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217回国会参議院2025/05/23

消費者問題に関する特別委員会 第7号

発言数
79
登壇者
10
会派数
6
開催日
2025/05/23

会議録

石井章日本維新の会

○委員長(石井章君) ただいまから消費者問題に関する特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、越智俊之君、比嘉奈津美君及び佐々木さやか君が委員を辞任され、その補欠として友納理緒君、山本佐知子君及び若松謙維君が選任されました。     ─────────────

石井章日本維新の会

○委員長(石井章君) 公益通報者保護法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。  御出席いただいております参考人は、東京大学大学院法学政治学研究科教授山本隆司君、元オリンパス株式会社社員濱田正晴君及び日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員・弁護士林尚美君でございます。  この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。  本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。  皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。  次に、議事の進め方について申し上げます。  まず、山本参考人、濱田参考人、林参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えしていただきたいと思います。  また、御発言の際は、挙手をしていただきまして、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おき願いたいと思います。  なお、御発言は着席のままで結構です。  それでは、まず山本参考人からお願いいたします。山本参考人。

山本隆司東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(山本隆司君) 山本と申します。東京大学大学院法学政治学研究科の教授として行政法を研究しております。  私は、昨年、消費者庁に置かれた公益通報者保護制度検討会、以下検討会と申しますけれども、の座長を務めました。また、令和二年の公益通報者保護法改正時には、消費者委員会に置かれました公益通報者保護専門調査会、以下専門調査会と申しますけれども、そこで座長を務めました。本日の林参考人も参加をしておられました。  本日は、今回の法改正案につきまして、令和二年の法改正と比較しながら意見を述べさせていただきます。  まず、昨年の検討会についてです。  検討会は、令和二年の改正法の施行状況と次の段階の法改正について検討する目的で設置されました。委員として、消費者団体や連合、経団連、商工会、公益通報に関わる実務に携わる弁護士、各法分野の専門家が参加をしました。  昨年末に報告書が取りまとめられ、報告書で具体的な方向性が示された事項は今回の法改正案に全て反映をされております。  検討会での議論及び今回の法改正案の全体について、三点申し上げます。  まず第一に、令和二年の法改正との関係です。  令和二年の法改正は、平成十八年に公益通報者保護法が施行されてから十四年後のことでした。長年改正されておりませんでしたので、専門調査会では非常に多くの論点について検討することになり、大変苦労いたしました。それでも、通報を理由とする不利益取扱いに対する抑止、救済の制度について意見がまとまらず、改正法に盛り込まれないなど、重要な問題が積み残されました。今回、令和二年の改正法の施行から二年もたたないうちに検討会が設けられたことにはこうした背景があります。  そして、令和二年当時に積み残されたテーマも含めて、昨年の検討会では、公益通報者保護制度の実効性を向上させる効果が大きいと考えられるテーマに集中をして議論いたしました。その結果、議論が大きく進展をしました。背景には、以下第二点として申し上げる通報者保護をめぐる国際的な潮流がありました。  平成三十年に専門調査会の報告書が取りまとめられた翌年の二〇一九年ですが、その十月にEUの通報者保護指令、以下EU指令と申しますけれども、が成立をいたしました。  日本に直接関わる国際文書としては、同じ二〇一九年に日本を議長国として開催をされた大阪サミットで、公益通報者保護のためのG20ハイレベル原則が採択されました。また、昨年の五月には、国連人権理事会ビジネスと人権作業部会の訪日調査報告書が公表され、日本は公益通報者保護法の見直しにより通報者の保護を強化するように勧告を受けました。  こうした国際的な潮流に沿った公益通報者保護制度の整備が、日本の事業者が投資家や取引先から国際的な信頼を得るために必要不可欠であるということが、昨年の検討会での委員の共通認識でした。  第三に、昨年の検討会で議論に当たり注意した点について申し上げます。  検討会は、幾つかの種類の違法行為に対して刑事罰を新設するという意見を踏み込んで示しました。ただし、刑事罰は重大なペナルティーですから、違法行為の中でも刑事罰を科すに相当するものかどうか、また、刑事罰を科される行為の範囲を法律で明確に定められるかどうかという点も慎重に検討いたしました。  また、刑事罰の話に限らず、一方で公益通報を保護、促進すること、他方で事業者の組織を適切に運営することを、個別に細かく調整しバランスを取らなければならない問題があります。さらに、公益通報に話を限ることができない大きな問題もあります。こうした問題について、公益通報者保護法に特別な規定を現時点でどの範囲で置くことが適切かという点も慎重に検討いたしました。さらに、公益通報者保護制度の中の各要素のバランスにも留意をいたしました。  以下では、具体的に検討会の報告書及び今回の法改正案の内容のうち、四点に絞って申し上げます。  第一ですが、事業者が公益通報を適切に扱う体制の整備義務です。  この義務の法定が令和二年の法改正の中心でした。その体制整備義務の制度の中でも中核が、公益通報対応業務従事者の指定義務、通報者を特定する情報についての従事者の守秘義務、守秘義務に違反した従事者個人に対する刑事罰でした。  しかし、制度上、従事者を指定していない事業者に対する刑事罰は定めていないというアンバランスがありました。実態を調査したところ、非上場の事業者を中心に、従事者を指定していない従業員数三百人超の義務対象の事業者が一定程度存在し、中には従業員数千人超の事業者もありました。こうした状態に対応するために、今回の法改正案は、事業者に対する消費者庁の立入調査、命令、命令違反の場合の刑事罰を定めています。  さらに、検討会では、体制整備義務の対象を従業員数三百人以下の事業者に拡大すべきとの議論がありました。この点につきましては、今申しましたように大企業にも体制整備義務を履行していないところが一定程度あり、まずは従業員数三百人超の事業者による義務の履行を徹底するということが重要であると考えて、三百人以下の事業者への義務の拡大は提案しませんでした。もっとも、三百人以下の事業者にも体制整備の努力義務は法律上定められておりますので、消費者庁において、体制整備のための助言、指導、支援を更に進めていただきたいと考えております。  第二点ですが、通報を阻害する要因への対応、特に通報妨害や通報者の探索の禁止です。  こうした行為は民法上の公序良俗違反や不法行為になり得るものですが、それでも令和二年の法改正時には意見がまとまらず、法制化されませんでした。今回の法改正案では、これらの行為の禁止を明確に定めています。  昨年の検討会では、さらに、探索を行った事業者や行為者に対する刑事罰を規定すべきという意見もありました。しかし、不利益取扱いや、さきに述べた、従事者に限り刑事罰が科される通報者情報の漏えいと比較をして、探索それ自体では様々な行為が包含されることになり、刑事罰を科すことが相当な行為と言うのが難しいため、この点は合意しませんでした。  第三点ですが、通報を理由とする不利益取扱いに対する抑止、救済の制度です。  こうした制度について、令和二年時の専門調査会では主に二つの点を議論いたしました。一点目は、通報から一年以内の解雇について、通報を理由とするものでないとの立証責任を事業者側に転換することでした。解雇に限定をした議論でしたが、それでも委員の間で意見は一致をせず、実現に至りませんでした。二点目は、事業者の不利益取扱いに対する行政措置を定めることでした。しかし、そのために必要な行政機関の体制の構築にめどが立たず、これも実現しませんでした。  これらの点について、今回の法改正案では、通報があったことを事業者が知ってから一年以内の解雇及び懲戒について、通報を理由とするものでないことの立証責任を事業者側に転換する、また、通報を理由に解雇及び懲戒を行った法人及び個人に対する刑事罰を定めるということとしております。  もっとも、昨年の検討会では、ヒアリングの中で、実際の不利益取扱いとしては配置転換や嫌がらせが多いという主張があり、これらについても立証責任の転換や刑事罰を法定すべきではないかという議論があり、この点についてかなり集中的に議論をいたしました。  しかし、配置転換については、国際比較した場合の日本の特徴を考慮する必要がございます。日本の現状では、配置転換が、人材育成や適材適所の観点から、事業者の人事上の裁量により定期、不定期に頻繁に行われております。個々の事案で配置転換が不利益取扱いに当たるか否かの判断自体、容易ではございません。これに対し、アメリカやEU諸国では、個々の労働者の職務内容や勤務地などをあらかじめ定めるジョブ型の雇用がかなり広がっており、配置転換をする際には事業者に慎重な判断が求められると思います。  また、国際的に制度を比較いたしますと、日本は、通報が保護される要件が緩やかに法定されており、保護される通報をしやすい状況にあります。内部通報は、通報対象事実があると通報者が思料すれば、つまり考えれば、保護されます。行政機関への通報も、令和二年の法改正により、氏名等を記載した書面を提出すれば、思料するという場合にも保護することとされました。EU指令は、いずれの通報にも不正行為が真実であると信ずるに足りる合理的な理由が必要であるとされており、日本では要件が一段階緩やかに定められております。  こうした状況で立証責任の転換や刑事罰が制度化されますと、労働者が通報を理由とする配置転換であると主張する場合に備えて、事業者が配置転換の正当な理由を説明するために解雇や懲戒と同程度に準備をしておく必要が生じます。このことは事業者にとって大きな負担となり、人事の支障になるおそれがあると主張されております。対応できる企業もあると思いますけれども、不利益取扱いに関する立証責任の転換や刑事罰は中小企業も含めた全ての事業者が対象になるという点に留意をする必要がございます。  また、立証責任の意味は複雑ですので、一言御説明をいたします。  立証責任が通報者側にあるということの意味は、裁判所が審理を尽くしても配置転換が通報を理由とするものか否かが明らかにならないという場合に、配置転換が通報を理由とするものではないと裁判所が判断することにあります。逆に申しますと、配置転換が通報を理由とすることが明らかになれば立証責任は問題にならず、裁判所は通報者の主張を認めます。  また、裁判においては、立証責任がいずれの側にあっても、通報者、事業者の双方が事実や証拠を提出し、審理が尽くされた上で裁判所が判断するということは変わりません。仮に事業者が配置転換の正当性を根拠付ける事実や証拠を裁判所に提出しないということになれば、裁判所は事業者の主張の合理性を疑い、配置転換が通報を理由とするものと判断する可能性があります。  法案は、配置転換について立証責任の転換を定めておりません。しかし、解雇、懲戒について立証責任の転換が定められることにより、配置転換の場合も、裁判所が通報を理由とするものか否かを一層注意深く審理し判断するということを促す効果はあるのではないかというふうに期待をしております。  なお、嫌がらせについては、その範囲が不明確と言わざるを得ないというところがございます。公益通報を理由とする嫌がらせに限って立証責任の転換や刑事罰を制度化する理由が見出し難いという問題もございます。  第四に、昨年の検討会では、逆に濫用的通報者に対する刑事罰についても議論しました。令和二年の法改正時には議論されなかったテーマですが、EU指令が悪意ある虚偽の通報に対して罰則を規定したということが昨年の検討会での議論の背景にありました。  しかし、現実に問題とされている濫用的通報行為が刑事罰を科すに相当する行為かどうか、また、刑事罰の法定により抑止されるかどうかという点については、実態を踏まえた検討が必要です。それなしに刑事罰を定めますと、通報を過度に抑制するおそれがあります。そのため、昨年の検討会では、濫用的通報について、まずは実態調査を行い、その結果を踏まえて必要な検討を行うということを提言しました。  以上、四点申しました。  ほかにも、昨年の検討会で主要な論点とはされませんでしたが、公益通報者保護法の対象法律の範囲や定め方など、引き続き調査検討が必要な論点もあります。  ただ、法改正につきましては、必要な知見が全てそろい、全ての当事者が納得する形で法改正が実現する環境が整うまで待ってから行うという、言わば完璧主義のアプローチと、少しずつでも迅速に法改正をしていくという漸進主義のアプローチが考えられます。昨年の検討会では、全ての委員から漸進主義で法制度をより良いものにしていくという合意をいただきました。また、私は、令和二年の法改正時に大変苦労したという経験からも、漸進主義で考えております。まずは、この内容の法改正を早急に行い、国際的な動向にもキャッチアップをするということが重要ではないかと考えております。  国会の審議におきましても、こうした私たち委員の思いに御理解を賜れば幸いです。  私からは以上といたします。

石井章日本維新の会

○委員長(石井章君) ありがとうございました。  次に、濱田参考人にお願いいたします。濱田参考人。

濱田正晴元オリンパス株式会社社員

○参考人(濱田正晴君) 五年前にこの場に来まして、そのときはオリンパスの現役社員でしたけど、二〇二〇年六月、その後、定年退職して再雇用の後、二〇二一年三月でオリンパス退職して、そして今は法律事務所の方で研修の講師をやっております。  そういう意味で、衆議院はいつもなくて参議院ということで、参議院には呼ばれるので、そういうことでは、今の状況ですね、要するに今の改正法案がもう可決するという、非常に残念ながら、その寸前になって私の当事者として話をするということは、今日来た意味は、これは何といいますかね、次ですね、もう次の三年後の見直しに向けての問題提起ということで、それが重要じゃないかということで本日は来ました。しかし、本来であると、ストップさせるべきです、本来であると。  しかし、その理由はいろいろありますけど。私これ、今日時系列で裁判の件、ちょっと一枚これ差し替えがありますけど、時系列で列記しましたけど。  要するに、この法律が、いわゆる民事訴訟で組織に所属して組織を訴える、例えば、大学なら大学の教授をしながら大学を訴える、消費者庁に所属しながら消費者庁を訴える、これを前提にすると、メンバーシップ型雇用のいわゆる日本文化とか、みんなで仲よくやりましょうということで、もう提訴した段階でアウトです。いや、私は、いろいろやっぱり現場は非常にシンプルなんですよね。要は仲よくトラブルなくやりたいと。  その中で、消費者庁は、はっきり言ってこれは民事訴訟前提の法律だと、これを一番大きく書かないといけないです。これを書いていないから、正直じゃないから、今いろいろと国会でも問題になっている部分がありますけど、要はもう一般的な労働者と、検討会で議論しているところが、ここがマニアック過ぎてもう分からないですよ。もうはっきり言って、簡単に言うと、弁護士とか専門家が通報すると勘違いしているんじゃないかと。  我々とか、いわゆるビッグモーターの件もありましたけど、いわゆる修理工場の従業員とか、そういう人たちが、よく分からない人たちが良心を持って通報するわけで、そんな立法事実、私は裁判やっていろいろ勉強を、後ろの中村先生の方から勉強させていただきましたけど、結局普通の労働者は分からないですから。結局、善意を持って通報したら、はまってしまってこれで裁判って。私のところにも、今法律事務所でいろいろ相談も受ける形は取っていますけど、ちょっともう多過ぎて手に負えないという状況があります。  これはどういうことかというと、今回検討会で一番問題だったのは、委員の構成が極めて不透明、要するに、政府がやることに対して、国民に対して、この選定基準で委員を選びましたということでやっぱり透明化しなければ、結局はこの、何といいますかね、要は何で通報経験者が一人も入っていないんですかと、その質問さえもできないし、それで、記者の方、消費者庁記者クラブの記者の方が消費者庁に、濱田さんの判例って、いわゆる内部通報をめぐる配転命令を違法にした、いわゆるこれは裁判例でなくて判例ですから、いわゆる今、京都とかいろいろ弁護士会に講演行ったら、弁護士会、今実務で使っているんですね、この判例を。そんな重要な判例を、ある記者が言ったのは、古いからと言われたと。いや、これはずれていまして、いわゆる消費者庁が選ぶ軸というのは、いわゆる判例、裁判例の軸は、古い新しいじゃなくて、何が重要かですよ。  要は、これだけここに資料を出して、私自身が結局この後人権救済申立てをしたときの記者会見、これ当時のものですから、ここまで追い込まれたという、それも生々しいのは、なかなかもう、これから多分三十日かそこらで可決するんでしょうけど、それまで、今回は私の口からはしようがないとは言いません。しかし、今回は裁判をやることが前提である法律は、はっきり言って日本社会では、できれば裁判やりたくないんですよ。それを、基本的には組織に身を置いてですよ、それで裁判やらないと、あっ、じゃ、組織に身を置いて公益通報者と認定されたら、その後も、もう苦しくて辞めても公益通報者のままですと言うんだけども、だけど、それはそうかもしれないけど、辞めたら今度、保護するといって戻るというふうになった。これまた労働法ですよ。じゃ、どうやって戻るんですかと。  もう一つ、二番目の問題点とすると、この公益通報者保護法の保護という名前付いているけど、いや、いろいろと委員会やった委員の方に聞きたいですけど、保護って何ですかと。保護って何でしょうかね。私の場合は原職復帰だったですよ。しかし、裁判やって最高裁で勝っても、何をやっても、裁判では、裁判長から和解のところで、一審では敗れましたけど、高裁で逆転勝訴して、裁判官からいろいろ聞きましたよ。親切な裁判官もいて、濱田さんね、これ元に戻るという請求は、職場を、日本の、我が国ではできないんですと。じゃ、どういうことですかと裁判官に聞いたら、いや、今働いている職場にて働く雇用契約上の義務がないことの確認請求ですから、その後勝ったら、申し訳ないけど、会社ともう一回話してくださいと。ええっと思いましたね。  こんなことを前提にしていて、いわゆる、私が一生懸命、後ろに中村先生、弁護団長でしたけど、高裁の、これ、裁判官の顔が見えなくなるぐらいの、特に高裁ではこんな資料にもうなりまして、私としては、もうそこで集中しながら、会社側の弁護士が何を言っているかも、別に敵味方関係なく、もういっそ勉強してやろうと思ったら、一番衝撃的なのが、ガイドラインとかありますよね。それで、ガイドラインに違反していると言ったら、向こう側の弁護士から、いや、ガイドラインというのは別に法的拘束力は何もないから関係ないという趣旨のそういう主張で、いや、無断漏えいしたから、個人情報保護法、これに違反してて、いや、それは罰則規定だから民事とは関係ないと。いや、勉強になるなと思いながらですね。  というふうに考えると、まず、強調した裁判前提というところ、これがある限りは、今回、私もうはっきり言って何点ですかという、前回も私ずっと聞いていましたから、そのときに私の評価は、刑事罰を、解雇と懲戒、入れたの、これは労働契約法でもう厳しくなっているわけですよ。厳しくなって、いろいろ何か説明聞くと、厳しいけど、配転命令は、いや、そんなのなくて、企業裁量権あるからそれは入れれないと。  こうなるんだけど、結局、よくあるじゃないですか、二つに刑事罰が入っていなかった方がまだよかったんですよ。なぜかというと、水の理論ですよ。結局、報復というのが、日弁連という一生懸命やっているところが、いわゆる報復の形態は事実的な不利益と、それと配転というのがもう相談ではナンバーワン、ツーと。ということは、水道の水でいうと、そこのホースの蛇口が太いわけですよ、報復の。で、こっちの解雇と懲戒というのは細いわけですよ。ということは、どういうことかというと、いわゆるこの細いところでも、何とかここでいわゆる報復しようとしてもできないから、細いながらのこっちも全部こっちに来るじゃないですか、太い方ですね。これ、水と一緒ですよ。  そうすると、今度、弁護士、もう弁護士の先生も、もう日弁連も日本労働弁護団もいろいろ今回の問題点言っていますけど、要は配転命令でやられると救済できないと。それは、東亜ペイントの最高裁判例、これ昭和五十六年かその辺りの、いわゆる単に転勤の話ですよ。そこから職種とかなんとか含めたところで業務上の必要性がいわゆるないことを労働者は立証をしなければいけない。不当な動機、通常甘受すべき程度を著しく超える不利益、この三つが私が何で立証できたかといったら、一言で言うと執念ですよ。  いわゆる裁判官というのは、基本的には条項の枠組みに当てはめるのは得意なんですけど、ないところでやるのは駄目なんですよ。ということはどういうことかというと、結局、立証責任の転換といって、皆さん国会議員の方々勉強していると思うけど、私はこの意味が分からないんですよ。なぜかというと、裁判になると、配転命令でも立証しなければ負けますから、会社も。それで、私、弁護士の先生に、これどういうことですかと、昨日もこの後ろの中村先生に聞いたら、いや、これは推定規定を言うんだと。いわゆるグローバルでいろいろ私も働いていましたから、ニューヨーク赴任も含めて、やっぱり韓国とかいろんな国で推定規定ということをすると、結局そこのところで、結局はいわゆる立証責任の転換という意味は、そういう推定規定を設けてそこに基づいてというような、そういう形だというね。  そういう形だから、今回、立証責任の転換が配転命令に入っていないことと、もう一つ、二つに刑事罰付けたんだったら、さっき言った太いホースも塞がないと、これはもうえらいことになるという意味で、大変申し訳ないけど、今回、私、検討会、最初の委員の構成からして不透明、これ減点。二番目が通報経験者一切入っていなくて、判例とかその辺の扱いも、これオリンパスの内部通報事件、産経新聞が、オピニオンスライス出ていますけど、要するに日本初のいわゆる判例ですよ。これは後の裁判を拘束する判例ですから、高裁以上ですから。いわゆる裁判例と判例という違いも裁判やりながら、やっぱり弁護士の先生から私も勉強して、それで、いろいろ弁護士会では使っていると。これを一切資料にも入れない、消費者庁から重要なこととして検討のテーブルにものせない、そういったことの中で生まれた、このホースの二つのところをぷちっと刑事罰ということで、いや、一歩前進といいますが、私はこれは百歩後退ですね。百歩……

石井章日本維新の会

○委員長(石井章君) 濱田参考人、時間が来ましたので、まとめてください。

濱田正晴元オリンパス株式会社社員

○参考人(濱田正晴君) 三十四分まで。

石井章日本維新の会

○委員長(石井章君) ああ、大丈夫ですね。

濱田正晴元オリンパス株式会社社員

○参考人(濱田正晴君) 大丈夫ですよね。いや、私は見ていますから、大丈夫ですから。いや、びっくりしましたよ。私はタイムマネジメントはもうしっかりやるタイプですから。いや、これ、今の時間、ちょっとバックしてもらいたいぐらいです。よろしくお願いします。しっかりしてくださいね。  ということで、いわゆる、そういう気持ちを持って、この前のところでも田村議員とか、これ衆議院であったのは、質問しても、もう何ですか、これはということで、もうはっきり声が震えていたのを見て、いや、こんなに一生懸命やっている議員もいるのに、国会もうどうなっているのかなというふうに思った次第で、あと、石川議員も、いわゆる私が今言ったような同じような懸念を示したじゃないですか。だけど、そういったこと自体に対しても、結局配転命令を説明しないといけないけど、そんな法律はないと。だけども、それを、それをオリンパスはやりましたよ。ちゃんと説明しましたよ。だけど、要するに、オリンパスとかそんな大企業では、いわゆる事務所も大きいですから、結局そこら辺はちゃんと指南してくれますよ。ですから、いかにもという説明しますよ。  それが私の、いわゆる二〇〇七年とかそういう内部通報した頃の話ですから、そういう意味からすると、結局、石川議員の言われていたこともいわゆる当然のことだけど、いわゆる説明云々かんぬんではいけないと。となると、やっぱりまとめていくと、やっぱり裁判前提というところは何としてでもやっぱりなくしていかぬといかぬと。  ということと、あとは配転命令、ここのところへ、二つ刑事罰付けたんだったら、こっちも刑事罰でしょうと。ほんで、それも違法で、頑張って裁判やって、違法を勝ち取ったところにおいてのみの配転命令を、要は公益通報であるこのハードルも越えた、裁判のハードルも越えた、それでも配転が違法だったと、この違法をしたときにはいわゆる両罰規定において刑事罰というふうにすれば、警察も検察も、その人が持っていけば、条項に入っていればやらざるを得ないと。だから、三つセットで初めて百点ですよ。  それで、あとは立証責任の転換。これは弁護士連合会とかその辺からも強く言っていますけど、私と弁護士連合会と違う、やっぱり当事者としての苦しみを知っているので、やっぱり違いは、一歩前進という言葉、これ、私は百歩後退ですから。  そういうことで、このまま可決するんでしょうけど、いろいろ日本の文化からすると、みんな仲よく可決させましょうというような雰囲気があるのかどうか私は分かりません。しかし、国会議員の皆さんもよく分からないというのが実情じゃないかと思うので、まあそれはそれとして、今回はそういった、いわゆる私なりの問題提起をリアリティー持って残して、あと、資料がありますけど、そこは読んでください。  その上で、可決になっても、三年後、その次の見直しでは是非百点満点でお会いしたいと。あと、検討会も始まったら、是非そのときから私にこういう話をさせていただきながら、私も頑張って協力させていただきますということで、ちょっと今、時間がちょっと一分ぐらい損したかなと思うんですけど。  ちょっと、私は基本的には、最後はまとめるということで、やっぱり言うべきことは言って、あとは、やっぱり山本教授も、ある意味、労働法に関しては、ちょっといろいろ答弁聞いているとお詳しくないみたいだから、ある意味、座長をされたのはちょっと被害者的なものがあるかなというぐらいに思っているぐらいなんですよ。だから、もっといわゆるそこら辺の労働法とかその辺に強い方をしっかりやって、山本先生、一生懸命やったということは、これ拍手をもって私は心からそうしたいと。  そういうことですけど、次回に向けて、良い議論をしながら、この通報者を守るという形の法律を成長させていただきたいと思います。  以上です。ありがとうございました。

石井章日本維新の会

○委員長(石井章君) ありがとうございました。  次に、林参考人にお願いいたします。林参考人。

林尚美日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員/弁護士

○参考人(林尚美君) 林です。  今回の改正は、令和二年改正法の附則第五条の検討の規定に基づいて検討会が開催されまして、改正案が提出されているというものです。  先ほど山本先生からもお話ありましたが、私は、平成三十年の内閣府消費者委員会の公益通報者保護専門調査会の委員、そして令和二年、公益通報者保護に基づく指針等に関する検討会の委員をさせていただきました。かなり縁がありますので、これも日頃から日弁連、大阪弁護士会で公益通報者保護について研究をしておりますので、今日ここで参考人として意見を言わせていただくのを大変に光栄に思っております。よろしくお願いいたします。  まず、今回の改正案についてですけれども、濱田さんとは違ってちょっと評価をしているところはあります。  公益通報を理由とする解雇及び懲戒処分に対する刑事罰の導入をしているという点、それから通報後一年以内の解雇又は懲戒について公益通報を理由としてなされたものと推定する制度を導入しているということ、それから保護すべき公益通報者にフリーランスを加えているということ、公益通報対応業務従事者指定義務違反への是正命令及び同命令違反時の刑事罰を導入しているということ、それから公益通報者を探索する行為及び公益通報を妨害する行為を禁止しているということ、そして、一般職の国家公務員等について、公益通報をしたことを理由とする不利益な取扱いを禁止し、これに違反して分限免職又は懲戒処分した者に対し直罰制度を新設するなど、本法の実効性を高めるために必要な内容が盛り込まれているというふうに評価しております。  この点、令和七年三月十九日、兵庫県におきまして、文書問題に対する第三者調査委員会の調査報告書において、利害関係者が公益通報対応業務に関与していたということが極めて不当であるということ、それから通報者を探索した行為が違法であるということが指摘されております。通報者保護の観点から、本改正案を早急に実現していただきたいと思っておるところです。  しかし、他方で、本改正案では、配置転換や人事権行使としての降格処分について公益通報を理由としてなされたものと推定する立証責任の転換が認められていないということ、それから公益通報をするために必要な資料収集や持ち出し行為に対する民事、刑事の免責規定についての定めがないということ、公益通報にインセンティブを与える制度の導入がなされていないということ、それからフリーランス以外の取引先事業者等を保護すべき公益通報者に加えるという規定が盛り込まれていないということ、しかも、常時雇用する労働者が三百人超に限られた規定になっているところを三百人以下にも適用しようとする内部通報制度整備というのが盛り込まれなかったということ、それから小規模事業者内では安心して通報ができないということから、行政機関への通報、つまり二号通報が重要になってまいりますが、二号通報について、労働者へのより一層の周知啓発の必要性があります。ところが、それが、その手当てがなされていないということ、また、二号通報で要件緩和をされたと言いますけれども、この書面の要件は顕名でなければならないということになっております。この点で、通報者の保護に欠けているところがそのままになっているということ、問題であると思っております。  そして、解雇、懲戒処分以外の不利益取扱いに対する刑事罰の導入がなされておりません。外部公益通報受付窓口の設置を推奨することについての規定もないということです。公益通報対応業務従事者指定義務違反以外の体制整備義務違反に対する是正命令及び同命令違反時の刑事罰の導入もなされていないということで、検討課題が相当残されていると思われます。  以下、幾つかの点について詳しく説明したいと思います。  まず、配置転換についてですけれども、配置転換等が不利益取扱いとして権限濫用に当たるとして争われる場合には、公益通報者において、業務上の必要性がない配置転換であり、不利益取扱いに該当するということ、そして、それが公益通報をしたことを理由としてなされたのか、つまり不当な動機又は目的でなされたかを立証しなければならないということになっております。  しかし、配置転換は日常的に特段の理由なく人事のローテーションとして行われているのが一般的です。業務の必要性があるという事実について証拠を持っているのは事業者側であって、また、不当な動機があったかどうかという内心について労働者側が立証するというのは非常に困難です。その反面、事業者において、業務上の必要性があるということ、特に不当な動機、目的ではなく一般的なローテーションであるということを主張、立証するというのは比較的容易になっております。このように、証拠が偏在している場合に立証責任を労働者側に負担させるのは公平ではありません。  そこで、公益通報者の立証の困難性を解消し、公益通報がしやすい法体系を構築すべきであると考えます。  そこで、通報者が法二条一項に定める公益通報であることを主張、立証した場合には、事業者は当該配置転換や降格処分が公益通報以外の理由によるものであることを主張、立証しなければならないといった立証責任転換をする規定を設けるべきです。  この点、既に雇用機会均等法の第九条四項において立証責任の転換についての規定があるところは本委員会でも議論されているところです。さらに、国際的には、EU指令、フランス法、ドイツ法においても立証責任の転換規定を置いております。  次に、資料の収集や持ち出し行為についてですけれども、資料持ち出し行為については裁判で判断されたものがあります。  東京地判の平成十九年十一月二十一日、内田洋行事件におきまして、本件告発の内容である事実が真実であることを示すために必要な行為であって、その複写の方法にしても、就業時間若しくは休日出勤の際に、鍵が掛からず取り出しに事実上の制約のないキャビネットから資料を取り出して複写するというもので、社会的相当性を欠くものとは言えないから、正当行為として違法性は阻却されるというふうに判断しています。  また、大阪高裁の平成二十一年十月十六日の神戸司法書士事件では、本件通報が公益通報者保護法による保護があるかどうか、控訴人が犯罪、非弁行為ですね、を犯した、あるいはまさに犯そうとしていると信じるに足りる相当の理由があるかどうかによって決せられることになると。何らの証拠資料もなしに公益通報を行うことは困難な場合が多いから、公益通報のために必要な証拠書類又はその写しを持ち出す行為も公益通報に付随する行為として同法による保護の対象になると解されるというふうに判断がされています。  しかし、真実相当性等の立証のために、どこまで、どの証拠が必要十分であるのか、どのような証拠収集方法が相当性が認められるのかを通報する当事者が事前に予見することは困難です。先ほど濱田さんもおっしゃいました。一般法理によって事後的に救済される可能性があるということだけでは、安心して公益通報を行うことは期待できません。  そこで、保護されるべき資料収集行為の要件を明確にした上で、通報を裏付ける資料収集を理由とした民事上、刑事上の免責規定を設けるべきと思います。EU指令、イギリス、フランス、ドイツの法律におきましても免責の規定があります。  三つ目ですけれども、報奨金制度等の公益通報にインセンティブを付与する制度を導入すべきであると考えております。  公益通報者保護法は、保護要件を満たす通報をした者を不利益取扱い等から保護する規定を置いております。  しかし、通報者は、たとえ保護が及ぶ場合であっても、実際に不利益を受けてしまった場合に訴訟を提起しなくてはなりません。その場合、金銭的、時間的、精神的な負担は極めて大きいと。今、濱田さんがおっしゃったとおりです。そして、仮に勝訴したとしても、基本的には不利益取扱いが是正されて元に戻るというだけであって、弁護士費用などに要した費用は回復されないというのが実情です。  私は、通報するかどうか、通報後にどうすべきかについて相談を受けることがよくあります。弁護士としては、公益通報をすることによって発生するリスクについても説明せざるを得ません。そうしますと、最初は公益通報することを希望していた相談者の方も、リスクを考えるともう公益通報することを断念するという方もいらっしゃいます。珍しくありません。公益通報を行うことは経済的には何のメリットもなく、むしろマイナスでしかない、そうであれば、組織内の不正を認識しても公益通報をしないという結論に至るということなんです。  このように、潜在的な通報者は相当程度存在していると思います。この現状を打開するためには、公益通報者の経済的な不利益を払拭して、経済的なインセンティブを与える制度を導入し、公益通報者に負担が過度に偏った現状を是正する必要があると思っております。  具体的には、一つ申し上げますと、労働基準法に、百十四条に定められている付加金制度を参考にして、公益通報に関して同趣旨の制度を設けるということが考えられております。  例えば、公益通報を理由とする不利益取扱いを理由とする解雇、降格、減給などがなされて、それが無効であると判断された場合、未払賃金が発生しております。未払賃金に加えて付加金の支払も命じることができるという規定にするということです。その場合には、公益通報が公益に資する行為であるということに鑑みて、付加金の額を未払賃金の二倍若しくは三倍にするということにして通常の未払賃金の訴訟の場合よりも多くするということ、付加金の支払を必要的にするということが考えられます。このような制度を取り入れることによって、通報する人が通報しやすくなるという状況になるのではないかと考えているところです。  次に、フリーランス以外の取引先事業者についてです。  今回、フリーランスというのが通報者として保護されるということが入りました。しかし、フリーランス以外の継続的な取引関係にある自営業者等の取引先事業者を保護の対象とすべきであると考えております。すなわち、相手方事業者の不正を知り、通報しようとする者が、事業者との間で雇用契約がないということで労働者等には当たらないので、公益通報したとしても保護されないと、事業者からの不利益取扱いを恐れて告発することができなかった事案は多く存在しております。また、事業者が通報したことによって不利益を受けたという西宮冷蔵の事件等もあります。  事業者との関係を雇用関係あるいは役員という地位に限定して解釈するのであれば、通報者として保護される者の範囲が狭まってしまい、その結果として不祥事発覚を遅らせるということになりかねません。通報者の範囲というのは、通報することによって不利益な取扱いを受けるか否かによって判断すべきだと思います。また、通報する人というのは不正を知り得る人という範囲にすべきであると考えております。  この点、EU指令では、業務に関連して違法な事実に関する情報を取得した個人事業主、ボランティア、請負業者、下請業者等の監督と指示で働く者等に適用されるとしているところであります。我が国においても、EU指令のように、通報者としての保護を対象とすべき範囲は拡大すべきであると思っております。通報により現に不利益な取扱いを受けるおそれのある継続的な取引にある自営業者等の取引先事業者も含めるべきであると考えております。  このように、検討すべき事項が残されておりますので、本委員会においてよく議論をしていただきまして、より公益通報をしやすい法律になることを祈念しております。  以上です。

石井章日本維新の会

○委員長(石井章君) ありがとうございました。  以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。  質疑のある方は順次御発言願います。

神谷政幸自由民主党

○神谷政幸君 自由民主党の神谷政幸です。  本日は、参考人の皆様、大変貴重なお時間をいただき、また非常に幅広い様々な御意見を頂戴したことをまずもって感謝を申し上げます。  その上で、まず濱田参考人に御質問させていただきたいと思います。  先ほど、参考人のお話の中で、一歩前進は百歩後退であるというお話がありました。そういった中で、今回この法案が出てきたことに対して、更にまた完成された形で次にお会いしましょうというお言葉があったように、とにかくしっかりと進めていくということはまずもって必要なことであるというふうに思っております。  その上で、濱田参考人の過去のインタビュー等を拝見させていただきました。そういった中には、経営トップ自らが法令遵守のみならず企業倫理を含むコンプライアンス遵守に関して話をして通報をしてほしいと、トップが発信をする、これは部長とかそういうものではなく、トップが言うことが大事であるというようなお話、インタビューを拝見をしました。また、その中には、公益通報制度の基礎の研修の実施の重要性といったことに関しても触れておられたというふうに記憶をしております。  まず、根底には、通報者から、そういった場合、会社に対する信頼がなければならないというふうに思います。しかし、一方で、通報者にとって全く、当然ながら経験がないことでありますし、知識もないというふうになる、さらには自分にとって不利益になるのではないかということになりますと、なかなか一歩を踏み出すことは容易ではないというふうに思います。  だからこそ、濱田参考人が御指摘されたような経営トップ自らが発信をしていく、それは部長とかではなくてやはり一番の責任者が発信をしていくということや、基礎研修で知識や制度にふだんから触れていく。恐らく、ふだん業務に従事している人はなかなかそういったことに触れる機会がない、自ら取りに行くということもなかなかないと思いますので、そういった機会に触れていくということが非常に必要なんだと思います。    〔委員長退席、理事石川大我君着席〕  この点について、濱田参考人からそのお考えを更に詳しくお聞かせいただけないでしょうか。

濱田正晴元オリンパス株式会社社員

○参考人(濱田正晴君) どうも御質問ありがとうございました。  まず、経営トップから顔出しでというところは、大阪弁護士会の今日お配りしているオピニオンスライスとか、それにも記載させていただいていますけど、結局、一言で言うと、その話というのは、トップのやっぱり現場とのつながりなんですよね。  要するに、なかなか、そのコンプライアンスのジャンルに行くと、コンプライアンス室とかそういったところで止まってしまって、そこの部長とかそういったところにすると、結局従業員からその先が見えないので、やっぱりよく言われてなかなかできない企業が多い風通しを良くするという意味では、やっぱりトップがちゃんといつも見ているよということで、私さっきいろいろ陳述で言いましたけど、私はやっぱり仲よく仕事をすると。要するに、労働者ががんがんじゃなくて経営者がいわゆる報復するという、そんなところばっかりとか、そういったところばっかりじゃないと思っているんで、だから未然に裁判とか防ぐためにも、そういう経営者ともう本当の工場の労働者とかそういったところのつながりが大事だと、信頼関係というその手段として申し上げました。  それと、あとは、もう一つは、あれっ、キーワード何でしたっけ。(発言する者あり)あっ、研修、済みません、そうです。  研修は、やっぱり非常に重要なのは、さっき私申し上げたように、この公益通報者保護法は、消費者庁の方もいろいろ頑張られているんだけど、やっぱり難しいんですよね。日々いわゆる総務とか人事とか、私も最後オリンパスは人事本部にいましたけど、やっぱりいろんな相談が来るんで、やっぱりその中の公益通報に該当するのはこうなんだよというところを外部のいわゆる講師、いわゆる一般的な話だけではなくてやっぱり実体験者である、今私は現にやっておりますので、今例えばそういう研修が重要だというのは、やっぱり公益通報者保護法がよく分からない。だから、結局、通報する側だけじゃなくて受ける側も、いわゆる何をどういうふうに処理していいか分からないというところをやっぱり優しく教えるというですね。  今ちょっと私、例で今日新聞来て、今日そちらに添野会長っているんですけど、今ビッグモーターの件受けまして、中古車業界の、この前なんかはいわゆるJU埼玉、小売業界のいわゆる組合ですね、そこのところで、いわゆるJU埼玉で、JUというのはジャパン・ユーズド・カーということで、適正販売というところで、そういったところで研修を先月ですかね、やりまして、そういったところでもやっぱり肌で感じるのが、非常にやっぱりそういったもうイロハが分からないと、公益通報の。  そういったことにおいては、やっぱりそこを優しく教えるように、できれば消費者庁の皆さんにもそういった場にやっぱり行って、やっぱりそこを優しく、単に広告とかなんとか、この前の委員会の話でも出ていましたけど、そういったのだけじゃなくて、現場に身を置いていただいてやるということをやると、研修というのが更に消費者庁と一緒になって頑張れて効果を生むんじゃないかなという感じでしております。  以上でよろしいですか。

神谷政幸自由民主党

○神谷政幸君 濱田参考人、ありがとうございます。  私も以前、いわゆる大企業に勤務をしていたことがありまして、そういったときにいわゆるコンプライアンス室の相談のカードというものが配られまして、それを常に全社員、同期も含めて持ち歩いていたということを今思い出しました。  そういった上で、それが一つの手段として必要でありますし、そういったものあったんですが、今お話をお聞きして、トップが常にメッセージを出していることによって、常に見てくれている、その先にトップの顔があるんだということは非常に重要だと思いましたし、それと同時に、受ける側もどう対処していいか分からない、処理していいか分からないというようなこともあるというお話がありますので、恐らくそういったトップがメッセージを発していることによって、受ける側も更にどういう対処が必要かということを考えていくということにつながるかというふうに思いました。そういった点でも、今お話をいただいて、いわゆるトップの顔が見えて、そういうことを社内でしっかりと文化として醸成していくということが非常に必要なんだということを理解いたしました。ありがとうございます。  では、その醸成ということに関連をしまして、山本隆司参考人に続いて質問をさせていただきたいというふうに思います。  山本隆司参考人におかれましては、平成三十年度の消費者委員会に置かれた公益通報者保護専門調査会での座長経験もされまして、今回の法改正案に至るまで長いレンジで検討をされてきたというふうにお話を伺っております。だからこそ、公益通報者保護を前提としつつ、現状の我が国の中での環境整備の進み具合、また国際的な動向を見つつ進めてこられたというふうに理解をいたしました。それは同時に、公益通報者を保護することをしっかりと促進していくということと事業者の組織が適切に運営されるということの両方を見据えながら、極端にバランスを欠くことがないように十分に配慮をされて検討を進めてこられたのだというふうに思っております。  今回の改正では、このような問題について法律に一定の規定を置くことが適切かどうか、また、公益通報者保護制度の中の各要素のバランスにも留意をされておられるというふうに感じております。この組織を適切に運営をしていくということとバランスを取ることは、これ非常に難しい面もあるかと思いますが、この点において難しさは一体どこにあるとお考えなのか、また、今回、山本参考人が留意された点について更に詳しく教えていただければと思います。

山本隆司東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(山本隆司君) 今の御発言について申し上げます。  公益通報者保護法はいろいろな面を持っております。通報者を保護するということはありますし、それから社会全体において通報を通じて法が実現されるようにすると、違法行為をなくしていくということがあると思います。そして、もう一つ重要なことは、言わば企業のガバナンスの在り方ですね、これを良いものにしていくということがあると思います。例えば体制整備義務に関する規定などは、まさにストレートに企業として備えるべき標準的なガバナンスの体制について定めているということかというふうに思います。  それで、ということがありまして、バランスということでございますが、これは本当にまさにいろいろあるのですけれども、先ほど来議論がございます不利益取扱いに対する刑事罰の問題ですね。これにつきましても、国際的な動向に鑑みましても、あるいは日本の現状に鑑みましても、そして今回の場合には事業者側からも、やはり不利益取扱いに対して刑事罰を導入するということが、やはり企業のガバナンスの在り方、国際的に信頼をされる企業の在り方としてもやはり必要だろうということを理解いただいたということがあって、刑事罰の導入ということが可能となりました。これは平成三十年の議論の時点では全く考えられなかったことです。これは、林参考人も御存じだと思いますけれども、およそ議論ができなかったという状況でした。これが今回大きく変わったということであります。  ただ、その範囲をどこまでにするのかと。今回は解雇、懲戒というところまでにしたわけですけれども、ということになりますと、先ほど来の議論がありますように、労働法制全体といいますか、あるいは労働政策全体の在り方、それから企業の実態あるいは労働関係の実態というかなり大きな話になるといいますか、公益通報に限らない話になってまいります。それは、確かに今後議論をしていく必要があるテーマであるというふうに思いますけれども、今回その公益通報者保護法の改正の中でそれをしていくというのはなかなか難しい面があったということでございます。  この辺りがバランスという点で、ほかにも、先ほどございました情報の問題ですね。資料の持ち出し等の問題に関しましても、確かに公益通報するためにはそれが必要になる場面があるということがある一方で、企業としては個人情報の取扱いであるとか、あるいはその他、企業の情報の取扱いに関して十分注意をしなくてはいけないと。これもうまさに社会的な要請でありますので、そこのところでどのようにバランスを取っていくのかと。一般規定として、資料の持ち出しの場合の免責規定を入れることが適切かということを考えたということでございます。  このようにいろいろ考慮要素があって、非常に苦労したということでございます。  以上です。

神谷政幸自由民主党

○神谷政幸君 山本参考人、ありがとうございます。  平成三十年では全く考えられなかった刑事罰の導入等も進んだということで、少し、一歩一歩前進をしているのかなというふうに感じました。  その上で、重ねてお尋ねさせていただきますが、先ほどのお話の中で、日本の現状では、配置転換が人材育成や適材適所の観点から今回、その不利益取扱いに当たるかどうかの判断が容易ではないというようなお話もありました。  先ほど少し触れさせていただいたように、私自身、いわゆる全国転勤のある企業に就業していた経験もありまして、また団体の役員というのも経験があります。  そういった上で、いわゆる裁量側が適材適所や人材育成を考えて配置することが本人の満足と一致するというのは極めて少ない、極めてというか、余り多くないのかなというふうにも感じております。例えば、周囲から見て羨ましがられるような職場に異動したとしても、本人は決して満足しないというケースもある。その一方で、やはり、就労者へのアンケート調査等で、通報経験者の後悔と不利益な取扱いを受けたと感じる内容では配置転換が多いということも事実であります。    〔理事石川大我君退席、委員長着席〕  そういった上で、公益者通報保護を大前提として、今回の検討会の中でも、そういった実情も踏まえて配置転換の問題に関しては様々な意見が出たかと思いますが、先ほども少し触れていただきましたが、改めて、今回の議論の推移と参考人のそれに対する御意見を更に詳しく教えていただければと思います。

山本隆司東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(山本隆司君) 今御指摘がありましたように、配置転換に関しましては、これはいろいろな意見がございました。  一つには、今回、その解雇あるいは懲戒について、立証責任の転換あるいは刑事罰を入れたことによって何か配置転換の方に行ってしまうんじゃないかというような議論もございました。  ただ、この点に関しましては、一つは、立証責任の転換に関しましては、確かにこれは、要するに分からないときにどちらに判断をするのかという問題ですので、普通は白か黒かというふうになかなか割り切れないところのゾーンの話です。解雇あるいは懲戒について立証責任の転換が行われたということによって、立証責任は配置転換については確かに転換されないとしても、主張や立証はしっかりとやっていただいて、それで裁判所がそこのところを注意して見るというような効果は出てくるだろうというふうに考えました。  それから、刑事罰の方は、これは黒か白かはっきりしている話で、配置転換の場合にはおよそ刑事罰は科されないということになりますので、そういうことではあるのですけれども、これは要するにメッセージの仕方が非常に重要になってくるかというふうに思います。  つまり、消費者庁の方で、もし今回その法改正が成りましたら、通報を理由にした配置転換は別に許されるという意味では全くないわけですね。これは違法だというふうに法律の中にも書いてあるわけでして、それが極端な解雇とか懲戒という形を取ったら刑事罰まで科されるものだと、それだけ違法な行為なんだという形でそのメッセージをしっかりと出していただくということが重要なんじゃないかというふうに思っております。  議論の推移に関しましては、先ほど申しましたように、我が国の労働関係の実態であるとか、それからその労働法制の全体を見たときにどうなのか。確かに公益通報者保護をするという視点も重要なんだけれども、そういった実態であるとか労働関係全体について考えると、なかなかそこまで行くのは難しいという形で議論が結論を得たということでございます。

神谷政幸自由民主党

○神谷政幸君 山本参考人、ありがとうございました。  林参考人、時間がなくなってしまい質問できず、申し訳ありませんでした。EUの事例等も参考にして、しっかりと公益通報者保護を進めていきたいと思います。  ありがとうございました。

田島麻衣子立憲民主・社民・無所属

○田島麻衣子君 立憲民主・社民・無所属の田島麻衣子と申します。  本日は、三人の参考人の方々、本当にどうもありがとうございました。  特に濱田参考人は、実体験に基づく、本当にもう魂の訴えのようなものを私感じまして、決してこの我々が今聞いたことを三年後の見直しのときも忘れてはならない、このように感じました。  まずは、山本参考人にお聞きしたいんですけれども、公益通報者保護制度の中で保護とは何であるかということを是非とも聞きたいという質問、声が濱田参考人の方からありました。是非とも、私、代表しまして山本参考人にお聞きしたいんですが、ずっとここで座長も務めてこられて、専門家だと思いますが、山本参考人はこの保護というのは核心は何であるというふうにお考えになっていらっしゃるでしょうか。

山本隆司東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(山本隆司君) 御質問ありがとうございます。  先ほど議論がございましたように、公益通報者保護法というのはいろいろな面があると思います。つまり、労働者と事業者との間の関係の問題、それから社会全体の問題、それから事業者としての組織の問題と、いろいろあると思います。  保護というのも、したがって様々な段階があるというふうに考えております。つまり、一番その最後のところからいいますと、不利益取扱いを受けた場合の保護という問題があると思います。しかし、その手前には、通報がちゃんとできるような、そういった不利益取扱いを受けるといったような懸念がないような形で通報ができる体制をつくるという面が重要だということがあります。それから、そういったことを消費者庁あるいは社会全体で共有していくということがあります。  ですから、それはどこの局面が一番重要かということはなかなか言い難いかと思いますが、要するに、そういった段階段階のところをきっちりと制度上つくっていくことが重要なんじゃないかというふうに思っています。

田島麻衣子立憲民主・社民・無所属

○田島麻衣子君 ありがとうございます。  今、山本参考人から、一つの保護として、不利益取扱いを受けたときの通報者の保護だということを御教示いただいたと思うんですけれど、この国会の質疑でもずうっと出てきているのが配置転換を受けた場合の立証責任なんですよね。  そのときの理由として、山本参考人も御説明していただきましたけど、日本はメンバーシップ型雇用であり、海外はジョブ型雇用である、この日本の特殊性があるんだということをおっしゃっていて、それも政府の答弁もほとんど同じであるというように感じるんですが、私は日本企業は監査法人で働いて、その後、欧米人がほとんど、物すごくたくさん多い国際機関で仕事をしてきました。海外ではそれこそジョブ型で、仕事をもらうとジョブディスクリプションというのをもらうんですよね。それを基に仕事をするので、ジョブ型であるということを私も納得しているんですが、実際に、じゃ、転勤がどうであるか、それから組織に対する忠誠心等はどうであるかといったら、私が経験した限りでは真逆だったんです。  例えば、国際機関では、私はイタリアとラオスと、イタリアとアルメニアとエジプトと南アフリカ、転勤になっていますから、海外の企業というのはジョブ型だから転勤がないというのは、私はどうしても納得はいかないです。よっぽど日本企業の皆さんの方がどんどんどんどん会社を変えて、会社に対する忠誠心や一生働いていくんだという気概というのは私は感じられなかったんですね。  なので、この日本の特殊性という言葉が出てくるたびに、私は何か経営の教科書を表層的に追っているような気持ちになるんです。実際に本当に海外の組織で働いたことがある、また日本の組織で働いたことがある人がそれを述べているのかどうか、私はやっぱり腹落ちできないんですよね。  山本参考人にお聞きしたいんですが、この配置転換で立証責任、これは会社側にあるべきではないかと、私もそうあるべきではないかなと、今、水の理論を聞いていて思うんですけれども、これをやらない理由として日本の特殊性ということを挙げる、これは本当に正しいことであるというふうにお感じになりますか。

山本隆司東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(山本隆司君) 御質問いただきましてありがとうございます。  恐らく、直接的なその理由としては、配置転換を行う場合に企業側に裁量権がかなり認められているということがあると思います。その背景としては、日本の場合にジョブ型ではないということがあって、したがって、その合意がベースラインになって仕事の内容等が決まるという仕組みではないということがあるという関係かというふうに思っております。  それで、実態がどうかということに関しましては、確かに、日本でも実態は本当にいろいろだろうというふうに思っております。したがいまして、日本型だからどうというふうに簡単に割り切れないということも確かです。  ただ、不利益取扱いに関しましては、結局全部の企業がやはり対象になってくるということになりますので、したがって、確かに事業者、企業によってはジョブ型が進んでいるとか、あるいはそれに意識が近づいているということはあるかと思いますけれども、これを制度にするということになるとなかなか難しいのではないかということでございます。  先ほど申しましたように、特に立証責任の転換については、配置転換の場合についても、今回、懲戒、解雇について転換をするということによって一定の効果、影響は出てくるのではないかというふうに考えております。(発言する者あり)

石井章日本維新の会

○委員長(石井章君) 挙手をして。

田島麻衣子立憲民主・社民・無所属

○田島麻衣子君 はい。  ありがとうございます。  山本参考人御自身の言葉で日本型と割り切ることができないということをいただきまして、私も、海外はこうだ、日本はこうだと言うのは非常に危ういなと思っていたので、非常に有り難く思いました。  三年後の見直しに関しても、こうしたやり取りが国会であったということ議事録に残りますから、引き続き皆さんで、検討会の皆さんでも参考にしていただきたいなというふうに思います。  次に、濱田参考人に伺いたいと思います。  もう非常にエネルギッシュで、あれだけつらい経験をされてきたと思うのに、物すごい高いモチベーションを私はすごく感じるんです。まず、この高いモチベーションというのは一体どこからきているのか、ちょっとそれを伺いたいと思うんですが、いかがでしょうか。

濱田正晴元オリンパス株式会社社員

○参考人(濱田正晴君) 性格です。

田島麻衣子立憲民主・社民・無所属

○田島麻衣子君 ありがとうございます。  そして、このやり取りを聞いている中でも、今、公益通報者保護制度を利用しようかな、又は利用しながら苦しんでおられる方々というのはたくさんいらっしゃると思うんです。もし濱田参考人からそうした方々に何かお声掛けやメッセージを伝えることができるとしたら、どんなことを伝えたいですか。(発言する者あり)

石井章日本維新の会

○委員長(石井章君) 挙手を。

濱田正晴元オリンパス株式会社社員

○参考人(濱田正晴君) はい、済みません。  今の法律のままでは、やっぱりどうしても配転命令の部分がネックになって、弁護士が救済できないということ。  私の勝訴は、もう私自身は、さっき言った性格と執念と奇跡というふうに思っているから、結論を言うと勧められないと、通報はやめられた方がいいと言うほかないですね。  そういうことはどういうことかというと、結局、それを、そうなるということは、公益通報をやっぱり奨励しているということにブレーキが掛かるということで、そういうことは言いたくないんだけど、やっぱりこれ、いわゆるこの裁判というのを目の前に、やっぱり経験これだけすると、それを、ほかの人が濱田正晴の性格と執念と、あとは、いわゆる海外に出したといって、やっぱりちょっとストラテジー、戦略家なので、そういったところにはまるとがあっといくタイプなんで、そういったことが、簡単に言うと、こういう闘いがある意味好きじゃないとできない。そうなんですよ、好きじゃないとできないですよ。  だから、普通の、好きでもやっぱり勉強は相当しましたから、そういった、ある意味ちょっと特殊な私が能力があるわけじゃないけど、やっぱりそういうモチベーションを自分で高めていく。いわゆる、何といいますかね、干されたら干されたなりに、仕事しなくても給料がもらえるんだから、それは、いつもいつもばかだの何だの会社で言われていれば、行って帰ってで、それで帰ったら一生懸命裁判に集中できるじゃないですか。それまで海外、ニューヨークとかいわゆる韓国、中国、もういっぱい、あるいはケベック行ったりしていたので、そういうところを、簡単に言うと気分転換をぱちっとできるというね。ただ、そういう性格かどうかは、皆さん、私分かりませんから、だから、総じてやっぱり日本人気質ですとちょっと無理なのかなという感じです。

田島麻衣子立憲民主・社民・無所属

○田島麻衣子君 ありがとうございました。  労働者の保護の観点からは勧められないというのは、非常に私は重い言葉だなというふうに思ったんですが、先ほど、この保護制度というのは多面的、多層的な目的があるんだということを山本参考人から伺いました。  次に、林参考人に伺いたいんですが、この目的というのは、労働者保護と同時に、企業の中で違法行為を防いだりとか正義を守っていくということも目的の中の一つとして考えられるのかなというふうに思います。  実際に実務として法律の専門家で仕事をされてきて、この公益通報者保護制度に関わってこられて、林参考人の観点から、どの程度この制度は企業内における不公正や不正義というものを防いできたというふうにお感じになっているか、もしよかったら御教示いただきたいというように思います。

林尚美日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員/弁護士

○参考人(林尚美君) どの程度効果があったのかというと、ほとんどなかったのではないかと思っているところです。  それは、それはですね、私が相談を受ける人というのは、こんな不正があるからどうにかしたいというふうに相談があります。それで、その方のために活動しますけれども、改善されないということは余り機能していないということですので、相談に来ない人たちはみんなうまくいっているのかもしれません。そういう観点からは、うまくいっていないなというふうに感じております。

田島麻衣子立憲民主・社民・無所属

○田島麻衣子君 非常に現場に根差した厳しい発言をどうもありがとうございました。分かりました。  最後に、山本参考人にまた質問させていただきたいんですが、前の国会の質疑で、この法案の質疑で、公益通報者保護制度を正しく運用しない地方自治体の首長の方の、どう消費者庁は指導するかというやり取りがありました。兵庫県の齋藤知事だということもずっとおっしゃっておられるので、そうなんだろうというふうに思うんですが、消費者庁の答弁では非常に歯切れが悪いんですが、この分野の専門家の見地から、この保護制度を正しく運用していない地方自治体があった場合、その首長に対して国はどのような指導ができるんでしょうか、教えていただければと思います。

山本隆司東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(山本隆司君) ありがとうございます。  国と地方公共団体の関係に関しましては、これは前の衆議院の際にも申し上げましたけれども、基本的に地方自治法の規定に従って技術的助言、勧告等々を行うということになろうかと思います。  これはそのときにも申し上げたんですが、公益通報者保護法の話というのは、結局その組織の内部管理の問題になってまいりますので、一般的に申し上げれば、やはり国が地方公共団体に対していろいろなことを言うという場合には、慎重にしなくてはいけないということがあろうかと思います。それで、地方自治法の枠組みにのっとってそれをやっていくということになるのではないかというふうに思います。

田島麻衣子立憲民主・社民・無所属

○田島麻衣子君 ちょっと二十分までまだ時間があるので、更問いで伺いたいんですが、もし助言や勧告に従わなかった場合、国は何ができるんでしょうか。

山本隆司東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(山本隆司君) 制度上は、是正の要求という、つまり違法行為があったときにその違法状態を是正するようにと言うことができるということになっております。  ただ、この是正の要求は、個別のその事案ごとに違法状態があるかどうかということの調査それから判断をしなくてはいけないということになりますので、一般的なその解釈を示すという場合と違って、国がかなり突っ込んだ調査をしなくてはいけなくなるということがございます。そういたしますと、ますますその地方自治の観点から果たしてそれが妥当なのかということを考えなくてはいけなくなるということかと思います。

田島麻衣子立憲民主・社民・無所属

○田島麻衣子君 ありがとうございました。私の質問は以上で終わらせていただきます。

高橋次郎公明党

○高橋次郎君 公明党の高橋次郎と申します。  本日は、参考人の皆様におかれましては、当委員会に御出席いただき、貴重な御意見を賜ることができまして、誠にありがとうございました。  特に、濱田参考人におかれましては、孤独とか絶望といった心の葛藤とも闘われたことと思います。政治に携わる者として、濱田参考人を始め一人で闘争を開始された皆様の御苦労をしっかり胸に刻み、今後の活動を進めてまいりたいと思います。  まず初めに、濱田参考人にお伺いをいたします。  資料等によりますと、内部通報を最初にされて、通報後にコンプライアンス室から情報が漏えいをし、配置転換という不利益を受けられたというふうにございました。この経験から、その通報の窓口の守秘義務、これ実効性の確保のために、どのような仕組みがあったらその最初のとき確保されたか、もしそのときの御経験踏まえてお考えがあったら、教えていただきたいんですけれども。

濱田正晴元オリンパス株式会社社員

○参考人(濱田正晴君) これはもうシンプルな、結論から言うと、やっぱりインフォームド・コンセントですね。要するに、きちんとそこで承諾を、要は、調査できないのであれば、承諾を取ったら取ったということでちゃんと取っておくとか、それでも承諾取れないということだったら、やっぱり調査はここまでしかできないということで、結局そこで開示していいかどうかというところをしっかり書面で残しておくということが重要だというふうに思います。  それが、やっぱり私の裁判、私の内部通報の場合はそういったのが一切なかったので、裁判では承諾があった、あったと。で、一審ではあったになっちゃったんですよね。ところが、証拠が一緒なのに、二審では、控訴審ではなかったと、裁判とはこういうものかなと思ったんですけど。やっぱり、そういうときにいわゆるコンプライアンス室がきちんと書面を取っておけば、それは会社側としても強いですし、私の場合は高裁で負けることもなかったでしょうし、そこら辺が重要だと思っています。

高橋次郎公明党

○高橋次郎君 ありがとうございます。  それでは、ちょっとお三人様にそれぞれ同じ問いをしたいと思うんですけれども、公益通報者保護法案が成立したという前提でお話をすると、一年六か月以内には施行するという形になります。  この一年六か月の間、所管庁である消費者庁などの行政府、また立法府である国会に対して、どのような準備とか対策をしたらいいか、それぞれの御所見を伺いたいと思いますので、よろしくお願いします。じゃ、まず山本参考人からお願いいたします。

山本隆司東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(山本隆司君) まずですね、まずといいますか、一番重要なのは、やはり国民の各層に対して、十分この公益通報者保護法のその改正の趣旨というものを明確に知らせていくということが重要ではないかと思います。それは、事業者の中にも大企業から中小企業までいろいろありますし、それから通報しようとする立場の方もいらっしゃいますし、それから国民全体、社会全体というのもありますので、それぞれ効果的な方法で、明確に分かりやすく、とにかく今回の改正の趣旨を伝えていくということがまず重要ではないかというふうに思っております。

濱田正晴元オリンパス株式会社社員

○参考人(濱田正晴君) まず、準備として重要なことは、やっぱり今回、刑事罰、さっき結構きついこと言いましたけど、これぐらい言わないとやっぱり今言われたことをちゃんとやらないと思うのでという考えもあったんですけど、要は、いわゆる刑事罰入れて、そのときにちゃんと刑罰が入ったことが、いわゆるその実績があるかどうか。これ入れば大きいですけど、やっぱりこの労働法の、私、毎日新聞書いていますけど、いわゆる労働法の本丸で、警察が労働法のいわゆるこの因果関係まで、警察はそこまで調べながら、検察も起訴して刑事裁判持っていくという、そこまで私は暇じゃないと思うので。そういう実績が一個でも出れば大きいですよ、捜査入って。だから、そういうデータを取る準備をするということですね。  とにかく今は配転命令のことは忘れて、やっぱりそういう刑事罰入れて一歩前進ということであれば、私も今度の改正のときには、ああ、入った、前進したんだなということで、やっぱりそれはちょっと、百歩後退と言っていたのが一万歩前進になるかもしれないというデータを取るという準備。  それともう一つは、さっき質問で出ました、やっぱり研修というか、いわゆる研修プラス、あとは消費者庁のPR、いわゆるさっき山本参考人が言われたように、それをしっかり、伝え方がということで言われましたけど、じゃ、伝え方を具体的に今の伝え方からどう変えるのかというところまでやっぱりブレークダウンしていかないと、またちょっとこの前の話に、前回の特委の話、出た話になりますけど、またチラシとかなんとかと、また同じような話繰り返すと、要は同じことの繰り返しで進歩がないわけですよね。だから、一つ一つそういったことを具体化して行動に移していくと、行動計画ですね。それからデータ取り。いわゆるそういった周知の仕方のレビューと新たな方法の構築というようなことをしていくということが重要かと思っています。

林尚美日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員/弁護士

○参考人(林尚美君) まず、この議論になっていました正当の理由というところですね、そういうところの指針を作っていかなくてはいけないと思っていますので、具体的にこの条文にある文言はどういうことを言っているのかということについてもう一度検討をする必要があると思っています。  そして、先ほど来あります周知、教育についてですけれども、前回の改正のときは、周知しに行っているんですけれども、それはトップクラスの人たちにだけしか周知をしていないんですね。現場にいる労働者、通報する人たちに全く周知をしていないというところが問題だったと思いますので、労働者にも周知、教育をしていく必要がありますし、今から就職するであろう高校生とか学生に、公益通報者保護法ってこんな法律なんだよと、こんなふうになるよということを教育していくべきだと思っております。

高橋次郎公明党

○高橋次郎君 ありがとうございます。  今のお三人様の参考人の方の意見をしっかりまた消費者庁としっかりお伝えをして、この一年半の間、取組を進めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。  もう一点、ちょっと濱田参考人にお伺いをさせていただきたいんですけれども、今回の法整備、もちろん今進んでいる最中ですけれども、どうしても日本の企業文化とか、また社会の意識みたいなものも非常にこの背景に重くあるというふうに思っております。本当に労働者としてこの裁判で闘われた濱田参考人から見て、この法改正に加えてどんなことが社会に対して、また企業に対して必要な文化であるか、もし御所見あったら教えていただきたいんですけれども。

濱田正晴元オリンパス株式会社社員

○参考人(濱田正晴君) 企業文化及び社会への意識ということで、企業文化としては、いつももう一般的に風土を良くするとかそういうふうに言われていますけど、やっぱり今、ソニーとかいろいろと、ボーナスの分を給与に転換しながらジョブ型色を濃くしていくような動きもありますけど、だから、そういう、何といいますかね、何でもいいから、いわゆる文化としてやっぱりジョブ型にしていくということを企業内で、まあオリンパスもあの頃からやっていますけど、どうしてもそれが定着しない、どうしてもメンバーシップを引きずってですね。そういった要するにジョブ型というところをいかなるこの日本の文化に当てはめてでも推進する手だてを考えていくというのが一つだと思います。  それと、社会の意識としてはやっぱり、何といいますかね、どうしても日本の文化、企業文化、労働文化を引きずるのがやっぱり労働法、あとは労働判例というですね、これ、三権分立からすると、立法と行政と司法というけど、ちょっと司法改革もしないと、ちょっと私のオリンパスの裁判資料も、ちょっとこれ重要裁判資料なのに捨てられて、最高裁から謝罪を受けましたけど、ちょっとそういう司法の部分の改革というのも、これはなかなか、労働法制という、こっちの方はやっぱり立法と行政だけでは厳しいところもあるので。やっぱりどうしても、東亜ペイント事件とか、それに対して、いわゆる勇気ある裁判官が、いや、こんなの関係ないと言った後に最高裁が新たな判断をしないと変わりませんから。そういう、何かそういったことをしなくてもやるやっぱり司法に、だからもうちょっと司法改革というところは、まあ立法で言うことかどうかちょっと分かりませんけど、それも必要かなと思っています。それが社会ですね。

高橋次郎公明党

○高橋次郎君 ありがとうございます。  それでは、山本参考人に一点お伺いをいたします。  今回の改正では、常時使用する労働者が三百人を超える事業者に対してこの体制整備その他必要な措置が義務付けられております。この三百人以下の事業者に対しては努力義務という形になっておりますけれども、これは次回の改正以降に当然なると思うんですけれども、この三百人以下の事業者にいかにこの考え方を広げていき、法律を実効性あるものにするのかが大事だと考えておりますけれども、参考人はどのようにお考えでしょうか。

山本隆司東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(山本隆司君) 今のその三百人以下という点については、かなり検討会でも議論をいたしました。先ほど申しましたように、まずは三百人以上のところについて、三百人超のところについて義務を徹底するということをまずやるべきだろうということです。  三百人以下の事業者に対しては、やはり、具体的にこのような内部通報の対応体制がありますということを示していくということが必要になると思いますし、それから、例えば外部窓口の設置ということに関して、これは恐らく消費者庁だけではないと思いますけれども、社会全体でそういったものができるような体制をつくっていくということが必要になるのではないかというふうに思います。  なかなか具体的にどうというところは、本当に個別に変わってくるというところがございますので難しいのですけれども、一般的に申し上げれば、そのような具体的なプラクティスを示すということと、それから支援を行っていくということが重要ではないかというふうに思います。

高橋次郎公明党

○高橋次郎君 ありがとうございます。  それでは、林参考人にお伺いをさせていただきます。  今回、公益通報者の範囲としていわゆるフリーランスの方が追加をされました。今回のこの規定の意義についてどのようにお考えか、教えていただきたいと思うんですけれども。

林尚美日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員/弁護士

○参考人(林尚美君) フリーランスが入ったというのは、今まで個人の方は入れていなかったということですので、とても意義が深いと思っております。  ただ、先ほど申し上げたとおり、取引先事業者というのはたくさんいらっしゃいますので、フリーランスというのは、誰も雇っていない、本当に一人だけの人ですので、ちょっと限定し過ぎではないかなというふうに考えています。

高橋次郎公明党

○高橋次郎君 分かりました。ありがとうございます。  もう一度、済みません、山本参考人にお伺いをしたいと思います。  今回の公益通報者保護法が、事業者の法令遵守を促進し、国民の生命、身体、財産その他利益を守るという意味で、非常に重要な役割を担っておると思います。  この法律と制度を更に社会に定着させ、実効力を持たせるために、本当にこの取り組むべき一番の肝となるようなもの、一つちょっと挙げていただければと思います。済みません、難しい問題で。

山本隆司東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(山本隆司君) 一つというと難しいところも確かにあって、まず全て重要なんですけれども、やはり、これが標準的な企業として国内であるいは国際的に信頼を得るために必要なガバナンスの体制なんだということを明確に示していくということがまず重要ではないかというふうに思います。

高橋次郎公明党

○高橋次郎君 ありがとうございます。  本日は、貴重な御意見、本当にありがとうございました。また今後も審議し、また準備も含めてしっかり取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いします。  以上です。終わります。

松沢成文日本維新の会

○松沢成文君 日本維新の会の松沢成文と申します。  今日は、三人の皆さんに貴重な意見表明いただきまして、ありがとうございました。  これまで、同僚委員の方から各問題になってきたテーマについて、個別の質問が続いたと思うんですが、私は極めて人間がアバウトなもので、ちょっと総括的な質問をしたいと思うんですね。  今回、この公益通報者保護制度が二〇〇四年にできて、できたにもかかわらずなかなか実効性が上がらないんで、二〇二〇年に改正したわけですよね。通報者をもうちょっと保護できる仕組みはないのか、あるいは罰則も入れようじゃないか、抑止力を高めようじゃないか、あるいは事業者にも守らせようじゃないかと、こうやって改正をして、今回、また二回目の改正に来たわけですね。それで、実はまた三年後に改正をするという方向性も出ました。ですから、かなり、やってみて、トライ・アンド・エラーで、駄目だったらすぐに改善をしてこの実効性を高めていくんだという方向で、検討会の座長を務めました山本さんからもお話ありましたけれども、様々なこれ利害関係者もいますし、民主主義ですから、意見もたくさん出ますから、一挙にこのベストの案を作って改革を進めるというのはなかなかできないですよね。  ですから、そういう意味では、漸進主義という言葉使われていましたけれども、今回も一定程度はこの法改正の成果があって、それがまた三年後に更に直していかなきゃいけないということで、実は私、先日の質疑で大臣に、今回の法改正、大臣は、百点満点で五十点合格点だとすると、合格最低点だとすると何点を付けますかって聞いたんですよ。そうしたら、大臣も点数はなかなか言いづらいみたいで、笑って逃げられちゃいましたけど。  私は、漸進主義という言葉もありましたけれども、あの検討会から提言が出て、それで、こうやるべきだというところと、意見がたくさん出て、今後の課題ですということを仕分していましたよね。その中で、今度、消費者庁が作ったこの法改正案はある程度評価できると思っていまして、私はあえて七十点ぐらいは付けていいんじゃないかって大臣に言ったんです。そうしたら、大臣は笑っていましたけれどもね。  さあ、そこで、今日は三人の立場の違うこの法案に対する大きな関係者でありますが、立場の違う三人の方に、まあ濱田さんなんかは相当厳しい点付けると思いますが、それぞれ、百点満点、五十点合格点だとして、今回の改正案、何点ぐらいを付けられるか、もし点数を言えたら言っていただきたいのと、その理由と。もう一つは、今回の法改正、高く評価できる点、これだと。しかし、もう一つは、更に言うと、全然評価できない、これだけは次の改正で絶対に直してもらわなきゃこれ実効性上がらないよという点も含めて、ちょっと三人の先生方に、山本参考人から順次、点数と高く評価できる点、評価できないから次は絶対に変えてほしい点、分かりやすく説明をいただければと思うんですが、よろしくお願いします。

山本隆司東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(山本隆司君) 私はふだん学生の答案等を採点している立場で、なかなか点数を自分に付けるのが難しいということがございますけれども、先ほど七十点ぐらいじゃないかというふうに言われました。私も、関わった立場から申し上げると、それぐらいは付けられるのではないかというふうに思っております。  評価できる点と申しますか、私が経験をして一番変わったと思われる点は、とにかく刑事罰を入れるということです。これは先ほども申しましたけれども、前回は、これはもうおよそこれでは議論がまとまらないだろうという感じでした。それが今回、不利益取扱いに対して直罰の規定が入り、それから、従事者指定に関しまして命令をして、それでも是正がないという場合の間接罰の制度が入ったということは、これは前回ではおよそ考えられなかったことではないかというふうに考えております。  他方で、課題ということに関して申し上げるならば、更にその実態をよく調査して、それで考えていかなくてはいけないということはあろうかと思います。例えば濫用的通報者に対するペナルティーの問題などは、これは現在調査したところでは、確かにそのように言われている通報のケースもあると。しかし、果たしてそれで刑事罰等を、そのペナルティーを科すというところまで行けるものなのかどうかというところもはっきりと分からなかったということがございます。  それから、先ほど来、配転の問題が出ておりますけれども、これも先ほど議論ございましたように、実態としてどうなのか、それから労働法制全体としてどう考えるのかというような問題に連なっていくところがありますので、そういった点は引き続き検討を要するところではないかというふうに考えております。

濱田正晴元オリンパス株式会社社員

○参考人(濱田正晴君) 結論から言いますと、本来であればマイナス六十点。本来であればマイナス六十というのは、優、良、可でいうとマイナスの可、マイナスとしては大いに分かりやすいと。(発言する者あり)そうですね。なぜかというと、やはりさっき申し上げた、冒頭に申し上げた裁判ですね、この裁判やるということをやっぱりこれ軽く考え過ぎですよ。これだけでも減点点数、ここに、五年前私ここへ来て、あれからもう五年たっているのに何らメスが入っていないというところから、減点としてはマイナス五十ぐらい行っていますね、これ。それがまず一点ですね。  それともう一つが、刑事罰、私の無断漏えいの件で入りましたけど、それで刑事罰が入った例があるのかという。さっき申し上げた、今度、刑事罰二つ入れたら、ちゃんとデータ取りをすると。結局これ、あるかないかが、ちょっといろいろ見たけど、分からないんですよね。ないんであれば、刑事罰入れるのが本当に効果あるかというのも、これも分からない。  だから、基本的には、私、企業の窓口の、逆に私はちょっと幸いというか不幸中の幸いで、いろいろと、刑事訴訟を含めていろいろ裁判を通じて勉強したことありますけど、普通の労働者というのは、いわゆる刑事罰といったら、やっぱりちょっとびびるわけですよ。良からぬ企業のコンプライアンスの窓口の担当者とか、やっぱりこれ怖いと、やっぱりそういうふうな萎縮効果というか、企業側への。  だから、私はやっぱり、どちらかというと両方を見ていますから、労働者側と企業側と。やっぱり、企業側を下手に萎縮させるという部分と効果があるかどうか分からないのに罰を与えるという、やっぱりこれも、私、ちょっと日本の文化とは、私はちょっといろいろグローバルで活躍しましたけど、やっぱり日本男児ですから、やっぱり日本のそのいわゆる一般的な人たちがどういうマインドかといいましたら、余りびびらしちゃいかぬですね、下手にね。だから、その辺で減点が五点ぐらいはちょっと付けさせていただいて。  そうすると、あとは、何といいますかね、結局、やっぱり、いわゆる立証責任の転換ですね、やっぱりここのところで、結局、刑罰がどうのこうのというよりも、そこって極めて大事で、やっぱりバランスを取らないといけなかった。要するに、懲戒と解雇と、やっぱり何事もセットが大事なんですよ。何かいろんな詰め合わせ物でも、一個重大なのが欠けると、やっぱりこれって台なしになるじゃないですか。減点幅はマイナス五ぐらいにしますけど。そういうことで、マイナス五十、マイナス五、マイナス五、イコールマイナス六十で。  ただ、いわゆる日本独特の、消費者庁の藤本さんも安達さんも含めて、頑張り料とかそういったのはありますから、やっぱりこれぐらい言う人がいなければ次へつながらないじゃないですか。やっぱり私だってこんなこと言いたくないですよ、わざわざこんなところで。やっぱり、いや、良かったですねと言って、いや、頑張りましたって、こうやりたいですよ。  ところが、今回は可決はしようがないと、いろいろ一生懸命やったということで、だからそのマイナス六十をいわゆる頑張り料で帳消しにして、取りあえずこの場ではゼロということで。  以上です。

林尚美日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員/弁護士

○参考人(林尚美君) 私は七十点だと思っています。というのは、この改正案を読んだときに、もう感動したんですね。  山本先生おっしゃいましたけれども、令和二年のときには、刑事罰なんていうのは一番最初のときにもう蹴落とされました。そんなの導入できないという一言で、もう検討もされなくなったんですね。その刑事罰というのが導入されているのはすばらしいと思いました。それは、事業者は刑事罰がなければ何をしても痛くないわけですよ、自分は不利益何もないですから。そこは入れなきゃいけないと濱田さんが物すごく強くおっしゃっていた。で、入ったのはすばらしいと思っています。  それと評価すべきなのは、推定規定を入れているというところですね。立証責任転換しているというところ、それから探索行為と妨害行為の禁止を明文にしていただくということ、これは評価しています。これは本当は前回入れていただくべきだったんですけれども、遅いですけれども、まあいいということを思っています。  ただ、配置転換、これが入らなかったというところ、それから資料の持ち出し行為について民事、刑事上の免責規定というのも入らなかったというところはすごく残念です。といいますのも、本人が幾ら不正があると言ったところで、弁護士のところに来られてですよ、口頭で説明して分かりませんねって、それってどの法律に違反しているんですかってなってしまうわけですよ。どうしても客観的な資料をお持ちいただかないと、相談にきっちり乗れない。そうなると、やはり資料が必要です。なので、資料の持ち出し行為自体が違法なんだと、免責されませんと言われてしまうと困ります。通報する人が一番困るんですよね。その行為に関しては免責をするというのは、EU指令でもフランス法でもドイツ法でも載っているんですよ。それが日本にはないというのは余りにも通報者保護に欠けていると思います。なので、そこはマイナスと思っています。  あと、フリーランスが入ったのはいいんですけれども、フリーランスの人はどこに通報するんですかという問題です。フリーランスの人は事業者に言えるような立場じゃないんですよ。弱いから入れたわけですよね。そうすると、二号通報しかできない、あるいは三号になると。二号通報、三号通報は非常に要件が厳しいです。この点をもうちょっと考えていただきたい。そうすると、どこに通報したらいいのかという外部の相談窓口を徹底する、内部通報の外部窓口ですね、それをつくるということを明言していただくとか、そういう必要があるのかなと思っているところです。  また、濫用的な通報があるじゃないかということをおっしゃっているんですけれども、私は公益通報の担当を某市でやりました。年間六百件以上通報が来ます。濫用的な通報というのは、繰り返し繰り返し来る通報のことだと思います。その人は思い込んでいるんです、これは不正だと思っているから通報される。悪意があるわけではないんですよ。その人にこれもう解決したから終わったんですよというふうに教えてあげるのも窓口の仕事だと思っております。そういう故意のない人に対して罰則というのはなかなか難しいと思いますので、その点についてまた今後の検討をしていかなくてはいけないと考えているところです。  以上です。

松沢成文日本維新の会

○松沢成文君 ありがとうございます。  もうちょっとありますね。林参考人にもうちょっと聞きたいんですけれども、第三号通報で、大体メディアですよね。ただ、ほかにも例えば労働組合とか業界団体でそういう窓口設けるというのも考えられると思うんですが、弁護士会の皆さんも言われている独立した第三者機関をつくって、弁護士の皆さんに協力いただいて、それでこの通報の敷居を下げて、気軽に通報して相談に行ける、もっとこういうものがないと、なかなか内部通報でやるのは敷居が高いですし、怖いですし、この辺りはどうですか。弁護士会も協力して第三者機関をつくろうみたいな動きになっているんでしょうか。

林尚美日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員/弁護士

○参考人(林尚美君) まだその動きはないんですけれども、財政的な支援とかも必要になってくるんですが、ADR、済みません、これは私の見解です、弁護士会の見解ではないですけれども、ADRというようなものをつくるというのも考えられると思っています。  第三者機関がないとやはり通報者保護されないと思っていますので、是非それは国会で動いていただければと思っています。

松沢成文日本維新の会

○松沢成文君 ありがとうございました。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。  本日は、三名の参考人の皆様、本当にありがとうございます。  最初に、山本参考人にお伺いしたいというふうに思います。  報告書の最後には、今回積み残された課題についても、速やかな検討でしたっけね、ちょっと文言明確には覚えていないですけれども、適切に速やかに議論してほしいというようなことが残されていたというふうに思います。今回、衆議院の方では見直しを三年にするというような修正されました。この点についての受け止め、そもそも速やかというのはどういうイメージだったのかというところを、検討会で参加されていて、課題も積み残されたということも含めて報告出されたわけなので、その点についてどういうふうにお考えだったか、で、今回のこの修正見て、三年というところに対しても何かコメントがあれば教えていただければというふうに思います。

山本隆司東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(山本隆司君) 先ほど来議論があるように、いろいろな課題がございます。  先ほど林参考人も言われましたし、濱田参考人も民事訴訟というのがどうなのかということを言われました。つまり、ADR等々の体制を整備する、これは行政機関だけじゃなくて、今、弁護士会の話が出ましたけれども、そういった形で社会全体でつくっていかなくてはいけないことであるということです。  それから、先ほども申しましたけれども、実態をよく調べなくてはいけないということがあるかと思います。そういう点でいいますと、三年というのは結構厳しいなというのが直感的なものです。  ただ、何年ということは、何か明確な数字があるわけではありませんので、このときに、その報告書を作ったときにも、何年ということを具体的にイメージしていたというところまで行っておりませんけれども、まあ三年というのはなかなか、特に実態を積み上げて調べるのはなかなか大変だなという感じがしております。  ただ、今回、附則の中にそのようなものが入り、そして今回もいろいろな議論があるということですので、三年というところで再度、その時点までに分かる実態をよくまとめて、それで議論するということには意味があるんじゃないかというふうに思っております。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 ありがとうございます。  是非、どういうような実態を、その期間三年というところを見越してまとめて、皆様に御提示することで議論が進むかというような御助言を今後消費者庁にも出していただきたいなということをまず希望としてお伝えしておきたいというふうに思います。  その上で、もう一問聞きたいんですけれども、今回の公益通報者保護法の改正ありましたけれども、その積み残し、それこそ前回の積み残しの中でも実効性高めていくものを選んでということなんですが、やはり私自身は、大前提としてこれが、濱田参考人が常におっしゃっていますが、普通の労働者が使いづらいというか、使えるわけない、そして知るということすらもなかなかまだ難しい中で消費者庁は周知広報を繰り返して答弁でしているんですけれども、これやっぱり活用が進めば、結果、周知広報されるということなので、やっぱりもっと活用がされるという視点で議論を始めなければいけないんじゃないかというふうに思っているんですね。  そうなったときに、やはり大きく二つ私も課題だと思って、民事訴訟のことは先ほど来もうありますので、やっぱり対象法令の範囲、ここについても最後、参考人の最初のお話のときにも一言あったというふうに思いますので、その点についてのお考え述べていただければと思います。

山本隆司東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(山本隆司君) 対象法令に関しましては、考え方としては、包括的に定めた上で、しかし、その適用除外を設けるというようなやり方が一つはあろうかと思います。そうすると、かなり包括的になるかと思います。  ただ、今回、それが難しいというふうに判断したのは二点ございまして、一つは、これが目的規定で限定的に書かれているということがあり、そして所管省庁をどうするかという問題があるということが一つございました。  ただ、もう一つ、恐らく実際上、これは非常に大変だろうと思われるのは、今の適用除外の問題です。一般的に、包括的に、全ての法律を対象にします、全ての行政処分等を対象にしますというような法制度というのはあるのですが、必ず、これはしかし対象にするのは難しいだろうというので適用除外をしていくという必要があります。これが非常に大変だろうという感じがいたしました。したがいまして、今回はそういったところにまでは踏み込まなかった。  他方で、実際上は、窓口をきっちりと整備すれば、恐らく、基本的に全ての法令違反をそこで受け付けるという方向になっていくだろうということがございました。ですから、まずは通報体制をきっちりと整備して、それができていないときに、従事者指定がない場合は、最終的には本当にやっていないと刑事罰まで行くというような仕組みにしたわけですけれども、まずそれをしっかりするという方が実効性を高める上ではうんと効果的だろうと。  それに対して適用法令の対象を広げるというのは非常に、まあ非常に労力が掛かり、しかし、それで本当に実効性が高まるのかというと、その効果は労力に比べると少し小さいのではないかと。まずは、やはり体制をきちっとつくっていくというところを徹底するという方が効果が大きいだろうというふうに判断したということでございます。ただ、今後の課題であるということは確かかと思っております。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 ありがとうございます。  そういう意味でいけば、企業規模要件を設けて義務違反について問う、問わないというところは、一つはやっぱり大きな論点になるというふうに思います。アンケート調査では、やはり義務がないから、中小企業三百人以下は内部通報体制を整えないというふうに答えているわけなので、その罰則の重さをどうするかは別としても、やっぱりどのような形で、何か義務とかを求めること、内部通報体制、そこを整えていくというのはやっぱり重要なんだなというふうに今聞いていて思いました。  林参考人にお伺いしたいんですけれども、もう一つ課題となっていた、通報主体や保護される方の範囲が厳格なことというのは、私も大変課題だと思っています。  今政府は、企業間取引における取引の適正化、労務費の価格転嫁進めようと一生懸命言っているんですけれども、私、これ、足かせになっていると思うんですね。下請法も対象法令になっているんですけれども、労働者個人がやっぱり言うというのはなかなか難しい中で、幾つかのこの下請事業者で、事業者としてそういう申出をしていくというのはある意味可能性があるんじゃないかと思っています。  是非ここについてもう少し、何でしょう、不利益を被る方、通報することで不利益を被る方とか事実を知り得る者までというようなところ述べられましたが、もうちょっと詳細に、何でしょう、どういう形、ここのハードルになっているところ、なぜこれが難しいのか、報告書でもはっきり下請事業者なんかは検討すべきだと書かれていたのに結果排除されていたので、その辺りどのようにお考えか、お答えいただければと思います。

林尚美日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員/弁護士

○参考人(林尚美君) 公益通報者保護というのが労働法の特別法的なところがあって、そうすると、労働者を保護するんだという考えになっているんですね。そうすると、自然人なんだということになってしまうわけですよ。ところが、そうではなくて、知り得る、不正を知り得る人であればいいとか不利益を受ける人を保護すべきだという観点に立てば、法人であっても保護の主体にすべきだというふうに考えることができると思うんです。  事業者を入れないというふうにおっしゃる見解の方というのは、その個々の取引については競争自由の原則が働くのだから、それは保護しないと、結局、自分たちで競争すればいい、競争原理の中にあるんだから、そこは保護しないんだということなんですね。  なので、そこの問題をクリアしていただければ、事業者であっても通報した人は保護されるということになるというふうに考えられると思います。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 ありがとうございます。  事実上は、通報するときには、そこの労働者が通報すれば、個人なんだからできなくはないというような消費者庁の答弁をいただいていて、しかも、事業者に対し弱い立場にある個人を、公益通報者として公益通報を理由とする不利益取扱いから保護する法律だから個人じゃなきゃ駄目なんだという答弁の繰り返しだったので、そこを厳格に解するところが、今の林参考人がおっしゃっていただいたような解釈にどうやって変わっていくかというところは、今後の、今言ったような使い勝手というか、使われることでまた分かっていくことかなというふうに思いますので、注視したいというふうに思います。  最後に濱田参考人にお伺いしたいと思うんですけれども、今の私自身がちょっと積み残しだと思っていた、大前提の対象法令の範囲だとか保護される人たちの範囲とかの話もしましたけれども、あと、何でしょうね、特に法令の対象範囲のところでは、所管省庁が問題になるんじゃないかというような問題提起もありました。そういう今のような議論を聞いて、私の持ち時間十五時三分までですので、今までの議論でよかったら思うところをお話しいただければというふうに思います。  今回の法令に対していろんな評価はあるというふうに思うんですが、やっぱり大前提としてのところが議論されていないので、今のようなこれまでの陳述になるのかなというふうに思っていますので、そういうような思いも含めて、是非最後、お述べいただければと思います。

濱田正晴元オリンパス株式会社社員

○参考人(濱田正晴君) ちょっと包括的な話になりますけど、参考で出している毎日新聞の最後の部分ですね。  要するに、別に消費者庁を擁護するわけじゃないですけど、もう既に世の中でいろんなニュースになっていたりとか、いろんな案件見ると、もう消費者保護とかそういう消費者庁の管轄を既に越えていると。もうこれは、これ以上消費者庁だけにやらせるのはある意味酷だというふうに思いますので、やっぱり労働法制を預かる厚生労働省だけでなく、場合によっては法務省とか、そういう、もうありとあらゆる、この前回の特委、消費者特委聞いていても、やっぱりちょっと、ここまで言えるけどここまでは行政には言えないとか、いろいろ苦しいところも見え隠れするので、やっぱりある意味、自分たちの管轄でないのに、ちょっとそこのところでいろいろ言われても困るということが、やっぱり非常に多分消費者庁の皆さんにはストレスになっていると思うし、そこら辺も含めて、消費者庁がそこのところをどうのこうのという、ハンドリングできるところはもう超えているというのはどう見ても明らかなので、さっき言ったところで、もうできるだけ広げながら、省庁を、厚生労働省、法務省ほか、もし必要だったらいろいろと必要なところも含めて、ちょっとその辺の担当所管ですね、所管する担当領域を広げるということは大事だと思っています。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 済みません、時間まだありますので、じゃ、山本参考人にちょっとお伺いしたいと思います。  先ほども、労働法制の関係もというところもありましたし、今座長として預かられている範囲で私は議論を最大限されたというふうに思っていますし、最大限の結論が出たと思っているんですけど、今後議論をしていく体制という意味でいくと、政府に求めておきたい、何ですかね、今の対象法令広げていくというようなところの議論の中で、具体的に何か御意見あればお述べいただければと思います。

山本隆司東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(山本隆司君) この公益通報者保護法というのは、先ほど、いろいろ多面的だと、いろいろ目的があるというふうに申しました。そのためにいろいろな役所が関わっているということがございます。  例えば、この通報に真実相当性があるかとか、こういう話になりますと、これはそれぞれの所管省庁の話になります。それから、現在、要するに通報のその対象になるかとか、公益通報者保護法の解釈自体については消費者庁が所管をしていると。それから、具体的に、例えば不利益取扱いがあったときの労働者と使用者との間の関係の問題というのは、これは厚生労働省の話になるということがあります。それから、企業のガバナンス体制の在り方という点でいうと、あるいはこれは法務省の話かもしれません。  というふうに、関わっているところは実に多様なので、それぞれでよく協力をして、しかし、やはり消費者庁がこれまで公益通報者保護法について所管をして、そして議論を積み上げて、執行もしてきたということがありますので、やはり消費者庁がそれをしっかりと受け継いでいくということが必要だと思います。ただ、その中で、いろいろな関係する省庁から協力を得ていくということが必要なんじゃないかなと思っております。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 ありがとうございます。終わります。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史でございます。  今日は、お忙しいところ、ありがとうございます。  まず、濱田参考人に伺います。  今、省庁超えてという大胆な、かつ本質的な提案をされたというふうに思います。ただ、今日はちょっとこの法改正なんで、その範囲で伺いたいと思いますが、私もふだんそういうことを思っておりましたのでね。    〔委員長退席、理事石川大我君着席〕  五年前もこの参考人の質疑に濱田参考人来ていただいて、こうやって私も質問させてもらって、私、あの五年前の改正はもう半歩の前進にもならないという非常に厳しい評価をしたんですけれど、濱田さんはそのときには、一歩前進、よくやったとおっしゃったんですね。今回、私は一歩前進と思っているんですけど、濱田さんは百歩後退ということで、この五年で何があったのかと思ったりしますけど、恐らく、五年前言われていましたけど、あの改正でこの後いろいろやってくれるんだというような、かなり御期待をされたんではないかと。それに比べたらかなり落胆があるという意味でおっしゃったのかなというふうにちょっと感じたんですけれども。  私も国会でたくさんこういういろんな企業の問題取り上げてきて、第一生命の不払事件とかレオパレスとか秋田書店とかジャパンライフとか、ほとんど公益通報、内部通報の方の情報で質問をやらせてもらって、いろいろ取り組んできたんですけれども、みんな配置転換とか嫌がらせとか解雇とか、ひどい扱いを受けてきたわけですよね。それを見ると、この前も私、質疑で言ったんですけど、今回本当にこれで皆さんが、そういう方々が、顔も浮かぶんですけれど、助かるのかな、助けられるのかなと、こう考えたりするんですが。  濱田参考人も、先ほどありました、一審は敗訴されて二審は勝訴ですよね。やっぱり、会社側はあれこれ理由付けて、公益通報したから不利益取扱いしたんじゃないというふうなことをいろいろやるわけですね。それがまた立証が大変難しいわけでございまして、そういう点でいえば、濱田参考人は勝ってこられたけれど、必ずしも勝てることとは限らない、負ける方が多かったわけですよね。  お聞きしたいのは、今回の改正で、濱田参考人のような不利益取扱い、これ裁判、今回の改正が施行されたら裁判で勝てるようになるんでしょうか、濱田さんのケースだったらですね。

濱田正晴元オリンパス株式会社社員

○参考人(濱田正晴君) 答えだけ言うと、勝てないですね。それだけでいいか、ちょっと追加で言うと、一歩と百歩の違いの説明をさせていただければと。  前回、五年前は一歩前進というのは、いわゆる無断漏えいに対しての刑事罰ということで、これは別に労働法の本丸じゃないですよ。別に、漏えいしたかどうかだけの話ですから、シンプルな話で、別にそこに、いわゆるこの警察、検察、いわゆる刑事裁判の中で、いわゆる企業の、何といいますかね、この因果関係とか、いわゆる懲戒、解雇、これといわゆる通報との因果関係に対しては、今回そこだけやるということは、このいわゆる刑事裁判と民事とよく理解した上でやらぬといかぬですよ。  要するに、これ、どう考えたって、刑罰を付けるんだったら、まずは民事で、これが因果関係があるところまで通報者が民事訴訟で立証しないと、それは捜査は動けないですよ。要は、警察は民事には介入しちゃいけませんから。そこを分かってというか、分かっているか知らないけど、刑罰、刑罰って。要は、このセオリーからいってどういう仕組みなのかということを全く理解せず、刑罰、刑罰だけが先行していて。ということで、今回は、労働法の本丸で捜査まで期待し過ぎていると。  さらに、だとしても、さっき申し上げたように、配転命令でも、今回話題になっているけど、私は前回も裁判の話はしていますから、もう五年たったんですよ。五年たっているから相当見方は厳しくなるというのは当たり前じゃないですか。そんな中で何にも進んでいないじゃないですか。だから、当然減点は多いですよね。要するに、タイム・イズ・マネーですからね。あとは、やっぱりスピード感、何事も今は大事な時代ですから。  そういうことを含めて考えると、さっき冒頭に申し上げたいわゆる刑罰というところをよく理解しないで、そのプロセスを、それと、労働法の本丸というところに、警察、検察及び略式起訴でも、結局、刑事裁判が絶対要ると。だから、私は、レビューは、これで一発でも入れば、いや、これは画期的だけど、まずここは、私の予想ですけど、無理だろうなと。  だから、結果的には、企業側の担当者を、やっぱり普通の素人のいわゆる労働者を脅すだけみたいな感じになって、なおかつ、過度に今度は通報者に対して期待を持たせると。誰も別に、警察行ったって、いや、これ因果関係がこうで、これ法律はこうだからって捜査なんかしてくれるとは、私は考えられない。  ただ、そういういわゆる年月の件と、二つだけ、やっちゃったことの、配転命令入れなかったということの副作用ですね。だから、副作用というのは、やっぱりなかなかよく見ておかないといけないという、トータルな形で、シンプルだった、一歩前進。今回は労働法の本丸に突っ込んでしまった。そこには様々なことがある。警察だって詐欺とかなんとかだとやっぱり動きやすいですけど、これはなかなか難しいというふうにしか評価できないですね。  という意味で、点数が違うということです。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 私も実はさっき名前挙げた中の一人の方に今回のを聞いたら、ほとんど現場は救われないと、ただ、抑止力効果といいますか、それはあるんではないかということは言われて、聞いてまいりました。  山本参考人に伺いますけれど、先ほど濱田参考人から厳しい、検討委員会の在り方についてありました。私もずっと消費者庁のいろんなのを見てきて、やっぱり事務方がぐっとやろうと思ったら、ちょっとかなり検討委員会の出てくるもの違うというのは、ちょっと私の経験ですけどね、もちろん先生方の努力もあるんですけれど。  当事者が入らないとか、検討会の在り方、こういうものについて改善の余地は、何か御意見ございますか。

山本隆司東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(山本隆司君) 今回の検討会では、通報者側ということで申し上げれば、その通報者側に立った弁護士の方が入っているということがございました。それから、日弁連に対してもヒアリングを行っているということがございます。それを通じて通報者、通報する立場からの意見は吸い上げたというふうに考えております。  なかなかある特定のその事案に関わった方にどのような形で入っていただくかというところは難しいところがあるかなというふうには感じております。何がベストの解かというのは私も持ち合わせていませんけれども、今回の検討会においてはそのような形で意見を反映させたということです。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 私は、オブザーバーとかいろんな形で、やっぱりそういうふうに考えていかないと、検討会の議事録読みましたけど、もちろん現場の通報者のために頑張ってきた弁護士さんも意見言われます、頑張って意見言われましたけど、やっぱり当事者が検討会でもっともっと発言してもらうという機会を設けられることが大事かなというふうに思います。  林参考人に伺います。  先ほどおっしゃった中で、通報者が訴訟で闘っている間、苦しい状況ですよね。私も見てまいりました、何人も顔浮かびますけれども。非常に経済的にも苦しいと。これに対して、本当に支援の措置がないということがありますよね。これ本当非常に現実的に大事な問題ではないかというふうに思うわけですけれども、具体的にどうすればいいのか、あるいは海外でそういう支援制度があるのかどうか、日本では何が課題になっているか、ちょっと教えてもらえますかね。

林尚美日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員/弁護士

○参考人(林尚美君) 先ほど申し上げました付加金制度というのは既に労働基準法であるんですけれども、そのほかに報奨金制度というものがありまして、この委員会でも検討をされていると思うんですけれども、アメリカではSOX法とかそういう法律にのっとっているんですけれども、公益通報があって国庫にお金が入った場合に報奨金としてその何%か払われると、三〇%とかで、すごい金額が入るわけですけれども、そういう法律制度があったり、韓国の法律では公的にお金が出たりというような制度があります。  そういうような報奨金制度で公益通報がしやすくなっているということもありますし、韓国においては公益通報というのがどういうものなのかというのを国民がすごくよく知っているんですね。こういうのが入ったら、みんなもう手を引かなきゃいけないと、そこから操作はできないし、公正にやらなくてはいけないという制度になっておりますので、そういうことも日本で含めて考えていったらどうかなというふうに思っております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 その議論のときに、何かちょっと、日本のまだ社会の受け止めでいくと、何か報奨金目当てにやるのかみたいなちょっとすごい誤解がすぐ生じるんですよね。そうじゃないということをちゃんと伝えながら、やっぱり必要かなと思います。  もう一つ林参考人に伺いますけど、資料の持ち出しの免責について、この必要性といいますか、これ、実は本当に第一生命不払事件のとき、不払問題のときあったんですけれども、もう少しお考えあれば詳しく聞かせていただけますか。    〔理事石川大我君退席、委員長着席〕

林尚美日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員/弁護士

○参考人(林尚美君) 資料の持ち出しをしますと、まず窃盗だというふうに言われてしまうんですね。結局、コピーをして持って出てしまうので窃盗罪だというふうに言われてしまうというので、それで懲戒請求すると、窃盗罪に懲戒請求で解雇とかというのではもうやっていけないと。  先ほど申し上げましたように、具体的な資料がないと、何が不正なのかどうかというのを弁護士としても検討することができないんです。やみくもに不正があるといって公益通報しても、後で真実相当性がないんだというふうに言われてしまう可能性の方が高いので、なるべく固い証拠を固めていって、裁判にするなり内部通報するなり、その準備をしないとできないと思うんですね。不当に単なる臆測で言っているのではないかと言われてしまうのが落ちですから、やはり正確な情報をもらいたいと。そうなると、情報を入手したいというのは当然のことでして、それが付随する行為であって、公益通報に付随するので適法であると、正当行為だというふうに判断していただかなくてはいけないというふうに考えております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 終わります。

石井章日本維新の会

○委員長(石井章君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。  参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時十五分散会

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