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217回国会参議院2025/03/31

文教科学委員会 第5号

発言数
12
登壇者
5
会派数
5
開催日
2025/03/31

会議録

堂故茂自由民主党

○委員長(堂故茂君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る二十七日、梶原大介さんが委員を辞任され、その補欠として赤池誠章さんが選任されました。  また、本日、斎藤嘉隆さんが委員を辞任され、その補欠として村田享子さんが選任されました。     ─────────────

堂故茂自由民主党

○委員長(堂故茂君) 大学等における修学の支援に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。──別に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 私は、日本共産党を代表して、大学等における修学の支援に関する法律の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。  本法案は、現行の低所得世帯の学生を対象にした授業料減免及び給付型奨学金に加え、多子世帯の学生への授業料減免を行おうとするものです。  しかし、現在、高い学費に苦しんでいるのは多子世帯だけではありません。少子化対策と言いながら、三人産まないと支援しない、とにかく産めと押し付ける姿勢は余りにも傲慢です。  しかも、拡大対象である多子世帯とは、扶養する子供が三人以上であることが条件です。上の子が就職するなどし、扶養する子供が二人以下になれば、たとえ在学中であっても支援が打ち切られてしまいます。対象拡大したなどと誇るべきではありません。  現行制度の下でも、家計の収入が増えていないにもかかわらず、扶養状況の変化や課税額の変化によって在学中でも支援が打ち切られる事例が生じています。線引きばかりで支援の対象を限りなく狭く絞る制度では、支援が必要な学生に行き渡りません。  その上、本法案で支援対象を拡大することを理由に、文科省は成績要件の厳格化を行うとしています。現行制度の下でも、成績要件があることで難しい授業を取ろうとしないなど、学修意欲がそがれています。相対評価が基準になっているため、学生の中に分断も持ち込まれています。学生の学修意欲をそぎ、分断を招く成績要件は、厳格化ではなく撤廃すべきです。  また、収容定員割れしているなど、経営に問題があるとされる大学等も支援対象から排除する機関要件も問題です。  二〇二四年度から機関要件も厳格化されていますが、修学支援を使って大学を差別、選別、排除し、何の責任もない学生に負担を強いる機関要件は余りに不当です。大学の再編、淘汰が加速しかねない機関要件も撤廃すべきです。  あわせて、修学支援法に消費税増税分を財源と明記していることも問題です。支援対象拡大を阻害しかねない上、更なる増税又は減税しない理由となり得る附則四条は削除すべきです。  何よりも今学生たちが求めているのは、高過ぎる学費そのものに焦点を当てることです。国立でも私立でも相次いでいる学費の値上げを止めること、全ての学生を対象に学費の値下げ、無償化を目指すべきです。そのために、大学の基盤的経費を抜本的に増額すべきと申し上げ、討論を終わります。

舩後靖彦れいわ新選組

○舩後靖彦君 私は、れいわ新選組を代表し、大学等における修学の支援に関する法律の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。  本法案は、子育てや教育費により理想の数の子供が持てない状況を払拭し、今最も子育て負担が重い多子世帯の負担を軽減するために、所得制限を取り払って標準学費を全額無償とする内容となっています。  しかし、扶養する子供の数を条件とするため、二人以下の子供を扶養する層には法改正の恩恵はありません。しかも、子供が三人の場合、上の子供が卒業して扶養から外れると、親の収入区分によって、残り二人は支援が全くなくなるか、減少してしまいます。これでは、教育費の負担にあえぐ多くの家庭にとっての支援にはならず、少子化対策として的外れな制度設計と言わざるを得ません。  また、対象となる学生の要件を厳格化することは、学生の中で分断を生み、経済格差の固定化、強化につながります。  さらに、対象となる大学などの確認要件は、少子化、人口流出で経営に苦しむ地方の中小私立大学にとっては、規模の縮小、淘汰に追い込まれかねません。学生にとって大きな不利益となるだけでなく、若年人口が流出し、地域に必要な専門人材の枯渇、地域活力の衰退につながってしまいます。  以上、本改正案は、急速な少子化と人材不足の中、高等教育費により理想の子供の数を持てない状況を払拭するという目的に何ら合致せず、矛盾に満ちた制度設計と言わざるを得ません。  今何よりも必要なのは、積極財政で教育予算を大幅に増やして高等教育までの無償化を実現、奨学金は給付型にし、誰もが家庭の経済条件にかかわらず、負担を気にせずに安心して学べる社会にすべきと申し上げ、討論を終わります。

堂故茂自由民主党

○委員長(堂故茂君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  大学等における修学の支援に関する法律の一部を改正する法律案について賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

堂故茂自由民主党

○委員長(堂故茂君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、水野さんから発言を求められておりますので、これを許します。水野素子さん。

水野素子立憲民主・社民・無所属

○水野素子君 私は、ただいま可決されました大学等における修学の支援に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民・無所属、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派並びに各派に属しない議員宮口治子さんの共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     大学等における修学の支援に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。  一、高等教育の修学支援新制度は、学生等に対する経済的支援の面を持つ一方で、大学等に国費が拠出されることから大学等への支援となる面も併せ持つことに留意しつつ、急速な少子化が進行する中で高等教育を取り巻く状況が大きく変化していることを踏まえ、大学等における職業教育と学術研究との役割の明確化、教育内容の一層の充実、入学者の選抜に係る制度の改善、学修の成果に係る評価の客観性や妥当性の一層の確保及び大学等の数の適正化その他の大学等の改革の実施に努めること。  二、一で示した改革の実施後においては、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約の理念にのっとり、更なる教育の機会均等を図るため、高等教育の無償化を推進すること。  三、修学支援新制度の更なる拡充にも対応できるよう、消費税に限らない幅広い財源の活用等を検討するなど、安定的な財源の確保に努めること。  四、多子世帯の学生等に対する授業料等減免については、扶養する子等の数を要件としたことにより、兄弟姉妹の年齢差により支援を受ける期間が異なるという問題が生じることから、このような不公平を避けるため、修学支援新制度の見直しを検討すること。  五、本法附則第六条による施行後四年の見直し時期以前であっても、必要に応じて本法の規定その他学生等への経済的支援制度全般の在り方について検討を行い、必要があると認める場合には、早期に対応を図るよう努めること。  六、本法による改正後における修学支援新制度の効果を評価・検証するため、授業料等減免の対象者数及び要した費用の額並びに確認要件を満たさない大学等の数等の支援実績について、適切に調査し公開するよう努めること。  七、大学等における授業料の値上げ傾向が続いている実情を踏まえ、授業料等減免の上限額の見直しを検討するとともに、国立大学法人運営費交付金や私学助成等の基盤的経費が確実に措置され、競争的研究費を含む大学等への資金が十分に確保されるよう、引き続き大学等の長期的、安定的な運営及び研究基盤構築のための財政措置を講ずること。  八、物価高の影響等により学生等の消費支出が増加していることを踏まえ、給付型奨学金を受ける学生等が学業に専念して学生生活を送ることができるよう、給付型奨学金の支給額の見直しを検討すること。  九、大学等の確認要件については、確認大学等以外の大学等において学ぶ権利を侵害するおそれがあるほか、地方・中小の私立大学等については、これを容易に満たすことができないことから縮小・撤退に追い込まれることも想定されるため、その内容の見直しについて検討すること。見直しに当たっては、地域の実情を踏まえつつ、学生等、地域社会及び地方公共団体等の意見を尊重するとともに、確認要件が恣意的に運用されることのないよう、明確な基準や手続を設定し、透明かつ公正な運用が確保されるよう努めること。  十、本法による改正後においては、学生等への経済的支援が複雑化することを踏まえ、学生等、保護者及び学校関係者等へ丁寧な説明を行うなど、奨学金制度を含め、修学支援新制度全般の更なる周知徹底及び簡素化に努めること。  十一、令和六年度から開始された教職大学院等修了後に教員となった者に対する大学院段階に貸与された第一種奨学金の返還免除制度について、教員不足が深刻な状況を踏まえ、学部段階にも拡充するよう検討すること。  十二、教育を受ける機会を保障するという奨学金の制度趣旨を踏まえ、貸与型奨学金が給付型奨学金を、有利子奨学金が無利子奨学金を金額・人数とも上回っている現状を改善し、貸与型から給付型へ、有利子から無利子への流れを更に加速するための施策の検討を行うこと。  十三、貸与型奨学金の返還に係る負担軽減の観点から、返還額を所得控除の対象とすることや有利子である第二種奨学金の利子分の免除等について検討すること。  十四、今後、学生等への経済的支援に係る重大な法改正を行うに当たっては、国会における十分な審議期間を確保するとともに学生等、保護者、学校関係者及び大学等への周知や準備のための期間を設ける必要性を踏まえ、制度の施行まで十分な余裕をもって法律案を国会に提出するよう努めること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

堂故茂自由民主党

○委員長(堂故茂君) ただいま水野さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

堂故茂自由民主党

○委員長(堂故茂君) 多数と認めます。よって、水野さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、あべ文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。あべ文部科学大臣。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。

堂故茂自由民主党

○委員長(堂故茂君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堂故茂自由民主党

○委員長(堂故茂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十時十四分散会

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