外務委員会 第10号
- 発言数
- 115 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2026/05/13
会議録
○國場委員長 これより会議を開きます。 国際情勢に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として日本銀行企画局長奥野聡雄君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として、お手元に配付のとおり、外務省大臣官房地球規模課題審議官中村亮君外十九名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○國場委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○國場委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。伊藤聡君。
○伊藤(聡)委員 自由民主党・無所属の会の伊藤聡でございます。 本日、質問の機会を与えていただきました委員長始め理事、委員の皆様に心より感謝を申し上げます。私にとって初めての国会質問でございます。茂木大臣を始め政府の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。 私の社会人スタートは、外務省からでございました。思いあって二年で退職をし、国会議員秘書などを経て、衆議院議員になりました。 個人的な話ですが、本日、この姿を見ていただきたかった方がおります。激務により四十九歳で亡くなられた、元外務省経済連携課長の松田誠さんでございます。松田さんとは採用面接で出会い、内定をお裁定をいただきまして、また、退職時も、最後まで引き止めてくださいました。 外交官は、心身を削り、命を懸けて職務に当たっておられます。心からの敬意を申し上げます。これまで私の人生に携わってくださった全ての方にも感謝を申し上げ、そして私自身も、本日、全身全霊で質問に臨みます。 初めに、日本外交の基本姿勢について伺います。 私が外務省を退職した二〇一〇年は、中国の急速な台頭で、米国や我が国との衝突が真剣に議論をされ、現在、その懸念は現実化をしております。東アジアから引っ越すことなどできない中、この状態を日本外交は看過できません。 私もアメリカ留学で痛感しましたが、米国人は漢字が読めず、東洋の感覚が伝わりにくいですし、また、中国も、西洋の啓蒙思想や民主主義の真髄は実感をしづらいと思います。東洋と西洋は、相互に理解し合うのは極めて困難だというふうに感じております。それは、ハーバード大学のグレアム・アリソン教授が、著書「米中戦争前夜」でも図示したとおりです。資料一におつけをしております。 米中が無理解の中で台湾有事が勃発をすれば、悲劇以外の何物でもありません。 その中で、日本は、例えば出雲、奈良の三輪山、そして伊勢と信仰の中心を移す中で、独自の文化、文明を育み、その上で、例えばですけれども、二〇〇七年に中国の温家宝首相が日本の国会でも演説をしたように、日本は中国や朝鮮半島から仏教、儒教などを吸収し、そして明治維新後は、民法、刑法などはドイツ、フランスなどの大陸法体系に倣いまして、そして戦後は、経済を中心に、アメリカ、イギリスなどアングロサクソン系の制度を取り入れてきた、いわばハイブリッド国家であります。世界史の中で、日本のような特別な国にしか果たせない役割があると考えます。 外交は、百年から千年先を見て行うものです。その視点で、本来は、FOIP、自由で開かれたインド太平洋を進化をさせ包含した、例えば国家外交戦略とも言えるような、日本外交のコンセンサスを示す文書を作ってもいいとさえ思います。 その観点で伺います。 生死の運命を共にする米国との関係強化と、そして中国との戦略的互恵関係をどう両立させるか。また、その中で、最近細っている中国とのパイプを長期的観点でどう構築するかについて、茂木大臣の御見解をお伺いをいたします。
○茂木国務大臣 伊藤委員には、御自身の経験も踏まえて、外務省職員、また外交の現場について温かい言葉をいただいて、感謝を申し上げます。 グレアム・アリソン教授は、私にとっても恩師に当たる方であります。 御質問にお答えいたします。 日米同盟は、我が国の外交、安全保障政策の基軸でありまして、インド太平洋地域の平和と繁栄の礎であります。三月の高市総理訪米で得られた成果、私も同行させていただきましたが、これを踏まえて、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化していくとともに、経済安全保障を含みます幅広い分野での日米協力を拡大していく考えであります。 対中関係をマネージしていく上でも、我が国と米国との関係は極めて重要でありまして、対中政策について、日米間で緊密に意思疎通していきたいと思っております。昨日、アメリカの財務大臣が訪中前に日本に立ち寄られて、総理、私も面会をさせていただきましたが、様々なやり取りもさせていただいたところであります。 また、中国との間で戦略的互恵関係を包括的に推進し、建設的かつ安定的な関係を構築していく、こうした方針は政府として一貫しております。 その上で、日中間に懸案と課題、当然、隣国でありますから、そういった懸案と課題があるからこそ、意思疎通をしっかり行い、そうした懸案や課題を解消していくことが重要であると考えております。我が国としては、中国との様々な対話についてオープンでありまして、こうした姿勢の下、今後も国益の観点から冷静かつ適切に対処していきたい、このように考えております。
○伊藤(聡)委員 御丁寧に答弁をくださいまして、ありがとうございます。 次に、イラン情勢とシーレーン防衛についてお伺いをさせていただきます。 イラン情勢については、茂木大臣、そして外務省の皆様の日々の大変な外交努力に心から感謝を申し上げます。 また、私は、アラグチ外相が日本大使だったときの回想録を読みましたけれども、例えば東日本大震災では被災地に何度も赴かれるなど、大変な行動力、日本への洞察力をお持ちでいらっしゃって、親しみの情が湧いてまいります。 イラン情勢は現在進行形のため、深くはお聞きをいたしませんが、日本関係船舶の航行が今後どうなるかなどは、ホルムズ海峡の現状、日本国民の大きな関心事でございます。 そこで、政府の御認識について茂木大臣にお伺いをいたします。 ホルムズ海峡は、国際法上、通過通航制度が適用される国際海峡とお考えでいらっしゃいますでしょうか。
○茂木国務大臣 イランのアラグチ外相は、私も、二月二十八日の事態発生以来五回にわたって電話会談を行っておりますが、親日家かどうかは別にして、知日派であることは間違いないと思っております。 イランとの関係では、長い関係を日本として持っておりまして、ホルムズ海峡におけます安全そして自由な航行、これは毎回アラグチ大臣の方にも私の方から働きかけを行っているところであります。 そして、ホルムズ海峡はどういう位置づけかということでありますが、国連海洋法条約上、公海又は排他的経済水域の間をつなぐ海峡であって国際航行に使用されているもの、いわゆる国際海峡については、他に代替となる同様に便利な航路が存在する場合を除いて、通過通航が認められております。 四月二十一日の国会におきまして、ホルムズ海峡が国際海洋法上の通過通航制度が適用される国際海峡に当たるか否かについては、政府として確定的な評価を申し上げるにはなお精査を要する、このように答弁を申し上げたところでありますが、精査を続けてまいりました。 その上で、ホルムズ海峡は、オマーン湾の公海又は排他的経済水域とペルシャ湾の公海又は排他的経済水域との間に位置をしております。そして、高市総理が述べているとおり、国際公共財として、世界の物流の要衝として、現に国際航行に使用されている海峡でありまして、他に代替となる同様に便利な航路が存在しないことも明らかになっております。 また、ホルムズ海峡については、こうした使用状況も踏まえ、直近の国連安保理決議二八一七号においても、ホルムズ海峡における合法的な通過通航又は航行の自由が認められるべき、こういった認識が示されたところであります。 以上を踏まえまして、ホルムズ海峡につきましては、国際法上、通過通航制度が適用される国際海峡に該当する、こういった判断に至ったところであります。
○伊藤(聡)委員 ありがとうございます。 今後の御対応もどうぞよろしくお願いを申し上げます。 今回感じましたのは、ホルムズ海峡に限らず、日本のシーレーン防衛体制は大丈夫なのか、十分な法的基盤が整っているんだろうかという点でございます。 特に、日本の戦後外交は、想定外に対応してきた歴史です。こちらも資料三につけております。 今、想起される想定外というものは、例えば、原油等のエネルギー途絶が日本経済の壊滅をもたらすような事態が、世界の様々なシーレーン上で発生をするということでございます。海峡の広さや周辺情勢はまちまちでございまして、事態の複雑さも千差万別でございます。私自身も今回様々な事態をシミュレーションしてみましたけれども、これまで想定外と思われていたケースも可能性としては発生し得るのではないかと感じております。 こういった中で、政府委員の方にお伺いをいたしますが、今回の事態を契機に、あらゆる事態を想定し直して、日本のシーレーン防衛体制強化のための法的基盤を整える検討を始めるべきだというふうに考えますが、御見解を伺います。 また、大変恐縮です、連続してお伺いでございます。こちらは茂木大臣にお伺いいたしたいと思いますが、バシー、マラッカ、ロンボク、ホルムズ、スエズ、スリランカ、ケープタウンなどのチョークポイントを抱える国々との外交関係をより一層強化すべきだと考えますが、具体的にどう強化するかも含めて、茂木大臣の御見解をお伺いいたします。
○伊藤政府参考人 法的基盤の件についてお答え申し上げます。 四方を海に囲まれた我が国は、衣食住の原材料の多くを海上交通路を通じた輸入に依存しておりまして、シーレーンの安全は我が国の経済活動の生命線だと考えております。 特に、有事に際しては、継戦能力の観点からも海上交通の安全確保は重要であり、我が国に対する武力攻撃の排除や、国民の生存確保に必要不可欠な物資を輸送する船舶に対する攻撃を排除することを含め、武力の行使の三要件が満たされた場合に、必要な武力の行使を行うことは現行法制上可能でございます。 また、武力攻撃に至らない状況下においても、海上における人命若しくは財産又は治安の維持のため特別の必要がある場合には、海上警備行動を発令し、我が国関係船舶を保護することは法制度上可能でございます。 このように、現行の法制度においても海上交通路の安全を確保するための仕組みは設けられていると考えておりますが、政府としては、引き続き、いかなる事態においても、国民の命と平和な暮らしを守るべく、我が国の使命を守るための取組を含め、必要な検討を不断に行ってまいります。
○茂木国務大臣 シーレーンにおけます航行の安全の確保の重要性につきまして、今、参考人の方からお答えをさせていただいたとおりであります。 我が国は、自由で開かれたインド太平洋というビジョンの下、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持強化をしていくために、アジアや中東、アフリカ等の、いろいろな海峡について言及をいただいたところでありますが、シーレーン沿岸国と海洋安全保障分野での連携を積み重ねてきております。 例えば、これらの国々に対してODA、OSAを通じた海上法執行機関及び海軍への支援を継続しております。また、二国間や多国間での各国の海上保安機関や海軍との共同訓練等を通じて連携を強化をしているところであります。 こうした取組を基礎にして、シーレーンの安全確保も念頭に、沿岸国との協力関係を更に強化をしていきたい、このように考えております。
○伊藤(聡)委員 ありがとうございます。 最後になってしまうかもしれません、時間でございますが、安保三文書についてお伺いをさせていただきます。 国家安全保障戦略が策定をされまして、日本の安全保障議論はかなり前進をしました。その中で、当初から私の方で気になっている点がございまして、いわゆる国益の定義の表現でございます。かなり曖昧だというふうに感じておりました。 そういったところ、私もちょっと、ハーバード大学の、先ほど話に出ましたグレアム・アリソン教授の国益の定義というものに出会いまして、こちらの委員会にはコンドリーザ・ライス氏、リチャード・アーミテージ氏なども名を連ねているところでございますが、資料五でお示ししたものでございます。左上のところでございますが、バイタル・ナショナル・インタレスト、死活的に重要な国益のために、米国は国家のあらゆる資源を投入して阻止するんだというような強い意思が共有されているのではないかというふうに私は感じた次第でございます。 この点について、日本の国家安全保障戦略についても、改定についてもお伺いをさせていただきます。 今般の安保三文書の改定において、国益定義をより具体化をさせて、国民の命、国家生存を最高価値として再定義すべきではないでしょうか。また、国家安全保障戦略に日本への核、生物化学兵器攻撃を阻止するといった記載が必要ではないでしょうか。また、外交目標というものもこれに関連をしてはっきりと定義すべきだと考えますが、御見解をお伺いします。
○柏原政府参考人 お答えいたします。 現行の国家安保戦略におきましては、我が国の主権と独立を維持し、領域を保全し、国民の生命、身体、財産の安全を確保すること、また、経済成長を通じた更なる繁栄を実現し、他国と共存共栄できる国際的な環境を実現すること、また、普遍的価値や国際法に基づく国際秩序を擁護し、自由で開かれた国際秩序を維持発展させることなどを、我が国が守り、発展すべき国益として明示しているところでございます。 その上で、国家安全保障戦略におきましては、こうした我が国の国益を確保できるようにするための安全保障上の目標というものを規定してございます。この目標の一つとして、有事等の発生を阻止すること、また、万が一、我が国に脅威が及ぶ場合も、これを阻止、排除し、かつ被害を最小化させつつ、我が国の国益を守る上で有利な形で終結させることなどを明記しているところでございます。 いずれにいたしましても、現在、我が国を取り巻く安全保障環境が加速度的に変化する中、我が国の独立と平和、国民の平和な暮らしを守り抜くため、本年中に三文書を改定するべく検討を進めているところでございます。
○三宅(史)政府参考人 お答えを申し上げます。 委員から、外交に関する御提案もいただきました。 世界は今、パワーバランスの変化や紛争、対立の激化を受けまして、戦後最も大きな構造的変化の中にございます。安全保障環境も一段と厳しさを増しているところでございます。 このような厳しい国際情勢の中、国民の生命財産の安全確保、経済成長を通じた更なる繁栄の実現、自由で開かれた国際秩序の維持発展といった我が国の国益の確保のため、積極的に外交を展開をしてきているところでございます。 我が国を取り巻く安全保障環境が加速度的に変化する中、今、国家安全保障局からも答弁がありましたけれども、現在、本年中に国家安全保障戦略を含む三文書を改定すべく検討を進めてきているところでございます。外務省といたしましても、そうした検討も踏まえて、引き続き、外交を積極的に展開していく所存でございます。
○伊藤(聡)委員 時間を超過してしまいまして、申し訳ございませんでした。 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○國場委員長 次に、原田直樹君。
○原田委員 おはようございます。中道改革連合の原田直樹です。 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 ゴールデンウィークを挟んで半月以上空いての外務委員会の開催となります。この連休中、外務委員の皆様におかれましても、海外で議員外交に臨まれた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。 実は、私自身も、今年が日本とベルギーの外交関係百六十周年の節目であるということで、日本・ベルギー友好議員連盟の一員として、ブリュッセルを訪問し、ベルギー政府関係者、議会関係者との面会に参加をさせていただきました。 政府の側では、高市総理がベトナム、オーストラリアを訪問し、また、茂木外務大臣もアフリカ四か国を歴訪されたのに加えて、この連休中には大変多くの閣僚が海外に出て、まさに日本政府を挙げて各地で精力的な外交を展開されたことと思います。 そうしたことにも触れながら、直近の日本外交の大きな流れ、置かれた状況と課題、そして、それに対する戦略を確認をするような形で今日は質問をさせていただきたいと思います。 昨今のイラン情勢が激化をして混迷を極めている中で、外交というものに対する国民の皆さんからの注目が非常に高まっております。外交や国際情勢といったものがどこか遠い世界の問題なのではなくて、エネルギーの確保といったものを通じて、私たちの国民生活に直結する課題であるということを、今、全日本国民が痛感をさせられております。 この外務委員会での質疑を、中継やアーカイブの動画、そして議事録等で見てくださった方がなるべく分かりやすい、一般の国民の皆さんに理解をしていただきやすいような平易な言葉で質問をさせていただくように、私も心がけたいと思います。是非、大臣始め政府参考人の皆さんにおかれましても、その点は御留意をいただいて御答弁いただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、質問に入っていきたいと思います。 冒頭から事前の通告と少し順番が変わってしまって申し訳ないんですけれども、まず初めに、「イラン情勢に伴う原油高などによる影響調査アンケートに基づく「命」と「暮らし」を守るための緊急提言」に対する茂木外務大臣の受け止めをお伺いしたいと思います。 これは御存じでない方も多くいらっしゃると思いますので、何かといいますと、イラン情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰が国民生活及び事業活動にどのような影響を及ぼしているのかということを把握をするために、私ども中道改革連合と、また参議院の立憲民主党、公明党の三党が全国で実施をした緊急聞き取り調査に基づく提言でございます。 私たちは、徹底した現場主義の下で、全国で一万二千を超える個人、法人の生のお声を伺ってまいりました。そして、その結果を集約した上で、その内容に基づいて、緊急経済対策の取りまとめと補正予算の早期編成を求めました。連休前の四月二十八日に三党の幹事長から木原官房長官に対して申入れを行ったものになります。 一つ一つ細かな内容には触れませんが、国内の経済対策が中心の内容になっており、一部、重要物資のサプライチェーンの見直しなど、外交にも関わる内容に触れているものになります。 なぜ、この提言について外務委員会の場で触れるかといいますと、やはり、先ほどから申し上げているとおり、国際情勢や外交というものが私たち日本人の生活と密接不可分であるということを、今回のイラン情勢を通じて改めて直視させられているからであります。 つまり、言い換えれば、外交を行うということは、様々なレベルや分野での取組があると思いますが、それが巡り巡って一般国民の生活に影響することでありますし、そのための外交であるということはやはり常に念頭に置かなければならない、このように考えております。 私たち国会議員に加えて全国の地方議員が主体的に調査を実施し、そしてまた、多くの国民や事業者の皆様が御協力くださったことで、一万二千を超える声を直接政府に届けることができました。 少し前置きが長くなりましたが、まずは、この提言に対する受け止めについて、冒頭、茂木外務大臣の所感をお伺いいたします。
○茂木国務大臣 委員の方から御指摘のありました緊急提言、これは、イラン情勢に伴います原油高などの影響を受ける個人であったりとか法人に対する、主に国内での支援策を中心に取りまとめた提言である、このように承知をいたしております。 もちろん、国際情勢というものが、地球の反対側といいますか、そして世界地図で見ますと本当に狭いホルムズ海峡が、実質的に閉鎖をされるということでこれだけ大きな影響が世界に生まれ、日本にも生まれる、こういうことによって、いい悪いというのは別にして、外交というのは決して遠い世界のものではないということをお感じいただいている国民の方も多いのかな、こんなふうに思っているところであります。 提言に記載のある補正予算につきましては、大半が所管外の問題でありまして、外務省として補正予算そのものについてお答えするということは差し控えたいと思いますが、外務省としても、イラン情勢による経済的影響を緩和する、このことは極めて重要な課題だと思っております。 いずれにしても、今一番重要なことは、ホルムズ海峡における自由で安全な航行の確保を含めて、事態の鎮静化が一刻も早く実際に図られることであると考えております。日本としても、二月二十八日の事態発生以来、当事国、米国、イスラエル、そしてイラン、さらにはパキスタンを中心としました仲介国、湾岸諸国、G7各国等と協議を重ねてきております。私自身、電話を含めまして三十回以上の外相会談等をこの間行ってきたところであります。 引き続き、米国とイランとの協議の再開、そしてパキスタンを始めとする仲介国の外交的取組を後押しするとともに、国際社会と緊密に連携しながら、できる限りの外交努力を進めていきたい、こんなふうに考えております。
○原田委員 丁寧な御答弁をいただきまして、ありがとうございます。 続いて、ここから、現下のイラン情勢についてお伺いをいたします。 今大臣からも言及をいただきましたけれども、アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃が始まったのが二月の末ですので、もう既に二か月半の月日がたってしまいました。 その間、様々な段階、フェーズをたどってきたわけでありますけれども、今この瞬間、一応の停戦、鎮静化状態であり、大規模な攻撃が行われて多くの貴い命が次々に失われている、そういった状況でないという点について言えば、当初から考えれば一つの前進であると思います。 一方で、落としどころの見えない、出口のない状態が非常に長く続いて長期化をしている、これはとても深刻な事態でありますし、そのことが日本の経済安全保障を大きく脅かして、私たちの生活にも多大なる影響を与えているわけであります。アメリカとイランの交渉等についても連日様々な報道がなされておりますが、なかなか先行きが見通せない状況です。 そこで、改めてお伺いをいたしますが、政府として、最新のイラン情勢をどのように認識をしているのでしょうか。茂木外務大臣にお伺いをいたします。
○茂木国務大臣 この問題、様々な報道も連日のようにあるわけでありまして、また、私も様々な国と直接話をしておりますが、外交上のやり取りにつきましては控えさせていただきたいと思っておりますが、米国とイランの間では、協議の再開に向けて、先週末にも米国の提案に対するイラン側の回答を含めてやり取りを続けられておりまして、また、パキスタンを始めとする仲介国によります外交努力、これも継続をしているところであります。 今、先ほども申し上げましたが、最も重要なことは、ホルムズ海峡におけます自由で安全な航行の確保を含めて、事態の鎮静化が一刻も早く実際に図られることであります。単に停戦、今、幾つかの形で単発的な攻撃等はありますが、一定程度の収まりは見せておりますけれども、完全な停戦に至っている、こういう状態でないわけでありまして、一刻も早く実際に事態の鎮静化が図られることであります。米・イラン間の協議が再開をされ、話合いを通じて最終的な合意に早期に至ることを期待いたしております。 日本としては、引き続き、米国とイランとの協議であったり、パキスタンを始めとする仲介国の外交的取組、これを後押しするとともに、国際社会と緊密に連携しながら、できる限りの外交努力を進めていきたい、このように考えております。
○原田委員 御答弁ありがとうございます。 今大臣が御答弁いただいたとおりでありますけれども、日本政府として、これまで、当事国であるアメリカ、イラン、イスラエルに加えて、湾岸諸国や欧州各国など様々な国に働きかけをして、停戦維持、緊張緩和、そしてホルムズ海峡における航行の自由と安全の確保が重要であることを繰り返し訴えてきました。 また、当初は邦人保護が最大の課題でもありましたけれども、この点についても不眠不休で迅速な対応をされてきましたし、また、海上回廊の設置や、あるいはパワー・アジアの立ち上げなど、様々な枠組みも国際社会に対して提案をし、まさに日本外交としてやれることは全てやってきている、そうした状況であると思います。 そのことを踏まえて、改めて、外務省の職員を始め、御尽力をいただいている関係者の皆様に深く感謝と敬意を表したいと思います。 その上で、やはり、日本の国益を考えたときに、今最も大きな論点、課題は、エネルギーの安全保障をどのように確保するのかということであると思います。日本の原油輸入の九割近くがホルムズ海峡を経由しており、エネルギーのホルムズ海峡への依存度が非常に高い、過度に依存をしてきてしまったことがこの一つの原因であると考えております。 そのように見ていきますと、ホルムズ海峡の安全な航行を何とか確保をして、一日でも早く中東からの原油の輸入を再開できるようにするということ、そのための外交努力というのがまず一つの方向として求められております。一方で、当然、ホルムズ海峡を経由する中東からの輸入以外のエネルギー確保の経路を開拓をしていく、この大きく二つの方向性での外交努力が必要であると思います。 そこで、まずお伺いをいたします。 ホルムズ海峡の航行の安全確保、そしてそれによるエネルギー安定供給に向けた政府としての対応の状況、また今後の見通しについて、改めてお示しください。
○三宅(浩)政府参考人 お答え申し上げます。 中東地域の平和と安定の実現は、エネルギー安全保障の観点を含め、日本を含む国際社会にとって極めて重要な問題であります。 日本として、二月二十八日の事態発生以来、高市総理を始め、様々なレベルで、当事国、仲介国、湾岸諸国、G7、各国等と協議を重ねてまいりました。特に、イランとは、高市総理とペゼシュキアン大統領との間で二回、茂木大臣とアラグチ外相との間で五回の電話会談が行われ、ホルムズ海峡における自由で安全な航行の確保を含め、話合いによる事態の早期鎮静化に向けた働きかけを行ってまいりました。 また、外務省としても、我が国のエネルギー調達先の多角化や安定供給に向けた取組を行ってきております。先般、茂木大臣がアフリカに出張された際、アンゴラとの間では、日本企業のアンゴラ産原油の取引への参画を後押ししていくことで一致したところでございます。 今、最も重要なことは、先ほど大臣が述べられたとおり、ホルムズ海峡における自由で安全な航行の確保を含め、事態の鎮静化が一刻も早く実際に図られることであると考えております。 引き続き、米国とイランの協議再開、仲介国の外交的取組を後押しするとともに、国際社会と緊密に連携しながら、できる限りの外交努力を進めてまいりたいと考えております。
○原田委員 御答弁ありがとうございます。 この問題は本当になかなか、当然簡単には進まない、非常に難しい課題ではありますけれども、引き続き、粘り強い取組をお願いしたいというように思います。 そして、やはり、ホルムズ海峡の安全な航行の確保、通航の再開が難しいということになれば、別の供給源から資源やエネルギー、重要物資等を安定的に確保する新たなルートの開拓が求められる、そちらの方向性の努力が今最大の課題であると考えております。 こうした経済安全保障への問題意識は、今、イラン情勢の話をずっとしていますけれども、今般のイラン情勢に限った話ではありません。例えば、中国による日本に対するレアアースの輸出規制は依然として続いておりまして、日本としても調達の多角化を進めているものの、重要鉱物の分野では依然として中国への依存度が高い、そうした状況が残っていると理解をしております。 少しまた通告と質問の順番が前後してしまいますけれども、こうした経済安全保障への課題意識を強く持った上で、ゴールデンウィークの連休期間中の積極的な外遊、外交につながったものと理解をしております。総理、また外務大臣を始め十名の閣僚が合計二十一か国を訪問し、一連の外交が集中的に行われたと報道を通じて掌握をしております。 ここで私が重視をしたいのは、個々の訪問先また個別案件の羅列ではなくて、今回のこの連休中の外交全体としてどのような戦略が貫かれていたのかという点であります。 そこで、茂木外務大臣にお伺いをいたします。 今回の連休の期間中の閣僚による一連の外遊について、政府はどのような全体戦略の下で実施をし、また、どのような成果と課題があったと整理をされているのか。所管外の部分もあるかもしれませんが、可能な範囲で茂木外務大臣の御認識をお聞かせください。
○茂木国務大臣 連休中の外遊にかかわらず、大きな方針として、どう他国との関係を強化をしていくかということで、大型連休前に総理から閣僚に対して、自由で開かれたインド太平洋、FOIPの進化について各国への説明を行うこと、また、原油や石油製品、重要鉱物等の安定調達及び新たな供給源の開拓等について指示があったところであります。こういった指示を踏まえて、様々なやり取りはありますが、実際に関係国を訪問して、その国の大統領であったりとか外務大臣であったりとか、様々なハイレベルの人と直接対話をする、働きかけをする、こういったことは極めて重要だと考えております。 大型連休中、高市総理はベトナムとオーストラリアを、そして私自身はザンビア、アンゴラ、ケニア、南アフリカのアフリカ四か国を訪問いたしました。 まず、総理が訪問したベトナムやオーストラリアとの間では、互いの強靱性、自律性を高めて、地域全体で共に強く豊かになる、こういった共通目標に向けた具体的な協力の推進について、両国と一致を見たところであります。また、インド太平洋地域の戦略的課題についての連携、中でも安全保障協力の一層の深化についても一致をいたしました。 また、私自身にとっても五年ぶりとなりました今回のアフリカ訪問の主な目的、三つありまして、一つは、グローバルサウスとの連携を深めること。グローバルサウスは今、国際社会でも非常に発言力を強める、また成長する中で、一方で、成長に伴います課題、これも大きくなっているのは確かであります。そして二番目に、資源外交を展開し、サプライチェーン強靱化に向けた協力、連携を深めること。そして最後に、第三番目に、自由で開かれたインド太平洋、FOIPの進化及び日本の対アフリカ外交政策について発信を強化する。この三点が主な点でありました。 訪問した四か国は、いずれも我が国と基本的価値を共有し、更なる成長が見込まれる国々でありまして、TICADの実績であったり信頼関係も踏まえて率直な意見交換ができ、非常に有意義な訪問であったと考えております。結構遠くて、行くのに丸一日かかってしまうということで、結果的には五泊八日、こういう出張にはなったわけでありますが。 今回、進化を表明しました我が国外交の柱でありますFOIPについては、その中核的な理念そのものは変わらないわけでありますが、国際情勢がより一層厳しくなる中にあって、自由で開かれた国際秩序を維持強化していくためには、各国の自律性そして強靱性を強化していく必要があります。日本は、そのために今後も経済、社会、安全保障と、あらゆる分野で各国、各地域と手を携え、最も効果的な支援、協力を行っていきたい、このように考えております。
○原田委員 詳細な御答弁をありがとうございました。 私もベルギーに、また一緒にフランスにも訪問をしましたけれども、茂木大臣が訪問中、各国から動画で、狙いですとか報告を上げられているのを拝見をいたしておりました。 今、日本にとって最大の課題となっている経済安全保障の強靱化、また今御説明あったFOIPの進化も含めて、政府一丸となって対応されているということを非常に心強く思いますし、こうした大きな危機に直面をしているときだからこそ、これは与野党関係なく、必要な対応について、野党の立場からもしっかりと応援をしていきたいと思っております。 一方で、だからこそ、少し一歩踏み込んで御質問をさせていただきたいと思います。 今、国民の皆様からすると、本当に知りたい、関心があることは、理念、枠組みではなく、実際に何をどこまで実現をできたのかということに関心があると思います。例えば、原油、LNG、重要鉱物の調達先の多角化について、どこまで具体的な前進があったのか、どれだけの供給を確保できるのか、若しくはその見込みがあるのか。さらに、突き詰めて言えば、その結果として、今回の外遊の成果が、電気代、燃料代、医療物資、産業用部材の安定確保など、国民生活にどのようにつながるのか。そうした一般の国民の生活への影響、アウトカムこそが真に重要であると思います。 そこで、お伺いをしたいと思いますのが、今回の一連の外遊の成果について、会談を行った、協力を確認したという方向性や理念の説明にとどまらず、できれば数値を伴うような形で、具体的な成果について、国民生活への影響といったものが理解できるような形で御説明をいただけますでしょうか。 済みません、この点については事前に具体的に通告ができておりませんでしたので、部分的なものでも構いませんし、また、目標といったものでも構いません。数値感、規模感についてイメージが湧くような形で、可能であれば、可能な範囲で御答弁をいただけたらと思います。
○花田政府参考人 お答え申し上げます。 現下の中東情勢によりまして、エネルギーですとか資源の供給が滞ることの影響を最も受けておりますのはアジアでございまして、その影響は、委員御指摘のとおり、我が国を含むサプライチェーンで密接に結びつく全ての国に及ぶという認識から、本年四月、高市総理が新たな協力の枠組みとしてパワー・アジアを立ち上げました。 このパワー・アジアは、域内のエネルギーや重要物資のサプライチェーンの強靱化に向けて、緊急対応と中長期の構造的対応の両輪から成る、金融面での協力等を行うものでございます。 例えばでございますけれども、現在までの進捗状況といたしましては、今月二日に、高市総理がベトナム首脳との間で、地域におけます重要物資の生産とサプライチェーンを維持するため、パワー・アジアの初めての案件といたしまして、ベトナムにおけますニソン製油所の原油調達について、NEXIを通じまして支援する方向で一致したところでございます。 アジアの国々とともに、エネルギーの安定供給とサプライチェーン強靱化に取り組むこのパワー・アジアは、まさに高市政権が掲げますFOIPの具現化でもあり、引き続き、平和と繁栄をつくる責任ある日本外交を展開していく所存でございます。
○茂木国務大臣 原田委員、具体的な数字につきましてはなかなか手元に資料はないわけでありまして、事前に通告をいただきますともっと充実した議論が私はできるんじゃないかなと思っておりますが、例えば、代替調達先、米国からのですね、調達先は、今、前年同月比で四倍まで増えてきております。そして、代替調達を含めて、これから六割、七割調達が進む、こういう見込みも立っておりますけれども、細かい数字等につきましては、恐らく、経済産業省、資源エネルギー庁の方をお呼びいただいてお聞きをするか、そちらの委員会で御質問をいただくのが一番正確なのではないかなと思っております。 また、価格の問題でありますけれども、これは御案内のとおり国際価格で決まりますので、単に日本が調達を増やしたからそれで急にWTIが下がる、こういう問題ではないわけでありまして、国際社会でというか、国際経済全体でどれだけエネルギーの調達が進むか、また、そういった中東情勢等の安定、これがどう見通せるか、こういったことによって市場動向というのは決まってきますので、なかなかこちらの点について、どう動くということを日本だけの調達で考えるということは極めて困難だと私は思っております。
○原田委員 事前の通告が少し不備があった中で、丁寧な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。 国際情勢が激動する中で、外交努力によって日本の国益を守っていく、そのための知恵を出し合うということは与野党を問わない政治家の使命でありますから、引き続き、丁寧で建設的な議論を心がけてまいりたいと思います。 ここからは、少し話題を変えて、冒頭にも少し触れました、日本とベルギーの外交百六十周年に関してお伺いをいたします。 日本とベルギーは一八六六年に外交関係を樹立しており、二〇二六年は百六十周年の節目に当たります。ベルギーには日系企業が多数進出し、在留邦人も多く、二国間貿易額も相応の規模があります。長年にわたる友好関係に加えて、経済、人的交流の基盤もしっかりと存在をしております。 また、ベルギーの重要性は、単に友好国ということにとどまらないと思います。ベルギーにはEUやNATOといった国際機関が位置をしており、また、アントワープ港という物流上の重要拠点を持ち、欧州の政治、安全保障、また供給網を考える上でも戦略的な位置にあるというふうに認識をしております。 そうしたことを踏まえて、お伺いをいたします。 政府はベルギーを、EU、NATOへの玄関口、また、物流、経済安全保障上の拠点として、どのように位置づけているのか。日本・ベルギー関係の重要性について、改めてお聞かせください。
○茂木国務大臣 日本とベルギー、委員御指摘のとおり、本年、修好通商航海条約を締結してから百六十年の節目を迎えております。両国は、自由、民主主義、法の支配といった価値や原則を共有する戦略的パートナーとして、政治、経済、人的交流といった幅広い分野で長年にわたって協力関係を築いてきております。 確かに、日本企業もたくさん進出をしておりますが、委員御指摘のように、ベルギーの首都ブリュッセルにはEUやNATOの本部が所在をいたしまして、欧州の政治、外交の中心地として国際社会において重要な役割を果たしてきております。国際秩序全体が揺らぐ中で、二国間協力に加えて、EUやNATOを通じた協力の観点からも、ベルギーとの連携を強化する重要性は一層高まっていると考えているところであります。 六月には天皇皇后両陛下の御訪問も予定をされているなど、本年の日・ベルギー友好百六十周年を契機に、二国間関係についても更なる深化に向けて取り組んでいきたいと考えております。 確かに、アントワープは極めて重要な拠点である、物流上の拠点である、そのように考えておりますけれども、第二次世界大戦中のバルジ大作戦であったりとか、当時のアントワープの位置づけと今の位置づけが同じかといいますと、その部分はかなり変わってきている部分も私はあるのではないかなと思っております。
○原田委員 御答弁ありがとうございます。 今回のベルギー訪問では、プレボ副首相兼外務大臣を始め、多くの政府や議会の要人と会談を重ねました。先方とのやり取りを通じて、例えば半導体、重要原材料、デジタル、サイバー、防衛など、幅広い分野での協力が話題として上がりました。 そこで、お伺いをいたします。 経済、デジタル、防衛等の分野において、日・ベルギー間の協力を今後どのように具体化していくお考えがあるのでしょうか。百六十周年という節目も踏まえてお答えください。お願いいたします。
○石川政府参考人 お答え申し上げます。 日本とベルギーとの間では、委員御指摘のとおり、経済、デジタル、防衛の分野を含め、多岐にわたる協力が進展してきております。 経済分野では、ベルギーは高い経済力と充実した物流インフラを有することから、日本企業にとって欧州における主要な進出拠点の一つとなっておりまして、二百以上の日系企業がベルギーに進出しております。近年では、先端技術分野における連携も進展してきておりまして、半導体の分野においても協力関係を築いてきております。 それから、デジタル分野では、今月、日・ベルギー間のデジタル分野における当局間の協力文書を取り交わすなど、同分野における協力を推進してきております。 それから、防衛分野では、本年、東京のベルギー大使館に新たに駐在武官の配置が予定されているというふうに承知しておりまして、更なる協力の強化が期待されるところでございます。 今後とも、幅広い分野において、ベルギーとの具体的な協力を一層発展させていきたい、このように考えております。
○原田委員 御答弁ありがとうございます。 今御説明いただいたような幅広い分野での実務的な協力に加えて、現地を訪問した際に私が非常に印象的であったのが、先ほど外務大臣からも言及ございました、来月に控えた天皇皇后両陛下のベルギー御訪問という機会の重要性についてであります。会話の中でも、先方が天皇皇后両陛下をお迎えするに際して、どういったことに御関心があるのかですとか、そういったことが行く先々で質問をされることが非常に印象的でありました。 そこで、お伺いをいたします。 天皇皇后両陛下のベルギー御訪問について、政府はこれをどのような外交的意義を持つものとして位置づけているのでしょうか。可能であれば、来月のベルギー御訪問に限らず、一般論として、皇室外交の持つ意義についても触れるような形で御答弁いただければと思います。
○石川政府参考人 お答え申し上げます。 先ほども答弁申し上げましたとおり、我が国とベルギーとは、長きにわたり、幅広い分野で協力関係を進展させてきております。また、我が国の皇室とベルギー王室は伝統的に良好な関係を構築しておりまして、両国の友好関係の増進に重要な役割を果たしております。 そのような中、ベルギーの国王陛下から天皇皇后両陛下に対して累次にわたって御訪問の招請が寄せられたということから、天皇皇后両陛下は本年六月にベルギーを御訪問なさることとなりました。 今回の御訪問は、日本とベルギーとの従来からの親密な友好親善関係を一層深めることとなるというふうに考えております。こうした意義というのは、皇室外交一般にも言えることかというふうに考えております。
○原田委員 御答弁ありがとうございます。 今年は、日・ベルギー外交百六十周年を記念して、日本国内でも様々なイベントが開催される予定とのことであります。例えば、来週末には横浜でベルギービールウィークエンドが開催予定でありますし、同じく再来週末には大阪でも同様に開催をされ、その後、全国各地を回る予定であるとのことでありました。また、十一月にはベルギー王立管弦楽団が来日公演を開催予定です。そのほかにも様々な行事が予定されておりますので、是非、皆様にも御注目、御参加をいただければと思います。 時間になりましたので、私の質疑を終えたいと思います。ありがとうございました。
○國場委員長 次に、近藤和也君。
○近藤(和)委員 中道改革連合の近藤和也でございます。本日もどうかよろしくお願いいたします。 茂木大臣、本当にお疲れさまでございます。気の休まる暇もないとは思いますけれども、また頑張っていただければと思います。よろしくお願いいたします。 すぐ質問に入らせていただきます。 明日十四日、世界中が注目しておりますけれども、米国のトランプ大統領が訪中をし、習近平主席と首脳会談が行われます。政府として、どういった、どのような形で、期待と懸念、このようなことをお持ちなのか、現状の思いをお聞かせいただければと思います。
○茂木国務大臣 五月十四日に予定されております米中首脳会談については、基本的な考え方、これを申し上げますと、米中関係、世界でもGDP第一位、第二位の大国であります、この米中関係が日本を含みます国際社会の安定に資するものとなる、こういったことが極めて重要であると考えております。 こうした観点から、米国との間では平素より意思疎通を行ってきておりまして、総理もそうでありますが、私自身も、昨日のベッセント米財務長官との会談の際にも、日本の考えを含め、率直な意見交換を行わせていただいたところであります。 いずれにせよ、我が国としては、引き続き、同盟国たる米国との強固な信頼関係の下、中国に対してその立場にふさわしい責任を果たしていくような働きかけをしていくことが重要であると考えております。 これは、国際秩序の面でもそうでありますし、通商の面でもそうだと思っております。例えば、WTOの世界においても、中国はあたかもまだ途上国である、こういう立場を示したりしますけれども、実際にこれだけの経済力を持っているわけでありまして、やはり国際経済におけるレスポンシブルステークホルダーである、こういう責任を持った行動というのが求められるのではないかな、こんなふうに考えております。
○近藤(和)委員 本当に、期待と不安、双方あるんだろうなというふうには思いますが。 昨日、私は、ドイツの国交大臣が来日されているということで、その歓迎のところに私も参加をさせていただきました。改めて、G7といいながら、アメリカが今、極めて不安定なこの数年間の振る舞いをしておりますので、ドイツですとか、イギリスですとか、フランスなども含めて、こういう共通の価値観を持つ国々、アメリカとも当然ではございますけれども、三位、四位、五位、こういったところも含めてやはり相当足並みをそろえていく努力が必要なのかなと、昨日、おいしいお酒などをいただきながら少し感じていました。 そして、中国のことについても、やはり今厳しい緊張関係状態にあるわけですけれども、アメリカとの、トランプ大統領の振る舞い次第によっては日本にとっても対中国も突破口になる可能性もあると思いますし、その逆もまたしかりだというふうには思いますので、ここは是非ともまた継続して御努力をいただければと思います。よろしくお願いいたします。 それでは、次はロシアの問題について質問いたします。 先週、ずっと以前からですけれども、ロシアに対して経済訪問団を派遣するという報道が出てきております。そして、今、日本においても、ホルムズ海峡があのような状況ですから、サハリン2から随伴原油の輸入を再開する、こういう話も出てきています。実際には日本の国民生活を考えると致し方ない部分はあるんだろうというふうには思いますけれども、経済訪問団を派遣するということに対して、ロシアのウクライナ侵攻を受けた対ロシア制裁との整合性はどう取るのか、この見方について経産省に伺います。
○井野副大臣 まず、ウクライナ侵略終結後を見据えた経済分野での協力やエネルギーに関する協力を見据えて政府がロシアに経済訪問団を派遣するという報道は承知をしておりますけれども、現時点でそうした計画はございません。 むしろ、ロシアにいる日本企業の資産を守る取組は必要であるというふうに考えておりまして、これまでも、ウクライナ侵略後に、日本政府として政府間での意思疎通は継続して行ってきているところでございます。その一環として、五月末に日本政府職員がロシアに出張し、企業とも連携しつつ、ロシア側との意思疎通を図る方向で調整をしていることも事実でございます。 我が国は、あくまでもG7で協調しながら、引き続きの対ロ制裁を実施する考えでございますので、今回の出張とは関係なく、今後もその方針、制裁の実施の方針は変わっていないということであります。
○近藤(和)委員 井野副大臣、ありがとうございます。 一応、先ほど侵略と言われたんですけれども、よろしいんですかね、ウクライナ侵攻ですよね。言葉の使い方で、ちょっと私もその時々で使い分けたりもしているんですけれども、後で訂正されるのであれば、それはそれで。 先ほどウクライナ侵略と言われたんですが、それでよろしいんですかね。
○井野副大臣 侵略で問題ないと思います。
○近藤(和)委員 ありがとうございます。これで私も堂々と、ウクライナ侵略という言葉、このような委員会でも使えるのかなというふうに思いますが。 済みません、日本の企業等の利益を守るということであって、制裁を緩めたわけではないということの御答弁だったかと思います。 外務大臣に伺いますが、とはいっても、今回の経済訪問団を派遣するとのことが、まるでウクライナの敗北を見越したかのような、また、ロシアの行動を認めたかのように受け止められかねない、こういった見方がございますが、外務大臣、いかがでしょうか。
○茂木国務大臣 今、井野副大臣の方から、ロシアによりますウクライナ侵略、こういう言葉を使わせていただいたところでありますが、まさにこれは侵略だと私も考えておりまして、これが、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙でありまして、国際社会全体の平和と安定を損ねているのは間違いない、このように考えております。 このような観点から、我が国として、G7を始めとする国際社会と連携しながら、ウクライナ支援、そしてロシア制裁を行ってきておりまして、この方針に変わりはないところであります。 先ほどサハリン2のお話がありましたが、サハリン2については我が国として権益を持っているわけであります。仮に我が国がこの権益を手放した場合にどういう状況が起こるか、いろいろな想定、リスクというのは考えられるのではないかなと思っておりまして、サハリン2に限らず、日本が持っている資産であったりとか権益、これをしっかり守るということと、戦後を見越した何らかの協力というのは全く別に考えるべきものだ、このように私は思っているところであります。 同時に、ロシア、我が国にとりましては隣国でありまして、適切に二国間関係をマネージしていくことは重要であると考えております。 引き続き、我が国外交全体において何が我が国の国益に資するか、こういう観点から適切に対応していきたいと思っております。 基本的な方針、こういう、国際秩序の根幹を揺るがすような暴挙に対して、これは認められない、こういう方針は貫かなければ、やはり日本外交に対する信頼というのは失われてしまう、日本というのは目先の利益だけを追い求める国なんだな、こういう誤解を与えるようなことはあってはならない、私はそのように考えております。
○近藤(和)委員 力強い御答弁をありがとうございます。 井野副大臣、これで結構です、ありがとうございます。
○國場委員長 御退席ください。
○近藤(和)委員 それで、ウクライナへの侵略を受けて様々な制裁をしようと、二〇二二年のときに、例えばですけれども、国際決済網であるSWIFT、国際銀行通信協会からロシアを排除することなどを含む制裁があったのかと、そういった見方がございます。日本も、米国やEU等を含めて、ロシアを制裁すべしということで共同声明に参加しております。 例えば、SWIFTからの除外する対象が中途半端だったということですとか、中国を含む幾つかの国を経由した迂回輸入ですとか、二次制裁逃れですね、さらには、暗号資産、A7A5等による決済など、日本単独では縛りようがない、なかなか難しい、関係国との連携をしながら抜け道を防ぐ努力を更にしていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○石川政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、第三国に所在する団体を経由したりですとか暗号通貨の活用といったような形で対ロ制裁の効果を減じるような、そうした制裁を迂回する試みについても厳しく対応をする必要があるというふうに考えております。 我が国としましては、これまで、ロシアへの迂回輸出に関与した第三国に所在する団体、計五十六の団体を輸出禁止の対象というふうにしてきております。ただ、日本単独で完全にできるということではございませんので、引き続き、ウクライナの公正かつ永続的な平和を実現するために何が効果的か、それから何が我が国の国益に資するかという観点から、国際社会とも緊密に連携して取り組んでいきたいというふうに考えております。
○近藤(和)委員 なぜこのようなことを聞いたかといいますと、例えば対北朝鮮でも様々な段階での制裁を行ってきていますけれども、どこまで効果があったのかなと。本当に追い込み過ぎたらまずいかもしれないといった部分も理解できなくはないですけれども。 このロシアに対しても、ちょっと資料を御覧いただければと思いますが、上のグラフはGDPでございます。二〇二二年のときには、すとんと落ちたということでございます。これは年が終わるごとのデータでございますので、二〇二二年の二月以降の制裁を受けてGDPは落ちたということですが、それ以降は持ち直している。二〇二五は少し、こちらについては制裁の影響が出ているのではないかということでございますけれども。 今、四月には、IMFが出したレポートによりますと、原油高を受けて、GDPの見通しが、〇・八から一・一、プラスの〇・三%、上方修正がされております。ロシアのGDPは日本円に直すと大体三百兆円ぐらいですから、一兆円ぐらいが、ロシアが少なくともイラン情勢によって益を受けているという見方もできますし、そもそもが、二〇二三年、二〇二四年、持ち直していますねと。貿易収支についても、二〇二二年、二〇二三年、二三年のところは落ちていますけれども、そこから安定をしているという状況でございます。 そして、為替も見てみますと、資料三の方から見ていただきますと分かりやすいかなと思いますが、円と各通貨です。一番よく見るのが左上ですね、円・ドルチャートでいきますと、円安傾向というのはずっと続いていて、高値安定ということで、日本円は、この数年間はどの通貨に対してもある程度円安になっている。実はドルも同じような状況ではあるんですけれども。 一枚戻っていただきまして、では、ルーブルはどうなのかということです。先ほどのSWIFTのところにもつながる部分はあるんですが、制裁を始めますというときだけですね。左上を一番見ていただくと分かりやすいですが、一ドルに対して何ルーブル必要かということで、このときだけ跳ね上がっておりますが、しばらくしてからすぐ落ち着いてきています。一番右端の中段、円とルーブルの関係でいきますと、ウクライナ侵略の以降でいきますと、むしろルーブルが高くなっているといったことがございます。 先ほど大臣が言われました、何が国益に資するかといったところもあると思いますけれども、この制裁、国際秩序を揺るがすということに対しては、ロシアはいまだにその軍事行動をやめていないわけでございます。これがジェノサイドじゃないかというような見方もあるわけでございますが、この経済制裁は本当に利いているのか、このような状況でいいのかということに対して、大臣、御所感、意見をお願いいたします。
○茂木国務大臣 通告を受けておりませんので、どうお答えしていいかと思いますが、為替レートにつきましては様々な要因で決まってまいりますので、確定的に、どういうことが起こったから為替がこう動いているということについては非常に、コメントするのは控える、これが基本的には政府の立場である、こんなふうに考えているところであります。 制裁がどこまで利いているかを定量的に測るということもかなり私は難しいのではないかなと思っておりますけれども、先ほど政府参考人の方からも答弁させていただいたように、五十六団体に対して、これを制裁対象に加える等々、できる限りの措置を取っておりますけれども、迂回等も含めて、これをなくしていくためには、国際社会全体としてこのロシアによります暴挙に毅然と対応する、こういう国際世論をつくっていく、できる限り多くの国にこういった制裁に参加をしてもらうということが極めて重要なのではないかなと私は考えております。
○近藤(和)委員 一応通告では、ロシアへの制裁全般、そして経済制裁等についてということでございましたので、少し、正確には、利いていないことに対してどう思うかという通告ではないですけれども、方向性としては、できれば、今後こういったことも十分あり得るなということで受け止めていただければと思います。 そして、更に申し上げれば、やはり、このロシアに関しての大臣の御答弁を伺っていますと、相当力強いなと思います、頼もしく思います。何を言いたいかと申し上げれば、やはり、中東情勢に関しても、イランに対してもそうだと思いますが、アメリカ、イスラエルに対しても、この半分ぐらいの力強さでも本当はあってもいいのかなというふうには思います。 では、次の質問に参ります。 今国会では、防災庁設置法の質疑がただいま行われています。以前、当委員会でも、日本における国際支援の在り方、災害時の支援の在り方について伺いました。前回は、日本が海外に対しての支援の、どのようなことができるのか、そういった中身でございましたが、今回は逆に、日本で巨大な災害が起きてしまった場合の海外からの支援の受入れ、受援について議論をしたいと思います。 過去の例でいえば、東日本大震災が特に挙げられます。海外からの支援を受け止めることができなかった、断らざるを得なかった、こういった例があったというふうに伺っています。一方で、能登半島地震のときには、台湾から、応援しようということに対しては、自治体の側から、いやいや、それは結構ですよ、そこまでの状況ではないですよ、こういったやり取りがあったという事例は聞いています。 特に東日本大震災以降は、この受援体制の在り方、こちらについて、課題はどういったことがあったのか、そして今どのような形で改善が進んできているのか、新たな仕組みもつくったというふうに伺っていますが、現状をこちらは内閣府に伺います。
○貫名政府参考人 お答えいたします。 南海トラフ地震などの大災害が発生する可能性が指摘される中、各国からの支援を円滑に受け入れ、国内の災害対応において適切に活用することは重要だと考えております。 海外からの支援受入れにつきましては、災害対策基本法第八条第二項第十八号におきまして、受入れ手続の明確化など、必要な措置に努めるよう規定されているところでございます。 先ほど委員からございましたように、東日本大震災におきましては、自治体における支援受入れ体制が十分に整備されていなかったといったようなことから、支援受入れに時間を要するといったような事例も発生いたしました。 こうした教訓を踏まえまして、政府におきまして、平成二十九年十二月に策定いたしました大規模地震・津波災害応急対策対処方針の中で、支援受入れに当たっての基本的な考え方や物的及び人的支援の具体的な受入れ手続につきまして定めたところでございます。その上で、発災時に設置される災害対策本部では、海外からの支援受入れを調整する担当を設置し、具体的に受入れ調整を行うこととしております。この調整事務につきましては、毎年実施する緊急災害対策本部事務局運営訓練を通じ確認を行っているところでございます。 今後とも、関係省庁と連携の下、海外からの円滑な支援の受入れの体制の確保に努めてまいりたいと思います。
○近藤(和)委員 内閣府、厚労省、そして当然外務省も含めてということでございますけれども、ありとあらゆる形で体制を整えていただければと思います。 次の質問に参るんですが、ちなみに、東日本大震災のときには、インバウンドは、その前後は一千万人ぐらいだったと思うんですよね。現状は四千万人を超えてきているということもございます。外国からの受援の在り方といったところも、緊急的な人命救助もそうですが、国内にいらっしゃる方々の、外国からの支援、こういったことも今後考えていく必要があるんだろうというふうにも考えています。 現在ですけれども、日本国内で働いていらっしゃる在留の外国人は四百十二万人、これは昨年の数字です。実際は相当前後すると思いますが、四百万人程度。そして、観光で、インバウンドは、これは昨年の数字ですが、一年間で四千二百万人。大体一週間ぐらい滞在するということでございますので、一日当たり、例えば今日、日本にいらっしゃる外国人の観光客は大体八十万人ぐらいなのかなと。合わせると大体五百万人ぐらい、現在、外国人の方がいらっしゃるということでございます。 災害時のときには、言語の壁、そして情報が行き渡らない等の指摘は以前から言われているわけでございますが、南海トラフ地震などの場合、広範囲そして多人数であり、在日の大使館等で対応し切れない場合も十分あり得るのではないかなと。そして、国交を結んでいない国からの外国人が被災をする、そういった可能性もございます。 ちなみに、昨年、欧州に委員会派遣で行ったときですけれども、ある国の大使館の人数が四、五十人で、ある国は七十人から八十人ぐらいで、うちも同格ぐらいなのに少ないんだよなというようなお話を少し伺いました。恐らくこの四、五十人、七、八十人という人数はかなり多い方だというふうには思いますが、今回、中東紛争を受けてのイラン大使館、大体二十人台だというふうに聞いています。 一方で、日本で置き換えてみますと、各国からの在日の大使館の方々は、恐らく、少ないところは十人前後、アメリカや中国を除けば二十人、三十人、多くても四十人、これくらいではないかなというふうに思います。 例えば、これは昨年の六月末の数字ですが、ベトナムの方だけでも六十六万人、フィリピン三十五万人、インドネシア二十三万人、相当な数がいらっしゃいます。今回なぜこのようなことを言うかといいますと、イランから必要な方を、出ていただくだけでも相当苦労、頑張っていただいた。三百人から四百人ぐらいで、二十人ぐらいの大使館員の方が奮闘していただいたわけでございますが、逆に、日本にしばらくの間とどまることが困難、そしてもちろん国内、日本に来ていただいている外国人の方々を救うということの場合には、対象の国の方が大使館員だけではもう間に合わないということで派遣をされる、こういったことは十分あり得るのかなと。 大規模災害時における外国からの自国民保護に係る応援要員の受入れを含む、在京外交団による自国民保護や支援の活動に対する外務省の取組はいかがでしょうか。
○實生政府参考人 お答え申し上げます。 大規模災害時に各国の在京大使館等による自国民保護や支援が円滑に行われるよう、外務省としては、平時より、在京外交団を対象とした防災セミナーを実施し、自治体による防災に関する取組や災害時の情報連絡体制について説明するといった情報提供に努めております。 また、実際に大規模災害が発生した場合は、各国外交団と被災自治体等との連絡ややり取りに支障が生じないよう、関係省庁とも緊密に連携して、情報提供を始め必要な措置を講ずることとしております。 そして、議員がおっしゃった、当該国から人が来るというようなこと、そういった緊急また人道配慮の必要な場合に迅速な査証発給に努めるということは、これは従来から行ってございます。 先ほども一部御紹介があったかと思いますけれども、令和七年六月三十日の中央防災会議幹事会にて改定された、大規模地震、津波災害が発生した際に各機関が取るべき行動内容を定めた大規模地震・津波災害応急対策対処方針において、「外務省は、地方公共団体との連携を密にし必要な措置を講ずるなど、駐日大使館等が行う在日外国人の安否確認に対して協力するものとする。」とされておりまして、大規模災害発生の際には外務省としても関係省庁と連携して協力するということとしているものでございます。
○近藤(和)委員 査証は早く出せるようにという、通常は五日程度かかるというふうに伺ったんですけれども、相当早くしていかなくてはいけないと思います。 あと、実際のオペレーションを考えれば、被災者の、私も、二年前に地震に遭ったときには、避難所にやはり外国人の方がいらっしゃって、言葉も通じなくて、携帯で翻訳ソフトも見られないですからね、電波は通じないですから、本当にかわいそうなことをしたなと思いますし、トイレも使えないような環境に、じゃ、そのような方々が一月も二月も三月もその現地にとどまることができるのかと考えれば、一時的な国外脱出ということは、当該国に関して言えば十分あり得るんだろうなというふうに思います。 そして、数百人であればまだ可能かもしれないですが、十人、二十人の大使館の職員の方が、じゃ、二十万人、三十万人、四十万人の自国民を、一時的にでもとどまる方と、一旦出ていただく方、避難環境の良好なところに、例えば国内に移っていただくということもあり得るのかなというふうに思いますが、ありとあらゆる形での、特に南海トラフのとき大混乱しないように、ちょっと想定をして、また動いていただけたらと思います。 それでは、次の質問に参ります。 JICAの国際緊急援助隊の活動について、日本国内で活動ができないのかという考え方がございます。医療チームはそもそもそれぞれDMATなどで活動するから難しいのではという見方ですとか、ODA予算はそもそも海外支援のためだから難しいとの考えを外務省は示しています。 外国からの支援チームとの連絡役や在留外国人への支援など、その場で必要とされることはあり得ると考えます。いざというときは、どのような形であったとしても、場合によっては国内での活動を可能とすること、これを否定するべきではないと考えますが、いかがでしょうか。
○今福政府参考人 お答え申し上げます。 今委員から御指摘ございました国際緊急援助隊でございますが、国内法令上、海外へ派遣するということが定められているのはございますが、実際上の問題といたしまして、この国際緊急援助隊というのは常設のチームではございません。海外で大規模な災害が発生した際に、その都度、関係省庁、例えば消防とか警察、防衛省、海上保安庁、その他の省庁にお願いをして職員を出していただいて、チームを編成して派遣するというものでございます。 かかる観点から申し上げますと、この医療チームに登録されている方々、例えばお医者さんとか看護師の方々、こういった医療従事者の方々は、国内における災害発生時におきましても、先ほど内閣府の方からも御説明がありましたとおり、医療活動において重要な役割を担っているものと認識しております。
○近藤(和)委員 実際は、レクのときでも考えが、現状把握が一致しないんですけれども、医療関係者に伺いますと、過去にDMATに登録していた人でも、拠点病院を辞めて一般病院へ転職するとDMATではなくなるということですとか、DMATには、産科医や助産師、小児科医等はいないか、少ない。 JICAのJDRについては、産科医、助産師、小児科医を含むということですとか、簡単な手術ですね、全身麻酔等、透析ですとか、こういった一次、二次医療もできる。そういう能力があるのに、いざというときには動かないというのは、これは、日本でいざというときがあったときに、いや、このチームは海外の方だからということは理屈がつかないと思うんですね。人の命を救うということは最優先だと思います。 もちろん、現状の認識について少しずれがありますので、これはまた別の委員会でも進めていきたいと思います。よろしくお願いいたします。 それでは、最後の質問になりますが、イランのこの状況で、中東情勢の影響で、日本の経済にも大きな影響を与えてしまっています。 先月末に、四半期に一回の日銀の見通しが出ましたが、日本経済に与える影響をどのように見ているのか、従前と比べて変更等をしたのか、このようなことについて日銀から伺いたいと思います。
○奥野参考人 お答え申し上げます。 私どもが先月末に公表しました資料、展望レポートにおきましては、我が国経済に関する中心的な見通しとして、今年度につきましては、原油価格上昇に伴う交易条件の悪化などが企業収益あるいは家計の所得に対する下押し要因となりますことから、成長ペースは一旦減速すると。その上で、来年度以降は、原油高の影響が減衰する下で成長率は緩やかに高まっていくというふうに見込んでおります。 これまでとの変更点というところでございますけれども、三か月前の一月の展望レポートとの比較で、数字のイメージでございますが、二六年度につきましては、実質GDPの伸び率が、一月の時点でプラスの一・〇%ということでございましたが、今回の直近の見通しは、委員の中央値、九人の中央値でプラスの〇・五というふうに下方修正させていただいたところでございます。 いずれにしましても、こうした見通しは今後の中東情勢の帰趨次第で大きく変化し得るものでございます。日本銀行としては、引き続き、中東情勢の展開が我が国経済、物価に及ぼす影響を注視してまいりたいというふうに考えてございます。
○近藤(和)委員 ありがとうございます。 参考人、これで結構です。ありがとうございます。
○國場委員長 奥野局長は御退席いただいて結構です。
○近藤(和)委員 わざわざ日銀さんに来ていただいたのは、相当影響を受けてきているということでございます。今日は時間がございませんので、日本経済に与える影響をどう受け止めていくのか、今後の日本の動きをどうしていくべきなのかということは、また後日質問いたしたいと思います。 ガソリンの補助金だけでも、大体今五千億ぐらいもう使ってきていますよね。そして、GDPの大体〇・五%マイナスということは、大体六百兆がGDPと考えれば大体三兆円程度。そして、この日銀のレポートの中には、所得流出という見方でいけば、基礎化学製品等も含めれば一・四%のマイナス、約八兆円ということも言われています。 日本経済にも相当大きな影響、個人個人の暮らしの見方もそうですし、マクロの数字でも影響が出ているということも含めて、日本外交の在り方もいろいろとまた考えていかなくてはいけないのかなと。また、もちろん私たちも応援団として頑張っていかなくてはいけないなということを申し上げまして、終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○國場委員長 次に、青柳仁士君。
○青柳委員 日本維新の会の青柳仁士です。 まず、我が国の安全保障に対するODAの貢献について質問させていただきます。 ロシアのウクライナ侵略以降、国際社会ではハイブリッド戦争という概念が定着し、安全保障は従来の軍事に加えて非軍事領域を含む定義へと、国際的な共通認識が変わってきていると承知しております。その対処のために、我が国でもまさに今、経済安全保障や国家安全保障会議に関する法制度整備が進んでおりまして、安保三文書の改定に向けた議論も進捗しているというふうに認識しております。 こうした中で、裾野の広がった安全保障の領域には、従来、ODA、政府開発援助が実態として成果を上げてきた分野が相当多く含まれているのではないかと考えております。外務大臣として、また外務省として、この認識についてどう考えるか、また、成果を上げてきたとすればどのような点であったか、見解をお伺いできればと思います。
○今福政府参考人 お答え申し上げます。 今委員御指摘のとおり、ODA、これは日本の平和と繁栄をつくる責任ある日本外交を推進するための重要なツールでございます。国際環境が大きく変化する中で、日本のODAの戦略的意義は一層高まってきていると思います。 また、ODAを通じて国際社会の平和と繁栄に貢献すること、これは我が国の平和や安定にもつながるものと認識しております。
○青柳委員 もう少し踏み込んだ御答弁をいただければありがたいんですけれども。 これまで私自身もODAに関わってきました。例えば、実際にこれまで行ってきた案件の中には、日本の高速鉄道、新幹線を海外に輸出するというようなものがありました。これは、中国の一帯一路に対するミッシングリンクをつくり出すという意味において非常に大きな効果があったのではないかと思いますし、また、世界的なそういったインフラがどこの国を基準にして造られるのかということ、これは経済安全保障の領域において非常に重要なことではないかと思っております。 また、インドの産業回廊、チェンナイ―バンガロールの産業回廊のプロジェクトにも関わっていたことがありますが、これもやはり、インドという非常に重要な同志国が中国の方を向くのか日本の方を向くのか、あるいは、そこでのビジネスであるとか外交の基盤が日本にとってどういった俎上になるのかというものをつくり出す非常に重要なプロジェクトであったと思っております。 また、私自身、アフガニスタンに赴任をしまして、ここで平和復興のプロジェクトをやらせていただいておりました。これもまた、空港を造ったりとか、新都市の建設のプロジェクトをつくったり、いろいろなことをしておりましたが、なかなか自衛隊による貢献ができない中で、各国、同盟国、同志国に対する日本の国際的な貢献、これによって同盟関係を強めて、また、世界の安心、安全、安定を高める中で我が国の安全にも寄与してきたというふうに思っております。 こうした様々な事例が実際にある中で、これまでは、ODAというのはあくまで国際協力のためのものである、こういう概念でやってきておりました。ですので、こういったことはほぼ副産物のように扱われてきたというのが実態ではないかなと思います。 しかし、今、安全保障の定義が拡大して、裾野が広がってきている中においては、まさに、ODAが生み出している、これから生み出すわけではなく既に生み出しているこういった副産物を戦略的に活用していくこと、あるいはそれを更に戦略性を持って実行していくこと、あるいは予算を更にそこにつけてそれを拡充していくこと、こういったことが非常に重要なのではないかなというふうに思っております。是非とも、外務省におかれましてもこういった観点で考えていただけたらと思っております。 また、もう一つ質問させていただきます。 今の話は主に二国間の、いわゆるバイの協力というところではありますが、国際機関への拠出や文化外交といったものに関しても、やはりこれは、安全保障に対する、特に非軍事領域に対する貢献という部分は相当大きいのではないかなと思いますが、この点についての外務省の認識をお伺いいたします。
○茂木国務大臣 先ほど来何度も答弁をさせていただいておりますが、自由で開かれたインド太平洋、FOIPを進化をさせていく、基本的な、法の支配であったりとか、自由、さらには包摂性、こういう基本的な理念は堅持をしながら、各国の自律性であったりとか強靱性を高める、こういった新たな取組を進めるということにしているわけであります。 そういった観点からも、まずは、ODAにつきましては、巡視船の供与であったりとか人材育成などの海上法執行機関の能力強化支援、これは、その国にとっても重要でありますけれども、我が国の安全保障にとっても重要なシーレーンの安定に、こういったものにも資する、そのように考えているところであります。 また、道路のお話がありましたが、港湾であったりとか空港も含めて、同志国のインフラを整備をするということは経済活動の活性化にもつながる、また、その国の成長というのは、日本にとってもマーケットが広がるということにもなるわけでありまして、我が国の経済活動の発展にも資すると考えておりまして、国際情勢、こういったものが厳しさを増す中で、地域の平和と安定のために、より一層ODAを戦略的に活用してまいりたいと考えているところであります。 続けて、多国間の話をさせていただいてよろしいですか。 グローバルガバナンスの強化と自由で開かれた国際秩序、これは日本の安定と発展の基盤でありまして、我が国にとって有利な国際環境を形成して、しっかり国益を守っていくことが必要だと思っております。 こうした観点から、国際機関を通じて、防災、保健、GX等の日本の強みを生かして、地球規模の課題であったりグローバルサウス諸国の脆弱性に対応するということは我が国自身の安全保障にも直結する取組である、このように認識をいたしております。また、日本の経済面での危機管理や、日本企業の海外展開、市場開拓を始めとする経済的発展にも直結をする、こんなふうに考えております。 また、安全保障上取り組むべき課題は、従来の陸海空、さらには宇宙、サイバーから、最近は人間の認知領域にまで広がりを見せているところでありまして、いわゆる認知戦というものが既存の国際秩序への挑戦に利用される中で、政策発信、広報と文化外交を二本柱とする広報文化外交の一層の強化が重要であると考えております。 話し出しますと非常に長くなるので、一旦ここら辺で切ってよろしいですか。
○青柳委員 御答弁ありがとうございます。 まさにおっしゃっている認識が非常に的確なものであろうかと思っております。 ただ、今、これまでODAは、国際協力のためということで、戦後はやはり戦後の各国に対する賠償のためというところから始まっているところもありますので、一方的に相手国に対して裨益するようなプロジェクトが正しいのであるというような認識も、いまだに一部あるといえばあるのかなと思います。 しかしながら、実際には、お互いにとってウィン・ウィンになるような、日本にとっても利益があり、また相手国にとっても利益があり、もっと言いますと、さらに、国際的にも利益がある、こういう三方よしのODAというのをこれからは考えていくべきだろうと思いますし、その際、我が国の国益ということのときには、今まである意味副産物のように扱われてきた、今、茂木大臣からも御答弁がありましたような、経済成長であるとか、ルール作りであるだとか、あるいは安全保障であるだとか、そういったところに対する貢献というのも的確、適正に評価していく、こういう考え方をこの昨今の安全保障環境、国際環境を受けて考えていく必要があるのではないかなと思っております。 そうした認識を基に、今日はちょっと財務省の方に来ていただいておりますので、一点、予算についてお伺いできればと思うんですが。 こうした安全保障の裾野が広がって、ある意味で、ODAの領域、今までODAが実際に成果を上げてきた領域にまで拡大してきているという中で、一方で、予算上は、防衛費とODA予算というのは全く別勘定として扱われているというのが現状です。 日本の安全保障体制を強化するというのが我々のゴールなわけですね。ですから、予算というのはそれに合わせて考えなきゃいけないわけであって、予算の箱が先にあって、その先に我々の目的があるわけではなくて、日本の安全保障体制を強化するという目的のために、どういった予算の枠組みあるいはつけ方がいいのかというのを考えていくべきだと思っております。 そういった観点で考えると、やはり、外交、ODAの非軍事領域における貢献、こういったものも安全保障の予算の中で一体的に考えていくべきだと考えております。これは、安全保障を実質的かつ効率的に強くする方法であるということだけではなくて、予算の効率的な執行にもつながっていくのではないかなと思っております。 というのは、例えば、防衛費の単位とODAの単位というのは多分全然違って、防衛費の方が圧倒的に高いわけです、単価が。ですから、ミサイルとか戦闘機を一台増やす予算で、例えば、先ほど認知戦のお話がありましたけれども、ODA予算における、あるいは外務省のそういう報道に関する予算、そこにつけると、例えば、認知戦対応のための、日本の文化の理解、日本の理解のための発信力をどれだけ増やせるかといえば、莫大な量の効果が見込めるのではないかなと思います。 ですから、予算を効率的に執行して、かつ、我が国の安全保障を最も最大、この価値を生み出していくという観点からも、予算の考え方というのはもっと柔軟に考えていくべきではないかなと思うんですが、これについてちょっと財務省の見解をお伺いできればと思います。
○三反園大臣政務官 お答えいたします。 今後の安全保障や防衛に係る経費の考え方につきましては、国家安全保障戦略を始めとする戦略三文書の改定と併せて検討が進められるものと考えております。 その上で、財務省といたしましても、我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境にある中で、ODAを通じて途上国のサプライチェーンの強靱化、重要鉱物資源の開発等に貢献することは、我が国の安全保障の強化にも資するものと考えております。 このような観点から、外務省など関係省庁としっかりと議論してまいりたいと考えておりまして、ODAの一層の戦略的な活用に向けまして、我が国の外交活動に必要となります予算についてはしっかりと確保してまいりたいと考えております。
○青柳委員 御答弁ありがとうございます。 これから、安保三文書の改定とともに、それから骨太の方針も来月決まっていくと思いますが、そういった中で議論はされていくものとは思いますが、今おっしゃったような御認識、非常に現時点では的確なものだと思いますので、サプライチェーンの強化、これが経済安全保障へのODAの貢献というのも、一定やはり安全保障上の非常に重要な予算である。 これから安全保障のための予算を一定増やしていくという中においては、単にミサイルであるとか自衛隊の予算であるとか軍事的なものだけを増やしていけばいいというわけではなくて、複合的な、軍事、非軍事、両方の予算を拡充していくことによって、最も効率的な予算の執行、これは財務省にとっても非常に重要なことであると思いますので、そこを考えていくということを是非とも考えていただきたいなと思います。 また、それに当たって、今もインテリジェンスの話であるとかが進んでおりますが、やはり基本になるのは人ではないかなと思いますので、外務省、あるいはJICA、そして海外の国際協力に携わる様々な方々、ここのマンパワーというのも非常に重要ではないかなと思いますので、是非とも、海外で日本人の持っているツール、リソース、そこの知見というのが生かせるような、そういう予算づけあるいは全体、統合的な予算の考え方というのをこれからの議論の中で是非考えていただければと思います。 時間になりましたので、以上で終了させていただきます。ありがとうございました。
○國場委員長 次に、深作ヘスス君。
○深作委員 国民民主党・無所属クラブの深作ヘススです。 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。 大臣、五泊八日という大変強行日程の中、外遊、大変お疲れさまでございました。 私は、五月四日から六日、二泊三日の日程でシンガポールへ行ってまいりました。その際に、実はシンガポール大使館から、大臣が一度経由でシンガポールを通られたというお話を聞きまして、大臣のいろいろな過酷な日程を私の頭の中で追いかけていたわけであります。 実は、今回シンガポールを訪問したその背景には、まず第一に、二〇〇六年に日本主導で設立をされましたアジア海賊対策地域協力協定、いわゆるReCAAPの情報共有センター、ここを訪問してまいりました。チャフェカー事務局長、これまで日本人が事務局長を務めていましたが、今、インド人の事務局長がここで務めています。この事務局長、そして、日本から、海保から出向している職員などと意見交換を行ってまいりました。 このReCAAP、皆さん御存じの方も多いと思いますが、一九九九年、アロンドラ・レインボー号、こういった事件を契機に、我が国が主導して築き上げてきた枠組みであります。 今回、現地で確認をしたことは、加盟国各国の法執行機関による継続的な取締り、そして同センターからの情報分析の連携というものが、海賊や犯罪シンジケートに対する極めて強力な抑止力になっているという事実です。 当初、ReCAAPができたときには加盟国は十四か国でありましたが、現在二十一か国まで拡大をしています。そして、地政学的には大変遠くにあるギリシャが間もなく批准を開始をする。それだけではなく、フランスも今、高い関心を示しているということが明らかになっています。 今日ここでこれを取り上げているのは、この日本発のReCAAPモデル、これが持つ、現代における地政学的な価値についてであります。 特に、先ほどほかの委員からも御指摘ありましたが、様々な海峡、チョークポイント、世界の中でありますが、ここにおける航行の自由というものが脅かされています。欧州諸国が今、あえてこのReCAAPに関心を示し始めたということは、インド太平洋のシーレーン防衛というものが欧州にとっても経済安全保障上の死活問題であるということが、世界的に広がっているそのあかしではないかと考えます。 今こそ日本が、単に、これは海上保安庁から職員を派遣していますし、拠出している資金があるわけですが、一貢献国にとどまるだけではなく、欧州や大西洋、こういった地域の安全保障とインド太平洋の安全保障が不可分であるという政府の基本方針を具現化をするツールとして、よりReCAAPを活用することができるのではないかと考えています。 そこで、大臣にお伺いをいたしますが、ホルムズ海峡からマラッカ海峡に至る国際海上交通路の危機管理が今急務となる中で、外務省として、今この批准手続を開始をしたギリシャや関心を持っているフランスを始めとする欧州諸国をこの枠組みに戦略的に引き込んでいく、自由で開かれたインド太平洋の防衛網としてReCAAPを拡充をする、そういった方針はどのように掲げていらっしゃいますでしょうか。多国間でのシーレーン防衛網を日本主導で構築をしていくべきと考えますが、大臣の御見解をお伺いいたします。
○茂木国務大臣 戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面をする中で、委員御指摘のように、シーレーンの安全確保、これは極めて重要な課題だと思っております。そして、インド太平洋と欧州大西洋の安全保障はまさに一体不可分である、こんなふうに考えているところであります。 日本が交渉を主導しましたアジア海賊対策地域協力協定、ReCAAPでありますが、これは、アジアの海におけます海賊対処のための多国間の協力を促進するための協定でありまして、二〇〇六年の立ち上げから今年で二十年を迎えたところであります。また、締約国には、アジア諸国だけではなくて、委員御指摘のように欧米諸国も加わり、現在二十一か国に拡大をしているところであります。 我が国は、ReCAAP設立時からReCAAPの事務局に海上保安官を常時派遣をして、締約国やシーレーン沿岸国の海上法執行能力向上のための支援に取り組んできたところであります。こうした取組を基盤として、同盟国、同志国であったり沿岸国との、二国間及びReCAAPを含みます多国間の協力を更に発展をさせ、シーレーンの安全確保を念頭に、海洋安全保障分野での連携を積み重ねていくということを進めていきたいと思っております。 これは、こういったシーレーンの安全確保もそうなんですが、通商の分野でも、例えば今、CPTPPは加盟国も十一から十三にちょうど広がるところでありますけれども、こういった、元々はどちらかといいますと太平洋を中心としていたのが、英国が加わったりとか、様々な形で、同じ目的であったりとか価値観を共有する、こういった国々ができるだけ多く参加することによって様々な課題にも対処していく、こういうことが可能になっていく、そんなふうに考えております。
○深作委員 ありがとうございます。 大臣おっしゃられるように、今この枠組みを広げていくことの重要性、特にReCAAPでありますが、アメリカが今、離脱を検討し始めているところであります。最終的にどうなるかは分かりませんが。そういった中で、西側諸国、大西洋地域にある国々とともに連携を深めていくことで、大西洋とアジア太平洋、インド太平洋地域は不可分であるということをしっかりと進めていく必要があると考えています。 そして、続きまして、ReCAAPにおける情報共有の枠組みの拡充について、今度はその情報を現場で生かすための物理的な能力構築について伺いたいと思います。 どれだけ加盟国間で不審船や海賊の情報を迅速に共有ができたとしても、実際に現場へ急行する巡視船、広域を監視する沿岸レーダー網を持っていなければ、犯罪の取締りを完遂することはできません。我が国一国で広大なシーレーンを守るということは不可能であるというふうに考えたときに、シーレーン沿岸国自身が海を管理し法を執行する能力、これを底上げすることが大変重要であります。 そこで、大きく日本が貢献できる外交のカードとなり得るのが、ODAであったりOSA、一体的かつ戦略的なこの投入を行うことであると考えます。 これまで日本は、ODAを通じて海上保安機関に巡視船を供与するなど、多大な実績を上げてきました。今後は、これに加えてOSAの枠組みを最大限に活用して、同志国の海軍などが担う警戒監視能力、通信基盤の強化にも力強く踏み込んでいくべきだと考えます。そして、これを単に、あの国に船を供与したであったり、この国にレーダーを設置したという、点の支援で終わらせるのではなく、これを面に変えていく。すなわち、日本がハブとなって、能力が底上げされた沿岸国同士が有機的に連携をする、そういった多国間シーレーン防衛網へと格上げをしていくことが我が国の生命線を守ることにもつながると考えます。 そこでお伺いをいたしますが、シーレーン沿岸国の海上法執行能力を向上させるため、今後どのようなプログラムを政府として考えているのか、現在取り組んでいるものも含めてお答えをいただきたいと思います。
○三宅(史)政府参考人 お答え申し上げます。 大臣から御答弁申し上げたとおり、我が国はこれまで、同盟国である米国、それから東南アジア諸国、豪州、欧州諸国等の同志国を含めたシーレーン沿岸国と、海洋安全保障分野での連携を積み重ねてきているところでございます。 委員御指摘のとおり、具体的に、例えばODAでございますと、アジアではインドネシア、フィリピン、マレーシア、それからベトナム、アフリカの方に展開しますとジブチなども含めて、海上法執行機関等に対して、巡視艇の供与といったハード面での支援、それから専門家の派遣、研修といったソフト面での支援を実施してきているところでありますし、これを継続していくということでございます。 また、OSAの方ですけれども、こちらもフィリピン、マレーシア、インドネシア、それからフィジー、ジブチなどの軍に対しまして、沿岸監視レーダー、それから警備艇等の供与、これを決定してきているところでございます。 こちらも御指摘のとおりでございますけれども、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中で、先ほど御答弁申し上げたとおり、資源等の多くを海外から輸入に依存する我が国にとって、シーレーンの安全確保は極めて重要な課題と認識しております。引き続き、ODA、それからOSA、また先ほど議論にも上りましたReCAAP、こうした多国間の枠組みも戦略的に活用して、シーレーンの安全確保のために、同盟国、同志国等との間で海洋安全保障分野での連携を引き続き積み重ねていきたいというふうに考えております。
○深作委員 ありがとうございます。 今の御答弁では、どの国にどういった支援をということで、ある意味で、点の話から、最後はReCAAPなどを通じた面での対応をしていくということでありましたが、これを相互で行っていくことでこの地域における安定を図っていくということを、引き続き取り組んでいただきたいと思います。 続いて、四月十五日、高市総理がアジア各国首脳と合意をされた新たな協力枠組み、パワー・アジアと、これに伴うAZECの役割強化について伺いたいと思います。 これまで質問をいたしましたシーレーン防衛、いわばこれは血管を維持をするような取組ではないかと考えています。これに対して、高市総理が打ち出された総額百億ドルの金融支援を含むパワー・アジアは、アジア全体の循環をする血液であるエネルギーと資源の供給力そのものを強靱化をする、極めて野心的な、FOIPの進化を象徴する重要な一手であるというふうに考えます。しかし、この百億ドルという大きな資金と、ASEANの原油輸入一年分に相当する融通能力を、単なる環境対応であったり経済支援に終わらせるということがあってはいけないというふうにも考えます。 私がシンガポールの現場で見てきたものは、アジア諸国にとって死活問題は、理想的な脱炭素以上に、今、アフォーダビリティー、経済性であったり安定供給であるというその現実が、今、私たちの目の前にあります。 もし日本が、欧州主導の環境至上主義といいますか、脱炭素に向けた動き、これを加速をさせていけば、現実を無視をした状況になっていくのではないか。今、アジア諸国は、より安価で、そして安定的な資源供給を求めている。環境負荷を問わずインフラをばらまいていくような中国やロシアといった陣営に、そこの部分を取られてしまうのではないかと心配するところもあります。これは、我が国の安全保障、そしてアジアの安定にとっても大きな脅威となり得るものであると考えます。 高市総理は、パワー・アジアを契機として、AZECに経済、エネルギー強靱化の視点を加え、進化をさせると明言をされています。今こそ、AZECを環境協力の枠組みから一段引き上げ、グローバルサウスを民主主義陣営につなぎ止めるための強力な地政学的なツール、そして経済安全保障の切り札として定義をしていくべきだと考えます。 そこで、大臣にお伺いをいたしますが、パワー・アジアの立ち上げによって、日本はアジアのエネルギー安全保障に対して強いコミットメントを示しましたが、外務省として、この枠組みをてこに、アジア各国の経済性と安定供給を支えつつ、いかにしてほかの地域への依存を防ぎ、日本主導の強靱な同志国連携を構築をしていくお考えなのか。進化をしたAZECを通じた具体的な外交プラン、ロードマップについてお示しください。
○茂木国務大臣 まず、本論のお答えに入ります前に、AZECでありますけれども、単にこれは環境問題というよりも、アジアの国々がだんだんエネルギー移行を進める、そういった中で、太陽光にしましてもペロブスカイトであったりとか、様々な日本の技術であったりとかノウハウを使うことによって、脱炭素と経済成長をアジアにおいて両立させていく、こういう取組であると考えております。 その上で、御指摘の四月十五日、高市総理は、エネルギー強靱化に関するAZECプラスオンライン首脳会議を主催いたしまして、アジア・エネルギー・資源供給力強靱化パートナーシップ、通称パワー・アジアを発表しまして、各国から歓迎の意が示されたところであります。 パワー・アジアは、域内のエネルギーであったりとか重要資源のサプライチェーンの強靱化に向けて、まずは緊急に、例えば日本にとってもアジアからプラスチック製品等が入ってこなくなったら非常に厳しい状況になる、こういった緊急対応と、備蓄も含めました中長期の構造的対応の両輪から成ります金融面での協力等を行うものであります。 アジアの国々と共にエネルギーの安定供給とサプライチェーンの強靱化に取り組むこのパワー・アジアは、まさに高市政権が掲げますFOIPの具現化だと考えておりまして、AZECを含めた同志国連携を一層推進をしていきたいと思います。また、このパワー・アジアを通じて、これまで日本がアジア各国と共に取り組んできたAZECについて、経済、エネルギー強靱化、こういった観点からも一層強化をしていきたいと考えております。
○深作委員 ありがとうございます。 大臣、冒頭に言っていただきましたが、AZEC、環境に対応するものではないということでありますが、名前がゼロエミッションというところから始まっていて少しアイロニックではありますが、徐々に時代に合わせて変わっていく。名前を変えるということはもうできないとは思いますが、必要に合わせて中身がアップデートされていくということが今進んでいるというふうに考えますので、その点でしっかりと進めていただきたいと思います。 そして、最後にもう一問お伺いをいたしますが、シーレーン防衛、そしてAZECを通じた資源供給力の強靱化についてお伺いをしましたが、今後、台湾有事や中東での大規模な武力衝突など、物理的な供給網が寸断をされて国際市場そのものが機能不全に陥った場合、我が国とアジアの同志国はどう生き残っていくのか、最悪のケースをシミュレーションしながら様々な対策を取っていかなければいけない、そしてそれがよりリアルになってきていると感じています。 私はシンガポールのLNGターミナルを運営するSLNG社を視察してまいりましたが、まさに有事における貯蔵容量の絶対的不足に対する強い危機感から、日本、シンガポール、タイなどの間で余剰となったLNG貯蔵容量を相互に融通をし合う、バーチャルストレージという構想が説明をされました。 過去、実は、ウクライナ侵攻直後に、台湾でエネルギーが足りなくなったときにそれを融通をしたのが日本の企業、JERAという会社ですが、北米に向かっていた船をいろいろ調整をして台湾に融通をしたということがあり、大変高く評価をされています。 しかし、国家の存亡が懸かる真の有事において、エネルギーの融通を民間企業の善意や経営判断に丸投げをするということは限界があるとも考えます。各国の資源の囲い込みを防ぐためには、ある意味で法的拘束力を持った国家間のルールというものを作っていくことも必要なのではないかと考えます。高市総理が立ち上げたパワー・アジアには、アジア域内の備蓄放出制度の構築が明記をされています。この枠組みを単なる国内タンクの増設支援で終わらせるということがあってはいけないというふうに考えます。 そこで、今日は資源エネルギー庁に来ていただいていますが、台湾有事や中東危機といった最悪の事態に備えて、民間任せをどう脱却をし、シンガポールを始めとするインド太平洋地域の同志国間で有事における法的裏づけを持ったエネルギー相互融通、GトゥーGというようなネットワークを構築する必要があると考えますが、どのような認識を政府は持っているのか。そして、その必要性や、もし具体的なアクションがあれば、それについてお示しください。
○木原政府参考人 お答え申し上げます。 今回のホルムズ海峡をめぐる情勢の教訓として、アジア各国におきましては、エネルギー安定供給の確保に向けた平時からの備えの必要性が強く強調されております。そして、ホルムズ海峡を通る石油の輸入に代わる代替調達の確保や石油備蓄の増強への関心が高まっております。 こうした関心を踏まえて、先月、高市総理が発表したパワー・アジアにおいては、緊急対応としての代替調達への金融支援や、より中長期的対応として、これまで十分な備蓄を持たなかったアジア各国の備蓄制度構築に向けて、データ整備、法制度構築、インフラ整備への支援などを行うものでございます。アジア各国と密接に結びつく我が国のサプライチェーンの維持にも資するというふうに期待しております。 各国の関心、制度やインフラの状況、政府と民間の関係などについては国によって様々であることから、今後、各国とのコミュニケーションを重ね、ERIA、東アジア・アセアン経済研究センターやIEAとも連携しながら具体化を検討してまいりたいと考えております。 あわせて、相互融通に関しましては、例えば日本とタイの政府間でLNGに関する覚書というものを結んでおりまして、共同で上流部門への投資をする、あるいは緊急時のLNGの融通について検討する、こういったことも盛り込まれておりまして、ニーズがあればこういった取組を展開していくということも考えられると考えております。アジア地域全体としてのエネルギー、経済の強靱性を高める取組を今後も続けてまいりたいと考えております。
○深作委員 ありがとうございます。 時間が参りましたので終わりますが、先日、ニューヨーク・タイムズの記事で、世界は今までアメリカに期待をしていた秩序と安定性というものを日本に求め始めたという記事がありました。 我が国の国益を最大化をしていくことは当然でありながら、我が国がどのように国際社会で役割を果たしていくのか、その真価が問われる局面だと思いますので、この委員会で今後も建設的な議論をしていきたいと思います。 ありがとうございました。
○國場委員長 次に、佐々木真琴君。
○佐々木(真)委員 国民民主党・無所属クラブの佐々木真琴です。 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。 まず、冒頭ですけれども、何名かからも冒頭触れられておりますけれども、アフリカ訪問についても茂木外務大臣にお伺いをしたいなと思っております。 ゴールデンウィーク期間中、先ほど来ありますが、五泊八日とハードなスケジュールでの御訪問、大変お疲れさまでございました。 また、私、茂木外務大臣のXも通知しているんですけれども、ケニアでの動画であったりとか、様々なところで動画での発信もしていただいて、大変勉強になるなと思っているところです。 ケニアでは、マサラチャイを飲みながら、また、バラの説明もしていただきまして、先日の条例の質疑の中でも、茂木外務大臣は花にも大変詳しいというところを知ったところでしたので、それが国民の皆様にも知っていただけてうれしいなと個人的に感じていたところでした。 さて、ザンビアを含むアフリカ四か国を御訪問されて、重要鉱物であるとか、重要を含む資源外交、そして、FOIPやTICADを軸とした対アフリカ外交について積極的に発信をされたことを、大変重要なことだと受け止めております。 先日の投資協定の際も、ザンビアの投資協定の質疑においても質問させていただきましたけれども、アフリカとの関係を単なる資源確保のためだけの関係ではなくて、日本がこれまでTICAD等を通じて積み上げてきた人づくりであるとか信頼を土台に、環境や地域社会にも配慮しながらどう持続可能な関係を築いていくのかが重要だと申し上げたところでもございます。 また、茂木外務大臣は、アフリカ訪問後の外務省の記者会見であるとか、ケニアでの政策スピーチにおいても、平和大陸アフリカの実現、また、アフリカと日本の成長の好循環、次世代の共創による誰もが豊かさを実感できる社会の実現など、日本の対アフリカ外交の方向性も示していただいたところです。 その上で、本日、今回の訪問を踏まえながら、日本の対アフリカ外交の方向性についても伺いたいと思います。 今回の訪問で、ザンビア、アンゴラ、南アフリカなど、重要鉱物や原油資源を有する国々との関係強化が大きな柱ともなっていたと思います。特に、今後、AIや半導体、脱炭素が進む中で、銅であるとかレアアースであるとか、重要鉱物の安定確保は日本経済や安全保障上極めて重要な課題にもなっております。 一方で、アフリカをめぐっては、中国やロシアも影響力を強めておりまして、単なる資源の獲得競争というところだけに陥ってしまうと、長期的な信頼関係を築くことも難しいとも感じております。 その中で、大臣、日頃より日本らしい外交という言葉も使われております。私自身もとても重要な視点だと思っております。また、これまでも、インフラ整備だけではなくて、教育であるとか人材育成、保健、地域支援、さらに、現地のオーナーシップを尊重する姿勢を長年積み重ねてきたのが我々日本でもあります。 ですので、ここから質問ですけれども、今回の訪問を通じて、大臣御自身がお感じになった、ほかの各国とは違う、日本だからこそ信頼されている部分とは何だったのか、どのようにお感じになられたか、お聞きをしたいと思います。また、これまで積み上げてきた人づくりであるとか信頼が、現地との共生を重視する姿勢について、今後、どのような手応えを感じられたのか、訪問してお感じになった点をお伺いできればと思います。
○茂木国務大臣 まず、佐々木委員には、私のケニアからのバラの発信、二百五十万回以上閲覧をしていただいて、その一人が佐々木議員であったということを大変光栄に思っているところであります。 今回のアフリカ訪問で、各国の大統領、外務大臣等の要人との議論を通じて、各国が日本を、単に利益としてではなくて、長期的に信頼できるパートナーであると評価しているということを強く感じた次第であります。 そして、こうした信頼関係というのは一朝一夕で構築できるものではなくて、日本が一九九三年から三十年以上の間、TICADの基本理念でありますアフリカのオーナーシップ、そして国際社会とのパートナーシップを大切にして、相手の立場、ニーズ、そしてお話にありました人材育成、人づくり、お互いの信頼、こういったものを重視して対アフリカ外交に取り組んできたからこそ、こういった長期的な信頼というのも生まれているんだろう、こんなふうに考えております。 ケニアでは、対アフリカ外交に関するスピーチを行いまして、アフリカ外交を展開する三本柱、これを提示をさせていただきました。 その一つが、平和大陸アフリカの実現。御案内のとおり、アフリカにおきましては、過去においても今においても、民族間であったりとか、また地域での対立、紛争というのがなかなか絶えないという中で、平和の実現というのは極めて重要だと思っております。 そして二つ目に、日本とアフリカの成長の好循環をつくっていく。アフリカに日本の企業が投資をする、それによって、アフリカの国の成長がなされる、そうなりますと、また市場が広がる。こういった形で、お互いの好循環をつくっていく。 さらに三つ目に、アフリカは若い大陸であります。新しい世代、次世代の共創によります誰もが豊かさを実現できる社会の実現。これは、アフリカは非常に格差の大きい国もあります。一部の人だけが豊かであって、ほかの人は本当に食料も大変な状況。こういった中で、誰もが豊かさを実現できる社会の実現、これが重要だということを述べさせていただきました。 スピーチの会場、最初二百五十人ぐらいを想定していたんですが、五百七十人の方に集まっていただきまして、立ち見が出るほどの多くの方が、非常に熱気にあふれて、日本のアフリカ外交への関心の高さ、これも感じたところでありますし、非常に賛同していただいたというか、スピーチが終わったときには、皆さん、スタンディングオベーションで見送りをしてくれたという形でありました。 今後も、日本がTICAD等を通じてアフリカ各国と長年築いてきた信頼と協力の実績を基礎に、更に力強くアフリカ外交を展開していきたいと考えております。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。 丁寧に御答弁いただきまして、本当にありがとうございます。現場の様子もイメージしながら聞くことができました。ありがとうございます。 では、もう一問加えて聞きたいなと思うんですけれども、今後の資源外交において、単なる調達先の確保ということではなくて、今、好循環という話もありましたけれども、日本企業の技術、人材育成、そしてアフリカ諸国との地域との共生、さらには環境面への配慮なども含めて、どのような形で日本らしい外交を後押ししていくのか、日本型のモデルのようなものを展開していこうとされているのか。また、その中で、日本の企業であるとか地域の産業も含めて、どのような可能性を見出しておられるのかについても、参考人からお考えを伺いたいと思います。
○花田政府参考人 お答え申し上げます。 我が国が調達の多くを海外に依存しております鉱物ですとかエネルギー、食料などの資源につきましては、ホルムズ海峡の閉鎖等の現下の厳しい国際状況に直面し、その安定供給の確保はより一層重要な課題となっております。 これに対しまして、我が国といたしましては、資源の安定供給確保のため、様々な取組を進めておりまして、例えばですけれども、JICAによる資源の絆プログラムにより、鉱業分野の人材育成に加えまして、大学等の研究機関と連携して、環境に配慮した持続可能な鉱山開発を支援しております。 また、それにとどまらず、ODAによりまして、広く人づくりですとかインフラ協力、さらには社会課題の解決に貢献することによって、資源国との良好な関係構築を行ってきております。また、近年はオファー型協力を通じまして、重要資源の国際供給網の強化に向けた支援も行ってきております。 外務省といたしましては、委員御指摘の環境、さらには地域との共生、そして人材育成等の点にも考慮しつつ、関係省庁に加えまして、地方企業も含めた日本企業等とオール・ジャパンで協力して、資源国ともお互いの信頼に基づき手を携え合って、連携強化に引き続き取り組んでまいりたいと考えてございます。
○茂木国務大臣 今、参考人の方からも答弁をさせていただいたところでありますが、単に資源を確保するということだけではなくて、今ありましたような、関連する人材の育成、さらには、連結性を確保して実際に輸出できるような形をつくっていく。ナカラ回廊であったりとかロビト回廊であったりとか、様々なインフラの整備も行っていく。 同時に、重要鉱物にしましても、鉱山での採掘から始まって、製錬、さらには部品化する、そして最終製品に組み立てる。付加価値を上げていくということは極めて重要でありまして、単に資源国としてみなすだけではなくて、その国にとってどういった形で付加価値の向上、さらには経済成長につながるのか、こういった点も併せて考えていく、共に考えていくということが極めて重要であると考えております。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。 大臣からも御答弁いただいて、ありがとうございます。 今回の訪問でも、要人だけではなくて、企業の関係者様を始め、様々な人とのつながり、人脈も大切にしながら、まさに顔の見える外交を推し進めていらっしゃるんだろうなというところも体現されているところ、大変心強く感じております。また、TICADを通じて日本が積み重ねてきた信頼や人と人とのつながりというものが大きな強みに、これからも土台として大きく寄与していくんだろうなと思ったところです。ありがとうございます。 では、ここから話を大きく変えまして、外務省がやっている外務省高校講座というものがありまして、なかなかこういった委員会で過去質疑されている様子は、ちょっと私が調べた限りでは余りなかったんですけれども、人を育てていくという観点に大分かじを切りまして質問させていただきたいなと思います。 先ほど来申し上げておりますけれども、人と人との関係の積み重ねが非常に大事であるというところは、大臣も度々申しているところだと思います。その中で、やはり若い時期に海外に行くことであるとか、違う文化を許容していくこと、価値観に触れるという経験自体が、人の人生であるとか地域との向き合い方にも大きな影響を与えるものだと感じております。 その中で、教育という観点になってまいりますと、主には文部科学省がやっているということになりますけれども、外務省としては外務省高校講座というものを実施しておりまして、全国の高校に外務省の職員を派遣して、国際情勢であるとか外務省の外交官の職務についての講座、座談会のようなものも実施をされております。 これは事前のレクで聞いたんですけれども、大変人気がある講座でありまして、直近三年間の開催実績をお伺いすると、令和五年には百五件、年間で百五件対応されていらっしゃって、令和六年度八十八件、令和七年度に九十七件ということで、年間百件ぐらい高校講座を実施されているようでした。併せて聞くと、本当は二百件ぐらい御要望いただいていて、でも二百件は予算の兼ね合いと人材的な観点で何とかお断りをしたり調整をしたりして、現状百件ぐらい実施をされているというところであります。 これについても、国内の国際理解を醸成していくという観点を取っても、今後の、英語をもっと勉強してみたいなとか、外務省ってこういう仕事をしているんだ、海外に行ってみたいなというところにつながるすごくいい事業だなというふうに私自身は感じているんですけれども、そこについてちょっと質問したいなと思うんですが、私が言いたいこととしては、今のところもすごく頑張っていらっしゃることは大変分かるんですけれども、もう少し充実をさせられるといいなという観点で質問をしたいと思います。 外務省としては、今、高校講座であるとか、あと外務省訪問ということもやっておりまして、小中高生が修学旅行のときに外務省を訪問するという事業もやられております。そういった訪問の事業であるとか講座の事業を、海外研修や海外派遣の事前事後学習とも、ほかの事業ともやはり接続をしながら、より地方の若者にも届く形で充実をさせていけるといいなというふうにも思っております。 また、今もオンラインを活用したりリモートでやったりもされていますけれども、どのような形で地方自治体であるとか教育委員会と連携強化を進めていくのか、今後どのように、予算の兼ね合いもありますので拡充はすぐできないかもしれませんけれども、どういった方針でこれから進めていこうと思っていらっしゃるのか、是非お聞かせをいただければと思います。
○坂田政府参考人 お答え申し上げます。 未来を担う若者層に国際情勢への関心と理解を深めてもらうことは極めて重要です。 高校講座や小中高校生の外務省訪問事業においては、事前に学校側に希望するテーマなどを聴取し、先方の関心やニーズに合わせた形で実施してきています。委員御指摘のとおり、学校によっては本件事業を海外研修の事前学習の一環として位置づけているところもあり、過去においては、海外研修先の語学を専門とする外務省職員が対応した事例もあります。引き続き、そうしたニーズに積極的に対応してまいります。 また、外務省としては、地方も含め、多くの学校で実施できるよう、オンラインでの対応も可能としております。 引き続き、委員御指摘の地方自治体、教育委員会等との連携強化を含め、各種ネットワークを最大限活用し、本件事業を充実させていきたいと考えております。 ありがとうございます。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。 拡充は現状厳しいというところだと思いますけれども、年間三百六十五日ある中で頑張って百件こなしていらっしゃるというところも、既にすごいことだなとは思います。 事前のレクで伺ったところですと、例えば東北に行くということになったときには、学校間とも調整をして、なるべく一回の外務省の方の移動で近場の学校へ行けるように調整をされたりとかもしながら、たくさんの数を、数をこなすためにやっているわけではもちろんないと思いますけれども、より国際理解を深めてもらうため、また、外務省というところがどういう仕事をしているのか、将来の人材育成のためにもどんなことができるのかというところを、大変深く考えていただきながら事業をしていただいていると思いますので、引き続き、これからも続けていっていただけるといいなと思います。予算の兼ね合いでなくなるみたいなことがないことを、私も注視していきたいと思います。 今回、この質問をさせていただいたのが、特に地方になりますと、私は岩手から参っておりますので、国際的なところに触れ合う機会みたいなものがなかなかなくて。 岩手県ですと、岩手県の事業で海外派遣を行っていたりですとか、人口七千人ぐらいの岩泉町という日本三大鍾乳洞がある地域があるんですけれども、そこは岩泉高校という県立高校があるんですが、そこの県立高校が海外派遣を高校の事業で行っておりまして、町が単費で予算を出して海外に派遣するということを、人口七千人の町で何とか頑張ってやっていらっしゃる事例もございます。 そういったところで、地方の子供たちに何とか国際理解を育もうという取組をされている自治体であるとか学校が多々ありますので、そういったところについても、メインはもちろん文部科学省さんになると思いますけれども、是非とも、高校講座等もやっておりますので、外務省としても連携をしながらやっていけるといいのではないかと思っているところです。 事前のレクの段階だと、外務省としては、たびレジの登録であるとか、修学旅行で海外に行く際の領事館との連携、接続というような事務的な作業はやっているけれども、余り本格的に関与していないというふうな答弁をいただいておりまして、是非とも、もう少し関与いただいて、人を育てていくというところに外務省としても関与できるといいんじゃないかなと思ったところです。 是非とも、都市部だけではなくて、地方の子供たちにもひとしく国際理解を育む機会が提供されていくこと、とても大切だと思います。海外に行くことそのものが目的ということではなくて、海外を知り、日本を知り、自分の地域を見詰め直すといった流れを、是非とも外務省も、文部科学省さんと連携をいただいて、もう少し全力で前向きに後押しをしていただきたいなと思います。 ちょっと私のお気持ち表明みたいな感じになってしまったんですけれども、是非とももう少し前向きに、それは文科省さんですなどと言わずに、もう少し連携を強化してやっていただけると非常に心強いなと思ったところです。 是非とも、参考人でも結構です、大臣からでも大丈夫です、一言いただければ大変ありがたいなと思います。
○茂木国務大臣 佐々木委員のお気持ちはよく分かります。そして、若い人たちにとって、外交の大切さであったりとか海外を知ってもらうということは極めて重要だと考えております。 その上で、私も、高校では教えたことはないんですが、大学等で客員教授をやったことがありまして、結構、準備にも時間がかかるんですよ、内容についてやることになりますと。仕事をしながらそういったことをするという負荷もあるということ、これは予算面だけではなくて、大切なことなんですけれども、この両立を図っていくというのがかなり負荷になるということも御理解いただければと思います。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。 今あるリソースの中で全力で頑張っていただいているところ、私も理解しておりますので、引き続き私も応援していきたいなと思います。 以上で終わります。ありがとうございました。
○國場委員長 次に、谷浩一郎君。
○谷(浩)委員 参政党の谷浩一郎でございます。 本日も質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。 本日、私が取り上げるテーマは、東シナ海における日本の海洋戦略についてです。 まず冒頭、重要な点を整理しておきたいと思います。 本日取り上げる日韓大陸棚共同開発区域そして東シナ海の日中中間線をめぐる問題、これは、法的枠組みも、相手国も、地理的条件も異なる別問題であります。しかし、その根底には共通する問題があります。それは、東シナ海において日本が長期的な国家戦略を示せず、政治家が外交的配慮を理由に五十年間先送りしているという点です。 一九六八年、国連アジア極東経済委員会、いわゆるECAFEの調査によって、東シナ海に石油、天然ガス資源の可能性があると指摘されてから既に半世紀以上が経過しました。 お手元の資料を御覧ください。 東シナ海の海底には石油、ガスが眠っており、九州の西にある日韓共同開発区域には巨大な原油埋蔵の可能性があると言われています。中国は日中中間線沿いの東シナ海にプラットホームを建設し、中国は制度的な既成事実を積み重ねています。一方、日本は、検討、調整、協議を繰り返しながら、何ら目に見える進展がないままに、二〇二八年六月には日韓大陸棚協定が期限を迎えます。残り時間は僅かです。 そこで、本日は、なぜ日本は五十年間動かなかったのか、中国が行動を積み重ねる中、日本はどうするのか、そして、日米連携という選択肢をどう考えるのか、この三点について伺います。 まず、日韓共同開発区域について伺います。 一九六八年のECAFEの調査で、東シナ海、尖閣周辺に膨大な海底資源が埋蔵されている可能性が指摘され、それまで尖閣諸島に対し特段の主張をしていなかった中国政府や台湾当局が動き出しました。まず一九七一年六月に台湾当局が、次いで同年十二月には中国外交部が、相次いで独自の領有権を主張する公式声明を発表しました。まさに、海底資源の存在がクローズアップされた直後から主張が開始されたと言っても過言ではないと考えます。 その後、日本と韓国は、日韓大陸棚協定を締結し、九州西方において共同開発区域を設定しました。一九七〇年代から一九八〇年代にかけて、この海域では複数回の試掘が行われたと承知しています。その中では、一部坑井で油兆、いわゆるオイルショーやガス兆候が確認されたという指摘もあります。しかし、当時は原油価格、深海掘削技術、採掘コストなどの制約から商業化には至らなかったとされ、その後、日韓共同開発協定のプロジェクトは停滞します。 また、東シナ海における油田の開発については、二〇〇五年に中川昭一経済産業大臣が帝国石油への試掘権付与を決断しましたが、その後任として就任した別の大臣の下で、対中配慮が優先されたのかどうかは分かりませんが、実際の試掘には至りませんでした。 ここで、経済産業省に伺います。 当時の日韓共同開発区域の試掘結果について、政府としては現在どのように評価をしているのでしょうか。二〇〇五年に経済産業省は日本の民間企業に東シナ海における試掘権を付与したにもかかわらず、その後、実際の試掘に至らなかった理由は何でしょうか。また、近年の深海掘削技術や三次元物理探査技術の進展を踏まえ、改めて資源ポテンシャルを再評価する必要があるとは考えないのでしょうか。よろしくお願いいたします。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。 まず、日韓共同開発区域につきましては、一九七八年の日韓大陸棚南部共同開発協定の発効後、両国の共同開発権者により物理探査及び七本の試掘が行われたというふうに承知をしております。この調査の結果、商業化が可能な量の石油、天然ガスを発見するには至らなかったというふうに認識をしてございます。 また、鉱業法に基づき、東シナ海におきまして二〇〇五年に試掘権が設定されておりますけれども、試掘権が与えられた鉱業権者、この方々は鉱区における地質構造の調査結果等に基づき試掘の実施いかんについて判断を行ったものでありまして、試掘に至らなかった具体的な理由について経済産業省としてお答えすることは困難であることを御理解いただけたらと思います。 なお、資源ポテンシャルの再評価につきましては、委員おっしゃるような深海掘削技術、探査技術等の進展が確認されている技術も踏まえた上で、政府全体として戦略的観点から適切に対応していく方針でございます。
○谷(浩)委員 御答弁ありがとうございます。 やはり、事業者の判断ということでありますから、その辺り、政府としてはそれ以上のことは言えないということだと思いますけれども、しかし、そのようにしてやはり半世紀にわたってずっと停滞しているのだと考えます。 しかし、エネルギー安全保障は、やはり、本来、民間企業だけに委ねられるものではないと考えています。民間が動かないときに国家としてどのような意思決定を行うのか、それこそが国家戦略だと考えています。仮に四十年以上の試掘結果だけを根拠に日本が現在も開発を止め続けているのであれば、それは資源政策というより思考停止に近い状態なのかと思います。 世界を見れば、かつて採算が取れないとされた資源が、技術革新やエネルギー価格の高騰によって採算が取れるようになり、戦略資産へ変わった例は数多くあります。アメリカのシェール革命はその代表例です。一九九〇年代には、アメリカで、地下二千メートル以上の深いところを掘削し、シェールオイルを取り出す技術が開発されました。また、ブラジルでは、水深二千メートルの海底の、そのまた更に二千メートル以上の深いところにある油田を掘削しています。 技術が飛躍的に進歩した現在において、四十年以上前のデータをもって開発を断念し続けることは、非常に合理的とは言えないと考えています。 次に、政府による資源開発について伺います。 過去の外務委員会での政府参考人の答弁では、更なる調査の予定はない、採掘するために必要な開発権者の許可申請がなされていないと説明をされていますが、現在起こっているホルムズ海峡封鎖に見られる中東依存リスクは常に懸念されてきたことであります。 エネルギー安全保障に関わる分野においては、日本近海資源の戦略的重要性は増しており、政府自らがリスクを取り、政府が中心となって資源開発を行うべきと考えますが、この点について政府の認識を伺います。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。 まず、一般論ではありますけれども、我が国領海や排他的経済水域等に賦存しますエネルギー資源につきましては、商業化がなされれば、国際情勢や地政学リスクに左右されず、我が国の自給率向上に資する貴重な国産資源と言うことができると思っております。 これまでも、海洋基本計画及び海洋エネルギー・鉱物資源開発計画に基づいて、国内資源開発促進に向けた取組を継続的に実施をしてきているところでございます。例えば、石油、天然ガスにつきましては、国主導での物理探査の実施ですとか、民間企業による試掘への支援といった取組を進め、国内資源開発を進めてきているところであります。 なお、個別の海域における資源開発については政府全体として戦略的に対応することが必要ですが、いずれにしましても、引き続き、こうした取組の着実な実施を含め、各種取組を通じて我が国のエネルギー安定供給確保につなげていきたいというふうに考えているところでございます。
○谷(浩)委員 商業化がされればということをおっしゃいましたけれども、今の御答弁を伺っておりますと、政府が主導というよりかは後押しをしっかりしているんだという御答弁でありましたが、私は、ここはエネルギー安全保障に関して非常に大切なことであり、やはり政府がしっかりと主導していただきたい、そういうふうに考えておるわけです。 参政党は、食料やエネルギーといった国家存立の基盤を、国際情勢の変化や外部依存に左右されるのではなく、自らの手で安定的に確保し、主権を確立すべきだと考えています。政府には、東シナ海の資源ポテンシャルを改めて検証していただき、将来世代を見据えた戦略的投資へかじを切る決断を求めます。 次に参ります。 二〇二四年九月末、東京において、日韓大陸棚共同委員会第六回会合が三十九年ぶりに開催されましたが、どうして三十九年間も会合を行っていなかったのでしょうか。また、第六回会合の中では一体どのような議論が行われたのでしょうか。
○大塚政府参考人 お答え申し上げます。 日韓両政府の間では、日頃から日韓関係における様々な案件につきまして意思疎通を行っているところでございまして、二〇二四年当時でございますけれども、この日韓大陸棚南部共同開発協定につきましても、双方の間で現状を確認することが適切である、こういう共通の認識に至りまして、二〇二四年九月、共同委員会の開催に至ったものでございます。 この会合におきましては、協定の実施に関する事項等について協議を行いまして、引き続き双方で緊密に意思疎通を行っていくことで一致したところでございます。
○谷(浩)委員 御答弁ありがとうございます。 今御答弁いただいた内容に関しては、既にホームページ上で、三行、四行ほどでしょうかね、発表されているとおりでありまして、中身を知ることはできないんですけれども、やはり、この三十九年ぶり、すごい年月だと思うんです。 私は四十四歳なんですが、ほぼほぼ、三十九年、相当の長い期間がかかって復活したということでありますが、この日韓大陸棚共同委員会も踏まえて、日韓大陸棚協定について今後どのような方針や思いを持って推進していくのでしょうか。ここを外務大臣にお伺いできたらと思います。
○茂木国務大臣 日韓両政府は、日韓大陸棚南部共同開発協定の今後の在り方についてこれまでも意見交換を続けてまいりました。 そして、エネルギー安全保障も、資源安全保障も、そして食料安全保障も、できるだけ自国で確保できる、これが望ましいのは当然でありますけれども、全てを自国で完結することはできないというのが現実だと思っておりまして、そうなりますと、同志国等との連携であったりとかサプライチェーンの強化、こういったことも併せて考えないと、何でも自分のところでやれるんだという発想では進まないんじゃないかな、こんなふうに私は思っているところであります。 現下の戦略環境を踏まえますと、日韓関係及び日米韓の連携を引き続き強化していくということは重要でありまして、また、現在、日韓関係は良好な基調というのが維持をされております。 このような状況に鑑みまして、現時点で協定に関して終了予告は行っておりませんが、今後については、協定の有効期間や終了に関する規定も踏まえつつ、この協定や両国間の大陸棚の南部海域の将来の在り方について引き続き韓国政府との議論を行っていくということが重要であると考えております。 いずれにしましても、日本として、日韓関係の状況等の推移を踏まえながら、本件については総合的に判断していくことに変わりはない。総合的に判断するということにつきましては、先ほど申し上げたような、こういった様々な安全保障を自国で確保するのと同時に、どう同志国との連携を図っていくか、こういうバランスの中で考える問題だ、私はそのように考えております。
○谷(浩)委員 丁寧な御答弁、ありがとうございます。 私ももちろん、同志国との連携、自国だけでなかなかエネルギー安全保障も確立できないという中で、そういったことは必要不可欠であるというふうに認識をしております。ただ、長い時間をかけてとか、中長期的に我が国がやはりできるだけ自分たちでできるようにしたいという意思は、私たち政治家がしっかりと見据えていかなければならない、訴えていかなければならないことだと私は認識をしております。もちろん、国際協調も非常に大切であり、バランスということはとても大切だと思います。 二〇二八年には、日韓共同開発協定の節目も迫っております。日韓大陸棚南部共同開発協定は一九七八年に結ばれてから既に五十年近くが経過しておりますが、共同開発は進んでいない状態です。この状況で果たして二〇二八年以降に新しい景色が広がるのか、私は極めて懐疑的であります。 次の質問に参ります。東シナ海の日中中間線問題について伺います。 先ほど申し上げたとおり、この問題は日韓の共同開発区域とは別の問題でございます。しかし、両者に共通するのは、東シナ海において日本が長期戦略を十分に示せていないという点です。 現在、中国は東シナ海の日中中間線付近の中国側海域において二十三基の構造物を建設し、うち十四基でガスの採取を確認する炎が目撃されています。地下構造が中間線を越えて連続している可能性、いわゆるストロー現象の可能性も指摘されており、日本側資源への影響を懸念する声もあります。一方、日本側では、抗議は行っているものの、実際の試掘、商業開発は長年進んでいません。 ここで外務大臣に伺います。 日本政府は、現在の東シナ海情勢について、中国による既成事実化、海洋秩序への影響をどの程度深刻に認識しているのでしょうか。また、そのような認識の下、中国による既成事実を防ぐために政府は具体的にどのような行動を行ってきたのでしょうか。また、このまま日本が中国への抗議中心の姿勢を続けるだけで東シナ海の海洋秩序を守れるとお考えでしょうか。併せて伺います。
○茂木国務大臣 御指摘の点については、非常に深刻に受け止めております。 東シナ海の排他的経済水域及び大陸棚の境界がいまだ画定していない状況におきまして、中国側が同海域において一方的な開発を引き続き進めていることは極めて遺憾であります。 今後の対応等につきましては、中国側の対応を見極めながら、政府全体として戦略的観点から検討していきたいと考えております。 いずれにしましても、中国側に対しては、一方的な開発行為やこの既成事実化の試みを行わないように引き続き強く求めていくとともに、二〇〇八年合意に基づきます国際約束締結交渉の再開に早期に応じるように強く求めていきたいと思っております。相手のあることですから強引にできない部分もある、そういった中での交渉になるということは是非御理解いただければと思います。
○谷(浩)委員 ありがとうございます。 ただいまの御答弁は、最後のお言葉以外は、従来どおりの政府の御説明だったかと認識をしております。 中国側は、やはり構造物建設という行動を積み重ねています。一方、日本側は、抗議はするが自らは動かないと。外交上の抗議は、当然、政府が果たすべき責務です。しかし、抗議だけで海洋秩序と我が国の権益を守れるのであれば、今日のような中国による構造物建設の進展は防げていたはずです。 国際政治においては、行動しないこと自体が一つのメッセージとして受け取られます。この状態が長く続くことで、東シナ海における既成事実が時間とともに固定化されていくことを私は強く懸念しています。 最後に、日米連携について伺います。 私は、東シナ海問題は、単なる資源開発問題ではなく、誰が海洋秩序を形成するのかという地政学の問題であると考えています。そこで、私は茂木大臣に日米連携による東シナ海での資源調査、開発を提案します。日本主導を前提とした上で、米国企業等の技術、資本を活用する国際コンソーシアム方式を戦略的選択肢として検討すべきではないかと考えています。 本来、日本単独で完結させることが理想ではありますが、現実には、掘削技術の確保、多額のマネーリスク、そして国際政治上の抑止力をどう確保するのかという問題があります。 中国は、かつて、白樺ガス田開発に英国、米国の石油会社を参加させることで開発を国際化し、日本の批判をかわしました。日本はこれを逆用すべきです。エクソンモービルなどといったアメリカの石油メジャーと共同して資源開発を行うべきではないでしょうか。アメリカの石油メジャーを抜きにして日本が中国に対抗して独自の資源を持つことは、現実問題として容易ではありません。日本の自立に向けた現実的な手段として、アメリカの資本を呼び込み、中国と対抗すべきではないでしょうか。何もしなければ、東シナ海の資源は眠ったままであります。いつまでたっても日本が利用することはできません。 この問題は、何よりもアメリカの石油メジャーとトランプ大統領との交渉が必要です。経済産業大臣も経験され、トランプ大統領との良好な関係をお持ちの茂木大臣以外に、このプロジェクトを進める人はいないのではないかと考えます。 そこで、茂木大臣にお伺いいたします。 東シナ海を今後の日米戦略協力の対象として位置づけ、日本主導を前提としながらも、米国企業の技術、資本参加を含めた新たな枠組みを検討する考えはありますでしょうか。また、日本は八十兆円の対米投資プロジェクトを約束していますが、特例で、日本近海の資源開発につながるようなプロジェクトスキームを提案することを考えてみてはいかがでしょうか。
○茂木国務大臣 御提案については承りました。 当然、メジャーが絡むとなりますと相当利益にはうるさいということはよく御案内だと思いますけれども、その点も考えていかなきゃならないと思いますが、少なくとも、現時点で、東シナ海に限った日米間の新たな協力の枠組みについて具体的な検討を行っているという事実はないというのが現状の姿であります。 また、御指摘の日米の戦略的投資イニシアティブは、日米が協力的、戦略的な重要分野でサプライチェーンを米国内につくり上げ、日米の相互利益の促進、経済安全保障の確保、我が国の経済成長の促進につなげていくものでありますが、この日米合意は米国への投資を念頭に置いたものであるということは御理解いただければと思います。
○谷(浩)委員 御答弁ありがとうございます。 米国への投資ということでありますので、やはり特例として、何としてでも、米国内だけではなくて、覚書ではありますけれども、やはり日本の方へ、できるだけこちらの方へ利益があるように何とか検討をいただきたい、交渉をいただきたいな、そういうふうに思っております。 参政党は、日本が本当の意味で自立した主権国家になることを目指しています。 イラン情勢が長期化する中で、政府には、東シナ海の開発を先送りせず、国内での資源開発を国家戦略の最優先課題として位置づけること、そして、対等な日米関係を維持しながら、我が国が主導権を握る形で近海の資源を守ることを強く求めて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○國場委員長 次に、土橋章宏君。
○土橋委員 チームみらいの土橋章宏と申します。 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。 まず、サウジアラビアのパイプラインとエネルギー外交についてお聞きいたします。 安倍政権下で締結された日・サウジ・ビジョン二〇三〇というものがありますが、これを始めとする戦略的協力の枠組みですが、現在、これらの合意文書がどの程度具体的なプロジェクトとして実装されているのか、また、フォローアップ会合や成果指標の更新は行われているのか、現状をお聞かせください。
○高山政府参考人 お答えいたします。 ただいま日・サウジ・ビジョンについてお尋ねがございました。このビジョン二〇三〇におきましては、日本側議長、経済産業大臣、副議長として外務副大臣又は外務大臣政務官、そしてサウジ側の議長、投資大臣ということで、この間で、両国の往来の機会を捉えまして、プロジェクトの進捗を閣僚レベルで確認する閣僚会合を設置して、定期的に開催してございます。 また、この閣僚会合の開催に合わせまして、官民の新たな協力文書を披露するビジネスフォーラム、これを開催してございます。 それで、直近で申しますと、昨年、二〇二五年九月に武藤経産大臣と先方のファーレフ投資大臣との間で第八回閣僚会合を東京で開催しております。この中で、ゲーム、eスポーツですとか、AI技術、それからエネルギー、こうしたものを含めまして、幅広い分野における協力の進捗を確認してきているところでございます。
○土橋委員 御答弁ありがとうございます。 日本とサウジアラビアは、エネルギーだけではなくて文化的にも関係を深めようとしていることは、今後の様々な安全保障の点でも有益だと思います。 次に、エネルギー安全保障についてお伺いいたします。 現在、ホルムズ海峡の情勢が不安定化し、タンカー輸送への懸念が高まっています。一方で、サウジアラビアには東部の油田から紅海側へ原油を輸送するパイプラインが既に整備されており、ホルムズ海峡を経由せずに輸出が可能となっています。この代表的な東西パイプライン、いわゆるペトロラインは、約千二百キロメートルの規模で、総工費は約一兆円、工期も三年程度で完成したと承知しております。 そこで、日本がサウジアラビアと協力して新たなパイプライン造りに参画することによって、ホルムズ海峡を経由しない輸送ルートを確保し、優先的に原油供給を受けられるような枠組みを構築する考えはあるのかお聞きしていきたいと思います。 前提条件として、我が国では、現在、ガソリン価格対策として年間約数兆円規模の補助をしており、二〇二二年以降では約八兆円が使われています。今後も継続的な補助が必要になるのであれば、それよりも、パイプラインを新たに造って安く買っていった方が、コスト面でも、そしてエネルギー安全保障の点でも合理的ではないかと考えます。複数の輸送ルートを確保することは、先ほど申しましたけれども、エネルギー安全保障上も有効であると考えます。例えば、パイプラインが一本、何かのことで破壊されたとしても、もう一本あれば原油を輸送することが可能です。 もちろん、この開発についてはサウジアラビアの意向もあろうかと思いますが、先ほども申しましたように、日本とサウジアラビアの間では、日・サウジ・ビジョン二〇三〇の枠組みもあって、将来的には水素やアンモニアといった次世代エネルギーの輸送も見据えたインフラ整備が想定されております。新たに原油パイプラインを造るとすると、そのまま次世代エネルギー輸送インフラへと転用できる可能性もあると私は考えています。日本の製油施設とマッチし、ナフサを作りやすい中東の重油を確実に得ることは、国益につながるとも考えられます。 もう一点補足しますと、サウジアラビアの隣国、UAE、アラブ首長国連邦ですね、ここにもフジャイラ港へ出るパイプライン、ちょっと短いんですけれどもこういったパイプラインがありまして、これは二〇〇八年に中国の企業が主導して造って、ホルムズ海峡を通らないルートを確保しました。これによって中国はUAEと親密な関係をつくり上げました。いわゆる中国シフトといったようなものですけれども、こういった、中国が手をかすことによって親密な関係をつくることもできました。 こうした観点を踏まえまして、サウジアラビア国内における新たなパイプライン整備に我が国が関与することについて、どのように検討しているのか見解をお聞かせいただけますと幸いです。よろしくお願いします。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。 委員から御指摘ございましたサウジアラビアの東西を結ぶパイプラインにつきましては、ホルムズ海峡を迂回する代替ルートとして非常に重要だというふうに考えてございます。 政府といたしましては、代替調達先の確保に向けまして、民間事業者の方々と連携しながらあらゆる手を尽くしているところでありまして、今月、赤澤大臣がサウジアラビアを訪問し、同国の関係閣僚と会談を実施した際には、原油パイプラインの活用も含め、今回の事案発生も踏まえた、エネルギー供給の強靱化に向けたあらゆる対応について両国間での協力を議論するためのタスクフォースを立ち上げることに合意をしたところでございます。 なお、水素、アンモニアのパイプラインの敷設につきましては、同国、サウジアラビアも含めましていずれの地域でも、漏えいの問題ですとか脆化の対策を始めとした保守、保安上の観点ですとか、大規模な投資回収が見込まれるだけのパイプラインの沿線上の需給の有無を含めて、時間軸も踏まえつつ検討することが必要だというふうに考えられているところでございます。 ただ、いずれにしましても、今後とも、サウジアラビア側にどのような意向、ニーズがあるのか、これをしっかり把握していくことも含め、しっかりと意思疎通を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
○土橋委員 御答弁ありがとうございます。 何かと難しい面はあろうかと思いますが、中東の重油を安定的に確保することはやはり極めて重要ですので、日本からも具体的な案を多数出して、向こうにもメリットがあるような形で取引をいたしまして、外交交渉をしていただければと思います。 やはり、サウジアラビアというのはかなり富裕な、言ってみればお金持ちの国ですので、ODAみたいなことはちょっとできないかもしれませんけれども、お互いに何かを協力し合うといったような形で連携できればなと思っております。 特に、サウジアラビアだけではなくて、中東諸国の有力者の中には日本のゲームやアニメ、漫画コンテンツの愛好者が多数存在しておりまして、日本の関連企業への出資例もあります。そうですので、新たな同志国として考えていくといった可能性も十分にあると思います。 先日、オーストラリアとも準同盟国と言えるような関係を結ばれましたが、米国だけに頼らない同志国ネットワーク構築の観点からも、エネルギー外交、そしてコンテンツ外交を両輪で進めていただければと思います。同じ釜の飯を食うといった表現がありますけれども、やはり同じ漫画を読んだ仲間といったものもすごく気が合うと思いますので、そういった観点からもいろいろな連携を進めていただければと思います。 次に、コンテンツ販売の海外促進策についてお聞きします。 今年度のコンテンツ産業関連予算は政府全体で約五百九十億円であり、韓国や中国、米国には及ばないまでもかなり近づいてきました。 しかし、日本のコンテンツの海外配信は、ネットフリックスなどの海外プラットフォーム経由が多く、収益性で不利であり、顧客データも取れないなど、条件の悪い構造にあります。 私もかつて脚本家をしておりまして、海外のプラットフォームに幾つか作品が載っているのですが、やはり、作品が買取りであったりとか、誰が何回見たかを教えてくれないとか、契約がかなり足下を見られてしまった契約になっておりますので、クリエーターとしても心苦しいところですし、日本としてもほとんど収益が上がってこないといった、ほとんどと言っては言い過ぎですけれども、かなり収益性が低い状況となっております。 しかし、今のところ、日本の支援は、配信プラットフォームの構築というよりは、海外プラットフォームへの供給支援にとどまっているように思われます。 そこで、お尋ねします。 日本独自の配信プラットフォーム改築に対して、現状、どのような支援が行われており、どのような形で目指しておられるのでしょうか。よろしくお願いします。
○江澤政府参考人 お答え申し上げます。 経済産業省は、海外に通用するアニメ、実写、ゲーム作品について、国内での制作や海外での販売促進を支援してきたところでございます。結果として、作品が海外流通に強い外国企業のプラットフォームに供給されることも多くあったと認識をしております。 また、御指摘のとおり、作品の海外展開を外国企業のプラットフォームに依存し、そのため、海外売上げの回収率が低い、顧客データが取れない等の課題もあると承知しております。 こうした状況に対応するため、本年より新たに日本企業のプラットフォーム拡大支援を強化したところでございます。 具体的には、流通プラットフォームの支援事業を創設しまして、翻訳支援等による海外向けコンテンツの供給を拡大するとともに、海外ユーザー拡大のためのプロモーション支援をする、また、我が国のコンテンツ分野の裾野の広さを生かし、アニメから漫画やグッズにファンを送客するなどの、日本企業の流通プラットフォームの競争力を高めていきたいと考えております。 加えまして、ハード、ソフト両面の開発プラットフォーム等の支援も行っていまして、こうした施策を通じて、収益を拡大して、日本発のコンテンツの海外売上げを二〇三三年に二十兆円にする目標を達成していきたい、このように考えております。
○土橋委員 御答弁ありがとうございました。 今後も、プラットフォーム競争や企画競争に勝つ方法を具体的に考えて、推進していただけたらと思います。 ちょっと時間の方が少なくなってしまいましたので、通告のものを二つ飛ばしまして、省庁を横断してコンテンツを販売する体制づくりということについてお尋ねしたいと思います。 コンテンツ政策は、内閣府、経産省、文化庁、総務省、外務省などにまたがる分野であり、政府全体としての司令塔機能が課題とされています。経団連からも、韓国の特殊法人、KOCCA、KOCCAと申しますのは特殊法人なのでございますが、これが、省庁を横断して実効性のある政策を推進する体制を、そういったものをつくってもらいたいという声が出ています。韓国のKOCCAは、コンテンツ制作、人材育成、そして海外販売に至るまで一気通貫のコンテンツ振興機関であり、国として大きく力を注いでいます。 そこで、お尋ねします。 コンテンツ庁をつくるといったような省庁再編は時間がかかりますが、例えば韓国のKOCCAのような特殊法人の設立は検討されているでしょうか。また、この問題について、どのような問題意識を持ち、どのように改善されるおつもりなのか、考えをお聞かせください。
○鈴木副大臣 お答えいたします。 コンテンツ政策を担う省庁や執行機関が多岐にわたる中、省庁横断で政策を推進する体制を求める声が上がっていることは承知をいたしております。 内閣府としては、他省庁の施策も含めてコンテンツ分野の支援策等を一覧化したジャパン・クリエーティブ・ポータルを昨年十月に立ち上げたところでございます。 さらに、政府として、現在検討中のコンテンツ分野の官民投資ロードマップの素案において、一気通貫の新たな支援体制の在り方を検討する旨盛り込んでおります。具体的な体制等については、今後、関係業界や関係省庁とも丁寧にコミュニケーションを取りながら、他国の事例も参考に検討を進めてまいりたいと存じます。 以上です。
○土橋委員 御答弁ありがとうございます。 やはり、海外勢というのは、宣伝、開発費をたっぷりとかけた勢力を持っておりますので、それと互角に戦えるように、しっかりとかじ取りをしていただければと思います。 これで時間になりましたので、質疑を終わります。ありがとうございました。 ――――◇―――――
○國場委員長 次に、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とキルギス共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、環境保護に関する南極条約議定書の附属書6の締結について承認を求めるの件、国際民間航空条約第五十条(a)の改正に関する二千十六年十月六日にモントリオールで署名された議定書及び国際民間航空条約第五十六条の改正に関する二千十六年十月六日にモントリオールで署名された議定書の締結について承認を求めるの件及び万国郵便連合憲章の第十二追加議定書、万国郵便連合一般規則の第四追加議定書、万国郵便連合一般規則の第五追加議定書、万国郵便条約の第一追加議定書及び万国郵便条約の第二追加議定書の締結について承認を求めるの件の各件を議題といたします。 これより順次趣旨の説明を聴取いたします。外務大臣茂木敏充君。 ――――――――――――― 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とキルギス共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件 環境保護に関する南極条約議定書の附属書6の締結について承認を求めるの件 国際民間航空条約第五十条(a)の改正に関する二千十六年十月六日にモントリオールで署名された議定書及び国際民間航空条約第五十六条の改正に関する二千十六年十月六日にモントリオールで署名された議定書の締結について承認を求めるの件 万国郵便連合憲章の第十二追加議定書、万国郵便連合一般規則の第四追加議定書、万国郵便連合一般規則の第五追加議定書、万国郵便条約の第一追加議定書及び万国郵便条約の第二追加議定書の締結について承認を求めるの件 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○茂木国務大臣 ただいま議題となりました四件につきまして、提案理由を御説明いたします。 まず、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とキルギス共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件については、令和七年十二月十九日に協定の署名が行われました。 この協定は、キルギスとの間で現行の租税条約の内容を全面的に改正するものであり、投資所得に対する源泉地国課税の更なる減免等について定めるものであります。 この協定の締結により、キルギスとの間で二重課税の除去を目的とした課税権の調整がより効果的に行われるとともに、脱税及び租税回避が防止されることで、両国間の健全な経済交流が一層促進されることが期待されます。 よって、この協定の締結について御承認を求める次第です。 次に、環境保護に関する南極条約議定書の附属書6の締結について承認を求めるの件については、平成十七年六月十四日に附属書の採択が行われました。 この附属書は、南極地域において環境上の緊急事態を引き起こした事業者が取るべき対応や、事業者が対応を取らずに締約国が対応した場合の当該事業者による費用の支払い義務等を定めるものであります。 この附属書の締結は、南極地域における環境上の緊急事態を防止し、また、そうした事態が生じた場合の環境への影響を最小限に抑える見地から有意義であると認められます。 よって、この附属書の締結について御承認を求める次第です。 次に、国際民間航空条約第五十条(a)の改正に関する二千十六年十月六日にモントリオールで署名された議定書及び国際民間航空条約第五十六条の改正に関する二千十六年十月六日にモントリオールで署名された議定書の締結について承認を求めるの件については、平成二十八年十月六日にこれらの議定書の署名が行われました。 これらの議定書は、国際民間航空機関の理事国数及び航空委員会の委員数を増やすため、国際民間航空条約の該当規定を改正するものです。 これらの議定書の締結は、国際民間航空機関を通じた国際協力を強化する見地から有意義であると認められます。 よって、これらの議定書の締結について承認を求める次第です。 最後に、万国郵便連合憲章の第十二追加議定書、万国郵便連合一般規則の第四追加議定書、万国郵便連合一般規則の第五追加議定書、万国郵便条約の第一追加議定書及び万国郵便条約の第二追加議定書の締結について承認を求めるの件については、令和五年十月五日及び令和七年九月十九日にこれらの議定書の採択が行われました。 これらの議定書は、万国郵便連合の運営や財政及び国際郵便業務に関する事項等について所要の変更を行うため、万国郵便連合憲章、万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約を改正するものです。 これらの議定書の締結は、万国郵便連合の効率的な運営及び国際郵便業務の合理化の見地から有意義であると認められます。 よって、これらの議定書の締結について御承認を求める次第です。 以上が、四件の提案理由及び概要です。 以上四件につき、何とぞ、御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
○國場委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、来る十五日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時九分散会