厚生労働委員会 第3号
- 発言数
- 364 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2025/11/21
会議録
○大串委員長 これより会議を開きます。 第二百十七回国会、内閣提出、医療法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として文部科学省大臣官房審議官松浦重和君、厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官森真弘君、医政局長森光敬子君、健康・生活衛生局感染症対策部長鷲見学君、医薬局長宮本直樹君、社会・援護局障害保健福祉部長野村知司君、老健局長黒田秀郎君、保険局長間隆一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大串委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○大串委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申出がありますので、順次これを許します。大岡敏孝君。
○大岡委員 それでは、謹んで質問させていただきたいと思います。 自民、維新の連立合意によりますと、社会保障全体の改革の推進、とりわけ保険財政の健全化や現役世代の負担抑制、保険者機能の強化などが盛り込まれました。今回の医療法改正を機に、国民にしっかりと説明し、理解を得ながら進めていく必要があると思っております。そのことを前提に、質問を続けたいと思います。 医療は、その仕組み上、どこかで無駄な医療、重複した医療、適切ではない医療が発生すると、その分、医療費を圧迫し、制度全体への信頼も損ないます。真面目に診療に当たっている大多数の医師、医療機関が割を食うということになってしまいます。したがいまして、制度設計やデジタルの力を利用して、適切な医療は何かということを明確にしながら、スピード感を持って改革をしていかなければなりません。 まず、資料に沿って、この一枚紙、皆さんにお示しをしておりますが、この改正の概要を順次尋ねていきたいと思います。 まず、地域医療構想です。 今回、地域医療構想の視野の中に介護を入れるということですが、それならば分かりやすく地域医療介護構想として、もう少し踏み込んで、医療と介護のシームレスな体制を描くべきではないでしょうか。少なくとも医療と介護のデータ連携を進める必要があると考えますが、現状の整理と今後の方針について伺います。
○栗原大臣政務官 お答えいたします。 新たな地域医療構想は、医療、介護、この複合ニーズを抱える八十五歳以上が増加する二〇四〇年を見据えておりまして、入院医療だけではなく、外来、在宅医療、介護との連携等をも含む地域の医療提供体制全体の課題の解決を図るものといたしております。 新たな地域医療構想におきましては、介護提供体制を議論するのではなく、今後増加する高齢者救急や在宅医療の受皿の整備等に向けて、例えば、医療機関と介護施設の間で情報共有を含む連携体制の構築を進め、介護施設に入所する方の状態悪化をできるだけ防ぎ、必要に応じて円滑な入院につなげるとともに、退院が可能となった場合に早期に退院できる体制を整備するなど、地域の医療関係者や介護関係者が医療と介護の連携に係る課題を共有し、取組を進める体制を構築することを想定いたしておるところであります。 このため、名称につきましては、これまでの施策との連続性や目的等も踏まえまして地域医療構想としておりますが、地域において医療と介護の連携に係る取組が実効性を持って行われるよう取組をしっかり進めてまいりたい、このように考えております。
○大岡委員 過去を見ると、過去との連続でいうと地域医療構想になるけれども、未来との連続でいけば地域医療介護構想になると思います。さらに、データも、情報の共有のみならずデータの連携ということも含めて、視野に入れて進めていただきたいと思います。 次に、障害との接続です。 例えば、医療的ケア児、医療的ケア者は、医療技術の進歩の結果として生まれ、その多くを障害福祉の側でケアをしています。地域医療構想における病床機能の見直しに当たりまして、レスパイト利用なども含めて、介護、障害分野でも医療資源を柔軟に流用、共有できるようにするべきだと考えますが、どのように考えておられますでしょうか。
○森光政府参考人 お答え申し上げます。 これまで、在宅で療養している小児への在宅医療の提供ですとか、精神障害者への医療提供など、個別の疾患や状態に対する医療につきましては、個別の医療計画等において取組を進めてきたところでございます。 新たな地域医療構想は、今後の医療と介護の複合ニーズを抱える八十五歳以上の高齢者の増加や人口減少が更に進むということを見据えまして、医療計画の上位概念として位置づけるとともに、外来医療や在宅医療等も含めた地域の医療提供体制全体の課題解決を図るものとすることとしております。 本法案が成立した場合、個別の疾患等に対する取組につきましては、この新たな地域医療構想を踏まえて、医療計画の見直しの中で必要な検討を進めてまいりたいと考えております。
○大岡委員 是非、その必要な検討の中に、障害との接続、特に医療的ケア児、ケア者は医療の領域でやることが多いわけですから、ここはしっかりと検討を進めていただきたいと思います。 それから、地域医療構想で最後ですけれども、オンライン診療はもろ刃の剣ですよね。過疎地、遠隔地、移動手段のない方には重宝される。一方で、無駄な診療の連発を招き、特定の医師あるいは特定の医療機関が荒稼ぎをするという可能性があります。 こうした弊害を防ぎつつ、オンライン診療の適切な普及を促すためには、どのような制度設計を考えておられるのでしょうか。
○森光政府参考人 お答え申し上げます。 今般、本法案では、まず、オンライン診療の定義を法律上に規定をした上で、オンライン診療の適切な実施に関する基準、これを定めることとしております。 この基準に違反している医療機関に対しては、都道府県等から是正命令等を行うことが可能となることから、本法案を施行する中で、適切なオンライン診療の推進を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
○大岡委員 そのように進めていただきたいと思います。概して、厚生労働省は必ずしもスピードが速くないと言われることが多いですから、オンラインの場合はしっかりと進めていただきたいと思います。 次に、改正の概要、大きく二番、医師の偏在是正についてお尋ねをしたいと思います。 都道府県が主体となって偏在是正をするとのことですが、保険者からの拠出で手当を出すと。市町村国保、協会けんぽ、企業健保組合ごとの負担はどのように設計されるのでしょうか。規模はどの程度になるのでしょうか。 また、関連して、前述の地域医療構想の策定や見直しに当たっては、この保険者も責任ある当事者として議論に参画する仕組みをつくるべきだと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
○森光政府参考人 お答え申し上げます。 まず、医師の手当事業につきましては、今後も定住人口が見込まれますが人口減少より医療機関の減少スピードが速い地域等である重点医師偏在対策支援区域における医師確保を推進するため、経済的インセンティブの一つとして、保険者からの拠出により、派遣される医師及び従事する医師への手当の増額の支援を行うものでございます。 具体的には、都道府県が実施主体となって、医療機関を経由して医師に対して手当を支給するものであり、その財源については、社会保険診療報酬支払基金が保険者等から拠出金を徴収し、都道府県に交付するという流れを想定をしております。 お尋ねの単価、額につきましてでございますが、医師の派遣等については、現状、国家公務員の医師であれば、人事異動に従って勤務するに際し、特地勤務手当が一月当たり平均約四・三万円支給されますが、今般の事業は、重点的に医師の確保が必要な区域において自発的に診療する動機を後押しするというものでありますから、こうした手当よりも高い単価を設定することが必要と考えています。 一方で、僻地での診療に対する補助が一月当たり平均約十八万円であることから、こうした既存制度などを踏まえつつ、具体的な単価について検討してまいりたいと考えています。 また、医師手当の対象となる人数の考え方につきましては、重点医師偏在対策支援区域は早急に医師確保を要する地域であることから、派遣される医師のみならず、既に勤務している医師にもその区域で引き続き勤務していただく必要があり、派遣医師に加え、既に勤務している医師も当該事業の対象とすべきと考えています。 こうした考えを踏まえますと、粗い試算でありますが、約一万人弱が対象となると考えております。 具体的な内容につきましては、施行に向けて、対象医師数など必要な精査をした上で、単価や補助要件などを併せて検討してまいりたいと考えています。 また、保険者の参画ということでございますが、この検討に当たって、それからまた、都道府県の交付事業の検討に当たっては、保険者の参画というのは必要であるとも考えておりまして、その関わり方については検討していきたいというふうに考えております。
○大岡委員 いずれも踏み込んでお答えいただきましたので、しっかりと検討、検証を続けながら、制度をよりよいものにしていただきたいと思います。 次に、都市部はビル診、ビル診療所がどんどんできる一方で、地方部は医師がどんどん減少しています。この資料に示されております対策としての事前届出、要請、勧告だけでは、偏在是正の効果は不十分ではないでしょうか。医師過多区域には、保険医や保険医療機関の指定数の上限を設けて、保険診療を主とする新規開業に一定の歯止めをかけるということも今後検討すべきだと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
○森光政府参考人 お答え申し上げます。 まず、医療機関に対する開設不許可といったような対応につきましては、社会保障審議会の議論において、職業選択の自由との関係や、新規開業が減少して、競争原理が働かないことによる医療の質の低下などの論点があることが指摘されております。こうした対応は今般の改正案には盛り込まないこととしたところでございます。 一方で、医師偏在対策を進める必要があることから、昨年末に策定した総合的な対策パッケージに基づき、先ほどの、早急に医師を確保すべき区域における診療所の承継、開業支援等の経済的インセンティブや、中堅、シニア世代の医師を対象とした全国的なマッチング支援事業、それから、外来医師過多区域における、地域で不足する医療機能の要請、勧告等の仕組み等を組み合わせた取組を推進することとしております。 その中で、外来医師過多区域においては、新規開業者が地域で不足する医療機能等の要請に応じない場合には、やむを得ない理由でない場合を除きまして、保険医療機関の指定期間を三年等に短縮するとともに、指定期間中は都道府県医療審議会等への出席を求めるほか、その内容を踏まえ勧告を行うこと等の複数の措置、これを組み合わせることで、外来医療の偏在対策を実施することとしております。 以上でございます。
○大岡委員 次に、診療科ごとの偏在をどうするのかについてお尋ねをします。 例えば、小児科が存在しない地域がある一方で、皮膚科などの一部の診療科が特定地域に過度に集中しているなど、診療科ごとの偏在是正をやらないと意味がないのではないかと考えます。診療科別の医師配置及び医師養成の在り方を都道府県がきちんと描けるように、国として診療科ごとの偏在是正にどのように取り組むのか、お伺いをいたします。
○森光政府参考人 お答え申し上げます。 医師の診療科偏在により、地域において必要な診療が受けられなくなる事態が生じないよう、対策を講じる必要があると認識をしています。 このため、地域で必要な診療科を確保できるように、これまで都道府県において、地域のニーズに応じて、特定の診療科での勤務を要件の一つとした地域枠の設定や、産科や小児科の医師の確保については個別に医師確保計画を策定しており、これを国も支援をしております。 また、今後に向けては、皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科等、一定の医療ニーズが存在し得る専門領域につきましては、遠隔医療の効果的、効率的な活用等による対応を検討しておるところでございまして、厚生労働省といたしましては、地域において必要な診療科が確保されるよう、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○大岡委員 二つの質問、いずれもしっかりと答えていただきましたのですが、これは国民のための医療ですから、行政が政策を遂行する上で必要なツールというものはしっかりとそろえて、進めていっていただきたいと思います。 そして、改正の概要、大きく三つ目、医療DXについてお尋ねをしたいと思います。 これまで医療機関のデジタル化支援のために、電子カルテ導入を含めて多額の補助金が投入されています。まず、この総額と事業別の内訳を教えていただきたいと思います。 そして、その目的は、電子カルテ情報の共有による効率化、不正とか不適切の防止、そして研究開発など医療分野の成長、進化であるはずです。データ共有に協力しない医療機関に対しては、一旦交付した補助金の返還を求めるなど、しっかりとしたインセンティブ、そしてペナルティー、これを設定しておくべきだと思いますが、現在どのようになっているのか教えていただきたいと思います。
○森政府参考人 電子化についてのお尋ねでございます。 医療DXは、切れ目なくより質の高い医療の効率的な提供を通じて国民の更なる健康増進を図るものでございまして、医療機関等の導入負担を軽減するために、例えば医療情報化支援基金、これはICT基金と呼んでおりますが、これによる補助を行っているところでございます。 具体的には、同基金を活用した執行額は、オンライン資格確認等システムや電子処方箋、電子カルテ情報共有サービスの導入等として、令和六年度末までに約一千三百億円を交付しているところでございます。 こうした補助金により普及が進むことによって、電子処方箋によるリアルタイムでの薬剤情報の共有や、薬剤情報を活用した重複投薬等のチェックが可能となるほか、電子カルテ情報共有サービスによる検査情報が共有されるなど、質が高く効率的で安全な医療提供が可能となり、医療機関がメリットを享受することができるものというふうに考えております。 委員御指摘の仮に適切な利用がなされていない場合についてでございますが、少なくとも現時点において不適切に利用されているというケースは見当たらないものというふうに考えているところでございますが、今申し上げたメリットに加えて、端末購入やシステム改修には医療機関にも一定の自己負担が必要でございまして、また、実際に現場でこれらのサービス利用を希望する患者が一定数おられるという中で、これらのシステムを適正に活用していただいているのが現状だというふうに考えているところでございます。 導入されたシステムが適切に利用されるよう、メリットの更なる訴求等を通じて政府の医療DXの取組の着実な普及に努めてまいりたいと考えております。
○大岡委員 時間の関係で、通告した残り二つは要望とさせていただきますが、先ほどの答弁いただいた中では、当然、補助金返還、私の確認だと、それを理由に、政策に協力しないということを理由に返還する規定はないはずなんですね。しかし、これから、当然、医療機関というのは私たちが予想している以上に実は経営基盤というのは必ずしも大きくありませんから、多くの小さな中小企業を上手に束ねていく作業というのが必要になります。このための政策ツールというのはよく考えて、目的に沿っていけるように進めていただくようにお願いいたします。 あわせて、これによって重複検査の削減、薬のいわゆるポリファーマシー、出し過ぎ、飲み間違い、あるいは重症化予防など、しっかりと目標を持って進めていただきたいと思います。 さらには、この医療データを扱う企業からはやや使いにくいという指摘があるのも事実ですので、ここも、逆に、データを扱う企業との対話を重ねて、医療が、我が国の医療レベルが世界で決して劣ることがないように進めていただきたいということは要望とさせていただきます。 次に、四点目としまして、医療法による指導、保険医の処分などについて、具体的な事例も含めてお尋ねをしたいと思います。もちろん、具体事例に直接答える必要はありませんが、同様の事例の場合どうなのかということで答えていただければと思います。 昨日、青森のある病院の元院長に対する有罪判決が出されております。ここでは、違法な拘束、常勤医の水増し、不適切な死亡診断書作成などの問題が指摘されました。ここは地域医療の核となる病院だったんですね。こんなことになってしまうと地域医療計画に大きく影響しますよね。 こうした病院について、これまでどのような指導をしてきたのか、地域医療計画を正しく機能させるためには指導や処分を速やかで的確なものにしていかなければならないと思いますが、どのように考えておられるのか、教えていただきたいと思います。
○森光政府参考人 お答え申し上げます。 まず、個別の事案についてはお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、議員御指摘ののような医療機関においてそのような問題が生じた場合、都道府県等は速やかに当該医療機関に対して立入検査、報告徴収等を行い、安全な診療の継続が可能かどうか、これを確認し、その結果に基づいて医療機関に対して是正を命じる等、安全な医療の継続を確保するということが必要だと考えておりまして、そのように指導しているところでございます。
○大岡委員 二点目も、ちょっと時間の関係で指摘とさせていただきますが、この方は東京都内のある医師、過去二度の医業停止の行政処分を受けている、六回逮捕されている、インターネット上に不適切な書き込みをするなどで実刑判決を受けている方、これは現在も保険医として診療を続けているんですね。 これは、タイムラグであったり、医療法上の処分あるいは健康保険法の処分のずれなどが原因で発生していると思われますけれども、私は、こうしたことに関しても、これはまさに国民の、医療全体の信頼を損ねるし、制度の信頼を損ねますから、したがいまして、速やかに適切に処分を行える体制を今後もしっかりと検討していただきたいと思います。 処分の考え方についてという資料はあるんですけれども、これは平成十四年に作られたもので、まさにインターネット上の不適切な書き込みなどは対象外だったんですよね。やはり時代に合わせた形でしっかりと見直していただくよう要望しておきたいと思います。 最後に一つ、介護分野における労働集約型からの脱却についてお尋ねをしたいと思います。 介護事業は、経営状況、あっ、もう終わりました。じゃ、これは次のときとさせていただきます。 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
○大串委員長 次に、鬼木誠君。
○鬼木委員 自由民主党の鬼木誠でございます。 立憲民主党さんにも鬼木誠さんがおられますので、あらかじめ所属を名のって、医療法改正の質問をさせていただきます。 今般の医療法案は、二〇四〇年頃の医療提供体制を見据えてというところで、その目的として、二〇四〇年の医療提供体制、それを見据えての法案改正となっております。その頃何が起こるかといいますと、高齢者人口がピークを迎えて、一方で、過疎地においては医療の供給が足りなくなるんじゃないか。なおかつ、そこから先、都市部においても需要も減っていくんじゃないか。そうした中でいかにして医療提供体制を持続可能なものとするかということ、それを問題意識としてこの法案改正が行われています。 そうした中で、三つの柱、新たな地域医療構想、二つ目、医師偏在是正対策、三つ目、医療DXの推進、これらについて、それぞれどのような内容であり、この法案の目的に資するものと考えているのか、お答えください。
○森光政府参考人 お答え申し上げます。 今般提出しております医療法改正法案は、高齢化に伴う医療ニーズの変化や人口減少を見据え、二〇四〇年頃に向けて、地域での良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制を構築するため、所要の改正を行うものでございます。 具体的には、治す医療を担う医療機関と、治し支える医療を担う医療機関の役割分担を明確化していく新たな地域医療構想の推進や、地域の実情に応じて必要な医療を確保するための医師偏在対策といった医療人材の確保、必要な医療等情報を関係者の間で共有する基盤となる医療DXの推進といった取組をその内容としております。 また、これらの取組はそれぞれ、新たな地域医療構想の推進は、二〇四〇年やその先を見据え、適切な医療提供と医療従事者の持続可能な働き方を確保できる医療提供体制の構築を目指すものであり、医師偏在対策といった医療人材の確保は、同様に、将来にわたり地域で必要な医療提供体制の確保を目指すものでございます。また、医療DXの推進は、医療等情報の基盤を構築し、情報の利活用を推進することを通じて、業務効率化の促進やより質の高い適切な医療の効率的な提供を可能にするものであり、法案の目的に資するものと考えております。
○鬼木委員 私は、この三本の柱のうち、医療DXにすごく期待をしております。二〇四〇年問題に対して有効な答えの一つになると考えており、今回の法改正、その取組を細部まで見ても、今からこれに取り組むということはとても大事なことだと思っております。 ところが、医療の現場の人にその話をしますと、今、医療DXの推進と聞いてうれしい顔をする医師はいないわけですね。本当にいないです。それは、電子カルテ始め医療DXは、コストや手間暇がかかりこそすれ、何のメリットも現場では感じられていないからだと思います。 私たち自民、維新、公明で、電子カルテの一〇〇%導入ということに向けた修正案を作るべく今鋭意協議を重ねておりまして、そして先日、立憲民主党さんにも国民民主党さんにもその御説明を差し上げました。そうしたら、やはり、今のままの電子カルテ導入なら反対だ、何ともデータがつながっていない、何も便利にならない、導入コストも大きいし、システム更新もお金がかかる、その費用を誰も面倒を見てくれないということで、厳しい御意見をいただきました。今のままでいいのかと。 なので、政府が目指す医療DXは、どのようなものをその目的、目標として目指しているのか。電子カルテを始め国が推進する医療DXとは、どんな未来を目指し、どんな恩恵を医療現場に与えようとしているのかをお答えください。
○森政府参考人 医療DXに関する御指摘でございます。 委員御指摘のとおり、医療DXについてはまだまだ現場に十分御理解いただけていない面があるというふうに認識しております。 医療DXは、保健、医療、介護の情報について、その利活用を積極的に推進することによって、一人一人の健康増進に寄与するだけでなくて、医療現場における業務効率化、それから医療サービスを提供する際のより効率性と、効果的な医療サービスの提供に資するというふうに考えているところでございます。 こうしたDXの取組を通じることによって、医療の質それから安全性をきちんと高めていく、コストパフォーマンスを上げていく、事務的な効率性をよくしていく、それから患者自身にとっても自身の健康管理につながっていく、さらには、こうしたデータを二次利用していくことによって創薬等のイノベーションに貢献していくという、今の医療を次のステージに引き上げていくために必要なものだというふうに考えているところでございます。
○鬼木委員 決して今のは立憲さんのことを悪く言ったわけじゃなくて、本当に医療の現場が抱えている不満を的確に指摘していただいたと思っています。 さっきいろいろ、何ともつながっていない、何も便利にならないというのは、立憲さんが言ったことじゃなくて今私が言ったことですので、そこは何かちょっと混同するような話になって申し訳ないですが、そこは共有した上で、本当に医療の現場の人たちのためになる、患者さんのためになる、国の産業のためになる、そんな未来をつくっていく医療DXにしていく、そんな医療法に作り上げていこうという、その道のりを解説させていただきましたので、決して、全く悪意はないので、済みません、言い方が悪かったかもしれません。 この医療DXの中で、電子カルテの導入はどういう役割を果たしていくものでしょうか。お答えください。
○森政府参考人 電子カルテについてでございますが、医療機関にとっては、電子カルテを導入することによりまして、業務の効率化、負担軽減に資するとともに、情報の管理が容易となり、過去の診療内容を基に、より質が高く安全な医療を効率的に提供できるようになるといったメリットがあるというふうに考えているところでございます。 さらに、電子カルテの普及を進めていくことで、政府の電子カルテ情報共有サービスを介して、患者の健康医療に関する情報を円滑に全国的に連携することができるようになるというふうに考えております。 このような電子カルテの重要性について現場の理解も十分に得ながら、普及を図ってまいりたいというふうに考えております。
○鬼木委員 ありがとうございます。 電子カルテも、その前に導入されたマイナンバーも、やはり現場にとっては手間暇だな、コストだなとずっと思われているんですけれども、実は、これが基盤となって医療のDXが進んで、将来的によい未来をみんなにつくっていく、その手段である、導入が目的ではなくて、その先にある目的への手段としての電子カルテ、その役割や価値というものももっと広く知っていただく必要があるかなと思っております。 お配りした資料を御覧いただきますと、三枚目と四枚目を御覧ください。「介護情報基盤について」という、介護情報基盤というプラットフォームについて資料を配らせていただいております。そして、その次のページは、「介護情報基盤の活用により想定されるメリット・活用イメージ」という資料を配付させていただいております。 二〇二六年から介護情報基盤というプラットフォームができて動き出すということですが、これが稼働するとどんなメリットがあるのでしょうか。お答えください。 済みません、これは質問しないことになっていましたね。失礼しました。驚かせました。 三枚目の資料を見ていただくと、現在のイメージと基盤稼働後ということで、本当に手間暇がいろいろなところでかかっているんですね。主治医が主治医意見書を手書きして、それを郵送して、受け取った人が開封して、時間も手間暇もコストもかかっている。これを電子でつなぐと、ぱっと一発で終わる。ケアマネさんの負担なんかも、電話、ファクスの手間、電話を何回もかけたり、こういうのも、電子でつなぐことによって、手間暇、コストがこのプラットフォームによって解決される。 まさに、医療と介護の多職種連携が、そこが地域医療構想の肝なわけですが、それがスムーズになっていく、効率化できる、低コストになっていくというものが、介護についてはもうできようとしている。あとは、先ほど大岡議員からも指摘がありましたが、医療と介護のデータ連携ということになってくるわけであります。 それを更につなごうとしている未来像が資料一枚目、全国医療情報プラットフォームということになるわけであります。医療の情報基盤、介護の情報基盤、これらをデジタルでつないでいって効率化する、生産性が上がる、楽になる、こうした未来をつくろうとしております。 この全国医療情報プラットフォームが構築されようとしておりますが、このプラットフォームが有効に機能するためには何が必要でしょうか。どこがボトルネックとなっているとお考えでしょうか。お答えください。
○森政府参考人 委員御指摘のとおり、医療と介護の連携を図っていくためには、それぞれの情報基盤がきちんと連携できるようなシステムを構築していくことが非常に重要だと考えておりまして、今現在、両方のシステムをつなげられるように進めているところでございます。 その上で、全国医療情報プラットフォームの運用に当たっては、参加する医療機関、それから介護事業所、自治体等のやり取りをする情報そのものの標準化というのが必要になってまいります。こうした観点から、電子カルテ情報共有サービスにおいて、紹介状、それから検査情報等の標準化について、関係者の意見も聞きながら現在検討を行っているところでございます。その結果も踏まえて、システムの開発やサービスの構築を行っていきたいというふうに考えております。 介護と医療の情報でいくと、例えば、医療側が要介護認定の情報が見られるですとか、それから、介護側から医師の意見書というのが必要になってくるといった情報のやり取りは当然発生してきますので、そうしたものに資するようなシステムを構築していきたいというふうに考えております。
○鬼木委員 基盤となるシステムを構築して、情報が行き来できるように標準化をして、そして電子カルテの導入を進めて、そうした基盤がこの医療法改正を通じても、一歩一歩着実に前に進んでいると感じております。 なぜ進まないかというと、そこにインセンティブが働いていない、何かコストばかりかかって何も便利にならない、得しないみたいな、利便も利益も感じられないから進んでいかない。卵が先か鶏が先かという議論のまま膠着しているような状況がありまして、プラットフォームがないから電子カルテが進まないのか、電子カルテがないからプラットフォームが進まないのか、そうした中でこの法改正で前に進もうとしております。 そうした中で、圧倒的に便利でお得になるシステムを構築すれば、これに参加した方がお得なんだ、便利なんだということで、みんなこぞって参加、導入していくと思います。 どうメリットを与えて電子カルテの導入、そして医療DXを加速していくか、医療DX推進のインセンティブについてお答えください。
○森政府参考人 委員御指摘のとおり、本当にどういうメリットをつけていくのかが重要になってくるというふうに考えているところでございます。 元々、現在、医療機関に係る負担に関しては、例えば、電子カルテ情報共有サービスに対応するためのシステム改修に対して、ICT基金を活用して病院を対象とした支援を行っているところでございますが、これだけではなくて、例えば、クラウド型を利用した安価なタイプの電子カルテ等を作っていくことによってより医療機関が導入しやすいようにしていく、そういった基盤というのをつくっていきたいというふうに考えているところでございます。 さらには、先ほども申し上げたように、医療機関にとって、それから患者にとって、保険者にとって、それぞれきちんとそのメリットがあるということを皆さんに分かっていただきながら、DX推進を図っていくことが大切だというふうに考えているところでございます。
○鬼木委員 何か、マイナンバーを進めるために五千円を上げますみたいなことではなくて、これを導入したらこんなによくなった、現場が楽になった、お得になったということで、こぞってみんなが行くようなシステムをつくってそっちに導くという形で、今の安価なクラウド型システムを導入するようなインセンティブを与えるというのは、本当にみんなが安く導入できて、便利になっていくといういいアイデアだと思いますので、そこも導入推進に向けて知恵を絞っていただきたいと思います。 まさに、私も、汎用のパソコンを使って、安価なソフトで導入、運用できて、そして、パーソナル・ヘルス・レコードを使って医療情報を様々なところでつないで、患者さん自身のために活用することができて、それらのデータが蓄積されて産業を生んでという、そんな未来をつくろうとしていると思います。 それを推進していく上で最後のネック、課題となっているのが、やはり個人情報の保護だと思うんですね。一番の機微情報である患者さんの健康情報というものをどうやってつないでいくことができるようになっていくのか。 今回の改正で、資料二枚目になります、電子カルテ情報共有サービスが実現することになりますが、患者さんの医療情報はどのように守られ、かつ、活用できるようになるのか、お答えください。
○森政府参考人 電子カルテ情報共有サービスにつきましては、当然、全国の医療機関等で医療情報を共有、閲覧できるようになります。そのため、運用に当たっては、個人情報保護の観点から、適切な対応というのを取っていかなければならないというふうに考えております。 まずは、医師が患者が過去に受診した他の医療機関の情報を閲覧できるのは、救急時等の一部の例外を除きまして、本人の同意が得られた場合に限るというふうにされているところでございまして、患者の医療情報がみだりに閲覧できないようにしていくというふうに考えております。 それから、情報セキュリティーの面では、電子カルテ情報共有サービスのシステムに関して、運営主体である支払基金が政府機関のサイバーセキュリティー対策のための統一基準にのっとって構築、運用を行っているところでございます。 医療機関に対しても、医療情報システムに関する安全管理ガイドラインといった取組を進めていただいているとともに、医療機関の管理者が遵守すべき事項の中にサイバーセキュリティー確保のために必要な措置を盛り込むといった対応を行っているところでございます。 個人情報保護、それから情報セキュリティーの面、しっかりやっていきたいというふうに考えております。
○鬼木委員 ありがとうございます。 個人情報が漏れたりするんじゃないかという心配に対して、マイナンバーも非常に手堅く、一歩一歩進めてきました。そして、医療情報も一歩一歩、手堅く手堅くやってきました。これがどこかで漏れたりすると、一気に全体がストップしてしまうということになるので、一歩一歩進んできて今回の電子カルテ情報共有サービスまでたどり着いたということですので、個人の情報が守られながら活用されていく、その体制づくり、しっかり頑張っていただきたいと思います。 今までは、それぞれのデータがオンプレミスで、病院ごとで閉じられていて、データサイロと呼ばれていたわけですが、これがつながり合って、医療の現場が便利に、効率的になっていく、圧倒的に便利になる、そして、資本投下以上の、生産性が上がって利益が出る、人手不足を補う力になる、そして、データの蓄積が産業になっていく。特に、日本という国は、国民皆保険で、あらゆる国民が医療を利用できていますから、データを集めるという意味では、本当に日本という国はすばらしいデータが集まると思うんですよね。ですから、そこがまた、きちんと個人情報が守られながら産業になっていく、よりよい医療をつくっていく力になる、そうした未来をこの医療DXでつくっていただきたいと思います。 みんながやりたくなるDX、便利でお得なDXを目指して頑張っていきたいと思いますので、この医療法の改正、是非前に進めていきたいと思います。 以上で終わります。
○大串委員長 次に、早稲田ゆき君。
○早稲田委員 立憲民主党の早稲田ゆきです。 今日も、上野大臣、よろしくお願いいたします。 それでは、医療法に関連いたしまして質問をしてまいります。 先ほど鬼木委員からも御紹介がありました、立憲民主党からこういう提案もあったということですが、まさに私は、医療DXをクラウドネイティブな仕組みに抜本的に転換をする、今こそその時期ではないかと思っています。いや、遅過ぎているんですけれども、だから取り戻さなければならないのではないかと思っています。 先ほど来、御答弁の中でも、現場の医師の方の理解がまだ足りていない、だから御協力をいただくためにいろいろやっているんだというお話もありましたけれども、つまりは、病院は、高いサーバー料、ストレージ保守料を払っていて、そして低い機能の電子カルテしかできない、何のためにやっているんだということ以外に理由はないわけなんですね。ですから、いろいろハードルはあっても、やはりクラウドネイティブな仕組みに転換をするべく、それを並行してしっかりとやっていくというのが今回の医療法改正の大きな肝になるのではないかと私は思います。 そこで、資料も御覧ください。立憲民主党の社会保障調査会で、国際医療福祉大学大学院の高橋泰先生のお話を伺いました。 ここに書かれているとおりでありまして、日本の医療情報のシステムというのは、本当に閉域の、閉域網と呼ばれる、インターネットから遮断をされた状況でどんどんどんどん進んでいる。そうしますと、専用のネットワークですから、各病院が院内にサーバーを設けて、そして電子カルテ、検査データを管理してきたわけですね。それは、安全面ということでは非常に、閉ざされた中ですから、ある意味安全かもしれません。しかしながら、医療情報の漏えいを防ぐためということであるけれども、これは二十世紀の技術に基づいてきたもので、クラウドを中心に進化してきた世界の情報技術からは立ち遅れて、もう二十年、三十年となっている。だからこそ、医療DXの遅れの原因になっている一番の大きなことではないかということでありました。 私も大変それは共感をして、地元のいろいろな医療DXに関する病院や医師からの御相談もいただきますけれども、結局は、連携もしづらい、それからまた画像診断も健診データに上げることができないなど、非常にいろいろ課題は山積をしています。 その中でありますので、是非大胆な方針転換をしていただいて、クラウドネイティブな世界に医療をつないで、電子カルテだけではありません、画像診断装置や検査機器、看護記録システムなど、診療、看護、そして検査などの情報をブラウザーを通して自在に呼び出して、もちろん医療の関係者、そして患者双方にとって新しい価値を生み出すべきではないかと考えますが、大臣の御見解を伺います。
○上野国務大臣 まさに私も委員と同じ問題意識を持っておりまして、クラウドネイティブ型の電子カルテにつきましては、インターネット上で提供される様々なサービスとつながりやすく、また、複数の医療機関で共同利用することによりましてコスト削減が期待できるなど、様々なメリットがある仕組みだと考えています。 厚労省におきましても、現行のオンプレ型の電子カルテから、クラウドネイティブを基本とする廉価なものへと移行するとの方針を打ち出してきました。現在、この方針に基づきまして、電子カルテの標準仕様の今年度中の策定を進めておりまして、さらに、この標準仕様に準拠いたしました電子カルテにつきましては、今後、厚労省におきまして認証し、その普及を図っていく方針であります。 二〇二六年の夏までに普及計画を策定し、こうした取組を委員御指摘のとおり進めさせていただく中で、電子カルテへの転換を進めていきたいと考えています。
○早稲田委員 力強い御答弁をいただきましたが、ここに書かれているのが、医療DX令和ビジョン二〇三〇、そこの中では、いわゆるクラウドネイティブを基本とする安価なものへと移行することを図りつつというふうには書かれておりますが、力強くこれを進めていただきたいと思います。 そして、複数センターとバックアップの設置、これも法的に義務づけることで、やはり災害時でも情報を失わないようにもできるわけです。このクラウドネイティブの全国共通の電子カルテ、これは政府主導で開発を推進すべきではないか、そこに支援もきちんと入れてやっていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○上野国務大臣 御指摘の点も含め、政府としてしっかりと支援ができるように努めてまいりたいと考えています。
○早稲田委員 ここのときには、先ほど来申している電子カルテだけでなく、画像診断、それから検査機器、看護記録システムなど、そういう情報が入れられるように、そして、閉域であったオンプレ型から最新の技術を活用したネイティブ型への転換ということを、是非、上野大臣のリーダーシップでやっていただきたいと思います。 ただし、その一方で、セキュリティーや災害時の対応などで不安に思う国民の方もいらっしゃると思います。安全面の対策として、どのように対応をしていくのか。私は、非常に気になって懸念をしているのは、先般の質疑で宮川委員が御指摘のあった、アマゾン一強で、これに全て依存をしている、そういう状況が日本の経済安保からも非常に懸念されるのではないかというのは本当にそのとおりだと思いますので、セキュリティーについて、この点についてお尋ねをします。
○上野国務大臣 クラウドそのものに対する御懸念につきましては、前回の審議の中でもいろいろな議論があったところでありまして、そうした面についても我々としてはしっかりと対応するべきだと考えています。 その上で、電子カルテの標準仕様におきましては、例えば、物理的なサーバーを国内に複数設置をした上で大規模災害等を想定したバックアップ体制を構築をすることや、あるいは、セキュリティーの観点から、システムの脆弱性を確認する検査を実施することなどを要件とする、こうしたことも検討させていただいております。 さらに、今後、厚生労働省におきましては、電子カルテがこうした要件に準拠していることを認証する、そうしたことも検討しておりますので、セキュリティー面等での不安が解消されるように努めていきたいと考えています。
○早稲田委員 大臣が今御答弁されましたけれども、それでもまだまだ不安が払拭されるというところではないと思うんですね。 その一方で、国産のクラウド、こうしたことをやってこなかった。これによって、今言われている大変なデジタル赤字、二〇二四年六・六兆円と言われていますけれども、これはすごい数字ですよね。その中で、国策として今進めているインバウンドの黒字は三・六兆円ですから、それを上回る赤字なわけです、デジタル赤字が。 そこのところを含めても、この面での医療DXも含めたDXの国策がやはり非常に薄かったということのあかしではないかと思っています。その意味でも是非このことをもう少し、もっと前向きに進めていただきたい、国産化ということも含めてですね。 そして、十九日には、ドイツ、フランスでは、米国のIT依存脱却をということで、共同で決定をいたしました。つまり、トランプ米政権以降、非常に米国ITの依存に対する危機感が高まっているということであろうと思います。 だから、それはやはり日本にとっても同じことなので、しっかりとそこのところをリスクマネジメントするという意味でも、やはり国策でやっていただきたい、国産化ということも考えていただきたいと思います。それを進めていただきたいし、また、医療情報という重大な個人情報でありますから、これが海外に漏れないように万全のリスクヘッジを取っていただきたいということを要望をさせていただきます。 そして、最後につけ加えますが、私たち立憲民主党も、超党派で、デンマークの保健委員会の御一行と意見交換をさせていただく機会が夏にはございました。ここでも医療DXのやり取りをしたわけですけれども、やはり診療所についての通知期間というのが非常にかかる、最低でも五年間ということも言われておりましたし、IT技術、ICTシステム購入補助金というのが非常に有益だった、やはり、民間だけに任せるのではなく、政府が主導で公的資金を投入してやっていかないとなかなかできないと。 ちょうど二十年前のデンマークと今の日本が同じような感じということも分かりました。診療所向けの電子カルテシステムは、百種類以上のベンダーさんのが販売をされている。それをどんどんどんどん共有システムで小さくしていったというお話でありますから。これからということなので非常に時間はかかりますけれども、そこもしっかりやっていただいて、クラウドネイティブということも進めていただくことを強く要望させていただきます。 次の質問に移ります。新たな地域医療構想についてです。 従来の地域医療構想においては、利益が余り出ない、もうからないけれども地域にとても必要な救急とか、そうしたものを受け入れている診療科も担うJCHOなどの公的病院の統廃合、病床削減への懸念がありました。今度の新地域医療構想においても同じような懸念が残るのではないかと思いますが、その点についていかがでしょうか。
○上野国務大臣 現在の地域医療構想につきましても、まず病床の削減であったり病院の統廃合ありきではなくて、中長期的な人口構造あるいは地域の医療ニーズの変化に応じて質の高い効率的な医療提供体制の確保を目指すものでございます。 新たな地域医療構想におきましても、二〇四〇年頃を見据え、高齢者救急あるいは在宅医療需要の増加、生産年齢人口の減少、そうしたことが見込まれる中、医療機関の機能に着目をして、例えば手術等の医療資源を多く要する一定の症例数を集約して対応するなど、医療機関の連携、再編、集約化を進めることになるものと考えております。 構想の進め方でございますが、新たな地域医療構想の具体的な調整に際しましては、地域医療構想調整会議等におきまして、都道府県を中心に地域の関係者が協議を行って、地域の実情を考慮しながら調整、取組を進めていただきたいと考えているところであります。 委員からの病床削減等の懸念がありますが、そうした御懸念もないような形で、地域の実情を考慮しながら取組を進めていくことが必要かと考えています。
○早稲田委員 地域のニーズに合わせ、もちろんそれを重視してということでありますが、今、自民党さんと日本維新の会、公明党さんと三党で取りまとめをされている修正案につきまして、病床削減について十一万床というような報道もございますけれども、十一万床削減ということありきではもちろんない、その数字ありきではないということでよろしいですね。
○上野国務大臣 私どもとしましては、具体的なニーズ、地域の実情、そうしたものをよく精査をして、病床数削減等については対応する必要があると政府としては考えています。
○早稲田委員 是非そうしていただきたいと思います。 その中で、この新構想の中には、介護との連携が項目として入りました。慢性期病床の、回復期、急性期病床への転換の進め方がどのように変わるのか、介護保険制度上の介護医療院、こちらの転換も入っているのではないかと思いますが、そのことについて御説明ください。
○上野国務大臣 高齢化が進む中で、平成三十年になりますが、要介護者であって主として長期にわたり療養が必要である者のための施設として、介護医療院が創設をされました。現在、今年の四月時点でございますが、全国で約五万三千床が整備をされているところであります。 療養病床から介護医療院等への転換を推進するため、病床転換助成事業により、医療機関に対し、療養病床から介護医療院等への転換に要する費用についてこれまで支援を行っているところでございます。 今後、二〇四〇年を見据えますと、やはり医療と介護の複合ニーズを抱える八十五歳以上の高齢者の増加が見込まれます。このため、新たな地域医療構想につきましては、介護との連携も含めた医療提供体制全体の課題解決を図るものと位置づけることとしているところであります。 引き続きまして、国、都道府県、市町村、医療・介護関係者の連携の下、介護医療院の整備状況等の介護に係るデータ、こうしたものも十分踏まえながら、二〇四〇年頃を見据え、地域の実情に応じた体制の確保に向けた取組を着実に進めさせていただきたいと考えています。
○早稲田委員 これはやはり地元のニーズも高いです。というのは、介護施設に入所されていても、病気になられればそこを出なければならないというところもございます。その中で、介護医療院というものがきちんと地域に整備をされていれば、非常に御家族も御安心になるということでありますし、これまで以上に、今も補助金を、病床転換助成事業、八年度以降も継続されると承知をしていますけれども、介護保険計画と連携をこれまで以上にしっかり深めてやっていただきたいと思います。 それから、他方で、不要な身体拘束など人権侵害の批判が上がっている精神科病床を削減の対象として地域医療構想に新たに加えたこと、これは評価をいたします。精神科の地域医療の充実を図るために、また精神障害のある方の地域移行を進めるためには、しっかりと基盤整備を、強度行動障害を含む障害者の方の地域生活の生活基盤を、支援の基盤を進めていかなければなりません。 その一方で、慢性期機能を有する精神科、精神病床については、稼働していない非稼働病床の範囲にとどまることなく、計画的に、積極的にダウンサイジングも検討していくべきではないかと考えますが、どうでしょうか。
○上野国務大臣 精神科病院への入院を長期化させず、可能な限り早期に地域移行を進めていくためには、各地域におきまして、医療計画、また障害福祉計画、さらには今回の新たな地域医療構想、これが相まって取り組んでいく、このことが大事だと考えています。 具体的には、医療計画におきましては、精神病床の基準病床数が、地域移行の取組による入院患者数の減少も勘案して減少していく方向で算出しており、実際に病床数も年々減少しているところであります。 これに加えまして、今般の法改正におきまして、新たな地域医療構想に精神病床を位置づけることによりまして、中長期的な精神医療の需要に基づいて精神医療提供体制が整備をされる、また、病床機能報告に精神病床を追加することによりまして、データに基づく協議、検討が可能になり、関係者による協議を行うことができる、そうしたことがございますので、計画的かつ効率的に精神病床の適正化、機能分化等を進めることができるようになるものと考えています。
○早稲田委員 是非そこのところは計画的、効率的に削減もしていただきたいと思います。 次に移ります。小児に対してなんですけれども、資格確認書を一律に自動交付をするべきではないかという質問です。 現在、厚労省は、七十五歳以上の全員に資格確認書を交付しているわけですけれども、非常に小児医療の現場でも困っている事例がたくさんございます。ほとんどの自治体で、子供の医療費の助成制度がありますけれども、それがマイナ保険証とひもづけられていないんですね。これがどのくらいかというと、たったの八・六%です、ひもづけされているのは。全体の千七百の市町村のうち百四十九ぐらいの市町村。 そうしますと、どういうことになるかというと、この助成制度を利用するためには、自治体によっては、マイナ保険証と子供医療助成制度の医療証だけでなく、資格情報のお知らせとトリプルで持っていかなくちゃいけないわけです。これが、子供が受診する際に、子供が一人で行くことはありませんから、おじいちゃんやおばあちゃんやベビーシッター、保育園の看護師などが同伴する、養育者となる方がこうした非常に大変な、トリプルで持っていかなければならないということになっています。 また、兄弟がいらっしゃる場合、それぞれ異なる暗証番号を養育者全員で共有することは、ほとんど困難で不可能であります。三回間違えるとロックがかかって使えなくなりますからということもありますので。 そして、急患が多い小児科、そして休日の当番医療施設では、この資格確認が大きな負担となって、診療の阻害となっています。 ですから、ここのところ、是非、小児の方に、子供さんたちに自動交付、資格確認書を送付していただきたい、そのことを検討いただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○上野国務大臣 マイナ保険証は、確実かつ電子的な本人確認の下、本人の健康医療情報を活用したよりよい医療の提供に大きく寄与するものであります。こうしたメリットを享受されるように、マイナ保険証を基本とする仕組みに移行することとしております。例えば、ふだん通い慣れていない医療機関で受診する場合に、マイナ保険証があれば、過去の医療情報を踏まえ医療が受けられる、そういったメリットがあると考えております。 子供さんにつきましても、マイナ保険証の利用を進めていくことが重要だと考えておりまして、このため、子供全員に一律に資格確認書を交付することは考えておりません。 子供医療費助成制度の受給者証をマイナンバーカードと一体化する、これはとても大事なことだと考えております。委員から今数字がありましたけれども、令和七年度中に、千七百余りの自治体のうち五百を超える自治体でそうしたことが実現をする予定でありまして、令和八年度中に全国規模での導入を目指しているところであります。加速化させていきたいと考えています。 引き続き、マイナンバーカードを利用した受診の利便性が向上できるように、関係省庁ともよく協力をしていきたいと考えています。
○早稲田委員 令和七年中に五百自治体といっても、自治体は千七百以上あるわけですから、その中でこうした非常に手間がかかっている状況であります。そのこともしっかりと受け止めていただきたいと思います。私は、是非これは、子供の医療の充実ということについても、一律に交付をしていただきたい、資格確認書の交付を求めていきたいと思います。 それから、先般の所信表明のときの質疑が時間が来てしまってなかったので、緊急的な、医療と介護、経営支援と処遇改善、そしてまた、改定の時期が来なくても期中改定でしっかりとそこの報酬のアップをしていくべきだということを申し上げたいと思います。 これはもう繰り返しになりますけれども、非常に赤字病院、これからまた、診療所でさえも四割の赤字ということであります。この間の質疑の中では、薬局も、それから歯科の方も緊急支援ということをやっていただくという答弁もありました。これは大変評価をしますけれども、少し地元のことを申し上げると、やはり地元の中核、もちろん救急も受け入れている、多数の診療科があるところでも、非常に患者数は増えているけれども、いろいろな機器が全て更新の時期に来ている、そしてまた空調も壊れる、建物も古い、そんなような状況で、公的病院として地域医療に貢献しているのに、老朽化で建て替えることもできない。そうしますと、耐用年数が来たらこういう病院は消滅していくのかというような悲痛の声を伺っております。 その中でありますから、総理も答弁されているとおり、補正予算にしっかりとこれを組み込んでいただきたいわけであります。焼け石に水というような状況の補助ではなくて、しっかり、私が先般申し上げました、一病床当たりではグラデーションをつけるけれども百三十六万円、それから全ての介護の職員の方、医療の方たちにも処遇改善も行っていく、それについて大臣からしっかりと御答弁をいただきたいわけです。今日はお答えになれないと思いますけれども、規模感もきちんとそれに見合ったものを出していくという御答弁をいただきたいと思います。 そして、訪問介護事業所、それから介護施設も、本当に倒産が過去最多であります。これも危機感を持って支援をすることを約束していただきたい。そして、緊急支援はもちろんのこと、三年に一度の改定ではまた厳しくなります。ですから、期中改定も検討していただきたいと思います。 そして、続けますが、医療品の供給不足も依然として続いております。薬価についても、来年度の診療報酬改定において、本体と薬価のプラス改定、これも決意を示していただきたいと思います。
○上野国務大臣 現在、最終的に、経済対策、補正予算、調整中でございますので、大変恐縮でございますが、規模感につきましては申し上げることが困難でありますが、委員からも重ね重ね御指摘をいただいているとおり、現在の現場の状況は大変厳しいものがありますので、私といたしましては、そうしたものに十分対応する対応が必要だと考えているところであります。スピード感を持って対応してまいりたいと考えています。 また、介護分野の処遇改善のお話もありました。これも骨太の方針にも記載がありますが、予算編成過程で検討することとしておりますけれども、報酬改定で措置をする場合には期中改定で対応する、そういったことになろうかと考えております。 また、薬価等につきましても、今後、政府内あるいは中医協等で議論が進められますが、安定供給あるいはイノベーションの関係、そうしたものも十分踏まえて対応をさせていただきたいと考えています。
○早稲田委員 予算編成過程、あるいは期中改定もということも答弁をしていただきましたので、是非安定した経営になるように、処遇改善加算だけではどうにもなりません。経営が悪くなればどんどん皆さんも辞めていくような状況にもなります。 それと、要望させていただきたいのはもう一点、訪問介護についてですけれども、私、この間、団体から陳情を受けましたが、夏の災害級の暑さ、これについては、東京都が一人一万円の支援を出しているんです。これ、お分かりになるでしょうか。とにかく災害級の暑さの中で、自転車で行く、バスで行く、そしてその移動期間の賃金は入っていないわけですね、訪問介護の場合は。そこを含めても、着いたらまずは汗を鎮めるために、汗だくにならないように、いろいろな冷却グッズをつけていらっしゃる。そういう訪問介護の皆さんに、是非これも次の予算編成の中で支援ということを考えていただきたいと思います。 本当に災害級の暑さですから、この間は高齢者の方がクーラーを余り使わない、温度を上げてしまうというお話がありましたけれども、そこも含めて、こういう状況で、冷却グッズを身につけて一生懸命やっていらっしゃる平均年齢の高い皆さんですから、その支援ということも是非考慮していただきたいということを強く要望させていただきます。 次に、障害者のグループホームの総量規制についてです。 医療法の改正につきましては、日本維新の会と共同で、私たちは介護、福祉の処遇改善法案の提出を以前にしておりまして、医療法と並行審議を求めてまいりました。これが並行審議できないことは大変残念であります。 介護だけではなくて、障害福祉の現場の処遇改善も喫緊の課題であります。先日の質疑でも取り上げましたけれども、親が高齢者、そして障害者の方を見ている老障介護の時代であります。親亡き後の暮らしの場として、一つには障害者のグループホームというのがありますけれども、位置づけられていますが、その処遇改善も待ったなしであることに加えて、重度の方への対応など、まだまだニーズに応えられる体制にはなっていないんです。 にもかかわらず、財政審の方では、今年も障害者グループホームの総量規制の議論がなされています。 その財政審の資料を見ますと、グループホームを総量規制の対象として加えた方がいいと考える理由、他のサービスと比較して事業所数の増加率が高い、それはあると思います。それから、サービスの提供自体が疑わしい、それから、株式会社の参入が多く、開設しても利用者が集まらず、すぐに廃止をしてしまう、もちろんこういったところはあって、そうしたところをどうしていくかという議論はしなければいけないと思います。 しかしながら、今私が申し上げましたように、重度の方の対応もまだまだできていないし、国全体で整備目標の数値も決めていませんよね。その中で、きちんと整備目標の数値を決めて財務省と協議をする、財務省を説得すべきではないかと私は思います。自治体の計画を積み上げた数字が過剰かどうか、厚労省では判断できないのではないでしょうか。それからまた、他の自治体から多数受け入れている自治体では、整備目標数がニーズを下回ってしまう可能性もあります。 それから、潜在的ニーズをどうやって把握していくのか。以前、厚労省では生きづらさのアンケートというのをなさって、その中でグループホームに入りたいという数字が出てきているということでありますけれども、きちんとしたそのニーズを把握する調査はしておりませんので、こうした悪質なグループホームはやはり問題であるし、そこは排除していかなければなりませんけれども、総量規制の話とは別でありますから、是非しっかりとそこのところを、厚労省のスタンスを持って、整備目標はどれだけかということを考えながら財務省に説得をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○上野国務大臣 グループホームの総量規制のお話がございました。 端的に申し上げますと、現在、総量規制の在り方につきましては、関係審議会で御議論をいただいておるところでありまして、今委員からお話のあったような御意見、様々な御意見があるところでございますので、引き続き、ニーズに応じた障害福祉サービスの整備が進むように、どういう在り方がよいのかということはしっかり議論を進めていただいて、それを踏まえて私どもの対応を検討していきたいと考えているところであります。 なお、済みません、修正をさせていただきたいんですが、先ほど、介護医療院の数、今年、五万三千と言いましたけれども、令和六年四月現在でしたので、そこは修正をさせていただきます。
○早稲田委員 今、別の審議会の方で協議をしているということですけれども、私は大臣のお考えを伺いたい。 というのは、この間も、強度行動障害の入所施設は足りていませんよというお話をしました。グループホームでも受け入れられないんですね、なかなか。だから、そこのところを、ニーズをきちんと把握していただくことが必要ではないか。大臣のお考えを最後にお聞かせください。
○上野国務大臣 当然、グループホームは重要でありますし、そのニーズは我々としてもしっかり把握する、市町村ごとにもしっかり把握していただくことが大切だというふうに考えておりますが、一方、総量規制の議論につきましては、先ほど申しましたけれども、関係審議会で議論中でありますので、その点につきましては、その審議の状況等を我々としても十分踏まえる必要があると考えています。
○早稲田委員 終わります。ありがとうございました。
○大串委員長 次に、酒井なつみ君。
○酒井委員 立憲民主党の酒井なつみでございます。本日もよろしくお願いいたします。 今日は医療法の改正についてですが、大きく二点質問をさせていただきます。 おとといの委員会質問でも病院の赤字について取り上げましたけれども、令和五年度、六年度における病院の赤字割合は、病院全体で五五・四%から五九・七%へと拡大をしていますし、公立病院に至っては、令和四年に全体の三四%であった赤字病院が令和五年には実に七〇%になっているとの数字も取り上げさせていただきました。その質問の際には、医療、介護、障害福祉現場への運営費の支援、賃上げのための支援も求めました。 私は先日、三重県の名張市に視察に伺ったんですが、北川裕之市長からは、市内に唯一あった出産可能な病院が分娩の取扱いをやめてしまった、産めない町になってしまったとお聞きをしました。若者や子育て世代の住民にとっても切実な問題だと感じています。 団塊ジュニア世代が全員六十五歳以上になる二〇四〇年に向けて、労働力不足が更に深刻化することが見込まれています。産科、小児科、救急などの医療提供体制を守っていくための対策が求められています。 また、コロナ禍では、医療機関同士の連携が取れず、十分な医療を提供できない地域も発生をしました。かかりつけ医制度などが十分機能せず、総合病院には大きな負荷がかかることになりました。 公立・公的病院は、感染症対策の最後のとりでとして、専用病床の確保や重症者の受入れなど、重要な働きを担っていただきました。公立・公的病院の公共性や、感染症や災害時の機能については十分に評価をし、位置づけを強化する方向で支援をお願いしたいと思っています。 そこで、今回は、法改正によって医師偏在是正に向けた対策が取られますが、医師の偏在是正対策として、派遣される医師を含めた医師への手当の増額を保険者から広く負担を求め、給付費の中で一体的に捉えると今回の法改正ではされておりますが、本来の保険給付とは関係性が低く、給付の原理原則から外れていると考えます。 保険者に責任があるとお考えなんでしょうか。なぜ保険者に負担を求めるのでしょうか。十分な正当性の説明が必要だと考えますが、大臣から御説明をいただけますか。
○上野国務大臣 地域の医療提供体制の確保に向けましては、国と都道府県が連携をして取り組んできた一方、保険者におきましても、保険あってサービスなしとならないように、医師少数区域における適正な給付の維持、確保に一定の役割を果たしてきていただきました。 今般、創設する予定の医師手当事業の財源につきましては、医師の人件費は本来診療報酬により賄われるものであることや、診療報酬で対応した場合、特定の地域の患者負担の増加を招くことから、保険者の役割も踏まえ、全ての被保険者に広く協力をいただく形で、保険者からの拠出金により対応をするとさせていただいているところであります。
○酒井委員 この医師の偏在を是正するということ、政策目的に異論はありませんけれども、やはり原理原則から外れるということはしてほしくありません。かかる費用の財源は全額国費を充当するとともに、他の政策も組み合わせて実効性を高めていくことが肝要だと考えています。 政府の政策パッケージでは、ほかに、地域の医療機関の支え合いの仕組みや医師養成過程を通じた取組等を組み合わせていますが、早急に医師確保を要する地域への医師派遣について、実効性を高めて、検討していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○上野国務大臣 医師派遣ということで、様々な手法がありますが、大学病院の多くが承認を受けております特定機能病院、これにつきましては、新たにその機能を担っていただくためには、地域への医師派遣、こうした要件を追加をすることにしておりまして、大学病院本院が地域医療においても中心的な役割、こうしたことを果たしていただくことを期待しているところであります。 昨年末に策定をいたしました総合的な対策パッケージにおきましては、この大学病院本院に限らず、重点的に医師を確保すべき地域に医師を派遣する医療機関につきましては、経済的なインセンティブを含めた取組を推進することとしておりますので、引き続き、都道府県等の関係者の御意見を伺いながら、必要な取組を進めていきたいと考えています。
○酒井委員 手当をすることだけでやはり偏在是正ができるかというところは疑問があります。 そして、あくまで保険者負担を推し進めるのであれば、少なくとも医師確保を要する地域に派遣、従事する医師への手当にやはり使途を限定すること、上限額を設けることも必要だと考えています。 その上で、保険者が実施状況について確認や検証など関与できる体制を確保することが必要だと考えますが、見解を伺います。
○上野国務大臣 大切な御指摘だと考えております。 医師手当事業は、「医師の手当の支給に関する事業」と法律上に規定をすることとしておりますが、実際に医師の手当に充てられるような制度として、施行に向けて検討していくことになります。 事業規模等につきましては、今後、具体的な事業規模を考えていきたいと思いますし、本事業の実施により医療給付費を増加させない中で、どれぐらいの財源を確保できるか等の観点から、診療報酬改定と一体的に確保していきたいと財源につきましては考えております。その範囲内で、都道府県に対し交付をする必要があると考えております。 昨年末に策定をいたしました医師偏在の総合的な対策パッケージにおきましても、本事業の実施に当たりまして、保険者が実施状況あるいは効果、それを確認するための枠組みを検討することとしておりますので、具体的な枠組みにつきましては、引き続き関係者の御意見を伺って検討していきたいと考えています。
○酒井委員 PDCAサイクルで、きちんと効果を確認をして、保険者からの意見も聞くような場をしっかりと設けていただきますようにお願いをいたします。 続いて、地域の医療、介護体制を整えるために都道府県が使える国の財源に、地域医療介護総合確保基金というものがありますが、現在は区市町村の活用は認められておりません。この地域医療総合確保基金の設立を区市町村にも認め、更に活用するべきだと考えていますが、大臣の見解を伺います。
○上野国務大臣 地域の医療提供体制の確保につきましては、その責任を有する都道府県が中心となって関係者と連携しながら取組を進める、こうした基本的な考えの下で基金を設立をしていただいているところであります。市町村に基金を造成するということは、この制度の趣旨とは異なるなど課題も大きいと考えているところであります。 他方で、御指摘のように、医療提供体制の確保に向けまして、現場に近い市町村の方がやはり参画をしていただく、これはとても重要なことだと思いますので、市町村の支援の必要性につきましても、様々な議論をこれからもいただきたいと考えているところであります。 こうした中で、令和八年度概算要求におきましては、積極的に医師確保の取組を実施をしていただく市町村におきましては、医師確保対策支援モデル事業、こうしたものを要求しているところでありますので、新たな取組も含めまして、必要な支援、具体的に進めていけるように努力したいと考えています。
○酒井委員 是非前向きによろしくお願いいたします。令和八年度にはモデル事業が行われるということですので、その効果も私たちも注目をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 続いて、医療DXの推進について伺います。 全国の医療機関や薬局などで患者の電子カルテ情報を共有するための仕組みを整える取組である電子カルテ情報共有サービス、この運用費用について、保険者、ひいては患者、被保険者への負担も考えているようですが、どのような効果、メリットを想定して検討しているのか、大臣に伺います。
○上野国務大臣 電子カルテ情報共有サービスにつきましては、国民に対しまして質の高い適切な医療を効率的に提供するための基盤であると考えています。このサービスによって関係者それぞれ一定のメリットをもたらすというものでありますから、これに要する費用につきましては、保険者、医療機関、国、それぞれ一定程度の負担という形としています。 被保険者、患者のメリットでございますが、紹介状や傷病名、検査値といった情報が医療機関等の間で電子的に共有されることになりますので、日常的な診療のみならず、救急時あるいは災害時、そうしたことも含めて、全国の医療機関で、共有された情報を基にして質の高い安全な医療を受ける、そうしたことが可能になります。また、マイナポータル上で国民が自身の診療情報や健診情報、これを確認することができるようになることで、健康管理、疾病予防にも役立てることができる、そうしたことが考えられるところであります。 また、保険者のメリットにつきましては、健診の結果が電子的に迅速に共有されることになりますので、加入者への速やかな保健指導、受診勧奨、こうしたことが可能になります。また、紙の健診結果を保険者の方で電子化する、そうした手間、コストも削減をできます。また、重複の投薬や不要な検査が減ることによって、結果として医療費の適正化にも資するものだと考えています。
○酒井委員 そういった効果、メリットが国民に対して十分に、皆さんに説明ができているかというところが課題であるかなというふうに思います。 また、ちょっと政府参考人の方にもお聞きをしたいのですが、全国の医療機関で連携ができるようになるのに何年ぐらいかかるのか、また、そのほかのメリットの中で御紹介がありました、マイナンバーカードの、マイナ保険証の連携がひもづかれて、そして自分の情報が見られるようになる、そういった、国民が享受できるようになるのに何年ぐらいかかるのか、その目安をお示しいただけますか。
○森政府参考人 電子カルテ情報共有サービスについては、政府の医療DXの工程表に基づきまして、二〇三〇年を目途におおむね全ての医療機関においてそういったものを整備していくということになっているところでございます。そこを目指して、今鋭意取組を進めているところでございます。 また、オンライン資格確認システム等を通じて、患者さん、実際に今、マイナ保険証を登録していただいた方等だけでなくて、オンライン資格確認のシステムを通じてマイナンバーカードを使えば、マイナポータルを通じて御自身の健康情報等を既に閲覧することができるようになっているところでございます。
○酒井委員 制度はつくったものの、まだ活用できていないという国民は多くいるというふうに思います。是非、そういったメリット、そして便利だなと国民がきちんと実感できるような広報や啓発、そして更なる取組、進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 続いて、電子カルテは、クラウド化のほか、AIの活用など先端的な技術の活用を行わなければならないと考えていますが、見解を大臣に伺います。
○上野国務大臣 電子カルテにつきましては、先ほども議論がありましたけれども、従来のオンプレミス型ではなくて、インターネット上のサービスとの接続が容易なクラウドネイティブ型がもちろん望ましいわけでありますので、併せてその転換を進めていくこととしております。
○酒井委員 先ほど早稲田議員の質疑でもこの点は取り上げられておりましたので深掘りはしませんけれども、やはり、今、医療現場では、財政的な負担が大きいということでお声を聞いております。 その中で、このサービスを普及させていくに当たって、普及状況や効果等を検証しつつ、少なくともクラウドネイティブ型の移行が五割以上の普及を果たすまでは、国が必要な財政支援、この基盤整備期間として必要な財政支援を行うべきと考えますけれども、見解を伺います。
○上野国務大臣 電子カルテ情報共有サービスについてでありますが、これは、先ほど来申し上げましたとおり、保険者のメリットとしても大変大きなものがございます。 このため、サービスの立ち上げに要する費用につきましては国において負担をすることとしておりますが、制度として一定程度確立した後につきましては、サービスに係るシステム等の運営費用につきましては保険者に御負担をいただくこととしているところであります。
○酒井委員 従来の電子カルテ情報共有サービスですと、一〇〇%に至るのは難しいと思いますし、コストが無駄ですから、やはりクラウドネイティブ型への移行を優先をさせていただき、そして普及を目指すという方向性で進めていただきたいというふうに思います。 そして、その際も、電子カルテの導入を実質義務化するというところが、やはり懸念する声が聞かれています。医療機関等への財政的負担の過度な圧力にならないか懸念をしています。医療現場では、病院ごとに電子カルテのサーバーを院内に置いて管理し、故障、サイバー攻撃対策、データの保存、更新作業などを病院自身が負担し、その負担の重さが指摘されています。導入や維持のコストが効果に見合わない、オペレーションのための事務職員を雇えないといった声を聞いています。 医療機関等への財政的負担、過度な圧力をかけることがあってはならないと考えますが、見解を伺います。
○上野国務大臣 二〇二三年に策定をいたしました政府の工程表におきましては、遅くとも二〇三〇年にはおおむね全ての医療機関において必要な患者の医療情報を共有するための電子カルテの導入を目指すとの目標を掲げているところであります。このような政府の目標を掲げる一方で、医療機関に対しましてその義務を課しているものではございません。御指摘のように、医療機関の負担にも配慮しつつ、電子カルテ普及を進めていく必要があると認識をしております。 今後、具体的には、例えば、厚労省として、廉価で導入しやすいクラウドネイティブ型の電子カルテの普及を図っていく方針としておりますので、引き続き、現場のニーズを伺いながら丁寧に対応を進めてまいりたいと考えています。
○酒井委員 そうすると、やはり、二〇三〇年にほぼ全てクラウドネイティブ型に移行ができるかというところは、また再検討であったりとか、しっかりとその工程表をお示しいただければというふうに思います。 ちなみに、政府参考人の方にお聞きをしたいのですが、今、一般診療所の電子カルテの実装率、四割程度、東京でも五割以下との調査もありますけれども、認識としてはそごがないでしょうか。
○森政府参考人 現在、全国の診療所において電子カルテを導入している割合は五五%でございます。
○酒井委員 ありがとうございます。 やはり、導入するメリットであったり、そのコスト、その人員に悩む診療所なども多いと思いますので、しっかり現場の声を聞いて進めていただきますようにお願いをいたします。 次に、医療DXの推進により看護職員等の配置基準の再検討も考えておられるのか、お聞きしたいと思います。 もちろん、ICT等の利活用や医療DXの推進により、医療従事者の業務効率化や負担軽減を図ることは重要です。前述のとおり、国の財政支援の下、スピードを上げて取り組むべきと考えておりますが、例えば、看護師の人員配置基準を緩和し、少ない人数で同じ業務を担うことを想定しているのであれば、結果として、現場の負担増や勤務環境の悪化につながりかねません。 大前提である医療の質の確保、看護の質の確保、安全の担保の観点から、本末転倒にならないようにしなければならないと考えます。大臣に見解を伺います。
○上野国務大臣 人口減少の中で、今後、人手不足、人員不足ということが顕在化するようなことも想定をされます。そういったおそれがあろうかと考えておりますが、そうした中におきましては、やはり限られた人員で質の高いサービスを提供していく、そのための工夫が大事であります。 政府全体における生産性向上に向けた省力化投資促進プランにおきましても、業務の効率化などの取組を推進することとしております。具体的には、例えば看護分野における業務効率化に向けましては、令和六年度の補正予算におきまして、看護業務の効果検証事業、ICTを活用した効果検証を行っているところでありますが、そうしたことを踏まえまして更なる取組を検討していきたいと考えています。 また、御指摘のありました配置基準につきましては、現在、関係審議会におきまして議論を進めているところでありますので、そうした議論の状況も十分踏まえていきたいと考えています。 こうした取組の推進に当たりまして、かえって現場が負担増になったり、あるいは安全の面で懸念が出たり、そういったことがあってはいけないと考えておりますので、そうした勤務環境の改善の在り方につきましても、十分、審議会等の議論を踏まえる中で、しっかりとした環境が整えられるように努力していきたいと考えています。
○酒井委員 議論されているというふうに聞いて、とても不安に思います。 医療DXであったり業務の効率化によって負担が軽減されるのはよいことですけれども、実際、現場からは、医師以上に看護師や看護助手の方々の、介護士さんたちもそうですけれども、負担が大きくなっている、人手が足りないという声がたくさん寄せられています。 その中で、看護師の配置基準というものは簡単に扱ってはならないというふうに思いますので、それについては慎重に議論をしていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。 続いて、電子カルテ情報を共有、閲覧することができるようにすると同時に、私は、介護情報基盤の構築にスピード感を持って取り組むべきと考えています。 医療法の改正に当たって、介護情報基盤の構築であったり、地域との連携に取り組むための予算、確認しましたけれども、令和八年度には特についていないということで、今検討中とお伺いをしています。スピードがちょっと遅過ぎて心配なんです。 私は、千葉県柏市に視察に行ってまいりましたが、情報共有システムを柏モデルとしてつくっておりまして、医療、介護、多職種連携を進めていらっしゃいました。 政府として、介護情報基盤の構築、スピード感を持って取り組んでほしいと思っています。また、よい取組も参考にしていただきたいと思いますが、大臣の見解を伺います。
○上野国務大臣 現在、電子カルテ等の情報を共有する医療情報基盤と介護情報を共有する介護情報基盤、それぞれ構築中でありますが、それと並行して、両基盤を通して情報を共有する仕組みについても検討を進めているところであります。 こうした全国規模のプラットフォームも重要ではありますが、委員御指摘のように、以前から地域ごとに進められてきました地域医療の情報の連携ネットワーク、そうした取組も我々としても十分参考にして検討してまいりたいと考えています。
○酒井委員 今、身寄りのない高齢者が増えているというふうに言われています。二〇二四年に二百八十六万人と推計をされています。日本総合研究所の試算では、二〇五〇年に四百四十八万人とも言われています。 こういった身寄りのない高齢者が、緊急で入院して、そして治療を受けて地域に帰るといったときに、やはり医療と介護の情報の連携というのは待ったなしの課題だというふうに思います。 こういった視点でも考えていく必要がありまして、施設の移行期や制度のはざまで取り残されない仕組みづくりにも大きな期待を寄せたいと思います。そこまで検討、展望されているのか、見解を伺います。
○上野国務大臣 身寄りのない高齢者等への支援につきましては、政府の改革工程にも示されているように、今後、既存の各政策も踏まえた上で必要な支援の在り方について総合的な検討を進めさせていただきたいと考えています。 そうした中で、今般の法案にも関連をして御議論いただいている医療、介護のDXでありますが、患者あるいは利用者に対する良質な医療やケアの提供につながるものでありますが、その推進に当たりましては、今委員から御指摘のありました身寄りのない高齢者等にとっても当然利用しやすいものにならなければならないということは考えています。 政府全体におきましても、やはり誰一人取り残されないようなデジタル化を実現をするというふうにされておりますので、こうした方針に沿って、今後とも医療、介護のDXの推進、とりわけ身寄りのない高齢者に十分配慮した形で進めていきたいと考えています。
○酒井委員 様々、ガイドラインを作られたり、検討されていることは承知をしていますが、待ったなし、本当に急いで対応をしていただきたいというふうに思います。 今後も、この身寄りのない高齢者の支援については、この委員会でも取り上げて質問させていただきたいと思います。 これで終わります。ありがとうございました。
○大串委員長 次に、山井和則君。
○山井委員 三十分間において、医療法の改正、介護問題、そして障害児福祉の所得制限の撤廃について御質問をさせていただきたいと思います。 医療法、医療、介護の質問の前に障害児福祉の所得制限の撤廃の質問をさせていただきます理由を申し上げますと、特別児童扶養手当所得制限撤廃、そして障害児福祉手当の所得制限撤廃、約一千億かかるんですね。是非これを補正予算に入れていただきたいということが私の切なる願いであります。 そして、これは先日も日野議員や宗野議員も質問されておられましたけれども、特に国民民主党さんがプログラム法の議員立法も出されていますし、今までから精力的に国民民主党さんが取り組まれてきた問題であります。 私たちも遅まきながら、今回の経済対策の中で、今日の配付資料にありますように、酒井さんが子供政策担当の部会長でありますけれども、障害児福祉に関する所得制限の撤廃、特別児童扶養手当、障害児福祉手当、放課後デイ、そして特別支援教育就学奨励費などについての所得制限の撤廃を盛り込みましたので、今まさに元祖であられます国民民主党さんや他党にも呼びかけて、超党派で十二月上旬には議員立法を提出したいと思っております。 これは自民党さんも維新さんも反対される理由というのは余りないと思いますので、是非とも今国会中に超党派で大串委員長のリーダーシップの下、この法案を成立させて、本当に、障害児福祉の所得制限の撤廃を実現して、その一千億を是非とも補正予算に入れていただきたいという趣旨で質問したいと思います。 いずれ議員立法を提出しますので、是非この委員会で審議をしていただきたいと思います。大串委員長、よろしくお願いいたします。
○大串委員長 理事会で協議をいたします。
○山井委員 その上でですが、ここにありますように、例えば特別児童扶養手当では、扶養家族三人の場合には、七百七十万円以上の所得になると受けられなくなるということであります。 そして、上野大臣にお伺いしたいと思いますが、これは分からなかったら分からなかったでいいんですけれども、先日もこの質問があったんですけれども、特別児童扶養手当と障害児福祉手当は、大体何人ぐらいが今受給されていて、何人ぐらいが所得制限にひっかかって受けられていないのかというのは、もし御存じであればお答えください。分からないのであれば分からないで結構ですので。
○上野国務大臣 手元に詳細な資料はないんですが、支給停止になった件数でございますが、特別児童扶養手当一級の場合は一万三千人余りだと承知しています。
○山井委員 ちょっと私の質問の仕方が悪かったのかもしれませんが、私たちが調査、試算したところでは、受給者が、特別児童扶養手当は現時点で二十七万人、そして障害福祉手当の方は六・三万人。それで、仮定の、推計ですけれども、所得制限によって受けられていない方が、特別児童扶養手当は約十八万人。ということは、約四割が所得制限にひっかかって受けられていない。そして、障害福祉手当の方は、受けている方が六・三万に対して受けられない方が二・一万人、約四分の一、二五%が所得制限で受けられていないということなんですね。これで約一千億かかるわけなんです。 これを、二十兆円の補正予算を出すと聞いていますけれども、〇・五%ですからね、是非入れていただきたいという心からのお願いなんです。 このことについて、私も一昨日夜、Xを読んでおりましたら、こういうXがございましたので、ちょっと御紹介させていただきたいと思います。 うちの子供たちは無発語です。二人とも重度の障害者手帳を持っています。夫は早朝から遅くまで働きづめ。私は昼も夜も、支援の隙間を縫って働いています。睡眠障害がある子たちの夜の対応で、夫も私も寝ずに朝を迎えることもあります。少しでも家計を支えたくて、一日二時間半だけアルバイトもしました。でも、体がもたず入院しました。それでも今、私は在宅ワークをしています。時間も体力も、いつもぎりぎりです。 そんな中、夫の所得が少し超えているからという理由で、障害児の手当はもらえません。重度の障害を持つ子が二人いても、です。私たちには、欲しいものも食べたいものもない。毎日を必死で乗り越えるだけ。もし手当がもらえたなら外注している支援や将来の貯金に充てたい。どうか考えてほしい。障害児を育てる家族にとって、年収は余裕を意味しないことを。私はやはり思います。所得制限は、本当に必要なのでしょうか。 これは私、実はこども家庭庁かと思っていたんですよ、ちょっと恥ずかしながら、子供の問題なので。ところが、この障害児の手当は、厚労省、上野厚労大臣が担当なんですね。 今の切実な声もお聞きいただいて、何とかこの障害児福祉の所得制限の撤廃、せめて検討でもしていただけませんか。大臣、いかがですか。
○上野国務大臣 障害児を含めた障害福祉政策の充実に努めることは私も大変重要だと考えておりますので、これからもしっかり取り組んでまいりたいと考えています。 その上で、先ほど来お話のある所得制限の課題でございます。これもこれまでから、従来から議論されてきた大変重要な問題だと考えておりますが、今、全額公費の負担の制度であるということや、障害児の生活の安定に寄与するよう必要な範囲で支給するという制度の趣旨、あるいは二十歳前に傷病を負った場合の障害基礎年金との均衡などを考慮して設けられるというふうに考えております。 予算額、受給者数共に今年々増加傾向にあるほか、近年の物価上昇を踏まえて支給額の増額改定を行ってきているところであります。こうしたことを踏まえて、政府としては、そのような見解を持たせていただいているところであります。
○山井委員 私がこだわる理由は、高市総理も政経塾の二年先輩で、三十数年前から一緒に勉強させてもらっていまして、親しい方ですから、是非頑張っていただきたいと思います。 そんな中で、積極財政、二十兆円。私たち、二十兆円もやるのはやり過ぎだと思っているんです、はっきり言いまして。私たちは、やはりインフレになったり長期金利が上がったりしたら駄目だからということで抑制的に八・九兆円だけれども、私たちの補正予算の経済政策にはこの一千億円は入れているんです、優先順位が高いということで。 それで、先ほど読み上げたお母さんが、翌日また次のようなXを書いておられるんですね。 昨日のポストが反響があり、とてもうれしい気持ちはありますが、子供に障害が分かってから、この数年、私は誰にも理解されることがないと思い、生きてきました。夫は帰宅が遅いので、平日はワンオペ。無発語の子供たちと私の生活。話し相手はGPTてぃちゃんだけでした。チャットGPTですね。無限にも続くような時間の中で、自責ばかりしていた私が、Xを始め、フォローしてくださる方々に出会い、つらいとき、泣いた夜、励ましていただき、どれほど救われたか。今、私の声が誰かの耳や心に一瞬でも残る喜びは、私が生きたあかしにも思えます。一つのいいねは私に勇気を与えてくれます。何か、読んでいただいて、ありがとうございます。 こういうXを翌日に発行をされました。 私は、この衆議院厚生労働委員会に集う議員、大串委員長、上野大臣、そして日夜遅くまで仕事をしていただいている厚生労働省の方々の切なる思いは、ほかの委員会と違って、やはりこの厚生労働委員会というのは、一番弱い立場の一番困っている人に寄り添う、これが党派を超えて私たちの思いだと思うんですね。 そういう意味では、くどいようですけれども、二十兆円も、過去最大、二十兆円もやるのであれば、せめてこの一千億、二十兆円からすると〇・五%ですよ、こういう、本当に今読み上げさせていただいたような大変な思いをして暮らしておられる方々に、クリスマスプレゼントとして、是非この決定をこの衆議院厚生労働委員会でしていただきたいと思うんです。 これは今上野大臣に質問していますけれども、あえて申し上げますが、議員立法を出す以上は、厚労省じゃなくて、正直言いまして、自民党さん、維新さんの判断になりますから。まさか審議拒否はされないと思いますけれども、そのときには、賛成か反対かを自民党さん、維新さんにはお決めいただきたいと思います。これは、もちろん各党で決めていただければいいですから。私は、もちろん賛成していただきたいと思いますけれども。これは、私は賛否が分かれる問題じゃないと思うんです。鬼木部会長も京都の勝目議員も福祉に熱心ですし、伊東先生もお医者さんですばらしい方ですから、そういう意味では、私は、本当に超党派で、これは意見が分かれることじゃないと思うんですね。 そこでお伺いしたいんですけれども、私、一つ分からないことがあるんですよ。 児童手当は所得制限を撤廃しましたよね。百歩譲って、児童手当も所得制限が残っているんだったら、百歩譲ってですよ、特別児童扶養手当そして障害児福祉手当は所得制限があるというのも、まあ、並びで分からないではないんですよ、百歩譲って。ところが、健常者を中心とする児童手当はもう所得制限が撤廃されているんですよ。私たち、政府・与党も含めて、撤廃したんですよね。 はっきり言って、私は、どっちかというと、先に所得制限を撤廃すべきは、障害のある方々の手当の方が先に本来所得制限を撤廃すべきじゃないんですか。いかが思われますか、皆さん。そうでしょう。より困っている人に手厚くするというのは政治の原点じゃないですか。 そう考えたときに、私も考えて分からなかったんですけれども、担当大臣である上野大臣にお答えいただきたいんですけれども、児童手当は所得制限が撤廃された、でも、障害のある方々の手当は所得制限が撤廃されない、この理由は何なんですか。お答えください。
○上野国務大臣 大変恐縮なんですけれども、児童手当につきましては私の所管外でありますので、その理由につきましてこの場でお答えすることは大変難しいと考えております。子供、子育て政策全体の中でそういう判断がなされたものだと考えています。
○山井委員 あえてこだわりますが、どういう判断なんですか。一般の家庭は所得制限は外すけれども、障害のある家庭は所得制限は残しておくというのはどういう判断だと、少なくとも障害児の手当の担当大臣である上野大臣は思われますか。
○上野国務大臣 障害児の所得制限に関する見解につきましては、これまでから、先ほど申し上げましたような見解を、政府として、厚労省としても取っているところであります。 それと児童手当との比較考量につきましては、申し訳ございませんが、所管外でありますので回答は差し控えさせていただきたいと思います。
○山井委員 それで、私も不勉強だったんですけれども、例えば、扶養家族三人で所得制限にひっかかるのは所得が七百七十万円以上ということで、実はこれは四割なんですよ、四割。超金持ちだけがもらえないんじゃなくて、四割と言ったら、言っちゃ悪いですけれども、東京なんか半分ぐらいじゃないですか。 そういう意味では、上野大臣を責めるようで申し訳ないんですけれども、上野大臣も答弁が苦しいと思うんですよね。私はそう簡単に、児童手当の所得制限だけ撤廃して障害のある家庭は撤廃しないという理屈は、これは今度予算委員会で誰かが、我が党が高市総理にもこの質問をさせてもらいますが、なかなか結びつかないし、下手なことを言うとこれは障害者差別になりますからね。 そういう意味では、今まで所得制限があったのは百歩譲ってしようがないけれども、児童手当が所得制限撤廃になったら速やかにやるということを私は超党派でやりたいと思いますし、この質問の最後になりますけれども、議員立法を出しますので、是非審議してください。この種の人道上の法案は、審議拒否というのはやはりやめた方がいいと思うんですね。審議しましょうよ。そのときまでに是非、良識ある自民党の方々、維新の方々も、急にこんなことを言って、また山井がややこしいことを言い出したなと思っていられるかもしれませんけれども、やはりこれは本当に重要なんです。 あえて言うと、私は今回、障害児のお母さん、お父さん方と話して、確かにそうだなと思うのは、これは、年間一人当たり平均すると数十万なんですけれども、お金の問題もありますよ、お金の問題もあるけれども、残り半分は、何でなの、何で所得で切られるのと。やはりそこが、国から、自分たちは所得が多いだけで、大変な思いをして障害児の方々を育てていられるのにもかかわらず、何か切り捨てられているんじゃないか、自分たちの声が政府や国や議員に届いていないんじゃないか、見捨てられているんじゃないかという、やはりこの絶望感なんですよね。 そういう意味では、これは今上野大臣に質問していますが、議員立法を提出した瞬間に各党の判断に移りますので、是非、年末までにこの衆議院厚生労働委員会で、大串委員長の委員長提案にして提出して、ささっとこの年末までに通せばと思いますので、改めまして、この議員立法が提出されたら、是非審議をお願いしたいと思いますが、大串委員長、いかがでしょうか。
○大串委員長 理事会で協議をいたします。
○山井委員 では、それに関連して、今回の医療法の修正案が、今日出るのかと思ったら、まだ出てこないんですよね。何か来週出るんですよ。私は来週質問できませんので、済みませんが、その質問に入っている介護、障害者福祉の処遇改善の部分について上野大臣にお伺いしたいと思います。 今、井上筆頭理事も帰ってきてくださいましたけれども、私、予算委員会では井上筆頭理事と私と組んでいまして、本当に井上筆頭理事には大変お世話になったんですけれども、やはり一つ心残りなのは、私たちは修正案で、ここの資料にもありますように、維新さん、国民さんと共同提出で介護職員、障害福祉職員さんの処遇改善の議員立法を出したとともに、予算のいわゆる修正案で出したんですよ。 ところが、残念ながら、その法案は審議もされずに、また、私たちの予算案の介護職員、障害福祉職員さんを、少ないですよ、月一万円なんか少な過ぎますよ、みんなから怒られましたよ、でも、それでも、せめてということでこれを修正案で出したのに、政府・与党には蹴られたわけです。 ところが、今回、附則の中には、障害福祉、介護職員さんの処遇改善が入りました。これはいいことだと思います。 さらに、私、今日新聞を見てびっくりしたことがありまして、「介護報酬 前倒し改定へ」、読売新聞。その中に、今回の補正予算の補助金の中には、二千五百億円程度で、介護、障害福祉の職員一人当たり少なくとも一万円の賃上げを行う事業所を対象とすると。ぶっちゃけた話、この議員立法のほぼ丸ままなんですよ、はっきり言いまして。 いや、ありがたいことですよ、私たちの考えを取り入れていただいたのは。ただ、一年遅れちゃうわけなんですよ、結局。なぜ遅れたのかということ。 それと、私たちは、遅れたので、今回の経済対策では、月一万円じゃなくて一万五千円上がる補助金をということを言っておりますが、ここで上野大臣、多少根に持っている部分がありますので、何で二月、三月、四月のときには私たちの障害や介護職員の処遇改善の案を政府・与党は拒否したのか、そして、遅ればせながら、今になったけれども、これだけ遅れた以上は一万じゃなくてやはり一万五千円ぐらい、少なくともですよ、本当は八万円ぐらい上げるべきだと思っていますが、そういうことをやるべきじゃないか。それについてお答えください。
○上野国務大臣 山井議員始め立憲民主党の皆さんが、そのような法律の議員立法の提出であったり、予算の修正などを求められてきたというふうには承知をしております。 まず、議員立法につきましては、大変恐縮ではございますが、国会の場で御議論いただくことでありますので、私の方からコメントすることはございません。 また、予算案の修正案につきまして、たしか出されていたかと思いますが、それも、大変恐縮ではございますが、国会での議決によりまして令和七年度の予算が成立をしておりますので、そのようなことだと考えています。
○山井委員 私が言いたいのは、後手後手なんですよ、後手後手。こうなることは分かっていたんですよ。 言っちゃなんですけれども、野党のみんなは、予算委員会もこの委員会でも、もう何十回もこの質問をしているんですよ。介護処遇改善、障害職処遇改善。何十回も何十回も質問しては、駄目駄目駄目駄目と。その間に、言いたくはないですけれども、多くの介護や障害職種の現場で、多くの職員が離職してしまったんですよ。廃業になってしまったんですよ。今更上げるといったって、言っちゃ悪いけれども遅いですよということを言いたいんです、私は。 だから、今後、これ以上は言いませんけれども、是非とも、大幅な補助金のアップ、そして介護報酬、診療報酬、障害福祉報酬の引上げを大幅にやっていただきたいということを要望します。 それに関連して、前回の続きですけれども、今回、医療、介護の連携、医療の整備ということを医療法で言っていますけれども、その前提は、先日の私の質問の続きにもなりますけれども、介護がしっかりしていないと、どんどんどんどん入院してこられるわけですよ。介護は予防的効果があるんですね、入院に対する。だから、医療費の抑制効果もあるんですよ、介護の充実というのは。 にもかかわらず、ここの配付資料にありますように、要介護一、二を介護保険から外すことを検討しておりまして、一昨日も言いましたけれども、ホームヘルプやデイサービスを減らしたら、重症化するんですよ、入院するんですよ、介護離職になるんですよ、家庭崩壊するんですよ。そうすると、安くついたじゃないんですよ、結果的にはコストがかかるんですよ。 これは、くどいようですけれども、私が二年間スウェーデンに留学してルンド大学で書かせていただいた論文には、やはり介護というものをしっかり充実させないと医療により多くのコストがかかるから、医療と介護をトータルでしっかりと充実させるということが社会コスト的にも非常に重要だという論文を私も書かせていただきました。 ついては、上野大臣、今検討されているそうですけれども、要介護一、二の介護保険外しとか介護保険の二割負担の対象拡大、これはいつまでに厚労省、政府としては結論を出すんですか。
○上野国務大臣 今、要介護一、二の関係の見直しにつきまして御質問をいただきました。 これは、まず、これまで改革工程表に掲げられた検討項目の中に入っておりまして、介護保険部会等において議論をさせてきていただいております。様々な御意見、今まさに委員がおっしゃったような御意見等も十分あるわけでございますが、そうしたものを踏まえて、様々な御意見、賛成、反対、いろいろあります、そうした中で、年末までに結論が得られるように丁寧に検討を進める、今そのような形となっております。
○山井委員 だから、私、今日質問しているわけですよ。年末までに決めちゃうわけですよ。とんでもないですよ、これは。絶対やめてください、要介護一、二、介護保険外しは。 さらに、先を急ぎますが、介護保険の二割負担も、同じように使い控えが増えますから、未来永劫に上げるなとは言いませんけれども、今、これだけ物価高で可処分所得が下がっているときは、二割の負担引上げはやめていただきたいということを強く要望します。 それともう一点、医療に関してなんですが、つまり、診療報酬引上げの話にちょっと移りますが、先日のメディファクスに、「賃金・物価上昇、改定二年目厳しくなるのは「自明の理」 日医会長」という記事がございます。 どういうことかというと、これも質問通告しておりますけれども、結局、来年四月に診療報酬改定をする、でも、した後、更に物価高になるのは目に見えているわけですよね。それで、例えば、診療所は四割が昨年赤字だったけれども今年は五割になるということで、ついては、次期改定における賃金、物価上昇の対応としては、改定二年目の物価、賃金を推計して、推計以上に上昇した部分は二年目に上乗せする仕組み、あるいは、改定二年目の物価、賃金上昇は二年目に基本診療料を中心に上乗せする仕組みの二通りを主張した。後者については二年目に期中改定を必要とすることから、できれば前者、そうでなければ後者と考えているという説明をした。これは、介護も障害福祉報酬も一緒なんですけれどもね、今はもう物価高のトレンドになっていますから、ちょっと来年四月に上げても、また間に合わないんですよね。 こういう意味で、二年連続、介護も障害者も、そして診療報酬もやるのか。あるいは、それを盛り込んで、理想はやはり盛り込んで、推計できますからね、十分な額を上げるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○上野国務大臣 診療報酬改定につきましては、例えば、新たな治療法あるいは検査方法の開発などに伴いまして、これを迅速に診療報酬へ収載する必要性もございます。 また、一方で、現場の負担への考慮、あるいは改定による影響の検証、そうしたことを行う必要性があるため、現在のところ、原則として二年に一度の改定を行っているところであります。 委員御指摘のとおり、物価高、人件費の上昇に応じて、例えば毎年改定をする、そうした御意見もあろうかと思いますが、そうしたことをその時々の社会情勢や財源規模、またその負担の在り方、そうしたことを様々な観点から検討されるべき問題だと考えております。 いずれにいたしましても、年末の報酬改定に向けては、私どもといたしましては、物価、賃金等の動向等も踏まえて、しっかりとした対策になるように最大限努力をさせていただきたいと考えています。
○山井委員 時間が迫ってきましたので、質問通告に従いまして、最後、ちょっと違う質問をしたいと思います。 解雇の金銭解決です。これは私、びっくりしたんですけれども、厚生労働省が有識者会議をスタートさせると聞きました、報道にありますけれどもね。やはり、この解雇の金銭解決というのは、本当に働く方にとっては大変深刻な問題で、これは連合も大反対しておりますので、こういう検討を始めること自体が不安をあおりますから、検討はやめるべきではないですか。 それともう一つ、高市総理が指示されている労働時間規制に関しては、経団連は特に裁量労働制の対象拡大を要望しておられます。しかし、私は、二〇一四年に過労死防止法を超党派で馳浩先生などと成立させたときにも、数十人の過労死をされた方々の御遺族の話を数十回お聞きしましたし、特に裁量労働制で過労死をされた被害者の御遺族二人からもお話を聞いて、裁量労働制というのは過労死につながりやすいということを身にしみて実感しております。 ついては、やはり、この労働時間規制の緩和、裁量労働制の対象拡大もやめるべきだと思います。いかがでしょうか。
○上野国務大臣 まず、解雇無効時の金銭救済制度につきましては、規制改革実施計画において、実態調査の結果を得て速やかに労働条件分科会で議論を再開をすることとされておりましたので、調査結果がまとまったため、分科会で報告したところであります。 分科会におきましては、労使の委員による議論の結果、分科会長から、解雇による不利益と解決金の関係などにつきまして、より具体的な資料やデータを用いた専門家による検討が必要だとの総括がありましたので、これを踏まえて、有識者で検討する場を設けることを検討しているところであります。 また、労働時間規制の緩和につきましては、誰もが働きやすい労働環境を実現していく必要性や、上限規制は過労死認定ラインである、そうしたことを踏まえて検討する必要があると考えております。総理からも、先日、過労死認定ラインでもある上限を超えるなどということは決して言いませんというような答弁があったところでありますので、そうしたことも踏まえて、今後、総点検の中で、現場の働き方の実態やニーズを踏まえて、把握をした上で精査をしていきたいと考えております。
○山井委員 もうそろそろ終わりますので、締めくくらせていただきますが、今日の配付資料にもありますように、やはり、裁量労働制というのは、簡単に言うとみなし労働時間で、それ以上働いても要は残業代が出ないということなんですね。残業代が出ないのに長時間労働を可能にする危険性があるということで、経営側はやりたがっていますけれども、連合は大反対をしております。 やはりこれは大変問題だと思いますので、もう時間が終わりますけれども、解雇の金銭解決も、これは数か月分の賃金を払って、はい、さようならということになるんでしたら、安心して暮らせませんよ、この国は。そういう意味では、解雇の金銭解決も労働時間規制緩和も検討すべきではないということを最後申し上げて、終わります。 ありがとうございました。
○大串委員長 次に、大塚小百合君。
○大塚委員 立憲民主党の大塚小百合です。 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。上野大臣、よろしくお願いいたします。 私は、老人ホームの施設長を務めていた前職時代、相模原市在宅医療・介護連携推進会議の副会長を務めておりました。その経験から、地元でお聞きした連携の課題について最初にお聞きしていきたいと思います。 まず最初に、二次医療圏における広域連携についてお伺いいたします。 私の選挙区である相模原市は県境であり、東京都と隣接しております。救急医療に関しては東京都に搬送されているケースも多く、救急医療を含む一般的な入院治療が完結するよう、人口や入院患者の流出入の状況に基づき、複数の市区町村で構成された二次医療圏の連携が重要です。 医師数や病床数などの計画は二次医療圏をベースにしており、地域医療の基本的な単位と言えます。医療の高度化や医師の偏在が進んでいることから、医師の確保策や病院再編の検討も二次医療圏を軸にして進められていると理解しております。 そこでまず、実態として、最新の調査年次における神奈川県と東京都の間の患者の流出入の状況はどうなっているか、お聞きします。いかがでしょうか。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 まず、お尋ねの患者の流出入についてでございます。 入院患者に関してお答えさせていただきますと、まず、神奈川県に住所地のある入院患者約六万一千三百人のうち東京都で入院している患者数は約三千七百人、東京都に住所地のある入院患者約九万四千六百人のうち神奈川県で入院している患者数は約二千七百人となっておりまして、共に各県の入院患者全体の数%程度であるという調査結果になっております。
○大塚委員 ありがとうございます。 これは、入院患者というふうに先ほど御説明をいただきましたけれども、救急搬送の後に入院につながらないケースも含めるともう少し多いのではないかなというふうに思っております。 私が現場で聞く限りでも、相当数、患者の流出入があるというふうに把握をしているんですけれども、令和六年度から第八次医療計画の計画期間が始まっておりますが、第八次医療計画において、隣接する都道府県の区域を含めた医療圏を設定した都道府県はありますでしょうか。ある場合は、具体的な都道府県名をお示しください。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 御指摘の第八次医療計画において、隣接する都道府県の圏域をまたいで医療圏を設定した都道府県はないと認識しております。 なお、第八次医療計画の作成指針において、都道府県の圏域を越えた医療の提供等については、都道府県の境界周辺の地域における医療の需要等を踏まえ、隣接する都道府県の圏域を含めた医療圏の設定が地域の実情に合い、合理的である場合には、関係都道府県間での十分な協議や調整の上、地域の実情に応じて複数の都道府県にまたがった医療圏を設定することができるとしているところでございます。
○大塚委員 ニーズがあるにもかかわらず、隣接する都道府県の区域を含めた医療圏を設定した都道府県がないとのことなんですけれども、厚生労働省としてはその要因をどのように考えているか、御説明願います。
○森光政府参考人 お答え申し上げます。 一概に網羅的にお答えするということは難しいわけなんですが、例えば、都道府県や市町村単位で行っている行政施策との関係や、都道府県における実務の観点などから、都道府県をまたいだ医療圏を設定せず、隣接する都道府県との調整や協議を行いながら、各都道府県において、その中で医療提供体制の構築が行われるといったことが想定をされます。 都道府県からは、区域の設定について、都道府県ごとに実情が様々であり、都道府県において柔軟に設定できるようにする必要があるといった御意見をいただいておるところでございまして、法案が成立した場合には、新たな地域医療構想においても、引き続き、都道府県が実態に合わせて柔軟に構想区域や二次医療圏を設定できるよう、ガイドラインの策定に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。
○大塚委員 これはまさに、先ほどおっしゃっていただいたように、実務上の課題、例えばどういった協議体でどのように具体的な運用を決めていくのか等を明確にしていく必要があるというふうに考えております。どこが責任を持って調整を進めていくのか、国が示す必要があるのではないでしょうか。 実務上の課題が解決されないまま、適切かつ効率的な医療の提供に支障が生じてしまっているのではないかというふうに考えるんですけれども、厚生労働省の認識をお示しください。
○森光政府参考人 お答え申し上げます。 議員御指摘のように、必要があるような状況であっても、なかなか都道府県をまたいだ区域の設定というのができないという状況があるというふうに都道府県の方からも指摘を受けておりますので、この法案が通った暁には、新たな地域医療構想をつくるためのガイドラインというのを私どもまとめてまいることになっておりますけれども、その際に、都道府県の担当者等から丁寧に話を聞いた上で、必要なときにどのようにその調整をするのか、どのような会議体を設けるのか等も含めて、ガイドラインの中に詳細に入れ込んで、都道府県職員が動きやすいようなガイドラインをまとめていきたいというふうに考えております。
○大塚委員 ありがとうございます。 ガイドラインの完成、とても期待をしておりますので、よろしくお願いいたします。限られた病床を円滑に活用できるよう、是非よろしくお願いしたいと重ねて申し上げます。 続きまして、医療DXについてお伺いいたします。 厚生労働大臣にお尋ねいたします。 我が国の医療提供体制は、医師の働き方改革の本格施行、地域包括ケアの深化、さらには災害時の事業継続の確保など、多くの課題を同時に抱えております。 その中で、医療現場の基盤となる電子カルテを始めとする医療情報システムは、いまだ多くが施設ごとに閉じたオンプレミス型で運用されており、データ連携の遅れ、保守負担の増大、セキュリティーリスクの散在といった構造的課題が顕在化しております。 医師の業務負担を軽減し、地域で切れ目のない医療を提供していくためには、患者情報が必要なときに必要な場所で共有されることが不可欠であります。しかし、現状では、救急搬送時や在宅医療の場面において、情報が十分に連携されていないことで診療の質に影響を生じているとの指摘もございます。 あわせて、我が国は世界有数の災害多発国であります。病院サーバーの被災や停電による電子カルテの停止は、医療継続に直結する重大なリスクであり、BCPの観点からも、よりレジリエンスの高い情報基盤が求められております。 政府として、医療DXを推進し、標準化を加速する方針が示されている中で、クラウドネイティブ型の電子カルテへの移行は、医療の質と安全を高め、医療現場の負担を軽減するために重要な選択肢であると考えます。 今後の汎用性も踏まえ、クラウドネイティブ型の電子カルテの導入を国として進めるべきと考えますが、国はその重要性をどう認識しているか、また、今後の計画はどうなっているか、教えてください。
○上野国務大臣 委員御指摘のとおり、医療DXを進めることは、本当に、医療機関のみならず、全国民にとっても非常に重要な政策でありますので、しっかり進めていきたいと考えています。 その上で、現行の電子カルテにつきまして、最新の技術を活用いたしましたクラウドネイティブ型のシステムへと移行していく、これも委員から今御指摘があったとおり、とても重要なことでありますので、まずこれをしっかり進めていきたいと考えています。 本年七月に開催をいたしました厚労省の推進チームにおきましても、こうした方針を打ち出しているところであります。この方針に基づいて、電子カルテの標準仕様、これを今年度中に策定するように今検討を進めているところでありまして、さらに、この標準仕様に準拠した電子カルテにつきましては、今後、厚労省において認証をし、その普及を図っていく方針でありますので、この普及計画については、二〇二六年の夏までに計画を策定していきたいと考えています。
○大塚委員 クラウドネイティブ型電子カルテへの切替えで最も難しいのは、データ移行、現場オペレーションの変更、既存システムの連携、この三点が複雑に絡み合うことだというふうに感じております。技術的にはクラウドが優れていても、医療現場で毎日運用できる形に落とし込むには、綿密な計画と合意形成が不可欠だというふうに考えます。 特に、現場の切替えへのハードルを下げるために支援策が必要だというふうに考えますが、国の補助なども含め、大臣の御見解をお伺いいたします。
○上野国務大臣 御指摘のとおり、現場で活用していただく際にも、しっかり現場の皆さんに理解をし合意をしていただくということはもちろん重要であります。 それと併せて、今、コストの話がございました。そういった面でもやはり検討を進める必要があると考えておりまして、今、電子カルテの標準仕様を今年度中に策定するように検討を進めるというふうに申し上げました。そして、この標準仕様に準拠した電子カルテを今後は厚労省において認証し、その普及を図っていくわけでありますが、その際には、御指摘がありました支援の在り方についてもその議論の中で考えていくことが必要かと考えています。
○大塚委員 是非、スムーズな移行ができるように、御支援をよろしくお願いいたします。 クラウドネイティブ型電子カルテを本格的に普及させるには、セキュリティー、あと信頼性、コスト効率、ガバナンスが非常に重要です。ガバメントクラウドは、これらを支える基盤として、国レベルの標準化、共通プラットフォームの役割を果たす可能性が高いと考えます。よって、電子カルテのクラウド移行を進める政策や制度設計において、ガバメントクラウドを積極的に活用、整備することは極めて戦略的、実用的であり、安全性の確保においても重要です。 ガバメントクラウドのような信頼の置ける国産の政府系サーバーを用いるべきと考えますが、政府の見解、今後の見通しをお答えください。
○森政府参考人 電子カルテのクラウドネイティブ化に当たってガバクラを活用すべきではないかという御指摘でございます。 先ほど大臣から答弁したとおり、クラウドネイティブ型を含む電カルの標準仕様を、今、今年度中に策定するよう進めているところでございます。 その際には、例えば、物理的なサーバーは国内に複数設置した上で、大規模災害等を想定したバックアップ体制を構築すること、それから、セキュリティーの観点から、システムの脆弱性を確認する検査を実施することといった要件を入れることも検討しており、十分な安全性を担保することというのを目指しているところでございます。 その上で、御指摘のようなガバクラで構築すべきかどうかにつきましては、その移行に伴う費用ですとか現行システムへの影響についても十分検討しなければならない部分があるのではないかというふうに考えております。 いずれにいたしましても、厚労省において、現在、今後、電カルの標準仕様への準拠について認証することを検討しておりまして、安全性が担保されたクラウドネイティブ型の電カルの普及を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○大塚委員 国内でもさくらのクラウドが国産クラウドの代表格だというふうに認識しておりますが、海外のAWS等に比べると、AI、ビッグデータ分析の高度なサービスや大規模同時アクセスに対する実績は少なかったり、外部ツール数が少なかったりと、まだまだ改良が必要で、是非早急な整備をお願いいたします。 続きまして、地域医療構想についてお伺いをいたします。 厚生労働省の美容医療の適切な実施に関する検討会では、医師以外の者がオンライン診療を実施している事例、オンライン診療や電話診療という建前で、実態として医師の診察を経ずに投薬等の行為が行われている事例、また、医師が初回の診療のみオンラインで行い、以降は無診察で点滴が実施される等、オンライン診療を用いるとしているが実質的に無診察で治療を行っている事例など、違法、違法疑いの事例が報告されております。 このような違法、違法疑い事例を今法改正により未然に防ぐことはできるのか、政府としての見解をお答えください。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 近年、国民の間で美容医療に対する需要が大きく増加している一方で、患者の健康被害を含め、苦情相談も増加している状況と承知をしております。 こうした状況を踏まえまして、令和六年の六月より、美容医療の適切な実施に関する検討会において、美容医療に関する被害を防止し、質の高い医療の提供を行うために必要な対応策について検討を行い、同年十一月に報告書を取りまとめたところでございます。 この報告書の内容も踏まえ、国民に適切な美容医療が安全に提供されるよう、現在御議論いただいている医療法等の一部を改正する法律案において、美容医療を行う医療機関による定期的な報告、公表制度の創設を盛り込んでいるところでございます。 具体的には、この報告制度により、都道府県等がトラブル防止にも資すると考えられる医療機関の安全確保措置等の実施状況を網羅的、定期的に把握することが可能となり、仮に、患者からの相談等を基に、医療機関において報告内容と異なる対応や有害事象の発生等が疑われる場合には、立入検査等の実施につながるといった一定の効果があると考えております。 また、公表制度によりまして、報告内容が国民からもチェックされるようになることで、医療機関においては安全確保措置等の実施状況に関する適切な対応が促されると考えております。 これらのように、美容医療の見える化、これを推進することで、美容医療の質の向上につながり、トラブル等の減少にも資すると考えておるところでございます。
○大塚委員 安全な医療の提供のため、引き続き改善をお願いいたします。 厚生労働大臣に伺います。 地域医療構想の推進に当たっては、病床の再編のみが議論されがちではありますが、本来の目的は、住み慣れた地域で必要な医療と介護が切れ目なく提供される体制を構築することにあります。 しかし、現場では、在宅医療を担う医師や看護師が不足し、二十四時間対応の体制を維持できない地域が少なくありません。訪問介護、訪問看護といった介護サービスも、人材不足と事業者の偏在により、量的にも質的にも受皿が十分ではない状況です。 高齢者の単身世帯や老老介護が増加する中で、家族の介護力は低下し、在宅療養を続ける基盤が揺らいでいます。また、医療と介護の情報共有は依然として不十分で、多職種連携が十分に機能しないままに、病院から在宅への移行が円滑にできない、地域差も大きく、都市部では需要過多によるサービスの逼迫、中山間地域ではそもそも提供体制が成立しないという深刻な課題がございます。受皿が整わないまま病床再編だけが先行することは、地域医療の空洞化につながりかねません。 そこで、大臣、在宅医療、介護の受皿整備をどのように位置づけ、具体的な強化策をどのように講じていくのか、認識を伺います。
○上野国務大臣 今御指摘のとおり、在宅医療、介護等の受皿を地域においてしっかり整備をしていくということもとても大切な課題だと考えております。 今後、高齢者が増加をしていく中で、在宅医療の需要は更に増加をする見込みでありますので、地域における医療、介護の資源が限られる中でありますが、医療や介護の人材確保、これをしっかりやっていくことが必要だと思いますし、その上で、地域の実情に応じた医療提供体制等の整備を推進することが大事だと考えています。 新たな地域医療構想におきましては、医療機関の役割の明確化等を図るため、医療機関機能の報告をする報告制度を導入をしています。増加する高齢者の例えば緊急搬送の受入れであったり、あるいは在宅医療の提供、そうしたことを機能に位置づけまして、地域で必要な医療の確保に向けた取組を進めていくことにしております。 あわせて、やはり医療従事者、介護従事者の人材確保、これもしっかり取り組んでいく必要があると思いますし、また、生産性向上のためのICT、AI機器の導入等によって在宅医療そのものの質を上げていく、これも大事だと考えておりますので、様々な取組をトータルとして進めることによりまして、地域で面として在宅医療を支えるような体制の整備に力を尽くしていきたいと考えています。
○大塚委員 やはり、まずは医療、介護の分野の処遇改善、物価高、人件費高騰を反映した基本報酬の改定なくしては受皿は増えていかないというふうに感じております。しっかりと地域の基盤を整える御支援をお願いいたします。 先ほどはオンライン診療についてお伺いしましたが、今度は、オンライン診療における不適切処方について幾つかお伺いしたいと思います。 オンライン診療は、地域医療のアクセシビリティーの向上や患者負担の軽減に大きく貢献している一方で、抗生物質や向精神薬、GLP1製剤などの処方をめぐり、医学的妥当性を欠く事例が各地で指摘されています。特に、プラットフォーム事業者による過度な広告誘導、初診オンラインでの安易な薬剤の提供、複数サービスを介した重複処方など、制度の想定を超える実態も散見されます。 最初に、不適切処方の実態について政府としてどの程度把握しているか、教えてください。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。 オンライン診療に限らず、医薬品の使用といいますものは、多くの場合、副作用のリスクを伴うものでございます。その処方に当たりましては、効能、効果と副作用のリスク、これを適切に判断をしていく必要があると考えております。 そうした中で、オンライン診療の適切な実施に関する指針におきましては、診察手段が限られて、初診で十分な医学的情報を得ることが困難である場合がございますので、初診から安全に処方することができない医薬品があるということ、さらに、適切な用量、日数を処方し、過量処方とならないように、医師が自らの処方内容を確認するとともに、薬剤師による処方のチェックを経ることを基本とすることなどをお示しをしているところでございます。 御指摘のオンライン診療における不適切処方の実態についてでございますけれども、例えば、オンライン診療の初診では麻薬及び向精神薬の処方は行わないということになっておりますが、それにもかかわらず、不眠症に対して初診から向精神薬が処方される事例があったというふうに承知をしております。
○大塚委員 まずは実態把握の調査を詳細にやっていただくことをお願いしたいと思います。 次に、依存性のある薬剤の取扱いについてお伺いいたします。 向精神薬については初診処方を禁止していると把握していますが、抗生物質やGLP1、また睡眠薬なども不適切処方の事例が指摘されています。睡眠薬、抗不安薬、ADHD薬など、依存性のある薬剤が短時間のオンライン診療で処方される事例がございます。こうした薬剤については、再診についてもオンラインでの処方ルールをより厳格化すべきではないでしょうか。政府にお伺いいたします。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。 オンライン診療での初診の際には、麻薬及び向精神薬の処方を行わないこととしております。それに加えまして、例えば、精神科領域で申し上げれば、向精神薬が処方されることが多いということになりますけれども、その中には、長期若しくは高用量の使用によって依存を生じると考えられる薬剤もございます。 そうしたことから、情報通信機器を用いた精神療法に係る指針におきましては、オンライン診療を実施している患者に関して、すなわち再診時ということになるかと思いますけれども、その患者さんについては、不適切な多剤、大量、長期処方は厳に慎むこと、患者に乱用や依存の傾向が認められる場合には、速やかに適切な対面診療につなげた上で、詳細に症状を把握し、治療内容について再考することなどの遵守すべき事項をお示しをしております。 いずれにしても、オンライン診療は、医療に対するアクセシビリティーを確保して、よりよい医療を得られる機会を増やすということなどを目的として行われるべきものであるというのは御指摘のとおりでございます。この指針の内容が徹底されることが重要であり、この周知を図ってまいりたいと思っております。 オンライン診療においても、良質かつ適切な医療が行われるように努めてまいりたいと考えております。
○大塚委員 継続的な見直しをお願いしたいと思います。 オンライン診療の普及は、医療アクセスの向上に寄与している一方で、一部の事業者による広告による処方誘導が問題となっております。SNS広告やインフルエンサーを使い、事実上処方ありきで患者を誘導するプラットフォームが存在しており、インターネットでも、具体的な薬剤名を示した広告、例えば、キャンペーン実施中、○○今なら何円とか、あとは何キロ痩せたい人必見などというのをよく見かけます。 現行の医療広告ガイドラインでは、誇大広告や虚偽広告は禁止されていますが、オンライン広告の急速な多様化に追いついていません。SNSや動画広告など、国や自治体の監督が及びにくい媒体での処方誘導が拡大しています。患者自身もオンラインで簡単に薬が手に入る誤った認識を持ちやすく、適切な情報提供の不足につながります。 SNSや検索広告、インフルエンサー投稿などを通じ、患者が本来不要な薬剤を求めるよう、心理的圧力がかかる事例が確認されています。特に、抗生物質、睡眠薬、抗不安薬、GLP1系薬剤、AGA、ED薬など、慎重な管理が求められる薬の安易な処方は、患者の健康被害や依存、重複処方のリスクを高めます。 こうした広告誘導は、医療の公益性や安全性を脅かす重大な課題であり、国としての対応が急務と考えますが、大臣の見解をお伺いいたします。
○上野国務大臣 現在、医療法に基づく医療広告の規制につきましては、オンライン診療も含めまして、誘引性あるいは特定性、そうしたものがあるものにつきまして対象としているところであります。 具体的には、患者の保護等の観点から、虚偽広告や誇大広告などの禁止、また、一定の要件の下で、ウェブサイト掲載の際に問合せ先の明示や必要な情報提供を求めるといった規制を設けているところであります。 厚生労働省におきましては、ウェブサイトの監視等を行うネットパトロール事業を実施をいたしまして、不適切なウェブサイトを把握した場合には、まず医療機関に自主的な見直しを促すとともに、指導権限のある都道府県等に情報提供を行う、そういった対応を進めているところであります。 今後とも、適切な医療広告を推進するため、引き続き医療広告ガイドライン等を通じて具体的な考え方を周知するとともに、医療広告に係るネットパトロール事業、これを更に強化をしていきたいと考えておりますので、必要な対応を着実に進めてまいりたいと考えています。
○大塚委員 早急な対応を是非お願いいたします。 オンライン診療は、地域医療のアクセス向上や通院困難者支援に大きく貢献しています。しかし、その一方で、医師の継続性や責任の所在が不明瞭になりやすい構造が問題となっています。 具体的には、プラットフォーム型オンライン診療では、患者が毎回異なる医師に診てもらうケースが多く、服薬歴や過去の診療情報が十分に引き継がれないことがあります。その結果、重複処方や副作用の見落とし、疾患管理の不十分さなど、安全上のリスクが高まる可能性があります。 オンライン診療の利便性を維持しつつ、医師の診療責任を明確にし、患者の安全を確保する仕組みを国としてどう担保するのか、伺います。医師の継続性を確保するためのルール整備を検討すべきではないでしょうか。大臣にお伺いいたします。
○上野国務大臣 オンライン診療であっても、対面診療の場合と同様に、担当医師そしてその医療機関が責任を持って対応する必要があります。また、あわせて、患者の診療情報等を活用しながら、適切なガバナンスの下で継続性ある診療を行う、そうしたことが重要だと考えています。 このため、現在は、オンライン診療のガイドラインにおきまして、診療行為の責任は原則として当該医師が負うことを示すとともに、診療を行う医師がかかりつけ医師でない場合であっても、患者の必要な医学的情報を把握することなどを示しているところであります。 その上で、現在御審議をいただいております今般の法律案におきましては、まずオンライン診療の定義を法律上に規定をし、また、指針の内容も含めて、オンライン診療を行う基準を創設をいたしまして、その遵守を医療機関に義務づける、そういった内容を盛り込んでいるところでありますので、本法案の御審議を踏まえて、こうした措置等を通じて適切なオンライン診療の実施を図ってまいりたいと考えています。
○大塚委員 安全性と利便性を両立するためにも、現場の実態と制度のギャップを整理し、必要な改善を検討することが不可欠だというふうに考えておりますので、是非よりよい制度構築の推進をよろしくお願いいたします。 最後に、医師偏在対策についてお伺いしたいと思います。 地域医療における医師偏在への対策は、今回の医療法改正でも対策を講じられていると理解しております。しかし、診療科別の偏在、特に外科医不足が依然として深刻です。外科医の減少は、緊急手術や地域医療の維持に直接影響する重大な課題です。 私の地元の救急の中核を担う病院では、消化器外科不足のために、救急の受入れが難しいという事態に陥っています。消化器外科学会によると、消化器外科医の数は、十年後には現在の四分の三に、二十年後には現在の半分まで減少するという予測が出ております。救急病院の若手医師の外科志望者が減っている背景には、過重労働や報酬面での負担が大きいことがあります。 そこで、伺います。 外科医不足を是正し、持続可能な外科医療体制を構築するために、報酬や勤務条件の改善、研修制度の拡充など、具体的なインセンティブ策をどのように検討しているのでしょうか。大臣にお伺いいたします。
○上野国務大臣 御指摘のありました外科を担っていただいております医師の現状につきましては、大変厳しいものがあるのではないかと考えております。 医師の総数は今増加をしていますが、外科医の数は横ばいになっています。また、時間外・休日労働時間が多い医師の割合が外科では高い、今御指摘のあったとおりであります。そういった状況でありますので、診療科偏在への対策は急務だと考えているところであります。 昨年十二月に策定をいたしました総合的な対策パッケージ、医師偏在の是正に向けたこのパッケージに基づきまして、外科等の必要な分野が若手医師から特に選ばれる、その環境づくりを支援をしていこうということにしておりますので、その実施をしているところであります。令和六年度の補正予算におきましても、外科等における勤務環境の改善に取り組む医療機関について伴走支援を行っているところであります。 また、診療報酬での対応も大切だと考えております。令和六年度の診療報酬改定におきましては、時間外などにおける手術の評価の見直しを行っておりまして、また、こうした見直しの効果も踏まえつつ、外科等の分野の医師確保の観点から更に何ができるか、そうした観点で、今、中医協等でも議論いただいているところでありますので、引き続き必要な取組を進めてまいりたいと考えています。
○大塚委員 救急には、腹痛で運ばれる患者も多いというふうに把握をしております。消化器外科医がいないと、この腹痛での搬送の受入れができないというふうに聞いております。地域の救急医療体制の崩壊にもつながる大きな事案だというふうに感じております。例えば高額報酬や奨学金返済の支援、また勤務条件の改善など、是非有効な施策の御検討を本当にお願いをしたいというふうに思っております。 質問を以上で終わりたいと思います。ありがとうございました。
○大串委員長 次に、齋藤裕喜君。
○齋藤(裕)委員 立憲民主党の齋藤裕喜と申します。 本日、厚生労働委員会では初めての質問をさせていただきたいと思います。上野大臣、政府の方々、どうぞよろしくお願いいたします。 まず初めに、お手元にまだ資料は届いていないですね。お配りしている資料についてちょっと、国の財政の視点、医療や薬局、そして家計の視点、この三つの視点からいろいろと皆さんと御検討させていただきたいというふうに思います。 まず、お手元の資料一なんですけれども、これは国民医療費の構造について、それぞれの棒グラフには四つの柱で表示されていますけれども、まず一番左から制度区分の国民医療費、二番目には財源別の国民医療費、そして三番目が診療種類別国民医療費、そして四番目が年齢階級別の国民医療費を示しているものでございます。 こちらは、令和五年度の国民医療費については、まず四十八兆九百十五億円。これは、右上に書いてありますけれども、人口一人当たりの国民医療費で見ますと三十八万六千七百円。国民医療費の国内総生産のGDPに対する比率としては八・〇八%となっています。 制度区分別国民医療費を見ますと、公費負担の医療給付分としては三兆四千五百九十四億円、医療保険等の給付分としては二十一兆五千百四十七億円、後期高齢者医療給付分としては十七兆二千七十二億円、患者等の負担分は五兆九千百一億円となっています。 そして、そのお隣の財源別国民医療費を見ますと、公費は十八兆三百三十一億円、そのうち国庫は十一兆九千二百五十二億円、地方は六兆一千七十九億円となっています。保険料については二十四兆千三百八十三億円、そのうちの事業主負担分は十兆五千六百十三億円、被保険者分は十三兆五千七百七十億円となっています。そのほか、患者負担分は五兆六千八百六十五億円。そのほかというのは、患者負担及び原因者負担の、公害健康被害の補償等に関する法律、健康被害救済制度による救済給付及び自動車損害賠償責任保険による支払いとなっています。 今ほど確認いただきました国民医療費は、二〇三〇年には六十兆円、二〇四〇年には八十兆円に達すると厚生労働省は試算しているところでもあります。一方で、現役世代、特に二十代から五十代の人口は急減しており、二〇二五年現在、既に高齢者一人を現役一・四人で支えている時代に突入しています。これは二〇四〇年には一・三人というふうに予測されておりますが、このままでは現役世代の保険料負担は限界を超えます。若者の貧困化、少子化が更に加速するという悪循環が避けられません。 政府として、国民医療費の現在の状況についてどのような受け止めをされているのか。社会保障費、医療費が年々増加していく中で、現役世代の負担を減らしていく、これからの財源を含めてどのようにバランスを取っていくのか。上野大臣の御答弁をよろしくお願いいたします。
○上野国務大臣 我が国の医療費につきましては、今委員から詳細に御説明がありましたとおり、最新の令和五年度の実績で四十八・一兆円となっているところであります。今後、高齢化などの影響により、増加していくことも想定されているところです。 こうした中で、社会保障制度を持続可能なものにしていくためには、全ての世代で能力に応じて負担をし、支え合う、そして必要な社会保障サービスが必要な方に適切に提供される全世代型社会保障を構築することが重要であります。 このため、具体的には、現在検討しているのが、OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しであったり、あるいは新たな地域医療構想に向けた病床削減であったり、電子カルテを含む医療機関の電子化を通じた効率的で質の高い医療の実現、また金融所得の反映などによる応能負担の徹底、そうしたことであります。 こうした改革を進めることによりまして、現役世代の保険料負担をできる限り抑制をし、全世代型社会保障の構築の実現に向けて努力をしていきたいと考えています。
○齋藤(裕)委員 ありがとうございます。 確かに、財源の問題で全世代型社会保障ということをおっしゃっているのは承知しております。 誰しもがやはり老いて、人生の最期を迎えていくわけですね。そんな中、病気と闘っている方々、難病を患っている方々、治療を継続して高額になっている方々の支援の拡充をこの財政の中でもしていかなければならないというふうに思っています。適切な医療や介護を提供していく。 年齢を重ねていく上で必ず誰しも経験するのは、自分が最後に亡くなっていくのは自宅なのか病院なのかは分かりませんけれども、どこで亡くなりたいのかとか、本人の御意思や御家族の意思だっていろいろあると思いますけれども、やはり最後は自分が望んで最期を迎えることができる、こういう世の中をつくっていく、その仕組みをつくっていくことが今この日本には求められているのではないかと思っております。 次の質問に移らせていただきたいと思います。 まずは、資料の二を御覧いただきたいんですけれども、各医療機関とか薬局等の統計資料は厚生労働省で本当にいろいろなものがたくさんあります。私も目にさせていただいております。そんな中、政府が主に、いろいろな政策を決めていくとか、判断指標として重点を置いているものとか、そういったものはどういったものがあるのか、お答えいただけますでしょうか。
○間政府参考人 お答えいたします。 医療機関や薬局の経営状況等に関する現状を様々なデータを通じて把握することは、的確な政策立案のためには大変重要だというふうに考えております。 厚生労働省では、経営状況を把握する手段として、これまでも、診療報酬改定の基礎資料として原則二年に一度実施する医療経済実態調査を通じて、医療機関や薬局の損益の状況や、資産、負債の状況、職種別の常勤職員一人当たりの平均給与などを把握するとともに、それに加えまして、今委員が御提示くださいました資料の二に関係するところですが、新たに令和五年八月から施行されました医療法人に関する損益や資産、負債の状況、それから職種別の給与、人数に関する書類などが集積された医療法人の経営情報データベースも活用することで、多面的な実態把握に努めているところでございます。 以上でございます。
○齋藤(裕)委員 ありがとうございました。 皆さん、お手元の資料で、この間も、前回の質疑も本日の質疑も赤字ということで皆さん把握していると思いますけれども、私は、この赤字というものの原因が、一体どれくらいの人たちがどこまでどういった原因で赤字になっているのかというのを、今日ちょっとひもといていきたいというふうに思っております。お手元の資料三、四、五。 まず、三から御覧いただきたいんですけれども、こちらも出典は、先ほど局長からありましたけれども、医療経済実態調査というものがありまして、これは本当にすごく調査されている資料で、私も大変びっくりいたしました。 これは簡単に説明するというよりはきちんと説明したいところなんですが、税引き後の総損益の差額、ここにプラスと書いてありますけれども、減価償却費(設備費補助相当分を除く)マイナス長期借入金返済額プラス長期借入金収入とあるんですけれども、これは簡単に言うとキャッシュフローのことを指しております。 このキャッシュフローが、これは令和五年度に報告されているわけですから、前年度と前々年度分の一般病院、精神科病院、特定機能病院、子供病院、歯科大学病院、全部示しておりますけれども、金額の伸び率といえば、ほとんどがマイナスなんですね。単年度と前年度との比較等いろいろありますけれども、やはりキャッシュフローがマイナスになるということは、非常に、医療を経営していく立場としては本当に大変なゆゆしき問題だというふうに思っております。 それに加えて、私が申し上げたいことは、やはり診療報酬改定が二年に一度しかないということなんですね。 ちなみに、資料の四と五を見ていただきますと、皆さん、設備投資額ということで、資料四は病院についてなんですけれども、資料五は一般診療所と歯科診療所、保険薬局について、設備投資額について書いてあります。 ちなみに、これは通告していないんですけれども、主に病院の耐用年数があるんですね。耐用年数は何年ぐらいだか、どなたか、お答えいただける方はいらっしゃいますか。
○森光政府参考人 私どもとしては、大体約四十年、建物そのものについては約四十年という形で試算をしている状況でございます。
○齋藤(裕)委員 ありがとうございます。さすがです。国税庁のやつだと三十九年です。 なので、何を申し上げたいかといいますと、診療報酬が二年の改定、病院の耐用年数が三十九年、四十年となると、二十回改定するということになるんですね。二十回改定するということは、こういった病院の建て替え、老朽施設、これは病院で今大きな問題となっています。建て替えができません。さらには、この間の物価上昇による建築価格の上昇ですね。設立した当時から、建ったときから比べると、やはり一・五倍から二倍になっているわけですね。そうなると、診療報酬の改定自体もそういったことも加味しながらやっていかなければいけないというふうに思っています。 私は、今までの収支、医業収入とかかる医業費用、そして利益、プラスアルファでキャッシュフローを見ていかないと、医師会の先生方からも言われたんですけれども、やはり医療法人制度とかいろいろ、皆さん、医療経営していく中で、金融機関とか福祉医療機構とかいろいろあると思うんですけれども、そこでやはり見られるのは返済能力になるわけですね。返済能力が、だんだん業績が下がってきている、ましてや人口減少になってきている、さらには受診率が下がっている、何かいわゆる負のスパイラルができてくると、金融機関としては、じゃ、ここから四十年先また見越して融資をするかというと、やはり融資してくれないというのが私も多くのドクターの方々から聞いている意見です。 是非その辺を、診療報酬改定にもっと長期的な視点に立って考えていただきたいという意味も込めまして、この資料の三と四と五については御説明をさせていただきました。 そして、医療経済実態調査報告があると思うんですけれども、国民医療費の増加を見れば、今までの統計資料にもある損益状況等に限らず、貸借対照表とか、資産、負債とか、利益剰余金、この辺もしっかりと見て、良質かつ適切な医療を提供するには確認しなければならないと思っております。 そして、経営的な観点がなければ、今後の二〇四〇年を見据えた現時点での正確な状況、適切な対策を講じることができないと思いますが、その点、いかがでしょうか。
○間政府参考人 お答えいたします。 今委員が御指摘になられましたように、医療機関の経営状況を把握する上では、いわゆるPL、損益計算書だけじゃなくて、貸借対照表、BSも含めまして、多角的に現状を把握することが重要だというふうに思っています。 この点について申し上げますと、今委員の方から医療経済実態調査の資料も御紹介いただきまして、ありがとうございました。加えて、医療法人の経営情報データベース、先ほど申し上げた、最近始まったものですが、こちらでは貸借対照表のデータも確認することができるようになっております。 その上で、実はこれを私どもでは分析をいたしまして、現預金回転期間とか、先ほど四十年というお話をいただきました債務の償還年数、これは実際に債務に対して収益でもって割ってみると何年で返せるのか、こういったようなデータも分析しておりまして、その結果を中央社会保険医療協議会においても報告をするなど、医療機関の経営状況を様々な観点から把握しているところでございます。 こうした取組を、引き続きこういう経営状況の丁寧な把握、分析に努めていきたい、このように考えております。
○齋藤(裕)委員 ありがとうございました。 医療経済実態調査、あれは何百ページですよね、私もあれを途方もなくこの間ずっと見ているんですけれども、かなり緻密に分析されている。アンケートを、五〇%とかでしたっけ、まだそのぐらいしか集計していない部分があると思うんですけれども、それをもうちょっと多く集計をして、是非とも精度を上げていただいて、今後の診療報酬改定であったりとか、今回のいろいろ制度面とか補助金とか、いろいろなものに有効に活用できれば大変ありがたいというふうに思っておりますので、どうか引き続きよろしくお願いいたします。 次の質問に移らせていただきますが、もうほとんど時間がありませんので、ちょっと端的に質問をさせていただきたいと思うんです。 御承知のとおり、高齢化率の高まりによって、今後、二〇四〇年に向けて、多疾病の併存でこれから患者さんに対応していかなくちゃいけないと思うんですけれども、二つ以上の慢性疾患を同時に抱えていく状態に今もなっていますが、今後、より一層なっていくと思います。そうしますと、複数の診療科の受診であったりとか、ポリファーマシーと言われる、多剤併用ですね、それと診断の困難さであったりとか、心身機能の低下といった問題を引き起こす可能性があります。問題解決のためには、かかりつけ医による包括的な管理であったりとか、ここがまた重要だと思っているんですけれども、多職種の連携が非常に今後重要になってくると思います。 それで、医療、介護の複合ニーズをこれから抱えていくわけですけれども、八十五歳以上の人口が今後どんどん増大していく中で、現在の、いわゆる医師も含めてですけれども、医療や介護に関わる人手不足をどのように補っていくことが望ましいと考えていらっしゃるのかどうか、御答弁いただけますでしょうか。
○黒田政府参考人 お答えいたします。 私から、介護人材の関係についてお答えいたします。 今後、高齢者の増加、生産年齢人口の減少が進んでまいります。そうした中で、将来にわたって必要な介護サービスを受けられるように、担い手の確保が極めて重要でございます。 これまで、介護人材の確保につきましては、累次にわたる処遇改善、職員のキャリアアップのための研修受講支援、ICT等のテクノロジーを活用した生産性の向上、介護職の魅力向上、外国人介護人材の受入れ整備などの対策に取り組んでまいりました。 その上で、介護の現場は依然として人手不足が大変厳しい状況にございます。骨太の方針も踏まえまして、経営の安定、現場で働く幅広い職種の方々の賃上げに確実につながるように、補正予算の編成過程におきまして施策の具体化に取り組んでいるところでございます。 さらに、本年五月から、社会保障審議会福祉部会の福祉人材確保専門委員会という委員会がございまして、こちらで介護人材確保に向けた取組の強化に向けた議論を行ってございまして、先日、議論の整理が行われました。この中では、高齢化や人口減少の状況等が地域によって異なることを踏まえまして、都道府県が設置主体となって、介護人材確保に関するプラットフォームを構築をして、地域の関係者が協働して実践的に課題解決に取り組むことの必要性等が盛り込まれております。 今後、関係審議会等で更に議論を深めまして、より一層、介護人材確保策を推進してまいります。
○齋藤(裕)委員 ありがとうございました。 最後に一言。先ほどから指標とか数値とかをもって御説明しましたけれども、やはり医療や介護に関わる方々の処遇の改善をしっかりとしていって、これからの医療ニーズや介護ニーズに応えていけるように、どうか引き続きよろしくお願いいたします。 これで午前の質問を終わります。ありがとうございました。
○大串委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時一分休憩 ――――◇――――― 午後一時二分開議
○大串委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。齋藤裕喜君。
○齋藤(裕)委員 午前に引き続き、立憲民主党、齋藤裕喜です。 まず冒頭に、ちょっと苦言を申し上げさせていただきたいと思います。 やはり会を始める中で、野党の議員が集まっている中で、与党の自民党、維新の先生方が集まっておられない、そしてこの会の開催が遅れたということは、委員長、こちらは厳粛に受け止めていただければというふうに思います。(発言する者あり)
○大串委員長 緊張感を持ってやるように、また理事会でしっかりと皆さんに伝達をしていただければと思います。
○齋藤(裕)委員 それでは、気を取り直しまして、医師の偏在指標について御質問をさせていただきたいと思います。 重点支援区域ということで、様々、この間、指標が先行しているように思えてならないんですけれども、下位の四分の一であったりとか三分の一を重点支援地域というふうに一部では決めて動いているようですけれども、ちょっとここで、冒頭で申し上げさせていただきたいのが、現職の医師と医学生が、医師の不足と偏在に対するアンケートがありまして、これに寄せられた医師とか医学生の声をまずは冒頭お伝えしたいと思います。そのまま読み上げますね。 これまで、長時間働くことが当たり前である、当然だという風潮がありました、そうではなくとも、医師も労働者として普通の働き方でいられるくらいに増やす必要があると思います。そして、もっと地域のニーズに応えられるような医療を提供できるようにしたいです。もう一人は、医師不足の上に病院経営が厳しく、病院は全く余裕がない状況で頑張っています。社会の公共財をもっと大切にしてほしい。さらには、ちょっとこれは私も書き方がびっくりしたんですけれども、医師が生き物として命、健康を維持でき、家族を犠牲にすることなく人間らしい生活ができることを望みます。せめて通常勤務後からの当直明けの通常勤務後は定時までに解放してほしい、もう気力も体力も限界です、いつ重大事故を起こしてもおかしくありません。疲れ果てて医療自体に興味が持てなくなってきており、退職も考えています。医師不足は、医師の健康、医療の質に大きく関わる深刻な問題だと思っています。経済的なことだけではなく、医療現場そのものに目を向けてほしい。これは医学生の言葉です。 このことからしましても、重要なところは、私、先ほど午前中もいろいろな数字を見て、皆様に御検討いただいているところではありますけれども、この医師偏在の指標については、様々、いろいろな観点で見なければいけないというふうに思っています。 その中で、例えば、この医師偏在指標を基に重点支援地域を指定して、そこから漏れてしまう地域も出てくると思うんですね。そういったことからすると、医師偏在指標も確かに大事だとは思うんですけれども、ほかに参考としなければならないものとか、今、政府の方で医師偏在指標といろいろなものを総合的に勘案して見ていらっしゃると思うんですけれども、その辺についてお伺いさせていただきます。御答弁よろしくお願いいたします。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 まず、医師の偏在指標についてでございます。医師の偏在指標につきましては、現在、見直しについての議論をさせていただいております。これまでは、基本的には人口比での数値を基本としておりましたけれども、それに加えて、僻地尺度等を組み合わせて、地理的要素を一定程度反映していくという形を取りたいということで、今現在、議論を行っておるというところでございます。 また、重点医師偏在支援区域、これに関して今御議論いただいておりますけれども、これにつきましては、さらに、そもそもこの区域に指定するというところについては、人口二千人程度、いわゆる現在いる人口に対して医療機関が少ないというようなところも含めて検討するようにということで、都道府県に対してお示しをしているというところでございます。
○齋藤(裕)委員 今御答弁いただきましたけれども、ちょっと私もいろいろ調べていまして、いわゆるドクターの方々はかなり高年齢まで診療をされている方々が非常に多いと思います。一つの例を挙げるとすれば、医師が八十歳で引退して、その地域で承継もなく、新規開業がない場合ですと、二〇四〇年で診療所がなくなる市町村は百七十程度増加していくというふうな見込みもありまして、更に言えば、八十といったら、結構、もうやりたくないと言っている先生方も大変多いです。 これが五歳引き下がって七十五歳になるとどういうことになるかといいますと、診療所がない市町村が、八十歳で百七十程度だったのが、七十五歳で引退した場合、条件は同じとすると二百七十程度なくなる。医師、診療所がなくなるところは増加していくというふうになっていきます。 これはちょっと通告していないんですけれども、そういったことも加味してお取り組みされているんでしょうか。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 先生の問題意識ということと私どもは問題意識を一にしておりまして、そういう地域に対して、しっかり医療が提供されなければならないというふうには考えております。 ですので、今回この法案も提出させていただきましたし、昨年の令和六年の補正予算の中で、そういった地域について、診療所がなくなる前に承継、開業の支援ができるような、そういう補正予算をつくりまして、その対策を進めておるというところでございます。
○齋藤(裕)委員 御答弁ありがとうございます。 それに関連して、先ほどお配りしている資料六、一番最後のページを御覧いただきたいんですけれども、こちらは、医療法人から認定医療法人に変わった数もあるんですけれども、ここで注目すべきは、そもそも医療法人は医療法の三十九条に基づいて設立される法人で、趣旨として、医業の非営利性を損なうことなく法人格を取得する道を開き、資金の集積を容易にする、医療機関の永続性を付与し、もって私人による医療機関が経営困難にならないようにするというふうに医療法で規定されているわけですね。 それで、皆さんにお配りしている資料六を見ていただきたいんですけれども、まだまだ認定医療法人に移行していない医療法人の機関が多くて、こういったものを、認定医療法人になるそもそもの令和八年の十二月三十一日までを更に延長するというふうに今多分検討されているというふうに理解はしておるんですけれども、一つの障壁としては、極端な話を言えば、先生がそのまま診療して亡くなって、そのまま移行するということも確かにこの間も想定されているんですね。 さらには、先生方が診療をやはり専念されていて、認定医療法人に移行するとなると、そこまでなかなか考えが至っていないというのが現時点で現状だと思います。そのそばにいるのが医業経営のコンサルタントであったりとか会計事務所であったりとか、そういった方々が、先生、認定医療法人に移行しませんかというように多分やっていらっしゃるのが今現状だというふうに理解しております。 それで、これは、私も承継税制について非常にもっと税制面では優遇するべきだというふうに考えておりまして、既存の認定医療法人への移行については、相続税の納税猶予であったりとか、医療法人を設立するときの出資者間の贈与税の納税猶予であったりとか、医療法人自体が贈与税を非課税にするとか、様々この間、承継するためにいろいろ税制面での優遇はしてきていると思いますが、元々出資していた金額が、これが二十年、三十年たつと本当に大きな金額になってくるわけで、この辺を、例えばMアンドAで先生がそこに入るとか承継するにしても、次に承継した先生がやはり多大な金額のために足踏みをされている状態も散見されるわけですね。 そういったことも加味すると、認定医療法人の延長と事業承継税制についてはもう少し柔軟にとか、あと、今この資料六にもありますけれども、持分ありの医療法人、病院と、診療所のみを開設する持分ありの医療法人がありますけれども、これを令和八年から更に三年延長するといって十一年になると思うんですが、この間のもう少し後押しをするようなものをしないと、先ほど御質問させていただきましたいわゆる医師の偏在、そういったことにもなりかねない事態になると思うんですけれども、そのことについてどうお考えでしょうか。御答弁よろしくお願いいたします。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 まず、医療法における認定医療法人制度、これは平成二十六年十月に創設されまして、持分なし医療法人への迅速な移行を促すということから、令和八年十二月三十一日までの時限的な措置とされております。本法案では、認定期限を更に三年延長するということをお願いしておるところでございます。 御指摘の持分なし医療法人への移行について、厚労省において行いました移行の意思に関する調査では、回答した持分あり医療法人の約四割が未定というふうになっております。このような回答となる理由として考えられることは、先生が御指摘あったように、制度への認知度が低いということのほか、出資者間の合意の形成、それから認定の要件充足に向けた調整、これに時間を要しているということが考えられます。 厚生労働省といたしましては、制度のまず周知、個別相談対応といったことにこれまで以上に取り組みたいというふうに考えておりますし、また、そのほかのどのような手段が取り得るのかという点につきましては、現在行われております税制優遇措置の効果とか医療法人の移行について調査する等によって、必要な対応を検討していきたいというふうに考えておるところでございます。
○齋藤(裕)委員 ありがとうございます。 これは、やはり先ほど来からお伝えさせていただいているように、本当に医師がいなくなる市町村がこのままいけば出てくるんじゃないかと私も危惧しておりますし、そうすると、本当に良質かつ適切な医療を各地方も含めて提供できるように、どうか皆さん、御協力をよろしくお願いいたします。 次の質問に移らせていただきます。オンライン診療についてお伺いしたいと思います。 先ほど来からたくさんの方々がオンライン診療について御質問されていると思いますけれども、私がちょっと注目したところが、今認知症の方が、実は、二〇二五年で六十五歳以上で見ますと七百万人ぐらいいると推測されているわけですね。そうしますと、オンライン診療を受けるに当たってもなんですけれども、非常にその辺が危惧されているところではあると思うんですね。 しかも、今までオンライン診療は続いてきましたけれども、解釈運用をずっとしてきたと思うんですよ。それを、今回のやはり医療法の改正として法制上の位置づけをしたのはどうしてなのか。その辺はお答えいただけますでしょうか。
○上野国務大臣 二〇四〇年に向けまして、高齢化に伴う医療ニーズの変化、人口減少等を見据えました医療提供体制を確保するに当たりまして、その方策の一つとして、オンライン診療、これが有用となる中、質がしっかり確保された適切なオンライン診療、これを推進していくことが必要だと考えています。 今般、法改正にオンライン診療を盛り込みましたけれども、現在、オンライン診療、施設数などの増加がございます。これまで通知の解釈のみによってオンライン診療を推進してきたんですが、それも少々難しくなってきたというような認識がございます。 また、病院医療などにおきましても、指針が必ずしも遵守されていない、そういった指摘もあるところでございますので、実効性のある対応を取る必要があるというふうに考えております。 そうしたことを総合的に勘案しまして、今般、医療法の中にオンライン診療を位置づける法改正を予定させていただいているところであります。
○齋藤(裕)委員 ありがとうございました。 オンライン診療の中でちょっと私も気になったところがありまして、オンライン診療を行う際の管理者についての、容体急変の事態に備える場合に、患者の所在地近隣の医療機関と受入れの合意等を取得し、その過程で、地域医療に与える影響やその可能性について、地域の関係者と連携して把握することとありますけれども、具体的に、合意等を取得するとはどのようなことを想定しているんでしょうか。お答えいただけますでしょうか。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 現在、オンライン診療における患者の安全性の担保ということにつきましては、対面を行う医療機関との合意の有無にかかわらず、オンライン診療の適切な実施に係る指針におきまして、オンライン診療を実施する医療機関の管理者が、容体急変の事態に備え、患者の所在地近隣の医療機関と受入れに係る情報伝達を行うことや、離島など急変時の対応を速やかに行うことが困難となると想定される場合に、事前に関係医療機関との合意を取得すべきことなど、必要な体制を確保して診療を実施するよう定めているというところでございます。 また、今度新たに規定をしようとしております、オンライン診療受診施設における急変に備えた近隣の医療機関の受入れの合意等の具体的な連携の在り方、これにつきましては、今申し上げました指針の内容も踏まえつつ、今後、医療現場の方々の意見も踏まえながら検討していきたいと考えておるところでございます。
○齋藤(裕)委員 ありがとうございました。しっかりとその辺を詰めていっていただければと思います。 最後になりましたが、私は、福島県の浜通り、福島第一原発から七キロのところに現在住んでいます。その中で私が一番今危惧していることは、帰還困難区域でそもそも人がいなかったところに解除されて避難者等が住むに当たって、今、医療崩壊ならず、もう医療すらなかなか提供できていないというのが現状です。先ほどからありました重点支援地域じゃなくて、私は、国の責任ということをおっしゃっているのであれば、最重要支援地域だと思っています。これが住民の、避難の人たちが戻らない理由の第一に医療機関があるんですね。こういったことを、やはり国の責任としてしっかりと取り組んでいってほしいというふうに思っています。 また、いわき市の避難しているところでも、救急医療も崩壊しているんです。やはり東日本大震災は、岩手、宮城、福島とありますけれども、これだけ多くの方々が被災をされて、これで十四年近く、十五年目にそろそろなりますね。そうすると、その課題をクリアするにも、もう少し私は、より柔軟に、スピード感を持ってやっていただきたいというふうに思っています。 これはやはり、東北の復興、福島の復興なくして日本の再生はないと歴代の政権がおっしゃっているわけですから、上野大臣、どうか御決意をよろしくお願いいたします。
○上野国務大臣 復興再生につきましては、現内閣におきましても最大の最優先課題の一つだというふうに認識をしておりまして、今委員からもお話がありましたが、政府一丸となってしっかり対応していくことが必要だと考えています。 原子力災害被災地域の復興再生に向けまして、住民の皆さんに安心して帰還をし生活をしていただけるように、医療提供体制の再構築、これが重要だと考えております。 厚労省におきましては、地域医療再生基金を設置をいたしまして、福島県の避難地域等医療復興計画に基づく医療提供体制の再構築への支援を行ってきているところでありますが、具体的には、地域の医療ニーズを踏まえ、福島県に対し、被災地域の医療機関の新設、再開、あるいは運営等に関する財政支援を行ってきております。双葉地域における中核的病院の整備につきましても、財政支援を行っているところであります。 引き続き、福島県、あるいは関係自治体、関係省庁ともしっかり連携をして、地域のニーズ、十分にこれを伺いながら、またスピード感を持って、必要な予算の確保、これをしっかりと取り組んでまいりたいと考えています。
○齋藤(裕)委員 最後に一言。卵と鶏とか、住民がいるいないではなくて、これはやはり必要最低限の医療を住民の方々に届ける、スピード感を持って是非よろしくお願いいたします。 私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○大串委員長 次に、宗野創君。
○宗野委員 立憲民主党の宗野創です。 冒頭、一言申し上げたいと思います。 本日、医療法の審議ということですが、四月に代表質問をさせていただきました。よもや七か月かかるとは思っていなかったんですが、そのときに既に答弁で、介護職の皆さんの処遇改善をやりますと言ってきたにもかかわらず、この七か月間、何をやってきたんですかと強く抗議をしたいと思います。 その上で、この医療法、将来の医療提供体制を考える上で非常に重要な法案ですので、建設的に議論を進めていきたいと思います。 本日、再三指摘されておりますけれども、病院経営、非常に厳しい状況にあります。冒頭、高市政権の病院緊急支援策、これを具体的に教えてください。
○上野国務大臣 御指摘のとおり、経営難が深刻化する医療機関への支援は急を要していると考えております。 先ほど閣議決定をいたしました総合経済対策におきまして、医療機関等における経営の改善、また従業員の皆さんの処遇の改善につなげるための医療・介護等支援パッケージ、これを緊急措置することといたしました。 医療分野におきましては、医療機能の特性も踏まえた物価上昇への的確な対応、物価を上回る賃上げの実現に向けた支援、病床数の適正化を進める医療機関に対する支援などを行うこととしておりまして、その裏づけとなる補正予算、これを速やかに編成をする中で施策の具体化に取り組んでまいりたいと考えています。
○宗野委員 一番の大玉がやはり病床削減だと思うんですけれども、医療計画に関係する部分ですので、是非ボリュームだけでも教えていただけませんか。御答弁できますか。
○上野国務大臣 まだその点につきましては最終的な調整中でありますので、ボリューム感等につきましては、コメントは控えさせていただきたいと思います。
○宗野委員 その上で、過剰病床に対しての対応というのは非常に重要だとは思うんですけれども、やはり一度減らしたら、また増やすということは非常に難しいわけでございまして。そもそも、各地方の県立病院とか市立病院を統廃合して病床を削減をした例を見ても、中には、収益構造が上がりました、収益構造が上がったということは医療費も増えたという事例もあるわけでございまして、必ずしも医療費の削減につながるというわけでもないという観点からも是非慎重に判断をしていただいて、議論を尽くしていただきたいと思います。この点に関してはお伝えしたいと思います。 続いて、WAMの緊急支援融資に関して伺います。 今年の夏からコロナ対策の融資の本格的な返済が始まりました。実際、病院がコロナのときにかなり債務を抱えて、その返済が始まったら、想定したよりも収益構造が改善せずに返済が難しいという現場からのお声を伺っています。現在の返済状況、そしてリスケなどの件数を教えてください。 それと加えて、今年の夏の審議でもあったんですけれども、物価高融資もこの返済に充てることができるということがこの委員会の質疑で確認されました。物価高融資の現在の融資件数のうちで、コロナ対策融資の返済に充てられている件数を把握していますでしょうか。まとめて御答弁いただければと思います。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 独立行政法人福祉医療機構、WAMによるコロナの融資、これは令和二年二月から融資を開始しておりまして、令和七年九月末時点で、全融資先である約四万五千件、金額にして二兆円のうち、返済開始しているものは約二万四千件、五三・八%でございます。金額にして一兆二百七十五億円、五一・四%でありまして、そのうちの約千四百件、七百十億円分に対して返済条件の変更を行っているというところでございます。 また、コロナ融資の返済が困難な融資先において、コロナ融資を一括返済するために物価高融資を借り入れる、いわゆる借換えの実績についてでございますが、令和七年十一月十四日時点で、物価高騰融資の申込み約千七百件のうち、借換えにつきましては一件となっておるところでございます。
○宗野委員 ありがとうございました。 実際には、お金に色がありませんので、物価高融資が何に使われているかというのを把握するのは難しいとは思うんですが、一件というのは、やはりもうちょっと周知していただいた方がいいんだろうと思います。せっかく物価高のシステム、制度をつくっていただいたわけですから、それをしっかりとプッシュ型で支援をしていただいて、必要な資金需要がある先には御周知いただきたいと思いますけれども、大臣のお考えを伺います。
○上野国務大臣 今お話のありました物価高騰融資、今年の四月から無利子無担保で創設をしたところであります。これにつきましては、今局長から答弁をいたしましたような実績だと承知をしておりますが、現在、ホームページあるいはメールマガジン等を通じて御案内をしているものだと認識をしています。 さらに、今委員から御指摘がありました、プッシュ型というお話がありましたけれども、資金繰りに苦しむ医療機関へしっかり御案内が届くように、関係団体あるいは福祉医療機構のそもそもの融資先等につきましてしっかり周知が図られるように、我々としても取り組んでいきたいと考えています。
○宗野委員 ありがとうございます。是非、御周知いただきたいと思います。 その上で、ただ、各病院の経営を確認しますと、いっときの融資だけで解決できる問題ではないというふうにも思います。やはり収益構造であるとか経営構造そのものから考え直していかないといけないケースも多いということでございまして、例えば総務省の方では病院事業債の発行事業などもやっておると思います。その中では、構造転換とかそういう経営の支援というところも併せて訴えておるわけでございますが、WAMの支援も含めて、融資でつながった先にしっかりと経営改善提案をしていく、そこまでしっかりとサポートしていただくという視点が私は重要だと思っておりまして、今後も様々なスキームを御検討される際には、その視点を是非入れていただいて政策をつくっていただきたい。これは要望でございます。御検討いただきたいと思います。 次に、地域の医療資源格差への対応を伺います。 本日、様々な委員から、この点に関しても御指摘がありました。現在、地域医療は二次医療圏を一つの範囲として医療提供体制が構築されているということでございますが、二次医療圏内においても様々な医療資源の格差が生じていると思っています。 医師、今日は医師偏在の話が多く出ていますけれども、看護師もそうですね、人材でいえば。あるいは、設備も含めて医療格差があるという指摘があります。特に救急の受入れとか、実質的には、二次医療圏内で一部の病院に偏ることによってかなり負荷がかかってくるというような指摘もあります。 こういった二次医療圏内の医療格差に対して、どのように対応するのでしょうか。御答弁お願いします。
○上野国務大臣 御指摘のとおり、二次医療圏内におきましても、医療の需要であったりあるいは医療資源、そうした状況については様々な状況があるというふうに考えています。一様ではないというふうに思います。 その上で、地域医療構想調整会議等におきまして、都道府県を中心に、構想区域内の医療資源、医療需要の状況、これをしっかり踏まえて、地域の関係者が協議を行って、地域の実情やあるいは再編後の状況なども考慮した取組を進めていただきたいと考えているところであります。 地域ごとの具体的な協議の際には、我々の方からもしっかりデータ等を出せるように取り組んでいきたいと思いますし、また、関係者の御意見を伺いながらではありますが、ガイドライン等の策定についても検討していきたいというふうに考えています。
○宗野委員 今、地域医療構想調整会議のお話があったと思うんですけれども、現場レベルでは、本音で言うと、やはり属人的な部分もかなりあると思うんですね。例えば、何々病院の院長さんと何々病院の院長さんはコミュニケーションが取れているけれども、そうじゃないケースもある、それに伴って各県の計画の実施状況がうまくいっていたりいなかったり、こういう部分も私は問題だと思っているんです。 そういった中で、やはり、県が計画を立ててやっていると国の方は言うんですが、しかも会議もありますよと言うんですが、果たしてこれがどこまで機能しているのかという問題意識を持っています。 今日、るる診療科別の医師偏在に関しても御指摘がありましたので、私も問題意識はかぶっているので、ここもお伺いをしたいんですけれども、私が質問で取り上げたいのは、特に周産期医療、小児科、分娩取扱医師というところでございまして、資料をつけさせていただきました。 先ほど酒井委員の方からも三重県の例とかが挙がって、お話があったと思うんですけれども、これは三重とか地方だけの問題じゃないんですよね。資料を見ていただきますと、例えば埼玉であるとか、いわゆる首都圏近隣の自治体でも非常に厳しい状況にある自治体があるということでございます。私、地元は川崎でございまして、この指標の中ではそこまで悪くない指標なんですが、さっき言ったように、細かく見てくると、各クリニックへのアクセスとか、あるいは有床の病院の数とか、実際に助産体制が整っている場所とか、そうやって細かく見ていくと、全然全然足りていないという声が地元からは聞こえます。 そういった中で、小児科、分娩取扱医師の不在というのは、これは地域で子供を出産できないという深刻な問題だと思います。こういった状況にどのように対応するのか、御答弁お願いします。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 委員の御指摘のとおり、小児科医師それから分娩取扱医師につきましては地域に偏在があると認識しておりまして、各都道府県において圏域ごとに、小児科医師偏在指標、分娩取扱医師偏在指標の作成により現状の把握に取り組んでいるという状況でございます。 また、周産期の医療、これにつきましては、都道府県において、二次医療圏にこだわらない圏域として周産期医療圏を設定いたしまして、医療機能の集約化、重点化や、それから施設ごとの役割分担、これはどういうことかと申しますと、分娩の施設と、それから妊婦健診を受けるところ、これは自宅の身近なところに置き、分娩のときにそこと連携をした形で、分娩施設で分娩を行うということでございますが、そういう体制をつくる。医療計画に基づく体制整備や小児科それから産科医師の確保といった取組が行われておりまして、厚生労働省ではこうした取組に対して財政支援を行っているという状況でございます。
○宗野委員 ありがとうございます。 機能別でできるところをやっていこうというのも一つアイデアなんだと思います。それがその地域のアイデアとして合意形成が取れて、動く形であればそれを進めていただきたいと思いますが、実際には、やはり国が下ろした計画、それを県が作成していくという中で、それが必ずしも、さっきも言ったように、地域ニーズにマッチしているところとマッチしていないところとあると思うんですよ。結局、そこの結果がこの状況になっており、実際の出産ニーズとのギャップが生まれている、私はそういう問題意識を持っています。 そういった中で伺いたいのが、現在、都道府県が、医療計画の策定に当たって、市町村ごとにどのように医療の実情を把握しているのか。現場の声を把握してやっているというんですが、それは具体的にどのように把握しているのかという点。そして、国として、その把握の方法に関して統一の基準などを設けているのかどうか、これを伺います。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 地域医療構想等においてということでございますけれども、まず、データということにつきましては、二次医療圏ごとのもちろん診療のデータですとかそういうこともございますし、それを更に砕いて市町村別のデータという形で作成するということも可能でございまして、そういうものを提供するということもやっております。 また、地域の方の御意見ということでございますけれども、私どもの職員であっても、例えば北海道とかの地域医療構想会議等の分科会といったようなところにも参加をし、丁寧に地元の医療機関の先生方と意見交換をするといったようなこともやっております。 また、同じように、そこに都道府県の職員、これも一緒に参加をし、丁寧に話を聞くというふうな形で、できるだけ、団体だけの意見ではなく、それぞれの地域にいらっしゃる先生方、医療機関の意見を聞いた上でしっかり地域医療構想をつくっていただくということを後押しをしているという状況でございます。
○宗野委員 やっている例は分かるんです、全くやっていないとは全く思っていなくて。しかしながら、それがうまくいっていない事例があるというふうなのが私の問題意識ですから、若干かみ合っていないんですけれども。 それだからこそ、究極的に全市町村の実情を把握するというのは結構難易度が高くて、やはりいかに現状、地域に当事者意識を持っていただいて実情を把握するという、その役目を担っていただくという方向性の方が私は正しいんじゃないかなというふうに思っているわけです。 そういった観点からも、市町村ごとにきめ細やかに実情を把握して支援できる、そんな方法が必要だと思っています。その一例として、例えば、地域の医療・介護提供体制の整備に意欲がある市町村が独自に施策を進められるような基金の設置、これをきっかけにして、その市町村が地域の実情把握に努め、必要な施策を構築していくという枠組みをつくっていいんじゃないか、これから必要なんじゃないかと思うわけですが、いかがでしょうか、大臣。
○上野国務大臣 御指摘のとおり、今後、地域の様々な医療提供体制を構想していくに当たりまして、市町村の役割というのもますます大きくなると考えておりますし、特に、意欲のある市町村、しっかり頑張っていただきたいなというふうには考えています。 ただ一方で、地域の医療提供体制の確保につきましては、やはりその責任は都道府県、これが中心となって担っていただく必要がありますので、市町村に基金を造成するということにつきましては、なかなか、制度の趣旨から見て課題が大きいかなというふうには考えています。 ただ、繰り返しになりますが、やはり現場に近い市町村の皆さんに医療提供体制の確保に向けて様々参画をしていただくことは大事でありますし、こうした観点からも、令和八年度の概算要求におきまして、医師確保対策支援の市町村支援のモデル事業、これを実施しているところでありますので、そうした取組も含めまして、今後どういったことができるか、更に検討は深めさせていただきたいと考えます。
○宗野委員 モデル事業が走るということでございまして、これ自体はいい方向性なんだろうというふうに思います。しかしながら、直接的に医師手当のようなものが配られる事業ではないと承知しておりますので、より積極的に市町村が取り組める仕組みを考えていただきたいと思います。 その上で、医療資源の格差の問題を考えますと、もっと大枠で考えてみますと、例えば、診療科別、項目別、地域別、これを完全に把握するということは、そもそもかなり困難なことなんだろうというふうにも思います。だからこそ、総合診療の重要性があるんだと私は思っているわけです。 立憲民主党は、かかりつけ医の制度化、いわゆる日本版家庭医制度、これを提唱しているわけでございますが、最も身近な総合診療、そして適正医療の提供、これを実現できるのが日本版家庭医制度だと思っています。だからこそ、かかりつけ医の在り方、真剣に議論すべきではないでしょうか。大臣の力のこもった答弁をお願いします。
○上野国務大臣 今後、複数の疾患を持つ高齢者の患者が増加をする、そういったことが想定をされる中で、やはり地域の実情に応じました医療提供体制、これをしっかりと確保していくことが重要であります。 その際、今御指摘のありましたとおり、幅広い領域の疾病等について、適切な初期対応であったり、あるいはその後の医療をしっかり提供できる、そういった総合診療医が大事だと考えておりますので、その養成等につきましても十分取り組んでいきたいと思います。 なお、委員御指摘のかかりつけ医の制度化につきましては、これまでも様々な御議論があったというふうに承知をしております。医療機関は患者が選ぶものという国民の意識を踏まえると、登録制はなかなか抵抗が強いのではないか等々の御指摘もいただいておりますので、やはりそれにつきましては慎重な検討が必要ではないかと考えております。 厚生労働省といたしましては、引き続きフリーアクセスは維持しつつも、かかりつけ医機能の確保を図るために総合診療医等の養成についてはしっかりと支援をしてまいりたいと考えています。
○宗野委員 ありがとうございました。 やはり、現在の制度の延長線ではなくて、かかりつけ医に関しても機能の部分を強調されるわけですけれども、これは制度化して初めて機能するものだと私は思っていますので、是非、将来のビジョンに目を向けた検討をよろしくお願いいたします。 医師偏在に関しては、最後に財源の部分も伺いたいと思います。 先ほども御質問もあったんですけれども、重点医師偏在地域における医師手当拠出金に保険料が充てられているという点でございまして、先ほどの御答弁で、性質上、広く保険料から負担していただくというような内容の御答弁がありましたが、そもそも保険料というのは、病気や事故、そういった医療の直接的なニーズを共有するために保険料というものはあるわけで、だからこそ、広く負担するものであるわけでございます。それに対して、医療提供体制を確保するというのは、これは国の責任じゃないでしょうか。であるからこそ、全額国費とすることが適切だとお訴えをしているわけでございます。もう一度御答弁をお願いします。
○上野国務大臣 医師手当事業についての御質問だと思いますが、地域の医療提供体制の確保に向けましては、国と都道府県が連携して取り組んでまいりました。その一方、保険者におかれましても、保険あってサービスなしとならないように、医師少数区域における適正な給付の維持、確保に一定の役割を果たしてきていただいたと考えています。 今般創設をいたします医師手当事業の財源につきましては、医師の人件費は本来診療報酬により賄われるものであることや、また、診療報酬で対応した場合には特定地域の患者負担の増加を招く、そうしたことから、保険者の役割も踏まえて、全ての被保険者に広く協力をいただく形で、保険者からの拠出金により対応するものであります。このため、国費ではなくて、診療報酬改定において一体的に必要額を確保することとしているところであります。
○宗野委員 全く同じ答弁で残念なんですけれども。ちょっと大臣としてのお声を聞きたかったんですが。 私たちは、社会保険料に対して今非常に現役世代の皆さんから向けられている目というのは厳しいと思っています。だからこそ、しっかりと保険料がどのように使われているかという透明性を確保するという意味でも、是非とももう一度御検討いただきたいとお伝えをしたいと思います。 続けて、また別のテーマに移らせていただきます。大学における医療研究について伺います。 大学病院は、地域の高度医療を担うだけではなく、医師の育成や研究の拠点であります。しかしながら、お配りの資料六を御覧ください。国公立、私立を合わせて今五百億円を超える赤字を抱えているという現状でございます。 私、問題だなと思うのが、次の資料でございますが、特に助教の方とかあるいは若手医師の方を中心に教育、研究に十分な時間を確保できていないというのが資料七、次の資料でございます。 私も先日、幾つかの大学病院及び大学のラボを視察させていただきました。研究のプラン、中身はちょっとお話しできないですけれども、聞くだけで本当にわくわくするような、将来の日本発の医療先進研究というところ、夢を見れるような様々な研究の種があると感じたところでございますが、だからこそ、現在の病院経営の実情がこうした研究の障壁になっているということであれば、やはり是正していかなければならないんだろうと思っています。 今後の医学教育の在り方に関する検討会、これは文部科学省の検討会ですが、こちらでは第三次取りまとめ案の中に、経営改革に加えて、診療改革、地域医療への貢献、研究改革、教育改革など、病院経営以外の部分での指摘がなされています。 大学病院の基盤強化に当たって、これらの指摘を踏まえて、予算措置を踏まえた支援を進める必要があると考えますが、御所見を伺います。文部科学省さんだと思います。お願いします。
○松浦政府参考人 お答えいたします。 大学病院は、診察だけではなく、医師の養成や新たな医療の研究開発を行う現場でありまして、教育、研究機能の維持強化は大変重要であるというふうに認識しております。 このため、委員御指摘のとおり、令和五年度より今後の医学教育の在り方に関する検討会を開催し、大学病院における教育、研究機能を維持強化し、経営改善を図っていく方策等について、本年七月に取りまとめられたところです。 この取りまとめにおきましては、例えば、経営面につきましては、医療資源の再編、見直しを含む事業規模の適正化、診療面におきましては、診療エフォートの軽減による医師の研究時間の確保、教育、研究面におきましては、医学生及び医学系大学院生がティーチングアシスタントやリサーチアシスタントとして教育、研究に参画する機会を創出する取組、こういったことなどを推進することが盛り込まれております。 こうした取りまとめも踏まえまして、現在概算要求をしております来年度当初予算や、今般取りまとめられた経済対策を踏まえまして今後取りまとめられる本年度の補正予算におきまして必要な予算を計上し、病院運営の構造転換や教育、研究基盤の充実に向けました必要な支援が行えるよう取り組んでまいります。
○宗野委員 ありがとうございます。 大学病院への支援を考える際に、やはり経営支援だけではなくて、教育機関、研究機関としての役割もしっかりと支援をしていただいて、その計画が、大学病院に落とすだけではなくて、しっかりと予算と一緒に御支援をいただくというところをお願いしたいと思います。 次に、地域での大学病院の役割についてお話ししたいと思います。 私は、先ほど本院の話が答弁の中で幾つかありましたけれども、分院にちょっと着目したいと思っておりまして、地域医療の中核病院になっていると思います。先ほどの文部科学省の今後の医学教育の在り方検討会ですけれども、その中でも地域医療への貢献というのが明記をされております。 全国にある大学病院の分院は、大学病院の一部という側面と地域の中核病院という二つの側面があるというところでございまして、本院のみならず、分院を起点として、例えば地域の優良企業、技術がある企業との連携であるとか、この場合は研究連携ですね、研究連携であるとか、あるいは地域医療への貢献、これはどちらかというと地域包括ケアの中での役割に近いニュアンスですけれども、こういった貢献が行われるということが重要だと考えますが、これらの取組をどのように評価して支援をしていくのでしょうか。御答弁をお願いします。
○上野国務大臣 大学病院の本院のみならず、分院におきましても、今御指摘をいただきましたように、そこを起点といたしまして、地域医療への貢献等々、非常に重要な役割を果たしていただけるものだと考えています。 新たな地域医療構想におきましては、医療機関に医療機関機能の報告を求めておりますけれども、その際には、医療機関の役割分担、これを明確にする、そういったことが大切だと考えています。 大学病院の本院につきましては、先ほど来御答弁があるように、医育及び広域診療機能として、医師の派遣であったり、医師の教育であったり、あるいは三次救急であったり、まず広域的な観点からその対応が求められる、そういった機能を持っていただくことを想定しているところでありますが、御指摘の大学病院の分院につきましては、実際、その役割は病院によって様々な状況だと思っています。 医療機関の機能として大学病院分院というものを具体的にこれだというふうに位置づけるわけではありませんが、急性期拠点機能であったり、高齢者救急・地域急性期機能であったり、あるいは在宅医療等の連携機能であったり、それぞれの地域ごとに確保する機能の中において位置づけを明確にしていくことが大事だと思いますので、地域の実情に応じてそれぞれ必要な役割を担っていただける存在として、これからも我々としても重視をさせていただきたいというふうに思います。 いずれにいたしましても、本法案が成立いたしましたら、ガイドライン等の中で、そうしたことにつきましても、そうした視点を持って対応してまいりたいと思います。
○宗野委員 ありがとうございます。 大切な御答弁をいただいていると思います。事例共有等を進めていただいて、是非とも改善に努めていただきたいと思います。 最後に、オンライン診療、医療DXについて伺います。 私、かつて、社会保障の研究のためにスウェーデンを訪れました。そのときに、スウェーデンが福祉サービスとICTの見事な融合をしているというところに非常に感銘を受けました。そのときに感じたのが、医療DX、あるいは介護のICT化というところもそうだと思うんですけれども、バックヤードの効率化と併せて、利用者の方の利便性が実感できる形で向上しているということが非常に重要なんだろうというふうに思っています。そうした中では、オンライン診療というのも、大枠で見るとその中の一つの大切な項目なんだろうというふうに思うわけです。 今回の医療法の改正において、オンライン診療が明確に定義をされることとなりました。しかしながら、導入が推進されなければ、これは最終的には意味がないことになるんだと思います。特に僻地医療、あるいは私の同世代ですと不妊治療の方ですね、こういった方からオンライン診療に関しての非常に強い望む声というのが上がっていると思います。 オンライン診療に関しては、システム利用費として、診療報酬のほかに費用を徴収するケースがあります。その一方で、現場からは、収益性の観点からオンライン診療導入の弊害になっているという声も上がっています。 医療法の改正に伴って、オンライン診療の推進に当たり、導入事例の共有、あるいは診療報酬の適切な請求等のガイドラインを示すべきではないでしょうか。御答弁をお願いします。
○上野国務大臣 今御指摘ありました、医療機関向けに例えば事例集なども現在でも示しておりますが、これからもしっかり、そうした観点は大事だなというふうに考えております。 また、診療報酬上の課題といたしまして、算定方法にやや不明確な部分があるというふうな御指摘もあるというふうに認識をしておりますので、現在、そうした場合の評価の明確化につきまして、中央社会保険医療協議会におきましても議論をしているところであります。 引き続きその議論を続けていきたいと思いますが、やはり、オンライン診療を多くの方に利用していただく上で、それをよりよく知っていただくという観点も大事だと思いますので、そういった観点からも対応していきたいと考えています。
○宗野委員 ありがとうございます。診療報酬の明確化、御答弁いただきました。ありがとうございました。是非進めていただきたいと思います。 もちろん、安全性の確保もその一方で非常に重要でございますので、これは走り出して様々問題が出てくる可能性もあります。その問題が出てきた段階ですぐに御対応いただく、そして、議会を巻き込んで、透明化をして、議論した上で対応していただくということを、これも併せてお伝えをしておきたいと思います。 最後に、電子カルテ導入目標に関する具体的な支援に関して伺います。 本日の委員会質疑の中でも、二〇三〇年に電子カルテ導入一〇〇%を目指すということに関しての御質問がありました。二〇二三年時点で、診療所における電子カルテ普及率は五五%、そして、四〇・八%もの診療所が電子化する予定なしと答えているということです。 今後、クラウドネイティブ型への転換も検討されているというようなニュアンスのお答えも今日いただいておりますが、これは特に費用負担の面で、現状、今現場からは様々なお声があります。これはクローズドなシステムを前提とはしていますけれども、導入に係る費用、そこからのランニングを考えると、一度電子カルテが入ると、電カル地獄という言葉があるそうです、私も教えてもらいましたけれども。一回電子カルテを導入すると、もうどんどんどんどん費用が、負担が上がっていくということなんだろうと思います。 こうした点に関して具体的にどのように支援をしていくのかということと併せて、クラウド化していったときに一定この費用というのが収まるんだろうと思います、しかしながら、収まったことによって導入支援とかあるいは伴走支援というものがなくなるということは、これは本末転倒だと思いますので、そこら辺も含めて、今後どのように具体的な支援をしていくのかというところを教えてください。
○森政府参考人 電子カルテの導入支援についてでございます。 医療機関の電子カルテについては、従来から主流となっているオンプレミス型は導入費用や更新費用が非常に高額であるといった課題もありまして、今後、廉価で導入しやすいクラウドネイティブ型の電子カルテへの移行を図っていくというところでございます。 厚労省では、クラウドネイティブ型であることを含む電子カルテの標準仕様を今年度中に策定するように検討を進めているところでございます。 その上で、標準仕様に準拠した電子カルテについては、厚労省において今後認証し、その普及を図っていく。その際、具体的には、二〇二六年夏までに電子カルテの普及計画を策定することとしておりまして、御指摘の、普及のための支援の在り方についてもきちんと議論していきたいというふうに考えております。安いのを作って、その上でどういった支援が必要かということをもう一回整理するというところでございます。
○宗野委員 今のところを具体的に、一番大事なところなので、もしよければ大臣の方からも、今後の方針、お言葉でお願いします。
○上野国務大臣 済みません、方針につきましては、今お話があったとおり、二〇二六年の夏までに電子カルテの普及計画を策定をいたします。 支援の在り方につきましては、その議論の中で、現状あるいは今後の見込み、そうしたものを十分踏まえて、どういったことが必要なのかということを十分議論していきたいと考えています。
○宗野委員 ありがとうございました。 医療DXはゴールではなくて手段だと思っておりますので、そういった中でも、医療提供体制を将来に進めていくためのツールをしっかりと確保していただきたいと思います。 若干まだ少し時間がありますので、一問ちょっと追加でお話しさせていただきたいんですが、先ほどの障害児児童の扶養手当に関する議論で、所得制限撤廃のお話です。ほかの方の御質問があったので、多分、御答弁、ある程度御用意があるかなと思いまして、伺いたいんですけれども。 所得制限撤廃を検討しない理由としては、過去の議事録なんかを見ても、保険料を納付されていないというところから、障害基礎年金との均衡を図るということを言っているんですけれども、未成年の児童に対する話と障害年金の話、そもそも全然違う話だと思います。 さらに、ほかの制度と横並びというんですけれども、ほかの制度と横並びにしたところで、所得制限廃止を、正当化する理由には私はならないと思いますけれども、均衡という点に関して、もう一回御答弁いただいてもよろしいですか。
○上野国務大臣 済みません、制度の均衡という観点から申し上げますと、繰り返しになって恐縮ではございますが、一つは、全額公費負担の制度であるということ、また、二十歳前に傷病を負った場合の障害基礎年金との均衡などを考慮して設けられているということでありまして、ほかの制度の均衡等もあろうかと思いますが、済みません、今手元に用意している資料ではそういうことでございましたので、御了解をいただきたいと思います。 いずれにいたしましても、私どもとしては、障害児を含めた障害福祉政策の充実は本当に大事だと思っておりますので、しっかり取り組みたいと思っておりますが、その点につきましては、こうした答弁ということで、これまでからもお話をさせていただいているところであります。
○宗野委員 児童手当のときの導入理由は、次代を担う全ての子供の育ちを支える基礎的な経済支援というめちゃめちゃ抽象的な議論でゴーしているので、是非今回も積極的な議論をお願いします。 ありがとうございました。
○大串委員長 次に、中島克仁君。
○中島委員 立憲民主党の中島克仁でございます。 私からも質問させていただきます。 医療法等改正案でございますが、その前に、セルフメディケーションに関して、CBN、カンナビノールに関連して、これは大丈夫です、大臣じゃないです、政府参考人にお尋ねをしたいと思います。 その前に、上野大臣、御就任おめでとうございます。それが先でした。私、上野大臣と、厚生労働委員会の与党筆頭で長年御尽力されて、私も理事として御一緒させていただきましたが、改正旅館業法でしたか、大変相反する意見がある中で、上野大臣、本当に患者さん団体、当事者団体の皆さんとも向き合って、そして、大変悩ましい状況の中、全会派一致で通過させた。私、そのときに、上野大臣、本当に様々な立場に立って御意見を聞いて、もちろん野党の意見も聞きながら、前へ進めた、大変印象的でございます。 この厚生労働行政、まさに患者さん、また、介護でいえば利用者さん、当事者の皆さんや働く立場の方々、あと現場ですね、そういった様々な声を真摯に受け止める力が本当に求められる。 私は、上野大臣は適任だと思っておりますので、是非、この医療法も、先ほど宗野委員も言っていましたけれども、さきの通常国会で審議入りしたものの、そのままたなざらし、そして今回は、提出されたものの、今度は与党が修正とも聞いておりますから、ちょっと異例の状況かなと私は思いますから、是非、当事者の皆さんももちろんですが、野党、我々の声もしっかり受け止めていただくことを強く御期待いたしますので、どうかよろしくお願いいたします。 その上で、セルフメディケーションに関連して、CBN、カンナビノール、この取扱いについて、政府参考人に確認をまずさせていただきたいと思います。 このCBNは大麻由来成分でございます。大麻草に含まれる成分の一種で、テトラヒドロカンナビノールが変性して生成される天然成分であって、これまで薬理作用は穏やかな鎮静作用とされ、睡眠サポートとして食品、サプリメントとして広く流通して、そういう意味でセルフメディケーションに利用されてきたということです。 二〇二四年に施行された改正大麻取締法によって、THC、テトラヒドロカンナビノールの基準値を設定をし、それ以下のカンナビノイドの産業利用や医療適用への道が開かれたということ。 その一方で、先月の二十八日に開催された薬事審議会指定薬物部会において、CBN、カンナビノールを指定薬物に指定することが適当であるという答申がされた。そして、現在、パブリックコメントが募集されておるという状況でございます。 政府参考人に確認をいたしますが、改正大麻取締法で一定以上のTHC、テトラヒドロカンナビノール製品以外は合法となったことを受けて、様々な製品が今現在流通をして、セルフメディケーションの一環として利用する方も大変多い今の状況の中で、別の法律、医薬品医療機器に基づく指定薬物として指定していくこと、これは改正大麻取締法の趣旨との整合性がないとも考えられる。厚生労働省の見解を求めたいと思います。
○宮本政府参考人 お答えいたします。 御指摘のとおり、改正大麻取締法の施行時には、麻薬及び向精神薬取締法において、麻薬の乱用による保健衛生上の危害を防止する目的で、大麻草に含まれる有害な成分であるテトラカンナビノール、THCを麻薬に指定し、残留基準値を設けましたが、その際、大麻草に含まれるCBNも含む他のカンナビノイドについては、麻薬として指定するという判断は行わなかったというところでございます。 一方、御指摘のCBNについては、今般起きました事件を踏まえまして、精神毒性等を調査した結果、薬機法に規定する精神毒性を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがあるものに該当することが確認されたため、十月の薬事審議会指定薬物部会において、指定薬物として指定することが適当であるとの答申がされたものでございます。 このように、改正法に基づく麻薬及び向精神薬取締法と、薬機法に基づく指定薬物制度では、法の目的や対象範囲が異なっており、規制の整合性には問題がないものというふうに考えております。
○中島委員 調査分析の結果、精神毒性が確認できたという理解でいいんですよね、今の答弁は。 それで、冒頭言った今般起きた事件とは、どの事件を指すんでしょうか。精神毒性がどのような分析結果だったのか、そして今般の事件というのは何を指すのか、お答えいただきたい。
○宮本政府参考人 まず、今般の指定のいわゆる根拠についてお話をしたいと思います。 御指摘のカンナビノールについては、精神毒性に関する調査を実施したところ、他の指定薬物と同様に脳内のCB1受容体を活性化させ、動物実験においてもTHCと同様の作用を発現することが確認されており、麻薬であるTHCよりも弱いが、一定量を摂取すれば指定薬物と同等の精神毒性を有することが確認されております。 これらの精神毒性に係るデータを踏まえ、十月の薬物部会において、指定薬物に指定することが適当であるとの答申がされたので、今回、指定薬物と指定するための手続を取っているところでございます。 きっかけとなった事件でございますけれども、厳密な因果関係は不明であるものの、国内においてCBNを含有すると標榜する製品を摂取した後に健康被害が生じたとされる事例は、昨年の十月から今年の五月までの間で四件把握しておりまして、山梨学院大学の大学生の飛び降りの事案を含めて、救急搬送されたものがあるというふうに承知しております。いずれのケースも、摂取した製品と同一の製品を検査したところ、CBNの成分が検出されたということでございます。 委員御指摘の食品あるいはサプリとしての使用実態にとどまらず、精神毒性を有するCBNが乱用され、健康被害が生じている実態が推測されることから、保健衛生上の危険性を回避するために、指定薬物制度により必要な規制を行いたいと考えているところです。
○中島委員 私、山梨県出身で、山梨でありますが、この山梨学院大学の飛び降り事故に関して、CBNとの因果関係が再三、疑われていたわけですが、私はそれとの因果関係は確認できていないというふうに承知していました。 そして、この二十八日の前日、二十七日に私、厚労省からレクを受けて、従来、私も医師の端くれですから、このCBNに関しては鎮静、抑制という概念でありましたから、その結果、今、調査分析をしておる、その調査分析の結果が出たら改めて示していただけると言っていたその翌日、薬事審議会が開かれて、精神毒性がある、パブリックコメントが始められた。 これは、先ほど言ったように、改正大麻法も医薬品医療機器法も、立法府、これは私は両方法律に関わっておりますから、そういう意味から、ちょっとこの進め方は私は疑念が残る。 一方で、セルフメディケーションとして広く市場に流通されているものでありますから、一定程度、このCBNに関しては、寝つきをよくしたいとか、睡眠の質を上げたいとか、いわゆる睡眠導入剤の手前でセルフメディケーションとして広く使われている案件でありますから、これまでの概念とむしろ逆の、THCと同じ作用があるということであるならば、これはそれを取り扱う業者や利用している方々に対して広く丁寧かつ慎重に周知していく必要があると思いますが、お答えいただきたいと思います。
○宮本政府参考人 先生の御指摘のとおりに、今、そういうサプリとして取り扱っているという方から多くのお声をいただいておりますので、通常は、薬機法で、審議会で答申をいただきますと、パブリックコメントを省略して十日後に施行するという運用をしておりますけれども、今回は、パブリックコメントをした上に、そこに科学的なエビデンスも公表し、丁寧に説明をすることとしております。 我々としては、これは指定薬物にすべきだというふうに考えておりますけれども、関係の方々に丁寧に説明をしてまいりたいというふうに考えております。
○中島委員 私は決して、科学的根拠が示されたのであれば、危険ドラッグ、山井さんはいないか、当時、本当に簡単に危険ドラッグが、そして化学式、添加物をどんどん混ぜて、売っている方も使っている方も何物だか全く分からないモンスタードラッグみたいになっちゃった、その経験から、医薬品医療機器法の指定薬物、この制度ができた、これに関しては私も理解しています。 ただ、まだ調査分析が出ないうちに薬事審議会にかけてパブコメしちゃうという、この進め方には大変疑義があるということは御指摘をさせていただき、今現在、これは必要性と許容性のバランスの問題でもあると思うんです。含有量に上限を持たせるとか、許容性にしていくとか、ちょっと段階式にやっていくということは検討はできないでしょうか。
○宮本政府参考人 含有量に許容性を持たせるという場合には、いわゆるサプリとしての有用性はあるんだけれども、要するに精神毒性は発生しないという水準を定めなきゃいけないということになると思います。しかし、そのような場合は、前のTHCであればそういったデータが非常に豊富にあったんですが、CBNはそういったデータを非常に欠いておりますので、そういったものを基準として定めるというのがまず大変な作業でございます。 もう一点は、そういったものを定めたとして、その上限が守られるかどうかということでございますけれども、医薬品については、医療品、医薬品という承認制度があって、そういうものが決まっていて、それから薬局という販売するところがあるわけでございます。そういった中で、例えば、今回我々が施行しようとしている濫用防止医薬品、せき止めみたいなものも、何とかそういう中で適正にしようとしておりますが、CBNの場合は食品として売られていて、それもクッキーとかグミとかいう形で売られていて、クッキーは一個全部食べちゃいけないですよ、そういうような形でやっておられますので、なかなかそういった量を担保する措置というのが非常に難しいというふうに考えているところでございます。
○中島委員 分かりました。そういう精神毒性が、蓋然性が確認されたということは大事なことでありますから、先ほどの繰り返しになりますけれども、それに関連する方々、また利用されている方々も、誤解を招かないように、しっかり周知、説明を徹底していただきたいと思います。 そして、大臣にちょっと、概念だけですけれども、今、サプリメント、そういったものが、いわゆるセルフメディケーションとして、これは政府方針ですよね、セルフメディケーションは推進していく、それに税制までついている状況の中ではありますが、やはり適正な、今回はちょっと例外的でありますけれども、例えば紅こうじサプリの件もありました、あれもまだ何が原因か分からない。一方、オーバードーズのこともある。私は、セルフメディケーションというのは、自己責任においてしまうことはあってはならない。 適正なセルフメディケーションの在り方、これを大臣はどのように考えているか、お聞かせください。
○上野国務大臣 セルフメディケーション、我々も大変今推進をしているところでありますが、基本的には、個人が自分自身の健康に責任を持って、軽度な身体の不調については自分で手当てをしていこう、そういったものだと理解をしております。限られた医療資源を有効に活用しながら国民の皆様の健康づくりの促進をするためには重要だと考えております。 ただ、委員の問題意識は、恐らく個人に委ねて何でもいいのかということではないかなと思うんですが、やはり、いろいろな程度問題はあろうかと思いますけれども、ふだんからお世話になっているドクターの皆さん、お医者さんの皆さんにしっかりといろいろな場面でも適切なアドバイスをいただくということも大事かなというふうに思っております。また、医師の皆さんがやはり生活習慣について様々な御助言をしていただけるものだと思いますので、そうしたこともセルフメディケーションの前提になるかというふうに考えています。
○中島委員 まさに大臣が今お答えいただいたように、適切にセルフメディケーションを推進していくためには、身近なかかりつけ医ですよ。私が上野大臣のかかりつけ医だったとしたら、嫌でしょうけれども仮定ですから我慢してください。日頃から、大臣がどういう仕事をされていて、どういう体質があるか、そして、どういう検査値か、どういう基礎疾患を持っているか、持っていなくても、そのことによって、ちょっと調子が悪いなと思ったときに、上野大臣は、例えば葛根湯、商品名を出して悪いですけれども、今これは市販でも売っていますよね、まずはそこから始めてくださいとか、安価なサプリメントにしても、これだったらあなたの体質にいいですよとか、そういうアドバイスの下にセルフメディケーションを推進していくというのが適正な進め方ですから。 勝手に自らの健康のために、だって、高脂血症の人が飲んだらよくなるとか大々的に書いてあるわけですから、用量を書いてあるけれども、こんなちっちゃい字で書いてあるんですよ。飲んだ方がいいと言って、それがオーバードーズにつながっているわけですから。 資料の四枚目、これは後ほど、攻めの予防医療とかかりつけ医の制度化のところで示そうと思ったんですが、このかかりつけ医の制度化、日本版家庭医制度、ここはやはりセルフメディケーション、これは今OTC類似薬の保険適用除外ということが問題というかテーマになっておりますけれども、適正なセルフメディケーションは、まさにかかりつけ医との共同作業で進めていくということが望ましいということを申し上げたいと思います。 医療法に入ってまいりますが、かかりつけ医の制度化、さっきちょっと御答弁されていましたが、ちょっと間違った認識をされておりますから、後ほどしっかりとお示ししたいと思います。 今回の医療法等改正案の主な改正事項は、大きく三点です。地域医療構想の見直し、医師偏在是正に向けた総合的な対策、医療DXの推進。これは、いずれも今後の日本の医療提供体制にとって極めて重要な課題であって、それぞれのポイント、人口減少と疾病構造の変化など、共通の背景、つながりがある課題でもあると思います。 まず、医師偏在対策について、今日もいろいろ午前中から質疑がされておりますが、ちょっと総論的な話から質問させていただきたいと思うんですけれども、これは全国的に見れば医師の数は不足していない前提に立っているのか。よく言われますが、二〇四〇年、日本全体で医療需要のピークが来るという状況の中で、医師数はもう既に確保できている、若しくは二〇四〇年には確保できるという前提に立って医師偏在対策をされているのか、確認をさせていただきたいと思います。
○上野国務大臣 医師養成数につきましては、地域枠を中心に臨時的に増員をしておりまして、医師数につきましては、令和四年までの十年間で全国で約四万人増加をしています。 直近の医師の需給推計におきましては、医師数は増加する一方で人口は減少していきますから、高齢者の増加ということを加味しても、全国の総数で見ますと、医師数、供給ですが、医療ニーズ、需要、これを上回ることが今後見込まれるというような状況だと考えています。
○中島委員 今後、それは、二〇四〇年のピーク時においても医師数は確保できているという前提に立って、今現在の医師偏在に対応するための今回の法案内容という理解でよろしいですね。うなずいていただければいいんですけれども。 この医師数の話になるとよく言われる、OECD各国と比較すると日本の医師数は少ないとよく言われておりますが、そこは、各国、医療制度も違いますし、医療提供体制も異なりますから、単純には比較できないんだというふうに私は思っています。 ただ、重要なことは、人口当たりの医師数だけでは測れない医師一人当たりの仕事量、これが一体どうなっているのか。医師数という観点だけでは医師一人当たりの仕事量を測ることはなかなか難しいのではないか。例えば、医療の高度専門化によってこれまで治療不可能だった疾患が治療可能になりますが、一方では人手がかかってしまったり。 また、日本では、女性の医師の割合が増えています。五十年前は女性医師の割合は九・四%でありましたが、二〇一八年には二一・九%、そして現在、医学部入学者の約三分の一は女性でありますから。これはいいことですよ、女性医師が増えていくことは非常にいいことでありますけれども、そのためには出産、育児との両立支援、そういった環境の整備。 そもそもですが、この医師の働き方改革、残業の上限規制、これはとんでもない数字になっていて、本当に実現できるのか、医師の働き方改革。 こういった状況からすると、人口当たりの医師の数は以前と同じでも、若しくは若干増えていて、人口減少とバランスが取れていると一見見えても、医師のマンパワーが不足しやすい状況が引き続いておる。こういった観点からいくと、人口当たりの医師数だけでは測れない一人当たりの仕事量。例えば、私は週末、土曜日に外来をやっています。国会閉会中は平日も外来があります。こういう医者もいるわけですよ。場合によったら、もっと違う仕事をしている、でも保険医として登録してある。 この一人一人の、人口当たりの医師数ではなく、指標というのはできていますけれども、一人の医師のいわゆる一人当たりの仕事量、こういったものを実際どうなっているのか調査分析した上で、医師不足、地域によっては医師不足、医師偏在対策を行う必要があるのではないかと私は考えますが、見解を伺います。
○上野国務大臣 今御指摘があったとおり、需給推計を行うに当たりまして、医師一人当たりの仕事量、そうしたものを踏まえた推計を行うということも大切だと考えています。 検討会等におきまして、有識者の議論を踏まえ、厚労省として示している直近の需給推計におきましては、例えば、医師の男女比であったり、あるいは男女別の労働時間の実態であったり、研究等の臨床以外の業務に従事する医師の数であったり、そうした要素を推計の前提条件に組み込んでいるところでございます。 ただ、正直、なかなか難しい技術的な課題がたくさんあろうかと思いますので、今後とも、より実態に即した推計になるためにはどうすべきかということを十分に研究をして、対応していきたいと考えています。
○中島委員 人口構造の変化と疾病構造の変化、さらには治療方針の変化、あとは社会全体の変化、こういったことを、よりどういう状況になっているかを踏まえて、必要な場所に必要な医師がちゃんと確保できるような医師偏在対策を行う必要があるということは言わせていただきたいと思います。 それの上でですけれども、これまで厚労省としても、医師偏在対策、地域枠の設定とか、診療科偏在であればシーリングとか、様々行われてきたと思いますが、残念ですが、今回法案に示されているとおり、医師偏在は解決できていない、効果が出ていないとも言えるというふうに思います。 これまでの医師偏在対策が効果を発揮していない理由をどのように分析しているか。また、今後の医師偏在の状況をどのような形でモニタリングしていくつもりなのか。そして、その後の質問に兼ね合わせますが、これは以前から思うんですが、地域医療介護総合確保基金、もっとこの医師偏在対策にやはり運用していくべきだと私は考えますが、いかがでしょうか。
○上野国務大臣 医師偏在の是正に向けましては、これまでから、地域枠の設置を含む医師養成過程での取組であったり、あるいは、都道府県による医師確保計画に基づく取組、また、今お話のあった基金による財政支援等を進めてまいりました。 その結果といたしまして、医師数については、令和四年までの十年間で全国で約四万人増加をし、三十四万三千人となっております。また、評価といたしまして、医師少数県の若手の医師数が医師多数県と比べて増加をしている、あるいは、令和二年度から五年度までの医師確保計画では、四割近くの医師少数県、また三割近くの医師少数区域におきまして目標医師数を達成するなど、一定の効果は見られているものだと考えています。 しかしながら、全年齢での医師数については、医師少数県の増加は僅かであったことや、あるいは都道府県内の医師の偏在が解消されていないことも一方であろうかと思っています。 こうしたことから、今お話のあった基金による支援も含め、必要な取組を継続しつつ、昨年末に策定をいたしました総合的な対策パッケージに基づいて、重点的に医師を確保すべき区域における経済的インセンティブの実施等の総合的な対策を推進をすることとしております。
○中島委員 一定の効果はあったけれども、やはりまだまだ医師偏在は解決に導かれていない。そして、その上で、今回の改正内容には、今ほども触れられましたが、医師の手当の支給に関する事業の財源を医療保険者から求める内容が示されております。医師偏在対策に係る費用を保険者の拠出財源に求めるのは、私はやはり筋が悪いと思いますよ。 これは合理性に欠ける、妥当性に欠けると、今日も午前中からその質疑がありますけれども、ちょっと答弁を聞いていても、合理性に欠ける、妥当性に欠ける、それで納得できる答弁ではないと思いますので、改めてそのことを御答弁いただきたいと思います。
○上野国務大臣 繰り返しになろうかと思います、恐縮ですけれども……(中島委員「繰り返しだったらいいです」と呼ぶ)いいですか。同じです。
○中島委員 これは資料の一枚目でございますが、医師偏在是正に向けた被用者保険関係五団体の意見。昨年、ちょうど一年前ですね、令和六年十一月二十九日に、健康保険組合連合会始め、日本商工会議所も含めて五団体、これ、大臣、見ましたか。大臣になる前のちょうど一年前、与党筆頭をやっているときですよね。この一番下の「経済的手法」、その一番下の段ですね、「経済的インセンティブの財源として、保険給付と関連性の乏しい使途に保険料を充当することは、著しく妥当性を欠く。」このような意見でございます。 これは保険者のみならず、特に企業経営者にとっては、被保険者の健康のために約半分の保険料をもう既に負担している。更にこの保険を医師偏在対策に充てていくということは、到底理解が得られない。 この意見書、今御覧になっていただいたと思いますが、保険者のみならず、企業団体の方に、本当に今回の医師確保対策に保険者が拠出することを、理解が得られると大臣は思われますか。
○上野国務大臣 御理解をいただけるように努力したいと思います。
○中島委員 私、こんなことをなし崩し的にやっていったら、それこそ本当に、保険者の皆さん、企業の皆さんも含めて、この先どうなっていくのか。 そもそもですが、これも大臣にお尋ねしますが、高市政権、社会保障改革を進めていく中で、現役世代の保険料負担を抑えると発言しています。今回、医師確保対策に保険料を拠出していくこと、これは現役世代の保険料を上げること、整合性を欠くんじゃないですか。
○上野国務大臣 医師手当事業につきましては、保険者からの拠出金により対応することとしておりますが、本事業の財源につきましては、診療報酬改定と一体的に確保することとしておりまして、本事業の実施によりまして、医療給付費あるいは保険料の増加とはならないように取り組んでいきます。
○中島委員 保険料は上がらないんですね。上がらないようにやっていく、これは明確に答弁いただきましたから、これは間違いないですね。
○上野国務大臣 繰り返しになりますが、医療給付費や保険料の増加にならないように取り組んでまいります。
○中島委員 それでは、仮にこの経済的手法をしたとした場合、一体どのくらいの拠出想定、見積りをされているのか、お尋ねしたいと思います。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 まず、医師の手当事業でございますけれども、今後も定住人口が見込まれるけれども人口減少より医療機関の減少スピードが速い地域である重点医師偏在対策支援区域における医師確保を推進するために、経済的インセンティブの一つとして、保険者からの拠出により、派遣される医師及び従事する医師への手当増額の支援を行うものでございます。 具体的には、その総額ということにつきましては、どれぐらいの額を支給するつもりであり、また、どれぐらいの人数なのかということが必要かと思いますけれども、詳しい内容につきましては、まず、単価の関係でございます。 医師の派遣につきましては、現状、国家公務員の医師であれば、人事異動に従って勤務するに際し、特地勤務手当が一月当たり平均約四・三万円支給されますけれども、今般の事業は、重点的に医師の確保が必要な区域において自発的に診療する動機を後押しするものであることから、こうした手当よりも高い単価を設定することが必要と考えています。 一方で、僻地での診療に対する補助が一月当たり平均約十八万円であることから、こうした既存制度などを踏まえて、具体的な単価について検討していきたいと考えています。 また、医師手当の対象となる人数の考え方でございます。これにつきましては、重点医師偏在対策支援区域は早急に医師確保を要する地域であることから、派遣される医師のみならず、既に勤務している医師にもその区域で引き続き勤務していただく必要があり、派遣医師に加え、既に勤務している医師も当該事業の対象とすべきと考えております。 こうした考えを踏まえますと、粗い試算ではございますけれども、約一万人弱が対象になると考えております。 ただ、この具体的な内容につきましては、施行に向けて、対象医師の数ですとか単価等につきましては必要な精査をした上で、また、診療報酬財源等々の調整もあるということから、併せて検討していくということになろうかと思います。
○中島委員 ちょっと長々話されましたが、大事なことは、これによってどのくらいの額がかかるのか。今出せないんだったら、概算でいいですから、理事会に提出をしていただきたいと思いますが、委員長、お計らいをお願いいたします。
○大串委員長 理事会で協議いたします。
○中島委員 これは、言っている、重点医師区域に限定してというのは分かるんですが、そういう話の中で、安易に、はい、そうですかと言ってしまって、これは上限も分からないわけですよ。上限は決められますか、これで。これは青天井になってしまう可能性だって否定できないじゃないですか。 そんなことで、ここで、はい、そうですか、医師不足、医師偏在を対策するために、今のような説明で、おおよその概算も分からない、そしてそれが上限も決められていない、そんなことで容認できませんよ。お答えいただきたいと思います。
○森光政府参考人 先ほど御説明をさせていただいたかと思いますけれども、基本的に、総額というのは単価掛ける人数だというふうに思っております。 それにつきまして、私ども、これから設計していくところでございますので、明確に上限幾らというところにつきましては答えはなかなか出しづらいところではございますけれども、先ほど言いましたように、単価につきましては、一人当たり四・三万円から十八万円の間ぐらいだろうというふうに想定をしております。それからまた、人数に関しては一万人弱だろうと考えておるところでございます。(発言する者あり)言いました。
○中島委員 じゃ、一万人弱、分かりました。 しかし、これは上限も含めていくと、ここは大臣に約束していただきたいんですが、今後、これが本当に拠出されるということであるならば、この重点医師偏在対策支援区域における医師へ実際に支払われた増額手当に使途を限定するべきだし、保険者がしっかりと関与できる枠組みを整備、運用しますという御答弁をいただきたいと思います。
○上野国務大臣 使途の限定と検証可能な制度になるように努めていきたいと考えています。
○中島委員 今お約束いただきましたから、もしこれが本当に拠出されるとなれば、医師へ実際に支払われた増額手当に使途を限定することと、そして保険者がしっかりと関与できる枠組みを整備、運用するということで、今明確に、そうしますとお答えいただきましたから、これは議事録にしっかり載っていますので、しっかりこの後の様子を注視していきたいと思います。 大分通告してあったんですけれども時間があと五分しかないので、次に回すべきは回したいと思います。 今回も、オンライン診療、医療DXと兼ね合わせて、そもそもですけれども、医療DXは、医師不足とか看護師さんの不足も含めて、医療を効率化していくということはよく言われるんですが、大臣、これは本当に一般論ですが、医療DXというのは患者さん方にとってどんなメリットがあるのか、このことが十分に伝わっていないんじゃないかと私は思うんですね。私の答えはありますが。 大臣、医療DX、患者さん方、国民の皆様にどういうメリットがある、その上でこの医療DXをどういう進め方をしていくか、ここが私は政府の方針には欠けているところだと思いますので、御答弁いただきたいと思います。
○上野国務大臣 午前中答弁して、その資料が今ないので、ざっくりになりますが、一つは、仮に災害とか救急とかがあって、どこの医療機関に行っても、自分がどういう状態であったかということをその医療機関の方が把握することが可能になります。 もう一つは、やはり健康診断、健診の状況なども即座に反映することができるので、それを見た医師の方が、どうです、こうですということを指導していただける、助言をしていただける。 そういったことが具体的には可能になろうかと考えています。
○中島委員 短い中で、すごいいい答弁だったと思うんです。しかし、実際に電子カルテの普及率が今何%か、これは資料に示してありますけれども。一方で、標準型電子カルテ、これも一体、本当に実現できるか、ちょっと正直私は疑念があります。これは国策として本当に進めていかないと間に合わない。 しかも、このオンライン診療、今日も午前中から、オンライン診療、いい面、悪い面ということはありましたが、ここもかかりつけ医ですよ。かかりつけ医がちゃんと、事前登録したかかりつけ医、先ほど、フリーアクセスを制限なんか、我々が言っている日本版家庭医の制度は全然フリーアクセスを制限しませんから。 地域にかかりつけ医機能を持つ家庭医がいて、事前登録をして、そして質の担保のための認定制。その部分については包括報酬。そのことによって予防医療やインセンティブ。その事前登録制の下で、事前登録してある患者さんの下では原則オンライン診療。そうすれば、初診料、再診料、外来管理加算、そういったものは効率化できるはずなんです、しかも安心して。私もシャープ七一一九のオペレーターをやっていたんですが、初めての人のオンライン診療ほど怖いものはないですから。 改めてですが、かかりつけ医、日本版家庭医制度、家庭医の下でのオンライン診療が最も安全で望ましいということを申し上げて、質問を終わりたいと思いますが、一言お願いいたします。
○上野国務大臣 かかりつけ医のお話、大変議員も熱心に取り組んでいただいておりまして、やはり病気の予防、早期発見、早期治療を推進する上でも、かかりつけ医というのは大変重要だと考えております。 議員御指摘の制度とは異なるものの、我々厚生労働省としても、引き続き、フリーアクセスを維持しながら、かかりつけ医機能の確保に向けて取り組んでいきたいと考えています。
○中島委員 ありがとうございました。
○大串委員長 次に、伊東信久君。
○伊東(信)委員 日本維新の会の伊東信久でございます。 優に十二年ぶりの厚生労働委員会復帰でございますので、よろしくお願いをいたします。私が十二年前のときは、田村さんが厚生労働大臣だったんですけれども。 まずは、上野賢一郎厚生労働大臣、御就任おめでとうございます。そして、仁木副大臣、栗原政務官、おめでとうございます。よろしくお願いいたします。 さて、早速ではございますけれども、医療法改正についての御質問をさせていただきたいと思います。 言うまでもなく、この医療法の改正というのは三つの柱がありまして、地域医療構想の見直し、医師偏在是正、そしてもう一つは医療DXの推進ということなんですけれども、その一つ目の地域医療構想の見直しの中の三番目ぐらいのテーマの中に、美容医療を行う医療機関における定期報告義務等を設けるというのが入っております。 なかなかこれ自体、今の女性なり、国民の皆さん、患者さんとかのことを考えると、これを法律に入れる何らかの立法事実、事例があったように思うんですけれども、この美容医療に関する法案を、入れましたその理由を大臣にお尋ねしたいと思います。
○上野国務大臣 近年、美容医療に対する需要が大きく増加をしておりますが、一方で、健康被害を含めた苦情相談、これも増加をしてきております。 こうした状況を踏まえまして、厚労省におきまして検討会を設け、美容医療に関する被害を防止をして、質の高い医療、この提供を行うための必要な対策案につきまして、昨年の十一月に報告書を取りまとめました。 この報告書の中身も踏まえまして、適切な美容医療、これが安全に提供されるように、この法案の中にも美容医療を行う医療機関による定期的な報告また公表制度、この創設を盛り込ませていただいているところであります。
○伊東(信)委員 大臣、ありがとうございます。 そういった立法事実があるということなんでしょうけれども、私、今期の通常国会まで消費者問題特別委員会の理事をやっておりまして、そのときに、一八八番という、いわゆる消費者の方の相談窓口というのがありました。そこの相談窓口に電話をすると、相談に乗ってくれて、しかるべき専門のところに回してくれるわけなんですけれども、その際にそういった相談の事例の集積、統計も取っていまして、恐らくその中にも美容外科に関するトラブルの相談もあったと思います。 また、それとは別に、厚生労働省も、こういった立法事実に関する美容外科の何らかのトラブル、こういった法律を作らなければいけないような相談件数があったかと思うんですけれども、その具体的な数字をお示しいただければと思います。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 患者の健康被害や契約、それから料金等の相談を含めた美容医療に関する相談件数でございますけれども、美容医療の適切な実施に関する検討会において示しておりますとおり、令和五年度につきましては約五千五百件に上りまして、かつ、相談件数は年々増加してきていると承知しております。
○伊東(信)委員 ありがとうございます。 令和五年度ということは、一年間で五千五百件あったということですよね。 問題は、美容外科にアクセスする、患者様と言っていいのかどうかなんですけれども、患者様と言っていいのかどうかという言い方自体も重要な点で、健康な方が美容医療に行かれて、そして、それが傷病になる、副反応があったりすると、そこでいわゆる病気であったり、けがになったりする部類に入ってしまうというところがやはり問題だと思います。 私がお示しした資料の二枚目の方をまず見ていただきたいんですけれども、これは、実際にあった事例で、日本形成外科学会というのがありまして、その中の美容医療に関する委員長の原岡剛一先生がお示ししてくれた事例なんですけれども。 ある美容外科で、アクアフィリングという、謎のと言ってはいけませんね、二%コポリアミドという物質が入っていて、あと、九八%水分、そういった注入物です、それによっていわゆる豊胸術をした。これはあるクリニック、Aクリニックとしていますけれども、そこで自費で百五十万かかったというところです。 トラブルがありまして、そこで除去の手術をすると。せっかく入れたアクアフィリングですけれども、それを取り去るという段階になって、そのAクリニックに行かなくて、違うBクリニックに行って取ったんですね。これも自費で七十万だった。そこで感染を起こしたんですね。感染を起こしたら、そこが痛くなったり、赤くなったり、腫れたりするんですけれども、よりによって敗血症というところで重篤な生命の危険になって、大学病院で、K大学と書いていますけれども、国立大学で、除去手術するだけじゃなくて、全身管理、生命を助けなきゃいけないので、入院、加療をしました。 それを、それまで自費診療をやっていたので、大学側は、ここの大学は美容外科講座を持っていたので対応できたんですね。かつ、救急とかも使ったんですが、やはり自費診療なので九百万の費用がかかった。これはどうなったかというと、大学とその前のBクリニックの話合いで、Bクリニックがこの九百万を負担した、こういった事例がありました。 ここで、やはり疑問に思われると思うんですね。Aクリニックで費用負担をしたり、若しくは取り去ることを、なぜBクリニックに行ったか、Aクリニックでなぜしなかったかというところなんですけれども、一つは、豊胸術は経営の観念でいうともうかるというか、それなりの費用をもらえるけれども、取り去る手術に関しては余りもうからないというのが一つの答えです。 でも、それよりも問題は、このAクリニックの医者が取り去ることができなかった。もう一つは、感染を起こして重篤な、命に関わることになったときに対応ができないということです。これはやはり医者の教育、質に関わることなんですね。 ここで、ちょっとまずはお聞きしたいんですけれども、先ほどから保険診療の話がされていますけれども、自費診療であってもこれは厚生労働省の管轄である、そういう理解で構わないのでしょうか。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 御指摘のとおり、厚生労働省は医療に関する各種施策を所管しておりまして、そこでの医療の中には保険診療だけでなく自由診療も含まれているものと承知をしております。
○伊東(信)委員 ありがとうございます。 ということで、こういった問題も厚生労働省にお尋ねするべきものだということで質問を続けさせていただくんですけれども。 話が長くなるのではしょりますけれども、私、大学卒業してすぐに形成外科という医局に入ったんですね。そこで研修を受けて、そのまま大学院へ行ったり、形成外科の専門医を取ったんです。 形成外科の専門医というのは大体六年ぐらい研修をしなければいけないんですけれども、そのときに十一分野ありまして、例えば、がんになって、悪性腫瘍になって、それを取り去ったらそこを再建する再建手術であったり、小児外科、子供の先天異常の手術であったりとか。ちょうど私が卒業するときに阪神・淡路大震災の大火災があったので、そこにお手伝いに行って、大幅な皮膚移植の手術をしたりとかしました。 そのほかに顔面骨折とかあるんですけれども、十一分野の一つが美容外科なんですね。だから、実際の専門医の中で、美容外科の試験を私は受けています。場合によっては十個の症例のプレゼンテーションを審査員、教授の方々の前でしなければいけないという教育を受けています。ただ、私は今、美容外科はやっていません。 ところが、大学の中で、私の卒業した神戸大学、形成外科は診療班というところでありましたけれども、試験問題は十一分野の中で、再建であったりとか顔面の骨折であったりとか悪性腫瘍に関することで、美容外科のところはないんですね。つまりは、大学教育において美容外科の教育はなされていないということですね。 となると、卒業後の研修が大事になってくるんですけれども、この美容医療に関しての教育、はたまた、自分に力量がないのにこういった開業医のところで手伝っていいのかという、人格的な教育というか倫理教育というか、そういった教育のシステムは今厚労省さんの中でなされているのかどうか、教えてください。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 まず、医学教育そのものにおいては、国民の健康を守るため、医師として必要な知識と技能を修得するということを目的としています。 具体的には、医学部の卒前の教育、これの中においては、各大学において、医学教育モデル・コア・カリキュラムの中に医師としてのプロフェッショナリズムや患者のケアのための診療技能に関する教育が行われている。そういうベーシックな教育がまず行われております。卒後の臨床研修においては、医療の質と安全管理に関する項目を到達目標の一つとして位置づけ、研修を行っているという状況でございます。 基本的なまさに医師としての心構え、それから基本的な診察能力、そういうことにつきましては卒前と卒後の二年間において通じて修得をしておりますけれども、美容に関する技能についてはその中には入っておりません。その後の専門医研修の中で、いわゆるそれぞれの専門学会が規定するコースにおいて修得されるものだろうというふうに思っております。
○伊東(信)委員 そうなんですね。だから、今回、せっかく法案を作って、いわゆる定期報告義務があれば、次の段階でそういった教育の必要性を感じていただければと思っております。 ただ、今、形成外科で僕は申し上げたんですけれども、美容をやっている方、その範囲というのは形成外科ではないんですね。今日、午前中、オンライン診療の話の中で、いわゆる向精神薬とかだけじゃなくて、いわゆる痩せ薬なんですよね、糖尿病治療薬というのは。それに対してのオンライン診療とかありましたけれども、それになると、はたまた、美容外科でも扱っているところもありますし、内科の範疇もあるし、いろいろな多科に分かれてくると思います、皮膚科であったりとか。 ですので、形成外科ばかりの話をしたなとは思うんですけれども、形成外科学会で実際に議論になった話があって、つまりは、美容外科になりましたけれども、美容外科で自費診療でトラブルがあった場合、その医者が対応できない場合、保険診療の大学病院に行ったり、その専門の先生のところに行くんですよ。このときの料金の支払いで非常にもめるケースがあって、果たして、美容とか自費診療で問題があったときに、保険診療でこれをカバーするべきなのか。 本当に大事な問題だと思いますし、すぐに結論になったお答えはできないと思いますけれども、見解を求めたいと思います。 〔委員長退席、鬼木委員長代理着席〕
○間政府参考人 お答えいたします。 個々の診療行為が保険給付の対象となるかについては、あくまで個別に判断する必要があると思っています。 ただ、その上で、一般論で申し上げれば、今先生おっしゃいましたように、美容医療があって、それに伴う合併症、それが原因となっているような合併症があった場合、その治療が一体のものというふうに評価されるのであれば保険外診療に起因する有害事象等に対する診療行為になりますので、私どもとしては保険給付は認められないのではないかというふうに考えているところでございます。
○伊東(信)委員 本当におっしゃるとおりです。 ただ、今まで悪い医者の事例を言いましたけれども、やはり大学病院の先生は、それを本当に必死になって助けるんですが、まず助けることありきなんですよ。それでいて、そこからの支払いのところでもめるから、そこはやはりいろいろの法律の枠組みで考えていただきたいのが一つ。元々病気じゃない人が病気になる、疾病じゃない人が疾病になるというケースなんですけれども。 もう一つ、残り時間でお話ししたいことは、これは美容外科だけじゃなくて、自費診療といえば、近年、再生医療も入ってくるんですけれども、今回の法律の中の報告義務の中に再生医療は入らないのでしょうか。若しくは、再生医療を含む自費診療に関して何らかの規制が必要だと思うんですけれども、それに関しての御見解をお伺いします。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 本法案による新たな定期報告制度の対象となる医療機関は、条文上は美容医療を行う医療機関であって、厚生労働省令で定めるものと規定をされております。対象となる医療機関の具体的な範囲に関しては、今後、施行に向けて関係者の御意見も伺いながら省令で規定していくことになりますけれども、御指摘の再生医療を活用した美容医療を行う医療機関は対象に含まれ得ると考えておるところでございます。
○伊東(信)委員 ありがとうございます。対象に含まれ得るということで、それは美容外科の方の法律の枠組みで見ていただけるということですよね。 加えて、再生医療法の改正もなされて、その立法事実として、一枚目にありますように、美容やがん治療等の自由診療で、安全性が十分に担保されない再生医療による健康被害が引き続き発生したという事例がございました。 再生医療の場合、第三者である認定再生医療委員会等が審査したり、若しくは届出だけでなされるんですけれども、そこのところが甘いんじゃないかという事例がありまして、NHKの報道でありましたように、これは厚生労働省さんからの資料なんですけれども、治療の効果と安全性、両方を厚生労働省が一定の評価をしたと考える国民が多いという調査結果が出ているんですね。今日の午前中の立憲の皆様の御質問にあったように、やはりSNSの影響で、ホームページに再生医療認定とか書いていたら、それで、ああ、国のお墨つきの再生医療なんだなと思ってしまうところもあるので、ここは本当に御指摘させていただきたいと思います。 加えて、もう一分あるかないかの時間なので、最後に私の見解だけ述べさせていただきたいと思うんですけれども、美容でなくて、がん治療のいわゆる自費診療である再生医療が今出ています。その中に、実はほとんど効果がなかったり、エビデンスがないのもあるんですよね。これを医師の裁量の下でとなっているんですけれども、やはりまた次、社会的な問題になる前に、再生医療学会、関連学会といろいろ意見を伺いながら、私もちょっと頑張りたいと思いますので、対処できたらと思います。 時間なので、終わります。
○鬼木委員長代理 次に、岡野純子君。
○岡野委員 こんにちは。国民民主党の岡野純子でございます。 質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。 まずは、上野大臣におかれましては、御就任、誠におめでとうございます。厚生労働行政のかじ取りをお願いするに当たりまして、心より敬意を表します。 初めての質疑ではありますが、国民生活に最も身近で、暮らしを支える政策を担う当委員会での発言をできますこと、緊張と同時に武者震いをする思いで挑んでおります。本日はどうぞよろしくお願いいたします。 さて、今般の医療法改正法案では、医師の地域偏在是正を目的として、医師に経済的インセンティブとして手当を充てることが挙げられています。ここまで同じ視点の質問、もう四人、五人から行われてきておりますが、我々国民民主党といたしましても、この財源に保険料を充てるという財源構造に問題があると考えておりまして、提出予定の修正案では見直しも求めてまいります。この点、大変強い問題意識を持っておりますので、我々の考えとこれまでの答弁の乖離を丁寧に質疑できればと考えております。 では、まずは責務について伺ってまいります。 医師の偏在、地域偏在ですけれども、私は、これは全国的な安全保障の問題だと考えます。例えば、熊本の地震の際には、被災地の救急医療体制が逼迫をしまして、都市部からも医師を派遣しました。災害時もそうですし、感染症流行時にも、医師が不足すれば、局所ではなくて全国的な安全保障に直結をいたします。 つまり、これは国家的な責務として、広域的、長期的な視点で国が対応すべきと考えますが、この問題の責務、どこにあると考えるか、政府の考えを伺います。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 まず、医療提供体制については、医療法において、国及び都道府県の責務として、その確保に努めなければならないとされております。災害への対応や専門医の育成の観点からも、医師の偏在対策は、国及び都道府県がその責任の下、様々な施策を講じていく必要があると考えています。 こうした中、医師の地域間偏在対策については、これまでも、医師の養成過程における取組のほか、各都道府県において医師確保計画に基づく取組を実施しておりまして、厚生労働省としてもこれらの取組に対して財政支援を行っているという状況でございます。 さらに、二〇二四年末に策定しました医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージに基づいて、重点的に医師を確保すべき区域における経済的インセンティブの実施等を組み合わせた総合的対策を推進することにしたわけでございますけれども、それにつきましても、そういう形で国として責任を果たして、必要な取組を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○岡野委員 今の御答弁をまとめますと、国が責任を持ってやっていくということだというふうな御覚悟と受け止めました。だからこそ、これは国費を充てるべきではないかということを申し上げたいわけなんですが。 では、保険料との目的の違いについて伺ってまいります。 公的医療保険の保険料というのは、病気になったときの医療費をみんなで分担するための仕組みであります。一方、医師偏在是正のための手当というのは、医療提供体制を維持するための政策的な誘導であります。自分の医療リスクへの備えと地域政策への拠出、全く目的をたがえていると考えますが、その点はいかがでしょうか。
○森光政府参考人 まず、お答えさせていただきます。 我が国の医療保険制度においては、保険給付を中心としつつも、これまで、医療費が特に高くなる後期高齢者医療を支えるための後期高齢者医療制度など、時代ごとの社会の要請に応じて、社会保険の仕組みを活用して、国民の生活全般について広く支え合う仕組みを構築をしてきた状況でございます。 今般の医師の手当事業については、医師の人件費は本来保険料を財源とする診療報酬で賄われるものである一方、特定の地域に対して診療報酬で対応した場合、当該地域における患者負担の増加を招くということから、保険あってサービスなしとならないように、医師少数区域における適正な給付の維持、確保に一定の役割を果たしてきた保険者の役割を踏まえ、全ての被保険者に広く協力いただく形で、保険者からの拠出により対応することとしたものでございまして、その財源として保険料を用いることは妥当であると考えております。 以上でございます。
○岡野委員 先ほど来からの質疑の御答弁と余り変わりなかったわけなんですけれども、保険者の責任ということで、医療提供側への働き方というのは大事な機能かもしれませんが、しかし一方で、保険者には保険医療機関の指定に関する権限というものはございません。仮に過剰な地域であっても、保険者には取消しの権限もないわけで、そのような中で財源だけを求めていくというのはいかがなものかと。 先ほどおっしゃった社会の要請ということで納得が果たして得られるのかなというところで、国民への納得感、国民へどう説明を考えていらっしゃるのかを、では伺いたいと思います。 今、そもそも、どんどん高騰する社会保険料をどうやって下げるか、給料から天引きをされてなかなか手取りが増えた実感が湧かない、そういった声が社会にあふれているという中で、例えば、医療にアクセスすることに全く困っていない都市部の現役世代の人が、自分の治療費のためと思って払っている保険料が医師の地域偏在の是正に使われているとなったときに、財源の使い方として納得感を欠くのではないかと思います。 こうした納得し難いという被保険者の感情に対して、政府としてどのように説明をしていかれるのか、伺います。
○森光政府参考人 繰り返しになりますけれども、我が国の医療保険制度において、保険給付を中心ということは確かにありましたけれども、これまで、医療費が特に高くなる後期高齢者医療を支えるための後期高齢者医療制度など、時代ごとの社会の要請に応じて、社会保険の仕組みを活用して、広く支え合う仕組みを構築をしてきたという事実がございます。 この医師手当の関係でございますけれども、いわゆる特定の地域に対して診療報酬で対応した場合、その医師の人件費の分をその地域の診療報酬で対応した場合は、まさにその地域だけ患者負担の増加を招く、高騰を招くということから、保険あってサービスなしという状態になるということで、まさに適正な給付の維持、確保に一定の役割を果たしてきた保険者の役割を踏まえて、今回の仕組みとさせていただいたということでございます。 〔鬼木委員長代理退席、委員長着席〕
○岡野委員 済みません、医政局長、今の私の質疑とはちょっと御答弁がずれているのかなと思います。 私は、保険料だと思って支払った国民に対して、全く公平感を欠いているこの仕組みというのをどのように、納得し難いという感情に対してどういうふうに説明をされていく、どういうふうに政府として納得を被保険者にしていきますか、そういう質問です。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 端的に説明をさせていただきますと、これまで保険の仕組みの中で、まさに高齢者医療制度などは支え合いの仕組みだと。一つのところが、一つのグループだけが高くならないようにということでの支え合いの仕組みというものが元々ありましたということでございます。 今回の医師手当事業というところにつきましては、その地域において、全く、逆に、保険料を払っても受けるサービスがないという地域が出てくる。また、そこにサービスを提供しようという仕組みをつくろうとすると、そこのまさに保険料というのは非常に高くなる。そういう状況であるので、支え合いの仕組みという形で、拠出で対応していただきたいというようなことでございます。
○岡野委員 支え合いの仕組みという美しい言葉で言われてしまうと、まるで反対することがおかしいように感じますが、これはどう考えても、そもそもの目的としては筋が通っていないというこちらの疑問に対して、十分なお答えではないように感じております。 では、被保険者だけではなくて、既に上がっている各組織からの反発についてお聞きしていきたいと思います。済みません、これはヒアリングのときと四番、五番、ちょっと順番を変えさせてください。 先ほど来、制度の趣旨は決して外れていないという御答弁なんですけれども、各組織から、既に制度の趣旨に反していると強い反発が報告をされています。 前者からもございましたけれども、健保連、健康保険組合連合会からは、本来国や自治体が負うべき費用を保険者に肩代わりさせるものだと強い懸念が示されています。現役世代の負担増はもはや限界で、追加の保険料負担は受け入れられない、そういった明確な声であります。 また、社会保障審議会の医療保険部会の中でも、保険料を原資とする手当上乗せには慎重な意見が相次いだということを資料で確認をいたしました。 さらに、被用者保険五団体、先ほども紹介ありました健保連、協会けんぽ、経団連、そして日本商工会議所、そして労働者の声を代弁します連合からも、保険給付との関係性が乏しい施策の財源に保険料を充てることは問題だ、このようにたくさんの反発の声が上がっているわけです。理屈に合わない政策だという、そういった意見がたくさん上がっています。それを説得しようとすると、事業者や被保険者への説明負担がこれから増していきます。こういうことの積み重ねが政治不信を招くと私は思います。 合意形成を軽視すれば運用段階で破綻する危険があると考えますが、こういった様々な反発がある中でどのようにこれを推し進めることができると考えていらっしゃるのか、伺います。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 まず、保険者の役割という話の中で、今御指摘のありました五団体の意見というのがございましたけれども、これまで保険者として、医療の供給体制、これの維持のために支えてこられた保険者というのも実際にはいらっしゃるという状況でございます。 その上で、この制度を、おっしゃるとおり、うまく進めようとするのであれば、この保険者の方々に対してどのように説明をしていくのか、また、その人たちの意見をどのように制度設計の中に組み入れていくのか、それから、チェック体制の中に一緒に入っていただくのかというところが必要だろうというふうに私どもは思っておるところでございます。 また、そういう点につきましては、医療保険部会の中でも、この制度についてやるのであれば、保険者としてしっかりとしたチェック機能を働かせる仕組みを導入してほしいという御意見も併せていただいたところでございます。 そういう御意見をしっかり受け止めた上で制度設計をし、そして、運用に当たってしっかり参加をしていただくということを我々は考えていきたいというふうに思っておるところでございます。
○岡野委員 やるのであればというのは、最悪の場合、実行された場合の話をしているわけであって、それが決して免罪符というか、それをもってクリアできた話ではないんじゃないかなと、答弁を聞いていて感じました。 では、保険制度の目的外支出と私は考えておりますが、そこに転用する前例をつくることへの危惧について伺ってまいります。 これまでに保険料を目的外利用したといいますと、新型コロナウイルス流行下の減収補償が挙げられるかと思います。感染症の初期に一般的な診療を制限して対応に当たった医療機関に対しまして減収分を補填するという仕組みでありましたが、この財源も保険料から賄われておりますが、これも、その内容としては、医療提供体制の整備ですとか維持に保険料を使うことを認めた前例だと思われます。 ただ、あのときはコロナ禍、災いだと表現したほどの事象でありまして、一過性の有事でございました。今回の件、つまり、医師偏在の是正の対策というのは、長年にわたる恒常的な問題でありまして、これは同様に考える種類のものではないと私は思いますし、前例をつくるということは、今後また他の政策で再び保険料が流用されるんじゃないか、そういう危惧をはらむと考えます。 制度のリスクプールとしての性格が変質し、保険制度そのものの信頼を損なうおそれがあり、決して安易に認めるべきものではないと私は考えますが、政府の考えを伺います。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 流行初期確保に関して、確かに保険料からの支出ということが認められたということでございますけれども、その際には、基本的には医療提供体制の確保ということもありましたけれども、なぜそこで保険料からの支出となったかといいますと、そこについては、基本的にそれらの感染した患者さんを流行初期確保病棟なり病床で見る必要があり、それに対する、いわゆる、まさに医療に必要な費用であるという部分であろうというふうに思います。 今回、ほかにまた同じような流用が増えるんじゃないかということでの話でございますけれども、私ども、医師の手当の事業というものにつきましては、医師の手当そのものは、医療の執行に必要なまさに人件費に当たるというふうに思っています。ですから、医療に関わる人件費、ここに関して支払うものということであれば、全くそれは目的外使用だとかいうことには当たらないのではないかというふうに考えるところでございます。
○岡野委員 ちょっと納得し難いですけれども。 済みません、時間が迫ってまいりましたので、この事業に係る予算について伺ってまいりたいと思います。 資料をいただいているものですとか様々見ておりますと、この中に、事業費の総額を設定した上で、様々な要件に基づいて都道府県に按分し、そして配分というふうに書かれておりました。ただ、先ほどの御答弁を伺っていると、局長が単価掛ける人数というふうにおっしゃったわけですけれども、単価というのは画一的なものなのでしょうか。まずそこの確認を、通告外ですが、聞かせてください。地域によっては医療ニーズも様々ですし、当然、労働環境、生活環境が違うわけですけれども、一人一人にグラデーションをつけるのか、画一的なものなのか、教えてください。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 先ほど私が単価の話をさせていただきました。基本的には大体その間で設定していただくものだろうというふうには思いますけれども、基本的には、重点支援区域の設定、それから、各都道府県に支給し、都道府県がその支給先と決める場所、医療機関、そして誰にというところについては、都道府県に任されるところになります。ですので、都道府県に割り振られた予算の範囲の中からどのような金額を渡すのかということについては、都道府県が決めていくということになります。 ただし、一定の範囲内ということはこちらの方でも示すことになりますし、実際の運用に当たっては、都道府県の中でのチェック機構というものがつくられるということになるかと思います。
○岡野委員 承知しました。 では、先ほどの範囲の話なんですけれども、先ほど一万弱というような具体的な数が出ました。今手元に厚労省の出されている資料です、これは新たな地域医療構想等に関する検討会資料からなんですけれども、ここでは全体の医師数の一〇%ということが最初に示されております。つまりは、今の日本の医師の数は三十二万七千四百四十四人ですから、約三万人というところが以前は示されておりましたが、先ほどの御答弁、三分の一程度の数で変わっておりまして、ここの説明をいただけるのであればお願いします。
○森光政府参考人 一〇%というのは、全国の二次医療圏の中で医師少数区域に当たるところで働いていただいている医師の数、これが一〇%ということだったかと思います。その中から、重点医師偏在対策支援区域という形で、そこの部分を指定していただくということになります。そのときに、私どもとしては目安として、先ほど少しお話しさせていただきましたけれども、定常的な人口が二千人ぐらいのところで医療機関の数が特に薄い地域、これを都道府県が指定をしていただくということを考えております。 それらの目安をもって地域を見ますと、今現在その地域で働いていらっしゃる医師の数が六千数百人ぐらい。さらに、都道府県の医師確保計画を見ますと、その地域で医師が足りないと都道府県が認識をしている数が一千数百人になるということでございまして、足し上げて一万弱ということでございます。
○岡野委員 済みません、時間となってしまいました。たくさん問取りをしたんですけれども、済みません。 では、最後に大臣にだけお伺いするということをお聞きしておりましたので、最後に伺いますけれども、ここまで説明を前者の質問の答弁も併せて伺っていても、やはりこれは、我々、保険給付との関連性が乏しくて妥当性を欠くのではないかという当初の問題意識を納得させるものではございませんでした。改めまして、上野大臣に財源の在り方についてのお考えを最後に伺いたいと思います。
○上野国務大臣 今般創設した手当事業の財源でございますけれども、本来であれば診療報酬により賄われるものでありますが、先ほど来御説明を申し上げておりますとおり、その場合は特定の区域の患者さんに影響がある、増加を招くということがありますので、今回の改正、今回の事業の御提案といたしましては、保険者の役割も踏まえて、保険者からの拠出金により対応するものだという整理をさせていただいております。 ただ、その際に、先ほども申し上げましたように、これは診療報酬改定と一体的に確保することとしておりますので、本事業の実施によりまして、医療の給付費あるいは保険料の増加にならないように調整をしてまいります。
○岡野委員 また次回、伺います。 終わります。
○大串委員長 次に、日野紗里亜君。
○日野委員 国民民主党の日野紗里亜です。 質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。 我が家には、三つ子がおります。十年前に私が産んだんですけれども、長男が千九百四十五グラム、次男が千七百六十二グラム、三男が千六百十八グラム、低出生体重児で生まれましたので、医療に本当にお世話になりました。医療がなければ、ここまで三つ子を育ててくることはできませんでした。今では小学三年生になりました。日本の医療を、子供たち、そして孫たちの代まで残していきたい、これが私の切実な思いでございます。 今回の医療法改正案、方向としてはとてもいいと思います。ですが、その実効性がどこまで担保されるのか、そういった視点で真剣に今日は議論をさせていただきたいと思います。 最初にお尋ねします。 本改正案には、外来医師過多区域における新規開業希望者へ、地域で不足する医療や医師不足地域での医療の提供を要請、勧告、公表するとあります。具体的にはどのような要請をすることが想定されていますでしょうか。お答えください。
○上野国務大臣 都道府県は、外来医師過多区域における新規開業希望者に対しまして、地域で不足をしている医療機能を担うように医療法に基づく要請を行うということになります。 要請の具体的な中身でございますが、地域の実情に応じてこれは異なります。様々だと考えておりますけれども、例えば、夜間あるいは休日等における地域の初期救急医療や在宅医療、あるいは公衆衛生、例えば学校医さんとか予防接種とか、そうした地域で不足する医療機能の提供、また、土日に代替医師として従事する等の医師不足地域での医療の提供、そうしたことを想定をしているところであります。
○日野委員 現在も、外来医師多数区域で新規開業者に同様に、地域で不足する医療に協力を要請している事例があると認識していますが、こちらは間違いありませんでしょうか。お答えください。
○上野国務大臣 現行の医療計画におきましては、地域の外来医療機能の不足、偏在等に対応するために、都道府県内に外来医師多数区域を設定をしておりまして、都道府県が新規開業希望者に対しまして、先ほどと同様に、地域で不足する医療機能を担うように要請すること等を求めております。 ただ、この現行法に基づく仕組みでは、これは法令に基づくものではございませんので、実際に要請をしても、それが確かに実行されるかということにつきましては課題があるものだと承知をしています。
○日野委員 令和六年九月三十日、第九回新たな地域医療構想等に関する検討会資料に、その時点で、新規開業者への地域で不足する医療機能を担うことの要請については、外来医師多数区域を有する三十七都道府県のうち、二十八都道府県で行われていると記載されています。外来医師多数区域における新規開業二千六百四十八件のうち、二千百十二件、八〇%で要請されています。産業医や予防接種等の公衆衛生、在宅医療、初期救急医療等が要請されたようですね。このうち、合意ありは六百四十件、二四%です。特に重要そうな初期救急医療の合意ありは百九十七件と、少なくなっています。 なお、合意されなかった事例のうち、協議の場への出席要請や書面提出要請等の対応がされたものは、僅か三%です。そのうち、その対応があった後でも要請に合意したのは、対応されたもののうちの二五%です。 現時点では、要請の効果は極めて小さいように感じられます。 今後、医療法に要請、勧告、公表を明記することで、要請に合意される確率が高まるとお考えでしょうか。その後の効果の確認の計画などはありますでしょうか。お答えください。
○上野国務大臣 本法案におきましては、診療所の新規開設の希望者が都道府県等からの要請に従わなかった場合の対応といたしましては、例えば保険医療機関の指定期間の短縮、これは六年から三年ということを想定をしております。 また、保健所等による確認、立入りですね、確認、あるいは、今後検討になりますが、診療報酬上の対応、あるいは補助金の不交付、そうしたことにつきましても検討しておりますので、こうしたこれらの複層的な対策によりまして、先ほど委員からの数字の御紹介がありましたけれども、この効果といいますか、それを抜本的に改善していくと考えています。 本制度が導入された場合の効果の確認につきましては、今後、法案の御審議あるいは施行状況等も踏まえながら、地方自治体、医療関係者等の御意見等も丁寧に伺いながら、どのようなやり方があるのか、どのようなことがよいのか、そうした観点から、効果の確認につきまして検討を進めてまいります。
○日野委員 現時点で要請に合意される割合が小さい中で勧告、公表が加わったところで、合意される割合が高まるかは分からない。でも、それであるならば、なおさら確実な効果検証と対策の見直しが私は必要だと思っています。 例えば施行二年後に、合意されている割合を確認して、足りていなければ対策を増やす、こういったことが必要だと思いますが、大臣、この時点で、明確な効果検証の計画、やりますとお答えいただけませんでしょうか。お願いします。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 ある施策を導入した場合に、その検証というのは非常に重要なことだというふうに考えております。 ただ、二年後ということでございますけれども、この制度自身については、開業の六か月前に届出を出していただき、その間にまさに要請をし、勧告をし、そしてできない場合に公表というようなところまで至っていきますので、しかるべく時間は、結果を検証するための時間というのは必要になるというふうに思っておりまして、二年というのは、その経過を考えますと少し短いのではないかと考えておりますけれども、きちんと検証をしていく必要があるというふうに考えております。
○日野委員 要請に合意しなかった場合、保険医療機関の指定を六年から三年に短縮するということがありますが、逆に言えば、三年で再申請すれば指定されていくということだと思っております。 厚生局へ保険医療機関の指定の申請が行われたうち、許可が下りる割合は現在どれほどでしょうか。お答えください。
○間政府参考人 お答えいたします。 保険医療機関の指定は、医療機関の開設者の申請により行われ、各地方厚生局において内容審査を行った上で、地方医療協議会への諮問、答申を経て行われる、こういう仕組みになっております。 指定の申請があったもののうち、実際に指定が行われたものについて、その割合というお話でございますけれども、一度指定が取り消されてまた再度の指定申請を行うもの等は指定拒否される場合もあることから、厚生労働省において全ての事例を詳細に把握しているものではございませんけれども、保険医療機関の新規指定であって要件を満たしているものについては適切に指定が行われているというふうに考えております。
○日野委員 聞くところによると、実態としてはほぼ一〇〇%認可されていると聞いています。多くの医師が、申請すれば認可が下りると考えているはずです。それでは、指定を六年から三年にしたところで、規制を強める効果にはならないと思います。 地域で不足する医療への協力要請に実効性を持たせるために、診療報酬の評価を下げるといった、より強い仕組みを取り入れることは検討されませんでしょうか。お答えください。
○上野国務大臣 先ほどの繰り返しになりますが、開業者に必要な対応を促す観点から、保健所等による確認、補助金の不交付、あるいは診療報酬上の対応について検討してまいります。
○日野委員 現在行われている要請では、地域で不足する地域医療を担っていただく力が弱いことがもう既に分かっていますね。そこに勧告、公表が加わっても、どれほど効果があるか分かりません。保険医療機関の指定期間の短縮の効果も分かりません。それであれば、なおさら、地域で不足する医療を国民に確実に届けるために、短期間での効果検証と新しい対策を検討いただきたいと思っています。 今回の法改正において、地域で不足する医療への協力を新規開業希望者のみに求めることになっています。現在、地域で不足する医療を提供することを新規開業者のみに求め、既存の開業者には求めない理由は何でしょうか。お答えください。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 今般の外来医師過多区域における新規開業希望者に対する取組について、既存の診療所は、新規開設の方とは異なりまして、既にその診療所において医療提供が行われているという事実がございますし、そういうスケジュールになっております。 その場合には、要請した場合に、整理をしなければならない課題があるというふうに考えておりまして、本法案については、まず既存の診療所は対象とせず、新規開業希望者を対象としたところでございます。
○日野委員 私たちは、新規希望者のみでなく、既存の開業者にも求めることを提案しています。今不足している医療は、新規開業を抑制するだけでは充足しません。逆に、新規開業への規制が完璧に成功して新規開業がゼロ件になったとしたら、今ある既存の診療所がそのまま同じ仕事を続けるだけで、地域で不足する医療は不足したままです。新規開業者と既存の開業者が共に地域のために力を尽くすべきだと私たちは考えております。 そもそも、新規開業者にだけ重たい規制がかかるというのは公平でないという見方があるかと思います。また、新規開業のみを抑制すると、その地域で既存の診療所ばかりが残ることになります。その結果、総合診療の能力を始め、地域医療のために必要な能力を身につけた優秀な若い医師が参入し地域医療の質と効率性が高まることを阻害してしまいます。これは国民の利益にはなりません。 改めてお聞きします。医師偏在是正に向けた新規開業希望者への要請を既存の開業者にも行うことを検討いただけませんでしょうか。お答えください。
○上野国務大臣 先ほど局長から答弁があったとおりでございますが、既存の診療所等にも対応をすることについては、整理すべき課題があるというふうに考えております。 まずは、今回の改正による措置を含めまして、医師偏在の是正に関する様々な取組、この全体を進めることによって進めていきたいと考えておりますし、また、施行状況を踏まえながらではありますが、そうした状況を見て、その後の対応につきましては検討をしていきたいと考えています。
○日野委員 そうですね、整理すべき課題とはどういったことか、お聞かせいただいてもよろしいでしょうか。お答えください。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 例えば、既存の診療所というのは、既に患者さんが通院をされている、また開業の時間というのも既に設定をされて、それに合わせた形で通院されているという状況になるかと思います。そうした場合に、一定の時間を休んで別のことをやっていただくというようなことになれば、その診療所としての運営を一部変えなければいけないというようなことも出てくるかと思います。 そういう今既に動いている、医療を提供されているクリニックに新たに何かをお願いをするということにつきましては、お願いする内容だとか、それから、どういう形でそれを、補填といいますか、代わりにどういうことをやってもらうのかということも含めて、少し検討する課題があるというふうに考えておるところでございます。
○日野委員 今お答えいただきましたが、もう医療のフェーズは、既存の事業者を守るといったことよりも、国民の健康を守る、そういったフェーズに来ているかと思いますので、そういった視点で政治を行っていきたいと思っております。 続きましての質問に移らせていただきたいと思います。 保険医療機関の管理者要件として、二年の臨床研修及び保険医療機関において三年等の保険診療に従事したことを要件とするとあります。つまり、院長として開業するためには、臨床研修二年間及び病院での勤務医を三年間経験しなければならないという意味だと思います。 教えてください。現在開業されている医師のうち、この要件を満たした医師の割合はどれぐらいでしょうか。
○間政府参考人 お答えいたします。 結論から申し上げると、承知していないということでございますが、その理由は、今御指摘になりましたこの要件のうち、三年の勤務経験とございますが、この勤務経験については、一定の勤務経験を担保するために、一週間当たりの一定の所定労働時間働いているということを求めることなどを検討することになっております。 厚生労働省が保有しております保険医のデータベースにおきましては保険医個人の勤務時間まで把握することは困難であるために、先ほど申し上げたような、承知していないというお答えになるところでございます。 失礼します。
○日野委員 恐らく、現時点でほとんどの開業者はこの要件をもう満たしていると思っています。勤務医三年間を経ずに開業する医師というのは極めて少数だと思います。 となりますと、この要件が追加されても実質的な効果はかなり小さいのではないかなと推察できるわけですが、この要件、低過ぎる。だからこそ、開業するまでに、更に不足している医療を担っていただくために、病院勤務の期間を例えば長くするですとか、医師少数区域での勤務歴を加えるなど、そういったことの検討をしていただけませんでしょうか。お願いします。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 まず、医師について、一定期間の病院勤務経験などの要件を求めたというところでございますけれども、基本的に、通常の医師の場合は、二年の初期臨床の研修の後に、およそ九割以上の方が専門医研修という形でそれぞれの専門医コースを選んでいただいて、そこで研修を受けて、専門医としての能力を獲得されるということになります。そうしますと、大体その期間は三年程度若しくは三年を超える程度になりますけれども、病院なり病院を中心とした形での勤務を経験をされるということでございますので、そういう経験を経てきた方についてはほぼ要件を満たしているということになるかと思います。 ただ、基本的には、保険医療機関の管理者という形でお願いをするということに当たっては、それだけのやはり経験を有した方にお願いすることで質の高い医療を提供するということが担保されるということになるかと思います。 もう一点、医師少数区域の勤務歴というところでございますけれども、医師少数区域での勤務歴に関しては、これまでも、前の医療法の改正の際に、医師少数区域での勤務歴を条件に、一定の公的な病院、地域医療支援病院等の院長になる際には、医師少数区域での勤務歴、こういうものを求めるといった形で、医師の偏在対策というのを一部進めていることがございます。 これにつきましても、今回、医師の偏在対策総合パッケージの中で、その対象となる医療機関を大幅に拡大をするという形で、医師が医師少数区域で働くインセンティブとなるような仕組みも併せて導入をしようとしているということでございます。
○日野委員 是非、今の提案も加えていただきたいなと思っております。 やはり医師の偏在は、地域の偏在、診療科の偏在に加えて、勤務医と開業医の偏在、こういった視点も大切だと思います。この要件は、勤務医と開業医の偏在を是正するために、必ず今の提案を使っていただけると思います。病院勤務医の期間を長くすることで勤務医を増やすこと、これを是非とも御検討いただきたいと思っております。 恐らく最後になりますので、質問ではないですが、新しい地域医療構想につきまして、少しだけ意見を言わせてください。 十一万床、一兆円という、病院削減が話題になりました。我が党の元救急医の福田徹衆議院議員もこう言っています。人口が減り、患者も減り、労働力も減る中で、今ある全ての病床を残すことはできません。病床削減は必要です。ただ、病床削減は医療費削減のためだけに行うものではありません。病床削減は、価値の大きい医療を提供できない病床から、価値の大きい医療を提供できる病床に医師や看護師といった医療資源を移し、地域で提供する医療の価値の総和を高めるために行うものです。現役世代の社会保険料負担の抑制は必要です。医療費の適正化は必要です。ただ、病床削減は、お金の円という単位で決まるものではありません。どの地域で、どの病院が、どのような医療を提供しているのか、丁寧に調査し、地域でよりよい医療を提供するためにはどの病床を削減する必要があるかを議論し、国民の命と健康のために行うものだと考えます。 私たち国民民主党は、バランスの取れた医療改革をこれからも訴えてまいりたいと思います。 ありがとうございました。
○大串委員長 次に、沼崎満子君。
○沼崎委員 発言の機会をいただきました、公明党の沼崎満子です。 上野厚労大臣におきましては、御就任、心よりお祝い申し上げます。 本日、大臣には初めての質問をさせていただきます。私どもは、かつては与党の立場で医療法改正に関わっておりましたが、現在は野党として、法律の運用や現場に即した影響を丁寧に検証して、改善すべき点をしっかり指摘していきたいというふうに思っております。なかなかない経験だと思って、この場に立っております。 本日の質疑が医療現場や患者さんにとって有意義な議論となるよう、私も努めてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 最初に、オンライン診療の法的整備と運用について御質問をさせていただきます。 今回、医療法の改正によってオンライン診療の法的意義が明確になり、安全で適切な診療を行うための基準が整備されたことは大変有意義だというふうに思っております。 オンライン診療は対面の診療とは異なる特性を持っておりますので、患者さんの安全と医療の質の担保のためにはガイドラインの整備というのが非常に重要だというふうに考えております。この法改正に基づき、今後どのようにガイドラインやまたこの基準を定めていくのか、お聞かせください。 また、もう一点、オンライン診療において、救急の対応であったり対面の診療が急遽必要となった場合にはどのように取扱いをするのか、ここは規定が必要と考えますが、見解をお伺いします。
○森光政府参考人 お答え申し上げます。 今般、本法案では、オンライン診療の定義を法律上に規定した上で、オンライン診療の適切な実施に関する基準を定めることとしております。この基準におきまして、オンライン診療を行う病院又は診療所の施設、設備、人員の配置、それから患者がオンライン診療を受ける場所、それから患者への説明、そしてその内容、他の病院又は診療所との連携など、患者の病状が急変した場合に適切な治療を行う体制の確保等について定めることとしております。 今後、具体的な内容につきましては、医療現場の方々の御意見を踏まえながら検討してまいりたいと考えています。 議員御指摘の、患者の安全を守る評価の基準ですとか質の確保という点につきましては、現在、指針の中では、最低限遵守する事項として、医学的な観点からオンライン診療が適切でないと判断した場合はこれを中止し、速やかに適切な対面診療につなげることを定めていることや、オンライン診療により行われる診療行為が安全で最善のものとなるよう、医師に定期的な有効性の評価を求めていること等も踏まえながら、施行に向けて、医療現場の方々の御意見をよく伺った上で検討していきたいと考えております。
○沼崎委員 今お答えいただいたような内容をしっかり明確にするということは、明確にならない状況で患者さんが医療を受けるときよりは非常に安心感というのも上がってくると思いますので、引き続き実効性のある対応をお願いしたいと思います。 次の質問に移ります。オンライン診療の運用においては、診療報酬体系の明確化というのは非常に重要だと思いますので、その点に関して御質問をさせていただきます。 既に導入が始まっている遠隔ICUや遠隔画像診断などの支援医療機関は、地域医療を支える重要な役割をもう既に担っている状況です。それにもかかわらず、現行の評価は十分でないと感じております。厚生労働委員会の視察でも、遠隔画像診断の実際というのも見させていただき、その中でもそのような御意見をいただいています。 私、つい先日、横浜市立大学附属病院の遠隔ICU、遠隔集中治療を視察させていただきました。現場でどのように遠隔ICUが活用され、働き方改革や医療安全に寄与しているか、直接、医師や看護師の方からお話を伺い、また具体的なデータというのも拝見いたしました。 お配りしている資料の方を見ていただきたいんですけれども、遠隔集中治療を導入すると夜間、休日のコール件数が六一%減少し、現場の医師からは、夜中の電話が百分の一ぐらいに減った感覚だという声も聞かれているそうです。また、夜間帯で九三%のコールが、テレICU、いわゆる遠隔側、支援する側に移行することで、現場医師への直接コールは七%にまで低下しています。これにより、宿日直の負担は劇的に改善されると考えています。 私自身、実は一人麻酔科医で、同じように三百六十五日二十四時間のオンコールというのを経験したことがございますけれども、これも大変に精神的な負担になりますので、長く続けるのはもう無理だなというふうに私自身も感じました。そういう意味では、医師が少ないところでオンコール、いわゆるコールを受ける体制を担っている医師にとっては、この体制というのは非常に有用だというふうに感じます。 この視察を通じまして、遠隔ICUは、医師の働き方改革、医師不足地域への支援、医療の質と安全の担保に大きな効果を発揮していると実感しております。また、遠隔画像診断についても、島嶼地域などの地域医療の維持に大変重要な役割を果たしている状況がございますけれども、支援側の医療機関の負担が大きいことに対して、診療報酬の評価が十分ではないというふうに感じております。支援側の医療機関は高度な専門性とマンパワーを確保する必要性があるにもかかわらず、報酬の評価が不十分であるというのは非常に重要な課題だと思います。 そこで、ちょっとお伺いいたしますけれども、こういった既に導入されている遠隔ICU、遠隔画像診断の診療報酬の体系、現在はどのような評価がされていますでしょうか。支援側あるいは被支援側の負担、報酬の分配、そういったことに関して現状どういう状況になっているかの御説明をお願いいたします。
○間政府参考人 お答えいたします。 ただいま委員に大変高く御評価いただきました遠隔ICUと遠隔画像診断の診療報酬上の取扱いですけれども、まず、集中治療室において遠隔モニタリングにより他の医療機関から支援を受けることを評価する特定集中治療室遠隔支援加算というものがあります。 また、遠隔で画像診断を行った場合の画像診断管理加算は、患者さんが受診した医療機関、遠隔のモニタリングを受ける、モニタリングによる支援を受ける側の医療機関において算定をすることとし、そしてその上で、その診療報酬を、支援する側、支援される側の医療機関でどう分配するのかということについては、相互の合議で、話合いで決めていただくというルールになっております。 これは、患者さんの診療報酬の支払い先を一本化することによってその負担を軽減する、こういった考え方から一本化しているものでございます。
○沼崎委員 支払い先は当然一本化されていないと患者さんも困ってしまうと思うわけなんですけれども、今、その負担の割合を何対何にするのかとか、そういったことが明確に決まっていないということと、二重で受けても一か所で受けても、結局、算定は加算しか取れないというような状況です。 遠隔ICU、遠隔画像診断共に、先ほども言いましたが、支援側が高度な専門性と人材確保が必要でありますけれども、現行制度はその負担に見合うものとなっておりません。今後、継続的で安定的な支援体制が維持できるように更なる評価の拡充が必要と考えますが、こちらに関しての見解をお伺いいたします。
○上野国務大臣 委員から御紹介がありました遠隔ICU、具体的な数字までお示しをいただいて、現場の負担感が大きく軽減をする、そうしたことを私も改めて認識を深めました。 委員御指摘の遠隔ICUにつきましては、ICUで患者さんの治療に当たる若手医師等に対しまして、別の場所にいる経験豊富な医師が遠隔で助言などを行うものでありまして、私どもといたしましてもその推進を現在進めているところであります。 診療報酬のお話がございました。令和六年度の診療報酬改定におきまして、一部の集中治療室において遠隔モニタリングにより他の医療機関から支援を受ける、そのことを評価をしたほか、支援を行う側、支援を受ける側の両方の医療機関に対して運営費や設備整備費に対する財政支援も行っているところであります。 今後、人口動態等が変化する中で、質の高い効率的な医療提供体制を確保するため、こうした遠隔ICUという新たな技術をこれからもしっかり活用していく、もっと活用していく、このことが大事だと思いますので、引き続き、診療報酬上の適切な評価の在り方等につきましても、中医協等において検討してまいりたいと思います。 また、遠隔画像診断につきましても、今お話のあったとおりの状況でございます。これにつきましても、改善する余地がないのか、あるいはもっと推進するためにどうすべきか、そうした点につきましても検討を深めていきたいと考えています。
○沼崎委員 前向きな御答弁をいただいたというふうに私は受け止めました。 最後、この遠隔ICUに関するかなり細かい論点にはなるんですけれども、これから、先ほど大臣からも、より進めていく、そういった御答弁というふうに受け止めましたが、実は、この遠隔ICUの導入に際しては、非常に構造的な問題がございまして、医師不足地域で導入をしていかなくちゃならないんですけれども、保険の算定要件にICUを設置するということが入っております。しかし、医師不足地域においてはそもそもICUが少ないということで、これが障壁になって導入が進まないという課題がございます。 数値を申し上げますと、加算に必要な特定集中治療室管理料五、六という病院は三百八病院ございますけれども、医師少数区域又は医療資源の少ない地域に存在するのは二十五病院ということで、ここがなかなか導入が進まない障壁になっているとお伺いをしました。 実際には、ICUの代わりに、HCUといったところでも重症の患者さんに見合った管理ができる体制も取られておりますので、この普及を更に進めるためには、導入要件にHCUも拡大を検討していただきたいと思いますが、見解をお伺いいたします。
○間政府参考人 お答えいたします。 様々な地域で、必要なこうした集中治療などが行えるような体制をつくるということは重要なことだと思っています。 その上で、ハイケアユニットに対する評価であるハイケアユニット入院医療管理料につきましては、特定集中治療室と比較しまして、患者の重症度が相対的には軽く、実施する医学管理の内容、医師の配置基準等が異なることから、ハイケアユニットにおいて必要なモニタリングを常時遠隔で行う場合の有用性等について、遠隔ICUにおける経験も踏まえながら検討する必要があるというふうに考えているところでございます。
○沼崎委員 ありがとうございます。 元々、本来は、医師が足りないところにこういった高度医療が標準化されて、現状で行われている医療よりも質が上がる、そういった面もございますので、少ないところで広めていくためには、ここの要件が障壁になっているということはお知りおきいただきたいと思います。 また、医療DXに関連して、この遠隔ICUはこれから、例えば医師が少ない地域での医療というのにも大きな貢献をしていくと思いますし、あるいは災害時の医療というのにも活用が利くと思いますので、より広がっていくことを私も期待をしているところです。 次の質問に移らせていただきます。専門医不足地域や僻地の医師不在地域におけるオンライン診療の活用についてお伺いします。オンライン診療が患者さんにとってどういったメリットがあるのかというところにもつながる質問だと思っております。 地方においては、難病や希少疾患の患者さん、近隣に専門医がいないために適切な医療を受けられないというようなお声であるとか、そもそも医師が常駐しない医師不在地域における医療というのは、これから人口減少地域によってはより問題が深刻化すると予想されます。オンラインの診療は、専門医の知見を地域に届ける、また医師不在地域の診療を補完するという意味で、大きなこの問題解決の手段になると思います。 地域医療構想をまたこれから考えていくわけなんですが、その中でオンライン診療をどのように位置づけて活用を考えているのか、見解をお伺いします。 また、これまでの質問にもございましたが、オンライン診療の導入には通信基盤やシステムの導入などで当然費用がかかってきますので、それに対する支援についても併せてお聞かせください。
○上野国務大臣 オンライン診療につきまして、今、難病の方あるいは希少疾患の患者さんからも期待の声があるというようなお話をいただきました。そうしたことも当然あろうかと思いますし、例えば移動時間あるいは担い手不足等の課題を有する地域におきまして、医療を提供するための方策の一つとして有効であるというふうに考えております。 新たな地域医療構想での対応につきましては、オンライン診療の積極的な活用も含めまして地域で御協議をいただいて、効果的、効率的な医療提供体制の確保の取組を進めていただきたいというふうに考えているところであります。本法案が成立した場合につきましては、ガイドライン等を策定をして、具体的な内容につきまして検討していきたいと考えています。 また、財政支援につきましては、その導入の経費等につきまして、医療施設設備等整備費補助金等によりまして財政的な支援も行っているところであります。
○沼崎委員 ありがとうございます。 確認ですけれども、オンライン診療も地域医療構想の中の医療機関の一つとして認識した上で地域医療構想は作成をしていくという考えでよろしいでしょうか。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 オンライン診療については、今回、法案の中でオンライン診療受診施設を定めました。こういう施設については、ここに行けばまさにオンライン診療を受けることができるよという施設になります。そういう施設についてはまさに地域の医療資源の一つとしてカウントして、どういうふうに利用していくのか、どういうふうに地域医療構想の中で役割を担っていただくのかということを検討できるようになるというふうに考えております。
○沼崎委員 ありがとうございました。認識がはっきり分かりました。 次の質問に移らせていただきます。訪問介護事業所の管理者要件緩和と事業所の支援について御質問をいたします。 十九日の委員会質問で浜地委員が述べたとおり、医療法改正の審議に関しまして、処遇改善の対象が介護職員から介護従事者へ拡大、これを修正案として提出予定というふうに聞いております。これによりまして、これまで処遇改善の対象外であったケアマネジャー等にも処遇改善を適用できる、そのような提出内容となっております。ケアマネ不足が深刻化する現場の声を反映したもので、介護を担う全ての従事者に支援を届けるようにという思いの提案というふうに私は理解をしております。 訪問介護は、利用者の生活を支え、住み慣れた地域で最後まで暮らし続けるための最後のとりでとも言えます。しかし、この最後のとりでを支える事業所が、報酬の引下げ、人材不足、物価高騰などによって、今、大変、倒産の危機にさらされておりますし、倒産件数も最大になっているというのは、これまでも繰り返し御質問の中でもあったことだと思います。 厚労大臣の御挨拶の中で、報酬改定を待たず、経営の改善や処遇改善につながる支援をし、迅速に届けていくとの御発言がありました。ただ、処遇改善ではなく、倒産増加、経営難が深刻化する中では、事業所の経営そのものを支える支援が不可欠というふうに思っております。 また、総理の所信表明で、経営難が深刻化する医療機関や介護施設への支援なども急を要するとありました。明確にこういった表現があったことは大変歓迎することなんですけれども、訪問介護の現場からは、介護施設や処遇改善という言葉が示される中で、介護施設ではなくて、介護事業所にはきちんと支援が対象に含まれているのか、そういう不安の声が実は今上がっております。 処遇改善だけではなく、経営が苦しい訪問介護事業所に対しての支援を明確に示していただきたいと思いますが、大臣の決意をお伺いいたします。
○上野国務大臣 先ほど来お話のあるとおり、訪問介護も含めまして、介護の状況、非常に厳しいものがあるというふうに認識をしております。 先般来申し上げておりますとおり、スピード感を持ってしっかりとした対応を経済対策等で進めさせていただきたいと考えておりまして、本日閣議決定をいたしました総合経済対策におきましても、介護事業所、施設が、物価上昇の影響がある中でも、必要な介護サービスを円滑に継続するための支援を行うこと、訪問介護の提供体制の確保に向けた取組を支援することについて盛り込んでおり、訪問介護事業者も含めまして、しっかりとした対応を今後とも進めていきたいと考えています。
○沼崎委員 ありがとうございます。 事業所という言葉が入ったことは、大変現場の方は安心をすると思いますので、そういった御答弁をいただいたことは私もうれしく思います。 次に、草間委員からも質問があったかと思いますが、ケアマネ不足が問題となる中で、今、訪問介護事業所では、管理者要件が主任ケアマネジャーに限定されているということが大きな課題だというふうにお伺いしております。 これはいろいろな角度からの指摘があるかと思いますが、私からは、本来、主任ケアマネジャーの目的に関しては、複雑事例の支援であったり、あるいはケアマネジャーの指導や育成、包括ケアの中の中核といった、ケアマネジメントの質の向上を担う、専門性を上げるということがそもそもの主任ケアマネジャーの目的でありまして、事業の運営管理を目的とした資格ではないというふうに思っております。 一方、訪問介護事業所の管理者は、そもそもは職員のマネジメントであったり、事業運営や経営、安全管理といった運営の責任が求められております。 制度の趣旨と実務が一致していないということが問題だと思っておりまして、今、主任ケアマネ不足による開設困難や小規模事業所での配置負担の大きさ、主任ケアマネが少ない地域で制度が機能しないなどの問題が生じておりますので、地域の暮らしを支える訪問介護、最後のとりでを守るために、現実に即した制度を求めたいと思います。 主任ケアマネを管理者要件とする現行制度について、制度の趣旨と現場実態の不一致があるということをどのように認識しておりますか。また、見直しを進めていく、そういったお考えはありますでしょうか。
○黒田政府参考人 お答え申し上げます。 主任ケアマネジャーの居宅介護支援事業所の管理者の要件に関する御質問でございます。 居宅介護支援事業所の管理者につきましては、平成三十年度の介護報酬改定におきまして、人材育成の取組の推進によって質の高いケアマネジメントの推進を図る、これを目的として、管理者の要件として、原則として主任ケアマネジャーとするという要件が設けられたところでございます。その際、一定の要件を満たす場合には主任ケアマネジャーでない者が管理者になることができる経過措置が設けられておりまして、現在、令和九年三月三十一日まで猶予されているところでございます。 本件につきまして、先日、草間委員からも御質問をいただいたところでございますが、この点について、今の目から見てどうなのかという話がございまして、昨年開催をされましたケアマネジメントに関する検討会でこの点についても議論がなされております。その中では、主任ケアマネジャーが管理者として事務的な管理業務に時間を費やすことになって、現場のケアマネジャーの指導が十分できない状況にあるんじゃないかというお声、それから、管理業務は必ずしも専門職としてのスキルではなく、別の形で整理が必要ではないか、そういった御意見がこの検討会の中でもございました。 また、社会保障審議会介護保険部会では、主任ケアマネジャーについて、ケアマネジャーに対する助言指導、地域のネットワークの構築の中心的な役割を担う者として法令上位置づけることについて、現在議論が行われているところでございます。 こうした関係審議会等の議論が今途上でございますので、関係者の御意見をしっかりお伺いをした上で、御指摘のケアマネ事業所の管理者要件の見直しにつきましても併せて検討してまいります。
○沼崎委員 ありがとうございます。 そもそも、この経過措置が十年近く続いていても現場は何も困っていないというような状況もございますので、是非前向きに御検討をいただきたいと思います。 次の質問をさせていただきます。電子カルテ共有サービスのデータ連結による活用について御質問させていただきます。 今回の改正によりまして、医療情報の二次利用を推進するために、厚生労働大臣が保有する医療、介護データベースの仮名化情報の利用、提供が可能となりました。これは、私自身は、長年、データが分断して解消ができなかったことを解決する、すごく大きな一歩だというふうに考えています。 私自身がすごく今まで課題だというふうに感じていたのがワクチンの接種に関する記録なんですけれども、自費の接種分は公的記録に残らないため、例えば、定期接種前に接種した記録というのはデータの把握ができません。そうしますと、例えば、定期接種化をされていないワクチンの定期接種化前のデータというのは、解析に全く活用ができないという現状があります。 また、健康診断の情報に関しましても、市町村やあるいは職場で受けた職域の健診、健保で受けた健診、こういったデータがそれぞれのところに分散していることで、国として全体的な医療情報を把握することができない、今そういった現状がございます。 これらの課題が、仮名化情報を提供されることによって、データを統合し、必要な分析に活用が進むのではないかと期待しております。 また、今、内閣府の方で、次世代医療基盤法においてもデータの活用というのが進んでいるところだと思いますけれども、こちらでは、予防接種のデータの活用であったり、あるいは健診情報のデータの活用といったことにも言及がなされていたというふうに認識しています。 こういった状況を踏まえまして、データを統合することによって、一括でデータ統合して活用することを検討されているのか、また、共有情報である三文書六情報に関しては次世代医療基盤法と連結して活用を考えているのか、その点についての御説明をお願いいたします。
○森政府参考人 いろいろな情報の二次利用に関するお尋ねでございます。 今現状は、本当に委員御指摘のとおり、いろいろなデータベースがばらばらに存在している状況でございますが、これらを連結して解析できるようにしていこうというのが今回の法案に盛り込んだ内容になってございます。 現在、厚生労働大臣が保有する医療や介護のデータベースについては、研究機関等に対してデータ利活用に供しているところ、それを更に促進するため、今後、情報連携基盤を構築して、複数のデータベースの利用を希望する研究者や企業等から利用申請の一元的な受付をしていく。それから、各データの提供可否の審査の共同化、データを安全かつ効率的に利用、解析できるクラウド上のビジティング解析環境の提供といったものをやっていきたいと考えております。 また、電子カルテ情報共有サービスで保有する健診情報等を格納していくデータベースに加えて、今後構築予定の予防接種のデータベース、それから今回の法案に盛り込んでいる自治体検診のデータベース、さらには次世代医療基盤法に基づくデータベースについても、情報連携基盤との接続を検討していくこととしているところでございます。
○沼崎委員 一つのところにデータが仮名化されて利活用できれば、公衆衛生上のデータ利用というのは非常に大きく前に進むと思いますし、これは研究者の方も当然、非常に欲しがっている情報だと思いますので、是非、一元管理ができるように、前に推進をしていただきたいというふうに思います。 ちょっと一問、最後の御質問をさせていただきます。医療費助成におけるオンライン資格の確認についてお尋ねします。 今、オンライン資格確認は、迅速かつ正確な医療提供のために重要であり、インフラ整備が不可欠です。既に自治体によっては導入が進んでいる自治体もあるというふうに聞いておりますけれども、現状でどの程度の自治体で導入されているのか、また、医療機関の負担軽減のためにどのような支援策を講じるのか、御説明をいただきたいと思います。 また、制度の周知については、患者、医療機関、双方に対して提供を行っていく必要があるかと思いますが、この点に関しても御説明をお願いいたします。
○森政府参考人 自治体等で行われている医療費助成のオンライン資格確認の導入につきましては、自治体や医療機関等のシステム改修が必要であり、国としても支援を行っていくということが必要だと考えております。 このため、これまでも自治体や医療機関等向けに財政支援を実施しながら導入を進めているところでございまして、令和六年度までに百八十三の自治体が参加し、七年度中に累計で六百を超える自治体が参加する見込みとなっているところでございます。医療機関、薬局については、令和七年十月末現在で約三万四千の施設で導入されているという形でございます。今後についても、必要な支援を行うことを検討しており、実施してまいりたいと考えております。 また、周知広報についてでございますが、周知用リーフレットやポスターを提供するなどの取組によりまして、住民の方々への周知を進めているところでございまして、今後も、マイナ保険証の周知広報と密接に連携しながら、マイナ保険証一枚で医療費助成を受けられるようにというメリットを分かりやすく周知してまいりたいというふうに考えております。
○沼崎委員 非常に患者さんにとっても手間が軽減して有用な仕組みだと思いますので、前に進むことを期待しております。 少し時間が余りましたけれども、準備した質問が終わりましたので、これで終了いたします。 大変にありがとうございました。
○大串委員長 次に、八幡愛君。
○八幡委員 れいわ新選組の八幡愛です。 質問の前に一言申し上げます。 私は、国民の代弁者の一人でありますので、当然、この国会の中でどういう議論がされているのか、しっかりと皆さんに明示していく使命があると思っております。ですので、今、私のユーチューブチャンネルでも生中継がされているわけなんです。 見てくれている皆様に御報告がございます。本日の午後の審議、休憩後、十三時からの開始が三分遅れました。理由は、自民党議員の数が少な過ぎたからです。まあ、人間ですから、お手洗いに行ったり、どうしても用事があったりで、遅れてしまうことがあるかもしれないんですが、それにしても集まらなさ過ぎたし、今もちょっといないですよね、どこに行ったのか知らないんですけれども。はなから参加する気がなかったのかと思われてしまっても仕方がないんです。 しかも、今日は閣法の審議なんですよ。やる気がなさ過ぎじゃないですか。審議中ではありますけれども、私たちれいわ新選組は今回の医療法改正に反対の立場ですので、もうやる気ないんやったらやらぬでええやんと思ってしまうんです。 それと、修正案、これもなかなか審議入りしない。私、これも問題だと思うんです。私は、各会派から出てくる修正案もここでしっかりと議論をしていきたい。今日も本当は聞きたいことがたくさんあったんですが、審議入りしないし、させる気がないのか、緊張感がないのか、とても残念です。 私たちは少数政党ですし、委員会では私一人です。議員定数削減なんかやられたら、もう私は吹いて飛んでしまうような存在かもしれないけれども、でも、国民の代表の一人だと思って仕事をしています。ですので、先輩方もしっかり委員会での審議に向き合ってください。新人議員の私に言われることをとても恥ずかしいことだと受け止めていただきたいと思います。 ということで、本日より医療法改正についての審議ということですが、これも突っ込みどころが満載なので、しっかり質問してまいります。 まずは、地域医療構想の病床削減についてです。 政府の説明によりますと、これまでのように病床の数を基準に考えるのではなく、入院、外来、在宅医療、そして介護との連携を含む、将来の医療提供体制の全体を考えたときの構想だということです。 とはいえ、ベッドを減らせば全部解決するとは私は思わないんですけれども。というのも、私は、大阪で維新さんが、国の方針を先取りするかのように、二〇〇七年から二〇一八年にかけて病床削減を行ったことで、新型コロナが流行したときに病床数が足りず医療崩壊をしたという現場を目の当たりにしてきましたので、これはとても賛同できるものではないです。 今年六月に自民、公明、維新さんで交わされましたいわゆる三党合意の中身、現役世代の保険料負担軽減を実現するために、国民医療費を年間最低四兆円削減するという方針から、まずこの四兆円削減のうちの一兆円分を病床十一万床削減で実現するという方針で、これは一定の合理性のある試算なんだとされているんですが、ここで改めて厚労省に伺います。この一兆円削減という試算についての見解が知りたいです。 ちなみに、現在実施中の病床削減事業では、一床当たり四百十万円を支給されていると思いますけれども、補助金を出してでも病床削減することで、結果、医療費が削減されるというこの考え方、結局どこが削られていくのでしょうか。教えてください。お願いします。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 まず、一兆円の試算でございますけれども、これは、三党合意の中で日本維新の会から参考資料として出されたものだというふうに認識しておりまして、それにつきまして、政府として何らかコメントを出すということにはならないというふうに思っております。 私どもとしては、令和六年の補正でスタートした病床削減事業がございます。それは、委員御指摘のように、四百十万円の費用をお出しをして病床を削減するというものでございます。 これの基本的な、そもそもの導入したきっかけというのは、令和六年度も、そのときも医療機関の経営危機というものがございました。そのときの経営危機の一つの要因としては、まさに受療行動の変化等々がございまして、病床の利用率等が下がっているという状況がございました。そういう中で、病床のいわゆる転換だとかそういうものを考える医療機関があるという中で、それを支援するための事業としてまずスタートしたのが、令和六年の補正事業で始まっております病床削減事業になります。 という御説明をさせていただきたいというふうに思っております。
○八幡委員 私のイメージというか、私がやはり思うのは、病床を削減していくんだということは、入院とか、もう、要は病院に余り長く人を入れたくない、保険料もかかるしというような、そういう緊縮の発想なのかなと思うんですが。 ちょっと話を戻しますけれども、その一兆円削減、これは維新さんが、勝手にと言ったらあれだけれども、計算したやつだから、政府としては答えられませんということ、まとめて言うとそうやと思うんですけれども。これは、前回の大臣所信で私が質問したとき、OTC類似薬の保険適用外し、これも聞いたんですよ、一体幾らの医療費削減になるんですかと聞いたら、試算していないと。同じ答えですよね。試算していないのにもかかわらず、この病床削減についても試算していない、分からない、維新さんがそう言っているけれども、政府としては言えない、でもとにかく削りますと。それが先行しているということは、私はこれは国民に対してすごく不誠実だと思います。 この一兆円削減の根拠になっている十一万床の内訳、これは三党合意の中の話ですよ、この十一万床の内訳を見ますと、一般病床が約五万六千床、そして精神病床、精神科のベッドですね、精神病床が約五万三千床の合計となっているんです。 先ほど私、病床数削減について抵抗があると申しましたけれども、この精神病床については、れいわ新選組としてもある一定の理解をしております。日本は以前から、精神病床が多過ぎると指摘されてきました。OECD加盟国の精神病床数約八十万床のうち、日本が約四一%を占めるという指摘もあります。その理由は様々であるとは思うんですが、例えば、症状は安定していても、退院後の住居や家族の受入先がない、あるいは地域での生活支援サービスについての情報がない場合など、生活環境側の問題で退院ができないといった社会的入院という現状もあります。 この社会的入院は、自己決定権を侵害するなど、人権問題として考えられるようになっているため、欧米諸国では入院ではなく地域でケアする形への移行が進んでいるんですが、こうした地域移行を進めた後、その空いた病床にまた別の人が入るというのは元も子もないですから、病床を削減することで状況を逆戻りさせないという意味では、精神病床の削減、これは必要な施策だと私は考えます。 つまり、何が言いたいかというと、病床削減と地域の受入れ体制の整備はセットで考えないといけないということです。だからこそ、精神病床においては、三党合意で言われているような医療費削減でくくってしまうのはめちゃくちゃ雑であり、むしろ別の予算措置が必要になってきます。 大阪府保険医協会が今年六月に発表した談話でも、精神病床を削減した場合、認知症や精神疾患の長期入院患者を地域で受け入れる必要があるのに、地域の受皿が未整備で、患者を地域に放り出すことになりかねず無責任だ、こういった批判も出てきております。 そして、加えて疑問なのは、そもそも、なぜ今削減を急ぐのかという点です。 新たな地域医療構想というのは、二年後の二〇二七年からのことを今議論しているんですよね。本来、病床数については、新たな地域構想によって、二〇二七年から順次、適正化に向けて取り組んでいくことになっていたのではなかったのでしょうか。それにもかかわらず、なぜ三党合意では、二年後の新たな地域医療構想に向けて、今削減だけを先に進めることになったのか。地域の受皿についての議論もないまま、なぜ十一万の病床削減を前倒しで進めようとするのか。 削減によって地域医療が崩壊するかもしれないという不安が出ていることも踏まえて、上野大臣の見解をお伺いいたします。お願いします。
○上野国務大臣 病床数の適正化につきましては、これまで、自民党、日本維新の会、また公明党、この三党合意、あるいは骨太の方針等において、新たな地域医療構想までに、人口減少等により不要となると推定される病床について、地域の実情を踏まえた調査を行った上で削減を図る、そのような趣旨だと承知をしております。 現在、与党におきまして具体的な方策につきまして協議が進められておりますので、我々としては、その協議の状況を十分踏まえた上で今後の対応を検討してまいりたいと考えています。
○八幡委員 大臣には、是非私の思いも一応その参考にしていただきたいんですけれども、必要なのは、緊急時でも対応できるように余力を残した医療体制だと思うんですね。だって、この国は、災害だっていつ来るか分からないじゃないですか。新型コロナウイルス感染症による医療崩壊で経験してきたこと、これを今こそ生かすべきだと私は思います。 さっき私、自分から十一万床とか幾らなんだと数字の話をしましたけれども、そんな机上の計算だけでうまくいかないと思います。何があっても心配するなと国民の不安を取り除くのが厚生労働省の役割だと思っております。 もう一点、病床削減を行えば、同時に医療従事者の数も減っていくのではないかと考えられ、実際、これは私のところに陳情にいらっしゃった当事者の方々から不安の声がたくさん届いております。 厚労省はどう考えているのか。病床削減、医療費削減、このような緊縮な現場において、一番しわ寄せが来るのが現場で働いている人だと思います。医療従事者が離職などすることは想定しているのかどうか、聞かせてください。お願いします。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 病床の削減につきましては、委員が御心配されております感染症等に対応するということにつきましては、感染症等に対応する病床等の地域の医療提供体制への影響に留意をしつつ、精査を行う必要があるとされておりまして、その実施に当たっては慎重に検討を進めていくものと認識をしております。 そのため、現時点において、病床の削減に伴う医療費への影響ですとか、それから、先ほども言いました従事者への影響ということにつきまして、お示しすることは困難であるというふうに考えておるところでございます。
○八幡委員 いや、でも、現場からは、もう絶対私たちにしわ寄せが来ると。 例えば、人手もどんどんどんどん少なくなっていっているわけですよ。その中で、むしろ、お金を出しますとか、補助していきますじゃなくて、お金が欲しいんだったら病床を、ベッドを減らしてくださいというような、何かニンジンをぶら下げているみたいな状態じゃないですか。このような業界の扱いを受けて、自分たちが果たしてこのまま大事にされぬのじゃないかなと、いろいろな不安があるわけです。 だから、これは答えられないと言われたらそれまでですけれども、きっと、先ほどの答弁を聞いて、今一生懸命、今もなおですよ、医療従事者の方はそれを聞いたら結構がっかりすると思いますよ。しわ寄せが行かないようにしないといけない。まず、その前向きな議論を是非厚労省の中でもやっていただきたいと思っております。 そして、医師偏在是正についてもお伺いをいたします。 医療法改正案の大きな柱でもございますけれども、都市部と地方部などで医師の偏りを直していこう、見直していこうという施策で、医師が足りていない地域には経済的なインセンティブ、別報酬を提供していくことなどが想定されていますけれども、れいわ新選組は、そもそも医師の数が全国的に不足していて、少なくとも都道府県単位での偏りが問題の本質ではないと考えています。国際的に見ても少ない医師や医療従事者の数を増やして、長時間労働や医療事故を防ぐこと、また、現場の負担を減らして、全ての人に行き渡る医療を政府による公金の投入によって目指すしかないと思っています。 人が集まらないのはなぜか。処遇改善、賃金アップから始めないことには、医師偏在の是正の仕組みそのものが機能しません。当然、お金を別で払うからちょっと遠いところへ行ってきてと言ったら行く人はいるかもしれないけれども、そもそも、その行く人自体も減ってきていますよという話なんですが。 大臣にお伺いいたします。 医療従事者の抜本的な待遇改善、報酬の引上げを実施すること、これは考えられないでしょうか。お願いします。
○上野国務大臣 医療人材の確保は極めて重要な課題でありまして、その中で、処遇改善は着実に進めていくことが大切だと考えています。 先ほど閣議決定をいたしました総合経済対策におきましても、医療・介護等支援パッケージといたしまして、緊急に、医療分野におきましては、経済状況の変化等に対応するため、救急医療を担うといった医療機能の特性も踏まえつつ、診療に必要な経費に係る物価上昇への的確な対応や、物価を上回る賃上げの実現に向けた支援を行うこととしております。 今後、具体的に補正予算を編成という形になりますので、そうした中でしっかりと対応してまいりたいと考えています。
○八幡委員 ありがとうございます。 おっしゃるとおり、ここは法改正以前の話の問題ですから、しっかりと積極財政を求めます。よろしくお願いします。 ここまで取り上げてきました地域医療計画は、地域医療介護総合確保基金を活用することになっております。この基金、基本的な財源は消費税になっています。 我々れいわ新選組が懸念するのは、例えば医師偏在是正の事業規模が大きくなっていったときに、ああ、予算を増やさないといけないから、医療を守るためには消費税を引き上げないといけないのだと、また増税の言い訳にされないかということです。 元々、地域医療介護総合確保基金というのは、二〇一四年の設立時に、消費税の増収分、五%から八%に上がったときの増収分を活用して設立されたという経緯がございます。 ただ、当時の国会の議論を見ますと、消費税増税による増収が五兆円なのに対して、社会保障費に充てられたのは五千億円弱、そのうち、地域医療介護総合確保基金に充てられたのは五百四十四億しかないんですけれども、今の政府であれば、積極財政と表では言いながら、社会保障を言い訳に増税しかねないんじゃないかなと。 消費税や、今日もいろいろな方が質問されていましたけれども、保険料ですね、そういったものを当てにするのではなくて、これらは政府支出で賄うべきだと考えます。 大臣にお伺いします。 消費税の扱いについては所管外なので答えにくいとは思うんですけれども、地域医療介護総合確保基金、これの今後の在り方についてどのようなお考えなのか、教えてください。お願いします。
○上野国務大臣 地域医療介護総合確保基金につきましては、地域医療構想の達成に向けた病床の機能分化、連携、医師、看護師等の医療従事者の確保等を目的といたしまして、今御紹介がありました消費税財源、これを活用いたしまして、都道府県の事業計画に基づく取組に対して財政を支援するものであります。 今後のことにつきましては、都道府県が将来を見据えた医療提供体制を構築していくのに当たっても大変重要なものだと認識をしております。今後は、予算編成の中で具体的な中身等々につきましては議論が進められていくというふうに考えております。 なお、委員からもお話のありましたとおり、消費税の関係につきましては、所管外でございますので、コメントは差し控えさせていただきます。
○八幡委員 国民負担ありきでの改革にならないように、大臣、しっかりとよろしくお願いいたします。 続いて行きます。 今日まだ審議入りされていませんけれども、自民、公明、維新の修正案の中には、電子カルテ化をより強く推し進めるというものが入ることになっております。詳しい中身については来週またお伺いしたいと思うんですが、日本医師会が二〇二五年春に実施した調査では、電子カルテの導入について、不可能の回答が五四・二%。理由は、費用が高額、操作に時間がかかる、導入しても数年しか使用する見込みがないというのがトップスリーを占めておりました。 また、従業員数が少ない診療所ほど不可能の回答が多く、元々医療施設の少ない地方の小規模診療所などの経営を圧迫していくというのは、これは明らかだと思います。導入だけではなく、その後の運用、更新にも多大な費用がかかるという指摘もございます。 政府として、このような状況をどう捉えているのでしょうか。電子カルテ導入を進めていくに当たって、しっかりと補助をすることを考えられないのでしょうか。よろしくお願いします。
○森政府参考人 電子カルテの導入についてでございますが、先ほどおっしゃられたアンケートにあるように、電子カルテ導入はなかなか大変なのではないかというふうに答えられている医師がいるというのは確かでございます。こうしたところに対して、非常に入れやすいタイプの導入版の電子カルテみたいなものを作っていくというのを今作業として進めているところでございます。 あわせて、先ほどから答弁させていただいておりますけれども、オンプレ型ではなくて、クラウドネイティブ型の廉価版の電子カルテというのをきちっと普及していくことによって、導入しやすいような体制をつくっていきたいというふうに思っております。その際には、普及計画を作るに当たって必要な支援についても併せて検討させていただきたいというふうに考えているところでございます。
○八幡委員 進めるならお金、予算をつけなあかんでという、私はそれを伝えたいんですけれども、一つ、時代の流れについていけない人たちを淘汰してしまうこういう政策、本来政府が目指すべき医療DXの在り方ではないと思うんです。 というか、国会にいる私たちですら、なかなかペーパーレスにできていないじゃないですか。ファクスだってまだ使っているんですよ。DXとはかけ離れているんですから、国民の気持ちに寄り添うことはできると思うんです。是非皆さん、これは考えていただきたいと思います。 大臣にも聞きたいことはあったんですが、次回に回させていただきます。 続いて行きます。 今回の医療法改正にオンライン診療を定義することになっているんですけれども、オンライン診療と一口に言っても幅広くて、どうもぴんとこない国民も多いと思うんですよ。 そこで、政府がここに定義するオンライン診療のよいところを教えてください。お願いします。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 オンライン診療につきましては、基本的には、今、医師の偏在ですとか日本の医療の提供体制につきましては、地域の格差がございます。そういった場合に、僻地であっても、それから医療機関の少ない地域であっても、自分の選んだ医師からオンライン診療を受けることができるといったような御本人へのメリット、それから医療提供体制を支えるという意味でのメリットというのがあるかと思っております。
○八幡委員 ありがとうございます。 当然、そこを私は否定するわけではないんです。 あと、私が通告のレクチャーのときに、もっといいことを教えてよと言ったら、また出てきた話の中の一つで、いや、先生、公民館でできるんですよという話があったんですよ。それを何か言ってくださるのかなと思ったら言わなかったので、私が代わりに言いますね。 公民館に集まってもらって、おじいちゃんとかおばあちゃんとかを、お医者さんがいらっしゃらないところで診察ができるんですと。それはいいじゃないかと私は思うんですが、しかし、間に運営業者が入るということも聞いているんです。 間に運営業者さんが入るということは、業者任せになって、医療の質が落ちたり、そもそも、みんながオンライン診療を使ったら、小さい診療所などの病院経営はただでさえしんどいのに、圧迫して潰れていってしまうんじゃないかな、ますます地方医療の過疎化が進んでしまうのではないかと私は懸念しております。 そして、私がもしその運営業者の経営者であれば、まず、コンビニでオンライン診療ができるように動きますよね。今想定されている法律案であれば、ある程度のパーティションを作って、パソコンを置いて、スタッフを置けば、これは可能なんです。というか、既に導入されている事例もあるようなんですけれども、この法改正によってより強い位置づけになっていくということだと思うんです。 そして、その後、診察をした後は、コンビニで保険適用から外れたOTC類似薬を買って帰るんですよ。めちゃくちゃ効率がいいし、そのコンビニは絶対はやるし、利益だって出ますよね。利用者も、病院へ行くのは嫌やけれども、コンビニに行くついでなら便利になっていいかもしれませんが、でも、私、とても大切なものを失う気がするんです。 医療関係者の人にこの件で話を聞いてみたんですけれども、政府は技術やデジタル化で効率化するというんですけれども、診ている患者さんは人間なので、それはやはり一筋縄ではいかないという声が届いております。しっかりと患者さんを診るためには、やはり実態に合った人員の配置が必要だとおっしゃっておりました。 私個人は、率先して病院に行くタイプではないですし、もしかしたらオンライン診療の方が気が楽だと思うかもしれないんですけれども、それは健康に自信があるからこその感覚で、例えば、自分の親には、オンライン診療ではなくて、生身の先生にしっかり診てもらいたいと思いますし、ちゃんと顔色を診てもらって、お変わりないですかとか聞いてほしいし。でも、今のまま、このまま進めていったら、そのときには近くにオンライン診療しかないという状態になるかもしれないです。病気の早期発見ができないかもしれない。 大臣に聞きたいんですけれども、私のこういった懸念事項が払拭できるようにしっかりと対応していただきたいので、大臣の考えを聞かせてください。お願いします。
○上野国務大臣 本法案におきましては、オンライン診療を法的に位置づけをするとともに、今お話のありました、新たに創設するオンライン診療受診施設、公民館とか郵便局とか、そういうことでありますが、そういったところにつきましては、都道府県等への届出を求めております。 厚生労働大臣が基準を定めます。その基準に沿って、オンライン診療を実施する医療機関の管理者、これは、この基準に適合しているかどうか、その受診施設ですね、適合しているかどうかということも責任を持って見ていただくことが必要になります。 その基準ですが、これから具体的に検討を深めていきますが、例えば、プライバシー、これがしっかり守られるかとか、あるいは衛生状況、これがしっかり確保されているか、そういったことが基準になろうかというふうに考えております。これは更に深めていきたいと考えています。 こうした基準に従わない形でオンライン診療が実施されるような場合には是正命令等も可能になりますので、こうした仕組みによりまして、しっかりとした適切な実施体制を確保していきたいと考えます。 また、オンライン診療が実施されることによりまして、例えば、過疎地域などで医療機関がなくなってしまうのではないか、そういった御懸念もあったかというふうに思います。やはり、原則といたしまして、オンライン診療につきましては、対面診療との組合せで行われるものでありますから、オンライン診療の推進のみが要因となって医療機関が地域からなくなってしまうということはなかなか想定はしにくいというふうに思います。 ただ、いずれにいたしましても、そうした過疎地域等の課題がありますので、そうした地域での医療提供体制の充実というのは我々もこれからしっかり取り組んでいきたいというふうに思っておりますし、様々な選択ができるということも大事でありますので、そういった観点からも取り組んでまいりたいと考えています。
○八幡委員 少しだけ懸念が払拭できました。ありがとうございます。そのように進めていただきたいと思っております。 何度も申し上げていますけれども、私たち政治家は、特に厚生労働分野においては、やはり数字とかだけを追う、何%とか何人とかだけじゃなくて、そこに命は当然ありますし、それぞれの事情や、働く側にも様々な思いがある、人生もある。効率化ばかりを追い求めることのないように、私自身も自戒を込めて、これからも引き続き質問してまいります。 ありがとうございました。
○大串委員長 次に、田村貴昭君。
○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。 医療法改正案について質問します。 最初に、パンデミック対策です。 今後の医療提供体制を考える際に、鳥インフルエンザなどの全く未確認の新興感染症、あるいは再び流行する再興感染症への備えは大変重要です。特に、コロナ禍に匹敵するパンデミック、健康危機に医療体制が対応できるかが課題になってまいります。 コロナ禍の教訓は、病床など、何かあったときに、緊急時対応可能能力、サージキャパシティーを高めておくことでありました。現在の行動計画では、有事において医療が逼迫した場合に、国や都道府県が人材派遣や患者搬送を調整しサージキャパシティーの確保を行うとしています。入院医療は大学病院そして公的病院、国公立病院、外来診療は市中の民間診療所が中心に対応することが想定されています。 しかし、大臣にお伺いしますけれども、今、これらの病院の経営危機は史上最悪の状況となっています。賃金を引き上げられないために、看護職員等の退職も深刻です。コロナ禍よりも状況は悪くなっています。そして、その他の病院も状況は変わりません。病院の倒産、そして病棟閉鎖等を余儀なくされる状況において、医療提供体制確保の行動計画というのは機能するんでしょうか。いかがでしょうか。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 令和六年の七月に新型インフルエンザ等対策政府行動計画が改定されまして、新たな感染症の発生に備えた平時における取組や、実際に発生した場合にどういった初動対応を行うのかといった政府の取組を整理したところでございます。計画の策定を通じまして、将来の感染症有事に向けてしっかりと備えを進めてきたところでございます。 さらに、都道府県においては、新たな感染症の発生時に備えまして、感染症法に基づく医療措置協定や検査等措置協定の締結が進められているところでございます。 特に、流行初期に感染症の特性等が分からない中で対応していただく医療機関に対しては、経営上の不安なく対応していただけるように、流行初期医療確保措置による財政支援も創設したというところでございます。 こうした取組を通じまして、関係省庁及び都道府県と連携しまして、引き続き、感染症危機対応に備えた体制整備を行っていきたいというふうに考えておるところでございます。
○田村(貴)委員 私は安心できないんですよ。 配付資料を御覧いただきたいと思います。これは、二〇一七年に前回の医療法改正を担った武田俊彦元医政局長が、コロナ禍の中で病院の在り方について対談で述べた発言であります。ちょっと読みますね。裏面の方に出ているんですけれども。 日本の病院には、三つの余裕のなさがあります。構造面での余裕のなさ、医療従事者数の余裕のなさ、そして多くを担っている民間病院の経営面での余裕のなさです。いざパンデミックが起きてみると、定常状態だけの医療体制では対応が難しかった。何か起きたときのための伸縮性というか、柔軟性、包容力というか、この点はこれまで議論してこなかったと反省点がありますと述べています。 余裕がないと。じゃ、今余裕があるのか。もっと余裕がなくなっている。経営状況は史上最悪、病院の建て替えもままならず、賃金低下のために人材確保に苦労する状況はむしろ悪化し、例えば、ある都内の病院に話を聞きますと、既に十一月くらいから満床に近い状況で、度々入院を断らざるを得ないという話も聞いてきました。急性期病院の経営が深刻で、急性期病院がなくなる事態も発生しています。 政府は、物価高騰、賃金引上げ対策は行いますといいつつ、給付抑制の努力は続けるとしています。そして財務省は、国民への負担増でなく、医療機関へのコストカットの取組も求めています。 大臣、こんなことでは、次のパンデミックが発生したときに、この間のコロナ禍と同じようなことが起こるんじゃないですか。いかがでしょうか。
○上野国務大臣 次なる感染症危機に備えることはとても重要だと考えています。 令和四年に感染症法を改正をいたしまして、あらかじめ都道府県と医療機関との間で協定を締結する仕組み、これを創設をいたしました。この中で、都道府県内での人材派遣の協力体制、これも確保しております。 また、都道府県をまたいで応援する仕組みを設け、広域にわたって医療人材の調整を行うことをしております。 医療機関に対する財政支援でございますが、今後、新興の感染症が発生した場合には、流行の初期から病床確保あるいは発熱外来を行う医療機関は、経営上のリスクのある感染症医療を提供することになるため、感染症流行前と同水準の収益を補償する措置、これを創設をして、新興感染症が発生した場合でも安定的に医療が提供できる体制を確保しているところでありますが、今後とも、こうした取組を通じて、新興の感染症に備えた医療提供体制を構築してまいりたいと考えています。
○田村(貴)委員 いざパンデミックが起こったときの緊急財政支援とか対策は当然のことなんですけれども、元医政局長が語っているように、構造面、財政面、そして人材面、この点が常時やはりゆとりがないと、いざというときに備えられない、この指摘は私は正しいと思うんですよ。 今やはり、病院がこういう状況にあるときに、いざというときのための余裕というものをつくる必要があるんじゃないかと思うんですけれども、武田元医政局長のこの指摘については、大臣、いかが受け止められましたか。
○上野国務大臣 あらかじめ様々な形で備えていく、そのための医療体制を充実させるというのはとりわけ重要だと考えています。 先ほど来御指摘があるとおり、病院経営は非常に厳しい状況である、その認識でございますので、先ほど閣議決定をいたしました総合経済対策におきまして、医療・介護等支援パッケージ、これを緊急措置をして、医療分野におきましては、医療機能の特性も踏まえた物価上昇への的確な対応、また、物価を上回る賃上げの実現に向けた支援などを行うこととしておりますので、現在、その裏づけとなる補正予算の編成を最終的に調整をしているところであります。
○田村(貴)委員 地域医療構想について質問します。 法案では、病床のみならず、入院、外来、在宅医療、介護と連携した医療提供体制の確保を進めるために、地域医療構想を見直すとしています。しかし、公立病院の経営危機と相まって、病床削減と介護体制の破壊が進むのではないかと懸念しています。 一例を挙げます。大臣、新潟県の県立病院の話なんです。ちょっと聞いていただきたいと思います。新潟県十日町市松代の県立松代病院の話です。 新潟県が去年三月に策定した県立病院経営強化プランでは、地域ケアシステムを支える医療機関、地域密着型と位置づけられました。かかりつけ患者への対応並びに軽中等症救急患者の受入れ機能を継続するとともに、急性期を経過した回復期患者を受け入れます、また、在宅復帰に向けた退院支援を強化するとともに、在宅医療を継続、強化し、受診困難者への積極的な支援を行いますと、入院病床維持の役割、方向性が示されたんですね、去年。 ところが、今年の五月に突如、病床廃止の方針が発表されたんです。それは地域の住民にとってみたら大変なことですよね。その主たる理由は病院の赤字です。そして、突如の病棟廃止に対して、地域住民の実に七割が反対署名に対応するとして、病床存続を願う声が上がっています。 松代病院では、患者さんが、医療スタッフそして介護スタッフとともに、非常に、地域の、広域的にも、毎月一回、連絡会議で話合いを持っています。病院の患者サポーターセンターのスタッフは、松之山、松代地域の保健師、ケアマネジャーさんとも連絡を取り合っているといいます。そういう緊密な連携と丁寧な取組を通じて、高齢者の病院への受入れ、治療、回復の後、地域にその患者さんをお返ししています。だからこそ、入院病床というのは必要なんですよね。 ある事例なんですけれども、女性の高齢者が腰痛悪化で、ある病院に行って、お薬をもらって、家に帰るのも本当に大変だった、何時間もかかったと。家の人、夫さんではもうどうにもならないということで、その話を聞いた地域のケアマネジャーさんが松代病院に相談して、入院することになったということで、久しぶりに横になることができて、リハビリをして自宅に帰ることができたという連携がありました。 また、こんな話もあります。熱が下がらない、それから、一日食事を取らない、特別養護老人ホームに入所している高齢者の方で、そういう症状の方がおられます。また、夜間なんかは、スタッフに限りがあって、一人で高齢者を二十人も見なければいけない施設がある。一つ対応を誤ってしまったら急変します。だから、病院と連携して入院措置をすることが必要だ。こういう意味での病院と介護の連携が必要なんですよね。 大臣、今、松代病院の話をしました。新たな地域医療構想に関する取組では、全ての地域、全ての世代の患者が、適切に医療、介護を受けながら生活し、必要に応じて入院し、日常生活に戻ることができ、同時に、医療従事者も持続可能な働き方を確保できる医療提供体制を構築する必要があると高い目標を打っています。これは、私、賛成します。だけれども、これはまさに県立松代病院が地域で果たしている役割そのものではないでしょうか。見解を聞かせてください。 そして、この松代病院のように病床が廃止されると、今この法案で目標とされる意義、目的というのは実践されなくなってしまいますよね。どうしますか。お答えいただきたいと思います。
○上野国務大臣 大変恐縮ではございますが、個別の医療機関の再編統合等についての評価は差し控えさせていただきたいと考えています。 今委員から御紹介がありました、高い目標というお話がありましたけれども、そうした目標に向かって、やはりこの新しい地域医療構想を進めていくことが大切だと考えています。 そのためには、病床機能の分化、連携、あるいは医療機関の役割分担の明確化等を図り、医療機関機能に着目をした連携、再編、集約化等の取組を進めることも大切だと考えておりますので、国といたしましても、こうした地域での取組はしっかりと応援をしていきたいと考えています。
○田村(貴)委員 連携の強化といっても無理があるんですよ。 例えば、この松代病院の病床が廃止となると、その入院機能を引き継ぐ病院は県立十日町病院なんですよ。この地域、十数キロ離れているんですけれども、バスは行きが一日一便、帰りが二便しかない。それに、日本有数の豪雪地域なんですよ。交通アクセス一つにしても、課題は解決できないんですよ。だから、入院機能、入院の存続を求める署名が広がっているということなんです。もう全住民の七割を含む一万五千九百九十二筆が集まったというふうに伺いました。 この病床廃止について、新潟県は、医療法に基づく魚沼圏地域医療構想調整会議で了承を得たとして、来年四月から病床廃止を実施しようとしているわけなんですよね。 質問します。 地域医療構想会議で了承が得られたからよしとするのであれば、地域医療や介護の提供体制から、この場合でいうと県ですけれども、県、自治体の責任放棄を免罪することになってしまうのではありませんか。いかがですか。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 新潟県からは、県立松代病院について、議員御指摘のとおり、地域医療構想調整会議での協議を経た上で、令和八年四月一日から無床診療所とするという方針であるというふうに伺っております。 基本的に、病院の廃止、統合再編等につきましては地域医療調整会議に諮ることが望ましいというふうには私ども考えておりますけれども、基本的に、この病院のなくなってしまう機能、これをどういう形でその地域が担っていくのか、どうやってサポートしていくのかということをしっかり考えた上でやっていただくということで、地域医療調整会議での協議というものが望ましいというふうに考えておるところでございます。
○田村(貴)委員 時間はもう来年四月に迫っているんですよ。 これは、新潟の松代にかかわらず、ほかの地域でも、公立病院は赤字がもう八割以上ですから、こういう現象というのはどんどん起こってくると思うんですよ。考えている間に、入院を必要とする介護施設に入っている人、これはどうにもならないじゃないですか、今の事例でいったら。だから、連携が必要なんでしょう。だから、こういう目標を掲げているわけじゃないですか。今手だてを打たないといけないということを言っているんです。 県が病床廃止の方針を打ち出したのは、県立病院の物価高騰、人件費の高騰による赤字の急激な増加が背景にあります。松代病院の病床廃止というのは、抑制方針を継続した二〇二四年までの診療報酬の改定や、あるいは、その後も十分な対応を打たなかったことにあることは間違いありません。この病床の廃止回避に向けて、今やはり手を打たなければ、日本全体で大変な事態が生まれるのではないでしょうか。 どういう措置を行っていくのか、大臣、しかと答えていただきたいと思います。
○上野国務大臣 今、先ほど来お話のある松代病院のケースにつきましては、繰り返しになりますが、私の立場でコメントすることは差し控えさせていただきたいと考えております。 その上で、委員からも再三御指摘のある、物価上昇あるいは賃金の上昇に直面をして医療機関が大変厳しい状況にあるということは私も当然認識をしているところでありまして、先ほど来お話をさせていただいておりますが、経済対策の中で、医療・介護等支援パッケージ、これを緊急措置して、しっかりとした対策を講じていきたい、補正予算もしっかりとしたものにしていきたい、そのような思いで取り組ませていただきたいと考えています。
○田村(貴)委員 入院病床は維持する、そして閉鎖に追い込まない、これを基本として、しっかり対応していただきたいと思います。 次に、オンライン診療について伺います。 厚労省の資料を見ますと、オンライン診療のための診療所の特例範囲の拡大に関する意見というのがありまして、僻地以外で拡大は、不適切な医療を助長する懸念があるために、慎重になるべき、あるいは避けるべきと、複数の自治体から回答がありました。 僻地での医師非常駐の公民館などでの設置はゼロでありました。公民館などでできると言っていますけれども、ゼロだったと。多くの方は自宅でオンライン診療を受けてきたと。ならば、従来のように医療機関に限定すればいいのではないかと考えますけれども、質問します。 企業がオンライン受診診療施設を設けることはできますか。もう一つ、それから、ネット広告でオンライン診療に勧誘する企業が受診施設をつくることはできますか。この二点。
○森光政府参考人 まず、企業がオンライン受診施設を開設できるのかという御質問に対しましては、オンライン診療受診施設は医療そのものを提供していないということから、営利法人による設置も可能としております。 その上で、広告のお話があったかと思います。今般の法律においては、医療を受ける者が過度な広告によってオンライン診療受診施設に不当に誘引されることがないよう、オンライン診療受診施設に関する広告については、患者による選択を阻害するおそれが少ない場合として、厚生労働省で定める場合などに限定することとしております。その具体的な範囲や広告可能な事項については、関係者の意見をよく聞きながら検討し、明確化してまいりたいと考えておるところでございます。
○田村(貴)委員 基本的に、オンライン診療受診施設の設置者に規制はないということになりますかね。いかがですか。
○森光政府参考人 オンライン診療受診施設は医療そのものを提供するものではありませんので、営利法人等についても設置が可能でございます。
○田村(貴)委員 はい、確認しました。 この間、ネット広告で集客して、オンラインでの自由診療で、健康被害などが問題になってきました。オンライン診療受診施設は、薬局チェーンなどの営利法人にオンライン診療のお墨つきを与えることにはなりませんか。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 先ほど御説明させていただきましたように、医療を受ける者が過度な広告によってオンライン診療受診施設に不当に誘引されることがないように、オンライン診療受診施設に関する広告については、患者による選択を阻害するおそれが少ない場合として、厚生労働省令で定める場合などに限定するという方針でございます。
○田村(貴)委員 例えば、太っているとは言えない方に糖尿病治療薬のGLP1製剤などを処方したことが問題になりましたよね。GLP1製剤の在庫を有する薬局がオンライン診療受診施設を開設して、そしてネット広告で人を集客して、自費診療で稼ぐというビジネスモデルも可能になってくるんじゃないでしょうか。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 まず、基本的に、オンライン診療受診施設は医療そのものを提供しないと先ほど御説明をさせていただきました。このオンライン診療受診施設で診察を行うのは、オンライン診療を行う医師が行うことになります。ですので、その医師が処方するということになりまして、その医師が所属する医療機関が診察をし、そして処方を出すということになります。ですので、薬局がお薬を処方するということはできませんので、そこは現在の法律と同じ状況だと思います。
○田村(貴)委員 オンライン診療受診施設に医療従事者はいなくてもいいんですよね。医師、看護師、必ずいなければいけないということではないんですね。
○森光政府参考人 常駐するということは求めておりません。
○田村(貴)委員 改正法では、オンライン診療受診施設には基準の遵守を求めていません。それから、施設状況の情報公表義務を課して、医師が選択することが前提になっています。オンライン基準に適合していないとしても、それだけでは罰則がかかりません。 しかし、集客ビジネスを主導する営利法人がオンライン診療受診施設を設置する場合に、医師側に実質的に選択の余地はないんですよ。今オンライン診療で起こっている被害対策としては不十分ではないでしょうか。 時間の関係上、続けてもう一つ質問ですね。 オンライン診療はどうしても、医師から患者へと、情報が一方的になりがちです。自費診療であれば、保険医療による規制がない分、更に問題が起こりやすいと言えます。オンライン診療だけでなく、企業が設置可能なオンライン診療受診施設を法制化することによって、医療がビジネス化していく、そして健康被害が発生することにつながらないとは言えませんか。いかがでしょうか。
○森光政府参考人 お答えさせていただきます。 まず、現在、オンライン診療そのものは、どこにいても、自宅にいても、会社にいても、一定のプライバシーを尊重できる空間であれば、どこでも受診ができます、そういう状態です。また、医療機関の方も、そういう診療を提供することができるという状態でございます。 ですので、今回、法律の中にオンライン診療そのものを位置づけて、そして、今までいわゆるガイドライン、通知で示していたような基準、これをしっかりレベルを上げて、その基準を守って診療を行えるようにするというのが今回の法律改正の大きな趣旨でございます。 ですので、オンライン受診施設という箱がそこにあったとしても、その中で行われる診療につきましては、今申し上げたようなオンライン診療に伴う基準をしっかり守った上で実施していただく。そして、それができない場合に関しては、当然報告をいただきますので、保健所の立入りですとか、そういうことも可能となるという仕組みを今回設けるということでございます。
○田村(貴)委員 ますます医療がビジネス化して、健康の被害が発生するのではないかと疑念も湧いてまいりました。 この続きは次回やらせていただきたいと思います。 以上で終わります。
○大串委員長 次回は、来る二十五日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時四分散会