資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会 第1号
- 発言数
- 89 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2025/02/05
会議録
○会長(宮沢洋一君) ただいまから資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、滝波宏文君が委員を辞任され、その補欠として朝日健太郎君が選任されました。 ─────────────
○会長(宮沢洋一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 原子力等エネルギー・資源、持続可能社会に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(宮沢洋一君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(宮沢洋一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○会長(宮沢洋一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 原子力等エネルギー・資源、持続可能社会に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(宮沢洋一君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○会長(宮沢洋一君) 原子力等エネルギー・資源、持続可能社会に関する調査を議題といたします。 本日は、「資源エネルギーの安定供給確保と持続可能社会の調和」のうち、「資源エネルギーの安定供給確保と持続可能社会の調和に向けた戦略」に関し、「エネルギー安全保障の確立に向けた方策」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。 御出席いただいております参考人は、東京大学大学院工学系研究科附属レジリエンス工学研究センター教授小宮山涼一君、一般財団法人電力中央研究所社会経済研究所研究推進マネージャー(サステナビリティ)・上席研究員上野貴弘君及び浮体式洋上風力技術研究組合(FLOWRA)理事長寺崎正勝君でございます。 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。 次に、議事の進め方について申し上げます。 まず、小宮山参考人、上野参考人、寺崎参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず小宮山参考人からお願いをいたします。小宮山参考人。
○参考人(小宮山涼一君) 東京大の小宮山と申します。(資料映写) 本日は、お話の機会を賜りまして、誠にありがとうございます。 私からは、エネルギー安全保障をめぐる内外の情勢についてお話をさせていただきます。 まず、日本の現状に関してです。 日本を取り巻くエネルギー情勢は不確実性が高まっています。中国やインドのエネルギー市場でのプレゼンス拡大に加え、世界のエネルギー供給拠点である中東やロシアの動向も先行きが不確実な状況にあり、エネルギー安全保障が重要な課題となっています。日本のエネルギー自給率は約一五%と先進国でも低い水準で、原油の約九割を中東から輸入している現状です。 さらに、脱炭素への取組も重要な課題です。COP28では、二〇三〇年までに世界の再生可能エネルギー設備容量を三倍、二〇五〇年までに原子力も設備容量を三倍に拡大する目標が示されるなど、脱炭素電源投資の取組も必要になっています。 また、自然災害対策やエネルギー価格の安定にも注力し、持続的な経済成長を目指すことが重要であると考えられます。 まず、エネルギー安全保障の目的ですが、エネルギー価格の安定とエネルギー供給支障の未然の防止、また、供給支障発生の際の影響の最小化と早期復旧です。その強化には多面的な方策が必要であると考えられます。 具体的には、省エネルギーの推進による効率的なエネルギー利用、エネルギー自給率の向上による海外依存度の低減が挙げられます。さらに、輸入資源の分散化や備蓄の強化などを進め、資源調達リスクを低減することも重要です。加えて、地震や台風、大雨など、自然災害に強いエネルギー供給インフラの整備も不可欠な課題になります。 こちらのスライドは、最近のGDP上位十か国のエネルギー自給率を示しています。 御覧のとおり、日本の自給率は最も低く、海外のエネルギー情勢に大きく左右される状況です。持続的な経済成長を維持するためにも、原子力や再生可能エネルギーの活用などによるエネルギー自給率の向上が重要であると考えられます。 次の二枚のスライドでは、エネルギー価格の動向に関して説明いたします。 まず、こちらは世界の原油価格の推移です。 原油価格は、需要と供給のバランスに加え、その時々の世界情勢に大きく左右され、御覧のとおり、これまで大きな変動を見せています。特に、価格が高騰した際には世界経済への影響が懸念されます。日本のように資源を海外に依存する国では、その影響が顕著となります。また、自動車社会であり世界最大の石油消費国のアメリカでも、石油価格高騰は社会問題としてしばしば注目されてきました。 一方で、石油生産国にとっても、価格変動が余りに激しく、予見可能性が低下すれば、安定した収益の見通しが立てにくくなり、探鉱や開発への投資が進みにくくなるといった課題もあると考えられます。 こちらは、日本の燃料輸入価格と電気料金の推移です。 ウクライナ危機では、天然ガス、LNGの輸入価格が二〇二〇年初頭に比べ一時約三倍、石炭、一般炭は四倍以上に上昇し、電気料金も大幅に高騰しました。同様に、欧州でも、ウクライナ危機前に天然ガスの約四割をロシアに依存していたため、エネルギー価格が急騰しました。 今後も、世界的な脱炭素の流れで化石資源への開発投資が不足すれば、燃料価格の高騰リスクが高まる可能性もあります。そのため、価格高騰への備えが重要だと考えられます。 次に、エネルギー価格に大きな影響を与える世界のエネルギー需要の動向について説明します。 先進国ではエネルギー消費の伸びが頭打ちとなる一方、グローバルサウス、アジア新興国では消費が増加しており、今後もその傾向が続くと予想されています。このため、エネルギー安全保障への対応が一層重要になります。特に、国際的な電力需要の増加や環境意識の高まりを背景に、天然ガス需要が増加しています。アジアでは、中国やインドを中心にLNGの輸入が増加傾向にあり、LNGの安定供給が重要な課題と考えられます。 続いて、エネルギー供給について説明します。 こちらは、日本の化石燃料輸入先の内訳です。 原油は中東から九割以上輸入し、LNGや石炭はアジア太平洋地域に依存しています。例えば、LNGはオーストラリアやマレーシアなどからの輸入が中心ですが、一部の国では経済発展による内需の増加により将来的に輸出余力が低下する可能性もあります。さらに、ウクライナ危機後の不確実な世界情勢を踏まえると、日本も輸入先の動向把握を徹底し調達先の分散化を進めるなど、エネルギー安全保障の強化が重要であると考えられます。 こちらは、日本とも関わりの深いエネルギー生産国であるアメリカの動向です。 シェール革命により、アメリカは世界最大の産油国、産ガス国となりました。シェール革命は、原油輸出解禁や、石炭からガス火力へのシフトと二酸化炭素排出抑制、また関連産業の活性化を促し、国際的にはOPECプラスの枠組み形成の契機にもなるなど影響を与えました。 アメリカのエネルギー自給率は一〇〇%を超え、オーストラリアやカタールなど主要なLNG輸出国となっています。石油自給率も向上し、中東依存度も大幅に低下しています。このような状況の中、日本にとってアメリカからのLNG輸入は、価格動向の注視も必要ですが、輸入先の分散化にも貢献すると考えられます。 次の四つのスライドでは、脱炭素電源の動向を紹介します。 世界全体の再エネの動向ですが、気候変動への取組の流れの中でクリーンなエネルギー源へのシフトへの機運が高まり、コスト低下などを背景として、太陽光発電や風力発電の導入が国際的に拡大しています。 また、国際エネルギー機関による世界での二〇五〇年までの二酸化炭素排出ネットゼロ実現のシナリオでも、再生可能エネルギー、太陽光発電や風力発電、そして原子力の拡大が必要であることが示唆されており、二〇二三年比で、設備容量ベースで二〇五〇年までに原子力を現状比二倍、太陽光や風力発電でも大幅に拡大するための投資が必要との推計も見られます。 次に、再生可能エネルギーの特徴と課題ですが、特徴として、ゼロエミッションを実現し、エネルギー自給率の向上や非常用電源としての活用など、多くの利点が挙げられます。特に、太陽光発電などはそれ自体の発電コストが安価になりつつあり、サプライチェーンの脱炭素へのニーズの高まりなどから、企業による再エネ調達も進んでいます。 しかし、課題もあります。電気出力の変動や不確実性への対応、大量導入のための送配電設備の整備や調整力の確保、さらには土地の確保も必要です。また、技術の国産化も重要な課題です。こうした課題解決を進めながら導入拡大が期待されます。 次に、原子力です。 ウクライナ危機後のエネルギー、電力価格の国際的な高騰やエネルギー安全保障の強化の面で、世界的に原子力が再評価されています。原子力は、天然ウラン一キログラムが石油十四トンに相当するように、エネルギー密度が非常に高く、少量の燃料で長期間発電できるため、エネルギー安全保障に大きく貢献します。また、ゼロエミッションで地球環境問題の対応にも貢献します。電力コストの抑制や電力系統の安定化にも役立ち、特に燃料価格高騰時の影響を受けにくいというメリットがあります。さらに、次世代革新炉では、安全性の強化や再エネとの共存を目指して、出力調整機能の開発も期待されています。 一方で、課題として、放射性廃棄物処理や安全性の確保、国民の信頼醸成が大前提です。新たな原子力建設に向けた投資環境の整備、また原子力人材の育成も大変重要な課題です。これらを踏まえ、原子力の適切な活用が求められます。 最近では、デジタルトランスフォーメーションやグリーントランスフォーメーションの進展により、今後十年間で日本の電力需要が増加に転じる可能性が指摘されています。特に、データセンターや半導体工場の建設が電力消費を押し上げると予想されています。この需要増加に対応するため、安定供給と脱炭素の両立を目指した十分な電源投資が必要となります。デジタルトランスフォーメーションなど、電気が様々な産業や社会活動を支えるエネルギーとなり、電気の社会的な価値が一層高まる可能性を踏まえれば、適切な電力供給力の確保がますます重要になると考えられます。 また、視点を地域に移しますと、地域のエネルギー安全保障、いわゆるエネルギーレジリエンスも大事な課題です。近年、地震や台風、大雨など、自然災害が深刻化する中、地域の安定供給対策がますます求められています。 エネルギーレジリエンスとは、平時には安定的なエネルギー供給を維持し、有事には供給障害の影響を最小限に抑え、迅速に復旧する能力を指します。これは、二〇二〇年のAPECで合意されたエネルギーレジリエンス原則でも示されています。自然災害に対して、ハード面の強化とソフト面の体制整備を通じて地域社会のエネルギー安定供給を守ることも大変大事です。 最後になりますが、エネルギー安全保障の方策を考える際には、脱炭素との両立を考慮し、経済合理性を踏まえた多様な技術の選択が重要です。省エネルギー技術、原子力、再生可能エネルギーなど、エネルギー安全保障と脱炭素の両立に資する技術が望まれます。 ただし、Sプラス3E、安全性、安定供給、経済効率性、環境適合性を全て満たす単一のエネルギー源はいまだ存在せず、各技術には課題があります。例えば、太陽光や風力は出力の変動、原子力は社会受容性が課題となります。Sプラス3Eの視点に加え、技術動向や情勢の把握、イノベーションの可能性、技術自給率、国産化の可能性などの諸要因も考慮し、透明性のある議論を通じた技術選択とエネルギーベストミックスの構築が大切であると考えております。 最後のこちらは、本日の内容に関する私の論文一覧でございます。 私からは以上となります。御清聴、誠にありがとうございました。
○会長(宮沢洋一君) ありがとうございました。 次に、上野参考人にお願いいたします。上野参考人。
○参考人(上野貴弘君) 電力中央研究所の上野と申します。本日はよろしくお願いいたします。 最初に一言だけ自己紹介をさせていただきますと、私は、電力中央研究所に入所して以来、一貫して気候変動対策、特にその中でも国際的な側面につきまして研究をしてまいりました。本日は、そういう私の専門性の観点も踏まえて、気候変動について中心に述べていきたいと思います。 お手元に配付されております資料に沿って話をしてまいります。各ページの右下にページ番号がありますので、そちらを御覧になりながら話を聞いていただければと思います。 まず、二枚目です。 本日の御報告の背景なんですけれども、気候変動というのは地球規模課題、グローバル課題でありますので、長年、国際協調の下で取組が進められてきました。歴史をたどれば、一九九二年に冷戦が終結した後、地球環境問題というのが国際社会の重要なアジェンダになりまして、その中で、ブラジルで行われた地球サミットという会議を契機に、気候変動枠組条約が採択をされています。その後、一九九七年に日本で行われたCOP3という会議で京都議定書が採択され、さらには二〇一五年にパリで行われたCOP21という会議でパリ協定が採択されました。これまでのところ、このパリ協定の下で国際協調は進められてきているわけなんですけれども、皆様御案内のとおり、今年一月二十日に就任しましたアメリカのトランプ大統領は、就任日の大統領令でパリ協定からの、一度脱退しているんですけれども、もう一回脱退する、再脱退を表明しているところであります。 このような状況を踏まえまして、報告の目的としましては、このアメリカのトランプ政権の動向と、世界はアメリカだけではありませんので、世界全体の動向を更に概観した上で、日本が進むべき道について私なりの考えを述べたいと思っております。構成としては今の三つを順に述べてまいります。 続きまして、三枚目を御覧いただければと思います。 最初に、アメリカ・トランプ政権の動向です。 気候変動対策はグローバル課題で、国際的な側面と各国の国内的な側面がありますので、国際、国内に分けて話していきたいと思いますけれども、まず、国際協調につきましては、今申し上げましたように、既にパリ協定からの再脱退を通告をしています。手続面でいいますと、通告という手続を国連に対して行ったのが一月二十七日であります。パリ協定の規定上、脱退を通告してからその脱退が効力を持つまで一年とされていますので、正式な脱退となるのは二〇二六年の一月二十七日ということになります。なので、形式上は、今年十二月に行われるCOP30という会議では引き続きパリ協定の締約国であるということです。 パリ協定から脱退するというのは、いわゆるトランプ一・〇、二〇一七年からの一期目のときにも行っていますので、これはトランプ大統領が再選されたときから既定路線と考えられていました。むしろ懸念されていたのは、九二年に採択をされた気候変動枠組条約からも抜けてしまうのではないかということでした。 気候変動枠組条約は、パリ協定も含め、気候変動の国際協調を進めるための土台となる条約でありまして、毎年の後半に行われているCOPという会議は、まさにこの枠組条約の締約国の会議であります。仮にアメリカが気候変動枠組条約から脱退すれば、もはやCOPにさえ来なくなるかもしれないという状況になるわけですけれども、今日までのところ、この枠組条約からの脱退についてはトランプ大統領ないしトランプ政権からは何も具体的なものは出ておりません。もし脱退するとすれば、一番可能性が高いと見られていたのは就任日でしたので、そこを越えたということで、そのリスクはかなり下がったのではないかと私は見ているんですけれども、パリ協定脱退を宣言した大統領令の中で、必要に応じて追加的な取組を行うという一文もありまして、ここに若干まだリスクの芽を感じ取れるところもあります。そのため、もうしばらくアメリカがどのような動向になるのかというのは注視が必要ではないかと私は考えております。 続いて、国内政策についてであります。 こちらも、新聞等のメディアでよく報じられていますように、バイデン政権が進めた脱炭素の取組を転換をしまして、国産の化石燃料の増産を目指すという方針を掲げ、その目的に沿った大統領令を同じく就任日である一月二十日にトランプ大統領は署名をしております。 その中で、行うことの一つ目としましては、まさにバイデン政権が進めてきた脱炭素化のための排出規制、具体的には火力発電所や自動車の新車販売に対する排出基準なんですけれども、これを撤回をしていくと。ただ、大統領が撤回すると宣言しただけでなくなるものではありませんで、行政手続法に沿った手続が必要で、通常それは一年半から二年ぐらい掛かるわけですけれども、その手続に着手せよと初日に関係省庁に命じているということで、ある意味、規制撤回の号砲ですね、それを初日に行ってスタートダッシュをしたということなんだろうと思います。 これに加えて、こちらも新聞の見出しなどで取り上げられているところもありましたけれども、エネルギーに関する国家緊急事態というものを宣言しています。これは、アメリカのエネルギーの生産、供給あるいは発電などが十分ではないと、それがアメリカ経済や外交政策、国家安全保障に対しての通常ではない異常な脅威であるというふうに認定をした上で、国家非常事態宣言というものを行ったということです。ある意味、この宣言までは、何というか、大統領の大きな方針を示すものなわけですけれども、その宣言をしたから何ができるのかというところが論点になります。 これについては、様々なアメリカの個別の法律の中で、緊急事態が宣言されたときにのみ行政府が行使できる権限がありまして、その権限を各省庁は自ら特定した上でアメリカのエネルギー増産のために行使せよといったことが大統領令に書かれています。ただ、どの法律のどの権限を行使すべきといったことについてはほぼ何も書かれていないところでありまして、したがって、これからこの緊急事態宣言の下で何を行われるのかということは各省庁で決められるということになりますから、この時点においては、緊急事態宣言を行ったことでどれほどのエネルギー増産に向けた効果があるのかということは未知数と言わざるを得ないと私は理解をしています。 もう一つ、この大統領令の中で注目を集めた点がありました。少し専門的なんですけれども、それは大気浄化法における気候変動の危険認定の再考を指示するというものであります。 一つ目のポイントで挙げましたバイデン政権が行ってきた排出規制の撤回なんですけれども、そもそもこの規制というものは、大気浄化法という、一九七〇年代だったかと思いますけれども、その頃から大気汚染のために使われてきた法律の下で規制を行っています。この規制の下で、温室効果ガスを規制するには、温室効果ガスが一般公衆に対して危険であるという危険認定を最初に行う必要があります。アメリカではこれを、二〇〇九年の十二月、オバマ政権の一年目の年末にこの危険認定を温室効果ガスに対して行っていまして、この認定の下に規制を進めてきました。 トランプ政権の一期目も、一部の保守派からはこの危険認定を見直すようにという強い要求はあったんですけれども、実際にはこの認定は見直すことなくそのままとし、その認定の下で、その前のオバマ政権がつくったものよりも緩い規制を課してきたというのがトランプ一・〇の状況でした。 これに対して二期目については、初日にこの危険認定を再考するようにといったような指示が出ています。実際にこの認定を取り消すかどうかまでは踏み込んでいないんですけれども、三十日以内にこの法律を所管する環境保護庁の長官に対して提言を取りまとめるべしという内容になっていますので、今月の下旬や来月の上旬にはこれについて何らかの動きがあるかもしれないというところであります。この辺り、国家緊急事態や危険認定の再考といったところが、トランプ二・〇のトランプ一・〇にはなかった特徴だと私は見ています。 このようになってくると、アメリカの脱炭素化というものは完全になくなってしまうのかという疑問が湧くわけですけれども、私は、後退する部分はあれど、継続する部分も少なからずあると見ています。 まず、後退する部分については、バイデン政権による排出規制の撤回による脱炭素化の減速、特に電気自動車関係はトランプ大統領は非常に問題視していますので、この辺りは減速するだろうと思われます。 ただ、バイデン政権の一つの大きな成果としまして、立法によって、インフレ抑制法という脱炭素化のための投資を促進する法律を通しておりまして、これの撤回にはまた別の立法が必要だという中、このインフレ抑制法の特に減税をインセンティブとする投資促進は、共和党の議員が選ばれている選挙区でもその法律が成立した後かなり進んできているというところがありまして、実際にこれを撤回する立法をやろうとすると相当難しい、議会を通すのが難しいのではないかと私は見ています。物によっては撤回される可能性あると思うんですけれども、多くの部分は残ると思われまして、その部分が残ることによる脱炭素化の継続はあると見ています。 これに加えて、いわゆるビッグテック企業、IT関係の巨大企業によるクリーンエネルギー投資は、再生可能エネルギーのみならず原子力発電も含めて昨今行われておりますし、アメリカは連邦政府だけではなく州政府は独自性を持って政策を進めておりますので、そういう独自政策による継続もあります。 これらを併せて見ると、完全な後退ではなくて、減速と継続というところが妥当な評価ではないかと見ております。 続きまして、四枚目を御覧いただければと思います。世界全体の動向になります。 一月二十日にトランプ大統領がパリ協定脱退を表明した後の世界の反応なんですけれども、私が観察している限りにおいては、前回の一期目のときの二〇一七年六月一日に脱退を表明したときに比べて反発は弱かったような印象があります。 これは幾つかの理由があると思うんですけれども、一つには、前回は政権の発足日ではなくて、そこから四か月ちょっとが経過した六月一日であって、ほかの話題がおおよそ一巡してこれだけに焦点が当たっていたところ、今回は就任日で、この環境条約に関するものだけではなくて様々なことが御案内のとおりアメリカで起こりましたので、そういう意味ではニュース性が埋没していたというところはあるのかなということと、やはり就任日だったということで、トランプ大統領に向かって強く批判するというようなことはなかなか、国家に限らず、国家以外のプレーヤーも含めて難しかったのではないかと思われるところです。 ただ、では、アメリカに追随するという国が現れているかといいますと、唯一の例外としてはアルゼンチンがあるんですけれども、それ以外の国については今のところ追随して脱退しようという連鎖は起きていないように見えます。この先どうなるか分からないというのはあるんですけれども、個別の国の中で脱炭素化の政策を弱めることはあれど、パリ協定を抜けるというところまでやる国というのはなかなか出にくいのではないか、前回も出ていないですし、今回もそうではないかと予想をしているところです。 そうなりますと、世界全体の動きを見る上ではほかの主要国がどうかということが大事になるわけでありまして、ここではEUと中国について少しお話をいたします。 まず、EUですけれども、昨年、欧州議会選挙がありまして、右派の政党の議席数が増えるということがあったわけですが、欧州の行政機構である欧州委員会のトップであるフォン・デア・ライエン委員長はそのまま再任されまして、昨年の終わりにその第二期が開始をしています。 この第二期フォン・デア・ライエン欧州委員会の最重要キーワードが競争力です。実は、第一期は欧州グリーンディールという環境政策が一番の柱だったんですけれども、今回は、最近のヨーロッパの経済の競争力低下ということもありまして、競争力が最重要キーワードになっているというところです。 気候変動対策はそのための要素の一つでありまして、競争力強化の政策の下でクリーン産業ディールなるものを定めて、その競争力強化に気候変動を使っていくということを掲げています。この中身は今月下旬に発表されるということになっていまして、この時点では明らかではないんですけれども、より産業や経済というところを中心に据えながら、気候変動対策をそれに役立てていくという方向性になるのではないかと予想されているところです。 続いて、中国についてですけれども、アメリカのパリ協定の脱退表明に対しては強く批判するということではなかったんですが、懸念する、その上で中国は各方面と協力をするということを中国の外務省の報道官が会見で述べていました。 そのような中、国際社会の注目としては、アメリカがパリ協定からいなくなっている隙間を埋めるように中国が動くのかどうかということであります。例えば、中国は一帯一路という構想の下でいろいろな途上国に対して支援を行っていて、その中ではクリーンエネルギー関係のものもあるわけですけれども、そういったものを国際的な気候変動対策の中での途上国支援の一部としてカウントするのか、先進国の支援はそういうカウントをしているんですけれども、中国もその中に入るのかどうかといったところが一つ注目されるところです。今のところ具体的な動きは見せていないんですけれども、注目度の高まりは明らかに見られるところであります。 中国にとりましては、太陽光パネルや風力タービンや電気自動車、蓄電池など、脱炭素化に向けて必要な技術の一部について世界市場で見て大きなシェアを中国企業が占めておりまして、これは、こういった製品を輸入する国にとっては依存の仕方が余りにも過度であってしまうと経済安全保障上の懸念を生むというところがありまして、この脱炭素化の加速と経済安全保障のトレードオフというのは中国との関係では常に配慮すべき課題になっているというところです。 最後に、五枚目を御覧いただければと思います。 今までの話したことを踏まえまして、日本が進むべき道として私が考えるところを述べます。 まず一点目は、中道路線の維持であります。 我が国は、二〇五〇年カーボンニュートラルという目標を掲げながらも、現実の政策は脱炭素だけに振り切るのではなくて、経済的な負担やエネルギー安全保障とのバランスを取りながら進めてきました。グリーントランスフォーメーション、GXはそれを経済成長戦略として体系化したものだと私は理解しています。 アメリカもトランプ政権が発足で脱炭素化への反発というのが一つ形になっていますし、欧州でも昨年の欧州議会選挙の結果での右派の躍進というのも一部には脱炭素への反発というのが背景にあるということを見ますと、日本のこの中道的な進め方は、私は結果的には適切だったのかなと思っているところです。アメリカはトランプ政権になっても、またその後、民主党政権になる日が来るとは思いますけれども、そのどっちになった際も、我が国は今の中道路線をぶれずに維持すべきだと思います。 加えて、産業構造が似たアジアの国々との連携もグローバル課題への対応という点では重要になると思います。 この中道路線の維持に加えて、トランプ政権が続く向こう四年間に関して言えば、トランプ大統領がアメリカのエネルギーコストを下げると言っている以上、日米のエネルギーコスト差をこれ以上広げないということは非常に大事だと思います。この後、我が国はカーボンプライシング制度などの導入によって各方面でエネルギーコストも含めてコスト負担が少しずつ生じていきます。液化天然ガスの長期契約の確保で価格を安定化させながら、原子力発電所の再稼働も含めて米国との競争力の差を少しずつ、少しでも埋めていくことがこれからの四年間の課題でもありまして、私としては期待したいところと思っているところであります。 私からは以上になります。どうも御清聴ありがとうございました。
○会長(宮沢洋一君) ありがとうございました。 次に、寺崎参考人にお願いいたします。寺崎参考人。
○参考人(寺崎正勝君) ありがとうございます。 まず、本日はこのような貴重な機会を与えていただきましたことに深く感謝申し上げたいと思います。 私の方から御説明を申し上げたいと思います。 本日の内容でございますけれども、一スライド目を御覧になってください。浮体式洋上風力への期待と現状ということで、少々、皆様たちに少し浮体式洋上風力の内容を御覧になっていただこうと思っております。その上で、どういう課題があるのかと。その課題を踏まえて、私どもFLOWRA、浮体式洋上風力技術研究組合として、なぜ結成したのか、どういう取組を今後しようとしているのかといったところを御説明申し上げたいというふうに思っております。 最初でございます。浮体式洋上風力への期待と現状ということで、三スライド目を御覧になっていただきたいと思います。 三スライド目、写真が載っております。これは洋上風力と言われるものでございまして、もう皆さん御存じのとおり、海の中に柱を立てて造るものが着床式洋上風力、それから船のように浮かべながら取り組むのが浮体式洋上風力と言われるものでございます。これ水深が、着床式であれば大体五十メーターまで、五十メーターを超えますと浮体式になってしまうというところでございます。 なぜ海に造るかでございますけれども、やはり陸地側の面では様々な制約がございます。例えば、山の上に大きな風車を運ぶには大きな道路を造っていかないといけない、又は住民の皆様が近くに住んでいらっしゃるといったことが制約になってまいります。一方で、海の方は、いろいろな制約ございますけれども、物を広く造ることもできますし、大きな物も造ることができます。何より、海の方が風が素直で強いというところがございますので、こういったものを生かしていこうというのが洋上風力でございます。 四スライド目でございますけども、四ページ目でございますけども、浮体式洋上風力の特徴として幾つか書かせていただいております。 一つは、五十メーターを超えるところが中心になってまいりますので、非常に設置場所の自由度が高くなる。さらには、沖合遠くになりますので、風の強いところに立てることができますので、生み出す電気の量も増えてくるということ。それから、船で通常は建設していただきますけれども、陸上に比べまして海上輸送の方が大型の物を運べるということで、大型風車が比較的容易に造ることができる。それから三つ目が、面白いことに、環境への影響ということで、これが陸上に造るよりも、また着床よりも更に、浮体式になりますと、例えば沖合遠くになりますので、皆様方、生活環境の中でこの風車が見えなくなってくる、景観上の問題も少なくなってくる、音の問題も少なくなってくるというところでございます。それから、浮体の構造物でございますけれども、これは港湾エリアの中で組み立てて船で引っ張っていくという方式が主要でございまして、我が国につきましては港湾がいろいろございますので、この港湾の活用にもつながると思っております。 で、五スライド目ですね、次のページでございますけれども、ここに浮体式洋上風力の構造を書かせていただいておりますけれども、資料を御覧になっていただければと思います。 六スライド目からでございますけれども、じゃ、なぜ浮体式洋上風力が期待できるのかといったこと、三つ述べたいと思います。 まず一つ目でございますけれども、電源のボリュームが期待できることでございます。 我が国は、国土こそ狭うございますけれども、領海とEEZ、排他的経済水域を集めた海域の広さは世界第六位でございます。ということは、それだけ浮体式洋上風力の適地が多く、今後の導入に期待されるというところでございます。したがいまして、このEEZへの展開に向けました制度整備が今後強く求められてくるというところでございます。 それから、沖合でございますけれども、風況が良いというところ。で、風況が良ければ年間当たりこの設備どれだけ能力を発揮するかといったものが、この設備利用率と申し上げますけれども、年間で五〇%が見込めるといったところでございます。 下の図に日本地図、それから海上におけます風の強さを示させていただいております。この沖合に行けば行くほど赤くなってくる、これが風が強い。ただ一方で、ここはまだ利用していない、いわゆる未利用エネルギーである、これだけエネルギーがあるのにまだ使われていないということをここから読み取ることができるのではなかろうかと思っております。 七スライド目でございますけれども、こちらに排他的経済水域の広さを記載をさせていただいております。後ほど御覧になっていただければと思います。 二つ目でございます。八スライド目でございます。この浮体式洋上風力は、資本費の四分の一が、浮体の構造、いわゆる船になっているような部分でございますけど、ここの製造費に当たります。ということは、日本が得意としております造船や金属加工等の物づくりの基盤が生かすことができる分野でございます。そういった意味では、産業振興、さらには経済安全保障にもつながる取組ではなかろうかと思っております。それだけにとどまらずに、浮体式洋上風力は必ず近くに拠点をつくらないといけません。そうしますと、各エリアにですね、エリアの地域振興の面でも、雇用の創出又は漁業との協調といった面で地域振興面にも期待が持てる分野ではなかろうかというふうに思っているところでございます。 具体的に、九スライド目でございますけれども、こちらにいろいろな、じゃ、どういう産業が生かせるのかといったところを記載をさせていただいております。これは後ほど御覧になっていただければと思います。 こうした浮体式洋上風力でございますけれども、海外がどのような取組しているかといったのを十スライド目にまとめさせていただいております。欧米主要国、特にアメリカ、イギリス、フランスにおきましては、非常に精力的に洋上風力を伸ばしております。御覧になってのとおりでございまして、日本もそれに追い付くべく製作を進めていただいているというところでございますし、特に浮体式の分野におきましては、各国とも技術開発、実証の面で力を入れようとしているところでございます。 今後の導入見通しでございますけれども、十一スライド目でございます。これは各世界の機関がまとめたものでございますけれども、二〇五〇年の長期見通しによりますと、これは、アメリカの国立再生可能エネルギー研究所というところがございます、ここが、二〇五〇年には二百七十ギガワット、約三億キロワットの浮体式洋上風力が導入されるのではないかというふうに見ております。この三億キロワットといいますのは、日本の発電所の総量、全体が約三・二億キロワットでございますので、それに近いぐらいの規模感が今後世界中に広がってくるというところでございます。 こうした中で、我が国の洋上風力の導入に向けました国の政策でございますけれども、十二スライド目から記載をさせていただいております。洋上風力発電、これは浮体式、着床含めてでございますけれども、政府といたしまして二〇四〇年までに三十から最大四十ギガワットまで導入していこうというような導入目標が定められているというところでございます。 浮体式に関しましては、十三スライド目でございますけれども、早期社会実装に向けた政策がいろいろと打たれようとしております。 まず一つ目が案件形成ということで、目下、議会の方で、国会の方で御審議いただいていると思いますけれども、改正再エネ海域利用法の早期成立を目指されているところでございます。ここでは、EEZを含む洋上風力の案件形成の加速化と、JOGMECによりますセントラル方式によります、国による主導となる調査を進めていただく体制整備が図ろうとしているところでございます。 それから、二つ目でございますけれども、これ直接私どものFLOWRAの活動に直結するものでございますけれども、やはり、後ほど述べます浮体式につきましてはいろいろなまだまだ課題がございます。こうした課題につきまして研究開発、実証を行っていこうと、力を入れていこうというふうにしておりまして、加えまして、欧米を中心とした有志国とグローバルに連携していこうということが打ち出されていると。 三つ目でございますけれども、先ほど日本の物づくりが生かせると申し上げましたけれども、国の方でもこのサプライチェーンの構築に向けましていろいろな施策を打たれようとしている。特に、GXサプライチェーン補助金を活用した取組を戦略的に取り組んでいこうとされているところでございます。 さらには、やはり物づくりには人が必要でございます。人材育成をいかにしていくかというところも重要な視点ということで、しっかり人材育成の取組も進みつつあるというところでございます。 十四スライド目に、我が国の電力需要の見通しをお示しをさせていただいております。こちらにつきましては、先ほど上野先生からもございましたし、小宮山先生からも言及ございましたけれども、今後AI化が進むことによりまして電力需要が増えてくるということで、現在検討が進められております第七次エネルギー基本計画の中でもこういったものを背景にされているというふうに伺っているところでございまして、やはり今後こうした浮体式洋上風力にもしっかり取り組んでいかないといけないという一つの根拠がここにあるのではなかろうか。電力だけではなくて、今後AI化になりますと水も必要になってくるといったところかと思っております。 次のページからでございますけれども、じゃ、浮体式洋上風力の取組の課題、一体どういったところにあるのかというところでございまして、十六スライド目にサマリー的にまとめさせていただいております。 まず一つに、どうしてもやはり技術的な課題がございます。沖合遠くに浮かんでいるものに、また動く風車を着実にかつ安全に稼働させるための技術、ここの技術がまだ、残念ながら一〇〇%ではまだまだございません。こうしたものを、いかに確率を上げていくか、さらにはどうやって造っていくのか、どういうふうにメンテナンスをしていくのかといったところの技術開発が必要でございます。さらには、沖合遠いところから本土に電気を運ぶわけでございますので、その長距離を運ぶ送電インフラをどうしていくかというところも課題でございます。 経済的課題につきましては、そうしたものにつきまして、やはり事業の予見性、それから、どうしても大きな資金になりますので、銀行からお金を借りる必要がございます。資金調達の面でしっかりこの金融機関の眼鏡にかなうような事業性が確保できるのかどうかという経済的課題がまだございます。 さらには、環境的課題でございますけれども、沖合遠いところの環境の影響をどう測っていくのかといったところもまだまだ手法は途上にあるというところ。 さらには、法規制の問題。今、EEZ法案が御審議していただいているところでございますけれども、こうした法整備もしっかりしていかないといけない。 さらには、特に海を使うという意味では、漁業者との、利害関係者との共生関係をいかに築いていくかといったところが重要な課題になってくるというふうに思っております。 十七スライド目に技術的な諸課題を書かせていただいておりますけれども、これは後ほど御覧になっていただきまして、十八スライド目、ちょっとこれポンチ絵で描かせていただいております。例えば左から行きますと、この浮体がどうしても動いてしまう、で、動いているものをしっかりつなぎとどめていかないといけない、さらには水深が深い。造るときも、右側に大きなクレーンの船が風車を取り付けておりますけれども、浮体も動くしクレーンも動くというところで、どういうふうにこれを安全に設置していくのか。さらには、送電のところでございますけれども、このケーブルも、浮いているものからケーブルを下にはわせますので、どうしてもケーブルが動くといったところがございます。こういったものを一つ一つ課題を解決していかないといけない。 今度、サプライチェーンの問題でございまして、三点ほどちょっと申し上げさせていただきたい。これは決して日本だけの問題ではございませんで、世界共通の課題でございます。 一つ目でございますけれども、この大きな浮体をどういうふうに造るかといったところが、これ世界共通の課題でございます。例えばでございますけれども、国の洋上風力の導入目標でございますけれども、これを達成していくためには年間やはり二百基程度のこの船のような浮体構造を造らないといけませんが、現状、このドックで造ることになれば、三十から五十基程度しか造れないという形になってしまうというところがございます。 こうした課題に対しましていろいろ課題の解決案を示しておりますけれども、例えばいろんなところで部材を作って、それを集めてジャスト・イン・タイムで製造していくと、これ日本が得意としている製造方法でございます。こういったところでも日本の技術が生かせるかなと思っております。二十一スライド目にそのイメージをお示しをさせていただいております。 さらに、二十二スライド目でございますけれども、やはり軽量化をしていきませんと、鉄の塊でございますので、どうしてもコストがかさんでまいります。このためにはどうしたらいいかといったことも課題でございます。 さらには、二十三スライド目、こちら浮体を、船でございますので、いかりのようにつなぎとどめる必要がございます。このつなぎとどめるものには、チェーン、金属製のこの鉄のチェーンを、太いチェーンでございますけれども、使う必要がございますが、このチェーンを造るメーカーというのが世界で主要四社に限られているというところ、日本の中にはその一社がございまして、濱中製鎖さんというのがございますけれども、例えばここでも、今現状、年間五基程度のものしか造れないといったところ。 したがいまして、下に書いておりますけれども、それを解決する方法として、合成繊維を利用して、鉄だけではなくて合成繊維を使った形のハイブリッド方式というのが今考えられているというところでございます。 さらには、造ったものをいかにメンテしていくか、二十五スライド目でございます。ここに、大型部材の交換というのは、どうしても風力の中では年間一基、二基程度必要になってまいります。このメンテナンスのコストというのは全体の事業のコストの中の三割を約占めるということで、非常に大きなウエートを占めてまいります。これをいかにスムーズに浮いているものの中で作業をやっていくのかといったところ、こういったところも解決していかないといけない。 二十六スライド目でございますけれども、これは、そういった浮いている船に安全に人を運ぶために、特殊な機能を備えたこういった船がヨーロッパでは整備されつつあると。 二十七スライド目でございますけれども、非常に快適な住環境も整っているというところでございます。 こうした中で、私ども浮体式洋上風力技術研究組合、FLOWRAの設立の狙いと、どういう取組を今後していこうかというところでございますけれども、こちらを御紹介を申し上げたいと思います。 二十九スライド目でございます。これまで浮体式洋上風力の期待につきまして述べさせていただきました。広い海を持つ適地に恵まれた日本でございます。さらには、造船、金属加工など我が国の強みとしている物づくり、技術、ノウハウ、人材、生産基盤の活用ができる大きなチャンスが来ているというふうには思っております。そういうことで、この浮体式洋上風力は、単にエネルギーの安全保障、カーボンニュートラルの推進にとどまらず、国内の産業振興、それから地域の活性化という面で大きな可能性を持っているというふうに私ども考えているところでございます。 それを実は二〇一〇年代に実現された方がいらっしゃいまして、これスコットランドのスタージョン首相なんですけれども、北海油田が斜陽化しているときに、自国の産業、それから今後の脱炭素化どうしていこうかということで、洋上風力を一つのパーツにして、エネルギーのセキュリティーの向上、脱炭素化、それから石油関連産業の活性化を、この三つを見事果たすことができたというところ、ここにもヒントがあるのではなかろうかと思っております。 世界的な共通課題で、三十スライド目に書かせていただいておりますけれども、浮体式は、やはりシステムが大型化、さらには沖合に設置するということで、いろいろな先ほど述べましたとおりの諸課題がございます。さらに、それを信頼性を保ちながら運用していくためのサプライチェーンとかインフラの構築が不可欠でございます。 こういったものは、こういった課題を発電事業者が一社一社ではとても解決できる代物ではございません。こうしたものを共通課題といたしまして、事業者が連携し、ゼネコンさん、マリコンさん又はいろんな造船メーカーさんとともに共同開発を進めて社会実装していく取組が必要であるだろうということでできましたのが私どもFLOWRA、浮体式洋上風力技術研究組合でございます。 三十一スライド目でございます。 私どもでございますけれども、メンバー、記載をさせていただいておりますとおり、現在、発電事業者を中心に国内の発電事業者主要二十社で構成をされております。さらには、共同研究パートナーといたしまして、ゼネコンさん、マリコンさん、造船、重電メーカーさんと手を取り合って共同研究していこう、さらには国のいろいろな機関、東京大学などの教育機関、それから認証機関であります日本海事協会様とも連携していくことにしております。 さらには、日本だけにはとどまらずに、諸外国、私どもこのFLOWRAを昨年立ち上げましたときに、国内よりも実は海外からの反響が大きゅうございました。特に欧米でございます。アメリカ、それからイギリス等でございます。こういう先進的に取り組んでいる、下に五か国書かせていただいておりますけれども、こういったところを中心に、国際連携、今具体的に一つ一つ取組を進めさせていただいているというところでございます。 その一つに、三十二スライド目にフォトセッション、これ、私ども立ち上げたときの第一回目、昨年の六月でございますけれども、国際フォーラムを開かせていただきました。ここに、アメリカ大使含めまして、英国大使、EU大使、ノルウェー大使、皆さん出席したいということでお越しいただきまして、全員でこういうフォトセッションをさせていただいたというところでございます。 私どもの組織でございますけれども、三十三スライド目に記載をさせていただいておりまして、私ども、各出資をいただいておりますメンバーが理事会を構成しておりまして、その下に運営委員会、さらには、事務局を通しまして、下に五つのワーキンググループを定めさせていただいて、ここで、それぞれ個別具体的な研究開発を進めていこうというふうにしているところでございます。 今現在でございますけれども、国の方も力を入れまして、経済産業省が二〇三〇年の浮体式洋上風力の国際競争力のあるコスト水準で商用化する技術の確立を目指されております。三十四スライド目でございますけれども、こちらは、この要素技術から始まりまして、今いろいろな取組が進められております。その中でも、このフェーズ一の五、各共通基盤となります技術開発、ここに関しまして、今現在、NEDO様の方から公募が出ておりまして、私どもFLOWRAといたしましても手を挙げさせていただいているというところでございます。こういう形で少しずつ技術開発を進めながら、二〇三〇年度からの商用化、社会実装に向けて取り組んでいるというところでございます。 三十五スライド以降でございますけれども、具体的にどういうことを取り組んでいるかというところでございますけれども、こちらは後ほど御覧になっていただければと思っております。 こういう形で一日も早く浮体式洋上風力の社会実装につなげることができますよう、私どもFLOWRAといたしまして不退転の覚悟で取り組んでまいる所存でございます。 説明は以上でございます。御清聴、誠にありがとうございました。
○会長(宮沢洋一君) ありがとうございました。 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。 まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。 また、質疑者には、参考人が答弁しやすいように質疑の冒頭に答弁者を明示していただくとともに、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるように御協力をお願いいたします。 それでは、質疑のある方は挙手をお願いします。 藤井一博君。
○藤井一博君 自由民主党の藤井一博です。 本日は、参考人の三人の先生方、大変貴重な御意見いただいて、ありがとうございました。 まず、小宮山先生にお伺いをしたいと思います。 大変、これからのまさに脱炭素化とエネルギー安全保障の両立というものが最大の論点になっていくというお話、大変勉強になりました。先生にいただいたスライドの中で、十五枚目の地域のエネルギー安全保障というもの、非常に興味深く拝聴させていただきました。地方創生という、政策の中でも非常に重要視されている中で、先生の論文の中でも、ワット・ビット連携、こういったものが非常に地域的な電力消費の見方も変えていくんではないか、そのような文言もありました。 これからの地方活性化のためのエネルギー政策の在り方というものの展望をお聞かせいただければと思います。
○参考人(小宮山涼一君) 御質問いただきまして、ありがとうございます。 エネルギーレジリエンス、余りこれまで注目がなされておりませんでしたけれども、やはり日本というのは元々自然災害の影響を非常に大きく受ける地域であったわけですけれども、最近ではやはり世界的な気候変動の影響で、やはり世界各国共に地域のライフライン、電力、ガス、それから石油、そうしたエネルギーインフラへの影響が国際的にも大きくなっていると。そうした中で、やはり日本というのは、これまでの自然災害の経験も踏まえて各社様共に非常に強靱化が施されたエネルギーインフラを展開してきたわけですけれども、なかなか投資がやはり進みづらいという、そういう状況にあったと。 そうした中で、やはり一層ライフラインを強靱化することで、予期せぬ大地震、それから予期せぬ豪雨であったり台風災害、いかにライフラインを強靱化するかというのは今後ますます大事な課題になっているかと思います。また、やはりライフラインの強靱化がなければ、その地域の創生、活性化、やはりライフラインの安定化があってこその地域の活性化、地方創生だと思いますので、やはりこのライフラインの強靱化とセットで考えるということがやはり今後の方向性として大変大事だというふうに思っております。 それから、もう一点だけなんですけれども、なかなか、そうしたライフラインの強靱化というのはなかなか進みづらい側面も一方であります。なぜかと申し上げますと、二酸化炭素の抑制というのは、二酸化炭素の排出量というのは割と統計として可視化がしやすいと。しかしながら、強靱化というのはなかなか数値として見えにくい、可視化がしにくいと。そうしたやはり見えづらさがありますので、そうした地域の強靱性を何かしら可視化、見える化、定量化、定量的若しくは定性的になるべく可視化する、そうしたルール作りもやはり地域のライフラインの強靱化を進める上では大事なポイントだというふうに認識しております。 私からは以上でございます。
○藤井一博君 地域の強靱化の定量化という考え方に大変感銘を受けました。先生、ありがとうございました。 続きまして、上野先生にお伺いをいたします。 これまで国際的な側面で気候変動問題を見られてきた先生の大変示唆に富むお話いただきました。 トランプ政権になって、非常にこの化石燃料というものに重視されていくという政策転換がなされていこうとしております。また、中国においては、もう再生可能エネルギーという面ではシェアをまた握りつつ、またそういった発電量も非常に莫大に増えていっているという状況の中で、日本のこれから取るべき道というのは非常に難しいかなという印象を受けたところでございます。そういった意味で、中道的な日本のエネルギー政策というものをやはりこれからも続けていくべきだ、まさにそのお考えに感銘を受けたところでございます。 先生のスライドの中で、産業構造が似たアジアの国々との連携も重要ということが非常に心に残りまして、この状況の中でやはりかなり力を入れてやっていかないといけないと思うんですけれども、アジアの国々も様々な、まあ発展段階によっても事情が異なると思うんですけれども、具体的に日本がどのようにこのアジアの国々との協調をしていくかという先生のイメージというものを教えていただければと思います。
○参考人(上野貴弘君) 御質問いただきまして、どうもありがとうございます。 まず、アジアの国々と日本が似ているというのは、やはり製造業の比率が、まあ日本がほかの先進国と比べると高くて、それはアジアの国々と似ているというところによります。そういう国々については、やはりエネルギーの消費量というのが、製造業が少ない、シェアが少ない国よりも多くなるというところがありまして、エネルギーの確保が大きな課題になりやすいという、そういう共通の課題もあります。 その中で脱炭素化も同時に進めていこうとしますと、その脱炭素化も満たすエネルギー源の選択肢をやはり余り狭めるということがどうしても難しくなる。多様な選択肢を追求しながら産業構造やその国々のエネルギーの賦存状況に応じて適切なエネルギー構成を追求していくという多様なトランジション、移行という言葉が最近よく使われるんですけれども、まさにアジアの国々と連携する場合には、その国々の状況、エネルギー賦存状況、産業構造に応じて、脱炭素化に向けたペースや脱炭素化をした後のエネルギーの姿の多様性を認めながらやっていくということが大事だと思われます。 日本政府は、これとの関係でアジア・ゼロエミッション共同体、AZECというものを進めていまして、具体化は多分これからなんだとは思うんですけれども、まさに米国が気候変動対策の途上国支援というものも初日の大統領令でやめていくということを言っている中、このアジアにおけるエネルギー環境への日本の役割というのは増す一方だと思いますので、まさに移行の多様性を考慮して取組が進められるとよいのかなと考えているところであります。 以上です。
○藤井一博君 大変、日本が果たすべきアジア地域での役割の大きさ、大変痛感をいたしました。ありがとうございます。 続きまして、寺崎先生にお伺いをしたいと思います。 海域面積世界第六というこのポテンシャルをしっかり生かしていけないというお話、大変感銘を受けました。 この浮体式洋上風力発電広げていく、まさにポテンシャルを発揮するためにですね、やはり事業者間同士の調整ではかなり限界に来ているというお話もございました。進んでいる欧州では、海洋空間計画といって、国がしっかり主導しながら、関わってくる方々の利害調整を科学的アプローチで行い、また生態系も守っていく、そういった中での活動領域の空間を配置していくという、国が主導してそういったことをやっているという話も聞きますけれども、日本はその点に関してはどのような状況でどのような課題があるのかということをお話をお伺いできたらと思います。
○参考人(寺崎正勝君) 御質問ありがとうございます。 今先生がおっしゃられたとおり、特に欧州におきましてはこの海洋空間の使い方というのが非常にうまい使い方をしようとしております。 もちろん我が国におきましても、今経済産業省様の方でこの海洋空間計画、とりわけこのEEZをどのように利活用していくかといったところ、今ちょうど法案が御審議されているかと思いますけれども、こういう形で一つ一つ具体化していこうというところでございます。 もちろん、そのためにも私どもいろいろな意見を言わせていただく機会もパブリックコメント等でございますので、こういったところで生かしていただきながら、実際に取り組むのは私ども発電事業者でございますので、発電事業者、使う側からの視点でこういう利活用の方法についてを御検討いただきたいというふうに、これまでも浮体式の戦略研究会はございましたけれども、そういった中で私どもの要望と申しますか期待を述べさせていただいているというところでございます。 こういったところと、もう一つは、やはり海でございますので、そこで生計を立てていらっしゃる漁民の方々がいらっしゃる、さらには航路もございますし、軍事的なものもございます。こういった利害関係者の調整を国がしっかり取り組んでいただくというところが私は基本ではなかろうかと思っております。 特に英国におきましては、ここ、窓口は一つにして、省庁の窓口を一つにして取り組んでいただいているというところが、やはり海の利活用をしやすくなる又は明確化になるといったところがもう既に取り組まれている部分ございますので、そうしたそれぞれの国の特殊性とか事情とかというのがございますけれども、そういったものを一つのヒントにしていただいて整備を進めていただければ、非常に私どもとしましては心強いというふうに思っているところでございます。
○藤井一博君 寺崎理事長、大変勉強になりました。ありがとうございました。 時間ですので、終わります。ありがとうございます。
○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。 柴愼一君。
○柴愼一君 立憲民主・社民・無所属の柴です、柴愼一です。どうぞよろしくお願いいたします。 私、三年目からのこの検討に初めて参加させていただきます。これまでの二年間の議論ちょっと十分にフォローできていないということで、ちょっと、ポイントが合っているかどうかちょっと分かりませんが、質問をさせていただきます。 三名の参考人の先生方、本当に貴重な論点、様々聞かせていただきまして、本当にありがとうございます。 私、連合の出身で、労働組合の役員をずっとやっていました。連合の産別の組織内議員として、今も連合のエネルギー政策に基づいた対応を図っているというふうに思っています。二〇一一年、三・一一の後に、連合の中でエネルギー政策をまとめようということで大変な議論が行われまして、私も産別の組合の役員のときにはその議論にも参加をしたことがあるんですが、「も」と「が」で一時間という、何々も大事ですか、何々が大事ですかで一時間ぐらい議論をするとかですね、殴り合いはしなかったですけど、本当にいろんな立場の組合が大変な真摯な議論の中でまとめた政策になります。 それは、短期的には安定的なエネルギー供給を図るための政策を推進するということ、ただ、中長期的に原子力エネルギーに対する依存度を低減して最終的には原子力エネルギーに依存しない社会を目指すための政策を推進するという、極めて穏当なオーダーというふうに思っていまして、これから、だから、どのようなスピード感でそういった社会を実現していくのかということが多角的視点や科学的視点に基づいて検討していく必要があるんだというふうに認識しています。 そこで、小宮山参考人にお伺いしたいというふうに思います。 今日のプレゼンもそうですし、事前にいただいた小宮山先生の論文なりを見せていただくと、ここにも書いてあるとおり、エネルギー安全保障と脱炭素を両立していって経済合理性も踏まえた技術の選択が重要ですと、Sプラス3Eを実現する欠点のない完璧な単一のエネルギー源はいまだ存在しないんだと、それぞれの利点とか欠点を補完するバランスの取れたエネルギーミックスの構築が重要ですと、それに、様々な不確実性などの評価軸を踏まえて、エネルギーミックスを定量的に評価する客観的な指標や方法論の確立を急ぐ必要がありますねというようなことが言われています。 今度、政府でも、この年度内ですかね、第七次エネルギー基本計画が閣議決定をされるという今タイミングにあるというふうに思いますが、小宮山参考人が今言われているような非常に予見が難しい中で、客観的な指標や方法論に基づく検討が行われているというふうに評価されるのかどうか、どのように受け止められているか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(小宮山涼一君) 御質問ありがとうございます。 大変難しい質問だというふうに認識いたしましたけれども、やはり技術の評価というのはなかなか難しいと。非常に代表的なものとしてはコストがやはり挙げられると。やはり、基本的にはそれは大事なポイントだと思います。やはり、エネルギーの技術についてはコストを抑制しながら電気、ガス、石油、あらゆるライフラインを低廉な価格で供給するということがやはり最も大事なポイントかと思います。加えて、近年の傾向としては脱炭素と。それ以外にも恐らく技術というのは様々な価値があるというふうに認識しております。 私も少し説明でも述べましたけれども、将来のイノベーション、イノベーションの可能性、いまだまだ商業的に普及していない、日本がまだ国際的にも弱い技術であっても、やはり今後、努力、研究開発を積み重ねていくことで将来花開く可能性はないのかどうか、そうした視点。それからあと、やはり技術自給率、やはり国産化が実現して将来的にも世界で争っていける技術力を身に付けられるかどうか、そうした視点。産業競争力であったり様々なコストとか環境、それ以外にも様々な便益が技術にはありますので、そうした多様なやはり視点で、もうコストや二酸化炭素の排出量、温室効果ガスの排出量だけではなくて、やはり様々な技術の多様性、やはり多様な価値を議論しながら、技術の選択だったりエネルギーのベストミックス、やはり構築、視点というのが大事ではないかというふうに思っております。 私自身、やはりその技術というのは将来的にどういう展開が今後期待されるかというのは、やっぱり将来は不確実ですので、様々な技術のポートフォリオを持つこと自体がエネルギー安全保障なのではないかというふうに認識しております。 私からは以上でございます。
○柴愼一君 ありがとうございます。 資源エネルギー庁がいろいろやっていますと。ただ、資源エネルギー庁はその任務を鉱物資源及びエネルギーの安定的かつ効率的な供給の確保並びにこれらの適正な利用を促進することを任務としますということで、ちょっと広い視点で検討しなければいけないのに、資源エネルギー庁でそれが務まるのかというところについて、済みません、小宮山参考人、もう少しちょっとお聞かせいただきたいです。
○参考人(小宮山涼一君) ありがとうございます。御質問ありがとうございます。 少し、エネルギーの、やはり経済産業省、資源エネルギー庁は中心になって、また、関連する分野の関係省庁ともやはり連携しながら、やはりエネルギー技術の選択、エネルギーベストミックスを構築していくことというのも今後やはり議論してもよろしい可能性もあるのではないかというふうにも思っております。 以上でございます。
○柴愼一君 難しい質問、ありがとうございました。 続いて、上野参考人にお聞きします。 我が国のエネルギー安全保障を確保していくには国際協力とか資源外交に取り組むことが極めて重要だということだったというふうに私認識しています。 今言われたように、トランプ大統領によるパリ協定離脱など、今後も気候変動対策の国際協力がどのようになるか、予断を許さない状況だということで、同盟国の日本としてトランプ大統領とどう向き合ったらいいのかというようなことと、また、アメリカが気候変動対策に一定やっぱり関与の度合いが低減していくとするとしたならば、日本が果たすべき役割をどういうふうに考えたらいいのか、お聞かせいただきたいと思います。
○参考人(上野貴弘君) 御質問いただきまして、どうもありがとうございます。 やはり難しい質問だなと、このタイミングで、新しい大統領が誕生したばかりの状況ですと、なかなかこれということを申し上げるのは難しいんですけれども、まず、気候変動対策の国際協調の中で日本が果たすべき役割としては、最初の意見陳述でも述べましたように、今まで続けてきた中道的な路線を引き続き、アメリカがトランプ政権になったとて続けていくということが大事だと思います。 アメリカが抜けていくことで、そこをほかの国が埋めるということも期待はされるところでありまして、それは可能な範囲では進めていければとは思うんですけれども、いかんせん国の経済規模も違いますので、どこかの国が一つだけで埋めるということはできず、そこはいろいろな国との間での協調を一層深めていくということだと思います。抜けていったアメリカを批判するというところまで行くかは別としても、残っている国の間での協調は維持し、また可能な範囲で協力はしていくということが、どのみち基本線であると私は考えているところです。 その上で、アメリカとどのように向き合うのかということなんですけれども、今の初日あるいはその後の動きを見ていると、気候変動という言葉で協調をしていくのは、やはり余り容易ではないというよりも相手が乗ってくれるかどうかというところにどうしても疑問が出てくると思います。ただ、そういう目的に焦点を当てるのではなくて、手段に焦点を当てると共通的な利害も出てくるのではないかと思います。 例えば、液化天然ガスについては、アメリカのトランプ大統領はエネルギードミナンスという、エネルギー輸出を支配力に変えるということを掲げているんですけれども、我が国も、LNGを使い続ける中で、小宮山先生がおっしゃっていたように、供給源多様化の取組の一つとして、アメリカからの輸入を増やしていくというのは手段の一つとしてはあります。 それは翻って、より排出の大きい火力発電よりも排出の少ないLNG火力を使っていくという中で我が国の排出削減に資するというのもあるかもしれないですし、アジアの協力という観点から見ても、石炭火力依存度が高い国は多くありますので、そういうところでアメリカのLNGが増えればその分排出削減はするということで、我が方から見て排出削減の便益がありつつ、アメリカにしてみれば、トランプ政権の目線から見たときにはエネルギー輸出にもなるということで、手段のレベルでは一致点というのはあり得るかなと思います。 もちろん、これはやってみなければうまくいくかどうかは分からないんですけれども、そういう個別手段に焦点を当ててトランプ政権と向き合っていくというのが今の時点で考えられる一つの道ではないかと思うところです。 以上になります。
○会長(宮沢洋一君) 申合せの時間が来ております。
○柴愼一君 寺崎参考人は、済みません、時間の関係で質問ができませんが、よく洋上風力、浮体式洋上風力の可能性は認識することができました。研究開発など取組が順調に進むことを期待したいというふうに思います。 終わります。 ─────────────
○会長(宮沢洋一君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、朝日健太郎君が委員を辞任され、その補欠として滝波宏文君が選任されました。 ─────────────
○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。 上田勇君。
○上田勇君 公明党の上田勇でございます。 参考人の先生方には、今日、調査会の方に御出席をいただき貴重な御意見を賜りましたこと、改めて厚く御礼を申し上げます。 まず、小宮山参考人にお伺いしたいというふうに思います。 エネルギー安全保障の重要性についてよく理解をできました。我が国、これまでも、例えば一九七〇年代にはオイルショックがあって、そのときには安定供給のため、石油から原子力、天然ガス、石炭と多角化していったわけでありますけれども、現在はそうしたエネルギーショックに匹敵するような状況なんじゃないかというふうに感じております。ただ、これからは化石燃料はこれ拡大はできないわけでありますから、再生可能エネルギーが主役になる。しかしながら、この再生可能エネルギーも、少なくとも当面はそれぞれ様々な課題もあるのも事実であります。 そこで、ちょっと二点質問したいんですが、まずは原子力についてでありますが、今日、原子力についての先生の御見解を伺うことができました。非常に温室効果ガスを排出しないという特徴がある一方で、やっぱりまだ安全性についても懸念があるし、使用済燃料の問題というのも見通しが立っていないのが現状であります。 そこで、この使用済燃料の処理について、今後、先生のお考えがあればひとつお伺いしたいというふうに思っております。 もう一点、この再生可能エネルギーの一つにはバイオマスというのが位置付けられているんですが、私は、我が国は自然条件を考えるとこのバイオマスの利用について一定の優位性があるんじゃないかなというふうには考えているんです。しかし、現状は、国内で利用可能な木材や植物がたくさんある一方で、燃料のほとんどが輸入に依存しているというのが現状であります。 これからのこの国内産のバイオマスの利用について、またエネルギー安全保障上どのようにお考えか、御見解をいただければというふうに思います。
○参考人(小宮山涼一君) 御質問いただきまして、ありがとうございます。 まず、使用済燃料に関してでございます。 まず、やはり今後、日本も原子力が今後再稼働していく。そうしたことも、展望も踏まえますと、やはり使用済燃料に関しては、まず貯蔵能力をやはりしっかり確保していくということが原子力を今後再稼働する上でも大変大事なポイントだと思っております。それがやや短期的、中期的な視点。それから、長期的な視点で使用済燃料を見たときは、やはり再処理をしっかりしていくということが大切なポイントかと思います。 再処理に関しましては、やはり使用済燃料に含まれているプルトニウムを再処理する。それから、やはり高速炉サイクルというような、長期的にそうしたものが実現すれば、廃棄物の毒性自体をかなり低減できると、また減容化もできる。やはり、原子力というのは、やはり発電だけではなくて使用済燃料とその再処理もトータルで考えるということが大変大事になってくると思います。 そうした点もやはり国民に広く理解をいただくということが大事だと思いますので、使用済燃料に関しましては、原子力の発電とやはりセットで広くコミュニケーションを引き続き取っていくということが大変大事だというふうに認識しております。 二点目のバイオマス、国産バイオマスに関してでございます。 恐らく、現在、輸入バイオマスがやはり主流になっているというお話、御意見賜りましたけれども、やはり国産のバイオマス、恐らく森林、林産バイオマス、国内で使う場合は、ポテンシャルとして、持続可能な形で使う場合は石油換算で恐らく二千五百万トンぐらい、日本の一次エネルギー供給に換算すると大体五%ぐらいがやはり最大限のポテンシャルかというふうに思っておりますので、国産の林産バイオマス使用することは、やはり最大限活用する視点というのは大事かと思いますけれども、やはり林産バイオマスに関しましてもポテンシャルについてはやっぱり上限があるということも一方で認識する必要があるかと思います。 そのほかにも、恐らく国産のバイオマスとして期待ありますのはやはり廃棄物、例えば生ごみであったり、そうした廃棄物を発酵させることでメタンが、いわゆる都市ガスが生産されます。日本の一部の地域、鹿児島県等では、やはり清掃工場の生ごみを有効活用して、それを都市ガスに供給している事業も行われております。そうした廃棄物を有効利用しながらやはり日本のエネルギーを、自給率を高めるという、まだその点、そうしたやはりまだまだ活用すべき日本の廃棄物であったり、バイオマス資源というのはまだまだ広くあるかと思いますので、そうしたものも最大限活用する視点というのも大事なポイントかというふうに認識しております。 御質問ありがとうございました。
○上田勇君 ありがとうございます。 それでは続いて、上野参考人にお伺いしたいというふうに思います。 今日のお話、またこれまでの著作なども拝見をさせていただくと、これから再生可能エネルギーの利活用というもの、これはもう必然なんですけれども、そうすると、レアメタルとかレアアースなどのサプライチェーンが重要になってくるというのはもうそのとおりだというふうに思っております。 二年前ですかね、アメリカがこの鉱物安全保障パートナーシップというのを立ち上げて、日本も他の先進国と一緒に参加をしておりまして、これすごく重要な取組だと私もそのとき感じました。主な供給国であります中国が、これはやっぱり資源を経済的威圧の材料として頻繁に使っているというようなことを踏まえると、これから非常に重要な取組だというふうに思っております。 ただ、今度、アメリカで新政権が発足をして、アメリカ・ファーストということでありますと、果たしてこうした仕組み、多国間の仕組みというのは本当にこれからも信頼足るものになるのか、また、我が国としてこうしたパートナーシップの枠組み、これは重要視しながらも、EUとか、またほかの新興国もありますので、そういったところと協力しながら、このサプライチェーンの安定のための他のオプションといったことも模索していく必要があると思いますけれども、御見解を伺えればと思います。
○参考人(上野貴弘君) 御質問いただきまして、どうもありがとうございます。 まさに御指摘のとおりかと思います。 重要鉱物の確保についてはトランプ大統領も初日の大統領令で掲げているところでありまして、恐らくこの重要鉱物についてアメリカの中だけで安定的に全て確保というのは難しいですから、多国間のパートナーシップというものをこの点については引き続き追求していくのではないかと私は見ております。 この点についても、手段に焦点を当てればアメリカとの協調は可能ということの一例だと思いますし、まさに御指摘ありましたとおり、EUや新興国などアメリカ以外の国も含めて連携を深めていって、供給源の多様化をしていくことで強靱化をしていくというその方向は、アメリカの政権が替わっても揺るがないものだと理解をしております。 以上となります。御質問ありがとうございました。
○上田勇君 ありがとうございます。 最後にちょっと寺崎参考人にお伺いしたいんですけれども、風力発電、今日非常に御丁寧に御説明いただきまして、その重要性、十分理解をできました。 ただ、ちょっと現状というとなかなか、建設コストとかも非常に上がっているし、送電効率などの課題もあるというふうに聞いております。さらに、主要部品、この羽根の部分とか、これはやっぱりまだ輸入に依存している部分が多いというふうに伺っておりまして、この辺は経済安保上の課題でもあるのかなというふうに思います。 こうした主要部品のこれからの国産化についてどういうふうにお考えか、伺えればと思います。
○参考人(寺崎正勝君) 御質問ありがとうございます。 今、上田先生がおっしゃっているとおりの認識でございまして、非常に資機材が、これは風力に限りませず、ほかの電源につきましても物価が上がっていると、さらには作業員が不足しているといったところがございます。加えまして、足下の円安の状況等が響いてきているというところでございまして、そこが建設コストとして上がってきているのは間違いないということでございます。 浮体式につきましても、今現状でございますけれども、風車につきましては日本はもう完全に諸外国に頼っているという状況でございます、残念ながらですね。元々は日本にも風力メーカー三社程度ございました。急速な風車の大型化の波が参りまして、この設備投資の戦略上、どうしてもやはり弱いところが淘汰していったというところがございまして、まだまだ、日本市場がまだそのときは開かれていなかったというところもございましたので、どうしても海外競争に負けてしまったというところがございます。 ただ一方で、同じような状況、韓国も同じような状況なんですけれども、韓国は力を入れまして、例えば大型の洋上風力の風車を国産化を進めようということで、国がまた力を挙げて取り組もうとしております。 日本におきましても、今まで風力の生産に関わっていた、また技術開発に関わっていた技術者の皆さん多数いらっしゃいます。ただ、会社がなくなったので離散しているという状況でございます。こういった離散されている技術者の皆様たちがもう一度集まっていただいて、願わくば国が主導するような形で、もう一度、日の丸風車、私ども日の丸風車と呼んでおりますけれども、こういうものが誕生できるような仕組みができてくると、また日本に合った、また日本だけに限らず、この極東アジア、台風が多い、地震が多いといったものに耐えられるような風車というところで特化していくということも一つきっかけがあろうかと思いますので、こういったところを是非先生方のお力も御支援いただきながら、再度日本の風車生産の基盤強化のためにお力を添えていただければと思っているところでございます。 一方で、先ほど資料で御説明いたしましたとおり、構造物につきましてはこれは日本が非常に強い分野でございます。鉄を造るところから、鉄を曲げる、溶接する技術というのは、これは日本はもう世界に誇る技術がございます。こういった技術をしっかり国産化、さらには技術開発し、加えまして、私どもこれ品質、それから規格の標準化というものを目指そうと思っております。日本がそこをリードすることができれば、標準化という形で世界に認めていただきますと、日本の規格が世界標準になるというところがございますので、こういったところも力を入れて取り組んでいくことが必要というふうに思っているところでございます。こういった面もこれから力を入れていきたいと思っておりますので、先生方のお力添えをいただければと思っております。 以上でございます。
○上田勇君 以上で終わります。
○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。 藤巻健史君。
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。 まず、上野参考人にお聞きしたいんですが、トランプ大統領、なぜパリ協定から脱会したと考えられるか。可能性としては、一つは、温暖化は喫緊の課題ではないと考えたのか。二番目は、CO2、炭素問題は気温、温暖化とは関係ないと考えたのか。三番目の可能性としては、CO2は温暖化には関係するんだろうけれども、今対処する問題ではないと考えたのか。どういう思考でパリ協定から脱会したと考えられますでしょうか。
○参考人(上野貴弘君) 御質問いただきまして、どうもありがとうございます。 大統領の正確な思考回路までは分からないところがあるんですけれども、まず、表明されていることとしては、パリ協定はアメリカにとって不利であるというのがまず明確に述べられています。その中には、先ほども少し申し上げましたけれども、途上国支援が入っていて、アメリカの負担が大き過ぎるとか中国がその途上国支援の負担の側に入っていないといったことは、第一期に抜けたときからそこを問題視しているというところがあります。 加えて、パリ協定の下では、各国が自ら削減目標を掲げるんですけれども、中国は二〇三〇年までにCO2の排出の増加を止めるとなっていて、そのことをもって、一期目のトランプ大統領は、中国はパリ協定の下で排出を増やすことができる、他方でアメリカは化石燃料の使用も減らして排出減らさなければいけない、アメリカにとって化石燃料は一つの大きな財産であるのにそれが制限されるといったことの不公平性というものを挙げて脱退をするということを言っているということで、まず不公平性というのがあると思います。 それに加えて、この気候変動問題で世論調査を行いますと、やはり支持政党間で気候変動に対する見方というのは非常に割れていて、そもそも人間が起こしているのかどうかということの科学的知見への認識の仕方もそうですし、この問題が人間が起こしていたとしても危険、憂慮すべきものなのかという点についても、共和党の支持者に関して言えば憂慮すべき問題ではないと回答する比率が高く、民主党の支持者についてはその真逆であって、非常に大きく割れている中、支持層に寄せていくとなるとパリ協定脱退という選択に結び付きやすいのかなと、これは大統領自身が述べているものではないんですけれども、推測されるところであります。 以上になります。どうもありがとうございます。
○藤巻健史君 今の御回答を聞いていますと、公平性が問題だから脱会しようと関係ないという話だと余りにも駄々っ子過ぎるんでちょっとあれかなと思うんですが、二番目の考え方というのは非常にインプレッシブなんですけれども、日本だと、CO2は地球の温暖化、これもう誰も反論しないような、マスコミでも、それから政治家もみんなそれを当たり前だという議論をしていますけれども、今おっしゃったように、アメリカでは本当にこのCO2が気温、温暖化に影響しているかということについて意見が分かれているというお話をされましたよね。 それでお聞きしたいんですけれども、確かに、ケリー副大統領、どなたのときの副大統領か忘れましたけれども、あのとき話題になったのは、彼がビジネスでCO2問題やっているんじゃないかという話もありましたし、それから、トランプが今、今の御説明もそうですし、それから、日本でも某シンクタンクのシニアのアナリストが地球温暖化はCO2のせいじゃないということを熱弁していたのも聞きましたし、それから、これは個人的で、別にロジカルでも説明でもないんですけれども、私、小さいときから存じ上げている非常に頭のいい方で非常に真面目な人が、ちょっと酒飲んでいる席で聞いたんですけれども、その人は天文学の専門家、大学の先生なんです。先生なんですけれども、彼は、地軸の傾きが温暖化に影響しているんじゃないかと。要するに、地軸が一度傾くと太陽に向かっている地面と海水面の面積が比率が変わって温度に物すごい影響をすると、千年単位で見ると、今、日本は、じゃない、世界は寒冷化に向かっているとおっしゃっていたんですけど、もっとも、だからといってそのCO2、石炭等をこの百年で使い切ってしまうのは問題だとはおっしゃっていましたけれども。 そういうことを聞いていると、私は全くの知識ないですけれども、本当に日本人が思っているようにCO2が必ず、間違いなく温暖化に関与していると、温暖化は全てCO2のせいだという断定をしていいのかなという疑問は絶えずあったわけですよ。政治家とかマスコミはそういうふうに言っていますけれども、科学者の間ではどういう判断、もう本当に一〇〇%の方が関連性があると考えているのか。どうなんでしょう。
○参考人(上野貴弘君) 御質問どうもありがとうございます。 まず、前置きとして、私自身は科学者ではないので、科学的知見はどうだということを、その中身について語る資格はないと思っているんですけれども、この気候変動の科学については、気候変動に関する政府間パネル、IPCCと呼ばれるところで七年に一回知見を取りまとめていまして、そこは、世界中の科学者が入る形でその時点での最良の知見を取りまとめるということをしているんですけれども、二酸化炭素始めとして温室効果ガスが気候変動を、温暖化を引き起こしているということについてはその評価の回を重ねるごとに確信度が上がっていき、一番最新のものでは疑う余地がない、議論の余地がない、アンイクイボーカルという単語を使っていましたけれども、という評価になっています。 もちろん、日本国内もアメリカもそうなんですけれども、その共通的知見に対して異を唱える方々が存在しているというのは、それもそれで事実ではあるんですけれども、私としては、そのIPCCで取りまとめた知見をベースとして気候変動対策を考えていくということが基本線であるのかなというふうに理解をし、私自身もその前提に立って研究活動をしてきたというところであります。 ただ、その人間活動によって温暖化が起きているというときに、ではその温室効果ガスの濃度が倍になったときにどれぐらい気温が上昇するのかとか、温度が上昇したときにどのような被害が出るのかといったところについては、研究の進展で不確実性が徐々に縮まってはいるものの、まだなお残る不確実性は大きいというところがありますので、どのレベルまで温室効果ガスを下げるということが本当にベストなのかというのは誰にも分からないまま、ただ被害が起きてからでは遅いというこの不可知な状態の中で今意思決定をしなければならないというのがこの問題の難しいところで、それゆえに常にこういう適切な政策の在り方については議論が絶えないというものだと理解をしています。 少し中途半端な答えになってしまっているところは自覚はあるんですけれども、以上とさせていただきます。どうもありがとうございます。
○藤巻健史君 お聞きしてきて、その議論の余地がないと、CO2は地球温暖化に影響して議論の余地がないという結論であるならば、トランプにしろ、大統領にしろ、アメリカ人も余りにも何じゃいなという感想を持ってしまうんですけどね。まあそれはちょっとコメント、私も別に科学的知見が何にもあるわけではないし、単なる今日の話を聞いていての感想ですので。 次に、済みません、それコメントだけで申し訳ないんですけど、小宮山参考人にお聞きしたいんですけれども、その知見、今その上野参考人の答えがどうこうということとは別に、トランプ大統領がパリ協定から脱会するというのが事実なわけですけれども、そして、そういう状況になったときに、日本どのぐらい温暖化に対して予算を組んで金を使っているか知りませんけれども、それが無駄金になっちゃう可能性がないのかなという気が今したわけですよ。先ほどのコメントだと、エネルギー安全性確保と脱炭素の両輪を、両立を図るとおっしゃっていましたけれども、アメリカが出てこないんだったらば、お金無駄だったら、しばらくの間はエネルギー安全化に一本で行って、もうちょっと道が見えてから両立を図るという選択肢もあるんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうかね。
○参考人(小宮山涼一君) 御質問いただき、ありがとうございます。 トランプ大統領の今後の環境政策がどうなるかというのは非常に注目が高い点、離脱、また条約からの離脱等も含めて非常に不確実性の高い要因だとは思いますけれども、しかしながら、実際のやはり企業や事業者はどう考えているかということも大変大事な視点かと思います。恐らく今、日本の企業も含めて、国際的な企業も含めて、恐らく脱炭素の流れというのはもう不可逆的な流れになっていないかどうかというところをやはり私も気に掛けております。 ですので、やはりこれはもう社会的な、国際社会のムーブメントの一つとなりつつはあるかと思いますので、引き続き、やはりエネルギー安全保障に加えて脱炭素も考慮に入れながらエネルギーを考えていく視点というのはやはり引き続き大事なのではないかというふうに考えております。 御質問ありがとうございました。以上でございます。
○会長(宮沢洋一君) 時間が来ております。
○藤巻健史君 はい。 貧乏くじだけは引かないようにしていただきたいなというふうに考えております。 ありがとうございました。
○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。 竹詰仁君。
○竹詰仁君 国民民主党・新緑風会の竹詰仁です。 本日は、参考人の皆様、ありがとうございました。 まず、小宮山参考人にお尋ねします。 今の御質問と少し重複するところあるんですけれども、資料の十四ページにですね、DX、GXの進展、電力需要の増加の可能性という資料を拝見させていただきました。私、先週の金曜日に千葉県の印西市というところに行きまして、印西市といえば今はデータセンターがもうラッシュであるということで、その印西市周辺だけでもうデータセンターの申込み、電力需要の申込みが一千万キロワットもう既に申込みがある。北海道電力が全体で大体最大電力五百四十万キロワットですから、北海道の二倍のものが印西市周辺だけでもう既に電力の申込みがあると、それに対して安定供給をしなきゃいけないという状況なんですね。 今、安定供給と脱炭素ということがあったんですけれども、私は、こうしたこの先生のお言葉の中に、電力というのは社会的な価値が高まっていると、それはまさに安定供給をすることによって経済的な成長も見込めるし、そもそもデータセンターとか半導体は成長分野でありますのでそこに電力を供給するということが大事だという、そういう意味だと私は理解しているんですけれども。 そうであれば、何でこの電力というのを自由化してしまったんだ、あるいは電力会社を分社化してしまったんだと。発電も今、自由なわけです。電気を売るか売らないかも自由なわけですね。でも、そうした日本全体にとって大切な電力供給に対してどうして自由に自由にとやってきてしまったんだろうというふうに、そう思っているんですけれども、今先生が考えるその安定供給と脱炭素というのは本当にマーケットに全部任せていいのかということと、これは誰が主体的に責任を持って進めていくべきなのか、そのお考えを教えてください。
○参考人(小宮山涼一君) 大変重要な御質問をいただきまして、ありがとうございました。 現在、データセンター、半導体工場、やはり日本の今後の成長分野と期待される伸びるところの電力供給というのは、やはり確実に安定供給を徹底するということは大事な視点だと、私も賛同いたすところであります。 そうした中で、自由化の問題でございます。私の認識といたしましては、恐らくアメリカで自由化が世界的にもまず始まったと。当時の恐らくアメリカというのは、需要に対して供給が豊富にあったと。供給が豊富にあるので、やはり需要に合わせてスリム化することでコストの低減を図ると、そうした思想で自由化というのはやはり電力の分野でも導入されたというふうに認識しております。 そうしたことを踏まえますと、やはりある程度供給がある中で自由化を進めることでコストの低下を図れるわけですけれども、供給のないところで自由化を導入することで、やはり安定供給、また電力価格の低減が図れるかどうか、その点がやはり大事な、今後検証等を進める一つの大事なポイントだというふうに思っております。 しかしながら、恐らく、自由化の中でもやはり安定供給を図れる恐らく政策やツールはあるのではないかとも一方で思っております。例えば、電源、発電に対する投資、投資の回収をですね、より予見性を高める政策なりルールなり、やはりあるように認識しております。 例えば、CfDと呼ばれるようなやはり差額については後でしっかり補填するといった、やはり市場の自由化の中でも電源安定供給を高めるこれ施策というのは恐らくあるというふうに認識しておりますので、その点、今後検討が進められれば、より日本、自由化の中で安定供給、やはり両立しながら、自由化と安定供給を両立しながら、日本の供給力を高めることも恐らく可能なのではないかというふうに認識しております。 以上でございます。
○竹詰仁君 ありがとうございました。 続いて、寺崎参考人にお尋ねします。 参考人の資料の十六ページに、同じように今、小宮山参考人がおっしゃっていただいたその言葉がありまして、真ん中に、資金調達、保険のところに事業予見性というのがあります。今、小宮山参考人がおっしゃっていただいたことと私は理解しているんですけれども、皆様がお求めになる事業予見性というのは、国に対してなのか、あるいは国に対することだとすれば何を御期待、御要望なのか、その点を教えてください。
○参考人(寺崎正勝君) 御質問ありがとうございます。 事業予見性でございますけれども、いろいろな面ございます。国に対しましては、やはりこの浮体式洋上風力を国として、政策目標も含めてでございますけれども、しっかり取り組むというコミットメントをいただきたいというふうに思っております。 やはり、民間発電事業者が資金を投入するわけでございますので、やはり一番は投資が回収できるかどうか。とりわけでございますけれども、ここでは、収入の面でいきますと、発電量に、いわゆる売電ですね、電気を売ったお金がちゃんと入ってくる仕組みができるかどうか、その価格がどういうふうになっているのかどうか、水準がどうか。で、一定決めたとしても、先ほど小宮山先生からございましたとおり、急激なインフレが生じたときに一銭も補助しないよという形になるのか、イギリスのように、ちゃんとそこは条件同じなのでしっかり国が見ていきますよというコミットメントを出せるかどうか。こういうまず収入の面が一番だろうと思っております。 ここの仕組み、それから、ちゃんと国がそこを、補償という言葉が正しいかどうかは分かりませんけれども、下支えするということが政策として又は制度面としてきちんとビルトインされてくるかどうかといったところに尽きるというふうに考えております。
○竹詰仁君 ありがとうございました。 続いて、上野参考人に、ちょっと同様な質問になってしまうかもしれませんが、トランプ大統領が先ほどのパリ協定離脱、トランプ大統領はアメリカをファースト、第一と言っているということは、私、脱炭素、環境対策と経済性というのが両立することが難しい、すなわち、トランプ大統領は経済を強くするということを言っているということは、脱炭素対策すると、むしろそれはコスト的に負担になると、そういうふうにお考えなんじゃないかなと。あるいは、そうじゃないということでしたらそうかもしれませんが。 それを、今、上野参考人の資料に、日本は今の中道路線をぶれずに維持すべきだという言葉があって、ちょっと私もこのエネルギーの中道路線って使ったことないものですから、でも、今のというと、今の日本の場合は、特に東日本はほとんど、まず原子力は女川しか動いていないので、今のとなると、原子力は七、八%しかない。ほとんどが火力で、再エネが二〇%弱ということなんですけど、この今の中道路線を維持すべきだというお言葉の中に、ここの比率のことをずっとおっしゃっているのか、あるいは何か違う政策目標みたいなことをおっしゃっているのか。 ちょっと、アメリカがなぜコストと、経済性とその環境対策ということをどういうふうにお考えなのかと、今の、今の中道路線、日本の中道路線というのがどういう意味で維持すべきなのかというのをちょっと教えてください。
○参考人(上野貴弘君) 御質問いただきまして、どうもありがとうございます。順にお答えしたいと思います。 まず、アメリカのトランプ大統領がパリ協定脱退したことが、環境と経済の両立性の難しい中で経済を取ったという側面は一部にはあるのかなとは思います。ただ、大統領自身はきれいな空気ということはよく言っているということがあるのと、あともう一つは、アメリカの場合、シェール革命以降、石炭から天然ガスへ転換していったというその流れ自体はこれからもむしろ強化していくような意味合いのことは述べられているというところがありますので、両立のさせ方ないしはその環境と経済のウエートの置き方を少し真ん中か経済寄りに戻していくというのが実態に近いのかなと、どちらか一方に完全に振り切ってまではいないかとは思っているところです。 私の中道路線という言葉の選択がもしかしたら語弊を、今のというところの形容詞も含めて語弊があったのかもしれないんですけれども、私がここで中道と言っていた意味は、まさに環境と経済のバランスの中で、経済が全てだでも環境一辺倒でもなく、両者のバランスというところを中道というので表現をしております。それは、今の発電電力量構成のミックスを維持するということではなくて、経済と環境のバランスということですので、その中では当然のことながら原子力発電の役割は一定のものがありますでしょうし、向こう四年間に関して言えば、アメリカがエネルギーコストを下げると言っている中で彼我のエネルギーコストに伴う競争力の差をこれ以上広げないためにも、御指摘にあった東日本も含めて原子力発電の役割というのは上がっていく、重要になっていくというのがこのエネルギーコストの観点では言えるというふうに考えております。 以上になります。どうもありがとうございました。
○竹詰仁君 以上で終わります。ありがとうございました。
○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。 吉良よし子君。
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。 三人の参考人の皆様、今日は本当にありがとうございます。 初めに、私は寺崎参考人から伺っていきたいと思うんですけれども、先ほど来の議論の中ではやはりエネルギーの安全保障、そして脱炭素、両方進めていくことが大事というお話があり、またその中で再エネということが本当に重要な位置を占めるというのは、参考人の皆様共通の御認識だったのかなと考えるわけです。その中で、寺崎参考人からやっぱり浮体式洋上風力の可能性、期待ということが語られて、非常に私も面白く、またこの中で日本の風土に特化した技術開発を進めていく可能性もあるということは本当に期待を持ってお話を伺った次第です。 その中で、この間、私、この調査会で様々な参考人の皆さんから、この再エネの普及に関わって、やはり自治体や地域、市民主体で進めることが地域振興、活性化につながるんだということもるる語られたと記憶しているんですが、寺崎参考人の資料の中でも、この浮体式洋上風力が地域振興にも期待されるということが書かれておりました。是非、この地域振興にどのように貢献できていくのか、具体的な中身というのをお話をいただきたいなと思います。 あわせて、その地元の住民の皆様、漁業関係者の皆さん、地域共同でやってこそ普及ができるのじゃないかと思いますけれども、その可能性についてもお話しいただければなと思います。お願いいたします。
○参考人(寺崎正勝君) 御意見ありがとうございます。また、御質問ありがとうございます。 地域振興、特に私、これまでいろいろな電源開発に取り組んでまいりまして、一番気に掛けておりますのがこの地域。やはり、再生可能エネルギーというのは、海でありましたり山でありましたり、森でありましたり川でありましたり、地元の宝物を使わせていただくものでございます。この地元の宝物をよその者が使うわけなんですね。そこを、例えば所有権を持ったから、又は権利を取ったから勝手に使っていいという代物では決してないというふうに思っております。ここのやはり地域、住民の方々の信頼を得て初めて開発できるものが再生可能エネルギー。私よく使う言葉でございますけれども、法にかない、理にかない、そして情にかなわなければならないと、いつもその気持ちを念頭に置いて電源の開発を行ってきたところでございます。 この洋上風力でございますけれども、まず海の中に物を造りますので、その海域の近くに拠点をつくらなければなりません。で、ここに部品を置いたり、又はメンテを行う人たちが常駐いたします。大体数十人規模になります。当然ながら、そこは海でございますので船で行く形になりますので、港の近くになってまいります。こうしたことから、地元のところにそういう拠点をつくるということで、全てではございませんけれども、専門的な技術等も必要になりますけれども、やはり簡単な技術で雇用の面で一つ貢献できる。 それから、設備ができますので、当然ながら、固定資産税という面で、地元にそれだけの設備投資、これまで大きな工場は来なかったけれども、再生可能エネルギーが来たことによって固定資産が相当増えた自治体さんもございます。 さらには、海の中に造るということで、特に鉄とかコンクリートといったものは非常に海藻が付きやすい、海藻が付くことによりまして魚が寄ってまいります。小魚が最初に寄ってくるんですけれども、その小魚を目掛けて大きな回遊魚が寄ってくるということで、漁業の振興にもつながる。もちろん、海底に又は鎖等でつなげるもののところでは漁はできませんけれども、新たな生態系をつくることができます。 こういった形で漁業の振興にもつながるといったところもございまして、さらにはサプライチェーンの面でいえば、これまで造船業に携わる方々、仕事が減っているというお話を聞いたり、特に中小企業の工場でございます、ここが一番私心配しているところでございまして、こういったところに少しなりともお仕事が回るようになってまいります。 例えば、私がやりました北九州の響灘でございますけれども、一度、そういった直接的に建設に関わっていらっしゃる方々もいらっしゃれば、関わっていない方もいらっしゃいます。とりわけ、これは北九州市での出来事でございますけれども、地元の中小事業主の集まりに参加をさせていただきまして、その懇親会のときに、旅館業とかレンタカー業とかクリーニング業をされている経営者の方々から、自分たちには関係ないんだよねというふうにおっしゃられました。 ところが、建設が始まるということは、人がそこに集う形になります。人が集うということは、そこで衣食住のいろいろな要素が必要になってまいります。例えば、これだけの規模のものを建設しようとすると、延べでございますけれども数十万人の人間が必要になってくるわけでございまして、それだけ、例えば建設期間中であれば、お昼のお弁当とか、さらにはクリーニング、泊まるところも必要になってくるという形で非常に裾野が、連関的に直接投資から間接投資の方に裾野が延びてくるという形で地元が振興していく。 さらには、それは建設時でございますけれども、建設終わった後でも始終メンテが必要になってまいりますので、先ほどのようなお仕事も出てくるということでございますので、そういった意味での地域貢献、それからそれを核とした活性化ということにも期待ができるのではなかろうかと思っているところでございます。 以上でございます。
○吉良よし子君 非常に多岐にわたる効果があるのだなと、お話聞いて、楽しく伺いました。雇用から税金、そして新たな生態系の創出、漁業にも貢献もしていくし、そして裾野が広がっていくということは、やはり本当にこの再生可能エネルギーのポテンシャルという可能性の広がりを感じるものです。 あわせて、次に小宮山参考人、そして寺崎参考人にももう一度お伺いしたいと思うんですけれども、小宮山参考人は、最初のお話の中で地域のエネルギー安全保障という話で、やはり災害時のときのエネルギー安全保障が大事というお話があったんですけれども、やはりそうした際の、災害時の電力確保といったときに、やはり私はこの再生可能エネルギーこそその役割が果たせるのではないかと思うわけですけれども、その災害時における再エネの役割についてどうお考えかということを、小宮山参考人、そして寺崎参考人、それぞれお話伺えればと思います。お願いいたします。
○会長(宮沢洋一君) 申合せの時間がかなり近づいておりますので、短めに御答弁をお願いをいたします。
○参考人(小宮山涼一君) はい。 御質問ありがとうございます。 全く賛同するところです。自治体でも、特に建築物や住宅、やはり積極的に太陽光発電、さらに、そうした強靱、非常時の安定供給を高めるためには、蓄電池のようなやはり広がりのある投資を促進するような政策なんかが大事ではないかというふうに考えております。 以上でございます。
○会長(宮沢洋一君) 続いて、寺崎参考人。
○参考人(寺崎正勝君) 私は、災害時の面に特化して御回答申し上げたいと思います。 災害時には、こうした浮体式にしましても着床式にいたしましても、系統から切り離して電気を例えば港湾エリアとかいわゆる重要なエリアに特別に送るということも技術的に可能でございます。こういった面でも、風さえあれば電気を生むわけでございますので、そういった形でも災害面でもよりレジリエンスは上がってくるんじゃないかというふうに考えております。 以上でございます。
○吉良よし子君 大変参考になるお話ありがとうございました。上野参考人、お時間なくて伺えなくて申し訳ありません。 終わります。
○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。 神谷政幸君。
○神谷政幸君 自由民主党の神谷政幸です。 まずは、三人の参考人の皆様に、大変示唆に富んだお話いただいたことを感謝を申し上げます。 まずは小宮山参考人にお伺いをしたいと思います。 Sプラス3Eを満たすエネルギー源というものがいまだ存在していないからこそ、エネルギー政策をしっかり進める必要性があるなということをお話を聞いて改めて感じたところであります。その上で、世界の電源構成のシナリオ、これを考えますと、原子力を二〇五〇年までに現状の二倍の電力比率にしていく必要があるというお話がありました。 その一方で、課題として、原子力人材の育成のことをしっかりやっていかないといけないというお話もございました。この人材育成、非常に重要であるというふうに思っておりまして、人材育成の歩みというものは一度止めてしまうとその後の影響というのは大変大きいものがあるのではないかと思っております。 これ、違う分野で大変恐縮ではありますが、過去にほかの分野で同じ事例がありまして、例えば日本の抗菌薬の分野、これは、世界において日本の製薬企業というのは大変リードをする存在でありました。ところが、二〇〇〇年を境に、収益性の低さから撤退する企業が増えまして、国内の開発力が低下をしたという現状がございます。そのため、国内の生産再開を今目指していますが、過去の技術的なノウハウが途切れてしまっており、大変苦労しているということを伺っております。 これらの事例のように、継続して事業や研究が行われないと技術力は低下をして、回復をするには大変な時間と労力が掛かるというふうに認識をしております。その点も踏まえまして、今後、国内において原子力に関して技術開発や産業維持、また人材育成等ができるのかという点に関して、参考人の見解をお聞かせいただければと思います。
○参考人(小宮山涼一君) 御質問をいただきまして、ありがとうございます。 原子力人材育成、大変、エネルギーの安全保障を今後引き続き日本で継続的に強化する上でも、原子力人材の育成というのは大変大事な要因であるというふうに思っております。 やはり、何より原子力、まずは再稼働、再稼働することでも現場で様々な知見、ノウハウの継承等、教育等、恐らく行われる機会になりますので、やはり再稼働を着実に進めていくこと、また翻って、また加えて、やはり新増設、次世代に原子力に関する現場の技術の継承する上でも、やはり原子力の新増設というのは人材育成上も大変大事な要素であるというふうに思っております。 今後、その原子力、比率としてはそれほど、二割、例えば二割程度に今後維持するにしても、やはり新増設がなければ技術力が低下していく可能性もあるというふうに私は感じておりますので、やはり安定的な運転と新増設を進めながら、やはり原子力の人材育成を継続的に進めていくという視点が大変大事だというふうに認識しております。 私からは以上でございます。
○神谷政幸君 ありがとうございます。 再稼働、それから新増設ということが非常に重要なキーワードであるということを改めて認識させていただきました。ありがとうございます。 では、続きまして、上野参考人にお伺いをさせていただきます。 気候変動はグローバルな課題でありまして、今回のトランプ政権の動向に対して世界全体の動向も非常に大きく今左右をされている状況だということを改めて再認識させていただきました。その上で、日本は中道的な対応を続けていくことが大切だろうという御意見をお聞かせいただきまして、その中で、産業構造が似たアジアの国々との連携も重要であるというお話がございました。 その上で、私、先ほど他の質疑者に対するお話にもありましたAZECを進めていくということが大変重要ではないかというふうに感じております。お話にもありました産業構造が各国で異なっているという点を踏まえますと、プロジェクトを創出をして対応していくために、やはり人材育成が重要ではないかというふうに感じております。 この一定程度の研修が既に行われて参加者がいるのではないかというふうに思いますが、非常に概念的な質問で恐縮なんですが、既に十分だというふうに思われるのか、それともまだまだ必要だと思われるのか。また、このAZEC構想をより進めていくためには、あと一押ししていくためにはどういったものが必要であるとお考えか、是非お聞かせいただければと思います。
○参考人(上野貴弘君) 御質問いただきまして、どうもありがとうございます。 AZECの取組はまだ始まったばかりですので、まず全体として、今の取組で十分ということではなくて、できることをもっと広げていくべきだというのがまず第一にあります。その上で、人材に関することも、これからまだ発展途上にある国々にとっては人材の開発のニーズは非常にあるでしょうから、そこで日本が果たせる役割というのは大きいでしょうし、それ以外の具体的な脱炭素化や排出削減に向けたプロジェクトの組成についても、日本はトランジションファイナンス、移行金融というものをやっているんですが、こういうものをアジアの国々にも広げていって、そういった分野に投資が、資金が流れて具体的なプロジェクトが立ち上がっていき、その中で、日本企業も一定の役割を占めるようになるといったこの流れをつくっていくことがこの先大事な分野になってくると考えております。 以上になります。どうもありがとうございました。
○神谷政幸君 ありがとうございます。 日本、非常にこのアジアの中で一定の役割を占めていく大事な役割を担っていくんだということ、お話でありますので、非常に重要であるということを改めて再認識させていただきました。ありがとうございます。 では、続いて、寺崎参考人にお伺いをさせていただきます。 浮体式洋上風力でありますが、国内産業の振興、それから地域活性化の面で非常に大きな可能性があるということで、大変夢と希望を持ってお話を聞かせていただきました。その上で、大型化も非常に段階的に可能であるというようなお話もあったかというふうに思います。 その一方で、私、これちょっと適切な比較か分からないんですが、スマートフォンはiPhoneを使っているんですけれども、どんどんiPhone大きくなってきているなというふうに感じておりまして、非常に機能性を増していく、また効率を上げていくというふうになると、大型化をしていくということはやはり課題になってくるのかなというふうにも感じております。 その上で、資料の十九ページの方に、風車大型化に伴い製造できる造船所が限定されてコストが高止まりということがリスクとして書かれております。将来的にドックでの製造が難しくなってくる、大型化して難しくなってくるということが一つのリスクになってくるかと思いますが、そういった点も踏まえても、やはり国内での需要をしっかりと回していくという点で推し進めていくという考え方もあると思いますし、標準化のお話がありましたので、世界のまさにパイオニアとしてその分野を取っていくということも戦略としてあるのだと思います。 そういった大型化の可能性も含めまして、将来的な展開についてお答えいただければというふうに思います。
○参考人(寺崎正勝君) 御質問ありがとうございます。 大型化という非常に重要な視点でございます。 今現在、十九スライド目でございますけれども、通常はこうしたドックで建設を進めてまいります。浮体式の、これが風車が大きくなりますと、当然ながらこの船の部分の浮体構造も少しずつ大きくなってまいります。大体一辺がどれぐらいの長さかと申しますと、八十メーター前後になってまいります。これが十五メガワット機という、世界で最大級の風車がございますけれども、これを載せようとしますと、一辺が大体八十メーターを超えてくるような構造物を造る必要が出てまいります。そうしますと、こういうドックでは入り切れない可能性が出てまいります。それと、何よりでございますけれども、ドックが空いているかどうかということによってこの生産のスケジュールがボトルネックになってくるところがございます。 こうしたところを回避していくためには、ドックに頼らないような造り方を考える、又は、先ほど申しました、コンポーネント化して、その一つの解決方策として、モジュール化と呼んでおりますけれども、いろいろなところで部品を作っていただいて、まあ車と一緒でございます。車は車の工場で全部造るかというよりも、いろんな部品会社さんにもお願いして、そうしますと裾野が広くなってまいりますよね。そういったところで部品を作って、港湾のエリアでそれを組み立てるような仕組みにしていきますと、ドックに頼らずにして生産が可能になる。 この構造物の大量高速生産というのが世界の共通課題でございまして、これをやはり解決していく方法というのは日本にこれは知恵があるんではなかろうかというふうに思っているところでございまして、非常にここは日本のメーカーさんの方にも期待をしているところでございます。 以上でございます。
○神谷政幸君 寺崎参考人、ありがとうございました。 まさに日本、物づくり非常に強い国でありまして、今のお話を聞いて、大量に造る、また高速に造っていく、そういった点で日本の優位性が非常に発揮される分野ではないかというふうに改めて思いました。 貴重な御意見ありがとうございました。
○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。 村田享子君。
○村田享子君 立憲民主党の村田享子です。 本日は、お忙しい中、参考人の皆様、お話ありがとうございます。 まず、私も、寺崎参考人からお伺いをしたいと思います。 日本の物づくりということの意味でも浮体式洋上風力のお話いただいて、私は、柴委員と同じく労働組合の出身なんですが、私は元々物づくりの労働組合の出身で、特に造船の皆さん、これまで厳しい状況が続いている中で、こうした浮体式洋上風力で頑張っていきたいんだというお声であったり、鉄鋼の皆さんも、素材という面でもそうですし、金属加工、そしてエンジニアリングという部分でも日本の企業の強みが生かせるということで、本当に皆さん各地で頑張られている様子を私も見学しております。 その中で一つ、皆さんが気にされているのが、やっぱり電力、安価で供給をしないといけないというところの一方で、この日本でいいものを造っても、果たしてそれが、やっぱりコスト、もうけが出るのかという、その電力料金と、実際商品を造ったときに利益が得られるのか、そこのバランスがこれ今後どうなっていくのかなと。 国の方でも、第七次エネルギー基本計画の中で浮体式洋上風力の記述ありまして、国内調達比率を二〇四〇年までに六〇%にするんだという目標がある一方で、例えば、海外から安価な部品を調達するということであったり、今、国の方では価格転嫁という話も出ていますけれども、部品を作っている企業のところにもちゃんと利益が得られるような国内のサプライチェーンがやっぱりつくっていかないと、せっかく物は造れても利益が出ないというところになると今後の設備投資にも影響が出てくるということで、しっかり国内調達比率も上げていくし、しかも利益も出していくという、ここのところをどう考えていらっしゃるのか、教えていただければと思います。
○参考人(寺崎正勝君) ありがとうございます。 まさに今御指摘の点、私ども非常に極めて重要なポイントだというふうに見ております。 もう先生も御見識のとおり、より電力単価を下げていくためには、物の造るところをいかに効率化していくか、又はコストダウンしていくかといったところ、さらには、私どもは、コストダウンだけではございませんで、リスクの低減といったのも併せて取り組んでいこうと思っております。 そうした中で、やはり日本の強み、この物づくりをいかに生かしていくかなんですけれども、私ども、この浮体式のいろいろなシステムがございます。これを国際標準化していこう、物づくりの標準化、規格化を日本がリードできないだろうかと。もしここを日本がリードできるようになれば、日本が考えた仕組みの物づくりが世界各国で造るような形になります。 とりわけでございますけれども、その中でも私ども、アジア太平洋域を考えております。ちょっとアメリカの方を考えていただきますとお分かりかと思いますが、アメリカの重工業ってほとんどが東海岸でございます。西海岸は重工業って余りない。サンディエゴのあの米海軍の基地程度でございまして、じゃ、進んでいるのはどこかというと、メーン州、東側はメーン州、西側はカリフォルニア州で浮体式をやろうとしています。 じゃ、その浮体式の設備をどこで造るのかという問題が生じます。そこに、我々考えていますのは、日本がそこの物づくりの拠点になり得るのではないだろうか。マーケットとして日本はこのアジア太平洋エリアのちょうど真ん中に位置します。太平洋、それからアメリカ西海岸まで、さらにはインド洋のところまで、こういう市場を是非日本としてリードをできるような規格化でありましたり物づくりのサプライチェーンをつくるということが、結果として日本のこの物づくりのコストを下げていくことにもつながるし、日本だけではないマーケットで日本の企業が活躍できるフィールドが広がってくるのではないだろうかというふうに期待をしているところでございます。 以上でございます。
○村田享子君 やっぱり、国際的に浮体式洋上風力を、日本のものを展開していく、これもまさに今、国がエネルギー基本計画で言っているところですし、やっぱり日本の物づくりが世界に広がっていくというのは本当に私も重要だなと。 今おっしゃったように、国際標準化を取っていくというのが大事だと思っていて、一方で、日本の物づくりの歴史を見ると、ここが取れなかったがために、せっかく最初に日本がいい技術つくっても広がっていかないという課題があって、ここは本当に国も一緒になって業界の皆さんと、あと各国といろいろ話をしながら標準化というのをやらなければいけないなと思うんですが。 これに当たって、やっぱり国にもっとこういう支援をであったりこういう枠組みをであったり、今実際うまくいっていますよとかですね、そういった国際標準化の点でちょっと教えてもらえればと思います。
○参考人(寺崎正勝君) ありがとうございます。 国際標準化はどこの国もやはりそれを目指そうとしているところでございまして、今非常に競争が激しくなってきている。ということは、我々といたしましても一瞬たりとも時間を無駄にできない状況になっております。 こうした現状をまず御理解いただいて、特に私ども、国の産総研さんでございましたり、それから東京大学先端研さんでございましたり、又は認証を行います日本海事協会様とも連携をさせていただこうと。この産学の協力によりまして技術開発を進め、単に技術を開発するのではなくて、その一つ一つが優れていても、集合体として本当にそれがシステムとして成り立つかどうかといったアプローチというのは実は余りアメリカもヨーロッパもされていない部分がございます。 これ日本が、これシステムエンジニアリングって申し上げますところなんですけれども、そういう視点で日本がリードできないだろうかということで、今、私ども、欧米の有志国とともに連携をしながら、それぞれの強み、弱みというのがございます。日本の強みがどこであるかというのを今マッピングをしようと思っておりまして、そのマッピングの中で比較優位がある日本の技術がどこなのかといったのをまず明確化し、それをいかに伸ばしていくかといったことを考えておりまして、是非、そういう取組はどうしてもやはり予算の面の、コストが掛かった、開発コストが掛かったりいたしますし、そこを是非先生方に御支援をいただければ、我々としまして非常に心強いというふうに思っております。 以上でございます。
○村田享子君 ちょっともう一問、今のお話に関連して寺崎参考人にお聞きしたいんですが、FLOWRAを設立されたときに国内よりも海外の方が反響があったというようなお話もお聞きしていまして、今のお話にも関連すると思うんですが、どういったところに海外の皆さん着目されているのかというのも教えてください。
○参考人(寺崎正勝君) 冒頭に申し上げましたとおり、日本は領海とEEZ含めまして世界第六位の海域を持っている。海域がそれだけのエリアを持っている国がいよいよ浮体式を本格化するのかということで、非常にアメリカ政府、それから欧州各国からすぐさま問合せがあったというところでございます。 何をやるのか、どういうふうにやるのかということで、まだ私ども手のうちを素直に見せるというのはなかなか難しいところがございましたので、我々まずは連携しながら、それぞれの強み、弱みを言い合いながらそれぞれの役割分担していきましょうよという形で今交流を進めておりまして、一つ一つの国々と、今年度になると思いますけれども、具体的な、より具体的な連携に向けて今年は動こうというふうに思っております。是非、先生方の御支援をいただきながら進めさせていただければと思っております。 以上でございます。
○村田享子君 ちょっと浮体式洋上風力の話で盛り上がり過ぎて、済みません、小宮山先生、上野先生に御質問できなかったんですけれども、やっぱり両先生がおっしゃっておられた例えば技術の国産化、エネルギーの面でもやっていくとか、やっぱり、日本が脱炭素だけじゃなくて経済的面やエネルギー安全保障でも中道路線だというお話にもやっぱりつながっていくのが浮体式洋上風力だと思っていますので、引き続きしっかりと国としても応援していきたいと思います。 以上です。ありがとうございます。
○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。 高橋次郎君。
○高橋次郎君 公明党の高橋次郎と申します。 今日は、貴重な御意見、参考人の皆様に教えていただきまして、本当にありがとうございます。 私、ちょっと上野参考人にお伺いをしたいんですけれども、世界全体の動向のお話あった中で、皆様アメリカの御発言が多かったんですけれども、例えば、脱原発を進めたドイツとか、若しくはまた、イギリスやフランスは逆に原発、原子力発電所の新設なんかを進めているというような状況がある中で、ちょっと、安全性の問題はちょっと置いておいて、そのエネルギー効率と、国というんですかね、経済状況、国の経済状況に関して御知見があったら是非教えていただきたいんですけれども。
○参考人(上野貴弘君) 御質問いただきまして、どうもありがとうございます。 まず、ドイツにつきましては、脱原子力は既に行っておりますし、メルケル政権以降、年限を区切った脱石炭というものも進めてきたという事実があります。他方で、ロシアによるウクライナ侵略以降の天然ガス価格の高騰でエネルギー価格が高騰して、国民の生活が苦しくなるのみならず、産業への悪影響も及んでいまして、これが今ドイツ経済を難しい状況にある意味なっているというところです。 これを解消していくためにはもちろん様々な取組が必要なんですけれども、原子力発電についての政策の見直しがあるのかどうかというところは、今月たしかドイツは総選挙だったかと思いますが、その結果も含め、今後、着目点ではないかと思います。 イギリスとフランスについても、それぞれ、元々フランスは原子力比率が高いというところもありますし、英国については、まさに気候変動対策の一環として原子力発電を先ほど小宮山先生もおっしゃっていましたCfDと呼ばれる政策などで支援してきているという中で、脱炭素と経済性あるいはエネルギー安全保障との関係の中で原子力を位置付けているという実態があるというところです。 以上になります。どうもありがとうございました。
○高橋次郎君 ありがとうございます。 あと、済みません、寺崎参考人にお伺いをしたいんですけれども、この浮体式洋上風力、非常に、何というんですか、魅力的というか、もう本当に将来性がある技術だなというふうに思うんですけれども、一方で、主な課題という御指摘の中に法整備の、法規制の整備という課題があって、私もちょっといろいろ勉強する中で、港湾の、港の整備であるとか、それから環境アセスなんかも含めて様々なことを考えると、実現するまでに十五年ぐらい、実現というのは、ちゃんと本当に発電をして、エネルギーの発電として十五年ぐらい掛かるんじゃないかというちょっと簡単な計算したんですけれども。 私、今、昭和四十二年生まれ、五十七歳なんですけれども、あと十五年たつと、私から以降に始まる第二次ベビーブームの方のピークも終わって、本当にもう、少子化が本当の意味での人材難というか人手難になるような時期にやっと本格的に動くような時代になるんじゃないかという、逆に言うと、その人材、人の問題に何かこう直面してしまうんじゃないかというふうに考えておりまして、多分、この浮体式洋上風力なんかは、それこそITとかAIとかじゃなくて、本当にエンジニアさんがトンカントンカンするようなレベルの多分現場になるんじゃないかというふうに思うんですけれども、その十五年後を目指した人材確保の例えば目算であるとかそのための努力みたいなものというのは、業界としてはどういうふうに捉えているんでしょうか。
○参考人(寺崎正勝君) ありがとうございます。 人材の問題、極めてこれも大きな問題でございます。そもそも日本の人口が減ってくる、そうした中でいかにワーカーも含めて確保していくかというのは、これはもうほかの産業も含めて同じ状況にあるということは間違いないということでございます。 じゃ、ヨーロッパとかどういうふうにしているかといいますと、やはり非常に人種の多様化、ちょっと言葉悪いですけれども、多様化。いろんな国からやっぱり作業員が集まってきておりますし、こうしたことをやはりやっていかない限り、日本人だけで取り組んでいくということにはどこかやはりもう限界が生じてくるだろうと。そうしたときに、ヨーロッパなんかを見ておりますと、非常にこのエッセンシャルというか、エンジニアリングの中でも極めて重要な付加価値の高い部分は自国民が行って、若干ですけれども、実際の作業に当たってはいろいろな国から人を集めてきているという実情がございます。 こういったことが、やはり日本におきましても、今後同じようなことが起こるというよりも、そうしていかなければ人が確保できなくなってくるのではないだろうかということで、上から下まで全部日本人でということではなく、まあもう既に今、例えば商船とか客船はもうほとんど外国人使っているという状況、特にクルーの方々ですね、船長と一部だけが日本人というケースが多うございますので、そういう多様化という形をやっぱりこの浮体式洋上風力につきましても同じような形になってくるのではないだろうかというふうに思っております。 以上でございます。
○高橋次郎君 ありがとうございます。 では、小宮山参考人にお伺いをしたいと思います。 資料の中、既にもう国が発表しておりますけれども、将来の電力需要ということでデータセンターとか半導体で今後需要が伸びるだろうというふうに言われていて、まあ私の記憶だと、本当の意味で表面化したのが二〇二二年のオープンAIがチャットGPTの発表になってから、まあそれ以前から当然動向というか動きはあったかと思うんですけれども、この電力需要がすごいというのは今になれば私も分かるんですけれども、将来、この五年、十年の間に、同じようにとても電力を使う何か動きというんでしょうか、発明というんでしょうか、技術というんでしょうか、何かそういった動き、今後本当にもっと使うんだというような産業とか動向みたいなものがもし何か今御知見があるのであれば、ちょっと教えていただきたいんですけれども。
○参考人(小宮山涼一君) 御質問ありがとうございました。 データセンターや半導体工場以外にも、恐らく、グリーントランスフォーメーションで恐らく役割が期待される技術、多々あるかと思います。例えば、ダイレクト・エア・キャプチャーといった大気中から二酸化炭素を回収するという、直接大気中から二酸化炭素を回収して大気中のCO2濃度を下げるような、そういう革新的な技術ですね、そういうものも非常に、電力消費が非常に大きいと。また、ほかにも例えば水素製造用の水電気分解装置もございますし、また合成燃料、いわゆるその回収した二酸化炭素と水素を合成して合成メタン、いわゆるEメタンを合成するようなそういう技術も電力等エネルギーを消費いたしますので、やはりグリーントランスフォーメーション、今後更に進展するにつれて電力需要というのは更に伸びる可能性、余地というのはあるように認識しております。 以上でございます。
○高橋次郎君 貴重な御意見ありがとうございました。 以上で終わりにします。
○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。──他に御発言もなければ、以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたします。 参考人の皆様に一言お礼を申し述べます。 皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。調査会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。(拍手) 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十五分散会