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217回国会参議院2025/03/24

財政金融委員会 第3号

発言数
296
登壇者
39
会派数
8
開催日
2025/03/24

会議録

三宅伸吾自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) ただいまから財政金融委員会を開会します。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁総合政策局長屋敷利紀君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三宅伸吾自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

三宅伸吾自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  委嘱審査のため、本日の委員会に株式会社日本政策金融公庫代表取締役総裁田中一穂君、株式会社国際協力銀行代表取締役総裁林信光君、日本銀行総裁植田和男君及び同副総裁内田眞一君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三宅伸吾自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

三宅伸吾自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 去る十八日、予算委員会から、本日一日間、令和七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち金融庁、財務省所管、株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行について審査の委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。  審査を委嘱されました予算について政府から説明を聴取いたします。加藤財務大臣兼内閣府特命担当大臣。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 令和七年度一般会計歳入予算並びに財務省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明申し上げます。  まず、一般会計歳入予算額は、政府案において、百十五兆五千四百十五億円余となっております。  この内訳について申し上げますと、租税及び印紙収入は七十八兆四千四百億円、その他収入は八兆四千五百二十五億円余、公債金は二十八兆六千四百九十億円となっております。  その上で、衆議院における修正において、所得税の収入の六千二百十億円の修正減少、税外収入の二千七百九十二億円余の修正増加、公債金の十九億円余の修正減少により、総額で三千四百三十六億円余の修正減少が行われております。  次に、当省所管一般会計歳出予算額は、政府案において、三十兆四千三十億円余となっております。  このうち主な事項について申し上げますと、国債費は二十八兆二千百七十八億円余、予備費は一兆円となっております。  その上で、衆議院における修正において、予備費の二千五百億円の修正減少が行われています。  次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算について申し上げます。  国債整理基金特別会計におきましては、歳入歳出いずれも二百二十二兆一千百八十五億円余となっております。  このほか、地震再保険等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等を御覧いただきたいと存じます。  最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算について申し上げます。  株式会社日本政策金融公庫国民一般向け業務におきましては、収入二千二十億円余、支出一千二百七十九億円余となっております。  このほか、同公庫の農林水産業者向け業務等の各業務及び株式会社国際協力銀行の収入支出予算につきましては、予算書等を御覧いただきたいと存じます。  以上、財務省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。  なお、時間の関係もございまして、既に配付しております資料をもちまして詳しい説明に代えさせていただきますので、記録にとどめていただきますようお願いいたします。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。  引き続きまして、令和七年度における内閣府所管金融庁の歳出予算について御説明申し上げます。  金融庁の令和七年度における歳出予算額は二百三十八億円余となっております。  このうち主な事項について申し上げますと、金融庁の一般行政に必要な経費として二百十八億円余、国際会議等に必要な経費として五億円余、金融政策の推進に必要な経費として四億円余となっております。  以上、内閣府所管金融庁の歳出予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。  よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。

三宅伸吾自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 以上で予算の説明の聴取は終わりました。  なお、財務省関係の予算の説明については、お手元に配付しております詳細な説明書を本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三宅伸吾自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

白坂亜紀自由民主党

○白坂亜紀君 おはようございます。自由民主党の白坂亜紀でございます。  早速ですが、今後の財政健全化に向けた取組姿勢について加藤大臣にお尋ねいたします。  内閣府が作成をしている中長期の経済財政に関する試算において、昨年七月の試算では国、地方のプライマリーバランスの対GDP比が令和七年度に黒字化する姿が描かれていました。しかし、本年一月の試算では赤字が見込まれております。政府はこれまで財政健全化目標として国、地方のプライマリーバランスを令和六年度に黒字化する目標を掲げてきましたが、現時点では達成が難しくなっている状況です。  政府は、経済あっての財政という基本的認識に立ちつつ、財政健全化も重要であるとの立場かと思いますが、来月から新年度入りし、令和七年度を迎えようとする中、財政健全化について引き続き国、地方のプライマリーバランスを指標として取り組むこととするのか、それとも新たな目標を立てて取り組むこととするのか、大事な視点となりますので、加藤大臣の御見解をお聞かせください。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 委員御指摘のように、内閣府から公表されました中長期試算では、二〇二五年度のプライマリーバランスは黒字化しない見込みが示され、一方で、PB黒字化目標を初めて掲げた二〇〇一年度以降で最も赤字幅が縮小する見通しでもあります。これまでの経済財政運営の成果もあり、着実に財政状況は改善しており、試算結果においては二〇二六年度にPBが黒字化するということとなっております。  政府としては、早期のPB黒字化の実現に向け、我が国の潜在成長率の引上げに重点を置いた政策運営に取り組むとともに、歳入歳出両面からの取組を継続していくことが重要と考えております。  また、先般、一月十七日の経済財政諮問会議で、総理から、骨太方針二〇二四で示された経済・財政新生計画の枠組みの下、今年の骨太方針において、早期のPB黒字化実現を含め、今後の財政健全化に向けた取組を示すべく、諮問会議においても検討を進めると指示があったところであります。  政府としては、今後こうした指示を踏まえ、具体的な検討を進めていきたいと考えております。

白坂亜紀自由民主党

○白坂亜紀君 ありがとうございます。  続きまして、今後の法人税の在り方についてお尋ねをします。  法人税については、設備投資や賃上げの促進、立地競争力の強化を図るため、法人税率を引き下げる改革を行ってまいりました。これにより、我が国の法人税収は企業収益が伸びていることに比較すると穏やかとなっており、法人税の税収力が低下しているとの指摘があります。  法人税は、平成十年と十一年に三七・五%から三〇%に段階的に引き下げ、平成二十四年には二五・五%に、平成二十七年から三十年にかけても段階的に現行の二三・二%に引き下げられております。  企業の税負担が軽減されることで設備投資や賃上げなどが積極的に行われていれば法人税改革の効果があったと言えるのですが、現実には、企業の内部留保や現預金が増加していることと比較して設備投資や賃上げの状況は物足りないものとなっております。  このような状況を踏まえ、与党の税制改正大綱においては、企業が国内投資や賃上げに機動的に取り組むよう、減税措置の実効性を高める観点からも、レベニュー・ニュートラル、税収中立の観点からも、法人税率を引き上げつつターゲットを絞った政策対応を実施するなど、めり張りのある法人税体系の構築が必要であることを指摘されております。  この指摘について、財務大臣としてはどのように考えていらっしゃるのか、また、今後、法人税をどのように改革していこうと考えていらっしゃるのか、その方向性をお聞かせください。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 委員御指摘いただきましたこの間の法人税の引下げの経緯などを踏まえた上で、令和七年度与党税制改正大綱では、今お話をいただいたように、預貯金等の積み上がりが指摘されつつ、こうした振り返りを踏まえれば、法人税改革は意図した成果を上げてこなかったと言わざるを得ずと評価をされているところであります。その上で、今後の法人税の在り方については、法人税率を引き上げつつターゲットを絞った政策対応を実施するなど、めり張りのある法人税体系を構築していくとされております。  政府としては、今後の法人税の在り方について、このような与党税制改正で示された認識、考え方、また経済情勢の変化、国際的な動向などを踏まえながら検討していきたいというふうに考えております。

白坂亜紀自由民主党

○白坂亜紀君 ありがとうございました。  続きまして、金融・資産運用特区の推進についてお尋ねをいたします。  政府は、貯蓄から投資への流れを着実なものとし、国民の資産形成を後押しする資産運用立国の政策を推進しております。具体的には、金融経済教育の充実やコーポレートガバナンスの改革の推進、家計金融資産等の運用を担う資産運用業の改革等に取り組んでいると承知しております。資産運用業の改革に当たっては、資産運用業への国内外からの新規参入と競争の促進に向けた取組の一つとして、金融・資産運用特区の創設が重要施策の一つとして位置付けられております。  金融庁は、対象地域となることを希望する自治体から特区に関する提案募集を実施し、昨年六月に金融・資産運用特区実現パッケージを公表いたしました。パッケージでは、特区として北海道の札幌市、東京都、大阪市、福岡市、この四地域を対象に定め、国内外の金融・資産運用業者の集積、金融・資産運用業者等による地域の成長産業の育成支援、グリーントランスフォーメーション、スタートアップといった成長産業の振興、育成に向けて国、地域で取り組んでいくこととしております。  金融・資産運用特区については、四つの地域がそれぞれの特徴を生かし、地域間での連携を図っていくことを通じて、我が国全体として魅力的な国際金融センターを実現することが期待されております。各地域の特徴を生かした金融・資産運用特区の推進に向けた金融庁の取組について、加藤大臣にその考えをお伺いいたします。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 金融庁では、昨年六月、四地域を金融・資産運用特区と指定をし、我が国が魅力的な国際金融センターとなるために、特区に指定された各地域がそれぞれの特徴を生かし、金融・資産運用サービスを集積し、地域の産業、企業の発展につなげていくことが重要と考えております。  こうした各特区の取組を後押しをするため、今お話をいただきました金融・資産運用特区実現パッケージを昨年六月に公表し、それに沿って、関係省庁と連携しつつ、銀行によるGX関連事業に対する出資規制の緩和など金融面での各種規制改革、商業登記等の開業に関する行政手続の英語化等、ビジネス環境の整備を着実に進めております。  加えて、今後は、海外資産運用業等の金融・資産運用特区への投資、進出を促す観点から、各自治体と連携し、それぞれの特区や日本市場の魅力の発信など、海外向けの周知、広報にも注力をしていきたいと考えております。  こうした特区関連の取組を含め、世界に開かれた国際金融センターの実現に向けて、金融庁として引き続きしっかりとした取組を進めていきたいと考えております。

白坂亜紀自由民主党

○白坂亜紀君 ありがとうございました。  続きまして、金融犯罪への対応強化についてお伺いをいたします。  先日の当委員会における熊谷委員の所信質疑でも取り上げられましたが、AI等の進展が金融犯罪に悪用される懸念が高まっており、例えば、AI音声を悪用した不正送金など、実際に生成AIを利用した金融犯罪が生じていると承知しております。  こうした中、金融庁は、警察庁と連携して、様々な金融犯罪に関して、関係する業界団体への対策強化の要請などに随時取り組んでいるところと承知しております。例えば、SNS等を通じたやり取りで相手を信頼させ、投資等の名目で金銭をだまし取るSNS型投資、ロマンス詐欺が近年急増しているほか、法人口座を悪用した事案が見られるなど、預貯金口座を通じて行われる金融犯罪への対応が急務であることから、昨年八月には、法人口座を含む預貯金口座の不正利用等防止に向けた対策の一層の強化について警察庁と連名で預金取扱金融機関の業界団体に対し要請するなどしているとのことです。  金融庁が公表している令和七年度予算、機構・定員(案)についてを見ると、安心して投資できる環境を整備し、資産運用立国の実現を図るという観点から、金融犯罪への対応強化等に係る相談体制の強化や周知徹底といった予算を計上しております。  AI等の進展により金融犯罪が更に高度化する中、こうした対応に予算を計上して対処していくことは重要であると思います。予算を計上する以上は効果的な施策でなければなりませんが、金融犯罪への対応強化等に係る相談体制の強化や周知徹底について具体的にどのような施策を講じるつもりなのか、金融庁の見解をお伺いいたします。

屋敷利紀金融庁総合政策局長

○政府参考人(屋敷利紀君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、AIなど科学技術の進展によって金融犯罪の手口が巧妙化しております。  こうした中、金融庁では、政府が昨年六月に策定した国民を詐欺から守るための総合対策を踏まえて、金融業界と連携しながら金融犯罪を防止するための様々な対策を講じてきたところでございます。また、委員御指摘の金融庁における相談体制を強化するとともに、様々な媒体を用いた官民一体、業界横断的な広報活動によって利用者への周知徹底を図るために必要な経費を令和七年度予算案にも計上しているところでございます。  金融庁といたしましては、このほかにも金融機関との対話を通じて口座の不正利用防止に係る対策の実効性向上を図るなど、国民が金融犯罪の被害に遭わない環境づくりに向けて引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

白坂亜紀自由民主党

○白坂亜紀君 ありがとうございました。  続きまして、事業性融資の推進についてお伺いをいたします。  金融機関においては、担保、保証へ過度に依存することなく、事業の実態や将来性に着目した融資を推進することが求められています。事業性融資の推進に向けては、昨年、ノウハウや顧客基盤などの無形資産を含む事業全体を担保とする企業価値担保権の創設を含む事業性融資推進法案が政府から提出され、当委員会における審査も経て六月に成立をいたしました。企業価値担保権の創設により、不動産等の有形資産に乏しいスタートアップ等の幅広い事業者が融資を受けやすくなることが期待されております。  金融庁では、来年春頃の制度の施行を目指し、昨年七月発足した事業性融資推進プロジェクトチームを中心に施行に向けた準備を進めていると承知しております。他方で、民間調査会社が昨年十月に公募した企業価値担保権に対する企業の意識調査では、企業価値担保権の企業における認知度は三割弱との結果でした。アンケートの回答からは、取引金融機関から情報をもらえない状態であるなどというような意見が出ております。新しい制度の情報が容易に得られない点を指摘する声も上がっております。  企業価値担保権に対する事業者側の認知度について、金融庁の現状の評価をお聞かせください。また、事業者が企業価値担保権を資金調達の新たな選択肢の一つとして捉えるようになるためには、制度内容の周知に向けたより積極的な取組が求められると考えますが、金融庁の見解をお伺いいたします。

伊藤豊金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) お答え申し上げます。  今委員御指摘がございました民間調査会社の調査結果につきましては私どもも拝見をしておりまして、私どもといたしましても、事業者の皆様の新しい担保権の認知度はまだまだ高くないという状況にあるというふうに考えておりまして、今後、周知、広報により一層努めていかなければならないものというふうに認識をしております。  今月の頭からプロモーション動画を配信を始めておりまして、足下、再生回数が三十六万回というふうにカウントをしております。こうしたことを更に進めていきたいと思っておりますほか、リーフレットを作成し、今月末からを予定しておりますけれども、商工会議所などとも連携をして配布をしていくという予定にしております。  他方で、企業価値担保権を新たな事業性融資の選択肢として浸透させるには、金融機関におけるこの担保権に関する実務的な論点の検討、活用に向けた体制構築なども不可欠であるというふうに考えておりまして、こうしたところを整備いたしませんと事業者の皆様への周知も進まないのではないかというふうに考えております。  先ほど御紹介ございました金融庁のプロジェクトチームが中心になりまして、関係する業界団体と企業価値担保権の活用が想定される融資事例、与信審査、期中管理の在り方等の実務上のポイントなどについて議論を行っているところでございます。  企業価値担保権が新たな選択肢の一つとして、事業性融資の選択肢として浸透していくように、引き続き、周知、広報を含め、来年の法律の施行及びその後の利用の普及に向けた環境整備に取り組んでまいりたいと考えております。

三宅伸吾自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 時間が来ておりますので。

白坂亜紀自由民主党

○白坂亜紀君 ありがとうございました。  金融庁が長年取り組んでこられたすばらしい取組だと思いますので、推進をお願いいたします。  以上で終わります。

熊谷裕人立憲民主・社民・無所属

○熊谷裕人君 立憲民主・社民・無所属の熊谷でございます。  前回の大臣所信に対する質疑でちょっと積み残した質問がございましたので、そこから最初に質問させていただきたいなというふうに思っております。  いわゆる政策保有株式のウォッシュが行われているというような報道もありました。それからの脱却に向けて、今金融庁でも様々な取組をされているというふうに私も承知をしております。  この政策保有株については、企業のガバナンスの低下につながっているんではないかというようなことが常々言われておりまして、その指摘を受けてかどうかというのと、それから、大手の損保会社が保険料調整行為で金融庁の業務改善命令を受けて、これも持ち合いというか、お互いに持っていたものの政策保有株を売却をしようという機運が高まっていて、今その政策保有株を売却をしていこうという状況につながっているんだというふうに私は考えておりますが、一方、この政策保有株を売却をして純資産の方へ形だけ変更している、いわゆる政策保有株のウォッシュが問題視を今されているんではないかなというふうに思っております。この政策保有株式の残高の多い地銀、特に地銀ですけれど、取引の実態は実際変わっていないのに、地元企業との、この政策保有株を持っているものを純資産に移して見かけ上だけ減らしたというような形が往々にして行われているというような報道もございました。  こういった中で、先ほど言ったように、金融庁の方では開示ルールを厳格化するというような取組を進められているというふうに思っておりますが、これは金融庁や内閣府の政令改正でこれをいろいろと行っているようでございますが、保有目的を変更した株式について、その銘柄だったり株式数だったり、そしてその売却方針等の開示をしなければいけない、そしてその開示は二五年の三月期からだというふうに、有価証券報告書に書かなければいけないというようなルールにしていこうというふうに考えられているのは私も理解をさせていただいております。  この開示ルールを変更して、今年の三月期から有価証券報告書、適用されていくんですけれど、その記載内容をどれくらいの水準を求めていくのかというところにつきまして、金融庁、金融大臣の見解を求めたいと思っております。よろしくお願いいたします。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 委員の御指摘の問題意識を踏まえて、有価証券報告書における政策保有株式の開示については、本年一月、開示内容に関するガイドラインを改正し、純投資目的の概念を明確化しました。その上で、内閣府令を改正し、二〇二五年三月期の有価証券報告書から、株式の保有目的を純投資以外から純投資に変更した場合には変更の理由や変更後の売却又は保有の方針等の開示を求めることとしております。  具体的な記載内容としては、個々の企業の保有実態に応じて投資家との対話に資する適切な情報を開示させると、こういう観点から、例えば保有株式の将来的な売却の方針として保有目的変更後の売却予定時期を明示することを想定しているところでございます。  こうした対応を通じて、企業が保有する株式に係る開示の質と透明性の向上を図り、引き続き政府保有株式をめぐる課題、この解消に取り組んでいきたいと考えております。

熊谷裕人立憲民主・社民・無所属

○熊谷裕人君 いろいろと開示ルールを厳格化をするということになっていますけれど、やはりこれ見かけだけ純資産の方に移したとしても、なかなかそこの部分が、これは見かけだけなのか本当なのかというところの判断が付かないんではないのかなというふうにちょっと思っておりまして、その点につきまして、報道でもあったいわゆる政策保有株式のウォッシュ、見かけだけというところをしっかりと脱却ができるように金融庁としてもしっかりウォッチをしていただいて、時々に応じて、指導監督と言っていいのかどうか分かりませんが、本当にそれがきちんとした売却に、純資産へ移行していることにつながっているのか見かけだけなのかというところを御指導していただければというふうに思っております。  なかなか金融機関がその株を、しっかり企業さんの株を持っているということになりますと、金融機関の顔色だけ見て、政策保有株を持っている金融機関の顔色だけ見て企業の政策決定も行われてしまうという懸念はやっぱり払拭できないと思っていますので、しっかりそこのところはウォッチしていただければなというふうに思っております。  次の質問に移ります。  やはり、地銀と先ほど言いましたけれど、やっぱり地方の企業にとって地域の金融機関さんとの関係は、やはり、何というんですか、企業を経営していくにとって一番の大きな株主さんになってもらえるということで、企業の安定化ということを含めて、この政策保有株というところにずっとかじが切られていたんではないかなというふうに思っておりまして、その部分で、金融、株式市場からもやっぱりここは企業のガバナンスが利かないんじゃないかというような指摘がずっとされてきていますので、これの縮減計画をしている事例も地銀さんの中では見られております。そして、この政策保有株を私の方はしっかり、ウォッシュされないように純資産に移行してほしいというふうに考えているんですが、逆に言うと、その地銀さんも、企業さんも、いわゆる物言う株主さん、ちょっと株主としてうるさい方に株を持ってもらうということについて、いろいろと経営上負担が増すんじゃないかというような懸念があるという声も聞いております。  こういった地銀が政策保有株を縮減、持っている量を縮減をしていこうという考え方が地元のその企業さんにとって、そして地域経済にとっていかなる影響が与えられるのかなというふうに思っておりまして、この、何というんでしょう、今まで何となく地域のためにお互いに持っていたものをほかの株主さんに持っていただくということが地域経済に与える影響を考えて、金融庁、金融大臣としては、どのような縮減計画を地銀が立てていくことがその地域の企業さんや地域経済にとって望ましい在り方なのかということで、御見解があればお聞かせいただきたいと思います。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) これから政策保有株式の売却が進んでいく中で、地域経済の影響について、仮に地域の中核となる企業の株主構成が企業に予測不能な形で大きく変化した場合には、新たな株主の意向により企業の経営方針が急激に変化をし、地域経済にも影響をもたらす可能性、これは考えられるところであります。  地域銀行が政策保有株式を売却する場合には、一般的には対象企業の理解を得ながら売却が行われておるもの、また、これまでの事例を見ている限りでは、地域経済において不測の影響が生じた事例を承知しているところではございません。  地域銀行における政策保有株式の縮減計画については、例えば個々の政策保有株式について、地域経済に必要不可欠な企業への再生支援を目的として株式を保有するといった合理的な保有目的の有無を検証した上で、合理的な保有目的が認められない株式の売却に際しては、対象企業の理解も得つつ、流動性の低い上場株式については株価や市場への影響を考慮しながら売却のタイミングなどを検討するといったことが望ましいと考えております。  大事なことは、地域銀行も含む上場企業が持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けてコーポレートガバナンスの改革を実施していただくことであります。金融庁としても、そうした企業の取組をしっかりと促してまいりたいと考えております。

熊谷裕人立憲民主・社民・無所属

○熊谷裕人君 ありがとうございます。  ゴールドマン・サックスがちょっと二四年度のこの政策保有株の売却状況というものを調査をしたというのが新聞記事に出ておりまして、それを見ると、政策保有株を持たれている側の企業が、その金融機関、持っている側に働きかけて、自らその、何というんでしょうか、うるさい株主じゃない、自分の企業にとっていいと思われる株主、売り先を見付けたいという金額はここ二三年、二四年はぐんと増えているというような報道もございまして、それは自らの価値を、今大臣答弁いただきましたけど、企業が高めていくためにはいい手段だなというふうに思っております。  その点をしっかり金融庁の方も、地銀さんのその経営状況ということもありますし、地域経済やっぱり冷え込みをさせてはいけませんし、無用な混乱を地域の企業さんにもたらしてもいけないので、そこはよく対話をしながら、本当に地域が活性化をするような形で新たな株主さんを見付けていただいて、理想とまでは言いませんけれど、きっちりとその企業としてのガバナンスが利くような形を取っていただければなというふうに要望させていただきたいと思います。  次の質問も地銀の方の関係なんですが、地銀が今まで長期の債券から中期の債券への買換えを今進めているというような話もございまして、金利がやっぱりここのところ上昇をずっと続けている中で、二十年国債の需要不足が目立っているというような報道も見ました。なかなか買手がいないという報道でした。  二月の十八日に財務省の方で二十年国債の入札を行っておりますけれど、大きな入札不調だったというような報道もありました。平均落札価格と最低落札価格の差がかなり広がってしまったというような報道を見ておりまして、このことによって長い国債の売りのきっかけがなってしまっているんじゃないかというようなふうに報道もされておりまして、それに伴って中期の国債、二十年国債の利回りも二・二%というような利回りに達しているというようなことが事実だというふうに思っております。  この中長期、中期の国債を買い支えていたのが地銀だったというふうに言われておりますけれど、この地銀の二十年国債からの支えていたのに離れていくという状況がこれからどのような影響になっていくのか。これから様々な国債の金利が上がっていくということが考えられる中で、長期の国債から中期の国債、地銀の方が買換えというかシフトしていった場合にどのような影響が国内の債券市場に影響があるのか、そして国の財政にも影響があることがあるのかどうか、こういった観点から財務省と金融庁のお考えをお聞かせいただければというふうに思っております。

横山信一公明党財務副大臣

○副大臣(横山信一君) 国債には地方銀行のほかにも都市銀行、生命保険会社、年金基金、外国人投資家など様々な投資家がいる中で、地方銀行が特定の投資行動を取った場合の債券市場、ひいては財政の影響について一概に申し上げることは難しいと考えております。  その上で、一般論としては、投資家の需要変化を踏まえて国債の発行年限を短期化した場合、当初の金利負担が抑えられる一方、借換え時の金利変動リスクが高まると考えられます。  いずれにしても、財務省としては、市場の状況や投資家の動向等を注視しつつ、市場参加者との丁寧な対話を行いながら安定的な国債発行に努めてまいります。

屋敷利紀金融庁総合政策局長

○政府参考人(屋敷利紀君) お答えいたします。  副大臣が今御答弁されましたとおり、国内債券の金利や価格につきましては、地銀以外の市場参加者の動向や内外の経済情勢など様々な要因によって市場で形成されるものでございますので、地銀の投資行動の影響のみを一概に申し上げることは困難ではございますが、一般論として申し上げますと、市場参加者の債券需要の変化は金利や価格の形成に影響を与えるものと考えられます。  いずれにいたしましても、金融庁におきましては、引き続き金融市場の動向や金融機関の投資行動を注視してまいりたいと考えております。

熊谷裕人立憲民主・社民・無所属

○熊谷裕人君 御答弁ありがとうございます。  長期の国債は、やはり生命保険会社とかそういうところが主戦場として今まで買ってもらっていて、中期のところから主戦場にしていた地銀が短期の方へ流れていくということになると、短期、中期、長期というところでバランスを取っていたものが崩れてくるのかなというふうに思っております。  そういったところをしっかりと金融庁としても見ながら、国債の金利が上がるということが、やっぱりこれだけ国債発行している我が国の財政にはかなりの影響があるんではないかなというふうに思っておりますし、その国債を大量保有してもらっている日銀にも影響があるんではないかなというふうに思っていますので、ここの国債の金利動向というものにはしっかりと我々も注視をしていきますし、財務省、金融庁の方でも動向を注意をしていただいて、その時々に応じたやはり政策を打っていただきたいなというふうに思っております。  それから、地域の金融機関から今都市部に預金がシフトしているんではないか、流れてしまっているんではないかというような指摘もあります。やはり、メガバンクの方へ預金も集まって都市に集中するというようなことが地域経済の冷え込みだったり地域の活性化というところに影を落としているんではないかなというふうに思っておりまして、金融庁として、地銀さん、地域の金融機関の経営プランをこれから見ていこうという、経営プランについての聞き取りを進めていくというようなことも承知をしておりますけれど、この地域から都市部への預金の流出について、このリスクの高まり、これは人口減少というか地域から都市部への人口流入というところもあろうかと思いますけれど、この聞き取りを始めた、経営プランの聞き取りを始めたその経緯と意図について、金融庁の見解をお聞かせいただければと思います。

伊藤豊金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) 地域金融機関の経営プランといいますか経営の方針につきましては、私ども不断に聞き取り若しくはその検査などを通じて把握をしようと努めているところでございます。  ただいま委員御指摘の預金、個人預金につきましては、これも委員御指摘のとおり、中長期的に見ますと、地域、地方から都市圏に、例えば相続の際に、今まで地方銀行にあった預金が、都会の相続をした方の預金口座、都市圏にあったりするとそちらの方に移動してしまうというようなことですとか、若しくは高齢化の比率が都市圏と地方圏では違っていて、これがその預金の減少に影響を及ぼしているですとか、いろいろな懸念点がございまして、こうした点につきましては、私どもとしても注視をしているところでございます。  こうした点を踏まえまして、先ほどの経営プランの点でございますけれども、地銀にはこうした預金動向、それから将来見通しについてはしっかりと設計、予測をしてプランを立てるということですとか、例えば仮に徐々に預金が減少するという予想があった場合であっても、収益性、流動性を確保できる経営戦略を検討するべき、また預金、貸出し、市場運用の一体的なリスク管理をするべしというような点について対話を進めているところでございまして、引き続きこうした観点からモニタリングを進めていきたいと考えております。

熊谷裕人立憲民主・社民・無所属

○熊谷裕人君 ありがとうございます。  地銀とやっぱり地域経済って切っても切れない関係にあるのではないかなというふうに思っておりますので、そこのところ、先ほどの政策保有株を持ってその地域の企業との関係をうまくしていくことがいいのかどうかという議論もありますけれど、しっかりとそこは地域経済のために、地銀さんの経営状況というものはウォッチしていただければ有り難いなというふうに思っております。  次に、円安対策についてちょっとさせていただきたいと思います。  財務大臣は、アメリカから、この円安は日本の国策ではないかというようなことを言われたときに、通貨安の政策は取ってはいないというような発言をされておりますけれど、財務大臣としては、この円安については、この今の水準がどうなのかというのはなかなか言及しづらいと思いますが、円水準については、好ましい円水準についてどのようにお考えなのか、言える範囲で御答弁いただければと思います。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 例えば、通貨安が実体経済に与える影響については、輸出や海外展開をしている企業の収益は改善をする一方で、輸入物価の上昇を通じて企業や家計には負担増となるなど、プラス面とマイナス面、これ、それぞれがあるというふうにまず認識をしています。  その上で、政府としては、従前から申し上げておりますけれども、為替相場はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要であるということ、また行き過ぎた動きに対しては適切な対応を取ってまいりたい、こういう姿勢で引き続き取り組んでいきたいと考えています。

熊谷裕人立憲民主・社民・無所属

○熊谷裕人君 従来からの答弁変わらないということなんですけれど、私自身は、そのファンダメンタルズを強くしていくためにも、どっちが先かという話になってしまうんだと思いますが、円安を止めて物価高をやはり止めなければいけないのではないかなというふうに思っております。金融政策でなかなかその円の水準が、今まではかなり影響していたものだというふうに私自身は考えているんですが、最近は金融政策でなかなか円水準が変わるというようなことがないような気がしております。  アメリカ、FRBも、金利の水準を引き下げるということを何かインフレ懸念があるので見送りになっていたり、三月の金融政策決定会合でも金利を上げるということが見送られたということで、なかなか円水準が動かない状況になっておりますけれど、日銀として金融政策で円水準に何か影響を与えてということが、日銀が目指している物価の二%安定というところにも私は寄与していくのではないかなというふうに思っておりまして、今の物価は二%の水準を大きく超えているものだというふうに思っておりまして、その辺、日銀として、金融政策で円水準への、コントロールと言ったらいけないのかもしれませんが、影響どのように考えているか、お聞かせいただければと思います。

内田眞一日本銀行副総裁

○参考人(内田眞一君) お答え申し上げます。  為替相場の水準あるいは評価については、具体的にコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。  大臣もおっしゃったとおりですが、私どもとしても、為替相場は経済、金融のファンダメンタルズに沿って安定的に推移することが重要であると考えております。その上で、先生御指摘のとおり、日本銀行は二%の物価安定の目標を持続的、安定的に実現するという観点から金融政策を行っているわけでございます。  引き続き、内外の経済情勢、金融市場の動向を点検した上で、我が国の経済、物価の見通しやリスク、あるいは見通しが実現する確度を見極めまして、物価安定の観点から適切に金融政策を運営してまいります。その際、経済、物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく方針でございます。

熊谷裕人立憲民主・社民・無所属

○熊谷裕人君 時間が参りましたので終わりにさせていただきますが、しっかりと物価を抑えなければ賃上げ効果が薄れると思っておりますので、その点、政府も日銀もよろしくお願いしたいと思います。  終わります。

杉久武公明党

○杉久武君 公明党の杉久武でございます。  本日は予算の委嘱審査ということで、順次質問を進めてまいりたいというふうに思います。  まず、大阪・関西万博の開催に伴う税関の役割について確認をしたいと思います。  昨日は大阪ヘルスケアパビリオンの開館式が行われまして、私も参加をしてまいりました。そして、今週末二十九日には日本政府館の開館式も予定をされております。そして、来月、四月の十三日には大阪・関西万博が開幕となります。  昨年十二月に発表されました大阪・関西万博の来場者輸送具体方針、アクションプランによりますと、万博の来場者総数二千八百二十万人のうち、約三百五十万人が海外来場者であると想定をされております。既に私の地元大阪におきましてはインバウンドが急増しておりまして、訪日観光客の都道府県別の訪問者数、訪問率共に東京と並ぶ勢いになっておりまして、こうしたインバウンドの入口を担っていただいておりますのが税関でございます。関西空港を中心に急増するインバウンドの円滑な受入れを行うと同時に、大阪・関西万博のテロ対策強化という言わば相反する課題の両立をするためにも、税関による機動的な検査体制の構築というものが不可欠となっております。  そこで、財務省に以下質問いたしますけれども、大阪・関西万博の開催に伴う税関の検査体制について確認をしたいと思います。

高村泰夫財務省関税局長

○政府参考人(高村泰夫君) お答え申し上げます。  大阪・関西万博の開催に当たり、税関においては、銃砲、爆発物等のテロ関連物資等の国内流入を水際で阻止するため、応援職員の派遣等集中的な人員投入、情報や取締り検査機器の活用による輸入貨物等の検査強化、空港、港湾等の巡回強化、国内外の関係機関や業界団体との連携強化等の取組を進めているところであります。  今後とも、万博の開催に向けて、水際取締りの強化に万全を期してまいりたいと考えております。

杉久武公明党

○杉久武君 先月には万博会場である夢洲で大阪税関の国際博覧会出張所の開所式がございましたが、私も、財務大臣政務官在任中には大阪税関を視察をする機会を得まして、税関職員の皆様による水際での攻防戦の現場を目の当たりにしてまいりました。大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」でございますけれども、この命が輝く未来社会を実現するためには安全、安心な社会が不可欠でございますので、税関職員の皆様におかれましては、税関業務の更なる強化に向けて御尽力をお願いをしたいと思います。  次に、この大阪・関西万博に関連して加藤大臣にお伺いをいたしますけれども、先月九日、都内におきまして万博をPRする催しが開催されましたが、このイベントには加藤大臣も御出席いただきまして、大臣からは、開幕すればSNSでも発信されていろいろな楽しみ方が出てくるのではないかと期待を示されたとも伺っております。  そこで、大臣にお伺いいたしますが、本委員会における先日の所信表明で、大臣は万博についても触れられ、税関による厳格な水際取締りと円滑な通関の両立に向けた決意を述べられましたが、改めて、これら税関行政並びに大阪・関西万博に向けた大臣の御決意をお伺いをしたいと思います。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) まず、税関行政に対して大変、財務政務官としても大変お取組をいただきまして、御支援を賜っておりますこと、改めて御礼申し上げたいと思います。  税関行政につきましては、入国者数と輸入件数が急増する中、不正薬物や金の密輸入の摘発件数が高水準で推移している状況を踏まえて、厳格な水際取締りと円滑な通関、この両立に努めているところであります。  また、特に本年は、今委員からも御指摘がありましたように、来月からは大阪・関西万博が開催をされます。これに向けて更なる入国者数の増加等が見込まれており、テロ対策を含む税関としての役割を果たしていくため、万博の開催に伴う入国者数の状況などを注視しつつ、必要に応じて更なる体制整備を行うなど、水際取締りの強化に万全を期してまいります。

杉久武公明党

○杉久武君 献身的に職務を遂行されている税関職員の皆様は我が国が誇る水際のとりででございますので、先日の所信質疑で述べました国税職員の皆様と同様、大臣を始め財務省を挙げてしっかりとした人員の確保と処遇改善もお願いするとともに、万博の成功に向けまして、加藤大臣を始め国を挙げて取り組んでいただきたいということをお願いいたします。  次に、話題変わりまして、物価上昇局面における様々な限度額の在り方について質問をしたいと思います。  現在、物価高が国民生活に大きな影響を与えております。政治の責任として、物価高騰を上回る賃上げの流れを定着をさせ、経済を確固たる成長軌道に乗せていかなければならないというふうに思っております。そのためには、物価上昇局面においては、様々な限度額についても経済の実態に即して適時適切に見直していくことが求められているのではないかと考えております。  今日は、様々ある限度額の中で、財政金融委員会でございますので、国税徴収法の最低生活費について伺いたいと思います。  昨年、地方議員を通じて、高齢の女性からの御相談を受けました。年金が少額のため就労されておりますけれども、過去の国民健康保険料の滞納のため、所得税や住民税が引かれた後の手取りのお給料が差し押さえられているということでございます。お給料が、国税通則法に規定した最低生活費十万円と調整額を除いて、お給料から除かれて滞納した保険料の支払に充当されているということであります。昨今の物価高の中、やはりこの十万円少々では生活が成り立たず、大変お困りだというお声でございました。  やはり、私自身、この十万円少々では大変これは生活が難しいんではないかというふうに思っておりますけれども、そこで財務省に確認をいたしますが、国税徴収法の最低生活費というのは何を基準に定めてきたのか、また、これまでの基準額の変遷と今後の見直しの可能性についてお伺いをしたいと思います。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答え申し上げます。  国税徴収法におきましては、納税者が支給を受ける給与などのうち、その納税者の最低生活の維持などに必要な金額を差し押さえることができないというふうにされております。  この具体的な金額につきましては、生活保護法におきます生活扶助の基準となる金額を勘案して定めるということとされております。この金額でございますが、毎年見直しの要否を検討しているところでございます。平成三年度に滞納者本人について一月あたり十万円として以来、変更をしておりません。  今後とも、適切に検討をしてまいりたいというふうに思います。

杉久武公明党

○杉久武君 今、生活保護を基準に、扶助費を基準にということで、そのロジックは御説明いただいたところでございますけれども、今御答弁にもありましたとおり、最後に改正されたのが平成三年ということで、相当前でございます。やっぱり物価上昇局面においては、やはり適時適切に見直しというものが必要になってくると思いますので、是非当事者の立場に寄り添った対応をお願いしたいと思います。  今申し上げたのは一例にすぎません。やはり、この名目賃金が上昇する中で実質賃金がなかなか改善していない中、様々な限度額を超え、支援の手が届かなくなって、逆に負担が増えているという話は少なくないというふうに思います。  そこで、こういった物価上昇局面における様々な限度額の在り方について、どうあるべきとお考えになるのか、予算の査定官庁でもございます財務省のトップとして大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 委員御指摘のように、政府の制度や支出において特に定額で設定されている、こうしたものについて物価等を適切に反映していくということ、これは重要であると考えております。  政府としても、これまでも歳出改革努力を継続する中で、経済・物価動向等に配慮しながら予算編成を行ってきたところであります。その上で、様々な予算項目や公的制度、政府調達に関する基準値の中に長年据え置かれてきたものがないか、これを確認をし、そして現下の物価上昇の下でそれらの扱いを適切に見直しをしていくことが重要と考えております。  今後、経済財政諮問会議の下で点検、議論を行っていくとされておりますので、そうしたところでの点検、議論、これをしっかり踏まえながら対応させていただきたいと考えております。

杉久武公明党

○杉久武君 ありがとうございます。  やはりこの物価上昇局面、私もいろんなお声を現場からいただいておりまして、今日は個別の項目については取り上げませんけれども、いろいろなお声をいただく中で、やはり過去の経緯とかいろいろ各担当する省庁にも確認をしてまいりましたが、結構このデフレの間で逆に基準値が下がってきても下げてこなかったということで、なかなか今上げる状況にないというお答えをいただくことが多々あります。それは理屈として、事実としてはそうかもしれませんけれども、一方で、今の足下の物価上昇局面でお困りの方、支援の手が届かなくなってしまっている方というのはやはり実際問題いらっしゃいますので、そういった現場のお声を、現場の状況をしっかりと政府としても把握をしていただいて、検討を進めていただきたいというふうに思いますので、是非ともよろしくお願いをいたします。  最後に、昨年の十二月の当委員会でも質問をいたしました、サステナビリティー情報の開示について質問をしたいと思います。  昨年三月からスタートしたのが、サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループということで、この有価証券報告書上のサステナビリティー情報をどのように開示をしていくのか、そしてそれをどのように第三者が保証していくのかという検討がスタートをいたしまして、そのワーキング・グループの下にサステナビリティ情報の保証に関する専門家グループというものが先日設置をされまして、主にどういうふうに保証していくのかということが先月から検討をされました。  この専門家グループの設置の意義、また目的を確認するとともに、先日、三月二十一日ですかね、第二回の会合も行われたというふうに聞いておりますので、どのような点が検討されているのか、課題や今後の方向性について金融庁に確認をしたいと思います。

油布志行金融庁企画市場局長

○政府参考人(油布志行君) お答え申し上げます。  有価証券報告書におけますサステナビリティー情報は、投資を行う上で有益な判断材料となるものでございますので、その信頼性の確保が非常に重要となります。そのため、金融審議会のワーキング・グループの下に、更にこの専門的に保証制度の議論を行うためにサステナビリティ情報の保証に関する専門グループ設置いたしまして、投資家保護等の観点から、第三者が行う保証、いわゆるアシュアランスの議論を行っていただいております。具体的には、当該保証業務を実施する者に求められる規律として、業務管理体制等の登録要件、業務の制限、義務、責任、保証基準や倫理・独立性基準の在り方、自主規制機関などの論点についてこれまで御議論をいただいております。  今後でございますが、金融庁といたしましては、この専門グループを含めた金融審議会における議論を踏まえまして、国内外の動向も重視しつつ、有価証券報告書におけるサステナビリティー情報の開示、それから保証に関する必要な制度整備を進めてまいりたいと思っております。

杉久武公明党

○杉久武君 サステナビリティー情報、これはこれからの投資家に、これから投資家やステークホルダー全般に対して非常に重要な情報になってまいりますので、それが正しいかどうかということについての保証というものは私は本当に重要になってくると思います。  そういった中で、やっぱり担い手として、やはり担い手もそれなりにしっかりとその責任を持って保証をする方にやっていただかないといけないというように思っておりますので、引き続きこの専門グループの議論については注視をしてまいりたいというふうに思いますので、建設的な議論が進んでいくことを願っております。  以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻健史です。よろしくお願いいたします。  私が学校で習って、かつ実務をやっているときにも、よりどころとして、そして大学生とか大学院生に教えてきた内容の一つに、というか一つというか非常に基本のキに、中央銀行たるもの、通貨の信用を守るために価格がボラタイルな金融商品を買ってはならない、こういうものがあったんですが、今の日銀、先日予算委員会で私が加藤理事にお聞きしたときに、日銀は唯一先進国の中央銀行の中で株式を持っている、ETFですけどね、それから長期国債も、対GDP比、それから対国債発行高を見てもトップに、一番国債を保有している。  まあこれ、日銀の財務めためただと思うんですよね。昔の日銀総裁が生き返ってこれ聞いたら、またぶったまげて、また墓場に戻っちゃうような衝撃的な数字だと思うんですけれども、それでも日銀は大丈夫だと植田総裁はお考えでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 委員御指摘のように、中央銀行の政策は、伝統的には短期金利の操作を主たる政策手段として物価安定を目指してきたわけです。  しかしながら、二〇〇〇年代後半以降、日本銀行に限らず各国の中央銀行は、短期金利の引下げ余地がほとんどなくなるというゼロ金利制約に直面する下で、長期国債やリスク性資産の大規模な買入れを通じて非伝統的な金融政策を導入してきたわけでございます。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 それで終わりなんですか。  いや、日銀に限らずとおっしゃいましたけれども、日本銀行は先進国の中で断トツにひどい状況、大破りしているわけですよ、私が最初に申し上げた基本のキを。それでも他国と同じだからと言うんだったらば、私と大の里、昨日優勝した大の里と一緒に相撲しても大丈夫だというような話ぐらいに違うんじゃないかなと私は思いますけどね。  そうおっしゃるならば、私もちょっと質問通告には入れませんでしたけれども、日銀が書いた本ですね、日銀の書いた、ちょっと題名は、持ってきませんでしたけど、日銀自身が書いた本で、流動性が重要だと書いてあるんですよね。中央銀行が金融調節を行うに当たっては、負債の進捗に合わせて資産を伸縮させることが必要になるが、資産の流動性が低下すると、負債を機動的かつ円滑に調整することが困難になる、こうした観点から、日本銀行は保有する資産について、償還期限のバランスに留意し、全体として残存期間が長期にならないように、また、必要なときはいつでも容易に売却できるものであるように努めていると書いてあるわけですよ。  日銀、全く努めていないですよね。私が現役のときには、五百八十七、八兆の国債保有高なのにほとんど、そんなに全然持っていなかったわけですけど、私が現役のときには短期国債ばっかりですよ、せいぜい三か月。今、とんでもない、五百八十何兆円も、八十八兆円ぐらいもの国債を保有していて、かつ、そのうちの五百八十六兆円か何かが長期国債。短期化するものとする、どんどん長期化しているばっかりじゃないですか。  流動性を確保するために、流動性、負債が短くなる。日銀当座預金ですから物すごい短いですよ。それなのに、どんどんどんどん資産を長くしている。これ、売却しようと思って、流出に合わせて売却しようと思ったって流出できないで、全く逆なこととかやっているじゃないですか。違いますか。これ非常に危ないと思いますよね。それで、もし例えば国債を売却するということになるならば、今やっている日銀買いオペを減額するというのと逆方向で、今日本国債を売ったらどうなっちゃいます、とんでもなく長期金利暴騰しちゃいますよ、まあ常識的に。  それから、いつも日銀総裁がおっしゃっている、前の黒田総裁もおっしゃっていましたけれども、簿価会計だからいいなんてこと、言えなくなっちゃいますよね。民間だって一回売ったらば、満期保有の国債であろうと時価評価しなくちゃいけないはずなんですからね。  もう全くこんな、そんな長期国債化しているんで、本当に全てが日銀のバランスシートってめちゃくちゃじゃないかと思うんですけど、いかがでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) バランスシートの短期的な調整、バランスシートのサイズの短期的な調整に当たっては、短期の資産、負債のやりくりで十分柔軟に行うことが現在でもできています。ただ、委員御指摘のように、長期国債を大量に保有していまして、これは直ちに市場で売却するというようなことはできない状況でございます。  そういう中でも、売却ではなくて、毎期買い入れていくペースを抑えるということによって、それが、満期が、保有している国債が満期が来るペースよりも小さいという中で、少しずつ保有国債、長期国債の削減も進めているところでございます。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 満期国債の保有を減らしている、たしか、ちょっとはっきり覚えていませんけれども、二年間で七%ぐらいですよね。こんなにバランスシートでかくしておいて、二年間で七とか八%だか下げたところで、もう健全化からははるかに遠いですよね。まあ、それは後でまたやりますけれども。  この前の予算委員会のときに、私、加藤理事にお聞きしましたけど、日銀が保有している国債の評価損は幾らか、加藤理事は十三兆円とおっしゃったんですね。それは、二〇二四年上期末だとおっしゃった。二〇二四年九月末って長期金利、十年物〇・八九五%ですよ。そのときに加藤理事がおっしゃったのは、〇・一%当たり三兆円の評価損が膨らむとおっしゃっていた。〇・八九五から、今日一・五一とか五二%、〇・六%上がっているわけですよ。そうすると、加藤理事のおっしゃっているのでいうと十八兆円の評価損が膨らんでいるわけですよ、去年の九月から。十三兆円の評価損、その当時ですね、九月末。  ということは、内部留保が十三兆円だから、もう全て内部留保食っちゃっているわけですよ。それから十八兆円の評価損出ているんですよ。大変な評価損だとは思うんですけどね。  ただ、それでも今マーケットが混乱していないのは、株式の評価益があるからだろうと思うんですけども、評価益、株式の評価益、今どのくらいあるのか、そして、千円下がるごとにどのくらい評価益が縮まっていっちゃうのかという辺をお聞きしたいと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私どもが現在公表しています二四年度上期、上半期末におけるETFの評価益は三十三兆円でございます。保有するETFが仮に全て日経平均株価に連動すると仮定した上で試算を行いますと、ETFの評価益は、日経平均の千円の下落につきまして約一兆八千億円程度減少するという計算になります。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 計算していただければ分かりますけれども、まあ確かに今は純資産ですよ。だけど、簡単に債務超過に陥るような数字であるということは事実だと思うんですよね。次に、ですから、これは大変な、そんなのんきにしているような状況じゃないと私は思っていますけれども。  次に、この前の政策決定会合で利上げ見送りましたけれども、まあ総裁いろんな理由付けていましたけれども、一つの可能性としては、金融抑圧をやっていらっしゃるという可能性はありますよね。要するに、名目金利をどんどん上げないで実質金利を大きくマイナスして、実質金利を大きくマイナスにするとインフレが加速していくということなんですけれども、その可能性もあるし、若しくは、私なんかは、先ほど来申し上げていますように、余りにも日銀の財務内容が悪くて、債務超過が怖くてこれ以上引き上げられないんじゃないかというふうに思っているんですよね。  今は〇・五%まで政策金利引き上げました。政策金利を引き上げるというのは、どの今、中央銀行でも、日銀当座預金に対する付利を上げていくということしかないと思うんですけれども、今、日銀の、その前に、ここは数字をもらったんです、この前。日銀の受取利息、年間、二〇一九年度一・三兆円、二〇二〇年度一・一兆円、二〇二一年一・一兆円、二〇二二年度一・五兆円、二三年度二・一兆円ですよ、これ、受取利息。普通だと、これと支払利息の差、これがシニョリッジ、通貨発行益ですよ。大体、そういう純粋な意味でのシニョリッジというのは二兆円あるかないかですよ。  今は日銀当座預金五百三十兆あって、ここに五百兆円ぐらい付利するとして、法定準備金除いて五百兆に付利すると、〇・五%って二・五兆円ですよ。今の〇・五%という政策金利で、もう受取利息と支払利息とんとんですよ。基本的な中央銀行が得られる収益ね。  これ、時価会計、いつも逃げられる簿価会計だからどうのこうのという話じゃないですよ、これ。本当のその会計上、損の垂れ流しが、これ以上あったら始まっちゃうわけですよ、〇・七五なんかに上げたら。それが怖いから、日銀総裁は金利上げをしないんじゃないですか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私ども、政策金利の調整という意味では、昨年三月に大規模な金融緩和を見直し、さらにその後、七月、今年一月と政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整しております。  先行きについても、基調的な物価上昇率が二%に向けて高まっていくという見通しが実現していくとすれば、それに応じて金融緩和度合いの調整を続けていくという考え方を示しております。  政策の目的はあくまで物価の安定でございまして、私どもの財務への配慮のために必要な政策の遂行が妨げられることはありません。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 これは重大な問題であって、今後これ以上物価が上昇したりすることがあれば日銀は債務超過になるかもしれない、しかしながら、物価上昇を抑えることがより重要だから金利を引き上げていくというふうに今聞き取れましたけれども、だとすると、次の次の質問になるんですけれども、債務超過になっても日銀が存続可能、要するに、日本人はきっと円を信じると思いますけれども、外国が日本銀行を信用し続けるか、若しくはその発行する円を信用し続けるかという問題は非常に大きい問題になると思うんですが、その辺について、ちょっとその前に、聞く前に、ちょっともう一つだけ先に聞いておきますけど。  先ほどちょっと金融抑圧の話を、政策の話をさせていただきましたけれども、先ほどちょっと申しましたけど、金融抑圧をしていると、一番の問題っていうのは、国債を保有している人がやっぱりかなり大変なダメージを受けるというのが一つの大きいポイントなんですけど、日本で発行債券の半分以上を持っているのは日銀なんですけど、日銀、大丈夫ですか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) これは、恐縮ですが、いつも申し上げていますように、私ども、保有国債については、中央銀行の財務の特性や保有の実態等を踏まえ、償却原価法を採用しております。したがって、評価損が発生、拡大したとしても、決算上の期間損益には影響いたしません。  その上で申し上げれば、通貨の信認は、管理通貨制度の下では、適切な金融政策運営により物価の安定を図ることを通じて確保されるものであると考えております。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 金本位制をやめて管理通貨制度になったからこそ、通貨の発行量ってえらい問題なんですよ。やっぱり、金本位制だったら金の発行量というのが金の保有で制限されますから、それに伴う通貨の毀損ということはないんですけれども、管理通貨だからこそ通貨の発行量をきちんとセーブ、コントロールしなくちゃいけない日銀が、こんなにじゃぶじゃぶに刷っていて、私は非常に危険な状況じゃないかと思います。  それが一つと、先ほどの、債務超過になっても世界の人たちは日本を信用してくれるかどうか、日銀を信用してくれるかどうか、そしてその発行する通貨を信用してくれるかどうかという問題なんですが、毎回、植田総裁は、簿価会計だから大丈夫、別に評価損は表面に出てこないとおっしゃいますけれども、それは詭弁も、詭弁というか言い逃れもいいところで、信用調査をする場合、信用する方の会計基準で物を考えるのか、信用調査を受ける方の基準で会計基準を受けるのか。  例えば植田総裁が住宅ローンを借りるとき、銀行は、植田総裁が簿価会計だから私の家は絶対大丈夫だとおっしゃって、まあ植田総裁だったら貸してくれるかもしれないでしょうけど、普通の人がそんなこと言ったって、銀行、金貸してくれませんよ。銀行が信用調査をする、金を貸すときは銀行の基準でやるわけです。  今、世界の、私も米銀に長くいましたからよく分かりますけど、信用調査するときには時価会計当たり前であって、簿価会計で相手の信用を調査するなんていませんよ、どこにも。前世紀の遺物ですよ、そんなもの。それだから、日銀がやっているから大丈夫だって信用する方は全く、調査をする方は全く気にしないと思うんですが、それでも簿価会計だから大丈夫だと、債務超過になっても日銀は大丈夫だと言い張られるんでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 一つは、繰り返しで恐縮ですが、私ども、簿価会計といいますか、償却原価法を採用しておりますので、評価損は決算上の期間損益に影響いたしません。また、これは、海外の中央銀行、FRBやECBでも同様の会計方法を採用しているものと承知しております。  その上で申し上げれば、中央銀行に対する信認は、バランスシートの状態がどうであるかということもありますが、それよりも、先ほども申し上げましたように、管理通貨制度の下で通貨の信認というのは適切な金融政策運営により物価の安定を図ることを通じて確保されるものであります。そうした適切な金融政策運営を行う能力は、財務が赤字になったり、あるいは一時的に債務超過になっても支障を生じない、短期金利の調整を行うことによって物価の安定を実現することが中長期的にはできていくというふうに考えております。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 適切な管理通貨体制を、金融政策を行っているとおっしゃいますけれども、ほかの中央銀行はかなり自分たちの規制を持ってやっていますよ。こんなめちゃくちゃなバランスシート持っていないですよ。なので、ほかの中央銀行と比べられるのはちょっと筋違いじゃないかなと私は思います。  それともう一つ、最後の質問にちょっとなっちゃいますけれども、一時的な債務超過であるから大丈夫だって何回もおっしゃいますけれども、なぜ一時的だと言われるんですか。いいですか。まず、持っている国債は、短期国債だったらすぐ受取利息も増えていきますよ、新しい国債に切り替わって。今、日銀が保有しているのは長期国債ですから、受取利息はその満期が来るまで増えませんからね。毎年幾らの国債が満期になるのか。せいぜい数千億円でしょう。それしか金利分は上がらないんですよ。支払金利の方は翌日から上がりますからね、上げますとね。  ですから、一時的であるというのは、言葉で聞いたら、ああ、そうかと思うかもしれませんけれども、一時的であるというよりは全くないということは申し上げておきたいと思います。どうでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) おっしゃいますように、量的緩和を続けた後に政策金利が引き上げられ、バランスシートが縮小する局面では、収益は下押しされる傾向にございます。  ただ、その後は、まず超過準備がだんだん減少していって、支払利息が減少する。あるいは、徐々にでありますが、利回りの高い国債にだんだん私どもの保有国債が入れ替わり、受取利息が増加する。あるいは、無利子の負債である銀行券等をバックにこちら側にある国債から収益が入ってくる等を通じまして、通常、収益は回復していくと考えられます。  なお、この点、もう少し具体的に試算してみますと、私どもが十二月に公表しました日銀レビューでは、試算を行う仮定として妥当と考えられる前提に基づきまして先行きの日本銀行の収益と自己資本について試算し、今お話ししたメカニズムが働くことを例示でお示ししたところでございます。

三宅伸吾自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 時間が来ておりますので。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 時間が来ましたので、午前の部は終わります。午後もちょっとお呼びしていますので、追加でやらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 国民民主党・新緑風会の上田清司です。どうぞよろしくお願いします。  本日は、官民ファンドの実態について財務大臣から所感を承りたいと思っております。  御案内のように、現在、十四の官民ファンドのうち八つが赤字であります。もとより、創業時の支援は十分成果が出ず、長い目で見ていかなければならない、こんなふうに私自身も認識はしております。この十四ファンドを見ると、融資的性格を強く持っているファンドは手堅く非常にやっていると。ただし、平成二十五年度に成立したファンドはおおむね成績悪い、いわゆる魔の二十五年組というような感じかなという雰囲気があります。  大臣、官民ファンドは官の信用、そして民の目利きやパワーを生かすべきために存在していると思っておりますが、しかし、現実には、例えば、今資料を一枚紙で出しております、出資金がスタート時には五〇%が官民ファンドは多いんですが、お互いに五〇パー、五〇パーでやっていくんですが、なぜか成績の悪いところは、いつの間にか民が逃げたり、官が増資するときに全く増資しない、そして、その割合がもう九七・八%だとか九二%とか、もう一〇〇%に近いぐらい官の割合が増えて、まさに官民ファンドというよりは官ファンドになっているような様相があります。  こうしたことも踏まえて、大臣はまさに、この官の信用と民の目利きを生かした形でのファンドの存在ということに関して総括的にまさに出資をされるわけですね、財投を通じて。一つ一つのものを見ておられるとは思いませんが、基本的な認識について大臣としてどのように思っておられるか、お伺いしたいと思います。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 上田委員御指摘のように、官民ファンド、まさに民間のみでは対応が難しい中長期的な案件などにリスクマネーを供給をし、民間資金の呼び水であり、補完となることが目的であります。その性質上、投資回収が安定するまで人件費等の固定経費が先行して、累積損失を避けたい時期もあると、御指摘はそのとおりだと認識をしております。  他方、お示しをしていただいた資料のように、当初五〇パー、五〇パーがこの事案の進捗の中で国の比率が上がってというか、民間の比率がなかなか付いてこないということは御指摘のところであります。  ただ、大事なことは、このファンドに来るというよりも、ファンドを含めてトータルとしてのその分野に民間の資金がどう入ってくるのかということだと思いますので、これだけではなくてトータルとして評価をするということは一方で大事なことではないかと思っておりますので、それもしっかりチェックする必要があると思います。  その上で、原資の一部、これは国の資金でありますし、その前提は税金でありますから、十分配慮した運営を行う必要があり、可能な限り早期の累積損失の解消に向け、ファンドごとの収益性を適切に評価、定期的に検証していく必要があるというふうに考えております。ファンドそのものというより、結果的に赤字が出たとき誰が負担するかという意味においては、国民に負担が行かないということが大事だというふうに考えております。  このため、官民ファンドの活用推進に関する関係閣僚会議では、各ファンドの累積損益に係る状況を共有した上で、特に累積損失の大きいファンドについては、各ファンド及び監督官庁の損失解消のための数値目標、計画を策定し、その進行を定期的に検証すると、これは御承知のとおりでございますので、こうしたことを一つ一つ着実に進めていきたいと考えています。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 言葉の中ではそのようなことになりますが、かなり定期的にそうした進捗状況を適切に判断せずに現実が行われているということに課題があるというふうに思っております。十四ファンドの平均全体で国の出資が八割ぐらいになってしまっていると、現実はですね。  それから、赤字が続くと民間はやっぱり出資を止めて様子を見る。もちろん出資しているところだけが民間ではなくて、その他の民間もあるわけですが、やっぱり基本的にはどういうところが出資するか。御案内のとおり、北海道のラピダスもトヨタを始め有力企業が出資をしているので、一種の信用も出てくるわけであります。ただ、ラピダスもやっぱり追加の出資を国がしても、既に最初に出資したトヨタを始め有力企業は追加をしないという、こういう課題もありますので、やっぱり丁寧にこういったところについては見ていかないと、結果として累積損失を増やすことになって国民の負担を増やす、もちろん政策投資銀行を始め有力なファンドに関して、まあファンドというか、性格的にはもうファンドを通り越して融資主体だと思っておりますが、こうしたものはその性格上、手堅くやって黒字を重ねて、累積黒字を重ねておるわけですけれども、その他のものはそうでもないと。  とりわけ海外に関わる事業は相当良くない結果が出ているところです。クールジャパンといって非常に官民挙げて大きくたたえたものでありますが、これも現実には一番直近の時点で三百九十八億の累積損失を出している。海外通信・放送・郵便事業支援機構に関しても百二十三億、そして海外交通・都市開発事業支援機構、俗に言うJOINと言われているやつですが、九百五十六億、こうして累積損失を出しているところであります。  大臣、個別事案を追っかけていくと、必ずしも海外支援事業というのはよく見えない部分があって、成果を上げにくいものがあるのではないかというふうに思っております。個別事案を当然財務大臣が知り得る立場にはないかもしれませんが、先ほども、いろいろこれからはやっていくんだと、あるいはやっているんだというようなことがありますが、担当の、所管の、財務省の財投関係のそれぞれの所管のところでどれだけ丁寧に本当にできるのか、この点について若干疑問がありますが、この点大丈夫だと、大臣はしっかり物を言えるのかどうか、まず確認させてください。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) まず、現状として御指摘のような状況になっていると、ここはしっかり踏まえていかなければならないと考えています。  その上で、先ほど申し上げました新経済・財政再生計画改革工程表において、特に累積損失の大きいファンドについては、改善が見られない場合には事業や組織の抜本的見直しも含めた業務運営の徹底した見直しを行う、また、それでも成果が上がらないときには他の機関との統合又は廃止を前提に具体的な道筋を検討するという方針が定められているところであります。  まず、官民ファンドは、各省庁が所管する各機関の設置法等に基づいて設置をされております。まずは、各所管省庁が適切に指導監督すべきものであります。その上で、財務省としても、今おっしゃった出資者として、財投計画の編成過程などを通じて各ファンド及び所管官庁に対して必要な対応を促してまいりたいと思っております。それに当たっては、先ほど申し上げた改革工程表、これをしっかり踏まえて対応していきたいと考えております。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 大臣が言われたとおりでありますが、特に個別事例で、海外交通・都市開発事業支援機構、JOINと言われるものでありますが、この累積損失の大きさからして、その役割や在り方、経営改善等に関する有識者委員会というものが開かれて、ある意味では廃止も含めて議論をされた経過があって、概要を私も読ませていただきました。  そういう中でJOINを見ていきますと、基本的には国際協力銀行やJR東海、三菱重工業、日立製作所、NEC等々も参加して非常に有力な企業も入ってはいるんですが、アメリカのテキサス州のダラス―ヒューストン、三百八十五キロの鉄道事業を起こそうということでありますが、肝腎のテキサス・セントラル社というのが鉄道事業をやったこと一度もないと。で、現地企業出資が全く集まらずに、二〇一七年の間でも着工できなかったと。そして、現地企業の社債も二〇二二年の段階でもう不履行に陥ってしまったと。事業開始から九年、何にも進まなかったと。二〇二四年にもう既に出資金四百十七億が損失計上までされていたと。にもかかわらず、ずるずるとやって、結果的には二〇二四年に九百五十五億の損失を計上してしまったと。  この間の事象を見ると、どこも、何というんでしょうか、一つ一つ丁寧に改善をされたというふうなものが見えない、こんなふうに思いますし、こちらの経営改善委員会、有識者委員会ですね、ここでもやはりそうした御指摘をされているわけであります。順番が異なっていますよと、民間企業よりも先にJOINが出資しておって、民間企業が資金拠出をしない中で出資や三億ドル強の社債引受けをしていると、おかしな順番でもあったと。  先ほど私も申し上げたとおり、同じようなことが言ってあるわけでありますけれども、こうした点について、所轄の国交省としてどのように、この都市開発支援機構、経営改善等に関する有識者委員会などの答申を受け止められたのか、この点についてお伺いしたいと思います。

吉井章自由民主党国土交通大臣政務官

○大臣政務官(吉井章君) お答えいたします。  JOINは、二〇二三年度決算において、テキサス高速鉄道事業も含めて約七百九十九億円の当期純損失を計上し、累積損失は約九百五十五億円を計上いたしております。  JOINの損失計上を踏まえて設置した有識者委員会においては、テキサス高速鉄道事業の検証も行われ、JOINからは、本事業の高い予見困難性を認識はしていたものの、出資を行った結果、民間投資資金が集まらない等のリスクが想定以上の規模で発現したとの反省が述べられました。本委員会の最終報告では、一件当たりの投資規模の上限の設定、徹底基準の明確化など、リスク管理を含めた徹底的な改革を行うことが必要とされており、これを踏まえ、国土交通省及びJOINは改善計画を策定しております。  着実な累積損失の解消に向けて、JOINに対して最終報告で指摘されている徹底的な改革への真摯な対応を求めるとともに、国土交通省といたしましても、しっかりと監督をしてまいりたいというふうに思っております。  以上であります。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 改革を進めるということですが、このテキサスの失敗だけじゃなくて、ミャンマーでも失敗、ほかのところでも損失を出したりしているんですが、その都度、誰か責任を取っているんですか。そして、これからどの事業で損失を取り戻すつもりなんですか。  その点についてどういう議論を国交省内でなされたのか、お伺いしたいと思います。

吉井章自由民主党国土交通大臣政務官

○大臣政務官(吉井章君) お答えいたします。  JOINにおいても、今般、多額の損失計上に至った事態を重く受け止めているものと承知をしております。  昨年十二月中旬に、JOIN取締役会にて改善策の取組方針が決議されており、まずは取り組めるものから直ちに着手するなど、新たに策定した改善目標、計画の確実な達成に向けて全力で取り組むことを通じて、その経営責任をしっかりと果たしていただきたいと考えております。  以上であります。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 今のお話は全部抽象的じゃないですか。全力で頑張りますとか、当たり前ですよ、そういうのは。そうじゃなくて、今、JOINがやっている海外も含めた様々な事業で、どの部門だったらこれから伸ばせるのか、取り戻せるのか、利益を出して過去の損失を埋め合わせするのか、そういう議論がなされていなければ意味がないじゃないですか。  大臣政務官には大変失礼な話ですけれども、少なくともバックヤードの人たちがそういうのを持っていなければ話にならないということですよ。バックヤードは持っているんだったら出しなさいよ、ぱっと。

吉井章自由民主党国土交通大臣政務官

○大臣政務官(吉井章君) 今般、JOINの多額の損失計上に至ったことは重く受け止めております。国土交通省といたしましても、最終報告における改善事項に真摯に対応するとともに、JOINに対してしっかりと監督してまいりたいというふうに思っております。  以上であります。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 全く抽象的なんです。  だから、どの事業で取り戻せる可能性があるんですか、今やっているJOINの中で。あるいは、新たなる企画というのは何があるんですか。何にもなしに頑張りますと言ったって、誰が信用しますか、これだけ損失を出している組織に。廃止まで検討された組織ですよ。であれば、どの部門で取り戻せるのかぐらいの議論が当然なされなければ話にならないということですね。  まあこの辺は問取りでしつこくやらなかったかもしれませんが、いずれにしても、それはもう、私に言わせると、当たり前のことだからわざわざ確認していませんよ。当然そういうことがあるはずだということを前提にしていますから。  この点について、改めてまたお伺いする機会もあるかと思いますので、取りあえず時間になりましたので、しかと受け止めていただきたいと思います。  以上です。

小池晃日本共産党

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。  スルガ銀行の組織ぐるみの不正融資、前回、柴理事も取り上げました問題について聞きます。  二〇一八年に発覚したシェアハウス事件、これはオーナー側と和解が成立をしておりますが、投資型アパート・マンション、いわゆるアパマンローンの問題、いまだ解決されずに、多くの方苦しんでいます。  スルガ銀行が不正を認めたのは七千件近いんですね。アパート、マンション一棟丸ごと投資対象として、その八割が築二十年を超える中古物件で、全国各地に点在しておりました。  金融庁にお聞きしますが、スルガ銀行によるアパマンローン不正融資、これまでの経過と金融庁の対応について御説明ください。

伊藤豊金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) お答え申し上げます。  スルガ銀行につきましては、二〇一三年頃からシェアハウス向け融資やいわゆるアパマン向け融資への取組を本格化させたところでございます。こうした融資につきましては、金融庁による検査、スルガ銀行が委嘱した第三者委員会による調査などにより不適切な事案が多数認められたところでございまして、金融庁はその後、業務改善命令を発出をしております。個々の債務者への適切な対応を行うよう、これまで繰り返し求めてきておりますけれども、シェアハウス向け融資につきましては既に問題解決が図られておりますけれども、アパマン向け融資につきましては現在も解決には至っておらず、スルガ銀行と債務者との間で民事調停の協議交渉と並行して保有する物件の任意売却による債務の弁済を実行するなど、具体的な解決方法について調整が行われているものと承知をしております。  金融庁といたしましては、債務者にとって可能な限り早期に問題解決が図られることが重要であると考えておりまして、引き続き、こうした点を銀行に求めていきたいと考えております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 スルガ銀行は大手不動産会社と結託をして、より多くの融資を受けさせるために資産や年収のデータを偽装して、本来なら融資を受けられないような人でも融資審査が通るように組織ぐるみで不正をやっていた。驚くべきものであります。  五十代の会社員、不動産会社から銀行からの紹介物件だと言われて二億四千万円で大阪市内に投資用マンション一棟購入した、銀行のお墨付きだったので信用して物件直接見ないで購入した。遠方の物件紹介されて直接見ずに購入させるというのも手口の一つだと言われています。不動産業者、マンション一括して借り上げて、この会社員の方に四十九部屋、月額百三十七万五千円の家賃を保証するサブリース契約を提示して、マンション購入の融資はスルガ銀行が行っています。被害者のほとんどが頭金は要らないと言われて、この方の契約の際の通帳残高は四十九万円、後にスルガ銀行から資料を取り寄せると、通帳のコピーは同じ日付なのに三千三百四十九万円と、三千三百万円も水増しされていた。通帳を偽造するというのは、これ銀行としてはやっぱり前代未聞のやり口じゃないかなと思います。  さらに、払った覚えのない手付金二千五百八十万円の領収書も偽造されていたと。家賃収入も改ざんされていて、実際に入居していない部屋も全て埋まっていることにして実際の二倍以上高い金額にして、こうすることで本来より高い収益性を有する物件であるかのように見せかける高値づかみ売り付けが行われた。被害者のほとんどが、不動産業者から家賃収入の黒字で融資はすぐ返済できると言われて信用してしまったと話しておりますが、この方の場合も四十九部屋中二十部屋しか埋まらず毎月三十万円の赤字になったということなんですね。  金融庁、第三者委員会の報告書は、こうした不正をスルガ銀行が組織的に行っていたとしています。不正はスルガ銀行もこれは認めているわけですね。イエスかノーかで。

伊藤豊金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) お答えいたします。  今委員から御指摘ございましたような第三者委員会の報告書の中身につきましては、スルガ銀行としても認めているというふうに承知をしております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 こうした不当な売り付け、レントロールの偽造、家賃明細書の偽造、預金通帳、売買契約書、払ってもいない手付金の領収書の偽造、全部シェアハウスの問題と同じなわけですよ。スルガ銀行も組織的不正を認めているのに、これ行政処分が下ったのは二〇一八年十月ですから、六年たっている。何で六年たっても解決できないんですか。

伊藤豊金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) アパマン向け融資につきまして、スルガ銀行の主張でございますけれども、それぞれの債務者との間における銀行側の責任の有無や程度が個別具体の事案によって様々であり、シェアハウスとは異なって各事案に応じた検討がされる必要があるという銀行の主張でございますが、これに対しまして、弁護団の方ではシェアハウス向け融資と同様の一律の解決を主張しておられるということで、見解に相違があるという中で、先ほど申し上げた民事調停等の今状況にあるというふうに承知をしております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 まあ銀行がそう言っていると言うけれども、第三者委員会でもこれ結局みんな同じ手口でやっているということは認めているわけですよね。第三者委員会の報告見ますと、やっぱり、ほとんどの銀行員もそれ知っていたということまで書かれているわけですよ。だから、もう組織的にやっていたという点ではシェアハウスの問題と全く同じ構造だと。組織的な不正だということはもう第三者機関も認めているわけで、アパマンだけは個別事情だということは、私、筋通らないと思いますよ。いかがですか、この銀行の主張、これ筋通らないと私思うんですが。

伊藤豊金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) 個別の事案の今交渉がなされているというところでございまして、先ほど申し上げましたように、金融庁といたしましては、業務改善命令を発出して一刻も早い解決を申し上げているところでございますが、この民民の関係につきまして、金融庁からこの案件についてはこう、この案件についてはこうということは申し上げられないということは御理解を賜れればと思います。

小池晃日本共産党

○小池晃君 でも、シェアハウスは民民の関係だけどきちんとやったじゃないですか。私はね、これは本当に金融庁の責任も問われていると思います。(発言する者あり)実際そうなんですよ、これからその話しますけど。  投資家といっても、サラリーマンとか、あとはドクターとか、投資経験ない一般の投資家がほとんどなんですね。しかも、やっぱり不動産業者と銀行が結託しているなんて夢にも思わずに、元金なしでも融資しますと銀行に言われたら、これ信じてしまうというのはむべなることかなと思いますよ。これ、自己責任だということで片付けられない、民民だからといってほっておくわけにはいかないケースだと思います。オーナーの中には、一人で悩んで自殺された方もいるわけですね。自宅が競売に掛けられたり、離婚を余儀なくされたという方もいると聞いております。  今もお話ありましたが、二〇一七年当時の金融庁の森信親長官は、スルガ銀行を、特異なビジネスモデルで高い収益を上げている地銀のモデルケースだと称賛したわけですよ。別にこのケースを称賛したわけじゃそりゃないと思いますけど、でも、金融庁として高く評価したということはこれ責任大きいと思いますよ。  大臣、やはりこれ、金融庁としても、この被害を拡大させた責任ということを重く受け止めてやっぱり対応する必要があるんじゃないかなと思いますが、いかがですか。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 今後は、不正融資問題に関連して、スルガ銀行の経営管理態勢、また内部管理態勢に一部業務停止を含む業務改善命令に相当するような重大な問題があったにもかかわらず、これを私ども金融庁が事前に察知することができなかった、そしてこうした被害が生じた、このことは事実としてしっかり受け止めていかなければならないと考えております。  その上で、先ほどから事務局からお話をさせていただいておりますが、債務者にとって可能な限り早期に問題解決が図られることが重要であり、スルガ銀行の経営陣に対して、様々な機会を通じて債務者との協議に真摯に応じるなど適切な対応を引き続き求めていきたいと考えています。

小池晃日本共産党

○小池晃君 鈴木前大臣は国会の答弁で、業務改善命令を出しっ放しで、あとはそのままということはあってはならない、これの実効性を高めていくことは重要だというふうに答弁されたんですよ。  大臣、やっぱり金融庁として、今お話あったけれども、もっと踏み込んでやっぱりスルガ銀行を指導するべきじゃないかと、一刻も早く。私、そのためにも、被害者の声を金融庁として聞いてほしいと。このことを求めたいと思うんですが、大臣、いかがですか。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 金融庁は、この不正融資問題をめぐる事案について、スルガ銀行はもとより、被害者団体からも説明や主張をお伺いをしているところでございます。もっとも、個別具体的な解決方法、これは当事者間の協議、交渉に委ねるべきものであるということではあります。  したがって、先ほどから同じことを申し上げて恐縮でありますけれども、金融庁としては、債務者にとって可能な限り早期に問題が図られる、これが重要であり、そういった姿勢で引き続き取り組んでまいります。

小池晃日本共産党

○小池晃君 やはり、民民だからといって先ほど、金融庁の方は腰が引けた私は対応だと思いますよ、それでは。やっぱり踏み込んでこれ対応する責任が私はあるというふうに言いたいと思います。  あわせて、これ、スルガ銀行だけの問題なんだろうかと。日銀の金融レポートによれば、地方銀行の不動産向けの貸出残高、これ、大手行を上回って増加の一途をたどっているというふうにしております。  金融庁は、地域金融機関に融資拡大の要請を強めてきているわけです。まあ、それは適切な融資は必要ですよ。しかし、この不動産向けの貸出残高がどんどん伸びている。アパマンローンというのはスルガ銀行以外の地方銀行も実行しているわけで、ほかの銀行でも不正が起こり得る可能性は私はあるんじゃないかなというふうに思います。  やはり金融庁としても、こうしたスルガ銀行の事態を受けて実態調査を行うというふうなやっぱり対応が必要ではないかと思いますが、いかがですか。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 先ほどのスルガ銀行でありますが、二〇一八年に業務改善命令を発出いたしました。それに基づき、現在も三か月ごとに民事調停の状況を含む債務者の方々への対応の進捗状況、これらについて報告を求めるなど、随時ヒアリングをし、フォローアップもさせていただいているところでございます。  また、今お話がありました地域金融機関における不動産向け貸出しの増加傾向等、貸出残高は増加傾向にございます。こうした傾向や、スルガ銀行における問題、これを踏まえて、金融庁では、地域金融機関における投資用不動産向け融資について、各金融機関から徴求したデータを基に各行の貸出動向を分析をするとともに、アンケート調査や立入検査などを通じて、顧客を紹介する不動産業者の業務の適切性をどのように検証しているかといったリスク管理の状況も把握するなど、その実態を確認するとともに、必要に応じ改善を促してきているところであります。  引き続き、様々な機会を通じて、地域金融機関における投資用不動産向け融資について、提携する不動産業者の業務の適切性の検証状況、融資審査における牽制機能の発揮状況などを確認することにより適切なリスク管理態勢が構築されているか、しっかりとモニタリングをしてまいります。

小池晃日本共産党

○小池晃君 やっぱり、スルガ銀行のこと、ヒアリングだけ、モニタリングだけということでは解決しない問題だと思います。やはり、その業務改善命令出てから六年たっても解決しないというのは非常にやっぱりゆゆしき事態だというふうに言わざるを得ないと思います。  もっと踏み込んだ対応を金融庁には求めるということを申し上げて、質問を終わります。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 参政党の神谷宗幣です。  今日は、教育の無償化についてお話をお聞きしていきたいと思います。これ、かなり教育行政としては予算が大きいので、確認をしていきたいと思います。  まず、高等学校の教育の目的と今回の高校授業料実質無償化の目的について、それぞれ端的にお聞かせください。

今井裕一文部科学省大臣官房審議官

○政府参考人(今井裕一君) お答え申し上げます。  高等学校は、学校教育法上、中学校における教育の基礎の上に、心身の発達及び進路に応じて、高度な普通教育及び専門教育を施すことを目的としております。  また、いわゆる高校無償化につきましては、先月の自民党、公明党、日本維新の会の三党合意におきまして、全ての若い世代に対して多様で質の高い教育を実現するなどの観点から、論点の十分な検討を行い、実現するとされているものと承知をしております。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 ありがとうございます。  学校教育法には、先ほど説明いただいた高校の目的を達成するために、その下に三つの目的みたいなものが書かれていて、それ一個一個挙げていくと時間が掛かるので、簡単に言うと、社会に出ていくため、生きていくために必要な最低限の力を子供たちに共通して身に付けさせようといったことが書かれているわけですけど、これ、多分、私学じゃなくても公立で十分に私、目標達成できると思うんですね。  私、福井県の若狭地方の出身ですけれども、地元には私立高校はありません。公立高校しかないんですが、公立高校で十分そういった力付きますし、それから、経済的に厳しい家庭にはもう既に授業料の減免等もありましたから、そういった形で、本当に、これ、お金無償化にすること、私立まで広げて、それが本当に多様で質の高い教育につながるのか、また教育の目的の実施につながるのかということを非常に懸念をしております。  そもそも、地方には私立高校って余りなくて、こういった政策は都市部に住む方に非常に偏ったメリットではないかというふうに感じます。結果として、地方の公立高校の衰退につながってしまって、過疎化が更に進むんじゃないかというふうに懸念の声も上がっています。地方の公立高校は、一次産業の担い手を育成したり、地域のにぎわいの創出をする役割もあります。そういったところが一回廃校になってしまうと、もう公立高校の復活ってなかなか難しいんですよ。そうなると、今、総理が掲げられている地方創生とも真逆の政策になってしまうという心配があります。  そして、地方だけじゃなくて都市部でも、大阪なんかでは、公立高校、かなり成績の良かったところも倍率がどんどん落ちてしまって、こちらの方も統廃合になるんではないかというふうな懸念が新聞にも書かれていました。  今のまま所得制限を設けずに私学を含めた高校の無償化を進めた場合に、公立離れが一層進んで定員割れや逆に教育の質が低下してしまうことが懸念されていますけれども、こういった懸念に対しての対策考えておられるか、お聞かせください。

今井裕一文部科学省大臣官房審議官

○政府参考人(今井裕一君) お答え申し上げます。  私立高校の生徒に対する授業料支援の拡充、これを行った場合には、私立高校への進学希望者数が増加をし、公立高校への進学者数が減少する可能性があるなど、公立高校に一定の影響があるものと考えられます。  こうした公立高校につきましては、高校教育の普及や機会均等を図るため、都道府県に対しまして高校標準法で学校の配置や規模の適正化に関する努力義務が課されているところでございます。このため、地理的な状況、生徒の学習ニーズ、地域における人材育成の要望、また公私間の学校数、生徒数やその割合など様々な観点を踏まえ、仮に定員割れとなった場合であっても、学校設置者でございます教育委員会が当該高校の教育内容の充実や組織の見直しなどを行いながらその配置を継続することはあり得るものと考えております。  いずれにいたしましても、議員御指摘の御懸念の点を含めまして、いわゆる高校教育無償化につきましては、公立高校などへの支援の拡充を含む教育の質の確保、多様な人材育成の実現、公立と私立の関係等が論点とされており、引き続き三党の枠組みで合意内容の実現に取り組まれるものと承知をしております。  文部科学省といたしましては、そうした検討の状況や国会における御審議も踏まえつつ、高等学校教育全体にとって意義のあるものとなるよう、今後とも検討を進めていきたいと考えております。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 ありがとうございます。  だから、そういったことを考えないといけないんであれば、私学を範囲に入れなくても、公立はやっぱり公的な役割担っているわけですから、だから公立で、国がバックアップするんであって、私学は自由度があっていろんなことをできるんですね、受験の時期変えたりとかいろいろなことができますから、そこでお金を払ってちゃんと行ってくださいということでバランスが取れていたのに、それ両方無償化にしちゃったらバランスが取れなくなって、逆に公立にもっとげた履かせなきゃみたいな、これ、政策変えて結局余計にお金掛けることになるからすごく効率が悪いというふうに思いますので、これ本当にもう一回慎重に審議していただきたいと思います。  この学校の無償化の対象に在日外国人や外国人留学生も含まれているということなんですが、学校の経営や定員割れによる統廃合を避けるために外国人を積極的に受け入れて定員を確保しようとする動きが起きるんではないかというふうに懸念されていますが、この点、対策ありますでしょうか。

今井裕一文部科学省大臣官房審議官

○政府参考人(今井裕一君) お答え申し上げます。  まず、現行の高等学校等就学支援金制度につきましては、高校教育の効果が広く社会に還元されるものであるため、高等学校等に係る教育費負担につきましては社会全体で負担をするという観点から、まず高等学校等に在学する生徒等であって、日本国内に住居を有する者を支援対象としており、国籍を要件とはしていないため、外国籍の方や海外からの留学生につきましても受給資格を満たす場合にはその支給の対象となっているところでございます。  また、委員御指摘の点に関しまして、私立学校は建学の精神に基づき各学校法人の自主的な判断により設置されているものでございます。その生徒の募集や確保の仕方については学校法人の判断に委ねられるものと考えております。  ただ、いずれにいたしましても、今回の高校教育無償化につきましては、三党合意の中で、収入要件の撤廃を前提とした支援対象者の範囲の考え方につきまして、その他の論点とともに十分な検討を行うこととされており、引き続き三党の枠組みで合意内容の実現に取り組まれるものと承知をしております。  文部科学省といたしましては、その状況、国会での御審議を踏まえて必要な対応を検討していきたいと考えております。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 ありがとうございます。  これ、大臣にも聞いていただきたいんですけど、やっぱりこれ国民の税金を使う話ですから、やっぱり国民は、外国人でなくて日本人にもっと予算や税金を使ってほしいという声、すごく今大きくなってきています。別にそれは差別ではなくて、これはやっぱり元々日本の国民のための公教育制度だと思っているので、そこをもう少ししっかり線を引いていかないと、結局外国人がつくった外国人のための学校にも援助しなければいけないというふうになると、これ本当に国民の怒りが爆発しますので、是非、外国籍の学生の比率を五%までにとかと制限を掛けて、そういった上限超えた場合は補助の対象外とするとか、そういった制度を設けておかないと、誰でもという形になるといずれ大きな問題になると思いますので、是非税金の使い道として検討してください。  次に、大学ですけれども、大学教育の目的と、今回、多子世帯を対象に大学を無償化する、大学費用を無償化する目的を教えてください。

奥野真文部科学省大臣官房審議官

○政府参考人(奥野真君) お尋ねの大学教育の目的については、学校教育法第八十三条において、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることと定められておるところでございます。  次に、お尋ねの令和七年度からの多子世帯に対する授業料等の減免につきましては、子育てや教育費により理想の子供の数を持てない状況は三人以上を理想とする夫婦で特に顕著であり、三人以上を同時に扶養している期間が最も経済的な負担が重い状況であることから、高等教育費の負担を理由として理想の子供の数を持てない状況を払拭することを目的としているものでございます。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 御回答ありがとうございます。  私も今月第三子を授かりまして、神谷家もこれ対象になるので個人的には有り難い思いもあるんですけれども、大学の目的が、先ほど教育目的聞いたんですけど、高校は学生に対することですけど、大学生の場合はやっぱり学生の能力を高めてその力を社会に還元するというふうな、そういった目的も書かれているんですね。そうであると、大学の無償化というのはもう少し限定してもいいんではないかという思いがあります。  日本の大学数は多くて、もう今八百を超えているんですね。子供は減っているんだけど大学は増えているという状況です。イギリスとかフランスは六千八百万人ですけど、イギリスは大学百六十校、フランスは百校ぐらいだというふうに調べたら出ていました。日本は人口倍ぐらいいますけど、それにしても八百校って相当多くて、こういった状況を放置したまま無償化を進めていくと、大学の本来の目的である研究とか人材育成ということにそぐわないような目的でも学生がどんどん進学していってしまうんではないかというふうに考えていますし、そういって、また高校と一緒で、過剰な大学数維持するためにまた外国人留学生入れましょうというようなことが始まるというふうに思いますね。  これ、少子化対策の一環として行われるんですけれども、やっぱり大学ですから、やっぱり国策というものもちゃんと反映させて、国が求めている人材、一次産業の人材、国防の人材、それから人工知能の経験者、それから公務員、先生とか警察官とか、そういった公共人材の育成など、国が必要としている分野にちゃんと人が配置されるような、そういった目的を限定して、別に三人からじゃなくても、そういったところに人材が行ってくれるんだったら、一人からでもどんどん無償化をしてあげるべきなんじゃないかなというふうに考えています。  こういったことが、やっぱり国の投資なので、教育は。そういった目的をしないと、今回のこの高校や大学の無償化を考えると、何か法律に定めた教育の目的にもそんなに合致していないように思いますし、地方創生にもつながらない、それから国益のための人材育成でもないし、学ぶ主体である学生の成長のためというふうでもなくて、ただ政権が予算を通すために野合したんじゃないかというふうに国民は見ていますし、野党側としても、何か自分たちのアピールだったり政策推進のためにやっていて、前政権は少子化対策も掲げていましたから、そういったことの積み残しとしてやられているようなところがあるんではないかと思います。  教育は国家百年の計と言われまして、どういう人材をどう育てるかの戦略を持たずに、政権の維持とか選挙目的で、党利党略で教育予算を付けるというのは、私はこれ監督する省庁の怠慢ではないかというふうに思っていますし、これやらせると、もう教育行政に取り組む皆さんもモチベーション下がると思うんですね。  大臣、最後に、こういった教育予算の使い方についてお考えのところがあれば、手短でいいのでお伺いをさせてください。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 今おっしゃるように、様々な観点があります。それから、また教育の議論というのも、例えば私自身が自分が教育を受けた頃、それから自分の子供が教育を受けていた、このときの感覚というのは非常に強いものがあるというふうに考えております。  ただ、今の現状、そしてこれからを考えるに当たっては、やっぱりそれぞれの私たちが持っている経験、またそれから思うこの思い、これも大事ではありますけれども、同時に、委員の御指摘のように、これが、今の施策がどういう効果を持っているのか、目的を持っているのか、そしてどういう効果が現れているのか、こうしたことをしっかり検証しながら、幅広い方々の議論に供してそうした方向性を出していく、これが大事だというふうに思っています。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 本当に教育は一番大事な政策だと思いますので、もう少し慎重にみんなで議論を尽くして政策見直しを掛けていただきたいなというふうに思います。  私からは以上です。ありがとうございました。

三宅伸吾自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 以上をもちまして、令和七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち金融庁、財務省所管、株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三宅伸吾自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時十分休憩      ─────・─────    午後一時開会

三宅伸吾自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務省主税局長青木孝徳君外十九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三宅伸吾自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

三宅伸吾自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁植田和男君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三宅伸吾自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

三宅伸吾自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 所得税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

船橋利実自由民主党

○船橋利実君 自由民主党の船橋利実でございます。  ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案について質疑をさせていただきます。加藤大臣を始め政府の皆さん、よろしくお願いいたします。  一般的に、年収の壁と言われるものには、住民税、所得税に関わる百万円、百三万円、百五十万円、二百一万円の壁、それと社会保険の加入に関わる百六万円、百三十万円、こうした六つの壁があります。この壁を並べてみると、急な上り坂のような印象を受けるわけでありますけれども、いずれにいたしましても、働く方々にとりましては上りやすいなだらかな坂であることが望ましいというふうに私は考えます。  今回の法案では、壁の一つの百三万円の壁について、政府原案と衆議院での法案修正によりまして様々な見直しが盛り込まれておりますけれども、物価高による生活不安の解消、人手不足の状況における働き控えの防止、こうしたことにつなげていくためには、関係機関が連携をし、見直しの内容を納税者に丁寧にお伝えをしていくことが重要かと思いますけれども、財務省としての取組についてお伺いをいたします。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答えします。  今般の所得税関連の見直しにつきましては、政府原案において、特定扶養控除の見直しにより、特に大学生の就業調整に対応し、衆議院修正によりまして、政府原案に基礎控除の特例の上乗せを行うことで、課税最低限が百六十万円と生活保護基準の最低生活費を超える水準となり、低所得者の税負担への配慮が行われますとともに、物価上昇分に賃金上昇が追い付いていない状況を踏まえまして、中所得者層を含めた税負担軽減が図られております。  こうした見直しの内容及び趣旨につきまして、納税者の皆様や源泉徴収義務者の方々に御理解いただくことは大変重要でありまして、周知、広報について丁寧に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

船橋利実自由民主党

○船橋利実君 このいわゆる百三万円の壁につきましては、自民、公明、国民民主党三党幹事長間の合意によりまして百七十八万円までの引上げを目指すこととされております。  私はこの合意を歓迎をする立場でありますけれども、と申しますのも、私の地元のパート、アルバイトの方々であったり経営者の皆さん方からは、要望といたしまして、人手不足が顕在化をする中、最低賃金が年々上がり、人件費が上昇し始めていた二、三年前ぐらいから百三万円の壁の解消というものを求める切実な声が寄せられておりました。  これはどの産業分野、地域におきましても同様に人手不足というものが深刻化をしていく中にありまして、最低賃金が上がれば、壁を気にする方々は就労時間を気にせざるを得ず、これ、就業時間を短縮せざるを得ず、職場の方は結果的に、働き手の確保ができないということから事業の縮小を余儀なくされ、経営の悪化ということまで招いているケースもあります。そこに働き方改革というものが重なって、一層深刻な状況にあるのではないかというふうに思います。  財務省は、国民に立ちはだかっているこの百三万円の壁よりも、国、地方の税収が七兆円から八兆円、これ減収をしていく減収の壁の方を強調されておりますけれども、私も以前財務大臣政務官務めておりましたので、財務省的な立場というものは理解をいたしております。  ただその一方で、百三万円の壁の見直しについて、国と同様に税収減となる地方自治体の方は受け止めが少し違っておりまして、必ずしも税収減につながること自体反対ということを言っておられるわけではありません。全国知事会の発言にもございますように、年収の壁の見直しによる減収分、これは国が責任を持って恒久的財源確保するように求めているというのが実情であります。私は、昨年まで総務大臣政務官務めさせていただいておりましたので、全国知事会の発言というものは非常に重たいというふうに受け止めております。  国の財政に責任を持つ財務省と地方自治体の財政に責任を持つ総務省は常に良好な関係性を有し、連携を密にされていると十分に認識をされているところではありますが、今後の議論においても地方自治体への影響について留意をしていく必要性がありますけれども、総務省としてのお考えを伺います。

伊藤正志総務省大臣官房審議官

○政府参考人(伊藤正志君) お答え申し上げます。  いわゆる百三万円の壁について、個人住民税においては地域社会の会費的な性格、また地方税財源への影響等を総合的に考慮し、給与所得控除の見直し等について対応する一方で、基礎控除額は据え置くこととしております。今般の見直しによる減収額は平年度で七百五十億円程度と見込んでおり、これらの地方税財源への配慮について地方からも一定の評価はいただいたものと考えております。  仮に今後恒久的な見直しが行われる場合について、与党税制改正大綱においては、必要な安定財源を追加的に確保するための措置を講ずると整理されたものと承知しております。今後につきまして、与党としては引き続き真摯に政党間協議を行っていく方針と伺っております。  こうした協議や国会での御議論を踏まえ、総務省としても誠実に対応してまいります。

船橋利実自由民主党

○船橋利実君 ありがとうございます。  次に、地方創生、これは石破政権にとっては一丁目一番地の政策でございますけれども、今回の税制改正では、地域経済を牽引する重要な役割を担っておられる地域の中小企業、こうした中小企業を後押しをする見直しが盛り込まれているところであります。具体的には、売上げ百億円超、これを目指す成長意欲の高い中小企業が思い切った設備投資、これを行うことができるように、中小企業経営強化税制を拡充したというふうに承知をしてございますけれども、その概要と意義についてお伺いをいたします。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答えします。  中小企業は、雇用の七割を抱え、我が国にとって重要な経済主体でございます。その中でも、売上高百億円を超えるような中小企業は、輸出や海外展開などにより域外の需要を獲得するとともに、域内調達により新たな需要を創出する地域の中核となる存在であることから、そうした企業を育成し、地域経済に好循環を生み出していくことが重要でございます。  こうした考え方の下で、成長意欲の高い中小企業が思い切った設備投資を行うことができるよう、今回、中小企業経営強化税制において、売上高百億円超を目指す企業を対象に建物を対象設備に追加する拡充などを行った上で、適用期限を二年延長することとしております。  こうした税制面での対応により、中小企業の前向きな投資を後押しし、地域創生や活力ある地域経済の実現を図っていくことが重要であるというふうに考えております。

船橋利実自由民主党

○船橋利実君 ありがとうございます。  私、横山財務副大臣と同じく北海道が選挙区なものでございまして、北海道といえば基幹産業は農林水産業ということから農林水産業行政に長年携わってまいりましたけれども、農林水産業の持続的な発展には、産地と消費者をつなぐ食品事業者について、農林漁業者との取引の拡大、流通の効率化に向けた取組を推進をしていくことが非常に重要であります。  この点、今回の税制改正では持続的な食料システムの確立に向けた新たな計画制度の認定を受けた食品事業者がワンストップで、先ほど御紹介した中小企業経営強化税制を活用できる仕組みが創設をされております。  今後、食品事業者がこの仕組みを有効活用できるようにしていかなければなりませんが、具体的にはどのような周知方法とサポート体制で活用を促進をしていくのか。食品事業者の方々からすると、こうした税制に関することを税務署なんかにはなかなか相談をしにくいということがあるかなというふうに思ってございまして、税理士とか公認会計士などの身近な存在の方々が相談相手になっていくんではないかというふうに思ってございますけれども、政府として関係機関とどのような取組を進めていかれるのか、お伺いをいたします。

小林大樹農林水産省大臣官房新事業・食品産業部長

○政府参考人(小林大樹君) お答え申し上げます。  今国会に提出いたしました食料システム法案では、農業と食品産業の連携を強化する取組等の計画を認定し、長期低利融資等による支援を行うスキームを措置しております。こうした措置によりまして、食品産業の生産性の向上や付加価値向上を促進し、費用を考慮した価格形成と併せて食品の持続的な供給を実現してまいりたいと考えております。  また、この法案では、これらの計画の中に経営力向上に関する事項を盛り込むことができることとしておりまして、経営力向上を盛り込んだ計画の認定を受けた食品事業者につきましては、中小企業経営強化法の計画認定を受けたものとみなして、ワンストップで中小企業経営強化税制を活用できるよう措置しているところでございます。  農林水産省といたしましては、食品事業者の皆様にこうした税制を十分活用いただけるよう、食品の製造、流通、小売等の業界別事業者団体等はもちろんのこと、食品事業者の経営相談を行う税理士などにも様々な機会を活用して説明するなど、きめ細やかな周知を行ってまいりたいと考えております。  また、このほかにも、地方公共団体など地域の関係者が連携して食品事業者を支援しようとする場合の連携支援計画を認定する制度でございますとか、食品事業者と農林漁業者を始めとする地域の多様な関係者の連携を促進する地域連携推進支援コンソーシアムなどを支援する事業を措置しているところでございまして、農水省といたしましては、食品事業者に新たな仕組みを有効に活用していただけるよう、しっかりとサポートしてまいりたいと考えております。

船橋利実自由民主党

○船橋利実君 ありがとうございます。  せっかくいい仕組みをつくっても、実際に現場の方に行ってみると、知らなかったと、そんないい制度があったのということをよくお聞きをいたしますので、今ほど御答弁いただきましたけれども、そういうことができるだけ起きないように最善の努力をお願いをしたいというふうに思います。  次に、中小企業の問題でありますけれども、中小企業の経営者の高齢化、これは日本社会にとりましては深刻な課題でございまして、民間の信用会社が公表する資料によりますと、社長の平均年齢六十・五歳、これは三十三年連続しているそうであります。しかも、五十歳以上の社長が八割を超えているという状況になっております。また、二〇二三年でありますけれども、全国の後継者不在率、これは五三・九%となっている中でありますけれども、こうした中で社長の交代というのは三%台という現実にあります。  このような状況を放置をいたしますと、今でも年間四万件台に上る中小企業の廃業というものが増加をし、ひいては日本経済全体への問題へと波及するおそれが考えられます。  事業承継を支援するために税制面においては事業承継税制が講じられており、今般、特例措置における役員就任要件の緩和を行ったというふうに承知をいたしておりますけれども、見直しを行った趣旨についてお聞かせをいただきたいと思います。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答えします。  中小企業の経営者の円滑な事業承継を支援することは、政府としても喫緊の課題と認識しており、税制面においても事業承継税制における特例措置を講じております。これは、平成三十年から十年間の事業承継で生じた相続、贈与時の税負担を実質ゼロとするなど、極めて異例の時限措置となっております。  事業承継税制におきましては、会社内外における後継者としての地位や信用を構築するなどの観点から、贈与の日まで引き続き三年以上役員であることを要件としておりますが、令和九年十二月末に期限を迎える特例措置を適用するためには、現行の制度では令和六年十二月末までに役員に就任している必要がございます。これから本措置の活用を検討する方々にとってはこの役員就任要件が制約となる可能性があり、ひいては適用期限内の集中的な事業承継を促すという本来の目的の妨げにもつながり得ることから、適用期限内に本措置を最大限活用していただくため、特例措置に限って現行の要件を贈与の直前において役員であることに見直すこととしております。  事業承継を検討されている中小企業の経営者の方々には、本措置を活用しながら早期に事業承継に取り組んでいただくということを期待しております。

船橋利実自由民主党

○船橋利実君 ありがとうございます。  この話も、先ほどの中小企業経営強化税制のお話と同様に、こうした仕組みをよく知っていただいて、そして利用していただくというところに御努力をいただきたいというふうに思います。  次に、防衛財源に関してお伺いいたしますけれども、我が国の厳しい安全保障環境、これを踏まえますと、防衛力の抜本的強化というものは待ったなしというふうに考えます。本法案には防衛財源確保のための税制措置が盛り込まれておりますが、行財政改革をしっかり進めた上で、まだ足らざる部分、これについては税の形で御負担をお願いをせざるを得ないというふうに思うわけでありますけれども、将来にわたり我が国の独立と平和を守り抜いていくため取りまとめているものとは理解をしております。  他方で、本法案では、税負担を求める上でその影響について丁寧な配慮がなされていると承知をしておりますが、国民の御理解を得ていくためにはこうした工夫についても丁寧にお伝えをしていくことも重要と考えておりますが、改めて御説明をお願いしたいと思います。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 国家安全保障戦略などに基づき抜本的に強化される防衛力、将来にわたり維持強化していく必要があり、またこれを安定的に支えるための財源の確保も必要であります。  このため、必要となる財源、約四分の三については、国民の御負担をできるだけ抑えるべく、歳出改革、決算剰余金の活用、税外収入の確保など、あらゆる工夫を行うことで賄うこととしております。それでもなお足りない約四分の一は、今を生きる我々の将来世代への責任として税制措置での協力をお願いしております。  この具体的税制措置については、令和七年度与党税制改正大綱において、法人税については令和八年四月一日以降に開始する各法人の事業年度から税率四%の新たな付加税を創設する、たばこ税については、令和八年四月より加熱式たばこの課税の適正化を、令和九年四月から税率引上げをそれぞれ段階的に実施する、所得税については、令和五年度税制改正大綱などの基本的方向性を踏まえ引き続き検討するとされております。  その上で、いろんな理解を得るべくいろんな工夫という御質問でございましたが、例えば法人税の措置については、中小法人に配慮する観点から、課税標準となる法人税額から五百万円を控除する仕組みとすることで全法人の九四%程度が対象外となる見込みである。また、たばこ税については、段階的な引上げを〇・五円ずつ、一本当たりです、というような形で、従前に比べてもその刻みを少なくする、小さくすると、こういったような工夫、配慮を加えさせていただいているところでございます。と同時に、こうした安定財源の必要性についても国民の皆様に理解いただくよう、丁寧な説明に努めてまいります。

船橋利実自由民主党

○船橋利実君 今ほど加藤大臣からお答えをいただきましたけれども、大臣のお答えにありましたとおり、国民負担を低減するためにもうあらゆる工夫を重ねていただいて、国民の理解を得られる努力を続けていただきたいというふうに思います。  次に、国際課税に関するところでお尋ねをいたしますが、米国のトランプ政権が発足をし、約二か月経過をいたしました。税制の文脈では、麻生太郎財務大臣当時に我が国が主導的な役割を果たして、約百四十か国から成る合意を取りまとめましたBEPSの国際課税ルールにつきまして、トランプ政権が今後どのように対応するかが注目されております。経済のデジタル化、グローバル化が進展し、国際的なデジタル企業が躍進する昨今の状況を踏まえますと、安定的な国際課税ルールの重要性が更に高まっていくというふうに考えますが、米国の動向も踏まえて我が国がどのように取り組んでいくべきか、政府としての見解を伺います。

横山信一公明党財務副大臣

○副大臣(横山信一君) お答えいたします。  米国が本年一月、国際課税に関する大統領覚書を公表いたしました。現時点ではその具体的な内容は明らかになってはおりませんが、今後、米国の動向は予断を持ってコメントすることはできない状況でありますので、この分は差し控えたいと思いますけれども、経済のデジタル化やグローバル化に伴い、市場国に物理的拠点を置かずにビジネスを行う企業が増加しております。市場国は適切に課税し、国際課税システムに安定性と確実性をもたらすことが重要であります。日本としては、引き続き、BEPS包摂的枠組みにおける第一の柱の多数国間条約の早期交渉妥結に向けた国際的な議論に貢献していきたいと考えております。

船橋利実自由民主党

○船橋利実君 ありがとうございます。  次に、米国のトランプ政権につきましては、付加価値税、日本の場合にはこれは消費税に当たるんではないかと思いますけれども、これを非関税障壁として捉え、相互関税と称して追加的な関税を課すことを検討しているといった報道もなされております。  我が国も相互関税の対象となりますと、輸出産業に深刻な影響を与えかねないと思います。適用除外に向けてどのように対応されていくのか、お聞かせをいただきたいと思います。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答えします。  国内産業の保護の観点から輸入品にのみ課される関税とは異なり、消費税は国産品と輸入品に対して一律に課されることから、我が国への輸入品を不利に扱うものではございません。  また、消費税においては、輸出品に関する国際的な競争力に対して中立性を保つ観点から輸出取引を免税としている結果、輸出企業が控除し切れなかった仕入れ時に支払った消費税額の還付を受けることもございますが、このような取扱いは国際的にも共通の取扱いとなっておりまして、WTO補助金協定においても輸出補助金には当たらないことが明記されており、何か問題があるものとは考えておりません。  その上で、相互関税を含む米国の関税措置については、政府として米国政府に日本が対象になるべきではない旨の申入れなどを行っており、財務省としても、今後明らかになる措置を含め、米国の関税措置が日本経済に与える影響を十分に精査しつつ、関係省庁と連携して適切に対応してまいりたいと考えております。

船橋利実自由民主党

○船橋利実君 次に、ラピダス・プロジェクトということでお尋ねをしたいと思いますが、次世代半導体の量産を目指しておりますラピダスが北海道に進出をしておりまして、もう建物もほとんど完成をしている状況でございます。新工場が建設をされております千歳市周辺には、国内外から様々な関連産業、これが集積をしていく見込みがございますけれども、ラピダスを中核として北海道が日本経済の牽引役となっていくことが大きく期待されていると思います。  政府は、ラピダスへの支援を念頭に今国会に法案を提出をし、国内で次世代半導体の量産化に向けて取り組む企業については、登録免許税や法人事業税の税制上の支援、これを行うほか、出資や債務保証といった金融支援も実施をする方針というふうに承知をしてございますけれども、こうした措置の重要性ということについて改めて御説明をいただきたいと思います。

奥家敏和経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。  DX、GXなど、技術や産業、社会構造の変革、パラダイムシフトが進展する中、半導体の重要性は飛躍的に増大しています。特に、ラピダスが量産を目指す次世代半導体は、生成AIや自動運転などの社会実装に不可欠です。  また、ラピダスが拠点形成を進めております北海道千歳市によりますと、昨年末時点で三十七社の半導体関連企業が千歳市にオフィスなどの拠点設立を決定するなど、地域での産業集積が進みつつあり、地域経済の牽引役としても期待されているところであります。  他方、二ナノメートルの次世代半導体は、海外のトップ企業も含めて、どの事業者もいまだ量産に至っていない野心的な取組であります。  最先端半導体の量産実現には売上げや利益が十分に上がる前から巨額の投資が必要となります。当初から十分な資金を民間のみから調達することは難しいところです。そのため、次世代半導体の量産に向けまして、事業者の財務基盤を強化しつつ、民間からの資金調達を促進、補強する観点などから、委員御指摘の税制上の措置や金融支援を可能とする法案を今国会に提出させていただいております。  経済産業省といたしましては、支援対象の選定やプロジェクト管理を厳格に行いつつ、次世代半導体の量産の実現に向けまして取り組んでまいります。

船橋利実自由民主党

○船橋利実君 今ほど経産省からお答えをいただいたんですけれども、これ、莫大な投資をしていくわけであります。  今御答弁の中にもありましたけれども、この二ナノの最先端の半導体、これをどう需要側の方をつくり出していくのか、探し出していくのかと。これは非常に難しいところでもあろうかというふうに思いますが、これはもう必要なことであることは間違いのないところだと思っています。  これ、通告にはないところかもしれませんが、今お答えがあった二ナノ半導体の需要の部分についてはどんな見通しを持っておられるのか、伺いたいと思います。

奥家敏和経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(奥家敏和君) 二ナノメートルの半導体でございますけれども、先ほど答弁をさせていただきましたとおり、生成AIなどを実装化していくためには不可欠な半導体となります。  既に、先端企業でありますTSMC、二ナノメートルの半導体の供給に向けた取組を進めておりますけれども、そこの量産に入っていける企業、ほかにできるところがあるのかというふうに半導体企業からは見られている。このような中で、既にラピダスの二ナノメートルの半導体を使うということを発言しているIBMでありますとかテンストレント、そのほかの日本企業でもプリファードネットワークなどの先端企業群が活用を既に表明しています。ほかにも、これは事業上の話になってきますのであれですけども、非常に高い関心を示されている。  AIの活用、今後一層増えていく中で、二ナノメートル以下の半導体の需要というのは大きく伸びていくというふうに市場では見込まれているところであり、私たちといたしましては、製造の方の技術の確立とともに、二ナノメートルの半導体を使う企業、事業家をしっかりと掘り起こしながら、きっちりと事業連携を進めて事業化に結び付けていきたいというふうに考えております。

船橋利実自由民主党

○船橋利実君 今、生成AIの活用には必ず欠かせない技術であるという御説明などもございましたけれども、こういう最先端の技術分野って、ある時期に飛躍的に成長していくということもあろうかと思います。そこのそのチャンスというものをしっかりと見据えた中でこうした半導体産業の戦略というのは描いていく必要があるというふうに思いますので、御努力をいただきたいというふうに思ってございますし、もう一方で、人材確保のところがこれかなりやはり大変だというお話も伺います。  先般、意外なことを聞きました。それは、熊本のTSMC、こちらがもう既に稼働しておりますけれども、台湾からも働き手の方々が来ておられます。そこに日本の働き手の方々も加わっていって、その働き方が随分違うという話なんです。  どういうふうに違うかというと、我々は今でも日本人は物すごく働いているというふうに思うところもあるんですけれども、台湾の方々からすると、一緒に働いてみたら、日本人はいつの間にこんなに働かなくなったんだというような評価が出ているという、びっくりするようなお話を実は先日聞きました。  これは、やはり人材をどう育てるかということにも関わっているお話だと思いますので、経産省としても、こうした現場の声をしっかりと聞いていただきながら、人材の育成、確保に御努力をいただきたいというふうに思います。  次に、酒類に関することについて、お酒に関することについてお尋ねをいたします。  コロナ禍で飲食業界とともに酒類業界は大変な打撃を受けました。いまだに国内の酒類の消費量というのはコロナ以前には戻っていません。  これ、私、札幌に住んでおりますけれども、すすきの辺りを見ても、一次会にはたくさん人がいます、もうお店の予約ができないぐらい。ところが、その二次会、三次会になると、コロナ以降は客足が戻ってこないということからお酒の消費量が伸びないというお話を酒類業界の皆さん方からお聞きをいたします。  こうした中ではありますけれども、良いニュースとしては、昨年十二月、我が国の伝統的酒造り、これがユネスコ無形文化遺産に登録をされたところでございまして、こうした登録も追い風にしつつ、酒類業の振興に一層取り組んでいくべきと考えますが、政府の今後の取組についてお伺いをいたします。

小宮敦史国税庁次長

○政府参考人(小宮敦史君) お答え申し上げます。  酒類の国内市場は全体として縮小傾向にあるところでございますが、そうした中、国税庁におきましては、酒類業の振興のため、商品の差別化、高付加価値化や輸出の拡大等に向けた取組を進めているところでございます。  昨年十二月に伝統的酒造りがユネスコ無形文化遺産に登録されたことは、日本の伝統的酒造りへの理解を深めていただく良い機会であります。国税庁としても、大阪・関西万博の会場で日本産酒類のPRに取り組むなど、この機会を最大限に生かしつつ、輸出の拡大等の酒類業の振興に向けた取組を一層強化してまいりたいと考えております。

船橋利実自由民主党

○船橋利実君 ありがとうございます。  酒類業の振興には、国内での消費というものは当然でありますけれども、日本産酒類、お酒ですね、これの輸出拡大に取り組んでいく必要があろうかと思います。他方、近年、残念なんですけれども、日本産酒類の輸出金額が伸び悩んでいるというふうに聞いてございますけれども、政府として最近の状況をどのように把握をされておられるのか、また、今後どうやって輸出拡大というものにつなげていこうと考えているのか、伺います。

小宮敦史国税庁次長

○政府参考人(小宮敦史君) お答え申し上げます。  日本産酒類の輸出の拡大は、酒類業の振興のためには非常に重要なものと考えております。日本産酒類の年間の輸出金額を見ますと、平成二十九年からの五年で二・六倍の伸びを示しまして、令和四年に過去最高の千三百九十二億円に達した後、中国の景気等の影響もあり、二年間はほぼ同水準にとどまっているところでございますが、月次で見ますと、足下では昨年八月以降六か月連続で前年を上回っているというところでございます。  こうした状況を踏まえまして、国税庁といたしましては、伝統的酒造りのユネスコ無形文化遺産登録も追い風にいたしまして、日本産酒類の魅力PR等、認知度向上の取組を進めたり、新たな輸出先の開拓も視野に入れつつ、酒類製造者と輸出卸、商社とのマッチング支援や商談会の開催といった販路拡大支援を進めたり、また、地理的表示を活用したブランド化の推進や付加価値を生み出す酒造りを支える技術支援を行うなど、日本産酒類の更なる輸出拡大に向けて取組を強化してまいりたいと考えております。

船橋利実自由民主党

○船橋利実君 財務省の中では、唯一外向けに事業をやっている部分だというふうに思っております。ここ数年で大分ノウハウを積んできておられるというふうには思いますけれども、是非より一層頑張っていただくことを御期待をさせていただきたいというふうに思います。  次に、北海道では、十年間でワイナリーが約三倍、七十一か所にまで増えて、ワイン産業が拡大の傾向にございます。  この数というのは、既に国内ではワインの産地と言われる山梨県のワイナリーの数も超えているというふうに聞いているところでございますけれども、こうした北海道でのワイン作り、これが世界的なワインコンクールにおきまして受賞などもしているということから、国内外から注目を大変集めております。さらに、近年は日本のウイスキーが高い評価を受けておりますけれども、北海道でいいますと、ニッカウヰスキーの余市など、ウイスキー製造のメッカでありますけれども、道内の製造場の数についても同様に増加の傾向にあります。  北海道を始めとした日本産のワインやウイスキーの振興について、輸出促進も含めた今後の取組ということについてお聞かせいただきたいと思います。

小宮敦史国税庁次長

○政府参考人(小宮敦史君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘をいただきましたとおり、日本産のワインやウイスキーは近年国内外で高い評価を得ておりまして、国税庁といたしましても、国内外からますます注目を集め、それが輸出の拡大にもつながるよう取組を進めてまいりたいと考えております。  具体的には、海外での商談会の開催等を通じた販路拡大支援のほか、ワインやウイスキー製造者が抱える高付加価値化等に向けた技術的課題を乗り越えるための技術支援や、酒類事業者による日本産酒類のブランディングやインバウンドによる海外需要の開拓等、海外展開や国内外の新市場開拓に向けた意欲的な取組に対する補助金による支援、こうした取組を行っているところでございます。  引き続き、業界、酒類事業者とも緊密に連携をしつつ、行政へのニーズを踏まえまして、きめ細やかな支援を講じてまいりたいと考えております。

船橋利実自由民主党

○船橋利実君 千歳空港もかなり海外からのお客様がおいでいただく空港になっているんですけど、私は農水さんにも前々からお話をさせていただいているんですけど、海外から来た皆さん方にウエルカムドリンクサービスなどをやってはどうかと。最初のうちはこれ、私は、牛乳とかヨーグルトとかチーズとか、こういうものを提供というお話を農水省さんにはしてきているんですけど、ウイスキーとかあるいはワインとかジンとか、こうしたものも一口でも二口でも飲んでいただくということが、まずは知っていただくということにもなるでしょうし、道内、国内御旅行いただくときに、各地に立ち寄ったときにそうしたものを購入をしていただく。あるいはそれがその後の飲用につながっていくということにもなろうかと思いますので、いろんな工夫を是非重ねていただきたいというふうに思います。  最後の質問になりますけれども、昨年、農林水産食品の輸出額、これ一兆五千億、アルコールは三五%、この約三五%がアルコール飲料、調味料、清涼飲料、あるいは菓子等の加工食品であります。加工食品は長距離輸送が可能になるということから、それに加えて、我が国のユニークな食文化を反映した魅力ある商品が多くて、輸出拡大のポテンシャルは大きいというふうに考えます。  したがって、このお酒とセット、いわゆる日本流のおつまみという文化も一緒に広めていくということが非常に有効ではないかというふうに考えてございますけれども、今後、農林水産物・食品の輸出促進に向けて、加工食品の輸出支援、お酒とタイアップした日本食の普及推進、こうしたことにどう取り組んでいくのか、最後にお尋ねをいたします。

高山成年農林水産省大臣官房輸出促進審議官

○政府参考人(高山成年君) お答え申し上げます。  我が国の農林水産物・食品の輸出額でございますが、海外での日本の食の人気を背景に、昨年一兆五千億円を超えるというところまで来てございます。  その際、加工食品につきましては、長距離輸送の容易さ、御指摘のとおりありますし、さらに、付加価値の高いものをグローバルで展開して、海外から稼いでいくという観点において、その輸出が極めて重要と認識してございます。  委員御地元の北海道でも、チーズなどの乳製品の輸出に取り組む事業者さん、あるいは道内のブドウを活用して香港等ワインの輸出に取り組むワイナリーさん、こうした高付加価値化の取組が始まってございます。  その上で、これらの国際的なプロモーションに当たりましては日本のブランド力を活用してトータルでアピールしていくと、こういうことが重要と考えていまして、一例申し上げると、今月頭には、シンガポールの日本大使公邸で日本のワインと日本のチーズ、これのコラボをして魅力発信イベントを実施しておるところでございます。  引き続き海外の旺盛な需要をしっかり取り込んでいく、そういう観点から、事業者の方々はもとより、国税庁を始め関係者と連携して、それから、さきに御指摘のありましたインバウンド、これとの連携も深めながら、日本産の農林水産物・食品の輸出促進に努めてまいりたいと考えてございます。

船橋利実自由民主党

○船橋利実君 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

柴愼一立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 立憲民主・社民・無所属の柴です、柴愼一です。よろしくお願いいたします。  本題に入る前に、実は先週末、金、土と能登に行ってまいりました。能登の被災地に伺って現地の状況を見てきたことから、どうしても言わずにはおられず、ちょっと発言をさせていただきます。  輪島市や珠洲市を中心に回ってきましたが、地震の被害に加えて豪雨被害の大きかった珠洲市の大谷地区にも伺いました。今も、大谷郵便局、今も局舎の中に泥、土砂が残ったままで屋根もひしゃげているような状況や、隆起をして姿が変わった海岸線、揚浜式ですか、塩田も見てきましたし、海岸線の通行止めの道路も見てきました。地域によっては公費解体も進み、少しずつ復興の歩を進めている様子もうかがえましたが、道路事情などでまだとても、地震から一年四か月がたっている、豪雨被害から半年、六か月が経過したと思えない姿が多く見かけられました。本当に胸が痛みました。  財務大臣、所管外ではありますが、政府の重要閣僚として、政府が一丸となって能登の復旧復興に取り組むということ、そして復興予算の効果的な着実な執行についてこれまで以上に御尽力いただきたいというふうに思います。コメントいただけたらと思います。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 私も、大雨被害の前でありましたけれども、珠洲市等も行かせていただきました。また、私の地元、西日本豪雨災害のときにもやはり大雨の関連の被害も受けたところでもありますし、まさにそうした被害を、地震、そして大雨、短期間の中で二回被災をされる、そうした皆さんの思いというものを感じると言葉が出ない、こういった思いであります。  同時に、今いろんな予算等も活用していただきながら、またボランティアも含めていろいろな皆さんの力によって一つ一つ、公費解体を含めて進めていただいている。我々としても全力でそれを推進していくとともに、やはりそのときにもお話をいただいたのは、やっぱり能登は能登の歴史、文化があって、やっぱりそれも併せて残していきたい、また地域のコミュニティーも残していきたい、守っていきたい、そうした地域の皆さんの思い、それも一緒に受け止めながら、地域、また県、市と、あるいは町の皆さんと一緒に政府としても全力を挙げて一日も早い復旧復興、そして能登としての良さをまた戻していただくべく、一緒に頑張らせていただきたいというふうに思っています。

柴愼一立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 御丁寧なコメントをいただきましてありがとうございます。  やっぱり現地に行って、組合員とも話をしたんですが、復旧が進まないということから、このままになっちゃうんじゃないかと、風化してしまうんじゃないかということを含めて不安になっていますので、是非これまで以上の取組をお願いしたいというふうに思います。  それでは、本題の所得税法等の一部を改正する法律案について質問をさせていただきたいというふうに思います。  まずは、税制全体について政府の認識を伺いたいと思います。  今の日本の姿をどう見るのかということ、我が国が直面する課題や取り巻く環境の変化に対応するため、様々な政策が講じられてきました。幾たびかの税制の改革も行われてきました。今の日本の状況というのはそれらの政策の積み重ねでできてきているんだというふうに言えるというふうに思います。  自分自身は郵便局で働いて労働運動に取り組んできたということから、バブル崩壊以降の社会の変化に実際に対応してきたというふうに思っていますが、どちらかというと、労働法制とか労働政策とか産業政策、社会保障政策については身近な課題として取り組んできたんですが、税制については少しちょっと遠い存在だったような気がしています。  参議院議員となり、そしてこの財政金融委員会の所属となって委員会の質疑や会派の部門会議での議論などを通じて、税制が社会構造を変える力があると、影響力があるということを強く認識するようになりました。バブル崩壊以降の失われた三十年、政府の言うコストカット型社会の経済に陥ってきたこの現状、分厚い中間層が消失したと。若い人は分厚い中間層という言葉すら知らないということだと思いますが、分厚い中間層というものが消失し、格差が拡大したこの現状に税制がどのような影響を与えてきたかということを認識しているのか、政府のお考えをお聞かせください。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) あの一九九〇年のバブル崩壊以降、低い経済成長と長引くデフレが続いたわけであります。そうした中においても、まずは雇用を守るという意味にも、いろいろな取組をさせていただきました。そうした下で、企業は賃金を抑制をしていく、消費者も将来不安などから消費を抑制し、結果として需要が低迷し、そしてデフレが加速すると、こういった悪循環が生じたものと認識をしております。  税制の持つ力ということのお話がありました。こうした中で税制がどういう影響を与えてきたのか、いろいろとこれはよく検証していく必要があると思いますけれども、必ずしもこの失われた三十年やデフレそのものを生み出したというふうには認識をしていないところではあります。実際、税制についてこの間の取組を申し上げさせていただきますと、経済社会の変化への対応、また政府が掲げる政策目的の実現などの観点から、累次の見直しが行われております。  所得税については、勤労意欲への配慮等の観点から税率の構造の見直しが行われた後、言わば税率の引下げ等が行われた後、近年では、格差の固定化防止の観点から最高税率の引上げや極めて高い水準の所得について最低限の負担を求める措置など、また消費税については、急速な高齢化に伴い社会保障給付が大きく増加する中で、社会保障の安定的な財源を確保するとともに必要な社会保障を実施をしていく観点から、その税率を引き上げ、社会保障給付を充実をしたところであります。法人税については、我が国の競争力の強化の観点から税率の引下げ、研究開発税制などの租税特別措置の見直しを実施してまいりました。  これらの税制の見直しが経済社会にどういう影響を与えてきたのか。これは先ほど申し上げたように、これからもよく検証していく必要があると思いますけれども、重要なことは、各税目の特性を踏まえて、所得、消費、資産などの課税ベース、これを適正に組み合わせていく、ある意味ではバランスを取っていく、さらに予算措置など他の施策とも適切に組み合わせる。こうしたことを通じて、経済社会に望ましい変化をもたらしていく、望ましい経済社会を実現をしていく、このことが必要、大事だというふうに考えております。

柴愼一立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 加藤大臣おっしゃられたとおり、税制がデフレそのものを生み出したというふうには思っていませんが、私も、バブル崩壊後、日本社会全体、金融機関や各企業が不良債権処理に追われたということ、そして、当時の我が国の給与が円高もあって世界最高水準だったということを含めて、企業の存続、雇用の維持や確保のためにまずは企業の財務体質の健全化などに重点が置かれてきたということはやむを得なかったというふうに思いますが、その状況を長く続け過ぎたんではないのかというようなふうに考えています。  様々な税制改革で実現できたこと、そして反省点ですね、予期しない結果を招いたとする反省点など、今後のあるべき税制を検討するに当たって、反省点等をもう少しいただけたらというふうに思いますが。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 一つは、与党の税制改正大綱等にも書かれていることではありますけれども、法人税については、当時は国際競争力を高めていくという観点の下で各国が税率の引下げを図ってきた、それに相応するような形で我が国も対応させていただいたわけでありますけれども、結果的に、そうしたことを通じて企業が収益を上げ、そしてそれが設備投資や賃上げにつながっていく、こういった流れを期待をしたわけでありますが、残念ながらそういう形に十分にはなっていないということ、こういったところもしっかりと踏まえていく必要があると思いますし、また、この間、また後でも御議論があるかもしれませんけれども、所得格差等が広がってきたということも出てきているわけでありますから、こうしたことに対する対応ということも今後考えていく必要があるというふうに思っております。

柴愼一立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 現在は、コストカット型経済から賃上げと投資が牽引する成長型経済、経済の好循環をつくり出せるかの重要な転換点にあるというのは政府からも様々なタイミングで発言をいただいている、そのことは共通認識に立ちたいと、立っているというふうに思います。  さきの総理の所信表明演説では、楽しい日本のくだりですね、国家が主導した強い日本、企業が主導した豊かな日本、そしてこれからは一人一人が主導する楽しい日本を目指すというような発言がありました、コメントがありました。楽しい日本って、言葉の選択にはどうかなと思うこともありますが、そんな目指すべき姿については共感をします。  石破総理の目指す楽しい日本を実現していくために税制が果たす役割も大きいというふうに思いますが、今後どのような税制を目指していくということをお考えでしょうか。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 総理が、楽しい日本、いろんな思いを持っておっしゃっておられるんだろうというふうに思いますけれども、私としては、まず今日よりあしたが良くなるということであり、またお一人お一人がそれを実感をしていただく、そういった意味においても、賃金、所得が増加をしていくという形が重要だと考えております。  具体的には、昨年からの賃上げの流れが拡大し、物価上昇を上回る賃上げを定着させていくこと、また、賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行を実現する中で物価上昇を上回る賃上げが継続的に進んでいく、こういったことが重要だと考えております。  令和七年税制改正においても、物価上昇局面における税負担の調整及び就業調整の観点からの所得税の基礎控除等の見直し、成長意欲の高い中小企業の設備投資を促進し地域経済に好循環を生み出すための中小企業経営強化税制の拡充などを盛り込んだところであります。  引き続き、経済社会の構造変化に対応し、あるべき税制の具体化に向けて、中長期的な視点も踏まえつつ、包括的な視点に立った検討を進めていきたいと考えております。

柴愼一立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 先ほど言った国家が主導した強い日本、企業が主導した豊かな日本から変わっていくんだということでいけば、やっぱり国家とか会社とか組織が主導するんじゃなくて、一人一人に、国民一人一人の生活に寄り添う、そんな税制に転換していくべきだということを申し上げておきたいというふうに思います。  続いて、所得税の基礎控除の引上げが今般の税制改正の大きな目玉だというふうに思います。まずは、政府案、基礎控除を百二十三万円に引き上げることの目的について教えてください。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答え申し上げます。  政府の原案では、所得税の基礎控除の額や給与所得控除の最低保障額が定額であることにより、物価が上昇すると実質的な税負担が増えるという課題に対応するため、基礎控除の額と給与所得控除の最低保障額を十万円ずつ引き上げることといたしました。  この引上げ幅は、消費者物価指数が、最後の基礎控除の引上げから直近までの消費者物価の動向などを踏まえたものであり、また、生活必需品を多く含む基礎的支出項目の消費者物価が二〇%程度上昇していることを勘案したものでございます。

柴愼一立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 お答えいただきました。政府の認識としては、物価が上昇すると実質的な税負担が増えるという課題に対応ということが理由だということですが、一方で、基礎控除についてはやっぱり最低限度の生活費には課税しないという趣旨も、いろいろ調べると書いてあるんですが、そのことと同じ理由という認識でよろしいでしょうか。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) 基礎控除の趣旨でございますが、元々、基礎控除につきましては、一定程度の所得までは負担する能力を有しないという考え方でやっておりました。  先ほど申し上げました生計費の観点で申し上げますと、基礎控除などを含みます課税最低限、課税最低限については、生計費の観点も勘案してまいりました。ただ、生計費の観点のみならず、どれだけのこの社会的なコストをどれだけの方々に負担していただくかと、そういう観点も併せて今まで検討してきたところでございます。

柴愼一立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 そこがちょっといまいち腹に落ちなくて、物価が上昇すると実質的な税負担が増える課題に対応しているということなんですが、実際の引上げの根拠というのは生計費ですね、消費者物価指数などの生計費が上がっていることを理由にしていると。  だから、どれだけ税額が上がるからそういうふうにしているということじゃなくて、生計費がどれだけ上がっているかで今回の引上げ額を決めていますというところの整合性というのはどうなっているんでしょうか。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答え申し上げます。  先ほど申し上げました課税最低限の考え方、どれだけの社会全体のコストをどれぐらいの方々に御負担いただくか、ここの考え方自体は従来からそういう形で来ています。  ただ、これも、物価が上昇していく局面では、その物価に合わせて、まさにその課税最低限を構成している基礎控除について物価調整で引上げをしてまいりませんと実質的な負担増になってしまう、そういう考え方で今回は定額の部分の基礎控除について引上げをさせていただいているところでございます。

柴愼一立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 ですから、物価連動で、物価が上がったのでそれに連動して上げるんですよって言いたがらないというのは、今後の見直しについて物価連動に方向付けたくない、何かそんな魂胆が見え隠れするということを含めて、ちょっと政府の不誠実な答弁じゃないかということを指摘したいというふうに思います。  続きまして、与党の修正案について質問したいというふうに思います。今日、お忙しい中、提案者にも来ていただいています。ありがとうございます。  政府原案に対して修正案を加えようとする判断について、どのような理由からなのでしょうか、お聞かせください。

後藤茂之自由民主党・無所属の会

○衆議院議員(後藤茂之君) これまでの政党間協議や、あるいは国会質疑を踏まえまして、与党修正案として、まず低所得者の税負担に対して配慮する観点から、恒久的な措置として、給与収入二百万円相当以下の者に対して三十七万円の控除の上乗せを行う特例を設けることとしておりまして、これによりまして、課税最低限が東京都の生活保護基準の最低生活費を上回る百六十万円となります。  また、物価上昇に賃金上昇が追い付いていかない状況を踏まえまして、中間層を含め幅広く税負担を軽減する観点から、給与収入二百万円超八百五十万円以下の者に対しまして、令和七年、令和八年において基礎控除の上乗せを行う特例を設けることといたしております。  この特例は、納税者全体の八割以上の世帯の減税額の上乗せを行うものでありまして、同時に、高所得者優遇とならないように、政府案と修正案を合わせて、それぞれの収入階層で減税額が平準化されるような工夫をしているところでございます。

柴愼一立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 ありがとうございます。  それで、百三万円の壁というのは、私は壁ではなくて緩い坂だというふうに思っているんです。それを見直すというのは、やっぱりさっき言った課税最低限をどういう水準にするんだということを含めて極めて理念的な見直しだったんじゃないかなと、はずじゃないかというふうに思う一方で、今回の与党修正案というのは、もう一方でいけば、三党協議をやっぱりまとめていくというためのやっぱり大変な工夫だったんじゃないかと、課税最低限を百七十八にできる限り近づけるための工夫だったんじゃないかというふうに受け止めているんです。そうすると、三党合意に至らなかったにもかかわらず、こういうちょっと複雑な制度を今般提案してきた理由という、もう一回再協議するというのもあったんじゃないかというふうに思うんですが、その点はいかがでしょうか。

後藤茂之自由民主党・無所属の会

○衆議院議員(後藤茂之君) 政党間協議は誠心誠意行ったわけでありまして、そうした政党間の熱心な議論に基づく結果でもあります。  また一方で、議論をしていく過程で、やはり物価に追い付かないそういう部分について、やはりそれなりの対策を中所得者に至るまでするという御意見についても、これも理解のできるところであるということで、我々としては、低所得者、中所得者に対するそれぞれの対応を図るべきだというふうに与党として考えて、これを提出させていただきました。

柴愼一立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 ありがとうございます。大変な御努力いただいたことに敬意を表したいというふうに思います。  一方で、これまでは緩い坂だったので、手取りの逆転というのは百三万円を超えてもなかった。なかったんですが、今般の与党修正案では、二年間の特に措置が終わると、二百万円、二百一万円ですか、超えるところで逆転現象が起こると、新たな壁が、逆に壁ができてしまうんじゃないかというふうに思っているんですが、このことに対しての御認識をお聞かせください。

後藤茂之自由民主党・無所属の会

○衆議院議員(後藤茂之君) 今委員から御指摘がありましたように、いわゆる二年間が過ぎますと、二百万円を超えると控除額が縮小いたしまして負担が、税負担に差が出てくるというのは御指摘のとおりだというふうに思います。  ただ、その税負担の差というのは、これ三十七万円ほど控除を打ちますから、五%を掛ければ一万八千五百円程度になりますけれども、就業に与える影響を含めまして今後もし課題が生じるというようであれば、期限の到来に向けて必要な対応を検討してまいりたいというふうには考えております。

柴愼一立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 与党修正案に関わる減税が行われるわけですが、この財源についてはどのように確保しているのか、お聞かせください。

後藤茂之自由民主党・無所属の会

○衆議院議員(後藤茂之君) 財源について、七年度につきましては、これは一時的な財源を充てるということでございます。また、八年度分につきましては、七年度末まで、八年度税制改正、予算編成等の議論の中で、恒久的な部分については恒久財源を確保していくということで考えております。

柴愼一立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 これが、附則の八十二条なんでしょうか、政府が検討し必要な措置を講じるというふうにしているというふうに思いますが、与党修正案なので、どう受け止めていいのか。政府案を作るのはまた与党税調で検討するので、国民民主党さんが百七十八万をするというときは、財源は政府が検討するべきだと言うと、無責任じゃないかといういろいろな御指摘がありましたが、今回のところは、政府が検討し必要な措置を講じるという意味というのは、与党税調でしっかり検討して財源を確保するということの裏返しという認識でよろしいんでしょうか。

後藤茂之自由民主党・無所属の会

○衆議院議員(後藤茂之君) おっしゃるとおりで、八十二条において責任を持って財源を確保する姿勢をしっかりと示しておりますから、与党としても、しっかりとこうした法案を提出するということで対応していきたいというふうに考えております。歳入歳出両面の取組を通じて財源の確保をしっかり行っていきたいというふうに考えております。  ただし、修正過程の議論の中で、やっぱり今置かれている経済状況とか、いろんな、その検討期間ですとか、その規模等も含めて、こうした一時的取扱いを、七年度については歳入歳出両面の取組を通じての財源確保というよりも一時的な財源で行わせていただいたということです。

柴愼一立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 衆議院の財務金融委員会でも、我が党の議員から、所得控除というのは高額所得者により多くの減税効果が起きるということも含めて、逆進性是正の観点から基礎控除を税額控除とすべきというふうに主張しています。今回の与党修正案は様々工夫いただいていますが、先ほどあったとおり、実質的、平準化、二万円程度ですね、減税額が平準化しているということでいくと、実質的な二万円の定額減税なんじゃないかというふうに思うと、税額控除にすべきじゃないかということについての認識をお聞かせください。

後藤茂之自由民主党・無所属の会

○衆議院議員(後藤茂之君) 所得控除の制度に所得制限を設けずに制度を構築いたしますと、やっぱり所得の大きな方たちに大きな減税が行き渡ることになります。我々としては、今回の措置の趣旨からすると、やはり課税ブラケットに応じた所得控除を設定することによって減税額を平準化することがいいというふうに思ったわけでございます。  今御主張のとおり、減税額の平準化のみに着目していくということであれば税額控除の方が適しているという御意見についても理解もできるところではございます。しかし、基礎控除を始めとする所得控除は、それぞれ控除の趣旨に応じて課税所得を調整しまして、同じ課税所得に同じ税負担を求めるということで考えておりまして、水平的な公平性を確保する仕組みであって、こうした考え方は合理性を有するものであるというふうにも考えております。ただ、基礎的控除は全般的な影響が大きいわけですから、いろいろ丁寧に趣旨や見直しの影響等も考えていきたいというふうに考えております。  それから、今回の議論は、先ほどからも御指摘がありましたように、百七十八万円まで所得課税の最低限を引き上げるべきとの要望の中で、政党間協議をして所得控除方式を基本として検討を行ったところであるということでもございます。  いずれにしても、高所得者優遇にならないように、政府案と修正案を併せてそれぞれの収入階層で減税額が平準化されるような、そういう取組を行ったところでございます。

柴愼一立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 ありがとうございます。  時間が参りました。以上で質問を終わります。  失礼しました。

勝部賢志立憲民主・社民・無所属

○勝部賢志君 立憲民主・社民・無所属の勝部賢志でございます。  今、柴委員からも質問ありましたが、会派に与えられた時間内で質疑をしたいと思いますけれども、できるだけ違う観点でも質問させていただきたいということで、まず初めに、今、国会で大きな問題になっている石破総理の商品券配付問題について伺います。  私は、この問題は大きく三つの視点があると思っています。  一つは、違法性がないのか。つまり、政治資金規正法や公職選挙法に抵触しないのかという点。それから二つ目は、自民党裏金事件があり、政治と金についての透明性をいかに高めていかなければならないか、金が政治をゆがめるようなことがあってはならないという問題意識で政治改革に取り組んでいる真っ最中に、その先頭で信頼回復に取り組まなければならない総理がこのタイミングでこのような問題を起こしたということが、国民の皆さんに疑義を持たせ、失望感を抱かせているということです。そして三つ目は、前職であった岸田総理も同じような手法で商品券を配っていたということが発覚をした。先日二十二日には、安倍元総理も同じような商品券を配っていたとの証言がありました。まさに慣例で行われてきたということが疑いようのない事態となっています。自民党の体質、国民感覚との大きなずれが新たに問われているということで、そして、この商品券配付問題が総理によって慣例的に行われていたということであれば、これは個人的な私費での支出ではなくて公金が使われてきたのではないかという、そういう疑義も生じているということであります。政治に対する信頼回復は与野党を超えた喫緊の課題であり、信なくば立たず、しっかりとした説明を政府としてすることが責務だと思います。  その意味で、この間、自民党政府で数々の要職を担ってこられた加藤財務大臣にもこの際お聞きをしたいというふうに思います。  慣例となっているのではないかという話がありましたけれども、そのことについて経験豊富な加藤大臣はどのような実感を持っておられるのか、どのような認識を持っておられるのかを率直にお答えをいただけたらと思います。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) まず、今委員から違法性の話がありました。私自身は、政治資金規正法上における政治活動に関する寄附又は寄附を受ける、これは個人ということでありますけれども、こういったことは一切しないということでやってこさせていただいたところでございます。  そして、もちろん様々なお付き合いをさせていただいておりますし、私も議員になって二十一年間、二十一年たっております。ただ、それは、それぞれまさに個人的な意味でいろんなお付き合いをさせていただいているということでございますので、その具体な中身、詳細について、正直言って余り覚えてないところも多いところはございますけれども、差し控えさせていただいているところでございますが、ただ、いずれにしても、その時々において、もちろん法令にのっとって適切な対応を図ってきたところであります。

勝部賢志立憲民主・社民・無所属

○勝部賢志君 総理が慣例で行ってきたということが言われ始めているので、そのことについては率直にどのようにお感じですかということをお聞きしたんですけれども、いかがでしょうか。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 済みません。その総理が慣例、慣例ということは一般的にということでしょうから、ちょっとそれを申し上げる立場にはないということは御理解いただきたいと思います。

勝部賢志立憲民主・社民・無所属

○勝部賢志君 慣例でという話のつながりで、安倍元総理も、それから岸田元総理も商品券を配っていたのではないかという、そういう内部からの発言もあるという状況の中で、菅総理時代には加藤官房長官ということで共に政権を担ってこられたわけですけれども、菅元総理がマスコミの取材に対して、政治家も含めて様々な方との会合を持ち、その際に手土産を差し上げたことはありますとお答えになっています。  その手土産の中身について、官房長官としてお知りになっていることはないのか、お伺いをしたいと思いますし、その際に官房報償費、いわゆる機密費が使われたのではないかと、こう言われているんですけれども、官房長官時代のことを思い出していただいて、支出に関わったのではないかという疑義にどのようにお答えになるか、お答えをいただきたいと思います。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) まさに公として、官房長官としてお仕えをさせていただいたところでございます。今、菅元総理がどういう思いでおっしゃったかどうか、私もつまびらかに承知をしておりませんが、少なくとも個人としておやりになっていることに関して、私自身、官房長官としては承知はしていないということでございます。

勝部賢志立憲民主・社民・無所属

○勝部賢志君 個人としてか、それとも慣例でやるとすれば、総理になればそういうことを、まあ今までもずっとやってきたのでという話なのかは、更に我々も情報を収集をして、そして国民の皆さんはそのことに疑義を持っておられますので、この国会の中で明らかにしていきたい。総理、それから元総理が自ら政倫審に出席をされて、この疑義に応えていくということが必要だということを申し上げておきたいというふうに思います。  次に、森友文書の公開についてもこの際お伺いをしたいと思うんですけれども、事件が起きたのは八年前ということで、私も財政金融委員会に所属をして六年目になりますけれども、この委員会でも相当に議論をさせていただきました。八年たって新たな文書が出てくるということ自体、極めて遺憾だというふうに思っています。それはどういう意味かというと、とにかくもっと早くにそういう対応を政府としてすべきだったということを改めて申し上げたいと思います。しかし、前政権までならできなかった決断を石破総理、また加藤財務大臣がされたことについては、私は御英断であるというふうに率直に評価をしたいと思います。  その上で、改めて確認をさせていただきたいと思いますけれども、石破総理や加藤財務大臣は上告を断念されて開示を決められました。これまでの政権は一貫して開示には後ろ向きでありました。それを一転して、上告せず開示に踏み切ったわけですから、その理由、そして基本的なお考えはどういうことなのか、改めてお聞きをしたいと思います。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 開示対象となっております十七万ページ以上の紙文書と電子データについては、捜査機関に任意提出したものであります。全て情報公開法第五条第四号が定める不開示情報に該当するものと考えてきたところであります。  しかしながら、総理からの指示も踏まえ、また情報公開法七条に基づき、公益上特に必要であると判断し、検察とのやり取りを示す文書や検察からの依頼に基づき取りまとめた文書を除き、個人の権利を害するおそれのあるものなどに最低限のマスキングなどを施した上で開示する方針としたところでございます。

勝部賢志立憲民主・社民・無所属

○勝部賢志君 前に官房長官が御発言になった中で、総理が発言されたんだと思いますけど、亡くなられたということを考えれば上告せず判決を真摯に受け止めるべきであるという趣旨の御発言がありました。やはり私は、赤木さんがこのことで命を自ら絶ったということは非常に重たかったというふうに思っています。そして、その妻である赤木雅子さんが、なぜ自分の夫は死ななければならなかったのか、その理由、誰が改ざんを指示したのか、それを知りたいということで今回開示請求をしているわけであります。  ですから、私は、今回のその開示についての判断、決断をされたことは先ほど申し上げたとおりですけれども、内容とか、これからどういう方針で行くかというのは非常に大きいと実は思っています。おっしゃられたように、十七万ページもあるということなので、これをどういうふうに優先順位を付けて明らかにしていくのかということは非常に、大変な作業であるという一方で、非常に重要なことだと思っていますので、その点について改めてお伺いしたいと思うんですけれども、説明責任とは、国民に対する説明責任とは一体どういうことを明らかにすることだというふうに大臣は思っておられるのか、お聞きしたいと思います。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 説明責任という意味においては、これまで財務省においても調査をし、調査報告書もお出しをさせていただき、またそれについて説明もさせてきていただきました。これは当然、引き続きやっていく必要があると思っています。同時に、今回は検察に提出をした情報について開示請求をいただいたところでございますので、先ほどの方針にのっとって、法令にのっとって開示、非開示の作業をしっかり、しかも速やかに進めていきたいというふうに思っています。  その中で、この作業でありますけれども、先ほど申し上げたように相当量に及ぶ中で、現在、森友学園との土地取引に関する経緯の文書が時系列にとじられ近畿財務局に存在していたファイルについて優先的に作業し、開示することとしています。このファイルは、平成三十年に公表した森友学園などとの交渉記録の大宗がとじられているものであり、まだ公にしていない内部のやり取りなどがあることから、これまでの開示の経緯を踏まえ、また御遺族等におかれても御関心を持っておられるのではないかと考えたところで、まず優先的に作業を進めさせていただいているところでございますので、引き続き、開示に向けて速やかな作業、そして説明責任を果たしていきたいと考えております。

勝部賢志立憲民主・社民・無所属

○勝部賢志君 今おっしゃられた考え方は、私も文書でちょっと手にあるんですけど、森友学園との交渉記録を今後一か月程度で出していきたいという考え方と、それから、赤木俊夫氏がまとめられた文書、これは六月上旬をめどに出したいということなんですけど、私はこういうふうに段階を追って出していくという考え方は決して否定はしません。大変な作業だと思いますので、それは本当に鋭意取り組んでおられる皆さんに心から敬意を表したいというふうに思うんですけれども、こういう順番で出していかれるのであれば、やっぱり赤木雅子さんが求めている誰が指示をして何のために自分の夫は死ななければいけなかったのかということについて、是非できるだけ早く出していただきたいと。  そして、その今の経過からいうと、恐らく赤木俊夫氏がまとめられたと思われる文書という中に相当なその事実が分かるものが入っているのではないかと私自身は思っているんです。そうじゃないかもしれませんけれど。ですので、作業をしながらこれが、それ核心をついているとかということを見分けながらやるというのもなかなか難しい問題かもしれませんけれども、やっぱりその改ざんがされたこと、そして改ざんをさせられて自ら命を絶っていった、その辺りのことが分かるようなものを優先的に出していくということが必要だと思います。  ついては、赤木氏が取りまとめられた文書は、六月上旬と言っていますけれども、これもっと前倒しできないのかというふうに思います。国会が開いている間に十分に議論ができるようなタイミングに是非出すべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 御遺族の方々も含めて、一日も早く全てを承知されたい、その思い、これはしっかり受け止めていかなければならないと思っています。  他方で、委員もちょっとおっしゃっていただいたんですが、余り中の話をし始めると、作業そのもののスケジュールにどう影響するかという観点もあろうかと思っております。そういった意味において、先ほど申し上げたように、これまでの経緯も踏まえて、また御遺族も、これは我々の推測でしかございませんけれども、こういったところに関心があられる、それから、分量のこのつながりとしても、当初のやつは二千ページぐらい、赤木さんのやつは六千ページというふうに承知をしておりますので、できるだけ作業の順番、早く開示するという、こういう思いで取組をさせていただきました。  一つのめどを申し上げたということでありますから、そこまでしかやらないという意味ではなくて、ただ、相当量があり、それから六千ページについてもこれ相当熟度が上がっていくであろうということも我々勘案しながら、一定のスケジュール感をお出しをさせていただきましたが、さらに、いかに効率的に、いかにスピード感を持ってやれるかということにしっかり配意をしながら取組をさせていただきたいと思っています。

勝部賢志立憲民主・社民・無所属

○勝部賢志君 業務に当たられている職員の方々も、日常業務がある中での作業だと思いますので、そういう意味では相当負担が掛かっていることだというふうに思います。そういうことも勘案しながらのことでありますが、更なる御努力をいただくというような答弁をいただきましたので、是非御尽力をいただけたらというふうに思います。  それでは次に、防衛増税とたばこ税に関してお伺いをしたいと思います。  防衛増税により、来年、令和八年度以降、防衛特別法人税の適用とたばこ税の引上げが開始されることとなっています。しかし、その元となる防衛費四十三兆円については、その内容、必要性、有効性等々について、国民的な理解を得るために必要な情報や判断材料が十分に示されているとは言えない状況だと思っています。その点については更なる政府の努力を求めたいと思っています。  一方で、国内たばこの販売の状況は、近年何度にも及ぶたばこ税の増税による価格の引上げや、喫煙場所の減少などの規制強化によって、ますます厳しい状況にあります。このような状況下で、日本たばこ、JTですね、JTは人員や設備の削減を始め、生産の全量を買い上げている国内葉たばこ農家に対して、廃作、生産の中止ですね、廃作募集まで行ったと聞いています。  そこで、日本たばこ及び国内葉たばこ生産農家の経営状況と今後の見通しについて、政府参考人にお伺いをしたいと思います。

窪田修財務省理財局長

○政府参考人(窪田修君) お答えいたします。  JTグループの経営状況についてですが、令和六年度の決算によりますと、売上げ収益が約三・一兆円、そのうち九割超がたばこ事業によるものとなっており、対前年度比約一一%の伸びとなっております。  喫煙率の減少を受けて、国内の製造たばこ全体の販売量は減少傾向にございますが、JTとしては、その中でも販売量を伸ばしている加熱式たばこの販売に注力していく考えと聞いております。  国内葉たばこ農家の経営状況についてでございますが、JT発足時と比べて令和五年度で二千二百五十四戸と大幅に減少しておりますが、一戸当たりの生産額は約七百四十万円と伸びているところでございます。葉たばこも、ほかの農業分野と同じく、担い手の減少、高齢化など厳しい状況にございますが、JTや耕作組合において営農指導など、農家の所得向上に向けた取組を引き続き行っていくものと承知しております。

勝部賢志立憲民主・社民・無所属

○勝部賢志君 紙巻きたばこと加熱式たばこの間では税負担に差があるということを関係する方々からもお聞きをしました。ですから、それを解消するというのは適当な考え方だと思います。  ただ、逆に、税率を引き上げるという場合に、今お話をしたような厳しい経営状況にありますので、税率が上がれば雇用問題とか生産農家の経営にも直接影響を及ぼすことになるだろうというふうに思います。一方、一方でというか、また、たばこ税収は地方の税収でもあって、二兆円のうちの約半分の一兆円は、地方公共団体を支える貴重な財源ともなっています。  このような状況を踏まえたときに、たばこの税制改正に際しては、先ほど申し上げましたように、紙巻き、加熱式たばこの税負担の解消をまずは先行的に実施をしてほしいと。その上で、やはりどうしても税率の引上げが避け難いという場合であっても、できるだけ小幅かつ段階的な引上げを検討していただきたいというふうに思いますが、見解を伺います。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 今委員からお話しいただきましたように、今回のたばこ税の見直しについては、まずは紙巻きたばこと加熱式たばこの税負担の解消、まずこれに取り組むこととし、令和八年四月から先行して実施をし、その上で、令和九年四月より国のたばこ税率を段階的に引き上げることとしております。  その引上げに当たっては、御指摘のたばこ関係事業者、また消費者などへの影響にも十分配慮をし、従前と比較しても小幅な引上げとなる一本当たり〇・五円、従前は一円とかそういった場合もございましたが、〇・五円ずつ、三段階で、一年間隔で実施するということとさせていただいております。

勝部賢志立憲民主・社民・無所属

○勝部賢志君 冒頭申し上げたように、防衛増税に関わってのたばこ増税ということなので、そもそも、そもそもその増税の在り方自体をやっぱりしっかり問わなきゃいけないなということがそもそもあるなということを改めて申し上げておきたいというふうに思います。  次に、先ほど柴委員からもありましたけれども、経済に対する基本的な考え方、以前、経済あって財政、まあ財政あっての経済というようなことがここでもちょっと議論がありましたけれども、この経済あっての財政というのは、財政再建の必要性とか補正予算の経済対策などで無駄な支出があるのではないかと、こう言われたときなどの言い訳、弁解のように使われてきたのではないかというふうに受け取っています。  もっと基本的な考え方を整理をさせていただきたいと思うんですけど、経済とは、まあ周知のとおりというか、私が言うまでもないことですけれども、古くは隋の時代に、世を治め、民の苦しみを救うことという意味で経済というのは使われてきたと。江戸時代中期にも我が国でもこの言葉は使われたようでありますけれども、大臣のおっしゃる経済あっての財政とは、どのような趣旨でお使いになっておられるのでしょうか。  言葉本来の意味では、国民生活の安定、安寧と社会の発展のための財政という趣旨で、トリクルダウンのための経済成長とか、単にGDP数値の上昇あるいは株価の上昇のみを目指したものではないというふうに私は受け止めておりますけれども、改めて大臣の認識をお伺いをしたいと思います。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) まさに委員御指摘のとおりでありまして、経済、よく経世済民という言葉も使われるところでありますけれども、国民生活の安定、安寧と社会の発展のため、それに向けて経済成長とか企業活動が必要であることはもう議員御承知のとおりであります。そこにとどまってはいけないという御趣旨だと思います。  まさにそういった意味において、私どもとしても、国民一人一人が実際の賃金所得の増加という形で豊かさを実感できる経済社会を実現していくことが重要である、こういう認識の下において、価格転嫁の円滑化の推進、中小企業などにおける省力化、デジタル化投資を促進した賃上げ環境の整備、さらに成長力の強化、こうしたことを通じて、賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る経済の実現、それを通じて国民の皆さんの生活が豊かになり、またそれを実感していただける社会、この実現に向けて努力をしてまいります。

勝部賢志立憲民主・社民・無所属

○勝部賢志君 もう一つ違う観点で、今、令和バブルとこう言われています。  資産あるいは土地の価格、そういうものが、マンションの価格も含めて非常に高騰していると。先ほど千歳のラピダスの紹介もありましたけれども、千歳市の商業地区が全国上昇率で一位から三位を独占している。また、私が住む北海道の、インバウンド特需というのがあって、富良野市なんかは二年連続で住宅地が一位になっているんですね。そういうその土地の価格の上昇は、一見すると何か経済的に上向いているように見えるかもしれませんけど、実際住んでいる者にとっては、固定資産税が増えたり、あるいは土地を購入するにも多額の資金が必要になるということで、プラスばかりではなくてマイナス面が非常に大きくなっていると。さらに、格差も広がってきているということもございます。  そういう中で、所得もやっぱり格差が広がっている。ジニ係数などは過去最高、親ガチャとかペアレントクラシー、親の影響力が強い社会という言葉も出てきています。こういう資産バブルと格差が固定化していくということについて、大臣の御認識をお伺いをしたいと思います。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 今お話がありました不動産価格、上昇傾向にあると。ある程度上がるということは経済やあるいは資産が増えるという意味において決して悪いことではないんだろうと思いますけれども、それぞれ皆さん方が、特に若い方々が住宅が買えなくなってしまうとか、こういったものは課題だというふうに考えております。  また、資産の格差については、内閣府の日本経済二〇二一―二〇二二において、金融資産残高上位一〇%の家計が保有する金融資産の全体に占める割合は小幅高まっており、その背景には株式等の有価証券の収益率が高水準にあることなどが指摘をされております。  また、所得格差、これはジニ係数で見る場合が多いわけでありますが、再配分前の所得格差については、高齢化の影響により中長期的に拡大する傾向にあると認識をしておりますが、一方で、税制や社会保障による再分配後の所得格差は、再分配前のものと比較して大きく抑制されており、近年を見れば一定の水準で推移しているものと承知をしております。  御指摘の格差の是正は重要な課題であります。持続的な賃上げに向けた最低賃金の引上げ、価格転嫁の後押し、また非正規雇用労働者の正社員転換や処遇改善の促進などに取り組むほか、税制や社会保障制度、双方を通じて適切な再配分がなされるよう取り組むことで格差の拡大、固定化を回避していくことが大事だと考えております。

勝部賢志立憲民主・社民・無所属

○勝部賢志君 今日は基本的なことを伺いましたので、また引き続き、少し掘り下げてこれからまた質問させていただきたいと思います。  時間来ました。ありがとうございました。

杉久武公明党

○杉久武君 公明党の杉久武でございます。午前中に引き続き、どうぞよろしくお願いをいたします。  午後は所得税法等の一部を改正する法律案でございますので、通告に従って順次質問をしてまいりたいと思います。  まず、いわゆる百三万円の壁について伺いたいと思います。  私は、党の税制調査会の事務局長を務めておりまして、昨年からの税制改正議論に関わってまいりました。その中で感じたことは、百三万円という金額が様々なケースの基準となってきたため、議論が錯綜している場面もあったんではないかなというふうに思っております。百三万円という数字は、給与所得者の課税最低限であったり、また従前の配偶者控除の被扶養配偶者の収入基準であったり、また扶養控除の被扶養者の収入基準であったりするわけでございます。  そこで、まず冒頭、財務大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、所得税において百三万円という金額が使われている箇所、また使われてきた箇所はどこなのか、また、それらがこれまでの改正及び今回の改正案でどのように変わるのか、また変わってきたのか、そして、今回の改正を終えると所得税の世界からは百三万円という数字は完全になくなった、壁は突破されたと言い切ってよいか、その点について確認をしたいと思います。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) いわゆる百三万円の壁についてでありますが、現行の所得税法においては、給与所得者の課税最低限として、所得税の基礎控除の金額四十八万円と給与所得控除の最低保障額の金額五十五万円という形、また、扶養控除等の年収要件として、扶養控除等の扶養親族の所得要件の金額四十八万円と給与所得控除の最低保障額の金額五十五万円という形で規定をされております。  今般の改正案においては、基礎控除の金額は五十八万円に、給与所得控除の最低保障額の金額は六十五万円に、扶養控除等の所得要件については五十八万円に、それぞれ引き上げることとなっておりますので、先ほどの給与所得の課税最低限、あるいは扶養控除等の年収要件は両方足して百二十三万円ということになり、所得税法上、百三万円を構成する金額は今回の改正で、言わば消滅するというんでしょうか、なくなるということでございます。

杉久武公明党

○杉久武君 今大臣に御答弁いただきましたとおり、今回の改正によりまして、所得税の世界からは、長年定着をして、ある意味超えてはいけないんじゃないかと感じている方もたくさんいらっしゃったと思いますこの百三万円という数字が完全になくなり、壁が突破されたということについては私は高く評価したいというふうに思っております。  その上で、今日は、今の百三万円の議論の中で、被扶養者の収入基準であります百三万円に焦点を当てて少し議論を掘り下げていきたいというふうに思っております。  まず、十九歳から二十二歳までのいわゆる大学生世代に適用されます特定扶養控除について伺いたいと思います。  今回、特定扶養控除につきましては、特定親族特別控除の創設という形でこの拡充がされまして、大学生世代につきましては、百五十万円までアルバイトをしても、扶養者、また被扶養者共に税負担が増えることがないというふうに言い切ってよいかどうか確認をしたいというふうに思います。あわせて、唯一、大学生世代、今回、百五十万まで働いていいという、そういうメッセージが報道等でも出されておりますけれども、早生まれの大学一年生については特定扶養控除ではなく一般扶養控除の対象となりますので、留意が必要なんではないかというふうに思いますが、財務省の見解を伺います。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答え申し上げます。  特定親族特別控除の対象となる大学生年代の子などの給与収入が百五十万円以下までである場合には親等が特定扶養控除と同額の六十三万円の所得控除を受けられるため、アルバイト収入の多寡によりまして親等の税負担が増えることはございません。  一方、対象となる大学生年代の子等自身の税負担についても政府案と衆議院修正を合わせて課税最低限が百六十万円に引き上げられることとなるため、税負担が発生することはございません。  また、特定親族特別控除の対象となりますのは、大学生ではなく、十九歳から二十二歳までの大学生年代の子等でございます。委員御指摘のとおり、早生まれの大学一年生につきましては、入学年の年末時点で十八歳であるため、入学年におきましては特定扶養控除及び特定親族特別控除の対象とはならず、一般の扶養控除の対象となることになります。  こうした点につきましては、納税者の皆様に御認識をいただくことが重要であると考えておりまして、しっかり広報に努めてまいりたいというふうに思います。

杉久武公明党

○杉久武君 今御説明いただきましたとおり、今まで一般扶養も特定扶養も年収要件が百三万というところでそろっていたわけであります、被扶養者側のですね。それが今回、百二十三万と百五十万ということで分かれてしまいますので、やはりこの早生まれの大学一年生の部分については、しっかりとやっぱり様々なチャンネルを使って、正しい認識が大学生の皆さんに持っていただけるように政府としてもお取組をいただきたいというふうに思います。  続いて、十九歳から二十二歳の大学生世代について、今百五十万円までアルバイトをしても税の方では税負担が増えることはないということが確認できましたが、あわせて、今日は厚労省にも来ていただいておりますので、社会保険の観点からもどうなっているかについて確認をしていきたいというふうに思います。  この大学生世代が百五十万円までアルバイトをするということに関して、社会保険の観点からは何か課題がないのか。例えば、社会保険の加入義務の可否の観点、また大学生の多くの方が活用しております国民年金の学生納付特例制度の観点から、どういうふうに整理ができるのか、厚労省の保険局、年金局、それぞれに答弁を求めたいと思います。

榊原毅厚生労働省大臣官房審議官

○政府参考人(榊原毅君) お答え申し上げます。  健康保険等におきましては、被保険者と生計維持関係にある者を被扶養者と判断しておりまして、生計維持関係の具体的な指標として年収百三十万円の基準を設定しているところでございますが、特定親族特別控除が、昨年の税制改正大綱において、現下の厳しい人手不足の状況における対応として盛り込まれたものであること等を勘案しまして、学生を始めとした十九から二十二歳の被扶養認定基準につきましては百五十万円とする方向で検討しておりまして、引き続き、関係者の意見も伺いながら、検討を進めてまいりたいと考えております。

武藤憲真厚生労働省大臣官房審議官

○政府参考人(武藤憲真君) 引き続き、国民年金の学生納付特例の観点からの御質問にお答えいたします。  御指摘の国民年金の学生納付特例の所得基準につきましては、本人の前年所得が百二十八万円以下となってございますが、仮にアルバイトなどで全額が給与収入である場合、収入ベースに換算いたしますと、約百九十四万円ということになります。  このため、特定親族特別控除が創設され、御質問のような方が百五十万円まで収入を得た場合であっても、学生納付特例制度の所得基準の範囲内となるものと考えてございます。

杉久武公明党

○杉久武君 今厚労省の方からそれぞれ御説明いただきましたが、そういう意味では、健康保険の加入のところとか国民年金の学生納付特例制度の観点からも、百五十万円までアルバイトをしても何かこの状況が大きく変わる、負担が増えるということはないということは確認させていただくことができました。ありがとうございます。  ただ、ちょっと今の答弁聞いていて少し気になったのが、やはり税の世界というのはあくまで扶養の判定は年末の十二月三十一日時点の年齢に基づいて、状況に基づいてでありますけれども、社会保険の方は今後一年間の収入見込みでありますので、今、その百三十万円を百五十万に上げるという、今後、社会保険の方でも通知を出して対応していただくことは非常に大事なんですけれども、そこで何かずれとか、何か起きないかなと今ちょっと答弁を聞いていて少し気になりましたので、その点についてもしっかりと配慮した上での通知を是非お願いしたいというふうに思っております。  続いて、今度、文科省に確認をしたいというふうに思います。  文科省に確認をしたいのは、令和七年度からスタートいたします多子世帯の学生等についてでございますけれども、こちらについては、所得制限なく大学等の授業料、入学金が国が定める一定額まで無償化するということとなりましたが、この制度の詳細とこの多子のカウントの方法について、まず文科省に確認をしたいと思います。

奥野真文部科学省大臣官房審議官

○政府参考人(奥野真君) お答え申し上げます。  令和七年度からの多子世帯に対する大学等の無償化は、高等教育費の負担を理由として理想の子供の数を持てない状況を払拭することを目指し、三人以上の子供を同時に扶養している多子世帯の学生等について、所得制限なく一定の額まで大学等の授業料、入学金を無償としようとするものでございます。  その際、扶養の有無につきましては、確定済みの住民税情報に基づいて確認をし、その支援の対象となるか否かの判定を行うことと考えております。

杉久武公明党

○杉久武君 そこで、多子のカウントは地方税、住民税ですか、地方税法上の扶養の範囲で多子のカウントをすると今答弁がありました。  これ多分所得税でも変わらない考えだと思いますけれども、そうすると、先週金曜日の予算委員会の集中審議で我が党の高橋次郎議員からも文科大臣等に質問させていただきましたが、学生のアルバイトによる年収が百二十三万を超えまして、今ずっと議論しておりました特定親族特別控除の対象となった子については、地方税法上、所得税法上も一緒だと思うんですけど、扶養の範囲から外れるというふうに理解をしております。  なので、ちょっと私ここは非常に違和感が感じておりまして、なぜかというと、所得税や住民税では特別控除という形で控除を受けられる子であるにもかかわらず、税法上は扶養ではないという立て付けに、特別控除の設計の問題かもしれませんけども、なっているということになりまして、そうすると何が起きるかというと、多子世帯の子の支援については、十九歳から二十二歳まで、今、先ほどから申し上げましたように、今は百五十万円までアルバイトできますよという形で税制改正もし、社会保険の方でも対応してきたにもかかわらず、多子世帯のカウントだけが百二十三万円で、超えると多子から外れると。  これはちょっと制度設計として非常に問題があるんではないかというふうに思っておりますけれども、この課題についての文科省の認識について伺いたいと思います。

奥野真文部科学省大臣官房審議官

○政府参考人(奥野真君) お答え申し上げます。  高等教育の修学支援新制度において扶養として取り扱うかにつきましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、住民税情報において扶養として取り扱われるか否かにより判定することを考えております。  したがいまして、今回の税制改正が本制度の判定に反映されるのは令和八年度以降となりますが、仮に現行の仕組みをそのまま適用した場合には、委員御指摘のとおり、学生等の収入等が住民税情報上の扶養の範囲を超える場合には、地方税法の扶養親族の要件を満たさなくなるため、修学支援新制度における扶養する子として取り扱うことができず、これにより、扶養する子供の数が二人以下となる場合には、多子世帯としての要件を満たさないことから、支援の対象とならなくなるものと考えております。  まずは、今般の税制改正が成立した場合、修学支援新制度を利用する学生等に混乱が生じないよう周知をしっかり行ってまいりたいと考えておりますが、ただいま委員から御指摘いただきました点も含めまして、新しい制度実施後の利用状況や他の制度との整合性も踏まえながら、今後、必要に応じて総合的に検討していく必要がある観点であると考えてございます。

杉久武公明党

○杉久武君 今、しっかりまずは文科省としてこれは対応していただきたいというふうに思います。  やはり、制度の立て付け上は多分地方税法も所得税法も一緒で、多分百二十三万を超えたら扶養控除ではなくて特別控除になるので扶養の範囲から外れるという多分設計図になっているんだと思うんですけれども、養っている親からすれば、特別控除を取った子は扶養していないという感覚では当然ないわけでありますので、ちゃんと、百五十万円までアルバイトをしてもやっぱり多子の支援メニューでもちゃんとやっぱり多子の範囲に含めるような、私はこれは文科省としての対応が必要ではないかと。これは、あれですね、法改正ではなくて政省令で定めている事項ということでよろしいですか。その確認をしたいと思います。

奥野真文部科学省大臣官房審議官

○政府参考人(奥野真君) 認定の手続については、省令事項となってございます。

杉久武公明党

○杉久武君 であれば、先ほどお話ありましたとおり住民税情報を使いますので、例えば今年の収入に基づいて、来年の六月ぐらいですか、住民税の情報が確定をして、それに基づいて恐らくその十月ぐらいに多分多子の判定の見直し時期が来ると思いますので、やはり、今年百二十三万を超えてアルバイトをしてしまった子が来年の十月に多子から外れて支援がもらえなくなるみたいなことが決して起きないように早急に文科省として検討いただいて、私はやはりこれは省令改正して対応すべきだと思います。  これは多分、予算がそれほど要る、新たな予算が要るというよりも想定していた子が外れる可能性があるという私は課題だと思いますので、私はこれ追加の予算が要る話ではないと思っておりますので、また、今日は財金委員会で財務省の皆さんにも聞いていただいたと思いますので、しっかり連携を是非取っていただいて、この省令改正にも御協力いただければというふうに思います。  続いて、民間企業の家族手当、配偶者手当について質問をしたいと思います。  税法の収入基準を参照して家族手当、配偶者手当の収入金額を定めている企業も一定数いるのではないかというふうに思います。冒頭大臣からもいただいたように、今回の税制改正で百三万という金額はもう税制上どこにも使われなくなるということでありますので、民間企業に対してこの家族手当や配偶者手当の基準額の見直し、これを更に促すべきではないかと思いますが、この民間企業の家族手当、配偶者手当の基準額のまずは実態を確認するとともに、見直しに向けた取組について厚労省の見解を伺いたいと思います。

尾田進厚生労働省大臣官房審議官

○政府参考人(尾田進君) お答えいたします。  配偶者手当の実態につきましては、人事院の調査によりますと、まず配偶者に家族手当を支給している事業所の割合につきまして、平成三十一年は六三・三%、直近の令和六年は五三・五%と減少しております。これについて、配偶者の収入制限を設定し、その上限額を百三万円としている事業所に限定いたしますと、平成三十一年は二八・〇%、直近の令和六年は二〇・四%と、こちらも減少傾向にございます。  厚生労働省におきましては、配偶者の働き方に中立的な賃金制度となるよう労使で話合いを進めていただくべく、配偶者手当の見直し手順や留意事項をフローチャートで示すなど分かりやすい資料を作成、公表するとともに、経済団体に各企業へ周知いただくよう協力を依頼するなど働きかけを行ってまいりました。  今回の税制改正も踏まえまして、今後とも、各企業における配偶者手当の在り方について労使による検討が促進されるよう、周知等に積極的に取り組んでまいります。

杉久武公明党

○杉久武君 今御答弁いただきましたとおり、驚くべきことにと言った方がいいんでしょうか、配偶者控除の収入基準というのは平成二十九年の税制改正で百三万から百五十万まで引き上げておりますけれども、いまだに配偶者手当や家族手当の収入基準が百三万という企業が今の厚労省がお調べいただいた調査では二割あるわけであります。事実上やっぱりこれが就業調整の大きな私は課題になっているのではないかなというふうに思いますので、今御答弁いただきましたけれども、本当にこの民間企業に対して、もうこの百三万を基準にするということ自体はもう制度上何の根拠もなくなってくるわけでございますので、しっかりとした見直しの周知をお願いをしたいというふうに思います。    〔委員長退席、理事船橋利実君着席〕  さて、この百三万円、いわゆる百三万円の壁の議論が昨年末からされてまいりましたが、先ほども質疑の中でもありましたけれども、既に百三万円という数字は超えると手取りが減るような壁ではなくて、本当の壁というのはやはりこの社会保険の方ですね。百六万円、百三十万円の方がやはりそれを超えると手取りが減るという状況になるわけでございます。  この百六万円、百三十万円の社会保険の壁について、今厚労省としてどういう対応をされているのか、確認をしたいと思います。

武藤憲真厚生労働省大臣官房審議官

○政府参考人(武藤憲真君) お答え申し上げます。  いわゆる社会保険の年収の壁をめぐりましては、人手不足が問題となる中で、労働者が希望に応じて働くことができる環境を整備していくことが重要だと考えてございます。  こうした観点から、当面の対応策としてまとめた年収の壁・支援強化パッケージの活用を促すとともに、キャリアアップ助成金の拡充や雇用契約内容を基に被扶養者認定を行うことを検討しているところでございます。  加えまして、働き方に中立的な制度を構築する観点から、制度的な対応として、施行期日に配慮した賃金要件の撤廃等の被用者保険の適用拡大などにつきまして、引き続き関係者の御意見も伺いながら、年金改正法案の取りまとめに向け、丁寧に対応していきたいと考えているところでございます。  このように、人手不足や働き控えについて指摘されている課題への対応について、きめ細かく検討し、国民がより働きやすい環境の構築に向けて取り組んでまいりたいと考えてございます。

杉久武公明党

○杉久武君 百六万円、百三十万円の対応としては、我々公明党も推進してまいりました年収の壁・支援強化パッケージで今お取組をしていただいているというふうに思っておりますけれども、その百六万円の壁で活用してきたキャリアアップ助成金、これを今回百三十万円の壁の方にも適用していこうという対応が今進められているというふうに理解をしております。  ただ一方で、この年収百六万円と年収百三十万円というのは、そもそも収入の範囲が異なります。百六万円の収入の範囲には、基本給や諸手当に限られた話になりますけれども、百三十万円の方の収入要件というのは、これらに加えまして家族手当や通勤手当や、時間外や休日の手当も含まれます。賞与とかも含まれますし、加えて、例えば不動産や事業収入などがあればそういったものも含まれていくわけでありまして、百六万円と百三十万円を比べたときに、やはり百三十万円の収入の方というのは必ずしも事業者が全てこの労働者の収入を把握しているわけではないというふうに理解をしておりますけれども、この百三十万円の壁に当たりキャリアアップ助成金を支給するに当たって、今申し上げたように事業主が全てを把握できない収入がある場合には、何かやっぱり困難が伴うんじゃないかなと、そういう疑問が湧くんですけれども、この点について御見解を伺いたいと思います。

榊原毅厚生労働省大臣官房審議官

○政府参考人(榊原毅君) お答え申し上げます。  現在、年収百六万円の壁への当面の対応策としまして、新たに被用者保険を適用いたしますとともに、労働時間の延長、賃上げを通じて、労働者の収入を増加させる取組を行う事業主をキャリアアップ助成金により支援しているところでございます。  その上で、年収百三十万円の壁の対応につきましては、現在実施しておりますキャリアアップ助成金による措置を拡充することとしております。支給要件の見直しや助成額の引上げ等、具体的な内容について今検討を進めているところでございます。  年収百三十万円を超えました場合には、三号被保険者の方に被用者保険が適用されない場合には、被扶養者から外れて一号被保険者になることになりますが、今回のキャリアアップ助成金の拡充は、こうした状況を超えて労働時間の延長や賃上げを通じて被用者保険に移行する、すなわち二号被保険者に移行をするということで労働者のキャリアアップにつなげていくということを支援するものでございます。  こうした措置により、年収の壁による働き控えの解消に向けて取り組んでまいりたいと考えております。    〔理事船橋利実君退席、委員長着席〕

杉久武公明党

○杉久武君 やっぱり、若干、私個人的にはこの百三十万で適用する場合は、恐らく労働者の個々の状況によって、要は二号になるまでの増やさなきゃいけない労働時間にやっぱり個人差が出てくると思いますので、その点について、労働者側に混乱が起きないように適切な運用を是非お願いしたいと思っております。  次に、話題変わりまして、自動車通勤を伴う者への通勤手当について確認をしたいと思います。  自動車通勤を行う者への通勤手当の非課税限度額につきましては、昨年末取りまとめられました与党税制改正大綱の中に、迅速な見直しについての記載を行いました。  まずは、この自動車通勤を行う者への通勤手当の非課税限度額の過去の見直しの経緯について財務省に確認をしたいと思います。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答えします。  自動車通勤を行う場合の通勤手当につきましては、客観的な指標として、人事院勧告の前提となります民間企業の通勤手当の支給実態に関する調査の結果などを踏まえまして非課税限度額を定めてまいりました。  前回の見直しが行われました平成二十六年においても、同年八月に人事院勧告が行われ、国家公務員の自動車通勤に係る通勤手当が引き上げられ、自動車通勤に係る通勤手当の非課税限度額につきましても、人事院勧告の前提となった民間企業の通勤手当の支給実態に関する調査の結果などを踏まえまして引上げが行われたところでございます。

杉久武公明党

○杉久武君 今御説明ありました前回のこのマイカー通勤の非課税の限度額の引上げは平成二十六年が最後ということでありました。  今御答弁いただきましたとおり、これを変更、見直しをする前提としては人事院による新たな調査が必要だということでございましたけれども、現在そういった調査の計画があるのかどうか、人事院に確認をしたいと思います。

植村隆生人事院事務総局審議官

○政府参考人(植村隆生君) お答え申し上げます。  人事院では、国家公務員の給与を改定する勧告の基礎資料を得るため、例年四月下旬から六月上旬にかけて職種別民間給与実態調査を実施しております。この調査結果などを踏まえて人事院勧告を行っております。令和七年の職種別民間給与実態調査につきましては、例年と同様のスケジュールにより実施することを検討しております。  民間企業における自動車通勤に対する通勤手当の支給状況につきましては、ガソリン価格の動向にも留意しつつ、令和七年に調査を実施することを含めて検討をしております。

杉久武公明党

○杉久武君 今、人事院の方からもお話ありましたように、昨今のやっぱりガソリン高を踏まえて、やはりこのマイカー通勤の限度額、これを引き上げてほしいという声はたくさんいただいております。まずその前提となる実態調査として、是非人事院には調査をしていただきたいということをお願いをしたいと思います。  その上で、仮に、まだまだ決まっていない話なので仮にですけれども、人事院が今年調査をしたとするならば、このマイカーの限度額の見直しというのは、年度の税制改正を待たずに政令改正によって行われるというのが過去の例だったと思うんですけれども、どういったスケジュール感になるのか、適用の在り方について財務省にそのイメージを確認をしたいと思います。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答えします。  人事院の調査結果が出た場合におけます通勤手当の非課税限度額の見直しについては、具体的なスケジュールが現段階で決まっているわけではございませんが、その上で、前回見直しが行われた平成二十六年の例を取りますと、同年八月に人事院勧告が行われた後、同年十月にこれを踏まえた政令改正が行われ、通勤手当の非課税限度額が引き上げられることとなりました。なお、国家公務員の通勤手当の支給額の引上げが、前回、平成二十六年でございますが、このとき四月一日から遡及適用されたことから、この通勤手当の非課税限度額につきましても同日から遡及適用することとする経過措置を設けております。

杉久武公明党

○杉久武君 ありがとうございます。  そうすると、前回の例を倣うと、十月に改正をして四月に遡るということになりますけれども、そうすると、民間企業の方はどういう対応が、要は、民間企業におけるその非課税額というのは、これは年末調整で調整をするのか、その点についてちょっと追加で確認をしたいと思います。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) この非課税限度額でございますが、所得税の、受け取った側の方の所得税の話でございます。暦年課税でございます。したがいまして、年末調整で対応する場合もございますし、年末調整で対応できない場合でも確定申告で対応することになろうかと思います。

杉久武公明党

○杉久武君 ありがとうございます。  次に、話題変わりまして、空き家特例について伺いたいというふうに思います。  租税特別措置法の中で、要件を満たした空き家につきましては譲渡所得から三千万円を特別控除するという仕組みがございますけれども、この空き家特例の詳細、目的、適用実績について、これは要求官庁であります国交省の方に確認をしたいと思います。

横山征成国土交通省大臣官房審議官

○政府参考人(横山征成君) お答えいたします。  お尋ねの空き家の譲渡所得三千万円特別控除は、被相続人が生前にお住まいであって利用していた空き家を取得した相続人が一定の条件を満たした当該空き家やその敷地を譲渡した場合に、譲渡所得から三千万円を特別控除する特例措置でございます。  これは、空き家となる原因は相続によるものが多いために、相続に起因する空き家の発生を抑制し、当該空き家ないしその敷地の有効活用を促すことを目的として措置されているものでございます。  本特例の適用実績でございますけれども、平成二十八年度の制度創設以来、着実に増加をし続けておるところでございます。平成二十八年度には、本特例の適用に必要な確認書の発行件数、これがおおむね適用件数だと考えてございますけれども、四千件強であったところ、令和五年度では一万四千件弱までなっているというところでございます。

杉久武公明党

○杉久武君 今御説明いただいたとおり、制度創設後、着実に伸びて、足下では一万四千件まで伸びてきているということで、やはりこれは空き家を防止するための私は重要な大切な租特ではないかなというふうに思っております。  そういった中で、一つ今日はちょっと問題提起をしたいと思うんですけれども、実はこの空き家特例につきまして、例えば、高齢の親の財産管理や認知症対策として民事信託を活用した場合にはこの特例措置の対象にならないという課題がございます。  そこでまず、今日は法務省にも来ていただいておりますけれども、今申し上げた民事信託制度、これの目的と活用事例について確認をするとともに、高齢の親とのこの民事信託、こういったものにどういう実績があるのかも教えていただければと思います。

内野宗揮法務省大臣官房審議官

○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。  信託といいますのは、委託者が財産の実質的な権利を受託者に移転をいたしまして、受託者が受益者のためにその財産を管理、処分等をいたします。そして、受益者がその財産から生じた利益を受領するという財産管理の制度でございます。  法律上、民事信託の定義、これがあるわけではございませんけれども、一般的には、民事信託といいますのは、家族内部における財産の管理、処分等を目的とするなど、委託者や受益者にとって営利性の乏しいもの、これを意味するものと理解されていると承知しております。  そのような民事信託の活用方法といたしまして、例えば、高齢者である親が委託者兼受益者として、受託者となる子との間で信託の方法の一つであります信託契約を締結いたしまして、自らの預貯金等の財産を子に移転し、受託者である子がその財産を管理しながら、受託者としての判断によりまして預貯金の払戻しや自宅の修繕等について必要な支出を行うほか、受益者である親に対して生活費等の財産的給付を行う場合、こういうものが考えられるところでございます。  この民事信託のうち、高齢の親を信託の当事者とする民事信託の実績については、信託が、先ほど申し上げましたとおり、信託契約の締結によっても成立するものであることから正確な実績を把握することは困難でありますが、信託契約の締結の一つの方式として公正証書が作成される場合がありまして、そのような場合を含めまして、信託の方法として、民事信託を利用する際に公正証書が作成された件数、これは令和五年は四千四百三十四件と承知しております。

杉久武公明党

○杉久武君 今御説明いただきましたとおり、私、やはりこれはこれからの高齢化社会の中での財産管理の在り方として、この民事信託も重要な一つの私は手段かなというふうに思っております。  その後、親が亡くなった後、信託財産を相続をするということは、これはあり得る、これからよく出てくる話なんではないかなと思うんですが、一方で、今、先ほども申し上げましたとおり、この民事信託による相続については、先ほどから議論しておりますこの三千万円の空き家特例に、これに該当しないという今法解釈になっておりますので、その内容について国税庁に、なぜこれが適用されないのかという部分について確認をしたいと思います。

小宮敦史国税庁次長

○政府参考人(小宮敦史君) お答え申し上げます。  空き家特例は、法令上、相続又は遺贈によって被相続人の居住用家屋等を取得した相続人が一定の譲渡をした場合に、その譲渡所得の計算において特例の適用を受けることができるというものでございます。この民事信託による財産の取得は、被相続人の死亡に伴う信託契約の終了によるものでありましても、その取得自体は法令上相続又は遺贈によって取得したものには当たりませんため、特例の適用は受けられないということでございます。  なお、法律の規定を見ますと、例えば、他の特例である租税特別措置法第三十九条に規定する相続財産に係る譲渡所得の課税の特例というものがありますが、これについては、こうした民事信託の終了によるものでありましても、相続税法の規定により相続又は遺贈による財産の取得とみなされる、そういったものについては特例の対象となる相続又は遺贈による財産の取得に含むと明記をされているところでございます。他方で、空き家特例を規定する同法第三十五条においては同様の規定が存在しないという違いがあることから、こうした取扱いとなっております。

杉久武公明党

○杉久武君 今国税庁の方から法解釈の技術的な話で教えていただいて、その仕組みはよく分かりました。  ただ一方で、いずれにしても相続税の対象になることは間違いないわけでございますので、やっぱり民事信託による結果として相続をする場合も、これからの空き家対策を円滑に進めていくためには是非これも対象に含めるべきではないかと、そういった租特の改正も必要なんではないかというふうに思いますけれども、この租特の要求官庁である国交省に見解を求めたいと思います。

横山征成国土交通省大臣官房審議官

○政府参考人(横山征成君) お答えいたします。  今、国税庁からも御答弁があったとおりでございますけれども、信託終了による残余財産の取得は、法律上、相続や遺贈に当たらないという整理になってございます。例えば、被相続人が居住している家屋等を信託している場合で、信託終了に伴い当該家屋等を残余財産として帰属権利者である相続人が取得したときには本特例の対象にならないという状況に今あるというふうに認識してございます。  生前の財産管理や相続対策の手法として、自らが居住している家屋を目的とした民事信託が活用される場合があることは我々も十分承知しておるところでございます。一方で、当該家屋を取得することについての積極的な意思があるかないかなど、相続や遺贈と民事信託とは法律上異なる点も存在するというふうに認識してございます。  そのため、御指摘の空き家の譲渡所得に関する特例措置においては、現行、異なる取扱いになっているものと認識してございますけれども、国土交通省といたしましては、御指摘いただきましたこうした民事信託について、その性質を踏まえつつ、空き家をめぐる民事信託の活用の状況とか様々な周辺のニーズ等を確認した上で必要な対応を検討してまいりたいというふうに考えてございます。

杉久武公明党

○杉久武君 是非ちょっと実態の調査もしていただいて、全て何でも含めろという意味ではないですけれども、やはり空き家の対策として活用していく、活用すべき民事信託の事例もあろうかと思いますので、しっかりと調査をしていただいた上で、必要な法改正に向けて国交省として取り組んでいただきたいということをお願いを申し上げまして、時間が参りましたので、以上で質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻健史です。  午前中に続いて、まずは植田日銀総裁にお聞きしたいんですけれども、午前中で質問一つ残していますので、それから行きたいと思います。  午前中に植田日銀総裁は、日銀が保有する国債、評価法は償却原価法である、FRBもそうしているからそれでいいんだというような回答、答弁をされていらっしゃいましたけれども、一九九八年に作られた日銀の会計規則によりますと、規範ですか、によりますと、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準にのっとると、こういう話になっているわけですよね。  私の理解するところによると、満期保有は簿価会計、途中で売却意思があるものは時価会計、で、少しでも途中で簿価会計の満期保有のものを売れば全ての保有国債は時価会計にしなくてはいけないと。これが金融庁が民間金融機関に指導している、また日銀が日銀検査で指導している基準だと思うんですが、総裁は、日銀が決めた規範よりも植田総裁がおっしゃる方が正しいんだと。要するに、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準にのっとるとする日銀が定めた会計規範は無視していいというふうにおっしゃるんでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 委員おっしゃいますように、私ども、会計処理については、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準を尊重することとしています。その上で、有価証券の評価方法については、私どもの財務の特性や保有の実態等を踏まえた方法を採用しております。  国債については、過去一部の例外を除くと売却を行っておらず、そうした点も踏まえて償却原価法を採用しているところでございます。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 今、保有実態にのっとりとおっしゃって、回答、答弁されましたけれども、確かに、一九八八年、作られた頃、私は金融機関に、米銀に勤めていましたけれども、当時の日本銀行って持っている保有国債は三か月未満で、みんな短期国債ですよ。だから、当然のことながら満期保有ですよね。だから、償却原価法、満期保有だから償却原価法でいいと、これはすごい納得するんですね。ところが、午前中申し上げましたように、今は五百八十八兆円ぐらいのうちの五百八十六兆、長期国債ですから、実態に合わせれば、簿価会計から時価評価に変えるのが当たり前じゃないかと思うんですよね。  もしそういう回答をされているならば、今後、総裁は何があっても保有国債売れませんよ、売ったら全てが時価会計になるんですからね。大丈夫ですか、そんなことおっしゃっていて、すっごい不安になりますけど。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 現状では、国債保有の減額は、午前中も申し上げましたように、買いオペの金額を私どもが保有する国債が満期になる量よりも低く保つということによって行っておるところでございます。  ただし、今後、金融調節上必要が生じた場合の売却の可能性まで排除しておるところではございません。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 売却の可能性は排除しないとおっしゃいますけど、でも、会計基準にのっとれば、売却をすれば全て時価会計に変わると、とんでもない評価損が今度は実現損に変わっていくと、こういう話になるかというふうに理解します。非常に危険な状況じゃないかなというふうに思っております。  もうちょっと言いたいことがあるんですけど、これはちょっと時間なくなっちゃうんで次に行きますけれども。  次の質問ですが、消費者物価指数かなり上がってまいりまして、昨今のSNSでは、先進国では一番高い消費者物価指数になりつつあるだろうという記事も散見されるようになったんですけれども、かなり物価上昇は危険水域に近づいているんじゃないかなと私は思うんですけどね。  ミルトン・フリードマン氏、これ予算委員会か何かでちょっと参照したんですけど、が、釈迦に説法ですけれども、二十世紀の二大エコノミストのうちの一人だと私は思いますけれども、予算は必ず均衡すると、赤字等で、もし増税という見える形で均衡させないのならば、インフレという見えない形で均衡することになっていると、こうユーチューブでおっしゃっていました。私の英語の力が足りなくて聞き間違えていなければですけれどもね、そうおっしゃっているんですけれども。  ついでながら、これ日銀の、やはり、さっき紹介しました日本銀行金融研究所編「日本銀行の機能と業務」という日本銀行の本ですけれども、過去の中央銀行の歴史を見ても、中央銀行の金融政策運営に対してはインフレ的な政策を求める圧力が掛かりやすく、実際、財政支出を賄うために通貨の増発が行われ、深刻なインフレを招いた例も少なくないと、こういうことに非常に注意しなくちゃいけないという文章あるわけですけど、これ、書いてあること、それからフリードマン先生がおっしゃったことは当然ですよね、経済学ではインフレ税という言葉があって、まあインフレ税という言葉を使っていますけど、インフレですよ。でも、インフレというのはインフレ税に全く等しいと。要するに、債権者から債務者のところへの移行ということで、税金と同じく国民から国への富の実質的移行ということで、インフレというのはインフレ税と同じで税金の一つであると、こういう考え方が当然あると思いますけれども。ということは、要するに、ばらまきとか今の段階で減税とかをすると、大増税をするか、若しくは歳出カットをどばっとやるか、若しくはインフレになっちゃうということを経済学でも、フリードマンでもおっしゃっているわけですよ。  それで、今の日銀考えると、まず政府の赤字をどんどん買っている、すなわち、二〇一二年から九五%、新発国債の九五%相当を買い取っちゃっているわけです、日銀、ですよね。まさに、それ財政ファイナンスと認められないけれども、私は財政ファイナンスだと思っていますけど、政府の歳出を中央銀行が紙幣を刷って賄う財政ファイナンスだと思っていますけれども、それをやっていれば何が起こるかというと、一つは、政治家が幾ら財政ばらまいても長期金利上がらないからいいやと、どんどんどんどん財政規律が無視されて、赤字がどんどんたまっていっちゃうわけですよ。それに一つは関与していますよね、日銀が財政ファイナンスすることによって。  もう一つは、今までもお話ししたように、国債を買い取って、これだけの赤字のときにですよ、国債を買い取って紙幣をどんどん刷っていれば、紙幣は価値毀損して、そして赤字になっていく。  だから、まさに日銀は、物価上昇しなくちゃいけないということを言いながら、どんどんどんどん物価上昇を加速させている。今回のこの法律だって、これ金額一兆です、ちっちゃいといえばちっちゃい、大きいといえば大きいんですけれども、そういうことによって、ほかに政府が何もやってくれなかったらば、日銀が国債を買い取って紙幣の価値を毀損して、インフレ加速に加担しているというふうに責任問題じゃないですか。私自身は、日銀はもうこんな財政ファイナンスできないと、もう目いっぱいだと、このまま行っちゃうと日本の中央銀行としての体を成さなくなる、だからもうやっちゃいけない、そういう警告を与えて、そういう警告を与えなければ、そんな財務省解体デモなんて、とんでもないデモなんか起こらないですよ、やっぱり。  そういうことにやっぱり日銀がきちんとした発言を世の中に発信しないからこそ、何というか、これからきっと私はすごい物価上昇が起こると思うんですけど、物価上昇が起こり、財政規律がめちゃくちゃになり、財政めちゃくちゃになり、とんでもないことが起こっちゃうんじゃないかと思うんですけど、その責任というのを感じませんか、日銀として。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私ども、午前中も申し上げましたが、昨年、大規模緩和を解除いたしまして、その後、七月、今年一月と政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整してきておりますし、国債買入れについても、昨年七月に策定した計画に沿って、これも先ほど申し上げましたが、買入れ額を段階的に減らしているところでございます。  そうした調整を通じまして、二%の物価安定の目標の実現、持続的、安定的な実現という観点から、適切に政策を運営してまいりたいと考えております。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 私は、日本の今、財政並びに日本銀行の状況って、そんなのんきなことを言っている状況じゃないと私は思っているんですけどね。  これからもし私の予想が当たって物価が急騰し始めたらば、まあハイパーインフレに私はなると思っているけど、それはそこまで行かないにしても、物価が急騰したら、かなり日銀は出遅れた責任はすごく重いと思うんですけれども、大丈夫でしょうかね。  ちょっと三番、もう時間がないので二番を抜かして三番行っちゃいますけれども、国土交通省は、三月十八日に発表した今年一月の公示価格は二十三区の商業地で一一・八%も上がったというわけですよ。  これ、前、うちの浅田が不動産価格の上昇について総裁にお聞きしたこともあると思うんですけれども、これ一一・八%、東京と言えどもかなりきついですよ。私なんか、一九八四年から九〇年のまさにバブル真っ最中で銀行にいましたからよく分かっていますけど、あのときって、消費者物価指数〇点から〇・五ですよ。もう経済、狂乱経済って言われていた。大変な経済だったんですよ。だけど、消費者物価指数〇・二%から〇・五%、低かった。それはなぜかというと、為替が毎年三十円から四十円、円高になった、四年ぐらい。だから、その資産価格という超インフレ要因を、超円高という毎年進む円高、デフレ要因が相殺して何とかもったわけですよ。今別に円高進んでいないですからね。このまま不動産価格が上がっていったらば、物すごい消費者物価インフレになるんじゃないですか。  もう既に加速が世界最高レベルにあって、それから財務省デモが起こるぐらいにみんなばらまけばらまけが起こり、財政規律を破綻させている日銀があって、そしてこの資産価格まで上昇したら、とんでもないインフレで、もうコントロール不可能になっちゃうんじゃないですか。そして、もし日銀が体を成さなくて存在価値がなくなってくると、これは、それこそハイパーインフレになっちゃいますよ。  そういう状況を、のんびり、少しずつやっているから大丈夫だなんて言って大丈夫なんでしょうかね。すっごい危機感を感じるんですけど。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 御指摘のように、我が国の不動産価格が、特に大都市圏を中心に上昇しております。その背景としては、建設コストが上昇していたり、景気の緩やかな回復、都市部への人口流入など、先行きも堅調な需要や賃貸料の上昇が見込まれていることは寄与していると考えております。  そうした下で、私ども、例えば一月の展望レポートで示しましたが、金融面のリスクについて、不動産価格の上昇ペースには引き続き留意が必要であるものの、全体として見れば、今のところ過熱感は見られていないと評価しております。そうでありますが、不動産価格の動向を含め様々なリスク要因を丹念に点検しつつ、金融政策を適切に運営してまいりたいと考えております。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 まあ、まだ気楽だなと思っちゃいますけど、今日は日銀総裁にはこれで終わりにしたいと思いますので、もしあれだったら、御退席いただいて結構です。

三宅伸吾自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 日銀総裁は御退席いただいて結構でございます。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 次に、加藤財務大臣にお聞きしたいんですけれども、時間が今日はないので、ほかのものは明日に回したいと思いますが、まず五番だけを最初にやっておきたいんですが。  今回の課税最低限の引上げに伴い、意外と格下げリスクを心配する声が出ているわけですよ。今まで確かに格下げ起こっても、マーケットにしろ、国民生活は平穏だったわけですが、それは、Aランクの格付の中で下がっても大したことないわけですよ。ところが、AランクからトリプルBにおっこちれば、これは世の中、絵が変わるわけですよ。要するに、ジャンクボンドというカテゴリーになって、ほかの、国の格付を民間企業抜くことできませんから、銀行も企業もトリプルB以下になってドル調達ができなくなっちゃいますよ。  そういう危機状況にあって、危機、格下げということを心配されていないのかどうか、大臣にちょっとお聞きしたいんですが。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) まず、格下げ、格付そのものは民間格付会社が行いますから、それに対して具体的なコメントは差し控えさせていただいておりますが、今般の所得税の基礎控除等の引上げについては、政府原案では財源確保を要さないとしましたが、これはデフレ脱却局面における物価調整を行うものであり、また衆議院調整による特例については、令和七年度の財源については新規国債発行額の追加は行わず、一般予備費の削減や追加的な税外収入の確保等で賄うとされており、財源確保にも配慮したものだというふうに承知をしているところでございます。  いわゆるジャンク債のお話がありました。いわゆる、今A格でありますけれども、ジャンク債ということになると投資不適格とされた債券ということになります。  一般に、先進国の国債がこのように格付される際の影響については、過去を遡れば、欧州債務危機時におけるギリシャ等の格下げが指摘をされるわけでありますが、その際には、財政の信認の低下による市場金利の高騰、信用不安の拡大による取付け騒ぎ、景気後退、それらに伴う社会不安の増大などの影響が指摘されたものと承知をしております。  格付については先ほど具体的に申し上げないと言いましたけれども、現時点においては市場や国際社会における財政の持続性への信認が維持されることが重要であり、引き続き、経済再生と財政の健全化、この両立を図っていきたいと考えています。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 大臣のおっしゃること、まさにそのとおりであって、全く同意なんですけれども、一つだけコメントさせていただくとすれば、今、日本より財政がはるかにというか、はるかにとは言いませんけれども、ましなイタリアでもBランク、ダブルBだったかな、トリプルBだったと思うんですけど、Bランクなわけですよね。それで、この前、日経新聞に出ていましたけど、格付機関の担当者が、なぜ日本の方が格付、財政状況悪いのに上だって聞いたらば、そのインタビュー記事に、日銀が国債を爆買いしているからだと書いてあったわけですよ。要するに、格付というのは倒産確率ですから、ハイパーインフレのリスクとかそういうこと全然考えていないわけで、それは確かに日銀が買っている以上財政破綻のリスクないですけど、これから日銀が撤退していく、インフレが気になって、物価上昇が気になって撤退していくとなれば、これは格付機関も無視するわけにいかない状況になると思うんですよね。  ですから、今日は時間がないのでここで終わりにしますけれども、是非その辺も考えて十分に安全な財政運営を行っていただきたいと、こう申して、終わりにします。

浅田均日本維新の会

○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。  私も所得税と社会保険料の関係について質問したいと思っております。  百三万円の壁に関しましては、船橋委員の方からまず言及があって、柴委員の方で質問が始まって、杉委員でもうほぼ完璧に終わってしまったという感じで、ちょっと迷っておったんですけど、私の質問意図は杉先生とはちょっと違いますので、よく似た質問に聞こえるかも分かりませんけれども、辛抱強く御答弁をいただきたいと思います。  百三万円の壁に関して、私は、これ皆さん、そういう言及されたと思うんですけれども、単に所得税を支払うスタートラインであって壁でも何でもないという主張をしたところ、これ本会議で言うたんですけれども、何かすごく怒られたというか非難されまして、おまえ何を言うとるんじゃと、壁があるやんかと。  確かに、アルバイトをしている学生さん、先ほどもお答えもいただいていますけれども、百三万円になると親御さんの扶養に入っていたのが外れる必要があると、外れた結果、親御さんの税金が上がってしまうと、だからここに壁があって、そういうアルバイトをしている学生さんを抱えている御家庭にとってはそういう確かに壁があったのかなと思います。さっき調べたら、日本の大学生の数というのは二百六十三万人と出ていました。で、アルバイトをしている人が六八%。だから百八十万人弱ですか、の方にとってはそういう壁が存在したのかなという思いがしております。  そこで、そういう学生アルバイトの労働参加を促すと、働き控えを解消することが目的であるならば、もうこれ先ほど、特定親族特別控除とか百五十万まで、逓減型になってという改正がなされております。そういう学生さんの働き控えを解消するという意味では、今申し上げたような解があったわけで、基礎控除を引き上げる必要はなかったと思うんですけれども、基礎控除を引き上げた理由は何でしょうか、もう一度お答えいただけませんでしょうか。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 壁というものをどういうもので認識するかによってそれぞれ違うのかもしれませんが、ただ、委員御指摘のように、大学生等のアルバイトにおかれては、先ほど委員が御説明いただいたような形で、ある意味では壁があったというのはそのとおりであり、今回、就業調整がそこで行われる、その対策という観点から大学生等の特定扶養控除を見直しをしました。かつ、見直しに当たっては、逓減・消失型の控除を導入することによって、こう、なだらかにすることで、どこかでまたやるとまた壁になりますから、段階的にそれが解消するという仕組みをさせていただきました。  他方で、その基礎控除の関係は、先般からも御説明させていただいているように、政府原案においては、所得税の基礎控除の額などが定額であることにより、物価が上昇すると実質的な税負担が増える。こういう課題に対応するため、物価動向を踏まえ、基礎控除の額を十万円引き上げる、こういうことで対応させていただいたところでございます。

浅田均日本維新の会

○浅田均君 それで、当初、百七十八万円まで上げましょうということで三党協議をされていまして、百二十三万円になって、その後、修正で百六十万円になったというふうに承知しておりますけれども、これ、どなたも言及されないんで、あえてここで言及しておきますと、百七十八万円まで基礎控除を上げますと一番誰が得をするかというと、年金受給者、高齢の方なんですね。この方々は二百三十三万円になります。それから、修正案、百六十万円になりましたけれども、百六十万円にすると、年金受給者の課税最低限は二百五万円になります。  だから、若い方々を応援するんだと言っていて、実際その応援してもらっているのは高齢者ということになりかねませんので、先ほど後藤修正案提出者の方から水平的な公正性が大事だというお話がありました。だから、水平的な公平性ということを考えるならば、若い方々と年金を受給している方々の課税最低限を同一にするとか、これはまたこれから提案させていただきたいな、笑っておられる方一人いらっしゃいますけれども、よろしくお願いいたします。  それで、次の質問に入らせていただきます。  所得税収について、我が国の所得税収をOECDの加盟国と比較しますと、対GDP比で約六%と。G7は大体一〇%前後になっております。だから、税収総額で見ても対GDPは低い。つまり分配の原資が少ないということになります。  我が国の所得税収は諸外国に比べて極端に低いと私は感じているんですが、加藤大臣はいかがお考えでしょうか。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) どういう指標で見るかというのもあるんだと思います。  委員御指摘のように、個人所得課税の税収を国民所得で除した租税負担率で比較した場合、二〇二二年度においては日本は九%であるのに対し、英、独、仏では一三・五から一四・一%、米国では一五・七%となっており、主要国に比べて日本は相対的に低くなっていると。また、平均賃金における実効税率で比較した場合、日本の実効税率は主要国に比べて最も低い水準になっているというふうに考えております。  こうした背景には、過去、勤労意欲や事業意欲への配慮の観点から、税率構造の見直し、また最高税率の引下げなどにより、税率の引下げや累進性の緩和が行われてきたことがあると考えております。

浅田均日本維新の会

○浅田均君 今、累進性の緩和っておっしゃいましたけれども、もう累進性がほぼなくなってしまっているかなというふうに感じております。  今大臣がおっしゃったように、所得税収が少ない理由は、今回もありますけれども、所得控除が大きいと、それから適用される限界税率が低いと。ブラケットクリープというのもこれちょっと流行語のようになりましたけれども、何か言うてはるところは一ランク低いんですよね。だから、すごく限界税率が低いというのと、それから、したがって税収が物すごく少なくなってしまいます。  この間、隣にいてる藤巻委員が本会議で加藤大臣に質問をしました。大ざっぱに言いますと、納税者五千三百万人いらっしゃると、限界税率五%が二千九百万人で約六割、一〇%が千二百万人で二割、八割の方が大体一〇%以下に収まると。  このように、所得税を抑える、所得税収が減る、その代わりに社会保険料が高くなっているというのが私たちの考えです。だから、給料明細書を見て、所得税引かれている、住民税引かれている、それよりもはるかにたくさんの金額が社会保険料として引かれていると、だから社会保険料を低くすることが手取りを増やすことになるんではないかと。社会保険料がそのために使われている国民医療費とか、それから年金ですよね、これを改革していく必要があるんではないかというのが我が党の考え方でございます。  今申し上げましたように、所得税収がすごく減ってしまって、そのバランスを保つために社会保険料が高くなっていると私どもは考えているんですけれども、大臣はどのように認識されておられるでしょうか。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) まず、所得税に関しては、平成二十七年には所得再分配機能の強化の観点から最高税率の引上げなどの対応を行うなど、時々の経済社会情勢に応じた見直しが行われてきております。  また、税の中においては、今も社会保険料のお話をされましたけれども、税の中においても、所得、消費、資産などの課税ベース、適切に組み合わせつつ、全体としてバランスを取りながら議論する必要がありますので、各国見ても必ずしも、それぞれいろんな、例えば欧米諸国は全部同じようなバランスではなくて、国ごとにおいてそうした資産課税、所得課税等々のバランスも違っているものと承知をしておりますし、また、社会保険料については、年金、医療、介護を始めとした社会保障給付のために拠出をいただくものであり、給付と負担の関係が明確なものであります。そういった意味で、所得税とはその目的が異なり、その水準そのものを直接比較するのはいかがなものと考えております。  他方、少子高齢化の進展に伴い、医療、介護を始めとする社会保障給付が増加をし、現役世代を中心とした社会保険料負担が増加しているというのも大きな課題であることは事実であります。医療、介護の給付の適正化を通じて保険料の上昇を最大限抑制することは重要であります。社会保障制度については、次世代の保険料負担を抑制しつつ、負担能力に応じて全ての世代で公平に支え合う全世代型社会保障制度の構築に向けて取り組む必要があり、一昨年末に閣議決定した改革工程に掲げられた改革項目を関係省庁と連携しながら着実に実施をしていかなければならないと考えております。  また、先般、自民党、公明党、日本維新の会の三党会合に基づく協議体においても、現役世代の増加する保険料負担を含む国民負担を軽減するための具体策について検討が行われることとされていると承知をしております。  こうしたことも踏まえ、政府として適切な対応を引き続き図ってまいります。

浅田均日本維新の会

○浅田均君 確かにその国によって、税で賄っているか、社会保険料で賄っているか、そのばらつきがあるのは大臣おっしゃるとおりだと思います。  ただ、我が国においては、所得税の累進性が、さっき申し上げましたように物すごく弱くなっているんではないかと。一〇%以下で八割を占めるわけですから、何か高所得者から高い税を徴収して、それを低所得者に分配するという機能は弱っている。  他方、これ計算したんですけども、給与所得者の場合、所得税と住民税が社会保険料を上回るのは、私たちの計算によると年収約千七百五十万超の人。だから、年収が千七百五十万以下の人は社会保険料の方が高いということになります。単身者の、これ概算なんですけれども、給与収入が三百万円でも六百万円でも一千万円でも自己負担する社会保険料は一五%です。給与収入が二千万円で一一%、五千万円で五%。何が言いたいのかというと、これ、逆累進性なんですね。社会保険料は低所得者に負担が重く、三百万円の方が一五%負担しているわけです。他方、五千万円は五%しか負担していない。すなわち逆累進性が高い。  したがって、再分配機能を損なっているのではないかと、格差拡大につながっているのではないかと私は考えますが、加藤大臣はいかがお考えでしょうか。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 一つは、確かに社会保険料というのは、標準報酬があって、それに対して料率を掛けて出していく。そして、標準報酬は上限がございますから、それを超えてもそこから先は負担が変わらないというところは一方であるんだと思います。  それから、日本の場合、所得税については、先ほどちょっと申し上げましたが、いわゆる平均所得のところの税率が、実効税率が他国に比べて低いと。だから高いところの最高税率はそんなに違いはないということは言えるんだろうと思っております。  そうした中で、税制と社会保障の再分配機能ということが大事だと思いますけれども、これ、負担のみではなくて一般的に給付も含めていわゆるジニ係数が計算されていることは御承知のとおりだというふうに思います。実際、厚生労働省の所得再分配調査によれば、社会保障を中心とした所得再分配機能により格差が大きく抑えられており、近年、一定の水準でそれも推移していると承知をしております。  また、社会保険料の負担についても、例えば医療保険料については、先ほど申し上げた、基本的には料率掛けておりますけれども、所得に応じて、低所得者への一定の負担軽減を講ずる措置もとられており、負担能力に応じた仕組みになっているものと認識をしております。  その上で、先ほど申し上げたように、能力に応じて公平に負担されるよう改革を進めることは重要でございますので、引き続きそうした観点に立った議論を進めさせていただきたいと思っております。

浅田均日本維新の会

○浅田均君 これ、もう時間になりそうなので続きはまた次回やらせていただきたいと思うんですけれども、加藤大臣に自民党の方々は総裁選のときに質問できますけど僕はできませんから、将来の総裁候補の一人としてこういうところにどういう見解を持っておられるのかということを確かめたいという強い思いからこういう質問をさせていただいておりますので、次回もよろしく御対応お願い申し上げます。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 国民民主党・新緑風会の上田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  加藤大臣は所信表明で、三十三年ぶりの高水準の賃上げ、過去最大規模の設備投資などを踏まえ、賃金、所得の増加を最重要課題として取り組んでまいりたいと、このように申されております。  総理大臣になった気持ちで、どうすればこうしたことが可能になるか、概略的で結構でございますので、どうぞ一言お願いいたします。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) あくまでも財務大臣という立場での答弁でございますので、御容赦いただきたいと思いますけれども、まさに全ての世代の現在及び将来にわたる賃金、所得を増やすことが重要であり、国民お一人お一人が実際の賃金、所得の増加という形で豊かさが実感をいただけるように、昨年から、今御指摘をいただいた賃上げの流れ、これを拡大をし、物価上昇を上回る賃上げを定着させることが重要だと考えております。  そのためにも、一回こっきりの上昇ではなくて、継続して賃金が上がっていく、そのためには生産性や付加価値を高めていくこと、また、そうした環境をつくっていくことが大事だと考えております。具体的には、最低賃金の引上げ、価格転嫁の後押し、省力化、デジタル化投資の促進などの賃上げ環境の整備に取り組むとともに、やはり企業の稼ぐ力、これを引き出すために、複数年度で計画的に取り組むこととしているAI、半導体分野の投資促進、GX投資促進、これを官民連携の下で着実に進める、こうしたことなどを含めて、持続的、構造的な賃上げが行い得る社会の実現、経済の実現に努力をしてまいります。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 ありがとうございます。  明るい兆しの中にも幾つかやっぱり課題があるなというふうに思っております。たまたま東洋経済では大倒産の時代というタイトルで最新号が出ておりますが、十一年ぶりに一万件を超える倒産数、とりわけこの三十年ぶりの販売不振、販売不振の不況型倒産、このことも指摘をされているところですが、この倒産件数が十一年ぶりに一万件超えたこと、それから三十年ぶりに販売不振を中心にする不況型の倒産というような位置付けをされているところですが、この点については大臣はどのようにお考えになられますか。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 倒産の今増加、これしっかり懸念を持って注視していかなければならないというふうに思っておりますし、特に、そうした形で倒産をされて、そこで働いている方が仕事を失っていく、そうした皆さん方がしっかりと、しかもできるだけ短期間で仕事に就いていただける、こういう環境をしっかりつくっていくということが非常に大事だというふうに思っております。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 いわゆるこの販売不振型という形での倒産についてはどのようにお考えでしょうか。まさしく消費をする人がいないもので販売が不振になっている、このような考え方もあると私思いますが、これが三十年ぶりだという指摘であります。この点についてはどうでしょうか。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 販売不振の中には幾つかあるんだろうと思っておりますが、一つは、やはりこうした価格が上昇していく中で、消費者がどうしても払える力というのは限界があるわけですから、そうすると消費、金額が高くなれば量を減らさざるを得ないという意味における、特にそうした形のものがより出やすいところといったところにおいて販売不振が起こり得るというところはあるのかなと。まさに違う言い方をすると、物価上昇に伴う消費者の態度が少し消極的になってきている、これは既に表れてきていると思っております。  そういった意味においても、この物価上昇というものに対して懸念を持って対応していくことが大事だと思っておりますので、これまでも、もう余り細かくは申し上げませんが、個別の、例えばガソリン等への対応を行う、あるいは低所得者に向けての対応を行う、こうしたことを、総合的な対応をしっかりと行っていきたいと考えています。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 ありがとうございます。  エンゲル係数が四十二年ぶりの高さになったこと、あるいはワーキングプアも、少し落ち着いてはきておるんですが、決してむちゃくちゃ減っているわけではないと。非正規雇用もピークよりはましなんですが、これも決して減っているわけではないと。こういうマイナスというんでしょうか、必ずしも、明るい兆しの中にも、いわゆる真ん中から下の部分が非常に困難な状況にあるというふうに指摘せざるを得ないものを若干グラフで資料として出させていただいているところであります。  そこで、これは内閣府にも是非意見をお聞きしたいところでありますが、私も正規雇用と非正規雇用で成婚率に差があるということに関して正確なデータを持っておりません。ただ、正規雇用だと成婚率が六〇%で、非正規雇用が二〇%だという、さる高名な学者の方が言っておられましたので、そのまま頭の中に入ってしまっているんで、そのデータがどうなのかということは知りませんが、この点について内閣府は押さえておられますか。

辻清人自由民主党・無所属の会内閣府副大臣

○副大臣(辻清人君) お答えします。  実際、少子化の、私、こども家庭庁担当の副大臣ですが、少子化の要因でよく婚姻数の減少と夫婦の子供数の減少が挙げられますが、特に男性については、非正規雇用の方々に比べ正規雇用の方々の有配偶率、結婚している率が高くて、その差も大きいことから、我々としても、実際、データございます。実際、年代別に見ていくと、男性の非正規雇用の方々の方が婚姻率、成婚率が低いという結果が顕著に出ている世代があります。  そうした現状を踏まえて、若い世代の所得を増やすことを掲げており、希望する非正規雇用の方々の正規化に向け、厚生労働省において具体的な対策を進めているところです。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 正確な数字は見えないんですか。

辻清人自由民主党・無所属の会内閣府副大臣

○副大臣(辻清人君) 正確な数字、少々お待ちください。  実際、年代別に見て、正規と非正規雇用の労働者の比率の、男性の場合、特に三十五から三十九歳層、四十から四十四歳層、四十五歳から四十九歳層では、正規雇用労働者の有配偶率が約七割であるのに対し、非正規雇用労働者の有配偶率は約三割にとどまっています。女性の場合、非正規雇用労働者の方が有配偶率が高くなっていると、そういう結果が出ております。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 できれば成婚率も調べていただきたいなというふうに思います。各年代層の成婚率ではなくてですね、有婚率ではなくてですね、それも調べていただきたいなと思いますので、是非お願いしたいと思います。  大臣、資料の三で、所得金額階級別世帯数の相対度数分布というものがございます。厚生労働省が出したものでありますが、これを見て、非常に分かりやすいと思いますが、いわゆる平均所得金額は五百二十四万二千円、多分国税庁なんかが押さえている給与所得の平均も同じような数字ではないかというふうに思われるところですが、中央値が四百五万円と。非常に気になるところは、二百万から下の層が、二〇%を超える層が二百万円以下である、三百万円以下まで入れるとこれがまた相当数になってしまうと。所得層の半分近くがこの範疇に入ってしまうということでありますが、私も、大昔のことでありますが、当時、上司が、上田君、結婚すると、三百万同士が結婚すると六百万になって非常にリッチになるぞなんて言われたんですが、この三百万同士が結婚してもなかなかリッチにならないなという感じが今はいたします。  まさしく、併せて見ていただきたいんですが、国会図書館で改めて調べていただきました。私もうんと若い頃に、OECDの調査団が日本の所得の再分配が世界で最もすばらしいというような、そういう報告書を読んだことがありまして、それを思い出しまして、国会図書館で調べていただきました。  この一九七六年に刊行した報告書でもありますが、一九七〇年代から一九八〇年代の中で、日本の再分配機能に関しては、非常にオーストラリアと日本が最も不平等が低い国として高い評価をしているところであります。つまり、日本というのは再分配機能が非常にしっかりしていた国だったんだと。しかし、いつの間にか、そうではなくて非常に所得階層が分かれてしまった、分断してしまった。まさに正規雇用と非正規雇用、あるいはワーキングプアとそうでない人たち、このようになってしまったというふうに思っているところでありますが、これを、何とか所得の再分配機能を戻す仕組みをつくらなければならないと思いますが、このならないという、再分配機能を復活させるという、この点に関して加藤大臣はどう思われますか。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 今、国会図書館の資料等もお話しになられて、いわゆる所得の格差のお話をしていただきました。  確かに、高齢化の影響で再分配前の所得格差は中長期的に拡大する傾向を示しているところでありますが、税や社会保障による再分配後の所得格差は再分配前のものと比較して大きく抑制されておりまして、幾つかの調査を見ても、いわゆるジニ係数を見ても近年一定の水準で推移しているというふうには考えているところでございます。  ただ、他方で、今、先ほどから御指摘のように、エンゲル係数の上昇あるいは世帯所得の格差等の課題は指摘されているところは承知をしております。格差是正は重要な課題であると私どもも認識をしており、そのためにも、持続的な賃上げに向けた最低賃金の引上げ、価格転嫁の後押しをすることにより、より中小企業における働いている方々の賃上げも後押しをしていく、また、非正規雇用労働者の正社員転換や処遇改善の促進などに取り組む、また、税制や社会保障制度の双方を通じて適切な再分配がなされるよう取り組む、こういったことを通じて、格差の拡大や固定化を回避していかなければいけないというふうに考えております。  また、物価高の対応においては、先ほど申し上げたような様々な対策を講じて、総合的な対応を図ってきているところであります。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 そこで、大臣、春闘も比較的いいスタートを切りましたと私は理解しております。各大手企業が極めて高い引上げを示したりしているところですが、しかし、中小零細企業はなかなか賃金の引上げができない。  そこで、賃金の引上げと同じような効果を持つものがまさに所得税減税ではないかというふうに思うところでありますが、与党において四層に分けて百六十万までの減税をなさっておられるところですが、昨日の質疑の中でも御紹介しましたように、みずほリサーチが分析したところによれば、政府の言わば施策によって一万円程度は減らすことが可能になったんですが、平均して十万円、物価が上がってそれだけ負担になっていると。正確には、したがって、政府の一万円分で九万円と。二万から三万の話ではなかなか九万という数字を抑えることができない。  そこで、私は無所属で、会派に所属しておるところでありますが、やはり手前勝手で恐縮ですが、国民民主党が提案した百七十八万までにやれば、まさに最低でも九万円以上のことが確保できると、減税額においてですね。まさに賃上げができない中小零細企業に勤める人でも所得税減税の中で一定程度の成果を得ることができると。このことを考えれば、毒食わば皿までとは申し上げませんが、遅れたついでにもう一回修正をして百七十八万円にするというようなことも可能ではないかと、私は高度な政策判断が必要ではないかというふうに思っているところであります。  こうしたことをやることで、厚労省と総務省の調査でも、就業調整を行っているメンバーが五百三十七万人という話でありますから、こうした人たちが現場に出ることによって労働力不足を少しでも解消することができるし、手取りを増やして消費拡大につながり、まさに販売不振による倒産可能性を少しでも減らしていくという、こういういい循環をつくることが可能ではないかということですので、もし政府においても、補正という、補正予算という手もありますので、考えられたらいかがかなということを改めて、改めてというよりも、あえて大臣に提案したいところでありますが、いかがでしょうか。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 上田委員御指摘の資料、私も、民間試算、読ませていただきました。一定の経済見通しを仮定をして、食料、エネルギー等の価格上昇による家計の負担額の増加を試算されたものと承知をしておりますが、一定の仮定を置かれていますので、幅を持って見る必要があるんだろうと考えております。ただ、食料品などの身近なものの価格が上昇し、家計の負担感が大きくなっている、このことは強く認識をしているところでございます。  今委員の御提案、あるいは国民民主党の案について政府の立場で見解を申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思いますが、今回の改正案においても物価上昇率を勘案し、また低所得者層の税負担に対する配慮、あるいは物価上昇に賃金上昇が追い付いていない状況、こうしたことを踏まえ、中所得者層を含め、税負担を軽減する観点から、所得税の基礎控除の特例などの創設等、政府案また衆議院の修正案を通じてなされたものと承知をしております。  その上で、物価高による家計負担を考える際には、支出面の増加と併せて収入面も考慮する必要がございます。賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る、こうした経済の実現といったものを税制に限らず様々な政策を総合的に講じて対応していきたいと考えています。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 総合的に政策を高めていく、その最後に流れてくるのが中小零細企業に勤めるような人たち、俗に言うワーキングプアとか、そういった人たちは最後に恩恵を受けるんですね。しかし、税制によってフラットにスピーディーに恩恵を受けることが可能になるんですね。だから、時々、政府としても、非課税の世帯に対するいわゆる、何ていうんでしょうか、生活のための補給金を出したりされているわけでありまして、まさにすぐできる、すぐ効果のあるやつですから、私はやっぱり、総合的にいろんな経済政策をやって成果を出しますよという議論ももちろんありですけれども、即効性を持つという、それと普遍的に多くの人たちに成果を出すということに関しては、こうした減税をしっかりと考えていただきたいということをあえて申し上げたいと思います。この点についてはまた同じような答えになる可能性が高いので深く追いかけません、今の時点ではですね。  もう一つ考えていただきたいのは、やっぱり投資減税、やっぱりここで投資を促進させる、設備などに対する投資を加速化させることが極めて重要だと思っております。少し設備投資などの動きが出てきたよと、それを加速させるのは私は政府の務めではないかと思っております。  とりわけ、AI、半導体、蓄電池、ロボットなどの戦略的かつ成長分野などに重点的にハイパー償却税制ともいうべき、減価償却を超えるような投資減税をやることで一気にこの投資を進めていくという、なかなか消費の部分で弱い部分があるんですが、企業の投資意欲というものを先行させていくということに関して言えば、このハイパー減税というんでしょうか、ハイパー償却税制ともいうんでしょうか、投資額以上の減価償却を進めていくと、こういうことについて考えたら極めて有効ではないかと提案するところでございますが、大臣、いかがでしょうか。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 投資をしっかりと拡大をしていくということは非常に大事だと思っておりますし、しかも、その投資の拡大の流れを着実に進めていく必要もあると思っております。  ただ、その中で、委員御提案のハイパー償却制度、一般的には取得額を上回る所得控除を認める制度だと理解をしておりますけれども、正直言って、そこまでやることの有効性がどこまであるのかといった点も踏まえて慎重な検討が必要と考えております。  政府としても、投資拡大は重要と考えており、DX、GX、経済安全保障といった国として長期的な戦略投資が不可欠な戦略分野における国内投資を促進しております。  例えば、令和六年度税制改正においては、戦略分野国内生産投資税制、これを創設をいたしました。この税制では、設備の新設に加えて既存設備の増設も含んだ額を最大控除額とした上で、さらに生産、販売量に比例した税額控除が措置をされており、初年度のみならず、最長十四年にわたって減税メリットを受けることが可能となっており、これまでの考え方からは一線を画した措置と言えると思っております。それ以外の分野についても、幅広い分野での各種投資促進税制を講じております。  大事なことは、これらの税制がしっかり活用されているかどうか、しっかり検証しながら、投資拡大の流れを加速させていきたいというふうに考えております。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 ありがとうございます。  過去の実績の中で極めて効果のあったものをよく精査していただいて、更に上乗せをするような仕組みをつくっていただきたいことを要望したいと思います。  一つ忘れておりました、資料五でございます。  法人税収と消費税税収と所得税税収の推移を折れ線グラフで示しておりますが、もう一目瞭然であります。俗に言う法人税は比較的軽くなってきて、個人にしわ寄せが来るところの所得税と消費税が占める割合が増えてきていると。つまり、国民民主党が主張するところの所得税減税というのも、あるいは何らかの形で時限的な消費税の減税なども、こうした折れ線グラフを見ることによって一定程度の意味があることが分かるわけであります。俗に言う税制の中立性などを考えれば、個人の方にしわ寄せが来ていると。  しかも、実態的に、いわゆるワーキングプアあるいは非正規と正規雇用というこの二つに分断されている現状などを見るにつけ、個人に負担が掛かってきている、このことをやはり私たちはしっかり見ていく必要があると思います。  加藤大臣は、財務省を通じながら様々な施策を展開するわけでありますし、経産省あるいは内閣府等々とも調整をしながら、いかにしたら個人の負担が何らかの形で減少し、そして日本経済が復活するかということについてしっかりと把握をしていただきたいということをお願いするところであります。  この点について所見を伺います。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) これらは税収額の推移をお示しをしていただいたと思います。他方で、国民所得に占めるそれぞれの税収の割合がどう推移しているのか、こういった観点からも、まさにそれが負担ということにもつながるんだろうというふうに思っております。  どのレンジで見るかによって随分議論が変わってくると思いますけれども、最近のこの令和に入ってからの流れを見ている限りは、所得税、これは去年は実は、今年度になりますかね、は定額減税していますから、それが剥落すると今年度少し増えるということはありますが、総じて言うと、所得税の国民負担に対する率自体は、ここ五年前と比較すると減ってきているということが言え、一方で、法人税収が、この伸びも高くなっていますが、増加しているという動きを示しているものと承知をしております。  そういった中で、もちろん物価上昇に伴う税負担の軽減、あるいは物価上昇をどういう形の中で賃金との絡みでどう考えていくのか、そうしたことに対する対策、今回も取らせていただいたところでございますし、また、これからもそうした経済・物価動向を踏まえ、また、こうしたそれぞれのバランスもどう考えていくのか、そういった観点からも、与党税制調査会等の御議論、あるいはそれぞれ今各党間の間でも御議論がなされているわけでございますから、そうしたことも踏まえて政府としても適切な対応を図らせていただきたいと考えています。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 今、大臣も御指摘もされました。  ただ一方、昨年度から今年度にかけて、法人税が一二・九%増、所得税が三〇・一%、ただ、今御指摘がありましたが、定額減税分を除くと一五・二%で、消費税が四・六%増と。  何だかんだ言いながら、やっぱり所得あるいは消費に係って個人が結構厳しい状態にあるということだけは御認識をしていただきたいということを強く要望したいと思います。  次に、ガソリンの定率減税についてお話を、暫定税率について質問したいと思います。  御案内のように、一九七四年、二年限定が五十年にわたってそのまま、暫定が暫定でなくて、もう本当に固定化してしまったわけであります。  この点について、ガソリンの暫定税率を変えない代わりに、ガソリンが非常に高騰したときに、二〇二二年から三年間にわたって予算総額で約八兆円、年間で二・三兆円ガソリン補助金を出して価格を下げる施策をやっていただきました。これはこれとして評価したいと思います。  ただ、ガソリン暫定税率の一律一リットルの二十五・一円を減税幅として見ていけば、一・五兆円分あると。三年間分で四・五兆円と。実は八兆円と四・五兆円じゃ、四・五兆円の方が少なくて済んだじゃないかと。  しかし、財務省は、三年間で見りゃそうかもしれないけど、三十年で見りゃしっかりもらえるからということでこの暫定税率をずうっと据え置くという、ちゃんと解消するという三党合意がありながらもいつまでもはっきりさせない、こういうふうな形になっているんですが、そもそも暫定税率を変えるという発想というのは財務省にはないんでしょうか。三党間で合意をしなければ、全く変えるというようなのはないんでしょうか。このことについてお伺いしたいと思います。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) いや、まさに三党間で協議が進めておられるわけでありますから、政府がそれより先んじてとやかく言う、とやかくって言い方は変ですかね、言うことではなくて、まずは三党間の協議、しっかりこれを尊重させていただき、またその結果を踏まえ、適切に対応させていただきたいというふうに考えております。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 今私が聞いたのは、財務省として、こういう暫定で決めた、二年間という暫定で決めたのを五十年現実にやっている、こうしたことについて、何らかの形で変える、あるいは元に戻すというような、そういう発想というのは過去も含めてないんでしょうか。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 暫定税率、そもそも昭和四十九年に御承知のように二年間の措置として設定をされたわけでありますが、その背景としては、道路整備をしっかり進めていく必要がある、まさに道路整備計画を踏まえた道路財源の充実を図っていく、こういった観点から、その後も数度にわたって税率の引上げがなされ、更に延長されて、そして平成二十一年度に一般財源化された後、平成二十二年度の税制改正において、地球温暖化対策の観点、また厳しい財政事情を踏まえ、期限のない当分の間の税率として税率水準が維持されることが決定され、今日に至っているものと承知をしております。  一般財源化される以前においては、国分の道路関係の歳出が道路関係の歳入を下回る状態であり、そういうこともあって一般財源化すべきという議論になったと承知をしておりますが、足下では、災害の頻発化、老朽化が課題となる中、防災・減災、国土強靱化を進めていく必要などもあり、国と地方を合わせた道路関係の歳出が道路関係の歳入を上回るという状態になっており、こうした状況の中で安定的な財源確保をどのように図っていくのか、こうしたことも大事な論点ではないかと考えているところでございます。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 現在のガソリン価格の高騰などを考えれば、この二十五円、二十五円ですね、実質的に二十五円現場で下がるということは大変今の社会の中で意義のあることであります。  三党合意があっても現実にはなかなか進んでいない。いつまでにどうするのかということも、今政府の立場で申し上げることはできないこともよく分かります。  しかし、暫定税率がいつまでも続いていいのかという議論は、ずっと財源として意味があるということを言えば、半永久的にですね、当たり前のことです、一定程度の収入があるということは当たり前のことでありますので、元々お約束したことを、私たちは約束を守らないと、政府は。やっぱり政府は約束を守るという、このことが一番大事だということが私は大事だというふうに思っております。  いわんや、この今日の状況の中で、ガソリン価格が高騰し、地方には余り足がありません、車以外に。この東京周辺は各電車が網の目のように走っておりますが、地方ではそういう意味の交通手段が車以外に余り考えられない、そういう中での、しかも距離があるということがありますので、こうしたガソリン価格の非常に引下げというのは極めて大事ではないかということですので、政府においては、三党合意ということではなくて、まさに暫定税率というのを、まさに暫定だったんだから元に戻すという考え方でしっかりやっていただきたいことを要望して、終わります。  ありがとうございました。

小池晃日本共産党

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。  質問に入る前に、先ほど、参議院の与党幹部会合で暫定予算を編成しないと確認をされた。  財務大臣、了解されていますか。    〔委員長退席、理事船橋利実君着席〕

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、ちょっと、私、ずっとこっちおりましたので、今のお話、承知しておりませんので何ともコメントできませんし、また、今言った、与党間とおっしゃいましたかね。与党間という、要するに政党間ということでございますので、政府としてコメントする立場にはございません。

小池晃日本共産党

○小池晃君 目の前に当事者の松山幹事長もいらっしゃるんですが、これ、平成三年自社公民の合意で、暫定予算のことについては一日たりとも空白はつくらないという合意があるわけですね。予算委員会の質問時間も積み上がっていない。野党は様々な事態に備えて暫定予算編成の準備に入るべきだということを、今朝、参議院の野党国対では確認をしているんですよ。  そういう中で、国会の意思を無視するというやり方には、ちょっとこっちじゃなくてあっちなんですけど、質問できないんですが、抗議をしたいというふうに思います。  質問入りますが、所得税の基礎控除、これ四十八万円ということなんですが、今回これを見直して大きく変わる。  財務省にお聞きします。基礎控除の理念とは何でしょうか。今までなぜ四十八万円だったんでしょうか。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答えします。  基礎控除は、一定の額までの少額の所得については負担能力を見出すに至らないと考えられることから、原則全ての納税者に適用されます基礎的な人的な控除の一つでございます。この基礎控除などから構成されます課税最低限については、生計費の観点とともに公的サービスを賄うための費用を国民が広く分かち合う必要性などを踏まえまして総合的に検討されてきており、その中で基礎控除の額も決定されてきたものと承知しております。  具体的には、財政事情なども踏まえつつ、物価の水準の変化などに照らして見直しが行われてきたものと承知しておりまして、直近では、平成三十年度の税制改正におきまして、働き方の多様化を踏まえ、給与所得控除から基礎控除への十万円の振替を行い、現在の四十八万円となっております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 配付している資料は欧米の主要国の基礎控除を国会図書館に調査していただいたものですが、これによると、米国二百三十四万円、英国二百四十三・一万円、ドイツは百九十六・一万円、フランスは百九十四・二万円と。これ、購買力平価を考慮したとしても日本よりもはるかに高い水準だと思います。  財務省に。なぜ日本の基礎控除額というのは欧米に比べてこんなにも低いんでしょうか。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) 諸外国との比較についての御質問でございます。  例えば、米国の標準控除、この中に含まれております標準控除につきましては各種の所得控除を含む概算控除であるため、日本の基礎控除の額との比較がなかなか難しいという点もございます。  その上で、政府としては課税最低限での比較が最も参考になるものとして考えておりまして、その上で、基礎控除などから成る日本の所得税の課税最低限については、生計費の観点や公的サービスを賄うための費用を国民が広く分かち合う必要性などを踏まえて総合的に検討されてきており、生計費の観点からは物価が勘案されてまいりました。諸外国においても、物価に応じた調整を行っている国が多いものと承知しております。  我が国におきましては、物価上昇が続いた昭和四十年代においてはほぼ毎年課税最低限の引上げを行ってきた一方、平成七年以降におきましては、物価上昇率が直近の状況を除きほぼ横ばいで推移してきたため見直しを行ってこなかったという経緯がございます。その上で、今般は、最近の物価上昇等を踏まえて、政府案と衆議院修正を合わせまして、課税最低限を百六十万円まで引き上げることとしております。    〔理事船橋利実君退席、委員長着席〕  その上で、諸外国と比較する場合は物価や賃金の状況が異なり、また為替の影響を受けることから、単純に実額で比較することはなかなか難しいというふうに考えておりまして、例えば平均賃金比で見ますと、二〇二四年一月時点の税法に基づいて計算を行いますと、米国が二〇%、英国が二九%、ドイツが三三%、フランスが五三%であるのに対しまして、日本についてはこれまでの二五%から今般の改正により三八%になるため、必ずしも諸外国に比べて低いものとは考えておりません。

小池晃日本共産党

○小池晃君 いろいろ言い訳するけど、低いですよ、これは。いろんなことを足し合わせてもね。課税最低限で比べたってやっぱりこれは日本は低いですよ、これは。  全国労働組合総連合、全労連が行っている最低生計費調査、これだと、単身の若者暮らしていくのに必要な生計費は全国どこでも時給千六百円から千八百円、月額で二十四万円から二十五万円とされていて、やっぱり年収では二百万から三百万ぐらい。  大臣、最低生計費を保障するためにはやっぱり課税最低限大幅に引き上げる必要があると思いますが、いかがですか。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 生計費に関しては様々な調査があるというふうに思いますが、今回、衆議院の修正の結果、給与収入二百万円相当以下の者に対し、基礎控除の特例として三十七万円の上乗せを行うこととされ、これにより政府案と合わせて課税最低限百六十万となるわけでありますが、この百六十万という数字については、生活保護基準の最低生活費の中でも東京二十三区を含む全国で最も高い一級地の一の額を超える水準となっており、最低生活費にも十分配慮した水準になっているものと認識をしております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 その最低生活費と国民みんなで分かち合うって、その議論が私はちょっとこれはよく分からぬのですよ。  結局、課税最低限というのは、最低生計費といいながら、同時に国民みんなが広く分かち合うものだという考え方でやってきたと。でも、今回はその最低生計費でこういろいろ考えているみたいな説明するわけじゃないですか。私は、この考え方がやっぱりはっきりしていないと思うんですね。  結局、国民みんなが広く分かち合うものという議論というのは、これは公共サービスの受益に応じて税を払うという応益負担ですよ。これは応能負担の原則に反するんじゃないですか、この国民広く分かち合うという考え方は。大臣、いかがですか。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 基礎控除を含む各種の所得控除は、負担能力としての所得の大きさを調整することによって、所得に適用される累進税率と相まって応能負担の実現に寄与しているものと考えておりますし、今回の衆議院修正では、先ほど申し上げたように、その基準も引き上げたところでございますので、こういった意味において、低所得者層の税負担に対して配慮をしたものと認識をしております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 この戦後の税制の在り方、考え方、戦後はやっぱり応能負担で来たと思うんですね。それが政府として明確にかじを切ったのは、やっぱり二〇〇〇年の政府税調の中期答申。ここでこう言っているんですね。  かつて我が国の国民の生活水準が国際的に低かった時期には、生計費からの観点が重視される傾向にありました、としながら、国民の所得水準が上昇したので、生計費の観点からのみでなく、個人所得課税を通じて公的サービスを賄うための費用を国民は広く分かち合う。広く分かち合うってきれいな言葉で言うけど、結局痛みを分かち合うということじゃないですか。  私、これ、考え方、やっぱりこれだけ貧困と格差が広がってきたんだから、やっぱりきちんと生計費非課税という原則で課税最低限決めていくということをしっかり据えていくべきだと思いますよ。そのために、やっぱり課税最低限を引き上げていくと。やっぱり、この二〇〇〇年に決めてから、失われた三十年で貧困と格差これだけ広がったんだから、私は税制の在り方についても考え方を改めるべきだと思いますが、いかがですか。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 私どもが承知している範囲で申し上げさせていただきますと、昭和二十七年には、当時の大蔵大臣から、基礎控除というものは最低生活費を引くべきものであるということばかりに限定するのはいかがかと思う、財政の需要の点からも考えなければならないといった見解が示され、制度創設間もない頃から生計費以外についても勘案されていたものと承知しておりますし、政府税制調査会の答申では、平成六年の税制改革についての答申においても、課税最低限に関し、個人所得課税は広く国民に負担を求めることが適当とされており、委員御指摘のように、平成十二年においてそうした考え方が変わったというものではないと認識をしております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 いや、でもこの政府税調の中間報告には、これまでの考え方変えたというふうに書いてあるわけですから。何か古い文書いろいろ調べて引っ張ってきて何か説明されていますけど。  私は、やっぱり税制の在り方を今の貧困と格差の広がりの中できちんと見直すべきだと思いますし、最低生計費に課税しないというんだったら、何より消費税の減税こそが必要だというふうに思います。  その上で、退職金課税について、石破総理が参議院の予算委員会で、見直すべきだ、勤続年数が二十年超えると一年当たりの控除額が増加する仕組みはどうなんだというふうに言われています。  現行の退職金課税で、その仕組みいろいろありますが、勤続年数二十年までは一年につき四十万、二十年超えたら一年につき七十万控除するという仕組みですよね。  大臣は、予算委員会で、この見直しの議論として、勤続年数が二十年を超えると一年当たりの控除額が増加する仕組みが転職などの増加に対応していないということを紹介しています。しかし、実際に退職金というのを意識するのは五十代以降じゃないですか。退職金課税が有利になるから転職やめるという人が一体どれだけいるんだろうか。むしろ、転職というのは、より良い職場環境、あるいはその待遇、働きがいを求める、それぞれの人生設計に基づくものだと思うんですね。  財務省に聞きますが、退職金の税金が有利になるから転職やめるという人はどれだけいるというふうに想定しているんですか。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答えします。  転職などの労働移動の円滑を阻害しているとの指摘があると、あくまで指摘を紹介したものとして、二〇二三年の新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画での指摘をされております。  政府税調におきましては、こうした指摘があることも踏まえつつ、実態を可能な限り把握しながら税制の在り方について御議論をいただくことが重要であるというふうに考えておりますが、政府として、現時点で退職所得課税と転職の関係について何か見解を持っているというわけではないということでございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 見解を持っていないんだったら、こんな政府税調の文書とかに書かないでほしいんですよね。これを一つの根拠にしてやろうとしているじゃないですか。で、石破さんはそれを答弁しているわけですよ。これは財務省の見解じゃないってちゃんと石破さんに言ってください。  退職金課税見直して一年当たりの控除額が例えば一律五十万円になった場合、勤続年数三十年超えると今より控除額が減っていきます。一律四十万円になると、勤続二十年を超えると今より控除額が減っていきます。機械的に計算するとですよ、一年当たりの控除額が一律五十万円になった場合、四十年間勤めると現行の控除額二千二百万円は一体幾らになるか、一律四十万円になった場合は幾らになるか、お答えください。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答えします。  今御指摘のあった点についてあくまで機械的な試算ということで申しますと、一年当たりの所得控除額を一律五十万とした場合は合計で二千万円、一年当たりの控除額を一律四十万円とした場合は合計で一千六百万円というふうになりますが、退職所得課税に係る議論につきましては、長年にわたり形成された期待を伴う高齢期の人生設計にも密接に関係することなども十分に踏まえながら、財政が厳しいから財源を確保するといった視点ではなく、純粋に働き方への中立性や活力、公正といった観点から行われるものでございます。  委員御指摘のような、一律五十万とか四十万といった幅広く課税強化になるような案をこれまで私どもとして検討した事実はございませんので、今後の検討に当たっても、納税者への影響を十分にしんしゃくしながら議論を進めていただく必要があるというふうに考えております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 一律五十万円にすると二千二百万円が二千万円、一律四十万円にすると千六百万円という控除額になってしまうわけで、これ大増税ですよね。  しかも、今回、iDeCoの五年ルールの変更で、退職所得控除を二回使うことが難しくなった。これも問題なんですけど、この上さらに、退職金課税見直されると、iDeCoで積み立てたお金、あるいは自営業者の退職金づくりの制度である小規模企業共済の共済金、一時金で受け取った場合、これも課税見直しの対象になるということですね。確認です。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答え申し上げます。  御指摘をいただきましたiDeCoや小規模企業共済の一時金につきましては、現行の所得税法上は退職手当などとみなした上で退職所得課税の対象としております。  他方で、退職課税の在り方については、現在、政府として具体的な見直し案をお示ししているわけではございません。こうした制度への見直しの影響については、政府として現段階で見解を申し上げることは難しいということでございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 ただ、やっぱり、これ退職金課税見直せば、サラリーマンだけではなく幅広く影響が出てくる、そういう危険性もある、そういうものだということだと私は思うんですね。  退職金課税の在り方は多くの人の人生設計に大きな影響を及ぼします。退職金あるいは私的年金、これ、公的年金と合わせて退職後の老後の糧です。私は、長年働いてこられた労苦にきちんと税制で報いるということは必要なことだと思うんですよ。だから、やっぱり、勤続年数が長くなれば控除額増やすというのは当然やるべきことなんじゃないかなと。  大臣、いろいろこういう議論が今飛び交っているわけです。総理も予算委員会でこういったことを口にしているわけですね、見直すべきだとはっきりおっしゃっているんですよ。やっぱりこういうことでいいのかと。やっぱりこれ、きっぱり撤回すると、財務省としては、じゃ、もうこれやらないというんだったら、やらないとはっきり言ってください。撤回すると、撤回すると言ってください。

加藤勝信自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(加藤勝信君) 退職金等に係る課税については、政府税制調査会に設けられた専門家会合において、財政が厳しいから財源を確保するという視点ではなく、純粋に働き方への中立性や活力、公正といった観点から、経済社会の変化に対応できるよう、また実際の、今の経済社会の実態もあるんだろうと思いますが、検討されていくものだと考えており、課税強化を企図したものではなく、また直ちに結論出すというものでもないというふうに承知をしております。  退職金の在り方、先ほどから申し上げておりますように、長年にわたり形成された期待を伴う高齢期の人生設計にも密接に関係することなども十分に踏まえる必要性があることも指摘をされております。今後はこうした観点も踏まえながら議論が続けられるものと考えております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 増税を目的としたものではないんだということが言われましたけれども、大変不安が広がっています、この問題については。きちんとしたやはり情報を出していくということと、やっぱりこういう方向で増税するんだということはしないんだということをはっきり表明していただくと。  この間のやっぱり財務省のいろいろやっていることを見ると、やっぱり増税になるんじゃないかという不安が広がるのは当然だと私思いますよ。宮沢先生は何か違う違うとさっきからおっしゃっていますけど、でも、やっぱりそういう不安広がっていますから、これはきっぱりやらないということを言明していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 参政党の神谷宗幣です。  所得税法等の一部を改正する法律案に関連して質問します。  今日、少し答弁足してもらいまして、ばたばたさせて済みませんでした。  まず、外国人の旅行者向けの免税制度の見直しについてということで、参政党は消費税の減税ですとか廃止ということも訴えているんですけれども、現行の制度上で課税が行われる以上、外国人の旅行者からも適正に消費税を徴収すべきだということは当然のことで考えております。特に、国内で不正な転売を防ぐためにも、免税販売からリファンド方式へ転換することは意義があるというふうに考えています。  この変更により、どの程度の不正を排除することができ、どのぐらいの税収が見込めるのか、概算をまず教えていただきたい。そして、日本は長期のデフレが続き、海外と比べて物価が安くなっていますし、円安の影響も重なって、海外の旅行者にとっては商品やサービスが総じて割安だというふうな状況だと思っています。こうした状況を踏まえれば、消費税分をわざわざ返金しなくても、もうそのままいただいておけばいいんじゃないかというふうな形も考えられます。これ、制度上、必ず返金しないといけないものなのかどうか、その点も併せて教えてください。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答えします。  制度の見直しによりまして不正が行われていた免税購入がほぼなくなるということが見込まれるものの、これまでどの程度不正な免税購入が行われていたかを網羅的に把握することができないものですから、制度見直しに伴う税収額を試算することはまず困難であるということを御理解賜りたいと思います。  その上で、外国人の旅行者向け免税制度でございますが、外国人の旅行者の方が一定の条件の下で購入する物品につきましては、実質的に輸出取引と変わらないというものとして消費税が免除される仕組みとなっております。本制度は、条約などでその導入が義務付けられているわけではございませんが、OECD加盟国においても本制度が導入されている国が大半であるというふうに承知しております。  また、本制度は、令和五年三月に閣議決定された観光立国推進基本計画においても言及されており、観光立国の実現に資する制度であるというふうに認識しておりまして、制度そのものを廃止するのではなくて、不正防止の観点から、免税店の事務負担軽減、外国人旅行者の利便性向上、空港などでの混雑防止にも十分配慮しながら、リファンド方式に見直すことが重要であるというふうに考えております。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 ありがとうございます。  ですから、返すことは義務ではないということが確認はできました。これ、やはり、返す手続、簡易にやっていただけるということなんですけれども、本当にそれをなくしてしまえば、事務負担も減るし、税収増えるしということだと思うんですね。  例えば、仮に維持するにしても、何でもかんでも返しますよじゃなくて、一店舗当たりである程度金額を高めに設定しておいて、三万円以上買った場合はリファンドしますとか、そういった形にしておけば申請の数も減りますから、その分、それ以下の金額に関しては消費税もらえるわけなんで、税収増えるということになると思いますので、そういった形での検討もありなのではないかなというふうに考えています。  既にオーバーツーリズムで、もういいかげんにしてくれというふうな観光地の声もあるんですよね。でも、政府は今八兆円ぐらいのインバウンドの費用を更に上げていこうということなので、そういった形で、インバウンドで税収を、収入を増やしていこうということであれば、国民にそのいろんな受入れのインフラを造らせたりとか、それで混雑に我慢してもらったりということであれば、しっかり相対的に裕福になっている外国人の方からしっかり税金を取る方法というのを設計していただきたいんですよね。  そうじゃないと、インバウンドだって、まあ少しは上がるけど、でもマイナス面が多いというふうになると国民不満たまりますし、今だったらもう、観光客、外国人が来て悪いこといっぱいするんですね。変なところで写真撮ったりとか神社に落書きしたりとかして、もう観光客お断りという神社とか出てきたりとか、そういった観光の弊害も出てきています。  でも、それでもあえてまだこれ広げていくというんであれば、やっぱり人口減少になっていく中で、経済も今踊り場、だから外国人に来てもらってお金も使ってもらうし、それなりの消費の税も払ってもらうという形でやっぱり国民の納得を得ていかないと、インバウンドの政策自体が腰折れしてしまうんではないかなということも考えられますので、しっかりと国は取るところは取っていますということを国民に向けても説明してもらいたくて、何か日本人は観光するのにも全部払わないといけない、外国人は何か割引パスがあるとか、そういった状況もすごく国民としては不満がたまるんじゃないかなというふうに思いますので、この間から質問していますと、日本人に取らない税を外国人に掛けるのはいけないんだと、条約上できないんですということですから、それでしたら、日本人にも取っている税を外国人にはもう少し範囲、返金の枠を広げてしっかり税収につなげていくという発想だったら条約上も問題ないんではないかと思いますので、検討いただきたいと思います。  次に、今回の法案には、法人税率が低いタックスヘイブンに子会社を設立し課税免れを図る企業への対策として、最低税率一五%を課すグローバルミニマム課税の整備が含まれていますが、このミニマム課税とセットで、特定の拠点を持たずに世界中で事業展開をする多国籍企業へのデジタル課税も導入されようということが検討されています。  日本がこういったミニマム課税、デジタル課税といった国際課税を導入することで将来的にどれほどの税収が見込まれているのか、その概算があれば教えてください。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答えします。  まず、日本がということではなくて全世界の話でございますが、この第一の柱に関して、OECDの方で税収の試算をしております。二〇二三年の十月に公表されておりますが、全世界で約二千億ドルの利益に対する課税権が市場国に再配分されるというふうに予想されております。この二〇二一年度のデータに基づきますと、年間で百七十億から三百二十億ドルの世界的な税収増につながるというふうに予想をされております。  その上で、この第一の柱における我が国の税収でございますが、この多国間条約に関する税収に影響を与え得る詳細なルールがまだ未確定でございまして、日本の税収への影響についてお答えすることは困難であるということでございます。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 分かりました。  これ、すごく気に掛けている税制ですので、またちょっと計算方式が分かってきたら教えていただきたいなというふうに思います。  次に、デジタル課税についてまた聞きたいんですけど、またアメリカのトランプ大統領が二月の二十一日に、自国の巨大IT企業を対象に、各国が導入を検討しているデジタル課税に対抗するために大統領覚書というものをまた出されて、通商代表部に対して実態調査を指示されています。さらに、必要に応じて関税の引上げを行うぞというふうな可能性も示唆されています。まあトランプさんがよくやる方法ですね。  背景には、多国間の枠組みで課税が進めば自国の税の自主権が損なわれるというふうな考え方があるんだと思いますけれども、日本としては、それでも、そういった対抗措置をやるぞと言われてもデジタル課税をしっかりと推進するということが国益にかなうのかどうか、その辺の政府の見解をお聞かせください。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答えします。  この経済のデジタル化に伴いまして市場国に物理的拠点を置かずにビジネスを行う企業が増加しておりまして、市場国で適切な課税が行えないという問題が生じております。こうした状況に対応するために、BEPS、包摂的枠組みにおきまして、第一の柱の多数国間条約の交渉が行われてきたところでございます。具体的には、一部の欧州諸国などが導入しているような各国独自の一方的な税制措置を廃止するとともに、市場国に新たな課税権を配分するものでございます。  日本としては、こうした取組が国際課税システムに安定性と確実性をもたらして、日本を含めた世界経済への悪影響を防ぐものというふうに考えておりまして、引き続き、各国政府とよく議論し、早期の交渉妥結に向けた議論に貢献してまいりたいと思っております。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 国益にかなうとお考えかということで、かなうという御返答だったと思いますけど、私もそう思います。  こういった国際課税、グローバル化、本当進んでいますので、多国籍企業からしっかりと課税をしていかないと、国内ばかりから集めているとどんどんやはり国民が干上がっているような状況ではないかと思いますので、是非こういった枠組みを早急につくっていただきたいなというふうに思っています。  先日の委員会で、私、相続税の制度が不動産を活用した資産形成の足かせになっているんじゃないかというふうにお聞きしましたら、青木主税局長は、税は各国の裁量に委ねられているんだというふうな答弁がありました。でも、今回のこのグローバル課税というのは、やっぱりトランプさんが言うように、うちの国の税制に対して、企業に対して何で税掛けるんだというふうな反論があるんだけれども、ただ、もう取引が国際化しているから、それはもうそういった不均衡が生じるのでこういった税を考えますという、そういうことだと思うんですね。  であれば、前回述べました、相続税のない国と我が国の間で、法の抜け穴があって課税逃れができてしまう場合があるので、外国人が日本で不動産を買うということに対して、そもそも条約を見直して制限を掛けるという方法もありますし、取得を今までどおり認めるんであれば、しっかりと日本人と同等かそれ以上に課税ができる方法というのを考えていただきたいと思うんですね。  先ほど小池委員の方から退職金にまで税金をというような、更にという話がありましたけれども、そういうことではなくて、これから国際化してたくさん外国人が来たり取引をやったりするわけですから、そこに税を掛けていくという方法であれば、国を開いていっても国民の納得が得られるんだけれども、国民からはどんどん税取ろうとするけれども、外国人は受け入れて、外国人の税負担は日本人と同等かそれより低いですとなると、公平感がないんですね。そこの国民感情を是非理解していただいて、是非、この国際取引とかグローバル化の中で日本人が競争に負けない、それから不公平感を感じない制度設計をしていただきたいというふうに要望しておきます。  それと、次は大臣に要望なんですけれども、トランプ大統領はすぐに関税掛けるぞというカードを出されてこられます。先日は日本の消費税が障壁になっているという発言もあったということだったので、それだったらいっそのこと消費税廃止してはどうですかというふうに私は言ったわけですね。消費税だったら廃止しても日本人にもメリットありますからどうですかと提案したわけですけれども、大臣は、外国に言われたからやるものではないというふうな基本スタンスを答弁されました。そうおっしゃるんであれば、今回のデジタル課税についても、どれだけ抵抗があったとしてもやっぱりここはしっかりと押し切っていただきたいという要望なんですね。  日本は、二〇二四年の時点で対米のデジタル貿易赤字が六兆六千五百六億円も膨れ上がっておりまして、どんどんどんどん膨れております。十年で倍ぐらいになっていますね。多分これもっと増えて、そのうち十兆円超えてくると思います。  これ、かなり大問題でして、本来、ITのプラットフォームをアメリカの企業に任せずに国産化を進めないといけないんですが、それが追い付いていないというか、間に合っていない。今すぐ取り組んだとしても、すぐには実現できないので、デジタル課税はこれ絶対に譲ってはいけないところで、しっかりと課税を取ってきていただいて、万が一交渉になって何か譲らないといけないとなった場合は、消費税を下げるか消費税を廃止するぐらいだったら国民にもプラスがあるからいいかなというふうに思うんですけれども、このデジタル課税とか国際課税のところは、是非、交渉に負けずにしっかりと担当部署の方に課税するようにというふうに指示を出していただきたいと、これ要望です。  次に、法人税課税についてですね。  売上高百億円超を目指す中小企業を対象に設備投資を促進する制度を拡充するということですけれども、そもそも多くの中小企業にとって売上高百億円というのは極めて高いハードルです。資材費、光熱費、人件費の高騰、それから人手不足による生産性の低下、地域経済の低迷といった様々な厳しい条件がある中で、果たしてどれほどの中小企業がこの税制の恩恵を受けられるのか、今の見込みを教えていただきたいと思います。

山本和徳中小企業庁事業環境部長

○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。  日本経済は、賃上げ率、国内投資共に三十年ぶりの高水準にあり、変化の兆しが見えつつある一方で、多くの中小企業は人手不足や物価高など経営課題に直面しており、経済の好循環を全国の中小企業に行き渡らせるためには、中小企業全体の稼ぐ力を底上げしていくことが重要と考えます。そうした中で、売上高百億円を超える百億企業につきましては、他の中小企業と比べて輸出額や域内仕入れ高が大きいことに加えまして、賃金水準も高うございます。そのため、賃上げや国内投資を積極的かつ継続的に行い、地域経済に好循環を生み出していくことができる存在と認識しております。  したがいまして、売上高百億円超を目指すような成長意欲の高い中小企業による設備投資を後押しするべく、令和七年度税制改正におきまして中小企業経営強化税制を拡充させていただきたいと考えておるところでございます。  中小企業庁において実施したアンケートの結果等を基に一定の仮定を置きますれば、約二百七十社の中小企業が今回の拡充措置を活用する可能性があると見込んでございます。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 ありがとうございます。  中小企業は三百数十万社あるはずですけど、二百七十社って本当に数が少ないですね。だから、これがどこまでの経済効果があるかと、政策の成果が出るかということだと思います。  私、今、日本の中小企業の方と聞いていると、やっぱり大きな問題は事業承継だという方が多くて、事業承継をしっかりできればやっぱり地域経済の核としてこれからもやっていただけるんですけれども、やっぱり今の税制だと、相続税などが売却予定がない株式にも掛かりますので、結局、多くの中小企業の経営者が、手元の現金を相続税払ってしまうとお金なくなっちゃって、設備投資などに踏み出せないということだと思うんですね。  それで、中小企業を守るためにも、相続税、さっきも言いましたが、廃止だったり、それこそ控除を、アメリカなんかは十五億まで、日本円に換算するとですけど、控除があるので、そういったふうに引き上げるべきじゃないですかというふうに提案しようと思ったら、平成三十年から十年間は法人事業承継税制というものがありますよと、それで一〇〇%免除される特別措置がとられているというふうに説明を受けたんですけど、これ、どれぐらいの件数今まであるのか、これ全体の事業承継の中でどれぐらい活用されているのか教えてください。

山本和徳中小企業庁事業環境部長

○政府参考人(山本和徳君) 御指摘の特例承継計画の提出件数は、拡充後の、六年間が経過しておりますけれども、この六年間のうち約二万件となってございまして、地域経済を支える多くの中小企業に申請いただいているものと考えてございます。  他方、提出書類や手続の煩雑さ等が税制活用に向けた課題とするお声も現に頂戴しておりまして、提出書類の簡略化、電子化など、引き続き、より多くの中小企業に本措置を御利用いただけるよう改善を図ってまいりたいと考えてございます。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 ありがとうございます。  やっぱり使い勝手が余り良くないということなのではないかなというふうに思いますね。だから、中小企業の支援のこの法案もいいと思うんですけど、やっぱり対象が狭い。だから、もっと広くやっていただくには、やっぱり、一定の中小企業が事業承継するときに控除をやっぱり上げてあげれば、もうそんな条件とか付けずに、それだけでかなり中小企業の存続、事業承継やりやすくなると思いますし、それやらないと、今、数減っていますから、どんどん外資とかに買われてしまったら地域産業が駄目になってしまうので、是非、ちょっと中小企業の支援の在り方をもう少し広げて考えていただきたいなと思います。  私からは以上です。ありがとうございました。

三宅伸吾自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会します。    午後五時散会

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