法務委員会 第3号
- 発言数
- 217 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2025/11/21
会議録
○階委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、更生保護制度の充実を図るための保護司法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として総務省大臣官房地域力創造審議官恩田馨君、法務省大臣官房政策立案総括審議官村松秀樹君及び法務省保護局長吉川崇君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○階委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○階委員長 次に、お諮りいたします。 本日、最高裁判所事務総局刑事局長平城文啓君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○階委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○階委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申出がありますので、順次これを許します。高見康裕君。
○高見委員 おはようございます。自由民主党の高見康裕です。 まず初めに、今この瞬間も、犯罪や非行に走った人と向き合い、立ち直りを支援するという尊い役割を果たされている全国の保護司の皆様に心からの感謝を申し上げます。 人は必ず立ち直れる、寄り添ってくれる人がいるならばというのは全国保護司連盟の谷垣禎一理事長の言葉でありますが、保護司という存在がいかに尊いものであるか、端的に表している言葉だと思っています。 また、私は、二〇二三年に東京で初めて開かれましたASEAN・G7司法大臣会合で、法務大臣政務官として日本の保護司制度、保護司についてPRをしましたが、更生のプロセスをボランティアの人材が担っているということに、各国の代表団の皆様からは、一様に驚きと尊敬を持って受け止められました。保護司制度が世界に誇るべき日本の宝であるということを身をもって感じました。 一方、保護司制度は様々な課題も抱えています。今般の改正案は持続可能な保護司制度のために必要なものだと考えていますが、課題解決の一助となればと願い、質問させていただきます。 まず、保護司の面接場所の確保についてであります。 昨年の五月に、滋賀県大津市で保護司が自宅で保護観察対象者に殺害されるという痛ましい事件がありました。自宅以外の面接場所の確保が喫緊の課題だと考えます。 かつては、自宅の家庭的な雰囲気の中で対象者と面接をしたいという保護司の方も多かったと聞きますけれども、今は保護司の意識も、また御家族の意識も大きく変わっています。 事件後の調査では、現状、七〇%の人が、保護司の方が自宅又は対象者の自宅で面接をしていますが、その中の七一%の方が、できることならば更生保護サポートセンターあるいは公民館などで面接をしたいというふうに答えています。 問題は面接場所の数だけではありません。仕事をしている保護司あるいは対象者が面接をするということになると、平日の夜間あるいは土日が中心となります。しかし、こうした時間帯にはサポートセンターや公民館が使うことができないというケースも多く、この点も解決しなければ利用が広がっていきません。 改正案では、保護司の活動環境の整備というものを新たに国の責務というふうに位置づけています。ここが重要なポイントでありまして、やはり、保護司会の皆様に自力で探してくださいというのでは限界があると考えています。 そこで、法務省、保護観察所がより主体的に、積極的に自治体に協力を働きかけるべきだと考えますが、保護局の考えを伺います。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 御指摘のとおり、保護司の負担軽減や安全確保等の観点から、自宅以外の保護司の面接場所の選択肢を増やすことが重要です。 保護司の面接場所の確保については、更生保護サポートセンターに加え、公民館等の身近な公的施設を利用できるよう、保護観察所から地方公共団体に対し協力を働きかけ、その結果、令和六年十二月一日時点で七千百八か所、半年前から約千八百か所増えておりますが、このような公的施設が面接場所として利用可能となっております。 本法案におきましては、保護司及び保護司会等に対する地方公共団体の協力を一層促進するための規定の整備が盛り込まれておりますが、これが成立した際には、夜間や休日に利用が可能なものを含めた面接場所の確保に向け、より一層地方公共団体との協議を進めてまいりたいと考えております。
○高見委員 ありがとうございます。 自治体に関しても今回位置づけが変わりまして、保護司の活動に必要な協力をすることができるという規定から努力義務に変わることになります。 そこで、総務省からも自治体への働きかけを更に強化していただきたいと考えますが、お考えを伺います。
○恩田政府参考人 お答えいたします。 保護司の活動には地域の理解と協力が不可欠であり、地域の実情に応じて、地方自治体と連携協力することは大変重要であると認識しておるところでございます。 保護司の面接場所の確保につきましては、令和三年及び令和六年に、地方自治体に対しまして協力を求める文書を法務省と連名で発出しているところでございます。 今回の保護司法改正法案の趣旨を踏まえ、保護司の面接場所の確保を含めまして、地方公共団体と保護司の連携がより図られるよう、引き続き法務省と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
○高見委員 ありがとうございます。 法務省、総務省が連携をして、事件後既に二千か所ぐらい増やしていただいている、このことに感謝申し上げます。今回の法改正を機に、更に前に進むように、また土日、夜間も含めて努力をしていただきますよう、よろしくお願いします。 次に、持続可能な保護司制度のためには、保護司の金銭的負担の軽減も必要です。保護司には実費弁償金というものが予算措置されていますけれども、正直に言って、全く十分ではないと思っています。 保護司の方々にいろいろ話を聞きました。活動に必要な備品、これは当然国が用意すべきものだと思いますが、これを保護司会費から払っていたり、あるいは、年度の後半になるとこの予算が底をついてしまって、自腹で負担をしたり、こういうのが実情だということです。 各地区の保護司会長に対する法務省のアンケートでも、六四・五%の人が、保護司の方が国に求めることの一番として、予算措置の充実を求めています。 さらに、大津の事件を受けまして、国は、保護司を複数配置するということを増やしていくこととしております。そうなると、必要な予算は更に増えることが確実だと思っています。保護司の持ち出しに甘えている現状というのは早急に改善しなければ、是正しなければならないと考えます。 そこで、保護司の実費弁償金の拡充についてお考えを伺います。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 御指摘のとおり、保護司活動に要した費用については、国から保護司実費弁償金を支給しています。 しかし、保護司の負担について、令和六年十月に取りまとめられた保護司制度の検討会の報告書でも、保護司活動に伴い金銭的な持ち出しがあることが指摘され、今後講ずるべき施策として、保護司実費弁償金の充実によりその軽減を図るべきとの事項が盛り込まれています。 保護司の経済的負担の軽減は、幅広い世代から多様な保護司を確保していくためにも重要な課題であると考えております。 近年、保護司会が運営する更生保護サポートセンターの運営経費等の国費による支弁の充実や、更生保護サポートセンター以外の面接場所として貸し会議室を借りた場合の実費を弁償するための経費の確保など、保護司の経済的負担の要因となり得るものについて国費を支弁できるよう、取組を進めてきたところでございます。 さらに、令和八年度概算要求においては、保護司が関係機関と連携活動をした際に支給する保護司実費弁償金を充実させること、保護司複数指名制をより積極的に活用するための保護司実費弁償金を充実させることなども盛り込んでおります。 法務省におきましては、引き続き、保護司の皆様の御意見も伺いながら、保護司の負担の軽減に努めてまいります。
○高見委員 今、吉川局長が、幅広い世代から保護司を確保することが重要だというふうにおっしゃいました。まさに、そのとおりだと思っています。保護観察対象者、犯罪、非行に走った人のバックグラウンドも多様であります。その向き合う保護司の皆様も、やはり多様なバックグラウンドを持った方がなるべきだと私は思っています。 保護司の確保のためには、現役世代の保護司の方が活動しやすい環境整備ということが欠かせないというふうに思っています。 現状、保護司の四人に一人が、会社員など、働いている人たちです。ただ、課題がありまして、そのうち五七・四%の方が、保護司活動に対する自らの勤務先、会社の配慮がないというふうに答えています。このままでは安心して現役世代の方が保護司をやってみようという環境にはならないので、ここも改善しなければならないと考えています。 そこで、例えば保護司活動に関する休暇、ボランティア休暇のようなものを導入する企業を増やしていくということや、そもそも、この保護司活動で、仕事の合間にもいろいろな相談を受けたりしなければなりません。こういうことを相談しやすいような企業風土といいますか雰囲気、こうしたものを醸成していくことが必要だと考えますけれども、この点について法務省の考えを伺います。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘の、現役世代の保護司の方に仕事と両立しながら保護司活動に従事していただくためには、保護司活動に対する企業等の事業主からの理解や配慮を促進していく必要があると考えております。 本法案では、企業等の事業主が、その使用する従業員等が保護司の職務を円滑かつ効果的に行うことができるよう、必要な措置を講じるように努めるべき旨を定めることとしております。 この規定を踏まえ、保護観察所等から従業員が保護司である事業主に対し、従業員が保護司の職務を行うために利用することができるボランティア休暇を認めてもらうことや勤務時間を柔軟化してもらうことなど、勤務条件に関する措置について協力を依頼してまいることとしております。 加えまして、従業員の保護司活動に理解、協力していただいている事業主を地域社会の安全、安心に貢献している事業主として表彰などするなど、好事例を見える化し、理解や協力を促進してまいります。 現役世代が仕事をしながらでも保護司活動を長く継続していただけるように、これらの取組を含め、環境整備に努めてまいります。
○高見委員 是非よろしくお願いいたします。 次に、少し視点を変えまして、矯正から保護、そして就職までの切れ目のない支援についてであります。 再犯防止ということが真に効果を上げていくためには、刑務所に入っているときから、その後の保護観察期間、そして定職に就くまで、さらには職に就いた後のフォローも含めてでありますけれども、切れ目なく支援をしていくということが極めて重要だと考えています。 保護観察の手を離れる前に隙間なく居場所を用意するということが何よりのポイントだと思っておりまして、ここに隙間ができてしまったら、また誘惑に負けて再犯の道に進んでしまうおそれがあるというふうに考えています。 そこで、保護観察対象者が定職に就いて、またその後もきちんと働き続けることができるために、協力雇用主などとも連携をして、就職支援、その後の支援も重要だと思っていますけれども、法務省の取組を伺います。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 刑務所出所者等の就労につきましては、その前歴等を承知の上で雇用や指導してくださる協力雇用主の方々に大変な御尽力をいただいております。 法務省では、協力雇用主の方々と連携した就労支援策として、保護観察所が行う就労支援に加えて、更生保護就労支援事業を全国二十八か所で実施しております。この事業は、刑務所出所者等に対する就労支援のノウハウを有する民間の事業者に委託して、支援対象者の希望や適性に応じた協力雇用主とのマッチングや、就労後のフォローアップとして、支援対象者と協力雇用主双方へのきめ細やかな寄り添い型の支援を実施していただくものであって、出所後の早期の安定した就労先の確保と、その後の就労継続を促進するものでございます。 法務省といたしましては、今後とも、保護観察所が中心となって更生保護就労支援事業を積極的に運用し、また、協力雇用主の方々との連携を更に密にして、刑務所出所者等の就労先の確保と就労継続の支援に努めてまいります。
○高見委員 ありがとうございました。 今日御質問させていただいた点、法務省並びに総務省の皆様、ますます御尽力いただきますことをお願い申し上げますとともに、私自身も持続可能な保護司活動のために全力を尽くしてまいるということをお約束申し上げて、質問を終わります。 ありがとうございました。
○階委員長 次に、篠田奈保子君。
○篠田委員 立憲民主党・無所属の篠田奈保子です。 まず、滋賀県大津市において保護司の方が対象者に殺害された事案につき、心よりお悔やみを申し上げます。 また、全国各地で活動いただいております保護司の皆様、そしてまた、更生保護の諸活動に従事されている皆様に感謝を申し上げます。 今回の質疑に先立ち、地元の釧路地区保護司会、更生サポートセンターや更生保護法人釧路慈徳会の視察、ヒアリングなども実施をさせていただきました。地元の皆様の協力にも感謝を申し上げます。 私は、弁護士として、多くの国選弁護事件や少年非行事件を担当してまいりました。弁護士としての関わりには当然限界があり、事件が終わった後に、どうしているのかな、元気にしているんだろうか、気になることも多くございます。再犯を犯して、再度警察署から私を指名して呼んでいただく、そんな被疑者もおりまして、憤りながらも再度励ましたりしているところでございますし、政治家として街頭活動をしているときに偶然にお会いをして、先生頑張っているねと逆に励まされたりすることもありまして、そんなときはとてもうれしい思いになります。 犯罪や非行をした方々を地域社会で受け入れて、立ち直りを支援し、地域の安心、安全を守る、このことは国の最大の使命でございます。今回の法案がそれをより強化するものになることを願い、質疑をさせていただきます。 まず、保護司の確保についてでございます。 統計によりますと、令和七年において、保護司の七八%が六十歳以上でございます。平均年齢が年々上昇傾向にあります。特例再任保護司として七十八歳になる前日まで再任が可能になったり、今般、新任時の上限年齢を撤廃したり、任期が三年に延長されたりしておりまして、保護司の確保のためには高齢化やむなしのような形に思えます。この傾向をよしと考えているのでしょうか。 やはり、少年保護事件などを担当していると、もうデジタルネイティブの少年たち、家庭環境も社会環境も大きく変わっている。やはり、そこに寄り添うにはなかなか限界もあり、多様なニーズに対応できるために多様な方々に担い手となっていただく必要があるのかというふうに思っております。そのための具体策をお示しください。
○吉川政府参考人 お答えします。 委員御指摘のとおり、保護司の高齢化が進んでいることを踏まえ、幅広い世代から多様な保護司の担い手を確保することが重要と考えております。 本法案では、保護観察所の長の責務として、地方公共団体等の協力を得て、保護司適任者の確保に資するよう努めるべきことなどを規定しており、その具体策として、保護司活動についての各種の説明会の実施、地方公共団体の広報誌等を通じた保護司活動の紹介や募集、SNSなど様々な媒体を通じた広報などの施策をより戦略的に推進していくこととしております。 また、いわゆる現役世代の保護司を確保するため、本法律案では、保護司を従業員として雇用する企業等の事業主が、保護司の活動のための休暇を取得しやすい環境等を整備することに努めるべきものとする規定を盛り込んでおります。 今後は、これらを踏まえ、企業等の保護司活動への理解を促進するとともに、保護司の活動のために利用することができるボランティア休暇を認めていただくことなどについて積極的に働きかけてまいりたいと思っております。
○篠田委員 御答弁ありがとうございます。 子供たちに保護司と言うと、何だろうという子供たちも多分大勢いらっしゃると思うんですね。是非学校の現場などでも、保護司の仕事について子供たちに知っていただくような活動も展開をしていただければと思います。 次の質問に移ります。 全国に八百八十三、ちょっと数字が間違っていたら御指摘ください、保護区があって、その保護区ごとに保護司会が組織をされて、更生保護の諸活動の拠点として更生保護サポートセンターが設置をされております。このセンターの運営は保護司会として行われて、ボランティアでの個々の保護司活動に加えて、このセンターの運営も任務として担うということで、これはなかなか、かなりの負担になっているのではないのかなというふうに思います。 このセンターの賃料や光熱費、運営費などはどのように賄われているのでしょうか。また、センターに常駐する保護司の方々の労務費はどのように賄われているのか。法改正でセンターが法定化されるということでございますけれども、今後どのように予算が変化をするのか、お答えをいただければと思います。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 更生保護サポートセンターの運営に要する経費については、保護司実費弁償金として一か所当たり約三十万円を上限に支給するとともに、事務所借料を負担している場合には、その実費を支給しております。また、更生保護サポートセンターに常駐いただく企画調整保護司には、一日当たり四千九百円を支給しております。 本法案では、更生保護サポートセンターを法定化することとしておりますので、その円滑な運営に向けた支援の一層の充実に努めてまいります。
○篠田委員 一か所三十万円が上限ということですけれども、十二で割ってみてください。一か月二万五千円ですよね。これでセンターを運営してくださいと皆さん任されたら、いかがお感じになるでしょうか。 そしてまた、常駐する企画調整保護司の方の、一日当たり四千九百円ということで、これについても、上限というか、予算の範囲で限りがあるというようなお話を現場で伺いました。そうなりますと、常駐する曜日や日時を限定することになってしまわないか、必要に応じて企画調整保護司が対応する形で、労務費が出ない形で従事している実態があるのではないのかなというふうに思います。その実態を法務省として把握をしていらっしゃるのでしょうか。それに対する対策、予算の枠を増やすなど、講じる用意がありますでしょうか。お答えください。
○吉川政府参考人 御指摘の企画調整保護司は、更生保護サポートセンターに配置され、その運営等に係る事務に従事していただいており、当該事務に従事していた日数等に応じ、保護司実費弁償金を支給しています。 企画調整保護司の配置日数は、更生保護サポートセンターごとに、保護司実費弁償金の予算の範囲内で、保護司会の規模等を踏まえて定める運用としていますが、各保護司会のニーズ等により配置日数を増やすという要望があることは法務省としても承知しております。 更生保護サポートセンターは保護司活動の拠点として重要な機能を果たしていることから、保護司会のニーズ等を踏まえつつ、企画調整保護司に関する保護司実費弁償金について必要な予算の確保に努めてまいります。
○篠田委員 是非、各保護司会の皆さんの要望に沿った予算の獲得、予算枠の増などをお願いしたいと思います。 先ほど高見委員からもございましたけれども、大津の事件を受けて、保護司の安全確保のため、自宅外での面接を他所で行う運用と今後切り替わるということでございますけれども、自宅で面接をするなどのことでなければ、遠方に車で移動する、ガソリン代がかかるですとか、時間がかかるですとか、やはり、保護司の方々の安全確保といいながらも、保護司の方々の負担が増大をする方向に行くことは間違いがないかと思います。 先ほども御答弁ありましたけれども、保護司実費弁償金をしっかりと増額をするということが必要であると思っております。この点について、改めて簡潔に御答弁をお願いいたします。
○吉川政府参考人 お答えします。 保護司の安全確保策として、保護司の自宅以外の面接場所の確保を進めているところですが、面接場所によっては、その利用に当たり借料などの費用負担が発生する場合があるものと承知しています。 このような面接場所借料が発生した場合に対応するため、保護司実費弁償金として当該借料を支給するための予算措置を講じてきたところでありますが、引き続き、自宅以外の面接場所を利用することに伴う保護司の負担軽減に努めてまいります。
○篠田委員 このように、保護司の方々は、経済的な負担もある程度負いながら、ボランティアで活動をされております。その社会的役割の重要性は皆が認識していることだろうというふうに思っております。 この制度が本改正により本当に真に持続可能なものになるのかどうか、無償ボランティアから有償への道筋をやはりここでつけるべきではないかと私などは考えておりますが、ここで法務大臣の御見解を伺います。
○平口国務大臣 保護司の皆様の活動は、安全で安心な地域社会を維持していくためになくてはならないものでございます。 法務省では、これまでも、保護司の適任者確保や活動環境の改善、安全確保のための様々な運用上の取組を進めてまいりました。その上で、本法案は、法改正によらなければ対応できない事項や施策を更に推進するために必要な事項を盛り込んだものでございます。今般の改正事項とこれまでの運用上の取組を併せて、保護司制度が将来にわたって持続可能なものとなるよう、一層尽力してまいりたいと考えております。 また、御指摘の有償化については、持続可能な保護司制度の確立に向けた検討会での御議論を踏まえ、今回の改正では報酬制導入を見送りましたが、保護司の待遇の在り方については引き続き検討していくべき課題と考えております。 今回の法改正はゴールではなく、今後も保護司の方々の声に耳を傾け、社会情勢等も踏まえながら、継続的に検討を行っていく必要があると考えております。
○篠田委員 前向きな御答弁をいただいたと受け止めたいというふうに思います。今後も、保護司の皆さんからの様々なお声、是非聴取をいただきたいと思います。 それでは、ちょっと視点を変えまして、更生保護施設の運営について御質問をさせていただきます。 現在、更生保護施設は百二施設あり、百一の法人が運営をしているとお聞きをいたしました。ほとんどが更生保護法人でございます。 先般、地元の釧路市の更生保護法人釧路慈徳会を訪問をしまして、現状や課題についてお話をお聞きをしてまいりました。 創立大正六年、釧路仏教各宗協和会を組織して事業を発足したのが始まりということで、収容人数男性二十名で、職員六名、調理二名で、日曜日を除き、手作りで三食の温かい食事が提供され、個室が提供されております。 今般、運営状況について、全国の収支を事務方の方々に急ぎ作成をいただき、皆様に配付をさせていただきました。委員の皆様におかれましては、御地元にある施設を御確認をいただきまして、その収支を是非確認してください。 令和五年度の数値でございます。令和五年度から更に米の価格が上がって、物価高で更に厳しい収支に令和七年度はなっていることが想定をされます。可能であれば、是非御訪問をして、現在の状況をお聞きして、法務省に声を届けていただければと思います。 私が訪問した釧路慈徳会の収支は上から五番目、約八百七十万円の赤字となっております。減価償却費が含まれた数字であり、それを差し引くと、令和五年度は五百五十万円の赤字だったということでございました。 令和六年度は収容率が若干上がり六六・五%となり、減価償却費を含め三百三十万の赤字、減価償却費を含まない実質的な赤字は何とか十一万円にすることができたというお話も伺いました。 釧路保護観察所内の更生保護施設は四か所でありますが、全て赤字です。これらの赤字の対策を協議するために、四つの更生保護法人で運営協議会をつくり、対策を協議しているとのことで、本当に現場ででき得る限りの努力を尽くしているのだなということが分かりました。 特に、地方の施設の赤字が深刻であります。運営はほとんどが委託費によるものでございまして、一日一人当たり幾らの委託費で運営をしています。当然、このようなシステムでございますので、収容率が低ければ運営は大変厳しくなる。収容率が低くても固定的な人件費、光熱費などはかかりますので、更なる物価高により今後赤字が拡大することが懸念をされます。 やはり、この状態を打開するためには、委託費を大幅に増額をするか、固定的な運営費と委託費を峻別して予算づけするなどの何らかの対応、対策が必要ではないかと考えるところでございます。この点に関しまして、いかがお考えでしょうか。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 更生保護施設は、地域における犯罪をした者等の自立支援の中核的な担い手としての役割を果たしていただいていて、施設の安定的な運営は再犯防止のために非常に重要であると認識しております。 更生保護委託費は、国が更生保護施設に対し被保護者の宿泊保護等を委託した場合に支弁される仕組みとなっており、主に宿泊費又は食事付宿泊費、そして委託事務費から構成されております。 宿泊費は、宿泊に必要な備品及び消耗品等を供与するために必要な経費を、食事付宿泊費については、これに加えて、食事の提供のために必要な経費を支弁するものでございまして、令和八年度概算要求におきましては、近時の物価高騰等の影響を踏まえ、宿泊費及び食事付宿泊費の単価増に係る経費を要求しております。 また、委託事務費は、更生保護施設職員の人件費及び一般的な事務の処理等に必要な物件費でございまして、国家公務員の給与に準じるなどして単価を算出し、都度都度改定しております。 更生保護委託費の支弁につきましては、更生保護施設があくまで民間の法人によって運営されていることに鑑みて、委託の有無にかかわらず、固定費を支払うということはしておりません。委託事務費の中に人件費を含めた運営経費を計上して、それによって更生保護施設の運営を支えているという構造でございます。 法務省としては、更生保護施設の安定的な運営に必要な更生保護委託費の確保に向けて努めてまいりたいと思っております。
○篠田委員 御答弁ありがとうございます。 確かに、民間の法人が行っていることでありますけれども、行っていることはある意味公的な性質の大変強いところというところで、もっとしっかりとした予算づけが必要なのではと御指摘をさせていただきます。 財政的に厳しい中で、現場の方々が必死の努力をしております。収容者の中には、高齢者や障害者、精神疾患を持った方などの多様な入所者がおります。医療的ケア、福祉的ケアの役割を関係機関と連携しながら行っております。 釧路慈徳会の施設長さんからは、経費節減のために、削減のために、食事を外部委託したり、暖房費を節約したりすることもできなくはないけれども、やはり暖かいところでおなかいっぱい温かい食事を食べてもらいたい、調理員との交流により人の温かさを感じてもらいたい、だから、そういった経費削減は考えたくないんだというお声をいただいてまいりました。現場の方々の思いを受けて、法改正を契機に、是非委託費の大幅アップに向けて、法務省の皆さんには予算獲得に御尽力をいただきたいというふうに思います。 次に、令和五年三月十七日、第二次再犯防止計画が閣議決定をされました。再犯防止は、国民が安心、安全に暮らせる社会を構築する上で大きな課題でございます。 今回、法務委員会では不法滞在者ゼロプランが議論され、そこに法務省の予算と人の集中がなされているように感じられますが、残念ながら、刑法犯検挙者の約半数は再犯者の状況です。犯罪や非行を犯した方々への支援の充実こそ国民の安心と安全に資するものであり、更生保護制度の充実こそ必要であると思っております。 先ほど来御指摘をさせていただいたとおり保護司は依然としてボランティアのまま、更生保護施設は先ほど指摘したとおり赤字経営で今後の存続が危うい、何か全てが民間の善意に頼り過ぎているのではないか。予算規模も不十分でございます。国民の安心、安全の確保のため、更生保護制度にこそしっかりとした予算づけが必要です。是非、法務大臣に前向きな、積極的な御答弁をいただきたいと思います。
○平口国務大臣 委員御指摘のとおり、更生保護制度の充実は再犯防止に不可欠でありまして、とりわけ、保護司や更生保護施設の民間協力者と協力して、地域における息の長い支援の充実強化を図ることが重要であると考えております。 更生保護制度に関する令和八年度概算要求については、前年度比約十七億六千八百万円増となる三百二億三千二百万円を計上しております。 法務省としては、今後とも、民間協力者と協働した更生保護の取組を適正かつ円滑に実施していくために、必要な経費の確保に努めてまいりたいと考えております。
○篠田委員 十七億アップということですけれども、今の物価高の状況を考えますと、この数字は、同じことをしていてもあっという間に吹っ飛んでしまうような、そんな予算規模かなというふうに思いますので、そのことも御考慮いただきまして、もっと力強く予算獲得に向けて進めていただきたいと思います。 最後に、更生保護行政のデジタル化についてお伺いをいたします。 大臣挨拶において、更生保護行政のデジタル化についても、スピード感を持って進めますという一文がございました。これについては、具体的にどのような取組を行うのか、また、取り扱われる情報はどのようなものであり、その情報はどことどのように共有をされるのか、お答えをいただけますか。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 更生保護行政のデジタル化につきましては、保護観察処遇の充実、そして保護司活動の負担軽減等の観点から、その推進を図っていくこととしております。 具体的には、まず保護観察処遇の充実に関するデジタル化として、アセスメントの充実など、更なる効果的な処遇を実施するためのデータの利活用、保護観察官が関係機関や民間協力者等との文書の発受をオンラインで行えるようにするなどの業務の効率化を進めることとしております。 また、保護司活動の負担に向けた保護司活動のデジタル化につきましては、保護司が保護観察所に提出する各種報告書の作成及び送付などをオンラインで行うことを可能とする保護司専用ホームページを令和三年度から運用しております。今後は、協力雇用主、更生保護施設を含む民間協力者等についても、保護観察所等との間での情報共有や必要な手続をオンラインで行えるよう、機能の充実を図っていきたいと考えております。 これらの取組において取り扱う情報には、保護観察対象者等の氏名、住所、罪名等の個人情報が含まれておりますが、保護観察所との間で必要な情報に限り、関係機関や保護司を含む民間協力者等と共有することになります。
○篠田委員 御説明いただいたとおり、更生保護に関する情報というのは、本人の前科前歴、その内容や、その対象者の家族に関する情報、知能の程度や高齢、障害などの程度など、本当に個人のプライバシーに関わるものが多くあるということが想定をされております。 保護司制度や更生保護法人、これは民間でございまして、民間との協働が大切という趣旨は理解をされるものの、その民間の皆さんとこういった高度にセンシティブな情報をオンラインでやり取りするということについては、漏えいのリスク等が本当にないのかどうか、そこは大変不安に思うところでございます。 一度漏えいしてしまうと、デジタルタトゥーとしてそれが一生つきまとい、対象者の更生の道を閉ざしてしまうというような大きな大きな事象にもなりかねませんので、この辺のリスクヘッジ、どのようなことをなされているのか、最後にお伺いをいたします。
○吉川政府参考人 御指摘のとおり、更生保護で取り扱う情報には、保護観察対象者等の氏名、住所、罪名等の個人情報が含まれますので、更生保護行政のデジタル化を推進するに当たっては、情報セキュリティーの対策が極めて重要であると認識しております。 情報セキュリティーの確保策といたしましては、例えば、情報漏えい防止の観点から、保護司専用ホームページで共有される保護観察対象者等の情報が、保護司の端末に保存されず、印刷もできない仕組みとするなどの対策を現在も講じております。 そして、今後、機能を拡充するに当たりましては、更なる情報セキュリティーの確保のための措置、例えば、ログイン時の本人認証手続を強化し、成り済まし等を防止するなどを講じることとしております。加えて、民間協力者等に対して研修を実施するなどして、個人情報の取扱いや情報セキュリティーに関する知識を身につけていただくことにより、情報セキュリティーの確保に万全を期すこととしております。
○篠田委員 様々に技術革新なども進んでおりまして、今の情報セキュリティー対策が必ずしも盤石というわけではないと思いますので、引き続き、セキュリティー対策をお願いを申し上げます。 最後に、多くの全国で活躍されている保護司の皆さん、そして更生保護施設で働く皆さんを全力で支えていくことをお約束を申し上げ、そしてまた、委員各位におかれましても、全国の保護司の皆さん、そして更生保護施設の皆さんを支えていただくことをお願いを申し上げまして、私の質疑を終えたいと思います。 大変ありがとうございました。
○階委員長 次に、藤原規眞君。
○藤原委員 立憲民主党・無所属の藤原規眞です。 平成二十八年に全国で四万七千九百三十九名を数えた保護司登録者は、令和七年、保護観察対象者のケース担当を持てない特例再任を除いた人数は四万四千七十人であって、約十年間で三千八百六十九人減少しています。これは資料一に掲げたとおりであります。 保護司の年齢別登録者を見ると、昭和五十年代から六十年代は、五十九歳以下の保護司の先生方が占める割合は約四五%、しかし、令和七年では、六十代以下の保護司は約二二%と半減しております。六十歳以上が約七八%と、明らかに高齢化が進んでいます。これは資料二に挙げたとおりです。 以上のデータを御覧になって、保護司の先生方の高齢化が進んでいること、担い手の確保が急務であること、特に若い保護司の先生方の担い手が確保されていないという状況、これを大臣は認識されていますか。そして、どのように対応しようとされていますでしょうか。
○平口国務大臣 御指摘の点は認識をしているつもりでございます。 保護司の皆様の活動は、安全で安心な地域社会を維持していくためにはなくてはならないものでございます。保護司制度を将来にわたり持続可能なものとして確立していくことは、法務大臣として取り組むべき重要な課題であるというふうに認識しております。 近年、社会環境の変化等に伴いまして、保護司の担い手の確保が年々困難となり、また高齢化も進んでおります。私自身、常日頃から、こうした状況に対応するため、保護司の方々の活動環境の整備などを進めるべきと考えていたところでございます。 本法案は、こうした状況に対応するため、保護司の適任者確保や活動環境の改善、安全確保に関する法整備を行うものでございます。今般の改正事項と運用面での取組も併せて、幅広い世代かつ多様な方々に保護司になっていただけますよう、また、保護司の皆様が安全に、安心して活動していただけるよう尽力してまいりたいと考えております。
○藤原委員 更生保護制度の充実を図るための保護司法等の一部を改正する法律案では、例えば、社会的信望という言葉を削除して、若い人でも保護司の委嘱を受けやすくしています。その意味で、多様性の確保、あるいは任期を長くするなどとして保護司の先生の確保に努めているわけですけれども、これらのみでは実効的とは言えないというふうに考えるんですね。別に、社会的信望を削除したから一気に裾野が広がるとか、そんな安直なことではないと思います。 例えば、本法律案における保護司の先生方の活動環境の改善において、活動に対して地方公共団体が必要な協力に努めなければならないというふうに記していることとか、あるいは、事業主が保護司の職務を行うための休暇を取得しやすい環境の整備等に努めなければならないということを環境改善の一環として掲げています。そのこと自体は、現役世代、要は若い人材確保に尽力しているという評価もできるとは思います。 しかし、こうした環境改善は、役所とか大企業、一定以上の規模の会社に勤めている者を対象にしか考えていないんじゃないですかね。保護司の先生方で現役世代の方というのは自営業者の方が多いわけです。なので、さきに掲げた改善のみでは人材を確保できるか疑問なんですけれども、そこら辺を法務省はどのように考えていらっしゃるでしょうか。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 御指摘のとおり、本法律案では、事業主が環境の整備等の措置を講じることに努めなければならないとの規定を置くこととしておりますが、そのような規定の整備のみならず、法改正を踏まえたその後の働きかけが非常に重要だと考えております。 例えば、保護観察所から保護司を従業員として雇用している企業等の事業主に対し、直接、従業員が保護司の職務を行うために利用することができるボランティア休暇を認めてもらうよう働きかけることや、勤務時間の柔軟化など、勤務条件に関する措置について協力を依頼していくこととしております。また、従業員の保護司活動に理解、協力している事業主を地域社会の安全、安心に貢献している事業主として表彰するなど、好事例を見える化し、理解や協力を促進してまいります。 こうした取組は、従業員の多寡や企業等の規模にかかわらず、積極的に実施していくこととしており、これらを通じ、幅広い世代から多様な保護司の担い手を確保できるよう努めてまいります。
○藤原委員 本来的な保護司活動以外の犯罪予防活動、いわゆる社会を明るくする運動ですね、これらを始めとする地域啓発活動等に保護司の先生方が時間が取られているという現状があります。とりわけ現役世代の保護司の先生方にとっては、プライベートな時間を大幅に削ってしまうという大きな負担となっている。それが現役世代における委嘱のハードルになってしまっているというふうに考えられます。 具体的には、はっぴを着て遊園地や野球場の出入口でティッシュを配ったり、ああいった活動、あるいはボウリング大会に出たりだとか、本来的な保護司の活動以外のことに相当時間を取られてしまっている。それがかなりの負担になっているというふうに言われています。 私は、保護司の活動について、現役世代と、あるいは退職された後の先生方で分けて考えることが一定有効だというふうに考えるんですね。すなわち、本来業務であるケース担当というのは可能な限り現役世代に担ってもらえるように整備をしていく。でも、先ほど言ったような、はっぴを着てティッシュを配ったりとかボウリング大会に出たりだとか、そういう社会を明るくする運動、犯罪予防活動などの活動は、退職された年代の先生方が中心に担っていただく方が現役世代の負担にならないというふうに考えるんですね。そこら辺はいかがでしょうか。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 保護司の職務を処遇活動と地域活動といった種類ごとに分担する試みにつきましては、考えられる一つの方策であろうと思います。保護司制度の検討会におきましても議論がなされまして、活動の効率化や保護司の負担軽減という面でメリットもあると指摘される意見もございました。 その一方で、保護観察を行うことによってこそ犯罪予防活動への意識、認識が深まるのであって、そういう担当制の導入は不適当という意見だとか、保護司は職務全般を経験し共有すべきである、あるいは保護司間で分断が生じる可能性があるのではないかといった否定的な意見が多くありましたことから、現時点での導入については慎重に考えております。
○藤原委員 では、今のお答えでは、例えばティッシュを配ったりボウリング大会に出たりすることも重要だから、そこは分けるべきではないという考えの方が多かったということですか。
○吉川政府参考人 ティッシュを配るという具体的な活動というよりも、地域に対する防犯活動、そういうことについても併せてやりながら保護観察をやるべきだという意見が多かったということでございます。
○藤原委員 さらに、ケース担当だけでよければ、例えば社会福祉士会とか精神保健福祉士協会などに推薦依頼をして、専門分野を有する保護司の先生を出してもらうという推薦システムをつくることも念頭に置くべきではないかと考えるんですけれども、こういった専門的な保護司というのは特定の保護区に所属せずに地区をまたいで活動できる方が効率的と考えるんですけれども、こうした試みというのは保護司の多様性の確保というのに資すると考えますけれども、これについて法務省はどのようにお考えでしょうか。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 御指摘の、社会福祉士等の職能団体に対し保護司候補者の推薦等を働きかけている例は現時点でも多いと承知しておりまして、そのような方々に保護司となっていただくことは非常に意義のあることだと思っております。そのため、引き続き、そのような団体も含めた地域の関係機関と連携しながら保護司適任者の確保に取り組んでまいります。 地区をまたいだ活動の適否等につきましては、御指摘のような保護司の方々が確保できた状況を踏まえて検討していく必要があるのではないかと思っております。
○藤原委員 じゃ、確保できれば、地区をまたいだ活動ということは前向きに検討するということでよろしいんですね。
○吉川政府参考人 もとより、保護司の方々の御意見も聞きながら検討していきたいと思っております。
○藤原委員 保護司の先生方というのは、法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員です。無償のボランティアです。いわゆる篤志家精神の持ち主が自分の時間を割いて、罪を犯してしまった人の更生を助けるために活動する。 無償のボランティアであるということについては、保護司の先生方、多くは異存がないというふうに考えられています。しかし、保護司であり続けるために、例えば、毎年保護司会に会費を納入しなければならない。このシステムは、一部で異存、異論があるというふうに伺っております。 このことは質問主意書でも確認しています。資料三になります。政府の答弁において、保護司会によって様々であり、年会費を徴収する必要があるか否かについて一概にお答えすることは困難という回答が来ました。いかにも現場の声に耳を傾けていない姿勢があらわになっていると言わざるを得ないと思うんですけれども、国はボランティアに依存し過ぎじゃないですかね。とりわけ罪を犯した人の更生というのは、保護司の先生方の善意のみに頼ることは無理があるというふうに考えています。 篤志的な無給の活動に従事する保護司から会費を徴収するというのは納得がいかないんですけれども、会費制を継続するよりも、保護司の先生方の負担を軽減するために、例えば保護司会組織の運営に向けた補助金を出すなど、そういったことは検討されていますか。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 保護司会の運営等に係る経費につきましては、保護司実費弁償金等の充実を図ることによりまして、国による支弁を進めているところでございます。 おっしゃるとおり、保護司会によっては会費を徴収しているところがありますが、その会費の使途等につきましては様々でございまして、一概にそれらについて全て国が支出すべきかどうかという点は検討しなければいけないと思っています。 そういう意味で、この法律が成立しました際には、保護司会等ともコミュニケーションを取りながら、会費の在り方、なぜ会費が必要なのか等も含めて、更に検討を進めていきたいと思っております。
○藤原委員 保護司の先生方は本当に立派な方ばかりで、一生懸命時間を使って、労力を使って、場合によってはお金も使う。その先生方の負担を本当に軽減するように努めていただきたいと思っています。 昨今、各種詐欺犯罪が多発しています。令和七年上半期の認知件数、被害額は、前年同期比で増加しています。認知件数も四七・五%増えている。被害額も一六二・一%増えている。これは毎年増えているわけです。これも国民の体感治安の悪化を招いていると考えるんですけれども、特殊詐欺に従事する者というのは大半が若い世代なんですね。こうした青少年の更生支援に御高齢の保護司の先生方が寄り添うというのは、おのずと限界、無理が来ると考えます。体力的な問題もありますし、ジェネレーションギャップもあります。あるいは、若者の非行の、副次文化の理解というのも難しいというふうに考えます。 令和五年の犯罪白書を見ると、全部実刑者の仮釈放者で五十歳以下は六一・五%です。一部執行猶予者も六九・三%ですね。保護観察つきの全部、一部執行猶予者も五十歳以下の割合が多いわけです。これに少年の保護観察、仮退院が加わるため、現役世代の保護司確保は本当に急務だというふうに考えます。 そうであれば、保護司の若返りと同時に、対象者の更生支援、保護司の先生方に対するサポート体制を充実するために、本職の若い保護観察官が対応する必要性というのを痛感するんですけれども、安心、安全な社会づくり、持続可能な保護司制度を考えたときに、現在、全国で約一千二百名と言われる保護観察官、これを増員すべきだというふうに考えるんですけれども、政府のお考えはいかがでしょうか。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 保護観察官は、社会内処遇に関する高い専門性を生かし、保護観察処遇等に当たっておりまして、また、保護司からの相談に応じるなどして保護司活動をサポートするとともに、その安全確保策を進めるに当たっても重要な役割を担っております。 令和八年度概算要求においては、保護司の安全確保等に向けた体制整備を図るため、保護観察所の保護観察官九十二人の増員を要求しております。昨年は三十五人増員が認められましたが、令和元年からずっと減員が続いておりました。増員基調に持っていき、その増員を確保していくよう努力したいと思っております。
○藤原委員 令和元年から減員傾向があったということで、九十二人の増員では十分ではないと考えますので、今後、更なる増員のための努力を求めたいというふうに思っています。 刑務所を出た出所者の皆さんを受け入れる施設、いわゆる更生保護施設ですね、国の予算不足を理由に、運営の危機に直面しています。 保護司の先生方や関係者の方から、再犯して刑務所に戻った方がいいと思う人も出てくるかもしれないという非常に切実な不安の声が上がっています。ちょっと、私自身も、弁護士として、ある宿泊型保護事業を伴う更生保護法人のボランティア相談をやってきたんですけれども、そこの理事さんや施設長さんも同じようなことを心配しておられます。 こういった不安の声、現場の声というのは法務省に届いていますか。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 更生保護委託費の不足が見込まれることに関しましては、更生保護施設を運営する多くの事業者等から御意見をいただいております。 また、本年十月三十一日には、全国更生保護法人連盟からも、当職、保護局長宛ての財源確保等に関する緊急要望もいただいております。
○藤原委員 それに本当に、真剣に耳を傾けていただきたいというふうに思います。 刑務所などを出た後再び事件を起こす方、その多くは、帰る家や仕事がない、要は寄る辺がないという問題を抱えている方が非常に多い、そんな状況です。そういった方を一時的に受け入れて、宿泊、食事、あるいは就職支援、これを提供するのが更生保護施設になっています。運営管理をされているのは保護司の先生方です。 ところが、施設の主な収入源である委託費について、これは資料四に掲げていますけれども、本年度末時点で二億六千万円以上の不足額が生じる見込みと。厳しい予算状況を踏まえ、当局において、当初予算内で委託するとして試算したところ、今月以降、被保護者一人当たりの平均委託日数を六十五・三日以内として委託する必要がある、食事付宿泊の委託日数は三十日としているという趣旨の、「更生保護委託費の一層厳格な執行管理について」と題した事務連絡が今年十月九日に法務省から発出されています。資料四ですね。 この発出された事務連絡の趣旨を伺いたいと思います。そもそも、八千九百万円も予算が減ったにもかかわらず、今年度に二億六千万円以上の不足額が生じる見込みと法務省自身が認めているわけです。これは一体全体どうなっているんだ。理由、事情はどういうものなんですかね。また、なぜ法務省がこれを予見できなかったんでしょうか。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 本年度当初予算における更生保護委託費は前年度までの委託件数の推移等を踏まえて計上されておりまして、法務省としては、本年度当初より、同予算について、個々の被保護者の状況に応じて必要な期間、必要な支援の委託をするということは維持しつつ、その範囲内で適切に執行するよう更生保護官署に指示してきたところです。 しかし、本年度の当初の見込みよりも保護を必要とする人の宿泊日数等が多くなり、委託費の執行額が増加した結果、本年八月末までの執行実績から単純計算すると、今年度末に二億六千万円の不足が生じる見込みとなった次第でございます。 そこで、あくまで予算の範囲内において、更生保護施設での保護を必要とする者を今後も可能な限り更生保護施設等に受け入れ、保護するために、個々の状況に応じ適切な期間と支援内容を定めて委託するよう、改めて更生保護官署に指示する文書を発出したというものでございます。 なぜ予見できなかったということでございますが、委託の実態なんですけれども、執行額は毎年かなりの増減があります。前年はやはり執行が伸びなかったということで、本年はその結果として減額となったということでございます。そういう意味で、その範囲内で適切に執行していく、その方針の下でこれまで運営してきたところでございます。
○藤原委員 これは見通しが大甘だったということですよね。この状況でいいと思っているんですか、この見通しの甘さで。
○吉川政府参考人 より一層、やはり現場の声を聞きながら、どういう形が適正なのか、それも見極めながらしっかりとした予算の確保をしていくべき、そのように考えております。
○藤原委員 補正なり予備費は考えていらっしゃいますか。
○吉川政府参考人 本年度に関しましては、年度を通じて適切な保護の委託を確実に行えるよう、現在、補正予算の活用を含め、様々な対応を検討しております。 その上で、これら対応については、時期を捉えて更生保護施設等に対し丁寧に説明を行ってまいります。
○藤原委員 補正に入っていますか。
○吉川政府参考人 補正予算の活用を含めて、今、検討を進めているところでございます。
○藤原委員 大臣、いかがですか。政治決断していただけませんか。
○平口国務大臣 まだ補正予算は検討中でございますので、明確なお答えはできないと思います。
○藤原委員 じゃ、大臣の決意を伺います。入れていただけませんか。
○平口国務大臣 事務方とよく相談して、検討したいと思います。
○藤原委員 冒頭に、大臣は、保護司の先生方が社会でいかに重要な役割を果たしているかということをとうとうとおっしゃっていました。政治決断していただけませんか、事務方と検討してじゃなくて、今この場で。
○平口国務大臣 順序がございますので、検討させていただきます。
○藤原委員 じゃ、順序は余り上の方じゃないということですか。要求すると言ってください。
○平口国務大臣 手順というものがあるものですから、検討させていただきたいと思います。
○藤原委員 では、指示をお願いします。いかがですか、指示する。
○平口国務大臣 そのことも含めて、検討したいと思います。
○藤原委員 大臣に余りやる気がないというふうに私には見えましたが、皆様、いかがでしょうか。 ある施設に話を聞きますと、本当に、食事つきの宿泊委託十五日、宿泊委託十五日で合計三十日の委託が来る、しかし、住民票の取得やスマホの取得に一週間要する、働き始めるのが二週間後としても、給料は翌月なので、二週間で食事が切れる、どうして食べていけばいいのか分からないという問題が生じると。こうなったら、委託に基づかない任意保護をするしかない。これは法人なり保護司さんの持ち出しです。これは寮生も不安を抱えていますという声が上がっています。 よく衣食住と言いますけれども、実際の刑務所出所者が立ち直るためには、衣食住の中でやはり住、住まいというのが極めて大事なんですね。住まいがないと、仕事も探せない、医療サービスも受けられない、何より足場がない。 現在、法務省の予算が足りないということから、更生保護寮の委託、執行管理が滞って、刑務所出所者の住と食、特に住ですね、これが危機に瀕している状況があります。当然、保護司の先生方の負担も大きくなっています。先ほど紹介しましたけれども、再犯して刑務所に戻った方がいいと思う人が出てくるかもしれないという関係者の危惧、不安、これはもっともな話なんですね。 令和五年三月に閣議決定された第二次再犯防止推進計画における七つの重点課題の一番目に、就労・住居の確保というのがあるんです。現状はこの重点課題に全く沿っていないんじゃないですかね。いかがでしょうか。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 今の現状におきましても、本来保護を必要とする期間より前に更生保護施設等を退所させることや、自立の準備が整わない段階でも一律に退所させることを意図するものではございませんで、更生保護施設退所後の支援を継続することを含め、就労、住居の確保による再犯防止を図ってまいりたいと考えている次第でございます。
○藤原委員 こうした事態を受けて政府に提出した質問主意書、これは資料五になりますけれども、これに対する答弁では、予算の範囲内において、当該保護観察対象者の保護の必要性に応じ、適切な内容及び期間の措置の委託を行っている、引き続き、適切に実施してまいりたいと回答を得ています。これは自画自賛ですね。 本当に、今が適切で、引き続き適切だというふうに考えておられるのか、甚だ疑問なんですけれども、令和五年度以降の更生保護委託費の推移についてどういうふうになっているのか、お答えいただきたいと思います。
○吉川政府参考人 お答えします。 更生保護委託費の当初予算額は、令和五年度が五十三億七千三百万円、令和六年度が五十三億九千三百万円、令和七年度が五十三億四百万円でございます。
○藤原委員 前述の更生保護施設の実態というのを見るに、先ほどの答弁書の回答とかなり乖離が見られるというふうに考えるんですね。いかなる工夫をもって適切に実施するのか、具体策をお答えいただきたいと思います。現場からは、この予算で乗り切れたら、来年度も同じままか、更に切り詰められるのではないかという不安の声が上がっています。来年度の予算で委託費は増額しますか。先ほどの問いと一緒にお答えください。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 本年度の予算につきましては、先ほど申し上げましたが、年度を通じ適切な保護の委託を確実に行えるよう、現在、大臣と御相談しながら、極めて積極的に、補正予算の活用を含め、様々な対応を検討しております。その上で、時機を捉えて更生保護施設に説明を行ってまいります。 また、令和八年度概算要求におきましては、近時の物価高騰等の影響を踏まえ、宿泊場所や食事の給与を委託する場合の委託費の単価増を含め、五十四億九千八百万円、本年度比二億二百万円増を計上しております。
○藤原委員 極めて積極的というのはなかなか聞き慣れない決意のお言葉なんですけれども、これはかなり前向きな取組をすると。 先ほど大臣はちょっと心もとない回答でしたけれども、本当に積極的にやるという理解でよろしいんですね。大臣、いかがですか。
○平口国務大臣 補正予算について事務方と協議すると発言いたしましたが、正しくは、補正予算を既に要求しておりますため、訂正させていただきたいと思います。
○藤原委員 いかがですか。正しいんですか、それで。極めて積極的にと。
○吉川政府参考人 大臣の御答弁のとおりでございます。
○藤原委員 国は、息の長い支援を目指す、息の長い支援という言葉を使われているんですね。今年六月には立ち直りを重視する拘禁刑が導入されたんですけれども、今回のように委託費を切り詰めても、息の長い支援がそもそもできるというふうにお考えですか。
○吉川政府参考人 更生保護施設等の保護の委託に当たりましては、個々の対象者の状況に応じ、必要な期間、必要な支援の委託をするとともに、早期の地域社会への移行を図っていくことが肝要でありまして、そのために必要な予算につきましては、今般の状況を踏まえつつ、現場の実態をしっかりと把握して、確保に努めてまいりたいと考えております。 その上で、退所後においても、対象者のニーズに応じた地域における様々な支援と、更生保護施設職員の訪問による支援等の重層的な支援を確保することとしていまして、これら取組によって息の長い支援を更に推進してまいります。
○階委員長 藤原君、そろそろです。
○藤原委員 はい。 重要性について、あるいは保護司の先生方の役割についての重要性については理解なさっていますけれども、大臣が予算を要求したかどうかもちょっとおぼつかない。もうちょっとこの問題について真剣に、積極的に臨んでいただきたいということをお願い申し上げて、終わります。
○階委員長 次に、三木圭恵君。
○三木委員 日本維新の会の三木圭恵でございます。 今日は、質問の機会を与えていただいて、ありがとうございます。 早速、質問の方に入らせていただきます。 二〇二四年五月に、大津市で、保護司の男性が担当する保護観察中の被保護者に殺害されるという非常に痛ましい事件が起きました。心より御冥福をお祈り申し上げます。 また、全国でボランティアとして被保護者の更生に向き合い、励まし、見守り、力になってくださっている保護司の皆様に感謝を申し上げます。 その上で、質問に入らせていただきます。 今回の法改正には、第十六条で国の責務、第十八条で地方公共団体の協力ということで、努力義務が新設をされました。そこで、具体的に、面談の場所を自宅から公共施設などへ移行し、保護司の方とその御家族に安心して活動してもらうということが主目的になっていると思うんですけれども、具体案をお伺いしたいのと、更生保護サポートセンターを法定化して保護司の活動環境を改善するとありますけれども、現在のサポートセンターは地域ごとの格差が大きくて、平日夜間や休日の利用が難しい面があると認識しております。法改正によってどのように改善されるのか、お伺いしたいというのと、第十六条で、国の責務ということなんですけれども、その条文の中には、「保護司への支援体制の整備その他の必要な措置を講ずるものとする。」とされております。支援体制の整備やその他の必要な措置とはどのようなものを指すのか、具体的にお伺いしたいということで、ちょっと何点かお伺いをしたいんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○平口国務大臣 お答えいたします。 更生保護サポートセンターについては、利用できる時間等を含め、その利便性を一層高めていくことが必要と考えております。 保護司の自宅以外の面接場所の確保については、更生保護サポートセンターに加え、公民館等の身近な公的施設を利用できるよう、地方公共団体に対し協力を働きかけ、その結果、令和六年十二月一日時点で七千百八か所の公的施設が利用可能となっております。また、令和六年度から、自宅以外の面接場所を利用した場合に要した費用について実費弁償金を支給できるものとしております。 御指摘の支援体制の整備やその他の必要な措置としては、保護観察官が更生保護サポートセンターに定期的に駐在するなどして保護司の相談に積極的に応じること、報告書提出や保護観察官との協議をオンラインでも行えるようにすることなど、保護司を支える環境整備を考えております。 保護司の活動をしっかりと支えていくために、引き続き、自宅以外の面接場所の確保や支援体制の整備に努めてまいりたいと考えております。 以上です。
○三木委員 いろいろと、この法改正の肝というのは、やはり自宅以外の場所で面談ができるようになっていくということがそうだと思うんです。 今、費用弁償の件も、公民館や公的施設を利用した際に費用がかかった場合は費用弁償も行っていくということで、保護観察官との連携強化も図っていくということだったんですけれども、保護司の費用弁償制度というものはありますが、全くのボランティアとして活動していただいていると言っても差し支えないぐらいの活動だと思うんです。それにもかかわらず、保護司会の会費などの出費や、面談の際にちょっとした外食代などの経費もかかるというふうに聞いております。また、事務手続の煩雑さについても負担になっているというふうにお伺いをしておりますので、政府として費用弁償の額を底上げするとか、そういった支援をするべきではないか。 また、今回、報酬制度の導入というのは見送られたわけですけれども、やはり、今後、次世代を担う保護司を確保するためには、若い方々がその知見を生かして、若い方とも交流をしながら、そういったいろいろな幅広い世代の方に保護司になっていただくためには、報酬制というものも検討していく、検討を続けていく必要があると思うのですが、御見解をお伺いいたします。
○吉川政府参考人 まず、御指摘の報酬制につきましては、保護司制度の検討会の報告書において、保護司の無償性は、利他の精神や人間愛に基づく地域社会における自発的な善意を象徴するものであり、なお堅持していくべき価値であることから、報酬制はなじまないとされました。この報告書は議論の積み重ねの結果であり、これを尊重させていただいたものです。 他方で、検討会の報告書には、少なくとも五年ごとに、保護司の待遇も含め、保護司制度の在り方やその維持発展のための方策等について検討することとの事項も盛り込まれておりまして、保護司に対する経済的な待遇につきましては、保護司の方々の意見や社会の情勢等も踏まえながら、今後も継続的に検討を行っていく必要があると考えております。 もとより、御指摘のとおり、保護司の経済的負担の軽減は重要な課題と認識しておりまして、引き続き、必要な経費の措置などにより、保護司会を含め、保護司の負担軽減に努めてまいります。 また、委員御指摘の事務手続の煩雑さにつきましては、保護司活動のデジタル化や事務手続の簡素化など、あるいは保護観察所による支援などを進めておりまして、引き続き、保護司の御意見を伺いながら取り組んでまいります。
○三木委員 ありがとうございます。 ただ、今後検討を進めていっていただくということなんですけれども、検討会の中で出た御意見というのは今現在のお務めになっていらっしゃる保護司の方の御意見ということだと思うんですね。今の保護司の方々というのは、資料にもあるように、高齢化が進んでいて、やはりなり手不足が、少ないということが示されておりますので、これから四十代、五十代の方々に保護司になっていただくために、やはり費用弁償だけではなくて報酬制ということもきっちりと考えて検討を進めていただくことを、これは要望とさせていただきますので、しっかりと検討を進めていただきたいというふうに思います。五年ごとではなくて、随時、不断に検討を進めていただきたいということを要望させていただきます。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 本当にこれからも、今現在、若くして保護司になっていただいている方々の御意見も丁寧に聞きながら、どういう制度設計が今後持続可能な保護司制度にとって必要なのかということを真摯に検討させていただきます。
○三木委員 それでは、その検討を進めていただくということで、よろしくお願いをいたします。 次に、再犯リスクの高い性犯罪をした者の情報等が警察とどういうふうに連携を取られているのかということをお伺いをいたします。 やはり、保護司の方というのは、御自身というよりも人のために働いていらっしゃる方ですから、御家族の安心というものが最も大切というふうに考えられる方が多いと思うんですね。そういった方々が、自分の子供やパートナーが性犯罪などの対象になる可能性があるということは否定できないと思いますので、そういう状況の下、警察との連携というのはとても大切になってくると思います。その点についてお伺いしたいと思います。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 性犯罪をした者等の警察との連携については、例えば、十六歳未満の子供に対して暴力的性犯罪等を行った仮釈放者等について、転居を許可した場合は転居予定日や転居予定先、それから、所在不明になった場合は所在不明となった日や立ち回り見込み先、保護観察が終了した場合は終了日や終了事由、性犯罪再犯防止プログラムの実施状況等の情報を保護観察所から警察に提供しております。 他方で、警察が取った措置につきましては、必要に応じて保護観察所から警察に対し照会を行っている次第でございまして、このような情報共有を行っております。
○三木委員 今の御答弁の中で、十六歳未満の方々に対するわいせつ罪であるとか強姦罪とか、そういったものの犯罪を犯した者の情報ということであったと思います。 こども家庭庁の方に性犯罪の再犯に関する資料というものがございまして、再犯率ではないんですけれども、「小児わいせつ型の性犯罪に及んだ者の中に、複数回の刑事処分を受けているにもかかわらず、同じく小児わいせつ型の性犯罪を繰り返す者が一定数存在することが認められる。」「前科も同じく小児わいせつ型であった者の割合は八四・六%であった。」ということで、十六歳未満の方を対象に小児わいせつ罪で性犯罪を犯した者の情報というのを警察と共有して連携をしているということだったんですけれども、小児に対するわいせつ罪というのが非常に再犯率が高いということも事実なんですけれども、小児だけではなくて、普通の一般の男女に対するこういう性犯罪の再犯率も一三・九%というところで出ておりますので、これは小児だけではなくて、性犯罪全般にこの警察との連携というものを広めていただくということはできないんでしょうか。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 十六歳未満の子供を対象とする暴力的性犯罪等は、子供の心身に深刻な影響を与え、保護者や地域住民に大きな不安感を与えることなどから、警察におきましては、情報の提供を受けて、出所後の再犯を防止し、又はこれらの犯罪等が発生した場合における迅速な対応を図るために必要な措置を講じることとされております。 保護観察所におきましては、これに協力することの必要性を考慮して、これら犯罪について、警察に対し情報提供することとしているものでございます。 委員御指摘の情報連携の対象拡大につきましては、その必要性等の観点から今後の検討課題の一つとして認識しておりまして、引き続き、保護観察所と警察との実効性のある情報連携に取り組んでまいります。
○三木委員 数字に表れていない部分というのも多々あると思いますので、是非その対象を広げて、保護司の方そして保護司の御家族の方の安全、安心に努めていただきたいなというのを要望させていただきます。 それでは、時間も迫ってまいりましたので、最後の質問になると思うんですけれども、今回の法改正により、保護司の方御本人又は御家族の方の不安がどのように解消されるのか、具体案というものがあればお示しください。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 保護司が安全にかつ安心して職務を行うことができる環境の整備は、保護司本人のみならず、その御家族の負担や不安の解消に寄与するものだと考えており、引き続き、自宅以外の面接場所の確保など、保護司が安全に、安心して活動できる環境の整備に努めてまいります。 また、新たに保護司になっていただく方に向けた保護司活動インターンシップや保護司セミナーといった取組に御家族とともに参加いただくなどして、保護司、保護司会活動の実際について、御家族にもあらかじめ十分な理解を得られるよう努めております。 今般の改正事項と運用面の対応も併せて、保護司の方やその御家族の不安の解消により一層努めてまいります。
○三木委員 保護司の活動というのは、本当に、ボランティアで、尊いものだと思っております。その活動を支える御家族の方の不安というものも、やはり一定数あると思うんですね。自分の家族が保護司として活動する、犯罪を犯した者をサポートしていく、そういった行為は非常に尊いものであると思いますけれども、それに対する不安も一定あるということで、やはりそういった御家族に対するサポートというものも切にお願いをしておきまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○階委員長 次に、小竹凱君。
○小竹委員 国民民主党の小竹凱です。 本日も質疑の機会をいただき、ありがとうございます。 まず、日頃より、全国の保護司の皆様、保護観察官の皆様、社会を支えていただき、そして再犯のない社会を目指し、本当に尊い御尽力をいただいていることに、まず心から感謝を申し上げます。 そして、私、昨年の初めての法務委員会での質問の際にも、保護司の処遇改善について質問させていただきました。そのときも無償であることについて言及させていただきましたが、そのことについては後ほど述べさせていただきます。 その間、約一年間の間に、保護司会の方であったり、保護司、年齢も様々、そして、保護司をしていたけれどもいろいろな理由があって辞められた方、いろいろな方にヒアリングを聞く中で、やはり、現場の声と、また保護司会、見える立場が違いまして、いろいろな声を伺った上で、本当に持続可能な更生保護の在り方について質問させていただきたいというふうに思います。 まず、今回の法改正の基になった報告書にあります持続可能な保護司制度の確立に向けた検討会、これの構成メンバーを教えていただけますでしょうか。 〔委員長退席、有田委員長代理着席〕
○吉川政府参考人 お答えいたします。 検討会の構成員は十二名でございまして、若手からベテランまで多様な世代の男女五名の保護司と、有識者として刑事政策等の分野の学識経験者、会社経営者、マスコミ関係等の方々に就任いただき、多様な観点から御議論をいただきました。
○小竹委員 ありがとうございます。 今ありました若手というのは、世代的に若いのか、それとも経験が浅いという若手でしょうか。
○吉川政府参考人 御答弁申し上げます。 大体で言いますと、四十代周辺の方々が二名程度、それから六十代周辺の方々が三名程度ということでございます。
○小竹委員 ありがとうございます。 本当に、同じ保護司といっても様々な価値観、それは世代によってもいろいろありますので、是非、幅広い声を聞いていただきたいというふうに思います。 そして、今回の法改正の中でありました、社会的信望という文言が削除されることになりますが、そうはいっても、いわゆる年配の方々、長く保護司をやられてきた方というのは、やはり地元の名誉職という意味合いが根強くあるように感じておりまして、今回の法改正により、そういった方々の社会的地位というのが勝手に引き下げられることにはならないのか、お答えください。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 本法案では、保護司の委嘱条件について、社会的信望を有することを人格識見が高いことに改正しておりますが、これは、現代において求められる保護司像を適切に委嘱条件に反映させ、多様な人材に保護司となっていただけるようにしようとするものでございます。 また、社会的信望という言葉につきましては、特に若い世代の保護司から、敷居が高く抵抗を感じるという意見もあって、幅広い世代から多様な保護司の担い手を確保する視点から、やはり文言を改めることとしたものでございます。 なお、人格識見が高いとの文言への改正につきましては、ベテランの保護司の方々からもおおむね賛意が示されているものと承知しております。
○小竹委員 ありがとうございます。 幅広く、そして持続可能に制度を変えていく中で、こういった文言が削除されたというふうに理解いたしました。 その上で、今回、安定的に保護司の方を確保していく中で、保護司の人脈のみに頼った候補者探しからの脱却というふうにございます。具体的にどのようなことを考えているのか、これをまず教えていただけますでしょうか。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 本法案では、保護観察所の長の責務として、保護司に関する広報等を実施するとともに、地方公共団体等の協力を得て、適任者確保に資するよう努めるべきことなどを規定しております。 これらの規定を前提に、より戦略的に、保護司活動についての各種の説明会の実施、これを保護司セミナーなどと呼んでおりますが、そのような説明会、あるいは地方公共団体の広報誌等を通じた保護司活動の紹介やそれに伴う募集、SNSを始めとする様々な媒体を通じた、広く社会に向けた積極的な広報などの施策を推進していくこととしております。 以上でございます。
○小竹委員 ありがとうございます。 広く広報していく、SNSなども活用して、いろいろな媒体でも広報していくということはもちろん理解できますが、やはり、地方に行けば行くほど人間関係が密になってくると、どうしても、保護司から頼られるというか、保護司から受け継ぐこれまでの形というのが根強く残ると思う中で、私は、社会的信望という言葉がそのままあった方が何か大きな役割を担えるような感覚がして、それはそれでいいのではないかというふうに思います。 というのも、この社会的信望という言葉が削除されたことによって保護司になるという方がどれだけいるのかということも考え難いですし、今回のこの文言が削除されたことに特段反対はいたしませんが、本当の意味での後継者、そして本当の意味での持続可能な制度という意味においては、引き続き検討いただきたいというふうに思います。 今回法定化されることになります更生保護サポートセンターの運営、これは、先ほどの答弁の中でもありました、企画調整保護司が担当することになっております。時間は何時から何時まで、そしてまた、休日の稼働はあるのでしょうか。教えてください。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 更生保護サポートセンターの開所時間につきましては、保護司会のニーズや、入居している公的施設の開所時間等を踏まえて、更生保護サポートセンターごとに設定されておりまして、午後六時以降も開所しているものは全国で三百九十一か所となっております。 休日に利用できるかどうかにつきましては地域の実情によって様々ですが、令和七年四月時点で、全国八百八十三の保護区のうち四百五十五の保護区で、土日祝のいずれかの日を含めて開所している状況でございます。
○小竹委員 ありがとうございます。 この更生保護サポートセンターが市役所の一角にあったりとか、やはり、夜遅くであったり休日にしっかりと不便なく使えるような制度を整えてほしいというふうに思います。特に、働いている方、働きながら保護司をされている方であれば夜間であり、休日に面接を行うということはどうしても多くなるかと思いますので、引き続き、利用しやすい、不便のないようなサポートセンターの運営に努めていただきたいと思いますし、人的負担や費用的負担、先ほどの人的負担というところでいえば、企画調整保護司が日当四千九百円の中で回していかなきゃいけない。 いろいろな負担が大きい中で、この負担の大きい更生保護サポートセンターを拡充していくよりも、まず先に、公民館であったり、こういった場所で面接できるような環境整備を進めていくべきではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○平口国務大臣 更生保護サポートセンターは、保護司の面接場所として利用されるだけではなく、保護司同士の会議、研修、あるいは関係機関との打合せなどにも活用されており、保護司会の意向も十分踏まえつつ、利便性の向上を図ってまいりたい、このように思っております。 一方で、委員御指摘のとおり、保護司の面接場所としては、更生保護サポートセンターだけでなく、身近な公民館などを必要なときに利用できる環境整備が重要と考えております。 こうした面接場所の確保には地方公共団体から多くの協力をいただいており、保護司が面接場所として利用できる公的施設数は、更生保護サポートセンターを除き、令和六年十二月一日時点で七千百八か所となっております。 今般の法改正におきまして、保護司及び保護司会等に対する地方公共団体の協力規定の整備がなされることも踏まえ、保護司の面接場所の確保についても、より一層、地方公共団体との協議を進めてまいりたいと考えております。
○小竹委員 ありがとうございます。 負担面のほかに、やはり社会復帰、自立していく、独り立ちしていく中を考えた上において、どのように矯正していくか、二度と再犯に至らないようにどういうふうにしていくかということを考えると、私は、この更生保護サポートセンター、もちろん否定するわけじゃありませんが、これを独自につくるのではなくて、喫茶店であったり、普通に公民館であったり、普通というか、一般の方とともに同じような環境で面談を行っていく方がいいのではないかというふうに提案させていただきます。 そして、次の質問に入ります。 再犯を防ぎ、円滑な社会復帰へ欠かせないのが雇用政策であります。今回、更生保護事業や更生保護活動に対する地方公共団体の協力規定の整備が明記されました。これまで、協力雇用主として民間の方々にこういった保護観察対象になった方々への協力を求めてきた形はありますが、県や市町に対してもこの協力雇用主のようなものとして支援していく必要に関して、どういうふうに考えているでしょうか。 〔有田委員長代理退席、委員長着席〕
○吉川政府参考人 お答えいたします。 地方公共団体が保護観察対象者や保護観察を終えた者を雇用することは、保護観察対象者等に就労の機会を与えるということはもとより、就労継続に必要なスキルや社会性を身につけさせることに大きく資するものと考えます。のみならず、地方公共団体による雇用は、民間企業等に対し、保護観察対象者等の雇用を通じた社会復帰支援についての理解と協力を広く求めていく観点からも意義があるものと考えております。 令和六年十二月末時点で把握している範囲では、全国七十一の地方公共団体で保護観察対象者等を雇用する取組を実施いただいております。 法務省といたしましては、引き続き、地方公共団体に対し、保護観察対象者等を雇用する取組を働きかけるなど、連携して社会復帰支援に取り組んでまいります。
○小竹委員 ありがとうございます。 この七十一の団体が保護観察対象者の雇用を地方公共団体でされたと。独自に保護観察対象者用に雇用の枠を設けている自治体と一般的な枠の中でされた自治体とあるようですので、また様々な事例も展開していただきながら、いかにこの雇用政策が社会復帰、再犯防止に至るかの施策を国としても取り組んでいただきたいというふうに思っています。 次に入ります。 持続可能な保護司制度のためには、どうしても金銭面の見直しが必要不可欠だというふうに考えております。保護司法の第十一条では、「保護司には、給与を支給しない。」というふうにされておりまして、今回の改正でもこの導入が見送られました。 同じ保護司といいましても、給与は見合わないと言っている方々と、そういう時代じゃないと言っている方々と両面います。若い方、現役世代、働きながら保護司をされている方ほど、手当であったり、むしろ控除であったり、こういったことの必要性を強く訴えられる声もございます。 この可能性として、法務省としての検討の余地はありますでしょうか。大臣、お願いします。
○平口国務大臣 御指摘の報酬制につきましては、保護司制度の検討会の報告書において、保護司の無償性は、利他の精神や人間愛に基づく地域社会における自発的な善意を象徴するものであり、なお堅持していくべき価値があることから、報酬制はなじまないとされております。この報告書は議論の積み重ねの結果であり、これを尊重させていただいたところでございます。 他方で、保護司の経済的負担の軽減は重要な課題であると認識しております。保護司活動をしっかりと支えていくため、法務省においては、これまでも保護司実費弁償金の充実などに取り組んできたところであり、引き続き保護司の負担軽減に努めてまいりたいと考えております。
○小竹委員 これは検討会の中でも最後の方まで残った項目だというふうに聞いております。 特に、世代で区切るわけではありませんが、ある程度のベテランの方々、年配の方ですと、手当はなじまないと言っている方、一方で、こういった金銭的な控除の必要性を訴えている方。私は、控除というのが、そもそもどういった方々が保護司になっているか登録で分かるわけですので、一番なじむのではないかというふうに考えております。 毎度毎度そういった検討には出て先送りということが続いておりますけれども、改めて、この保護司の控除というのはあってもいいんじゃないかというふうに思います。大臣、もう一度お願いできますでしょうか。
○平口国務大臣 検討会の報告書には、今後の我が国の社会情勢や人々の価値観の変化等に対応していく必要があることから、少なくとも五年ごとに、保護司の待遇も含め、保護司制度の在り方やその維持発展のための方策等について検討するということが盛り込まれております。 保護司に対する経済的な待遇については、保護司の方々の御意見や社会情勢等も踏まえながら、今後も継続的に検討を行っていく必要があると考えております。
○小竹委員 これはやはり、若い方、現役世代の保護司の方々がもう今全体の二割ほどとなっています。六十歳以上が八割に迫る勢いの中で、いかに持続可能な保護司の制度を維持していくかということを考えたときに、やはりこれまでの、給与には依存しない、善意で成り立っているという、これが日本の尊厳でもありますし、世界的にもかなり高く評価されていることは重々承知しますが、無償であることが評価されるのではなくて、日本の再犯をさせないようなしっかりとした社会づくりが世界から評価されるように、いま一度在り方を、五年ごとではなくて、逐次見直していただきたいというふうに思います。 その上で、ジェネレーションギャップ、先ほど藤原委員の質問にもございました。最近の若い方の犯罪の仕方も様々でありますし、六十代、七十代、そういった方々がなかなか理解し難いような犯罪も多いので、是非ここは若い方をしっかりとお支えいただきたいというふうに思います。 この各保護司会の運営のためには、会費を徴収しているところがほとんどであります。私がヒアリングした中でも、何々市の保護司会に会費、そして県の保護司会に会費と複数徴収されて、無報酬どころか個人の収支でいえばもちろんマイナスですし、かなりの負担になっているというふうに考えております。 これらの負担軽減策も含めて、法務省は何か考えていらっしゃるでしょうか。
○吉川政府参考人 保護司の方に対しましては、保護司活動に要した費用について国から保護司実費弁償金を支給しております。一方で、保護司が保護司会運営のために会費等の負担をしている例があることも承知しております。 会費徴収の必要性につきましては、保護司会の活動によって様々であり、一概にお答えすることは難しいのですけれども、保護司の経済的負担の軽減は幅広い世代から多様な保護司を確保していくためにも重要な課題であると認識しております。 近年、保護司会が運営する更生保護サポートセンターの運営経費等の国費による支弁の拡充や、更生保護サポートセンター以外の面接場所として貸し会議室を借りた場合の実費を弁償するための経費の確保など、保護司の経済的負担の要因となっているものについて国費を支弁できるよう、取組を進めてきたところでございます。こうした取組は保護司会の会費の低減に資するものと考えております。 さらに、令和八年度概算要求におきましては、保護司が関係機関との連携活動を実施した際に支給する保護司実費弁償金の充実、保護司複数指名制をより積極的に活用するための保護司実費弁償金の充実なども盛り込んでおります。 法務省におきましては、これまでも保護司実費弁償金の充実に努めてきたところでございますが、引き続き、保護司の皆様の御意見を伺いながら、保護司の負担の軽減に努めてまいります。
○小竹委員 ありがとうございます。 保護司会で会費を集めて実費弁償分を保護司会が立て替える、そして足りなくなったら手出ししていくというようなことになりますので、国がしっかりと実費弁償分を支援するような制度を幅広く構築していって、最終的には保護司の方の負担はもう本当になるべく少なくしていく。無償でやっていただいていることですので、そういったことはいま一度お願いしたいというふうに思います。 総務省が実施されました「更生保護ボランティア」に関する実態調査によりますと、委嘱後六年以内の保護司については、保護観察事件を一度も担当することができていない者の割合が三七・五%、委嘱後なかなか保護観察対象事件を担当することができていないことが保護司の不安やモチベーションの低下を招き、早期退任ということにもつながっているというふうにされております。 例えば、半年以内であったり、短いスパンで担当案件を持つことや、年に一回は、そういった保護司としてのモチベーションであったり、こういった意義を感じられるようなことをする取組が必要だと思いますが、法務省としてどう考えられているでしょうか。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 近年の保護観察事件数の減少により、保護司一人当たりの担当件数についても減少傾向にございます。御指摘のとおり、若手の保護司からも、事件数の少ない地域ではケースを担当することもできず、保護司としてのモチベーションの維持が難しいといった御意見をいただいております。 こうした状況を踏まえ、一つのケースを複数の保護司で担当いただく保護司複数指名制を積極的に活用し、例えば、新任とベテランの保護司が協働して処遇に当たることにより、新任保護司のケースの機会を確保するとともに、その育成にも資するよう配慮するなどしております。 保護司のモチベーション維持につきましては、特に経験年数の浅い保護司の方々からの御意見も聞きながら、引き続き取り組んでまいります。
○小竹委員 ありがとうございます。 是非、育成であったり、保護司のモチベーション、また、大分間が空くと、ブランクが空くと不安になることはもちろんだと思いますので、そういったところでのサポートもしていただきたいというふうに思います。 持続可能な保護司制度の在り方を考えるときに、どうしても保護観察官の直接的な関与が必要不可欠だと思います。今回の検討会の中にも様々盛り込まれておりまして、保護観察官との協働態勢の強化であったり、アセスメントの強化、また、保護観察官の対面やオンラインでの同席なども書かれておりました。 一方で、やはりこれは現場を聞くと、そもそも更生保護行政の第一線で活動する保護観察官自体の数が圧倒的に足りていないという声も聞いています。現状をどういうふうに認識していらっしゃるでしょうか。
○吉川政府参考人 保護観察官は、社会内処遇に関する高い専門性を生かして保護観察処遇等に当たっており、また、保護司からの相談に応じて必要な助言を行うなど、保護司の安全確保を含め、保護司活動をサポートする重要な役割を果たしております。 令和八年度概算要求におきましては、保護司の安全確保等に向けた体制整備を図るため、保護観察所の保護観察官について九十二人の増員を要求しております。 保護司活動をサポートしつつ、再犯防止に向けた社会内処遇の充実を図っていくためには、本当に人的体制の整備は必要でございますので、全力で取り組んでまいります。
○小竹委員 ありがとうございます。 やはり、保護司と一言で言っても、もちろん経験の長い方、そして保護司になられたばかりの方、様々な方がいます。しっかりと地域での更生保護の在り方を担っていくためにも、まずは専門性の高い保護観察官をしっかりと配置していただく、そして法務省にはその予算を必ずしっかりと獲得していただく、そして、毎年のようにこれを、五年ごとではなくて、毎年しっかりと状況を見ながら更新していただいていくということをお願い申し上げます。 保護司の早期退任、様々要因があります。アンケートを見ていても、家族の理解というところがたくさんございました。退任理由に関して、家族の負担感だったり納得感、こういった声もございます。一番近くで支えていただける家族に対してどういった取組をされているでしょうか。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 御指摘のとおり、保護司の皆様に継続的に保護司活動を行っていただくためには、御家族の理解が不可欠でございます。 保護司の御家族の理解を得るための取組として、例えば、保護司候補者に保護司活動を体験していただく保護司活動インターンシップや保護司セミナー等の説明会の機会に希望される御家族にも参加していただくことで、保護司や保護司会活動の実際について十分に理解いただけるよう取り組んでおります。 また、自宅で保護観察対象者との面接が行われることに保護司の御家族が不安や負担を感じていることをも踏まえまして、更生保護サポートセンターや公民館などの自宅以外の面接場所の確保を進めているところでございます。 引き続き、保護司の御家族の不安や負担を軽減できるよう取り組んでまいります。
○小竹委員 家族の不安や負担をなくしていく、そして保護司活動の意義ですね。あと同時に、今回の大津で保護観察対象の方に殺されてしまった事件があったことで危険的なことに見られておりますが、全体的な確率論として危険は決して高くないということも併せて周知いただけますでしょうか。
○吉川政府参考人 様々な機会でしっかりと客観的な事実をお伝えして、保護司に対する理解を国民の皆さんに深めていただきたいと思っております。
○小竹委員 ありがとうございます。 どうしても大きな、ショッキングなニュースでしたので、ここばかりがフォーカスされますが、保護司ということが本当に尊い御尽力をされていることは言うまでもありませんし、日本の再犯率が高くなっている現状、こういったことも考えまして、保護司の活動、また保護観察官、こういった方々を支える、そして支える側も支えていく、国が支える力を更に支えていくということをメッセージとして改めて出していただきますようお願い申し上げて、私の質問は終えたいと思います。 ありがとうございました。
○階委員長 次に、山口良治君。
○山口(良)委員 公明党の山口良治です。 本日は、私自身、法務委員会で初めての質問となります。どうぞよろしくお願いいたします。 まず冒頭、全国で対象者の皆様の自立に向けて利他の心で日夜御尽力をいただいております保護司の先生方、また、更生保護に関わられる全ての方々に感謝を申し上げたいと思います。 この度の法改正は、令和五年に閣議決定されました第二次再犯防止推進計画に明記されました持続可能な保護司制度の確立に資する大変重要な改正です。再犯防止は刑事政策であると同時に、地域の安心、安全を守るための最重要の政策であり、更生保護制度の中核である保護司制度は世界に誇る仕組みでございます。 昨年五月、滋賀県大津市で保護司の方が殺害をされるという大変痛ましい事件が起きました。社会を明るくしたいという尊い使命と志を持たれた市民が犠牲になられました。二度とこのようなことはあってはならない、これが今全国の現場の切実な声であります。 公明党としましても、十年前に再犯防止対策強化プロジェクトチームを立ち上げ、これまで毎年、法務大臣に提言を重ねてまいりました。今回のこの法改正にもその提言が随所に反映をされております。 私自身も、今日この質問に立つに当たり、地元栃木の保護司の皆様、保護観察所の皆様の現場の声を伺ってまいりましたので、その声を届け、制度の実効性を確かなものにするため、以下、質問をさせていただきます。 まず、保護司の皆様の活動環境の整備について質問をさせていただきます。 今般の改正では、保護司法第十六条に、保護司の安全を確保し、環境を整備することを国の責務としています。また十八条において、地方公共団体の保護司会への協力が、できる規定から努力義務規定へと強化をされました。 保護司の皆様には、御自身の活動に加えて、保護司会としての更生保護サポートセンターの運営、また多様な領域からの保護司の確保、更生保護活動に協力する事業者様への配慮、社会を明るくする運動の促進など、幅広い活動を担っていただいております。 そうした中で、今なお、保護司の皆様への理解が不十分な地方公共団体も散見されるという実情があります。この第十八条の改正は、今まさに必要なものであると考えます。 地元栃木の保護司の方々からも、本人だけではなく、この大津の事件を受けて、家族の皆様から理解が得られず、残念ながら離職の事態もあったとお伺いしております。 この地方公共団体による保護司会等への支援を実効性あるものにするためにも、全ての都道府県で今実施をされております地域再犯防止推進事業につきまして、一層の充実を図るとともに、地方再犯防止推進計画がいまだ未策定である地方公共団体への策定に向けた働きかけ、支援を引き続き行っていくことが重要であると考えます。 そこで、一つ目にお伺いいたします。 この地域再犯防止推進計画の策定状況、また今後の取組についてお伺いいたします。
○村松政府参考人 平成二十八年に成立し施行されました再犯防止推進法におきまして、地方公共団体は地方再犯防止推進計画を定めるよう努めなければならないとされてございます。令和六年四月までに、全ての都道府県、それから指定都市におきまして地方再犯防止推進計画を策定いただいたほか、それ以外の地方公共団体においても策定数は着実に増加してきておりまして、当省において把握しているところでは、令和七年四月現在で、千十五の団体において計画を策定いただいてございます。 法務省といたしましては、地方公共団体による再犯防止の取組を促進するための協議会、こちらにおいて計画策定に係る働きかけを行うですとか、地方再犯防止推進計画策定の手引き、これの作成と配付を行ったり、あるいは保護観察所による相談対応ですとか助言、こういったことなどを行ってきてございまして、引き続き、今御指摘ありましたように、未策定の地方公共団体に対し、地方再犯防止推進計画の策定に向けた働きかけを行ってまいりたいと考えてございます。
○山口(良)委員 ありがとうございます。 やはり、保護司の皆様の活動の中心となるのは基礎自治体であると思います。都道府県からその先の基礎自治体の未策定自治体への働きかけ、力強く進めていただきたいと思います。 さらにもう一つ、今回の法改正に伴いまして、各都道府県に交付されております地域再犯防止推進事業交付金の拡充が私自身必要であると思いますが、大臣の見解を求めます。
○平口国務大臣 法務省は、令和五年度から、都道府県が再犯防止の取組を進めるに当たって、都道府県に対して地域再犯防止推進交付金を交付する地域再犯防止推進事業を実施しております。 本事業においては、都道府県は、域内の市区町村に対する再犯防止施策の企画立案支援、域内の市区町村に対する再犯防止の理解促進、人材育成などの取組を実施するものでございます。本事業を通して、都道府県や保護司にとって身近な市区町村でも再犯防止への職員の理解が促進され、人材育成が進むことにより、保護司の活動が円滑なものとなり、再犯防止の取組が進むことも期待することができるわけでございます。 法務省としては、各自治体に地域再犯防止推進交付金をしっかり活用していただき、地域再犯防止推進事業がより充実するよう、よく連携を図りながら促してまいりたいと考えております。
○山口(良)委員 やはり都道府県がしっかりとこの交付金を活用し、人材の育成、また講習会等を行って、自治体の意識の醸成、人材体制、こういったものを整えていっていただきたいと思いますので、拡充も含めて、是非お願いしたいと思います。 続きまして、自宅外の面接場所の確保、また、保護司の活動には自治体の協力が必要な場面も少なくありませんが、この協力が自治体によって差があるという現実もございます。地方公共団体が努力義務を果たせるような体制整備を進めるためには、財政面での支援とともに、人材面での支援も極めて重要だと思われます。 そこで、各自治体職員の中で更生保護を取り巻くネットワークを構成する部署の皆さんの意識啓発を行う、また、先ほど大臣おっしゃいました、研修であるとかセミナーを受講していただく、そういった理解の醸成、国としても積極的に、前向きに進めていっていただきたいと思います。これは先ほど大臣の御答弁でいただきましたので、あっ、いただけますか、じゃ、改めてお願いいたします。
○平口国務大臣 更生保護を取り巻く地域の支援ネットワークを効果的に機能させていくためには、地方公共団体の職員に保護司活動等への理解を深めていただくということが重要であると認識しております。 これまでも、地方公共団体の職員の理解を得るための取組として、例えば、保護司活動について紹介する保護司セミナー、保護観察所が主催する就労支援や福祉的支援を推進するための協議会等に地方公共団体の職員に御参加いただくほか、社会を明るくする運動に参加いただくことで、保護司活動に対する理解の促進を図ってきたところでございます。 今般の法改正におきまして、保護司及び保護司会等に対する地方公共団体の協力規定の整備がなされることも踏まえ、引き続き、地方公共団体の職員に保護司活動等について一層理解していただけるよう、研修等の必要な取組を積極的に進めてまいりたいと考えております。
○山口(良)委員 次に、今回、保護司の皆様への報酬制の見送り、また実費弁償の充実について伺います。 検討会等では、保護司の皆様への報酬制の導入も議論をされたと承知しておりますが、その一方で、検討会では、保護司の交通費などの自己負担をなくすために、保護司実費弁償の充実を図ることとされました。 現在の実費弁償金の姿、必ずしも十分とは言えません。例えば、保護司実費弁償金が支弁されたとしても、何にどれくらい支弁されているか正確に理解できている保護司が意外と少ないというお声もいただきました。一方で、いろいろ細々とした雑費が発生するのも事実であるそうです。また、保護司会としての活動を円滑に進めるための保護司会の経費というものが、会費として各保護司の皆様が負担をされている。ボランタリーな活動であるにもかかわらず、社会にとって大変重要な機能を担っていただいているこうしたボランティアでありながら、会費を払うという矛盾が生じているように感じます。 そこで、お伺いいたします。今般の法改正で、報酬制を求める声もあったそうでございますが、最終的に報酬制を導入しなかった理由は何なのか、また、保護司実費弁償の充実について具体的な中身は何なのか、お伺いをいたします。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 御指摘の報酬制につきましては、保護司制度の検討会の報告書において、保護司の無償性は、利他の精神や人間愛に基づく地域社会における自発的な善意を象徴するものであり、なお堅持していくべき価値があることから、報酬制はなじまないとされたところでございます。この報告書は議論の積み重ねの結果であり、これを尊重させていただきました。 他方で、御指摘のとおり、保護司の経済的負担の軽減は重要な課題と認識しており、保護司実費弁償金の充実を図るべきものと考えています。 その具体的な中身につきましては、近年では、更生保護サポートセンターの運営経費等の拡充や、自宅以外の面接場所として貸し会議室等を借りた場合の賃料を支給するための経費を確保したところでございます。 令和八年度概算要求におきましては、保護司会連合会の活動機能の強化、保護司の関係機関との連携の促進、保護司複数指名制の積極活用のための経費を要求しているところでございます。 これらの実費弁償金の充実を図ることによって、御指摘のような会費の低減も図っていけるのではないかと思っているところでございます。
○山口(良)委員 更生保護に詳しい中央大学客員教授の今福章二先生は、このように述べられています。保護司活動に対する予算措置の在り方としては、労働の対価としての報酬ではなく、保護司による先行的な負担に対する弁償金の性格を維持しながらも、さらに、保護司として何の心配もなく活動に専念でき、保護司活動に対する社会的な評価として相当と感じられる水準と内容を措置することが求められるのではないかと言われております。 ボランティアではありますが、活動に応じたお礼の心、こういったものを込めた謝金などを検討してはいかがかと思いますが、これは検討をお願いするにとどめたいと思います。答弁は不要でございます。 次に、保護司会の活動への支援とデジタル化についてお伺いいたします。 第十四条において、保護観察所の長による保護司会等への支援規定が新設をされました。保護司会の皆様からお話を伺うと、現場では、報告書類、交通費請求、調整業務など事務負担、また各種研修会の開催など、保護司会の職務は非常に数が多く、重い事務負担を伴うという現実があるとお聞きしました。 保護司の皆様それぞれが保護観察対象者と向き合い、その心に変化が起きるまで互いに支え合い、学び合い、喜び合う仲間としてのつながり、非常に大事なコミュニティーとしての会であります。その負担を少しでも減らすために、私は、一つ、デジタル化が不可欠ではないかと思いますが、デジタル化という観点から、具体的に保護観察所の所長による支援とはどのようなものを考えておられるのか、また、保護司会のデジタル化の推進については国としてどのように取り組んでいくお考えか、伺います。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 保護司会は、保護司の職務に関する連絡調整など、保護司活動の円滑かつ効果的な実施を図るために必要な事務を行うことを任務としております。具体的には、各種会議の開催、保護司会活動の計画作成や実施報告、活動に要した経費の精算などの様々な事務を行っております。 これらに伴います事務的な負担に対しまして、保護観察所におきましては、会計事務につきましては様々な支援を行っておりますが、それのみならず、委員御指摘のICTの利活用という観点からは、デジタル端末の使い方について保護司会において講座を開催したり、保護司専用ホームページの利用法の研修を実施するなど、現在行っているところでございます。 保護司会の事務のデジタル化を含め、引き続き、保護司会及び保護司の活動の負担軽減に資する取組を検討し、推進してまいりたいと考えております。
○山口(良)委員 次に、民間企業による保護司である従業者への配慮規定についてお伺いいたします。 今、保護司の平均年齢は約六十五歳ということで、六十代、七十代が約八割。持続可能な保護司制度を考えると、現役世代の方、若い担い手の確保は急務であります。栃木の保護司の皆さんからも、会社が理解してくれないのが不安である、また、仕事が休めず研修会にも参加できない、こういった声があるそうです。だからこそ、国がこの旗振り役を担うべきであると思います。 第十九条には、事業主は、その使用する者が保護司の職務を円滑かつ効果的に行うことができるよう、保護司の職務を行うための休暇を取得しやすい環境の整備その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならないとあります。 この環境の整備、また、その他必要な措置とは具体的にどのようなものを意味しているのか、御答弁をお願いします。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 お尋ねの具体例といたしましては、保護司活動のためにボランティア休暇などを取得できるようにすること、保護司活動のために勤務時間を柔軟に調整できるようにすること、あるいは保護司活動に関する短時間の電話などを柔軟に認めることなどが基本的なものとして想定されているところでございます。
○山口(良)委員 ありがとうございます。 企業の皆様に対する理解の促進、そのためにも、企業だけでなく、社会全体の理解醸成ということで、保護司による学校等への出前講座など、保護司の認知、また活動の理解を広げていっていただきたいというふうに思います。 次に、再犯防止において、保護観察対象者の就労は最重要な課題です。二〇二三年の調査では、再犯者の七割が無職、大津の事件でも、就労の継続ができなかったことが加害者の心理的不安定の要因となったと分析をされています。 協力雇用主制度は、登録企業が約二万五千社ですが、実際に雇用した企業は約九百社、全体の三・七%にとどまります。業種が建設業に偏っているなど、希望する職種と合致しない現状、資格やスキル不足が原因で就職にたどり着くまで壁が大きいというのもあります。 犯歴のある者等を雇用する協力雇用主は、無断欠勤、対人関係のトラブルといった労務管理上の困難に加えて、既存従業員や取引先からの反発、雇用した者が再犯した場合の風評被害など、多大なリスク、負担を背負っております。 そこで、保護観察対象者の就労支援、また資格取得や就労訓練、支援の抜本拡充、また職場適応、人間関係まで視野に入れた伴走支援の充実に向けて、法務省としてどのように取り組んでいかれるか、御見解を伺います。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 保護観察所では、保護観察対象者等に対する就労支援として、そのノウハウを有する民間の事業者やハローワークと連携するなどして、協力雇用主とのマッチングや、保護観察対象者等と協力雇用主双方への個別の面談等を通じた伴走支援などに取り組んでおります。 一方で、就労に向けた動機づけが不十分な者や、資格やスキル不足が原因で就職やその後の職場定着が困難となっている者も一定数見られ、その支援の充実が課題と考えております。 このため、令和八年度概算要求におきましては、こうした資格やスキルの不足に起因して就労先の確保やその後の就職定着に困難を抱える者に対し、資格取得に向けた学習活動、職業適性を把握するための職業体験活動、就労や社会生活に必要な知識、スキルを習得させるためのグループワークなど、就職活動や職場定着の促進に資する教育支援活動を民間の事業者に委託して試行的に実施するための経費を計上しているところでございます。 法務省といたしましては、保護観察対象者等と協力雇用主の双方に対する効果的な伴走支援の実施による就労支援等の推進に努めてまいります。
○山口(良)委員 就職はゴールではなく、就労を続けられる社会、こういったものをつくっていけるよう、よろしくお願いいたします。 時間もちょっと限られてきておりますけれども、アセスメント強化についてお伺いしたいと思います。 大津の事件を受け、本年六月から、保護観察付執行猶予判決を受けた保護観察対象者について、最初の三か月間で保護観察官が十分な面接を重ね、家庭環境、生育歴、心理検査を行って、保護司に担当してもらうかどうかを判断することになりました。また、保護観察対象者の見えにくい変化を把握できるようにするため、再犯の危険性の高まりを科学的に評価するツールも強化されたと承知をしております。 この保護観察官によるアセスメントの強化は非常に重要でありますが、今、保護観察官の抱える業務は非常に複合的となり、負担も大きくなっております。先ほど来質問も出ておりますが、保護観察官を増員すべきと考えておりますが、また、その増員について、そしてその人材をどのように確保していくお考えか。また、アセスメント強化に向けた専門研修など必要と考えますが、併せてお伺いします。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 まず、職員の確保の関係でございます。 保護観察所の職員には、法務省専門職員(人間科学)の採用試験の保護観察官区分の合格者を中心に採用しておりまして、保護観察官の人材確保を図ってまいりたいと思っております。その前提として、先ほど来申し上げておりますが、やはり保護観察官の増員を含めた体制整備に力を入れていかなければならないと考えております。 さらに、保護司の安全確保のためには、再犯リスクについて適切にアセスメントを行って、その結果を踏まえて、保護観察官の直接関与を強化するなどの対応を適時行うことが重要であると認識しております。 そのため、保護観察官のアセスメントに関する専門性を高めることが必要でございまして、法務省におきましては、有識者からの助言も得ながら、保護観察官のアセスメントに関する専門性を向上させるための研修の充実を今まさに図っており、引き続きこれを推進してまいります。
○山口(良)委員 増員とともに、様々な負担軽減のためのオンライン面談、また、データの利活用を含めた、例えばAIの活用などもデータの管理に十分注意していただきながら進めていただきたいと思います。 もう時間も最後になりますが、更生保護施設と訪問支援の拡充について、最後、要望も含めてお願いしたいと思います。 犯罪をした者の地域における自立支援の中核的担い手がこの更生保護施設の皆様でございます。しかし、今、様々な物価高によって、食費、宿泊費等の委託費の支弁基準を近時の物価高に、高騰に対応した基準に引き上げるなどして、この保護施設の運営基盤の強化を図るとともに、老朽化した施設の整備を進める必要があると考えます。 まず、更生保護施設の運営基盤の強化、老朽化施設の整備、そして、定期的に自宅を訪問するなど生活相談支援等を行う訪問支援もこれからますます重要になってくると思いますが、それの全国拡大も含めて、大臣の決意をお願いします。
○階委員長 平口大臣、最後の答弁です。
○平口国務大臣 更生保護施設には、犯罪をした者等の自立支援の中核的な担い手として重要な役割を果たしていただいているところでございます。今後、ますます多くの刑務所出所者等を受け入れるとともに、処遇機能の強化、施設退所者等への支援の取組を進めることが期待されているところでございます。 そのためには、更生保護施設の運営基盤の強化、老朽化した施設の計画的な整備、訪問支援事業の拡充が必要と考えており、令和八年度概算要求においては、これらの実現に必要な経費を計上しているところでございます。 法務省として、引き続き、更生保護施設に対する支援に努めてまいりたいと考えております。
○山口(良)委員 終わります。ありがとうございました。
○階委員長 次に、本村伸子君。
○本村委員 日本共産党の本村伸子と申します。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 冒頭、大津市で保護司の方が保護観察対象者の方に殺害をされてしまった事件に関しまして、心から哀悼の意を申し上げたいと思います。 そして、日々保護司の皆様が御尽力をいただいていることに、心からの敬意と感謝を申し上げたいというふうに思います。 今回の法案ですけれども、保護司の皆様はボランティアで様々やっていただいて御尽力をいただいているということで、私も東海エリアの保護司の方々からお話をお伺いをさせていただきました。様々持ち出しもあるということで、先ほど来質疑もありますけれども、面談等において費用が発生した際に、持ち出しが出ないということにするべきだというふうに思います。 お茶とかコーヒーなども含めて、飲物代も含めて、公的にその費用を全て補償することが必要だというふうに考えますけれども、お答えをいただきたいと思います。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 保護司が保護観察を担当したときには、担当事件一件につき、一月当たり、一般事件について四千四百六十円、処遇困難事件については七千六百六十円の保護司実費弁償金を個別に支給しております。その内訳は、旅費、すなわち交通費、通信費、事務用品費でございまして、委員御指摘の飲食費を想定した接遇費も含まれております。 しかしながら、保護司活動に伴う経済的負担が生じているといった声があることも十分に承知しておりまして、引き続き、保護司の方々から実情をお伺いしながら、保護司活動に伴う負担の軽減に努めてまいります。
○本村委員 自己負担が発生しているという声がございますので、保護司の方々、そして、もしかしたら困難ケース、保護観察官の方も対応していただいておりますので、十分な予算を確保するように求めたいというふうに思います。 保護司の皆さんが担当する対象者の対応について、専門性が求められるケースがございます。大津の事件を受けて、法務省の観察課長が月刊誌の方に、「更生保護」の方に文章を寄稿されておられますけれども、ここでも専門性が求められているということを痛感をいたしました。 対象者を取り巻く環境というのは複雑であり、研修がしっかりと保護司の方々にも保障されるということと、やはり複数で対象者に関わる必要性があるというふうに考えます。複数で関わることで安全性も確保できる、担保できるというふうに考えますけれども、研修の保障、そして複数の対応をもっと進めていくべきだというふうに考えますけれども、その点は大臣にお願いをしたいと思います。
○平口国務大臣 委員御指摘のとおり、保護観察対象者の中には薬物依存あるいは知的障害などで医療や福祉的支援が必要だったり、母国語が違うなどの事情によって対応が難しいケースがあるというふうに承知をいたしております。 このようなケースに対して保護司の方々が適切に対応できるよう、例えば、依存症や知的障害に関すること、これらに対応する専門機関の情報など、保護観察を担当するに当たり必要な知識等を習得していくための研修の充実に力を入れているところでございます。また、母国語が異なる場合には、保護司の面接に通訳者を同席させるなどの対応を取っているところでございます。 さらに、保護司の安全確保等の観点も踏まえ、保護司の複数指名制を積極的に活用しておりまして、これらの取組を通じまして、保護司の処遇能力の向上に努めてまいりたいというふうに考えております。
○本村委員 ある保護司の方から、専門性が必要であり、これはボランティアの保護司でやるべき仕事なのかというふうに思うときがあるというお話をお伺いをいたしました。保護司の方から、保護観察官をもっと増やしてほしいというお声もあります。 一方で、保護観察官のメンタルヘルスの不調など、病休の状況も増えているというふうに聞いておりますけれども、その状況を是非お答えをいただきたいと思います。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 令和七年四月一日時点におきまして、心身の不調のため、病気休職又は病気休暇を取得し二十日以上継続して職務に従事していない者又はその時点で従事しないことが見込まれる保護観察官は十二名でございまして、令和五年四月一日時点の七名と比較して増加しております。
○本村委員 やはりしっかりと手を打っていかなければいけないというふうに思っております。 より難しいケースは保護観察官が独自に対象者を担当する場合もありますし、保護司の方々から相談を受けていただくということもしていただいております。やはり保護観察官の大幅増員というものが一層質の向上にとっても必要だというふうに考えます。また、病休などが出る、増えていくということを抑制していくためにも、どうしても大幅な増員が必要だというふうに考えますけれども、大臣、是非。
○平口国務大臣 保護観察官は、社会内処遇に関する高い専門性を生かして保護観察処遇等に当たっておりまして、また、保護司からの相談に応じて必要な助言を行うなど、保護司の安全確保を含め、保護司活動を支援する重要な役割を担っているものと認識しております。 令和八年度概算要求におきましては、保護司の安全確保等に向けた体制整備を図るため、保護観察所の保護観察官について九十二人の増員を要求しております。 また、保護観察官に対しては、その職務の遂行に必要な専門的な知識や技能を習得させることを目的として、その経験年数等に応じて各種研修を実施しております。 保護司活動を支援しつつ、再犯防止に向けた社会内処遇の充実を図っていくため、引き続き、保護観察官の専門性の一層の向上に努めるとともに、その人的体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
○本村委員 概算要求、蓋を開けたらそんなに増えていないということはよくあるケースでございまして、是非、法務大臣から財務当局に対してもっともっと強く言っていただきたいというふうに思いますし、更なる増員をしていただきたいというふうに思います。 先ほど来お話がありましたけれども、更生保護施設に関してなんですが、法務委員会の方で視察に行かせていただいたときに、少年院などを出た後に保護者の方に受けてもらえないというケースがあるんだと。そうした場合に、更生保護施設などにお願いをするということになるかというふうに思います。あるいは、虐待を受けてきている方々も少年院などは多いということでございますので、別のところに住むことを確保しなければならないというふうに思います。 二〇二五年度は二億六千万円以上の委託費が不足をするということなんですけれども、ここで働く皆さんの賃金、これが、今様々な産業の分野で賃上げがなされているんですけれども、やはり更生保護施設で働く皆さんの賃上げもしっかりと保障されなければならないというふうに思っております。 更生保護施設で働いている皆さんの平均賃金、平均年齢、どうなっているのか、お示しをいただきたいと思います。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 令和五年度におきます更生保護施設の常勤職員の平均給与は、月額約二十一万円でございます。なお、非常勤職員につきましては、その勤務形態が様々ですが、平均給与は月額約六万円でございます。また、職員の平均年齢は、常勤職員が六十・四歳、非常勤職員が六十五・六歳であり、平均勤続年数は、常勤職員が六年七月、非常勤職員が六年一月でございます。
○本村委員 更生保護施設の常勤の方、平均年齢が六十・四歳ということですけれども、そうした年齢にあるにもかかわらず、恐らく手取りは二十万以下ではないかというふうに思います。これでは、本当に、人を確保するということもかなり難しいのではないかというふうに思います。 更生保護施設や自立準備ホームで働く皆さんの、人を確保するためにも、その質を確保するためにも、ほかの産業に劣らない賃上げが必要だというふうに思いますし、そもそもほかの産業と比べて乖離がありますから、そうした大幅賃上げができる、あるいは物価上昇にしっかりと見合った委託費というものが必要だと思います。そして、日割り計算もやめていただきたいというふうに思います。 こうした点ができるように予算をしっかりと確保していただくことが必要だと思いますけれども、大臣、是非、大幅賃上げができる環境を整えていただきたいと思います。
○平口国務大臣 委員御指摘のとおり、更生保護施設の安定的な運営には、物価上昇等を踏まえた更生保護委託費の支弁が必要であると認識しております。 令和八年度概算要求におきましては、近時の物価高騰等の影響も踏まえ、宿泊場所や食事の委託費について、その単価を増額して計上しております。 法務省としては、更生保護施設の安定的な運営のため、必要な更生保護委託費の確保に努めてまいりたいと考えております。
○本村委員 しっかりと賃上げができる環境を整えていただきたいと思います。 先ほども、篠田先生がとてもよい資料を提出をしてくださいました。私の地元、東海エリアは、ほぼ全ての更生保護施設が赤字というふうになっております。この状況でどうやって賃上げをするのかということが問われているというふうに思います。是非、賃上げができる状況をつくっていただきたいと思います。 そして、先ほど藤原議員からお話がありましたように、十月九日の事務連絡、これは、予算を確保するということですから、これまでの支援を抑制するということはもう撤回していただくということでよろしいでしょうか。
○吉川政府参考人 先ほどの補正予算の関係も踏まえまして、適時に更生保護施設等に対しましては御説明をさせていただきたいと思っております。
○本村委員 この十月九日の事務連絡は撤回をするということでしょうか。
○吉川政府参考人 お答えします。 改めてその執行の在り方について発出させていただきたいと思っております。
○本村委員 これは今も生きているんでしょうか。ちゃんと予算を確保するんだったら、別にこうした抑制策を取らなくてもいいわけですよね、更生保護に関して。
○吉川政府参考人 更生保護施設、連盟側に対しましては、今の状況を踏まえた上で適切に対応するというふうに申し上げておりまして、それ自体は保護観察所が更生保護施設に対してそれに基づいてお話をしたものでございまして、保護観察所から更生保護施設等に対して今の現状を御説明しておりますので、そのままの執行がなされているとは承知をしておりません。
○本村委員 更生保護が抑制をされることがないように、そして賃上げがしっかりとできるよう、しっかりと予算を確保していただきたいというふうに思います。 そして、最後に、今回の法案の関係では、保護司、保護観察官もあるかもしれませんけれども、公共の施設を使って対象者と面談をするということですけれども、しっかりとプライバシーが守られることが必要だというふうに思いますけれども、最後に大臣にお答えをいただければと思います。
○階委員長 平口大臣、最後の答弁です。
○平口国務大臣 法務省におきましては、保護司の安全確保及び活動環境の改善の観点から、保護司の自宅以外の面接場所の確保に努めているところでございます。 委員御指摘のとおり、面接等を行う場合に、保護観察対象者であることが周囲の方に知られることのないよう配慮することは極めて重要であると考えております。そのため、面接場所におけるプライバシーの確保が図られるよう、保護司に対する研修を行ったり、保護観察官から保護司に注意喚起するなどの取組を行っていきたい、このように考えております。
○本村委員 ありがとうございました。
○階委員長 次に、吉川里奈君。
○吉川(里)委員 参政党の吉川里奈です。 我が党は、表舞台に立つ私たちと、企業・団体献金を一切受け取らずに、全国の党員の皆様の温かいボランティア精神に支えられて活動をしている政党です。その理念からも、地域社会のために静かに力を尽くしてこられた保護司の皆様の活動には、深い尊敬と共感を抱いております。 悲しくも今回の法改正の背景の一つとなった、大津市でお亡くなりになられた保護司の方に、謹んで哀悼の意を表し、長きにわたり尽くされたその志には心より敬意をささげます。 更生保護は、犯罪や非行により処分を受けた人が社会で再出発できるよう支援し、再犯を防ぎ、地域の安全を守るための取組であり、国家、地域、市民が協力して進めるべき重要な活動であります。この視点から、本日は、保護司法改正について質問いたします。 まず、大臣に対し、報酬制が導入されなかったことについてお聞きいたします。検討会では、保護司の経験のある方から報酬制ではない方がよいとの御意見が多く出たとお聞きしましたが、どのような理由だったのでしょうか。
○平口国務大臣 御指摘の報酬制については、保護司制度の検討会の報告書において、保護司の無償性は、利他の精神や人間愛に基づく地域社会における自発的な善意を象徴するものであり、なお堅持していくべき価値があることから、報酬制はなじまないとされております。この報告書は議論の積み重ねの結果であり、法務省としては、これを尊重させていただいたということでございます。 他方で、保護司の経済的負担の軽減は重要な課題であるという認識をしております。保護司活動をしっかりと支えていくため、法務省においては、これまでも保護司実費弁償金の充実などに取り組んできておりまして、引き続き保護司の負担軽減に努めてまいりたい、このように考えております。
○吉川(里)委員 ありがとうございます。 それでは、報酬ではなくボランティアで、場合によっては保護司会の会費等の持ち出しもあるのに時間と労力を使って保護司をしてくださっている方々は、どういったことをインセンティブ、またやりがいを感じていらっしゃるのか、教えてください。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 保護司の方々からは、最初は話もしてくれなかった保護観察対象者が関わりを続けることによって心を開いてくれたとき、あるいは、職場等で褒められたことをうれしそうに報告してくれたとき、あるいは、担当していた保護観察対象者が再犯をせずに保護観察期間を終えて立ち直っていったときなどに保護司をやっていてよかったと感じるといったお声を多くいただいております。 保護司の方々には、社会奉仕の精神で、安全、安心な地域社会の実現のためになくてはならない活動をしていただいております。法務省として、引き続きその活動をしっかりと支えてまいります。
○吉川(里)委員 ありがとうございます。 次に、保護観察官の保護観察とは別に保護司による保護観察が必要な理由は何なのか、また、少年の対象者が更生するということはイメージがつきやすいですが、成人の対象者が保護司の活動により更生することについてどのような実例があるのか、併せてお答えください。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 保護観察対象者の再犯を防止するとともに、地域社会での自立と改善更生を助けるためには、専門家である保護観察官による指導に加えて、地域のボランティアである保護司が身近な隣人として日常生活を見守り、助言するという協働態勢が効果的であると考えられます。 例えば、成人の保護観察対象者の中には、職場の人間関係がうまくいかず、就労が長続きしない者等がおり、保護観察官の指導や支援に加えて、保護司が仕事の悩み事を聞いたり、ストレス解消法を教えるなどした結果、就労を継続し、改善更生した例があると承知しておりまして、保護観察の実施に当たり、保護司の役割は大変重要なものであると認識しております。
○吉川(里)委員 ありがとうございます。 保護司は先生というふうに呼ばれているということで、やはり専門性を持って関わる保護観察官、そして、対象者と地域等の一員として寄り添って、時には相談相手となる保護司が社会とのつながりの懸け橋となっていることがよく分かりました。 次に、地域社会で更生を促すに当たり、保護司以外の存在というものはあるのか、教えてください。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 地域社会におきまして、犯罪をした者等の更生を支える活動を進めるに当たっては、保護司だけではなく、協力雇用主、更生保護女性会、BBS会などの民間ボランティアの皆様に御協力をいただいております。 協力雇用主は、犯罪をした者等の前歴等を承知の上で雇用し、その自立及び社会復帰に協力していただいております。更生保護女性会は、地域の犯罪予防活動や犯罪をした者等への各種支援活動を実施していただいております。BBS会は、非行少年等の生きづらさを抱えた子供、若者に兄や姉のような立場から支援をいただいているところでございます。
○吉川(里)委員 更生保護女性会は、保護区を基に、全国千三百区、約十三万三千人の会員の方がいらっしゃるということで、地域のボランティアでお母さん的な役割も担っている、子育て支援教室などもやっているということを知りました。 また、少年の立ち直りや自立支援を促すBBS会は、非行防止青年ボランティアということなんですが、まだまだ数が少なくて、全国四百五十か所、四千四百人ということですので、是非これは広報活動をしっかりとやっていただいて、地域全体で治安を守ることをやっていければいいなというふうに思いました。 次に、大津事案というものについてお尋ねしますが、保護司が対象者から物的、人的被害に遭ったものでこれまでに把握している件数は何件あるのか、教えてください。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 保護観察対象者が担当保護司にけがを負わせるなどして公務災害補償制度による補償がなされた事案は、平成二十四年以降現在までに五件あるものと承知しております。 また、保護観察対象者等から保護司が物的な損害を受けたことにより物損補償制度による補償がなされた事案は、平成二十四年以降現在までに八件あるものと承知しております。
○吉川(里)委員 件数の比較対象としてお尋ねしますが、例えば、令和六年の一年間に保護観察が開始された件数というのは何件ありますでしょうか。
○吉川政府参考人 令和六年の保護観察開始人員は、二万三千九百七十八人でございます。
○吉川(里)委員 そうすると、単純に十年掛けると約二十四万件ということですから、そのうちの十三件ということは、数としては少ないということが理解できます。確率で考えれば今回のような事案は極めてまれであるとは言えます。しかし、これは件数の多い少ないの問題ではなく、二度と起きてはならない事態であり、再発防止策を講じることは国の責務であります。 保護司のアンケートでは、自宅面接を希望される方も一定数おられ、自宅だからこそ築ける信頼関係があることも事実であり、犯罪や非行をした人を雇用してくださっている協力雇用主は、職場や自宅で受刑者、保護観察処分者とともに働き、暮らしています。したがって、単純に自宅面接をなくすべきだという議論にはならないのかなと思いました。 しかし、一方で、自宅以外の公的施設での面接を希望される保護司の方は約七割いらっしゃいますので、個別案件ごとのリスク評価を徹底しつつ、希望に応じて選択できる体制を整えることが重要です。まずは、夜間や土日を含めて、利便性のある、自宅以外の安全な面談場所を安定的に確保していただきたいと思います。 最後に、大臣に、再犯防止のためには、服役者の社会復帰や地域社会での更生を保護司や協力雇用主、その他のボランティア団体に任せておくのではなく、広く国民も、社会の一員としてその役割と自覚を持つべきではないかと考えます。社会復帰していく例を国民が知ることで、服役者等の偏見を軽減させ、地域社会の一員として受け入れようという意識につながるのではないかと思いますが、この辺り、大臣、いかがでしょうか。
○階委員長 平口大臣、時間が経過しておりますので、簡潔にお願いします。
○平口国務大臣 委員御指摘のとおり、犯罪や非行をした人たちの立ち直りには地域の方々の御理解と御協力が不可欠であり、広く国民に保護司や更生保護のことを知っていただくことが重要であると認識しております。 法務省では、毎年七月を社会を明るくする運動という名称で、国民に向けた広報啓発活動を行っているところでございます。これによれば、保護司活動を始めとする更生保護ボランティアの活動や、犯罪や非行をした人たちが地域社会の中で改善更生する姿について広く知っていただけるよう、広報活動に努めております。 このような運動をきっかけとして、国民の皆様から更生保護活動への御理解と御協力が得られるよう、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
○吉川(里)委員 保護司の数を増やしていくことも急務でありますが、犯罪の予防のためには、そもそも家族のつながりというものも大切であって、地域社会のつながりも大切であると考えております。我々参政党が訴えている道徳心を育てる教育も重要であると思いますので、是非、法務省としてもこのような広報活動や法教育を行い、治安の維持、再発防止に努めていただきたいということをお願い申し上げ、私の質疑を終わります。 ありがとうございました。
○階委員長 次に、島田洋一君。
○島田(洋)委員 日本保守党の島田です。 保護司の高齢化が問題だという指摘が多数出されたんですけれども、一方、高齢者、後期高齢者でも大変心身共に元気だという方々もおられるんですね。そういう方々にしっかり働いていただくというのも大事です。 その点、今回の改正法案で、従来六十六歳以下とされていた新任委嘱時の上限年齢、これが撤廃されたというのは結構なことだと思いますけれども、ただ、現在の運用では、法令上の定年はないんですが、原則、再任時の年齢を七十六歳未満とするというふうに運用されている。そして、特例的に七十八歳の前日までは保護司活動に従事可能ということなんですが、ちょっとこれは柔軟性を欠くんじゃないですか。七十八歳を超えても保護対象者と非常に信頼関係を築いて、お互いに続けたいなと思っているのに、保護司が七十八歳になったからぱっとぶち切られる、これは問題だと思うんですが、その点、大臣、いかがでしょうか。
○平口国務大臣 委員御指摘のとおり、保護司は原則七十六歳未満の方について委嘱可能としており、再任については、御本人が希望されれば七十八歳になる前日まで可能な運用としております。また、七十八歳に達した日以後は保護観察事件の担当などはしない運用としております。 保護司活動の上限年齢を撤廃すべきかどうかについては、保護司制度の検討会においても大変議論があったところでございます。上限年齢の引上げは、保護司の高齢化を進行させ、世代交代を阻害する要因となるとか、公平性の観点からも定年年齢は一律とすべきであるというふうな意見があったところでございます。 保護司の上限年齢の運用については、これからも保護司の御意見を伺うなどして、見直しの要否というものを適切に判断してまいりたいと考えております。
○島田(洋)委員 保護司に関しては給与が発生しているわけでもないので、だから、保護観察官が、この方は残念ながら非常に高齢になられて、例えば、いわゆる耳が遠い、コミュニケーションが取れないなと思えば、その保護観察官がその保護司に仕事を頼まなければ済むことであって、資格を失わせる必要はないんじゃないか。 例えば、平口大臣、現在七十七歳で、来年七十八歳になられるわけですけれども、非常に元気に職務に精励しておられる。七十八歳で法務大臣は務まるのに保護司は務まらない、これはどういう理由なんでしょうか。
○階委員長 平口大臣、自分の言葉で。
○平口国務大臣 保護司の上限年齢の運用については、これからも保護司の御意見を伺うなどして、見直しの要否を適切に判断していきたいと考えております。
○島田(洋)委員 後期高齢者の保護司の方でも、やはり保護司活動が自分の生きがいなんだということで、心身の健康を高齢になっても保っておられるという方もおられるのでね。そういう観点からも、機械的に七十八歳になったらあなた辞めなさいと、法務大臣に対してはそういうことは言っていないわけですから、麻生太郎副総裁は八十五歳で自民党のトップの一人として頑張っておられるわけで、高齢者になればいろいろ個人差も出るわけですから、やはり経験豊かで、そして何よりも、さっきも言いましたけれども、保護観察対象者と大変信頼関係ができているという人を、わざわざある年齢に来たからぶち切るという必要は、私は全くないと考えます。 それから、実は、私の公設秘書の一人が保護司をやっているんですけれども、その方に聞いても、今、保護司の間で非常に懸念を呼んでいる事件があると。それは、今年の八月二十日に神戸市で会社員の女性が刺殺されました、ストーカー男に。この男は、その三年前の令和四年にも、やはり別の女性のアパートに入っていって首を絞めるなどの暴行事件を起こしていた。ところが、その令和四年の事件に関して、神戸地裁が執行猶予、そして保護観察もつけなかった。ところが、そのとき裁判官は、この犯人は思考のゆがみが顕著で、再犯が強く危惧されると判決の中で言っているんですよ。にもかかわらず、保護観察をつけなかった。 これはどうしてなんだということで、保護司の間で大変話題になっているんですが、この事件を扱った産経新聞の記事によると、近年、保護観察をつける判決の割合が減少傾向にあるというんですが、それは事実でしょうか。また、理由は何でしょうか。
○平城最高裁判所長官代理者 お答えいたします。 刑の全部執行猶予に保護観察をつける割合が減少傾向にあることについては、委員御指摘のとおりでございます。 その理由につきましては、個々の裁判所の判断が積み重なった結果でございますので、事務当局として確たる理由を説明することは困難でございます。 一般論として申し上げると、保護観察に付するか否かは、犯罪の性質や被告人の更生環境等を踏まえ、執行猶予期間中の被告人の改善更生を図り、再犯を防止するために保護観察による指導等が必要かつ有益であるか否かなどといった観点から判断されているものと承知しております。 全国各地の裁判所は、定期的に保護観察所と意見交換の機会を設けて専門的処遇プログラムなどの実情を把握するなどしておりまして、これも踏まえて判断しているものと承知しております。
○島田(洋)委員 大変無機質な答弁をされたわけですけれども、神戸地裁が保護観察をつけなかったということで一人の女性が刺殺されているんですよ。これはもうちょっと真剣に、司法当局、法務当局において、一体、何でこういう判決になったのかということをきちんと検証して、そして、これは説明責任があると思うのでね。保護司の方々は現に不安を感じているわけですから、こういう事件に関して。きちんと検証して、なぜこういう判決になったのか。別に、この裁判官をここで糾弾しようというような気は全然ないですけれども、これはしっかり検証して、説明責任を果たしてもらいたいと思うんですが、大臣、いかがですか。
○平口国務大臣 個別の事件に関わる裁判例の判断は、法務大臣としてはコメントを差し控えるということでございます。
○島田(洋)委員 個別の事件に関する判断を聞いているんじゃなくて、きちんと検証する体制を法務省の中でつくられますか。
○階委員長 平口大臣、最後の答弁、簡潔、要点を得てお願いします。
○平口国務大臣 ちょっと、裁判所の判断だろうと思うんですが。答える立場にないと思います。
○島田(洋)委員 それでは、時間が来ましたので。さっきは七十八歳になられるのに元気だと褒めたんですけれども、しっかり、大臣、頑張ってくださいよ。
○階委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○階委員長 これより討論に入るのでありますが、その申出がありませんので、直ちに採決に入ります。 内閣提出、更生保護制度の充実を図るための保護司法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○階委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○階委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、武村展英君外七名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党及び参政党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。篠田奈保子君。
○篠田委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。 更生保護制度の充実を図るための保護司法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。 一 保護司の減少傾向や高齢化の流れに対処するための改正法の趣旨を踏まえ、今後とも必要に応じ報酬制の導入を検討するなど、引き続き保護司の量及び質の一層の拡充のための取組を進めること。 二 保護司の活動を充実・強化するためには、保護司の経済的な負担軽減が不可欠であることから、国において、保護司実費弁償金の対象となる範囲をその職務範囲に見合ったものとなるよう適切に定めるとともに、必要な予算を確保するよう努めること。 三 保護司が安全・安心に活動を継続していくことができるよう、国は、保護観察対象者の特性に応じて保護観察官の直接担当とすることや、保護司複数指名制を適切に活用するほか、地方公共団体との連携を緊密に行い、更なる安全・安心のための対策強化に向けた取組の推進に努めること。あわせて保護観察官の増員について、引き続き必要な措置を講ずるよう努めること。 四 保護司が保護区の区域外においても職務を行うことができることとされたこと等を踏まえ、今後ともデジタル技術の活用や更生保護サポートセンターの増設など、保護司活動の一層の利便性の向上のための取組を進めること。また、これに伴い、保護司等が保護観察対象者との面接時にオンライン又は公の施設等を利用する際は、そのプライバシーの保護に十分に配慮すること。 五 社会奉仕の精神に基づく保護司の活動を広く国民に周知させ、犯罪の予防のための保護司の意義について世論の啓発に努めること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○階委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○階委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議につきまして、法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。平口法務大臣。
○平口国務大臣 ただいま可決されました更生保護制度の充実を図るための保護司法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。 ―――――――――――――
○階委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○階委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○階委員長 次回は、来る二十六日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四分散会