災害対策特別委員会 第8号
- 発言数
- 159 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2026/05/12
会議録
○関委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、防災庁設置法案及び防災庁設置法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。 この際、お諮りいたします。 両案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付のとおり、内閣官房防災庁設置準備室次長横山征成君外十八名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○関委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○関委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。古賀篤君。
○古賀委員 おはようございます。自由民主党の古賀篤でございます。 本日は、四十分の質疑時間を賜りまして、関係者の皆様方の調整に心から感謝を申し上げさせていただきたいと思います。 そして、本日は、多くの答弁者の方に御出席いただいております。どうぞよろしくお願いいたします。 現在、私は、自民党の災害対策特別委員長を仰せつかっておりまして、谷筆頭を始め党の先生方にも御指導いただきながら、災害政策、防災政策の責任者として今お仕事をさせていただいている状況であります。 そして、令和六年、二〇二四年の元日に起こりました能登半島地震の際は、今の津島副大臣の立場、内閣府の防災担当の副大臣として、元日より現地の対応に当たってまいりました。最大時には三百名ほどの職員の方が石川県の県庁に詰めていただきまして震災対応に当たり、私自身も一月から五月末まで現地に断続的に入り、当時の平沼正二郎政務官と交代しながら対応に当たってまいったところでございます。 こうした教訓も踏まえまして、以下、質問をさせていただきたいと思います。 そして、何より、まだ能登半島地震は復興道半ばでございます。是非、政府の皆様方には引き続きの御支援を心からお願いさせていただきたいと思いますし、広く国民の皆様方には、変わらずの心寄せ、そして様々な角度からの御支援もお願いさせていただきたいと思います。 今回の防災庁の設置法案、そして関連法案、私は大賛成でありますが、災害対応というのは非常に難しいということは能登半島地震の対応をさせていただいたときにも強く感じたところであります。 我が国は、二〇二四年の能登半島地震以前も、十年前の二〇一六年、平成二十八年の熊本地震、また阪神・淡路大震災や東日本大震災など、五年から十年にかけて必ず大きな地震が起こっている。加えて、これから雨季に入ってまいります、出水期に入ってまいりますので政府にも対応いただきたいと思いますが、いざというときの大水害、豪雨、これも毎年のように起こっておりますし、先日の岩手の大槌町の山林火災、これも毎年のように各地で発生しているという状況であります。 災害が非常に多いこの国におきまして、だからこそ、世界一の防災立国をつくる、その契機となるのが今回の防災庁の設置だというふうに受け止めておりまして、ただ役所をつくるだけではなくて、同時に、取組を抜本的に強化していただきたいと考えているところであります。 今申し上げましたような過去の災害対応の教訓を生かす、これは大事な観点だと思います。 昨日、自民党で災害対策特別委員会、この委員会と同じ名称なんですけれども、その委員会を開催させていただきまして、熊本地震で当時政府として現地の対応に当たっていただきました兵谷氏そして櫻庭氏にも今回の防災庁に向けて貴重な御意見を賜ったところであります。 令和六年の能登半島地震の対応で浮き彫りになった報告書もまとめていただいておりますが、この課題を全部潰していただきまして、次の災害対応につなげていただきたいと考えているところであります。 その上で質問に入りたいと思いますが、まず一点目、大規模災害における政府の対策本部について伺いたいと思います。 能登半島地震の際には、政府の本部というのは大きく二か所に設置されました。一か所は官邸、そしてもう一か所は先ほど申し上げました石川県庁。ですから、大規模な災害が起こると、被災した都道府県の県庁に置かれるということになります。 そして、当時のことを振り返りますと、石川県庁は御存じのように金沢市にございまして、そして東京と金沢を私も新幹線、場合によっては飛行機を使って往復したわけですが、石川の先生方もおられますので御存じだと思います、二時間半かかるわけですよ。これを頻繁に移動する時間、いろいろな負担。そして、入られる職員の方も、通常業務がある中、指名されて派遣されるわけですけれども、やはり一週間から二週間仕事をしていただいた後には交代される。中にはまた来てくださる職員の方もおられるんですけれども、こういった運営がされていたということであります。 熊本地震の際も、期間とか詳細はそれぞれの震災対応があったにせよ、大体同じ形で行われたんじゃないかなというふうに思うところであります。 現地の対策本部というのはミニ霞が関と呼ばれまして、審議官級の方が入って迅速に意思決定をするということにおいて精いっぱい努力をしたわけでありますが、振り返ると、今申し上げたように、被災地に近いというメリットはあるものの、政府の関係者が集まるという観点においては、私は、東京にしっかり対策本部を置いた方がいいというふうに思ったところであります。 ただし、先ほど申し上げたように、霞が関に置かれる本部というのは今のところ官邸になっているわけですね。御存じのとおり、官邸の地下に危機管理センターというところがあって、そこは非常にセキュリティーの関係があって携帯も預けなきゃいけない。だから、通常、携帯は使えないわけですよ。こういったところに様々な役所の人が入ってきて頻繁にやり取りをするというのはなかなか難しいんじゃないかと思います。 なので、今、内閣府防災がある、そして防災庁も同じところに置かれるんですよね、八号館と伺っておりますが、この八号館に政府の各府省の職員が集い、そして迅速に判断をする、こういったことをしてはどうか。ただし、現地本部も必要なんですよ。現地本部は必要なんですけれども、そこはよりコンパクトにしていただいて、そこをオンラインでつなぐ。当時もオンラインでつないで大臣等とやり取りをさせていただきましたが、なかなかそこまでITが使用されていない実態がございます。 私、偶然その年の後に、たまたまテレビで、皆さんも御覧になったか分かりませんが、「ブルーモーメント」というドラマがありまして、これはSDMという架空の組織なんですけれども、特別災害対策本部というチームがあって、そこが東京の本部と現地と絶えずオンラインでやっている。見ていて、こういうイメージだなというふうに思ったところです。余り反応がないので、余り御覧になっていらっしゃらないような気もしますが。視聴率が悪かったのかもしれません。余り言うと問題ですけれども。 ということで、能登半島のときもそうですし、熊本地震の対応に当たられた方もやはり同じことをおっしゃるんです。やはりこちらにあった方がいいということなんですけれども。その上で、本部をこの東京にしっかり置いた上で、さらに、具体的な前提に立った、ですから、能登のときは一月の寒い時期、帰省されている方もたくさんおられる、観光客もおられる中で発災したわけですけれども、冬の深夜とか早朝とか、厳しい前提において具体的にどう対応するかという実地訓練を併せて行っていただきたいと考えますが、内閣府のお考えをお聞きしたいと思います。
○津島副大臣 古賀篤委員にお答えを申し上げます。 委員が現地災害対策本部で指揮を執られて非常に御苦労され、その経験を基に今回この御質問をなされた、その御提案の趣旨というものはまずしっかりと私は受け止めたいと思っております。大変重いものだと思っております。 今、防災庁設置法案の審議の中で、防災庁が設置されたら、そういう前提も置きながらお答え申し上げたいと思うんですが、大規模災害の発生時には、防災庁が中心となって政府の災害対策本部を設置し、官邸危機管理センターとともに、合同庁舎八号館へ関係府省庁が参集の下、防災庁が司令塔となって緊密に連携し、必要に応じて本部長の指示権等も活用しながら災害対応を行うこととなっております。また、被災都道府県の災害対策本部と密接な連携を図るため、被害状況に応じて現地対策本部を設置し、被災地のニーズを丁寧に酌み取りながら、伴走型の被災地支援を行うこととしているところです。 内閣府においては、大規模災害の発生を想定し、関係省庁や地方公共団体の参加の下、合同庁舎八号館において緊急災害対策本部運営訓練を実施しております。なお、その際、現地災害対策本部運営訓練も同時に開催し、連携訓練を行っております。 また、能登半島地震での教訓を踏まえて、各省幹部級職員が一堂に会した研修の実施や、ふるさと防災職員とそのカウンターパートとなる各都道府県の窓口担当職員の連携を通じた災害対応力の強化など、現地のニーズを踏まえて迅速かつ的確な災害応急対策を行うことができるように取組を進めております。 その上で、防災庁においては、災害事態対処を専任する統括官を新たに配置するとともに、非常災害対策要員を増員し、災害発生時における司令塔機能を強化することとされています。 委員御指摘のとおり、関係府省庁の参集、常駐については、迅速な意思決定を確保する観点から、有効な方策だと思っております。政府としては、委員の問題意識も踏まえ、防災庁が被災自治体のワンストップ窓口として実効性のある運用を確保できるよう、官邸危機管理センターと合同庁舎八号館の役割分担も踏まえつつ、実践的な訓練の実施やその充実を図り、被災自治体や関係府省庁との緊密な連携による災害対応に万全を期してまいります。
○古賀委員 津島副大臣、ありがとうございます。 是非、役割分担をしていただきながら、八号館にしかるべき場所をつくっていただき、迅速に対応に当たっていただきたいということを重ねてお願いさせていただきたいと思います。 続きまして、もう一点、被災時における政府の取組についてお伺いしたいと思います。 能登半島地震の際には、石川県庁の現地対策本部のメンバーというのは、県庁が金沢市にございましたので、そこが大きく被災していない中、市内のホテルで寝泊まりをしていたわけでありますが、輪島とか珠洲とか、現地に入ったリエゾンであったり応援の職員の方というのは、特に初期の頃は、庁舎は損壊していますので、市町の職員の方と同様に、庁舎の床とか机とかに伏せて休息を辛うじて取ったということでありました。 石川県庁の本部から被災地に行ったり直接市町に入られたりした職員はいましたけれども、数日たつと、もうへろへろになって帰ってくるわけですよ。それは当然そうですよね。睡眠も取れていないですし、大変な状況である。一方で、被災者の方が大変な目に遭っているときに、果たして、じゃ、ゆったりと暖かい布団に寝てということもはばかられるということもあるわけでありますが、私は、ここは応援に入られるわけですので、万全の体制を維持しながら、しっかりと被災された方に対応していく、元気に対応していくということを長期間続けていただく必要があると思いました。 ただ、いろいろな意見もあって当時は大変苦労したわけですが、是非今回お願いさせていただきたいのは、一方で、全員がそうじゃなくて、自衛隊とか消防とか、こういう方は野営の訓練までされていますので、そこは非常に用意周到に入っていかれたんだと思います。ですから、防災庁の職員も、次の震災時には最低限の装備をして、寝袋なのかエアテントなのか分かりませんけれども、一週間ぐらいはへっちゃらで現地対応をしていただく、こういう体制を装備品も含めて是非お願いさせていただきたいと思いますが、どういう取組、対応予定なのかをお伺いしたいと思います。
○横山政府参考人 お答えいたします。 災害発生時に被災地における迅速かつ的確な支援を行うためには、現地に派遣される政府職員等が災害応急対策に集中できる生活、職務環境を整えることが重要であるというふうに認識してございます。 防災庁においては、非常災害対策要員を増員し、災害対応力の強化に必要な人員を確保することとしているところ、現地における移動手段や宿泊場所の確保、寝袋等の装備や非常食の確保等にどのように対応していくかということを検討を進めたいと考えてございます。 まずは庶務総括担当職員の増強も図ってまいりたいと考えてございますし、そのような支える体制も整えながら、現地で円滑な災害対応が可能となるよう、備品の事前準備とか各都道府県の受援体制の整備であるとか、そのような必要な体制の整備を行ってまいりたいというふうに考えてございます。
○古賀委員 引き続きの取組をお願いしたいと思いますし、いつ本当に震災、災害が起こるか分かりませんので、速やかにどんどん対応力を上げていただきたいなというふうに思うところであります。 続きまして、各府省が取り組んでいます業務継続計画、いわゆるBCPについて一点お伺いしたいと思います。 このBCPという業務の継続計画は首都直下を前提にして各府省は作っていただいておりますし、この各府省の計画はネット上も公開されているのでどなたでも確認可能ですが、是非御覧いただきたいと思いますし、政務官も御覧になっているものだと思いますけれども、結構各府省で若干ばらばらといいますか、前提が少し異なっていたり、あるいは対応が、検討しますで終わっている。改定がもう二、三年前になっていて、これはどうなっているんだろうと非常に気になるところなんですが、速やかに検討は結論を出していただいて改定していただきたいと思います。 そして、防災庁は司令塔なわけですから、チェックしているというふうに伺っていますが、しっかり常時確認していただきながら、司令塔として、場合によってはまさに勧告権でも使っていただく中で、各府省の対応力を上げていただきたいと思いますが、どういったことになっているか、御説明いただきたいと思います。
○鎌原政府参考人 お答え申し上げます。 各府省は、平成二十六年に閣議決定をされました政府業務継続計画に基づきまして、業務継続計画、いわゆるBCPを作成することとなっておりまして、対象府省全て、現在、BCPを作成済みであります。 政府業務継続計画においては、各府省のBCPについて、各府省がその実効性について評価を行い、適宜これを見直すとされておりますほか、内閣府において、各府省のBCPの実効性について有識者による評価を行い、その結果を勘案して必要に応じ調整を行うものとされてございます。 これを受け、内閣府におきましては、平成二十六年に政府業務継続に関する評価等有識者会議を設置をいたしまして、毎年度、各府省のBCPに関し有識者による助言を行うことにより、改善を促しているところでございます。 このようなプロセスを通じまして各府省のBCPの実効性の確保に努めているところではありますが、例えば、昨年十二月に中央防災会議の有識者ワーキングから新しい首都直下地震対策について報告書も提出をされたところでございまして、今後、各府省のBCPの見直しも必要になってくるものと認識をしてございます。 今後、内閣府防災担当を発展的に改組することとしている防災庁におきましても、この役割を継承しまして、防災大臣の勧告権も背景に、防災における政府の司令塔として、各府省のBCPのチェックと改定が適時適切に行われるようしっかりと取組を進めてまいりたいと考えております。 以上です。
○古賀委員 よろしくお願いしたいと思います。また引き続きネットで確認したいと思いますので、気を抜かないでくださいね。お願いします。 続きまして、防災人材の養成についてお伺いしたいと思います。 今回の法案の第十五条でしょうか、条文において、文教研究施設を置くことができるという規定がございます。そして、いわゆる防災大学校、仮称なんでしょうけれども、今後の検討とされているところであります。 一方、昨年末に閣議決定されました防災立国の推進に向けた基本方針におきましては、体系的な防災人材育成を推進するため、防災庁職員に加えまして、地方自治体の職員であったり民間人材も対象とした研修等を行う機関として、防災大学校の設置を検討ということが書かれているわけであります。 一方で、防災の知識を表す、評価する資格として防災士という資格がございます。ここにおられる委員の方、あるいは政務の方にも取られている方はおられると思いますが、この防災士というのは実は民間資格でありまして、内閣府防災に伺うと、余り関与していないような答弁をされるわけですよ、民間資格ですからと。 でも、民間資格ですからとおっしゃるんですが、三十六万人も資格をお持ちなんですよ。私も能登の対応で取りましたけれども、皆さんお持ちなんですよ、地域で防災に関心のある方は。ですから、防災庁も、端的に言うと知りませんとまではおっしゃっていないですけれども、どういうことを研修でやっていて、どの程度のレベルなのかという把握は私は要るんだと思います。 民間資格というのは、当然、防災士以外にも、防災管理官とか、ほかにもあるということですが、こうした資格をきちんと分析といいますか、把握、認識、評価をいたしまして、そして、防災庁が行う防災大学校でどうやるかはこれからでしょうけれども、防災士も含めた資格もきちんと把握した上でどのように養成していくのか、こういった体系立てた研修だったり取組が必要じゃないかと思いますが、政府の考えを政府参考人の方にお聞きしたいと思います。
○横山政府参考人 お答えいたします。 地域における災害対応力を強化するためには、防災人材の育成、確保が重要でございます。 仮称ではありますけれども、委員からも御指摘ございました防災大学校、これを今後設置、検討を進めることにしてございますけれども、国や地方自治体の職員に加えて、委員御指摘の防災士を含む民間人材も対象に、防災業務全般の知識や技能を体系的に学ぶ研修を行うことにより、防災に関する専門的知識を備えた人材を育成するという方向で考えてございます。 さらに、産官学民の多様な関係者の間で高度なコーディネートを行える人材を育成することを考えてございまして、具体的な在り方について今後検討していくことにしてございます。 また、防災士のような資格は、広く一般の方の防災意識の向上や基礎的知識の普及につながっている面がございます。そういう柔軟性がございますので、あえて今の時点で防災に関する民間資格を公的に位置づけることは考えてはいないんですけれども、そのような方々との関係をしっかり構築して、顔の見える関係を持って連携を平時から推進し、地域における災害対応力の充実と強化を図ってまいりたいと考えてございます。
○古賀委員 一点だけ、これは質問じゃありませんが、是非大臣もお聞きいただきたいと思うんですけれども、実際、私も防災士の講座を受けたんですけれども、土日、朝から晩まで講座があるわけですよ。すごい幾つも講座があって、私が受けたところは、七、八十名ですか、受講生がおられましたけれども、中に小学生とか中学生がいるんですね。大人でも、もうへとへとになりながら、午後なんか本当に下手すると睡魔に襲われるような状況の中で、子供がこの長時間の講座はかなりしんどいだろうなと思いますが、後ろから見ていても頑張って受けているわけですね。 ですから、何を申し上げたいかというと、それだけ防災に関する問題意識というか、自分もそういう取組をしたいという気持ちの表れなんじゃないかというふうに受け止めたところです。 ですから、皆さんはすぐ防災イコール防災士となってしまっているんだと思うんですが、防災庁においても、こういった例えばキッズ防災士とか、防災士と言っちゃいけないのか、キッズ防災リーダーとか、あるいはジュニア防災リーダーとか、小さい子の防災教育もしていただいているんだと思いますが、やはり、何か証明するものが欲しいとか、しっかり自分も自分の能力を形で表して、それで取り組みたいという気持ちを受け止めての取組を是非お願いしたいと思いますので、これは質問じゃありませんので、大臣も是非その観点でお願いさせていただきたいと思います。 続きまして、内閣府防災以外の各省に、済みません、政務官、お待たせいたしましたが、お聞きしたいと思います。 まず、厚労省なんですけれども、能登半島のときに、先ほど申し上げました金沢の県庁に災害対策本部ができましたが、そこの大きな傘の中に、別の組織として保健医療福祉調整本部という本部がつくられました。 これからいろいろな都道府県が能登の地震も踏まえて体制強化だったり体制づくりに当たられるんだと思いますが、いろいろな立ち上げの問題だったり、迅速性の問題だったり、あるいは連携だったり、この辺に課題があったというふうに受け止めております。 そこで、当然、厚労省もそれを踏まえて、災害時の保健・医療・福祉分野の連携強化検討会というのを立ち上げていただきまして、今日、佐々木審議官にもお越しいただいておりますし、土岐さんという石川県に厚労省から出向していた方が戻ってきてこの取組をやっていただいていますし、私もいろいろなお願いをさせていただいております。 きちんと能登の地震の経験を踏まえて連携を図るという問題意識でこれをつくっていただき、先日取りまとめをしていただいたと思っておりますが、どのように当時の震災対応の課題を把握し、そして今後の対応に生かす、当たろうとしているかをお聞かせいただきたいと思いますが、栗原政務官にお願いします。
○栗原大臣政務官 お答えいたします。 古賀先生御指摘のとおりでありますが、災害時の保健・医療・福祉分野の連携強化検討会におきまして本年三月十九日に報告書を取りまとめていただきました。厚生労働省として公表をしたところであります。 本報告書におきましては、令和六年能登半島地震の教訓を踏まえ、被災都道府県を後方支援する厚生労働省の体制の整備と自治体の対応力向上のための施策について、課題と今後の方向性を御提言いただいたものであります。 このうち、厚生労働省の体制整備につきましては、災害時にDMAT等を派遣する際の時期の目安や派遣先の配分に関する都道府県の意思決定を支援するといった取組を行うための厚生労働省保健医療福祉調整本部支援チームを先月四月一日に既に立ち上げておるところであります。 また、自治体の対応力向上につきましては、都道府県が設置する保健医療福祉調整本部につきまして、各分野の関係者が共通して把握すべき情報を横断的に連携するための統一様式を提示することや、先ほど申し上げましたが、厚生労働省の支援チームと緊密な情報提供を行うなど、設置や運営の在り方を示すほかに、都道府県に対し、平時から、DMATと連携した訓練、研修の実施や、災害支援システムにおける円滑な情報収集、整理、分析等を実施できる体制の整備を促すといった通知を本年三月三十一日に発出するなどの対応を行っております。 引き続き、厚生労働省における体制の整備と自治体の災害対応能力の強化を両輪といたしまして、保健、医療、福祉分野が一体となって迅速な被災者支援を行うことによって、国民の生命と健康を守る取組を平時から進めてまいりたい、そのように考えております。
○古賀委員 引き続きの取組をお願いしたいと思いますが、DMAT始めJMATだったりJRATだったりJDATだったり、たくさん略称がある支援もありますので、縦割りにならないような横串を刺した取組を、厚労省が先ほど政務も言いましたが、東京と現地に立ち上がる調整本部の連携を図っていただきたいと思いますので、是非お願いさせていただきます。 続きまして、子供の観点から二点、大きく伺います。 まず、文部科学省に伺いたいと思いますが、能登半島地震のときにも、子供を守るという観点を非常に大きく受け止めて取り組んできたところですが、どうしても、子供は声を上げにくい、そういった中で我慢を求められがちなんですね。 一月に発災した能登半島地震においても、まず学校を再開する、学びの場を確保する、そして、受験を控えている中学生、高校生、三月には卒業式、四月には入学式がある、これをどう確実に行っていくのか、非常に教育委員会の方、現場の先生方とも様々な調整、お話をさせていただいたところです。 ただ、学校再開と簡単に言っても、どうしても避難所が学校の校舎だったり体育館になる、そしてグラウンドにも駐屯地が置かれ、そのうちには仮設住宅ができるというところをたくさん見てまいりました。 非常に取組を丁寧に多面的に行っていく必要があると思いますが、今回の能登半島地震を踏まえてD―ESTという組織と取組を強化していただけるというふうに伺っており、昨年末に取りまとめを行ったと聞いておりますが、文科省はこれからどうやっていくのか、是非考えをお聞かせいただきたいと思います。
○福田大臣政務官 お答え申し上げます。 令和六年能登半島地震の際は、委員御指摘のとおり、各自治体の教職員などから成る学校支援チームの派遣が行われ、学校再開にも大きく貢献いただいたと承知しております。 こうした教訓を踏まえて、文部科学省では、今後の大規模災害に備え、被災地での学びを支援するための人的支援の枠組み、D―ESTの構築に取り組んでまいりました。 その一環である、被災地の学校へ支援に入る教職員で構成された学校支援チームについては、令和六年度補正予算において新規設置、機能強化を支援するために必要な経費を計上し、支援を行ってまいったところです。現時点において十三道府県にて設置されていると承知しております。さらに、令和七年度補正予算も活用し、七県一市の自治体が今設置に向けて取り組んでいただいていると承知しております。 文部科学省としては、引き続き、災害時の学校支援の体制充実が図られるよう、学校支援チームの活動事例や研修教材の周知、そして学校支援チーム同士が相互に情報交換ができるプラットフォームの充実なども含めて、各自治体の取組を支援していきたいと思っております。
○古賀委員 福田大臣政務官から今御答弁いただきましたように、学校支援チームをこれから増やしていくと。しっかり全国各地に、全都道府県につくっていただければと思いますが、能登のときには、兵庫、熊本、宮城、三重、岡山、五チームに入っていただいた。大変ありがたく思っております。やはり発災の経験を生かされたところ、あるいはこれからの南海トラフに備えての県、あるいは豪雨のときの経験を生かして、こういうふうな取組でこのチームにつながっているというふうに聞いておりますので、是非、自分事として各都道府県につくっていただくように後押しをお願いしたいと思います。 もう一点でありますが、子供の居場所という意味においては、保育園だったりあるいは避難所においても子供の居場所をつくっていく、大変大事だと思いますが、能登のときに、私がある保育園に伺いますと、一か月ほど発災からたっていたんですが、お昼の昼食を、非常食にお湯を入れて用意されようとしていた園があった。伺うと、食材を入れている仕入れ業者が被災されて食材が確保できないということの対応でしたが、やはりそれではまずいということで、いろいろな対応、調整をさせていただきました。 こども家庭庁も、こどもの居場所づくりという手引を作っていただいておりますが、先ほどの文科省とまではいかなくても、いろいろな取組を是非、被災地入りも含めて、こども家庭庁一丸となって対応していただきたいと思いますが、今後どういう対応予定なのかをお伺いしたいと思います。
○津島副大臣 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、発災後、特に復興に移る過程で、やはり子供の居場所づくりをしっかり行っていくということは非常に重要なことで、そのときに、子供の居場所がしっかりと機能するためのロジも含めて、しっかり体制を考えておかなきゃいけない。体制を考えるには、平時から行っておかなければいけないということで受け止めまして、非常に重要な御指摘をいただいたと思っております。 こども家庭庁では、令和七年五月に「災害時のこどもの居場所づくり」の手引を策定し、自治体や支援団体などに対し、必要な対応のポイントやチェックリストなど、災害への備え方を具体的に提示をしております。また、支援者を養成する観点から、現場の研修などで活用いただける資料や動画を作成し、周知を行っております。 また、こども家庭庁における被災地への職員派遣につきましては、令和六年能登半島地震での派遣実績を検証しつつ、他省庁の取組も参考にしながら、より実効性のある職員派遣の在り方について検討していきたいと考えております。 引き続き、自治体における平時からの備えを促し、また、自治体と民間団体の連携を進めていくとともに、今後、災害が発生した場合の支援の在り方について検討を行ってまいります。
○古賀委員 発災時はやはり、子供はもちろんですけれども、保育園だったり職員の方も被災者でありますので、大きな災害のときには是非積極的な関わりを重ねてお願いさせていただきたいと思います。 続きまして、災害時の動物救護について環境省と農水省にお伺いしたいと思います。 能登のときにも、ペット同伴で避難されていた方が避難所に入れずに車中泊だったり、あるいは、在宅、ビニールハウスだとかそういったところに避難されたというような状況もございました。 動物を飼うということの災害対策として、自助だという原則でいろいろ環境省も取りまとめていただいていると聞いておりますけれども、やはり動物の、ペットの餌一つ取ってもプッシュ型の品目に入っていないわけですし、なかなか難しいと思うんですね、ペットを飼われている方の対応というのは。 こうした観点がございますが、ペットの災害対策ガイドラインを能登半島を機に改定されるというふうに伺っていますが、環境省の取組を伺いたいと思いますし、その際に、動物、ペット対策としていろいろな訓練をされていると思いますが、防災庁がする訓練の中の一環として是非入っていただくことが非常に私は連携を図る意味で有効だと思いますので、そういった観点も含めてやっていただきたいと思いますが、環境省にはその取組を伺います。 あわせて、農水省、VMATという災害時の獣医療のチームがございます。DMATの動物版みたいな呼ばれ方もしている一方で、まだまだ体制づくりはこれからだと思いますが、VMATの取組をどう後押しするのか。 広瀬政務官の御地元、佐賀関も昨年火災があって、そこの田中地域の猫、佐賀関の関猫という形で皆さんかわいがっている中で、どうこれから猫を救護していくのかというのはあるんだと思いますが、VMATの取組については広瀬政務官にお伺いしたいと思います。
○森下大臣政務官 お答えいたします。 委員御指摘のとおり、近年では動物を家族の一員として迎えられる方も大変多くなっている中、大変重要な課題であるというふうに感じております。 環境省では、自治体が地域の状況に応じたペットの災害対策を検討する際の指針となるよう、平成三十年に人とペットの災害対策ガイドラインを策定し、周知を進めてまいりました。 先ほど議員も言っていただきましたけれども、能登半島地震での経験等を踏まえまして、今年度早期、新しく改定作業を進めておりまして、発表できるように今準備をしているところでございます。また、この改定に関わる検討会には内閣府にも参画していただきまして、避難所運営の観点から様々な御助言をいただいているところであります。 また、内閣府とは、自治体向けに開催しているペット同行避難訓練や説明会といった機会も含めて相互の連携を強化しており、災害発生時における避難所でのペット同行避難者に関する情報収集の円滑化を進めているところであります。 引き続きというか、更に自治体や関係省庁としっかり連携しながら、ペットの防災、災害対策に当たってまいりたいと考えております。
○広瀬大臣政務官 委員から、VMATへの支援の強化についてお問い合わせいただきました。お答えいたします。それから、大分県佐賀関の大火にも触れていただきまして、ありがとうございます。関猫に触れていただきました。 災害時の獣医療提供体制については、委員の御地元の福岡県が全国に先駆けた先進地域であり、東日本大震災を契機に自治体と獣医師会が連携した体制を構築し、これまで熊本地震を始め精力的に活動されてきたことはよく知られているところであります。 このような先進的な取組が全国に広がるよう、日本獣医師会が災害時の組織づくりや動物救護の地域活動に関するガイドラインを作成しており、これらを参考に、各地方獣医師会が中心となって災害時の獣医療提供体制が整備されているものと承知しているところであります。 農林水産省においては、各地域における獣医療提供体制の整備に向けて、例えば、過去の災害を教訓とした研修であったり、海外の先進事例に学ぶ研修を支援できるメニューを用意しているところであります。 今後も、現場の声をよく聞きながら、委員を含めた関係者の皆様と連携を深め、災害時も含めた獣医療提供体制の整備に取り組んでいきたい、こう思っております。
○古賀委員 是非しっかりとした取組をお願いします。 時間が来ましたので終わりますが、しっかり防災庁を司令塔として、今日来られました各府省を始め、一丸となって次なる災害に備えていただきたいと心からお願い申し上げまして、期待を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○関委員長 次に、赤羽一嘉君。
○赤羽委員 中道改革連合副代表を務めております赤羽でございます。 まず、防災庁の設置につきましては、私どもがいた公明党時代から長年の公約でございました。本当に防災庁ができるというふうになかなか信じ難い状況でありながら公約に掲げ続けましたが、この国会でいよいよこの設置法案が成立の運びとなる見通しであるというのは大変喜ばしいことであり、高く評価をしたいと思います。 また、牧野大臣におかれましては、これまでも災対の委員長始め災害関連のお仕事に御尽力され、その経験を生かされて、是非、屋上屋という批判に当たらない、本当の意味での司令塔としての発揮、また地域防災力向上で、国民の皆様の命と暮らしを守るのは政治の最大の責任と使命だと思っておりますので、それにふさわしい防災庁を是非つくられていただきたい、御奮闘いただきたい、こう考えているところでございます。 今回の防災庁の法案の審議を固唾をのんで見守っている方々がいらっしゃいますが、その中でも、私が今日まず申し上げたいのは、東京電力福島第一原発の被災地の方々がこの法案の審査を大変心配をしというか注視をされております。 私、二〇一二年の十二月二十七日に、第二次安倍政権のときに経済産業副大臣兼原子力災害現地対策本部長を仰せつかりまして、一年九か月、福島の浜通り地域を中心に足を運んで奮闘いたしました。そうしたことも引き継ぎながら、旧公明党の復興加速化本部の本部長をさせていただきながら、自民党と一緒に、与党復興加速化の提言、十四次の提言までも中心にしてきたところでございます。実は、その流れで、先週末も、東京電力福島第一原発と双葉町の帰還困難区域の視察と、その後、双葉町の町長、副町長、また議会の議長、副議長からの要望を受けてきたところでございます。 大臣も御担当でもありますし、よく御承知のように、双葉町は、僅か三年半前の二〇二二年八月にようやく特定復興再生拠点区域の避難指示が解除された、まだ三年半である、そういうこともあって、かつ、現在、全地域の八五%がいまだに帰還困難区域である。震災前の時点では約七千百四十名の人口も、残念ながら、今は、当時の三%にすぎない二百四十三名の方々が町内の居住者の数でございます。この双葉町だけではなくて、大熊町や浪江町、富岡町など、いまだに帰還困難区域が大宗を占める地域の復興というのは、これからも大変な困難がつきまとうということ、それは、牧野大臣、よくよく御承知のことだというふうに思っております。 また、福島第一原発の廃炉も、改めて申し上げるまでもなく、事故炉の廃炉というのは人類史上初めてのチャレンジでもありますし、中長期のロードマップでも、二〇五一年をめどに廃炉を完了すると。これは、率直に言ってそんな簡単な工程じゃない中での二〇五一年でございます。加えて、中間貯蔵されている除去土壌の最終処分も、中長期のロードマップは二〇四五年ということでございます。 そうした中で、他方では、今の復興庁が一応閉鎖されるのは二〇三〇年ということが予定されているということでございまして、二〇三〇年の時点で福島の復興が完了しないというのは残念ながら客観的な事実でありますし、その後どうなるのかというのは、被災地の皆さん、また関係者の皆さんは大変心配をしているところでございます。 二〇三〇年といいましてもあと四年でございますので、二〇三〇年以降の復興庁の在り方について国の方針はまだ決まっていないというふうに承知をしておりますが、決まっていないからといって放置をするというと、もう四年後のことですから、もう少し予見性を持ってやはり被災地に対するメッセージを出すべきだ、こう思います。いつ頃までに示されるおつもりなのかということが第一点。 そして、今回、原発事故と津波の複合災害であった。この特殊性によって、これも申し上げるまでもなく、放射性物質による避難指示の長期化ですとか、それに伴う避難生活の困難さや帰還に向けた生活環境整備の長期化、また、冒頭申し上げたように、事故炉の廃炉ですとか除去土壌の最終処分などなど、通常の自然災害に比べると復興の困難さは極めて大きくて、復興に長い時間を要するというのは明らかでございます。 こうした福島復興の特殊性に鑑みて、私は、具体的な組織の編成はどうであれ、復興庁が今持っている機能、具体的に言うと、復興庁の予算の調整権ですとか復興特会の継続ですとか、こうしたことはやはり中長期的に連続性のある形での組織づくりが必要であるというふうに考えているところでございます。 大臣に御質問したいことは、国の一丁目一番地であり、国が責任を持って福島の復興をやり遂げる、この政府の方針は変わらないということを言明していただくとともに、復興庁の機能は維持していかなければいけないというふうに私は思っておりますが、そのことについて率直な大臣の御見解と御決意をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○牧野国務大臣 赤羽先生の御質問にお答えをしたいと思います。 私、復興大臣と防災庁設置準備担当大臣とあと国土強靱化担当大臣、三つを受け持っております。その中で復興大臣としてまず申し上げるわけでございますけれども、今赤羽先生がおっしゃったように、復興はまだ道半ばというよりも、中長期的な視点でこれからも継続していかなきゃいけないというふうには、本当に心からそう思っている次第でございます。 まずは復興に対する国の取組姿勢でございますけれども、福島県の災害というのは、東日本大震災とそして東京電力福島第一原子力発電所の事故ということで、複合災害でございます。ですので、まずは、おっしゃったとおり、東京電力福島第一原発の廃炉、そしてこれまで除去してきた除去土壌の県外最終処分、また、帰還の御希望がある方たちが大勢いらっしゃる中でまだそれがかなえていないということで、避難指示解除に向けた取組、そうしたことをとにかく国が前面に立って取り組んでいくという政府の方針というのは何ら変わりはないと思います。 その上で、私も今まで浜通りを中心に十数回伺っておりますけれども、先ほどおっしゃったように、地元の皆さんが、この先、五年後の先はどうなんだろうという御心配をされているのも十分受け止めております。二〇三〇年度の復興庁の設置期限が、そこで一応終了ということに法律的にはなっておりますけれども、その後の組織体制については今の段階で言及することは非常に難しいと思います。 しかしながら、とにかくまず我々がしなきゃいけないのは、今年度から始まりました第三期復興・創生期間、この五年間で、今ある様々な課題、とにかくそれを一つ一つ解決していくという強い決意で、総力を挙げて取り組んでいかなきゃいけないということだと思っております。 その後の組織体制というのは本当に今の時点で申し上げることはできないわけでありますけれども、しかしながら、福島の今の現状が、とにかく、いろいろな課題が解決しない中で単にいろいろな事業を終了するということは、私はあってはいけないというふうに思っております。
○赤羽委員 今の大臣のお立場で、結構ぎりぎりの御答弁をいただいたというふうに私は評価したいと思います。 私は、これまで、議員生活三十年、ほぼ災害対応を中心にしてまいりましたが、一番大事なことは、私の思いとしては、やはり被災地の皆さんとの信頼関係があるかどうかだということだと思います。 安倍総理は、大変お忙しい総理の任務期間でも、月に一回福島に足を運ばれていた。これは大変な御苦労があったと思いますし、御努力があったとも思っております。 そうしたことがあったればこそ、発災当時というのは、正直言うと、被災地と政府というのは被害者と加害者の関係で、私、現地対策本部長ですから、被災者のためにという思いで一月二日からすぐ現地に入りましたけれども、物すごく殺伐としていて大変な状況、ゼロからの出発ではなくて、マイナスからの出発だったというふうに思います。 そこを乗り越えないと何も政策が生きてこない、実効性を持たないという思いの中で、できるだけ現場に足を運んで、本気で、本気度を伝える、寄り添うということが大事ですし、その思いがあれば、二〇三〇年以降も政府は微動だにしないんだ、いろいろな組織の編成は具体的にはあるかもしれないけれども大丈夫なんだということを、その信頼関係があるかどうかが大事だと思っているんです。 先週の土曜日も、二〇三〇年以降はどうなるんですかと町長は聞くんですね。私、そんなの継続するに決まっているだろう、二〇四五年の除去土壌、五一年以降の廃炉なんて、そんな簡単に終わらないと。それを信じてもらえるかどうかというのは、やはり政府の、特に担当されている大臣の皆さんとの信頼関係に尽きると思います。 残念ながら今政府にいませんので、私が大丈夫だと言っても、なかなか、本当にそうかと思うわけでありますので、是非、福島とは寄り添っていただきたい。そして、今の御答弁どおり、福島の復興、それどころじゃなく、大変な困難だらけですので、様々な知恵を出していただいて、お願いしたいということを強く申し上げておきたい、こう思います。 それでは、今回の本論に入りたいと思います。 防災庁の設置は、冒頭申し上げました、公明党としても私自身も長年の公約でございました。 私自身は、初当選した直後にあの阪神・淡路大震災に遭遇して、私自身も住んでいた家を失ったという体験をしました。当時は、災害対策基本法ですら、政令市の市長ですら自衛隊への出動要請ができない、そんなところから始めたりとか、仮設住宅も、長屋の小さなところで家具も一切入っていないというようなこととか。 今でも振り返ると、三か月ぐらいすると、町中にいろいろお店が開店し始めたときに、毎日、避難所が、食中毒を出しちゃいけないものですから、お弁当が揚げ物ばかりで、高齢者の皆さんは食べられない。だから、是非、食券を配ってもらって、町中のラーメン屋さんとかそういったところでできるようにしたらいいんじゃないかと当時の笹山神戸市長が国にお願いしたんですけれども、当時はそれは駄目だと。食券が金券化されるというか現金に換える。性悪説に立っているのかなと思いましたけれども、そんなことが議論されているような時代から、そして、当然、雑魚寝であったし、トイレもないし、マンホールをトイレ代わりにするみたいな、そんな状況から三十年間で様々改善をされてきたと思います。 私、ちょっと冒頭申し上げたいんですけれども、我々がなぜ防災庁が必要なのかということ、具体的に言いますと、今申し上げた、やはり日本の支援策というのは、被災者の皆さんの尊厳が守られるという意識が薄い。やはり、被災されたというのは、被災者に対して最低限のものを供給するのは義務がある、しかし、それ以上のことは、言葉は悪いんですけれども、ぜいたくは言わないでほしい、こっちも大変なんだみたいなことがあって、体育館に雑魚寝をしてもやむを得ないで済ませてしまう。 しかし、被災者にとってみれば、真面目に働き、税金を納め、家族を養っていた人が、たった三十秒間の震災で家を失い、家族を失い、そして仕事を失った。その人たちに対して、憲法で守られている国民の権利として、その尊厳を守る政策をしなければいけないと常に思っておりました。 今回、能登半島なんかも、私もずっと行っておりましたが、避難所に来られている方たちに対しては随分支援の質も上がってきたと思いますが、恐らく在宅の避難者や親戚の方に行った広域避難者は、率直に言って十分把握されているとはとても思えない。本当に、避難所に来られている方に対してに限るとなってしまっているということは根本的に変えていかなければいけないと思いますし、在宅避難者とか広域避難者も含めて、避難所にいる方も様々な問題を抱えているので、理想的に言うと、災害ケースマネジメントを実施できるようにして、お一人お一人の状況に合わせたきめの細やかな対応ができる、やはりパッケージとして持っておくべきではないか、これをできるのは、やはり国が必要だというのが一つでございます。 もう一つは、やはり一番難しい、復興復旧が速やかにいかない原因は、今、原則は、復興の主体は被災市町村なんですね。 被災市町村は、今回の能登半島ですと、輪島市とか珠洲市とか能登町とか、はっきり言ってそんなに大きくない基礎自治体で、避難所の設営、運営、また被害認定、それに基づく罹災証の発行、様々なことを地元の被災自治体の職員、この職員の人は、大半の方々も被災者だ、家族が大変な状況の中で、精通を余りしていない、マニュアルを持ちながらいろいろなことに対応しているというのは本当に並大抵のことじゃないし、その結果、実は時間も物すごくかかりますし、罹災証明についても、クレームができる、二次判定、三次判定に物すごく時間がかかったとか、結果、被災者の不満も大きく募る、こうしたことを実はずっと同じ激甚災害に際して繰り返してきた。ですから、もう少し何とかならないのかと。 残念ながら、輪島市の職員の皆さん、私が聞いたのは五百二十八人いらっしゃったんですけれども、この二年間で百十六名の方が退職をする。そのうち、二十代から三十代、これから支えていかなければいけない人たちが七割を占めている。こういうことを繰り返すということは何とかしなきゃいけない。 私は、やはり市町村に全て任せっきりということではなくて、防災庁ができた以上は、専門家集団をつくって、各都道府県にはその機能を持たせて、県がもっと責任を持って関わらなければ、これはずっと繰り返してしまうのではないかというのが、防災庁が必要だと思った理由の一つです。これもざっくばらんに言うと、県は予算は出すけれども現場には顔を出さないみたいなところが結構多いので、その点を何とかしなければいけないと私たちは思いました。そしてまた、そうしたこと、もろもろ、防災庁が必要だと。 やはり防災庁、屋上屋だという批判があるんですね。私、FEMAも見に行きましたけれども、アメリカにおいても、FEMAに対しても、日常は何もやっていないじゃないか、何でこんなことにお金をかけなきゃいけないんだと。まさに防災庁も、本当に機能できるかどうかは、無駄に対する批判をどうはね返すのか。余剰の人員と余剰の予算を持たないと、いざというときに機能を発揮できない、私はそう思っておりますが、その余剰を持つことが無駄なんじゃないかということで、結局はなかなか尻すぼみしてしまう、そうしたことをはね返す防災庁にしなければいけないと思います。 ですから、今、まず大臣にお聞きしたいのは、新たにつくる防災庁の哲学というか基本理念はやはり大事だと思いますし、それと役割ですね。関係省庁もありますけれども、国の防災庁と都道府県と被災市町村、この役割。被災市町村しかできない日頃からの事前防災の準備もあると思いますが、いざというときには私は都道府県が出るべきだと思うし、そして、やはり国がハートを持って、基本理念を持って、災害対策基本法の改正にもうたわれておりますが、そうしたことが、文言だけではなくて、新しい防災庁の職員がそうした魂、スピリットを持って、全国の都道府県に指示を出すというか、共につくるような防災庁にしていただきたいな、こう思います。 具体的には大臣の御答弁の後に政府委員に質問したいと思いますが、まず大事なことですから、新しい防災庁が持つべき基本理念とそしてその役割。また、自然災害と原子力災害が東日本は一緒になって複合災害になりました。こうしたことについての取扱いも含めて、ちょっと細かいことになりますけれども、大臣からの御所見と御決意を伺いたいと思います。
○牧野国務大臣 お答えさせていただきます。 今、赤羽先生がるるお話をしていただいたことというのは私も感じていることでございまして、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、防災庁ができていろいろな御期待を集めているのは間違いないんですけれども、それにしても、防災庁ができたにしろ、人員、定員からすると、今、実際に発足したときの人数でいくと三百五十人余りでございますので、その人数で初動から、復旧復興からいろいろ幅広くやるということは、今の段階で言ってはいけないのかもしれませんけれども、ある程度のやはり限界というか、何から何までできるというだけの人員はまだ確保できておりません。 将来的に見ても、やはり何が大事か。今おっしゃったとおりで、都道府県と協力をして、とにかく基礎自治体だけではできないことを都道府県と一緒になってカバーしていく、そのことを考えなければ、やはり機能は発揮できないというふうに思います。 その上でお答えをさせていただきますけれども、やはり防災庁設置の意義の一つというのは、避難環境の抜本的な改善だと思います。ですので、防災庁の設置に併せて今回災害対策基本法を改正して、どこで災害が起きたとしても地理的条件や自治体の財政状況にかかわらず被災者が良好な避難生活を送ることができるようにすることを災害対策の基本理念として明確化することにいたしました。 防災庁は、何回も申し上げているとおり、徹底した事前防災と発災時の対応から復旧復興までの一貫した災害対応の司令塔機能を担うことにしております。防災庁としては、今までの内閣府の防災部門から更に発展そして改組する中で、人員を増やし、予算も増やして、どこで大規模災害が発生しても、抜け落ちや漏れのない、被災者に寄り添ったきめ細やかな支援体制を実現していくように取り組んでまいります。 そして、原子力災害のこともお尋ねになりましたけれども、対象とする災害につきましては、防災庁は、防災庁設置法と災害対策基本法に基づいて災害全般を所掌し、原子力災害のみに関する対策そのものにつきましては、放射線被曝の防護措置など高度の専門性を必要とするということから、従来どおり、原子力災害については内閣府の原子力防災担当が所掌することになっております。
○赤羽委員 最後のところの原子力災害についてというのは、令和七年十二月二十六日の閣議決定で、原子力防災に関する対応については、専門性、即応性の観点から、防災庁設置後も所管する各府庁において実施することを基本としつつ、こうあるのは承知しているんですが、文言はそう書いても、なかなか、どこで線を引くのかとか、原子力災害が起こらないような専門性と安全性とかというのは、当然、経済産業省、資源エネルギー庁がやらなければいけないと思いますが、起こった後はまさに復興そのものですし、避難が何だというのは結構微妙なんだと思います。 ですから、どうしても役所というのは、率直に言って、自分たちの所管外は口を出しちゃいけないみたいな変なモラルがあって、そうすると、やはりその隙間に私はいろいろな落とし穴というのがあると思いますので、お互いがカバーし合って、こっちのテリトリーだなんということじゃなくて、二つあったって無駄ではないんだし、そこの連続性というのはすごくこれから問われると思いますので、まずは福島の、東京電力福島第一原発というのは実際起こったことですから、それはやはりきっちり総括をしていただいて、どうあるべきなのかということを、この閣議決定は閣議決定として、あるべき姿を、是非、牧野大臣のリーダーシップでよりよいものをつくっていただきたいということをまずお願いしたいと思います。 まず、具体的な質問を何点かしたいんですが、被災者の尊厳を守ると今大臣の御答弁がありました。いろいろな側面はあるんですが、やはり避難所のことをどうするか。これは旧公明党時代から、TKBですとか、トイレのこととか、スフィア基準の義務化とか、先日の参考人の方々からの中でも、空調の設置というのはやはり義務化するべきだと。 空調というと、どうしても経済産業省の予算でとかとついなるんだけれども、そうじゃない。つけたはいいけれどもなかなか使えないとか、文科省とかの絡みがあるんですけれども、防災庁の観点として、やはり避難所の空調というのは必要だというようなことを実行できる役所であってほしいということが一つ。 また、避難所は、私、そうは言いながら、だらだらと大体学校の体育館を使って、下手すると校庭に仮設住宅を造って、結局、その学校の生徒たちは授業に支障を来してしまうということに平気でなってきたのが残念ながら実態だと思います。 そうした観点だけではなくて、やはり避難所は、ちょっと過激かもしれませんけれども、一週間、緊急のところとして設置する。一週間をもって、それ以降は、参考人の方も言いましたが、長期避難の対応型のユニット避難所をつくるとか、それがなければ、旅館、ホテルを協定で使えるようにするとか、今回の能登半島も随分加賀温泉とかが使われましたけれども、また公営住宅の空き家とか、やはり実際に生活ができるようなところに早く移ってもらうということが私は非常に大事だと思います。 避難所の環境をよくするということは大前提としつつも、避難所の考え方、この前の参考人の方も指摘されていましたが、私もかねてから、避難所は例えば一週間、一週間が妥当かどうかは別にして、有期にして、そして次のステップに移るということをやるということが大事なんじゃないかと思いますが、このことについて、内閣府の防災かな、答弁をお願いしたい。
○横山政府参考人 お答えいたします。 大臣からも答弁させていただきましたけれども、被災者の健康と尊厳を守る観点から避難環境を整えていくという方向性は、私どもとしても、防災庁の設置の意義ということで取り組んでまいりたいと考えてございます。 一方で、いろいろ地域の事情とか、確保できている避難所の状況もございます。御提案があったような一律の基準を直ちに当てはめるというのはなかなか難しい面があるかなと思うんですけれども、例えば、能登半島地震の現場においても、まずは被災者の命と健康を守り、災害関連死を防止するために、暖房設備の設置など寒さ対策を図った上で避難所を運営し、その後、段階的に、ホテル、旅館や公営住宅、賃貸物件への入居といった多様な避難先への避難をなるべく早く推進するというような取組を進めて、避難者の方々の生活環境の改善に向けた取組が行われたという方向性にはなってきてございます。 このときの教訓も踏まえて、今、スフィア基準を踏まえた取組を進めてございますので、内閣府の防災担当においては、既に令和六年十二月にこのような考え方に沿った取組指針やガイドラインを改定して、自治体に周知を図っているところでございます。 防災庁では、委員御指摘の避難所における対策を含めまして、避難された方々の避難先における健康や尊厳を守るためどういうことができるのかということをしっかり考えて、自治体の事前防災の取組への支援を進めてまいりたいと考えてございます。
○赤羽委員 今の御答弁でいいんですけれども、私は、やはり新しい役所をつくるときがチャンスなので、避難所は一週間ということを宣言するとか、そうすると、不思議なことで、一週間しかいられないんだからということで新しい知恵が湧いてくると思うので、是非そのことも検討していただきたいと思います。 もう一つ、被災者の尊厳を守るという点では、やはり被災者のデータベースというか、これは個人情報保護の問題で非常に難しいんですけれども、どこに災害弱者の方がいらっしゃって、どうなのかということは、日頃からそういったシステムがないと、広域避難された方、在宅避難の方は多分今回の能登でも相当漏れがあったと思います。そうしたことを、いろいろな諸機関、政府部内でも調整が必要かと思いますが、是非、災害ケースマネジメントを実現するという大前提として、インフラとして被災者データベース、この名称が正しいかどうか分かりませんが、そのことも是非検討していただきたいと思いますが、御答弁いただきたいと思います。
○横山政府参考人 お答えいたします。 在宅避難者や広域避難者も含めて被災者一人一人の状況に応じた災害ケースマネジメントを実現するためには、個々の被災者の所在、ニーズ把握が重要となってまいります。そのためには、ある支援者が得た情報を共有できるよう、支援を担う自治体等において必要な情報を集約することが重要でございます。 委員御指摘のとおり、自治体等が平時に収集済みの情報や、在宅避難者も含め、発災後にアプリ等も活用しつつ収集する情報をデータベースとして集約することが前提として求められているというふうに認識してございます。このとき、スムースな情報集約のためには、各種のデジタルツールにより収集されるデータの標準化をしておくことが重要になるというふうに考えてございます。 内閣府においては、まずは、被災者支援に必要な情報項目の標準化等について検討を進めております。その上で、各自治体のシステムの間で情報がやり取りできるようにして、広域避難者への支援も見据えて、自治体間での情報連携の在り方について検討してまいりたいと考えてございます。 このような取組により、各種のデジタルツールを被災者一人一人のニーズの把握に有効活用できるようにするとともに、自治体間での情報連携の円滑化を通じて、自治体をまたぐ広域避難を行う避難者への適切な支援の提供にもつながるよう努めてまいりたいと考えてございます。
○赤羽委員 このことは大事だと思います。ただ、当然予想されるのは個人情報等の問題だということですが、私は、それを乗り越えることが、やはり防災、減災を主流にする社会の実現の最大のキーだと思いますので、我々も最大応援しますので、是非負けないで検討を進めていただきたいと思います。 次に、速やかな復旧復興が大事だ、これは当たり前なんですけれども、ここのことについて私は二つの柱で質問したいと思いまして、一つは事前防災、もう一つは官民協働、餅は餅屋と菅野先生が言われていましたが、そのことについてです。 事前防災については、これはちょっと先ほど御質問させていただいて、大臣からも答弁いただきましたので。やはり被災市町村が何から何まで担うというのはもう無理なんですね。事前防災として都道府県の役割、今の現状をいろいろレクを受けたりしますと、地域防災計画も作ってもらいたいと国からは発信しているけれども、じゃ、どのぐらい作っているんだというと、ほとんどできていないんですと。できていないんですでストップしているんですよね。できていないじゃないだろう、でも、義務づけはできませんと。できないのは、市町村の実態だとか、県の指導性もないとか、何か歯がゆいんですよ。 私は中央防災会議で、激甚災害、首都直下とか、東南海とか、千島海溝とか、相当差し迫ったことを発信しながら、その危機感というものが全く現場にない。特に被災を経験していない自治体は全く、防災は防災、一つの局をつくって、防災はそこの局の仕事だみたいなことを言っている。それじゃ駄目だと。やはり防災庁ができる以上は、防災局も設置されるんでしょうから、都道府県にもっと主体性を持ってということは是非お願いしたいし、そのことについては先ほど大臣からいただいたとおりですので、一つ目の事前防災については今日は質問しませんが、二つ目の官民協働ですね。 やはり、災害が起こると、ふるさと出身のとか、経験のある役所がそれぞれ集まって現地対策本部というのをやっていますけれども、それよりは、結局、能登なんかでも、高齢者が多い介護施設がやられた、じゃ、金沢で介護の施設に余裕があるかというと余裕がない。県スポのところを借りて、一・五次、場所を設定したけれども、全国に呼びかけてもなかなか実際はフル稼働できない。DMATというドクターの世界はそれができているけれども、DWATというのは、やはり余剰の人員がないとなかなか駆けつけられない。ですから、是非、登録制度とかをこの介護の世界も使って、いざ激甚災害のときには現地に行けるというようなことを使ってもらいたいというのが一つ。 もう一つは、物資の供給というのをプッシュ型で今一生懸命やってもらっていますが、大手の企業、コンビニとか物流企業というのは、災害協定が最近結構結ばれているんですけれども、災害協定を結びながら具体的なプログラムというのはないんですよね。いざこうなったらどうするかということを、やはり県を中心に、県の中の責任でいろいろやるべきなんじゃないかということが一つ。 もう一つ、済みません、まとめてになっちゃうんだけれども、士業の皆さんというのはスペシャリティーを持っているので、能登半島とか東日本でも、弁護士の方は数も少ないし偏在もしているので、司法書士の皆さんや行政書士の皆さんが現地に無償で行って、被災者の窓口としていろいろなことをさばいてもらった。司法書士の方も行政書士の方も町の法律家、立派な法律家なので、やはりそこの位置づけというのを、協定を結ぶと同時にそのプログラムを使って、餅は餅屋ということはそういうことなんじゃないかと。 大臣が言われたように、三百五十名の防災庁の職員でできるなんて限りがありますから、そこの仕組みとしては、専門家のつかさつかさをうまく活用して、これは事前防災にも関わるんですが、日頃からその整備、準備を整えておく、その思想が大事だし、是非具体的な取組を進めていただきたいと思います。 時間も短いので、簡潔に御答弁いただければと思います。
○横山政府参考人 主に三点御指摘いただきました。しっかり都道府県と連携しながら、市町村の現場を、民間の方々にもお手伝いいただきながら災害対応できるような体制を事前に構築していくという方向性で考えていきたいと思ってございます。 DWATに関しましては、高齢者等を支援するために活動するための環境整備をすることが重要でございますので、政府としては、昨年の災害救助法の改正により、もう御指摘いただいてございますけれども、福祉サービスの提供を救助項目に位置づける。その流れの中で、DWATとして活動する人材を登録する仕組みを含む社会福祉法改正案を別途今国会に提出しているというところでございます。このような取組を厚労省とともに進めてまいりたいと考えてございます。 物流の関係でございますけれども、大規模災害時には自治体職員だけでは物資の供給に係る迅速な対応が困難であることはもう経験則で分かってございます。あらかじめ民間物流事業者が有する人材や資機材、ノウハウを活用し、迅速かつ確実な物資支援が可能となるよう自治体と事業者との協定締結を促す、この取組を今進めているところでございます。このような取組について、都道府県とも連携しながら引き続き取り組んでまいりたいと思ってございます。 それから、士業の方々のお話でございますけれども、委員御指摘もあったように、内閣府では、日本行政書士会との関係では、既にその連合会との間で被災自治体の支援に係る連携協定を締結するなど、民間団体と平時からの協力関係の構築を進めているところでございます。被災者が支援を受けるためには、どうしても現場で行政手続が必要になってまいります。既に行政書士の先生方には御活躍いただいていますけれども、専門性に基づく個別の相談支援が非常に効果を上げているというふうに認識してございます。 司法書士の先生方の能力も、そういう意味では大変期待されるところでございます。司法書士会との災害協定についても、現在、司法書士制度を所掌している法務省ともよく相談しながら、災害時に被災市町村の事務を効果的に支援することができるよう、協定締結も視野に、連携の在り方について検討しているところでございます。
○赤羽委員 ありがとうございます。 特に司法書士会、全国の会長を始め、先日来られて、その点、是非積極的にやりたいということを言われておりますので、受け止めていただきたいと思います。 もう時間がなくて、本当は大臣に最後に聞きたかったけれども、気持ちは分かっていますので。 私、やはり肝腎なのは、全ての行政とか会社の在り方とか、また地域づくりも含めて、防災の視点を貫くということが必須だと思います。そういう意味で、防災庁の役割というのは、精神的にもとか啓蒙とかのことも含めて、教育も含めて非常に重要な役割であるし、スタートのときに、防災庁ができると、防災大国日本は新しい第一歩を踏み出すんだということで、絶好の機会ですから、全ての行政、特に都道府県はしっかり気合を入れて。 何かよくあるんですけれども、危機管理局なんかをつくると、ほかの局は、災害は危機管理局のことだと平気で言う人が多いんですけれども、それは駄目なんだということ、これは政府の関係省庁の中でもそうですけれども、防災、減災の感覚がないところは全て駄目なんだということを是非言っていただけることを強く期待して、済みません、最後、答弁の時間がなくなりましたので、これで終わりにしたいと思います。よろしくお願いいたします。 以上です。
○関委員長 次に、泉健太君。
○泉委員 中道改革連合の泉健太でございます。 改めて、防災庁の設置ということでの議論に今与党野党の先生方で取り組んでおられることに心から敬意を表します。 また、与党筆頭の谷先生も共に災害ボランティア議連でも活動をさせていただいておりまして、私も実は、国会議員になる前は、災害ボランティア出身と言うと言い過ぎかもしれませんけれども、災害ボランティアの世界で経験をして国会議員になったという経緯もありますし、また、一度、防災の政務官もさせていただいたことがございますので、そういった観点から幾つか質問させていただきたいというふうに思います。 まず、防災大学校につきましては、幾つかこれまでも議論があったかと思います。 私も、全国の災害ボランティアに携わっている方々ですとか行政職員の皆さんとやり取りをしてきた中でいうと、非常に、有明の研修は、成果が出ている、また非常によい取組だというふうな評価があると伺っております。また、私も行ったことがありますが、兵庫県の人と防災未来センターについても、自治体職員向けの研修をしているということで、非常にいい研修がこれまで行われてきた。また、有明の丘につきましては、令和八年度はかなり大規模に研修の受入れ人数を増やして、三千二百人規模で研修をできるようにしていくということ、これはやはり政府そのものが有明の丘を非常に重視しているということの表れであろうかなというふうに思います。 そういう中で、防災大学校がどこにどういう立場ではめ込まれていくのかということを、期待もしていますけれども懸念もしているというところでございまして、特に、例えば建物をどこかに新たに建てるのかどうか。これは何だってそうですが、防災に関しても予算が限られる中で、そこに予算を投じるのかどうかということを懸念もしております。 今、有明もある、そして人と防災未来センターもある、研修というのは今、最近でいうとオンライン、Eラーニングもできるという中でいうと、できれば余り建物にお金をかけるということに執着はしてほしくないなというふうに思うわけですが、大臣、いかがでしょうか。
○牧野国務大臣 泉先生にお答えをさせていただきます。 まだ仮称の防災大学校については、建物を建てるのか、どこかを借りるのか、どこにするのか、どういう内容にするのかというのはこれから検討をしていきますので、今の段階ではっきりこういう形にするということは、お答えするのは困難でございます。 しかしながら、防災大学校の目的というのは、要は、防災業務全般の知識や技能を体系的に学ぶ研修を行うことによって防災に関する専門的な知見を備えて、さらに、産官学民の多様な関係者の間で高度なコーディネートを行える人材を育成することを考えておりまして、既存の施設の研修の特性ももちろん最大限生かしながら、具体的な在り方について今後検討していくということでございます。
○泉委員 これは心配なのは、例えば、有明の丘研修があります、そして人と防災未来センターの研修があります、これまで、ほかの団体ですとかも含めて、いい講師陣がいて、そこでやってきた歴史がある。それがもしかすると新たにできる防災大学校の方に人材やその力が取られてしまうのではないかということになると、せっかく継続してきたものも途切れてしまいかねないというふうに思っていて、私は、今からこの防災大学校を考えるということであれば、いわゆる建物にお金をかけるということじゃなしに、既存の枠組みを是非有効活用していただきたいというふうに思います。 その意味では、有明ではずっと、防災スペシャリストという名前でというか、研修を行ってきたわけです。基礎コースがあり、専門コースがあり、そして、先ほど大臣からもお話がありましたが、やはりこの有明の研修のいいところというのは、Eラーニングで全国各地からも研修を受けることができるということ、わざわざ東京に来なくていいということですね。 そしてもう一つは、地域研修といって、令和八年だと十六か所、各都道府県で研修をやってくれる。やはりこういう分散型というか、地方の行政職員にも余り負担にならないような。今、正直、ある程度旅費が出るといっても、これまでの既定の旅費では東京には泊まれないという自治体職員が大勢おりますので、それを強いるような形はやめていただきたい。静岡だともしかすると余り泊まる必要はないかもしれませんけれども、でも、研修そのものはやはり泊まらなきゃいけないというものは結構ありますから、そういった意味でも、是非この有明の丘の研修を最大限尊重していただきたいと思います。 ちなみにですが、有明では防災スペシャリスト、そして人と防災未来センターではディザスターマネジャーという形で名称をつけて、その研修を終えた方にはこういった立場ですよという形をやっておりますが、これは継続をしていくという考えでよろしいですか。事務方でも構いません。
○横山政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘いただいています防災スペシャリスト養成研修は、内閣府防災担当において、国や地方自治体等の職員を対象に実施しているものでございます。防災庁において、仮称ではありますけれども今後設置を検討する防災大学校は、防災庁職員に加え、地方自治体の職員、民間人材も対象とした研修等を行うことを検討しております。 ここで行うプログラム等に関しましては、これから検討でございますけれども、これまで内閣府防災が担っていた機能を防災庁が引き継ぐわけでございますので、防災スペシャリスト養成研修の成果を踏まえながら、防災大学校の機能の具体的な内容についてもしっかり今後検討してまいりたいと考えてございまして、防災スペシャリスト養成研修というものについて今具体的に何か決まっているわけではないですけれども、評価はいただいていますので、発展的な継承という方向で考えることはあっても、全く継続しないというような考えを今持っているわけではございません。 それと、人と防災未来センターでございますけれども、こちらはもちろん連携はしておりますけれども、別の組織ということになります。兵庫県が設置されているところでございますけれども、御指摘があったディザスターマネジャーの称号を与える取組をされているということは承知してございます。防災庁としては、センターそのものの取組を申し上げる立場にはないんですけれども、防災庁になることが直接的契機として政府とセンターとの関係が変わるものとは考えてございません。 いずれにしても、地域における災害対応力を強化するため、ディザスターマネジャーなどの防災に知見を有する地方公共団体の職員を始め産官学民のあらゆる関係者同士で顔の見える関係の構築や連携を推進していくことは引き続き重要であるという認識に基づいて取り組んでまいりたいと考えてございます。
○泉委員 ありがとうございます。 今後、例えば防災局が各地にできますよね。ですから、リアルな一つの建物の防災大学校なるものに全国から集まってくださいとやる必要はやはりなくて、一つあり得るのはコンソーシアム方式、あるいはサテライト方式と言われるものでいいかもしれない。いろいろな、各地幾つかの拠点に防災局があるのであれば、例えば七つぐらいのもし防災局があるとしたら、それが全体として防災大学校のカリキュラムをやっている拠点になるという考え方でも十分いいのではないかというふうに思っておりまして、その意味で、一か所に建物と人材を拘束せず、コンソーシアム式にすべきではというふうに私は思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○牧野国務大臣 お答えをさせていただきます。 委員御指摘のコンソーシアム方式というのも一つの考えだというふうには思います。 防災局もこれから、何か所、そしてどこにということを考えていきますので、今の段階で防災局を使ったそうしたサテライトのような方式ということを、今現在ではちょっと、そういうふうにできますとかいうことは言えませんけれども、そういうことも含めて、これから先の防災大学校につきましては、研修の手法、またいろいろな関係機関と連携した取組を含めて、検討を進めてまいります。
○泉委員 是非検討をお願いしたいと思います。 私も先日改めて、それは基礎講座ではありましたけれども、日本財団さんがやっているオンラインの講座を全然違う離れた場所で受けたわけですけれども、そういうこともできる時代になってきていますので、人材や防災に係る様々な力みたいなものが各地で活動しやすいように是非していただきたいと思います。 もう一つ。研修、研修といいますけれども、これは研修だけではなくて、先ほど産官学民というお話がありましたが、実は、研修を通じて交流があった人たちが、また全国の皆さんが交流するということもとても大事でありますので、是非こういう交流の機会づくりというものも確保していただきたいと思います。これはもう答弁は結構でございます。 続いてですけれども、スフィア基準についてであります。 恐らく、スフィア基準についてもこれまでの委員会の質疑で様々に議論があったと思います。基本的には、理想としてスフィア基準の実現を早期に目指していくというスタンスであろうかと思うんですが、例えば、委員の皆さんも御自身の選挙区の避難所の定員数みたいなものを見ていただくと、体育館にこんなに人数が入る前提になっているのかというぐらい、かなり定員は多めに今設定されています。それはスフィア基準で算定されていないからなんですね。確かに、じゃ、このスフィア基準で避難所の定員を見直すべきなのかどうかという課題があろうと思います。 改めて、基礎的な質問で恐縮ですが、大臣、居住スペース一人当たり最低三・五平方メートルというのは必達義務なのかということについてお答えください。
○牧野国務大臣 お答えさせていただきます。 いわゆるスフィア基準というのは、災害や紛争の影響を受けた人々への人道支援の基準を表しているものとされております。 これは今の内閣府防災担当のことでございますけれども、スフィア基準を我が国の避難所の質の向上を考える際に参考とすべきものとして自治体に示しているというふうに承知しております。令和六年十二月に、避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針を改定をして、スフィア基準に沿った定量的な基準等についても盛り込んだというふうに承知しております。 委員がおっしゃった必達義務かということでございますが、これは言うならば一つの目安であると思います。ですので、これは、目標として求めているというのが三・五平米の居住スペースの確保というふうに考えております。
○泉委員 その意味で、恐らく各自治体は少し今戸惑っているんじゃないのかなと思います。スフィア基準というのが非常に理想として世の中に出てきていて、じゃ、一方で、それはどの時点でこのスフィア基準を達成するか。これは難しいこと、あくまで現場を最優先しなければなりませんが、どの時点でどういうふうに考えればよいのかということについて、まだ国からは余り情報が届いていない状況ではないのかなと。スフィア基準という言葉だけがある意味どんどん防災のかいわいに広がっているということが言えるんじゃないのかなと。ともすると、それを満たしていないということを住民から、避難された方々から指摘を受けるケースは今後増えるんだろうなというふうに思うんです。 そう考えると、今私、例えば自治体の避難所定員について少しお話ししましたけれども、私の地元の京都市なんかも、ずらっと避難所の一覧があって、そこに避難者数の定員数があって、トータルで何十万人とかというふうになっているんですけれども、一つの体育館、例えば小学校だと千平米ぐらいとか、中学校だと千二百とか千四百とかそれぐらいになるわけですけれども、そこに千人ぐらい入る計算になっていて、スフィア基準のように三・五ではなく、二平米ぐらいで一人頭計算してその数字を出しているというのがあるんですね。恐らく、これは全国各地、そういう自治体はたくさんあると思います。 改めて、スフィア基準を踏まえて、いわゆる避難所定員の見直しだとか適正人数みたいなものの周知、考え方というものを各自治体に通知を出した方がいいと思うんですが、いかがでしょうか。
○横山政府参考人 お答えいたします。 先ほど大臣からも言及がございましたけれども、避難所の確保、運営に関しましては、取組指針などにより、自治体に対し、スフィア基準の趣旨などを踏まえた避難所を運営するための考え方をお示ししているところでございまして、事前にレイアウトを作成するなどして、三・五平米という目安を前提とした避難所の最大受入れ人数を把握するよう求めているところでございます。 この趣旨に沿って、各自治体においては、地域における実情などを踏まえつつ、指定避難所の箇所数を増やすとともに、協定避難所やホテル、旅館等の確保も併せて検討するなどして、避難所ごとの現実的な受入れ人数を判断し、できる限りの対応を進めてきているものと認識はしてございます。 ただ、御指摘があったように、現場では様々、まだ取組に濃淡がございますので、防災庁では、このような自治体の事前防災の取組をしっかり支援をして、更に事前の準備が充実できるように支えてまいりたいと考えてございます。
○泉委員 今の横山さんのお話は、半分納得できるけれども、半分ちょっと危ないなというところがあって、どういうことかというと、昨日、超党派のフィンランド議連がありましたが、フィンランドは、防災のためだけじゃない、安全保障上もシェルターを整備しているわけですが、シェルターの一人頭の面積というのはたしか〇・七五だったかな、ただ、それは、三日間、七十二時間、まずは居場所としてというか緊急避難場所としてシェルターが存在するというたてつけになっているわけですね。 ちょっと似ているなと思ったのは、災害も、最初から体育館で三・五を取りに行くのと、当初の七十二時間、とにかくみんなまず安全な場所に集まってこれからどうするか考えながらやっていこうという中でのフェーズとは随分違うんじゃないのかなと思うんですね。最初から一人頭三・五取りましょうとなったら、それは当然あふれてしまうわけですよ。まずは緊急避難場所があって、そこで着のみ着のままで、しかし雨風がしのげて、何とか物資も整えて生活していこうという。特に、最初の七十二時間においてはむしろスフィア基準は余り問わない方がいいんじゃないか、そこから徐々に住環境を改善していくという中での基準ですよということは、私はむしろ明確にした方がいいんじゃないのかなと思うんですね。 時に、ある集落で数世帯だけが避難する場合は、何も言わなくたってスフィア基準を満たすわけですよ、公民館に五人とかそういうのは満たすので、そこは別に心配しなくていい。ただ、どっと人が押し寄せるのは、これは止められないわけですから、はなから、七十二時間時点でもスフィア基準ですよというのは、むしろミスリードになってしまいかねないというふうに思います。 そういったことも含めて、私は、今の通知だと、スフィア基準を前提にした定員の、あるいは新しい避難所の確保という話になってしまうと、かなりやはり自治体は苦しむんじゃないかというふうに思いますので、そこを修正していただけませんか。
○横山政府参考人 御指摘の考え方自体は、七十二時間という定量的な考え方を示しているわけではないんですけれども、基本的な考え方は、我々もそのようには実は考えてございます。 ただ、通知や、我々が今まで、私の先ほどの答弁も含めてその辺りがしっかり伝えられているかとか、そのこと自体も、前提とする事象とか、各自治体が今確保できている床の面積であるとか、そういうことによってある程度幅のある話になってまいりますので、考え方の基本は、まずスフィア基準を普及させることに注力をして、強調している部分がまだあるフェーズなんですけれども、きめ細かいことをしっかりやっていかなきゃいけないということは我々も認識してございます。 そこの部分は通知をするだけではなかなか伝わらない部分でございますので、まさに現場に入っていって一緒に訓練をするとか、そういうことが分かる人を育てていくとか、そういう取組を地道に進めていく必要があるんじゃないかと考えてございまして、そういう取組を進めてまいりたいと考えてございます。
○泉委員 是非、先ほどの防災大学校もそうですけれども、地域住民、例えば自主防災会だとか消防団だとか地域の自治会だとかが避難所の住民側になるわけですが、やはり災害のフェーズフェーズによって避難所の形態も進化していくというか変わっていくものであるということをよく踏まえていただきたい。 その意味で、避難所を、例えば旅館だとかを増やすだとか、あるいは地域の宗教施設も含めて、そこも拠点にしてもらえないかという協力の要請をしているというのが今の現状だと思うんです。 今日は、福田政務官、文科省に来ていただいております。 学校の避難先といえば、基本的に、体育館が一義的に考えられる。なぜなら地域開放もされているし、子供たちの私物が置いていないということで、まずは体育館ということで、例えばクーラーの設置だとかということもやってきた経緯はあります。 ただ、スフィア基準に伴っていえば、能登でも東日本でも、使わざるを得ないときは教室も使ってということはあるんですが、やはりどうしても、そこは学校管理者において段差があると思います。まずは体育館でしょう、教室はまだ駄目よというケースが非常に多くて、コロナ以降は少し、感染症だとか体調が悪い方はこの教室はいいですよというぐらいにちょっとずつ門戸は開かれているものの、まだやはり相当、学校全体を使っていいですよということにはなっていないような気が私はしております。その点について、文科省としてどのように考えておられるか。 そして、私としては、是非、教室の利用についても、幅広にというか寛容にというか、これこそまさに、全国の学校に通知も出していただいて、スフィア基準ということが導入されることに伴い必要面積が増えていくことになるので、教室の利用についても積極的に考えていただきたいという通知を出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○福田大臣政務官 お答え申し上げます。 先ほど牧野大臣からも答弁がございましたが、避難生活における良好な生活環境確保に向けた取組指針では、スフィア基準に沿って十分な避難者の生活スペースの確保などが求められていると承知しております。このことを踏まえ、学校を指定避難所として指定することなどについて、各教育委員会などに対し、防災担当部局から相談があった場合には適切に対応するよう依頼しているところです。 その際、同指針では、指定避難所として利用する学校施設について、学校が教育の活動の場であることに配慮いただき、避難所としての機能は応急的なものであることを認識いただいた上で、事前に教育委員会などと調整を図ることを防災部局に求めていると承知しております。 文部科学省としても、学校が地域の防災拠点として機能を果たすことと、そして学校教育活動を継続することの両立を図っていくことが必要だと認識しています。 委員から教室の御言及をいただきましたが、教室であるから一律に利用できないというわけではなく、重要な点については、災害時に避難所として利用する部分とそれ以外の部分との区分などを定めた学校施設の利用計画をあらかじめ関係者の中でよく話し合っていただいた上で作成しておくということであると考えております。そうした好事例を紹介する事例集の作成、周知などにより各学校設置者の取組を促しているところでございます。
○泉委員 学校の中の計画というのもこれまた、その計画が地域に開かれている必要があろうと思いますので、是非そういったことも文科省としては配慮をいただきたいと思います。 福田政務官はもうこれで大丈夫ですので。ありがとうございます。 続いて、今日は、維新の委員の皆さんも何名かおられますので、課題提起として質問したいと思います。 今日資料をお配りしておりまして、この資料は、内閣府、中央省庁の防災の、いわゆる業務継続計画の関連資料です。 今日私が質問したいのは、大臣なり、今の防災庁の設置に伴って、危機管理、レジリエンス、あるいはバックアップというものをどう考えるべきなのかということを、ちょっとやはり整理をしたいなと思うんですね。 私は、副首都ということが新たなビジョンとして出てきているというのは、日本の活性化という意味のみの観点であれば、それはあり得るんだろうなと。一方で、防災だとか災害対策、バックアップという意味合いでいうと、少し、今の政府の進めているものと、そごというか矛盾があるのではないかと感じるところではあるんですね。 改めてですが、大臣に最初はざくっと伺います。 今回の防災庁設置、そして今後地方防災局を設置していく、そして現在の政府の業務継続計画。これを御覧いただくと、例えば上の方では、まず、現状の政府のバックアップがどうなっているかというと、総理大臣官邸が使用できない場合は、まず内閣府の八号館、そして防衛省、市ケ谷ですね。そして、更に離れたところに置かなきゃいけない場合は立川ということになっているわけですね。ですから、首都を放棄するという考え方は基本的にはないわけですよ。 例えば、中央省庁のBCPの資料を読んでみても、実は、首都直下地震においては、例えば都内の交通の五割がストップするとか水道が止まるとか、いろいろマクロで見ればそういうことはあるんですが、中央省庁、そして例えば国会議事堂、最高裁判所、これは首都直下でも壊れない強度になっていますというのが今のBCPなわけなんです。もちろん、そこにたどり着ける公共機関が動いているかどうか、これは別です。ただ、建物の機能としては、首都直下でも倒れないという前提で今耐震工事も済んでいる、あるいは耐震設計で建築をされているのが中央省庁であり、三権の機能なわけですよね。 それでもやはり、もしものことがあればということで立川までは考えられているし、この紙の上の方の三番、今後の検討課題というところで、「更なる過酷事象を踏まえた東京圏外における官邸及び中央省庁の代替拠点の在り方について、既存施設活用等を念頭に置き検討」と書いてある。 これもこれで、平成二十五年ぐらいに、例えば札幌で国会を開催できる場所があるかとか、一応そういう検討はされてはいます。それは大阪ももちろん検討の対象には入っているということでありました。 やはり、大臣にお伺いしたいのは、まずは、こうした今回の防災庁の設置や地方防災局の設置の構想と、大阪だけを前提にしているわけじゃないんですけれども、副首都に三権を移すということも含めて、矛盾やそごというのは大臣は感じられませんか。
○牧野国務大臣 お答えをさせていただきます。 私に矛盾やそごということを聞かれても、それはどういうふうにお答えしていいかちょっと分かりかねますが、東京といいますか首都圏で大規模な災害が発生した場合、そうした場合の首都中枢機能の継続性を確保するためには、やはりバックアップ体制の整備は必要だというふうに思います。 先ほどおっしゃった副首都構想ということについては、現在、与党の中で様々な論点について協議が重ねられて、三月末に法案骨子案が合意に至ったというふうに承知しております。今後どのように更に調整が進められるかというのはまだ我々も分かっておりませんので、政府として、引き続き動向を注視するとともに、必要な対応を行ってまいりますというお答えになるかと思います。
○泉委員 まさに今、副首都の実務者協議において副首都法案骨子について合意したというのが三月三十一日ですけれども、例えば副首都の定義、大規模災害時に一定期間、首都中枢機能の全部又は大部分を代替する機能を担うとともにというふうに書いてある。これはやはり考え方として、一方では首都機能の回復に全力を尽くさなきゃいけないということも当然ありますよね。 ですから、ある意味、じゃ、副首都というのは、一時期でも、一定期間でも、首都を、ある種、首都機能を切り替えるということになれば、関係者はみんなそっちに行かなきゃいけなくなるわけですよね。果たしてそれが現実的なのかどうなのかという話になるわけですよ。それは別に札幌であろうが福岡であろうが、もし副首都になるところがあったら、一度国会議員たちもみんなそっちに行き、中央省庁の役人たちもみんなそっちに行って意思決定を行って、元々の首都だったというか一時的に首都機能の失われた東京の回復を目指すということそのものが、実は相当手間になっちゃうんじゃないかということだと思うんですね。 今日お配りした資料の、例えば、代替庁舎に求められる条件というのが書いてあります。これは中央省庁業務継続ガイドライン第三版、令和四年ですから最近ですよね。その一番下の方を見ていただくと、移動時間も考慮して、少なくとも平常時の庁舎から数時間以内で移動できる代替庁舎も別途確保する必要があると。だから、今の霞が関から数時間以内で移動できる代替庁舎も別途確保する必要がある。これが新幹線で数時間という話になっちゃうと、全国どこでもいいという話になっちゃうんですけれども、やはりそういうことを言っているわけでもないでしょうというふうに思うわけですよね。 だから、立川だとか、例えばさいたま新都心だとかが事実上のそういうバックアップ的な立場に今ある。さいたまなんかでいえば、いわゆる関東の支分局のまとめたものの機能が大体そこにあるということだし、大阪なんかでいえば、近畿の支分局が集積をしている。 そういう意味では、一定、例えばデータのバックアップだとか、人材が首都機能を回復させるためにまさに応援で、首都圏にというか、いわゆる首都直下があった場合には被災地の方に向けて支援をしていくということはあると思うんですが、逆に、一時的にでも東京を三権の関係者が離れてほかの場所で執務をする、意思決定をするということが果たして本当にあり得るのかなというふうに私は思うわけですね。 やはりそれぐらいに東京の役割は大きいし、東京そのものの機能をいかに維持させるかということを考えなければならないので、そのときでいうと、ちょっとやはり、首都圏から更に離れたところに副首都が整備をされるというのは、実際のオペレーション的には私は相当きついのではないのかなというふうに感じるところであります。 その意味で、改めてですが、大臣には、今回の副首都法案とのそご云々ということは答えにくいということでありましたが、首都中枢機能がもしダウンした場合に、他の遠方の大都市部を中心に、余力のあるところから首都の回復のために応援に入るのはよく分かるわけです。例えば、この首都圏だって、あるいは霞が関、永田町の周辺だって、一応、国土交通省的には、啓開という意味では、八方向から首都圏の啓開に入っていくということでありますし、この国会周辺も緊急道路にも指定をされていますから、一か月も二か月もそれができないという日本の回復力のわけがないというふうにも思うわけです。それは全部小説のように水に沈んでしまうとかであれば別ですよ、それはちょっと余りにも被害想定が尋常じゃなさ過ぎるという話なんですが。 そういうことでいうと、私は、首都中枢機能を代替するまでの地域というのは、やはりちょっとあり得ないんじゃないかと。首都機能を回復させるためのサポートをする各地の支分局はあるんだろうなと思いますけれども、首都中枢機能をどこかに移す、代替する、それも一か月も二か月もということが本当に想定されるのか。 じゃ、まさか一週間だけ、わざわざすごい力を入れて、物すごい労力をかけて、役所の皆さんも国会議員たちも、別な都市に拠を移すというか、機能を移して。実は、平成二十五年ぐらいの、今後の検討課題で、更なる過酷事象のときにも、例えば札幌の宿泊料金が幾らかとか、どれぐらいの宿泊客の受入れ場所があるかとか、そういうことまで一応調査はしているんですよ。 でも、やはり、霞が関の職員から国会からみんながもし代替地域に移るとなったら、それはかなりの人数、数万人かもしれませんよね、その整備をするべきかというふうに考えると、私は首都機能を代替する場所というのはやはり難しいんじゃないかなと思いますが、大臣、いかがでしょう。
○牧野国務大臣 お答えをさせていただきます。 お答えになっているかどうか分かりませんけれども、過酷事象、委員がお配りになった資料にも書いてありますけれども、過酷事象の中で、東京、首都圏で考えますと、一つ考えられるのは、複合的な災害で、首都直下型地震とともに富士山が噴火をするとか、そういったことを想定をしないわけにはいかないと思います。そういう中で、そういう複合災害が起きたとき、最悪の場合、それに準ずる場合というように、考えられるケースというのは幾つもあるかと思います。 ですので、まず霞が関の中枢機能が失われた場合にどこに持っていくかといえば、もちろん近場に持っていくのがまずは最善のことだと思いますけれども、それで済まない場合もあるかもしれないということで、要するに、幾つもケースを想定をしていく中で、首都の中枢機能の代替ということを地域を含めて考えていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思います。
○泉委員 これは実際想像すると、建物で代替だとかいうのはあれなんだけれども、じゃ、本当に、首都直下だとか富士山だとかが起きたときに、権力を持っている人たちが、さっさとほかの町に行って、こちらで執務しますなんて言えますか。最前線は、まさに首都で災害が起きていたらそこに現場があるときに、済みません、私たちはちょっと大事な人たちなのでほかの町で意思決定しますなんて本当にやれますかねという話だと思いますよ。だから、そこは是非私は、冷静に考えていただきたい。 ちなみに、先ほどちらっと言いましたけれども、これは事務方でも構いませんが、いわゆる首都直下において、国会は倒壊のおそれなしということは私は国会のBCPの資料を見て知っていますけれども、中央省庁は首都直下地震で建物が倒壊するという前提にありますか。
○鎌原政府参考人 お答え申し上げます。 昨年十二月に取りまとめをされました中央防災会議の首都直下地震対策検討ワーキンググループの報告書では、東京都の区部で例えば震度七の揺れが想定される都心南部の直下地震を想定をしておりますけれども、この場合の政府中枢機能への影響につきましては、政府機関の建物に大きな損傷が生じるおそれは小さいこと、また、政府機関が立地するエリアでは、電力、通信、上下水道といったライフラインが実際に地震で被災する可能性は低いことなどが指摘をされております。 このような首都直下地震が発生した場合においても政府の非常時優先業務が継続できるよう、各省庁は業務継続計画を策定し、対策を講じているものと承知しております。 ただ、一方で、ワーキンググループの報告書では、想定を超える地震動による庁舎の損傷の発生や、ライフラインの復旧の遅れ、参集要員の不足が生じる可能性があることや、さらには、複合災害などにより想定を超える被害が生じる可能性があることなども指摘をされております。これらを踏まえまして、業務継続計画の見直しや実効性の確保といった取組が必要と提言をされているものと承知をしております。
○泉委員 まさにそういうときに、地方の支分局がネットワーク的に首都機能を補完をしたりあるいはサポートに回る、そして首都機能を回復させていくということがあるべき姿なのかなと私は思いますので、余り、いつ使うか分からないけれども物すごい膨大なインフラ整備に、一地域にその機能を、もしもの場合に副首都をということはむしろ非効率になるんじゃないかということをお伝え申し上げて、私の質問を終わります。 ありがとうございます。
○関委員長 次に、中川宏昌君。
○中川(宏)委員 中道改革連合の中川宏昌でございます。 前回に引き続き、よろしくお願いを申し上げます。 先日の質疑では、能登半島地震の教訓を踏まえた防災庁の在り方について質疑をさせていただいたところでございますが、防災、復興の議論におきまして避けて通れないのが、先ほど赤羽委員からもお話がありましたとおり、東日本大震災であり、特に、自然災害と福島第一原子力発電所事故の複合災害に被災した福島県は十五年たった今も復興の途上にあるということを決して忘れてはならないと思っております。 まず、防災庁と福島復興の関係についてお伺いをさせていただきたいと思います。 政府としましては、福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なしという明確な方針の下でこれまで取組を積み重ねてこられたものと認識をしております。複合災害に被災した福島県では、防災庁の設置によりまして復興庁の機能が縮小していくのではないかと心配する声があると聞いているところであります。今回防災庁が設置されることによりこれまでの福島復興の取組が縮小することは決してあってはならないと考えているところであります。 これまで復興庁が福島復興の取組を通じて得てきたノウハウについては防災庁にしっかりと共有されることで事前防災への備えとしていくことは、これは極めて重要なことであるというふうに思っております。 他方で、ノウハウの共有と、今復興庁が担っている福島復興における司令塔機能ですとかそれぞれの取組は、本来別の話でありまして、福島復興には、先ほどもお話がありましたけれども、営農再開ですとか、廃炉ですとか、中間貯蔵、残る帰宅困難区域の扱い、F―REIの取組を始めとする福島イノベーション・コースト構想の実現など、復興庁設置期限の二〇三〇年度以降も中長期的な課題があります。 復興庁の設置期限は少なくともあと五年ある中で、今後、復興庁の後継組織を検討する際は、必要な機能を維持することを第一に考えるべきだと思っております。今年三月の福島県の地元紙のインタビューにおきまして高市総理も、設置期限後の復興庁の在り方について、福島の復興に向けた取組や復興庁が果たしている役割自体はいささかも損なわれることがないようにしっかりと対応する、このように述べられているところであります。 単に防災庁へと、統合ということではなくて、長い時間がかかってでも福島復興を成し遂げるための特化した機能が私は必要であると思っておりまして、そのために最適な組織形態は何かという観点からゼロベースで真摯な検討を行うことが福島県に対する国としての責務と考えますが、大臣の御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
○牧野国務大臣 中川委員の御質問にお答えさせていただきます。 先ほど赤羽委員の御質問でもお答えをさせていただきましたけれども、まず、復興大臣としてお答えさせていただきたいと思います。 福島の復興再生につきましては、先ほどもお答えさせていただきましたように、中長期的な対応が必要でありまして、引き続き国が前面に立って取り組むという政府の方針は、何も変わりはありません。また、今質問の中でおっしゃられたように、高市総理がインタビューにお答えされたように、五年の、今の第三期の復興・創生期間が終了した後も福島復興に対する国の責任は何ら変わることはないということは、そのとおりでございます。 令和十二年度、二〇三〇年度でございますけれども、復興庁設置期限終了後の組織体制の在り方については、先ほどもお答えさせていただきましたけれども、今の段階でお答えさせていただくことは非常に難しいと思います。 その上で申し上げれば、復興庁は、東日本大震災、そして東京電力福島第一原発事故からの復興のためにつくられた組織でございます。一方で防災庁は、これから起きる可能性がある南海トラフ地震など、これからの発生が懸念される大規模自然災害に対して、平時の備え、また発災時の対応を強化するために新しくつくられる組織でございます。このように二つの組織はその任務が明確に分かれておりまして、現時点での統合の検討は行っておりません。 防災庁は、復興庁と連携して、復興庁の有する知見をしっかり共有しながら、具体的な制度設計をこれから進めてまいります。
○中川(宏)委員 御答弁ありがとうございます。 関連して、福島県が経験した、自然災害と原子力発電所事故の発生が重なる複合災害時においては、特に政府の初動対応で混乱が生じやすくなります。これは決してあってはならないことでありますけれども、万が一、原子力発電所事故との複合災害が発生した場合に、例えば、発災時の避難指示区域外での避難誘導や避難所の運営、また救援物資の供給などで防災庁と内閣府の原子力防災担当部局との間で指揮命令系統が錯綜するおそれがあるのではないかというふうに思っております。 さきの本会議におきまして私が登壇させていただいたときに、防災庁と各省庁、実動部隊との役割分担を明確にして、防災庁が屋上屋とならない制度設計となっているかということについて総理にお尋ねをさせていただいたところであります。複合災害に備える観点からは、特に、防災庁と内閣府原子力防災担当部局との間で、発災から復旧復興までの各段階における役割分担を明確化して緊密な連携体制を構築することで、防災庁が真の司令塔として機能することが重要と考えます。 牧野大臣の見解をお伺いさせていただきます。
○牧野国務大臣 お答えさせていただきます。 先ほどの赤羽委員の質問に対する答弁と一部重複すると思いますけれども、防災庁は、防災庁設置法と災害対策基本法に基づいて災害全般を所掌しますけれども、原子力災害のみに関する対策そのものは、高度な専門性を必要とすることから、従来どおり、内閣府の原子力防災担当が所掌することになっております。 その上で、防災庁は平時には、自然災害と原子力災害などの複合災害に備えて、被災者が避難先で安全な生活環境を享受できるように、資機材の備蓄の推進だったり、複合災害を想定した関係機関連携による訓練の実施など、事前防災対策に万全を期してまいります。 また、大規模な複合災害の発災時、これは現実的なことを考えますと、防災庁が設置し運営する災害対策本部と、内閣府の原子力防災担当が設置し運営する原子力災害対策本部を合同で開催をいたしまして、それぞれの対策本部長となるのが内閣総理大臣でありますので、内閣総理大臣の下で原子力災害と自然災害の対策の一体性が確保されるようにするなど、関係省庁が緊密に連携し災害対応に臨むことになります。 さらに、こうした複合災害からの復旧復興におきましては、通常の災害における復旧復興の観点と原子力災害からの復旧復興の観点が共に必要となってまいります。そのために、防災庁と内閣府の原子力防災担当を始め関係府省庁の緊密な連携の下、政府一体となって被災地支援を行ってまいります。
○中川(宏)委員 ありがとうございます。確認をさせていただきました。 続きまして、ふるさと防災職員と防災庁、地方自治体の現場直結型の連携体制についてお伺いをさせていただきたいと思います。 四十七都道府県を担当し地域防災力を強化するふるさと防災職員を東京に配置して、災害時には即座に現地に派遣して受援体制を支援するとされております。私は、この制度こそ、防災庁が常に現場に寄り添い続けるための重要な懸け橋でありまして、国が地方自治体をどれだけ実効的に支えられるのか、その真価が問われる仕組みだと考えております。 これまでの大規模災害では、被災自治体の職員は、自らも被災者となりまして行政機能が著しく低下する中で、膨大な住民対応や物資の差配に追われてきました。特に、全国からの応援職員や物資を適切に受け入れまして現場ニーズをつなげる受援体制の構築は大きな負担でありまして、各機関の連携不足による目詰まりが課題となってきました。 ふるさと防災職員は、発災後に先行して現地に入りまして被災地ニーズを把握して、本庁と現地をつなぐ最初のリエゾンとして機能しなければなりません。単なる情報伝達役にとどまらず、平時から、個別避難計画や受援計画の策定、NPOとの連携構築などに精通し、有事には、現場の状況を即座に判断して国の支援を機動的に機能させる役割を果たす必要があります。この初動により、防災庁職員や関係省庁からの出向者も迅速に現地に投入をされまして、現地対策本部機能を速やかに形成、運用できるようになります。これにより地方自治体の災害時の業務負担を軽減することが重要であります。 防災庁としまして、ふるさと防災職員が平時から地域や専門組織とどのような信頼関係を構築していき、有事において、その皆さんが被災現場に入った際、具体的にいかなる権限と立場で省庁間の調整を行って、物資や人員といった支援投入の判断など、どこまで関与をして自治体の負担を実効的に軽減をしていくのか、この点につきまして、見解をお伺いさせていただきたいと思います。
○横山政府参考人 御指摘のふるさと防災職員は、昨年度より内閣府に配置している、各都道府県を担当する職員でございます。そのカウンターパートとなる都道府県側の窓口担当職員とも連携しながら、事前防災の徹底や災害発生時の連絡調整を行う取組を今始めているところでございます。 具体的な取組としては、平時には、定期ヒアリングの実施やブロック会議の開催等を通じて都道府県との顔の見える関係を築きながら、自治体とともに、地域単位での丁寧なシミュレーションに基づく災害リスク評価を進めるとともに、災害リスク評価により明らかとなった地域における課題を踏まえ、避難生活環境の改善や物資の備蓄、要配慮者支援等の事前防災の取組について伴走支援する体制をふるさと防災職員が中心になって構築していくという役割を担わせているところでございます。 また、災害発生時には、ふるさと防災職員が地域防災リエゾンとして速やかに現地に赴き、平時の伴走支援によって築いた顔の見える関係を生かして、被災状況、ニーズ、相談事の把握や、国の各機関等との情報共有、被災自治体の判断や助言などの支援を行う取組も始めているところでございます。 防災庁においても、こうした取組を更に発展させまして、自治体に伴走しながら、各地域での防災力強化の取組を進めてまいりたいと考えてございます。
○中川(宏)委員 体制の強化と人づくりについて、更にお伺いをさせていただきたいと思います。 まず体制面ですが、近年の広域的な同時多発災害や国難級の災害を考えれば、各県一名、計四十七名という現行の構想だけでは将来の備えとして十分なのかというふうに思います。今後は、半島や離島、豪雪地帯など地理的に孤立しやすい地域、また大規模広域災害が想定される大都市圏に対しまして、専門分野を分担するチーム単位での配置など、災害特性に応じた体制の重層化、複線化が不可欠であるというふうに考えます。 そして、その実効性を支える鍵こそが人づくりであります。今後、防災庁の設置と併せまして、人材育成の核となる防災大学校の検討が進められます。この防災大学校を、単なる座学の場にとどめるのではなくて、ふるさと防災職員が地域特性や高度な実務に精通するため、また、防災庁職員、自治体職員、さらにNPO等の支援実務者まで含めた包括的な研修、育成体系を防災庁主導で推進する実践的な教育訓練拠点として位置づけるべきだというふうに思います。数年で交代するこれまでの人事慣行を超えまして、防災庁が中心となって専門的知見を長期的に蓄積をして、明確なキャリアパスの下、地域を支え続ける専門人材を育成していくべきと考えます。 今後、体制の拡充や複線化をどう図っていくのかということ、また、防災大学校設置に向けての議論の中で、どのように、ふるさと防災職員を始めとした関係者の専門性向上に結びつけ、日本の厳しい災害環境から国民を守り抜くための盤石な体制を築かれていくのか、今後の展望についてお伺いをさせていただきたいと思います。
○横山政府参考人 ふるさと防災職員でございますけれども、まず、昨年度より配置を始めているところでございますけれども、今年度も引き続きその体制を拡充しておりまして、既に各都道府県ごとに主担当がいるのに加えまして、副担当も配置しまして、複数名多配置をしているという形で拡充も行っているところでございます。 ふるさと防災職員はもとより、国や地方自治体の職員や民間人材も対象に、御指摘のあった、仮称ではございますけれども今後設置の検討を進める防災大学校では、防災業務全般の知識や技能を体系的に学ぶ研修、訓練を行うことにより防災に関する専門的知識を備え、さらには、これらの知見に基づき大局的な観点から防災全体を捉えて産官学民の多様な関係者の間で高度なコーディネートを行える人材を育成することを考えてございまして、この具体的な在り方については、今後検討してまいろうと思ってございます。 このような能力を持った職員を育てながら、防災庁としては、その者をふるさと防災職員として配置することを念頭に、彼らによる地域におけるニーズの丁寧な酌み取りやきめ細やかな助言を行うことなどを通じて、地方自治体への盤石なサポート体制を構築してまいりたいと考えてございます。
○中川(宏)委員 ありがとうございます。 このふるさと防災職員の制度ですけれども、災害の最前線での現場主義の具現化であるというふうに私は思っていまして、これは生命線だと思っております。単なる連絡役ではなくて、自治体と苦楽を共にして、最強の伴走者として地域を支えていただくことを私は期待したいというふうに思っております。そうした中で、この体制の重層化、複線化につきましても、将来の災害リスクを見据えて柔軟に拡充していくことを今後も検討していっていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 先日の参考人質疑におきまして有識者の皆様から共通して指摘されたのは、日本の災害対策基本法が、いかなる巨大災害であっても、基礎自治体である市町村に一次的な対応責任を負わせてしまうという構造的な課題でありました。 もちろん、平時からの住民サービスを担う市町村が災害対応の基礎となるのは日本の地方自治の重要な原則でありまして、地域の実情を最も知る市町村長のリーダーシップは不可欠であるところでありますが、国難級の大規模災害におきまして、市町村の職員自身が被災をして行政機能が著しく低下する中で平時と同じ負担が生じることは、結果として被災者支援の遅れやまた災害関連死を生む要因となっており、これまでの大規模災害におきましても、被災自治体に膨大な業務が集中をし、その限界が浮き彫りになっております。 新設される防災庁は、現行の、市町村が対応の主体であるという原則は維持しつつも、災害の規模や被害のインパクトに応じまして、市町村の要請を待つことなく都道府県や国がプッシュ型で実務をバックアップして、必要に応じて避難所運営やまた罹災証明の調査などの重い事務を代行、伴走支援できる、この重層的なサポート体制を平時から制度として構築しておくことが私は非常に大事だというふうに思っております。 被災自治体の首長の意思決定を支えつつ、現場がパンクしないよう、より手厚い支援ができるように、日本の実態に即した実効性のある役割分担の見直しについて、お伺いをさせていただきたいと思います。
○横山政府参考人 お答え申し上げます。 まず、内閣府防災としては、今後、防災庁設置も見据えてふるさと防災職員の充実を図ってございますけれども、被災自治体に対して伴走型の支援を行うことで、首長の意思決定を含む災害対応への支援を充実させていきたいというふうに考えているところでございます。 あわせて、被災自治体の首長が行う災害マネジメントの支援については、総務省が所管する応援対策職員派遣制度により、他の自治体から、災害対応についての高度なマネジメントに関する知識経験を有する職員などから構成される総括支援チームが派遣され、被災自治体の首長への助言や幹部職員との調整等の支援が行われる仕組みになってございます。 なお、被災自治体の職員の負担軽減を図るため、関係府省が所管する応援職員の派遣制度の活用に加えまして、民間のノウハウ、マンパワーを活用することや地域の防災リーダーを育成することも重要と考えておりますので、こういう取組を進めてまいりたいと考えてございます。 防災庁においては、被災自治体への迅速な応援体制を更に強化するとともに、民間や地域の力も活用した取組が進められるよう環境整備に努めてまいりたいと考えております。
○中川(宏)委員 ありがとうございます。 国の先手の支援こそ現場が最も必要としているものだというふうに思っております。現場の首長の皆様でありますけれども、これまでの災害を見てみましても、現場の首長さんは、責任感が強いからこそ、極限状態になっても、自分たちで何とかしなければというふうに国にどうしても遠慮してしまう、こういった傾向がございました。それで国に対して支援のタイミングを逸してしまう、こういった現実もあるかというふうに思っております。 自治体職員も被災者でありますので支援を受ける権利がある、こういった思想に立ちまして、自治体の遠慮を防災庁のプッシュ型の実務で解消していくという重層的なサポート体制の強化、これも今後しっかり検討していただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 日本の災害対応の強みは、国土交通省のTEC―FORCEによる迅速な道路啓開ですとか、また厚労省のDMATによる災害医療など、各府省庁が持つ高い専門性と実動力にあるというふうに私は思っております。 一方で、各省庁がそれぞれの所管において防災業務計画を定めているため、現場の避難所におきまして、福祉的ケアや物資の細やかな配分といった省庁の隙間に落ちるニーズへの対応が遅れがちになるという弱点も抱えているところであります。 この点につきまして、先日の参考人質疑では、国連などの人道支援で用いられているクラスターアプローチの考え方を導入すべきとの御提言がありました。これは、保健ですとか、水、衛生、物流などの分野ごとに、全体を統括する主導機関を指定して、支援の漏れやむらをなくしていく手法であります。 現在も日本におきましてはクラスターアプローチの体制にはなっているというふうには思いますけれども、私は、この海外の手法を更に進化させた形で、その視点を日本の体制に取り入れるべきだというふうに思っております。防災庁が真の司令塔となるためには、各府省庁がクラスターアプローチの視点を明確に持って、医療、福祉、物資、生活インフラといった各分野で培ってきた高い専門性を最大限に生かすことが重要であるというふうに思っております。 その上で、なお生じる制度の隙間や対応の抜け落ちを防災庁の総合調整権限や勧告権によって強力かつ早期に埋めていく体制、すなわち、隙間を埋める調整機能としての役割、これを防災庁として今後どのように構築していくのか、決意をお聞かせいただきたいと思います。
○横山政府参考人 御指摘のようなお話も含めまして、災害対応は、事前準備も含めて、各府省庁がそれぞれの専門性や即応性を最大限に発揮するとともに、政府全体が一体となって対応していくことが重要でないかと考えてございます。 そのため、まず枠組みとしては、中央防災会議が作成する防災基本計画がございますけれども、こちらは、災害予防、災害応急対策、災害復旧復興のフェーズごとに、医療、福祉、物資等の分野横断的な各テーマについて、各府省庁が取り組むべき具体的な施策や責任関係を明確に定めて、これに基づいて各府省庁がまた組織単位の防災業務計画を作成するという枠組みを取ってございます。 その上で、今後防災庁を設置するわけですけれども、設置後は、一段高い立場の司令塔となります。このような具体的な計画のフォローアップを短い周期で行いながら、各府省庁が取り組むべき施策について、地域レベルでのリスク評価なども踏まえて、抜け落ちや漏れがないかしっかりと把握するとともに、防災大臣が有する勧告権を背景として対策の実施を働きかけていくことで、各府省庁の役割に基づく防災対策をしっかり推進してまいりたいと考えてございます。
○中川(宏)委員 是非、国際基準を日本流に進化をさせて、各省庁の専門性の横の糸をつなぐ防災庁の調整機能、これに私は大きな期待を寄せたいというふうに思っております。 それで、最後の質問になるかと思いますけれども、首都直下地震や南海トラフ巨大地震が発生した場合、都市部の避難所はすぐに満杯になるというふうに思います。そして、多くの住民が在宅避難や車中泊、広域避難を余儀なくされます。現状では、避難所外の避難者を把握する仕組みが十分ではなくて、必要な支援が届かないおそれがあります。 先般の参考人質疑でも、今後の被災者支援は場所の支援から人の支援へ転換すべきであって、在宅避難者や広域避難者にも物資や健康の支援をプッシュ型で届ける災害ケースマネジメントを機能させることが重要だと指摘があったところであります。 そのためには、防災DXを進めて、地域や自治体の壁を越えて被災者の状況を把握できる全国的なデータベースやデータ連携基盤を整備することは、私は欠かせないことだというふうに思っております。また、行政のマンパワーが限られている中では、NPO、またボランティア、医療、福祉関係者など民間団体との情報共有も不可欠でありますけれども、現状では、個人情報保護の壁がこの連携の妨げとなっております。 そこで、お尋ねをさせていただきますが、防災庁は、デジタル庁や総務省と連携をして、マイナンバーカード等も活用しながら、在宅避難者や広域避難者を正確に把握できる全国的な被災者データベースやデータ連携基盤をどのように構築していくのか、また、官民が連携してプッシュ型で物資やケアが届けられるよう、民間団体等への個人情報提供の在り方や法的根拠をどのように整理をしていくのか、防災庁の考えをお伺いさせていただきたいと思います。
○横山政府参考人 委員御指摘のとおり、地域や行政の壁を越えて在宅避難者や広域避難者を含む被災者の状況を正確に把握するとともに、支援機関の間で情報共有が可能となるよう被災者情報データベースとして集約することが、被災者支援において重要であろうかと考えてございます。 その際、御指摘のあった個人情報の問題でございますけれども、御協力いただく民間団体等との情報共有の在り方については、社会福祉協議会等が市町村からアウトリーチの委託を受けた場合において、その委託の範囲内で個人情報を取り扱うことが個人情報保護法上可能と整理されることとか、戸別訪問等により取得する被災者に関する情報については、原則あらかじめ本人の同意を得ておくことで、支援機関間で情報共有を行うことが個人情報保護法上可能と整理されることなど、関係機関と調整の上、改めて自治体に通知をしているところでございます。 被災者支援に必要な情報は、平時においては自治体内の様々なシステムで保有していることもございますので、発災後にこれらの情報がデータベースとしてフェーズフリーに集約される仕組みを構築するとともに、被災者を能動的に訪問し収集した情報を被災者情報データベースに集約することも想定されます。このような様々な情報を各自治体ごとに構築されたシステムの間で共有、集約するためにデータの標準化が重要となると考えてございますので、そういう取組も進めてまいりたい、関係省庁と連携して取り組んでまいりたいと考えてございます。マイナンバーの活用なんかも含めて、しっかり検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○中川(宏)委員 時間が参りましたので終わりにしたいと思いますが、こういったテクノロジーを使って最後の一人まで支援をしっかりと届けていくという、この人道的な挑戦を、防災庁が設置になった際には防災庁のリーダーシップで是非とも進めていただきたいとお願いを申し上げまして、終わりにします。 ありがとうございました。
○関委員長 次に、柏倉祐司君。
○柏倉委員 日本維新の会の柏倉でございます。 今回、二回目の質問をさせていただく機会を頂戴しまして、誠にありがとうございます。本日は少し趣向を変えて、角度を変えて質問をさせていただきたいと思います。 まず最初に、感染症も災害の一環という観点から、ハンタウイルスについて、手短に確認、質問させていただきたいというふうに思います。 このハンタウイルスは、クルーズ船で集団発症したというところ、コロナウイルスとも重なりかねないような始まり方で、国民の多くは懸念を持って注視をしているところだというふうに思います。今日で全ての乗客が下船を完了したというところでございますが、三人の方がお亡くなりになられて、まだ疑いのある方が六人前後いらっしゃるという情報でございます。 コロナのようにはなりませんというところで、厚労省さんも国立健康危機管理研究機構さんも言っております。私も恐らくそうなんだろうなというふうには思いますけれども、国民の多くは、コロナにならないということを願いつつも、大丈夫かなという不信感、不安感も持っているはずです。ゴールデンウィークでは五十七万人の方が海外に行って、そして帰ってこられる。これは潜伏期が一週間から六週間ということで比較的長い。ちょっと南米に行ってきたんだけれども、ヨーロッパに行ってきたんだけれどもちょっと熱が出てというような方がこれから多分出てくるんだと思います。そういう方がパニックにならないように、国はやはり正確な情報を、こういう場もかりて是非伝えていただきたいというふうに思います。 オランダの航空会社の客室乗務員がハンタウイルスにかかった方としゃべって症状が出たというような報道が何日か前にありました。これはちょっとまずいんじゃないかなと、私も医者の端くれですから思いましたが、この客室乗務員の方は結果的に陰性だったというところで、ほっとしているところでございます。 このハンタウイルスは、ヒト・ヒト感染、当然、ハンタウイルス科のアンデスウイルスがこれを起こす可能性がある。見つかっているウイルスもアンデスウイルスだということで、ひょっとしたら軽微な接触でも起こるんじゃないかなというような不安があったわけですが、この客室乗務員の方が陰性だったということで、ほっと一息しているところでございます。 相当な濃厚接触がないとヒト・ヒト感染は成立しないというふうにWHOでも言っている。こういったところ、今後海外から帰ってこられて症状が出たような方にもすっと入ってくるような、安全です、日本でパンデミックになるようなこと、世界でパンデミックになるようなことはありませんというような、こういった厚労省の現在の判断についてお伺いできればというふうに思います。
○鷲見政府参考人 お答え申し上げます。 今先生が御指摘されましたとおり、今回クルーズ船で発生したハンタウイルス感染症の拡大事案におきましては、ハンタウイルスの一種であるアンデスウイルスという種類が確認されております。 当該ウイルスにつきましては、過去に、限定的ではあるものの、感染者との濃厚な暴露による飛沫、直接接触を介したヒト・ヒト感染事例が報告されておりますが、感染者と接触者の適切管理により感染拡大を防止できるとされております。 また、日本国内にアンデスウイルスを媒介する齧歯類は存在せず、アンデスウイルスを原因としたハンタウイルス肺症候群の患者の発生は確認されておりません。 厚生労働省におきましては、ハンタウイルスを媒介する齧歯類が生息する南米からの入国者のうち体調に異常のある方に対して、齧歯類との接触の有無等を確認し、必要に応じて医療機関への受診を勧奨するよう、五月四日に検疫所に指示を出しているところでございます。 また、今回の事例につきましては、WHOのガイドラインに基づきまして関係各国にて適切な感染拡大防止の対応が取られておりまして、WHOからも公衆衛生上のリスクは低いと評価されていることから、現時点においては、我が国に対して直ちに大きな影響が及ぶことはないと考えております。
○柏倉委員 ありがとうございます。 かなりの濃厚接触じゃないとうつらないし、そもそもが、媒介する齧歯類は日本にはいないというところですよね。そういうことであれば、いわゆる広域な感染というのはほぼ成立しないというふうに考えていいんだと思います。 参考までにもう一つ教えてほしいんですが、このワクチンは、特効薬もないという報道の中で、いや、中国、韓国ではワクチンを使っているよというような報道もありました。ただ、その詳細も分かりませんし、ハンタウイルスそのものがどういった分類がされていて、どういった病態がその分類によって違ってくるのかということも分かりませんので、その辺も少し分かりやすく説明していただきたいと思います。
○鷲見政府参考人 お答えいたします。 ハンタウイルスにつきましては、ユーラシア大陸に分布する腎症候性出血熱を引き起こすタイプと、南北アメリカ大陸に分布しますハンタウイルス肺症候群、今回のケースでございますが、を引き起こすものがございます。 先生が御指摘のとおり、腎症候性出血熱のワクチンにつきましては、中国や韓国の一部地域で使用されている一方、このワクチンにつきましてはハンタウイルス肺症候群への有効性は確認されておりませんで、海外製も含めて、現段階では、まだ承認されたワクチンは存在しません。 いずれにいたしましても、厚労省としましては、引き続き事態を注視しながら感染対策に努めてまいります。
○柏倉委員 ありがとうございます。 ひとまず、このハンタウイルスについては、パニックに陥らないように、ただ、やはり注視をして、大ごとにならないように、我々も含めて冷静に対応していかなければいけないということだと思います。どうもありがとうございました。 それでは次なんですが、訪問診療の災害時の業務継続計画、BCPの策定についてお伺いしたいと思います。 私も訪問診療をやらせていただいているわけなんですけれども、新年度の診療報酬改定で、新たな拠点、在宅医療の診療所を開設する場合はこのBCPも要件として定められている。さらに、既存の医療機関には、二〇二七年五月末までにきっちり策定をするようにということで通達がありました。私のところにも当然通達が来ております。 そういう中で、私どもは、何個かの訪問診療のクリニック、医院で連携を組んでおります。それは病床のある病院も含めて連携を組ませていただいているんですけれども、そういう中でこのBCPに関してもいろいろ議論をさせていただいているところなんですけれども、このBCP、業務継続ということに関して、訪問診療も当然これらに関与させていただくというのは逆にありがたいことではある。その一方で、じゃ、どういうふうに、実のあるBCP、実現可能なBCPを作っていくかということに関しては、なかなか結論が出ないというか、厚労省さんが出してくれたひな形を参照しても、どうやったらBCPとしていいものが作れるのか、もちろん実効性というところが担保されているBCPが作れるのかというところがなかなか答えが出てこないというのが本当のところなんですね。 こういうふうにしなさい、ああいうふうにしなさい、勤めている人の安全確保を最優先にしなさいとか、そういうところは当然そのとおりなんですけれども、実際にそういったところをやるに先立って、事前準備をしっかりしなきゃいけないという御指導も頂戴しておりまして。 その中で、資料を印刷してきているんですけれども、近隣診療所等との応受援体制の構築、両支援体制の構築、行政との協力支援体制の構築、地域包括支援センターとの協力体制の構築、地域訪問看護ステーションとの連携体制の構築、訪問診療時の燃料確保の体制構築というもの、これを事前準備としてやりなさいよということで挙げていただいている。 もちろんそれは当然だろうなとは思うんですが、常日頃から関わり合いのある連携先ではあります、ただ、災害が起こったときにどうするかを決めていくというのは、非常にこれは専門性の高い領域ですし、素人同士が話し合ってしっかりと実現できるようなものが生まれてくるのかというと、その辺も我々としては、BCPを作るのはできるけれども、本当にできることをここで議論して結論をつけていけるのだろうかというところが、はっきり言って不安な場所ではあります。 こういう我々末端の診療機関が持っている不安、これは私どもだけが持っているわけじゃないと思います、多くの訪問診療の医療機関というのは同じような問題意識を持っていると思います。今回、こういうふうに事前にサンプルとして出していただいているので助かるんですが、もう一歩踏み込んだきめ細かい、BCP策定というものに関して前向きに取り組んでいただきたいと思うんです。 そこで、お伺いしたいんですが、訪問診療の実現可能なBCP策定、サンプルをぼんと丸投げするのではなくて、もうちょっときめ細かくBCP策定に関わってほしいというふうな訪問診療の機関も多いわけですが、そこについて、厚労省の考えをお伺いしたいと思います。
○榊原政府参考人 お答え申し上げます。 訪問診療等を行う在宅医療提供機関において災害時の医療提供体制を充実強化させるためにBCPを策定することは、非常に重要であると考えております。 このため、厚労省では、御指摘いただきましたように、在宅医療を提供する医療機関におけるBCP策定の手引等を示しているところでございます。こうしたものに加えまして、例えば、病院、診療所、訪問看護事業所それぞれを対象としたBCP策定支援研修ですとか、あるいは、災害拠点病院の指定要件としてBCPの策定を求める等の取組によって、BCPの策定支援の推進を行っているところでございます。引き続き、自然災害等が発生した場合でも訪問診療等の医療を継続して提供できるように取り組んでまいりたいと考えております。
○柏倉委員 ありがとうございます。 我々がもし災害に遭ったときにどうしたらいいかというのは、やはり頭の中でシミュレーションするんですよね。そうしますと、やはり基幹病院にある程度フォローしてもらいたい。自分たちでは恐らく全部フォローするのは厳しい。当然、DMATさん、JMATさんを含めて現場に来ていただいて助けていただく、そういったところを是非お願いしたいんですが、やはり基幹病院さんとの連携というのを、この災害時というところも含めて常に取らせていただきたい。 まだそういった話になることはほとんどないので、基幹病院さんと連携が取れるような形で、厚労省さんの方もやはり後押ししてほしいなと思うんですよ。どちらかが極端に歩み寄ってというようなところはなかなか難しい、日頃から特に基幹病院さんは多忙を極めていますから。ただ、厚労省さんの方から声がかかれば、やはり我々の方に少し時間も割いていただいて、人も割いていただけるんじゃないかなと思います。 我々、先ほども申し上げました、何個かの訪問診療でグループをつくっています。私のような、本当に職員も少ない、そういう訪問診療のところもありますし、何百人も患者さんを抱えている、そういう訪問診療の大きなところも含めてグループをつくっているわけですね。それで、基幹病院さんと連携するのであれば、そういうもう既にある連携、グループの長のところと連携先の基幹病院がまずそういう話をしっかりさせてもらって、そこでその先の役割分担等を今ある連携の中に落とし込んでいくというようなところが我々としては一番しっくりくる、実現も可能性として非常に高いんじゃないかなと思うんです。 JMATさんにはそのときそのときにお願いをさせていただくんですが、この基幹病院さんとの関係づくり、そういったところに是非厚労省さんの方からも背中を押していただきたいと思うんですが、災害時の訪問診療機関と基幹病院との連携に関しての厚労省さんの今後の支援体制、それはどういったものを考えているのか、考えていないのかも含めて、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○榊原政府参考人 お答え申し上げます。 災害時であっても在宅患者が従来受けていた医療と同様の医療を受けられることや、災害を契機に生じる何らかの異変について早期に医療機関への受診につなげられることは、極めて重要だと考えております。このため、地域の実情に応じて地方行政機関や医師会等において在宅医療の支援体制を構築する中で、災害対応の基幹となる医療機関も参画することが望ましいと考えております。 こうした観点を踏まえまして、厚労省では、災害拠点病院用のBCPのひな形において、災害拠点病院が在宅患者等への対応について定める場合の記載例をお示しし、ホームページ等で周知を行っておりますし、また、医療機関に対する研修も、先ほど申し上げましたように行っているところでございます。引き続き、それぞれの地域においてこうした連携がしっかり図られるように対応してまいりたいと考えております。
○柏倉委員 もう既に取り組まれているということではありますが、更にもう一歩進んだ形で、災害時対応において我々と基幹病院の距離が縮まるようなアシストを是非お願いさせていただきたいというふうに思います。 もう時間的に最後になりますけれども、災害時の医療情報の共有化についてちょっとお伺いしたいと思います。 能登半島地震のときは、DXの災害モードというものが非常に役立ったというふうに聞いております。ほかの地域を見ましても、その地域地域で非常に工夫がされていて、中には、高知県の西の地域、幡多郡では、一地域一患者一カルテというような形で、災害時にも非常に役立つようなシステムがもうでき上がっているところもあるということなんですね。ただ、これは地域によってかなり濃淡がある。能登のときのように、災害モードというのがしっかり役立つような、吸い上げることができるような状況だったらいいんですが、必ずしもそうではないこともあり得ると思います。 そういう意味で、この一地域一患者一カルテというところを非常にしっかりと全国的に進めていくべきだと思うんですが、そこに関し国の見解をお伺いしたいと思います。
○榊原政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘の高知県における「はたまるねっと」のように、各地域において、その実情に応じて医療情報の共有を行う取組が進められていることは承知しております。そのような仕組みは、災害時における医療提供の際にも必要な医療情報の共有の観点から活用が期待されます。 一方、国においても、全国の地域を対象として、医療情報共有を行うためのプラットフォームを構築し、医療保険のレセプトの診療情報や特定健診の情報、あるいは直近の処方、調剤を含む薬剤情報など既に共有を始めているものに加え、今後は診療情報提供書や検査値等の情報共有も行う予定であり、これらは災害時における利活用も念頭に置いているところでございます。 こうした取組を全国に広げていくため、本年夏までに全国的な医療機関の共有に向けた計画を策定する予定でございまして、具体的な普及のための支援方策についても検討してまいりたいと考えております。
○柏倉委員 検査データの共有というのは非常に魅力的だと思います。 時間が参りましたので、これで終わりにいたします。どうもありがとうございました。
○関委員長 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時五十三分休憩 ――――◇――――― 午後二時六分開議
○関委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。田中健君。
○田中(健)委員 国民民主党の田中健です。午後一番、よろしくお願いをいたします。 本日は、防災庁設置法の議論に関連しまして、私の地元でもありますが、牧野大臣の地元でもございます静岡で起きました、国道一号の富士由比バイパスの通行止めを取り上げたいと思っています。 今回、通行止めがありましたが、これは単なる道路のトラブルではなく、日本の東西交通の大動脈がどれほど脆弱な構造に置かれているのかが改めて可視化された事案だと思い、取り上げさせていただきました。 国道一号富士由比バイパス、静岡でない方は分からないかと思いますが、資料をお配りをさせていただいております。写真の図でありますが、これは、静岡市が随時流しておりますライブカメラの図でございます。 御案内のとおり、この国道一号富士由比バイパスというのは、静岡市の清水区の薩た峠というのがこの左側の山にありますが、この付近を通る重要な道路です。この周辺には、手前が東名高速道路でございまして、真ん中が国道一号線、そして左に見えますのがJR東海道線と、日本の東西の交通を支える重要なインフラがここ一点に集中をしているというところでございます。一方で、海と山に囲まれた地形でありまして、災害時には極めて脆弱な箇所であります。今回も通行止めになりましたのは、左の山側ののり面のモルタルの吹きつけが剥落をしてコンクリート片が道路に散乱をしたことで、約二十四時間にわたり通行止めとなりました。 私自身も、当日、西側から東、手前側から奥に、由比方面に向かうため道を通ろうと思いましたが、通行止めでありましたので、高速に乗り換えて、清水のインターチェンジから富士川のインターチェンジで降りて迂回をいたしました。しかしながら、薩た峠から何キロも離れた、富士川のインターチェンジを降りた富士川の楽座周辺、また富士川橋の西交差点は大渋滞となっておりまして、通るのに数十分以上かかるという状況でありました。 これは単に一つの道路が止まったという事例ではありませんで、一点が止まりますと、地域の生活道路も、また、ちょうどゴールデンウィークの入口でありました、物流や観光、また緊急輸送も災害時の避難も一気に詰まるというところだと思っています。 防災庁をつくるのであれば、発災時に対応するだけでは不十分だということで、今日の質疑の中でも、午前中、牧野大臣から徹底した事前防災という発言がございました。平時からこうした交通急所を把握をし、代替路や避難路をどう確保するのか、国土強靱化の計画に盛り込まれた道路ネットワークの機能強化やのり面対策を誰が司令塔としてこれから進めていくのか、この観点から、今日は国土交通省に来ていただいております。また、牧野防災庁設置準備担当大臣にもお伺いをしたいと思います。 まず国交省に伺います。 今回の国道一号富士由比バイパスの通行止めについて、国交省としてはどのような事案であったと認識をしているのか、通行止めの原因や、また交通への影響や地域社会への影響等いろいろとあったと思いますが、説明を求めたいと思います。
○沓掛政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘の国道一号富士由比バイパスにつきましては、四月二十八日の深夜、薩た峠周辺にあるのり面の吹きつけコンクリートの一部が道路上に散乱していることを確認したため、通行止めを行ったところです。その後、のり面の調査を行った上で、浮いている吹きつけコンクリートのたたき落としや防護ネットの設置など、応急対策を実施し、通行止め開始から約一日経過した四月二十九日深夜に通行止めを解除いたしました。 当該区間は通常一日当たり約五万四千台の車が通行しておりますが、通行止めに伴い、並行する東名高速、新東名高速、また国道五十二号でも、直近の休日である四月二十六日と比較して交通量が増大いたしました。これによって、国道一号と国道五十二号が交差する興津中町交差点周辺や東名高速の富士川スマートインターチェンジ周辺の県道などにおいて通常時と比較し混雑が発生するなど、東西交通や物流等に影響があったものと考えております。
○田中(健)委員 事実をありがとうございます。 この国道一号ですけれども、認識としましては、単なる交通道路、また一般の一号線というよりも、地域の道路というよりも、国家的な交通の急所といった認識があるのかどうか、国交省の認識を伺います。
○沓掛政府参考人 お答えいたします。 薩た峠周辺は、冒頭委員の方から資料で御説明いただいたとおり、海岸と薩た山に挟まれた非常に狭い狭隘な地形となっている中、東西交通や物流を担う大動脈であります国道一号あるいは東名高速、またJR東海道本線あるいは東海道新幹線が集中して通っており、委員御指摘のとおり、交通の急所であると認識しております。 特に、薩た峠周辺の国道一号では、今回のコンクリート片の落下や落石はもとより、越波や高潮の影響などによる通行止めのほか、昨年七月三十日のカムチャツカ半島付近を震源とする地震で津波警報が出された際には、浸水区域内にある国道一号も通行止めとなり、周辺道路の混雑が発生するなど、東西交通や物流に与える影響は大きい箇所となっていると認識しております。
○田中(健)委員 交通要所であるという認識は確認できましたが、まさに今おっしゃっていただいたように、昨年七月もカムチャツカの津波の警報で止まりました。被害はあのときありませんでしたけれども、あのときは、二十四時間、もっと長い時間で通行止めとなりまして、大きな影響がありました。つまり、今回の事件は、偶発的な渋滞ではなく、繰り返し起きているということで、構造的な脆弱性があると思っていますので、是非、この薩た峠周辺というのは東西交通の要でありますので、重点監視を今でもしていただいておりますけれども、さらに、その重点監視や、対策区間として位置づけて特別なリスク管理も行うべきだと考えています。 その上で、今回ののり面崩落ということであります。報道の中では、今回、現場ののり面は五十年前に完成したということでありまして、定期点検もされておりまして、経年劣化と見られる影響もあった、破損のリスクも指摘をされていたという報道もありました。そうであるならば、今回の事案は、突然起きた想定外ではなく、リスクが把握されていたにもかかわらず補修が間に合わなかったといった事案じゃないかとも受け止めていますが、今回の現場について、いつどのような点検を行って、どのようなリスクを把握をしていたのか、老朽化等のリスク評価をどのように行っているのかを伺いたいと思います。
○沓掛政府参考人 お答え申し上げます。 直轄国道においては、降雨や地震などの自然災害の影響を大きく受ける大規模なのり面につきましては、安全性の向上及び効率的な維持修繕を図るため、五年に一度の頻度で点検を実施した上で、一から四の四段階で健全性の判定を行っております。 今回、コンクリート片が路面に落下したのり面につきましては、令和六年度に点検を実施しておりました。そして、健全性の診断は、判定区分の四段階の中で三番目の早期措置段階で、次回、五年後の点検までに補修などの措置を講じることが望ましい状態と判定したところです。このため、落石などが道路上まで届かないようにするための落石防護の金網の設置などについて設計を進めてきたところです。
○田中(健)委員 今の答弁ですと、リスクを把握していたということでありますので、今回、大きな被害もなく、けががあった方やまた事故をしたこともなかったので、それは大変によかったわけではございますが、しかし、のり面の劣化としても、生活道路の劣化と違い、本当に東西交通の大動脈でありますから、今、点検、補修については五年に一度と言っていただきましたけれども、やはり劣化度だけでなく、通行止めが起きたときの社会的影響や、この後話します代替路の有無や、そういった物流、避難への影響というものを加味したリスク管理というのをこれから是非してほしいと思っています。 その上で、この応急的なのり面の補修は、私も見てきましたが、網を張っていただいて、また全部点検もしていただいたんですけれども、やはり、今後もコンクリート片が道路に飛散するようなことがないような抜本的なのり面対策というのをしていただきたいと地元からも大きな要望が出ておりますが、これについて、推進する必要性について伺います。
○沓掛政府参考人 お答え申し上げます。 今回の事案発生後の対応としましては、浮いているコンクリートのたたき落としや防護ネットの設置などの応急対策を実施したところです。 国土交通省としましても、当該区間が交通の急所であること、直近の点検の結果、健全性判定が早期措置段階であったことに鑑み、落石などが道路上まで届かないようにするための落石防護の金網の設置など、抜本的なのり面対策が必要であると考えております。 今回の事案の内容も踏まえつつ、国土強靱化予算も活用しながら、しっかりと対策を講じてまいります。
○田中(健)委員 国土強靱化予算については、是非、また牧野大臣にも後ほどお聞きをしたいと思います。 この薩た峠周辺は、今回は劣化による剥落ですけれども、南海トラフ沖地震の想定地域でもあります。津波浸水地域でもあります。津波や土砂災害や大規模事故の影響を受ける場所でありますから、やはり是非、のり面のほかにも様々な対策、今日資料をつけさせていただきまして、国土強靱化の中でも、のり面の災害防止対策ということで大きく掲げられておりますが、このいち早いリスクの洗い出しというのをしていただきたいと思っています。 その中で、今回深刻だったのは、やはり代替路が極めて脆弱なことでありました。先ほど御説明いただきましたが、五十二号線、また富士川インターチェンジを降りた近辺の大渋滞ということで、交通機能、広域機能と言ってもいいんですが、広域交通が完全に機能不全に陥りました。やはり災害時、津波また地震、土砂災害が重なれば、東西交通そのものが寸断されかねないというリスクがあります。 この薩た峠周辺の代替路や避難路や緊急輸送道路という整備をどのようにお考えか、伺います。
○沓掛政府参考人 お答え申し上げます。 薩た峠周辺の国道一号に並行する旧東海道の静岡市道は、市道山中線と申しますが、すれ違いが困難な、幅員の狭い、山合いを通る道路であるため、交通量が多く、大型車の割合も高い国道一号の代替路とすることは難しい状況であります。このため、並行する東名高速や新東名高速のほか、国道五十二号などが代替路になると考えております。 引き続き、関係機関と連携し、代替路の設定や周知、円滑な誘導を行い、東西の人流、物流の確保に努めてまいります。
○田中(健)委員 今言いました山側の道を私も通ったことがありますが、確かに、行き帰りにすれ違えませんし、大変狭い、また高いところにありますので危険ではありますけれども、しかしながら、どのようにこの道を活用できるか、またこの整備が可能かということも、長年の地域の皆さんの声でもありますので、是非検討を進めていただければと思っています。 さらに、今回、私、代替路として高速道路を使わせていただきました。国交省からも今、五十二号線でありましたし、高速道路というのも代替路になるということだろうと思っていますが、大事なのは、高速道路が物理的に存在しているということと、代替の道として実際に機能することは違うということであります。 今回、高速道路が二十四時間近く通行止めになったんですが、この期間の交通料を取られましたけれども、是非、代替路として使うなら無料通行できる措置を講ずるべきではないかと思っておりますが、これについて、高速道路と代替路の関係について伺えればと思います。
○沓掛政府参考人 お答え申し上げます。 災害などによる通行止め発生時において、道路交通を確保することは重要だと考えております。 今後、薩た峠周辺の国道一号におきましては、のり面の防災対策を進めつつ、災害などによる通行止めが発生した際には、東西の人流、物流への影響を最小限とするため、高速会社や周辺自治体などの他の道路管理者と連携した迂回路設定や周知、円滑な誘導などの実施に加えて、周辺交通への影響が大きい場合などにおいては、迂回車両を対象とした並行する高速道路の無料措置など、既存の道路ネットワークの活用を最大限に図りながら、道路交通の確保に努めてまいります。
○田中(健)委員 最大限活用を確保してくれるのはありがたいんですけれども、今回は二十四時間通行止めになったにもかかわらず、東名高速道路は対象区間の無料措置にはなりませんでしたけれども、これについては何か理由があったんでしょうか。
○沓掛政府参考人 お答え申し上げます。 高速道路の無料措置の実施につきましては、災害等の発生により道路の通行が困難となり、その代わりとして高速道路の通行を余儀なくされる場合におきまして、周辺道路の混雑などの影響の大きさ、社会経済活動への影響の大きさ、またさらに通行止めとなる期間の長さなどを総合的に勘案し、通行止めとなる道路の管理者が判断した上で高速道路会社に要請をすることとなります。 今回、のり面のコンクリートが剥離したということで、当初、一日二十四時間かけずに短い時間でできるのではないかというふうに思っていたんですが、その後、ちょっと浮きを落としたりやっているのに時間がかかったものですから、その間に、通行止めとなる期間の長さ、その判断を少し、迂回路の設定ということで対応していたことから、今回は高速道路の無料措置はしておりませんでした。 いろいろな事例を見ながら、東西の交通の重要な区間が途絶えることがなく、しっかり対応できるようにしてまいりたいと思っております。
○田中(健)委員 いろいろな条件がありまして、総合的に判断するということでありましたけれども、過去の例を見てみますと、無料通行の措置にした例というのは、国道の二四六の、これも同じようなのり面崩壊に伴って新東名、東名の一部区間の代替無料措置が実施されたこともありますし、また、国道十号という道路におきましても、通行止めに伴い、これは九州ですけれども、東九州自動車道で対象区間の無料措置が実施された例もあります。 今回のように、やはり国道一号線という日本の大動脈、要所だという認識もいただきましたけれども、これが長時間止まって、しかも周辺の一般道路、私も体験したように深刻な渋滞を起こしていましたから、是非、今回は本来、清水インターチェンジから富士川ないしは富士のインターチェンジまで代替路の無料を私は検討すべきであったというふうに思っておりますので、そこは申し添えておきたいと思います。 また、是非前向きに検討してもらいたいのは、今、様々な総合的な判断と言いましたけれども、何か事前にルール化すべきではないかなとも思っています。あらかじめ、こうなったときにするという前提を決めておいて、もちろんそれに全て当てはまるかどうかはその場の判断もありますけれども、そうしないと、地元の人から、何で今回はならなかったの、東京ではなったのに、九州ではなったのにというふうに言われたときに、それは国の判断だというだけではなかなか理解を得られませんので、そのような、ルール化とまでは言いませんけれども、基準というのは設けられないかなと思いますが、いかがでしょうか。
○沓掛政府参考人 お答え申し上げます。 先ほども答弁させていただきましたが、現在、高速道路の通行を余儀なくされるような災害が起きた場合、周辺の混雑、あるいは社会経済活動への影響、通行止めの時間など、いろいろ総合的に勘案してというふうになってございます。 委員御指摘のように、ルール化するということで早く判断するというメリットもありますが、柔軟に対応するということもまた一つ大事なことかとも思っておりまして、いろいろな場合、その時々の状況に応じて、今、個別に判断するような形を取ってございます。 いずれにしましても、周辺交通への影響が大きい場合などにおきまして、迂回車両を対象とした並行する高速道路の無料措置など、既存の道路ネットワークの活用を最大限図りながら、道路交通の確保に努めてまいりたいと思います。
○田中(健)委員 ありがとうございます。 是非前向きに検討していただいて、スムーズに対応ができるような環境を整えていただきたいと思います。 それでは、ここから牧野大臣に伺いたいと思います。 防災庁設置法案の議論では、防災庁が司令塔になると説明されています。しかし、司令塔というなら、やはり、発災後に情報を集めるだけでなく、先ほども言いましたが、事前防災に力を入れていただきたいと思います。 今回のような例えば交通急所であれば、平時からこれを把握をし、また、国交省が今担当しておりますが、国交省任せだけでなく、防災上の観点からも、例えば優先順位をつけるだとか、また、国土強靱化の中でも位置づけられていますが、この対策が本当に進んでいるのかの点検をするだとか、必要であれば関係省庁にも後押しをし、改善も求めていく、これまでやって私は初めて司令塔と言えるんじゃないかと思っております。 そんな中で、今回の事例を踏まえ、防災庁は、全国のこのような交通急所、恐らく全国各地にあるかと思います、また、インフラの急所を洗い出して、ここが止まれば、救助や避難、物流、医療、いろいろなものに関わりますけれども、重大な影響が出るという箇所を把握をしてリスト化をして、省庁横断で対策を進める役割というのを担っていただければと思うんですが、役割を担う、そのような覚悟と意思はありますでしょうか。
○牧野国務大臣 田中委員の御質問にお答えをしたいと思います。 まず、この富士由比バイパスの件は後でちょっと申し上げたいと思いますけれども、こうした道路のインフラ整備については、引き続き、国土交通省など関係省庁において、防災も含めた様々な観点から、それぞれが有する専門性を生かしつつ取り組んでいくことを想定しております。その上で、防災庁が一段高い司令塔となって、関係省庁と連携し、防災の観点から、事前防災の取組を政府一丸となって推進していかなければならないと思っております。 その上で、これまで田中委員が御質問された箇所について申し上げると、私も常々、薩た峠の周辺について言えば、本当に、一号線も東名も走っておりまして、これは言うならば、日本の首都圏から名古屋圏、中京圏までの間の大動脈だというのは間違いないと思います。その上で、私が言うのもどうかと思いますが、台風のたびに高波が来たりして通行止めになっているということがもう何十年も続いていますので、ここは本当に局地的にちょっと何とかしなきゃいけないところではないかというのは個人的には思っております。 それと、今、私、国土強靱化担当大臣も務めておりまして、防災庁設置準備担当大臣と両方兼ねているんですが、それぞれの会議をやっていると、これはお互い表裏一体だなと思っておりまして、情報が、国土強靱化推進室というところは、国交省だけじゃなくて文科省だったり各省庁にまたがって、それぞれが国土強靱化の中で推進が特に必要な施策というのを出してきてもらって、それをまとめて国土強靱化推進室が財政当局と交渉するんですけれども。 ですので、そういう過程の中で、これから防災庁とそういう国土強靱化推進室、また各省庁と、予算要求のときでもやはりいろいろな情報交換をすることによって事前防災が更に強まっていくんだなというのは今実感として思っておりますので、これから、実際にはこの法案が通って、それから設置される防災庁でございますけれども、そうしたこともちゃんと頭の中に入れながら準備を進めていきたいと思っております。
○田中(健)委員 ありがとうございます。 まさに地元ですので何度も通られていらっしゃって、その重要性とまた危険性というのは分かっていただいておりますので心強く思いますけれども、何十年もこれは続いておるところですので、是非、力を合わせて、日本のまさに言っていただいたように大動脈としての対策を進めていただければと思っています。 さらに、国土強靱化の担当大臣でもあられるということで、まさにどのような防災庁との関わりの中でこれを進めていくのかということをお聞きをしたいと思います。 防災庁の取組としては、やはり勧告権ということを何度も議論されてきました。私も前回の質疑でも質問をしましたが、やはり勧告権を持たせるということは、単なる情報共有ないしはお願いではなくて、必要な場合には各省に強く改善を求めていける、意見が言えるということであります。 ですから、今回のような、交通急所であり、通行止めの深刻な渋滞が長く続いているこのような場所、薩た峠周辺は、国土強靱化計画上も、道路ネットワークやのり面対策、また、資料をつけさせていただきましたが、道路ネットワークの機能強化対策、いろいろな位置づけの中で対策が取られてきたんですけれども、こういうものを例えば防災庁が前倒しをして取り組むべきだ、大臣も今、個人的には早く取組を進めるべきだと言ったんですけれども、そういったことに勧告権を使うことができるのかということをお聞きをしたいと思います。
○牧野国務大臣 お答えをいたします。 繰り返しになるかもしれませんけれども、防災庁が主導して、自治体と連携してインフラの状況などを踏まえた地域レベルでの災害リスク評価を推進するということが、これからの地域防災の中でのまずスタートラインだと思います。 その上で申し上げると、地域レベルの災害リスク評価もすごく大事でありますけれども、先ほど委員が御指摘されてきたああいう国の直轄事業というのは、地域レベルの災害リスク評価というよりも、むしろ国の各種事業の中のリスク評価ではないかと思います。 そうしたことも併せて評価をしていかなきゃいけないと思いますし、そして弱い部分があるということが分かれば、それを、必要に応じて、勧告権も背景にして、各関係省庁に優先すべき対策として実施を働きかけていかなきゃいけないというふうに思っております。
○田中(健)委員 ありがとうございます。 地域レベルの災害リスク評価ということがまず防災庁の役目でありますが、国の直轄事業については、そのまた更に上の段階でやっていただけるということですが、更に具体的にお伺いしますと、国土強靱化の中で、例えば今回取り上げましたのり面ですが、皆さんにお配りした資料の中に、四十三、国土交通省の土砂災害防止対策として掲げられています。しっかりKPIがあって指標があります、目標年次がありまして、これについては、緊急輸送道路十一万キロののり面、盛土における三万四千か所を洗い出しをしまして、これに対して現在が六七%の対策、そして令和五年の六七%が令和十二年度には七六%、最終的には令和三十六年度に一〇〇%にするという目標が示されています。 これらの進捗状況を管理し、また後押ししていくのも防災庁の役割かというのをお聞きしたいんですけれども、つまり、これらは国交省の事業として掲げられていますが、それを防災庁は横から見ているだけではないと思いますが、それとも、防災上の優先順位、今言っていただきましたけれども、進捗状況までの管理も含めて提言をし、また後押しをしていくのかということも大臣の認識を伺えればと思っています。
○牧野国務大臣 お答えをいたします。 今、田中委員がおっしゃった進捗率等については、国土強靱化の中でKPIを見ているのは内閣官房の国土強靱化推進室の方だと思います。 ただ、私が先ほど申し上げたのは、防災と国土強靱化というのは表裏一体だと思いますので、これまでもやってきたとは思いますけれども、更に進めて、情報の共有、そういう進捗率も含めてこれをやることによって防災にとってみると非常に強化できるというような、やはりそこの情報共有はしていかなきゃいけないと思っていますので、これから防災庁を設置して、さらにスタートしていく中で、そうしたことをやはりやっていかなきゃいけないんだというふうには思っております。
○田中(健)委員 ありがとうございます。 今のところは大変重要なところだと思っています。表裏一体ということを言っていただきましたが、両方がしっかり協力してやるために防災庁がしっかり司令塔になるということでありますから。 国民が今回の防災庁で知りたいのは、防災庁ができたら現場もどのように変わるのかということでありますので、今までですと、これは国交省が判断します、また、先ほどの無料化についてはNEXCOと調整します、自治体とも連携します、そういうふうな縦割りで進んできましたけれども、それで終わるのであればこれまでと変わらず、やはり司令塔とは言えないと思います。 もう最後の時間となりましたので、是非、最後ですが、防災庁というのは、発災後の司令塔だけでなく、また、道が止まってから、今回のような事件が起きてから考える防災ではなく、止まる前に先手で手を打つ防災、それを進める司令塔になるということの理解でよろしいかということと、最後に牧野大臣の決意を伺って終わりたいと思います。お願いします。
○牧野国務大臣 お答えをさせていただきます。 当然、防災庁ができても、午前中の質問でもお答えをしましたけれども、全て何から何までできるだけの人員と予算があるわけではありませんので、どこまでと言われても今の段階で何とも申し上げようがないとは思いますけれども、防災庁としては、一番の基本である各省庁、そして都道府県、市町村、そうしたところをつなぐ中で最大限の努力をしていく、そして、その中で事前防災の観点でできることは全てやっていく、そういう覚悟の上で防災庁というのは機能を発揮していかなきゃいけないというふうに思っております。
○田中(健)委員 ありがとうございます。 先日の参考人質疑の中でも、事後で起きて大きな被害が来るよりも、やはり事前にどれだけ対策ができるかが防災庁で大きく問われているという発言がありましたので、是非、事前防災に皆で力を合わせて取り組んでいきたいと思います。 以上で終わります。ありがとうございました。
○関委員長 次に、佐々木真琴君。
○佐々木(真)委員 本日も質問の機会をいただきました国民民主党・無所属クラブの佐々木真琴です。よろしくお願いをいたします。 まず冒頭ですけれども、私の地元でもあります岩手県大槌におきまして山林火災が発生をいたしておりまして、皆様もニュースを日頃から見ていただいていると思います。それへの御対応に当たられている全ての皆様に心から敬意を表したいと思いますし、私も日曜日にも現地におりましたけれども、今もなお残火処理、残った火の処理に奔走されております。私が日曜日、地元の方とお話ししていたときも、ちょうど残火処理の出動依頼が来たから今から行ってくるねと言って、対応に当たられております。 また、皆様に是非知っておいてほしいことが、大槌は漁師町でもありますので、漁師の皆さんは消防団の方がとても多いですので、ワカメの一番盛り上がっている時期に消防活動に当たっておられましたし、本来であれば、ウニの口開けといって、ウニの漁が四月二十七日から始まる予定だったんですけれども、消防団員として皆様は地域の活動をされておりますので、それも二度延期をして、やっと五月八日からウニの漁も解禁されたといったところで、何とか、日常の仕事を抱えながらも、地域の一員として地域を守るために日々対応されている皆様がたくさんいるんだというところ、皆様にも是非とも心を寄せていただきたいなと思いまして、共有をさせていただきました。 また、何度も大槌に入りまして、現地で踏ん張っている皆様からお話を伺ってまいりまして、そこで改めて感じたことが、山林火災というものの災害が、やはり、我々が今まで経験してきた地震であるとか津波であるとか、そういった災害とすごく別の災害なんだということを学んでまいりました。 それが、大きな要因というか、大きな一つの特徴としては、町全体の機能が止まるというよりかは、動いている日常と非日常が同時に並行して起きているというものが山林火災の特徴であると思います。 すなわち、仕事もありますので、皆さんは仕事も行かれておりますし、スーパーも開いていますし、割と日常は続いているんですよね。一方で、避難指示はありますので、避難所は開設されていて、避難所にいらっしゃる皆様もいる。でも、学校は止まっているということで、親御さんは仕事に行くんだけれども、子供は本当に学校がないので居場所がないみたいな感じの状態が発生をしておりました。まさに、町は動いているが、子供たちだけ時間が止まっているというような現実がありました。 また、近年、災害を取り巻く状況そのものも大きく変わってきていると思います。避難所に集まるということだけではなくて、在宅避難であるとか分散避難であるとか、ちょっと遠くに広域で避難をされていくなど、様々な避難の在り方、広がってきております。また、全国で山林火災が相次いでおりますので、それと同時に、先日の三陸沖では後発地震注意情報という新たな制度も動きながら、災害対応そのものが新たな局面に入ってきているなと思います。 ですので、それらも含めて、この防災庁設置法案の議論というものが、組織改編の話ではなくて、これからの時代の災害に国としてどう向き合っていくのかを問う非常に重要な議論だというふうに捉えております。 災害現場ではその都度多くの学びがございますけれども、学びと言うと聞こえはいいですが、その時々で見つけられた課題であると思っております。それらの課題に対してどうやって連携をして対応していくのかが、まさに今回私たちが議論している防災庁の中で、省庁を超えてその隙間に落とさないような対応をしていく、とても大切な気づきであると思います。 だからこそ、今こうやって皆様とともに議論させていただいておりますし、必要な支援を機動的につないでいく実行力を持った司令塔であるべきだと考えておりますので、それらについて、具体的な事例も用いながら、防災庁の議論に資する議論を今回もさせていただければと思います。 まず一点目ですけれども、今回の大槌町では、火災の鎮圧の前でありましたけれども、一部地域の避難指示の解除を行いました。山林火災は、延焼範囲もすごく広くて、鎮圧、鎮火まで長時間を要するということもございます。そのため、完全に鎮火をするまで解除しないという整理だけではなくて、住民生活への影響とのバランスも見ながら解除をするというタイミングを見てもらったんだと思います。 風向きや飛び火によって状況が急変するリスクもある中で難しい判断であったと思いますけれども、山林火災における避難指示の解除について、現状、どのような基準や考え方で整理をされているのか、自治体の判断を国としてどのように支えているのかについて伺ってまいります。自治体が地域住民の安全確保とのバランスを取りながら判断できるようにどのような助言であるとか支援を行っているのか、お聞かせください。
○門前政府参考人 お答えいたします。 避難指示を含む避難情報の解除については、災害対策基本法六十条第五項において、「市町村長は、避難の必要がなくなつたときは、直ちに、その旨を公示しなければならない。」と規定されております。 山林火災については、避難の長期化が住民生活に与える影響も踏まえつつ、急激な延焼拡大の危険があること等を考慮した慎重な判断が求められるところです。 例えば、消防機関が山林と市街地の間に延焼阻止線を構築し、十分な水利を確保の上、消火活動を行うこと等により、火勢に対し消防力が優勢な状況を維持し、民家への延焼のおそれがない状況に至り、住民の安全確保が図られた場合には、避難指示解除の判断が可能と考えられるところです。 今般の大槌町林野火災の場合には、大槌町長が、延焼拡大の危険がなくなる鎮圧の判断を待つことなく、民家への延焼のおそれがなくなったこと、道路の通行の危険がなくなったことをもって避難指示解除の判断を行ったところであります。 消防庁におきましては、現地にリエゾンとして派遣した職員も通じて、大槌町、地元消防機関及び緊急消防援助隊等と火勢や消火活動の状況について緊密な意思疎通を行い、適宜助言等を実施したところでございます。 今後とも、大規模災害の発生には、地元自治体等に対し適切な支援を行ってまいります。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。 では、次に、火の取扱いについて伺ってまいります。 今年の一月一日から、林野火災の予防を目的とした林野火災注意報、警報の運用が始まっております。今年の一月にこの運用が始まって一番最初に発令されたのも、私の地元、宮古市、山田町、岩泉町、田野畑村に初めて出されたというふうに記憶いたしております。 一方で、現場では、今回の大槌の山林火災の際、私、現場の付近をたくさん通っていたんですけれども、普通に当たり前に野焼きをしている状況がまだまだたくさんございます。そのときには警報がしっかり出ている状況なんですけれども、やはり、そもそも新しい制度が始まったというところを周知し切れているのかなというところであるとか、農業用地の皆様は確かに農業の観点で必要だというところも理解するんですけれども、乾燥や強風が重なる状況で、一つの火が大規模火災にこのようにつながりかねませんので、抑止力という観点でどうなんだろうなというところも現場で感じていたところです。 そこで伺いますけれども、この林野火災注意報、警報の運用状況については今国としてどのように把握していらっしゃるのかということ、また、乾燥、強風時における野焼きや野外での火の使用について、自治体任せにせず、国としてどのような注意喚起であるとか指導強化を進めていくお考えなのか、お聞かせください。
○門前政府参考人 お答えいたします。 林野火災警報、注意報の発令については、全国の消防本部等から直接総務省消防庁宛てに発令状況を報告いただき、国として把握をしているところです。 また、林野火災警報等の制度も含めた屋外での火の使用に関する注意喚起につきましては、総務省消防庁において、SNS、動画広告などインターネット媒体を中心とした政府広報の活用、記録的な少雨時における林野火災への注意喚起のための気象庁、林野庁との合同記者会見の実施、消防庁Xを用いた乾燥時などの注意喚起、住民等への周知のための広報チラシの作成を行うなど、自治体等と連携しながら、国としても積極的な広報、周知に努めているところです。 なお、林野火災警報等が実際に発令された際には、地域に根差した自治体が防災行政無線等による広報を行うとともに、警戒パトロール等による防火指導の強化を行うことを求めております。 今後とも、自治体等と緊密に連携し、林野火災警報、注意報の効果的な運用や広報啓発活動の強化等を通じて、林野火災予防の実効性を高めてまいります。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。 地域の皆様は、やはり今回大槌で大規模な山林火災が発生したので、私たちの地域で絶対に火事を出すまいと皆さん気をつけながら生活している一方で、でも、そういう方もまだいっぱいいるという状況で、なかなかもどかしい状況でしたので、私たちも周知に努めるとともに、よりよい体制を構築していくことができるといいなと私自身も思っているところです。 では、続いて、学校の再開と教育の継続についての質問に移りたいと思います。 今回の大槌町の山林火災では、先ほど申し上げましたとおり、スーパーも開いておりますし、町も通常営業をしているという状態で、学校だけ動いておりません。 その中で、どういった子が特に困っているかというと、まさに、自治体職員さんのお子さんであるとか、介護福祉施設で御両親が働かれていて、そういった施設の皆さんは招集がかかりますので、そういった子たちも居場所がなくなっている。また、消防団に入っていらっしゃる方のお子さん、消防隊員として働いている方のお子さんみたいな方がまさにとても居場所がなくて困っているという状況を伺ってまいりました。その中で、子供たち自身も、居場所のない中で、友達にも会えず、外は煙がいっぱいで、非常に不安な生活を強いられていたなというふうに思います。 現地で話を伺う中では、学校の再開が難しかった理由としては、煙の影響により子供たちに屋外活動させにくいであるとか、避難指示区域があったということが大きな要因であったと聞いております。一方で、逆に言えば、この状況をクリアできれば学校は続けられたんだよねというところも、今、教育長であるとか町の教育機関の皆様が連携しながら、今後に向けて、じゃ、こういうときはどこで学校をやろうかという話も進めていらっしゃるところであります。 山林火災が、地震や津波のように町が一斉に止まる災害とは違って、機能が動いている中で、どのように安全確保を前提としながら教育を継続するか、学校を再開するかという判断を、地域の教育委員会が、教育長が判断していくということになりますけれども、よりよい形で再開を決断できる体制を整えていく必要があるかなというふうに思っております。 今、国としては、林野火災時における学校再開の判断について、安全確保と教育の継続の両立の観点からどのようにお考えなのかという点、あわせて、学校の継続という観点で、ほかの場所で学校を開けられないのかというような代替施設の事前整理など、災害時における教育継続体制の構築についてどのようにお考えなのか、お聞かせください。
○橋爪政府参考人 まず、学校再開の観点からお答え申し上げます。 大規模な自然災害等が発生した際に在校する児童生徒等の安全を確保することは学校の重要な責務であるとともに、児童生徒等の安全が一旦確保された後は、その後の対応や対策についての方針、具体的業務内容を決め、教育活動の継続について決定していく、これが重要だと考えてございます。 「「生きる力」をはぐくむ学校での安全教育」という資料がございまして、この中で学校における安全管理の考え方についても示してございますが、その中で、教育活動再開の時期の決定に当たりましては、教育委員会等と児童生徒等及び通学路、施設等の状況を総合的に判断するとしてございまして、山林火災の場合にも同様に対応いただくこととなる状況でございます。 このような判断が山林火災も含め災害時に適切に行われるように、文部科学省といたしましては、日頃から学校等からのニーズに応じて研修のための専門家派遣などの支援も行ってございまして、こうした取組も活用しながら、自治体や学校と連携して取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。
○金光政府参考人 代替施設についてお答え申し上げます。 実際に自然災害が発生した場合において、どのような施設をどのように活用できるかなどにつきましては、災害の種類や地域の実情、被害の状況などに応じて判断する必要がございます。このため、文部科学省から一律に各学校の設置者に対してあらかじめ活用可能な施設を整理しておくことまでは求めているわけではございませんが、災害の影響が長期化する場合、代替施設を活用して学校教育活動を再開することは極めて有効な手段だと考えてございます。 文部科学省におきましても、学校の危機管理マニュアル作成の手引におきまして、校舎を使えない場合は他校を使用することも検討するなどの記載を設けているところでございます。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。 今御答弁いただきました別施設を活用した教育継続というところも実際に大槌の現場では検討されたようなんですけれども、じゃ、どこがあるかなと思って現地を見てみると、広い公民館とか体育館とか、そういった公的な施設は消防の皆さんの拠点になってしまっていたので、場所がなかったんですよね。なので、だからやはり事前に決めておく必要があったねという学びを、大槌の教育長を始め皆様は今回学びを得たところだったので、今後のために今から計画を新しく作っていこうかな、作り直そうかなという話も教えてくださいましたけれども、今回の大槌の経験を大槌だけの学びにせず、今回こういうことがあったので、事前に皆さんで、こういうときはこういう施設が使えるかもしれないねというところを話し合っていくというようなところにも進めていけるとよいのかなと思ったところでした。 では、続いて、学校ではない避難所等における子供の居場所について視点を移したいと思います。 私自身も、十四歳のときに東日本大震災でしたので、まさに当時、子供として避難所におったわけですけれども、そこで感じたことも、本当に居場所がなかったなということですけれども、大人の皆さんは大変頑張ってくれたなとも同時に思っています。 今回も、大槌の子供たちの居場所を見に行かせていただいたんですけれども、ちょうど私が現地に入ったタイミングで、教室のような狭い場所でボードゲームとかカードゲームをしていたようなところから、武道場、格技場のような場所に移動したタイミングでして、子供たちが元気いっぱいに走り回っていたりとか、椅子取りゲームをしたりとかという状況のタイミングだったんです。これに対しても、やはり今回、山林火災で外が空気が非常に悪くて外では遊べない、でも体は動かしたいというような、特にその場にいたのは小学校低学年、中学年の子が多かったですけれども、そういった子たちに対しても最初から何とかこういう環境を整えてあげることができたらなおよかったなと現地の皆様も私自身も考えさせられたところでした。 子供の居場所があるかどうかというだけではなくて、もう一歩更に踏み込んでいただいて、どのような環境で過ごせるのか、子供たちが日常になるべく近い状態で、遊びたい子は走り回って遊べるように、勉強したい子は勉強できるようにというようなところまでやはり私たちは丁寧に考えていかないといけないんじゃないかと思っております。 災害時における子供の居場所の確保について、子供たちが体を動かせる空間や学習環境を含め、より日常に近い環境をどのように確保していくかという視点について、どのように今考えていらっしゃるのか、整理しているのか、お聞かせいただければと思います。
○横山政府参考人 災害時の子供への配慮でございますけれども、例えば、避難所に関するガイドラインにおいて、キッズスペースや学習のためのスペースの設置を発災直後から自治体に求めているというような取組をしてございます。 加えて、子供を含め配慮が必要な人の状況を把握するため、本人や家族からの聞き取りを求めており、こども家庭庁が作成した「災害時のこどもの居場所づくり」手引きにおいても、子供や保護者がすぐに相談できる窓口や意見箱を設置すること、あるいは、子供や保護者のニーズを把握した上で、災害時の子供の居場所をどこにどのように設置するのがよいかを検討することなどとされてございます。 防災庁においても、本手引を周知するとともに、それが実際の現場に浸透するようにしっかり取り組んでまいりたいと思ってございます。その際、こども家庭庁等とも連携しながら取組を進めてまいりたいと考えてございます。 今回の山火事のような事例が、この手引において典型的に想定されている災害とちょっと違うんじゃないかというような御指摘もいただきました。まだこの現場は鎮火に至っていない状態なので、今日も御示唆もいただきましたので、どういう状況だったのかも含めて、関係省庁とも連携しながら実情を学んでまいりたいと考えてございます。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。 あわせて、質問ではないんですけれども、皆さんと共有したいことが、今回、避難所における子供の居場所というところだけだと足りなかったなという学びというか反省も併せてございました。 というのも、今回、日常は割かし動いていますので、避難所に来ている子供にしか子供の居場所を提供するというアプローチができなかったんだよねというところが、実際に教育現場のNPOの皆さんであるとか教育長が、何かもう少し、家で一人で静かにしている子だったりとか在宅避難している子たちの居場所みたいなところに対しても僕たちはもっと手をかけたかったんだけれども、なかなか難しかったというようなところも聞いております。 ですので、冒頭申し上げましたけれども、様々、災害の状況は変わっておりますので、避難所に来るという形、避難所にいる子たちの対応だけじゃないところも私たちはこれから見ていかないといけないんじゃないかなというところも今回学びになりましたので、是非そちらについても併せて確認しながら、次につなげていきたいと思います。 では、続いての質問に移りたいと思います。 次に、消防や自衛隊の皆様の環境支援について伺いたいと思います。 本日の質問のトップバッターの古賀先生からも、国の派遣職員の疲労、環境についての御質問がありましたけれども、ちょっとそこに似たような観点で、現場で活動されている消防隊員の皆様であるとか自衛隊の皆様の入浴であるとか休息環境の確保に苦慮しているという実態を現地の方で聞いてまいりました。 私が現場で温浴施設に話を聞きに行っているときに、ちょうど広域で支援に入ってくださった消防の皆様と意見交換させていただいたんですけれども、水で体や髪を洗っていたので、温浴施設を開放してくれてとても助かりましたというような声を聞かせていただきましたし、その施設を開放している民間の支配人ともかねてからの仲なんですけれども、お風呂につかって上がってくる消防の皆さんの顔がいいから、やってよかったというような声を聞いていたんです。 やはり、現場に入っていらっしゃる消防や自衛隊の皆様は、大変大きい使命感を持ちながら真摯に対応いただいていることも全くそのとおりだと思っております。あわせて、国民の生命財産を守るために最前線で活動されている、その使命感だけに委ねていいわけではないなとも思います。 大槌の住民の皆様からも、何とかもっといい環境で活動してもらえないのかなというようなすごく心配の声もいただいていたんですけれども、いい休息はいい活動につながるわけですので、少しでもよい環境で活動していただくというところももう少し見ていけるといいんじゃないかなというところが今回の学びでありました。 今回の山林火災については、町の機能が一定程度維持をされておりますので、地域のホテルであるとか入浴、温浴施設なども活用しながら、環境整備を中盤からすることができました。 ここで、消防庁と防衛省にそれぞれ伺いますけれども、様々な、緊急消防援助隊であるとか自衛隊が災害派遣に入るとなった際に、入浴であるとか宿泊、休養の環境の確保については現状どのように対応されているのか、お聞かせいただきたいと思います。また、地域の民間の例えば入浴施設みたいなところを利用した際は、そのような費用みたいなところはどのように整理をされているのかについてもそれぞれお聞かせいただければと思います。
○門前政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘のとおり、災害対応に当たる緊急消防援助隊等の隊員の活動環境を整備することは、消防力を最大限発揮するためにも非常に重要なことと考えております。 このため、消防庁では、トイレやシャワー、キッチンなどが備え付けられている後方支援車、簡易トイレや組立て式のシャワーなどを積載した拠点機能形成車、冷暖房装置を有する高機能エアテントなど、長期の消防活動の後方支援を行う車両や資機材の整備を順次進めてきているところです。今回の岩手県大槌町の林野火災においても、トイレやシャワーが備え付けられた車両等を活用しております。 また、今回の林野火災では、市街地への延焼を防ぐため、二十四時間体制で消火活動を実施いたしましたが、緊急消防援助隊の宿営地はトイレ等のある屋内施設を活用するとともに、隊員が交代で休憩を取れるよう、ローテーションを組むなどの配慮を行ったところです。 なお、御指摘ございました、緊急消防援助隊がその活動のために民間施設を利用した場合における経費でございますけれども、国費等で措置されることとなっております。
○上田政府参考人 お答え申し上げます。 防衛省・自衛隊におきましても、災害派遣に従事する自衛隊員が任務を的確かつ継続的に遂行できますよう、委員御指摘のとおり、現地における生活環境の確保及び健康管理に十分留意して対応してきたところでございます。 特に、東日本大震災のような大規模な災害の場合には、自衛隊の災害派遣活動も長期間にわたり実施することがございます。こうした活動に従事する隊員につきまして、食事、休養の確保はもとより、過度な疲労を防止する観点から、適時適切な部隊交代を実施するなど、配慮をしておるところでございます。 その際、災害派遣部隊は、設備、環境が整った最寄りの駐屯地があればそういった駐屯地において宿泊、あるいは、自ら宿営地を設営するなどして活動拠点を設置して活動する場合もございます。そして、委員が御指摘のありましたような、自治体から提供される公共施設等を利用する場合もございます。 入浴施設につきましても民間施設を利用させていただくことがありまして、その際の費用負担につきましては、一般的には、災害対策基本法第九十一条の規定を踏まえまして、自衛隊側と関係自治体、災害派遣の要請を出された県庁等と十分に協議して決めることとなってございまして、今般の大槌町の林野火災におきましても、自治体側から体育館等の提供を受けて宿泊させていただいたり、また、入浴施設として町内の民間浴場の提供を受けたと承知しております。その際の負担につきましては、今回、岩手県側と締結した協定によりまして、自治体側から提供をいただいたというふうに承知しております。
○佐々木(真)委員 御丁寧に答弁いただきまして、ありがとうございます。 皆様が思っているとおり、やはり、よりよい環境で最大のパフォーマンスをしていただくために、環境整備をこれからも注視していくことが大切かなと思ったところです。ありがとうございます。 では、続いて、トイレカーの普及状況について伺ってまいりたいと思います。時間がなくなってきたので、ちょっとはしょりながら行くんですけれども。 今回の災害の際にも、大分老朽化した施設が、城山体育館というメインの体育館がいっぱいになってきたので、一時的に避難所として開放されたところがあったんですが、そこは築五十年を超えている体育館でございまして、トイレも、そのとき水が止まっていてなかなか使えないというところに、私の地元でもあります岩手県宮古市が保有していたトイレカーを大槌町に出すという形で避難所にトイレカーを設置して対応したというふうに聞いておりますし、私も現地に行って確認をしてまいりました。 こういった形で、トイレカーがあるということによって、避難環境をより適正に、よりよい環境へ整えていくことが可能になりますので、普及状況を把握していくことであるとか、全国にどのように普及させていくのかというところは非常に大切だと思っております。 そこで伺いますけれども、国としてはトイレカーの普及状況をどのように把握をしているのか、また、災害時のトイレ環境の改善に向けて、自治体に向けてであるとか、どの程度トイレカーを配備していきたいというふうに考えていらっしゃるのか、どのような方針なのかについてお聞かせいただければと思います。
○横山政府参考人 お答えいたします。 全国の自治体におけるトイレカーの普及状況については、内閣府としても令和六年度と令和七年度の補正予算事業で整備を後押ししてきているところでございます。 具体的には、内閣府が令和七年一月に調査して公表した段階では、トイレカー、トイレトレーラー、トイレコンテナの合計は全国で八十一台、それに加えて、先ほど申し上げた補正予算事業で、各地域でこれから調達するということで申請いただいて採択をした台数が令和六年度補正の関係で三百七十九台、令和七年度補正の関係で百十一台というふうな段階に来ているところでございます。普及はある程度進んできているかなというふうに考えてございます。 一方で、どの程度のトイレカーを配備するのかという点に関しましては、現在、トイレに関して、全体として清潔なトイレを速やかに提供する観点から、地域の実情も踏まえ、時間軸も考慮して、トイレカーだけではなく、携帯トイレや簡易トイレ、マンホールトイレなど様々な種類のトイレをどのように組み合わせて準備するかが重要と認識しているところでございます。 防災庁設置も見据えて、今年度、内閣府においては、まず自治体備蓄に関するガイドラインを策定することとしてございます。備蓄すべき品目やその必要数量等の考え方をお示しする中で、トイレ全般についても、まずは、主に携帯トイレや簡易トイレなど、発災直後から相当数を確保して置いていただかないといけないというものを、備蓄の考え方を整理して、自治体のトイレ確保の取組を促進してまいるという段階でございます。 その上で、避難所の状況や時間の経過に応じてトイレカーも選択肢の一つとなりますことから、トイレカーなどの官民が保有する災害対応車両をデータベース化し、発災後、自治体のニーズに応じて迅速に提供できるようにする災害対応車両登録制度の運用や、本年度予算に新たに計上した防災力強化総合交付金による支援なども組み合わせて、地域ごとのトイレカーの活用方策を支援しながら、他のトイレ備蓄とトイレカーの確保をどのように組み合わせているかの考え方についても、事例を積み上げて、ノウハウの共有を図っていければと考えているところでございます。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。 では、続いて、広域での支援を受け入れる、被災自治体ではなくて、近隣の自治体が支援、バックアップするための支援について伺っていきたいんですけれども。 昨年の大船渡の山林火災の際は、大船渡に隣接している陸前高田市が後方支援の大きな拠点という形になりまして、災害救助に入る大きな車両とかヘリも陸前高田の施設で受入れをしていたんですけれども、すごく重い車両がたくさんありますので、舗装が傷んでしまって、それについて、どうやって直したらいいんだというような課題があったというふうに聞いてまいりました。 その中で、最終的には国の方で予算を見てもらえて修繕することができたということでありましたけれども、当初は、もしかすると、被災した大船渡ではなくて近隣の陸前高田市という別のところになりますので、費用は見てもらえないかもしれないという話があったというふうにも聞いております。 こういった、近隣自治体で受入れをして被害が出てしまった、道路の損傷であるとか施設の損傷が生まれてしまったとなったときに、もし自分の自治体で、自分のところの自治体の費用で直してくださいというようなことであるとか、自治体の負担になってしまうということになると、なかなか、助けたいという気持ちはもちろん皆さん持っていますし、費用負担があるから助けませんということにはもちろんならないんですけれども、ちょっと頭の片隅で、自分たちのところで費用負担となったらどうしようかなと思いながら対応に当たらないといけないのはちょっと心苦しいんだという声を地方から聞いております。 ですので、質問としては、国として、広域支援であるとか、近隣の自治体で支援を受け入れる際に、その受け入れた施設であるとか道路であるとかが損傷した場合の負担についてどのような課題認識を持っているのかであるとか、受入れ自治体側の施設に損傷が生じた際に費用負担や補填などの仕組みが整理をされているのかについてお聞かせいただきたいと思います。
○門前政府参考人 お答えいたします。 緊急消防援助隊の活動のために要した経費等については、国費等で派遣元の自治体等に措置されることとされております。 委員御指摘の、緊急消防援助隊が被災地等において活動する中で自治体等が管理する施設を損傷させた場合の修繕費用につきましても、緊急消防援助隊の活動のために要した経費として措置されることとなります。 引き続き、緊急消防援助隊の的確かつ迅速な活動が確保されるよう、適切に対応してまいります。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。 本日は、時間が来たので終わりますけれども、ほかに通告していて答弁いただけなかった皆様、大変申し訳ございません。 今回、具体的な例を持ちながら議論させていただきました。やはり、今回防災庁ができるということによって期待している一番の部分は、その隙間で落とされてしまっていたところを、今回防災庁ができて、横軸でやっていくことができることになってカバーすることができる、漏れていたところが漏れなくなっていくことを各自治体の皆様であるとか地域住民はとても大きく期待をしておりますので、そこについて更にこれからも議論を深めていきたいと思います。 本日はありがとうございました。
○関委員長 次に、工藤聖子君。
○工藤(聖)委員 参政党の工藤聖子でございます。 本日も、質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。 防災庁設置法案についての質問になりますが、今回は、地方の深刻な問題であります被災地における人口流出を防ぐ観点から、法による地方支援、それから住宅再建の財政的支援、なりわいへの財政的支援、そして郷土愛を育む教育における地方の支援、法と家と仕事と心ということをどう支援していくかという観点から伺ってまいりたいと思います。 前回の委員会で伺った点も視点を改めてお尋ねすることもありますが、防災庁の設置という大きな節目を迎える中で、もう一段深く議論していきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 まず初めに、国による地方自治体への支援について伺います。 ここは法による地方の支援に当たりますが、政府の防災立国の推進に向けた基本方針では、防災庁の重要な役割として、地方自治体の防災力強化への支援が明確に位置づけられております。 これに関して、前回の委員会において私は、政府自らが基本方針で自治体支援を明確に掲げているのであれば、防災庁設置法案においてもその所掌事務に国による支援を明記すべきではないかという質問をいたしました。 これに対して大臣からは、国の災害対策は災害対策基本法に基づいて行われるものであり、同法の基本理念にのっとって市町村の防災体制の整備を推進することは防災庁の所掌事務に含まれる、したがって、防災庁設置法案の条文にあえて支援という文言を明記する必要はない、おおむねそういう説明があったと認識しております。 その上で、改めて確認いたします。 本日、資料をお配りしております。災害対策基本法と防災庁設置法案、さらに、類似の法体系である東日本大震災復興基本法と復興庁設置法を対比したものでございます。 まず、表面、基本法の比較、災害対策基本法と東日本大震災復興基本法と書いたものが表になりますが、そちらを御覧ください。 基本法の比較、すなわち、災害対策基本法と東日本大震災復興基本法は、基本理念や、国と地方公共団体の役割分担、国の責務などの規定の仕方において共通の構造を持っております。 他方で、裏面を御覧ください。 それぞれの組織設置法における第四条の所掌事務を比較すると、左側のピンクのところ、所掌事務、星マークをつけておりますが、まず、左側の防災庁設置法案には、国の支援は明記されておりません。防災庁設置法案における防災の定義には復興も含まれておりますので、同じ復興を扱う二つの法律、つまり復興庁は東日本大震災からの復興を担い、防災庁はそれ以外の災害からの復興を担うことになりますが、双方で国の支援に関する法的根拠の有無に差異が生じることとなります。すなわち、東日本大震災からの復興については法律上の明確な根拠に基づいて国の支援が行われる一方で、能登半島地震を始めとするほかの災害ではその根拠が明確ではなく、解釈に委ねられるという差が生じることになるかと思います。 このような法体系上の不整合について政府としてどのように御説明されるか、立法技術の観点から、大臣に御見解を伺いたいと思います。
○牧野国務大臣 工藤委員の御質問にお答えをしたいと思います。 私、何回も申し上げておりますが、防災庁設置準備担当大臣とともに復興大臣でありますので、今両方の法律、設置法の比較をされて御説明をされたということで、お答えをしたいと思います。 まず復興庁の話をすると、復興庁というのは、東日本大震災並びに、福島に関して言えば、東京電力福島第一原発事故、両方の復興でございますが、その復興に特化した組織でございます。それに対して防災庁というのは、復興はもちろん入っておりますけれども、災害予防、そして災害応急対策、災害復旧という、防災に関しまして幅広い事務を所掌するという組織でございます。ですので、どうしてもお互い、それぞれの設置法でも規定ぶりについて差異が生じてくるということだと思います。 また、現在の内閣府防災担当が発展改組されて防災庁になるわけでありますけれども、現在の内閣府防災担当におきましては、令和六年の能登半島地震など東日本大震災以外の災害の復興について所掌しております。委員御指摘の関係地方公共団体が行う復興事業への国の支援の規定については、内閣府設置法にはその規定はございません。その上で、防災庁設置法の所掌事務の規定は、現行の内閣府設置法に合わせて規定をしております。 国の災害対策というのは、防災庁だけではなくて、関わる全ての省庁が災害対策基本法に基づいて行うものでございまして、その法律の中で、国は地方公共団体が処理する防災に関する事務の実施の推進を行うことを、国の責務、これは各省庁合わせて国の責務として定めております。 ですので、防災庁は、こうした災害対策基本法の規定を踏まえて、被災自治体の復興に関係省庁とともに連携をして、政府一体となって取り組んでまいります。
○工藤(聖)委員 ありがとうございます。 防災庁だけでなく、関係する省庁と合わせてみんなで連携してやっていくという御回答だったかと思いますが、自治体の皆さんからすれば、防災庁に期待することはすごく多いと思いまして、自治体の皆さんが法律を読んだときに、自分たちの地域の場合は国はどこまで支援してくれるのかという極めて素朴で切実な疑問が生じても不思議ではないと思いますので、法制度としての整合性もしっかりと図られ、また地域の方にも分かるように、自治体の皆さんにも分かるような法整備というのが必要なのかなというふうに思っております。 その上で伺ってまいりますが、前回の委員会では、防災庁の司令塔機能という言葉について、政府からは、これは国の省庁間を束ねる機能であり、国と自治体との関係を変えるものではない、また、災害対応の一次的な主体は引き続き市町村であり、大規模災害時には都道府県や国が支援するとの御回答がありました。これは災害対策基本法の枠組みが変わらず維持されるという趣旨のものと理解しております。 ただ、そうであるならばなおさら、従来の国と自治体の役割分担を前提とした上で、政府の基本方針にも明記されている自治体支援について、これを防災庁の所掌事務として明記することに法的な矛盾や不都合はないかと思います。何より、防災庁設置法の目的は、先ほどの資料の裏面にもありましたとおり、第一条、防災庁の任務を達成するために必要となる明確な範囲の所掌事務を定めることとされております。所掌事務を明確に定めることが目的の法律で、防災庁の重要な機能である自治体支援を所掌事務に明記しないということが、法律の目的との整合性を問われるのかと思っております。 近年の立法では、実施する意思はあるけれども条文には書いていないという整理がしばしばあるように思っております。しかし、本法案においてこうした重要な部分が明文化されないままでは、自治体にとってのよりどころが不明確になりかねません。実際、自治体の方々の声を伺いますと、防災庁は何をどこまでやってくれるのかという点を気にされる方は多くいらっしゃいます。首長さんでもこのような声を上げていらっしゃる方もいらっしゃいます。政府の基本方針では明確に自治体支援を掲げながら、法案の条文には支援の文言が見当たらない、これでは、現場で日々奮闘しておられる自治体の皆さん、また、国の本気度や覚悟が十分に伝わらないのかと思います。 自治体は国の支援を必要としております。だからこそ、国が自治体をしっかり支えるという意思や覚悟を解釈ではなく法律の条文として明確にすべきではないかと私は考えておりますが、改めて大臣に伺います。 同じ復興を扱う復興庁設置法との整合性を踏まえて、防災庁設置法案の所掌事務に自治体支援を明記するお考えはないでしょうか。何度もしつこくて申し訳ないんですが、立法府である国会の議論の場としてこの法律のことは必要かと思いますので、改めて伺わせてください。よろしくお願いします。
○牧野国務大臣 お答えをさせていただきます。 何度も繰り返しになって大変恐縮でございますけれども、国の災害対策というのは災害対策基本法に基づいて行うものでありまして、防災庁はその災害対策基本法にのっとって所掌事務を行うため、委員の御指摘の内容であります国による自治体支援でございますが、これは防災庁の所掌事務に含まれることになると思っております。 また、防災庁固有の所掌事務として規定されるべきものというよりも、防災庁を含むあらゆる国の機関が行う防災の事務に適用されるべきものであると思っております。これは国による自治体支援ということでありますけれども。 そういうことでありまして、防災庁設置法ではなくて、現行の規定のとおり災害対策基本法に位置づけることが適切だというふうに考えております。 防災庁は、こうした災害対策基本法や防災庁設置法の規定を根拠として、地域の防災力の強化のため、市町村のニーズを踏まえながら、必要な施策を関係省庁とともに講じてまいります。
○工藤(聖)委員 大臣、ありがとうございます。 法的解釈についてはよく理解しましたが、防災庁設置に対する皆さんの期待も大きいものであると思います。被災地で懸命に対応に当たっている自治体の皆様、そしてふるさとでの再建を目指している被災者の皆様に対して、国は逃げないんだ、最後までしっかり支えるんだ、そういう覚悟を条文という形で明確に示していただきたいと思っておりますので、前向きな御検討をよろしくお願いいたします。 それでは次に、こちらも前回の委員会に引き続きということにはなりますが、被災者生活再建支援金について伺います。住宅再建の財政的支援、つまり家をサポートする、支援するということになります。 この支援金は、主に被災した住宅の再建を支える制度でございますが、現行では支給額が最大三百万円にとどまっております。一方で、能登半島地震の被災地である石川県珠洲市が去年十月に示した試算では、住宅建設費は約二千九百万円とされております。現在は資材の高騰などで更に費用が上がっているケースもあるかと思いますが、いずれにしても、支援金三百万円との間に大きな隔たりがあると言わざるを得ないです。 前回の委員会で大臣から、この支援金は財産損失を補填するものではなく、見舞金的な性格であること、また過去の災害との公平性の観点から、拡充は慎重に検討する必要があること等の御答弁をいただきました。 ただ、現場の実態に目を向けますと、別の課題が浮かび上がってまいります。能登半島地震では、発災から僅か二年余りで珠洲市の人口は約二割減少しました。このスピードでの人口減少は極めて深刻であります。地域の方も、このまま珠洲市はなくなってしまうんじゃないかという声も聞いております。その一方で、今年四月に石川県が公表した調査では、約八割の世帯が地元で住まいを再建したいと回答しております。つまり、多くの方が本当は地元で再建したいと考えているにもかかわらず、現実の制度がその選択を十分に支え切れていない可能性があるのではないでしょうか。 そのように考えますと、見舞金という制度上の位置づけはあるにせよ、現行の支援水準が結果として被災者の地元での生活再建を後押しできているのか、あるいは逆に人口流出を加速してはいないのかという点は、しっかり検証する必要があると考えております。 そこで、伺います。 被災者生活再建支援金が最大三百万円にとどまっていることが被災地からの人口流出や地域コミュニティーの維持にどのような影響を与えてきたのかこれまでに効果検証を行っているでしょうか、また、仮に現時点で検証が十分でないのであれば、防災庁の設置を機に、関係省庁と連携しながら、支援制度の効果について、人口流出の抑制や地域機能の回復といった観点から検証を進めていくお考えはありますでしょうか、お聞かせください。
○横山政府参考人 御指摘の被災者生活再建支援金でございますけれども、繰り返しになりますけれども、これは住宅再建を支援するということではなくて、あくまで見舞い的な性格でございます。この個別施策としての効果を検証するということと、人口流出抑制や定住維持のようなことにつながっているかというのは、少し距離があるかなというふうに認識してございます。 災害に対する各種支援策については、生活やなりわいの再建などの個別の政策目的に応じて制度設計されているものが複数あるわけでございます。その一方で、御指摘の人口流出や定住維持等の状況については様々な要因の複合的な結果として生じるものであると考えられるために、ある一つの支援金制度について、これがそういうことに対して効果があるかということを検証するというのは、かなり難しいかなというのが我々の認識でございます。 その上ででございますけれども、能登半島地震の被災地については、発災前から人口減少と高齢化が進んでいる地域であり、こうした状況で大きな災害を受けて人口減少や高齢化が更に加速するおそれが指摘されているところは十分認識してございます。 こうした状況の下で、被災地の復興に向けては、御指摘の人口流出の抑制や定住維持などの観点を踏まえて、よりよい復興を実現する地域の主体的取組を支援することが重要と考えてございまして、防災庁が設立された際には、関係機関と連携して、複数の政策をしっかり総合的に支援していくという取組を進められればというふうに考えてございます。
○工藤(聖)委員 ありがとうございます。 人口流出に対して政府の方でもきちんと危機感を持っているということはよく理解いたしました。 その上で、改めて大臣に伺いますが、被災者生活再建支援制度はこれまで、被災された個人の生活再建を支える仕組みとして設計されてきましたが、大規模災害後の現実は、もはや個人の問題にとどまってはいないのではないでしょうか。支援が十分でなければ、地域の空洞化、コミュニティーの維持の困難、さらには国土保全の問題にまで波及しかねません。実際に、人口流出が進めば、復興計画そのものの実現も困難になるおそれがあります。 ここで、他国の例にも触れたいと思います。我が国と同じく地震が多いイタリアでは、二〇〇九年にラクイラ地震、二〇一六年のイタリア中部地震において、住居用住宅の修復費用を原則として国が全額補償する措置が講じられました。これは、住宅再建支援を個人への見舞いとしてではなく国家の責務と位置づけられているからこそ可能になったものだと考えます。 我が国において、国土の多くが中山間地域であり、かつ、災害が頻発しております。一度地域から人が離れてしまえば、その地域の維持そのものが難しくなり、やがて国土の管理に影響を及ぼしかねません。私ども参政党としましても、地域コミュニティーの再興と、人口減少下での地域社会の一体的な再設計を訴えてきております。その立場からも、極めて重要な課題であると認識しております。 そこで、大臣に改めて伺いますが、被災者生活再建支援制度について、これまでの財産補填か見舞金かという枠組みにとどまらず、地域の維持、さらには国土保全という観点から、資金額の引上げ、国の負担割合の見直しといった抜本的な制度改革に踏み込むお考えはありますでしょうか、お聞かせください。
○牧野国務大臣 お答えをさせていただきます。 何回も繰り返して大変恐縮でございますが、今現在、政府としては、被災者生活再建支援金につきましては、先ほど横山次長がお答えをしたとおりで、同じでございますけれども、いわゆる見舞金的な性格のものである、そしてまた生活再建支援金については都道府県の財政負担もあるということ、そして過去の災害との公平性を考えますと、なかなかその制度見直しには慎重な検討が必要であると考えております。 その上で、工藤委員が御指摘をされているように、元々人口が減少している地域でそうした大きな災害に見舞われて人口の流出が続いて空洞化していくというのは、正直私も、復興大臣として岩手、宮城、福島それぞれに伺って復興の状況を見てきたときに、なかなか元に戻るのは大変だなというのを見てまいりました。 いろいろな事情がございますけれども、その中で、今復興の中でやらせていただいているのは、元に戻すということではなくて、更にその元以上にというか、新たな創造的な復興、そういう捉え方をして今復興に努めているところでございます。人口減少を食い止めるには、元の住民の皆さんに帰還していただくだけではなくて、地域の魅力を新たに生み出して外から移住していただく、そういう努力も今しているところでございます。そうしたものを各自治体がやっているわけでありますけれども、そうした自治体の努力に対して最大限の後押しをしていくことが重要だというふうに思っております。
○工藤(聖)委員 大臣、ありがとうございました。 同じように人口流出のことをよく考えてくださっているということは改めて分かりましたが、お金のこともそうですが、やはり、そこに残りたいと思う気持ちを育むというのがすごく大事かなと思っております。 次の質問に参りたいと思います。教育により郷土愛をいかに育んでいくか、そういう地方の支援はできないかということで、どうしたら地域に残ってもらえるかということを考えて、防災教育について伺ってまいりたいと思います。 現在の学校における防災教育は、主として災害から命を守るという災害安全に重点が置かれております。これももちろんとても大事なことなんですが、しかし、復興に向けて、自らが暮らす地域への愛着や地域を担う一員としての意識を育てるいわゆる郷土教育との結びつきは、まだ十分とは言えないのではないでしょうか。この点は、地域の自主防災組織や消防団の担い手不足といった現状とも決して無関係ではないと考えております。 二〇〇六年の教育基本法の改正では、伝統と文化を尊重し、我が国と郷土を愛することが教育の目標として明確に位置づけられました。また、防災立国の推進に向けた政府の基本方針においても、幼児期からの実践的な防災教育や、学校や地域の連携によるコミュニティー防災教育の推進が掲げられております。 実際に防災教育と郷土教育を一体的に進めている先進的な自治体もあると承知しております。しかし、こうした取組は、現状、各自治体の自主性に委ねられており、全国的な広がりには至っていないのが実情かと思っております。本来、こうした教育は、子供の頃から繰り返し積み重ねることで、地域への責任感とか主体性として根づいていくものだと考えております。 そこで、提案なんですが、防災庁の設置を契機として、災害安全教育にとどまらず、防災教育と郷土教育を一体化させた地域を守る教育を重点政策として位置づけて、浸透を図っていただけないでしょうか。これは、人口減少社会において、復興力や地域防災力の基盤を支える極めて重要な教育戦略になり得るものでございます。 防災庁が関係省庁と連携しこうした教育の実践と定着を長期的かつ戦略的に推進していくお考えはあるか、政府参考人の御意見を伺います。
○横山政府参考人 お答えいたします。 学校を含む地域における防災力を高めていくためには、大事な人とともに助かる力を育むとともに、自分が住んでいる地域における災害リスクや過去の被災、復興の歴史などを子供たちに伝えていくことが重要でございます。委員御指摘のような防災の取組に地域への愛着や郷土教育といった視点を取り入れることは、有効ではないかというふうに考えてございます。 内閣府では、コミュニティー単位での防災力の強化を目的とした創意工夫ある取組を支援するコミュニティー防災教育推進事業を進めてございます。中学校、高校、大学生が地域住民に教えることを通じた次世代リーダーの育成であるとか、地域の被災箇所に実際に足を運び過去の被災の状況や地域特有の災害リスクについて学ぶ取組など、地域の実情を踏まえた次世代の防災、復興の担い手を育成する取組を好事例として広く周知をしているところでございます。 防災庁設置に当たりましては、このような取組を引き続き実施するとともに、文部科学省とも連携を図りながら、地域の実情や次世代育成の観点等を踏まえた取組を進めてまいりたいと考えてございます。
○工藤(聖)委員 ありがとうございました。 事前の説明でも、文部科学省と連携してこのような教育を進めているということを伺っております。ありがとうございます。 そういう私も、実は北海道出身でございまして、結婚して関東に出てきたものですから、どの口が言っているんだということになりますが、私も、生まれ育った北海道に対する愛というのは人一倍あるというふうに自負しております。 子供の自尊心と郷土愛を育む教育、これは私ども参政党が一貫して掲げてきた政策の一つでもあります。地域を守る人を地域の内側から育てる、短期的な成果が見えにくい分野ですけれども、防災庁と文部科学省とが連携して、長期戦略として腰を据えて取り組まれることを強く要望いたします。 次に、なりわい再建支援についてお尋ねをいたします。ここが、人口流出を防ぐときに必要な、仕事があるということになります。 このなりわい再建支援というのは、中小企業等が行う施設復旧等に要する経費の一部を国と県が十五億円を上限に補助する制度と認識しております。 インフラなどハード面の復旧復興が進んだとしても、地域で生計が立てられなければ、結果として人口流出が進んでしまうおそれがあります。その意味で、真の復興はなりわいの再建なくしては成り立たないと考えております。 しかし、能登半島地震の被災地からは、なりわい再建支援補助金の運用について深刻な声が上がっております。この補助金は原則として後払いであり、分割申請や概算払いの仕組みはあるものの、資金繰りに余裕のない事業者にとっては実際には利用しにくいという指摘もございます。また、膨大な書類提出などの手続負担も大きく、専門家の支援がなければ申請が容易ではないという声も聞いております。また、消費税もかかってきて、消費税は補助の対象じゃないということで、そこも現金を用意しなければならないということも伺っております。本来は被災したからこそ必要となる補助金であるにもかかわらず、資金的な余力がなければ申請が難しいという構造的な課題が生じていると思っております。 政府参考人に伺います。 能登半島地震の被災地におけるなりわい再建支援補助金の利用状況について、被災事業者の数や被害規模との関係を踏まえて現時点でどのように評価しているでしょうか、また、制度運用上の課題についてもどのような認識をお持ちか、お聞かせください。
○山崎政府参考人 お答えを申し上げます。 今委員御指摘のように、令和六年能登半島地震、さらには令和六年の奥能登豪雨で被災された事業者の施設等の復旧に係る支援ということで、なりわい再建支援補助金を通じまして、実施主体であります被災四県に国も補助をするということで、被災企業のなりわいの復旧に取り組んでいるところでございます。 今委員御質問の、被災事業者の総数、全体における同補助金の利用進捗、そういったようなことでございますけれども、まず、実は、何をもって被災事業者と定義をするのかということ自体が、支援の出口、それぞれの目的に応じて把握をし、それに応じて規定をするというものとなっていることから、いわゆる被災事業者は幾らかという総数について、正確な把握は行われていないところであります。 ただ、例えば、一例を申し上げますと、最も被害の大きかった石川県の能登半島の六市町には、令和三年度の経済センサス活動調査によりますと、約六千三百の事業者様がいらっしゃいます。その中で、今申し上げたように被災事業者がどの程度かという数は把握できないところではありますけれども、能登六市町において、なりわい再建支援補助金の交付決定者は、現時点において六百四十九事業者でございます。 したがいまして、六千三百のうちどの程度の方が被災をされた事業者なのかという総数は分からないまでも、いずれにしても、同補助金を未活用の事業者がいらっしゃるということは認識をしております。 なぜ未活用なのかということには幾つかのケースがあると考えてございまして、まず、自力で、もちろん補助金を活用せずに復旧をされたケース。さらには、持続化補助金といった他の補助金を活用されたケース、能登六市町に限りましても約千四百件の方がそれを活用してございます。さらには、こういった声もお聞きしますが、道路などのインフラ、ハード面の復旧がまだ進んでいないのでこれからなりわいを復旧される、これからである、こういったケースが様々ございまして、そのギャップがあるというふうに考えてございます。 いずれにしましても、経済産業省、中小企業庁としましては、被災県と連携をしながら、このなりわい補助金の御活用を検討される事業者の方には最大限お使いいただけるように、様々、運用を改善しつつ、やってきたところでございます。今後とも、被災事業者の個別の事情に寄り添いながら、同補助金をしっかりと運用して、被災地域の復旧に向けて着実に取り組んでいきたいと考えてございます。
○工藤(聖)委員 ありがとうございます。 実数も出していただいてよく分かったんですが、補正予算で毎年毎年出しているものがあったと思うんですけれども、ほかの支援金だったのかもしれませんが、まだ未着手の事業者さんがいらっしゃるということですので、引き続き最大限の支援をお願いしてまいりたいと思います。 なりわい再建支援補助金が原則として精算、後払いになっているという点についてなんですが、補助金等適正化法の趣旨、すなわち、不正申請、不正受給の防止等を図るためであると理解しております。 一方で、被災者支援や人道的支援に関する諸外国の制度に目を向けますと、異なる発想も見受けられます。例えばEUでは、人道支援部局、いわゆるECHOにおいて、被災事業者が立替え資金を確保すること自体が困難であるという現実を制度設計の出発点とし、契約金額の相当部分を前払いする仕組みが取られていると承知しております。 このように、人道的観点に立ち、まず被災者への信頼を前提に資金を届け、仮に不正があれば事後的に厳しく対処する、そうした発想への転換も検討に値するのではないでしょうか。もちろん、大きな制度変更には慎重な検討が必要であることは承知しております。それでも、例えば、災害時の特例として、一定の上限を設けた上での前払いと事後検査の強化を組み合わせるとか、あるいは概算払いの回数や運用の柔軟化を図るといった現実的な改善策も考えられるのではないかと思っております。 そこで、伺います。 補助金等適正化法の趣旨を踏まえつつも、復興最優先という観点から、被災事業者の資金繰りの実情に即したなりわい再建支援補助金の制度改正について検討する余地はあるでしょうか。政府の御見解を改めてお聞かせください。
○山崎政府参考人 お答え申し上げます。 今委員御指摘のように、なりわい再建支援補助金を補助金適化法等の趣旨を踏まえながら最大限柔軟に運用していくことが極めて重要だと考えてございます。 委員からも御指摘がございましたが、今もう既に、概算払いの原則の中で、施設、設備単位で工事が完了し支払い実績が確認できたものなど一定の要件の下で概算払いを可能とするといったこと、さらには、資金繰りに課題がある事業者の方も多くいらっしゃることから、能登地震に関するこの補助金の執行から変えたところがございまして、復旧工事を複数の工程に分割して交付申請を行うといういわゆる分割申請、先ほども委員から御指摘がありましたが分割申請を認めるということで、事業者の方々の資金繰りの負担を可能な限り軽減をするといった措置を現時点においても講じているところでございます。 さらに、資金繰りに関しましては、県において、石川県でございますけれども、被災事業者支援のために設置した能登事業者支援センター、さらには各商工会議所、こういったところでのこの補助金の申請サポートに加えまして、日本政策金融公庫、さらには石川県が実施する融資制度、こういったものもありまして、まさに事業者の方の資金繰りの相談支援を積極的に行っているところでございます。 こうしたところを活用しながら、今後とも、被災事業者に寄り添ったきめ細かな支援を行ってまいりたいと考えてございます。
○工藤(聖)委員 ありがとうございました。 中小企業の方は割とその地域に住んでいらっしゃると思いますので、家も再建しなくてはならない、また仕事も復興していかなくてはならないといって本当に負担も大きいと思いますので、きめ細やかな補助をしてくださっているということは理解いたしましたが、引き続き、いかに人口流出を防ぐか。地方に人が住んでいることは国としても大事なことでありますし、防衛の観点からも、エネルギーや食料を生産してくれているのも地方でありますから、いかにして国が地方を支えていくかということは大事な議論と思っておりますので、引き続きその点についても、また機会がありましたら質問させていただきたいと思っております。 本日はどうもありがとうございました。
○関委員長 次に、山田瑛理君。
○山田(瑛)委員 チームみらいの山田瑛理です。 今までの質疑、参考人への質疑なども経まして、防災庁設置法案について、過去の災害からの教訓やこれからの大規模災害への備えという観点から、また、防災庁が真に司令塔として機能するために必要な論点、本日も様々伺ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 まず、防災局についてです。 法案第十六条で防災局の設置が規定されておりますが、現時点で政府からお示しいただいているのは、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震、そして南海トラフ地震という二つの大規模災害に備えるという方針にとどまっており、その機能、指揮命令、人員構成の具体的なところはこれから検討されると承知をしておりますという段階で、私の問題意識としましては、まず第一に、平時の業務についてです。 地方機関の意義は、地域の災害リスクを地に足の着いた形で把握し、自治体や民間企業や地域住民と顔の見える関係を平時から築くことにあると考えます。中央が画一的に動くのではなく、地域ごとにその実情も異なる事前防災を伴走支援することにこそ地方機関を置く意味があると考えています。 第二に、発災時の指揮命令系統です。 能登半島地震では、現地対策本部と東京の政府本部、そして各種リエゾンが情報集約し動いた経緯があると承知しております。地方機関を置いた場合、現地の即応性と本庁による一元的な指揮命令とのバランスをどう設計するのか。私は、混乱を避けるためには、やはり本庁一元の原則を維持しつつ、現地機能はあくまでその手足として、迅速な情報集約と業務継続のバックアップに徹する形が望ましいと考えております。 そして第三に、人材の構成です。 中央からの出向だけでは地域の土地カンが不足し、地元採用だけでは中央との総合力が弱まります。この両者を組み合わせ、さらに民間の任期付職員なども加えまして、官民の知見を地方機関に取り込む工夫が必要だと考えております。 以上を踏まえまして、防災局のまず平時の業務、そして発災時の指揮命令系統、また人材構成について、政府の現時点のお考えを伺います。
○横山政府参考人 お答えいたします。 防災庁の地方機関である防災局につきましては、御指摘もございましたけれども、千島海溝・日本海溝地震、あるいは南海トラフ地震に対する地域における事前防災への取組、そして迅速な被災地支援体制の構築などの観点を踏まえて、具体的な検討を行うこととしてございます。 防災局の具体的な在り方については今後検討していくことになりますけれども、まず平時でございますが、本庁とも密接に連携しながら、地域における災害リスク評価を自治体とともに進めるわけですが、その結果を踏まえた対策の検討と実行に向けた支援策など、地域に寄り添った防災対策の充実を支援する役割を期待しているところでございます。 また、発災時には、政府に置かれる災害対策本部が中心となって対応方針を策定し、関係省庁に指示をしていくことになりますけれども、示された対応方針に基づき、防災局においても、関係省庁や地方支分部局等と緊密に連携して、復旧復興に至るまで、伴走型の被災地支援、自治体の支援等の一翼を担うことを想定しているところでございます。 防災局の人員構成についても、詳細な部分はこれから検討ということになりますけれども、対象地域の土地カンというような御指摘もいただきましたが、必要な知識や経験を備えた人材が確保できるようにしっかり詳細を検討してまいりたいと考えてございます。
○山田(瑛)委員 ありがとうございました。 各論はこれから具体化されていくということで、今回確認をさせていただきました問題意識についてなど、是非とも御検討いただきまして、地域の事情に通じた、本当に役に立つ防災局となるように、丁寧な制度設計をお願いできればと思っております。 次に、災害時の医療、保健、福祉の連携について伺ってまいります。 午前の古賀委員からの、災害時の保健、医療、福祉分野の連携強化に関する質疑に対して、厚生労働省による体制整備や、DMAT派遣等の連携や支援について御答弁がございました。 そこでも言及されていましたとおり、災害時にはDMATを始めとする多数の医療保健チームが活動し、その所管は、厚生労働省、日本医師会など多岐にわたります。専門性や法体系の整合性も踏まえれば、医療分野については引き続き厚生労働省が主導することが適切であると私も考えております。 他方で、能登半島地震では、高齢化が進む地域において、医療と保健、そして福祉の連携に多少のミスマッチが生じ、福祉が十分に介入しづらかった場面をDMATが補完的に対応したと伺ってもおります。厚生労働省において本年三月、立ち上げられた災害時の保健・医療・福祉分野の連携強化検討会においてもそちらの議論がなされているということを承知をいたしております。 そこで、お伺いをいたします。 防災庁が設置された後、こうした医療、保健、福祉の三分野の連携については、引き続き厚生労働省が一次的な責任を持って取り組まれることになると思いますが、現地対策本部、政府本部における情報収集やプッシュ型支援、ワンストップでの被災者対応という観点から、防災庁は司令塔としてどのような役割を果たし、また必要に応じて勧告権などをどのように活用していくのか、省庁横断の調整に関する取組をお伺いいたします。
○横山政府参考人 防災庁には、発災時の対応から復旧復興まで一貫した司令塔機能を持たせることとしてございます。変化する被災地の状況や課題を把握しながら、ワンストップ窓口として伴走型で自治体を支援するということで、その中に保健、医療、福祉分野も含まれているというふうに考えてございます。 委員御指摘の、大規模災害時には、被災地ではDMAT等の多数の医療保健チームの活動が想定されるところでございます。防災基本計画において、都道府県が保健医療福祉調整本部を設置してこうした支援活動の総合調整を行うという仕組みになってございます。 能登半島地震への対応の際に、初期対応時において、通信基盤や道路等の被害が大きく、国、自治体、被災現場等の情報の伝達の遅れ等が懸念されたことがございました。 このような経験を踏まえて、その改善を図るため、厚生労働省に厚生労働省保健医療福祉調整本部支援チームが設置され、都道府県の調整本部を支援することとしたものと認識してございます。同チームは、災害時において、被災都道府県や他省庁からの情報の一元的な受付、集約、活動チーム等の派遣に関する時期の目安や配分の提案などを行うことにより、被災都道府県の意思決定を迅速化することを目指しており、厚生労働省所管の保健、医療、福祉分野が一体となって現場と密接に連携して効果的な支援を行うこととされています。 今後の災害においても、この仕組みが、防災庁が設置された暁には、防災庁が中心となって運営される法定の政府の災害対策本部、現地対策本部、復旧復興本部、あるいは都道府県の災害対策本部と一体で運用されることが肝要であろうと考えてございます。その際、防災庁を中心に収集、集約します共通の情報に基づいて、関係機関が連携した効率的、効果的な災害対応、被災者支援につながることが必要になってまいります。このような取組をしながら、厚生労働省とも連携して、政府一体となった災害対応体制の充実に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○山田(瑛)委員 確認をさせていただきまして、ありがとうございます。 厚生労働省の検討会の議論も踏まえまして、防災庁が司令塔となって、医療、保健、福祉三分野を横断的につなぐ役割を果たしていただきたいと思いますので、要望とさせていただきます。 次に、避難所となる学校施設の整備について伺います。 公立小中学校等の体育館空調整備率、前回調査時点では一八・九%であったものが現時点では約二三・五%、少しずつ上昇している状況とのことで、普通教室についてはほぼ一〇〇%整備が完了しているとのことが確認できております。しかし、公立小中学校等の体育館の九割以上が避難所に指定されている現状を踏まえれば、空調整備率がいまだ二割強にとどまっているという事実は、避難所機能の観点からも看過できません。 国土強靱化中期計画では、令和十七年度に体育館空調一〇〇%とする目標が掲げられておりますが、自治体側では、学校施設老朽化改修との優先順位や、財源、人手、物価高による工期、費用の増加など、複合的な課題が指摘をされているところです。 文部科学省との二年に一度の避難所機能に関する共同調査も継続されていると伺っておりますが、防災庁設置後、こうした調査の結果を踏まえて、文部科学省と連携をし、施設整備の促進に関し具体的にはどのように取り組んでいかれるのか、お考えを伺います。
○横山政府参考人 御指摘の学校の避難所としての役割が非常に重要でございます。 文部科学省において、御指摘の公立小中学校等の施設整備について、地方公共団体が計画的に整備できるよう財政支援等を行っております。特に、避難所に指定される公立小中学校等の体育館の空調整備については、補助単価や補助上限の引上げを行っているものと認識してございます。 他方、内閣府の防災担当におきましても、避難所として求められる機能や設備について、取組指針や各種ガイドラインを示すことにより、地方公共団体に対して必要な整備を促しているところでございます。 防災庁が設置されますので、各避難所の施設整備について望ましい水準が確保されるよう、政府全体の司令塔という役割を担ってございますので、文部科学省等とも連携して、引き続き取組を進めてまいりたいと考えてございます。
○山田(瑛)委員 どうもありがとうございました。 二年ごとの共同調査の継続は重要ですが、とにかく全国的に整備を早急に進めていかねばならないところです。自治体の財源、人手の制約に今もいろいろ補助金等はされていますけれども、もう少し踏み込んで、より実効的に連携をしていただき、引き続き文部科学省と様々な取組を行っていただきますようにお願いをいたします。 次に、防災関連予算の適正執行について伺います。 これまで、震災後の復興予算の流用、補助金の不正受給など、制度を悪用して公金を食い物にする事例が、本当に残念ながら後を絶ちません。本来被災者と被災地の復旧復興のために使われるべき予算がこうした不正によって損なわれることは、納税者の信頼を著しく損ない、行政全体への信認を揺るがすものだと思います。 防災庁が今後所管することになる事前防災関連の交付金についても、自治体への配賦後、その目的に沿って適正に執行されることが制度の前提です。事業の推進と予算の適正執行の双方を自治体と密に連携しながら見ていく責任が防災庁には生じてくるものと考えます。 そこで、お伺いをいたしますが、防災庁は、所管する防災関連の交付金が地域における事前防災の推進という目的に沿って適正に執行されるように、自治体との連携を含め具体的にはどのように取り組んでいくのか、伺わせてください。
○横山政府参考人 御指摘ございましたけれども、過去の災害に関連して補助金の不正受給や不適正な事務処理といった事案が生じてきたことは、遺憾でございます。 御指摘の防災力強化総合交付金を含めて、防災庁においては、補助金等適正化法を始めとする関係法令の規定を踏まえるとともに、会計検査院による検査や行政事業レビューといった客観的な外部評価を受けることにより、各事業における予算の適正な執行にしっかり取り組んでまいりたいと思ってございます。予算執行は各省庁がやってございますので、各省庁とも連携して、適正な執行環境を確保できるように努力したいと思ってございます。
○山田(瑛)委員 どうもありがとうございます。 こういった災害時を利用し不正受給をするというところは、本当に、大変許せない行為だと思っております。 おっしゃってくださったように、例えば、関係省庁の方がいろいろ補助金の執行とかもなされると思います。そういった復旧復興段階の補助金の不正受給についても、その所管が各省庁にまたがる以上、やはり防災庁単独で取り締まるのが難しいということは承知をいたしておりますけれども、司令塔としての防災庁ということでございますから、各関係省庁に対しても適正執行を徹底するようと働きかける役割を是非果たしていただきたいと、私からも要望をさせていただきます。 次に、受援力の整備について伺わせてください。 能登半島地震では、全国の自治体や民間から多くの支援が集まった一方で、受入れ側の調整が追いつかず混乱が生じた場面もあったと聞いております。被災している中で有事の対応に追われながら、なお受援体制を整えなければならないという被災自治体の負担というのは、極めて大きいものになります。 この点、内閣府の、市町村のための受援計画作成の手引によりまして、避難所運営、支援物資配布、災害廃棄物処理など八つの業務ごとに受援シート、ひな形が用意されておりまして、都道府県は四十七団体全て、市町村でも約八割の一千四百三十三団体が受援計画を策定済みであると、事前にそちらは確認をさせていただいております。 しかしながら、能登半島地震におきまして、計画が紙の上のものにとどまり、実際の運用では十分に機能しなかったとの反省があるとも伝え聞いております。 手引の改定と並行し、本年度中に訓練の標準モデルを策定する方向で検討が進んでいるということですが、防災庁設置後、各自治体が受援計画を策定できるよう支援の継続はしていただきますとともに、やはり、計画の実効性を担保するための訓練の標準モデルの策定や普及、そして、まだまだ残る、約三百団体ございますから、そちらの策定支援について、今後はどのように取り組んでいくのか伺いたいと思います。 この点につきまして、この委員会において、先月の四月二十三日、工藤委員の質疑に対する政府参考人の方からの答弁におきまして、受援計画の実効性を確保するためには計画に基づく訓練の実施が重要であり、防災庁において訓練の標準モデルを作成し、その普及を通じて、訓練を継続して実施できるように取り組んでいくというお話がありましたが、では具体的にどのようなモデル化を考えておられるのか、またどのように標準モデルの普及の部分を展開していかれるのか、具体的に教えていただければと思います。
○鎌原政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、災害時におきましては、被災市町村のみで災害対応の全てを実施することは困難でありますことから、外部からの応援を迅速、的確に受け入れ情報共有や各種調整を行うための受援体制を整備することは不可欠であると考えております。 御指摘にもございましたけれども、能登半島地震の際には、受援計画を策定はしていたものの、受援自治体の体制が不十分であったですとか、あるいは受援体制に対する職員の認識不足などで結果として十分な連携が図られなかったというようなことが、検証の中で指摘をされているところでございます。 これを受けまして、計画を作るだけではなくて、やはり訓練などを通じて実効性を確保していくことが大変重要だというふうに考えてございます。 内閣府におきましては、今後、この受援計画に基づいた訓練を過度な人的、財政負担を伴わず容易に実施できるようにということで、訓練の中で、どういったことを確認をしていくかですとか、その連絡先、どういうものをお願いをしていくか、また、受け入れた職員の方の宿泊先の確保など、ここら辺がかなり整備をされていない自治体も多いものですから、そういったことを計画の訓練のモデルの中に入れ込むことによって、それを普及をしていきたいと思ってございます。 さらに、内閣府防災担当を発展的に改組する防災庁におきましては、地方自治体への伴走支援、これを強化することとしておりますので、この標準モデルの普及を通じて、地方自治体において受援計画に基づく訓練が継続して実施できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○山田(瑛)委員 どうもありがとうございました。 本当に、発災時、職員の皆さんは、例えば、市民の皆さんの対応もしなければいけない、様々な災害対応をしなければいけない。その中で、受援の対策はどうなっていたっけと。計画があっても、例えば、必ずしも計画を立てた人がそれに対応できるとも限らない中で、じゃ、どのペーパーだっけ、紙の中だけではなかなか理解もできないしみたいな状況が本当に現場では実際に行われていることなんだと思います。やはり訓練をして是非しみ込ませていただいて、誰が見てもすぐに分かりやすく対応できるように、そのような備えを今後していくことも大変に重要なことだと思っております。 訓練の標準モデルの策定というところ、本当に、紙の上の計画を実効性ある体制に変える要となると思いますので、年度内の取りまとめ、そして、パイロット自治体などを設定いただきまして実証実験などを着実に進めていただくことを期待をいたしております。 最後に、災害時のフェイクニュース、風評被害の対応について大臣に伺わせていただきます。 熊本地震の際の動物園からライオンが逃げたというデマですとか、令和六年八月の南海トラフ地震臨時情報の際に何日後にまた地震が来るといった真偽不明の投稿が拡散した事例など、災害時のSNS空間ではセンセーショナルな偽情報が驚くべき速さで広がっております。生成AIの急速な普及により、画像や動画の真偽判定もますます困難になっており、この問題は今後一層深刻化することが避けられません。 特に私が懸念しているのは、被災地からの、例えば、瓦れきに挟まれているので助けてほしいといった個人からのSOS発信の真偽判定です。能登半島地震の際にも、本当に残念なことに、偽のSOS情報が出回りました。それにより本物のSOSが埋もれてしまうこと、また、虚偽のSOSに消防、警察、自治体の限られた人的資源が割かれ、本当に救うべき命に手が回らなくなることは、絶対に避けなければなりません。 平時からの国民のリテラシー向上、公的情報へのアクセシビリティーの確保、立ち止まって広めないという行動喚起、そしてプラットフォーム事業者との対話、これらは、表現の自由とのバランスに配慮しながらも、平時から積み重ねていく必要があります。発災時には、政府からの一元的で信頼できる情報発信が、デマを抑える最大の対抗手段となると思います。 そこで、お伺いいたしますが、防災庁は平時から、総務省やその他関係省庁、プラットフォーム事業者などとの連携を強化し、災害時の偽情報対応と政府の情報発信について、司令塔として主導的に取り組んでいく必要があると考えております。大臣に見解を伺います。
○牧野国務大臣 山田委員にお答えをさせていただきます。 今御指摘のとおり、災害時におけるSNS上での偽情報だったり誤情報だったり、そうしたものの発信とか拡散というのは、被災地の住民の皆様の適切な判断と行動を妨げるものでありまして、こうした社会的混乱を防止することは大変重要であるというふうに認識をしております。 内閣府では平時から、SNSやホームページを通じて、国民の皆様に向けて、行政が発信する情報に基づき行動いただくことや、事実に基づかない情報を広めないことへの注意喚起を行っておりまして、また発災時におきましては、災害に関する正確な情報を広く周知、発信をしているというふうに承知をしております。 防災庁におきましては、新たに広報担当の参事官を設け、体制を強化することにしております。そして、先ほど御指摘があったように、プラットフォーム事業者や、デジタル庁を始めとする各府省庁との平時からのコミュニケーションの構築、そしてまた、SNSやホームページ、そしてデジタル技術等の様々なツールの活用を通じて、災害関連情報発信の更なる充実や強化に向けて取組を進めてまいります。
○山田(瑛)委員 課題の御共有をいただいていること、ありがとうございました。また、今後、防災庁設置の際には体制強化などもされていくとのことで、ありがとうございます。 発災時の一元的な情報発信と平時からのプラットフォーム事業者などとの連携は、命を守る情報インフラそのものだと思います。是非とも、防災庁発足とともに、実効ある体制の構築をしていただければと思っております。 本日の質疑を通しまして改めて感じましたのは、防災行政の課題は、もはや方針ではなく実装にあるということです。 今までの災害に対する取組もありまして、例えば、受援計画は八割以上の自治体が策定済み。ですが、訓練がまだ伴わず、実際に機能する備えが構築できていなければ、それはペーパーのままになります。体育館の空調は、目標が明確でも、財源と人手の壁があります。偽情報対策は、理念は共有されていても、技術と運用が追いついておりません。 数値目標の達成を積み上げていただきつつ、現状の実情も加味しまして、本当に機能する防災対応により日本の防災力を一段階前に進めるように、これからも取り組んでいただければと思います。 質疑を終わります。
○関委員長 次回は、来る十四日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時十八分散会