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217回国会参議院2025/03/13

法務委員会 第2号

発言数
175
登壇者
24
会派数
8
開催日
2025/03/13

会議録

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官原典久君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、法務行政の基本方針に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

古庄玄知自由民主党

○古庄玄知君 皆さん、おはようございます。古庄です。  まず、大臣にお伺いしたいと思います。  我々、国会が立法の府というふうに言われておりまして、法律を作るというそういう立場にあるんですけれども、一般的に、その法律の条文というのが判断する人間によって右に行ったり左に行ったり、そういうぶれるようなことがないように、なるべくその条文は明確に、かつ解釈で分かれることが余りないように作るべきであるというふうに考えておりますけれども、この点に関しまして、まあこれ、民事と刑事で違ってくると思いますが、そういうふうに考えるべきであるという理由と、その原理といいますか、それについて説明いただければと思います。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 今先生御指摘の点でありますけれども、一般的に刑罰法規における明確性の原則ということであろうかと思います。この明確性の原則ということで申し上げれば、刑罰法規、これは明確でなければならないというものとして、憲法第三十一条が保障する罪刑法定主義、この内容を成すものと理解されているものと承知をしております。  明確性の原則、この趣旨ということでありますが、仮に罰則の内容が不明確である場合には、犯罪の内容が事前に法定されていないということと同じようなこととなるということ、さらには、国民の行動、この予測可能性が奪われる、こういった点、これが趣旨であると考えております。刑罰法規に関する重要な基本原則であると認識をしております。  先ほど民事のこともお話をされていましたので若干触れさせていただきますと、民事法につきましても、一般論として申し上げれば、法律の規定、これはできる限り明確であることが望ましい、これは民事においても同様であると考えております。

古庄玄知自由民主党

○古庄玄知君 資料を、資料一の方を御覧いただきたいんですが、まず、今大臣がおっしゃられた憲法三十一条というのをそこに書いています。その下に自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律、その中で危険運転致死傷罪というところがありまして、その二号で、制御することが困難な高速度で自動車を走行させた場合には、危険運転致死傷罪ということで一年以上の懲役というふうになっておりますし、七号で、赤信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する場合、これも一年以上の懲役ということになっています。これについては後ほど質問します。  今度、その下の出入国管理及び難民認定法、これはこの法務委員会でもかなり問題になったところですけれども、永住者の在留資格の取消しに関しまして、永住者の在留資格をもって在留する者が、この法律に規定する義務を遵守せず、又は故意に公租公課の支払をしないことということで、故意にという解釈をめぐってかなりこの法務委員会で問題になって、法務大臣の方が、ガイドラインを作るのでそっちの方で分かるようにしますからと、そういう御意見でした。  この前、法務省の方に聞いたら、今ガイドラインを作っている途中であると、要はまだできていないということでしたので、是非この辺り、判断する人間によって右に行ったり左に行ったり、そういうぶれることがないようなガイドラインを作っていただければというふうに思っております。  次に、先ほどの自動車運転により人を死傷させる行為等の処罰の法律というものの、これについて若干説明させていただきたいんですが、法律が曖昧だと非常に困るという例がこの案件だと思います。  これ、大分県で発生した事故で、十九歳の少年が大分県の長い直線である道路を百九十四キロ、制限速度六十キロのところを百九十四キロで突っ走っていて、対向車が右折するときにそれにぶつかって対向車が亡くなったと、こういう案件です。  当初、検察官の方は、これは危険運転じゃなくて過失運転であると。過失運転になれば七年以下の懲役なんですね。危険運転なら二十年以下の懲役、一年以上二十年以下ということになるので、重さが大体三倍ぐらい違うと、こういう案件でした。それを聞いた遺族が、余りにもそれはひどいんじゃないかということで署名活動をやって、二万八千通の署名が集まって、それを検察庁に提出したら、検察庁の方が、まあ心を動かしたんでしょう、主位的訴因を危険運転に変えて、予備的訴因で過失運転という二本立てで起訴し直したと、こういう案件です。  現在、大分地裁でこの前判決が出まして、危険運転に該当するということで有罪判決が出ましたが、被告人の方は、これは危険運転じゃなくて過失運転だと、この制御することが困難な、制御することが困難な高速度ということを検察官側は立証できていないと、だから、過失運転であれば認めるけれども、危険運転であれば認めないということで控訴して、今福岡高等裁判所で裁判をやっている途中です。  これ、裁判の当事者とすれば、検察官、それから被害者側の遺族、それから被告人、その弁護人、それと裁判官、五者が関与してくるんですが、この条文が曖昧なので、当初の検事は過失運転という軽い方で起訴したんですね。これが納得できぬと遺族の方はなりました。今度、弁護人側は、これは立証ができていないじゃないかと、制御することが困難というふうに言えるのか言えないのか、立証ができていないんじゃないかということで争っています。  私、被告人も、あっ、遺族は当然、過失運転だと軽過ぎると、こういう気持ちですね。私、当初、被告人も本当に争うつもりかなと思っていたら、実は、被告人は、自分がやったことは悪いことなので早く決めてもらいたいというのが被告人のどうも本心みたいなんですね。俺は悪いことやってないというのではなくて、悪いことはやった、その罪は償いたい、だけど、どっちかよく分からぬから早く決めてもらいたいというのが被告人の意思のようです。これ、担当の弁護人から聞きましたので、これは間違いないと思いますね。ただ、弁護人とすれば、こういう曖昧な条文で、はい、分かりました、じゃ、主位的訴因である危険運転致死罪を認めますなんということは言えないので今争っていると、そういう状況です。  私、弁護人にどうして憲法違反で争わぬのかと実は言ったんですけど、まあそこまでは余り話を大きくしたくないということで憲法違反の主張はしていないみたいなんですが、いずれにしても、みんながこれで困っていると、被害者だけじゃなくて被告人まで困っている、罪は償いたいんだけど、どっちで償っていいかよく分からぬと。ということなので、これは法律の条文が曖昧なゆえにこういうふうなみんなが困ると、そういう事態を引き起こすのがこの曖昧な法律を作った結果だろうというふうに思っております。  おかげさまで、法務省の方としてこの法律の改正の方に今動いていただいているというふうに聞いておりますので、この今改正がどの程度進んでいるのか、また、どういう方向で改正しようというその方向性というか、それについて法務大臣の方から御教示いただければと思います。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 今お話ございました危険運転致死傷罪の関係ということでありますが、近時、危険、悪質な運転行為による死傷事案に適切に対処することができていないのではないかと、そういった観点から様々な御指摘があったところであります。  そうした中で、法務省におきまして昨年開催をいたしました自動車運転による死傷事犯に係る罰則に関する検討会、ここにおきましても、危険運転致死傷罪の飲酒類型、そして高速度類型について構成要件を明確化するための数値基準を規定することなどが議論されたところであります。そこで、法務省といたしましては、本年の二月に、身体に法令で定める程度以上にアルコールを保有する状態で自動車を走行させる行為、そして法定で定める速度以上の速度で自動車を運転する行為、こうしたものを自動車運転死傷処罰法第二条の危険運転致死傷罪の対象とすることについて法制審議会に対して諮問したところであります。  今後どう進んでいくかということでありますが、今後、法制審議会の部会において調査審議が行われることとなりますが、危険、悪質な運転行為による死傷事犯への対応、これまさに喫緊の課題ということでありまして、法制審議会において充実した御議論をいただいた上で、できる限り早く、早期に答申をいただけるように私どもとしては期待しているところであります。

古庄玄知自由民主党

○古庄玄知君 続きまして、今度刑事から離れて民事の方に行きますが、資料二を御覧ください。  これ、離婚した場合の養育料の話なんです。母子家庭のところを見ますと、養育料の話、要するに取決めをしているというのが四六・七%、現在も受給している、要するに養育料をもらっているというのが二八・一%、で、その下の点々の括弧、養育費の取決めをしている世帯で見ると、現在も受給しているは母子世帯で五七・七%となっております。要するに、取決めをしても、約四〇%以上が養育料を、もらい出して、もらっていないということですね。取決めない人まで含めると七〇%以上が養育料をもらっていないと、そういうことになります。  で、母子家庭における就業率、これ調べたんですが、就業率は八六・三%。お子さんを抱えながら働いている人が約九〇%いて、その家庭の貧困率が約四五%というふうになっております。働いていても、子供を抱えて離婚したら貧しいと、貧困だというふうに、そういう状況です。  そこで、養育料を払わない人間がたくさんおるということなので、取決めしていなければ調停か何かで月々幾らというふうな話合いをしたり、あるいは離婚のときに月幾ら払うわというふうな取決めをしても、四〇%ぐらいが途中から払わなくなると。そういう状況ですので、子供は国の宝だと、で、この少子化の現状からして、やはり何としてでも養育料を相手からその母子家庭の方に払わせなければならないと。そのためにはどうすればいいかということで、私、前にもこの法務委員会で質問したんですが、一番いいのは、不払を罰則を付けるというのがその効果として一番いいんじゃないかと思って以前もそういう提案をしたんですが、それは民事の問題であるから、何とかという当時の大臣が、だから無理だという返事だったんですけど、民事でも罰則付けりゃ刑事になるわけだから、そういう形式的な答えじゃなくて、本当に罰則を付けて支払をある程度強制力を持たせると、そういうふうな考えに立ってもいいんじゃないかというふうに思います。  それともう一点、勤務先が分からぬ相手方というのはかなりおるんですね。あるいは、どこに住んでいるか分からないという人もかなりおって、住んでいることさえ分かれば、興信所か何かに頼んでつけていって、毎日ここに行っているということで、その行っている先から、ああ、ここのお医者さんやっているよとか、ここの警備員やっているよとかというのは分かるんですが、住所を変えてどこに住んでいるか分からぬ場合はなかなかその辺が調査ができないということがあって、そういう調停なんかの場合に勤務先を裁判所に定期的に報告すると、そういうふうなシステムを取り入れたらいいんじゃないかなと、そういうのが不払を防止するために対策となるんじゃないかなというふうに考えたんですが、その辺りについての局長の、民事局長の御見解をお願いします。

竹内努法務省民事局長

○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、養育費の履行確保は、子供の健やかな成長のため大変重要な課題であると認識をしております。  そのような観点から、令和六年五月に成立をいたしました民法等の一部を改正する法律におきましては、養育費の履行の確保の方策といたしまして、養育費債権に先取特権を付与するとともに、養育費の取決めを補充する趣旨で法定養育費制度を新設するなどしておりまして、これらの仕組みの導入は養育費の履行の確保に一定の効果があることが期待されます。  また、執行の対象となる債務者の財産を特定するための方策といたしましては、令和元年の民事執行法の改正におきまして、財産開示手続の実効性を高めるために規律を見直すとともに、養育費等の債権者が市町村等の第三者から勤務先等に関する情報を取得することができる手続を新設しておりまして、さらに、令和六年の民法等の一部を改正する法律において、それらの手続の申立ての負担を軽減するための方策を設けること、設けるなどしております。  他方で、養育費の履行の確保のため、委員御指摘のような養育費の不払に対して新たな刑罰を導入すべきとの意見があることは承知をしております。もっとも、一般に、民事上の債務の不履行それ自体に対して刑罰を科している例はございませんで、そのような制度の導入については慎重に検討すべきであると認識をしております。  先ほど申し上げましたとおり、改正法施行による新たな仕組みの導入は養育費の履行の確保に一定の効果があることが期待されることから、まずはその施行後の状況を注視することとしたいと考えております。

古庄玄知自由民主党

○古庄玄知君 ありがとうございます。  それで、養育費に限らないんですが、裁判、長年、二年も三年もやってようやく判決が出て、百万円払えという判決が仮に出たと。ただ、その後、それを回収する、確実に回収することまで考えぬといかぬと思うんですが、一番通常やるのは銀行預金の差押えなんですね。それ以外に、不動産は抵当権がほかの人の抵当権がくっついていたり、あるいは動産の競売なんといったってどうなるか分からないということで、銀行預金の差押えじゃないかと思うんですが。  そこで、債務名義、要するに判決が出た後、弁護士が一般的に用いるのが弁護士法二十三条の二の弁護士会照会という制度があります。弁護士会に対して、何々さんの銀行預金を調べてほしいというふうな申立てをします。ところが、今、ほかの県はよう分かりませんが、例えば過去一年の取引履歴を調べてくれと言っても、銀行は、その弁護士照会が届いたそのときの現在残高、これしか明らかにしません。ということは、一日前に一億円その預金から抜いていたとしても、その照会が届いたときにゼロになっていれば残高ゼロです、ゼロですよという返事しかしてこないということになって、ほとんど意味を成さないと。  そういうふうに現在残高しか回答しないのは、銀行側の言い分は、万が一それによってプライバシーの侵害とかなんとかで債務者から銀行が損害賠償を請求されたらそれが困るので現在残高しか回答しませんというのが銀行の言い分なんですが、これだと余り役に立っていない。  そこで、何とかそこを立法化するか何かして役に立つような法条文に変えていただけないだろうかというのが恐らく全国の弁護士からの切なるお願いだと思いますので、これは司法法制部長の御回答をお願いいたします。

松井信憲法務省大臣官房司法法制部長

○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。  委員御指摘のような執行対象財産の把握のためには、例えば民事執行法上の財産開示手続などがあろうとは思いますけれども、御指摘のような弁護士法第二十三条の二の規定に基づくいわゆる弁護士会照会制度につきましては、照会を受けた者は正当な理由がない限り照会された事項について報告をすべきものと解されております。  そして、報告を拒絶できる正当な理由がある場合とは、報告がされることによって得られる公共的な利益と報告をしないことによって保護される法的利益、例えば個人のプライバシーや職業上の守秘義務等の法的利益とを比較考量して後者が上回る場合をいうものと解されております。  このように、照会を受けた者が報告をすべきかどうかは個別の事案ごとに比較考量して判断すべきものでございまして、御指摘のような一般的な規律を設けることにつきましては慎重な検討を要するものと考えております。

古庄玄知自由民主党

○古庄玄知君 そういう意見が全国の弁護士から寄せられているということは、是非頭に入れておいてください。  最後になりましたが、刑事訴訟法の三百五十一条、「検察官又は被告人は、上訴をすることができる。」というふうに書いております。この条文から検察官を削ったらいかがでしょうか。  その理由は、もう起訴する段階で捜査は十分尽くしておりますし、十分法的な見地から検討されているというふうに思いますし、国には時間と能力と人材がたくさんいるけど、被告人になった人間はその三つが全て存在しません。個人、普通の民間人が起訴されたときにそれを争うというのは並大抵なことではないということで、是非この刑訴法のここから検察官という文言を削っていただきたいというふうに思います。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) まず、御指摘の点につきましては、以前、法制審議会で議論がされたことがございました。その際、被告人に精神的、経済的に負担を掛けることとなる上、罪を犯していない人を処罰する危険が大きいなどとして、第一審で無罪判決が下された場合に検察官の上訴を許さないこととすると、先生御指摘のような意見があった一方で、検察官による上訴は適正かつ慎重に行われている上、第一審判決の事実認定が明らかに間違っている場合にも、被告人に有利なものである場合に限ってそれを是正せずにそのまま確定しようというのは極めて偏った意見であり、被害者を始めとする国民の理解が到底得られないとする反対意見もございました。  こうした経緯を踏まえて、現在法整備に至っていないものでございます。

古庄玄知自由民主党

○古庄玄知君 言いたいことはいろいろあるんですけど、時間になりましたので、これで終わらせてもらいます。  ありがとうございました。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 福島みずほです。  女性差別撤廃委員会が勧告を出したことで、皇室典範の女性天皇を認めないのは問題であると、六十項目、項目があるわけですが、勧告で。一月二十九日、外務省は、任意拠出金を女性差別撤廃委員会に出さないという停止宣言、三月末までの委員の訪日プログラムの停止について記者会見を行いました。  政務官、このことを事前に聞いていましたか。

生稲晃子自由民主党外務大臣政務官

○大臣政務官(生稲晃子君) お答えいたします。  決定に至るまでのプロセスについて……(発言する者あり)私は、このことに関しましては、まだそのときは聞いておりませんでした。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 これ、閣議決定していないし、誰が決定したのかというプロセスすら明らかになっていないんです。外務大臣が判断したのか。今日、政務官は、事前には知らなかったとあります。でも、こういう重要なことを政務三役が知らないことそのものも極めて問題だと思います。  これに関して、二〇〇五年から実は、二千万、三千万というレベルですが、任意拠出を停止していたわけで、そもそも拠出していなかったんじゃないですか。

生稲晃子自由民主党外務大臣政務官

○大臣政務官(生稲晃子君) 拠出に関しましては、少なくとも平成十七年以降は、日本から国連人権高等弁務官事務所、OHCHRへの任意拠出金がCEDAWに関連する活動に使われたことはありませんが、今般の判断により、今後もCEDAWの活動に使用されないことが確保されて、我が国の本件に対する立場をより明確に示すために宣言をいたしました。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 訪日プログラムは三月末まであったんですか。

生稲晃子自由民主党外務大臣政務官

○大臣政務官(生稲晃子君) 訪日プログラムの計画につきましては、本件訪日プログラム、二〇二〇年度以降は、新型コロナウイルス流行に加え、同年三月に第九回政府報告審査プロセスが始まったことを受け、審査対象国政府との接触を制限するガイドラインに鑑み、実施を見合わせていました。二〇二四年十月の第九回政府報告審査の終了を受けまして、二〇二四年度から再開を予定していましたけれども、今般の事案を重く受け止め、実施を見合わせるという判断となりました。なお、今回の判断は、来年度以降の同プログラムに関する対応を予断するものではありません。  いずれにせよ、我が国としましては、女性活躍、男女共同参画は、全ての人が生きがいを感じられる、多様性が尊重される社会を実現するとともに、我が国の経済社会の持続的な発展に不可欠の要素であると考えていまして、女子差別撤廃に向けたCEDAWとの協力も今後継続してまいります。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 二〇〇五年から日本は拠出していないんですよ。これってDV夫みたいなものだと。つまり、俺の気に障ったなと、俺の気に障るようなことを言ったな、勧告したなと、だから金払わぬぞ、だってあなた、養育費払っていないじゃない、元々という、そういう世界ですよ。  日本がこのように拠出をしないと宣言したのは初めてなんですよね。これは本当に、女性差別撤廃委員会に日本が委員や委員長を出し続け、ジェンダー平等で頑張るんだということを、間違ったメッセージ、日本はジェンダー平等なんて考えていないし、女性差別撤廃委員会に拠出なんかしないぞという非常に悪いメッセージを出しているというふうに思います。  外務省、これ、一言で結構ですが、撤回すべきじゃないですか。

生稲晃子自由民主党外務大臣政務官

○大臣政務官(生稲晃子君) この決定に至るまでのプロセスに関して……(発言する者あり)政府としましては、この個別、政府としましては、この個別具体的な状況に応じまして、様々な御意見をこれからもしっかりと踏まえつつ、総合的に判断をしてまいります。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 撤回すべきです。間違ったメッセージを出す、日本がジェンダー平等指数百十八位であって、さらに後ろ向きのメッセージを出して、条約の履行について極めて後ろ向きだというメッセージを国内外に発して、問題です。撤回すべきだということを強く申し上げます。  次に、人質司法についてお聞きをいたします。  令和六年十二月九日、最高検察庁刑事部長がまさにペーパーを出しています。およそ取調べにおいては、相手方の主張や弁解に十分に耳を傾け、自白という結果に固執しないこと、誹謗中傷や罵詈雑言の類は固く禁じ、これ当たり前のことですよね。こういうことを今言わなくちゃいけないというのは極めて問題だと思います。  で、質問をいたします。  憲法三十一条などから、被疑者、被告人に無罪推定原則があります。無罪推定原則が存在する以上、本来は身体拘束されないことが原則であり、刑事訴訟法上身体拘束があり得るとしても、例外的で最終的なものと位置付けられねばならないという身体不拘束原則があるということでよろしいですね。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 刑事訴訟法におきましては謙抑性の原則等がございますので、任意捜査を原則とするという考え方の下に日本の刑事司法は成り立っているというのはそのとおりだと、こういうふうに考えております。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 でも、罪を認めなければ長期間にわたって身体拘束をされること、無実であるほど保釈が認められずに、長期間勾留されて自白を迫られてしまい冤罪の温床となるということが極めて問題です。これ、見直すべきじゃないですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) 身柄拘束をするかどうかに至っては、逮捕、勾留の要件を考えて、まず警察が逮捕状の請求をし、それから検察官が勾留請求を経て、裁判官の勾留を認めるかどうかという判断に従ってやっているということでございまして、その運用は適切に行われているというふうに当局としては承知しております。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 保釈の場合に、自白をしていれば、なかなか保釈がされない。大川原化工機事件で八回、八回、がんだと分かっても八回保釈は認められていなくて、結局保釈が一度も認められないまま御本人はがんで亡くなりました。  保釈が認められない、自白をしなければ、冤罪でも自白をしなければ出られないんですよ。だから、自白を、もううそでもいいからとにかく認めて命からがら外に出るか、あるいは、一生おまえはここから出られないぞ、生きては出られないからななんて言われながらとにかく中にいるか、がんで死ぬか、どっちかなんですよ。おかしくないですか。  ドイツにおける罪証隠滅要件、罪証隠滅のおそれが認められるのは、明白な嫌疑という趣旨に沿って要求される高い蓋然性が存在する場合に限られ、具体的な事実に基づかない単なる臆測だけではこれを満たさないなどと、明らかな差し迫った危険に近い解釈がされています。ドイツの実際の運用も、二〇二一年の統計では、刑法犯全体の事件が八十二万三千五十一件、勾留は二万五千四百六十件、僅か三%、罪証隠滅勾留は〇・二%にしかすぎません。罪証隠滅のおそれというのは明らかに差し迫った具体的な危険である必要がある。  今まで、人質司法に乗っかって捜査機関は人質司法を利用してきた、裁判所はまさに人質司法の追認をしてきた。これ、今こそ変えるべきだと思いますが、いかがですか。

森本宏法務省刑事局長

○政府参考人(森本宏君) まず、刑事訴訟法における逮捕、勾留の要件につきまして、逮捕の場合には被疑者が罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があるときというふうにされております。そして、明らかに逮捕の必要性がないと認められる場合を除き逮捕状を発付しなければならないというものが刑事訴訟法上の定めでございまして、それに基づく運用がなされているということで、委員御指摘の具体的かつ現実的な罪証隠滅のおそれが認められる場合に限って例えばまず逮捕状の発付をすべきという趣旨であれば、そのような解釈は取っておりませんということでございます。  また、勾留の要件である被告人が罪証隠滅すると疑うに足りる理由があるときにつきましては、一般に証拠に対する不正な働きかけによって終局的判断を誤らせたり捜査や公判を紛糾させたりおそれがあるときをいうものと解されておりまして、そのおそれの程度については、単なる抽象的な危険性では足りないものとして解釈、運用されているものと承知しております。  もっとも、それが、お尋ねがその一般的な解釈、運用で求められている程度を超えた罪証隠滅のおそれが認められる場合をいうべきであるとすれば、そういった解釈は相当でないというふうに考えます。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 それ建前で、実際は全く違って、違憲的な運用がされているんですよ。無罪の推定も、身体不拘束は極めて例外的であるべきだ。さっきのドイツの例と全く違うじゃないですか。自白しなかったら出られないんですよ。実際、統計がそれを示しているじゃないですか。これこそやっぱり変えなくちゃいけない。起訴前保釈も認められていないし、弁護人の立会いも、まあほぼほぼ、検察の場合、一度も認められていないじゃないですか。でも、やっぱり保釈の要件、罪証隠滅のおそれを抽象的に解していることが極めて問題です。  最高裁、大川原化工機事件で、がんと分かって、そしてこれ、起訴が取り消されたようなケースですよ。このケースで保釈しなかったと。問題じゃないですか。

平城文啓最高裁判所事務総局刑事局長

○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答え申し上げます。  最高裁判所の事務当局として、個別の事件の判断について、その所感を述べる立場にないため、そのお答えを差し控えさせていただきます。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 捜査機関による人質司法の利用と裁判所による人質司法の追認、これ変えなければ駄目ですよ。  大臣、一月、ごめんなさい、三月十一日夜、狭山事件を無罪で再審請求中の石川一雄さんが八十六歳で亡くなりました。受け止めをお聞かせください。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 御指摘の件、報道で承知をしているところであります。  御指摘のいわゆる狭山事件でありますけれども、これについては再審請求がなされた事件でありまして、個別事件の当事者の方の身の上に関わる事柄につきまして、ここは法務大臣という立場でおりますので、その立場からは所感を述べることは差し控えたいと思います。済みません。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 私は狭山事件の末席の末席の弁護人で、東京高裁で行われている三者協議などにも行ってきました。これは、門野裁判長が証拠開示で例えば取調べテープやたくさんの資料を出してくれて、新たな発見が本当にありました。でも、これは、いい裁判官に当たって証拠開示されなければ出てこないんですよ。そうでなければ出てこないんですよ。再審法における不備じゃないですか。刑事訴訟法における再審の規定の不備です。  これは、法制審議会を開くと言っていますが、もう石川さん、途中で亡くなったんですよ。一刻の猶予も許されない、一日たりとも許されないというのが再審事件ですよ。これ、議員連盟で法案を今国会中にでも超党派で出したいという動きもありますが、本当に、再審法、一刻も、一日も早くこれ改正すべきであると思いますが、いかがですか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) この件につきましては、法制審の方に諮問をさせていただいているところであります。私どもとしては、しっかり充実した議論を期待したいと思いますし、その状況の中で、なるべく早期にそういった結論を出していきたいと考えています。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 証拠開示の規定もなければ、それから検察官不服申立ての禁止もありません。  袴田さんは生きて再審無罪勝ち取りましたけれど、一刻の猶予もないんですよ。ですから、これは本当に今国会成立させるべきだと思い、法制審議会で何年も議論しましたでは済まないんですよ。そのことを強く申し上げます。一刻も早い成立をお互いにやりたいと、法務省もそれに是非一緒に協力してやっていただきたいということを強く申し上げます。うんうんと言ってくださったので、ちょっとそれを、うんうんということを強く受け止めて頑張りたいと思います。これは超党派ですが、頑張りたいと思います。  次に、選択的夫婦別姓についてお聞きをいたします。  私自身も、具体的に結婚する、結婚して名前を変えるというときに、名前を変えたくないなというふうに思いました。彼もですね、僕も名前変えたくないから、あなたの言うことはよく分かるよと言ってくれて、結婚届を出せない、出さない、事実婚状態で子供がいるということをずっとやってきました。だから、選択肢として、これ、だって選択ですから、名前を変えたい人もいるかもしれない。でも、両方変えたくないという場合は結婚届を出せないわけですから、是非、是非、その意味で、本当に認めていただきたいというふうに思います。  子供がかわいそうという議論がありますが、これはあり得ません。私は夫と子供と姓が違います。でも、何の不都合もないし、子供がかわいそうなんということは一度もありません。問題もありません。そして、選択的夫婦別姓が実現されて法制度ができれば、かわいそうなんということも、そんなことを言う人もいなくなるというふうに思います。  大臣、自民党の中の選択的夫婦別姓実現を推進する議員連盟の幹事長として、これ、困った人がいれば助けるべきだとやってきた大臣、閣法で出してくれませんか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 選択的夫婦別氏のこと、まさに今様々お話もいただきましたけれども、やはり現実的にお困りの方がいらっしゃる状況、これ十分に私どもとしても承知をしております。同時に、一方で、逆の立場から様々な議論があることもまた事実でありまして、まさに我々としては、こうした様々な分かれた議論がある状況でありますから、国民の間で広く、そしてこの国会においてなるべくその議論をしっかりと深めていただきたい、そういった立場でおります。  閣法でということについても、これは議法、閣法、様々な可能性、当然あると思いますけれども、そうした議論の状況、あるいは世の中の状況等もしっかりと見据えながら判断をしてまいりたいと思っております。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 残念です。  一九九六年、法制審議会が全会一致で答申を出して、法務省はそのとき法案を出そうとしたんですよ。でも、国会の中の自民党などの反対で出せなかったんです。三十年たちました。もう議論は十分出ているし、法制審議会の答申あるじゃないですか。  大臣自身、十二月十九日、この法務委員会で、米国同時多発テロ、あるいは中東に仕事に行くと、パスポートと一致しない名前で活動している人が怪しまれる風潮を感じた、そのとおりです。  パスポートの電子データは、前も質問しましたが、ICAO国際規定で、これ戸籍名なんです。ですから、パスポートとか身分証明が登録姓、戸籍名なので、通称使用している人は、あんた誰、入管で、そして大企業で、大使館で、あらゆるところで違うと。海外で働いている女の人たちのたくさんの困っている例をお聞きをいたしました。国連ってパスポートでやるんですよ、登録姓です。スイスの免許証もまさに登録姓です。国連の建物を行き来するのですら、これまさに通称使用していると困るんですよ。日本で弁護士をやっている人は通称でやっている、でもアメリカの弁護資格持って戸籍名でやると、ビザも出ない。  もうみんな本当に困っているんです。アイデンティティーの問題、人権の問題でもあるけれど、困っている。だから、経団連も同友会も、経済界は選択的夫婦別姓導入すべきだって言っているんですよ。大臣、いかがですか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 今御指摘のように、先日、経団連の方からも提言という形で拝見、拝読もさせていただきました。その中で様々なビジネス上の困難というか困り事ということ、指摘もされています。  やはり、特に今先生おっしゃったようなパスポート、特に、なかんずくMRZという機械で読み込む部分ですね、そこのところが基本的には各国ともアイデンティファイをする方法となっている。これはビザなんかについてもそうですから、そういったところでそうした困難をどう解消できるのか、このことは我々も問題意識を持って今、様々なことを今検討を進めております。そういった中で、実際のこの課題をどう解決をしていくのか、そのこと極めて重要だと認識をしております。  ただ、その上で、繰り返しになって申し訳ありませんけれども、やはり様々な議論があるのもまた事実でありますので、その点で是非議論を深めていただきたいと思っております。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 様々な議論って、人が困っていることを何でそれ放置するんですか。  金融機関、日本、銀行は三二%通称使用に対応していない、信用組合は八八%対応していない。連合のアンケートでも本当に出ています。日経新聞は三月八日、二千三百人オンライン調査、六三%が賛成。  私は今日、マイネーム・マイチョイスというのありますが、本当にこれで困っているということを受け止めて、これこそ閣議決定で出してほしい。でなければ、もう議員立法で今国会に出して成立させるしかないというふうに思います。  同性婚について、四回目の高裁の違憲決定が出ました。もう違憲ですよ、誰を好きになったかによって結婚できないんですから。四件目の違憲判決です。最高裁でも、まあ分かりませんが、これ違憲というのはもうほぼほぼ確定、いろんな裁判所がもう確定していると思います。  これ、同性婚も認めるべきだ。大臣、いかがですか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) まず、同性婚のことについて申し上げます。  今お話ございましたように、三月七日の名古屋高裁判決において、憲法違反をするという判断を示したもの、これは承知をしているところであります。同時に、確定前の判決ということでもあり、また他の裁判所に同種の訴訟が係属をしていることから、その判断も注視をしていきたいと考えています。  そして、この同性婚制度でありますけれども、親族の範囲、あるいはそこに含まれる方々の間にどのような権利義務関係を認めるかといった国民生活の基本に関わるものでもあります。そういった中で、国民一人一人の家族観と密接に関わるものでありますので、そこもしっかりと議論を深めていただきたい、私どもとしてはそう考えております。

福島みずほ立憲民主・社民・無所属

○福島みずほ君 違憲と言われているんですよ。選択的夫婦別姓も同性婚もその人が幸せになるだけで、大臣の家庭には影響ないんですよ。あなたの家庭には影響ないんですよ。幸せになる人が増えるだけを、何でいろんな意見があるといって、人が幸せになることを何で法律がそれを拒否するんですか。これはもう本当に出すべきだと思います。  刑事デジタル法改正が今国会でされて、大臣の所信表明にもありました。私はこれ、電磁的記録提出命令を本人が知らない間に裁判所の令状で取ってしまうということが問題だと思います。  差押え、捜索差押えだったら何が捜索されたか、そして押収品目録があって、それがあれだったら準抗告を本当にできるけれど、そんな権利が一切本人に与えられないという点で、要するに事業者しか分からないという点で極めて問題だと思います。これについてはまた議論させてください。  以上で終わります。

打越さく良立憲民主・社民・無所属

○打越さく良君 立憲民主・社民の打越さく良です。  大臣は、所信表明演説で、夫婦の氏の在り方について、多様な考え方があることを踏まえ、国民の間はもちろん国会でも御議論いただけるよう、情報提供を行ってまいりますと言いましたが、大臣になられる前は賛成だった選択的夫婦別姓制度について、もう選択的夫婦別姓制度という言葉さえ使わずに夫婦の氏の在り方と、そしてその上で情報提供にとどまる。これ、非常に残念です。  先日、我が会派の法務部会、選択的夫婦別姓実現本部の合同会議で、ちくま新書で「夫婦別姓」という御著書を出された方が出席されました。この本の座談会に賛成の立場で大臣は登壇されていて、もう本当に大臣になられた、期待しているということだったのに、これ失望に終わるのかと御不安を吐露されていらっしゃいました。  いや、不安になることはない、失望に終わらせませんよと是非答弁をお願いしますと質問したかったんですけれども、先ほどの福島委員からの質問で今聞いている方たちは非常に失望されていると思いますので、ちょっと次の質問から細かく聞いて、そして大臣に改めて決断をしていただきたいと思っております。  二番に行きますけれども、何かもう、本当これ、法制審議会の答申であってももう二十九年もたっているんですね。もういいかげん先送りすべきではないと。  ただ、選択的夫婦別姓に反対する自民党などの方々の動きも最近活発で、旧姓の通称使用に法的根拠を与えればよいなどと主張されていらっしゃるようです。  しかし、九六年の法制審議会の答申のときも通称使用にとどめる案というものも検討されはしました。ですが、それは採用されなかった。その理由を教えてください。

竹内努法務省民事局長

○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。  平成八年までの法制審議会による調査審議におきまして、夫婦は同一の氏を称するものとする現行制度を維持しつつ、婚姻によって氏を改めた夫婦の一方が婚姻前の氏を自己の呼称として使用することを法律上承認するという案も検討されたと承知をしております。  この案につきましては、個人の氏に対する人格的利益を法律上保護するという夫婦別氏制の理念はここにおいて後退していること、氏とは異なる呼称という概念を民法に導入することになると、その法的性質は何か、氏との関係をどのように捉えるかなど、理論的に困難な新たな問題が生ずるといった指摘がありまして、法制審議会においては採用しなかったものと承知をしております。

打越さく良立憲民主・社民・無所属

○打越さく良君 もう二十九年も前にそのことは決着済みなんですね。  しかし、報道によると、保守派の自民党議員らでつくる超党派議員連盟、日本会議国会議員懇談会が旧姓の通称使用の法制化を目指す方針を決められたと。これも先ほど申し上げたとおり、二十九年前にもこれは取れないねということになった案をまた目指すということを方針を決められたそうですけれども、その会合に、三月五日の会合ですね、その三月五日の会合で講師を務められた百地章国士舘大学名誉教授は、三月八日付けの毎日新聞で、選択的夫婦別姓について、身近な例では保育園の送迎で本当の親かどうかを確認するため混乱が起きたりするといった懸念の声があるとおっしゃっていた。  現在でも、保護者が旧姓を通称使用している場合もあれば、選択的夫婦別姓が認められないために法律婚ができないで事実婚でいる場合もあるわけです。国際結婚もあれば、再婚の場合の連れ子など、幾らでも親子が別姓の場合がある。  実は、やむなく私も通称使用しているんですけれども、子供が保育園のときには送り迎えしていましたけれども、全然何の不都合もなく、ちなみにPTA会長も務めましたけれども、何の混乱も生じていなかったと。これ一つ取っても、ことごとく選択的夫婦別姓に反対する理屈は成り立たないわけですね。通称として別姓を認める、でも戸籍においては同姓でなくてはならないと、この理屈は成り立たないわけです。  この理屈がどうやったら成り立つかといえば、もうとうにない明治民法の家制度がまだある、そのことを前提にしているんだったらですよ、その家制度があるんだったら成り立つわけですけど、家制度は廃止されているんですから成り立たないんです。  つまり、明治民法では、氏は家の名称であって、戸主及び家族はその家の氏を称すとされてきました。そこで、婚姻によりて夫の家に入った妻が幾ら外で活躍して家の名称とは別の通称を使っていたとしても、その女性についてのみ家の名称を変更することはできないと、家制度の下ではそういう説明ができたわけです。  そこで伺いますけれども、明治民法七百四十六条、明治民法七百八十八条一項はどういう条文でしょうか。

竹内努法務省民事局長

○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。  明治三十一年に施行されましたいわゆる明治民法では、第七百四十六条において、「戸主及ヒ家族ハ其家ノ氏ヲ称ス」と、第七百八十八条一項において、「妻ハ婚姻ニ因リテ夫ノ家ニ入ル」と、それぞれ規定されていたものと承知をしております。

打越さく良立憲民主・社民・無所属

○打越さく良君 ですが、今の民法は家という考えを廃止されたこと、その下にできているわけですね。いや、夫婦同氏があるではないかという方がいらっしゃるかもしれませんけれども、現行法上の夫婦同氏は家の氏ではないんです。  家制度は廃止された、夫婦の氏は家の氏ではないということで、改めて、それでよろしいですね。

竹内努法務省民事局長

○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。  明治三十一年に施行された明治民法では、家の制度を導入し、夫婦の氏について直接規定を置くのではなく、夫婦共に家の氏を称することを通じて同氏になるという考え方を採用したと承知をしております。  他方、昭和二十二年に施行された現在の民法では、家の制度が廃止された上で、明治民法以来の夫婦同氏制の原則を維持しつつ、男女平等の理念に沿って、夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称するものとされたと承知をしております。

打越さく良立憲民主・社民・無所属

○打越さく良君 ところが、法務省のサイトの説明がちょっと誤解を招くものになっているんですね。  今の局長の説明のとおりなんですけれども、このサイトには、明治三十一年民法、旧法についても、夫婦の氏について、「(夫婦同氏制)」と書いてある。「夫婦は、家を同じくすることにより、同じ氏を称することとされる(夫婦同氏制)。」。昭和二十二年の改正民法成立のところは、「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称することとされる(夫婦同氏制)。」。  これ、同じ「(夫婦同氏制)」と記載するのは、あたかも家の氏と夫婦の氏は同じもの、家制度廃止後も夫婦同氏を家制度の残滓かのように誤解したい方たちについて、その考えを補強してしまうような記載になっているわけですね。  ここ、「(夫婦同氏制)」、明治民法についての説明のこの「(夫婦同氏制)」は改めるべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 委員御指摘のとおり、明治三十一年に施行されました明治民法では、家の制度、これが導入をされて、夫婦共に家の氏を称することを通じて同氏になっていた、これはそのとおりと承知をしております。  ただ、その一方で、夫婦の立場というところから……(発言する者あり)ですよね、はい。夫婦の立場から見れば、夫婦が同氏になっているという効果を、その状況ももたらしていたというそういった認識の下で、ホームページにおいてもこのような理解の下で夫婦同氏制と記載をしているところであります。  そういった中で、まさに御指摘のような懸念も、まあなくはない、当然理解はしますけれども、そういった中で、夫婦の観点からという中で、今現在、この記載ということでいえば、私どもとしては問題がないんではないかと考えております。

打越さく良立憲民主・社民・無所属

○打越さく良君 大臣は、所信表明演説で、先ほど申し上げたとおり、情報提供、法案提出しますという演説、所信表明演説をしていただきたいところ、情報提供にしか、情報提供としかおっしゃっていないわけですね。  でも、それすらも、誤った考えを裏打ちするような、それはいかがなものかと。それは、あくまでも家の氏ということで、家に入ることによって同じ氏になるというだけの効果にすぎないのに、夫婦同氏、結果としてということではなくて、夫婦同氏制ってわざわざ書いているんですよ、制って。あたかも制度的に夫婦同氏制で同じものだったかのような、それはもう明らかに誤解を招くもので、修正すべきだと考えております。  そして、子供への影響を考慮すべきだとかいった反対論についてどう思うかということについて、改めて、内閣府による二〇二一年十二月の家族の法制に関する世論調査によれば、夫婦、親子の名字、姓が違うことによる夫婦を中心とする家族の一体感、きずなへの影響についてどう思うかという質問に対して、影響がないと、そういった世論が多かったんではないでしょうか。

竹内努法務省民事局長

○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。  令和三年十二月に内閣府が実施をいたしました世論調査におきましては、夫婦、親子の名字、姓が違うことによる夫婦を中心とする家族の一体感、きずなへの影響の有無について、家族の一体感、きずなが弱まると思うと答えた者の割合が三七・八%、家族の一体感、きずなには影響がないと思うと答えた者の割合が六一・六%であったと承知をしております。

打越さく良立憲民主・社民・無所属

○打越さく良君 そもそも、世論によって人権や自由、平等に関することを左右してはいけないとも思いますけれども、それにしても、反対論が根拠としていらっしゃる子供の影響についても、世論ももうそんなことはないんじゃないかという方に傾いているわけですよ。だから、いつまでたっても法案を提出しないという政府の姿勢についてはいかがなものかと、どちらの方を向いていらっしゃるのかと。  鈴木大臣も、大臣になる前は女性たちの葛藤や苦しみについて耳を傾けていらして、賛成の方向で進めていらしている、その責任を果たしていただきたいと私は心からお願いを申し上げます。  そして、ほかの質問がありますので、この問い七以降はまた改めて次の機会にさせていただいて、そしてちょっと順番を変えさせていただきまして、ヘイトスピーチ関係の方を先にさせていただきます。  二〇一六年六月、ヘイトスピーチ解消法施行からもうすぐ六年、失礼しました、もうすぐ九年がたちますけれども、いよいよ、何というか、そこで前進があるというよりは、選挙運動を悪用したようなヘイト街宣なども見受けられるような、非常に私たちとしても解消をどうして果たしていくかということが、難問がますます増しているような状況にございます。  ネット上のヘイトにとどまらず、外国にルーツを持つ個人、特に女性たちは非常に脅威を感じていらっしゃる状況で、ある特定の国籍や民族の方たちに対して特権があるとか、何とか人は犯罪集団などという、もう差別デマが横行している状況にあります。特に危険なのは、災害のときとかそういうときに、何とか人の窃盗団が現れているようだと言って、ヘイトデマが横行しているような状況にございます。私も、二〇二二年の参議院予算委員会で、在日コリアンへのヘイトクライムを取り上げるなどさせていただきました。  大臣の所信表明演説には様々な人権問題等への対応について言及はあるんですけれども、抜本的な取組ということについて是非決断していただきたく、質問を重ねさせていただきます。  二〇一六年、解消法制定直後ですけれども、外国籍住民へのアンケート調査が行われましたが、その後、一度も行われていないんですね。衆議院の法務委員会附帯決議四項でも、不当な差別的言動のほか、不当な差別的取扱いの実態把握に努め、それらの解消に必要な施策を講ずるよう検討を行うこととあるんですね。こうあるんですから、ネットヘイト、ヘイトクライムを含めた実態調査を行うべきではないでしょうか。特に、ネット上のヘイトスピーチについては全国共通、そして海外プロバイダーは調査対象として重要なことから、国が調査主体となることが不可欠です。いかがでしょうか。

杉浦直紀法務省人権擁護局長

○政府参考人(杉浦直紀君) お答えいたします。  法務省では、いわゆるヘイトスピーチ解消法の規定や附帯決議などを踏まえまして、ヘイトスピーチの実態調査の把握の取組を、実態把握の取組を進めております。  例えば、広く一般の方を対象にヘイトスピーチに関して調査するものとしましては、令和四年十一月に内閣府が公表した人権擁護に関する世論調査におきまして、ヘイトスピーチを見聞きした経験等を調査したところでございます。  加えて、法務省の人権擁護機関では、ヘイトスピーチ関係条例を制定しております地方公共団体と施行状況等に関して情報交換やヒアリングを実施しておりますほか、毎年関係省庁や地方公共団体を構成員とするヘイトスピーチ対策専門部会を開催しておりまして、ヘイトスピーチに関する情報交換や意見交換を行うことなどを通じて、地域の実情を踏まえたヘイトスピーチの実態把握に努めているところでございます。  今後とも、様々な取組により、きめ細かな実態把握に努めてまいりたいと考えております。

打越さく良立憲民主・社民・無所属

○打越さく良君 そのきめ細かな実態調査については、やはり二〇一六年のように、外国籍住民、その当事者の、まあターゲットにされがちな当事者の方たちへの調査が欠かせないと。それについては二〇一六年以降されていないので、是非お願いしたいと、これは重ねて要望をさせていただきます。  そして、二問目ですけれども、この部落差別については、特定個人に対する場合でなくても、部落の地名について法務局が対応してくださって、削除要請する、そして効果を上げている例もございます。しかし、鳥取ループと称する方による執拗な差別案件、これが全国部落調査復刻版の差止め、インターネット上の部落探訪の削除等にもかかわらず、手を替え品を替え、現在は曲輪クエストとして、当該地域の町並みや住宅、表札、墓地などの画像をもう配信しているんですね。これ、新潟県においても、県下の首長が当該ホームページの削除を求めてはいます。そして、花角新潟県知事が昨年、県議会の一般質疑で、法務局に要請を行ったと答弁しておられます。  新潟地方法務局は本省に伝えているということでしたが、法務省としてどのような対応を行ったのでしょうか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 承知の件については、承知をしているところであります。  それぞれ個別の案件ということでいうと、様々プライバシー等の話もありますので言及は控えさせていただきますけれども、やはり一般論として申し上げまして、法務省といたしましては、特定の地域を同和地区あるいは部落などと指摘をするインターネット上の情報、これ自体が人権侵害のおそれが高い違法なものと考えております。原則として削除されるべきものと考えております。  そして、先ほども御指摘ありましたけれども、法務省の人権擁護機関において、関係行政機関等からの通報などによってそのような情報を認知した場合には、プロバイダー等に対して削除要請を行うなどしていると承知をしております。  引き続き、こうした取組きちんと進めてまいりたいと思っております。

打越さく良立憲民主・社民・無所属

○打越さく良君 先ほども申し上げたとおり、災害などのたびに必ず危険な差別デマが発生するわけで、そうしたときに、即座に総理あるいは法務大臣が率先して、それは差別デマであるということをテレビや新聞、ラジオ、ネットなど、被災地を含む多くの方々に届けられるように、伝わるように工夫していただきたいです。  直後に、そうしたことがあるかどうか厳密には真偽が分からない場合でも、例えば、ある特定の属性の集団による窃盗団、強盗団が襲来ということは本当に差別デマとして典型的なものであって、そうしたときに、現時点ではそのような確実な情報はないと、自治体や被災者の方々に安易に信じたり拡散しないように注意してくださいということは、確認できていなくても発信できるわけです。  そこの法務省人権擁護局のSNS上でも、抽象的ながら、そうした意図があるんだろうなというような発信はされるようになりましたけれども、なかなか確実に届いているのかどうか心もとないということで、現状における取組を伺います。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 今御指摘のように、インターネット上、特に災害であったりとか、あるいは場合によっては台湾有事等々のリスクも指摘をされていますけれども、そういったケースでは、特にそうした情報、デマであったり、あるいはそういった差別であったりといったことは拡散しやすい、これ非常に極めて深刻な問題だと思っております。当然のことながら、そういったことは重大な人権侵害になり得るだけではなくて、例えばこれは避難であったり、あるいは復旧復興の妨げにもなるということで、これは厳に慎んでいただく必要があると思っています。  まさにそういったことをさせないということと同時に、一つやっぱりこれはどうしても出ることは正直これ所与にしなきゃいけないと思いますので、そこの対策はしっかりとした上で、やはり受け手の方の方々のある意味でのそういったリテラシーをどう上げていただくか、そして我々としてもどうそこを注意喚起をしっかりとしていくのか。私も、総理という話もありましたけれども、私も所掌の中で法務大臣としてもそこはしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

打越さく良立憲民主・社民・無所属

○打越さく良君 是非お願いします。  ヘイトスピーチとは何かのガイドラインを法務省には是非作成していただきたいです。判断に資するために、法務省のウェブサイトの啓発ページにヘイトスピーチに関する判例や決定、ヘイトスピーチに関連する国際人権基準、ヘイトスピーチに関連する憲法、法律、条例、あるいは各国におけるヘイトスピーチに関連する先進事例、こうした項目を是非掲載をお願いしたいです。やっとヘイトスピーチに関する条例を掲載していただいた、そのことは評価しますけれども、さらに、今、先ほど挙げたようなその他の情報についても直ちに掲載をお願いしたいです。いかがでしょうか。

杉浦直紀法務省人権擁護局長

○政府参考人(杉浦直紀君) お答えいたします。  法務省のホームページにおきましては、ヘイトスピーチに関する特設ページを設けておりまして、法務省の人権擁護機関の取組を紹介するとともに、ヘイトスピーチ対策専門部会の結果報告等を通じまして、国際的な動向や地方公共団体の取組についても公表しているところでございます。  御指摘ありましたように、掲載内容の充実の観点から、本年度においてもホームページを随時更新しておりまして、先ほどありましたように、地方公共団体において定められている条例や公の施設等の使用手続に関するガイドラインをまとめたリンク集を本年度新たに掲載するなどいたしたところでございます。  今後も、地方公共団体や一般の方に向けた効果的な情報提供の在り方について引き続き検討してまいりたいと考えております。

打越さく良立憲民主・社民・無所属

○打越さく良君 私、先ほど国際人権基準とかいろいろと挙げましたので、是非そうしたものについて掲載するように御検討いただきたいと思っています。  そして、同性婚のことについて私も伺いたいんですが、石破総理が、私、本会議で取り上げたとおり、昨年の総裁選のときには、世の中にはLGBTの方々が相当数いる、同性婚が認められないことで不利益を受けているとすれば救済する道を考えるべきだと、そのことをおっしゃったことで非常に希望を感じた方たちはたくさんいらしたわけですね。でも、私がその指摘した十二月四日の代表質問に対して総理は、国民一人一人の家族観と密接に関わるとか、政府は、国民各層の意見とか国会における議論の状況とか訴訟の状況、そういったことを注視していくと、何となく選択的夫婦別姓と同じような言い方なさるなと思うんですけれども、そんな答弁にとどまって非常に残念です。  ただ、多くの世論調査については、国民の過半数が同性婚に賛成している。二〇二三年二月の産経新聞とFNNが行った調査で、自民党支持層でも六〇・三%が賛成と回答しているわけです。  訴訟の状況も、先ほど福島委員も挙げたとおり、続々と高裁レベルでも違憲判決が出ている状況にある。三月七日、四例目の名古屋高裁では、判決後に、婚姻の平等、あとは立法だけと書かれた大きなパネルがもう本当に誇らしげに掲げられた。私、本当、そのパネルをしかと受け止める国会、政治でありたいと考えております。  国側は、憲法二十四条一項は両性や夫婦という文言があることから同性婚を想定していない、一項を前提とする二項も同様だと、こうした反論をしたわけですけれども、それが認められなかったわけですね。民意は賛成で、訴訟の結果も明らか、まさにそのパネルで掲げられたとおり、あとは立法だけという状況です。これは是非、法務大臣、決断をお願いします。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 繰り返しになりますが、ここは私も法務大臣として臨んでいるところもありまして、そういったことで、法務大臣として答弁させていただきたいと思いますが。  そこの点について申し上げれば、やはり一つは、こうした様々な判決について、これは承知をしておりますけれども、やはり現段階では確定前の判決であること、そして、ほかの裁判所に同種訴訟が係属していることからも、そうした判断、これを我々としてはきちんと見ていくということになろうかと思います。  そして、その上で、やはりこの同性婚の問題でありますけれども、当事者の皆様方の声、これも十分承知をしておりますが、同時に、この親族の範囲であったり、あるいはそこに含まれる方々の間にどのような権利義務関係等を認めるか、そういったこの国民生活の基本に関わるものであります。まさに、この国民のお一人お一人の家族観、そうしたものとも密接に関わってまいります。  そういった中で、国民の皆様方の意見、そして国会における御議論の状況、あるいは先ほど申し上げました訴訟の状況というものも見極めながら、私どもとしては引き続き注視をしてまいりたいと思っております。

打越さく良立憲民主・社民・無所属

○打越さく良君 私、本当にその注視をしてまいりたいというのが、人ごと感あふれる言葉がちょっと謎だなと思っているんですけれども、やっぱり、政府は憲法に従って様々な立法作用をしなければいけないはずで、政治をしなければならないはずで、これは憲法に違反していると司法の判断が重ねられているわけです。それは確定していないとおっしゃっても、おっしゃいますけれども、それは余りにもこの四つの高裁判断を、あるいは憲法、憲法に縛られている政治というものに対して非常に不遜な態度ではないか、それは立憲主義に全くもとる態度ではないかと言わざるを得ないと考えております。  というのは、先ほどから選択的夫婦別姓についても一人一人の家族観とか価値観に関わるというようなことをおっしゃるわけですけれども、これは、同性婚あるいは選択的夫婦別姓も、人権とか自由とか平等とかの問題なわけですね。だから、ある人がそれを受け入れられないと、そういう価値観でいらしたとしても、そこで差別を受けていると感じる、あるいは自由を行使できない、そういった方たちについて政治の判断ができないということは、まるで立憲主義というものについて背を向けた態度と言わざるを得ないと考えております。  立憲民主党は、同性婚を法制化するため、婚姻平等法を再提出するために準備を進めているところでございますけれども、今の私が申し上げた立憲主義に即した政治をすべきなんだと、政治というものはそういうものなんだということを確認していただいた上で、先ほどとは異なる決断を改めてお願いします。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 当然のことながら、政府は、憲法、これは当然遵守しなくてはいけない、これは当然のことだろうと思います。  その上で、国民の皆様方の様々な御意見が割れているような問題、これまさに、その国民の代表でありますこの立法府におきまして、それぞれの代表の皆様方の議論、さらにはそうした審議、あるいは場合によってはその議決ということもあろうかと思いますけれども、そうした形で判断されるものであろうと思っております。  政府としてどうするのかという話になりますと、やはりそこは様々今議論が分かれている、そういった状況の中で、我々としては、今後その議論がしっかり深まっていくということを我々としてはしっかりと期待をしたいと思っていますし、そういった結果として、こうした様々な課題の解決というものにつながっていくことを我々としては期待をしていきたいと思っています。

打越さく良立憲民主・社民・無所属

○打越さく良君 議論は深まってはもういるんですよ、何十年もこの議論をしているわけですから。そして、その議論については、もう自由、平等、人権にしっかり立脚して進めていかなければいけなくて、いつまでも、反対している方々がいらっしゃると、その方ばかり向いた政治というものは終わらせるべきだと御意見を申し上げまして、質問を終わりにします。  済みません、人質司法については触れられませんけれども、この点についても追及していきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。  ありがとうございます。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。  大臣始め各位、お疲れさまです。ありがとうございます。また委員各位の皆様もありがとうございます。  今日は所信に対する質疑でございますので、大臣所信にのっとって質疑をしていきたいと思います。  まず、大臣、所信伺って、出入国及び外国人の方々の在留ということについて、公正な管理、こちらを安定感を持ってというふうに冒頭でおっしゃっておりました。じゃ、この安定感というもののためには、どういう体制で、どういうまた今後の運用の改善等も含めて必要なのかという点で幾つか伺いたいんですが、まず、事実関係として、この外国人の入国者数及び在留外国人数、これを十五年前である二〇一〇年、平成二十二年と比較した場合の増加率、どれぐらいになっているのか、伺いたいと思います。

杉山徳明出入国在留管理庁次長

○政府参考人(杉山徳明君) 最新の公表数値で申し上げますと、外国人の入国者数については、平成二十二年は九百四十四万三千六百九十六人であるのに対し、令和六年は速報値で三千六百七十七万九千九百七十六人となっておりまして、増加率は二八九・五%、約三・九倍となっております。  また、在留外国人数につきましては、平成二十二年末時点で二百八万七千二百六十一人であるのに対し、令和六年六月末現在で三百五十八万八千九百五十六人でありまして、増加率は七一・九%、約一・七倍となっております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 それだけ増えていると。それに合わせてですが、じゃ、例えば入管の職員の方が今どれくらい増えているのか。これについては、私も改めて事前に聞いておりましたけれども、二〇一〇年のときに比べると、今、令和六年では大体一・七倍ぐらいしか増えていない。入国警備官はほとんど増えていない。入国審査官の方も倍ぐらいしか増えていないという形になる。今の、いろいろ業務が相当、特に入国の管理等も含めて相当増えている中で、やはりかなり増えている、業務が、という状況に関する改善というのはやはり必要だというふうに思います。  前回の質疑のときにも、財務大臣政務官も来ていただいて、この法務行政というのは国の根幹を担う大事な重要な部分であるという認識の下でのしっかりした対策も取るということも答弁もいただいたわけでありますので、まず、要望として、改めて、大臣、この入管に関する職員の増加ということは今後も引き続き強く働きかけをしていきたいというふうに思います。よろしくお願いを申し上げます。  その上で、今難民の入国審査官が二倍ぐらいになっているというふうに伺ったところですけど、じゃ、一方で、難民申請数が、今言った二〇一〇年と比較した場合、今どれくらいになっているのかを伺いたいと思います。

杉山徳明出入国在留管理庁次長

○政府参考人(杉山徳明君) 最新の公表数値であります令和五年の難民認定審査数は一万三千八百二十三人であり、平成二十二年の千二百二人から約十一倍に増加しているところでございます。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 もう十一倍ということで、職員数、全体の職員数は一・七倍しか増えていない、入管の管理官も二倍しか増えていないのに、職員数はそれだけ増えていると、あっ、申請数はそれだけ増えているということになります。  今、十五年前の、平成十年のときとの比較をあえてしたわけでありますが、なぜこの平成十年かと申し上げると、このとき、失礼、平成二十二年というふうに申し上げると、このときに難民認定申請から六か月経過後に一律に就労を認める運用がこれ開始をされて、激増したわけですよね、難民申請が。その後、平成二十九年、三十年という形で運用を改めて、若干減りはしているわけでありますが、当時、二〇一〇年のときには申請が千人台であったのが、今は、今もおっしゃっていただいたように一万、多いときには二万近くになっていたということになります。  これについて、やはり安定的な難民の受入れのためにはどうすればいいか。当然、審査期間が、今も、前回の質疑のときにも出たように、二〇一五年のときには審査期間が大体七・三月だったものが、一次審査の場合、昨年は二十六・六月だというふうに聞いております。この状態を放置したままですと、どんどんどんどん審査期間も延びてしまう。やはり、より難民として保護されるべき人を保護すべきための難民申請の対処というのができなくなる。  どうすればいいかといえば、やはりまずは人数を増やす。また、申請数そのものを何とか絞るということもあるかもしれませんが、やはり申請に対しての審査を効率化、合理化もしていくというようなことも重要であると思います。  そのためにどういうやり方もあるかというところでありますけど、今日は資料もお配りもしております。今、一枚目、二枚目の方で、事前に、この審査の強弱というわけではありませんけど、しっかりした情報を仕入れた上で、やはり区分けをしていくということは大事だと思うんですよね。その区分けの在り方として、AからDまで分けている。Aが難民である可能性が高いと思われる案件云々、Bは難民条約上の迫害に明らかに該当しない事情を主張している案件、Cは再申請、D、それ以外ということです。  一つ気になったのが一枚目、これは令和五年ですけど、令和五年の方だと、B案件というのが総数に占める割合は〇・八だったんですが、二枚目の方は、これ平成三十年になります、資料としては三十一年ですけど、そのときはB案件というのは一七・四%。当時あれだけ該当しないというふうに思われていたものがこれだけ急に減るということは、これは私の意見ですけど、例えばいろんな関係の機関なども入っていって、この難民申請が通りやすいというか、本来の申請の意図とは違う形で申請の仕方も変えていき、B案件を下げるような案件というのもやはり増えてきたのではないかというふうに推測もするところであります。  一つの区分けの仕方として、より合理的に、本来難民として受け入れられる人をしっかりしたその審査に集中するためには、この区分けの在り方というのも更に精度を上げていく必要はあるかというふうに思います。  こういう観点から、どのように入管庁としても対応をしていくのか、答弁をいただきたいと思います。

杉山徳明出入国在留管理庁次長

○政府参考人(杉山徳明君) 委員御指摘いただきましたとおり、我が国の難民認定制度におきましては、難民である可能性が高い申請者等の迅速な保護及び濫用、誤用的な申請の抑制を目的といたしまして、申請の段階で案件の振り分けを行い、振り分け結果に応じて迅速処理の対象とする等の措置をとっているところでございます。  もっとも、振り分けは個々の申請書の記載内容等を踏まえて行った結果でございまして、濫用、誤用的な申請を含め、案件の適切な振り分けを行うことが重要であると考えております。そのためには、申請書の記載内容に加えまして、申請者の国籍に応じた出身国情報を踏まえて判断する必要があり、出身国情報の充実に努めながら適切に振り分けを行っており、またこれを行ってまいりたいと考えているところでございます。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 この難民申請を受け入れるに当たっては、当然、受け入れるべき者はしっかり受け入れつつ、他方で、例えばその国の、出身国、そこで対応することが可能な申請者の方に対しては、やはりこの出身国がしっかり対応するというのも一つの原則であるというふうに思います。  要は、その出身国が本当に対応できるような状況にあるのか。紛争が起きているところとかであれば当然難民として受け入れる可能性は高くなる。そういうところはしっかりと選別するとともに、そうでない国、その国の統治機構がしっかりとある意味機能している、本来、いろいろ課題もある中ではあるけど、その課題はその国でしっかりと対応することができる国であれば、そこはまた区分けのところで配慮する必要はあるというふうに思います。  その上で、じゃ、大事なのは、申請をしている人のその出身国がそういう状況にあるのか、その申請をしている人の属性が、出身国としては問題ないけど、申請をしている人の属性がその出身国の内部事情の中で何か特段の事情があるのか、そういうことも含めた出身国情報がより精度が上がっていけばいくほど、今申し上げたA、B、C、Dのこの区分けというのはよりやりやすくなる。この精度を上げていくことが、やはり最終的な、最終的なこの審査期間の延長というか、長くなっていくという事情をなくしていって、本当に難民として受け入れる人をしっかりと受け入れるための在り方として必要だと思います。  改めて、この出身国情報、COIというふうに言われているというように理解しておりますけど、これの精度を上げていくにはどういうふうにすればいいのかということを入管庁からまた伺いたいと思います。

杉山徳明出入国在留管理庁次長

○政府参考人(杉山徳明君) 御指摘いただきましたとおり、適切に振り分けを行うためには出身国情報の充実が重要であると考えております。  入管庁におきましては、これまでも、外務省、UNHCR等の関係機関と適切に連携しながら、最新の情報を積極的に収集しております。さらに、難民を多数受け入れている諸外国の当局と出身国情報に関する情報交換等を積極的に行うなどの取組を通じて、出身国情報の一層の充実を図ることとしております。  その他、この点に関する人員体制の整備も重要であると考えており、令和六年度予算において、出身国情報の収集等を担当する課長補佐級ポスト二つが増設されたほか、当該業務に専従する職員七人が増員されているところでございます。  今後も、必要な体制整備に努めつつ、出身国情報の充実を図ってまいりたいと考えております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 今、人員の話もあったけど、やっぱりもっとこれ増やさなきゃいけないと思います。  あと、例えば外務省からもこの関係との情報を、より連携もいただきながらしっかり受ける、また、諸外国との様々な情報機関も含めたいろんな連携なども必要、こういう部分を、予算をしっかり増やしていくことで対応を強化していきたいというふうに思いますので、この点も大臣、よろしくお願いします。これは意見であります。  その上で、もう一つ、前回の、この外国人との共生という点でやはり大臣にお伺いしたいと思うんですが、申し上げた点は、やはり今、日本各地でいろんなあつれきというか、対立みたいのが起きて残念な状況になっております。差別感情が助長しないような国にするという意味合いで私申し上げたのは、やはり日本人と外国人が相互に信頼するためにはルールを守り合うということは非常に重要だと思っています。  今回、大臣も所信の方ではルールを守るということをおっしゃっていた。それについて念頭に置かれているのは今言った入管法のような法規的なルールだと思いますが、一方で、今、一つまた課題になっているのは、私も今埼玉県ですけど、例えばいろんな地域の中でこの外国人の方がコミュニティーになってしまっている。そこで、騒音の問題であるとか、またトラックが非常に速いスピードで動いていく、危険だ、危ないと、たまにこうぶつかったりとかすることもある、壁とかに。そういうことに対してのコミュニケーションがなかなか取れない。  こういうような、その法規とはまた別、まあ法規にも関わるところもあるかもしれませんけど、地域で共生し合うために、お互い守り合うようなものは守り合うということの理解増進というものがないと、結局、双方が差別意識を持って対立し合うという形になり、本当の共生というのはやっぱり生まれないと思うんですよね。  これは、法務大臣、まさに共生社会の所管をされるという法務省の大臣としての決意、また政府の一員としての決意でありますが、これは入管庁も今頑張っています。いろんな、共生するためにはこういう情報をというその情報提供のところはあるんですけど、それ以上にいろんな全省的な、支援の枠組みも含めてでありますけど、お互いがルールを守り合うために外国人にもどうやって働きかけるかということも、もっとほかの省庁も巻き込んでやり遂げなきゃいけないと思います。  こういう部分について、大臣としてどういうふうに進められるのかということを決意も含めてお伺いもしたいと思います。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 今先生おっしゃいましたような外国人との共生をどう図っていくのか、実は、やっぱり今、G7、日本以外の国では、かなりこの外国人の問題というのがまさに政治のトップイシューになっている状況があります。  私は、やはり日本は自由で開かれた社会であるべきだと、そう思っていますけれども、そういうことであるためにも、やはり厳しいところは厳しいことをしっかりやっていかないといけない。特に、受入れ側の日本のコミュニティー、社会というところとの摩擦というのはこれ極めて大きな問題になりかねませんから、そこはしっかりと対応していく必要があると思っています。その意味では、ルールを守らない者については国から出ていっていただく、そのルールというのは、当然これは法的なことであります。  ただ、同時に、今おっしゃいましたように、その共生していくためのルール、これはいろいろあると思います。それは、先ほどお触れになられましたけれども、例えばマナーであったりとかそういったことも含めてそうだと思いますし、例えば私もよく耳にするのがごみ出しの問題とか、そういったところも含めて、やはりいろんな摩擦の原因になっています。  そういったことをどうしっかり分かってもらうのか。それはやはり共生していくためにも、回り回ってその方々がその地域の中で生きていくためにもこれ極めて大事な話ですから、そこをどうしっかりほかの関係省庁とも連携してやっていくのか、私どもとしても、こうしたガイドブックであったり、あるいはオリエンテーション動画といった形で今アプローチはしていますけれども、やはりまだまだ足りない。恐らくこれからもっとそういった問題は出てくると思います。  なので、そういったことをしっかり未然に防いでいくためにも、そこは当然、これは市区町村ということもあると思いますし、ほかの様々な行政機関もあると思います。きちんとここは連携を図っていけるように、私としても努力をしていきたいと思っています。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 今大臣おっしゃっていただいたような思い、全く共感するところでありますし、それを市区町村も巻き込んだ方針として、より徹底いただくような施策の在り方というのも是非、政府一体となって考えていただきたいというふうに思います。場合によっては市区町村を支えながらということで。  では、ちょっと次の議題に行かせていただきたいと思います。  次に、大臣、所信の中でおっしゃった、先ほども議論になっていた別姓の関係です、夫婦別姓の関係。夫婦の氏について情報提供が重要というふうにありました。  これ、法制審が案を出して三十年近いんですね。この中の議論、長くいろいろ議論をしていたけど、いまだに混乱したような議論の論点になっている、これは法務省ももっと情報提供をしていただくべきだったというところあります。是非これはしっかりやっていただきたいということも含めて、ちょっと整理の思いも込めて行きたいと思うんです。  情報提供の例えば例として、よく選択的夫婦別姓になると戸籍が壊れるということが議論としてあります。じゃ、そこで想定されている選択的夫婦別姓がなることでどういう戸籍になるのかというイメージが人ごとにばらばらであったりとかしています。そもそも戸籍制度というのはどういうものなのかということが国民の中で御理解をいただく努力はもっと必要だと思います。  その観点から、まずこの戸籍制度というのは何なのか、その特色などを含め、また、よくそのときに議論出るのは個人ごとの戸籍だというふうに言われています、韓国などが念頭に置かれていると思うんですが。その辺りの簡単な概略などをまずお伺いしたいと思います。

竹内努法務省民事局長

○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。  現行の戸籍は、一組の夫婦及びこれと氏を同じくする子が編製単位とされておりまして、日本国民の出生、婚姻、死亡等の親族的身分関係を登録、公証する唯一の公簿であり、真正な身分変動を登録し、公証する機能を有しております。また、入籍や除籍があるごとに戸籍を相互に関連付けるということによって当該戸籍に記載されている各人の過去の身分関係の来歴を明らかにすることができるという特色がありまして、このような特色は、本籍あるいは筆頭者によって戸籍を特定することによって発揮することができるようになっております。  委員御指摘の韓国でございますが、韓国におきましては、日本の戸籍制度に類似するような戸籍制度が実施をされていたのですが、二〇〇八年、平成二十年ですが、これを改めまして、個人別に身分登録情報を編製するという家族関係登録制度というものに移行しているものと承知をしております。この登録簿は、出生簿や婚姻簿、死亡簿が統合されたものでありまして、出生や婚姻、死亡等の身分関係の変動に加えて、家族関係の情報も登録、管理されているものと承知をしております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 私、この日本の戸籍制度というのは、非常に身分関係の一覧性も機能としてよくできている。この一つの戸籍の中で身分が、これ一体、一つの、身分とか全部、家族が全体が入っているわけなんですね。親と子という代で、それが一つの形の中に入っている非常に優れた制度であるというふうに思っております。ですので、これはしっかり守らなければいけない。  一方で、何か別姓の議論をすると、これが必ず壊れるみたいな議論になっているんですが、政治としては、そういう守るべき戸籍制度もしっかり守りながら、じゃ、別姓を選択される人のこの選択をどうやって尊重するか、これをどうやって両立するかということを悩む必要があると思うんです。今、そういう悩みを持ってみんなで議論できているか、いや、もっと議論をしなければいけないなと思います。  その上で、一つ、その悩みの解として、私、よくできているなと思っているのが実は法制審の案でして、法制審の案ですと、もう資料四の方だと、当時の、今も法制審の方も、法制審、平成八年のときの案で、なると、戸籍がこうなりますみたいなことを書いております。  ちょっとこれなども参考にしながら、改めて法制審の案というのを参考にすると、じゃ、家族ごとの戸籍制度とこの別姓というのは両立し得るのかということをまずちょっと答弁いただきたいと思います。

竹内努法務省民事局長

○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。  平成八年の法制審議会の答申に基づく選択的夫婦別氏制度を導入した場合の戸籍の編製基準につきましては、一つの夫婦及びその双方又は一方と氏を同じくする子ごとにこれを編製するものとされております。また、婚姻の際に子供が称する氏として定めた氏を称する者を筆頭者にすることとされております。  したがいまして、平成八年答申を前提といたしますと、一組の夫婦及びその子が編製単位となるという点及び筆頭者の記載が維持される点において基本的な編製の在り方に変更はありませんで、戸籍の親族的身分関係を登録、公証し、その来歴を明らかにすることができるという機能が変わるものでないと考えております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 今おっしゃっていただいたように、戸籍、今、日本の戸籍というのは、筆頭者が決まって、この筆頭者がインデックス代わりになって、それが家族単位ごとで統合されるというのが家族ごとの戸籍の特色であると思います。  今御説明あったとおり、法制審の案、別姓を選択でき得る制度にしても、筆頭者というのは決まり、それの下で戸籍はしっかりと維持されるという、こういう制度設計に基づいていかに両立するかというのは非常に重要だと思います。  もう一つ、よく別姓で言われることは、子供の氏が決まらないことがあるんじゃないかというようなことは言われます。これは、改めてですけど、もう御案内のとおりの話かもしれませんが、資料三の方で法制審の案も記載もしております。婚姻時に夫婦どちらかの姓を子供の氏とするというふうに統一化するという話であります。  これをやることで子供の氏が決まらないという事態はないのではないかと思うんですけど、これも答弁いただきたいと思います。

竹内努法務省民事局長

○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。  平成八年の法制審議会の答申では、別氏夫婦の間に生まれた子は、夫婦が婚姻の際に子が称する氏として定めた父又は母の氏を称することとされております。  したがいまして、平成八年答申を前提といたしますと、別氏を選択した夫婦が子をもうけた場合に子の氏が直ちには決まらないといった事態が生じることはないと認識をしております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 この部分でも決まらないままということも、また場合によったら決まらなければ裁判所ということもあったけど、裁判所が判断できるかというような問題もありました。こういう問題も解決できると。もうこれら一つ一つをしっかり解決していき、いかに選択肢を広げていくかということだと思います。  その上で、今、この別姓の議論で対立の一つに、対立軸ではないと私は思っているんですけど、通称の利用というところもあります。これは例えば、二者択一じゃないと思うんですよね、仮に別姓を選択して、同姓のままでいる方もいたら、通称も利用していくという選択肢も当然あり得る話だと思います。じゃ、通称利用を拡大したら別姓は一切駄目なのかというところは、またいろいろ論点整理をしなきゃいけないと思っています。  その上で、じゃ、日本におけるこの通称というのは、現行法制度における通称というのは、個人を特定する法律上担保のあるものとして認められているのかを答弁をいただきたいと思います。

竹内努法務省民事局長

○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。  現行の民事基本法制におきまして、現在通称として使用されている旧姓は、民法の氏、民法上の氏とは異なるものであると考えております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 ごめんなさい。民法上の氏とは異なるということですかね。  戸籍上の氏とはどうですか。

竹内努法務省民事局長

○政府参考人(竹内努君) 現在使用されている通称は、社会的に通用している呼称ということでございますので、民法上の氏、まあ氏ではないということになります。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 氏ではないとなると、例えば、法的な、一番個人を特定する法的な担保があるものということでは、戸籍の名称というのが民法上の氏、また戸籍上の氏ということで一致する場合もあると思うんですけど、そこが戸籍上の氏ということでいいという理解でよろしいですか。

竹内努法務省民事局長

○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。  現在使用されている通称につきましては、法律上の根拠として特にあるものではございませんので、その意味で氏とは異なるという御説明になるかと思います。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 分かりました。その法律上の氏ではない、法律上の根拠があるということではない、氏ではないということの理解でよろしいわけですよね。  それをどういう根拠を持たせていくかという議論はまたあり得る話だと思うんですけど、じゃ、その法律上の根拠、今、例えば、じゃ、公的に一番証明するに当たっての呼称というのは戸籍名という形になるという理解でよろしいわけですか。法的に一番担保されているもの。

竹内努法務省民事局長

○政府参考人(竹内努君) 個人の氏名を登録、公証するものとして日本にございますのは戸籍ということになるかと思います。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 ですから、その戸籍、例えばパスポートは今ICチップには戸籍しか入れられなかったりする、また税とか、いろいろ支援金、支給金を受ける、またいろんな手続もまだ戸籍名のみしかできないという話にやっぱりなっていくと思います。  これについて、じゃ、どういうふうにこの呼称をしっかりと位置付けるかということは、この戸籍との関係性というのも整理しなければいけないところも論点としては出てくると思うんですけど、これはその理解でよろしいわけですか。これは民事局長にまた聞きたいと思います。

竹内努法務省民事局長

○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。  現在使われている通称を日本の法制の中でどう位置付けるかと、あるいは戸籍との関係をどう整理するかというところは問題点になろうかとは思います。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 戸籍との関係をどう維持、まあ関係する、例えば今、通称でも併記される場合もあります、今、戸籍上の正式な名称に併記をされている場合もある。また、場合によっては戸籍上の名称とはまた別の形で法的担保をという形になる。併記という形になると、やっぱり正式なものは戸籍名であったりしますから、その通称、併記されている、ある意味戸籍名に付けられている通称がどういう意味合いを持ってくるのか、ある意味副次的な意味合いで、全ての生活に戸籍と代替できるような機能を果たし得るのかというところは一つ問題になってくると思います。  じゃ、戸籍とまた別のもう一個の法的な名称として通称というのを使えるようになると、じゃ、戸籍との関係どうなるのか。世間一般で言われているダブルネームになってしまうのではないか。諸外国から見て、どちらが正しいものなのかということも分からなくなる、国内だけでも分からなくなる。  じゃ、こういう課題に対してどういうふうに対応していくのかということがはっきり見えていき、最終的に別姓というものをなくなっても大丈夫だという理解であれば別姓の選択肢は必要ないかもしれませんが、まだそこら辺、私よく見えないところは正直あります。それであれば、本来の旧姓を同じように手続変更なく戸籍姓にするということでいろんな課題に対処していくという必要もあるんじゃないかな。ここはいろんな議論があるというのは大臣おっしゃるとおりですけど、それはまた情報提供をいただきながら、しっかり論点整理をして議論をしていきたい。  ただ、何度も申し上げますけど、もう法制審の案が出て三十年近いんですね。やっぱりその間、今いろんな方がおっしゃっていて、議論が、じゃ、その間なかったか、議論はずっとしていたわけなんです。だけど、今言ったようないろんな複雑な部分の理解をもっと広めていただいて、世論喚起をもっとしていく必要がある。  あと、併せてもう一個言うと、やはりこれは多くの方にとっては、今もう関心としては低いというふうに言われる方もいるかもしれませんけど、これからの社会の在り方という面も含めて、婚姻の在り方もいろんな選択肢を広げていく、当然、同姓のままで行く婚姻の在り方もそうですし、また、そうじゃない違う形の家族の在り方というのもつくっていく、選択肢をやっぱり広げていくということも、選択肢を広げていく問題だということで国民にもっと喚起をしていかなきゃいけないと思います。  じゃ、最後、ちょっと時間最後になってしまいましたけど、そういう選択肢を広げていく社会をいかにつくるかという議論であるということも世論に喚起しつつ、そのための国民議論を熟度を高めていく上では、私は、もっと今言ったような制度のところとかもちゃんと法務省も力を入れて、我々も力入れますけど、戸籍とは何なのかとか、通称とはどういうものなのか、諸外国のミドルネームと比べてどういう違いがあるのかとか、そういうことも含めて、より積極的に情報提供はしていかなきゃいけないと思います。  大臣、今回情報提供とおっしゃったので、より国民の皆様に関心を持っていただく、その趣旨を込めて、ちゃんとした発信をもっとしていただきたいと思うんですけど、最後、大臣に答弁をいただきたいと思います。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 極めて大事な議論の中で、例えば選択的夫婦別氏といったときに、恐らくそれが法制審案というのは一つ大きな案ではありますけれども、ほかにも幾つかあるのも事実で、そういったそのそれぞれの、これは通称の法制化ということもそうですよね。なので、やっぱりそういったところで、いろんなそれぞれのまず課題の整理はしていかなくてはいけないんだろうと思います。  その上で、先ほど、この戸籍への影響というところで、法制審案の答申に基づいたこのサンプルというものがありましたけれども、こういったものもそうですし、あるいは、例えば、やはりパスポートの問題というのはかなりこれはクリティカルな問題として残るんだろうと思います。そこを解決できるような単記のリーガルネームというのは果たしてあり得るのか、起こし得るのか、しかも、ICAOであったり、あるいはテロを警戒しているような国がそれを受け入れるのか。そういったことも含めて、これ、ふわっとした議論ではなくて、かちっとしたその制度論の議論もしていかなくては私はいけない時期だと思っています。  その観点から、国会での御議論をいただく、あるいは国民の間での御議論をいただくためにも、そうした情報提供を分かりやすく、しっかりと伝えていく。これ、理念ではなくて、やはりその具体の話としてどうしたら伝わりやすいようになるのか、そこのところは私どもとしてもしっかり検討をしていきたいと思いますし、そういった意味での情報提供をしっかりと進めていきたいと思います。

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 時間過ぎております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 今、単記のリーガルネームはあり得るのかというお話、要はこの通称の拡大で今ある不都合を回避し得るのかというところ、これは、うちの党も今、私も今PTの座長をやらせていただいております、党でも議論もして、議論を深めているところです。これまで何回も議論もしておりました。  そういうことも踏まえた上で、じゃ、別姓の選択等、また今まで守るべき戸籍とか、そういうのをちゃんと両立できる案としても法制審の案というのは非常に参考になるというふうに思います。党としてもそれを参考にしつつ、今大臣にいろいろと発信をしてくれと申しましたけど、当然、我々の党としても議論を深めて国民に対してしっかり訴えていき、結論としては選択肢がしっかり広がるような社会、これ全ての党派を超えた合意が形成できるような合意形成を図るためにも頑張りたいというふうに思います。  その点だけ申し上げて、質疑を終わります。ありがとうございます。

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十四分休憩      ─────・─────    午後一時開会

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) ただいまから法務委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、法務行政の基本方針に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

嘉田由紀子日本維新の会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。日本維新の会、嘉田由紀子でございます。  午前中どうしても予算委員会がありまして、失礼いたしました。  今から大臣所信についての質問を中心にさせていただきます。  まず、鈴木大臣の所信のところで、困難を抱える子供たちへの取組というのがございました。特に、父母の離婚等に直面する子供たちの利益を確保するため、民法等改正法の施行に向けた準備を着実に進めますとあります。  去年の五月に、参議院、そして本会議で通過した民法改正ですが、これまで父母が離婚をして父子、母子の縁を切ってしまう単独親権であったのが、共同親権を選べるようになりました。これは、日本の明治民法以来の言わば親子縁切りの民法に対して、親子の縁をつなぐという大変大事な、特に子供の幸せにとって大事な民法改正であったと思っております。  その中で、昨年の十二月に、父母の離婚後の子の養育に関するルールが改正されましたということでパンフレットを作っていただき、全国に配布してくださったということですが、具体的にこのパンフレットをどのように配布していただいているか。特に自治体への働きかけですね。私自身、滋賀県の子育ての担当者、それから例えば明石市などの子育ての担当者に問合せをしましたが、ほとんど届いていないんですね。  その辺りのところ、是非、民法改正の成果、自治体にどのような働きかけをしているか、お願いできますか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 今御指摘のように、自治体への働きかけ、これ極めて大事なことだと考えております。  そうした意味で、法務省におきましては、改正法につきまして、ホームページにおける改正法の周知であったり、あるいは改正内容を解説する動画やポスターの作成、あるいは担当者を各所に派遣して講演をする等々を通じて周知広報活動を行っております。  また、自治体ということもございましたけど、自治体も含めて、関係府省庁において連携して取り組むべき問題と考えておりますので、そういった意味で、関係府省庁等連絡会議の開催も行っているところでございます。  御指摘のパンフレットでありますけれども、これ、関係府省庁等と連携をして改正法の内容を説明するパンフレット、この作成をしております。また、QA方式の、QAスタイルの資料の作成も今現在進めているところであります。  このパンフレット、届き切れていない、そういった御指摘もございました。その点はしっかりと確認もさせていただきますけれども、基本的には、私どもとしては、関係府省庁等が連携をして既に都道府県や市区町村といった自治体等に配布をしたと認識をしてございますので、若干まだ行き届いていないところがあれば、御指摘を踏まえて調べさせていただきたいと思います。

嘉田由紀子日本維新の会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。  言うまでもなく、日本の離婚の九割近くが協議離婚です。協議離婚というのは、市区町村の役場の戸籍担当が、ある意味で、紙切れ一枚受けて、それで離婚が成立してしまうという大変安易な離婚の手続であるわけです。ですから、本当に一番影響を受けてしまう子供たちの養育費であるとか、あるいは親子交流であるとか、あるいは子供の精神的な状況、そういうところをケアする仕組みが実は全くできていないんですね。  それで、私は、もう過去二〇一九年から、六年目になりますけれども、子供を放置しないでくださいということでお願いにお願いを重ね、そして共同養育計画作りなどなしには離婚認めないようにしてください、子供のためにということを繰り返し続けて言ってきたんですが、残念ながら、まだまだその問題意識も、また地域への、地元への働きかけも弱いと思いますので、是非とも、この法律が施行されるまでに二年ということですから、もうほぼ一年たってしまいましたので、二年ということですから、是非とも法曹関係だけではなく市区町村の行政の担当の方に働きかけていただきたいと思います。  二点目の質問ですが、今回も大臣所信の中で、安全、安心な社会の実現に向けてということで、持続可能な保護司制度の確立に向け、保護司の安全確保対策や、保護司活動を含む更生保護行政のデジタル化、情報セキュリティーの取組状況についてということで質問させていただきます。  本当に私自身、実は大津市の北部で、自宅で保護司の方が言わば相談中に殺害をされたと、本当に驚きました。殺害をされた方はもう随分何十年も前から直接お付き合いがございまして、大変な地域貢献をしておられた方なんです。びっくりしました。  そして逆に、この保護司制度の見えないリスクというのを知ることになったんですけれども、言うまでもなく、国際的にもこの日本の保護司制度というのは、ある意味で共助の仕組みとして、犯罪を増やさない、あるいは万一犯罪犯してしまった人が地域で再生できるようにということ、全くボランティアでやっていただいている大変すばらしい制度です。  ですから、この制度が確実につながるように、特に若い人たちの保護司が数が減っておりますので、その辺りの工夫について、大臣の御見解お願いします。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 今御指摘ありました大津の事件、大変痛ましい事件でございますし、やはり保護司の方々、どうそうした安全をしっかり図っていくのか、こういったこと、我々としてもこれは一番の喫緊の課題としてしっかり取組を進めていかなければいけないと考えております。  さらに、どのようにしてこうした様々な方に役割担っていただけるのか、こういった点についても御質問もあったと思いますけれども、まさにそういったことで申し上げれば、いろいろ今、第二次再犯防止推進計画において持続可能な保護司制度の確立に向けた検討、試行が盛り込まれたことに基づいて、令和五年の五月から持続可能な保護司制度の確立に向けた検討会、この開催を行っております。保護司の方々からの多様な御意見も踏まえながら検討が重ねられて、令和六年の十月には報告書が取りまとめをされたところであります。その安全確保ということ、先ほど大津の話もございましたので申し上げますけれども、そういった取組も含めて、今後講じていく施策として七十八の取組が盛り込まれているところであります。  まさにそういった中で、予算案の中でも、保護司の安全確保に関連して、保護観察官の増員ということに加えて、更生保護サポートセンターの運営経費の拡充、あるいはサテライト型更生保護サポートセンターの設置、そして自宅以外の面接場所をどう確保するのか、そしてさらには保護司複数指名制度の積極活用に係る経費等々も計上しているところであります。  これらの施策をしっかりと進めていく、あるいは、やはり保護司の方々の負担軽減ということでデジタル化も必要だと思います。そうしたことを通じて、担い手もしっかりと確保をしていけるように適切に対策を進めていきたいと考えております。

嘉田由紀子日本維新の会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。  皆さん御存じのように、この保護司のボランティアで手を挙げてくださる方が本当に若い方が少ないものですから、何としてもここはこの制度の存在価値を高めていただいて、マスコミなどでももっともっと広げていただいて、この元々日本のコミュニティーの中にある相互扶助の仕組み、犯罪人を出さない、万一犯罪人が出てしまったらその更生もコミュニティーの中で支えていくんだという、そういう基本哲学に根差しておりますので、日本ならではの共助の仕組み、是非とも広げて、そして、七十八項目作っていただいておりますので、実践していただけたらと思います。  次に、質問三ですが、今回の予算関係の中で、法務省施設の耐震化・老朽化対策の一つとして、災害発生時、避難所としての利用、地域との連携という項目がございました。これも大変大事だと思います。  私も知事時代から、実は避難所の設定は市区町村なんですけど、それをサポートするのは都道府県の役目でございます。そしてまた、様々な法務省の関係の施設、地域にございますので、この万一のときの避難所利用などについて具体的にどう進めていただいているのか、また、今後の構想についてもお伺いしたいと思います。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 私どもといたしましても、この矯正施設、災害発生時の避難所としての利用、極めて大事な貢献というふうに考えております。  矯正施設が所在をする地域の自治体等と防災協定等を締結をして、矯正施設の機能等と両立をさせながら、その敷地内の一部を避難所として利活用する等々、災害時の地域支援をこれまでも実施しているところでございます。  例えば、平成二十八年にございました熊本地震に際しては、熊本刑務所の武道場を避難場所として開放して、最大約二百五十名の近隣住民の方々を受入れをさせていただいて、飲食物の提供であったり、あるいは入浴支援、さらには、私どもの強みでもありますけれども、熊本少年鑑別所と協力をして心のケア、これを目的とした相談なども実施をしているところであります。  先ほど申し上げました防災協定ということでいえば、今、合計百十九の施設にそういった協定を締結をしている、これは今年の一月三十一日時点ですけれども、そういった状況であると承知をしております。  引き続き、我々としてもこうしたことをしっかりと展開していけるように、所在地自治体等と連携をして、こうした災害発生時のまさにそうした一番厳しい状況にある被災者の方々、寄り添っていくためにも、この地域支援活動をしっかりと通じて、国民の安全、安心を確保していく、そうして、我々、この矯正施設についてもこの地域社会の一員としてそうした役割を果たしていく、そういうふうに考えております。

嘉田由紀子日本維新の会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。  この避難所は、小学校の体育館だったり中学校の体育館だったり、体育館というのはまさにTKB、トイレ、キッチン、ベッドがなくて本当に悲惨な状況、そういう中で災害関連死も増えております。特に、熊本地震のときには直接地震で亡くなった方よりも関連死の方が多かったということで、私も災害対策を進める上でこのトイレ、キッチン、ベッドが大事だなと。  考えてみましたら、道場とか、あるいは様々な法務省系の施設は、トイレ、キッチンありますよね。そこにそれこそ段ボールベッドか何かを持ち込み、そしてようやくテントが常備品として整備できるように、これは国の方が予算、防災省をつくるというところで予算の整備もしていただいておりますので、ともかく公的な国の施設ですので、前向きに御利用いただけるように、これも是非社会的に発信をしてください。私もこの質問するまで、その熊本地震のときに二百五十名も避難をしていたということを知りませんでしたので、社会的に発信をしていただけたらと思います。  次、質問四点目ですが、裁判所関係についてお願いいたします。  今回の、資料、年度の予算の中で、家庭裁判所調査官五人の増員があります。また、事件処理の支援のため、国家公務員の子供の共育て推進を図るため裁判所事務官を九名増員とあり、そのうち二名は育児休暇、ワーク・ライフ・バランスに関わる増員ということですけれども、これ詳しく御説明いただけますか。

小野寺真也最高裁判所事務総局総務局長

○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。  まず、家庭裁判所調査官の増員につきましては、改正家族法の成立を受けまして、各裁判所において法の趣旨、内容を踏まえた的確な調査が行われるよう、具体的な調査の在り方を含め、その円滑な施行に向けた検討、準備を行うとともに、現行法下での事件処理におきましても、改正法の施行を見据えまして、家裁調査官の専門的知見をより適時適切に活用しながら家庭裁判所の紛争解決能力の一層の改善、向上を図っていく必要があることから、家庭事件処理の充実強化を行うため家庭裁判所調査官五人の増員をお願いしているところでございます。  次に、裁判所事務官の増員のうち国家公務員の子供の共育て推進等を図るための増員についても御説明をさせていただきます。  裁判所におきましては、仕事と育児の両立支援制度の利用促進や育児休業からの復帰後の支援等を行うことにより、職員の多様な働き方と子育ての両立支援、いわゆるワーク・ライフ・バランスの推進を図っていく必要があることから、平成二十七年度以降、国家公務員のワーク・ライフ・バランス推進のための増員を認めていただき、その取組を行ってきたものであります。  令和七年度につきましても、引き続きその取組を継続していく必要があるため、事務官二人の増員をお願いしているところでございます。今年度お願いしております二人の増員につきましても、これまで増員をお認めいただいた分と合わせまして、必要な部署に適切に配置することで制度の趣旨に沿った支援等が図られるものと認識しております。  今後とも、職員の多様な働き方と子育ての両立支援が図られるよう努めてまいりたいと考えております。

嘉田由紀子日本維新の会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。  言うまでもなく、この少子化、大変な問題です。私たちの世代は、昭和二十年代、一年間に二百五十万人から二百七十万人、これ昭和二十四年ですけれども、生まれていたのが、最新の統計ですと七十二万人、しかも海外の方が入っていますから、日本人だけの最新データはまだ出ていませんが、六十万人台になってしまっている。これは、人口予測の十五年前倒しで少子化が進んでいるということでございます。  特に、私自身も経験ありますけれども、働く女性が子育てとそれから仕事が両立できる体制がないことが少子化の大変大きな理由です。その……(発言する者あり)ありがとうございます、御支援いただきまして。その両立できないもう一方で、男性の家事、育児参画。私はずっとこれ、昨年の石破総理、予算委員会でも、またその一年前の岸田総理にも申し上げました。育児・介護休業法という名前を変えてくださいと、育児・介護参画法で。育児、介護、休業じゃないんです。それはもうよく御存じと思いますけど。  この間もある官僚の方と、家で子供を面倒見たと、霞が関では夜中の二時に呼出しはないけど、子供は夜中の二時に呼び出す、だから子育ての方がよっぽど大変だということを言っておられます。でも、そこをきちんと参画してもらわないとこの出生率上がりませんので。  二人という大変大事な人数ですから、この後どんどん広げていただいて、公務の場から、男性が家事、育児参画、大手を振るって、大手を振るって私は国難参画の子育てに参画するんだよということを是非法務省から広げていただきたいと思います。  そして、これも昨年の十二月十六日申し上げましたけれども、京都大学の明和政子さんという脳科学の研究者がおられます。彼女が、子育てというのは前頭葉が発達して相手の思いをおもんぱかる力が働くと、それを育てることができる、子育てこそ人材育成の最先端なんだ。職場では、特に若いお父さん、子育てに参画して、人材育成、自分で学んでいらっしゃいというくらい、それぞれの組織長がサポートしていただけたらいいかと思っております。質問というよりはコメントでございます。  その中で、家庭裁判所調査官のお仕事、大変大事だと思います。これも十二月十六日に申し上げました。K市のF・Fさんという方が昨年の三月二十四日に子供さん連れ去られてしまって、その後、居場所が分からないということで、大変御苦労なさいました。結果的には十一月十六日に自殺をしてしまうんですけど、その間に、六月に調査官調査、三十ページほど、子供さんの意見も聞いて、お母さんの意見、お父さんの意見、そしてDVがなかったからちゃんと面会交流直接にさせてください、親子交流、そういう調査官調査が出ているんですが、結果的には裁判所が直接交流のタイミングつくってくれなかったんです。それで、このF・Fさん、お父さんは自ら自殺してしまったんですけど、本当につらい話です。  それで、家庭裁判所のお仕事なんですけれども、最近、森めぐみさんという方が、離婚を経験したお父さんたちから家裁がどういう状態だったかということを聞き取りをしております。これは私が読ませていただきますので、是非知っていただきたいと思います。  調停委員が言いました、なぜお子さんに会いたいのですか。なぜお子さんに会いたいのですかって調停委員が言う。当然でしょう、親だったら子供に会いたい。先ほど申し上げましたF・Fさんは、会えなくて、つらくて自殺してしまった。そういう自殺したお父さん、中にはお母さんもおられます。たくさんいるんです。これ、五十九人からの聞き取りを本にしたものです、「家裁のデタラメ」。  二つ目。女性の裁判官に、子供に会いたいなら奥さんに土下座してお願いしたら、お願い、お願い、お願いと言われました。何で自分の子供に会うのに奥さんに土下座しなきゃいけないんですか。それを裁判官が公の場で言うんですよ。  娘が連れ去られて、私は一度も娘に直接会えていませんし、連絡も付きません、家裁で、生きているかどうかすら分からないと言うと、裁判官に、死んだらニュースになる、今はニュースになってないから死んでないと真顔で言われました。どう思われますか。裁判官、こんなきついことを言うんです。  四点目です。裁判官、どれだけあなたが頑張ろうが相手が駄目って言っているんだから無理よ、どっちが親権者として向いているかじゃないんだから。実は親権者、何を基準に決めているか。ありません。  五点目です。どっちが親に向いているかを判断されに来ています、今日相手が来ないこともきちんと加味してくださいと、当事者、お父さんが言いました。裁判官、奥さん仕事で来れないんじゃないの。同居親が来れないとこれで、別居親が来れないと不利になります。親としての資質を疑われます。  六点目です。家裁の裁判官が言いました、調査報告書によれば、DVも虐待もありませんでした、しかし、あちらが連れ戻しが怖いというので、まずはズームで信頼関係を築いてからでいかがでしょうか。これが先ほどのK市の、昨年十一月十六日に自殺をしてしまわれたF・Fさんの例と同じようなことです。  もう今日はこれ以上申し上げませんが、是非裁判所の皆様がそこで子供に会えない親の気持ちに寄り添って、そしてようやく、面会交流ではなく、今回の法案改正では親子交流と、本来の親子の親密な、愛情豊かな交流をもっともっと増やそうということを法案に入れていただいているんですから、ここは確実に裁判所の皆さんの意識の変化を、本来、親子は離れてはいけないんだと。  今回、遺伝子提供、お父さんの精子提供で生殖医療の法案を今準備しておられますけど、そこに子供自身の出自を知る権利を出そうと言っています。お父さんはどういう背丈だったか、どういう人だったかという資料を百年間国として保存しましょう。それくらい子供は親のことを知りたいんです。それなのに、生身で生きているお父さんとこんなに会わせない。それを裁判所という公的なところでやっている。  是非、この「家裁のデタラメ」という、もしこれがうそばっかり書いているというんだったら、また次の委員会で反論してください。ここはもう答弁要りません。知っていただきたい。本当に、子供に会いたい親、子供も親に会いたいんです。そこのところを理解していただけたらと思います。  お時間になりました。最後に、司法統計の公開頻度ですけど、なかなか、特に離婚統計というのはタイムリーなデータが欲しいんですが、現場での動きをタイムリーに把握するための司法統計の公開頻度について、これは厚労省さんでしょうか、ちょっとコメントお願いいたします。

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 時間過ぎておりますので、簡潔にお願いします。

小野寺真也最高裁判所事務総局総務局長

○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。  司法統計年報についてのお尋ねでございました。司法統計年報につきましては、毎年十二月三十一日を基準日として、様々な作業をした上で一定の期間に公表するということにしてございます。公表までに一定の作業期間を必要とすることについては御理解をいただきたいと思いますが、可能な限り速やかに司法統計年報を公表することができるように、引き続き迅速な事務に心掛けてまいりたいと考えております。

嘉田由紀子日本維新の会

○嘉田由紀子君 ありがとうございました。以上で終わります。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 国民民主党の川合です。  大臣、よろしくお願いします。  私からも、大臣所信の内容に沿ったものを中心に、幾つか総論的な質問を今日はさせていただきたいと思います。  まず最初に、昨年改正された改正入管法の運用状況について確認をさせていただきたいと思います。  不法残留者数に焦点を当ててということでありますが、不法残留者数の推移が、令和三年の数字が六万六千七百五十九人、令和四年が七万四百九十一人、令和五年が七万九千百十三人という形で順調に増加してしまっております。この増加の原因分析をどのように法務省としてしていらっしゃるのかということについて、まず大臣の御所見をお伺いします。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 今、川合先生御指摘のとおり、令和六年一月一日現在の不法残留者数、これ七万九千百十三人と、令和四年一月一日現在と比べて一万二千三百五十四人増加してしまっております。  増加の要因といたしましては、私どもといたしましては、一つには、令和四年三月以降の新型コロナウイルス感染症に関する水際措置の段階的な緩和によりまして新規入国者数が大幅に増加をしたこと、そして、令和二年から行われてきました新型コロナウイルス感染拡大の影響による帰国困難者に対する在留資格上の特例措置が終了をして、在留期間の更新が許可されず不法残留となった、そうしたケースが増加をしたということ、これが要因としては考えられると思っております。  若干付け加えますと、一方で、令和六年七月一日現在の不法残留者数、これは七万七千九百三十五人と、同年一月一日現在と比べますと一千百七十八人減少したところであります。  入管庁といたしましては、不法残留者の削減に向けた取組、これを進めていく上で、まずは厳格な入国審査によって不法残留者の発生の防止に努めるということ、そしてその上で摘発をしっかりと強化をしていく、さらには出頭申告しやすい環境整備にも努めておりまして、これらが、この半年ということでありますけれども、不法残留者の数の減少につながったと考えております。  この確定が、退去強制が確定した不法残留者等については確実に送還をしていく必要がありまして、その意味では、昨年六月に施行された改正入管法、これによって送還停止効の例外の規定も創設されておりますし、こうした規定を適切に運用することで送還を促進をして、更なる不法残留者の削減が図られるように全力で取組を進めてまいりたいと思っております。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 是非しっかりとお取組を進めていただきたいと思います。  このテーマを挙げさせていただいた理由は、御承知のとおり、今後外国人の受入れが更に拡大する、特に二〇三〇年までにインバウンドで六千万人という目標も立てていらっしゃるみたいでありますし、これから育成就労で外国人労働者の方の受入れも拡大されるということが確実に見通されている中で、外国人の入国が増えると不法在留者も増えていくということがパラレルに起こってしまうということが常態化してしまいますと、せっかくいわゆる人手不足対策も含めて外国人を労働者と認めた上で受け入れるという枠組みをつくったにもかかわらず、将来的に欧米のような社会の分断につながるような議論にもつながりかねないということでありますので、今とても大切な時期だと思っておりますので、このお取組、是非進めていただきたいと思います。  その上で、先ほどの矢倉委員の質問にもちょっとかぶってくるところなんですが、外国人の受入れが拡大を続けている状況の中で、審査手続の期間の現状というものがどうなっているのかということ、同時に、在留審査の長期化傾向が見られるのかということを前年度との比較のようなものでもって御説明をいただきたいと思います。

杉山徳明出入国在留管理庁次長

○政府参考人(杉山徳明君) 在留審査ということでございますと、入国前に交付する在留資格認定証明書の交付申請、それから在留期間の更新許可申請及び在留資格の変更許可申請の三つがございますが、これらを合わせた令和六年の受理件数は、速報値で約二百二十九万件、令和五年と比較すると約一三%増加しているところでございます。  次に、審査期間につきましては、直近の公表数値を比較検討するという観点から、令和五年と令和六年の十月から十二月までの三か月間で、実際に掛かった審査期間の平均が標準処理期間の上限を超えている在留資格の数がどれくらいかという観点で比較させていただきますと、在留資格認定証明書の交付申請につきましては、対象が三十二の在留資格ありますが、標準処理期間の上限を超えているのが令和五年は五つであったのが、令和六年は六個、六つの在留資格に増加しているところでございます。また、在留資格の変更許可申請につきましては、三十三の在留資格のうち、令和五年は十三が標準処理期間の上限を超えていたのに対し、令和六年は更に一つ増えて十四となっております。在留期間の更新許可申請につきましては、三十二の在留資格のうち標準処理期間を超えておりますのが、令和六年は対象となるのが、失礼いたしました、令和六年は対象となる三十三の在留資格のうち五つ、この点については一つ在留資格の数は減っているということでございます。  もっとも、在留資格の認定証明書の交付申請、在留資格変更許可申請については、審査に要する期間が長期化する傾向にあるものと理解しております。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 ありがとうございます。  今の説明を聞いてお分かりになりましたですか。分かる人には分かる説明だったと思うんですけれども、在留資格に係る認定、変更、更新等、もろもろの手続に当たって、これは在留資格については九十日上限ということだと伺っておりますし、変更については三十日という数字、それを超えるか超えないかで今の数字が出てきているということなわけでありますが、その在留資格認定に九十日掛かるということ自体について、それは適切と思われるかどうかということがある意味問われている話でもあるんですけど、この点についての御認識があればお伺いします。

杉山徳明出入国在留管理庁次長

○政府参考人(杉山徳明君) もちろん、在留審査については迅速にやるということが大事だというふうに理解しております。  他方で、非常に多数の在留申請がある中で、それをどの期間でできるか、そういったもの、予見可能性を高めるという趣旨からも標準処理期間というものが定められておりまして、まずはその標準処理期間に向けてしっかりと努力していくということが大事だというふうに考えております。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 入管庁さんとしてはそうとしか言いようがないということではあるんですけど、そこで大臣に御見解をお伺いしたいんですけど、これまでお聞き及びのとおり、審査件数自体が相当な勢いで増加をしているということ、同時に審査期間自体も長期化しているということ、このことは何を意味するのかというと、人員体制が十分ではないということ、そのことを数字が物語っているということだと私は理解しております。  そうした状況を踏まえて、審査件数の、今年に関して、この一年、二年に関しては、入管庁の職員の数の増員や予算の積み増しといったようなことも、取りあえずそれぞれ歴代の大臣の御理解もあって少しずつ前に進んでいる状況ではあるんですけれども、今後も明確に外国人の受入れ審査が増加をするということを考えたときに、件数の増加率ですとか審査期間を指標にした形での、いわゆる適正な入管職員の定員の定期的な数値に基づく見直しといったような考え方をきちんと仕組みとして導入していくべきなのではないのかと私は思うんですけど、この点についての大臣の御見解をお伺いします。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 今先生御指摘のように、これから恐らく訪日外国人、これ増えてくる可能性は高いと思います。同時に、今のように審査期間が長くなることで、ある意味その悪循環というか、そういった処理においては、ある意味だんだん処理し切れないところが増えていってしまってという、そういう悪循環が起こりかねない状況だろうと思います。  これまでも、官署横断的な応援派遣であったり、あるいは業務の合理化等々も努めるなど、人員も含めて体制の整備を行っていますけれども、正直、今で十分なのかといえば、当局としてはまだまだこれは十分ではないというふうに考えております。  もちろん、これは政府全体の話にもつながってきますけれども、私どもとしては、人員も含めた入管庁の体制整備、これを図ることは極めて重要でありますし、やはりこの長期化というのは誰しも望んでいない話でありますから、どういう指標を使うか、これはいろんな議論があると思いますけれども、その客観的な指標というものも十分に考慮に入れながら、適切な体制整備ができるよう、私としても最善を尽くしてまいりたいと思っております。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 是非よろしくお願いしたいと思います。  その人員を増やすということは当然人件費コストが上昇するということでありますから、なかなか理解が得にくい、政府の議論の中でも理解が得にくいものかもしれませんけれども、一方で、インバウンドを拡大させることで日本にお金を落としていただくということが政策としてやっておるわけでありますから、そうした体制を整えることでインバウンドをより円滑に拡大をさせるという発想からいけば、必ずしも費用だけが増大しているという切り口の議論にはならないと私は思っておりますので、是非その辺りも含めて省内での、庁内での議論も進めていただくことをお願いしておきたいと思います。  次の質問に移りたいと思います。  次は、技能実習制度を取り巻く課題についてということで幾つか御質問させていただきたいと思いますが、まず政府参考人にお伺いします。  出身国別の失踪技能実習生の推移と、それから現時点での対応の状況について御説明をお願いします。

杉山徳明出入国在留管理庁次長

○政府参考人(杉山徳明君) 令和五年におけます失踪技能実習生の数は、令和四年と比較すると七百四十七人増加して九千七百五十三人となっております。  令和五年の国別の失踪者数、令和四年と比較する数値として申し上げますと、ベトナムにつきましては五百三十五人減少して五千四百八十一人、ミャンマーは千百五十八人増加して千七百六十五人、中国は百六人減少して八百十六人、カンボジアは百三十五人減少して六百九十四人、インドネシアは二百九十五人増加して六百六十二人となっております。  国別の失踪者対策といたしまして、ベトナム及びカンボジアにつきましては、これまで、失踪者の発生が著しい送り出し機関に対して新規の受入れ停止措置を講じてきましたほか、他の国々も含めて二国間取決め、いわゆるMOCに基づきまして、送り出し国政府にも失踪者の発生防止の取組について協力を求めてきたところです。その成果もございまして、令和四年には、ベトナム政府におきまして、技能実習生の来日のための費用負担額の低減に係る法令が施行され、失踪の要因となり得る技能実習生の来日のための費用負担額が減少いたしました。  また、令和五年に失踪したミャンマー人の技能実習生千七百六十五人のうち、千七百三十九名、九八・五%が失踪後三か月以内に緊急避難措置に係る特定活動の在留資格を得て滞在しており、この措置が誤用、濫用的に利用している事例が散見されたところであります。そのため、入管庁では、昨年十月一日から、自己の責めに帰すべき事情により、在留資格、技能実習の活動を満了せず、残余の在留期間がある技能実習生については、在留資格、特定活動への変更を認めないなどの運用見直しを行っているところでございます。  入管庁といたしましては、引き続き、国別の失踪者の発生状況を踏まえつつ、関係機関とも連携しながら失踪対策に努めてまいりたいと考えております。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 ありがとうございます。  この件に関してちょっと確認なんですけれども、この失踪に関しては、何らか、自らの責任によらないところでやむを得ず失踪されている方と、そうではなく自己の責任に帰するところの理由があって失踪される方と二種類あるということでありますけれども、この自己責任に係る部分の中に、失踪することをいわゆる使嗾するような悪質なブローカーですとか、失踪者であることを知っていながら雇う雇用主、こういった者の存在も指摘をされておりますけれども、そうした案件に対する具体的な摘発の状況も含めて、対応状況、分かったら教えていただきたいと思います。

杉山徳明出入国在留管理庁次長

○政府参考人(杉山徳明君) 技能実習生の失踪という問題は非常に重要な問題だというふうに受け止めているところでございます。  入管庁といたしましては、こういった問題に対応するということでありまして、失踪事案発生した場合には、外国人技能実習機構による臨時の実地検査の速やかな実施ですとか、先ほども申し上げたところにも絡みますが、送り出し国に対し悪質なブローカーの排除を求めるといった取組、さらに、在留カード番号等を活用して不法就労等の摘発の強化といったような形をやっているところでございます。引き続き、そうした形での悪質なブローカー等への対策は徹底してまいりたいと考えております。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 そうした方が存在していることで、真面目にやっていらっしゃる方々までがステレオタイプで同様に見られてしまうということは絶対に避けなければいけないという意味でも、今御説明のあった取組についてはより力を入れて取組を進めていただくことをお願いしたいと思います。  次の質問に移りたいと思いますが、今、特定技能制度に係る既存の分野別運用方針の改正について政府部内で議論をされているということを伺っておりますが、この中で、深刻な人手不足を背景として、いわゆる特定技能外国人の訪問系の介護サービスへの従事を認めることが、そういう方向で検討されているというふうに伺いました。  現在のその訪問介護の業界の現状なんですけれど、昨年の時点で過去最多、六百十二件の休廃業が生じており、そのうち訪問介護事業者が四百四十八件、事業継続すらおぼつかないような状況の中で閉じてしまっていらっしゃる状況なんですね、訪問介護。  そうした非常に厳しい状況に置かれている訪問介護業種に対して、いわゆるコミュニケーション能力が十分とは言えないような外国人を従事させるということが新たないわゆる低賃金労働等の問題の温床になるのではないのかということをちょっと懸念しておるんですけど、この辺りのところについて大臣の御見解をお伺いします。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 今月の十一日ですか、おとといになりますけれども、介護分野において特定技能外国人の訪問系サービスへの従事、これを認めること等を内容とする分野別の運用方針の改正について閣議決定がされたところであります。  特定技能外国人を今御指摘のような訪問系サービスに従事させるに当たっては、基本的には利用者と一対一で業務を行うというその特性も踏まえますと、ハラスメントの防止であったり、あるいはその相談体制、こういったものをしっかり構築をしていく、これを、外国人介護人材についての権利保護、これをしっかりとやっていくような取組、これが極めて大事だと認識をしております。  特定技能制度を所管、我々法務省としていたしておりますけれども、労働条件あるいは労働環境などの問題が起こらないように、これは関係省庁もありますので、そういった関係省庁としっかりと連携をして適切に取組を進めていきたい、それは極めて大事だと思っております。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 この介護系の業種、特に訪問介護の業種が深刻な人手不足に陥っている、その背景に何があるのかと。十四・一四倍らしいですよ、有効求人倍率、十四・一四倍。つまりはほとんど誰も来てくれないような状況になっているんですけど、その背景にあるのは、そもそもいわゆる業務の負荷の重さに対して処遇が見合っていない、賃金水準が見合っていないということが人手不足の決定的な原因であるということなんですね。  その状況の中で、給与も払いかねるような状況の中で、人材の手配という部分だけに光を当てていってこの取組を進めていくと、私が危惧しているのは、技能実習制度が導入されて最初の頃に、いわゆる縫製業を中心として技能実習生の非常にひどい扱いが社会問題化したことがありましたけど、きちっと最初からそうしたところにスポットライトを当てた対応をし、適正な取扱いを行うということを徹底していただかないと、建設業種と同じように3K、5K職場ということで、新たな問題を生じさせる可能性があるということで本日この問題を指摘させていただいておりますので、是非そうしたことも念頭に置いて今後の議論をお進めいただきたいと思います。  時間がなくなってまいりましたので、今日せっかく文科省さんにもお越しいただいておりますので、順番を変えて、日本語教師の労働環境に関して少し確認をさせていただきたいと思います。  外国人、いわゆる失踪者が出る理由は、ハラスメントの問題ですとか契約違反の低処遇だったりとかという、そういう問題がよく指摘をされておりますが、そのことと同時に、要は、N5レベルの日本語力も正直おぼつかないような状況で、日本語をしゃべれない人をともかく受け入れてしまって、後付けで日本語教育を行うという形で今まで受け入れてしまっていることの結果として、本当ならばコミュニケーションを取れば問題解決できたはずのことが、コミュニケーションが取れないことで問題を深刻化させて、結果、失踪につながっている方というのが大勢いらっしゃいます。  そういう意味では、日本語力を高める、日本語教育をどうしっかりと進めていくのかということが、今後の外国人とのいわゆる共生社会というものをより前進させていく上で非常に重要な取組になると私は認識しております。  そのことを踏まえて、せんだって、登録日本語教員制度、国家資格として導入がされたということでありますが、その後の運用状況の中で、当事者の方々からお話を伺っておりますと、いわゆる労働条件が、もうほぼルールがないに等しいような労働条件で、昭和の業界なんじゃないのかというようなことをおっしゃる方も実は出てきていらっしゃるわけであります。  そこで、まず文科省さんにお伺いしたいんですが、日本語教師、登録日本語教師の処遇や労働環境についての実態調査というものをきちんと行っていらっしゃるのかどうか、これをまず確認させてください。

平野誠文部科学省総合教育政策局社会教育振興総括官

○政府参考人(平野誠君) お答えいたします。  日本語教師の処遇についてでございますけれども、令和二年度に日本語教師の資格創設に係る状況調査を実施しております。  本調査におきまして、法務省告示校で勤務する常勤の日本語教師の年収は、三百万円から四百万円未満が最も多く四六・三%となっており、続いて二百万円から三百万円未満が二六・七%、四百万円から五百万円未満が一六・八%となっております。  また、同じく法務省告示校で勤務する非常勤の日本語教師につきましては、一時間当たりの給与単価は、二千円から三千円未満が最も多く五九・五%となっており、続いて千円から二千円未満が三四・四%となっているところでございます。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 令和二年の調査ということですよね。ということは、つまり、国家資格としての登録日本語教師の制度ができて以降の調査の数字は今ないということと理解をいたしました。  時給の話が今出てまいりました。これが高いか安いかということについてはいろいろ受け止めもあろうかと思いますが、従来の日本語教師とは別に、外国人のいわゆる日本語教育のニーズが高まっているということもあって、常勤とは別に非常勤の方が非常に多い実は職場ということになりますが、非常勤の方のいわゆる法務省の告示校における一時間当たりの時間単価を見てみますと、三千円、失礼、二千円から三千円未満の方が六割近くで、三千円未満というところでほぼほぼ九六%ぐらいなんです。  つまりは、時給単価が三千円未満で、実はこま給という形で、そのこまだけで給料が出ていると。かつ、ほかの教職と同じように、授業を行うに当たっての準備ですとか授業中に行った試験の採点ですとか、そういったことも含めて全部このこま給の時間の中に入っちゃっています。したがって、実際の一こまの授業を行うに当たっての掛かっている時間に対しての時間単価という意味でいけば、三千円はおろか千五百円もない、千円、場合によっては切るかもしれないといったような状況も実態としてあります。  この状況を是非、法務大臣、鈴木大臣にも知っていただいた上で、今後、いわゆる外国人の労働力としての受入れも含めて外国人との共生を図っていく上で何より大切なことは、言葉の壁を低くしてコミュニケーションがしっかりできる環境をどう整えるのかということがまず第一歩だと思いますので、この点、スポットライトを当てて、良質な日本語教育を行えるような環境をどうやったら整えられるのか、優秀な人材を日本語教員として、登録日本語教師としてどうやってこの職場に来ていただけるのかという観点から是非御検討いただきたいと思います。  現状、御高齢の方や引退された方々のボランタリーな仕事としてこれやっておりますけど、それではもたない状態が近々来るということ、このことを御指摘をさせていただきまして、時間が参りましたので、私の質問終わります。  ありがとうございました。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  私は、ハンガリーDV被害者殺害事件と我が国の共同親権について、今日、質問をさせていただきます。  お手元に資料をお配りをしておりますけれども、全国女性シェルターネットの声明始めとしたこの資料にもあるように、今年一月二十九日にハンガリーで元夫のDVに苦しんできた邦人女性が殺害をされました。本当に無念なことだったと思います。  御友人が、岩屋外務大臣、岩本領事局長、そして小野駐ハンガリー大使宛てにお手紙を送られていますけれども、そこには、被害女性が、離婚後、子供たち二人をシングルマザーとして一生懸命育ててきた、元夫からの仕送りもなく、実家からの援助に頼りながらも母親として強く生きてきた、元夫からの暴力におびえながらも、子供たちと私たちの前ではいつも笑顔を絶やさず頑張っていた、いつか子供たちと一緒に元夫からの危害の及ばない日本で暮らすことを一年以上も希望していましたと。書かれているとおりだと思うんですね。この子供たちはそのかけがえのないお母さんを失ってしまうという取り返しの付かない結果になりました。  そして同時に、我が国でも、父母間の高葛藤が殺害に至る痛ましい事件が繰り返されてきたわけです。それは、昨年の民法改正に当たっても、父母間に合意のない場合にも裁判所が離婚後共同親権を定め得るとする法案で一体どうなるのかと、大争点になりました。  そこで、法務大臣が今回のこのハンガリーの事件をどのように受け止められていて、どのようにDV被害を防いでいくとおっしゃるのか、まず基本的な御認識をお尋ねしたいと思います。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) まず、ハンガリー国内で、今御指摘の件でありますけれども、この元夫のDVに苦しんでいた日本人の女性、殺害をされて御逝去されたということ、極めて痛ましいことでありますし、心からお悔やみを申し上げたいと思っております。  DV被害者の保護、そして被害の拡大防止、これは極めて重要な課題と認識をしております。その意味から、先ほど御指摘ありました令和六年の民法等一部改正法でありますけれども、この改正法によって、家庭裁判所において父母の合意がない場合にも離婚後共同親権とすることができる制度を導入するものでありますが、DV被害者の保護といった課題、これは改正法の審議の過程においても御指摘のように極めて重要な論点の一つであったと承知をしております。  改正法においては、DV被害を受けるおそれ等の事情を考慮して、父母が共同して親権を、共同して親権を行うことが困難であると認められるときには必ず父母の一方を親権者と定めなければならないとされております。すなわち、それは、DV被害を受けるおそれがある場合には父母双方が親権者と定めるということはないと我々としては考えているところであります。  また、改正法におきましては、父母双方が親権者である場合であっても、子の利益のために急迫の事情があるときについては単独に親権を行使することができることとされております。したがいまして、例えばDV等からの避難、これが必要な場合に子を連れて別居をするといったことに何ら支障を生じさせるというものではないということであります。  このような改正法の趣旨、内容、これが正しく周知をされ理解をいただけるように、関係府省庁とも連携をして、適切かつ十分な広報、そして周知に我々としても努めていきたいと思っております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 昨年の法案の審議の中でも、つまり、DVのおそれが認められるならば、これは必要的に単独親権であるし、この避難のための行動が支障を生じさせてはならないんだなどの御認識がまず示されました。  そこで、DVとは何なのかということを少し議論したいと思うんですけれども、私は、支援に当たってきた様々な専門家の皆さんのお話からしても、家庭内の権力格差を背景としてパートナーを支配する人間関係の構造そのものがDVであって、暴力はその手段にすぎないと思います。加害者が得意とする暴力、例えば身体的、精神的あるいは性的な、そうした暴力が振るわれるけれども、DVの本質は個人の尊厳を害する支配であり、人権侵害なのだと思います。  そこで、内閣府の男女共同参画局にお尋ねしたいと思いますが、そうした支配であり人権侵害であるという理解が我が社会で著しく遅れているために、加害者に加害の自覚がない、一方で被害者は被害に自信が持てないという実態が克服できずに来ていると思うんですが、これ、どう捉えておられるか。根絶にどう取り組んでいかれますか。

原典久内閣府大臣官房審議官

○政府参考人(原典久君) 配偶者からの暴力は、外部からその発見が困難な家庭において行われるため潜在化しやすく、加害者に罪の意識が薄いという傾向にあり、このため、周囲も気付かないうちに暴力がエスカレートし、被害が深刻化しやすいという特性がございます。また、被害者自身に自らが被害を受けているという認識がないために相談に至らないことも多いとの指摘もございます。  内閣府としては、配偶者からの暴力を容認しない社会の実現に向けて、配偶者からの暴力が重大な人権侵害であることや、殴る、蹴るなどの身体的暴力だけでなく、心を傷つける精神的な暴力も暴力であること等についてホームページやSNS等を通じた更なる広報啓発に取り組むとともに、被害者がためらうことなく相談することができるよう、配偶者暴力相談支援センター等の相談窓口について一層の周知を図っているところでございます。  先ほど申し上げた配偶者からの暴力の特性や暴力には多様な形態があり得ることを念頭に、関係省庁と連携してその根絶に取り組んでまいります。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 ありがとうございました。  だからこそ、厚生労働省においでいただいていると思いますが、仮に父母間で共同親権かどうかとか同居親が単独行使できるのかなどの争いがある場合でも、DVが認められる、DV被害が認められるという場合には、ためらわずに、ためらうことなく保護、支援を行わなければならないと思いますが、そうですね。

岡本利久厚生労働省大臣官房審議官

○政府参考人(岡本利久君) お答え申し上げます。  改正後の民法におきましては、親権の共同行使の例外として、子の利益のため急迫の事情があるときが規定をされておりまして、この点につきましては、法務省の方から、DV被害を受けている場合にはこれが該当する旨が示されているというふうに承知をしております。また、急迫の事情があると認められるのは暴力等の直後のみに限られないとの見解も示されていると承知をしております。  このため、女性相談支援センターにおきましては、DV被害者の立場に立って御相談に応じ、その内容に基づきDVから保護することが必要であると判断した場合には、子の利益のため急迫の事情があるときに該当するものとして、ためらうことなく必要な支援を行うべきものと考えております。  厚生労働省におきましては、こうした考え方について女性相談支援センターなどの関係機関に対し研修会等を通じて周知を行い、引き続き、DV被害者への支援が適切に行われるよう努めてまいります。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 ありがとうございます。  特に、警察現場の役割は重大だと思います。  警察庁にお尋ねをしますが、これまでDV、ストーカーの相談を警察署が受けていながら被害者の殺害に至ってしまったという事件が痛恨の教訓になっていると思います。これらを踏まえて、DVの相談をどのように捉えて対応していくように徹底しておられますか。

大濱健志警察庁長官官房審議官

○政府参考人(大濱健志君) お答えいたします。  配偶者からの暴力事案等につきましては、一般的に、事案を認知した段階では被害者等に危害が加えられる危険性やその切迫性を正確に把握することが困難であることが多い一方、事態が急展開して殺人などの重大事件に発展するおそれが高いものであるというふうに認識しております。  警察では、委員御指摘のとおり、過去の重大事件を踏まえまして、被害者の安全確保を最優先に、認知の段階から組織的に対処するための体制を直ちに確立いたしまして、関係機関等々と連携した被害者の保護及び加害者の検挙等の措置を講じております。また、この種事案では、身近な者が行為者であるなどの理由から被害届の提出等をためらうことも見受けられることから、被害者に対しましては、事案の特徴、警察としてとり得る措置、被害者自身の選択、決断、協力の必要性等を分かりやすく丁寧に御説明いたしまして被害者の意思決定を的確に支援するなど、被害者等からの相談への対応にも万全を期しているところでございます。  今後とも、引き続き、被害者の安全確保を最優先に、認知の段階から関係機関等と連携した被害者の保護及び加害者の検挙等の措置に万全を期すよう、都道府県警察を適切に指導してまいりたいと考えております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 お手元にお配りしている資料の三枚目に、警察庁が現場に徹底しておられる人身安全関連事案への対処に係る留意事項についてという通達の中から、被害相談に来られた方への資料として、知っていただきたいことなどの「警察に来られたあなたへ」という資料をお手元にお配りしています。  警察庁、確認ですけれども、ここにあるように、あなた自身や子供や親族、同僚などに対する殺人、傷害など重大事案へ発展するおそれがあるということ、一旦暴力が収まって相手が優しくなっていても、また暴力が再開される可能性は十分あるということ、それから、まだ相手に情が残っている、外では真面目な人なのに、自分さえ我慢すればなどと考えていませんか、生命や身体を守ることを第一に考える必要がありますと。  こうした観点で、相談に来られている方の御相談を十分に伺って、そして身を守るための意思決定ということを支援していくんだと、先ほどの御答弁はそういう趣旨でしょうか。

大濱健志警察庁長官官房審議官

○政府参考人(大濱健志君) お答えいたします。  まさに委員おっしゃるとおり、そのとおりでございます。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 このDV被害者の相談というのは、警察や、それから女性支援センターや配暴センターや様々な場面での相談ということになるんですけれども、相談に来ているということは、これまでDVの被害がある、あるいは怖いということなんですよね。そういう、これ、かつてのDVが疑われる場合、認められる場合、よほどそのおそれがなくなったという事情がない限りDVのおそれは消えない。リスクがあるし、当事者が怖いと思っているのは当然だと。けれども、そこに自信が持てないというような実情や特徴をしっかり踏まえた対応が私は必須だと思います。  そこで、国内法の問題としてちゃんと確認したいのが、改正民法、特に八百十九条七項ですけれども、ここに関して、先ほど大臣の御答弁もありました、条文で言いますと、父母の一方が他の一方から身体に対する暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動を受けるおそれの有無などを考慮して、父母が共同して親権を行うことが困難であると認められるとき。  この要件に出てくる暴力、DVというものをどんな本質のものとして捉え、どのように判断をしていくと基本姿勢を持っていらっしゃるのか。いかがですか。

竹内努法務省民事局長

○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、改正民法の第八百十九条第七項第二号は、父母の一方を親権者と定めなければならないときとして、父母の一方が他の一方から身体に対する暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動を受けるおそれの有無、それから、親権者の定め等に関する父母間の協議が調わない理由その他の事情を考慮して、父母が共同して親権を行うことが困難であると認められるときを定めております。  個別の事案には応じますが、委員御指摘のような、父母間に様々な力の差を背景として一方的に他方を支配するような関係が認められる場合には、父母が共同して親権を行うことが困難であると言えるものと考えられます。また、身体に対する暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動を受けるおそれについては、裁判所において、個別の事案ごとに、それを基礎付ける方向の事実とそれを否定する方向の事実とが総合的に考慮されて判断されることになると考えております。そして、このおそれについては、当事者の一方がその立証責任を負担するというものではありません。  委員御指摘のとおり、DV被害者にはそもそも被害の自覚を欠いている場合もあることも勘案した上で適切な判断がされることになると考えております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 大事な答弁だと思います。昨年の法案審議の中ではこうした答弁にまで至らなかったと思います。今後の周知の在り方やその判断の審査をどうしていくのかということも含めて、今後議論をしていきたいと思うんです。  これまで伺ったような答弁に示されるような取組が仮に行われていれば、ハンガリーでの事件は起こらなかったのではないかと思います。  今日、外務副大臣にも、そして領事局長にもおいでいただいています。  まず、ハンガリーの対応についてお尋ねをしますが、ハンガリー警察は被害女性の相談にまともに取り合いませんでした。報道によれば、これはハンガリーでは犯罪でも何でもない、ばかげているなどと、被害女性を門前払いしたということが伝えられているんですね。これは、女性差別撤廃条約やイスタンブール条約を始めとした国際人権基準に照らしても、重大な人権侵害だと私は思います。  殺害された後も、現地警察は失火事故としました。これに対して、そんなわけがあるかと、支援者、支援団体、そこには現地の弁護士の方もいらっしゃるということですが、DVの存在、防犯カメラ映像などの存在を告発したということによってようやくやり直し捜査が行われ、結果、立件され、元夫は逮捕されたということなんですね。  外務省は、こうした経過について、政府として、ハンガリー政府あるいは現地警察当局に対して抗議をされたんでしょうか。ハンガリー側はどう受け止めているんでしょうか。

岩本桂一外務省領事局長

○政府参考人(岩本桂一君) まず、今回の事件につきましては、外務省としましても大変重く受け止めております。  そして、今委員お尋ねの点でございますけれども、この事件発生後、ハンガリーに駐在しております小野大使から、現地の警察当局、そして副首相に対しまして、この事件の真相の解明、そして再発防止を強く申し入れさせていただいたところでございます。  ハンガリー側からはこの真相究明に向けて全力を尽くすという反応を得ているところでございますが、まだ司法のプロセスが続いておりますので、私どもも、このプロセスをしっかりとフォローしていきたいという具合に考えております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 資料の二枚目にありますが、ハンガリー当局は、このDV相談をまともに取り合わなかったということなどを理由にして警察官五人の懲戒処分に及んでいるわけですから、これを、そのハンガリーの社会においても許されないことだったんだと、その結果、被害女性の殺害に至ってしまったんだと、それが世界で起こっている現実なんだということを私たち深く受け止める必要あると思うんですね。在外公館の基本姿勢はどうなのかと。  この件で、仮にハンガリー大使館が現地警察に対して、国家として、日本国として保護要請を行っていれば、ハンガリー警察の対応はまた違ったのではないかとも思うんですね。この点が衆議院の予算委員会で議論になりまして、岩本領事局長が、もう今にも相手の配偶者から殺されそうになっているとか、殺されないにしても危害を加えられる状態にあるということになれば切迫度も相談の具体性もあるがという旨の答弁をしておられまして、これを聞くと、殺されそうにならなければ相談には切迫性も具体性もないんだと言わんとしているように聞こえるんですよね、この答弁は。そのように読めるんです。  DVをそのように極めて狭く捉えるというのは、これは重大な誤りではありませんか。

岩本桂一外務省領事局長

○政府参考人(岩本桂一君) 今委員御指摘の、二月二十八日の衆議院予算委員会分科会でのやり取りだと思いますけれども、その際、御指摘をいただいたのは、DVの具体的な状況について、一般論としてどういったものがあり得るのかというお尋ねございました。それに対しまして、私の方からは先ほどおっしゃったような答弁をさせていただいたんですが、趣旨としては、当然、DV、いろいろな形態ございます。その上で分かりやすい一例として申し上げましたので、これに限定されると、そういう趣旨では全くございませんので、当然ながら、DVのその個別の状況をしっかりときめ細かにお聞きをした上で対応していくべきものと考えております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 先ほど御紹介した被害女性の友人の手紙には、被害女性が、子供たちと一緒に帰国したいということを何度も大使館に伝えていた、元夫に取り上げられた子供たちのパスポートを再発行してほしいと何回も懇願していた、大使館に連絡するたび、元夫からの度重なる暴力や家庭の状況を伝え、助けてほしいとお願いしていたと。この訴えに対して、あるいは被害女性と大使館のやり取りに対して、相談の具体性がなかったとかパスポートの申請をしなかったとかいうようなことを国会で答弁をされてきたことに対して、この御友人たちはこう言っています。どうして彼女から具体的な相談がなかったなどと国会でうそをつくのですか、亡くなった彼女が反論できないので、うそをついて責任を逃れてもよいと思っているのですかと。  この批判は、極めて厳しい、国家に対する、政府に対する指摘だと思うんですね。そうでないというんだったら、これから一体どうするのか。もちろん、今、子供たちだけになってしまった御実家の御遺族などとのもう本当につらい調整を現場でしておられると思いますけれども、二度とこんなことを起こしてはならないんだと、それは、ハンガリーのみならず、世界各国で絶対にそれを起こしてはならないんだと。  国際人権基準に照らして許されないジェンダーに基づく暴力、二度と起こることのないよう国際社会に働きかけていくというのが、私は、日本の政府、外務省がやるべきことだと思いますが、副大臣、いかがでしょうか。

藤井比早之自由民主党・無所属の会外務副大臣

○副大臣(藤井比早之君) 配偶者からの暴力、ましてや殺人は、個人の尊厳を踏みにじる重大な人権侵害であり、決して許すことのできるものではございません。  我が国は、昨年秋、人権理事会において採択されたDV防止及び撲滅への効果的な策を講じることを全ての国に求めるDV撲滅決議につきまして、共同提案国となってコンセンサス採択に参加しているところでございます。また、昨年十月、イタリアで開催されたG7男女共同参画・女性活躍担当大臣会合においてジェンダーに基づく暴力を非難する共同声明を採択するなど、我が国はDV撲滅のために国際社会と連携しているところでございます。  政府といたしましては、引き続き、DVの根絶に向けて国際社会において取り組んでまいる所存でございます。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 そうした見地をどう具体的に生きたものにしていくのかということが今まさに問われていると思うんです。  その一つとして、時間がありませんので一問だけ聞いて、あとは次回に譲りたいと思いますけれども、離婚した元夫、別居親から子供たちのパスポートを取り上げられているという相談を聞いたら、これは行動制限であって異常なDVではないかと強く問題意識を持つのが当たり前だと思います。ところが、パスポートが発行されなかったと、逃げられなかったということに対して、DV相談がされた場合、一般論で構いませんが、未成年者パスポート発行の要件を一体外務省はどう考えているのか、どう周知していくのか、これはいかがですか。

岩本桂一外務省領事局長

○政府参考人(岩本桂一君) 今御質問のあった旅券の発行の基準でございますけれども、この未成年者の旅券につきましては、基本的には、その共同親権を持っておられる御両親がいらっしゃる場合には御両親からの同意を得るようにしておりますが、仮に、そのDVというような、様々な状況ございますけれども、そういうことがありましたら、この旅券又は一時的に帰国だけできるための帰国のための渡航書といったものもございますので、それはその各事情に応じて発行できる体制にもなっております。ですので、こういった制度については、改めて各在外公館にもしっかりと周知をしつつ、間違いのない対応をしていきたい、このように思っております。

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 時間が来ております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 今日はもう終わりますけれども、この人道的な配慮あるいは邦人の保護という、そうした見地を徹底して貫かなきゃいけないということを指摘して、質問を終わります。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 大臣始め副大臣、政務官、御苦労さまです。私が最後ですから、お付き合いをいただきたいと思います。  今日は大臣所信に関しての質問ということですけれども、大臣、前国会と今国会のこの大臣所信、ほぼ一緒であります。量的にも十二枚で、大体一緒であります。ただ、この三か月の間に私は大きな変化があったと思います。それは、法務省の刑事局が出したこの袴田事件の検証結果報告書であります。これが触れられていません。  今法務省で、検察では冤罪が多いんではないんでしょうか。国賠も多発していますね。ならば、私は再三言ってきた、「検察の理念」はどうなったかというのを。全く検討されていませんね、頭に入っていませんね。  私は、なぜこの大臣所信に、検察改革、あるいは冤罪が多過ぎることに対しての反省だとか、国民に対するおわびだとか、触れて当然だと思うけれども、なぜ入っていないのか、お知らせをいただきたいと思います。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 先般の所信におきまして、私の方からも、法務行政、これは国家の基本原理の一つである法の支配、これを貫徹することで国民生活の安全、安心を支えると、そういった重要な役割担っているという旨述べさせていただいたところであります。  検察権の行使、これは適正に行われなければいけない、これは当然のことでありますし、こういった役割を果たす上での当然の前提だと考えております。所信において明示的に触れているところではありませんけれども、検察を適正に指揮監督をしていくこと、これが法務大臣として重要な役割、そう考えているところであります。  その所信の内容、これは時間が限られているということもありまして、特に今国会ということで、いろいろその事案のこともございました。ただ、やはり今、私としても、検察への信頼というもの、それが失われてしまえば、これは、国民からの信頼というものが失われてしまえばこれは成り立たない話ですので、しっかりとそこは信頼を得られるよう、適正にこれからも努めていただくようにお願いをしていきたいと思います。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 大臣、私は所信に入って当然だと思うし、入れるべきでないかと思うんです。今の国民感情から、あるいは世論の背景からすれば、なぜ入れなかったかということを聞いているんですよ。配慮が足りなかったら配慮が足りないと言ってくださいよ、言い訳するんじゃなくて。間違いなく、報告書が出た、その報告書に触れて当然なだけの、これ大社会問題なんですよ。それを通り一遍の前国会と同じような大臣所信である。これ恐らく、大臣が一々書くわけでないですから、事務方が書いた。当然、刑事局長だって目を通しているはずだ、この所信には、全く反省もなければ寄り添った気持ちないですね。私はそれを言っているんですよ。  だから、大臣、端的に答えてください。言われてみたらそのとおりだ、ちょっとやっぱり今の国民感情なり今の状況からして、入れるべきものであったと私は思うんですけれども、しっかり答弁してください。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 今御指摘の点、非常に大事な指摘だと思いますし、その点については私としても至らなかったところがあったと思っております。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 これ、大臣、政治家の矜持というのが大事なんです。今あなたは国務大臣だけれども、国会議員でまずは指名されているんです。いいですか。だから、私はあえて言うんですよ。  そこで、大臣、私ははっきり物を言う方ですから、厳しく受け止めているかもしれませんけど、やっぱりあなたには期待しているところがあるんです。戦後、保守合同になってから七十年です。この間、三十代の大臣は六人います。みんなそれぞれの地位に行っていますよ。四十代の大臣は七十四人です。あなたもその一人なんですよ。四十代の大臣の経歴調べても、やっぱり結構きちっと伸びていっているんです。森先生もそうであります。これは実績がちゃんと物語っている。ちなみに、鈴木宗男も四十代で入閣いたしましたから、私はそれなりの経験は積んでいると思っているんです。たまたま小泉さんとぶつかったものですからね、逮捕までされましたけれども。  私は、大臣には期待を込めて言っているんですよ。将来あるんだから、やっぱりしっかりと声なき声を聞かなければいけないということ。役所の書いた答弁をそこでぺらぺら読んでも意味ないんです。人としての矜持が必要なんですよ、大臣である前に。私は去年の委員会でもそのことをあなたに言っている。にもかかわらず、通り一遍の話だから、あえてこれは厳しく言わせてもらうんです。是非ともしっかりと国民の思いというものは受け止めてほしいと思います。  そこで、大臣、袴田判決を受けて、さらに検事総長の談話がありました。そして、検証結果報告というのもありますが、これ、大臣、この検証報告はこれで十分だと思っていますか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) まずもって、袴田さんに対しては、法的に大変不安定な状況、長くそういった大変つらい思いということで、させる結果になったということ、極めてそこは私としても大変申し訳なく思っております。  その上で、報告書、いろいろと読ませていただきました。この件、その終わったものとはいえ、個別のところで私がどうこうということを言うことで、なかなかそれは今後の様々な捜査ということにも支障があるということで、一元的にこういったことを申し上げることはなかなかできないところでありますけれども、そこはしっかり我々としても、きちんと検察の中で襟を正して、そしてきちんとした適正化、適正な捜査に向けてしっかりとそれは努力をさせるということは極めて大事だと思いますし、そこはしっかりと私自身も努力をしてまいりたいと思います。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 大臣、不思議でならないのは、大臣は法務大臣なんです。検察は法務省の一組織なんですよ。指揮権はあなたにあるんです。特に、検事総長に法務大臣は絶大なる力を持って指揮命令、監督できるんですよ。そこで、今あなたがいみじくも言った、言えない、言うのはいかがなものかという言いぶり、なぜそういう頭づくりになるんです。私は何もあなたの権限外のことを言っているんじゃないんです。権限の範囲の中でしっかり責任を果たすべきでないかという話をしているんですよ。それを、何で遠慮したような、奥歯に物の挟まったような表現になるんです。端的に答えてください。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 今先生御指摘のように、検察庁、当然これは私どもの監督下ということでもありますし、そこは、そういった意味で検事総長に対してのそうした指揮権ということ、これがあるのは事実です。  また、その一方で、私自身として、様々、これ当然いろいろ考えます。考えた上で、やはり法務大臣として、こうした指揮権の発動というところについて私自身は慎重であるべきだというふうに考えておりますので、その趣旨で申し上げたところであります。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 私は、指揮権の発動なんという、昔、犬養法務大臣が佐藤栄作さんを逮捕するかどうかなんという、ああいうことを指揮権発動といえば一般にはイメージしているけれども、そんな話じゃないんですよ。何でそこまで飛躍します。  行政の組織として、あの検事総長談話はどうだったかということが大変な議題になっている。私はこの委員会でもそれを指摘した。それで、あなたが、十二月の十九日のこの委員会での質疑では、今、検証、調査されておりますので、その報告を待ちたいと思いますということであなたの答弁は終わっているんですよ。十二月の十九日。それに対して答えというのが、何でそれ指揮権の発動だとか、今日ここに弁護士の先生方たくさんおられますけど、お門違いの話じゃないですか、大臣。  指揮権、何も関係ないですよ。調査報告について大臣どう思うかと私は聞いているんですよ。何でそれが端的に答えられないんです。いや、皆さん、委員の皆さん、どう思います。何も私は新たな注文付けているのではない。この報告書を読んでも、袴田さんに対して一片のおわびもないですよ。結果は出たんですよ、もう。個別案件でないですからね、もう事件も終わっていますから、無罪で。それをあなたは今でも何か事件が継続しているような言い方するけど、とんでもない認識ですよ。  これを見て大臣はどういう認識か、この報告書でいいかと、端的に答えてください。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) この報告書につきましては、これは検察におけるこの事実の検証と受け止めています。  その上で、袴田さんに対して、これは談話ということもそうですし、あるいは検事正の方で謝罪に伺った、こういった経緯もございます。報告書は報告書であります、これは検察の方でまとめたもの。ただ、やっぱりそれは、今後とも、当然それは国民の信頼、この上に成り立っていますから、そこはしっかり、そういった国民の信頼というものをきちんと常にそれは意識をした上で、そこの上に成り立っているということをしっかりと認識をした上で、今後に生かしていくものであるべきだと思っております。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 大臣、今後に生かすのはいいけれども、私は少なくとも、袴田さんの人生、トータル五十八年ですよ、拘束しちゃって人生台なしにして、今、袴田さん自身はもう体調的にも万全じゃないんですよ、拘禁症状態が続いて。  本来ならば、人の道としてでも、もう結論出たんですから、法と正義の以前の問題です。人の道として、申し訳なかったと、結果として、この点、我々は深く反省しなければいけない、そういったくだりが入ってもいいんじゃないんですか、大臣。もうこれ結論は出たんですから。私はそれを聞いているんですよ。人間味が全くないんです。だから、袴田さんの弁護団なんかは名誉毀損に該当するとかと言っていて、検事総長談話にも今クレーム付けているんですよ。  ならば、十月から始まったこの報告書を、十二月の二十六日、大体、御用納めのときに出すだけでも、皆さん、ばかにしている話ですよ。国会開会中に出すべきですよ。逃げの姿勢ですよ、私から言わせれば。  ここは、大臣、この報告書の終わりにも、裁判所の審理が迅速かつ適切に行われるよう真摯に対応していく所存でありますなんという、全く木で鼻くくったような表現ですよ。時間掛けさせたのは検察が抗告したからじゃないですか。しかも、結果的に証拠も何も出せなくて抗告断念したんでしょう。ならば、もっと反省、償いの気持ちやおわびがあってもいいんでないかと私は言っているんですよ。それを指導するのが私は大臣だと思っているんですよ。  どうか大臣、これは議事録に残るんですから、袴田さんに対しては申し訳なかった、検察としてもやはり反省し、更に検証をすべき点も考えなければいけないと、そういう私は頭づくりが普通でないかと思うんです。きちっと答弁してください。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 今おっしゃった御趣旨、私も十分それ理解をいたします。  その上で、まずもってこの本件の調査、検証結果報告書でありますから、そこはきちんと、この今回何が起きたのか、そこのところをきちんと検証をするという性質だと私は受け止めました。その上で、やはり今回そういった反省をする、おわびをする、そこは検事総長談話もそうですし、これは検事正もそういったことを行っています。もちろんそれで十分か、まあそれは十分でないところもあろうと思います。  そういったところで、今回こういったことに至ってしまったこと、これは今後の、例えば今再審のことについても法制審でということもありますし、これ様々、今後の在り方ということで、私どもとしては今回の、大変申し訳なかったと思っておりますけれども、そういったことをしっかりと今後に生かしていく、そのことに尽きると思いますし、この報告書ということについては、検証の結果ということで、そこは私としては、そういうある意味検察から見たものですから、それは客観的なのかといえば、それはそういうことはあると思います。ただ、それは、私は検察としてそういった報告書をきちんとまとめてきた、そのことプラスこれまでの様々な談話も含めて今後というものを私はしっかりと見ていきたいと思っておりますし、そこは検察の信頼、これは揺らいでいるのは事実ですから、そこをしっかり取り戻せるように私としても努力をしていきたいと思っています。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 大臣、この検事総長の談話、十月八日ですね、本判決が五点の衣類を捜査機関の捏造と断じたことには強い不満を抱かざるを得ません。これ、判決に逆らう話なんですよ。ならば、なぜ抗告しなかったか。現に証拠も出せないから抗告できなかったわけですよ。あと、まあもろもろの総合的な判断からも。  ならば、大臣、もっと私は、人間的な、謙虚であるべきでないかと思っているんですよ。この談話の最後でも、最高検察庁としては、本件の再審請求手続がこのような長時間に及んだことなどにつき、所要の検証を行いたいと思っておりますという極めてこれまた上から目線の言いぶりなんですよ。だから、反発受けているんですよ。無罪という、検察庁も受け入れたんです。抗告しないんですから。受け入れておきながら、なおかつ法律を守らないような言い方ですよ、この表現は。どこの世界に、この五点の衣類を捜査機関の捏造と断じたことには強い不満を抱かざるを得ませんなんて、余計な話ですよ。ならば、闘うべきでしょう。闘うこともできないのにこういう文言を出している。そして、これに基づいての検証報告書というのが国民に理解されるかどうかなんです。私は、国民から選ばれた国会議員として断じてこれは受け入れることはできないです。  本来、大臣、大臣として検事総長に、あなたはどんな思いでこういった表現をしているのか、問いただすべきじゃないですか。前の委員会でも私言っていますけれども、それが大臣の仕事じゃないですか。  これ一回、大臣、しっかり大臣から検事総長に問いただして、この委員会で報告をしてください。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) この袴田事件についての検事総長談話の話がありましたが、この総長談話、どういった背景でという話、それも恐らく、私自身として言うと、これまで、法務大臣になったのは十一月十一日ですから、そういったことでいうと、これまでのその判断の経緯等々というところを直接あずかり知るところではありませんけれども、そこはしっかりこういった報告書等々も含めて把握をできるように努めております。  その上で、検事総長、その判断で行ったと思っておりますけれども、それはどういうことであるのか、そこは様々、法的に、そこの個別的な話にならないようにという、そういったことは当然出てくると思いますけれども、そこはできることをしっかりとやりたいと思っています。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 大臣、よく個別的という表現するんですよ。検事総長が談話を出すというのは、検事総長だから談話を出しているんですね。それで間違いないですね、大臣。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) そのとおりです。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 ならば、検事総長は個人的な見解ではこれないんですよ。公のものなんです。大臣も認めたことになるんですが、そういう受け止めでいいですね。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 当然、検事総長としての談話ということですから、そういった趣旨だと思います。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 ならば、大臣、上司としてきちっとただす、ただすというのは、聞くことは必要じゃないですか。判決に反論しているんですから。そして、この談話を基に検証結果報告書なんですから。そして、一片のおわびもない、反省もないんです。  これ、大臣、結果として、検察の判断は間違っていたから無罪になったわけですね。そういう認識でいいですね、一般論として。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 一般論として申し上げれば、検察としては証拠等々に基づいてそうした捜査を進めてきた、検証を進めてきたということだと思いますけれども、その結果、それが認められなかったということだと思います。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 ならば、大臣、しっかりやっぱり、法と正義に基づいてと検察はよく使いますけど、本当に法と正義に基づいているかどうか考えるべきじゃないでしょうか。  是非とも、大臣、あなたのときにしっかり私はいい方向に持っていってほしい。あるいは、「検察の理念」というものをしっかりまた踏まえて、今、大川原化工機もそうです、大阪のプレサンス事件もそうです、国賠かかっていますよ。誰も責任取っていないんです。  大臣、私は大臣の人間性を高く買いながら、私は、大臣としてしっかりと袴田さんの御家族に法務省としての申し訳なさ、法務大臣としての申し訳なさや、済まなかった、この挨拶は私はしてほしいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) まず、最初の話ですけれども、法と正義に基づいて、「検察の理念」という話もいただきましたが、やはりその検察への信頼、国民の信頼というものが揺らいでいる部分がある、これは否定ができないと思います。そういった中で、そこが揺らいでしまえば、これは日本の司法、これは行かぬ話になってしまいますから、そこについてはしっかりとやっていかなくてはいけないと思います。  その上で、私が法務大臣としてどのような対応を今後していくべきなのか、しっかりこれは自分の中でも考えていきたいと思います。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 今大臣が、検察のやっぱり信頼が揺らいでいる、これは私は事実だと思いますから、一つの分かりやすい現実的な答弁だと思います。  同時に、大臣、謝ること、おわびすることは恥ずかしいことじゃないんです。ごまかしたり、うそをつくのが恥ずかしいことなんです。大臣、人間として、私は、五十八年間も人生縛られた、そして、結果として今、精神状態から、肉体的な状況から、健常人じゃないんですよ。私は、人の心として、人の道として、大臣、私は是非とも、ここは法に触れることでも何でもないんですから、法律よりも大事な人の心としての姿勢を示すことが私は大事だと思っているんですよ。  そういった意味では、大臣、是非とも、もう一回お尋ねします。袴田さんのあのひで子さんがお元気なうちに是非とも、そごがあった、あるいは結果としてこうだった、この点我々も反省すべきことがある、また考えることがある、こういうのは、私は何も大臣批判もされなければ、いろいろ言われる話じゃないと思う。逆に、私は大臣としての人間性が高まると思っているんです。  もう一度聞きます。私は是非とも、大臣、人としての対応をしていただきたい。そのためには、袴田ひで子さんも年齢が年齢です、一日も早く、大臣としての、人としての矜持を示してほしいと思いますが、答弁お願いします。

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 時間ですので、御配慮お願いします。

鈴木馨祐自由民主党・無所属の会法務大臣

○国務大臣(鈴木馨祐君) 袴田さんに対してということで申し上げれば、これは会見等々でもそうですし、この委員会でも申し上げたかと思いますけど、やはりそうした法的に不安定な状況に長時間やはり結果的にさせてしまったこと、これは極めて申し訳なく思っておりますし、そこについてはおわびをするものだと思っております。  その上で、法務大臣としてどういう行動をするべきかということでいうと、例えばほかの事件とのいろんな比較ということもあると思います。これは細かいことを言っているのは承知ですけれども、例えばそれで、これで行ってこれ行かないみたいな話になるとまたそれもややこしい話になりますので、そこはしっかり相談していきたいと思っています。

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 時間過ぎております。

鈴木宗男各派に属しない議員

○鈴木宗男君 大臣、ほかの事件とか余計なこと言っちゃいけないんです。この一点だけでいいんです。ほかの事件はほかの事件でまた別に考えてください。袴田さんの事件は、時間的にも、これ皆さん、半世紀以上の話なんですから、こんな例は全くないわけですから。  ここは大臣、是非ともしっかりと私の今言ったことを受け止めて対応いただきたい。このことをお願いして、質問を終えます。

若松謙維公明党

○委員長(若松謙維君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後二時四十八分散会

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