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217回国会参議院2025/05/22

法務委員会 第11号

発言数
130
登壇者
16
会派数
8
開催日
2025/05/22

会議録

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、森まさこ君が委員を辞任され、その補欠として藤井一博君が選任されました。     ─────────────

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  民事裁判情報の活用の促進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省大臣官房司法法制部長松井信憲君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 民事裁判情報の活用の促進に関する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

古庄玄知自由民主党

○古庄玄知君 皆さん、おはようございます。自民党の古庄です。  今回の民事裁判情報の活用の促進に関する法律案、これ民事裁判情報をデータベース化するということなんですが、民事裁判といってもいろんな種類があります。原告、被告が争う通常の裁判もあれば、保全とか強制執行とか、あるいはまた家庭裁判所における調停とか審判とか、そういういろんな種類があると思うんですけれども、その全てがデータベース化の対象になるのか、それともそのうち一部なのか。そうした場合に、仮に一部だとすれば、その対象から除外されたそういう裁判の種類はどうして除外されたのか。それとまた過去の判決とかですね、過去に出された判決とかそういうのについてもデータベース化の対象になるのかどうか。その辺について法制局長の方にお伺いしたいと思います。

松井信憲法務省大臣官房司法法制部長

○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。  本法律案では、令和四年の民事訴訟法等の改正によりデジタル化される民事訴訟手続及び行政事件訴訟手続において作成された電子判決書、電子判決書に代えて作成された電子調書、電子決定書の内容について、指定法人のデータベースに収録される対象としております。  このうち、電子判決書とこれに代えて作成された電子調書については、裁判例の横断的分析や機械学習の素材とすることによる活用に資するよう、事案の内容にかかわらず広く収録することを想定しています。他方、民事訴訟手続における電子決定書については、裁判長による期日指定など定型的なものも多く存在することから、法令の解釈適用について参考となるものに限って収録することとし、具体的な範囲は今後省令で定めることを予定しています。  なお、先ほど委員が御指摘になられた調停などは、令和五年の民事手続に関する改正によってデジタル化されるものでございまして、それは対象としておりません。  理由といたしましては、非訟事件の手続は非公開とされ、記録の閲覧等についても民事訴訟手続等とは異なる規律が設けられているなど、本法律案において対象としている民事、行政事件訴訟手続における電子判決書等とは異なる考慮が必要になるからでございます。  また、紙媒体で作成された判決につきましても、今回の法律案ではデータベースに収録するものとはしておりません。  この点については、対象となる判決書の物量、ひいてはデジタル化の作業に伴う負担が膨大なものとなり、また、紙媒体で作成された判決書等の原本とデジタル化した情報の同一性を確認し、情報の正確性を担保する方策を講ずる必要があるなど、様々な課題があるということを考えており、費用対効果も含めて将来的に検討すべき課題と考えております。

古庄玄知自由民主党

○古庄玄知君 ありがとうございます。  その次なんですけれども、今回の法案を見ると、仮名加工を施すというふうになっておりますけれども、名前はカナに、カリナと言うんですかね、カリナかカナかちょっとあれですけど、名前は分からないようにしたとしても、その事件の中身、極めて著名な事件とかであれば、その事件の粗筋とか筋書とか経緯とか、そういうのを見ていけば、ああ、これは誰さんの事件だなということが分かるケースもあるでしょうし、そういう場合は、そういう個人情報が保護されるのかどうかというのが一つ懸念としてありますし、もう一つは、企業間のやり取りで、特殊な特許だとか技術などに関してのやり取りが争点になっている場合に、そういうのが仮名処分をしただけでは防ぎ切れないという場面があるんじゃないかと思うんですが、その点についてはどのように法務省としてはお考えなのでしょうか。

松井信憲法務省大臣官房司法法制部長

○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。  本法律案において、指定法人は、電子判決書等のうち、民事訴訟法等の規定によって閲覧等が制限される部分については取得しないということにしております。したがいまして、個人のプライバシーや企業の営業秘密の保護は、この閲覧等制限という制度、これによって保護が図られると考えております。  その上で、先ほど仮名処理の点についてもお話ございましたが、電子判決書等のうち、個人の氏名や生年月日等については、他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができないようにするため、法務省令で定める基準に従い、指定法人において仮名加工処理をしなければならないものとしているほか、加工の方法に関する事項は指定法人の定める業務規程の必要的記載事項としており、法務大臣の認可を受けなければならないものとしております。  また、報道など、他の情報と照合することによって個人を識別することができる場合もあるという御指摘ございましたが、個別の事情により基準を超える仮名処理を要する場合は、その申出によって指定法人において必要な仮名処理を追加的に実施するということにしているところでございます。

古庄玄知自由民主党

○古庄玄知君 それで、次の質問に参りますが、このデータベース化されるということなんですが、どういうふうな人がこれを利用することを念頭に置いているのか。例えば、マスコミ関係とか、ある事件に興味を持っている一般の市民とか、それとか専門的な判例会社だとか、そういうのに誰でも利用できるのかという点ですね。それと、改正法の十条を見ると特に制限はなさそうにも読めるんですけれども、この点はどういうふうに考えればいいのかということ。全体的にこのシステムなどをどういうふうに、誰がどういう形で利用するというふうなイメージを法務省としては持っているのか、ちょっとその辺を具体的に教えていただけますか。

松井信憲法務省大臣官房司法法制部長

○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。  本制度は大量の情報を処理する技術を用いて多数の裁判例の横断的分析を行うなど、デジタル社会における新たなニーズに応えるために、指定法人において基幹となる網羅的な民事裁判情報のデータベースを整備、提供し、民事裁判情報の幅広い利用を可能とするものでありまして、基本的に、その一次利用者においては、利用料金を支払ってデータベースの全部を利用することを想定しています。したがいまして、指定法人から直接民事裁判情報の提供を受ける者としては、このような利用を行う判例データベース事業者、出版社、いわゆるリーガルテック企業、研究機関等を想定しております。  そして、委員からは、本法律案第十条一項の規定、御指摘ございました。この条文では、指定法人は、法務省令で定める正当な理由がある場合を除き、情報提供契約の締結を拒絶してはならないこととしておりますので、制度上、指定法人の契約の相手方として個人の利用が制限されるというものではございません。  しかし、個人の利用者に特定の民事裁判情報を一件ずつ提供するということ、そのためには所要のシステム構築に相応な費用を要し、利用料金の高騰を招く恐れがありますので、先ほどお答えしたとおり、基本的に一次利用者においてはデータベースの全部を利用することを想定しているところです。そして、個人や研究者、弁護士などのそれぞれの方々は、判例データベース会社などから情報を有償でサービス提供を受ける二次的な利用者ということを考えているものでございます。  以上でございます。

古庄玄知自由民主党

○古庄玄知君 基本的には、そういう全部を利用するような、そういう大きな業者というか、そういうところの利用を考えているということなんですが、そうした場合の料金なんかはどのように定めているんでしょうか。

松井信憲法務省大臣官房司法法制部長

○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。  利用料金は、公募を経て指定される指定法人がそのデータベースを適正かつ確実に整備、運用するための費用を賄うことができるよう、第一義的には指定法人が設定することとなります。具体的には、適切なシステム整備に必要な費用や仮名処理に要する人件費等を踏まえた上で、利用者数の見込み等を勘案して定められることになりますが、民事裁判情報には公共財としての側面があり、その活用を幅広く促す観点から、なるべく低廉なものとする必要があると考えております。  想定される金額について現時点で確定的なお答えをすることは困難ですが、有識者検討会におけるヒアリングでは、システム開発費用に一億五千万円程度、いわゆるランニングコストとして人件費に年間四千四百万円程度を要するとの試算が示されております。この金額はあくまで試算ではありますが、これをベースにシステム開発費用を始めとする初期費用を五年程度で回収しようとすると、ランニングコストと合わせて年間一億円程度の費用を要することになりますので、料金はこの費用を利用者数で案分して賄えるように設定されることが想定され、より多く利用されれば、より低廉な金額になることが想定されております。

古庄玄知自由民主党

○古庄玄知君 これを取り扱うのは指定法人ということで、これが全国で一つ、それと、この営利を目的としない法人ということで、それに限られていますけれども、まず、そういうふうに限った理由、それと、そういうことをすることによって競争がなくなり料金が高くなるのではないかとか、現在判例サービスを行っている民間業者に対する圧迫になるのではないかなというふうな懸念もあるんですが、その点について法務省はどのようにお考えでしょうか。

松井信憲法務省大臣官房司法法制部長

○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。  本制度では、広く利用者の用に供し得るものとして、指定法人において、最高裁判所から民事裁判情報の提供を受け、基幹となるデータベースを整備することを予定しており、このような位置付けや仮名処理等の作業を集約して効率化できることを踏まえると、指定法人は一つに限ることが相当であると考えております。  営利を目的としない法人に限った理由としましては、社会全体で活用すべき公共財としての価値を有する民事裁判情報について、その適正かつ効果的な活用のために必要な加工を行って利用者に提供するという業務については、公正に行われ、利用料金をなるべく低廉なものとして民事裁判情報の活用を幅広く促す必要があると考えており、そのために営利を目的としない者に行わせることが相当と考えました。  さらに、委員からは、指定法人を一つに限ると競争性が欠けるのではないか、民間業者に対する圧迫とならないかについて御指摘がございました。  この点については、競争原理が働かないことに伴う懸念については、本法律案では、利用料金に関する事項を指定法人の業務規程の必要的記載事項として、これを法務大臣が認可することにより、不当に高額な料金設定とならないことを担保しております。  また、民間業者への影響について、この指定法人は、本制度の下で基幹となるデータベースの構築、管理と判例データベース事業者などへの利用者への提供を行うことを業とする者でありまして、それらの事業者と競合するものではございません。むしろ、既存の判例データベース事業者においては、従前はそれぞれ人手とコストを掛けて行っていた仮名処理を自ら行う代わりに、仮名処理済みの民事裁判情報を対価を支払って入手することができるようになります。  このように、指定法人と判例データベース事業者は異なる業務を行うため、民間事業者の業務を圧迫するものではないと考えておりますし、有識者検討会で実施したヒアリング及びパブリックコメントでも、判例データベース事業者等から本制度に反対する意見はなかったところです。

古庄玄知自由民主党

○古庄玄知君 時間が来ましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。

田島麻衣子立憲民主・社民・無所属

○田島麻衣子君 立憲民主・社民・無所属の田島麻衣子でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。  今日は、民事裁判情報の活用の促進に関する法律案ということで、私は、主にこの裁判情報に関するデータベースの整備に関連しまして、安全管理体制、これを中心に質疑をさせていただきたいというように思っております。  衆議院側では、DV被害者等の損害賠償請求でプライバシーの情報が漏えいするのではないかという懸念点が指摘されておりましたが、私は、民事でありますので、それに加えまして、民間企業の技術的な秘密や特許関連の情報が漏えいした場合はどうであろうかということを質疑させていただきたいと思います。  質問通告二番なんですけれども、この法案によると、民事裁判情報提供業務の一部について委託又は再委託することができると。これは外国の企業に対しても可能でしょうか、お答えいただきたいと思います。法務大臣。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) この法律案におきましては、指定法人がその業務の一部を委託をし、又は再委託に同意をする際、法務大臣の承認を要することとしている一方で、委託先あるいは再委託先の属性について特段の制限を設けてはおりません。そういったことから申し上げると、外国企業であるからということで委託あるいは再委託、これが直ちに禁止をされるものではないという状況でございます。  その一方で、私どもといたしましては、業務を委託、再委託をする必要性があるか、あるいは、委託先において安全管理体制、これが十分に構築をされているのか、こうしたことを踏まえまして、その業務の委託あるいは再委託を承認するかにつきましては適切に判断をする、そういった立て付けとなっております。

田島麻衣子立憲民主・社民・無所属

○田島麻衣子君 この答弁聞いて思い出されるのは、例えば二〇一八年、年金問題で、情報処理会社SAY企画というのが中国の業者にデータの一部入力を再委託していたと。これによって個人情報が海外に流出したのではないかということが取り上げられました。  今回の民事情報も、裁判情報も、個人のDV等の非常にプライベートな情報に加えまして、民間企業の技術的特許上の秘密等も漏えいするリスクがこれはゼロではないのかなというふうに思いますが、安全保障にも関連する問題ですのでもう一度答弁いただきたいですが、こうした問題、どのようにきちんと管理されていきますか。

松井信憲法務省大臣官房司法法制部長

○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、情報の安全管理措置、これは重要なものであるというふうに認識をしているところでございます。  しかし、例えば、指定法人が民事裁判情報の管理をクラウド上で行う際に、クラウドの利用契約が委託契約に当たるという場合もあろうかと思いますが、現在、我が国で利用される主要なクラウドサービスの中には海外企業が運営するものもございます。そのため、海外企業への委託であることをもって一律に禁止をしてしまうと、指定法人の業務の在り方を過度に制約することになりかねず、民間の知見を生かして適正かつ効率的な業務運営を図ろうとした本法律案の趣旨に沿わないことにもなりかねません。  繰り返しになりますけれども、本法律案では、業務の一部の委託又は再委託については法務大臣の承認を要するとしておりますので、委託先、再委託先における安全管理体制をしっかりと踏まえた上で、きめ細やかに対応してまいりたいと考えております。

田島麻衣子立憲民主・社民・無所属

○田島麻衣子君 こうしたことを保守派の政治家の皆さんが指摘されることなのかなというふうに思うんですけれど、この再委託先又は委託先における安全管理体制、大臣の決意、最後に伺いたいと思います。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 今御指摘のように、やはりそうした安全管理体制、これは当然のこととして、やはり様々な情報が含まれる今回の制度構築においては極めて重要なものであります。  そういった中で、法務大臣としてということでありますけれども、まさにそうした承認についても適切に判断をしていくという状況になっておりますので、きちんとそこは運用の面でしっかりと対応していきたいと考えております。

田島麻衣子立憲民主・社民・無所属

○田島麻衣子君 しっかりと管理の方、よろしくお願いいたします。  次に、私は、選択的夫婦別姓について伺いたいと思います。  先日は、業務上における性暴力の被害者に関連した調査で、日本はジェンダーのエビデンス後進国であると私指摘させていただいたんですが、この選択的夫婦別姓にまつわる議論も、数字やエビデンスの使い方が本当に稚拙であるというふうに言わざるを得ないと思います。  五月二十日、自民党の国対委員長、坂本さんですね、この方が、選択的夫婦別姓、結論困難である理由として、関係する法律が六百五十以上、政省令は二千七百を超えるということをおっしゃいました。昨日、これ撤回、訂正をされているんですが、訂正をしている部分というのは数の部分ではなくて、これは立憲案と発言してしまったことについて訂正させていただきたいと言っているだけなんですね。  法務省に伺いたいと思います。選択的夫婦別姓の実現におきまして改正しなければならない法案の数、もう一回お答えいただきたいと思います、現時点において。

竹内努法務省民事局長

○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。  選択的夫婦別姓、別氏制度にも様々な案が考えられるところでございますので、一概にお答えすることは困難ではございますが、平成八年の法制審議会の答申を前提といたしますと、平成八年当時に改正を要すると考えられた法律は、民法、戸籍法のほか、家事審判法及び非訟事件手続法の四つと承知をしております。これらのうち家事審判法と非訟事件手続法につきましては、改正を要すると考えられた当該の条文が、その後の法律の改廃等によりまして、現在は、家事事件手続法、及び外国法人の登記及び夫婦財産契約の登記に関する法律に置かれているものと承知をしております。  その後の法令の改廃等がありますため、それら以外の法律の改正の要否につきましては改めて検討する必要があると考えております。

田島麻衣子立憲民主・社民・無所属

○田島麻衣子君 現時点で四本の法律ということでよろしいですか。

竹内努法務省民事局長

○政府参考人(竹内努君) 委員御指摘のとおり、平成八年当時に検討をした法律と少し変わっているところもありますが、現在四つというふうに理解をしております。

田島麻衣子立憲民主・社民・無所属

○田島麻衣子君 法務省から四本であるという答弁、現時点においてということで、いただきました。  これ、坂本国対委員長の、関係する法律六百五十以上、政省令二千七百を超える、ここの部分は訂正されてないですが、これは正しいですか。

竹内努法務省民事局長

○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。  報道によりますれば、坂本国対委員長におかれて委員御指摘のような発言をされたものと承知をしておりますけれども、その御趣旨等について法務当局としてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。

田島麻衣子立憲民主・社民・無所属

○田島麻衣子君 趣旨ではなくて、この数字は正しいですか。

竹内努法務省民事局長

○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。  国対委員長の発言の御趣旨等を当局では承知をしておりませんので、その当否を申し上げることはできないと思います。

田島麻衣子立憲民主・社民・無所属

○田島麻衣子君 これ、選択的夫婦別姓を今国会で結論することが困難な理由として、六百五十以上あるというふうにおっしゃっているわけですよね。私は、ちょっとおかしいな、今四本というふうにおっしゃいましたから、おかしいなと思うんですが。  では、ほかの政党の皆さんが例えば旧姓の通称使用の拡大について法案提出されております。ここの部分を実現した場合、関係する法律とまた政省令というのは幾つあるんでしょうか。

竹内努法務省民事局長

○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。  いわゆる旧姓の通称使用の法制化につきましては、様々な制度の在り方が議論されているものと承知をしております。そのため、その法制化に当たって改正を要する法律の数について一概にお答えすることは困難でございます。

田島麻衣子立憲民主・社民・無所属

○田島麻衣子君 政府でさえも一概に答えることができないことを、選択的夫婦別姓を結論できないということを理由にこうしたことをおっしゃるのは、本当にいかがなものかなというように私は思います。  皆様、委員の皆様に配付させていただいています資料の方を御覧ください。  これは、前回私が委員会で取り上げました令和三年の世論調査、ここでも日本のジェンダー関連のエビデンス後進国ぶりがうかがえると思うんですが、この世論調査で、理事会協議案件として法務省から提出された資料ということを共有させていただいております。  資料一が当初案なわけですよね。これ、どのように三つを説明するかということを書いております。資料二、これは最終案なんですね。ホームページでも、どなたでも国民の皆さん入手できるものでございます。一番の大きな違いは何かといいますと、これは資料一の二番目、旧姓使用の法律化というのは、どこでも旧姓を使うことができると。赤線引かせていただいていますけど、どこでも旧姓を使うことができるというふうに法務省の方が提案されてきたと。これが最終的には、資料二、一番右側になりますけど、幅広く使うことができるようにする制度ということに変わっております。  いただいた資料、物すごく、二十センチ超えるんじゃないかという巨大な、もう持って歩けないほど重い資料で、そのほとんどというのは、この資料一から資料二に変遷する過程で、内閣府の男女共同参画局と法務省のやり取りが詳細に記されていた資料だったんですよね。  これ本当に、旧姓使用の法制化の説明として、どこでも旧姓を使うことができるということは正しいのかどうかということを伺いたいと思うんですが、また、幅広くも、今正しい説明なのかどうかということを伺いたいと思うんですが、質問通告六番です。  五月二十日の参議院法務委員会で、福島みずほ議員に対して、旧姓の通称使用拡大では対応し切れない問題が様々あるというように大臣答弁されました。様々対応できない問題とは、具体的にどのようなものでしょうか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) この点は、旧姓の通称使用のその立て付けにもよるところでありますので一概には申し上げられないと思いますが、やはりそうしたこの別氏制度、これを推進をするという立場の方々からは、例えば、金融機関において、令和四年三月時点で約七割の銀行で通称での口座利用が可能でありますが、信用金庫あるいは信用組合、証券会社あるいは生損保の口座など、その他の金融機関の多くで不正取引やあるいはシステム対応のコスト面という問題から旧姓の口座開設ができていない等々、多くの金融機関でビジネスネームで口座を作るあるいはクレジットカードを作ることができない。そういった点が指摘をされていると承知をしておりますし、加えて、通称使用、これは日本独自の制度であることから海外では理解をされづらく、ダブルネームとして不正を疑われ、説明に時間を要する。あるいは、国際機関で働く場合に公的な氏名での登録が求められるために、姓が変わると別人格としてみなされ、キャリアの分断や不利益が生じる。あるいは、アカデミア等においても同様であろうと思います。  まさにそういった意味でいうと、例えばこれはパスポートにおけるいわゆるマシンリーダブルゾーンと言われるところということも指摘をされていると承知をしておりますが、恐らく、国境管理だとかあるいは金融だとか、そういった本人のその同一性をどう認識をするのかというところが非常にクリティカルな分野において課題があるのではないかと、そういった御意見があると承知をしております。

田島麻衣子立憲民主・社民・無所属

○田島麻衣子君 先ほど、大臣、アカデミアというふうにおっしゃいましたが、特許関連も、我々立憲民主党の部会で当事者の方の話聞きましたが、特許も自分の旧姓ではできないということをおっしゃっていましたし、なので何度も何度も結婚し直したと言っていましたよ、離婚と結婚を繰り返した。それから、論文も、アカデミアに関連して、出せないということなんですよね。  これ本当に、今の法務省又は内閣府が出してきた最終案、通称使用の法制度の説明として、幅広く使うことができるようにする法制度というのは説明が正しいのかどうかということ、私は非常に疑問に思うんです。  非常に分厚い資料を見ている中で、資料三、見ていただきたいと思うんですけれども、内閣府男女共同参画局、今日いらしていただいています。ありがとうございます。これ、機密性二情報になっていて非常に大きな黒塗りもありますけれども、この中で、内閣府の方は、何度も何度もですよ、この二十センチぐらいの資料の中に何度も何度も繰り返していたのは、それぞれの内容のメリット、デメリット、課題になりますね、メリット、デメリットが明らかにされていないものについて国民に回答を求めても適切な回答を得られない懸念が大きいと考えるというふうに書かれているわけですね。  内閣府の方に伺います。この最終案、幅広く旧姓というのは使うことができるんだというこの説明は、メリット、デメリットも示した中立公平な説明であると思われますか。

小八木大成内閣府大臣官房審議官

○政府参考人(小八木大成君) お答え申し上げます。  委員御指摘の令和三年の世論調査の質問票における各制度の説明につきましては、内閣府男女共同参画局からも、委員御指摘のように様々な要請をしたものと承知しております。主として分かりやすさというか、そういった観点からいろいろと要請をしたものと承知しておるところでございます。  その上で、制度官庁である法務省と内閣府の調査当局におきまして、分かりやすくなるよう十分に留意し、協議した上で、制度の説明を記載したものというふうに承知してございます。

田島麻衣子立憲民主・社民・無所属

○田島麻衣子君 答えにくいかと思いますけれども、答えていただきたいと思います。  当初は、どこでも旧姓を使うことができるということがこの通称使用の法制化の説明なんですよ。そこで内閣府の皆さん闘って、最後、幅広く使うことができると変えたわけですよね。これも違うということを言っていましたが、法務省の皆さんは保守派の政治家との関係でもたないということが記録に残っているわけですよね。  この説明、最終案ですよ、この説明は、きちんとデメリット、メリットを記載した説明になっているとお考えになりますか。きちんとお答えいただきたいと思います。

小八木大成内閣府大臣官房審議官

○政府参考人(小八木大成君) お答え申し上げます。  御指摘のメリ・デメにつきましてでございますけれども、それについても、その後、るる要請というか、そういったところをしていたわけでございますけれども、メリ・デメというのが価値判断を含みますところ、端的になかなか示すのは難しいという側面もあるのかなというふうに考えているところでございます。  その上で、国民が、その答え、選択肢を選択する際に、それはメリ・デメも含めて、国民の方々がその価値判断をされて回答するわけでございますけれども、限られた分量の中でそのメリ・デメも含めて判断ができるよう、分かりやすい説明となるよう努められたものと承知してございます。

田島麻衣子立憲民主・社民・無所属

○田島麻衣子君 前回出させていただいた資料で、男女共同参画局の調査室は、これ、幅広くという文言を落とすことは保守派との関係でもたないと思うということを、ノートとしてこれ、これも機密性二の情報になっていますが、残しておられるわけですよね。  引き続き、内閣府の方に伺います。この世論調査の質問票の内容は、選択的夫婦別姓に反対する保守派の国会議員への政治的配慮から変えられたということはないでしょうか。

小八木大成内閣府大臣官房審議官

○政府参考人(小八木大成君) お尋ねの国会議員への政治的配慮から質問が変更されたかですけれども、その事実関係については承知しているところではございません。

田島麻衣子立憲民主・社民・無所属

○田島麻衣子君 私は国会議員になる前、国連の一番最後の仕事は調査だったんです。定性的な調査、定量的な調査、両方ともやりましたけど、対象はこうした選択的夫婦別姓の調査ではなかったです、世論調査ではなかった。難民の栄養状態とか国連プログラムの効果の測定とかをやったんですよ。こうした質問票も死ぬほど書きましたよ。いろんな同僚たちや外部の有識者に対して共有して、調整もやりましたよ。  私たちが絶対にやってはいけなかったのは、自分の政治的な価値観とか、こういうふうに聞いたら自分の思いどおりの結果が出てくるだろうということを考えながら調査票を書く、こんなこと絶対に許されないですよ。調査をやるという目的というのは、客観的、できる限り客観的にですよ、その現状ということを認識する、それによって政策をきちんともっとより良いものにしていくということが、それが目的であるというように思うんですよね。  この世論調査見ていますけれど、今認められないと思いますが、私は、客観的に見てどう考えてもおかしいと思いますよ。大臣おっしゃったように、通称の、旧姓の通称使用についての法制度、幅広く使うことができるようにする法制度では現時点ではないですからね。きちんとメリットとデメリットを書くべきだと思いますよ。それは、選択的夫婦別姓の制度、私は推進派ですけれども、これについてのメリット、デメリットもきちんと書いていいと思います。それこそが中立で公平な調査になっていくんじゃないのかなというふうに思うわけですよね。  質問通告九番に行きますけれども、法務大臣に伺います。  この二十センチ近くの膨大の資料の中には、法務省側のコメントとして、通称使用拡大法案ですね、全て括弧内の黒塗りになっていましたけれども、この当時、令和三年の前ですね、直前に、自民党の議連の方でこうした通称使用の拡大法案ということを出しておられるという記録が残っておりますけど、括弧内は黒塗りになっております。これや国会での議論が法務省側の記載を正当化する理由として繰り返し言及されていました。これは法務省側の提出された資料に書いてあります。  これは政府外からの影響ではないでしょうか。法務大臣、お答えいただきたいと思います。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 私どもといたしましては、今の点、この点については、まさに国民の意識を適切に把握するために、こうした選択肢、これは必要かつ相当であると考えられたものとして定められていると考えております。  この二つの意見、この設問、同じ設問の選択肢とすることについては、平成八年から平成二十九年までの五回の世論調査においても一貫をしておりまして、国民の意識の動向についてなるべく継続的な把握を可能にすることに資すると考えております。さらに、最新の国民意識をより適切に把握をし、これを夫婦の氏の在り方に関する議論のための参考資料とするためには、国会における議論も含め、最新の議論の状況を踏まえつつ設問を設定する必要があると考えております。  まさに御指摘の点につきましては、国民の意識の動向についてなるべく継続的な把握を可能にするという観点を踏まえつつ、最新の国民意識をより適切に把握をするということができるよう設問が作成されたことを示すものでありまして、政府外からの影響があったということを示すものではないと考えております。

田島麻衣子立憲民主・社民・無所属

○田島麻衣子君 継続、継続とおっしゃいますけれど、令和三年以前の調査票というのはほとんど同じだったんですよ。令和三年になって突然変わっているんですね。これ、本当に継続性があると大臣お考えですか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) この点、平成二十九年までと異なるということでありますが、今回、一つだけ御理解いただきたいのは、やはり新型コロナウイルスの感染状況をめぐる話で、これまでは対面の調査であったということでありましたが、今回、郵送法に切り替えて調査をするということで、より分かりやすいものとするということで設問の見直しをするということであったと思います。  ただ、委員がおっしゃるように、その質問の項目の中立性、これは極めて重要なものでもありますし、そういった意味で、どう継続的に取るかということで、このときはその調査方法の違いということがあった、そのことは御理解をいただきたいと思います。

田島麻衣子立憲民主・社民・無所属

○田島麻衣子君 郵送か対面かというのは分かりますけれど、ただ、だからといって、調査票の内容を大きく変えていい理由にはならないんじゃないですか。いかがですか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) その点、私が今政府の中にいる立場として申し上げると、政府として、どう恣意的な結果を得ようとしたということは私はないと思っています。それはいろいろな報告を得ながら、そういったことではないと考えております。  ただ、その一方で、例えば夫婦別氏の制度もそうですし、あるいは通称の、旧姓の通称使用の法制化ということも、どういう制度なのか、それは恐らく様々な制度があり得るという幅があるんだと思います。そういった中で、どのように正確に国民の皆様方に伝えて意向を把握をするのか、これは非常に難しいことは事実でありまして、そこのところをしっかり、どう伝わることがいいのか、そこについては、当然今後の調査においても不断に我々としては検討していかなくてはいけないと考えております。

田島麻衣子立憲民主・社民・無所属

○田島麻衣子君 この令和三年の後の調査というのはまだ計画していないというふうに伺っていますが、もう一回御答弁いただきたいです。次の調査は、野党側からも与党側からもこうした指摘というのをさんざん国会の委員会で浴びるようなことはない、きちんと中立公平なものを作っていただくと、外部からの影響も受けない、これ、もう一回約束していただけますか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) これについては、当然関係の省庁とも様々な協議もしていくということになろうと思いますけれども、次いつやるか、これはまだ私の方から申し上げる段階ではございませんが、当然のことながら、外部からの影響というものが当然あってはならない、これは当然のことだと考えておりますし、きちんとした意向、これがなるべく正確な形で把握できるような、そうした形であるべきだと私は考えております。

田島麻衣子立憲民主・社民・無所属

○田島麻衣子君 ありがとうございます。  前回に引き続きまして、業務上の性暴力の被害者の救済に関する調査もほとんどないと言っていいと思いますし、この選択的夫婦別姓に関わる与論調査も、私はこの内容を見れば見るほど、恣意的な部分というのがあったのではないか、忖度と言ってもいいかもしれない、保守派の政治家に対する忖度があったかもしれないと思わざるを得ないです。本当に、エビデンス後進国の日本、ジェンダー分野においては特にと思っておりますので、また引き続き大臣とやり取りをさせていただきたいと思っております。  ありがとうございました。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。  今日は、法案審査、民事裁判情報の活用の促進に関する法律案ほかということで、まず大臣に伺いたいと思います。  実社会でAIの利活用が進んでいる、その関係でなんですが、本法律案が成立した後は判例情報のAI利活用が進むと見られています。これまでやはり専門家がアドバイスしていたいろんな集積、蓄積が、より一般の人にも身近なものとなっていくという利点が私はあると思うんですけど、一方で、AIが学習した裁判情報を基に偏った判断や誤用、誤解釈がある可能性も否定できない。そういう場合の対応策、まず検討されているのか。  また、二次利用、三次利用での誤情報、誤解釈が特に今SNS等で拡散しやすくなっております。そうである以上、そのようなことが起きたらすぐに対応する即効性というのが必要だと思っておりますが、それに対しての改めての見解を大臣からいただきたいと思います。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 今回の法案におきましては、そのデータベースの一次的な利用者といたしましては、出版社や、あるいは判例データベース事業者、リーガルテック企業、研究機関等を想定をしております。そうした中で、そのAI、これは指摘をされているところでもありますけれども、様々なそのリスク、これは当然のことながら、我々としても考えていかなくてはいけないことだろうと思っております。  ただ、私どもとしては、まずは、この制度によりまして整備をされる民事裁判情報のデータベース、これまさにAIの学習素材になりますので、そういった意味においては、この前提として、まずは指定法人におきまして正確でかつ偏りのない網羅的なデータベースを整備をする、これが大前提になろうと思います。  その上で、その一次的な利用者、これ、どのようなAIを開発するのか、それはどういったプログラミングをするのかにも懸かっていると思いますけれども、そういった中にあって、このAIによる誤情報の提示、一般的なリスクとしてこれは指摘をされております。また、SNSによる誤情報の拡散、これは今御指摘もいただきましたけれども、様々な点で深刻な影響が出得ることだと私どもとしても認識をしております。そうした中にありましては、AIの活用促進に当たっての政府全体の方針も踏まえながら、この予防、さらには抑止、これを図っていくべきと考えております。  私どもといたしまして、この制度に、今回のこの制度によります民事裁判情報の利用状況、これをしっかりと我々としては注視をしていかなくてはいけないと考えておりますし、その上で、AIの活用に係る政府全体としての方針も踏まえて、利用者の皆様方に対するそういった啓発、リテラシーということも当然あろうと思います。同時に、そうしたことが起こらないような必要な取組、これについてもきちんと検討を進めてまいりたいと考えております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 今、啓発というところもありました。そういう部分も含め、全般の方策の下での分野でありますけど、とりわけルールベースの影響もするところもありますから、是非引き続き検討いただきたいと思います。  また、プライバシーとの関係、先ほども同様の質問あったんですけど、改めて、個人情報保護の観点から、指定法人は裁判所からデータを仮名処理してから公開しますが、衆議院の質疑で、この詳細な仮名処理の基準については指定法人の業務管理に定められますが、法務省においても適切な基準を定めるということであります。  当然ながら、訴訟関係者の権利利益というのをこれ配慮しながら定めるというふうに思っておりますが、まずその確認と、あわせて、SNS等での個人特定されるような事案が散見されます。仮名処理をしても、それ以外の複合的な方法で個人を特定されるおそれが否定できず、特にストーカーやDV被害、その他の配慮が必要なプライバシー保護をどのように担保するのか、政府の答弁を求めたいと思います。

松井信憲法務省大臣官房司法法制部長

○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。  本法律案においては、指定法人が行う仮名処理について、他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができないようにするために必要なものとして法務省令で定める基準に従い、加工しなければならないものとしております。また、加工の方法に関する事項などは、業務規程に定め、法務大臣の認可を受けなければならないものとしており、詳細な仮名処理の基準等については、法務省令で定める基準も踏まえて、指定法人の業務規程に定められることを想定しています。  本法律案では、指定法人による民事裁判情報の取得、管理、提供の各場面において訴訟関係者の権利利益に対する配慮をしております。具体的には、指定法人は、民事訴訟法上の秘匿決定や閲覧等制限決定の対象となった情報を、まず取得しない、保有する民事裁判情報等については、目的外使用を禁止するとともに、漏えい、滅失、毀損の防止その他の安全管理措置を講じる、利用者への提供に当たっては、氏名、生年月日その他の特定の個人を識別することができることとなる情報等に仮名処理を行うとしております。さらに、委員御指摘のように、他の情報と組み合わせると特定の個人が識別される場合もありますので、訴訟関係者からの申出により、個別の事情を踏まえ、必要に応じた追加的な仮名処理も行うことにしています。  法務省としては、訴訟関係者の権利利益について、本制度で設けた仕組みとその適切な周知徹底を通じて、適切に配慮してまいりたいと考えております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 申出によりですので、訴訟関係者の。ですから、その訴訟関係者がそういう事態になり得るということを理解していく必要があります。そういう部分での周知徹底というのは、運用面も含め、より徹底していただきたいと思います。  次に、あわせて、令和六年七月二十九日の民事判決情報データベース化検討会報告書の中で、訴訟関係者のうち、死者、いわゆる歴史上の人物、公人と言われているような人物、書籍の著者、公務員等、必ずしもその氏名について仮名処理をする必要がないと考えられる類型があるのではないかという御意見がありました。  仮名処理をしない場合というのがあり得るのか、それはどのような場合なのか、政府の答弁を求めたいと思います。

松井信憲法務省大臣官房司法法制部長

○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。  本法律案においては、民事裁判情報に含まれる特定の個人の氏名について仮名処理の対象としておりますが、その裁判をした裁判官など、仮名処理をしなくてもその権利利益を害するおそれが少ないと認められるものとして法務省令で定めるものについては、仮名処理を要しないとしております。  加えて、有識者検討会の報告書では、御指摘のような歴史上の人物などの氏名を仮名処理の対象外とすることについても議論がされましたが、その判断をするための画一的な基準を設けることが困難であり、指定法人の整備する仮名処理システムの能力や運用状況等を踏まえて検討するのが相当であると指摘をされております。  仮名処理の要否については、省令の内容を踏まえ、指定法人において判断されることになりますが、法務省としては、報告書における指摘を踏まえつつ、省令の制定に当たって必要な検討をしてまいります。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 今の質問も、また今まで質問した部分も、指定法人がどういう業務管理規程を決めるかというところが割と大きな部分があるかなと今聞いて思いました。  改めて、そう考えると、指定法人をどういうふうに選ぶのかというのはこれ大事になってくるわけでありますが、どのような基準でこの指定法人が指定されるのか。また、その運用上の指定の在り方について、今日の議論も踏まえた上で、出てきた問題点なども認識した上で業務規程に盛り込むようにすべきと考えますが、これについての政府の答弁を求めたいと思います。

松井信憲法務省大臣官房司法法制部長

○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。  指定法人は、訴訟関係者の権利利益に配慮しつつ、大量の民事裁判情報を適正に取り扱うことが求められますので、本法律案においては、業務を適正かつ確実に行うのに必要な経理的基礎及び技術的能力を有するものであることなどを指定の要件としております。  こうした要件を審査するに当たっては公募の手続を予定しており、その詳細については本法律案が成立した後に具体的に検討することになりますが、適切な方式を策定し、仮名処理等の業務の在り方を含めて、候補となる法人の業務執行能力を総合的かつ的確に評価してまいりたいと考えております。  その上で、仮名処理の在り方について定めることが予定される業務規程、これ重要でございますので、指定法人の指定後に策定され、法務大臣の認可を経ることにはなりますが、法務省としては、認可権限の行使を通じて適切な業務規程が定められるように対応してまいります。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 是非、AIへのリスクであったり、またプライバシー保護、その他仮名処理すべきそのものの判断も含めたいろんなところでしっかりした判断ができるような組織でないといけないと思います。今、認可の下でということでありましたが、しっかりした指定基準の下での指定を是非お願いしたいと思います。  また、関連で法案の質問になります。  セキュリティーの問題なんですけど、やはり検討会報告書では、情報漏えいの観点から、裁判所から受けたデータを仮名処理した後、速やかに生データを削除すべきとの意見と、他方で、データベース化した情報に誤りがあった場合、データの修正や申出や申請、実際の修正作業等で一年超は保管すべきとの御意見もあったと理解しています。  四月二十五日の衆議院法務委員会においては、法務省は、今後、指定法人においてこの点については検討するとの答弁があったようでありますが、改めて、裁判所が提供するこの生データというか、それの保管期間はこれ設ける予定があるのか、答弁を求めたいと思います。

松井信憲法務省大臣官房司法法制部長

○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。  仮名処理前の民事裁判情報は、訴訟関係者の氏名や住所等の情報を含むものですので、有識者検討会では利用の必要がなくなったときは遅滞なく削除すべきとも指摘されておりますが、その保管期間につきましては、仮名処理の訂正等のために引き続き利用する必要性と必要な安全管理措置を講じつつ保管するコストなどを考慮して、今後、指定法人において検討されることになると考えております。  保有民事裁判情報の保管期間については、安全管理措置に関わるものとして指定法人の業務規程において定められることになると考えておりまして、法務省としては、業務規程の認可等に際し、有識者検討会の指摘も踏まえつつ、適切に監督をしてまいります。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 ここもまた業務規程がどう規定されるかということでありますが、しっかり、今、有識者会議でもいろいろ意見があるということでありますが、修正の可否等も含めた判断も入れて、しっかり検討いただきたいと思います。  個人的には、デジタルデータの保管というのは必ずバックアップを複数持つことが一般的には有効であると私は考えていますが、例えば、サイバー攻撃のほかに、日本ですと災害リスクというものもあります。こういったことも考慮した上でデータの保管というのも必要であると考えます。  この点についての政府の考えをお伺いしたいと思います。

松井信憲法務省大臣官房司法法制部長

○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。  指定法人のデータベースが安定的に提供されるためには、サイバー攻撃や災害リスク等も考慮した上で、指定法人において民事裁判情報等を適切に保管する必要がございます。  本法律案においては、指定法人の保有する民事裁判情報等に関する漏えい、滅失又は毀損の防止その他の安全管理に関する事項を業務規程の必要的な記載事項としており、所要の提出書類等により漏えい、滅失等のリスクへの適切な対策が講じられているかについて、そのデータの保管の在り方も含め審査することを想定しております。  法務省としては、指定法人において十分な安全管理措置が講じられるように業務規程の認可を適切に行うとともに、各種監督権限の行使を通じて、指定法人における民事裁判情報の適正な保管、管理が徹底されるように配慮してまいりたいと考えています。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 この点も、改めて今の視点も踏まえて、指定法人の安全な管理体制ができているかは、また法務省としても引き続き法案成立後も対応をお願いしたいと思います。  あわせて、また漏えいの関係でありますが、再委託との関係になります。  データベース化する指定法人からの委託や再委託、これ可能だというふうに理解していますが、このデータに触れる人が増えるほど、情報漏えいの危険性、当然高まります。  法務省が指定する指定法人からの委託や再委託をする場合、その委託先、とりわけ再委託先、法務省はどのように監督できるのか、監督すべきであると思いますが、これについての政府の答弁を求めたいと思います。

松井信憲法務省大臣官房司法法制部長

○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。  本法律案においては、指定法人の保有する民事裁判情報等の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の安全管理に関する事項を業務規程の記載事項とし、法務大臣の認可を受けなければならないものとしており、指定法人は、委託先及び再委託先における取扱いも含めて、その安全管理を確保すべき義務を負っております。  したがって、指定法人が民事裁判情報管理提供業務の一部を委託し又は再委託に同意するに当たっては、まず、指定法人において、委託先との契約及び再委託に係る同意を通じ、それらの委託先等を適切に監督することが求められます。加えて、本法律案では、業務の一部の委託又は再委託に当たり、指定法人が法務大臣の承認を受けなければならないこととしております。  委員御指摘のとおり、法務省としては、業務委託による情報漏えいのリスクにも十分注意しつつ、承認の可否について適切に判断するとともに、指定法人に対する各種監督権限の行使を通じて、委託先、再委託先の業務の適正を確保してまいります。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 だから、再委託をする場合は、法務省の監督の仕方としたら、指定法人に対して監督をしていき、あとは指定法人にしっかりとやってもらうように監督していかなきゃいけないということであります。そういう点でも、指定法人というのは、より責任ある体制を持っているところでなければいけないし、そういう趣旨も踏まえて今後の運用もまた是非お願いをしたいと思います。  じゃ、ちょっと次に行きたいと思うんですが、この司法分野にIT化を進める趣旨は、報道ですと、例えば、このIT化が進んでいないことで海外の企業とかが日本の裁判所とかを選択しなくなって、それが日本企業に影響を及ぼしているというようなことが背景にもあるということ、一部ありました。  この当否はまた別にしても、大臣にお伺いしたいと思うんですが、私はやはり、日本の中小企業とかが、とりわけ海外と取引するに当たって日本の法制度をしっかり利用できる、裁判所で裁判を受けられる、そして日本の仲裁機関で仲裁を受けられるということは非常に重要だと思っています。  ちょっと話題が変わってしまうんですけど、特に仲裁においては、ニューヨーク条約というのが締約されていて、日本の企業が関わるものであっても、その仲裁の下の拘束力というのは、百六十か国以上これ拘束される、法の執行という意味でも非常に重要、これをしっかり伸ばしていく必要があると思います。  日本でも仲裁センターが一時できたんですけど、やっぱりそれが閉鎖になったりとか、様々課題もある中でありますが、私は、この仲裁というのを広めていくためには、やっぱりそれができ得る専門家をしっかり育成しなければいけないと思っています。そこが今大きな課題。それをなし得る人が少ないから海外もやはり日本の仲裁機関を利用しないということは、大きな課題の一つだと思っています。  大臣に、この日本における国際仲裁の促進のためには専門家育成が最大の課題と考えていますが、それに対する政府の対応策、これをお伺いしたいと思います。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 矢倉先生御指摘のように、我が国日本における国際仲裁、この活性化のためには、まさにその人材、この国際仲裁に精通した人材の育成、これは極めて重要だと考えております。  私どもといたしましては、昨年五月に、国際仲裁の活性化に向けた関係府省連絡会議で策定をされました国際仲裁の活性化に向けて考えられる施策、令和六年指針と言われておりますけれども、そこに基づきまして、関係機関と連携をして、例えば、大学生、法科大学院生、司法修習生等の若年層を対象とした各種教育等の活動の実施、あるいは実務家層、この方々を対象としましたトレーニングプログラムを提供する海外の仲裁関連団体との連携等々、人材の育成に関する取組を進めているところであります。  引き続きまして、国際仲裁の活性化に向けまして、まさにこの国際標準、これに則した仲裁実務やあるいは英語での法律実務、ここにたけた人材の育成に関する取組、これ極めて大事でありますので、しっかりと進めていきたいと考えております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 ありがとうございます。  最後に、大臣にもう一問だけ。  デジタル化というところで共通して進んでいるところは相続登記とかの分野でありますが、御案内のとおり、相続登記、住所等変更登記の申請義務化、これは既に生じた相続や住所等の変更も対象でありますが、周知がまだ足りないです。この周知徹底をするとともに、司法書士等の力も借りた相談体制の強化もこれ必要と考えますが、最後に大臣にこれをお伺いしたいと思います。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) まさにこうした制度、この円滑な実施、円滑な運用のためには、国民の皆様方に身近な相談先としての司法書士等の専門家の皆様方との協力、これが不可欠と考えております。  法務省あるいは法務局におきましては、これまでも司法書士会等と緊密に連携をして、全国各地での周知広報活動あるいは相続に関する合同相談会の開催など実施をしているところでありますけれども、今後も引き続き、司法書士等の専門家の皆様方とともに制度の円滑な運用、努めてまいりたいと考えております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 昨年、法務省で実施された認知度調査では、相続登記の義務の履行期限が不動産を相続したことを知った日から三年以内であるということを、これ聞いたことがあると答えた人は四三%で、住所等変更登記の義務化を聞いたことがあると答えた人はまだ三一%でございます。更なる周知を是非お願いしたいということを申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございます。

嘉田由紀子日本維新の会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。日本維新の会、嘉田由紀子でございます。  まず、前半は、民事裁判情報活用の促進に関する法律案についてお伺いいたします。  私、一九九七年だったでしょうか、神戸連続児童殺傷事件というのがありました。ちょうど我が息子たちも加害者の少年と同じような年代だったので、なぜあの事件が起きてしまったのかということで、あの資料は、年が経て公開できるようになったらしてほしいなと思っておりました。しかし、二〇二〇年に、二二年でしょうか、大変膨大な紙資料だったということで、全部廃棄処分されてしまったと。ああ、これは本当に社会的に大事な記録が失われてしまったと残念に思っております。  年間、民事関係の資料、裁判だけで二十万件、大変膨大なものです。そのような意味で、今回、司法文書のデジタル化を進め、データベース化することは、社会的にも大変重要な措置であると思います。  数点、確認させていただきます。  まず最初に、今回の法律案の提出に至る社会的背景及びその狙い、意図について、法務大臣の総論的な見解、お伺いできますか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 今回のこの法律案でありますけれども、令和四年五月の民事訴訟法等の改正によりまして、裁判手続のデジタル化、これが進展をされている状況の中にありまして、法務大臣の監督する指定法人が訴訟関係者のプライバシー等にも配慮しながら民事裁判情報について幅広いデータベースを整備、提供する仕組みを設けることによりまして、民事裁判情報の活用のための基盤整備、これを図るものであります。  例えば、そのデータベース整備の上で、一次的な利用者、これは先ほど申し上げましたように、リーガルテック企業あるいは出版社、判例データベース事業者、研究機関等を想定しているところでありますけれども、そういった中にあって、具体的に申し上げれば、この制度の下では、民事、行政の判決書、これらが広く指定法人のデータベースに収録をされる。そして、この指定法人から民事裁判情報、これを提供を受けた先ほど申し上げたような一次的な利用者が、AIあるいはデジタル技術、こういったことを活用して様々な分析をするなど付加価値を付けて、その上で、そうした製品、サービスの開発を行って、その製品、サービスが二次的な利用者の方々に利用されるということを我々としては想定をしているところであります。  こうした意味で、この制度、より高度な法的サービスの提供を含む様々なイノベーション、この基盤となり得る、そうしたことと、私どもとしてはそうした狙いで今回こうした提案をさせていただいておりまして、民事裁判情報の幅広い活用、これを通じて利便性の向上など国民一般の、国民の皆様方一般の利益に資する、そういったことを私どもとしては考えているところでございます。

嘉田由紀子日本維新の会

○嘉田由紀子君 御丁寧にありがとうございます。  全体十五分しかなくて、もう既に四分過ぎてしまいましたので、質問二の方は既に今、矢倉委員が丁寧に聞いていただきましたので、重複しますので質問二は飛ばさせていただきます。  私、気になりますのは、具体的な作業母体が、全国に一つを限ってと読むんでしょうか、一つの法人に業務指定するということですが、この法人を選択する上での認可の要件について、また任期期間の規定はあるでしょうか。質問三でお願いします。

松井信憲法務省大臣官房司法法制部長

○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。  指定法人は、訴訟関係者の権利利益に配慮しつつ、大量の民事裁判情報を適正に取り扱うことが求められますので、本法律案においては、一般社団法人、一般財団法人その他営利を目的としない法人であること、また、業務を適正かつ確実に行うのに必要な経理的基礎及び技術的能力を有するものであることを指定の要件としております。また、業務の遂行が公正に行われるよう、役員又は職員の構成が業務の公正な遂行に支障を及ぼすおそれがないものであること、民事裁判情報管理提供業務以外の業務を行っている場合は、その業務を行うことによって民事裁判情報管理提供業務が不公正になるおそれがないものであることなどの要件も設けております。  委員からは任期があるのかという御質問もいただきました。  この制度における指定法人は、基幹となるデータベースを整備し、安定的に運用することが期待されるものである上、業務を担うためには所要のシステムの開発等も必要になりますので、このような業務の性質に照らし、定期的に指定法人を交代させるような運用は想定しておりません。したがいまして、本制度では指定法人が業務を行う期間を設けるということにはしておりません。

嘉田由紀子日本維新の会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。  確かに、大変膨大なデータ蓄積して、それがある期間でまた替わるということになると課題だろうと思いますので、問題がないとかなり半永久的に特定の法人に受け止めていただくということになると思うんですが、その場合に、質問四ですが、不適切な業務発生したときの監督体制はどうなっているでしょうか。第三者機関による監査などは計画しているのでしょうか。

松井信憲法務省大臣官房司法法制部長

○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。  本法律案において、法務大臣は、指定法人に対し、監督上必要な命令をする権限や報告徴求及び立入検査をする権限、指定の取消しをする権限などの監督権限を有するものとされております。したがいまして、指定法人の業務に不適切な点があった場合には、法務大臣がこれらの監督権限を行使してその是正を図ることになります。  本法律案では、指定法人に対して第三者機関による監査を行うこととはしておりませんが、指定法人の業務遂行について透明性を確保することは重要なことであると認識をしております。  この点、指定法人の行う事務や事業については、平成十八年八月の閣議決定において、少なくとも三年から五年ごとに政策評価を行い、その結果をインターネットで公開し、事務事業の料金を府省庁が認可している指定法人については、会計処理の明確化及び透明化を図るため、事業内容、料金等の収入額及び支出額の内訳を記載した書類を作成し、インターネットで公開するなどとされております。  法務省としては、指定法人に対する監督権限を適切に行使するとともに、先ほどの閣議決定の趣旨も踏まえて、指定法人の業務の透明性が図られるように適切に対応してまいります。

嘉田由紀子日本維新の会

○嘉田由紀子君 そこは透明性を担保して、そして国民に見えるような形でよろしくお願いいたします。  後半の質問ですけれども、いつも続けております、離婚後共同親権の実効性を高めるため、特に今日は市町村との連携、お伺いします。  昨年の五月七日の参議院参考人質疑で、白鴎大学教授の水野紀子さん、また弁護士の浜田真樹さんのお二人が強調していたんですけれども、自治体での離婚後のサポートが大変大事だと。申しますのは、離婚の九割が協議離婚で、自治体が窓口になります。  そして、これも昨年の六月十一日ですけど、全国市長会の当時の社会文教委員会委員長の吉田信解埼玉県本庄市長が当時の小泉龍司法務大臣に口頭で要望していると伺っております。その内容を参考にしながら、以下、質問させていただきます。  まず、一ですけど、令和六年民法改正で今後検討が更に進んでいくことになりますけれども、自治体の戸籍窓口等においても制度、手続等に様々な変更が生ずるものと認識をしております。  改正の趣旨、内容、制度の変更点について、国民や自治体職員に対してしっかりと周知、広報すべきだと思いますが、法務省さんにお伺いします。

竹内努法務省民事局長

○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。  民法改正法の円滑な施行の観点から、適時に施行準備を行うことは非常に重要であると認識をしております。  法務省におきましては、これまでも、パンフレットの配布ですとか動画等を通じた周知、広報に取り組んでまいったところでございますが、委員御指摘の自治体との関係では、令和六年十二月には、法務局を通じて自治体の戸籍担当部局にパンフレットを配布するとともに、当該自治体の関係部局におけるパンフレットの積極的な活用と、関係部局間での連携促進への協力を依頼する旨の事務連絡を発出しております。  引き続き、関係府省庁とも連携しながら、自治体の戸籍窓口の現場を始め、当事者や関係機関等に改正法の趣旨、内容をしっかりと御理解いただけるよう、周知、広報の取組を続けてまいりたいと考えております。

嘉田由紀子日本維新の会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。  そのパンフレットの内容も、実は、共同養育計画とか、あるいは親プログラム、子供プログラム、なかなか触れていないんですね。そこは是非これから充実していただけたらと思います。  と申しますのも、戸籍の窓口に相談に来られた方、あるいは、皆さん大変な問題を抱えているわけですから、この方たちを支援の窓口にどうつないでいくかということが大変重要です。自治体内部でも連携して取り組んでいくべき課題だと思いますけれども、その辺り、どうお考えでしょうか。

竹内努法務省民事局長

○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。  自治体におきまして適切な支援を行っていただくことは非常に重要であると承知をしておりまして、その際には、例えば戸籍担当部局の職員が離婚届の書類を取りに来た方に対し支援担当部局への誘導を行うといった、自治体内での部局間での連携が適切に行われることが望ましいと考えております。  このような観点から、法務省は、関係府省庁等と連名で自治体の各関係部局宛てに、法務省が作成をいたしました親子交流、養育費等に関するパンフレットの活用と関係部局間での一層の連携への協力等を求める文書を発出するなどの取組を行ってきたところでございます。  また、法務省では、令和三年度以来、自治体と連携して、別居又は離婚を経験する父母への支援の在り方に関する調査研究を行っておりまして、昨年度は、二つの自治体の協力を得て、離婚後の子の養育計画に関する調査研究を実施したところでございます。  同調査研究におきましては、協力自治体の担当者から、適切な支援のためには自治体内の部局間や民間の専門家等によるネットワークによる伴走型の支援をすることが必要であるとの指摘がありまして、これはまさに委員の問題意識と重なるものであると理解をしております。  法務省では、本年度、これまでの調査研究を深化、発展させるべく、養育計画に関する調査研究を実施するとともに、子の意思の把握、反映の在り方に関する調査研究を実施する予定でございます。これらの調査研究に当たりましては、先ほどの観点も踏まえた検討を行う予定でありまして、そこで得られた支援の好事例につきましては、関係府省庁等とも連携しながら横展開を図ってまいりたいと考えております。

嘉田由紀子日本維新の会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。  調査研究の結果を待ちたいところでございますけれども、この後は、こども家庭庁さんにお伺いしたいんですが、資料一として、実は四月十日に同じ資料を出させていただきましたが、そのとき十分深掘りできなかったので、改めて、この自治体からの要望で、現場としてはそれこそ具体的に、人員体制なりあるいは横展開なり、大変な費用も発生いたしますので、その辺り、こども家庭庁さん、この資料一にありますところで、四月十日段階では二百四十九の自治体が関わっているということも伺ったんですけれども、深掘りについて現状報告お願いできますか。

源河真規子こども家庭庁長官官房審議官

○政府参考人(源河真規子君) お答え申し上げます。  先生から、最新の自治体がどれぐらい関わっているか教えていただきたいというお話をいただきましたが、まだお伝えできる状況にございませんので、それをお伝えできる状況になった時点でお伝えさせていただければと思います。  また、資料お出しいただいていますが、離婚前後家庭支援事業については、ここに掲げておりますとおり、様々な取組を行っております。良い自治体の取組はほかでも取り組んでいただけるように頑張っていきたいというふうに考えております。

嘉田由紀子日本維新の会

○嘉田由紀子君 四月十日に、モデルの市町村、一つずつ私、全部見せていただいたんですけど、二百四十九ありました。そのほとんどが言わば養育費確保レベルなんです。親子交流まで展開できているところが本当に数個しかないと。実は、離婚の後の親子の分断というのはこの親子交流が大変大事なんですね。  もう今日は時間がありませんので、要望だけさせていただきますけれども、現場では、この調査研究、そして具体的に、切断されてしまった親子交流をどういうふうに実態として学校やあるいは自治体でサポートしていただけるか、大変大きな熱望、望んでいる方たちがおられますので、できるだけ速やかにガイドラインを早く充実させていただいて、そしてモデルになるような市区町村の横展開を図っていただけたらと思います。これは最後はお願いです。  以上です。時間になりました。ありがとうございました。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 国民民主党の川合孝典です。  法案の内容について、政府参考人、最高裁判所の方に幾つか御質問させていただきたいと思いますが、通告した質問のうち、相当部分が既にかぶってしまっておりますので、順不同で質問させていただくことになりますが、その点についてはまず御容赦をいただきたいと思います。  その上で、司法法制部長の方にまず確認をさせていただきたいんですけど、今回のこの法律改正、失礼、データベース化を行うということの目的は、これ検討会での報告書を拝見させていただくと、今後、将来的に紛争解決を補助するAIの開発基盤を整備するということがこれ目的になっているんですけど、そのAIによる紛争解決の補助の、補助するAIを開発することを目的として今回これを進めているという理解でよろしいんですよね。

松井信憲法務省大臣官房司法法制部長

○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。  本法案は、デジタル社会の進展に伴って民事裁判情報に対する需要が様々多様化しているということに鑑みまして、民事裁判情報の適正かつ効果的な活用のための基盤の整備を図るものでございます。その意味で、需要の中身としては、多数の裁判例の横断的な分析、精緻な統計的な分析、さらには委員御指摘のようなAIによる分析、様々なものがあり得ると考えているところでございます。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 御答弁としてはそういう説明になろうかと思うんですが、この間の議論をずっと聞いておりますと、令和四年の民事訴訟の様々な判決資料を電子記録化するということと同時に、今回このデータベース化を行って、一般の方々に対してもこの電子情報化したものを提供するということの基盤整備ということについては、それは分かるんですけど、大切なその実際の運用の部分を含めて、これ指定法人の方にある意味丸投げみたいな形で、具体的に今後どう進めていくのかということが、ここまでの議論を聞いていてもやっぱり分からないんですよ。  私が疑問に感じているのは、言葉を選ばず言えば、今後、膨大な裁判記録をAIにデータを食わせて、要は、AIをどうやって育てていくのか、学習させるのかということがAI活用に当たって最も大切な、要は発想の切り口にならなければいけないんですけれど、AIにデータを正確に食わせて学習をさせるということについてのビジョンが見えない、だから何言っているか分からないという実はことなんですよね。  したがって、その辺りのことを含めて、今後検討しなければいけないことが一体何なのかということ、そういう視点からちょっと質問させていただきたいと思います。  先ほど古庄議員からも少し御指摘がありましたけれども、訴訟記録について、いわゆる指定法人に対して提供する情報の対象を、今後、いわゆる判決記録ということだけではなくて、当事者のその裁判当時の主張ですとか証拠資料等も含めて、そういった資料に対しても情報提供の対象を拡大するべきではないのか、これはAIに学習させるという目的で、そういう視点から情報提供対象を拡大することを検討すべきではないのかと思っているんですけど、その点についてどう御認識されていますか。

松井信憲法務省大臣官房司法法制部長

○政府参考人(松井信憲君) 主張書面や証拠資料についても、AIの学習素材と広くすることによって様々な活用が考えられるとの見解もあり得るとは考えております。  しかし、主張書面については、裁判所の判断に必須とは言い切れない背景事情も含めて関連事実として様々な事実関係を記載されることがありますし、また、証拠については、裁判に用いることを前提とせずに作成されているものが多くありますので、個人のプライバシーに関する情報や企業の経済活動に関する情報がより直接的に記載されるということが多々あろうと考えております。こうした主張書面や証拠資料の性質に鑑みますと、これらをデータベースに収録した場合には、裁判所が必要な情報を取捨選択して作成した電子判決書とは異なって、当事者等の訴訟活動に萎縮的な効果を与えることにもなりかねないと懸念しております。  また、判決に至る過程では多数の主張書面や証拠が提出されることから、それらのデータは膨大な量になって、必要になる仮名処理等の作業も膨大なものになることが想定されます。  こうした事情に鑑みまして、本制度においては、電子判決書等の内容とこれに関連する民事裁判関連情報をデータベースに収録することにしたということでございます。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 開示できる証拠が既に、そもそも民事訴訟法上で限定されている、非公開が決まっているもの等もあるということですし、情報が膨大な量になるということもあるんですが、特に情報量が膨大になるから電子化するんじゃないのかということなんですよね。だから、量が多いから電子化しないという理由にはそもそもならないと私は思っておりますし、AIに学習をさせるという意味では、いわゆる終局判決に至る過程で一体何が影響してその判決が出たのかという、そのプロセスこそがAIが学習する上で大切な情報になると思うんですよね。  いわゆるAIの開発基盤整備の実現のためには、その基礎データとしての訴訟記録へのオープンアクセス、どうやってできる環境を整えるのかということこそが大事だという意味でいくと、今の考え方では、まあ言ってしまえば、いわゆる判例時報のようなものをつくって一般に供するといったようなことなのであれば、これで全然問題ないと思うんですけど、それを超えてAIに、いわゆる訴訟を補助する、裁判手続を補助するようなことまで判断させるということを将来的にイメージして考えているのであれば、これでは私足りないと思いますので、そのことだけ指摘させていただきたいと思います。  次の質問に移りたいと思いますが、これは問い二のところで書かせていただいておりますが、判決情報のデータベース化の範囲について、令和四年以降ということで限定されているんですけれども、ということは、令和四年以前の紙媒体の判決情報というのは取り扱わないということになっております。  膨大な量の情報があるということも事前の質問レクで受けましたけれども、他方、五十年間は保存しなければいけないと決まっている、いわゆる保存しなければいけない判決記録ですとか過去の重要な判例といったようなものがこの紙媒体の中に多く含まれているということを考えたときに、令和四年以降のものでやるということになれば、本格的にAI活用ができるような学習を完了させるのに今後数十年掛かる可能性があるということを考えると、紙媒体についても電子化をするということで、対象、いわゆる電子化の対象を拡大するべきなんじゃないのかと私思うんですけど、その点についてどうお考えになっていますでしょうか。

松井信憲法務省大臣官房司法法制部長

○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。  先例性や社会的関心の高い事案に関する民事裁判情報については、民間の判例データベース会社や裁判所ウェブサイトでデータベース化されておりますが、網羅的なデータベースを整備する観点からは、既存の紙媒体の判決書についてもデジタル化した上でデータベース化するのが望ましいとは考えられます。  しかし、現在、判決原本の保存期間が五十年とされるなど、対象となる判決書の物量、ひいてはデジタル化の作業に伴う負担は膨大なものとなり、また、紙媒体で作成された判決書等の原本とデジタル化した情報の同一性を確認して情報の正確性を担保する方策を講ずる必要があるなど、様々な課題も一方でございます。  そこで、まずはデジタル化された後の民事、行政事件の訴訟手続で作成される電子判決書等をデータベースに収録することとし、その運用状況や利用状況を注視した上で、紙媒体の判決書の収録については、費用対効果も含め、将来的に検討すべき課題であると考えております。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 大臣、お聞きいただいたと思いますが、現在、対象範囲を限定しなければいけない物理的な理由について今るる御説明をいただいたということなんです。  事情はよく説明を聞けば分かりますし、この予算の範囲でどこまでできるのかということを考えたときに当然限界があるということも分かるんですが、本当に将来的にその紛争解決を補助するAIというものの基盤を整備をするということなのであれば、やはりここは、今後の裁判、訴訟手続の迅速化を進めるだとかいうことを考える上でも、やはりここは本腰を入れてもう少してこ入れをするべきだと思います。  話を聞いている限り、できない理由はいっぱい出てくるんですけど、でも、その議論の前提となっている過去の紙媒体の判決資料自体が重要であるということもおっしゃっているわけなんですよ。重要なんだったらやればいいじゃないかというのが素朴な私の感覚ではあるんですけど、そのできない理由があるのであれば、そのできない理由を、どう障害を取り除いて、過去の判例をいかに電子データ化してAIに学習をさせるのかという、そういう切り口での発想はやっぱり必要だと思うんですけど、大臣、どう思われますか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 今、様々なやり取りも聞かせていただきましたけれども、やはりこのAIによって様々付加価値を上げていく、そのことが、ひとつこれから社会の、二次的な利用者の方々についてもこれは必要だという、そういった認識で今回データベース整備しておりますけれども。  そのためにも、やはり、ある意味で網羅的でバイアスがない形のデータベース、これは極めて大事になると思いますし、そこの、ある意味、先ほど何を食わせるかという話おっしゃっていましたけれども、やっぱりそこに偏りがあれば、どうしてもそこは当然AIの特性上偏ったものになりかねません。まさにそこのところの判断をどうするかということに懸かってくるのかなと思います。  もちろん、この予算的な制約もありますけれども、このデータベースのある意味でのニュートラルでフェアな形、どうしていくのかということも含めて、これ様々な議論が必要なんだろうと思います。  御指摘の点、よく分かりますので、ただ、現実的にどういうことが可能なのか、そこも恐らく実務的に考えなければいけないこともあると思いますので、そこは引き続きまた検討させていただきたいと思います。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 是非検討を進めていただきたいと思います。  その上で、関連してもう一点、このAIにデータを学習どんどんさせていくという、このいわゆるデータが蓄積していく中で、これが五年、十年、二十年とたっていくと、当然のことながら、その含まれる判例自体も、その判決の傾向自体も時代によってやっぱり変わってくるといったようなことが十分想定されるわけでありますが、その判決の中に、様々なその差別ですとかバイアスの掛かった当時の時代背景の中での判決といったようなものが積み重なってきたときに、何年置きかということは、これも判断、検討しなければいけないと思うんですけど、いわゆるそのデータの補整というものについても考えていかなければいけない。元データを触るわけにはいきませんけれども、トータルとして出てくるそのAIの学習した結果について、時代に応じてデータをアップデートしていく必要性というものもあると思うんですけど、この辺りのところについて、政府として検討しているのかどうかということを確認させていただきます。

松井信憲法務省大臣官房司法法制部長

○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。  委員の方からは、時代によった裁判の変遷というものの御指摘もございました。  先ほどの紙の判決については、これをデジタル化しようとするとOCR技術を使わなければならず、その技術の進展動向もやはり問題になると思いますし、過大な費用を掛けますと、このスキームは国の予算ではなくて指定法人における収支、これが問題になるものでございますので、その収支状況が悪化すると提供料金が上がるという弊害もございますので、その辺りも考える必要があろうと思います。  これらを踏まえた上ではございますけれども、今後、また過去の判例とのバイアスや偏見というものが生じてくるということは想定されるところでございます。  本制度においては、民事、行政事件の判決書等が広く指定法人のデータベースに収録されて、指定法人から提供を受けた一次的な利用者がAI等を含む様々な製品やサービスの開発、提供をし、それが二次的な利用者に提供されて活用されることを想定しておりまして、時代や社会の変化に応じた判断の傾向や、それを踏まえた個別の裁判例の評価なども明らかになるところです。  他方、指定法人のデータベースに収録される民事裁判情報は、その当時の裁判所の判断及びその過程を読み取ることができるものとする必要があることから、委員御指摘のとおり、指定法人の保有するデータそのものを改変するということはしてはならないし、想定していないところでございます。  そのような指定法人のデータベース、これが正確にされるということを前提として、利用者による分析の結果によって明らかになった成果は様々な公刊物などによって明らかになっていくと思いますし、その内容に応じて、その後の訴訟実務の中で活用されていくということが予定されていると考えられるところでございます。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 元々、元データを触るなどということは一切考えず、想定もしていないわけでありますので、ただ、その紛争解決を補助するためのAIの開発と書いてあるものですから、書いてあるから私聞いているわけで、要は、電子データ化をして、それをデータとして関係者の方々に共有して、要は裁判の迅速化に資するものにするということだけなのであれば、これで十分なんですよ。なんだけど、AIの開発基盤を整備すると言っているから、だったらという話になるわけで、その辺りのところはちょっと認識が私は甘いんじゃないのかなと思いますので、その点ちょっと指摘させていただきます。  もう時間が参りましたのでこれで終わりにしたいと思いますが、いずれにしても、検討すべき事項がたくさんあるということを是非大臣には御認識いただいて、今後の検討を進めていただきたいと思います。  終わります。ありがとうございます。     ─────────────

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、福岡資麿君が委員を辞任され、その補欠として梶原大介君が選任されました。     ─────────────

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  法案について、司法法制部長に一問ちょっとお尋ねしますけれども、これまで、判決書を私たちが拝見するのに、例えば裁判所のウェブサイトでもそうですけれども、その判決を下した裁判所が個人情報についての仮名処理を行って、私どもに提供していただくというふうな取組をされてこられたと思うんですよね。  今回の法案では、最高裁がこの判決の電子情報を提供するという仕組みになっているわけですけれども、これまで裁判所自らが厳密に仮名処理をしてきたと、そのことによってプライバシー始めとした個人情報が不必要に公開されたりすることのないようにされてきたと思うんですが、この基準というのは変わらないんですか。

松井信憲法務省大臣官房司法法制部長

○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。  現在の実務におきましては、裁判所ウェブサイトで公開されるものについては裁判所の方で仮名処理を行っておりますが、その件数としては年間六百件程度にすぎないと言われておりまして、より多く、民間の判例データベース事業者や公刊物、失礼、出版社などによって出版されるものの仮名処理は、それぞれの民間事業者が裁判所から判決書を借り受けて、それぞれの各社の判断で仮名処理を行ってきたというものであると認識をしております。その上で、裁判所ウェブサイトで公表される裁判情報においては、例えば個人の氏名や個人の住所等の地名の一部について仮名処理がされているものと承知をしております。  一方、本法律案における指定法人が行う仮名処理については、他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができないようにするために必要なものとして法務省令で定める基準に従い、加工しなければならないものとし、また、詳細な仮名処理の基準については指定法人の業務規程に定めるものとしております。  このように、本法律案における仮名処理の具体的な基準は今後定めていくことを予定しておりまして、裁判所ウェブサイトにおける取扱いと重なる部分もあるというふうに考えておりますが、現時点においてその詳細を確定的にお答えすることは困難でございます。  今後、法務省令や指定法人の業務規程を定めるに当たっては、裁判所ウェブサイトにおける仮名処理の基準を含め、現在の実務の運用状況を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 これまで、先ほどちょっと御紹介のあった判例時報だったり判例タイムズだったりというその出版社が出しているもの、それから判例集のような形で事案が紹介をされているもの、こっちの本を見ると甲野太郎さんになっていて、こっちの本を見るとXYになっているというような、そこの違いはあっても、法律家の中ではきちんと仮名処理がされているという共有されてきた基準があると思うんですよね。それが今部長おっしゃった実務ということなんだと思うんですよ。  これが先ほど議論のあったAIに学習させるのかなども含めて利用されていくということを想定をしたときに、この基準、これまで個人情報を守るために確立されてきた基準ということがちゃんとこれからも守られると、それはとっても大事なことだと思うんですけど、いかがですか。

松井信憲法務省大臣官房司法法制部長

○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。  今後、法務省令や業務規程の検討がされる際には、現在の実務において関係者のプライバシーや営業秘密に対する配慮がされていることを踏まえながらしっかりと考えていきたいと思っております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 そうした取組をきちんとしていかなきゃいけないと思うんですけれども、大臣、万が一にも、そうした情報が漏えいするとか流出するとか、あるいは先ほども矢倉議員が質疑されていましたけれども、ほかの情報と照合して特定の個人が識別されるというような形の中での人権侵害、これは万が一にも起こっちゃならないわけですよね。逆に言うと、起こってしまったらどうなのかと、誰が責任取るのかと。  この法文を拝見をすると、例えば三条の国の責務で、政府は、こうした施策が適切に実施されるような必要な措置を講ずるような義務がある、努めるものとするというふうにされていますけれども、つまり、法人の指定だったり、今申し上げているような基準だったり、あるいは提供の際に、個別事件でこれは秘密にしなきゃいけないとなっているものを間違って出しちゃったとか、何かが起こって漏えいなり人権侵害が起こるわけじゃないですか。そういうことが万が一にでも起こったときの国の責任というのは極めて重いと私は思うんですけど、いかがですか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 今御指摘のように、そうしたこと、これは当然あってはならないということの上で申し上げますけれども、この法律案におきましては、民事裁判情報等の流出あるいは漏えいを防止する観点から、指定法人の保有する民事裁判情報につきまして、漏えい、滅失又は毀損の防止その他の安全管理に関する事項、これを業務規程の必要的記載事項としてこれは法務大臣がこれ認可をすると、立て付けを申し上げますけれども、その上で法律によって目的外使用を禁止をする、さらには指定法人の役職員等が不正な利益を図る目的で提供するなどの行為について罰則を設けることとしております。  そして、指定法人がこのデータベースを整備をし、利用者に提供するに当たっては、私ども法務省令で定める基準に従って仮名処理を行い、個別の事情を踏まえた訴訟関係者から申出を受けて、必要に応じた追加的な仮名処理を行うものとしております。  そうした状況の上で、一般論として申し上げると、故意又は過失によって他人の権利等を侵害した者については、これによって生じた損害を賠償する責任を負うということになります。もとより、法務省、私どもといたしましては、こうした事態が起こることがないように、先ほどの立て付けの中で、法人の指定に当たりまして安全管理の観点から厳格に審査を行う、そして各種監督権限を行使をして指定法人を適切に監督をするということを通じて、そうしたことを起こさないようにするという、そういったこととなっております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 結局、今大臣、立て付けを説明されただけなんですけど、途中でお話になったように、万が一にも一件の裁判情報で個人情報なり営業秘密の塊が違法に漏えいされてしまったというときの責任というのは重大ですよ。ですから、途中お話になったような国賠というようなことだって起こり得るわけで、だからこそ、絶対に万が一にもそうした漏えいないというような基準と運用を強く求めたいと思います。  ちょっと関連して、残る時間、裁判所がこの間構築されてきているシステム、デジタルのシステムについて、とにかく評判が悪いものですからお尋ねをしておきたいと思うんですけれども。  今年の一月にRoootSというシステムが導入をされました。裁判所の職員が電子的に事件を管理するシステムと民事局長御説明をされていますけれども、例えば、統計事務というのはシステムが本来得意とするべきものなんだと思うんですが、不具合があって既済事件数などを改めて確認する必要があったと。まあ数を数えたみたいな話になった。こういう不具合が起こっているわけですね。

福田千恵子最高裁判所事務総局民事局長

○最高裁判所長官代理者(福田千恵子君) お答えいたします。  ただいま御紹介いただきましたとおり、RoootSと呼称されるシステムは、裁判所職員が事件管理のために利用するe事件管理システムでございまして、令和六年七月から一部の庁で先行的に導入され、令和七年一月から全庁で導入をされております。  RoootSについて、例えばその統計システムとの連携の不具合など、一定程度不具合等が生じていることは承知をしておりまして、このことは最高裁としても重く受け止めております。バグと認められる不具合については改修作業を行っているところであり、現時点ではシステムの導入直後に指摘のあった不具合の多くは解消されるに至っております。  いずれにしても、最高裁として、今後とも、できる限り職員への負担を生じさせることのないよう、可能な限り速やかに必要な対応を行っていきたいと考えております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 この同じ問いに、衆議院の法務委員会で民事局長が、システムを停止せざるを得ないような問題は生じておらずという認識を示しておられまして、そりゃ、裁判所のシステムが止まったら大変だよと、停止せざるを得ないような問題が起こっていないからいいという話ではもちろんなくて、システムが逆に事務の簡素化、効率化に逆行すると、逆に手間が掛かってしまうというみたいなことになっているのが今現実なんだと思うんですよ。  ちょっとこのRoootSをめぐっても面白い話がいろいろありますけど、ちょっと時間がないのでやめますが、mintsというシステムもあります。これは弁護士を始めとして事件の当事者が裁判書類を電子的に提出するというシステムなんですけれども、この利用率というのが五%程度にとどまっているという実情にあると思いますが、いかがですか。

福田千恵子最高裁判所事務総局民事局長

○最高裁判所長官代理者(福田千恵子君) お答えいたします。  ただいま委員御指摘のmintsと呼称されるシステムでございますが、民事裁判書類電子提出システムと呼ばれるものでございます。  この利用率につきましては、統計として把握をしておらず、お答えすることは困難でございますが、訴訟代理人がmintsを利用する事件として登録されている事件の数については、令和七年四月末時点で全国で約六千三百件となっております。  以上でございます。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 係属している民事事件というのは何十万とあるわけですから、ごく僅かなんですね。実際使っている弁護士たちに聞くと、もう本当に使い勝手が悪い。  そういう中で、今、TreeeSというシステムを開発しておられると思います。これまでのシステムがこれだけ不具合があって、効率が悪い、手間が掛かる中で、TreeeSとmintsと紙が併存するのかと。結局、裁判の事件管理が一元化できないということの中で、来年の五月には、民事裁判の申立てあるいは民事執行の申立てがあった際に裁判所間の判決正本などの情報を共有するというこの法が来年五月までに施行するということになっているわけですけど、そんなもの施行できないんじゃないのと、これ大丈夫ですかという声が弁護士やあるいは裁判所職員の現場から聞こえますけど、いかがですか。

福田千恵子最高裁判所事務総局民事局長

○最高裁判所長官代理者(福田千恵子君) お答えいたします。  令和八年五月までに改正法の民事訴訟法が施行されるということになっております。そのときに、先ほど御指摘いただきましたmintsと呼称されるシステムが利用されることにはなりますけれども、このmintsに関しては、令和四年四月の運用開始から約三年が経過をしておりまして、この間に着実に利用実績を積み重ねてきているところでございます。  他方におきまして、mintsの利用が一定の範囲にとどまっているという課題については御指摘のとおりでございまして、ただいま改正民訴法の施行を見据えて、更なる利用の促進、利用習熟に向けた取組を進めているところでございます。  付け加えますと、mintsに関しては、特段不具合といったものは指摘はされておりませんで、使い勝手というところについては更に課題もあろうかと思いますけれども、これまで、利用者である代理人から寄せられた要望等も踏まえて、mintsの利便性を高めるべく改修を行ってきているところでございます。  以上です。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 最高裁刑事局に一問聞いておきたいんですが、この間可決した刑事デジタル法の具体化でシステムをつくっていかれるわけですが、令状請求も電子化されると。  この下で、お配りしているのはおよそ十年余り前の日弁連の意見書なんですけれども、現在は、捜査機関から令状請求がされると、令状と原本を渡す、それの残りが手元に残る、裁判所に。それ以外の添付資料、疎明資料というのも全部捜査機関に返すという仕組みになっているんですね。これを電子化される、システム化されるということであれば、疎明資料も併せて保存、蓄積をしていくことが裁判所の中で検証を行う上でもとても大事じゃないかという指摘なんですけれども、この意見書は逮捕、勾留に関するものですが、捜索差押許可状、あるいはこれから施行されるであろう電磁的記録の提供命令などについてもそのように扱うべきではないかと思うんですが、いかがですか。

平城文啓最高裁判所事務総局刑事局長

○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答え申し上げます。  現状、例えば公判において令状に基づく捜査手続の適法性が争われると、こういった場面におきましては、当事者主義の下、当事者の主張及び請求証拠の内容に基づいて判断がされているところでございます。その前提となる例えば証拠開示の手続についても当事者間で行われていると、これが現状でございます。  令状請求や発付が電磁的方法で行われることによってこのような枠組みが変わることになるか、若しくは変えるべきかということについては、法制度に関わる問題でもありまして、最高裁事務当局としてお答えすることは困難ですけれども、いずれにしましても、裁判所における捜査機関から提供された電磁的記録である令状請求書や疎明資料の保存の要否につきましては、いわゆる制度の内容、これを前提にした上で、その必要性、相当性等を検討していく必要があると考えているところでございます。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 今日は終わります。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 本法案、特別問題がないと私は認識して、まあ質問することもないかなと思いますけれども、取りあえずちょっと二点ほど確認の意味で、また各委員さんの質問とも重複しますけれども、この点お許しをいただいて質問させていただきます。  いわゆる情報機関、指定法人がこの必要な対策、措置を行いますけれども、この情報管理機関に対する政府の具体的な関与方法、あるいは指定、認可、許可、これは承認等がどのようになっているのか、教えてください。

松井信憲法務省大臣官房司法法制部長

○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。  本法律案においては、民事裁判情報管理提供業務を行う者について、当該業務を適正かつ確実に行うのに必要な経理的基礎及び技術的能力を有するものであることなど、一定の要件を備える者に限っており、指定に当たって法務大臣がそれらの要件の審査を行うこととしております。  また、指定法人の業務は、法務大臣の定める基本方針に従って策定された業務規程の定めるところにより行うものとし、事業年度ごとに事業計画及び収支予算の作成を義務付け、これらについて法務大臣が認可することとしております。  さらに、本法律案においては、法務大臣は、指定法人に対し、監督上必要な命令をする権限、報告徴求及び立入検査をする権限、指定の取消しをする権限などを有するものとされております。  法務省としては、これらの権限を適切に行使して必要な監督を行ってまいります。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 この情報漏えい等の不適切な行為が認められた際の罰則などは想定していると、こう考えますけれども、例えば故意でないミス、ヒューマンエラーなどによる情報漏えいに対して何か罰則などは考えているのか、また、あるのでしょうか。

松井信憲法務省大臣官房司法法制部長

○政府参考人(松井信憲君) 今回の法律案における罰則につきましては、その情報自体が裁判所に行けば閲覧ができる、誰でも閲覧ができる民事裁判書の情報であるという、そのような特質を踏まえた上で規定を設けているところでございます。  本法律案の二十条では、例えば指定法人の役員若しくは職員その他の従業者などが、その業務に関して知り得た保有民事裁判情報や削除情報などを自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用したときは罰則があるということになっておりますが、御指摘のような過失による場合には罰則は設けておりません。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 これは時代に合った法律だと、こう私なりに理解していますので、しっかりやっていただきたいなと、こう思っております。  次に、法務大臣、前回に引き続いて、私は今回も冤罪についてお尋ねをいたします。  おとついのこの委員会で大臣が、これは以前、先生から質問主意書でも提出をされているところの御答弁でも申し上げておりますが、とあります。お尋ねの冤罪については、法令上の用語ではなく、政府として冤罪の定義について特定の見解を有していないと、こういう言いぶりですけれども、この私の質問主意書は何年何月の質問主意書を指しているんでしょう。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 今御質問いただきました主意書につきましては、私どもとして今見させていただいていますのは平成二十年の衆議院の主意書でありまして、閣議決定の年月ということで申し上げると、平成二十年の三月七日と承知をしております。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 衆議院では、私、無所属ですから、質問の機会ないものですから質問主意書でしか勝負できなかったんです。二千五百本ほど出していますから、この記録は破られないと思います。昔は共産党さんがよくこの仕組み使ったんですね、やっぱり質問の機会ないから。最近、共産党さんも数が多いから、質問の機会あるから使っていませんけれども、この記録は私は一人の議員では破れないと思います。  ですから、僅か六、七年の間に私が二千五百本出して、最後は二十一年の、平成ですね、十一月二十五日なんですけれども、この質問主意書が出されたのが平成二十一年ですから、大臣、もう二十八年前の話になるんです。いや、十八年前の話になりますね。  ですから、それから冤罪が起きているんですよ。私は、この答弁、質問主意書を引用するのは結構ですけれども、やっぱり時代に合った、今の問題、袴田事件なんかで特に問題起きている、大川原化工機の問題でもプレサンス事件でも出てきているわけです。福井事件がそうですね。冤罪というのが強く言われているときですから、この点、私は、事務方が用意した答弁書だと思うけれども、ちょっと誠意がないというか、あるいは時代認識がずれているんでないかと。今出ている法案なんかは時代に合った法案として出しているわけですから、それに比べたらちょっと私は事務的な、人間的でない対応だという言葉です。  それで、大臣、冤罪という言葉は定義もなければ法令用語でもないと言います。しかし、前回の答弁でも、広辞苑でも使われているし、広く一般でもこれは使われている、引用されているということは、大臣、認められているんです。  そこで、前回も言いましたけれども、過去の大臣で冤罪という表現している大臣はたくさんいるんです。これは恐らく前回の質問で言われたから調べられたと思いますけれども、端的な例を一つでも二つでも、今までの大臣で冤罪という言葉を明確に使って、しかも個別事件まで出して言っている件がありますから、それを、私はこれは記録に残させたいと、こう思いますので、明らかにしてください。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 例えば、最近ということで申し上げると、昨年の小泉法務大臣におかれましては、冤罪が発生する二つの理由、それ以外にもあるわけでございますけれども、そういうものにしっかりと着目をして、今申し上げたように、基本に忠実な捜査、公判の適正な遂行、ここに原点を置いてしっかりと取り組んでいくことが必要だというふうに、済みません、失礼しました、一昨年ですね、一昨年の小泉前大臣の答弁ではそういったことで発言をされていると承知をしております。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 法務大臣、小泉さんのときは、私もいろいろやり取りしているからその話は聞いているんですよ。  もっと具体的に、例えば二〇〇七年の十一月二十九日、鳩山邦夫法務大臣は松岡徹委員の質問に対して、この氷見事件のように、ある人を捕まえて調べて起訴して有罪になって、服役しちゃってから別に真犯人が現れたというのは極めて残念な特殊なケースでございまして、こういう場合は社会通念上冤罪と申し上げていいのではないかと私は思いますと、具体的事件名まで挙げて言っているんです。  大臣は、個別事件に関わるとか評価云々は言うべきでないと言っていますけど、鳩山大臣はこう言っています。さらに、遡る一か月前には、この鳩山大臣は、冤罪と言われるようなことがゼロになるように努力するのが我々の務めであり、法務大臣の務めであるというふうに考えておりますと、明快に冤罪って使っているんです。大臣はかたくなにこの場で冤罪という言葉は使わないと言っていますけれども、過去には千葉法務大臣も明快に言っております。江田五月議員も、江田法務大臣も言っております。  なぜ、大臣は、この冤罪という言葉をこういう委員会の場で、ここは法廷じゃないんですから、いいですか、開かれた国会です、しかも国民から選ばれた委員の集まりの場で、過去には大臣が堂々と使っている、具体的な事件まで出して。鈴木大臣がなぜこの冤罪という言葉を拒否するのか、その理由をお知らせください。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 当然のことながら、犯人でない人を処罰するということ、これはあってはならない、これは大前提でありますし、大前提でありますし、そのことはまず申し上げさせていただきたいと思っております。  その上で、やはり、私の立場として申し上げると、私の、自分のこれは考えでありますけれども、私は法務大臣としてここに立っている、そういった意識を強く持っております。そして私は、この参議院法務委員会において政府として答弁をしている、その立場を強く認識をしております。  そういった中にあっては、やはりこの三権分立の話も含めて、この検察庁法第十四条のところで言っていること、これはまさにそこの、直接的ではないかもしれませんけれども、そこに関わる話であります。だからこそ、そこで私は、冤罪ということについて……

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 大臣、答弁は簡潔にお願いします。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) はい。  そこで私は、まさにそういった価値判断が入るような、そういったことについては答弁を差し控えたい、そのことを申し上げているところでありますので、御理解をいただきたいと思います。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 大臣、価値判断という言葉自体も初めて使う言葉ですよ。だんだん広がっていくと、大臣、私はいいことじゃないと思いますよ。正直に答えればいい話なんです。次の委員会、またその次の委員会がありますから私はやっていきますけど、更にまた私は続けてやっていきたいし、この思いはまた私はしっかりと若い議員にも伝えて、事実の何たるかというのは知らせていきますけれども、大臣、私は正直に言った方がいいと思います。  それで、森本局長、森本局長も前回、大臣同様に、通告がないから答えられないと答弁していますが、あなたの前任者でも、明快に冤罪という言葉も使っていれば、個別事件も挙げて説明している人がおります。恐らく、前回の委員会でも私が言っているから森本局長であればいろいろ調べられたと、こう思いますが、その成果のほどをちょっと示してください。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 前回、委員から御指摘がございまして、過去の刑事局長として委員が挙げられたのが、大林という局長とそれから西川という局長の答弁に当たるというふうに理解しました。  それぞれ両名とも、冤罪の概念というのを聞かれて、それは多義的である、あるいは定義がないのでお答えできないということを前提とした上で、一定の条件を付けた範囲内で一定の例示をしたということはあったものと承知しておりますけれども、何か特定の立場に立って特定の見解を述べたというものではなかったというふうに理解しております。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 森本さん、あなたも将来あるんですから、そんな木で鼻をくくったような話しない方がいい。  当時の西川刑事局長は、これ皆さん聞いてください。例えば富山で起きたいわゆる冤罪事件もございましたし、それから足利事件、これらについては既に検証がなされていて、その都度指摘されている事項であるということでございます。またさらに今回の村木さんでも同様なことを繰り返してしまったという反省を込めて申し上げたということでございますと言って、これ皆さん、個別具体的な例を挙げて言っているんですよ。さっきの大臣の答弁と食い違いませんか。  委員長、誰が考えたって、私の言っている話、過去の例を持って、今、鈴木法務大臣が言っている答弁、森本局長の答弁はすり替えの議論じゃないですか。厳しく言うならば、ごまかしじゃないですか。あなた方、「検察の理念」守られていないんです、あれだけの不祥事を起こしても。更に今、国民世論は厳しいですよ。もっと人として正直に答えるのが当たり前じゃないですか。  どうか委員の皆さん方も、過去の事実に基づいて私は言っているんです、何も私は作り事を言っているんじゃない。私は、法務省の信頼回復と、やっぱり日本の国のこの三権分立という建前を考えた上で何が一番大事か、私はやはり正直であることが一番だと思っているんです。今の大臣の答弁や森本さんの答弁ではもちませんよ。  これからもやってまいりますから、今日はこのぐらいでやめておきます。  時間が来ましたので、終わります。

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  民事裁判情報の活用の促進に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、田島君から発言を求められておりますので、これを許します。田島麻衣子君。

田島麻衣子立憲民主・社民・無所属

○田島麻衣子君 私は、ただいま可決されました民事裁判情報の活用の促進に関する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民・無所属、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派並びに各派に属しない議員鈴木宗男君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     民事裁判情報の活用の促進に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府及び最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。  一 民事裁判情報管理提供業務を行う法人を指定する際には、民事裁判情報に含まれる個人情報について遺漏なく仮名処理を実施するとともに漏えい等を防止するために必要な安全管理措置を講じることができる技術的能力及び経理的基礎について、厳格かつ公平に審査すること。また、指定後においても、民事裁判情報は仮名処理後も個人を容易に特定し得る場合があり、広く社会に拡散しやすい性質を有することに鑑み、業務の委託先及び再委託先を含め、当事者や関係者のプライバシー保護の要請に十分に配慮した措置に加え、適切な安全管理措置を講じるとともに、保有民事裁判情報等の目的外使用を行わないよう、指定法人に対し必要かつ適切な監督を行うこと。  二 仮名加工民事裁判情報等の提供料金については、民事裁判情報管理提供業務の適正かつ確実な実施のために必要な経費を勘案しつつ、利用者にとって過度な負担とならないよう配慮すること。  三 先例的価値及び社会的関心の高い判例情報を幅広く国民に提供することが本法の施行後も引き続き重要であることに鑑み、現在行われている裁判所ウェブサイトにおける判例情報の提供について、今後とも更に適切な運用に努めること。  四 附則第五条に基づく五年経過後の検討を行うに当たっては、諸外国における判例情報の公開に関する法制の動向等も勘案し、民事裁判情報の確実かつ安定的な公開のために必要な体制の在り方について検討を行うこと。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) ただいま田島君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 全会一致と認めます。よって、田島君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、鈴木法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。鈴木法務大臣。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) ただいま可決されました民事裁判情報の活用の促進に関する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。  また、最高裁判所に係る附帯決議につきましては、最高裁判所にその趣旨を伝えたいと存じます。

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十分散会

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