P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
219回国会参議院2025/12/16

厚生労働委員会 第7号

発言数
36
登壇者
7
会派数
5
開催日
2025/12/16

会議録

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、出川桃子君が委員を辞任され、その補欠として東野秀樹君が選任されました。     ─────────────

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長野村知司君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

小西洋之立憲民主・社民・無所属

○小西洋之君 立憲民主・社民の小西洋之でございます。  高次脳機能障害者支援法案に関しまして質問させていただきます。  まず、本法案でございますが、今夏の参議院選挙で御勇退されました自民党の衛藤晟一先生、また今傍聴席にお越しいただいておりますけれども、公明党の山本博司先生のリーダーシップの下、本委員会所属の先生方では、小川克巳委員長を筆頭に、自民党の自見はなこ先生、石田昌宏先生、また公明党の秋野公造先生、また参政党の梅村みずほ先生、またこの後に質疑されますが、共産党の白川先生、れいわの天畠先生らが役員などをお務めになり、そして福岡資麿先生が厚労大臣の時代に政府としてお認めをいただいたものでございまして、そしてもちろん衆参の日本維新の会や国民民主党などの先生方も参加の全ての各党各会派から成る超党派議連で作成をされたものでございます。この間の先生方のお取組に心からの敬意を表させていただきます。  そして、本日は、この後本委員会で採決をして本会議に緊急上程をするということを確認されておりますけれども、そうした時間の兼ね合いなどがあるんだと存じますが、我が会派に質疑機会をいただきましたことを先生方に御礼を申し上げさせていただきたいと思います。  では、まず法案に関しまして厚労省の政府参考人に対して質問させていただきたいと思います。  本法案なんですけれども、この高次脳機能障害が、患者さんや御家族の皆さんがこの間ずっと直面をしてきた、なかなか理解されない、そして実はこの医療や福祉の分野においてもなかなかきちんとした体制が構築できていないという課題を解決するために、春に今日傍聴席にいらっしゃる当事者の皆様も出席された院内集会が開かれて、そこで実効性のある法案を作ってほしいと、実効性というのが大事なんだというその当事者の方の声を受けて、超党派議連で作らせていただいたものでございます。  まさにこの実効性という文言が入っている条文があるんですが、法案の四条二項に、体系的かつ実効的に行われることを確保する、そして、総合的に、計画ですね、取組を計画的に総合的に策定し、及び実施するための必要な措置というようなことが書かれているんでございますけれども、実は私もこの条文の起草などに関わった議員なんですけれども、政府参考人に伺いますが、こうした法案の四条二項について、厚生労働大臣が、高次脳機能障害者、この支援の法案、支援に関する国のこの計画、計画体系というものをロジックモデルを活用して策定し、そのPDCAサイクルをしっかりと実行していくと、実効性の確保を図っていくということで、厚労省の姿勢としてよろしいでしょうか。

野村知司厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長

○政府参考人(野村知司君) お答え申し上げます。  この高次脳機能障害支援法案でございますけれども、御指摘のようになかなか理解が、社会あるいは医療、福祉の現場でも理解がされていないとか体制がないという、そういった当事者の方々の思いを酌みながら超党派議連で御議論があって、今日このような形になってきているというふうに承知をしております。  御指摘の第四条第二項の中で、国が高次脳機能障害者に対する支援策を策定するに際しては、その支援が体系的かつ実効的に行われることを確保する観点から、施策を総合的かつ計画的に策定、実施するために必要な措置を講ずることということが定められていると承知をしております。  この本法案が成立し、制定されました暁には、この法案に定める高次脳機能障害者に対する支援について、ロジックモデルなどのツールを活用しながら、適切にPDCAサイクルを実行されるようにし、この施策というものが総合的、計画的に策定し、実行されるように頑張っていきたいと思っております。

小西洋之立憲民主・社民・無所属

○小西洋之君 明確な答弁、ありがとうございました。  実は、同じ、全く、この条文ですね、体系的かつ実効的にというのは、我が国の法律の中でも初めてのようなすばらしい条文なんですが、同じ条文が都道府県の計画的取組についても書いてあります。この五条二項ですが、やはり私も関わったものですけれども、これも、この条文も、ロジックモデルを活用して、都道府県がそのPDCAサイクルをしっかりと実行していく努力義務を定めたものなんですが、それに当たって、厚生労働省として、都道府県に対して必要かつ十分な助言、支援を行っていくことでよろしいでしょうか。政府参考人、お願いします。

野村知司厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長

○政府参考人(野村知司君) お答え申し上げます。  法案の第五条第二項でございますけれども、御指摘のとおり、法案第四条第二項の国の責務と対となるような形で、地方公共団体に対する責務を定めているというふうに承知をしております。  そういう意味では、この法案が成立いたしました暁には、この自治体においても総合的、計画的な施策を策定し実施をしていくという観点から、ロジックモデルの活用でありますとかPDCAサイクルを始めとして、高次脳機能障害者に対する支援が体系的かつ実効的に行われるように、地方自治体に対して必要な助言、支援に努めてまいりたいと考えております。

小西洋之立憲民主・社民・無所属

○小西洋之君 明確な答弁をありがとうございました。  ロジックモデルの活用については、先般成立した医療法の改正でもありまして、そして附帯決議の十二番でも、まさに高次脳機能障害のこの新しい法律も含め、しっかり取り組んでいくことになっているんですが、ここはもう条文で書かれていますので、厚労省、しっかりとお願いをいたします。  今申し上げた実効的な国や県の取組等を確保するためのもう一つのすばらしい仕掛けが入っております。それが法案の第十条の一項なんですけれども、国がその取組について、進捗状況について公表するという条文が書かれているんですね。  この公表というのは、やはり患者当事者の皆さんや御家族の皆さんが、国の政策がどういうふうにしっかりと取り組まれているのか、何が課題になっているのか、それをどう解決していくのかということを見ていただく、そして我々国会議員も国会もそれをしっかりと見るものなんですけれども、こうした説明、公表の取組についてしっかりと厚労省として取り組んでいくと、十全に取り組んでいくと、答弁をお願いいたします。

野村知司厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長

○政府参考人(野村知司君) お答え申し上げます。  法案四条、五条、御指摘のとおり、国、地方公共団体、それぞれに対して施策を総合的、計画的に策定、実施をしていく旨が規定をされております。これを受ける形で、同法案第十条第一項において、政府は、高次脳機能障害者に対する支援に関して講じた施策に関する資料を作成し、適切な方法で随時公表する旨が定められているところでございます。  成立した暁には、この規定を踏まえて、関係省庁とも連携しながら、施策の内容、進捗状況について適時適切に公表することにより、PDCAの端緒となるように努めてまいりたいと考えております。  それと併せて、各自治体につきましても御指摘のとおりでございますので、この支援の状況を地方自治体において適切に公表し、地域における高次脳機能障害者の支援策のPDCAというのが回っていきますように、具体的な内容であるとか方法などの例をお示しするなどして指導してまいりたいと思っております。

小西洋之立憲民主・社民・無所属

○小西洋之君 野村部長はスーパー優秀な官僚なので先に問いの四番を答えてくださったんですが、まさにそうですよね、自治体の取組についても法律で公表すると。これはまさに、地域の患者当事者の皆様、また、国会だけじゃなくて地方議会も高次脳機能障害に関する政策をしっかりとみんなで進捗を管理して実現をしていくと、実効性を持って実現していくということでございますので、野村部長、そこもしっかり必要な助言、公表のフォーマットなどを自治体に提供すべきじゃないかという質問通告していますけど、そこも含めての必要な助言等を行っていくという答弁でよろしいですよね、野村部長。うなずくだけで、うなずくだけでいいです。あっ、じゃ、一言だけ。

野村知司厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長

○政府参考人(野村知司君) 済みません、大変緊張しておりまして、ちょっと焦って答弁を読み急いでしまいましたけど、自治体に対する指導ということで、有効に活用いただけるような指導をしていきたいと思います。

小西洋之立憲民主・社民・無所属

○小西洋之君 満点でございます。ありがとうございます。  じゃ、最後、大臣に伺わさせていただきますが、冒頭申し上げましたように、これ本当、衆参の全党、各党会派の全国会議員の、全政党、全会派の国会議員の思いがこもった、そして、今来てくださっている患者さんや家族の皆さん、当事者の思いがこもった法案でございますので、厚労大臣として、高次脳機能障害のこの関する施策について、実効性ですね、実効性を確保していく、そのための取組を全力で行っていくと、決意をお願いいたします。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 委員からお話がありましたとおり、この法案につきましては、本当に、議員立法として、各会派、各党の皆さんが精力的に議論を重ねられまして、今般、このようなすばらしい形で御提案をしていただいておりますことに感謝を申し上げたいというふうに思います。  高次脳機能障害のある方に対しましては、やはり早期の発見、治療、リハビリなどの支援、また家族の方々への相談支援、これが切れ目なく実行されるということが大事だというふうに考えておりまして、厚生労働省といたしましては、これまで支援拠点機関を各都道府県に設けまして専門的な相談支援などを行ってきたところでありますが、本法案が成立した暁には、今から、先ほど来お話のありますように、実効的な、実効性のある取組を進めていくことが大切でありますので、そういった観点からも、ロジックモデルを活用したPDCAサイクルに基づきまして高次脳機能障害のある方への支援を厚労省としてもしっかりと進めていきたいと考えています。

小西洋之立憲民主・社民・無所属

○小西洋之君 終わります。ありがとうございました。

白川容子日本共産党

○白川容子君 日本共産党の白川容子です。  高次脳機能障害者支援法案について質問をします。  法案は、超党派の高次脳機能障害者の支援に関する議員連盟による多くの関係団体へのヒアリングを始め、各省庁の協力の下に、法案の作成、そして提案に至ったものです。御尽力された各党議員の皆さん、そして御協力をいただいた全ての皆さんに心から敬意と感謝の意を表します。ありがとうございます。  我が党も、当事者団体、現場で支援活動を行う皆さんから御意見や御要望をお聞きをしてまいりました。その一つ、兵庫県宝塚市で活動されている一般社団法人高次脳機能障害者サポートネットの代表の方から、本法案提出に対する感謝と今後の課題について御要望いただきましたので、紹介をさせていただきたいと思います。  法案策定に向けて超党派で議論していただき、御尽力くださっている議員の皆様には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。今後ともどうぞよろしくお願いをいたします。  私たち高次脳機能障害者サポートネットは、高次脳機能障害者を始めとする障害のある人たちやその家族に対して、福祉サービスやその他の社会資源を活用し、支援を行うことにより、障害のある人もない人も共に地域で当たり前に暮らせる社会を実現することを目指している団体です。同じ宝塚市内で高次脳機能障害を始め、障害のある人たちが就労する珈琲焙煎工房Hugを運営し、工房では、生豆を仕入れ、丁寧に選別を行い、自家焙煎をし、ドリップパックの作成を行っています。それぞれの経験、得意、好きなことを生かし、仲間みんなで協力をし合っておいしいコーヒー作りをしています。  高次脳機能障害の具体的な支援で必要だと感じることはたくさんありますが、大きくは三つです。  一つは、訓練費の自己負担分の削減、軽減、補助です。高次脳機能障害は、ある日突然の事故や病気の後遺症のために起こるので、それまで普通に就労されていた人がほとんどです。そのため、福祉サービスを利用しようとしたときに、前年の収入で自己負担が発生します。また、配偶者に収入がある場合も同じです。急性期の病院からリハビリ病院を経て、ようやく在宅になったところで作業所に通所しようとしたところ、訓練費の負担が掛かるということになります。これからどうなっていくんだろうという心理的、金銭的な不安の中、せっかく通所先が見付かっても、自己負担が掛かるということになれば、通所することを諦めてしまうことにもつながります。そうして引きこもってしまう人も少なくないと思います。  二つ目は、入院、外来のリハビリ期間の延長です。高次脳機能障害は、リハビリをすることでかなり改善が見込める障害です。しかし、現在は、回復期の入院でのリハビリが最長で百八十日となっています。集中してリハビリできる期間としては半年は有り難いのですが、戻って日常生活が送れるまでに回復できるかというと、それはかなり難しいと思います。また、退院してからの外来のリハビリや訪問リハビリなどの情報も十分に行き渡っているとは言えません。復職をするにしても、受傷から一年後に復職というのはかなり難しいと思います。当事者の症状にもよりますが、目に見えない障害なので、会社での理解も得られず、結局、退職することになってしまう方も多くいらっしゃいます。  三つ目は、子供の高次脳機能障害への理解です。子供の場合は、発達障害の枠でかなり柔軟に支援を受けられるようになってきていますが、やはり、前の自分の状態というものを覚えているので、受傷後の自分の障害を受け入れていくことはかなり大変です。先生たちの理解も必要ですし、その子供の希望する進学先を保証することや、その体制を整えていってもらいたいと思います。小学校から中学校、高校、大学へと進学するごとの教育支援計画の情報共有など、体制を整えていくことも大切になります。  それから最後に、とても大切なのは高次脳機能障害の方の家族を支援していただくことです。環境が整わなくては症状の改善はありません。むしろ悪化していきます。ケアラーと呼ばれる人たちの支援も考えられてきていますが、まだまだだと思います。私が特に日頃必要だと感じていることです。どうぞよろしくお願いいたします。  以上が当事者団体の方からいただいた率直なお気持ちです。  法案成立後にはこのような現場の声を受け止めて法施行に当たっていただきたいと思いますが、厚労大臣に認識を伺いたいと思います。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 高次脳機能障害者の支援法が成立をした暁には丁寧な施行に努めていきたいというふうに考えております。  御紹介をいただきました要望につきまして申し上げれば、厚労省所管分で申し上げたいと思いますが、利用者負担の在り方など様々な観点を踏まえた議論、これが必要な課題もあろうかと思いますので、そうした問題についてもしっかり取り組んでいく必要があろうかと思います。  また、リハビリの診療報酬の算定など、これは既に現行制度でも一定対応可能な場合もあるかというふうに思いますが、いずれにいたしましても、当事者の方からの、今御紹介いただきましたようなそうした切実な声に対しましては、我々も真摯に受け止めて、どういった対応ができるかという観点で検討は進めていければというふうに思っております。

白川容子日本共産党

○白川容子君 ありがとうございます。  法案には、先ほども御質問にありましたけれども、国の責務も明記をされております。当事者や関係者の皆さんの声をこれからもしっかりとお聞きをして、法案成立後もしっかりと厚労省としても取り組んでいただけるように要望して、終わります。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 代読します。  れいわ新選組の天畠大輔です。  本日は、この後審議される高次脳機能障害者支援法案を念頭に、高次脳機能障害のある方々が地域で安心して暮らし続けるための医療とピアサポートの体制について伺います。  高次脳機能障害は、脳卒中や脳外傷により記憶や行動、言語、感情のコントロールなどに障害が生じ、生活全体に影響を及ぼします。症状が外見から分かりにくいため適切な支援につながれず、未診断のまま生活に苦しむ方が少なくありません。  私自身、低酸素脳症の後遺症のうち特に視覚に関する障害は、診断が難しく、高次脳機能障害の疑いがありながらも、専門医の不足から、多くの医療機関を転々とするたらい回しを経験しました。  平成三十年度から令和元年度の厚労科研によるアンケート調査では、相談支援事業所を利用した高次脳機能障害者のうち約二、三割が未診断でした。これは、医療にすらつながれずに地域で困窮している方が相当数いることを示唆しています。  その背景には構造的な課題があります。救命優先の急性期医療で障害が見落とされがちであること、そして退院後の生活期に専門的な知見を持つ医師が地域に極めて少ないことです。  このため、適切な診断や説明を受けないまま地域に戻った当事者は、一般病院等での継続診療を受けられず、自分が障害であることに気付けない未診断の状態のまま孤立してしまいます。医療へのアクセスの断絶こそが当事者と家族を追い詰める大きな要因の一つとなっています。このような状況にもかかわらず、未診断で孤立する当事者の実態や高次脳機能障害に対応できる医師の分布等の実態がきちんと把握されていません。  高次脳機能障害者がどこに住んでいても安心して医療にかかれるよう、高次脳機能障害に対応できる医師や専門職を確保、育成していくためにも、まずはその実態把握に乗り出すべきだと考えますが、大臣のお考えをお聞かせください。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 高次脳機能障害の診断、治療につきましては、精神科あるいはリハビリテーション科など複数の診療科が関わりますので、その医師や医療機関の分布等の実態、これを的確に正確に把握することは現状なかなか難しい課題があろうかと思っておりますし、また、御指摘のありました未診断で孤立する当事者、これも非常に大きな課題だと認識をしておりますが、これにつきましても現状、的確な把握は難しい状況であります。  しかしながら、関係する診療科が適切に連携をして患者の診断、治療に当たる、このことは大変重要でありますので、現在、都道府県、全都道府県に設置をしております支援拠点機関におきましては、まず、医師、専門職の方を対象に、高次機能障害、高次脳機能障害の支援に関する研修、これを実施をしておりますし、当事者の方あるいは家族等への相談支援、普及啓発も実施をしているところであります。また、令和五年度からは、都道府県におきまして、地域支援ネットワークの構築、これを推進しているところであります。  高次脳機能障害の診断、治療に当たる医師、また医療機関、リハビリ機関、これをしっかりと把握をして、当事者の方が切れ目なく支援を受けられるように、その支援につながるように、協力をいただける医療機関等の確保を進めているところであります。また、関係機関が相互に連携、調整を図り、当事者やその家族等の支援に資する情報提供を行うなどの取組を実施をしております。  こうしたネットワーク、これからも充実したものになるように行うことによりまして、委員からの御指摘のあったことにも対応できるように取り組んでいければというふうに思います。

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしております。お待ちください。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 ネットワークが構築されるまで実態把握ができないでは遅過ぎませんか。代読お願いします。  答弁にもありましたとおり、国は令和五年度から各都道府県等に対して地域支援ネットワーク構築のための予算を付けています。ネットワーク構築は大変重要ですが、現時点でこの事業を行っているのは八自治体にとどまり、実態把握に時間が掛かり過ぎます。早急に実態調査を行い、医療の確保に向けた具体的な計画、目標を立てるべきと考えます。  こうした課題に対し、医師や専門職の育成を進めることは急務ですが、同時に医療の枠組みだけでは解決できない難しさもあります。高次脳機能障害の支援には、医学的知見だけでなく、その人が実際にどう暮らしているかという生活の視点が不可欠だからです。家庭や職場といった生活文脈の中で生じる困り事は、病院の中だけでは把握し切れません。  そこで、福祉の視点が必要になります。病院のソーシャルワーカーなど福祉につなぐ役割が重要な一方で、制度だけではなく、同じ障害を抱え、日々の葛藤を乗り越えてきた経験を持つピアサポーターの存在も大変重要になります。医療が症状を診て治療、療法などをして、福祉は生活に必要なサービスを提供するのに対し、ピアサポートは生活の知恵や生きる勇気を分かち合うことができます。当事者同士がつながり、互いの経験を社会資源として活用していく仕組みが孤立を防ぐための最後のとりでになると考えます。  しかし、現状、ピアサポーターを配置する制度や予算が確立されておらず、自治体間格差が大きいのが実態です。支援拠点へのコーディネーター配置は進みつつありますが、ピアサポーターの配置実態は把握すらされていません。当事者の経験知が支援の質を左右するこの障害において、国として計画的な育成、配置の方針を明確に示すべきではないでしょうか。  国は、令和三年度の報酬改定で、ピアサポート体制加算を創設し、都道府県や政令指定都市が実施する障害者ピアサポート研修の受講を要件化しました。このピアサポート研修事業の活用をより一層進めながら、支援拠点へのピアサポーターの配置を進めるなど、具体的な取組を検討いただきたいと思いますが、大臣のお考えをお聞かせください。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 委員から御指摘のありましたとおり、ピアサポート、これは極めて重要だと考えております。  各支援拠点におきましては、当事者の方も含めた高次脳機能障害への正しい理解を促進するための普及啓発であったり、あるいは医師や専門職のほか、当事者の方を対象とした高次脳機能障害の支援手法等の研修も実施をしているところであります。  また、今委員からも御紹介のありました地域生活支援事業のメニューの一つであります障害者ピアサポート研修事業、これは自治体の状況に応じて柔軟に実施をすることが可能な事業ではありますけれども、この事業を活用して都道府県等がピアサポーターを養成する取組も行われております。今後は、各都道府県に更にこの動きを広げていけるように努力をしていきたいというふうに思います。  今後、地域の実情を踏まえながら、ピアサポーターが配置をされている障害福祉サービス事業所と、先ほど来申し上げております支援拠点機関、この連携を図ることなどを今後検討していきたいと考えています。

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 当事者の先輩の言葉が何度も背中を押してくれました。  支援拠点へのピアサポーターの配置も是非御検討していただけないでしょうか。大臣、いかがですか。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) まずは、この法律に基づく各政策が着実に実行されるように努力をしたいと思いますし、その中で、今お話のありましたように、ピアサポーターの支援拠点への配置等につきましても検討はされるべきものだと考えています。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 代読します。  国として明確な方針がなければ予算も付かず、自治体任せのままでは地域間格差は広がる一方だと考えますので、是非前向きに検討をお願いいたします。  今回の質疑を準備する中で、四十年以上にわたり地域で高次脳機能障害のある人を診てこられた医師の方からもお話を伺いました。単に診察を重ねるだけでは高次脳機能障害のある人への理解は深まらず、当事者の方とともに出かけ、生活を共にする経験を通じて当事者からしか学べないことを学び、やっと障害のある人の気持ちも含めて理解できたと語っておられました。  だからこそ、ピアサポートが重要です。医療だけでは生活上の困難が見過ごされ、ピアだけでは医療的判断に限界がある。だからこそ、両者をセットで整備し、連携させることが不可欠だと考えておりますが、その方針を明確にお示しいただきたいと思いますけれども、最後に大臣の意気込みをお願いいたします。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 様々な御提案、どうもありがとうございます。  医療体制の整備、そしてピアサポート体制の整備、いずれも重要だと認識をしております。医療体制の観点では、地域支援ネットワークの構築を推進をして、医師や医療機関を確保する、またピアサポート体制の整備につきましては、支援拠点機関における当事者同士の支援に関する研修等の実施によって支援体制を充実をしていく、そのような方針が、そのような方向が大事だというふうに思っておりますので、法律の趣旨等も十分踏まえた上でしっかりとした政策を進めていきたいと考えています。

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 時間が参っております。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 代読します。  まとめます。高次脳機能障害者支援法が成立した暁には、医療とピアサポートを一体的に進める仕組みを是非計画として位置付けていただくよう強く求めまして、質問を終わります。

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 高次脳機能障害者支援法案を議題といたします。  提出者衆議院厚生労働委員長大串正樹君から趣旨説明を聴取いたします。大串正樹君。

大串正樹自由民主党・無所属の会

○衆議院議員(大串正樹君) ただいま議題となりました高次脳機能障害者支援法案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。  高次脳機能障害とは、疾病の発症又は事故による受傷による脳の器質的病変に起因すると認められる記憶障害、失語等の認知機能の障害をいい、令和四年の調査では、その患者数は全国で約二十三万人と推計されています。  この障害は外形上判断しづらく、その特性の理解も進んでいないなどの理由で、患者とその家族は、日常生活や社会生活に困難を抱えているとの声がございます。  このような現状を踏まえ、超党派による高次脳機能障害者の支援に関する議員連盟が設立され、関係者からのヒアリング、議員間での真摯な議論の積み重ねを経て、高次脳機能障害者の自立及び社会参加のための生活全般にわたる支援を図る本案が取りまとめられたところです。  その主な内容は、第一に、基本理念として、自立と社会参加の機会が確保され、また、尊厳を保ちつつ他者と共生することが妨げられないこと、社会的障壁の除去に資すること、個々の事情に応じ、また、関係者の連携の下に、あらゆる段階で切れ目ない支援が行われること、居住する地域にかかわらず等しく適切な支援を受けられることの四つを定めております。  第二に、基本的な支援施策として、まず、高次脳機能障害者やその家族に対する支援施策について、地域での生活支援、就労の支援、相談体制の整備等を、また、その他の支援施策について、国民や医療従事者等に対する普及啓発、地方公共団体や民間の団体への支援、専門人材の確保等を、それぞれ定めております。  そして、これらの施策を計画的に策定、実施し、さらに、実施した施策を公表させることで、体系的、実効的な支援を確保するものとなっております。  第三に、このような支援施策を実施する体制として、高次脳機能障害者支援センターの設置、専門的な医療機関の確保、当事者や関係機関等から構成される地域協議会の設置について定めております。  第四に、法施行後三年を目途として見直しを行う旨の検討条項を設けております。  なお、この法律は、令和八年四月一日から施行することとしております。  以上が本案の趣旨となります。  何とぞ御賛同いただきますようお願い申し上げます。

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  高次脳機能障害者支援法案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時三十七分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗