農林水産委員会 第4号
- 発言数
- 46 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2025/03/25
会議録
○委員長(舞立昇治君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、進藤金日子君が委員を辞任され、その補欠として石田昌宏君が選任されました。 また、本日、高橋次郎君が委員を辞任され、その補欠として高橋光男君が選任されました。 ─────────────
○委員長(舞立昇治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、農林水産省大臣官房総括審議官山口靖君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(舞立昇治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(舞立昇治君) 農林水産に関する調査のうち、食料・農業・農村基本計画に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤啓君 自民党の佐藤啓でございます。 質問の機会、ありがとうございます。 改正基本法のポイントは、食料安全保障の確保でありました。これまでは食料自給率だけを目標としてきましたけれども、例えば、輸入が止まったということを仮定しますと、国民は食べれなくなってしまうわけでありますが、ただ、自給率は一〇〇%になってしまうわけであります。また、肥料、飼料価格高騰などの問題が反映されるわけではないといった問題など、食料自給率という指標だけでは食料安全保障の確保の観点から必ずしも十分ではないという、そういった指摘がありました。 食料自給率目標の重要性がいささかも低くなるわけではないというふうに思いますけれども、今回、複数の目標、またKPIを設定されたその狙いについて、滝波副大臣に伺います。
○副大臣(滝波宏文君) お答えいたします。 食料安全保障を確保するために必要な食料の安定的供給は、国内生産の増大、そして安定的な輸入、備蓄の確保により図ることとしておりまして、このため、佐藤理事御指摘のように、食料自給率に加え、輸入の安定化、備蓄の確保に係る目標を設定し、また国内生産に必要な食料自給力の確保に係る農地、人、技術や、肥料、飼料等の生産資材に関する目標など、複数の目標を掲げることにより、全体として食料安全保障の確保を図ることとしたものであります。 また、基本計画を定める目標について、毎年、これ達成状況を調査、公表すること、これ基本法の十七条七項で決まっていることでありますけれども、このように調査、公表することとしておりますから、基本計画の実効性を高める観点より、目標の達成度合いや施策の有効性を示すKPIを設定し、目標の達成状況と併せて検証することで、PDCAサイクルによる施策の見直しが行えるようにしたものでございます。
○佐藤啓君 ありがとうございます。 次に、農業者の急速な減少、高齢化が進む中で農業の持続的な発展を図るためには、いわゆる担い手と多様な農業者が共存共栄する形で地域の農地を維持しつつ、同時に、少ない人数でも営農を継続できるよう、生産性を向上させていく必要があります。 それを具体化する一つのツールが地域計画であるというふうに考えますけれども、地域計画の策定の現状と今後の進め方について伺います。
○副大臣(滝波宏文君) 地域農業の将来設計図である地域計画でありますけれども、この三月末までに全国約千六百市町村の約二万一千地区で策定予定であります。詳細の段階が把握できている昨年十一月末の段階で、地域計画そのものができ上がっているのは九百六十地区にとどまってはおりますが、この策定の一歩手前である目標地図の作成は約一万三千地区で既に完了しておりまして、三月末までに確実に策定されるよう目指しているところであります。 地域計画は、一度策定して終わりではなく、四月以降、よりしっかりした内容にブラッシュアップしていただき、地域農業を持続的に発展させていくことが重要であります。農林水産省として、今後、優良な取組を全国にプッシュ型で展開していくとともに、更なる話合いが必要な地域について、都道府県や市町村と協力して丁寧にサポートしてまいりたいと思います。
○佐藤啓君 ありがとうございます。 丁寧にサポートを是非していただきたいというふうに思うんですけれども、地域計画が農水省のこの様々な補助制度の要件になっているようなものもやはりありまして、私、地元奈良県なんですけれども、奈良県で例えば、昨年の補正予算で出てきた共同処理施設の整備の補助金なんかもありまして、そういうものを地元で紹介したところでありますけれども、やはり、地域計画がまとまっていない、進んでいない地域ではなかなかそういうものを使えないといったような、そういったこともありまして、もちろん地域計画を作ることで補助の対象になるということは、それは一つの当然理屈でありますので、それはそういった制度として維持していただければというふうに思うんですけれども、やっぱり地域計画がなかなかできていないんでそもそもスタートラインに立てなかったなという、そういった残念な思いも地元の方はしているということもありますので、しっかりこの地域計画が速やかに策定されるように是非とも御支援をお願いをしたいというふうに思います。特に、奈良県のように、中山間地域が多い、また必ずしも大規模化に向いていない、こういった農業が難しい地域もありますので、そういった地域での地域計画の策定、なかなか簡単なことではないんでありますけれども、そういったなかなか難しい地域での支援に特に力を注いでいただけたら大変有り難いというふうに思っております。 次に、滝波副大臣が省内で何か取り組まれている事柄についてちょっと取り上げたいというふうに思うんですけれども、副大臣、省内で地方みらい共創研究会というものを開催をされて、緊急提言を行ったというふうに聞いています。私もその緊急提言読ませていただいたんですけれども、ドイツですとか、あとイタリアの事例なども研究していただきながら、地方創生の肝は共創にあるということでありました。 今回のその緊急提言のポイント、また、これをこれからの恐らく農村振興に生かしていこうということで今回こういった研究会を開催して緊急提言をしていただいたというふうに思うんですけれども、滝波副大臣がこの研究会を開催して緊急提言を行ったそのお考えについてお伺いをしたいというふうに思います。
○副大臣(滝波宏文君) お答えいたします。 地方創生二・〇につきましては、まさに農林水産業の活性化なくしてはできません。これ、石破総理も、地方創生二・〇で具体的に何をするのかというときに、イの一番に農林水産を挙げていらっしゃいます。そのことにつきまして、農林水産省において弾込めをしなきゃいけないということで、江藤大臣の御指導をいただきながら、私が座長となって地方みらい共創研究会というのをつくりました。みらいは平仮名で、あと、共創はコンペティションではなくて共に創るの方の共創であります。まさに佐藤理事、喝破いただいたように、共に創っていく、付加価値向上、他産業との連携ですとか、あと、都会と地方との連節、こういった共に創るということを肝としまして、緊急提言を今回させていただきました。 この緊急提言では、地方の課題解決に向けた対応策として、農泊等による、おいしく豊かで楽しい農林水産地域の活性化及び輸出の拡大やフードテック等々、そういったものによる農林水産業の付加価値向上のための取組が必要であり、これらを農林水産地域×観光業者、いろんな、まさに共に創るですけれども、イノベーションの際の新結合というのをよく言われますけど、そういう意味での掛けるということですが、掛け算をしていくということですが、農林水産地域と大都市のオフィスワーカーや企業等とのこういった複数の主体、取組主体による組合せ、新結合によって推進をし、そして、この組合せを実現するに当たって、若者、女性等が農林水産地域に参入するための受入れ拠点等の整備や、民間企業から人材資金を確保するために必要な環境、体制の整備を推進することと提言したところであります。 これを踏まえて、基本方針の案におきましても、この農村の振興の部分において、この緊急提言のエッセンスを盛り込んだ上で、さらに、本年夏をめどに地方みらい共創戦略を取りまとめ、企業や関係府省庁等との組合せを通じた課題解決を図っていくことを位置付けたところであります。これらを通じて、農林水産地域における経済面の取組と生活面の取組を推進してまいりたいと考えております。
○佐藤啓君 ありがとうございます。 しっかり、今回研究会でまとめていただいた事項を、またこの春先ですね、今年度の骨太、また来年度の予算というのはこれ非常に重要な予算になるというふうに思いますので、ある意味、基本法ができて、基本計画ができて、ある意味この発射台としての初めての予算ということにもなりますので、しっかりその中で盛り込んでいっていただきたいというふうに思います。 それでは、先ほど、楽しい農山漁村の創出、またこの付加価値向上の実現のためにというお話がありましたけれども、それを支える農山漁村集落の環境、体制の整備という観点で、具体的にどのように取り組まれるのか、お伺いをしたいというふうに思います。
○副大臣(滝波宏文君) ありがとうございます。 まさに、おいしく豊かで楽しい農林水産地域の活性化、それから農林水産業の付加価値向上、これを実現するためには、この若者や女性、またあるいはインバウンドを含めた皆に選ばれる地域、すなわちデスティネーション、目的地になるようにしていかなきゃいけないということでありまして、今、佐藤理事御指摘のように、この農林水産地域の環境、体制のこの現場の整備が必要になるかと思います。 それに向けまして、具体的には、企業参画や副業の促進等を通じた通いによる農林水産地域への参画、ラストワンマイル対策等の物流の効率化と農村RMOの形成促進、活性化、また、生活道路としても活用されている農道や林道等の整備や、関係省庁と連携した自家用有償旅客運送制度等による地域の移動手段の確保、そして、WiFi等ですけれども、スマート農林水産業やインバウンド促進等に向けて必要なこういうインターネット接続の環境整備などを進めてまいります。
○佐藤啓君 ありがとうございます。 まあ若干重複するところあるんですけれども、この農山漁村の環境、体制整備という観点で、農村の関係人口の増加を図るということですね。これいろんな役所で取り組んでいるんですけれども、是非、滝波副大臣にお願いしたいことの一つとしては、こういった地域との関係人口の増加を図るということは、これ結構、総務省を中心に結構昔からやってきているところであります。農水省もそういった観点で取り組んでいただいているんですけれども、これ、関係省庁が結構似たような事業をやっているというような現状もあって、是非、どの役所が中心になってやっていくのかというのはあると思いますけれども、是非その全体をコーディネートしていただいて、そして地域の関係人口を図っていくような取組をしていただきたいというふうに思いますけれども、どんなふうに農村関係人口の増加を図っていくのか、具体的にどのように進めるのか、副大臣のお考えをお伺いをしたいというふうに思います。
○副大臣(滝波宏文君) 御指摘いただきましたように、まさに関係人口の増加ですとか、あと他産業との連携、こういったことをしっかりやらなきゃいけませんけれども、そのために、今、この産官学金労言が集まる「農山漁村」経済・生活環境創生プラットフォーム、これによる情報発信や優良事例の普遍化、あるいは、地方公共団体の企画部門とそれから農林水産部門のこの連携の促進、こういったこともしたいと思いますし、あるいは、民間企業等による人材、資金の確保に向けた、農林水産地域の社会、環境面におけるインパクトを可視化するようなガイドラインの策定、そしてまた、農林水産地域に係る課題解決に人材派遣、資金拠出等によって貢献していただける企業の評価、公表、表彰、この仕組み、こういった創設も考えてございます。 そういう中におきまして、御指摘ありました、例えば総務省のやっていらっしゃる地域おこし協力隊ですとか、あるいは特定地域づくり事業協同組合とか、様々な各省の取組がございます。そういったところにつきまして、これから夏に向けて地方創生二・〇の基本構想が作られていくと承知してございます。 こちらの地方みらい共創研究会でも、今回の緊急提言を踏まえて、地方みらい共創戦略というのを夏に作って、その内閣全体の基本構想の方につなげていって、ちゃんとコーディネート、調整をしてやっていきたいと思ってございます。 ありがとうございます。
○佐藤啓君 ありがとうございます。 それでは、総合的な農村振興という観点ですね、中山間地域においてはきめ細かな対応が必要だと思います。私の地元の奈良県も非常に中山間地域が多いので、こういったところに対してどのような考え方で進めていくのか、副大臣にお伺いをいたします。
○副大臣(滝波宏文君) 中山間地域、これは我が国の耕地面積、総農家数、また農業産出額の約四割を占めるなど、食料供給とまた多面的機能の発揮において重要な役割を担っております。一方で、この人口減少、高齢化により農業生産活動の継続ですとか集落の維持に課題を抱えているわけであります。 このため、農業生産の継続に向けて、中山間地域等直接支払を通じて、営農を下支えしつつ、地域の実情を踏まえながら、担い手の育成確保、高収益作物の導入、現場ニーズに対応したスマート農業技術の研究開発、省力化に資する基盤整備、そしてこれと併せた生産、加工、販売施設等の総合的な整備などを支援しているところであります。 また、集落の維持につきましては、複数の集落協定や自治会などが連携してこの農村RMOの形成、地域資源やデジタル技術を活用した社会課題の解決ですとか、地域活性化の取組に対する支援を強化しております。 基本計画案においても、これらの施策を併せてパッケージとして一体的に実施することとしておりまして、先ほどの地方みらい共創に向けた緊急提言も踏まえまして、きめ細やかに中山間地域の振興を図ってまいりたいと思います。
○佐藤啓君 ありがとうございます。 副大臣も大変お忙しいと思うんですけれども、またお時間あれば奈良県の中山間地域も見ていただけたら大変有り難いと思っております。よろしくお願いします。 それでは、最後にちょっと大臣にお伺いしたいと思います。 喉の調子が余りよろしくないということで大変恐縮なんでございますが、基本計画のやはり実行に当たりまして、大変この予算確保ということ、特に来年度予算の確保ということはこれ大変重要だというふうに思います。初動五年間を農業構造転換集中対策期間というふうにしているということでありますので、国土強靱化予算のように例えばこの五年間で何兆円みたいな、こういう形でしっかりこれ全体像を確保しながらやっていくと、やはりこの農業者の皆様も安心して取り組めるんじゃないかなというふうに思いますけれども、この予算確保に対する大臣の決意を伺います。
○国務大臣(江藤拓君) 佐藤委員がおっしゃるように、私としても、国土強靱化五か年計画、こういったスキームが使えたらベストだと思っています。それは国の姿勢を明確に示すことにもなりますし、現場の農業者の方々に対しても国が本気でやるんだなという姿勢がしっかり示すことができると思っています。 そのためには、これから、今御議論いただいておりますこの基本計画、これがしっかり内容を充実させて、そしてそれを実現するためには、これだけのやはり人的な資源、それからいわゆる財政的な資源、これだけ必要なんだということを明示することによって堂々と必要な予算を確保するという作業が必要になってくると思いますので、是非この件についてはもう全ての政党、垣根を越えて応援をいただいておりますので、是非中期計画、五か年計画のような形でやれるところに到達できるように努力をしたいと思っております。
○佐藤啓君 大臣、ありがとうございました。 滝波副大臣、また山本大臣政務官も含めて、この予算確保に当たってはどうか全力で取り組んでいただきますようお願いを申し上げます。 時間になりましたので、以上とさせていただきます。ありがとうございました。
○窪田哲也君 公明党の窪田哲也です。どうぞよろしくお願いします。 二十二日に日中韓の外相会談行われまして、これを機に日中のハイレベル経済対話が行われました。やはり国民の大きな関心は、今止まっている水産物、中国の解禁、輸入解禁ですね、この時期どうなるのか、大変に大きい注目の的でした。 報道によりますと、時期的なものは見送られたけれども引き続き協議を重ねていくという、そういう合意は得られたということでございますけれども、この止まっている水産物、そして牛肉、米等について、中国はあれだけのマーケットがありますので、是非これは解禁に向けて頑張っていただきたいと思いますけれども、手応え、見通し、伺いたいと思います。
○大臣政務官(山本佐知子君) お答えします。 土曜日に行われたわけですけれども、日中ハイレベル経済対話では、農水産物の貿易の強化は大変大きな重要視された論点でありました。水産物等の輸入規制は、昨年九月に日中間の共有された認識、これが着実に履行されていることを日中双方とも両者が評価をいたしました。モニタリング結果に異常がないことを前提に、輸入再開に向けては関連の協議を推進することで一致をいたしました。また、牛肉の輸入再開、そして精米の輸入拡大、これも早期に優先的に解決することが重要であり、改めて要請をいたしました。日本側が強い関心を有しているということは中国側にも十分に伝わったことだと思っています。 協議の詳細については明らかにできませんが、私も出席をさせていただいて、率直な意見を、今申し上げたところでありますけれども、この流れを生かして実務者協議を進め、また、そして各課題の早期決着を目指してまいりたいと思います。
○窪田哲也君 どうか頑張っていただきたいと思います。 それで、次は、我が国の食料安全保障という観点から、輸入ですけれども、やはり世界人口が増加している、食料需要は高止まりをしていると、ところが我が国の経済的地位は低迷をしていると、非常に厳しい中で、安定的に食料を輸入する、生産資材も含めて輸入をしていく。特に我が国は四方を海に囲まれて船に頼っているわけですね。ところが、日本の、日本船籍の船は少ないというそういう状況の中で、やはり国民を飢えさせない、もちろん国内で作っていくことは当然なんですけれども、やはり輸入の安定化というのは非常に大事なことだと私は考えております。 その意味で、大臣、これは大臣にでよろしいですね、決意と基本方針を伺いたいと思います。
○国務大臣(江藤拓君) できる限り、今回の基本計画におきましても、食料自給率を上げていくという努力を懸命にしなければなりません。今回は熱量ベースでも示すということでありますので、これはある意味、人間が生きていく上でどれだけのカロリー量が必要かということを示すことによって、もちろん食品ロスに関する意識を高めるという側面もありますが、やはり日本人が生きていくということは、この国際社会の中で緊張感を持ってやらなければならないという一つの私は意識付けになるんだろうというふうに思っております。 委員御指摘のように、まさに日本は島国でありまして、日本に入ってくる輸入物資の九九%は船便、シーレーンを止められたらもう何も入ってこない、もう食料だけではなくて、いわゆる化石燃料も含めて非常に大変な状態になるわけですから。しかし、そういう事態もあり得ますけれども、しかしこちら側が駄目でもこちら側はいけるということもありますので、ですから輸入先の多角化というものが非常に必要になってくると思います。 ロシアがウクライナを侵略したときに、我々は、多くのカリ、塩化カリですね、塩化カリをカナダ、ロシアから輸入をしておりました。で、もうこれは一気に止まったわけでありまして、そうなったときにカナダに輸入先を設けました。 そして、リン安については、モロッコ、随分遠いところですけれども、副大臣に行ってもらって、モロッコと交渉してもらって、リン安については買うようになりました。非常に高いです。高いんですけれども、値段は高いんですけれども、今も買い続けています。 これは、一度せっかくつくったその商流でありますから、コストということも当然税金を使う上では大事なことではありますけれども、輸入先を多角化することによってやっぱりリスクをヘッジするという感覚はとても大事なので、生産資材、それから食料、それから燃料、そういったものについても、やはりそのヘッジをするという意味でも輸入先の多角化というものは極めて重要だというふうに考えております。
○窪田哲也君 輸入先の多角化、非常に大事なことだと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 それで、次は米の問題ですけれども、今回、基本計画案では今の生産の八倍を目指していくと、二〇三〇年に、こういう目標を立てておりますけれども、当然この輸出をすることによってバッファーを持ち、生産基盤をきちんと国内で整えていくという、そういう重要な意味があると思います。もちろん、備蓄を増やしておくということは、これ予算の問題もありますし、国民の理解の問題もありますので、そう簡単にいく話ではありませんけれども、海外に米を出していくということになると、当然好みの問題もありますし、価格の問題もあります。 様々課題がある中で、市場開拓、どのように取り組んでいくのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(松尾浩則君) お答えいたします。 輸出の拡大ということで、まず、米の生産コストの低減ということが一番課題になっております。そういった意味では、農地の大区画化等の基盤整備、多収品種の普及開発、スマート農業の導入、定着ということで大規模な輸出産地の形成と、こういったことを図っていきたいというふうに考えております。 また、需要の開拓という面では、冷めてもおいしいという日本産米の特徴を生かした対応、あるいは新たな販路、商流の開拓、有機米、パック御飯などの付加価値、あるいは規制の対応でございますとか、あるいはおにぎりとか日系外食店、こういったものも非常に有望でございますので、こういった海外展開の推進による日本産米の利用拡大、こういったことにも取り組んでまいりたいと考えています。
○窪田哲也君 日曜日に「NHKスペシャル」で大変興味深い番組やっておりました。海外の日本食、日本で修行を受けていないすし職人がすしを作って、手巻きを揚げたりとか、いろんなことを始めたりとかしているんですね。日本食、米、可能性は非常に大きいと思いますので、是非よろしくお願いをしたいと思います。 それで、今回、八倍増の目標を立てていらっしゃるわけですけれども、かなり野心的だと思っていますけれども、八倍の根拠を伺いたいと思います。
○政府参考人(松尾浩則君) お答えいたします。 米の輸出につきましては、例えば十年前は五千トン弱でございました。ただ、その後、輸出拡大ということで取り組んでまいりまして、近年は順調に伸びておりまして、最近五年間では二・六倍に拡大し、四・六万トンまで増加しております。 こうした足下の順調な米の輸出の拡大している状況を更にもう一歩進めて拡大していくと、こういったことで、米、パック御飯の二〇三〇年の輸出の目標を三十五・三万トンと、こういうことにしているわけでございます。
○窪田哲也君 また議事録読みながら私も理解をしたいと思います。 八倍というのはかなり野心的な目標だと思いますので、これどうクリアしていくか、大変なことだと思うんですけれども、頑張ってまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。 続きまして、担い手の確保の問題ですけれども、やっぱり持続可能性のある農業にしていくためには、農業基幹的従事者の年齢構成、これを、いびつな形にあるものを、若い人をどうにか確保をしていくというのがもう最大の課題であります。四十九歳以下の担い手、これを目標にされているわけですけれども、この数が二〇二三年四・八万人、KPIではこの生産年齢人口のうち四十九歳以下のシェアを全産業並みにすると、ほかの産業と同じようにしていくという、そういう目標なんですけれども、現状五四・三%、全産業、他産業並みとなると六四%ということで、約一〇%引き上げなきゃならないわけですね。 どう取り組んでいくのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 農業分野における人口構成をサステーナブルなものにするためには、市町村やJAなどの地域の関係機関が連携をして、四十九歳以下の新規就農者の呼び込み、それに加えて定着を図ることが重要と考えております。 例えば、事例でございますけれども、福島県の国見町では、農地、資金、生活面などの幅広い相談に対応する就農相談員を設置するとともに、地域のベテラン農家に指導者役を依頼をして技術指導を行うなどした結果、新規就農者が倍増するなど効果が見られたと承知をしております。 こういった好事例を各地に広げるため、農林水産省では、令和七年度から地域の関係機関が連携をして研修農場の整備と誘致体制の整備を一体的に支援する事業を新設するほか、就農に向けた研修資金や経営開始資金の交付、機械導入などの初期投資の支援のための予算を措置しているところでございます。 また、法人への四十代以下の雇用就農者、これが以前に比べると増加をしておりますので、雇用就農のための資金の交付に加え、他産業に負けない雇用労働環境の整備や、外国人や女性を含めた多様な人材が活躍するための環境整備に取り組んでいきたいと考えております。 こうした取組を通じ、農業分野において、全国各地で新規就農者の呼び込みと定着を図ってまいります。
○窪田哲也君 やはり、この一〇%上げていくという目標、かなり高い目標だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 やはりこの若い方が新規就農して、やめていくという中で、指導者、今おっしゃいましたような指導者をきちんとつくっていくということが非常に大事だと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 続いて、食品アクセス、特に買物困難者のことについて伺いたいと思います。 農水省が毎年実施している食品アクセス問題に関する市町村アンケート、これは三月中にもまとまるというふうに伺っております。それも注目をしておりますけれども、この食品アクセス、買物困難者、これ非常に最近は政令市でも何か増えているというふうに伺っていますけれども、この九〇%、取組が必要だと思っている市町村のうち実際に様々な取組ができている、その市町村数を、市町村の割合を九割までしていくという、こういう目標でございます。 これについて、どう引き上げていくのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(宮浦浩司君) お答え申し上げます。 今お話ございましたとおり、高齢化ですとか単身世帯の増加で地元の小売業とか商店街が衰退して、また自動車などの移動手段も持たないということで、高齢者などを中心として買物が困難になる方が増えてございます。 農林水産省では、平成二十三年度からこのアンケート調査を行ってきてございますが、令和六年度におきましても、行政あるいは民間事業者の方々が何らかの形で対策を実施しているという自治体が八九%ございます。その中身は、宅配ですとか買物代行のサービスを行ったり、あるいはコミュニティーバスとか乗り合いタクシー、こういったものを運行するといったような取組が行われてございます。 これをどうやって今後引き上げていくかということでございますが、買物困難者と経済的困窮者へのその食品アクセスの取組として、関係省庁が昨年の三月に食品アクセスの確保に関する支援策パッケージというものを取りまとめてございます。これは、孤立・孤独対策を担当する内閣府、それから地方自治体の担当の総務省、さらにはITを担当する経済産業省、それから地方交通を担当する国土交通省と私どもといった形で、連携して取りまとめを行ってございますが、昨年三月が初めての取組でございましたので、昨年九月と今年の一月にも全国キャラバンというものを実施をいたしまして、地方自治体や社会福祉協議会の関係者の方々にまずは知っていただくということを行ってきたところであります。 このパッケージの中身には様々な事業が取り込まれておりますので、知ってもらうところから始めまして、それから使っていただくといった取組を通じて、更にその取組を拡大していきたいと考えているところでございます。
○窪田哲也君 今言及していただきました食品アクセス全国キャラバンですかね、昨年九月には自治体と事業者二百三十八、今年一月には三百八十五の自治体、事業者が参加をされているということですので、これもっとたくさん参加していただけるように周知していただいて、様々、各省庁いろんなことやられているので、それがよく浸透していくようによろしくお願いをしたいと思います。 続きまして、これも非常に私は重要なテーマだと思っているんですけれども、国民保護計画に基づく対応状況について伺いたいと思います。 基本計画には、災害発生時には、ことは定めておりまして、食料安定供給確保のための備えの強化ということであります。食料事業者がBCPの策定していく、あるいは食品の家庭備蓄、過度の買いだめ、買占めを抑制をしていくと、こうしたことが書かれておりますけれども、お伺いしたいのは国民保護計画の関係であります。 今年の一月に、沖縄の宮古島、石垣島等の先島の皆さん、そして観光客含めた十二万人が九州そして山口に約一か月避難をされると、それを想定して沖縄県が訓練をしております。農水省でも国民保護法に基づいて農林水産省国民保護計画を策定をされていると伺っていますけれども、その内容と今後の対応について伺いたいと思います。
○政府参考人(谷村栄二君) お答えいたします。 今委員御指摘のように、農林水産省におきまして、国民保護法に基づき、農林水産省国民保護計画を作成しております。この計画では、まず平素からの措置といたしまして、武力攻撃事態等に備えて農林水産省国民保護連絡会議というものを省内に設置をしておりまして、緊急時におけます農林水産省本省や地方農政局などとの連絡体制及び参集体制の在り方、また武力攻撃事態等に備えた食料の供給体制の整備など、これについて定めているところでございます。 また、この中で、仮に武力攻撃事態等が発生した際におきましては、農林水産大臣を長といたします農林水産省国民保護対策本部と、これを設置いたしまして、この中で、応急用食料の供給など、避難住民の方々への救援、武力攻撃災害への対処、国民生活の安定などに関する措置などについて、事態の状況に応じて必要な対処をするということになっております。 例えば、避難住民の方々への食料の提供ということにつきましては、都道府県におきます食料の調達を支援するため、農林水産省が備蓄しております食料の供給のほか、食品事業者や関係団体への出荷要請などを行うことにより応急食料の迅速かつ適切な供給を行うということにしておるところでございます。 農林水産省といたしましては、平素から、今後も武力攻撃事態等が発生した際に迅速かつ適切な対応ができるよう、この農林水産省の国民保護計画を踏まえ、関係省庁、地方自治体、関係団体との連絡体制を強化を努めてまいりたいと考えております。
○窪田哲也君 どうぞよろしくお願いを申し上げます。 続きまして、この基本計画全体の話なんですけれども、今回、様々目標を立て、やっていくことになりました。我が党としても大臣に申入れをしまして、たくさん盛り込んでいただくことができました。感謝を申し上げます。 その上で、この今回の基本計画、今、案の段階ですけれども、これができましたら、この実効性をきちんと確保していくことが大事だと思っております。様々なこの目標の達成状況、少なくとも年に一回は公表をして検証をしていくべきだと思いますし、また必要に応じて機動的にこれも施策の見直しを行っていかなければならないと、このように考えています。 基本計画の実効性を確保する、その観点から伺いたいと思います。
○政府参考人(山口靖君) お答え申し上げます。 先生お尋ねの件でございますが、改正基本法に基づきまして、食料自給率その他の食料安全保障の確保に関する事項を定め、毎年その達成状況を調査、公表するとともに、施策の有効性を示すKPIを設定し検証することでPDCAサイクルによる施策の見直しを行うこととしております。 具体的には、政策評価部局と連携しつつ、食料・農業・農村政策審議会企画部会に目標やKPIの達成状況をお諮りし、透明性、客観性を持って政策評価を進め、それを施策の見直しに機動的にフィードバックする方向で検討してまいりたいと考えております。
○窪田哲也君 どうか、客観的な評価に基づいて機動的に見直しをしながら着実に前に進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 最後の質問でございます。 我が国の農業が構造転換を迫られるこれから五年間、大変に大事なときを迎えますけれども、そういう中で、農村は疲弊をして、生産現場も疲弊をして大変な中ですけれども、これ、やはり大きなその要因というのは、私たち消費者と生産者の距離が非常に今空いてしまっているところに私はあると思っています。 そして、食育の話なんですけれども、食育といっても、今物価高でどうしても安いものを選んでしまう、あるいは時間がない、なかなか食への関心が高まっていかないという中で、やはり食育を基本に据えながら、国民の皆様の理解を得て、農水省の予算も拡大しなきゃならないですし、そしてまた、食に対する、そして農村に対する、農業に対する国民の関心も醸成をしていかなきゃならないと思います。和ごはんとかそうした取組も大事だと思いますし、学校現場での取組も大事だし、家庭での取組も大事だと思います。食育というのはとても大事だと私は思っています。 そこで、国民の皆様の理解を得ていく中でのこの食育という問題について、最後伺いたいと思います。
○大臣政務官(山本佐知子君) お答えいたします。 経済的な理由から、食は安ければよいというような意識、先ほど御指摘ありました、そういった意識が強まるなど、国民の食への意識が変化をするとともに、ほかのことで忙しいからなどの理由で食育への関心も今伸び悩んでおります。 また、生産現場の苦労を消費者の方が実感することが難しくなってきている中で、学校等での食育や、また学校を卒業した若い人も含めての大人に対する食育のほかに、今委員も御指摘のように、生産現場に対する国民の理解をもっと深めるために、食と農の現状を学び体験する農林漁業教育、これが大変重要だと考えております。 食育基本法の制定から約二十年がたちました。食育も転換期であることから、食や農への理解醸成と、そして行動変容に向けて取組を今後も一層強化をしてまいりたいと思います。
○窪田哲也君 食育に関心がないと答えた人にその理由を聞いたところ、食事や食生活の関心はあるが食費を安くすることの方が重要ということで、それが四〇・九%ということでありました。食事や食生活に関心はあるがほかのことで忙しいというのが三八・八%ということで、やはり国民の皆さんの食への関心、農村への関心、そうしたものを高めていくことが大事だと思っています。 農泊等にも取り組んでいらっしゃる、これも大事なことだと思いますので、引き続き、そういう国民の皆様を農業への応援団にしていくという取組はとても私は大事だと思っていますので、よろしくお願いを申し上げます。 時間がちょっと余っていますけれども、以上で終わります。ありがとうございました。
○委員長(舞立昇治君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。 田名部さんから発言を求められておりますので、これを許します。田名部匡代さん。
○田名部匡代君 私は、自由民主党、立憲民主・社民・無所属、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派並びに各派に属しない議員寺田静さんの共同提案による新たな食料・農業・農村基本計画に基づく施策の推進に関する決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 新たな食料・農業・農村基本計画に基づく施策の推進に関する決議(案) 地球規模での気候変動や国際情勢の不安定化などにより世界の食料需給及び貿易が不安定化する一方、我が国では農業者の減少・高齢化、農地の減少が進行している。こうした中で食料安全保障の確保に向けて国内の農業生産基盤を維持・強化することは、農業者のみならず、国民共通の重要かつ喫緊の課題である。こうした認識の下、政府は、改正食料・農業・農村基本法に基づく初めての食料・農業・農村基本計画の策定及び同計画に基づく施策の推進に当たり、次の事項に万全を期すべきである。 一 水田政策の見直しに際しては、水田活用の直接支払交付金など現行の水田政策の課題を整理・総括した上で、国内生産の増大、生産性向上、農業者の所得向上、農地の維持などの改正基本法の趣旨を踏まえて新たな水田政策を検討し、その具体化を図ること。その際、 1 飼料用米、WCS用稲による耕畜連携など、優良な取組を行ってきた農業者の営農意欲を損なわない制度設計とすること、 2 国産飼料の生産性向上を図るため、飼料用米の生産に加えて、地域の気候、飼料の利用実態等を考慮して、青刈りとうもろこし等の生産振興を図ること、 3 水田・畑、作物ごとの直接支払いも含めた農業所得の状況を調査し、営農意欲を損なわない制度とすること、 4 産地交付金については、現状の活用状況を調査し、農業者、都道府県の取組に支障をきたさないようにすること、 5 農地の維持のための支援策を講ずることによってもたらされる効果、他国における同様の制度の実施状況を十分考慮し、納税者の理解を図りつつ、直接支払制度の設計を行うこと、 6 保水、洪水防止や生物多様性など水田の有する多面的機能は、国民全体に裨益する重要な機能であることから、水田における生産性向上に向けた支援を行いつつ、必要な水田面積の維持を図ること、 などに留意しつつ、生産現場が混乱することがないよう、生産者をはじめ関係者の意見を丁寧に聴取し、合意形成に努めること。 二 今後検討される新たな水田政策の下においても、米の生産・流通・備蓄政策全般について必要な検証を行うこと。 三 中山間地域等直接支払交付金等の見直しにおいては、条件不利の実態に配慮し、共同の取組や農業経営に対する支払い等について、よりきめ細やかな支援を拡大すること。加えて、中山間地域においても稼げる農業を実現するべく、施策の充実・強化を図ること。 四 食料安全保障の強化を図るため、麦・大豆等の国内生産の増大に資するよう、適地適作の観点も踏まえ、畑作の輪作体系を確立すること。また、地域の判断の下で「汎用化」「畑地化」に向けた農業生産基盤整備を推進すること。 五 食料安全保障の強化には、多収性や高温耐性、病害虫抵抗性などの特性を有する優良な新品種の開発及びその適切な利用が一層重要であることから、産官学の連携の下、知的財産の流出に留意しつつ、新品種の育成に継続的かつ安定的に取り組むこと。 六 農林水産物・食品の輸出については、国内農業・食品産業の供給能力の維持・強化、所得向上に資するため、輸出額五兆円目標の達成を目指し、マーケットイン、マーケットメイクの視点に立ち、日本食レストラン・現地スーパー等と連携し需要開拓を進めるとともに、産地形成や品目団体の輸出力強化を図ること。米の輸出については、二千三十年に三十五万トンという意欲的な目標を達成するため、基盤整備や多収性品種、有機米の普及等により米の生産コストの低下及び付加価値の向上を図ることで国際競争力の高い産地の育成に取り組むこと。 七 食料の価格形成については、肥料・飼料、農業機械等の資材費、人件費、燃料費等の生産コストが上昇する中、これらの合理的な費用を考慮し、農業、食品産業等の食料システム全体の持続性の確保が図られる価格形成が、生産・加工・流通・小売・消費等の食料システムの幅広い関係者の合意の下で、適正に行われるよう実効性ある仕組みを構築すること。 また、関係省庁や地方公共団体等と連携しながら、農産物等の生産・加工・流通・小売までの全ての食料システムの関係者において効率化・低コスト化を図ること。 八 今後、多くの高齢農業者のリタイアが見込まれる中で、農業者世代の均衡を図り、農業者の年齢構成が持続可能なものとするため、担い手の育成・確保、円滑な経営継承を図るとともに、新規就農者の育成・確保に向けて就農準備資金・経営開始資金、雇用就農資金の交付や技術サポート体制の整備、退職者の就農促進、農業高校等の支援・整備など総合的な支援策を講ずること。また、就農準備資金等の支給対象年齢要件の引上げも含め検討すること。 九 食料自給率の向上を図り、食料自給力を確保するためには、生産基盤である農地が適切に保全・管理されることが重要であることに鑑み、地域で策定された地域計画について不断の見直しを行い、家族経営・法人経営を問わず意欲ある担い手への農地の集積・集約化が進むよう支援すること。その際、担い手以外の多様な農業者が、農地の保全・管理とともに農業生産活動を行うといった、利用上重要な役割を果たしていることを踏まえ、担い手と多様な農業者により農業生産活動が行われることで農業生産の基盤である農地の確保が図られるよう十分に配慮すること。 また、多様な農業者については、農地の保全・管理に寄与する等、重要な役割を果たすだけでなく、農業水利施設の維持管理、農村社会・集落機能の維持、農業以外の多様な地域資源を活用した付加価値創出などの役割を果たすことが期待されることから、関係省庁、民間企業、JA、NPO等との連携を通じた、地域と関係企業等との結合の推進など、意欲的な取組を促進すること。 十 農業生産活動は自然環境の保全等に大きく寄与する側面と環境に負荷を与える側面があることに鑑み、温室効果ガスの排出削減、生物多様性の保全及び有機農業の推進等みどりの食料システム戦略に示されたロードマップを実行し、環境と調和の取れた食料システムの確立を図ること。また、農業生産活動が与える環境負荷については、畑作中心の欧米諸国と、アジアモンスーン地帯における水田・稲作が中心のアジア諸国では、その発生状況等が異なると考えられることから、温室効果ガス削減の観点だけでなく、生物多様性の保全、土壌流出の防止等、様々な観点からの環境負荷も踏まえた調査研究を推進すること。 十一 国際的な原料調達競争の激化により、食品産業において、輸入原材料の調達リスクが増大していることを踏まえ、国内農業との強化・安定的な取引関係の確立及び強化を促進するとともに、環境負荷低減に向けた取組を促進すること。また、輸入相手国の農業生産活動における人権状況に留意し、フェアトレードが確保されるための取組を推進するとともに、人権・栄養への配慮等に関する国際的なルール形成に向けた議論が進んでいることから、国際的なルール形成に積極的に参画し、併せて対応策の検討等に関して企業の取組を推進すること。 十二 農福連携の推進に当たっては、障害者が貴重な農業人材として活躍できるよう、障害者等が働きやすい環境の整備を図ることにより、障害者等の就農促進や継続的な雇用を図るとともに、障害者等が生きがいをもって農業に関する活動を行うことを促進すること。 十三 農村は、多様な地域資源を有する場であり、農村における地域社会の維持が農業の持続的な発展に不可欠であることに鑑み、農村における他産業振興の意義に留意しつつ、地域資源を活用した伝統的な食品産業に係る事業活動を推進すること。また、農村の振興に当たっては、鳥獣害対策の強化が不可欠であることから、地方財政措置の拡充を含め、地方公共団体の取組の推進を図ること。 十四 都市農業は、都市住民に農産物を供給する機能のみならず、都市の防災や、景観の保全、都市住民の農業に対する理解の醸成等の多様な機能を果たしていることに鑑み、その重要性を明確化すること。 十五 農村は、その共同活動及び個々の営農活動によって、食料の安定的な供給を行う基盤であり、かつ、国土の保全、自然環境の保全等の多面的機能が発揮される場であることに鑑み、日本型直接支払制度の在り方について、その実施状況、効果も踏まえ、検討すること。 十六 学校給食の無償化に当たっては、成長期にある児童・生徒の心身の健全な発達のため、栄養バランスのとれた豊かな食事を提供するという給食の意義に鑑み、地場産品や有機農産物、米粉の活用などを図るため、十分な財源の確保に努めること。 十七 食料安全保障の確立が我が国喫緊の課題となる中、新たな基本計画を真に実効あるものとするため、所要の予算を確保すること。特に、食料安全保障の確保に向けた新たな政策に要する予算については、既存の農林水産予算のほか、別枠予算を措置するなど、従来の枠組みにとらわれず、政府全体で財源の確保に努めること。 十八 昨年来生じている米流通の混乱について、その発生要因を分析し、流通・在庫状況の調査、関係者への情報提供の在り方など、必要な改善を行うこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(舞立昇治君) ただいまの田名部さん提出の決議案の採決を行います。 本決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(舞立昇治君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、江藤農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。江藤大臣。
○国務大臣(江藤拓君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。 ─────────────
○委員長(舞立昇治君) 次に、土地改良法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。江藤農林水産大臣。
○国務大臣(江藤拓君) 土地改良法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 これまで、土地改良事業の実施により、総延長約五万二千キロメートルに及ぶ基幹的な水路や、約七千七百か所の基幹的なダム、頭首工等の施設を始めとした農業生産の基盤の整備が進められ、農業の生産性の向上等に貢献してきました。近年、これらの農業水利施設は、整備から年月を経る中で老朽化が進行していることに加え、気象災害のリスクの増大、農村人口の減少等の農業、農村をめぐる情勢は厳しさを増し続けています。このような状況下においても、農業生産の基盤の整備の効果が将来にわたって確実に発揮され、農業生産活動の継続的な実施に資するよう、昨年改正された食料・農業・農村基本法においては、農業生産の基盤の整備に加えて保全に必要な施策を講ずることが明記されたところです。 加えて、農業者が減少する中においては、圃場周りの管理の省力化や農作業の効率化の観点からの農業生産の基盤の整備を進めることも欠かせません。 こうした状況を踏まえ、農業水利施設の老朽化の進行、気象災害のリスクの増大、農村人口の減少等に的確に対応し、農業生産の基盤の保全及び担い手のニーズに対応した基盤整備に関する措置を講ずるため、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。 第一に、目的規定について、食料・農業・農村基本法の内容に即して農業生産の基盤の整備及び保全を図ることを明確化する等の見直しをするとともに、土地改良長期計画に係る規定についても同様の見直しをすることとしております。 第二に、基幹的な農業水利施設の計画的な更新に係る事業の創設であります。基幹的な農業水利施設の更新については、農業者からの申請によらず、国又は都道府県からの発意による事業を実施できるよう措置することとしております。 第三に、土地改良区が地区の関係者と連携して行う農業水利施設の保全に係る制度の創設です。土地改良区が施設の保全に係る計画を作成できることとし、この計画において、土地改良区と市町村等の関係者の役割分担等を定め、施設の保全に向けた体制を構築できるよう措置することとしております。 第四に、急施の事業の拡充であります。老朽化等により損壊が生ずるおそれのある農業水利施設の補強等の事業、再度災害を防止するための改良復旧の事業等について、原則として農業者の費用負担や同意を求めずに事業を迅速に行う制度に追加することとしております。 第五に、農地中間管理機構関連事業の拡充であります。事業実施主体に市町村を追加するとともに、農地中間管理機構が所有権を有する農用地を対象に追加することとしております。 第六に、情報通信環境整備事業の創設であります。地区におけるスマート農業の導入の推進及び農業水利施設の管理の効率化を図るため、土地改良区が都道府県知事の認可を受けて情報通信環境を整備する事業を実施できるよう措置することとしております。 このほか、土地改良区の体制及び運営に関する措置を講ずるとともに、土地改良事業の適正な実施に関する措置を講ずることとしております。 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(舞立昇治君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時散会