法務委員会 第13号
- 発言数
- 142 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2025/05/29
会議録
○委員長(若松謙維君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動につきまして御報告いたします。 昨日までに、永井学君が委員を辞任され、その補欠として山東昭子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(若松謙維君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律案及び譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省民事局長竹内努君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(若松謙維君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(若松謙維君) 譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律案及び譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○渡辺猛之君 おはようございます。自由民主党の渡辺猛之でございます。 久しぶりに法務委員会に所属をさせていただきました。前回、法務委員会で質問をさせていただいたのが二〇二一年でしたので、四年ぶりにこの法務委員会で質問立たせていただきます。オリンピックに臨むアスリートのような気持ちで質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。 まず、法案につきまして幾つかお尋ねをさせていただきたいと思います。まずは、立法の必要性と基本的なスタンスについてお尋ねをいたします。 譲渡担保法案は、取引の法的安定性や法律関係の予見可能性を高めようとするものであると説明をされております。しかしながら、譲渡担保自体は最近になって使われ始めたものではなくて、長い歴史があって、明文化の必要性というのは昔から言われてまいりました。 そこで、まずお尋ねいたしますが、そもそも譲渡担保はいつ頃から利用されているのか、また、これまで立法してこなかったのはなぜかという点についてお聞かせ願います。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 譲渡担保契約は、裁判例を確認する限り、少なくとも百年以上前から利用されてきたと承知をしております。もっとも、企業の資金調達におきましては、従来、不動産や保証が担保として多く用いられており、譲渡担保についても不動産を目的とするものが多くございました。 不動産を目的とする譲渡担保につきましては、積み重ねられた判例法理の下で一様の実務が確立してきたことから、立法によって法律関係を明確化する実務上の必要性はそれほど高くなかったところでございます。そのような事情から、譲渡担保の法律関係について、これまで立法作業は行われてこなかったものと考えられます。
○渡辺猛之君 御説明いただきましたように、長らく明文化の、明文の規定がない中で利用をされてきたということですけれども、じゃ、それでは、今回あえてこれを立法化しようとする理由について御説明をお願いします。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 近時、不動産担保や個人保証に過度に依存しない資金調達方法を促進する必要性が高まっております。そのような資金調達方法といたしまして、機械設備、在庫商品等の動産や売掛債権等の債権を担保とすることが考えられるところでありまして、実務におきましても、このような動産や債権が担保として活発に活用されるようになってまいりました。 ただ、このような譲渡担保につきましては、判例法理で動かされてきたため、法律関係の予見可能性ですとか法的安定性に欠ける等の問題が生じております。そこで、このようなことを向上させる観点から、譲渡担保法案を立案したものでございます。
○渡辺猛之君 ありがとうございました。 続いて、神田政務官にお尋ねをいたします。 今回、不動産担保や個人保証に依存しない資金調達を促進し、資金調達手法を多様化することを目的とするということでございますが、担保を使いやすいものにするためには、担保権者の権限を強化すべきだという考えがあります。その一方で、担保権者の権限ばかりが強化されると、設定者の利益が害される面もあるのではないかという心配も一方であります。 そこでお尋ねいたしますが、今回の立法は担保権者の権限を強化するというスタンスに立っているのか、今回の立法の基本的なスタンスと、また、立案に際してどのような関係者の意見を考慮したのか、お聞かせを願います。
○大臣政務官(神田潤一君) お答えいたします。 譲渡担保法案の立案に当たりましては、担保権者と設定者との利益や、担保権者と労働債権者等の一般債権者との利益のバランスを適切に図ることを重視しております。このため、担保権者の権限を一方的に強化するという考え方には立っておりません。担保権者の権限を一方的に強化するということではなく、法律関係の予見可能性や取引の法的安定性を高めることにより、譲渡担保権等を使いやすいものとすることができると考えております。 法制審議会担保法制部会には、民事法の研究者や法律実務家に加えまして、貸し手や主な借り手と想定される中小企業のほか一般債権者の視点などを反映させるため、金融機関や中小企業団体、労働組合の関係者にも委員や幹事として参加していただいております。また、必要に応じまして、金融実務家、中小企業の法務担当者等からも参考人として意見を聴取しております。 このほか、担保法制の見直しに関する中間試案につきましてはパブリックコメントの手続が実施され、その結果も踏まえまして、同部会で調査審議が重ねられてまいりました。 以上のとおり、譲渡担保法案は、様々な立場の関係者の多くの意見を議論を通じて集約したり聴取するなどした上で立案したものでございます。
○渡辺猛之君 ありがとうございました。 先ほども御答弁をいただきましたけれども、譲渡担保契約というのは古くから利用されていて、今回規定を整備しようとしている動産や債権を目的とする譲渡担保権も既に利用はされています。 譲渡担保法は、既存の譲渡担保契約にも適用されるのでしょうか。現在の判例法理を明文化するにすぎない部分は特に問題ないと思いますけれども、本法案の成立によりルールが変更される部分については、これが既存の譲渡担保契約に適用されることで混乱が生じないようにする必要があると考えますが、どのような対応がされているのか、お聞かせを願います。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 譲渡担保法案は、基本的に判例法理を明文化するものでございますので、施行日前に締結された譲渡担保契約についても原則として譲渡担保法の規定を適用することとしております。他方、施行日前に締結された譲渡担保契約等の当事者は、その契約に譲渡担保法の規定が適用されることは予測をしていませんので、当事者の期待を害するおそれもございます。 そこで、このような不都合が生ずる場合には、個別に経過措置を設けまして、譲渡担保法の適用を排除することとしております。
○渡辺猛之君 ありがとうございました。 今まで御説明をいただいたように、譲渡担保というのは判例法理はあるものの、長らく法律のない中で行われてきて、様々な面でそれぞれが独自の解釈をして運用をしてきたところも相当あったんじゃないかなと考えられます。これを明文化して、さらに一部ルールを合理化して変更するとすれば、やはりその影響は大きいと考えられます。 そこで、やっぱり法案の内容をしっかりと周知をしていくことが大変重要と考えられますけれども、この点について大臣の御所見をお尋ねいたします。
○国務大臣(鈴木馨祐君) まさに今回こうした形で法案化をしたということでありまして、非常にこれかなり広い範囲に影響が出てくる、そういったものだろうと思います。 特に、貸し手となる金融機関等であったりとか、あるいは借り手となることが予想される中小企業の皆様方、さらには登記業務、ここにも影響しますので登記業務に関わる司法書士の方々、こういった方々に対して必要なそうした情報提供、周知をしっかりとしていく、このことは私どもとしても極めて大事だと思っております。 そうした中で、具体的に申し上げますと、譲渡担保法の概要あるいは動産・債権譲渡登記制度の変更点について分かりやすくまとめて、私どものウェブサイト、ホームページの方に掲載をするであるとか、あるいはパンフレットを作成をする、さらには、やはり業界団体、これも大事になってまいりますので、そうした業界団体の皆様方にも御協力をいただいて説明会を開催していく、そういった対応ということを想定をしているところであります。 きちんとした法案の周知、これを徹底してまいりたいと考えております。
○渡辺猛之君 大臣、御答弁いただいたように、しっかりと周知を徹底していただきたいと思います。 法案についての質問、以上にさせていただきまして、続きまして、本法務委員会でも多くの委員の皆さんが御質問をされておりますいわゆる袴田事件に関連して幾つかお尋ねをさせていただきます。 委員会答弁の中で、大臣、何度も謝罪をされておりますけれども、袴田さんに対しては、長期間にわたり法的な地位が不安定な状況が続いたということは大変申し訳ないと、こう謝罪をされているところであります。 この法的な地位が不安定な状況というのは具体的にどういう状態を指しているのか、まず、大臣の御認識をお聞かせください。
○国務大臣(鈴木馨祐君) この法的な地位が不安定な状況に置いてしまうこととなった、そのことでおわびを申し上げております。 その点で、やはりその言葉ということで申し上げた方がいいかなと思いますが、この検事総長談話等でも使われている表現でありますけれども、このことについては、まさに再審請求審における静岡地裁の再審開始決定以降、即時抗告審で東京高裁がその決定を取り消し、さらに、その後、特別抗告審で最高裁がその決定を取り消して東京高裁に差戻しをし、差戻し後の東京高裁において即時抗告が棄却をされるなどをしたことで、袴田さんにおかれましては、確定判決を受けた者としての立場、これが維持をされるのか否かということが累次の司法判断の中で揺らぐということになったという状況がございました。そういった中で、長期間にわたりまして非常に不安定な状況に置かれていた、そういった状況であると私どもも認識をしております。 まさに、逮捕から五十八年以上、死刑判決の確定からですと四十三年と、極めて長い、余りにも長い年月ということを、命を奪われるそういった刑罰、この刑罰であります死刑を宣告をされた者という状況で過ごされたということ、まさにそうした中で、死刑判決の行く末、これがどうなるのか、まさにその死刑を宣告をされた者という法的な立場が解消されるのかという不安を、まさにこの長期間、人生の大半の期間にわたってそういったことを感じ続けながら過ごされてきた、まさにそうした過酷さということは私どもとしても察するに余りある状況だと思っております。 そうした中で、袴田さんに対して、こうした、そうした日々を長く過ごされた、本当に長い期間、人生の大半の期間を過ごされたということで、私どもといたしましても大変申し訳なく、これは法務大臣としてもでありますけれども、大変申し訳なく思っているということで、その趣旨で申し上げてきたところであります。
○渡辺猛之君 必要なのは、私、想像力が必要だと思います。 ここから先は一般論で結構です。もしも自分が、もう何の罪も犯していないのに逮捕されて、裁判で有罪となって、で、一切自由を奪われると。何も悪いことしていないのにですね。やっぱり、想像力を働かせてみてください。自分が受けた判決は死刑です。もう明日には死刑執行の宣告を受けるかもしれない。何も悪いことをしていないのに、明日には私の命は奪われるかもしれないという、その恐怖。大臣、もし、もし大臣御自身がそのような立場になったら、どうお感じになられますか。
○国務大臣(鈴木馨祐君) ほかの委員の皆様方との質疑においても答弁させていただいておりますけれども、まさにこの場、法務大臣として立たせていただいておりますので、そういった意味で、個人のそういった所感ということで述べるということは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、まさに一般論ということで申し上げますが、やはり私としては、犯人でない人を処罰をするということ、これはあってはならない、決してあってはならない、これは、私、法務大臣としての立場でこれは繰り返し申し上げているところであります。その理由ということ、犯人でない人をなぜ処罰してはいけないのかという理由、ここについて法務大臣としてどう考えているのか、そのことについて述べるということで是非御理解をいただきたいと思います。 そうした中で一般論として申し上げる中でありますけれども、やはり犯人でない人に対して死刑判決が言い渡され、これは確定をした場合でありますが、公判において主張してきたことが真実であるにもかかわらず、受け入れられずに処罰をされるということとなった、そういったことに対する理不尽さ、これは当然感じることであろうと思いますし、いつ刑が執行されるか分からない不安にさいなまれるなど極限的な精神状況の中で日々を送ることとなる、これは容易に想像されるところであります。 もとより、言い渡された刑がこの死刑以外ということであってもそこは同様ということであろうと思いますけれども、このように犯人でない人を処罰をするということ、これは、いわれない理由によって人生を一変させるということでもあります。まさに、そうした耐え難い日々を送るということを余儀なくさせることになるということであって、まさにそういった意味で、私は、そういった犯人でない人を処罰するようなことがあっては決してならない、そういったことを申し上げているところでございます。
○渡辺猛之君 ある事件が起こって、そこに被害者が存在するということ、被害者が存在したら、警察や検察というのは加害者という悪を必ず見付け出すという固い決意で日夜御努力をいただいているものと思います。その多分根底にあるのは、もう私は、揺らぎない正義感があるからこそ、検察、警察の皆さん方は頑張っていただいていると信じています。 ただ、人間である以上、やはり、常に一〇〇%正しいということはあり得ないという考えを頭のどこか片隅にはやっぱり置いていてほしいなと思います。頭の中心に置くわけにはいきません。頭の中心にはやっぱり圧倒的正義感を置きつつ、しかし、頭のどこかに少しだけ、本当にこの人が犯人なのかというもう一人の冷静な自分を持っていてほしいと願います。それを忘れてしまったら、正義を貫いているはずの検察や警察が、時には無実の人を罪に陥れる加害者になってしまう可能性があるということを忘れないでほしいと思います。これからも、正しい検察の活躍を期待して、正しい正義を貫いていただきたいと思います。 以上で終わります。
○福島みずほ君 立憲・社民・無所属の、社民党、福島みずほです。 譲渡担保について、労働債権の特別な保護の必要性について、法務省及び厚生労働省の見解を求めます。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 労働債権は、労働者の生活の原資でありますので、その保護を図ることは重要な課題であると考えております。 これまでも、労働債権については、民法において債務者の総財産を目的とする一般の先取特権を付与した上、破産手続においても、その一部を財団債権とするなどの一定の優先的な地位を与える法整備がされてきたところでございます。 その上で、譲渡担保法案では、一般債権者の弁済原資を確保するという観点から、いわゆる組入れ制度を設けることとしております。
○福島みずほ君 担保権全体と労働債権との優先順位について、審議会等で具体的な検討はなされておりません。改めて、これはやるべきではないか。 今答弁がありましたとおり、組み入れるというふうになっておりますけれども、倒産法制における労働債権の優先性の課題について、実態調査の結果を明らかにした上で、早急に検討に着手することを明言していただきたい。いかがですか。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 担保法制部会におきましては、労働債権者の利益と担保権者との利益を適切に調整するという必要があることは問題意識として共有をされておったところでございまして、ただ、主題が担保取引を対象としていたものでございますので、議論としては、雇用関係の先取特権を含む一般先取特権を一定の範囲で譲渡担保権に優先させるという考え方について議論が行われてきたものでございます。結局のところ、担保取引の安定性を害するというおそれがあること等の課題があって採用されませんでしたが、組入れ制度を設けるということとしたものでございます。 労働債権の優先性の課題についてでございますが、現行法におきましても、倒産手続において一定の優先的な地位が与えられているものと認識はしておりまして、その上で、更に倒産法制全体で労働債権の優先順位を引き上げることにつきましては、まず、その抵当権等の約定担保権を設定する際に、これに優先する債権がどの程度発生するか予測することが困難であって、担保取引の安定性を害するというおそれがあることや、抵当権や質権等の不動産に設定できる担保権と労働債権との関係を全面的に見直すという必要も生じまして、実務に対する重大な影響が生じ得るといった課題がありまして、慎重な検討を要することだと認識をしております。 もっとも、担保法制部会におきましては、倒産法制における労働債権の優先順位につきまして、倒産手続における債権の優劣関係全般に関わる問題として倒産法制の見直しの中で検討すべきであるとの意見もあったところでございますので、このような意見をしっかりと受け止めて、まずは倒産局面における各債権者の債権の満足の状況等についての実態調査を行うことも検討しておりますので、その結果も踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 今後、是非お願いします。 倒産した、でも、実際は労働債権なかなか回収できない。租税債権は、大体税金払っていないことも多いので、租税債権などに取られて労働者には来ないんですね。今答弁があったように、早急にお願いいたします。 破産財団の組入れ義務の実効性を高めるための方策についてですが、手順や書式などを定めることなく実務に委ねるだけで実効性が確保できるのでしょうか。破産財団への組入れ義務の実効性が高まるような措置を講ずる必要があるのではないですか。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 組入れ請求権でございますが、設定者について倒産手続が開始した場合に発生をするものでございます。 そこで、例えば破産手続においては、いわゆる善管注意義務を負う破産管財人が組入れ請求権も行使することになりますため、実効的な組入れ請求がされるために何らかの手順や書式を定めるという必要性まではないものと考えておりますが、制度の周知、広報にはしっかりと努めてまいりたいというふうに考えておりますのと、実効性が高まるような措置という意味では、譲渡担保法案におきましては、組入れ義務の確実な履行を確保するという観点から、倒産手続の開始までに集合動産譲渡担保権者等の資力が悪化して組入れ義務を履行することができないという事態を防ぐために、設定者及びその債権者は担保権者等に対して相当の担保を請求することができることとしております。 このような制度の内容も含めまして、十分周知に努めてまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 組入れ義務が履行されない場合の対策について、引き続き検討を続けていく必要性があるのではないですか。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 組入れ請求権でございますが、先ほど申し上げましたように、破産手続におきましては、善管注意義務を負っている破産管財人が行使することになりますため、適切な調査や請求がされると期待することができると考えております。 そして、この組入れ請求権でございますが、その債務の履行がされないという場合には、その義務の履行を求めて訴えを提起し、必要に応じて強制執行等によってその履行を実現するということになると考えられます。 このような制度について周知するとともに、運用状況を注視してまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 私は、労働債権の組入れ請求権に対する特別な優先権を法案に盛り込むべきだというふうに思います。 次に、未払賃金立替払制度についてお聞きします。 二〇〇二年を最後に変更されていない立替払額の上限について、金額への増額を検討すべきではないですか。
○政府参考人(田中仁志君) お答えいたします。 未払賃金立替払制度は、賃金の支払は本来個々の事業主の責任の範囲に属するものである一方、倒産等によって賃金の支払を受けられない労働者の差し迫った生活を救済する必要性に鑑みまして、労働者からの請求に基づき、未払賃金のうち一定の範囲のものを事業主に代わって政府が弁済する制度でございます。 このような趣旨に鑑みまして未払賃金の立替払の上限額等を設定しているところではございますが、未払賃金の立替払の対象となった賃金のうち、大部分は現在の上限額に達していないという状況はありますけれども、いずれにいたしましても、企業の倒産時に労働債権が適切に保護されることは重要でありまして、引き続き、制度の適切な運用に努めるとともに、運用実態や社会経済情勢の変化等も踏まえ、必要な検討を行ってまいりたいというふうに思います。
○福島みずほ君 未払賃金立替払制度には、年齢ごとに未払賃金総額の限度額と立替払の上限額が定められており、労働者からすれば必ずしも必要な額が支払われるとは言えない上、今回、組入れ額、これは、制度をつくったとしても、案分されるとすると組入れ制度の実効性がなかなか担保されないのではないですか。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 未払賃金の立替払制度との関係でございますが、組入れ制度は、倒産財団の増殖を通じまして一般債権者への弁済原資を確保しようとする制度でございまして、一般債権者には労働債権者も含みますが、あくまで未払賃金立替払制度とは別個の制度でございます。 したがいまして、労働債権者が未払賃金立替払制度によって立替払を受けたかどうかにかかわらず、譲渡担保法案による組入れ義務の要件が満たされれば組入れ義務は発生することになります。
○福島みずほ君 今回、譲渡担保、所有権留保に関して法制度が整備されることは、とても必要なことだと思います。 ただ、労働債権の確保について、是非もっと優先順位を高める、実際、労働債権回収できないことが、私も実務でやったときに、立替払制度も不十分ということも痛感しておりますので、是非この点について今後検討、改善が行われるように強く要請をいたします。 次に、昨日、大川原化工機事件の高裁判決が出ました。 これは、控訴審でも東京高裁は、警察の違法捜査だけでなく、検察の起訴についてその違法性を激しく断罪する判決を下しました。しかし、警察、検察から反省の言葉も全く聞かれません。この件に関して、この判決をどう受け止めているか、反省はあるのか、何を改善すればいいのか、教えてください。 とりわけ、検察も、通常要求される捜査をしていれば輸出規制の対象に当たらないことが、証拠を得ることが可能であったにもかかわらずやっていないとか、警察に関しては、去年十月に開かれた裁判で、捜査に関わっていた警察官三人の証人尋問で警察官の一人が、捜査に問題があった、立件する必要は組織としてはない、日本の安全を考える上でも全くない、決定権を持っている人の欲だと当時の捜査を痛烈に批判するということがありました。とんでもない。経済安保法案を成立させるために現場が暴走したんじゃないかとも思います。犠牲者ですよ、彼らは。 この点についての警察、検察、最高裁の受け止め、反省、今後の対策をお聞かせください。
○政府参考人(石川泰三君) お答えいたします。 昨日、東京高裁におきまして、警視庁による捜査について厳しい内容の判決が言い渡されたものというふうに認識をしております。今後につきましては、警視庁において判決内容を精査した上で対応を検討するものと承知をしております。 その上で、先ほど委員お尋ねの点に関しましては、警視庁におきましては、本件に関し、結果として公訴が取消しとなったことを真摯に受け止めておりまして、本件、東京高裁への控訴後に公安部内に捜査指導官を置くなどいたしまして、緻密かつ適正な捜査について指導を強化しているところでございます。 この点、警察庁といたしましても、同様の認識の下、都道府県警察に対する指導を強化しているところでございまして、引き続きこれを徹底してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○政府参考人(森本宏君) 御指摘の国家賠償訴訟につきましては昨日判決が出ましたが、現に係属中であり、また、判決の受け止めということですと、個別事件における検察当局の判断に関わることであるから、お答えは差し控えさせていただきますが、一般論としてでございますけれども、検察当局におきましては、無罪判決があったり、あるいは公訴取消しを行ったりした場合には、当該事件における捜査、公判の問題点を検討し、必要に応じて検察官の間で問題意識を共有して、反省すべき点については反省し、今後の捜査、公判の教訓とするなどしているものと承知しておりまして、お尋ねの点につきましても、検察当局において今後適切に判断するものと承知しております。
○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答え申し上げます。 最高裁事務当局といたしましても、個別の事件について所感を述べることは困難でございますが、保釈の判断については従前から裁判官の間で議論が重ねられておりまして、罪証隠滅のおそれの有無等の保釈の要件について、抽象的ではなく、個々の事件の実情に基づいて具体的に丁寧に検討するという判断の基本を改めて徹底すべきであるとの議論がされているものと承知しております。 事務当局といたしましても、今後も引き続き、裁判官の議論の場を確保するなどして、適切な運用がなされるよう支援してまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 これ、上告断念されるんですよね。上告する理由が全くないと思います。そして、違法とされたことの検証をし、報告書をきちっと作るべきです。 裁判所も今、罪証隠滅のおそれは抽象的なものではあってはならないと。法律改正も踏まえて、保釈の要件、がんになっても保釈がされないという、こんなひどい状況をやっぱり裁判所も反省すべきですし、それから捜査機関も、島田さんへの取調べ、欺くような方法で捜査機関の見立てに沿った調書に署名させたと裁判所は指摘をしています。 人質司法、それから起訴前で保釈がない、それから否認していたら絶対に出さない、死んでやっと外に出ることができる、死ぬまで、否認していたら死ぬまで外に出れないんですかという問題、それから、やはり取調べの問題や見立ての問題、この暴走を食い止められない問題、検察がなぜこれを、経済産業省の意見を全く聞かずに暴走したのかという問題、これは反省をしっかりして報告書を作るべきだと思います。 今日、三者から話がありました。一応真摯に反省しということはもう警察庁からありましたが、本当に反省しているんですかと。それを法制度にしっかり生かす法律改正も含めて、人質司法を変えるべくやっていくべきだと思います。それが亡くなった人に対するせめてもの責任ではないでしょうか。上告断念してください。よろしいですね。どうですか。
○政府参考人(石川泰三君) お答えいたします。 先ほども申し上げましたように、警視庁におきましては、本件に関しまして、結果として公訴が取消しとなったことを真摯に受け止めております。 捜査の観点で申しますと、先ほどお答えいたしました捜査指導官の配置に加えまして、部内教養等の強化でありますとか、他部門での長期派遣研修等による捜査実務能力の向上など、様々取り組んでいるところでございます。 この上告に関しましては、これは、今後のことにつきましては、警視庁におきましてただいま判決内容を精査しているところでございまして、この判決内容の精査の結果を踏まえまして対応を検討するものというふうに承知をいたしております。
○福島みずほ君 判決で厳しく言われていますし、警察官が証言しているじゃないですか。やっぱりこの事件の反省、判決をどう受け止めるか、またこの委員会でも質問しますので、その三者、よろしく検討をお願いします。 次に、御遺骨の問題、二つお聞きをいたします。 沖縄南部にまだ多くの、数多くの遺骨が眠っていることを防衛副大臣御存じですか。
○副大臣(本田太郎君) 御指摘の点につきましては承知をしております。
○福島みずほ君 先日、配付資料がありますが、「日本兵か 全身遺骨」が出て、糸満市から発見をされました。八十年たってこれが、全身の遺骨が発見される。この近くには小さな赤ちゃんや家族のものもあったということで、様々な遺骨がまさに南部戦跡にあります。 それで、南部戦跡の土砂を辺野古の新基地建設に使うことをやめていただきたい。もう今日ここで言っていただきたい。今、たくさんの遺骨が眠っていることを知っているとおっしゃいました。眠っているんですよ。もしこれ、シャベルでがしゃがしゃがしゃがしゃとやって土砂を取ったら、この遺骨はもう絶対に出てこないですよ。 糸満市、激戦地じゃないですか。八十年たってこの全身遺骨が出てくるという中で、防衛省、これリストの中に南部戦跡の土砂が入っておりますが、これリストから外してくれませんか。沖縄の人たちにとっても、私たちにとっても重要な問題です。どうですか。
○副大臣(本田太郎君) お答えをいたします。 沖縄県では、さきの大戦において県民を巻き込んだ凄惨な地上戦が行われ、軍民合わせて二十万人もの尊い命が失われました。特に、本島南部一帯では多くの住民の方々が犠牲になったものと認識しております。 防衛省としては、沖縄の人々の筆舌に尽くし難い困難と癒えることのない深い悲しみ、これらを胸に刻みながら、戦争の惨禍を二度と繰り返してはならないと考えております。 その上で、今後の埋立土砂の調達先については現時点で決まっていませんが、このような歴史のある沖縄において御遺骨の問題は真摯に受け止める必要があると認識しており、こうしたことも踏まえながら適切に事業を進めていく考えでございます。
○福島みずほ君 今までの答弁と変わっていないけれど、局面が変わったんですよ。全身遺骨がこうやって出てきている。これを踏まえて、まだこの土砂を使うというリストに載せているというのは問題じゃないですか。 さっき真摯にいろいろ言ってくださいました。それがあるんだったら、この南部戦跡のここの土砂を使わないと言ってくれませんか。
○副大臣(本田太郎君) お答えいたします。 土砂につきましては、普天間飛行場代替施設建設事業における土砂として使っておるわけでありますけれども、今後の埋立土砂の調達先につきましては、県内と県外に候補地が複数ある中で、現時点では決まっておりません。 その上で、沖縄県では、さきの大戦における凄惨な地上戦により多くの住民の方々が犠牲になられ、今もなお戦没者の御遺骨の収集が進められていると承知しており、御指摘の問題は大変重要な点であると認識をしております。 こうしたことも踏まえながら適切に事業を進めさせていただきたいと、このように考えております。
○福島みずほ君 結論が分からないんです。 リストの中に南部戦跡の土砂が入っているんです。だから、使うことになっているじゃないですか。まだ決まっていないと言うけれど、使われる可能性があることにみんな反対しているんですよ。遺骨がたくさん眠っていることを知っている。じゃ、これ、がしゃがしゃやって土砂使うんですか。もう遺骨発見できないですよ。もう防衛省、決断してくださいよ。 六月二十三日は沖縄慰霊の日です。糸満市のまさにここの平和祈念公園で沖縄慰霊の日があります。この日は沖縄中がまさに慰霊に、慰霊に本当に包まれる日です。糸満市ですよ。総理大臣に是非この全身遺骨のところに行ってほしいというふうにも思います。 使うべきじゃないでしょう。どうですか。言ってくださいよ。何にも決まっていないと言うけれど、リストに載っているから駄目ですよ。でも、今までの答弁繰り返さないでください。今までと同じ答弁じゃ駄目ですよ。全身遺骨が出てきたんですよ。たくさん遺骨があると、さっき副大臣もおっしゃったじゃないですか。それで使うんですかということです。いかがですか。
○副大臣(本田太郎君) お答えをいたします。 これまでの埋立工事におきましては、沖縄本島の国頭地区、北部地区及び宮城島地区の土砂等を用いてきたところでありますが、今後の埋立土砂の調達先については、県内と県外に候補地が複数ある中、現時点ではまだ決まっておりません。
○福島みずほ君 決まっていないと言うけれど、リストに載っているからですよ。ここまで、ここまでみんなが危機感持っている中で、使わないと何で言えないんですか。
○副大臣(本田太郎君) お答えいたします。 繰り返しの答弁になって大変恐縮でございますが、さきの大戦で凄惨な地上戦を経験した沖縄におきまして、御遺骨の問題については真摯に受け止める必要があると、このように認識をしております。 このことを踏まえながら、適切に事業を進めたいと考えております。
○福島みずほ君 前段と後段が一致していないじゃないですか。真摯に受け止めるんだったら使わないという結論にならなくちゃいけないのに、事業を進めるという答弁に何でなるんですか。全身遺骨が出てきたんですよ。たくさん遺骨が眠っているんですよ。そこの土砂を使うというリストをなぜ撤回しないんですか。使わないと言えばいいじゃないですか。 六月二十三日、総理大臣が慰霊の日に出席をして、糸満市です、糸満市のこの全身遺骨のところに行ってくださいよ。 それは、これ撤回してくださるように強く申し上げます。何で撤回できないのか、これは理解ができません。 次に、長生炭鉱の遺骨収集についてお話を聞きます。 今日は、厚生労働副大臣に来ていただきました。この間の努力に大変感謝をします。刻む会と厚労省との話合いとかも言っていただいたやにも聞いておりますが、大変感謝をしております。 是非、これは、政府がヒアリングした専門家は、坑口の状態を憂慮しているという趣旨のことを言っています。石破首相は、刻む会の自己責任にはしないと断言しました。危険な坑口を放置していいのか、坑口が崩れるなどして刻む会側に被害が及んだら、それは刻む会の自己責任ではなく、何の支援もしなかった政府の責任になるのではないか。 配付資料をお配りしています。 先日、刻む会が記者会見をやりました。まさに、沖のピーヤから横の穴があって、つまり崩壊しているところを通らずに遺骨があると思われるエリアに行くことができる。今物すごい苦労していますよ。現地にも行きましたが、安全性高めて、何とかやれないか。総理は自己責任にはしないと言っている。でも、厚労省はヒアリングを始めていただいたのは有り難いです。三つの専門家の話を聞いている。でも、見ているだけなんですよ。六月十八、十九に、また現地でいろんな潜水士の人たちが入ったりします。遺骨が出てくるのは、発見されるのは時間の問題かもしれません。 政府は、頑張ってね、危険かもしれないけど頑張ってねと、これでいいんですか。副大臣、いかがですか。
○副大臣(鰐淵洋子君) お答え申し上げます。 まず、改めまして、一九四二年に発生しました長生炭鉱の坑道の落盤事故におきまして、犠牲になられた全ての方に心よりお悔やみを申し上げます。 今委員からもお示しいただきました沖合にあるピーヤの底から坑道につながる横穴が発見されたということも事務方の方から報告を受けさせていただいております。 その上で、これまでも答弁をさせていただいておりますが、この犠牲になった方々の御遺骨は海底に水没している状態でありまして、その埋没位置や深度等が明らかでなく、落盤事故が発生した海底の坑道に潜水して調査、発掘することにつきましては、安全性に懸念がありまして、現時点では実地調査という実務に照らして対応可能な範囲を超えていると考えているものの、構造物としての炭鉱の安全性や、安全性を確保した上での潜水の実施可能性等の観点から、知見を有する方面の方々からお話を伺っているところでございます。 引き続き、専門的な知見を必要とする本件の性質を踏まえた対応を検討してまいります。
○福島みずほ君 遺骨が発見されたら政府どうするんですか。全部民間がやって、市民がやって、物すごい苦労してお金も集めてやって、自己責任にはしないと言ったけれども、遺骨が発見されたらどうするんですかと思います。 是非、副大臣、刻む会の人たちと、どれだけ安全性に考慮しているか、財政的な支援が必要か、話を聞いていただけませんか。
○副大臣(鰐淵洋子君) お答え申し上げます。 まずは今、事務方の方で、職員の方で様々お話を伺わせていただいておりますので、まずはそこでしっかりと対応させていただきたいと思います。
○福島みずほ君 これ是非、一歩進めていただきたい。 外務副大臣、もうじき韓国でも大統領選がありますが、まさに外務省もこれを進めなくちゃいけない。小泉、盧武鉉さんの合意で、合意というか話合いの中で、遺骨のことに関しては、強制連行やいろんな形の遺骨に、朝鮮半島の遺骨に関しては、未来志向、人道性、現実性の観点からやるというふうになっています。これ物すごく進んでいくと思いますよ。外務省、これいかがですか。
○副大臣(宮路拓馬君) 旧朝鮮半島出身労働者等の遺骨の問題に対しては、今委員御指摘のあったとおり、韓国側と、人道主義、現実主義及び未来志向の三つの原則に基づいて取り組んでいくことで合意しており、外務省としても、引き続き当該合意等を踏まえ対応を検討してまいります。
○委員長(若松謙維君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
○福島みずほ君 はい。 二つの遺骨の話をしました。政府は、硫黄島に、あるいはペリリュー島に、総理大臣及び福岡大臣含め、頑張って行って、頑張って遺骨収集しているじゃないですか。にもかかわらず、何で南部戦跡の遺骨は土砂に使うという計画を断念しないんですか。何で長生炭鉱の遺骨は、NGOに任せて、自己責任じゃないと言いながら放置して何一つやらないんですか。是非これは身を乗り出してやっていただきたい。 今日は副大臣に来ていただきました。是非進めていただけるよう心からお願いを申し上げ、私の質問を終わります。
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。 譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律案、また、関係法律の整備等に関する法律案について質問をいたします。 まず、大臣に基本的なところを質問をいたします。 これももう既に質問出ておりますけれども、これまで実務上使われていた譲渡担保契約や所有権留保契約は法律に明記されておらず、裁判の判例でルールが作られてまいりました。今回の法律案でこれらのルールをはっきり法律に書くということで、政府としてどんな良い効果やメリットを期待しているのか、まずこの点について大臣にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木馨祐君) この法案のメリット、効果ということで御質問いただいたと思います。 企業の資金調達、これ従来ですと、不動産あるいは保証、こういったものが担保として多く用いられてきた、そういった経緯がありました。ただ、近時、最近の状況で申し上げれば、不動産を有しない、そういった中小企業、これが増加をしている状況、さらには、事業者の債務を保証した者が過大な債務、これを、過大な責任を負いかねない、こうした問題、これが指摘をされてきたところでもあります。 そうした中で、私どもといたしましては、不動産担保あるいは個人保証、ここに過度に依存しない資金調達方法、これをしっかりと促進をする必要がある、そういったこと、そういった認識の下で今回の法改正に至ったところであります。 こうした資金調達の方法ということで申し上げれば、実務上これまで用いられてきた譲渡担保あるいは所有権留保についてこの明文の規定がなくて、先ほど御指摘もありましたけれども、やはり判例法理、これが示されていない、そういった論点もありました。このため、やはり法的な、そういった法律関係の予見可能性であったり、あるいは取引の法的安定性、ここに欠けると、そうした問題があったと認識をしているところであります。 そこで、動産、債権等の財産を担保の目的とする取引についての法律関係の予見可能性あるいは取引の法的安定性、これを向上させる、そういった観点から提出をした次第であります。本法案に、もし成立ということになれば、それによりまして、動産、債権等を目的とする譲渡担保契約についての法律関係の予見可能性あるいは取引の法的安定性を高めるということになりまして、不動産担保あるいは個人保証に依存しない資金調達の手法の一つとして譲渡担保等が利用しやすくなり、資金調達手法が多様化される、ひいては経済の様々な意味での活性化、そういったことにも資することであろうと考えております。
○谷合正明君 法的安定性の確保と企業の資金調達のその手法の多様化という御答弁でございました。 続きまして、譲渡担保契約における担保の対象について確認をしたいと思います。 譲渡担保契約の対象は車や機械などの動産や債権などで、不動産は含まれていません。まず、なぜ不動産を対象から外したのか、また、もし不動産を担保にした譲渡担保契約が結ばれた場合、どんなルールが適用されるのか、確認したいと思います。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、譲渡担保法案は、不動産を目的とする譲渡担保契約についてはその適用を除外することとしております。これは、不動産については設定者がその目的である財産の使用収益をできる権利、担保権として抵当権が利用されている一方で、譲渡担保は現在では活発には利用されていないと言われていることから、不動産譲渡担保についての規定を設ける必要性は必ずしも高いとは言えないと考えられたことによるものでございます。 もっとも、譲渡担保法の規定の適用を除外したとしても、従来利用されてきたような譲渡担保の目的とすることができなくなるというわけではございません。判例は、不動産譲渡担保について、債権担保のために目的物件の所有権を移転するものであるが、この所有権移転の効力は債権担保の目的を達するのに必要な範囲内においてのみ認められるとしております。 その上で、具体的な法律関係については、例えば、譲渡担保権の設定者は、その目的である土地の不法占拠者に対して、その返還を請求することができること、帰属清算又は処分清算による私的実行をすることができること、目的物の価額が被担保債権を上回る場合には譲渡担保権者は清算義務を負うことなどの判例法理を形成してまいりました。 不動産が担保目的で譲渡された場合の法律関係については、これまでと同様、これらを含む判例法理や解釈に委ねられることになると考えております。
○谷合正明君 不動産譲渡担保の規定を設ける必要性が必ずしも高くないという御答弁でありましたけれども、一方では、その判例法理や解釈に委ねられていくということもお答えをいただきました。 続きまして、占有改定劣後ルールの創設の趣旨について神田政務官にお伺いしたいと思います。 動産譲渡担保契約につきまして、同じ動産に複数の担保権が重なった場合、これまでは対抗要件を先に整えた方が優先されていました。今回、占有改定で対抗要件を整えた人は、登記などほかの方法で対抗要件を整えた人に劣後するルールが新しくできました。このルールを新設した理由についてお答えいただきたいと思います。
○大臣政務官(神田潤一君) お答えいたします。 御質問の同一の動産について複数の動産譲渡担保権が競合した場合ということでございますが、御指摘のとおり、現行法におきましては、占有改定を含む引渡しを受けた時点の前後によってその優劣関係が定まることとなっております。 しかしながら、この占有改定につきましては、自己の占有するものを以後相手方のために占有する意思を表示するというものでございまして、当事者の意思表示のみで行うことができるということでありますため、外部から認識することが困難であるという問題がございました。そのため、新たに動産を目的とする譲渡担保権の設定を受けようとする者は優先する譲渡担保権の有無を判断することができず、その結果、金融機関などの融資実務が妨げられているとの指摘がございました。 そこで、今回の譲渡担保法案では、競合する動産譲渡担保権の優劣関係が動産の引渡しの前後によって定まるというこれまでの原則を明文化するということとともに、その例外としまして、占有改定によって対抗要件を備えた譲渡担保権は、それ以外の例えば登記などの方法で対抗要件を備えた譲渡担保権に劣後するという占有改定劣後ルールを設けることとしたものでございます。
○谷合正明君 結果的には、その登記が対抗要件として利用されるということが多くなるということ、登記を促していくということであるというふうにも理解をいたしました。 続いて、次は、質問は、ちょっと既に出ているので、一つ飛ばしまして、牽連性のある代金債務のみを担保する動産譲渡担保権の対抗要件について質問したいと思います。 動産譲渡担保契約で牽連性のある、関連する代金債務だけを担保にする場合、担保となる動産を引き渡さなくても第三者に権利を主張できるとされています。なぜこの牽連性があるというだけでこうした強い権利を認めるということになるのでしょうか。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 判例におきましては、目的物と牽連性のある金銭債務のみを担保するための所有権留保の売主は、対抗要件を具備していなくても、これによって留保した所有権を第三者に対抗することができるとされております。これは、売主が信用を供与した、すなわち売ったということによって、目的である動産が設定者の財産を構成するに至ったという関係にありますので、当該売主がその動産から他の債権者に優先して弁済を受けられることが実質的公平にかなうということなどを根拠とするものであります。その結論は、実務においてもおおむね支持をされて定着していると考えられます。 そして、譲渡担保法案は、このような留保所有権と動産譲渡担保権については、その共通点に鑑みまして両者を基本的に同様に扱うこととしております。そのため、牽連性のある金銭債務のみを担保する譲渡担保権の対抗要件についても、留保所有権と同様に、引渡しを受けなくても第三者に対抗することができるとしたものでございます。
○谷合正明君 続きまして、見積価額の合理性の判断基準について伺いたいと思います。 動産譲渡担保権を私的実行する際に、担保物の見積価額とその計算根拠を担保を設定した人に通知する必要があります。この見積価額は合理的な方法で計算するとされていますが、その合理性の判断基準というものはどのように決めているのか、この点について確認させてください。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 譲渡担保法案は、担保の目的である動産の価値に関する譲渡担保権者の判断を設定者に認識させ、その合理性について検討するという機会を与えるために、帰属清算の通知及び処分清算譲渡をした旨の通知におきまして担保の目的である動産の見積価額を通知しなければならないこととしており、この見積価額は合理的な方法により算出しなければならないことともしております。 このような見積価額の通知の趣旨を踏まえますと、見積価額を合理的な方法により算出したというためには、個別具体的な事情の下で、取引通念上、当該譲渡担保権者が採用するのが相当と考えられる方法で、担保の目的である動産の状態等を把握してこれを評価することが必要となると考えられます。 そして、その個別具体的な事情といたしましては、例えば、動産の種類及び性質、譲渡担保権者の属性、譲渡担保権者と設定者との関係及び交渉の状況等が考慮されると考えられるところでございます。
○谷合正明君 続いて、集合動産譲渡担保権及び集合債権譲渡担保権が及ぶ範囲について質問したいと思います。 集合動産譲渡担保権、複数の動産をまとめて担保にする権利、また、集合債務譲渡担保権、同様に複数の債権をまとめて担保にする権利ですけれども、それらがカバーする範囲は法律でどのように定めようとしているのか、また、担保権を設定した人が破産した場合や私的実行の場面では、これらの担保権がカバーする範囲はどうなるのか、この点について確認をさせてください。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 譲渡担保法案は、集合動産譲渡担保権について、譲渡担保動産の種類に加えまして、その所在場所その他の事項を指定することによって将来において属する動産を含むものとして定められた範囲の動産に及ぶこととしております。また、集合債権譲渡担保権につきましては、債権の発生の始期及び終期、発生原因等の指定により定められた範囲の債権に及ぶこととしております。これが集合動産あるいは集合債権譲渡担保権についてそれぞれ効力が及ぶ範囲ということになります。 私的実行の場面でございますが、この私的実行の場面に関して、譲渡担保法案は、集合動産譲渡担保の私的実行をしようとするときは、担保権者はその旨を設定者に通知しなければならないこととし、この通知がされた時点で実行の対象となる動産が確定することとしております。 他方で、集合債権譲渡担保についてはこのような規定はありませんで、既に発生している譲渡担保債権について実行がされましても、その効力は実行着手後に生じた債権に対しても及ぶことになります。これは、集合債権譲渡担保契約におきましては、各債権がそれぞれ譲渡担保権の目的となっているという理解を踏まえたものでございます。 倒産手続が開始した場面でございますが、この設定者について破産等をしたという場合に関しまして、この設定者の倒産手続が開始した後も設定者が取得した動産や債権に対して集合動産譲渡担保権等の効力が無制限に及ぶということになりますと、一般債権者の引き当てとなるべき財産を支出することによって取得した動産や債権の換価価値も譲渡担保権者への弁済に充当されるということになってしまいますので、債権者間の公平を害したり事業再生の妨げになったりするというおそれもございます。 そこで、譲渡担保法案は、設定者について、倒産手続が開始された場合には、原則として、その後に設定者が取得した動産や債権には集合動産譲渡担保権等の効力が及ばないこととしております。
○谷合正明君 それでは次に、動産譲渡登記及び債権譲渡登記の存続期間について質問をいたします。 この両法の制定によりまして活用される動産譲渡登記について、その存続期間を十年から二十年に延長した理由は何でしょうか。一方で、債権譲渡登記の存続期間について現行の期間を維持した理由は何か、確認をしたいと思います。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 現行の動産譲渡登記におきましては、システムへの負担軽減の観点に加えまして、制度導入時には動産の譲渡担保契約は五年から十年までの範囲内で契約内容の見直しがされるのが一般的であると指摘されていたことなども踏まえまして、動産譲渡登記の存続期間は原則として十年を超えることができないとしております。これに対しましては、実務上十年を超える存続期間の動産譲渡登記のニーズがあるとの指摘がありまして、現に延長登記の申請がされる件数が相当数あるところでございます。 そこで、動産譲渡登記の存続期間につきましては、その上限を十年から延長することとし、システムへの負担も考慮して、新たな上限を二十年とすることとしております。 他方、現行の債権譲渡登記制度でございますが、債務者が特定している債権の譲渡に係る債権譲渡登記の存続期間は原則として五十年を、債務者が特定していない債権の譲渡に係る債権譲渡登記の存続期間は原則として十年をそれぞれ超えることができないとしております。 債権譲渡登記につきましては、動産譲渡登記と異なりまして、実務上これらの期間を超える債権譲渡登記のニーズが大きいとは認識をしていないところでございます。また、債務者が特定していない債権の譲渡に係る債権譲渡登記の存続期間が原則として十年を超えることができないとされましたのは、実務上想定されている取引は、通常は取引期間が十年を超えることはないと言われていたことに加えて、譲渡人の営業活動等を不当に制限するような包括的な譲渡をこれによって抑制し得るという副次的な効果も考慮をされたためでございまして、このような趣旨は現在も妥当し得ると考えられます。 そこで、債権譲渡登記の存続期間については、システムへの負担の観点も考慮をいたしまして、現行の制度を維持することとしたものでございます。
○谷合正明君 いずれも実務上のニーズに照らし合わせて、ニーズがあるもの、乏しいもの、それぞれありましたけれども、この存続期間についての改定、また維持だというお答えでございました。 一問飛ばしておりますけれども、必要な質問を全てすることができましたので、少々早いですけれども、終わりたいと思います。 以上です。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。日本維新の会、嘉田由紀子でございます。 まず最初に、譲渡担保契約と所有権留保契約に関する法案についてお伺いさせていただきます。 既に少し、渡辺委員、また谷合委員とダブっているところがありますけれども、まずは、渡辺委員の中で質問上がりましたけど、これまで慣習法的に判例実務で認められてきた、もう既に百年以上という答弁ございましたけれども、それをあえて今立法化する立法事実をまず教えていただきたいと思います。 そして、それによって、社会的、経済的効果、どのようなところを狙っておられるのか。特に経営破綻に直面した中小企業の債務処理の在り方や、またそこで働く労働者への保証的支払など、どのような変化が想定されるでしょうか。特にこの言葉難しいので、一般の国民の皆さんが理解できるような言葉で総括的な答弁をお願いいたします。法務大臣、お願いできますか。
○国務大臣(鈴木馨祐君) まず、今回の立法の意味であったりとか、あるいはその立法事実ということでありますけれども、先ほども御答弁も一部したところではありますけれども、これまでの企業の資金調達、ここにおきまして、やはり、これまでは不動産あるいは保証というところで、そうした担保として多く用いられてきたと、そういったことがありました。しかし、近年、不動産を有しない企業、これが増えていたりとか、あるいは保証人の負担軽減、そういったことが必要であろうと、そういった議論もありまして、まさに資金調達手法を多様化する、そういった必要性があったということであります。 また、やはり、これまで譲渡担保あるいは所有権留保について明文のそうした規定がなかった、すなわちそれは判例によって規律をされていたということで、やはり法的な安定性、ここに欠けるところがあったということもあったと思います。また、あるいは判例においては、譲渡担保権を活用した金融実務、そうした要請に十分応えることができていないではないかと、そういった点があったのも事実であります。 そういったことの中で、今回の法案におきましては、譲渡担保及び所有権留保に関する法律関係、この明確化をする、あるいは取引の法的な安定性の確保を図る、こういったことのために、必要に応じてより合理的なルールを導入するということで提案をさせていただいておりまして、不動産担保あるいは個人保証に依存しない企業の資金調達手法、この多様化の促進、こういったことを狙いとしているところであります。 今回の法案におきましては、集合動産譲渡担保権、さらには集合債権譲渡担保権が実行された場合に、設定者において法的倒産手続が開始をされた場合には、担保権者が実行によって回収をしたうちの額のうちの一部、一定額を破産財団に組み入れなければいけないという、そういった組入れ制度、こういったことを創設をしたところであります。 まさに先ほど御質問の中でも、経営破綻に直面をした中小企業の債権処理の在り方あるいはそこの労働債権、この保証支払、どういった変化が起きるのかということでありますけれども、そういったことで申し上げれば、この組入れ制度ということにおいて組み入れられた金銭、これが倒産手続の中で労働債権者を含む一般債権者に対する配当の原資になり得るということもありますので、まさにそういった意味で、一般債権の弁済、こういったことに資するのではないかと私どもとしては考えているところであります。
○嘉田由紀子君 丁寧にありがとうございました。 社会全体がよりサービス業なりあるいは債権というところに価値を置いている時代ですので、今の時代に必要な法制度と思います。 以上でこの譲渡担保契約についての質問を終わらせていただきますけれども、二点目は、これまでの続きですけれども、特に離婚後の子の養育計画作りが大変重要だということを五月十三日、また二十五日にも質問させていただきました。 そこで、弁護士の方に是非この計画作りにサポートしていただきたいと。都会では弁護士さんが数が多いということ、これも先日申し上げましたけれども、多職種連携で子供さんあるいは離婚の父母をサポートするのに、どちらかというと、対立的に競合させるのではなくファシリテーション、調停をするということをより工夫していただいたらどうかと思うんですけれども、調停型のADRを増やす方法、あるいはその必要性など、御答弁いただけますか。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 父母の離婚に直面する子の利益を確保するためには、父母が離婚後も適切な形で子の養育に関わり、その責任を果たしていただくことが重要であると考えておりまして、そのためには父母間の葛藤を和らげる働きかけをしていくことが重要でございます。委員御指摘の調停型のADRを活用した共同養育計画の作成も支援の在り方の一つであると考えます。 このような観点から、法務省では、既に令和四年度に実施をいたしました養育費の不払い解消等に向けた自治体における法的支援及び紛争解決支援の在り方に関する調査研究等におきまして、ADRの利活用に関する検討を行ったところでございます。その上で、本年度の調査研究では、共同養育計画の作成促進のための支援のネットワークについて検討する予定としておりまして、ADR機関等のネットワーク参加についても検討を行うことが考えられます。 いずれにしましても、委員の御指摘も踏まえながら、父母間の葛藤を和らげるための支援の在り方について引き続き検討を行うとともに、好事例については関係府省庁等と連携しながら横展開に努めてまいりたいと考えております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 キーワードは多職種連携のネットワーク、横展開ですね。是非これ、現場で広がるようにお願いしたいと思います。 そして、そのときの考え方というか哲学ですが、実は、私が先日、五月二十日に出版した書籍の中でも、裁判所が親子交流を阻んでいる、壁となっているという声が大変多く寄せられております。 そういう中で、令和六年の改正法では試行的親子交流制度が導入され、親子交流に関する家事調停では、当事者入替え制ではなく、双方向で対話型に行うべきという考え方もありますけれども、これも書籍の中で扱っているんですけど、どうしても父母対立しているから、それぞれに話を聞いて調整するというのがこれまでの調停なり裁判のやり方だったんですが、アメリカの場合には、もうファシリテーターが真ん中にいて、父母、当事者の話をその場で聞く。そうすると、相手はああ言っていますよ、私はそんなこと言っていなかったといって、かなりリアルに言わば対話が成り立つということも伺っておりますので、この対話型という考え方、基本哲学についてどう思われますか。お願いします。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 委員御指摘の点、家事調停事件の運用の在り方や個々の家事調停事件の進行等に関わるものでもございまして、その家庭裁判所の運用についてコメントすることは差し控えをさせていただきますが、その上で申し上げますと、委員御指摘のように、裁判所の手続によっては希望する親子交流が認められなかったという不満の声があることも承知をしておりまして、そういった不満の背景には父母間の葛藤があるのではないかとも推測をされるところでございます。 親子交流に関する取決め等を行う場面では、父母双方に対し葛藤を和らげるような働きかけを行い、対話を実現することが重要であると認識をしております。そのような働きかけのためには、父母の一方ではなく父母双方への適切な支援が必要となりますが、令和六年度の調査研究におきましては、協力自治体の職員から、養育計画の作成支援に関し、父母双方への支援の必要性を感じつつも、実際に窓口に来るのは父母の一方のみであるため、その点に難しさを感じているとの意見もあったところでございます。 本年度の調査研究におきましては、自治体内の関係部局に加えまして、専門職等の多職種を含む連携によるネットワーク型の支援の在り方の検討等を行う予定としておりまして、引き続き、父母双方に対する効果的な支援の在り方について検討を進めるとともに、好事例の横展開に努めてまいりたいと考えております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 と申しますのは、三点目ですけれども、今回の調査研究で大変大きな成果は、国際比較のデータを詳しく出していただいたことです。アメリカ、フランス、ドイツ、オーストラリア、韓国、台湾の六か国です。 それぞれの国での共同養育計画作りの内容、かなり詳しく、もうそのままのを出していただいたりしていますので、今後日本で進めていく共同養育計画作りにどう活用できるか。特に、養育計画の義務化、あるいは離婚成立の要件化、つまり養育計画がなかったら離婚成立させないんだと、もう韓国などはそうなっておりますけれども、ここが二つのポイントと思いますけど、法務省さん、国際比較の中で今後日本はどうしていったらいいと思われますか。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 委員御指摘の調査研究では、御指摘になった六か国を対象といたしまして、専門的知見を有する研究者に依頼し、各国の法制度及び運用に関する調査を行ったところでございます。 同調査によりますれば、委員御提案の離婚時の養育計画の作成義務化につきましては、そもそも協議離婚制度がない国があるなど前提とする離婚制度が国によって様々でございまして、養育計画の作成につきましても、義務としている国、義務としていない国のいずれもがあったところでございます。他方で、養育計画を義務としていない国においても、民間団体等の支援による養育計画の作成が図られているという国もございました。 委員御提案の養育計画の作成義務化につきましては、令和六年民法等改正の検討過程や審議過程でも議論がされたところでございますが、DVや虐待等がある事案では、離婚が困難となることにより、かえって子の利益に反することになるとの懸念もあり、採用されなかったところでございます。 もっとも、父母が離婚後の子の養育の在り方について適切に話し合い、合意をするということは、子の利益の観点から重要であると認識をしており、本年度の調査研究におきましても、養育計画の作成を促進するための支援の在り方の検討を行う予定としております。 引き続き、関係府省庁等とも連携しつつ、検討してまいりたいと考えております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 具体的に日弁連さんが、民事法律扶助制度、いわゆる法テラスですね、ここで大変離婚案件が複雑化している中で弁護士さんがたくさんのエネルギーを入れていると。それでも、報酬が少ない。先回、仁比議員が指摘してくださいましたけど、一般の報酬と比べると三割とか五割ということで大変な負担があるわけです。 そういうところで、今日、資料一として出させていただきましたが、この法テラスの制度、有識者による検討組織を速やかに設置して課題を、解決方向を考えていただきたいということで、特に離婚案件と未成年者の扶助拡充ですね、報酬支払など含めて、今後、法務省として前向きに取り組んでいただけるでしょうか。お願いいたします。
○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。 日本弁護士連合会においては、民事法律扶助制度の拡充に向けてとして、改正民法の施行も契機の一つとして、民事法律扶助制度の在り方について、離婚関連事件における扶助の拡充、未成年者への扶助の拡充など様々な要望をされるとともに、有識者による検討組織の設置を希望されているものと承知をしております。 日本弁護士連合会の要望では、離婚関連事件について、弁護士報酬の引上げや、償還猶予、免除の要件緩和などを求めているものとまずは承知しております。このうち、弁護士報酬の引上げについては、弁護士報酬をその業務内容や事件の困難性等が適切かつ公平に反映されたものとする必要がある一方で、立替え償還制の下で、その報酬額の引上げが国民負担の増大や利用者の償還金負担の増大につながることを考慮する必要がありまして、償還等免除の要件緩和の要望と併せて、法テラスの財政的基盤に与える影響や、本来当事者が負担すべき弁護士費用等を国民負担とすることが合理的かなどの観点から慎重かつ十分な検討が必要な問題であると考えております。 また、未成年者への扶助拡充について、要望では、法定代理人の同意の有無にかかわらず、未成年者単独による代理援助の利用を可能とすることを求めているものと承知をしておりますが、この点については、立替え償還制の下、民事法律扶助の利用者は法テラスが立て替えた弁護士費用等を後日償還する義務を負うことになります。このことと、未成年者の法律行為につき原則として法定代理人の同意を要するとする民法五条一項との関係をどのように理解するかなどの観点から検討すべき課題も少なくありません。 今般の日本弁護士連合会の要望は、ただいま説明した二点を含め、多岐にわたるものでございます。また、それぞれに課題が少なくないことから、法務省としては、この要望について、まずはその趣旨や内容につき十分に受け止めて理解をした上で、困難を抱えた方々に対する適切な法的支援の在り方について、引き続き、日本弁護士連合会や法テラスとの間で必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
○委員長(若松謙維君) 時間過ぎておりますので、手短にお願いします。
○嘉田由紀子君 はい。 できない理由は幾らでも言えるんです。現場が求めているんですから、できるかできないかではなくて、やるかやらないかです。 最後に、ちょっと申し訳ありませんが、保護司制度が世界標準になるということで、資料二として……
○委員長(若松謙維君) 時間過ぎておりますので、追加質問はおやめください。
○嘉田由紀子君 はい。 保護司制度の世界標準、一言で結構ですけど、鈴木大臣の一言、お願いできますか。(発言する者あり)
○委員長(若松謙維君) じゃ、鈴木大臣、簡潔にお願いいたします。 ちょっと質問通告されて、今、嘉田委員、質問されましたか。
○嘉田由紀子君 質問通告させていただいていますけど、時間過ぎていますので、結構です。
○委員長(若松謙維君) 時間過ぎておりますので、次回の機会にお願いいたします。
○川合孝典君 国民民主党の川合です。 法案について御質問させていただきたいと思いますが、ちょっと切り口を変えて、関連法制との本法の整合性についてのちょっと確認をさせていただきたいと思います。雇用やいわゆる労働債権に与える影響等が今回の立法によって何らか生じるのかということの確認をします。 〔委員長退席、理事矢倉克夫君着席〕 本日、金融庁さんにお越しいただいておりますので、金融庁さんに確認をさせていただきたいんですが、昨年六月に事業性融資の推進等に関する法律案が成立しております。この法律は、こちらの法律につきましては、事業者が不動産担保や経営者保証等によらず事業の実態や将来性に着目した融資を受けやすくするよう、事業性融資の推進に関して基本理念、国の責務、事業性融資推進本部、企業価値担保権、さらには認定事業性融資推進支援機関等について定めるということで、昨年成立しております。 この法律の中に書き込まれているポイントの中に、担保権実行時には、企業価値を損なうことがないよう、事業継続に不可欠な費用、これは商取引債権と労働債権等について優先的に弁済し、事業譲渡の対価を融資の返済に充てるということが規定をされているということであります。 この法律についてですが、この法案の議論を行う中で指摘されていた事項として、従業員の労働契約上の地位を含む事業全体を担保とした事業瑕疵担保権の実行手続が行われた後、債権者が担保権実行の手段として事業譲渡を選択して債権回収を図った場合に、事業譲渡が特定承継の形を取ることによって労働者の失業や労働条件の不利な内容への変更等が発生するおそれがあるということの懸念が指摘されておりました。 これに対して、そういった問題が生じないようにするため、どういった措置が講じられているのかということについて、金融庁さんにお伺いをします。
○政府参考人(若原幸雄君) お答えいたします。 昨年成立いたしました事業性融資の推進等に関する法律におきましては、お話があったとおり、そこには企業価値担保権というものが定められておりますけれども、この企業価値担保権の実行に際しまして、御指摘のような御懸念も踏まえまして、裁判所の監督に服する、そういった実行手続に限るとした上で、裁判所に選任された管財人が担保権者のみならず労働者も含めた利害関係人全体に対して善管注意義務を負うと。さらに、この管財人によりますいわゆるスポンサーへの事業譲渡の際には、原則として事業を解体せずに雇用を維持しつつ承継するとされておりますほか、事業の承継等の際には、裁判所が労働組合等の意見を聴取した上で許可をするといったようなことが定められておるところでございます。 このような制度に基づきまして、実行手続におきましては、管財人が裁判所の監督の下で、労働条件も含め、事案に応じた適切な労働者保護を図ることとなるものと考えておるところでございます。 金融庁といたしましては、こうした制度の内容や趣旨につきまして、関係者への周知、広報に取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
○川合孝典君 というのがこの事業性融資の推進等に関する法律案の概要ということで、お聞きいただきましたとおり、相当手厚く、二重三重に保護をする、債権者の保護を行うということを措置しているということをお聞き取りいただけたと思います。 〔理事矢倉克夫君退席、委員長着席〕 その上で、民事局長に確認させていただきたいんですが、今回、譲渡担保法制、譲渡担保契約に係る法案が成立して、この譲渡担保権というものが明確化されるということになりますが、この金融庁の事業性融資の推進に関する法律案に示す事業価値担保権と譲渡担保権というものについて、これ両者はどう違うのかということと、譲渡担保権においても事業価値担保権と同様に保護、債権がきちっと、労働債権が保護されるのかということについて確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 まず、事業価値担保権と今回の譲渡担保権とどう違うのかというお話でございますが、事業価値担保権の方は、まさに企業の事業の価値そのものに着目してそこに担保価値を見出して融資をするという、そういう担保権であろうと思いますが、譲渡担保権の場合には、一つは、個別の動産あるいは債権について、それぞれの動産、それぞれの債権に担保価値を見出して担保とするというものでございますし、それから、集合動産譲渡担保あるいは集合債権譲渡担保というのも今回法案に入れておりますが、それは、将来ある一定の範囲の動産に含まれる動産も、それを見越して、それを一つの集合物として担保価値を見出して担保を設定するものでございますし、債権の方も同じように、将来発生する債権についても含めて全体として一括として担保とするというものでございまして、そこに少し差異があるというふうに理解をしております。 債権者の保護ということでよろしかったでしょうか。債権者の保護に関しましては、今回、少し、何回か話題も出ております組入れ義務というのを設けておりまして、債権者、譲渡担保権者が譲渡担保権を実行した後に、債務者、設定者について倒産手続等が開始したという場合には、集合動産譲渡担保権あるいは集合債権譲渡担保権で大きく担保価値を見出して設定をいたしますと、私的実行の際に譲渡担保権者が多くの財産を、設定者の財産を実行で持っていってしまうというような事態が予想されますので、一定の価値を超えたものについては、組入れ義務を規定することで債権者の保護を図ろうとしているものでございます。
○川合孝典君 つまり、この譲渡担保権においても、この事業価値担保権と同様に債権者が守られるような措置が行われるという理解でよろしいですか。
○政府参考人(竹内努君) 先ほど申し上げましたような組入れとの関係では、私的実行の後、一定の期間で倒産手続が始まるというようなことになっておりますが、そういう場合には、特に債権者の保護が必要であるというふうに考えて、組入れの規定を設けているものでございます。
○川合孝典君 余りこういう切り口から質問した方はいらっしゃらないと思うんですけれども、この事業性融資の推進に関する法律案に定める事業価値担保権、こちら企業価値担保権とも言うみたいですけれども、こちらのその規定の中で、労働債権や労働者の雇用の保護といったようなことも含めた手厚い、要は保護の規定が設けられているということを考えたときに、今回の立法に伴って、ずっといろんな方々が異口同音に懸念を示していらっしゃる労働債権を始めとしたものの保護というものについても、この法律と整合性を取りながら保護に向けた取組を進めていくべきだと私は思うんですけれども、これで最後にしたいと思いますけれども、局長はどう思われますでしょうか。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 今回の譲渡担保法案の中での議論として、譲渡担保権者の利益と、それから一般債権者の利益と、何というんですか、適宜に調整を図るべきだという議論の下で進めてまいりましたので、委員御指摘のとおり、それぞれ制度の違いはございますけれども、必要な範囲で一般債権者の保護も、あるいは、もちろん労働債権含みますけれども、一般債権者の保護を図っていくというところに違いはないと考えております。
○川合孝典君 金融庁法案の方は企業価値ということであり、この譲渡担保の方は動産や集合債権等という話をされましたが、融資する方は企業価値を認めて融資をするという意味では全く同じことだと思いますし、そのことの結果として、その適用する法律で保護される度合いが変わってくるなどということがあってはいけないということだけ指摘をさせていただきたいと思います。 金融庁さんはこれで結構でございますので、退席を、委員長、お取り計らいをお願いします。
○委員長(若松謙維君) 参事官、退席して結構です。
○川合孝典君 次の質問に参りたいと思います。 時間がなくなってまいりましたので、大臣に一問だけ質問通告させていただいているものについて御質問させていただきたいと思います。問いでいくと七番の問いということになります。 今回、この法律を立法するに当たって、先ほど民事局長の御説明にも譲渡担保権はこれまで活発に利用されていなかったということを答弁の中でちょっとお話しをされたということで、立法理由の一つということになっておるわけでありますが、現在、その動産譲渡登記は全国どこにある動産であっても東京法務局民事行政部でしか受け付けていないということです。 東京一か所だけで受け付けているということであって、実は、地方の司法書士会の関係の方から、この立法理由としてある利用率を上げるためにということであるのだとすれば、全国的な利用率が上がらないのは東京でしか受け付けないからなのではないのかという指摘がありました。 不動産登記などと同様に、所在地を管轄する登記所などでこの譲渡担保についての登記も幅広く受け付けるべきなのではないのかと素朴に私感じたわけですけれど、この指摘に対して大臣はどうお考えになるのか、お聞かせください。
○国務大臣(鈴木馨祐君) 御指摘のように、現在、動産・債権譲渡登記制度のその登記所、その事務をつかさどる登記所ということでいうと、申し上げますと、東京法務局のみが指定をされている、そういった状況であります。 その趣旨としましては、一つのところに指定するということで譲渡登記ファイルを一元的に管理をすることができる、すなわちこの登記番号によって登記間の先後関係、これが明確となるということがございますし、同時に、しっかりと集中をさせるということの様々な意味での効果というか、そういったこともございます。その一方で、今御指摘のように、やはり東京のみということであれば、地方の利用者の方々、利便性に欠けるのではないか、そういった御指摘があることもまた事実だと思います。 そういった中で、まずこのDXという、そういった時代でもありますので、そういった意味では、オンラインの申請、これは地理的なことをある意味越えるということでできますので、オンライン申請ということのその利便性をしっかりと上げていく、さらには、そういった利用をしていただけるようにその対応をしていくということがまずあるのではないかと思っておりますし、そういった中で、まずは遠隔地の方々の利用者の方々の負担軽減、これをしっかりしていくような必要があると思います。 その一方で、この法務局の指定の拡大ということで申し上げると、先ほどの実務的な課題をどう乗り越えるのかということもありますし、あるいは譲渡登記の利用状況、これのしっかりした、オンラインで対応できないところがどのぐらいあるのかとか、そういったことも恐らくこれ考えていかなくてはいけないと思います。まさにそうした費用対効果あるいは運用コスト、こういったことも含めてやはり考慮が必要だと思いますので、そういった必要性を踏まえて、検討すべきであれば検討していくということかと考えております。
○川合孝典君 不動産だったらどこでも登記、その所在地で登記ができるということの状況の中で、これについては東京でしかできない。一方で、利用率を上げるためにということで立法されているということを考えたときに、利便性を高めるということも同時に考えないと立法する意味がないんじゃないのかなと、シンプル、素朴に感じるところであります。 大臣、先ほどお触れになりましたとおり、IT化、オンライン化を進めるということで、この間、デジタルの議論も進めているわけでありますので、要は利用者の利便性を高めてこの制度を皆さんに広く有効に活用していただくという意味では、是非とも御検討いただくべきだということを指摘をさせていただきまして、おおむね時間が参りましたので、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 私からは、破産した企業において未払賃金あるいは退職金の債権、この確保をという問題について絞ってお尋ねしたいと思うんですけれども、現実は、確保、優先といいながら、労働者にとっては極めて厳しい、あるいは不条理だというのが破産の現実なんですよね。 今回、今日も話題になっている組入れという問題で規定が置かれる集合動産譲渡担保あるいは集合債権譲渡担保という件について、お手元に資料がありますけれども、つまり、ある倉庫に在庫があると、この在庫は取引、生産あるわけで、流動するわけですが、ここに担保権を設定するということなんですよね。 労働者にとってみると、もう社長が頑張っていると、これで会社立て直すんだというので、賃金は遅れるとか今月は未払だとかいうみたいなことになっても、懸命にこれをつくって在庫ができるわけですよね。あるいは、集合債権譲渡担保で例えば売掛金でいいますと、営業職の社員があの取引先に懸命に営業を掛けて新規で取ってきたと、そういう売掛金ということになるわけでしょう。 これが残念ながら破産ということになってしまうと、この担保権者、これまで典型的なのは抵当権ですけれども、メインバンクが抵当権を持っているということになったら、そうやって懸命に労働者が会社のためにと形成してきた資産が全部この担保権者に持っていかれてしまうわけです。租税もこの労働債権に優先するという形になってしまうわけですね。 その点で、この法案が、譲渡担保の設定に当たって、譲渡担保権者は一旦担保権を実行して貸していたお金に充当するわけですけれども、一旦そうやって充当したはずの金額を、要件は限定されますけれども、一定の要件の下で破産財団に組み入れなきゃいけない、言ってみれば返さなきゃいけない、戻さなきゃいけないということを義務にするという七十一条、九十五条というのは、これまでの担保権と労働債権の関係を考える上では一歩前進だと私は思うんですよ。 ここの意義あるいは目的は、民事局長、どんなことでしょうか。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 委員御指摘のように、譲渡担保法案では、集合動産譲渡担保権又は集合債権譲渡担保権が実行された場合に、労働債権者を含む一般債権者への弁済原資を確保し、これによって担保権者と労働債権者を含む一般債権者との間の分配の公平を図るという観点から、集合動産譲渡担保権等が実行された場合において、設定者について法定の倒産手続が開始したときは、担保権者が実行により回収した額のうちの一定額を破産財団等に組み入れなければならないこととしております。 これは、集合動産譲渡担保権等につきましては、一定の範囲に属する設定者の財産を一括して担保の目的とするものであって、その範囲の定め方によっては設定者の倒産時において一般債権者のための引き当て財産が著しく減少するおそれがあること、集合動産及び集合債権の価値を維持するためには労働債権者や仕入先などの一般債権者の寄与が必要であり、さらには、これらの一般債権者の寄与によってその価値が増大することもあることから、集合動産譲渡担保権等には特定物を目的とする譲渡担保権その他の担保権とは異なる特殊性があり、その価値の全てが担保権者の債権の満足に充てられるのは相当とは言えないことを考慮したものであります。
○仁比聡平君 つまり、企業とかその価値というのはみんなでつくっているものなのであって、メインバンクが抵当権持っているからといって全部持っていっていいというような話じゃないということが今回法制度になるわけですね。ここは一歩前進だと思うんですが、二枚目の資料を御覧いただいたらと思いますが、ところが、今回の制度でも、組入れというのはごく僅か、あるいは労働債権の充当には充てられないという事態が想定される。 つまり、端的にお尋ねしますと、担保の目的になっている例えば集合動産、これを破産手続の中で額が幾らかということで評価をした、あるいは管財人が売却をしたというときに、その金額が譲渡担保債権者の元本とそれからその実行費用を下回っていた、そういう場合というのはどうなるんですか。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 譲渡担保法案では、集合動産又は集合債権の価額の九〇%に相当する額と実行費用及び最先順位の譲渡担保権の被担保債権の元本の合計額のいずれか大きい方の額を超えて被担保債権が消滅したという場合に、譲渡担保権者はその超える額を組み入れなければならないこととしております。 これは、集合動産又は集合債権の価額の一〇%が常に組入れの対象となることとする場合には、譲渡担保権者が把握することができる担保価値も一律に一〇%減少することとなり、融資することができる金額が一律に減少するおそれがあるため、このような資金調達への悪影響が生ずるおそれをできる限り低減させようとするものでございます。 したがいまして、実行費用及び最先順位の譲渡担保権の被担保債権の元本の合計額が譲渡担保権の目的である集合動産の価額を上回るという場合には、譲渡担保権者は組入れ義務を負わないということになります。
○仁比聡平君 結構そういう場合が間々あるというか、多いのではないかとも思われるわけですよね。 もう一点、そうやって組み入れるというのは、破産財団全体に組み入れるので、直ちに労働債権に充当されるわけではないわけです。 特に、多額の租税債権の滞納分あるいは社会保険料の未払分というのがこの労働債権、未払賃金と競合するという場合が多くありまして、結果、そういう場合は額で案分配当されるんですね。それが破産法のルールになっているんですけれども、そうすると、労働債権にはほんの僅かしか充当されないと。 これ、優先といいながら、有名無実ではないか、著しく保護に欠けるではないかということになるんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 破産手続におきましては、労働債権のうち、その開始前三か月間の給料の請求権等は財団債権として扱われ、財団債権となる租税債権とは同順位として扱われます。その上で、破産財団が財団債権の総額を弁済するのに足りないことが明らかになった場合には、委員御指摘のとおり、財団債権の額の割合に応じて案分して弁済をされることになります。 しかしながら、組入れ制度が設けられたことにより、これが存在しなかった従来に比較をいたしますと、破産財団が増殖することになりますので、労働債権の弁済額もこれによって増加することになってまいります。 したがいまして、組入れ制度は、組入れ額の一部が租税債権といった他の財団債権者への弁済原資になるにしても、労働債権保護の観点から相当程度の実効性を期待することができると考えておるところでございます。 担保法制部会におきましては、集合動産譲渡担保権者及び集合債権譲渡担保権者のこの組入れ義務に関しまして、その組み入れるべき金銭から労働債権者などの特定の一般債権者が優先的に弁済を受けられるようにするための方策についても議論がされたところでございます。これに対しましては、倒産手続が開始した債務者に対する債権の倒産手続における優劣関係全般に関わる問題として、倒産法制の見直しの中で検討すべきであるとの意見がございました。 法務省といたしましては、このような意見をしっかりと受け止めまして、適切に対応したいと考えておるところでございます。
○仁比聡平君 お聞きいただいているとおり、本来なら、賃金あるいは退職金というのは、これは使用者の資力不安が生じた場合でも優先的に支払われているべきものなんだと思うんですよ。ところが、現実にそうならないということになっていて、倒産の制度の中でも、今申し上げていることが確実にされていく法制度というのがもう強く求められていると思います。 その下で、三枚目に、昨年十月十五日の担保法制部会の議事録から、山本和彦委員、倒産法制の大家だと思いますけれども、御発言を引用させていただきました。 村上委員、竹村参考人も言われた労働債権の保護というのは極めて重要な課題だと。村上さんというのは連合の村上陽子さんで、竹村さんというのは日本労働弁護団の竹村和也弁護士なんですけれども、例えば、竹村弁護士は、本当は財団債権内の順位をいじっていただいて、全労働者への分配をすべきだという、そういう御発言を受けて、この山本先生の御発言があるんですね。 先ほどの租税債権との順位も含めた破産法の改正というのが平成十五年、それから続いて十六年にも関連の改正がありました。このときから関わってこられているこの研究者がこうおっしゃっている。 倒産手続の中で労働債権がより保護されるような仕組みということを考えていくということになるのではないか、以前の改正からですけれども、既にそれから二十数年がたっているわけでありますので、十分にこれまでの経済的、社会的な変動に鑑みて、新たな優先順位の形成というのを正面から考えるべき時期に来ているのではないか。 この発言始めとして、今局長から紹介ありましたけど、今回の担保法制部会で相当活発に議論がされていると思うんですね。 そこで、大臣、これを踏まえて速やかに検討を進めて必要な措置を行っていただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(鈴木馨祐君) 今御指摘の労働債権についての様々な議論、これまでも行われてきたと承知をしております。 その中で、現行で申し上げると、民法の三百六条における一般の先取特権であったりとか、あるいは、破産法の中でも様々この財団債権の関係で一定の優先的な地位、これが与えられている状況であるとは認識をしております。 その一方で、今の御指摘はその破産法全体、倒産法制全体での労働債権の優先順位をどう引き上げていくかという話、更に引き上げるべきではないかという御趣旨だと思いますが、その場合、やはり幾つかの課題があるとは思っていまして、例えば抵当権等の約定担保権を設定する際に、これに優先する債権はどの程度発生をするのか、それを予測することがやはり困難になるということで、担保取引、この安定性を害するおそれがあるということ、あるいは抵当権や質権等の不動産に設定できる担保権と労働債権との関係、これを全面的に見直す必要が生じてきますので実務に対する重大な影響が生じる、そういった課題がある、これは事実だと思います。 そういった意味で慎重な検討は必要だと思っておりますが、この法制審の担保法制部会においても、倒産法制における労働債権の優先順位、債権の倒産手続における優劣関係全般に関わる問題として倒産法制の見直しの中で検討すべき、これは先ほど御指摘をいただきました山本先生の御意見ということも含めて、そういった御意見があったことも事実であります。 私どもといたしましては、こうした御意見を受け止めながら、まずは倒産局面における各債権者の債権の満足の状況等の実態調査、これを行っていくということを考えておりまして、そういったことの結果、この実態ということも踏まえてどのようなことが必要なのか、そういったことを適切に検討していきたいと考えているところでございます。
○仁比聡平君 よろしくお願いしたいと思うんですね。 弁護士の中で、例えば日本労働弁護団からは、優越的一般先取特権という考え方、つまり、労働債権の一定の範囲について、担保対象の財産に限定を掛けるということをしながら優先するということにして、金融機関の予測可能性も確保するというような制度設計もかねてから提案をした議論があっているところで、そこで、ちょっと残る時間、一問だけになりますが、厚労省にお尋ねしたいと思うんですけれども、今申し上げている議論について、二十五年前、二〇〇〇年に、当時の労働省で労働債権の保護に関する研究会の報告書というのが発表されていて、お手元に資料をお配りしました。とても勉強になるものだと思うんですね。 保護の必要性というのは今日も同じ認識なのだと思うんですけれども、お尋ねしたいのは、このときに、ILO百七十三号条約、労働債権については、他の債権、特に国及び社会保障制度の債権よりも高い順位の特権を与えると、こう求めている条約の批准も大きな議論になる中で、その関係の各国の実施状況、ここについて詳しい調査をして提言をしているんですよ。 こうした調査を改めて行って、法務省を始めとした関係省庁にも生かしてもらうし、我々の国会審議にも生かしていただきたいと思いますが、最後、いかがでしょうか。
○委員長(若松謙維君) 答弁、簡潔にお願いします。
○政府参考人(田中仁志君) はい。 お答えいたします。 御指摘の研究会報告書におきましては、イギリスやフランス等の諸外国の労働債権の保護に関する取組についても調査されておりまして、労働債権保護の在り方について広範な観点からの議論が必要とされておるところでございます。 ただ、その後、最新の状況を必ずしもアップデートしていないと、こういう状況でございますので、労働債権保護に関して各国においてどのような取組が行われているか的確に把握するということは非常に重要なことでございますので、引き続きどのような対応が必要かということについては検討してまいりたいと思います。
○仁比聡平君 頑張ってください。 終わります。 ─────────────
○委員長(若松謙維君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、福岡資麿君が委員を辞任され、その補欠として中西祐介君が選任されました。 ─────────────
○鈴木宗男君 この譲渡担保法案、整備法案について、後ほど採決されますけれども、これ一点だけ確認させてください。 北海道は農業王国ですので、農家が牛や豚などの家畜に担保権を設定して融資を受ける場合にも、本法案の動産譲渡担保は利用することができるのか。本法案により、この家畜類の譲渡担保の利用拡大があると理解してよろしいのか。この点、民事局長、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 牛や豚などの家畜類を目的とする譲渡担保は現在も利用されておりまして、譲渡担保法の施行後はその適用対象となります。 譲渡担保法案は法律関係の予見可能性を高めるなどするものでございまして、家畜類等の譲渡担保が一層活用されることを期待しております。また、そうしていただけるようしっかりと周知、広報してまいりたいと考えております。
○鈴木宗男君 御案内のとおり、北海道は大型経営が多いものですから、家畜は大変な財産でありますので、今の局長の答弁を了としながら、しっかりこの周知徹底をしていただきたいなと、こう思っております。 鈴木大臣、今日、渡辺理事が四年ぶりに質問に立たれました。袴田事件について触れてくださりました。法務省は、袴田さんに対して法的な地位が不安定な立場によりという表現よく使いますけれども、結果は出たんですね。無罪なんですよ。ならば、もっと、私は、人間的な言葉、あるいは心にしみる表現で話をするのが当然でないかと、こう思うんです。 この点、大臣、いかがお考えでしょう。
○国務大臣(鈴木馨祐君) この点、先生との様々なやり取りをさせていただく中でも何回か申し上げたところでもありますし、今日、渡辺委員とのやり取りでも申し上げたところでございます。 まさに、死刑判決の確定ということからすれば、四十三年以上、本当に人生の大半の期間、そうした非常に不安な、そして不安定な、そういった意味ではですね、そういった状況に置いてしまったということ、その点は私も様々申し上げておりますけれども、それは大変申し訳ないことだと、これ、法務大臣としてもそれは当然思っているところでもございますし、そういった意味ではその点おわびを申し上げたい、そのことは私としても申し上げたいと、改めて申し上げたいと思っているところでございます。
○鈴木宗男君 大臣、改めておわびを申し上げたいと言うならば、私は袴田巖さんを支えてきたのはお姉さんだと思います。お姉さん九十四歳ですね。私は、早くに、本人はもう拘禁状態で、お姉さんに言わせるとよく分からないという状況ですから、このお姉さんには、少なくとも、大臣、大臣自ら私はおわびをするのが人の道だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木馨祐君) そういったことで申し上げると、先ほど来申し上げておりますように、そこの点の申し訳ないその思いというものは様々な形で申し上げておりますけれども、当然、そこは適切な機会ということ、それもあろうかと思います。そういった意味においては、ひで子さん、このお姉さんであるひで子さんについてもやはり同じような思いを私どもとしても持っておりますので、そこは適切に考えていきたいと思います。
○鈴木宗男君 大臣、袴田ひで子さんは、あした法制審にも呼ばれて意見を述べることになっております。 今の大臣の答弁を多として、できるだけ早く直接おわびの機会をつくりたいという理解でよろしいですか。
○国務大臣(鈴木馨祐君) そこにつきましては、これまでも、検事正ということでも、そこは検察の方でもそういった対応をさせていただいていると思いますけれども、法務省といたしましても、そういったところにおいてはしかるべく考えていきたいと思いますし、もちろん、その機会、いつであるべきなのか、そこは様々な議論もあろうと思います。そういった中で、法務大臣としての立場ということも含めて、そこは適切にしっかりと考えていきたいと思います。
○鈴木宗男君 大臣、大臣が決断すればできることなんですよ。これ、誰とも相談する必要ないんです、もう結果の出ている話ですから。もう可及的速やかにそういう対応をしたいという理解でよろしいですね。
○国務大臣(鈴木馨祐君) もちろん、どういった場でという、これは、そこはこの場で申し上げることではないと思いますが、そこはしっかりと適切に判断してまいりたいと考えております。
○鈴木宗男君 大臣は、よく考えれば真面目なんですね。もう一つ言わせてもらうならば、官僚のテーブルにのっている答弁です。もっと独自の、大臣、カラーを出してください。あなたのためになりますから。遠慮することないんです。社会から、国民から評価されることを私は言っているんですから。是非ともそこを、今大臣が私の可及的速やかということに対しては対応するという話でありますから、恐らく、これまた、大臣、大きな前向きの答弁をしたということで多くの人が私は評価されると思います。評価すると思います。 次に、大臣、今日、福島委員からも人質司法についての話がありました。人質司法、そのやり取りがあったものですから、人質司法の定義を教えていただけますか。
○国務大臣(鈴木馨祐君) ある意味で、これは冤罪についてのやり取りということと若干少し重なるところもありますけれども、これが人質司法だとか、こういう状況は違うとか、そういったことでいうと、この捜査の在り方、やり方ということに直接的に私が評価するということになりますので、そういった意味において、これが人質司法だというそういった定義ということを我々として、法務省として、法務大臣として持っているということではないということで申し上げて、そこは御理解いただきたいと思います。
○鈴木宗男君 大臣として、人質司法とはどういうことか、あるいは人質司法と俗に言われていることがあるか、どういうお考えでいるか、教えてください。
○国務大臣(鈴木馨祐君) 例えばですけれども、そういったことで申し上げると、身柄の拘束によって自白を強要する、そういったことは当然あってはならない、それはそういったことで私どもも考えておりますし、人質司法はどういうことを、どういう定義なのかということではなく申し上げると、そういったことは、私どもとしてはそういった手法を取るということは考えていないということでございます。
○鈴木宗男君 福島委員も触れましたけれども、大川原化工機事件で尊い命が、いわゆるお医者さんにも診てもらえることなく命を落とした、これも大きく社会問題にもなるぐらい私はハレーションがあったと、こう思っていますね。 そういった意味では、今の大臣の答弁、現実的ではないんではないんでしょうか。世の中に人質司法という、じゃ、言葉があって、大臣も、人質司法という言葉が使われて、そういう認識を持っていろいろ議論をされているという見解でいいんですね。
○国務大臣(鈴木馨祐君) まず、法務大臣としてということで御答弁せざるを得ないものですから、そこは御理解いただきたいと思うんですけれども、個々の事件ということでのそういった評価ということは、申し訳ありませんが差し控えさせていただきたいと思いますが、先ほども申し上げましたように、やはり、日本の刑事司法制度の中で、それはそもそも立て付けとして、身柄拘束によって自白を強要する、そういったものとはなっていないものであります。ただ、実際にそういったこと、当然これはあってはならないわけで、そこは「検察の理念」等々でもあるように、そこは検察の現場において、しっかりとそういった国民の信頼、これを失墜するようなことがないようにきちんとこれはやっていただきたい、そのことを私は常に法務大臣としてその指揮下にある検察に対しても申し上げているところでもありますし、そういったことをしっかりと私は期待をしたいと思っております。
○鈴木宗男君 大臣、たまたままだ大臣になって半年ぐらいですわね。そこで、大臣、人質司法という言葉は昨日今日始まったわけじゃないんです、古くからあるんですよ。福島委員も言ったように、自白すればすぐ出れるんです。自白しないと出してくれませんよ。これ、森本局長、首かしげているけれども、私が張本人ですから。 田中角栄先生、五億円もらっても、認めたら二十日で出ています。辻元清美さん、国民の税金を二千万も詐欺しても、認めたら二十日で出ています。鈴木宗男、四百万で捕まって、そのお金は全部届出していますよ、政治資金で。それを検察はあっせん収賄なんというややこしい、賄賂ならば分かりますよ、あっせん収賄なんて全く分からない話で私を捕らえて、私は四百三十七日いたんですよ。 同時に、検事から言われましたよ。認めたらすぐ出れますからって。認めないと出してくれないんです。家族接見も禁止ですよ。これを人質司法と言うんですよ。私本人が経験しているんですから。同時に、谷川恒太という当時の副部長は私にそう言っているんですから。大臣、私は事実を言っているんですよ。 これ、委員の皆様方もよく聞いてください。何も世間話や報道の話を言っているんじゃなくて、私自身、検事から言われた言葉言っているんですよ。おまえたち、国策捜査だなと、こう言ったら、谷川恒太副部長、言いましたね、はい、我々は権力を背景にしておりますから、そう受け止められたらそれで結構ですと言いましたよ、森本さん。 大臣、これが事実なんです。私は正直に生きてきたし、正直に物を言ってきているんです。だから、今があるんですよ。私がいいかげんな政治家ならば、大体、過去の政治家でも、逮捕された段階で終わっていますよ。私が長く付き合っている人は、私の気持ちだとか私の行動を知っているから、私は今こうしてこの場に立つことができる。現実に人質司法があるんですよ、大臣。そういう人ごとみたいな話はしないでください。 そこで、私は、委員長にお願いしますけど、この国会中にまとまった時間で、委員会、一回セットをいただきたいと思います。これ十五分ぐらいですと、やっぱり中途半端で終わりますから、各会派それぞれ三十分、与党は一時間取ってもいいですから、堂々たる議論をして、今、特に、今日の委員会で問題になったように、袴田事件、あるいは大川原化工機の事件、プレサンスの事件、冤罪がだんだん出てきている、どんなやり方であったかというのは明らかになっているわけですから。 大臣はいつも個別案件と言うんですよ。無罪確定している事件で、今問題になっているのは国賠の話なんですから、次元が別なんですから。この点、是非とも、委員長、まとまった時間を取って、ここは記録に残しておくのが、逆に参議院の法務委員会の権威だと、こう思いますので、各委員の皆さん方の協力もいただきたいと思います。 法務大臣も、やっぱり歴史に名を残すぐらいの気持ちで、せっかく任に就いた以上は、私は、やっていただきたいと。逆に、若い大臣がゆえに私は期待しているんです。何もあなたを責めているんじゃないんです。その官僚のペーパーに乗って答えているのでは意味ないんですよ。選挙で選ばれた大臣なんですから、国民の目線というか、国民の思いというものをしっかり受け止めてやった方が、大臣、あなたがあしたにも大臣辞めるあるいは政治家辞めるというなら別ですよ。十年先、二十年先見て、あのときやっぱり、しっかり国民目線で、弱者の立場で、そして正義は正義だ、これを認めた大臣がいたという、私は、姿勢と結果を残すことが鈴木大臣の将来の道につながっていると思うんですよ。 ここら、大臣、冤罪とこの人質司法、まさに今喫緊の課題となっておりますから、いま一度これについて大臣の心ある答弁をお聞きしたいと思います。
○委員長(若松謙維君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(鈴木馨祐君) 大変温かい御指導をいただいたところと私も思ってもおりまして、それは大変感謝をしたいと思います。 その上で、私も政治家個人として、それは当然、国民の皆様方、様々な思い、こういったところに寄り添っていく、当然のことながら、つらい立場の方々にしっかり寄り添っていく、これは当然私もそういった信念でやっております。 ただ、繰り返しで申し訳ないんですけれども、やはり法務大臣として、当然、私は衆議院議員ですから、参議院の場で答弁させていただいているのは当然法務大臣として、これは行政府として答弁をさせていただいております。そういった中においては、やはり私は、三権分立の中で、司法の様々な判断に影響を与え得ること、これは、やはり私は、法務大臣の立場では自重するべきだし、そこは自ら規律する必要があると思っております。そこの点は是非御理解をいただきたいと思いますし、そういった中で、様々この委員会でも御指導いただいております。そういったこともしっかりと踏まえながら、適切に考えていきたいと思います。
○鈴木宗男君 終わります。
○委員長(若松謙維君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより両案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(若松謙維君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(若松謙維君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、田島君から発言を求められておりますので、これを許します。田島麻衣子君。
○田島麻衣子君 私は、ただいま可決されました譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律案及び譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民・無所属、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会及び日本共産党の各派並びに各派に属しない議員鈴木宗男君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律案及び譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府及び最高裁判所は、両法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。 一 譲渡担保権の実行に際しての破産財団等への組入義務など一般債権者への弁済原資を確保するための新たな制度に係る両法施行後の運用状況について検証するとともに、その結果を踏まえ、一般債権者保護の実効性向上のための破産財団等への超過分の金銭の組入範囲の在り方や、組入対象財産の保全対策の一層の強化に向けた仕組みの検討を行うこと。また、破産財団等への組入対象財産を確実に保全するための譲渡担保権設定者等による担保請求の円滑な実施に向けた支援など制度の実効性を確保するために必要な措置等を検討すること。併せて、労働債権が労働者やその家族の生活維持に不可欠であり、社会的公正や社会政策上の観点から特別な保護の必要性が高いことを踏まえ、企業の倒産時における労働債権について優先順位の引上げ、未払賃金立替払制度の実効性確保に向けた立替払額の見直し等に関し、引き続き必要な検討を行うこと。併せて、ILO第百七十三号条約の早期批准に向けて検討に努めること。 二 動産及び債権譲渡の対抗要件の見直し並びに所有権留保登記の新設等に伴い、企業における登記の需要が増大することから、登記申請の際の添付情報の合理化、オンライン申請における本人確認の合理化など、登記手続の利便性の向上及びコスト低減のための方策を検討し、必要な措置を講ずるとともに、法務局を始めとする関係行政機関に必要な体制の整備に努めること。 三 本改正が融資実務に多大な影響を与えることに鑑み、両法の趣旨や内容、裁判手続等について周知広報を徹底するとともに、施行に向けた適切な準備を進めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(若松謙維君) ただいま田島君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(若松謙維君) 全会一致と認めます。よって、田島君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、鈴木法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。鈴木法務大臣。
○国務大臣(鈴木馨祐君) ただいま可決されました譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律案及び譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。 また、最高裁判所に係る附帯決議につきましては、最高裁判所にその趣旨を伝えたいと存じます。
○委員長(若松謙維君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(若松謙維君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十分散会