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219回国会参議院2025/11/27

厚生労働委員会 第3号

発言数
233
登壇者
27
会派数
9
開催日
2025/11/27

会議録

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省健康・生活衛生局長大坪寛子君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

生稲晃子自由民主党

○生稲晃子君 おはようございます。自由民主党の生稲晃子です。  厚生労働委員会に再びお世話になることになりました。国民の皆様の命と暮らしを守るために、現場の声をしっかりと国政に届けてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。  上野大臣には、明るい社会保障改革推進議連で大変お世話になっております。この議連では、特にここ数年、女性の健康に焦点を当てて取り組んで、活発な議論を重ねてまいりました。  本日は、上野大臣に期待を込めて、女性の命を守るために欠かすことのできない課題、高濃度乳房通知の義務化についてお伺いいたします。  以前も本委員会で少し触れさせていただいたんですが、通知に関しては時期尚早であるとの御答弁をいただきました。それが現在しっかりと前進しているのか、また、足踏みしている背景は何なのか、医療について素人である私ですが、少しでも納得できたらと。また、今同じ時代を生きている女性の命を一人でも多く救いたいという思いを込めて質問させていただきます。よろしくお願いいたします。  そして、後半は、東北大学病院に先日、次世代放射線治療、MRリニアックを見学させていただきまして、現場の先生方に放射線治療の未来や希望やまた課題、いろいろお話を伺ってまいりました。そこまで質問が少しでもできたらいいなというふうに思っております。  まずは、高濃度乳房通知の義務化についてお伺いいたします。  我が国のがん検診の受診率ですが、国の目標を六〇%に引き上げましたが、まだ五〇%に達していないという現状です。乳がん検診の受診率だけを見てみても、女性部位別でのがん罹患率がトップにもかかわらず、二〇二二年の調べでは四七・四%でした。乳がんは四十代から罹患率が高くなり、現在九人に一人がかかるがんです。  その乳がん検診ですが、対策型検診においては原則マンモグラフィーのみが用いられています。日本人女性というのは乳腺が発達している方が多くて、そういう方はマンモグラフィーで乳房が白く写ります。そういったタイプの乳房を高濃度乳房といいます。その割合は欧米に比べて高いと言われていますが、この高濃度乳房、病気ではありません。しかし、マンモグラフィーでは乳がんも白く写るため、乳房が白く写る高濃度乳房では白と白でがんが見付けにくいという課題があります。  私は、四十二歳のときに受けた人間ドックで乳がんの告知を受けました。マンモグラフィーでは異常がなく、超音波検査で再検査となり、その結果、乳がんであることが分かりました。議員になってから、自分はもしかしてと思って主治医に確認しましたら、あなたは高濃度乳房であるとのお話をいただきました。  私はたまたまこのときは超音波検査も受けていたのでがん治療をすぐに始めることができたんですが、ふだん受けている対策型検診のマンモグラフィーだけで検診を終わらせていたら、数か月後、一年後、もしかしたら進行がんとして見付かることになっていたかもしれません。  まず、高濃度乳房に関する厚労省の認識について伺います。  日本における高濃度乳房の実態、どの年代でどの程度の割合なのか、そして、高濃度乳房によってがんを見逃してしまうリスクについての調査等々、厚労省としてどこまで進捗状況を把握しているのか、現時点での認識をお示しいただけますでしょうか。お願いいたします。

大坪寛子厚生労働省健康・生活衛生局長

○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。  実態でございますが、まず、乳腺が多く脂肪が少ない、いわゆる高濃度乳房、この割合でありますが、令和二年に厚生労働省の研究班が関連学会と共同して行った調査によりますと、検診受診者のうち、四十歳代で七一%、五十歳代で五四%、六十歳代で四〇%という傾向がございました。ただし、高濃度乳房の有無は年齢ですとか出産、授乳の経験などの影響を受けますため、どのような方を対象にして調べるかによってその割合が多少変わることにも留意が必要だというふうに考えております。  AMEDで令和三年に研究を行いました報告によりますと、高濃度乳房のある方に対するマンモグラフィー検査の感度、これ六一%と示されております。高濃度乳房がない方七一%でありますので、先生御指摘のように、やや低い結果であろうかと思っております。  私どもでは検診の在り方を随時見直しておりまして、早期発見により社会全体としての死亡率の減少効果が確認されました検査手法、これが乳がんに関しましては現在マンモグラフィー検査ということで推奨されております。これにつきましては、引き続き最新の知見を踏まえながら、随時見直しをしてまいりたいと思っております。

生稲晃子自由民主党

○生稲晃子君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。  現在、日本では、乳がん検診を受けた結果、自身が高濃度乳房であるか否かの通知というのは義務化されていません。各自治体、市町村に委ねられている状態で、全国約千七百の市町村がありますが、平成三十年度に行われました乳房の構成の通知に関する実態調査によると、回答のあった千六百六十四市町村のうち、通知を独自に行っている市町村数は二百六十二であったそうです。ほんの一部ではありますが、それでもこれだけの数の市町村が実施をしているということは、その市町村、自治体や医療機関において通知、説明が、患者の命にとって、早期発見、早期治療にとって必要だと思われているからであると考えます。なぜ自治体に委ねられているのかが私は不思議に思います。  そこで伺います。高濃度乳房であることの通知や説明の義務化について、これまで厚労省で議論されたことはあるんでしょうか。あったとしたら、その際の検討内容と結論はどうであったのか、教えていただけますでしょうか。お願いします。

大坪寛子厚生労働省健康・生活衛生局長

○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。  自治体が検診を行っているこの手法につきましては随時見直しを行っているところでありますが、乳がんに関しまして、高濃度乳房に関する受診者への情報提供をどうするかということに関しまして、平成三十年に開催されましたがん検診のあり方検討会におきまして審議を行っております。  その際得られました結論といたしましては、高濃度乳房と判定された方に対して、現時点で推奨できる有効な検査方法がないとされたこと、また、乳がん検診関連の三団体、具体的には、日本乳癌検診学会、日本乳癌学会、並びに日本乳がん検診精度管理中央機構、この関係三団体からは、全国の市町村が受診者に対して一律に乳房の構成、すなわち高濃度乳房の有無を個別に通知することは時期尚早であるという提言をいただいたところでございます。こうしたことから、現時点では、先生御指摘の高濃度乳房であるとの通知や説明の義務化、これを行う段階にはあると考えていないところであります。  ただ一方で、随時見直しは行っておりまして、今年の十月にもあり方検討会開催をさせていただきまして、マンモグラフィーやエコー、MRIの検査手法のそれぞれの特性、また加えて、3Dマンモグラフィーが開発されていることなども確認をしておりまして、国からは、国立がん研究センターに対して、こうした最新の科学的知見を踏まえたガイドライン、これを更新するように依頼をしているところでございます。  こうした内容を踏まえて、今後の在り方について引き続き検討してまいりたいと思っております。

生稲晃子自由民主党

○生稲晃子君 ありがとうございます。期待をしています。  このように自治体に委ねていることによって日本国内のその自治体、医療機関ごとに対応が異なるという状況が続いているということになると思うんですが、その住んでいる場所や受診した医療機関によって自分が高濃度乳房だと知る人と最後まで知らない人が出てしまうという、いわゆる通知格差というものが生まれてしまっているのではないかなというふうに考えているんですね。これで本当にその国のがん対策を推進すると言えるのかなというふうに強い問題意識を私は今持っています。やはり国民に対して公平でなければいけないというふうに思っています。  ここで、私が最近ヒアリングをさせていただいた川崎市の取組について簡単に御紹介いたします。日本では平成十二年からマンモグラフィー検査が導入されたんですが、川崎市では、平成十九年頃から既に、乳がん検診の結果通知に高濃度乳房であるか否かといった乳房の構成結果を明記して、高濃度乳房の場合は乳がんが分かりにくい傾向があること、ほかの方法が適している場合もあるから医療機関に相談をしてくださいという呼びかけ、また、乳がん検診受診者全員にマンモグラフィー、高濃度乳房についての簡単な説明、注意喚起が書かれたチラシを添えています。  一方で、先ほども言いましたように、全く通知がされていない、行われていない自治体も多数存在しているわけです。自治体の努力の差、イコール国民が得られる命に関わる情報の差という現状は、私はあるべきではないというふうに思っています。  そこで、質問させていただきます。自治体や医療機関によって対応が異なることについて、国としてはどのようにお考えでしょうか。

大坪寛子厚生労働省健康・生活衛生局長

○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。  一部繰り返しとはなりますが、このがん検診の在り方につきましては随時の見直しを行っているところであります。直近の検討会においては、平成三十年ではありますが、関係三団体からその高濃度乳房の有無を個別に通知することは時期尚早であるという提言をいただいたところ、現時点では自治体に対してこういうお願いを一律には行っていないというところであります。  ただ一方で、先生御指摘のように、全国の市町村で行われているところがあることは承知をしております。自治体独自のお考え方で我々が示している以上のことをしていただくことについては全く妨げるものではございませんので、自治体ごとに対応が異なるということは現時点ではあり得るだろうというふうに思っております。  ただ一方で、私ども、そのあり方検討会が、三十年五月に、三十年にありました際に、直ちに五月に通知を出しておりまして、自治体が独自に取組として高濃度乳房の有無、これを通知する際には、留意事項としてきちんと御説明すべき内容、これお示しをしております。  具体的には、先生さっきおっしゃったように、高濃度乳房は病気ではないということ、それから高濃度乳房であることを通知したとしても国が推奨する検査方法がないこと、現時点ではないということから、こういった留意事項を必ずお伝えするようにという御案内はさせていただいているところであります。

生稲晃子自由民主党

○生稲晃子君 ありがとうございます。少しずつ進んでいただいているという感じであると思います。  私自身、自分が高濃度乳房であると知ったのは、冒頭でもお話ししましたように、議員になってからの定期検診のときだったんですね。そのときに主治医に確認しました。恥ずかしながら、乳がんになったというのに、私は高濃度乳房という言葉を知らなくて、調べることもしていませんでした。  しかし、この言葉を知らないという人ってかなり多いんですよね。人数把握まではしていないんですが、周囲の男性はもちろんですけれども、女性も初めて聞いたという人が非常に多いのが現状です。  しかし、先ほど触れた川崎市のように、平成十九年から通知と注意喚起を行っている自治体もあると。それにもかかわらず、全国的な認知につながっていないというのは、これは自治体単独での取組にはやはり限界があって、国が標準としてもっともっと提示しなければその社会全体の理解というのは進まないということを逆に証明しているような気がします。  国としてこれまで高濃度乳房についてどのような周知施策を実施してどの程度の効果を把握しているのか、少しお話しいただけますでしょうか。その前に、周知に尽力されたことというのはありますでしょうか。

大坪寛子厚生労働省健康・生活衛生局長

○政府参考人(大坪寛子君) 高濃度乳房につきまして、現在、厚生労働省では、そのあり方検討会の御意見を踏まえますと、国民への、皆様の周知、まあ個別の通知を行うことについては時期尚早という見解をいただいておりますものですから、現時点におきましては国民の皆様への広く周知ということは行われていないところでございます。  しかしながら、先ほど来申し上げましたように、こういった科学的な知見、こういったものは不断の見直しを行っていくべきものでありまして、我々といたしましても、今、国立がん研究センターに対してガイドラインの更新等依頼をしているところでございます。  こうした検討結果などを踏まえて、ガイドラインの内容を踏まえまして、今後の在り方については、関係学会など有識者の意見もお聞きしながら進めてまいりたいと思っております。

生稲晃子自由民主党

○生稲晃子君 こういったことに関しては長い時間が掛かるものなのかなと、ちょっと済みません、素人ながらに今思ってしまっているところであります。ありがとうございます。お願いいたします。  がん経験者から申し上げると、この知らされなかった情報というのは最も不安を生むと思うんですね。私が通院している病院では、高濃度乳房に関しては義務化されていないことから、私が聞くまではその自分の乳房のタイプへの説明というものはなかったわけですが、私がお世話になった先生方また看護師さんは本当にいろんな説明を細かくしてくださいました。時間を掛けてでも親身になって私の疑問や不安に答えてくださり、とても感謝をしています。ほとんどの先生方がそうであるというふうに思っています。  ただ、現在、私もちょっとしつこくなっているのかもしれませんけれども、高濃度乳房通知に関しては、通知をすることでその患者の不安をあおる可能性が懸念される、追加検査を求めることで医療負担が増えてしまうといった、そういった御意見もあって、それも義務化に至らない要因の一部であるということを承知しているんですね。  しかし、私には、その自分の乳房における重要な情報を本人が知らないという、知る権利が妨げられる、このことの方がかえって不安をあおることにつながってしまうのではないかというふうに思いますし、また、ほかの検査を試みるかどうかが早期発見につながるかもしれない、ということは、この通知は、過剰な検査ではなくて、必要な人だけが適切な判断を行えるようにする予防医療であるというふうに考えます。  先日の高市総理大臣の所信表明演説において、攻めの予防医療という言葉が示されました。病気は、治すだけではなくて、検診結果や健康データを利用して将来の疾患リスクを事前に把握し、先回りをして対策を打つ。まさに攻めの予防医療を実現するために、この高濃度乳房の在り方はもう避けて通れない、避けて通る必要がない課題ではないだろうかというふうに思っています。  確かに、追加検査、今はお金が掛かってしまいます。でも、がんが見付かって、ましてやそれが進行していたらもっとお金って掛かってしまいます。通知をしていただくことによって、自分の胸はがんが見付かりにくいタイプなんだという意識を持っていれば、例えば、すぐしなくても、いつかは超音波検査を受けてみようとか、追加検査の必要性を自ら判断できるというのは私重要であるのではというふうに思っています。  攻めの予防医療を実現するために、時期尚早という言葉先ほどからいただいているんですけれども、この時期尚早という御答弁からそろそろ少しずつアップデートをしていただく時期に来ているのではないだろうかというふうに思います。  厚労省として、患者の自己決定権の観点からも、より丁寧な情報提供の在り方が必要ではないでしょうか。見解をお願いいたします。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 委員から御自身の体験に基づいた貴重な御提言をいただいているというふうに承知をしております。我々もそうした声、やっぱり真剣に受け止めさせていただきたいと考えているところであります。  厚労省としての現在の考え方等につきましては先ほど来局長の方からお話をしているとおりでありますが、まず一般的な周知につきましては、やはり今、先行事例、川崎市などの先行事例につきましてもお示しをいただきましたので、そうしたことも十分踏まえ、あるいは関係学会などの有識者の皆さんの声も踏まえながら、厚労省として何ができるかということはしっかり検討させていただきたいと考えています。  また、個別の通知につきましては、これは様々な御意見があるというふうにお伺いをしておりますので、まずは国立がん研究センターにおけるガイドラインの検討、更新、これを踏まえてどうすべきかということを考える必要があるのかなというふうに考えています。  いずれにいたしましても、攻めの予防医療、高市内閣におきましても重要政策の一つでありますので、その中で、がん検診の在り方や、あるいはそれに関連する情報提供の在り方、これは非常に重要な項目でもありますので、委員からの御提言もしっかり踏まえながら、どうすべきかということを考えさせていただきたいと考えています。

生稲晃子自由民主党

○生稲晃子君 大臣からの力強い御答弁、本当にありがとうございます。期待をさせていただきます。  ここで、アメリカの通知義務化制度について少しお話しさせていただきます。  アメリカにおいて始まった制度なんですけれども、アメリカでは、二〇二四年九月の十日以降、全米のマンモグラフィー実施施設で乳房密度に関する通知が義務化されました。  そこで伺います。この制度について厚労省としてどのように評価また調査をしていらっしゃるでしょうか。また、日本で検討していただく場合なんですけれども、参考となる点、逆に懸念される点がありましたら教えてください。お願いします。

大坪寛子厚生労働省健康・生活衛生局長

○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。  先生御指摘のこのアメリカの事例、二〇二四年九月十日に適用となったFDAの規則については承知をしております。退役軍人省所管の施設を除くアメリカ全州のマンモグラフィー検査を実施する施設において、マンモグラフィー検査の結果を患者に通知する際には、高濃度乳房の有無といった乳房の性状に関する事項を患者に通知することが定められたというものだというふうに承知をしております。  一方で、我が国におきましては、このがんのあり方検討会の中で、乳がんにかかわらず、あらゆる我々が今行っているがん検診の手法の在り方などについては随時の見直しを行っているところでありまして、こういったことの最新の知見を踏まえた国立がん研究センターで行っているガイドラインの更新、こういったものを踏まえて、関係学会ともよく相談して進めてまいりたいというふうに考えております。

生稲晃子自由民主党

○生稲晃子君 やはり、そのあり方検討会で話をしていただくということが、これがまた前進するということというふうに思っていいわけですね、今までの御質問を伺っていると。  私もこの通知制度を是非導入していただきたいんですけれども、いただきたい、いただきたいと思っているだけではなくて、その単に導入だけで終えてしまってはいけないというふうに思っています。受診後どう行動するか、そのフォローアップの体制というものが鍵であって、徐々にそれは形成されていくものなのかもしれないなというふうには思うんですけれども、医療提供体制とか教育、それから保険制度などの総合的な整備というものは絶対に必要になっていくというふうに思っています。  ここで質問させていただきます。  日本でこの通知制度を取り入れていただく場合、今後どのようにその議論というものを進めていただけるのか、さらに、そこに今何が壁になっているのかということを、もしお話しできたらお願いできますでしょうか。

大坪寛子厚生労働省健康・生活衛生局長

○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。  繰り返しになって恐縮でございますが、壁という意味で申し上げますと、がんの検診あり方検討会の中で議論をし、平成三十年にいただいた御提言といたしましては、まずは、この乳房の構成が高濃度乳房と判定された方に対して推奨できる有効な検査方法というものが現在ないということをその当時いただいております。そして、三団体、乳がん検診関連三団体、乳癌検診学会、また乳癌学会、日本乳がん検診精度管理中央機構、この三団体からも、現時点で対策型検診として全ての市町村で一律にこうした通知を行うことは時期尚早だという回答をいただいたところであります。  これにつきましては、がんセンターの方で知見を集めて更新をする中で、またそれを踏まえた検討をこの検討会の中で開催したいと思います一方で、先ほど大臣が御答弁ありましたように、個別の通知ということではなく、一般に対する周知、こういったことについては関係学会等ともよく相談をしてまいりたいというふうに思っております。

生稲晃子自由民主党

○生稲晃子君 確かに今、検査方法はその後の検査方法がないというお話ですけれども、でも、通知をしていただくことによって意識を高める、自分で私はがんが見付けにくい胸なんだよねというふうに思っているという、それが大事なのかなというふうに私は今思っています。  この乳房に関しては最後の質問とさせていただきます。  これは質問というか提案なんですけれども、現在通知を行っている自治体や医療機関においては、医師のある程度の主観的な判断によって高濃度乳房か否かを判定しているということで、それもこの通知制度が進まない一因になっているのかなというふうに素人ながらに考えています。  マンモグラフィーでは乳房の構成を四つに分類しているということで、ちょっとA、B、Cで言ってみると、Aというのはほとんどが脂肪の脂肪性。Bは脂肪が主体で一部に乳腺組織という散在性乳腺。Cというのが乳腺が多くがんが隠れる可能性がある不均一高濃度乳房、私はこの不均一高濃度乳房ですというふうに先生から言われました。Dは乳腺が非常に多くがんが見えにくい極めて高濃度乳房。ということで、このCとDの乳房をまとめて高濃度乳房というふうに呼ぶんだそうです。  今、あらゆる分野でAIの力が活用されています。今後、ここもAIを使って乳房の密度を評価するというのはいかがかなというふうに思っているんですけれども、主観という曖昧さが解消されて確実に患者に伝えることができると思って、この制度を進める一端になるのではないかというふうに考えるんですけれども、いかがでしょうか。

大坪寛子厚生労働省健康・生活衛生局長

○政府参考人(大坪寛子君) 乳がん検診の検診手法として現在指針に定められておりますマンモグラフィーですが、その読影にAIを活用した医療機器の開発、これは実際に進められておりまして、診断の補助を目的として薬事承認を得た製品、これは既に存在をしております。ただ、現在存在しているものを拝見しますと、必ずしもその高濃度乳房を判断するための機器ということではなく、例えば腫瘍ですとか石灰化ですとか、そこをマークするようなそういった製品というものは幾つか開発されているというふうに承知をしております。  がん検診の指針の中では、このマンモグラフィーの読影、これの精度管理の観点から、二人以上の医師がその診断を行うことを定めております。この際、AIを活用した診断補助機能、これを有した医療機器を用いて読影を行うことも想定内だというふうに考えております。ただ、いずれにいたしましても、診療補助の機器でありますので、最終的に判断するのは医師ということになろうかとは思います。  乳がん検診におけるAIを活用した医療機器の更なる活用、こういったことにつきましては、今後の開発状況も踏まえながら、有識者の御意見を伺って議論を進めてまいりたいというふうに思っております。

生稲晃子自由民主党

○生稲晃子君 どうもありがとうございました。  乳がんというのは早期に見付かれば助かる可能性が高いがんであります。でも、高濃度乳房ではマンモグラフィーに限界があります。その事実を知らないまま、異常なしと言われて安心をしてしまう、これは女性の健康にとって重大な問題だというふうに思っています。女性が自分の乳房の状態を知って、検査の限界を理解した上で検診や追加検査を選べるようにするということは、女性の基本的な知る権利だと思います。  私は、乳がん経験者として、自分の体を知る権利イコール人間の尊厳であるという強い思いを持っています。同じ時代を生きる女性とともに幸せに生きていきたいので、これからも粘り強く取り組んでいきたいなというふうに思っています。この件については本当にありがとうございました。  次に、先ほども冒頭でも触れました放射線治療の現場で伺った声について申し上げます。  時間も少なくなってまいりましたので全部はできないかなというふうに思っておりますが、先日、東北大学病院にて、次世代放射線治療、MRリニアックを見学させていただきました。そして、現場の医師やスタッフの皆様から、その現場ならではの課題を直接伺いました。地域医療と首都圏の格差だとか、最新設備の導入の難しさなどでした。  この病院では、今年の一月から、このMRリニアックを使って、働く世代や遠方からの患者の通院負担軽減を目的に、前立腺がんの患者さんを対象としました土曜日のみ二回の放射線治療を開始しています。  通常の前立腺がんの放射線治療というのは、平日に三十八回前後の治療が行われるということで、これは約二か月掛かるんですね。二〇一一年のことではあるんですけれども、私は術後の放射線治療、これが三十回だったんです。仕事をしながらの通院三十回というのはかなり大変でした。平日に仕事を休まず治療を受けることができる、遠方からの通院回数が減ると、患者さんにはこれ大きなメリットになると思います。それだけではなくて、医師の働き方改革においてもかなりの前進になると思っています。こうした先進的な取組を全国へ広げていく必要を強く感じました。  これらを踏まえて、現場の声と、また患者さんの利益を最優先にした支援策について少し質問させていただきます。  現場からは、地域医療機関と首都圏の大学病院との間で放射線治療体制に大きな格差があるという声がたくさん寄せられました。専門医の偏在、最新設備の導入の困難さ、それによって治療の受けやすさや治療成績に地域差が生じているという現状があります。  国としまして、こうした格差を是正して、どこに住んでいても質の高い治療が受けられる体制整備というものが求められていると思うんですが、今後の具体的な方針がおありになりましたら教えていただけますでしょうか。

大坪寛子厚生労働省健康・生活衛生局長

○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。  今後、八十五歳以上の人口を中心とした高齢化と生産年齢人口の更に減少が進んでいくと、こういった中で、全ての国民の皆様がどこにお住まいでも適切にがん医療を受けられるよう、持続可能ながん医療提供体制を構築することは重要な視点だと思っております。  このため、私どもは、第四期がん対策推進基本計画に基づくがん医療提供体制の均てん化、集約化につきまして議論を行う検討会を持っておりまして、今年の八月にその議論のとりまとめ、報告書を作成しております。この中では放射線治療についても特に触れておりまして、放射線治療装置のようにがん医療を提供する際に高額な医療設備が必要な医療に関しては、効率性の観点から集約化して提供体制を構築することが望ましいとされたところであります。  拠点病院等の医療関係者ですとか自治体、患者団体等が参画して、がん医療を担う医療機関における役割分担、これを議論するための都道府県がん診療連携協議会、これを設けておりますが、今後、地域におけるそれぞれの患者数ですとか治療の装置数、医療従事者数、こういった情報等を踏まえて、将来的な装置の導入ですとか更新を見据えた計画的な議論を行うことを自治体に対して促しております。また、がん患者の皆様が受診先を選択できるように、医療機関ごとの診療実績の発信にも取り組むこととしております。  こうした情報を提供しつつ、自治体において計画的にがん診療の提供体制が進められますように、国としても支援をしてまいりたいと思っております。

生稲晃子自由民主党

○生稲晃子君 ありがとうございます。  そして、その私が見てきたMRリニアック、これで始めたその週末の二回の放射線治療なんですけれども、この新たな治療体制というのは、平日に仕事を休まずに治療を受けることができて、遠方からの通院回数も大幅に減らせると、患者さんの負担軽減や生活の質の向上に大きくこれ貢献しているというふうに思うんですね。こうした新しい治療体制を全国的に広げていくためには、やっぱり積極的な支援というものがこれは大切、重要であるというふうに思っています。  厚労省として、具体的な施策として、どのように支援とか推進をしていっていただけるかなというふうに思って、これ最後の質問にさせていただきます。

大坪寛子厚生労働省健康・生活衛生局長

○政府参考人(大坪寛子君) 今先生から御指摘のありましたMRリニアック、これはMRIを撮影しながら同時に照射を行う照射手法でありまして、腫瘍ですとか周辺の正常臓器をほぼリアルタイムで直接見ながら照射を行うことが可能であります。  この手法につきましては、先ほど先生、東北大学で行われていると御紹介がありましたけれど、一回当たりの照射量を増やして照射回数を極端に減らす治療方法になります。現在、この有効性及び安全性を評価するためにAMED研究として実施をしている段階でございます。  厚生労働省では、こういった新規技術の研究を支援しつつ、今後明らかになる研究成果を踏まえて、より高度な放射線治療を必要とする方が適切に受けられますように取り組んでまいりたいと思っております。

生稲晃子自由民主党

○生稲晃子君 どうもありがとうございました。このMRリニアックに関しては、また次回、細かくまたお聞きしたいというふうに思っています。  ありがとうございました。

郡山りょう立憲民主・社民・無所属

○郡山りょう君 それでは、皆様、御安全に。立憲民主・社民・無所属、郡山りょうでございます。今回、初質問でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  まずは、このような質問の機会をいただきましたことを感謝申し上げたいと思います。  冒頭のちなみに御安全についてですが、私、中小ものづくり労働組合のJAMの出身であると同時に、鉄鋼、重工、非鉄、建設の基幹労連の代表という立場で来ております。と同時に、物づくりの現場の出身です。職場の安全は日々進化しておりますが、どうしても危険と隣り合わせの職場がある中、仲間同士がお互いの無事を祈り、御安全にという挨拶を交わしている労使、事業所の皆様が全国にたくさんございます。まさに、厚生労働省が目指す国民の健康と命を守る、まさにぴったりの挨拶だと私は思っております。今後冒頭で発していきますので、どうぞ皆様よろしくお願い申し上げたいと思います。  さて、私のキャッチフレーズは「現場の声ではたらくを変えよう」でございます。皆様の現場の声を基に、働くに関するあらゆることを変えていこうという思いを込めています。その働くことについて、まず上野大臣にお伺いしたいと思います。  働く時間は人生の多くの時間を占めますが、大臣にとって働くことへの定義や御所見についてお伺いしたいと思います。お願いいたします。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 働くことには様々な意味合いがあろうかと思っております。単に報酬を得ることのみならず、自己実現であったり、あるいは社会への貢献であったり、様々な目的や意義、それぞれの方が見付けられているというふうに思っております。  私自身は、厚生労働大臣として、やはりお一人お一人の皆さんが多様な働き方を選択できるよう、そうした環境づくりに職務として取り組んでまいりたいと考えています。

郡山りょう立憲民主・社民・無所属

○郡山りょう君 ありがとうございます。  貢献をしていく、あと、自己実現、多様な働き方ということでございますが、ちなみに、十一月十日放送のBSフジ、プライムニュースで、上野大臣が成し遂げたい政策についての御発言があったかと思います。この言葉が百年健幸という言葉でございますが、これについて、大臣のこの言葉に込めた思いをお伺いしたいと思います。お願いいたします。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) テレビ番組の中で百年健幸ということを取り上げさせていただきました。先ほど生稲議員からもお話がありましたが、明るい社会保障改革推進議員連盟というのをもう長年やらせていただいておりまして、その中で、百年健幸時代、人生百年時代にあって、できるだけその百年間健康でいられるような、そういった社会を目指したいということでこれまでから活動してまいりましたので、そうした思いを込めてそうした表現をさせていただいたところでございます。これは、今般、高市総理からも指示のありました攻めの予防医療にも通じることだというふうに思います。  攻めの予防医療につきましては、先ほどがん検診のお話もありましたが、がん検診を充実をさせていくこと、あるいは、大腸がん、子宮頸がん等につきましては精密検査の受診率が低いので、そうしたことをしっかり後押しをしていくこと、そうしたことが大事だというふうに思っておりますし、また、委員から先ほど働くというお話がありましたけれども、働く皆様、労働者の皆さんの健康維持ということも当然重要な課題だという認識をしておりますので、そうしたこと、思いを込めて、これからも政策実現にしっかり取り組んでいきたいと考えています。

郡山りょう立憲民主・社民・無所属

○郡山りょう君 ありがとうございます。  働くという人生において多くの時間を費やす意味は、働くの語源であると言われる、はたを楽にすることであるかと思います。周りを、周囲を楽にするには、その楽をする働く人も、健康で安心して働ける労働環境の整備があればこそだと思います。先ほどおっしゃった、これも本当に健康で働いていくことも攻めの予防医療の一つではないかと私も同感と思っています。  また、我々よりも幸福度の高いオーストラリアの労働者の方は、我々は休むために働いているのだということをおっしゃっていたそうです。適切な労働時間は、それぞれの労働者の皆さんの余暇を生み、経済活動にも寄与するのではないかと私は考えております。働く人を大切にしたい、しなければならないというところは、上野大臣、厚生労働省の皆さんも同じ思いだと思っております。  そこでお聞きしたいのが、今回、高市総理から指示がありました労働時間規制の緩和検討の指示についてでございます。  衆参各委員会で各委員から何回も質問されて食傷ぎみかもしれませんが、それだけ世間の関心、影響が大きい、働く人たちの影響が大きい案件でございます。まずは、今回の緩和検討に対する総理からの指示について、まずは上野大臣の受け止めをお願いいたします。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 総理から今御指摘のありました指示がありました。働き方改革の法律が施行後五年以上経過をしておりますので、厚労省としてもこれまでから労働政策審議会等におきまして労働基準関係法制に関する議論を進めていたところであります。  労働時間規制につきましては、様々な御意見があります。人手不足の中で仕事があるのに受注をできないであったり、あるいは現在の月百時間の残業は過労死認定ラインであり変更すべきではない、様々な御意見がありますので、今、総理からの指示も踏まえまして、総点検として現場での働き方の実態あるいはニーズ、そうしたものをしっかり把握をさせていただいて検討をさせていただいているところでありますので、そうしたことをこれからも深めていきたいと考えています。

郡山りょう立憲民主・社民・無所属

○郡山りょう君 ちなみに、この指示を出した理由というか、どこからの要望があってこの指示に至ったのかというところと併せて、もし総理交代がなければ石破前総理でもこの指示は、確かに五年に一回の見直しはあるんですが、この緩和検討という指示が出される予定であったのか、お願いしたいと思います。

岸本武史厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  御指摘の総理の御発言につきましては、様々な御意見を踏まえて発言なさったものというふうに受け止めております。  個社におきましては時間外労働を上限規制以下の一定の水準で抑制をしており、その結果、更に生活費を稼ぐために本業に伝えずに副業を行う方もおられるといったことも一般に言われておると承知をしております。  いずれにしましても、労働時間規制につきましては、総理からの御指示も踏まえ、今後総点検として検討を深めてまいりたいと思います。  また、働き方改革五年後見直しの検討の審議会における開始は本年一月でございました。石破総理のお考えにつきましては、仮定に基づく御質問、答弁を差し控えたいと存じます。(発言する者あり)

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 上野大臣、補足ありますか。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 重ね重ねになりますが、石破前総理がどういうお考えだったかというのは、なかなか私の口からも申し上げることはできませんけれども、いずれにいたしましても、局長から今お話がありましたとおり、本年一月から働き方改革関連法の施行後五年以上を経過したことを基にして様々な議論を進めてまいりましたので、そうした延長、そうした中におきまして我々としてもしっかり検討を深めたいと、先ほど来申し上げているとおりでございます。

郡山りょう立憲民主・社民・無所属

○郡山りょう君 まあ、話題となった指示にもかかわらず、総理の所信表明にはなかったですし、でも、一方で、上野大臣の所信には明記され、あとは、自民党さんの日本成長戦略本部の提言にはその言葉も明記がされていなかったんですね。何か曖昧だなと私は思うわけですよ。  緩和検討は政府として引き続き指示どおり検討を行うのか。要は、五年に一回の見直しでも、見直すだけで、緩和ありきではないと思うんですね。厳しくすることも選択肢であるわけなんですよね。緩和しなければならない理由、先ほどもあったんですけど、改めて大臣から、引き続き指示どおり検討を行うのか、あとは緩和しなければならない理由も併せて、大臣、お願いいたします。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 労働時間規制に関しましては、上限規制のほかにも裁量労働制であったり割増し賃金の問題であったり、あるいは勤務間インターバルであったり、様々な制度がありますので、今その様々な制度について多くの御意見をいただいているところであります。  そうしたものを踏まえてしっかり議論をする必要があると思いますし、総理からの指示も踏まえながら、現在総点検として、現場での働き方の実態あるいはニーズ等を踏まえた検討をさせていただいているところであります。

郡山りょう立憲民主・社民・無所属

○郡山りょう君 ちょっと先ほどの、ありがとうございます、質問に戻るんですが、大臣は総理に指示の理由というものをそのときに確認したのかどうか、お伺いしたいと思います。お願いします。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 総理からの指示、指示ですか。(発言する者あり)

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 郡山りょう君。

郡山りょう立憲民主・社民・無所属

○郡山りょう君 あっ、済みません。  緩和検討について、理由ですね。なぜ緩和という方向性で至ったのかというその理由を、(発言する者あり)はい、総理に聞いたのかということをお伺いしたいと思います。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 総理の方から、国会答弁で度々言及されているような問題意識についてはお伺いをしております。

郡山りょう立憲民主・社民・無所属

○郡山りょう君 その理由は具体的に例えばどのような、改めてお願いしたいんですが、理由について、中身を。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 例えば、慣れない副業で健康を損なうことがあってはいけないとか、そうした総理が国会答弁でおっしゃっているようなことでございます。

郡山りょう立憲民主・社民・無所属

○郡山りょう君 私は、これ次の質問行くんですが、緩和しても日本経済の成長には余り貢献度合いは少ないと思っているんですね。次の問いになるんですが、労働投入量は、現状の我が国の経済成長に資するのかということで、資料一、内閣府の中長期の経済財政に関する試算を御覧いただきながら伺っていきたいと思います。  一部に、労働時間の規制緩和による労働力の投入こそ経済成長が目指せるのではないかという論陣があるようです。しかも、労働時間規制が成長を止めている諸悪の根源とまで言っておられる専門家の方がいらっしゃるんですね。  毎年一月、七月頃に発表される潜在成長率の推移資料を見てみると、我が国の現状を考えた場合、労働投入量は、人口減少という構造的な課題により、プラス成長のエンジンになることはできないと記載してあるんですね。三つのケース、過去投影、成長、高成長、三つのシミュレーション、いずれも労働力投入の寄与度だけがマイナスしているんです。  これ、どういうことなのか、内閣府に端的に御説明を伺いたいと思います。お願いいたします。

多田洋介内閣府大臣官房審議官

○政府参考人(多田洋介君) お答え申し上げます。  内閣府が八月に公表いたしました中長期の経済財政に関する試算における潜在成長率に対する労働投入量の寄与度につきまして、まず、過去投影ケースでは、女性と高齢者を中心に労働参加率が一定程度上昇することを想定していますが、生産年齢人口の減少が大きく影響し、マイナスの寄与が拡大していく姿となっております。  また、成長移行及び高成長実現ケースでは、経済成長に伴う労働需要の高まりや多様な働き方の拡大等により、過去投影ケースよりも労働参加が進むと想定しておりますけれども、人口減少、高齢化の影響を相殺できず、労働投入量の寄与は小幅のマイナスとなっております。

郡山りょう立憲民主・社民・無所属

○郡山りょう君 これを受けて、上野大臣の御所感というか、要は時間を、労働時間を増やしても成長には寄与しないわけなんですよね。これを受けての大臣の所感をお伺いします。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 今内閣府の方から御答弁ありましたが、生産年齢人口、これから減少していくわけであります。そうした中にあっても、やはりこれ、生産性の向上などに取り組むことはやはり非常に大事なことだと考えております。そのためには、やはり労働参加率を高めるなどの取組も必要ではないかなというふうに思います。  現在、最近の動きを見ますと、生産年齢人口の減少が続く中で、女性や高齢者の労働参加の増加はありますが、それと相まって、就業者数と一人当たり労働時間を掛け合わせたマンアワーでの労働投入力が横ばいないしは微増している傾向も見られますので、今後に向けましても、働きやすい労働環境の整備を通じて労働市場に出てこられる方を増やす、そういう観点は大事だというふうに考えています。

郡山りょう立憲民主・社民・無所属

○郡山りょう君 確かに、所定内労働時間が下がってはいっているんですね、日本は。ただ、それを押し下げているのが短時間労働者の皆さんの増加というところがあるんですね。その方がやはり働きやすい様々な施策があると思うんですね、年収の壁であったりとか。もっと短時間勤務の皆さんを働きやすい状況にしていって、その中で、もう働いている人たちにたくさん働かせるんじゃなくて、労働の質を上げていくような、そういった施策をやるべきじゃないかと思うんですね。  なので、緩和検討じゃなくて、質を高めるための検討を労政審であったりとか審議会の中でやっていくというのが私は正しいことだと思っています。  それで、次の問いに行きたいと思います。  その緩和検討に至ったデータの存在についてお伺いします。本会議や予算委員会における総理発言や現データとのギャップと認識についてお伺いしますが、もっと働きたい人がいるという元データの存在について、十一月五日の参議院本会議、立憲、水岡先生の総理答弁内容についてですが、残業代が減ったことによって、生活費を稼ぐために無理をして慣れない副業をすることで健康を損ねる方が出ることも私自身は心配をしていますとの御発言は、どのデータ、エビデンスに起因するものであるか、伺います。

岸本武史厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  副業されている方の中に、本業先に副業されていることを伝えてなさっている方とそうでない方といらっしゃいます。また、本業先に副業されていることを伝えていらっしゃる方の中で、労働時間を申告をなさっている方というのは約二五%にとどまっているといったデータもございまして、そういったことから、本業と副業を行っている場合の労働時間や健康の問題について懸念があるといったことが一つのデータとしてあるところでございます。

郡山りょう立憲民主・社民・無所属

○郡山りょう君 資料二では、残業を増やしたい理由として、生活残業の傾向が見受けられるんですね。残業代に頼らないと生活できないことをまずは問題視しなければならないと思いますし、そもそもその資料の中で九割の人は時間外労働が増えることは望んでいないわけですね。  続いて、資料三の資料にもあるとおり、経済学者の多くの皆さんも緩和に慎重な見方であります。  まずは、残業しなくても生活できる賃上げの実現のための価格転嫁、適正価格の取引などを通じた人への投資がまず必要ではないかと思うんですね。又は時間外割増し率を上げていくことも必要ではないかと思っております。  次の質問なんですが、政府は人手不足の解消方法についても労働時間の規制緩和にその効果を求めているのか、その理由を伺いたいと思います。

岸本武史厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) 労働時間規制と人手不足の問題の関係でございますが、まず、労働時間規制は、働く方の生命と健康を守りつつ、働く方一人一人が多様で柔軟な働き方ができるようにし、労働参加率向上なども図るものであると考えております。  また、これまで働き方改革によりまして労働参加が進展するなど、一定の成果もあったものというふうに考えております。最近の動きを見ますと、先ほども上野大臣から御答弁されましたとおり、生産年齢人口の減少が続く中で、女性や高齢者の労働参加の増加が見られるといったこともございます。  今後に向けましても、働きやすい労働環境の整備を通じて労働市場に出てこられる方を増やしていくという、こういった視点は重要であると考えておりまして、そういったことが人手不足といいますか、社会全体でのマンパワーの確保にも貢献する部分があるんではないかというふうに考えているところでございます。

郡山りょう立憲民主・社民・無所属

○郡山りょう君 そうですね、様々な課題ですよね。その短時間勤務の方たちに労働参加をしていただく、あと、正規、非正規の雇用の賃金格差であったり、あとは氷河期世代の人たちがしっかりと働ける環境、あとは短時間の人たちの働き方を阻害している年収の壁とか様々な支援、あと中小企業支援もしかりだと思います。あとは設備投資を促していく、今経産省、御省でもやられている様々な補助金等々をやることで、先ほどの資料一にありましたTFPを押し上げる要素になる。要は労働時間規制を緩和しなくても成長を上げていくようなことができると思いますので、そちらを重点的に検討していくのがいいかと思っております。  次の質問なんですが、資料四、自民党経済産業部会長である小林先生の記事についてお伺いします。併せて資料五も御覧ください。  記事の中で、労働時間規制の在り方について、要は三六協定の未締結事業所は四割あるんだと。協定を結んでいても実際に月四十五時間以上の時間外が行われている企業は僅かだと。直ちに上限規制の緩和ではなく、労働時間の規制緩和ではなく、現状の労働時間法制を正しく理解してもらうことがまず重要だと考えているとあるんですが、この発言について認識と所感を大臣に伺います。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) それぞれの議員の皆さんがいろんな多様な御意見を持たれているのはそのとおりだろうというふうに思っております。  令和六年に実施をいたしました労働時間制度等に関する実態調査で、確かにいわゆる三六協定を締結しない事業所は四割以上ありますし、また、時間外労働の実態と上限規制との間に相当の隙間があり、上限規制の範囲内で柔軟に働けるようにすべきだという御意見もあることも承知をしております。  以上です。

郡山りょう立憲民主・社民・無所属

○郡山りょう君 規制緩和ありきではなく、まず、三六協定締結に向けて、従業員代表制の徹底であったり、あと労働組合の組織率を上げていく、そうした取組も私は必要じゃないかと思います。  また、労働基準監督官の人数も、ILOが推奨する労働者一万人に一名に対し、日本は二万人から三万人に一人という状態なんですよ。監督体制も不十分のまま緩和していいんですか。学生の頃からまたワークルールについて学ぶことも必要なんです。いろんな施策、規制緩和しなくてもたくさんあると思うんですよね。それでも、大臣、規制緩和の検討に動くのかというところをお伺いしたいと思います。お願いいたします。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 三六協定をめぐる様々な課題であったり、あるいは労働組合の組織率の低下等の課題があるということは承知をしております。そうしたことで、先般も石橋委員との間で御議論もさせていただきましたけれども、例えば過半数代表者の適正な選出等についてもしっかりやっていくことが必要ではないかなと考えているところであります。  そうした様々な課題がある中で、繰り返しになって恐縮では、あっ、もちろん学校等での活用、ワークルール教育の充実、これも重要な課題だと認識をしております。  そうした中にあって、やはり緩和の話は、先ほど来申し上げているとおり、いろんな課題があって、様々な御意見もあるし、いろんな手段、手法もあるわけでありますので、そうした中で今議論をさせていただいていると、そういうふうに御理解いただければと思います。

郡山りょう立憲民主・社民・無所属

○郡山りょう君 是非、規制緩和ではなくて、どうやったら皆さんが健康で働き続けるのかということの検討を進めてもらいたいと思います。  そして、もう時間もないので最後の質問でございます。最低賃金をめぐる課題についてでございます。  資料六を御覧いただきたいと思います。予算委員会において高市総理は、二〇二〇年代に千五百円を目指すことについて明言を避けました。一方のさきの経済産業委員会において、赤澤大臣の出席の下で、千五百円について継続との旨の回答が政府参考人よりもありましたが、どちらなのか。厚生労働省としては千五百円ということをちゃんと目指すのかということをまず大臣にお伺いしたいと思います。お願いします。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) まず、前提といたしまして、最低賃金の目標自体は維持されていると考えています。同時に、目標を事業者に丸投げをしない、これも高市内閣の基本的な考えだと承知をしております。  政府といたしましては、事業者の皆さんが継続的に賃上げできる環境を整える、これがとても重要でありますので、厚労省としても賃上げ支援助成金パッケージなどによる支援に取り組んでいるところであります。  最低賃金を含むこれまでの政府決定の対応につきましては、総理から賃上げ環境整備担当大臣に指示をされました物価上昇を上回る賃上げが継続する環境整備に向けた戦略の中で、経済動向等を踏まえ今後具体的に検討していく、これが政府の方針だと承知をしています。

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 時間が参っておりますので。

郡山りょう立憲民主・社民・無所属

○郡山りょう君 分かりました。  主要な国の最低賃金を見ても、日本は、G7の平均は二千二百十四円ということで、千五百円の目標は高過ぎる目標じゃないと思いますので、まだ地域の、地方の審議会の課題等々もございますので、また引き続き次の場で議論をしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  以上で終わります。ありがとうございました。

山内佳菜子立憲民主・社民・無所属

○山内佳菜子君 立憲民主・社民・無所属の山内佳菜子です。  私は、新聞記者を十九年、県議を三年してまいりました。今朝の新聞でも、一般病院六割は赤字という非常に厳しい状況が報じられております。私も、宮崎の医療現場で今も歯を食いしばって頑張っていらっしゃる皆様、全国の皆様の思いを背負ってこの質問に、初質問に臨みたいと思います。上野大臣、よろしくお願いいたします。  私の故郷宮崎県は、九州唯一の医師少数県です。公立病院でさえ人員や病床を削らなければ経営が厳しい深刻な状況です。  その中でも、経営努力を重ね、特に県立延岡病院は、急性期を担う病院が主な対象となるDPC指標病院群、全国千五百一病院の中で、診療実績や医療の質向上への貢献度を評価する機能評価係数Ⅱが二年連続で全国一位となりました。非常にすばらしい成績です。しかし、努力を尽くしてもなお命のとりでは盤石とは言えません。  その県立延岡病院前院長の寺尾先生は、現在、更に医療資源が乏しい西臼杵医療センター初代センター長として、日之影、高千穂、五ケ瀬、三つの公立病院を残しながら経営統合し、急性期から介護まで地域全体で支える、まさにこれからの日本が必要とする新しいモデルづくりに挑んでいます。寺尾センター長はこう語ります。医療とは理路整然とした科学と心あふれる情熱の融合だ。  現場は限界の中でも走り続けています。問われているのは、国は本気で支えるのか、その覚悟だと思います。そのことをお尋ねしてまいります。  まず、大臣に伺います。  人手不足、赤字、機能縮小が続いても、現場は国民の命を守り続けています。大臣はこの状況をどう評価し、医療、介護を守り抜く決意をどう持っていますか。明確にお答えください。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 医療、介護、福祉の分野、まさに国民生活に不可欠な分野でもございます。国民の皆さんの命を守り、そして必要なサービスを提供していただいている、まさに医療、介護等の現場の皆さん、本当に懸命に御尽力いただいておりますことに敬意を表したいというふうに思います。  また一方で、今、物価上昇、賃上げ等の課題の中で現場は非常に御苦労いただいている、これも事実であります。今般の経済対策の中におきましても、やはり経営の改善と同時に、現場で頑張っていただいている皆さんへの賃上げ、これもしっかりとやっていきたいというふうに考えております。  最終的に今、補正予算等の状況を調整をしておりますが、しっかりとした対応ができるようにこれからも努めていきたいと考えています。

山内佳菜子立憲民主・社民・無所属

○山内佳菜子君 大臣、心強いお言葉ありがとうございます。  一方で、ただ最近の議論聞いておりますと、医療、介護をめぐる議論は削減や効率化が大前提とする空気が流れていませんでしょうか。その視点も大事ではありますが、国民の命を守る厚労行政の使命を考えたとき、それ以上に、守るべき医療は守る、守るべき領域には確実に予算を確保するという決意が必要ではないでしょうか。  そのことを確認した上で、今年夏に示された病床削減補助金について、第一弾、第二弾それぞれの申請件数、削減予定病床数を示してください。

森光敬子厚生労働省医政局長

○政府参考人(森光敬子君) お答え申し上げます。  令和六年度補正予算により措置いたしました病床数適正化支援事業につきましては、医療機関から当初の想定を大幅に上回る五万三千五百七十六床分の申請があったところでございます。これを踏まえまして、都道府県に対して、第一次内示といたしまして本年四月十一日付けで七千百七十床分、第二次内示として本年六月二十七日付けで四千百八床分につきまして、都道府県に対し予算配分の内示を行ったところでございます。

山内佳菜子立憲民主・社民・無所属

○山内佳菜子君 ここまで殺到した原因をどのように分析されているでしょうか。

森光敬子厚生労働省医政局長

○政府参考人(森光敬子君) 病床数適正化支援事業への申請が多く集まった要因を一概に申し上げることは困難でございますけれども、昨今の患者数の急激な減少や厳しい経営状況が背景にあると考えております。

山内佳菜子立憲民主・社民・無所属

○山内佳菜子君 適正化だけでは説明し切れない数だと思います。医師不足、赤字経営、再編圧力、経営が厳しい中でも、削減をすれば一床当たり四百十万四千円の補助金が出る。守りたくても守れない医療機関が出たのではないでしょうか。  大臣、必要な病床は守ることができますか。今の流れで本当に地域医療を守ることはできますか。お答えください。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 様々病床削減について議論がありますが、必要な医療がしっかり守れるように努めるのは当然のことだと考えています。

山内佳菜子立憲民主・社民・無所属

○山内佳菜子君 全て削ってはいけないということは私も申し上げておりません。不要な病床は適切な対応が取られるべきだというふうには考えております。ただ、過度な病床削減が進めば、地域医療は一気に弱体化します。地域の医療を守る視点が必要です。  今回の病床削減補助金の申請は、医療機関、都道府県、国という申請の流れでしたが、申請に当たって、例えば必要病床数、急性期機能の維持、地域内の医療のバランス、これらをチェックする仕組みやその有無は都道府県によって差があり、必要な病床まで削減に応募せざるを得なかった可能性が指摘されています。  国として地域医療体制を担保できるような申請の仕組みになっていたのか、率直にお答えください。

森光敬子厚生労働省医政局長

○政府参考人(森光敬子君) 令和六年度補正予算に基づきます病床数適正化支援事業におきましては、効率的な医療提供体制の確保を図るため、医療需要の急激な変化を受けて病床数の適正化を進める医療機関に対し、診療体制の変更等による職員の雇用等の様々な課題に生じる負担につきまして支援を行ってきたところでございます。  事業の実施に当たりましては、議員が御指摘されている医療提供体制を確保する主体としての都道府県を中心に、削減する病床数に加えて、現在の病床数や感染症に対応する病床数等を確認しながら、地域における医療提供体制への影響にも留意しつつ進めることとしておりまして、国においても都道府県に対し留意点などをお示ししてきたところでございます。

山内佳菜子立憲民主・社民・無所属

○山内佳菜子君 都道府県に丸投げではないでしょうか。医療機関を守る、医療基盤を守るのは国の責務ではないでしょうか。  私も実施要綱などを確認させていただきましたが、医療機関を守る、なくさないというような視点は確かに条件として拝見することはできましたが、申請来たものに対して国がチェックをするという点には事欠いていたのではないか、不十分だったのではないかと私は感じたところであります。  そこで、大臣に改めてお伺いします。  報道によりますと、あっ、済みません、失礼いたしました。もう一度お伺いします。  政府が二十一日に公表した総合経済対策に再び病床の適正化が盛り込まれております。実施時期、予算規模、病床数の見込みや対象医療機関数など、現時点の具体状況を示してください。

森光敬子厚生労働省医政局長

○政府参考人(森光敬子君) 先日閣議決定されました総合経済対策において、医療・介護等支援パッケージを緊急措置し、医療分野における取組の一つとして、病床数の適正化を進める医療機関に対する支援などを行うこととしておりまして、その裏付けとなる補正予算を速やかに編成する中で施策の具体化に取り組んでまいりたいという状況でございます。  病床数の適正化の支援に当たりましては、地域の実情を踏まえた調査の結果や病床数の適正化を進める医療機関の意向及び地域の医療ニーズを踏まえて実施する必要があるため、正確にお答えすることは困難でございますけれども、単価につきましては令和六年度補正予算の単価も参考に検討しております。  また、削減する病床数につきましては、例えば自民党、公明党、日本維新の会の三党における社会保障改革に関する協議の合意文書において十一万床とされていることも念頭に必要な予算を確保していきたいと考えておるところでございます。

山内佳菜子立憲民主・社民・無所属

○山内佳菜子君 これは大臣にお伺いしたいのですが、報道によりますと、三千五百億円を今臨時国会に計上し、約九万八千床削減へとあります。これは事実でしょうか。そして、九万八千床の根拠を教えてください。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 報道につきましては承知をしておりますが、補正予算につきましては、現在その編成過程にありますので、具体的なことを申し上げることは困難だということ、御理解をいただければと思います。

山内佳菜子立憲民主・社民・無所属

○山内佳菜子君 注視をしなければいけないと思っています。削減が目的化していないでしょうか。削るだけではなくて、守るべき病床を戦略的に残すという国としての関与、政策が必要だと考えます。  地域の医療機能や体制をこの機会に改めて見直し、全国どこで暮らしていても安心できる医療の在り方を将来に向けて補強していく、その視点がなければ、地域の医療は縮小、後退し、医療過疎が全国に拡大するばかりではないでしょうか。私は、国が必要病床を科学的に示すガイドラインを作るべきだと考えています。その際に、例えば地域の疾病構造、介護との連携、災害、感染症リスクといった地域ごとの実情を示すデータや備えるべきリスクから科学的に積み上げる視点が必要だと思いますが、大臣の見解を伺います。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 必要病床数の推計に当たりましては、これまでの地域医療構想において活用してまいりました推計方法を踏襲はしていきますが、二〇四〇年に向けて適切な、より適切なデータを基にして地域における体制構築の協議ができますように、今委員から御指摘のありましたような項目も含めまして様々な観点から検討をさせていただきたいというふうに考えております。  いずれにいたしましても、関係者の御意見を伺いながら、ガイドラインにおいて示すことができるように検討していきます。

山内佳菜子立憲民主・社民・無所属

○山内佳菜子君 ありがとうございます。コロナの経験ですとか南海トラフに備える、この視点も非常に重要だと思いますので、是非御検討をお願いいたします。  続きまして、高額療養費の外来特例についてお伺いいたします。  二十一日の専門委員会で、見直しについておおむね必要という考えで一致したと報道されています。外来特例について、対象者数、廃止した場合の給付費削減額を具体的に示してください。

間隆一郎厚生労働省保険局長

○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。  ただいま委員御指摘のありました高額療養費の在り方に関する専門委員会において、高額療養費の見直しの具体について御議論いただいております。  その二十一日に開催された専門委員会におきまして、七十歳以上の方にだけ存在するいわゆる外来に関しての上限を定めた外来特例についてはこんなような御意見ございました。大きなリスクに備えるためのセーフティーネット機能という高額療養費の制度の趣旨から廃止を含めて見直すべきという御意見もありましたし、現役世代との公平を踏まえれば本来廃止を含めて検討を行うべきですが、少なくとも健康寿命の延伸等を踏まえて対象年齢を引き上げるべきという意見があった一方で、受診抑制によって病態の悪化を招く事態にならないよう丁寧な制度設計を求めるなど、様々な御意見がありました。外来特例、何らかの見直しの必要性については委員の意見がおおむね一致したのではないかと理解をしております。具体的な中身まで決まっているわけではありません。  その上で、委員の御質問の、年に一回以上外来特例に該当する七十歳以上の方について、令和四年度の医療費及び加入者を基に、約六百万人いらっしゃるというふうに推計をしてございます。  また、仮に、これ全く仮定でございますが、仮に外来特例を一律に廃止した場合の給付費の削減額につきましては、昨年の社会保障審議会医療保険部会の資料でお示ししているところでございますが、一定の仮定を置いて推計すると約三千四百億円と、このように考えているところでございます。

山内佳菜子立憲民主・社民・無所属

○山内佳菜子君 大臣にお伺いします。  耐えられる負担と考えていらっしゃいますでしょうか。どの層がどれだけの負担増となり、どのような対策を講じるべきだと大臣はお考えでしょうか。具体的にお答えください。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 今局長からお示しをいただきましたのはある意味機械的な試算でございまして、まだ具体的な制度設計等に入っている段階ではありませんので、それについてのコメント等につきましては差し控えさせていただきたいと思います。  高額療養費制度につきましては、御党とのこれまでの御議論も踏まえまして、本年五月に当事者の方にも御参加いただく専門委員会を設置をいたしまして御議論をいただいているところであります。また、社保審におきましても議論をいただいています。専門委員会あるいは審議会には高齢者を代表する委員の方にも御参加をいただいておりますし、その中で、患者団体を始め保険者、医療関係者などから複数回ヒアリングを実施をしております。  また、外来特例を利用されている高齢者につきまして、年収であったり疾病別の様々なケースをお示しをし、具体的な事例をイメージしながら御議論をいただくなど、丁寧に検討を進めているところであります。  繰り返しになりますが、具体的な検討の方向性、決まっているわけではありませんので、現時点でコメントすることは差し控えさせていただきたいわけですが、これまでの議論等を踏まえて、外来特例を含めた高額療養費制度の在り方につきましては、医療保険制度改革全体の中で全体観を持って議論する必要があるということで委員会、審議会等でも一致をしておりますので、そうしたことを踏まえて今後丁寧に検討を進めていきたいと考えています。

山内佳菜子立憲民主・社民・無所属

○山内佳菜子君 当事者を交えた丁寧な議論、まさに大切な過程であると思いながら大臣の答弁を伺っておりました。  もう一つ確認させてください。この議論につきましては政府が十二月中に方向性をまとめる方針との報道もありますが、事実でしょうか。大臣、お伺いいたします。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) いずれにいたしましても、先ほども申し上げましたが、全体的な議論の中で、全体観を持って議論をする必要があるというふうに認識を一致をしていただいておりますので、その中で検討を深めていきたいというふうに考えております。  年内をめどに検討を進めるということで、今それを前提にして作業を進めさせていただいているところであります。

山内佳菜子立憲民主・社民・無所属

○山内佳菜子君 今具体的な御説明がなかなか伺えない中ではありましたが、年内には方向性をまとめるということでございました。その点につきましては、様々な想定、様々な御意見を踏まえた上で、もし痛みが出る方々がいらっしゃるのであれば、そこに対しての対策というものもセットでまとめるべきであると私は考えておりますので、その点は強く求めさせていただきたいと思います。  また、今働く現役世代もいずれ高齢者になります。医療費や社会保険料を削減できたとしても、給付削減で自己負担が増えれば、家計はもつのでしょうか。命と健康は確実に守ることができるのでしょうか。その視点を是非大臣には大切にお持ちいただきたいと思っております。  最後の質問になります。  様々な議論が今行われています。病床削減、OTC類似薬の保険外し、介護保険の自己負担、影響が出てからでは遅い社会保障についての議論が山積みです。  高市総理は、十七日、社会保障制度の給付と負担の在り方について、政府・与党のみならず、野党も交えた丁寧な国民的議論を進めるための枠組みとして、国民会議の早期設置をという指示を出されました。  大臣に伺います。  この国民会議につきまして、設置時期、有識者、当事者の構成、どのような方々が入られるのか、若しくは国会議員は入られるのか、設置するのであれば政府の中なのか、国会の中なのか、又は、議事録公開を含む透明性の担保はしっかりと保たれるべきものだと思いますが、その仕組みについてなど、現時点の状況を具体的にお答えください。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 今、総理からの指示は今委員御指摘のとおりでございます。  国民会議の具体的な議論の内容あるいは進め方につきましては、今後各政党の皆さんと御相談をしていくものだと承知をしておりますが、いずれにいたしましても、全世代型社会保障改革担当大臣が中心となってこの議論を進めていくものだと承知をしております。  私としても、関係閣僚の皆さんと連携をしながら、丁寧な議論が進められるように努力したいと考えています。

山内佳菜子立憲民主・社民・無所属

○山内佳菜子君 確かに全社大臣への指示ではありますが、関係大臣と連携してという文言も含まれておりますので、是非、上野大臣も積極的に、この委員会でもあった議論も含めて、連携をし、また前に進めていただきたい、慎重に議論をしていただきたいというふうに強く求めます。  国民の命が関わる議論でもありますので、特に私は透明性の確保という点についても非常に大事な部分だと思いますので、そこも併せてお願いをしたいと思います。  最後になります。  病床も医療費も削ればいいという話ではありません。憲法が保障する生存権、人権保障の基盤として、医療と介護を守ることこそ厚労行政の使命です。これは小西委員からも確認をさせていただいた点だと考えております。国民を求める決断を求めて、済みません、国民を守る決断を求めて、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。よろしくお願いします。  二期目当選して初の質問ですけれども、我が党、これまで一名の枠だったんですけれども、三名になりましたので、毎回質問じゃなくなります。十分時間も取っていただけるのでじっくり質問したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  上野大臣、御就任おめでとうございます。これからもどうぞよろしくお願いいたします。  さて、一問目。雇用保険法改正が昨年ありました。令和六年五月十日に成立した雇用保険法等の一部を改正する法律、この雇用保険の被保険者の要件のうち、週所定労働時間を二十時間以上から十時間以上に変更して適用対象を拡大する、こういう法改正が行われました。  このときに、参議院の附帯決議で、一番と二番にあります附帯決議、雇用保険の適用拡大による短時間労働者の就労状況の変化について調査を行い、その結果を踏まえ、労働政策審議会において必要な検討を行うこと、これは衆議院も同時に入っていたんですけれども、特に二番目、就業調整等に伴い雇用保険被保険者の資格を喪失する者について、その実態を把握し、労働政策審議会に報告して議論を行うこと、この二つ、あえて取り上げますけれども、この附帯決議についての対応の進捗、これについて参考人の方からお答えください。

村山誠厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(村山誠君) お答え申し上げます。  委員からの一つ目、二つ目、二つの附帯決議についての対応状況について御質問ございました。  一つ目、令和十年十月の雇用保険の適用拡大につきましては、円滑な施行に向けた準備に取り組みますとともに、御指摘の附帯決議を踏まえ、施行後の短時間労働者の状況について必要な調査等を行ってまいりたいというふうに考えております。  そして、二つ目でございますが、就業調整等に伴う雇用保険の被保険者の方への影響につきましては、所定労働時間が週二十時間での社会保険の適用が百一人以上規模の企業から五十一人以上の規模に拡大されました令和六年十月の雇用保険の被保険者数は対前年同月比で〇・五%の増加となっておりまして、それ以降も前年同月を上回る水準で推移しているところでございます。  こうしたことを踏まえまして、附帯決議との関係でございますが、本年八月の労働政策審議会に対しまして、就業調整に伴う雇用保険の被保険者数への影響は確認されていない旨を報告し、御議論いただき、公労使各側にも状況を受け止めていただいたところでございます。  以上でございます。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 直近のところだけ調べていただいたということなんですけれども、平成三十年から最低賃金が上がり始めていて、ちょうど千円を超える、千百円を超えるところで月八十時間、週二十時間です。そこから週二十時間働いている人たちが就労調整をし始めて、雇用保険抜けざるを得ない状況が始まっているわけなんですね。そこから抜けて一年間そのまま加入せずにいると、それまでの過年度分が全て喪失される、そういうところを委員会で指摘させていただきました。  そして、昨年と今年度で最低賃金が約四十円、五十円と全国のそれぞれの地域で上がり続けているわけです。これで、特に東北エリアであったり、これまで最賃が上がらなかった中四国、九州、このエリアも一気にこの対象になっていくわけなんですよね。なので、この抜けていくという人たちが、もう今抜けた後のことを見るんじゃなくて、抜けてしまうということに対しての対応策も見てほしいということは国会の質疑で申し上げました。  この最賃の上昇において、経年雇用保険に加入してきた短時間労働者が、厚生労働省のシステム改修のスケジュールと国の予算十分に付けられない、そういう原因もあって、施行期日がほかの法案ではあり得ない四年半後、こういうような対応になったがゆえに抜けてしまわなければいけない、そして過年度分のものが喪失してしまっている人がいるということは、その人数の入れ替わりで、足し算で、個人を見ているわけじゃないところで数字をチェックして対応しましたというのでは私は不十分だと考えているんですね。  是非、上野大臣、もう一度この件については課題認識していただいて、数字上だけではなくて、実際に本当に短時間で雇用保険掛け続けてきた方たちが抜けざるを得ないという状況がこの最賃上昇の裏で起きているというところを認識していただいて、その四年半後の施行にしてしまわなければいけなかった事情は国、厚労省側にあるわけですので、責任取れまでは私言いません、ただ、まず実態は調査していただいて、抜けて一年後に入れなかったら、もう十年掛けてたってまたゼロからなんです。そういう状況はもう一度把握していただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 局長から答弁したとおり、現在のところは、令和六年十月以降の状況につきまして報告を審議会等にさせていただいたところでございますが、今御指摘のように様々な課題等もあろうかと思いますので、状況につきましては引き続き十分注視をして、必要があれば何らかの対応を取るということも考えられると思いますが、いずれにいたしましても、そうした状況をしっかり我々としても見ていくことは大事だと思っています。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 業種も限られていたりとかというような、限って調べるというような調べ方もあると思います。一方で、旅館業や外食産業などはコロナ以降人が減っていた中で、今度は入職者も増えたということで、単純に残っていた人たちの入り繰りじゃない部分で増えたというような現実もあるわけなんですよね。なので、経年ずっと続けてきた人たちという焦点を当てて是非調べてほしいのであえて附帯決議に入れましたし、参議院だけの附帯決議ですので、是非確認いただければというふうに思います。  次に、これまでも議論が、前回の厚生労働委員会、衆議院の厚生労働委員会でも話題になっている介護の現場と処遇改善についてお尋ねしたいというふうに思います。  上野大臣は大臣所信において、地域共生社会の実現、包括的な支援の取組の中で、二〇四〇年に向けて人口減少や単身世帯の増加など社会構造が変化していく中というふうに前置きをして、その後のお話されておられます。今後の人口・世帯動態において、高齢者における核家族、未婚者の増加などから単身世帯が増加していくものと想定されます。  この単身世帯の増加に着目した今後の介護の在り方について、特に在宅や訪問介護への支援の在り方についての影響など、課題、検討について大臣の認識をお聞かせいただきたいと思います。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 高齢者になっても住み慣れた地域で暮らし続ける、このことは特に大切だと考えておりまして、訪問介護のサービス提供体制の確保、これも必要でありますし、それと同時に、デイサービスやショートステイあるいは小多機等の在宅の、他の在宅サービスを有効に活用しながら、今お話のありました独居の方を含めた高齢者の皆さんの多様なニーズあるいは地域の状況、こうしたことにしっかり対応していくことが大事だと考えています。  高齢化や人口減少のスピードが地域によって異なる中で、次期制度改正に向けまして、訪問介護を含めた介護サービスの提供体制の構築であったり、あるいは人材確保、経営支援、また地域包括ケアの体制確保といった課題への対応につきまして、現在、社保審保険部会、介護保険部会において議論を行っていただいているところでありますので、引き続き関係者の御意見を十分承って丁寧に検討していきたいと考えています。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 今議論がされているというふうに私も承知しております。  地域における医療及び介護の総合的な確保を推進する法律、いわゆる総確法が制定されて現在に至るまで、地域包括ケアシステムの取組の中で、施設から在宅へ、高齢者にとって住み慣れた地域でというような政策の思想の下、制度設計、そして様々な支援が行われてきた、私もそれ承知しております。  しかし、これ介護利用者に対する意識調査等々が行われてくる中での結論で議論がされてきたというふうに認識していますけれども、これを今の現役世代であったりアクティブシニアにこういうアンケートを広げたときにどうなるんでしょうか。私も正直、パートナー、結婚はしてパートナーはいるんですけれども、子供がいません。正直、家で二人で老老介護をしていくのかとか、周りには単身のまま、パートナーを失って単身に結果的になったじゃなくて、単身者が増えているというのも現実なわけなんですね。  そうなったときに、家庭内で見てくれるというような前提もない中で、本当に在宅でということを望む人たちがいるのか。地域というところの大きな枠組みではもちろんそういう考え方があるとは思うんですけれども、在宅というところについては、今後の検討のときにもう少し広くどういうことを望まれるのかというところはアンケートを取っていくなり調査をしなければ、私はこれまでの、今介護を受けている人とか入院をされて病院で治療を受けているような人たちに聞くだけでは、どのようなみとりを受けたいかというようなことだけを聞くだけでは本当のニーズがつかみ切れないのではないかというふうに考えています。  是非、今後の審議会での議論に向けても、今のような観点で調査を行っていただくようなことも視点に入れていただきたいということを申し上げておきたいというふうに思います。  次に、大臣は、医療、介護、福祉分野の現場の厳しい現状を踏まえて、賃上げ、経営の安定、離職防止、人材確保がしっかり図れるようコスト型からの転換を明確に図る必要がある、これも所信で触れられています。このコストカット型からの転換とは、この介護の分野でいけば具体的に何をどう変えることを指しているのか、御答弁ください。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) まず、経済全体がデフレ傾向の中で、コストカット型、コストが安ければそれがいい、そういった思想が広がっていたと思います。  介護の分野におきましても、やはりこうしたコストカット型からの転換というのは非常に大事だと考えておりまして、それは、例えば介護報酬については賃上げあるいは物価上昇、これを適切に反映をさせる必要があるというふうに考えております。  次期報酬改定を始め、経営の安定や現場で働く幅広い職種の方々の賃上げに確実につながるような対応をこれからもしっかりやっていかなければいけないと考えているところであります。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 今御答弁もいただきましたが、現場で働く幅広い職種の方々の賃上げに確実につながるよう。これまで何が幅広い職種なのかというようなこと、何回か質問あったと思うんですけれども、この幅広い職種の方々への賃上げがつながらなかった原因、これをどのように捉えていて、今後、今のような方針でいけばどう変えていくのか、大臣、お答えください。

黒田秀郎厚生労働省老健局長

○政府参考人(黒田秀郎君) お答えいたします。  委員御指摘は、恐らく介護報酬の中の処遇改善加算に関する御質問かと受け止めました。  現行の処遇改善加算は、介護職員の給与が他の職種に比べて低い状況にある、こうしたことを踏まえまして、人員配置基準で介護職員が配置されているサービスを対象とし、そして常勤換算の介護職員数を積算根拠とした上で加算率として設定をされているというのが今の仕組みでございます。その上で、処遇改善加算の算定額は、介護職員への配分を基本としつつ、それぞれの事業者の判断により事業所内での柔軟な職種間配分を可能とする仕組み、これが現在の仕組みでございます。  一方で、議員御案内のとおり、介護の現場は様々な職種の職員の方々で構成をされているということでございます。こうした介護の現場全体が物価や賃金の上昇等の厳しい状況に直面をしているということで認識してございます。また、賃上げで先行する他産業との人材の引き合いになっている状況もございます。処遇改善が喫緊の課題であるというふうに認識してございまして、こうした認識の下で、本年夏の骨太の方針、それから経済対策を踏まえまして、介護職員を含めた現場で働く幅広い職種の方々の賃上げにつながるような対応について検討してまいります。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 ありがとうございます。  今後の補正予算でどのような予算組みがされるかというところも一部注目されているんですけれども、昨年の補助金、昨年、今年行われた補助金五万四千円の一時金がありましたけれども、私がコミュニケーションを取っているNCCUという介護の労働組合の介護の事業者で働いている労働者の皆さんがいらっしゃるところで三十六分会の状況をお伺いしたんですけれども、一つの分会は毎月二千円で分割して払う、もう一つの分会は一時金と研修費用に充てるというような使い方をした、そして九つの分会は一時金でぱっと払っちゃったと。ただ、ちょっと、本当に全員なのか、やっぱり対象職種だけの人なのかというのは、ちょっとここまで調査し切れてないということなんですが、一時金でぱっと払って終わっちゃったということで、いわゆるその基本給には組み込まれないんですよね、やっぱり補助金でぽんと出ているのは。やっぱりそれをブーストにいきなり基本給ベースアップをするというのは、やはりその先ほど言っていた加算みたいなところの、その介護報酬のところで見てもらわないとやはりサポートにならないというのが数字として表れていますし、二十五分会なんかは、もうそれが実際にはちょっとその賃金というところ、一時金も含めて数字に表れなかったというような、そういうところも見えています。  是非、大臣、今後の議論の中で、補正予算においてもなんですけれども、介護事業所、施設に対する支援として、自治体が活用できる重点支援交付金の形で、人件費について本年度分の物価、賃金の上昇分の対応みたいなことは恐らくされるというふうに信じているんですけれども、他産業との賃金格差を縮めるという意味でいけば、やはり一時的なものでは全然埋まっていかないということがもう既に分かっていらっしゃるというふうに思います。  この過年度分の人件費、物価上昇の加味というのは、本来の三年に一度の介護報酬改定でこそ対応しなければいけないというふうに考えておりますけれども、大臣の見解、いかがでしょうか。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 閣議決定されました経済対策におきましても、他職種と遜色のない処遇改善に向けて、令和八年度介護報酬改定において必要な対応を行うこととしております。また、報酬改定の時期を待たずに、緊急的対応として賃上げ等の支援も行ってまいります。さらに、介護事業所、施設が、物価上昇の影響がある中にあっても必要な介護サービスを円滑に継続するための支援を行うとしておりまして、まずは補正予算における具体的な施策の検討についてしっかりやっていきたいと考えております。  また、報酬改定につきましては、令和九年度改定につきましては、令和八年度の改定等を踏まえた処遇改善の実態、また経営状況なども含めまして適切に対応してまいりたいと考えています。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 具体的な通告にはしていないんですけど、今のやり取りの中で、先ほど言った一時的なものではベースアップにならない、だから、やはり報酬改定でしっかりとサポートしていかなければ、根本的な他産業の平均賃金とは全く乖離したままだということ、そこは認識いただけるということでよろしいですか。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 当然ながら、介護報酬の中でしっかりとした対応を行うというのは基本だというふうに考えています。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 是非、当面の対応という意味で一時的な支援も重要なんですけれども、介護報酬改定での対応、ここの対応策が大きく今後の日本の介護を支えていく人材の確保、そしてそこで暮らす人たちの安心につながるというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。財務省に負けないでください。  次に、医薬品の安定供給について伺っていきたいというふうに思います。  医薬品のまず流通について伺います。  令和七年薬価改定において、安定供給確保が特に求められる医薬品に対して臨時的に不採算品再算定を実施するとともに、最低薬価を約三%上げる措置が講じられました。後発品や長期収載品を始めとする低薬価品、これを製造しているメーカーの生産の赤字に対する僅かな支援となりました。  しかし、引き続き原材料、物価高は継続しており、メーカー自身も賃上げなどするための利益を確保するために医薬品卸に対する仕切り価を引き上げる、そういう傾向も続いております。そうしますと、せっかくの薬価措置も卸には薬価引上げの効果が全く届いていないというような認識を大臣がお持ちなのか。  また、現在、中医協で進んでいる次期診療報酬改定の議論において、医療機関等への物価高騰対策について検討がなされていますけれども、医薬品卸もこの等の対象になるのか、医薬品卸を直接支援する考えは大臣にあるのか、教えてください。

森真弘厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官

○政府参考人(森真弘君) 医薬品の流通に関する課題に関してのお尋ねでございます。  委員御指摘のとおり、現在メーカーから卸に販売されるいわゆる仕切り価についても上昇傾向にあるというふうに捉えております。  一方で、卸が今度納入する価格についてもなかなか厳しい状況にあるという中で、メーカーと医療機関、薬局等の間に立っている卸の方がなかなか苦しい状態にあると。さらに、流通コストも上がってきている中で、なかなか厳しい状況にある中で、今般のその経済対策においては、医薬品の安定供給の確保などに取り組んでいる医薬品卸に対する必要な支援というのを盛り込んでおりまして、必要なサポートというのを行っていきたいというふうに考えております。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 必要なサポートということで、私もこれまで再三、この医薬品卸のところが間に挟まれていて厳しい状況というところは、この委員会で取り上げてまいりました。  本年五月八日の参議院の厚生労働委員会で、当時の福岡厚生労働大臣に対して、厚労科研による医薬品流通の調査報告を基に流通コストの見える化についてお尋ねをしたところでございます。その際、福岡大臣からは、厚労科研の調査は一定の仮定の下にコストを算出しているものであって、実際の品目ごとの流通コストは、製品の剤型や地理的な理由から取引条件によって異なるため計上はできない旨の答弁があったんです。  薬価による物価高、エネルギー高への評価が困難であるとすれば、そもそも物流経費は原価計算から切り離して別途支援なり、別のコスト計算して価格付けていく、そういうような対策を講じなければ、今回また医薬品卸に対して一時的に何か支援をしたとて、流通網ということが安定的に確保できないというふうに考えるんですけれども、上野大臣、どうお考えでしょうか。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 流通コストの課題、問題等につきましては、今委員から御指摘があったとおりでございます。  先ほど来委員の方からもお話がありますとおり、医薬品卸は非常に重要なインフラだと我々も認識をしておりますので、総合経済対策におきまして、医薬品卸による安定供給の維持、強靱化への強力な支援を行うというふうにしておりますので、補正予算を速やかに編成する中で施策の具体化に取り組んでまいりたいと考えております。  また、中長期的な課題につきましても、我々もしっかりそれを認識をしながら、何ができるかということは当然考えなければいけないと考えています。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 補正予算だと、多分これまでの投資を我慢してきたところであったり賃上げできなかったところには何とか回ると思うんですけれども、やはり、その中長期的な課題というふうに置かれましたが、もう既に顕在化している課題ですし、余り時間を掛けるものではないというふうに思うんです。  是非、この物流コストの考え方みたいなことは、その中医協で薬価の話をしているところで議論していても私は答えは出ないと思いますし、だからといって流改懇で話しても、あれは今の取引条件の話をしているわけで、そもそも算定していく仕組みのところですので、そこについては重点的に議論してもらわなければ、私、解決策見出せないというふうに思いますので、その私の今の課題感というところは共有いただけるかどうか、御答弁いただけませんでしょうか。

森真弘厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官

○政府参考人(森真弘君) 委員おっしゃるとおり、流通の関係、まだまだ課題があるというふうに強く認識しております。  どんどんどんどん価格を下げていけば競争できるというような状況ではなくて、やはり一生懸命やっていただいているその卸が評価されるような形で何とかできないかということを更にちょっと検討を深めていきたいというふうに考えております。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 今回の経済対策で、いろいろ物価高やエネルギーコストに対応するというのが文字が躍っているので期待は膨らんでいるんですけれども、正直、私、これ、元々の根本的な課題が解決されないと、毎回、じゃ、補正組まなきゃいけないのかという話になっていって、そういうことでは意味がないというふうに思いますので、持続可能な医薬品の安定供給に向けてどういう視点があるのか、せっかく検討会開いて議論したはずなんですけれども、残念ながら、まだ抜本的な見直しに至っていないと思いますし、解決至っておりません。  そんな中で、十一月の六日の社会保障審議会医療保険部会では、次期薬価制度改革の議論として、長期収載品の選定療養負担拡大の見直し案が提案されておりました。方向性は私も反対しません。  しかし、いまだに二割程度の医薬品で供給停止や限定出荷の状況が続いておって、後発品の医薬品等が安定供給されていない中で、保険財源の捻出を目的にこの長期収載品から後発品への移行促進策を一気に入れるというのは、昨年の十月、入れたときの薬局での説明の混乱であったりとか、結局は、その長期収載品から後発品に変えると言ったのに、後発品が安定供給されていなくて長期収載品に戻したみたいな事例が多発していたというふうに私は聞いていますので、この保険財源捻出の目的のためだけに議論されるように、正直、中医協の議事録見ていたら見えたんです。  そもそも安定供給されていない中でここが取り上げられるということについて見解伺いたいというふうに思います。

間隆一郎厚生労働省保険局長

○政府参考人(間隆一郎君) ただいま委員御指摘のとおり、昨年十月から、患者さんの希望によって長期収載品をあえて使用される場合には、長期収載品と後発医薬品の価格差の四分の一相当を患者に御負担いただくと、こういう仕組みになっております。施行後、後発医薬品の数量ベースでの使用割合は九〇%以上に上昇したところでございます。その意味で、後発医薬品の使用促進に一定の効果があったと考えております。  その一方で、委員御指摘のとおり、後発医薬品を中心に、医薬品、医療用医薬品の供給不足の状況が数年にわたって続いていることも承知しておりまして、これも併せてデータも提示して御議論いただいているところでございます。  この辺のバランスをどう考えるかということなんですが、こうした様々な状況を配慮しながら、後発品の上市後には後発品企業に安定供給等の役割を譲るという医薬品のライフサイクルの目指すべき姿でありますとか、医療保険制度の持続可能性の確保や現役世代の保険料負担含む国民負担の軽減といった観点も踏まえて、長期収載品の負担の在り方はどうしたらいいのかといったことについて、引き続き医療保険部会において検討してまいりたいと、このように考えております。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 産業への目くばせというところが正直少ないというふうに私は印象を持っています。私の私見かもしれませんけれども、バランスを持ってとおっしゃいますが、相当産業の状況というところは私は軽視されているというふうに受け止めています。それだけコメントしておきます。  次に、もう一つ薬の問題で、米国における問題。  本年五月十二日に、アメリカのトランプ大統領が、医薬品の価格の引下げを目的とした最恵国待遇の処方薬価格、これを米国の患者に提供すると題する大統領令、これを公表しました。また、七月には、欧米の十七社の製薬メーカーのCEOに対して直接書簡を送って、海外と同水準になるよう米国の処方薬の価格を引き下げるよう要求しています。  こうした一連のアメリカ政府の動きについて、国内製薬産業への影響と課題について、上野大臣の見解を伺います。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 大統領令、トランプ大統領、御指摘のとおりでございまして、欧米の製薬企業十七社に対しまして、いわゆる最恵国待遇価格に引き下げることを求める書簡を送ったということは承知をしております。  一部の製薬企業におきましては、既に米国政府と今後新たに米国で上市する医薬品の価格をこのMFN価格とすること等を含む薬価の引下げについての合意を結んでいるというふうに承知をしておりますが、現段階では国内の製薬企業、この中には、十七社の中には当然含まれておりません。  今後、国内製薬産業への影響どういったものがあるかという点に関しましては、我々も十分注視をして見ていきたいと考えておりますし、業界関係者等との意見交換も丁寧にその中で行っていきたいと考えています。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 今のところ、そのアメリカ政府から送られた書簡、十七社に日本の企業が含まれていないということなんですけれども、日本の製薬メーカーであっても、今の現状でいくと、国内製薬大手の十社の国内の売上比率の推移からいけば、海外での売上げシェアの伸びの方が顕著なわけなんですよね。ですので、今後更に海外比率が高まるということが状況分かっている中で、日本発の薬が日本人でも使えない、日本国内でも使えないみたいなことが起きるんじゃないかというふうに思っています。  この米国の薬価の最恵国待遇、MFN、この影響というのが海外の企業だけに、今十七社だけに書簡が送られていると言っているんですけれども、実は国内売上比率がもう下がらざるを得ない、この国内企業にも私は影響するというふうに考えています。今、日本での薬価が上がらず、海外での値付けがされれば、やはりそちらで上市をして、そちらで利益を生んで、今は何とか国内の企業だから日本のためにということで開発して、頑張って日本で製薬メーカーもオリジンの医薬品、こっちで出していただいているわけなんですね。  だから、私、影響、今からちょっとこう、何だろうな、もうちょっと見ておくよみたいなんじゃ遅いというふうに思うんですけれども、いま一度、大臣、私、医薬品の経済安全保障上、そして創薬とか科学技術力、そういう力が日本から失われる危機なんだということはもう今から認識して対応を打っていかなきゃいけないというふうに思うんですけれども、改めて上野大臣の認識聞きたいと思います。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 委員御指摘のとおり、これが今後の日本の国内製薬産業にどういう影響があるかというのは、やはり慎重に我々としても十分見ていかなければいけないと思っております。  現段階ではなかなか情報等も不足しているような状況でもありますので、今後、委員の御指摘を十分踏まえて対応できるように努力したいと考えています。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 注視するということで、私もしっかり注視していきたいと思いますし、改めて、今この質問の中で扱いましたけれども、やはりこの国内の製薬大手十社というのが、どうしても人口の比率とか考えれば、もちろん売上げの比率ということが日本からちっちゃくなるのは分かるんですけれども、しかし、これ昨年の予算委員会でも申し上げたんですけれども、半導体の技術のように、日本で作れなくなって、結果、海外の企業を誘致するために莫大なコストを掛けて、人材をそこから育成して、工場まで建てるサポートもして、そして日本国内の労働力のバランスまで崩してまで半導体今呼び込んでいるわけなんですよね。それが、今国内の創薬というところに起きるかもしれないというところ、その認識を持っていただきたいわけです。  なので、さっきも、もちろん皆保険制度とか様々なバランスは見なきゃいけないんだけれども、産業としての在り方というところは、今、創薬ばかりにちょっと注目集まっていまして、私も今日創薬のところで焦点当てましたけれども、前に言った、作ったって運ばれなければ国民に薬は届かないわけです。  特に今、剤型などいろいろと、温度帯管理も難しいような薬が増えてきているわけなので、やはり卸さんも、宅急便に運んでもらいます、誰でも運べます、そういうわけじゃないというところで、やはり必要な業界、業態だというふうに思っていますので、やはりその産業の視点で、是非、厚労大臣としては、皆保険制度もどうしてもここにあるのは分かるんですけれども、産業として失われると日本国としての大きな損失だというところ、そこをもう一度念頭に置いていろんな政策立てていただきたいということを改めて申し上げたいというふうに思います。  そういう意識で考えますと、例えば、本年十一月五日に創薬力向上のための官民協議会ワーキンググループにおける議論の整理が取りまとめられました。また、この取りまとめは中医協の議論に用いられるというふうに伺って、そこで議論が、報告があったというふうに聞いています。  それも、政府内、これまで政府内の様々な議論の場において、産業界から累次にわたってこういう産業振興の観点からのいろんな提言されてくるんですけれども、結局、今回も取り合ってもらえないんじゃないかというような声が聞こえてきています。  特に、薬価に関わる部分でいけば、診療報酬の一部として中医協で取り扱われるということ自体は私も理解しているんですけれども、やはりこの診療側、支払側と、あと公的保険の関係者によって制度の根幹が決められていくというあの場に行くと、産業側に立った議論というのはそもそもされないという中医協の構成メンバーになっているわけです。  現在の中医協の構成メンバーでは、このような産業振興も含んだ上での薬の値付けということはされない、そういう議論は望めないというふうに私は考えていますが、大臣、いかがでしょうか。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 中医協につきましては、もう委員御案内のとおりでございますが、保険者や被保険者等の代表、医師、歯科医師及び薬剤師の代表、公益の代表によって構成をされております。これに加えまして、薬価制度の議論の際には、専門委員として製薬業界の皆さんにも代表として参画をしていただいているところであります。  薬価制度改革の議論に当たりましては、やはりその製薬団体等からのヒアリングということもやはりしっかり行いながら進めていくことが大事だと考えておりますので、関係業界の御意見も伺いながら、今後とも丁寧に検討を進めていきたいと考えています。  中医協における薬価制度の検討に当たりましては、骨太の方針を踏まえ、創薬イノベーションの推進、医薬品の安定供給の確保、国民負担の軽減といった要請についてバランスよく対応しているところでありますが、引き続き、製薬業界等も含めまして関係者の御意見を十分伺いながら、丁寧に検討を進めていきたいと考えています。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 今もヒアリングの日が設けられていることは認識していますけれども、最終議論のところに参画できていないというのが私は課題だというふうに思っています。是非そこの点ももう一度御検討いただきたいというふうに思います。  十一月十三日の参議院予算委員会で、我が党の浜野議員からの質問に対して上野厚労大臣が、医薬品の物価高騰対応について、令和七年度の薬価改定において必要な対応を行ってきたと答弁しています。  この必要な対応とは、先ほども質問のときに申し上げましたけれども、安定供給確保が特に求められる医薬品に対する臨時的な不採算品再算定の実施と僅か三%の最低薬価の引上げ措置、これも苦労されたのは分かっているんですけれども、とてもじゃないけどこれじゃもたないという話です。  もう時間が来ているので言いっ放しで終わります。病院の診療所のところの確保、安定も、赤字なので対応してくれ、そして私、介護も今対応してくれ、でも薬も対応してくれ、もうとてもじゃないけどって言うかもしれないけれども、これまで全くこの物価高騰、エネルギー高騰対策に対応しなかったからこそたまったツケでございます。それを何とかするために、上野大臣はこの厳しいときに御自身で厚労大臣されるというふうに決断されたと思いますので、大いに期待しておりますので、また予算委員会でしっかりといい答弁いただけるように、私も質問できるように頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。

秋野公造公明党

○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てるように質疑をしたいと思います。  私の地元の福岡県の北九州港太刀浦コンテナターミナル、西日本有数のコンテナターミナルでありますけど、そこを訪ねました。  全港湾九州地本の法本健吾委員長に対応していただいて、本当に感謝をしておりますけれども、荷さばきの現場からトイレも非常に遠くて、休憩所も遠くて車に乗っていく状態ということでありまして、熱中症対策に必要なクーリングスポットも遠いと、こういった設置がなかなかまとまらなかったとも聞いておりまして、ちょっと制度等について少し議論をしたいと思っております。  港湾で事業を行う場合、著しく暑熱又は多湿の作業場の休憩の設備やトイレは原則的に誰が設置義務を持っているのか。といっても、場所の提供は管理者の提供ということにもなろうかと思いますけれども、設置に当たって港湾を管理する者と事業者がどんな調整を行っているか、お伺いをしたいと思います。

安井省侍郎厚生労働省労働基準局安全衛生部長

○政府参考人(安井省侍郎君) 休憩設備などについて御質問いただきました。  労働安全衛生規則第六百十三条においては、労働者が有効に利用することができる休憩の設備を設けるよう事業者に努力義務を課してございます。さらに、同規則の六百十四条において、事業者に対して、著しく暑熱又は多湿などの有害な作業場においては、原則として作業場外に休憩の設備を設けることを義務付けているところでございます。便所につきましては、同規則六百二十八条において、労働者の性別や人数に応じて適切な設備を有する便所を設けることを事業者に義務付けているところでございます。  こういった休憩の設備や便所は、同一の場所で複数の事業者が混在して作業する場合は、元方事業者などが共用で使用可能なものを設置することが効率であると考えているところでございます。  御質問の港湾につきましては、港湾管理者が事業者からの休憩設備の設置申請を受け、港湾施設の安全な管理や水道、電気などの整備状況などを考慮して個別に設置可能か判断しているものと承知しております。  休憩の設備の円滑な設置に向けて、各港において関係者間での話合いが行われるように関係省庁とよく相談してまいりたいと考えてございます。

秋野公造公明党

○秋野公造君 ありがとうございます。いつも心強い御答弁に感謝ですけれども。  ちょっと資料を付けさせてもらっているんですけど、先ほどおっしゃった六百十四条の休憩所の設置ですけれども、二行目の、作業場外に休憩の設備を設けなくてはならないとしておりますから、港湾のような広い広いところにあっては、休憩所、こういった言葉にちょっと引きずられて、休憩所等が遠いところになってしまったようなこともちょっと仄聞をしておりまして、港湾とか広い場所においては、休憩場所まで遠いところ、労働者が熱中症に、危険にさらされる可能性もありますので、作業場から近い場所に設置させるなど一定の基準を示してはどうかと考えますが、御見解お伺いしたいと思います。

安井省侍郎厚生労働省労働基準局安全衛生部長

○政府参考人(安井省侍郎君) 休憩設備の設置場所について御質問をいただきました。  休憩の設備につきましては、先ほど申し上げましたように、各港において個別に設置の可否について判断をされるということでございますので、著しく暑熱又は多湿な作業場における休憩施設の設置に当たって、作業場所からの距離について一律の基準を示すことは困難と考えているところでございます。  なお、著しく暑熱又は多湿な環境から離脱して休憩が確保できるような設備を作業を実際に行う場所以外に設置する場合には、労働安全衛生規則六百十四条の違反にはならないと考えているところでございます。  熱中症予防の観点からは、当該休憩の設備はできる限り作業者が速やかに利用できる場所に設置することが望ましいと考えているところでございまして、今後、関係省庁とも連携しつつ、関係者にそういったことをお示しすることを検討してまいりたいと考えてございます。

秋野公造公明党

○秋野公造君 ありがとうございます。明確な御答弁で、またお示ししていただけるということでありますから、それに基づいて私も働きかけ続けていきたいと思います。  ありがとうございました。  問い二、ちょっと飛ばしまして、先に三をさせていただきますから、大臣、ちょっとお聞きいただくと幸いでございます。  資料の三を見ていただきますと、かつてのコロナの診療の手引きについてお示しをしています。一部の限られた方々が作成をしたコロナの診療の手引きでありますけれども、ボックス内の参考を見ていただきますと、NIHということで、アメリカのガイドラインをコピペをしているといったようなところもちょっとあったりするものですから、右下には、二〇二二年十一月に日本で緊急承認されましたエンシトレルビル、こういったものはアメリカでないものでありますから、なかなかそういったものが反映するのは難しかったんだろうと思います。  見ていただくと、右下ですけど、重症化リスクが低い方は、対症療法をしてからエンシトレルビルを飲むかのような構成になっております。今、資料三の一を、大臣、説明しております。済みません。三日以内、発症から三日以内に服用するものを対症療法してから服用するようでは効果は適切に得られるとは限りませんので、また、レムデシビルの記載もこういう場所でいいのかといったようなことも含めて、大変分かりにくく、そして日本の臨床の実態に合っていないということで、当時の武見大臣に早急な見直しをお願いをして、武見大臣からも改訂を指示をするということで改訂してもらったのが次のページの資料三の二であります。  改訂してもらったんですけれども、確かに重症化リスクの低い方が対症療法に行く道とエンシトレルビルに分かれるようには改善はされておりますものの、優先的治療とか代替治療とかよく分からない概念が入り込んでいて、全く日本のコロナの臨床の現状に即していないと、これではもう全く役に立たないのではないかと、もう一回やり直してくださいということを質疑をさせていただきまして、公明新聞を付けていますけれども、当時の佐々木部長から、関係学会にアップデートを促すという形で応じていただいたところであります。  たくさんのコロナの診療に当たった多くの専門家の知恵を集めるということが重要で、一部の専門家が海外のガイドラインをコピーペーストして作って、それで日本の国民の命を守ることなど本当にできるのかといったような問題意識もあって、次の資料三の三ですけど、三学会の理事長先生が多くの専門家の方々の意見をまとめますといって武見大臣に意気込みを示されて、そして武見大臣も、もう是非お願いをすると、ずっとどんどん更新はしていってくださいと、こういったようなお話もいただいて、三学会が更に二学会呼びかけて、五学会の英知を集めたガイドラインが次のページ、資料三の四ということになりまして、率直に申し上げますけど、資料三の一と二は特定の医薬品をさも勧めるかのような、そしてそれは日本の実態に全く合っておらず、そういった手引きになっておりますが、五学会できちんと話し合っていただきますと、そういった角が取れて、御覧のとおり、重症化予防を重視する治療薬の選択と症状改善を重視する治療選択にきちんと分けていただいて、それぞれの必要な医薬品がきちんと医行為の下で、それぞれのお医者さんの御判断できちんと使っていただけるような、そういう改正が行われた。  感染症対策は、多くの方々の意見をきちんとまとめる、その作業というのがとっても大事で、どこかの人たちが勝手にこれがいいんだということを押し付けるものではないということを申し上げたいと思うんですが、過去にこれアップデートしたものでありますから、今資料三の四でお示しをさせていただいておりますこの五学会でまとめた新型コロナウイルス感染症診療の指針が、先ほど三の一と三の二で批判的に申し上げました診療の手引き十・一版を更新したものという理解でいいか、確認をしたいと思います。

鷲見学厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部長

○政府参考人(鷲見学君) お答え申し上げます。  先生が今御説明されたとおり、令和六年五月の委員会での議員の御指摘も踏まえまして、同年夏より、新型コロナウイルス感染症の診療に関する専門的な学識を有する五学会、日本感染症学会、日本呼吸器学会、日本化学療法学会等の五学会と協力しまして、厚生労働科学研究班において最新の科学的知見を反映しました新型コロナウイルス感染症の指針を作成し、本年九月に公表したところでございます。本指針は、昨年四月に最終改訂を行った新型コロナウイルス感染症診療の手引きに代わる診療指針として作成いただいたものと認識しております。  厚労省としましては、この最新の本指針の周知に努めるとともに、引き続き、学会や専門家と連携し、最新の知見を提供できるよう努めてまいりたいと考えております。

秋野公造公明党

○秋野公造君 ありがとうございます。明確になりました。さも過去のものが並び立っているかのようなことをおっしゃる企業の方もいらっしゃったと聞いておりまして、大変現場で混乱を招きますので、今の鷲見部長の御答弁をしっかりお願いをしたいと思います。  その上で、こういった五学会がきちんとまとまって一つのテーブルに着いて、そして国民の命を守るための治療法をみんなの合意でまとめていくという、こういう枠組みは私はとても重要だと思っておりまして、武見大臣のときにもきちんと更新をし続けてほしいといったようなお話もあったと思いますけれども、この編集委員会のような多様な主体が参画する会議体を研究班として維持していくことは、私は感染症対策を検討する上でとても重要だと思いますが、改めて鷲見部長に御見解、お伺いをします。

鷲見学厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部長

○政府参考人(鷲見学君) お答え申し上げます。  新型コロナの診療に役立つ指針の作成、見直し等におきましては、関連学会を含め、多様な専門家の方々の御知見が大きな役割を果たしたと認識しております。  厚生労働省といたしましては、診療の指針のような専門的な検討を要する際には、今回のように研究班などを立ち上げて、学会や専門家などの多様な知見をいただくことは必要であると考えておりまして、コロナの診療の指針につきましては、御指摘も踏まえて、学会による研究班の枠組みを維持して更新することを検討してまいりたいと考えております。

秋野公造公明党

○秋野公造君 ありがとうございます。是非これよろしくお願いをしたいと思います。これが日本の感染症対策の質を上げるということを強く申し上げたいと思います。  残った時間で、資料の二の一から、大臣にコロナの認識だけちょっと、感想で結構でありますから、ちょっとやり取りをしたいと思います。  まず、資料の二の一、御覧いただきますと、コロナは終わった終わったというのが世間の風潮でありますが、二〇二三年の死亡報告数と二〇二四年を比べますと、これ五類感染症になる前後で死亡報告数は変わっていないと、これがまず一点目であります。その下の二の二を見ていただきますと、その中心的には八十歳代以上の方々がお亡くなりになっています。五類になる前後で死亡者数は変わっていません。そして、八十歳代以上の方が亡くなっています。  八十歳代以上の方々に限定して、コロナは終わったという判断は適切ではないと私は考えますが、大臣の御見解、お伺いしたいと思います。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 新型コロナウイルス感染症につきましては、今委員から御指摘の資料のとおり、死亡者の大部分が六十五歳以上の高齢者であり、特に八十歳以上の高齢者にそのリスクが非常に大きいというふうに認識をしておりますので、そうした認識に基づいて対応していくことが大事だと考えています。

秋野公造公明党

○秋野公造君 ありがとうございます。  二の三、二の四、二の五、一個ずつ聞こうと思いましたが、またの機会にお伺いをしたいと思いますので、これで終わらせていただきます。  ありがとうございました。

川村雄大公明党

○川村雄大君 公明党の川村雄大です。先週に引き続きまして質疑の時間を与えていただきまして、ありがとうございます。  まず、私の方からもがん検診についてお伺いをいたします。  現状の整理ですけれども、まず、本邦で行われている対策型検診としてのがん検診の種類は、胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がんの五つでございます。このうち、死亡者数が一番多いのは肺がんでございます。年間約八万人の方が肺がんで亡くなっておられます。  現在の肺がんに対する検診方法は、重喫煙者、いわゆるたばこをたくさん吸う方は喀たん細胞診とレントゲン、そうでない方はレントゲンでありますけれども、二〇二五年四月にがん研究センター、国立がん研究センターから発表された肺がん検診ガイドラインにおきまして、五十歳から七十四歳の重喫煙者、おおよそたばこ一日二十本を三十年以上吸っている方に対しては肺がんの死亡率減少効果が科学的に証明されたということで、対策型検診での低線量CT検査を推奨グレードAと記載をいたしました。喀たん細胞診については推奨されないという結果でありましたけれども、これは従来の検診体制を大きく変えるインパクトのあるエビデンスだと思います。  これに示されたように、重喫煙者、年齢等の肺がんのリスクが高いとされる群に対しては低線量CTによる肺がん検診をガイドラインにのっとって早期に実装すべきと考えます。現状の整理と、いつ頃までに国民の皆様が受診できるようになる見込みか、お答えいただきたいと思います。

大坪寛子厚生労働省健康・生活衛生局長

○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。  低線量CTによる肺がんの検診につきましては、先生御指摘のとおり、国立がん研究センターのガイドラインの二〇二五年版、これにおきまして更新されまして、重喫煙者に対しては死亡率減少効果が示されると、実施が推奨されるとされたところでございます。  これ、多くの自治体で実施をしていただくに当たりましては、どのがん種においてもどの手法についても、新しいものが入ってくる場合につきましてはモデル事業を行いまして、パイロット的に行う中で、その自治体に導入する際の課題、こういったものをしっかり見極めた上で手当てをして行うということで進めております。  したがいまして、現在、そのモデル事業を来年度行うこととしておりまして、検討会において、その結果を踏まえ、早ければ令和九年度以降に自治体検診への追加を見込んでいるところでございます。

川村雄大公明党

○川村雄大君 令和九年度以降の実施を見込んでいるということで、できるだけ早く進めていただきたいと思います。これ、先ほど生稲委員からもあったように、デンスブレストのお話ありましたが、レントゲンですと正面から撮影しますので、例えば心臓の裏にある腫瘍とか肋骨に重なってしまう腫瘍とか、非常に早期のもの見づらい部分がありますが、CTだと輪切りでしっかり見えるというメリットがあると私も思っておりますので、是非進めていただきたいと思います。  さて、今答弁にもありましたように、がん検診の目的はがんによる死亡率減少でありますけれども、費用対効果が重視されるのは言うまでもありません。肺がんに対する低線量CT検査については年齢、重喫煙者等に限定をして検診を行うという方針、これは費用対効果及び精度の面から極めて意義があると私は考えています。  同様の観点から、検査前確率の高い人、つまりハイリスクの人に対する効果的な検診メニューを他がん種においても加速させるべきであるというふうに考えております。例えば、胃がん検診においてはピロリ菌感染関連の方に対して積極的に受診勧奨することや、飲酒、あるいは飲酒して顔が赤くなるフラッシャーという体質の方、あるいは喫煙のある方というのは明らかに食道がん、咽頭がんのハイリスクですので、こうした方にはバリウムではなくて胃カメラを勧めるなどのこうした運用を進めていくべきだと思っております。  いわゆるリスク層別化検診の制度を更に進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。

大坪寛子厚生労働省健康・生活衛生局長

○政府参考人(大坪寛子君) 市町村が実施するがん検診、これは、早期発見によりまして社会全体としての死亡率、これを減少する効果が確認された検査方法を指針に定めた上で実施を推奨しているところであります。胃のエックス線検査と胃の内視鏡、これは、がんセンターが作成したガイドラインで両方とも死亡率の減少効果認められていることを受けまして、いずれも現在指針にあるところでございます。  一方で、先生御指摘のリスクに応じた検診体制という観点、非常に重要だと思っております。現在、例えば胃がん検診につきましては、ヘリコバクター・ピロリの感染の有無でリスクを層別化することにより検診受診間隔を適切化することが可能かどうか、こういったことにつきましてAMED研究において検討を行っているところであります。  この研究の成果を踏まえまして、最新の科学的知見に基づき、より適切なリスクに応じた胃がん検診の手法について検討してまいりたいと思っております。

川村雄大公明党

○川村雄大君 大変にありがとうございます。  今エビデンスを構築していただいているというところであります。実は先日も現場の有名な内視鏡医の専門の先生ともお話をいたしましたけれども、まさに現場感覚としましては、やはり内視鏡検診のメリットは大きいということを強く思っている一人でもございますので、エビデンスの構築とともに、また受診勧奨をしっかり進めていただきたいと思っております。  そして、先ほど来あるように、がん検診の今の課題ですけれども、そもそもの受診率が低いこと、それから精密検査の受診率が低いこと、例えば便潜血陽性になっても大腸カメラに進まない、それから、実施主体者が複数にわたっており、検診結果の一元管理がなされていないことが挙げられると思います。それぞれ個別に重要な課題ですけれども、その第一歩として、解決の第一歩として、現行の職域検診の結果をしっかりと把握をしていくことが大事であると思っております。  そして、今は自治体かもしれませんが、大きな方向性として、がんの検診データを一元管理できる言わば全国がん検診データベースのようなものを構築をして組織型検診に近づけていく方向がいいというふうに考えておりますが、今後のあるべきがん検診の姿について展望を是非お聞かせいただければと思います。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) がん検診の推進に当たりましては、まず市町村が健康増進法に基づいて住民を対象にした受診勧奨を実施をしております。職域でも、これ任意になりますが、保険者や事業主が福利厚生の一環として取組が行われております。こうした実態を踏まえ、市町村が中心となって住民のがん検診の実施状況をまずは一体的に把握することが有効だと考えているところであります。  厚労省としましては、令和七年の七月に指針を改正をいたしまして、市町村は、住民の職域等がん検診の受診状況を把握することで、職域等がん検診情報も踏まえた適切な受診勧奨及び精密検査勧奨に努めることを明示をして、その推進を図っているところであります。  市町村が中心となって住民のがん検診を推進する際に当たりましては、するに際しましては、自治体検診のデジタル化が重要になると考えております。今年度から、一部の自治体におきましては、受診対象者への受診案内等につきましてモデル事業、デジタル技術を活用したモデル事業を行うこととしているところであります。  また、将来的には自治体検診DXの基盤を活用しながら、本人同意の下、住民の職域等がん検診の受診状況等を市町村が正確に把握する、そうした仕組みを検討していくことが必要であると考えておりまして、その先には委員が御指摘のような大きな課題もあろうかと思いますので、十分委員の御指摘を踏まえてしっかり対応できるように努めていきたいと考えています。

川村雄大公明党

○川村雄大君 大変にありがとうございます。  諸外国での組織型検診をしてしっかり死亡率が減少されたというエビデンスもありますので、引き続き、また私もしっかり取り組んでいきたいと思います。  本当に多くの委員からお話あるように、攻めの予防医療の大きな柱はがん検診にあると私も思っておりますので、検診体制の向上も含めまして、不断の検討を進めていただきたいというふうに思っております。  次に、1型糖尿病についてお伺いをしたいと思います。  1型糖尿病というのは、血糖をコントロールする必須のホルモンであるインシュリンがほぼ枯渇してしまっているという疾患でございます。これ、自己免疫的な機序が考えられておりまして、膵臓のインシュリンを作る部分の細胞が破壊されてしまうというふうに言われております。根本的な治療法はありません。  いわゆる一般的に想起される糖尿病というのは言わば2型糖尿病、これは多くが生活習慣に起因する生活習慣病の一つと位置付けられております。一方、1型糖尿病は生活習慣が原因ではありません。小児期から発症することもあります。同じ糖尿病ではありますが、両者は全く病態の異なる疾患と言えると思います。  患者さんは、生涯にわたり毎日、もっと言えば毎食ごとにインシュリン注射が絶対的に必要となります。インシュリンを打たなければ血糖値がぐんと跳ね上がってしまいまして、意識障害などを来して、すぐに命に関わる状態になってしまいます。  また、当事者の方からは、社会的な偏見やスティグマを抱えているというお声も伺っております。将来の個人の医療費負担額は一千万円を超えて二千万円にも及ぶという試算もあります。  また、1型糖尿病患者さん三人に一人が、経済的理由で血糖管理が不十分になったとするアンケート報告もありました。経済的理由による治療控え、血糖コントロール不良な状態が続けば、高血糖による糖尿病網膜症による失明とか人工透析導入などの合併症のリスクもあります。  また、先日私がお会いした患者さんは、第二子出産予定日二日前に劇症型の1型糖尿病を発症いたしまして、その二日後に第二子を産んで、直後から厳格な血糖管理も必要になったと。授乳もあり、インシュリン注射もありということで、御夫妻で大変な御苦労をなさっておりました。しかし、この方に対する医療費助成の制度は全くありません。  それから、小児期から発症する1型糖尿病につきましては、今、児童福祉法による小児慢性特定疾病、いわゆる小慢に対する公的な支援制度はありますが、二十歳以降の患者に対する医療費助成制度はありません。いわゆる二十歳の壁が存在するわけでございます。  御案内のように、原因不明で根治的な治療法が確立されていない病気を指定難病として医療費を助成する制度がございます。令和七年四月一日に七疾病が追加されております。現在、合計三百四十八疾病が指定されていると承知しております。1型糖尿病のように、若年発症で生涯管理が必要な慢性疾患も含まれてございます。ところが、これに1型糖尿病は指定されておりません。  改めて、1型糖尿病を指定難病に組み入れるべきであると考えます。今1型糖尿病が指定難病に組み入れられていない理由はどのようなものでしょうか。そして、それの最後の検討会はいつ持たれたんでしょうか。

大坪寛子厚生労働省健康・生活衛生局長

○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。  1型糖尿病に限らず、様々な疾患について御要望があることは承知をしておりまして、我々といたしましては、公平公正な観点から、この難病法における医療費助成制度の目的として、医療費助成を行うことで、比較的症例数が少なくて治療法が確立していない疾病を集積することで治療研究が推進されると、こういうこと、また、長期の療養により医療費の経済的な負担が大きい患者様を支援すると、この意味を併せ持つものでありまして、明確に五つの要件を設定しているところであります。委員御案内のとおりでありますが、患者数が一定の基準に満たない、また診断に関する客観的な指標による基準が定まっているなどの五つの要件、これが明確に設定されているところであります。  これに、1型糖尿病につきましては、過去、平成三十年度の指定難病検討委員会において議論がされております。その際には、三十八疾病について審議があったわけですが、三十六疾病についてはまだその状況にないということで認定、指定されていないわけですが、1型糖尿病につきましてその当時の判断基準を示しますと、研究班からの報告によると、これ内因性のインシュリンの不足による、自己抗体がない場合には内因性のインシュリンが不足していることという診断基準を提案されておりますが、これによって2型の糖尿病とその他の糖尿病との鑑別、これは不十分であろうという見解を検討委員会からいただいたというところでございます。

川村雄大公明党

○川村雄大君 検討会が平成三十年が最後。  糖尿病診療ガイドライン二〇二四というのがありまして、これ日本糖尿病学会示したものですけれども、こちらには丸々一ページを使って診断基準というものが明確に書かれておりますが、この診断基準が曖昧であるという判断の基準、これはどういうふうにお考えでしょうか。

大坪寛子厚生労働省健康・生活衛生局長

○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。  平成三十年の研究班の報告書、それから令和六年度に日本糖尿病学会から糖尿病診療ガイドライン二〇二四が発刊されたと、それは承知をしております。  それぞれ見ている観点が違いまして、三十年度の場合には自己免疫性か特発性かという分類がなされております。一方で、診療ガイドラインの方は、その発症経過、劇症型であるかとか急性発症であるかとか、そういった発症の経過で区分されているというふうに承知をしております。  ここの中でも、糖尿病ガイドラインでも、その三類型に分かれてお示しをされているのですが、これ、検討委員会で諮って、提案があったものではないので検討委員会にまだお諮りはしていないわけでありますが、この1型糖尿病の診断基準が必ずしも2型糖尿病を含めたその他の糖尿病との鑑別に足るかどうか、こういったことの審査は行われていないという状況にございます。  今後よく、これを作られた日本糖尿病学会とも相談してまいりたいと思います。

川村雄大公明党

○川村雄大君 1型糖尿病についてあと二つ質問を用意させていただきましたけれども、おおむね今のとおりでございまして、診断基準が新たに示されているということの事実をもって、もう一回しっかりこれについては議論していただきたいというふうに思います。今まさに糖尿病学会にも諮りたいというふうな御答弁がありましたので、そちらについて是非進めていただきたいと思います。  特に、小児期から小慢で助成受けていた方が二十歳になって大学生在学中あるいは専門学校に行っている、そうしたときに、ある日急に治療費が月一万円、二万円、三万円と掛かるということ自体は非常に大きな問題だと思っておりまして、1型糖尿病について引き続きまた私も取り上げていきたいと思います。まさに糖尿病学会に対しての働きかけ等々を進めていただきたいと思います。  私の質疑を終わります。

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時二十五分休憩      ─────・─────    午後一時三十分開会

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

新実彰平日本維新の会

○新実彰平君 日本維新の会の新実彰平と申します。  さきの参議院選挙にて、京都にて当選をさせていただきまして、これが初めての質問機会ということになります。  衆議院の本会議、つい先ほどまで行われていたという中で、上野大臣、御参席を賜りまして誠にありがとうございます。厚労省の皆様、そして小川委員長を始めとした理事、委員の皆様、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  私事ですけれども、父が長く大学病院の勤務医をやってまいりました。若い頃は当直もしょっちゅうありまして、夜中に呼び出されて慌てて出ていくという姿も、幼い私、何度も見てまいりました。また、論文もしっかり書いておりましたので、常に締切りに追われまして、週末は全国の学会を飛び回る、そんな生活でございましたので、家族からすると、もう少しタイムマネジメントができる、かつ、場合によっては収入も増えるような可能性もある働き方に変えてくれたらいいのになと思っていましたし、直接父に言ったこともありましたが、父は、人の命を守る医療、そして人の命を守る知見を後世に残すこと、これにこだわりまして、臨床や研究に邁進をいたしました。ちょうど大学をこの春に退官をいたしましたけれども、今も病院で忙しく働いております。  少子高齢化の中にあって医療財政も大変厳しい状況にございますが、私は、こうした人の命を守る、まさに医療の根本というのを守りたいというふうに思っております。そうした観点で、微力ながら務めさせていただきます。  本日は、今年の五月に公布されました改正薬機法、特に九条の五、資料の一に添付をしております、抜粋をしております。この特定調剤業務の外部委託を可能とする法改正の今後の運用、とりわけ薬剤師の皆様により活躍していただこうという観点での運用について伺ってまいります。  特定調剤業務、大きな影響をその調剤に与えない業務については外部委託をして、なるべく、いわゆる対物業務から対人業務に薬剤師の皆さんのそのリソースを割いていこうと、こういう方向性だと認識をしておりますが、まず目的合わせ、すり合わせをさせていただきたいと思います。私、これから申し上げることにちょっとそごがあれば御指摘をいただきたいと思います。  本立法は、薬剤師の力を対人業務において最大限活用することで、正しい服薬を促進し、薬剤の誤った飲み合わせによる副作用の発現や飲み残しによる体調悪化を防ぐことによる国民の健康増進、また、誤った飲み合わせによる副作用の発現や飲み残しによる体調悪化に伴う更なる受診や薬剤の廃棄等を通じた医療費支出の増加の防止、さらに、丁寧な服薬指導や販売後のフォローアップによるスイッチOTC促進後の健全なセルフメディケーション社会の実現、これらを図っていくことを立法目的に含んでいますでしょうか。立法目的として以上申し上げた内容にそごがあれば、具体的に教えてください。

栗原渉自由民主党・無所属の会厚生労働大臣政務官

○大臣政務官(栗原渉君) お答えいたします。  今後、医療、介護ニーズが増加する一方、担い手確保が困難となる中に、議員御見解のとおり、薬局、薬剤師は地域包括ケアの支え手として、処方箋受付時の対応のみならず、調剤後のフォローアップ、在宅対応、健康サポート業務等の対人業務を充実していくことが重要であるというふうに考えておるところであります。  本年五月に改正された薬機法では、対物業務を効率化し、こうした薬剤師の対人業務を更に充実させるために、地域における医薬品アクセスや医療安全の確保を前提として、薬局において一定の許可基準等を満たす場合に薬剤業務の一部を外部委託できることを法律化、法律上規定したものでございます。  さらに、今回、薬機法改正においては、御指摘の調剤業務の一部外部委託の制度化以外にも、自治体等との連携した地域での医薬品供給体制の構築や健康増進支援薬局の認定制度化など、薬局、薬剤師の機能強化につながる改正も含められておりまして、引き続き、薬剤師の更なる活躍に向け、必要な取組を進めてまいりたいと、そのように考えているところであります。

新実彰平日本維新の会

○新実彰平君 ありがとうございます。  全面的に御同意をいただいた上で、目標は一にできているのかなという認識をいたしました。つまり、改めて申し上げると、この法改正、うまく運用できれば国民の健康増進にも、医療費支出の削減にも、ひいては社会保険料の負担の抑制にも寄与する可能性のあるすばらしい制度変更となり得るということを改めて認識をいたしました。  では、その上で、運用をしっかりと充実したものにするために質問を重ねさせていただきます。  今般、薬局が外部の薬局に委託することができるようになるというこの特定調剤業務、資料の一にある特定調剤業務については、これは、法において、調剤の業務のうち当該業務に著しい影響を与えない定型的な業務として政令で定める業務をいうと定められていますけれども、その対象を今後、政令におきまして法の公布後二年以内になされる法施行までに決定をせねばなりません。ですから、あと一年半ということになりますけれども、現状、この特定調剤業務、どういった業務であると定める予定なのか、議論の状況を教えてください。

宮本直樹厚生労働省医薬局長

○政府参考人(宮本直樹君) お答えいたします。  外部の薬局に委託可能となる特定調剤業務に関するこれまでの議論の状況といたしましては、厚生労働省の有識者会議のとりまとめにおいて、複数の薬剤を服薬時点ごとに一袋にまとめる業務、いわゆる一包化とすることが提言されていたものでございます。

新実彰平日本維新の会

○新実彰平君 端的にありがとうございます。  一包化、朝昼晩それぞれにおいて飲まないといけないお薬を一袋にまとめる作業ですけれども、これが大いに時間が掛かるということで、外部委託可能になるという方向性であると理解をいたしました。  これによって先ほど申し上げた目的を達成するためには、つまり薬剤師の皆さんを対物業務から解放し余剰時間を生み出していくためには、十分に保険調剤薬局において対物業務量を減らす、減少させ、薬剤師の時間的余裕を生じさせる結果をもたらせるか否かが大変重要になってまいります。  その際、参考になるのが、大阪市において国家戦略特区の制度を利用して実施されている規制緩和事業であります。資料の二を御覧をいただければと思います。(資料提示)  ポンチ絵がございますけれども、この大阪市で行われている国家戦略特区運用、これは、この規制緩和においてどのような対象業務が規制緩和の対象になっているのかということが今後政令を作るときの参考になり得るものであるかどうか、確認をさせていただきます。

宮本直樹厚生労働省医薬局長

○政府参考人(宮本直樹君) お答えいたします。  調剤の一部外部委託は、これまで国内で実例、実施例のないものでございまして、大阪での国家戦略特区の実証事業というのは、課題や現場のニーズ等の抽出において大変有用なものと考えております。  今後、改正法の施行に当たって各種要件等の設定に当たっては、国家戦略特区の実証事業の状況も踏まえて検討してまいります。

新実彰平日本維新の会

○新実彰平君 ありがとうございます。  国家戦略特区というのはまさにそういうもの、先行的に実施をして、実証実験的にそれを使っていって今後参考にしていくということであろうと思いますので、よく理解をいたしました。  ですから、大阪においてどういう運用がなされているのかということを見てまいるのが非常に重要なわけですが、大阪においては、先ほどおっしゃった方向性と同じく、一包化を対象に外部委託が可能となっております。  資料の三を御覧いただければと思います。  厚生労働省さんが要領を作っておられます。現に一包化業務を対象とするとここには書かれているわけですが、その中で、現状どのように運用されているのか。実は、開始から四か月半で十社が参加をしているんですが、適用件数は百五十五件であるというふうに聞き及んでおります。四か月半で十社百五十五件、一社当たり平均すると十五件、一か月に四件ほど、これで十分に件数が伸びているとはちょっと言い難いのではないかなというふうに思います。対物業務からの薬剤師の解放がこれで果たせているとはちょっと思いにくいところがございます。  ただ、大阪での結果はまだ体系的に国に報告をされたものではございませんので、現時点で厚労省さんの評価を伺うのは早計かなというふうには思いますが、ただ、件数は少ないと。  じゃ、何でこんなに少ないのかというのを一つずつ見ていきたいと思います。  現場感を伺いますと、規制緩和の対象範囲がやや狭いのではないかと感じることが幾つかございます。例えば、この一包化でございますけれども、既に別包の製剤となっている漢方薬とか、あるいは、この一包化の中に、袋の中に厳密に入れることができない湿布薬や軟こう薬のようなものがこの処方に含まれていた場合、外部委託の対象にできないと、こういう運用になっているようでございます。  この資料の三の後段になりますけれども、例外規定として、患者が直ちに必要とする場合に係るもの及び委託薬局で調剤の鑑査を行うことが困難であるものについては対象業務の対象外とすると、恐らくこれに該当するという判断なのだと思いますけれども、どうなんでしょうか、これで相当数がはじかれてしまっているようなんですね。  同じ袋には厳密に入らなくても、例えば漢方薬はホッチキスで留めるとか、あるいはそういった方法も一包化というふうに、広義の一包化というふうに定義付けることも可能なように思うんですが、厚労省さん、大阪での特区運用において、どういう懸念があるからこうした厳密な意味での一包化に含めない湿布薬や軟こう薬等を含む処方を外部委託の対象外としたのでしょうか。お答えください。

宮本直樹厚生労働省医薬局長

○政府参考人(宮本直樹君) お答えいたします。  調剤の一部外部委託につきましては、厚生労働省の有識者会議において一包化という結論になったことを踏まえて、国家戦略特区についても一包化のみということで行われているところでございます。  この有識者会議では、一包化が調剤業務の中では非常に手間が掛かるものであるため、外部委託によって高度な自動機器を活用して負担軽減とミスの低減の両立が図られるという理由から、外部委託の対象として提言されたものであるというふうに承知しております。  御指摘の一包化に附帯する湿布薬とか軟こう薬、こうしたものについては、負担軽減やミスの軽減という観点からは委託の対象とはされておりませんが、当該有識者会議のとりまとめにおいては、委託業務が法律上可能になった後に、安全性や地域医療の影響、薬局のニーズ、外部委託の実施状況等を確認して、その結果を踏まえて一包化以外の業務を外部委託の対象に含めるべきか否かの検討を行うというふうにされているところでございます。

新実彰平日本維新の会

○新実彰平君 ありがとうございます。  今御説明あったように、多くの薬局においては、この一包化を行うために機械を置いているケースがあれば機械を置いていないケースもあって、機械を置いていない薬局さんが機械を置いている薬局にこれを外部委託をして、素早く自動的に一包化を実現をするということで対物業務に充てる時間を減らしていくという、こういう方向性なわけですが。  今、安全性というキーワードが出てまいりましたけれども、この資料の三にもあるように、鑑査を行うことが難しいという判断をされているんだと思います。一包化が行われた後に、本当に委託元がお願いしたとおりの形になっているのかどうかということをチェックを、しかも委託元が責任を持ってしなければならないというのがこの運用のルールでございまして、そこに困難さがあるということなんだと思いますが。  実は既に、この袋に完全に入る一包化でなくとも、写真を撮って画像でチェックをして、AIをかませて、しっかりと処方どおり取りそろえられているのかどうかを見るような機器が一部存在をしていたりでありますとか、あるいは、薬剤を一包化、広い意味でいうと、一つに取りまとめた後に委託元に戻してチェックをするようなケースであればこれは目視確認になりますので、十分に、厳密な意味での一包化でなくとも、安全性を担保できる鑑査も可能なように思います。  今御指摘をいただきましたが、今後、国の制度とするに当たっては、一包化した薬剤に附帯して薬剤を提供する場合でも外部委託の対象に含めることを改めて前向きに御検討をいただけないでしょうか。よろしくお願いします。

宮本直樹厚生労働省医薬局長

○政府参考人(宮本直樹君) お答えいたします。  今先生がおっしゃられたことは非常に合理性のあることだというふうに思います。御指摘の点も含めまして、制度の具体的な内容につきましては、今後の施行に向けて、これまでの議論の経緯であるとか国家戦略特区での御意見というものを含めまして今後検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

新実彰平日本維新の会

○新実彰平君 前向きに御答弁いただきましてありがとうございます。  細かい話を個別にまた見てまいります。続いては、患者の同意についてです。  患者さんの同意を取得する必要性について、こちらも厚生労働省さんが作られました実施要領、資料の四を御覧いただきますと、あらかじめ患者等に説明を行うとともに、当該患者等から同意を得る必要があることとされています。これも現場にとっては一部負担となっていると聞き及んでおります。  この薬をこれからこの薬局ではなくてほかの薬局に委託をして袋に詰めてもらうんですけどよろしいですかと、個別に聞くということなんですが、想像していただければ分かると思います。わざわざ聞かれると、ある種やぶ蛇になりまして、よく分からないな、じゃ、やめておこうかと、こうなる患者さんも多いということでございますし、また、結果的に同意を得られたとしても、この説明に多大な時間を要しまして、結局、一包化に掛かっていた時間が説明の時間に成り代わるだけに終始をすると、こういう状況もあると指摘を受けております。  安全性が担保されているからこそ外部委託を規制緩和で許容しているにもかかわらず、ここまでの詳細な説明や同意が個別にわざわざ必要なのでしょうか。完全オプトアウト制、いわゆる同意を原則にして、拒否される方には申し出ていただくという、こういう仕組みを取らなかったのはなぜでしょうか。お答えください。

宮本直樹厚生労働省医薬局長

○政府参考人(宮本直樹君) お答えいたします。  厚生労働省の有識者会議においては、調剤の外部委託はこれまで国内で実施されたことがなく、その評価が困難であるなどの理由から、調剤の外部委託を行う場合には、患者様に丁寧に説明をし、同意を得た上で実施をするというとりまとめになったというふうに承知しております。  御指摘での大阪での国家戦略特区の実施要領については、本とりまとめの内容を踏まえまして、あらかじめ患者等に説明を行うとともに、当該患者様等から同意を得ることを要件としているということでございます。

新実彰平日本維新の会

○新実彰平君 理解はできるんですが、外部委託自体の安全性が担保されているからこそ認めている外部委託でありますので、詳細な説明同意、どこまで要件とすべきなのかなという気もいたします。現場感伺いますと、例えば高齢者施設等でまとめてそこを利用されている方に処方していくようなケースでも、個別に利用者さんに説明をし同意を取るというような、こんな状況になっていて、相当運用がしづらいというお声もあります。  御心配は、今答弁いただいた御心配は理解もできますので、現実解として、例えばこの厚生労働省さんが作った要領の解釈を伺いますけれども、初回のみの説明と同意でもってよしとして、二回目以降は既に同意したものとするというような運用まで許容する想定をされていましたでしょうかということ。  加えて、さっき申し上げた介護施設等に入居する複数の方に提供する薬剤の一包化を外部委託する際に、全ての方にそれぞれ説明し同意を求めるのはかなり手間ということですので、入居者の看護や介護に当たる看護、介護従事者、つまり施設のスタッフによる同意でもって要件を満たしたとする想定もされていますでしょうか。というのも、この要領の中には、これ後段、括弧の中になりますけれども、患者又は現にその看護に当たっている者も同意の当事者として認められておりますので、介護施設職員などもこれに該当するという解釈でしょうか。お答えください。

宮本直樹厚生労働省医薬局長

○政府参考人(宮本直樹君) お答えいたします。  大阪特区の実施要綱においては、あらかじめ患者さん等に説明を行って同意を得る必要があるというふうにしておりますが、実際の運用では、患者の意思で自由に同意が撤回できることを前提として、二回目以降も含む包括的な同意取得というのが行われているというふうに承知しております。  また、介護施設における同意については、通常は、介護施設の従事者ではなく、本人又は家族から取得するということが一般的というふうになっておるそうでございまして、大阪での国家戦略特区においてもそのような対応を取っているというふうに承知しております。

新実彰平日本維新の会

○新実彰平君 ありがとうございます。  現状の解釈と運用について伺いましたけれども、国の政策に広げるときに当たりましては、今おっしゃっていただいた、少なくとも初回のみの説明同意で二回目以降は同意したものとみなすという運用は継続をしていただきたいということに加えまして、介護施設等での看護、介護従事者による同意も同意とみなすという運用も視野に入れていただきたいということを申し添えさせていただきます。  もう一つ、範囲の制限について伺います。  外部委託先は三次医療圏内に限るとの制限も存在しています。資料の五でございます。当然ながら、県境、この圏域を越えた先にある、県境を隔てたすぐ近くにある受託可能な薬局に委託することができないというようなケースも生じてしまうわけでございます。受託先から委託元に薬を戻してきて鑑査して患者さんの元へ届けるといったような運用ケースがあるという話、先ほど申し上げましたが、こういったケースでは、委託元と委託先の薬局の距離が近い方が当然利便性は高いわけですけれども、医療圏が隔てられていれば近くにある薬局に委託をできないというケースも出てきてしまうわけでございます。  厚労省としては、大阪特区において、どのような懸念があってこの外部委託先は三次医療圏内に限るとのルールとしたのでしょうか。

宮本直樹厚生労働省医薬局長

○政府参考人(宮本直樹君) お答えいたします。  調剤業務の一部外部委託につきましては、先生御指摘のとおり、三次医療圏に限るとしておるんですけれども、厚生労働省の有識者検討会では、例えば制限を設けない場合には、委託先の集約化、大規模化により拠点化が進んで、自然災害等に対するリスクや、地域の薬局の医薬品の備蓄品目、備蓄量が減少し、地域医療に影響が出るリスクが増大するという意見がありました。一方で、地域的な制限を設ける場合には、委託先の集約化や効率化が進まないという理由によって、受託の実施をする薬局が現れず、外部委託ができない地域が生じるという懸念もあった、その両方の意見があったところです。  こうした意見を踏まえまして、一定の地理的範囲の中で、各地域で調剤業務の一部外部委託が利用できるようにするという観点から、委託先は同一の三次医療圏とするという旨の内容を検討会で取りまとめていただいて、今回の国家戦略特区においても、これに基づきまして三次医療圏内とさせていただいているところでございます。

新実彰平日本維新の会

○新実彰平君 過度な寡占化を防ぎたい、集約化を防ぎたい、地域に薬がなくなってしまうからと、一定理解できるんですが、三次医療圏で限る理由にはなっていないのかなというふうに思います。  むしろ、医療圏ではなく、委託元薬局からの距離で同心円状に、これは何キロにするのかというのは議論ありますが、委託元薬局からの距離で制約を設けるという考え方の方が合理性があるように思いますけれども、今後の国の制度化において採用いただけませんでしょうか。

宮本直樹厚生労働省医薬局長

○政府参考人(宮本直樹君) 委託先は三次医療圏内というふうに厚生労働省の有識者会議でも提言をされたということですが、その会議の中で、同一の三次医療圏内に委託先がないような場合、隣接する医療圏の委託先を認めるなど、もっと柔軟な運用をしてもいいのではないかという御意見もあったところでございます。  したがいまして、先生の御指摘を踏まえまして、今後、その具体的な内容については施行までにしっかり検討させていただきたいと思います。

新実彰平日本維新の会

○新実彰平君 前向きな御答弁と受け止めさせていただきました。  冒頭申し上げたように、これうまく回れば、本当に健康増進にも医療費支出の適正化にもつながるすばらしい改革であると思います。  最後に、改めて、真に薬剤師の皆さんの対物業務を適正化するための政令、制度構築に尽力することの宣言をいただくとともに、その際には、大阪の特区において何がネックになって実施例が増えていないのかということをしっかりと参考いただきたいということ、規制は最小限とすること、これを改めて明言をいただけないでしょうか。

栗原渉自由民主党・無所属の会厚生労働大臣政務官

○大臣政務官(栗原渉君) お答えする前に、済みません、先ほど冒頭の答弁の中で薬機法の改正の規定について説明をさせていただくとき、薬剤業務の一部をと申し上げましたが、正しくは調剤業務の一部をということでございますので、訂正をさせていただきたいと思います。  そして、改めてお答え、意気込みについてでございますけれども、議員の御指摘のとおり、薬剤師の対物業務の効率化を図り、対人業務を充実化する手段の一つである調剤業務の一部外部委託の施行に向けて、国家戦略特区の実証事業の状況もしっかり踏まえつつ、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。

新実彰平日本維新の会

○新実彰平君 ありがとうございます。  時間が迫ってまいりましたけれども、資料の六に付けさせていただいているんですけれども、実は十年前に厚労省さんは、患者のための薬局ビジョン、出されています。サブタイトルが「「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ」と、かなり思い切った表現を使われているんですけれども、まだまだこれが進んでいないということも改めて認識をしております。  薬剤師会さんなどからは、当然この規制緩和には否定的な見解も示されているんですが、これ無理もないと思っておりまして、これまで薬剤師の皆さんは、御自身の知識や技術を、薬剤を処方どおりにしっかり調剤し、説明を添えて患者さんにお渡しすると、ここに注いでこられたわけです。いきなり対物業務は外注、集約化、対人業務にシフトだと言われてしまえば、御自身のキャリアや経営の将来を憂慮され、抵抗感を示される、当然だと思います。  最後に伺いたいのは、これ対人業務に注力することで、ちゃんと評価をされて、なおかつ経営も成り立たせられるんだという安心感を同時に薬剤師の皆さんに提供をするということも、規制緩和と同時に必要ではないかということでございます。  ずばり、調剤報酬においても対物業務から対人業務にそのウエートを移していくという方向性について厚労省さんの認識を伺うとともに、具体的なその方策として、既にその処方の九割のケースで適用をされてしまっている後発医薬品体制加算、もう歴史的な使命を終えているのではないかとも一部思います。これを廃止を検討し、同時に対人業務に振り分けていくと、この方向性についての厚労省さんのお考えを伺わせてください。

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 時間参っておりますので、簡潔にお願いします。

間隆一郎厚生労働省保険局長

○政府参考人(間隆一郎君) 分かりました。  お答えいたします。  厚生労働省といたしましては、委員御指摘のように、薬局や薬剤師の業務について対物業務から対人業務を中心としたものへシフトさせるというような方向性を持ってございます。その後、委員御指摘のとおり、高齢化の進展により、薬剤師による薬学管理や在宅対応を行う場面が増加することが予想されますので、更に重点的に評価していく必要があると、このように認識をしています。  その上で、後発医薬品の関係でございますけれども、これは薬局における後発医薬品の提供体制の整備を促すために、後発医薬品の使用割合が一定以上である薬局に対して加算する仕組みでございます。これ、後発医薬品と先発医薬品を両方取りそろえなければいけない言わば手間について評価をするものでございますが、最近、後発医薬品については不安定な供給が課題となっておりますので、薬局では、複数の医薬品卸への問合せとか、卸にない場合には別のところから融通してくださいといったことや別の薬局に融通を依頼するといった業務が追加的にも生じております。  大きな流れで対物業務から対人業務へということは……

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 簡潔にお願いします。

間隆一郎厚生労働省保険局長

○政府参考人(間隆一郎君) そのとおりでございますが、足下の後発医薬品の体制加算の扱いにつきましては、この今の置かれた状況も考えながら中医協においてしっかり議論してまいりたいと、このように考えております。

新実彰平日本維新の会

○新実彰平君 ありがとうございました。終わります。

岩本麻奈参政党

○岩本麻奈君 参政党の岩本麻奈です。  前回に引き続き、新型コロナワクチンを含む医薬品の安全対策について伺います。  政府はこれまで、専門家の議論の結果、現時点では重大な懸念は認められないと繰り返し説明していました。国民が知りたいのは、では、その専門家とは一体誰なのかということです。  メッセンジャーRNAワクチンで国際的論点になっているのは、メッセンジャーRNAそのものの設計、LNP、脂質ナノ粒子の体内動態、免疫毒性、DDS、ドラッグデリバリーシステムなど、分子設計と薬物送達の領域です。  そこで伺います。直近の専門部会の委員名簿を確認しました。感染症、小児科、公衆衛生、薬剤安全性など第一線の先生方が多く含まれており、これまでの御尽力に心から敬意を表します。一方で、メッセンジャーRNA、LNP、免疫毒性、DDS等を主たる専門分野とする委員は直近の審議会にそれぞれどのぐらいいるのか、また、慎重、批判的な立場を表明してきた専門家を委員として含めた実績は今まであるのか、事実をお示しください。  あわせて、重大な懸念の基準を伺います。  現時点で救済認定は、死亡千件を超え、後遺症は九千件超に達しています。一九七七年に制度が始まって以来、コロナ以外のワクチンで死亡認定されたのは、二〇二一年までに百五十一件です。それに対し、コロナワクチンはこの数年で死亡認定が千件を超え、約半世紀分のワクチン死亡合計の約七倍に達しています。  過去の薬でも、もっと少ない段階で強い注意喚起が出ています。例えば、イレッサは死亡十三件、重篤二十六件の段階で緊急安全性情報、タミフルも、死亡二例の報告に加え、異常行動が相次いだ段階で速やかに強い注意喚起が行われました。  こうした前例と比較しても、今回の新型コロナワクチンに関する救済認定件数は桁違いの規模に達していると言わざるを得ません。死亡の遺族一時金だけでも一件約四千四百万円で、認定が千件を超えている現状では、それだけで少なく見積もっても四千から五千億円規模の公費支出になっております。ちなみに、こうした給付は、製薬企業ではなく、国、自治体の公費、税で賄われております。  これほどの規模でもなお重大な懸念なしと明言されるのであれば、その判断基準と枠組みを専門家会議の構成と併せて国民にも分かる形での御説明をお願いします。

鷲見学厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部長

○政府参考人(鷲見学君) 今先生から幾つか御質問をいただきましたので、一つずつお答えさせていただきたいと思います。  まず、委員の構成でございます。  こちらにつきましては、御指摘の予防接種の安全性を評価する審議会、こちら厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会と薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会という審議会におきまして委員が構成されているところでございますが、小児科、免疫学、感染症病理学、公衆衛生学、疫学、薬物動態学、医療薬学等の各分野の学識経験者計十五名から構成されているというところでございます。  続きまして、先ほど先生の方から批判的な立場を表明してきた専門家は含まれているのかという御質問でございました。  予防接種の安全性を評価する審議会の委員につきましては、法令の規定によりまして、学識経験のある者のうちから、厚生労働大臣が任命するものとされており、審議会の所掌事務についての議論を行うことを踏まえ、公衆衛生等に関する知識や経験等を総合的に判断して任命しているところでございます。  そのため、御指摘のメッセンジャーRNAワクチンに対して慎重又は批判的な者など特定の立場を表明してきたことをもって委員に任命しているものではございませんが、先ほど申し上げましたような分野の各専門家の先生方、予防接種全般に関する専門的知識を有する委員が含まれておりまして、新型コロナの安全性を評価するに当たって必要な体制がしかれているというふうに認識しているところでございます。  三つ目の御質問でございます、こちらの基準などを設定する必要があるのではないか、そうしたことをしっかりと示すべきではないかというお話でございました。  こちらにつきましては、新型コロナワクチンの安全性につきましては、先ほど申し上げた審議会におきまして、医師等からの報告される副反応疑い報告を全例評価するとともに、様々な科学的知見を踏まえまして、現時点では重大な懸念は認められないと評価されているところでございまして、救済制度における認定件数等のその情報のみをもって安全性の評価を行っているわけではございません。済みません、認定件数等の情報をもって安全性の評価を行っているものではございません。  その上で、ワクチン接種の継続の可否等につきましては、個々のワクチンごとにワクチン接種による有効性と安全性のバランスを見て判断していく必要があり、何をもって重大な懸念に当たるかの画一的な基準を設けることは困難と考えております。  引き続き、科学的知見の収集に努めるとともに、審議会において専門家に評価いただき、新たな知見が得られた場合には、医療機関や国民の皆様に速やかに情報提供を行ってまいります。

岩本麻奈参政党

○岩本麻奈君 これだけの救済認定を前にしてなお重大な懸念なしと明言されたという御判断が、将来の検証にも堪え得ることを切に願います。  次に、大臣の権限と責任についてお尋ねします。  厚労省の医薬品等健康危機管理実施要領では、因果関係が不明で情報が不確実な場合でも、最悪の事態を想定して安全対策を講じること、状況によっては審議会を待たずに中止、回収などの措置を決定し得ることが明記されています。薬機法及び同要領の第八条でも大臣がとり得る措置が列挙されています。つまり、厚労省自身のルールによれば、因果関係が完全に証明されていなくても、情報に不確実性があっても、最悪の事態を想定して一時停止を含む安全対策を講じることができますし、場合によっては審議会を経ずにしても動けるのです。これが本当の危機管理ではないでしょうか。  そこで、伺います。メッセンジャーRNAワクチンをめぐる現在の状況はこの要領の示すところの最悪の事態を想定して検討すべき局面に該当するというお考えはないのでしょうか。もし該当するなら、大臣の御判断で一時停止や再評価を指示し得るのか、該当しない、あるいは指示し得ないというのならば、では、一体誰がどの基準で最終責任を負うのか、明確にお答えをください。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 御指摘の要領におきましては、因果関係が不明である場合又は入手した安全性情報が不確実なため健康被害の発生のおそれの有無が直ちに判断できない場合には、常に最悪の事態を想定して、安全対策の立案、実施に努めるものとするとされております。  厚労省といたしましては、医薬品等に関するあらゆる事案に対しましてこのような姿勢で臨んでいるところです。  新型コロナワクチンの安全性の評価につきましては、ついてもこうした姿勢で対応しており、審議会において医師等から報告される副反応疑い報告や様々な科学的知見に基づき評価している中、現時点では薬事承認の見直しや接種を中止するほどの重大な懸念は認められないと評価されているところであります。  予防接種の接種中止などの予防接種の適切な実施に必要な措置につきましては、予防接種法に基づいて厚生労働大臣が講ずることとなりますが、その措置に当たりましては、必要に応じて審議会の意見を聴くこととされております。審議会において重大な懸念が認められないと現在評価されておりますので、現時点で定期接種を中止する考えはございません。

岩本麻奈参政党

○岩本麻奈君 誰が判断して誰が止めるのかというお答えがよく分かりました。これは議事録に残ると思います。  時間がないので、すぐ次行きます。  さて、危機管理と直結する一点として、診療録の保存期間が原則五年とされている問題を重ねて伺います。前回も申し上げましたが、ここは極めて重要です。これは、来年二月以降、ワクチン接種者の診療録が、カルテがですね、順次廃棄されていくことを考えると、改めて確認せざるを得ません。  この問題はコロナワクチン被害の検証にとどまりません。心臓手術、脳神経外科手術、骨折のプレートや人工関節などの体内留置物、金属、薬剤等による重篤なアレルギー、そして自己免疫疾患、妊娠、分娩を含む周産期、こうした長期の経過を追って初めて安全性と転帰が見える医療行為の記録にとって、五年は明らかに短過ぎます。さらに、毎年受ける健康診断、がん検診等の結果のように、経年変化を追ってこそ価値が生まれるデータも、五年では変化そのものが追えず、予防医療も医療DXも成立しません。  そして、これはワクチンに限りません。多くの医薬品は今海外データで承認されますが、体格、薬物代謝、併用薬、食習慣、そして高齢化率が違えば、同じ用量、同じ推奨でも、効き方も副作用の出方も差が生じ得ます。だからこそ、国内の実データでの再評価が不可欠なのに、国内データを五年で捨てる制度のままでは安全性の担保という言葉が宙に浮きます。  このまま五年でカルテが廃棄されれば、ワクチンを含む多くの医療行為について、中長期安全性の評価も救済の因果関係の判断も、根拠となる記録が失われ、事実上不可能になります。これは単なる保存年数の話ではありません。医療DXとメディカルAIはデータが蓄積されて初めて価値を生みます。保存が五年で途切れれば、長期的な安全性の評価も、真のアウトカム分析も、費用対効果の検証もできません。つまり、日本は、検証できないイコール改善できない医療システムを制度として固定してしまうことになります。このAI時代にデータを捨てる国が競争力を持てるはずがありません。国民の命を守る危機管理のためにも、未来の医療の生産性のためにも、残す設計こそ医療DXの一丁目一番地です。  紙カルテの長期保存が物理的に難しい、個人情報が心配だというその懸念は承知しております。しかし、紙カルテであっても、診療録、検査結果等をPDF化、画像化して番号を整理し、匿名化、IDとひも付けて保存すれば、長期負担と漏えいリスクを抑えつつ長期保存が可能です。創薬を推進するなら、まず長期データを残す、残せないなら創薬推進は土台から成立しません。  そこで伺います。カルテ保存期間五年という現行ルールについて、電子カルテが全国稼働予定の二〇三〇年までの間は少なくとも延長し、その後は国のデータベース等で長期保存する、保管する方向で見直すお考えがありますでしょうか。あわせて、今申し上げたようなPDF化、番号管理等の現実的手法を前提に実装する御意思があるのか、端的にお答えください。

森光敬子厚生労働省医政局長

○政府参考人(森光敬子君) まず、診療録の保存期間につきましては、医師法等の規定において、罰則をもって保存期間を担保する期間として五年間としております。その上で、継続的な治療が医学的に必要と判断される場合にあっては、五年間の保存期間を超えても各医療機関において適切に保存されている状況であると考えております。  お尋ねの一律のルールとして診療録の保存年限を延長するということにつきましては、長期にわたって議員御指摘のようなメリットがあると考えられる一方で、個人情報としての厳格な取扱いが必要な情報の保存について、漏えいした場合のリスクや、保存が義務付けられるデータ量が増えることによって医療機関の負担が増えることなどにも配慮する必要がございまして、今後電子カルテの使用状況等も踏まえながら慎重に検討する必要があると考えておるところでございます。  PDFについても以上でございます。

岩本麻奈参政党

○岩本麻奈君 ありがとうございました。是非御検討をいただけると大変うれしいです。  最後に、攻めの予防医療と診療報酬の在り方についてお尋ねします。  私は、攻めの予防の本質とは、検査や薬を前倒しするだけではなく、むしろ医療に頼らない幸せな時間を国民にどれだけ増やせるのかだと考えております。  一方で、日本の医療費を膨張させている要因の一つは、有害性やコストがベネフィットを上回りかねない低価値医療、ローバリューケアが診療報酬上当たり前のメニューとして温存されていることです。  欧米でも、ウイルス性風邪に抗菌薬、軽い腰痛へのルーチン画像検査などが低価値医療として整理されてきたのと同じく、日本でも、バリウム検査、超早期の血液スクリーニング、腫瘍マーカーの慢性的実施、さらには高齢者のポリファーマシー、この辺は見直し対象になり得ると考えております。  医療DXでの全国レセプト、検査、処方、アウトカムを統合すれば、どの医療がどの層で入院、死亡、QOLに寄与したかを費用対効果も含めて可視化できます。その結果に基づき、低価値医療を診療報酬上整理し、浮いた財源と人材を在宅医療や緩和ケア、介護の処遇へ回す、これが現実的な改革と思います。  そこで伺います。このような低価値医療について認知されておりますでしょうか。将来的に、メディカルAIや医療DXなどを駆使して、できる限り増やしていくというお考えはありますでしょうか。

間隆一郎厚生労働省保険局長

○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。  いわゆる低価値医療、私ども、効果が乏しいエビデンスがあることが指摘されている医療と、こう呼んでおりますけれども、こういうものにつきましては、令和六年より始まった第四期医療費適正化計画において、その適正化を新たな目標として追加しています。具体的には、令和六年に、今委員からも御紹介ありましたけれども、急性気道感染症等に対する抗菌薬処方、この適正化を位置付けております。さらに、本日の医療保険部会におきまして、神経障害性疼痛を除いた腰痛症に対するプレガバリン処方の適正化を新たに付け加える方向で御議論をいただいております。  さらに、厚生労働科学研究や中医協の医療技術評価分科会における学会等への提案募集などを通じまして、エビデンス等を継続的に収集、分析していきたいというふうに思います。これを踏まえまして、効果が乏しいエビデンスがあることが指摘されている医療の適正化を推進してまいりたいと、このように考えております。

岩本麻奈参政党

○岩本麻奈君 お時間もなくなりました。是非その方向で進めていただければと思います。  今日はありがとうございました。

梅村みずほ参政党

○梅村みずほ君 参政党の梅村みずほです。よろしくお願いいたします。  今、イスラム教を信じるムスリムの方の土葬墓地を整備してほしいという要望が上がっております。本日は、我が国に今以上の土葬墓地は不要であるという主張とともに質問させていただきたいと思います。  まず、日本における埋葬時の火葬率並びに土葬事例の総数について、直近の数字を伺いたく思います。  加えまして、日本における土葬事例というのは、その多くが妊娠四か月以上の死産による、死胎と書きますね、死胎のタイはにくづき、胎児の胎でございますけれども、そういったものだと承知しております。土葬総数のうちの死産による死胎数も併せて教えてください。

大坪寛子厚生労働省健康・生活衛生局長

○政府参考人(大坪寛子君) 令和六年度における埋葬及び火葬の総数に占める火葬の割合、これは九九・九八%でございます。また、令和六年度における埋葬件数の総数が三百八十三件、そのうち、妊娠四か月以上の胎児、死胎の埋葬件数は二百七十五件でございます。

梅村みずほ参政党

○梅村みずほ君 御回答ありがとうございます。  火葬率九九・九八%、すなわち土葬率は〇・〇二%で、うち、聞いていますと数字が三百八十三分の二百七十五ですから、七割ほどは死産の事例だということで、実質、一般の方が思い浮かべる土葬は〇・〇〇数%であるということが言えるわけでございます。  日本では、かつて宗教上の理由から火葬が禁止されていた時代もございました。ほぼ一〇〇%土葬だった日本が、ほぼ一〇〇%火葬に移行した背景には、感染症蔓延などいろいろな歴史があったように思います。  そういった経験も踏まえて、昭和二十三年に制定された墓地埋葬法の存在も大きかったものと承知をしております。墓地埋葬法、略して墓埋法ですけれども、第一条にはこのようにございます。この法律は、墓地、納骨堂又は火葬場の管理及び埋葬等が、国民の宗教的感情に適合し、公衆衛生その他公共の福祉の見地から、支障なく行われることを目的とする。そして、今全国の自治体では、実質、原則土葬を禁止するというような内容の条例を制定しているものと存じ上げております。  日本は、湿度が高くて国土が狭い国であります。しかも、日本を襲う災害は毎年毎年激甚化、頻発化している現状にございます。土砂災害が、地面の例えば陥没であるとか、土砂災害であるとか地面の陥没、浸水であるとか津波、液状化などなど、災害というのは墓地でなくとも一般的にあらゆる土地においてダメージを与えるものでございます。そう考えれば、日本でもし土葬墓地が広がっていくと、大きな災害が起こったときに御遺体が露出するかもしれないという、そういった事態も考え得るのではないかと思います。  腐敗処理というものをしなくてはいけませんので、エンバーミングというんでしょうか、そういった技術者もこの土葬がほとんどない日本では余り行える方が多いとは存じ上げておりません。ただ、土葬が進んでいくと腐敗処理って必須でございますので、こういったエンバーミング技術者もこの労働力不足の中、増やしていかねばならないのではないかと考えます。  そこで、質問をさせていただきたいんですけれども、大臣にお尋ねします。今、外国人の方に配慮して土葬墓地を整備してほしいというような要望も出てきておりますけれども、むしろ日本の環境変化を鑑みれば、公衆衛生上より一層の土葬規制さえ必要と考えますが、いかがでしょうか。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 墓地埋葬法につきましては、埋葬等が、国民の宗教的感情に適合し、公衆衛生とその他公共の福祉の見地から、支障なく行われるということを目的にしているところであります。  これまで、埋葬による周辺環境への影響により公衆衛生上の問題が生じているとは把握しておりません。各自治体におきまして、公衆衛生上必要な規制が行われているものと考えております。  墓地の整備等につきましては、各自治体におきまして、地域の風習や住民が信仰している宗教の状況、墓地の候補地やその周辺環境、地域の実情を踏まえつつ、住民感情にも配慮いただきながら丁寧に検討、調整いただきたいと考えています。

梅村みずほ参政党

○梅村みずほ君 ありがとうございます。  今現在は、やはり各自治体の御努力もあって、公衆衛生上の問題は目下ないと思います。けれども、今後、土葬というものが広がっていくと、そういう問題が表出してくるかもしれないということを申し上げておきたいと思っております。  現在、地方においてムスリム用土葬墓地の整備を検討する動きが出始めておりまして、周辺住民から、地下水、農業用水などへの影響を懸念する声、あるいは、墓地が呼び水となってムスリムの方の集住を招いてしまうんではないかという御懸念など、様々な声が私どもの下にも届いております。  例えば、大分県は日出町長選挙ですとか、宮城県知事選挙におきましても、このムスリムの土葬問題というのが大変大きく取り上げられておりましたことは皆様も御承知なのではないかと存じます。こういったところからも多くの国民は今不安を抱いているのではないかと思っております。  さて、先週十八日には、大分県の自民党杵築市議会のメンバーの方から国に要望書が、厚生労働省に対してですね、提出されたと伺っております。以下四点、要望されていると伺っております。  国が宗教多様性に対応した墓地整備の基本方針を出してくださいというのが一点目。その次、国が土葬可能な墓地を確保、整備してほしいという御要望。次、三点目、水質、衛生等の影響を科学的に検証し、ガイドラインを作ってほしいというもの。そして最後は、墓地計画に際し、地域住民への理解促進を図ってほしい、地方支援を国の責任でやってほしいというものだというふうに報道で承知しているところでございます。  これ、やめていただきたいんですね。地方の方も苦しいと思います、御要望が上がってくるので。地方としては、法として土葬もできるよという立て付けになっているので、じゃ、やろうかとなったときに、その地方の裁量でできてしまうというところがあります。でも、住民の方からは不安の声、外国人の方からは、どうしても私たちは土葬をつくってもらわないといけないんだという御要望、板挟みになっているわけなんですよね。  我が国にはただでさえ財政的余裕も人的リソースもない中、この提出された要望書の内容に応えることはできないと考えます。むしろ、地方としてもお困りでしょうから、国としてこの際、土葬を原則禁止としてはいかがと考えますが、大臣、いかがでしょうか。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 先ほども申し上げましたけれども、墓地、埋葬におきましては、埋葬に市町村の許可が必要でありまして、墓地以外での埋葬が禁止されているほか、各自治体におきまして地域の実情に応じた必要な規制が行われるものと考えております。現在、土葬を禁止するということは考えておりません。

梅村みずほ参政党

○梅村みずほ君 では、お伺いしますけれども、その地方自治の裁量によってこの先どれだけ土葬墓地が拡大していったとしても、このムスリム用の土葬墓地というのが拡大していったとしても問題ないと国は考えているんでしょうか。大臣にお尋ねします。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) いずれにいたしましても、現在の法律につきましては先ほど申し上げました規定になっております。  当然、全ての法律、政策につきましては、様々な状況変化に応じてその法律についての検討をするということはあり得ると思いますが、現在のところは先ほど申し上げたとおりでございます。

梅村みずほ参政党

○梅村みずほ君 私、論語が好きなんですけど、人にして遠きおもんぱかりなければ必ず近き憂いありという言葉があるんですよ。やっぱり政治というのは、遠く遠く先々のことも考えて、今できること、今やらねばいけないことを考える必要があると思うんですよ。  今の大臣の御答弁というのは、大変辛辣な言葉で申し訳ないんですけれども、御発想が平和だなと思っております。今どんなことに国民が関心を寄せ、不安を抱いているのか、悠長にしている場合ではないということを申し添えたいと思います。  高市内閣は外国人政策きっちりおやりになると伺っておりますし、御期待も申し上げております。日本で人生を終えるんであれば、火葬か、あるいは高額の自己負担になるけれども国際遺体搬送であるというふうに入国の前にしっかりとお示しして、それに同意してくださった方が日本で根を下ろして活動、生活ができるというふうにする必要があると私は思っております。  さて、皆様にお配りしている参考資料なんですけれども、御覧いただけますでしょうか。  上皇陛下が天皇陛下でおありだった在位中、平成二十五年に宮内庁から出されたものでございまして、当時の天皇皇后両陛下の御喪儀の在り方について、御陵の簡素化という観点も含めて火葬によって行うことが望ましいという両陛下の御意向を示されているものです。  これは、天皇皇后両陛下のその当時のどのようなお気持ちによるものなのか、宮内庁にお尋ねします。

伊藤敬宮内庁長官官房審議官

○政府参考人(伊藤敬君) 平成二十五年に宮内庁が公表しました「今後の御陵及び御喪儀のあり方についての天皇皇后両陛下のお気持ち」におきましては、御質問のありました御火葬、火葬によって行うことが望ましいという当時の天皇皇后両陛下のお気持ちについて、御陵用地の制約の下で、火葬の場合は御陵の規模や形式をより弾力的に検討できるということ、今の社会では既に火葬が一般化していること、歴史的にも天皇皇后の葬送が土葬、火葬のどちらも行われてきたことからのお気持ちであるとしています。

梅村みずほ参政党

○梅村みずほ君 ありがとうございます。  今お答えいただいたとおりでございますし、火葬が一般化しているということであるとか、簡素に、あるいは人々の負担を軽減するのだというお気持ちが記されています。  今、宮内庁から御答弁いただいたところ以外にも、お配りした二枚のペーパーを御覧いただきますと、様々な言葉が並んでいますけれども、御在位の折の上皇上皇后両陛下の国民への寄り添い、深いお気持ちに触れることができるんですね。人々に過重な負担を課すことを望まない、従来の皇室のしきたりはできるだけこれを変えず、その中で今という時代の要請も入れて行動することを心掛けて、あるいは国民生活や環境への影響といった点に留意する必要があるなど記されておるわけでございます。  土葬を拡大させるということは、こうした陛下のお気持ちとは真逆の発想ではないかと私は考えますし、国民感情を鑑みても、日本国としても決してあってはならない考えだと思っておりますが、大臣、いかがでしょうか。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 今資料でお示しをいただきました天皇皇后両陛下当時のお気持ちというのは私も承知をしておりまして、今後の御陵及び御喪儀の在り方につきましての御意向を示されたものだと承知をしております。  なお、皇室における御葬送につきましては、皇室において適切に対応されるものと承知をしております。

梅村みずほ参政党

○梅村みずほ君 承知しているかどうか聞いているんじゃないんです。  これ、上皇上皇后両陛下が御在位のときに、これほどまでに国民のこと、我が国のことを考えてくださっているということがお示しになられているのに、私たちは押しの強い意見を諾々とのんでいかなくてはいけないんですか。  我が国の国民も、かなうのであれば土に返りたいと、日本の土に返りたいと土葬を望む人もいると思います。けれども、私たちは和をもって貴しとしますので、公衆衛生も重んじますので、火葬を選んでいるという実態があるんではないでしょうか。我が国は、郷に入りては郷に従えの国なんだということをはっきり言っていただかなければならないんですよ。  もちろん、適法に在留し、真面目に働いて日本社会の一員として我が国に貢献されているムスリムの方もたくさんいらっしゃることを当然存じ上げております。けれども、価値観や文化、正義は一般的な我々日本人の感覚と異なるところも当然あるわけなんですね。だからこそ、社会に受け入れる際には、良い影響もそうでない影響もあるということをちゃんと踏まえて、それはオーケーでこれはNGなんだという線引きを政治サイドがきっちりしなければ、地方も困っていくということを申し上げたいと思うんです。ムスリムの方とのこの既存社会との問題というのは、欧米で今何が起こっているのかということから学ばなきゃいけないんじゃないかと思います。  日本で人生を終えるなら、火葬か、高額の自己負担で国際遺体の搬送の上、母国でお願いしなければいけませんよということをやっぱり認識してもらいたいと先ほども申しましたけれども、それをやっぱり法律でもって、私たち国会議員たち政治側が態度を示す必要があると思います。  この質問、ちょっと通告していないんですけれども、最後に一言、大臣からもう一度いただけないでしょうか。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 法律を所管している立場から申し上げますと、先ほど来申し上げておりますとおり、あくまで自治事務と整理をされているものでありますので、地域の実情を踏まえつつ、御検討をそれぞれの自治体におきましてお願いをできればと考えています。

梅村みずほ参政党

○梅村みずほ君 今以上の土葬墓地は必要ありません。日本人ファーストの政治をよろしくお願い申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。

白川容子日本共産党

○白川容子君 日本共産党の白川容子です。  今日は生活保護について質問をしたいと思います。  二〇一三年からの生活保護基準引下げは憲法二十五条の生存権保障に違反するとして闘われた、いのちのとりで裁判で、最高裁は六月、引下げを取り消す判決を下しました。  厚労省は、専門委員会報告書を踏まえたとして、先週金曜日の二十一日、突然、最高裁判決への対応に関する専門委員会報告書等を踏まえた対応の方向性を公表しました。  その内容は、一つは、原告と原告以外を区別せず、二〇一三年の引下げ前に遡って全利用者に対して差額分を給付する一方、ゆがみ調整について追加給付しない、もう一つは、原告についてのみ特別給付金としてマイナス二・四九%減額分を追加給付するというものです。  いのちのとりで全国裁判アクションは、十一月二十一日、対応方針に対する声明で、高市総理大臣と上野厚労大臣は最高裁判決で違法判決判断を受けたことについておわびの意思を表明しているが、かかる対応策を強行すればおわびは口先だけのものだったことになると述べています。  原告が求めているのは、生活保護利用世帯に対する真の謝罪と、そして二〇一八年以降の基準への影響を含めた被害の完全回復による早期全面解決です。原告の願いに反するものであり、最高裁判決を軽んじる重大な内容だと言わざるを得ない、そういう認識は、大臣、あるのでしょうか。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 先般の最高裁判決におきましては、改定当時、デフレ調整に係る厚生労働大臣の判断として、生活扶助基準の水準と一般国民の生活水準との間に不均衡が生じているとしたことにつき、統計等の客観的な数値等との合理的関連性や専門的知見との整合性に欠けるところがあるとは言い難い、二分の一処理を含むゆがみ調整に係る厚生労働大臣の判断に、統計等の客観的な数値等との合理的関連性や専門的知見との整合性に欠けるところがあると言うことはできないと判示されたところであります。  一方で、デフレ調整について、審議会等による審議検討を経ずに、物価変動率のみを直接の指標として用いたことについて、専門的知見があるとは認められず、厚生労働大臣の判断の過程及び手続には過誤、欠落があったものとされたことを踏まえ、専門的知見に基づく客観的な検討を行っていただく観点から専門委員会を設置し、今般、報告書を取りまとめていただいたものであります。  厚生労働省といたしましては、専門委員会のこの報告書等を踏まえつつ政府としての方針を決定したところであり、最高裁判決の趣旨及び内容を踏まえたものであると考えています。

白川容子日本共産党

○白川容子君 判決を真摯に受け止めるという、そういう姿勢が全く大臣の答弁からは見られませんでした。  弁護団、小久保哲郎弁護士も、真摯なおわびは被害者が納得する被害回復策を伴うものでなければならない、こう述べています。おわびというのであれば、全面的な被害回復しかありません。高市首相、上野大臣の言葉はおわびですらありません。  最高裁判決は厚労大臣の判断に裁量権の範囲の逸脱と濫用があったと断じていますが、それはどの法律に違反しているとしているのか、条文とともにお答えください。

鹿沼均厚生労働省社会・援護局長

○政府参考人(鹿沼均君) お答えいたします。  最高裁判決におきましては、物価変動率のみを直接の指標とすることについて、基準部会等による審議経過を経ていないなど、その合理性を基礎付けるに足りる専門的知見があるとは認めないとした上で、物価変動率のみを直接の指標としてデフレ調整をすることとした点において、その厚生労働大臣の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があり、生活保護法三条及び八条二項に違反して違法というふうに判示されているものと承知しております。  また、委員の方から条文とともにというお話がございましたが、同法三条におきましては、この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならないと規定しており、同法八条二項については、生活保護の基準は、要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地域別その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであって、かつ、これを超えないものでなければならないと規定されていると、このように承知しております。

白川容子日本共産党

○白川容子君 つまり、政府が行った生活保護基準のこの違法引下げによって、十年以上にわたり、全ての生活保護利用者に憲法と生活保護法で保障された最低限度以下の生活を強いてきたというわけですね。その認識はありますか。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 平成二十五年当時の生活扶助基準の見直しにつきましては、まず、デフレ傾向の経済情勢を踏まえつつ、一方で、全国消費実態調査に基づく一般低所得者の消費実態がリーマン・ショックの影響等により極めて低い数値であったことを踏まえ、消費ではなく物価をベースにして、生活保護法第八条に基づく最低限度の生活需要を満たすものとして基準を策定したものであります。  当時の改定は、最高裁判決では、改定当時、生活扶助基準の水準と一般国民の生活水準との間に不均衡が生じていると判断したことについて違法とはされていない、また、国に対する国家賠償請求については棄却されているところ、その中で、物価変動率を指標とすること自体が直ちに許容されないものとは言えないとした上で、厚生労働大臣が職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然とデフレ調整に係る判断をしたと認め得るような事情があったとは認められないと判示されているところであります。  他方で、最高裁判決におきましては、デフレ調整に係る厚生労働大臣の判断の過程及び手続には過誤、欠落があったとされたことを踏まえ、今回、専門家による委員会において改めて再検討を行ったものであります。  具体的には、令和四年検証で新型コロナウイルス感染症の影響等を確認するに当たって用いられた分析方法といった最新の知見に基づき見直しを行い、その結果、デフレ調整で行ったマイナス四・七八%に相当する基準の改定率として、マイナス二・四九%、マイナス五・五四%、マイナス四・〇一%といった三つの案が示されたものであります。  こうした議論を踏まえ、厚生労働省として、総合的な判断としてマイナス二・四九%が適当であると考え、これに基づいて生活保護法第八条に基づく新たな水準を設定することとしたものであります。  平成二十五年改定当時に算出された生活扶助基準額は、現時点において最新の知見に基づいて算出される新たな水準と比較するとこれを下回るものであり、追加給付を行うこととなったことについて、生活保護行政を所管する厚生労働省として深く反省をし、国民の皆さんにおわびを申し上げるところであります。

白川容子日本共産党

○白川容子君 るる述べられましたけれども、そんなことは聞いていないわけなんですよ。  この憲法と生活保護法で保障された最低限度以下の生活を強いてきた、この認識があるのかどうかということを御答弁、再度お願いします。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 今回、最高裁判決を踏まえて、改めて現在の知見に基づいて審議、検討を行い、その結果として政府として追加給付を行うこととしたので、現時点から見れば、平成二十五年当時に算出された生活扶助基準額が現時点における知見に基づいて算出される新たな水準を下回るものであるということは御指摘のとおりだと考えております。  最高裁判決におきましては、最低限度の生活の需要を満たす水準ではなかったとはされてはいないものの、デフレ調整に係る判断の過程及び手続に過誤、欠落があったと指摘されたことに加えまして、追加給付を行う結果となったことにつきまして、厚生労働省として深く反省し、おわびを申し上げたところであります。

白川容子日本共産党

○白川容子君 人間の尊厳の源泉である健康であること、そして文化的であること、これが奪われたのです。このような憲法違反は決して許されるものではないと思います。  すなわち、健康で文化的な生活を維持できない、こういう状況に追いやられたという被害が当然発生したことになります。問題は、その被害にどう向き合うか、このことが問われているんだと思います。  もう一度言います。今までの基準が新たに作ったものよりも低かったわけです。最低額よりも低い金額で生きてきたということなんです。この深刻な被害の弁償をしなければならないのに、全額でなく値切ろうと、大臣、いうんですか。お答えください。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 専門委員会の報告書におきましても、ゆがみ調整については、判決で違法とされておらず、制度全体の合理性、公平性確保の観点から全ての対象者に再実施が可能、高さ調整については、原告、原告以外共に、生活保護法第八条第二項に基づき再設定することが適当などとされたことを踏まえて対応させていただきました。

白川容子日本共産党

○白川容子君 処分が取り消された以上、国は一円も欠けることなく全ての生活保護利用者に完全な補償をするべきです。被害を受けたのは原告だけではありません。原告と原告以外を区別する理由はどこにもありません。  更に言えば、生活保護基準の引下げは、就学援助など四十七もの制度について影響を及ぼしました。これによる被害額は把握をしていますか。影響を受けた制度は今後どうするのか、お尋ねをいたします。

鹿沼均厚生労働省社会・援護局長

○政府参考人(鹿沼均君) 社会保障の各種制度は創設や改廃が度々行われるため、生活扶助基準の改定が影響し得る他制度及びその影響については改定の時期によって異なるものではございますけれども、平成二十五年改定当時の対応としては、まず一つは、個人住民税の非課税限度額等、こういったもののほか、生活扶助基準等を参考にしている主な国の制度である三十四制度、さらには地方単独制度である三制度、こういったもの等について、改定の影響ができる限り及ばないよう、関係府省及び地方自治体と連携しながら対応を行ったところでございます。  先般の最高裁判決を踏まえた今後の対応については、今月十八日に取りまとめられた専門委員会の報告書において、今般の最高裁判決を踏まえた対応においても、生活保護と同様の給付を行っている制度、具体的に言えば、中国残留邦人等に対する支援給付、また国立ハンセン病療養所等入所者家族生活援護費、さらにはハンセン病療養所の非入所者給与金、この三制度については生活保護と同様の対応を取ることが適当である。一方で、給付の内容自体が生活保護と連動していない制度については、平成二十五年当時の改定時もできる限り影響が及ばないようにして対応した経緯ですとか、また、追加給付について新たな基準の制定に基づく現在時点の給付として行うことを踏まえて対応することが適当とされたことを踏まえまして、関係省庁と連携して適切に対応していきたい、このように考えております。

白川容子日本共産党

○白川容子君 本来受けられていたはずの支援が受けられずに、今困っている人がたくさん存在するんです。深刻な事態ですよ。全ての当事者への全額補償、早急に行うことを強く要望いたします。  専門委員会は、訴訟で断罪された厚生労働省の主導で設置されたものです。原告らからのヒアリングや原告らからの意見書の配付はあったものの、専門委員会でそれらについて主題とする議論はあったんでしょうか。お答えください。

鹿沼均厚生労働省社会・援護局長

○政府参考人(鹿沼均君) まず、専門委員会におきましては、もう開催されて早々ですけれども、本年八月二十九日に開催された第二回の専門委員会において、原告関係者に対するヒアリングが実施され、各出席者から説明のあった内容について委員との間で意見交換が行われたというふうに承知しております。  その後においても、原告団の皆様方から専門委員会に対して提出された意見書等につきましては、委員長と相談の上、必要に応じて専門委員会の参考資料として配付、公表しておりまして、それらも踏まえた議論が行われたものというふうに承知をしております。

白川容子日本共産党

○白川容子君 被害を受けた側の意見書を議論もせずに、傍聴さえもさせなかった。そして、最低限度の生活をと口では言いながらも、その認識さえないことのこれは表れではないでしょうか。このような過ちは二度と起こしてはならず、まずやるべきは原因究明のための検証です。  しかし、司法軽視も甚だしい国に検証を委ねるわけにはいきません。被害を受けてきた原告関係者、原告や弁護士なども加わった第三者委員会のような場を設けるべきではありませんか。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 厚労省といたしましては、まずは、追加給付の支給事務など決定した対応方針に基づいて必要な対処を迅速に行うことを最優先として進めていきたいと考えております。  その上で、専門委員会の報告書におきまして、今後の改定手続において同様の問題が生じないよう、特にこれまでと異なる判断を行う場合には、厚生労働省において、専門的知見に基づく生活保護基準部会等における検討を経て適切な改定を行うよう特段の留意を求めると指摘されたことを重く受け止め、今後の改定等については十分それに留意してまいりたいと考えています。

白川容子日本共産党

○白川容子君 実態を是非見てほしいんです。  原告の声を紹介します。  ある女性の原告は、意見陳述で、月に二百円、三百円の保護費引下げが生活にどれだけ影響するのか、厚労省の偉い人には想像もできないでしょうと言っています。この方、七月の猛暑の中、草引きに出て、その後自宅で熱中症で倒れ、町内会の方の対応で一命を取り留めました。草引きに出ない家は負担金を出さなければなりません。私にとっては大金だとおっしゃっていました。そして、不幸事があっても香典を出せず、県外の姉が亡くなったときも、お金がなくて来られないだろうと、知らせてももらえませんでした。姉にはかわいがってもらっていたのでショックでしたともおっしゃっています。  始末に始末を重ねても、月末には手元に数十円しか残らず、空腹でも百円のおにぎり一個すら買えなかった、原告の方から私が直接お聞きした声です。  この実態を聞いて、人間らしい生活を送っていると言い切れますか。大臣、お答えください。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 原告の皆様からは、専門委員会におけるヒアリングなどを通じまして、生活の実態を含め様々な御意見をいただいていると事務方からも報告を受けておりまして、私も重く受け止めたいと思います。  その上で、今回の最高裁判決を受けた今後の対応につきましては、これまで答弁をさせていただいたとおりでございますが、原告の皆さんを含めた生活保護受給者の方々に御理解をいただけるようにしっかりと説明をしてまいりたいと考えています。

白川容子日本共産党

○白川容子君 今、この健康で文化的な生活水準、これを認められていないという、そういう現状では、幾らいろいろと良い答弁を今しても、できるはずがないのではないかということを申し上げておきたいと思うんです。  そして、政府は更に、二〇一三年、史上最高の引下げをしました。そして、更に二〇一八年、生活扶助の基準の見直しを行いました。  最大の問題点は、一般低所得世帯、所得が最も少ない一〇%の層に合わせて生活扶助の基準を均衡させるという考え方です。一般低所得者層に均衡させるというこの水準が、まさに先ほど述べたような実態を招いてきているのではないですか。お答えください。

鹿沼均厚生労働省社会・援護局長

○政府参考人(鹿沼均君) 生活保護制度につきましては、憲法第二十五条に規定する理念に基づきまして、先生からも度々言われておりますけれども、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とするものでございます。  こうした目的の下、生活扶助基準は、一般低所得世帯の消費実態との均衡が適切に図られるよう、五年に一度の頻度で社会保障審議会生活保護基準部会において検証を行うというふうにされております。  これまでの検証におきましては、生活扶助基準と一般低所得世帯の消費実態を比較検証する際、年収第一・十分位の世帯と比較することを基本としつつ、年収第一・十分位が比較対象として適切か、適切かの判断に当たって中位所得層の消費に比べて低所得層の消費が相対的に減少し格差が拡大していないか等を併せて確認しているところであり、引き続き適切な水準となるよう対応していきたい、このように考えています。

白川容子日本共産党

○白川容子君 最後に一問だけお聞きをしますけれども、今回、この十一月二十一日に発表されました経済対策ですね、この中に生活困窮者等への支援体制の強化という項目があります。これには訴訟被害者への補償が含まれているんでしょうか。含まれているとすれば、額、決定しているのか、お答えください。

鹿沼均厚生労働省社会・援護局長

○政府参考人(鹿沼均君) お答えいたします。  先生のおっしゃられたのは、多分項目の部分だと思いますが、先般公表されました経済対策では、生活困窮者等への地域における支援体制の強化という項目の中で、その中の本文中に、二〇一三年から実施した生活扶助基準改定に関する最高裁判決への対応について、専門委員会における審議結果等も踏まえつつ、適切に実施するというふうにされているところでございます。  具体的な金額については現在まさに精査中という段階でございますので、今の時点でのお答えはちょっと難しいということでございます。

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 時間が参っております。

白川容子日本共産党

○白川容子君 終わりますね。  被害への補償がなぜ経済対策に含まれるのか、そのことのもう理解に苦しみます。こういうところにこそ反省のなさ、政府の反省のなさ、そして、この姿勢に真摯なところが本当に全く見られないことがうかがえるのではないかというふうに思っておりますので、このことを最後に強調いたしまして、質問を終わります。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 代読します。  れいわ新選組の天畠大輔です。  かつて、ハンセン病への差別から、憲法違反の隔離法廷が九十五件も開かれました。その一つで、冤罪事件でもある菊池事件について、十一月十四日の予算委員会で取り上げました。高市総理も最高裁も、元患者と御家族に明白に謝罪しました。当たり前のことではありますが、高く評価します。菊池事件が再審開始されることを私は信じて疑いません。  そこで、本日は厚労省に質問します。  まず、菊池事件の概要です。  資料一。一九五一年、村役場職員の家にダイナマイトが投げ込まれ、Fさんが逮捕されました。当時は、差別的ならい予防法の下、地域ぐるみで患者を見付け、通報、強制収容が全国でありました。被害者は過去にFさんを熊本県に通報していたため、恨みによる犯行だと警察は見込み捜査。裁判はハンセン病療養所の中で行われ、懲役十年。まともな審議も弁護もない、傍聴人もゼロ。その後、Fさんが逃走中、その被害者が殺されました。裁判はまたも隔離法廷。裁判官や検察官はゴム手袋をはめ、調書をめくるのに箸を使用、人間扱いではありません。Fさんは無実を主張しましたが、死刑判決、執行がされました。  資料二。この菊池事件の隔離法廷について、熊本地裁は二〇二〇年、違憲判決を出し、確定しました。そして、来年一月末までに熊本地裁は菊池事件の再審の可否を決めます。  さて、昭和二十八年九月十六日付けで旧厚生省が各ハンセン病療養所宛てに出した厚生事務次官通知があります。ここでは、入所者が外出できる例の一つとして、刑事訴訟法に基づく出頭が挙げられていました。しかし、最高裁判所は一律に隔離法廷の指定を継続していました。  旧厚生省はこのような隔離法廷の実態を把握していましたか。把握していたとしたら、それを受けて最高裁ないし各ハンセン病療養所長に対して再度の注意喚起あるいは意見書の提出を行いましたか。厚労省よりお願いします。

大坪寛子厚生労働省健康・生活衛生局長

○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。  平成二十八年の最高裁判所の調査報告書によりますと、当時の資料に、昭和二十六年に国立ハンセン病療養所で開廷されたいわゆる特別法廷、これに厚生省の職員が傍聴をしていたという記載があることは事実でございます。ただ、今御指摘の昭和二十八年の事務次官通知以降につきましては、当時の厚生省が特別法廷の実態を把握していたことを示す資料が確認できておりません。したがいまして、そのお尋ねの点につきましてお答えすることができておりません。  また、特別法廷の設置でありますけれど、一義的には最高裁判所が決定するものと承知をしておりまして、最高裁の決定事項について厚生省が積極的に意見をする立場にはなかったのではないかというふうに考えております。

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 旧厚生省の重大な職務怠慢です。代読お願いします。  先ほど挙げた昭和二十八年の事務次官通知では、入所者の外出制限の例外として、外出許可証明などの手続を明記しています。ですから、外出許可について把握しているはずの旧厚生省が、隔離法廷の実態を把握していなかったことなど考えられません。隔離法廷は最高裁の決定事項だったので旧厚生省は積極的に意見をする立場にはなかったなどという言い訳は、到底通用しません。時間の経過によって仮に資料による確認ができないにしても、結果として療養所における隔離法廷が見過ごされてきたことは厳然たる事実です。  旧厚生省は、入所者が隔離法廷にどのように出廷させられているのか実態把握すべきでしたし、その結果を踏まえ、少なくとも事務次官通知の再度徹底と開廷場所指定に関するそごについて、最高裁に対して注意喚起ないし意見書の提出を行うべきでした。  無らい県運動は、恐ろしい伝染病から地域を守るを至上命題に、都道府県が互いに競い合うことをあおって進められました。特に熊本県では、県下一千の全警察官を総動員してしらみ潰しに調べ上げると当時の九州日日新聞も報じています。さらに、菊池恵楓園園長の宮崎松記氏は、旧厚生省への意見書で匿名での通報を推奨しました。暗黒の収容体制です。無らい県運動における密告制度は、ハンセン病患者や家族を排除する加害者に地域住民を仕立て、差別を社会全体に広げました。それに対し、旧厚生省は歯止めの役割を何ら果たしませんでした。  国が総力を挙げて取り組んだこのような反人道的な政策を前にして、最高裁の隔離法廷設置を旧厚生省が無批判に追認していたことに間違いはありません。その責任を厚労大臣はどう受け止めますか。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 最高裁判所の調査報告書におきましては、過去に特別法廷の運用が行われたことは、遅くとも昭和三十五年以降については合理性を欠く差別的な取扱いであったことが疑われるとされているものと承知をしております。  ハンセン病問題に関する検証会議の報告書でも特別法廷について触れられているとおり、らい予防法による国の隔離政策により、ハンセン病元患者の皆様が人権上の制約を受けられたこと、ハンセン病に対する社会の厳しい差別、偏見を生じさせてしまったことについて、厚生労働大臣として真摯に反省し、深くおわびをするとともに、ハンセン病に対する偏見、差別の解消に向けて一層取組を進めてまいりたいと考えています。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 代読します。  今回の質疑に当たり、改めて先ほど挙げた昭和二十八年の事務次官通知を厚労省から取り寄せました。しかし、よく読むと、外出制限の例外を示す条文の番号が第十五条であるべきところ、第十三条になっているという記載ミスがありました。その旨指摘したところ、初めて気が付いたとのことでした。  発出から七十二年がたち、この間、総理談話や政府報告書の作成過程で何度も照会されてきたはずにもかかわらず、これが見過ごされてきたことは、厚労省の本問題に対する不誠実な対応の象徴と言わざるを得ず、看過できません。  単なる見過ごしとは言えないと考えますが、厚労省の受け止めはいかがですか。

大坪寛子厚生労働省健康・生活衛生局長

○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。  議員御指摘の転記誤りのありました通達集でございますが、これは、国立病院・療養所関係職員向けに、平成四年に国から、民間法人、当時の財団法人厚生共済会でありますが、によりまして発行された、通知を集めた通達集でございまして、当該法人の編さん過程において転記誤りがあったことは事実でございます。  国立病院・療養所関係職員等においても、その転記の誤りに気付かないまま今日に至ったということでございます。  繰り返しではございますが、この国立病院・療養所関係職員向けに発行されたごく限定的な通達集でありまして、通知の原本はもちろん正しい条名が記載はされているのでありますが、したがいまして、総理談話等々の制作に影響があったとは考えてはおりませんが、とはいいましても、こういった誤りが今後起きることがないよう細心の注意を払って努めてまいりたいと考えております。

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 レクに使われる通達集のミスが何と七十二年もほったらかしでした。おかしいと思いませんか。猛省を促します。代読お願いします。  次に、国立ハンセン病療養所の永続化について伺います。  大臣は、先日の所信表明で、ハンセン病に対する偏見、差別の解消にも全力で取り組みますと発言されました。とても力強く思います。  私は、議員になってから各地の療養所を訪ねています。今年九月には熊本県の菊池恵楓園にお邪魔しました。  資料三と四を御覧ください。黒川温泉宿泊拒否事件は、熊本県内のあるホテルが元患者、入所者の宿泊を拒否した事件です。入所者自治会は抗議し、ホテル側が謝罪に訪れましたが、トップの責任を曖昧にする謝罪だったため、自治会は受け入れませんでした。そのことが大きく報道された結果、全国から自治会へ誹謗中傷の手紙やはがきが約百二十通届き、約百五十件の電話が掛かってきたのです。偏見とか差別とか言うのは的外れだといったむき出しの言葉の暴力でした。入所者は、それらの手紙やはがきをまとめ、差別文書綴りという冊子にしました。歴史資料館にはこの冊子と誹謗中傷の封書の現物が展示してあります。  菊池恵楓園は、これ以外にも、龍田寮事件、菊池事件、そして最近では旧日本陸軍による薬剤虹波の投与実験により副作用を伴う死亡例が確認されていたことを明らかにするなど、たくさんの課題を抱えてこられました。  その背景には何があるのか、自治会の太田明会長代行に聞いたところ、我々が差別、偏見を見過ごさず、その都度提起してきたからとおっしゃっていました。目を背け、口をつぐみたくなる差別、偏見を直視し、世に問い、後世のために資料として残す、この一連の身を削るような活動を当事者の方々が行ってきました。しかし、二〇二五年の今、入所者の平均年齢は八十八・九歳。既に自治会活動が停止しているところもあります。  全国ハンセン病療養所入所者協議会の事務局長を務めた藤崎陸安さんは生前、知らないことは良くないけれど、知ろうとしないことは罪だという言葉を残しました。当事者が残してきた出来事、資料を私たちが引き継ぎ、伝えていくために、立法や行政の立場から何ができるでしょうか。  一つは、国による強制隔離の過ちを後世に伝え、いまだ社会に残る差別、偏見を克服するため、納骨堂や歴史的建造物、歴史資料館といった個別の施設を残すだけではなく、療養所の敷地全体を基本的に国の管理で残すことだと思います。  一口に国立のハンセン病療養所といっても、その立地やそこでの当事者の方々の経験は様々です。フェリーでないと行けない香川県の大島青松園。静岡県の駿河療養所に到達するには山肌の一本道しかなく、公共交通機関はありません。思ったより急な坂が多く、手押し車椅子では歩いて回れずに、自動車で見て回ったところもありました。  一口に強制隔離といっても、具体的にどんな場所に隔離されていたのか、そこでどんな生活をしていたのか、その空間が残っていることで一人一人の姿が浮かびました。  そこで、大臣に伺います。  個別の施設を残すだけではなく、療養所の敷地全体を基本的に国の管理で残すことが重要と考えますが、御見解はいかがですか。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) いわゆる療養所の永続化につきましては、国の誤った隔離政策の歴史を後世に伝え、偏見、差別を解消していくため、厚生労働省としてもしっかり検討していかなければならない重要な論点だと考えています。  各療養所は、島であったり山間部であったり都市部であったり、様々な場所に立地をしておりますし、敷地も広大である場合が多いことから、療養所が所在する地域ごとに敷地の活用の仕方や要望事項も異なってくるのではないかと考えております。  このため、厚生労働省としては、療養所の所在するまず地元での議論がしっかり進むように、入所者自治会、療養所及び地元の自治体等が意見交換できる環境づくりを行っているところであります。こうした場で関係者の御意向を踏まえつつ、ハンセン病訴訟の統一交渉団との意見交換も重ねることによりまして、療養所の永続化に関する議論を進めていきたいと考えています。

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 であれば、大臣、差別、偏見の解消をハンセン病問題基本法に明記すべきではないですか。代読お願いします。  現在のハンセン病問題基本法には、基本理念の第三条に何人もハンセン病元患者や家族への差別をしてはならないとあり、十八条には元患者や家族の名誉回復、追悼が掲げられています。  しかし、今大臣の御答弁にもあったように、ハンセン病療養所を国が永続化させることの目的は、元患者や御家族の被害や名誉の回復、追悼はもちろんのこと、国の誤った隔離政策の歴史を後世に伝え、差別、偏見を克服することですから、基本理念として書き込むべきです。  通告なしですが、大臣に伺います。  差別、偏見の克服をハンセン病問題基本法の基本理念として明記すべきではないですか。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 重要な御指摘だと思いますが、先ほども申し上げましたとおり、その永続化の方法等につきましては、まずは療養所の所在する地元での議論を是非行っていただきたいと思っておりますし、また、統一交渉団との議論もその中で進めさせていただき、それも進めていきたいと考えているところであります。  そうした意見交換を重ねることによりまして、療養所の永続化の方法であったり、あるいは法改正が必要かどうか、これも含めまして議論を進めていきたいと考えています。

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしております。お待ちください。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 差別、偏見の克服と永続化に対する国の責務を書き込む必要があると思います。法改正のため、与野党垣根を越えた議論を議員の皆さんに呼びかけます。代読お願いします。  現在のハンセン病問題基本法は、入所者が減っても確実に十分な医療や福祉を受けられるよう、国や地方自治体に責務を課しています。しかし、入所者の高齢化がますます進んだ現在、入所者がいなくなられた後の在り方を見据える必要があります。誤った隔離政策の歴史を後世に伝え、差別、偏見を克服するため、国には療養所を永続化させる責務があるといった内容を盛り込むべきではないでしょうか。  ハンセン病問題基本法は議員立法です。当事者や国賠訴訟の弁護団など、支援者からは、この基本法改正に向けて臨時国会中にハンセン病問題の議員懇談会プロジェクトチームを再開するよう要請が来ていますが、現在まで実現していません。議員の皆さんに法改正の議論を始めるよう呼びかけたいと思います。  最後に、永続化に当たっての視点を一つ示したいと思います。  全国の各園にある社会交流会館、歴史資料館の学芸員は、その地域のハンセン病問題に関する専門知識、資料収集や保全、常に変化する社会に合わせた展示や発信、調査研究も行います。どう考えても、長い目で見て安定した職場環境が必要だと思います。  そこで、厚労省に伺います。  現在、これらの学芸員が国立ハンセン病資料館運営委託先からの派遣という形を取っている理由を御説明ください。また、学芸員が単年度契約の不安定な身分のまま関わっていることに対する問題意識を教えてください。

大坪寛子厚生労働省健康・生活衛生局長

○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。  国立ハンセン病資料館につきましては、ハンセン病問題基本法に基づき設置をされております。ハンセン病に対する正しい知識の普及啓発等を目的として、民間活用による運営業務に関する民間ノウハウ、これを導入するため、厚生労働省所管の他の資料館等と同様、運営業務に関する委託を行っております。  各療養所が運営しております社会交流会館につきましても、ハンセン病に対する正しい知識の普及啓発等を行うことが極めて重要でありますことから、国立ハンセン病資料館の運営委託事業の一環として社会交流会館へ学芸員の派遣を行っております。  また、お尋ねのありました学芸員の雇用契約でありますが、これまで単年度契約でございましたが、現在の委託先事業者に変わってから五年が経過していることもあり、更新を重ねて五年を経過した方につきましては、期間の定めのない労働契約へ転換することが可能となったところであります。多くの学芸員の皆様が期間の定めのない労働契約へ転換する見込みであると考えておりますので、議員御指摘の問題は今後解消していくのではないかというふうに考えております。  引き続き、委託先と連携し、学芸員の皆様の雇用の安定に努めてまいりたいと思っております。

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 いやいや、解消しません。  大臣、永続化のためには安定した雇用が必要だと思いませんか。大臣の言葉でお答えください。是非検討してください。

上野賢一郎自由民主党・無所属の会厚生労働大臣

○国務大臣(上野賢一郎君) 委員御指摘のとおり、安定的な職場環境を確保することはとても大切であります。先ほど局長から答弁ありましたが、私どもとして、どういう対応ができるかということは十分考えていきたいと思います。

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしております。お待ちください。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 ありがとうございます。是非検討をお願いします。代読お願いします。  まとめます。  永続化の議論は待ったなしです。政府ももっと本腰を入れるべきです。御答弁にあった、五年更新した人が期間の定めのない労働契約に転換するのは、労働法制上そうなっているからであり、当然です。厚労省には、安定した運営体制、安定した雇用という意識がまだ足りない。今後もっと強くその認識を持っていただきたいと求め、質疑を終わります。

小川克巳自由民主党

○委員長(小川克巳君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時十八分散会

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