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217回国会参議院2025/02/19

国民生活・経済及び地方に関する調査会 第3号

発言数
103
登壇者
14
会派数
7
開催日
2025/02/19

会議録

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) ただいまから国民生活・経済及び地方に関する調査会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、嘉田由紀子君が委員を辞任され、その補欠として山口和之君が選任されました。     ─────────────

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 国民生活・経済及び地方に関する調査を議題といたします。  本日は、「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築」のうち、「社会経済、地方及び国民生活における希望の実現」に関し、「誰も取り残さないための支援」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。  御出席いただいております参考人は、認定NPO法人抱樸理事長奥田知志君、認定特定非営利活動法人スチューデント・サポート・フェイス代表理事谷口仁史君及び特定非営利活動法人日本障害者協議会代表藤井克徳君でございます。  この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。  皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。  次に、議事の進め方について申し上げます。  まず、奥田参考人、谷口参考人、藤井参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をお願いいたします。  また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず奥田参考人からお願いいたします。(発言する者あり)奥田参考人、挙手をお願いします。奥田参考人。

奥田知志認定NPO法人抱樸理事長

○参考人(奥田知志君) しゃべります、済みません。  改めまして、ありがとうございます。NPO法人抱樸の奥田と申します。  今日は、このような機会を与えていただきまして、ありがとうございます。時間がありませんので、早速お話をしたいと思います。  私のNPOは、今から三十七年前に路上で暮らす人たちの生活を支えるという活動から始まりました。しかし、NPOの世界も割と縦割りになっていまして、ホームレス支援とか障害者とかですね、そうじゃなくて、出会った人出会った人で、この人には何が必要か、それだけじゃなくて、この人には誰が必要かという、この二つのポイントで活動をしてまいりました。今、三十七年目になりまして、事業は二十九の事業に及んでいます。  その中で、今日は、単身化の問題と住まいの問題について、限ってやりたいと思います。  それでは、私の資料がこちらの黄色い方ですので、よろしくお願いいたします。  一枚目は、うちの団体のことです。  今年の一月で三十七年目になりました。その下が、私たちの主なるその視座なんですが、人間の生きづらさというのは二つあるというふうに三十年前から捉えてきました。一つは経済的な困窮、これはもう皆さんよく分かるところだと思いますが、もう一つは社会的な孤立だと。昨今になりましてこの孤立や孤独の問題が大きく取り上げられるようになりましたが、三十数年前、路上で、まさにこの二つが重なる中で路上生活というものがあると。前者をハウスに象徴されるハウスレス、家がないことに象徴される経済的な課題、後者を、ホームと呼べる人とのつながりがなくなっている、これをホームレスの問題、ハウスとホームは違うんだと。  路上のときには畳の上で死にたいとおっしゃっていますけれども、自立をしてアパートに入り、大体就労率は五五%ぐらいです、今。必ずしも生活保護に全て行っているわけではありません。就労自立が五割以上ということですね。しかし、畳の上で死にたいとおっしゃった方が次おっしゃるのが、俺の最期は誰がみとってくれるかという、やっぱり人の問題になる。これが、三十数年たちまして、私は路上の風景が日本全体に広がっているというのが印象であります。  次のページ行きます。  そこで、家がなくなるということは何を意味するかということですが、私は三つの危機だと。  一つは、この寒空の下、外で寝るというのは命に関わる生存的危機です。これは誰しも分かることですね。第二の危機は社会的な危機で、この住所地がなくなるとほぼ全ての社会的な手続ができなくなります。政府がせっかく例えば給付金をそれぞれに給付しても、住所がない人には届かないということになります。就労においても何においても、現住所地というのが全てのベースになる。三つ目が関係の危機です。所在地がはっきりしない人がなかなか信頼関係結べない。どこの馬の骨かというふうに日本ではよく言ってきましたが、まさにそのとおりなんですね。この三つの危機が家がなくなるということの意味するものです。  そこで、その次のページですが、これは平成二十七年に厚労省で行われた調査研究事業です。私も参加しておりました。今後の住まいのサポートに対する課題、ターゲットゾーンはどこかということで、二つだという結論に至りました。  一つは、廉価な、低家賃ですね、安い物件の家が必要だと。もう一つが、この単身化に関わるところですが、施設ほどではない支援や見守りがあるという、このサポートの部分ですね。厚生労働省の様々な制度、施設がありますけれども、その手前のところ、ざくっと言えば、従来家族がカバーしてきたところが抜け落ちる、施設ほどではないが見守りやサポートがあるという、低廉でかつそういう軽い手前のサポートがある、ここが今後課題になるというのが平成二十七年の結論でありました。  次のページ行きます。  これは神戸大学の平山先生が朝日新聞のインタビューに答えられているところですが、戦後の日本の社会構造のベースは、一つは家族がいること、二つ目は安定した就労ですね、それに裏付けされた家が持てる、持家ですね、ざくっと言えば家族と家があるというこの二つ、この家、持家を持つことができるバックになっているのが安定就労でありました。具体的に言えば、住宅ローンが組めるということですね。  しかし、今、非正規雇用が四割に近づいている中で、この住宅ローンが組めない、持家が持てない、更に拍車を掛けているのが家族がいないという人が増えている。今、男性の三割が生涯未婚です。このまま行くと、やはり、これは経済的な問題も要因しているんですが、結婚しないあるいは結婚できないという状態が続く。これは単なる少子化の問題だけではなくて、現状においては単身化ですね、その先に少子化が来ますが、単身化が既に起こっている。  次のページを見ていただきますと、これ内閣府のデータですが、一九八〇年、今から四十年前の話ですが、四十年以上前の話ですが、世帯の形は、四二%が夫婦と子供がいる。第二位が三世帯ですね、サザエさんのタイプです。そして、第三位が、〇・何%落ちるだけですが、単身世帯。これが四十年後どうなったかというと、今、第一位、三八%が単身世帯です。約四割が独り暮らし。標準世帯と言われている夫婦と子供は二五%にとどまっている。四世帯に一世帯です。サザエさんはもういません。  二〇〇〇年の基礎構造改革、福祉の基礎構造改革のときに、なぜ基礎構造改革をしなきゃならないかという文書の中には、核家族化が進んだという文言が出てきます。核家族は皆さん御存じのとおり、クレヨンしんちゃんのことです。サザエさんからクレヨンしんちゃんに移ったよ、だから今までの構造じゃ駄目だよ、だから基礎構造改革だと。たった二十五年で実は今単身世帯なんですね、ということになってきている。そうなると、様々な戦後の社会保障体制も含めた社会構造自体が今崩れてきている。  次のページ見ていただきますと、これは総務省が出した、二〇一八年に出した未来予想なんですが、一八年のところが点線です。二〇一八年の時点で単身世帯が三八%に近づくのは、この丸のところですね、三七・九%と書かれているのは実は二〇三〇年と予想していました。しかし、実際には二〇二〇年に単身世帯は三八%になっています。予想をはるかに上回るスピードで単身化が進んでいる。  その次のページは、今後の更なる、去年、社人研が出した新しいデータを付けておきました。  次のページ行きます。高齢世帯が増えていく、その中でも単身世帯が増えていくという国交省の資料が十ページです。  その次の十一ページになりますと、意識の問題ですね。これ、国際比較調査で、日本人は極端に家族に頼りたいという思い、これはいい悪いの問題じゃなくて、事実そうなんですね。しかし、その家族がいないという状態の中で、今後どうなるのかと。  地域共生社会の議論が進んでいます。私は今、地域共生社会在り方検討会のメンバーでもありますが、近所の人に頼るという日本人は一五・八%にとどまっています。地域地域と言うけれども、実際地域に頼むという意識の人はほとんどいないということですね。それで、もう身内にしか相談できない。  次のページに行きますと、大家さん側のこれは資料です。十二ページですね。  大家さん側からすると、実は大家さんは高齢の単身世帯にはアパート等を貸したくないという方が七割を占めています。大家さん側からすると何が必要か、これがあれば貸せるよというのが真ん中のところ、見守りや生活支援。これ、まさに最初の平成二十七年の調査結果とかぶるんですね。大家サイドも、いざ介護保険が使えるようになったら介護保険の人たちと、ケアマネさんと相談ができる、しかしその手前のところが誰もいない、いわゆる身寄りというものがいない、ここがあれば逆に貸せるというデータがこのデータです。  次の中間層の変化は、もう皆さん御存じのとおり、もう今四割に近づいている。すなわち、中間層が崩れて非正規雇用が増えている。住宅ローンが組めない。  次のページは、十四ページでありますが、持家率は年々下がっておりまして、四十代、五十代と持家を持てる人がどんどん少なくなってくる。  この絵が特徴的でありまして、これ、二〇〇〇年の基礎構造改革のときに出しました地域包括ケアシステムの絵です。これは、よく、一番この絵で言いたいのは、植木鉢の中にそれぞれ縦割りだった介護や医療、あるいは福祉が一つの植木鉢に一体的、つまり包括的に咲いているというのが地域包括ケアシステムだったんですね。  しかし、二〇〇〇年のこの地域包括ケアシステムが成立しているこの土台を見ていただきますと、一番下のお皿が家族と個人、個人と家族から始まりまして、植木鉢そのものは持家です、住まいと住まい方。そして、植木鉢の中の土は生活支援、これ、家族が担ってきた日常生活支援ですね。これが整って初めて制度の葉っぱが咲いているわけです。  そうすると、この下が脆弱化すると、どれだけいい制度を国がつくっても、今後、制度につながらない人が増えます。制度がつながらないまま地域で放置されますと、重篤化してから制度につながる。社会コストは必ず上がります。気が付いたときには家の中がごみ屋敷になっていて、ほとんど介護五になっている。家族がいれば介護一、介護二、介護三と上がっていくんですが、一気に介護五、特別養護老人ホームから始まる。  ここのところを長いスパンでいえば、じゃ、結婚できるようにしましょうよ、子供ができるようにしましょうよ、そういう人口対策というのが長いスパンでありますが、目の前の課題からいうと、この家族が担ってきた日常生活のところをどうカバーするかということが実は、これまでは家族でやって、身内でやってと言ってきたところが、今やっぱり社会のカバーする、制度も含めた、制度だけじゃ僕は駄目だと思いますが、民間がここでどれだけできるかというのが勝負になると思いますが、そこのところが課題になる。  そこで、今、抱樸では町づくりに入りました。ホームレスの社会復帰とか言いますけれども、私は復帰したい社会かということをずっと問うてきましたので、もう一度、社会や町からつくり変えようということで、皆さん、北九州といえば何を思い浮かべられるかは知りませんけれども、特定危険指定暴力団、工藤会というのがいまして、この工藤会の本部事務所の跡地を抱樸の方で引き受けまして、買い受けまして、ここに町づくりの拠点をつくるということをやっています。  次のページ行きます。  希望のまちの幾つかテーマがあるんですが、そのうちの一つが家族機能の社会化です。私たちは、家族を機能で捉えました。例えば、親だったらお弁当を作りなさい、作れない親は駄目親だというふうに、ネグレクトだとやってきた。これではしかし出口が見えない。逆に、お弁当を作るという機能を果たした人はなんちゃって家族だという、機能から家族を位置付けようと。  一番単純なのは、この後出てきますお葬式です。お葬式も家族しかしない。しかし、家族だからお葬式しろと言っても、それをもうできる人がいなくなったんで大家さんの拒否感につながった。ここのところを、地域でお葬式を出せる仕組みをつくれば大家の拒否はなくなりました。そこで、私たちは互助会というのをつくりまして、月五百円、非常に低廉なんですが、最後、お葬式までやるという。  二十一ページを御覧ください。たまたま私が牧師だということもありまして、出会いからみとりまでで、お葬式まで地域でやるようになりました。赤の他人が葬儀を出す。  その次のページ、二十二ページを御覧ください。これ、葬儀の後の骨上げの白黒写真ですが、一見すると家族写真に見えると思いますが、実はこれ全員赤の他人です。  こういう仕組みを地域共生社会とか包括的支援体制整備という中で本気でつくっていかないと、どうしても制度は対象者を限定する、期間を限定する、サービスを限定する、これが制度という意味です。しかし、私が見てきた世界はこれでは収まらないところにあるわけです。  ですから、その家族の機能って何かというと、気付くということとつなぐということが最大の機能でした。波平さんが御飯食べた直後に飯まだかと言い出すと、サザエさんはフネさん呼んで、あしたケアマネ呼ぼうという話になるわけですね。日常生活を共にしているから気付けるわけです。しかし、家族は専門家ではありませんから、専門家につなぐということが最大の家族の役割だったんですね。気付きとつなぎということをテーマに、もう一度地域共生社会の議論、あるいはそういうものがつくれるために国は何をサポートすべきなのか、この辺りを是非議論していただきたい。この希望のまちの完成のパーツ、予定パーツはこんな感じですね。  最後に、抱樸の実践といたしまして、家族機能付きの住宅というものを今から十年ぐらい前に始めました。これが一つモデルになりまして、昨年、私、今、住生活基本計画の見直しの審議会のメンバーでもあるんですが、社会資本整備審議会ですね、の部会ですが、昨年、先生方に御苦労いただきまして、住宅セーフティーネット法の改正が五月通りました。今年の十月、居住サポート住宅という、まさに気付きとつなぎをカバーする新たな仕組みがスタートしようとしています。  しかし、それの、少しちょっと傲慢な言い方になりますが、一つのモデルになったのがこの抱樸でやっています支援付きの住宅という、サブリースモデルというものでした。最後にそれを少し紹介して終わりたいと思います。  次のページ見ていただきますと、比較的立派な十二階建てのビルなんですが、ここをマスターリース、サブリースで借り上げました。民間の支援付きだけではやっぱりカバーし切れない部分がありますので、ビルの中には障害グループホームであるとか日常生活支援住居施設であるとか、制度の部分もひっくるめて、ごちゃ混ぜの住宅を造りました。特に制度に乗らない人たちを支援付き住宅ということでカバーする。  二十七ページ見ていただきますと、様々な方々が、十代から特定妊婦さんから、もう様々な人が入って利用されております。  二十八ページ見ていただきますと、マスターリース、サブリースの構造は非常に単純です。大体三万から三万五千円の物件。しかし、御存じのとおり、全国で今八百万戸以上空き家があります。地方都市である北九州市も全国政令市で、空き家率はワーストツーです。それで、八〇年代、九〇年代の結構こういう集合住宅が余っている状態なんですね。それを一気に借り上げまして、マスターリースしまして、三万から三万五千円の物件を二万円、まあ六掛けで借りまして、生活保護の住宅扶助基準、これを最低ラインだと決めまして、二万九千円でお貸しする。この九千円の差額のところはうちのサポートのスタッフ費用に充てるということにしました。これで大体五十五室やりますと七百万以上の収入になりまして、恥ずかしながら、NPOだったら二人スタッフが置けるという状態になります。五十五対二というのは決して薄くないですね。いろんな制度を見ても大体二十対一ぐらいの配置というのはあり得る配置なんですね。  これが、下のところ、国土交通省の好事例で載ったのが次のページでありまして、これが一つのモデルになったということです。  三十ページ見ていただきますと、これを是非私は国のレベルで民賃を使っていく、民間賃貸住宅を使っていく、サブリースにしていくというのも非常に大きな可能性が含まれておりますが、今後は公営住宅です。  公営住宅は、今、全体の一五%が空き家、これは政策空き家も含めて一五%が空き家になっています。この部分が地方都市においては結構もう手が付けられない状態になってきている。公営住宅の目的外使用の省令をもう少し緩和していただく。できれば、ここはちょっと遠慮して二万円から四万円でマスターリースや、ごめんなさい、貸すと書いていますけど、元々のマスターリースを無償で提供したらどうかと私は思うんです。  無料で提供する意味は何かというと、支援付きは我々の仕組みで何とかなりましたけれども、低廉ということが難しいんですね。これ、民賃を使うと、低廉というところが非常に大きなハードルになります。公営住宅だったら、もう三十年、四十年使ったものを無償で提供し、そこを、公営住宅の良さは日本で唯一収入によって家賃が変わるという応能主義なんですね。ですから、この収入によって家賃が変わるという良さを残すためには、マスターリースをほぼ無償に近い形でNPOなり居住支援法人に貸す。  もう一つのポイントは、コミュニティーミックスです。従来の公営住宅に使われてきた目的、低所得者であるとか住宅確保要配慮者であるとか。例えば、マスターリースをする物件の五〇%が目的に合っていたら、残り五〇%は、地域づくりとか、ある程度家賃が高い人も入れる、あるいは商業等でも使えるという、そのぐらいの緩和が必要なんではないか。  三十一ページは、そのようなことをずっと申し上げてきたところでできたのがこの居住サポート住宅ということで、この絵の特徴は、こちら側が厚生労働省の制度です、こちら側が今回できるところです。これはまさに手前、制度の手前にある家族機能です。一日一回の安否確認、月に一回以上の訪問の見守り、何かあったときに福祉につなぐというつなぎ、この三つの、安否確認、見守り、つなぎというこの三つが居住サポート住宅の援助の中身になります。  しかし、最後のページです、求められる三援助はまさに的を得た家族機能そのものでありまして、ここを誰がするのかという、これ、厚労省の制度はここまで手が出ていないんですね、随分手前ですから。ここを誰がするのかというところが問題になる。  今回、枠組みはできたんですが、例えばサポートの費用を誰が出すんですか。当然サポートを受けている本人でしょうと言いたいところですが、じゃ、困窮世帯の方々で、ICTの利用料も含めて月三千円、五千円になってきたときにどうなるのか。私は、国の制度としてはやはり普遍的でなきゃならない、アフォーダビリティーの議論はきっちりと踏まえた上でやらなければならないと思っています。  ICTの利用に関しては、単に孤独死防止だけではなくて、これは大家目線ですよね。今うちで実証実験やっています。東京の企業さんと実証実験やっているのは、電気、水道、ガス、一分値で取りましてAIで分析してもらって、AIが支援員に対してアドバイスができるという仕組みを今つくろうとしています。今後、そういうデータが蓄積すると、認知症初期状態では電気の波形がこうなるとか、例えば夜寝れていない人はこういうふうになっていくとか。夜寝れないというのは実はアルコール依存症の初期症状でもあります、あるいはうつ等にもなってくる。だから、こういうことが、サポートする人の目線からもICTの利用を国が率先して開発をお手伝いするというのは大事。  三点目としては、居住支援法人、このサポートをする居住支援法人を是非国としてもう一段階育てていただきたい。私は全国居住支援法人協議会の代表でもありまして、村木厚子さんとかと一緒にやっておりますが、居住支援法人を、こういうビジネス、ソーシャルビジネスができる認定型の居住支援法人等を育成すべきだ。  もう一つ最後に、貧困ビジネスです。  このサポート住宅自体の収益構造が脆弱であるというのはどう見ても明らかなんですね。そうすると、必要以上の外付けのサービスを付けてくる人がいると思います、医療であるとか介護であるとか。特に、医療に関しては天井がありませんから、もうやりたい放題になってしまう。この辺りの規制とかチェックをどうしていくのかというのも大きな課題です。  済みません、私からは以上です。ありがとうございました。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) ありがとうございました。  次に、谷口参考人にお願いいたします。谷口参考人。

谷口仁史認定特定非営利活動法人スチューデント・サポート・フェイス代表理事

○参考人(谷口仁史君) 貴重な発言の機会をいただき、誠にありがとうございます。(資料映写)  早速ですが、ポイントをかいつまみ御説明させていただきます。  まず、私どもの課題認識について、二ページから六ページに記載しております。  私どもが危惧しておりますのは、世界で最も深刻なレベルにある子供、若者の孤立、孤独、そして社会的孤立に係る問題であり、昨年もまた過去最多を更新してしまいましたが、小中高の自殺者数に示唆される極めて厳しいこの現実をいかに変えていくかにあります。  その支援実践に当たっては、次のページ、特に相談者が窓口に来ることを待つ従来型の消極的な施設型の支援では命すら守れない危機的な状況にあると認識をしています。  五ページ飛ばしまして、十二ページを御覧ください。  こういった課題認識から、私どもは、必要な支援は当事者の元に届けていくアウトリーチを基軸に、社会的孤立相談に係る相談サービスのワンストップ化を進めています。国、佐賀労働局、佐賀県、佐賀市の御支援、御協力により、子ども・若者育成支援推進法、若者雇用促進法、生活困窮者自立支援法等、各種法制度に基づく総合相談窓口の一元化を図り、十二ページの左下、御覧いただければと思いますが、アウトリーチによる孤独、孤立に係る問題の解消から、右上に向かって、社会参加、自立に至るまで、ワンストップ型の相談サービスの提供が実現をしています。とりわけアウトリーチの相談ニーズ高く、私どもが受託運営をしている窓口のみで年八万七千件超、全国トップクラスの相談実績となっています。  孤立の実態について、十五ページをお開きいただければと思います。  二千四百名を対象とした分析調査を記載しております。右側のデータのまとめを御覧いただくと、孤立の背景には、対人関係の問題、依存行動、精神疾患や発達障害等の困難だけでなく、留意すべきは生育環境の問題であります。六三・七%の当事者が貧困、虐待、DV、ヤングケアラーに係る過度の介護問題等、生育環境の影響を受けているということが明らかとなっています。したがって、本人支援のみの対応の限界が明らかで、御家族にも支援を届ける、そういった発想がなければ解決に至らない、こういった問題が増えているということであります。  また、問題は深刻化だけでなく複合化する傾向にありまして、八四・七%で相談の受付時に既に複数領域での困難を併せ持って抱えている、いわゆる多重困難ケースであったということであります。つまり、課題別の縦割り的な対応をいかに打破していくかという視点が重要になってくるわけでございます。  そこで、別冊で今日お配りをしているこちらの資料を御準備いただければと思います。取扱注意、要返却の資料でございます。  二ページ、お開きください。  御覧いただいているのは実例、全て実際に届いたSOSのメールであります。共通するのは二つあります。一点目は、在学中、学校にいる間に初期の問題が発生をしたということ、そして二点目は、いわゆるカウンセラー等専門家の関与を受けてなお改善できずに孤立化したという事例であります。  いじめの認知件数、不登校児童生徒数も過去最多を更新し続けているという状況にあり、中で、文科省の調べでは、学内外の機関等で相談指導を受けている不登校児童生徒数の割合、令和四年で六二%弱ということであります。要は四割弱には支援が届いていないということであります。  また、御覧のようなメールのように、専門家の関与むなしく、卒業や中退を機に支援が途切れて孤立して極限の状況に追い込まれてしまう、そういった当事者も少なくないわけであります。  次のページ、御覧ください。  お示ししているものも昨年対応した実例であります。親を頼れない若者に対して、反社は福祉の皮をかぶって手ぐすね引いて待っているわけであります。入口はまさに孤独、孤立に対するアプローチで、つながりを感じられるような仲間や仕事の紹介など、経済的な支援や衣食住の提供から始まっていきます。しかしながら、稼げるようになった先にあるのは、投資詐欺や薬物、脅迫、強要、多重債務、果ては搾取され、被害に遭ってもSOSが上げられない、そういった心理状態に追い込まれていくわけであります。闇バイトはまさに氷山の一角であります。  なぜこういった若者が行政の相談窓口とつながれないのか。  次のページ、御覧ください。あくまでも、その一つの一因として象徴する事例を御紹介します。  この殺害予告の写真が物語るように、自傷他害のリスクが極めて高い状態で、引きこもり状態に至っていたこの若者、過去を分析したところ、四ページ上段に掲げておりますように、これだけ多くの専門家が関与していたんです。しかしながら、深刻化した背景には、若者本人との関係性が構築をできておらず真のニーズが引き出せていなかったということ、そしてさらに、縦割りでありますので情報共有がうまくいかずに次々と同じような失敗を繰り返し、追い込むような働きかけを行ってしまったことに原因があります。決してこういった事例、珍しくありません。  左下、御覧ください。  アウトリーチの対象者の六三・一%が、我々の窓口にたどり着く前に実は複数の専門家あるいは公的支援の相談窓口の利用経験を有しているということであります。まさにこの事例のように、相談支援に対する不信感、拒否感が極めて高い状態にある若者も六一・四%ございます。虐待件数、過去最多、全国で更新をし続けています。年間二十万件ほどあるわけでありますが、多くの子供、若者の命が、尊厳守られる一方で、最終的に措置に掛かるのは数%であります。虐待を疑われた家庭や支援介入が行われた側の一部の当事者の中では、行政に対する不信感、拒否感が強まって、通告されたという疑心暗鬼から地域でも孤立をしてしまう、こういった実例が多く認められているということに留意する必要があります。  さらに、行政の相談窓口の多くは申請主義であります。利用申込書、個人情報に関する同意書、関係機関との共有に関して許可、こういったものが義務付けられているわけであります。となると、誰にも話したくないようなことをわざわざ申請手続まで行って誰が相談するんだという問題が出てくるわけであります。公的支援窓口の手続負担の重さは、こういった若者たちの支援導入を難しくしているということであります。  次のページ、お開きください。  そもそも論として、孤立する若者は、先ほどの事例にあるように、いじめ被害やパワハラ、虐待やDV等、被害的体験を有するものが少なくありません。人とつながる力、つながりを維持する力を奪われた若者と言っていい状態の当事者の支援のためには、次のページお開きください。図は、孤立した若者の自立支援のプロセスを表現しております。  御覧のような、深刻化、複合化した課題を抱える家庭に対しては、本人だけでなく家族支援、これも同時並行的にアプローチをするという必要がございます。若者支援分野特有の関係性構築の手法、専門性に基づくアウトリーチから、過去の経緯、その時々の状態、環境の状況を理解した伴走者の確保による一貫した本人支援を要するわけでございます。極端な依存は自立を阻む要因にもなるため、小集団、集団活動へと段階的に移行を図る必要がありますし、最初は、価値観のチャンネル合わせと呼んでおりますが、興味、関心や好きなことからスタートするものの、しっかりと社会で活躍できるようになるためには、実用的なプログラムへの組替えを行うなど、学習支援からシームレスに就労支援へ展開する横断的な発想が必要と考えます。  そして、次のページ御覧ください。家族支援の実例です。  このケースの場合、兄弟や家族を含めたトラウマのケアから適応支援、自傷行為、依存症に対する心理教育、精神科へのつなぎ、債務整理、家計改善、就職支援、暴力団からの離脱支援等、加害者側の更生支援に至るまで、本質的な解決のためには包括的な家族支援が必要となることも少なくありません。  言うまでもなく、この支援プロセスというものは多職種連携、多機関連携が不可欠となるため、次のページお開きいただければと思いますが、やはりエビデンス・ベースト・アプローチ、しっかりと根拠を追い求めながら、次のページお開きいただければと思いますが、共通言語となるアセスメント指標の開発などコンセンサスをしっかり取りながら、自立支援の段階を進めていく必要があります。  また、その支援プロセスでは、制度のはざまを埋めるという作業も必要となってきます。足りないものは協働でつくり出す協働型、創造型の取組について、お手数をお掛けしますが、もう一度元の資料にお戻りいただき、元の資料の二十八ページをお開きいただければと思います。  二十八ページに記載しておりますように、県の御理解の下、アウトリーチを基軸としている私どものNPOがハブ機能を果たすことによって、各種法制度に基づく協議会や会議体ごとに開催されていた研修会等の共同開催を行っているところであります。  次のページ、お開きいただければと思います。特徴は、課題を課題のまま放置しないということであります。議論して共有した課題に関しては、私どもが具体策とともに独自に行動宣言を行って実現を図っていきます。  御覧の研修会においては、次のページ御覧ください、私どもの呼びかけに応じてくれた未来創造基金を始め御覧の団体とともにプロジェクトを立ち上げまして、次のページお開きいただければと思います。佐賀県ならではの制度を生かして、ガバメントクラウドファンディングを活用した基金を創設し、その後、三十二ページから三十七ページに示しておりますが、志で立ち上がろうとしている団体や、ほかのNPOの民間が民間を支援する助成、食料等の物資の提供、企業との連携による入学応援給付金の支給、企業とのマッチング等に取り組んでおります。  三十八ページ、お開きいただければと思います。また、その他団体との連携による社会資源の開発というものにも積極的に取り組んでいます。佐賀県弁護士会有志とは子供シェルターを創設したほか、次のページ、フードバンクさがの設立、運営支援。  次のページ、県の御協力の下、右下に記載しております団体とともに協議会を立ち上げ、共同の保管庫を確保するなど、間接コストの軽減、支援効果の最大化を実現。  次のページ、地域福祉の中核、社会福祉協議会、唐津とは連携協定を結ぶことによって引きこもり支援の強化を図っております。  次のページ、こども宅食応援団との協働による赤ちゃん宅食、特定妊婦からの切れ目のないアウトリーチ型の支援の実践。  次のページ、先月も、親に頼れない若者の就職支援強化のため、御覧の六者協定を締結をし、一時保護から居住支援、就職支援に必要な車やスマホの貸出しに伴う包括的な枠組みを立ち上げたところであります。  このような民間の取組が次々と生まれる背景には、言うまでもなく、民間の志を支え、後押しをしてくださる行政の真摯な姿勢あってこそと考えています。  遡ればというところで、四十五ページお開きいただければと思いますが、平成十八年、佐賀市においては、家庭教師方式のアウトリーチとオンラインの学習支援を組み合わせた全国初の完全不登校対策が事業化をされ、最初は有償ボランティアだったんですが、現在は二十二校へNPOの常勤職員が配置をされる事業に発展を遂げています。  次のページ、お開きいただければと思います。地域若者サポートステーション事業を基盤に、これは高校にも広がりを見せまして、さらに、次のページ、平成二十八年度からは、全公立小中高、県内全ての学校三百校ほどありますが、網羅する全国初の包括的訪問支援事業が開始されたところであります。  次のページ、就労支援に関しても、国、県、私どものNPOの三者協定が締結をされ、ジョブカフェ、ヤングハローワーク、サポステの一体的運営の枠組みが生まれ、ここに着想を得て生まれたのが、五十四ページお開きいただければと思います。全国初の佐賀一括同意方式というものでございます。  利用申込書、個人情報の取扱同意書、各事業ごとに異なる書式で義務化されているわけで、複合的な問題を抱える世帯では二桁の書類に署名、記名しなきゃいけない、こういった事態が発生をしています。その相談者の負担になっているわけでありますので、合理化を図るために厚労省、県、市、関連する全ての部局と協議を行って、一年半掛けて十七事業全てで統一化、一枚の提出で全ての事業の導入段階の手続が終わると、こういった書式も開発をしたところであります。  次、五十五ページ以降に示しておりますが、相談記録システムも同様で、縦割り、個別事業、さらには価格競争入札により開発をされるため、現状では、互換性も安全性も利便性も低い相談記録システムが業者により提供されている、現場に課されているということであります。  そこで、先進医療分野の電子カルテシェアナンバーワンのレスコさんと提携を結び、次のページ、三省二ガイドライン、国の方針に準拠した電子保存三原則を担保したセキュアな電子カルテ、これを基盤として、次のページ、相談者、支援者双方の負担を大幅に減らしつつ、個別最適化された相談サービスの提供ができる統合型の相談記録システムの開発を進めているところであります。  五十九ページ、お開きいただければと思います。  図示しておりますように、冒頭御紹介したアウトリーチを基軸とした統合型支援拠点でのPDCAサイクル回すことによって、御覧のように、義務教育から就労の段階まで切れ目なく伴走できる仕組みが起動しており、協働による県全体の効果として、自殺率の低下、若年無業者の割合の低減に成功したほか、六十一ページお開きいただければと思いますが、三年間で九億五千万を超える税収増に貢献したとの試算も出ているところであります。  こういった支援及び仕組みづくりを踏まえ、大きく四点提言をさせていただきます。  六十七ページをお開きいただければと思います。  大きく四点、各項目六点ほど提言させていただいていますが、一点目、社会問題の解決を射程に入れた体制の抜本強化、特に若者支援についての提言であります。  こども家庭庁の創設に伴い拡充が実現している十代の子供に比べ、二十代以降の若者支援、特に困難を抱える若者、孤独・孤立対策という観点から更に踏み込んだ対応が必要と考えています。どんな境遇の子供も見捨てない、誰一人取り残さない覚悟に基づいた施策展開が今こそ必要と考えています。  地域若者サポートステーション事業、生活困窮者自立支援事業の拡充、現在努力義務となっていますが、予算措置がない子ども・若者育成支援推進法に係る取組、これへの国への補助も一つの選択肢と考えています。  また、予算措置の限界もあろうかと思います。ならば、①に示すように、医療、介護、障害分野の施策と連動を含め、制度をまたいで統合的に運用することによってスケールメリットを生む、こういった取組も一つの方向性と思います。また、④、就職の際の費用の支給であるとか、身元保証人の代行など、親を頼れない若者への対策、重要であります。  六十九ページ、お開きいただければと思います。  大きく二点目、現場の支援員の待遇改善及び確保、育成に関する提言をまとめています。  虐待案件、支援員が受ける場合は、もう脅迫、強要、ストーカー行為を覚悟しなければなりません。時には、家族の職場へも嫌がらせや誹謗中傷の電話を繰り返す、そういった当事者もおりますし、SNSで誹謗中傷してくる、攻撃を受ける場合だってあります。しかしながら、その現場を支えている最前線の職員は、会計年度任用職員や嘱託、非正規等の場合も少なくありません。委託として実施されている国の事業に関しても、一部は価格競争入札が導入されており、最前線で必死で若者を守ってくれている相談員の人件費を削り合うという事態が起こっています。一体その先にあるのはどういった現実なのか、セーフティーネットに穴が空いてしまうと考えています。  三点目、七十一ページ御覧ください。  先ほど申し上げた相談記録システムのDX、これは欠くことはできないと思いますし、それを行った上での事業評価の見直しに関する提言まとめております。  例えば、一人の新規相談者の記録を作るのに十五分から二十分掛かります。三機関の相談機関を利用する相談者に対しては、現状では三機関同じ作業を繰り返さなきゃいけないということになっています。もし仮に互換性のあるシステムを使えば、当然のことながら事務作業が一つの自治体で三分の一になるわけであります。もちろん、そう単純な話ではございませんが、雇用政策研究会の推計では、二〇四〇年、医療福祉分野の就業者数は一千七十万人程度、一旦互換性のあるシステムを開発してしまえば、全国で数十万規模の支援員の確保ができるほどの無駄な作業時間削ることができるインパクトは大きいと考えます。  ④に記載するように、事業評価の仕組みを変える必要があります。相談者の数に対して人員、予算共に現在は適切な規模ではないと思いますが、その委託事業においてKPIで就職率を課せば、クリームスキミングを助長することになります。就職できやすい人に支援が集中して、真に支援が必要な今日御紹介したような事例、ここには、当事者には支援が届かないという事態が発生をしてしまうわけであります。根本的に見直す必要があるんではないかと思います。  次、七十三ページお開きください。  最後、四点目、アクセシビリティーの向上は急務の課題と考えています。詐欺や闇バイトにからめ捕られる前に、生きるか死ぬかの選択を迫られる前に頼ってもらえる、利用してもらえる、そういった公的支援の窓口運営が必要であります。  ②、困ったときには駆け付ける、精神医療分野との協働により、二十四時間三百六十五日体制でアウトリーチが実施できる体制を地域で整える、まずは命を守る。  ③、しっかりと受け止めるだけでなく、問題解決を図る。緊急一時支援、保護を行うだけでなく、連続的に伴走型の支援が展開できるよう、生活困窮者自立支援事業との連動をさせた上で運用するということが重要かと思います。  ④、若者支援においては、専門職ではなく、価値観のギャップが生じにくく、求心力を持った若者世代やピアスタッフ等、地域人材の活用も有効であります。  ⑤、事例で御紹介したように、個人情報の取扱いに過敏になっている若者も少なくありません。孤立させないためにも、匿名での相談の受付可能にする必要がありますし、地域若者サポートステーション事業の就職決定証明書、こういった、ほかのハローワーク等では求められないような、そういった証拠書類の提出等、若者が合理性を感じない、そういった手続負担、これは一切廃止をして負担を軽減する必要があるかと思います。  時間が来ておりますので、詳細はお手元の資料に代えさせていただきたいと思いますが、まずは、若者がつながりを意識できる、社会から大切にされている、そういった実感を得られるような相談支援体制の整備、窓口の運営、これはもう急務の課題というふうに思っております。  以上であります。ありがとうございました。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) ありがとうございました。  次に、藤井参考人にお願いいたします。藤井参考人。

藤井克徳特定非営利活動法人日本障害者協議会代表

○参考人(藤井克徳君) 日本障害者協議会、これはNPO法人ですが、藤井克徳と申します。(資料映写)  最初に、この間の障害分野の大きな動きを一つ紹介しておきます。  それは、昨年の七月の三日でした。最高裁大法廷が優生保護法問題で画期的な判決を下しました。原告側の全面的な勝訴となったわけです。今急ぐべきは、人権の回復、尊厳の回復、そして被害者に補償を届けることかと思います。同時に、この判決がこの国の今後の障害問題を考えていく上での新しい足場になることを強く期待しています。  本論に入ります。  全体で五つの柱を設定いたしました。前段は、少し障害分野の実態を聞いていただこうと思います。そして、後段は改革の方向について言及していきたいというふうに思います。  私は全く目が見えないものですから、途中でまた代読をお願いすることがあるかも分かりませんけれども、またそのたびに申入れをいたします。  第一の柱は、障害者の数についてであります。これはレジュメの方にも入って、これ一ページですね、入っているとおり、三つのこのカテゴリーで見ていく必要がある。  一つは、障害者手帳の所持者及び自立支援医療の受給者、この数が厚労省の統計によると千百六十四万人。二つ目なんですが、これは認知症と言われる人たちです。この数が厚労省の推計値で六百七十五万人、これが最新データです。これ以外、三つ目に、いわゆる谷間の障害という方たちが相当数に上ります。手帳の所持は難しい、しかし就労や生活には支障を来しかねないということであります。具体的には、ロービジョン、最近は余り弱視とは言わないそうです、ロービジョン、難聴、難病、発達障害やあるいは中途障害等の一定層、これがこの層に入るわけです。この数は、政府からは発表がありません。関係する団体、学会の数を積み上げると一千万人を超える。  こうした数を人口比で見ていきますと、比較的数がはっきりしている手帳所持者並びに認知症のこの合算ですね、これ大体人口の一五%。そして、これに谷間の障害を足しますと、人口の二三%。この数を国会としてどう見るか。第一点目の柱でした。  次に二つ目、これは主に障害を持っている人たちの実態を少し代表的なものをピックアップしてみました。  最初に、暮らしについてです。  これは、今日のお手元の資料の資料五、四十四ページを御覧ください。ここでは、障害者の事業所で組織されているきょうされんの実態調査を使わせていただきました。調査時期は二〇二三年四月度、五千八百九十一人。多くは就労継続支援事業B型及び生活介護事業、つまり重い障害者であります。所得状況、七八・六%、約八割が相対的貧困線以下に入っていると。お分かりのように、相対的貧困線というのは世界共通の数式があって、日本の場合には可処分所得が年額百二十七万以下でありますね。ここに多くが閉じ込められている。国民基礎調査によりますと、国民全般で見ていくと一五・四%。したがって、数倍、障害者の場合には多いということ。  次に、生活形態を見ていきましょう。  ここで注目されるべきは、五〇・六%が親を中心とする家族同居、あとは施設やグループホームが三七・四%、単身者が八・三%と、こうなっていくわけです。つまり、非常に厳しい所得状況は、家族の負担、あるいは言い換えますと、とてもつらい言葉ですけれども、障害者からすると屈辱でありますけれども、家族への依存。この厳しい所得状況を家族の負担がカバーしているということ、こういう図式が成り立つわけであります。  次の実態は精神科医療であります。  超長期入院傾向は相も変わらず続いているわけです。最近の厚労省のデータによると、平均在院日数が二百六十三・二日、約八か月ぐらいでしょうか、以上ですね、とても長い。一般診療科でいうと十五・七日ということですから、こちらも随分長いなと。  致命的な病気の大多数は病院でつくられると明言したのは、あのフローレンス・ナイチンゲールです。百五十年以上前の話です。この言葉が、この警句が今でも通用するのは何ともむなしい限りであります。  その原因は、精神科病床の多さかと思います。加えて、この多い病床を何とか埋めておきたいと、満杯にしたいという病院側の経営心理、これが相まって今日の長期入院現象を生んでいると言って過言でないと思います。  じゃ、国際比較してみようか。厚労省に聞いてもデータはないということです。私たちは調べてみました。OECD加盟国三十八か国にこのデータを求めたわけであります。  お手元の資料の六で、四十五ページ、四十六ページにその詳細を載せてありますので、御覧ください。OECD加盟国の三十八か国の精神科病床の合計は八十七万三千床であります。このうち日本に三十二万四千床があると。  画面を御覧ください、スライドです。これをパーセンテージで表しますと、三七・一%が日本に集中していると。次のドイツの一二・四%、アメリカの一一・七%、そして韓国の七・四、フランス六・二と。まあ断トツに多いということですね。この状況はほとんど固定化にあるということです。  三つ目の実態、これはよく耳にするかも分かりませんけれども、障害者の事業所の人手不足であります。正確に言いますと、公募しても来ないということ、あるいは中途で辞める人が多いということ。これが重なって、どこでも人手不足。  その原因ははっきりしています。他の産業に比べて極端に労働条件が良くない。待遇、特に基本給、基本報酬、この低さですね。一義的にはこの働き手の労働意欲やあるいは将来不安という問題は出てくるんですが、もっと本質的には、その働き手の労働対象、障害者や高齢者のこの存在を軽んじていることの裏返しとすれば、これは国会でも放置できないというふうに思うわけです。  次は、大きな三番目に入ってまいります。  ここからは少し方向性を考えていきながら、三番目のテーマというのは、障害のある人に対する地域生活、社会参加のための基幹施策はどうなっているか。  ここに書いていますように、住まい、そして働く場又はアクティビティー、活動の場、人の支え、さらには所得の保障、家族依存の脱却、これらがバランスよくきちんと準備されているかということが問われるわけですけれども、なかなかそうはなっていない。確かに、住まいや働く場は増えつつあります。でも、その質を見ていきますと、まだまだ十分じゃない。  例えば働く場でいいますと、障害者雇用促進法を使いながら、同行支援、これは通勤の応援ですね、さらには職場でのホームヘルプ、トイレや食事の応援、この件は総合支援法、障害者総合支援法が管轄しているんだけれども、この二つの法律の併用は相ならぬということで、非常に縦割り行政は一向に変わっていない。  所得保障でいうならば、多くは障害基礎年金であります。この障害基礎年金はいつできたかというと、三十八年前、一九八六年から始まったものです。多少物価上昇の感はあるけれども、その水準は変わっていないわけですね。五年に一度、年金法の改定があります。余りにも検討事項が多過ぎて、障害分野に焦点が当てられないということであります。この五年に一遍と別個に、障害者の所得状況、障害者の基礎年金のこのテーマを深めるべきではないか、五年にこだわらないで別途に深めるべきじゃないかということを強くこれは求めたいと思っていますね。  そして、家族依存という問題。これについては、根源的にはこの国の扶養義務制度ですね。画面見ていきましょうかね。民法八百七十七条、直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養する義務がある。明治三十一年、作られたものですね。これが非常に、まずは家族だ、最後も家族だということの温床になっているということ、先ほど奥田さんもおっしゃったように、家族機能もない中でもなおこれが居座っているということであります。今すぐ民法の改正ということは現実的でないかも分かりません。であれば、所得保障、あるいは人的支援、人の支えですね、この拡充によって、父母から、親からしたら負担軽減、障害者からすれば依存脱却という道を探っていければと思います。  さて、次に四番目に入ってまいります。大きい四番目です。  今述べた三番目というのは個々の障害者の支援策のことであります。四番目というのは、これは障害者政策の全体の規定、ベースに関係する大きなテーマであります。どうもこの部分をいじらないとなかなか全体の変化はないんじゃないか。  まず挙げられるのは、障害者基本法を変えましょうと。二〇一一年に作ったきり、十三年半変わっていません。この間、障害者権利条約が批准され、やまゆり園事件が起こって、そして総括所見が出されて、去年は優生保護法に決着が付きました。こういう政策環境の変化に合わせて障害者基本法もやっぱり変えるべきであろうと。  その上で、順番で、短い時間ですが言っておきたいことがあります。  まず、この予算、障害者関係の予算です。  言いたいことは、この国の政府予算全体の中に占める障害関連予算の配分率、分配率ですね。これをもう少し何とかならぬか。厚労省はしきりに言われます、過去に比べるともう何倍も予算を組んでいるんだ。しかし、予算が伸びても実態は好転せず。これは予算が有効値じゃないことを表しているわけですね、有効値になっていないことを。よほど過去が少なかったということの裏返しでもあるんではないか。この政府の予算の中での分配率については、やっぱりOECDの平均並みぐらいに持っていくだけでも相当違うということを識者は言っているわけです。  次に、政策審議システム。  障害者に関係するこの政策審議システムには、やはり障害者が半数ぐらいは入ってほしい。加えて、特に知的障害者、あるいは精神障害者、女性障害者、地方の障害者は是非加わってほしい、入れてほしい。  さらに、この国には相当な審議会があります。二十二省庁、またがって、省庁ごとに。ここにも障害者が入ってもいいんじゃないか。もちろん、今すぐに、全部とはいきません。特に、障害者の暮らしに関係したり人権に関わっての審議会等には障害者の代表が加わることがあってもいいんじゃないか。  次に、行政組織機構であります、これの検証。  この国の障害者行政の中心機構というのは、社会・援護局、厚労省社会・援護局の障害保健福祉部です。いつできたか。一九九六年七月。当時は大臣官房直轄でした。もしかしたら将来、局になるかも分からないということも言われていました。その後、二〇〇一年の省庁統廃合のときに社会・援護局に移されて、障害保健福祉部。しかし、身体障害、知的障害、精神障害、この障害間の不均衡を是正する上では、非常にこの部というのは良かったと思います。  しかし、今改めてこの時期考えてみますと、同じ厚労省の中でも雇用、年金、医療等、この福祉ではどうしてもカバーできない分野があるわけです。そういう点でいうと、厚労省の中に、横断的な点から、障害者支援局、これなどを考えるのもそろそろ大事な時期じゃないかな。  更に言うならば、もう少し先になるかも分かりませんけれども、国土交通省における交通、住宅問題、あるいは文部省の学校教育の問題、総務省の情報通信、参政権等と、あるいは自治体との関係。そうすると、省庁を超えた、もしかしたらこども家庭庁に次ぐ障害者庁、こういった発想もあってもいいんではないか。  さらに、監視機構でいうならば、この権利条約に基づく国内人権機関、これは子どもの権利条約や女性差別撤廃条約等の他の条約体とも調整しながら、これについてもそろそろ方向を見定める時期であろうと。  統計、この国では、残念ながら、この国では基幹統計に障害者は全く入っていませんでした、項目の中に。やっと四年前から国民生活基礎調査、社会生活基本統計に障害者の項目が入ってまいりました。できるだけ多くの基幹統計に、障害者と非障害者の比較ができるようにそういう項目を入れてほしい。と同時に、二次使用に関しては、ほとんど各団体は使えません。研究者には門戸は開かれています。この二次使用に関しても、使えるようにしていくことも大事じゃないかなということであります。  防災関係では、やはり防災対策の検討の段階で当事者が入るということですね。  以上、こうして見ていきますと、非常に変化しているものもあれば、余り変わっていないものもある。私はこれを見ながら、海を、太平洋の海を連想しています。画面見てください。海というのは、海面から千メーターほどはどんどん水が動いている。千メーター超えるとほとんど動かない。年単位で動かない。  次の画面です。日本の障害者というのは、確かに変化している面いっぱいあります。でも、それは表層部分であって、しかし一方で、この深層部、例えば精神科医療、家族依存、所得保障、深い深い、根深い優生思想、障害者差別、まさにこの深層部分でちんまりとこうしている、鎮座している感じですよね。この深層部をどう変えるかが大事なポイントになってくるということであります。  そこで、第五番目の柱に移行いたします。  その深層部を変えていくための一つの指南となるのが、国際規範である障害者権利条約、あるいはそこから派生した国連の障害者権利委員会による総括所見ではなかろうかと思うわけですね。  権利条約を少し考えてみましょう。今日は時間がありませんから、二つだけポイントを述べさせてもらいます。一つは制定過程での特徴です。もう一つは内容面での特徴です。  制定過程で繰り返されたのが、あのナッシング・アバウト・アス・ウイズアウト・アス、私たち抜きに私たちのことを決めないで。これを徹底して実践したんです、国連は。そして、内容を、この発言内容を条約の素案にも反映させました。私も半分ぐらいは傍聴しましたけれども、それはそれは圧巻でした。そして、このことは、各地、今、いろんな形で各地で根を下ろしていると。  内容面の特徴を見ていきますと、これも様々ありますが、一つ紹介しておきたいことは、障害者観の転換です。  これまでは、本人に属する障害、藤井であれば眼球、光も見えない眼球、これだけをいじくり回してきました。でも、今の科学、医学では限界があるわけですね。  国連、どう言っているかというと、その藤井を取り巻いている環境、社会的障壁との関係で障害を決定付ける。つまり、障害の本質は社会の側に潜んでいるんだということですね。置かれている環境によって障害は重くもなれば軽くもなるというふうな言い方であります。  前者の機能障害にこだわるのを医学モデル、そして後者の環境との関係で考える考え方を障害の社会モデル、こんなふうに言っているわけです。この環境との関係で整理していきますと、無限とは言いませんけれども、人為的、政策的に相当解決の道があるんではないかということを思うわけです。  もう一点、この権利条約にはすばらしい仕掛けがあって、定期的にこの権利条約の履行状況を審査をしてくれる。日本は二〇二二年に初の審査を受けました。そして、審査するだけじゃなくて、評価、勧告ですね、リコメンデーション、これを出してくれるということであります。膨大な勧告が出ました。今日のお手元の二十ページからこの勧告文が入っています。また後で一文だけ紹介させていただきます。  この七十五段落の勧告文なんですけれども、一つ、七十五の全体を代表するような、あるいは全体を凝縮するような項目があります。それは、第七パラグラフ、お手元の資料の二十一ページの真ん中から一つ下、少し下ですね、七(a)。  会長、ここで藤井に代わって代読をしてほしいと思っているんですが、許可願います。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) はい、許可します。

藤井克徳特定非営利活動法人日本障害者協議会代表

○参考人(藤井克徳君) それでは、この第七パラグラフの(a)項を朗読、中村よりさせていただきます。

藤井克徳特定非営利活動法人日本障害者協議会代表

○参考人(藤井克徳君)(陳述補佐) 七の(a)、「障害者への温情主義的アプローチの適用による障害に関連する国内法制及び政策と本条約に含まれる障害の人権モデルとの調和の欠如。」。

藤井克徳特定非営利活動法人日本障害者協議会代表

○参考人(藤井克徳君) 要するに、日本の障害者政策は温情主義であると。そして、人権の視点が弱いということを言っているんですが、英文の原本を見ると、この温情主義というところは、政府訳については、パターナリストアプローチ、すなわち父権主義と訳すのが妥当だろうというのが専門家の意見であります。父権主義というのは、この温情、同情に加えて、権威主義ですね、上から目線、これが加わる。場合によっては的外れという落ちも付くというふうにも言われています。日本のこの政策というのは父権主義であるということになるわけで、かつ人権モデル、これは当事者本位じゃないということですね。人権の視点が欠落しているということ、こんなことを言われたわけであります。  改めて、この権利条約とこの総括所見、政府はもとより、国会もこれについては対峙していただきたい。権利条約は何度も国を相手にしています。かなりこの国という言葉が出てきます。ここでいう国というのは、政府だけじゃなくて国会、そして司法も入るというのが解釈であります。是非ともよろしくお願いします。  時間が参りました。最後に、結びに代えて、私のずっと大事にしている言葉があって、それは、今から四十四年前でしょうか、国際障害者年というのが、国連が設定した世界の共通年として取り組んだことがありました。これに先立って、幾つもの国連決議を上げております。その中にこういう一節があるんですね。障害者を締め出す社会は弱くもろい。四十四年の歳月を経て、今なおこのフレーズが斬新に響くということは、やはり事の本質が変わっていないということの表れでもないかなということを感じます。そう遠くない時期に、あのフレーズは少し古くなったね、こんなことを是非とも言わせようではありませんか。  以上で意見陳述を終わります。ありがとうございました。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) ありがとうございました。  以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。  まず、各会派一名ずつ指名させていただき、一巡後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。  発言は着席のままで結構でございます。  また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようお願いいたします。  なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間が一巡目はお一人十二分以内となるように御協力をお願いいたします。  これより一巡目の質疑を行います。  質疑のある方は挙手を願います。  田中昌史君。

田中昌史自由民主党

○田中昌史君 自由民主党の田中昌史と申します。  参考人の皆様方、今日、本当に現場目線で参考になるお話、ありがとうございました。  この住まいの在り方という部分で、奥田参考人にまずお伺いしたいと思うんです。  私も全国比例区なものですから、四十七都道府県、いろんな地方を回ってまいります。本当に単身の高齢者の方々が物すごい増えていらっしゃって、御本人にもお話を聞きますけれども、ほとんど誰かと話すことはないと。唯一あるのが通所の介護サービスを受けているときの数時間だけ、三時間だけ話をすると。それも慣れてくると、ほとんど話もしなくなると。そういう状況の中で、ほとんど、自分の身辺ですとか、そういうものを誰かに把握していただきながら支援を受けるということがないというお話もよく聞くんです。  先ほど参考人がおっしゃった公営住宅を活用していくというのは、私もずっと昔からそのことについては考えておりまして、大変大賛成なんでありますけれども、とりわけ地方の方へ行きますと、いや、もう住み慣れた地域離れたくないと、こういう方がかなりいらっしゃると。  御家族、お子様たちが説得してもなかなか難しいという状況の中で、これがやっぱり、何でしょう、個人の中でお任せするということで、家族の中の協議でお任せするというんじゃなくて、社会全体、あるいは国がこういった部分の在り方についてどう考えていくのか、あるいは国民の皆さん方に発信していくのかという考え方は非常に大事なんじゃないかと私は思っているんですが、この点について、奥田参考人の御意見があれば是非伺いたいと思います。

奥田知志認定NPO法人抱樸理事長

○参考人(奥田知志君) 先生おっしゃるとおりだと思います。  いっとき、集住ですよね、一つのところでみんなが集まるような町づくりが必要になるという議論がありましたけれども、実際には進まなかった。それはやっぱり住み慣れたところでずっと住みたいというところですね。  そのところにおいて、とはいえ、今回、例えば昨年の四月の生活困窮者自立支援制度の改正案の中に、住居確保給付金の拡張というのが国会で決めていただきました。  それは、住居確保給付金というのは、今までは家賃の補助だったんですが、今後起こり得るダウンサイズですね。例えば、高齢夫婦二人で暮らしているときに、今、基礎年金満額もらうと約十四万です。ただ、満額もらっている人がそういないという問題がもう一つあるんですが、例えば十四万の年金でいうと、五万円の家賃を払っていても残り九万ですから、二人で九万円の生活費と。これが、お一人が召されると、一人七万円弱ですから、五万円の家賃を払うともうここでアウトになるんですよね。それで、ダウンサイズをするときの転居費用を国が保障しようというのが今回改正で通った、通していただいたところでありまして、こういう局面が来ると思うんですね。住み慣れたところにずっと住んでいたいけれども、実際、家賃が払えない。そのときに、ダウンサイズなりなんなりというところで、転居ということになっていくわけですね。  だから、この辺りで、無理やり、無理から転居してもらうのは無理なんですが、悲しいかな、現実としてはダウンサイズ等の転居という。あるいは、自宅を持っていたんだけれども、もうその広い自宅管理できないというところで、あれは鴨長明ですかね、手の届く範囲の家がいいとかいう話が昔ありましたけれども。そういう話でいうと、やはりどこかで転居のタイミングが来ると、そこのところをちゃんとサポートするという。  ただ、そのときに、考え方としては、今日、私はプレゼンの中で、御報告の中で支援付き住宅という表象を使いました。しかし、事柄の本質からいくと、住宅付き包括支援です、今必要なのは。支援付き住宅となると、結語が住宅なのでここに一番の重きが置かれるんですね。この住宅を成立させるために支援付きというものが要ると。  でも、今後は多分住宅は変わっていきます。一軒家に住んでいる時代、ダウンサイズする時代、いっとき施設に入ってまた地域に戻ってくるという。こういう住宅というそのベースの部分が形として変わっていけども、支援体制自体が変わらない。そこは普遍的に、こういうのを伴走型の支援と呼んでくるわけですけれども、制度でぶつ切れになるんじゃなくて、制度が変われど伴走型でずっとつながり続けている。  ですから、国の制度、政策の議論もやっぱり支援付き住宅という議論でずっと、まあ住宅政策だったんですね。それが居住政策、つまりサポートが付いているような概念に変えようというのが次の段階でしたけど、私は、大本からいうと、住宅が結語じゃなくて住宅付きの包括支援体制という、ここの部分をどう地域共生社会の議論の中で、あるいは社会福祉法百六条第三項の包括支援体制というものの中でどう構築するかということがあれば、住み慣れたところから多少移動してもつながりが続いている場合は、公営住宅利用も含めて、その住宅の変化には耐え得るんじゃないかというふうに思うんですね。  それが、非常に極端な例ですけれども、阪神大震災のときには、仮設住宅がほとんど元々住んでいた地域性を無視して優先順位で入れましたので様々な問題が起こって、それ以降は、やっぱりその集落ごととか共同体ごとに移住するというような発想にどんどん変わっていった。東日本大震災もそうでしたけど、今回の能登もそうですね。  ですから、やはりコミュニティーが先なんですね。コミュニティーとかそのつながり、あるいは包括的支援というものを先立てて考えていったその次に住宅の問題が出てくると発想の転換をしない限り、住宅だけを合理的にあっち行け、こっち行けとやるのは多分無理な議論になると。  少しちょっと漠としたお答えで、具体的なお答えになっていないかもしれませんが、現場で三十何年やってきてやはり結局何が必要だったかというと、住宅の確保だけではなくて、つながり続けるという、最期の瞬間、お葬式まで一緒にいてくれるという、そういう町というか、そういうコミュニティーをつくれば、住宅の変化はそれほど大きな問題にはなりませんでした。  以上です。

田中昌史自由民主党

○田中昌史君 ありがとうございました。大変参考になりました。  次に、谷口参考人に伺いたいと思います。  先ほどの資料の中で、派遣先の九割以上の家庭から改善の報告があるという、非常に優れた効果があるという話でありました。  ワンストップで総合的な、客観的な評価に基づいて原因を分析し、トータルでアプローチをしていくということは、私も医療の人間なので、医療の中では普通かなという話なんですよね。やっぱり医療の中でも、チーム医療ってずっとやられていますけど、これはもう普通なんだと思うので。  子供政策というか、こども家庭センター等の子供支援の部分についても、先ほど参考人おっしゃったような、もう縦割りでぶつぶつぶつぶつ切れているということ自体は大きな問題で、今回こども家庭センターというのが設置されましたけれども、そこの中でお聞きしたいのは、このアウトリーチをしていくという部分で、学校の先生とこの外部の方々、ここの役割分担。  というのは、何言いたいかというと、学校の先生とこの人がもう余りに近過ぎるとその対象者の方々が言いたいこと言えなくなるんじゃないかなと、心を打ち解けて、開いて、きちんとした関係築けないんじゃないかなと思うんですよね。この対象者と学校の教員とこのアウトリーチをしていく外部機関との関係というのはどうなっているかというところを教えていただければと思います。

谷口仁史認定特定非営利活動法人スチューデント・サポート・フェイス代表理事

○参考人(谷口仁史君) 御質問ありがとうございます。  今先生御指摘いただきましたように、やはり学校外に実はアウトリーチャーがいるということが重要だと思っています。やはり学校の中で起こったいじめ問題を学校の中だけで解決する、これはもうどだい無理な話だというふうに思いますし、また、やはり、どうしても対立構図に入る場合というところがやはり中退したりする際は起こってしまう、残念ながら起こってしまう場合があります。となったら、やっぱり第三者的にアプローチをしていくということが重要になってくる。  そういう意味でいくと、地域若者サポートステーション事業、若年無業者の職業的な自立を支援する施設、これ平成十八年に展開をされて、非常にいい方向で進んでいたんですね。高校中退者等アウトリーチ事業というものが設置をされて、学校連携推進事業という形で全国に標準装備化されたのが平成二十五年でした。  そこで、いわゆる就労側から実は教育にアウトリーチを掛けることによって、中退予防、さらにはそこからの連続的な就労支援によって孤立させない、こういった取組があったわけですが、残念ながら二十五年の秋に行革に引っかかってしまって、どうしてもいろんな制約を受けてしまって、なかなか使い勝手が良くなくなってしまった、こういった現状もあります。  そういう意味でいくと、第三者的な機関がアプローチをしていく、そういった手法というところが非常に有効だろうというふうに考えています。  以上です。

田中昌史自由民主党

○田中昌史君 ありがとうございました。  私も学校の教員やっていたものですから、学校の教員やっていると学生は心を開かないんですよね。要するに、自分を評価する人間に対してなかなか心を開けないというのは正直ありますね。  そういう部分では、先ほどのその外部の方々が第三者的にしっかり入っていくというのも、私は今の学校教育においては非常に重要な要素だというふうに思っておりますので、また今後ともいろんな御示唆をいただければと思います。  ちょっと時間が参りまして、藤井参考人には、大変ありがとうございました。  実は、藤井参考人に聞きたかったのは、政府広報が弱過ぎるんじゃないかという御意見があるかないかという、あるかないかだけで結構なんですが、簡潔にちょっとお願いできればと思います。(発言する者あり)

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 藤井参考人、挙手を願います。

藤井克徳特定非営利活動法人日本障害者協議会代表

○参考人(藤井克徳君) とっても大事な媒体で、私はもっともっとやはり政府広報というのは力を入れるべきであり、予算も付けるべきだと思っています。

田中昌史自由民主党

○田中昌史君 ありがとうございました。  終わります。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 三上えり君。

三上えり立憲民主・社民・無所属

○三上えり君 会派、立憲民主・社民・無所属の三上えりです。  本日は貴重なお話をいただきまして、本当にありがとうございます。  まず、奥田参考人に伺います。  認定NPO法人抱樸のホームページを拝見いたしました。これまでの活動がしっかりと御説明されてありました。  本日の説明資料の二ページでも御紹介されているんですけれども、二〇二四年三月末日現在で、ホームレス状態から自立された方というのが三千七百五十九人、持続して、継続してサポートしている方が千四十四人、そしてボランティアとして登録している方が二千七百十一人ということでございます。  長年にわたるこの活動が確実に実っているということだと思うんですけれども、このように地道に活動を続けてこられて、地域の大きな力となるまでには様々な御苦労があったかと思います。奥田参考人のこれまでの長期間の活動の中で、ある種のターニングポイントであったり、活動の山場を乗り越えられたりということがあったかと思うんですけれども、教えていただけますでしょうか。

奥田知志認定NPO法人抱樸理事長

○参考人(奥田知志君) 三十七年もやっていますので、幾つかターニングポイントはありましたけど、一つは、やはりこういう活動をしていると、まあざくっと言えば心がゆがむといいますかね、いや、本当にそうで、誰かのせいにしちゃうんですね。で、それやっているうちは駄目ですね。  恥ずかしながら、私、北九州市役所によくどなり込んでいましたから、殺人行政とか言って、もう本当に駄目なことを言っていました。だけど、それは、一定そう言われるものも当時、昔の話ですけど。でも一方で、やはりもう方向転換になったときの非常に象徴的な言葉は、私はうちの会議で、立っている者は親でも使うと書いて、もうこれからこれでやると、もう目的はこれだ、この目的のためにありとあらゆる人ともう立場を超えて一緒にやっていくんだという、やはり協働ですよね。  今、多機関協働とか、そういう言い方になっていますけれども、そこはもう立場を超えて一緒にやっていきましょうという、そこに北九州市がまさにまず第一に応えて、そして民間の方々も応えて、物すごくたくさんの方々がうちの活動に参加してくださっているというのが、最大の大きなポイントは独り善がりから協働へという、そこが一番ですね。  以上です。

三上えり立憲民主・社民・無所属

○三上えり君 では、せっかくですからこの機会に、こうした手助けがあればもっとうまくできたのにとか、そういう記憶があればお願いします。

奥田知志認定NPO法人抱樸理事長

○参考人(奥田知志君) 山ほどあるんですけれども、そうですね、やはり私は専門家だけじゃ駄目だと思います。多機関協働という言葉も、結局は専門職のネットワークのイメージが非常に強いわけです。しかし、圧倒的多数は、日常であり、庶民と言うのがいいのかどうか分かりませんけど、専門家以外の非専門家ですね。ですから、やっぱりそこをどう巻き込んでいくかということの議論をもっとしないと、制度をつくる、専門職を育成する、それだけでは多分乗り越えられないところにもうこの国は来ているというふうに実感しています。  だから、その辺りを、だから、じゃ、どうせいという、民間にお金出せというそんな単純な話じゃ全然ないので、どうせいということなんですが、ともかく、専門家だけが集まって会議を開いて方針を決める、先ほど藤井さんおっしゃったように、自分たちを抜きにして自分たちの話を決めてくれるなというのは全くそのとおりだと思うんですね。  私もいろんな審議会呼んでいただいたり委員会呼んでいただいたりしているので、自戒の念を込めて言うと、私は例えば野宿当事者ではありません。野宿当事者ではないということですね。しかし一方で、それに関わってきた人間として、最近は共事者という言葉が出てきています。共事者というのは、共に、事柄の事ですね、共に事に当たっている人を共事者といいます。  当事者なのか非当事者なのかだけではもう議論できない時代になってきていますので、この共事者という概念で政策をつくっていくというのが大事だと思います。

三上えり立憲民主・社民・無所属

○三上えり君 ありがとうございます。  では、続いて、谷口参考人に伺います。  谷口参考人は、大学在学中から子供、若者への支援に大変取り組まれ、大学卒業後の二〇〇三年にはスチューデント・サポート・フェイスを設立されました。二十年以上、こちらも本当に長くありがとうございます。  長きにわたる活動の中で、これまた奥田参考人とともに同じように伺いたいんですけれども、これまでの経験から、行政や立法等に求めることがあればお聞かせいただけますでしょうか。

谷口仁史認定特定非営利活動法人スチューデント・サポート・フェイス代表理事

○参考人(谷口仁史君) 御質問ありがとうございます。  それこそ二十年以上この取組を進める中でやっぱり一番助かったのは、やはり行政の皆さんがしっかりと現場に目を向けてくれたということなんですね。先ほど御紹介をした佐賀市学校教育課は、平成十八年にIT活用支援事業として当時は最先端の取組を、有償ボランティアではありましたが、事業化をしていただいたというところがあります。となると、やっぱり頑張ってしっかりこういう若者を支えていけば誰かが見てくれるんだ、こういった感覚を当時得たところであります。  また、やっぱりアウトリーチの世界で見えてくるものというのは、やっぱり社会的孤立は、先ほどの実態調査にあったように、いろんな制度、政策で救い切れなかった人が実は孤立という形で対象となってくるわけですので、一人の複合的な問題を抱えた子供たちが、若者が自立するまでのプロセス、いろんな制度や社会がどう変わるべきか、こういったヒントを与えてくれると、我々はそう考えているんですね。そういった実態調査というところで、しっかりと数字も追い求めながらやってきたこと、これが、行政の皆さんとともに同じ現場をしっかり支えることができてきたんだろうというふうに思います。  そういう意味でいくと、実は先生方も非常に重要な役割を果たしていただいていまして、やっぱり行革とか、意図せず、実は若者支援、実は、行革は二回の政権交代のとき、二回とも実は若者支援、引きこもり、ニートが引っかかってしまっているんですね。そういったときにしっかりと声を掛けてくださって、そこでまたその行革での決定もしっかり見直しながら、少しずつ現場に寄り添っていただいているというところには心から感謝申し上げたいというふうに思います。

三上えり立憲民主・社民・無所属

○三上えり君 ありがとうございます。しっかりと私たちも現場に足を運びたいと思います。ありがとうございます。  次に、藤井参考人に、災害時におけます障害者の安全確保についてお伺いいたします。  藤井参考人が書かれた論文でも指摘されますように、東日本大震災における障害者の死亡率、これは健常者に比べて高く、二倍近いというふうに言われております。その原因が、自力での避難が困難といった介助の問題ですとか、視覚や聴覚等を通じたこの情報が非常に入手しづらい、それで避難行動が遅れてしまうといった情報問題、情報障害のことも考えられます。  また、避難所において障害者はトイレの問題等多くの困難に直面するということで、能登半島で起きた地震も含めて、こうした災害時に障害者が直面する様々な困難の状況についてどういった支援が求められるのか、これまでの反省も込めてお聞かせください。

藤井克徳特定非営利活動法人日本障害者協議会代表

○参考人(藤井克徳君) おっしゃるとおり、東日本大震災のときには、障害者の死亡率が全住民の死亡率のちょうど二倍であったと。これはNHK調査も朝日新聞も河北新報も同じデータが出ています。あのときのデータ、状況では、あの後、陸前高田市で全ての障害者の家を回ったんですね、市当局と力合わせて。分かったことは、助かった人たちはほとんどが、消防でもなければ市役所でもなかった、近隣の人、そして家族、これがほとんどだったんですね。そうしますと、この問題というのは、震災対策ということもあるんだけれども、日常の平時の障害者への支援、あるいは障害者のやっぱり地域の存在を知っていただくということ、この平時がむしろ一番問われていくんではないか。  同時に、災害時というのは様々矛盾が激化して、ただ、あれほどの東日本大震災の場合には、もう障害があろうがなかろうが皆さん苦しんだわけで、ただ、せめて避難所、仮設住宅、ここにおいてはもう少し改善があってもいいんじゃないか。ただし、この後の熊本地震やその後の能登半島地震見ても、何か、何も変わっていないということですね。  やっぱり、ここでは出てくる言葉が想定外という三文字、そしてこの検討する過程でやっぱり障害者が入っていなかったということ、こういう点で、この震災対策における障害当事者の参画ということが問われてくる、この平時と参画というキーワードが多分問われてくるんじゃないかなというふうに思います。  以上です。

三上えり立憲民主・社民・無所属

○三上えり君 本当に、エレベーターがあったら使えない、大きな駐車場があるところであったり、障害者の方が、自分の身の回りに、まずどこに逃げればいいかということをまず知ってもらうということがすごく大切なことだと思うんですけれども、その障害のある方にもし藤井参考人が呼びかけられるとすれば、どんなことをしっかりと分かっておく、見極めておくようにアドバイスができますでしょうか。

藤井克徳特定非営利活動法人日本障害者協議会代表

○参考人(藤井克徳君) これもいろんな経験、教訓なんかがあるのは、やっぱり、やや、何というんですか、政策というよりは日常的に地域とやっぱりつながっているということで、そうすると、結構、避難訓練なんかは余り政策上ということじゃないような意識があるかも分かりませんけれども、そこの副産物はやっぱり地域の住民と知り合うということなんで、しかも具体的なハウツー的なことも得られるわけなんで、私は意外と、ふだんの地域とつながった避難訓練なんかは、結構これ自体を政策化していくということ、もっとあってもいいんじゃないかな、こんなことが今言えることです。

三上えり立憲民主・社民・無所属

○三上えり君 最後に、これまでの、奥田参考人、もう一度伺います。  御経験を踏まえて、単身の住宅難民問題、住宅難民問題、これを解決するアイデアを教えていただけますでしょうか。

奥田知志認定NPO法人抱樸理事長

○参考人(奥田知志君) 私は、今日申し上げた戦後の住宅政策って、やっぱり基本はもう公営住宅か民賃かで、基本持家、一般市場に委ねてきたわけですね。ここのコントロールが利かないというのが現状でありまして、このコントロールをどう利かすかということで住宅セーフティーネット法ができた。でも利いていません、まだ。ここから先ですね。  このところで、住宅をやはり社会全体のアセットとして、私有物だけではなくて社会の資源としてどう位置付け直して、それをどう使っていくかというやっぱり仕組みをもう一段つくらないと、単なる市場に訴えるということだけでは多分うまく回らないと思いますね。とはいえ、全部国が借り上げるのかと、これもやっぱり無理ですから、その間ですね、まさに地域のアセットとしてどうコントロールしていくか。  そのためには、実は居住支援協議会の今後の役割は非常に大きいです。今、人口比九割をカバーするということが前回改正で通りましたので、ただ数が増えても意味がありません。ここを実働化できるかどうかは、地方自治体が住宅政策を自分の政策としてちゃんと位置付けられるかという、やっぱり国の政策ではなくて地方自治体がどうするかが、そのステージは居住支援協議会の今後の在り方に決まるというふうに思っています。

三上えり立憲民主・社民・無所属

○三上えり君 ありがとうございました。  質問は以上です。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 河野義博君。

河野義博公明党

○河野義博君 公明党の河野義博です。  三人の参考の皆さん、参考人の先生方、本当にありがとうございました。大変貴重なお話を聞かせていただきました。  まず、奥田参考人に伺います。  党のPTでもお邪魔をさせていただきまして、視察をさせていただきました。本当に長い間にわたる献身的なお取組に心から敬意を表します。  今日教えていただきました中の、資料の十九ページ目以降にありますこの家族機能の社会化、その家族機能をあえてつくっていくという取組に、私はこの方面の解決策の一つを見出したように思います。本当に貴重なすばらしい取組だと思います。お伺いをしていると、いいことばかりで、当事者にとってもいいし、社会にとってもいいし、また不動産オーナーにとってもいいし、本当にみんなが喜べるすばらしいシステム、仕組みだなと思います。それをあえてつくり出していくということに非常に大きな価値を私は感じました。  一方で、聞いていますと簡単に聞こえるんですけど、やると恐らく相当な困難があるんじゃないかなと思いますが、三百人いる中でいろんな問題もあるんじゃないかと思いますが、実際に運営をしてみて、想定外の困難さと申しますか、どういうところに運営の難しさを感じておられるか、それをどういうふうに解決していくべきなのか、少し教えていただけたらと思います。

奥田知志認定NPO法人抱樸理事長

○参考人(奥田知志君) そうですね、例えば制度の側からすると、一番の大きな課題はやっぱり個人情報の問題です。  これ、それぞれが互助会ですから自主的に参加しているわけですけれども、ここに第三者が入ってきたとき。相対の関係では成り立つんですね、個人情報の問題というのは。しかし、そこに例えばお医者さんが入ってきたと。医師が持っている情報を例えば我々互助会サイドが、済みません、先生、この人どうなっていますかと言った瞬間に、家族ですかという、ここで止まります。よほどその医師と、その三者の中で日常的な関係性ができていればそれも何とかなるんですが、しかしありません。  けど、一方で、病院サイドは、これはよく入れ歯問題と言われる問題で、入院の制度はある、そこに関わる専門家はいる、でも、入れ歯忘れたから取ってきて、誰がするのかという、これが身寄り問題に象徴される問題だと。まあ、何で入れ歯なのか、誰が決めたのかよく分からないんですけれども、入れ歯問題なんですね。そうなると、病院は個人情報は出さないけれども、入れ歯は取ってこいという、入れ歯持ってきてくださいというオーダーはうちに来るんですね。この個人情報の問題に関してが一つ。  それと、住宅に絡む問題としては残置物ですね。  御存じのとおり、今回、法改正で少し変わりましたけれども、賃貸借契約は債務契約なので、これは相続されてしまいます。そうすると、オーナーさんは、その契約を打ち切るためには相続人を探して相続放棄してもらわなきゃならないという、この手続入るので、単に残置物の処分というだけじゃなくて、賃貸借契約自体も次の世代に相続されてしまう。  これ、全部家族単位で設計されているというのはそういうことなんですね。個人情報保護法も、家族がいるでしょう、だから家族には全て言います、でも赤の他人には言いません。相続に関しても、家族が相続するということが前提になっている。だから、残置物のテレビ一つ取っても勝手に捨てられないわけですね。  ですから、この家族単位で物を見てきた制度設計、個人情報、それから相続の問題等々、これは民法も含めてですね、これやっぱり大きく今から法律レベルで変えていかないと、多分、今の法律体系では、家族でやってくれというのは実は国が言っていることでもあるんです。法律がそうなっていますから、制度が。ここのところは、やはり私は国会議員の皆さんに、法律として、家族なき人たちが増えていく中でどう制度が使えるか、法律が使えるかというのは逆に御議論していただきたいというふうに考えています。  以上です。(発言する者あり)

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 河野君、挙手をお願いします。

河野義博公明党

○河野義博君 制度面の問題点、非常に分かりやすく御説明いただきました。これはある意味立法府が決めることでもあろうかと思いますので、大きな御示唆をいただけたと思います。感謝申し上げます。  当事者同士はうまくいくんですか。

奥田知志認定NPO法人抱樸理事長

○参考人(奥田知志君) 私は、家族機能の社会化という言葉を長く使ってきたんですが、最初の頃は、よく勘違いされたのは、これ養子縁組の話ですかみたいな、もう一気に従来の家族イメージで家族になろうと言っているんだというふうに。ただ、それは余りに漠としてイメージが伝わらないんですね。  ですから、この当事者同士のコミュニケーション、私、先ほど藤井参考人がおっしゃった、避難訓練は実は出会いの場所だとおっしゃった、それはすごい、ちょっとメモをさせていただきましたけれども、結局うちもそうなんですね。お葬式とか家族の行事ごとを一緒にすることでコミュニケートが深まるという。  例えば、お葬式はもう一番典型的で、あっ、次は俺の番かもしれないと思いながら出ているわけですよね。そうすると、今お葬式やっている人に熱心に関わろうとするのは、いずれ自分の番が来たときに自分もそうしてもらうんだという、そういうやっぱり行事ごとというか事柄でステージをつくっていくと。理念とか、何かその相談とかというそういう、カウンセリングとかそういうことだけじゃなくて、それよりかは、一緒に食べるとか、一緒にお葬式するとかという、こういう場面をどんどんつくっていく方が早かったですね。  とはいえ、いわゆる障害概念でも、介護の概念、つまり身体的概念では測れない人間の生きづらさというのがありますので、どうしてもコミュニケーションがうまく取れない人、最近は大人の発達障害みたいな言い方で一くくりされたりしますが、それでさえうまく掛からない人がいるわけですね。だから、そういう、僕らからしたらあの人不思議よねというようなコミュニケーションが難しい人がいる。こういう方々に関しては、やはりいろんなアプローチを、どちらかというと質より量だというのが私の考え方で、一つの高い質のアプローチをして解決するというイメージよりかは、たくさんの糸でつなげていくという方が何かに引っかかってくるという、そういうイメージですね。  以上です。

河野義博公明党

○河野義博君 ありがとうございました。  最後にもう一点教えてください。  工藤会の本部跡地を引き取られまして、これはすごい、福岡県民にとってはすごくエポックメーキングといいますか、すごく象徴的な出来事でありました。  その中で、私、ちょっと今回のテーマとは少しずれますが、やっぱり寄附文化の醸成というのはすごく大事だと思っていまして、やっぱりこの国で功を遂げ財を成すならば、やっぱり、国にやっぱりお返しする、公に寄附するというのは非常に大事なことなんだろうと思いますが、まだまだ残念ながら日本でそういう文化は根付いておらず、財を成したのに税金下げろと言う人もいる中で、そういうことではなくて、やっぱりちゃんと社会に還元していくべきだと。  そういう中で、やっぱりクラウドファンディングを募って、好事例だったと思いますが、寄附文化醸成に向けて、何かアドバイスなようなものがいただけたらというふうに思います。

奥田知志認定NPO法人抱樸理事長

○参考人(奥田知志君) おかげさまで、この希望のまちプロジェクトに関しましては、土地代含め、現在、この四年間で五億ぐらい集まっています。今もなお集まっています。寄附者は一万人を超えていまして、比較的多額の寄附が集まっているというよりかは、たくさんの人が参加している。寄附は支援ではありません。寄附は参加です。社会参加の一つの形態が寄附です。  そのときに、寄附は実は二つありまして、ステージが、この欠けている部分を、今問題が起こってマイナスが起こっているところをみんなで頑張って埋めてくださいというタイプの寄附と、将来こういう社会やこういう国をつくりたいんだ、こういう社会を、地域をつくりたいからみんなでつくりましょうよという、二つあるんですね。  抱樸の場合は、多分両方やっているんだと思います。目の前の、例えば子供がこういう状態だとか。実際、例えば三十五歳以下の、これ総務省のデータですけど、三十五歳以下の人口の二六%がアンダークラス、百八十六万以下ですよ、年収。これは何とかせぬといかぬというところで寄附を集めているというステージと。  けど、私は、日本の社会はまだ捨てたものじゃないと思うのは、あるべき社会とかあるべき地域って、こうあるべきでしょうというビジョンを示すと、そこに参加してくる人が物すごくたくさんいたということですね。みんなそこに飢えていると思います。問題を指摘し、その問題をどう穴埋めするかということも大事ですけれども、じゃ、そんな問題が起こらない社会とは何かというビジョンを示せるかというのが、実は、ファンドレイジングの世界においては共感と言われるのはそこですね。共感には二つある。かわいそうと言ったらちょっと語弊がありますけれども、何とかしてあげたいという共感と、こういうのをつくりたいという創造的共感と二面あるんですね。  私は、これは別にファンドレイジングだけじゃなくて、国ってそんなものなんじゃないかと。社会保障というのは、問題を埋めていくというのと、一方で、国や先生方が示してくださるこれからの社会の在り方というものを両面示していくというのが、私は、何か税金がちゃんと集まるためにもそういうの大事なんじゃないかなという、ちょっと門外漢で申し訳ないですけど、以上です。

河野義博公明党

○河野義博君 ありがとうございました。  谷口参考人に伺います。  本当に長年にわたってアウトリーチ型のサポート、本当に敬意を表します。夜中でも電話が掛かってきたら飛んでいって、一緒に釣りをされたり、一緒にゲームをされたり、そういった行動、谷口さんの行動を勉強させていただくたびに、本当に、谷口さんのような人を増やしていくことが課題解決の一つなんじゃないかなと常々思っていました。  そんな中で、やっぱり、そうはいってもやっぱり先立つものが必要で、谷口さんのこの今日いただいた資料の中にも寄附の依頼というのがあります。  ちょっと先ほどと似たような質問になるかもしれませんが、やっぱり寄附をどうやって集めていくかというのは大きな課題だと思いますが、どういうふうにお取組をされておられるでしょうか。

谷口仁史認定特定非営利活動法人スチューデント・サポート・フェイス代表理事

○参考人(谷口仁史君) ありがとうございます。  我々は、ファンドレイジングは実は不得手でございまして、寄附金の収入というのは実は少ないんですね。というのも、引きこもり、ニートという枠組みで寄附を集めようとしても、やはりどうしても誤解、偏見を生みやすい領域ですので、なかなか集まってこないという部分もあります。もちろん、やり方の問題はあるかと思いますが、それよりもなお、まずはセーフティーネットとして、行政としてしっかりと責任を果たすべき領域でもあるというふうに思っているんですね。特に、いじめ被害や虐待被害、様々な被害体験を持っている当事者への支援でありますので、そこはしっかりと、行政の皆さんとエビデンスも共有しながらしっかりと制度化していくというところは、この分野はとても必要なんだろうというふうに思っているところです。  以上です。

河野義博公明党

○河野義博君 ありがとうございました。  もう時間が来てしまいましたので、藤井参考人、本当にありがとうございました。ナッシング・アバウト・アス・ウイズアウト・アスというのは、しっかり我々も胸に刻んでこれから活動していきたいと思っております。  今日はどうもありがとうございました。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 高木かおり君。

高木かおり日本維新の会

○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。    〔会長退席、理事古賀千景君着席〕  今日は参考人の皆様、大変貴重なお話をありがとうございました。  早速御質問をさせていただきたいと思います。  まずは奥田参考人に伺いたいと思います。  先ほどからのお話で、やはり日本の社会保障というのは家族単位を前提としているであるとか、単身世帯が本当に急激に数が伸びているであるとか、本当にこの社会情勢が大きく今変化をしている中だと思います。  そういう中で、参考人の著書を見ますと、問題型支援と、それから伴走型支援の両輪というのが必要なんだと。そういった中で、やはり、つながり続けるということが非常に、今日もお話出ていましたが、重要なんだということだったんですけれども。  これやはり、結局、先ほどの問題型支援、伴走型支援という中で地域社会とつながったとしても、やはりこのつながり続けるということが非常に重要なんだということが今日のお話の中からうかがえたんですけれども、例えばこのつながり続けることが生きる動機付けとなるとなれば、どのレベルまでこのつながり続ける、このつながりのレベルというのはどのようにお考えなのか、まずはお聞きしたいと思います。

奥田知志認定NPO法人抱樸理事長

○参考人(奥田知志君) ありがとうございます。  まさに、従来の専門職が担ってきた役割は解決型の支援ですね、問題解決をいかに早急にするか。ソーシャルワークという概念も、やはり問題の解決あるいは緩和をすることであるという位置付けがなされています。しかし問題は、一つは、解決したら、はい、おしまい、後は自己責任でやってくださいと。その解決した後は、じゃ、従来、日本のその解決の後、何があったかというと、家族と地域があったわけですよね。だから、後は地域や家族の中で頑張ってくださいというイメージで解決型の支援が成り立っていた。しかし、解決して専門職の人から、はい、さようなら、後は一人でやってねと言われた後、誰もいないという風景に広がった。    〔理事古賀千景君退席、会長着席〕  そこで、我々が、問題があるときも問題がないときもつながるということを目的とした伴走型の支援ということを二十年ぐらいに言い出したんですね、前ぐらいに。今、おかげさまで日本福祉大学の授業になっていまして、私も日本福祉大学のなんちゃって教授になっていまして、全然学校行っていないんですけれども。  ただ、解決型の支援はやはり解決という目的がはっきりしています。そのためには制度の理解、それから経験値、様々な技能、技術、アプローチの技術とか、そういうものが必要ですので、ある程度やっぱり訓練を受けた人たちが、まあ個人情報の問題も含めてですね。しかし、やはり介護保険ができたとき私は実感したんですが、制度が充足すると地域は引くんですね。それまで地域で助け合っていたところも、ヘルパーさん来たからといってもうおかず届けなくなるというのが、要するに、制度や専門職が頑張れば頑張るほど地域は役割がなくなっていくという。けど、そこでは駄目なんですね。  ですから、やはりこの支援という枠組みで従来語られてきたところの専門職の役割はあり続けて、一方で、つながり続けるというところのそのステージが必要だというのが伴走型支援なんですが、じゃ、それどこまでやるのかという、そのどこまでやるのかのイメージが多分問題解決型の支援に相当引っ張られている印象だと思うんですね。  どこまでやるのかというのは、何か常に解決し続けるというイメージでしょうけど、伴走型になると、インタラクティブな世界観ですから、双方向性ですよね。ですから、助けてと言える社会をつくろうと一方で言ってきた。でも、助けてと言える社会は同時に、助けてと言われる社会でないと駄目なんですよね。つながりというのは両方向ですから。ですから、その町に行ったら助けてと、困ったときに助けてと言える。どうしたと。大事にされていると思える。けど、一方で、その町に行ったらちょっと助けてくれと言われる。あっ、こんな僕でも役割があるんだと思えるという。  伴走型の支援というのは、何か支援というと、どうしても支援する人、される人が固定化されているイメージですが、これは正直言って解決型の支援が強過ぎるので、それに対する一つのカウンターカルチャーとして伴走型の支援と、支援という言葉を付けたんですが、一つのカウンターだったんですね。でも、目指すところはもう相互性ですから、つながり続ける。  そうなると、専門職のイメージよりかは、先ほど申し上げた質より量だという話にやっぱりなっていく。どれだけ、だから、専門職のイメージは、もう谷口さんなんか専門職中の専門職で、もう二、三本のロープでぐっとつなぎ止めるという。でも、これ、一本切れたらがたがたになるんですね。伴走型支援は百本とか千本の糸で絡めるイメージで、これ五本切れても気が付かないという。そういうイメージが実は従来の地域社会だったんだろうと思うんですね。  この辺を新たに、地理的概念も超えた中でどうつくっていくか、あるいは家族を引いた、かつては地域の最小単位は家族でしたから、この最小単位の家族というものを抜いたところでどう地域をもう一回つくるかという、この議論に今来ている。そこにおいての考え方の一つの指針としては、伴走型、つながりをつくるということが目的なんです。解決しないけれども、つながり続けるということが目的となるんだということをこの二十年ぐらい前から言い出したという、そんな感じですね。

高木かおり日本維新の会

○高木かおり君 ありがとうございました。  その地域社会の役割というのも大変重要にこれからなってくるんだろうなと今思って、地域社会でどういうふうにその支援をしていくのかというのはしっかり考えていかなければいけないなというふうに改めて思いました。  続きまして、それでは谷口参考人に伺いたいと思います。  やはり、この家族の問題、本人だけではなくて家族の問題というのは本当に多岐にわたって広がっていくものなんだろうなと。そういう中で、このアウトリーチ型支援、今日も何度か出てきておりますけれども、やはりこのアウトリーチをして支援をしていく中で、その当事者との関係構築というのは、これ、これがなければ支援につながらないというふうに思うんですね。なので、大変重要だと思っています。  そういう中で、例えば障害をお持ちであるとか精神的な疾患をお持ちであるとか、そういった方々にその支援自体を拒否されてしまう場合、なかなかこれは、御本人の意思を尊重するということも重要ですので、強制的にするわけにはいかないと、そういった場面があるんではないかと思うんですけれども、そういった場面の対応といいますか、その点についてお聞かせいただければと思います。

谷口仁史認定特定非営利活動法人スチューデント・サポート・フェイス代表理事

○参考人(谷口仁史君) 重要な御指摘ありがとうございます。  やはりこのアウトリーチの対象者の、データで出しましたように、実は六十数%は、過去に実は何らかの支援を受けて、それがうまくいっていない、こういう経験をしている当事者だったりします。となると、拒絶感も非常に強い。そういったところに入っていくときに、強引にアプローチするということはやっぱり決して避けなければいけない。また同じような被害を与えてしまう可能性がある。ここはもう前提なんですね。  となったとき、我々、あれだけの重層的なネットワークを構築をしていることの理由は何かといいますと、やはりその中で、過去、どういった人たちがどのように関わってくださって今の孤立が発生をしているのか、つまり、過去の同じ轍は踏まないという実は視点からまず入っていくんですね。  さらには、価値観のチャンネル合わせと呼んでいますが、やはり、一人一人全く心の中ってやっぱり違うわけです。そういう意味でいくと、まずは、本人が好きなことであるとか、興味、関心あること、そういったところも実際共有をして、まずはそこから実は価値観、感覚レベルで当事者理解を図って徹底的にやる。  例えば、オンラインゲームに依存している子はかなり増えていますが、それを見て、否定して、それが引きこもりの原因だからやめろよというアプローチが通用するかって、全く通用しないわけですよね。ならば、もうまずは最初、オンラインゲームの特性を利用して、二十四時間三百六十五日フルオープンですから、だったらそのインターネットの世界に入ってみて、彼らがその世界でどんな立ち回りしているんだ、どんなことを実現しようとしているんだ、どんなキャラを演じているんだ、そこまで徹底的に情報収集していくと、本当は本人が外の世界をどのように捉えているんだろうか、こういったことが実は見えてくるようになるんですね。そこで、オフ会と称して本人とアクセスをしてみたり、こういった様々な手段というのがアウトリーチ、入口は重要になってくるということであります。

高木かおり日本維新の会

○高木かおり君 ありがとうございます。  かなりこの関係構築、様々な今までの困難を抱えていた当事者からすると、この関係構築をするというのはかなり時間も掛かっていく、けれども大切な点だということが分かりました。  もう一つ質問させていただきたいんですが、資料の九ページの「子ども・若者が抱える問題の深刻化かつ複雑化」のところで、県子ども・若者総合相談センターにおける実態調査というところで、被支援困難者(経済的事由で支援が受けられない)というのが二〇・一%ということなんですが、これ、経済的事由で支援が受けられないというのはどういった状況で、これに対してどのように対応しているのか、端的にお答えいただけますでしょうか。

谷口仁史認定特定非営利活動法人スチューデント・サポート・フェイス代表理事

○参考人(谷口仁史君) 実は、その被支援困難者の定義は貧困だけじゃないんですね。実は、お金を持っている親御さんでも実は子供に支出をしない、こういった方もやはりいらっしゃいます。そういった意味で、実は親御さんからの支援が受けられないがゆえに、実は交通費がないとか、相談施設に足を運ぶ、利用料が払えない、こういった当事者も含めて被支援困難者として定義付けて実態調査を行っているということであります。

高木かおり日本維新の会

○高木かおり君 ありがとうございました。  それでは最後に、藤井参考人に伺いたいと思います。  今日は、障害者を締め出す社会はもろく弱いという言葉が大変刺さりました。今後、地域の在り方を考える上で、本当に重要な言葉だと思います。また、政策が先で意識は後、こういったフレーズも藤井参考人から出ているかと思います。  そういった中で、地域で自立した生活を送るためには地域社会の理解と支援がこれはもう必要不可欠だと思いますが、この自治体や地域住民はどのような役割を果たすべきなんでしょうか。これは、やはり、今日のグラフにも、資料にもあったように、障害のある方の親亡き後の将来的な生活の維持、もうこれに本当に不安を抱える方々が多いということが大変顕著に分かります。これも含めて、どのような役割そして支援が必要なのか、これを最後にお聞きしたいと思います。

藤井克徳特定非営利活動法人日本障害者協議会代表

○参考人(藤井克徳君) そうですね、今日のデータでも示したように、谷間の障害というのを含めますと二三%と、そうするとまさに四人から五人に一人ということですから、もう我が身の問題でもあると。実は、このメンバー、今日いらっしゃる先生方全員、旅立つ前はやっぱり障害状態をくぐっていくわけですよね。そうしますと、障害というのは、私みたいに既に障害という一群と、これから障害という一群と、どっちかだと思うんですね。そういう点でいうと、そういうような共感やあるいはイメージを、想像力を持てるかどうかというのが一つ大きなこと。  ただし、人間のこの意識って弱いものですから、私は、障害を持った人たちに対して社会がどう遇するか。今の政策というのは、どちらかというと国連が指摘しているように分離政策、教育にしても、あるいは就労にしても、居住にしても分離、ここではむしろネガティブイメージが募る一方であると。本当は急がば回れで、やはり障害者がもっと町に出るというときにポジティブな障害者観が生まれてくるんではないかな。  だから、そこにもっと政策の力点を置くということがとっても大事なこと。それが、私がこの間言っています、政策が先。つまり、目に見える形で接してもらう、そのときに意識は変わっていく。よく意識の問題にするということは、この精神論ではなかなか進まないというのが日本であり、ヨーロッパはとっくにこのことを教訓化して、徹底して政策が先ということをおっしゃっているわけで、日本においてもそのことが、今おっしゃったように、地域の関係性が出てくる基本じゃないかなと、こんなふうに思っています。

高木かおり日本維新の会

○高木かおり君 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 伊藤孝恵君。

伊藤孝恵国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 冒頭、奥田参考人にお伺いします。  いただいた資料の二十四ページ、「わたしがいる あなたがいる なんとかなる」、この言葉を見てちょっと落涙をしそうになりました。本当にそうなんです。何とかなる、この苦しい一瞬を乗り越えてどうにか生き抜いてほしい、幸せになってほしいと思うところでありますけれども。  我々、やはり小さい頃から人様に迷惑を掛けないようにというふうに教わりながら大きくなりました。そんな中で、先ほど助けてを言えないというような、そういう御指摘があった中で、やっぱり子供たちを今見ていると、余計、何かあったら言ってねと言っても、子供たち、何かあったらというのの、その漠然とし過ぎていて、助けてと言う子なんて本当に僅かです。そういうふうに、常に助けてと言ってねと言いたいんですけれども、先ほどの伴走という一つのヒントいただきましたけれども、この子供たちに対して、どうやったら本当に常に助けてと言える、そういう教育の観点で御意見伺いたいのと。  もう一つ、入れ歯問題、これ大変です。入れ歯ですね。単身者の入院や手術のときに、大体、同意書に身元保証人と緊急連絡先、二人書けと言われるんですよね。そういう中で、死亡の場合の身元引受けですとか治療方針というところを確認するための担保というのは分かるんです。ただ、これ医師法の第十九条第一項で、こういった身元保証人がないことをもって治療等を拒んではならないと決めてあるにもかかわらず、厚労省も通知をしっかり出しています、にもかかわらず、大体求めてくるその医療機関は九割です。さらに、断っているというところも実際に一五パーというふうに言われています。  この中で、やっぱり死亡の場合はお葬式は出していただけるということだったんですけど、治療方針、ここについてどう考えるか。例えば、その試みの中で、福井県で「つぐみ」というエンディングノートですとか、人生会議と言ったりしますけれども、そういうものをあらかじめ担保されているのかどうかというところを教えてください。

奥田知志認定NPO法人抱樸理事長

○参考人(奥田知志君) ありがとうございます。  子供たち、助けてと言えない、事実だと思います。これはちょっと古いデータですが、二〇一八年の文科省の調べでは、子供の自殺、去年が最悪で五百二十七人でした。二〇一八年の文科省データでは、子供の自殺の要因の五八・四%が要因が不明だと、結局後で追っても分からなかったと。死ぬほど苦しんでいるのに誰にも相談していない。  私は、ちょっと漠とした意見になりますが、どこに原因があるかと、いろいろあると思いますが、一つは、やっぱり私たち大人が助けてと言わないからですよ。やっぱり、立派な大人、立派な社会人というのは自己責任で生きていけるというふうにどこか思っている。  昨今の闇バイトの話にしても、もうこれ以上行ったらやばいという場面は来ているわけですよね。でも、そこでさえ家族にも相談できない、まあ家族に危害が及ぶということで脅されていたというのはある。けど、ある事件では、二十二歳の犯人のおじいちゃんが、こんなことになるぐらいだったら家族に危害が及んだ方がよかったとコメント出しているんですね。それほどいい家族が近くにいたのに、なお相談できないと。  私は、やはりその大本は、やっぱりこの日本の社会そのものが、あるいは教育、まあ学校教育が全てがそうだとは言いませんが、学校教育でなぜ社会保障を教えないのか、なぜ社会保障の利用の仕方を教えないのか。そこはカリキュラムに入っていないからです、当然。でも、何で入らないのか。それは、やっぱり学校教育が目指すところは自己責任が取れる強者教育だからですよ。一人で生きていける力を得るのが言わば教育の目的になっている。  最近、学校の先生が六千人以上、年間、休職に追い込まれている。私は、ちょっと皮肉な言い方で、当事者の先生たちを別にやゆするわけではありませんが、逆に言うと、あの先生方は人間とは何かということを子供たちに示している場面かもしれない。そして、休職してもこの国はちゃんと休職者を守ってくれる制度がある、社会保障制度があるということを身をもって子供の前で見せているかもしれない。  私は、やっぱり学校教育も含めて、やっぱり今まで大人社会が目指してきたものが強者教育、強くなければ生きていけないという、これはもうイデオロギーに近いですね、こういうものを大人がまず崩していかないと、子供にいざとなったら助けてって言っていいんだと言っても、だって、あなた言ってないじゃないかと子供たちは見ているわけですね。それが一つ。  もう一つは、その入れ歯問題のところの話ですが、まさにこれどうしていくのかというのは大事なんですね。それで、エンディングノートではないですが、うちは出会ってから、ちょっと細かい話すると、路上のときの記録、自立支援施設なり制度に入ったときの記録、それから日常生活に入っての記録といって一貫したデータベースをつくっています。  それを持った担当者がお医者さんのところ行って、この人の例えば生活状況はこうでした、嗜好はこういう嗜好、コミュニケーションに関してはこういう問題を持っているということを、当然、お医者さんがオーケーだったらですね、お医者さんは、お医者さんの方からデータは余り出ないんですけど、こちら側からのデータは待っているわけですね。ですから、うちのサポートの職員が行って、この人こういう人でした、出会いは路上でこういう状態でしたという話からすることで、逆にお医者さんは治療に役立ててくださるわけですね。  ですから、そういう我々は一貫したそのデータベースをつくる。実は、家族の機能は記憶の装置だったんです。家族は、文書としては残していませんけれども、記憶として長年のデータを分析し、蓄積しているんですね。この家族がいないということは、つまり、そのデータを出す人がいなくなって、それに関わる人たちは、介護保険制度でもそうです、私、九十四歳の母親と同居していますけれども、ケアマネさんは八割家族としゃべっていますよ。最後の二割が本人に同意をもらっているというところですね。お母さん最近どうですかというのが大体第一声で、いや、最近ちょっとね、いろいろありましてみたいな、この実は記憶という装置が家族だったんですね。  ここがなくなると、実は社会保障制度もうまく使えない。それはなぜか。データがないからですね。ここのところは、一貫して最初からそれに取り組んできましたので、このデータベース、ただ、それでさえ第三者提供していいのかという、本人承諾を得ていますよ、お医者さんには出しますよということを言いますけれども、その枠組みの問題は残ります。  以上です。

伊藤孝恵国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 谷口参考人にお伺いします。  孤独の究極が死だと思います。そういう中で、その子供たち、五百二十七人の子供たちがどうしたら今日も生きていたのか。そういうものを、この結論を出していくのがこの場だと思っておりまして、一つお伺いしたいのが、今日、外国人児童生徒の話がこの資料の中に出てきませんでした。ただ、私は当事者ということもあって、ヤングケアラーのそういった課題に一生懸命取り組んでおります。  そんな中で、一つの類型として、外国人児童生徒というものが入っていたんだとよく驚かれることがあります。この外国人児童生徒へのこういったアウトリーチ又はアプローチ、そういったところの課題について教えてください。

谷口仁史認定特定非営利活動法人スチューデント・サポート・フェイス代表理事

○参考人(谷口仁史君) 重要な御指摘、ありがとうございます。  実は、我々も国際交流協会と実は孤独・孤立対策のプラットフォームを形成をしております。また、日常的にもチームで対応するということをやっていまして、実際にそういった、そのそれぞれの国の文化を理解している人たちと一緒に組んでアウトリーチ掛けていくということも実践をしているわけであります。  やはり今、これ、佐賀はやはり実は人口が増えていまして、それはもう海外から来られる方の人口が増えているということでありますので、ますますそういった点には力を入れていきたいというふうに考えています。

伊藤孝恵国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 最後に、藤井参考人にお伺いをいたします。  先ほど、分離政策というふうに御付言されました。障害のある方の雇用、特に農園ビジネスと言われる雇用形態についてお伺いしたいというふうに思います。  藤井参考人が、この法定雇用率を達成するために、法定のために雇うのが面倒だという企業意識が透けて見える、作物が直接的に賃金につながっていない、これは本当の意味で働いていると言えない、これは気付きにくい柔らかな形の排除だというふうに発言をされている記事を拝見しました。同感です。  障害者雇用推進法のその法にももとる、そういったビジネス形態が横行している、それは非常に課題だと思う一方で、現実としてその肢体障害よりも精神障害とか知的障害の就労が難しいという現実もありますし、私たち親はこの障害のある子供たちを置いて必ず先に逝くので、どうしたらこの子たちが親亡き後も生きていけるか、こういった社保に守られた大企業に勤めてくれたのならばどんなに安心かと、そして、たくさん稼いで、そして安心してこの人生を全うしてほしいと思うわけです。  そういう中で、この大企業がこういった農園ビジネスに法定雇用を達成する中で参加をしているということを断罪をしてもいいのか、はたまた、今こういった雇用を一生懸命つくっている段階のモラトリアム期間としてこういうものは一定度認めていったらいいのか、そういう何か本当に揺れ動く心の中で悩むときがあります。御所見伺います。

藤井克徳特定非営利活動法人日本障害者協議会代表

○参考人(藤井克徳君) 大事な指摘をどうもありがとうございました。  結論から言いますと、この全部断罪というふうにはやっぱりいかぬと思うんですよね。それなりにいろんな知恵を出している中、出した中での一つの今の方法。おっしゃるとおり、大変労働って難しいのは、まあ、やや語弊があるかも分かりませんが、教育や医療というのはある面では受け身でも事が進むんですね。労働というのは自分で生産物を生み出すという絶対使命があるわけで、ところが、社会的な有用性のあるものを生んでいくということになってくると、なかなかそこが難しい。  ただ、多くのヨーロッパの実践なんか見ていますと、その合理的配慮を含めて労働手段をうんとこカバーしているということで、ここに政策もお金を投じるという、その能力の厳しさということを労働環境、労働手段で補っていくという点、そこが日本、まだまだ開発も弱いし、実践も弱いと。したがって、この雇用率だけが走っちゃって、これに合わせるためにぎりぎりそういうふうなグレーゾーンができてしまうということ。  私は、だから、断罪とは言いませんけれども、やはり向かうべき方向は違うんじゃないかな。そういう点でいうと、これは企業の責任ということよりは、みんなでここは、まだ多分、多分国際的にも、さっき言ったように、生産性を上げるという基本があるものですから、十分な回答は出ていないんだけれども、ここは、さっきも言ったように、一歩進んでいるヨーロッパなんかのそういう労働環境、労働手段を整える、合理的配慮を考えていくということなんかに学びながらもう少し考えてもいいんじゃないかな。ちょっと今のこの広がりようは私は異常な感じがしています。そんなところです。

伊藤孝恵国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 働く形や社会参加の形もこれは一つではありませんし、私たちが親から教わったその正義も一つではない中で、いろいろな雇用の形をもって、親亡き後の障害を持つ子供たちが幸せであるような、そんな社会をつくりたいと思いました。御示唆ありがとうございます。  終わります。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 山添拓君。

山添拓日本共産党

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。  参考人の皆さん、今日はありがとうございました。  まず、藤井参考人に伺います。  障害者権利条約について今日もお話をいただきました。その中で、医学モデルから社会モデル、人権モデルへ、その機能障害の程度によって支援の量を決定するという在り方から、本人の希望に応じてその支援が保障される、そういう仕組みにという考え方だと思うんですが、日本で今そうなっていない、あるいはそれが、その転換が遅れている理由として参考人が今お考えのことをお聞かせいただきたいと思います。

藤井克徳特定非営利活動法人日本障害者協議会代表

○参考人(藤井克徳君) おっしゃるとおり、日本ではなかなかいわゆる医学モデルから脱却できないと。例えば、その典型が障害者手帳ですね。その御本人がどんな家庭環境、どんな地域環境に関係なく、歩けなかったらもう何種何級とか、目が見えなくなったら何級とか、実はその人は、経験値やら、あるいは住んでいる地域やら、あるいは家庭条件、みんな違うわけです。そういう点でいうと、この環境要因が含まれていないというのは長年日本がずっと積み上げてきた方法で、恐らくその原因は、私も十分に分かりませんけれども、そういったもののバランスが崩れることが、例えば手帳制度だけ見てもこれ大ごとになってしまうわけですよね。そういうことのバランスの、このアンバランス化をむしろ懸念しているということが一つはあるんじゃないか。  それから同時に、やはり障害分野というのは長年医療からのアプローチが多かったわけで、そういうことが暗黙のうちに医者あるいは医療ということの圏域ということなんかも守ることも含めて、こんなことが陰に陽に影響しているのかな。  是非、これは国会でも、また政府においても、今のようなこの環境モデルとも言われている社会モデルです、こういう点からもっと総合的に障害を見ていくような視点があってもいいんで、そういうことのやはり研究等も深めていかなくちゃいけない。お答えできるのはその程度です。

山添拓日本共産党

○山添拓君 ありがとうございます。  もう一点、藤井参考人に伺います。  今日、最初に、優生保護法の問題で言及がありました。最高裁の判決を受けて、昨年、補償法は成立しましたが、調査や検証、また優生思想の根絶、障害のある人への差別と偏見の根絶という解決に向けた施策というのはいまだ必要だと思います。  今後国会でどのような議論を期待されるか、御意見を伺いたいと思います。

藤井克徳特定非営利活動法人日本障害者協議会代表

○参考人(藤井克徳君) この優生思想というのは、これもなかなか容易じゃないテーマで、よく言われているように、私たち個人個人の中にも内なる差別とか、内なる優生思想というのはよく言われることでもあって、非常にこれは深い深い問題であると。  ただ、私は一つ言いたいことは、例えばあの高い精神科病院を見て、あるいは、今少し減りましたけれども、鉄格子を見て、誰がまともな障害者観を抱くでしょう。あるいは、学校教育でずっと分離されたままということで、誰がまともな障害児観を抱くのか。  先ほども言いましたけれども、やはり、人間の意識というのは、目に見える部分から始まってきているものは少なくないと思います。そうすると、優生思想という問題は、それだけをいじるんじゃなくて、置かれている環境を変えていこうと、そこにどれくらい知恵とお金を使えるかということ。このことは、いずれ誰もが住みやすい社会だという国民的な合意や共感。  ですから、私は、単純にこの法律を作って、そしてどうこうというのはいかぬだろうと。ただ、それにしてもですね、それにしてもやはり法の規範というのは威力が大きいです。そうすると、今の障害者差別法だけではカバーできません。もう少し全省庁にまたがるような、あるいは社会全体にまたがるような、そういう、優生思想や、あるいは優生思想までいかないけれども、優生思考だとか差別、偏見ということを払拭するような、そういう基本法、理念法というのは是非国会でも検討に入っていただきたい。と同時に、補償法を作っていただきました。私たちは、補償につながって何ぼというものだと思うんです。作ったことをもってゴールにしちゃいけない。是非、この点も一緒に考えてもらえればというふうに思います。  以上です。

山添拓日本共産党

○山添拓君 ありがとうございます。肝に銘じたいと思います。  奥田参考人と谷口参考人にそれぞれ伺いたいと思います。それは、支援の担い手の問題です。  伴走型支援と、これは課題解決型ではないというお話を今日も伺ってなるほどと思ったのですが、とはいえ、その目的意識を持ってつながり続けようというその一定の集団をつくっていくことが必要になると思います。  そうした支援に当たる人をどう広げて、どう育てていくといいますか、高めていくのかと。これは、アウトリーチの場合にはより専門性の問題もあるかと思います。また、そのモチベーションやスキルの問題もあろうかと思いますので、その主体を広げる上での現実に直面しておられる苦労やあるいは課題や、あるいはその必要な行政上の支援などについて御意見を伺いたいと思います。

奥田知志認定NPO法人抱樸理事長

○参考人(奥田知志君) ありがとうございます。  本当に大切な観点の御質問だと思います。  一つは、伴走型支援においては、私は実は、二十年ぐらい前ですかね、勝手に伴走型支援士養成講座というのをつくっていまして、これは別に社会福祉士さんみたいな高度な資格ではなくて、誰でも受講できる。まあ、それをやっているうちに日本福祉大学の授業になったということなんですが。今全国で二千人ぐらいの伴走型支援士という、それ取ってどうなるんですかと言われても、なんちゃって資格なんでどうにもならないんですけれども、ちょっと考え方を変えていくことですね。気付きを与えるような資格をつくるという、何というんですかね、プロフェッショナルを生み出していくというよりかは、目線を変えるとか気付きにつながるような人材育成が一つ大事だと。  もう一つ、とはいえ専門職の養成は大事です。そこにおいて私は特に言いたいのは、生活困窮者自立支援制度の全国ネットワークの代表なんですが、とかく、やはり現場の人材の待遇の問題が一番大きいと思います。今、公務員の方々、まあ直営でされている行政の枠で動いている方でも会計年度任用職員です。そういうスタッフ、あるいはうちの職員さん、うちはフルタイムのスタッフは全員正規雇用なんですが、それにしても行政からの委託契約は一年ごとです。来年仕事があるかないか分からない人に伴走型の長い目で支援をするということを求めても、それはとかくおかしい。  さらに、会計年度任用職員さんも含めて、地域づくりだとか例えば防災とか、そういう観点も今生活困窮者の人材育成に入ってきているんですね、災害時の対応もやりましょうと。でも、来年自分が雇われるかどうかも分からない人たちにいつ来るか分からない災害対応を想定して動きなさいと言ってもですね。  ですから、私は、やっぱり専門職の育成に関しても、まずは育成段階だけじゃなくて、待遇のところをやはり大きく見直さないと私はいい人材はもう残らないというふうに思っております。よろしくお願いします。

谷口仁史認定特定非営利活動法人スチューデント・サポート・フェイス代表理事

○参考人(谷口仁史君) 重要な御指摘ありがとうございます。  後ほどで結構ですので、百十三ページに、資料の方にも載せておりますが、我々、戦略的人材育成というのを実施をしています。  やはり、新しい制度をつくるんだったら新しい人材育成の仕組みはセットであるという考え方から、実は、大学生から実はボランティア、有償ボランティア、非常勤、常勤と、こういう形で、だんだんスキルアップしていける制度というのをつくっています。  というのも、やはり縦割りというのは非常に弊害が大きくて、実はいろんな専門職採ってしまうと、もうその世界だけに特化した視点になってしまって、実は多角的に物事を見れなくなる場合があるということであります。その縦割りの世界に入る前に、実は、教育、医療、福祉、労働を学ぶ学生たちが、実は不登校であるとか引きこもり、そういった社会的孤立の問題に触れてもらうということによって実は変わるものがあるんじゃないかと思っています。  というのも、教員、僕、実は教員免許持っているんですが、実は、教員になったら実は見えなくなる世界というのは出てくるんですね。やはり学校の先生、先ほど先生からも御指摘ありましたけれども、やっぱり先生は評価者でありますので、先生が家庭訪問するとなると片付けなきゃとかいう形で非日常になってしまって、結果、家庭訪問しても実は効果が少ないということがあります。  実は、日常的に家庭教師のようにしてお兄さん、お姉さん的アプローチで入って、家庭の中に入っていくと実は関係性もできて、ハードルも下がって、抵抗感も下がって、実は家庭のそのものの姿って見えるようになるんですね。そうすると、自分が掛けた言葉が本人に、さらに御家族にどんな影響を与えるんだというところを実は伴走型支援を展開していく中で見えてくれば、実はその様々な縦割りの制度の中に入っていったとしても、しっかりとそういったしんしゃくしながら関わっていける、そういった有能な人材が輩出できるということを思っています。  それが、実は県のこども未来課さんが次の時代を担う指導者養成講座として実はその人材育成を取り入れていただいて、あとは大学も授業の出席扱いにしていただいて、さらに教育委員会もその採用試験のときの加点にしてくださると、そういった取組が佐賀では生まれてきているということであります。  最後、もう一点、実は内閣府さんもアウトリーチ研修という、実は実地研修というのがないと机上の空論になっちゃうんですね。特にアウトリーチの世界、見たことない世界は想像付かないわけでありますので、実はその実地訓練を伴う体系的な研修を、三週間程度のものを国に実施していただいていました。しかしながら、こども家庭庁に移ってアウトリーチ研修どうなったか、実は実地研修も含めてなんですが、自腹になったんですね。先ほど申し上げたように、最前線は非正規であるとか嘱託職員、そういったNPOの人間がやっている、その人たちに実は金払わせて、こういった研修を受けろというのは実際無理があるということだと思います。  そういった形で、いい制度はしっかりと残していく、継承していくということも大事なんではないかというふうに思っています。  以上です。

山添拓日本共産党

○山添拓君 いずれも、その処遇といいますか、どう支えるかということ、経済的な問題も含めて大事だと思いました。  ありがとうございます。終わります。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 木村英子君。

木村英子れいわ新選組

○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。  参考人の先生方、今日はありがとうございます。  初めに、藤井参考人に二つ質問いたします。  先ほどの資料の中で、二〇二三年障害のある人の地域生活実態調査では、半数以上の障害者の人が親や兄弟と同居しており、家族に依存しているという実態が示されています。  私自身も幼い頃から、家族だけでは育てられずに、施設へ預けられてきました。親亡き後は施設、それは今も変わらない重度障害者の現実です。地域移行がうたわれている現在においてもなお、障害者が社会で生活するための保障は進んでいませんし、家族に依存せざるを得ない状況は変わらず、むしろ施設の待機待ちは増えています。  そうした現状において、二〇二二年、国連は、障害のある児童を含む障害者の施設入所を終わらせるために迅速な措置をとることと日本に勧告しています。そして、二〇一六年には障害者差別解消法が施行され、昨年四月には行政と民間事業者の合理的配慮の提供が義務化されましたが、罰則規定もなく、障害者の差別解消が進まない現状にあります。  差別解消が進まない原因の中に、やっぱり福祉施策を決める場に障害当事者の参画が極めて少ないという現状があります。例えば、制度が障害者の現状に合っていない、あるいは使い勝手が悪いという制度が多々あります。そうした中で、私は質疑などで、やはり協議会や検討会の場に当事者の参画をするようにということを提起させていただいています。そういった中で、今後、障害者の人権が守られ、安心して生きられる社会にしていくためには、国に対してどのような福祉施策を求めていけばいいのかということをお聞きしたいということ。  そしてもう一つは、こうした障害者を取り巻く差別が解消されない大きな原因の一つはやはり優生思想にあると、私は自分の状況を踏まえ、実感しています。昨年七月三日に旧優生保護法は最高裁で違憲と判決が下されて、藤井参考人は優生保護法問題の全面解決をめざす全国連絡会のメンバーとして、障害者のための新たな補償法の作成にも関わっておられました。この補償法の作成にも私も参加させていただきましたが、いまだになくならない優生思想の根絶に向けて、今後どのような取組が国は果たしたらいいのか、七十五年にもわたる当事者の苦しみ、それを国が誤った制度で続けてしまった責任を今後どう取ったらいいのかというこの二点について、藤井参考人のお考えをお聞かせください。

藤井克徳特定非営利活動法人日本障害者協議会代表

○参考人(藤井克徳君) かなり根本的な問題で、十分にはお答えできないかも分かりませんが、私は、ちょっと今の質問から外れますけれども、自分が全盲になった頃からですかね、自分の心、心というか気持ちの中に、障害分野を見る物差しができ上がってきたんですね。もう権利条約ができるはるか前です。  一つ、一般市民の暮らしとの比べっこ。二つ、日本と同じような経済力を持った国の障害者政策との比べっこ。三つ、過去との比べっこ、一体変わったのか変わっていないのか、変わったとしたらその速度は妥当なのか。四つ、障害を持った人のニーズに照らしてどうなのか。この最後の四つ目が一番私は大事なような気がしています。  そうすると、幾つかいろんなものが見えてきます。一つは、やはり今は、前段おっしゃったこの家族依存という問題ですね。私自身は、これからどこまで生きられるか分かりませんけれども、やっぱり民法に着手していきたいという思いでいるわけなんです。  オランダ、調べてきました。二十一歳になると家族扶養から社会扶養、もちろん同居は自由、血縁はちゃんと保たれている、これは当たり前ですよね。その上で、何かあったら社会が。正確に言うと、大学院生は二十七歳までは家族扶養だけれども、そこからは社会扶養に切り替わっていくという。そういうことを、北欧もそういう国が多いですよね、やっぱりこの国会としても是非調査をするということなんかもあってもいいんじゃないかな。  それから、全体にこの国の制度というのはやはり、本当は障害者のために、高齢者のためにつくったはずなんだけれども、だんだん制度に人を合わせていくとなってしまって、私は、その結果、非常に複雑化している。制度はシンプルに、政策はシンプルですね、運用は柔軟に。これがなければ、本当の人権の政策というのは私はうまくいかないと思うんです。余りにも個別化、細目化しちゃって、非常にそれが、そういう中で、その結果としていろんな問題が起こってきている。  優生思想のこともお尋ねがありました。  これ、先ほどの繰り返しになりますけれども、私は、やはり障害者が置かれている環境、これによって社会は目覚めたり気持ちを変えたりということ。そうすると、この優生保護法の問題の関係でいうならば、その検証主体は国会に置かれました。この検証ですね、これが非常に、今を生きる、国会議員を含めて、我々の民間も含めて、政府も含めてです、この検証がとっても大事になるということで、私はこの検証に非常に力を入れるべきだし、期待もするし、この参議院の本調査会もそこはしっかりと見てほしいなと、こんなことを思っております。  全部の回答できませんでしたけれども、時間もありますので、以上です。

木村英子れいわ新選組

○木村英子君 ありがとうございます。  次に、奥田参考人に質問いたします。  先ほどのお話の中で、単身で暮らす方は別居する家族に頼ることが多く、近所の人に頼ることは少ないとおっしゃっていました。  奥田参考人のインタビュー記事を読ませていただいたんですが、自立とは一人で何でもできるようになることではない、相互性のある依存、つまりお互いさまの関係をたくさん結んでいくこと、それが自立につながっていくとおっしゃっていました。  障害者の生活は、親や家族だけに責任が負わされる中で、家族以外の人との相互性のある依存に結び付けることが困難な社会状況にあります。私が親から離れて地域での自立を果たせたのも、ボランティアやヘルパーさんなどの他者への依存先を移すことができたからだと実感しています。  これまで奥田参考人が取り組んでこられたお互いさまのコミュニティーの支援を実践していく中で、難しいところとかあるいは改善策などありましたらお聞かせください。

奥田知志認定NPO法人抱樸理事長

○参考人(奥田知志君) 私も、実は学生時代から、九州に行ってからも、当時、自立障害者というような言い方で、地域で施設から出てきて独り暮らしされている方の寝かせの介護とかをしばらく何年か、十年ぐらいですかね、やっていた時期がありまして、本当にそのときまだ制度が整っていなかったので、もう自力で皆さんボランティアを募るという、それももう介護に行く方も自費で通うというところで、本当に大変なときをずっと横で見ていました。やっぱり自分らしく生きるということは、自分で決めて自分でやるということでは済まない、まさにいろんな人がそこに関わらないと成立しないということが本当身をもって、一緒にさせていただきました。  そんな中で、この相互性のある、依存先を増やすという言い方もよくされるんですけれども、私は当然、依存先を増やすんだけど、それは相互的に増やさないといけないというふうに思っております。その中でやっぱり大事だったポイントは、私たちどうしてもその等価価値交換の中で暮らしをしているんですね。例えば、コーヒー一杯三百円ですと言われたら三百円出さないとコーヒーもらえないという、同じ価値で交換するという。ただ、この助けての相互作用というのは、依存の相互性というのは必ずしもそういう数量的等価価値では成り立たないわけですよね。例えば、単純に言ったら、五つ助けたから今度は五つ助けてもらうみたいな単純な構造では測れないというところですね。  だから、その辺りを本当に柔軟に参加していけるような、やっぱりそこをコーディネートしていくような、すぐにあの人助けてもらってばっかりみたいな意識が社会の中には非常に先行していまして、ずるいという言い方です。これは社会保障全般にもそういう目線が投げかけられているので、結局、社会保障の枠にいる人たちと納税している人たちが対立構造になって、あいつらずるいと、もらってばっかりだみたいな話になるんですが、この辺りのやはり意識とか社会の全体の、何ですかね、モラルも含めた意識。特に私がやっぱり注意せないかぬなと思ったのは、そういう非常に等価価値交換の数量化されたような相互依存性みたいな話でいうと、権利みたいになっちゃうんですね。いい意味での権利は別ですよ。権利というか、何か取引ですね、ごめんなさい、権利というか取引になっちゃう。最近ディールという言葉が世界中ではやっていますけれども、このディールじゃないんだ、共に生きるというのはまさに権利の問題だし、生存そのものの問題なんだというところで、その相互的な依存を数量的に余り考えないという、そこのところはやっぱり相当大事な観点だというふうに考えてきました。  以上です。

木村英子れいわ新選組

○木村英子君 ありがとうございます。  それでは、谷口参考人にお聞きします。  谷口参考人の資料によりますと、不登校や引きこもりなど学校復帰が困難な子供たちの支援のために佐賀県全ての公立学校の学校訪問を行って、子供たちの学校復帰の支援を学校や教育委員会と連携して取り組んでいると書かれていました。学校は子供たちにとって社会へ出るための大切な準備期間ですから、他者とのコミュニケーションや社会性を身に付けるためにも欠かすことのできない学びの場だと思います。  しかし、障害者は分離教育を余儀なくされている子供たちが多くて、健常児や他者とのコミュニケーションのつくり方、また社会性を身に付ける機会が少なくなります。障害の有無にかかわらず、子供たちが安心して学校に通えるにはどのような取組が学校や教員に必要なのか、また、子供たちの学校復帰を進めていく中で難しい点や改善策がありましたら、谷口参考人のお考えをお聞かせください。

谷口仁史認定特定非営利活動法人スチューデント・サポート・フェイス代表理事

○参考人(谷口仁史君) 重要な御指摘、ありがとうございます。  我々、実は、価値観のチャンネル合わせというところは、先ほど御指摘いただいたような外国人の子供たちもそうですが、実は、様々な多様な、多文化共生の考え方なんですね。やはり、今、時代的にはいい時代が来たのかもしれないというのが、ピンチはチャンスだという意味でいくと、これだけ不登校の子供たちが来て、学校も変わらざるを得なくなってきた、この状況にあるというふうに思います。  そういう意味でいくと、一人の孤立する子供たちが自立するまでのプロセスを再度見直していく、制度として学校教育の在り方というところを見直していくことによって、みんなが暮らしやすい、参加しやすい、そういった場ができるんではないか。フリースクールも始め、様々な民間の取組も始まっておりますし、それと学校が融合していくような、そういったフェーズに移っていくんではないかというふうに思っています。  以上です。

木村英子れいわ新選組

○木村英子君 ありがとうございました。  以上で終わります。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 以上で各会派の一巡目の質疑は終了いたしました。  二巡目は、答弁を含めた時間がお一人六分以内となるように御協力をお願いいたします。  これより二巡目の質疑を行います。  質疑のある方は挙手を願います。  星北斗君。

星北斗自由民主党

○星北斗君 自由民主党の星でございます。お時間ありがとうございます。  時間六分ということですので短めにさせていただきますが、まず、私、医療従事者でありまして、先ほどから医療モデルの、悪口とは申し上げませんが、問題点を繰り返し聞かされて、我々も精いっぱいやっているという思いを持ちつつも、やっぱりこれから新たな問題、もう既に取り組んでいる問題も非常に多うございますけれども、まだまだ理解進んでいないなというのは実感として感じました。  その上で、ちょっと教えていただきたいんです。  まず、奥田参考人にですけれども、持家を持つという努力をして持家を持った、そこから離れられないという人がいる。これから持てないという人の話は置いておくとして、この持家を例えば売るとか住み替えるとかということに非常に抵抗を持つ我が国の国民の特性というのがあるんだと思いますが、これをやっぱり変えていかない限り、あるいはこれを子供に残したいとかいろんなことを考えると思うんですが、これ変えていくために何かヒントになることがもし頭の中にあれば教えてください。

奥田知志認定NPO法人抱樸理事長

○参考人(奥田知志君) そうですね、やっぱり思い入れがありますからね。三十年掛けてローンを払ってやっと自分のものになった。とはいえ、今、じゃ、次の世代がそこに帰ってくるかというと、それはもうやっぱり難しくなっているので、売るという手段は当然ありますけど、最近の傾向でいうと、そういうリバースモーゲージみたいなもので、住み続けながらそれを資産として次の段階に持っていくというのは比較的私はあり得る話だというふうには思っております。  ですから、もう少し、住み続ける中で、しかし、もう次の段階に一歩踏み出すという、ちょっと股裂き状態とは言いませんけれども、所有なのか売却なのかというその二者択一だけではやっぱり難しいんじゃないかと。住み続けながらも次の段階に既に移行していけるという、例えば、権利擁護の段階でいうなら任意後見みたいな段階ですね。法定後見が始まる手前でちゃんと自分で判断して次の段階へと任意後見していくみたいな、そういうちょっと間の時間帯みたいな、空間みたいなものがこれからもっともっと必要になるというふうに思っています。(発言する者あり)

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 星君、挙手を願います。

星北斗自由民主党

○星北斗君 申し訳ありません。  郊外に家を建てて同世代の人が団地に住んでというモデルが非常に多くて、これ自体が社会的な課題となっているということも併せて考えなければいけないと思います。  続きまして、谷口参考人にお伺いしたいんですが、かなりヘビーな介入をというか、すると、そうすると、そのボランティアなり専門職なりも、我々もよく体験しますけれども、ある種の燃え尽きを起こしてしまってなかなか前に進めないという状況をつくることがしばしばありますが、谷口さんのところではどんなふうにそういうものをカバーされているのか、教えていただければと思います。

谷口仁史認定特定非営利活動法人スチューデント・サポート・フェイス代表理事

○参考人(谷口仁史君) ありがとうございます。  まさにバーンアウト、この分野ではよく起こる話でありまして、そこを起こさない制度をつくる、体制をつくるということがやはり今後求められてくるんだろうと思います。  我々はそこも最初の設立の段階から想定をしていまして、先ほど申し上げた人材育成の仕組み、百十五ページに、私の資料にも書いておりますが、実は支援介入困難度といいまして、本人の状態だけじゃなく家庭の環境の状況、これを含めて導入レベルから熟練レベルに至るまで段階を分けて、実は最初の段階、大学生たちは、ちょっとした不安、混乱で不登校に陥っている、そういった子供たちからスタートをして、そこで経験を積んだ後に段階的に熟練レベルまで上がっていく、プロとしてアウトリーチができるようにする。実はそういった段階をしっかりと分けているというところで、あとはチーム対応がまたこれ重要でして、多職種のチームが実は同じフォーマットに記録を書いていく。そうすることによって、実は気付きが、周りが気付ける状態、要は一人で抱え込ませない、こういったところも大事なんですね。  やはり、みんな使命感持っていますし、何とかしなきゃという思いで走っていきますので、そういった周りでしっかりと支え合うことによってバーンアウトを防ぐ、そういった様々な手だてが必要だというふうに思いますし、最後、もう一つはやっぱりDXだと思うんですね。やはり、どう考えても、我々も八万七千件の相談を受けているとなったときに、全てのケースに対してしっかりきめ細かく目を配るというところでいくと、やはりITの力というのも借りないと限界が来るんだろうというふうに考えています。  以上です。(発言する者あり)

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 星君、挙手をお願いします。

星北斗自由民主党

○星北斗君 申し訳ありません。  時間がなくなりつつありますが、藤井参考人に一言お願いをしたいと思います。  我々の周辺にはやっぱり様々な障害を持った方がたくさんいらっしゃって、その障害の特性を理解することで手が出せる、まあ怖くて手が出せないという場合ももちろんあるわけでありまして、そういう基本的な教育というんですかね、皆さんの共通理解を深めていくための身近な教育方法、あるいは我々が身近にできることで何か御示唆があれば教えていただきたいと思いますが。

藤井克徳特定非営利活動法人日本障害者協議会代表

○参考人(藤井克徳君) 学びという行為は、もう釈迦に説法かもしれませんが、知るということと分かるということの組合せ、知ることをもって分かったと思ったら大違いで、しかし、この知るということ、これは一番いいのはやはり出会うことです。私は、やっぱり障害を持った人に接することの機会を多く持つことが最高の学びであり、教育だと思っています。  以上です。

星北斗自由民主党

○星北斗君 終わります。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 古賀千景君。

古賀千景立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 今日はありがとうございました。  まず初めに、教員、私は教員出身ですので、教員は評価をするから何か子供が心を開かないみたいに言われるのは、私は長年やってきてとても傷つき、傷つくというか、とても悲しく思いました。そうではありません。教員、一生懸命子供が心を開いてくれるように精いっぱい接しているんです。そして、少しでも子供のことを分かっていきたいと、そのように思って日々尽力していることは是非御理解いただきたいなと思っております。  藤井参考人にお願いをします。  私は教員でして、四年生の頃に国語の教材で、ルイ・ブライユ、点字を作られた方ですね、の話があったときに、子供たちと一緒に点字でお手紙を書いてみたりとか、白杖の体験をしてみたりとか、あと、本当にもう目が見えられない方に来ていただいて子供たちに話をしてもらったり、そのときに、やっぱりポットにお水を入れるだけでも音で分かるんだよ、満杯になったときにね、ああ、そうかと。そうやって実際に生活をされている方とかの話も子供たちと触れてきました。  しかし、それだけではいけないと私は思っています。それで、名前が福祉教育というのも嫌いです。何かどこから目線という感じがするので、そうではないよというところなんかもやっていかなければいけないと思います。  今日、先生が話された二ページ目のところの障害者、勧告のところです。勧告のところに、障害に関する国内法制及び政策と本条約に含まれる障害の人権モデルとの調和の欠如ということが勧告されている。これは、私たち議員がきちんと知らなくちゃいけないことだと思っています。例えば、いろいろ法令の中にも障害を乗り越えると、克服とか、それがおかしい言葉だよと、それは医学モデルの目線で、医療が悪いんじゃないんです、医学モデルの目線であって、周りが変わらなくちゃいけないんだよということを明らかに方策の中に入れている。  今回の令和七年度の予算概算要求のこども家庭庁の中にも、五歳児健診のところに、発達障害など心身の異常の早期発見という言葉があります。異常の早期発見ってこれは何って。そういうのを、これは異常なんだという線を引いている私たちというところを、議員としてその言葉に敏感にならなくてはいけないなということを私はお話を聞いて思いました。  今日質問したいのは、インクルーシブ教育のところです。  先生が出していただいている資料の三十二ページ。日本はインクルーシブ教育がとても遅れています。今でも特別支援学級にどんどんどんどん子供が行っている、そのような状況になっていますが、是非見てほしい。三十二ページの五十一の(a)、日本では障害のある児童への分離された特別教育が永続しているという勧告、そして最後には通常の学校に特別支援学級があること自体がおかしいんだよという勧告が出ていること、そして障害のある児童が通常学校への入学を拒否されていること、このようなことが日本の中で行われているという、これが学校教育の課題だと思っています。  保護者の中には、普通学級に、普通学級という言葉も嫌いですけど、行ってよかったんだって、そんなこと誰も教えてくれなかった、私は障害があるから特別支援学校しか駄目なんだ、特別支援学級しか駄目なんだというところを言われている方もたくさんいて、私は、これから社会をつくっている子供たちがそのように特別支援学級の子、特別支援学校の子と分離していったときに、きっとこれから後、この社会の中では、ああ、障害があったら施設に行きなさい、高齢者は老人ホームに行きなさい、何かそうやって生きていく社会になってしまうのではないかということをとても危惧しています。  是非、先生の中で、今、日本で行われているインクルーシブ教育という点についてのお話をいただけたらと思います。お願いします。

藤井克徳特定非営利活動法人日本障害者協議会代表

○参考人(藤井克徳君) 大事な指摘です。  私は、私も実は教員やっていたんです、障害児学校でね。やっぱりずっと思っていたことは二つあって、一つは、インクルーシブ教育のその本当の本質は、障害児が普通学校に入っていくということは外形的なことなんだけれども、今の普通学校のこの競争原理、受験競争等があってですね、この中に障害児が入っていくということはとってもこれ至難なこと、難しいことではないか。  しかし、それは物事の初めとはどこかから始めるわけなんで、例えば一つのアイデアとして、どの子も基本的には学籍の基本は地域の学校に置くと、本籍は共通。その上で、自分の選択として、あるいは一定期間だとかやりながら自分のこの選択として、普通学校か障害児学級か障害児学校、特別支援学校と、これはあると思うんですが、つまり、在籍としては本籍は地域にということから始めてはどうか。それから、普通教育の在り方が問われているのがインクルーシブ教育の一つの本質ではないか。こんなことが今日の段階では言えることです。  以上ですけれども。

古賀千景立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 共に生きる、共に学ぶということでしっかりやっていきたいと思うし、私は当事者の方から言われた言葉でとてもそうだなと思ったのは、自立は、自分で生活ができることではなくて、助けてと言えることが自立なんだということをとても心に響いています。私も頑張ります。  ありがとうございました。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 山口和之君。

山口和之日本維新の会

○山口和之君 日本維新の会の山口和之です。よろしくお願いします。  今日は自分は差し替えでここに来ておりまして、もし誰もいなかったら、もう予定があったんですけれども、誰もいなかったら出ますと言ったら、誰も手挙げなくて自分が回ってきたんですけれども、いや、今日は来てめちゃくちゃ良かったです。もうありがとうございます、すばらしい話を聞かせていただいて。まあ運がいいんでしょうかね。  先ほどから皆さんのお話と参考人の皆さんのお話を聞くと、みんなつながっているような話に聞こえて、自分としてはすごくいい話を今日聞けたなと思っています。  その中で、昨日とおとといですね、復興特別委員会で、自分、岩手県と福島県、ぐるっと回ってきたんですね。そのときに、岩手県の中で、谷口参考人にお伺いしたいんですけれども、岩手県の中で、やっぱり被災地で仮設住宅やらあるいは公営住宅の方に移ってコミュニティーがだんだんなくなってきて、子供たちが居場所がなくなってきて、家族だけしかいない、あるいは居場所がないと。その子供たちの発表があったんですけれども、自分はすごく荒れたと、その間、何か荒れて、もうどうしようもなくなった。でも、その居場所を地域でつくってくれて、その居場所にいることによって自分は大きく変わって、地域社会で、地域の中で皆さんから見守られて、その地域にいるということだけでも何かすごく安心して、いずれはその地域に戻ってきて貢献できたらというふうな思いになりましたという話なんですね。これ多分、日本全体の縮図の何かモデルになれるような気がしました。  その中で、先生の資料の三ページと四ページ見ると、これ極端に海外と比べ、オランダと比べると物すごい差がありますよね。これ何でこんなことが起きたのかということと、そもそもこの先はどうなりますかという話をちょっとお伺いしたいなと。

谷口仁史認定特定非営利活動法人スチューデント・サポート・フェイス代表理事

○参考人(谷口仁史君) 御指摘ありがとうございます。  まず、やはりこの海外との比較でいくと単純には言えない部分がありまして、というのは、やはり宗教であるとか文化の違いというところも大きく影響しているんだろうといったところ、先ほどの孤独、社会的孤立のデータについてはそういったところも加味しなきゃいけないんだろうというふうに思います。  あとは、もう一つは、やっぱり制度的な問題というところもやはりあって、学校教育の問題、補足させていただきますが、僕は先生のこと憧れて教員免許を取りましたし、実は生徒がやはりこの時代の価値観の多様化であるとか変化に付いていけていない、そこで実は先生たちが大きな苦しみを抱えていらっしゃる。  やはり、もう本当に先生になろうとしている人ってやっぱり使命感を持った人たちが多数ですから、そういう意味でいくと、そういう、学校を外から、家庭から支える仕組みをつくらないと駄目だ。それが実は先ほどの地域にも言えることで、実は、アウトリーチから個別、小集団に移行するプロセスでは、様々な地域の支援者の方々との関係修復をやっていくであるとか、その参加の機会をつくることによって実はいろんな人たちが子供たちに関わる状況をつくっていくということでもあるという意味であります。  以上です。

山口和之日本維新の会

○山口和之君 オランダは、そういった意味でそういう地域ができ上がっているというふうに思ってよろしいんでしょうか。

谷口仁史認定特定非営利活動法人スチューデント・サポート・フェイス代表理事

○参考人(谷口仁史君) そのデータについては、NHKから提供いただいた、「プロフェッショナル」という番組に出たときに提供いただいた資料ですので詳細は存じ上げませんが、いずれにしろ、やはりその議論の中でも出てきたところでいくと、文化の違いというところは大きい。さらに、それが全部あちらが整っているかというと、そうではなかったりします。  引きこもりに関しては、実はアウトリーチという点では、実は諸外国よりも引きこもりのアウトリーチは先進国だと言われているんですね。実は、海外から実は研修の依頼であるとか来るような状況になっていますので、日本特有の文化でもあり得るということだと思います。  以上です。

山口和之日本維新の会

○山口和之君 ありがとうございます。  次に、奥田参考人にお伺いしたいんですけれども、この家族の機能を社会化させる、めちゃくちゃ理解しやすくて分かりやすくて、目指す方向かなというふうに思います。  そういったときに、家族はやっぱり等価交換しませんよね。子供に対してもそうですし、家族に対してもそうなんです。そういう感覚をつくるためには、地域社会がその家族の感覚を得るためには何が必要でしょうか。

奥田知志認定NPO法人抱樸理事長

○参考人(奥田知志君) ちょっと逆説的な言い方で申し訳ないんですが、私はやっぱり、谷口さんもそうですけれども、割と厳しい現場でずっとやってきました。もう、私の場合はホームレスから始まったんで、もう本当に家もない、食べ物もない状態ですね。もう人間としての最低限の尊厳が守られていない。  しかし一方で、非常に逆説的な言い方ですけれども、私は今、谷口さんがおっしゃったピンチはチャンスだという、正直、社会が変わる瞬間というのはある意味悲劇的な場面です。そこをうまくプラスに変えていけるかという。  実は相当、この国というか、この社会は、このOECDのデータもそうですけれども、文化の違いはあれども、やはりこれだけ、例えばアメリカに比べても孤立率は五倍ですから、アメリカ三%しかありません、五倍なんで、非常に極まった状態に来ていると。だからこそ、気付きができると私は思うんですね。  ですから、私は、時々ちょっと極端な言い方で、悲惨が新たな社会をつくっていくという、これは悲惨なことを求めているわけではありません。でも、悲惨なことが、悲惨な状況があったら、これでもうデッドエンドだと、終わってしまうと思うよりかは、そこで人間は、貧すりゃ鈍するんじゃなくって、貧すりゃ考える、貧すりゃ出会う、困ったら誰かに相談できるという、そこから新しい社会の創造というのは始まるだろうと。  満ち足りた状態ではなかなかそれは生まれないかもしれないという、非常に逆説的な言い方ですが、その点では私は、今希望が見えるし、今、希望を語る必然が今社会にあるというふうに確信しています。

山口和之日本維新の会

○山口和之君 藤井参考人に聞けないのがとても残念ですが、時間ですので終わらせていただきます。  ありがとうございました。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 他に御発言もなければ、参考人に対する質疑はこの程度といたします。  参考人の皆様に一言お礼を申し上げます。  皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。今日は立法府に対して幾つかの大切な御示唆をいただいたと考えております。調査会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手)  この際、出席者各位に申し上げますが、谷口参考人の配付資料二点については、一点目が外部提供不可でございます。二点目が要返却となっております。取扱いにはくれぐれも御留意いただくとともに、要返却の資料については、今日はお持ち帰りをせずに、机の上に置いていただくようお願いいたします。御留意ください。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十八分散会

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