政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会 第4号
- 発言数
- 96 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2025/04/18
会議録
○委員長(石井浩郎君) ただいまから政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、森屋隆君、田中昌史君、松川るい君、岡田直樹君、宮本周司君、山田太郎君、榛葉賀津也君、山本博司君、三浦信祐君及び紙智子君が委員を辞任され、その補欠として江島潔君、大家敏志君、松山政司君、三宅伸吾君、川合孝典君、山本順三君、竹内真二君、若松謙維君、仁比聡平君及び石垣のりこ君が選任されました。 ─────────────
○委員長(石井浩郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 政府開発援助等及び沖縄・北方問題対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に外務省国際協力局長石月英雄君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井浩郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(石井浩郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 政府開発援助等及び沖縄・北方問題対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に独立行政法人国際協力機構理事長田中明彦君及び同理事大場雄一君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井浩郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(石井浩郎君) 政府開発援助等及び沖縄・北方問題対策樹立に関する調査のうち、参議院政府開発援助調査に関する件を議題といたします。 本日は、令和六年度参議院政府開発援助調査派遣団参加議員の方々から各十分程度御意見を伺った後、九十五分程度委員間の意見交換を行いたいと存じます。 御意見を表明していただくのは、第一班のベトナム社会主義共和国、マレーシア、タイ王国については石垣のりこ君、第二班のインド共和国については若松謙維君、第三班のフィジー共和国、トンガ王国については江島潔君、第四班のセネガル共和国、コートジボワール共和国については山本順三君です。 なお、御意見を表明される際は着席のままで結構です。 それでは、まず、第一班の石垣のりこ君からお願いいたします。石垣のりこ君。
○石垣のりこ君 ODA調査派遣第一班について御報告いたします。 当班は、令和六年八月二十六日から九月四日までの十日間、ベトナム社会主義共和国、マレーシア及びタイ王国に派遣されました。 派遣議員は、団長の中西祐介議員、窪田哲也議員、そして私、石垣のりこの三名です。 今回訪問したベトナムではフォック副首相兼財政大臣やズン計画投資大臣、マレーシアではモハマド外務副大臣、タイではスリヤ副首相兼運輸大臣といった要人との面会の機会に恵まれるなど、様々な関係者と意見交換を重ねつつ、主要なODA案件の視察も行うことができました。 以下、それぞれの国における現地視察や関係者との意見交換等を通じて得られた所見を中心に御報告いたします。 まず、ベトナム社会主義共和国について申し上げます。 ベトナムは、近年、おおむね五%から八%という安定的成長を遂げており、また、メコン地域の発展の牽引役として重要性が高まっています。日本とベトナムは二〇二三年に外交樹立五十周年の節目を迎え、両国関係は包括的戦略的パートナーシップに引き上げられました。両国は、自由で開かれたインド太平洋、FOIPを実現するためにも関係を強化し、地域全体の安定と繁栄を促進する様々な取組についてODAを戦略的に活用していくことが重要と言えます。 今回、ベトナム海上警察に無償資金協力により供与した船舶を視察し、不正な漁業の取締り等に活用されている実態の説明を受けましたが、法の支配に基づく自由で開かれた秩序をつくるため両国が理念を共有するとともに、違法、無報告、無規制に行われるIUU漁業の対策強化など、海の安全確保のための支援強化の重要性を改めて認識いたしました。また、気象水文総局のレーダー塔を視察した際、日本の気象衛星「ひまわり」のデータを解析して国民に気象情報の提供が行われていると説明を受けました。日本の経験、技術を生かした支援によりベトナムの防災・災害対処能力が強化され、さらにメコン地域諸国をベトナムの気象分野の技術によって導いていくことになれば、地域全体の被害軽減にも資するものと考えます。 また、ベトナムでODA案件に携わっている日系企業の方々と意見交換した際、円借款で進められている事業の工期が大幅な遅れが生じているものがあり、スピード感を持って進めることが重要との意見が出されました。ODA案件の進捗に明らかな遅れがある場合には、原因を調査し、必要に応じて事業の早期実施を相手国政府等に働きかける必要があります。ODAの実施に関する行政手続の簡素化や迅速化等について、関係機関が調整等の役割を十分発揮することが重要と考えます。 日本の開発協力は、物を作って終わりではなく、その後の成長に向けた技術協力や人の交流も含めて継続させていくことを前提としたものです。これが日本の強みを生かした協力です。インフラ整備の中でも鉄道案件は日系企業の投資を後押しする重要なプロジェクトで、ハノイとホーチミンを結ぶ南北高速鉄道について、ズン計画投資大臣は、ベトナム側にとって良い条件のODAとしてほしい、必ずしも日系企業が受注できるものではなく、国際入札も考えていると発言していました。日本のインフラ整備の特徴を根気よく説明すると同時に、鉄道案件は投資額も多額になるため、例えば、官民オールジャパンで組成した国内検討会議のような場を設けて計画案やローン条件等を検討、調整するなど、ODAの活用を戦略的に考えていく必要があると考えます。 ベトナムは、二〇四五年の先進国入りを見据え、半導体産業を基幹産業とすることを目指しており、そのための人材育成を進めています。したがって、日本とベトナム両国の協力の下、この分野におけるベトナムの人材育成を行い、日本の企業への人材供給ができれば戦略的な協力になると思われます。例えば、ベトナムの学生が日本に留学する際に奨学金を日本側が支援するなど、日本とベトナムが連携することが重要と考えます。両国が中長期的に技術協力や人の交流を含めて連携し、開発協力を進めることが必要と考えます。 次に、マレーシアについて申し上げます。 今回、職業訓練指導員・上級技能者養成センター、CIASTでは、アジア、アフリカ諸国を中心とした第三国研修のプログラムが実施されていますが、第三国研修を通じたサポートが行われる意義は大きいと改めて認識しました。マレーシア国内では援助機関設立に向けた取組が進められているとのことで、アジア地域を越えた国際社会の課題に日本と共同で取り組むグローバルな開発パートナーとしての関係に発展していくことが期待されます。 対マレーシアODAでは、産業人材育成や高等教育支援への協力に力を入れ、中でも、マハティール首相が提唱した東方政策を通じた日本への留学、研修は現在に至るまで継続されています。今回訪問したマレーシア日本国際工科院、MJIITでは、講座制による多数の専門プログラムが用意されており、これを継続、発展させていくことが重要と考えます。そのためには、マレーシア工科大学と日本の大学、企業間における双方向での交流が進められる必要があります。 マレーシアでは、産業の高度化、高付加価値化、高度産業技術等に高いニーズがある一方で、環境保全、社会的弱者、障害者等の支援、廃棄物処理、防災等が課題となっています。経済成長の裏で都市部と地方の経済及び所得の格差は大きくなっており、これらの課題解決のため支援を行うことは、均衡の取れた発展を後押しするものと考えます。 この点において、JICA海外協力隊員が使命感を持って精力的に支援活動を行っており、その情熱に感銘を受けました。自身の専門的な知識を生かしながら、現地の人々とともに生活し、同じ目線で開発ニーズや課題解決のために支援を行うことは、我が国らしい支援として信頼を集める源泉になっています。協力隊員としての経験は何にも得難く、社会にとっても大きな財産であることから、協力隊員に対する帰国後の就職支援、また大学院進学等について、国としても最大限のサポートをお願いしたいと思います。 マレーシアは、国際海上交通の要衝でありまして、日本にとっても重要なシーレーンであるマラッカ海峡を有するなど、南シナ海の沿岸国として地政学的に重要な位置を占めています。日本はマレーシアとの海上保安分野での協力を重視しており、JICA長期専門家、海上保安アドバイザーを海上法令執行庁へ派遣し、鑑識技術や海上捜索救助等の分野での研修や、アジア、アフリカ諸国を対象とした第三国研修をマレーシア側とともに実施しています。これらの協力は、ルールに基づく海洋秩序の維持につながるものであり、更なる協力強化が期待されます。 次に、タイ王国について申し上げます。 日本はタイにとって一貫して最大のODA供与国となっており、これまでに総額二・八兆円の支援を実施してきました。こうした結果、タイは高中所得国となり、メコン地域において最大の経済規模を有しています。他方で、中進国のわなからの脱却に向けた産業の高度化や産業人材の育成、交通渋滞や大気汚染等に代表される都市環境問題への取組などが課題となっています。 今回、バンコク都市鉄道レッドライン及びパープルラインを視察しましたが、鉄道のメンテナンスには日本の技術が採用され、輸送障害の発生がゼロになっていると説明を受けました。現在、規格に違いがある路線の統一が今後進められていく場合にも、日本の技術基準が採用されるように実績を積み重ねていくとともに、鉄道の安全は質の高いメンテナンスによって支えられているという理解を促進する必要があると考えます。また、日本の開発協力は、投資をして終わりではなく、技術を伝承し、人を育て、環境負荷にも強く、安全性も兼ね備えていることをタイ側にも積極的に説明し、日系企業が十分に強みを生かせるよう後押しすることが重要です。 インド洋と南シナ海の両海に面するタイは、地政学的に重要な位置を占め、ASEANにおいて中核的役割を担うとともに、自由で開かれたインド太平洋、FOIPにおけるメコン地域の発展の鍵とされています。ASEAN諸国等を対象とした第三国研修や専門家派遣に一層に取り組むなど、日本とタイの開発パートナーとしての関係を強化し、ASEAN・メコン地域の発展に貢献することが重要です。 また、日本の高専制度を導入したモンクット王工科大学ラカバン校附属高等専門学校、こちらは二〇二四年三月に一期生が卒業しました。日系企業や現地産業界から非常に注目を集めています。中進国のわなに直面するタイにおいて、経済発展を考える上では、こうしたタイ高専のような科学技術産業への高度人材の育成などが重要になるため、日本としても協力を惜しまない姿勢が必要と考えます。他方で、タイ高専の学校数が現在よりも増加した場合の教員の確保に備えてタイ人の教員を養成する必要性などといった課題にも対処することが求められています。 最後に、ODAに関する国民の理解及び戦略性について申し上げます。 マレーシアやタイのような中進国から高所得国入りを目標とし、ASEANを始めとした第三国の課題に対する支援も行っている国に対するODAは、ニーズを見極めた上で、技術協力、円借款及び海外投融資等を戦略的に検討し、国民に理解を得ることが重要と考えます。 結びに、今回の派遣に当たっては、視察先の関係者を始め、外務省及び在外公館、JICA等、内外の関係機関の方々に多大なる御協力と御尽力をいただきました。改めて深く感謝を申し上げまして、報告を終わります。
○委員長(石井浩郎君) ありがとうございました。 次に、第二班の若松謙維君にお願いいたします。若松謙維君。
○若松謙維君 ODA調査派遣第二班について御報告いたします。 当班は、令和六年八月二十七日から九月二日までの七日間、インド共和国に派遣されました。 派遣議員は、団長の青木一彦議員、青山繁晴議員、石川大我議員及び私、若松謙維の四名でございます。 インドは、十四億人の人口を抱え、近年、著しい経済発展を続けており、世界最大の民主主義国家として安定した内政運営が行われております。また、国際社会においては、いわゆるグローバルサウスの中心国としてますます存在感を高めています。 一方、経済成長の成果は国民に広く行き渡るには至っておらず、貧富の格差は依然として大きく、失業率は八%前後で推移しており、特に高学歴の若者の失業率は二八・七%と高くなっています。急速な都市化や人口増加にインフラ整備が追い付いておらず、環境面では大気汚染や水質汚染の問題を抱えるなど、様々な社会課題が存在しています。 以下、現地の視察、政府要人や関係者との意見交換等を通じて得られた所見を中心に御報告いたします。 第一に、ODAの戦略的活用について申し上げます。 インドは、インド洋の中心に位置する日本に友好的な民主主義国家であり、国際社会における影響力も大きな国です。我が国が掲げる自由で開かれたインド太平洋、FOIPの重要性について認識を共有しており、これを実現する上で欠くことができない非常に重要なパートナーです。今後もODAを懸け橋としてインドとの連携を更に強化し、FOIPの推進力として協働していくことが望まれます。 また、ODAを活用し、インドに進出している日系企業にも恩恵が及ぶ投資環境整備を行うことも重要です。 政府には、ODA開始から七十年の経験を生かし、我が国にも援助を受ける開発途上国にも裨益する効果的なODAの在り方の検討に一層注力することが求められます。 なお、ODAは、日本企業にとってもインド進出の足掛かりとなりますが、インドでは調達先が援助供与国に限定されないアンタイドの事業が原則となっているため、日本企業においては、ODA事業を国際競争入札において受注しやすくなるよう、低廉な価格設定と相応の品質の製品開発といった現実的、戦略的な対応が求められます。 第二に、インドに対するODAの在り方について申し上げます。 持続可能な開発目標、SDGsは、誰一人取り残さない持続可能でより良い社会の実現を目指す世界共通の目標であり、我が国の開発協力の特色である質の高い経済成長や人間の安全保障といった概念と高い親和性があります。インドは、SDGs達成に積極的に取り組んでおり、我が国は、持続的で包摂的な成長の支援、産業競争力の強化、連結性の強化という方針の下、インドのSDGs達成を後押ししています。人口が非常に多く、貧富の格差も大きいインドにおいてSDGsを達成することは容易ではなく、様々な社会課題の統合的な解決に資するSDGs達成の支援に一層力を入れるべきだと考えています。 また、膨大な人口を抱えるインドでは、莫大な資金を投じても効果が全国民には行き渡らず限定的になってしまうという側面もあります。インドにおける制度の改善を促すODAに力を入れるほか、国際機関や民間資金との連携も有効だと考えます。 インドにおける雇用問題には、高い失業率に加え、靴磨きや露天商等、行政の指導を受けない小規模な経済活動であるインフォーマルセクターの労働の問題もあります。国際労働機関、ILOによると、インドではインフォーマルセクターにおける労働が全体の九割を占めており、労働法の適用を受けないため、低賃金や健康問題の温床となっているとされています。雇用のミスマッチを避け、それぞれの能力に応じた適切な雇用を確保するため、職業訓練や幅広い業種の産業の育成が必要です。その際、今般調査したタミル・ナド州投資促進プログラムのような総合的な投資環境整備事業が有効であると考えます。適切な雇用の確保によって、貧困層の生活水準が向上し、貧富の格差解消につながることや、働きがいのある人間らしい仕事、ディーセントワークの実現が期待されます。 一方、経済発展を遂げ、国民全体の生活水準が上がった場合、インドでは食料やエネルギーの更なる消費拡大が見込まれます。これを国内で賄うことができるよう、農業の生産性と持続可能性の強化や多角化、再生可能エネルギーの普及やエネルギー効率化への支援を強化することも重要です。さらに、今般視察したオクラ下水処理場における汚泥由来のガスを有効活用した発電、デリーメトロやムンバイメトロ三号線における電力回生のような取組も有効であり、今後も可能な限り導入するよう努めるべきであると考えます。 経済成長による貧困削減では救い切れない貧困層への支援という点では、必要な予算は比較的少額であるものの、脆弱な立場の人々に対して、直接、きめ細やかな対応が可能となる草の根・人間の安全保障無償資金協力の推進が必要です。在外公館においては、支援を必要としている団体に必要な情報が届き、高い理念と熱い情熱を持った団体を発掘できるよう、様々な機会を通じて積極的な周知を行うことが求められます。 第三に、ODAの運用上留意すべき点について申し上げます。 今般視察したタミル・ナド州都市保健強化計画におけるキルポーク医科大学病院の整備においては、インド側が希望していた日本製医療機器を導入するには事業期間の延長が必要でしたが、延長が認められず、代わりに外国製医療機器が導入されました。今後、事業期間の延長判断に当たっては、事業の実施管理の観点とともに、日本企業の参画についても十分に考慮することが望まれます。 今般意見交換を行った日系企業関係者からは、ODA事業を受注して契約した後、発注者であるインド側の事業実施機関から多くの追加要求が行われるものの、契約金額が変更されないこともあり、受注企業としては厳しい側面があるとの意見がありました。要求内容を加味した上で契約価格の調整が適切に行われれば受注企業も過度な負担を強いられることなく事業を遂行でき、ODA事業を受注しようとする企業の裾野を広げることにもつながるのではないでしょうか。JICAにおいては、契約金額の見直しに向けた発注者と受注者の仲介も行っていることを受注企業に周知するとともに、発注者からの追加要求の状況にも留意しつつ、発注者、受注者双方と十分にコミュニケーションを取りながら、積極的に仲介を行うことが望まれます。 JICA海外協力隊制度に関しては、原則として配属先機関が用意することになっている住居の隊員間格差が生じているほか、帰国後のキャリアに不安を感じている隊員もいました。JICA海外協力隊員は日本の宝であり、使命感を持って精力的に活動している隊員が安心して活動に専念できる環境の確保、隊員としての活動が適正に評価される環境醸成やキャリア形成支援が必要です。JICAにおいて、既に様々な支援が行われていることは承知していますが、一層の尽力をお願いします。 第四に、ODAに関する情報発信の重要性について申し上げます。 厳しい財政状況の下、ODA予算を維持拡大していくためには、国民の理解を得るための一層の努力が必要です。我が国のODAはインドにおいて高く評価されていましたが、ODAは、援助を受ける開発途上国だけではなく、援助を行う我が国の国益にも資するものであることを国民に理解してもらうことが重要であり、ODAに対する国民の理解を促進するための情報発信に一層力を入れることを政府に求めます。 ODAに関する情報発信は、援助の対象となる開発途上国においても、在外公館やJICAが積極的に取り組む必要があります。ODA事業が行われている間や事業終了直後だけでなく、事業終了から時間が経過した後も我が国のODAによって支援を受けた事業であることを認識し続けてもらい、日本のプレゼンスを維持していくためには、日頃からの情報発信が欠かせません。ODAに関する情報発信もJICAの重要な業務の一つとして、更に積極的に取り組むことを望みます。特に、ODA調査派遣議員団の視察は情報発信の好機であり、是非有効に活用してほしいと思います。また、先ほども述べたように、草の根・人間の安全保障無償資金協力による支援を必要としている団体を発掘する上でも情報発信は重要です。さらに、日本の技術を活用したODAの成功例を周知して、高い技術力を広め、日本企業が新たなビジネスチャンスをつかむことができれば、日本経済にとっても有益だと考えます。 最後に、ODA調査派遣の意義について申し上げます。 二〇〇三年七月の参議院改革協議会報告書の提言を受け、参議院では二〇〇四年度からODA調査のための海外派遣が実施されています。二〇二四年度までに十八回にわたり、六十九班が延べ百七十の国・地域に派遣されています。派遣議員団が実際に現地に赴き、自らの目で見て生のお声を聞いて調査を行うことは、かけがえのない非常に貴重な機会です。こうした経験を踏まえ、ODAに関する議論を深めていくことは、ODAに対する国民の理解を促進する上でも重要であると考えます。 結びに、今般の派遣に当たって多大な御協力をいただきましたインド政府、州政府、視察先関係者、外務省本省、在外公館、JICA、国際機関邦人職員、JICA海外協力隊員、日系企業関係者等の方々に改めて感謝を申し上げるとともに、インドにおける日本の顔として活躍されている皆様に心から敬意を表し、第二班の報告といたします。 ありがとうございました。
○委員長(石井浩郎君) ありがとうございました。 次に、第三班の江島潔君にお願いいたします。江島潔君。
○江島潔君 それでは、ODA調査派遣第三班について御報告を申し上げます。 当班は、昨年九月一日から九日までの九日間、フィジー共和国及びトンガ王国に派遣されました。 派遣議員は、団長の藤川政人議員及び私、江島潔の二名でございます。 大洋州地域に広がる島嶼国の多くは、国土が狭い、広範囲に散在する、人口が少ない、自然災害が多いなど、開発上不利な面を少なからず抱えており、開発課題を克服するために、国際社会の支援が重要な役割を果たしています。 同地域に対する開発協力では、従来、歴史的なつながりもある豪州やニュージーランドなどが主要なドナー国でしたが、近年は中国が積極的な支援を行っており、それがどういった影響を与えるのか、見極め、必要な対応を取っていくことも求められています。 そうした中、今般、参議院のODA調査として、同地域の中心的な国であるフィジーを再び訪れたほか、同地域唯一の王国であるトンガを初めて訪問し、案件視察のほか、政府要人や関係者と我が国の開発協力に対する評価や期待などについて意見交換ができたことは、大変有意義であったと思っております。 以下、調査を踏まえた派遣団としての所見の概要を申し上げます。 第一に、我が国と太平洋島嶼国は様々な分野で課題を共有しており、そうした分野で我が国が培ってきた経験等に基づく比較優位を活用した支援の有効性を実感をしました。 トンガで調査しました無償資金協力、全国早期警報システム導入及び防災通信能力強化計画では、支援で導入したシステムにより、それまで九十分程度要していた全国への警報伝達が九分弱に短縮されており、トンガ側の評価も高く、早期警報の重要性に関する我が国の知見が生かされていることが確認できました。 また、先般の開発協力大綱の改定の際に打ち出されたオファー型協力として、フィジーとの間で準天頂衛星システム「みちびき」を活用した災害危機管理通報サービスの導入に向けた取組も進んでおり、フィジー側のニーズも踏まえつつ、より良い支援としていただきたいと思います。 気候変動対策の関連で注目される再生可能エネルギー導入支援では、トンガにおける無償資金協力、風力発電システム導入計画を調査をしました。この支援では、トンガがサイクロンの常襲地域であることから、同様に台風対策が必要な沖縄での実績がある可倒式風車が活用されており、我が国の強みを生かした支援となっています。今後は、部品供給やメンテナンスの面などでも適切なフォローアップが必要になるだろうと考えます。 我が国同様、海とともに生きてきた太平洋島嶼国に対しては、海洋利用に関する知見や技術、経験を共有することも重要であります。 我が国はこれまで長きにわたり、フィジーにある地域の中心的な高等教育機関である南太平洋大学における持続可能な水産資源の活用に向けた支援などを行ってきています。現在も技術協力、太平洋島嶼国のSDG14、海の豊かさを守ろうプロジェクト、これを実施をしておりますが、これは南南協力による成果の地域全体への普及も目指したもので、効果的な支援であると思います。 なお、以前支援した施設等に老朽化も見られる中、近年は様々な国から共同研究などの大型プロジェクトの提案が増えてきているとのことで、我が国としてもこれまでのプレゼンスを維持できるような支援の継続が期待をされます。 また、高い造船技術も、これも我が国の強みでありますが、無償資金協力、経済社会開発計画で供与したタグボートは、地域でも屈指の牽引能力を持つものであることに加えまして、災害救援や船舶火災にも対応できるなど大変多機能であり、トンガにおける海洋利用の可能性を広げるものと確信をしました。ちなみに、このタグボートは下関の造船所で建造されたものです。 第二に、情報通信分野に関する開発協力の重要性を指摘したいと思います。 トンガでは、二〇二二年の海底火山の噴火の際、海底ケーブルが損壊し、一定期間、国内外で情報伝達が困難になりました。これは、今日の情報化社会における海底ケーブルの重要性を認識をするものであります。 我が国は米国や豪州と連携した東部ミクロネシア海底ケーブル事業などに取り組んでおり、こうした動きを評価したいと思います。 情報通信ネットワークは人々の生命や財産を守るライフラインであり、サイバーセキュリティーに関する支援の強化、ネットワークの強靱化にも取り組む必要があり、多様な技術を総合的に活用していくため、国内で培ったノウハウを開発協力へ活用していくべきと考えます。 第三に、人間の安全保障にもつながる、きめ細やかな草の根支援の重要性であります。 今回の調査では、両国政府要人との意見交換において、我が国の草の根・人間の安全保障無償資金協力を高く評価する声がしばしば聞かれました。 一例を挙げますと、草の根レベルでの学校整備、災害時に避難所として使われていることも想定したコミュニティーホールの建設等々に謝意が述べられました。特に後者のような支援は我が国らしい視点が生かされており、援助では必要な規模を確保した上で、そうした面で他国との差別化が効果的であると気付かされました。 なお、フィジーでは、会計検査院の令和四年度決算検査報告において指摘を受けていた、このスキームによるナヴアケゼ・ディストリクト小学校整備計画も調査をして、その後の対応について説明聴取を行いました。 フィジー政府の協力も得て校舎が完成をし、引き渡されておりましたが、援助効果の発現について、会計検査院の指摘を受けたことは遺憾であります。 このスキームで生じやすい問題について、各在外公館におけるグッドプラクティスの共有を図るなど、再発防止を図り、柔軟性と機動性というこのスキームの強みを生かした、より良い協力を実施していただきたいと思います。 第四に、無償資金協力等と技術協力とを効果的に連携させる重要性が挙げられます。 大型インフラ整備のような案件がほぼ行われていないフィジー、トンガ両国では、一見地味ですが、無償資金協力と技術協力との効果的な組合せが成功している例が少なくありません。その代表例がフィジー気象局への協力であり、我が国の無償資金協力により施設や観測機器等が整備されたのを契機に世界気象機関、WMOの地域特別気象中枢に認定をされ、その後も技術協力で人材育成に協力してきた結果、今では地域のサイクロン予報、警報や人材育成等の拠点にまで成長しています。 こうした物の支援と、それをどう効果的に使うかというノウハウを伝える技術協力は車の両輪であり、こうした連携が日本の強みとして両国で高く評価されていたことは指摘しておきたいと思います。 第五に、JICA海外協力隊が多面的に活躍できる環境整備、支援の重要性であります。 JICA海外協力隊は今年六十周年を迎えますが、彼らが行っている草の根でのきめ細やかな開発協力は我が国の強みであるとともに、隊員を介して我が国やあるいは日本人に対する理解促進も期待され、効果的な活用が期待されます。 協力隊に関しては、過去の参議院のODA調査でも、現地での仕事とのミスマッチや帰国後の再就職支援などについて指摘があり、今回、意見交換した隊員からは特に問題点や不安は聞かれませんでしたが、JICAには引き続き、安心して意欲的に職務に当たれるような支援をお願いしたいと思います。 また、帰国した隊員が、現地で身に付けた知識や経験を我が国社会に還元できるような取組の強化も求められるほか、四十六歳以上を対象とする海外協力隊の更なる活用の可能性も検討してほしいと思います。 第六に、自由で開かれたインド太平洋の実現に資する開発協力を目指していく上で留意すべき点であります。 今日、自由や民主主義、あるいは法の支配に基づく国際秩序が重大な挑戦に直面する中、我が国は自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて、開発協力も戦略的に行っていくべきと考えます。 こうした中、中国は開発協力を通じて太平洋島嶼国にも影響を拡大していますが、ここで留意すべきは、これらの国々は中国も重要な開発パートナーとして捉えており、二者択一を迫るようなアプローチは必ずしも効果的ではないと思われる点であります。 我が国は太平洋島嶼国に対し、太平洋・島サミットなどの場を通じて、法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋の意義の重要性について、これらの国々との共通理解を深めていくことが重要だと考えます。 その際には、海洋法に関する人材育成を積極的に支援することや、あるいは領海基線の問題など、島嶼国が関心を持つ海洋法上の問題について、我が国の国益にも留意しつつ、緊密に連携していくことも一案ではないかと思っています。 最後に、今、大洋州地域は国際秩序をめぐるせめぎ合いの場になっており、参議院としても、同地域により積極的にODA調査団を派遣する必要があるように思います。 以上が第三班の所見及び提言です。 最後になりますが、調査に御協力いただいた視察先及び内外の関係機関の方々、全ての皆様に心から感謝を申し上げ、報告を終わります。
○委員長(石井浩郎君) ありがとうございました。 次に、第四班の山本順三君にお願いいたします。山本順三君。
○山本順三君 ODA調査派遣第四班について御報告いたします。 当班は、本年二月八日から二月十六日までの九日間、セネガル共和国及びコートジボワール共和国に派遣されました。 派遣議員は、竹詰議員、仁比議員、そして団長を務めた私、山本の三名でございます。 今回訪問したセネガルにおいては、サレ職業訓練大臣、ジュフ高等教育・研究・イノベーション大臣、ンジャイ国民議会議長、また、コートジボワールにおいては、マブリ大臣・大統領府顧問、カバ経済・計画・開発大臣、クリバリ国民議会対外関係委員長といった要人と懇談する機会に恵まれるなど、様々な関係者と意見交換を行いつつ、数多くのODA案件の現地視察も行うことができ、非常に実りのある派遣となりました。 以下、両国における現地視察や、関係者との意見交換等を通じて得られた所見を中心に御報告いたします。 まず、セネガルについて申し上げます。 産業人材の育成に関する案件として、セネガル日本職業訓練センターを視察いたしました。 一九八四年に設立された同センターは、四十年にわたって日本が支援を続けており、日・セネガル間の協力の代表例というふうに言われております。現在、情報、機械、電気の三学部で約一千人の学生が学んでいるほか、周辺国の指導員の研修も行われています。 視察では、産業用保冷設備の溶接や自動車整備などの実習の様子も見学いたしましたが、どの学生も真剣な表情で実習に取り組んでおられました。 また、同センターでは分校の建設計画があり、これに対する支援の要請がございました。産業人材の育成の重要性に鑑み、政府、JICAにおいて調整が進められることを期待いたします。 港湾のインフラ整備に関する案件として、ダカール港第三埠頭改修計画を視察いたしました。 同計画は、老朽化した埠頭を改修し、水深を深くすることで、取扱い能力を向上させ、セネガルや隣接する内陸国であるマリへの安定した物流ルートを確保するものであり、二〇二三年に完成しております。 視察では、ダカール港が重要な物流拠点となっていることや、内陸国にも裨益をもたらす改修計画の意義を認識いたしました。 母子保健改善に関する案件として、国立保健医療・社会開発学校母子保健実習センター建設計画を視察いたしました。 同学校は、一九九二年に設立された看護師、助産師などを育成、研修する学校であり、周辺国の教員の養成も担っています。実習の機会が限られていることから、同計画において母子保健実習センターを建設し、二〇二三年に完成しています。 視察では、分娩室や新生児室などの実習施設や様々な機材が整備されていることを確認するとともに、学生が真剣なまなざしで授業を受けている様子も見ることができ、このような人材育成に対する支援の重要性を実感をいたしました。 海水淡水化施設整備に関する案件として、マメル海水淡水化事業を視察いたしました。 同事業は、ダカールの人口増加に伴う水需要に対応するため、海水淡水化施設を建設するものであり、二〇二六年の完成を目標としています。同事業は円借款による事業ですが、視察の際、円安の影響を受けて必要な資金が確保できないとの説明があり、更なる支援の要請がありました。あわせて、セネガルの国民議会議員からは、セネガルの財政状況に関するIMFの評価が終わるまでは追加の円借款が実施されず、事業が停止してしまうとの説明がございました。この問題については、セネガル政府において適切な対応が取られ、事業が円滑に進むよう、支援国の日本としても注視していく必要があると考えます。 次に、コートジボワールについて申し上げます。 母子保健改善に関する案件として、大アビジャン圏母子保健サービス改善のためのココディ大学病院整備計画を視察いたしました。 同大学病院は一九七〇年に設立されましたが、母子保健部門の施設の老朽化や医療機材の不足を受け、同計画において母子保健棟を整備し、二〇二三年に開所しております。 視察の際、一年間の実績としては、外来患者一万人、分娩三千件となっており、新生児集中治療室にコートジボワール全土から未熟児などが運ばれてくるとの説明がございました。アビジャン地域のみならず、全国の母親と子供の命を守る非常に重要な施設であると評価します。 道路のインフラ整備に関する案件については、日本・コートジボワール友好交差点改善計画及びアビジャン三交差点建設事業の二つの案件を視察いたしました。 いずれも混雑の激しい交差点での立体交差化を行うものであり、友好交差点は二〇二四年に完成し、三交差点は二〇二六年の完成を目指して現在施工中のものです。しかしながら、交通量が非常に多いため、友好交差点において渋滞が発生しているのを目の当たりにし、三交差点についても、完成時に渋滞が解消するかは見通せないとの説明もございました。立体交差の効果が十分に現れないのであるならば、日本のODAの評価にも関わります。今後のフォローアップが必要と考えます。 港湾のインフラ整備に関する案件として、アビジャン港穀物バース建設計画を視察いたしました。 同計画は、新規に穀物バースを整備し、コートジボワールとサヘル地域内陸国の穀物需要に対応するものであり、既にバース部分は完成をしております。 視察では、輸入された米を船からトラックに積み替えていく様子を見ることができ、有効に活用されているとの確認をいたしました。 海洋人材の育成に関する案件として、アビジャン海洋科学技術学校機材整備計画を視察いたしました。 同学校は一九八七年に開校し、周辺国の学生も受け入れています。 視察では、操船、エンジン、通信などのシミュレーターが整備され、学生がそれらを利用している様子も見学いたしました。それらの機材の一つ一つに日の丸が貼られていたことが印象的でした。操船シミュレーターについては、高波や雨天など状況を変化させることができ、実践的に学ぶことができるため、学生に好評であるとの説明がありました。 教育に関する案件として、教室等の建設や教室備品の整備を図るヨプゴン・サンテ公立小学校校舎増築計画、日本語教育、日本研究の振興を図るフェリックス・ウフエ=ボワニ大学日本語教育・日本研究振興センター整備計画、通称ジャパンコーナーをそれぞれ視察をいたしました。 小学校では、学校関係者のみならず、休校期間にかかわらず集まっていただいた大勢の児童や地元関係者からも歓迎を受け、日本の支援に対する感謝の意が示されました。また、ジャパンコーナーでは、日本語を学んでいる学生との交流をすることができました。このような学生が将来日本とコートジボワールの交流の懸け橋になってくれることを期待しております。 また、アビジャンの東に位置するグラン・バッサムにおいて、消防機材の供与や施設の整備を通して防災対策能力及び市民保護対応能力の強化を図る持続可能な社会的結束のための市民保護強化計画を視察いたしました。 同計画の実施により、市民保護センターの対応能力の向上や救助活動の時間短縮といった効果があったとの説明がございました。 次に、両国を通じた所見について申し上げます。 第一に、アフリカにおける人材育成の重要性です。 アフリカの人口は増加しており、二〇五〇年には世界の人口の約四分の一を占めるというふうに言われております。また、セネガルでの意見交換の場において、同国の平均年齢が十九歳であるということを知らされました。実際に、両国共に町に若者があふれ、そのパワーを感じました。 若者には働きがいのある職業に就いてもらうことが重要であり、そのことが社会の安定や経済発展につながってくると考えます。 人材育成に関する支援に当たっては、施設を整備して終わりではなく、社会経済情勢の変化や技術の進展に応じて指導者の育成や機材の更新などを継続していくべきというふうに考えます。 第二に、周辺国にも裨益する支援の拡大の必要性です。 今回視察したセネガルのセネガル日本職業訓練センターや国立保健医療・社会開発学校、コートジボワールのアビジャン海洋科学技術学校においては、周辺国からの学生の受入れや周辺国の指導者、教員に対する研修を行っています。 このような取組は、直接的な支援対象国のみならず周辺国にも裨益が及ぶことから、有意義な取組であり、このような形での支援を更に拡大していくべきと考えます。 第三に、都市部から地方への展開の必要です。 各国において首都を始めとする都市部と地方との間の格差はまだまだ大きく、これを解消していく取組が求められています。 意見交換の中では、特に女性や子供の教育、医療、雇用へのアクセスについて、都市部と地方との間で大きな格差があることが課題として挙げられていました。引き続き、都市部での支援の取組を地方にも展開していくべきと考えます。 第四に、JICA海外協力隊の活動の重要性です。 海外協力隊は、草の根の外交官として様々な分野で重要な役割を担っており、セネガルでは四十四名が活躍されています。今回、そのうち十名と意見交換を行い、現地での苦労話等々を伺いました。 一方で、コートジボワールでは、二〇〇〇年代の内戦等の影響もあり、現在、協力隊の派遣が行われていません。安全の確保が前提ではありますが、早期の派遣再開が望まれます。 本年八月には、横浜において第九回アフリカ開発会議、いわゆるTICAD9が開催されます。今回訪問したセネガルやコートジボワールを始め、アフリカ各国の開発やその支援の在り方について議論が深まることを期待します。また、セネガルとコートジボワールは、現在開催中の大阪・関西万博に参加しています。TICAD9や万博を機に、ハイレベルの相互訪問や民間企業による投資が一層促進されることが望まれており、それぞれに訪日を強く要請をしておきました。 最後に、今回の派遣に当たっては、外務省本省、在外公館、JICA、セネガル、コートジボワール両国の国民議会及び政府を始め、視察先の関係者、意見交換を行った関係者の方々に多大なる御尽力いただきました。改めて心より感謝を申し上げ、第四班の報告といたします。 以上です。
○委員長(石井浩郎君) ありがとうございました。 以上で意見の聴取は終わりました。 これより意見交換に入ります。 本日は、外務省から宮路外務副大臣及び石月国際協力局長に、独立行政法人国際協力機構から田中理事長及び大場理事に、それぞれ御同席いただいております。 発言を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を受けてから御発言ください。 発言者は、意見表明者、派遣団に参加された委員のほか、外務省、JICAに対し回答をお求めいただいても結構です。 なお、発言者には、その都度回答を求める方を明示していただくようにお願いをいたします。 また、回答される方も、挙手の上、委員長の指名を受けてから御発言ください。 なお、いずれも御発言は着席のままで結構です。 まず、大会派順に各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言をいただきたいと存じます。 また、発言者一人当たりの発言時間は、回答、追加質問を含めて一巡目は最大十分となるように、その後は最大五分となるように御協力をお願いいたします。 それでは、発言を希望される方は挙手をお願いいたします。 若林洋平君。
○若林洋平君 自由民主党の若林でございます。質問の機会をありがとうございます。 まずもちまして、四班の調査派遣団の皆様、調査派遣、大変お疲れさまでございました。また、本日は、大変中身の濃い口頭報告をそれぞれの班からいただき、ありがとうございました。状況が手に取るように分かり、また映像が浮かんでくるような本当に御報告で、貴重な報告をいただきまして、ありがとうございました。 また、若松調査委員がおっしゃっていたとおり、まずは我が国のこのODAがいかに重要か、又はいかに相手国に貴重に思っていただいているか、これは相手国に思ってもらうことも大切なんですが、まずは我が国の国民の皆さんに分かっていただく、これは本当に重要なことだと思いますので、実績も含めて、これ外交防衛委員会の方でもお話はさせていただいておりますけれども、そこも含めてしっかりと伝えていくことが大事かなというふうにはすごく感じているところでございます。 その上で、まずは、それぞれの報告者の方にお聞きしたいと思います。 違う委員会というか、まあ外交防衛委員会なんですけれども、視察に行った際、広島のJICAに寄らせていただいたときに、そのJICAの皆さんの中でお話があったのが、唯一の被爆国である我が国の代表としてそれぞれの国でできる範囲で平和活動を自主的に行っている、自発的に行っていただいているとお聞きしたんですけれども、その件について何かお話があった、なければなかったで結構ですけれども、あったとしたらお聞かせいただければ有り難いなと。また、その際、その国の反応がどうだったかというのが、そういう話もあればお聞かせいただきたいなというふうに思います。
○委員長(石井浩郎君) それでは、四名の報告者に回答いただきたいと思います。 では、まず石垣のりこ君からお願いいたします。
○石垣のりこ君 御質問ありがとうございます。 直接そのようなお話が出たという記憶はないんですけれども、お会いした方の中では、広島に行かれたことがあるというようなことで、唯一の戦争被爆国としてということで、その平和に関する思いを共有したというような記憶はございます。
○若松謙維君 インドにおいてもそのような発言はありませんでした。 ただ、御存じのように、戦後、裁判におきまして、判事ですか、ちょっと名前忘れてしまいました。(発言する者あり)パール判事ですね、の議題は時々出ました。 以上です。
○江島潔君 第三班では特にそのような話題等は出ませんでした。 以上です。
○山本順三君 第四班でも直接原爆云々のお話はございませんでしたけれども、御案内のとおり、アフリカ諸国はまだまだ内戦をしているところもたくさんありますから、平和に対しての意識という意味ではいろいろな意見も出たように思いますけれども、直接のお話はございませんでした。
○若林洋平君 ありがとうございました。 なかなか、突然聞いたので、そういう話は、なければあれかなと思ったんですが。 せっかく参考人の方も出席いただいておりますので、独立行政法人国際協力機構理事長田中理事長、もし何かございましたら、よろしいでしょうか。
○参考人(田中明彦君) 若林先生が広島のJICAでお話承ったということは、大変私どもにとってみると有り難いことだと思っております。海外協力隊員も現状でいって世界中で今千七百人ぐらい行っておるんですけれども、やはり、その中で、広島出身の方の場合、とりわけこのような被爆体験を現地でお話しいただけるという場合が多いように私は感じております。 今回は四つの視察団の訪問先ではそういうことはなかったようでございますけれども、JICAとしましては、そのJICAの広島等との関係で、JICA広島ではその被爆等の体験を共有するための資料とかを常に提供する用意がございますので、更に進めてまいりたいと思います。
○若林洋平君 御答弁ありがとうございました。 じゃ、それは本当にまたそういうことを広めていただければ有り難いな。ただ、自発的にやっていただいているというのは非常にすばらしいことだなと思って、また難しい国においても工夫しながらやっていただいているというのは本当に有り難いことだなというふうに思っております。 次に、高速鉄道についてのそのODAというかですね、これ、ベトナムについては石垣調査委員の方から現状お聞かせをいただきまして、またそのODAの活用を戦略的に考えていくことの必要性というのは再確認させていただいたところでございますので、ちょっとインドの新幹線について、高速鉄道についてお聞きしたいなというふうに思っております。 最終的に日本の新幹線というか高速鉄道を選んだ理由なんかお話ししていたのであればお聞かせ願いたいなと思いますし、また、今後の高速鉄道についてのまた距離延長ですとか、また違う路線であったりとか、そんな見通しがあったら、若松調査委員にお聞きしたいと思います。
○若松謙維君 日本を、の選んでいただいた経緯は余りちょっと議論にならなかったんですが、ただ、JR東日本から行かれた、現地、日本の責任者が実は、東日本大震災、福島等大変線量が高いところのいわゆる常磐線の復興に関わられた大変な実は技術者でもございます。そういったこともありまして、非常に、何というんですか、両国思いがこもった、このムンバイとアーメダバードですか、高速道路事業と、鉄道事業と、そういうふうに感じました。 いずれにしましても、十四億人、大変広い国でありますけれども、高速道路、じゃなくて鉄道というのはますます必要となってくるわけでありまして、かつ日本とインドの関係というのは極めて大事な関係でありますので、高速鉄道事業ですか、このODAとの連携を更に強化しながら、更に高めていきたい、そう思った次第でございます。
○若林洋平君 貴重な御意見ありがとうございました。 実は、年明けですかね、静岡県でも、自動車産業と、また知事と、また県議会の先生方等で視察に行かれてお話を聞いてきたら、やっぱりその日本の産業の技術の高さというのは本当に他国に比べたらもう比べ物にならないと。そういった意味において、是非ODAで、高速鉄道についてもやっぱり日本の、日本製がいいんだということを、あとは石垣のりこ調査委員がおっしゃられたとおり、そこをうまくいろんな形で向こうが喜ぶように、ほかの国と差を付けてしっかりとやって、結果的には日本ありがとうということがやはりしっかりと相手国にも伝わって、国民の皆さんにも、我々の日本もそうですけれども、相手国の国民の皆さんにも伝わるようなまた活動が必要かな。そういった意味において、調査の活動というのは本当に必要だと思いますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(石井浩郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、高橋はるみ君が委員を辞任され、その補欠として梶原大介君が選任されました。 ─────────────
○委員長(石井浩郎君) 羽田次郎君。
○羽田次郎君 立憲民主・社民・無所属の羽田次郎です。 詳細な御報告をいただきまして、ありがとうございました。派遣議員団が実際に現地に足を運び、自らの目で見て生の声を聞くことの大切さ、それぞれの御報告から伝わってまいりました。 私の地元の長野県駒ケ根市に青年海外協力隊の訓練所がありますので、協力隊の皆さんの活躍のお話も伺えて大変うれしく思いました。 改めて、調査派遣、お疲れさまでした。 それぞれの班の御報告者にお聞きしたいと思いますが、現地での政府関係者、在留邦人との意見交換ですとか、また視察先関係者との対話の中で特に印象に残っているエピソード、若しくは特に印象に残っている現地プロジェクトについて、改めてお話をいただければと思います。
○委員長(石井浩郎君) 四名の報告者に御回答をお願いします。 まずは、石垣のりこ君。
○石垣のりこ君 御質問ありがとうございます。 たくさんあるんですけれども、その中からあえて一点を挙げるとしますと、これから発展をしていくという、人口も増えていくという本来は中にありながら、皆さんの中から高齢社会に対するやっぱり心配といいますか、懸念の声がどこの国からも上がっていたということが非常に印象に残っております。 実際、高齢化率を調べてみますと、ベトナムでは、まあ年のちょっと違いはありますけど、二〇二二年、二〇二〇年代に入ってから、今九%、マレーシアで七・四五%、タイでも一四%ということで、タイなどは、二〇二九年に超高齢社会へ、高齢社会へ移行していくというような先もあって、もちろんそのハード面での支援ということもあるんですが、日本のその福祉社会に対する様々な仕組みであるとか、そういうものも今後学んでいきたいという声がとても印象的でした。
○若松謙維君 私は、最初に視察したオクラ下水処理場というのがありまして、これはガンジス川の支流なんですけど、ヤムナ川という全長千三百七十キロ、そこで、デリー市内からの排水が汚染源で、このデリー市内だけで一千、二千万人ぐらいいるんでしょうか、そういうことで、そこまでは水はきれいなんですけど、デリー市内に入ると大変な、実は昭和三十年代の隅田川と同程度の汚染状況にあるということで、今JICAが、一九九二年以降、六百三十七億円の円借款をデリー水道局に供与しているということで、日本のこのODAのいわゆる大変効果的な現場を見させていただきまして、これは一千万人のそのデリーに住む方々に対しての貢献ということで、ちょうど去年ですか、完成直前にお邪魔いたしました。 事業全体、実はスエズ社というフランスの会社が関与しているんですけれども、大体一日七十万トンの処理能力、これは、芝浦水再生センター、これが八十三万トンでありまして、この芝浦がまさに私たち東京の水の供給源になっているかと思いますけれども、その中でも、さらに、汚泥処理施設ですか、これガス発電とか肥料化とか、これについてはシーメンスのガス発電所、ある意味では多国籍的に関与しております。いずれにしましても、その中の施設内で五か所に合併浄化槽が活用されておりまして、これ日本の技術でありますので、やはりこういう水の問題におきましても、日本の公害の経験、さらに現在の技術等を含めて、非常に貢献できる余地がたくさんあるということを実感いたして帰りました。
○江島潔君 フィジー、トンガ共に島嶼国であるわけなんですけれども、そうすると、いわゆる今日本が抱えているその災害、特に海に関係する災害、津波とか地震による災害とか、あるいは温暖化による海面上昇、こういうものの、もう何かそれの塊のような災害に直面をしている両国であります。ですから、特にこの気象問題なんかに関する日本の知見を供与できるということはすごく両国共に非常に意義があるということが印象に残っております。 また、その中でも、今、日本は準天頂衛星「みちびき」を運用しているわけでありますけれども、これは第一義的にはもちろん日本を対象にした事業でありますけれども、この衛星の通るルート上の関係で、このトンガ、フィジーのこの地域でも「みちびき」のその性能を使えるわけなので、これは今、日本からこのオファー型の技術協力という形で提案をしているんですけれども、これに関しましても非常に強い関心を今両国は持っているようであります。 この辺の技術協力等を通じて、これからも災害に対する対応、日本の技術力をもって提供できればということを強く感じた次第です。 以上です。
○山本順三君 二点申し上げたいと思います。 一つは、実は、今回、政府の皆さん方、あるいはまた視察先の皆さん方と懇談をするときに、私の方からあえて申し上げたのですけれども、今回の視察というのはただ単なる視察をするのではなくて、我が国の国民の税金をもってODAの支援をしているという現実があるので、それが有効に使われているかどうか、その確認をするために来たんだと、したがって、そういった観点での視察をしたいということを申し上げました。 そこで、その流れの中で、一番言わば気になったというか、感じたことは何かというと、従来のODAは、道路を造る、あるいはまたダムを造る、あるいは橋を造る等々、言わばインフラの整備ということにかなり集中している、そういう状況があったのでありますけれども、昨今はもうがらりと変わってまいりました。そういったインフラ整備は、ある意味では自国でも資金の供与があれば対応していけるわけであって、そうじゃなくって、例えば教育であったり、例えば保健医療であったり、そういったことに対しての要望というものが非常に多くなって、我々が視察した場所でもそんな場所がたくさんございました。 したがって、ODAというものをこれから考えていくときには、やはりそういった、時代時代の要請に応えていく、地域地域の要請に応えていくような柔軟な発想の転換というものが極めて重要になるんだなということを改めて感じて帰りました。 以上です。
○羽田次郎君 ありがとうございました。 おっしゃるとおり、有効に使われているかどうかという視点も大変大事ですし、オファー型の技術協力の重要性というのも今のお話でも改めて感じたところではありますが、ただ、こうしたJICA等が支援を行っている中で、やはり顔の見える戦略的支援というのが大切だと思いますし、特に、人間の安全保障に資するような支援先の国民ニーズに寄り添った形の支援というのをしっかりとしていただきたいというふうに思います。 そうした中において、JICAが支援しているということが分かっていても、それが日本の支援だということを気付いていないという国も結構あるというふうなお話も伺うところがございますが、そうした今後の支援の在り方について、田中理事長に伺えればと思います。
○参考人(田中明彦君) 今、羽田先生おっしゃっていただいたことで、JICAがやっておるんだけれども、それが日本からのものかよく分からないという人たちがいるという御指摘でありますが、これはJICAにとってみると名誉ではありますが、望ましくないことであることは言うまでもございません。ただ、言わばそのJICAが日本のシンボルとして活躍しているのだということを、私どもはJICA事務所、大使館と協働して各国の皆さんに発信してきてまいるつもりでございます。 それから、調査団の先生方、いろいろなところを御視察いただいたと思うんですけれども、JICAのロゴが貼ってあるものもかなりあると思いますけれども、そこには、私の理解では、フロム・ザ・ピープル・オブ・ジャパンというサインも同時に貼ってあるというふうに私は認識しております。 それから、私もいろいろな国訪問させていただきますけれども、その際、私は意識してJICAという用語よりもジャパンという用語をできる限り使うようにしております。
○羽田次郎君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
○委員長(石井浩郎君) 河野義博君。
○河野義博君 ありがとうございます。 各班の代表の皆様、興味深く聞かせていただきました。ありがとうございました。 まず、第三班の江島委員にお伺いしたいと思います。 フィジー、トンガ両国、お疲れさまでした。冒頭のコメントの中で、中国が積極的に支援を行っている、それがどういった影響を与えるのか見極め、必要な対策を取っていくことが求められるということでございました。 最後には、五ページ目の方には、最後には、中国は開発協力を通じて太平洋島嶼国に影響を拡大していると、ここで留意すべきは、これらの国々は、中国を重要な開発パートナーと捉えており、二者択一を迫るようなアプローチは必ずしも効果的ではないと思われるという、非常に示唆に富む御発言だったわけでありまして、この行間をどういうふうに読んだらいいんだろうなと思って伺っておりましたが、両国に実際に行かれてみて、中国をどのように皆さんは捉えておられるのか、どういうふうにお感じになられましたでしょうか。
○江島潔君 フィジー、トンガ両国とも、視察中は車で動くんですけれども、車で移動する中で、もうあっちこっちでこの中国の旗が付いた建物とか工事現場とかそういうものがありまして、それが恐らく全て何らかの形で中国の資金援助の下で進んでいる事業なんだと思います。もうそれだけ見ても、いかに今中国が、恐らく日本のこの資金のもう桁が一桁違うぐらいの物量でやっているんだと思います。 また、印象的なのは、トンガは唯一の王国なんですが、この王室に関する施設にも中国は資金援助しているらしいのです。これはやはり、なかなか日本では難しい事業になってしまうかと思うんですけれども、このような王国で王室に支援をするということが、その後、この被援助国の意思決定にどういうふうに作用というか影響を及ぼしていくのかということは、これはしっかりと注視をしなければいけない問題ではないかと思っています。 それから、フィジーでもなかなか衝撃的なシーン、景色だったんですけれども、主要の港の一番真ん中部分に大きな遠望型衛星追跡艦というのが、これ全長が二百メートルぐらいある大きな船なんですけれども、パラボラアンテナを四つぐらい天頂に向けて設置している大型の船で、これは、彼らの言うのは、自国の人工衛星、それからロケット、こういうものを追尾をしていくというための装置なんだそうですが、当然、他国のミサイルなんかも、衛星なんかも全部追尾ができる、そういう船だそうであります。 これがもう我が物顔に一番主要港の真ん中にどんと泊まっているということは、それだけもうフィジーの政府にも食い込んで、そういう半分軍事的な施設まで持ち込めるような関係になっているということで、この辺は日本とのもう協力の仕方とは全く異なるところなんですけれども、やはり、日本はやはり、この草の根協力もそうですけれども、丁寧なやり方、それからこのオファー型による支援の仕方、こういうものを積み重ねていくことは非常に重要だと思っていますし、ちょっと報告でも申し上げましたけれども、中国か日本かというような選択ではないアプローチの仕方というのが、もう既に相当、相当中国は島嶼国に入り込んでいますので、考えなければいけない、日本としてのアプローチの仕方を考えなきゃいけないと感じております。
○河野義博君 非常に示唆に富む御発言をありがとうございました。 私も、十二年前、フィリピンに台風が来て、そのときに、これ自費でしたけど、自費で行って視察させていただいたときに、日本は一番大きなお金を使って援助を差し上げていたんですが、行って、現地に行ってみるともう韓国の旗ばっかりなんですね。だから、日本のその援助のやり方というのは、今までつつましく、長期的視座に立って優しくやってきたんですけれども、どっちがいいのかというのはおっしゃるとおり二者択一じゃないかもしれませんが、日本のその援助の在り方というのは考えていかなければならないと思いますし。 二、三年前、非常に議論になりましたが、中国の債務のわな。一般の融資であれば、今日、JBICもJICAもいますので、一般の融資であれば当たり前で、例えば橋や港にお金を出して、それが債務不履行になってお金が返ってこなければ、それは最終的に踏み込んで、ステップインして、債務者がその管理権を召し上げると、そこから回収していくと、まあ当たり前でありますが、日本はODAにおいてはそういうアプローチを取ってこなかった。 債務不履行に陥りそうならば条件緩和して長い目でお付き合いをしてきたという中で、中国は民間のファイナンスのようなやり方で債務のわな、執行してきたという中で、やっぱりこの日本のODAの在り方、日本の海外援助の仕方というのは、ちょっとやっぱり広い角度から考えていくべきだなというふうに私も感じた次第であります。大変にありがとうございました。 次に、第二班の若松委員にお伺いしようと思っております。 若松議員は、再生可能エネルギーをライフワークとして取り組んでおられます。御視察先で下水汚泥を処理を、処理施設での発電設備を御視察いただいたという御発言がありました。若松議員、私の地元の福岡にも来ていただいて、福岡市の下水処理場から出てくるバイオガス発電所も御視察いただきましたが、今回、インドのオクラ下水処理場を御視察いただいて、もう少し詳しく教えていただけたらなと思いました。
○若松謙維君 やはり、このオクラ下水処理場でありますが、先ほど言いましたように、デリーの一千万人の方々に清潔な水を供給すると。その前は昭和三十年代の隅田川と、それだけ汚泥がいっぱい出るわけですよね。 それについては、先ほどのですか、シーメンスですか、のガスタービン四・八メガですかが入って、ちょうど去年の末に完成じゃないかということと併せまして、先ほどの汚泥処理施設ですか、とにかくそれ総合的に今やろうとしている。それを、先ほどのスエズ社がですか、が関与しているという、非常に大きいんですけど。 でも、そうはいっても、先ほど申し上げましたように、隅々に、例えば合併浄化槽的なこのきめ細やかな環境配慮というのはやっぱり日本の技術が必要なんですよね。ですから、欧米だけですとどうしても隙間がある。そこをきちんと丁寧に仕上げていく、やはり日本のODAというのは本当に貴重だなというのを実感いたしました。 あわせて、ちょうど、今のオクラ下水処理場ですけれども、ちょうどこの日本のODA支援を周知徹底するために、そのPRを地元のNGOに依頼しているんですね。そういうことで、このJICA、皆様、会う方が、このJICAと日本のODAがなければこのいわゆるオクラ下水処理場の今のような形は不可能だったとはっきり言っておりまして、本当に日本のODAの関与というのはすばらしいと実感して帰ってまいりました。
○河野義博君 ありがとうございました。
○委員長(石井浩郎君) 石井苗子君。
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。 四班の皆様、細部にわたる大変丁寧な御報告をいただき、ありがとうございます。 私も、平成二十八年、第十三回と平成二十九年と続けて、十三、十四とODAに行ってきました。そのときに感じたことなんですけれども、我々が行くと、非常に緊張していらして、思い切り掃除をして、磨いて待っていらっしゃったんだなと思ったんですけれども、医療機器に関しましては、一目見て全く使っていないなというのが私は分かったんですね。ちょっとそのシステムについて応用編の質問をしてみたところ、全くお答えが返ってこないということで、医療機器というのは非常に高いものでございますので、そのときに感じて、今どうなっているかなと思って聞いておりましたところ、インドの報告のこの冊子の中の四十六ページにあるんですが、超音波の診断装置、血液の流れをこれは見るものですね。あと、レントゲンの中で、体内のレントゲンのこの二つの機種、非常に古いですね。古くて、全く汚れていないので、多分この血液の流れを調べるものだと、これは使っていなかったんだろうなと思っております。 この間、こちらの委員会で私発言したんですが、今新聞なども見ますと、報道を見ますと、先ほどJICAの話もありましたけれども、日本は、アピールが少ない割には日本の税金を使ってこういうことをやっていると。むしろ今、若い人たちが、私たちの生活が苦しい、なぜ奨学金まで出さなきゃいけないんだというような、大変なそういう意見がありまして、日本のODAの重要性、先ほどから四名の方々がおっしゃっていましたけど、反対のような意見が出てきているんですね。ここは何とかしなければならない。 先ほど山本順三議員から御発言があった税金であるということなんですけれども、インドの医療機器を見てもそうですし、ウズベキスタンに行ったときもそのように感じて、あれから何年もたっている、九年もたっているのに、こういうことだと日本の若い人たちの同意というのはなかなか得られにくくますますなってくるんじゃないかと。アピールもそうなら、無償資金協力というのが多過ぎるという意見もありました。 こういった御意見や感想に対して、日本が取っていくこれからの立場というのを、実際に現地に行ってこられた経験を踏まえて、この辺りの声に対する皆さんの御感想をお一人ずついただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○委員長(石井浩郎君) 報告者は四名でよろしいですか。
○石井苗子君 はい。石垣さんからお願いします。
○石垣のりこ君 御質問ありがとうございます。 私も、今、石井委員がおっしゃったような声をよく耳にすることはございます。 日本のODAというのは、国際社会の平和と発展に貢献し、日本の安全と繁栄を確保することということで、戦後賠償のところからスタートしたというところもございますし、もう既にいわゆるハード面で必要な予算というところがなければ、やはり人的交流であるとか第三国支援というところに移行していくということはあると思うんですが、掛け方というか、在り方の問題だと私は考えております。 その内容の部分の精査という意味でこうしてODAの派遣が行われ、実態を把握した上でその予算の在り方に関して適正性を見定めていくという意味でこの委員会もあるんだと思っておりますけれども、その部分がまだまだ、もうちょっと精査をしていかなければならないのかなということはありますが、学生に対して例えば奨学金を出すというのは、日本学生支援機構のホームページなど見てみましても、日本の留学生が海外に行ってももちろんその支援を受けているということもあるわけですし、人との交流、最後は最終的に人だと思いますので、そういう部分に関して日本が適正な支出をしていくことというのは非常に重要なことだと私は考えております。
○若松謙維君 御質問ありがとうございます。 まず、四十六ページのこのウッタルプラデシュ州、これは人口二億人おります。そして、このアンチャル病院ですか、というところですけど、御存じのようにインドは日本のような医療制度はありません。ほとんど医療にかかっていない方がもう大半という状況の中で、かといって病院が公的に提供できる数が圧倒的に少ないという中で、この草の根援助ですね、ここで日本の、まあ草の根ですから数百万円程度ですけど、その機械、機材がとっても大事だということをはっきり明言されておりまして、いわゆるこの事例はよく使われておりました。特に、そうですね、二〇二二年に七百三十万円の草の根無償協力ですか、それで超音波とかレントゲンとか。それで、ここは年間十万人を受け入れているんですね。当然、機材には、これ写真ありませんかね、JICAマークが貼られておりまして、かつ、医師の七割から八割はボランティアなんですね、給料払えないと。 そういう中で、安価な医療サービスということなんですけれども、それがインドの政府のですね、企業は事業利益の二%を寄附するという、そういうので賄われているんですけど、いずれにしましても、ほとんど日本的な医療保険がない中で、機材もない、かつ大勢の患者さんがいる、そこにどう日本が関わっているかというのは、やはりきめ細やかでしたら草の根援助ですし、特に、四十九ページですか、ここは、タミル・ナド州というところですけど、これ約二百五十五億円の円を借款したということでありますけど、これちょうど去年の十月から、十月にオープンするということであります。これは三次医療というところですね。 ここも、聞きましたら、一日三千人受け入れていると。ところが、QRコード活用しているんで待ち時間はないということなんですけれども、こういう高度医療の施設が極めて少ないので、御存じのように、日本的に二次、三次とかという、そういう整備されておりません。 そういう意味では、今後、日本の政府とかJICAですか、が、もちろんアンタイドローンが原則なんですけど、現実に、例えばCT等の高度医療はシーメンスがかなり入っているんですけど、そこのこの現場感覚がちょっと矛盾を感じながらも、日本のやれるところはもっともっとあるなと、そういう実感をして戻ってまいりました。
○江島潔君 ODAに対するいろいろな意見が出つつあるというのは私もよく理解できますので、これはもう丹念に日本のちょっとした技術がすごくまだまだ大きく世界に貢献できるということをやはり丁寧に私どもも含めて説明をしていき、あるいは、このODAの相手国から日本にも来ているわけですから、そういう留学生なんかとのまた意見交換の場も積極的に設ける等を通じて、日本ができる国際貢献というのはやっぱり引き続き国内でもしっかり訴えていかなければいけないんだろうと思います。 何といいましても、日本の味方をつくるという、もう直接的なことももちろん視野に入れているわけでありますけれども、やはり世界の中でしっかりと日本を応援してくれるいろんな案件の中で、フィジーもトンガも今回の国も、小さな人口ではありますけれども一国として一票持っているわけですから、やはり味方をつくっていくということがいかに大切かということは、しっかり十分にそのODAの効果を理解してもらえない人たちにも説明をしていかなきゃいけないと、そういうふうに考えます。 以上です。
○山本順三君 今ほどの石井委員の方からお話があったように、ODAに対しての厳しい言わば声が時として我々の耳にも入ってまいります。それがあるがゆえに、先ほど申し上げましたけれども、これは国民の税金によってODAの支援をしていくんだということを我々も再認識しておかなければならないし、相手方にもそのことをしっかりと理解をしておいていただかなければならない、そのことがまず第一の前提になるわけでありますけれども、それと同時に、我々、お互いに認識しておかなければならないのは、将来に向かって過去の歴史というものをしっかり振り返っておかなければならない。 戦後、廃墟と化したような日本の国があったわけでありますけれども、驚異的なスピード感を持って復興を遂げたという、これは他の国々からも非常に大きな関心とそれから評価をいただいておるわけでありまして、その復興がなぜできたのか。それにはいろんな理由があるでしょうけれども、その中の一つに、世銀が中心になって資金を提供していただいて、そして日本の復興に力を貸していただいたということが大きなきっかけになったこともこれまた事実だろうと思います。 そういった意味においては、我々もしっかりと他国の大変厳しい状況にある国々の皆さん方にも支援をしていく、これは実は日本の責務の一つではないかというふうにも私自身は思っておりまして、それであるがゆえに、そういったことを他の国々の皆さん方にもしっかりとアピールするし、何よりも我が日本国の国民の皆さん方にもよくよく御理解をいただいて、そしてなぜにODAが必要かという原点の考え方というものだけはお互いに共有できるような、そんな流れを築き上げていく必要があるかなというふうに思っております。 以上です。
○石井苗子君 ありがとうございました。
○委員長(石井浩郎君) 浜口誠君。
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。 各班の先生方、派遣対応並びに報告書の取りまとめ、大変お疲れさまです。 まず最初に、外務省とJICAにお伺いしたいと思います。 報告書の中にもありましたが、円安の影響で円借款事業ですとかODAの活動に対してどのような影響が出ているのか出ていないのか、現状の円安影響についての見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。 OECDのDACというODAの統計をまとめているところがございますが、そこが先日速報を出しまして、二〇二四年のODAの実績、これを出しました。二〇二四年の実績については、日本のODAは百六十七億ドル、前年比一四・四%減と、四捨五入すると百六十八億ドルかもしれませんけど、前年比一四・四%減。円ベースで見ますと、二兆五千三百九十九億円ですので、前年比七・八%減となっておりまして、減になっている原因の大きな要因として円安による為替の影響というのがございます。 日本のODAというのは、かなり円払いの割合が高いということがございまして、為替レートの影響の大きさを受けるため、前年比減の大きな要因の一つとして為替レートというのが出ている状況でございます。
○参考人(田中明彦君) 今、石月局長がおっしゃったのは、マクロに見て日本のODA全体が円安でどういう影響を受けたかということですが、JICAとしてのその個々の事業というのはミクロな世界ですけれども、そうすると、まずその円安ということで、ドルで調達するようなものについてはもろに資機材高くなりますが、より複雑なのは、当事国で見ると、当事国の物価上昇というのもかなりほかの要因によって出てきておりまして、そういうこともございまして、私どもとして見ると、できる限りの努力をして、先方政府とも話し合ってこれを何とか対処しようとしておりますけれども、事業によっては、たしかセネガルのマメルの事業の、淡水化事業のように、価格が高騰してしまうということがあって、そこから先どういうふうに進めていくかということを先方政府とも相談しなければいけない状況になるという、そういうところで影響が出ております。
○浜口誠君 是非事業に、セネガルのお話ありましたが、影響出ないように、政府間で、JICAと支援国政府でしっかりとした連携をお願いしたいなというふうに思います。 続きまして、これもJICAさんに聞きたいと思いますけれども、先ほどの報告書の中にも、協力隊の皆さんが帰国後のキャリア形成に不安を感じているというような御指摘もありました。せっかく海外に行かれて経験を積んで、日本に戻ってきてキャリアアップしていただく必要があるというふうに思いますが、このキャリア形成支援に対して、JICAとしての取組状況についてお伺いしたいと思います。
○参考人(田中明彦君) 先ほど来いろいろ御報告ありましたように、協力隊の皆さんというのは日本社会にとって大変貴重な人材の宝庫でございますので、この皆さんが帰国した後、しっかりと活躍していただけることが重要だということは常々認識しておるところでございます。 現実には私どもも一生懸命努力しておりまして、まず、帰国後のキャリア相談、それからキャリア形成等の研修、それから応募できる奨学金事業のあっせんとか、資格取得の補助とか、国連ボランティアへの推薦の制度とか、その他専用ウェブサイト作って求人情報の提供等を実施しております。 それからまた、あとは、大学とか自治体、教育委員会等で入学や採用における選考で優遇制度を導入していただくというようなことも働きかけておりますし、それから、大学によっては協力隊参加を単位認定していただいて、学位取得の役に立つようなこともしていただいているところもあります。 依然として、就職ですから、御本人の希望ということとその求人状況でうまくマッチしないという場合もあろうかと思うのですが、現状、私どもが隊員にアンケートで調査したところでいいますと、約九割の隊員が、帰国後一年以内に就職とか、それから学業とか、そういう進路を決めているというところであり、私どもとして見ると、今行っているような事業を更に継続的に推進することによって、隊員の皆さんたちが将来の選択を、できる限り有効な選択がしていただけるように努力してまいりたいと思います。
○浜口誠君 ありがとうございます。 是非、募集段階でも、海外協力隊に行くとその後のキャリアアップにもこういう形でつながるよというのを分かりやすくアピールしていただくと、多くの皆さんが応募するときの一つの判断基準になるのではないかなというふうに思いますので、いろいろいい活動をされているなという御答弁だと思いますので、しっかりアピールしていただきたいと思います。 続きまして、コートジボワールは今派遣していないというお話ありましたが、いわゆる支援国の安全面でどういった基準で派遣する、しないという、そういう基準があれば教えていただきたいと思います。
○参考人(田中明彦君) 原則は、外務省が指定をしております安全保障のそのガイドラインにのっとってやっておるということと、それから、今の状況でいいますと、JICAの事務所がある国、つまり、隊員に何か問題があったときに直ちに事務所が支援できるということで、隊員の事務所があるということでございます。 コートジボワールはJICA事務所ございますので、その面でいうとそうなんですけれども、やはり内戦の後かなり不安定な状況が続いておりますのと、それから、現状でいいますと、サヘル地域における治安状況というのは悪くなっている部分もございます。 ただ、今の段階でコートジボワール派遣しておりませんけれども、JICAとしましても、今後、安全確認を行っていって、派遣できるような状況になったら派遣するという方向に進んでまいりたいと思っております。
○浜口誠君 ありがとうございます。 一方で、今は政治的に安定していますけれども、変化する場合がありますから、是非隊員の方の安全確保を、何かあったらすぐ帰国できる体制とかも常にシミュレーションしていただいて、万全の対応を期していただきたいなというふうに思います。 最後、宮路副大臣、せっかく来ていただいておりますので、御発言ないと申し訳ないなと思いますので、最後一問だけお伺いしたいと思います。 今日のレポートの中にも、インフラだけじゃなくて、やはり人材育成支援を求める支援国多いというような御指摘もございました。是非日本政府としてもそういった人材育成支援というところをしっかりと対応していただきたいと思いますが、宮路副大臣として、見解だとか思いがありましたら、是非お聞かせいただきたいと思います。(発言する者あり)
○委員長(石井浩郎君) 挙手をお願いします。
○副大臣(宮路拓馬君) 我が国のODAは、開発途上国の自助努力を後押しし、自立的発展を目指すとの考えに基づいて実施してきております。こうした考えから、インフラ整備や機材供与といったハード面のみならず、これを担う人材育成といったソフト面の支援にも力を入れてまいりました。 とりわけ、現地での人材育成はもちろん、日本国内の大学院にて母国の経済発展に資する専門知識を習得する機会を提供する、研修を通じた行政官の能力向上や産業人材育成といった人材育成についても相手国のニーズに応じたきめ細かな支援を実施してきておりまして、これがまさに日本の支援の強みだというふうに考えておりまして、我が国は、相手国との対等なパートナーとしての関係の下、その国に合ったものを共に考え共に進むという日本の姿勢、これが相手国からも高く評価されているという点において、この人材育成支援というのは引き続き我が国のODAの柱としてしっかりと進めてまいりたいと考えております。
○浜口誠君 以上で終わります。ありがとうございます。
○委員長(石井浩郎君) 仁比聡平君。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 私は、アフリカ班に参加をさせていただきまして、先ほどの山本団長の報告にもありましたが、国民民主の竹詰議員とともに、極めて濃密な調査でございまして、コーディネートいただいた大使館やJICAの皆さん、それから両国政府の皆さんに心から感謝を申し上げたいと思いますし、中でも得難いなと思ったのは、それぞれの国の国会議員の皆さんと大変熱い議論や友情を育むこともできました。帰国をしてからも、両国の在日大使との交流も深めていくということの取組ができていて、こうした取組というのはとっても大事だなというふうに思っております。 そうした中で、アフリカ諸国の自立的発展を支援する上での肝だなと思う点を二つちょっとまず。 まず、職業なんですね。というのも、セネガル・ダカールに到着いたしまして最初に目に留まったのは、故障して何人かで一生懸命押されている車ですね。高速道路のような道なのに、一時間ほどの間に四台も五台もそういう車を見るわけです。よく見ると、町にタイヤを売っている屋台というのはあるんですけど、自動車整備工場ですよね、日本でたくさんある、これは全く目立たないという現実があって。 そこで、最初に訪れたセネガル日本職業訓練センター、CFPTですけれども、印象としては、日本の高等専門学校のような教育機関だなと思います。ですから、自動車整備や、それから産業用機械のメンテナンスや電気工学や自動制御などを若者たちが学んでいると。そういった、とっても生き生きしているわけですね。 伺いますと、約一千人の学生たちが在籍をしている。で、卒業生が七千名を超えたと。そのみんなは就職率が八〇%という極めて高い就職率で、かつ、その卒業生がその訓練センターの教員として働いているということで、内発的な、持続的な発展を支援していく上で、こういう技術者養成というところには大きなニーズと可能性があるというふうに痛感をしました。 外務省局長にお尋ねするのがいいのかなと思うんですけれども、こういう取組についての意義をどんなふうに考えておられますか。
○政府参考人(石月英雄君) ありがとうございます。 御指摘のとおり、やっぱり経済成長においては成長の担い手となる人づくりが極めて重要だということで、アフリカに限らずではあるんですけれども、我々、これまで幅広い分野での人材育成事業というのを行ってきたところでございます。 その中で、今御指摘のありましたとおり、職業訓練ですとか、あと、また、質の高い教育へのアクセスの向上ということで、学校を通じた教育を広げていくということとか、あと、さらには、もう一つのアングルとして、医療人材の育成、こういったことも重要ではないかと。 さらには、そのインターンシップを組み合わせた産業人材育成イニシアティブ、いわゆるABEイニシアティブ、こういったものを通じて産業人材の育成といったことも行ってきているところでございます。 あと、更に言えば、通常のプロジェクトをやる際、無償資金協力ですとか円借款の事業を行う際に日本企業が現地でいろいろな人材育成をやってございまして、こういったところは現地の関係者から非常に高い評価を得ているところでございます。さらに、現地の雇用創出にもつながるということで、御指摘のとおり、人材育成というのは非常に重要なものだと考えておりまして、我々、八月にTICAD9、アフリカ開発会議を行いますけれども、これも見据えて、この人材育成事業しっかり継続するとともに、更なる協力の可能性についても模索していきたいと考えてございます。
○仁比聡平君 先ほど石垣さんからも大事なのは人だというお話があって、私もそのとおりだと思うんですよね。 この学校の話にちょっと戻ると、一方で、競争率が極めて高い。それから、こういう教育機関に進学できないという子供たちがたくさん多いという現実があって、セネガル、それからコートジボワールも同等の水準と思いますが、小学校を卒業できる子供がおよそ五〇%、半分しかいないと。 貧困率は三七%とか三八%という深刻な数字で、このセネガル、コートジボワールも含めた西・中央アフリカ全体でいいますと、ユニセフの現地スタッフに教えていただきましたら、五歳未満で亡くなってしまう子供が推計で二〇二二年の一年間で百八十六万人もいて、十一人に一人は亡くなってしまう。そのうち三五%は生まれた後一か月で、新生児で亡くなってしまうという、こういう現実があると。だからこそ、先ほど来強調されていますけれども、保健医療のこの充実というのはもう極めて必須だと思うんですね。 そうした中で、JICAにもし教えてもらえればと思いますけど、現地では、ユニセフとJICAが、WHOとも協力をしながら二〇二三年から母子手帳を普及、活用しようという取組を始めておられて、この新たな取組が様々なこの母子の健康に関わる課題を解決していく上で大きな役割を果たすのではないかというお話もありましたが、どんなでしょうか。
○参考人(田中明彦君) 今先生おっしゃったように、極度の貧困率とか、それから五歳未満児死亡率とか、このようないわゆるSDGsの中でも一丁目一番地ともいうような目標というのは、大変重要であるにもかかわらず、なかなかこれを達成するのが困難だと。そういう困難を抱えているのが脆弱な開発途上国であるというのが現実だと思います。 その中で、私どもは何ができるのかということを一生懸命考えながらやっているわけですけれども、私の考えでは、単一の方法で全てがうまくいくというような、そういう容易な道というのはないと思うんですね。様々なことを組み合わせていかなきゃいけない。 その一つとして、先ほど御視察いただいたCFPT、職業訓練センターのようなところで人材の底上げを図るということであって、これをJICAは四十年ずっとやっておるわけです。 それに加えて、保健医療、これも大変重要です。もう本当に様々な分野をやらなければいけないわけですけれども、その中で、一つの試みとして、私は日本が世界に誇っていいと思うのは、母子手帳を開発途上国にできる限り普及しようという努力でございます。 御案内のとおり、日本の母子手帳というのは一九四七年か八年につくられたわけですけれども、お子さんのその健康状態、お母さんの健康状態を包括的に記録するという世界的に見ても大変優れた仕組みです。 これを、二十一世紀に入った辺りにインドネシアのお医者さんが日本に研修に来られたときに、ああ、日本にはこんないいのがあるのかというので、インドネシアでも導入してくださいという依頼があって、それでインドネシアで、まずJICAがインドネシア政府と協力して母子手帳を普及するというふうにいたしました。今、アフリカ諸国でもできる限りやっており、セネガルでも母子手帳を皆さんに普及できるようにしております。 その際、私どもがとてもうれしいなと思っておるのは、母子手帳を私どもが現地に合わせて、日本の母子手帳をそのまま翻訳するわけではなく、現地に合わせた形でデザインをし直して、それを作って印刷して配るというのを、先方政府も印刷していただくのが望ましいわけですけれども、それをユニセフに、言わば、ユニセフも、ああ、これはいいねというふうに言ってくださると。 ほかの、世界のほかの国際機関もこれはいいねと言っていただけるということで、かなりの多くの国で、母子手帳の普及については、日本の資金だけでなく世界中の様々な各国からの資金でもって行えている。日本から税金を元に出しているんですけど、その税金がマルティプライして先方に影響を与えているというとても良い事例が母子手帳だと思っておりますし、最近、私、アンゴラでも同じような母子手帳の普及をやりましたが、これについては、国際機関とか援助機関だけでなく、アフリカに進出している日本企業もその印刷代をコントリビュート、出していただけるというようなことがあって、大変地道ですけれども進めたいと思います。
○委員長(石井浩郎君) 時間を過ぎておりますので、回答は簡潔にお願いいたします。
○参考人(田中明彦君) はい、失礼いたしました。
○仁比聡平君 宮路副大臣に伺おうと思ったけれども、ちょっとその時間なくなりましたが、そうした中で、私は、今お話があったような中長期的な息の長い支援というのはとっても大事だと思うんですよ。ちょうど訪ねたのが二月の中旬だったということもあって、あの傲慢なトランプ政権が誕生して……
○委員長(石井浩郎君) 御意見をおまとめください。
○仁比聡平君 何しろUSAIDが凍結されるというので激震が走るという、みたいなことがありました。やっぱりそうじゃなくて、自立的発展をしっかり支援していくという、そういう取組を期待して、発言を終わります。
○委員長(石井浩郎君) 大島九州男君。
○大島九州男君 れいわ新選組、大島九州男です。 四班の先生方、本当にお疲れさまでございました。もう先生方の御報告はもう十分理解をさせていただいたので、JICAに質問をさせていただきたいと思いますが、今までのいろんな議論の中でも、やっぱり派遣をされている方々、どういう年代とかどういう層が多いのか、ちょっと教えてもらっていいですか。
○参考人(田中明彦君) 派遣、これは海外協力隊のことでございますか。海外協力隊は、昔は青年海外協力隊というふうにいって、一九六五年に発足したのでありますけれども、現在は六十九歳まで応募可能でありまして、今、私、ここに詳細な統計ないんですけれども、二十代よりは三十代、私が覚えている範囲でいえば、二十代より三十代、四十代が多くて、その後、五十代、六十代もかなり多くいるので、日本のその各層、男女比は女性の方が多いです。それから、比較的シニアになられた方の場合は、一回だけでなく、何年か置いてまた参加していただけるという方もおります。
○大島九州男君 じゃ、我々の年齢でも行けるんだなとあれしましたが。 いろんな分野でやっぱり活躍している人たちがたくさんいらっしゃるというふうに思うんですけど、例えば、獣医系みたいな、動物のいろんなお世話をしたいからとかいって派遣をするようだとか、そういう具体的なあれとかあったりするんですか。(発言する者あり)
○委員長(石井浩郎君) 挙手の上、御指名受けてから発言を願います。
○参考人(田中明彦君) 海外協力隊の任務の範囲は大変広うございまして、今先生おっしゃったような医療・保健分野、それから獣医の分野、農業の分野、それから自動車整備という分野もありますし、教育もありますし、それからこの頃大変人気のあるのはスポーツで、柔道の隊員とかサッカーの隊員とか野球の隊員とか、世界各地で活躍しております。
○大島九州男君 というのは、そういう経験があったり、そういう人たちが行って向こうを指導するという感じですよね。だから、ある程度、三十、四十、五十とか、そういう方が多いと。 若い人で海外でそういうことを経験したいと、例えば、そういう獣医とかみたいなことも海外で勉強してみたいとかいうようなことが、そういったところに行って一緒に学ぶとかいうような、そういうようなイメージはあるんですか。そういうのはない。
○参考人(田中明彦君) 先方政府からの依頼は、多くの場合、大学を出て実務経験三年ぐらいはある人に来てほしいというふうに言われております。 ただ、私どもとしてみると、より若い大学生ぐらいの方にもこの協力隊の可能性を考えていただきたいということがございまして、それほど多くはございませんけど、短期派遣というのをやっておりまして、協力隊だと普通は二年間行って、そこで、例えば、看護師の方がやっていると、そうすると、大学生でまだ資格持っていない人を三か月ぐらい同じところに行って、インターンのような形で、協力隊の事業のインターンというようなことで参加してもらうということで、将来更に活躍してもらう基盤をつくれればいいなと思っております。
○大島九州男君 そうですね、やっぱり若いうちにいろいろ経験すると、それがすごくプラスになって、またある程度キャリアを積んで、また行こうかと。まあ正直言って、我々みたいな年代で初めて行っても、もう先がないからとかいうふうに思ったりもするので、是非そういう若い人たちがチャレンジできるような、そういう仕組みをしっかりとまたやっていただくことを要望して、終わります。
○委員長(石井浩郎君) 高良鉄美君。
○高良鉄美君 沖縄の風の高良です。 四つのグループでもう本当に世界中をいろいろ見て、今日の報告も非常に具体的でよく分かりました。 そこでお聞きしたいのが、行く前に恐らく予備学習というんでしょうかね、事前にその地域の、それぞれの派遣地域のことを思いながら、あるいは学習しながら行かれたと思うんですけど、そこで、現地に着いて、何日かずっと滞在されていて、イメージと違ったとかいうこと、もしありましたら、いい意味でもいいし、悪い意味でもいいですし、両方でも結構ですけれども、ありましたら、石垣委員の方から先にお願いします。
○石垣のりこ君 御質問ありがとうございます。 そうですね、日本のかつてのこれまでの貢献に対しての感謝というのは非常にどこの国からも感じたところではあるんですが、一方で、長期にわたるその支援の中で、内容が変わってきているという点でもあるんですけれども、もうその当時の、最初のありがとうというようなその感謝のところから、もう大分終わってきたよねというような感覚もある種あって、その中身が随分変わってきているなということと、あとは、もう一点は、貢献をしたいと思って、先ほどの人材交流であったりとか、そういう人的資源の大切さということは申し上げたんですけれども、一方で、日本の本国の方が派遣する余裕がなくなってきているということも、一方で話をしながら具体的に感じたところです。 以上です。
○若松謙維君 私は、今回インドだけでしたが、十数年前に二度、民間人として行きました。今回は政治家としてマクロ的に入ったんですが、やはり人口十四億、今年恐らく日本はインドからGDP抜かれるということなんですけど、やっぱり人間として見ると、例えばトイレですか、世界の五割が、トイレがない方がインドにいらっしゃると。あと、水も、安全な水がない人、これ一億六千万人ぐらいですけど、これも世界の二割と。非常にインドは、非常にその所得の低い方の生活が大変厳しいと。ここにどう日本のODAができるのかという観点から、今回いろいろと気付きをしました。特に、年間約八千億円ぐらい、これローンでありますので、いわゆる税金は使っておりません。かつ、返済は非常にいいんですよね。 当然、要請主義ですから、インド政府からの要請がないといけないんでしょうけど、本当はもっともっと金額も関わりも深めて、やはり日本のいろいろなノウハウというのを、先ほどの特に低所得者層、まさにトイレも水も得られないところに対してもっとできることはあるんじゃないかと、そういう思いを強く持って、もっと頑張って、外務省には頑張ってほしいという期待を持って帰ってまいりました。
○江島潔君 フィジー、トンガはラグビーがとても強いんですけれども、やはり大きな肉体に裏打ちされた、そういう体がぶつかり合うスポーツというのは得意だというふうに聞いているんですけれども、それを痛感したのは、向こうで朝食のときに、普通に一人分でパンが一斤出てきて、牛乳も一リットルが一人分で朝出てくるので、やはりあれだけのものを食べていれば体も大きくなるなと思ったんですけれども、やはり、でも体が大きい、肥満による成人病というのもやはり問題をされているようで、そう簡単にその食生活というのは変わらないのかもしれませんけれども、その辺には、でも日本の協力の余地というのももしかしたらあるのかもしれません。 以上です。
○山本順三君 ちょうど我々が派遣されたのは、先ほど申し上げましたけれども、今年、TICAD9が日本で、横浜で開かれるというようなことがございます。そんなこともありまして、我々もそのことについてどんな感触をお持ちかなと思ったんですけど、やはり相変わらず非常に期待は大きいものがありました。 ただ、振り返ってみて、我々の側でTICADということ、アフリカ開発会議に対しての意識が以前ほどには余り醸成されていないなというようなことも実は内々感じておりまして、それのギャップというものがあることが若干歯がゆい思いがいたしました。 是非、せっかくアフリカ開発会議、TICADに来い来い来い来いとみんなに言ってきたわけでありますから、外務省に頑張っていただいて、様々な提案がその場でできて内容の濃い会議になるように、御尽力を賜りますようにお願いを申し上げます。
○高良鉄美君 今、私もお願いしようと思いまして、外務省の方ですね、是非とも、先ほどからずっとODAの意義を、非常に日本らしいというんですかね、きめ細かい援助というものが功を奏しているということもありますし、問題も課題もいろいろあるということですけれども。是非外務省の方、宮路副大臣、何か今お聞きしてイメージと違うのもいろいろあると思うんですけれども、外務省は、じゃ、どのような形でしっかりサポートをするかということについてお考えがあれば、よろしくお願いします。
○副大臣(宮路拓馬君) 本年は八月にTICAD9が開催されます。ニーズも変化してきていると思います。日本の革新的な技術や知見を生かしながら、課題の解決策をアフリカとともにつくり上げる機会にしていきたいというふうに考えております。 この会議に向けては、日本らしい協力の着実な実施を通じて、これまで長きにわたり培ってきたアフリカ各国との関係を一層深化させなければいけないというふうに考えておりまして、本日の山本委員の二つの報告もしっかり参考にさせていただきながら、TICAD9に向けて準備をしてまいりたいと考えております。
○高良鉄美君 最後に、ちょっとだけ私の感想ということで、島嶼国のトンガとフィジー、あちらもやっぱり沖縄のこの可倒式の風力発電ということありましたので、やっぱり日本の世界との共通でいうと、海とか自然の問題が似たところがよくあるでしょうし。それから災害大国というのは、海ばっかりじゃないですけど、日本は地震とかいろいろありますよね。そういうものも対応として、非常に重要なツールと言ったら変ですけれども、やっぱり強みだと思います。 それと、ずっと言っている医療ですね、それから職業訓練、もうこれ恐らく全部共通したところかなと思っていますので、その辺りをやっぱり希望を持ってしっかり進めていけたらと思いますので、よろしくお願いします。 これで終わります。
○委員長(石井浩郎君) 以上で各会派一巡いたしましたので、他に発言を希望される方は挙手をお願いいたします。 石井苗子君。
○石井苗子君 済みません、先ほどちょっと質問が二つできなかったものですから、副大臣にお伺いしたいんですけれども。 私、前、船舶の仕事をしていたんですが、日本の船舶の中古品というのは非常に性能がいいんですけど、先ほどのベトナムのODAの御報告の中で、中古船舶を提供、供与したプロジェクトがあったと思うんです。 二〇五〇年でしたっけ、カーボンニュートラルの時代になるという流れの中で、これからは燃費規制というのを考えていかなきゃならないと思うんですが、まだまだ日本で古くなった中古船というのは十分使えるんですけれども、これを供与していくというのはこれからどんどん難しくなっていくんではないかと思うんですけれども、ベトナム以外の国も含めて、今後どのような中古品の供与という枠組みの展望があるかどうか、それと、調査派遣を通してそういうものをどう捉えているかと、中古品の提供というのをどう捉えているかというのだけお答えいただきたいんですが、二つ。
○副大臣(宮路拓馬君) 我が国のODAは当然相手国のニーズに応じて展開してきたものであります。 御指摘のとおり、このGX、我が国のみならず、グローバルに世界各国、そして途上国も含めこのGXというのは求められる中において、燃費性能のいいものを求めるというニーズは高まっていくと思います。 これまでも船や消防車等においてそうしたニーズを受けて展開してきた事例もございますので、引き続きそうした意識を持って、ニーズの調査であるとか、あるいは相手国のリクエストに応えてまいりたいというふうに考えております。
○石井苗子君 供与するときに無駄のないようにしていただきたいので、なるべくまだ十分使える日本の船舶は供与の対象にしていただきたいと思うので、これからよろしくお願いしたいということです。 ありがとうございました。
○委員長(石井浩郎君) 他に御発言もなければ、以上で委員間の意見交換を終了いたします。 本日は、限られた時間でありましたが、派遣団に参加された方々から貴重な御意見をいただくとともに、本委員会として大変有意義な意見交換を行っていただき、誠にありがとうございました。 本日の調査はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午後三時八分散会