P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
217回国会参議院2025/02/05

国民生活・経済及び地方に関する調査会 第1号

発言数
104
登壇者
13
会派数
7
開催日
2025/02/05

会議録

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) ただいまから国民生活・経済及び地方に関する調査会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、三浦信祐君が委員を辞任され、その補欠として伊藤孝江君が選任されました。     ─────────────

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国民生活・経済及び地方に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国民生活・経済及び地方に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 国民生活・経済及び地方に関する調査を議題といたします。  本日は、「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築」のうち、「社会経済、地方及び国民生活における希望の実現」に関し、「希望が持てる雇用・労働環境の整備」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。  御出席をいただいております参考人は、独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員高見具広君、東京大学社会科学研究所教授近藤絢子君及び早稲田大学名誉教授浅倉むつ子君でございます。  この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。  皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。  次に、議事の進め方について申し上げます。  まず、高見参考人、近藤参考人、浅倉参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。  また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず高見参考人からお願いいたします。高見参考人。

高見具広独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員

○参考人(高見具広君) 独立行政法人労働政策研究・研修機構の高見と申します。  本日は、意見陳述の機会をいただき、誠にありがとうございます。  お配りした資料に沿って御説明いたします。  早速二ページ目を御覧ください。  御承知のところと存じますが、働き方改革関連法が二〇一八年に成立し、二〇一九年四月より施行されております。同法によって労働時間関連の法政策は大きく変化しました。  一番のポイントは時間外労働の上限規制です。二〇二四年には、建設事業、自動車運転業務、医師といった適用猶予事業、業務にも上限規制が適用されました。  長時間労働是正などの働き方改革が求められる社会的背景については様々ございます。  まずは、後ほどお示ししますが、過労死等の労災認定事案が今日でも多くを数えております。過重労働の是正が喫緊の課題です。  また、少子高齢化などを背景に生産年齢人口は減少しております。人手不足の中で多様な人材が活躍できるよう、働き方を見直す必要があります。  関連して、この少子化を食い止めるためにも、家庭生活の時間を確保することが重要です。仕事と生活の両立、ワーク・ライフ・バランスのために働き方を見直すことが必要です。  さらには、日本は諸外国に比べてホワイトカラーの生産性が低いと言われてきました。その背景として長時間労働が指摘されてきました。こうしたことも残業削減などの働き方改革が求められるゆえんとなっております。  では、労働時間は近年どのような状況にあるのでしょうか。  三ページ目を御覧ください。  公的統計を基に平均年間労働時間を見ますと、まず、長期的な減少傾向が目に付きます。近年の労働時間についても減少傾向にあることが確認されます。この間、企業において残業削減が進んできたところがあると考えられます。  ただ、急いで付け加えたいことは、平均労働時間の長期的な減少傾向には短時間労働のパートタイムの増加等も関係します。必ずしも正社員の労働時間が減ったことを意味するわけではありません。また、近年の労働時間の減少には、二〇二〇年以降のコロナ禍の影響も排除できません。実際、統計を見ますと、労働時間長い労働者は一定程度残存しております。長時間労働は依然として重大な問題と考えます。  本日の発表の前半では、仕事と生活の両立、特に、生活といっても、命、健康に関わる長時間労働、過重労働の問題にフォーカスを当てます。その上で、本日後半に申し上げたいことは、家庭生活や余暇を含め、仕事と生活の両立を実現するためには労働時間の長さだけに目を奪われては足りないということです。具体的には、就業時間帯や通勤時間など、様々な観点から今日の働き方の課題を洗い出すことが重要と考えます。後ほど改めて御説明いたします。  では、四ページを御覧ください。  まず、前半のテーマとして、過重労働の状況、課題について御説明いたします。  過労死等、脳・心臓疾患、精神障害の労災認定件数は、近年も多くを数えております。特に、精神障害の労災請求、認定件数は増加が著しいことが示されています。  この労災認定基準というのは、近年改正を重ねております。例えば、脳・心臓疾患の労災認定基準においては、時間外労働に加えて、拘束時間や休日のない連続勤務、不規則な勤務、交代制勤務、深夜勤務、勤務間インターバルといった勤務状況など、負荷要因を総合的に評価するということが明確化されました。精神障害の労災認定基準では、パワーハラスメントやカスタマーハラスメントなどが心理的負荷を伴う出来事として負荷評価されるようになりました。  労災認定された事案の状況は様々です。事案の示す過重労働の状況をよく踏まえて過重労働の防止策を考案することが重要と考えます。この点、私が行ってまいりました過労死等の労災認定事案の研究を基に事案状況を少しお示しします。  五ページにお進みください。  長時間労働が関わる過労死等の事案について勤務状況を分析しました。事案では、頻繁な深夜労働、連続勤務、勤務間インターバルが短いといった休憩時間や休息時間や休日が取れない過酷な労働状況が確認されました。  こうした長時間労働の背景は、業務負荷が関係します。例えば、人手不足や繁忙期に伴って膨大な業務量が課されていたケースがありました。そのほか、小売や飲食店といった業態的に長い労働時間や顧客都合によるタイトなスケジュールで休めなかった事案、専門性、個別性の高い業務特性のため一人で抱え込んでしまった事案、あるいは店長といった業務責任者のため休めなかったケースなどが確認されました。  こうした事案では、業務負担の重さに加えて事業場における労働時間管理の問題もありました。例えば、自己申告制といった形を取る中で労働時間の把握が不十分な事案があります。その一形態として、過少申告の慣行があった事案もあります。また、管理職や店長、専門職の、専門性の高い業務において労働実態の把握がおろそかであったというケースもあります。また、出勤簿の押印によって出勤有無の確認しか行われていなかったような事案も労働時間の把握が不十分と言えると思います。さらには、タイムカードなどで客観的に始業・終業時刻の把握がされていた事案も含めて、打刻なしの残業とか申請のない休日出勤、あるいは持ち帰り残業といった形で、事業場が十分把握しない形で過重労働に陥っていたケースもありました。  こうした過重労働をいかになくしていくか、そういう方策が今問われていると考えます。  次、六ページにお進みください。  ここで、過労死等の事案から離れまして、残業削減などを目的として現在企業で行われている働き方改革の状況、課題を見てまいりましょう。  二〇二〇年にフルタイム労働者を対象に行ったアンケート調査を基にすれば、労働時間関連の取組として企業が多く行っているものは、ノー残業デー、あるいは年次有給休暇、年休ですね、の取得促進であります。ほかにも、長時間労働の者に注意を促すですとか、声を掛けて退勤を促すなどの取組も見られました。こうした労働時間管理の取組と並行して、業務遂行の方法の見直しというのも行われております。例えば、ペーパーワークの削減、会議の見直し、テレワーク、業務配分のむらをなくす、進捗管理や情報共有などの取組が行われています。  このように、近年、企業においては労働時間管理や業務遂行方法の見直しが行われています。  反面、残業削減の取組を進める中で、職場管理の課題も見えてきております。  七ページを御覧ください。  企業の部長、課長級の管理職者にヒアリング調査を行いました。その結果から幾つかの事例を御紹介します。  一番のポイントとしまして、管理職の負荷の増大が課題になっております。課長、部長相当の管理職はプレーイングマネジャーである場合が多いのが背景にあります。プレーイングマネジャーとは、部門の業務管理、部下管理といったマネジメント業務をこなしながら、同時に自分も顧客を持っているなどのプレーヤーであるという状態をいいます。  こうしたプレーイングマネジャーである管理職において、残業削減、会社の取組が負荷の増大になっている場合があります。負荷の一つは、時間管理が厳格化することに伴って部下管理の負担が増えるということがあります。もう一つは、部下の一般社員の残業時間に制限が課された中で、その上司である管理職が言わば仕事を肩代わりしているということによって負担が生じているということがあります。そのほか、職場では、人材育成の時間が取れなくなっている例や、持ち帰り残業として残業の実態が見えなくなっているという例などが聞かれます。  ここで申し上げたいのは、働き方改革という政策の方向性に問題があるというものではありません。そうではなくて、こうした事例ではその運用に大きな問題があります。働き方改革の基本は、社員誰もが働きやすい環境をつくって生産性を高めることだったはずです。その原点に立ち返って職場の課題を克服する必要があるというふうに考えます。  次に、八ページを御覧ください。  ここから後半の話題に移ります。少し話題が変わります。本日の後半では、家庭生活や余暇を含めた仕事と生活の両立の実現の観点から、長時間労働に限らず今日の働き方にどのような課題があるのかというのを考えてまいります。  表は、有業者の平日の生活時間配分を男女別に示したものです。日本は、仕事や家事が忙しくて余暇の時間が極めて短いというふうに言われてきました。社会生活基本調査という国の生活時間統計を見ますと、男女差が大きいことが示されています。つまり、男性では仕事、女性では家事や育児といった時間が長いということが分かります。  国際比較に基づいても、日本は、男性では仕事の時間、女性では家事関連の時間が長いということ、またフルタイム雇用者の余暇時間が短いということが指摘されます。生活時間配分から見て、日本は時間的ゆとりが課題があるということが言えると思います。  ここで、仕事と生活の両立というのを阻害するものは長時間労働だけではありません。  次の九ページを御覧ください。  生活時間の阻害を考えるに当たっては、まず、就業時間帯が重要です。例えば、夕方以降まで仕事に時間が掛かりますと、家族と一緒に夕飯を食べれる機会が減ります。また、子育てを考えてみますと、食事、お風呂、寝かし付けといった、それに適した時間があります。帰宅時刻がそれにマッチしなければ、当然のことながら、家事、育児参加が大きく制約されるということになります。  ここで、就業時間帯というのは職業によって異なる部分があります。例えば、二十二時から五時といった深夜勤務ですね、深夜勤務が多いのは、この図の六を見ますと、警備、保安、配送、輸送、機械運転、こういうふうな職業に偏っているというところがあります。  これに対して、十八時から二十二時と、夕方以降の勤務というものを見ますと、もう少し幅広い職業にあるということが分かります。具体的には、管理職ですね、管理的職業ですとか、販売職ですとか専門職などにも頻繁にあるということが示されています。これは、残業が日常的にあるということを考えれば、決して不思議なことではありません。当たり前のように残業があるわけですけれども、このように夕方以降に残業があれば、当然帰宅時刻が遅くなります。  日本の正社員の帰宅時刻を見ますと、男性が十九時台半ば、女性も十九時近くになります。これは、欧米諸国に比べて遅いということが知られています。この仕事と生活の両立と、生活時間の確保に当たって、時間帯はやっぱり無視できないポイントというふうに考えます。  ここで、日本の帰宅時刻の遅さには通勤時間の長さというのも大いに関わります。  十ページを御覧ください。  通勤時間は、言うまでもなく、地域差が大きな現象です。端的に述べるならば、長時間通勤の問題は東京圏などの大都市部の問題と言うことができます。そして、通勤時間が長いと、当然、生活時間、休息時間を制約してきます。  ここでは、ちょっと分かりにくいグラフかもしれませんが、通勤時間と睡眠時間について、都道府県別の平均値を算出して、その二つの関係を図に示しました。御覧いただきますと分かるとおり、右下ですね、神奈川、埼玉、東京、千葉といった東京圏の通勤時間が際立って長くて、近畿圏や中京圏の通勤時間も比較的長いということが分かります。そして、通勤時間が長い県ほど睡眠時間が短いという関係にあるということも明瞭に示されております。  これ、通勤時間どうするかということですが、人々の居住地選択の自由というのがありますので、社会政策や企業の雇用管理でどうにかできるという部分は少ないかもしれません。しかし、現状、労働者にとっては生活時間、休息時間の制約に関わる問題となっているということが分かります。これは認識する必要があるというふうに考えます。  ここで、こうした生活時間、休息時間の確保に当たって、テレワークの活用というのは一つの方策となり得ると思います。  十一ページを御覧ください。  十一ページ、テレワークですが、主に在宅勤務ですが、仕事と生活の両立にプラスとなる働き方として注目されております。  考えてみますと、テレワークは、コロナ禍で非常に拡大したわけですけれども、コロナ禍以前から政策的に推進されてきました。しかし、私どもも調査いたしましたが、余り普及しておりませんでした。それが、二〇二〇年以降のコロナ禍で、感染対策としてテレワークが急拡大しました。現在、ポストコロナという局面においてテレワークがどの程度定着するのかというものが注視されるところと存じます。  当然のことながら、テレワークはどのような仕事でも同じように可能な働き方ではありません。コロナ禍においても、地域や業種、職種によってテレワーク実施率に大きな違いがあるということが様々な調査研究で示されました。  今後、テレワークという働き方を選択肢として定着させていくためには、克服すべき課題が幾つかあると思います。一つは、一番大事なことではあると思いますが、テレワークでいかに生産性を保つかということだと思います。そのためには、テレワークで業務を進める際の課題、いろいろコロナ禍で見えてきたところもありますが、それに一つ一つ対処していく必要があるというふうに考えます。  次に、十二ページを御覧ください。  テレワークを行うことで労働者の生活配分がどう変わるのかを見てみたいと思います。ここでは、テレワーカーと通勤勤務者の生活時間配分について男女別に比較した研究を御紹介します。  これを御覧いただきますと、男女とも、テレワーカーほど家事、育児、あるいは余暇、睡眠時間が長いということが示されております。これは、当然のことながら、テレワークで通勤時間が削減されるということによるものだと考えられますが、このように、テレワークは生活時間配分にゆとりをもたらすプラスの効果があるというふうに示唆されます。  ただし、注意しなきゃいけない点もあります。テレワーク、在宅勤務の場合によく言われることですが、仕事と生活の境界が曖昧になりやすいということが言われます。これは、ともすると、仕事と生活をミックスさせやすいんですが、仕事から心理的に解放されにくい状況になってしまう場合もあります。こうなると、仕事と生活の両立という観点からは全く望ましくない、望ましい状態ではないということが言えると思います。  ここまでの発表をまとめます。十三ページを御覧ください。  本日の前半では、仕事と生活の両立と、特に、働く者の健康に関わる過重労働の現状と企業の残業削減策の状況、課題を見てまいりました。  過重労働はいまだなくなっておりません。長時間労働、過重労働の背景には、業務量やタイトなスケジュールといった業務負荷や事業場の労働時間管理の問題がありました。また、御覧いただきましたように、残業削減策が進んでいる企業でも幾つかの課題が見えてきております。その代表的なものが管理職の負担です。こうした課題にいかに対処していくかということが今求められていると考えます。  本日の後半では、生活時間、健康確保のための働き方の課題として、労働時間の長さ以外にも、就業時間帯や通勤時間の問題があるということをお示ししました。この点、在宅勤務などのテレワークは両立のための有効な手だてです。ただ、先ほど申し上げたとおり、仕事と生活の両立の観点からは注意すべき点もあります。  テレワークに限らず、情報通信技術、ICTの発展の中、働く時間、場所を柔軟に選択できる余地が拡大しております。しかし、曜日や時間を問わず、例えば業務連絡が頻繁にあると、生活や健康というのは容易に阻害されてしまいます。つながらない権利という言葉もありますが、業務時間外の連絡について社内ルールを作るなど、働く者の生活や健康を守る取組が必要と考えるところです。  総じて、日本社会はこれまで長時間労働を評価する、あるいは是認するというところがございました。社会構造や人々の意識が変化する中で、長時間労働を前提としない働き方に向けて社会や企業の意識変革が必要と考えます。  以上で発表を終わります。御清聴、誠にありがとうございました。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) ありがとうございました。  次に、近藤参考人にお願いいたします。近藤参考人。

近藤絢子東京大学社会科学研究所教授

○参考人(近藤絢子君) よろしくお願いいたします。  早速始めたいと思います。(資料映写)  まず最初に、ちょっと私がどういうバックグラウンドの人間かということをお話ししたいんですけれども、私、専門が労働経済学で、特に外的な要因に対して個々の労働者や個人がどう反応したかということを実証するのが主な研究対象になっておりまして、そのため、企業行動の分析というのは余りしておりません。なので、安定した雇用というテーマでお話いただいたんですけれども、安定した雇用を創出するための方法というのはやっぱり企業の方の分析をしている人じゃないとなかなか分かりませんので、ちょっとその提言はできないということを御理解いただければと思います。  今回、これからお話しする話は主に就職氷河期世代の話を中心に、安定した雇用が確保できていない実態とその対策についてのお話をさせていただければと思います。ほかに、年収の壁ですとか女性のキャリアパスみたいな話も研究しておりますので、もし質問のときに必要でしたらばそういった話も対応可能です。  では、早速本題に入らせていただきます。  就職氷河期世代という言葉自体は非常にもう皆さん御存じかと思うんですけれども、これをどのように、ほかの世代と比べるとどうであるかということで、既に知られていることではありますけれども、論点を整理するためにお話しさせていただきます。  私が「就職氷河期世代」という本を書いたんですけれども、その本の中では世代をこのように分けました。  まず、バブル世代というのは氷河期世代のすぐ上の世代なんですけれども、これは八七年から九二年、おおむねバブルの景気が良かったときに就職活動をした世代で、現在の年齢ですと、大卒ですと五十代後半、高卒ですと五十代前半に相当する人たちで、この世代は必ずしもそれより更に上と比べて恵まれているわけじゃないんですけれども、下の世代に比べると年収が高くて大企業の正社員の割合が多いので、あくまで氷河期世代と比べると、この世代まではかなり大企業が多かったり年収が安定したりしていたと。  その下の氷河期前期世代というのが、バブル崩壊してから金融危機が起こる前までの間に就職した世代で、大卒ですと五十歳前後、高卒ですと四十代後半に当たりますけれども、実は彼らは、それより下の世代よりは数値自体は良いということは余り知られていないかもしれないんですが、ただ、すぐ上がバブル世代なので、それとのギャップが大きいので非常に目立つという世代になります。  その後、後期世代というふうに名付けていますけれども、これが二〇〇〇年前後の一番失業率が高かった時期に卒業した世代で、彼らは客観的な数字で見て最も状況の悪い世代になっています。これが今大卒で四十五歳前後、高卒ですと四十代前半の人たちですね。  その次の世代、この世代がすごい非常に誤解されやすい世代なんですけれども、二〇〇五年から二〇〇九年、ちょうど景気が回復し始めたと言われていた時期からリーマン・ショックまでの時期ですね、に卒業した世代というのは、現在、大卒が四十歳前後で高卒が三十代半ばですけれども、大卒の就職は確かにやや回復しているんですけれども、実は大卒以外の人たちというのはそれほど回復していませんで、非正規雇用も全然減っていなくて、その後すぐにリーマン・ショックが来ていますので、実はこの世代は全然状況は良くなっていないと。  さらに、リーマン・ショックから東日本大震災ぐらいの時期に就職活動をした世代というのが、現在の大卒で三十代後半、高卒ですと三十代前半ぐらいの人たちですね。彼らは、もう若年期の状況は氷河期後期と同じぐらい厳しかったんですが、まだ三十代ですのでこれから先どうなるかはまだ分からないというような感じで分けております。  主な主張としては、氷河期と呼ばれているこの氷河期前期、氷河期後期だけの話ではなくて、もうバブル世代と氷河期世代の間に境目があって、そこから先の世代はもうみんな同じぐらい大変な状況になっているということが私のメインの主張であります。  これ、ちょっと図が小さくて見づらいんですけれども、こちらの図見ていただくと、正規雇用の比率と年収をグラフにしたものですけれども、やっぱり、上に何か、どのグラフも上に実線が飛んでいる感じになっているの、これがバブル世代ですね。やっぱり、バブル世代はそれより下の世代に比べると正規雇用比率も高いですし年収も高いと。で、その下にある点線が氷河期前期世代で、それより下の世代、もうぐちゃぐちゃっとなっていて判別不能な感じになっていると思うんですけれども、これは何を意味しているかというと、氷河期前期世代とバブル世代の間にはっきり差があるんですけど、氷河期前期世代とそれより下の世代の間にも結構差があると。  高校卒に関しては正規雇用比率が低いまま年を取っても差が縮まらないんですが、大卒や高専、短大卒の場合は、男性に関しては正規雇用比率自体は十五年ぐらいたつと上の世代に追い付いていると。なので、一応、非正規が多い非正規が多いと言われますけれども、卒業してから十数年たってくると大半の人は一応正規雇用にはなっていると。ただ、正規雇用の中身が何であるかというのはまた別の問題で。  年収を見てみると、年収の格差というのは卒業後十五年たってもまだ全然厳然として残っているので、正規、非正規というそのディメンションだけじゃなくて、平均的な年収というのは正規雇用の中でも年収に差が付いているだろうということが示唆されます。  女性の方は、ちょっとこの世代間の比較をすると別の要因が入ってきます。晩婚化とか出産が遅くなったというタイミング、出産のタイミングが遅くなったということもありますし、それから、結婚して子供を持っている女性の就業率が上がったり、正社員として就業を続ける確率が上がったりといった、そういう時代の変化も入ってきます。なので、男性と違って、そのスタート時点は男性同様バブル世代が一番正規雇用比率も高いし年収も高いんですけれども、その後どんどん逆転していきます。女性の場合は、若い方がより正規雇用を続けやすくなっていますし、年収に関しても、正規雇用を続けている人が多いために若い世代の方が年収が高くなっています。ただ、これ、賃金センサスという別の統計を使ってフルタイム雇用者だけ見ると男性と女性で全然傾向が同じなので、これは平均年収が上がっているというのは、単純に正規雇用で働き続ける人が増えていることが影響しています。  この変化が、特に世代が若くなるほど正規雇用を続けやすくなる、年収が高くなるという変化が大卒の方が顕著ですので、女性の場合は学歴が高い層では若い世代の方が実は現在のパフォーマンスは良くなっているというような感じになっています。なので、男女で結構状況が違っています。  それから、ここから、今まで平均の話をしていたんですけれども、少し、より困難な状況にある人たちの話をさせていただくと、いろんな定義が、話が、言葉があるんですけれども、概念があるんですけれども、取りあえず、有名なものとしてニートとスネップそれぞれについて、ちょっと人口に占める割合というのを計算したのがこちらのグラフになります。  ニートは、労働力調査を使ってニートの数を計算するに当たっては、求職活動をしていない未婚の無業者で、主な活動に学校や家事を挙げていない人という定義で計算してみました。こちら見ていただくと、まず、高校卒と短大、高専卒、大卒で全然レベルが違うんですね。高校卒の方がすごく多くなっています。こちら、グラフは縦軸がもう、縦軸の目盛りがもう全然違う目盛りになっています。  男女で差があるように見えるのは、これ、女性は家事手伝いを自称しやすい問題というのがあって、家事を主な活動に挙げている未婚の人というのをニートに含めると女性の方が多くなりますので、必ずしも男性の方が多いとは一概には言えないところがあります。ただ、高卒と短大卒以上で明らかに差があると。  それから、あとは、こちら、若い世代の方が多いんですけれども、その世代の中では年を取っても余り減っていかない。なので、ニートというと若者の問題というイメージがあるかもしれませんけれども、それはニートという話が出てきた頃、その世代が若者だったせいであって、必ずしも若い人だけではなくて、ずっと続いていると。  同じような傾向が、スネップ、こちらはニートとはちょっと定義が違いまして、無業者のうちふだん家族以外と会わない人という定義になっていまして、こちらはスネップの人数を、玄田有史先生が試算したものを私が人口で割って計算したものですけれども、これもやっぱり同じように若い世代の方が多くなっていると。同じ世代の三十代前半と三十代後半を比べると余り減っていないというような感じになっています。これは無業者ですね。  無業者というのは本当に仕事をしていない人ですので、次のスライドに出てくるのは、無業者ではなくて、仕事をしている人も含むんですけれども、親と同居していて、仕事が非正規雇用であったり、あるいは今失業中であったりする人ですね。なので、これニートとかスネップとは全然違う概念であることは強調しておきたいんですけれども。この人たちの人口に占める割合というのをやっぱり学歴別に見てみると、これはやっぱりニートやSNEPよりは全然数が多いです、やっぱり非正規で働いている人が入ってきますので。男性、高卒の男性ですと、七〇年代後半生まれですと、もう人口の一割ぐらいを占めますし、女性に関しても、女性とか、あと大卒の男性とかでも人口の五%ぐらいを占めています。  この人たちはどういう人たちかというと、働いている人たちの方が多分、数としてはずっと多いんですけれども、働いてはいるのだけれども、独り暮らしをするほどの安定した収入がなくて親と同居している、そして未婚であるという人の割合だと考えてください。これが人口の五%とかぐらいのオーダーで存在しているというのが就職氷河期以降の世代になります。  この世代が今もう既に中年になっているわけですけれども、これから高齢期を迎えるに当たって心配されることとして、親世代の加齢による生活困窮者の増加の懸念があります。今まで親と同居することによって生活費が、住居費とか食費が節約されていたりとか、親にも年金収入があったりとかといったような人たちなわけですけれども、これ、住居や食事などを親に頼っている低所得の独身者が、親が加齢によって亡くなる、亡くなれば年金なくなりますし、あとは、介護が必要になったりとかすると、逆に今度は子供が親を助けなきゃいけない立場になったりとかしますので、そうなってきたときに困窮するおそれがあります。  一番よく、極端なケースが、八〇五〇問題と言われている、五十代の引きこもりの子と八十代の親がいて、八十代の親がもう限界を迎えてというような話があると思いますけれども、そのイメージだけでこの問題を見るとちょっとミスリーディングで、大多数はこのようなパターンの、大多数は不安定雇用ながらも就業している、今、いわゆるワーキングプアと呼ばれる言葉が以前ありましたけれども、いわゆるワーキングプア層であると推測されていて、これは長期無業者とは違います。既に働いているので、とにかく就業につなげようという段階の人たちではなくて、ちゃんと働いているんだけれども収入が足りていない人たちというのが、親と同居することで今は何とか回っているんだけれども、それが破綻するおそれがあるという人たちが相当数いるということです。  まだ氷河期世代の親の大半は現時点で七十代以下、七十代、六十代ですので、まだまだ元気なんですね。なので、これから増えていくことが懸念されます。ただ、氷河期世代の中で一番年配の団塊ジュニア世代では、もう既に親が八十近くなって顕在化してきています。もっと下の世代の方が人口比は高いですので、これからどんどん増えてくるであろうことが予想されます。  しかも、この状況で本人の生活もつらいところに、さらに介護の負担が生じてしまうと更に追い打ちを掛けてきますし、また、未婚率は非正規雇用者の方が高いので、世代の中で経済的に恵まれない人の方が単身者である確率が高いんですね。なので、家庭内分業も困難になってきますので、一人で全部どうにかしなきゃいけない立場になってしまって破綻してしまうという人が増えてくるおそれがあります。  現行の就職氷河期世代活躍支援、私が把握している限りなので、もし私が認識していないことがあったら申し訳ないんですけれども、基本的には、就職氷河期世代活躍支援の三つの柱は、ハローワークによる就職支援と無業者を対象としたサポステと、あと引きこもりなどの相談サポートをする各種支援機関であるということで、就労支援がメインになっています。  これはやっぱり、二〇〇〇年代につくられた若年向けの自立支援、就労支援の仕組みがそのまま延長されているものが大半であるように見受けられて、なので、四十代、五十代である氷河期世代が二十代、三十代の時期に失われた機会について、これから就労することで取り戻すというのは非常に難しいのではないかと思います。  なので、どちらかというとこれ、この三つの柱が有効なのは、まだ三十代のリーマン・ショック世代の方にこそ有効なので、何か世代で切るというよりは、この支援自体は世代で切らずにそのままあった方がいいんですけれども、対象となる年齢層というのはちょっと氷河期世代より少し下の年齢層の方にマッチしているような感じになっているのではないかと思います。  あと、長期無業者を念頭に置いた社会参加の支援というのは、昔に比べると随分充実してきて、それ自体は非常にいいことだと思うんですけれども、ただやっぱり、大多数の不安定雇用者というのは収入は低くても継続的に就業していますので、とにかく就業につなげましょうという段階ではなくて、その次の段階の人なんですね。その人たちに対して何もないというのが現状です。  よくあるパターンでは、雇用主に対して働きかけて彼らの収入を引き上げるようにするというのがあるんですけれども、それはやっぱり、企業は営利企業ですので、営利企業に対してその採算が取れないような賃金設定を強いるということはやっぱりできませんので、それはちょっと非現実的であろうと。やっぱり、それならばもうちょっとストレートに所得再分配みたいなことをした方がいいのではないかというのが個人的な私の意見になります。  というわけで、セーフティーネットの拡充が必要であるというお話なんですけれども、大前提として、もう少し若い世代のためには、既に行われている各種の就労支援を継続して、能力開発の機会を提供したりとか、非正規雇用の正社員登用を促進したりすることは今後も必要です。  もちろん、氷河期世代の人たちであっても本人に就労意欲が高い人たちというのは、こういった支援によって就労につなげたり、あるいは既に就労している人たちをステップアップさせたりと、そういった政策自体を否定するわけじゃなくて、それ自体は非常に大事だと思います。  ただ、それだけでは問題の全ては解決できなくて、やっぱり年齢重ねれば教育訓練投資の効率は下がってしまいますから、投資を回収できる期間が短くなりますので、やっぱり企業としても同じ条件だったらより長く勤めてくれそうな若い人を雇うというふうになるのは自然な話なので、やっぱりそこだけに任せておくのでは恐らく全ての解決することは難しいと。  やっぱり、既に中高年となってしまった氷河期世代に関しては、就労による経済的自立が難しい層が一定数存在するということ、そのこと自体はやっぱりもう受け入れて、それを前提として政策を考えていかなければいけない段階になっていて、それはやっぱり就労支援じゃなくて福祉の拡充という形を考えていくべきだろうと思います。  やっぱりワーキングプア対策としては、やっぱり現役世代内でもう少しその所得の再分配みたいなことを行う必要が恐らくあって、もちろん累進課税制度ではあるんですけれども、所得の下の方の階層に対する再分配の方がやっぱり薄い。それから、あと老後の貧困対策というのも、やっぱり若年期に不安定雇用だった人というのは、貯蓄もないし年金の額も低いという、その若いときに困窮していた人の方が老後も困窮しやすいという、その若年期と老後がつながっているということを考えて考えていく必要があると思います。  やっぱり現行の社会保障制度の弱点としては、現役世代の再分配が薄い。ちょっとこちら、皆さんも御存じの図かとは思うんですけれども、所得再分配調査を見てみると、所得再分配前後のこのジニ係数の変化、もちろん再分配すると少し縮むんですけど、非常に変化が小さいんですね、年齢層で見ると。高齢層で物すごく再分配があるんですけど、これは年金なので、年金以外のところの再分配が余りないというのが日本の現状になっています。  雇用保険の失業給付金とかでどうにかしようとしても、やっぱり雇用保険って働いている人が納めた保険料で賄っている制度ですので、もう無理があると。あと、生活保護は基準が厳しくて、生活保護基準を満たすほど困窮してしまうとそこから挽回するのは難しいので、その手前で何かあった方がいいだろうと考えています。  それから、将来低年金に陥る人たちがいっぱいいるであろうことはもうほぼ確定していますので、それに対する対策も必要です。ただ、ここは非常に政治的に難しいということは私も理解はしておりますので、トレードオフがあるかなと思います。  済みません、ちょっと時間がオーバーしてしまいますので、ここなんですけど、最後に一言言わせていただきますと、社会保障制度の変革も同時に進めていかなければいけないだろうと、雇用だけではないだろうというのが私のメインの意見であります。  済みません、時間が足りなくなってしまいました。ありがとうございます。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 先生、二、三分でしたら結構ですよ。

近藤絢子東京大学社会科学研究所教授

○参考人(近藤絢子君) いいですか。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) はい、ちょっとスピードアップしていただいて。

近藤絢子東京大学社会科学研究所教授

○参考人(近藤絢子君) はい。じゃ、最後のスライドなので。  制度設計考える上で大事なのは、この特効薬みたいなものはないので、あったらとっくにやっていると思いますので、それはない。ただ、人口が減る中で、なるべく多くの人に生産活動に従事してもらうような政策というのはもちろん一方で必要なので、働きたい人がなるべく働けるように支援すると、それは当然必要です。なんですけれども、全ての人が老後の備えまで含めて十分な安定収入を就労から得るということを目標に掲げても、それは多分実現不可能な目標なので、それができないということを前提として、そうなった場合にどうするかということを考えたセーフティーネット、それが社会保障の役割だと思いますので、それを変革を同時に進めていかないといけなくて、今の社会保障制度というのは、ずっと非正規雇用で来た人たちというのが年を取ったらどうなるかということが余り想定されていないと思いますので、そこが非常に大事だと思います。  済みません。ありがとうございました。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) ありがとうございました。  次に、浅倉参考人、お願い申し上げます。浅倉参考人。

浅倉むつ子早稲田大学名誉教授

○参考人(浅倉むつ子君) 浅倉と申します。よろしくお願いいたします。  私、男女賃金格差の解消と同一価値労働同一賃金という少し小難しいテーマを選んでしまいましたので、今ちょっと後悔をしておりますが、気を取り直して報告させていただきます。  ページの二ページなんですが、一番目は男女賃金格差の実態です。  ①で、男女間の賃金格差は、男性一〇〇としたときに、女性は七四・八と言われております。ただ、この中には非正規のパート労働者が入っておりませんので、②で申し上げているんですが、男女別ではない正規、非正規の賃金格差、時給で見てみますと、正規の労働者を一〇〇としたときに、パートは六九・一になっております。③で、非正規労働者の割合を見ますと、男性は二二・五%で女性は五三・二%なものですから、まあ女性が圧倒的に非正規です。そして、④で言っておりますが、女性たちの実感としては、やはりこの女性が男性の五五・五でしかないという、この平均給与の格差というのがかなり実感として捉えているところだと思います。  二番目に参りますが、現行の法規定を見ますと、労働基準法四条は、御存じのように、賃金に関する性差別を禁止しております。ただし、同一価値労働同一賃金原則とは言っておりません。  次の四角ですが、労働基準法というのは罰則付きの強行規定で、労働基準監督官が行政指導を行いまして、悪質と判断する場合には刑罰を科するために送検をいたします。ただ、この送検件数というのは非常に少なくて、年間に数件あるかないかだと思われます。また、監督官は未払賃金を徴収はいたしませんので、未払の賃金を求めたいとなると、労働者自身が民事訴訟を提起するということになり、かなりの負担があると思います。  このように見てくると、立法上は男女賃金格差の救済というのがなかなか難しいかなという実態にございます。  大きい三番目ですが、国連の女性差別撤廃委員会が昨年十月に第六回目の対日審査を行いました。二〇二四年十月三十日にはそこから総括所見という文書が出ておりますが、そのパラグラフの三十九というところでは、同一価値労働同一賃金の原則の実施が不十分であるということが留意されております。  次のページに参りまして、ページ三ですが、そのパラグラフ四十というところでは、(c)で、ジェンダー賃金格差を縮小してなくすためには同一価値労働同一賃金原則を有効に実施することと言われておりまして、その二番目ですが、非差別的かつ主観的でない職務分類、職務評価方法を適用しなさいということが勧告されております。  さて、四番目ですが、それでは、同一価値労働同一賃金原則とそれから職務評価というものをどのように考えたらいいのかということについて触れたいと思います。  一つ目は、一九五一年のILOの百号条約でございます。ただし、この百号条約は同一価値労働についての男女労働者への同一報酬に関する原則をうたっておりますけれども、ただ、同一価値労働の明確な定義はこの条約の中にあるわけではありません。  ILOは、その下に行きますと、ただ、二〇〇八年に採用すべき職務評価のガイドブックというものを出版しております。これによりますと、労働をですね、職務を、二つの異なる職務を、価値を比較しなさいということを言っておりまして、そのためには職務評価が必要であると言っておりまして、その方法の中には、いろいろあるんですけれども、得点要素法というものが最適の方法であると言っております。  得点要素法についてちょっと説明をしていないので申し訳なかったんですが、七ページのちょっと資料に飛んで見ていただきたいのですが、これは資料ですので後ほどは御説明できないんですが、私どもがちょっと実施した職務評価の中のやり方を示しておりますが、ステップ三というところを見ていただくと、職務評価の四大ファクターと出てまいります。職務評価の四大ファクターというのは、知識・技能、それから負担、責任、労働環境ですね、この四つの大きなファクターを使って職務を分析し、点数評価をする、これが得点要素法というものです。  戻っていただきまして、三ページですね、に戻っていただきまして、下から十行目ぐらいの(2)というところなんですが、性に中立的な職務評価制度というものはどういうものかということなのですけれども、それが得点要素法であるというふうに言われております。  ただ、それをいきなり日本に持ってくる場合には、日本的な特殊性というのがありまして、その下に書いてありますが、正規、非正規格差というのが日本の場合は非常に大きいものですから、そもそも同一価値労働同一賃金原則というのは男女間の賃金格差について言われているものなのですけれども、日本の場合には、この正規、非正規格差というものもやはり触れないとなかなか格差が把握できないと考えております。  次のページです。四ページになります。  私どもが日本の企業の中で実際に得点要素法というものを使いまして職務評価を実施した事例というのが幾つかあります。それを御紹介しているのが一番上に①、②とあるものなんですが、そのうちの②というのが二〇二二年に出版した本の中で御紹介しているものです。大手家電量販店の販売職というのが男性が主に就いている職種です。それから、レジカウンター職というのが女性が主に就いている職種です。その中にはパート、正社員、契約社員というのが混在しております。これをどのようにして分析したかというのが、先ほど御覧いただいた後ろの方にあります資料一なんですけれども、それは後で御覧いただければと思います。  そこで、大きな五番目ですが、同一価値労働同一賃金原則をそれでは実施するための法制度というのはどのようなものがあるだろうかというふうに考えてみたいと考えております。  まず、日本はこの原則を実施していないという批判を何度も何度も国際機関から繰り返し言われております。一九六七年には日本はILO百号条約を批准いたしましたけれども、批准した際に、余りこの原則のことを深刻に捉えていなかったものですから、法改正はありませんでした。その後、ILOの条約勧告適用専門家委員会は、繰り返しになりますけれども、この条約の原則を日本は十分に反映していないというふうに指摘しております。この対応を日本は迫られているのではないかと考えています。  ただし、これをいきなり日本に導入するというのも非常に難しくて、この原則は日本になじまないという意見も当然あります。なぜかといいますと、欧米では基本的に職務給というものが確立しておりまして、法制度の中にこの同一価値労働同一賃金原則を導入するというのは当然のことだというふうに理解されておりますけれども、日本の場合は、御存じのように、職能給制度が大企業では主にありますので、なかなかこれを実現させる、同一価値労働同一賃金原則というのを実現させるのは困難だという考え方を取る研究者も多いと思います。  私たちは、私たちといいますか、私は、確かにこの原則というのは職務の内容と格付に応じた職務給制度というのが採用されている国で取られてきた原則であるというふうには考えますけれども、ただ、これはやはり日本においても導入されるべき原則だと考えております。自然に委ねていては日本では実現しないからこそ、立法の中にこれを導入して、何とかどのようにしたら実現できるだろうかと知恵を絞るべきであるというふうに考えています。  基本給の在り方というのは様々で、実はパート・有期労働法、それから同一労働同一賃金ガイドラインというのは今現在厚労省も取っている政策ですけれども、この中でも厚労省は、基本給の在り方を法的に強制することはできない、それから、職務給制度を法的に義務付けるのではないというふうに繰り返し述べつつ、しかし、どのような形態の賃金制度とするかは基本的に労使の決定に委ねるけれどもという前提を置きながら、この有期労働法というものを運用していると思います。  ただし、私は、男女間の賃金差別とか、それから正規、非正規間の賃金差別をめぐる個別紛争の事案の中で、その解決手法として同一価値労働同一賃金原則を実施していくということが極めて重要ではないかと考えております。なぜなら、この原則が基準とするのはあくまでも労働、それから職務なものですから、この性と雇用形態に中立的な職務分析や職務評価システムを紛争解決の手法の中に組み込むことによって、日本でも公正な解決方法が実現するのではないかと考えております。  さて、五ページ目に参ります。  以下、二つのことを提案させていただきたいと思っております。  (3)と(4)というのがそれに当たるのですけれども、一つは、個別的な紛争解決の事案を解決する法制度としての同一価値労働同一賃金原則というものです。これを盛り込むためには、同一価値労働同一賃金原則を明文化する、まずは立法の中に明文化するということが必要だと考えております。  例えば、労働契約法の中にこのように書くというのも一つの仕方ですし、それから、労働基準法四条というのを改正して、労働基準法四条の中に書き込むというのも一つのやり方だと考えております。実は、韓国の法制度もまさに労働基準法四条に当たる法律を改定して、後ろの方に資料二として載せておきましたけれども、そのような条文化をして、この問題を解決しております。  それから、その下の②では、やり方としてはもう一つ、個別紛争事案の解決制度の中に職務評価能力を持つ独立専門家という方を置いて、報告書を依頼できる仕組みというのを導入するということもやり方だと思っております。これは、イギリスの制度を参考にした提案でございます。イギリスではこのようなやり方でこれを運用しております。  それから、③は、パート・有期労働法を改正して、一案ですけれども、基本給については、合理的と認められない相違の有無は、客観的で公平な職務評価を用いて判断されなければならないとここに書き込むというのも手だと思います。  実は、現在、厚労省も、パート・有期労働法の下に、基本給に関する不合理な待遇差を解消する一つの方法として職務評価の手法というものを紹介しておられます。職務評価を用いた基本給の点検・検討マニュアルというものです。これは、少し先ほど御紹介した国際的な基準に照らすと、私の考えからいえば修正が必要だと思いますが、しかし、基本的にはこの国際的な評価項目を運用している考え方に通ずるものだと考えております。  さて、四番目ですが、もう一つの提案になりますが、こちらの方は賃金格差是正のプロアクティブモデルというものです。個別救済の申立てをして、自分で格差賃金、差別賃金を取り戻すということは非常に個人が負担になりますので、その効果というのはしかも本人に及ぶだけでありまして、職場全体の賃金格差解消にはなっておりません。  そこで、今の各国の法制度のトレンドとしては、一定規模以上の事業主に賃金格差の是正を義務付けるというプロアクティブなモデルというものを導入していこうというのがヨーロッパなどを中心に行われている立法政策です。典型的には、最初に取り上げたのはカナダのオンタリオ州のペイエクイティー法というものですが、こちらについては後掲の資料三に少しだけ載せておきましたので、後ほど御参考いただきたいと思います。最近では、イギリスの二〇一〇年平等法、またドイツ、それからフランス、またEUの二〇二三年の賃金透明化指令というものも出ております。  プロアクティブモデルの一番の特色というのは、個人の申立てを待たずに事業主が一定の作為をするというところにありまして、また、効果は職場全体に及ぶというものでございます。  ここまでお話しすると、御存じだと思いますが、日本も二〇二二年に女性活躍推進法の省令と指針を改正しまして、三百一人以上の事業主に男女間の賃金の差異の状況把握と公表を義務化しております。これが一種のプロアクティブなシステムであるということが言えると思います。  ただし、日本の場合には幾つかまだ限界がありまして、賃金の差異というものが、全労働者の中の男女比、それから正規労働者の中の男女比、それから非正規労働者の中の男女比として示されることになっておりまして、これではなかなか格差の実態が見えにくい状態です。  なぜかといいますと、賃金の格差は、最高位にあるのが恐らく正社員の男性であり、最低位にあるのが非正規の女性なんですけれども、その格差が比率として示されて初めて賃金の格差が認識できるのですけれども、少なくとも非正規労働者の中での男女比を比較しても余り実態の賃金格差には理解が進まないと考えております。そこがちょっとポイントです。  それから二番目は、男女の賃金の差異の縮小というものが行動計画で目標化されるべき項目にはなっておりませんので、縮小がなかなか難しいだろうと、現状のままでは。また、③は、行動計画の実現が努力義務にすぎず、モニタリングの仕組みがないという問題点がございます。  そこで、最後のページですけれども、より国際基準に沿ったプロアクティブモデルを提案するということが、一つの賃金格差の縮小のポイントかと考えます。  第一に、事業主が、男女、それから正規、非正規の賃金格差の状況把握義務を負って、その場合に、やはり男性の多い職、男性職と、それから女性の多い職、女性職とを職務評価の手法を使って比較するということをやるべきではないかと思っております。で、格差がある場合には、その正当化理由の有無を確認してはどうかと考えます。  ②に、その正当化理由がない場合には、賃金格差を調整する義務を負うというふうにしてはどうかということです。カナダのオンタリオ州などではそのようにしております。  それから、③では、一定以上の規模の事業主が賃金格差調整行動計画の策定義務を負うとして、それは一挙にやるのではなくて、少しずつ賃金格差を調整していくというプログラムを組むということです。  ④は、その行動計画に沿って格差調整を実施していく。それが実現したか否かというときに、企業内の労使委員会というものがモニタリングしていく。そのような仕組みを取っていきますと、かなり日本の男女賃金格差の縮小に有益な立法政策になるのではないかというふうに考えております。  私の報告は以上です。どうもありがとうございました。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) ありがとうございました。  以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。  まず、各会派一名ずつ指名させていただき、一巡後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。  発言は着席のままで結構でございます。  また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようお願いいたします。  なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間が一巡目はお一人十二分以内となるように御協力をお願いいたします。  これより一巡目の質疑を行います。  質疑のある方は挙手を願います。  山本啓介君。

山本啓介自由民主党

○山本啓介君 山本啓介です。  三名の参考人の方々におかれましては、大変貴重な時間を我々の調査のために割いていただきましたことをまず心から御礼を申し上げたいと思います。また、日頃から社会の大変厳しい状況下にある方々の改善のための資料とか調査、研究に御尽力をいただいていますことに対しましても、改めて敬意を表したいと思います。  非常に内容が多岐にわたる説明であったと私自身は認識しているんですけれども、その上、質問も伺いながら考えてはいましたけれども、非常に、特に近藤参考人の内容は、本当に角度が多角的なものがあったなというふうに感じているのと、我々が社会の現象として捉えている事柄の見方とはちょっと違う、で、説明を聞けば、ああ、当然そうであるなという認識を持つことばかりでありました。  できるだけ与えられた時間内で全員にちょっとお尋ねをしたいなというふうに思っています。  まず、高見参考人に少し尋ねていきたいと思いますけれども、御説明いただいた内容は実は以前も私ちょっと動画等々でも拝見する機会がありまして、そのときから少し思っておりました。参考人の話は、やはりこの社会やその企業体というものが生産とか経済的な効果、結果というものを照らしていたときよりも、やはり、もう少しそのプレーヤーである労働者の方々のその時間、又はその時間の向こう側にある家族との時間や人生、ライフステージ、そういったものにもしっかりと目を向けた要は施策を打たないと根本的な解決につながらないというところがまとめであったというふうに私は理解をしています。  その上で少しお尋ねしたいのが、職場の課題解決ができていない、これらに行政や政府若しくはその地域の自治体がアプローチしていく場合、やはりなかなか、その立ち行かなくなった経営状況というものと、雇用している側とされている側の環境というのはやはり違うわけでして、こういったものを公がアプローチする際、気を付ける必要のあること、またそのアプローチの手法について何かお考えがあればお話しいただきたいと思います。

高見具広独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員

○参考人(高見具広君) 重要な御質問を誠にありがとうございます。  今委員の御質問は、企業が従業員の生活や健康を守るということに対して、社会政策的にどういうふうにアプローチできるのかというところだというふうに存じます。  今、委員も御存じのことかもしれませんが、企業は、もちろん営利目的ではありながら、従業員の健康、あるいは広くウエルビーイングと言ったりしますが、福、幸福ですね、そういうものを重視するというところも出ております。まあ、一つの言葉としては、健康経営という言葉があります。  それは、何でそういうことをするかというと、従業員が健康で働けることというのは企業活動にとってもプラスであると。それは考えてみれば当然のことであって、従業員の健康状態が悪くて生産性が下がれば企業活動にも影響出るわけだから、短期的には、もし悪い企業であってとにかく働かせてというふうなことがあるかもしれませんが、長期的に見れば、従業員が健康であって仕事にも満足して働けるというのは、企業にとっても、企業へのコミットメントも高まるし、プラスであろうというふうに思います。ただ、そういうふうな長期的な視点を持ってどの企業さんも取り組めばいいんですが、なかなかそうじゃない場合もあるというのは何となく想像が付きます。  そこで、そういう取組を、まあ政策的にというか、社会として後押ししていくにはどうしたらいいかということだと思いますが、なかなかこれは結構難しいというか、法規制がなじむことではないかなというふうに私自身は思っていて、例えば、一番簡単に考えられるのは情報開示といいますか、単純な手法ですけれども、企業の労働時間等の状況を開示をしてもらうと、まあ今でもしているところはありますが、その開示を進めることによって、言わば労働市場の調整機能といいますか、簡単に言うといい企業が選ばれやすくなるようにするということですが、そういう形で企業の労務環境の改善をしていくと。それは、もちろん就職とか転職のときに、就職する、転職しようという人が選ぶという意味での調整機能も大事ですが、企業内に向けての情報開示というのもまた大事になるかなと。  例えば、管理職の人が部下の残業時間というのがどうなっているかというのを知ることによって、ほかの部署と比べて自分の部署はどうか、問題があれば改善していくというふうな内部の情報開示もあるし、本人に対しても情報開示の意味があるし、そういう意味では、まだまだそういう意味では開示の余地があって、社会政策としては、そういうふうないいプラクティスを後押ししていくと、紹介していくというのが、まあオーソドックスではありますが、方法かなというふうに考えるところでございます。  以上でございます。

山本啓介自由民主党

○山本啓介君 ありがとうございます。  雇用する側がしっかりと命だったり人生だったりという、働いている方々のそういった部分に意識を持っていくこと、それを促す方法というのは、おっしゃるとおり、制度や決まりでできるようなことではないと、社会全体の意識を変えていくことであろうかと思います。ありがとうございます。  次に、浅倉参考人にお尋ねしたいんですけれども、今、高見参考人とやり取りさせていただきましたけれども、やはりそれぞれの働いている方々にはそういう人生があったり家庭があったりと、当然それというのは、いろんな社会保障の部分とか整備、国が取り組んでいたり行政が取り組んでいるものによって支えられている部分というもの多分にあるんだと思うんですけれども、そういった社会保障というのは、例えば欧米であれば、よく例に出されていましたけれども、欧米であれば、負担というよりも拠出をすることで権利を得ているというようなところに認識があって、社会の雰囲気はまた違うと思うんですね。先ほど御説明いただいた内容からしても、やっぱりおっしゃるとおり、同一価値労働同一賃金の部分の話にしても、なかなか日本においては、職務給というよりもキャリアの年数だったり経験だったり、そういった部分が照らしているという現状が今もなおあるんだと。それに加えて、男女の差と正規、非正規のところを説明いただいたというふうに理解します。  その中で、今、その働いている方々の人生や家庭やという部分に対して、例えば今差がなくなったとして、そういった部分も、社会保障の観点、こういったことも含めて少し説明を補足していただければと思います。

浅倉むつ子早稲田大学名誉教授

○参考人(浅倉むつ子君) ちゃんとこういうお答えでいいのかどうか分からないんですけれども、賃金格差の主な原因としてはですね、男女間の賃金格差の主な原因としては、勤続年数の違いと、それから管理職であるかどうかのそこの二点が非常に現在の日本の男女賃金格差の大きな原因であるということは皆さん言っておりますし、それは立証されております。  ただ、なぜ、それではそのような管理職の数値、それから勤続年数に男女差があるのかというそもそもの原因のところを考えると、非常に性別役割分業というのが日本では甚だしく大きいというのがかなり大きく関係していると考えております。つまり、日本の場合には女性の家事労働に掛ける時間というのは男性の五・五倍と言われておりまして、ヨーロッパ諸国ではせいぜい一・三倍から一・八倍ぐらいなんですね。  ですので、時間の中で、家事、育児労働時間に女性が掛けている時間が非常に長いので、しかも男性は長時間労働ですので、そこにおいて管理職になる人というのはおのずと長時間働ける男性でなければいけないという、そういう企業社会、企業文化がかなり根強くありますので、そういうところに大きな賃金格差の原因があると考えておりますので、おっしゃいましたように、家庭とか人生とかですね、そういうものを含めていろいろな要因として総括的に考えていかなければいけない問題だというふうに、こんなお答えでよろしいでしょうか。

山本啓介自由民主党

○山本啓介君 曖昧な質問にしっかり答えていただいたというふうに思っております。ありがとうございます。  最後に、近藤参考人にお尋ねします。済みません、時間がなくなってしまいましたけれども。  機会に恵まれず中高年となった氷河期世代の方々が今もなおやっぱり機会が狭いままだと、だから今から働く機会をと。例えば高齢者の方々や女性というものの活躍する場面をしっかりつくっていったとしても、我が国の労働力というのは足りていないと。そこに、かつてそうやって機会に恵まれなかった就職氷河期世代の方々にも是非とも社会で活躍していただけるような方策を考えるべきだという認識はみんなあるんだと思うんですけれども、自立できなかった場合、今後、家にいらっしゃる、親御さんの元にいらっしゃる方々というのは、親御さんがいらっしゃらなくなった場合はその後どうなるんだというところを少し想定していない、想定してやはり施策を打っていくべきだということがありました。  この部分が一番私の印象に残っているんですけれども、もう少し詳しく御説明を残り時間でいただきたいと思います。(発言する者あり)

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 近藤参考人、挙手をお願いします。

近藤絢子東京大学社会科学研究所教授

○参考人(近藤絢子君) ありがとうございます。  正直に申し上げますと、私も財政学は余り専門ではないので、具体的な制度設計まで踏み込んだ提言というのはちょっと難しいものがあるんですけれども、やはり大本の問題は、低賃金で働いていますので、そのために転職とかスキルアップみたいな投資をする時間もないという層が一定数存在していて、その人たちというのは結局今親がセーフティーネットみたいになっているんですけれども、そこがなくなったときどうするかということなんで、それは親であれ何であれ、要は金銭的な問題で困窮しているというところが問題の本質だと思うんですね。  なので、やはりそこに関しては、当然、本人の自助努力を妨げないという難しい課題が出てくるんですけれども、やはり何らかの形で、所得再分配という形で困窮しないようにするということを考えていく必要があるだろうという、非常に曖昧なお答えで申し訳ないんですけれども。何らかの形で、その同じ世代の中でも所得の高い人と低い人がいるということを、何らかの形で政府が所得再分配するというようなことをしていかないと、逆に社会不安みたいなことが起こってくるのではないかと思うんですけれども。ただ、やっぱり再分配政策には非常に政治的な抵抗が大きいというのも存じ上げていますので、実現するにどうすればいいのかというのは非常に難しい問題だなと思っております。  済みません、余り答えになっていないですけれども、以上です。

山本啓介自由民主党

○山本啓介君 ありがとうございました。  終わります。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 古賀千景君。

古賀千景立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 こんにちは。立憲民主・社民・無所属の古賀千景と申します。  私は教員を七年前までしておりまして、今回国会にも給特法の見直しというところで法案が出てきますので、是非議員の皆さんにも知っていただきたくて、教員のことについてちょっと話をさせていただきます。  教員は、労基法ではなく給特法という法律、一九七一年に、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法というのが本名ですが、これにおける公立学校の教育職員の給与や労働条件を定めた法律となります。  教育は自発的や創造性が必要とされるということで、正解や上限がない仕事と言われています。そのために、こういう公立の義務教育諸学校等の教職員の職務と勤務体系の特殊性に基づきというこの言葉があって、この給与は、その他の給与条件についても特例を定めた法律となります。  原則的には、私たちには、教職員には残業時間が全く手当が出ません。代わりに教職調整額というのが四%出ます。この法律ができたとき、学校の教職員の残業は月に八時間でした。今は月に四十七時間平均と言われていますが、この四%は変わらぬままです。これから法律としては、一%ずつ上げていこうというふうな法律が今回出るんではないかと言われている状況です。  業務はたくさんあります。授業の準備から、評価をすることから、保護者との連絡から。しかし、そういうのは、この法律が残業を命じられるのは四つだけということが明記されていて、これが校外実習、修学旅行などの学校行事、職員会議、非常災害だけの四つです。ですので、教員がどれだけ遅くまで丸を付けても、あしたの授業の準備をしても、それは残業にはならず、自発的に教職員がやりたくてやっている仕事だという、この認識になっているのがこの法律になります。  ただ、私立や国立学校は三六協定の労基法適用なんですよね。同じ職務で働いていても、労基法適用がある、給特法がある、このような状況で、私はとてもおかしいと思っております。  まず、高見参考人の方にこの法律についてどう思われるかを、御認識お聞かせください。

高見具広独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員

○参考人(高見具広君) 貴重な御意見及び御質問、誠にありがとうございます。  私事ですが、娘が公立中学に通っておりますので、教員の業務が多岐にわたって大変忙しいというのは容易に想像が付くところでございます。  今委員から御指摘あったように、公立の学校と私立の学校で法律、適用される法律が違って、その結果として公立の教員が非常に残業手当が十分出ない中、長時間の労働をしているという状況というのは非常に私自身は問題だというふうに考えます。  もちろん、そのときにどういうふうに変えていくのがいいのかというのはいろいろ、私も法律は専攻しておりませんで分からないところはありますが、もちろん、今の残業時間に見合った残業手当を支給するというのはもちろん当然大事なことではあります。ただ、根本的なものとして、その健康ですよね、生活、健康。生活というよりは多分健康を害するようなレベルというのも多分多々あると思いますので、そういう意味では、それは時間外労働の手当が支給されればそれでいいというものではないというのは当然のことであります。  ですので、法律にどうというのは分かりませんが、その長時間労働を歯止めを掛けるような規制というのが私自身としては求められるというふうに考えるところでございます。  以上でございます。

古賀千景立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 ありがとうございました。  おっしゃっていただいたとおり、手当を付けるとか賃金を上げるだけでは働き方改革はできなくて、今、教職員は自殺が過去最高ですし、病休者がどんどん出ていって、それが欠員状況、学校に担任がいないという状況はこの法律が基にあると私は思っていて、業務削減又は職員を増やすというのがとても大事だと考えております。  この視点で浅倉参考人の方にもお伺いしたいと思います。  このような状況の中に、表には余り出ておりませんが、実は女性、小学校教員は結構女性が多い、六割いたんですね、数年、十年前ぐらいまで。今は四割の受験者になりました、女性の割合は。そして、病休も早期退職も女性が多いんです。だから、その女性が多いという、辞めなければならない、そして受験もしなくなっている、このような法律、そしてこの学校の働き方というのをどのようにお考えか、お願いします。

浅倉むつ子早稲田大学名誉教授

○参考人(浅倉むつ子君) おっしゃるとおりだと思います。  恐らく、教員というのは聖職者意識を持った者が教員であるという非常に古い考え方の下にこういう法律ができているんだと思うんですけれども、それはそもそももうなくすべきであると。教員も一介の労働者であるという考え方の下に、適正な教員の数、それから担当の生徒数、そういうものからしっかりときちんとした、時間外労働に対しては時間外労働手当を払うという、そういう仕組みに当然すべきだというふうに私は考えております。

古賀千景立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 ありがとうございました。  では、近藤参考人の方にもお伺いしたいと思います。  今労働界の方で定年延長などが叫ばれていて、六十歳の定年だったのが少しずつ延びていっているというのがとてもたくさんの会社で、企業で行われておりますが、賃金が七割、大きく見たら。六十を超えたら、同じ仕事をしていても七割というのが一般的になっていて、そして、再任用といって、延長じゃなくて再任用だったら六割とかいうもっと低い賃金で働かされるという状況があります。  おっしゃっていただいたとおり、働きたい人が働けるような環境づくりをということを先生のお話を聞いてとても思ったんですけれども、その業務と賃金、年齢でそうやって定年延長になったら七割になるとか、そういうところの賃金配分というか、それはどのようにお考えか、教えてください。

近藤絢子東京大学社会科学研究所教授

○参考人(近藤絢子君) そこは結構複雑な問題だと思うんですね。  それはけしからぬと言ってしまうと、今度は採算が取れなくなっていくわけですよね。あと、統計を細かく見ていくと、中小企業だと賃金カーブ、そんな六十歳とか六十五歳でがくんと下がるという形はしていないんですけれども、大企業はそういうふうになっている。  それはなぜかというと、やはり中小企業の場合って毎年毎年数人しかそこに当てはまる人がいないので、そのときそのときでちゃんと交渉して決めていくことができるわけですけれども、大企業の場合は、毎年毎年何十人ってそこに、カテゴリーに当てはまる人がいる場合というのは、やっぱり何か一律の規則で切っていかないと何か不公平感みたいなのが生まれてしまうみたいな、そういったような、何か労務管理上のところに起因しているらしいというような印象がありまして、なので、なかなかそこを一律にそれはやっちゃ駄目だよと言ってしまうと、それはそれで逆に何か変な副作用が発生してくるという可能性があって、ただやっぱり、おっしゃるとおり、同じ仕事を続けているのに年齢がある一定年齢になったら突然下がるというのはおかしなことではあるので、それは徐々に是正されるべきだと思うんですけれども、そこを何か法律で上から押さえてしまうと、それは多分、恐らくそれ、今度は脱法的な形で変なことをし始めるということが起きてくると思いますので。  そこに関しては、今、大企業は、すごく、人事制度をいかに柔軟にするかというのは、その定年延長とかの話だけにかかわらずいろいろなところで言われていますので、そういったもうちょっと大きな問題の一部として考えていくべき問題なんだろうなというふうに思います。

古賀千景立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 ありがとうございました。  民間、学校の現場でも、限って申し訳ないんですが、学校の現場は、民間の方は役職定年に六十でなったときにかなり、責任とか業務とかがかなり削減されていくというふうなお話も伺っているんですが、学校現場は六十になっても同じような仕事を全くずっと続けていって、今、病休とか育休の代替者が見付からなくて、そこに入っていくのがその再任用の皆さんで、同じように担任をしながらという形がずっと続いております。これがとてもおかしいことだとやはり声をたくさん聞いておりますので、そのことをちょっとお伺いしたくてお尋ねをしました。  私は、質問は今日はこれで大丈夫です。ありがとうございました。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 河野義博君。

河野義博公明党

○河野義博君 公明党の河野義博です。  今日は、三人の先生方、ありがとうございました。  まず、一問ずつ同じことを聞かせていただきたいと思います。  今日、日本で誰でも知っている経営者の方が院内で講演をされておられまして、ちょっとびっくりしたんですけど、やっぱり日本は税金が高過ぎるということをおっしゃっておられる。労働力が高いから移民を受け入れろとおっしゃっておられまして、大丈夫かなと思いながら私は聞いていました。  完璧ではないにしろ、この戦後八十年掛けてやっぱりいろんな社会保障制度というのを与野党の先生方と一緒になって築き上げてきて、そこそこいい線行っている国なんじゃないかなと私は思っているんです。  大きな課題として残っているのは、やっぱりそういう負担をできる方に対してちょっとやや優しくないかと、今、思っています。やっぱり担税力のある、また社会保障の負担能力のある人や企業がやっぱりちゃんとそこは負担をし、困っている方々を支えるというのが基本なんであろうと思いますが、なぜか、そうは言っているものの、ここ、岸田政権、菅政権、中間層を厚くしようと言うものの、実態としてそうなっているかというと、やや方向性がずれていないかとも思っておりまして、そういった観点で、済みません、これは私の個人的な意見ですが。  先生方、答えはないんだと思います。一つのことをやれば、これをやったら解決することはない、私はそのとおりだと思いますし、近藤先生、そのとおり書いていただいています。今はでも、何となく大きな流れとして、何か貧困の格差や、格差がすごく進展してしまっていて、私はまだ議員になって十二年ですけど、富める者はより富み、そしてそうでない方はよりそうでなくなってしまった印象を持っています。そういう中で、負担できる人がしっかりこの国を支えていくんだということをやっぱり成功者がその範を示していかなきゃならないと私は思うんですが。  何を聞こうか、済みません、ちょっと私が巡り巡ってしまいまして申し訳ありませんが、しっかりこの国で成功した人はこの国を支えて恩返しをしていくということが基本なんだろうと思いますが、今の世の中を見ていてどういうふうにお考えになるか、端的にちょっとお答えください。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) どこから。

河野義博公明党

○河野義博君 じゃ、高見先生から。

高見具広独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員

○参考人(高見具広君) 貴重な御意見及び御質問、誠にありがとうございます。  私が今の御意見、十分集約できていないところはありますが、格差の問題というか、委員が中間層というお話もありましたが、そういう社会における格差の現状認識だというふうに私は受け止めました。その中でどういうふうにしていくかと。  確かに、おっしゃるように、現状、格差には、もちろん経済格差の面で見ますと、例えばジニ係数なんかを見ますと、もちろん大きく上昇しているということはありません。名目のジニ係数上がっているのは高齢化の影響というか、いろいろ人口の構成の変化というのもありますので、一概に格差が拡大しているというふうには捉えることはできません。  ただ、統計によって、中間層が減少していると、言わば二極化、所得の二極化が起こっているんじゃないかというふうな数値を示すところがあって、それについてはやっぱり危機感を持っております。  その格差の問題と、客観的な格差の問題とともに、人々がそれをどう受け止めるかというのが、私、社会学専攻ですけれども、大事だというふうに思っておりまして、言わば格差感といいますか、人々がまあそれでも自分は頑張って成功しようと思えるのか、こんな社会では駄目だ、やっぱりこの社会に対してもう諦めというか悲観的な認識を持ってしまうと、やっぱり世の中としては活性化しない、もう個人としても良くないしというのがありますので、今はそれはどうなるか、客観的な格差とともに、人々の認識、私は結構注意して見る必要があるというふうに思っているところでございます。  十分なお答えになるか分かりませんが、以上でございます。

近藤絢子東京大学社会科学研究所教授

○参考人(近藤絢子君) おっしゃる御意見、非常に私も思うところがあって、何か、何というか、今すごく手取りを増やそうという訴えがいろんなところで聞かれると思うんですけれども、その手取りを増やそうということの含意というのは、要するに、国に払うお金を減らそうというニュアンスがあって、それはすなわち再分配を縮めようということを含んでいるんだけれども、手取りを増やそうという言い方をすると、取られるお金が減るだけだという印象ばっかりで、もらえるお金が減るという方に余り回っていかないんですよね。なので、何かその動きって非常に怖いなとちょっと個人的に思っていて。  払える人に払ってもらうという話なんですけれども、その方向性は非常に私も、本来はそっちに進めていくべきなのに非常にそうなっていないというのは、私もそうちょっと思うところあるんですけれども、恐らく、政治の場でできることというのは、ちょっと取り方のパッケージングを工夫するということもあって、一番良くないやり方が、一定の所得の人まではみんなもらえるのに、あるところを超えるといきなりゼロになるというタイプの所得制限ですね。あれをやると、非常に富裕層、富裕層まで行かないですね、中間層の上ぐらいの人たちというのが、その境目ら辺の人たちというのは非常に不公平感が増してきて、もう国は金取っていかないでくれみたいな感じになってくるわけですよね。  だから、そういうやり方じゃなくて、何か累進課税みたいな形とか、あと、今無償になっちゃいましたけど、かつて東京の保育料とかってすごく細かく刻まれていたんですね。そういう、何か細かく刻んで滑らかに、だんだんだんだん所得が高い人がたくさん払うというような形になっているスキームというのを大きなところで幾つか用意しておいて、ほかの給付みたいなものは特に制限付けないでみんなもらえるという形にすると、何というか、不公平感みたいなのは減るんじゃないかなと思うんですね。  だから、そういったようなやり方をうまく工夫するというのが、一応、政治の側にできるやり方かなと思います。

河野義博公明党

○河野義博君 先生、ありがとうございます。  そのとおりと思っていまして、やっぱりいろんな、基本的には税なんかは階段方式でやっていて、それでいいと思うんですけど、目玉政策の給付とか目玉政策の無償化というのは崖であったり壁であったりするので、そこはやっぱり階段にすべきだと我々も思っています。  その中で、なるべくこの世の中の分断をつくらないようにこれからもやっていきたいなというふうに思っています。ありがとうございます。  浅倉参考人、済みません。

浅倉むつ子早稲田大学名誉教授

○参考人(浅倉むつ子君) 私もそのとおりだと思っております。  できる限り拠出できるところから拠出をし、そしてそれを再分配し、格差をなくしていくという方向性が、国の税、社会保障の在り方として正しいやり方かなというふうに考えておりますが、ただ、今そうなっていない部分があって、そこを直していく、修正していくということが非常に大事なことかと思っております。

河野義博公明党

○河野義博君 ありがとうございました。  その上で、残りの時間、個別に伺いたいと思うんですが、まず、高見先生、最後の結論のところで、私、就職超氷河期世代、二〇〇二年学卒でありますので、まさにボトムの時代でした。  今、同世代が管理職になっていて、我々がもう本当に若い頃、本当に残業、サービス残業しながら、上司からファイル投げ付けられ、事務職も採用できませんので全部自分たちでやりながら、もう本当に疲弊して、すり減らして働いていたんですけど、いざ管理職になるとそんなことはできませんし、いろんな気を遣いながら働いている。  管理職の働き過ぎ防止って非常に大事だと思っています。給特法改正、今回も、まあいろんな経緯があって今回こういうことになっているわけですが、給特法の中でも、残業代にするのかベースアップにするのかという大きな議論をした上で今回ベースアップということにしたんですが、管理職のところにもう少し目を向けていかなきゃならないという課題が残っています。公務員も含めて、やっぱり管理職の働き過ぎを、民間もですけれども、防ぐどういう仕組みが望ましいとお考えでありますかということをちょっとお伺いしたいんですが。

高見具広独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員

○参考人(高見具広君) 貴重な論点だと存じます。  委員御承知のとおり、管理職、要するに、今日のプレゼンテーションでお話ししましたが、働き方改革って、企業の中で進んでいるところでも、一般社員は時間外労働の上限があるから早く帰れるけれどもその分の仕事が管理職に付加されてしまうというのは、何か本末転倒のような気がいたします。管理職に限らず、特定の人に、例えば仕事ができる人かもしれませんが、特定の人に付加がされて帰れるようになっているというのは望ましい姿ではない。  もちろん、管理職に特化したところでは、例えば、管理監督者の要件がこれでいいのかというのは当然あります。今、現状の管理職と法律上の管理監督者がマッチしているのかどうかというのは当然法律上の論点としてありますが、私は法的論点を指摘できるような知見はもちろん持ち合わせてはおりません。  一般的に、今申し上げたように、働き方改革において管理職が取り残されるのであれば、それは、何というか、働き方改革の本旨とはやっぱりずれる話だと思います。それはやっぱり、誰もが働きやすい環境をつくる、で、生産性を上げるというのが本来の姿ですので、管理職が取り残されるというのはあってはならないということだと申し上げます。  以上です。

河野義博公明党

○河野義博君 ありがとうございました。  近藤先生、済みません、世代間、現役世代間内の再分配の充実、ちょっと、なかなかこれという決め手はないんだと思いますが、例えば給付付き税額控除なんてすごいいい案だと思いますが、そのほかに、でもなかなかこれはちょっと今のところ政府としては実現が難しいということを代々言ってきておりまして、なかなかこれ今すぐに取り組むのは難しいんですが、現役世代間内の再分配の充実、例えばアイデアとしてどういうものがあるのか、お聞かせいただけたらと思います。(発言する者あり)

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 近藤参考人。

近藤絢子東京大学社会科学研究所教授

○参考人(近藤絢子君) 済みません。済みません、また忘れました。  個人的に何で給付付き税額控除ができないのかがちょっとよく分からないので何とも言えないんですけれども、多分それ以外のやり方としては、何らかの形の給付みたいなものを創設して、その分をちょっと所得税の累進度を上げるみたいな形でやっていくというようなことしかないんだと思うんですけれども、それをやるよりは給付付き税額控除の方がよりシンプルに所得に連動した形になるんじゃないかなとは思います。  済みません、このぐらいしかないんですけれども。失礼します。

河野義博公明党

○河野義博君 ありがとうございました。  浅倉参考人にもまだまだ伺いたいんですが、済みません、時間が来てまいりました。  本当に三人の先生方、ありがとうございました。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 高木かおり君。

高木かおり日本維新の会

○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。    〔会長退席、理事清水真人君着席〕  今日は、三人の参考人の方々には本当に貴重な御教授をいただきまして、ありがとうございます。  早速質問に移りたいと思います。  まず、高見参考人に伺いたいと思います。  参考人は労働時間管理の研究もなされているということで、やはりこの長時間労働というのは、やはりパフォーマンスも下がりますし、個人の仕事に対する意欲というのもそがれていく。そういった意味で、この長時間労働によるメンタルヘルスの悪化、これをやっぱり改善していかなくちゃいけないんだろうというふうに思っているんですけれども、これなかなか、先ほども御説明いただいて、その理由であるとかそういったことにも触れていただいたんですけれども、なかなか、これをやっぱりしっかり明確に改善をしていく方法、これについてもう少し詳しく伺いたいと思います。  先ほど労働時間を把握をして公表するということなんかも一つの方法なんじゃないかということもありましたけれども、この点にも触れながら、是非伺いたいと思います。

高見具広独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員

○参考人(高見具広君) 貴重な御質問ありがとうございます。  労働時間、長時間労働とメンタルヘルスの問題について御質問をいただきました。  御承知のとおり、長時間労働によって、健康、身体的な健康やメンタルヘルスが悪化するということが知られております。ですので、メンタルヘルスも含めて健康の悪化を防ぐためには、当然長時間労働の防止というのが大事になります。  ここで難しいのは、労働時間が長い人で、いわゆるワーカホリックという人がいて、長くなるとそれで満足してしまうというような人に対してどう歯止めを掛けるのかというのが結構大問題というふうに私は感じております。  そのときに、本人で歯止めが掛けられない場合は、それはもちろん管理職というか上司の方、あるいは職場、あるいは家族かもしれませんが、周りの方が何かしらのセーブを掛けると。そのためには、やっぱりその健康状態、あるいは本人の生活状況なども把握する必要があります。家族なんかはもちろんその本人の顔色見れば分かるというのがありますし、上司も日々接している中で、頑張ってはいるけど、例えばちょっと疲れているんじゃないかというときには適切な声掛けをして、業務負荷を例えば減らすとか、何かしら一緒に考えるとか、そういうふうな細やかなやっぱりマネジメントが大事になるのかなというふうに考えるところでございます。  以上です。    〔理事清水真人君退席、会長着席〕

高木かおり日本維新の会

○高木かおり君 やはり、仕事とその生活の両立ということで今日お話しいただいたと思うんですけれども、そういう中で、テレワーク、リモートワーク、こういったことがコロナ禍以降、そのときに増えたりしながらも、ちょっと今、一定落ち着いてきたかなというような状況だと思いますが、このテレワークの業務の中でパソコン業務をしているとき、ログイン時間、それからログアウト時間以外にこの管理を適切に行う、要するに、従業員の労働時間を適切に管理しつつ適正にその報酬等に反映させることへの、この所感を是非ちょっとお聞かせいただきたいと思います。

高見具広独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員

○参考人(高見具広君) 非常に重大な論点だと思います。  今委員御指摘のように、テレワークで労働時間管理をどうするかというのは結構大事で、かつなかなか難しい論点だというふうに考えるところでございます。  というのは、テレワークを行っている場合、私もテレワーク結構やっているんですが、PCのログイン、出退勤ボタンを押すなどで労働時間管理をしていると。それに加えて、何というか、そのはみ出る部分で仕事関係が全くないかというのが難しくて、例えばメールなんかは時間限らず来る場合があります。そういうものも含めて、何というか、それは今は労働時間としてはカウントされないかもしれませんが、仕事に、仕事というのはなかなか勤務先が、私、過労死等の事案を見ていますと、ある意味本人が自発的にやっている部分ももしかしたらあるかもしれませんが、仕事がやっぱり負荷が高くて、時間、時間帯や休日、平日問わず仕事をやってしまって、その結果、健康を害してしまうという場合もあります。  そこに対しては、やっぱり事業場がもちろん労働時間管理もやる必要がありますし、加えて業務量ですね、時間だけじゃなくて業務負担、あるいはそのスケジュールといった、そこにまで目を配る必要がやっぱりあるのかなというふうに考えるところでございます。  以上です。

高木かおり日本維新の会

○高木かおり君 ありがとうございました。  続きまして、近藤参考人に伺いたいと思います。  今日、年収の壁の議論も少しさせていただきたいと思いつつ、この中で、参考人、年収の壁問題のこのデータに基づく丁寧な議論をという論考の中で、この第三号被保険者問題、これは冷静な議論の基盤となる客観的なデータに基づく実態把握を進めていくことが必要というふうな趣旨の主張をされているかと思います。  この中で、私も、エビデンスに基づく政策立案、いわゆるEBPM、これ、大変この考え方取り入れていくということは政策の中でも重要だと思っているんですけれども、先ほどの趣旨の主張をされたときの、具体的にどういったデータを見ていって、それからどういった分析を試みていくということが重要だと考えていらっしゃるか、是非この点についてお考えをお聞かせいただければと思います。

近藤絢子東京大学社会科学研究所教授

○参考人(近藤絢子君) ありがとうございます。  具体的に私が使っているデータがどういうものかというお話をしますと、総務省統計局がやっている労働力調査とか就業構造基本調査といったような非常にベーシックなデータですけれども、それで十分いろんなことが分かるので、それをきちんと活用する。あとは、あと、厚生労働省がやっている賃金構造基本調査も非常に頻繁に使っているんですけれども、そういったようなきちんとした政府統計も、これまでずっと続けてあるものをそのクオリティーを保った状態で存続していただくというのは非常に重要なものであって、あとは、年収の壁の場合は、プロジェクトに参加してくださった自治体からもらった住民税の課税記録のデータを使っているんですけれども、これ、今なかなか、国のものをもらうというのはなかなか難しい状況にあるので、仕方がないので自治体にお願いして、できる自治体からいただいているという状況なので、ちょっと国の、国全体の実像が分かるためには、国の持っている業務データというようなものを何らかの形で個人情報が漏れないように加工したものを学術利用できるようにしていただくと、より分析は進むと思います。  ただ、今ある政府統計だけでもいろんなことができますので、そういったようなものを使っております。

高木かおり日本維新の会

○高木かおり君 ありがとうございました。  続きまして、浅倉参考人にも伺いたいと思います。  先ほどお話の中にありましたその男女の賃金格差、これは理由として、勤続年数であったり管理職の数であったり、そういう性別役割分業と、こういった根強い固定観念といったものも大変重要で関連をしているというお話もあったかと思います。  これ、国連からの勧告を待つまでもなく、我が国というのはこの同一価値労働同一賃金の原則というのは不十分だと思っております。このジェンダー格差の賃金、依然としてやっぱり大きいんであろうというふうに思っておりますけれども、先ほど参考人から法改正のお話もありましたけれども、やはり女性が出産や育児の後に社会復帰をしようとしても、なかなか、その前までのキャリアのまま正社員として雇用される機会というのはまだまだ困難であるというふうに私は認識をしております。パートやアルバイトが目立って、やっぱりこの再入場する部分というのでなかなかハードルがあるんではないかなと。  そういう中で、この企業側にも、やはり採用の仕方だけでなくて、例えばリカレント教育、こういったことをしっかり充実をしてキャリアを保って、そして男女関係なく正社員として労働者を受け入れていく体制、こういったことを整えていくためには、どのような制度、さらに、今もやってはいただいているものの、まだまだこれからしっかりこの格差をなくしていくためにはどういった点が必要かと、この点について伺えればと思います。

浅倉むつ子早稲田大学名誉教授

○参考人(浅倉むつ子君) 重要な御指摘だと思っております。  多分、キャリアを維持していくというのが一番の皆さんの希望ですよね。それまで蓄積してきたキャリアを、妊娠し出産して一旦退職してしまった後に、もうそこで中断されて、復帰すると非正規でしかないという、そこが今一番の女性の働き方のネックになっているところなので、できれば短時間労働者制度という、そういうものを全ての企業が可能な限り導入して、身分ではない、非正規ではなく、正社員、正職員としての身分を持続しながら短時間働ける、そういう新しい制度を全ての企業が導入していけば出産というものもそのうちクリアできるのではないかと、その辺りが一番肝かなというふうに考えております。

高木かおり日本維新の会

○高木かおり君 ありがとうございます。  あと少しあるので、最後にもう一度、高見参考人に伺いたいと思います。  今、短時間正社員という考え方、これ、新しい働き方かと思います。このやはり私生活との仕事との両立という中で、正規と非正規という区別なく、多様な働き方で、この時間帯、時間の長さだけではなくて時間帯、こういったことをやはりできるのがこの短時間正社員、これについてのお考えを最後いただけますでしょうか。

高見具広独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員

○参考人(高見具広君) まさにおっしゃるとおりで、短時間正社員含めて多様な正社員というのは、これまで正社員というと企業拘束的で、残業もあり、転勤もあり、もちろんフルタイムだしと、そういうふうなものがセットだったわけですが、それ以外の多様な選択肢があるということは望ましいこと。注意しなきゃいけないのは、処遇が公平であるということを注意した上で制度設計をする必要があるというふうに考えるところでございます。  以上でございます。

高木かおり日本維新の会

○高木かおり君 終わります。ありがとうございました。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 伊藤孝恵君。

伊藤孝恵国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 冒頭、高見参考人にお伺いしたいと思います。  可処分所得が大事であることは言わずもがなですけれども、可処分時間も大事であるというような御示唆をいただいたというふうに思っております。その可処分時間を確保するためのICT活用はもちろんなんですけれども、例えば時間外割増し賃金に係る率というのをしっかり諸外国並みに上げていくということや、法定労働時間って本当に八時間なんだろうかと、六時間に挑戦している国もある、そういうこともしっかり検討していくべき。今日何よりお伺いしたいのが、勤務間インターバル制度の導入についてです。  私、これは義務化をしていったらいいと思っています。もちろん例外規定などは作って、さらには三六協定というような労使でちゃんと話し合う場も持った上で、これを義務化を導入していくというのは非常に大事だと思う一方で、これEU指令が十一時間だからだと思うんですけれども、なぜかインターバルの話をするとメンタルブロック的にみんな十一時間と言うんですよね。  ただ、この十一時間というのを今計算したんですけど、十一時間にすると、週五勤務で四週間、二十四時間から一日の法定労働時間八時間、法定休憩を一時間と勤務間インターバル十一時間を引くと、時間外労働が可能な時間って一日四時間、月八十時間、つまり過労死ラインになるわけです。  ただ、このインターバルって元々、過労死ラインの労働者の健康にとっての最低ラインを確保するという目的ではなくて、労働者の疲労を回復をして、そして健康や労働以外の時間のための時間をより一層充実させていくという目的なので、今厚労省の勤務間インターバル制度導入・運用マニュアルというのを見ているんですけれども、インターバル時間が十二時間を下回ると起床時疲労感が残ることが明らかになっているというふうに明示してあるんですよね。  ということは、労働者の疲労回復も目的とする勤務間インターバル制度においては、この疲労感を鑑みると十二時間というのが適当なんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

高見具広独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員

○参考人(高見具広君) 重要な御示唆をいただきました。  インターバルの話が中心だと思います。生活時間、休息時間をいかに確保するかというところで、インターバルは私も大事な考え方だと思います。それは何で大事かというと、今の時間外労働の規制というのは、例えば月四十五時間とか年間三百六十といった月単位、年単位だったりします。それだと、結局、労働者の生活というのは一日一日ごとにありますので、その規制というのは不十分だというところから、やっぱりそのインターバル、拘束時間から、拘束から外れた終業から次の始業までのインターバルをきっちり確保するというのが当然健康、生活のために大事だと。  今委員が御指摘あった十一時間というのは、もう本当に過労死ラインといいますか、健康を確保する最低限のラインというふうに思いますので、当然求められるレベルというのは、特に生活、家庭生活との両立という観点も考えると、疲労の回復も考えますと、もっと高いレベルを求めていきたいというふうには私自身は考えるところでございます。

伊藤孝恵国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 十二時間という具体的な時間、どう思いますか。

高見具広独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員

○参考人(高見具広君) 一時間プラスになるということで、もちろんインターバルは睡眠を確保するというのが一つの目的でありますが、労働者の生活は睡眠だけで成り立っているわけではありません。もちろん余暇の時間というのは、当然家庭生活もありますし、やっぱり時間が、仕事から解放される時間が短いと、やっぱりできることも非常に限られているというか、趣味だって大分変わってくるだろうし、そういう意味では時間の使い方も変わってくるので、十二時間というのは一つ望ましい時間設定かなというふうに思うところでございます。

伊藤孝恵国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 一日二十四時間ですから、半分は自分の自由になる時間というのは極めて分かりやすいのかなというふうに思いました。  続きまして、近藤参考人にお伺いしたいと思います。  私も九八年卒なので、就職氷河期のど真ん中で、悔しい思いをいっぱいいたしました当事者です。あのときに傷ついた自尊心ですとか、機会を失った、そういう理不尽というのはなかなか言葉で言い表すことができません。  今、政府のいろいろな施策を拝見していると、雇用が中心ですよね。当たり前ですけど、雇用保険を原資として、働いていない方、非正規の方を正規にして、社会保険料を払っていただくというのを一旦ゴールにしているのでそれは仕方のないことかもしれませんけれども、就職氷河期は、雇用だけじゃなくてやっぱり親の介護、団塊ジュニアですから団塊世代の親の介護、それから年金の心配、それから貯蓄全然していません、資産運用できていません。そういう心配事に伴走してくれる、そういう制度が大事なのかなというところに思うところなんですが、先生の御所見をお伺いしていると、まず、やっぱり働ける人にはまず働いてもらうということや、そうでない方にはセーフティーネット、具体的には生活保護でなくて例えば最低保障年金のような、そういうまた違ったセーフティーネットの形が必要なんじゃないかというふうにおっしゃっているのかなというふうに考えました。  例えばですけれども、定年延長ですとか、それから国民年金を納付猶予している方々がたくさんいますので、そういう方の保険料を追納することでその年金を確保していただくですとか、私、iDeCoの掛金を現金給付をするよりも、運用資金と情報、運用の知識というのを提供して、そして資産形成をするとか、今までなかったような施策、いろいろいろいろ考えるべきだと思うんです。  先ほど先生、その具体的なものにはなかなか触れづらいということだったんですが、この御著書を拝見して、今日お伺いしたいのは少子化への影響、これ、ほかの識者と一線を画しているような印象を受けました。ほかの方々は、やっぱりつながっているんだというふうに、原因なんだというふうにおっしゃっている反面、先生は、その情報をベースとして、必ずしもそうとは言えないという論を張っておられます。  私、一九七五年生まれなんですけど、生涯子なし率、OECDが発表された、二八・三%で世界一位でした。一方で、一九五五年生まれとの差、二十年前との差というのも一六・四%で、これも世界一位でした。生涯子なし、一九七五年生まれが二八・三、一九五五年生まれが一一・九、その二十年前、一九三五年生まれが一一・二、ここがほとんど変わらない中で、やっぱりこの二十年間で一六・四%も差が出るというのには、やっぱり女性の社会進出だけではない要因があると思っています。しかも、その経済、景気の影響というのはやっぱりあるんじゃないかというふうに私は思うんですけれども、いかがでしょうか。

近藤絢子東京大学社会科学研究所教授

○参考人(近藤絢子君) ありがとうございます。  そこのところは結構ニュアンスが難しい話になるんですけれども、その七五年ぐらいが底なんですね。それより下の世代というのはもっと景気が悪かったんですけど、なぜか八〇年生まれぐらいの人たちというのは微妙に多く子供を産んでいるんですね。それは統計的な事実としてあるので、これは私だけじゃなくて人口学者の間では知られた事実だったので、なので、必ずしも氷河期世代のところで少子化が加速したのではなくて、六〇年代生まれの人たちの六〇年生まれと六九年生まれ比べるとすごい差があるんですね。だから、そこの時代の人たちの世代を追っていくにつれて、どんどんどんどん少子化が進んでいったと。そこはどちらかというとバブル景気のときに若年期を過ごした人たちなので、そこが下がっていった理由というのは若年雇用の問題ではないだろうというのが私の意見なんですね。  ただ、世代の中で比べたときに、どんどんどんどん女性も経済的に安定している人の方が子供を産みやすくなっていっていて、元々、男性は元々その傾向があったんですけど、女性の方も、世代の中でより経済的に安定している人の方が子供を持ちやすくなっている傾向というのは若い世代ほど強まっているのも事実なんですね。  だから、その世代の中の格差と世代間の動向というのはちょっと何か違う動きをしていて、非常に、余り単純に分かりやすく伝えることが難しいんですけれども、ただ、統計的に見ると氷河期の一番ひどかった八〇年生まれぐらいの人たちというのは子供の数は減っていなくて、恐らく生涯子なしというのが八五年生まれの人の統計が出せる年齢に達したら、多分七五年生まれよりも微妙に下がっていると思います。というようなことが起きているというのは統計的事実としてあって、ただ、その事実が必ずしもその経済状況が子供を持てるかどうかに影響しないということではなくて、世代の中でそういう格差はあるのもまた事実ではあるんですね。ただ、日本全体のマクロで見た子供の数というのを見ていったときにはそれだけではないだろうと。  あと、今気になっているのは、九〇年代生まれの人たちというのがすごく子供を産んでいないんですね。彼らは、雇用状況的にはもう少し良かった時代、アベノミクスのその人手不足のときに働いていた人たちなので、多分何か違うことがあるのだろうと思うんですね。なので、そういったようなことで私は論じています。

伊藤孝恵国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 最後に、浅倉参考人に伺います。  男女の相対的貧困率というのが、六十九歳まではそんなに変わらないんですけれども、七十歳になるとワニの口のように女性だけ相対的貧困率が上がるというのがあります。そして、それを既婚、未婚で分けてみると、既婚の方の貧困率が一三・五%に対して、未婚の方は四三・一%。これ、政府に、この貧困状態に陥っている方が、じゃ、一号だったのか二号だったのか三号だったのか、はたまた三号だけれども離婚分割しているのかしていないのか、そういうようなデータを欲しいと言ったら、これ取っていないと言うんですね、分からないと言う。  ただ、今日先生から御示唆いただいた、やっぱり男女の賃金格差とか性別役割分担意識というものとこの単身高齢女性の貧困というのがこれはもうつながっているに違いないというふうに想像できる中で、これから是正していかなきゃいけないですが、今の氷河期のその先頭集団はもう十年後に入ってきますから、そういう年金受給世代に入ってきますから、そういうものは非常に大きな、今までなかなか光が当たってこなかったんで、そこ光を当てていきたいと思うんですが。  先生に今日お伺いしたいのは、人的資本情報開示義務、これ男女の賃金格差ですとか男性の育休取得率、女性の管理職比率というのを公表義務化をしていく、これ静かなるゲームチェンジャーだと私は思っていて、非常にこれ応援したいところなんですが、先生から見て、この人的資本情報開示義務というところに男女の賃金格差を入れていった、これについての効果、有効であるか否かというところをどう御覧になっているか、教えてください。

浅倉むつ子早稲田大学名誉教授

○参考人(浅倉むつ子君) ありがとうございます。  ちょっと人的資源情報というのが私はちゃんと把握できていないかもしれませんけれども、少なくとも、女性活躍推進法の中で賃金格差というものの公表義務が課せられた結果、非常にやっぱり情報量が多くなり、やはりコース別雇用などを導入している企業の方が格差が大きいとか、そういうような情報が非常に明らかになっていると思います。  ですので、そういう意味で、企業の中の情報を開示するということが、私は、ただ単に開示するだけではなくて、それを労働組合とか労使団体がもっと積極的に活用して世の中を良くしていくように利用していくということが必要だと考えておりますけれども、少なくとも、先生がおっしゃったように、これは積極的な評価ができるかなというふうに思っております。  以上です。

伊藤孝恵国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 ありがとうございました。  もう今、外国の投資家、人的資本しか見ていませんし、リクルート生も非常に注目している。つまり、お金も集まらない、人も集まらなくなりますから、この人的資本情報における男女の賃金格差というところ、もちろんおっしゃったような労働組合も、労働者の生活を守ると同時に企業もこれうれしいものですから、これは一緒にこの環境を良くしていくものとしてキーになるんじゃないかなと思って質問させていただきました。  ありがとうございました。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 山添拓君。

山添拓日本共産党

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。  参考人の皆さん、今日はありがとうございます。  まず、今の話とも関わって浅倉参考人に伺いたいと思うのですが、男女の賃金格差をめぐって、昨年五月にAGCグリーンテック事件の東京地裁の判決がありました。家賃を八割補助する社宅制度を総合職だけに適用し、一般職に適用しない、これが間接的な女性差別で違法としたもので、間接差別禁止の法定後、初めての判断かと思います。一見して性別と関係なくても、結果として一方の性に不利を、不利益を与えるような基準あるいは制度というのはかなり幅広く存在し得るかと思います。  そこで、この判決も踏まえて、今後の監督指導や法改正なども、更に法改正が必要かどうかということも含めて、この間接差別禁止というアプローチについての政治の側で取り組むべき課題についての御意見を伺いたいと思います。

浅倉むつ子早稲田大学名誉教授

○参考人(浅倉むつ子君) ありがとうございます。  おっしゃったように、東京地裁が初めて、昨年、AGCグリーンテック事件というところで間接差別が発生しており、それは不法行為に当たるというそういう判決が出て、私も非常にこれを読んで評価をしております。  ただ、すごく判決は工夫し工夫し、ようようのところで判決を出したということが推測できる判決文になっておりまして、というのも、社宅制度というのが福利厚生なんですね。福利厚生であるから男女雇用機会均等法の適用範囲であるというふうに言って、均等法の第七条という間接差別禁止規定があるので、それを推定すると、これは違法であるというふうに持っていったので、非常に裁判官は工夫されて判決を出したんだと思います。  ただ、先ほどから申し上げている労働基準法四条の賃金差別の禁止規定は間接差別禁止規定がないんですよね。ですので、社宅制度の福利厚生ならああいうふうに判決が出たけれども、じゃ、果たして、労働基準法四条違反の間接差別という形で住宅手当だったらどうかなというふうに、ちょっと研究者としてはそういうところが思うので、できれば立法をもっと進めていただいて、これは政治の分野でどんどん、均等法とそれから労働基準法との整合性というものをしっかりとつくり上げて、賃金についても間接差別禁止規定というのを盛り込むというような法改正をしていただければなというふうに思っております。  以上です。

山添拓日本共産党

○山添拓君 賃金についても間接差別禁止というのは当然の要請かと思いますので、参考にしたいと思います。  高見参考人に伺います。  男性の仕事時間が極端に長くて、家事時間、家事関連の時間は極めて短いと、そういう指摘がありました。日本の長時間労働が性別役割分担の結果であるとともに、原因にもなっていると思います。そして、女性が無償労働やケアの多くを担っているために非正規を選ばざるを得ず、それが職業選択の自由や自己実現も阻んでいる問題でもあります。  長時間労働の是正、これはもうもちろん必要だと思うんですが、それにとどまらず、先ほど諸外国では六時間に挑戦という話もありました。また、週休三日というところに挑戦しているところもあります。法定労働時間も含めた労働時間の短縮そのものが個人の自由な時間を拡大するとともに、生活時間も確保してジェンダー平等を進めていくと、その上で、重要かと思うんですけれども、その労働時間の短縮、更なる短縮ですね、この点についての御意見を是非伺いたいと思います。

高見具広独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員

○参考人(高見具広君) ありがとうございます。  貴重な論点だと思います。労働時間短縮、更なる短縮というのは当然必要なことであります。  どういうふうに短縮すべきかということで、一つは今委員が御指摘あったような法定労働時間を短縮する、あるいは週休三日というお話がありましたが、休日を増やす、あと、時間外労働をもっと規制を、上限を強めるとか、いろいろな方法があると思います。  なかなか、結局、労働時間規制って、私も法律専門じゃないので十分分からないところがありますが、労働時間の規制というのは、もちろん生活、健康を守るというのが一つと、あとは、その多様な働き方、多様な選択を促進するというのが一つあって、その中でどういうふうな労働時間制度がいいのかというところになると思います。もちろん、休日を増やすということで、何というか、可処分時間というか、使える時間が増えるというのもあります。  法定労働時間は、短縮というのは、一九八七年の労基法の改正で法定労働時間短縮して、その結果、労働時間が一定程度減少したというのも私も承知していますので、効果はあると思います。ただ、健康確保という面を考えたときにやっぱり大事なのが時間外労働なんだろうというふうに私は思っていて、そこに対してどうアプローチするかというのがやっぱり大事なところかなというふうには思っています。  特に、さっき先生がおっしゃったような、男性が仕事時間がすごい極端に長いというのは、多くはやっぱり残業がいまだに多いということがやっぱり根本にありますので、もちろん法定労働時間短縮というのは先々見たときには必要なことかもしれませんが、まずは目の前の残業をいかに減らすかというところが大事であって、そのためには、もちろん労働時間規制という方法もありますが、やっぱりその会社の中での業務管理、とにかく時間になったから帰れではなくて、そのための業務を回していく業務管理を、進め方を効率化していくなどの方策で、それがまさに働き方改革だと思います。労働時間の残業をストップさせるだけじゃなくて、そのために働き方を変えていくということがやっぱり大事であるというふうに考えるところでございます。  以上です。

山添拓日本共産党

○山添拓君 ありがとうございます。  近藤参考人に伺いたいと思います。  非正規雇用が二十年で一・五倍になり、二千万人を超える状況で、その多くが低賃金、不安定雇用で、賃金が上がらない日本の構造的な要因になってきたと思います。この非正規は、しかも、政策的に増やしてきたものでもあろうと思います。ですから、この就職氷河期世代、これは自己責任論を前提にして、政策的に選択肢が狭められてきた世代と言えると思うんですね。  そこで、そういう世代が徐々に年を重ねていくという状況の下で、先ほどからのお話を伺っていて私が認識する限りでは、セーフティーネットも含めて、その就職氷河期世代の下で過ごしてきた一人一人のその選択肢を広く提供するような、そういう政策的な対応が必要という御趣旨かなとも思うんです。  その際に、やはり基本はその経済的な支えが不可欠だということになろうと思います。払える人に払ってもらおうということなんですが、では、その払える人というのは誰なのかというときに、やっぱりこの二十年、三十年、失われた三十年と言われるその日本の状況を見たときに、一方でもうけを上げてきた大企業があると。ですから、経常利益が上がり、配当も上がり、場合によっては役員報酬も上がり、しかし給料は増えないと、賃金が上がらない日本という、そういう状況があります。  ですから、そのもうけに何らかの形で、これは賃金なのか社会保険という形なのか、あるいはその税という形なのか分かりませんが、不公正を正すという意味では、片やもうかってきた、もうけを上げてきた側があり、片や賃金が上がらない、しかも困難を強いられてきた側があると、そこに切り込まずしては是正はできないんではないかと。つまり、先ほどおっしゃったように、手取りを増やす、税の取戻しというだけではやはり限界があるんじゃないかというふうに考えるんですが、その点について御意見を伺いたいと思います。

近藤絢子東京大学社会科学研究所教授

○参考人(近藤絢子君) ありがとうございます。  そのおっしゃるとおりで、税を取り戻すだと、税金を納めていない人には戻しようがないという問題がありまして、なので、一番問題になっているのは、税金を、納める税金自体がもうそもそもそんなに高くない人たちというのは、税金をゼロにする以上の給付を受けることができていないという問題があって、なので、そこでどうにかした方がいいということが本当にあるんですけど、ただ、私自身がその制度設計の方が専門ではないので何とも余り具体的なことが言えないという問題がありまして。  あと、冒頭でおっしゃられた非正規雇用の話なんですけれども、ここ結構大事なポイントかなと思うのであえて発言させていただきたいんですけど、確かに非正規雇用増えているんですけれども、その非正規雇用の増加分というのは、かなりの割合が専業主婦だった人がパートタイムで働くようになった増加分なんですね。  なので、それよりも問題なのは、正規雇用か非正規雇用かという問題ではなくて、正規雇用だとしても非常に労働条件が悪いという人たちが氷河期世代非常に多くて、実は正規雇用比率というのを見てみると、それなりにやっぱり年齢とともに上がっていっているんですね。なんですけれども、恐らく国もかなり正社員転換に対して補助金出したりとかしていて、その効果もあるんだと思うんですけど、正社員と言われても中に非常に格差があって、なので、余り正規、非正規のところにばかり注目し過ぎると、正社員になりさえすればいいだろうというふうになってしまうと、それは逆に危険かなと思っています。  話を戻して、そうですね、ちょっとその企業、労働分配率みたいな話は私正直余り詳しくないので何とも言い難いんですけれども、やはり払える人からうまく徴収するということを考えていかないと高齢化で国の財政が破綻してしまうというのが一方にあって、でもやっぱりそれに対しては非常に政治的な抵抗感が大きいという問題が他方にあるので、その辺のバランスは非常に難しいと思うんですけれども、でもやっぱり取れるところから取っていかなければ配るお金の原資がないという問題が、多分今、日本も直面している問題だと思います。  ありがとうございます。

山添拓日本共産党

○山添拓君 ありがとうございます。  正規雇用であっても、最低賃金の上昇に伴って最低賃金水準で働く正規雇用が広がっているという問題もありますので、御指摘はそのとおりかなと思いました。  最後に、時間の許す限りで浅倉参考人に、今日、女性差別撤廃委員会のことを御紹介いただきましたが、日本の拠出金を使わせないと、女性差別撤廃委員会にですね、国連機関にそう通告をしたというニュースがありました。これは皇室典範についての勧告が理由だと言っています。来日しての調査も拒否すると言っていますので、ちょっと最後にその点の御意見だけ伺いたいというふうに思います。

浅倉むつ子早稲田大学名誉教授

○参考人(浅倉むつ子君) ありがとうございます。  女性差別撤廃委員会から出た勧告というのは六十項目あります。そのうちのたった一つの項目を盾にして国連の委員会に拠出金を出さない、あるいは使わせないという判断は、全く私は国連の人権委員会の意義を理解していないやり方だというふうに考えていますので、是非ともこのような決定は撤回していただきたいというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

山添拓日本共産党

○山添拓君 ありがとうございます。  終わります。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 木村英子君。

木村英子れいわ新選組

○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。  本日は、参考人の先生方にお話を伺う機会をいただきまして、ありがとうございます。  まず初めに、浅倉参考人にお尋ねします。  今回のテーマは「希望が持てる雇用・労働環境の整備」ですが、障害者の置かれている現状は、労働以前に、社会で生活するための保障や環境が整備されておらず、生きづらさを余儀なくされています。介護が必要な障害者の就労についても、厚労省の告示五百二十三号によって重度訪問介護、行動援護、同行援護を利用する障害者に対して就労などの経済活動が法的に認められないことで、障害者の社会参加が阻まれている現状にあります。  私自身、社会では生きていけないものとされ、施設しか生き場がない現実の中で、死ぬ覚悟で地域へ出てきましたが、重度障害者の私が生きていける保障はほとんどなく、障害を理由とした差別と同時に、女性として結婚、出産、育児を体験していく中で、複合的な差別も受けてきました。生産性が求められる社会において、障害者の人権はないがしろにされたままで、日々の生活で受けている差別との闘いは終わることがありません。  このように障害を理由とする差別が解消されない現状において、二〇一三年に障害者差別解消法が成立し、二〇一四年に障害者権利条約に批准しました。しかし、国会と裁判所は障害者差別解消法による合理的配慮の義務から除外されているため、障害者が差別を訴えても取り扱ってくれるところは少なく、泣き寝入りせざるを得ない障害者がたくさんいます。  そんな中で、二〇二二年には国連の障害者権利委員会の対日審査が行われ、総括所見が出されましたが、障害者の権利を保障するための施策が不十分であることとして多数の勧告を受けており、二〇二八年までにその改善を求められています。  浅倉参考人は、女性差別撤廃条約における選択議定書の批准を求める活動をされています。障害者への社会的弊害をなくしていくために、選択議定書に批准し、国連へ通報できる個人通報制度が障害者にも必要だと思いますが、どのような取組をしたらよいのか、お考えをお聞かせください。

浅倉むつ子早稲田大学名誉教授

○参考人(浅倉むつ子君) ありがとうございます。  国連の人権委員会である障害者権利委員会が対日審査を行って、その結果出た勧告に従って日本政府が様々にやるべきことが、今、私たちに突き付けられていると思います。  おっしゃいましたように、私は、女性差別撤廃条約の選択議定書を批准した方がよいという、そういう活動をしておりますけれども、当然、日本は八つある人権条約のうちの選択議定書、一つも批准しておりません。当然、障害者権利条約も選択議定書を批准して個人通報ができるようになれば、恐らく日本の司法はもっともっと変わるであろうというふうに思っておりますので、全ての人権条約の選択議定書を日本政府は早めに、早く批准していただいて、そして、国内で解決できない様々な差別を国連の委員会に通報できるような仕組みを是非ともつくっていただきたいというふうに考えております。  ありがとうございます。

木村英子れいわ新選組

○木村英子君 ありがとうございます。  次に、近藤参考人にお聞きします。  近藤参考人のインタビュー記事を読ませていただいたところ、介護や育児が女性が働けない大きな理由になっていると。特に介護の方がより社会の理解が進みにくく、話題として避けて通られやすい風潮があると指摘されています。昔から障害者や高齢者の介護は家族の責任として負わされています。それが今、子供にまで及び、ヤングケアラーの問題は深刻な課題です。私自身も、家族が介護などで育て切れずに施設に預けられてきましたから、介護の担い手が家族だけでは限界があることを痛感しています。  既存の社会保障の枠組みでは、支援が必要な障害者や高齢者が自立して社会参加していくには制度が整っていない現状です。家族に頼らない介護制度の在り方を考えなければ、誰もが安心して働ける環境はつくれないと思いますが、障害者や高齢者が、家族が安心して働ける環境を整えるために国がどのような施策を行うべきなのか、近藤参考人のお考えをお聞かせください。

近藤絢子東京大学社会科学研究所教授

○参考人(近藤絢子君) ありがとうございます。  非常に単純な話になってしまって恐縮なんですけれども、やはり今ある介護保険、ありますよね、その体制自体がもう既にかなりうまく回っていない、二〇二五年問題とか言われていますけれども、要するに介護労働者が確保できていないということで、そこの問題をまず解決してからじゃないと次のことが考えられる状態にないというのが現状だと思うんですね。  やっぱり、介護労働の人手が足りないのは、根本的な問題としては介護産業が非常に低賃金産業にあるということで、そこをどうにかしなければいけない。ただ、やっぱり、そこをどうにかするためには、介護保険から拠出されている以上は財源の問題がどうしても出て回るということで、結局、再分配問題と同じで、財源が、どこに財源があるんだというところに帰着してしまうので、なかなか簡単に解決できる話ではないとは思うんですけれども。  やはり、介護の場合は、新しい制度を工夫することも大事だと思うんですけれども、もう既存の制度自体が維持できなくなりつつあるというのが現実だと思いますので、そこをまず目の前の問題として解決していくというのが先決なのかなというふうに思っております。

木村英子れいわ新選組

○木村英子君 ありがとうございます。  最後に、高見参考人にお聞きします。  今回のテーマでもある仕事と生活の両立についてですが、日本では長時間労働が前提とされているために、介護や育児で正規の職に就けない家族が多く、また、介護による離職率が高い中で十分な賃金を得る労働ができない人も多くいます。また、介護や育児に加え、過重労働により過労死を招きかねない状況にある人もいます。  高見参考人のおっしゃる長時間労働の是正について、短時間しか働けない人が十分な賃金を得るためにはどのような方策が必要なのか、高見参考人のお考えをお聞かせください。

高見具広独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員

○参考人(高見具広君) 重要な論点というふうに承知しております。  今委員が御指摘のように、短時間しか働けないと、でも十分な処遇を得るというのはもちろん大事な論点で、今、私、今日のプレゼンテーションで働き方改革というのが求められる理由として、それは単なる残業削減ではなくて、それは多様な人材が活躍できる土台をつくるというのが働き方改革の目的だというふうに考えて申し上げたつもりでございます。  というのは、現在の日本の雇用制度、まあ全部の企業がそうだというふうには申し上げるものではありませんが、特に日本的雇用システムと、製造業、大企業で見られたような日本的雇用であれば、本当にフルタイムで長時間働ける、いつでも残業できる、転勤もできると、そういうふうな言わば無限定の正社員のみしか活躍できないようなモデルというふうにされます。それは、今の多様性、多様な人材が活躍できるためには十分な仕組みではないと、全く問題だというふうに考えておりまして、そのためには今の働き方を変えなければいけないと。  だから、今のモデルを前提に短時間でもというのではなくて、全体の働き方をやっぱり変えていくことが、やっぱり、何というか、時間は少し掛かるところもあるかもしれませんが、日本社会にとって大事なことだというふうに考えるところでございます。  ありがとうございます。

木村英子れいわ新選組

○木村英子君 ありがとうございます。大変勉強になりました。  私の質問は終わります。以上です。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 以上で各会派の一巡目の質疑は終了いたしました。  二巡目は、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるように御協力をお願いいたします。  これより二巡目の質疑を行います。  質疑のある方は挙手を願います。  田中昌史君。

田中昌史自由民主党

○田中昌史君 自由民主党の田中昌史と申します。  参考人の皆様方、本日は大変ありがとうございました。  十分ということなので、手早く行きたいなというふうに思います。  まず、高見参考人に伺いたいと思います。  お話を聞いていて、本当に、今の管理職の人たちは本当大変だなと。私も現場の管理職と話をしていると、大体なりたくないと、もうなりたくありませんと。先ほど持ち帰り残業の話があって、勤務時間内に終わらないので持ち帰り残業でいくと、配偶者の方から、そんな一銭にもならない仕事持ってきて、あんた何やっているんだと、家庭の雰囲気が非常に険悪になるという弊害も一方でまた同時に起きているという話であります。  そういった観点で考えると、先ほど参考人がおっしゃったような、やっぱり労働の分担あるいはその整備をしっかりしていくというのが、企業がしていくというのが大事だというのはもうそのとおりでございまして、長時間残業を防いでいくこと、労務管理等をしていくことというのは、私はそのとおりだと思ってそれは聞いておりました。  一方で、話を聞くのは、いや、そんなこと言ったって、もっとがりがりやって経営をもっと前に進めて、働きたい、やりたいという社員もいると、こういうことを一律で規制されると私は困るんだという意見も一方であるわけです。  残業時間の規制という部分で、方向性としては私はもう何の問題もないという認識の上で、こういった、もっと働かせてほしい、どんどんやれる人はやらせてほしいという意見が一方であるということについて、高見参考人、どのようなお考えをお持ちか、ちょっとお伺いできればと思います。

高見具広独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員

○参考人(高見具広君) ありがとうございます。  私もヒアリング調査などをしている中で、そういうふうなお考え、管理職者にもそういうお考えがありますし、例えば若い人にもそういうお考えの方、自分たちの成長機会を奪うんじゃないかというようなお考えもあります。それはなかなか難しくて、確かにそういうふうな話になると、確かに一律の規制はなじまないんじゃないかというふうな議論にもなりかねないとは思います。  ただ一方で、難しいのは、その労働時間の規制というのは個々人のいろんな多様な志向というものを考慮しなきゃいけないというものと、やっぱり生活、健康を守るという視点も大事だと。だから、結局そういう方は、じゃ、残業じゃないと成長できないのかと。あるいは、企業の方、管理職、私も十分存じないところもありますが、やっぱりその中で経営改善、業務改革を進めて、残業がなくて、最小限であっても回るように経営体制を変えていくというのがやっぱり本筋だと、それがやっぱり働き方改革の基本だというふうに考えるところでございます。  以上です。

田中昌史自由民主党

○田中昌史君 ありがとうございました。  続きまして、近藤参考人に伺います。  大変参考になる話で、ありがとうございました。  今の日本の中では、高齢者の就労と、労働力人口がどんどん少なくなってくる状況の中で、高齢者の就労と女性の就労、これをどんどんどんどん増やしていこうという方向になっています。ただ一方で、この高齢者とか女性の就労、先ほど、比較的賃金が低いという話もありました。この方々の雇用を増やすことによって、逆に相対的な賃金は上がりにくくなるんではないのかという考え方もできるんではないのかなと。労働力、低い賃金の労働力をどんどん入れることによって、本来上げなきゃいけない人の賃金まで上げられなくなって、上げなくてもいいのか、上げようとしないのか、それはいろいろ理由があると思うんですが、上げるべき人の賃金が上がっていかなくなってしまう可能性があるんじゃないのかなというふうに私も思ったりするんですが、この辺り、近藤参考人のお考え、もしあれば伺いたいと思います。

近藤絢子東京大学社会科学研究所教授

○参考人(近藤絢子君) 全体として労働供給が増えているところでそれが起きると賃金水準が下がっていくことを懸念しないといけないんですけれども、今の日本で起きていることというのは、人口が減っていて、一番コアとなる二十歳から六十歳ぐらいのところの人口が減っていて、そこの減った分を穴埋めするかのように七十代ぐらいまで働き続けているということが起こっているんですね。  それから、女性の労働供給が増えているというのも、実は正社員として働き続ける女性も増えているんですね。それで、その分、パートタイムで働いていたであろう人たちが正社員になる一方で、専業主婦だった人たちがパートタイムで働く、あるいは、五十代ぐらいの人たちが引退しないでパートタイムで五十代、六十代まで働き続けるということが起きていて、何か減ったところの穴埋めをするような形で増えているので、その意味では、恐らく平均的な賃金水準を引き下げるというところまでは行かなくて、むしろいなくなってしまったところを埋めているというようなところであって、そこの心配はそこまでする必要はないのではないかなと。もっとミクロなところで処遇の公平性みたいな話はあると思うんですけれども、マクロなところでそこの心配はないのではないかと考えています。

田中昌史自由民主党

○田中昌史君 ありがとうございました。  先ほど、貧困に至る前というか、生活保護に至る前の低い所得の皆さん方に対するセーフティーネットが非常に少ないんだというお話があったかと思います。  こういった、実際に働いていらっしゃる、だけど低所得という部分で自立した生活ができない方々に対しての福祉的な支援をというお話があったと思うんですが、こういう方々を、例えば就労支援、就職支援、就労支援とかリスキリングとかというふうに乗せながら所得を上げていくような仕事に転換させていくという場合に、今のシステムだと、就労支援で頑張んなさいよという部分で、自分で段階的に上がっていきなさいという仕組みがいいのか、先生が言うよう、福祉的支援を提供して、生活の自立度をばんと上げた状態からリスキリングしていく方がいいのか、これどちらの方がより効果的なのかなというふうに私はいつも疑問に思っているんですが、この辺り、お考えがあれば是非、近藤参考人にお伺いしたいと思います。

近藤絢子東京大学社会科学研究所教授

○参考人(近藤絢子君) そのリスキリングという視点で考えるならば、やはりそのリスキリングする時間が捻出できる程度に生活に余裕がないといけない。実際にそれが実装されているのが求職者支援制度だと思うんですけれども、そういったようなものは当然必要であろうと思います。  もっと根本的な問題として、その低所得の人たちがより所得の高い別の仕事に移った場合、その低所得の人たちがしていた仕事は誰がやるんだという問題が、多分より根本的な問題があって、なので、そこのところをやる人たちがいるという場合は、そこのところの賃金を上げるとか、あるいはそこに、そのところの人たちに対して何か所得補助をするとか、何らかの形でしていかないと、何か、そういう低賃金の職を撲滅するみたいなことというのは非常に難しいと思うんですね、政治的な介入でできることではないと思うので。その意味で、福祉的な補助が必要だということを述べているんですけれども。  やっぱり、リスキリングみたいな形でその人的資本に投資する場合は、やっぱり投資する余裕がある状態というのを期限付であってもつくらないと、低賃金で毎日十時間とか十二時間とか労働している状態の人が、それ以上の自己研さんに励むというのは不可能だと思います。

田中昌史自由民主党

○田中昌史君 ありがとうございます。  ちょっとあと一分しかないんですけれども、ちょっと端的に浅倉参考人に伺いたいと思います。  同一価値労働同一価値賃金で、合理的と認められない賃金の相違を設けてはならないという話であります。これは、一般の企業の皆さん方、普通の中小企業の社長の皆さん方が、この合理的であるか否かをこれはどうやって判定できる状況に今あるのか。いろんな論文を見ても、その合理的配慮と認められないものが、による賃金の格差が六パーとか一六パーとかいろんな報告をいっぱい拝見するんですが、この一般の中小企業の皆さん方は、この合理的理由という部分に該当するかしないかというのはどう判定できる今状況にあるのかを御存じでしたら教えていただければと思います。

浅倉むつ子早稲田大学名誉教授

○参考人(浅倉むつ子君) ありがとうございます。  そこは私も本当に問題だと実は思っております。合理性というところで、賃金の格差の不合理性をどうやって立証できるのかということですよね。現状では裁判所が判断をしているというところなんですけれども、それを単に裁判所の判断に委ねずに、もう少し何が合理的で何が不合理なのかということをしっかり分かるような形で法の仕組みもつくってほしいというのが実は私たちの願いでございます。

田中昌史自由民主党

○田中昌史君 ありがとうございました。  以上で終わります。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 森屋隆君。

森屋隆立憲民主・社民・無所属

○森屋隆君 立憲・社民・無所属会派の森屋隆です。本日はありがとうございました。  私からは、浅倉参考人に賃金の在り方を二点と、時短と公共的活動について一点お願いしたいと思います。  一点目は賃金なんですけど、ここ何年か、年功序列賃金が何となく悪で、ジョブ型賃金なんだというような傾向があると思いますし、果たしてそうなのかなと私はちょっと思っていまして、特に日本版ジョブ型賃金というのがちょっとなかなかよく理解ができないんですけれども。  例えば電車の運転士さんは、もうその電車の運転士さんの賃金があるから、ある意味ジョブ型なんだと思うんですけど、でも実際は、一年目、二年目という年功序列で、一年、一歳で上がっていくから年功序列の賃金なんですよね。そして、ジョブ型でいえば、東京の鉄道の電車の運転士さんと、じゃ、地方の鉄道の運転士さんの賃金が同じなのかといったら全然違うわけですよね。それはまあ当然違うんですけど、この辺の整理と、日本版ジョブ型賃金の評価というものをもし分かればお聞きしたいのが一点です。  二点目が、今、東京都と、世田谷が公契約条例で千四百六十円になっていると思うんですけれども、最低賃金は千五百円目指しているわけですから残り四十円ということで、委託されているところは最低が千四百六十円とかになっているんですけど、同じ公共的な、委託されていない民間企業は地域最賃になっているんですけれども、そういったところのこの社会的整理というか、本来であれば行政が委託している公契約条例のところに合わすべきだと思うんですけれども、これについてもちょっと評価をもしあったらお願いしたいんですけれども。  三点目は、浅倉先生が指摘されていますこの公共的性質の時間の活用は重要だと思いますから、私もこれ時短をして公共的な活動に使うべきだと思うんですけれども、しかし、その時短をできるように、その活動を賃金として可視化をして企業あるいはその活動している人にインセンティブを与えないと、結果的には、企業は、その時短をして企業にも何らかのインセンティブがないとそういったことはなかなか進んでいかないのかなと思うんですけれども、その点の考えが、もし御助言あればお聞きをしたいと思います。

浅倉むつ子早稲田大学名誉教授

○参考人(浅倉むつ子君) ありがとうございます。  ちょっと、とても難しい問題をいろいろ御指摘になったと思います。  一点目のジョブ型賃金というのは、実は私は賃金の専門家ではなくて、昭和女子大学の森ます美先生たちが職務評価賃金を実施されたので、その職務評価と、それから私たち法律家が一緒になって研究をしたのが本になって出版されておりますので、賃金の専門家ではないので申し訳ないんですけれども。  ただ、たとえ職務給が、産別の職務給制度が貫徹しているヨーロッパ諸国でも、年功を評価して、勤続年数が高い人に対してはその手当を多少高くするということは実は行われているというふうに聞いていますので、必ずしもその全ての職務給が年功を無視するような形で実施されているわけではないので、賃金の支払い方には様々があるというふうに思っております。ですので、何というんでしょうか、ジョブ型賃金だと全て年功を否定するかのように受け止めるのはちょっと間違いかなというふうに思っております。  それから、二点目の東京都の、東京都等の公契約条例ですけれども、恐らく、この公契約条例がその最低賃金を多少引き上げるような形で機能していくというのは、公的な機関に課せられた一つのあるべき姿を実現していくというやり方ではないかと思うので、これが、それを、民間の賃金レベルをむしろ主導していくという形で公契約条例というのは利用されていくものであって、それは一つの役割かなというふうに思っております。  それから、三点目におっしゃった時間短縮の問題ですけれど、恐らく生活時間の問題で、あれでしょうか、私が言っていることをおっしゃってくださったのかなというふうに思うんですが、生活時間問題というのは、生活時間というのは実は、ほかの方は御存じないかもしれないんですけれども、「かえせ 生活時間」というキャンペーンを実は何年か前からやっております。  それは何かというと、労働時間の短縮というと二十四時間のうちの何が奪われるかということをより、ごめんなさい、生活時間という言葉を使うと労働時間の短縮というのがよりビビッドに労働者の頭の中に入るんじゃないか、労働組合の頭の中に入るんじゃないか、そう思って、つまり、二十四時間のうち時間短縮をすると何が増えるかというと、生活時間が増えるだろうということで、非常に、生活時間の重要性というのを少し強調する意味で、労働時間短縮というよりは生活時間を取り戻そうという訴えをした方が大変世の中に映える、影響すると思ってそういう言葉を使っております。  そこで、先ほど例えばインターバルの御議論も出ましたけれど、例えば二十四時間の中のインターバル十一時間、それを差し引くと十三時間しかありませんよね。その企業関連時間が十三時間ということは、八時間、実労働八時間、それから休憩時間一時間、そして通勤時間二時間となると、残りは二時間しかなくて、一日の労働時間はもう二時間しかないと。だから、残業はもう一日単位で二時間にすべきだというようなことを実は私たちも言いたいためにインターバルとか生活時間ということを強調しておりますので、もっともっと日本の働いている人たち自身に生活時間を大事だということを強調していただきたいと思って生活時間という言葉を使っております。  それにはやはりいろんな活動があるので、公共的な意味すらあると、生活時間の中には、そんなことを言っておりまして、以上でございます。

森屋隆立憲民主・社民・無所属

○森屋隆君 ありがとうございました。  あと一分なんで、高見参考人に一点。  運輸業が、言われたように、残業時間突出しています。働き方改革の五年間の猶予期間が終わって、若干今時短になっているんですけど、まだまだ実際多いわけですよね。  それで、時短したことによって、手取りというか、残業代がなくなった分やっぱり手取りが少なくなっていると、そのことによってやっぱり生活がなかなかできないと。離職者も実際います。そして、若い人も、じゃ、稼げないんだったら入ってこないと、この現実があるわけですけれども、時短は私すごい大事だと思うんですけど、その一方で、カバーするところが余り付いてきていないということなんですよね。要は、得るものが余りないというところの、参考人、先生のですね、解決策なかなか難しいと思うんですけれども、やっぱりここが大事なんだというところをちょっと教えていただけたら有り難いと思います。

高見具広独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員

○参考人(高見具広君) ありがとうございます。  今、委員から運輸業のお話が出ました。業種でいえば、運輸業や建設業が長時間労働が結構多い業種であって、適用猶予事業、業種になっていたところもあります。それが二〇二四年問題とよく言われますが、そこで時間規制が適用されて、今委員がおっしゃったような、時間は制限ができて少し働きやすくなったかもしれませんが、その分、手取りというか所得の面で苦しくなっているというのは実情としてあるんだろうというふうに思います。  それは同じようなものが、例えば中小企業問題というのが多分またあって、同じような形で利益が出しにくいという問題が生じていると。そういうものをどうするかというのは、当然、私は少ない知見の中でなかなか申せることは少ないですが、もちろん、簡単に言うと、生産性を上げていくというような本来の姿しかないと。そのためにどうするかというのは、なかなか、いろいろ今の自動化や省人化というのを進めることで限られた人員の中でもうけを出していくと。特に中小企業だったら例えば下請構造の問題があるとか、まあいろいろ解決すべき問題はありますが、結局は、その限られた時間というのは、それは時間、労働時間規制というのは、当然命、健康を守るというのが目的ですので、それはもちろん守らなきゃいけなくて、その上で利益を出す構造をつくっていくというのは各企業に求められるところだと思います。  以上です。

森屋隆立憲民主・社民・無所属

○森屋隆君 ありがとうございました。  時間なので終わります。

福山哲郎立憲民主・社民・無所属

○会長(福山哲郎君) 他に御発言もなければ、参考人に対する質疑はこの程度といたします。  参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。  皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。調査会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十七分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗