財政金融委員会 第10号
- 発言数
- 107 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2025/05/08
会議録
○委員長(三宅伸吾君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、大門実紀史君及び藤巻健史君が委員を辞任され、その補欠として小池晃君及び梅村みずほ君が選任されました。 ─────────────
○委員長(三宅伸吾君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に財務省大臣官房総括審議官寺岡光博君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(三宅伸吾君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁植田和男君、同理事中村康治君及び株式会社日本政策投資銀行代表取締役社長地下誠二君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(三宅伸吾君) 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○船橋利実君 自由民主党の船橋利実でございます。 ただいま議題となりました株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案について質疑をさせていただきたいと思います。 まず初めに、日本政策投資銀行の特定投資業務については、地域活性化、我が国企業の競争力強化の観点から、民間では対応することがなかなか難しい成長分野、こうした分野へのリスクマネーを供給を促進することが政策的な大きな目的であるというふうに承知をいたしております。 今般の法改正によりまして特定投資業務の期限を延長するということでありますけれども、改めて我が国のリスクマネー供給の現状に係る認識というものをお伺いをしたいと思いますし、あわせて、リスクマネー供給を促進をしていくに当たってそもそもなぜ日本政策投資銀行に特定投資業務を担わせているのか、この点についてもお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(寺岡光博君) お答えを申し上げます。 我が国のリスクマネー市場の現状でございますが、プライベート・エクイティー・ファンドやベンチャーキャピタルファンドによる成長資金の供給など一部で大きな成長を見せており、また、特定投資業務は、これまで民業の補完及び奨励の役割を果たしながら、政策課題に即した形で確実に実績を積み上げてきてございます。 他方、そうした状況は諸外国と比較しますと依然として規模が小さく、また、担い手の制約、新たな投資分野への対応の必要性、地域活性化など数々な、様々な課題も指摘されてございます。特にGXやスタートアップ、イノベーションといった分野においては、事業の不確実性が高くリスク評価が難しい、投資回収に長期の時間を要するといった理由から、民間だけでは十分なリスクマネーを供給することが難しい状況にあると承知してございます。 こうした中、日本政策投資銀行は、先進的な金融手法も用いながら長年にわたり中長期の投融資業務を担ってきており、高度な金融ノウハウや各業界の調査研究を通じたナレッジ、長年築いてきた顧客基盤といった強みを有しており、引き続き金融機関としての目利き力も生かしながら特定投資業務を実施することで我が国の成長資金市場の拡大に貢献していただきたいと、このように考えてございます。
○船橋利実君 今ほど、日本政策投資銀行のいわゆる強み、特徴のところについて御説明をいただき、なるほどというふうに思うところもありますし、お答えの中にありましたGXであったりイノベーションの分野であり、またスタートアップのところというのは、まさに可能性にあふれている一方で、リスクヘッジが非常に難しいという分野であるだけに、規模の大小を問わず、必要な資金を適切に提供していくという環境をつくることは非常に困難な分野であると、そういったところに政策投資銀行のいわゆる強み、存在感があるということのお答えであったというふうに思うところでありますが。 次に、特定投資業務がその政策目的、今ほども幾つかお答えがございましたけれども、それらに照らして的確に機能しているかどうか、これを評価をするに当たりましては、特定投資モニタリングボードにおける各案件ごとの政策評価など、これまでの取組が重要な役割を果たしてきたものと認識をしております。 その上で、今回は特定投資業務の二回目の期限延長でありますが、単に延長を繰り返していくということではなく、今後五年間において、個別の投融資案件に加え、業務全体の政策的意義や成果についてしっかりと検証を行っていくべきであるという声にもこれはやはり真摯に向き合っていくべきではないかというふうに考えております。 その一方で、我が国の経済成長を力強く後押しをしていくということのためには、イノベーションにつながるような新技術、これをたくさん生み出していく必要性もありますが、民間におけるリスクマネーの供給というものは、これはいまだ十分とは言えない現状にあろうかと思います。 例えばデータ利活用についてでありますが、これはもう官民共に極めて重要な分野でありますけれども、特に個人情報を保護する技術の確立というものが実は極めて重要な課題になってきております。秘密計算、いわゆるPETsなど、個人情報を秘匿をしつつデータを安全に活用できる先端技術の研究開発と社会実装、これが、国内の実情を見るときには、残念ながら、先進国、特に欧米からは相当後れを取っている。しかしながら、持っている技術そのものは決して世界に引けを取るものではない、しかしながら、それを引けを取るものがない形に仕上げていくためにはまだまだ投資をしていく必要性があると、そうしたことが現実に今あります。 今般の改正においては、いわゆるディープテック、先端技術などの新たな投資分野にも対応可能となるよう、業務完了期限を十年延長するということでありますけれども、今私が申し上げたような先端技術の分野、こうしたことも含め、これまで以上にリスクマネーについて積極的に供給をしていく必要性があると考えますが、政府としての見解を伺います。
○副大臣(横山信一君) リスクマネーの供給は我が国の成長のためには不可欠なものであり、政府としては喫緊の課題として力強くこれを促進をしていく必要があると考えています。 こうした中、委員御指摘のディープテック分野については、政策的重要性が大きい一方で、不確実性が高く、昨年財務省で開催した日本政策投資銀行の特定投資業務に関する勉強会においても、研究開発や設備投資に大規模な資金が必要であり、事業化や社会実装までに時間が掛かることから、投資回収期間が十年程度まで長期化しているとの指摘がなされているところであります。 政府として、こうした指摘も踏まえ、今般の法改正において、特定投資業務の業務完了期限を十年延長し、民間だけでは対応が難しい新たな投資分野を含め、リスクマネーを積極的に供給していく必要があると考えています。 また、延長に当たり、委員御指摘のとおり、我が国におけるリスクマネーの供給状況を含め、業務全体の深度ある検証実施が肝要と考えており、まずは検証に当たってどのような指標を把握、確認すべきであるか、法改正後速やかに財務省において外部有識者の意見も聞きながら具体的に検討してまいります。
○船橋利実君 最初の御答弁の中でもございましたけれども、今、私、副大臣の方からも御答弁をいただいたようなディープテックの分野は、非常にその目利き力のところが、いわゆる国内の産業の中の並びで見るだけではなかなか分からない。世界的な情勢とか動向というものがどうなっているのか、そういう中で、今の日本の技術レベルであったり、いわゆるそれを開発をしていく資本力であったり経営力であったり、こうしたところをしっかりと見ていく必要性がある分野だというふうに思ってございまして、これまで以上に日本政策投資銀行においては、この目利き力というところの幅を広げて、そして、掘り起こしのところをリスクマネーの供給という形の中でしっかりとやっていただきたいというふうに思っております。 そういう中で、最後の質問になりますけれども、これまでの投融資実績というものを見てみますと、私は選挙区が北海道なんですけれども、その北海道では、酪農、畜産の生産プロセスDX化支援といった地域課題の解決に資する案件に取り組んでおられます。しかし、地方創生向けの実績全体で見ますと、件数でいえば六十件、額でいえば一千三百五十億円と、これはかなり少額ではないかというふうに思います。 地方創生に向けて、地方への投融資の促進に加え、リスクマネーの供給の担い手を育成をしていくという必要性があるわけでございますけれども、これからの五年間はこれまで以上に地域活性化に意欲的に取り組む必要性があるというふうに考えますが、見解を伺います。
○参考人(地下誠二君) お答えいたします。 御指摘ありがとうございます。 私ども、特定投資の目的は、企業の競争力の強化と地域の活性化、この二本だと理解しております。私ども、従来、産業の開発と地域の均衡ある発展と、この二点を重視しておりますし、御指摘を受けていよいよ頑張るつもりでございます。 ただ、現状の御報告をさせていただきますと、直接私どもが地域活性化として取り上げているのは六十件、千三百五十億という先生御指摘のとおりでございますが、このほかに地域金融機関との共同ファンドというのを十八件やっております。そこからも、件数は八十九件、金額は小そうございますが二百十一億という実績がございますので、こういうきめ細かい取組を一生懸命やっていこうと思っております。 ただ、私どもの方も、実は人的資源としては、本店で営業担当が三百、支店で二百強ということで、人的投入としては、金額の大きさにかかわらず人手は掛けているというつもりでございますので、ただ、こういう場で御指摘を受けますと、我々の職員も一層地域活性化に取り組む元気が出ると思います。 先ほど御指摘のあったディープテックというところも、非常に難しいですけれども、GX、DXの地方への展開というところにも今後五年頑張っていきたいと思います。 以上でございます。
○船橋利実君 ありがとうございます。 これ意外と、日本政策投資銀行から投資を受けられるというその事業規模のところが大きなものというふうに一般的には認識をされているんではないかなと、私自身も実はそう思うところがありましたけれども、実際にはどういう投資先があるかということを今もお答えをいただいた中で、中身見ていきますと、かなり少額であっても、事業性として優れているというところを見出していただいて、しっかりと投資をしていただいているということが分かりました。 ただ、これをもっと横展開していくと、地域の中に眠っているいろんな宝が光が当たっていくことにつながっていくというふうに思います。ただ、そうした小さなものというのは、いきなり大きなお金を入れても形になるものではなくて、やはり今お答えがあったように、時間を掛けながら成長をさせていくというところで、その都度必要な資金を提供していくという環境をしっかりとこれからもつくっていっていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○柴愼一君 立憲民主・社民・無所属の柴です、柴愼一です。よろしくお願いいたします。 今日の議題は、株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案ということですが、法案審議に入る前にちょっとお聞きしたいというふうに思います。 特に、加藤大臣におかれては、四月の下旬からこのゴールデンウイークは非常に重要な海外出張でお忙しく、お疲れのことというふうに思います。昨日帰国されたということだと思います。四月の二十二日から二十六日でワシントンでのG20の財務大臣・中央銀行総裁会議、そしてこの五月の連休ではミラノでのアジア開発銀行の年次総会、そしてASEANプラス3などに出席をされておりました。これらの会議の模様についてちょっと伺いたいというふうに思います。特に、米国の関税政策に対する国際世論、そして我が国の対応についてです。 会議参加国の、アメリカの、米国の関税政策について各国の置かれている状況も違うことから、一概には難しいというふうに思いますが、どのような議論がされたのか、加藤大臣の印象をお聞かせいただきたいというふうに思います。通告ではG20を中心に受け止めを聞きたいということを言っていましたが、ASEANプラス3含めて、模様も含めて受け止めをお聞かせいただきたいというふうに思います。報道を見ると、G20とASEANの会議では大分会議のトーンも違っていたという印象も私受けていますので、そんなことを含めて大臣のコメントをいただけたらと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) まずは、今回、先月から今月にかけて外国出張させていただいた件に対していろいろ御高配いただきましたことに感謝申し上げたいと思います。 その上で、今お話がありましたG20財務大臣・中央銀行総裁会議、またASEANプラス3財務大臣・中央銀行総裁会議において、まず、それぞれ参加国からは、米国の関税措置についてそれぞれの立場から言及がございました。 具体的な中身については言及を控えるということになっておりますが、私の方から、G20会合では、米国の関税措置と一部の国の対抗措置やそれらがもたらす不確実性などによる足下の為替を含む金融市場の変動の高まりを指摘した上で、自由で開かれた多国間貿易体制の推進と国内外の格差や不均衡等を是正するための建設的な政策対話が必要である旨強調いたしました。 また、ASEANプラス3の財務大臣・中央銀行総裁会議においては、米国の関税措置について私から、自由で開かれた多国間貿易体制を推進することの重要性、日本として米国に対し一連の措置の見直しを強く求めつつ協議を進めていることなどを申し上げたところでありますし、公表されたASEANプラス3の共同声明では、貿易保護主義の高まりは世界貿易への重荷となり、経済の分断を招き、地域の貿易、投資及び資本フローに影響を及ぼすとの認識にも合意したところであり、各国と我が国の主張はこの点において一致したものと考えております。 世界経済の不確実性が高まっている状況にあって、こうした多国間会合の場で率直な意見交換、またその場を通じてバイでの話もさせていただいたこと、これは非常に有意義だったというふうに考えております。
○柴愼一君 加藤大臣も様々主張をされたということだというふうに思います。またちょっと後でそのことに対する各国の反応についてもお聞かせいただけたらというふうに思います。 そして、各国との連携は非常に重要だというふうに思っていまして、また、だからといってアメリカを孤立させるということも得策ではないんじゃないかということで思うと、日本の立ち位置、非常に難しいながらも重要な役割を果たしていくんだということだと思います。是非、加藤大臣の手腕発揮を期待したいというふうに思います。 その場の中では日米の財務大臣会談も行われたというふうに認識しております。トランプ政権での発言力が高まっているベッセント財務長官とのやり取りについて、率直な印象をお聞かせいただけたらというふうに思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 為替に関しては、それぞれ言わば専門的に対応しているベッセント財務長官と財務大臣たる私の間で議論するという整理の中で、先般、ベッセント財務長官と会談を行わせていただきました。 その場において、私から、米国による一連の関税措置は極めて遺憾であると述べ、米国による見直しを強く申し入れたところであります。また、賃上げ、物価の動向を始めとした我が国の経済動向について私から説明するなど、二国間の諸問題について生産的な議論を行わせていただきました。 為替についてでありますが、レートは市場において決定されること、為替レートの過度の変動や無秩序な動きは経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得ることなどについての認識、これまで国会でも申し上げてきましたが、その認識を改めて二人の間で再確認をさせていただきました。さらに、現在進行中の対米協議に関連して為替について議論を行い、引き続き緊密かつ建設的に協議を続けていくことで一致をしたところであります。 なお、ベッセント財務長官からは、為替水準の目標や、それに対する管理する枠組みなど、そういった話は全くなかったところでございます。
○柴愼一君 今あったとおり、米国側からは為替水準、通貨目標が求められなかったということだということですが、じゃ、何が会談のポイントだったのかと、米国が何かを求めているのか、逆に、何ができるか日本考えろというようなことが言われたのか、その辺についてもう少しコメントいただけますか。
○国務大臣(加藤勝信君) まず、先ほど申し上げた為替レートについては、先ほど申し上げた基本認識、これを再確認させていただいたということ、これは非常に大事なところだと思っております。 その上で、さらに、為替の水準目標等については話がなかった、加えて、日米の経済の動向、状況などについては、先ほど申し上げた、私から日本側の説明などを含めて、それに対するいろいろ議論をし、その上で、引き続き緊密に協議をしていこうと、これが確認された、これが一連の流れでございます。
○柴愼一君 トランプ大統領は明確にやっぱり為替水準に対する問題意識があるというように発言をしているというふうに認識すると、何かやっぱり大統領とベッセント氏で役割分担をしているのかななんということもちょっと考えるところもあります。 トランプ大統領はアメリカの製造業や雇用に着目して貿易赤字を問題視をしているというふうに思いますが、日本の例は特に分かりやすいですが、日本での貿易の収支の黒字分というのは、逆に、そのもうかった分というのはアメリカに再投資されてアメリカに戻っているんじゃないかというふうに思うところもあります。 そんなことを含めて、各国と連携をして、そういう財政や金融政策の面からの働きかけを強化していくべきというふうに考えますが、加藤大臣の認識、お聞かせいただきたいと。特に、これからまた、来週、再来週ですか、カナダでのG7の財務大臣や中央銀行総裁会議含めて、どんな姿勢で臨まれるかについてお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) まず、アメリカ側の状況、背景については、なかなかコメントはできないというか、コメントを控えなきゃいけないと思っております。 大統領等の発言は承知しておりますけれども、四月十六日の赤澤大臣の訪米の際にトランプ大統領との表敬がございましたが、そのときにも為替の話はなかったというふうに承知をしているところでありますし、ベッセント財務長官とのやり取りは先ほど申し上げたとおりでございます。 その上で、もちろん、赤澤大臣あるいは石破総理からも、例えば我が国が米国に対する一番の投資国である等々、この二国間の関係の重要性、また日本のそれにおける役割、貢献、そういったところはしっかりこれまでも申し上げてきたところでありますし、引き続きそういったことは話をしていかなきゃいけないということと、やはり、その前の御質問にありましたけれども、やっぱり今回の一連の米国の関税措置、またそれに係るいろんな動きが、世界経済、各国の経済・金融市場、いろんな形に様々な影響を及ぼし得る、こういった認識は我々はみんな持っているわけでありますから、そうした状況をいかに改善していくのか、そしてより良いものにしていくのか、そうした観点に立って、これからもしっかりと協議に当たっていきたいというふうに思っております。
○柴愼一君 引き続き是非万全の対応をいただきたいというふうに思います。 続いて、お忙しい中、またお疲れのところ、植田総裁にもお越しいただいております。感謝申し上げたいと思います。 今、先ほど加藤大臣にも質問したのと同様、米国の関税政策に対する各国の中央銀行の総裁会議での発言、対応などについて、植田総裁の印象をお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(植田和男君) 私も、先月末に開催されましたG20の会合に出席してまいりました。そこでは、委員御指摘の最近の関税政策の影響を含め、世界経済の現状や見通し、リスク等について活発な議論が行われました。さらに、海外の政策担当者との面談も多く行い、関税政策が各国・地域に及ぼしている影響について有益な意見交換を行うことができたと思っております。 個別の意見についてお話しすることは差し控えたいと思いますが、印象をまとめますと、現時点では消費や設備投資といったハードデータは今のところ堅調な地域が多い、ただ、家計や企業のマインドには関税政策の影響が現れ始めているという見方も多かったと記憶しております。また、その関税政策の波及経路やその程度についても、今後、関税政策がどうなっていくか、また、それを受けた家計、企業の対応がいろいろな幅を持って予想されますので、その幅の中のどこに落ちるか等に応じまして不確実性が極めて高いという点を多くの参加者が強調していたことが印象に残っております。
○柴愼一君 続いて、物価動向に対する認識について総裁にお聞きしたいというふうに思います。 米などの食料品を中心に物価高騰が国民生活を苦しめています。そのことに対応すべく、政府もそして各党も様々な物価高対策を今打ち出しているところです。 そんな中にあっても、物価の番人たる日銀の物価見通し、さきに公表された展望レポートでも、消費者物価、除く生鮮食品の前年比というのは、二〇二五年度に二%台前半となった後、二〇二六年度は一%台後半、二〇二七年度は二%程度になると予想されるというふうにあって、ちょっと国民感覚からすると大きく乖離をしているなというふうに感じるんですが、現状の物価動向、食料品高騰に対する認識と金融政策への反映の在り方についてお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(植田和男君) 私ども、消費者物価総合の上昇率が二%をかなりの期間超えているということが国民生活にマイナスの影響を与えているということは十分に認識しております。その中で、特に米を含む食料品価格の上昇が最近の物価上昇の主たる要因の一つでございます。これらの先行きに関する不確実性はなお大きいと見ていますが、ただ、前年比で見た上昇率は次第に低下していくと思っております。 ただ、この食料品価格上昇の周辺で、あるいはその影響で人々のマインドや予想物価上昇率が変化しまして基調的なインフレ率に二次的な影響を及ぼし得ることがあり得るという可能性については注意して見ていきたいと思います。 他方で、先ほど申し上げましたように、関税政策等の影響をめぐる不確実性は高いわけですが、それが場合によっては経済の下押しなどを通じて我が国の物価にマイナスの影響を及ぼすという経路も無視できない。特に先週発表いたしました私どもの見通しは、今申し上げました食料品価格が年後半に向けてインフレ率としては少し下がっていくであろうということに加えまして、世界経済の関税政策による若干のスローダウン、これの私どものインフレ率に及ぼす影響も若干織り込んでつくってございます。 ただ、その上で、見通し期間の後半に向けては、また、特に基調的物価上昇率ということで申し上げますと、二%に向けての歩みを回復する、再開するというふうに見ておりますので、そういう見通しが維持される限りにおいて金融緩和度合いを適切なペースで調整していくというのが政策の基本方針でありますが、経済動向、不確実性が高いものですので、丁寧に見てまいりたいと思っております。
○柴愼一君 特に、今言われたとおり、世界経済の不確実性が高まっているということで、日銀としても金利の引上げについての判断は非常に難しいものだというふうに思っておりますし、また、日銀、短期的な要因に左右されない基調的な物価目標をターゲットにしているということを含めて、そんなことで見ているんだということも理解をしたいというふうに思います。 特に、日銀の金融政策は、物価の安定を目標にするとするならば、特にこれまで金融市場に過度に配慮してきたんじゃないかということであれば、特にそういうことではなくて、国民生活の状況をつぶさに把握して、正常化に向けた判断を適切に行っていただきたいというふうに思います。 展望レポートの最後でも、日銀が二%物価安定の目標の下で適切に金融政策運営していくというふうにしております。アコードについてですが、アコードは植田総裁にとって今どういう受け止めなんでしょうか。
○参考人(植田和男君) アコードにつきましてですが、政府と日本銀行は、二〇一三年の初めになりますが、共同声明の下で、デフレ脱却と持続的な経済成長に向けて必要な政策を実施していくということを合意いたしました。 その上で、私ども日本銀行としましては、二%の物価安定目標の持続的、安定的な実現という観点から、昨年三月には大規模緩和の枠組みを見直し、その後、二回にわたって金融緩和の度合いを調整したところでございます。他方、デフレ脱却そのものについては、政府において各種の指標等を踏まえて総合的に判断されていくものと理解しております。 共同声明全体について現時点でコメントすることは差し控えさせていただければと思います。
○柴愼一君 やっぱり、デフレ脱却のための共同宣言というところにちょっと大分違和感がもうあるなというふうに思っていまして、金融正常化、金融政策の正常化に向かっていく現時点ではちょっとちぐはぐなものになっているんだと、発展的解消をすべきというふうに考えていますということを含めて、これからもそんなことをまた植田総裁と議論させていただけたらというふうに思います。 植田総裁に対する質問は以上です。御退席いただいて結構です。委員長、お取り計らいをお願いいたします。
○委員長(三宅伸吾君) 植田総裁、退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。
○柴愼一君 済みません、大分時間食っちゃいました。政策投資銀行の方に移りたいというふうに思います。 DBJというふうに言わせていただきますが、は、法規則で、一定の条件が付されつつも、政府が保有する株式のできる限り早期の処分が規定されています。前回改正時の附帯決議においても、政府の保有株式について、特定投資業務等の実行に伴い政府が保有すべき株式を除き、DBJの目的の達成に与える影響及び市場の動向を踏まえつつその縮減を図り、できる限り早期の売却に努め、その売却益を増大している国債の償還財源に充てるよう努めることとされております。 現時点における政府保有の株式処分に関する状況についてお聞かせください。
○国務大臣(加藤勝信君) 今の御質問とちょっとダブりますけれども、日本政策投資銀行の株式売却については、民間にできることは民間に委ねるとの考えの下、日本政策銀行について、今お話がありましたように、会社の目的達成に与える影響及び市場の動向を踏まえつつその縮減を図り、できる限り早期に全部を処分するとされている下で、政府による政策投資銀行の株式保有義務に関しては、当面、政策投資銀行に求める危機対応やリスクマネー供給の機能に着目し、その的確な実施に当たり必要となる株主総会の議決権を確保するとの関係に基づいて、危機対応業務に関しては三分の一超、そして特定投資業務については二分の一以上の株式保有義務が法律上課されているところでございます。 その上で、政府としては、現時点で政府保有株式の具体的なスケジュールを持っているわけではございませんが、引き続き、今申し上げた危機対応業務や特定投資業務を担っている下で必要な検討を行いつつ、法律に示された考え方に基づいて対応していく必要があると考えているところでございます。
○柴愼一君 まだ全然株式の処分はしていないという認識でよろしいですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 認識というか、事実として、この間、株式の処分はしておりませんし、先ほど申し上げた具体的なスケジュールを現時点で有しているわけではないところでございます。
○柴愼一君 やっぱり、この法律、法の附則や附帯決議含めて、明確な理由がないままそういうことというのは、附帯決議に誠実に対応してきていないんじゃないかと、大きな問題があるというふうに思います。 私は郵政グループ出身でありまして、民営化から株式上場に至る経過を経験した者として、DBJというか政府の対応には重大な違和感を、不誠実さを感じるというところですが、今般の法案がDBJのその株式処分に与える影響についてまた教えていただけたらと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 株式処分、先ほど申し上げた考え方は、今回の法案を提出させていただきましたが、それが成立させていただいた下においても基本的に何ら変わるものではございません。 そういった意味において、引き続き、先ほど申し上げましたように、民間事業資金の供給の円滑化など、会社の目的達成に与える影響及び市場の動向を踏まえつつ、株式については、政府保有の株式についてはその縮減を図り、できるだけ早期にその全部を処分すると、この考え方にのっとって引き続き対応していきたいと考えておりますし、また、今回お願いしたのは、るる先ほど説明させていただいたように、リスクマネーの供給も含め国内投資を促進していく必要があると、こういう観点から今回法案を提出させていただいたという経緯でございます。
○柴愼一君 特定投資業務が延長されるということは、やっぱりその分、完全民営化に向けた道筋というのも変わってくるということだというふうに思いますと、今回の法案を提出するに当たって、やっぱり上場株式処分の道筋というのを明確に示していくべきじゃないかというふうに考えるところであります。 我が国の、先ほども船橋理事からもありましたが、我が国の状況を考えれば、地域活性化や競争力強化に向けてリスクマネーを供給していくということについては必要だというふうに認識するところです。一方で、公的資金を投入していくとすれば、特定投資業務における政策評価や透明性を確保していくということが不可欠だというふうに思います。 特定投資業務の政策評価や透明性確保について、現状の取組と今後のあるべき姿について政府の認識についてお聞かせください。
○国務大臣(加藤勝信君) 日本政策投資銀行の特定投資業務に関して、政府としても個別案件の評価、検証を行うことが重要と考えております。 エグジット案件については、政策投資銀行において、取締役会の諮問機関として外部有識者から構成されるモニタリングボードを設置し、年二回政策評価が行われており、その結果を投融資先の個社名は伏せた上で公表しているところでありますし、また、継続中の案件については、政策評価の対象とはしていないものの、モニタリングボードの場においてその業況などを審議し、必要に応じて引当金を計上するなど、年二回、個別案件ごとに評価、検証を実施しております。 特定投資業務の透明性を可能な限り確保していくことが重要であり、継続中の案件も含めて、今後どういった形で公表することが可能か、また政策投資銀行、まずは政策投資銀行において検討してもらうとともに、財務省としてはその検討状況などをよく注視していきたいと考えております。
○柴愼一君 リスクマネーであることから、全てが投資回収に至らないものであることは理解するところです。だからこそ、案件ごとの政策評価、そしてその公表が必要だというふうに思っています。 特定投資業務のモニタリングボードの機能の強化、発揮や、個別案件の評価状況について、個別案件、個社名を伏せてということでありましたが、衆議院での議論でも様々公表の在り方について議論がされたというふうに思っています。 また、そして守秘義務契約もあるということで一定の制限があるということであれば、今後の特定投資業務については、そういう守秘義務契約の在り方も含めて見直すべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○参考人(地下誠二君) お答えいたします。 守秘義務契約につきましては、私どもは顧客との信頼関係で非常に重要なものだと思っています。 一方で、特定投資ということで、国のお金を半額預かりながら運用いたしますので、大臣も御指摘されましたけれども、今後、可能な限りの透明性、なるべく個別の、個別の会社の個別の金額という結構機微情報に触れる部分とか、場合によっては、我々、上場企業も対象としておりますので、インサイダーの問題とか結構慎重な部分も必要でございますけれども、今回、投資期間が十年に延びるということもありますし、何か損失を先送りしているんじゃないかとか、政策効果が発現していないものを隠蔽しているんじゃないかという御疑問も当然出てくると思いますので、どういう形で出すのが適切かというのは、私どもとして工夫した上で、主務省と相談しながら努力をして、従来とは違った形での開示を目指してまいりたいと存じます。
○柴愼一君 DBJのホームページを見ると、こんな案件ありますということが、一般のプロパー業務と特定投資業務が何かちりばめてあるんですよねっていうことでいったときに、じゃ、どういう在り方がいいんだということを含めて、是非今後の、今までの契約というのはもう守秘義務が掛かっているかもしれませんが、これからの特定投資業務を行うに当たっては、そんな透明性の確保に是非配慮いただくような取組を検討いただくことを要請申し上げて、時間ですので私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○上田勇君 公明党の上田勇です。今日はどうかよろしくお願いいたします。 法案に関する質問に入る前に、日本銀行の金融政策について一点質問させていただきます。 五月一日の政策決定会合で金融政策の現状維持を決定しました。その理由として、先行きの物価上昇率の下振れリスク、すなわち物価の上昇率がこれから低下するものと思われるということを挙げております。展望レポートなどでは、アメリカの通商政策の影響等も含めた詳細な分析も行われているんですけれども、ただ、こうした見方というのは、今の国民生活、国民の生活実感とはちょっと懸け離れているんではないのかなという気がいたします。生活実感というのは、やっぱり物価高騰が家計を圧迫をしていて、この物価高対策が急務というものではないかと感じています。ここにはかなり大きな隔たりがあるのではないかと思います。 展望レポートにもあるんですけれども、実質金利が極めて低い水準にある、そんな中で緩和的な金融政策を続けるということは、場合によっては更なる物価上昇を誘引することになるのではないだろうかということも懸念をされます。 今回、このように、状況の中で、この金融政策の現状維持、そういうふうに判断をした理由について是非分かりやすく御説明いただければというふうに思います。
○参考人(中村康治君) お答え申し上げます。 物価上昇の背景には様々な理由がございますけれども、食料品価格を中心に、物価上昇率が二%を上回る状態が続いているということは国民生活にマイナスの影響を与えていることと十分認識しております。 先行きにつきましては、不確実性はなお大きい状況でありますが、前年比で見て上昇率は次第に低下していくというふうに見ております。また、各国の通商政策等の影響を受けまして我が国の成長ペースは鈍化しまして、それが物価を押し下げる方向に作用する可能性があると考えております。 こうした中、今回の決定会合では、現在の緩和的な金融環境を維持することで引き続き経済活動をしっかりとサポートしていくことが適当と判断したところでございます。 先々につきましては、各国の通商政策等の影響が和らいでいく下で我が国の経済の成長率は再び高まりまして、基調的な物価上昇率も二%に向けて高まっていくものと見ております。こうした見通しが実現していくとしますれば、経済・物価情勢の改善に応じまして、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えております。
○上田勇君 ありがとうございます。 今答弁にもありましたけれども、非常に今、世界経済の先行きが不透明であって、現時点で金融政策の変更をするというこのリスクというのは非常に高いということはよく理解をしているところであります。 ただし、実質金利が今もうマイナス二%程度という極めて低い水準にあるわけでありまして、この金融緩和を続けていくと、本当に物価を更に上昇させるんではないかというような疑問も拭えないところであります。 今いろいろと御説明あったとおり、非常にアメリカの動向なども不透明なわけでありますけれども、今後、やはりこの物価も十分考慮しながら、今御答弁にあったとおり、この金利の引上げも含めた金融政策、とても重要になってくるというふうに思いますので、適切かつ機動的な政策運営を期待しているところでございますので、よろしくお願いいたします。 日銀への質問は以上でございますので、御退席いただいても結構でございます。
○委員長(三宅伸吾君) 日本銀行中村理事、御退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。
○上田勇君 次に、財務省に法案の内容についてお伺いをしたいというふうに思います。 財務省では、昨年、各方面の有識者で構成する特定投資業務に関する勉強会を開催をし、その取りまとめでは特定投資業務の成果や必要性が確認をされて、今回の法改正に至ったものだというふうに承知をしています。現状、それに加えて、米国によります関税引上げ始め、各国の通商政策に起因して国内経済の先行きが極めて不透明になっております。 石破内閣では賃上げと投資による成長型経済の実現を目指しているんですけれども、我が国経済を腰折れさせないように国内投資を促進をしていく必要があると考えています。そのためには、この特定投資業務等、DBJが担うべき役割は極めて大きいというふうに認識をしています。 アメリカの関税引上げに対応するため、企業の中にはアメリカ国内での生産設備の投資を増やすような動きも見られています。しかし、その結果、国内への投資意欲が減退するのではないかといったことも懸念されるところであります。DBJがやはり国内金融機関等と協調して、国内投資、特にやっぱり地方への積極的な投資、これまでも行ってきてはいただいているんですけれども、更に強化をしていく、そういった取組が必要ではないかというふうに思いますけれども、財務大臣、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 委員からも御指摘がありましたとおり、今般の米国政府による広範な関税措置は、日本を含めた世界の貿易と経済に大きな影響を及ぼす可能性もあり、また、国内産業、雇用への影響も懸念をされているところでございます。 政府としては、米国政府に対し一連の関税措置の見直しを強く求めるとともに、事業者や国民の皆さんから不安の声をいただいていることを踏まえ、先月二十五日、米国関税措置を受けた緊急対応パッケージを取りまとめたところであり、必要な支援に万全を期していきたいと考えております。 我が国経済を成長型経済に移行させていくためには、成長分野での成長促進が重要であります。今般の法改正により、政策投資銀行における特定投資業務の期限を延長することで、資金ニーズの増加が見込まれるものの、不確実性も高い新たな投資領域に民間からも積極的にリスクマネーが供給されるよう後押しをしていきたいと考えております。 また、我が国経済を成長型経済に移行させていくためにも、各地方において官民を挙げて国内投資を促進していくことが重要であります。 特定投資業務は、地方創生向けにこれまで六十件、千三百五十億円の投融資決定を行うとともに、地域金融機関と共同ファンドを創設し、投資のノウハウ提供、人材育成にも尽力してまいりましたが、昨年秋、財務省で有識者の方々をメンバーとして開催した勉強会において、特定投資業務の地方への浸透度はまだ道半ばであるとの御指摘も頂戴したところであります。 今般の法改正と併せて、地域金融機関や自治体等との連携、協働、能動的な情報発信、好事例の横展開といった点を強く意識した枠組みを整備することで地域向けのリスクマネー供給を加速をしていきたいと考えております。
○上田勇君 ありがとうございます。 今回のこのアメリカの関税引上げ始めとする各国の通商政策がやはり今後貿易や投資の減少につながって、世界的な不況に陥る危険性も指摘をされております。 そうなると、我が国でも、アメリカに輸出している企業だけではなくて、中小企業・小規模事業者に加えて中堅企業も含めた非常に幅広い分野に影響が及ぶんではないか、そういったときにはDBJの危機対応業務を含めた機動的な対応が必要になってくるというふうに思いますので、万全の対応をお願いしたいというふうに思います。 先ほどの勉強会の取りまとめにもありましたけれども、DBJに期待される役割の一つは、地域金融機関に対する先進的な金融ノウハウの提供と人材の育成であるというふうに理解をしております。 これまでの取組と成果、そしてこれからの方針についてDBJから御説明いただきたいと思います。
○参考人(地下誠二君) お答えいたします。 確かに特定投資は、リスクマネーの提供ということで、一般の地方銀行さんが提供するような通常の融資契約に加えまして、例えば、劣後融資ということで劣後特約をどう入れるとか、あとは株式も普通株で議決権を持った方が円滑に進む場合と議決権を持たない種類株という形でお手伝いする方がいいような場合、本当にまちまちでございます。 なので、実は私どもの努力としては、まずは特定投資は単独ではなくて、呼び水効果と呼んでいますが、ほかの金融機関と一緒にやるというのがポイントでございますので、まず支店の、先ほど二百程度人員を置いていると言いましたけれども、彼らと地銀さんが共同して案件に取り組む際にそういうノウハウ移転というのは努めているのが一点でございます。 二点目は、大臣からも御指摘ありました、共同でファンドをつくることによって、その投資委員会の在り方とか着眼点というのを共にやらせていただくことで経験値を共有するというやり方も取ってございます。 最後は、具体的にもう人に来てもらって一緒にやった方がいいだろうということで、二〇一五年特定投資を開始して以降、地域金融機関から累計でグループ全体で九十三名受入出向者を私どもの職員のステータスないしは私どものグループ会社の職員のステータスでまさに案件を共同してやって、二年ぐらいやって親元に帰っていただくと、そういうのが実績でございます。 ただ一方で、主観的には我々一生懸命取り組んでいるつもりなんですけれども、有識者会議においても、まだ地域への浸透は道半ばという御指摘もいただいておりますので、今後五年間につきましては、我々の主観だけではなくて客観的にも実績が更に残せるように努力してまいりたいと存じます。
○上田勇君 ありがとうございます。 とても重要な取組だというふうに思いますので、是非これからも対応を強化していただきたいというふうに思います。 最後に、法律によって政府がDBJの株式の一定割合以上を保有することが義務付けられており、現状では全ての株式を政府が保有をしております。これまでの法改正に係る議論でも政府保有の在り方についてしばしば言及をされてきました。 政府が株式を保有する理由について御説明をお願いしたい。そしてまた、今後どのようにしていくのか、基本的な考え方を伺いたいと思います。
○政府参考人(寺岡光博君) まず、政府による株式保有義務に関しましては、当面、政策投資銀行に求める政策対応の対応に当たり必要となる議決権を確保するとの考え方に基づきまして、危機対応業務については三分の一超、特定投資業務については二分の一以上の株式保有義務が法律上課されているということでございます。 その上で、政府保有義務の掛かっていない部分を含め株式売却に関しては、法律において、長期資金、事業資金の供給の円滑化など、会社の目的達成に与える影響及び市場の動向を踏まえ、その縮減を図り、できる限り早期にその全部を売却することとされてございます。 政策投資銀行は、現時点において政策上の要請を踏まえ危機対応業務や特定投資を行うこととされており、現時点では売却の具体的なスケジュールを持っているわけではありませんが、引き続き必要な検討を行い、法律に示された考え方に基づき対応していく必要があると考えてございます。 その際、民間資本が入ってくることで、高い収益性など、民間資本が求めるものと政策投資銀行に与えられた政策目的とが相反する可能性もある点なども踏まえながら検討していく必要があると、このように考えてございます。
○上田勇君 ありがとうございます。 政府保有の理由、必要性については、その公的性格から一定の理解をするところであります。ただ、DBJの株式というのは簿価で数兆円だというふうにも承知をしておりますし、財政状況が厳しい中でこうした多額の公的資金の在り方を決めていくためには、もっとオープンな議論も必要なのではないのかなというふうに思っております。国会における十分な検討も必要ではないかというふうに思いますし、国民への的確な情報提供も不可欠だというふうに思います。 今後とも十分な議論をお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。 早速質問させていただきます。 今回のこの特定投資業務のうち、まち・ひと・しごと創生ならある程度見通しが利くと。これは、先ほど地下社長からもお話ありましたし、加藤大臣の方からも言及がありました。六十件、千三百五十億円。 ところが、新たな投資分野であるところのGXとかディープテック、この資料を拝見いたしましたけれども、その中にあるだけでも、例えば水素エネルギーとかペロブスカイト電池、それから量子コンピューターとか生成AIとかもここに入ると思うんですね。 生成AIの話をすると、例えばディープラーニングという技術ができて、そこから昨今使われているLL、ラージ・ランゲージ・モデルというところまで十年か十五年ぐらいですよね。この今使われている生成AI、これはもう去年、おととしの話ですからごく最近の話なんですけれども、技術的には十年、十五年ぐらい前に遡れるということなんです。 だから、その投資の期間が、投融資の期間が長くなれば長くなるほど回収までに時間が当然掛かってしまうと。ここが一番難しいところで、だから、皆さん、そういう問題意識共有されていると思うんですけれども、新しい技術ができて、ここに投資しよう、融資しようとしても、もうあるものはすぐ陳腐化してしまうと。また新しい技術ができてくると。だから、どこでやめようか、どこまで続けたらいいのかというのは常に問題になると思うんですね。 それで、そういうリスクということで具体的に一点を質問させていただきたいんですが、この特定投資業務に関して、二〇二二年の経常利益が百三億円の赤字、当期純利益が五十七億円の赤字になっております。この原因は何か教えていただけませんでしょうか。
○参考人(地下誠二君) お答えいたします。 委員御指摘の二〇二二年三月期の赤字につきましては、これ具体名で申し上げますと、日本の部品メーカーが海外の部品メーカーを買収して更に成長しようとしました。マレリホールディングスという会社に特定投融資を行ったものが、ちょうどコロナで自動車販売が滞った。その後、一旦回復したんですけれども、半導体不足で完成車のメーカーの需要が急減した。片方で、ティア1の部品会社ですので、それより小さいところに資金を回してやらなきゃいかぬということで資金破綻を起こしまして、民事再生法の法的整理に至りました。それの減損分を計上しましたので、その期は経常損益でマイナス百三億、当期純利益でマイナス五十七億になってございます。 ただ、一応全体像を御説明しますと、現状、累計ではその損失を含めて税引き後六百六十四億の黒字は確保しておりまして、ポートフォリオ全体としては法令上求められる業務全体の長期収益性は何とか確保させていただいているかなという状況でございます。
○浅田均君 ありがとうございます。 ずっと黒字なのに、一年だけ何で赤字なのかということで質問させていただきました。 それで、今もポートフォリオとかおっしゃいましたので、その件についてはまた後ほど質問させていただきます。 先ほども申し上げましたけれども、こういう、回収が長期に及ぶということで、果たしてこのリスクマネー供給は妥当であるかというところで悩まれると思うんですね。それで、令和二年の法改正、前回の法改正時の附帯決議二項で、特定投資業務の期限の延長を漫然と繰り返すことのないよう適切な措置を講ずることとあります。 つまり、私が冒頭申し上げました懸念をこの委員会の皆様方が共有されていることだと思うんですけれども、こういう附帯事項、附帯決議に基づいてどのような措置を講じられたのか、お尋ねいたします。
○国務大臣(加藤勝信君) この附帯決議などを踏まえて、政策投資銀行において、取締役会の諮問機関として外部有識者から構成されるモニタリングボードにおいて特定投資業務に関する政策評価という、こうした手法を導入をしていただいております。財務省としても、この政策評価を含めた特定投資業務の実施状況やリスクマネーをめぐる社会経済情勢を継続的に確認したところでございます。 その上で、昨年十月以降、特定投資業務の在り方を検討するため、四回にわたって、全銀協、地銀協、ベンチャーキャピタル協会、プライベート・エクイティ協会など、幅広い方々からのヒアリングを外部有識者による勉強会で実施をしたところでございます。 その結果、依然として、長期間の研究開発や社会実装等を要するディープテックやGXなどの資金需要が拡大する中、民間の資金供給が追い付いていないといった課題があり、これに対応するためには、特定投資業務の投資決定期限を五年間延長し、業務完了期限に関しては十年間延長することが適当といった御指摘が取りまとめられ、これを公表し、また、この御指摘を踏まえて、今般、DBJ法の改正案を提出させていただいたと、こういう経緯でございます。
○浅田均君 加藤大臣、今、日本におけるリスクマネーが非常に供給量が少ないと。で、政府がその呼び水を期待して出資、投融資されているというのはよく分かるんですけれども、これ、アメリカの例えばイーロン・マスクみたいに、巨大な資本、巨大なお金持っている人は民間でできるんです。民間がやる、だからもう政府はしないと、そういうことになっていて、物すごく彼我の差が大きいということをまず皆さん共通認識として持っていただく必要があるのかなというふうに思っております。 それで、次の質問ですが、今大臣が言及されましたその勉強会の取りまとめにおきまして、特定投資業務の期限延長、今回は五年と十年、投資決定期限を五年延長、それから業務完了を十年延長が適当としています。 ここで、一つ大事なことなんで、例えの話なんですけれども、仮に期限終了とされた場合、特定投資に関する資産と負債というか、資産と考えた方がいいのかもしれませんけれども、政策投資銀行が、さっき社長おっしゃいましたように、株式として投資する、あるいは劣後ローンとして投資する、メザニンローンとして投資する、あるいはエクイティーとして保有する、いろんな選択肢があると思うんですけれども、そういった、出したお金ですね、だから、日本政策投資銀行のバランスシートから見たら資産に計上されている部分、これを業務完了時点でどういうふうに継承していくのかということについてお伺いしたいと思います。
○参考人(地下誠二君) お答えいたします。 私どもの取組としては、一応決められた期限内で基本的には回収をすると。我々金融用語ではイグジットと呼んでおりますけれども、株式の場合は、他社に売る場合もありますし、上場することによって市場で売る場合もあります。ないしは、種類株の場合は、その企業主体が稼いだ内部留保で買い取ってもらうという方法もありますし、劣後ローンは大体約定が投資期間内に設定しておりますので、約定による弁済もあります。 ただ一方で、どうしても業務終了の時点で残るものもあります。ここはまた主務省と丁寧に議論する必要はあるのですが、基本的には売却していくということでありますが、売却が適切でないようなもの、ここは個別に財務省と相談していきたいと思いますし、一応期限の年限も法律上は、これちょっとへ理屈に聞こえるかもしれませんが、努力義務となっていますので、もう期末でぴしっとともかくクリーンオフするというものでもないと認識しております。 ただ、それをまず目指して、ただ、特殊例外ですね、国防上の理由でこれはちょっと余り売らぬ方がええよとか、そういうのは余り取り組まないつもりではありますけれども、そういう個別の努力をしていきたいと思います。
○浅田均君 もう少しその点詳しくお伺いしたいんですけれども、劣後ローンの場合は弁済とかいうお話が出ましたけれども、今、僕ら最初習った頃は、エクイティーというのがあって、自己資本ですね、それからデット、他人資本というのがあって、アセットを形成していると。ところが、エクイティーとデットの間にメザニンローンとか、それから、昔はエクイティーだと出資になるんですけれども、メザニンローンとかそのシニアローンの間に、ちょっとリスクは高いけれど利回りはいいと、そういう中間層みたいなやつが出てきているんですね。だから、エクイティーに関してはもう完全に損失として計上すると思われるんですけれども、その中間のやつですよね、それはどういうふうな扱いをされるんでしょうか。
○参考人(地下誠二君) やや専門的な話になりますけれども、やっぱりメザニンというところの扱いが一番難しゅうございます。 なので、基本的には、約定弁済を求める場合もあれば、あとは、例えば私どもが想定しているのは、期限が来た場合で、リファイナンスと呼んでおりますけれども、もう一回銀行団を組んで借換えを全体としてすると、その中で洗い替えて、特定投資のものは国にお返しして、場合によっては、その洗い替える際に私どもの一般業務の資金で新たな資金供給の可能性も排除はされないと思っています。そのときは、もう特定投資というよりは、特定投資を手じまうための資金ということになろうかと考えてございます。 これは一例でございますので、主務省と相談しながら適切に工夫をしてまいりたいと存じます。
○浅田均君 何かすごく答弁がお上手なんで、ここは、もうこういうのは早く、民業圧迫ではないけれど、少なくとも政府が関わるべき仕事ではないだろうから、結論的に、今回はまあ仕方がないと思っていますけれども、次回はあるのかないのかというところで判断すべきと思っていたんですけれども、ちょっと今の社長のお言葉で、もう一回考え直すことにさせていただきたいと思います。 それで、時間が、まだいいですか、最後の一個だけ質問させていただきます。 申し上げているように、物すごくリスク評価というのが難しくて、このGXとかディープテックの関連の投融資のリスク評価というのは、審査というのはどこで誰がどのようになさっているのか、ちょっと教えていただけませんでしょうか。
○参考人(地下誠二君) お答えいたします。 審査は一〇〇%私ども、当行の内部でやっておりますが、特に、御指摘のあったディープテックとバイオのところはなかなかやっぱり実績値に伴う審査判断というのが非常に難しい分野でございます。なので、我々、社内的にはソサエティー五・〇枠ということで、実績を問わない部分は、例えば産総研であるとかJAXA、あとはそのほかの国研機構と言われる人たち、場合によってはそういう人たちからの出向を受けて、協定を結びながら、そういう国の研究機関のお力を借りて判断をしているのが一つ。 もう一点は、私どもが独自に直接投資するのではなくて、特にシードと言われる非常に初期の段階を得意とする専門のファンドもありますので、そこに特定投資を活用して、我々が、LP投資と呼んでいますが、そこに資金をお預けしてそこの専門家に御判断を委ねているようなケース、そういったもの含めて、全面的に当行の仕組みの中で判断させていただいております。
○浅田均君 もっとやりたいんですけど、時間になりましたのでこれで終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○堂込麻紀子君 国民民主党・新緑風会の堂込麻紀子です。 早速質問に入らせていただこうと思いますが、令和六年、昨年の九月に、財務省に設置されております株式会社日本政策投資銀行、ここからDBJと呼ばせていただきますが、その特定投資業務に関する勉強会、その取りまとめの序文において、我が国は、リーマン・ショックや東日本大震災、新型コロナウイルス感染症の拡大と大規模な危機に見舞われたが、民間金融機関による対応が容易ではない中、政府系金融機関が危機対応業務等を通じて経済を下支えし、セーフティーネットとして重要な役割を果たしてきたというふうに述べられております。 〔委員長退席、理事船橋利実君着席〕 このような実績を積んできたDBJが特定投資業務を行うことによって、資金回収における不確実性というのはありますけれども、潜在的な成長力を引き出すために必要なリスクマネーについて、民間金融機関と協調して提供し、我が国の企業競争力の強化、地域活性化等を実現するとする政策目的は十分肯定できるものというふうに考えます。 この特定投資業務について、平成二十七年の業務開始以来、令和六年九月末までに二百三十六件、一兆二千八百三十一億円の投融資が決定され、誘発された民間の投融資額七兆五千十億円。累積損益は黒字で推移しており、税引き後の累積損益については六百六十四億円、またイグジットによって累積一千五百二十九億円を国庫納付しているということで、この点について評価されてよいというふうに考えております。 平成二十七年のDBJ法の改正の特定投資業務の開始から約十年がたっているというところですが、我が国全体のリスクマネー供給の実績は、これまで御指摘のとおり、諸外国と比べるといまだ小規模であって、十分に供給されているとは言えないというのが現状であるという皆さんの認識だというふうにも思います。 以上の理解を大前提として質問をさせていただければというふうに思います。 まず、特定投資業務の予算の妥当性について伺います。 諸外国と比べて我が国のリスクマネー供給、不十分と認識されていることについて、米国においては、スタートアップへの投資額で見ると日本の約三十倍の市場規模であるという指摘がありまして、また、スタートアップによる資金調達の国際比較、これ対GDP比で見ても米欧諸国に大きく後れを取っているというのが現状かと思います。 このような中、そもそも特定投資業務の予算、計画、これはどのように決定されているのでしょうかというところと、政策目的に照らしてその妥当性、どのように判断し、決定されているのか、お伺いしたいというふうに思います。
○副大臣(横山信一君) スタートアップへの支援を含む特定投資業務は、DBJの自己財源と産業投資による資金をおおむね一対一で用いて実施することとされております。 〔理事船橋利実君退席、委員長着席〕 毎年度の産業投資額については、DBJによる投資候補先事業者の資金需要見込み等を踏まえて、提出された要求額を基に、財政投融資計画の編成過程において同行の事業規模の推移や今後の投資方針等を聴取し、財政制度審議会の意見を聞いた上で所要額を財政投融資計画に計上しております。 この財政投融資計画は予算書に添付して国会に提出をしております。また、他の機関への支出額も含む産業投資の支出総額は、特別会計予算の一部として国会の議決対象であり、国会での御審議を経て決定されるものとなっております。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 確認させていただきました。予算に対してDBJも受け身ではなく関わりながら、プロセスに関わっているというところの確認ができましたので、ありがとうございます。 続きまして、近年の特定投資業務の実績についてお伺いできればというふうに思いますが、二〇一五年の特定投資業務開始以降、投資決定実績は、二〇一八年までに七百億円超から一千億円超まで増加、二〇一九年には一気に三千五百億円超に達しているというところですが、二〇二〇年、二千百億円超に減少し、以降は、六百億円超から一千百億円超の間で低迷しているというところです。 コロナ禍の影響があるというふうにも見られますけれども、最近の投資決定が低調であることについて見解をお伺いできればと思います。
○参考人(地下誠二君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、二〇一五年に関して、十年間で累計一兆二千数百億なので、単純平均だと年間一千億になります。ただ、二〇一九年がぽおんと出ましたのは、これは半導体で大規模工場建設というものがありましたので、かなり千億単位の部分が増えたという、そこが著しく三千五百億に行った主因でございます。 翌年はコロナの影響という御指摘ですが、実はそのとおりで、二〇二〇年、ちょうどコロナ危機で資金繰りが大変なんだけれども、やっぱり成長投資をしなきゃいけないという向けに新型コロナリバイバルファンドという特別なファンドを形成しまして、そこでぐっと実績が出ましたので、トータル二千五百億ぐらいになったということでございます。一応、そのリバイバルファンドはもう一応今は解消しまして、資金の余剰は国庫納付をさせていただいているところでございます。 その後は、例えばこの二〇二四年度の直近の数字は、確定決算を得られているところは上期しかありませんでしたので一千億となっておりますけれども、まだ決算確定していませんが、下期でもほぼ同額、累計で二千億弱ぐらいは行くかなと思っておりますし、来年度の必要額についても、先ほど副大臣御説明があった予算要求の中で適切に見積額を要求させていただいているところでございますので、今後頑張って案件を出していきたいと思います。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。そうですね。 続いての質問にさせていただければというふうに思いますが、特定投資業務の投資先の企業名の公表という部分についてです。 柴議員からも質問あったと思いますけれども、五年前の本委員会の附帯決議においては、国民への説明責任を果たすという観点から、特定投資業務の個別案件における投資状況を含め、同業務に係る情報の公開をより一層推進することと指摘されております。 一方、特定投資業務の投資先の企業名については日本政策投資銀行のリリースにおいて公表されておりますけれども、その投資額については一律に非公表という状況が依然として続いているということです。 特定投資業務、日本政策投資銀行によって実施されているものの、その財源は財政投融資の産業投資からの出資と政策投資銀行の自己資金から成ることから、特定投資業務は官民ファンドに分類されており、官民ファンドの運営に係るガイドラインによる検証の対象にもなっております。 顧客情報の保護が必要であるという点はどの官民ファンドにおいても同様だと思われますが、多くの官民ファンドにおいて投資額と企業名が併せて公表されている状況であります。 一方で、特定投資業務については、投資先ごとの投資額は一律に公表されておりません。この点、特定投資業務の実施に当たって、投資先と守秘義務契約を結んでいるということでありますが、なぜその投資額が守秘義務の対象になるのか、そこが疑問が拭えないというところでありますけれども、公表することで呼び水効果も期待されて、借入先、また出資先が公表を拒むことはないというふうに考えます。 ここはいかがでしょうかというところと、特定投資業務の財源の半分は国の出資、つまり国民の財産から成っております。その意味においても、特定投資業務の個別案件についても国民に対する説明責任、しっかりと果たす必要があって、多くの官民ファンドで行われているように投資額についても情報を開示して、透明性、これを確保していくべきではないでしょうかというところが思いのところです。 そこで、既に守秘義務契約を結んでいる案件については開示が難しいとしても、これから特定投資業務として実施する案件については日本政策投資銀行又は政府により投資額を公表することを前提とした契約とすることは考えられないのかというところを大臣より御見解いただければというふうに思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 個々について、個人情報ということで開示できない契約になっているかは、ちょっと後で答弁していただければと思います。 その上で、日本政策投資銀行の特定投資業務等に関しては、法律上の政策目的を踏まえた業務の取組状況について御理解をいただくことが非常に大事でありますから、関連する情報を可能な限り開示し、透明性を確保することは重要であります。 日本政策投資銀行においても、先ほどありましたように、投融資決定を行った二百三十六件全件について、投融資先の個社名、事業概要を公表しているところでございますが、個別の投融資額については、経営上機微な情報ということで日本政策投資銀行と事業者間との間で守秘義務契約が結ばれております。既に契約を結んだ案件については、これはなかなか難しいんじゃないかと、今後どうするかという問いだというふうに思います。 他の官民ファンドと異なって、金融機関として特定投資業務以外の出融資業務併せて行っている政策投資銀行において、これまで事業者等との間で信頼関係を築いてきているわけでありますが、そうした下において、より透明性を高めるためにどういう対応ができるのか、出融資を必要としている事業者等の意向又は事業者等と政策投資銀行との信頼関係に与える影響も踏まえながら、どういった工夫の仕方があるかどうか、これを考えていく必要があるというふうに認識をしており、まずは政策投資銀行においてより透明性を高めるための具体的な開示方法について検討をしていただき、その状況を財務省としてはよく注視していきたいというふうに考えております。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 そうですね、守秘義務についてはもちろん信頼関係の下というところもございますし、先ほどもありましたその企業の様々なリスクを、何でしょう、避けるという意味からも公開されていないというところもあるかと思いますけれども、あえて呼び水効果というところを増やすのであれば、DBJが投資している、投融資しているということを発表していただいた方が、このぐらいの額が出ているというふうに見えた方が更に呼び水が生めるのではないかという考えの下、質問させていただいております。ありがとうございます。 次の質問に移らせていただきたいと思いますが、特定投資業務と地域活性化について伺います。 特定投資業務、地域経済の自立的発展を政策目的の一つとされております。特定投資業務の実施に当たっては、地方において、意欲はあるが十分に光が当てられていない取組を後押しすること、その地域ならではの事業を実現する手助けをしていくといった視点が重要であるというふうに考えております。その分類が地域活性化であれ、競争力強化であれ、特定投資業務は地方においてこそ、より積極的に展開されるべきと考えます。ひいては、地域金融機関における人材育成にもつながると考えます。 特定投資業務のこれまでの実績を見ると、テーマ別の分類で、地域活性化が一千三百五十億円、競争力強化が一兆七百一億円、共同ファンドが七百八十億円と、競争力強化に著しく偏っているように見えます。その当否は別にしても、これに関連して、特定投資業務に関する勉強会の取りまとめにおいて、地域活性化に向けた諸課題において、地域においては、グローバル展開が進めば大きな飛躍が見込まれる事業等、そのポテンシャルに気付かれぬまま埋もれてしまっている事業が存在するというふうにあります。この具体例、教えていただけると有り難いです。
○参考人(地下誠二君) お答えいたします。 まず、一点ちょっと、先ほどの答弁の修正ですけれども、二〇二〇年度投融資額、二千五百と口が滑ったんですが、正確には二千百四十三億でございます。まず修正させてください。 それと、先生御指摘の、地域のグローバルできらっと光る案件でいいますと、実行済みの案件ですと、エアロエッジという飛行機のエンジンのブレードを造っている会社がございます。これは元は栃木県の中小企業で、菊地歯車という会社がありまして、たしか一九四〇年ぐらい創業の、ずっと歯車を造っていた会社なんですが、その高度な切削技術で、フランスのサフラン社、これはエアバスとかのエンジンを供給している会社ですが、そこのグローバル公募に手を挙げて、そこに当選して、それに必要な資金を私どもが特定投資を活用してお手伝いをした事例というのもあります。これも本当のローカルな企業が世界に挑戦して実現し得たということで、そのエアロエッジ社は今はグローバル市場にもう既に上場済みということでございます。これが一例で、一番分かりやすいかと。 あと、ほかには、青森県のリンゴを世界に売ってあげている日本農業という会社も特定投資先となっておりますので、なるべく地方と世界が直接つなげるような仕事を特定投資を活用してお手伝いしていきたい、これからも、五年間一生懸命努力を重ねていきたいと存じます。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 栃木、また青森の事例ありました。茨城県にはまだないということですけれども、私出身の茨城にはまだないといったところですが、これからの五年間で地域の埋もれてしまっているポテンシャルを是非発掘していただくというところにより注力をいただきたいなというふうに思っております。 最後の質問です。 地域でのノウハウや投資人材の不足の解消についてお伺いできればというふうに思います。 地域金融機関におけるノウハウや投資人材の不足について、五年前の法改正時でも課題として指摘されております。特定投資業務が開始されてから十年間で、実は余り状況が変わっていないのではないかというふうにも捉えられます。これは特定投資業務そのものの課題というよりも地域金融機関の体制整備の課題もあるかというふうに思われますが、五年前の本委員会の附帯決議、株式会社日本政策投資銀行から地域金融機関に対する先進的な金融ノウハウの提供や同行と地域金融機関との協働等により、地域経済の自立的発展の実現に資する人材の育成や確保が図られるよう、適切な措置を講ずることと指摘されています。 地域金融機関における人材育成、課題であるとするならば、これまで十年間で行ってきたその効果を顧みるとともに、従来とは異なるアプローチを試みていくというのも必要ではないかというふうに考えます。 人材育成が進まない要因がどこにあると分析して、それを克服するためにどのような取組を今後していくのか、また、特定投資業務が開始されてからの十年間、地域金融機関におけるノウハウ、また、投資人材不足の解消について特定投資業務がどのように貢献したと、貢献してきたのかと評価されるのか、エビデンスに基づく御説明をいただければというふうに思います。
○政府参考人(寺岡光博君) 委員御指摘のとおり、地域においてはリスクマネー供給を担う人材育成が大変重要な課題であると認識してございます。これは、リスクマネー供給には他の出資者や事業者との調整など通常の融資業務とは異なるノウハウが求められるところ、エクイティーを活用した業務や商慣行が十分に浸透していないこと、これまでの実績も残念ながら乏しく、事業やファンドの規模からしても外部からの人材採用が制限されていること、こうしたことがそうした課題の一因であると、このように認識してございます。 日本政策投資銀行では、これまで、地方創生を目的とし、六十件、千三百五十億円の投融資決定を行っており、その中で地域金融機関との共同ファンドを十八件創設し、出資先は二百十一億円まで拡大し、また、地域金融機関からの人材受入れも実績を積み上げてきてございますが、特定投資業務の地域への浸透度はいまだ道半ばであると指摘されてございます。 地域におけるこうした金融ノウハウの浸透につきましては、地域経済そのものの問題でもございますので大変難しく、かつ重要な課題であると考えてございます。こうした中、今後、特定投資指針、これは財務省の告示でございますが、を改正し、地域金融機関、自治体等との間で課題認識を共有し、その解決に向けて協働していくこと、地域の担い手育成のために積極的にノウハウを提供すること、優良事例を横展開するため積極的に情報発信することなどを地域向けの取組として強化することとし、人材育成も進めてまいりたいと、このように考えてございます。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 これからの先の、人材育成も含めて、より強化していただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございます。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 今回、日本政策投資銀行、DBJというふうに以下は言いますが、特定投資業務の期限が延長されます。 DBJの財政投融資からの借入、出資受入れによる資金調達額は二四年三月末で約九兆円、調達総額の六割以上に及びます。理財局の財政投融資レポートを見ますと、財投資金は、民間では十分に資金供給できないが、政策的な観点から資金供給を行うべき分野に対して行うというふうにされているわけですね。特定投資業務以外の業務でも財投を活用しているDBJについて言えば、これは民間では十分に資金供給できない分野に投融資するというのが役割のはずだと思います。 そこでお聞きをしたいと思うんですが、民間資金で十分に資金供給できないかどうか、これを判断する際には、対象となる企業の資金調達能力、問題になると思います。その際には、内部留保あるいは自己資本比率を含めた財務状況、これは勘案されるのでしょうか。
○参考人(地下誠二君) お答えいたします。 委員の御質問にありました、企業の、我々の特定投資の対象となる企業の内部留保とか財務内容は十分審査してまいります。 ただ、財務体質だけではなくて、その年度年度の全体の資金計画、私どもの特定投資の対象となる事業と、彼ら、要するに対象先の企業が、一般的に新たなほかの資金使途、その全体の資金使途の中で過不足を勘案いたしますので、そういう内部留保、財務体質、あとは資金計画、その中で民間の金融機関から賄えるところ、で、不足分を私どもが埋めると、そういうような審査の段取りを取ってございます。
○小池晃君 DBJの出資先、融資先を資本金規模別に見るとどうかということで、これは財務省にお聞きしたいんですが、DBJの資金供給残高について、特定投資業務とそれ以外でそれぞれ、資本金十億円以上の大企業が全体に占めている割合を示していただきたいと思います。
○政府参考人(寺岡光博君) まず、特定投資業務の出融資残高における資本金十億円以上の企業が占める割合でございますが、令和六年九月末現在で、取引先数ベースでは四九%台、金額ベースでは九七%台となってございます。 また、特定投資業務以外の出融資残高における資本金十億円以上の企業が占める割合につきましては、取引先数ベースでは四七%台、金額ベースでは八七%台となっていると承知してございます。
○小池晃君 丸められましたけど、特定投資業務では九七・八%、特定投資業務以外では八七・五%ということで、大半が大企業向けということになります。しかも、資本金十億円以上の大規模な企業。 こういう巨大企業というのは巨額の内部留保を抱えておりまして、やっぱり自力での資本調達能力も大きいと思うんですね。大企業だから駄目とは言いませんけれども、大企業を対象とする場合というのは、公的資金の活用にふさわしい審査がなされなければモラルハザードになってしまうと思うんです。 この点に関わって、特定投資業務による不動産分野での投資についてちょっと取り上げたいと思うんですが、DBJはこの間、特定投資業務によって、福岡を基盤とする西日本鉄道、西鉄が立ち上げた二つの不動産投資ファンドに出資をしています。昨年三月に資産規模百億円のNNRファンド一号、先月には六十五億円のNNRファンド二号であります。 この今回の出資の目的、趣旨、これをお述べいただきたいと思います。
○参考人(地下誠二君) お答えいたします。 まずもって、通常、不動産会社が投資ファンドをするときには特定投資は対応いたしません。 委員御指摘の点につきましては、西日本鉄道、本業はバスと鉄道会社、確かに不動産はターミナル駅の物件とかは持っておりますけれども、今回の試みは、沿線開発のために初めて私募ファンドを立ち上げるという、その新規性に着目しまして、これも経営の革新に当たる、あと競争力の強化と、あとはやっぱり九州での都市機能の拡充という地域の活性化に当たる、そういうことも併せ判断して特定投資として採択したものでございます。 二号目につきましては、一号目は単なる私募ファンドだったんですけれども、二号案件については、西鉄グループ自らが資金運用会社を立ち上げて運用するというところで、そこも新規性がございますので、そういう点に着目しましたので、一般的な不動産の対応は私どもの一般で対応しておりますけれども、今回は先ほどのような意義があったということで、特定投資で採択させていただいた状況でございます。
○小池晃君 西鉄はこの取組を私募REITの設立に向けた取組というふうに位置付けているわけですね。今もありました。 私募REITは、これは機関投資家あるいは富裕層、特定の投資家に向けた不動産投資信託である、これは御承知のとおりだと思いますが、西鉄は、沿線開発して、その開発したマンションなどの不動産を売却して、ファンドはその不動産の賃料収入などを裏付けとした私募REITを発行して資金を集めていくというスキームです。それによって新たな再開発の資金も確保できるという、こういうスキームだと思うんですね。二〇二六年に予定されている私募REITの発行までは西鉄とDBJなどの出資金と銀行借入れでつないでいくと。二〇三〇年までに私募REITの資産規模一千億円目指しているということなんですが。 大臣、近年、やっぱり不動産市場にはこういう国内外の投資マネーが流入しているわけです。J―REIT、私募REIT、こういった不動産ファンドの運用資産額というのは、これは日銀の大規模金融緩和始まる二〇一二年、この約二十七兆円から二〇二四年は五十六兆円と、倍以上に膨れ上がってきているんですね。 私は、こうした分野というのは民間では資金が十分集まらないんだろうか、むしろこれは民間の力で十分に対応できる分野ではないかというふうに思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 不動産にかかわらず、委員御指摘のように、民間でできるものであればこれは民間でやる、これは原則であります。あくまでも民間の補完であり、また、そうした投資が十分でなく、かつ政策的にそれを進める必要性がある、こういったものに今後、特定投資業務等も活用されるべきものというふうに考えております。 それから、一方で、多分、委員のその背景には、昨今の不動産市況が非常に高まっていて、一般の方々もなかなか、特に都内中心にマンションがもう手が届かない、こういう話が背景にあるんだろうというふうに思いますので、そういった点に対してもちろん注視していくことは必要だと思いますが、一方で、先ほど地下社長のお話もありましたように、地域の開発とかこういった点について、これは政策的に進めていくし、これが本来民間企業だけでできるのであればこしたことがないわけでありますが、先ほどのお話であれば最初の挑戦というんですかね、そういったことでもあり、そういったことを支援をしていく、これは政策的な価値があるんではないかなというふうに思っております。
○小池晃君 今大臣からもありましたけど、もう本当に今、不動産価格高騰して、東京二十三区内なんかもう一億円以上ですよ、ほぼ。億ションですよ。もう住み続けられない、そういう町になりつつあるわけですね。 こういう不動産投資の過熱ということをやっぱりしっかり、このままでいいのかということはよく考える必要があると思いますし、今回のこの西鉄の案件ですけど、西鉄自体は資産運用の経験はそんなにないというようなこともあるかもしれませんが、これは金融大手のみずほグループが全面的にバックアップしているわけです。みずほによる貸付けが行われて、NNRファンド一号、二号を運用するアセットマネジャー、これメインはみずほ不動産投資顧問なんですね。サブが西鉄アセットマネジメント。 この西鉄の投資家向けの資料を見ますと、みずほと連携していると、みずほから人材を受け入れていると、その知見、ノウハウを習得すること、これもアピールされていて、その資料の中には政投銀という名前出てこないんですね。こういう実態なんですね。 ニッセイ基礎研究所が今年一月に行った不動産関係者のアンケートを見ますと、今後価格上昇を期待できるエリアというのは、これは東京都心五区の次に回答多いのは福岡市なんですね。都心五区を除く東京都区部よりも、それから大阪市も上回っている、福岡市は。こういう状況なわけですよ。もう狙いどころなんですね。 やっぱり私は、DBJが公的資金を原資にして不動産投資を過熱させてしまうというようなことであれば、これはゆゆしきことではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げましたように、特定投資業務は、地域活性化や我が国企業の競争力強化の観点から、民間だけでは対応が難しい成長分野に対してリスクマネーを供給することが目的であります。不動産市場に関しても、特定投資業務の政策目的に合致する案件について、民間だけでは事業者の資金需要を満たすことができない、またその政策目的を実現することができないということからリスクマネーを供給するということでありますので、この特定投資業務を通じた資金供給が投機マネーの流入のような不動産投資の過熱をもたらしてはならぬ、それは御指摘のとおりだと思います。 したがって、そうした点には十分配慮をしながら、先ほど申し上げた政策目的を実現すべく今後とも対応していかなければならないと思っておりますし、また、先ほども申し上げましたが、投機的な不動産投資の動向が国内の不動産価格等に与える影響についても引き続き注視していく必要があると考えています。
○小池晃君 特定投資業務については、衆議院では透明化ということがかなり議論されましたけど、それも大事だと思います。同時に、やはり私は、こういう形でその不動産投機のような方に向かっていく、それでいいんだろうか。 DBJの資金調達実績見ていると、財投からの調達はもう増加してきているわけですね。その一方で、地方向けの財投資金の残高というのは、二〇一四年度の五十一兆円から二〇二三年度四十兆円まで減っているわけですね。もうちょっと時間の関係で質問はしませんけど、これやっぱり、今本当に社会資本、一気に老朽化しているわけですよ。埼玉県の下水道のあの事故に見られるように、やっぱり非常に深刻な事態になってきている。やっぱり住民の命に関わるインフラの老朽化対策なんかは非常に急務だと思うんです。 私は、地方自治体の財政に対する、国が支援することも大事だと思うんですけど、やっぱり財投資金をこういう自治体によるインフラ整備あるいは医療福祉関係などに回していく、DBJはやっぱりもっと資金の自己調達の努力強めて財投からの調達縮減して、やっぱり財投はもっともっと地方にインフラ整備のために使っていくような、そういう政策的な方向性必要なんじゃないかと思いますが、大臣、質問しないと言ったけど、ちょっと一言どうぞ。
○国務大臣(加藤勝信君) 別に、何か財投が枠があって、政策投資銀行取ったらほか縮まるわけではないということはもう御承知のとおりだというふうに思います。 したがって、地方向け財政投融資資金については、行政改革や財政投融資改革の趣旨を踏まえ、民間資金を補完するものとの前提の下で、災害復旧事業等、国が責任を持って対応すべき分野に対して引き続き積極的に対応する。また、下水道事業債を含む、国の政策と密接な関係のある分野に対して引き続き対応していくということが必要であると考えております。 さらに、日本政策銀行に対しては、先ほど申し上げたような形で本来の政策目的に沿った対応をしていただくということで、そして、それを実施するに当たっても、まず日本政策投資銀行が自己調達を行って、最大限努力した上でなお足りない部分は財政投融資資金を融通していくということでございます。 今後とも、毎年の財政投融資計画の編成においては、日本政策投資銀行における自己調達の取組を確認しつつ、必要な資金需要に的確に対応するとともに、委員御指摘のように、住民生活に密着した社会資本整備や災害復旧等のニーズに対応するため、地方公共団体へ財政投融資資金を適切に供給すべく努力をしてまいりたいと考えております。
○小池晃君 終わります。ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(三宅伸吾君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、三原じゅん子君が委員を辞任され、その補欠として田中昌史君が選任されました。 ─────────────
○神谷宗幣君 参政党の神谷宗幣です。 本日は、株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案について質問いたします。 私は、この委員会でも、大規模な国営ファンドなどをつくって、長期的視点から社会課題の解決のための投資やリスクマネーの供給を進めていったらどうかというふうに提言していたぐらいですので、政策投資銀行の投資事業を延長することに対しては異存はないという立場でございます。 そういった立場を表明した上で、その投資の内容については気になるところは少しありますので、質問させていただきたいと思います。 まず、投資の重点分野としてGXが挙げられており、中でも、水素、アンモニアなどのカーボンニュートラル燃料の開発などに投資をされているということですが、太陽光発電、風力発電、核融合発電、水力発電などにも投資をしているのかについてお聞かせください。また、どういったエネルギー開発に投資をするのかをどう選考するのか、その基準についてもお聞かせください。
○参考人(地下誠二君) お答えいたします。 確かに、水素、アンモニアについては例示として書いておりますが、いわゆるGX分野、脱炭素についてはまだ技術的にも確立しておりませんし、どこがドミナントになるかも見通せない状況でございますので、委員御指摘の核融合会社にも京都フュージョニアリングという会社を通じて投資をしておりますし、やっぱりマルチパスウエーというんでしょうか、決め打ちしないやり方というのをこの特定投資の中でもグリーン投資の枠組みで対応していきたいと思ってございます。 なので、その中にも、本当に革新的なものから御指摘のような小水力の発電とか、そういう、そこに地元の企業との間で革新性が見出されるものは積極的に採択していきたいというふうに考えてございます。
○神谷宗幣君 これ、エネルギーなかなか難しいですね、うまくいくかどうかというようなことも分からないので、まさにこういう公的な資金を入れるところかなというふうに考えているんですね。 実は、最近、新聞にも載っていましたけれども、発電事業者の倒産が結構増えていまして、太陽光や風力発電の倒産というのも出ています。その原因の一つがFITの買取り価格が下がったためということですけれども、今までいろいろ投資してきていろいろ新しいエネルギーをつくるけれども、結局値段が上がっているということが理にかなってないということなんですよね。 やはり、環境負荷が少ないということも大事ですけれども、安い電力ということも必要ですので、太陽光も中国産のパネルばっかり買ってないで国産のを開発するんだというところは私ども理解はしているんですけれども、何か太陽光とか風力の開発ばっかりが目立つので、是非、こういった公的な資金も入るわけですから、水力発電とか核融合の発電などにもっと積極的な投資をお願いできないかなというふうに考えています。再エネ賦課金など、いつまでも国民から何兆円も取っていくわけにはいきませんので、賦課金なしでちゃんと電力供給ができるように、そういったところの投資をお願いしておきたいというふうに思います。これは要望です。 二つ目ですけれども、もう一つの重点分野としてスタートアップ支援というものが入っています。 政府がスタートアップに支援しているということ自体は別に問題ないと思うんですけれども、課題は、上場までは結構支援するんですね、いろんな支援があるんですが、上場のファーストステージであるグロース市場に入ってからというのが停滞していまして、ここに資金を投入していくことが民間の投資を呼び込んでスタートアップ市場を活性化させることにつながるというふうに私は考えているんですけれども、こういった分野の投資にこれから予算を割いていくというか、投資を増やしていくといったお考えがあるのかどうか、まずお聞かせください。
○参考人(地下誠二君) お答えいたします。 確かに委員御指摘のとおり、スタートアップがグロース市場に上場したものの、そこから株価が下がり続けて鳴かず飛ばずになるという現象は今大きな課題だと認識しております。 なので、私どもは、特定投資を活用するか私どもの一般の投資でやるかは別ですけれども、そういうグロース市場に乗ったけれど鳴かず飛ばずのもの、最近、東証改革で時価総額が百億未満のものはむしろ上場廃止になるという動きもありますので、それを更に伸ばすような部分は是非この特定投資を活用して対応していきたいというのを内々にもう企画もしているところでございます。
○神谷宗幣君 質問してかなり気持ちのいい回答が早く返ってきた質問久しぶりなんですけど、是非それやっていただく。まさに今から言おうとしているのが、その基準が四十億円ですね、上場してから十年以内に時価総額四十億以上にしなければいけないというルールが五年経過後の時価総額が百億円以上でないといけないというふうに、大分グロース市場が厳しくなってきています。そういう提案がされているんですね。 確かに市場を世界基準に上げていかないといけないということも分かるんですけれども、そうすると、お金集めるために何か投機的なお金がどんどん入っていくと、結局、せっかく上場はしたものの、投機的に扱われてしまって企業は潰れてしまうというふうなことになっては、せっかくスタートアップを応援した意味がなくなってしまうので、是非こういったところにしっかりとした、企業の事業の本当にいい悪い、それからあとは社会貢献になるかどうか、そういったところを見据えてしっかりと資金を付けていただきたいということで、まさにそう計画していますということで非常に有り難いんですが。 もう一点だけ。私、この委員会で述べましたのが、NISAでお金集めるんですけど、どんどんそのお金が海外に行ってしまうということで、これは非常にもったいないんですよね。ですから、やっぱり政策投資銀行のようなところが、その今までの経験とか知恵を生かしながらうまく、これは政府とも連携してNISAのお金をグロース市場にうまく流していくような仕組みをつくっていただければ、国民資産はまだ二千兆円ぐらいあるわけですから、これでやっぱりグロース市場からどんどんと、ユニコーンというところまで行くかは別として、そういったところに資金の流れを付けてあげないと、なかなか上場させるだけでは次に行かないので、是非そういった仕組みづくりも今後検討いただければというふうに要望しておきます。以上であります。 それから三点目ですけれども、法案から少しそれた質問になりますが、財務省が四月十五日、財政制度等審議会の分科会を開いて、米の価格高騰をめぐって、年間約七十七万トンを輸入しているミニマムアクセス米について主食用に回す上限を引き上げる案を提示されていますが、この意図についてお聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(横山信一君) 御指摘の四月十五日の財政制度審議会、私も出席をしておりました。食品等の価格上昇が続き、その代表例である米の生産や安定供給についても国民の皆様の関心が高まっている中で、安心で豊かな地域社会の確立の議論として米、水田政策についても取り上げられました。 事務方が提出した資料では、米の生産に関し、農業者の急減や食料安全保障の確保等も踏まえ、これまでどおりに転作を進めるのではなく、生産コストを削減して収益性を強化しつつ、中食、外食等で活用される業務用米や小麦に代わり得る米粉用米等の多様なニーズも踏まえた稲作の可能性について検討する必要があるといった記載がなされているものと承知しております。 それに加え、国民に対する米の安定供給を確保する観点から、備蓄の在り方の見直しとともに、ミニマムアクセス米についても、実需に応じて主食用米として活用できる柔軟性を高めることにより、様々な事情で変動する国内需給の調整弁として全体の米供給の安定化につなげることが考えられる、こうした記載がされているものと承知をしております。 今後、財政制度審議会におきましては建議が取りまとめられますので、財務省として、その内容を踏まえ対応を検討してまいります。
○神谷宗幣君 少し抽象的だったんで確認なんですけれども、これ、七十七万トン輸入している枠を広げるということではなくて、七十七万トン分のうちの十万トン分を食用に今まで割り当てていたけれども、その七十七万トンの総枠は広げないけど、その十万トンの枠を、今回、米がちょっと足りていないので少し食用に回してはどうかという、そういう提案で、今米不足だから臨時措置だということですよね。 これ、ここは結構大事で、これからまた、今米が足りないからアメリカの米をどんどん買いましょうとなると、ますます日本の農業というか稲作駄目になってしまうので、ここのところを少し確認しておきたいんですけど、それどうでしょうか。
○副大臣(横山信一君) 審議会におきましては、気候等による生産量の増減を補完するため、国内需給の調整弁として複数の手法を持っておくとの観点から、政府備蓄米の弾力的な活用と、これと併せて、現行制度の枠内でミニマムアクセス米を柔軟に活用することも検討すべきではないか、こうした議論がなされました。
○神谷宗幣君 何かはぐらかされているような答弁なんですけど、これ私強く要望しておきますが、とにかく米が足りなくなっているのは日本の農政のミスだと私たちは考えています。ですから、その分を輸入米で穴埋めしようという考え方は絶対やめてもらいたくて、今米がないから国民困っているので、ミニマムアクセス米の一部を主食用に回すということはいいかと思いますけれども、これをきっかけにどんどん輸入米を増やそうとか、ブレンド米を市場にどんどん増やしていこうという考え方は、これ、日本の農業を守るのに逆行しますので、是非、そういった議論は止めていただいて、やはり日本の農業をしっかり守るような形、財政も大事ですけど、農業をしっかりお金掛けて守っていただきたいと思います。要望です。 以上です。
○委員長(三宅伸吾君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○柴愼一君 私は、会派を代表して、株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 本法案に反対する第一の理由は、日本政策投資銀行がリスクマネー供給を行うことに対する検証が不十分な点です。 本法案で出資期限と業務完了期限が延長される特定投資業務にはこれまでに一兆円ほどの公的資金が投入され、モニタリングボードを通じて政策評価が行われてはいますが、約三百億円の損失を出している案件もあります。 国民の財産である公的資金を用いてある程度の損失もあり得るとするリスクマネーを供給するに当たっては、公益性の観点から十分なチェック体制を整備する必要があります。日本政策投資銀行による資金供給は、本来業務である民間金融機関では対応が困難な公益性の高い分野を中心に行いつつ、リスクマネーの供給は、事後検証を含め、より一層審査体制の強化が不可欠であり、現状では不十分と指摘せざるを得ません。 反対する第二の理由は、情報公開が不十分な点です。 特定投資業務には公的資金が投入される以上、投資に掛かった金額と会社名は国民に広く情報公開されてしかるべきです。とりわけ損失が出ている案件に関しては、その投資が正当性を持つものかどうか国民が判断する必要があることからも、現状、企業名と金額を原則明かさない日本政策投資銀行の情報公開の在り方は問題視せざるを得ません。 反対する第三の理由は、完全民営化の道筋が一向に示されない点です。 日本政策投資銀行に危機対応業務や特定投資業務を担わせるとしても、現状、政府が保有する五〇%の株式は売却する余地があります。株式売却を通じた民営化の道筋を明確化することなく、特定投資業務の期限を延長する正当性はないと言わざるを得ません。 以上の理由から、本法案に反対することを申し上げ、討論を終わります。
○小池晃君 日本共産党を代表して、株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 そもそも、日本政策投資銀行、DBJなど政府系金融機関は国民の財産を原資としており、民間金融機関では対応が困難かつ公益性の高い分野への投融資に限定するべきです。 反対理由の第一は、本案で延長される特定投資業務の原資は公的資金であるにもかかわらず、政策的必要性の乏しい大企業向け支援が拡大する危険が高いからです。 特定投資業務の出資先は、そのほとんどが資本金十億円以上の大企業であり、鉄道大手、不動産大手の大規模再開発事業が並んでいます。巨額の内部留保を抱える大企業への支援は、政策的必要性、特に民間からの調達が可能かどうか、厳格な審査が求められます。また、国内外の投資マネー流入が地価高騰を招いている下で、公的資金で支援する政策的合理性があるとは言えません。政府資金であるにもかかわらず、各企業への出資額が極めて不透明であることも問題です。 反対理由の第二は、特定投資業務の延長、拡充により、財政投融資への依存が更に強まるからです。 この間、DBJの財投資金が増える一方、地方自治体、地方公営企業向けは減少しています。財投の活用は、地方インフラや医療・福祉分野など、困難な国民生活を下支えする分野を優先すべきです。DBJには、政府資金に頼らない自己調達の努力が求められます。 以上、反対の理由とし、討論といたします。
○委員長(三宅伸吾君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(三宅伸吾君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、柴君から発言を求められておりますので、これを許します。柴愼一君。
○柴愼一君 私は、ただいま可決されました株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民・無所属、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派並びに各派に属しない議員梅村みずほ君、大野泰正君及び神谷宗幣君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。 一 株式会社日本政策投資銀行ができる限り早期に完全民営化することとされていること及び特定投資業務が時限を定めて導入されたことを踏まえ、期限延長が際限なく繰り返されることがないよう特定投資業務の法定期限到来までの間に、同業務の継続の是非と国の関与の在り方について十分に検討すること。 二 政府の保有株式については、特定投資業務等の実行に伴い政府が保有すべき株式を除き、株式会社日本政策投資銀行の目的の達成に与える影響及び市場の動向を踏まえつつその縮減を図ることとし、できるだけ早期の売却に努め、その売却益を増大している国債の償還財源に充当するなど国民負担の軽減に努めること。 三 特定投資業務が民業の補完又は奨励に徹することとされていることを踏まえ、民業を圧迫することがなく適切な運営がなされるよう万全を期すこと。また、いわゆる呼び水効果が民間金融機関に与える経営上の影響について、定量的な計測や検証に努めるよう促し、もって呼び水効果が最大となるよう配慮すること。あわせて、特定投資業務の個別案件の政策効果について的確に評価・検証すること。 四 株式会社日本政策投資銀行の株主として同行の業務の事業実績及び経営状況を十分監視すること。 五 民間金融機関による資金供給を公的観点から支援するという株式会社日本政策投資銀行の役割に応じた適切なリスクを取ることが可能となるよう、同行の経営状況について、その投資損益等が適正なものとなるよう十分注視すること。 六 国民への説明責任を果たす観点から、多額の公的資金が投入される特定投資業務に対し、国会の行政監視機能が十分に果たされるよう、政府と株式会社日本政策投資銀行は、取引内容に関して積極的に情報開示を行うこと。また、特定投資業務の個別案件について進捗状況を継続的に把握し、財務の健全性が確保されるようにすること。 七 地域経済の自立的発展を実現するためには、地域金融機関等の人材の育成が急務であることに鑑み、株式会社日本政策投資銀行から地域金融機関に対する先進的な金融ノウハウの提供や同行と地域金融機関等の協働等により、地域における人材育成が同行によって図られるよう適切な措置を講ずること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(三宅伸吾君) ただいま柴君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(三宅伸吾君) 全会一致と認めます。よって、柴君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、加藤財務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。加藤財務大臣。
○国務大臣(加藤勝信君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。
○委員長(三宅伸吾君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時一分散会