており、これを一つの目安としてサービスの種類や利用の用途などに応じた回線数を定めることになると考えているところでございます。
○許斐委員 ありがとうございます。五回線を基準にするという御回答、承知いたしました。 重ねて質問いたします。 実は、私の沖縄の友人の家族には、子供が六人、今、上は看護大学生、下は先月生まれたばかりという大家族もいます。これから携帯の契約数が増えます。もう一つ、私の母の知り合いの、お友達のおじいちゃん、おばあちゃんは、子供さんに契約をしてもらっている人もいます。ほかのキャリアに契約すればいいやという考えもあるんですけれども、やはり家庭内スケールメリットといいますか、先ほど言った家族割サービスで家計を抑えているということもあります。 提案を踏まえた質問になりますが、大家族への対応として、本人確認を行った親族に関しては制限の対象にしないですとか、五という数字ではないんですけれども、例えば親等数を考慮した制度設計も必要だと思いますが、総務省の見解をお伺いいたします。
○湯本政府参考人 お答えを申し上げます。 本規定におきましては、正当な利用に対する不当な拒否が生じないよう、サービスの種類また利用用途などに応じた回線数を定めることになると考えております。 委員が御指摘ございました、例えば家族の回線をまとめて契約する場合などについても、不当な拒否の対象にならないよう、省令などにおいて規定をしてまいりたいと考えているところでございます。
○許斐委員 御答弁ありがとうございます。 続けて、法人契約についてお伺いいたします。 法人の場合、必然的に契約する回線数が大幅に増えるというか、多大なものになると思います。上限は設けないと聞いている一方で、契約担当者の地位や在籍確認を法律で取られるということですが、この確認は具体的にどのように行うのでしょうか、総務省にお伺いいたします。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。 現行法におきましては、法人契約の場合、契約者に加えまして、その契約担当者の本人確認も義務づけているところでございますが、契約締結を行う権限、地位を有しているかまでの確認は義務づけておらず、事業者による自主的な確認が行われているにとどまっている現状でございます。 その際、一部の事業者におきましては十分な確認が行われていないことから、本改正において個人による多回線契約を役務提供拒否の対象とすることに伴い、法人契約を偽装した多回線契約の増加ということが懸念されているところでございます。 そのため、事業者に対して、一定の方法により、契約担当者が法人そのものに代わり契約締結を行う正当な権限、地位を有していることの確認を行うことを新たに義務づけることとしております。 その具体的な確認方法は省令において規定することとしておりますが、例えば、委任状の提示を受ける方法や、契約者の営業所等に電話をかける等により契約締結の担当者の権限又は地位を確認する方法などが考えられるところでございます。
○許斐委員 ありがとうございます。 ガイドラインというやり方もあろうかと思いますが、今回法律で義務づけということですので、しっかりとした御対応をよろしくお願いしたいと思います。 契約回線数に続いて、次はサイバーセキュリティーに関してお伺いいたします。 今後は様々なサイバー攻撃も考えられます。まずは、ユーザーの成り済まし防止等のために、携帯通信事業者には一定のサイバーセキュリティー強化が必要であると思います。これは、事業者にとっては、顧客情報の漏えい防止、回線の不正契約の防止につながっていくと思っております。今後サイバーセキュリティーの強化を事業者に求めていく考えはあるのか、総務省にお伺いいたします。
○湯本政府参考人 お答えを申し上げます。 携帯通信事業者の中には、個人による多回線契約への対応が十分とは言えない事業者も存在しており、その結果、このような事業者を不正契約の標的とした事例が発生したものと認識しております。 これらの不正契約事案におきましては、ID及びパスワードのみを用いた認証による簡易な本人確認方式を利用されたことが判明しております。これを踏まえ、総務省としては、利用者の成り済まし防止を図り、当人認証の強度を向上させる観点から、音声通信に関する省令の見直しを実施しました。 具体的には、個人が二回線目以降の音声通信の契約を行う場合に、契約者のID及びパスワードによる認証だけでなく、生体認証などを含めた複数の要素を用いた、いわゆる多要素認証を導入することを求めております。 委員御指摘のとおり、携帯通信事業者の不正契約への対策については、本規定に基づく多要素認証の導入に加えまして、システム面でのセキュリティー対策の強化や、自社内の不正契約検知のための定期点検など、包括的なセキュリティー対策を講じていくことが不可欠だと考えているところでございます。 総務省といたしましては、携帯通信事業者に対しまして、十分な技術面及び体制面でのセキュリティー強化が図られるよう、しっかりと促してまいります。
○許斐委員 ありがとうございます。 続きまして、その多数の事業者についてお伺いしたいと思います。小規模の携帯通信事業者、いわゆるMVNO各社について総務省にお伺いします。 今回の法改正で影響を受ける携帯通信役務対象の事業者数はどれくらいなのでしょうか、改めてお伺いいたします。
○湯本政府参考人 お答えを申し上げます。 電気通信事業報告規則に基づく報告等によりまして、携帯通信事業者として想定される事業者数は、大手のMNOから小規模なMVNOも含め、約二千者と把握しているところでございます。
○許斐委員 ありがとうございます。二千者、確認させていただきました。やはり小さな事業者がたくさんあるということだと思います。 そこで、契約時の本人確認方法についてお伺いいたします。 事業者の規模に関わらず、対面、非対面における本人確認方法については既に総務省令で定められています。マイナンバー等のICチップの情報の読み取りなど、今後も累次の見直しによって厳格化がなされると思います。しかし、数多くの事業者があるので、本人確認が甘かったり、不備が出てきたりするおそれがあります。どのように対応していくのか、総務省のお考えをお伺いいたします。
○湯本政府参考人 お答えを申し上げます。 本法は、携帯通信事業者に契約時の本人確認などを義務づけた上で、総務大臣が、必要に応じて事業者に報告を求める報告徴収や、その義務の違反を是正する等の措置を命ずる是正命令などの権限を定めているところでございます。 さらに、本法におきましては、罰則として、報告徴収に応じなかったときなどには一年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金、是正命令に違反したときは二年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金を定めております。 総務省としては、これまでも、警察庁などの関係省庁と連携の上で、こうした措置を通じた本法の遵守を確保してきているところであり、本改正後におきましても厳正な執行を徹底してまいります。
○許斐委員 ありがとうございます。罰則等の処置、承知いたしました。 一方で、これもやはり正直者がばかを見てはならないと思います。本人確認などのシステムを見直すことで、いわゆる様々な機器等の導入や対応する従業員の人件費などのコストがかさんで、MVNO各社、小規模事業者の中には、ビジネスモデルが崩壊してサービス提供を断念する事業者が出るのではないかという懸念もあります。 きつい言い方で、質問で恐縮なんですが、この法律は小規模事業者の淘汰を目的としているのでしょうか。総務省のお考えを伺います。
○湯本政府参考人 お答えを申し上げます。 本人確認の厳格化などの措置につきましては、本法案によるものも含め、本人確認のためのシステムの整備、また体制の確保など、携帯通信事業者に一定の負担をお願いするものであると承知しております。 本法案に基づく措置は、中小を含む事業者が提供する携帯通信サービスが安心して利用できるものとするために行うものであり、不正利用の防止に資するとともに、事業者に過度な負担を課すものとならないことが重要であり、総務省といたしましては、本法案により正当な事業活動を行う中小規模の事業者の撤退などを促すことは、もちろん、全く考えておりません。 そのため、本法案の施行に当たりましては、時間に余裕を持ってシステムの整備などを進めていただけるよう、十分な準備期間を設けるとともに、今回の措置の趣旨や内容に関する事前の周知など、環境整備に丁寧に取り組んでまいります。
○許斐委員 確認でした。どうも御答弁ありがとうございました。 次に、警察署長による事業者への照会について伺いたいと思います。これまでも、今の議論の中で出てきましたが、私も大事な観点だと思いますので、私からも質問させていただきたいと思っております。 今回の改正案では、警察署長から電気通信事業者に対しての照会規定が新たに設けられることになります。 そこで質問です。 アプリ運営者からアカウントにひもづく情報の提供と聞いていますが、その照会を行う具体的なきっかけ、つまりトリガー条件は何を想定しているのか、警察庁にお伺いいたします。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 詐欺の被害を認知した場合等は、警察署長は、携帯通信事業者に対して、犯罪に利用されている携帯電話番号を示し、契約者確認を求めることができることとされております。 しかしながら、メッセージアプリ等が犯罪に用いられた場合には、例えば、まずはその被害者から、不正に利用された当該メッセージアプリのアカウント情報を聴取し、さらに、このアカウント情報を基に、当該メッセージアプリ等の運営事業者に対して、このアカウントを開設する際に用いられた携帯電話番号を照会するという必要が出てまいります。 この規定は、このような場合に、契約者確認の求めの前段階の照会を行うため、その法令上の根拠を設けるものでございます。
○許斐委員 ありがとうございます。 加えまして、今回、必要があると認めるときに、必要な事項の報告を求めるという、非常に抽象的になっているので質問いたしました。ちょっと答弁が、今あったと思いますが、その必要な事項についてお伺いしたいと思います。 やはり、照会によって得られた情報を警察が収集する懸念、また、警察に都合のよい制度になってしまうのではないかということについて不安があります。本改正案では、携帯通信事業者に対する契約者確認の求めを行うために、警察署長が、関係する電気通信事業者、つまりSNS、メッセージアプリの運営者などに対して必要な事項の報告を求めることが可能になります。 この必要な事項とは、具体的にはどのような情報なのか、御答弁お願いいたします。改めて質問です。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 この規定は、契約者確認の求めを行うため、警察として、不正利用されたデータ通信契約を特定するための情報が必要でありまして、現時点では、犯罪に利用されたメッセージアプリ等のアカウントを開設する際に行われるSMS認証に用いられた携帯電話番号を照会するということを想定しております。
○許斐委員 ありがとうございます。改めての質問でした。 必要な事項については、通信の秘密やプライバシー保護との兼ね合いも含めて、照会可能な情報の範囲やその判断基準について、やはり今後とも明確にしていただきたいと思います。 私が聞いた国民の皆様の一番多い意見、一般のユーザー、つまり正直に生きているユーザーの素朴な疑問は、実は次のことに尽きると思います。今回、アプリのことなので、過去のメッセージを警察や関係者に見られるのではないかという本当に素朴な質問、懸念があります。 目線を低くして、警察庁にストレートに質問いたします。 警察が情報を過度に収集することはないのか、アプリで過去に投稿、やり取りをした文章や画像などの履歴が検索されるなどのプライバシーの侵害へのおそれはないのか、お聞かせください。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 本規定による照会は、携帯通信事業者への契約者確認の求めに必要な情報、具体的には詐欺等に悪用された携帯電話番号について行われるものでございまして、また、その回答も事業者の任意に委ねられているところでございます。 したがいまして、アプリでの履歴データ等といった契約者確認の求めに必要のない各種情報を照会することはございませんので、不当なプライバシーの侵害が生じるようなことはないものと認識しております。
○許斐委員 ありがとうございます。 警察によるいわば情報収集が、憲法で保障される通信の秘密を侵害するようなことはないと信じますが、細かく範囲がどこまでになるのかを今後省令等で具体的に示していただくことが必要だと思います。 また一方で、報告を求められた事業者側も相当慎重な対応が求められると思います。 プライバシー侵害への不安を政府がどのように払拭していくのか、大事な視点だと思いますので、これは改めて総務省にもお伺いしたいと思います。
○湯本政府参考人 お答えを申し上げます。 警察庁からも照会の対象となる情報の範囲などについて答弁があったところでございますが、総務省といたしましても、本規定に基づく照会が契約者確認の求めに必要な範囲に限って適正に運用されることが重要であると考えております。 本照会の適正な運用を確保し、通信サービスの利用者のプライバシーの不当な侵害が生じないよう、照会の範囲や対応方法などにつきまして、警察庁とも協議、相談をしてまいります。
○許斐委員 ありがとうございます。大事な論点だと思いましたので、改めまして総務省にもお伺いさせていただきました。 次に、話題を変えます。 外国人の本人確認方法について伺います。データSIMの本人確認義務化に伴う訪日外国人の利便性確保について伺います。 先ほど、まさに高見委員からも御指摘がありました。現在、本人確認なしでデータ専用プリペイドSIMの購入が可能となっています。当然、治安維持のための不正利用防止策は必要不可欠だと思いますが、その一方で、観光DXやインバウンド振興を掲げる中で、訪日外国人の通信環境確保に大きな障壁が生じる懸念があります。 そこで、総務省に質問です。 利便性を損なうことなく、確実に本人確認を行うための具体的な手法をどのように検討しているのか、それとも、そもそも訪日外国人が利用しているSIMは今回の規制から外すのでしょうか、お考えをお伺いしたいと思います。
○湯本政府参考人 お答えを申し上げます。 本改正により、訪日外国人が国内の携帯通信事業者との間でデータ通信サービスの契約を締結しようとする場合には、本法に基づく本人確認義務の対象になります。しかしながら、訪日外国人が合理的に通信手段を確保することが困難となるような措置とならないよう、不正対策の実効性と利用者の利便性のバランスを適切に図っていくことが必要だと考えております。 具体的には、国内の利用者と同様に本人確認を行う場合、その氏名、生年月日、住居を確認することとなりますが、事業者が国外の住居について実効性を伴った確認を行うことは容易ではなく、訪日外国人が我が国の事業者に自身の住居を説明することが負担となる場合も考えられます。 そこで、訪日外国人の負担にも配慮しつつ、実効性を伴った確認を行うため、訪日外国人の本人確認では、住居に代わり、国籍、旅券番号等の確認を行うために必要な規定を整備することとしております。 具体的な本人確認方法につきましては、本法案をお認めいただいた後、関係者の意見を丁寧に伺いながら検討してまいりますが、現時点では、対面では旅券の提示、非対面では旅券の写しの送付により本人確認を行うことを想定しております。
○許斐委員 ありがとうございます。 まさに厳格かつ簡便な確認が必要だと思います。例えば、パスポートの自動スキャンやスマートフォンを使った顔認証など、最新のデジタル技術を利用することで、自販機であっても対面と同等の安全性を確保ができると思います。こうしたデジタル技術の活用を柔軟に認めて、制度のブラッシュアップをしていただきたいと要望いたします。 また、空港の現場で、観光立国を日本が目指す中で、入国したばかりの訪日観光客が通信手段を確保できずにいきなり途方に暮れることがないよう、関係省庁や観光団体等とも密に連携して、国が責任を持って運用していくことも重ねて要望しておきたいと思って、終わります。 続いて、本法案から少し外れるかもしれませんが、海外から電話を使った詐欺、国際電話を使った詐欺という観点から質問いたします。 今、この委員の中でも、皆さん、詐欺に遭ったという経験のお話がありましたが、去年の十一月六日、私の携帯電話にも詐欺電話がかかってきました。いわゆるプラス一で始まる国際電話です。警察をかたる内容でした。このように、現在も警察をかたる詐欺が起こっています。 その主な手口は国際電話からの詐欺だと認識していますが、国際電話の対策は進んでいるのでしょうか、総務省に改めてお伺いしたいと思います。
○湯本政府参考人 お答えを申し上げます。 特殊詐欺に悪用される電話番号のうち、国際電話番号が約八割を占めているなど、詐欺の防止を図る上で、国際電話の不正利用対策は大変重要でございます。 総務省といたしましては、特に、国際電話を真に必要としない方が国際電話を受けられないようにする対応策が効果的であると考えているところでございます。 具体的には、犯罪対策閣僚会議で決定された国民を詐欺から守る総合対策二・〇に基づき、固定電話に関しましては、民間事業者が運営する国際電話不取扱受付センターにおける利用休止の促進、受付体制の強化、また、携帯電話に関しましては、迷惑電話等の拒否を可能とするサービスの低廉化や周知等を通じた普及促進など、官民一体となって対策を進めてまいりました。 特に、国際電話不取扱受付センターにおける利用休止や、携帯電話の迷惑電話等の拒否サービスについては、警察庁とも連携しながら、その周知なども含め、利用数が増加するなど一定の成果が上がっているところでございますが、更なる周知、普及に向けた取組も必要だと考えているところでございます。 いずれにいたしましても、今後とも、本法案に基づく措置のほか、国際電話を悪用した特殊詐欺対策も含め、電気通信サービスの不正利用に対して包括的な対策をしっかりと進めてまいります。
○許斐委員 ありがとうございます。 私の場合、プラス一でかかってきて、ああ、これは詐欺が来たなと思って、議員魂といいますか、元報道魂が燃えまして、九分間ぐらいいろいろ話したのですけれども。 プラス一と来た段階で、もう高齢者の方も、ちょっとよく分からないのもあります。だから、表示で、国際電話です、この電話、詐欺かもしれませんとかいうような、技術的にどうなるかは分かりませんけれども、そのように周知することも必要なのではないかと思います。身内に、やはり海外に知り合いがいないと、その電話というのはなかなかかかってくることはないと思いますので、そのような、こちらからプッシュ型で、その電話、詐欺ですのような形も取っていただければと思って、終わります。 続きまして、さらに、海外事業者が提供する高秘匿アプリへの照会の実効性についてお伺いしたいと思います。 現在、特殊詐欺グループにおいて、海外事業者が提供する匿名性が極めて高いアプリを利用している事例があることはもう御承知かと思います。このような匿名性の高い、他人の通信を媒介するアプリを提供する海外事業者に対して、今回の国内改正法に基づく照会規定の対象にならないとこれまでの議論で承知しましたが、今後どのように対応していくのか、警察庁にお伺いしたいと思います。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 この法律が適用されない海外の事業者に対しましては、その事業実態でありますとか必要性に応じて、当該事業者の協力を得て必要な情報を取得できるよう取り組むなどしておりまして、今後とも被害防止に向けて適切な対応に努めてまいりたい、このように考えております。
○許斐委員 ありがとうございます。 政府間の国際協力や、アプリ業者に日本法人の設立を求めることも必要だと意見を申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。 とにかく、やはり電話を使った詐欺が多いと思います。携帯電話、国際電話、固定電話を利用した詐欺が後を絶ちません。 そこで、そもそもの犯罪組織をたたく取組について、手のうちを見せるということはできないとは思いますが、答えられる範囲で、警察庁の御答弁をお願いいたします。今後の対策について、よろしくお願いします。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 特殊詐欺につきましては、警察では、犯罪組織の実態解明と中核的人物の取締りを推進することが重要であると考えておりまして、部門の垣根を越えた対策を講じるための体制を構築いたしまして、戦略的な実態解明、取締り、犯罪収益の剥奪等、犯罪組織の弱体化、壊滅に向けた対策を進めております。 また、最近では、海外に犯行拠点を置く犯罪組織の存在が顕在化しているため、警察におきましては、その摘発に向けて、現地の捜査当局との情報交換や連携を強化して、捜査を推進しております。 例えば、令和七年には、東南アジアの四か国と協力いたしまして、これらの国から特殊詐欺を行っていた被疑者五十四名を都道府県警察において検挙いたしたところでございます。 また、先ほど御指摘にありました国際電話を利用した犯行を抑止するために、「みんなでとめよう!!国際電話詐欺」をキャッチフレーズにした固定電話への国際電話の利用休止の申込み促進でありますとか、スマホへの国際電話を遮断するなどの機能を有します警察庁推奨の詐欺対策アプリの利用推奨を強力に今推進しているところでございます。 引き続き、取締りはもとより、関係省庁、関係機関等と連携して、特殊詐欺の撲滅に向けた取組を強力に推進してまいりたいと考えております。
○許斐委員 ありがとうございます。イタチごっこを終わらせる、モグラの穴を塞ぐのではなくてモグラそのものを退治する、本丸の取締りに期待しています。 続きまして、詐欺グループに関連して質問いたします。 詐欺グループは、本当に何をやってくるか分からない、だからこそ、想定外を想定することが必要だと思います。そういう観点から、詐欺グループが、小規模の携帯通信事業者、いわゆるMVNO社をつくるおそれもあると私は思います。過去には、平成電電という、固定電話やADSLのサービスを提供していた電気通信事業者が引き起こした投資詐欺事件も実際に起こっています。 今回の携帯法を含めて、今後しっかりとこのような事案に対して対応していくべきだと思いますが、総務省の見解をお願いいたします。
○湯本政府参考人 お答えを申し上げます。 詐欺グループがMVNOを設立するような場合につきましても、当然のことながら、関係法令を厳正に執行し、通信サービスの不正利用等を実効的に防止をしていく必要があると考えてございます。 今般の携帯電話不正利用防止法につきましては、当然、詐欺グループがMVNOを設立した場合におきましても、本人確認の不実施など同法違反があったときには、先ほども答弁申し上げたとおり、同法上の是正命令などの発出も含め、通常のMVNOと同様に、厳正に対処してまいりたいと考えております。
○許斐委員 ありがとうございます。関係各所と協力して、そのような懸念を払拭していただきたいと思います。 時間になりましたので、まとめたいと思います。 犯罪の撲滅を図る、抑止力強化という点で、規制を強化するというのは必要です。しかし、やはり犯罪は進化します。今回の議論で重ねた、柔軟で迅速な対応を図っていくことが必要です。 一方で、真面目にやっている人が不利益を被る、犯罪者だけが逃げる、結局笑ってしまう、このような運用だけは避けなければなりません。実効性を向上していくために、常に検証が必要な法案だということを申し上げて、質問を終わります。 どうもありがとうございました。
○古川委員長 次に、青木ひとみ君。
○青木委員 参政党の青木ひとみです。 本日も、質問の御機会をいただき、ありがとうございます。 連休中、林大臣は精力的に諸外国での御活動をされておられまして、無事に御帰国なされてよかったです。安心いたしました。その貴重な御体験についてもお伺いしたいところではございますけれども、本日は法案の審議の場でございますので、また改めて別の機会にお伺いできればと思います。 それでは、質問に入らせていただきます。 近年、SNS型投資・ロマンス詐欺など、携帯電話やSNSを悪用した犯罪により、国民の大切な財産が奪われる深刻な被害が急増しております。 被害額は年々増え、高齢者のみならず、現役世代や若年層にも被害が広がっております。また、こうした犯罪においては、十分な社会経験や判断力を持たない若者が高収入バイトなどの名目で犯罪に加担させられるケースも増加しており、決してこれは看過できない状況にございます。ですから、注意喚起だけではなく、通信インフラの入口の段階から犯罪利用を防止することが重要であると考えます。 今回の携帯電話不正利用防止法の一部を改正する法律案は、データSIM契約時の本人確認の厳格化、そして契約回線数に上限を設けることにより、不正利用の防止を図るものと承知しております。 そこで、お伺いいたします。 平林委員からの御質問もございましたけれども、本改正によって、SNS型投資・ロマンス詐欺について、どの程度の抑止効果を見込んでいるのでしょうか。あわせて、改正法の施行後、何年をめどに、どのような方法で効果の検証及び再検討を行うのでしょうか。御見解をお聞かせください。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。 警察庁の発表によりますれば、令和七年のSNS型投資・ロマンス詐欺の認知件数の九割以上において、メッセージアプリなどによりデータ通信が不正に利用されております。このデータ通信に用いられるデータ通信専用SIMのうち、不正利用が確認されたものの多くで本人確認が行われていなかったことが明らかとなっております。 こうした状況を踏まえれば、本改正によりデータ通信専用SIMの本人確認を義務化することで、他人の成り済ましによる不正契約を防止するなど、一定以上の抑止効果があると考えております。 また、総務省におきましては、本法案における規制について施行後五年以内に事後評価を行うこととしており、準備が整い次第、速やかに実施してまいります。 実施に当たりましては、警察庁が毎年公表している特殊詐欺の認知・検挙状況などについての統計結果も踏まえ、関係省庁と連携しながら適切に行ってまいります。
○青木委員 ありがとうございます。 九割程度の件数の減少が見込まれるということであれば、現在被害件数一万五千件が一万三千件ほど減らされるということであれば、これはかなり迅速に施行していただきたいとお願いしたい一方で、事業者側の準備にも配慮しながら是非これは進めていただきたいと思います。 先ほどの五年以内に見直しということがありましたけれども、犯罪の手口は日々速いスピードで変化しておりますから、施行後、犯罪件数とか被害額の変化が見られないようであれば五年待たずして、一年以内であっても、柔軟に再検証を行っていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。 規制の事後評価の実施時期につきましては、期限の目安として五年以内としておりますが、先ほど申し上げた警察庁の統計結果など、不正利用の実態などを踏まえまして、必要に応じて速やかに評価などを実施してまいりたいと考えております。
○青木委員 ありがとうございます。 是非、見直しが先送りにならないように、各省庁と連携して、事業者とも密接に連携して、継続的に監視していただきたいと思います。 では次に、先ほどの許斐委員からの御質問とかぶるところがあるんですが、規制対象のSIMカードの種類についてお伺いいたします。 現在コンビニで購入できる本人確認を必要としないプリペイド式SIMカードは、災害時とか短期利用、外国人観光客などにとって一定の利便性があると承知しておりますが、その反面、匿名性の高い通信手段として犯罪に悪用されるおそれもありますので、安全と利便性のバランスが重要と考えております。 そこで、今回の改正において、コンビニ等で購入可能な本人確認が必要ではないプリペイド式SIMカードが規制対象に含まれるのか、お考えをお示しください。もし規制対象に含める場合であれば、災害時における利便性をどのように担保していくのでしょうか。併せて御所見をお伺いいたします。 そして、現在本人確認を必要としないプリペイド式のSIMカードは、今後どのような本人確認の方法を想定しておられるのか、お聞かせください。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。 本人確認などの対象となるデータ通信専用SIMの種類につきましては、総務省の有識者会議の報告書におきまして、その不正利用の実態や利便性への影響、実効性などを勘案して決定するべきとされています。 現行法に基づき規制対象となるサービスは、料金を支払うタイミングによって区別されておらず、プリペイド型SIMカードにつきましても、ポストペイド型SIMカードと同様に本人確認義務などの対象としているため、本改正によっても、引き続き規制の対象とすることを想定をしております。 一方で、現在、プリペイド型SIMカードの中には、委員からも御指摘ございましたとおり、コンビニエンスストアなどで販売されているものもあると承知しております。本法案をお認めいただき、これが本人確認などの対象となった場合にも、具体的に本人確認を行うタイミングにつきましては、回線開通手続をオンラインで行い、その際に、マイナンバーカードなどのICチップの読み取りによる確認を携帯通信事業者が行うことを想定しております。 また、御指摘ございました災害時についてでございますが、現行法も、本人確認書類を用いた本人確認が困難であると認められる場合には、暫定的な措置として、口頭で契約者の氏名などを確認する方法によることを可能とする規定を設けておりまして、今後も同様に対応してまいります。
○青木委員 ありがとうございました。 プリペイドSIMカードも規制対象に含まれるということですので、オンラインの本人確認を一緒に導入していくということですから、総務省としての、国を挙げての詐欺対策への強い姿勢と受け止めて、安心いたしました。 また、災害時に特例措置が設けられていることについては、混乱を招かぬように、万全の準備を、万全の備えをしていただくとともに、そして、オンラインの本人確認については信頼性の確保をしていただいて、事業者と利用者への丁寧な周知を併せてお願い申し上げます。 では、続いて、法人契約の際の契約担当者の在籍確認方法についてお伺いいたします。 法人契約に際して、契約担当者の在籍確認や委任状による確認が整備されたとしても、実体のない架空法人や名義のみを利用した法人が詐欺目的で悪用される事案もあることから、形式的な確認だけでは十分に不正契約を防止できないおそれがあると考えております。 そこで、お伺いいたします。 法人契約における契約担当者の在籍確認は、不正契約対策として真に実効性があると考えているのでしょうか。また、在籍確認を義務づける場合に、通信事業者の過度な負担にならないかどうか、その辺りの御見解をお聞かせいただけますでしょうか。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。 現行法におきましては、法人契約や代理人による契約などで契約の名義人と契約締結の担当者が異なる場合、その担当者が名義人に代わり契約締結を行う権限、地位を有することの確認は義務づけておらず、事業者による自主的な対応にとどまっているところでございます。 一部の事業者におきまして十分な確認が行われていない中で、本改正により個人による多回線契約に規律を導入した場合に、法人契約を偽装した多回線契約の増加が懸念されるところでございます。 そこで、本法案は、このような不正な法人契約を防止する観点から在籍確認を義務づけるものであり、不正利用対策として実効性があるものと考えているところでございます。 一方で、具体的な内容についてでございますが、その権限、地位の確認の方法につきましては、本法案をお認めいただいた後、省令において定めることとしておりますが、その具体的な内容につきましては、有識者や事業者の意見を丁寧に伺いながら、事業者に過重な負担を課すことにならないよう検討してまいります。
○青木委員 御答弁ありがとうございました。 省令で定めていくというところなんですけれども、仮に、窓口に現れた契約担当者が正式な書類一式を持参していたとしても、その場でいわゆる事業者の方がダミー会社かどうかというのを見抜くことはなかなか困難だと考えますので、施行後も、現場の声を聞きながら、犯罪の温床とならぬようにフォローアップ体制の構築を是非お願いしたいと申し上げます。 次に、海外を拠点とする詐欺犯罪についてお伺いいたします。 今回の法改正は、国内における契約時の本人確認や回線管理を強化するものと理解しておりますが、SNS型投資詐欺、ロマンス詐欺の中には、先ほどから海外の話が幾つも出ているんですが、やはり、海外に拠点を置く犯罪組織が日本人を標的として組織的に行っているケースが多数指摘されております。 先ほど御答弁の中にもございましたが、警察庁の資料によれば、令和七年度、タイやフィリピンなどの海外拠点を中心に五十四人もの詐欺関係者を日本に移送、検挙したとされております。また、カンボジアにおきましては、日本人を標的にした警察官を装った詐欺電話を行うグループが摘発され、偽の警察官の制服とか、逮捕状と見られる物品が押収された事案も報じられております。 実は、許斐委員も電話があったとおっしゃっていましたけれども、私自身も、発信者番号を偽装して警察や金融機関の番号に見せかける、いわゆるスプーフィングと呼ばれる手口によって、末尾が一一〇番と表示された大阪府警を名のる電話を受けまして、一瞬、事件に巻き込まれたのかと焦った経験がございます。つい先日も、私の秘書に同様の電話があったばかりです。 やはり、こうした実態を踏まえますと、国内規制の強化だけでは、対応が限界があることは明らかではないでしょうか。 そこで、お伺いいたします。 先ほどの高見委員、そして許斐委員からの御質問と重複するのですが、本改正によって、スプーフィングなどの国際電話を使った犯罪、海外拠点型の詐欺犯罪に対して、今回の法改正はどの程度の抑止効果を見込んでいるのでしょうか。また、国際電話等の不審な着信を受けた際に、気軽に相談できる総務省としての窓口は準備されているのでしょうか。併せてお聞かせください。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。 本改正案は、国内事業者が提供するデータ通信専用SIMを規制対象に加えるものであるところ、例えばでございますが、海外拠点における国内事業者のSIMの不正利用、こういったことに対しましては一定の抑止効果が見込まれますが、委員から御指摘ございました、国際電話の不正利用に関する抑止効果を直接の目的としたものではございません。 しかしながら、特殊詐欺の実態を踏まえれば、国際電話の不正利用対策は重要と考えており、特に、国際電話を真に必要としない方に対する国際電話の利用休止などの方策が効果的だと考えているところでございます。 総務省といたしましては、民間事業者が運営する国際電話不取扱受付センターに対し、周知や体制強化の要請などを実施しているところでございますが、今後も、センターの運用の改善を一層図るとともに、積極的な周知、広報を行っていきたいと考えているところでございます。 また、総務省におきましては、令和七年六月より、迷惑電話対策相談に関する「でんわんセンター」を設置しております。詐欺などが疑われる電話を受けた場合の具体的な相談に対しまして、この「でんわんセンター」が対応するなど、官民連携により対策を進めているところでございます。
○青木委員 ありがとうございます。 「でんわんセンター」があるということで、私、先日のレクチャーを受けるまで、申し訳ないんですが、存じておりませんでした。総務省としても、「でんわんセンター」、かわいい名前ですけれども内容はかわいくないと思うんですが、窓口が整備されていること自体は安心いたしました。 ただ、昨日、私、Xで、「でんわんセンター」と調べてみたんですよ。そうしたら、「でんわんセンター」の公式アカウントのフォロワー数なんですが、昨夜の時点で僅か八十人だったんですよね。 ですから、やはり、国民の皆様が気軽に相談できる窓口として整備されていても、その存在が知られていなければ意味を成しませんから、被害に遭いやすいお年寄りの方々、また幅広い世代に知っていただくためにも、広報、周知活動、是非、神谷委員もおっしゃられておりましたけれども、一層力を入れていただきますようお願い申し上げます。 また、海外事業者に対しての規制は難しいという御答弁、承知いたしました。ただ、今後、国内の整備が、改正されましても、法の抜け穴を利用して、海外事業者を介した犯罪、そして携帯電話、SNSを悪用した詐欺被害が一層拡大するおそれがあると考えられます。このSNS型投資・ロマンス詐欺、そしてスプーフィング電話など、海外拠点からの組織的犯罪が日本人の財産を巧みに狙っているこの現状を踏まえますと、こうしたリスクを未然に防ぐことが喫緊の課題であると認識しております。 そこで、林大臣にお伺いさせてください。 通信業務を担う総務省として、国民の皆様の財産を守る観点から、海外事業者への対応、海外からの詐欺被害を抑えるために今後どのように取り組まれるのでしょうか。今後の御方針をお聞かせください。
○林国務大臣 総務省といたしましては、国際電話などを悪用した犯罪への対応、これは重要であると考えておりまして、政府参考人から申し上げたとおり、官民連携の下での国際電話の休止受付体制の強化、また、地方自治体や事業者などとの連携による周知活動の強化などの方策を実施しております。「でんわんセンター」も、もう少し宣伝をしなきゃいかぬなと改めて思ったところでございます。 加えて、海外などから送られてくる詐欺メールについても、総務省は、業界団体に対する要請を通じて、成り済まし防止のための技術の普及を推進するなど、官民連携を図りながら対策を実施しているところでございます。 引き続きこれらの取組を進めるとともに、今後も、国際電話を始めとした海外事業者が提供をするサービスを悪用した犯罪の動向を注視をしまして、必要に応じて、外国政府との間で意見交換を行い、海外事業者への働きかけを要請するなど、対策の強化を図ってまいります。
○青木委員 力強い御答弁、ありがとうございました。官民連携の強化、そして国際的な枠組みで取り組んでいただけるということで、安心いたしました。 今回の法改正におきましては、国内の対策が強化されることは、これは大きな前進として大変評価しております。しかし、やはり、海外を拠点とする犯罪組織への対応については、国内の法整備だけでは限界があることも事実でございます。 長年こつこつとお孫さんのためにためてきた蓄え、そして夢や目標に向けて若い人たちが必死にためてきたその大切なお金が犯罪者に奪われて、そして、今この瞬間も詐欺グループはどこかで活動しているわけでございます。国民の皆様のお金と生活を守ること、やはりそれは政治の大切な役割でございますから、国内の法整備を進めるとともに、今後は、海外の犯罪拠点に対して、各国との連携をより一層進め、また、海外の大手のプラットフォーム事業者にも積極的にこの連携協力を求めていただきますよう、強くお願い申し上げます。 あと二問ほど準備していたんですけれども、時間が参りましたので、本日の質疑はここまでとさせていただきまして、次回の一般質問の際にでもお伺いできたらと思っております。 ありがとうございました。
○古川委員長 次に、武藤かず子君。
○武藤(か)委員 チームみらいの武藤かず子です。 本日の携帯電話不正利用防止法の審議のため質問の機会をいただき、ありがとうございます。今回も、我々チームみらいが行っております、みらい議会、AIインタビューでいただきました国民の皆様の声を基に質問をさせていただきます。 まず、本人確認の厳格化、標準化についてです。 本改正案は携帯電話不正利用を防ぐために本人確認を強化するものですが、法律の条文が実効性を持つためには、事業者が何をどのように実施すればよいかを明確にする実装水準の提示が必要不可欠でございます。 そこで、お伺いをいたします。 改正法の施行に当たり、総務省として、事業者が最低限満たすべき実装水準や留意事項について、業務連絡、QアンドA、ガイドライン等の形でどのように示す予定でしょうか。また、現時点で想定している周知の手段、例えばホームページの掲載や事業者への説明会の開催など、具体的な手段と実施時期について、併せてお聞かせください。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、本法案をお認めいただいた後、具体的な本人確認義務の水準などにつきましては、きちんと定めていく必要があると考えているところでございます。 具体的には、携帯電話不正利用防止法施行規則におきまして、本人確認方法や本人確認書類などの本人確認ルールを遵守する上で必要となる事項を整備していく予定であり、さらに、必要に応じてQアンドAを示したりガイドブックを作成するなど、事業者に分かりやすいように、施行後速やかにしっかりと準備、周知というものを行ってまいりたいと考えているところでございます。
○武藤(か)委員 御答弁ありがとうございます。 事務連絡等々は、発出することが目的ではなく、現場の事業者の皆様が迷わず動けるようにすることが目的だと考えております。是非、適切なタイミングで適切な御対応をお願いいたしたく存じます。 続きまして、各通信事業者の対応が法の趣旨に沿ったものになっているかどうかを行政として継続的に確認する仕組みも重要であると考えております。各通信事業者間で実装水準に差異が生じた場合でございますが、その是正の在り方についても明確にしておく必要があるかと存じます。 そこで、二点お伺いさせてください。 一点目は、各通信事業者間で本人確認の実装水準に差異が確認された場合、総務省として、報告徴収また立入検査、行政指導、是正命令など、どのような判断基準でその手段を選択されるか、見解をお示しください。 二点目に関しましては、法令に定める手続が形式的な運用にとどまっていないか、すなわち、本人確認が実質を伴っているかどうかについて、各通信事業者に対して確認を行う予定があるかどうか、お答えください。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。 現行法におきまして、携帯音声通信事業者等は、携帯電話不正利用防止法及びその施行規則におきまして定められた本人確認方法にのっとり本人確認を実施する義務があり、この義務に違反すると行政処分の対象となります。 総務省におきましては、必要な限度において、携帯音声通信事業者に対して報告徴収を求めるほか、必要に応じて立入検査を実施することができます。 総務省といたしましては、現行法におきましても、明らかな法違反が認められる場合には行政指導を実施しているほか、特に悪質な場合には是正命令を講じることで携帯通信事業者等において適切な本人確認が行われるよう確保しており、改正法が認められた場合にも同様の対応を求めてまいりたいと考えているところでございます。 なお、携帯通信事業者等において適切な本人確認が行われているかについては、総務省としても、携帯通信事業者等に対して、必要に応じて適宜適切に確認してまいりたいと考えているところでございます。
○武藤(か)委員 ありがとうございます。 是非、本人確認が形式なものになっていないかどうか、行政の役割として監視、監督をお願いいたしたく存じます。 続きまして、IoT利用への影響について伺ってまいります。 本改正案が対象とする本人確認の強化は、主に音声通話やSMSを通じた特殊詐欺、不正送金への対策として立案されたものであると理解をしております。一方で、農業センサーや見守り端末、インフラ監視機器など、SMSも音声機器も持たないデータ通信専用のSIMについても同一の本人確認規制が及ぶこととなれば、これらの機器を大量に導入し、サービス提供をするために利用している農業者、また介護事業者、設備管理事業者などにとって、相当な手続の負担が生じることとなります。 そこで、お伺いをいたします。 SMS機能のないデータ通信専用SIMについて、音声、SMS対応SIMと同一の本人確認規制を適用することの合理性を不正利用のリスクの実態の観点からどのように評価されているか、総務省の見解をお示しください。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、データ通信専用SIMの種類につきましては、様々な用途また種類があると認識しております。 そのため、本人確認義務等の対象とするデータ通信専用SIMの種類につきましては、その不正利用の実態や利便性への影響、実効性等を勘案して決定される必要があると考えております。 総務省で開催されました有識者会議におきましても、特殊詐欺において不正利用が確認されたデータ通信専用SIMの多くは、メッセージアプリのアカウント作成等に利用されるSMS機能つきのものである一方、IoT機器のSIMなどに多く使われるSMS機能なしのものにつきましては同様の犯罪実態は認められませんでした。 そのため、SMS機能なしのデータ通信専用SIMにつきましては、SMS機能つきのものと比較して、現時点では悪用のリスクが低いと考えておるところでございます。
○武藤(か)委員 御答弁ありがとうございます。 レクの中では、そういったリスクの低いものについては、省令によって適用外とするような形を取るということをお聞きをしております。是非この省令の内容についてもこの国会審議の場でしっかりお示しいただきたいなというふうに思っておりまして、大臣にお伺いをさせてください。 SMS機能のないデータ通信専用SIMについて、省令によって本人確認義務の対象外とする方向で検討していると理解してよろしいでしょうか。
○林国務大臣 本人確認などの対象といたしますデータ通信専用SIMの種類については、省令において具体的に規定することとしておりますが、不正利用の実態やそれらへの対応に係る実効性の確保、また利便性への影響なども総合的に勘案して決定するべきだと考えております。 先ほども事務方から答弁いたしましたが、有識者会議が昨年の十二月に取りまとめました報告書においても、対象SIMや利用用途等に関して、利便性へのバランスの観点から利用実態や実効性に配慮した規定とするべき、こういう御提言をいただいております。 現時点において、データ通信専用SIMのうち、SMS機能がないものやIoT機器向けのものについては、不正利用のリスクが低いと考えられることから、本人確認等の対象とすることは想定をしておりません。 引き続き、警察庁との連携の下で不正利用の実態に関する的確な把握に努めつつ、有識者や事業者等の意見を丁寧に伺いながら、今後省令の内容について適切に検討してまいります。
○武藤(か)委員 御答弁ありがとうございます。 まさに、この観点が、我々、AIインタビューを行っていた中で多く寄せられた意見でございましたので、大臣から御答弁いただけまして、法人、IoTへの影響が未然に防げるということをお聞きできて安心をいたしました。ありがとうございます。 続きまして、個人事業主に対する複数回線契約についてお伺いをさせてください。 個人事業主に関しても、今回の回線数、上限を設けず、法人と同様に扱う方針が示されているというふうに理解をしており、この方針については評価をしております。 一方で、この実効性についてお伺いをしたいというふうに思っております。 この方針を各通信事業者が徹底するためには、どのような周知、指導の仕組みを設けておられるか、また、回線数や業態を理由とした恣意的な契約拒否や手続遅延が生じた場合の是正措置についても併せてお答えください。 また、次に、登録された名義、資格情報の不正転用リスクに対して、審査基準の設定、登録後の定期的な見直し、異常利用の検知を含むモニタリング体制をどのように整備されるか、お伺いをさせてください。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。 個人事業主が携帯通信サービスを契約する場合には、登記の有無等によりまして、法人又は個人とするかの契約形態は変わってくるものと考えております。 そのうち、本改正案では、個人として契約する個人事業主の回線につきましては、一定の回線数を超える契約についてはその拒否ができるようにするものですが、一方で、正当な理由がある場合には、不当な拒否、そういったことが生じないよう省令にきちんと規定をしていくとともに、必要に応じてQアンドAやガイドブックなどを通じて明確化をしてまいりたいと考えてございます。 また、制度の運用に当たりまして、その趣旨に反する恣意的な契約拒否や不当な手続の遅延等が認められる場合には、個別事案に即しまして、総務省として適切な対応を行ってまいります。 また、登録された契約者の情報につきましては、関係法令の下で、携帯通信事業者において、適切な取扱いが現行の法令上でも求められているところでございます。総務省におきましても、必要に応じて適切な対応を取ってまいります。
○武藤(か)委員 御答弁ありがとうございます。事後のモニタリングまで含めた継続的なサイクルが機能するよう、私自身も引き続き注視してまいりたいというふうに思います。 続きまして、制度の実効性検証に関しまして御質問をさせてください。 不正に取得、転用された携帯電話やSIM自体が特殊詐欺の犯罪ツールとして使われている実態がありますため、本人確認が実際に機能しているかどうかを検証する仕組みが必要かと考えております。 そこで、お伺いをいたします。 金融業界においては、マネーロンダリングのコンプライアンステストのように、通信事業者が本人確認の実効性を定期的に自己テストをして、その結果を踏まえて改善サイクルを回す仕組みを、業界の自主基準又は総務省からの事務連絡という形で導入することについて、総務省としてどのようにお考えか、お聞かせください。
○向山大臣政務官 お答えいたします。 携帯電話の本人確認については、販売代理店、オンラインなど様々なチャネルで実施をされていることが想定をされまして、その実効性の確保が重要であるということは御指摘のとおりと認識しております。 携帯電話不正利用防止法におきましては、携帯通信事業者等に対して、本人確認の義務や販売代理店等への監督義務を課しておりまして、これに基づいて各事業者は販売代理店等に対する研修や監査を行っているところであります。 このほか、一部の事業者におきましては不正契約の定期点検を行っているなど、様々なチャネルにおいて本人確認の実効性を確保するための取組が実施されているものと承知をしております。 総務省といたしましては、御指摘の金融業界の対応というところも参考にいたしまして、優れた事業者の取組がほかの事業者に展開をされることなどによりまして、業界全体において一層本人確認の実効性が確保されるよう取組の後押しを行ってまいります。
○武藤(か)委員 御答弁ありがとうございます。 御検討いただけること、ありがとうございます。重要なのは、その検証をした結果を誰がどう使うかという仕組みも重要かと思いますので、金融庁が行われております評価の結果を活用されている枠組みも是非参考にしつつ、総務省におかれましても、制度設計を期待しております。 続きまして、少し質問をスキップさせていただきまして、近年の特殊詐欺においては、海外に拠点を置く犯罪グループが多くございます。今日のこの質問の場でもその声が多く上がっておりますけれども、私が問題視をしておりますのが、国内の名義人を介して取得した不正SIMを使ったり、あるいは国際電話の着信を偽装したりする形で被害者にアクセスするケースが報告されていると認識をしております。 そこで、今回、本人確認の強化の射程について確認をさせてください。 本法案の措置は、国内で正規に本人確認を経てSIMを取得しながら、その後、実質的な使用を海外の犯罪グループに委ねるケース、いわゆる名義貸し型の不正利用に対しても抑止効果があると評価されているのか、お聞かせください。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。 本改正案は、国内事業者が提供するデータ通信専用SIMを規制対象に加えるものであるところでございまして、国際電話の不正利用に対する抑止効果を直接の目的としたものではございませんが、海外拠点において、ケースによりましては、国内事業者のSIMを不正利用する場合もあると思います。そのようなケースに関しましては、一定の抑止効果があると見込まれると考えているところでございます。
○武藤(か)委員 本法案の前進は評価をいたしますとともに、本日確認できましたとおり、SIM取得後の不正転用と海外発の偽装着信というこの二つの経路がどうしても残っているというふうに思います。是非、附帯決議や省令の対応も含め、この両面の継続的な手当てを強く求めます。 続きまして、警察庁にお伺いをさせてください。 詐欺グループの拠点が海外にある場合でございますが、国内の通信規制だけではどうしても完結できない部分がございます。その意味で、国際的な法執行協力の枠組みが極めて重要です。まず、現在の国際共助の実態について、海外拠点の特殊詐欺グループの検挙に向けて、どのような二国間また多国間の連携が機能しているか、現状を御説明いただきたいと思います。特に、被害の多い国、地域との協力関係の整備状況について、具体的にお伺いしたいと思います。 また、犯罪手口の進化に対する情報共有の仕組みについても確認させてください。フィッシング、ロマンス詐欺、SIM不正利用など、手口は目まぐるしく変化しています。許斐委員からも日進月歩という話がございました。警察庁はこうした犯罪手口の最新動向をどのように把握し、総務省を始めとする関係省庁と共有しているのか、そして、その情報が実際に通信制度の見直しに生かされる流れ、いわば被害情報から制度改革へのサイクルがどのように機能しているのか、お聞かせください。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 海外に拠点を置く特殊詐欺グループへの対策といたしましては、警察では、関係国との二国間協議の実施等を通じまして、現地の捜査当局との情報交換や連携を強化して捜査を推進しているところでございます。 先ほども申し上げましたけれども、昨年、東南アジアの四か国と協力して、これらの国から特殊詐欺を行っていた被疑者を検挙した例もございます。それから、犯罪手口に関しまして、警察庁といたしましては、都道府県警察から、被害者等からの被害申告情報の集約を行ったり、あるいは金融機関や各業界団体からの情報提供を受けることによって、その把握に努めておりまして、そういった情報を、総務省を始めとする関係機関と、必要に応じて共有を図っているところでございます。
○武藤(か)委員 御答弁ありがとうございます。 実際に犯罪があってからのアクションになるというふうに理解をしております。 そうせざるを得ない事情も重々に理解しつつではございますが、是非、先手先手で、海外などからも情報を収集をしつつ、最新動向というのを取り入れて、警察庁と総務省、情報連携を強化の上で、注意喚起のみならず、必要に応じて制度設計を含む適切な処置を速やかに講じていただけるような枠組みをつくっていただけたらというふうに思っております。 以上、私からの要望といたしまして、質問を終わらせていただきます。 お時間いただき、ありがとうございました。
○古川委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○古川委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。 携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○古川委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○古川委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、鈴木英敬君外五名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党、チームみらいの六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。平林晃君。
○平林委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。 携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の各項の実施に努めるべきである。 一 総務省令を定めるに当たっては、本人確認等に際して携帯通信事業者に課されることとなる負担、とりわけ改正附則第二条に規定する施行時利用者の本人確認等に係る負担が過剰なものとならないよう、事業者等関係者の意見を十分に聴取すること。 二 本法の対象となっていない、SNSアカウント開設時の本人確認等についても、技術の発展や社会情勢の変化に機動的に対応し、必要な施策を速やかに講ずることに努めること。 三 法人の契約締結等を行う契約担当者等の権限又は地位の確認方法を総務省令で定めるに当たっては、その方法が実効性を担保するものとなるよう、十分に検討を行うこと。 四 特殊詐欺の被害を食い止め、国民の財産を守るため、各省庁等は、「国民を詐欺から守るための総合対策二・〇」等に基づき、地方公共団体、民間事業者、外国当局や国際機関等国際社会とも連携・協力しながら、各種施策を一層強力に推進すること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○古川委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○古川委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。林総務大臣。
○林国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。 ―――――――――――――
○古川委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○古川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五分散会