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217回国会参議院2025/05/13

法務委員会 第8号

発言数
238
登壇者
18
会派数
8
開催日
2025/05/13

会議録

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、山東昭子君が委員を辞任され、その補欠として梶原大介君が選任されました。     ─────────────

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省刑事局長森本宏君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

古庄玄知自由民主党

○古庄玄知君 おはようございます。自民党の古庄です。  今日は、主として森本局長の方にお伺いしたいと思います。中でも、改正法の二百十八条三項関係についてお伺いします。  二百十八条三項は、捜査機関が、裁判所の許可を得て、電磁的記録提供命令を受ける者に対し、みだりに提供命令を受けたこと及び提供したことあるいは提供しなかったことを漏らしてはならない旨を命じることができるというふうに書いています。この電磁的、済みません、口が回らぬので、口止め、口止め命令と言わせてもらいます。  これを、済みません、それと、通告事項のもう一番、二番、三番はちょっと省略、三番、四番まで省略して、五番目から入らせてもらいます。  この今の口止めを命ずることができるというやつですけれども、これ、みだりに漏らしてはならないというふうに書いていますが、この「みだりに」という意味ですが、私が辞書で調べたら、正当な理由もなく、あるいはむやみに、あるいは深く考えずにと、こういう意味だというふうに書いていました。ということは、こういう「みだりに」に該当しない場合には漏らしてもいいと、こういう、まず、こういう理解でよろしいですね。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 本法律案における改正後の刑事訴訟法二百十八条第三項における「みだりに」とは、正当な理由なくという意味であるというふうに考えております。ですので、正当な理由がある場合にはみだりに漏らしたことにはならないということになろうかと考えております。

古庄玄知自由民主党

○古庄玄知君 ところで、今の正当な理由がない場合に限定するという話になると、百二十四条の二の第一項ですかね、これ罰則規定があって、正当な理由がなく電磁的記録提供命令又は先ほどの口止め命令に違反したときはこれこれの罰則の対象になるというふうに書いているんですよ。  そうすると、「みだりに」イコール正当な理由なくだということになると、同じことを、正当な理由がなく、また正当な理由がなく漏らした場合はという、屋上屋を重ねるということになるので、その今おっしゃった「みだりに」を単なる正当な理由がない場合に限定する考え方は、ちょっとこの条文との整合性からしておかしいんではないでしょうか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 「みだりに」という用例につきましては、そのほかの法令の中にも幾つかございまして、基本的には、正当な理由がない場合のことを指すというのが一般的な考え方かというふうに考えております。

古庄玄知自由民主党

○古庄玄知君 そうすると、さっきの罰則のところで、何でわざわざ正当な理由がなくというふうにまたこの文言を付け加えたんでしょうか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 漏らす形態、秘密を漏らす形態においては、みだりに漏らしてはならないという立て付けになっておりまして、先ほどの先生もおっしゃられた電磁的記録提供命令に従わない場合と同じ罰則になっておりますので、そこでその双方に、違反した場合には、正当な理由なく、例えば電磁的記録提供命令に従わない場合及び秘密保持命令に反した場合という形で立案したところでございます。

古庄玄知自由民主党

○古庄玄知君 この問題はこのくらいにしておいて、この漏らす対象者は被疑者には限らないですね。一般の例えば自分の家族だとか友人、知人に対しても漏らしてはならないよという、そういう趣旨でよろしいですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 対象、特に限定されておりませんので、みだりに漏らした場合には、被疑者に限らないということになろうかと思います。

古庄玄知自由民主党

○古庄玄知君 それで、ちょっと具体的にお伺いしたいと思います。  もう個別の事情がいろいろ違っているというのは分かるんですが、もう個別の事情によって違うから御回答できぬなんという、そういう回答は絶対、森本さん、せぬでくださいよ。  まず一つ、そういう口止めの命令が来たと、これに従わぬと悪いんか、どうすればいいんかというのを弁護士のところに行って相談する、弁護士に口止めが来たということを漏らすことは、みだりに漏らすことに入るんですか、入らないんですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) いろんな幾つかのケースが想定されると思いますけれども、それがどの方なのかということにもよるかなと思いますが、基本的に、弁護士さんに対する場合であっても、正当な理由がない場合というふうに判断される場合もあろうかというふうに考えております。

古庄玄知自由民主党

○古庄玄知君 いや、正当な理由かどうかを聞いているんじゃなくて、まあいいです。正当な理由か、あるいは「みだりに」かはどっちでもいいけれども、こういうのが来たんじゃけれども、捜査機関からこの情報を、電子データを提供したことを漏らすなという命令が、裁判所の令状を警察が持ってきて電子データを提供しましたと、こういう命令に対して従わぬと悪いんじゃろうか、どうすればいいんじゃろうか、お客さんとの関係が壊れたら自分の会社は困るんじゃけどということを弁護士のところに行って相談をすること、これはみだりに漏らしたことになるんですか、ならぬのですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 今の先生のお話だと、あれですよね、自分が秘密保持命令を受けた電磁的提供命令をもらった、その人が自分の顧問会社の弁護士さんとかに相談すると、こういう場合を想定されておられるということになろうかと思います。  そうした場合には、一般的に、まさにその会社の業務として、あるいは、それが法令に違反しているか違反していないかを確認する行為として自分のところの弁護士さんにその法的解釈を聞くという形を多分想定することになろうかと思いますので、そういった場合には「みだりに」にならない場合が多いのではないかというふうに考えます。

古庄玄知自由民主党

○古庄玄知君 「みだりに」はならないと、そういう回答ですね。いや、森本さん、いいんですよ、逃げるような答弁せぬでもいいから。  じゃ、次。じゃ、被対象者、どうも警察や捜査機関が自分の周りを何かごそごそしていると、もしかしたら自分の携帯電話の通信記録とか、そういうのを目を付けているかも分からぬと。だから、携帯電話のそのサーバーというんですか、そこに電話して、捜査機関から私の通信に関するものを提供しろとか、あるいは提供したことはないですかとか、そういうふうに被対象から問合せがあったとき、それに対してサーバーが、いや、ありましたとかありませんとかそういうふうに答えること、これは「みだりに」に当たるんですか。あるいは、正当な理由なしということに当たるんですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 逃げているわけではないんですが、先ほどの問いも含めて、やはりその事実関係とか証拠関係によるところもありますので、断言というのはなかなか難しいかと思いますので、一概にお答えすることは困難なんですが、今のお尋ねにあえてお答えいたしますと、提供を命じられた電磁的記録に係る、これだと情報主体の方ですね、から問合せを受けたといった事情は、一般に、それ自体として直ちに電磁的記録提供命令を受けたこと等を漏らす正当な理由になるものではないというふうに考えております。

古庄玄知自由民主党

○古庄玄知君 そうすると、そういう問合せがあったとしても、そういう、いや、捜査機関から提供命令を受けたんですよというふうに答えれば、秘密保持義務違反に問われる可能性が高いと、法務省とすれば問う可能性があると、そういう理解でよろしいんですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) どこまで刑事責任を問うかという問題は別途あろうかと思いますけれども、そのみだりに漏らしたことに当たるかどうか、犯罪の成否という意味では、今の先生がおっしゃったような情報主体から問合せを受けたこと、それ自体が正当な理由になって、「みだりに」はならないという解釈にはならないと考えますので、犯罪が成立する可能性はあると考えております。

古庄玄知自由民主党

○古庄玄知君 まあ、それは検察庁の考えですね。  次の質問に行きますが、じゃ、後日に提供した事実が発覚した場合に、そのサーバーと被対象者との関係が非常に悪化すると思われる場合、これよくあるんですよ。我々も、何でそれ俺たちに教えてくれんかったんかと、もうあんたのところの顧問弁護士首切るわという、そういう話は何ぼでもあるので、だからそういう、後日、提供した事実を黙っておくことによって、それがばれたときに被対象者との関係が非常に悪化してしまうと、そういうおそれがある場合、その場合も、黙っておかぬとこれは口止め違反、罰則の対象になるということで、なるということなんでしょうか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 今先生がおっしゃられた、提供を命じられた電磁的記録に係る情報主体との関係悪化の回避といった事情につきましても、一般に、それ自体として直ちに電磁的記録提供命令を受けたこと等を漏らす正当な理由となるものではない、これについてもそう考えております。

古庄玄知自由民主党

○古庄玄知君 もう一つ具体的な例で、被対象者との契約で、捜査機関から提供命令が出されたとき、その旨、被対象者に連絡しなければならないという規約か契約書か何かある場合、こういう場合も、その契約の内容に従って、こういうのが捜査機関から来ましたよということをしゃべったとき、これはこの秘密保持命令に違反するということになるんでしょうか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) それも様々な事情に、事実関係とか証拠関係によるとは思いますが、秘密保持命令は、裁判官の許可に基づいて、電磁的記録提供命令を受けたこと等を漏らしてはならないことを法的にそちらも義務付けるものでございますから、今先生がおっしゃられた、提供した電磁的記録に係る情報主体との契約に御指摘のような規約があることは、基本的に電磁的記録提供命令を受けたこと等を漏らす正当な理由になるものではないと考えておりますので、「みだりに」当たる場合があると考えております。

古庄玄知自由民主党

○古庄玄知君 この前、参考人で、たしか成瀬参考人は、そういう場合は正当な理由があるみたいな、そういう発言だったような気が、私の記憶ではそういう記憶があるんですが、その辺について、どういう場合がこの秘密保持命令違反になるとかならぬとか、きちんとその法制審議会の段階、あるいは法務省がこの法案を提出する段階で議論をしてこういう案を出したのか、私が質問することで急遽ばたばた考えたのか、その辺りはどっちですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) もちろん、立案段階で検討すべきことは検討したと考えております。  今先生がお尋ねの、例えば一番最後のような事例の場合であったと仮にしましても、そういう契約上の義務がある、そういう場合があることは我々も分かっておりまして、他方で、そういう義務があることによって、その義務を履行することで、例えば犯罪組織の、組織犯罪だった場合に、そこの情報主体のところに情報が行ってしまえば、その組織犯罪自体の解明ができなくなるような場合、罪証隠滅が行われるような場合等も踏まえて、そういう契約上の義務がある場合でも、やはり罪証隠滅のおそれがあるときには秘密保持命令の必要があるというふうに立案当局者としては考えて立案したものでございます。

古庄玄知自由民主党

○古庄玄知君 その罪証隠滅というのは、被対象者が罪証を隠滅するおそれがあるということですよね。  そうすると、サーバーなんかは、その被対象者、対象になっている被疑者みたいな人が犯罪を行っているかどうかなんか分からぬけれども、一方においては裁判所から裁判所の令状で電子データを出せと言われて、一方においてはお客さんとの契約でそういう場合は通知しなければならないという契約上の義務があるわけですよ。その間に挟まって、そういう業者さんというのは非常に困ると思うんですが、その辺りについては何か配慮はされているんでしょうか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 電磁的記録提供命令の被処分者として想定される事業者、通信事業者等が多分、今先生がおっしゃっている例の中にあると思うんですが、その捜査に協力的な方であったとしても、契約上の義務として、捜査機関から電磁的記録提供命令を受けたこと及び提供を命じられた電磁的記録を提供したことを顧客に通知すべきものというものが存在しておりまして、そうしたものが、逆に言うと、義務の履行として、命令を受けたことや命令によって電磁的記録を提供したことを犯人側に通知するということによって、その犯人側としては、その証拠だけではなくて、ああ、我々は捜査対象になっているんだということで、一斉に罪証隠滅を図るというようなケースが考えられますので、そういう場合にはやはり裁判所の命令の方が優先するという考え方に立って立案しているものでございます。

古庄玄知自由民主党

○古庄玄知君 済みません。ありがとうございました。これで終わります。

森まさこ自由民主党

○森まさこ君 自民党の森まさこです。  古庄委員から法案についての質問がありましたので、私からは性犯罪について質問をさせていただきます。  フジテレビの事案、大阪地検検事正の事案、被害者の女性たちは訴え出るまでにどんなに耐えてきたのでしょうか。訴え出た後もどんなつらい目に遭ってきたのでしょうか。そのことに思いを寄せると胸が痛くてなりません。  私は今日、個別の案件の刑事責任、民事責任を問うているわけではございません。これらは氷山の一角であり、同様の事案がたくさんあると思います。それに対する法務省の役割について、今日は考えたいと思います。  私が総理補佐官時代にも相談が寄せられた件がありました。ある有名な私立大学医学部で、女子医大生に医学部教授が性的な嫌がらせをして、被害者は医者としての就職に差し支えるから何も言えず耐えていました。見るに見かねて、同じ学部の男子学生たちが大学の公益通報窓口に通報したのです。しかし、大学も公益通報窓口にも無視をされて、私のところに相談が上がってまいりました。  また、別の案件は、私のインターン生なんですが、インターンが終わって就職をし、就職先の外資系企業で上司から部署の全員で飲み会があるからと誘われて行ったところ、皆がいる場所で性的暴行を受けましたが、男性社員も女性同僚も見て見ぬふり、又は何も言うことができず、黙っていたそうです。会社の公益通報窓口の法律相談所に相談しましたが、同僚は口をつぐみ、調査がままならず、結局会社を辞めました。  このように、女性議員である私だからなのでしょうか、多くの事案が寄せられています。  フジテレビジョン第三者委員会の報告書では、業務の延長線上における性暴力と言っておられますが、これは特定の法律用語ではないものの、刑法百七十六条一項八号のいわゆる経済的、社会的関係上の地位にある者からの性暴力の被害者は、会社の中での関係や取引先の会社との関係で、その被害を訴え出ることが非常に難しいことは想像に難くありません。ですから、このような犯罪については的確に処罰できるようにする必要があります。これまで法務省は、このような性的犯罪被害に積極的に取り組んできたと評価できるでしょうか。  私が法務大臣在職時、性的被害者の九割が女性だったこともあり、女性の大臣として、性犯罪防止に積極的に取り組まなければならないと思いました。しかし、簡単なことではありませんでした。  御存じのとおり、性犯罪に関する重要な法改正が二回行われています。一つ目は、平成二十九年七月十三日施行の刑法の一部を改正する法律です。この法改正では、強姦罪の構成要件及び法定刑の見直し、監護者によるわいせつ行為又は性交等に対する罰則の新設、強姦罪等の非親告罪化が行われました。ただ、そのとき、被害者団体からの要望聴取が十分に行われず、強い主張や要望があったものの、法改正に入らないものがありました。  この二十九年改正刑法附則には三年後の検討条項があり、その三年後の法務大臣が私だったんです。しかし、当時、性犯罪の改正に取り組むことには慎重な意見も多く、私は気持ちを強く持って改正に乗り出さなければなりませんでした。官僚の皆様がお膳立てしてくださったことだけを取り組めば楽なのでしょうが、しかし、被害者の皆様のことを考えますと、被害者に寄り添って対策を進めることが法務省のやるべきことだと考えたのです。  そのときに私に力を与えてくださったのが、当委員会を始めとする国会審議での委員の皆様からの御質問であったり、議員連盟の申入れでした。附則に三年後と書いてあるではないですか、いつ始めるんですかという質問などです。  私は、大臣として私的勉強会を大臣室内に半ば強引に設置し、毎週検討を行いました。この勉強会には、医師、弁護士、被害者支援団体、そして被害者当事者に入っていただきました。その結果、法務省の正式な性犯罪に関する刑事法検討会の立ち上げにこぎ着けました。  資料一を御覧ください。  それが法務省の検討会です。検討会のメンバーは七割、女性にいたしました。法務省検討会史上、飛び抜けて最多の女性比率となりました。大臣、これ不公平ですという意見もいただいたんです。いつも男性の方が多くて、何で女性が多くなったら不公平なのか分かりませんが、性暴力の被害者の約九割が女性であることを踏まえれば、メンバーの女性比率を高めるのは当然です。女性の研究者、裁判官、検事等に入っていただきました。  資料二は、この検討会について述べた記者会見です。字が小さくて恐縮ですけれど、法務省のホームページに書いてあります。  性犯罪に関する検討会の構成員に性犯罪被害当事者である委員が選ばれていますが、その理由についてお聞かせください。性犯罪の被害当事者の御経験も踏まえることが必要であり、そして、委員は被害者支援にも関わって様々な性犯罪被害の実態についての見識をお持ちであることから、前回の検討会等には被害者の方が委員に入っておらず、検討会でヒアリングを行うのみでありましたが、今回は委員に入っていただき、毎回出席をしていただく。そして、私が立ち上げた大臣室直轄の勉強会のメンバーでもいらっしゃいましたところ、その中で多数回議論をする中で、御自分の被害体験だけではなく、本当に多くの方の被害体験を知見として積み重ねていらっしゃって、そして、冷静に法改正についても議論できる方とお見受けして委員になっていただいたところですと、私が答弁をしています。  そして、その下の記者会見では、刑法改正の見直しが必要かどうかを議論する検討会、これにはやはり女性の視点を取り入れる必要があるんではないですかという記者の質問に対して、私が、十七人のメンバーのうち十二人が女性ですので約三分の二が女性です、その中には犯罪被害者の方、被害者の目線で活動してきた法曹実務家などがおられます、法曹は全て女性です、つまり、裁判官、検事、弁護士、全員女性としました、性犯罪には様々な被害者の方がおられますが、その中でも被害者に占める女性の割合は高いわけです、被害者目線でしっかりとした法改正の検討をしていただけるように期待していますと、私が答弁をしています。  この検討会では、結果として、平成二十九年の刑法改正時に拾われなかった論点を拾っていただけました。そして、法制審議会の刑事法(性犯罪関係)の部会につなげることができました。その結果、令和五年の刑法及び刑訴法の一部改正が行われて、本改正によって冒頭述べた不同意性交等罪が設けられ、その構成要件に、経済的、社会的関係上の地位に基づく影響力による不利益の憂慮が設けられたのです。  部下であれば、上司を訴えると首になる、又は昇進の道が絶たれるおそれがある、だから嫌と言えない。こういった事案に対応するために不同意性交等罪を設け、ノーと言えなくても処罰できるようにしました。これこそ、平成二十九年の刑法改正に入れようとしたけれども入れられなかった条文です。  つまり、平成二十九年から六年たってやっと改正できた。平成二十九年の改正の着手したときから数えたら、もう十年以上たってやっとこの条文が入ったんです。その間にどれだけの性的被害者が涙を流し、泣き寝入りをしてきたかということに思いをはせていただきたいと思うんです。  こうやって、やっと不同意性交等罪を設け、その構成要件に、経済的、社会的関係の地位に基づく影響力による不利益の憂慮を設けることができたのですから、これを国民の皆様に広報し、性犯罪を出さないように努めることが法務省の義務ではないでしょうか。会社の内部事情や取引先との業務上の関係等で訴え出ることができずにいる被害女性の皆様に、法務省として、しっかり性暴力被害防止に取り組んでいることを見せ、希望を与えることが重要です。特に、不同意性交等罪をどう適用し、罰すべき人を適切に罰するか、被害者が泣き寝入りとならないようにするのか、これが法務省の仕事です。  法務大臣におかれましては、氷山の一角であるフジテレビジョンや大阪地検の元検事正の事件を契機として、検討会を設置し、被害者が訴え出られるような措置を講じるべきです。性暴力被害について広報をしっかり行い、警察や検察は被害の端緒を見逃さぬようにしっかり対応していただきたいのです。訴える女性は、清水の舞台から飛び降りる気持ちで訴え出て、職を失うかもしれないと不安に思いながら、清水の舞台から飛び降りる気持ちで訴え出て、職を失うかもしれないと不安に思いながら日々を過ごしておられます。警察及び検察は、秘密を守ってしっかり被害者救済に力を尽くしていただきたいです。  また、法務省には実態調査も行っていただきたいです。被害者が申し出ることが難しい犯罪なので、調査には工夫が必要だと思います。病院や公益通報窓口、プライバシーに留意しながら、被害を受けた女性が訪れる現場を丁寧に確認をし、できる限りの調査を行っていただき、今後の対策を進めていただけないでしょうか。  個別の事案の判決の蓄積を待ってからの対策となると、事案によっては最高裁まで争うこともあり、そうなると、また十年掛かってしまうことが考えられます。この間にも、被害者はどんどん増えていってしまいます。政府が調査、広報等を行い、積極的に対策を行っていくことが犯罪抑止効果を生みます。法務大臣が対策に乗り出しますと会見を行えば、被害に苦しんでいる女性にとって一筋の光明となります。  是非、法務大臣には、法務省による調査分析、広報、啓蒙、指導等を行う必要性について、全国の女性被害者のための、一定の経済的、社会的関係上の地位にある者からの性暴力被害の救済、防止、その対策の推進に取り組む決意を述べていただきたいです。よろしくお願いをいたします。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) まず、森まさこ先生、法務大臣在任時代も含めて、大変大きなお力を、指導力を発揮をされて、様々対策を進められてきたこと、改めて私も敬意を表させていただきたいと思います。  まさに、この性犯罪、性暴力、これ被害者の方々の尊厳、これ著しく侵害をして、その心身に長年にわたり重大な苦痛を与え続けるまさに悪質、重大なものであります。そういった中で、やはり、これ断じてあってはならないことでありますし、これ許さない、そうした社会、これを構築をしていく、こうした必要がある、我々も強くそれを認識をしているところであります。  性犯罪、性暴力につきましては、例えば性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省会議が取りまとめた性犯罪・性暴力対策の強化の方針におきまして、顔見知りの相手からの被害あるいは継続的な性被害を受けている最中である場合には被害を他人に言えない、そうした状態がある等々のそうした問題意識を踏まえた様々な対策、これが講じられるところでもあります。  私どもといたしましても、先ほど調査ということがありましたけれども、無作為に抽出をした全国の十六歳以上の男女を対象として、これまで六回の犯罪被害調査を行ってきたところであります。この中でも、性的な被害に遭ったり、あるいはその加害者の名前を知っていたと回答した回答者の方々に対して更に加害者との関係につきましても回答を求めるなど、まさに御指摘の業務の延長上における性暴力の観点も含めた実数調査、我々としてはこれまでも行ってきたところであります。  あるいは、先ほど御指摘もありました令和五年六月に成立をした刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律におきましても、改正前の強制性交等罪などについて、より明確で判断のばらつきが生じない規定とするための、同意をしない意思を形成し、表明し、若しくは全うすることが困難な状態、そうした文言を用いて統一的な要件と規定をした上で、例えば経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していることなど、同意しない意思を全うしないことなどが困難な状態の原因となり得る行為あるいは事由を具体的に列挙することとしたところであります。  まさに、これまでも私どもとしても、調査分析、あるいは啓蒙、広報、さらにはその対策ということで進めておりますが、しかし一方で、先生御指摘のように、まだまだそうした事案が多くある状況ということも我々としては認識をしております。  その上で、我々としては、検察当局において、政府が取りまとめた方針、あるいは先ほど御指摘もありました法改正、こうした趣旨、これをしっかりと踏まえた上で、今後も引き続き、法と証拠に基づいて刑事事件として取り上げるべきものがあれば適切に対処をしていくと承知をしておりますが、まさにこうした先ほど御指摘のような性犯罪、性暴力、これを、やはりこれを許容しない、あるいは起こさせない、こういったことも我々としてはしっかりと取組を進めていく必要があると思っております。  当然、私どもだけではなくて関係省庁も含めてでありますけれども、一層この対策、これをしっかりと推し進めていきたい、私としてもそう考えているところであります。

森まさこ自由民主党

○森まさこ君 ありがとうございます。  法務省設置法三条に法務省の役割が書いてあるんですね。法と証拠に基づいて検挙すべきは検挙するというのは法秩序の維持に当たりますが、それだけじゃない。法務省には、法務省設置法三条に国民の権利擁護と書いてあります。社会的、経済上の関係にある相手から性暴力を受けた被害女性の、又は男性もいるかもしれません、被害者の権利の擁護のために、例えば、人権擁護局で十七項目、それを見直したり、今まだ昔のままであるホームページでしっかりとその旨を広報するなど、更なる努力をお願いして、質問を終わります。  ありがとうございました。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 済みません、先ほど答弁の中で、同意しない意思を全うすることなどが困難な状態と言うべきところを全うしないと間違って申し上げていたようですので、そこの点は訂正をさせていただきたいと思います。申し訳ありませんでした。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 立憲・社民・無所属共同会派、社民党の福島みずほです。  まず一問、入管での自死についてお聞きします。  出入国在留管理庁において収容されていたイタリア人の男性が自殺に追い込まれたということについて、本当にこれはこういうことをなくす必要があると思います。  彼が精神疾患を有していたと入管が認識したのはいつですか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 今御指摘の件でありますけれども、改めまして、亡くなられた方、お悔やみを申し上げたいと思っております。  その上で、御指摘の亡くなられたイタリア人男性、この精神疾患につきましては、その有無も含めて、含めまして、個人情報、プライバシーに関わる事項ということでありますので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。  その上で、私どもとしては、入管施設に収容されている、入管収容施設に収容されている方が亡くなられたこと、これは極めてやはり重く受け止めなくてはいけないと考えておりまして、再び同様の事案が起こらないように、日頃から被収容者の精神面、これを配慮して適切な対応を取っていくということが必要であると考えております。  例えば、日常的に、職員による被収容者との面接によりまして被収容者の心情把握に努めるとともに、必要に応じて、臨床心理士等の専門家によるカウンセリングを含む、あるいは精神科を含む医師による診療を受けさせるなどをしておりまして、まさにそうした意味での同様の自殺案件、これを起こさないように我々としても徹底をしてまいりたいと考えております。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 彼は精神科医に一切見せられていないんです。彼は通院をしたり、精神疾患を持っていたということがあります。だから、入管が、彼が収容されて初めに知っていたのか、いや、亡くなった後、知ったのか。でも、精神科医に見せていないんですよ。彼は収容されて二十五日目に自殺をしています。重要なのは、入管がいつ知ったか、精神疾患があることを。なのに、この間、一切言いません。二転、三転、四転、五転していますが、一切言いません。  これ、国会の中でしっかり明らかにすべきであるということを強く申し上げます。一切明らかにしないんですよ。事実経過も明らかにしない、報告書も作らない、極めて問題だと思います。事実の検証、ちゃんと法務大臣やってください。  そして、本案について申し上げます。  能動的サイバー防御法案と刑事デジタル法案との関係についてお聞きをいたします。  能動的サイバー防御法案は、非常に分かりやすく言うと、最近空き巣が増えてきたので、みんな警察に全て合い鍵を出してください、私がパトロールしますというようなもので、協定を結んでいるところで、犯罪に関係なく全部政府が取り、自動選別を行うというものです。そこで入手した情報を、まさにそれを裁判所に証拠として出せませんから、この刑事デジタル法に基づく提出命令を取るということがあり得るかどうか、警察、内閣、どうですか。

佐野朋毅内閣官房内閣審議官

○政府参考人(佐野朋毅君) お答え申し上げます。  内閣官房から、サイバー対処能力強化法案及び同整備等法案と犯罪捜査の関係についてお答え申し上げます。  これらの法案につきましては、通信情報を犯罪捜査の目的で提供すること、そういう規定は置いておりません。

阿部文彦警察庁長官官房審議官

○政府参考人(阿部文彦君) お答えいたします。  御指摘のサイバー対処能力強化法案におきまして、内閣総理大臣から提供される選別後通信情報は、サイバー攻撃に関係があると認められるに足りる機械的情報のみであり、具体的には、攻撃に用いられていると考えられるIPアドレス、コマンド等であって、コミュニケーションの本質的な内容を含まない機械的情報であること、氏名、住所、携帯電話番号といった種類の情報は対象とならないこと、特定の個人を識別することができることとなるおそれが大きい情報については内閣府において非識別化されていること、一般のインターネット利用者が送受信する通信が含まれることはないことなどから、選別後通信情報を犯罪捜査に活用する場面は通常想定されていません。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 衆議院の法務委員会において、警察は、状況に応じて刑事訴訟法の規定に基づく厳格な手続にのっとって適切に対応するけれども、使う可能性があることを認めた答弁しているんです。そして、内閣官房の方は利用することはないと言っていて、ここは両方答弁が違っておりますので、今日、警察も使うことはないということを明言されたので、ゆめゆめ使われないように、強く申し上げます。  次に、捜査のための通信傍受法、盗聴法との関係について、対比についてお聞きをいたします。  盗聴法には対象犯罪の規定があるが、本法案にはありません。これは極めて問題ではないかと思います。  そして、通知について、一九九九年、この法務委員会で、捜査のための通信傍受法、盗聴法について大激論をやりました。当時、本会議でフィリバスターもやり、牛歩もやり、徹夜国会をやり、八月中旬まで大激論になったんですね。大悪法だと思い、その中身について議論をしました。しかし、その捜査のための通信傍受法、盗聴法に比べても、もうすかすかというか、極めて後退して問題があるんです。  通知、盗聴法では、通信を傍受した後、一定期間内に捜査機関からその通信をした当事者に傍受の事実が通知されるのに対し、本法律案にはありません。秘密保持命令の新設により提供の事実すら知らされない。通知する必要があるんじゃないですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 対象犯罪の件はよくて、通知のところで。  まず、通信傍受法による通信傍受は、現に行われている他人間の通信の内容を知るため、当該通信の当事者のいずれにも事前に告知しないで行うものであり、継続的、密行的に、憲法の保障する通信の秘密を制約する性質の処分だと考えております。  そこで、通信傍受法におきましては、こうした性質を踏まえ、当該通信の当事者が傍受された通信の内容を確認する機会及び不服申立てをする機会を保障するなどの趣旨で、捜査機関において、原則として傍受の実施の終了後三十日以内に、傍受記録に記録された通信の当事者に対して通知をすることとされております。  これに対し、電磁的記録提供命令は通信傍受とは異なり、既に存在している電磁的記録の提供を命ずるものにとどまり、先ほど申し上げたような継続的、密行的に通信の秘密を制約する性質の処分ではないことから、電磁的記録提供命令と通信傍受の両制度を単純に比較することはできないというふうに考えております。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 違いますよ。  盗聴法も、あとそれに基づくものも一部保存しているじゃないですか。そして、これの、盗聴法によって、今SNSはやっていないということだけれど、一九九九年の議論のときに法務省は、まさにファクスやデータ通信の場合にはその通信方法を解析しないと認識不可、リアルタイムでは分からないとして、SNSを過去のものを遡って聞くんだ、見るんだということはおっしゃっていますよ。おかしいですよ。つまり、リアルタイムで、リアルタイムでそれを見るのか、というか、SNSは過去のものだから、過去のものを見るから通信の秘密を侵していない、密行性がない、継続性がないというのはでたらめですよ。過去のものでもプライバシーを出すわけじゃないですか。  捜査のための通信傍受法でも、短く盗聴法と言いますが、一時保存をして通信データを見ることは今もあるわけです。そして、その当時も、SNSはリアルタイムでは見れないから過去のものを見ると言っているんです。同じじゃないですか。プライバシーを侵害していることは、リアルタイムで見るのか、いや、遡って見るかだけの違い。同じものなのに、何で本法案は通知がないんですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) まず、先生御指摘の点のメールについては、先生御指摘のとおり、まず通信傍受の今対象になっておりません。その上で、メールの場合で予定されているものとすれば、通信傍受の場合には、ある特定の時点で令状請求し、その先に行われる通信について傍受するものですから、メールについてもそのときに行われればそれを取りに行くということが想定されていたようですけど、今は使われておりませんというところでございます。それから、よろしいですか。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 おかしいですよ。論理的におかしいですよ。令状を取ってこれから取るのか、いや、令状を取って遡ることもできるのかというだけの違いで、大量の情報を取ることは同じじゃないですか。全く一緒じゃないですか。何で通知しないんですか。プライバシー侵害していることは全く一緒なんですよ。  つまり、この法案の刑事デジタル法の最大の問題は、普通、捜索だったら、捜索します、令状見せます、何の被疑事実か分かります、そして家に入ってこられると立会人がいて、いや、そこは子供部屋だから行かないでください、そこは妻のところです、いや、そこは、たんすは下着が入っているところで見ないでくださいと、立会人がいるんですよ、しっかり。盗聴法も、だから立会人入れて、その後、改悪で立会人なくなりましたが、当時はそこまで配慮していたんですよ。ところが、盗聴法は通知が行きます。しかし、今回は通知が行きません。通知が行かないどころか、サーバーに来たことすら、もしかしたら秘密保持義務で言われないかもしれない。  つまり、刑事デジタル法とは何か。透明人間がやってきて、透明の令状を示し、そして家の中の様々な情報を全部かっさらって持っていくんだけれども、通知がされない。だから、準抗告もできなければ国賠もできない。分からないんですよ、未来永劫分からないんですよ。起訴されて、証拠で出てくれば分かります。でも、そうでなければ、自分がその提出命令で情報を全部抜かれたことなんか分からないんですよ。死ぬまで分からない、死んでも分からない。これ、おかしくないですか。  私は、捜索差押えで準抗告をやって、そして、例えば、国家賠償請求訴訟でこの捜索は違法だったと勝訴判決をもらったこともあります。準抗告があって、そして国賠請求ができるから捜査の適法性が担保されるんじゃないですか。でも、この刑事デジタル法には、根本的な欠陥です、通知が行きません。それは、だから、通知が行かないから準抗告も国賠訴訟もできないんですよ。押収品目録を普通もらいます。ああ、自分の押収品はこれと手紙とメモ二通が押収されたんだなと分かります。でも、分からないんですよ。何が取られたか、取られた事実も取られたものも分からないんです。だから、安穏と家でコーヒー飲んでいる、分からない。  これって、権利が侵害され、プライバシーが侵害されているのに本人が分からない、権利救済もできない。根本的に問題がある悪法だと思います。盗聴法より悪法じゃないですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) まず、捜索差押えとの関係で申しますと、捜索差押えを受けた方は、今委員、先生御指摘のとおり、受けたことが分かるわけですけれども、例えば第三者との関係で捜索に入ることもあり、その場合に、じゃ、例えば私が被疑者だったと、私の被疑事実との関係で私の家じゃないところに例えば捜索入ったときに、じゃ、それが私のところに通知が来るかといえば、それは通知をするという仕組みにはなっておりません。  電磁的記録提供命令については、基本的にそうした性質のものと同様に考えておりますので、現行法の立て付けと変わらないというのがまず我々の一つ目の考え方でございます。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 サーバーには連絡が行っても、その情報の当事者には行かないじゃないですか。現行法の立て付け、違いますよ。捜索差押えに関しては、もっときちんとされていて、権利救済できるようになっているのに、それがずるずるずるずると盗聴法以上にされないということです。  削除についてお聞きをいたします。  削除について、これは、通信傍受、元々、スポットモニタリングの記録は消去され、捜査機関の手元に残らない。でも、電磁的記録提出命令ではずっと蓄積をされる。盗聴法三十三条三項、盗聴法では裁判所による消去の手続を規定しているが、電磁的記録提出命令については消去に関する規定がない。これ、致命的欠陥ではないですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 若干繰り返しになるところもございますが、通信傍受は、先ほど申しましたとおり、一定の期間にわたって現に行われている他人間の通信の内容を知るため、当該通信の当事者のいずれも、いずれにも事前に告知しないで行うものでございまして、継続的、密行的に、憲法の保障する通信の秘密を制約する処分でございます。  こうした通信傍受の性質を踏まえまして、通信傍受法におきましては、裁判所が傍受等の処分を取り消す場合において、当該傍受に係る通信が傍受すべき通信等に当たらない場合には、検察官等に対してその保管する傍受記録の消去を命じることとしているものと考えられます。  これに対して、電磁的記録提供命令は、通信の秘密を制約するという側面はあるとしても、通信傍受と異なり、処分の一時点において既に存在している電磁的記録の提供を命ずるにとどまり、先ほど申し上げたような通信傍受の継続的、密行的に通信の秘密を制約するといった性質の処分ではないことから、電磁的記録提供命令と通信傍受とを単純に比較することはできないと考えており、その上で、現行法の下におきましては、捜査機関が証拠を押収した場合において、その押収処分がその後取り消されたとしても、当該証拠の複製等を廃棄、消去することとはされておらず、直ちに裁判において証拠として利用することもできなくなるともされておらず、最高裁判例によりましては、令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、これを証拠として許容することが将来における違法な捜査の抑制の見地から相当でないと認められる場合に初めて証拠能力が否定されるという取扱いが確立しているところでございまして、こういったことからしますと、御指摘のような消去の仕組みを設けないことは、我が国の刑事法の基本的な考え、御指摘のような消去の仕組みを設けることは、我が国における刑事法の基本的な考え方と整合しないものであるというふうに考えております。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 でたらめですよ。盗聴法のときだって、膨大な情報あったりする。だから、それは消去の手続があって、盗聴法二十九条、傍受記録を、傍受した通信を記録した記録媒体等から傍受すべき通信に該当する通信等以外の通信の記録を消去して作成する。そして、盗聴法三十三条三項、裁判所が削除命令やるんですよ。  でも、この刑事デジタル法は、関連しないもの、するものも含めて、ごそっと地引き網的に持っていきながら、それの消去の手続がないんですよ。消去の手続がないんですよ。膨大な情報を持っていってその消去の手続がないのは、この法案の致命的な欠陥の一つです。  今朝の朝日新聞に、捜査の個人情報収集、歯止めがない、削除を求める仕組みがないということが大きく取り上げられています。  個人情報の保護が厳格な欧州では、捜査のために集められた個人情報も監督対象。監督対象もないんですよ。個人情報保護委員会などの権限を拡大して、捜査のこれ、ちゃんとやるべきじゃないですか。EUの一般データ保護規則は、独立した監督機関を設置し、データ削除命令などの権限を付与するよう定めている。欧州データ保護会議は一八年、日本の捜査機関について、不要な個人情報を削除する仕組みが十分でないなどと懸念を示している。  にもかかわらず、この刑事デジタル法は、ごそっとやって取っていって、本人に通知もしない、分からない、にもかかわらず、個人のデータが蓄積していくんですよ。ごそっと取ることは問題です。でも、ごそっと取った後に、関係ないものは削除すべきじゃないですか。答弁が同じだったら結構です。これ、削除しないことは本当にプライバシー侵害で、一緒じゃないですか。盗聴法はプライバシー侵害するが、いや、過去のものを取るからプライバシー侵害しないなんて、へ理屈ですよ。盗聴法だって一部保存のデータ取るじゃないですか。全く納得がいかない。これ駄目ですよ。きちっとその削除の手続がないことについて駄目だと思います。  盗聴法では、捜査機関の濫用を防止するための制度的担保として罰則がありますが、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金、電磁的記録提出命令には罰則の規定もありません。盗聴法については、通信情報の実施状況、国会報告が出されますが、電磁的情報提出命令についても、これ報告すべきじゃないですか、きちっと明らかにすべきじゃないですか。大臣、どうですか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 政府、済みません、国会への報告ということでありますけれども、まさに、通信傍受法の方については、第三十六条におきまして、政府が毎年、その通信傍受の実施の状況を国会に報告し、公表すると、そうなっております。  これは若干繰り返しになりますけれども、これはやはり、通信傍受においては、継続的、密行的に、憲法の保障する通信の秘密を制約をする性質の処分であるということを踏まえて、その運用状況を国会に報告、公表を義務付けるということで、その通信傍受の制度の在り方、そして運用状況についての検討の資料、これは立法府の資料とするためにそうしたことを義務付けているものと考えております。  これに対して電磁的記録提供命令、これも繰り返しで恐縮ですけれども、通信の秘密の制約、ここに当たるケースも当然ありますが、しかし、通信傍受とは異なって、処分の一時点において既に存在をしている電磁的記録の提供を命ずるものにとどまるということで、先ほども刑事局長から申し上げたような継続的、密行的に通信の秘密を制約をする性質の処分ではないと、それは我々の認識でございます。  そして、今の刑事訴訟法上の差押え、あるいは平成二十三年の刑事訴訟法改正によって創設をされました記録命令付きの差押えにつきましても、それらの実施の状況の国会への報告、これは義務付けられていないということがございます。  そうしたことに鑑みても、今回のこの電磁的記録提供命令において、その御指摘のような国会への報告の仕組みを設けるべきなのかということでいえば、我々としては、それを設けるべきであるという立場には立っておりません。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 これ、是非報告をしてください。  盗聴法は通信の秘密を侵すけれども、この刑事デジタル法は余り侵さない、そうかもしれないけれどもなんておかしいですよ。侵しますよ。これからリアルタイムで取るかどうか。でも、繰り返しますが、盗聴法だって過去の保存されたものを聞くんですよ、聞く。それから、当時だって、リアルタイムではSNS取れないから、今までのものも取ると言っていたんですよ。同じじゃないですか。過去のものに遡って取るのと、これからリアルタイムで聞くのと、だって、通信の秘密を侵すことは一緒じゃないですか。それが何か通信の秘密を侵さないというのは笑止千万、言語道断ですよ。認められません。  捜査のための盗聴法は希代の悪法だと、私たち反対しました。これより悪いじゃないですか。通知もしない、消去もない、裁判所の消去の手続もない、国会への報告もない、罰則の規定もない、ないない、ないないなんですよ。準抗告も国家賠償請求訴訟もできないじゃないですか。通常の捜索差押えだったらできるんですよ。だから、それが適法性担保してきた、やってきましたよ。それを全く無視する、大問題です。  次に、現状の捜索差押えの問題点についてお聞きをいたします。  配付資料をお手元に配っております。これ、差押え、記録命令付差押え、捜索許可状、検証許可状、令和六年、二〇二四年ですね、請求は二十五万三千七百三十六件、却下は四十六件、却下率〇・〇〇〇一八一です。令状ってこれ、自動販売機のようにお金入れたら飲物が出てくるように、令状を請求したら却下されないじゃないですか。〇・〇〇〇一八一なんて誤差にしかすぎない。運が悪かったら飲物が出てこないという状況で、令状主義は機能していないんじゃないですか。  河津参考人は、これで厳格な令状審査が行われてきたと想像することは困難ですと言いました。最高裁、どうですか。

平城文啓最高裁判所事務総局刑事局長

○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答え申し上げます。  件数につきましては個別の判断の積み重ねでございますので、事務当局として所感を述べることは困難でございますが、御指摘の令状請求に関しましては、一定数取り下げられているものがあるほか、また、請求に係る対象物の一部を除外するなどして令状発付がされることもありまして、御指摘の数字のみで令状審査の適正さを評価することは困難であると考えております。  その上で申し上げますが、各裁判官においては、捜査機関から提出される疎明資料を丁寧に点検し、被疑事実の存否、被疑事実と対象物との関連性、強制捜査の必要性等を慎重に判断しているものと認識しております。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 保釈がなかなか認められなかったじゃないですか、大川原化工機事件で。がんと分かっていて保釈が認められなかったんですよ。七回、保釈請求却下だったと思います。そのほかのものに比べても、捜索差押えは身柄の拘束をしないせいか、却下率が四十六件しかないんですよ。だから、いやいやいや、令状主義がある、電磁情報提出命令、令状主義があるから大丈夫ということは全く信用できないというふうに思います。  次に、提供情報、提供対象情報の特定についてお聞きをいたします。  衆議院の中で、やっぱり驚くべきことに、森本さんは黒岩さん、柴田さんの質問に対して、関連しないものも、関連しないものも入ることがあり得るというふうにおっしゃっていることに驚いています。  まさに、これで関連しないものも押収される、提出命令でいくということでよろしいんですね。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 本法律案による改正後の刑事訴訟法においては、裁判官が発する電磁的記録提供命令の令状に提供させるべき電磁的記録を具体的に特定して記載、記録することとしておりまして、その令状審査において、裁判官は、捜査機関から提出された被疑事件等の内容や捜査状況等についての疎明資料を踏まえ、個別の事案ごとに、提供させるべき電磁的記録をできるだけ特定して令状に記載、記録することとまずなります。  そして、このように、捜査機関が電磁的記録提供命令により提供を命ずることができる電磁的記録は、裁判官が被疑事件との関連性を認めて令状に記載、記録したものに限定されることになりますのでというふうにまず考えておりますが、その上で、このようにして裁判官が発した電磁的記録提供命令の令状によって提供させた電磁的記録の中に、結果として被疑事件等の立証に直接は用いられないものが含まれることがあったとしても、そのことによって電磁的記録提供命令が直ちに違法、不当の評価を受けるものではないという趣旨の答弁を申し上げました。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 今もおっしゃっていますが、森本さんは衆議院でも、被疑事件等の立証に直接的には用いられないものも含まれることはあり得ると答えていて、これ大問題です。  そして、どのような令状が出されるのか。これも衆議院のですが、何年何月から何年何日までの期間を区切って、電話番号、何々番号の電話番号によって送受信されたメールの通信記録及びその内容ということなのか、それとも、いやいや、同じ要件に前提条件を加える、本件犯行に関係すると思料されるものという条件を入れてやるのかどうかということなんですが、森本さんはここで答弁で、事業者の人は本件に関係しているか否かということに対する判断がなかなか難しいから、前者ですよね。  だから、結局、森本さんの電話番号の送受信について、何月から何日まで全部と言って取るということでよろしいですね。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 繰り返しになりますが、まず、それを、今先生がおっしゃったように、期間に、例えば、期間というか、いつからいつまでの通話明細というような形の令状請求が考えられるということを申し上げました。それは、今も全く同じように、有体物で出してもらうという形でやるとしても同じような請求をしておりますけれども、基本的には、例えば通話明細の特定であれば、いついつからいついつまでの、どういう、私の電話番号を書いて、こういう電話番号の通話の方の明細という形で特定することはあり得るというか、そういう形のものが考えられるということを申し上げました。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 結局、事業者って分からないから、覚醒剤なのか何なのかと言われても分からないから、何日から何日まで一か月間のこの人のメール、フェイスブック、あるいはLINE、LINEグループ、全部出すんですよね。今の話はそうじゃないですか。だから、物すごい量のものが出ていくし、特定なんか実はないんですよ。  それで、具体的な執行方法についてお聞きをします。  事業者に行ったときには、例えば、じゃ、誰が操作をするんですか。事業者に命じて、今あるように覚醒剤についての通話というのはなかなか取れないと思うので、じゃ、その何月から何日まで一か月間のこの人の分というのを指示して事業者がやるんですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) そこは現在の実務と変わらないというふうに基本的に考えておりまして、現在も通信事業者等につきましては、先ほど言いました、例えば、いついつからいついつまでの私の使っている携帯番号の通話明細というような請求をいたしますと。どれが、どれだけのものが取れるかどうかというのは、これはできます、これはできませんというのは、なかなか全部は言い難いということは前回も申し上げましたけど、請求いたしますと、それを向こうが選別して、事業者側が選別して、選別してというか、その期間のものを、通話明細を今は有体物に落として出してくださっているという形になります。    〔委員長退席、理事矢倉克夫君着席〕  それを、この法律案の趣旨でも申しましているとおり、一回一回対面で有体物を出してもらうという事業者の利便性のところも判断するということですね。これからは、もし仮に通話明細のようなものであれば、こういう明細をお願いしますという形で、電磁的記録提供命令が出ましたのでということで例えばオンラインで送り、それをデータで送っていただくと。事業者がその範囲、令状を見て、それを特定して送っていただくというような形が想定されております。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 一日に千通ぐらいメールもらう人もいれば、何百通もらいますよね。そして、LINEがあったりメッセンジャー、フェイスブックのメッセンジャーグループがある。だから、森本さんのそのSNSの一か月分といったらすごい膨大ですよ。あなたの交流関係が全部出てくるし、関係ないメッセンジャーグループの人もLINEグループもチャットも全部出てくる。どれだけの情報を本当に取るのか。今おっしゃったことでいえば、すさまじいことですよ。それで、事業者が、じゃ、それを、覚醒剤とかできないから、森本さんのSNS、ばあんと送ってくる。  じゃ、次に、電磁的記録提出命令が被疑者、被告人を対象としている場合、被疑者、被告人に対する執行はどのような方法でなされるのか。被疑者、被告人が対象となる場合の執行の方法について、法制審議会について議論はされていません。事業者だったらもうパスワードというのは関係ないから取って全部送るわけですが、本人だと、本人というかその被疑者、被告人だったら、パスワードを口頭で述べさせることもパスワードを書かせることも強制できませんね。どうするんですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) まず、被疑者、被告人に直接命ずるという、捜査機関が令状出たものについて命じたときの執行方法という形で申し上げますと、もちろん、先生おっしゃられたように、供述を求めるというようなことは想定しておりません。  他方で、これも繰り返し御答弁申し上げているところですが、捜査機関側としては、我々の方で視認できるもの、例えば見える状況にして出してくださいということは一応言うことができると考えられると、そういう令状も発付されるということが考えられますので、例えば、特定されたこの情報につきまして捜査機関側に見える形で出してくださいということを言って、見える形で出してもらうというようなことが想定されます。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 パスワードを自分は言いたくないし提供しない、私は操作をしてそれを出すこともしない、これはオーケーですね。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 出すことをしないというのは、データをということ。  電磁的記録提供命令が出た場合にデータは出していただかなければならないという形になります。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 だから問題だと思います。  自己負罪拒否特権がここで問題になりますが、パスワードを教えろって言われて、パスワードは教えません、これはできるわけですよね。でも、パスワードは教えないけど、おまえは今ここで操作をして、パスワードを自分で入れて出せだったら、同じことじゃないですか。俺にパスワードを教えろと言うのか、おまえが操作しろと言うだけの違いで、本人は、自分が物すごく犯罪になる、自己に不利益なことは強制されない、憲法の規定じゃないですか。自己に不利益なことは供述させられないし、しなくていいんですよ。参考人の渕野さんとそれから河津さんが両方言いました。そのとおりですよ。  局長、あなたに私はパスワードを教えません。私はあなたに教えないんだから、私が今ここで操作することもしません。同じことじゃないですか。おまえは俺に教えなくてもいいけど、おまえは操作しろというのはおかしくないですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 具体的な場面であなたが操作しろという形になるかどうかは、今後の運用のところになりますので、一概には言えないと思いますけれども。    〔理事矢倉克夫君退席、委員長着席〕  今先生がおっしゃったところでいいますと、アルコールの呼気検査が有名な最高裁判例でございますけれども、呼気検査をしてくださいと言って、それについて最高裁判例は、アルコールの呼気検査については、自己に仮にそれが結果としてその飲酒の事実が分かるという作用はあるとしても、供述を強要するものでないので、自己負罪特権、憲法三十八条との関係では問題ない、許されるという立場を取っておりまして、私どもはその立場と同じ立場で、電磁的記録提供命令についても、その被疑者あるいは被告人、いや、基本的には被疑者です、被疑者に提供してもらうということについても違法ではないというふうに考えております。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 だから問題だと思いますよ、その見解が。  何で今回こういう改正法を出したのか。つまり、今、スマホを取ったり、いろいろもう面倒くさい、本人に操作しろと言っても、本人が拒否したりすると出てこない。だから、もう手っ取り早く、手っ取り早く提出命令出して取っちゃえという捜査側の都合だけじゃないですか。  これ、参考人が繰り返し、二人の参考人が言いました。電磁的記録提供命令と自己負罪拒否特権との関係につき、言語による観念の表出を強いるものではないから呼気検査と同じとの説明がなされていたが、例えばスマートフォンには個人の思想そのものが推知されるデータが膨大に含まれているのであるから、電磁的記録の提供を強制することと呼気検査と同視することはできない。そうですよ。  そして、憲法三十八条一項、自己に不利益な供述、すなわち頭の中にある観念を表出することを強要されない権利というのはあるんですよ。これを踏みにじるものじゃないですか。俺におまえのパスワードを教えろということは拒否できるけれども、おまえがやれということを強制されるんだったら、同じことじゃないですか。あなたに教えるか私がやるかだけの違いであって、同じじゃないですか。これ、自己負罪拒否特権を明らかに踏みにじるもので、絶対に許すことはできないと思います。  次に、電磁的記録提供命令違反は罰則の対象とされることから、罰則を恐れて必要性、関連性のない電磁的記録まで提供されるおそれがあります。  電磁的記録提出命令によって何が義務付けられ、何が義務付けられないのか、パスワード等を供述する義務がないということは常に教示する必要があるのではないですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) まず、電磁的記録提供命令で、例えば大手通信事業者等が基本的にはメインで、何というんでしょう、主要な相手方として想定されるというふうに思いますけれども、捜査機関におきましては、そうした事業者との間で必要に応じて事前の調整を行った上で行うものですから、当該電磁的記録を提供してもらう場面において、例えば通信事業者にパスワードを強要するようなことはまず想定し難いというふうに思います。  したがって、一律に、そういった被処分者に対して御指摘のような教示をすべきというふうには考えません。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 個人に対して捜索、押収するときに、スマホを押収したりするときに、パスワードをおまえ入れろと、おまえというか、あなた入れてくださいと言ったりしていますよね。そこで拒否できると、一般の人、思いませんよ。  だから、これは、相手が事業者であれ個人であれ当事者であれ、毎回必ず、パスワード等を供述する義務はあなたにはありませんということを教示してくださいよ、だって分からないから。普通の人は、何か言われて、ちょっと自分でそこでパスワードをやって渡しなさい、読めるようにしてくださいと言ったら、ああ、そうかと思ったり、あるいは私にパスワードを教えなさいと言われたら、そうかとやっぱり思いますよ。捜査機関に逆らったら恐ろしいと思っているから言いますよ。常にこれ教示してください。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 通信事業者の場合には本当にいろんなケース・バイ・ケースで、いろんな情報が考えられますし、本当にいろんなものがあるので、一律に御指摘のような教示をすべきというふうには私ども考えませんが、もっとも、電磁的記録提供命令をするに当たって、捜査当局において、電磁的記録提供命令が当該電磁的記録に係るパスワード等の供述を強要するものでないことを含む制度の、制度内容の正しい理解を前提としつつ、必要に応じて、供述を強要するものでないことを被疑者に、被処分者ですね、済みません、被処分者、個人等の被処分者に教示するなど、その権利を不当に侵害することがないよう適正な運用がなされる必要はあるというふうに考えております。  そこで、改正法が成立した場合には、捜査機関において適切な運用の在り方を検討していくものと承知していますが、法務省といたしましても、今の点も含めまして、通達等により捜査機関に対し制度内容や運用上の留意事項の周知を図ってまいりたいと、その点は考えております。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 今答弁で、あるいは法務大臣は本会議で、必要に応じて、供述を強要するものでないことを相手方に教示するなど、適正な運用がなされる必要があると答弁しました。  教示の必要がないのはどのような場面なのか、問題です。相手方が事業者であれば毎回教示する必要はないかもしれませんが、相手方が被疑者、被告人であるときは教示の必要性は常にあると思います。あるんじゃないですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) どういう時点のところでどういう、捜査のどの段階でどういうふうに出すのかによっても変わってくると思います。御案内のとおりなんですが、なかなか一くくりにはできないところはありますけれども、例えば、被疑者、被告人的立場であった方だったとしても、会社犯罪的な形態で、会社としても全面的に協力しますというようなパターンというのも幾つもあるわけで、そのような場合に、いやいや、協力します、捜査には協力しますと言っている人に、いやいや、本当は出さなくていいんですよとか、言わなくていいんですよということを常に告げていくかというような問題はあろうかと思います。  ですので、一律にとは申しましたが、先ほど申しましたように、適切な運用、適正な運用がなされるということは大切であると思いますので、そういった意味で、必要に応じて、供述を強要するものではないことを被処分者に教示するなどの運用がなされる必要があるというふうに考えております。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 ちゃんと運用してください。あなたには黙秘権がありますと初めに言うように、ちゃんとこれは、あなたは供述をしなくてもいいですということをちゃんと言うべきで、これは徹底してすべきだと思います。  電磁的記録提供命令違反の罪の正当な理由がなくという要件の正当な理由、法百五条の二によって準用される公務上の秘密や業務上の秘密に該当することを理由に提供を拒む場合、これはどうなんでしょうか。憲法三十八条一項により供述を拒む結果として電磁的記録が提供されない場合も含むというべきであるが、その理解でよろしいですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 電磁的記録提供命令違反の罪の正当な理由がなくとは、違法にという意味であるというふうに解しておりまして、明文の規定により電磁的記録提供命令の拒絶権が認められている、認められている場合のほか、実質的に違法性を欠くと認められる場合も含まれると考えます。  その上で、どのような場合が正当な理由がある場合に当たるかにつきましては、個別の事案ごとに具体的な事実関係を踏まえて判断されるべき事柄であると考えますが、あくまで一般論として申し上げますと、電磁的記録提供命令は、既に存在している電磁的記録の提供を命ずるにとどまり、供述を強要するものではないことから、自己に不利益な内容が含まれている電磁的記録の提供を命ずる場合を含め、憲法三十一条一項に抵触するものではないと考えております。  そのため、電磁的記録を提供することにより自己の刑事責任を問われる可能性があるとしても、そのこと自体は通常、命令違反についての正当な理由には当たらないものと考えております。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 これ、命令違反をやって処罰するんですよね。だから、出せやということじゃないですか。  これ、河津参考人と渕野参考人による批判が、この点、参考人質疑でありました。自ら進んで自分の自由を束縛しろと、自己を破壊するような行動をするように迫ることは人権の尊厳に対する侵害である、侵害のポイントは自己に提出させるという点である、不利益記載のある日記を自ら提供させる行為と比較する必要がある。  人は誰も自分に不利益なものを出す必要ないんですよ。だけど、それを処罰、罰則の規定で強制するとしたら、それ人権侵害ですよ。間違っている。自己負罪拒否特権の憲法違反だと思います。だから、これは、おまえは操作をしろと、暗証番号入れてよこせと、絶対に実務上やらないでください。やれないですよ。  次に、電磁的記録提出命令に関して、電磁的記録の期間の定めはありません。森本さんは、これは例えばコンピューターの中に保存されているエクセルファイルなどがあるからと言いますが、幾つもエクセルファイルがあったらどうするんですか。  これ、今回の改正法案、改悪法案には期間の定めがないんですよ。これ、致命的欠陥じゃないですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 電磁的記録提供命令を受けるときに、期間というのは、そのデータのいつからいつまでという期間ということでございましょうか。  それらによって特定されるものもあると思いますし、前回も申し上げたんですけど、例えばですけれども、エクセルというのはそのソフトに着目した言い方になりましたけど、物に着目しますと、例えばエクセルで作った仮に住所録というようなものがあって、その個人、AさんとBさんというのが知り合いなのかどうかということが問題になるときに、住所録というものをデータとして差し押さえる必要があるというような場合に、その住所録、エクセルの住所録というのを仮に特定するとすれば、どこの、例えばどこにある住所録とか、このフォルダのとか、いろんな特定の仕方あると思いますけど、期間ではない形で特定する場合もあり得る、そういう趣旨で申し上げました。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 この電磁情報提出命令は、今日、今日というか、今まで答弁であるように、何月から何日までの森本さんのこの電話番号の送受信全てって取るわけですよね。さっきも言ったように、事業者、サーバーは、覚醒剤とかなんとか言われても分からないから、それを全部ごっそり出す。しかも、これ条文上も期間の定めって別に付ける必要もないとしたら、どこまで取るんですかという話です。  繰り返し言いますが、そこで、ですから、本件に関係しているか否かのことに対する判断がなかなか難しいから、だから、その何々犯罪とかいうのは入れないわけだし、それから、森本さんも、今日もそうですが、被疑事件等の立証に直接には用いられないものも含まれると、これが本当に問題だと思います。  つまり、河津参考人も参考人質疑で言っていましたけれど、ごそっとその人に関する情報を集めるわけですよ。捜査のときに、妹さん、もうじき結婚するんじゃないですか、婚約中ですよねとか、河津さんが言いましたが、子供のときの成績で、取調べのときにそれを使うとか、よくあるのは家族のことで、家族がこういうふうに心配している、家族の中に病人の人もいて大変なんじゃないかとか、あるいは、妻はこのことを知っていたら妻も共犯としてやる可能性もあるよとか、いろんな形でその人の人間関係で取調べをすることもあるわけです。  内部告発をした人が、公益通報をした人がいたら、その人間を特定し、そのパソコンを全部洗って、その人の交友関係洗って、そしてあることないこと言って、その人が自殺に追い込まれるみたいなことが起きました。  同じようなこと、つまり、私が言いたいことは、犯罪の事実だけではなくて、これ政治家なんかはもっとそうですよね、全部のものをごっそり取って、どこかに弱みはないか、どこかに何かはないかというのを取調べとして使う。これ、取調べとして使うだけではなくて、本人は知る由もない、その膨大な情報が警察に集積をどんどんされていって、その消去の仕組みもなければ、監視の仕組みもなければ、報告の仕組みもなければ、裁判所の消去命令もないんですよ。ひたすらため込んでいくという、これは駄目でしょうという、この法案の本当に致命的欠陥だと思います。  検察官が弁護人に対して証拠を、ごめんなさい、証拠書類等の閲覧、謄写の機会を付与するに当たっては、関係者のプライバシー等を保護しつつ、防御権の制約や手続上の遅延を解消する観点や弁護人の利便性の向上を図る観点から、弁護人の要望を踏まえつつ、できる限りオンラインによる電磁的記録の閲覧、謄写の方法によることを可能とするとともに、電磁的記録については複写による謄写の方法も認めるべきではないですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) まず、本法律案による改正によりまして、証拠書類や証拠物が電磁的記録である場合に、検察官の選択によりオンラインの方法や電磁的記録を複写する方法による証拠の開示が可能となります。そのことは、弁護人の防御準備における利便性の向上に資するものと考えております。  他方で、オンラインの方法や電磁的記録を複写する方法による証拠の開示については、紙媒体による場合とは異なる情報流出のリスク等があるため、これらの方法による証拠の開示に当たっては、関係者のプライバシー等の保護やセキュリティーの確保も重要でございます。  こうしたことから、その場合における検察官による証拠の開示につきましては、関係者のプライバシー等を保護しつつではございますが、弁護人の防御準備における利便性の向上を図る観点から、弁護人の要望を踏まえつつ、できる限りオンラインの方法や電磁的記録を複写する方法による証拠の開示を認めることが望ましいと法務省当局としては考えておりまして、本法律案が改正法として成立した後には、検察当局においてもこのような観点から適切な運用に努めていくものと承知しており、また、そういった形で周知徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 配付資料があります。捜査機関・裁判所、証拠、訴訟書類、令状、電子化、マル、被疑者・被告人、電磁的記録の授受も閲覧も不可、弁護人が印刷して差し入れる紙のみ閲覧可、バツというふうに、手続の非対面化・遠隔化でも、オンライン接見の権利なし、一部地域のみ電話による非対面外部交通試行となっていますが、局長、これ、マル、マルとなるということでよろしいんですね。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 基本的に、ちょっとこの前の委員会でも若干申し上げましたが、刑事訴訟法の立て付けの問題で分かりにくくなっているところはあるかもしれませんけど、今、実務におきましては、検察官請求証拠というのは基本的に検察官から弁護人に直接まず公判前に開示するという形になっておりまして、それについては、今申しましたとおり、オンラインの方法とかによることが望ましいと考えておりますので、先ほど言ったような例外的な、例えば性犯罪とかそういう例外的な場合を除いては基本的にはマルになるというふうに考えております。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 捜査機関が収集した証拠も含めて全ての証拠が改ざんや破棄等をされることなく適切に保管され、一覧性のある形で整理された状態で弁護人に開示される措置を講ずるべきではないですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 捜査機関におきましては、一般に、捜査の過程で取得した証拠につきまして、刑事訴訟法、刑事確定訴訟記録法といった法令等の規定や趣旨に従って適正に取り扱うということとなっているものと承知しておりますけれども、本法律案が改正法として成立した場合にも、こうした証拠が適切に保管、管理されることは重要である、重要でありますので、捜査機関においては、収集した証拠が改ざん、差し替えや破棄等されることなく適切に保管される措置を講じていくように努めるものと承知しております。  他方で、御指摘のように、全ての証拠について一覧性のある形で整理された状態で弁護人に開示する措置を講ずることにつきましては、これは検察官の手持ち証拠の弁護人への全面開示とか、全て開示するということになると思うんですが、それにつきましては、その仕組みにつきましては、平成十六年の刑事訴訟法改正により証拠開示制度が導入された当時も、長時間掛けて議論された結果、争点及び証拠の整理が十分にされなくなるなどの弊害が指摘されて採用されず、その後の法制審議会におきましても、現行制度の合理性や実際の運用状況に鑑みて現行の証拠開示制度の枠組みを改める必要はないとされたところでありますので、そのような全面的な開示の仕組みを講じるということについては慎重な検討が必要と考えております。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 河津参考人が参考人質疑で、証拠の不適正な管理により無罪証拠が隠されることは最近も繰り返されていると言いました。  これ、どう見ますか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 基本的には、今申しましたとおり、検察庁といたしましては、警察から送られてきた記録につきましては先ほど言ったような法令に基づいて管理し、かつ、それにつきましては証拠開示の仕組みに従って弁護人に開示するということをしておりますので、そのようなことは基本的にはないというふうに考えております。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 いや、実際起きているために、これ、参考人からこういう意見が出たわけです。  電磁的記録による証拠の開示はどのように行われるんですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) まず、改正後につきましては、刑事手続において取り扱われる書類の多くが電磁的記録として管理、今まで紙だったものも含めて、全て紙から電磁的記録として作成、管理されることになると想定されておりまして、電磁的記録そのものが証拠書類又は証拠物として取り扱われることも想定されます。  こうしたことを踏まえて、本法律案においては、証拠書類や証拠物が電磁的記録の場合における証拠の開示の方法等に関する規定を整備することとしておりまして、具体的には、証拠書類や証拠物が電磁的記録である場合における閲覧の機会の付与は、その内容を表示、再生したものを閲覧、視聴する機会を与えること等々の手法を決めておるんですが、先ほども申しましたが、検察官の選択によりまして、弁護人の準備との関係でオンラインによるのが望ましいというふうに申しましたので、オンラインの方法や電磁的記録を複写する方法によって証拠の開示を認めていくという方向性になっていくのではないかというふうに考えております。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 電磁的記録である書類の電磁的方法による授受を実現する必要性についてはいかがですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 授受というのは、基本的に、それを弁護人が受け取った後に被告人にという趣旨でございますですね。  電磁的記録の授受や閲覧を身体拘束中の被告人等の権利として位置付けることにつきましては、法制審議会において議論がなされたものの、授受や閲覧に用いる機器について被告人等がこれを破壊するなどして自傷他害行為に用いる可能性があるほか、不正な通信等の防止のための設備が必要になること、電磁的記録の検査のため刑事施設等の業務全体が圧迫されかねないなどの問題点が指摘されて、答申に盛り込まれなかったものと承知しております。  こうした議論を踏まえますと、電磁的記録の授受や閲覧を身体拘束中の被告人等の権利として位置付けることは相当でないと考えておりますが、他方で、弁護人等から身体拘束中の被告人等に対し、電磁的記録である証拠書類を記録した記録媒体が送付され、それが刑事裁判の遂行上必要不可欠と認められる場合などにおいて、被告人等による自傷他害行為のおそれを含む施設の規律及び秩序の維持や管理運営上の支障について、個別具体的な事情を踏まえて慎重に検討の上、その支障の程度が小さいと考えられるときには、裁量的にその閲覧を一時的に認める余地はあるものというふうに考えております。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 駄目ですよ。だって、分からないじゃないですか。被告人、攻撃防御できないですよ。自分のいろんなものはごっそり取られて、そしてそれが自分の元には来ないわけだから、私は一体何なんだろう、どんな証拠があるんだろう、弁護人との打合せも全然できないじゃないですか。それ、駄目ですよ。駄目ですよ。  この刑事デジタル法は捜査のために都合よく作られていて、全部取っちゃうぞという。そして、本人が暗証番号教えないと言ったところで、それでも、そんなことなんかなくても、おまえがやれと言って、取っていくぞ、全部取っていくぞと取っていって、不服申立ても本当にできないような形になる。にもかかわらず、取ったものが、それ、被告人とまさに弁護人の間でそれができなければ、攻撃防御ができないじゃないですか。  オンライン接見の環境整備はどう考えていますか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) お尋ねの今オンライン接見、この環境整備ということでありますが、刑事訴訟法上の権利という位置付けではありませんが、我々としても、その必要性の高いそういった地域があるということは重々認識をしておりますので、そういった意味から、その実務的な運用上の措置として、これまでも一部地域において検察庁や法テラスと拘置所との間のオンラインによる外部交通、この実施をしてきたところであります。  現在、更に弾力的にその実施を拡大をしていくように、関係機関とあるいは日本弁護士連合会との間での協議、これを実施をしておりますし、そういった意味で、その協議の結果、これ踏まえまして、我々としても、本年度、オンラインによる外部交通実施のための環境整備経費、これを計上していて、今後も、各地域の実情、これに応じて、これ各地域の弁護士会ともいろいろ、日本弁護士連合会を通じていろいろ情報をいただいていますけれども、そういった相談もさせていただきながら、各地域の実情に応じて順次拡大をする、そういった方針でいるところであります。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 ビデオリンク方式による証人尋問ですが、実効的な反対尋問権を侵害する、証人の態度を観察することが困難になるという問題があります。  渕野参考人が、共犯者的立場の証人は対面での反対尋問権を保障する必要性が一層高いが、共犯者的立場の証人の証言を切り崩されることを妨害する目的で悪用される危険があると言いました。そのとおりだと思います。  そして、今日、私、二点ちょっと確認させてください。  森本局長は言っているように、提出命令にその被疑事実、覚醒剤とか書いたって事業者は分からないわけだから、覚醒剤とか被疑事実書かないんですね。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 電磁的記録提供命令……(発言する者あり)命令にですか、請求書。済みません。

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 質問をもう一度お願いします。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 済みません、失礼しました。  恐らく、提出命令と令状には例えば覚醒剤とか書くんだと思うんですが、何を押収するかというときに、何を差し押さえるかというときに、何月何日から何日までの森本さんのSNS全てと書いてあって、麻薬に関する件とかは書かないということでよろしいんですね。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) まず、そのデータが、全てのというのがどこまでの範囲なのかというのによりますけれども、例えば通話明細を請求するとすると、命令の中では、こういうものを提出してくださいというその提供すべきもの、データが書かれているということになりますので、そこの命令書に、覚醒剤の事実で捜査しているとして、覚醒剤という記載があるかということではないんですか。済みません。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 私が質問しているのは、事業者は、覚醒剤と書いてあっても、このメールが覚醒剤なのか、このフェイスブックのメッセンジャーが覚醒剤なのか分からないから、結局、覚醒剤事犯についての提出命令かもしれないけれど、何月何日から何日何時までの森本さんのSNSについての記録という形で取るんですねという確認です。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 失礼いたしました。  実際にどこの事業者との間でどういうものが取れるかという問題がちょっと裏にあるものですから、今のような形で正直言って多分令状請求することは難しいんですが、ただ、SNSじゃなくて、例えば通話明細に、済みません、限定させていただきますけど、通話明細取るときに、その今おっしゃったような、何か覚醒剤ということは分からない、いつからいつまでの私の通話明細と、こういう、私の番号の、発信番号の通話明細という形の特定になろうかと思います。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 だから、とんでもないんですよ、改めて言いますが。つまり、事業者は、これが覚醒剤か何かというのをそんな選別とかはできないし、その場でもできないから、結局、森本さんの何月何日から何日何時までの通話一切と取ったら、もうごそっと地引き網じゃないですか。関係ないものも取ることがあり得るとあなた答弁して、し続けているけれど、関係あるものとないものでも、関係ないものがほとんどで、そういうものがごっそり取られることが本当に問題だと思います。  この間、田島委員から、四月二十四日の法務委員会で、法制審議会の部会の委員長、幹事の構成が不公平なのではないかという意見がありましたが、そのとおりだと思います。研究者の委員、幹事は法務省事務当局の提示した案への批判的意見は述べず、研究者委員、幹事の間で議論が交わされることもなかった。委員、幹事の人選の在り方を見直す必要があると思います。  そして、まさにこの法案は……

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 時間過ぎておりますので、質問は簡潔にお願いします。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 分かりました。  不服申立てができない、知る由がないというところが、根本的にそれも致命的欠陥であり、今日の質疑の中で通話全部取っちゃうんだということも分かって、これは本当にひどいと思います。悪法です。盗聴法より悪法ですということを申し上げ、私の質問を終わります。     ─────────────

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、梶原大介君が委員を辞任され、その補欠として山東昭子君が選任されました。     ─────────────

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いします。  情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法の一部を改正する法律案、略して刑事デジタル法ということになるかと思いますが、こちらについても伺いたいと思います。  趣旨説明の方でも趣旨を述べ、目的の中で、まず、刑事手続円滑化、迅速化、そして関与する国民の負担軽減ということが書いておりました。こちらで書いてあるこの関与する国民というのが具体的に誰で、軽減すべき負担としてはどういったものを想定しているのか、誰一人取り残さない、全ての人が享受できるようにどういう負担の軽減というのを目指しているのかを、まず法務省に伺いたいと思います。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) まず、本法律案におきましては、証拠書類の電磁的記録化等によりまして、弁護人が電磁的記録である証拠書類について裁判所や検察庁においてコピーの手間なく謄写をすることを可能とすること、それから、身体拘束に対する申立て、不服申立て等をオンラインにより迅速に行うことも可能とすることなどとしておりまして、これらを通じまして、被疑者、被告人、それから弁護人側の防御上の負担が大幅に軽減されることが期待されるというふうに考えております。  また、犯罪被害者等が被害者参加人として公判廷以外の場所に在席して、ビデオリンク方式により公判期日における手続に参加することを可能とするところとしておりまして、これを通じまして、犯罪被害者等の精神的負担が軽減されることも期待されます。  さらに、本法律案におきましては、証人尋問をビデオリンク方式により実施することができる範囲を拡充し、例えば多忙な医師に専門家としての証言を求める場合等におきまして、ビデオリンク方式による証人尋問を可能とすることとしているところでございまして、これを通じて、証人の出頭に伴う業務上の負担等も軽減されることが期待されております、期待されます。  このように、本法律案は、捜査機関だけではなくて、被疑者、被告人、弁護人や、犯罪被害者、証人等の刑事手続に関与する様々な方々の多様な負担を軽減することを期待しているところでございます。  そして、本法律案が改正法として成立した場合には、各制度の内容や趣旨等を周知徹底してその適正な運用を図り、手続に関与する様々な立場の方々の負担軽減の効果が十全に発揮されるように努めてまいりたいと考えております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 訴訟、被疑者、被告人、弁護人のほか被害者等もということで、負担軽減ということでありますが、これは法案としては、手続の円滑化ということもあり、その上でまた、議論するに当たってまた今後の課題かもしれませんけど、デジタル社会においていかに国民全体の例えば裁判を受ける権利とかも含めた権利、これをどうやって保護していくのかという観点もまた私は重要であるなというふうに思います。  その上で、今話があった関与する国民それぞれの負担軽減ということで、例えば、警察、弁護士、検察、裁判所などの関係者が使用する環境によって、このデジタル社会においては必要なパソコンとか通信インフラに性能差がある。こういうデジタル化を進めるに当たっては、国民負担軽減という目的を果たす上でも、こういう性能差による時間や対応に差があってはいけないと思いますが、この点についての答弁を求めたいと思います。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 刑事手続のデジタル化を実現するための新たなシステム等の環境整備につきましては、機微な情報を取り扱い、犯罪事象への迅速な対応が常に求められるという刑事手続の特性に鑑み、高い情報セキュリティーの確保を前提とした上で、手続において取り扱う書類を電子データ化し、関係機関等との間で円滑、迅速にオンラインで発受することなどを可能とするものとなるよう、警察庁や最高裁判所等の関係機関及び設計開発業者と緊密に連携し、日本弁護士連合会とも協議を行いつつ検討を進めております。  御指摘のように、情報通信技術格差による支障が極力生じないようにすることも含めまして、刑事手続等の各場面において手続の円滑化、迅速化及びこれに関与する国民の手続軽減が図られるものとなるよう、今申し上げましたような関係機関と検討を進めて、そういった支障が生じないようにという形で努めてまいりたいと考えております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 これは手続の、刑事手続の話のみならず、今言ったようにデジタル社会における権利をどういうふうに守っていくかという重要な視点もこの法案の中には入っていると思います。  その上で、大臣に伺いたいんですが、この目指すべきデジタル化というために必要な予算、これは確保する、ただ、法務省の予算というのは人件費がかなり掛かる、いろいろ裁量的な部分というのは限られているところもあり、その上でこのデジタル社会における刑事に関係する権利を保護する、そういう意味でも、政府全体が進めるデジタル化推進のための予算というのも更に獲得するためにも法務省としても推進力が必要かと思いますが、これについての大臣の御見解を求めたいと思います。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 政府全体ということのお話もございましたので若干触れますと、昨年の六月二十一日閣議決定をされましたデジタル社会の実現に向けた重点計画、この計画では、デジタルにより目指す社会の姿、あるいは理念、原則、そしてデジタル社会の形成のために政府が迅速かつ重点的に実施すべき政策等が定められているところであります。  今回、我々として、私どもとして提案をさせていただいておりますこの刑事手続のデジタル化、これ、この計画の重点政策の一つでありまして、刑事手続のデジタル化の実現のための法整備をし、刑事手続のデジタル化に向けた取組を推進をする、これ政府全体の方針にも合致をしていることだろうと思っております。  一方で、これ衆議院でも参議院でも、様々議論の中でも若干指摘もされておりますけれども、やはり、この刑事関係の情報、これかなり機微にわたるというかプライバシーのことも含めて、大変これは取扱いも大変な慎重を期さなくてはいけない状況でありますし、そういった意味でいうと、どのようなシステムをつくっていくのか、その堅牢性ということも極めてこれ大事になっていくと思います。  そうした中でいえば、今回、この刑事手続のデジタル化、これシステム構築を今、これは今、関係の業者等も含めて専門家等とも相談をしながらシステム設計を行っておりますけれども、まさにそこできちんとこうした不備がないように、そこは万全を期していく必要が特にあると思っておりますし、そうした観点から必要な予算要求、これも行わせていただく中で、デジタル社会の推進、これをきちんと実現をしていきたい、そう考えているところでございます。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 是非必要な予算の確保をよろしくお願いします。  次に、オンライン接見について伺いたいと思いますが、このオンライン接見については、全国一律実施に向けて予算面なども課題があるということ、権利化ということについては政府もまた意見があるところでありますが、国民負担軽減という観点からオンライン接見、これ最大限進めるべきと考えますが、政府の見解を求めたいと思います。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 法務省におきましては、実務的な運用上の措置として行っているオンラインによる外部交通につきまして、弾力的にその実施を拡大していくべく、現在、関係機関及び日本弁護士連合会との間で協議を実施しております。その協議会を踏まえまして、法務省におきましては、本年度、オンラインによる外部交通を実施するための環境整備経費を計上しておりまして、今ほど大臣からも御答弁ございましたが、今後もそうした予算等の獲得に努め、各地域の実情に応じて順次拡大することとしております。  法務省といたしましては、必要性の高い地域において迅速に環境整備を行うことが必要と考えておりまして、御指摘の観点も踏まえまして、引き続き、日本弁護士連合会等と協議して、一層その取組を加速してまいりたいと考えております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 電子化による負担軽減、捜査機関に対する負担軽減もあり、それとの比較の意味でも、刑事訴訟法の主体である被告人や弁護人に対する負担軽減というのは同様にしっかり図っていかなきゃいけないと思います。  このオンライン接見については、都道府県をまたぐニーズもありますが、都道府県をまたぐオンライン接見が禁止されるべき理由はないと理解してよいでしょうか。これも政府からまた求めます。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) オンラインによる外部交通につきまして、今ほど申し述べたような方針で日弁連等と協議しておりますが、その拡大の対象となる地域について、日本弁護士連合会や関係機関と協議の上、被告人等が収容されている刑事施設等が遠方の地域や、管内の弁護士が、弁護士数が少なく、遠隔地の弁護士が受任せざるを得ない地域など、その必要性の高い地域から選定することとしておりまして、先生おっしゃったような都道府県をまたぐというものも、別にそれから除かれているというわけではないんですが、他方で、そういったニーズがどこまであるのか、その日弁連等と協議する中で高いと言えるのかどうかという点を考えていく必要があると思っております。  法務省といたしましては、御指摘のような選択肢ももちろん視野に入れつつ、引き続き日弁連等と協議してまいりたいと考えております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 衆議院において、オンライン接見については、全国で設備が整っていく過程を見て、今後法制化を目指すことが確認をされました。  全国に設備が整うことが滞りなく進んでいるか、また、法制化に足りる段階に至っているのではないかを検証する機会を設定する必要があり、例えば五年後に検証するなども考えられると思いますが、参考人からまた、政府から答弁を求めたいと思います。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) いわゆるアクセスポイント方式によるオンラインの接見につきまして、法制審議会において、全ての刑事施設等でオンライン接見を実現する見通しが立たないのに権利化してしまうと、大部分の施設において被疑者等が法律上認められた権利を行使できないという状態が長期にわたって続くことになるといった指摘がなされたことなどを踏まえまして、本法律案においては権利として規定するところまではしておりません。  もっとも、法務省において、実務上の措置として、弾力的にその拡大を図るべく日弁連等と協議しているのは今ほど述べたとおりでございます。また、衆議院における修正後の本法律案の附則においても、身体の拘束を受けている被告人等と弁護人等との間における映像と音声の送受信による通話を可能とするための運用上の措置について、地域の実情を踏まえ、被告人等と弁護人等との間の秘密の確保に配慮するとともに不正行為等の防止に万全を期しつつ、必要な取組を推進するものとすると規定されたところであります。  こうした点を踏まえまして、引き続き一層取組を加速していきたいというふうに考えておりますけれども、その上で、オンライン接見の法制化につきましては、今後、ただいま申し上げたオンラインによる外部交通に係る取組の進捗状況を見ながら検討を行っていくこととしており、一定の期間が経過した段階での検証の機会を特別に設ける必要まではないのではないかと考えておりますけれども、いずれにいたしましても、法務省としては、附則四十一条の規定や御指摘の、あるいは衆議院における附帯決議等々も踏まえまして、着実に取組を推進してまいりたいと考えております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 これは、負担軽減というか、冒頭申し上げた権利保護というところからも必要なところだと私は理解しているので、是非また引き続き協議をし、また、私自身も随所にまた確認をしたいと思います。  オンライン接見については、弁護士との接見のみならず、専門家との面会にも拡大していくべきではないか、また、接見とは違いますが、家族との面会についてもオンラインなどを今後拡大していくべきではないかと思いますが、これも政府から答弁を求めたいと思います。

小山定明法務省矯正局長

○政府参考人(小山定明君) 一般論といたしまして、未決拘禁者につきましては、刑事訴訟法の規定によりまして接見が許されない場合などを除きまして、他の者から面会の申出がありましたときはこれを許すものとされておりまして、その機会については適切に保障されるべきものであると認識しております。また、福祉関係者等の専門家に関しましても、入口支援の対象となっております未決拘禁者につきましては、実務上可能な範囲で面会時間への配慮等も行われているところでございます。  他方、刑事収容施設法におきましては、未決拘禁者の外部交通といたしましてオンラインによる方法を定める規定はございませんで、刑事施設等における人的、物的な制約もございますことから、アクセスポイント方式によります弁護人等と未決拘禁者との間の外部交通を実施する運用につきましては、被告人等であります未決拘禁者の防御権への特別な配慮といたしまして、関係機関との協議を経て行っているものでございます。また、従来から、通訳人につきましては、アクセスポイント方式によります弁護人等と未決拘禁者等との間の外部交通に同席することができるものとされているところでございます。  いずれにいたしましても、以上の事情に鑑みれば、運用として行われておりますこのような外部交通を他の専門家や家族等といった弁護人等以外の者に対して拡大することにつきましては、刑事施設等の人的、物的な体制が限られる中におきましては慎重な検討を要するものと考えております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 デジタル社会、技術の進展等も踏まえて、必ず、拡大できるところはしっかり拡大できるということは随時検討を是非いただきたいというふうに思います。  四月一日、ちょっと大臣にお伺いしたいと思うんですが、四月一日の衆議院法務委員会で、大臣の方からは、電子データを記録した記録媒体の閲覧を認めることについても前向きな御回答があったと理解もしております。これ、できるところから電子データによる閲覧を検討するということ自体は異論ないということでよろしいでしょうか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 弁護人から身体拘束中の被告人等に対して、電子化をした証拠書類を記録した記録媒体が送付をされ、それが刑事裁判の遂行上必要不可欠と認められる場合ということでありますが、そういった場合に、被告人等による自傷他害のおそれを含む施設の規律、そして秩序の維持、あるいは管理運営上の支障、こうした個別具体的な事情を踏まえてこれは慎重に検討を行い、支障の程度が小さいと考えられる場合には裁量的にその閲覧を一時的に認める余地はあると、そういった趣旨で御答弁を申し上げております。  先日の答弁でも申し上げましたように、このような裁量的な取扱い、これは個別具体的な事情を踏まえて刑事施設等において検討、判断するということになりますけれども、可能な範囲で被告人の防御権にも配慮をした上で対応がなされるよう、私どもといたしましても、引き続き運用上の検討、これを行ってまいりたいと考えているところでございます。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 是非よろしくお願いします。  刑事訴訟法上、検察官請求証拠については、同意するか否か等の意見を述べる主体はこれ被告人でありますけど、今後、電磁的記録である証拠は格段に増える、電磁的記録で開示されるようになる、電磁的記録で開示されるようになるにもかかわらず、身体拘束されている被告人が電磁的記録で証拠を授受し検討できないというのはデジタル化を進める趣旨とも相違するのではないかという意見もあるわけですが、これについて政府の見解を求めたいと思います。

小山定明法務省矯正局長

○政府参考人(小山定明君) 弁護人等から身体拘束中の被告人等に送付されました、電子化された証拠書類を記録した記録媒体が刑事裁判の遂行上必要不可欠と認められます場合などにおいて、被告人等による自傷他害のおそれを含む施設の規律及び秩序の維持や管理運営上の支障について、個別具体的な事情を踏まえて慎重に検討の上、支障の程度が小さいと考えられますときには、裁量的にその閲覧を一時的に認める余地はあるものと考えております。  その上で、身体拘束中の被告人等による電磁的記録の授受や閲覧を権利として位置付けることにつきましては、法制審議会の議論において、授受や閲覧に用いる機器等を被告人等が破壊するなどして自傷他害行為に用いる可能性があるなどの問題点が指摘されまして、答申に盛り込まれなかったという経緯があるということを承知しておりまして、このような経緯に鑑みますれば、電子化した証拠書類の取扱いにつきまして、個別具体的な事情を踏まえて可能な範囲で裁量的な取扱いを検討、判断することをもって直ちにデジタル化を進める趣旨と相違するものではないというふうに考えております。  いずれにいたしましても、個別具体的な事情を踏まえまして検討、判断するということになりますが、可能な範囲で被告人等の防御権にも配慮した対応がなされますよう、引き続き運用上の検討を行ってまいりたいと考えております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 攻撃防御に関わるところで、けど、それが裁量で、まあ相手方の裁量というか、そういうところで認められなくなるというところはまた課題もあるかというふうに思います、検討しなきゃいけないところかと思います。いずれにしろ、可能な範囲でということでありますが、より積極的にこれは認められるように引き続き検討をお願いしたいというふうに思います。  身体拘束された被告人が電磁的記録を授受し検討できるような設備の整備をこれ進めるべきではないかと、直ちに一斉に対応できないとしても計画的に整備を進めるべきだと思いますが、これについても答弁を求めたいと思います。

小山定明法務省矯正局長

○政府参考人(小山定明君) 例えば、電磁的記録の授受や閲覧に用いる機器につきましては、市販されております一般的な機器を使用させる場合、仮に何らの措置もとらなければ、これが悪用されて不正な通信が行われたり、自傷他害行為が行われたりするなどの弊害が生じるおそれがありますことから、通信機能の制限や自傷他害行為の防止等の観点からの十分な対応が必要になると考えられます。  また、電子データの情報量が膨大でありましたり、映像データが含まれていたりします場合には、これらについて、罪証隠滅の防止や規律、秩序の維持のために行う検査を適切に行う観点からも、特別な対応が必要になるというふうに考えております。  これらの課題につきまして、直ちに関係機関等とも協議を重ねつつ検討を行うことも要するなどの点から、解決の道筋を示すということはなかなか難しいところではあろうとは思っております。  そのような中、個別具体的な事情を踏まえて慎重に検討の上、可能な範囲で被告人の防御権にも配慮した対応がなされますよう、引き続き運用上の検討を行ってまいりたいと考えております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 しっかり引き続き対応をお願いしたいと思います。  ちょっと一問飛ばしまして、デジタル化を進める上で切っても切り離せないのがこれセキュリティー対策になります。こちらについてちょっとお伺いしたいと思いますが、個人情報の流出等が決して起こらないような万全の対応策がこれ必要と考えます。  昨今、情報流出事件がこれ相次いでいるわけですけど、内部からの流出への対処、外部攻撃からの対処など検討されている対策はあるか、政府に答弁を求めます。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 委員御指摘のとおり、システムのセキュリティー対策等々について万全を期すことは極めて重要だというふうに考えております。  御指摘の内部からの個人情報の流出や外部からの攻撃への対処につきましては、まず機微情報へのアクセス制限や、あるいは刑事手続専用の閉域回線を通じて警察及び裁判所とデータを送受信することを含め、情報セキュリティー対策に万全を期すべく検討を進めているところでございます。  刑事手続につきましては、関係者のプライバシー、名誉に多大な影響を及ぼしかねない機微な情報が取り扱われることになりますから、万が一にも情報の流出等によって関係者の権利利益が侵害されることがないよう、万全を期してまいりたいと考えております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 今回の法改正では、これまで情報が記録された有体物たる差押物件とかが対応になっていたのが、これ無体物たる情報そのものが対応になることも一例だと思いますけど、これは今やはり局面も、プライバシーという点でもまた違う局面にあることは考慮しなきゃいけないと。だから、これまでの対応の延長ではやはりいけない。新たな局面を迎えるに当たって、どういう前提でどういうふうに情報を守っていくのか、これも新しい視点が大事であるというふうに思っております。  そういう観点から、また大臣にお伺いし、改めてしたいと思うんですが、確認の意味で。  今申し上げたように、無体物たる情報そのものが捜査機関を始め関係各所に提供され、保持されるということがプライバシーに与えるリスクというのはこれあり得ます。これをどういうふうに考えていらっしゃるのか、今回の改正によってプライバシーへの侵害の度合いというのは高まり得ると考えるのか、大臣の見解を求めたいと思います。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 捜査機関において、この電磁的記録提供命令によって提供を命ずることができる電磁的記録でありますけれども、これは、有体物を対象とする現行の差押え等の場合と同様、制度上、裁判官の方で被疑事件等との関連性を認めて令状に記録、記載をしたものに限定をされるということがまず大前提であります。  一般的に、電磁的記録につきましては、先ほどの御指摘にも関係しますけれども、紙媒体等の有体物と比べて、それ自体では人の知覚によって認識することはできないということ、あるいは複写が容易である、そうした性質はありますが、その一方で、そのことによって、電磁的提供命令の令状による特定、提供させるべき電磁的記録の特定は困難になるということではないと私どもとしては考えているところであります。  むしろ、電磁的記録提供命令の令状におきましては、被処分者に電磁的記録の提供を命ずる、そうした処分の性質上、被処分者において何を提供すればよいか判断をできるようにするために、提供させるべき電磁的記録が現行の差押許可状における差し押さえるべきものに比べてより具体的に特定をされることになると私どもとしては考えております。  そうしたことから、電磁的記録命令の創設、これによりまして個人のプライバシー等の権利がより広範に制約をされるということにはならないのではないかと私どもとしては認識をしているところであります。  もっとも、本法律案が改正法として成立をした場合に、やはり捜査機関、これが捜査の過程で取得、作成をした電磁的記録について、やはりこの適切な管理あるいは不適切な利用の防止、必要な期間経過後の確実な廃棄、これを図っていくということ、このことはプライバシー等の関係も含めてこれ極めて重要であると私どもとしては考えておりまして、そのために、規定あるいは通達等、こういったことでそうしたことを担保すべく、その整備に向けて具体的な検討、これを行っていきたいと考えているところでございます。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 電磁的記録命令についてはまた改めて別にと思いますが、大臣、後半の方でおっしゃっていた、情報の取扱いというか、そういうことについての関連ではプライバシーにも大きな影響はあるというふうな御答弁だったと思います。  これ、事件捜査によって集めた電子データのうち、裁判に使用されるものは裁判所で保管がなされて、検察でも保管がなされるわけでありますが、これ最も多く電子データが集まり、かつ保管されている警察ではどのような扱いになるのかを答弁を求めたいと思います。

松田哲也警察庁長官官房審議官

○政府参考人(松田哲也君) お答えいたします。  今回の改正で創設される電磁的記録提供命令により提供される電磁的記録は、これまで警察において証拠物件として管理してきた有体物とは異なる保管、管理が求められることとなると考えられるところであります。  現行の運用では、電磁的記録の捜査資料については、当該電磁的記録やそれらを保管している共有フォルダ等にアクセス制限を行うなどの措置をとることによって適切な管理に努めており、捜査の終結等の観点から保管の必要がなくなったと認める場合には確実に廃棄又は消去するよう、犯罪捜査規範や通達で規定しております。  電磁的記録提供命令の創設後に取得した電磁的記録の取扱いについては、法務省等の関係機関とも協議することとなりますが、現行のこうした取扱いを参考にしつつ、必要な規定の整備を検討してまいりたいと考えております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 では、警察と検察における電子データの保管期間を伺いたいと思います。  まず、検察はどうでしょうか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 捜査の過程で収集した電磁的記録につきましては、刑事訴訟法、刑事確定訴訟記録法といった法令等の規定に基づきまして保管年限等が定められております。  したがいまして、検察といたしましては、裁判所から返ってきた確定記録も含めまして、そういった規定やその趣旨に従い、定められた必要な期間を保管した後は廃棄するなど適正に取り扱っているものと承知しておりますけれども、本法律案が改正法として成立した場合にも、押収した記録媒体に記録された電磁的記録や、電磁的記録提供命令により提供された電磁的記録につきましても、それら法令等の規定や趣旨に従い、必要な期間保管した後は廃棄するということを想定しております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 では、警察はどうですか。

松田哲也警察庁長官官房審議官

○政府参考人(松田哲也君) お答えいたします。  現行法下において、捜査資料のうち、犯罪事実の有無や事案の解明に必要なものについては、刑事訴訟法等の関係規定に基づき、適切に検察官に送致し、捜査の終結、公判の維持等の観点から保管の必要がなくなったと認める場合に、確実に廃棄又は消去することとしております。  刑事手続のデジタル化後における電子データについても、現行と同様に、犯罪事実の有無や事案の解明に必要なものについては、刑事訴訟法等の関係規定に基づき、適切に検察官に送致し、捜査の終結、公判の維持等の観点から保管の必要がなくなったと認める場合に、確実に廃棄又は消去することとなるものと考えております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 方向性についてより具体的にと思うんですが、衆議院法務委員会において池田参考人が、電磁的記録に着目した保管、管理の仕組みは設けられてもよいというふうに発言されていました。  大臣に伺いたいんですけど、大臣も四月四日に、データの適正な取扱いに関する規定等の整備が必要だと答弁されています。今後、具体的にどのように検討を進めるのか、具体的な道筋を示していただきたいと思います。大臣、よろしくお願いします。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) この電磁的記録、この適切な保管、管理、さらには不適切な、不適正な利用の防止をするということ、そして必要な期間保管した後にこれはしっかりと確実に廃棄をする、こうしたことについて適正な取扱い、これに努めていくこと、これ極めて重要である、そうした趣旨で先般も発言をしたと承知をしております。  その適正な取扱い等に関する規定等の整備につきましては、私どもといたしましては、そうした規定あるいは通達ということの整備ということを考えておりますけれども、まさにその具体的な規定の内容、この法案の審議、こちらの委員会も含めてこの法案審議の状況、これも踏まえながら検討しておりますが、きちんとそこは速やかに今後検討を進めてまいる所存であります。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 ちょっと済みません、一問飛ばしまして。  これ、主に違法に収集された電磁的記録の保管、消去を念頭に、先日の参考人質疑のときには、成瀬参考人から、現行刑事訴訟法の構造は、違法な処分があったとしても、物は返しても複写は返さないであるとし、その構造との整合性から、違法な処分により収集した無体物たるデータの消去、課題が多いといった趣旨の御意見があったと思いますが、これまでとは取り扱うものも違う、また、新たな制度も創設される、だからこれまでの構造との整合性だけでは論拠としては少し弱いように思うんですが、政府としてはそのほかどういう理由があるのか、何か意見があればと思います。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 現行刑事訴訟法の下では、捜査機関が証拠を押収した場合に、その押収処分が事後的に取り消されたとしても、当該証拠の複製等を廃棄、消去することとはされておらず、直ちに裁判において証拠として利用することはできなくなることともされておりません。  最高裁判例におきましては、令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、これを証拠として許容することが将来における違法な捜査の抑制の見地からして相当でないと認められる場合に初めて証拠能力が否定されるという取扱いが確立しております。  このいわゆる違法収集証拠排除法則は、証拠物は押収手続が違法であってもその証拠価値に変わりはなく、その押収手続に違法があるとして直ちにその証拠能力を否定することは事案の真相解明に資するものではなく相当でないと考える一方で、事案の真相解明も、個人の基本的人権の保障を全うしつつ適正な手続の下でなされなければならないと考えられることを踏まえたものであり、刑事裁判実務上確立しているものであります。  また、強制処分が違法であるとして事後的に取り消される場合であっても、その違法の程度は比較的軽微なものから令状主義の精神を没却するような重大な違法なものまで様々であり、違法と判断された強制処分により取得した証拠物の複製等を一律に廃棄、消去しなければならないとすることは、ただいま申し上げた現行刑事訴訟法における仕組みや判例法理に照らし相当でないと考えております。  また、捜査や公判に必要なものとして取得された証拠は、捜査中から刑事事件終結後に至るまで、例えば後の再審請求審における利用等に備えてありのままの、ありのまま記録として保管、保存されるべきものであり、それが現行制度の基本的な考え方であるところ、このような取扱いは刑事手続の適正かつ円滑な遂行のために相当なものと考えております。  本法律案による改正後の刑事訴訟法においては、こうした我が国の刑事法の基本的な考え方との整合性を考慮し、実質的な相当性にも配慮して、違法であるとして取り消された電磁的記録提供命令により取得された電磁的記録の消去の規定は設けていないところでございまして、今述べたような点から、その理由が弱いというふうには考えておりません。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 証拠能力の点という部分はあるかもしれないけど、無体物たる情報がそのまま残っているということそのものが、いろんなところに複製され得る、さらにプライバシーというところからもまた考えなきゃいけない問題は多いかと思います。  その上で、大臣にも伺いたいと思うんですが、この無体物たる情報そのものを取り扱うリスクを認識、それを認識した上で、それに合った管理の仕方というのをこれ真剣に考えなければいけないと思います。仮にそれが実質的にできないということ、難しいということであれば、先日の参考人、河津参考人も、監督する第三者機関ということもおっしゃっておりましたが、これは私自身も、与党の議員としても検討すべき部分はあるかというふうに思っております。  大臣の御意見を求めたいと思います。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 捜査機関におきましては、一般に、捜査の過程で取得をした書類あるいは個人情報、これにつきましては、刑事訴訟法あるいは刑事確定訴訟記録法といった法令等の規定あるいは趣旨に従って適正に取扱いをしていると我々としては承知をしているところであります。  今御指摘のまさに第三者機関ということでありますけれども、まさにこの捜査機関による電磁的記録あるいは個人情報の取扱いを監督するに当たりましては、個々の電磁的記録あるいは個人情報と被疑事件等との関連性の有無、程度、さらには被疑者等の防御上の必要性の有無、程度、そうしたもの、それらが捜査の進展あるいは争点に応じて変化をする可能性、こういったものも考慮をしながら適時的確に判断をして対処する、そういったことが求められることになると思います。  そういった意味において、一般に、実際に捜査を行っていない外部の機関がそのような判断を適切に行うということが果たしてどの程度実際できるのか、そうした観点からも、やはりこれ極めて困難であると私どもとしては考えているところであります。  そうしたことから、御指摘のような第三者機関、これについては慎重な検討が必要というのが私どもの考え方でありますし、また、現行の規律の中でもしっかりとそうしたことについては適正を期すことができると私どもとしては考えているところであります。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 個々の捜査上とか裁判上の前提知識があるかないかということで、それはなし得ないという御意見だったと思うんですけど、要するに、ちゃんと制度としてこの捜査機関も含めた関係のところがそれを侵害しないような体制が組めるかどうかという、そこの部分、制度論、制度の在り方、情報の管理の仕方というのもちゃんと監視というか監督するような、そういう機関というのも必要だと思うんですね。  機関かどうかは別にしても、そこをしっかりと意識をして、内部でも少なくともちゃんと規律を図っていくという意識はしっかり持っていかなきゃいけないというふうに私自身は思っておりますし、それと、最終的には国民の監視の下でという体制がよりつくれればいいかなというふうに思うところです。  その上で、じゃ、少なくともデータの一層の適正管理のためには、従来の内部規則、これ見直していく必要はこれはあると思います、この法案をまた契機にして。それについてはどのように思われているのか、政府から答弁を求めたいと思います。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 捜査機関が収集した電磁的記録が不適正に利用されることのないようにするために必要な事項について規定を整備すること、これは重要であるというふうに認識しておりまして、先ほど大臣からも御答弁申し上げたところでございますので、改正案が成立した場合にはそういったものを整備するということで、その具体的な在り方については、法案審議の状況などを踏まえつつ検討してまいりたいというふうに考えております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 じゃ、是非しっかりと引き続き検討していきたいと思います。必ず、内部規定どういうふうにあるかということは非常に重要なところだと思いますので。  その上で、ちょっと今日最後で、改めて、この前、前回の参考人の質疑の中で、例えば、河津参考人は、今回のデジタル法案は旧来の刑事訴訟法全般をデジタル化していこうというものであり、それにふさわしい国民のプライバシー、これを守るべきだという御意見もありました。  また、成瀬参考人からは、これは川合理事の御意見に対しての御答弁だったと理解しておりますが、証拠あるいはデータの管理の在り方については、現代の情報社会において今までどおりでよかったのか、刑訴法全体を見直しながら抜本的に考えていくことが中長期的な議論であるというお言葉もありました。  これは今回の法案が一つの訴訟の手続というところもありますが、より国民の権利を守っていく、裁判を受ける権利とともに、今回の法案によって侵害され得る権利というのをいかに守るかという観点からもより考えていくべきであると思うし、刑訴法の在り方含めても今後長期的にもまた考えなきゃいけないと思いますが、この点について大臣の最後答弁を求めて、今日は質問を終わりたいと思います。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 矢倉先生の今の御指摘、私としても十分共感をするところでもあります。  そういった中で、捜査機関におきまして、私どもとしての思いでありますが、一般に、捜査書類あるいは証拠物について、法令等の規定あるいは趣旨に従って適正に当然取扱いをしていると我々としては承知をしているところであります。  ただ、その上で、やはり本法律案、改正法として成立をした場合に、この捜査の過程で作成、取得をした電磁的記録につきまして、やはり先ほど申し上げましたけれども、適切な管理あるいは不適正な利用の防止、必要な期間経過後の廃棄等を内容とする適正な取扱い、ここに関する規定あるいは通達、これを整備をしていくということ、これは極めて重要であると私どもとしても考えているところでありまして、そうしたことに向けての具体的な検討、これをしっかりと進めていきたいと考えております。  また、この法律案が改正法として成立をした場合には、まずはこの改正法の規定等が適切に運用されていくということ、これは極めて重要でありますけれども、捜査の過程で収集された電磁的記録の取扱いに関しましては、こちらの委員会でもそうですし、国会においても、立法府において様々な御議論があった、それは我々としても承知をしているところであります。そうしたことを踏まえまして、今後とも、実務の状況あるいは関連する議論、この動向について我々としても関心を持って注視をしてまいりたいと考えているところでございます。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 新たな視点でまた更に発展させていく契機として是非いただきたいということを申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時二十四分休憩      ─────・─────    午後一時二十分開会

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) ただいまから法務委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

嘉田由紀子日本維新の会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。日本維新の会、嘉田由紀子でございます。  質疑の時間いただきまして、ありがとうございます。  まず最初に、刑事デジタル法に関して質問させていただきます。  午前中から福島議員、そして矢倉議員が指摘をしていたこととその延長でございますけれども、この刑事デジタル法については、被疑者あるいは容疑者など、本当に情報を持たない裸の一方、言わば当局は大変な山のような情報を持つわけです。この情報の格差というのが、結果として例えば冤罪や人権問題につながらないかということを私はかねがね懸念をしてまいりました。今日もその延長で質問させていただきます。  まず、被疑者、容疑者の人権を守るために弁護士による支援は大変重要ですけれども、しかし、地方ではなかなか弁護士へのアクセスができません。  ちょうど先週、五月八日の新聞記事、弁護士が地方で不足しているという記事がございました。若い弁護士がますます地方に行かなくなっているということで、全国五十四の弁護士会別の人口当たり弁護士の数は、例えば秋田県は弁護士一人に一万二千人を超える人口ですね、東京は六百三十五人、この差は十九倍から二十倍、大変な開きがあります。  このような中で、被疑者、容疑者の人権を守るためには、ビデオリンクによる弁護士の相談などは必須となります。全国一律に権利として機材や人材の整備ができないということですが、今回の法案では権利にはなっていませんが、ここは地域条件を付したりしてモデル的にでも速やかに実施すべきと考えておりますが、法務大臣の御認識お願いいたします。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 今の御指摘の点でありますけれども、刑訴法上の権利ということの位置付けではございませんが、実務上の運用上の措置といたしまして、従来から一部の地域、例えば北海道ですとかそういった地域等々におきまして、検察庁やあるいは法テラスと拘置所等との間のオンラインによる外部交通を実施をしてきたところであります。  現在、弾力的にその実施を拡大をしていくべく、関係機関、そして日本弁護士連合会との間での協議、これを実施をしているところであります。その協議におきまして、日本弁護士連合会を通じまして、各単位弁護士会からも設置場所の要望等、この聴取を行っているところであります。  その協議の結果を踏まえまして、私どもといたしましても、本年度、オンラインによる外部交通を実施するための環境整備経費、これを計上しておりまして、今後とも各地域の実情に応じて順次拡大をしていくこととしているところであります。  この拡大の対象となる地域ということでございますけれども、日本弁護士連合会あるいは関係機関と協議を行った上で、例えば被告人等が収容されている刑事施設等が遠方の地域であったり、あるいは管内の弁護士、先ほど御指摘もありましたけれども、管内の弁護士数が少ない、結果として遠隔地の弁護士が受任せざるを得ないそういった地域等々、その必要性が高いまさにそうした地域から選任をするということとしているところであります。  私どもといたしましても、必要性が高い地域、ここは迅速な環境整備、これが必要であると、そういった思い、これは共有をしておりますので、そういった意味で今後とも各関係機関と協議をし、一層その取組加速してまいりたい、そのように考えているところでございます。

嘉田由紀子日本維新の会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。  できるだけ速やかに、現場は待っているはずですので進めていただけたらと思います。  質問二ですけれども、私ずっと一貫して、日本の子供たちの幸せ度が低い、特に三組に一組が離婚をする中で二十万人近くの子供さんが片親を失うという、明治以来の片親親権の下で、どうしたら共同養育、共同親権ができるのかということ、振り返ってみますと過去六十回近く質問させていただきました。  その中で、今日は、自然的親子権、自然的親子権について問題提起させていただきます。  実は、この自然的親子権が争われた国家賠償請求事件がございます。実の親子の自由な養育監護による人格形成を行う人格権の一種の自由権を憲法十三条によって保障するという、そのような判断です。これは、今年二〇二五年の一月二十二日には最高裁では棄却されてしまったんですが、東京高裁の判決が昨年二〇二四年二月二十二日、また東京地裁の判決は二〇二三年四月二十一日に出ておりますので、三年越しの裁判だったわけですけれども、この自然的親子権、言い換えれば実の親子関係です。ここに関する判断、少し長いんですが、判決から引用させていただきます。  親と子という関係は、国家などの組織が成立する以前から存在していた、血縁などの自然発生的な結び付きから生じる自然的関係であって、人類の存続発展と文明伝承の基盤を成すものとして尊重されるべき人間関係の一つであると規定しております。これ、元々が東京地裁ですけど、大変崇高な理念が語られております。  さらに、子供の養育監護は、子供が生命、身体、健康を維持し、将来一人前の大人となり、共同体の一員としてその中で生活し、自らの人格を完成、実現していく基礎となる能力を身に付けるための必要不可欠な営みであり、それはまた、共同社会の存続と発展のためにも欠くことができないものである、その最も始源的かつ基本的な形態としては、親が子との自然的関係に基づいて対して行う養育監護があると規定しております。  子の立場から見ますと、こう言っております。親の養育監護を受け、親との関わりにおいて、自らの生存を確保するだけでなく、人格の形成及び発達を図り、人格的成長を遂げて自立に至るという意義を有し、親の立場から見ると、子の利益のためにその養育監護に携わり、子と関わることによって、子が人格形成及び発達の過程において親の人格の影響を受けながら人格的に成長することを通じ、親自身の自己実現を図るとともに人格を発展させるという意義を有するものと言える。  このように考えると、子が親から養育監護を受け親と関わることは、子の生存や人格の形成、発達及び成長並びに自立に不可欠であるから、そのうち、それを国から妨げられない自由権は人格権の一種として憲法十三条によって保障されており、かつ、それが私人間、私人の間ですね、私人間の関係で保護される利益も憲法十三条によって尊重される利益であると解される、さらには、親が子を養育監護し、子と関わることを妨げられないこと、親の子を養育監護等をする自由も、親自身の自己実現及び人格発展に関わる重大なものであるから、人格的な権利利益として憲法十三条によって保障されていると解するべきである。  さらに、親権は、行使の有無や方法が基本的に帰属者の自由意思に委ねられる権利とは明らかに性質を異にし、法律によって定められた、子を自立した社会人として育成すべく養育、保護する職分であり、職分、職業の職に分ですね、職分であり、そのために親に認められた特殊の法的地位であると解されると規定しております。  随分長くなりましたけれども、裁判で、親子関係の裁判でここまで踏み込んだ判決、ほかにあるかもしれませんが、私は初めて接触いたしました。職分というのは、各人がそれぞれの立場で力を尽くしてなすべき務め、昔から本分という言い方もします。あなたの本分はこうよというような言い方、日常語ですけれども。  という中で、長々と前提がありますけれども、最初にまず、親権は職分である、父母双方が実の子供と養育監護を行う責任と定義されましたが、こういう認識でいかがでしょうか。民事局長さん、御答弁いただけますか。

竹内努法務省民事局長

○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。  委員が御引用された東京高等裁判所の判決でございますが、離婚に際して子の親権者とならなかった原告らが、離婚時に父母の一方を親権者と定める旨規定をいたしました民法八百十九条一項及び二項は、憲法十三条後段、十四条一項、二十四条二項及び二十六条等に反するとして、国に損害賠償を求めた事案に関わるものであると承知をしております。  そして、東京高等裁判所は、原告らの控訴を棄却する旨の判決をし、最高裁判所は、民事訴訟法三百十二条一項又は二項に規定する上告事由が認められず、また、同法三百十八条一項により上告を受理すべき事件とも認められないとして、原告らの上告を棄却等する決定をしたものと承知をしております。したがいまして、同事案に関して最高裁判所が何らかの憲法判断をしたものとは認識をしていないところではございます。  その上で、御指摘の判決の理由中に、親権は、行使の有無や方法が基本的に帰属者の自由意思に委ねられる権利とは明らかに性質を異にし、法律によって定められた、子を自立した社会人として育成すべく養育、保護する職分であり、そのために親に認められた特殊の法的地位である旨判示されていることは承知をしております。  下級審の個々の判決に対するコメントは差し控えることを御理解いただきたいと思いますが、その上で、民法第八百二十条は、親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負うと規定をしておりまして、一般的には、親権は、親権者が子の利益のために監護教育を行ったり子の財産を管理したりする権限であり、義務であると考えております。

嘉田由紀子日本維新の会

○嘉田由紀子君 御丁寧にありがとうございます。  もちろん最高裁は最終は棄却しましたけれども、下級審でここまで踏み込んだ判断が出たというのは大変画期的だと思っております。  御存じでしょうか、今、子供さんに会えない親御さんが本当に多くて、例えば審判ですと毎年一万件ほどが子供に会いたいというような中におられます。そして、今日も多分この私の質問を日本中の数多くの、子供さんに会えないお父さん、お母さん、あるいはおじいちゃん、おばあちゃんが見てくれていると思いますけれども、そういう中で、実の親子は養育監護を行う又は受けることが国家から妨げられない自由権が人格権の一種として憲法十三条によって保障されるということを再確認しておりますが、ここ通告していないんですけど、今度の改正民法では、八百十七条の十二における父母の人格尊重義務、子の人格尊重義務の人格とは、実の親子が養育監護を行う又は受ける人格権を示していると認識しておりますが、その辺りいかがでしょうか。民事局長、お願いいたします。

竹内努法務省民事局長

○政府参考人(竹内努君) お答えをいたします。  委員御指摘の判決の理由中に、子が親から養育監護を受け親と関わることは、子の生存や人格の形成、発達及び成長並びに自立に不可欠であるから、そのうち、それを国から妨げられない自由権は人格権の一種として憲法十三条によって保障されており、かつ、それが私人間の関係で保護される利益も憲法十三条によって尊重されるべき利益であると解される旨、また、親が子を養育監護し、子と関わることを妨げられないこと(親の子を養育監護等する自由)も、親自身の自己実現及び人格発展に関わる重大なものであるから、人格的な権利利益として憲法十三条によって保障されていると解すべきである旨判示されていることは承知をしております。  先ほど申し上げましたとおり、下級審の判決に対するコメントは差し控えることを御理解いただきたいというふうに思いますが、その上で申し上げますれば、父母の離婚に直面する子の利益を確保するためには、父母が離婚後も適切な形で子の養育に関わり、その責任を果たすことが重要であると考えております。  令和六年民法等の一部を改正する法律、委員が御指摘されたものでございますが、そのような観点から民法等の規定の見直しを行ったものでありまして、引き続き改正法の趣旨、内容の周知、広報に取り組んでまいりたいと考えております。

嘉田由紀子日本維新の会

○嘉田由紀子君 改正法の趣旨を確実に、来年の何月でしょうか、まだ決まってないんですけれども、改正民法施行されることになりますが、それでもまだまだ現場で苦しんでいるということで、繰り返しになりますけど、ここは非親権者も養育監護権が保障された、つまり親権を失った別居親、まあ別居親と同居親という表現自身が少し誤解があるかもしれません。  以前、オーストラリアの例を申し上げましたけれども、フィフティー・フィフティーで養育している場合にはどっちが同居親、どっちが別居親ということはないので、海外では既にそういう例がたくさんありますから、仮に親権を失った別居親も、養育監護に関わる人格権が憲法十三条で保障されたというふうにここでは理解してよろしいでしょうか。民事局長、お願いいたします。

竹内努法務省民事局長

○政府参考人(竹内努君) お答えをいたします。  委員御指摘の判決の理由中に判示されております内容につきましては、先ほど申し上げたとおりでございまして、個々の判決についてのコメントは差し控えをいたしますが、その上で、父母の別居後や離婚後も適切な形で親権者とならなかった親と子との交流の継続が図られることは、子の利益の観点から重要であると認識をしております。  他方で、親子交流の実施に当たっては、その安全、安心を確保することも重要でありまして、令和六年民法等の一部を改正する法律におきましては、こうした観点から、婚姻中の父母の別居時における親子交流に関する規定や家庭裁判所が当事者に対し親子交流の試行的実施を促すための規定、あるいは父母以外の親族と子との交流に関する規定を新設したものでございます。  このような民法改正法の趣旨及び内容が広く理解をされますように、委員の問題意識も踏まえながら、引き続き改正法の周知、広報に取り組んでまいりたいと考えております。

嘉田由紀子日本維新の会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。  さらに、質問四ですけど、繰り返しになりますが、自然的親子関係に対する国家の役割ですけれども、まずは自由な養育監護に関して、原則は家族の裁量だと、二点目は必要時に国家あるいは自治体等が後見的に介入する、三点目、必要に応じて国家あるいは自治体等が夫婦間の調整をするということでいいのか、再確認をお願いいたします。  この観点からすると、裁判所で、今、日本では月一回僅か二時間というような慣例というか制限もありますけれども、あるいは間接交流へ一方的に制限が掛かるとか、このような行為、国家の役割として問題がないのかどうか、御質問いたします。

竹内努法務省民事局長

○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。  東京高裁の判決に対するコメントは差し控えをさせていただきますが、委員御指摘の判決の理由中に、人格的な権利利益といえども無制限に保障されるべきものではなく、特に親の子を監護養育等する自由の具体的な内容を考えるとき、①その自由は将来の共同体を担う子の人格形成等のためのものであるから、子の利益を第一に行使されるべきものである、そして子は心身共に未成熟であって、親の不適切な監護養育等があったときは、健全な人格形成等、さらにはその生命、身体さえ害される場合がある、したがって、子の利益のため、親の子を監護養育等する自由について国家の後見的な介入がある旨、②として、また、他の親も親の子を監護養育等する自由を有していて、国家としては、子の利益を第一とした上で、両親の自由を適切に保護するためにはそれらを調整する立法等の制度構築も不可欠であり、またその制度構築においては、子の利益のため、子を両親の紛争にさらさない配慮も必要である旨、③として、さらに憲法十三条によって保障される親の子を監護養育等する自由の具体的な内容については、一次的には国会の合理的な立法裁量に委ねられるべき旨判示されていることは承知をしております。  その上で、委員御指摘の親子交流の頻度等に関して、個別の事案における裁判所の判断についてコメントすることは差し控えをいたしますが、一般論として、裁判所は、個別具体的な事情に応じて、子の利益を最も優先して考慮した上で判断しているものと認識をしております。

嘉田由紀子日本維新の会

○嘉田由紀子君 これから少し具体的に、学校における親子の様々な学校行事への参加を含めて文部科学省さんにもお伺いしたいんですけれども、実は、学校においては、非親権者あるいは別居親の学校行事の参加がかなりいろいろ制限されております。具体的には、連れ去りや引き離しに遭った親、祖父母が学校行事に参加したくてもできないという訴えが全国から届いております。自然的親子権に関わる判決文をベースとすると、以下のような問題があるのではないでしょうか。またここも少し長くなりますが、引用させていただきます。  別居親が学校行事に参加できない理由として、学校は同居親の承諾を得られればということで同居親に権限を与えており、同居親と別居親を差別する形となって、条件付で対応されているという学校、多数確認しております。  それから、文部科学省さんにお伺いしますけど、今、共同親権法案が施行された後のQアンドAを作成中と理解をしております。ここは法務省さんが音頭を取って省庁連絡会議幹事会など開いていただいておりますけれども、ここでは、親権の有無にかかわらず、別居親の学校行事の参加について質問させていただきます。  学校教育法十六条では、保護者とは子に対して親権を行う者、親権を行う者のないときは未成年者後見人とあり、親権者が一般的となっております。また、学校行事は教育の一環として学校教育法が適用される場と考えております。これまで親権は義務であり権利であるといった表現をされることが多かったんですが、本判決文により、親権は職分であるということが定義されました。  そこで、三の一ですけれども、実の親子の養育監護権について、自由に養育監護を行う又は受けることができる自由権の一つである人格権として、繰り返しになりますが、憲法十三条によって保障されております。ここで、同居親の許可がなければ別居親の学校行事の参加を認めないという学校、これかなり多いです。文部科学省さんも把握しておられますけれども、このような学校の判断は、憲法十三条で保障される別居親及び子供の人格権を損なう行為ではないでしょうか。これを文部科学省としては認めるんでしょうか、いかがでしょうか。

日向信和文部科学省大臣官房学習基盤審議官

○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。  憲法と子供の養育監護の関係性に関する解釈につきましては、文部科学省から答弁をすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論といたしまして、保護者を含めた学校行事への参加者の範囲をどのように設定するかについては、当該学校の判断に委ねられているものと考えております。  その上で、学校行事への保護者の参加に関して親権者等の双方から矛盾した内容の意思が示されるような場合は、学校はそうした両者の意思を調整する立場にはないため、親権者等の双方で協議を行った上で、その結果を学校に伝えていただくことが望ましいものと考えております。

嘉田由紀子日本維新の会

○嘉田由紀子君 当事者同士で決めよということだろうと思うんですが、本当にそれでいいんでしょうか。  次の質問させていただきます。  実の親子の自由な養育監護に対して、ここでは国家の役割あるいは自治体の役割が規定されました。特に、自由な養育監護に関して、原則は家族の裁量だけれども、必要時に国家が、あるいは自治体が後見的に介入したり夫婦間の調整をするということも言及されております。  法律に根拠のないにもかかわらず、別居親が学校行事に参加することを同居親の権限にしてしまうなど、学校が過度に介入しているのではないでしょうか。このことを、繰り返しですが、文部科学省さん、どう考えますか。

日向信和文部科学省大臣官房学習基盤審議官

○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。  別居親が学校行事に参加することを同居親が妨げているというような事案があるということにつきましては、これまでも本委員会において委員から御指摘をいただいているものと承知をしております。  学校行事への保護者の参加に関して親権者等の双方から矛盾した内容の意思が示された場合でございますが、学校としましては、具体の経緯やその背景などを知り得る立場にない上、両者の意思を調整するということはなかなか難しい状況でございます。親権者等の双方で協議を行った上で、その結果を学校に伝えていただくことが望ましいものと考えております。

嘉田由紀子日本維新の会

○嘉田由紀子君 もう二十五分で、時間が迫っておりますので、この後半は次回にさせていただきますけれども、改めて確認をさせていただきますが、子供にとっては両親が確実に人格を尊重しながら育てることが共同体や国家の使命だと。  日本国に大事な大事な子供たちです。もう七十万人しか生まれないんです。私たちの時代は、昭和二十年代、二百五十万人も生まれていました。七十万人しか生まれてこない子供たちを、離婚したからといって片親にして、そして、申し訳ないんですが、本当にいろいろなデータを見ますと、引きこもりやあるいは登校拒否、そして様々な問題、どうしても一人親だとそこにあつれき掛かります。貧困もそうです。虐待もそうです。  ですから、一人親にしない、確実に子供を、日本国を担ってくれる、人格権尊重して育てていこうという、これこそが国家の役割だろうと思います。そして、それを後ろ付けるのが家族を支える民法ですので、共同養育が確実にできるように、また来週、次回ですね、文部科学省さん、済みませんが、続きをさせていただきます。そこには地方公務員法も入ってきますので、その折には鈴木大臣にまたお願いいたします。  以上、時間ですので、終わります。ありがとうございました。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 国民民主党の川合です。今日もよろしくお願いします。  まず、電磁的記録の取扱いについてということで大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますが、今日これから行う議論の前提として改めて確認をさせていただきますが、押収、提供を受けた電磁的記録に含まれる不必要な第三者情報の使用制限についてどういった規制を行うのかということについての確認、そしてもう一点は、押収、提供された電磁的記録の保管期間の規制や消去義務規定を整備することの必要性についての現時点での法務大臣の御認識をお伺いします。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) この点、この委員会の質疑でも様々御審議をいただいているところでありますけれども、捜査機関におきましては、一般的に、捜査の過程で取得をした電磁的記録につきましては、刑事訴訟法、刑事確定訴訟記録法といった法令の規定あるいは趣旨に従って適正に取り扱っていると私どもとしては承知をしているところであります。  他方で、捜査の過程で取得をした電磁的記録に含まれる第三者の情報、これはある一時点において必要でないと思われたとしても、事件との関連性の有無あるいは程度、これは捜査の進展あるいは争点等に応じて変化をし得るものであるということもございますので、当該情報を取り上げて、その使用や保管に関してほかの部分と異なる規律を設けたり、あるいは消去を義務付けることなどは相当ではないと我々としては考えているところでございます。  もっとも、この法律案が改正法として成立をした場合に、押収をした記録媒体に記録をされた電磁的記録、あるいは電磁的記録提供命令により提供された電磁的記録について、適切に保管、管理をするということ、さらには不適正な利用防止をする、さらには必要な期間保管した後は廃棄をする等々の内容について、適正な取扱いに関する規定等、通達等ということになるかと思いますが、を整備するということについては、我々としても極めてこれは重要であると考えているところでありまして、こうした具体的な規定の在り方、ここは、こうした御審議もいただいている中でありますが、そういったものも踏まえながら、引き続き検討をしっかりとしてまいりたいというのが私どもの今の立場でございます。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 さきの大臣の衆議院の審議における答弁でも同様の御答弁されておられますので、その内容については一応確認をしているんですが、その上で、具体的にこのデータの取扱い、管理や保管の仕組みについて、どういったスケジュール感でこのことの検討を行うのかということについて、これは法務省で結構ですから、確認をさせてください。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 本法律案が成立したといたしまして、させていただいた後、閣議決定等におきまして、令和八年度中にはシステムを一部稼働するというふうになって、という目標が定められております。それに向けて今システム開発も併せて並行しておりますので、そういった閣議決定の期間、それから本法律案に向けて今中に入っている施行までの期間を見合わせながら、それまでに今御指摘のような電磁的記録等に係る規定等についても新しいものを含めて整備する必要があるというふうに考えております。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 令和八年という具体的に期間をおっしゃっていただきましたけれども、では、令和八年のこの一連の手続の、システム導入等の手続の中で、この電磁的記録データの適正な取扱いに係る規定についても決めるという理解でよろしいですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 済みません。八年度中に一部を運用開始すると。それから、その後に本格運用になって、九年で多分スタートするというようなものも出てくると思います。施行時期等がありますので、それも見合わせながら、少なくとも、いろんなものを動かしていくタイミングまでには規定等も整備した上で稼働させていくということになろうかというふうに考えております。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 令和八年以降ではその取組が始まるということで、それは分かったんですけれども、お尻を決めてスケジュールをきちんと決めていかないと、いつまでもだらだらやることになります。  ほかにも同様の事例が山のようにあるということを考えたときに、いつまでにきちんとやりますということは明示的にお示しいただかないといけないと思うんですが、大臣、どう思われますか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 今局長からも御答弁させていただきましたけれども、様々な運用が始まっていく、当然これはそれぞれ捜査の現場等々にも関わる話ですし、その周知をしっかりとしていくということを考えれば、その前の段階でしっかりと整備をするということが恐らく本来の筋だと思いますので、必要な調整をしっかりと進めていきたいと思います。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 是非しっかり進めていただきたいんですが、お尻決めないと、丁寧にやろうと思えば幾らでも丁寧にできる話でもありますので、そのことを言い訳にずるずるとお尻が延びていかないようにしていただきたいということを重ねてお願いしておきたいと思います。  それと、いわゆる必要がなくなったデータの消去等についてということも先ほどちらっと大臣言及されましたけど、これ、政府参考人で結構なんですが、確認させていただきたいのは、消去が完了したことの確認ってどうやってやるんですか。どういうイメージされているのか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 恐らく、今までの記録等との並びでいきますと、保管年限が来たときに廃棄するという手続を取っておりますので、今般、記録全体が電子化されたときにも、その電子化された書類等、それからあるいは電磁的記録としてある証拠等いろいろあると思いますけれども、少なくとも、まず記録等につきましては電磁的記録があります。  その記録を廃棄するという観念をする場合に、そこで先生御指摘のような規定を作りまして、このときまでに廃棄するというふうに決まっておりましたら、そこの時点で廃棄手続というものを取るとともに、あるその時点で保有している電磁的データで廃棄すべきものについては、幾つかの確認の措置を規定上設けた上で消してしまうという、消去するという形で廃棄するということになろうかと思います。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 手続はそうだということではあるんですけれども、電磁的記録、有体物の場合にはあるものを捨てるということになりますけれども、電磁的記録の場合にはどこに、何が、どういう形で保管されているのかということが目に見えない状況なわけで、その目に見えない電磁的記録をどうやって廃棄するのかということについては、今の御答弁では正直説明になっていないということです。  同時に、この電磁的記録の廃棄ということを考えたときに、その廃棄をすることについての確認と同時に、それを行うことの責任の所在がどうなのかということについても確認させてください。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 今あるもので例えばで申しますと、録音、録画の、取調べを録音、録画したそのデータというようなものも保有しております。こういったものにつきましては、今、その録音、録画だけを保存する特別のサーバー、これ別にシステムとして一つ持っておりまして、一定の決まりをつくって、そこに最後、確定するとアーカイブで収納されるという形になっており、そのシステムから、まさにシステムの中でちゃんと消去のシステムをつくって、期限が来たときには記録を捨てると同時にこちらについても消去するという手続を取ると、このシステムのサーバーの中からその保管年限を過ぎた例えば録音、録画のデータが消えていくというシステムを構築しております。  恐らく、記録の保管年限等に合わせて、そういったものと同じになるかどうかは別ですけど、イメージとしてはそういった感じでつくっていくということになろうかと思います。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 ということは、つまりは電磁的記録は全てサーバーの中で集中管理をされるという理解でよろしいんですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) まず、基本的にはそう思っております。  他方で、証拠物扱いの、例えば個人から押さえてきたデータというようなものですと、これを我々、例えば検察なら検察が持っているシステムの中に入れてしまうと、これはある意味別のセキュリティー上の問題が生じます、ウイルス感染があったりとか。それから、その証拠物の中に何か、今よくあることですけれども、マルウェアとかそういうものが仕込まれていてというようなことがあるといけないので、そういったその外部から入手するデータにつきましては、特に証拠物と同じような形で受け取った場合には、それを例えば何か手を加えるわけにはいきませんのでそのまま保管する必要がありますが、他方で、システムの中には取り込めないという形になります、まずですね。  ですので、その場合には、同じシステムの中で同じように取り扱うということになりませんが、他方で、そういう証拠物は証拠物として、証拠物扱いするものはですね、保管するものをかちっと決めて、それは独立した、システムからは独立した形のこういうところに保管するというのを決めた上で、ですから、そこは一つにはならないと思いますけど、いずれにしても、そういうサーバー等に保管した上で、廃棄年限が来たときに消すというのを手続として決めていくということになろうかと考えております。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 もう一点確認なんですけれども、その電磁的記録として押収、保管しているデータについて、必要がなくなった時点でルールに基づいて廃棄ということは分かったんですが、その一連の取調べのプロセスの中で複写して、いわゆる情報を、いわゆるそれぞれの捜査機関なり検察なりがその情報を確認をしつつ様々な手続を行うということは当然考えられるわけであって、この複写されたデータはどうなるんですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) それも明示的にまだ決めているわけじゃありませんので、済みません、私のイメージということになるかもしれませんが、今、例えば裁判所に提出する証拠、公判提出記録と言っております。それから、写しを取っていてということはよくありますので、原本出しているから写しは裁判所に提出する必要はないと、ただ、捜査で必要だったので一応写しも取っていたというようなものは公判不提出記録という形で、公判提出記録、公判に出した記録に準じて同じように取り扱うというふうに事務規程でなっておりまして、こちらの公判に出したものを処分したときにこちらの不提出についても処分すると、連動させてという仕組みになっております。  そういう意味では、今先生がおっしゃったような複写物についても、現行の手続を前提とすると、そういった形の手続になっていくのではないかというふうに考えております。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 説明としてはそういう説明になるんだと思うんですけど、誰の手元に何があるのかが電磁的記録の場合には分からなくなってしまうということを前提としてどう管理するのかを議論しなければいけないと思うんですよ。  例えば、捜査機関でも、捜査の担当者の人間の手元なり、手元パソコンなりにその情報が入っているということに恐らくなろうかと思うので、そうすると、一人一人のパソコンデータをどう確認するのかというところまで本来はきちっと精査をしないと記録の完全な消去ということにはつながらない。当たり前ですよね、理屈で考えれば分かることなんですけど。  となったときに、その法務省なら法務省のサーバーで集中管理を行う、若しくは最高裁判所でデータをきちんと集約して管理をするという、このことはそれでいいんですけど、そのこととは別に、例えば捜査機関なり検察なりというところにもそのデータをきちんと集約、管理できるようなサーバーが存在していて、そこから出し入れをして、常に終わったときにはそのサーバーから消去を行うといったようなことを、これまで個人のパソコンで複写したり消したりということをやっていたものとは別に、システムとして結局やらなければいけなくなると思うんですよね。  大臣もうなずいていらっしゃいますけど、つまり、そういうことまで結局やらないと、電磁的記録、押収した電磁的記録の保管、管理、確実な消去ということにつながらないということを考えたときに、やはり今私が指摘したようなことも含めて、きちんと大臣の方から今後その管理、保管の在り方も含めて審議会なりに諮問するなりしていただいて、きちっと今後の対応というのを大臣の方から方向性、姿勢をお示しいただきたいと思うんですけど、いかがでしょうか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 今御指摘の点のように、やはり電磁的データということで、それをどう完全にしっかりと消去するのか、それは規定ということを我々も申し上げておりますけれども、しっかりとしたそういった、どういう手法でやるのか、このルール化、極めて大事だと思っております。これは部内も含めてしっかりとした検討を私の方からもさせたいと思います。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 今回のこの法案審議している中で、やはり皆さんの御懸念は、データの取扱いのことを含めて、電磁的記録の取扱いのところにやはり皆さんの御懸念が集中しているということを考えたときに、現状の状況では説明できるのはここまでだということも分かるんです。  もう正直言って、現行刑事訴訟法がデジタル化にそもそも対応した条文になっていないというところからスタートしておりますので、根っこから見直さないと根本的な見直しにつながらないという意味では今後に課題を残しているということは理解した上で、しかしながら、電磁的記録、デジタル化を一部であるけれども導入をするということに今回当たって、今何ができるのか、今の状況の中でどこまでできるのかということはやはり絶え間なく模索していく必要があると思いますので、そのことは指摘させていただきたいと思います。  次の質問に移りたいと思います。  問い二ということで、これも法務大臣に確認をさせていただきたいんですが、入手した電子データのいわゆる利用目的規制ということについての大臣のここまでの審議を通じての御見解をお伺いしたいと思います。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 利用目的規制ということでありますけれども、まさに今回のこの法律案、改正法として成立をした場合ということでありますが、捜査の過程で作成をした電磁的記録につきまして、この適正な管理、不適正な利用の防止、必要な期間経過後の廃棄等、これは繰り返しになりますけれども、そういったこと、しっかりこれは、目的外ということもまさにそのことに当たりますので、その場合に、そうした必要な期間経過後の廃棄等、これを内容とする適切な取扱いについての規定、これは先ほども申し上げましたけれども、それをしっかりと整備をしていくことで現場において適切な運用というものを図っていくということに尽きるかと思います。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 もちろん、そのルールにのっとって適切に御対応いただくということは、それは当然のこととして受け止めてはいるんですけれども、実際その懸念があるということの指摘を皆さんがされている状況の中で、その懸念を払拭するために何ができるのかということが今問われているわけでありまして、今のその大臣の、今の時点で大臣の答弁としてそこまでしか言えないのかもしれないですけれど、適切に行いますだけでは正直懸念が払拭されないということは改めて申し上げておきたいと思います。  その上で、これちょっと通告をしていないことなんですが、先ほどの質問の中で、自己負罪拒否特権の関係のことについてパスワードの話を先ほど福島先生が一生懸命なさっていましたけど、あの話をお伺いしていて、私の方からもちょっと参考人に御質問させていただきたいんですが、今回の法改正以降、自己負罪拒否特権というものはどういった形で担保されることになるのかという、ちょっと逆の方向から確認をさせていただきたいんですけど。自己負罪拒否特権が侵害されるのではないのかという質問に対して、こういう形で担保されますというのがあるのであれば、今回の法改正以降の措置というものについて御説明いただければと思います。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 電磁的記録提供命令との関係でということでありますと、まず、自己負罪拒否特権について、我々の立場は、基本的には供述を強要されないということですので、例えば電磁的記録提供命令があったとしても、パスワードについて言ってくださいという供述を無理やり強要するというものではないので、自己負罪特権と抵触しないという立場を取っております。  したがって、その電磁的記録提供命令があるからといって、私どもといたしましては、それは自己負罪拒否特権と抵触するものではありませんよという形ですので、という立場でございますので、そういう意味では、従前どおり、自己負罪拒否特権は供述を強要されない権利としては担保されているということに論理的にはなろうかと思いますが。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 理屈の問題として御説明されていることも分かるんですけど、現実問題として、取調べや現場でそれが成立するのかといったら正直難しいと私は思っておるんですけれども、例えばパスワードを言わなくてもいいよという話で今御説明いただいたんですが、例えば事業者に対して電磁的記録の提供命令を発出して、それに基づいて入手したデータの中に、いわゆるパスワード、ログインするのに何らか必要な情報があるという話になったときに、そのことについて例えば情報主体に対して何らかの働きかけを行うとかということもないということなんですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) そこにつきましては、結論から申しますと、あり得ると思っております。  すなわち、事業者が提出いたしました、事業者の方はパスワード等も知らなくて預けられているだけということもありますので、その場合に、じゃ、それを、パスワードなのか、いずれにしても、暗号化なのか、復号化した上で見える状態にならないと証拠として取り扱うことができないと、こういうことになります。  裁判所に対してもちろん疎明をして、裁判官が関連性を認めて、そこまでの電磁的記録提供命令を出していいという判断が前提になるわけですが、当該電磁的記録について復号化して提出するようにと命ずる、その意味では、実際の運用はどうするかは別なんですが、新たな、事業者は復号化できなかった、だけど、誰か復号化できる人がいる、その復号化できる人に復号化をして提出しなさいという命令を新たに掛けてよいというだけの疎明資料が整い、新たな令状が発付された場合に、その被処分者に対して復号化して出してくださいという働きかけを行うことはあり得るというふうに思っております。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 それは、事業者に対して、情報主体に対してですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 一般的に、今のは基本的にイメージとしては情報主体もあり得るというふうに申し上げたんですが、事業者の方との間では、事業者の方が基本的にはどこまで御存じで、我々が持っている情報というのはこういう情報でこれだけしか出せませんよとか、あるいは、持ってはいますけど我々は復号化することはできませんよとか、様々なものがありますので、そういう意味でいいますと、事業者の方が知り得ないようなものであれば、事業者の方に求めるのは無理ですので情報主体に求めるということになるというふうに思いますし、事業者の方が、ある自分たちのセキュリティーの中で例えばロックを掛けているというような状況で保管されているものであるとすれば、事業者の方に関して、我々のところにロックを解除して見える状況で提出してくださいということをお願いするということもあろうかというふうに思います。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 時間がなくなってきたので、ぼつぼつ終わりにしたいと思うんですけど、今の御説明でいったときに、基本的にその情報事業者が持っている情報というのはデータとして持っているわけで、それを個人が情報として、情報を見るときには二段階認証、三段階認証で、実際ロックを解除してからでないと見られない状況になっていますから、基本、情報、いわゆる事業者はそれは知らないはずなんですよね。  イメージがちょっと湧かないんですけど、秘密保持命令を例えば発出して、情報主体が何が取られたのかが分からない状況になっている状況の中で、パスワードの解除について情報主体に実際捜査関係者の方から言えるんですか。情報を取ったこと自体、相手は知らないという状況の中で、どうやってそれを聞くのかなというのがちょっとイメージできないんですけど。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) それも、どういう捜査を優先するのかということになろうかと思います。  すなわち、捜査は、まず初期の段階等では、なるべく相手方に知られないようにというふうにやっている段階もありますが、他方で、もうこの証拠はやっぱり入手しなきゃいけない、見なきゃいけない、それは関係者に聞かなければならない、あるいは関係者に当たることによってそれを例えば復号化してもらうのもそうでしょうし、あるいはもう直接本人のところにむしろ接触するしかないという段階に至れば、その秘密保持命令を優先するのか、その証拠をやはり必要があると思えば見えるようにするために本人に接触することを優先するのか、そこは事件ごとに捜査のケース・バイ・ケースでどちらを優先するのかということを判断しながら、秘密保持命令を例えば解除してでも本人に当たるというような場合もあろうかと思います。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 またケース・バイ・ケースが出てしまったわけなんですけど、大臣、お聞きいただいて、結局様々なケースというのが今後これ想定されるということになったときに、秘密保持命令も含めて捜査側の都合でいろいろと変更が、修正が可能だという話になると、それこそ先ほどの自己負罪拒否特権の話じゃないですけれど、個人のいわゆる権利というものが侵害されるおそれというのもその分大きくなってくると思いますので、やはりこの辺りのところも含めて法改正以降の整理しなければいけないことが相当あるということは御理解いただけたと思います。  時間が参りましたので、今日のところはこれで終わりにしたいと思います。  以上です。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  この電磁的記録提供命令によって収集されるデジタル個人情報のその蓄積と利用についてまずお尋ねをしたいと思いますけれども、五月八日の参考人質疑で、成瀬参考人が田島理事の質問に対して、他事件に利用するということを禁止する規定は刑事訴訟法にはございません、データが別の被疑事実とも関連性を有するという形で使われ得ることはあり得ると考えていますと述べておられますが、刑事局長もそのとおりですね。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 今先生が御指摘なさった論点については、私どももそのように考えております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 つまり、他事件にも利用できると。  この他事件に利用するというのは、現にこれまでもずっとやっているわけですよね。この他事件への利用というのは、発生した刑事事件の捜査に対するいわゆる刑事警察の活動だけではなく、犯罪は発生はしていない、これを予防するというような名目で行われる行政警察活動、いわゆる公安の活動、ここにも利用され得る、あるいは現にしていますと、そういうことですね。

松田哲也警察庁長官官房審議官

○政府参考人(松田哲也君) お答えいたします。  現行では、捜査で取得した情報のうち、例えば暴力団等の犯罪組織に係る情報等、警察の所掌事務の遂行上必要があるものについては、個人情報保護法等の関係法令に従い、保管を継続して利用することもあり得るものと承知しております。  電磁的記録提供命令創設後においても、こうした運用が変更されることはないと考えております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 今の御答弁のとおり、利用しますと、現にしていますということなんですけれども、一点、こういう答弁のときにごまかしがあるのは、暴力団等と言ったじゃないですか、それはもちろん暴力団も対象なんでしょうね。  けれども、多くの住民運動を警察が監視の対象とし、二〇一七年に強行された共謀罪のときには、法務大臣が、住民運動を隠れみのにしたテロ犯罪があるといった、そうした見方を、そういう観点を持って我が国の警察は活動していると、それが現実だということを私たちはちゃんと理解してこの法案の審議に臨まなきゃいけない。それは、大臣もそうなんですけど、国会の責任でしょうと私は言いたいんですよ。  そこで、しんぶん赤旗の四月二十九日付けの「サイバー法案と刑事デジタル法案」という見出しの付いている記事をお配りしましたが、一番下の段に白龍町事件というのが紹介をされています。  どんな事件かといいますと、マンション建設に反対する住民グループの代表を務められた方に対して刑事事件の疑いが掛けられて、裁判にまでなってしまったと。そのプロセスで、指紋やそれからDNA情報、もちろん顔写真というものが警察によって収集されたんですね。刑事事件で無罪が確定したと。無罪が確定したんだから、だから、私は元々何も悪いことしていないのに、だから収集された個人情報は抹消してくださいと求めているのに、それに応えないと。だから、裁判を起こして、地方裁判所、それから名古屋高等裁判所が抹消しなさいという命令をした。名古屋高等裁判所は、本人の意思に反して捜査機関に保管されていることは憲法に違反するとしたわけですね。一審、二審を通じて、警察は、データは適切に保管されていると徹底して争い続けました。けれど、名古屋高裁でそうした判決が出て、もうこれはやむなしということになったんでしょう。だから、上告はされず確定して、まずその一件は抹消されたわけです。  それ以外どうなのかということについて、弁護団をお務めになった中谷雄二弁護士がこう言っていますよね。二三年時点で累計百六十四万人分のDNA型が集められている、その一方で、その年、保管する必要がなくなったとして抹消したのは百四十三件ですと。ほんの一部じゃないですか。  圧倒的多数、巨大な膨大な情報がデータとして蓄積され、それをデータベースとして活用していると。警察庁、そういうことですか。

松田哲也警察庁長官官房審議官

○政府参考人(松田哲也君) 登録件数と抹消件数をお答えさせていただいてよろしいでしょうか。  警察庁のDNA型データベースの運用状況につきまして、令和二年から令和六年までの五年間における登録件数と抹消件数ということでお答えをさせていただきます。  令和二年につきまして、登録件数が十五万八百六十件、抹消件数が一万四千三百二十五件、令和三年、登録件数が十五万九百五十七件、抹消件数が一万二千六十九件、令和四年が、登録件数が十四万五千百二十九件、抹消件数が一万四千三百十五件、令和五年が、登録件数が十三万九千四百九十四件、抹消件数が一万五千八百七十二件、令和六年が、登録件数が十二万六千六件、抹消件数が一万一千四百十三件であります。  また、令和六年末時点における総数は、登録件数が百八十九万六千六百四十三件となっており、同じく令和六年末時点までに抹消した累計件数が二十四万三千九十一件となっております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 つまり、百九十万近くのDNA情報ですよ、がデータベースとして蓄積されていると。これが、抹消は、今、もう事情までは今日は聞きませんけど、しているといってもごく一部じゃないですか。どんどんどんどん蓄積されていっていると、これが現実なんですよ。  さきの参考人質疑で渕野参考人が、情報が消去されないことによって、最もメジャーな使われ方、最も想定される使われ方というのは、他事件にその情報を流用して使うということであり、それが一番大きな問題を生じさせると、これも田島理事の質問に答えておられます。  端的に、渕野先生、ああ、なるほど、そうだよねと思いましたのは、消去しないことによるメリットがあると。個人情報を保管し、蓄積する、これを消去しないということのメリットがある、そういうことがこの今の警察のデータベースの運用なんかでも表れているんだと思うんですよね。  これ、これまでの議論の中で、たとえ提供命令が取り消されても抹消しないと。これまでの刑事訴訟で抹消するということになっていないから、今も答弁されたとおり、他事件にも、あるいは公安活動にも利用して当たり前だと、留置の必要がなくなったらどうするか考えると、そういう答弁をずっとしておられますけど、それは、法務省刑事局長、つまり蓄積し、利用するということについてメリットがあるということなんですね。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 検察庁におきましては、ちょっと警察は若干立場が違いますので、警察から送られてきた刑事事件の記録として保管し、そして刑事事件の記録として廃棄するということになりますから、何かこれを持っていることにメリットがあるという立場には立っておりませんし、そうだとは考えておりません。  他方で、これも説明しておりますが、ある事件、例えば性犯罪の事件で押収してきた証拠の中に別の性犯罪の画像が入っていたという場合に、その被害を探知した捜査機関においてその事件を立件できないということにはならず、これはやはり見付けた以上はその事件についても立件することはあり得るということですが、そういうことのために蓄積して持っているというわけではなくて、あくまで検察庁としては、事件が送られてきたその事件を終結処分に至り、最後、廃棄処分に至るまでその刑事事件の記録として保管しているということでございます。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 私の問いをわざとねじ曲げて長々と答弁をしている。私が問うているのは、その前に、今局長がお答えになったのは、検察の証拠の扱いの実務についてなんですよね。私が問うているのは、この法案の提出者としての刑事局に聞いているんですよ。  法案は、たとえ提供命令が取り消されても抹消することにしていないじゃないですか。これまでその説明を、現行の刑事訴訟との共通性と言いましたっけ、これまでそうしてきたんだから、そこの考え方を変えるわけではないんだということじゃないですか。そういう法案を提出しているということじゃないですか。つまり、抹消はしない、どんどん蓄積をされますという法案を提出している趣旨は、これは、大臣、つまり蓄積していくことについてメリットがあるということなんじゃないんですか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) この件も繰り返し御答弁申し上げておりますが、私どもとしては、例えば再審請求であったりとかあるいは国賠等々、そういったところにおいてもという可能性も当然あるわけでございまして、そこについてはこれまでの刑訴法上との整合ということで、そこについてはそういう認識で我々としてはこの法案提出してございます。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 だから、根本問題だからここは今回は変えないでおこうというふうにごまかしながら、実際にはこの電磁的記録あるいはデジタル化、あるいはそのオンラインやインターネットの爆発的な進歩の中で、現に今後この法案によって創設される強制処分によって、日本の警察機関が、あるいは検察が収集、取得していく情報、個人情報というのは莫大なものになり得るわけです、少なくとも。  法案はこうした強制処分の適用場面を限定していませんから、だから、どんなに令状でちゃんとやりますとかこんな場合が想定されますとか皆さんがおっしゃったところで、法案そのものは極めて一般的に広範にプライバシーを侵害し得るという条文になっているわけですよ。この参議院のこの審議の段階まで問われながら、限定するという答弁は全くされていないと言っておかしくない。  私、この電磁的記録提供命令の必要とされる場面というのはどういう場面なのかというのをここまで何回か聞いたつもりですけれども、お答えにならなかった。  その中で、今日お配りしている資料の二枚目は、令和五年の八月四日の法制審議会の第十一回議事録から抜粋したものですが、この字を書いてササキさんとお読みするそうです、法務省刑事局の鷦鷯参事官が幹事として、提供命令に罰則による強制が必要となるような場面についてこう説明をされています。「非協力的な事業者がデータを保管している想定事例を挙げるとすれば、例えば、事案によるとは思いますけれども、事業者が自ら管理するサーバの上で管理、運営されているサイトに違法なわいせつ画像、動画や、海賊版の映画、漫画、音楽データなどがアップロードされていて、そのサーバに事件の証拠として必要なデータが保存されていることが他の証拠から推認されるものの、事業者が提出を拒否していて、データが保存されているサーバの物理的所在も不明であるという状況が考えられ、この必要なデータを差押え等によって入手することができない場合には、罰則を背景にした提供命令を用いることが考えられます。」と。  こういう場合を想定して作っているのか、あるいはこういう場合に限られるのか、あるいは少なくともこういう場合と同程度の強い必要性が令状の請求あるいは発付には求められるのかと思わせる発言なんですけど、ここは、刑事局長、いかがですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) まず、電磁的記録提供命令の御説明の中で、今回の法案が国民の方にとってより利便性が高くなるという文脈の中で一つ御説明させていただいておりますのが、例えば協力的な事業者の方の場合に、電磁的記録提供命令、これまでの記録命令付差押えとかあるいは普通の令状で記録をもらってくるのだと、一々全部捜査機関と対面して、それを有体物に焼いて、それを出さなければならないというようなプロセスを生じているわけなんですが、そういうものについてそこまでしなくても……(発言する者あり)いやいや、そういう場合に簡易に電磁的記録を提供してもらう手法として、事業者にとっても利便性が高くなるという形での電磁的記録提供命令の使われ方というのも考えられますと言っておりますので、罰則の掛かる場面とに切り分けるかどうかは別ですけれども……(発言する者あり)

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 答弁中ですので、発言をお控えください。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 電磁的記録一般ということではなくて……

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 答弁は簡潔に願います。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) はい、済みません。  罰則が掛かる場合という場面については、もちろん罰則の謙抑性がありますので、今この場面に限るのかといって、これは例として挙げているものですので、それに限られるわけではありませんが、他方で、それは罰則を掛けなければならないほどの事情がある場合ということになろうかと思います。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 やっぱり、法案に対する研究者や弁護士も含む国民の皆さんからの極めて強い不安や懸念の指摘あるいは怒りをごまかそうとしておられる答弁ですよ。  電磁的記録提供命令は、いや便利でしょうと、だって対面してUSBに記録したりとかしなくていいんだから、オンラインで送れるから便利な場合に使いましょうという答弁をまずするじゃないですか。そんなこと聞いていないでしょう。大体、そんな場合に令状まで取るんですか。従来であれば捜査関係事項照会などで、そういう場合だったら取れるんじゃないんですか。取れないんですか。ああ、そうなんですか。そういう場合をどういう場合なんですかと衆議院の参考人として指宿教授は聞いたけれども、はっきりしないまま、ここに来ているんですよ。いえいえ、それはもう先ほど長々御答弁されたんだから。  私が聞いているのは、提供命令に罰則による強制が必要な場合はどういう場合ですかと。つまり、非協力的な事業者の場合なんでしょう。かつ、ここで鷦鷯幹事が挙げておられるのは、私から見ると、まず、対象犯罪が重大であるということが前提になっていると思います。こういうわいせつ画像のアップロードあるいは海賊版サイト、そういう事案の重大性と。何でもかんでも令状出すものじゃないですよと、この事案の重大性、その解明のためにどうしてもこの手続が必要だと。  つまり、証拠がそのサーバーに存在するということが他の証拠から推認される場合でしょう。何でもかんでもどこかにないかという、そういう令状請求はできない。ほかの証拠によってここにあるということが推認されるということが必要、かつ事業者が提出を拒否しているということ、それからサーバーの所在は不明である、だから捜索差押えに入ることはできないという、そういう必要性があるという場合には、罰則を背景にした提供命令を用いることが考えられますというふうにおっしゃっているわけだから。  私、これを素直にこういう発言を読めば、大臣、電磁的記録提供命令の令状請求というのは、こういう場合に限られるというか、少なくともこのような強い必要性がなければできないものであって、裁判所はその有無を審査しなきゃいけないんだと、そういう疎明資料が本当にあるのかということをちゃんとチェックしなきゃいけないんだということだと思うんですが、いかがですか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 当然のことながら、電磁的記録提供命令、そこにおいては、我々としても、その令状においてということで、裁判所の判断、これ極めて大きな話だと思っております。まさにそこにおいて、裁判所の場において、それは司法の場において適切にそれは判断をされるべきものであろうと考えております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 結局、こうやって聞いてもよく分からないまま審議が進んでいいのかということなんですよね。  オンラインの利用の問題について、今日聞いておきたいと思います。  まず、参考人質疑でも、勾留質問というのをオンラインでやる、これは駄目なんじゃないかと私、問いました。勾留質問というのは、逮捕で身柄が拘束されて、初めて刑事施設、まあ大方の場合、警察の留置場ですが、そこから外に出る機会ですよね。検察官が勾留を請求する、そのときに検察庁に行くかもしれないけれども、行って検察官の調べを受けてから勾留請求されるかもしれないけれども、そのときは手錠、腰縄で検察庁に連れていかれて、警察と一緒に検察官から調べられるわけですよね。  勾留質問というのはそうではなくて、その捜査機関があなたを勾留したいといって令状を請求したときに、裁判官がその被疑者とじかに向き合う場面なんです。だから、このときには裁判官の面前に被疑者を連れていくということが国際人権法上の大きなルールだということを河津参考人が言われたとおりなんですけれども、その意義からすると、オンラインで勾留質問、つまり留置場にいたままとか、体調が悪いから病院にいるとかいうままに、病院といったって警察病院なんかにいる、周りに警察官が確保のために立っているみたいなところでオンラインでつないだからといって、勾留質問の意義が果たされるわけがないじゃないですか。  こういうオンライン勾留質問というのは一体どう考えるんですか、局長。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 今委員御指摘のとおり、勾留質問は、裁判官が被疑者等を勾留するか否かを判断するに当たって、被疑者等から直接被疑事件に関する陳述を聴取する機会であるところ、そのような聴取については、裁判官等が他の機関とは別個独立の中立的な立場にあることが明らかになる形で行うことが望ましく、現行法の下でも原則として裁判所内で行うべきものと考えられておりますし、今後もそこの原則は変わらないというふうに考えております。  その上で、今回、裁判所に在席させて当該手続をすることが困難な事情がある場合という限定を付しておりまして、例えば被疑者、被告人が感染力の高い感染症に罹患している場合や、あるいは災害等によって被疑者、被告人の収容場所と裁判所との間の交通が一時的に途絶した場合などで、他方で、時間的要請の中で、やはり勾留質問しなければ勾留できないことになっておりますので、逆に言うと、被疑者側のちゃんと言い分を聞くという機会が大切なので、今のような、目の前には連れていくのが困難だけれども、でも事情が聞けると、そういう特別な場合、困難な場合に限って今後運用がなされていくということを想定して規定しているものでございます。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 勉強レクで聞くと、コロナ禍でこの法案の検討がされたのでこういう議論になったというような背景があるようなんですが、オンラインの公判について一問聞いておきますけど、二百八十六条で、被告人が公判期日に出頭しないときは開廷することはできない、これが大原則なんですよね。オンラインで被告人のいない公判をやろうなんというのはとんでもないと思うんですが、いかがですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) これも本来、被告人が出廷しているという形でやるのが原則でありまして、本法律案におきましては、被告人を公判が開かれる裁判所以外の場所に在席させて、ビデオリンク方式によって公判期日における手続を行うことにつきましては、審理の状況、弁護人の数、事案の軽重等の事情を考慮して、やむを得ない事情があり、被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがないなどの厳格な要件を満たす場合に限ってこれをできることとしております上、ビデオリンク方式によって手続を行うときには、弁護人は被告人の在席場所に在席できることとしておりまして、被告人が弁護人から助言を受けることができることとしております。  したがいまして、御指摘のような、被告人が弁護人の援助を得られないような事態が生ずるという、御指摘のようなそういう事態は生じませんし、あくまで今のような条件があるときに行うことを想定しているということでございます。

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 時間です。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 あとは次回で。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 大臣、大臣政務官、御苦労さまです。  いわゆるこの刑事デジタル法案ですけれども、この委員会でも今日の質疑でもう八時間であります。さらに、参考人質疑もやっていますね。衆議院でも十四時間半の質疑と参考人質疑をやっております。本委員会でも、今朝も各委員の御意見聞きながらも、やはりいろいろ懸念だとか心配があるんだなということを感じながらも、私は政治家として、この法案、政府が出しておりますけれども、足らざるところは衆議院、参議院それぞれ質疑しながら修正したり附則付け加えたりしていますから前には進んでいると、こう思っています。同時に、いろんな心配はあるかもしれませんけれども、この法案、あるかないかといえば、あった方が国民のためになると、こう思っておりますので、私はそれを前提としてお尋ねをさせていただきます。  いわゆるこの電磁的記録提供命令受けた者、いわゆる秘密保持命令ですね、これについて一年を超えない期間を定めて行うことという修正が衆議院でされました。この期間の定めについて、法案には元々なかったものです。本当にこれ捜査機関が適切なタイミングで秘密保持命令の必要性を判断して取り消せるのかという懸念を受けての私は修正だと受け止めていますが、この情報主体への捜査機関からの通知制度がなく、また、情報主体の不服申立ての機会の確保が十分でない中で、捜査機関による違法な情報の取得をどのように抑止していくのか、捜査機関側の考えはどうなのか、これを答弁いただきたいと思います。局長、どうぞ。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) まず、電磁的提供命令、それに伴う秘密保持命令につきまして、委員御指摘のとおり、衆議院で一年以内という修正が、一年を超えない期間、一年を超えない期間という期間を定めるということが修正としてなされました。それについては、今まさに先生が御指摘なさったような懸念があって、そういったものが修正がなされたものと私どもとしても真摯に受け止めております。  その上で、そのときに修正者、修正案提出者の方からもお話がございましたが、その一年を超えない期間というのがいいかどうかは別として、それも見直しがあるかもしれないけれども、今の時点では、その期間を定めることによって、その期間が徒過を、過ぎれば、それによって、任意ではあるけれども情報主体の方に通知が行くこともある、そういう形で不服申立てについて一定の道が開けると、そういったことも踏まえての修正であるという趣旨の御答弁があったものというふうに理解しております。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 是非ともここは丁寧に分かりやすく説明する必要が私はあるんでないかなと、こう思っております。  附則第四十条のこの修正について、実質的にこれを運用する裁判官が厳格な令状審査を行うことが何よりこれは重要でありますけれども、かつ前提になると思いますが、どれだけ厳格に、また適切に運用しても、被疑事件とは無関係なプライバシーの情報等が混入し得る可能性は私は否定できないと思います。  そこで、電磁的記録提供命令により取得した情報の管理が誰がどのように行うのか、また、かかる情報の取扱いをどのように考えているのか、答弁願いたいと思います。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) まず、この委員会でも御審議いただいておりますが、電磁的記録というものが紙とかと違って保管がなかなか、どういう形で保管したらいいのかというのが見えにくいというところは御指摘いただいておりますので、これにつきましては、基本的には警察、検察、裁判所という形で、刑事裁判のこれまで書類だったものが電磁的記録になって流れてまいりますので、それぞれのシステムにおいて、それが、一部証拠物のようなもので、ちょっと先ほど言いましたけど、ウイルスに感染するようなものは別ですけれども、それ以外のものについては、きちんとその閉域化されたシステムの中で安全に管理されるという形で流れていくことを想定しております。  また、最終的に裁判所で確定した記録等につきましては、確定記録法等によりまして検察庁の方に返ってまいりますので、その上で、先ほど申しました、再審等に備えて保管年限を、一定程度保管した後に、これまでは記録の廃棄という手続を取っておりますけれども、電磁的記録につきましても適切に廃棄するというプロセスを今後規定を定めることによってしっかりできるようにやっていきたいというふうに考えております。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 科学技術の発達によって、我々が付いていけないというか、予知できないような今状況が多々ありますね。ですから、そういった意味では、多くの人がプライバシーだとか人権についてはこれ懸念を持つのは当然でありますから、この点も安心感の持てるやはり説明というか徹底、これはやっていくのが当然だと思いますし、この捜査機関もしっかりそれは厳格に運用してまいりますということをよく説明をするのがまた理解を得る上での一つの道でないかなと、こう思いますので、今後ともその努力はしっかりやっていただきたい。大臣、いかがでしょうか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) まさに、実際この法案成立をした場合には、やはりそうした、現場でどういう対応をするのか、そのことが極めて大事でありますので、本日、様々御審議の中でも申し上げておりますし、局長からも御答弁させていただいておりますけれども、やはりそうした規定であったりあるいは通達、そうしたものを通じてきちんとそうした運用の適正化、これをきちんと図っていくということ、私どもとしてもそこの認識を強く持っております。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 今の大臣の答弁、それを広く知らしめるのが一番だと、こう思いますので、事務方もしっかりやっていただきたいなと思います。  私はこの法案賛成ですから、委員長、速やかな採決を是非ともお願いをするところであります。  次に、今日も袴田事件関連、検事総長談話についてお尋ねをさせていただきます。  検事総長談話の中で、「令和五年の東京高裁決定を踏まえた対応」の小見出しで、令和五年三月の東京高裁決定には重大な事実誤認があると考えましたがと書いてあります。今でも重大な事実誤認があると大臣はお考えでしょうか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) この点につきましては、検察の方でも、例えばその後、この無罪判決、無罪判決を受け入れ、控訴しないということを決めた。さらには、対外的であるか否かを問わず、この事件の犯人が袴田さんであるということはもう申し上げるつもりはございませんし、犯人視することもないということも、これは直接お伝えをしているところと聞いております。そういった中において、まさにそれが現在の検察における認識であろうと考えております。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 事実、重大な事実誤認があると、その文言の後に、憲法違反等刑事訴訟法が定める上告理由が見当たらない以上、特別抗告を行うことは相当ではないと判断しました、こうあります。  憲法違反等刑事訴訟法が定める上告理由とは何でしょうか。どうぞ。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) まず、先生今お読みになっておられるのが総長談話の二パラ目の令和五年のところでございますので、これ、まだ再審公判が始まる前の段階で、検察がどういう形で今後、袴田さんの公判に対処するかということを検討していたときのことでございまして、その時点では、その令和五年の東京高裁決定には重大な事実誤認があると考えたので、その後、再審公判においては有罪立証したというところにつながっていくんですが、他方で、ここで特別抗告を行うことは相当でないというふうに申し上げましたのは、憲法違反や最高裁の判例違反がないということで、憲法違反等刑事訴訟法が定める上告理由が見出せなかったという言い方をしているものというふうに承知しております。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 これ、今から十一年前の平成二十六年三月に静岡地裁が再審決定をしましたね。その後、検察が即時抗告しました。今回、憲法違反等刑事訴訟法が定める上告理由が見当たらない以上、特別抗告を行うことは相当でないと判断しましたとあります。  前回即時抗告したときと今回上告を断念したときの証拠に決定的な違いがあるんでしょうか。証拠の中身は結構ですから、違いがあるのかないのかを端的にお知らせください。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) まず、性質上、即時抗告という形ですと、まあ事実誤認という言い方をしておりますけれども、事実レベルで争いがあって、例えばAと事実認定されているけどBだと思うという形でも即時抗告はできることになるわけですが、他方で、それは高裁にはできるわけですが、特別抗告というと最高裁に行く段階になります。  その最高裁に行く段階では、先ほど申しましたが、事実誤認があるだけでは基本的に駄目で、最高裁に上告するには、先ほど言いました憲法違反、判例違反が認められなければならないということで、そういう事情までは認められないというふうに検察当局としてはこの令和五年の時点で判断したという文脈かと承知しております。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 その流れの中で、この文言について見ると、他方、改めて関係証拠を精査した結果、被告人が犯人であることの立証は可能であり、にもかかわらず四名もの尊い命が犠牲となった重大事犯につき立証活動を行わないことは、検察の責務を放棄することになりかねないとの判断の下、静岡地裁における再審公判では有罪立証を行うこととしましたとあります。  今でも袴田さんを犯人であると、証拠上、立証は可能なんですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) この時点で、再審公判に臨むに当たって検察はそう考えたということでございまして、では、その後、無罪判決が出て、それを確定した段階では、先ほども大臣から御答弁がありましたとおり、もう犯人視することもないしということでございますので、その時点で有罪立証が可能であるという立場には立っていないということだと承知しております。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 森本さん、当時のこの証拠とは何が違うんですか、今の答弁の流れの中で。今、経緯は全部淡々と説明されてきたけれども、当時の証拠とは何なのか、そして何が今違うのか、それを教えてくれます。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 個別の若干証拠の中身に入りますので、どこまで私の立場で答弁申し上げるのがいいかというところはあるんですが、基本的には、再審公判に臨むに当たって、五点の衣類に関する評価というものを検討した結果、五点の衣類を中心とした証拠によって有罪立証が可能というふうに、それは事実レベルでですね、令和五年の東京高裁決定の後には考えていたということかと思います。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 森本局長、裁判所はその五点の衣類についてどういう判断されました。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) まず、ここは紆余曲折がございまして、第一次請求審は除きます、再審請求審は。  第二次のときに、まず、先ほど先生が御紹介なさった静岡地裁の決定におきまして、五点の衣類は捏造であるという判断がなされました。その後、即時抗告をした結果、そのほかにDNA型鑑定の証拠もあったんですが、その即時抗告審では、検察側の言い分を入れて、まず再審開始決定を取り消しました。その後、最高裁に行きまして、これ弁護側の特別抗告で最高裁に行きまして、そこで破棄差戻しになって、破棄されて戻ってまいりまして東京高裁に来て、東京高裁の決定においては、その五点の衣類のところについては捏造と考えられるという趣旨の決定になったものというふうに承知しております。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 捏造という判決であったということでいいですね、五点の衣類について。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 今申し上げました、そうじゃないという判断をしたところもありますが、最初の静岡の決定、それから先生御言及された令和五年の三月の東京高裁決定はそういう判断になっていたものというふうに承知しております。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 これ、刑事局長、回りくどい言い方しなくて、結論は無罪なんですよ。しかも、その五点の衣類についても裁判所は明確に指摘しているんですね。それでいいですね。無罪であるし、その無罪になる判決の、法と証拠に基づく中で、それは極めて重要な意味を持っていたということはお互い共通の認識でいいですね、それは。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) もちろん、最後、最終的に、また静岡地裁の無罪が確定した判決も、先生がおっしゃるとおりのものになりました。  ただ、その前の、前からの流れを説明しましたので、その中では違う判断がなされたり、あるいは、例えば捏造について疑いといったものもありましたし、様々な決定ありましたけれども、最終的に、静岡地裁の無罪判決確定したものについては、捏造と認定され、それを検察も受け入れ、その無罪判決について検察も受け入れた上で、袴田さんを犯人視しないという取扱いになっているということでございます。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 今局長から、袴田さんを犯人視しないという話が出ました。検事総長談話ではそういったニュアンスは出ていませんね。  これ、大臣、私は、今時系列を追って刑事局長に事務的に説明をしてもらって、大事なことは、結果は出たんですね。それは無罪でした。検察ももう闘いません、争いませんということになったんです。その上でのこの談話は、大臣、どう考えても私は適切でないと思うんですよ。袴田さんに対して私は極めて失礼だと思います。  あわせて、三権分立といって司法の下した判断にクレームを付ける検事総長の談話というのは過去例がありません、何を調べても。三権分立といいながら、なぜ正直に、人としての心構えでこの検事総長が対応しないのか、私は不思議でならないんです。  だから、私は、この委員会に呼んで直接、法務大臣も個別案件だ、答えられないと言うのならば、これはやっぱり検事総長に来て、ここで説明してもらうのが一番だと思うんです。  この点、改めて私は委員長に要請しながらも、法務大臣、私は、結果としてですね、結果として、無罪判決出てからのこの談話ですよ。どう考えても、これ、委員の皆さん方も、この談話を読んでも、私は、検事総長の、私は、人の道として、あるいは検察のトップの、事務方のトップの立場としても、私は、ちょっと思い上がりと、表現自体が言い過ぎだと思うんですよ。だから、私はあえて検事総長にここに出てきていただきたいとお願いしているんです。  これ、大臣からも検事総長に、おまえ出て説明すれと、大臣には命令権あるんですから、国民に私しっかりと説明責任を果たさせることが、私は、検察の信頼回復にもなるし、評価にもつながると思うんですよ。  私は、この検事総長談話、どう皆さん方読んだって、判決に文句を付ける談話なんというのは聞いたことないでしょう、皆さん。ここはしっかりただすのが、私はこれは法務委員会の権威にも関わると思っております。私が言っていることは何も無理じゃない、当たり前のことだと思っていますよ。  ここ、大臣の答弁を願います。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 人としてということでずっと御指導をいただいているところでありますけれども、本件のことで申し上げれば、やはり私の立場として申し上げられることとして言えば、やはり私は、検察の方のこれはやはり一番最後の言葉というのは、当然、これは検事正の方で袴田さんに対して申し上げた言葉、そういうことになるんだろうと思っております。  まさにそれは、先ほど来申し上げておりますけれども、これは検察として、今回の無罪判決、これを受け入れたと。そして、この事件の犯人は袴田さんであるということはもう申し上げるつもりはありませんし、犯人視することもない、改めて大変申し訳ございませんでしたということで、これ申し上げているわけであります。  私は、この個々の事件だとか、あるいは検事総長、検察の活動について評価をする立場にありませんけれども、私の立場として言うと、やはりこの最後の直接謝罪における、直接謝罪における検事正の言葉というものが私は検察の思いだというふうに感じているところであります。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 大臣、法務省という組織の中で大臣が一番偉いんですよ。これ、判決に対してどうこうすれ、あるいは抗告した、特別抗告したからこうやれというのは、大臣はその権限ないんですよ。ただ、こういった談話に対しての指導監督は大臣できるんですよ。これは命令でも何でもないんです。法律よりも何よりも大事な人の道としての心構えなんですよ。袴田さんの五十八年の人生を無視したことを、私は、しかも、無罪判決を得ながらも台なしにしていると思いますよ、心ない表現で。  大臣、政治家ですから、選挙の際、票要らないという演説ぶてますか。一票でも欲しいと思って選挙運動するんじゃないですか、大臣、選挙のときは。ならば、人の人生を台なしにしておきながら、私は、もっと謙虚であるべきだ。しかも、検察の最高、トップなんですよ。これを、この判決を否定したり、この談話の中では、まだ、袴田さんを犯人視しないとかなんとかいうのは後の話でありますから。私は、どう考えてもちょっと人の道としては許すわけにはいかないと、こう思っているんです。  これ、大臣から是非とも検事総長に、進んで国会に出て釈明、説明した方がいい、堂々と議論すれという話をしてほしいと思いますが、いかがですか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) まさに、私自身も、袴田さん、大変もう長い期間、もう人生の本当に大半のところをこうした形で、非常にそうしたつらい立場に置かれてしまった、置いてしまうこととなってしまったこと、これについては大変申し訳なく思っています。そこの点については、ほかの場面でも申し上げておりますけれども、そこについてはしっかりと謝罪を申し上げたいと思っております。  その上で、検事総長、特に今回御指摘があるのはこの個別の案件についてということで、そこについてここに出てということでありますので、ちょっとそこのところについては、私の立場としてどういうことまでできるのか、あるいはできないのか、その点については整理をしたいと思いますけれども、私自身としては、やはりそうした長い期間にわたって不安定な立場に置いてしまった、これは本当に大変なことであります。  だからこそ、そこについては改めてこの場でも謝罪を申し上げたいと思いますし、そこの点についてはそれが私の思いであります。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 これ、鈴木大臣、是非とも法務大臣として、人間鈴木大臣として、私は袴田さんのところにやっぱりおわびに行っていただきたい。これがまた、おわびを言うことによって私は法務省の信頼が上がると思います。ここは是非とも、大臣、国会が終わるなり、時期を見て行っていただきたいと、こう思いますが、大臣のお気持ちをお知らせください。

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) もう時間ですので、簡潔にお願いします。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) そうしたこと、この委員会でもいろいろとそうした御指導もいただいておりますし、人としてということでいろいろおっしゃってもいただいています。  そういった中で、私としての思いもあります。その一方で、やはりどの案件でどうするという、そこの違いが出ない形で、そこはほかの今後の様々な事件へのいろいろな意味での関与ということにならないような形で何ができるのか、そこの点についてはしっかりと、私なりにしっかりと精査をして、しかるべき対応をしっかりとしていきたいと思います。

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時四分散会

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