予算委員会 第5号
- 発言数
- 388 件
- 登壇者
- 34 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2025/03/10
会議録
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 令和七年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。 本日は、石破内閣の基本姿勢に関する集中審議を往復方式で四百十四分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党六十四分、立憲民主・社民・無所属百三十八分、公明党五十六分、日本維新の会六十九分、国民民主党・新緑風会三十五分、日本共産党三十五分、れいわ新選組十七分、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) 令和七年度一般会計予算、令和七年度特別会計予算、令和七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、石破内閣の基本姿勢に関する集中審議を行います。 これより質疑を行います。宮崎雅夫君。
○宮崎雅夫君 おはようございます。自由民主党の宮崎雅夫でございます。 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 本日は、石破総理、江藤農林水産大臣に、農林水産関係について質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 まず、石破総理、地方創生二・〇でございますけれども、もう御案内のとおり、地方の基幹産業は農林水産業でございます。農林水産業と一体となって農山漁村も形成をされております。また、農林水産業、もう全国各地で、気候条件、自然条件によりましていろんな形があるわけであります。地方創生の一丁目一番地、これは農林水産業の振興だと私は思っております。 地方創生と農林水産業の振興につきまして、まず、石破総理の思い、お考えをお伺いをしたいと思います。
○内閣総理大臣(石破茂君) 宮崎雅夫委員が農業農村整備のエキスパートとして高い見識を持たれ、そして数々の実績を上げてこられたこと、心から敬意を表する次第であります。自由民主党におきまして、農林部会のみならず、水産部会あるいは林政調査会でいつも本当に的確な御指摘をいただいておりますことに心から厚く御礼を申し上げます。 私、四十年ぐらい前だと思いますが、叶芳和さんという農政学者が書いた「農業・先進国型産業論」という本を読んだことがあります、まだ議員になる前ですが。それで、農業というのは先進国において栄えるのだと、農業こそ先進国に最もふさわしい産業なのだという本を読んだことがあって、何かすごく意外な感じがいたしました。何となく、日本において農業っていうのはこれから衰退産業みたいに言われるのですが、そうではないのだと。先進国においてこそ農林水産業は栄えるのだということで、ああ、そういうことなんだと最近思っておるところでございます。 日本は、農業も漁業も、そして林業も世界有数の潜在力を持っていると。土と光と水と温度の産業でございますから、それに全て恵まれていると。排他的経済水域の面積は世界第六位であると。で、森林率は世界有数で、別に面積だけで見ても仕方がないんで、蓄積量というんでしょうか、要するに木の体積も世界有数であるということであります。それを最大限に生かしていくことが、これからの日本が地方創生を基盤としてもう一度強くて豊かな国になっていく。 コストカット型の産業から高付加価値創出型の産業に変えていくということがキーワードだと思っておりますが、農業、水産業、林業において、いかに高付加価値というものを生み出し、そして所得を上げ、就業者を増やし、日本の産業というもの、日本全体の経済に寄与するものであるかということにつきまして、また委員の御指摘、御見識を承ることができれば大変幸いに存じます。
○宮崎雅夫君 総理、ありがとうございました。私も、微力でありますけれども、しっかりと頑張っていきたいと思います。 それと、一点でありますけれども、あの能登半島地震の発生から一年を経過をいたしまして、その後、被災地では豪雨が襲ったわけであります。明日、三月十一日は、十四年前、東日本大震災が発生をしたその日であります。被災地の岩手県の大船渡では大規模な山林火災が発生をして、被災地を襲ったわけであります。近年、大規模な災害が残念ながら頻発をしているという状況であります。被災した地域では、早期の復旧復興が、その後の復興、そして地方創生、この前提になるわけであります。引き続き、地方公共団体、そして関係者の皆さん方と連携をしていただいて、政府全体でしっかり取り組んでいただくようにお願いを申し上げたいと思います。 次に、最近の米をめぐる状況につきまして、江藤大臣にお伺いをしたいと思います。 二月に、政府米、政府備蓄米につきまして、二十一万トン、初回は十五万トンを販売することを決定をされたわけであります。初回の入札は今日十日から行われまして、残る六万トンにつきましてもできるだけ早期に行う考えを、先週、江藤大臣示されたところでございます。様々な状況を踏まえて対応をいただいているわけであります。 農水省も、マンスリーレポートほか、米に関する情報も発表されているわけでありますけれども、それ以上に、米の流通、販売についての情報、動きでありますとか、そういったものがネットを始め至る所で今あふれているというような状況であるというふうに思います。 最近の米の流通、販売等の状況につきまして、江藤大臣の現在の御認識についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(江藤拓君) お答えをさせていただきます。 何度も申し上げておりますが、極めてイレギュラーな状態だと思っております。十八万トンも余計に作っている、在庫も十分にある、だけども店頭価格は非常に高い、だけどスーパーに行けばお米はある。昨年の段階とは、スーパーから米が消えたという状況とは若干違う。しかし、価格は異常に高い、もう二倍ですから。そういう状況の下で、二十一万トンを出すことにいたしました。 そして、先週の金曜日に米穀機構がDIを発表しましたね、先行きの米価の変動を示す数字を。これが七七から五四と、これ急落ですよね、もう農政をずっとやっていらっしゃった宮崎先生ならよく御存じでしょうけど。この二十幾つも一気に下がるというのはなかなかないことでありますので、この米を扱う方々、関係者の方々は、少なくとも先高観はもう持っておられない、もうちょっと踏み込めば下がるんではないかという見通しを持っておられるんではないかと思いますが、これはマーケットのことでありますので、私が上がるとか下がるとかそういうことを断定的に申し上げることは分かりませんが。 ただ、もう二十一万トン出した以上は、政策効果がなければ更に追加もいたしますし、しっかり流通のスタックを解消して、消費者の方々の御苦労を解消できるように努力してまいりたいと考えております。
○宮崎雅夫君 是非、今、江藤大臣から御答弁もいただいたわけでありますけれども、いろんな情報の把握を是非きめ細かくやっていただきたいと思いますし、やはり正確な情報を皆さん方にお知らせをしていただくということは大切なことだと思いますので、引き続き状況を見て対応をお願いを申し上げたいと思います。 次に、農業人口の減少でありますとか高齢化が進む中で、農業の担い手がやはりいない、次に引き継げる人がいないんだという話を残念ながらお伺いをするわけであります。 それはなぜかということを伺いますと、やはり農業では稼げない、飯を食っていけないというような話が多いわけであります。収入は、所得は収入と支出の差でありますから、支出面、これはコストをやっぱり下げていくということはもちろん重要でありますし、収入面では、農産物の品質、それから量、同時に、今大臣からもお話しいただきましたけれども、価格もやはり重要な要素の一つであります。価格も、やはり連日、米については報道されておりますけれども、生産者、消費者双方がやはり納得をし得る合理的な価格ということが大変重要なことだと思います。(資料提示) パネルを掲げていただいておりますけれども、米の五キロの小売価格、もうこれも御案内のとおりでありますけれども、昨年のほぼ倍、まあ四千円を超えるという水準になっております。主食である米の値段が急激に上がったことについては決して好ましい状況ではないわけでありますけれども、マスコミではやはり高騰したという報道になるわけでありますけれども、農家の皆さんからすると、生産費は、令和五年、ちょっとパネルが平成というふうになっていまして、申し訳ありません、全部令和でありますけれども、令和五年産が最新ということでありますけれども、五キロ当たり千三百二十九円、令和四年産が千二百七十三円、生産費は上がっております。令和六年産も確実にこれ上がっていると思われます。 農家の販売価格、これ統計数値はございませんけれども、昨年産米では六十キロ当たり二万円ぐらい、五キロでは千七百円ぐらいでございますけれども、ようやく価格が戻ってきたと。コロナの時期を含めて米の値段が安い時代がこれ続きましたので、農家の皆さんは回復をしてきたというふうに言われるわけであります。 統計のある集荷、卸売業者間の相対取引価格、ちょうど真ん中ぐらいに数字がございますけれども、これは農家の販売価格よりも高いわけでありますけれども、相対取引価格は生産費よりも低いわけでありまして、令和四年、五年産は平均的に見ると農家は赤字というようなことになるわけであります。昨年産米でようやく黒字になるというようなことがお分かりいただけるんじゃないかなと思います。 ですから、これはもう共通の物差しが必要で、そこで、生産者、消費者の皆さん方が互いの状況、これ見方をよく理解をいただくことが重要だと思います。農業の持続性を確保し、安定的な農産物の供給のために、米を含め農産物の合理的な価格形成に向けた取組と、関係者、特に消費者の皆さんへの理解の促進に向けた取組について、江藤大臣のお考えをお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(江藤拓君) お答えをさせていただきます。 まさに、誰にとっても合理的である、納得がいくというのは、もう万事、事においては大事なことだと思います。生産、流通、加工、販売、消費者、この段階で、どこかが極端に利益を得る、そしてどこかが極端に不利益を被る、こういった商習慣がずっと続いていては、その産業は駄目になってしまうと思います。 残念ながら、農業者の方々は、作ることは超一流ですが、価格の形成についてはなかなかタッチができなかった、そういう現実があります。ですから、もうなかなか青申をしてくれる人もそんなに増えてはおりませんけれども、生産コストをしっかり割り出していただいて、そして各段階でしっかり協議をしていただく。そのために今回出す法律が、食品等の流通の合理化及び取引適正化に関する法律及び卸売市場法の一部を改正する法律案でございます。ですから、卸まで法律を変えていくわけでありますから。 もう分かっていただきたいのは、物価高で消費者の方々が御苦労されているのは分かります。分かりますが、余りにも生産現場にしわ寄せを寄せ過ぎると、最終的には生産者がいなくなってしまう。今でも、百十六万人が三十万人に減ってしまうんじゃないかという恐ろしいトレンド、発表されています。そのときに困るのは農業者ではなくて、日本国民が困るわけですから。 是非、生産コストを、消費者の方々にも大変御苦労掛けますけれども、是非、しっかり説明をしますので、御了解いただいた上で、合理的な価格形成に資する法律にしていきたい。つきましては、これについてはGメンも張り付けで、最初は大きい人数になりませんが、この制度の徹底を図っていきたいと思っております。
○宮崎雅夫君 江藤大臣、是非進めていただければと思うんですけれども、国民の皆さん方の御理解をいただくという意味で、パネルの一番下にお米の、お茶わん一杯の価格も入れております。倍近くになったお米でありますけれども、お茶わん一杯当たりにすれば五十円程度であります。一日一人当たり今食べておるのはお茶わん二杯でありますから、一日一人当たり百円程度ということも申し上げておきたいと思います。 次に移りたいと思います。 価格のお話を伺いましたけれども、それと同時に、農村政策の重要な柱の日本型直接支払でもしっかりこれ支えていく必要があるというふうに思います。 日本型直接支払につきましては、農業の多面的機能の維持、発揮のための活動を支援をするものでありますけれども、農地の保全の取組が、これ長年にわたって農家の皆さん、それから地域の皆さん、これらの共同活動によって行われていること、これがもうまさしく日本型ということでありますけれども、これからも地域の共同活動の支援をすることは非常に大事なことだというふうに思います。 今後、日本型直接支払について、やはり更なる充実を私は図っていく必要があるというふうに思っておりますけれども、江藤大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(江藤拓君) お答えさせていただきます。 まさに、全国をくまなく歩いていられる宮崎先生のお気持ちなんだろうと思います。 中山間地域におきましては、中山間地域直接支払に対応したくてもなかなか、経理ができる人がいないとか、人が減ってしまったとか、高齢化が進んだとか、様々な問題があります。ですから、そういうものを広域でカバーするとか様々な工夫をしなければいけないんだと思っております。何としてもこの共同活動によって地域を守っていくということはこれ基本中の基本でありまして、個人に直接入れるということも一つの方法かもしれませんが、しかし、みんなで助け合って地域を守っていくんだ、そういう気持ちが表れているのが日本型の直接支払だと思っております。 御参考までに、令和七年度の概算決定を申し上げます。 中山間地域の直払いについては、二十四億円を増加して二百八十五億円にいたしました。多面的機能支払については、十五億円を増加して五百億円といたしました。環境保全型直接支払については、二億円増の二十八億としております。そして、日本型直接支払総額としては八百十三億ということになっておりますので、是非現場の状況もしっかり見て見直していきたいと思っております。 水活も見直すので、水活をやれば、米、麦、大豆、飼料作物ごとの支援に焦点が移るわけでありますし、中山間直払いについては、これまでは傾斜のみ、傾斜があるところだけ支援するということでありましたが、中山間では平らな土地であってもとてつもなく条件の悪いところは幾らでもあるので、そういった面積要件も地域の情勢に合っているように見直していきたいと思っておりますし、それから環境保全型の直接支払については、これ新たな、みどりに関係するものでありますから、これ新たな制度を創設したいというふうに考えております。
○宮崎雅夫君 大臣、ありがとうございます。 来年度予算審議中のものも、これ大臣折衝で江藤大臣と加藤大臣の間でやっていただいて今の案ができているわけであります。私もしっかりと、それぞれ活用をしっかりやっていただけるように全国の皆さん方にもお話をしていきたいと思います。 次に、集落レベルで人と農地を結び付ける地域計画の策定でありますけれども、今月末になっております。これまでの人・農地プランを深化させる形で、意向確認でありますとか地域の関係者の皆さんの協議の場を経まして、各地域で将来の農地利用の姿を目標地図という形で明確化するわけでありますけれども、これもちろん過程も非常に大切なんですけれども、もうできますので、四月からいかにこれ実行していくかと、その後しっかりフォローをしながら、必要に応じて改定、発展をさせていくということが重要だと思います。 そのためには、やはり実務の中心であります農業委員会でありますとか農地バンクの体制も更に強化をさせていく必要があると思いますし、国からの支援も重要だと思います。地域計画の実現に向けて国としてどのように対応していくのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 地域計画につきましては、市町村や農業委員会を始め関係者の皆様方に大変な御苦労をいただいておりますが、年度末に向けて全国約二万一千地区で策定をすべく作業が大詰めを迎えております。 地域計画は今後の農政の核となるものでございますけれども、地域によっては農地の受け手が十分に見付からないところ等もございますので、策定後においても関係者の協議を続け、適正な土地利用の実現に向け計画をブラッシュアップしていくことが重要だと考えております。 その際、現場活動の中心となる農地バンク、農業委員会につきましては、体制強化や現場での活動に必要な予算を措置しております。地域計画の実現、発展に向けて、その活動を後押ししてまいりたいと考えております。
○宮崎雅夫君 しっかりと対応をお願いをしたいと思います。 この地域計画の実現でありますけれども、農地の大区画化でありますとか汎用化など、農地の整備もこれしっかりと進めていく必要があるわけであります。圃場整備の実施地区においては、それを前提に地域計画は策定をされているわけでありますし、話合いの中で、この地域計画作っていく中で圃場整備に取り組んでいこうという機運が高まって、実施を待っているところもたくさんあるわけであります。 しかしこれ、実施地区でも、資機材、人件費の上昇によりまして工期が延びるかもしれないと地元の皆さんの不安の声もよく聞くわけであります。圃場整備、ニーズは高いわけでありますし、地域計画の実現のため、またスマート農業の推進、これを図った上でも早急に事業を進めていく必要があるというふうに思っております。 農地整備の推進に向けての江藤大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(江藤拓君) お答えさせていただきます。 生産性の高い農地をつくるということが一番食料の安全保障につながるものだと思っています。農家の方々が一生懸命働いて、それが実となって上がってこないような農地であったら、それはもう御苦労をされているばっかりで本当に申し訳ないことでありますから、おっしゃるように農地整備事業、これは今まで以上に加速化しなきゃならないと思います。 というのは、今、地域計画を作っております、今御指摘いただきました。地域計画は農地の未来の予想図ですから、こういう農地の形に将来はしていきたい、そしてここにはどのような担い手が張り付くのかというところまで計画を立てたい。ということであれば、区画がでかくなれば、当然、大型の機械を入れたり、今御指摘あったスマート農業の導入をしたり、様々なことをしなければなりません。そのためにも農地整備をすることは非常に大きい、こう思います。 ただ問題は、非常に工事単価が上がっている、非常に。ですから、今、一億でできたものが二億掛けないとできないとか、そういうことがありますので、後ろに大臣おられますけど、私の立場としては、そこのところを財務省に是非御理解をいただければ有り難いなというところでございます。
○宮崎雅夫君 加藤大臣にも御理解をいただけることだと私は信じております。 次に、水についてお伺いをしたいと思います。 近年の猛暑によりまして、農業用水の重要性、これが再認識をされている一方で、局地的な豪雨が頻発をいたしまして、農地、農村を守っている農業排水の役割も更に増しております。 埼玉県八潮市での道路陥没事故、お見舞いを申し上げたいと思います。下水道管の破損が原因と見られておりますけれども、基幹的な農業水利施設、これ約半数は標準耐用年数を超えておりますし、また突発事故も増加をしている傾向であります。基幹的な施設の計画的な更新を進めていくことは土地改良でも待ったなしの状況であります。また、全国で農業用ため池は十五万か所ございます。この老朽化対策も進めていかないといけないということであります。 総理は施政方針演説の中で、国土強靱化実施中期計画につきまして、現在の五か年加速化対策の十五兆円を上回る水準で六月を目途に策定をする旨示されたわけであります。土地改良施設の老朽化対策でありますとか、ため池の洪水、耐震等の対策も実施中期計画にしっかりと位置付けをした上で、現在のいろんな資機材の上昇を踏まえれば、その規模は十五兆円を大幅に上回る必要があるというふうに思います。 土地改良施設の保全に向けた総理のお考えをお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(石破茂君) 御指摘のように、農業水利施設、老朽化が進んでおります。漏水等、水が漏れちゃうと書きますが、漏水等の突発事故というのが多くなっておるわけで、昨年、食料・農業・農村基本法を改正をいたしましたが、そこにおいて、従来の整備に加えて保全というものを位置付けたところでございます。 基幹的な施設、頭首工とか用水機場でございますが、それは今まで農業者の申請でそういう事業を行っておったわけでありますが、農業者の方が申請しなくても国や都道府県が発意をいたしまして実施すると、こういう仕組みを盛り込みました土地改良法改正法案、今国会で御審議をいただきたいというふうに考えております。 御指摘のように、令和八年度からの国土強靱化実施中期計画におきましては、施策の評価、資材価格の高騰などを勘案いたしまして、おおむね十五兆円程度の事業規模で実施中の五か年加速化対策を上回る水準が適切であると、このような考え方を示しておりますが、この考え方に立ちまして、本年六月をめどに策定するということにいたしております。農業水利施設の老朽化対策につきましても、この計画に盛り込むべく、検討を加速をいたしてまいります。
○宮崎雅夫君 総理からもお話をいただきましたけれども、しっかりと盛り込んでいただいた上で、繰り返しで恐縮ですけれども、やはり規模感としても大幅に上回る規模が必要だというふうに思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。 土地改良施設の保全の基本は、これ日頃の適切な維持管理をやっていくということであります。それを担っておりますのが全国で四千百ございます土地改良区であります。土地改良区を支援をする都道府県土連とともに、地域の農業、農村を支える大切な役割を担っている縁の下の力持ちというような存在であります。 施設の維持管理など、土地改良区は、組合員、これは農家の皆さん方でありますけれども、これから集められる賦課金によって基本的に運営をされているわけでありますけれども、これも最近のやはり資機材でありますとか電気料金の高騰によりまして支出は増加をする一方であります。厳しい農業情勢の中では賦課金を上げるのもなかなか難しくて、その運営は大変厳しい状況になっております。 体制面でも、小規模な土地改良区、これは全体の七割であります。専従職員がいないものは半数に上りまして、専従職員がいらっしゃる改良区でも、厳しい運営の中で、事務局の皆さん、待遇の改善もなかなかままならないというような状況だと聞いております。 土地改良区の運営基盤、体制強化に向けた今後の対応につきまして、江藤大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(江藤拓君) まさに土地改良はとっても大事なことだと思っています。私が前の大臣のときに、台風が来て、茨城、千葉に視察に参りました。立派な農道が通っていて、左右はニンジン畑でした。左のニンジンは無傷、右のニンジンは全滅。何でこうなるのかと聞いたら、こっちは排水暗渠を入れて土地改良は終わっているんです、こっちはまだ計画が立っていないんです。全く見た目は同じですが、これだけ土地改良をやれば、災害にも強い、収穫もしっかりできるといった、いわゆる農業者の方々の御苦労が無駄にならないようなことができるんだと思いますが、土地改良、大事です。 しかし、お話がありましたように、人数が減れば賦課金の負担も多いですし、それからコストも多いですし、専従の方々もいないというようなこともあってなかなか大変なので、やはり国がしっかりやることが必要だと私は思っております。 ですから、現在国会に提出している土地改良改正法に盛り込んだ連携管理保全計画、いわゆる水土里ビジョンですね、これをしっかり通じて、市町村ともしっかり連携を取りながら、保全に取り組みながら、土地改良区の経営改良や再編を含めることとしています。 なかなか課題が多くて、これで全て解決できるとは思っておりませんが、ただ、これから食料安全保障を確立し、そして農業の生産性を上げ、農家の所得を確保するということであれば、やはり土地改良は大変肝になると思っておりますので、また先生からいろいろ御指導、御鞭撻いただければよろしくお願いいたします。
○宮崎雅夫君 江藤大臣からもお話をいただいた水土里ビジョン、これも非常に大切なことだと思います。私も全国の皆さん方からいろんな御意見を承っておりますし、また私もいろんな提案も大臣にさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。 次に、森林、林業につきましてお伺いをしたいと思います。 人工林が本格的な利用期を迎える中、我が国の豊富な森林資源を循環してこれ利用していくことが重要であります。つまり、切って、使って、植えて、育てる循環型の林業を目指していかないといけないわけであります。加えて、花粉症対策の発生源対策、杉・ヒノキ林を花粉の発生の少ない森林にこれ変えていく対策も進められております。 切ってというのは、やはり人の問題が非常に重要な問題でありまして、各地域の林業の中心的な役割を担っていただいている森林組合の皆さん方からお話をお伺いをしても、やはりそのお話は必ず出てまいりますし、高性能林業機械、これを、今もう大分進められておりますけれども、その更新というような課題も今出てきたりしております。 そして、使ってということでありますけれども、国産材が基本的にこれから出てくるという中で、その活用が進まなければ、次の段階、植えて、そして育ててという段階につながっていかないということであります。国産材の活用も、いろんな対策、取組が行われておりますけれども、なかなか材が動かないんだというお話もお伺いをするわけであります。 循環型林業の実現、森を育むことは、国土を守って農と海を育てることにもつながるものだと思います。循環型林業の実現に向けた石破総理のお考えをお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(石破茂君) ありがとうございます。 私は、地方創生大臣のときにオーストリアの林業地域というものを視察をいたしてまいりました。ああ、こういうものなんだと。同じ森林国で林業国でありながら、オーストリアの場合には、輸出の第一位は自動車部品だったと思いますが、二位は林産品になっているのですね。今委員が御指摘のような人材の育成、そしてまたコストの削減、そしてあちこちにCLTの建物がありました。クロス・ラミネーテッド・ティンバーと申しますが、直交集成材というんでしょうか、そういう新しい技術が開発されて、いかにして中高層の建物に木を使うかということでございます。 丸の内で、東京駅丸の内で新幹線降りて皇居の方に向かっていきますと、誰でも知っている海上火災保険の本社ビルが今建て替え中でございますが、これ二十階建て、木造でやるということでございます。そういうように、都市に森をつくるという考え方はCO2削減の意味でも極めて大事でありまして、いかにしてコストを下げるか、人材を集積するか、利用を増やすかということで、可能性は無限に広がると思っております。 引き続き、御指摘、御指導賜りますようお願い申し上げます。
○宮崎雅夫君 今総理からお話がありました都市での、特に中高層のものに国産材をしっかり使っていくというようなことも今進めておりますので、私もしっかり頑張っていきたいと思います。 最後に、水産関係について、総理にお伺いをしたいと思います。 御案内のとおり、海洋環境の変化が各地域の漁業に大きな影響を与えております。これらの変化にも応じた資源管理の充実を図るとともに、漁獲魚種でありますとか育てる漁業への転換など必要なことを漁業者の皆さん方の御意見を踏まえてやっていかないといけないわけであります。 一方で、石破総理が党の水産総合調査会長として推進をされましたスマート水産業でありますとか海業の推進といった新たな取組を進めて漁業や漁村の魅力を高めていく必要があるとも思います。 総理のお考えをお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(石破茂君) 漁業は、就業者数はピークの一六%になりました、生産量はピークの三一%、生産額はピークの五四%。こんなことがあっていいのかと思っております。 これだけ豊かな水産資源を有しておる我が国の水産業がこんなことでいいのかということでありまして、宮崎委員御指摘のように、いかにして所得を上げるか、資源管理を行うかということ。そして、海業といいますのは、要はもう臨海学校も絶滅状態でございますので、海に親しむということで漁村の所得を上げていきたい。そして、スマート水産業でコストと時間を削減していきたいと思っております。 水産大国日本、これをどうしても復活させたいと私ども思っておりまして、この分野にも知見が非常に高い宮崎委員の更なる御指導をお願い申し上げる次第でございます。
○宮崎雅夫君 時間になりました。 ありがとうございました。
○委員長(鶴保庸介君) 以上で宮崎雅夫君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) 次に、高橋はるみ君の質疑を行います。高橋はるみ君。
○高橋はるみ君 引き続きまして、自由民主党の高橋はるみでございます。 質問の機会をありがとうございます。 まず最初は、高額療養費制度見直しの見送りについてお伺いをしてまいります。 先週末、石破総理は、三月五日、まさにこの委員会室で患者団体の方にお約束されたとおり、官邸で直接患者団体の方々にお会いになられました。そして、真摯に団体の皆様方のお話に耳を傾けられた後、高額療養費制度の負担上限額の引上げについて、本年八月の引上げを見送る方針であることを明らかにされたところであります。 患者団体を始めとする厳しい声に対して、人の話をよく聞き、じっくり相手と向き合い、その人の思いに寄り添う石破総理らしい御決断がなされたものと思いますし、また、熟議の府である参議院議員の一人として、その御対応を多とするところであります。 そこで、石破総理に、高額療養費制度の負担上限額の引上げを見送る方針に至ったところの思いをお話しいただければと思います。
○内閣総理大臣(石破茂君) 薬剤が高額になってまいりました。そういうものがどんどん登場いたしております。高額療養費が増大をする中でいかにして保険料の負担を抑制するかということ、そしてこの大事なセーフティーネットを次の時代もつなげていきたいという思いで修正を二回行いました。 しかしながら、制度自体は何とか続けさせていただきたいということでいろいろやってきたわけでございます。特に、経済・物価動向に対応した本年八月の定率改定は、中間所得層の方で年収の〇・一%から〇・二%、引上げは年収の〇・一%から〇・二%でございます。低所得の方の引上げ率は抑えております。被保険者の方の声にもお応えをし、持続可能とするためにこういうことをお願いをしたわけでございますが、先週金曜日に当委員会でお約束をいたしましたとおり、患者団体の皆様方のお話を直接承るという機会を得ました。御理解も一部いただいておりますが、なお御納得をいただいたというふうに私自身認識をいたしておりません。 本件の検討プロセスには、これはもう私の責任でございますが、丁寧さが十分ではなかったという反省を持っておるところでございます。政府としてこれを重く受け止めねばなりませんし、患者の方々が不安を抱えられたままでこの見直しを実施するということがあってはならないというふうに反省を込めて思っております。 このようなことから、高額療養費の見直しにつきましては、本年八月の定率改定も含めまして見直し全体については実施を見合わせるというような、偉そうな言い方をすれば決断をさせていただいたところでございまして、本年の秋までに改めて方針を検討して決定することといたしたいと思っております。 この制度が患者の皆様にとって大切な制度であればこそ丁寧なプロセスを踏ませていただきたいというふうに思っておりますので、引き続きまして委員各位の御指摘、御指導を賜りたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。
○高橋はるみ君 御丁寧な御答弁ありがとうございました。 それでは次に、地方創生二・〇とGXについて質問を進めてまいります。 先ほど同僚議員からは、農林水産業と地方創生の観点からの御質問がございました。石破総理の進められる政策の柱の一つである地方創生二・〇、今注目を集めております。 そういった中、私の地元の首長を始め多くの方々から、地方創生予算が二倍になるのは有り難い、二・〇でありますので、とか、どのような新しい政策メニューが国から提示されるのか期待するといった声が多く寄せられているところであります。 そこで、改めて御質問を申し上げます。 地方創生二・〇、この基本的な考え方はいかがなものでしょうか。よろしくお願いいたします。
○内閣総理大臣(石破茂君) 委員は北海道の知事を四期十六年務めてこられました。北海道、百七十九市町村あるんですね。だから、稚内と帯広と釧路と根室と全然違うのであって、私も随分と北海道の市町村は伺わせていただきました。で、上士幌なら上士幌、幌加内なら幌加内、音威子府なら音威子府、平取なら平取と、そういういろんな地域をどうしたら良くなるかは、そこの基礎自治体の方々が一番よく知っておられるに違いないと。 札幌の道庁や霞が関の省庁よりも、そこの地域の方々が自ら考え自ら行うというのを、昔々、竹下登先生がおっしゃったことでございますが、産官学金労言と申しまして、産業界の方、行政の方、中学生さんでも高校生さんでもいい、北海道の場合には町が高校をつくっているというものもたくさんございます。幌加内の農業高校なんかそうでございますが、そこにおいてソバを中心とした町づくりをどう考えるのかということを一生懸命やっておられるわけでございます。 そこにおいて、産官学、あとは金融機関ですね、そして労働界の皆様方、道新を始めとするメディアの方々、そういう方々がそれぞれの町がどうなったら良くなるのかということを徹底的に考えていただいて、国として、お金が必要ならお金、人なら人、そしてまたデータならデータ、そこのお考えになったことを最大限に国として支援すると。 かつて地方創生を始めたときは、北海道の市町村の方々と国との間に一体感があったと私は思っております、一緒にやろうということ。だけど、何かだんだんそれが定型化し、補助金化しつつあるんじゃないかということでございます。 人口の減少もそうですが、そこにおいて札幌一極集中ということが起こっていないかということを私自身いつも思うところでございます。若い方、女性の方々にも選ばれる地方とは何だと。あるいは、いろんな施設を地方に移転をするというのはどういうことだと。あるいは、地方のイノベーション創生構想、新しい時代のインフラ整備、あるいは広域リージョン連携等々、そういうことを核として、もう一度北海道の持っている潜在力を最大限に引き出していく。北海道がつくる新しい日本だという誇りと意欲、そういうものを北海道と中央、そして全国の地方と中央、共有して一緒にやらせていただきたいと思っておりますので、是非とも今後ともよろしくお願いを申し上げます。
○高橋はるみ君 ありがとうございました。 今、生成AIの利用が急速に拡大する中、それに対応する形で、北海道では半導体メーカーのラピダスの進出なども見られます。それに伴い、電力消費量の増加が見込まれております。企業は脱炭素電源を求めており、再エネへの投資とともに、データセンターや産業の誘致を行い、再エネの地産地消を促進することで地域経済活性化や地方創生につなげることが重要と考えます。 例えば、北海道の石狩市では、風力発電などの豊富な再エネの進出を促進すると同時に、その電源の地産地消として再エネデータセンターの誘致、建設が進められているところであり、脱炭素と産業の成長、発展の両立を進める好事例となっているところであります。 こうした再エネ適地への産業集積を進めていくための国の支援策の充実が必要だと考えるところであり、地方公共団体と連携して戦略的に全国展開すべきと考えますが、環境大臣のお考えをお伺いをいたします。
○国務大臣(浅尾慶一郎君) 御質問ありがとうございます。 地域の再エネを活用し、地方自治体が主導する地域脱炭素の取組は、企業立地や地域への投資の魅力を高め、地域の新たな産業の創出に寄与するものと考えております。また、国全体として、エネルギー需要の大きなデータセンター等の立地拡大の必要性が生じており、地域の再エネポテンシャルを生かしたエネルギーの地産地消の取組は、地方創生のみならず、系統負荷軽減の観点からも重要であります。 環境省で進めております脱炭素先行地域の取組においても、御指摘の北海道石狩市のデータセンターの例のほか、地域の再エネを活用した熊本県の半導体産業の集積拠点の形成や、静岡市工業物流エリアの形成など、複数の好事例が生まれております。 環境省としても、脱炭素先行地域などのモデルを参考に、地方自治体との連携の下、地域の再エネを活用した脱炭素と産業振興や防災力強化等を同時進行で進め、自立分散型の地域づくりの全国展開を図ることで地方創生二・〇の実現に貢献してまいりたいと考えております。
○高橋はるみ君 ありがとうございます。 次に、CCSについてでありますが、今あらゆる分野でカーボンニュートラル達成のためCO2排出削減に向けて研究開発が進められているところではありますが、それでもCO2の排出を一〇〇%削減することは難しく、残る排出分を回収、貯留するCCS事業は大変重要な意義を有すると考えるところであります。 さきに成立したCCS法に基づき、苫小牧市沖が特定区域として全国初の指定を受けたところであります。当該地域では、これまでもCCS大規模実証試験が実施されてきた経緯もございます。今後、利害関係者等との丁寧な調整が重要であることは大前提でありますが、その後は試掘に進むこととなると考えます。 国として今後どのような展開を目指していかれるのでしょうか、お伺いをいたします。
○副大臣(大串正樹君) お答えいたします。 先月、CCS事業法に基づく特定区域の第一号といたしまして北海道苫小牧市沖の一部地域を指定したところでございます。これにより、当該区域において本格的なCCS事業に向けた試掘の許可申請を行うことができるようになったところでございます。 苫小牧でこれまで実施されておりましたCCSの大規模実証試験、これは国内におけるCCS事業化を検討する上で模範となる重要な実証プロジェクトとなっております。苫小牧の皆様のプロジェクトへの御理解と御協力に心から感謝を申し上げるところでもございます。 今後の本格的なCCS事業を進めるに当たりましては、地域の自治体や事業者などと連携をしながら、CCSの安全性や立地による地域への経済効果、雇用創出効果などを丁寧に説明するとともに、CCS事業法に基づく措置を通じて安全に事業が実施されるように取り組んでまいりたいと、そのように考えております。
○高橋はるみ君 ありがとうございました。 安全性に十分配慮して事業を行うことは大前提と考えますが、こうした事業は地元に雇用を生むなど地方創生にも大いに資するものと、このように期待をいたしておりますので、よろしくお願いをいたします。 次に、GXと国際連携の観点から御質問を申し上げます。 先ほどから議論を進めておりますとおり、我が国では、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けて、気候変動対策は経済成長の源泉であり、経済と環境の好循環をつくっていくことが重要であるとの基本認識の下、官民協力してGXを推進をしているところであります。すなわち、温暖化への対応を、経済成長の制約やコストと捉えるのではない、言わばグリーン成長戦略と考えるところであります。 一方、世界第二位のCO2排出国である米国トランプ大統領は、就任早々、自国経済への影響を懸念し、パリ協定から離脱する大統領令に署名をしました。トランプ政権のパリ協定離脱表明という衝撃が走る中、日本国政府は、予定どおり、地球温暖化対策計画、エネルギー基本計画、そしてGX二〇四〇ビジョン、この三つのものを先月閣議決定をされました。このことは大いに評価をさせていただきたいと思う次第であります。 トランプ政権の今回の動きの各方面への影響についてはいましばらく見極めも必要であろうと考えるところではありますが、最近、ある日本の大手金融機関が脱炭素を目指す国際的枠組みから脱退したとの報道を目にしたところであります。ただし、これはトランプ政権発足前から米国独禁法との関係など様々な事情があると聞いているところでもあります。 そこで、その後の日本企業あるいは自治体、米国企業あるいは州政府の動き、また欧州の動きなどどうなっているのか、御答弁を求めます。
○副大臣(大串正樹君) お答えいたします。 米国がパリ協定離脱を国連に通告したことや、御指摘のありました日米の個別の金融機関の動きにつきましては十分承知をしているところでございますけれども、世界全体で脱炭素に向けて取り組んでいく必要性や方向性は変わらないというふうに認識をしております。 実際に、米国内でも、巨大IT企業による脱炭素電源への大規模投資であったり、サプライチェーン全体の脱炭素化が進められていることは承知をしております。また、欧州でも、先月、欧州委員会が発表したクリーン産業ディールにおきまして、気候変動に係る目標を維持しつつ、同時に産業競争力強化を実現するための方針を打ち出しているところでもございます。 こうした状況を踏まえまして、我が国といたしましても引き続きGXの取組を進めることが重要であると考えております。これまでもGX経済移行債を活用した十年で二十兆円規模の投資支援策等を実施しておりまして、こうした施策も活用した取組が我が国企業や地域において進んでいるということでございます。 加えまして、先月、GX二〇四〇ビジョンやエネルギー基本計画等を閣議決定したところでありまして、これらの方針に基づいて施策の具体化を進め、引き続き、エネルギー安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現を目指してまいります。
○高橋はるみ君 ありがとうございました。 諸外国の動き、先進国等の動きについても今御説明をいただいたという理解でよろしいですね。はい。 それでは、途上国の方の動きはどのようになっているのか、環境大臣から御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(浅尾慶一郎君) 気候変動は人類共通の待ったなしの課題であり、主要排出国を含む全ての国の取組が重要であることは変わりありません。 脱炭素の取組に関しては、年限付きのカーボンニュートラル目標を掲げる国が百四十か国以上に及び、地方政府、経済界、NGOなど様々なステークホルダーにも広く浸透しているなど、現在の世界的な潮流になっていると考えております。 米国のパリ協定脱退を受けて、例えば中国は、国際情勢がいかに変化しようとも中国が積極的に気候変動に対応する決心と行動は変わり得ないとの公式見解を述べております。 また、現時点で把握している限りでは、米国以外でパリ協定脱退を正式に表明している国はなく、グローバルサウスにおいて大きな潮流の変化は確認されていないと考えられております。 我が国としては、揺らぐことなく気候変動対策に取り組むとともに、我が国の経験や技術等を通じて世界の脱炭素化に貢献してまいります。
○高橋はるみ君 ありがとうございました。 中国も決意を示しているというようなお話など、今御説明をいただいたところであります。 もとより、他国の動きなどについて更に見極めをしていくことは必要だと思うわけでありますが、気候変動対策は米国を含む世界全体での取組が何より重要であり、GXを掲げて積極的に取り組む我が国として、世界各国が一致して引き続き気候変動対策に取り組むよう、欧州各国等とも連携をしながら、我が国がイニシアティブを取ってトランプ政権に働きかけをすべきではないかと考えるところでありますが、総理のお考えをお伺いをいたします。
○内閣総理大臣(石破茂君) 委員が冒頭御指摘になりましたように、CO2の排出は、全体の中で中国が三一・八%、アメリカが一三・六%、日本は三・〇ということでございます。 この数字を見ましてもアメリカの果たすべき役割は非常に重要でございまして、環境大臣あるいは経済産業副大臣からお答えを申し上げましたとおり、じゃ、そのトランプ政権がそういう方針なのでもうアメリカとはどうも話にならぬねということを言っていてもしようがないので、やっぱりユナイテッドステーツでございますから、各州政府はいろんな取組をしておるわけでございます。 国交省とカリフォルニア運輸省との間において脱炭素化の取組というものを共同でやっているということがございます。そういうふうに、五十州ございますから、各州との連携というものは引き続き我々としてやっていかねばならないと思っております。 そしてまた、御指摘のように、ヨーロッパ各国との連携というものも私どもは進めていかねばなりません。 トランプ大統領がパリ協定から離脱するということは、まあある程度予想されたことでございますが、大変大変、どうしましょうということを言っておっても仕方がないのであって、我が国としてできることをきちんきちんとやっていくと。各州との連携もそうです、ヨーロッパとの連携もそうですし。 トランプ大統領は、これが商売になると思えばそれは実行するという人であります。これがビジネスとしてGXがどうなのだということ、私どもとしてそれらの実例を示していくということが肝要なことでございまして、これから先、トランプ政権とそういうような方針で、あなたの言うことは間違っていますよみたいなことを言ってもこれどうにもなりませんので、私どもとして一つ一つ丁寧に着実にやってまいりたいと考えております。
○高橋はるみ君 総理の力強い御答弁ありがとうございました。これからもしっかりお取組をよろしくお願いをいたします。 次に、PFAS対策について御質問をいたします。 有機フッ素化合物、PFASへの国民の関心が高まってきております。特に、過去に製造されたPFOS、PFOAが環境中に残存し、水道水などで暫定目標値を超過する事案が各地で確認され、水の安全性や健康に関する国民の不安が高まっていると認識をいたします。 飲み水は私たちの生活に密接に関係するものであり、早期に飲み水の安全確保に向けて対策を取るべきと考えますが、環境大臣のお考えをお伺いいたします。
○国務大臣(浅尾慶一郎君) 委員におかれましては、自民党の環境部会長としてPFAS対策に対しても大変な関心を持っていただきまして、誠にありがとうございます。 PFAS対策については、国民の不安の声などを真摯に受け止め、科学的知見を踏まえた対応を着実に進めてまいります。PFOS等による健康リスクは、飲み水や食品などを経由した摂取が主な要因と考えられております。このため、環境省では、飲み水から健康リスクを減らすこと、摂取しないことを第一に取り組んでおります。 内閣府の食品安全委員会の評価結果等を踏まえて、PFOS等の水道水質基準への引上げ等について、二月に開催した審議会においておおむね了承されました。この方針案について、二月末からパブリックコメントを開始いたしました。今春を目途に方向性を取りまとめ、水道法に基づく省令を改正し、令和八年四月一日に施行する予定であります。 これにより、全ての水道事業者等の検査及び基準遵守を図り、国民が安全な水を使い続けることができるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○高橋はるみ君 よろしくお願いをいたします。 PFASには一万以上の物質が含まれ、そのうち、今、水道水との関係で御質問を申し上げたPFOS、PFOA及びPFHxSの三つが有害性があるとして製造等が禁止されているところでありますが、それ以外のPFASについては有害性等があると確認されているわけではないと聞いているところであります。にもかかわらず、PFASに関する報道の中には国民の不安をあおるようなものも見られること、とても残念に思う一人であります。 PFASの健康への影響について対策を進めるに当たっては、客観的かつ科学的な事実の解明を進めるための更なる研究の充実と、それに基づく国民への情報提供が何より重要であると考えるところでありますが、環境省としてどのように取り組んでいくのか、お答えを求めます。
○政府参考人(松本啓朗君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、分かりやすく丁寧なリスクコミュニケーションを行い、国民の皆様がいたずらに不安を感じることがないようにすることが重要であると認識しております。 これまで環境省では、PFOS、PFOAに関するQアンドA集の取りまとめ、概要を分かりやすくまとめたリーフレットの配布、PFASに関する資料をまとめて掲載したウェブサイトなども活用しながら、科学的知見に基づく情報発信を進めてございます。 また、PFASの健康影響に関する知見の集積を図るために、PFASに関する総合研究、子供の健康と環境に関するいわゆるエコチル調査、化学物質の人へのバイオモニタリング調査を行うとともに、環境研究総合推進費も活用しながら、科学的に分析、評価ができる疫学調査や研究を進めてございます。 委員の御指摘を踏まえ、健康影響に関する科学的知見の更なる充実を図るとともに、それらの知見を分かりやすく情報発信し、国民の皆様の不安の払拭に努めてまいります。
○高橋はるみ君 ありがとうございます。 しっかりと客観的そして科学的な知見を集積をしていただいて対応を進めていただく、これが国民目線で大変重要なことと思いますので、よろしくお願いをいたします。 私はここまで、地方創生あるいはGXを通じた成長戦略などについて質問してまいりました。地方創生を進め、また地元の観光資源や食を更に磨き上げ売り込む、また企業誘致、産業集積を促進する、こういった経済活動を活発化する、こうしたことを、私自身、前職で地方行政に携わっていたときに一生懸命取り組んできたと考えるところであります。 しかしながら、それ自体は私たちの究極目標ではないと考えます。では、何のためにこういったことをやるのかといえば、私たち地方に住む住民がより幸福で安心な生活を実現していくためであると、私は常に自分自身にそのように考えているところであります。 そうした観点から、現在急激に進む少子化、高齢化の流れの中で、地域における安心できる医療・介護体制をいかに確保するかという政策課題は大変重要と考えるものであります。冒頭御質問を申し上げた高額医療費制度の見直しについても、今の患者さんへの御対応とともに、この制度を将来利用しなければならない、そういった治療を必要とされるであろう患者さんの方々にも十分に思いをはせていただき、持続可能な制度となるよう御検討をお願いをするところであります。 さて、広域分散型の北海道においては、二十二都府県の入るだけの広さの中に五百万人の人間が住んでいるのが北海道でありますが、人々の安心できる生活を守るため医療・介護体制の充実は不可欠であるんでありますが、大変厳しい課題でもあります。 地元としても、ドクタージェット四機の導入であるとかメディカルウイングの導入などなど、広域なるがゆえの様々な努力も行っているところであります。しかしながら、地方の医療を中心的に支える公立病院の経営悪化が著しく、大変厳しい状況にあると考えるところであります。 こうした厳しい状況は実は北海道に限ったことではないと考えるところでありますが、政府の御認識をお伺いをいたします。
○政府参考人(森光敬子君) お答えさせていただきます。 公立病院を含む医療機関の経営は、物価高騰や医療需要の急激な変化などに直面していると認識をしております。 こうした中、令和六年度の診療報酬改定や昨年の補正予算において物価高騰や賃上げに対応する観点から対策を行うとともに、令和七年度予算案では低所得者に配慮しつつ医療機関の入院時の食事基準の引上げを行うこととしており、まずはこれらの取組を通じまして必要な支援が医療現場に行き届くよう取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。 その上で、今後、これから現場に行き届く補正予算の効果等、足下の情勢変化も丁寧に把握した上で適切に対応してまいりたいと考えております。
○高橋はるみ君 ありがとうございます。 厳しいんですね、大変、今地域医療を取り巻く環境は。そして、特に最近でありますが、経営悪化の要因は人件費上昇と物価高騰にあると考えるところであり、例えば賃金、物価の上昇に応じて連動する診療報酬改定あるいは介護報酬改定の仕組みの導入はいかがかと思うわけでありますが、厚労大臣の御答弁を求めます。
○国務大臣(福岡資麿君) 委員御指摘ありましたように、その地域で、医療にしても介護にしても、保険料を払っていただいている方々がその必要なサービスを受けられないということがあっては決してならないというふうに思っています。 そして、御指摘ありましたように、物価上昇に負けない賃上げに向けまして政府が今一丸となって取り組んでいる中で、公的に価格が設定されてございます医療だったり介護分野においても経済・物価動向等への適切な配慮を行うこと、これは大変重要なことだというふうに認識してございます。 政府といたしましては、報酬改定であったり補正予算などで物価高騰や賃上げに対する対策を講じてきたところではございますが、まずはその必要な支援が現場に行き届くように取り組んでいくとともに、これから現場に行き届く補正予算の効果や物価等の動向、経営状況など、足下の経済変化もよく把握した上で、次期報酬改定を始めとした必要な対策を検討してまいりたいと考えています。
○高橋はるみ君 ありがとうございます。 改定の間に単年度限りの補助金という形で支援もしていただいているところでありますが、なかなかこれでは、全国のその格差というか、これが埋まらない現状も大臣御承知のとおりでございます。 是非、今申しましたような制度の導入を始め、報酬改定、診療報酬改定、介護報酬改定についてはしっかりと御対応を心からお願いを申しまして、私の質問終えさせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(鶴保庸介君) 以上で高橋はるみ君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) 次に、徳永エリ君の質疑を行います。徳永エリ君。
○徳永エリ君 北海道が続きますけれども、立憲民主党、北海道の徳永エリでございます。 総理、今日はよろしくお願い申し上げます。また、大臣の皆さんもよろしくお願い申し上げたいと思います。 私も、まずは高額療養費制度の見直しについてお伺いをしたいと思います。 先週金曜日、総理は、この委員会でお約束していただいたように、患者さん団体の方々と面会をされまして、その後、八月からの高額療養費の自己負担額の上限の引上げ、これを見送る方針を表明されました。 立憲民主党も、衆議院の予算委員会の中でもずうっと八月の見直しは凍結するべきだと言い続けてまいりましたので、よかったと思っております。そして、今治療中の患者の方や御家族の方々、多くの皆さんも、まずはほっとされたというふうに思います。 しかし、秋までの再検討ということでありますけれども、時間も余りありませんし、何をどのように検討していくのかという、その具体的な方向性が示されておりません。今後どうなるんだろうかと患者団体の方々が心配をいたしております。 今日も、先日この委員会に参考人として来ていただいた轟さんが傍聴人として傍聴席におられますので、患者の皆さんの御懸念を代弁する形で総理に御質問させていただきたいというふうに思います。 先週、もうメディアでは、今回の見送りは与党の党利党略なんではないかと、参議院選挙への影響を考えて一旦凍結したんではないかというふうに報じられております。その報道を受けて、患者の皆さん心配しているんですね。参議院選挙が終わったら今回と同じようなその引上げ案が出てくるんじゃないか、そして今度は強行されて決まってしまうんではないかと心配いたしております。 患者さんたちにお会いになって真摯に向き合っていただいた総理ですから、よもやそんなことはないとは思いますけれども、強行することはないと明言をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(石破茂君) そのようなことはいたしません。それは、そのようなことをやれば、何のために審議会で御議論をいただくのか、何のために丁寧に患者の皆さん方のお声を聞くのか、そういうことが全く意味がないものになりますので、そのようなことをするつもりは全くございませんし、我が党もそうですが、選挙目当てでこのようなことをやっておるのではございません。 我が党の委員も地域地域でそういうような患者さんのお声を聞いている。これはもう全ての委員がそうだと思いますが、この制度を何とか続けたいという思いはみんな一緒だと思っております。そして、高額療養のいろんな療養のやり方が非常に高度になり、高額になり、これをどうやって支えていくか、それを誰がどう分担していくかということについて、もっと丁寧な議論が必要であると。 そして、患者の方々に御納得いただけない限り、これはやってはならないということもよく承知をいたしておるところでありますし、そのプロセスに行き届かなかった点があったということは深くおわびを申し上げるところでございます。 私どもは、選挙目当てでこのようなことをやっているのではございません。強行することもいたしません。以上は明言しておきます。
○徳永エリ君 私は、総理の今の御答弁、信じたいと思っています。約束していただきたいと思います。決して強行はしないでください。いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(石破茂君) そのようなことはいたしません。
○徳永エリ君 であれば、再検討の際に、単にヒアリングで意見聴取をするだけではなくて、患者団体の代表の方に社会保障審議会の委員として加わっていただく、入っていただいて十分な議論をしていただく。患者団体の皆さんの声とか、それから国会の中に超党派の議員連盟立ち上がりました、この議員連盟の意見なども反映させるためには、私は、患者団体の代表の方に審議会に入っていただく、これが一番いいと思いますけれども、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 今後どう運ぶかということにつきましては検討いたします。 その際、学識経験者の方々、あるいは医療制度に関わる関係者で社会保障審議会は構成をされているわけでございまして、ここにおいてどういう方々を委員にするかということはあらかじめ決まっておるところでございます。 制度全体について御意見を賜る審議会でございますので、特定の患者団体の方々にメンバーとして御参画いただくということについては検討は必要なことだと思っております。そしてまた、がん患者の方のみならず、いろんな疾病を抱えておられる、高額療養制度を御利用になっておる方々おられるわけで、では、どなたに入っていただきますかというのを誰がどう選ぶのということもございます。 私どもといたしまして、ヒアリングなどを通じまして患者団体の方々から丁寧に御意見を聞くことは必要でございますし、そこにおいてきちんとした時間を取ること、そして議事録は必ず公開をして多くの方々にその情報を共有していただくことということも極めて大事なことだと思っております。 もうとにかく御理解、御納得を得るために可能な限りのことはいたしてまいりますが、委員に加えるということを今ここで断言はできないことは御理解をいただきたいと存じます。
○徳永エリ君 金曜日に患者団体の皆さんと会われたときにアンケートをお受け取りになったと思います。あれを読んでいただくと、やっぱり当事者でなければ分からないことってたくさんあるんだと思うんですね。ですから、やはり議論の過程でその当事者の声をしっかり聞いて、それを改正するときに盛り込んでいくというのは大事なんじゃないかと思いますので、是非、患者団体の代表の方を社会保障審議会の委員として加えていただくことを御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 総理も申されたように、この後、その審議の在り方についてはまさにこれから検討されていく話でありますが、総理もおっしゃったように、その社会保障審議会、この医療保険部会で御議論いただいていますが、これは、高額療養費だけじゃなくて、例えばマイナ保険証であったり、出産の保険適用であったり、国保制度の在り方だったり、いろんなことを議論している場であります。当然、その時々のテーマによってお話をお伺いすべき方というのが当然変わってくる、そういうものでございますので、どういった形でその患者の団体の皆様方の声をお聞きしていくか、今後しっかり検討してまいりたいと思います。
○徳永エリ君 よろしくお願い申し上げたいと思います。 これまで総理の御答弁をずっと聞いていますと、この高額療養費制度、この制度をやはり維持していかなければいけないと、制度にこだわっておられます。やはり、将来にわたってこの制度はしっかり維持するべきだというふうには考えますけれども、医療費を見直す際に、この高額療養費だけをターゲットにするのではなくて、私たちも今回、予算の審議をするに当たって歳出改革チームをつくって徹底的に洗い出しました。そのときにも、医療費の中に無駄が結構いっぱいあるんですね。これだったら国民の皆さんに削減しても御理解いただけるんじゃないかなというもの、いろいろあるんですね。 ですから、今回の再検討に当たっては、もう一度医療費全体を見ていただいて、本当にこれは大事、これは削減してもいいんじゃないか、そういったことを丁寧にチェックしていただいて検討していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) これまでも、その医療費の在り方につきましては、改革工程に基づきまして、高額療養費だけじゃなくて、様々な項目について並行して検討を進めさせていただいてきたところでございます。そういった中で、今回、この高額療養費についてはそのプロセスに丁寧さを欠くんではないかという御指摘ありましたから、この件についてはしっかり丁寧に検討していきたいということでございます。
○徳永エリ君 秋までに再検討ということでございますけれども、総理もいろいろおっしゃいました。一番いい形で、そして透明性を高めていただいてプロセスをしっかり国民の前に見せていただきながら、本当に患者団体の皆さんも、まあ百点とはいかないかもしれませんけれども、制度の維持も含めてここまでだったらと納得していただけるような、そんな見直しにしていただきたいということ、改めてお願い申し上げたいと思います。いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(石破茂君) これにはもう党派性はないと思っております。皆がこれを何とか続けたいということ、また、厚生労働大臣からお答えをいたしましたように、安定的な、持続可能性のある財源というものを見付けていかなければなりません。ここは削れるんじゃないのというアイデアはもちろんいろいろございます。ただ、それが削られることによって、それは困るという方々も当然おられるわけでございまして、これはもう医療全体、世界に冠たるこの国民皆保険というものを維持するのはそんなに簡単なことではないと思っております。 これはもう、ひいてはこの世界に冠たる国民皆保険なるものをいかにして維持するかということも視野に入れながら議論を丁寧に進めたいと思っておりますし、超党派の議連のお話もございましたが、私ども、謙虚に広く御意見を承りながら、一人でも多くの方に御納得をいただける、何よりも大変不安を抱えておられる患者の皆様方お一人お一人、その御家族に御理解をいただくべく、今後最善を尽くしてまいりたいと存じます。
○徳永エリ君 よろしくお願い申し上げたいというふうに思います。 そして、質問通告していないんですけれども、一つ確認させていただきたいことがあります。 今国会に提出予定の重要広範議案の一つに指定されている年金法の改正案でありますけれども、いまだ閣議決定されておりません。どうも与党の中でもめているという話が聞こえてきておりますけれども、先送りするんですか。
○国務大臣(福岡資麿君) 従来から申し上げていますように、関係各位に今御理解いただくべく調整を進めさせていただいている、今その最中だということでございます。
○徳永エリ君 百六万円の壁対策もあります。国民年金の基礎年金、これの底上げが柱ということであります。 もちろん、負担が大きくなる方もいらっしゃるかもしれませんけれども、そこは丁寧に説明をしていかなければならないと思いますが、やっぱり未来に向けてしっかり議論をしていくべきだと思います。国会に提出していただいてしっかり議論したいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) ですから、関係者の方々の御理解が得られなければ国会にも提出できないわけですから、今御理解をいただくべく鋭意努力をしているということでございます。
○徳永エリ君 ということは、提出もあるということですね。見送りではないということですね、今の段階では。
○国務大臣(福岡資麿君) 提出すべく努力をさせていただいているということでございます。
○徳永エリ君 総理、この見送りに関しても、また参議院選挙の話が出てきているんですよ。与党の中で、その参議院選挙への影響を考えてもう今国会では議論するべきではないんではないかと、これが選挙の争点になったら大変だと、そんな声が出てきているという、まあこれ報道から聞こえてきていることですけれども、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(石破茂君) それは報道がおっしゃることでございます。 私どもとして、これ今厚労大臣からお答えをしたとおりでございますが、いかにしてこの年金制度を維持していくかということを考えましたときに、じゃ、その事業主の負担というものをどのように考えるべきなのだろうかということに逢着するわけでございます。 小さな規模の事業主の方々に過度の負担が行くということは、産業政策全体としてもこれは余り好ましいことだとは思っておりません。そういう方々の御負担というものを考えながらこの制度の永続性をどう図っていくかということでございまして、国会において十分な御審議をいただき、そしてまた成立を期すということのためにどのような形がよろしいのかということを与党の中でも検討をいたしておるところでございます。 御党のいろんな御意見というものは私もあちらこちらで拝見をいたしておるところでございまして、これは全ての政策がそうなのですが、この社会保障政策というものを選挙の具とか党利党略とか、そのようなことに用いると国民全体が不幸になりますので、そういうことがないように私どもとしても謙虚に真摯に臨んでまいりたいと考えております。 よろしくお願い申し上げます。
○徳永エリ君 重要広範議案ですからね。それが審議されないなんて異例中の異例ですから。総理、しっかり国会に提出していただいて審議しましょうよ。いかがですか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 御意見は承りました。
○徳永エリ君 よろしくお願い申し上げたいと思います。 それでは、江藤大臣にお伺いしたいと思います。 江藤大臣が夜も眠れないほど迷ったという備蓄米の放出。その放出に向けて、いよいよ今日から入札が始まるということでございます。 改めてお伺いいたしますが、この備蓄米の放出、二〇一一年に今の仕組みができてから初めてということでありますけれども、この放出によってどんな効果を期待しているんでしょうか。
○国務大臣(江藤拓君) お答えをさせていただきます。 何度も申し上げておりますように、価格に着目しているわけではないというふうに申し上げますが、しかし、流通が改善してスタックが解消されれば当然価格は下に向かうということを期待していないのかと言われれば、そうあってもらいたいと思っております。 ただ、一つ申し上げておきたいのは、その出すことも決断が要りましたが、もう一つ難しいのは、どの価格帯で買い戻すかですよ。 生産者の方々は、例えば、どおんと落ちるまで買戻しに入らなければ、生産者の方々は何だとおっしゃるでしょうし、高いところで買い戻せば、国が考えている適正な米価はこれなのかと。ある意味、国がこの買戻しのタイミングで米の値段というのはどれぐらいが適切かということを暗に示してしまうようなことになりかねないので、この買戻しのタイミングについても物すごく考えております。 もちろん、財政法に規定がありますから、財政法の規定に基づいて正確に行いますけれども、なるべく消費者にも生産者にも御納得いただけるところでできるように努力をしていきたいと思っております。
○徳永エリ君 元々は備蓄米の放出というのは、流通の適正化、これを図りたいということだったんだと思います。 今の買戻しの金額に関しては農林水産委員会の中でこれから議論していきたいと思っておりますけれども、消費者の皆さんにしてみれば、やっぱりこの備蓄米の放出によって消費者米価が下がることを期待しているわけですよね。 一月の米価を見てみますと、全銘柄平均が二万五千九百二十七円、前年の同月は一万五千三百五十八円ですから、六九%も上がっているんですね。 私、去年新米が出た直後、この委員会で大臣と一緒に、いや、三十年ぶりに米の値段が一俵二万円超えたと、ずっと農家は米価が低くてもう本当に苦しかったので、やっと一息ついたと。でも、消費者の皆さんは高くて大変だから、どれだけ今生産コストも上がって農家が大変なのか、決して米は高くないんだということを理解してもらいましょうよと申し上げました。でも、そこからぐんぐんぐんぐんぐんぐん上がって、やっぱり今の米価は異常に高いと思っています。 農家の皆さんも、これ以上高くなると米離れが進むんじゃないかということを大変懸念しておりますので、やっぱり今回の備蓄米の放出によってある程度生産者米価が下がってもらわなきゃ困ると思うんですよね。下がりますかね、大臣。あっ、消費者米価、済みません。
○国務大臣(江藤拓君) 余りこれから先の価格について、私責任ある立場なので余り断定的なことは申し上げませんが、二十九の都府県が昨年に比べて更に主食米の作付面積を増やすということでありますが、六年産でさえ十八万トン多いわけですから、二十九もの都府県が更に主食用米の面積を増やせば更に供給量は上がってくる。 供給がどんと増えれば、常識的には価格は下がる方向に向かいますよね。ですから、今回、備蓄米の放出をして上手なこの運用を行わないと、概算金なり精算金なりががっかりしてしまうような水準になることは、これは国にとっても良くないと思います。営農意欲をそぐようなことになるのは農政の根幹からはやっぱり外れますので、消費者の方々の、合理的な価格形成の法律も出しますが、それと同じように、消費者の方々にも何とか御納得をいただける、生産者の方々も米離れを防ぐためだったらこれぐらいというようなところを今、また胃が痛い思いをいたしております。
○徳永エリ君 価格の問題と、あともう一つは、今年も昨年のように米が足りなくなるんじゃないかという懸念ですね。特に六、七、八、新米が出るまでの端境期、ここが大変心配されております。この備蓄米が一時的に放出されることによる安心感というのは確かに生まれると思いますが、消えた二十一万トン、この問題が備蓄米の放出では解決されないんですね。 総理は衆議院の予算委員会で、米不足について、どこで目詰まりを起こしているか、今農水省においてきちんと調査をしている、もっと米の値段が上がるだろうから手元に持っておこうということに対していかなる措置がとれるかということも検討していかなければならないとおっしゃっておりました。 農林水産省の調査はどうなっているんでしょうか。
○国務大臣(江藤拓君) これまでは、年間五千トン以上を扱っている集荷業者の方々に毎月調査を掛けるということでありました。しかし、新しいプレーヤーがたくさん参入してきたという実態がありますので、三百トンというところにレベルを下げて今調査を行っております。できれば三月の中頃から末ぐらいまでには公表したいと思っております。 そもそも、食糧法に基づきますと、年間二十精米トン以上の米を販売する事業者は農政局に届出をしていかなければなりません。これも法律事項であります。それから、全ての販売業者ですね、そもそもですね、今回新しい人たちも含めて、食品衛生法に基づいて保健所への届出、これはHACCPに沿った衛生管理がこれ義務でありますので。 もうやっぱりこの変な管理の仕方をするとすぐコクゾウムシが湧いて、御覧になったことありますか、すごいですよ、コクゾウムシって。米も食べてしまいますので中がすかすかになって、まあ食べられないことはないですが、食べるようなものじゃないですね、卵も産み付けますから。変な管理をすると米はぼろぼろになります。その米がまともな米と混ぜられてブレンド米として出ることになるとこれは信用問題にも関わりますから、消費者の方々も小売の方々も、信用のできるそういうところから品物は引いていただいて、そして消費者の方々にも品質に自信のあるものを出していただくことが大事だろうと思っておりますが、我々も調査をして、そして公表するということで徹底してまいりたいと思っております。
○徳永エリ君 大臣から新たなプレーヤーという話がありましたけれども、農水省の調査はその米の集荷業者に聞き取りをやっているんですよね。大手だけではなくて中小も聞き取りをしているということなんですけれども、その新しいプレーヤーというのは、農家から米の集荷業者以外の人たちが、つまり外食産業の関係者や外国人、全くお米に関係のない業種の方々が現金を持って農家に行って、農協の概算金よりも高い値段で米を買うということをしているわけであります。 こういう人たちをどう調べるかということなんですけれども、そこで、米トレーサビリティー法について御説明いただきたいと思います。(資料提示)
○政府参考人(安岡澄人君) お答えいたします。 ただいま御紹介のありました米トレーサビリティー法でございますけれども、これは事故米の問題を契機にして平成二十一年に制定されたものでございます。食品安全上の問題が発生した際に流通ルートをトレース、速やかに特定できるようにするため、米穀などを取り扱う事業者に対して取引の記録の作成そして保存などを義務付けているものでございます。
○徳永エリ君 そうなんです。問題が発生した場合に流通ルートを速やかに特定できるようにすることが目的なんでありますけれども、これ、生産者の方が米を販売するときに記録を残さなきゃいけないんです。三年間保管しなきゃいけないんです。ということは、誰にどれだけ売ったかという記録残っているんですよ。だから、米トレーサビリティー法そのものを使うのではなくて、その記録を調べれば誰が買ったか分かるんじゃないんですかということなんですね。 それと、もう一つ心配しているのは、先ほど虫の話をされましたけれども、これ、四月に入って気温が二十度になって湿度が七〇%になったら、米、かびますから。国の、政府の備蓄米は適切な温度と湿度で管理されておりますから、そんな心配はありません。ですけど、この新たなプレーヤー、どんな人か分かりません。そういう人がどこでどういう形で保管しているか分からないんですね。これ、米がかびてしまったら、洗っても取れませんし、炊いてもカビ毒は消えません。もしかすると食中毒なんてことにもなりかねませんし、インターネットでこういった米を販売したら、これ誰が責任取るんですか。 だから、誰がどのくらい買ったか調査をし、さらにどう保管しているかということもしっかり農水省としてチェックしていただく、また消費者の方には注意喚起をしていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(江藤拓君) まさに徳永先生のおっしゃるとおりだと思います。口に入るものであります。そして、お年寄りのお口にもお子様のお口にも入るものであります。主食でありますが、そういったものの信頼性が失われるということは大変なことです。 そして、新しいプレーヤーが全て悪だと申し上げるつもりはありません。真面目に、そこにビジネスチャンスを見付けて、ちゃんと保管をして販売している人もいるかもしれません。というより、テレビでフォーカスされるのはそういう人たちじゃない人たちがフォーカスされるわけでありますが。 物の販売のルートが多様化すること自体は否定はしませんが、しかし、これから我々としても、なかなか法律に基づいてやるのは限界がある部分はありますけれども、できる限りしっかり調査をして、そして、危険があるということであればこれはもう保健所管轄になりますので、保健所は、これはもう衛生上駄目だということになれば廃棄ですから、そういうふうな手続も含めて、農水省と地方自治体とも関連しながら、しっかり品質管理に気を配り、消費者の方々の御不安がないように努力してまいりたいと思います。
○徳永エリ君 是非よろしくお願い申し上げたいと思います。 それでは、次に参ります。 我が国は超高齢社会に突入いたしました。今、私は、介護の問題、これから大きな社会問題になるのではないかと大変に懸念をいたしております。 二〇二四年の総務省の人口推計によりますと、六十五歳以上の高齢者の数は三千六百二十四万人、そのうち七十五歳以上は二千七十二万人で、前年よりも六十九万人も増えています。さらに、団塊の世代が今年全て七十五歳以上の後期高齢者になり、我が国の五人に一人が後期高齢者、高齢化は一段と進むことになります。 老化が進めば病気や認知症になる確率も高まり、介護や看護が必要となりますが、介護人材が不足していることは御案内のようになっております。厚労省の推計では、二〇二二年度の介護職員の数は約二百十五万人、来年二〇二六年度の介護職員の必要数は約二百四十万人で、二十五万人足りません。二〇四〇年には五十七万人も足りなくなるということで、ますます高齢者が増えていく中で圧倒的に需要に対して供給が不足する、そのことが大変心配されております。 介護サービスを受けたくても受けられない介護難民、こういった方々が大量に発生して、本当に大きな問題になっていくのではないかと思っております。総理はどのようにお考えでしょうか。
○委員長(鶴保庸介君) まずは、福岡厚生労働大臣。
○国務大臣(福岡資麿君) 御指摘ありましたように、保険料を払っていただく方がその地域において必要な介護サービスを受けられないというようなことがあってはいけないというふうに思っています。そして、先ほどおっしゃいましたその人材のところについては、今、有効求人倍率非常に高うございまして、他産業との人材の引き合いになっている中で人材確保は大変厳しい状況にあると認識をしています。 今後、政府といたしましては、令和六年度の報酬改定で措置しました処遇改善加算の更なる取得促進に向けて、なかなか取っていただけなかったのを取りやすくするという意味で要件の弾力化を行ったり、また、補正予算による更なる支援を通じて介護分野における賃上げ及び生産性の向上を進めていくこととしております。 あわせまして、ICT等テクノロジーの活用による職員の業務負担を軽減していくこと、職員のキャリアアップのための研修受講の支援をしていくこと、外国人介護人材の受入れ環境整備を進めていくことなど総合的な対策を推進していきながら、しっかり人材確保に努めてまいりたいと考えています。
○徳永エリ君 この後、御質問していきますけれども、今のような御説明ではなかなかこれ介護人材増えないと思いますよ。問題の本質はどこにあるのかということをしっかり考えていただきたいと思います。 ところで、総理、この介護の問題ですけれども、介護の問題は高齢者問題というふうにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(石破茂君) もちろん、対象となるのは高齢者の方々でございますが、それによって、じゃ、家庭はどうなる、地域社会はどうなるということを考えましたときに、単なるという言い方は私は余り好きではありませんが、高齢者問題のみならず、これは社会福祉全体、社会政策、地域政策の問題でもあると思っておりまして、高齢者問題だけに着目をすると事の本質を見誤るということは承知をいたしております。
○徳永エリ君 今総理からは社会問題というお話がございましたけれども、こちらに、社会福祉そして社会保障、この専門家の淑徳大学の結城先生の「介護格差」という著書がございます。この著書の中で結城教授は、介護は経済問題だというふうにおっしゃっているんですね。 こちらをちょっと御覧いただきたいと思うんですけれども、生産労働人口が減少している中で、労働力としての高齢者や女性の活躍がますます期待されているということであります。令和五年の働く女性の状況でありますけれども、労働力人口は前年と比べて女性が二十八万人も増加しているんですね。労働力人口総数に占める女性の割合は何と四五・一%にもなっています。年齢階級別労働率を見てみますと、全ての年齢階級で労働力率は女性上昇しているんですね。かつてはよく、そのM字カーブ、M字型と言われましたけれども、これがもう台形に近づきつつあると、こういう状況なんです。 ここで問題になってくるのが介護離職なんですね。親の介護のために仕事を辞めなければいけない。ケアラーは、今男性も多いですけど、圧倒的にやっぱり女性が多いんですよね。親の看護や介護のために、二〇二二年時点で、過去一年間で介護離職した人の数は十万六千人ということであります。このままではどんどんその女性の労働力を失うことになってしまいますし、結城先生は、二〇二二年時点で介護をしている人は六百二十九万人で、そのうちの三百六十五万人が仕事をしている有業者、仕事をしながら介護をしているビジネスケアラーで、このまま対策が進まず介護離職が減少していかなければ、二〇三〇年には約九兆二千億円の経済損失が生じるというふうにおっしゃっています。 介護離職者を減らす施策にスピード感を持って取り組んでいかなければいけないというふうに考えますけれども、厚労大臣、現状はどうなっていますでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 委員からも数字御紹介いただきましたが、介護を理由とする離職者の数については、二〇一二年の約十・一万人から二〇二二年には約十・六万人と、ほぼ横ばいでございまして、介護離職ゼロの実現には至ってございません。一方で、介護をしながら就業する人の数は、その間、約二百九十一万人から約三百六十五万人と、二割以上増加してございまして、そういった意味では一定の効果はあったというふうに思っています。 まずはやっぱり実態をしっかり把握しなければいけないということでございまして、雇用均等基本調査等において介護休業の取得期間や短時間勤務制度等の導入状況等の把握をしたり、また委託調査によりまして、育児・介護休業法の課題の検証等を行わせていただいています。また、市町村の地域包括支援センターにおいても、相談対応をする中で家族介護と、家族介護者の状況把握を行っているところでございます。 今後どうするのかといった御指摘もありました。まず、そのためには職場での支援とそして介護の受皿整備、この両面から取組を進めていくということが大変大事だというふうに感じております。昨年成立いたしました改正育児・介護休業法におきましては、事業主に対しまして、家族介護に直面したことを申し出た労働者に両立支援制度の周知や利用意向確認を行うことであったり、また相談窓口を設置することなどを義務付けておりまして、本年四月以降の着実な施行を図っていきたいと思っています。また、介護の受皿整備については、地域のニーズを踏まえたサービス提供体制の確保に努めるなど、必要な施策を総合的に実施していきたいと考えています。
○徳永エリ君 アベノミクスの新三本の矢のうちの一本は介護離職ゼロでした。二〇一六年六月二日に閣議決定されたニッポン一億総活躍プランにおいても介護離職ゼロという目標を掲げています。 この介護離職者がどのくらいかという調査なんですけど、五年に一回しかしていませんよね。ゼロにしようという目標を掲げているのに、五年に一回しか調査しないってどういうことですか。毎年調査するべきだというふうに思いますよ。しっかり目標を達成していただきたいというふうに思います。 で、今、休業の話がありました。仕事と子育ての両立に関しては環境がある程度整って、男性の育児休業取得率は二〇二三年度三〇・一%、初めて三割を超えたということであります。二〇一七年の育児・介護休業法の改正によって介護の内容も育児の内容にほぼ近づいてはまいりましたが、育児休業は最大二年間、子供が二歳になるまでの間取得できるのに対し、介護休業は通算九十三日間しかないんですね。育児休業は自らが育児をするための休業であるのに対して、介護休業は、要介護認定を得たり、在宅介護にするのか施設に入居するのかを決めるなど、働きながら介護できる体制を整えるための休業期間というふうに考えられています。つまり、介護を誰かほかの人に委ねるための長期的な方針を決めるための期間であって、自らケア、介護をする休業期間ではないということなんですね。 ですから、先ほど、仕事をしながら介護をしている人が三百六十五万人増えていますと言いましたけれども、これ、まだ委ねる人がいるから介護をしながら働けるんですよ。委ねられる人がいなくなってしまったら、これみんな自らケアしなきゃいけなくなってしまうんですよね。 また、中には、自分でケアをしたい、介護をしたいと、そういう休業期間であってほしいと思う方もいらっしゃるわけですし、そうせざるを得ないという方も多いと思います。 そもそも介護人材が足りないというのに、誰かに委ねて仕事と介護の両立ができるのか、どうお考えでしょうか。現状、それができないから離職者が減らないということなんじゃないでしょうか、大臣。
○国務大臣(福岡資麿君) 委員が御指摘になりましたその介護休業制度と介護休暇制度、両方ございますが、介護休業制度については、要介護状態にある対象家族について介護の体制を構築して働きながら対応できるようにするための休業というのは御指摘があったとおりでございます。 で、介護サービスは、高齢者であったりその家族の生活を維持するもう基盤であるものでございますから、今年度から始まりました第九期介護保険事業計画においても、地域の御高齢者の方々について、市町村がその家族などの状況やサービスの利用意向等も調査した上で、施設サービスや在宅サービスなど、地域において必要なサービス基盤の整備を今進めさせていただいているところでございます。 介護休業制度と併せて、働く方々が仕事と介護を両立しつつ働き続けられる環境の実現を図ってまいりたいと考えています。
○徳永エリ君 育児休業と同じように、介護休業も取得率、これしっかり調べていただきたいというふうに思います。本当にこの数字がこれから大事になってくると思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。 実は私も、ともすると、それこそ介護離職しなきゃいけないような状況に昨年なりました。私の父が八十九歳で喫茶店を五十年間経営しておりまして、地域の新聞にも載るぐらい、コーヒーを落としてランチも作っていました。それが、お客さんから、最近何かマスターおかしいというメールをいただきまして、父に会いに行ってみたら、やっぱりおかしいんです。それで病院に連れていったら、アルツハイマー型の認知症が相当進んでいた。車も運転していたんですよ。すぐ免許返納しました。店もすぐ閉めました。今、病院に入院しています。病院に入れたからよかったですけど、入れなかったら、私一人っ子ですからほかに頼る人誰もいません、父独り暮らしです。どうなっていたんだろうというふうに思います。 介護離職をした人の中にも、自分が介護休業できれば、休暇を取れれば辞めなくて済んだのにという方がたくさんやっぱりいらっしゃるんですよね。 そして、昨年も議論になりました介護報酬の訪問介護サービスの基本報酬、これが約二・四%引き下げられたことによる影響ですけれども、こちらのパネルを御覧いただきたいと思います。資料もございますので御覧いただきたいと思いますけれども、東京商工リサーチの調査によりますと、二〇二四年、介護事業者の倒産件数は過去最多の百七十二件、前年比の四〇・九%増に達したことが分かりました。さらに、休廃業、解散も六百十二件と最多を更新しています。中でも、コロナ禍で悪化した経営を立て直せない、ヘルパー不足や集合住宅型との競合もあって、訪問介護事業所が過去最多の八十一件も倒産しているんです。 立憲民主党は、介護報酬の基本報酬の削減によって倒産が増えるのではないかということをずうっと指摘させていただいておりまして、期中改定なども求めてまいりました。訪問介護緊急支援法案を衆議院で一月二十九日に国民民主党と共同で提出をさせていただいております。 昨年、介護報酬の改定の影響については、大臣は調査をするというふうにおっしゃっておりましたけれども、調査をされたのか、そしてその調査の結果何が分かったのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(福岡資麿君) 令和六年度の介護報酬改定の影響につきましては、昨年九月から、地域の特性や事業所の規模等を踏まえまして、社会資源の乏しい地域を中心に、小規模な事業所を含め、サービス提供の実態に関する調査を実施してございます。 この調査のうちに、自治体に実施していただいた調査と事業所向けの調査と二つありますが、自治体に実施していただいた調査については、全ての都道府県からの回答が出そろったことを踏まえまして、昨年十二月の審議会で速報として公表をさせていただいたところです。これによりますと、訪問介護事業所の休廃止は前年同期比でおおむね一割弱の増加となっている一方で、新規開業や再開も同程度ございまして、事業所の総数としてはやや増加しているということ、また他方で、廃止の主たる要因は人員の不足となってございまして、人材確保に大きな課題を抱えているということを認識してございます。 現在、そのもう一方の事業所向けの調査を今中心に、多岐にわたる調査項目について集計、分析の作業を行わせていただいているところでございます。 委員御承知のとおり、これ地域によっても事業規模等によっても様々な状況ありますから、そういったことをしっかり分析して、早く公表できるように取り組んでいきたいと考えています。
○徳永エリ君 減ってはいるけれども全体としては増えているという、そういった御答弁だったと思いますけど、これ、高齢者どんどん増えるんですから、それこそ介護離職を防ぐためにも圧倒的に供給が増えなきゃ駄目なんですよ。ですから、増加しているからといって安心しては駄目なんです。廃業をしないで済むように、倒産しないように、この基本報酬、この引下げ、やっぱり問題だったと思います。もう一回しっかり検討して見直していただきたいということを申し上げたいというふうに思います。 この訪問介護事業所なんですけれども、しんぶん赤旗さんの昨年末の調査を見ますと、訪問介護事業所が一つもない、こういった自治体が全国で百七町村あるそうです。辛うじて一つだけというところは二百七十二市町村もあると。これ、誰が見てくれるんですか、訪問介護事業所なくなってしまったら。増加しています、全体としてなんて言っている場合じゃないということを御理解いただきたいと思います。 政府は、地方創生とセットで、都市部から地方へ介護移住する政策を推進しています。地域包括ケアシステムと整合性が取れていないとは私は思いますが、政府の説明では、都市部よりも高齢化のピークを早く迎える地方の介護施設が利用できて、生活コストも安く済むということですが、施設ではベッドに空きがあっても介護職員が足りなくて受け入れられない、むしろ訪問介護事業所の倒産や廃業で必要な訪問介護サービスが受けられずに都市部への移住が増えているというふうに聞きます。政府が言っていたのと逆の介護移住という現象が今起きているんですね。 これでは、ますます地方が疲弊するばかりじゃないですか。総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 私どもとして、そういうような介護の施設というものを地方に重点的に引き受けてもらおうというような政策を推進したことはございません。 おっしゃいますように、いろんなコストが安いということもございますが、地方であろうと都市部であろうと介護に濃淡があることは決して望ましいことだと思っておりませんで、今こういう状況が起こっているということは、委員御指摘のように、地方における介護人材というものの供給をいかに増やすか、それは報酬の問題でございますから、今後更に厚生労働省で検討いたしてまいりますが、地方においてそういうものを多く引き受けてもらう、それがなかなか地方において介護人材が足りないので都市に流入がまた始まっているということは現象面としてはあろうかと思いますが、政府としてそういうような政策を後押ししてきたということはございません。 今後とも、地方において介護というものが機能いたしますように、更に工夫を努めてまいりたいと考えております。
○徳永エリ君 訪問介護事業所も足りない、そして介護人材は圧倒的に足りない、大変に深刻な状況です。 特にヘルパーさんが不足しています。令和六年、平均の有効求人倍率は一・二五倍、ヘルパーさんの有効求人倍率十四倍ですよ。高齢化も深刻で、六十五歳以上のヘルパーさんが全体の二六%、十年後どうなるんでしょうか。中には七十五歳とか八十歳のヘルパーさんがいると。こんな状況です。 なぜ人材が確保できないか。それはやっぱり賃金が安いからなんですよ。だから、立憲民主党は予算の修正案で、介護、障害福祉、保育、幼稚園で働く皆さんの賃金を上げてくださいということをお願いさせていただきました。介護職員の処遇改善、月額一万円増、年間十二万円の給料アップ、ここから始めていく、そして全産業平均にまずは近づけていこうということを提案いたしておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) まず、御党提出の法案の扱いにつきましては国会で御議論いただくべきことだと思いますが、処遇改善は喫緊の課題だということは共通の認識でございます。 その上で、先ほども申し上げましたように、まずはその報酬改定でなされた部分の処置が確実に実施されること、また要件を、加算して処遇改善を取りやすくしていただくことと併せまして、昨年の末に成立しました令和六年の補正予算におきまして措置をさせていただいた、これがまさにこれから介護の現場に行き届いていくわけですから、そういった状況がどういうふうに経営状況に反映されるか、そういった実態をよく見ながら必要な対応を考えてまいりたいと考えています。
○徳永エリ君 そう御答弁なさると思いました。 令和六年度の補正予算八百六億円は、一人当たり五・四万円、これ一時金です。しかも、生産性の向上や職場環境改善などの支給条件が付いています。また、支給の条件を満たしていても、あくまでも常勤の介護職員の数で計算されます。全員が常勤という介護施設はほとんどありません。また、事業所ごとに、賃上げだけではなくて職場環境改善の予算として活用することもできるので、必ずしも賃上げにつながるわけではないんですよね。 このままでは、春闘で中小の企業は六%以上の賃上げを求めているんですよ、ますますほかの産業と差が付いていって、誰も介護の世界に若い人入ってこなくなるんじゃないんですか。賃上げは喫緊の課題だと思います。総理、いかがですか。
○国務大臣(福岡資麿君) 賃上げについては喫緊の課題だという認識は共通しております。そして、まさにこれから、今おっしゃられたその補正予算の額、これが介護の現場に行き届く、それが経営にどう反映するかということをしっかり見届けた上で来年の報酬改定で必要な措置を講じていくということでございます。
○徳永エリ君 これからも国会の中でしっかり議論していきたいと思いますが、大臣、とにかく賃上げは喫緊の課題ですよ。需要と供給、しっかり考えていただきたいというふうに思います。若い人たちがどんどん入っていただければ、地域経済も潤う、雇用も生まれる、そして見てくれる人、頼れる人ができる、もうこれが本当に介護離職を防ぐもう本当に大きな要素ですから、頑張っていただきたいというふうに思います。 今日どうしてもお願いしたいのは、介護サービスの利用に欠かせないケアプランの作成、また利用者と介護サービス事業者の間でのサービスの調整を行うケアマネジャー、このケアマネジャーも今不足しています。そして、高齢化が進んでいます。 賃金が見合わないこともあるんですけれども、二〇一八年の介護保険の改定で厚労省は、質の向上を目的として、五年間の実務経験などを要件としてケアマネの受験資格を厳格化したんですね。さらに、更新研修、これ問題ですよね。ケアマネさんは、五年に一度、都道府県が実施する資格の更新研修を受けることが義務付けられているんですね。国家資格だってこんな更新研修なんかありませんからね。ケアマネのこの更新研修は、地域によって異なりますけれども、二万円から六万円ぐらいお金も掛かるし時間も掛かるし、その割に中身が乏しいという声が上がっております。この更新研修があることが負担になると、ケアマネへの就職を若い人が断念する、また更新のタイミングで研修を受けずに転職、退職してしまいます。 受験資格の五年要件は短縮の検討をしているということでありますけれども、ケアマネ不足に拍車を掛けるケアマネ更新制度、この更新研修、これはなくすべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) まず、ケアマネの更新研修は専門知識の向上を図るために法定されたものでありまして、その制度自体は効果があるというふうに考えています。 一方で、御指摘ありましたように、その研修の内容だったり質について課題があるとの声であったり、また受講者の方もすごくその経済的だったり時間的な負担が大きいといった声がありますから、研修の質の確保と負担軽減に取り組んでいく必要については認識をしてございます。 厚生労働省としましては、昨年十二月の検討会の中間整理も踏まえまして、全国統一的な実施が望ましい科目につきましては国レベルで教材等を一元的に作成する方策でありましたり、オンライン受講の推進など、まずは受講者の方々の負担を大幅に軽減する方策について検討を進めるとともに、受講に当たっての経済的負担につきましては、都道府県における地域医療総合確保基金の活用についても改めて周知をしていきたいというふうに考えてございます。
○徳永エリ君 介護人材が足りない、ケアマネが足りない、この更新研修があるからこの更新研修を機に辞めていってしまう、あるいは負担が大きいからケアマネという仕事を選ばない。これがはっきり分かっているわけでありますから、やはりこの更新研修はやめるべきだと思います。 そのことを是非とも検討していただきたいと思いますが、最後に一言、総理からいただこうかな。総理、どうでしょうか。
○内閣総理大臣(石破茂君) これは、ケアマネの方々の能力というものを確保するというのは大事なことでございますが、だからやめるということは考えておりません、今のところ。 いかにして時間的な負担を減らしていくかと、経済的な負担を減らしていくか。今、福岡大臣からお答えいたしましたように、基金を使って負担を減らすというのは、例えば全国で一番低いのは島根県だったというふうに承知をいたしておりますが、そういうような形で、どうすればケアマネの方々の経済的な負担が減るかということの周知を更に努めてまいりたいと思っておりますし、これは分割で研修を受ける等々の時間的な負担の軽減も随分とできると思っております。 そういうようなことを全てやってみました上で、また委員と議論をさせていただきたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。
○徳永エリ君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(鶴保庸介君) 以上で徳永エリ君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) 次に、森屋隆君の質疑を行いたいと思います。森屋隆君。
○森屋隆君 立憲・社民・無所属会派の森屋隆でございます。 石破総理始め各大臣の皆さん、今日はよろしくお願いをいたします。 総理、土日を挟みましたのでちょっと通告ができていないんですけれども、一点、冒頭お聞かせをいただきたいと思います。 北海道新幹線が二〇三〇年の開業を困難だということです。これ断念をしたと。二〇三八年度末を目指すということなんですけれども、それもなかなか難しいだろうと、難しい可能性が高いと、こういうふうに言われています。 地域や観光政策、これに大きな影響を与えると思うんですけれども、総理、受け止めを一言お願いしたいと思います。総理、お願いします。
○内閣総理大臣(石破茂君) 済みません、通告をいただいておりませんので、答えが十分でなかったらお許しください。 北海道新幹線、新函館北斗から札幌までの間につきましては、昨年五月、鉄道・運輸機構から国交省に対しまして、二〇三〇年度末の完成、開業は極めて困難であると判断した旨の報告があったというふうに承知をいたしております。 現在、国交省が開催しております有識者会議において全体工程の精査が行われているところであるというふうなことでございまして、まずは国交省が開催をしております有識者会議の結論を速やかに得る、これが重要であると考えておるところでございます。 不十分でしたらお許しください。
○森屋隆君 今日は、地方創生と公共交通機関が果たすこの役割、これを中心にお聞きをしたいと思っています。 総理、私はこの一九八六年に地域のバス会社に就職をしまして、そして、翌年の八七年なんですけれども、国鉄が分割・民営化をされました。私も公共交通に勤めていましたから、大変これは興味を持っていました。石破総理もこの分割・民営化のときは国会議員になって二年目で三十歳であったと、こういうふうに思います。 パネルをお願いしたいと思います。(資料提示) 資料を御覧ください。この資料は、一九八六年の五月二十二日、御党が新聞に掲載をしました分割・民営化に対する国民へのこれ大変インパクトのある広告だと思っています。国鉄があなたの鉄道になりますということで、民営分割御安心ください、会社間をまたがっても乗換えもなく、不便になりません、運賃も高くなりません、ブルートレインなど長距離列車もなくなりませんと、また、ローカル線、特定地方交通線以外のこのローカル線もなくなりませんと、こういうような広告でありますけれども。 結果として、鉄道の廃止距離が、これ総理詳しいですから言うまでもないのかもしれませんけれども、二〇〇〇年から二〇二四年の四月一日まで四十八線区で千二百八十九・四キロがなくなっている、直近十年では六百十五・七六キロがなくなっていると、こういうことでありますけれども。総理は、この日本の国有鉄道、いわゆる国鉄が、一九四九年の六月一日から一九八七年、民営化されるまでの、この三月三十一日まで三十七年十か月、今年の二月にその国鉄の期間をJRが抜いたと聞いております。 この新聞広告で国民に約束したこの六点の大きなメッセージについて、今日より明日は良くなる、そして成果で応える石破総理のこの率直なお気持ちをお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○内閣総理大臣(石破茂君) この広告、私よく覚えています。議員になる二か月ぐらい前ですね。私、この年の七月に初めて議席を得させていただきました。 確かにあの頃は、とにかく収支が良くない、値上げをする、ますます乗らなくなる、だからまた値上げだみたいな一種の悪循環が続いておったことは間違いない事実で、そしてしょっちゅうストは起こっておったと。そして、あんまり、国鉄と言っておった当時は、ありがとうございますと言われたことがない、乗せてやるみたいな感じでしたね。だから、運賃は上がるわ、それはしょっちゅうストはあるわ、サービスは良くないわみたいな世論。もちろん、一部にすごく親切な路線もあったでしょうよ。だけれども、私は当時を知る者として、世の中はそんな感じだったと思っております。 分割・民営化ということで、ローカル線はなくならない、ブルートレインもなくならないという話だったはずなのだが、ブルートレインはほとんど、今ブルーの夜行特急ないです、一つもないです、サンライズ出雲が残っているだけですから。私は、ブルートレインというか、地元を走っています特急出雲というのは間違いなく千回乗りましたから、とても便利なものでございました。 ただ、それがなくなったのが分割・民営化の影響なのか、そのほかの交通機関の発達によるものなのかということは分析をしなければなりませんので、国鉄分割・民営化が全てだと申し上げるつもりは私はないのですが、そして良くなった点も多々あるのですが、これから先どうするかということは、委員の方が御専門かと思いますが、モーダルシフトという観点からこれはもう議論していかねばならぬのであって、鉄道も必要、バスも必要、飛行機も必要、船も必要、全部必要ということが、これから先、人口が減っていく中においてモーダルシフトという観点からどのように解を見出していくかということは、またいろいろ御教示を賜りながら考えてまいりたいと思っております。
○森屋隆君 総理、ストライキは悪ではありませんし、ありがとうございますと、まあ一部言わない人がいたのかもしれませんけど、ほぼほぼ鉄道マンは一生懸命やっていますので、一点、そこは訂正をお願いしたいと思います、総理。
○内閣総理大臣(石破茂君) それは、争議権、団結権が憲法で保障された権利であるということは百も万も承知をいたしております。 ですから、あの頃、三木内閣で海部俊樹元総理が当時官房副長官でおられたかと思います。私は大学生だったかもしれません。スト権ストというのがございました。つまり、労働争議なるものは、いかにして労働者の待遇を改善するかということのみをもってして憲法に保障されているものだと承知をいたしております。 あのときに国民の多くの御理解が得られなかったのは、これは本来の趣旨と違うのではないかということがあったのだろうと思っております。もちろん、多くの国鉄マンの方々が誇りを胸に一生懸命働いていたことは私よく承知をいたしております。ただ、やはりそのストというものが国民の広い御理解を得られなかったという時代背景は、私はよくよく覚えておるところでございます。 今、全くストは、全くとは言いませんが、ございません。それはそれで非常にいいことだというふうに考えてはおります。しかしながら、それがどういうふうな、労働者の賃金を引き上げるということにおいていかなる意味を持つものかということについてはまた議論させてください。 それから、ありがとうございましたと言われたことがあんまりないというのは、実際にそういうことも国民世論の背景にはあったと思っております。JRになって、本当にありがとうございましたということ、サービスの向上は図られてまいりましたが、今地方の駅に行くと、みどりの窓口ってほとんどなくなっちゃった、ですよね。我々の鳥取県で申しますと、鳥取駅、倉吉駅、米子駅とかあるんですが、倉吉駅、みどりの窓口なくなっちゃった。そうすると、電話してくださいということで電話してもなかなか出ていただけないみたいなことが起こっておりますので、そこをどうやってサービスの向上を図るかということはまた私どもも議論をし、必要なことについてできますお手伝いはしてまいりたいと思っております。
○森屋隆君 総理、労働三権、少し認識が違うのかなと、こういうふうに思っています。 中野大臣にお聞きをします。 昭和六十一年、一九八六年のこれ十一月の二十八日の参議院日本国有鉄道改革に関する特別委員会において、御党の鶴岡洋参議院議員は国鉄改革関連法案に対して賛成の立場でこのように論じています。政府は、国鉄経営の再建のために昭和四十四年度以降幾度となく再建策を講じてきました、しかし、その再建策はいずれも失敗に終わったのですと、こういうふうに述べています。また、結びには、国鉄改革は法案成立によって今まさにスタートするものであり、決してゴールではないのであります、したがって、改革の成否は今後新会社の労使の努力及び政府の万全の施策いかんにあると言っても過言ではありません、我々は、国鉄がこの改革によって国民が真に求める輸送機関として見事に再生していけるよう、今後の経過を厳に見守っていくことを表明して賛成討論を終わりますと、こういうふうにおっしゃっているんですけども、先ほど申し述べたように、三十八年がたったと思います。 先ほど石破総理とちょっと御議論させていただいたんですけど、私は、この労使の努力、少なくともこの労である働く者は相当の努力をしていますから、そのことを是非御認識をいただきたいのと、そして、この三十八年間、経過を見守った結果、大臣、ゴールはいつ頃で、そしてこの改革の成否はどのように考えているのか、お聞きをさせてください。
○国務大臣(中野洋昌君) 森屋委員にお答えを申し上げます。 国鉄改革、委員御承知のとおり、これは、全国一社、そして公社制の経営体制の下、破綻の危機に瀕していた国鉄を分割・民営化をすると。民間的な手法を導入し、自主的な経営体制の下で効率な経営を実現をしようとしたというものでございます。 この国鉄の分割・民営化によりまして、効率的で責任のある経営が実施をできる体制を整えてきたと。現在、鉄道サービスの信頼性や快適性、格段に向上してきたと思っております。 また、経営面ということでありますが、JR本州三社そしてJR九州、これについては完全民営化をされるなど、国鉄改革のそういった意味で所期の目的を果たしつつあるのではないかというふうには考えております。 そして、鉄道サービスの面でも、駅員の対応を始めとした旅客サービスの向上も図られてまいりました。ダイヤ改善による利便性の向上、車両の近代化、多様化による快適性の向上、そして最近、ICカードの導入でありますとかバリアフリー、こういったものも進んでいると認識をしております。 他方で、委員の御指摘もありましたJR北海道やあるいはJR四国、そしてJR貨物、いわゆる二島貨物会社につきましては、経営自立に向けた取組はまだこれは進めているところでございます。 そういう意味では、委員がどこが目的でどういう状況かということであろうかと思いますが、国鉄改革の趣旨を踏まえて、国としてもやはり引き続き必要な支援を行っていきたいと、こういう現状であるというふうに認識をしております。
○森屋隆君 そうしたら、次のパネルをお願いします。 資料を御覧ください。総理、これは増える無人駅ということで、無人駅が本当に増えています。これは、鉄道事業者の経営体力が乏しい地方ほど無人駅の割合が増えているわけでありますけれども、全体では、日本の駅のある全体の四八・二%が、半分ぐらいがもう無人になっているということでございます。JRが五四・三%、大手民鉄が七・六%、中小民鉄が三八・一%。四国がやはり高くて、高知が九三・五%とか徳島八一・六%。それぞれの先生方のお地元も御関心あると思いますけれども、総理、鳥取は七〇・七%と、やっぱり割と高いのかなと思っています。 そしてまた、このパネルにあるように、何が困るのかというと、介助が手薄になっています。障害のある方のこの不安が高まっていますし、特に高齢者、障害者、車を持っていない子供さんですよね、こういった交通弱者、この国民生活が脅かされております。 総理は、二〇一七年の、地方創生大臣のときに、四月の四日の雑誌のインタビューにこのようにおっしゃっています。鉄道はもうからないといけないという概念そのものが間違っているとは言わないけれど、世界の考え方とは違います、鉄道は赤字でけしからぬという考え方は日本特有ですと。 具体的にはどのような点を指摘しているのか、お聞かせをいただきたいと思いますし、また、赤字の原因は国鉄解体、政治が悪い、我田引鉄で鉄道が赤字と、こういうふうにもおっしゃっているんですけれども、少し説明をお願いしたいと思います。
○内閣総理大臣(石破茂君) モータリゼーションが発達したので鉄道が衰退したという説がありますが、それはヨーロッパの方がはるかに発達しておった。歴史もそうですね。ヨーロッパにおいて鉄道が衰退したという話は余り寡聞にして聞いたことがないと。 私、地方創生大臣のときにオーストリアに行ったという話は先ほどいたしましたが、例えばザルツブルクなんか行ってみると路面電車が元気よく走っておるわけで、それはまた、イタリアからフランスへ抜けるんでしたっけか、アルプスをぶち抜いて今新しい鉄道というものが機能しておるということもございます。 私は、鉄道というものの、何というか、その効用というものは今後更に見直されていくべきものだという、鉄道マニアであることを割り引いてもそのように思っておるところでございますが、そのときに、鉄道の場合にはインフラも全部事業者がやると。車両も事業者が買う、鉄路もそうだ、信号設備も全部そうだということでございます。そのビジネスモデルが、一九六四年に東海道新幹線が走る年までは国鉄は黒字でございましたから、そこまではそのビジネスモデルが、奇跡的にというか、うまくいっていたということだと思っております。 しかしながら、では、バス会社さんに道路も造ってくださいと、信号も管理してくださいということになると、とてもバス会社はやれません。飛行機会社に空港も造ってください、管制もやってくださいといえば、これは成り立ちません。じゃ、何で鉄道の場合に上下全て事業者がやらねばならぬのかということがございまして、これは、上下分離というものをどう考えるかということは、これはまた専門的なことは国交省から答弁があろうかと思いますが、そこにおいていかなる役割分担が最もよろしいかということでございます。 先ほどの無人駅のお話は、また御質問いただければお答えしたいと思います。
○森屋隆君 総理、上下分離、進めたいと思いますね。これ必要だと思います。総理の考え方はそのとおりかと思います。進めていかなければ地方の鉄道はもたないと思います。 国鉄職員の身分というのはどうだったんでしょうか。
○政府参考人(五十嵐徹人君) お答えいたします。 国鉄職員の身分についてお尋ねがございました。 国鉄の職員については、国鉄の分割・民営時に廃止をされました日本国有鉄道法において、職員の地位及び資格、任免の基準、給与などに関する規定が設けられていたものと承知しております。日本国有鉄道法第三十四条第一項においては、国鉄の職員については、法令により公務に従事する者とみなすと規定した上で、同条第二項において、国家公務員法は適用されないと規定されていたものと承知しております。 以上でございます。
○森屋隆君 ありがとうございます。 国家公務員法ではなくて公共企業等労働基本法に適用されるということだったと思いますけれども、実は、この中途半端な体制が、一応企業の形になっているんだけれども、国庫からの補助を受けにくい体制だったと。そして逆に、政治家からの介入が阻めないものであったと、こういうふうに言っているんですよね。そして、将来大幅な赤字を生む、こういった禍根をつくってしまったと。 総理、こういう認識でいいでしょうか。
○内閣総理大臣(石破茂君) それは、そういう面がなかったとは申しません。やはり、我田引鉄という言葉を先ほど委員がお使いになりましたが、そういう面は、私はそれが全てと申し上げるつもりはございませんが、やはり、あの先生はうちに鉄道を引いてくれたということが地域の方々にはもちろん喜ばれるということもございましたので、それが経営的にどうであったかという視点は、そこはやや少なかったかもしれません。
○森屋隆君 総理、そういう視点からいけば、交通政策基本法の理念、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(中野洋昌君) 交通政策基本法の理念ということでちょっと私の方からもお答えさせていただきますと、交通政策基本法におきましては、交通の機能が十分に発揮をされることにより、国民等の交通に対する基本的な需要が適切に充足をされるということが重要ということが交通政策基本法の基本的認識として規定をされております。 こうした基本的認識も踏まえまして、交通政策基本計画を策定をいたしまして、誰もがより快適で容易に移動できる、生活に必要不可欠な交通の維持、確保というものを地域交通政策の基本的方針ということで位置付けているということでございます。
○森屋隆君 総理に伺います。移動権、どういうふうにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(石破茂君) これは、日本国憲法にございます居住の自由、あそこは、そこにも移転という言葉が出てまいりますが、それは居住の自由とやや類似した概念であって、国民がどのような交通機関でも低廉なお金で利用できる権利というところまでこの移動権というものが憲法で認められたというふうには、現在私は承知をしていないところでございます。
○森屋隆君 先ほど、上下分離なんですけれども、なかなか進まない状況があると私も認識をしているんですけれども、国交省で二〇二一年に地方自治体と鉄道事業者の認識についてアンケート調査をしていると思うんですけれども、この結果、そして結果に伴う国の役割、そして改善策等についてお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(中野洋昌君) お答えを申し上げます。 自治体と鉄道事業者で鉄道サービスの低下に係るその認識の違いということで、これ、委員御指摘いただきましたのは令和三年十二月に国土交通省が行った調査かと思います。 これ、鉄道サービス水準の低下に危機感を持っている割合ということで、これは鉄道事業者は約九六%、皆さん持っている。自治体の方は約六三%であったと。町づくりに対して鉄道事業者が協力をしていると考える割合についても質問がありまして、これは鉄道事業者は約九二%、これは協力をしていますよという認識なんですけれども、自治体側は約四四%。これは鉄道事業者と自治体の認識が大変に異なる結果になっているというふうに考えております。 現在、利用者、人口減少等もあります、利用者も減少をして大変厳しい環境、経営環境に置かれている地域の鉄道を支えていく上では、やはり鉄道事業者だけでは限界があるのではないかと。そうすると、鉄道事業者、そして沿線自治体を始めとする地域の多様な関係者が鉄道に対する認識を共有をして、そして自治体が主体性を持って地域一体となった取組を進めていく必要があるのではないかと考えております。 このため、国の取組ということで御質問ございました。国土交通省において、例えば近年では令和五年に地域交通法を改正をいたしました。これは、地域の将来像に合わせたローカル鉄道の再構築に向けて、地域の関係者の合意の形成、この合意の形成が大事だということで、国が積極的に関与し、予算面でも力強い支援を行う仕組みを整えたところでございますので、各地域におきましてこうした新たな仕組みが積極的に活用され、利便性、持続可能性の高い地域公共交通が実現できるように国としても取り組んでまいりたいと思います。
○森屋隆君 やっぱりそこにギャップがあるということなんですね。鉄道、公共交通は必要だと、ここは一致しているということだと思うんですけれども、しかし、企業の方は、こういうふうにしないと今後なくなってしまいますと。これは切実な問題ですけれども、地域もそれは承知をしているんだと思うんです。しかしながら、先ほど総理がおっしゃっていましたこの上下分離、やっぱり、地域で抱えるとなるとやっぱりそれだけのお金が掛かるわけでありますから、やっぱり地域でもなかなかそこに踏み切れない、この状況がずっと続いているわけであります。 次のパネルをお願いしたいと思うんですけれども、これは、資料御覧ください、二〇〇五年度及び二〇二五年度の国土交通省関係予算であります。 緑とこの薄い緑のところが道路整備あるいは道路環境整備であります。二〇〇五年度が、この八〇・四%が道路に掛けている。まあ道路も必要ですから承知はしているんですけれども、八〇・四%が道路で、二〇二五年は八四・五%。まあいろんなものが値段が上がったんだと思いますけれども、こういう状況なんですね、総理。そんな中で、高速道路、これも必要だと思いますけれども、昭和六十二年の、三千九百十キロだったそうです。それが令和一年には九千五十キロまで高速道路が延びてきていると。約二・三倍、四倍の高速道路になっています。 そこで質問をさせていただきたいんですけれども、総理はこういうこともおっしゃっているんですね。フランスの鉄道は、先ほどもありましたけれども、収入の中で運賃収入は二割だと、そして残りの八割は公的な支援ですと。もうかるのであれば公共インフラである必要はないと。そして、そもそも北海道には車が一台も走っていない道路がいっぱいある、あれは大赤字ですと、だけど誰も道路を廃止しろなどとは言いませんと。今一億二千万人いる日本人は、このままで行くと二一〇〇年には五千二百万人になるんだよと、こんなことを総理述べています。公的インフラとしての鉄道を考える必要あるでしょうと、こういうふうに総理はおっしゃっているんですけれども。 そして、先ほどからあります、地方鉄道が災害時に、鉄道軌道整備法というそういったもの、スキームありますけれども、なかなか災害時に、災害復旧ができないままに廃線を迎えてしまうと。 こういうことがありますから、総理、ここはやはり、弱い人、つらい人、総理が昨日言っていた言葉だと思いますけれども、この国民に対してもう少し輸送をしっかりできるように、この予算の在り方、総理、どうでしょうか。鉄道、公共交通に予算を付けられないでしょうか、どうでしょうか。
○内閣総理大臣(石破茂君) それは、その都度その都度、適正な予算かどうかは国会において御判断をいただくものでございます。 地方へ行きますと鉄道も道路もという話でありますが、やはりこういう予算になってまいりましたのは、自動車の方が利便性が高いというところはあるんだろうと思っております。私は、自動車道の整備というものは必要であることは論をまたないと思っております。 そうしますと、鉄道の部分をどうするかという話になるわけでございますが、やはりこれは、上下分離というものをどう考えるか、そして車と鉄道、これをどう組み合わせるかというときに、パーク・アンド・ライドとかあるいはデュアル・モード・ビークルという、これ余りはやらないんですけれども、鉄道と自動車というものをどうやって融合するか。 そして、都市における、富山のライトレールなぞというのもございますが、LRTか、そういう鉄道と道路との共存みたいなことは、どっちもどっちもマックスを言っていてもしようがないのであって、いかにしてその融合みたいなものを図っていくかということにおいて、道路も鉄道もその持てる長所を最大限に発揮するという、何か丸めたようなことを言って恐縮でありますが、そういうところに対する考察は更に必要ではないかと思っております。
○森屋隆君 総理、なかなか鉄道と今道路、自動車が共存できていない。鉄道の方が大分脆弱になっている。公共交通が、まあバスもそうですけれども、厳しい状況であると。少し予算の方もしっかり議論をしていきたい、こういうふうに思います。総理、よろしくお願いします。 次に、人手不足についても、先ほどからありますけど、少しお聞きをしたいと思います。 建設業、公共交通、さらには物流や介護、水道、電気、スーパーやごみ収集などもそうだと思いますけれども、この社会に不可欠なお仕事をしているエッセンシャルワーカー、ここが本当に今足りない状況であります。日本の大学の進学率が五九・一%、約六割だと言われていますけれども、その若者の大半はオフィスワーカーを希望していると、こういうふうなデータもございます。 農林水産業を始めこの第一次産業は跡継ぎが、先ほどもありました、なかなかいないと。ここに手当てをしていく、していかなければならない、先ほども総理、そういうような御答弁があったと思いますけれども、ここの手当てについて、総理、どのように考えていますか。よろしくお願いします。
○国務大臣(福岡資麿君) エッセンシャルワーカーには様々な業種の方がおられまして、その特定の方策により賃上げや労働条件の向上を図るといった議論は大変難しゅうございますが、御指摘のとおり、様々な職場で賃上げが図られ、また働きやすく魅力ある職場づくりが進められることが大変重要だと考えています。 厚生労働省としては、令和七年度予算案におきまして、設備投資や人の投資を通じた生産性の向上、正規、非正規雇用の格差是正、より高い処遇への労働移動の支援といった取組を賃上げ支援助成金パッケージとして取りまとめてございまして、こういった取組によりまして労働市場全体の賃上げや働きやすく魅力ある職場づくりへの支援に取り組んでいきたいと考えています。
○森屋隆君 賃金もそうだと思います。賃金がやっぱりどうしても全産業から低いのが、先ほどからあるように、こういうエッセンシャルワーカーでありますから、そこをしっかり、春闘も大事ですから、そして政府もそこを後押ししてほしいと思っています。そして、何よりもこの働きやすい職場、こういう環境をつくるのもやはり政治の役割だと思っています。 こども政策担当大臣にお聞きをしたいと思います。 二〇二三年の三月十三日、私はこの予算委員会において、当時、岸田総理に、小一の壁について、もっと政府がしっかりとサポートをして、保育園、幼稚園のときには預かってくれるところがあったけど、小一に上がるとなかなかそれができていないと、そこを改善しなくてはならないということを質問させていただいたんですけれども、しっかり前に進めるというふうに言っていただきました。状況はどうなっていますか。
○国務大臣(三原じゅん子君) 共働き世帯の子供が小学一年生になるときに直面する放課後や朝に居場所がないという問題、いわゆる小一の壁を打破することは喫緊の課題でございます。 委員からも二年前に、遅くまで働く子育て世帯の切実な声ということで御質問いただきました。放課後の居場所確保、これは、利用できない子供を減らす、そしてまた夜間まで預かる放課後児童クラブを増やすという観点から、受皿確保、夜間開所の拡大の組織、これを講じております。その結果、利用児童数は、約十三万人、二年前から十三万人増加いたしまして、クラスでは約三・八万か所と小学校の数の倍以上にまで増えまして過去最高の規模となりました。 一方、共働きが進む中で利用ニーズが高まって、待機児童数は二年前から三千人程度増加して、このため、昨年末に文部科学省と放課後児童対策パッケージ二〇二五を取りまとめまして、この小一の待機解消に自治体と連携して重点的に取り組むことといたしております。 加えて、夜間までの預かりニーズに対応するため、人材確保の加算措置、これ要件が大変複雑で、六時間以上ということを撤廃し、そしてまた十八時半以降の開所という形で簡素化をさせていただく、これ令和七年度予算案に盛り込むというほか、朝の居場所確保につきましても、民間団体が創意工夫してこの居場所づくり取り組んでモデル事業を活用できる旨、こうしたことをしっかり周知して、子育て世帯のニーズに寄り添った対応をしております。 引き続き、この小一の壁打破に向け、予算、運用両面から必要な取組、推進してまいりたいと思います。
○森屋隆君 夕方から夜だけでなくて朝の方も延ばしてやっていただいているということで、承知をいたしました。 私は工業高校の出身なんですけれども、この職業高校が大分減っていると思います。日本は物づくり、あるいは先ほど言ったエッセンシャルワーカー、ここがいなくなっては日本立ち行かないと思っています。 職業高校の再生が必要かと思います。また、廃校になった高校などもどういった活用方しているのか、その辺についてもお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(あべ俊子君) 委員にお答えいたします。 専門高校でございますが、我が国の産業経済、医療福祉の発展を担う人材の育成とともに、地域産業の発展を支える観点から大変重要な役割を担っているというふうに思っております。 今回、私ども、本当に、全国の国公私立の高校が実は六千五百二十三校ございますが、そのうちの専門高校は千九百六の二九・二%なんでございますが、その中で、特に農業学科は二百九十六、全国にございまして、私立は三つだけでございます。また、先生の御卒業の工業高校、地域にとっては本当に必要な人材をつくっていくために重要なんでございますが、五百十六、全国でございますが、私立が八十四でございまして、水産高校に至りましては、四十二校全国である中で私立はゼロでございます。 文部科学省としては、DXハイスクール事業におきまして、例えば、工業高校における3Dプリンターを活用した物づくり、農業高校におけるドローンを活用したスマート農業を促進する農業実習、地方創生に向け、専門高校を拠点とする地方創生支援、地域人材の育成に取り組んでおりますが、各専門高校においては、地域に密着した教育を行っていき、また生徒に選ばれる学校になることが重要でございまして、文部科学省としては、引き続き、各専門高校の特色、魅力化に取り組んでまいります。 また、廃校の件でも御質問いただきまして、ありがとうございます。 先生、檜原村の御出身だということなので多分そういうことは大変よく御承知かというふうに思っておりまして、廃校となった後も有効活用していくことがまさに重要でございまして、実は今、廃校になったところが全国で五千四百八十一あるんでございますが、そのうちの七四・一%については別の学校又は社会教育施設、福祉施設、企業などの施設の様々な施設として活用されているところでございますが、活用等、活用の用途が決まっていないところも実は千四百二十四校ございまして。 でも、例えば活用のいい事例としましては、岡山県笠岡市、加藤勝信先生のお地元でございますが、廃校になった小学校がシェアアトリエとして活用されておるところでございまして、具体的には、物づくりのクリエーターが集まって、入居者同士の交流から様々な知識、技術のシェアが行われ、相乗効果が生まれているところでございまして、また地域住民との交流もあることから、地域活性化につながっていると聞いているところでございます。 以上です。
○森屋隆君 丁寧な答弁ありがとうございました。檜原村出身でございまして、気になっているところでございます。 厚労大臣にもお聞きをしたいんですけれども、先ほどありましたエッセンシャルワーカーのやっぱり賃金が上がらないという問題なんですけれども、特にコロナで、やはりコロナがどういうものか分からなかったものですから、エッセンシャルワーカー、やっぱり感染が怖くてやっぱり離職してしまった人も多いわけですけれども、このコロナ禍が落ち着いた二〇二三年の三月に、国際労働機関、ILOが報告書を発表しています。このエッセンシャルワーカーの重要性と労働環境の改善に向けた提言でございますけれども。 十八世紀後半に、アダム・スミス、この補償賃金が必要なんだという、こういったことをおっしゃっています。考え方でございますけれども、これは何かというと、やはりその賃金、労働条件、市場に任せているだけだと、やはり今のエッセンシャルワーカーのような、全産業からどうしても二割ないし一割低い状況になってしまうと。市場原理ですからそういうことなのかもしれませんけれども、この補償賃金、社会に必要な、あるいは大変な仕事をしている人はそれなりのプレミアムが付いていていいんだと、こういう考え方ですけれども、厚労大臣、これについて御認識、見解をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(福岡資麿君) 御指摘ありましたそのエッセンシャルワーカー、社会に必要不可欠な業務を行われている方々の範囲をどう定義されるかというのは大変難しい問題でございますが、社会を支えている方々の賃金を含めた処遇を改善していく環境をつくることは極めて重要だと考えています。そういう意味で、公定価格で運営されています医療、介護、障害分野、こういった分野については、報酬改定であったり補正予算等において処遇改善の措置をしっかり講じていくということは大切だというふうに考えています。 また、重ねてになりますが、先ほど申しました労働市場全体の賃上げに向けましては、賃上げ支援助成金パッケージ、これを令和七年度予算案についてまとめさせていただいたところでありまして、こうした施策も活用して賃上げ環境を取り組んでまいりたいと考えています。
○森屋隆君 国交大臣と厚労大臣に現場の声聞いていただきたいと思います。割と細かく通告していますので質問細かくしませんけれども、一つは港湾運送料金についてであります。 これ、一九九五年に認可されたのが最後だと思いますし、その後、九九年には届出制に今規制緩和されています。この九五年の認可が基本となって、その後、届出制になって、結果的には認可した三割減で今三十年推移していると、こういうふうに聞いています。問題だと思います。これが一点でございます。これはすぐ監査等々をしていただいて、改善をしていただきたいと思います。 もう一点は、バスの運転手、私もそうでしたけれども、政治によって二割のカットがされたと、そしてそれを機に百六十名もの離職者が出たと。結果的には、運賃は上げない、ダイヤは減らさない、こういった約束の下でなったようでありますから、それが原因となって三六協定違反が大量に出ていると、こんな状況が総理あるんです。大変問題だと思います。 国交大臣、厚労大臣、それぞれから見解聞きたいと思います。お願いします。
○国務大臣(中野洋昌君) 委員御指摘の、具体的には港湾運送とバスということで事例も挙げていただきましたけれども、私も、こうした人流、物流、様々な分野での担い手確保のためにはやはり処遇の改善が必要である、そのためには適切な価格転嫁が必要である。これはほかの、トラックもそうですし、いろんな輸送モードもそうですし、それはしっかりとやっていかないといけないというのはまず大前提としてお話をさせていただきます。 そして、例えば港湾運送に関しますれば、港湾労働者の処遇改善等の観点から、やはり運賃料金について、これ業界団体と国土交通省が連携をいたしまして、労務費の適切な転嫁を通じた取引の適正化、これをやはり荷主やまた船社、こういったところに呼びかける等への対応を今行っているところであります。また、事業者への監査等を通じまして、これは必要に応じて労務費等を適切に反映をした運賃料金に変更するようにということで指導も行っているところでございます。 そして、バス事業も、これも担い手不足ということで非常に大事であります。バス運転者の処遇の改善を図るために、賃上げ等処遇改善につながるこれは運賃改定がやはり必要でございますので、これを促進をするために、例えば運賃改定を迅速化をする、そして運賃の算定手法、これを、しっかり賃上げができるようにということで算定手法の見直し等も進めているところでございます。 国土交通省としまして、所管事業の運賃料金につきまして労務費等が適切に反映をされるように各事業法を適切に運用する、労働者の処遇改善をしっかり図ってまいりたいと考えております。
○委員長(鶴保庸介君) コンパクトにお願いします。
○国務大臣(福岡資麿君) 全ての労働者の労働条件の確保を図っていくということは極めて重要でございます。 厚生労働省といたしましては、労働基準監督署による立入調査の結果、労働基準法等の違反が認められた場合、その是正を指導してございます。この取組も含めまして、国土交通省始め関係府省とも必要な連携を図りながら、労働基準関係法令がしっかり履行されるようにしてまいりたいと考えています。
○森屋隆君 スピード感持って、この件については二つ是非よろしくお願いしたいと思います。 時間ありませんから、総理、最後、これ答弁要りません。 私、北海道の、先週、バス会社の運転手さんからちょっと聞いたことなんですけれども、今片道三十五キロ掛けて通っているらしいんですよね。遠いんです。往復で七十キロ、もうこの通勤だけで三万円掛かるというんですよ。やっぱりガソリン減税、この暫定税率、これやらないと、こういう状況あります。そうしたら、聞きましたら、今は無理なんだけど、四月からもうオートバイで行くと言っているんです。 こういうことがありますので、総理、決断をお願いします。これは答弁要りません。 終わります。ありがとうございました。
○委員長(鶴保庸介君) 以上で森屋隆君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) 次に、奥村政佳君の質疑を行います。奥村政佳君。
○奥村政佳君 立憲民主・社民・無所属の奥村政佳です。 理事の皆様には、質問の機会をいただき、本当にありがとうございます。 国会議員になってまだ十か月たっておりませんが、逆に言えば、保育、気象、お天気ですね、歌手と、いろいろな業界にいながらしっかりと歩みを進めてまいりました。保育現場には大学生時代のアルバイトから合わせて十年以上、気象予報士は十七歳で取りましたので三十年目です。歌手も二十年。様々な現場からの声を持って、総理始め大臣の皆様と、しっかりとかみ合った議論、リズムよく、テンポよく、未来を見据えた議論ができればいいと思っております。よろしくお願いします。 さて、まず冒頭、岩手県大船渡市で発生した大規模な火災により被災された皆様に心からお見舞いを申し上げ、亡くなられた方に対してお悔やみを申し上げます。 昨日、鎮圧ということで、延焼は食い止めた、まだ鎮火には至っていないということで、本当に大変な活動だったと思います。残った火種がないか、まだ任務に当たっておられる消防団を始め、夜を徹して消火活動に当たられた地元の消防、緊急消防援助隊、自衛隊の皆様には本当に感謝を申し上げます。また、政府には十分な支援、サポートをお願いするところでもあります。 今回の火災、新聞記事からも、住民の皆様の切実な声やその様子が記されています。三月五日の毎日新聞、十四年前の復興のさなかにまた避難するとはといった声が漏れる、高台に移り、家を建て直した人も少なくなかった、避難者の中には、震災後に仮設住宅で数年過ごし、震災前のローンを抱えたまま再度家を整えたという人もいた。本当に、心中察するに余りある本当に言葉の数々です。 そこで、まず総理に伺いたいと思います。 今年の確定申告の期限まであと一週間、現地ではまだそれどころではないという段階だと思います。だからこそ、要望、皆様の声が上がってくる前に、政府がしっかりと方針を示し、皆様に寄り添うことが大切かと存じます。 今回の被災による雑損控除などのいわゆる税制面のサポートは、ルールにのっとれば、来年の申請分、つまり一年後になってしまい、生活や事業の再建にも使える資金の確保がその分遅れてまいります。昨年の能登地震でも同じことが懸念されましたが、地方税法等の一部改正は一か月半後の二月となっていました。 今回、できるだけ速やかにその同様の措置を検討すべきだと考えますが、総理の見解を伺います。また同時に、確定申告期限の延長などができることに対して周知とその徹底を求めたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) まず、今般の林野火災に対して、亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた皆様方に対して心からお見舞い申し上げたいと思います。 今委員から税制について二点ございました。 一点目の御提案は、能登半島地震時と同様に、今般の火災による損失を昨年の損失として税額の計算をする特例を設けるという御提案だと認識をしております。能登半島地震の特例措置は、被災規模等の事情に鑑みて特例を設けたものであります。今般の林野火災については、まずは被災の実態、被災地のニーズ等の把握に努めていきたいと考えております。 また、二点目の確定申告期限の延長については、被災された納税者の方は申告納付等の期限延長が可能となっております。そのための手続については、国税庁のホームページのみならず、避難所への掲示等、その広報に積極的に努めているところでありますが、引き続き、関係団体の協力も得ながら、きめ細かく丁寧に対応していきたいと思っております。 今回の事案においても、住民の方々の生活には大きな影響が生じているところでございますので、政府としてもその対応に万全を尽くしていきたいと考えております。
○奥村政佳君 本当に、この十四年前の災害から立ち直ろうとしている皆様のこのサポートを、やっぱり政府ができることをするべきだと思います。是非よろしくお願い申し上げます。 関連してなんですけれども、質問を、次、資料三、パネルも用意しました。(資料提示) 現行の制度では、例えば、一月から三月、昨年の能登地震や今回の大船渡の火災のように、パネルでは黄色の矢印で示した、この時期に災害が起こった場合に、税制上のサポートというのが次の年以降となってしまいます。つまり、一年以上開いてしまいます。 ですので、例えば災害救助法ですとか激甚災害に指定されるような大きな災害では、自動的にといいますか、連動をして、この法律としっかり連動をして、前年分に損失を繰り戻して税制面でサポートするという仕組みを連動してやるというのはいかがでしょうか。資料の右上にも一覧がありますが、今年も様々、大雪などの多くの自然災害が起こっております。以上、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) まず、災害の被災者の方々に対する税制の支援措置については、平成二十九年度税制改正等において住宅ローン控除の重複適用、先ほど資料ございましたけれども、前もローンがあって、それが、東日本大震災でそのままそれが倒壊をし、そのローンも抱えながら新たな住宅のローンに入っている、そのときには両方、本来なら今住んでいる家だけなんですが、その前も含めて両方適用するという形、あるいは雑損控除等の繰越期間を三年から五年に延長と、こんな措置はこれまで行ってきたところであります。 今お話がありました能登半島の地震に関する税制の特別法において措置した特例措置は、能登半島地震の規模、起きた時期が令和五年度分所得の課税期間、まさに一月一日でございましたから、まずその際であったようなこと、また、雑損控除等を令和五年分への適用を認める特例的な対応を講じることが被災者の生活再建に向けて特に有効と考えられることから、本来、所得税制というのは暦年主義で一月一日から十二月三十一日までの所得ということでありますが、その例外として行ったところでございます。 御提案は、雑損控除の前年分所得への適用の特例を常設化した上で、例えば災害救助法の適用や激甚災害の指定に連動させて適用したらどうかという御意見だと思います。 災害の被災者等の生活再建に向けた取組を支援することの重要性、これは全く同じ認識でございますけれども、その上で、先ほど申し上げた所得税制、税法そのものが暦年主義になっているということ、また災害の被災者間での公平性、こういったものをどう考えるのか、こういった点についてしっかりと議論をしていく必要があるというふうに考えております。
○奥村政佳君 今お答えをいただけませんでしたけれども、議論をしていく余地はあるということで、これからしっかりとその辺りも議論をしていきたいと思います。 更に付け加えまして、このような、今回のような大きな災害の場合、人的控除、つまり家族構成などによって変わる扶養控除、これが、今はまず人的控除を差し引いてから雑損控除を差し引くといったような手順で今手続をするというふうに思いますが、これやはり逆にするべきだと思います。まず最初に災害損失控除、最初にその災害に対する損失を差し引いてから、それから人的控除という順番が、いわゆる税金の考えからするとこちらの方が妥当性があると思います。 立憲民主党でもそういうふうにした方がいいのではないかという提案を差し上げているところでありますけれども、こちらについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) そうした話、税理士会の皆さん方などからもお話は頂戴しているところでございますが、所得税の計算に当たっては、まずは収入から必要経費を差し引いて所得を求めると。そしてその後に、世帯の実情に応じて担税力を調整するための人的控除や寄附金控除等のその他の所得控除を適用するという仕組みになっております。 災害による損失は、このうち必要経費に類似した性質を有するものとしてこれまで取り扱われてきているわけでございますので、先ほど委員からもお話がありました人的控除や他の所得控除よりも先に控除するという仕組みになっております。 仮に雑損控除を人的控除や他の所得控除より後に行うとした場合、例えばでありますが、ふるさと納税を含む寄附金控除を始めとする政策的に認められている所得控除もある中で、これらの政策的な所得控除の適用の有無によって雑損失の繰越額が異なる、こういったことも生じ得るわけでありますから、まさに公平性という観点から、現行の取扱いは一つの、先ほど申し上げた理屈の中ではつくられているものと承知をしております。 引き続き、先ほど申し上げましたような災害による納税者の御負担に配慮する観点から、先ほど申し上げた損失の繰越期間を従来の三年から五年などに延長する等必要な見直しを行ってきたところでございますけれども、今後とも、こうした声もいただきながら、税制全体のバランスも考えながら議論を深めさせていただきたいと思っています。
○奥村政佳君 ありがとうございます。 災害、本当に多発しておりますので、この辺りのサポートはしっかりしていくべきかと思います。 その次には保育の話に行きたいのですけれども、私は昨年四月まで保育士として、現場で八年、学生時代のアルバイトも入れると十年、保育現場におりました。保育補助、副担任、担任、主任ポジション、一通りの仕事はしてまいりましたけれども、最近、保育現場の虐待の話が本当に報道で多くて、胸が締め付けられる思いです。子供たちに対しても本当に申し訳ないですし、真面目にやっている保育士の先生、大多数であります。それも高くないお給料でやっております。そんな仲間の保育士がこのような報道を目にしたときに、本当に自分自身も胸が痛いですし、悔しいものがあると思います。もちろん、親御さんも不安になると思います。 午後にこの辺りの質問もしていきたいと思いますので、是非よろしくお願い申し上げます。 ありがとうございました。
○委員長(鶴保庸介君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 令和七年度総予算三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、石破内閣の基本姿勢に関する集中審議を行います。奥村政佳君。
○奥村政佳君 立憲民主・社民・無所属の奥村政佳です。 午前中に引き続きまして、午後は、昨年までおりました保育現場に関してお尋ねをしたいと思います。 委員の方には、今年に入って保育現場であった虐待の報道、資料四、お渡しをしてあります。 保育現場での虐待、本当にゆゆしき事態だと思うんですけれども、一方で、このような見出しの新聞記事もあります。二〇二三年三月二十九日毎日新聞、「「虐待したい保育士いない」 余裕のなさから生まれる負の連鎖」、同じく二〇二三年四月二十六日朝日新聞、「余裕のない保育園、リスクを背負う保育士 政策決定に現場感覚を」。自分のことをまだしっかりと伝えられない子供を取り巻く環境、本当にこれでいいのかと思います。 様々な報道を受けてどう思うか、そしてどうしていくべきだと思うか。本日も様々な答弁で、総理は何を聞いてもいろいろなエピソードが出てくるなと、すごいなと思っていたところですが、ただ、正直、余り保育に関しては聞いたことがないというところも正直なところです。この総理自身の思い、少し聞かせていただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(石破茂君) それは、保育士の方で虐待したい人なんていうのはいないと思っております。保育の現場が非常に厳しいことも承知をいたしております。保育士で登録している方は百七十九万人おられると。で、実際に現場に出ている人との差を見ると、約百十万人の潜在保育士がおられると。で、こういう方々の活用という言い方がいいかどうか分かりませんが、保育の現場に余裕というものを見出していかねばならぬと。子供はみんな天使なわけでもないし、保育士の方々もみんながそんな虐待をしたいわけではないが、やっぱりいろんな境遇の方もおられると思うんです。 私、厚生労働の仕事をやっておった頃に、潜在保育士というのは確か六十万人ぐらいだったと思う。今はそれが倍ぐらいの百十一万人になっている。こういう方々の、現場に出ていく、フレックスタイムみたいなものを活用して、保育の現場に余裕を持つことはできないか、そういうことを法改正も含めてこれから先お願いをしてまいりたいと思っております。
○奥村政佳君 前向きな答弁いただきました。 続きまして、資料五、パネルも用意をさせていただきました。 先ほどもお話ししましたように、虐待や保育事故はぎりぎりの人員配置による現場の余裕のなさから来ているというふうにも言われております。 以前にも三原大臣にもお伝えしましたけれども、私も、特に夕方の時間帯には本当に祈るような気持ちで保育をしていました、何事も起こってほしくない。その現場に余裕がない結果、今、保育士の志望者というのは減って保育士不足がより深刻になり、現場はますます疲弊し、これは本当に悪循環に陥っていると思います。これは、ある意味、不適切保育にもつながりやすいのかなと思っております。 そんな状況の中、昨年、少し明るいニュース、七十五年ぶり、七十六年ぶりに保育士の配置基準が改定されたということがありました。四、五歳児、今まで一人の保育士が三十人を見ていたところが、二十五人にしますというふうになりました。しかしながら、これまだ、保育士不足の中で現場の混乱を減らすためということで、経過措置中なんですね、完全になったわけではありません。 委員の皆様にはちょっと、お配りしている資料七、この今回の四、五歳児の経過期限、これ期限が決まってないんですよね。この現場の余裕のなさという話もありました。それを踏まえると、これ一刻も早く期限を決めてやっていくべきだと私は思うんですけれども、三原大臣、これいつまでにやりますでしょうか。
○国務大臣(三原じゅん子君) 保育の現場における虐待や事故、これはあってはならないということでありますけれども、そうした起きる背景として、保育士の現場で皆さんが余裕がないといった事情も指摘をされています。今委員おっしゃるとおり、未然に防止するというためにも、やはり保育士の皆さんの不安、負担というものを軽減することが本当に重要だなというふうに思っております。 そうしたために、保育の質の確保ということも留意しながら、園の中の事務処理、これを効率化するとか、そしてまた、保育士の皆さん、園であったり保育士の皆さん自身にしっかり寄り添って不安や悩みをサポートするといった巡回支援、こういうことにもしっかり取り組んでまいりたいというふうに思っております。 そして、今委員お尋ねの保育士の配置基準につきまして、こども未来戦略に基づいて、令和六年度より、四、五歳児の職員配置三十対一から二十五対一へ改善した施設に加算を設けた上で、最低基準見直したというところでございます。 この配置基準におきましては、保育の人材不足の状況に鑑みて、当分の間、従前の基準により運営することも妨げないという経過措置、これを設けさせていただきました。この措置の終了時期につきましては、加算の取得等による配置基準の状況を踏まえつつ、何より重要なのが現場が混乱しないようにということだと思います、そうしたことに配慮しながら検討をしていきたいというふうに考えております。
○奥村政佳君 まさにおっしゃるように、その現場の混乱を防ぐというのも本当に大切だと思うんです。 しかしながら、やっぱり現場、人手不足で余裕がないというところを是正していくというものでありますから、やはりこれは、ある程度こちらの方でしっかりと、この時期までにということはしっかりと伝えた方がいいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(三原じゅん子君) この最低基準として法令上定めているものであり、仮に経過措置終了させた場合、基準に満たすことができない保育所は運営を継続することが困難になってしまうということになります。この経過措置の終了時期につきましては、保育所に通う子供に対してこれ継続して保育を、保育の場を提供するということ、こういう観点から慎重に検討していきたいと思います。 今、九四・四%という数字になっております。この残りの五%をどう考えるかということだと思いますけれども、これはやはり園の運営継続、そして保育の場をしっかり提供するという観点から、また検討させていただきたいというふうに考えております。
○奥村政佳君 四、五歳児なので、例えば四歳児クラスがクリアしたら持ち上がって一年、まあそんなに猶予設けなくてもいいと思うんですね。しっかりとこの辺は議論を進めてほしいと思います。 同じような問題がもう一つあるんですね。資料六、パネルも用意しました。こちらは待ったなしの問題であります。 一歳児のクラスもいよいよ保育士の配置基準が改善されて保育の質が上がりますと言いたいところなんですけれども、こちらも実質、経過措置となっています。実際には、先ほども三原大臣おっしゃったように、保育士不足、人材確保ができない、改善できたらその分手当てしますよとなっているんですけれども、給食を喉に詰まらせたりする事故が多いのは一歳児です。これ一刻も早く手厚くすべきなんですね。 ただ問題は、今回、その加算の条件です。パネルにもありますが、それが(3)なんですね。幾つか条件がある中で、施設、事業所の職員の平均経験年数が十年以上になるようにしている施設には加算をしますよと。でも、これ私、年末にこども家庭庁さん説明しに来てくださって、見た瞬間に、これは余りにも筋が悪過ぎると、もうすぐにメモを渡したぐらい、これは保育現場から見たら矛盾だらけの条件です。 すぐに保育関係者にも独自にヒアリングをして、立憲民主党内の子ども部会の先輩にも説明をして、要請文を作って、この条件は撤回すべきだと、二月頭、我が党で緊急要請をまとめて持っていきました。その日、三原大臣は都合が合わず、政務官に対応をしていただいたのですが、残念ながら、その場ではゼロ回答でした。 でも、その後もいろいろなところで声が上がっているのは大臣も御存じだと思います。現に、三月四日に開催された第九回子ども・子育て支援等分科会でも、専門家から多くの声が上がっていました。 そもそもこれ、今取っている保育士確保の政策に逆行をしていると思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。これ撤廃しませんか。
○国務大臣(三原じゅん子君) 先月、御党の子ども政策部門の皆様から、この配置に関する加算措置の条件緩和、緊急要請いただきました。 御指摘の一歳児の配置基準、配置改善は、これ、三歳児や四、五歳児の配置改善より、より多くの人材が必要となるため、まずは、基準の見直しではなく、保育の質の向上、職場環境、処遇改善、この三つの観点から一定の要件を満たす事業所への加算措置による対応等を進めているものでございます。 一定の要件のうち、平均経験年数十年以上の要件につきましては、これ、保育事業所の平均経験年数がおおむね十一年であるということも踏まえて、それよりも低く設定をさせていただいたというところでございます。一歳児の配置改善は五十数年ぶりでありますので、まずはこの形で令和七年度から一歳児の配置改善加算を着実に実施して、そして保育現場における職員配置の改善、進めてまいりたいと思います。 その上で、本要件の在り方については、加算の取得や実際の配置の状況等を踏まえて考えてまいりたいと思っております。
○奥村政佳君 資料八、パネルを御覧ください。ちょっと今のに反論をしたいと思います。 主に先進国が加盟している国際機関OECDの出している乳幼児の教育の、乳幼児教育、保育の質に関する研究書から引用した表を訳しました。 この表を見ていただくと、そもそもですが、保育士の経験年数が保育に良い影響をもたらすかというのは分からないとされているんですね。むしろ、配置基準を改善したり研修に行けるような体制を整えることが保育の質にプラスになると。これ、先ほど平均経験年数の話おっしゃっていましたけれども、これエビデンスに基づかない措置だと思うんですね。 この保育現場の実態や、このエビデンスに基づかない勤務経験年数よりも、人を増やすことを先に考えるべきと思いますが、三原大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(三原じゅん子君) 先ほど来お話しさせていただいておりますように、やはり多くの保育人材が必要であり、その確保が課題となる中では、まず保育の質の向上の観点、人材不足の中で持続可能な改善を図るために、職員の処遇改善、職場環境改善を進めている施設を対象として措置することとしたものであります。 全体の保育士の方の数というのが限られる中で、現場の混乱を防ぐということも私は大切だと思いますし、また、様々な意見があると思います、委員御指摘のようにですね。そうした御意見もあると同時に、もちろん、若くても優秀な方、当然いらっしゃいます。そして、ベテランでいろいろな研修を多く重ねている経験豊富な方もいらっしゃいます。そうした中で、私どもは、やはり質の向上、人材確保というものを喫緊の課題として、こうした設定で行わせていただきたいというふうに思っております。
○奥村政佳君 質の向上という話を何回もされていますけれども、やはりこれ、しっかりとエビデンスを見てやった方がいいと思うんですね。 先ほど総理もおっしゃいました、潜在保育士たくさんいます。この(3)の要件があると、現場、逆に混乱するんですよ。じゃ、保育士やりたいですと入ってきても、あなたが入ってきたらこの保育所、平均経験年数が十年下回ってしまうのでちょっとお断りしますとか、これ、新しく職員募集するときにも、いろいろ計算すると、三年以上かな、五年以上かな、いや、新人無理だな、そういうことが起こってしまうんですね。それも踏まえて、これやっぱりおかしいと思います。 まだ今、三月の十日ですよね。ぎりぎり新年度、何とか今日決断すると運用間に合うと思うんですけれども、もう一度お願いします。もう総理でも構いません。
○国務大臣(三原じゅん子君) 繰り返しで恐縮ですが、委員がおっしゃるように様々な考え方があると思います。しかしながら、まずはこの形で、令和七年度からこの加算という形で着実に実施して、その実施状況を見て配置の状況等を検討してまいりたいと思います。
○奥村政佳君 高額療養費の件もあります。予算も修正するという話もあります。そして、先ほども述べたように、有識者の中でも、これはおかしいよねという話がたくさんあります。それをしっかりと受け止めていただいて、総理も御認識いただいて、この要件に関しては、本当、逆に現場が混乱しますから、しっかりと現場の声聞いてくださりますようにお願いを申し上げたいと思います。 ちょっと時間がないので次の方に行きたいと思いますが、資料九、パネルにも用意しましたが、この深刻な保育士不足というのは相変わらずでございます。 保育士の求人倍率の推移ですね、一時期良くなるかなと思ったんですけど、また最近、保育士不足の傾向が進んでおります。最新の数字は三・五倍ということで、例えば、一つの保育園で一月ぐらいに新しく三人保育士を募集しましょうといっても、ここに一人来るかどうかといったような状態がずっと続いています。ぎりぎりの状態で続けざるを得ません。 学校の教員というのは、今、採用倍率が二倍、三倍切った、どうしよう、質がという話がありますけれども、採用倍率とこの有効求人倍率は逆数の関係でありますので、採用倍率でいうと〇・三倍なんですね。希望者が多い場合にはそこから選抜するということができますけれども、保育士は逆なんです。一人しか、三人募集して一人しか来ないので、これ自動的に採用です。このような状況というのは、想像していただければ分かると思いますけれども、保育の質にも大きく影響をしてきます。 委員の皆様には、資料十一。 はじめの百か月の育ちビジョン、これ閣議決定をされました。これを策定された玉川大学の教育学部教授大豆生田啓友先生も、これからも保育の場はとても大事になると思います、小さい年齢から長時間を保育の場で過ごすわけです、その子供がまさに未来を担う存在となります、そこで良質な保育を受けられることは、今、子供たちが幸せということに加えて、この国や社会の未来につながります、保育士はそういう大事な仕事を日々されているんだということを社会全体で理解して、保育士へのリスペクトということがもっと進むといいなと思っていますというふうに述べています。まさにそうなんですね。 これ、テレビ見られている方も、なかなか保育士の仕事、ひょっとすると、子供と遊んでいると思っている方がまだいらっしゃるかもしれない。しかし、大きく昔からは変わってきました。今は保護者支援も一つの大きな仕事です。これ、お迎えにいらっしゃるタイミングを見計らって日常的にコミュニケーションを親御さんと取って、そして、保育所は教科書ありませんからね、本当に様々な環境で、本当、個人個人のスキルに頼るところが多いわけです。経験で毎日子供と接するわけです。トイレトレーニング、箸の上げ下ろし、小学校に上がる準備もする。一方で、土曜出勤、保育所自体に長期休暇もありません。春休み、夏休み、冬休み、ありません。今時期は、卒園式の準備、新年度の準備。三月三十一日の夜は大変です。夜、最後の子供が帰ってから、夜を徹して次の朝までに次のクラスの準備をします。そんな状態なんですね。 ただ、幸せを感じることもあります。やりがいもあります。だから続けられているんです。でも、これにも限界があります。公定価格、一応上がっています。でも、結果が出ていません。そして、相変わらず全職種の平均賃金には届いていません。本当にこのやりがい搾取、これもう、そろそろやめませんか。 じゃ、一方で、保育所の経営に何が負担になっているのか。人件費、正確にはこの人材獲得に対する業者の手数料なんですね。厚生労働省からデータが手に入るここ十年のデータを並べてみました。委員の皆様にはそのままの数字も渡してあります、資料十二です。パネル六枚目をお願いします。 これ、よく有料職業紹介事業所である医師や看護師、介護、教育、一般事務、並べてみました。平成二十六年を一〇〇にして並べてみると、保育士、十年前の約二十倍なんですね。まあ求職なので、あくまでもこれからマッチングなんですけれども、しかしながら、保育士、働いている保育士、今全国で六十数万人ですので、すごい割合です、二十数万件。マッチングすると、これ大体、手数料今三〇%ぐらいだそうです。三百数十万円、年収三百数十万円の保育士とすると百万円、これを保育所が支払います。もちろん、保育士は一人ではないので、園によっては数人、この手数料が今保育所の負担になっているんですね。 NHK、二〇二二年の記事ですけれども、資料十四、手数料が重いと七割の保育所が答えている。 手数料の負担は当然保育所の経営を圧迫します。公定価格がアップしても、保育園の方にお金が流れても、これ栓が抜けている状態なんですよ。保育士には反映されにくいということになります。これに関してどう思われますでしょうか。
○国務大臣(三原じゅん子君) 御指摘のとおり、保育士の確保に当たり、多くの保育所が有料職業紹介事業所、事業者を活用されているというふうに認識をしております。 そして、この有料職業紹介事業者の紹介手数料をめぐる課題につきましては、所管する厚生労働省におきましても、お祝い金、転職勧奨禁止の実効性確保や、職種ごとの紹介手数料実績の見える化、丁寧なマッチングを行う事業者を認定する適正事業者認定制度の取組等、保育分野も含めて様々な取組を実施していると承知をしております。 こども家庭庁としても、人材紹介業を所管する厚生労働省と連名して、この保育事業者が有料職業紹介事業者を利用する際の留意点や注意事項の周知、こうしたものを行ったところでございます。 その上で、保育事業者がこうした問題に直面する原因には、やはり保育分野における人材確保の困難さというのが挙げられて、保育所の人材確保や潜在保育士の再就職に係る公的な支援、これを強化することが重要だというふうに考えております。 先週閣議決定をいたしました児童福祉法等の一部を改正する法律案、こちらにおきまして、保育士・保育所支援センター、これを法定化し、保育士の職業紹介や職業復帰に向けた研修等の提供、またマッチングした保育士の就労環境を整備するための支援や助言など、保育人材の確保に向けて事業者に対する伴走的な支援、取り組むこと、盛り込んでおりますので、保育の人材確保に向け、支援、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○奥村政佳君 今、保育士・保育所支援センターの話出てきましたけれども、これ質問しようと思っていたんですけど、こちらで調べたので、このまま申し上げます。 今、全国で七十五か所あります。令和五年度、マッチングの実績四千五百九十七件、一か所年間六十人なんですね。一週間に大体一か所のセンターで一人ぐらいですよ。これちょっと本当に焼け石に水で、これじゃとても間に合わないと思いますし、費用対効果も計算してほしいと思いますし、これもっとしっかりとやらないと抜本的には解決しないと思います。 総理、これ、この悪循環を断ち切らないと駄目なんですよ。抜本的に保育士の待遇を上げる工夫をするのか。保育士をもっと大切にしてほしいと思います。パートの先生も時給が低かったりします。昔、学校教員が同じく不足した一九七四年、時の田中角栄内閣が教育人材確保法を制定して、一気に待遇にてこを入れました。その方法なのか、それとも手数料なのか、国がはたまたこの手数料を支える仕組みをつくるのか、御党では手数料の上限規制の議論も昔はあったようです、両方やるのか。 総理、しっかりとこれ人手不足と保育士離職の悪循環を断ち切って保育の質を上げる環境を整える、これ、地方創生、女性活躍、その面でもしっかりとリーダーシップを取っていただきたいんですけれども、決意、是非よろしくお願いします。
○内閣総理大臣(石破茂君) 保育士などにつきまして、令和六年度補正予算で一〇%を上回る大幅な処遇改善を実施したところでございます。 令和七年度予算案でもこれを反映しておりまして、仮にそれぞれの現場でこの水準の賃上げが行われました場合には、平均賃金を用いて機械的に計算をすると三万円を超える改善になるというふうに私どもとしては考えております。これを含めまして、平成二十五年度以降では累計で約三四%の改善ということは行われてきておるわけでございます。 保育の質の向上や現場の負担軽減のため、四、五歳児、一歳児の職員配置の改善も行っておるところでございます。あるいは、保育現場にICTを導入する、保育補助者などの配置を推進する、巡回支援などによる保育士へのサポートの充実を行う、潜在保育士のマッチング支援等に取り組むということでございます。 先ほど大臣が答弁申し上げましたが、今国会に、三月七日でございますが、児童福祉法等の改正法案を提出をさせていただいておるところでございます。これを活用いたしまして、何とか今おっしゃっておられる悪循環を断ち切りたいというふうに思っております。 先ほども答弁いたしましたが、保育士のライセンスを持っておられる方百七十九万人、現場に出ておられる方六十八万人と、単純計算しますと潜在保育士の方って百十一万人おられるわけでございまして、保育士・保育所支援センター、これを法律にきちんと位置付けるということでマッチングを図ってまいりたいと思います。この実効性を上げていくためにこういうことが必要だ、ああいうことをやるべきだということを、知見をお持ちの奥村委員にまた御指摘をいただいて、この法律改正が実効性上がるようにしてまいりたいと思っておるところでございます。 なお、この改正案には虐待防止の項目も入っておりますので、この実効性の確保につきましてもまた御指摘を賜れば幸いでございます。
○奥村政佳君 議論に入れていただけるということなので、本当にしっかりとやっていきたいと思います。 今、一〇%上げたとおっしゃいましたけれども、先ほども申し上げたように栓が抜けているんですよ。そこをどう閉じていくかということも本当に大切ですし、抜本的に悪循環を断ち切るにはもう本当に思い切った政策が必要ですし、それは日本の子供の未来に懸かっていますから、是非よろしくお願いします。 ちょっと時間がないので次に行きたいと思います。次は、大学研究者の雇い止め問題です。パネルも用意しました。資料十五です。 大学や研究機関で働く有期雇用の研究者の雇い止めが続いている可能性が明らかになりました。雇い止めは望ましくないと文科省は通知を出していますが、実際に起こっているんですね。アカデミアでは、日本神経科学学会将来計画委員会を中心に進められた大規模アンケート調査でも数字としてはっきり出ております。回答者二千四百六十五名のうち四四%程度の人が、本人若しくは周囲の任期付研究者で雇い止めに遭う予定の人がいると回答しています。業績を残してきたのに使い捨てだ、もう疲れた、研究職の魅力を無意味に下げている。このまま何もしなければ、これまで日本の研究力を支えてきた特に優秀な中堅のこれからといった研究者がいなくなる危機です。 今年度、来年度も雇い止めの研究者が想定をされています。ひとまずとしてでも、相次いでいる雇い止め研究者への何らかの救済措置は一刻も早く必要な状況ですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(あべ俊子君) 委員にお答えいたします。 有期労働契約の更新によりまして研究者の雇用期間十年を超えますといわゆる無期転換できるルール適用を逃れる意図を持って、大学や研究機関、いわゆる雇い止めを行うことは、労働契約法の趣旨に照らして望ましくないと考えています。 いわゆる雇い止めには様々な原因がございますが、大学や研究機関におきましては、社会ニーズを踏まえて柔軟に研究を行うために積極的に有期労働契約を実施している側面もあるところでございまして、これまで大学や研究機関における研究者の雇用管理者につきまして実態把握の調査を行いながら、また各機関の適切な対応を促してまいりました。最新の調査では、先生御存じのように、令和五年度中に通算雇用契約期間が十年を迎えることになっていた研究者の、研究者七千百六名のうち八六%以上が実は雇用を継続いたしました。しかしながら、この七百五十七人のうち次の雇用が決まっている方が実は二百五十九人おりまして、文部科学省といたしましては引き続き研究者の流動性と安定的な研究環境の確保に両立をしっかり図ってまいります。 以上です。
○奥村政佳君 大臣が幾ら望ましくないと言っても、起こっているわけですよ、今ね。なので、しっかりとそこはやってくださいということです。 なぜこのようなことが起きているのかということで、パネルを用意しました。資料十六。 この大学の運営交付金、これが減っているという実態があるんですね。特に基幹経費の部分です。常勤職員の教員の人事は凍結、そして後任も雇えないという状況、これは雇い止めとも密接な関係があります。さらに、教育に掛ける経費の減少。私がいた気象分野、実験や観測には技術職員も必要なわけです。今、日本発の有力論文の発信数は減少の一途をたどり、日本の研究力は低下していると言わざるをこれ得ません。 文部科学省はこれまで概算要求で運営費交付金の増額を繰り返し求めてきたということですけれども、二〇一八年以降、この要求は認められていません。そして、減額をされているということでございます。しかしながら、国立大学法人に期待される機能、役割としては、我が国最大かつ最先端の知のインフラとしての国立大学なんですよ。最大かつ最先端の知のインフラ、これが、知的資源を最大限活用することで社会変革の原動力として寄与することが求められているにもかかわらず、そこが今割を食っていると。本当に今現場では、先ほど雇い止めの話もありましたけれども、もう一億円減らされたら先生十人切らなきゃいけないんですよ。そういう状況です。 これ、これこそ、今こそリーダーシップを総理発揮していただいて、国立大学等運営費交付金の基幹経費、特にここです、基幹経費の増額求めます。いかがでしょうか。
○国務大臣(あべ俊子君) 失礼いたしました。 委員にお答えした先ほどの雇用のところの母数が八千二百三十でありましたことを修正いたします。 それに、今回の質問にお答えさせていただきますと、骨太方針二〇二四を踏まえまして、令和七年度当初予算におきましては運営費交付金を一兆七百八十四億円計上するとともに、先般の補正予算におきまして、設備の更新として約一・五倍となる百八十億円を確保しているところでございまして、文部科学省としては、大学の実情を把握しながら、めり張りのある支援と各大学の多様な財源確保の工夫も促していきながら、各大学が安定的で継続的な人材の育成、教育研究を実施できるよう、運営費交付金について骨太の方針への反映も含めましてしっかり確保するよう努めてまいります。
○奥村政佳君 よく競争的資金が入ったりという話をされるんですけれども、これ、理系じゃない大学とか教育系の大学とか、なかなか取れないですよ。しっかりと基礎研究であるとか、この日本の未来を支えるこの基礎の基礎をしっかりとよろしくお願いします。これは総理も是非共有していただければと思います。大学、ピンチです。 それでは、最後の質問に移りたいと思います。ちょっと順番を入れ替えまして、防災担当大臣に来ていただいております。防災庁構想にも関連した質問です。 防災情報の発信に関しては、現在、多くは気象庁が行っています。気象警報、津波警報、緊急地震速報、インフラも気象庁が持っていると思いますけれども、これ、防災庁ができた場合にはどのような関係になるんでしょうか。同じようなことを違う省庁が発信したり取り組んだりして、今も少し無駄かなと思うことがあるんですよね。初めて南海トラフ地震臨時情報が出たときも僕見ていましたけれども、内閣府と気象庁、正直うまく連携できているように見えませんでした。 この辺りも踏まえ、防災庁と気象庁はその辺りも踏まえて、今後、特に防災情報に関して組織がどうあるべきかということを、これ大臣、担当大臣、お答えください。
○国務大臣(赤澤亮正君) 今後発生が予想される南海トラフ巨大地震や、気候変動などに伴う風水害の激甚化、頻発化など大規模自然災害が懸念される中で、人命、人権最優先の観点から少しでも人的被害を減らすことができるように、国民一人一人の適切な避難行動や自治体や企業の対応につながる防災情報の発信を強化していくことが重要である問題意識は完全に共有をいたします。 そのために、これまでも、委員御指摘の気象庁は、もうかなり研究開発にも、デジタルとかも含めて大変な投資をやり、実績を上げてきていまして、例えば線状降水帯などの豪雨の予測精度、これ着々と上がっています。少しでも早く予報を出せると避難ができるということで、研究の進展などを踏まえて防災情報の高度化に取り組んでいくことが重要だと考えています。 そういう意味では、内閣府防災や気象庁、研究開発やっている機関が協力をして発信の質を高め、量もしっかり上げていく、取り組んでいるところであります。 あわせて、情報の受け手の側の正常性バイアスの問題もありまして、それに陥ることなく適切な避難行動を取っていただけるように、平時からの防災教育、啓発に取り組んでいく必要があります。これは防災庁のかなりメインの課題で、まだまだ十分できていないというふうに思っております。 このような施策も含め、防災業務の企画立案に係る総合調整担い、政府の災害対応の司令塔となるのが、令和八年度中の設置を予定している……
○委員長(鶴保庸介君) 大臣、時間が来ておりますので、コンパクトにお願いします。
○国務大臣(赤澤亮正君) はい、防災庁であり、その組織は、現在、内閣府防災担当を発展的に改組することを念頭にしてやっております。 こういった取組、防災庁を中核に、しっかり防災情報の発信を含む各種災害対策、一層効果的、効率的に進めていくことができるよう、準備を加速してまいりたいと考えております。
○奥村政佳君 質問を終わります。どうもありがとうございました。
○委員長(鶴保庸介君) 以上で奥村政佳君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) 次に、高橋光男君の質疑を行います。高橋光男君。
○高橋光男君 公明党の高橋光男でございます。 本日は質問の機会をいただきありがとうございます。 まず、総理にお伺いします。 国民の命に関わる高額療養費の引上げ見送りについてお尋ねします。 公明党は、今年一月に会合を開いて患者団体からお話を伺い、その結果を西田幹事長が自民党の森山幹事長に働きかけて、与党として、まず多数回該当を据え置く予算修正を行いました。その後も公明党は患者の方々との連携を続け、その結果、自公立の協議において多数回該当の判定基準を維持するとともに、斉藤代表からも事あるごとに総理に声をお届けしてまいりました。さらに、参議院の審議におきましても、国民の声を丁寧に酌み取ることを訴え、この度、再度改めていただいたことを評価いたします。 そこで、今回の高額療養費見直しの見送りの理由、一連の意思決定を振り返って率直なお気持ち、今後の検討に臨む姿勢をお聞かせください。
○内閣総理大臣(石破茂君) 先般、当委員会において谷合委員からも御指摘をいただきました。また、斉藤代表からも、折に触れてこの問題についての御指摘を賜っておるところでございます。 先週の金曜日に、患者団体の皆様方から直接お話を丁寧に承る機会を得ました。また、アンケート結果も頂戴をいたしました。 私として、この制度の持続可能性は何としても維持をしなければならないし、保険者の方々の負担というものも当然考えなければいけないと思っておりますが、一番この問題について心を痛めておられる、心配しておられる患者の方お一人お一人の共感と納得が得られないままにこの制度の改定というものを進めるということはあってはならないというふうに判断をいたして、このような決断に至ったものでございます。八月の定率改定も含めまして、見直し全体について実施を見合わせるということでございます。 本年の秋までに改めて方針を検討し決定するということでございますが、この制度が患者の方々お一人お一人に不安を与えることがないように、そして、この制度はずっと続いていかねばならぬものでございますから、この制度の持続可能性を維持しますためにも、午前中の質疑でもお答えをしましたが、できるだけ丁寧に患者の方々の御意見を聞く、そして、まだこの議論が十分ではないと思っておりますが、保険者の方々の意見というものもきちんと聞いて、丁寧に丁寧にやってまいる所存でございます。
○高橋光男君 率直な御答弁ありがとうございました。 公明党としましても、これまでも、そしてこれからも一貫して、患者の皆様、当事者の皆様のお声を聞いて政策反映に努めてまいる所存でございます。 続きまして、国民の命を守ること、また暮らしを守ること、同時に、基となる産業を守っていくこと、そして、困難を抱える人々に寄り添い、誰もが輝く社会を築くことは、政治の使命と責任と確信をいたします。 そのために、私は今日は、日本の縮図と言われる地元兵庫の現場で伺ってきたお声を基に、順に質問をさせていただきます。 なお、時間限られておりますので、なるべくコンパクトに的確な御答弁をよろしくお願いいたします。 改めまして、この度の大船渡で起こりました大規模山林火災により被害を受けられた住民の皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。そして、鎮火に当たられた関係者の皆様にも感謝を申し上げたいと思います。 昨今の気候変動によりまして、山林火災の頻度また規模が増えております。国民生活を守るためには、今回のような事態は何としても再発を防止していかなければなりません。 火災では初期消火が大変重要でございます。しかしながら、地上からでは限界がございます。日本では主にヘリコプターに頼っておりますけれども、空中消火能力を強化していくことが急務でございます。今回の火災を機に、海外では主流となっている消防飛行艇の導入を今こそ進めるべきです。 そこで、パネル一を御覧ください。(資料提示) 日本におきましても、救難飛行艇US2を改造した消防飛行艇の可能性が検討されてきました。歴史は古く、一九七〇年代、私生まれる前からですけれども始まっておりまして、タンクの開発や効果的な放水方法の確立など基本的な技術開発は完了しております。その性能も確認されております。残るは、一番右にございますように、実機の確保のみです。 そこで、総理にお尋ねいたします。 先日の予算委員会で我が党谷合議員の質問に対し、US2を消防飛行艇にするには一機当たり二百八十億円、維持費は年間十億円との御答弁がございました。しかしながら、実際、同様の火災が生じた場合の損失額、また自然環境やふるさとの風景、こうしたものは金額に代えられないものだと私は思います。そうした価値に注目して、私は消防飛行艇の整備を早急に進めるべきだと考えます。 是非、防衛省や関係省庁の予算を確保していただいて、消防飛行艇を早急に配備し、全国の山林火災に提供、対応できる体制を構築していただきたいと思いますけれども、よろしくお願いいたします。
○内閣総理大臣(石破茂君) 先般も谷合委員にお答えをいたしましたが、このUS2を使うということになりますと、かなり維持費も掛かると。でも、委員御案内のとおり、このUS2という飛行機は六機しかございませんのですね、今。で、最新鋭機が令和四年の五月に就役をしておるところでございますが、今六機ということでございます。最新鋭機、一機二百十八億いたしました。そうすると、本当にこの飛行艇でなければならないのかという議論もしていかねばならないと思っております。 これ、防衛施設庁に研究するように防衛大臣を通じてお願いをしておるところでございますが、じゃ、C130だったらどうなるんだと。つまり、飛行艇でなければならないというのは、近くに湖沼があるとか、あるいは海があるとかというときは飛行艇の有用性がございますが、別にその飛行艇でなくても、C130にタンクを積んで、水プラス消火液を混ぜて散布をしたらどうなるのか。これ、委員が御指摘になりましたように、海外では固定翼機による消防、消火というものが行われているわけでございまして、この検討を早急に行って、こういうような被害の発生、あるいは人々のなりわい、あるいは安らぎみたいなものを確保するために、この検討は急いでまいります。
○高橋光男君 御指摘のとおりでして、私もメーカーからお伺いしております。これから一号機が退役し、これからさらに二号機も予定をされていると。それは新たに造る救難飛行艇の方に部品等を活用するというふうにお伺いしております。しかしながら、残りのその部品等以外のところはスクラップにするわけでございますし、そうしたことをするぐらいならば、ほかの用途はあるのではないかと。 あと、散水能力も、ヘリコプターよりも消防飛行艇の方が三倍ぐらいあるというようなこともございますし、また、我が国としてこうしたものを、優れた飛行艇を整備すれば、国際防災協力にも活用することができるという、そうしたメリットもあると思いますので、是非真剣な御検討をよろしくお願いいたします。 続きまして、米の適正価格と安定供給についてお伺いします。 主食である米の品不足を二度と繰り返してはなりません。そして、物価高の今、米の高騰により国民に負担を掛け続けてはなりません。私はその決意に立って、昨年夏の騒動を受けた九月、農水政務官として、今回実施された備蓄米の活用につながる新たな仕組みを提案させていただき、本日いよいよ入札が始まりました。これにより、米が店頭からなくならないようにすること、かつ、価格がある程度目に見えて下がるようにしなければなりません。 そこで、まず江藤農水大臣にお尋ねいたします。 今回の備蓄米、集荷業者から卸売事業者への販売価格が高過ぎれば、小売価格は当然高止まりしたままになります。一方で、低過ぎても米価の急落を招きかねません。そこで、現場からは、両者が適正な相対取引価格で取引できるよう、備蓄米の販売価格の下限は令和六年産米の当初引上げ分を含む概算金レベル、つまり六十キロ当たり一万七千円程度、上限は追加引上げ分を含む概算金二万円の間が適正水準ではないかというお声をいただいております。 この点、公正な入札のため、お答えしにくい点はあろうかというふうに思いますが、政府の御見解をお願いします。
○国務大臣(江藤拓君) 高橋委員におかれましては、政務官のときに先立って行政の中で備蓄米の活用はいかがかという提案をされたことについてはよく存じ上げておりますが、今それに至っているわけでありますから、そのときの判断、そのときの判断でどれが正しかったかとは言いませんけれども、敬意を表させていただきたいと思います。 この売渡しにつきましては、いわゆる売渡し予定価格は設定してあります。これ最低価格ですね、これから下では駄目ですよと。そして、上については、必要以上におっしゃるように値段が高くなってしまうと政策目標と外れてしまいますので。ですから、年間の集荷数量の実績を基に申込みの上限数量を設定してあります。 ですから、この値段で、今具体的な数字を言われましたけれども、それが正しいとか正しくないというのは私から申し上げられないんですが、基本的には財政法という法律がありますし、それから予算決算及び会計令、これに基づいて売出し価格については設定をしておりますので、そのような懸念を持たれるような価格帯にはならないのではないか、でも、あくまで入札ですから正直一抹の不安はありますけれども、そう思っております。
○高橋光男君 ありがとうございます。 一方で、現場からは、品薄感がもう既に出ていますと。追加の備蓄米を求めるお声、その規模と時期を明確にしてほしいとのお声、地域ごとに偏らないようにしてほしいとのお声、卸売から全く情報がなく困っているといったお声をいただいております。 まずは今回の効果を見極める必要があろうかと思いますけれども、是非政府として要すればちゅうちょなく追加で備蓄米を出していただきたい、情報も行き届くようにしていただきたい、このように御対応いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(江藤拓君) 今後、備蓄米がこのような事態に対応することが、できればないことがベストだと思っております。しかし、このような事態がもし起これば同様に対応することはあり得るんだろうと思います。 ただ、改めて申し上げますが、この備蓄米とはという、米穀の備蓄とはですね、三条の第二項ですが、米穀の生産量の減少により、生産量の減少により供給が不足する事態に備え、必要な数量の米穀を在庫として保有することをいうと、これが備蓄米の趣旨ですから、これから外れることは余りやってはいけないんだろうと思います。 売渡しについても、農林水産省令の方でもありますけれども、これ二十九条ですが、様々な法律に照らして、正しいか正しくないかは常にやはり検証していかなきゃなりません。ただ、今回は余りにもイレギュラーな事態でありますので特例的に売渡しをしたということでありますから、御理解いただければと思います。
○高橋光男君 私申し上げたように、お米を届けることも大事ですけど、情報もしっかりと、農水省には、今何が起きていて、それのためにどのようなことが今後起きるのかということについてしっかりと御説明をお願いしたいと思います。 続いて、総理にお尋ねをいたします。 国民が期待する現行価格の低下と生産者にとっても再生産可能な価格としていくことを両立させていくことが極めて重要だと思います。このバランスをどう図っていくのか、具体を示すために図を用意しました。パネルを御覧ください。 これは玄米一キロ当たりのコスト構造と価格を示したものでございます。比較のため令和四年産の全国平均段階別コストを一番左に示しております。生産の部分が一キロ約二百三十二円、マージンが赤で書いていますようにマイナス三十・七円と記しておりますが、一キロ当たり三十円の赤字があるということです。 次に、真ん中にございます昨年、令和六年産の概算金の二つのグラフを御覧ください。一キログラム当たり二百八十三円、追加引上げ分込みで三百二十五円、これは農家が米を出荷する際に集荷業者から前払として支払われる金額です。そして、実際に集荷業者と卸売業者と取引する際の相対取引価格でございますが、最近はキロ四百円になっております。これは令和四年産が約二百三十円、令和五年産までの十年間の平均額が二百三十八円でございましたので、これらに比べると高い水準になっていることが分かります。 一方、現在、店頭価格は、先ほど午前中にもございましたように、五キロ四千円を優に超えております。これは、一番右にございますスポット価格、すなわち卸売間で少量の米を即時に取引する際の価格でございますけれども、現在、キロ、何と約八百八十円となっておりまして、これを反映したものと見られます。小売段階ではそれ以上になっていることが実態かと思われます。 大事なことは、これだけ高く売られていても、農家には必ずしもその分が還元されていないということです。そして、農家さんの立場からは、従来の集荷業者に出荷せずに、高い値段を持ちかけられる新手の事業者などに販売をしてしまうと。やむを得ないことだと私は思います。なぜなら、これまでも今お示ししたように赤字が続いてきたわけでございますので。そして、消費者は高額な米を買わざるを得ないという状況が続いてしまっているわけでございます。 総理、こうした事態を一刻も早く改善し、国として米の価格と供給の安定化を両立させるべきです。いかがでしょうか。
○国務大臣(江藤拓君) おっしゃるとおりだと思っております。 やはり、農林水産省そして政府は、国民に安心で安定的に食料を供給する義務、これを負っております。それが農林水産省の存在意義でもあります。ですから、今回、米のこの騒動は我々にとっても大問題であります。 ですから、現代の価格低下、これがどのような影響をもたらすのか。生産現場にとっては安く売っているはずなのに、スーパーの店頭に行くとどえらい値段で売られているというのは、非常に農家の方々にとってもフラストレーションがあります。ただ、その一方で、この高い値段の価格形成が市場でなされているということであれば、今年のいわゆる概算金それから精算金については大いに期待ができるんじゃないかという声も片方であるわけであります。 先ほどの御質問と重なりますが、売出し価格それから買戻しの価格、これもしっかりコントロールしませんと、消費者にとってだけいいその水準ということではなくて、そして生産者の方々にとっても、再生産だけではなくて、意欲を持ってまた米を作っていこうという価格帯に是非持っていこうというふうに思っておりますので。 基本的には、あらゆるものの価格は国がコントロールするというのは正しくはないので、あらゆるものの値段は市場で決まるというのが大原則ですから、その原則を守りながら、国民の食の安全、食へのアクセスを維持するために努力してまいりたいと思います。
○高橋光男君 ありがとうございます。 私、価格を政府がコントロールすべきだとは思っておりません。一方で、持続可能な生産のために、米の適正な価格基準は何なのかと、どの辺りにあるのかということを私は明確にすること、これは別の話としてできるのではないかと思っております。それが今求められているのではないかと思っております。 先ほど説明はいたしませんでしたが、こちらのパネルにございますように、国産米が今、輸入米のキロ四百五十円、これを大きく上回っているのが実態なんですね。こうした状況が続けば、日本の主食たる米が本当になくなってしまいかねないことを私は懸念をいたしております。 消費者にもこうした状況を御理解していただいた上で、納得する価格で流通できるようにすること、それが、このパネルの青囲みで示させていただいたように、この度の改正基本法第二条五項にございます合理的な配慮に努めること、これは生産者から消費者に至る食料システム全体で配慮していかなければいけないことだということでございますけれども、そうした価格基準を示していくことが私はすごく大事なのではないかというふうに考えております。 是非、そのためにも、全国の生産コストの見える化、これを図っていただくとともに、場合によっては公正取引委員会の関与も得まして不当価格による取引を抑制していくこと、またそして生産条件が不利なところには補填措置、特に中山間地域の農家には直接支払の強化や、また輸出に意欲的に取り組む事業者への支援を強化していただき、本年そして中長期的に是非お米を増産する、そうしたインセンティブを働かせていく、こうしたことが必要だと思います。 改めて、総理にお伺いします。こうした取組を通じて、米の適正な価格を形成するために本腰を入れて形成していただき、生産者の取組を支え安定供給を実現していくべきではないでしょうか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 昔、食管制度というのがあって、米の価格は政府が決めていた。で、私、当選二回、三回の頃ですが、米価を決めるのに自民党本部で四日間ぐらい徹夜しましたですよね。で、もう大体四晩目ぐらいになって、心身共に疲労した辺りで決まるみたいなところがありましたです。 で、その頃から生産費所得補償方式というのがあって、再生産を可能にするそういう米価でなければならぬと、それはそうだと。じゃ、一体誰の再生産を可能にするのということであって、そこはもうコスト低減に一生懸命励んできた大規模なところ、昔、二種兼業農家とよく言っておりましたが、必ずしもお米で食べてないけれども先祖伝来の土地を維持するためにやっておられるところは当然コストは高いと。そうすると、一体、再生産可能な米価とは一体誰の再生産なのというところにどうも答えが見出せなかったし、今もそうでございます。 そうすると、委員が御指摘になりましたように、中山間だけれども水保全みたいな、水源涵養機能と申しますかね、そういうものを維持するためにも重要なところ。あるいは、これから先人口減ります、高齢化も進みますので、突然米をたくさん食べるということは想像しにくい。そうすると、コストを下げないと、御指摘になったように、外国の米と競争できませんものですから、短粒種で来ました場合に。そうするとやっぱり、輸出するためにコストを下げる努力をしてきたところ、あるいは水源涵養機能を営んでおると、そういういろんなバリエーションの米作りがあって、どういう米作りをどのようにして補償していくかということを細かく議論しないと、政策として整合性が取れなくなると思っております。 農水省、江藤大臣を中心として、この米作りというものが続いていくように、やっぱり日本の国が今日あるのはこの米があったからこそ来ているのであって、そして、世界の中で米を、食料を増産していない、農地をどんどん減らしている、そんな国、日本ぐらいなものでございますから、新たな農政というのは、委員の御指摘もいただきながら、農水省、政府全体として確立をしてまいりたいと考えております。
○高橋光男君 ありがとうございます。是非、公明党としても、新たな水田政策、しっかり申入れをさせていただきたいと思います。 続きまして、品種改良と食料安全保障についてお尋ねをしたいと思います。 気候変動が進みまして、世界的に食料生産の不安定化が進んでおります。こうした中、食料安全保障を強化するために品種改良の加速が求められています。私の地元兵庫県佐用町には世界最高性能の放射光施設、SPring8を活用し、高温耐性を持つこの度新たな兵庫県産の品種「コ・ノ・ホ・シ」、この地球と書いた新たな品種が開発されました。 こうした品種改良の重要性を踏まえて是非お願いをしたいのは、一方で、こうした放射光施設によってナノレベル、ミクロレベルで解析ができる、得意とする施設、またもう一方で、農水省が所管するゲノム解析を得意とする農研機構があります。しっかりこれ両者が合わさって、今全国でこの品種改良を進めようとしているわけですから、言わば国家プロジェクトとして是非高温耐性の品種の加速化を進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(江藤拓君) お答えさせていただきます。 まさに委員がおっしゃるように、これから世界中の気候が大幅に変更、変わってしまうというこの時代において、高温耐性を持つ、そういったものを作ることは、農家の所得にも直接つながりますし、食料の安全保障にも直接つながることであるので、大変大事だと思いますが。 品種の改良は、より早くやること、それからコストを抑えること、そういったことが極めて重要でありますので、今御指摘があったSPring8、これ兵庫県の方ではもう開発ができたということでありますが、農研機構では、今これも御紹介がありましたが、ゲノム解析とか、どういう組合せ、品種のどういう組合せをするとどういう特性を持った、どういう耐性を持ったものができるかというようなことも研究できますので、農研機構やSPring8、そういったあらゆるものを使って、収益性の高い、そして厳しい気候にも強い、そういうものを開発するために農林水産省としても予算をしっかり付けていきたいと考えております。
○高橋光男君 ありがとうございます。 このSPring8ですね、実はほかにもいろんな用途で使われています。 その一つが、これから可能性があるのはインフラの老朽化対策だと思っております。アスファルトや鉄などの物性を解明することによって、インフラの老朽化対策がこのSPring8を舞台に今進められようとしております。国としても、こうした最先端技術を活用して、是非効率的な点検、監視を進めていくべきだと考えます。 中野国交大臣、この取組についての御見解をお聞かせください。
○国務大臣(中野洋昌君) 高橋委員にお答え申し上げます。 私も兵庫県ですので、SPring8、どんな研究しているかはよく伺っているところでございます。 委員御指摘のとおり、インフラ老朽化進んでおりますので、これの点検技術、特に新技術の開発、こうしたことにはしっかりと国としても力を入れてまいりたいと思っております。 特に、SPring8では、今非常に高い精度で物質の構造や性質を解析ができるということで、インフラ老朽化に関するミクロな物性レベルでの研究が今行われているということは承知をしております。 例えば、アスファルト舗装の損傷、破壊に関する研究ということについては、これは、舗装がどうやって効率的に点検ができるか、また品質が向上できるか、こういう観点から、実は国立研究開発法人の土木研究所、これ国交省で所管でございますが、この研究者が技術的な支援を行うなど、実は国土交通省でもこうした研究開発、今まさに協力をしているところでございます。 今後とも、いろんな大学、研究機関、民間企業、様々な主体と連携をさせていただいて、このSPring8を始めとした最先端技術を活用した研究開発、これはしっかりと促進をし、インフラの老朽化対策に資する新技術が早く社会実装できるように、しっかりと国土交通省としても努めてまいりたいと思います。
○高橋光男君 もう一点、SPring8は、二〇二九年に向けて、SPring8Ⅱということで今の輝度の更に百倍の高度化が予定をされております。一方で、それに伴ってデータ量というのが飛躍的に増加しますので、これを解析するためには、例えば同じ兵庫にございますスーパーコンピューター「富岳」も「富岳NEXT」ということで、二〇三〇年、更に開発を目指しておりますけれども、この両者をつなぐデータネットワーク、大容量のですね、そうしたものを整備していく必要があると考えますけれども、この点、文科大臣、どのように進められるか、お聞かせください。
○国務大臣(あべ俊子君) 委員にお答えいたします。 SPring8と「富岳」の連携を強化しながら研究成果の更なる創出を推進していくことはまさに重要でございまして、二〇二九年の運用開始を目指して進めておりますSPring8Ⅱが実現すれば、委員がおっしゃるように、現行の約百倍となる世界最高峰の性能となるわけでございまして、従来よりも高精細なこのデータを短時間で取得できるようになるため、データ量が飛躍的に増加することが見込まれているところでございまして、「富岳」の次世代になる新たなフラッグシップシステムにつきましても、遅くとも二〇三〇年頃までに運転開始を目指して開発を進めているところでございます。 引き続き、両施設のより一層の連携に向けまして、将来のデータ量の増加も踏まえて検討を進めてまいります。
○高橋光男君 続きまして、就職氷河期世代支援についてお伺いいたします。 政府は、二〇一九年から当世代向けの支援策を進め、正規雇用者の増加など一定の成果を上げてきました。しかし、現在、四十代から五十代前半となった氷河期世代、私もその一人でございますが、親の介護を担ういわゆるビジネスケアラーとなる可能性が高いことが懸念されておりまして、今後十年間で約二百万人にも達すると予想されております。この世代は、若い頃の非正規雇用経験が重くのしかかって、賃金が低く、貯蓄も不十分なことは周知の事実です。今後、介護による離職や更なる収入減が深刻な課題となり得ます。 そこで、これまでの就労支援に加え、仕事と介護の両立支援を中核的な取組として新たに位置付けるべきではないでしょうか。また、これまでの就労支援は無業者や非正規雇用者が中心でした。しかしながら、今後は、正規雇用者への転職、キャリアアップ支援にも重点を置き、就職氷河期世代へのリスキリングも強化すべきではないでしょうか。政府の見解を伺います。
○国務大臣(三原じゅん子君) いわゆる就職氷河期世代の方の中には、不本意ながら不安定な仕事に就いている方や無業の状態にある方、仕事と介護の両立に直面していらっしゃる方や、待遇に満足していないけれども苦労して得た正規雇用の職を手放せない方など、様々な課題に直面している方々が多くいらっしゃいます。そのお一人お一人の人生に寄り添った支援が重要であるというふうに考えております。 今後とも、実態調査によって性別や就業の状況等の属性にも配慮して就職氷河期世代の方々の実態や支援ニーズを把握し、施策の充実図ってまいりたいと思っております。 御指摘のビジネスケアラーへの支援につきましては、仕事と介護の両立支援制度に関する個別周知、利用の意向確認、相談窓口の設置等、事業主に義務付けたこの改正育児・介護休業法、来月一日から施行されます。また、正規雇用の方の転職やキャリアアップに資するリスキリングにつきましては、昨年十月に教育訓練給付の給付率が引き上げられるなど取組が進められております。 両制度を所管する厚生労働省では改正内容の周知に取り組まれているところでございますので、就職氷河期世代支援策としても、共に当該世代の方々への周知、取り組んでまいりたいと思っております。
○高橋光男君 この後、女性の活躍、起業支援の強化、またジェンダーギャップの解消支援、またさらには日本の平和外交の更なる推進について取り扱わせていただく予定でしたが、残念ながら次の機会に譲らせていただくこととしまして、私の質疑を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(鶴保庸介君) 以上で高橋光男君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) 次に、平木大作君の質疑を行います。平木大作君。
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。 先週、ニューヨークで行われました、ニューヨークの国連本部で行われました核兵器禁止条約の第三回締約国会議、行かせていただきました。総理、私、行って本当によかったと思っているんです。やっぱり現場に行かないと分からないもの、たくさんございました。 何よりも、この会議の中で、核に対する大変な危機感に、ある意味、多くの方がつき動かされて議論に臨まれているということを特に強く感じたわけであります。まず何よりも、この核自体が、核兵器自体が使われてしまうかもしれないという、いわゆる核のタブーと言われるものが破られてしまうかもしれないというこの一つリスク。そしてもう一つは、今NPTを基軸にいたしまして、そのほかに、いわゆる米ロの中でのいわゆる核を管理する、あるいは軍縮していくための枠組みがあるわけですが、これが今揺らいでいるんじゃないかという、このいわゆる核の秩序に対する、なくなってしまうんじゃないかという危機感。この二つの危機感に大きく揺り動かされている、これがすごくよく伝わってまいりました。 そして同時に、現地に行きましてやはり多くの出会いがございました。こういう機会ですので、当然これは政府の代表の方、各国の政治家もいらしていましたけれども、同時に、この有識者の方あるいはこの市民活動の、市民運動をされている皆さん、市民社会の皆さんも結集をされて、本当に様々出会いがありました。 これ、お一人お一人の出会いというものは本当に印象的なんですけれども、とりわけ私とても強く印象に残りましたのが仏領ポリネシアから参加をされていた国会議員の方でありました。この方ですね、御自身もタヒチで核実験の中で被曝をされていまして、現在、白血病と自分も闘いながら国会議員として活動されているという方でありましたけれども、この方、実は先月、日本に初めて来日されているんですね。広島、長崎と、この平和記念資料館、原爆資料館、訪問されていまして、もう大変な衝撃を受けたということを語っていただきました。どうしてこれだけむごいことができてしまうんだということに怒りを覚え、そして同時に、見ていく中でですね、これは自分自身にも起きたことなんだみたいなことを感じるともう最後まで見れませんでしたということでありました。 ただ、この彼女が語ってくれたのが、私も本当に教えていただいたなという思いなんですけれども、結局、この展示されているもの見てですね、これ、いわゆる負の感情というんでしょうか、怒りだったり悲しみだったりというものを多くの方が感じるんだけれども、彼女いわく、この広島と長崎は、この怒りや悲しみにつながりかねないこの大きな現実を前にして、被爆の実相を前にして、広島、長崎はこれを平和のメッセージへと転換することができている、昇華させているということを指摘をしていただいて、私も本当にそのとおりだなということを感じたわけであります。 当然、これは被爆された皆様、今でもその怒りですとか悲しみですとか様々な感情を乗り越えるために大変な葛藤をされているわけでありますが、同時に、この世界のほかの誰にも同じ目には遭わせたくないという思いの中で平和への活動を展開されている。この点が日本はすばらしいんだということを御指摘いただいて、ああ、これが唯一の戦争被爆国であり、そしてある意味、広島と長崎というのは、この核の実相、被爆の実相というものが単純にきれいに陳列をされている場所じゃないんだと、これをどうやって平和への活動に、運動に転換していくのかということを提示してくれているんだということを強く感じて帰ってまいりました。 その中で、やはりこれだけの危機感なわけです。本当に核が使われてしまうかもしれない、八十年間の時を経ていよいよ使われてしまうかもしれないという大きな危機感の中で、私、このやはり被爆の実相というものを核保有国のやはり首脳にしっかり心に刻んでいただくことというのは今ほど重要なときはないというふうにも思っております。 とりわけ、これからの核の秩序ということを考えると、これ、米ロに加えて恐らく中国も、今後、この三つが大きな、三か国が大きな役割を果たしていくんでしょうけれども、この三か国の首脳、現在の首脳はいまだに一度もこれ広島、長崎訪問していただいていません。是非ともこれ、石破総理からこの首脳に対して、広島、長崎への訪問、働きかけていただきたいんですけど、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 我が日本国として外国の首脳の広島、長崎訪問は度々働きかけてきたところでございまして、本年に入りましても二月に国連総会議長、フィレモン・ヤンさんという方ですが、訪問していただきました。先週はイタリアのマッタレッラ大統領もお見えになりまして、広島を訪問をしていただきました。広島の訪問というのは多くの要人に働きかけておるところでございます。 委員御指摘になりましたように、ここ最近様子が変わってきましたのは、相互確証破壊って本当に効くのということでございます。死なばもろともみたいなことを言う国家もございまして、死なばもろともみたいなことを言われますと、相互確証破壊は効きません。これどう考えるんだということと、戦術核というものを通常兵器の延長線上で考えるということが一部にございまして、状況が全く変わってきたのだという認識を私自身は持っておるところでございます。 私もおととし、新装になってから初めて、広島の資料館、御党の市会議員さんに御案内いただきまして、二時間ぐらいずっと見させていただきました。あれを見るのは極めて大事なことだと思っております。 それを見た上で、こんなに大変なんだから絶対になくさなきゃいけないというのと、こんなに大変なんだから抑止力として効くよねという、両方の感情は当然芽生えるものだと思っております。これを、核を使ってはならないのだということと、抑止力として、私どもは今米国の拡大抑止によっている部分かなりありますので、そこをリアルにどう考えるかという意味合いにおきましても、多くの海外要人の広島、長崎の訪問というのは私どもとして心掛けてまいりたいと考えておるところでございます。
○平木大作君 総理から今核抑止について御言及いただきました。この後の議論でもう一回ちょっと触れておきたいと思います。 今回の第三回締約国会議の中で一つの主要なテーマが、実は核兵器禁止条約の第六条に関連をする部分でありました。いわゆる被害者に対する救済、援助ということと環境の修復というところでありまして、ここに関連して、いわゆる国際的な信託基金をつくったらどうかということが議論されておりまして、私もこれ、どんな形で設置されるのかも含めて、できた暁には日本としてこれ貢献すべき分野なんじゃないかということで、今回、ある意味そこを検証するために行ってきたというところもあるんですが、残念ながら、ちょっと時間的な問題もあって、まだちょっと具体的な検討自体がもう少し時間が掛かるというふうに御説明をいただきました。 これ、基金の今後の行方についてはしっかり見守っていきたいというふうに思っております。何よりも、そもそもこの条約の中で全部完結をしてしまうのか、はたまた、締約国、オブザーバーでない国に対しても開かれたものにするのかですとか、どこが運用するのかとか、いろんなちょっと論点がまだ残っているということありましたので、ここをしっかり岩屋大臣にも御検討、また見守っていただきたいというふうに思っておりますが。 この基金ということは抜きにしても、やはり改めてこの中で議論されているのは、結局、ヒバクシャと言ったときに、実はこれ日本の話だけでは今ないわけですね。世界中で二千回を超える核実験が実際に行われてきた。あるいは、ウランの鉱山で働かれている方とか、被曝をされている方って実はたくさん世界にいらして、こういった方たちに実は日本の持っている知見というのは極めて有用であると、貢献を期待されている分野であります。 これ、政府としても、従来からの二国間支援の枠組みの中でこれ様々な御努力をいただいてきたというのはよく存じております。改めて、このグローバルヒバクシャというものに対して、あるいは環境修復というものに対して大きな今焦点が当たっております。政府として更にこの積極的にお取り組みいただきたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岩屋毅君) 平木委員始め御党におかれては、核軍縮、核廃絶に向けて熱心にお取組をいただいていることに心から敬意を表したいと思います。 その上で、今御指摘があった核実験被害者への援助、それから環境の修復を行うことは極めて重要な取組であるというふうに思っております。我が国はかねてから、例えばカザフスタン、ここではもう大変な数の核実験が行われてきたわけでございますが、この地域における医療機材整備や地域医療の改善の支援、また無償資金協力や技術協力といった我が国の政府開発援助の枠組みなどを活用しながら、核実験被害国における支援を積極的に行ってきております。 これからの枠組みをどうつくるかというのはこれからの議論だという御紹介がございましたが、そういう議論もしっかり見極めながら、どういう形で支援を行うことが最も適切かということをしっかり検討していきたいと思っております。
○平木大作君 この今回行った中で一つの発見が、現在、国連総会の下に、実は核戦争の影響、イフェクト・オブ・ニュークリア・ウォーというパネルが設置をされておりまして、実際に核兵器が使われてしまった場合に地球規模でどんな影響がもたらされてしまうのかということ、これについての調査研究がいよいよ始まるということでありました。 これ、何が画期的かというと、国連の中でこういったテーマでパネルを設置するのは、実は一九八七年に、当時、核の冬ということがいわゆる環境にどう影響を与えるかということが話題になったときありますが、この核の冬についてのレポートが出て以来初めてだということでありまして、恐らく再来年ぐらいにこの報告書が出てくるんじゃないかと言われておりますけれども、そうすると四十年ぶりに、ただもうこの核がやっぱり使われてしまうかもしれないという危機感の中で、こういう調査研究、今始まろうとしております。 これ、実は同様の調査研究っていろんなところで行われ始めていまして、改めて、これ核が実際に使われてしまった場合、世界的な影響どんなものがあるのか、政府として、そもそもこれ、そういったいわゆる被害想定ですとか調査研究の意向があるのかどうか、御確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(林美都子君) 核兵器が実際に使用された場合の影響につきましては、使用される核兵器の種類や場所などの条件により左右されるものではございますけれども、多大な人命が失われることに加えまして、医学面や社会インフラ面、経済面などの多方面におきまして長期にわたり甚大な被害が発生することが予測されます。 政府といたしましては、そうした状況を予測することは重要であると考えておりまして、これまで、核兵器使用の影響に関する調査の委託や関連の国際会議への出席、有識者との意見交換などを行ってきております。 政府としては、人類に多大な惨禍をもたらしますこの核兵器が将来二度と使用されることがないよう、核兵器のない世界の実現を目指して国際社会の取組を主導していきたいと思っておりますし、今、先ほど委員御指摘の核戦争の科学的影響パネルにつきましても、我が国は同パネルの設置を要請しました国連決議の方の趣旨に賛同いたしまして、昨年の国連総会においても賛成票を投じたところでございます。今後もこうした取組を積極的に行っていきたいというふうに考えております。
○平木大作君 同様の調査が、調査研究いろいろ始まっているということを申し上げました。 今日、理事会のお許しを得て、ちょっと一つの、一冊の本ですね、これ提示させていただきたいと思うんですが、(資料提示)これ、昨年米国で出版をされました「ニュークリア・ウォー・ア・シナリオ」、核戦争そのシナリオというタイトルの本でありまして、大変昨年米国で話題になった本であります。 これは、ジャーナリストの方が、例えば米国の核政策にこれまで携わってきた政府の高官や政治家、あるいは軍の関係者、核の技術者、こういった方たちに徹底的にいわゆる調査、聞き取りを行いまして、実際に核が一発使われてしまったときに、その後、連鎖的にどういうことが起きてしまうのかということをシナリオとして検証した本でありまして、これ、可能な限り実名が載っています。聞き取りをした人の名前も載っている中で、ちょっとここに書いてあるシナリオは大変ショッキングなんですけれども、最初の核のボタンが押されてから、それは間違いなく核の撃ち合いにつながってしまい、そして最初の一発が撃ち込まれてから七十二分で全ての戦いが終わってしまうと。これ、停戦合意ということじゃなくて、いわゆる地球が終わってしまうという話なんですけれども、そういうシナリオが書かれております。 改めて、今、様々な技術が発達をし、そしてある意味、冷戦のときとはまた違う環境の中で、本当に使われてしまったらどういうことになるのかという危機感はもっとこれ政府の中でも持っていただかなきゃいけないというふうに思っております。 今御答弁いただきましたが、今回の会議の中でもこれまでの核兵器禁止条約の様々な歩みについて中間的な総括が一部述べられていまして、その中に、今少し御紹介もいただいたんですけど、いわゆる科学諮問グループみたいなものをつくってきたことがとても良かったと。 これ、全世界から十四人の科学者に集まっていただいて、その英知を使いながらこのエビデンスをちゃんと積み上げて丁寧な議論をしていこうということを、科学的検証をしようということを議論されているところなんですけど、これ残念ながら、十四人、これ日本人入っていないんです。入っていただけるように我々もいろいろ実は取組をかつてしたんですけれども、日本はそもそも締約国でもなければオブザーバーでもないということで入っておりませんで、これ、でも米国の科学者は入っているんですよ、こういうところに。 やっぱり、しっかり日本としてこういうところに人を出していくということを取り組みいただきたいと思いますし、今御答弁でもいただきましたけど、この国連総会の下に設置されたパネル、ここも研究者の方、これ参加される方を今募集していますので、日本としても是非これしっかり御参画をいただきたいというふうに思っております。 次の問いに行かせていただきたいと思います。 今回の議論の中で、実はこの核の使用ということに関してよく枕言葉のように使われたフレーズがありまして、それが、いわゆる意図的であれ偶然であれというフレーズなんですよ。つまり、今核兵器というのは、当然ボタンを押して使うというのは一つあるわけですけれども、そうではなくて、偶然に、そもそも意図せずに使われてしまうケースがあるということが様々なところで話題に上っておりました。端的に言うと、この例えばシステムが誤作動してしまうとか、AIがちょっと勝手な判断をしてしまうとか、そういったものが組み合わさって、いわゆる意図せずに偶然に使われてしまうということなんです。 様々な科学者の方からも御指摘をいただく中で、まさにこの核の運用システムが脆弱じゃないか、あるいはこの偶発的な核使用の危険性高まっているんじゃないかということが随所で指摘をされているんですけれども、そこに対して、リスク低減に向けた具体的な動きというのはやっぱり乏しいんだろうというふうに思っております。 ここ、先ほど総理からも御答弁いただきましたけれども、そもそも我が国は今米国の拡大抑止の下で安全保障政策というのが組み立てられているわけであります。であるならば、この核抑止にしっかり乗っかっているという中にあって、この核がそもそも偶発的に変な使われ方をしないように、リスク低減に具体的な取組をしていく、これはしっかりともっと核保有国に対して働きかけをしていただく必要があるんだろうと思っています。米国だけではなくて、この核を持っている全ての国々ですね、こういったところに、ある意味、このリスク低減しっかりと取り組むよう総理からもこれ働きかけていただきたいと思っております。 実は、これ国内の研究者の方からも結構具体的な指摘って最近相次いでいまして、一番直近でいくと、今月、笹川平和財団の下にあります新たな核の軍備管理・軍縮構想研究会ってあるんですけど、ここ、政府に実は提言されております、もしかしたらもうお読みになっているかもしれませんが。 具体的に、このいわゆる偶発的な核の使用を防ぐための、リスク低減するための日本政府としての取組ということで、例えば核兵器システムへのサイバー攻撃を禁じる、あるいはこの核兵器使用をAIに委ねない、衛星攻撃兵器を配備しない、核兵器システムの運用に関連する人工衛星を攻撃しない、未加入国も含めCTBTの趣旨を最大限尊重して新たな核実験を行わない、こういうことをやはり核保有国が自分たちの責務として取り組むように、これは当然日本としても働きかけるべきだという提言なんです。 総理、この点についていかがでしょうか。
○国務大臣(岩屋毅君) 委員御指摘のように、映画なんか見ますと、将来、AIがまさにその核の発射の判断をしてしまって、もう瞬く間に核戦争になって人類が滅びてしまうなんというストーリーがよくあるんですが、それが決して絵空事ではないような時代に入りつつあるというふうに認識しておかなければいけないと思っております。 核兵器国が入っている枠組みとしてはNPTというものがあるわけですけれども、この核兵器使用に関するリスクを低減する措置、つまりその核兵器の運用についてのセキュリティーをしっかりと取るという措置についてはこれまでも国連総会やNPT関連会合などで議論をされてきておりますが、我が国もこの分野で各国が共に取り組むことのできる具体的措置を見出すことが重要だというふうに思っております。 毎年我が国が国連総会に提出しております核兵器廃絶決議、この中には、加盟国に対して、誤解や事故などによって生じる核兵器使用に関するリスクを低減する措置を要請をしております。また、日本とオーストラリアで立ち上げました軍縮・不拡散イニシアティブなどの枠組みを活用しながら、具体的な核リスク低減措置について検討を進めて、NPT関連会合における議論などの国際的な議論の進展に建設的に貢献をしてきております。 NPTの運用会合、正念場を迎えておりますが、今後とも、核保有国やその同盟国を含む各国とともに、この核リスクの低減を含めて国際的な議論にしっかり貢献していきたいというふうに考えております。
○平木大作君 この核リスクの低減ということですね、冒頭総理の方からも触れていただいたまさにこの核抑止自体も、そもそもこれまで冷戦時には成り立っていたときの前提条件自体が崩れているんじゃないかという指摘があるわけであります。 この点に関して、ちょっと外務省に一問、端的に確認をしておきたいんですが、政府が立ち上げました、いわゆる核廃絶に向けた、核軍縮に向けた賢人会議、ここが二〇一九年に議長レポートを出していまして、このときに、いわゆるこの核抑止というのは特定の環境における安定性を強化するかもしれないが世界の安全保障にとっては危険な基盤である、こう指摘をしていたわけであります。 この点について、かつて我が党の斉藤鉄夫代表が、この指摘を受けて、核抑止に代わる新しい考え方、安全保障の基盤を考えるということを日本がリードしていくべきじゃないか、そして、ということを提案しまして、茂木外務大臣、当時、からは、現実の安全保障の脅威にどういう形で対応していくのか、極めて重要な御指摘であるということを言っていただいた上で、そうした検討を進めなければならないという答弁もいただいております。 現時点における検討状況、外務省、御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(林美都子君) 先ほど御質問のありましたとおり、当時の茂木外務大臣が答弁いたしましたように、現実の安全保障上の脅威への適切な対応について検討するということは重要でございます。 その上で、我が国は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しておりますし、現実に核兵器などの日本に対する安全保障上の脅威が存在する中で、こうした脅威に対応するためには米国が提供する核を含む拡大抑止が不可欠であるというのが現状でございます。 拡大抑止を含め、国の安全保障環境を確保しつつ、同時に核兵器のない世界という目標に向かって努力していくことは、決して矛盾するものではなく、そのような考えについて、現実の安全保障上の脅威への適切な対応について現実の国際安全保障環境を踏まえながら引き続き絶えず検討を行っているという状況でございます。
○平木大作君 具体的な検討をしている感じにどうも答弁聞いているとならないんですけれども。 改めて、これ、政府が立ち上げた賢人会議が、そもそもこの核抑止が前提条件としてきたものが揺らぎ、崩れかけていると指摘しているわけです。総理からも、先ほどそういった最新の知見についても言及いただきました。この指摘はやっぱりもっと真剣に受け止めていただきたいと思っております。 最後の問いになりますけれども、今回、国連におきまして軍縮担当の中満事務次長にもいろいろ、お会いをいたしまして議論させていただきました。 その中でやはり中満次長がおっしゃっていたのは、今国連においても、このいわゆる二〇一八年に発表いたしました軍縮アジェンダ、この中で軍縮というものの捉え方自体大きく転換をしていると。要は、単純に管理して減らせばいいということではなくて、軍縮というのは今、この例えば信頼醸成ですとか、あるいはリスクの軽減、こういった広範なものを含む概念として今考えていて、この中で核兵器禁止条約についても、日本としてもこの軍縮の一つのツールとして是非活用していただきたい、こんな御指摘もいただきましたし、同時に、この分野でのやはり日本に対する国際社会からの期待、とっても大きいということもいただきました。 最後に、これ総理、是非とも、この不信感を取り除く、この核保有国と非核保有国との間のこの橋を渡すという意味でも、信頼醸成の措置、これしっかりと首脳が首脳外交の中でやっていただきたいというふうに思っております。 改めて、この核保有国に対しても、しっかりとこの持っている国としての責務を果たすように、石破総理から、この唯一の戦争被爆国のリーダーとして首脳外交をお取り組みいただきたい。最後にお答えいただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(石破茂君) ニューヨーク出張、御苦労さまでございました。また、そこでいろいろ見聞を広められたことかと思います。是非とも御教示を賜りたいと思っております。 最近、トランプ大統領がロシア、中国と核兵器の削減について協議をすると。ただ、ここは、本当にその核のない世界を目指しての話なのか、核兵器を管理するって相当の金が掛かりますので、ここはオバマ大統領のプラハ演説もよく分析をしたいと私は思っているのですが、いずれにしても、核兵器の削減というのはいいことには違いがないということだと思っております。 私どもとして、もちろん唯一の被爆国として核の悲惨さというものは訴えていかねばならない、大体あれを見るともう核を使おうと普通は思いませんので、それはしていかねばならないと思っておりますが、同時に我が国として、いかにしてミサイル防衛の精度向上ですとかシェルターの整備ですとか、核を使っても我が国民は誰も傷つかないということを示すことも大きな抑止力になるのだと思っております。 我が国として、いかにして拡大抑止とか懲罰的抑止によることのない抑止力というもの、もちろんそういうものの実効性、拡大抑止の実効性はきちんと確保していかねばなりませんが、それ以外の抑止力というものを我が国が持つという努力は我が国としてしていかねばならないことで、多くの方面でこの核のない世界の実現に向けて努力をいたしてまいりたいと思っておるところでございます。
○平木大作君 時間が参りましたので、終わります。 ありがとうございました。
○委員長(鶴保庸介君) 以上で平木大作君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) 次に、片山大介君の質疑を行います。片山大介君。
○片山大介君 日本維新の会、片山大介です。 総理、私はまず、高額療養費制度について聞きたいと思います。 先週末に総理は、患者団体の方々と会われて、令和七年度分も含めて全ての見直しについて実施を見送ることを決めた。なぜ、この予算案が衆議院を通過して参議院での審議が始まったこの時期になってその判断を変更するに至ったのか。その報道等では党内の参議院側からも反対意見があったというふうに聞いていますけれども、そういうことで、なぜ変えたのか、そしてこのプロセスについて問題はなかったと思うのか、ちょっと教えていただけますか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 十分に患者の方々、それを代表する患者団体の御意見を聞かなかったということは、やはり手続的に十分ではなかったと私として思っております。 我が国は二院制を取っておりますので、衆議院では予算案というものが通過をして参議院に送付をされると。で、この参議院でもいろんな御意見がございました。やはり、それをよく踏まえた上で、そしてまた、前段で申し上げました患者団体、患者の方々の御意見を承るのに十分でなかったという反省を含めまして、今日の決断に至っておるものでございます。 今後どう取り扱うかは、これ与党においてよく御判断をいただき、あるいは本委員会において各党の御意見もよく承りながら、より良い方向性を見出して結論を得たいと思っております。
○片山大介君 今回の見直しで、いろいろと問題があったと思うんですけど、大きく私は二点言いたいんですが、まず、政策決定のプロセスの中で、当事者である患者団体の声を全く聞かなかったことというのはあると思います。これ、患者、国民の療養生活に直結する医療制度の見直しであるからこそ、その幅広い世論の合意の形成が、努力することが必要だったのに、それをしていなかったというのが一つ。それから、中身でいえば、患者団体、これ最も強く指摘をしていた部分なんですけれども、長期療養者への特別な配慮という視点に欠けていた。それで、これ、今現在治療計画を立てながら仕事をしている方たちに対して激変緩和を丁寧に検討すべきだったし、政府の言うその三年掛けて実施していくというだけでは、やはり、その長期療養者に対する経過措置としてはやっぱり不十分だったんだというふうに思います。 それで、総理は、これ今、秋までにこれ改めて方針を検討して決定するとしている。これをどのように進めていくつもりなのか。そして、今回見送った案について、またそれをそのまま同じ引上げ策を出すというわけにはなかなかいかないかと思いますけれども、そこはどのように考えているのか、教えていただけますか。
○国務大臣(福岡資麿君) この高額療養費については、社会保障審議会医療保険部会という専門の審議会で御議論をいただいております。その中で、御指摘ありましたように、患者さんの声を丁寧に聞かなかったという様々な御指摘があったことを受けて、今回、改めてその患者さんの声を聞いた上で判断をするということにさせていただいたところでございます。 今後も、こういった制度の見直しについては、その審議会において丁寧に議論を進めさせていただく、その中で、どのような形で患者さんの声を承って反映させていくかということについてはしっかり検討をさせていただきたいと考えています。
○片山大介君 そうすると、その引上げ策というのは、今見送った引上げ策というのは、これ一回、もう一回ゼロからもう一度ということなんでしょうか。そこはどのようにお考えなのか、これ総理であればお願いいたします。
○委員長(鶴保庸介君) 福岡厚生労働大臣、引き続きちょっと補足説明を。
○国務大臣(福岡資麿君) それは、改めて、患者様の声も承りながら、審議会において議論をさせていただくということでございます。
○片山大介君 そうすると、今言われたその当事者の方々の意見を聞くというので、これまで聞いていなかったわけですけれども、じゃ、今後のその審議会等の中できちんと聞いていくつもりなのか、その当事者の方々の意見を反映する場というのはどのようなことを今後検討していくおつもりなのか、教えていただけますか。
○国務大臣(福岡資麿君) 当然、審議会のメンバーの中には、その医療関係の専門の方々であったり、またその保険料を納めていただいているその保険者の方々だったり、そういった様々な方々がいらっしゃって、今回、当然その患者様の方々も声を上げていただいて、様々な見地からその検討をしていただく、その結論を待つということであります。
○片山大介君 総理、あと、自公両党に新年度予算案、これの再修正の検討を指示したというのも金曜日のニュースでおっしゃっていましたけれども、そうすると、まずはこれ党内の手続なんだろうと思いますが、この間も予算委員会、参議院の予算委員会は進んでいくわけです。 ですから、これ、再修正をするならこれ早めに提出すべきだと思いますけど、そこはどのようにお考えなのか、教えていただけますか。
○内閣総理大臣(石破茂君) いろんな報道がございますが、再修正を指示したということではございません。対応についての検討は指示をいたしておりますが、これは予算の再修正をそのまま意味をするということではございません。 これについていろいろな対応の仕方がございます。それに当たって与党の中にいろいろな見解がございますが、患者団体の方々、患者お一人お一人が納得がいただくような結論を得るというのがこれから先行われるわけでございますが、今回の決定に当たりましてどういう対応をするかということについて、まだ方針が決まったわけではございません。
○片山大介君 ですから、それを、じゃ、早めに示していただきたい。それがまた、この予算案の審議でも我々国会でしっかり議論していかなければいけないので、これは早めに示していただかなければいけないと思いますが、そこはどうでしょうか。
○内閣総理大臣(石破茂君) もちろん、予算の御審議を賜っておるわけでございますから、そのことは常に留意しながらやってまいりたいと思います。 早めにということでございますが、それは、予算の御審議をいただいておるということを考えながら、時期を決めてまいりたいと思っております。 与党の中でも様々な見解があろうかと思いますので、そこにおいて収れんをしていくということにはそれなりの時間は必要かもしれません。それが早いにこしたことはありませんが、いついつまでにということを申し上げる状況にはございません。
○片山大介君 それで、我々は維新としても、医療改革、社会保障制度改革が必要なのは確かで、我々はその改革の際にいつも命題として考えているのは、その命に関わる医療の中核を守りつつ、社会保険料も下げて現役世代の生活も守る、これをきちんと命題として両立させていく必要があると思っています。 今回の高額療養費制度は、社会保険料を下げて現役世代の生活を守るという目的はあったんだと思いますけれども、その命に関わる医療の中核を守るという視点がやはり足りなかったんだと思います。 全がん連の皆さんも、厚労省を訪れた際に、高額療養費制度は重要なセーフティーネットなのだから、医療費削減に資するほかの代替手段、例えばOTC類似薬の保険給付の見直しや、いわゆる無価値医療の保険適用除外などを検討した上で、最後の手段として高額療養費の負担上限額を、引上げを検討すべきというふうに述べているんです。 だから、そういう意味では、政策の優先順位が今回間違っていたとも言えるところで、だから、これから三党協議を進めていくことになると思いますけれども、我々はこのOTC類似薬の給付の見直し等も訴えています。 ちょっとこれを見ていただきたいんですが、一枚目のパネルです。(資料提示) 我々が今後その三党協議で進めていきたいというか、優先的に行っていきたいというのは、この四つなんです。OTC類似薬の保険給付の在り方、所得や資産を考慮した応能負担、それから医療DXで質の高い医療の実現、そして医療介護産業の成長産業化、これをやっていきたいというふうに思っているんですが、総理、この四つの項目の必要性についてお話しいただければ。
○内閣総理大臣(石破茂君) 後ほど必要があれば厚生労働大臣からお答えを申し上げますが、この四つについて、それは総論的には私はそのとおりだと思っております。 その応能負担のより考慮が必要であるということはそうでありますが、どのようにしてこれを把握をするのか。質の高い医療の質とは何であるのか。医療介護産業というのは、もちろんこれが日本に残された成長産業の大事な部分であることは決して否定をいたしませんが、この範囲をどこまで見て、そしてその医療介護産業が成長化をするのはいいのですが、先ほどの審議にもございましたように、これが、医療、介護の質がきちんと確保されるということを見ていかねばならぬのであって、単にもうかりゃいいという話ではないことはもう委員が十分御案内のとおりでございます。この四つの検討事項については何ら異論がございませんが、この中身については、これ本当によく議論をしていきたいと。 命に関わる順からということになりますが、じゃ、何が命に関わる順なのか。いや、命には関わらない、関わる度合いが少ないんだけれども、そういうような治療あるいは投薬みたいなものがその方にとって極めて重要であるというものを、命に余り関わらないのだからということで劣後させていいかとかですね、物すごくデリケートな問題を含んでおりますので、よく考えたいと思っております。そこにおいては、票目当てとか選挙目当てとか、私どもはそのようなことを考えておるわけでは全くございません。
○片山大介君 もちろん我々も、そういうことを考えているわけじゃなくて、そこはきちんとした議論を、丁寧な議論をやっていきたいと思っている。ただ、余り時間も掛けられないので、その中でやっていきたいと思っている。 それで、二枚目のパネルを見ていただきたいんですが、だから、このうちの一つのOTC類似薬の給付の在り方についてちょっと説明を皆さんにもしたいと思っています。 それで、これ、まず下の方の、この医師の処方箋がなくても薬局やドラッグストアなどで購入できる医薬品のことを、これをOTC医薬品というんですね。それで、これは国の、国はそのリスクのある医療用医薬品、上の方と区別しているんです。そして、医療用医薬品の中も二つに分かれていて、それで、処方箋なしでの販売を罰則で禁止している医薬品と、それから、原則として処方箋は必要なものの、どうしても必要な場合に処方箋なしで販売することが例外的に認められている医薬品がある。この中にOTC医薬品と効果や成分が似ている医薬品があって、それをOTC類似品というふうに言うわけなんです。 さあ、そこで聞きたいのは、まず、政府としてこれまでOTC類似薬の保険給付の在り方について何か検討を行ってきたのか、ここはどのようにお考えですか。
○国務大臣(福岡資麿君) まず、これは改革工程の中で書かれていることで、まだ結論は出ていませんが、審議会においても議論をされてきた、そういう経緯があるということでございます。
○片山大介君 で、どこまで進んだんですか、教えてもらえますか、じゃ。
○国務大臣(福岡資麿君) これは改革工程によって二八年までに結論を出す話になっておりまして、その中で今、様々議論なされています。 ちょっと、今日、ごめんなさい、直接の通告がなかったので、それに関するちょっと資料を手元に持ってきておりませんが、様々なその専門家の御意見の中には、そのOTC類似薬とはいっても、かなりその効能、効果とかに関する話であったり、またその医療の必要性、重篤性等によって同じ類似薬でも使われる範囲がかなり違う、そういった御意見もあって、そういったことを踏まえた議論をする必要性について指摘されているというふうに承知しています。
○片山大介君 だから、我々はこれをだからどんどん進めていってほしいと思っているんです。二八年度までと言っているけれども、なかなかそれが今までやってきているようには聞こえてきていないんですよ。これを是非やっていただきたいと思っています。 それで、次のパネルを見ていただきたいんですが、我々、ここにあるように、大きなリスクは共助、これ小さなリスクは自助という考え方で、これ、下には、東京大学の五十嵐教授の試算ですが、これだけ置き換えが少なくともできるんではないかというような、こういうような試算だってあるんです。だから、どんどんこれは検討はしていくことができると思うんです。 だから、これを、今回の我々は三党協議会でも四つの項目の中の一つの柱に位置付けているので、これを是非進めていっていただきたい、一緒に進めていきたい、そのように思っていますが、御答弁をお願いします。
○国務大臣(福岡資麿君) これは、政府・与党としても、医療保険をどうやって適正化していくかという案については掲げさせていただいておりまして、御党も御党で掲げられている。それを念頭に置きながら、今後まさに政党間でハイレベルの協議が行われるというふうに承知しておりますので、その中で議論がされるものと思います。
○片山大介君 その三党合意では、三党協議を行うに当たっての三党合意では、令和七年末の予算編成過程で論点の十分な検討を行って、それから早期に実現が可能なものについて令和八年度から実行に移すとされている。 社会保険料を下げて現役世代の生活を守るというのは、これだけだとやはりまだ少ないところはあって、だから我々は、十分なこの検討を行った上で、そのOTC類似薬以外にも先ほど言ったような政策をいろいろ立案していきたいと思っているんですが。 実は、そのスケジュール感、これがなかなか大変になってきているとは思っていて、それで、まずここの一つ目の節目となるのが、これ、六月にあるこれ政府の、骨太の方針の二〇二五、ここに政府の方針として大きく書き込むことになる。ここは総理、間違いない、どのようにお考えか、まず教えていただけますか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 令和八年度以降の措置につきましては、骨太方針二〇二五に記載をし、令和八年度以降の予算に反映をさせるということにいたしております。このような合意内容を踏まえつつ、協議体をどうするかということは三党でよく協議をしていかねばならぬと思っております。 現役世代の増加する保険料負担を含む国民負担を軽減するための具体策につきましては、令和七年末まで、先ほど御指摘があったかと思いますが、令和七年末までの診療報酬改定を含む予算編成過程で論点の十分な検討を行い、早期に実現が可能なものについては令和八年度からの実行に移したいというふうに考えておる次第でございます。御指摘のとおりかと思います。
○片山大介君 これ、総理、あと、その協議体の進め方なんですが、総理は先週の予算委員会で我が党の猪瀬参議院議員の質問に対して、協議体については開催頻度を上げることは適切に御判断いただけると思うという、こういうふうに発言されているんですよね。 ですから、是非これ、総理、まあ総裁としても、是非とも与党に対して、今週からでも協議体を始めて、骨太の方針に入れるとなると本当に十週ぐらいしかないんですよね。もう二、三か月しかなくて、余り時間がない。その中で、先ほど言ったようにきちんと議論もしていきたい。 結局、骨太の方針には大枠を入れるに当たっても、そこまでの議論はしっかりとやっていきたいと思っているので、是非、その頻度を上げてその議論を進めていくこと、それ是非総裁としても御指導、御指示いただければと思いますが、そこら辺どのようにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(石破茂君) それは、我が党も恐らくエキスパートがその議論に参加することになります。頻度も上げなければいけませんし、十分な時間も取らねばなりません。そして、どんな議論が行われたかということがなるべく分かりやすく有権者の方々あるいは関係者の方々に伝わるように、もちろん、何でもかんでも公開すりゃいいというものではもちろんありませんが、頻度、そして十分な時間の確保というものにはよくよく配慮をいたしてまいります。
○片山大介君 是非、我々が訴える、命に関わる医療の中核守りつつ、社会保険料を下げて現役世代の生活も守る、これを我々是非実現していきたいので、是非政府としても御協力をお願いしたいというふうに思います。 それでは続いて、ちょっと米の方について、私もちょっと話を聞いていきたいと思います。 価格高騰が収まらない中、政府が放出する備蓄米二十一万トンのうち、今日から初回の十五万トン分の入札が行われたわけですね。 それで、価格高騰のきっかけは、去年の夏、店頭から米がなくなる事態が起きたことだと。それで、次のパネルちょっと見ていただきたいんですが、これがね、これ都内のデータで、都内の五キロ当たりの店頭価格。これ見ると、これ最新だと四千三百六十三円、五キロ当たり。そうすると、一年前の倍ぐらいになっているの、大体、なんですよ。 それでね、我が党の吉村洋文代表は、去年の八月、政府備蓄米を早期に放出するように要望したんだけれども、政府は米は十分にあるなどと言って受け入れなかった。だけど、その後もこのように価格は上昇しているんです。ですから、あのとき、吉村代表が言ったときに放出していれば今このようなことになっていないんじゃないかと思いますが、そこはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(江藤拓君) 結果を見れば、そのような御指摘をいただくことは当然のことだろうとは思います。思いますが、ただ、これを見ても、この知事から御要請をいただいたときでコシヒカリが二千八百七十一円。大体、平常の価格から比べると大体四百円ぐらい高いという水準で、決してその四百円が大したことないと言うつもりはありません。ただ、その後の急上昇についてはちょっと誰も予見不可能だったと思います。南海トラフ地震の緊急地震情報が出て、そして一・五倍スーパーでの米の販売量が増えて、そしてその後、地震や台風が襲ってきて、消費者の皆様方がこれは大変だということで米を一生懸命買ってスーパーからは米が消えた、そしたらそれをテレビが大々的に報道しました。そのときからステージが変わったんだろうと思います。 先生今御指摘のとおり四千三百六十三円まで上がっておりますが、しかし、この御提言をいただいた段階ではエビデンスがそろっていなかった。まず申し上げておきたいことは、その備蓄とはというのが食糧法の三条の二項にありますが、米穀の備蓄とは、米穀の生産量の減少によりその供給が不足する事態に備え、必要な数量の米穀を在庫として保有するというふうに書いてありますので、やはりこの趣旨にのっとってどうかということについては慎重な検討が必要だったということを御理解いただきたいと思います。
○片山大介君 それでね、当時から政府は、米はあるんだと、それで、ただ、何というか、卸売業者が抱えているとか、それで投機的な動きだとか、それで目詰まりが起きているというふうに言っている。じゃ、だけどこれ、今もってこれが本当にそうなのかどうかも分からない。 それで今、あれですよね、先ほどもあったけど、農水省の方で調査をしている。これ、これまでその集荷業者三百トン、五百トン以上だったのか、それを一月末は三百トン、いや、あれは……(発言する者あり)違う違う、集荷は三百じゃなかったでしたっけ。そうでしょう。集荷は五百だったのを三百トン以上に広げて、それで一月末の調査、一月末時点の調査をやって、これもう間もなく発表するということを言っていらっしゃいましたが、そうなると、本当にこれ目詰まりが起きていたということがそこで分かるのかどうか。 で、もし本当に投機的な動きだったとすれば、それ繰り返さないようにこれ対策も取らなきゃいけないんだし、そこは結局この原因が何だったのかって今もって国民分からないんだから、それを明らかにしていただけますか。どうでしょうか。
○国務大臣(江藤拓君) 三月の中旬若しくは末を目途に調査結果については発表しようと思っております。集計する人が必要ですので、もうしばらくお時間をいただきますが、しかし、その結果が出たら次に生かさなければなりません。 今回はイレギュラーなことが起こったということは何度も申し上げました。このイレギュラーなことが起こらないようにするためには調査結果をいかに生かすかということは当然考えなきゃなりませんので、まず、どういうところに滞留しているのか。個人名までは出しません。個人名までは出しませんが、今度は、五千トンとかいうそういう大きい数字じゃなくて、農家も含めて、それから小さい規模のところの集荷業者、卸も含めて調査をいたしますので、その結果を生かして、このようなことが起こらないように努力をしてまいりたいと思っております。
○片山大介君 それで今、その生産者のところには、令和七年産の今度その米、契約希望がもう殺到しているっていうんですよね。そんな中で、今回、今日から入札が始まって、一応十二日、あさってまで行われるということになっていますが、ただ、今回のその入札というのは買戻しを前提にしているわけですよね。だから、そうなると、それを気にしている業者も多くて、実はその落札者が決まらない、これ不落も起きるんじゃないかと、こういう声が一部では言われているんです。 これ具体的にどういうことかといいますと、応札をしてお米を買っても、結局これから作付けされる令和七年産米で戻すことになるので、今のように契約希望が殺到していると米の値段がやっぱり上がってしまって、そうすると戻すときにやっぱりその差額で損をしてしまう。それから、戻す分だけをそろえられないんじゃないかというのもあって、その応札者が控える、応札するのは控えるんじゃないかという声もある。 そうなると、これもし不落なんか起きたらまた消費者が不安になる可能性もあって、ここら辺のことはどのように対応を取る、分析するつもり、しているのか、教えていただけますか。
○国務大臣(江藤拓君) 入札につきましては、財政法に基づいてしっかり価格の設定をいたします。余りにも低い価格で落札されても、来年、まあ今年の米の作付け、そして概算金、精算金に影響しますので。しかし、余り高い値段で落ち過ぎても、これは消費者の方々の失望を招きますので、過去の集荷の実績を踏まえてその上限を設けるということになっております。 何分これまでやったことないことをやりますので、必ずこうなるということを確定的に申し上げることはできませんが、とにかくもうこの買戻しについては非常に私も悩んでいます。買い戻して、高い値段で買い戻せば消費者の方はがっかりすると思います。しかし、どおんと落ちるところまでほっておけば生産者の方々ががっかりするんだろうと思います。 ですから、この水準をどこに設けるかは非常にセンシティブで難しい話ではありますが、しかし、急いで買い戻すつもりはありません。もう一年を越えてもいいと思っています。少なくとも、私としては出来秋は見たいと思っています。今年の作況はどうなるかはまだ分かりません、全然。作況を見ないとどれぐらいの数量を市場から吸い上げていいか判断も難しいですから、出来秋後の状況を見ることになると思いますが、もしその手前の段階で二十一万トン出したことの効果が余りにもあり過ぎて急落するような場面があったら買い戻すこともあるかもしれませんが、そこは柔軟に行っていきたいと考えております。
○片山大介君 今大臣が言われたように、原則一年というような言い方していますけど、私はもう、一年、もっと広げてもいい、二年でもいいのかなと思っています。やっぱり、令和七年産がこれだけ契約希望殺到しているんだったら、令和八年産だって買戻ししたっていいと思うから、別に一年にこだわる必要はない、二年にしたっていいんじゃないかと思いますよ。それくらいのやっぱり柔軟性で考えないと私はいけないと思います。 それから、価格については、今の価格の水準を農家の方々は、生産者の方々はあるべき水準と言っていらっしゃる方もいるんです、やっぱりこれまで低かったですからね。ただ、その一方、その値上がり分が、じゃ、その生産者の方に実際にきちんと反映されているかというと、余りそうでもない。だから、本来、消費者の方も、これ生産者の方を応援しようとしている方たちも、結局それがきちんと反映されていないことにやっぱりすごい不満も持っている、高いことに対して。 だから、そういう意味では、ここの価格の部分は難しいですけれども、今後、安定価格、供給をしながら、安定的に、そして供給、価格の安定というのは進めていかなきゃいけないというふうに思っていますけど、ここについてはどのようにお考えになっているのか、もし総理、総理も農業分野お詳しいので、もし総理、お答えできたら。
○委員長(鶴保庸介君) 江藤農林水産大臣。必要とあらば総理にも質問してください。
○国務大臣(江藤拓君) まさに、生産者の方から消費者に至るまで御納得をいただく物流、その食の供給のサプライチェーンができることは一番大事だと考えております。ですから、今国会に、やっと閣議決定ができましたが、合理的な価格形成に関する法律を国会に提出をさせていただきます。これ米も対象になっております。 ですから、あらゆる段階で、どこかの人が異様な利益を懐にため込むということがなくて、その流通、生産、流通、加工、販売、消費者に至るまで、それぞれの方々ができる限り平準化された利益を得られるような価格形成を目指す法律を出しますので、そして、最初の段階では人数は少ないですがGメンも張り付けて、そして不満があれば農林水産省に言っていただいて、指導、勧告、そういったこともできるようにしてまいりたいと思っておりますので、米についても合理的な価格の形成に努めてまいりたいと考えております。
○片山大介君 あと残りの時間でちょっと規制改革をやりたいんですけど、これ、農業の分野でもこれ規制改革、これ遅れているんですね。 それで、我々維新は、これもやっぱり安定的な生産のためには、やっぱり株式会社の農業参入というのを認めるべきだというふうに訴えています。 それで、次のパネルを見ていただきたいんですが、これ私の地元兵庫の養父市です。ここでは、国家戦略特区に認定されて、二〇一六年から企業の農地取得が認められた。それで、これは本来であれば、五年の経過を見た上で全国展開をされるはずだったんだけれども、五年たっても、延長されて、それから制度も変更されて、今もって全国展開されていない。 実は、この特区の制度設計やったのが、実は当時の初代の地方創生担当大臣の総理なんですよね。それで、今のこの現状をこれどのように見ていますか。
○内閣総理大臣(石破茂君) おっしゃるとおり、私、当時担当大臣でございました。 これは、株式会社が農地を保有するということは一体どうなんだという議論が根幹にあったかと思います。農地を取得したらすぐごみ捨場にしちゃうんじゃないのみたいな話がありましたが、それは別に株式会社であろうがなかろうが、そういうことは起こり得ることでございます。いろんな配慮もいたしましてこの国家戦略特区として認定をしたところでございますが、やはりそのリースではなく所有権絶対でございますので、農地を所有することで長期的な土壌改良ができると、こういうような肯定的なお声もいただいておるところでございます。 令和五年の法改正の際に衆参両院におきまして、令和九年三月末までに、その活用状況を踏まえ、制度の存廃も含めて在り方を検討するという附帯決議をいただいておるところでございまして、このような国会の議決も踏まえつつ、よく検討してまいりたいと思っております。 私、これ、当時の広瀬市長さんが物すごく真剣に取り組んでおられたということをよく承知をいたしております。少しでも何とか農地を残すということはできないのかということ、いろんな株式会社の参入ということによって、中山間地の典型みたいなところでございますから、そこの農地の利用というものが最大限にできないのかということで広瀬市長が本当に真剣に取り組んでおられた、そのお姿はよく承知をしておるところでございますので、その思いが全国に、もちろんその先ほど申し上げた懸念なぞというものを払拭しながら広がっていくように、政府としてもよく検討してまいりたいと思っております。
○片山大介君 今総理言われたように、やっぱりその企業だと農地を荒らすとかという、やっぱり企業の性悪説ということを考えちゃいけなくて、やっぱり性善説に立って入ってもらわなきゃいけないわけなんですよ。 それで今、今の法律上はその二年後にこの制度の存廃も含めて在り方を検討するとなっているんですが、これはもう存廃の在り方じゃなくて、進めるということが大前提でやるべきだと思いますが、そこを一言だけ、総理、いただけますか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 当時、農業委員会あるいはJAの皆様方とも随分と詰めた議論をさせていただきました。これが続いていってなお株式会社が農地を保有しても、農地の利用というものがより多くの主体によってなされて、いかにして農地が有効に活用されるかという方向を目指しながら、各方面の御意見を伺い、懸念を払拭してまいりたいと思っております。
○片山大介君 それで、この規制緩和が進まない産業というのはほかの産業にもいっぱいあるんですよ。例えば清酒製造の分野、これ新規参入がほぼ閉ざされているんです。これ清酒の製造免許は、既存の酒蔵の事業継承であれば認められるけど、新規の参入はほとんどもう認められていないんですよ。 これ、実は昨年末の国家戦略特区会議の諮問会議でも、これ委員からどうなっているんだという意見が出たら、それ、特区の提案はもう既に二年はたっているんだけれども、それで国税庁はまだ時間調整が必要みたいなことを言っているんですよ。二年たってですよ。 総理も、それで去年の諮問会議には出られて、また地方創生を総理は柱に掲げているので、新規製造免許を付与すると、これはもう前向きに検討してもいいんじゃないかと思いますけど、これどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 酒類については、もう委員御承知のように、歳入の確保のために特別に酒税というものが課されておりまして、その税収は財政上重要な地位を占めており、令和五年度の酒税収入でいえば約一・二兆円という規模であります。 酒税法では、こうした酒税の適正かつ確実な課税を図ってその税収を確保することを目的として、清酒製造者の乱立と生産過剰による過当競争を防止する観点から、需給調整上の措置を講ずることとなっています。 清酒については、今委員お示ししていただいたように、昭和四十八年度のピークから令和五年度は水準が、十割が三割以下になってきておりまして、需要の低迷が続いていることから、需給調整の緩和については慎重な検討が必要であると思いますが、他方で、先般ユネスコ無形文化遺産に登録された伝統的酒造りを守り、次世代に伝えていくことは酒類業の健全な発展のために不可欠でありますので、意欲と能力のある方々への酒造の事業承継、これはしっかり進めていきたい。 また、輸出促進の観点からは、輸出用の清酒の製造免許については新規免許を付与しておりまして、令和三年度の制度開始以来七件の免許付与、さらに、輸出促進に関しては、昨年末の国家戦略特区諮問会議で輸出に係る手続の簡素化についても御指摘をいただいておりますので、こちらも早急に対応していきたいというふうに考えています。
○片山大介君 ちょっと、じゃ、次、このパネル見せたいんですけど、これ乱立とかということとは全く逆なんですよ。見てください。これ、リキュールとかビールは新規参入認めているんですよ。だから増えたりしていっているんだけど、これ日本酒は、これ新規参入認めていないから、これどんどんどんどん減っていっているんですよ。それで、これだと、だんだんやる気のある人も入らなくなっちゃいますよ。だから、これはやるべきなんです。 せめて、しかも、この今の議論が閉じた議論になっちゃっているので、これ総理、是非お願いをしたいんですが、これ特区のワーキンググループを開いて、せめてオープンな場でしっかりとやっぱり議論を進めてほしい。これは是非、総理、総理の口からお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(石破茂君) それは、御指摘のように、醸造元というんでしょうか、酒蔵というんでしょうか、もうどんどん減っています。一方において、残っておる製造元がもう大変な苦労をしながらその業を維持をして、今大臣から答弁がございましたようにユネスコにも登録もなされておるわけで、こういうような、その今一生懸命守っておられる方々の製造を継続させるということと、これから先、まあ私がやたらと日本酒を飲むから言うわけでもございませんが、そのすばらしさを多くの方に味わっていただく、この両立をどう図るかということで、非常に難しい課題であると。何を答えているかよく分からない答弁になっておりますが、そこはよく考えなければいけないと思っております。 非常に難しい課題ですが、委員の御指摘は承りました。ありがとうございます。
○片山大介君 様々な規制が日本の産業創出を遅らせていると思います。是非しっかり前に進んでいただきたいと思います。 これで質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(鶴保庸介君) 以上で片山大介君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) 次に、嘉田由紀子君の質疑を行いたいと思います。嘉田由紀子君。
○嘉田由紀子君 日本維新の会、嘉田由紀子でございます。 質問の時間をいただき、ありがとうございます。今日は、パネル、青島健太議員に御協力をいただいております。 今回の予算案の成立ですが、一層の熟議が参議院では必要だろうと考えております。特に、私ども、教育無償化の必要性とその短期的、中長期的効果を中心に、本日は、石破総理、それからあべ文部科学大臣、また学校給食については江藤農林水産大臣にお伺いをいたします。 今回の三党合意では、維新の会の基本理念であります未来世代の投資、支援を実現する大きな一歩となりました。(資料提示)政党間協議で具体的成果を出すことで責任ある野党としての立場を明確にし、国民生活の向上に直結する政策実現を図ってまいります。 ただ一方で、全国紙の幾つかの社説あるいは教育現場においても、教育無償化政策はその必要性や財源の議論が十分にできていないという御批判もいただいております。そこで、今日は、これまで説明が不足していた点もあるかと思いますので、まとめてお話しさせていただきます。 まず、三党合意での四点ですが、高校授業料の無償化、学校給食の無償化、それからゼロ―二歳児の幼児教育、保育の支援、それから大学、専門学校などを含めて高等教育の支援拡充です。 実は、教育無償化は一石四鳥であるということを常々私どもは主張してまいりました。特に、昨年の十二月十一日、衆議院の予算委員会で前原誠司共同代表が使われていたこの一石四鳥の資料を基に今日は展開させていただきます。 まず、一点目の効果ですが、親の所得にかかわらず進学する学校を選べること。 これは教育格差を是正することになります。子供の人権の保障にもつながります。私学への公的支援を批判する意見もありますが、公立、私立を問わず、子供の意思と希望と努力で進学できる学校を選べることは、これまでの日本社会にあった進学の壁を壊す大きな福音であるはずです。また、公立、私立を問わず、学校自身も、より質の高い教育環境を生み出す努力が学校経営者に求められています。 先週、三月六日の金子議員の質問にもありましたように、公費支援にあぐらをかいていてはいけません。私自身の経験で恐縮ですが、滋賀県の知事時代、地元に貢献できる特色ある公立高校づくりのビジョンを示して、例えば信楽高校という、セラミックの本場ですけれども、そこにセラミック科をつくり、県外からの学生を呼んで高校志願者を確保しました。 二点目の効果です。これは少子化対策です。 教育費が高いので子供を産めない、あるいは産んでも人数制限しなければと、教育費負担が減ることで望むだけの子供を産み育てる条件が確保できます。日本のカップルの希望子供数は平均二・三人です。実態としてはなかなか二人以上産めません。最大の理由は教育費です。 ということで、子供を産む判断をする、その子供が高等教育受けるのは十八年後とか二十年後ですから、今回のこの教育費無償化支援の政策は是非とも中長期的な信頼できる制度にしていただきたいと思います。 資料三、これはパネルはございませんけれども、二〇二四年に生まれた日本人、七十万人を切ってしまいました。これは本当に衝撃的なデータです。皆さんの方にプリントとしてお示ししてありますが、私ども、昭和二十年代、昭和二十四年などは二百七十万人生まれていたんです。それが七十万人というと四分の一です。 これは、国力の源泉である子供の減少、その大きなところは私的負担率が高いということで、OECD諸国で比較をしてみますと、資料五、プリントで皆さんにお示ししてありますが、OECD諸国では高等教育の私的負担は二八・六%です。一方で、日本は六三・四%。なぜヨーロッパ諸国と比べて日本はこんなに公費負担が少ないのか。 私自身の狭い経験からですけど、子供の意思や子供の願いを代弁する政治家あるいは政党が少なかったからではないだろうかと思っております。例えば、与党は企業経営側だったり、野党は労働者側だったり、もちろんいろんな応援団がいるんですけれども、子供そのものの思いを反映する政党あるいは政治家が少なかったからではないかと想像しております。 パネル二に戻ってください。 教育無償化の三点目の効果は、日本が成長率を確保して国際競争力を回復することです。 一九八〇年代、国際的に見てジャパン・アズ・ナンバーワン、私もそのとき働き盛りでしたけれども、二百七十万人生まれた方たちが働き盛り、これは一種の人口ボーナスです。資料四も御覧いただきたいと思うんですが、日本の企業実績が過去三十年間伸びなかった理由は多様ですけれども、この国際競争力の回復にとって必要な投資は教育投資と科学技術投資です。 恐縮ですが、またパネル二に戻っていただけますか。 四点目の効果は、子供への高等教育投資は個人的にも生涯賃金を高め、このことが国家として賃金水準の向上に貢献します。個人の生涯賃金を高めることは、国家としての稼ぐ力を高めることになります。 資料六は、世帯所得別の進学率と学歴別の生涯賃金を示してあります。 住民税非課税世帯では大学進学率は二〇%ですが、全世帯平均は五二%、この差を、生涯賃金、実は七百五十万、ごめんなさい、生涯賃金七千五百万も大学卒と高卒で差が出てしまいます。資料六に示してあります。 長々と説明をし、失礼いたしました。以上のような教育無償化の一石四鳥について、石破総理、どう判断なさるでしょうか。一つずつ簡単にコメントをお願いしたいです。 あわせて、教育無償化の恒久的財源確保については、昨年十二月十一日に前原誠司共同代表が指摘しておりました日銀の外国為替特別会計、外為特会と言われていますけれども、その活用も含め、また二〇二五年の骨太の方針への明記も含めて、総理の決意をお示しいただけますか。時間がありませんので、短くて結構です。こちら、長々としゃべりまして申し訳ありません。
○委員長(鶴保庸介君) じゃ、あべ文部科学大臣。総理の決意は後にしていただきます。
○国務大臣(あべ俊子君) 済みません、委員にお答えさせていただきます。まず、所管大臣の方からお答えさせてください。 委員がおっしゃったように、子供の声を聞くということは本当に重要だと私ども思っておりまして、文部科学省も、いじめの問題なども始め、今子供たちの声を直接聞くということをさせていただいているところでございます。 また、その中で委員がお話しになりましたことを一つずつちょっと簡単に言わせていただきたいと思いますが、本当に、子供たちの誰もが、家庭のこの経済事情にかかわらず質の高い教育を受けられるチャンスが平等に得られて、個性、能力を最大限伸ばすようにすることは、御指摘の、本当に教育格差の是正、子供たちの人権保障につながるまさに重要なテーマだと私どもも考えているところでございます。 そうした中で、今般の三党による合意文書におきましても、全ての若い世代に対して多様で質の高い教育を実現するとともに、経済的事情によるこの教育格差を是正しながら子育て世代に支援を強化する観点が示されているというふうに、委員がおっしゃるとおり承知しているところでございます。 そうした中で、少子化の背景の一つに、子育てや教育に関わる費用の負担の重さがまさにあると私ども承知しておりまして、少子化対策の観点からも教育費の負担を軽減することは重要であるというふうに考えているところでございます。 また、委員がおっしゃった国際競争力の回復、成長力の確保、賃金の上昇、所得向上についてでございますが、やはり教育、子供たちの未来をつくる上で重要な役割を担うものであると同時に、まさに日本のこの成長への源泉でもございまして、一人一人が持つ可能性を最大限に引き出すためには教育の質の向上にも力を入れることがまさに重要でございまして、それが御指摘の国際競争力の向上に資すると考えているところでございます。 文部科学省といたしましては、最後になりますが、公教育における教育の質の向上と教育機会の確保を両輪といたしまして、骨太方針への反映を含め、また、この必要な教育予算を着実に確保しながら、未来への投資である教育施策の推進にしっかり取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○国務大臣(加藤勝信君) 外為特会の外貨資産運用について御指摘がございました。 御承知のとおり、御承知のように、この外貨資産は将来の為替介入等に備えて保有しているものでございまして、為替介入等のタイミング、規模、これは事前に見通すことはなかなか難しいことは御理解いただけると思います。変動の際に機動的な対応を取ることができるよう、十分な規模を確保するとともに、流動性、安全性に最大限留意した運用が求められております。 こうした意味からも、財源確保を目的として、外貨資産の流動性、安全性の確保に支障を来すような運用、これについては慎重に考えていかなければならないと思っております。
○嘉田由紀子君 お二人の答弁ありがとうございます。 総理、この四つの目的と、それから財源確保についてはどうでしょうか。総理のまとめの御見解、お願いします。
○内閣総理大臣(石破茂君) まとめにならなくて恐縮でございますが、大臣からお答えしたとおりでございますが、無償になるということはどういうことなのだと。で、無償になると、じゃ、これだけのお金払って、それにふさわしい教育が受けられたのかという、チェックという言い方をあえてするとすれば、それがおろそかになりはせぬだろうかという懸念は私はあるんだろうと思っております。 また、低所得者世帯だけを対象にしますと格差是正の効果は期待はできるのでありますが、九九%が進学を高校にしておると、小学校の完全無償、完全給食の実質も九九%だと、低所得の方々は既に無償であるということを勘案しますと、これは格差是正というよりも、所得向上とか子育て支援策の色彩が強くなるかなというふうに思っております。 嘉田委員は教育の現場にずっとおられて、学長さんもお務めで、その後、知事という行政を経験しておられるわけで、この質の向上というものについてのチェックをどういうふうに働かせるのかということについて、余り質という話をすることもはばかられるところはあるのですが、やはり国民の税金を使います以上、とにかく入って出さえすればそれでいいのだということになれば、何のために無償化したのか訳が分かりませんので、そこについての御教示をいただければ大変幸いに存じます。
○嘉田由紀子君 実は、今の質の問題、特に高等教育については、最後の方に、知の総和を高めると。知の総和というのは、子供たちの数が減っても一人ずつの知力を高めることで国力を維持しよう、あるいは発展させようという最後のところに行きますので、今の逆に御質問をいただいたということで、受けさせていただきます。 この給食と、それから幼児教育の完全無償化につきまして、特に私は、元々農家で生まれ育ち、本当に、母が手作りで作った、今でいうと安全な農産物で育ててもらいました。特に給食の無償化については、あるいはこの幼児教育についてですけれども、総理、この二つについて思いはございますでしょうか。
○国務大臣(あべ俊子君) まず、委員にお答えさせていただきます。 給食の無償化でございますが、委員はお母様の作られたお野菜で大変安全な食事をされてきたというふうにお伺いしまして、本当にお幸せな子供時代を過ごされたんだなというふうに思いました。 そうした中で、いわゆる給食の無償化に関してでございますが、三党合意におきまして示されているように、子育て世代への支援の強化、これを期待して取り組むものであるというふうに考えておりまして、特にこの三党合意におきましては、給食無償化について、まずは小学校を念頭に実現することとしておりまして、様々な論点ございますが、十分な検討を行いながら、安定的な財源の確保と併せて意義あるもののように取り組んでまいりたいと思います。 また、有機食材の、いわゆる委員がお子様のときにお食べになった安全な食事でございますが、有機農産物の学校給食の活用につきましては環境負荷の低減に対する子供たちの理解を促す観点からも有効だというふうに考えておりまして、文部科学省におきましては、学校給食における有機農産物の使用促進に向けた支援等を行っているところでございまして、引き続き学校給食の充実に向けて取り組んでまいります。
○内閣総理大臣(石破茂君) 委員とは以前、菜の花議連で御一緒させていただきました。委員が知事をお務めの頃からそうなのですが、私どもにおいて、菜の花、菜種油というんでしょうか、この自給率はめちゃくちゃ低いです。ほとんどがキャノーラ油といいますように、カナダ産が多いというふうに承知をいたしておりますが、その安全性についてとやかくは申しません。もちろん、安全だからこそ国内で売っているのでありますが。 それじゃ、その国産の菜種油というものを農地を活用してどのようにして生産をするか等々、その子供たちが食育基本法とか学校給食法の趣旨にのっとって、どこで誰がどのように作った農産物なのか、どこで誰がどのように捕ってきた魚なのかみたいなことが全く分かりませんということは全然よろしくないと思っております。 そういう意味で、学校給食の意義というのは非常に大きいと思っておりまして、そういうところにも、地産地消とか農業者の所得向上とかいうことも含めまして、税金を投入するという意義はあろうかと思っておるところでございます。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 菜の花議連も、エネルギーを大地からということで、滋賀県、先駆的にやってまいりました。 学校給食の地産地消ですけれども、千葉県ではいすみ市などが先駆的に進めておりますが、実は、滋賀県に竜王町というダイハツの工場がある町があるんですが、そこでは、あるおじいちゃんが一生懸命減農薬のお米を作ったんですが、それを孫に食べさせたいと思っても、孫はまた全然違うところからの給食食べていたということで、ちょうど十数年前から、その地元産の減農薬米、滋賀では環境こだわり米と言います、それを使って、その上に、各教室に炊きたての、電気釜、御飯を持ち込むんです。それをあったか御飯給食と言っているんですが、このあったか御飯給食は、一度皆さん経験してください、一粒も子供たち残しません。 ですから、減農薬で地元産であったか御飯給食というようなこと、これ是非、学校給食の無償化と併せて、地産地消含めて進めていただけたらと思います。江藤農林水産大臣、いかがでしょうか、地産地消の。
○国務大臣(江藤拓君) 子供の教育上も大変いいことだと思います。 私も、昨年の六月に千葉県いすみ市行ってまいりました。子供たちがその生産の過程にまで非常に興味を持って、それに感謝をしておいしく食べている姿に触れました。やはり、どうやって御飯が作られるのか、そしてどういう苦労があるのか分かってもらうことも大事だと思います。 そして、その有機農産物については、非常にいいものなんですが、やっぱりその販路を確保するということは難しい、やっぱり高いですから。しかし、学校給食で安定的に買っていただけるということになれば、いすみ市は財政負担していますけど、そういうふうになれば生産者も安心して有機米を作ることができるということであろうと思います。 そして、国際的にも環境負荷の少ない農業を展開するということが国際約束にもなっておりますので、有機米、それからこういう有機の食材を学校給食に生かしていくということは教育上も政治的にも非常に意味があるというふうに考えております。
○嘉田由紀子君 前向きな答弁ありがとうございます。 実は、既に御存じと思いますけれども、韓国はもう全て基本的に有機で地産地消でと前向きに進めていただいております。 教育費が財源が不十分じゃないかと、それで教育だけに予算が向けられるんじゃないのかというような余り実態を知られていない批判がかなりあるんですが、資料の七には、国家予算の変化、示しております。一九九〇年と二〇二四年です。九〇年に教育・科学技術費五・一兆円でした。それが、二〇二四年というと三十四年後ですけど、五・五兆円です。本当に微増でしかありません。 先ほど大学の独法化の問題もありましたけれども、私自身も京都大学の経営のメンバーに入っておりましたが、本当に国立大学の運営費交付金どんどん減らされております。困難は目の当たりにしてまいりました。 一方で、社会保障費、この間に十一・六兆円から三十七・七兆円、三倍以上になっております。このグラフにあるとおりです。ここに社会保険料まで入れると六倍以上です。 ということは、教育費だけ置いてきぼり食っているんですよね。ですから、教育費に今入れることは、国家としての財政のバランスを取る上で決して間違った方向ではないと思っております。 三党合意の四番目に更なる高等教育への支援拡充がありますが、資料八には、住民税非課税世帯には大学それから専門学校を含めて令和二年から高等教育への支援が始まっております。これまで三十四万人。それから、この令和七年からは多子世帯、三人以上ということで高等教育の支援が始まりますが、ここは、日本学生支援機構を介して、具体的な、ある意味で、ちゃんと単位は取っているか、それから勉強しているかということもチェックしながら進めていただいているんですけれども、この住民税非課税世帯三十四万人の支援を受けた学生さんの感想とか、あるいは当事者からの評価というのは、文部科学省さん、持っておられないでしょうか。大臣、お願いします。
○国務大臣(あべ俊子君) 高等教育の修学支援新制度につきまして、昨年度、本制度の支援を受けた卒業予定の学生、約十万人でございますが、アンケートを実施させていただきました。 例えば、返済の不要な給付型奨学金によりまして学業を継続することができたと回答したのが全体の八三%でございました。また、大学等への進学により専門的な知識や技術を身に付けることができたと回答したのが全体の約七六%など、本制度が有益であったという回答が多くございました。その中でも、この制度があったから勉強に意欲的に取り組みながら経済的な不安なく大学生活に専念できた、一人親家庭の自分が無事に進学して卒業できたなどという感謝の声もいただいているところでございます。 また、本制度の支援対象であります住民税非課税世帯の大学等へのこの進学率を調査いたしましたところ、制度開始前の推計で約四〇%でございましたが、令和五年度には約六九%まで向上しておりまして、この制度の導入が寄与したものと考えているところでございます。 以上です。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。決して税金の無駄遣いなんて言わせないですよね、文部科学大臣、どうですか。ここまで十万人の方が前向きに評価をしていただいている。 それで、もちろん、学生アルバイトで百三万円の壁問題、社会的関心を呼んでいますが、時間給千円で百万円を稼ぐには一千時間のアルバイトです。これ、年間三百日アルバイトしたとして、一日三・三時間。本当に、ですから、ここで七十万円、私学で、国公立で五十四万円を直接支援するというのはどれほど学生さんにとって大事な支援であるかということ、ここは是非、学生支援機構と協力しながら、もちろん単位不足、学業不振の場合には取消しなども条件付けられております。私、その細部の規定を、百ページほどあるんですけど、全部読ませていただきました。 というのは、私自身、大学の学長をしておりまして、スポーツ大学だったんですが、年間百六十万円です、授業料が。で、毎月毎月、数人が授業料払えないからと言って退学願を出すんですが、その退学願は判こを押すのは学長なんです。本当につらかったです。お一人ずつが、うちは母子家庭だからこの授業料払えない。そうですよね、年間百六十万円。 半分くらいの学生さんは奨学ローンです、奨学金と言いながら。しかも、利子付きだったりするんですよね。ですから、卒業のときに四百万とか、場合によっては五百万借金を抱えているというような学生さんに出会ってきましたので、ここは何としても高等教育の方で、多子世帯だけではなくて、全ての子供たちに高等教育の支援をしていただけたらと思います。 文部科学大臣、全ての子供に入れたら、今、多子世帯だけで二千六百億円と聞いていますけれども、簡単に金額だけで結構です、幾ら必要になりますか。
○国務大臣(あべ俊子君) お答えいたします。 本当に、委員が学長として子供たちの退学届に印を押すというおつらい体験、聞かせていただきました。 私自身も、奨学金を借りて大学を出まして、返済するまでいろんな思いをしながら頑張ってまいりましたが、そういう中で、委員が今日質問されましたところの大学の学生の全員を対象に授業料の無償化を行う場合についてでございますが、現行の高等教育の修学支援新制度において設定している授業料単価に学生数を掛けて試算をいたしますと総額約二兆円になるところでございまして、令和七年度予算案からの追加所要額は一・六兆円となるわけでございまして、文部科学省といたしましては、経済的な理由で希望する学生が進学を断念することがないように、引き続き、高等教育費の更なる負担軽減と支援の拡充に、検討の上、取り組んでまいります。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 先ほど、一九九〇年、科学技術・教育費五・一兆円、今五・五兆円。その間に、社会保障もちろん必要です、社会保障費は三倍、年金あるいは社会保険まで入れると六倍です。日本の国の支出のバランスを考えたときに、総理、どうでしょうか、この二兆円、思い切って挑戦をできないでしょうか。財務大臣もおられますけれども、総理の挑戦の意欲。 そして、本当に子供たちが一人ずつを、七十万人弱しか生まれない子供たちに一人ずつの知力を上げる、それを知の総和といっておりますが、実は、大変タイムリーなタイミングですけど、先月二月二十一日に中教審、中央教育審議会が「知の総和」向上の未来像という報告書を出していただきました。これも二年ほど掛けて、人口減少時代に日本が知力を、そして国力を維持するにはどうするかということで、大変これも画期的な、タイムリーな報告書だと思っております。 ここのところで言っておりますのは、アカデミックな教育だけではなくて職業教育を含めて、また、特に都市部だけではなくて農村部あるいは地方というところで、地方の専門大学なりあるいは様々な資格を与える職業的なところでこの知の総和事業広げていけると、私自身は期待をしたいわけです。 総理、どうでしょうか、この「知の総和」向上の未来像。まさにこれ、地方創生と、それから、特に女性の場合にどうしても都会に流れがちなんですけれども、地域にそれこそエッセンシャルワーカーで医療、介護あるいは保育、今日も保育の現場のお話がありましたけれども、エッセンシャルワーカーが地方に残る上でプラスアルファの知の総和を強化できるということで、総理、この辺り、知の総和ビジョンを何としても石破総理の時代に実現できるような、そんな方向を考えていただけないでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(あべ俊子君) 委員にお答えさせていただきます。 中教審が出しました「知の総和」向上の未来像についてでございますが、先般、中央教育審議会から、急速な少子化が進行する中で高等教育の在り方に対する答申をいただいたところでございまして、その中で、今後の高等教育政策に関して、地域の大学とのアクセス確保、また都市から地方へ動きの促進をしていく、さらには大学を核とした地方創生の推進などのための具体的な方策を御提言をいただいたところでございまして、文部科学省といたしましては、この答申をしっかりと受け止めさせていただきながら、四月から新たに地域大学振興室を設置することになりまして、また、各地域の産業基盤を維持発展させるための人材育成や地方創生に貢献する大学等の支援の充実、全力で取り組んでまいります。
○内閣総理大臣(石破茂君) ありがとうございます。 この答申はまさしく正しいことを言っているのですが、これを実現するって結構大変なことだなというふうに思っております。 もう一つは、地方の教育機関が、地域で高齢化、地方で高齢化が進んでおるわけでございますが、学び直しとかリスキリングとか、どういう言葉を使っていいか分かりませんが、中高年の方々がもう一回勉強し直すというのはとっても大事なことなんだろうと思っております。私自身、大学のときにもっと勉強しておけばよかったという反省は常に持っておるところでございますが、もう一回勉強し直すという、そういうような場としても、地方のそういう高等教育機関が果たす役割というのは非常に大きいと思っておるところでございます。
○嘉田由紀子君 衆議院の締め総のところで、三月四日だったでしょうか、日本維新の会の池畑浩太朗議員が、経験豊かな退役自衛官の方が農業大学校などで学ぶ機会を経て、そして農業者に就業していただくリスキリングの場にしたらどうでしょうかと提案をしてくださいました。 今日も朝から、農業者、本当に減って困っておりますけれども、リスキリングの場、私も知事時代、農業大学校の責任者でしたけれども、全国で四十一、農業大学校はあります。その学び直しのところで、石破総理は自衛官の仕事と農業は親和性があると言ってらっしゃいました。 たまたま、昨日だったでしょうか、テレビ見ていたら「ポツンと一軒家」というのが、長崎のぽつんと一軒家がありまして、それこそいろいろな技術、畑を作りながら、山を耕しながら、その方は退役自衛官だったんです。何もかも自分でやっていらっしゃるということで、このリスキリングの場としても地方の高等教育機関は大切だと思います。 是非とも、日本の政治家それぞれに支援団体、支援組織はありますが、なかなか子供たちあるいは若い人たちの代弁となる政党も政治家も少ないわけです。そういうところで、企業・団体献金の必要性、石破総理は繰り返しておられますけれども、私どもは、吉村代表が言っておりますように、子供のために、次世代のための政党でございます。何としても、子供の幸せ度を高めるための政治、一層心を砕いていきたいと思っておりますし、是非、与党としても、その辺り、財源確保も含めてお願いをしたいと思います。 今日は以上でございます。時間になりました。ありがとうございました。
○委員長(鶴保庸介君) 御苦労さまでした。 以上で嘉田由紀子君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) 次に、浜野喜史君の質疑を行います。浜野喜史君。
○浜野喜史君 国民民主党の浜野喜史でございます。 三十年間停滞をしております経済を良くしたいという思いで、今日は質問をさせていただきます。 経済の安定、成長のためには、各産業の維持、継承が大前提であるというふうに思います。そのためには、公正取引、適正な取引が重要であるという観点で、まず質問をさせていただきます。 総理に御質問いたします。印刷、情報、メディア産業における適正取引についてお伺いをいたします。 令和五年三月に経産省が公表いたしました印刷産業に関する調査報告では、価格転嫁について、受注している案件を失うリスクを恐れて実行できていないというヒアリング結果が示されております。印刷業は九七・三%が百人未満の中小企業であり、取引上の立場が弱い企業が大半であります。 毎年三月には政府が定める価格交渉促進月間となっておりますが、適正取引が行われているかを政府がしっかりと確認し、印刷業を含め、中小企業においても確実に価格転嫁が行われ、賃上げにつながる環境を構築していくべきと考えておりますけれども、総理の見解をお伺いいたします。
○政府参考人(南亮君) お答え申し上げます。 我が国の雇用の七割を支える中小企業・小規模事業者が賃上げの原資を確保するため、取引の上流から下流まで適切な価格転嫁を実現することは極めて重要であります。 中小企業庁が二〇二四年九月に実施した価格交渉促進月間のフォローアップ調査によると、印刷業が受注者となる場合における価格転嫁率は五三・一%と、同年三月調査時から五%以上の改善が見られまして、価格転嫁率を業種別ランキングで見ますと、全三十業種中のうち七位となっているところであります。 他方で、御指摘のとおり、価格交渉を実現したいが交渉に応じてもらえなかったといった声も聞かれたことから、更なる価格転嫁を推進していくことが重要であります。 経済産業省としては、下請適正取引等のガイドラインや業界団体が策定する自主行動計画の普及啓発を図るとともに、ガイドラインにおける具体的な問題事例や優良事例の充実を図るなど、適切な価格転嫁を促してまいります。 さらに、下請Gメンによる取引実態の把握や、公正取引委員会等と連携し、印刷業において問題となり得る協議に応じない一方的な価格決定や手形払いの禁止等を盛り込んだ下請法の改正法案の提出などを進め、適正な価格転嫁が行われるように関係を構築してまいります。
○浜野喜史君 適正取引に関係して、引き続きお伺いをいたします。 次に、農水大臣にお伺いをいたします。食品業界における適正取引についてお伺いをいたします。 食品業界におきましては、三分の一ルールなど、食品ロスやメーカーの利益圧迫につながる商慣習が根強く存在をいたしております。本年二月にフード連合とUAゼンセンが取りまとめました実態調査におきまして、食品ロスやメーカーの利益圧迫につながる商慣習を含めた不公正取引について改善していると答えた割合は、昨年度の調査結果と変わらず三一・二%にとどまっております。 こうした実情を踏まえ、ガイドラインの改正なども真剣に考えていくべきと考えますが、農水大臣の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(江藤拓君) お答えさせていただきます。 一年前と比べて調査結果がほとんど変わらないということは重く受け止めなければならないと思っております。 適正取引推進ガイドラインにつきましては、これ優越的地位の濫用とか不正取引とか、そういったものについて解説したものでありますので、ちょっとそこに、食品ロス削減の商慣習に盛り込んでいくには少々ちょっとずれがあるかなというふうにはちょっと思います。 しかし、やっぱり三分の一から二分の一に変わっていくという動きが出ておりますが、ただ、小売の方々の話を聞くと、今まで余り賞味期限が切れる前のやつは棚に並べないようにしていたけれども、この二分の一ルールになるとぎりぎりのところまで商品棚に物を置くことができる。消費者の目から見ると、このスーパーは賞味期限ぎりぎりの物を置いていると。本当は賞味期限と消費期限は違うんですけれども、そういう意識もあって、商売上、やっぱり三分の一ルールでやろうかなという動きがあるのかなというふうに私は理解しております。 このため、七日に国会に提出しました食料システム法案では、商慣行の見直し等において、持続的な供給に資する取組の提案があった場合には必要な検討と協力を行うことを努力義務というふうにいたしております。必要な場合は農林水産省から指導、助言を行い、その後には勧告までするということになっておりますので、ガイドラインはあくまで行政指導までは対応策でありましたけれども、今後はより一層強い措置を講じていきたいと考えております。
○浜野喜史君 適正取引に関連する適正工期について、国交大臣にお伺いいたします。 令和二年十月に、著しく短い工期による契約締結の禁止が定められました画期的な改正建設業法が施行されました。その後、令和五年十月に、電力総連の内部組織であり、電気工事業関連の労働組合で構成している電工部会でアンケート調査を実施いたしましたところ、後工程を担うことが多い電気工事業には適正な工期確保の広がりが感じられないとの声が多数を占めました。 電気工事業においても適正な工期が確保されるよう、発注者や施主、ゼネコンに対してより強力に意識改革を求めていくべきと考えますが、国交大臣の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(中野洋昌君) 浜野委員にお答え申し上げます。 委員からは、電気工事業ということで具体的に現場の声もいただきまして、御質問いただきました。 建設業の働き方改革のためには、発注者や元請となるゼネコンの理解の下で、電気工事など後工程の工事、これ様々、内装ですとか設備とか道路の舗装ですとか、いろんな後工程、工事ございますが、電気工事など後工程の工事も含めて適正な工期の確保が必要であるというふうに考えております。 委員に御紹介いただきました、令和二年に受発注者が遵守をすべき工期に関する基準を作成をいたしました。この中では、専門工事業者による工期の見積りを尊重をして当初の工期を適正に設定をするとともに、前工程で遅延が発生をした場合には、後ろの、後の工程でしわ寄せを受けることがないように工期を適切に延長すべきことを明記をいたしました。この基準の周知を図ってきたところでもございます。 さらに、昨年三月には、この工期に関する基準におきまして、適正な工期設定というのは、最初の契約のときだけではなくて契約変更の際も必要であるということも明確化をするとともに、受発注者によるパートナーシップ構築の重要性について位置付けたところでございます。 まだまだそうした、現場ではそういうのが進んでいないじゃないかと、こういう御指摘かと思いますが、昨年四月から時間外労働上限規制が建設業にも適用されたところでございまして、この適用後の状況も含めまして、業界の声を聞くなど実態をよくしっかり把握をさせていただいた上で、改めて、発注者や元請の業者に対しては適正な工期の確保、これはしっかり徹底をしてまいりたいというふうに考えております。
○浜野喜史君 農水大臣、国交大臣は、これで質問終わりましたので、御退席いただいて結構です。よろしくお願いします。
○委員長(鶴保庸介君) 御両相、御退席いただいて結構でございます。
○浜野喜史君 ここからは、総理と財務大臣にお伺いいたします。 冒頭申し上げましたけれども、三十年間停滞を続ける日本経済を浮上させたいと、こういう思いで質問させていただきます。 総理は、賃上げと投資が牽引する成長型経済へ移行したいというふうにされております。(資料提示)賃上げと投資が牽引する成長型経済とはどのようなものなのか、改めて御説明をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(石破茂君) 失われた三十年とよく申しますが、一番日本経済がピークだったのは一九九四年だったと思っております、世界GDPの一八%持っておりましたので。今、四%を切るか切らないかというところまで下がっちゃったのは、それはいろんな理由はあるのですけれども、雇用は維持するが賃金は上がらない、系列というのか、下請は維持するが十分なお金も払われない、新しい商品、これは製品の場合もありますし、サービスの場合もありますが、そこに対して十分な投資が行われなかったと。 GDPは付加価値の総和でございますので、この金出してもこの商品欲しいね、この金出してもこのサービス受けたいねというその付加価値は、そういうことをやっておりますと向上しないことに相なっておりまして、とにかく賃上げをして可処分所得を増やす、投資をやって魅力的な商品、魅力的なサービスを増やす、それがどうやって回っていくかということで、今までの政策は、それはそれで非常に、雇用を維持する、失業を増やさない等々非常に大きな意味があったのですが、ここからは政策を転換をして、賃上げと投資、この両方が相まって、特に個人消費がGDPの五十数%を占めております状況に鑑みて、個人消費の喚起に資するようにしていきたいと思っております。 そのためには、いかにして賃上げを行うかということは最も肝要でございまして、これ、春季闘争が始まりますが、大企業の労働者のみならず非正規雇用の労働者の方々にも賃上げの効果が行き渡るように、労働界の皆様方にもお力を賜りたいと思っておるところでございます。
○浜野喜史君 パネルを掲げさせていただいたんですけれども、総理はこのような説明されているんですね。賃金が上がり、家計の購買力が上がることで消費が増える、その結果、物価が適度に上昇し、それが企業の売上げ、業績につながり、新たな投資を呼び込み、企業の成長や更なる賃金上昇につながるという、このような好循環を実現いたしますと。私は、極めて的確なこれ表現で成長型経済を表現されておられるものというふうに理解いたします。 そして、我々国民民主党は、給料が上がる経済ということをかねてより主張しておるんですけれども、私は、全く同じことを念頭に置いているといいますか、描いていると。表現は違います。総理は賃上げと投資が牽引をする成長型経済、我々国民民主党は給料が上がる経済ということを標榜しております。内容的に私は全く同じことをイメージしているというふうに理解しますけれども、総理の御認識をお伺いいたします。
○内閣総理大臣(石破茂君) 全く一緒でありたいと思っておりますし、そごがありましたらまた適宜御指摘をいただきたいと思っております。 二〇二〇年代に全国平均千五百円ということでございまして、これは相当にその賃上げと投資が牽引をいたしませんとそういうことは実現をするものではございません。これをうまく循環していかないといかぬのでございます。 で、二〇二〇年代に全国平均賃金千五百円ということを実現するためには、様々ないろいろな課題はあろうかと思いますが、要は、手取りが増える、賃金が増える、そのために個人消費が上がっていきという、恐らく御党と私どもと目指すところは一緒だと思っております。 繰り返しになりますが、もしそご等ありましたら御指摘くださいませ。
○浜野喜史君 認識は同じだというふうに私は理解をいたします。 その上でお伺いいたします。 まず、賃上げだということについては強く賛同いたします。その上で、広く社会に賃上げを呼びかけている以上、公的な認可料金などの認可は賃上げを考慮して行うべきであると考えております。電力における規制料金や託送料金に加え、鉄道料金、薬価などの認可、公定について賃上げを考慮して行うべきと考えますが、総理の基本的な見解をお伺いいたします。
○内閣総理大臣(石破茂君) 賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行を目指す上で、電力、鉄道、薬価などの公的分野におきましても、その価格の審査に際しまして賃上げを考慮することは当然重要でございます。人件費、労務費の増加を踏まえた値上げ申請が出されました場合、適正に査定をいたしました上で、料金や価格に反映することで賃上げが進められる、そのような環境整備に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○浜野喜史君 総理には基本的に私の主張を肯定する見解を表明いただいたと思いますけど、その上で、資料要求をお願いしたいと思います。 電力の規制料金、託送料金、鉄道料金、薬価の認可等について、賃上げを考慮して行っていることが分かる資料の提出を委員会に対して求めたいと思います。 委員長、よろしくお願いします。
○委員長(鶴保庸介君) 後刻理事会にて協議をさせていただきます。
○浜野喜史君 その上でお伺いいたします。 賃上げとともに、総理は、消費の拡大がやはりこの成長型経済ということを実現していく上において極めて大切だというふうにおっしゃっているというふうに私は理解しておるんですけれども、それでよろしいでしょうか。
○内閣総理大臣(石破茂君) その御理解で結構でございます。
○浜野喜史君 その上で更にお伺いいたしますけれども、成長型経済の実現のためには消費拡大がやはり大事、ポイントであるということをお答えいただきました。 その消費拡大には減税が一つの手段であるというふうに認識をいたしますけれども、総理の御見解をお伺いいたします。
○内閣総理大臣(石破茂君) 基本的にはそのとおりでございますが、減税をどのような形で行うのか、そのことについては様々な議論がございます。 もしよろしければ、財務大臣から答弁をさせていただきます。
○浜野喜史君 財務大臣、後でお伺いします。 減税がやはり消費拡大の一つの手段であるということは、これは肯定されたというふうに理解をいたします。 その上で、今回、我々国民民主党の主張に一部応える形で基礎控除等の引上げを行われたということでございます。今回の基礎控除等の引上げなどによる減税総額は幾らになっているのかということ、これをお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(青木孝徳君) お答え申し上げます。 今般の基礎控除の引上げなどによる所得税の減収額でございますが、政府が提出した原案では五千八百三十億円、衆議院の修正におきまして六千二百十億円と見込まれておりまして、総額一・二兆円程度になります。
○浜野喜史君 総額一兆二千億円の減税を決断されたということにつきましては一定の敬意を表したいというふうに思います。しかし、我々は、消費の拡大ということを促すにはやはり不十分だというふうに考えまして、合意に至らなかったという経過だというふうに思います。 その上で、我々の主張に全面的にお応えにならなかったのは、財政的な制約があるからこれ以上の減税は不可能であるというふうに判断をされたものと私は理解しているんですけれども、そのような認識でよろしいでしょうか。総理、お答えいただければ幸いですが。財務大臣でも結構です。
○国務大臣(加藤勝信君) これは政党間の話でございますから、政府からということには若干限界がありますけれども、衆議院の修正で、課税最低限百六十万まで引き上げた上で、さらに、物価上昇局面における税負担の調整について、所得税の抜本的な改革において具体案を検討する旨法律の附則に明記されておりまして、今一定の評価もいただいたというところでありますが、その上で申し上げますと、やはり厳しい財政事情を考えますと、国、地方の財政への影響、あるいは減税した場合その財源をどう確保するか、この議論というのは大変大事だと思っております。 また、ほかにも、一律の控除額引上げでは限界税率の高い高所得者ほど減税額が大きくなるという課題もございまして、衆議院の修正では、高所得者優遇とならないよう、また、所得に応じた控除額の設定を行うことで、政府案と衆議院修正を合わせてそれぞれの収入階層での減税額の平準化をし、平準化を図り、公平性の確保が図られたものと承知をしておりますので、財源だけが理由ではないものと承知をしております。
○浜野喜史君 財源だけが理由じゃないということでありますけれども、やはり財政的制約をこれ政府それから与党は一体となって御判断されたというふうに理解しますので、やはり財政的な制約もあってということだと理解をいたします。 その上で、財務大臣にお伺いしたいんですけれども、平成七年度、今年度の国債発行についてですね、どの程度……(発言する者あり)失礼しました、令和七年度の国債の発行について、どの程度までなら許容できるというふうに考えて予算を組んだのか、根拠と併せて御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) それは、国債をどこまで発行できるからといって予算を組むというよりも、予算がどういったものが現状において国民生活を守るため等々必要なのかという観点から積み上げ、もっとも、一方で財源というものも考えていかなきゃいけない、こういうことだと思います。 今、我が国は、財政健全化に向けての取組の下で金融緩和が実施されている中、家計の金融資産や経常収支の黒字等を背景に、大量の国債の大部分は国内で低金利かつ安定的に消化できていると認識をしております。ただし、一たび財政の持続可能性に対する信認が失われたという場合には、金利の急上昇、また過度なインフレが生じ、日本経済、社会、そして国民生活に多大な影響を与える可能性は否定できないと考えております。 具体的な水準ということでございますけれども、現在の経済状況、財政の状況に加えて、今後の人口減少、少子化、高齢化など構造的な変化の動向、また財政運営に対する現状の評価、また今後に対する評価、こういったことを総合的に勘案して、最終的には市場参加者が我が国の財政の持続可能性に対してどう評価をするか、そこに懸かっているというふうに考えておりますので、どの程度の国債発行や財政赤字が許容されるかということについては一概に申し上げることは難しいことは御了解いただければと思っております。 大事なことは、今申し上げましたように、市場や国際社会における中長期的な財政の持続可能性への信認が失われることのないように、一方において力強く経済再生を進める中で財政の健全化も実現をしていく、財政の再生と経済健全化の両立、これを図っていくことが重要だと考えています。
○浜野喜史君 額を明示的に示すというのはなかなか難しいというのは私は理解をいたします。 それに加えて、市場で何とか今順調に消化されているというような御説明もありましたですね、国債について。国債の消化が困難な状況に今あるわけではないと、こういう理解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げましたように、国債の大宗は今市場において発行しております、一部個人向けの国債等もございますが。国債市場で安定的に発行を行う観点から、市場の状況や市場関係者の意見なども踏まえて国債発行計画の策定を行っております。これまでのところ、入札発行を通じた資金調達に支障が生じているという状況ではございません。 ただ、先ほど申し上げたように、市場においては国内外の投資家が様々な投資目的や今後の見方などに基づいて投資を行っており、国債市場を取り巻く環境は日々変化しておりますので、財政運営に対する市場の信認が失われないように努力をしていくことは重要だと考えています。
○浜野喜史君 財政に関する信認が将来失われることのないようにしっかり対応していくということであります。 財務大臣の説明は、私、一定理解はできるんですけれども、そういう説明をされている中で、国会においてこういう説明されるんですね。日本の財政は債務残高対GDP比が世界最悪の水準にあるなど引き続き厳しい状況にあると、こんな説明されているんですね。 対GDP比の水準だけを強調し国民に説明することは、国民に対する不安をあおることに私はなりかねないというふうに思うんですね。もう極めてこれは問題がある。これも国会における説明ですよ。私は極めて問題が多い説明だというふうに思いますけれども、見解をお伺いいたします。
○国務大臣(加藤勝信君) 我が国の財政状況を様々な指標を用いて検証、議論していくことは重要だと思っておりますが、債務残高対GDP比、これはかなり国際的にも使われておりますし、政府の債務の総額が、返済原資となる税収を生み出す国の経済規模、これがGDPでありますから、これに対してどの程度の割合になっているかを示した指標であり、持続可能性を見る上では有意義なものと考えております。 他方、財政演説においては、あわせて、賃金、所得の増加を最重要課題として、賃上げ環境の整備や成長分野における投資促進など、生産性や付加価値を高め、安定的に賃金、所得が増えていくメカニズムを構築していくことを説明し、そのためにも、総合経済対策、またその裏付けとなる令和六年度補正予算の迅速かつ適切な執行、さらには令和七年度予算のです、あるいは七年度税制改革の着実に実行していく必要性を申し上げたところでございますので、先ほど申し上げましたように、経済の再生を図りながら、併せて財政の健全化の両立を図っていくということが、先ほど申し上げた市場における財政の持続性に対する信認を得ていくためにも大事だと考えております。
○浜野喜史君 御説明がありましたように、債務残高の対GDP比が一定の意味があるということを私は否定はいたしませんけれども、それを表して世界最悪だということを内外に財務大臣が説明するということは、これいかがなものかというふうに思うんですね。これ是非、こんな説明でいいのかどうか御検討はいただきたいと強く申し上げておきたいと思います。これ総理も是非御検討いただきたいと思います。 その上で、先ほど来からいろいろ御説明がありました将来的なその政府財政に対する信認についてですね。将来的なおそれがないように、おそれがないとは言い切れないので、そういうことを念頭に置いてという説明をされるわけです。これ、おそれがないとは言い切れない、可能性はないとは言い切れないという説明されるわけですね。そういう説明されると、こちらは可能性は絶対ありませんなどという説明は我々できません、ないことの証明はこれ極めて難しいわけですから。 したがって、私は、そういう説明をされるんじゃなくして、こういうおそれが、可能性が強いのか、可能性が高いのか、可能性が低いのか、そういう説明をして、今の政府の財政の状況について正確に国民に対して説明をしていく必要があると思うんです。私は、現状、無用な不安をあおり過ぎているのではないかというふうに考えるんですね。結局のところ、消費マインドを萎えさせてしまっている可能性があるというふうに思うんですけれども、財務大臣、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今、先ほど申し上げたように、最悪というのは、これ、数字で見てこれは最悪の水準でありますから、これは統計的には明らかな部分でございます。 その上で、やはり財政の持続可能性というのは、先ほど、市場関係者にとっても大事でありますが、国民の皆さんにとっても、財政、あるいは例えば年金とか社会保障等含めて、将来どうなっていくのか、そういったことは、将来への安心、逆に言えば将来への不安ということにもつながり、それが現在の消費にもつながっていくわけですから、こういった意味において、将来における財政の持続可能性をしっかり確保していくということは、国民に対する安心、そして広い意味での消費にもつながっていくというふうには思うところでございますので。 したがって、一方で財政の健全化を図りながら、しかし、足下必要な、先ほどから御議論いただいております賃金の引上げ、賃金の上昇、もうこれを促すような形での価格転嫁、あるいは生産性の向上に向けての投資の促進、こういったことにもしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
○浜野喜史君 総理にここで質問したいんですけれども、賃金が上がり家計の購買力が上がることで消費が増え、その結果、物価が適度に上昇しということを総理は成長型経済ということについて表しておられるわけです。 ここで、消費が増え、その結果、物価が適度に上昇すると、これが望ましい形だというふうにおっしゃっているわけですけれども、今起こっている物価上昇はこういう物価上昇なのかどうか、御認識をお伺いいたします。
○内閣総理大臣(石破茂君) 安定的な物価の実現のため、日銀は各種政策を講じておるところでございます。 現在、大体その目標というものを達成しつつあるという認識も一方において持っておりますが、この食料品の高騰あるいはエネルギー価格の高騰というものは、これを超えている部分がございます。 ですので、安定的に二%の物価上昇という中に収れんをしていく、それを実現していくために様々な手だてはございますので、先ほど来御指摘のございます米の高騰対策あるいはエネルギーの安定供給、そういうものにつきましては政府として引き続き努力をいたしてまいります。
○浜野喜史君 今の質問、ちょっと通告していなかったので申し訳なかったかもしれませんけれども、今起こっている物価上昇は、総理が理想的とされている、消費が増え、その結果、物価が適度に上昇しているというものではないという理解を私はすべきだというように思います。したがって、我々主張しているのは、今はこういう理想的な物価上昇で国民の皆様方困っておられるわけじゃないんですね。海外原材料、燃料の高騰、これを主な要因とする物価上昇で困っておられるわけです。 したがって、今は、我々は、国民民主党は、国民の皆様方のとにかく御負担を減らそうと、そして総理がおっしゃるように成長型の経済を回していこうと、この二つの目的で我々は、手取りを増やす、減税だというふうに主張をしておりますので、是非これは御理解いただきたいと思いますけど、一言いかがですか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 済みません、委員並びに御党の論理はよく理解をいたしたところでございます。 ただ、ここ数年、随分魅力的な商品も出てきたと思っているのですね。これはサービスにおいてもそうでございます。こういう旅館に泊まってみたい、こういうホテルに泊まってみたい、そういうような新しい魅力的な商品も出てまいりました。製品においてもそうでございます。 ですから、そういう望ましい商品が出る、サービスが出る、欲しいなということで人々が買う、賃上げも実施される、これがぐるぐる回っているということを実現したいと思っておりますが、おっしゃいますように、エネルギーの高騰、食品の高騰、そういうものが落ち着いてまいりますように、私どもとして可能な限りの手だては講じてまいります。おっしゃる趣旨はよく理解をいたしました。
○浜野喜史君 これはもう御答弁結構ですけれども、今はやはり国民の皆様方の負担を減らす、経済停滞期で負担を減らす、そして経済を回すために手取りを増やす、この二つを我々は主張しておりますので、是非今後とも我々の主張を受け止めていただければというように思います。 エネルギーの安定供給ということについて総理に二問御質問させていただきまして、これで基本的に質問を終えたいと思いますけれども、やはり経済の安定成長のためには安価で安定的なエネルギーの供給ということが不可欠だと思います。 その点でお伺いするんですけれども、やはりエネルギーの安定供給と脱炭素化を両立するためには原子力発電の最大限の活用が必要不可欠だというふうに考えております。一昨年、原子力発電の積極活用にかじを切られた政府に心から敬意を表したいと思いますが、ただ、これは政府の支援がなければ、原子力発電の新増設、リプレースは成し得ません。是非強力な支援をしていただきたいということが一つ。 そしてもう一つ、エネルギーといえば電力分野がとかく注目をされがちであるんですけれども、石油が国民生活、経済活動に不可欠なエネルギー源であり、引き続き重要な役割を担うことに変わりはないというふうに思っておるところでございます。様々な税制優遇措置についても定められておりますけれども、租税特別措置になっておりますので、是非これを本則化をしていただきたい。探鉱活動を促進し、石油、天然ガスの安定供給を確保するため、しっかりと検討をしていただくべきと考えておりますけれども、二点、総理の見解をお伺いいたします。
○内閣総理大臣(石破茂君) あしたは三月十一日でございます。私も福島に参りまして、式典にも参加をし、亡くなられた方々始め多くの被害を被られた方々に祈りをささげたいと思っているところでございますが。 原子力について申し上げますと、先月閣議決定いたしました第七次エネルギー基本計画、電力の脱炭素化と安定供給を実現するため、安全性の確保を大前提として、原発の建て替えを含め、事業期間が長く投資規模も大きい脱炭素電源への投資を促進するため、事業環境等を整備していくことといたしております。 実効的に投資を促す仕組みとなりますように、公的な信用補完の活用などファイナンス円滑化の方策に加え、諸外国の事例も参考としつつ、投資回収の予見性を高める方策等につきまして、今後経産省において具体的な検討を深めてまいります。 委員御指摘の減耗控除制度あるいは海外投資等損失準備金の制度は、石油、天然ガスの資源開発を進めていく上で非常に重要な基盤となるものでございます。こうした税制等を通じまして、引き続き、政府といたしまして、石油、天然ガスの安定供給確保を図ってまいります。 一方におきまして、租税特別措置は、特定の政策目的を実現する有効な政策手法でございますが、税負担のゆがみを生じさせる面もございまして、適用期限の到来に合わせ利用状況を的確に把握し、その必要性や政策効果を見極め、真に必要なものに限定してまいりたいと考えておるところでございます。 今エネルギー自給率は一五%でございますので、これは太平洋戦争開戦時よりも低いと認識をいたしております。したがいまして、今後、石油の安定供給、原発の安全性を確保した稼働ということも当然でございますが、あわせまして、LNGというものの活用も更に考えてまいりたいと思っておるところでございます。
○浜野喜史君 若干時間がありますので申し上げたいと思いますけれども、今やはり、総理、守るべきは政府財政ではないと思うんですね。やはり国民生活、そして経済を回していくこと、これを最優先して政権運営を行っていただくことを強く求めて、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(鶴保庸介君) 以上で浜野喜史君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) 次に、伊藤岳君の質疑を行いたいと思います。伊藤岳君。
○伊藤岳君 日本共産党の伊藤岳です。 初めに、高額療養費制度について、総理にお聞きします。 総理は、今年八月からの負担上限引上げについて見送ることとしました。見送るのであれば、参議院選挙の前に、負担上限引上げを全面撤回すると表明すべきではないですか。がん患者さんは、物価高騰の中で、ただでさえ生活圧迫、引上げは絶対にやめてほしい、むしろ引き下げてほしいと言っています。 高額療養費の負担上限は引き下げるべきではないですか。総理、どうですか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 私どもとして、これが十分に、がん患者の皆様方始め、御意見を承っていなかったという深い反省を持っておるところでございます。したがいまして、このような決定に至ったものでございますが、今後、患者の皆様方あるいは団体の皆様と保険者の皆様、そういう方の御意見を適切に、そこにおいて議論を交わしていただきながら決定をしていくべきものでございます。現時点において委員御指摘のようなそういう決定を行うということは、そういう御議論を等閑視することになります。 私として、プロセスに十分な点が、プロセスが十分でなかったという反省の下に、患者の方々が御不安を抱えたまま決定をするということをしないという決断をいたしたものでございます。いろんな議論がなされますが、そこにおいては、持続可能性とともに、そういう御不安の解消、御負担の軽減というものも併せて御議論が賜ることになるだろうと思っておるところでございます。
○伊藤岳君 がん患者さんの御苦労に応えるならば、負担上限引上げの全面撤回と引下げしかないと強く求めたいと思います。 埼玉県八潮市で発生した道路陥没、下水道事故についてお聞きします。 まず、事故に遭遇された、いまだ安否不明の男性の一刻も早い救助を願います。また、事故現場付近にお住まいで避難を余儀なくされた皆さん、営業の減収等の被害を受けた皆さん、下水の排出制限や異臭等で不便な状況に置かれた皆さんに心からのお見舞いを申し上げたいと思います。 八潮市の事故現場は、市役所のすぐ、本当近くでしてね、同市のメインストリート、私もよく通る場所です。通行量も非常に多いです。そこであれだけの大規模な陥没に驚き、誰もがこうした事故に遭うのではないかという心配が多くの国民の思いではないかと思います。 石破総理、総理は今回の八潮市の事故をどのように受け止めておられますか。
○国務大臣(中野洋昌君) ちょっと担当大臣としてお答えさせていただきます。 一月二十八日、埼玉県八潮市で道路陥没事故発生をいたしました。私も現地へも行ってまいりました。トラックドライバーの方が今も行方不明でございます。また、埼玉県の御地元、約百二十万人の方々が下水道の使用自粛を求められるなど、甚大な被害が生じているところであります。大変に重く受け止めております。 国土交通省では、平成二十四年、笹子トンネルの事故がありました。で、翌年の平成二十五年から、これはやはり老朽化対策やらないといけないと、二十五年、社会資本メンテナンス元年ということで銘打ちまして、省を挙げてインフラの老朽化対策に取り組んでまいりまして、下水道の分野でも平成二十七年に下水道法を改正をいたしまして、これは維持修繕基準をこのときに創設をいたしました。そういう意味では、下水道も予防保全、このメンテナンスの強化だということで取り組んできた中でこのような重大な事故が起きたということを大変重く受け止めている次第でございます。 今回の事故を教訓に、この管路のメンテナンスというものを再建をして、このような事故を二度と起こしてはならない、こういう強い決意で対策を講じてまいりたいと、このように考えております。
○伊藤岳君 総理も一言、見解どうでしょうか。特に、総理、埼玉県民、日本国民の不安の払拭、これは大事だと言われてきましたけれども、どうですか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 今回このような事態と相なりましたが、これ、埼玉県においても点検というものは今までも行ってきたところでございますが、こういうことが起こったと。 これから先、起こってからどうしましょうかみたいなことを言っておっても仕方がないので、予防保全型というのでしょうか、そういうものに切り替えていかないと、被害が実際に発生してからでは、それはもう被害をどうするんだということもございますし、掛かる費用も大きいし、その間に生ずる不便、便益が十分に発揮されないと住民の方々に御迷惑も掛かる、御負担も掛けるということで、予防保全型というものを更に先行して取り組みたいと考えておるところではございます。
○伊藤岳君 中野大臣、今回の事故の原因は何だったんですか。
○国務大臣(中野洋昌君) 埼玉県八潮市で発生をした道路陥没事故の原因ということでの御質問でございますが、これはもちろん流域下水道管の破損に起因をするものであるというふうに考えております。この具体的な事故の原因につきまして、今回の下水管の施設の管理者は埼玉県でございまして、この具体的な原因につきましては、今後、施設管理者であるこの埼玉県におきまして調査がなされるものであるというふうに承知をしております。
○伊藤岳君 要するに、現時点で事故の原因は断定できないということですよね、総理。事故の原因究明が何より大事で急がれるべきだと思います。それなしには、埼玉県民、日本国民の不安の払拭はできないと思いますね。十分な点検と維持管理がなされていたならば、事故は防げたはずなんです。 まず、下水道の点検について伺います。長く下水道職員として働き現場を熟知する方のお話では、大きな口径、今回のような大きな口径での下水道管では一定の流量以上になると内部に立ち入って目視による点検は難しい、また、高い、高濃度の硫化水素があるとすれば、その危険性も回避しながらの点検が必要となるというふうに言っておられました。 中野大臣、実際、今回どのような点検が行われていたか、確認はできていますか。
○国務大臣(中野洋昌君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、確かに下水管、硫化水素等の大変有毒なガスもあります。非常にそういう意味では、点検といっても様々な、何というか、そういう注意をしながらやっていくというのは委員の御指摘のとおりかと思います。 今回の埼玉県のこの八潮市の下水道管路がどのように点検されていたのかということであります。 今回確認をしておりますけれども、埼玉県におきましては、全ての管路の内部について五年に一回の頻度で調査をしたというのが埼玉県からの報告でございます。 この具体の、八潮市の今回陥没をしたこの道路陥没の場所につきまして、ここの下水道管路は直近では令和三年度に調査をしたと。具体的には、船のように水面に浮く機器にカメラを取り付けて具体的に管路の中を撮影をして、その画像によって調査をしたというところでございます。そのときの調査では、補修が必要な腐食あるいは損傷、こういったものは確認されなかったというふうに報告を聞いているところでございます。
○伊藤岳君 そもそも、下水道の点検は国はどう定めていたのか。パネルを用意しました。(資料提示)二〇一五年に改正された下水道法に基づきますと、腐食するおそれが大きいものとして国土交通省令で定める排水施設にあっては、五年に一回以上の適切な頻度で行う。その腐食するおそれの大きいものとして、下線引きましたけど、下水の流路の高低差が著しい箇所、伏越室の壁その他と限定して指定しています。 大臣、なぜ限定して指定しているんですか。
○国務大臣(中野洋昌君) お答えを申し上げます。 下水道法で点検についてどのように定めているかということでございます。 この平成二十七年に維持修繕基準というものを創設をさせていただきました。その中では、まずは下水道法第七条の三第一項というところで、下水道管理者は、この公共な下水道を良好な状態に保つように維持し、修繕をすべきであるということをまず定めた上で、同条第二項に基づく同法施行令第五条の十二に定める……(発言する者あり)はい。 点検は、まず前提として、全ての施設について、構造や流入する下水の量などを勘案して適切な時期に適切な方法により行うというのがまず大前提でございまして、このうち腐食のおそれの大きい箇所、腐食のおそれが大きいという箇所について特に五年に一回以上の適切な頻度で点検をするということで定めているということでございます。
○伊藤岳君 こうやって限定して指定しているため、八潮市の今回の事故現場の下水道管路は、高低差が著しい箇所でもなかったし、伏越室のその他周辺にも当たらないということでしたから、実際、埼玉県は今回の事故現場の下水管路について法定点検の対象にはしていなかったんですよ。腐食するおそれが大きいものを限定しないで、今回の事故現場のような大きな口径の下水道管路全体を指定していれば、今回の事故は防げたのではないですか。 大臣、もう一つ聞きます。 五年に一回以上の点検と、この点検の頻度を定めていますが、この根拠、何ですか。
○国務大臣(中野洋昌君) 五年に一度の方の根拠ということで、まずこちらだけお答えをさせていただきます。 法律の中でもありますとおり、腐食のおそれのある、大きい箇所ということで最低五年に一回ということでございます。これは、一定の仮定の下、どのような速度で腐食が進んでいくか等々、これはある程度科学的に予測を用いて必要点検頻度について検討をしたということでございます。 そういう中で、やはり五年を経過をすると腐食による管渠の損傷の可能性が発生をすると。特に、下水の流路の勾配が著しく変化をする箇所や下水の流路の高低差が著しい箇所についてはこういう可能性が発生をするということでございますので、このような点検、このような箇所の点検については五年に一回以上の適切な頻度で実施をするということで定めたものでございます。
○伊藤岳君 衆議院の答弁では、今回の事故を受けて、下水道の点検調査の在り方、必要な検討、見直しを行うと答弁されていますが、これは是非必要だと思うんですね。 次に、点検に基づく下水道管の維持管理について聞きます。 公共インフラ全体を見ても、今後二十年間で建設後五十年以上経過する施設の割合が加速度的に高くなります。二〇四〇年には、下水道管渠は約三四%が建設後五十年、水道管に至っては約四一%、道路橋に至っては何と七五%が建設後五十年以上経過することになります。当然、公共インフラの維持管理、老朽化対策の重要性も加速度的に重くなると思うんです。 そこで、総理に伺います。 下水道だけでなく、公共インフラの老朽化対策について、点検方法の見直しと施設の維持管理の在り方全体を根本から見直すべきではないですか。総理は地方創生を掲げておられますが、公共インフラの安全性なしには地方創生成り立たないと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(中野洋昌君) 老朽化した公共インフラが加速的に増加をしていくということで、適切な維持管理、更新のための対策、一層強化をする必要があるというのは、まさに委員御指摘のとおりだと思います。 まずは、施設に不具合が生じてからではなくて、やはり定期的に点検をして、緊急度に応じて対策を講じるこの予防保全型、このメンテナンスへ転換をしていくということが非常に重要であります。 また、老朽施設は増加をしておりますが、自治体の技術職員も大変数も限られております。新技術、ロボットなど、こういうものも導入をしたり、複数自治体のインフラを群として捉えて管理するなど、定期点検また対策の質、確保してまいりたいと思います。 その上で、今後人口減少も進んでいくということで、地域の将来像を踏まえて、更新等に当たっては、やはりインフラの集約、再編等ということも必要になってこようかと思います。こうした取組の中で、将来増加が見込まれる維持管理費、更新費というのは非常に増加をしていくというふうに見込まれておりますので、これを何とか縮減をしていくという一方で、必要な修繕、更新の予算が的確に確保できるように、今、国土強靱化実施中期計画を策定に向けて調整をしておりますので、しっかりと対策を盛り込めるように調整をしていきたいと思います。
○伊藤岳君 実は、公共インフラの危機的な状況は既に早い段階から認識されていたんですよ。 これ、パネルを見ていただきたいと思います。 これ、八潮市の事故を受けて有識者委員会に提出された資料そのままなんですが、この資料を見ますと、下水道管路の布設後四十年を経過すると道路の陥没箇所が急増するというデータなんです。下水道の管路の布設後三十六年から四十年では百十九件の事故だったものが、四十一年過ぎますと二百五十件、四十六年過ぎますと五百十一件というふうに急増しているんですね。 中野大臣、このデータは国交省としていつから取り始めたんですか。
○国務大臣(中野洋昌君) 委員御指摘の、下水道管路の布設後四十年を経過すると道路の陥没箇所が増えるというデータにつきまして、この下水道管路に起因する道路の陥没の件数というのは、国土交通省におきましては平成十九年度から毎年度調査をし公表をしているところであります。また、布設後四十年程度経過をすると道路陥没件数が増加をするといった傾向につきましては、この平成十九年の当時から把握をしていたということでございます。 ですので、国土交通省では、こうしたデータを会議等の場で各下水道管理者の皆様に示しながら、適切な点検や調査、計画的な修繕、改築の実施ということは継続的に働きかけてきたところでございます。
○伊藤岳君 私、これ令和四年度の調査ですが、平成二十七年度、二〇一五年度、今から十年前のこの同じ調査を見たんですが、全く傾向同じなんです。やっぱり、下水道管路布設後四十一年を過ぎますと事故が急激に増えていくという状況なんですね。 今度は総理、答えてください。総理に聞きます。 布設後四十年経過すると道路の陥没箇所が急増するというデータを今から十七年も前から握っていたんですよ、取っていたんです。そのデータを認識しながらも、政府は下水道管の標準耐用年数は五十年と言い続けていたではないですか。これ大問題じゃないですか、総理。
○国務大臣(中野洋昌君) 済みません、ちょっと所管大臣として答弁させていただきます。 そういった意味では、やはり老朽化が進めば当然こうした件数が増加をするということで、これは適切な点検調査、そして計画的な修繕、改築、これが必要だということだというふうに思っております。それが適切になされることによって、やはりしっかりした計画的なインフラのメンテナンスができるということだというふうに思っております。 そういう意味では、平成二十七年に法律の中で維持管理基準というものも定めさせていただきまして、しっかりとこうした予防保全という考え方でメンテナンスを進めるということでやっていこうというふうに思っております。
○伊藤岳君 総理、答えてくださいよ。どうですか、総理。何で、四十年、布設後たつと事故が急増するのに、耐用年数は五十年と言い続けてきたんですかと。答えてください。
○内閣総理大臣(石破茂君) 五十年というのは、全て五十年で事故が起こるということを申し上げているわけではなくて、このグラフを見ますと確かに増えてくるわけですね。実際にそれが、耐用年数ということの定義にもよります。 ただ、その今御指摘のように、四十年、四十五年で急増するということは数字の上からも明らかなことなのであって、そうすると、それを見直す必要があるかどうかということは、それは検討はさせていただきます。今まで五十年ということで、実際に五十年間維持ができたものもございますが、そのデータを、行政の方から出したものそのまま御提示をいただいておりますので、それをよく分析をさせていただきたいと思っております。
○伊藤岳君 耐用年数ですから、総理、まあ安心といったようなものですよ。 総理、もう一度聞きます。じゃ、この五十年、耐用年数というのは、これ検討しますね。もう一度答えてください。
○委員長(鶴保庸介君) これは中野国土交通大臣に答えていただきます。
○国務大臣(中野洋昌君) 今、下水道の関係でいうと、やはり今回の事故を踏まえまして有識者委員会を設置をしているところでございます。今までも、適切な点検調査、計画的な修繕、改築が重要だということで申し上げてまいりましたけれども、やはり大規模な下水道の点検手法の見直しなどについて今議論をいただいているという状況でございますので、こうした議論の結果を踏まえまして、必要な対策はしっかりと検討、実施してまいりたいと思います。
○伊藤岳君 総理、どうですか、答えてください。五十年耐用というのは改める必要あると今思いませんか。どうですか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 済みません、今お示しいただきましたものだけでお答えはできません。 今国交大臣がお答えしましたように、どのようにして維持修繕をしていくかということについては、更に改善の余地があるということは事実でございます。人手が減っておりますので、その分、ドローンでありますとか、あるいはAIでありますとかロボットでありますとか、そういうものを活用して維持できる、そういう手法については劇的に改善をしてまいりたいと思っております。人が足りないので維持修繕ができませんなぞということを言ってはしようがありません。 そして、先ほど来お答えしておりますように、予防保全型というのはそのためにやるものでございます。いかにして予防をするか、それがまた耐用年数に密接に関係してくるものでございますので、この場において、はい、延ばしますということを軽々に申し上げることができないのは御理解いただけるかと思います。
○伊藤岳君 もう検討するとも言えないというのはだらしないと私思いますよ。こういうふうに説明しているんですから。 それで、さっき、総理、人が減ってきているんだって人ごとみたいに言いましたけど、減らしてきたのは自民党政府ですよ。 平成二十七年、二〇一五年に開催された政府の、国交省の社会資本整備審議会の分科会でこう言っているんです。施設の老朽化は静かに、しかし確実に進行しているが、それに対応する下水道担当職員は減少している。下水道担当職員が五人未満の地方公共団体が約五百存在するなど、下水道の管理体制は脆弱です。これ政府の文書ですよ、総理。 これ、パネル見てください。これ下水道職員の推移です。一貫して減っています。国交省が下水道管路の布設後四十年を経過すると道路陥没箇所が急増するというデータを取り始めた当時、平成十七年から二十二年までぐっと減っています。これ、約二割減っています。七千二百七十一人減っています。さらに、下水道の広域化、共同化を進めた二〇一五年、下水道法の改正の後も一貫して減っているんです。 中野大臣、なぜこんなにどんどん毎年大幅に下水道職員が減っているんですか。
○国務大臣(中野洋昌君) お答え申し上げます。 それぞれ各自治体の状況、つぶさに全て掌握しているわけではございませんが、下水道事業におきましては、これまでの整備によって普及が進んでまいりました。そういう意味では、整備を推進をするという段階から、維持管理を適切に行う段階へとシフトしてきたということもあろうかと思います。こうした中で、全国での職員数が減少をしてきたのではないかと考えております。 他方で、地方公共団体における技術職員、減少しております。当然、厳しい財政状況ということもあろうかと思います。こうした中で、下水道施設の適切な管理というのは非常に重要であるというふうに思っております。 先ほども少し申し上げましたけども、国土交通省では、広域連携など事業運営の基盤強化の取組を促進をするためガイドラインを策定するなどの技術的な支援を行ってきたところでございますし、また、ドローンなどのDX技術も活用して施設の管理や老朽化対策を高度化、効率化をしていくということも必要だと思っております。地方公共団体向けの分かりやすいDXの技術カタログを今年度中に取りまとめるなど、DX技術の速やかな実装に向けて取組を進めてまいりたいと思います。 引き続き、今回の道路陥没事故を踏まえつつ、必要な技術的、財政的支援を行い、しっかりと強靱で持続的な下水道システムの構築というものに取り組んでまいりたいと思います。
○伊藤岳君 DX、否定しませんよ、大いに活用するべきだと思いますよ。だけど、こんなに、表なくなっちゃったけど、こんなに人が減っていることを問うているんですよ。 今度、総理、答えてほしいんですが、政府の文章で管理体制は脆弱だと指摘していて、しかも公共インフラの老朽化という危機が先ほど言ったように見えてきている中で、下水道職員がこんなに政府の施策の誘導で減ってきているじゃないですか。この間の政府の方針、下水道事業の広域化、共同化という方針がこれでよかったと思いますか。こんなに人員が減ってよかったと思いますか、総理。
○内閣総理大臣(石破茂君) それは、生産年齢人口自体が物すごく減ってきておるわけで、この職種の方だけが減ったわけではございません。生産年齢人口が全て減っておる。中でも、エッセンシャルワーカーと言われる方々が、なかなか、他産業との奪い合いもございまして、人員を確保するのは難しい状況にあったということは事実だと思っております。そうであらばこそ、委員が先ほど重要だと言っていただきました、AI、ドローン、そういうものを最大限に活用して、少ない人員であっても予防保全型ということができるようにしていかねばならぬ。 耐用年数のお話がございましたが、今日、冒頭の宮崎委員との質疑でも、土地改良あるいは農業基盤整備のところで、事業の目的に維持というのを加えるという答弁をいたしました。いかにして維持をしていくかということも予防保全の眼目でございますので、耐用年数を単純に短くするとかそういう問題ではございません。
○伊藤岳君 予防保全があれば、では次のパネル、予防保全があればって言われますが、これ、もう一つ資料を見てください。 これ、公共インフラの維持管理、老朽化対策を、ごめんなさい、間違えました。五年に一回以上の法定点検で異状が見付かっても、その後対策は取られていないんですよ、人が足りないから。いいですか、これ。これ令和五年度までの点検で、緊急度Ⅰ、これ緊急度Ⅰというのは速やかに措置しないと危ないという箇所です、速やかに措置しないと危ないという箇所と判定された管渠が八・一キロあった。しかし、そのうち対策済みは三・六キロですよ。つまり、四・五キロが、措置、対策が取られていないんですよ。速やかに措置が必要と国が判断しながら、措置、対策は取らない。あり得ないことじゃないですか。ここに、現場に人が足りないことが現れているんだと私は思うんですね。 もう一つ、パネル、次のパネルを見ていただきたいと思います。 公共インフラの維持管理、老朽化対策などを集中的に支援する防災・安全交付金というのが、平成二十四年度、二〇一二年度の補正で創設されました。二〇二四年度は、地方自治体の要望額がこれありますが、一兆四千億円です。地方が修繕などに必要だとする額が一兆四千億円。ところが、その地方自治体の要望額に対して措置されたのは八千五百六十三億円、配分率六一%ですよ。 中野大臣、何でこうなるんですか。
○国務大臣(中野洋昌君) 防災・安全交付金の配分額につきまして御質問をいただきました。 委員御指摘の防災・安全交付金につきましては、下水道を含めて地方公共団体からは予算額を上回る額の要望をいただいておりまして、要望額に対する配分額、措置率は、令和六年度の実績で約六一%、近年約六割台ということで推移をしておりまして、全ての御要望にはお応えできていない状況となっております。 他方で、地方公共団体のインフラの老朽化対策や防災・減災対策の取組への支援措置につきましては、この防災・安全交付金だけではなくて、今個別の補助制度も様々準備をさせていただいております。これらを併せて、できるだけ多くの御要望に応えられるよう、予算を確保し、支援をしていきたいというふうに考えております。 そういう意味では、交付金の制度というのは交付金の制度でございますけれども、やはり様々、大変ニーズが高いところですとか個別の補助制度というものがございますので、これを組み合わせてしっかり支援をすることによりまして、地域の実情に応じた様々なニーズに的確に対応してまいりたいと思います。
○伊藤岳君 いろいろメニュー言われたって言うけれども、政府が点検、修繕に充ててくださいと推奨しているのはこの交付金なんですよ。それが六割しか配分率ないのは何だと聞いているんです。 じゃ、大臣、もう一つ聞きます。 しかも、この交付金の対象を聞いて、びっくりしました。交付金の対象となるのは点検と改築だけ、修繕のための費用は対象にならないというんです。なぜですか、これ。
○国務大臣(中野洋昌君) お答え申し上げます。 下水道の事業というのは地方公共団体が実施をする事業でございます。下水道使用料等による独立採算を基本として実施をしているものということで承知をしております。 他方で、下水道施設の老朽化等に起因をする事故の予防や、施設の長寿命化、長期的な更新需要の把握といった観点から、施設の点検を含む維持修繕は極めて重要であります。現在、施設の点検調査や、その結果に基づく計画的な改築や更新など、重要な対策については財政支援を行っているというところでございます。 引き続き、いずれにしても、国土交通省においては、今回、八潮市における道路陥没も踏まえながら、必要な技術的、財政的支援というのはしっかりと行い、強靱で持続可能な下水道というものはしっかりと造ってまいりたいと思っております。
○伊藤岳君 答えてはいただけないです、なかなかね。 それで、つまりこういうことですよね。点検、改築の費用、地方からの要望は応えられません、全額応えられません。修繕に至っては独立採算です、地方でやってください。つまりこれ、地方でやってくださいということは、住民の負担に跳ね返るんですよ。大臣、そうですよね。それで、それでですよ、地方自治体がやっていけると思いますか。やっていけないから、先ほど来説明したような事象が起きているんじゃないですか。 大体、下水道の広域化を推し進めて、まあ八潮の現場なんかもう大口径の下水道管です。私も中入ったことありますけど、四・七五メートルですからね。この大口径の下水道管というのは修繕コスト高いんですよ。だから、国がですよ、下水道の広域化、広域化と推し進めて、修繕コストの高い大口径の下水道管をどんどん広げてきた。 これ、国の責任じゃないですか。どうですか。
○国務大臣(中野洋昌君) 先ほど来申し上げております、やはり予防保全という取組が大事だというふうに思っております。これは、やっぱりどこかに問題があってそこに修繕をするということではなくて、やはり計画的にしっかり点検調査をしていただくと。その中で、やはりこれはしっかりと計画的にこの改築更新をしていかないといけないということをしっかり進めていくということが大事だというふうに思っております。 あわせて、しっかり国土強靱化実施中期計画、今まさに議論をしております。必要な老朽化対策というものをしっかり検討し、この中にしっかりと調整をして盛り込んでいけるように調整をしていきたいと思っております。
○伊藤岳君 今度、総理に聞きます。 埼玉県の大野知事と会われたと思います。埼玉県の大野知事とお会いになったと思います。 埼玉県から有識者委員会にも提案意見が寄せられていると思います。その提案意見を見ますと、こう書いているんです。 これまで特に流域下水道は、供用後、維持、修繕、更新の手法を十分考慮できないまま新規整備が急がれてきた側面がある。まあ、修繕のことなど余り考慮しないまま新規整備だけが急がれてきた側面があるとした上でですね、その上で、老朽化する流域下水道の更新及び補修の困難さ、更新や補修を行う場合の経費負担の検討などを求めているんですね。 総理、老朽化する下水道の修繕や更新のための費用を国に検討を求めるという、この埼玉県、地方の要望について考えないんですか。公共インフラの老朽化対策の費用は、自治体の負担では限界があるとは思いませんか。
○国務大臣(中野洋昌君) 先ほども申し上げておりますが、国土強靱化の実施中期計画、今後の議論においては、埼玉県八潮市の事故を踏まえということも明記もされておりますし、また老朽化対策ということもしっかり盛り込んでいきたい、こういうことはしっかりと検討をしていくということは申し上げさせていただきたいと思います。
○伊藤岳君 総理、答えてください。総理。
○内閣総理大臣(石破茂君) どのような負担が適切かということは、これは常に検討されねばならないことだと思っております。 大野知事からそのような御指摘もいただいておるところでございますが、地方の財政負担能力も各自治体によって相当に差がございます。どれだけ国が負担を負うべきかということにつきましては、それぞれの地域の財政負担能力、あるいはそれを是正する手法等々、そしてまた裨益者が誰であるかということも含めまして総合的に検討をいたしてまいりますが、いずれにしても、予防保全というものを前面に出しまして、実際に被害が生ずる前にそういうものを対策をする。そして、耐用年数というものを念頭に置きながらも、その施設というものが十全の機能を発揮し得るように今後も努力をいたしてまいります。
○伊藤岳君 予防保全、予防保全と言いますが、予防保全を否定していないです、それじゃ足りないことを今日聞いているんですよ。 で、これ政府の試算ですけどね、これから四十年間で、土木インフラだけで三百九十九兆円も老朽インフラの更新に掛かると言っているんですよ、これ。一年当たりにすると十兆円ですよ。軍事費は三年間で一・六倍の八・七兆円に増やしながら、一方で国民の命は置き去りにする、これ転換すべきだと求めて、質問を終わります。
○委員長(鶴保庸介君) 以上で伊藤岳君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) 次に、山本太郎君の質疑を行います。山本太郎君。
○山本太郎君 れいわ新選組、山本太郎です。 資料二。(資料提示)先日の質疑でコミュニティーを守ると宣言してくださった総理、この気持ちにお変わりございませんでしょうか。
○内閣総理大臣(石破茂君) ございません。
○山本太郎君 能登地震から今日で四百三十四日。昨年の元日に大地震、加えて九月には大水害。 資料四。過去の台風十九号、九つの県で発生、処理した災害廃棄物、合わせて約六・五万立米。一方、今回、奥能登の土砂量は、それをはるかに上回る桁違いの被害。 危機感を持った県知事は、自衛隊派遣の感触を水面下で探ったが、派遣の要件を満たさないという根拠薄弱な防衛省幹部の助言により、自衛隊は派遣されなかった。誰がその穴埋めをするのか。災害ボランティア、そして被災住民となります。 資料二十二。国の事業で民有地の土砂撤去、珠洲十件、輪島二十六件。国の土砂撤去事業として認められないものは市町が直接民間業者などに発注するが、対応できる業者は極端に少ない。これまで発注を断られたものも含め、あとは住民が直接自腹で業者に頼むか、ボランティアにお願いするほかない。 資料二十三。豪雨後、奥能登で社協、ボラセンなどを通じて依頼のあった土砂撤去作業の件数は、珠洲五百九十二、輪島一千三百九十二、能登町百一。業者が請け負うレベルの土砂撤去であっても、ボランティア、災害NPOにお願いをしてきました。その中には重機を使った専門的な作業もあり、珠洲で二百八十三件、輪島で四百六十三件の対応を熟練の技術系NPOが無償で行い、それは今も続いている。 土砂撤去の作業、国の事業として発注した場合、幾ら掛かるか。 資料二十四。実際、環境省の事業で一軒単位で土砂撤去した事例。宅地面積は五十八平米から四百十九平米まで、掛かる費用は一軒当たり、安くて四、五十万、高くて約一千四百五十万円。作業に見合った対価が業者に支払われる。一方、災害NPOが作業する場合には、ただ、無償。自衛隊も派遣せず、民間業者は対価を受け取れるが、災害NPOには必要最低限の経費さえ支払われない。これが日本の災害対応。 もう一年以上現地に張り付き、住民を支えるNPOの多くが、財政状況は既に火の車という。ここまで先の見えない復旧復興は初めてだと多くのNPOが口をそろえる。民間に多くを丸投げするなら、どうか少なくとも必要な経費は国から出していただきたい。 資料二十五と二十六。技術系の災害NPOは、作業に必要なダンプカーやショベルカーなど重機を自前で被災地に持ち込むが、自前の機材だけでは到底足りない。そこで、石川県は、重機のリース契約を結び、NPOなどに無償で重機を貸し出す取組を行っている。貸出先は、輪島四十二台、珠洲二十二台、能登町六台。昨年九月末から今年二月末まで、ここに掛かった費用は約三千万円。 この財源、どこから捻出するか。県は、国から出る災害救助費で賄いたいと考え、動いてきました。 資料二十八。災害救助費とは、被災した県が、仮設住宅の設置、炊き出し、生活必需品の供与などなど、復旧復興に必要な支援活動、十二の分野に使える国が交付する費用。災害救助費は、通常、国が前もってまとまった額を都道府県に交付し、自治体の判断で支出した後、チェックを受け、余った分は国に返還する立て付け。 十二の対象分野の一つ、障害物の除去。これで宅地内の土砂撤去などの活動も災害救助費が使える。ただし、具体的に何だったら使えるかについては、約二百五十ページに及ぶ分厚い事務要領から自治体が確認するが、事細かに書かれていないので、究極は現場の解釈となる。 ただし、後になって国からその支出は使えないと判断されたら、その費用は自治体の持ち出し、自腹となる。昨年の秋、仮設住宅の敷地のアスファルト舗装で災害救助費は使えないと国から言われ、県の基金で支出することがあった。自治体にとってはこれが一番の不安。後からこれは駄目、自腹でやれとなれば地獄、慎重にならざるを得ない。 一方、昨年九月、奥能登では豪雨、大規模な土砂撤去が必要となった。過去の災害で、障害物除去として、市町村が土砂搬出のためのスコップなど器具を購入し、ボランティアに貸し出し、その費用を救助費から出すことは認められてきた。しかし、今回、その程度で足りるはずもない。 九月二十七日以降、石川県は、障害物除去の一環として、民間企業から重機をリース、市町を通じNPOなどに無償で貸し出す取組を始めた。問題は、この重機無償貸出しの費用が災害救助費から出せるのか出せないのか。この時点で国からの確約はない。 昨年十二月十日、石川県は国に対して、NPOへの重機無償貸出費用に災害救助費を使ってよいのかを問い合わせた。二月二十五日までに四回問い合わせたが、使えるとの返答はないまま。これを受けて県は、重機のリース貸出しは二月末が限界と考え、重機の返却を求める説明を関係者に伝達。 この話を現場がいつ聞いたか。一年奥能登に張り付く複数の技術系ボランティア団体に聞きました。一番早かったNPOで昨年十二月終わりに聞いた。遅いNPOでは二月上旬。どの団体も新たに取りかかる土砂撤去が三十件以上あり、今後ニーズが増えると話していた矢先の返却の知らせだった。 リース終了と聞いて何が頭に浮かびましたかと聞くと、正直困ったと思った。ほかにも、終了するのが重機だけでなく、ボランティアセンターで使う軽トラックに至るまで返却と聞いて驚いた。ほかにも、自前でやるしかないと思ったが、新たに数十万円の支出が毎月になるといつまでやれるか、資金繰りに頭を抱えたなどなどなど。 その後、国の方針が決まる。 これ、内閣府、日付だけ言ってください、日付だけ。災害NPOに対するリース代の支援が災害救助費の対象となる旨を県に伝達したのはいつですか。日付のみ教えてください。
○政府参考人(高橋謙司君) お答えをいたします。 石川県と複数回にわたって協議をした結果、まず、災害救助費の概算交付決定を二月二十日付けで行っておりまして、さらに、御指摘の救助費の対象となり得る旨について、二月二十八日に回答させていただいております。
○山本太郎君 内閣府、都合の悪いことを言われているときは質問時間削りに来るのやめてくださいね。こっちで説明しているんだから、その内容が合っているんだったら日付で言ってくださいよ。何の問題もないはずでしょう。 伝達されたのは二月二十八日。災害NPOに対するリース代の支援が対象になりますよと県に伝達したのは二月の二十八日なんですね。そして、昨日が三月の九日。私が連絡を取ったある災害NPOは、いまだ国からリース代が出ることを知りませんでした。どうやれば自己資金でできるか、頭を悩ませ調整している、そういう話でした。国の判断が遅過ぎることで現場に多大な迷惑が掛かっています。 何が言いたいか。総理、これ全然周知されていないんです、まだ。この場を使って是非総理に、民有地の土砂撤去に使う重機のリース代、災害救助費から出ると、これは柔軟に考えていくから安心してくれって、これ現場の方に伝えていただきたいんです。よろしくお願いします。
○委員長(鶴保庸介君) 坂井防災担当大臣、手短にお願いします。
○国務大臣(坂井学君) 石川県と複数回にわたり協議した結果、災害救助費の概算交付ということでこれを決定いたしましたので、これは該当するということでございます。
○内閣総理大臣(石破茂君) 直ちに周知するようにいたします。
○山本太郎君 ありがとうございます。 これ、周知だけでは足りないんです。総理、お願いしたいんです、柔軟にしていくと。 これまでの決まりだったら、生活するのに必要最低限という枠で縛られちゃって、はねられるものも出てくるんですよ。だから、この災害に関しては自衛隊入りません。それだけじゃない。自衛隊入りませんよね、土砂撤去には。それだけじゃない。民間業者も手がいっぱいです。そんな中で、それを請け負ってくれるのが民間NGOなんですよ。一般のボランティアなんですよ。 ここに対して、重機の使用というものに対して、ここは柔軟に考えていくということを一言いただけないですか。お願いします。
○内閣総理大臣(石破茂君) それは、委員の御指摘も踏まえまして、防衛大臣が指示を出しまして、現場において、自衛隊派遣の要請、必要性があるかということについては確認をいたしました。自衛隊としては、その派遣は必要ないというふうに石川県から聞いておるところでございます。 それはそれといたしまして、柔軟の意味ということがいま一つよく理解をできないところがございますが、これはどうなんだということの逡巡があって、結果として、委員御指摘のように、負担どうしようかというふうに悩まれることがないように基準を明確にし、そしてまた、お答えは迅速、的確に行うように徹底をいたします。
○山本太郎君 非常に慎重に、柔軟という言葉の扱いという部分に説明があったと思います。一方で、どこまで使えるのかということは明確に示していただけるということをお約束いただけたと思います。ありがとうございます。 さあ、そして、粉骨砕身、現場で頑張る自治体職員と災害ボランティアを安心させていただきたいんですね。供給がなかなか回ってこない、兵たんというものがなかなか回ってこない。これだけ大きな作業をしなきゃいけないのに、それが薄くなっているという心配でいっぱいです。 資料三十、三十一。時系列で整理すると、よりひどさが分かります。石川県、資料三十、三十一。石川県、昨年十二月十日、災害救助費の積み増しと重機リース無償貸出しは可能か、国に問合せ、内閣府は回答せず。山本太郎、二月十四日、奥能登入り、複数から情報を得る。内閣府、二月二十日、災害救助費の充当を交付決定、石川県に伝達。ただし、この時点でも、重機リースに使えるかは返答せず。山本事務所、二月二十一日に石川県に問合せ。石川県、二月二十六日、山本事務所に回答。この時点においても、内閣府は重機リースを使えるか返答していない。県は重機貸出しに使える救助費の充当を求めて政府に打診しているとのこと。山本事務所、二月二十七日、内閣府に、石川県から打診を受けた重機無償貸出しの件について尋ねる。内閣府、翌二十八日、石川県に重機無償貸出しにも使ってよいと回答。 どんだけ時間掛かるんですか、これ。現場のこと、一切無視じゃないですか。一議員の事務所から問合せがあるまで宙ぶらりんの状態を放置。支援現場、混乱しかしていないんですよ。匿名を条件に話してくれた県関係者によると、国は重機リースに関して前向きではない印象を以前から受けていた、早くやめさせたかったのではないかと言います。 そしてもう一点、重機を動かすため必要な燃料費、資料三十三。奥能登の市町では、土砂撤去する重機のため、燃料費の補助をしている自治体もある。その財源、珠洲は共同募金から、輪島は市の予算、この中には寄附金が含まれます。燃料費を出している自治体は、その財源を寄附金に頼っているのが現状。国に聞けば、救助費から燃料費は出せるし、災害NPOなどを適切に支援できるよう丁寧に周知すると言うが、そうであれば、なぜ自治体独自でこういう枠をつくる必要があるんですか。 これは認められるんだろうかという混乱や、書類作成など事務量の増大を考えた場合、寄附金でやるのが一番いいという判断なんでしょうね。喉から手が出るほど必要な燃料費を辞退するNPOもいます。その理由尋ねてみると、災害から生活復旧するのに住民の方々はたくさんのお金が必要になる、一円でも多く住民にお金が渡るよう考えれば、燃料費を寄附金からもらうわけにはいかない。国が出すというのなら遠慮なく燃料費は出してもらう、ただでさえ大変だからと。 災害NPOの重機活動は、宅地の泥かきを始め、保育園、仮設住宅の敷地の泥かきだけでなく、いかにコミュニティーを守るかも視野に入れて活動をしてくれています。災害前は海で漁をして、自分たちが食べる作物は畑で育てる、そんな豊かな暮らしをしていた人々が、地震で港は隆起、水害で畑は流され、生きがいを失い、仮設住宅で暮らす。災害NPOが、みんなで家庭菜園に取り組めるよう土砂を撤去。住民はすぐタマネギを植え、育て始めたといいます。破壊されたコミュニティーを再生するためにも、家庭菜園を再開するための泥かきは必要な取組です。 コミュニティーを守るとおっしゃった総理、このような重機活動というものはコミュニティーを守る上でも非常に重要だと思うんですけれども、一言、それに対して、もしも賛同いただけるならお願いします。
○内閣総理大臣(石破茂君) 特にこういう地域においては、住み慣れた土地、そして旧知の人たちと一緒に暮らしたいという思いが非常に強いということは、私自身何度か現場に行って承知をいたしております。 今、防災担当、来年度の予算で人数も予算も倍にというお願いをしておりますのは、そこにおいて、ボランティアの方々、NGOの方々がこれ自分の負担になるのかならないのかということを逡巡をされるようでは、ボランティアの方々に十分な活動をお願いすることができませんので、そこにおいて判断基準を明確にする、柔軟ということはよく検討いたしますが、要はそういう方々に安心してやっていただくような体制、これを整えてまいりますのは国の責務だと思っております。迅速、的確に分かりやすく、そういう方々の活動が円滑に行われるように、坂井防災担当大臣中心に早急に検討し、実行に移してまいります。
○山本太郎君 ありがとうございます。 丁寧な答弁をいただきましたけれども、例えば今御紹介したような、地域全体で取り組めるような家庭菜園のための土砂撤去であったりとかそういうものに対しても、リース代であったり燃料費が出されていくような柔軟な考え方というものも検討していただけるということでよろしいでしょうか。短くお答えいただけますか。ごめんなさい、防災担当大臣、要らないです。総理大臣が全てです。
○内閣総理大臣(石破茂君) どういう場合に使えるかは積極的な方針をもって検討いたします。それが本当に、そういう家庭菜園等々がコミュニティーを守っていく上において非常に重要な役割を果たすということは御指摘のとおりでございます。 政府として柔軟に対応いたしてまいりますし、そういう場合にも対応ができるようにいたしたいと思っております。
○山本太郎君 その決断を急いでいただきたいんですね。今日も土砂活動は行われています。一刻も早くその答えをいただきたいということです。 そして最後に、災害NPOからの意見を。国費で補助いただけるのは大変有り難い、その分の経費や時間をほかの支援に充てられるから。けれども、補助分を獲得するのに被災自治体に労力が掛かるのは本末転倒だと思うと。かなり膨大な書類を書いてのやり取りとなりますので、ここに対して、簡易なやり取りというものでクリアできるような是非運用の見直しをいただきたいのと、そしてもう一点。 それは、今、被災自治体が大変だと。職員の方々、離職される方もいらっしゃるし、休職される方もいらっしゃる。事務的にここを助けられるような人の応援が必要なんだということが現場からの声なんです。リエゾンや、そして地方自治体からの応援ということも含めて是非検討いただけないですか。最後に、これは一言だけ。
○委員長(鶴保庸介君) もう時間が来ておりますので。
○内閣総理大臣(石破茂君) 自治体の方々の離職が多いということはもう数か月前から認識をいたしております。そういうような方々が、そこにおいて自治体の能力が落ちるわけですから、それをいかにして補完をしていくか。そして、辞めたくて辞めたという人はそんなにいないと思うのですね。そういう方が辞められた後どのような職に就いておられるのかということも含めまして、国としては、そういう事態を認識、事実を認識しながら、できます対応は地元と協力をしながら、適切に対応いたしてまいります。
○山本太郎君 もう質問は終わりますけれども、去年一年で一日しか休んでいない職員もおります。お力貸してください。
○委員長(鶴保庸介君) もう終わりです。終わりです。 以上で山本太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) 山本さん、時間は守ってください。申し訳ありません。最後アドバンテージ与えたんだから、そこはちゃんと守ってください。 それでは、これにて石破内閣の基本姿勢に関する集中審議は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十三分散会