経済産業委員会 第12号
- 発言数
- 66 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2026/06/10
会議録
○工藤委員長 これより会議を開きます。 経済産業の基本施策に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 両件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、経済産業省大臣官房審議官竹田憲君外十二名の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第五局長長岡尚志君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○工藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○工藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。丹野みどり君。
○丹野委員 おはようございます。丹野みどりでございます。今日もよろしくお願いします。 大臣のライフワークが防災と女性の活躍ということで、前回の一般質疑では、この二つのテーマをお聞きしました。特に、女性の活躍というところでは、病児保育を取り上げました。 これはもちろん女性のためでもあるんですけれども、小さなお子さんを育てながら仕事をしている共働きの家庭、そして、そういう方がいらっしゃる職場の方、とにかく、働く社会に、全員に必要なライフラインであるということをお訴えさせていただきました。 前回、あの質疑を御覧になった方がいらっしゃいまして、とても感銘を受けたということでお便りを頂戴しましたので、まずはそこから御紹介したいと思います。ちょっと長いんですけれども、お聞きください。 私は、あの質疑を見て、働き続けてきた当事者として強く共感し、どうしてもお伝えしたいと思い、筆を執りました。我が子が急な発熱でパニックになるのは、親のリアルな状況です。質疑の中にあった、予約制度の難しさ、それから当日の空き状況の確保、これはまさにそのとおりなんです。今回、加えてお伝えしたいのが、解熱した後の、本人は元気になっているものの、後半の三日間ほどという受皿についてです。 高熱が出ているとき、子供が泣くほど調子が悪いとき、もちろん親は仕事を休んで子のそばにおります。しかし、インフルエンザといった出席が停止になる場合は、実家の親も感染を恐れて預かってはくれず、会社も長いこと休まなきゃいけないということで、大変困りました。子供はすっかり元気であるのに、学校にも行けない、実家にも預けることができない、仕事もこれ以上休めない、そういう場合、親は本当に追い詰められます。病児保育は、緊急としてはもちろんなんですが、実は、こうした元気だけれども学校に行けない期間という受皿にしても、物すごくニーズがあります。現在、小さなお子さんをお持ちのママさんたちも、常にこの問題に直面しています。 また、子供の看護休暇が年に五日しかなく、しかも無給です。これでは一度の感染症で使い果たしてしまいます。この看護休暇を有給にすること、日数を増やすこと、これも病児保育の拡充と併せて不可欠だと思います。 私自身、育休、時短、フルタイムと働き続けてきました。その当事者の視点として参考にしていただければ幸いです。ありがとうございましたというお便りを頂戴しました。 これは前回も申したんですけれども、病児保育施設の拡充ですとか利便性の向上、これ自体は、働き方もそうです、これは厚生労働省の管轄、こども家庭庁でございますので、経産省はもちろん管轄外ではあるんですけれども、私は、やはりこの問題というのは、そうした縦割りだけではなくて、日本経済ですとか企業を本当に握っているこの経産省こそ旗振り役となって、是非改善に向けて取り組んでほしいと思っておりますが、大臣、意見を聞かせてください。
○赤澤国務大臣 おはようございます。 私は今、経産大臣でありますが、過去に三回、内閣府の防災担当の副大臣を務めております。そのときに、やはり女性のネットワーク力を、力をかりたいというので、防災女子の会というのをつくって、いろいろなことをお話しさせていただいたんですけれども、やはりその中でも、内閣防災の職員というのは、大変なのは、災害が起きるとまず現地に行ってくれと言われ、行ったら最後、三週間帰ってこれないか二月帰ってこれないのか分からないんですよ、そういう状態で勤務している我々が、何かあったときに、二十四時間三百六十五日、病児だろうが預かってくれる体制がなければとてもやっていけませんという御指摘を受けて、本当にそのとおりだなと思って、なおかつ、その事態についてはやはりいまだに当然解決できていませんので、本当に大事な問題だという意識は私自身もかねてから持っております。 今、経産大臣ということで、働く社会において、病児保育のように、様々な事情を抱える多様な人材が能力を最大限発揮できる環境を整えることは、企業の競争力向上の観点からも非常に重要でございます。 また、お便りを寄せられた方の御指摘にもあるとおり、病児保育施設そのものの拡充や利便性向上のみならず、病児保育や看護休暇を使いやすくする企業側の環境整備も併せて行う必要があると思っています。 経済産業省としても、多様な人材の活躍に焦点を当てたダイバーシティー経営や、人材を資本と捉えて、その価値を最大限に引き出すための人的資本経営の実践を後押ししているところでありまして、さらに、柔軟な働き方を可能とする企業の取組を、なでしこ銘柄、ネクストなでしこ共働き・共育て支援企業の選定を通じて後押ししているというところであります。 引き続き、経産省だけではできませんので、こども家庭庁や厚生労働省としっかり連携しながら、企業の取組を更に促進するために、好事例の横展開などに取り組んでまいりたいと思っております。
○丹野委員 ありがとうございます。是非、横展開を社会全体でお願いしたいなと思っております。 実は、続いても、そういった女性の活躍という観点でお尋ねしたいと思っております。 次のテーマが、卵子凍結についてなんです。これも、女性が働くこと、それから女性特有の妊娠、出産ということにまつわる話ですので、これを個人の責任ではなくて社会の問題として是非捉えてほしいということで、今日は取り上げたいと思います。 卵子凍結というのは二種類ございます。医学的に必要な場合と、それから健康な女性に行う場合、この二つがあるんですね。 医学的に必要な場合というのは、例えば、若い方ががんになった、治療のために一時的に精子や卵子を保管しておいて、凍結しておいて治療をする、その治療が終わって大丈夫になったら戻してやる、そういう医学的に必要な場合、これも、保険適用はないんですけれども費用の助成がございます。 今回取り上げますのは、こうした医学的に必要なものではなくて、健康な女性が自分の妊娠や出産のタイミングをずらすために事前に取っておいて冷凍保管をしておく、そういう卵子凍結でございます。 最近、適齢期という言葉、もう死語かなと思うんですね。この適齢期という言葉を安易に使うとセクハラみたいに言われたりして、本当にそういう時代になってきていると思っております。そういう意味におきましては、私は、結婚適齢期というのはないと思うんですね。本当に、何歳で結婚してもいいし、結婚しない自由もあるし、そこはないと思うんです。ところが、妊娠適齢期というのは医学的にあると思っております。これは、二十代から三十代の前半がやはり妊娠が最もしやすくて、三十七歳を超えると急激にリスクも上がって妊娠しにくくなると言われております。 ところが、現代社会を見てみますと、本当に多くの女性が働いています。多くの女性が、大学を出ます、仕事を始めます、だんだん仕事を覚えてきて、やりがいも感じて面白いとなって、当然その間に恋愛もします、いろいろなことを経験するんだけれども、ふと気づくと三十代半ばとかになっていて、そこで結婚をしてパートナーと妊活をするんだけれども、あれ、何か妊娠しにくいとなって不妊治療に行く、こういう状況がすごくすごく多いんですね。 数字としても表れておりまして、不妊治療ですとか生殖補助医療に関する法案が今回提出されておりますから、今回その議論はしないんですけれども、課題感は、この不妊治療とかそういうものを四十歳前後をピークに物すごく皆さんがやっていて、そこに費用をかけているということも問題なんですが、そもそも妊娠もしにくいし、リスクも高いし、そこにたくさんの気力と財力を使うのはどうなんだろう、ふさわしいんだろうかと思っています。 これは数字にも表れていまして、厚生労働省の調査によりますと、令和四年度の不妊治療を受けている患者さんの数は三十七万人です。令和四年に保険適用も始まって、これは歓迎の声も上がっているんですけれども、まだまだ負担が大きいということで、見直しを求める声も上がっています。 先ほど一つお話ししたように、当然、保険適用されていて、拡大しているので歓迎はあるんですけれども、まだまだ足りないというところで、そこの枠を広げていこうみたいな議論もあるんです。 ただ、先ほどお話ししたように、そこに費用を投入するのももちろんいいんだけれども、そうではなくて、仕事も決まっていない、結婚も決まっていない、人生、この先のプランも何にも決まっていないんだけれども、妊娠はできる、卵子は若い、そういう状況のときに、人生の選択肢の一つとして、自分の意思なんですけれども、選択をすることによって、卵子を凍結しておいて、自分のライフスタイルに合ったところで活用するのも一つじゃないかなと思っております。 これは、今は自費でございまして、大体六十万円ぐらいかかるんですね。毎年保管をしていくと、その保管料金も数万円ずつかかっていきます。ですので、こういったことを選択した場合に、こういった費用を補助するのはどうかなと思っております。 これは、実際に東京都が行っています。十八歳から三十九歳までの女性を対象にして、要件を満たすと、二十万円を上限に費用の助成を始めました。これは二〇二三年度に始めているんですけれども、何と当初の都の想定の十倍の申込みがあったそうです。物すごい反響があって、この反響を受けて、東京都の予算は、翌年は一億から五倍の五億円にしたということもあります。こういったことを福利厚生の一環として取り入れる企業も出始めています。 冒頭お話しした病児保育というのは子供さんを産んだ後の話ですけれども、今回は産む前の話なんですね。もちろん、この卵子凍結にリスクもありますし、関係学会として物すごく力強く推奨するということは確かにしていません。ただ、東京都は、女性のライフプランの選択肢を広げたいんだという話をしています。 長々済みません。大臣、これまでずっとお話をさせてもらいましたけれども、今回も、卵子凍結の是非ということよりも、女性が働くこととか女性特有のこういう妊娠、出産ということがどうしても間に入ってくるということに関して、キャリアの問題とか企業の労働力の問題、こういったことを全部織り交ぜて、どう捉えているか教えてください。
○赤澤国務大臣 男女問わずですけれども、法令とかに違反しない限り、人に迷惑をかけない限り、どんな生き方でも選べる、ライフプランとかキャリアとかが自由に選択できるという、選択肢というのがキーワードかと思いますけれども、そういうことだと思います。 女性が働くに当たっては、妊娠、出産といった女性特有のライフイベントと仕事を両立し、活躍できる環境を、だからこそ整備をしなきゃいけないということだと思います。卵子凍結は、女性がライフプランを検討する際の、間違いなく一つの大変有力な選択肢であると認識をしています。 経済産業省においても、例えば、IoT型の胎児モニターによる遠隔妊婦健診をサポートするデバイスといった、女性特有のライフイベントや健康課題に対応するためのフェムテックの活用でありますとか、あるいは、妊娠、出産等のライフプランや将来を踏まえた健康管理であるプレコンセプションケア、妊娠の前にということをおっしゃいましたけれども、を含む健康経営を推進しているところでございます。 なお、先ほども申し上げましたなでしこ銘柄の選定企業の中には、卵子凍結へのサポートを行っている企業も現に存在をしております。 引き続き、関係省庁とも連携しながら、女性が活躍できる環境の整備、また、それに協力してくれる企業の応援を続けてまいりたいというふうに考えております。
○丹野委員 ありがとうございます。是非、社会全体として捉えてほしいなと思っております。 続いて、参ります。自動車産業について伺いたいと思います。 先日見学をさせていただいた産総研、スーパーコンピューターと量子コンピューターとAI、これをかけ合わせることによって、私たちの想像をはるかに超えていくような、そんな未来をつくれるんだなというのをすごく感じました。わくわくしました。また、研究ありきではなくて、この社会課題を解決するためにはどういう研究が必要かという、逆引きというか、その逆によってシーズをつくるというか研究をしていくという、その発想もすばらしいと思っております。ああいう研究が我が国の産業競争力を担っていくんだなと、本当に心強く感じました。そうしなきゃいけないと思っております。 そこで、今日は、あの産総研で感じたことと、私の地元の産業であります自動車産業のことをかけ合わせて質問をしていきたいと思っております。 これまで、日本の自動車産業というのは、エンジンとか精密加工とかすり合わせ技術、そういったものを中心として、やはり製造業、機械工業として世界を牽引してきております。日本経済も牽引してきました。しかし、今後は、AIとか半導体、ソフトウェア、電力、制御、データ、こういったものが競争力の中心になっていって、いわば計算する産業に進化していくべきだと思っているんですね。 今後の車は、それまでの移動手段だけではなくて、自動運転、もちろんそれに伴う事故防止とか、あらゆることもそうですけれども、それから、生活の便利な続きを、ぽちっとやって、車の中からできるとか、いろいろなことが車の中でできるようになって、走るコンピューターみたいになっていくのかなと思っております。ですので、将来の自動車メーカーというのは、AI企業であり、データ企業であり、かつモビリティー企業であるというふうに変化していくと思っております。 となると、ソフトといいますか、中身が重要な勝負どころとなると思っております。なんですが、残念ながら日本は、GPUとかクラウドとか巨大AI基盤、これは圧倒的にアメリカが優位でございますし、中国にも後れを取っています。このままいきますと、車は日本製なんだけれども頭脳は海外製ということにもなりかねないと思っております。 ただ、悲観論ばかり申し上げてもいけないので、例えばAIを実装する力とか、AIを使って物づくりをするとか、そういう競争はまだまだ日本は強いと思っております。 そこで、質問です。 自動車産業とAI基盤整備をどう一体戦略として進めていくのか。GPUとかクラウドとか基盤モデル、これを海外に依存をしたままで、どうやって日本の自動車産業の競争力を守っていくんでしょうか。お願いします。
○田中政府参考人 お答え申し上げます。 自動車産業では、通信によりソフトウェアをアップデートして自動車の性能を継続的に向上させるSDV化、ソフトウェア・ディファインド・ビークル化、これがグローバルに進展しておりまして、自動車のソフトウェア市場、特に自動運転関連の市場の拡大が見込まれております。 足下ではAIが自動車産業の競争力に直結するようになりつつあり、委員御指摘のとおり、米中では莫大なAI開発投資を背景に無人運転の社会実装が進み、複雑な交通シナリオに対応可能なエンド・ツー・エンドAIの開発でも先行しております。 こうした中で、計算資源やクラウド、AIモデルを海外に依存するのではなく、まずは自動運転用のAIの国産化を実現することが重要と考えております。そのため、AIの学習に必要な計算資源の調達を支援しつつ、スピード感を持って社会実装を進めるとともに、データ収集を加速させてまいります。 同時に、自動車向けの高性能半導体やフィジカルAIの開発、実装、開発環境のデジタル化、さらにはAI化などにも官民で連携して取り組んでまいります。
○丹野委員 ありがとうございます。 これまでの自動車の開発というときは、実際に造って、そして試すということが中心かなと思うんですけれども、今後は、スーパーコンピューターとか量子コンピューターを使って、様々な解析ですとか、それこそ、いろいろなシミュレーション、そういったことを再現できるかなと思うんです。そうしますと、開発期間が短縮したりとか、コストを下げることができたり、安全性がより向上したりと、まさに、それこそGX推進にも直結していくという分野になってくると思います。 ちょっと聞いたところによりますと、量子コンピューターが、電池の材料とか軽量素材、触媒、こういったものを高精度で解析できる能力があるということで、とりわけ、私がよく取り上げております全固体電池なんですけれども、これも大きく前進させる可能性があるということがありました。素人ながら、ここは是非かけ合わせてほしいなと思っているんですけれども。そのほかにも、とにかく様々な材料に革命を起こせるというふうに書いてありました。 そこで、質問です。 この量子技術と材料産業をどう結びつけていき、そして自動車産業の競争力へどうつなげていくのか、教えてください。
○田中政府参考人 お答え申し上げます。 量子技術は、委員御指摘のとおり、今後、様々な分野で活用が見込まれる技術であり、例えば自動車分野では、蓄電池を含めた材料の開発において、解析期間が短くなることにより、開発が加速するものと期待されます。 経済産業省としましては、素材や電力といった様々な分野における量子コンピューターを活用した具体的なユースケースの創出を支援しているところでございまして、こうした取組を通じて材料産業における量子技術の活用を促進して、自動車産業の競争力強化にもつなげてまいりたいと考えております。
○丹野委員 ありがとうございます。 次は、中小企業における生産性の向上について伺ってまいります。 未来の工場にいけば、DXによって工場のデータを管理したりペーパーレス化が進むのは当たり前、とにかく、これまで人の手でやっていたものを、全部アナログだったものがぐんと効率化する、加えて、AXが進むと、AIが需要の予測とか設計、開発とか品質検査、物流がどういうふうに最適化するかという、本当にいろいろなことができるようになって、生産性が劇的に上がると思っています。 すごいことはめちゃくちゃ分かっているんですね。すごいなということは分かっているんですけれども、ただ、それをどうやって地方の中小サプライヤーに導入してもらうかというのが大きな課題と思っています。地元で伺いますのは、うちの工場、DXで劇的によくなることは本当によく分かっているんだけれども、具体的に、うちの場合に、どういったものを取り入れればいいのかさっぱり分からないというお声もよく聞きます。 中小企業のDX化でさえも進んでいない中で、自動車産業の裾野を本当に支えていく幅広い中小企業のDX、AXをどう支援していくのか、お願いします。
○山崎政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、中小企業の方々が、自動車産業のサプライヤーの方々も含めまして、DX、AX、AIトランスフォーメーションを進めるに当たりまして、どのように推進すればよいか分からないという声が多いというふうに認識をしております。 こうした声も受けまして、今年の四月から、全国四十七都道府県のよろず支援拠点に生産性向上支援センターというものを新設したところでございます。 ここでは、中小企業のDX、AXも含めました省力化、さらには生産性向上の取組につきまして、現場に具体的に導入するところまで複数回、さらには現場訪問型で徹底的に伴走支援を行う、こういった支援を行っておりまして、自動車産業の裾野を支えます中小企業の皆様も御活用いただける、こういう状況になっております。 加えて、AXにつきましても、やはり、導入意欲はあるけれどもどのように推進すればよいか分からないという声が多い状況だと認識しておりまして、これも踏まえまして、中小企業の経営者の方々と、あと、経営やAIに精通した知見者、さらにはAIサービス提供者といった関係者の方々が出会い、取組を深めていくようなネットワークを地域ごとに構築するということを今検討をしてございます。 こうした取組を通じまして、中小企業、自動車のサプライヤーの方々も含めまして、DX、AXを全力で支援をしていきたいと考えてございます。
○丹野委員 ありがとうございます。よろず支援ですとかネットワーク、是非後押ししてほしいなと思っております。 では、次の質問です。自動車をエネルギー源として捉えることについて伺いたいと思います。 自動車の未来をお尋ねしたときに、当然、EV一本足ではなくて、マルチパスウェーであるという戦略を伺いました。これは本当に合理的な戦略だなと思いますし、実際に企業の方もそのように動いております。 ただ、これは、EVが単なる乗り物というだけではなくて、走る蓄電池になると思っております。もちろん、これは、災害が起きたときの給電を始めとして、自動車産業と電力インフラ産業が融合していく、まさに分散型エネルギー社会の中核になっていく可能性もあるなと思うんですね。となりますと、お話ししているこの自動車産業が、また違った側面を帯びてくると思っております。 分散型エネルギー社会というのは、別々の政策を進めるんじゃなくて、統合的に進めていく必要があると思っております。 そこで、質問です。 政府として、モビリティー政策とエネルギー政策をどう一体化して進めていくのか、教えてください。
○小林政府参考人 お答えいたします。 EVは、モビリティーとしての価値にとどまらず、御指摘の災害時の非常用電源としての活用や電力需要の最適化への貢献など、需要サイドの分散型のエネルギーリソースとしてのポテンシャルを有しております。 経済産業省では、EVの導入促進に向けて、これまでEV車両及び充放電設備の導入支援措置を講じております。また、自動車メーカーによる災害時のEVの提供といった取組に関しても後押しをしてきたところでございます。 さらに、分散型エネルギーリソースの適切な制御、活用を実現するための環境整備として、リソースを束ねて市場取引等を行うアグリゲーターの電気事業法への位置づけや、リソースの遠隔制御を促すための仕組みの検討などにも取り組んでいるところでございます。 こうした取組を通じて、分散型エネルギーリソースとしてのEVの活用が拡大していくことを期待しているところでございます。 引き続き、経済産業省としては、モビリティー政策とも連携したエネルギー政策を推進し、EVによる電力安定供給への貢献を促していきたいと考えております。
○丹野委員 ありがとうございます。 今回可決した法律によって、AIと量子とスーパーコンピューターといった研究基盤の強化はすごく進んでいくと思っております。しかし、重要なのは、産総研の理事長もおっしゃっていましたけれども、それをいかに社会実装するかというのが一番重要だということなんですよね。すなわち、それというのは、地方の工場とか中小企業とか、自動車産業もそうですけれども、エネルギーシステムとか、いろいろなところにどう実装されていくかだと思っています。研究から社会実装までをどう一気通貫で支援していくのか。 私は、地元が豊田、みよしでございますので、本当に物づくりのお声をたくさん聞くんです。そこで本当に心に残っている一言がありまして、丹野さん、技術では僕たちは勝っているんだ、だけれども、トータルでは負けちゃうんだというコメントがあって、もう本当にこれが悔しいんですね。だからこそ感じるのは、やはり、日本の競争力の本質というのは、技術単体ではなくて、それを現場で統合して社会実装できる力にあると本当に思っております。 そこで、質問です。 AI、量子コンピューター、スーパーコンピューター、半導体、エネルギー、そしてモビリティーがあるわけですけれども、こういったものを日本はどのように統合していって、未来の自動車産業をどう進めていくのか、大臣、教えてください。
○赤澤国務大臣 技術で勝ってビジネスで負けるというのが本当にずっと言われてきていることで、それを克服するために、経産省自体が産業構造審議会の中に新機軸部会というものを持ち検討してきて、私が高市総理から新技術立国担当閣僚ということで指名を受けたので、今、その答えを出そうとして、夏の成長戦略に向けて取り組んでいるところではあります。結果をそのうち報告させていただきたいと思います。 自動車産業は、様々な技術を総合して自動車を生産をし、我が国の雇用の約一割、輸出の約二割を支える基幹産業として、戦略十七分野に挙げられたAI・半導体、量子やGXなどへの投資による成果を活用し、委員御指摘のとおり、自動車産業全体の競争力強化や成長につなげていくことが期待される。個々の今申し上げたような技術で、勝てる部分で、しっかりそれをビジネスにつなげていくということが大事だと思っています。 また、例えばAIの活用による自動運転の高度化とか量子コンピューターの活用による材料開発の促進といったことが期待をされている中でありますし、EVについて言えば、委員御指摘のとおり、分散型電源としての活用も期待をされます。 特に、私がライフワークとしております防災の分野だと、電力と通信が切れると、もうそこで本当に勝負ありというか、負けてしまうので、電力については、まさに今各メーカーがつくっているV2H、車から家に電力を供給できる仕組み、とにかくそれが普及すればいいなという思いと、あと、通信について言えば、コンステレーションが大体解決するだろうと思っているんですけれども、そういう意味でも、本当に、大いに自動車については期待をしているところです。 経済産業省としては、我が国の自動車産業が、GX、DXという大きな変革の中で、特にGX、DXに、さらにAIですね、AIトランスフォーメーションという大きな変革の中で、未来を見据えながら国際的な競争力を維持強化することを全力で後押しをしてまいりたいというふうに思っています。
○丹野委員 ありがとうございます。お願いいたします。 最後に、ちょっと時間が短いんですけれども、最後のテーマは、ダイバーシティーの観点から、障害年金制度に関して伺いたいと思います。 これも、一見すると、いや、厚生労働省だよと言われそうなんですけれども、人材活用ですとか雇用とかダイバーシティー、これに関連していくので、是非経産省の委員会としてお話をしたいなと思っております。 今日取り上げる障害年金、権利が二つあります。生涯にわたって認められる基本権というものがあります。それから、毎月給付を受けることができる支分権というのがあります。 基本権というのは、あなたは障害があります、障害年金を受け取る権利がありますとされたときから、その障害状態が続く限り、一生続く権利です。 ところが、もう一つの支分権の方なんですが、例えば、人生の途中で障害があると認定されたとしても、その請求が遅れてしまうと、遡って五年間は請求できるんですけれども、それより前は、幾ら同じ状態であっても、時効となってしまって請求できないということがあります。そもそもこれを知らない人が多くて、みすみす、受け取れるものが受け取れないという状況になっています。 これは何で申請が遅れるかというと、そもそもその制度を知らないという方も多いんですけれども、例えば、精神的なものであったりとか、これはなかなか御本人が分からないという状況もあります。それから、医療機関で医師から言われないということもあります。それから、自分は働いているから対象外なんじゃないかと思っているとか、いろいろな要因があって申請が遅れてしまっています。 政府は、人手不足の対応として、多様な人材が働けるようにという社会を掲げておりますけれども、やはり病気や障害があって辞職してしまうのは本当にもったいないと思っておりますので、最後の質問になります、時間もありますので短めにお願いしたいんですが、年金制度自体は当然厚労省であります。ですが、横断的な取組、これも必要と思っていますし、病気や障害があっても働き続けることができる、そういう社会は経産省も訴えていると思いますので、是非最後にお願いいたします。
○赤澤国務大臣 働く従業員一人一人が様々な事情を抱えている中で、それぞれの人材がその能力を生かして活躍できる環境づくりを進めることは、企業の生産性を高め、イノベーション創出につなげる観点からも重要だと考えています。 経済産業省では、多様な人材の活躍に焦点を当てたダイバーシティー経営の実践を推進しております。適切な配慮の下、企業が障害のある方を積極的に登用し、その特性に応じて能力を発揮できる環境を整備する企業事例集の公表や、研修の実施を通じて企業の取組を後押ししているところであります。 引き続き、厚労省とも連携しながら、病気や障害があっても活躍できる企業の環境整備に取り組んでまいりたいと思いますし、委員が今お話しされました、請求が遅れてしまうような要因とかそういうことが、いろいろな周知とか広報とか啓発活動で少しでも減らせるようなことがないかについても、ちょっと研究してみたいというふうに思います。
○丹野委員 ありがとうございました。 終わります。
○工藤委員長 次に、牧野俊一君。
○牧野委員 おはようございます。参政党の牧野俊一でございます。 本日も、質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。 まず冒頭、中東関連のナフサとか原油の調達についてお伺いしたいんですけれども、現在、大本の量としては足りていて、そして、年を越えて供給できる見通しであるというふうには伺っております。こういった中東情勢を受けて、調達先を多様化しようという動きが少しずつ進んできているというところでございますが、これは、いずれこの戦闘が終わってホルムズ海峡が正常化したときに、民間の経済合理性だけに任せていたら、また中東依存度がどんどん上がっていってしまうという懸念がどうしてもあると思います。 政府として、現在買いに行っている南米、北米、それから東南アジア、オーストラリアも含めて、この危機がある程度収束した後も、せっかく多様化できたこの調達先を維持するために、長期契約に対する支援であるとか、備蓄制度とか、あるいは、調達先を多様化した状態を民間企業が維持できるように、何らかの税制とか補助金、インセンティブを与えてその状況をキープしていくということは何らか検討されていますでしょうか。
○赤澤国務大臣 原油やナフサの調達先の多角化は、中長期にわたってエネルギー安全保障や経済安全保障を確保する観点から不可欠です。 原油については、民間事業者による調達先多角化の取組を後押しする観点から、これまでやってきた支援としては、積極的な資源外交や、JOGMECによるリスクマネー供給を通じた上流権益取得に対する支援、鉱山の権利を取得するということでありますが、そういったことで、供給源の多角化に資するインセンティブを措置をしています。 それから、ナフサについては、積極的な資源外交による調達先多角化の取組に加えて、ナフサ以外の原料を用いた石油化学製品の製造に関する研究開発支援や設備投資支援を通じてナフサへの依存度低減を図っている、これもインセンティブになっているかと思います。具体的には、廃プラスチックや廃ゴムからの化学製品製造に関する研究開発支援や、ナフサ原料からバイオマス原料への転換に必要な設備投資支援などを行っています。 なかなか一足飛びに、委員がおっしゃるような税制、補助金ということにはならぬかもしれませんけれども、中長期的に調達先を多角化していくことは絶対に必要でありますので、それに必要な措置については、引き続き、あらゆる選択肢を排除せずに検討を続けてまいりたいと思っています。 〔委員長退席、土田委員長代理着席〕
○牧野委員 ありがとうございます。 いろいろ、使う量を減らすとか、あるいは鉱山の権利を取得するところはバックアップするとか、様々ございますが、とはいえ、やはり中東が、正常化したらそこに買いに行くのが一番安いとなってしまいがちだと思いますので、どうにか元売の輸入される企業の方々が多角化した調達先を維持できるような環境というものをしっかりと検討していっていただきたいというふうに思います。 続いて、ちょっと一問飛ばしまして、本日、AI時代に産業構造がどんどん変化していきますので、これに対応する人材確保ということを軸にここから先は質問させていただきたいと思います。 人材確保というものは、教育とか求人とかリスキリングとかいろいろありますけれども、そういったものだけで解決することはなくて、産業を支える原材料の調達とか、最終的に地域のエッセンシャルサービスにそれがどう還元されていくかとか、そして、今後、いろいろなAI化が進んで実際の人員のミスマッチが起きたところに対して、どうやって解決していくかというところに資する求人のインフラであるとか、あるいは、能力を証明するための試験、こういったものを一体的に見ていかなければ、なかなか総合的に日本の供給能力というものは維持していくことが難しいというふうに考えます。 まずは、二〇四〇年の産業構造推計、経産省が昨年発表して今年の三月に改訂版が出ましたけれども、こちらに基づきますと、二〇四〇年の需要と現在のトレンドが延長した場合の需給ミスマッチといたしまして、例えば、事務職で約四百三十七万人の供給過剰となる一方で、専門職とか技術的職業でAI、ロボットの活用人材を中心に三百四十万人近くの不足。さらに、現場人材は生産工程を中心に二百六十万人が不足して、特にその中でも、首都圏では事務系の職業が余りがちになって、地方に行くと、例えば私の地元九州なんかでも現場人材が足りないといった状況が表れてくるというふうに予測されております。 AI化が進んでいく時代において、人材の円滑な移動を支える求人、求職のインフラというものをこれから先どのように充実させていく考えか、経産省の方からお答え願えればと思います。
○竹田政府参考人 お答え申し上げます。 今御紹介いただきましたとおり、二〇四〇年の就業構造推計を踏まえますと、AIが進展する中で、AI、ロボットを使いこなす人材、現場人材の育成を進めることが重要と認識してございます。 さらには、技術進展が進む中で、必要なスキルが足下で変化していくことも想定されてございます。このため、令和七年度補正予算事業におきまして、最新の職業関連情報や求人情報を基に、AIを用いてスキル情報を抽出し、職種ごとに必要となるスキルの整理、把握を進めているところでございます。また、関係省庁とも連携しつつ、スキル関連情報の一体的な提供の充実にも取り組んでいるところでございます。 こうした取組を通じまして、AX時代に求められるスキルの習得や円滑な労働移動を促進してまいりたいと考えてございます。
○牧野委員 まさに求職のインフラのところもAIをしっかりと活用していくということが大事になってくると思いますので、今後の進展に合わせて、しっかりそこをつくっていっていただきたいんですが。 現状、例えば、私も医療の業界におりましたので、医療系の求人サイトでは、私自身は医師の転職サイトしか使ったことがなかったんですけれども、元職場の中で実際にあった事例で、看護師さんを募集したいというようなケースにおいて、とある求職サイトに対して、この中から応募が来ますと。それで、過去に一度でもそのサイトを使って応募をしたことがある人材、Aさんとします、このAさんが、そのサイトを通じて応募されて、そのときには人員が充足していたのでお断りをしました。ところが、そこから半年か一年近くたって、またちょっと人が足りなくなって、もう一度募集をかけたときに、別なサイトとかあるいは直接応募という形でその同じ方が応募してくださって、今度は採用して実際に働いてくださるというふうなケースが間々存在するということなんです。 こうしたときに、一番最初に求職をしていた、登録していたサイト、そのサイト以外のルートから後から採用したということをもって、採用側の医療機関に対して多額の違約金とか遅延損害金みたいなものが発生するというケースが実際にありまして、実際、私が働いていたところでも、大体一千万から二千万台ぐらいの違約金を、かなり多額の違約金がどかんと請求されたということがございました。 実際には、中の一人がどうやら過去にその最初のサイトを使って求職していたことがあるというのが、報告が漏れていたということが分かって、過去五年間遡って調べてくださいみたいな請求が来て、調べたら十一名ぐらい出てきて、それを総合するとそれぐらいの値段になってしまったというふうなケースだったんですけれども。 ここで問題なのが、当該サイトにおいて、採用する医療機関の側に、実際に採用、不採用という通知をやったら、そのAさんとのやり取りの履歴がそこでもう画面に表示されなくなって見えなくなってしまうので、その人が過去にそこでやり取りをしていたかどうかはよく分からない。 かつ、その利用規約とかというのも、医療機関側もユーザー側も求職者の側も結構最初は無料で使えますよみたいなふうになっていて、実際に就職されたらその給与の何%をサイト側、紹介会社側にお支払いするというふうな規約ではあるんですけれども、医療機関側で募集をかけるときに、アカウントを作って、ほかのいろいろなサービスでもありますけれども、利用規約が物すごくどばっと出てきて、一番下に同意すると書いてあって、あれを本当に真面目に全部読むという方はなかなか、時間的にも難しいという中で、同意したら、そこの中に、よくよく読むと、違約金、一年以内に同じ人が別のところから入ってきたら幾ら幾らでとかと、何かよく見るといっぱい書いてあったという、非常にそこが分かりにくく埋もれているみたいなケースがありまして、これでトラブルになっている。 こういったケースがうちのクリニックだけじゃなくてほかのところにも結構全国的に多々存在するというふうには伺っているんですが、まず、厚労省として、こういったトラブルの実態をどの程度把握されておりますでしょうか。
○古舘政府参考人 お答え申し上げます。 人材確保に当たりまして医療機関などが民間の雇用仲介事業者を利用される際に、一部において違約金請求ですとか紹介手数料をめぐるトラブルが生じているということは私どもも承知をいたしております。 そうした実態を踏まえまして、労働政策審議会で御審議をいただいた上で、職業紹介事業者に対する求職者への金銭等の提供の禁止ですとか就職後二年以内の転職勧奨禁止について職業紹介事業の許可条件に規定をするとともに、募集情報提供事業者等に対する求職者への金銭等の提供禁止や利用料金、違約金等の契約内容について求人者に分かりやすく明示する義務を課しております。 また、雇用仲介事業者との支払いをめぐるトラブル事例を含めたリーフレットを作成いたしまして、医療、介護関係団体を通じて周知を図っておりますほか、今年一月からは、都道府県労働局の幹部職員が医療、介護等の関係団体の都道府県組織を訪問いたしまして、現行ルールの周知を図っております。 さらに、医療機関等において求人に関するトラブルが生じました場合には、都道府県労働局に設置しております医療、介護、保育求人者向け特別相談窓口で相談を受け付けているところでございまして、引き続き、法令違反の疑いを把握した場合には厳正に対応してまいりたいというふうに考えております。 〔土田委員長代理退席、委員長着席〕
○牧野委員 ありがとうございます。今言っていただいたような形で、いろいろ通達を出されたりとか窓口をつくっていただいたりしているということで。 実際、私が元職場で伺っているケースにおいても、完全に違法というほどのことではないと思うんですけれども、確かに民間の職業紹介事業者であるとか募集情報等提供事業者といったものが適正な紹介手数料を得るということ自体は何の問題もないと思うんですけれども、やはりなかなか、そういった契約情報が非常に分かりにくい形で規約の中に埋もれてしまったりとか、あるいは、採用する側が当該の求職者とのやり取りを、一回そこのやり取りが、採用、不採用が完結したら見られなくなってしまうとか、そういった形で分かりにくいといったことが問題だと思いまして、こうしたことが特に小規模な医療機関とか福祉施設にとってはやはり大きな負担となってしまいます。 去年の四月から、求人者に対して手数料や違約金の発生条件を分かりやすく明示させる指針というものも出していただいているというふうに承知しておりますが、その後一年たちましたので、こういった過度な違約金請求など、トラブルがどの程度減少したかといった効果検証というものはある程度できているんでしょうか。
○古舘政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど御説明いたしました利用料金や違約金に関する明示義務等々のルールにつきましては、求人者の皆様への周知に加えて、違反事案に対し、指導監督により履行確保に取り組んでおります。 先ほど申し上げました、本年一月から実施をしております都道府県労働局による医療関係団体等への訪問時におきましては、お祝い金の禁止等によるトラブル事例の減少を評価をするというような声もいただいておりまして、トラブルの防止に一定程度寄与はしているものというふうに考えております。 引き続き、関係団体や特別相談窓口を通じて、法令違反の疑いを把握した場合には厳正に対処するとともに、医療機関等の皆様に雇用仲介事業者を安心して御活用いただけるように、周知に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○牧野委員 ありがとうございます。 まだその具体的な数値に関しては、完全な検証がこれからデータが出てくるところだと思いますけれども、徐々にそういったところでトラブルの減少ができつつあるということではありますので、今後も引き続き頑張っていただきたいと思います。 民間の求人サービスというのが様々発達している一方で、公的求人サービスであるところのハローワーク、これが、高齢者だとか障害のある方、長期失業者とか子育て中の方とか、地方で再就職を目指すみたいな、そういったケースで就職に支援を特に要する方にとっては重要なセーフティーネットとしても機能している側面もあると承知しています。 しかし、現状のハローワークのインターネットサービスが、一応あるはあるんですが、私も見てみたんですけれども、民間のいろいろな求人、求職サイトと比べて、どうしてもなかなか、検索性とかスマホでの使いやすさとか、実際に求人票が見やすいかどうか、そこでオンラインで直接そのまま応募とか面談までいけるかとか、そういった点で、なかなか機能面でまだまだ改善の余地が大きいのかなというふうに、実際に見てみて感じたところではあります。 厚労省として、このハローワークのUIとかUXの刷新、あとはスマホ対応とかオンラインの応募、面談機能の拡充について、どのような改善方針を持っておられて、そして、このシステム改修に必要十分な予算が確保できているのかということについてお伺いしたいと思います。
○古舘政府参考人 お答え申し上げます。 厚生労働省といたしましても、雇用のセーフティーネット機能を担うハローワークのサービスが利用者の方々にとって利便性の高いものであることが大変重要だと考えております。 そのため、オンライン上での求職登録や求人情報の検索などを行うことができるハローワークインターネットサービス等につきまして、これまでも必要な予算の確保に努めながら機能拡充を進めてきておりまして、例えば、オンラインでの職業相談、職業紹介ですとか、求人に対する直接応募、あるいは求人者、求職者間でのメッセージ等のやり取りといった機能についても導入をしてまいりました。 また、本年三月には、スマートフォンに対応した操作画面の改善に加えまして、希望職種や経験不問、駅近などのよく利用される検索条件から求人を検索できる簡単検索の機能ですとか、仕事と子育ての両立求人、あるいはシニア求人といったハローワークへの問合せ等が多いカテゴリーの求人を検索できる特集求人検索といった機能を導入いたしました。 引き続き、利用者の皆様の声やニーズを適切に踏まえながら、ハローワークインターネットサービスの利便性の向上にこれからも不断に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○牧野委員 ありがとうございます。 徐々にいろいろなところで改善はしていっていただいているとは思いますけれども、十分に使いやすくなっているかというと、まだちょっとそうじゃないところもあるのかなと感じますし、現状、ハローワークの利用者数も統計的には減ってしまっているというところもありますので、これが今後しっかり選ばれるサービスになるようにやっていっていただきたいんですけれども。 実際、リスキリング関連では、お配りした資料の一番後ろの五枚目になるんですけれども、リスキリング関連の主な施策で、これは、経産省と厚労省、そして文科省にわたって、ここに書いてあるだけで、様々な、いろいろな、企業向け、個人向けの支援のサービス一覧というものを出していますけれども、いろいろな施策があります。 ただ、これが三つの省庁にわたっているということもありますし、その存在がなかなか、知っている人、知らない人が当然いらっしゃると思いますので、今後は、ハローワークというものが、求人情報だけじゃなくて、職業訓練とか、リスキリングのためのいろいろな講座とか、地域の生活情報とか、移住、定住支援とか、自治体の支援制度についても、そこまで含めて、求職する側と求人する側、この双方が一体的にそれを見られるというふうな仕組みをつくる。 どうしても、今、ハローワークというのは何か困ったときに仕方なく使うみたいなイメージも一部であると思うんですけれども、ではなくて、信頼できる公的求人プラットフォームとして積極的に選ばれるものにしていっていただくことができれば、先ほど言ったような一般の紹介会社のサイト、そこでちょっと問題があるような、そういう違約金ビジネスみたいになっているようなところとのある種適切な競争関係が働いて、そういったところで、総合的に、民間と公的な部門も含めて、求人とかリスキリング、転職といった環境はますます今後向上していけるんじゃないかなと思っていますが、この点について、いかがでしょうか。
○古舘政府参考人 お答え申し上げます。 厚生労働省におきましては、労働に関する様々な情報を一元的に集約をし、個人や企業の方々のニーズに合わせて提供する、みんなの労働ナビというポータルサイトを本年三月に開設をいたしました。 このサイトにおきましては、ハローワークの求人や支援メニュー、労働法制に関する情報のほか、御指摘をいただきました職業訓練やリスキリング講座などのスキルアップのための情報に加えまして、地方就職を考える方に役立つノウハウですとか自治体の支援制度の情報など、様々な情報についてワンストップでアクセスできるように取り組んでおります。 厚生労働省といたしましては、みんなの労働ナビの更なる充実や周知、広報に取り組むとともに、ハローワークにつきましても、先ほど申し上げましたインターネットサービスなどの機能向上等により利便性の向上に努めていくことで、より多くの方々に利用しやすいものにしていきたいというふうに考えております。
○牧野委員 ありがとうございます。 まさに今年の春から、みんなの労働ナビという、そういった、総合的に、一元的につながれるようなポータルサイトを用意していただいたということですけれども、ハローワークという名称は非常に一般名詞としてみんなが知っている名前だけれども、みんなの労働ナビは、まだできたばかりで、ほとんどの人が知らないと思いますので、是非、今後いろいろなところで周知を図っていっていただきたいというふうに思います。 続きまして、AI時代の人材の移動ということに関しては、今扱ってきた求人の情報だけでなくて、いかに個人の能力を社会的に証明するかという、この仕組みも非常に重要になってくるというふうに考えます。 特に、経産省が所管している独立行政法人IPAがやっているところの情報処理技術者試験というのがありますけれども、これなんかは、IT人材、デジタル人材の能力を可視化して企業の採用とか配置、個人のキャリア形成を支える公的な能力証明インフラとして非常に重要なものと考えますが、経産省として、この情報処理技術者試験をAI、デジタル人材政策の中でどのようなものとして位置づけられていますでしょうか。
○奥家政府参考人 お答え申し上げます。 情報処理技術者試験は、AIを含むデジタル技術に関する知識及び技能を客観的に評価する国家試験であり、AI時代の人材政策を支える基盤として重要なものであると認識しています。 足下のAI技術の急速な進展も踏まえまして、AI利活用の前提となるデータマネジメントに関する試験を創設するなどの試験制度改革も進めているところでありまして、AI時代の人材育成の基盤となる情報処理技術者試験を適切に実施してまいりたいと考えております。
○牧野委員 ありがとうございます。 今言っていただいたように、AI時代に非常に重要になる能力証明のための一つのインフラだと考えますが、この情報処理技術者試験を行っている独立行政法人情報処理推進機構、IPAというところが、二〇二五年の三月に公告し、同年五月に落札された情報処理技術者試験のCBT方式、コンピューター・ベースド・テスティングですね、CBT方式による試験実施業務の入札というものに関しまして、お配りした資料の二枚目のところの頭にQRコードがついていると思うんですけれども、このQRコードを読み込んでいただきますと、当時、落札した企業と、その当時にIPAの現職でみなし公務員であったIPA職員の方の間に、入札公告期間中の繰り返しの接待であるとか、あるいは競合となる会社に対して二度にわたる働きかけがあったなどの様々な不適切な関係があったということが報告されております。 実際には、この資料の二枚目に書いてあるとおり、三つの入札がこれに絡んでいまして、入札一、二、三、それぞれ入札規模が一・一億円、二十二億円、六十六億円となっていまして、それぞれの入札に関しまして、どのような不適切な事案があったのかという点、報告書で不適切と認定された点がどこなのかということについて、下の一覧表の方にまとめておりますので、御関心がありましたら、こちらのQRコードから是非御確認をいただきたいと思うんですけれども。 これに関して、この働きかけ、不適切な関係があったこと、それからさらに、当該職員を含む広い範囲のIPAの職員さんが、入札に関わる予算額と参考見積価格といった一般的に機密とされる情報に対して、広くアクセスが可能なところに置いてしまっていたというふうなことも公表されております。 このことを受けまして、IPAの方で本年一月九日に報告書というものが公表されたというところでありまして、この第三者委員会の調査報告書によって様々明らかになった事案がここに書いてあるんです。 特に、この入札の三、これは六十六億円と非常に規模が大きいんですが、ここで何があったかというと、この資料の一枚目でございますけれども、実際には、ちょっと前後して申し訳ありません、資料の三枚目に、それぞれ、入札一、二、三、同時期にシー・ビー・ティ・ソリューションズという名前の会社が落札を取ったということが記載されていますが、この報告書の中では丙社というふうに名前が伏せられておりますが、このシー・ビー・ティ・ソリューションズという会社から、二〇二五年の一月中旬にIPAからシー・ビー・ティ・ソリューションズと甲社という別の会社に、入札三番、六十六億円に係る参考見積りの依頼をかけた。これに対して、シー・ビー・ティ・ソリューションズの取締役が一月二十九日に、IPA職員のB氏と報告書の中で書かれている人物に対して訪問されまして、シー・ビー・ティ・ソリューションズ、以下丙社と呼びますが、丙社が甲社の下請となるというふうな連携案を提案しております。 なぜこうなったかというと、元々、六十六億円規模の入札、これは、情報処理試験の中のIP試験という非常に受験人口が多い試験に関して元々甲社がシステムを作っていたんですけれども、その下請に自分たちが入れるようにというふうな提案を持っていって、そして、IPA職員であったB氏が甲社の担当者の方に下請にできませんかという働きかけを二月六日に行って、それはもちろん、談合みたいなことに値するわけですから、応じられませんというふうな回答が一回来ている。 さらに、その後、三月十日に入札の公告がされた後に、公告期間中であるにもかかわらず、丙社の代表取締役と先ほどの取締役の方が三月二十五日に接待を行って、これはB氏の送別会というふうな、そういう名目であったようですけれども、飲食代金を丙社が負担し、そして、再度Bさんから甲社の担当者の方に下請になりませんかという働きかけが二十八日になされて、やはりそれは無理ですという回答がなされてというふうな経緯があったりとかして、結果的にシー・ビー・ティ・ソリューションズという会社がこの落札に至ったというふうな経過があるわけです。 この事案に関して、実際には、この入札の三というのは、下に黄色いマーカーで引いていますけれども、二〇二五年の四月から二六年五月に実施準備とシステムの移行を行って、そして、二六年の五月から実際の運営、保守、試験実施の予定だったものが、契約締結が二〇二六年の二月六日と、約八か月、当初の計画より遅れておりました。 この遅れた理由というものが、第三者委員会の調査結果を待っていて遅れたんじゃないかというふうに推察しますけれども、そこでもって、時間がちょっと当初の予定よりも遅れているので、早めにこの事態を幕引きしたいという意図もあって、今回このような、非常に、この報告書の中でも、様々不適切な事案は見られるものの違法性までは認められないという結論にして、特段この会社に対してはおとがめなしで終わろうというふうな形になっていますが、本件について、まず経産省として、どのように受け止めていらっしゃるでしょうか。
○奥家政府参考人 お答え申し上げます。 独立行政法人情報処理推進機構、いわゆるIPA、こちらが過去に行った情報処理技術者試験関連の入札業務につきまして、二〇二五年十月より第三者調査会による調査が行われたことは承知しています。 委員御指摘のとおり、本年一月の九日に公表された調査会の報告書では、疑義を呈された入札について、IPAにおいて殊更一方の社を有利にする行為が行われたとは認められないとされています。 一方、IPAの職員の行為に慎重さを欠いた行為があったことや、入札の手続において配慮が不十分な点があったことが指摘され、IPAがよりよい業務を行うための提言も出されております。 IPAは、この提言を踏まえ、外部の者との対応における公平性の確保や、参考見積額のアクセス制限フォルダーでの管理徹底といった内容を含む新たな内部通達を定めたものと認識しております。
○牧野委員 ありがとうございます。 今おっしゃっていただいたように、IPAとしては、本件の事実を重く受け止めるとして、再発防止策の実施、そして同報告書の公表というものを行っていますが、この第三者委員会の報告の中で、不適切な点は多いものの法令違反とまでは断定できないという結論になっていますので、落札業者に対する処分であるとか入札撤回、名前の公表といったことには至っておりません。 また、本年の三月三日に、問題の接待や競争相手へ働きかけをした元IPA職員による退職金の一部返納があったということがサイトに公表はされていますけれども、IPAウェブサイトの調達情報の配下に非常に目立たないようにひっそりと掲載されているだけで、背景情報などの説明は一切そこにはされていないというふうになっています。 ただ、公的調達というものにおいては、法令違反と断定できるかどうかということだけではなくて、公正性、透明性、そして競争性に対する国民とか事業者の信頼が守られているかということが非常に重要になるというふうに考えます。 そこで、会計検査院にお伺いしたいんですけれども、IPAは国から運営交付金を受ける独立行政法人であって、情報処理技術者試験というものはデジタル人材の能力証明を担う公的インフラです。この試験実施業務の大規模調達において、予定価格や参考見積額等に関わる情報管理の不備であるとか入札公告期間中の接待、不適切な接触が指摘された場合に、法令違反とまでは断定されていなくても、会計検査院として、契約の経済性、効率性、有効性、そして何より競争性とか公的支出の妥当性という観点から、検査対象になり得ると考えますでしょうか。
○長岡会計検査院当局者 お答えいたします。 独立行政法人情報処理推進機構、IPAは、国が二分の一以上を出資している法人でございまして、会計検査院法の規定に基づく検査対象となっております。 会計検査院は、IPAの会計経理について、これまで、合規性、経済性、効率性等の多角的な観点から検査を実施しており、不適切な事態等があった場合には、検査報告に掲記するなどして報告をしているところでございます。 会計検査院といたしましては、国会での御議論等も踏まえながら、IPAの会計経理について、引き続き適切に検査を実施してまいりたいと考えております。
○牧野委員 ありがとうございます。 本件に関しては、実際に検査をしてその報告をするというのがまだこれからということになると思いますので、実際国が二分の一以上出資している公的機関でありますから、こうした不適切な事案があったということを踏まえて、しっかりと検査対象として見ていっていただければなというふうに考えております。 続けて、大臣にお伺いしたいんですけれども、経産省は、様々、コーポレート・ガバナンス・システム・ガイドライン、それからグループ・ガバナンス・システムに関する実施指針というものを所管していらっしゃって、民間の企業に対しては、実効的な内部統制、利益相反の管理とか取締役会の監督機能というものを指導する立場にあると思います。この経産省が、自らの所管法人に対しては、刑事の立証水準に達しないということを理由に、調達のやり直しとか追加調査、あるいは社名の公表といった、不適切なことをやった会社に対して何らペナルティーをかけずに幕引きしようとしてしまっていますけれども、公告、入札期間中の接待みたいなことを黙認してしまうと、今後も同様の行為をする入札業者に対する抑止力というものが形骸化してしまうといったおそれがあると思います。 民間に対して求めている水準と身内であるIPAに求めている水準、もちろん、所管する法律が違いますから、完全にどことどこがイコールとは言いづらいところもあるかと思いますが、ちょっとやはりダブルスタンダードなんじゃないかなと感じるところがありますけれども、大臣として、いかがでしょうか。
○赤澤国務大臣 まさに委員が最後におっしゃったところで、民間企業と独立行政法人では、調達に関する仕組みなども異なるために、ダブルスタンダードというおっしゃり方でありましたけれども、一概に比較することは難しいと思っています。ただ、ボトムラインは公正な競争を害することがあってはならないということで、経済産業省は所管官庁として、IPA、情報処理推進機構をしっかり監督しなければならないというのは全く御指摘のとおりであります。 このため、今回の事案では、第三者調査会の設置を指導をし、第三者調査会による徹底的な調査の結果、IPAにおいて殊更一方の社を有利にする行為が行われたとは認められないとされた一方で、職員に軽率で不適切な行為も見られたことが指摘をされています。 IPAにおいては、第三者調査会の調査結果を踏まえ、先ほども政府参考人からも答弁を差し上げたとおり、外部の者との対応における公平性の確保といった内容を含む新たな内部通達が定められたものと認識をしています。 経済産業省としては、IPAに対し、新たな内部通達をしっかり遵守をして、委員がまさに御指摘されたような業務に対する疑念を持たれることがないように、引き続きしっかり指導してまいりたいというふうに考えています。
○牧野委員 ありがとうございます。 やはり、この情報技術者試験というものは大切な公的能力証明のためのインフラでありますから、その試験を実施する側がおかしな不正があるといったことがありますと、最終的にその試験、資格そのものの信頼にも関わってくるところでございますので、しっかりと監督していっていただきたいというふうに考えます。 ちょっと時間がなくなってきましたので、最後、ちょっと一問だけ文科省に伺いたいんですけれども。 AIがあらゆる分野に社会実装されていく時代において、今後、社会で必要となる能力というものが大きく変わってくるというふうに言われています。お配りした資料の四枚目を御覧いただきたいんですけれども、いろいろな仕事に必要な能力の需要変化の予測というもの、二〇一五年には、注意深さ、ミスがないこと、責任感、真面目さとかになっていますが、二〇五〇年には、問題発見能力、的確な予測、革新性といったことが挙げられています。 実際に、いろいろなことがAIに頼めるといった中で、いかにAIに対して適切な質問を投げるかという、質問を発見して問う能力、ここが非常に今後重要になってくるかなというふうに思われますが、複数の知識を結びつける力、現場の違和感を言語化する力、こういった部分で、文科省として、AI時代における初等中等教育の在り方、実際に学習指導要領というのは十年に一回しか改訂されないんですけれども、非常に変化の速い時代にあって、十年に一回ではなかなか追いつかないんじゃないかというふうにも思いますので、初等中等教育というところから含めて、今後、AIが発達していく時代に、どのように総合的な教育の在り方というものを考えていらっしゃるか、最後にここを教えていただければと思います。
○三木政府参考人 お答えします。 生成AI等の技術革新が進む社会状況を踏まえ、人間ならではの資質、能力を育んでいくことが一層重要になると考えてございます。 次期学習指導要領に向けては、確かな知識の習得のみならず、これに必要な思考、判断力、表現力の育成や本質的な問いの追求、それから、興味、関心等に基づく課題の設定を特に重視し、探求の質の更なる向上を図っていきたいと思っております。また、情報活用能力の抜本的向上に向けた議論も進めておりまして、AIにつきましては、AIの出力の批判的な吟味も含め、AIの適切な活用についても盛り込む方向で検討しております。 それから、教育内容のアップデートでございますけれども、現場で使われる教科書は四年に一度の改訂を行っております。それから、学習指導要領の解説を文科省は作っておりまして、それも、特に変化の激しい分野について機動的に改訂に取り組みたいと思っておりますし、また、特に生成AIにつきましては、教科書改訂でも対応し切れない部分もあると思いますので、随時、国が作っております生成AIガイドラインの改定等、適切に対応していきたいと考えてございます。
○牧野委員 ありがとうございます。 これからまさに、今の時代の子供たち、AIネイティブな世代として育っていく方々が、本当にしっかりそれを、使われる側じゃなくて使う側に、使いこなす側になって社会で活躍できるように、そして、今後、この間の産業競争力強化法でも地域のエッセンシャルサービスの維持のために支援機関の認定制度といったものもつくりましたので、そうした方々が地域のエッセンシャルサービスを支えていくようなところにしっかり入っていけるような、民間も含めた求人サービスの在り方、そこも含めて、厚労省、そして文科省、経産省、そこがしっかりと連携を取りながら、実際の人員と産業のマッチングというものをしっかり進めていっていただきたいというふうに要望します。 ありがとうございました。
○工藤委員長 次に、河合道雄君。
○河合委員 チームみらいの河合道雄です。 本日は、一般質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。 では、早速質問に入らせていただきます。 まずは、先ほど牧野委員もお話ありましたけれども、AI時代の人材育成についてお伺いをしてまいります。 スタンフォード大学デジタル経済研究所が本年公表した研究におきまして、AIの影響が大きい職種で二十二歳から二十五歳の若手の雇用が相対的におよそ一六%程度減少しているという報告がございました。一方で、経験を積んでいるシニアの層に関しては横ばいから増加傾向があるというところで、こういったAIの変化が雇用にもたらす影響として、若手が現場で経験を積んでいく、いわば下積みですとか、ジュニア層の育成の入口が削られているという傾向が指摘できます。 翻って、我が国を見てみますと、大卒、高卒を含め、新卒を一括採用しまして、企業がOJTやローテーションなどを通して長く育てる、いわゆる日本型の雇用システム、メンバーシップ型雇用、この雇用慣行の下で産業競争力を長く培ってまいりました。近年では、転職も非常に一般化してまいりまして、ジョブ型雇用を導入する企業が増えてきたりですとか、こういった慣行は変わりつつある傾向は指摘できるかと思います。 しかしながら、このAIによる雇用の代替は、緩やかな移行では済まず、物すごいスピードでの変化を生みかねません。現にアメリカでは、大学の卒業式等でAIに言及したスピーチに対しての反発が報じられるなど、そういった抵抗感も高まっているという傾向も見られます。 この背景には、いわゆるジュニアの仕事がAIに奪われ、キャリアの最初の一歩目が描けないという若い世代の切実な不安があるかなと思います。先日の質問でも大臣にギュられるという言葉を少し御紹介させていただきましたけれども、シンギュラリティーが進む中で、自分たちの仕事がAIに代替されていくという危機感は日本の学生の間でも広がっていると思います。 しかしながら、こういったAIによる雇用の代替は、個人のキャリア戦略にとどまる話ではなくて、初等、中等から、特に高等教育、そして日本企業での雇用慣行や制度、これを一貫して見直していく、いわば日本型の雇用のシステム、これ自体を産業政策として見直すことを求めるような変化の転換点に立っているのではないかと考えています。 この問題意識の下、大臣にお伺いいたします。 従来、新卒一括採用をして、現場でのOJTを中心として人材育成をしてきたこの日本の人材育成の構造を、AI時代の産業政策としてどのように捉え直し、将来の中核人材が育つ仕組みを構築していくべきとお考えか、見解をお伺いします。
○赤澤国務大臣 AIの進展を始めとする産業構造の変化を踏まえて、必要とされるスキルの習得を促していくことが大変重要だと思っています。 このため、経済産業省では、各産業で求められるスキルの可視化や、スキル関連情報の一体的な提供の充実に取り組んでいるところです。 また、教育段階から産業人材を育成することも重要であり、例えば半導体や蓄電池といった成長分野では、産学官の人材育成コンソーシアムを設立をし、実践的なカリキュラムや教材の開発、産業界から講師を派遣することで、産業界に求められる人材の育成に取り組んでいます。 引き続き、関係省庁と連絡して、AI時代に求められるスキルの習得を促進し、日本の産業を支える人材の育成に向けた取組を進めてまいりたいと思います。 事務方と相談して用意した答弁はこれなんですが、一つ昔から私が思っているのは、大人の義務教育ということを私がちょっと言っていたことがあって。 人生百年時代に、二十五歳ぐらいまでに学校を終えて、残り七十五年間、生産性の高い職業人として暮らしていこうとすると、これだけデジタルだのAIだのの発展が急速な時代に、学校を出た後、デジタルスキル、AIスキルのリニューというんですかね、それをやる仕組みを社会に体系的に組み込まないと、これは絶対外国との競争に勝てないなということは思うので、何か、社会に出てから、五年とか十年ごとに有休をもらって、一定期間、デジタルスキルのリニューをするような仕組みは本気でちょっと考えていかないと駄目で。 私も、大人の義務教育というのは、一定の時期に、今の本当の意味での義務教育みたいに、みんながそろって受けるという意味じゃないんですけれども、だけれども、人生のキャリアに合わせて、ちょっとそういう仕組みは本気で国を挙げて考えないと難しいよなということを思います。特に、新しく卒業してこられる方たちと自分の能力の差を見るにつけ、全く、本当にそれは強く感じております。
○河合委員 大臣、御答弁いただき、ありがとうございます。そして、大人の義務教育という大臣のお考えもお聞かせいただき、ありがとうございます。 やはり日本だと、高校、大学とストレートに出て、そのまま就職して勤めるというのが一般的ではありますけれども、必ずしも、世界を見てみれば、そうではない国も多くあったりですとか、義務教育という趣旨ではないですけれども、大学に入り直すですとか、新しい分野を学ぶですとか、そういったところが広まっていくことを、私もすごくあってほしい姿だなと思っております。 そして、こういった一括採用からメンバーシップ型採用でキャリアをつくっていくという在り方自体の見直し、特に前回は契約学科制度などについての質問をさせていただきましたけれども、教育機関との連動も含めて、しっかりと経済産業省にリーダーシップを取っていただくというところも期待しておりますというところを申し添えて、次の質問に入っていきたいと思います。 関連しまして、続いては、人的資本に関する政策の見直しについてお伺いをいたします。 先日、メルカリ社が、CTOに、技術の責任者ですけれども、最高人事責任者、CHROと最高AI責任者を兼務させるという発表がありました。同じ日に、別のIT企業であるSansanという会社でも、最高人事責任者が、データ統括、AI活用の役割を兼ねるという公表もございました。こういった、人事部門とITデジタル部門のトップが兼務していくですとか人事戦略にAIを組み込んでいくというような動きは海外でも進んでおりまして、こういったAIの活用と人材戦略を一体的に捉える動きが広がっています。 人材戦略といえば、経済産業省が普及を主導してきました、いわゆる人材版伊藤レポート、これは、人材をコストではなくて資本として捉えて投資をする人的資本経営の考え方を広げるものでございまして、有価証券報告書での人的資本情報の開示などにつながっているという認識を持っています。人への投資がしっかりと企業価値と成長に結びついていくという考え方を社会に根づかせたという点で、非常に意義深い取組だと捉えています。 しかし、やはり冒頭に触れましたAI戦略と人材戦略が一体化していく動きというものは、こういった動きについても見直しを求めるものであります。 AIは単に組織を効率化するだけではなくて、一歩進めて考えてみますと、企業が社員に支払うような人件費、そして企業の生産活動の中で使うAIの利用料、いわばトークンの利用料とを同じ土俵の中で比較する時代が来つつあるということが指摘できるかと思います。そうすると、同じコストの投資先として人とAIをてんびんにかけ、もし仮に人の方が学習に時間がかかるという判断になれば、人への投資を後回しにしてしまう、そんな企業が出てくる可能性も十分に考えられます。そして、こうした判断が広がれば、人材を育てていくというインセンティブが社会の中で弱まっていくという懸念も指摘できるかと考えております。 そういった流れが加速度的に進み過ぎないように、これまで企業が担ってきた人材投資の一部を社会として意図的に引き受けていって、政策としてリソースを寄せていくということが巡って、我が国の競争力の維持強化につながるのではないかと考えています。 こうした問題意識の下に、お伺いをいたします。 政府参考人にお伺いします。 AIが人を補完、代替する時代に、従来の人的資本経営の指針を更新していく予定はございますでしょうか。また、人への投資の在り方を含め、政府はどう見直していくべきか、見解をお伺いいたします。
○竹田政府参考人 お答え申し上げます。 人的資本経営につきまして、人的資本経営は、人材を資本として捉え、その価値を最大限に引き出すことで中長期的な企業価値向上につなげる経営でございまして、企業の競争力強化のために引き続き重要と考えてございます。 その上で、AIの普及に伴う経営環境や業務プロセスの変化に合わせて各企業で人材戦略を不断に見直すこと、これも不可欠と考えてございます。 二〇二二年公表の人材版伊藤レポート二・〇におきましても、経営戦略の実現に必要な人材の採用、配置、育成を柔軟に進める動的な人材ポートフォリオの重要性に言及しているところでございます。 こうした考え方を踏まえまして、AIの普及による環境変化をチャンスと捉えて、企業の価値向上につなげられるような人材戦略の策定を促してまいりたいと考えてございます。 また、人的資本への投資につきましてでございますけれども、中長期的な企業価値の向上に向けまして、人的資本への投資拡大は不可欠な要素と認識してございます。 このため、経済産業省といたしましては、人的資本経営コンソーシアムを立ち上げて、先進事例の共有を通じて人的資本経営の実践と開示を推進してまいりました。 また、人的資本可視化指針を策定いたしまして、賃上げを含めた人材戦略や人的資本投資の検討や、企業と投資家の建設的な対話に有用な人的資本開示を促してきたところでございます。 今後も、こうした取組の周知、普及に努めることによりまして、企業の成長につながる人的資本投資の拡大を促してまいりたいと考えてございます。
○河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございました。動的なポートフォリオの重要性を改めて御強調いただきました。やはり、こういった社会の変化というのは、ピンチであると同時にチャンスでもあると思いますので、引き続き、日本企業の成長に向けての、そこはまさにお話しいただいたところですけれども、機動的に取り組んでいただいて、事例の共有等を進めていただければというふうに思っております。ありがとうございます。 では、二つ目のテーマについてお伺いいたします。合成核酸とバイオセキュリティーについてです。 政府は、バイオエコノミー戦略の下、生産プロセスをバイオに転換していくような、バイオ物づくりを成長の柱の一つとして位置づけて推進をされていらっしゃいました。その中の一つの技術が、合成核酸、すなわちDNAやRNAを設計して合成していくような技術です。 この技術革新の中で、AIがたんぱく質を設計できる時代が近づいていて、これは、ともすれば危険な配列を作ってしまうようなものを合成DNAの受託合成サービスに発注して入手するという、新たな経路が生まれるというリスクがあるのではないかという指摘がされています。 皆様のお手元に、ちょっと新聞記事の資料をお配りさせていただきました。これはつい先日の朝日新聞の記事なんですけれども、こちらの記事のとおり、本年六月、オープンAI社のサム・アルトマン氏ですとか、二〇二四年にノーベル化学賞を受けたデミス・ハサビス氏、そしてアンソロピック社のアモデイ氏など、AIの研究者や、そして生物の研究者、経営者や研究者などが連名で、この合成DNAの受託企業や合成装置の製造企業に対して、懸念される配列の審査ですとか顧客の確認、注文履歴や配列データの保存を義務づけるなどをアメリカの議会に求める書簡を出しました。 この記事の中でも、AIがウイルスのたんぱく質の設計図となるDNA配列を設計できる段階に近づいて、悪用を監視し切れないおそれというのがあるのではないかという危険性が指摘されております。 我が国の現行制度の中では、現物の病原菌を規制する一方、こういった配列データや受託合成の注文段階を直接捕捉する仕組みが未整備だと認識しておりまして、これはバイオセキュリティー上は重要な空白だと考えております。私は、これは今まさに立ち上がりつつある萌芽的なリスクであると捉えておりまして、技術が固まり切る前に、どういった手を打つか検討を進めていくべき課題だと考えております。 ここで、政府参考人にお伺いいたします。 こうした合成核酸スクリーニングのリスク管理の課題について認識をされていらっしゃるでしょうか。また、こういったバイオセキュリティーの課題に機動的にどのように取り組んでいく方針か、お伺いをいたします。
○赤澤国務大臣 ちょっと、参考人とおっしゃったんですが、私から答えたいと思います。 それで、私自身が非常に最近見ていて思うのは、不安を感じることというのは、一つはサイバーセキュリティー、一つは生物兵器、おっしゃるとおりです、もう一つはAIを人類がコントロールできなくなるという、その三つがあると思っていまして、やはり生物兵器についてはそういう議論が始まったなというのが率直なところです。 経産省の取組をまず御紹介すると、バイオ物づくり技術は化学合成が困難な物質の製造や環境負荷低減を可能とする次世代産業の基幹技術ということで、一方で、御指摘のとおり、基盤であるDNA、RNAについて、危険な配列の合成によって人体や環境に悪影響を及ぼす大きなリスクが存在をします。 こうした中で、米国や英国での合成核酸のスクリーニングの制度化や国際的な枠組みの整備、さらには、今記事で御指摘のあったような、受託企業やそれを製造する設備の企業とかに、先ほどの、発注者の確認でありますとか、配列のより危険と思われるものの審査とか、データ保存とか、いろいろなことを米国が考えておりますが、我が国がやっていることというのは、この夏の成長戦略の策定に向けた合成生物学・バイオワーキンググループにて対応の重要性が強調されたところで、国産の配列スクリーニング基盤の整備や国際的な共通基盤への参画といった取組について、内閣府を始めとする関係省庁や産業界と連携して検討を進めてまいりたいと思います。 ただ、委員御指摘の危険というのはそこにとどまるものではなくて、やはりこの分野は米国や中国が圧倒的に進んで、中国はほとんど規制なしの状態で、ここはどうするかというのは本当に最後まで残るんですが、やはり、米国がやろうとしている規制をよく見て、今のところ我が国において、そういう危険を生じるようなAI企業というのは私の認識では出てきていないと思うので、今すぐに、米国ほど慌てて法規制をやらなきゃいけないかというのは議論があると思いますけれども、いずれにしても、米国の動きを常によく注視をした上で機動的に対応していく、そこには本当に、冒頭申し上げたとおり、危険があるという認識を持って、政府としてやっていきたいというふうに思います。
○馬場政府参考人 今の大臣の御発言のとおりでございますけれども、内閣府より、受託合成サービスのスクリーニングといったところについてお答えいたします。 御指摘いただいた、危険な遺伝子配列の受託合成サービスを通じた入手に関するリスクの対応として、各国で合成核酸スクリーニングの導入が進められていることは承知しているところでございます。 内閣府におきましても、国内での対応について、関係各省や民間企業との意見交換を行っているところでございまして、また、バイオエコノミー戦略におきましても、既存の規制枠組みでは十分に対応できない新技術が登場した場合には、官民で必要な取組を進めることとされておりますので、引き続き、関係する省庁、企業と連携しつつ、迅速に対応してまいります。
○河合委員 大臣並びに参考人、御答弁いただきまして、ありがとうございました。 こういったバイオ物づくりの分野、まさに大臣も御指摘いただきましたけれども、非常に大きなリスクがすぐに生じ得るような環境ではあるというところだと思っております。まさにおっしゃっていただいたとおり、国際的な議論枠組みですとかスクリーニングの規制をつくっているような枠組みの中に積極的に参加していくですとか、そこに日本の企業も参加できるようなサポートをしていくということを非常に期待したいと思っております。 また、参考人からもありましたけれども、合成核酸のトピック一つ取っても、多省庁にまたがるテーマではあると思いますので、引き続き各省庁との連携を進めていただければと思います。 大臣自ら危機感を共有いただけたことを非常にありがたく思っておりますし、引き続き対応を注視してまいりたいと思います。 通告では、ここで経済産業省のお取組についてもお伺いする予定でしたけれども、大臣に先回りでお答えいただきましたので、こちらは飛ばさせていただきます。 続きまして、コンテンツ産業の振興についての質問に入らせていただきます。 コンテンツ産業、こちらは、デジタル赤字の中でも成長が見込まれて、外貨を獲得し得る産業領域として、非常に注力すべき領域だと捉えています。コンテンツ産業でしっかり日本の企業が育っていくためには、制作者サイドが受託をするという体制から抜け出した上で、しっかりとIPを保有して収益を確保することが重要です。これはまさに、ビジネスで勝っていく上でもすごく要諦になるポイントだと認識しております。 実際、経済産業省のエンタメ・クリエイティブ産業戦略の中においても、制作会社によるIPマネジメントですとか収益の確保が重要であって、制作会社が自ら資金調達ですとかIPの活用に主導的に参画して収益基盤を強化していく必要があるというような方向性が示されているという認識です。 このような問題に対して、下請取引の適正化がガイドラインで示されて進んでいるというところですとか、今の支援メニューの中でも収益のレベニューシェアを条件にするような支援の形が打ち出されているなど、利益配分を変えようとする動きが出ていることは評価できると捉えています。 しかし、IPがしっかりと制作者の側に帰属することが何よりも重要だと考えておりまして、そこでしっかりと収益が届いていけば、経営の安定、そしてひいては、安定した経営の基盤の下、人材の処遇だとかキャリアの形成みたいなところに還元をしていくということが期待されると思います。 そこで、大臣にお伺いをいたします。 こういった多重請負構造から抜け出して、受託から出資、共同IPオーナーモデルへという方向性へ向け、制作会社がIPを実質的に保有できるように、今後どのような施策に取り組んでいかれるか、見解をお伺いいたします。
○赤澤国務大臣 御指摘のとおり、アニメや映画産業において、クリエーターに対価が適正に還元されるためには、制作会社が従来の受託による売り切り型から脱却をして、成果報酬率を高める構造改革がどうしても必要だと思います。 このため、経済産業省が実施する補助事業、IP三六〇のうち、大規模作品制作支援では、これは委員が今触れていただきましたけれども、作品への出資比率や成果に応じた収入の比率を合計一〇%以上制作会社が確保することを要件の一つとしています。 こういったことも含めて、引き続き、構造改革と一体となって、大規模、長期、戦略的な官民投資を推進してまいりたいと思います。
○河合委員 大臣、御答弁ありがとうございます。そちらの方針の中でも、やはり大規模な案件の中での資金のサポートというところも非常に重要かなというふうに思っております。 加えまして、政策の方向性としてもありますけれども、やはり、最初に制作するときの資金調達のところが苦労されるような事業者さんが多いというところで、戦略の中にも触れられていますけれども、そこに対するファイナンスの支援といったところも積極的に検討いただいて進めていただければなというふうに考えておりますし、そういった予見可能性を担保する中で出資を呼び込むといった、そういった好循環も期待しております。 続いて、今後創設される権利の実務についてというところで、レコードの演奏、伝達に関する権利を含む著作権法改正を踏まえた使用料の回収についてお伺いをいたします。 こちら、私も文部科学委員会に所属しておりまして、本会議でも採決されましたけれども、レコードの演奏、伝達に関する権利の創設がされまして、いわばBGM等で流れる音楽の使用料を回収するということができるようになります。これが、相互主義の下、今までは日本でなかったので海外のものを回収できていなかったところが、海外で流れている日本の楽曲に関しての使用料を回収できるようになるという変化が生まれていくというところだと認識しております。 ただ、こういった権利が創設されることと実際にしっかりと回収できるということは、別の課題があるというふうに認識しております。日本の楽曲アーティストは海外のストリーミングサービスを中心に非常に受け入れられ始めておりますけれども、この中で、海外の徴収団体との相互管理契約ですとか海外利用の捕捉、そして分配の実務体制といったところを実際に実行するところまで整えていくことが求められます。 ここで、政府参考人にお伺いいたします。 こういった新たに創設される権利について、海外の利用から使用料を実際に回収するための実務体制、すなわち相互管理契約や利用の捕捉の仕組みをどのように構築されていくお見通しか、お伺いいたします。
○川上政府参考人 お答えいたします。 御指摘のレコード演奏・伝達権についてでございますけれども、海外において我が国の音楽が利用された場合の対価を得るためには、文化庁長官が指定いたします指定団体、それから各国の著作隣接権の管理団体が連携をいたしまして、それぞれの国の実演家等の商業用レコードが利用された割合に応じて二次使用料の受渡しを行う必要がございます。 既に、商業用レコードを放送で利用した場合につきましては、実演家等に二次使用料を支払う制度が、これは我が国においても導入されておりまして、その二次使用料の取扱いのために、我が国の指定団体と各国の著作隣接権管理団体との間で相互協定が結ばれるなどのネットワークが設けられておりまして、こうした事例が一つ参考になるのではないかと考えてございます。 今国会に提出しております著作権法の一部を改正する法律案、これをお認めいただいた後に指定団体を指定いたしまして、速やかに我が国の指定団体と各国の著作隣接権管理団体との間での連携が進められるように、文化庁としても指導助言してまいります。
○河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。隣接する権利としてですけれども、既に徴収している部分もあると思いますので、そういった団体とのつながりを生かしながらも、非常に地道なお取組になると思いますので、しっかりと進めていただくことを期待しております。 次に、コンテンツ産業における生成AIの活用についてお伺いいたします。 先日、ネットフリックス社が生成AIを基盤とする社内の制作スタジオを設けたのではないかという報道がございました。この例を挙げるまでもなく、世界的に生成AIをコンテンツ作成に活用していくという流れが本格化する兆しが出ています。 国内でも、ちょっと私自身、眉村ちあきさんというアーティストの楽曲のミュージックビデオにおいて全編生成AIを用いて作られた映像がございまして、そちらを見たんですけれども、非常に渋谷を舞台に世界観が作り込まれた映像で、個人的な感想としては非常にクオリティーの高いものに仕上がっているなというふうに見ておりました。また、昨年より生成AIを用いた国際映画祭も開催がされておりまして、本年は京都での開催が見込まれるというような状況にもなっております。 こういった生成AIの議論は、そういう質の高いものを作っていくという観点もある一方で、同時に、制作物を大量かつ安価に供給するため、そういったコンテンツのコモディティー化を促したりですとか、そういったことに大規模に取り組む事業者が海外で現れた場合、物量で市場を席巻するおそれが指摘し得るかなと思います。また、何より、学習データに対してクリエーターの権利保護をどういうふうに進めるかも、とても重要な観点です。 そういった守りの側面では、政府は、AIの事業者ガイドラインですとか生成AIの利活用ガイドブック、そして文化庁のAIと著作権に関する考え方などで関与されてきて、人工知能基本計画におかれましても、我が党も提言いたしましたけれども、生成AIによる知的財産の侵害に対する相談体制などを構築するというところが言及されているかなと思います。 一方で、こういった世界的な振興の中では、守りがあった上で、どうやって制作の競争力を高めていくかという攻めの戦略を一体となって考えていくことが求められます。 ここで、お伺いをいたします。 生成AIの登場が制作の在り方を一変させ、コンテンツ振興戦略の前提自体が問い直される中で、守りとして省庁横断で取り組んできた無断学習対策などの権利保護政策はどのような成果を上げて、今後どう進めていくのかお伺いします。また、攻めとして、AIを活用した制作競争力の強化を経済産業省としてどう後押ししていくか、そして今後のコンテンツ振興戦略をどう設計していくか、お考えをお伺いいたします。
○江澤政府参考人 お答え申し上げます。 権利保護や制作力の強化という攻めの部分の御質問かと思います。 経済産業省としては、これまで、生成AIを利活用する際の留意点等について、ガイドラインやガイドブックを出して周知をしてきたところでございます。その成果として、産業界における権利保護の観点も踏まえた生成AIの適切な利活用に関する理解が促進されてきたと認識しております。 今後については、内閣府など関係省庁において検討が進められている知財権保護に向けた取組を産業界に更に周知していきたいと考えています。 次に、AIを活用したコンテンツの制作力の強化、攻めの部分でございますけれども、今年度創設したIP三六〇という支援制度の中で、AI等の技術を活用した開発プラットフォームの構築を支援しています。また、AI開発支援プログラムにおけるコンテンツ産業向けのAI開発も促進を進めているところでございます。 コンテンツ産業における生成AIをめぐる状況は日々変化をします。産業界と密な議論などを通じて状況の把握に努めつつ、関係省庁とも連携しながら、コンテンツ制作力の強化と知財権保護の両輪を進めていきたいと考えております。
○河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。まさに、おっしゃっていただいたとおり、刻一刻と状況が変わるような性質のものだと思いますので、頻繁な見直しを期待しつつ、しっかりとこのコンテンツ産業が成長に結びつくことを期待しております。 では最後に、ちょっと最後の一問を飛ばしまして、コンテンツ制作人材育成についてのテーマでお伺いいたします。 特にお伺いしたいのは、海外経験についてでございます。 経済産業省の調査の中では、海外での制作や協業に関心がある方は九割近いという結果がある一方で、実務、実際できている方は三から五割程度という結果もあります。こういった、海外に出していくということも踏まえますと、しっかりとそういった国際的な水準だとか経験を得た人材育成をどういうふうにつくっていくかというのは非常に重要な課題です。 海外に目を向ければ、例えば韓国では国立の映画アカデミーで「パラサイト」の奉俊昊監督が輩出されたりですとかアメリカでも専門機関が人材育成に当たっていたりと、やはり、そういった専門人材を国際的な水準に育てていくというような体制が整っています。 そういった問題意識の下、我が国でも、東京芸大ですとか日本大学の芸術学部など、専門的に学べる場はありますけれども、こうした専門人材をしっかりと育てた上で人材交流をしていくというところが極めて重要だと考えております。 ここで、参考人にお伺いいたします。 コンテンツ制作に関わる人材について、国際的な知見を得るための留学、長期派遣、共同制作などの取組について、どういうふうに進めていくおつもりか、見解をお伺いいたします。
○江澤政府参考人 お答え申し上げます。 まさに世界水準の作品を生み出すためには、海外のスタジオのノウハウの取得が重要であります。御指摘いただいた二〇二〇年の調査結果でございますけれども、海外での映画制作や映画制作会社との協業に関心があるというフリーランスの従業者は九〇%に上っています。その一方で、実際にその経験を有している方は四四・四%というところでございます。 このため、経済産業省としては、海外スタジオによる国内でのロケ撮影の誘致支援を通じて外国と日本のスタッフの協業を促し、海外スタジオのノウハウの取得につなげているところでございます。 文化庁においては、クリエーター支援基金による卓越した若手クリエーターの海外進出や、一から二年にわたる海外での長期研修、国際映画共同制作の支援をしていると承知しています。 関係省庁で連携しながらコンテンツ制作に関わる人材を育成していきたい、このように考えております。
○河合委員 御答弁いただき、ありがとうございました。 他省庁連携の中、こういった文化庁のクリエーター支援基金の取組も非常に有意義だと思いますし、長期の研修や、あるいは留学も含めた支援メニューの充実を期待しております。 時間となりましたので、私の質問は以上とさせていただきます。どうもありがとうございました。 ――――◇―――――
○工藤委員長 次に、内閣提出、電気事業法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより趣旨の説明を聴取いたします。赤澤経済産業大臣。 ――――――――――――― 電気事業法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○赤澤国務大臣 電気事業法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 国際的なエネルギー情勢が変化する中、我が国においては、いわゆるGXやDXの進展による電力の需要の増加が見込まれています。こうした中、資源に乏しい我が国においては、電力の安定的かつ安全な供給を図り、エネルギー安全保障の確保を推進することが重要です。このため、電力の安定供給の要となる大規模送電線や大規模電源の整備の促進、電気事業の安定的かつ持続的な発展のための環境整備及び太陽電池発電設備等の安全性の向上に関する措置を講じる必要があります。 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一に、大規模送電線及び大規模電源の整備の促進等に関する措置を講じます。 一般送配電事業者等は、地域内送電線の整備等の計画について、経済産業大臣の認定を受けることができるものとし、広域的運営推進機関の業務に、当該認定を受けた者に対する当該地域内送電線の整備等に必要な資金の貸付けを追加いたします。また、広域的運営推進機関が行っている一般送配電事業者等に対する地域間送電線の認定計画に基づく整備等に対する貸付けに充てられる資金を拡充いたします。 大規模発電事業者についても、大規模電源の整備等の計画について、経済産業大臣の認定を受けることができるものとし、広域的運営推進機関の業務に、当該認定を受けた者に対する当該大規模電源の整備等に必要な資金の貸付けを追加します。また、大規模発電事業者は、大規模電源を休廃止する際に、一般送配電事業者等と事前に協議を行うものとします。 さらに、翌日市場における地域間での電力取引によって生じる収益をエネルギー対策特別会計に納付するとともに、政府は、広域的運営推進機関に対し、地域内送電線や地域間送電線の整備等への貸付業務に必要な金額を補助することができるものとします。 第二に、電気事業の安定的かつ持続的な発展のための環境整備に関する措置を講じます。 小売電気事業の適正化のため、小売電気事業の登録の取消し事由に一定期間の休止等を追加します。 また、電力の卸取引の活性化やその市場運営の健全性を確保するため、電力の安定供給の確保の観点で重要となる中長期市場や需給調整市場を開設する各卸電力取引所を経済産業大臣が指定及び監督することができるものとします。 第三に、太陽電池発電設備等の安全性の向上に関する措置を講じます。 太陽電池発電設備の設計不備による事故を防止するため、工事の開始前に第三者機関による技術基準への適合性確認を受けなければならない対象を追加します。 さらに、事業用電気工作物の設置者のみでは事故の原因の究明や再発防止等が困難な場合に対処するため、その製造事業者、輸入販売事業者又は工事業者に必要な協力を求める措置を講じます。 以上が、本法律案の提案理由及び要旨であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願いを申し上げます。
○工藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 ―――――――――――――
○工藤委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本案審査のため、来る十二日金曜日午前九時、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○工藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、来る十二日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十時五十三分散会