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217回国会参議院2025/04/16

資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会 第4号

発言数
79
登壇者
19
会派数
7
開催日
2025/04/16

会議録

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) ただいまから資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会を開会いたします。  原子力等エネルギー・資源、持続可能社会に関する調査を議題といたします。  本日は、「資源エネルギーの安定供給確保と持続可能社会の調和」について政府から説明を聴取し、質疑を行った後、委員間の意見交換を行います。  本日の議事の進め方でございますが、経済産業省から二十分程度、環境省から十分程度それぞれ説明を聴取し、一時間三十分程度質疑を行った後、一時間程度委員間の意見交換を行いたいと存じます。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、初めに経済産業省から説明を聴取いたします。大串経済産業副大臣。

大串正樹自由民主党・無所属の会経済産業副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(大串正樹君) 経済産業副大臣の大串正樹でございます。  本日は、調査会からお示しいただきましたエネルギー安全保障・脱炭素をめぐる情勢について御説明をさせていただきます。  お手元の資料を御覧ください。  まず、足下のエネルギー安全保障……

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) どうぞ着席してください。

大串正樹自由民主党・無所属の会経済産業副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(大串正樹君) ありがとうございます。  まず、足下のエネルギー安全保障をめぐる環境変化について御説明をさせていただきます。  三ページ目を御覧ください。  二〇二二年二月以降、ロシアによるウクライナ侵略により、我が国を含め世界的なLNGの需給逼迫、価格高騰が発生しました。  さらには、四ページ目にありますように、昨今の中東情勢の緊迫化は、原油の九割以上を中東からの輸入に依存する我が国のエネルギー安全保障に直結し、我が国の産業競争力に大きな影響を与える可能性があります。  五ページ目を御覧ください。  我が国の貿易収支の変遷をお示ししております。我が国は、足下においては、競争力のある自動車や半導体製造装置の輸出などで稼いだ外貨の大半を原油、ガスなどの鉱物性燃料の輸入に充てていることが分かります。  六ページを御覧ください。  エネルギー自給率と化石エネルギーの依存度の国際比較をお示ししております。我が国は、一次エネルギー供給の約八割、電源構成の約七割を化石エネルギーに依存しており、エネルギー自給率は一三・三%と、G7諸国中最低水準にとどまっております。  七ページ以降、DXやGXによる電力需要増大の可能性について御説明をさせていただきます。  八ページを御覧ください。  昨年十月にIEA、国際エネルギー機関が公表した見通しでは、二〇三五年に向けて世界全体で年率三%で電力需要が増加すると予測されております。  九ページを御覧ください。  翻って、日本においても、電力広域的運営推進機関が、これまで減少傾向にあった電力需要について、データセンターや半導体工場の新増設等により、二〇二四年以降増加する見通しを示しています。科学技術振興機構も、省エネが進展したとしてもなおデータセンターによる電力需要が将来的に増加すると分析しています。  脱炭素に関連する世界の動向について御説明をいたします。  十一ページを御覧ください。  世界では、百四十六か国・地域がカーボンニュートラル目標を表明しております。足下では、米国トランプ政権はパリ協定離脱を表明し、二〇五〇年カーボンニュートラル宣言も撤回しましたが、それでもなおGDPベースで世界の約七割の国・地域がカーボンニュートラルを宣言していることになります。  十二ページを御覧ください。  後ほど環境省から説明があると思いますが、我が国は、これまでのところオントラックで排出削減を進めています。本年二月には、新たな日本の次期排出削減目標として二〇三五年六〇%削減、二〇四〇年七三%削減との目標を国連に提出しました。  十三ページを御覧ください。  米国トランプ政権はパリ協定からの離脱を表明し、バイデン政権下で行われていたインフレ削減法に基づく気候変動対策やエネルギー投資支援策を大きく転換しました。  しかしながら、十四ページにありますように、EUを含めその他の各国は、野心的な排出削減目標を掲げるとともにロシアからの化石燃料の脱却や再エネの拡大などを進める等、エネルギー・環境政策と産業政策を一体的に推進しております。  これまで御紹介したようなエネルギーをめぐる国内外の環境変化を踏まえ、我が国としてもエネルギー・環境政策と産業政策を一体的に進めるため、本年二月、第七次エネルギー基本計画、GX二〇四〇ビジョンを策定いたしました。  まずは、GX二〇四〇ビジョンについて御説明します。  十七ページを御覧ください。  GXの取組は、気候変動対策の加速、脱炭素の投資拡大を通じ、経済成長、産業競争力を強化を進めるもので、日本経済を再び成長軌道に乗せる大きなチャンスです。さらには、化石燃料への過度な依存から脱却し、エネルギー自給率を高め、危機に強いエネルギー需給構造を目指すものであり、スピード感を持って進める必要があります。  その実現に向けて、十八ページにございます成長志向型カーボンプライシング構想を具体化し、GX経済移行債を活用した二十兆円規模の投資促進策と段階的なカーボンプライシングの導入を一体に進めております。  その上で、二十ページに記載しておりますが、将来見通しに対する不確実性が高まる中でも脱炭素分野における投資の予見性を高めるべく、GXの中長期の見通しをお示ししたものがGX二〇四〇ビジョンです。DX、GX等を通じてサプライチェーンが高度化された産業構造を目指し、クリーンエネルギーの地域偏在性を踏まえ、効率的、効果的に新たな産業を集積させていく方向性をお示ししました。  また、排出量取引制度の本格稼働に必要な制度整備等が規定されたGX推進法改正案が先般閣議決定され、今後国会で御審議をいただく予定です。今後、事業者の脱炭素投資を促進するような予見性のある仕組みとすべく、検討していきます。  二十一ページを御覧ください。  公正な移行の観点も踏まえてGXを推進する旨は、GX推進法やGX二〇四〇ビジョンに明記しております。新たに生まれる産業への労働移動を適切に進め、高度化されたサプライチェーンでも労働者が引き続き活躍できるよう関係省庁と連携して取り組んでいきます。  続いて、二十二ページ以降、第七次エネルギー基本計画についての概要を御説明させていただきます。  二十三ページを御覧ください。  東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電事故から十四年が経過しましたが、福島の復興は道半ばであり、原発事故の経験、反省と教訓を肝に銘じ取り組むことがエネルギー政策の原点であります。  二十四ページを御覧ください。  今なお避難生活を強いられている被災者の方々の心の痛みにしっかりと向き合い、特定帰還居住区域については、二〇二〇年代をかけて帰還意向のある全ての住民の方が帰還できるよう、避難指示解除に向けた取組を進めていきます。  二十五ページを御覧ください。  東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向け、ALPS処理水の海洋放出や燃料デブリの試験的取り出し作業の成功などの進捗があり、今後も安全を最優先に進めます。  復興に向け中長期的な対応が必要ですが、現場主義を徹底しながら、国が前面に立ち、福島の復興に最後まで取り組んでいく覚悟です。  二十六ページを御覧ください。  これまでのエネルギー基本計画同様、エネルギー政策の基本的な視点としてはSプラス3Eの原則を維持しておりますが、その中でエネルギー安定供給を第一として位置付けております。  これまでのエネルギー基本計画同様、エネルギー政策の基本的な視点としてはSプラス3Eの原則を維持しておりますが、その中でエネルギー安定供給を第一として位置付けております。  その上で、再生可能エネルギーを主力電源として最大限導入するとともに、特定の電源や燃料源に過度に依存しないようバランスの取れた電源構成を目指します。  同時に、徹底した省エネに加え、再生可能エネルギー、原子力など、脱炭素効果の高い電源を最大限活用する方針を今回お示ししています。  二十八ページでは、データセンター、半導体、鉄鋼、モビリティーなど、我が国の経済成長、地方創生、国民生活に不可欠な基幹産業にとって脱炭素電源の確保が不可欠であることをお示ししています。  二十九ページでは、国内の電力需要が約二十年ぶりに増加していく見通しであり、脱炭素電源の供給力を抜本的に強化していくことが重要であることをお示ししています。  以下、個別の論点に移ります。  三十ページ、三十一ページを御覧ください。  まず、徹底した省エネは変わらず重要であることに加え、二〇五〇年に向けて排出削減対策を進めていく上で、電化や非化石転換が今まで以上に重要となります。これらを両輪で推進してまいります。  三十二ページを御覧ください。  脱炭素電源の拡大に当たっては、再生可能エネルギーか原子力かといった二項対立的な議論ではなく、再エネや原子力などの脱炭素電源を最大限活用することが必要不可欠です。脱炭素電源への投資回収の予見性を高めるため、事業環境、ファイナンス環境の整備に取り組んでまいります。  三十三ページを御覧ください。  再生可能エネルギーについては、引き続き主力電源化を徹底し、地域との共生と国民負担の抑制を図りながら最大限の導入を促します。  三十四ページを御覧ください。  FIT制度の導入後、再エネ比率は、震災前の約一〇%から二〇二三年度には約二三%と、約十年間で倍増しています。  三十五ページを御覧ください。  再エネ政策における課題と今後の進め方をお示ししています。再エネ最大限導入に向けて、地域との共生、国民負担の抑制、出力変動への対応、ペロブスカイト等の次世代太陽電池や浮体式洋上風力、次世代型地熱といった分野で、イノベーションの加速、サプライチェーン構築、社会実装の加速化、そして使用済太陽光パネルへの対応といった課題に対して適切に取り組んでまいります。  三十六ページを御覧ください。  原子力については、安全性の確保を大前提に、地元の理解を得ながら再稼働の加速化に取り組みます。次世代革新炉の開発、設置については、廃炉を決定した原子力発電所を有する事業者の原子力発電所のサイト内での建て替えを対象として具体化を進めていきます。加えて、再処理や最終処分を含むバックエンドプロセスの加速化等にも取り組みます。  三十九ページを御覧ください。  火力発電は、供給力、再エネの変動性を補う調整力としての電力の安定供給に貢献しています。変動再エネの発電量が少ない状態が長く続く悪天候時などを念頭に置くと、再エネ及び蓄電池が火力に安全に代替することは難しく、二〇五〇年カーボンニュートラルに向けては、安定供給を確保しつつ、非効率な石炭火力のフェードアウト、水素、アンモニア、CCUS等を活用した火力の脱炭素化を進めていきます。  四十一ページを御覧ください。  電力の安定供給確保や再エネの大量導入に向けて、電力広域的運営推進機関が策定した広域連系系統のマスタープランを踏まえて、送電網の増強を着実に進めてまいります。  四十二ページを御覧ください。  水素等は、幅広い分野での活用が期待されるカーボンニュートラル実現に向けた鍵となるエネルギーです。  四十三ページにありますように、日本が技術的強みを有する分野において国際競争力の維持強化を目指していきます。昨年成立した水素社会推進法に基づく価格差に着目した支援等によりサプライチェーンの構築を強力に支援し、さらには規制、支援、一体的な政策を通じてコストの低減と利用の拡大を両輪で進めていきます。  四十四ページを御覧ください。  化石燃料については、安定供給を確保しつつ現実的なトランジションを進めるため、資源外交、国内外の資源開発、供給源多角化、危機管理、サプライチェーンの維持、強靱化等に取り組んでまいります。また、SSのネットワークの維持強化など、災害時にはエネルギー供給の最後のとりでとなるガソリンやLPガスの供給体制確保に取り組みます。  四十七ページを御覧ください。  電化や水素等を活用した非化石転換では、脱炭素化が困難な分野においても脱炭素を実現できるCCUSについて、投資を促す支援制度の検討、コスト低減に向けた技術開発、国内外での貯留地開発等に取り組んでいきます。  四十八ページを御覧ください。  銅やレアメタルなどの重要鉱物は国民生活及び経済活動を支える重要な資源である一方、鉱種ごとに様々な供給リスクが存在しており、安定的な供給確保に向けて、備蓄の確保に加え、供給源の多角化等に取り組むとともに、国産海洋鉱物資源の開発にも取り組んでまいります。  五十ページを御覧ください。  電力システム改革の検証については本年三月に取りまとめを行い、今後の方向性をお示ししました。安定供給を大前提に、価格への影響を抑制しつつ、電力システムの脱炭素化を進めるため、脱炭素電源投資確保に向けた市場や事業環境、資金調達環境の整備、電源の効率的活用、大規模需要の立地を見据えた電力ネットワークの構築、安定的な量、価格での電力供給に向けた制度整備や規律の確保を進めてまいります。  五十一ページを御覧ください。  世界で脱炭素化に向けた動きが加速している一方で、エネルギー安全保障の確保の重要性が高まっている中、二国間、多国間の様々な枠組みを活用した国際協力を通じて、エネルギー安全保障、経済成長及び脱炭素と同時実現する形で進めていきます。  特に、電力の大宗を火力に依存するなど共通の課題を抱えるアジアについては、五十二ページにございますアジア・ゼロエミッション共同体、AZECの枠組みを通じて、脱炭素、経済成長、エネルギー安全保障の同時実現、及び多様な道筋によるネットゼロ実現というAZEC原則の下、取組を進めます。  五十三ページを御覧ください。  エネルギー政策についての国民各層とのコミュニケーションについてお示ししております。エネルギー政策についての学習の機会や若者を含む幅広い層との双方向のコミュニケーションを充実させていきます。  また、五十四、五十五ページにありますように、将来のエネルギー需給構造を支える人材の育成も重要であり、再エネや原子力など各領域における人材育成にも取り組んでいきます。  五十六ページを御覧ください。  二〇四〇年度温室効果ガス七三%削減といった野心的な目標との整合性などを考慮しながら、将来からバックキャストする考え方の下、二〇四〇年度のエネルギー需給の見通しをお示ししています。エネルギー自給率は三、四割程度、電源構成としては、再エネは四、五割程度、原子力は二割程度、火力は三、四割程度となる見通しを示しています。  五十八ページ以降は参考資料として、エネルギー自給率を含むエネルギー需給の実績、化石燃料の輸入先、部門別最終エネルギー消費の現状、日本の電源構成推移、化石燃料輸入金額、輸入量のデータを添付しております。  以上が経済産業省からの説明になります。  国内外のエネルギー情勢の変化を踏まえ、GX二〇四〇ビジョン、第七次エネルギー基本計画に盛り込まれた政策をしっかりと実行に移してまいります。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 次に、環境省から説明を聴取いたします。小林環境副大臣。

小林史明自由民主党・無所属の会環境副大臣

○副大臣(小林史明君) 環境副大臣の小林史明でございます。  それでは、着席して御説明をさせていただきます。  本日は、気候変動をめぐる内外情勢と日本の気候変動対策に関する取組について、資料に沿って御説明をさせていただきますので、一ページ目おめくりください。全体の項目であります。  まずは、内外情勢について御説明いたします。二ページ目です。  世界気象機関は本年一月に、昨年が観測史上最も暑い年であり、世界全体の年平均気温が産業革命以前と比べて一・五五度上昇したと発表しました。気温の変化は中長期的な傾向を確認する必要があり、昨年の状況のみでパリ協定の一・五度目標を超過したとは言えないものの、引き続き危機感を持って取組を進めていくことが必要です。  三ページ目、御覧ください。  世界のエネルギー起源CO2排出量を国別に見ますと、先進国の排出は引き続き大きいものの、いわゆる途上国の排出割合が増加をしています。このため、先進国、途上国を含む全ての国が参加する気候変動対策の国際枠組みであるパリ協定を着実に実施することが重要です。  四ページ目です。  本年十一月には、COP30の開催がブラジルで予定をされています。各国はこれに向けて二〇三五年を目標とする新たなNDCを国連に提出するとされており、その内容を踏まえた更なる排出削減策が議題の一つとなる見込みです。  五ページ目、お進みください。  この二〇三五年以降のNDCを提出している国は、四月一日時点で、日本を含めて十八か国となっております。  続いて、六ページ目です。  アメリカの動向について、本年一月にトランプ大統領は、パリ協定からの脱退やエネルギー政策の転換を含む多くの大統領令に署名をしました。アメリカがパリ協定から脱退しようとも、パリ協定を着実に実施することの重要性は何ら変わっておりません。我が国としては、アメリカの政策動向を引き続き注視しつつ、アメリカとの協力を模索してまいります。  七ページ目、お進みください。  一方、EUにおいては、本年二月、欧州委員会がクリーン産業ディールを発表し、気候変動対策と産業競争力強化を同時実現させる方針を示しています。  八ページ目です。  我が国においては、金融業界とも連携して、本年三月、金融投資分野等のトップが一堂に会するESG金融ハイレベル・パネルを開催し、グリーンな経済システムの構築に向けた金融行動に関する宣言が取りまとめられ、持続可能な社会の構築に資金を振り向けるESG金融を更に推進していくことが確認をされました。  脱炭素の取組については現在の世界的な潮流になっており、その潮目は変わっていないと考えております。  九ページ目です。  ここからは、我が国の気候変動対策に関する取組について御説明をいたします。  十ページ目、御覧ください。  まず、我が国は本年二月に、二〇五〇年ネットゼロの実現に向けて、たゆまず直線的に排出削減を進める経路として、二〇一三年度比で、二〇三五年度六〇%減、二〇四〇年度七三%減という目標を設定をしました。  十一ページ目、御覧ください。  この削減目標の実現に向け、地球温暖化対策計画において、エネルギー基本計画及びGX二〇四〇ビジョンと整合的な対策、施策を盛り込んでいます。  環境省としては、地域、暮らし、バリューチェーン、資源循環といった分野での国内対策を主導するとともに、我が国の技術や経験を生かして世界の排出削減にも貢献してまいります。また、この計画全体のフォローアップを着実に行ってまいります。  十二ページ目、御覧ください。  まず、環境省は、地方公共団体が主導する地域脱炭素の取組を推進しています。地域特性に応じた再エネポテンシャルを活用する地域脱炭素の取組は、企業誘致、農林水産業振興、防災力、レジリエンス強化等々、様々な地域課題解決にも貢献し、地方創生にも資するものです。  十三ページ目です。  現在、脱炭素先行地域を始め、地方創生、地域経済活性化に資する好事例が全国各地で創出をされております。  十四ページ目、御覧ください。  例えば、岩手県陸前高田市は、営農型太陽光発電により津波被災跡地を活用し、新規就農者の獲得、収益の増加や電気保安人材育成を目指します。このような好事例を全国展開し、地域脱炭素の加速化を図ってまいります。  次のページ、十五ページ目です。  脱炭素型の暮らしへの転換について、関係省庁と連携し、省エネ性能の高い新築の住宅建築物や既存の住宅建築物の断熱リフォームなどに対する補助事業を実施をしております。  続いて、十六ページ目です。  企業の脱炭素技術の開発や製造プロセスの脱炭素化を需要側から後押しすべく、ペロブスカイト等の新技術の導入支援、カーボンフットプリント表示製品の普及、国民運動、デコ活によるGX製品、サービス等の普及、浸透、グリーン購入法や政府実行計画の枠組みを活用した公共部門による率先調達の推進などを通じ、GX製品の需要創出、社会実装を進めてまいります。  十七ページ目です。  中小企業を含めたバリューチェーン全体の脱炭素化を進めるため、いわゆるスコープ3の排出削減計画の策定支援や省CO2設備導入等の補助、中小企業を地域ぐるみで支援する体制の構築などを通じ、企業の脱炭素化と競争力強化を図っております。  続いて、十八ページ目です。  循環経済への移行は、気候変動対策や生物多様性保全といった環境面の課題に加え、地方創生、産業競争力の強化や経済安全保障の確保にも貢献するものです。  このような背景を踏まえ、昨年八月に第五次循環型社会形成推進基本計画を閣議決定し、循環経済への移行を国家戦略として位置付けました。  十九ページ目です。  この計画を推進するため、昨年末には、循環経済に関する関係閣僚会議において加速化パッケージを取りまとめました。本パッケージに基づいて、地方創生に向けて地域の循環資源を徹底活用していくことや、国内外一体の高度な資源循環ネットワークの構築などを進めてまいります。  全国各地で発生する廃棄物等を循環資源として活用し、さらに、海外で発生する循環資源も取り込むことで新たな成長を生み出してまいります。  二十ページ目です。  吸収源対策について、我が国は藻場を始めとした多様なブルーカーボン生態系が存在しております。CO2の吸収、固定のほか、水質改善や観光資源としての活用等、多面的価値を有しており、関係省庁や企業などと連携し、ブルーカーボンの取組を進めてまいります。  二十一ページ目です。  こうした国内での取組を生かし、アジアを始め世界の排出削減にも貢献をしてまいります。具体的には、アジア・ゼロエミッション共同体、AZECの下、二国間クレジット制度、いわゆるJCMを活用し、我が国の優れた脱炭素技術の国際展開を進めてまいります。  また、都市間連携事業を通じ、地方公共団体や地域の中堅・中小企業が築き上げてきた経験、ノウハウ、技術の移転を促進し、自治体や地域企業が環境で稼ぐ力を強化します。  二十二ページ目。  最後に、気候変動適応法に基づき、最新の科学的知見を踏まえ、気候変動による国民の生活、社会、経済、環境への影響などを取りまとめた報告書を今年度中に公表する予定です。この報告書を踏まえて、来年度中に気候変動適応計画の見直しを行ってまいります。  最後、以上のとおり、環境省は、国内外の情勢を踏まえつつ、気候変動に関する取組を着実に進めてまいります。  以上でございます。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 以上で政府からの説明聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。  まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。  質疑及び答弁の際は、挙手の上、会長の指名を受けてから着席のまま御発言いただくようにお願いいたします。  また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようお願いいたします。  なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるように御協力をお願いいたします。  それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。  北村経夫君。

北村経夫自由民主党

○北村経夫君 自由民主党の北村経夫でございます。  今日は、先ほど大串経産副大臣、小林環境副大臣から、日本のエネルギー事情、そして世界のエネルギー事情の変化、さらに脱炭素の動向について説明がありました。そうした大きな情勢変化の中で、私は、いかに対応していくのかについて幾つか伺いたいと思います。  ロシアによるウクライナ侵略、そして中東情勢の緊迫化などによりまして、原油など化石燃料は高騰しております。このことによりまして、エネルギー自給率が低く、そして火力発電への依存が高い日本のエネルギー供給構造のリスクというものが改めて今顕在化しているわけでございます。  さらに、大きな変化が今も続いております。トランプ大統領に世界が振り回されているわけでございますけれども、先日もトランプ大統領の追加関税、突然の発表がありましたけれども、その後、僅か半日でそれを訂正、延期するということも起きました。各国はその対応に追われ、混迷を極めているわけでございますけれども、一方、中国に対しては一段と圧力を強めている、それに対して中国は一歩も引かぬ姿勢を見せているわけであります。この米中の対立がどこまでエスカレートするのか、予断を許さない情勢であるわけでございます。世界は、世界の情勢というのはますます不確実性が高まっていると私は見ているわけでございます。  こうした激動の局面にありまして、日本は新たなエネルギー基本計画を策定したわけであります。自由貿易の流れが大きく変わっていく今回のアメリカの関税措置、これが日本の経済あるいは世界の経済にどのような影響を与えるか、そして、間接的ではありますけれども、エネルギー市場に与える影響、これを、こういうのをどう見ているのか、これは政府参考人で結構ですので、お答えください。

和久田肇資源エネルギー庁資源・燃料部長

○政府参考人(和久田肇君) お答え申し上げます。  まず、米国の関税措置については幅広い影響があると考えてございます。我が国の対米輸出を通じた直接的な影響に加えまして、世界経済の下押しを通じた間接的な影響も可能性としてはあり得ると考えてございます。  また、エネルギー市場におきましては、四月二日に米国が関税措置を発表した後、世界経済の景気減速懸念が拡大したということで、四月三日にOPECプラスの一部の国が本年五月からの増産を発表したこと等もありまして、原油価格は下落をいたしまして、足下では、ブレント原油の価格は一バレル当たり六十五ドル前後で推移しているところでございます。  また、ガスにつきましては、北東アジアのLNG市場につきまして、同様に、世界経済の悪化の懸念もございまして、四月第二週を通じて下落基調でございました。四月八日には、十か月ぶりの安値がインド等の買手を引き付けたこともありまして一旦上昇いたしましたが、その後は下落が続いたところでございます。  原油やガス価格を含めたエネルギー価格は、世界経済や需給動向、国際情勢など様々な要因を踏まえ市場で決まるものと承知をしておりますが、引き続き、エネルギー市場の動向を緊張感を持って注視してまいりたいと考えてございます。

北村経夫自由民主党

○北村経夫君 日本は、二〇五〇年カーボンニュートラルという方針、先ほども説明がありましたけれども、そういう目標を掲げているわけであります。一方、トランプ政権はパリ協定からの離脱を表明し、化石燃料への回帰というものを鮮明にしております。  また、ネットゼロ・バンキング・アライアンスという、NZBAというのがあります。これは、バイデン政権のときに脱炭素を目指した金融機関の枠組みというものがあるわけでございますけれども、そのNZBAから、アメリカの金融機関、多くの離脱が見られます。そして、日本も五社が離脱を表明しているわけでございますけれども、これは訴訟リスクを回避するためと言われております。  また一方で、これまで気候変動交渉を牽引してきたヨーロッパにおいても、エネルギー政策の軸足が、CO2の削減から、エネルギーの安定供給、そしてコスト低減と、そちらの方向に今かじを切っているわけでございます。  こうした脱炭素をめぐる動きの変化によって我が国の産業界の投資予見性が下がり、その結果、国際競争力がなくなっていくと、これは許されないということであるわけでございますけれども、そこで大串副大臣にお伺いいたしますけれども、こうしたアメリカの政策変更などを踏まえて、今後、日本としてエネルギーの脱炭素化を進めていくこと、これが国益にかなうのかどうか、率直にお伺いいたします。

大串正樹自由民主党・無所属の会経済産業副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(大串正樹君) 米国は、パリ協定の離脱を国連に通告をいたしまして、脱炭素化を重視する前政権の方針から転換をして、各種のエネルギー政策を打ち出しているところでございます。米国の動向は我が国や世界全体に大きな影響があるため、よく注視していかなければならないと考えております。  他方で、世界全体では、脱炭素に向けて取り組んでいく必要性や大きな方向性は変わらないと考えております。実際に、米国内でも、巨大IT企業による脱炭素電源への大規模投資やサプライチェーン全体の脱炭素化が進められていると承知をしております。また、欧州でも、二月に欧州委員会が発表したクリーン産業ディールにおいて、気候変動に係る目標を維持しつつ、同時に産業競争力強化を実現するための方針を打ち出しているところであります。  こうした中で、我が国においても、DXやGXによる電力需要の増加が見込まれる中、それに見合った脱炭素電源を十分確保できるかが国力を左右する状況でございます。脱炭素電源を拡大し、我が国の経済成長や産業競争力強化を実現できなければ、雇用の維持や賃上げも困難となるため、日本政府としては、第七次エネルギー基本計画にも明記しているとおり、徹底した省エネに加え、再エネや原子力などの脱炭素電源を最大限活用していく予定でございます。

北村経夫自由民主党

○北村経夫君 エネルギー脱炭素化を進めていく、その必要性に変わりはないわけでありますけれども、一方、今お話がありましたように、電力需要というのはこれから増加が見込まれているわけであります、データセンター、それと省エネということによって見込まれているわけでありますけれども、しかし、今おっしゃった、エネルギー基本計画にあるように原子力あるいは再エネを最大限活用すると言われても、そう簡単ではないと思うんですね。そして、ましてや供給力を強化していくためには時間が掛かるんだろうと思います。その移行期間においては、やはり火力発電、とりわけLNGの発電を活用しなければエネルギーの安定供給というのは無理だというふうに私は考えております。  そこで、脱炭素の中で火力発電をどのように活用していくのか、また、新たな技術開発あるいは電源投資を確保していく上で政府としてどのような措置を考えているのか、これも大串副大臣にお伺いいたします。

大串正樹自由民主党・無所属の会経済産業副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(大串正樹君) ただいま御指摘のとおり、DXやGXの進展に伴う将来的な電力需要の増加が見込まれる中、足下の電力需要の増加に対しては、再エネや原子力に加えて、火力も含めてあらゆる電源を活用して安定供給を確保していく必要がございます。火力発電につきましては、第七次エネルギー基本計画において、脱炭素に向けたトランジション手段としてのLNG火力の確保や、水素、アンモニア、CCUS等を活用した火力の脱炭素化を進めることとしております。  具体的には、脱炭素電源への新規投資を促進する長期脱炭素電源オークションでは、脱炭素型の火力のみならず、短期的な需給対策として、将来的な脱炭素化を前提としたLNG火力の新設、リプレースも対象としており、初回入札においては約五百七十六万キロワットのLNG火力が落札されました。加えて、火力の脱炭素化に向けては、水素、アンモニアを活用した発電技術の開発やサプライチェーンの構築、先進性のあるCCSプロジェクトへの支援も行っております。  こうした取組を通じて、火力の脱炭素化に向けた取組を後押しし、カーボンニュートラルと電力の安定供給の確保の両立を図ってまいりたいと考えております。

北村経夫自由民主党

○北村経夫君 最後の質問になりますけれども、ちょっと飛ばしまして、再エネについて伺います。  日本は洋上風力を再エネの切り札として推進しようとしておりますけれども、世界では事業の撤退あるいは遅延が相次いでいるわけであります。アメリカにおいては、トランプ大統領が洋上風力発電の開発を制限する大統領令に署名をいたしました。日本においても、これまで大規模入札で先陣を切った三菱商事も、このコストが上がったことによりまして事業性の再評価を行っております。  こうした逆風が吹く風力発電についてどのように対応していくのか、政府参考人に伺います。

伊藤禎則資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長

○政府参考人(伊藤禎則君) お答え申し上げます。  委員から御指摘いただきましたとおり、洋上風力発電につきましては、インフレなどの影響を受けまして、世界的にも一部でプロジェクトの中断等が発生していると承知してございます。  こうした中で、国内の洋上風力プロジェクトについて、事業が完遂されるための事業環境整備が大変重要であると考えておりまして、第七次エネルギー基本計画にも明記をしたところでございます。  この観点から、具体的には、入札後の物価変動リスクに対応して価格を調整する仕組みの導入でありますとか、また、撤退や遅延を抑止するための保証金の増額など、関係審議会におきまして公募制度の見直しを行うこととし、次回の公募プロセスから適用することとしております。本制度見直しでは、事業者選定済みのプロジェクトにつきましても、保証金の増額を含む今般の制度見直しを受け入れる事業者については将来の物価変動等を反映する仕組みを適用することとしているところでございます。  引き続き、国民負担に中立的な形で、洋上風力の事業実施の確実性を高めるための環境整備を進めるべく、着実かつ丁寧な対応を進めてまいりたいと存じます。

北村経夫自由民主党

○北村経夫君 終わります。ありがとうございました。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  青木愛君。

青木愛立憲民主・社民・無所属

○青木愛君 立憲民主党の青木愛です。  本日は、経産省に質問をさせていただきます。早速質疑に入ります。  鉱物資源、ベースメタル、レアメタルのほぼ全量を輸入している日本は、安定供給強化のため、海洋エネルギー・鉱物資源開発計画に基づいて、日本周辺海域の海洋鉱物資源等の開発を目指しています。  日本の最東端に位置します南鳥島は、国土よりも広い四十万平方キロメートル以上のEEZの根拠となっております。その南鳥島沖EEZにおいて、マンガン団塊、レアアース泥が発見され、資源の乏しい我が国として期待が高まるところです。  レアメタル、レアアースは、脱炭素に向けた再エネ設備、電気自動車、蓄電池等の普及拡大に欠かせない資源です。そこでまず、海洋鉱物資源開発に対する政府の取組についてお伺いをいたします。

大串正樹自由民主党・無所属の会経済産業副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(大串正樹君) 鉱物資源のほぼ全量を海外に依存している我が国にとりましては、排他的経済水域等に存在する海底熱水鉱床やレアアース泥等の海洋鉱物資源は、商業化がなされれば我が国の自給率の向上に資する貴重な国産資源であります。  政府といたしましては、海洋基本計画等に基づきまして、海底熱水鉱床、コバルトリッチクラスト、マンガン団塊、レアアース泥について資源量の調査や生産システムの確立等、資源開発の仕組みを着実に進めてまいります。

青木愛立憲民主・社民・無所属

○青木愛君 令和六年六月、昨年ですが、東京大学と日本財団が南鳥島沖EEZでマンガン団塊が密集する鉱床を発見したと発表がありました。コバルトの資源量は六十一万トン、国内消費量の約七十五年分以上、ニッケルの資源量は七十四万トンと推定されています。  令和七年、今年から、揚鉱実証試験を開始し、商業化に向けた検討を行うことが計画されていると承知しております。  このような民間の開発に対して、政府としては戦略としてどのような位置付けで取組を進めていくのか、お伺いをいたします。また、あわせて、国としてもハワイ沖の深海底においてマンガン団塊の開発に向けた取組が行われてきたと思いますが、その進捗状況なども併せてお伺いをいたします。

和久田肇資源エネルギー庁資源・燃料部長

○政府参考人(和久田肇君) お答え申し上げます。  まず、東京大学と日本財団が南鳥島沖のEEZでマンガン団塊につきまして将来的な開発に向けた検討を進めていることは承知をしてございます。  政府といたしましては、南鳥島沖のマンガン団塊につきましては過去のサンプリング調査によりましてその存在を確認しておりますが、現在政府が取組を進めているハワイ沖のマンガン団塊に比べますと有用元素の含有量が少ないとの結果を受けているところでございます。  こうしたことも踏まえまして、政府としては、マンガン団塊の開発につきましては、海洋基本計画に基づきまして、ハワイ沖の国際鉱区の開発に向けて資源量調査、それから生産システム開発などの資源開発の取組を今後も着実に進めてまいります。

青木愛立憲民主・社民・無所属

○青木愛君 御答弁ありがとうございます。  この南鳥島沖のEEZの海底面下には、さらに、世界需要の数百年分に相当するレアアースを含むレアアース泥が存在することも近年明らかになっています。  我が国のEEZを形成している最東端のこの南鳥島、大変重要な海域を持っているわけなんですけれども、こちらは内閣府の所管ということなので今日はお聞きはいたしませんけれども、今後とも、このマンガン団塊とともにレアアース泥についても注視をしていきたいと思っております。  最後の質問となるかと思いますが、エネルギー対策特別会計のエネルギー需給勘定、こちらは石油石炭税を財源として燃料安定供給やエネルギーの需給構造の転換が図られてきました。  現在、気候変動対策が世界的な課題となる中で、各国共に脱炭素に向けた政策を重要課題として取り組んでおり、エネルギーをめぐる状況も大きく変わってきてございます。  しかし、エネルギー需給勘定において、現在も依然として化石燃料への依存を前提とした事業に多くの予算が支出をされています。省エネや再生可能エネルギーなど、脱炭素に直接寄与する支出により多くの予算を振り向けるべきではないかと考えております。  エネルギーをめぐる状況の変化を踏まえ、エネルギー需給勘定における目的、そして支出の在り方を見直すことを検討すべきと考えますが、経済産業省の御見解をお伺いいたします。

大串正樹自由民主党・無所属の会経済産業副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(大串正樹君) エネルギー需給勘定につきましては、石油石炭税を特定財源といたしまして、省エネの推進や再エネの最大限の活用、蓄電池の導入支援、水素等の次世代燃料の開発などのエネルギー需給構造の高度化対策、そして石油備蓄、資源権益確保などの燃料安定供給対策、これらを講じることを基本的な仕組みとしておりまして、我が国の国民生活や経済活動にとって不可欠なエネルギー政策を実施しているところであります。  さらに、令和五年度からは、エネルギー安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現を掲げるGXの実現に向けまして、複数年度にわたる省エネ、非化石転換に対する投資支援、あるいは次世代型太陽電池でありますペロブスカイト太陽電池などの大型設備投資支援、こういったものにGX経済移行債を活用した先行投資支援策も同勘定において実施しておりまして、政策経費の多くが省エネや再エネを始めとする気候変動対策に関連した支出となってきております。  引き続き、こうしたエネルギーを取り巻く情勢の変化を踏まえ、事業の内容を不断に見直しながら適切に対応してまいりたいと考えております。

青木愛立憲民主・社民・無所属

○青木愛君 ありがとうございます。  ただいま大串副大臣からGX移行債のお話もございましたが、政府が令和五年度から十年間で二十兆円、二十兆円規模を確保するとしてGX経済移行債の入札を行っておるものの、実際まだまだ低調との報道もあったところでございます。その理由の一つとして、その資金が石炭火力の延命につながりかねないと海外投資家の懸念がこの投資を控える動きにつながっている、こうした指摘もあるところです。  政府として、脱炭素の方針、道筋をこのエネルギー需給勘定においてもより明確に示すことが必要だということを御指摘申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  新妻秀規君。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 早速質疑に入ります。  まず、小林環境副大臣に中小企業の脱炭素化について伺います。  環境省では、工場の先端設備の更新や中小企業の省エネ促進を支援するとともに、地域の金融機関、商工会議所などと連携したモデル事業を通じて中小企業の脱炭素経営の普及を図っております。  こうした支援によって中小企業の脱炭素化は実効的に進んでいると言えるのか、環境省の見解と今後の取組方針を小林環境副大臣に伺います。

小林史明自由民主党・無所属の会環境副大臣

○副大臣(小林史明君) 我が国の雇用の約七割を支える中小企業が日本全体の温室効果ガス排出量のうち二割程度を占めておりまして、二〇五〇年のカーボンニュートラル実現に向けては、やっぱりこの中小企業を取り残すことなく、脱炭素経営に向けた取組を推進していくことが重要だと考えております。  一方、今御指摘いただいたように、昨年六月、日本商工会議所の調査では、中小企業の約七割が脱炭素に関する何らかの取組はしていただいているんですが、半分以上がノウハウやマンパワーが足りないというような回答をいただいています。  環境省としては、こうした状況も踏まえて、中小企業等における省CO2設備投資への補助であったり、あと中小企業向けの脱炭素経営導入ハンドブックの作成、あと排出量の簡易な算定、公表システムの提供であったり、あと支援策を経産省とも連携して実施をしております。さらに、今年度は、バリューチェーン全体の排出量削減に向けて、企業間連携による設備投資への補助も充実をさせる予定です。大企業が取引先に投げかけて一緒に投資をすると、ここをしっかり支援するという形で牽引をしていただくというモデルです。  また、日頃から中小企業との接点の多い地域金融機関や自治体、商工会議所が連携して、中小企業の脱炭素経営を地域ぐるみで支援する体制を構築するモデル事業を各地で実施しておりまして、モデル地域内の中小企業の意識向上や具体的な削減取組にもつながっていると認識しております。さらに、今年度は、こうした取組を全国に広げるべく、周辺地域に波及させるモデル事業等も実施する予定です。  宮沢調査会長と私、地元一緒ですけれども、企業さん、やっぱり補助金を使って脱炭素やると省エネになってコストが削減できると。これ、やってみると、ああ、いいんだなということになって、これが将来のスコープ3にもつながっていくということで、非常に行動変容が広がっているというふうに感じていますので、更にしっかりきめ細やかな支援をやっていきたいと思っています。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 是非、企業に寄り添った支援を続けていただきたいと思います。  続いて、気候変動対策でのリーダーシップの発揮について環境省に伺います。  日本政府は、気候変動対策として、途上国の支援、また国際交渉でも主導的役割を果たすと掲げており、実際、二〇二一年のCOP26では、二〇二五年までの五年間で、適応支援の倍増を含め、官民合わせ七百億ドル規模の気候資金の支援を表明をし、二〇二三年のCOP28においても、ロス・アンド・ダメージ、損失傷害基金への拠出も開始をいたしました。  今後、こうした国際交渉上のコミットメントや気候資金の拠出を踏まえながら、気候変動対策における日本の国際的リーダーシップをどのように発揮していく考えか、環境省に伺います。

土居健太郎環境省地球環境局長

○政府参考人(土居健太郎君) お答えいたします。  我が国は、途上国支援につきましては、御指摘いただきましたように、二〇二一年から二〇二五年までの五年間で適応分野での支出増を含みます官民合わせて最大七百億ドルの支援を表明しており、こちらを着実に実施しておるところでございます。  その上で、昨年十一月に開催されましたCOP29におきましては、一つ目が、二〇三五年までに少なくとも年間三千億ドルの途上国支援目標が決定されるとともに、二つ目といたしまして、全てのアクターに対しまして、全ての公的、民間の資金源からの途上国向けの気候変動に対する資金を二〇三五年までに年間一・三兆ドル以上に拡大するため、共に行動することを求める旨が決定されております。  この目標につきましては、能力のある途上国につきましても任意に資金貢献を行うということが奨励されておりまして、我が国といたしましては、今年のCOP30等の場におきましてこうした国に資金貢献を求めていきたいというふうに考えております。  さらに、我が国は、今年二月に定めました温室効果ガスの目標に基づきます温対計画を決定しておりますが、これに基づきまして、二国間クレジットなど、我が国の技術を生かしながら世界での脱炭素に貢献していきたいというふうに考えております。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 是非お願いいたします。  続きまして、大串経産副大臣に、AZECを通じたアジア諸国の脱炭素化への貢献について伺います。  アジア地域のCO2排出量は世界全体の半分以上を占めるまでになっており、こうした中、日本は二〇二三年に十一か国で共にアジア・ゼロエミッション共同体、AZECを立ち上げまして、各国の事情に応じ、カーボンニュートラルと経済成長の両立を図る多様な脱炭素の経路の構築を目指す枠組みを創設いたしました。  AZECの推進を通じてアジア諸国の脱炭素化に実効的な波及効果をもたらすため、経産省は具体的にどのような取組を行っているのか、また、各国で脱炭素の進展状況をどのように把握、評価し、本イニシアチブの成果につなげていくお考えか、伺います。

大串正樹自由民主党・無所属の会経済産業副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(大串正樹君) 御指摘のとおり、アジアの各国の事情に応じた多様な道筋の下での脱炭素、経済成長、エネルギー安全保障の同時実現に向けて、AZECを通じて日本の技術や経験を生かした取組を推進しております。  具体的には、再エネ、省エネ、水素、アンモニア、工業団地の脱炭素化等、エネルギー分野を中心に三百五十件以上の個別の協力プロジェクトが進行中でありまして、日本の脱炭素技術の導入に向けた実現可能性調査や実証がグローバルサウス補助金等の支援策も活用しながら行われているところでもあります。  こうした個別プロジェクトを持続的に創出しまして、日本の脱炭素技術やノウハウをアジアに自立的に普及させていく観点から、温室効果ガスの算定、報告の促進等のサプライチェーン全体の排出量の可視化やトランジションファイナンスの推進等、ルール形成を推進し、更に脱炭素プロジェクトを生み出す好循環につなげてまいります。  このような取組を通じたアジアにおける脱炭素の進展状況についてAZEC首脳会合や閣僚会合の機会を通じてパートナー国とともに確認し、更なる成果につなげてまいりたいと考えております。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 AZECはこの脱炭素のルール形成に非常に重要な場でありますので、是非とも味方づくりに励んでいただきたいと思います。  最後に、水素社会の構築への課題克服について、これは資源エネルギー庁に伺います。  政府は、二〇二四年五月に水素社会推進法を成立させまして、価格差補填による支援策などを通じて水素サプライチェーンの構築を強力に後押しする方針を示しました。また、水素の製造、輸送、利用、それぞれの分野で日本が有する先端技術を生かし、国際競争力を維持強化していく狙いも示されております。  国内外の連携によって水素の大量供給体制を構築するに当たり、コスト高やインフラ整備の遅れ等のボトルネックをどのように克服していくのか、お考えをお伺いします。

伊藤禎則資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長

○政府参考人(伊藤禎則君) お答え申し上げます。  御指摘いただきましたとおり、水素の利用拡大に向けましては、コスト高やインフラ整備の必要性などの課題があると承知してございます。こうした中で、欧州を中心に諸外国では、支援措置等を通じたプロジェクトの推進など、水素の社会実装に向けた取組が着々と進められておりまして、我が国としましても、これらの国と連携しつつ、政策を着実に講じていくことが必要と認識してございます。  コストにつきましては、これまでも、グリーンイノベーション基金等を活用しまして水電解装置等の水素関連技術のコスト低減に資する研究開発、実証に取り組んできたところでございまして、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。  また、昨年施行されました水素社会推進法に基づく支援措置を通じて、水素の需要と供給を同時に立ち上げ、規模の経済を働かせながらコストの低減や拠点整備を推進していくこととしております。  具体的には、先ほど御指摘いただきました大規模サプライチェーン構築のための三兆円規模の価格差に着目した支援によりまして、まずはユースケースづくりをしたたかに進めてまいりますが、その際、将来的に十分な価格低減と競争力を持つ見込みのある国内事業を最大限支援するとともに、大量に供給可能な水素等の輸入事業についても支援することとしているところでございます。さらに、水素ステーションについては、今後、燃料電池の強みをより生かすことができるトラック等の商用車に向けた支援を重点化しながら整備を進めてまいりたいと思います。  これらの取組を始め、規制・支援一体型の政策を引き続き講じ、コストの低減とインフラ整備を含めた利用の拡大を両輪で進めてまいりたいと存じます。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 着実な推進をお願いします。  以上です。ありがとうございました。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  藤巻健史君。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻健史です。よろしくお願いいたします。  今日のプレゼンを聞いていますと、環境庁もそれから経産省も、トランプ氏が、トランプ大統領がパリ協定から脱退したことなどなかったかのごとく、相変わらず脱炭素に向けて猪突猛進しているような印象を受けたんですけれども、なぜトランプ大統領はパリ協定から脱退したのかをどういうふうに考えていらっしゃるかということをまずお聞きしたいんですが。  まあ、アメリカは利己的で将来の地球のことなんか考えてない、あほな、で、日本人が非常に頭のいい民族だからきちんと脱炭素を推進し続けているのか。それとも、よく聞きますけれども、アメリカでは人為的なものが地球温暖化の原因になっていると信じている人が少ないから余り熱心ではないのか。なぜそのパリ協定から脱退したのかということを環境省並びに経産省にお聞きしたいと思います。

土居健太郎環境省地球環境局長

○政府参考人(土居健太郎君) トランプ政権が大統領令でパリ協定からの脱退を表明した際の中身、ポイントにつきまして御紹介いたしますと、一つは、その中では、米国は経済を成長させ、労働者の賃金を引き上げつつ、大気汚染、水質汚濁、そして温室効果ガスの排出を減らしてきたという事実関係も述べておりますので、温室効果ガス削減自体を否定しているものではないということが予見されます。ただ、米国に不当又は不公平な負担を掛けてはならないということも別の部分で述べておりますので、そのバランスにつきまして、パリ協定について疑義があるのではないかというふうに着目されております。  また、インフレ抑制法などにつきましても、全体としてはこの行動を止めるということでございますけれども、分野分野では前に進めるというお話も民間企業などの情報からも伺えますので、連携をして取り組める分野も残されているのではないかというふうに認識しております。

田尻貴裕経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(田尻貴裕君) お答え申し上げます。  今委員の御指摘にあったとおり、まず、トランプ大統領の支援者である共和党であったり、その支援者の者が、CO2が気候変動に関係していないのではないかというようなことを唱えている方が多くいらっしゃるというところが一つあるかと思われます。  お尋ねにつきましては、いわゆるIPCC、気候変動に関する政府間パネルの中でもそこの可能性は相当疑う余地がないということは出ておるんですけれども、それにまだ一部の学者含めて反対する者がいるということを考えているのが一つあるかと思います。  もう一つにつきましては、いわゆるパリ協定につきましては、全ての国が排出削減目標を提出をするというようなスキームに京都議定書とは違って変わってはきておるんですが、その出し方については各国に任されているということもございまして、いわゆる先進国につきましては、例えば三〇年で何%、三五年で何%という形で区切ってやっておるんですが、例えば最大の排出国たる中国は、いまだにそのGDPの比率でどれぐらい減らすという中で総量の目標を掲げていなかったりとかという形で、総量に減るということをまだコミットをしていないと、その辺りが不公平なのではないかというようなことを主張されているということが一つあるのではないかというふうに考えているところでございます。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 少なくとも、日本のように脱炭素は金科玉条でナンバーワンのターゲットではないということだけは分かりましたが、最初に北村委員が質疑の中で随分おっしゃっていたように、いろんなところでヘジテートし始めている団体等があるわけですよね。それなのに、日本はいろいろ見直しとかせずに、なぜそんなにあくまでもCO2を、金科玉条、物すごい高いプライオリティーで進めていくのかをお聞きしたいんですが、経産省ですかね。

田尻貴裕経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(田尻貴裕君) お答え申し上げます。  先ほどの大串副大臣からの答弁にもございましたとおり、今、米国自身は、パリ協定を離脱というのを国連に通告をしていて、エネルギー政策の転換を図っているというところでございますが、私どもの認識では、その米国の動きがそのほかの国々にそれほどまだ大きな影響を与えているのではないというふうに考えているところでございます。  つまり、世界全体におきましては、例えば、米国内の巨大なIT企業には引き続き脱炭素電源に向けて大規模な投資をしているということであったりとか、サプライチェーン全体の脱炭素化というものを進めているというところもございますし、欧州につきましても、多少のそのやり方についての変更や時間軸の調整などはあるかもしれませんけれども、基本的にその排出削減目標については変えない見込みとされてございますし、気候変動と産業競争力を同時実現するというような方策で変えてきているというようなことを、変えてきておりますが、その方向性としては変わってきていないのではないかということでございます。  したがいまして、我が国といたしましても、そういった世界の競争の中で我が国産業の競争力を維持強化していくために、引き続き、その私どもが掲げておりますGX、グリーントランスフォーメーションの政策を推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 そうすると、プレゼンの中で、プレゼンじゃなかった、最初に、自動車等の投資で、利益でもうかった部分の大部分が化石燃料導入で消えているという最初にお話があったと思うんですけれども、今、トランプ関税で自動車業界もきっと大変なことになるのかなと思いますし、それに円安等ももし進んでしまえば原料価格もすごく上がってしまうと。  自動車産業が輸出、業績が悪化すれば、それこそ、海外からエネルギー買うお金もなくなってしまうんじゃないかなという懸念があって、かつ、エネルギー代が高くなれば日本のメーカーは更にダメージを被るという最悪のシナリオも考えておかなくちゃいけないと思うんですけれども、そうなった場合、日本国って、何か対処する、対処、そういうことに対処している、する案を考えていらっしゃるんでしょうか。経産省、お聞きしたいと思います。

畠山陽二郎資源エネルギー庁次長

○政府参考人(畠山陽二郎君) お答え申し上げます。  まさに今御指摘ございましたように、日本がこの化石燃料の輸入に相当なその資金を投入せざるを得なくなっておりまして、これも、原油価格、ガス価格の高騰ですとか、あるいは円安によりましてその影響は深刻になっておりまして、近年相当大きな金額になってございます。  GXの取組、これは、先ほどおっしゃっていたようなCO2を下げるという目的ももちろんあるんですけれども、同時に、経済成長それからエネルギー安定供給、これを同時に達成しようという取組でございます。  日本経済の脆弱性、これは化石燃料に過度に依存をしておりまして、かつ、その化石燃料もほぼ全て海外から輸入していると、これが日本経済の極めて大きな脆弱性だと考えておりまして、このGXを進めることでこの化石燃料に依存した社会から転換をしていくということ、これは一つの大きな価値でありますし、冒頭おっしゃられた、円安あるいは油価高騰に基づく価格高騰、あるいはこれが相当乱高下をする可能性もございますけれども、こういったリスクから脱却する上でも意義のあることだと思っておりまして、今おっしゃったように、エネルギー価格が高騰して買えなくなったらどうするというようなことにならないようにGXにも取り組んでいきたいと、このように考えているところでございます。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 時間が来ましたので、これで終わりにします。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  竹詰仁君。

竹詰仁国民民主党・新緑風会

○竹詰仁君 国民民主党・新緑風会の竹詰仁です。  原子力規制委員会、政府参考人にお尋ねいたします。  原子力規制委員会は、テロ対策施設である特定重大事故等対処施設、いわゆる特重施設の建設期限が間に合わない原子力発電所に対しては、期限が超過すれば原子力発電所の稼働の基準不適合に当たるとして、停止させるとしております。また、停止させてきました。この特重施設の設置には、原子力発電所本体の主要審査終了から五年以内という期限が設けられております。  二年前のこの調査会でも私は、山中原子力規制委員会委員長にこの五年を期限とした理由等について質問をさせていただきました。私は、特重施設の設置期限を本体施設の工事計画の許可日から一律五年としたことには妥当性はないと考えております。なぜならば、原子力発電所はそれぞれ立地の地質が違います。地形も違います。敷地の大きさも違います。特重施設のためのスペースの取り方も違うし、原子炉の炉型、加圧水型あるいは沸騰水型、こういった形も違います。メーカーも違いますし、サプライチェーンも違います。施工する協力企業も違うわけであります。そうした中で、本当に全ての発電所が一律五年というのが適切なのかどうかというのは、私は疑問に思っているところであります。  この特重施設の一律五年のルールについて、規制委員会において見直しの議論が行われているのかどうか、伺います。

大島俊之原子力規制委員会原子力規制庁原子力規制部長

○政府参考人(大島俊之君) お答え申し上げます。  特定重大事故等対処施設、特重施設でございますけれども、この設置に係る経過措置期間の五年につきましては、原子力規制委員会が、特重施設における安全上の重要性や、事業者が当該施設を新たに設置するに当たり審査、工事等に必要な期間等を総合的に判断して設定しているものでございます。  この経過措置期間の見直しの議論につきましては、平成三十一年四月十七日の主要原子力施設設置者の原子力部門の責任者、いわゆるCNOと申しておりますけれども、このCNOとの意見交換会における事業者の意見を聞いた上で、平成三十一年四月二十四日の原子力規制委員会で議論をし、その上で、この五年の経過措置期間そのものを変更すべきとするような特段の状況変化は認められず、見直しを行う必要はないというふうに判断をしております。  その後、事業者から特段の申出がないことから、原子力規制委員会としては経過措置期間の見直しの議論は行っておりません。

竹詰仁国民民主党・新緑風会

○竹詰仁君 特重施設は、原子炉あるいは原子炉建屋とは直接的につながっている施設ではありませんし、発電そのものには関係しない施設であります。この特重施設が設置されていなくても、原子力発電所は稼働しております。特重施設がないことにより仮に発電の安全上問題があるのであれば、そもそも稼働できないはずだと思っています。ここに矛盾があるのではないかと思っています。  昨今、建設工事に関しては、建設資材あるいはその建設費、これは人件費も含みますけれども、この建設費の上昇が大きな課題になっています。また同時に、二〇二四年四月から建設業における時間外労働の上限規制というのが適用され、労働時間の制約が生じております。加えて、建設業で働く人が年々減少傾向にあり、建設人材の不足というのがより深刻になっている状況であります。私たちの経済社会、生活に直結する、例えばトンネル、港湾、鉄道、上下水道など、様々なインフラの建設や修繕が計画よりも遅れが生じている状況にあります。これは個別事情というよりも、社会全体の事情、課題に直面していると考えております。  この特重施設はかなりの大規模な工事です。建設コストは数百億円から数千億円の規模の工事であります。専門的な知識、技術が必要であることに加え、専門人材も限られておりますので、複数の原子力発電所の特重施設を同時に建設することは困難な状況にあると考えております。  この建設業におけるコスト面、人材面、また特重施設という極めて専門的、特殊的な施設であることをも踏まえて、一律五年のルールについて検証する必要があるんじゃないかと思いますが、見解をお願いします。

大島俊之原子力規制委員会原子力規制庁原子力規制部長

○政府参考人(大島俊之君) お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたとおり、これまでのところ事業者から特段の申出もなく、五年の経過措置期間そのものを変更すべきとするような特段の状況変化は認められないと認識をしております。  東京電力福島第一原子力発電所事故の重要な教訓の一つとしまして、継続的な安全性の向上を怠ってはならないということでございます。  原子力規制委員会としては、この特重施設の設置は、可搬設備を中心とした重大事故対策の信頼性を向上させるという意味で継続的な安全性の向上であり、事業者には計画性を持って対応していただきたいと考えております。

竹詰仁国民民主党・新緑風会

○竹詰仁君 規制委員会の皆様には是非現場の状況を確認していただきたいと思いますし、今、事業者からそういった意見はないというふうにおっしゃったんですけれども、改めて、この原子力事業者からの状況調査、聴取、意見交換の場、こういったものを設ける必要があるんではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

大島俊之原子力規制委員会原子力規制庁原子力規制部長

○政府参考人(大島俊之君) お答え申し上げます。  原子力規制委員会といたしましては、原子力事業者の経営層やその原子力部門責任者との間で公開で意見交換を行う場を設けており、これまでも原子力施設に関する規制上の技術的な諸課題について意見交換を行ってきているところでございます。このため、他律的な要因により期限内に特重施設を設置することが困難であるとの特別の事情が出てきた場合には、原子力規制委員会としてその内容を聞いて議論することを否定するものではございません。

竹詰仁国民民主党・新緑風会

○竹詰仁君 今答弁は承知いたしました。  続いて、原子力規制委員会の審査についてお尋ねします。  山中委員長あるいは前任の更田委員長に、審査の効率化について、この調査会に限らず様々な委員会等で質問があり答弁されてきたと承知しております。端的に申しますと、審査が遅い、長期化している、あるいは見通しが立てられないと、こういった御指摘があったんだと思っております。山中委員長からも、効率化に努めています、工夫しています、一方で、安全の審査が決して緩くなってはならないという趣旨の答弁がされてきたと解釈しています。  この効率化に努めている内容については説明していただかなくても結構なんですけれども、実際に効率化されたのか、この実績について、それが示していただけるなら教えていただきたいと思います。この具体的な中身が、こういうような効率をしましたとかあれば、是非教えていただきたいと思います。

大島俊之原子力規制委員会原子力規制庁原子力規制部長

○政府参考人(大島俊之君) お答え申し上げます。  審査プロセスの改善に係る取組の効果につきましては、取組を行わない場合と比較することができないため、定量的な数値でお示しすることは困難ではございますけれども、例えば自然ハザード側の審査につきましては、ここ一、二年における審査プロセスの改善の取組で、地質調査等の調査方針や実施内容をあらかじめ確認し早い段階から指摘を行うことで、手戻りがなく審査が進んでいるというふうに認識をしてございます。  具体的な審査状況でございますけれども、例えば北海道電力泊発電所三号炉につきましては、審査会合の最後に指摘事項を双方で確認し、必要な場合には文書化し、共通理解を得ることで議論が進んだ結果、現在、審査チームによる審査結果の取りまとめ案の作業を行っているところでございます。  また、中部電力浜岡原子力発電所三、四号炉の審査では、基準地震動及び基準津波の審査がおおむね終了したため、令和六年十二月から施設の設計に関する審査を再開し、自然ハザード側の審査と並行して進めてございます。また、審査会合の主要な論点等を事前に書面で提示することで、審査会合での議論を有効的に行うことができるというふうに思ってございます。  また、電源開発大間原子力発電所につきましては、基準津波の策定がおおむね審議終了となっており、基準地震動の策定につきましても個別の地震動評価がおおむね審議を終了しているということでございます。今後、基準地震動の策定の議論が終了すれば、施設の設計、いわゆるプラント側に関する審査を開始できる見込みでございます。  このように、原子力規制委員会といたしましては、引き続き、安全確保を最優先にしつつ、審査プロセスの継続的な改善に努めてまいります。

竹詰仁国民民主党・新緑風会

○竹詰仁君 第七次のエネルギー基本計画でも、再エネか原子力かと、こういった二項対立はしないと。再エネ、原子力……

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 竹詰君、時間が来ております。

竹詰仁国民民主党・新緑風会

○竹詰仁君 はい。  これを最大限活用するということでありましたので、引き続き、この審査についても議論をさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  吉良よし子君。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。  二〇二四年の世界平均気温がパリ協定で気温上昇を抑える目標とされる一・五度水準を単年で初めて超えたとされまして、地球規模での気候危機打開への一刻の猶予もない状況だと思っております。やはり、そういう中で、日本の脱炭素化、もっと積極的に推進していくことが不可欠だと思うわけですが、その脱炭素化を進める上で、やはり産業界全体、とりわけ大企業の社会的責任というのは大きいと思うわけですが、その認識があるかどうか、経産副大臣、まずお答えください。

大串正樹自由民主党・無所属の会経済産業副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(大串正樹君) GX実現に向けましては、企業規模を問わず、産業界全体で脱炭素に取り組むことが重要であると認識をしております。中でも、足下の排出量が多い企業については、排出削減に取り組むことによる効果が大きく、御指摘のとおり、大きな役割を果たせると考えております。  こうした企業の脱炭素化には、製造プロセスにおける排出削減のための設備投資であったり、脱炭素を実現する上での革新的な技術開発を進めることが必要でございます。そのため、GX移行債を活用した投資支援策やグリーンイノベーション基金の下で革新的な技術開発や多排出産業の構造転換に向けた設備投資支援等を複数年度にわたって大胆に実施しております。  引き続き、多排出産業を含めたあらゆる主体の取組を促しながら、日本全体でのGX実現に取り組んでまいりたいと考えております。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 産業界全体、そして排出量の大きい大企業の社会的責任は大きいという御答弁だったかと思います。  以前、国会の調査で訪問したアイスランドでは、企業に対しても脱炭素の目標若しくは計画の提出を求めるなど、企業を巻き込んだ取組を進めていたわけで、やはりそうやって企業を巻き込みながら脱炭素を進めていくということは本当に大事だし、とりわけその大企業の責任というのは重いと思っておるわけです。  と同時に、私、今注目したいのは、やはり中小企業の可能性と役割についてなんです。  本調査会の参考人質疑においても、参考人の皆さんから、洋上風力発電など地域中小企業の技術力を活用した脱炭素、再生エネルギーの普及に取り組む取組があり、その中で、エネルギーの地産地消、地域新電力開発による雇用の創出など、様々地域経済の好循環を生み出している事例が紹介され、本当に地域社会の一員として脱炭素の役割を、中小企業が重要な役割を発揮しているということを感じているわけですけれども、全企業の数の中で中小企業というのは九九・七%を占めていると。そういう中小企業・小規模事業者の意欲とポテンシャル、脱炭素に向けた意欲とポテンシャルを生かしていく政策、支援というのはもっと必要だと思っているわけですが、これについて、経産副大臣、取組いかがでしょうか。

大串正樹自由民主党・無所属の会経済産業副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(大串正樹君) 産業競争力の強化と、そしてカーボンニュートラルの実現を同時に達成するためには、大企業のみならず、御指摘の中小企業も含めたサプライチェーン全体でGXの取組を支える環境整備が不可欠であると考えております。このため、例えばGXに資する革新的な製品、サービスの開発に必要な設備投資等も支援するものづくり補助金や、GXを含めた中小企業の新たな事業への挑戦を支援する新事業進出補助金などの支援策を講じているところであります。  他方で、脱炭素化に向けて何をしたらよいか分からないという声を始め、情報の不足の問題があるというのも承知をしております。そこで、こうした支援策がより効果的に中小企業に届くように、中小企業のGXの取組に関する支援策をまとめたパンフレットによる周知、広報の実施、中小機構における相談窓口の体制整備などを通じて、中小企業も含めたGXに向けた取組をしっかりと後押ししてまいります。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 ものづくり補助金の活用であったり、情報提供、相談窓口などを設置しているということでした。  一方、政府の調査によると、中小企業がサプライチェーン、取引先などから脱炭素への協力要請を受ける割合というのがこの間増えていると。二〇二二年には一五・四%、五十五万社程度がその要請を受けていると、中小企業の中で受けているとされているわけですが、その割合というのは二〇二〇年と比べても倍増しているような状況だということなんです。それに対して、先ほどの経産省での支援策というのはどの程度届いているのかということが疑問になるわけなんですけれども、先ほど御紹介のあったものづくり補助金等の利用実績、若しくは相談窓口の利用実績というのは一体現状どのくらいになっているのか、政府参考人、お答えいただければと思います。

岡田智裕中小企業庁経営支援部長

○政府参考人(岡田智裕君) お答え申し上げます。  ものづくり補助金では、直近の公募回までの総採択件数二千七十件のうち、GXに関する案件を含む製品・サービス高付加価値化枠、成長分野進出類型の採択件数につきましては四百四十三件でございます。  また、中小機構の相談窓口において、カーボンニュートラル、脱炭素に関する相談につきましては、令和六年度では二百三十七件の相談を受け付けております。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 ものづくりの方で四百四十三件、相談件数というのが二百三十七件ということで、サプライチェーンから要請を受けているのは五十五万社だと言われている中で余りに少な過ぎるんじゃないのかと、支援が行き渡っていないんじゃないかと思うわけですね。  実際、取組実績見てみても、その要請を受けた中で取り組まなきゃいけないけど、実際に取り組めている中小業者、中小企業というのは二割程度にとどまっているという話もあるわけで、やはりこれではせっかくの中小企業のポテンシャル、生かし切れないんじゃないかと思うわけです。  一方で、政府、国際市場において競争力のある製品の国産化を目指すラピダスなど、一握りの大企業には法律まで作って支援を行うということを今しているわけです。ラピダスに関して言うと、二〇三〇年までに十兆円と。経産省は二五年度にラピダスに対して八千二十五億円の追加支援を決定したということで、これまでに決定したものと合わせれば、ラピダス一社への支援というのは、これまでだけで一兆七千二百二十五億円に膨らむと。本日参議院で審議入りしたラピダス支援法案、情報処理促進法では更に一千億円出資するという計画なわけです。  一方、令和七年度の中小企業対策費当初予算というのを見てみると、全部合わせて一千八十億円と。支援する規模が余りに違い過ぎるんじゃないのかと思うんです。中小企業への予算も支援も圧倒的に足りていないと。ましてや、もう脱炭素というところになると本当に手が届いていないという状況で、やっぱりこれもう抜本的に転換していかなきゃいけないんじゃないですかと。  中小企業の技術力を生かした脱炭素化の取組、事業発展、もっともっと応援していくためにも、この中小企業への予算、支援政策、抜本的に増やしていくべきじゃないかと思いますが、経産副大臣、いかがでしょうか。

大串正樹自由民主党・無所属の会経済産業副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(大串正樹君) GXの実現に関しましては、日本全体の温室効果ガスの排出量の約二割程度を占める中小企業を含めて産業全体の取組が重要であることはお話をしたとおりでございますが、御指摘の中小企業においても、その技術力を生かした脱炭素に資する商品、サービスの提供に加えて、自社の事業そのものの脱炭素化に取り組んでもらうことも必要不可欠だと考えております。サプライチェーン全体での脱炭素の取組が求められる中、中小企業も自社のエネルギー消費量や排出量の削減に取り組むことで、エネルギーコスト削減や新たな市場の獲得にもつながる可能性があるといったメリットもございます。  このため、経済産業省では、省エネの専門家がアドバイスを行う省エネ診断の支援や中小機構による排出削減計画等の策定支援を行っております。また、省エネ設備の更新を支援する省エネ補助金については昨年より三年で七千億円規模の支援を行うとしておるほか、カーボンニュートラル投資促進税制の中小企業向けの措置内容を拡充するなど各種の施策を講じてきているところでもございます。  今後とも、中小企業がGXに取り組むメリットの理解増進を図りつつ、中小企業のGXの取組を推進するために更に必要な対策を講じてまいります。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 脱炭素に中小企業が取り組むメリットがあるということであれば、やはり脱炭素、そして中小企業そのものへの予算、支援、もう本当に抜本的に増やしていかなきゃいけないんだと、中小企業が脱炭素に向けて役割、可能性、そのポテンシャルを大いに発揮できるように、予算を抜本的に増加すること、支援を抜本的に増やすよう強く求めまして、質問を終わりたいと思います。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。──他に御発言もなければ、本日の質疑はこの程度といたします。  速記を止めてください。    〔速記中止〕

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 速記を起こしてください。  次に、最終報告書を取りまとめるに当たり、これまでの調査を踏まえ、委員間の意見交換を行います。  まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。  発言を希望される方は、挙手の上、会長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。  また、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、発言時間は一回当たり五分以内となるように御協力をお願いいたします。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、発言のある方は挙手をお願いいたします。  藤井一博君。

藤井一博自由民主党

○藤井一博君 自由民主党の藤井一博です。  本調査会は、「資源エネルギーの安定供給確保と持続可能社会の調和」をテーマとして調査活動を行ってまいりました。最終報告書の取りまとめに向け、意見を申し述べます。  資源エネルギーの安定供給確保は持続可能な社会の基盤であり、最優先に取り組むべき課題です。しかしながら、ロシアのウクライナ侵略に伴うエネルギー危機、日本が原油の九割以上を依存する中東地域における軍事的緊張の高まり、米国のパリ協定脱退や追加関税措置等による国際貿易の不安定化など、エネルギー安全保障をめぐる環境は不確実性を増しております。とりわけエネルギー自給率が低い我が国は、情勢変化の影響を受けやすい状況にあります。  一方、国内の将来的な電力需要に関しては、生成AI等を含むデジタル化の進展に伴うデータセンターなどのICTインフラの普及や半導体産業の振興など、電力需要の大幅な増大が見込まれております。現状を克服し、更に脱炭素化を進めていくためにも、官民が一体となりエネルギーの安定供給確保のための対策を進めていく必要があります。  なお、安定供給確保には、量的に十分であるだけでなく、価格の安定、さらには自然災害に強いエネルギー供給インフラの整備が含まれることに留意が必要であります。  エネルギー安定供給確保に向けては、脱炭素電源でもある再エネと原子力の最大限の活用が不可欠であります。  一方、再エネの中でも、今後更なる導入が期待される太陽光発電と風力発電については、天候や季節により出力が大きく変動するという課題があります。これを補うものとして、火力発電は大きな役割を担っております。他の化石燃料に比べ環境負荷の低いLNGの有用性は増しておりますが、世界情勢の変化のリスクも踏まえ、同盟関係にある国々とのエネルギーにおける連携強化などの取組を進めなければなりません。  引き続き、火力発電の供給力を確保するとともに、燃料調達先の確保、多角化の取組を行っていく必要があります。同時に、水素やアンモニア、CCSによる火力発電の脱炭素化の取組も推進すべきと考えます。  また、その供給を特定の国に過度に依存している重要鉱物に関しては、供給源の多角化、海洋資源も含めた国産の資源開発の取組も必要であります。  原発については、安全性の確保を大前提に再稼働に向けた取組を進めるとともに、次世代革新炉の研究開発や設置も検討していくべきであります。ただし、原発の活用を進めていくためには、核燃料サイクル、廃炉、最終処分といったバックエンドプロセスの課題を解決しなくてはなりません。また、東京電力福島第一原発事故の経験、反省と教訓を肝に銘じて、立地地域の住民の安全確保を最優先として取組を進めていくことが不可欠であります。  エネルギー安全保障の確立に向けて、あらゆる選択肢を検討し、日本にとってのエネルギーのベストミックスを追求していく必要があると考えます。  気候変動問題は、地球規模の長期的課題であります。日本としては、二〇五〇年カーボンニュートラル実現を目指し、方針を同じくする国々、とりわけ産業構造が似たアジアの国々と協調、連携の上、引き続きその取組を推進していくべきと考えます。その際には、脱炭素分野における投資拡大を経済成長につなげるというグリーントランスフォーメーションの観点が重要であります。  本調査会の三年間のテーマである「資源エネルギーの安定供給確保と持続可能社会の調和」の実現に向けて必要なことは何か。私は、都市、農山漁村など、各地域においてその実情に応じた取組をいかに実践できるかに懸かっていると考えます。  地域脱炭素の取組は、うまく設計することで脱炭素以外の地域が抱える課題にも対処できる可能性があります。各地域において、脱炭素化の取組を端緒として、地域の産業、公共交通、災害対策といった地域課題にも対処し、持続可能な地域づくりが進められることを期待します。  そうした取組を推進するためにも地方創生の観点がますます重要になるということを申し添えて、私からの意見表明といたします。  以上です。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  柴愼一君。

柴愼一立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 立憲民主・社民・無所属の柴です、柴愼一です。  初めに、エネルギー政策の在り方について申し上げます。  エネルギーは国民生活や経済活動の根幹となるものであり、その安定供給が何よりも重要なことは言うまでもありません。世界のエネルギー情勢が混迷を深める中、資源に乏しい我が国がエネルギーの安定供給を確保するためには、資源外交等を通じた調達先の多角化が重要です。また、住宅の断熱化など省エネルギーの取組を強化するとともに、経済安全保障の面からも国産エネルギー供給力を高めるため、再生可能エネルギーの最大限の活用を進めていくべきと考えます。  次に、脱炭素社会の実現についてです。  気候変動については、温暖化そのものへの問題意識、対策の必要性に疑義を呈する様々な学説、立場があるところですが、世界的な気温上昇、温暖化が自然災害の激甚化、山林火災の大規模化など、人々の生命や生活を脅かしている現状を踏まえれば、安全、安心な生活を将来世代につなげていくためにも、早急に気候危機からの脱却を実現していかなければなりません。  米国のパリ協定脱退表明など気候変動をめぐる国際情勢は予断を許さない状況ですが、日本は引き続き気候変動対策を着実に進めていくべきです。人々の暮らしや経済との両立を図りつつ、脱炭素社会の実現を目指すことが重要です。  日本の再エネ拡大の鍵ともされる洋上風力発電については、世界的なインフレや人件費の高騰により建設コストが急上昇し、逆風にさらされています。しかし、特に浮体式洋上風力は、造船や金属加工など日本の強みである物づくりの力を生かせる分野であり、また、社会実装されれば発電量が期待できます。このため、機器製造から建設、メンテナンスまで競争力のある産業となるように、官民を挙げて規制の在り方、資金確保の枠組みづくりなどに取り組んでいく必要があります。  気候変動問題や資源エネルギーの需要増大等を背景に、サーキュラーエコノミーが国際社会共通の課題となっています。資源に乏しい我が国にとって、再エネ設備等に用いられる重要鉱物の再利用を含めてサーキュラーエコノミーを実現することは、脱炭素化に寄与するとともに、経済安全保障の面でも重要です。  原子力エネルギーに対しては、中長期的に依存度を低減し、最終的には原子力エネルギーに依存しない社会を目指すための政策を推進するべきです。移行に伴う産業構造の転換は、エネルギー産業に携わる幅広い関係者の存在を踏まえて進めていく必要があります。  そのためには、産業構造の転換に伴う失業等の悪影響を最小化するなど、公正な移行の実現が極めて重要です。公正な移行を進める際には、複数のシナリオやオプションの下、関係する産業や労働組合を含む当事者との積極的な社会対話を基本に、丁寧な合意形成を図る必要があると考えます。  また、脱炭素社会や公正な移行の実現に向けては、地方自治体の役割が大きいことも改めて認識いたしました。しかし、特に小規模自治体においては人も財源も限られています。自治体間の横連携や外部支援を得られる環境整備が必要です。  最後に、資源エネルギーや持続可能社会に関する政策を進めていく際には、様々な立場から真摯な議論を行った上で、無関心層を含む多くの方々に受け入れてもらうことが非常に重要です。また、イノベーションの動向や国際社会を含む経済、社会には不確実性があります。国は、多角的、科学的な視点に基づく検討を不断に行い、国民の理解、支持を得る努力を継続することが必要です。  本調査会では、会派を超えて真剣な議論がなされてきました。今国会で一区切りとなりますが、引き続き国民的議論を進めていく必要があると考えます。  以上です。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  新妻秀規君。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 ウクライナや中東情勢の緊迫化により、化石燃料の輸入に依存する我が国のエネルギー安全保障上の脆弱性が一段と顕在化いたしました。同時に、二〇五〇年カーボンニュートラル実現に向けた国際的取組は一層不可欠となり、生成AIの普及による電力需要の急増が見込まれる中、脱炭素電源の確保が重要な課題となっております。  現状、日本のエネルギー自給率は極めて低く、国内で生み出せる再生可能エネルギーはエネルギー安全保障の観点からも極めて重要であり、飛躍的拡大が不可欠です。次世代型のペロブスカイト太陽電池や浮体式洋上風力など革新的技術の開発、実用化を大胆に支援し、再エネ導入拡大を加速すべきです。加えて、天候に左右されない地熱、水力、バイオマスなど分散型エネルギー源の活用の推進も引き続き重要です。  一方で、再エネ主力電源化が実現するまでの過渡期には、液化天然ガス、LNGなど低炭素な火力発電燃料の安定確保にも万全を期し、調達を多角化し、地政学リスクを回避する必要があります。原子力発電については、安全性と地元理解を大前提に、限定的な再稼働を認めつつ、可能な限り依存度を低減すべきです。  さらに、水素エネルギーの利活用拡大につきましては、LNG等との価格差を補填しての価格の引下げ、オーストラリアやアジア諸国との国際連携によるグリーン水素の大規模調達を始めとしたサプライチェーンの構築を安定的に支援すべきと考えます。  持続可能な社会の実現には、資源の循環利用による循環経済、サーキュラーエコノミーへの移行も不可欠でありまして、ごみの削減や再資源化を通じて付加価値を生み出す循環経済への転換を加速し、カーボンニュートラル達成を加速せねばなりません。  高度なリサイクル技術を持つ事業者を国が認定し、プラスチックなど再生資源を国内で安定循環させる新制度は、循環経済への移行を加速する重要な一歩となります。今後、中小企業も含めリサイクル産業への設備投資を支援する補助金、税制優遇措置などの拡充などを通じて地域での資源循環ビジネスの育成と普及を後押しをし、資源制約を克服しながら新たな市場と雇用を生み出す成長と環境の好循環を加速すべきと考えます。  地方自治体や地域企業が主体となる地域脱炭素の取組は、多面的な地域課題の解決につながり、地方創生の原動力となります。  例えば、地域主導の脱炭素には以下のような効果が期待できます。一、エネルギー価格高騰への対応。二、未利用資源の活用による地域産業の振興。三、非常時のエネルギー確保による防災力の強化。四、地域のエネルギー収支の改善。こうした効果です。  また、脱炭素化を支える人材育成も重要です。次世代のグリーン産業を担う人材を地域から育てるため、大学や高専における理工系分野の拡充や、産学官連携による人材育成への投資を強化する必要があります。地域の若者が地元で最先端の環境エネルギー技術を学び、地元産業で活躍できる環境を整えることで、地方に雇用と人材の好循環を実現すべきと考えます。  また、福島第一原発の安全な廃炉の実現に向け、国は前面に立ち、総力を挙げて取り組み続けなければなりません。  終わりに、二〇五〇年カーボンニュートラル達成と持続可能な経済成長の両立を目指し、徹底した省エネの推進や再エネの主力電源化の加速、GX経済移行債を活用した戦略的なグリーン投資の展開に官民挙げて総力を挙げねばなりません。  本調査会での議論を踏まえ、持続可能な社会への道筋を具体的な政策に反映すべく、党派を超えて努力をしてまいりたいと思います。  以上です。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  藤巻健史君。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 先ほど経済産業省がおっしゃっていたように、現状は、化石燃料に過度に依存している日本社会だと思います。そのときにトランプ関税問題が起こってきまして、化石燃料を買う原資となる自動車産業等の収益が、海外に工場とか出ていけば、日本での収益が減るリスクがある。そうすると、化石燃料を買う原資がなくなるし、もしその状況で円安が進むと買うべき燃料も上がっていくという、日本にとっては大変な状況が起こる可能性もあるわけです。  そういうような、円安が進んでいけば、まさに電気代等も高騰し世界と競争ができなくなる、日本経済はですね、そういうリスクがあるのですが、それが今はもうテールリスクと、要するに、テールリスクというのは、起こる可能性は小さいけれども起こったら大変なことが起こるというようなテールリスクとして捉えるべき状況ではなくなってきたんじゃないかなというふうに思います。  ということで、そうなりますと、再生エネルギー等に時間を掛けて開発していくという時間は既になく、早急に安全な経済安保を考えなくてはいけないのではないかということになるのではないかと思います。ならば、もう好き、いい悪いは別として、お金の問題がありますから、再生エネルギーに掛けていたお金をある程度、次世代原子力発電の方にお金、それと並びに資源、エネルギー等、資源とエネルギーってノウハウとか能力とかそういう、人材とかいうものに傾けて、早急に近代原子力、次世代原子力発電を研究し、導入しなくてはいけないのではないかと。選択肢がほかにあるならば別ですが、それしかないんではないかという気がします。  一応パリ協定ができた後の話、日本の政府というのは相変わらず非常に意思決定が遅いというか、大改革をしないと、チェンジをしないということで、相変わらず経済安保と脱炭素を両立のように扱っていますけれども、ここで一度立ち止まって、国民、全国民レベルでどちらを優先していくか、その危機に対してどういう方法があるかを考えるべき時期にあるのではないかと、少なくとも検討する時期にあるのではないかというふうに感じています。  以上です。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  堂込麻紀子君。

堂込麻紀子国民民主党・新緑風会

○堂込麻紀子君 国民民主党・新緑風会の堂込麻紀子です。  今国会では、「資源エネルギーの安定供給確保と持続可能社会の調和」に向けた戦略について調査が行われました。原油を始めとする化石燃料など、資源エネルギーの大部分を海外に依存する日本では、その安定供給を確保することが持続可能な経済社会を構築する上での大きな課題となっています。  世界に目を転じますと、近年、ロシアによるウクライナ侵略後の天然ガス価格の高騰、中国によるレアアースなどの鉱物資源の囲い込みの強化、また、米国では、トランプ大統領の再登場によるパリ協定からの脱退や石炭増産を始めとする化石燃料政策の大転換、こういった状況変化がありました。  このように、世界の資源エネルギー、環境をめぐる状況は流動的であり、特に、国家間の協調よりも自らの国益を最優先させるエネルギー安全保障政策、経済政策、気候変動問題への対応を取る傾向が強まっているというふうに思います。こうした国際情勢を十分に踏まえた上で、僅かな資源しか有しない日本が持続的な経済成長、産業の発展、国民の暮らしの質の向上を図っていくにはどうすればよいのか、垣根を越え、知恵を絞り、必要な取組を速やかに実行しなければならない、そんな状況に直面しております。  資源エネルギーの安定供給確保に向けて、まずはエネルギー自給率を上げていく必要があります。その方策として、第七次エネルギー基本計画では、再生可能エネルギー、原子力など、エネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用することが示されております。政府が示した二〇四〇年度の再エネの電源構成比率、四から五割実現に向けて関連施策を強化するということを前提とした上で、再エネを推進する際に留意すべき点を申し上げます。  今国会では、EEZにおける洋上風力発電設備の設置に向けた法律案が審議されており、こうした法整備も再エネ推進には必要ですが、あわせて、風力発電設備の部品の国産化を進め、ひいては国内雇用を創出していくことが重要だというふうに考えます。今後、再エネ分野における国内の関連産業の裾野を広げていき、強靱なサプライチェーンを構築していけるよう政府の積極的な支援を求めます。  また、実用化、早期の量産体制の確立が期待されるペロブスカイト太陽電池については、中国を始めとする海外勢にシェアを奪われたかつての太陽電池産業のようにならないよう、官民連携の下、政府が時宜を得た民間への支援策等を行うことで、その大量導入につなげていく必要があると考えます。  ここで強くお伝えしておきたいことがあります。石川参考人からも指摘があったとおり、脱炭素化による産業構造の転換により取り残されるリスクの高い産業、企業、そして労働者への支援は、脱炭素社会の実現に当たり不可欠な取組になります。公正な移行、ジャストトランジション、これに関する施策について、政府には、欧州での先進的な取組を参考にしつつ、着実に実施していくことを求めます。  なお、脱炭素電源としてエネルギー基本計画に示された原子力ですが、東京電力福島第一原子力発電所での事故を教訓とした安全、安心を第一とした取組が言うまでもなく不可欠です。また、長期間停止による弊害もあると認識をしております。とりわけ、原子力発電の再稼働を進めようとする際には、地域住民の十分な理解を得た上でその是非は判断されるべきものだと考えます。  最後になりますが、人材の育成、確保の重要性について申し上げます。  エネルギーのイノベーションを創造できる人材はもとより、廃炉や使用済燃料への対応、脱炭素電源を推進するための人材、さらには日本のインフラや物づくりの現場に従事する人材を着実に育成し、報酬面を含めて正当に評価することが資源エネルギーの安定供給確保と持続可能な社会の調和を目指す上での基盤であるということをお伝えし、私の意見表明といたします。  ありがとうございます。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  吉良よし子君。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。  二〇二四年の世界平均気温はパリ協定で気温上昇を抑える目標とされる一・五度水準を単年で初めて超えたとされ、地球規模での気候危機打開は一刻の猶予もありません。  一方、政府が掲げた第七次エネルギー基本計画は、原発の最大限活用を明記し、原発の再稼働、新増設にまで言及しています。福島第一原発事故以来、政府自身が掲げてきた原発依存度の低減を投げ捨てることは許されません。今なお福島第一原発の事故は収束していません。  能登半島地震では志賀原発で変圧器の火災が起こり、住民の同意のないまま再稼働へと進む柏崎刈羽原発ではトラブルが続発し、福島第一原発では汚染水かぶりや作業員がやけどを負う人身事故が繰り返されています。東海第二原発では、三年間で十一回も敷地内での火災を起こしていたことが分かりました。  原発に安全性の担保などありません。地震、津波大国である日本で、一日も早く原発ゼロを実現しなければなりません。原発の最大限活用と石炭火力発電にしがみつきながら、再エネ最優先の原則を削除し再エネ導入に逆行するエネルギー政策を転換し、再生可能エネルギーの普及こそ目指すべきです。  また、二〇三五年までに二〇一三年度比で六〇%削減という日本の温室効果ガス削減目標は、気候危機対策の要である一・五度目標と整合していないばかりか、先進国、大排出国としての責任を果たすものになっていません。  日本共産党は、昨年十二月、温室効果ガス排出削減目標を七五から八〇%にするという積極的な目標にすべきと政府に申し入れました。その実現に力を尽くします。  CO2削減、脱炭素を進めるに当たり、排出絶対量の多い大企業が責任を果たすべきなのは言うまでもありませんが、全企業の九九・七%を占める中小企業の可能性を最大限生かすべきです。  本調査会においても、エネルギーの地産地消、地域新電力の開発、運営や雇用の創出など、地域経済の好循環を生み出す取組に中小企業が創意工夫と技術力を生かして役割を発揮しているというお話が参考人からるる語られました。一方で、脱炭素に関わる政府の中小企業政策は、中小企業の可能性に応えるものになっていません。中小企業の脱炭素化への取組と事業発展を応援するためにも、予算と支援策を抜本的に強化すべきです。  あわせて、第七次エネルギー基本計画や温室効果ガス排出削減目標の策定に際し、若い世代の意見が反映されていないことは重大です。政府に対し積極的な気候危機対策を求め声を上げてきた若者からは、気候変動対策の意思決定プロセスに私たちの声が届かない、NDCも結局、経団連の求める目標値になった、声を聞いてもらうためには経団連に入るしかないのかと、憤りと絶望の声を上げていました。  二月十九日の本調査会の参考人質疑では、環境問題というのは、基本的には将来の子供たちに影響してくるという意味で、子供たちの意見を取り入れるというのはとても大事、若者たちの声をできるだけ地域の施策、国の方針に反映できる機会は増えるべき、子供の権利をきちんと守っていくことが成熟した民主主義をつくるなど、気候変動など政策策定プロセスに子供、若者の参画を保障することについて、全ての参考人から共感と重要性を示す意見が述べられました。  気候危機対策は子供たちの権利に関わる問題です。子供たちの声に応えることは政治の責任です。気候危機による最大の被害、影響を受ける子供たち、若者たちの声をエネルギー政策や気候変動対策の政策決定プロセスに反映させるべきということ、強く訴えて、意見表明を終わります。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。──他に御発言もなければ、以上で委員間の意見交換を終了いたします。  各委員におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。  本日伺いました御意見も踏まえ、各理事とも協議の上、最終報告書を作成してまいりたいと存じます。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十二分散会

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