財政金融委員会 第2号
- 発言数
- 197 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2025/03/13
会議録
○委員長(三宅伸吾君) ただいまから財政金融委員会を開会します。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官廣瀬健司君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(三宅伸吾君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁植田和男君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(三宅伸吾君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、財政政策等の基本施策及び金融行政に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○西田昌司君 おはようございます。自民党の西田昌司でございます。 まず最初に、最近、全国各地でも行われていると言われていますけれども、いわゆる財務省解体デモですね、これについて大臣にお伺いしますが、これ一体、誰が何のために始めたのか、それと、実態と、それから、そもそもなぜこういうデモが行われるようになったのかと、そういうことについて大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 委員御指摘のように、財務省などの周辺においてデモが行われているところであります。 デモの詳しい実態、あるいは、誰がという、こういった点については私どもは把握しておりませんが、こうしたデモに来られた皆さん方、様々な御意見はそこにはあるんだと思いますが、そうした背景には、やはり最近における物価の高騰、特に賃金を上回る物価の高騰、特に食料品等の高騰などがあって生活が厳しい、暮らし向きが厳しくなってきている、こういったことが背景にあるものと認識をしているところであります。 そうした背景に十分我々も認識をしながら、また様々な御意見に真摯に受け止め、しっかりとしたそれに対する事実を把握をし、またデータ等に基づいた政策論議を深める中で、必要な対応をしっかりと取っていきたいというふうに考えています。
○西田昌司君 このデモは、反財務省というか、ザイム真理教反対みたいな感じなんですけれども、その言っている気持ちは私も分からないじゃないんだけれども、ちょっと乱暴な形になっていると思いますね。 私、一番心配するのは、このままこれを放置すると、財務省の職員が、財務省を通勤するときに、あっ、あいつ財務省だといって何か襲われたり、とんでもない事件にならないかと、そのことを一番心配しているんですけれども、財務省として何らかのこれは措置をすべきじゃないですか。
○国務大臣(加藤勝信君) いろいろと御心配頂戴いたしまして、ありがとうございます。 現時点では、まず、財務省職員に対する危害が発生しているということは承知をしておりません。また、大臣としては、財務省の職員が公務に専念できる環境を保っていくことが大事でありますし、まさにそのことが国民の皆さんに貢献できる状況であるということであります。 こうしたデモに際しても、公務に支障が出ないように、また職員の安全確保が図られるよう引き続き努めていきたいというふうに考えております。
○西田昌司君 それで、この財務省の解体デモを主張している人は、要するに、税金取られ過ぎているというか、減税を言っているという感じにも見えるんですね。 ただ、私、減税の話、今回、年収の壁の話もありましたけれども、いわゆる平均所得、大体、給与所得でいうと四百六十万ぐらいが平均所得だと言われていますけれども、これで一体どのぐらいの税金掛かっているのかというのをモデルケースで調べてみると、所得税が十六万八千五百円、住民税が二十六万六千円、社会保険料、これが六十四万一千七百円なんですよ。ですから、要するに、全体の二四%、百十二、百二十万円ぐらいが取られているんですけれども、これは一番大きいのは社会保険料で、税金じゃないわけですよ。 社会保険料はそもそも雇用者側も負担しますから、雇用者側が給与を上げたら上げた分だけそれに伴う社会保険料の負担分も増加すると。そして、給料を上げてもらっても社会保険料ももちろん増えていきますから、手取りがなかなか増えないし、雇用者側も社会保険料の負担しなくちゃならないから、いわゆる給料だけじゃなくてプラス社会保険料も出さなきゃいけないというので給料を上げにくい仕組みに、特に中小企業にとっては大きな大きな負担になるわけですよね。 そこで、国民の手取りを増やすには、減税議論もありますが、それよりもむしろ社会保険料の負担の在り方について議論する必要があるのではないかと思っています。これは所管外ですけれども、元々厚生大臣もされていた社会保険にもお詳しい大臣でありますので、御所見を問いたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員の御指摘のように、国民の皆さん方には税と併せて年金、医療、介護等々の保険料の御負担、また、そうしたものについては、働く方の場合には企業側にも、端的に言えば半分と言うんですか、倍と言うんでしょうか、の負担をお願いをしているということは御指摘のとおりでございます。 特に社会保険料については、まさに高齢化に伴って医療や介護の給付がこれから増加をしていくということも想定をされる中で、やはりそれをどう抑制をしていくのか、またその上昇をどう抑えていけるかということが、今御指摘のように、国民のお一人の手元の増をしっかり確保するという意味においても大事な要因だというふうに認識をしております。 そのためにも医療、介護の給付の適正化を通じて保険料の上昇を最大限抑制することが重要でありますし、社会保障制度においては、次世代の保険料負担を抑制しつつ、負担能力に応じて全ての世代で公平に支え合う全世代型社会保障制度の構築に向けて取り組んでいく必要があると考えており、一昨年末に閣議決定した改革工程に掲げられた改革項目、これを関係省庁とも連携をしながら着実に実施をしていきたいと思っております。 また、先日、二月二十五日には、自民、公明、日本維新の会の三党の合意に基づく協議体においても、現役世代の増加する保険料負担を含む国民負担を軽減するための具体策について検討を行うこととされていると承知をしております。 これらも踏まえ、政府として適切な対応を図っていくことによって国民の皆さんのそうした負担の抑制に努めていきたいと考えております。
○西田昌司君 今答弁いただきましたけれども、やっぱりこの社会保険料の考え方そのものを私はちょっと見直さなきゃならないと思うんですよ。 要するに、基本的考えは、雇用者、被雇用者、これが折半し合っていって、あと国が払っていきますという形なんですけれども、そうすると、そもそもこの社会保険料も税金なんですよ。だから、税金で、国民負担から、それから雇用者ももらって、そして残りは国の方が出すと、で、これも税金で出すという話になってくると、全部税金分配しているだけなんですよ、これね。そうじゃなくて、純粋に国費を投入していくと、純粋にね。つまり、通貨発行によって国費を投入してやっていくということをやっていかないと、要するに所得自体は増えないんですよ。この考え方を取らないと、かなり日本はこれ危機的な今状況になっていると思うんですよ。 つまり、先ほど言いましたように、今の仕組みですと可処分所得が増えないです。特に中間層以下の方は可処分所得が増えません。それから、経済成長もできなくなります。と、当然次の世代も生まれませんしね、そして、そうすると、要するに先細りの社会をつくってしまう仕組みになってしまっているんですよね、結果的に。何でこうなるかというと、結局、国費を投入していこうというのは、プライマリーバランス、つまり赤字国債をどんどん出しちゃうとこれいけないということですから、プライマリーバランスを黒字化していこうという発想を保っていくと絶対にこの隘路から抜け出せないんですよ。 ですから、私は、財務大臣には是非お伺いしたいのは、昨年の自民党の総裁選挙で大臣は積極財政派を標榜して総裁選に立候補されていたと認識しています。そう考えたときに、日本の危機は財政の危機ではなくて、供給力の持続的成長ができない体制になっていることであると私は思っているんですね。つまり、次の世代が生まれない、そういう国の仕組みになっているんじゃないかと。そういう国は滅びるしかないんですよ。 ところが、大臣は所信表明演説、今回の演説で、不測の事態においても日本の信用や国民生活を守るための財政基盤を平時より備えることが不可欠ですと述べておられます。しかし、平時から財政規律を守ることを言っておられるんだけど、今がその危機的状況に入っているんじゃないですか。この平時ではなくて、今そのものが国家存亡の危機の時代に私はなっていると思います。 今この手を打たなければ、次の世代をちゃんと生み出す、所得を上げていくということに手を打たなければ、財政の危機ではなくて、国家の供給力が毀損されて国家としての継続性が危機を迎えていると私は認識していますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) やはり税が何のためにあるのか、また、今御指摘のように、税あるいは保険料として徴収をさせていただく、こういったことで広い意味での財政が回っているわけでありますけれども、その基本はやっぱり国民の生活、暮らしを守っていく、あるいは経済、そのベースとなる経済活動をしっかりと維持をしていくということだと思います。そういった意味で、先ほど総裁選のお話もしていただきましたけれども、やっぱり必要なことに対してはしっかり、そうした意味において必要なことをしっかりやっていくということであります。 今委員御指摘のように、例えば経済が悪くなる、あるいは先般のコロナのような対応がある、あるいは大震災がある、こういったときにおいては、そうした被災をされている方々、あるいは感染をしっかり防止をしていく、こういった観点から財政出動をしっかりしていくというのは、これはある意味当然のことだというふうに思います。しかし、他方で、やはりこれから何があるか分からないことに対する備える力を持っておくということもまた求められているというふうに思いますので、そこはどうそれぞれの状況を判断しながらそうしたバランスをどう取っていくのか、また、ここの委員会でも御議論があったように、あるいはこの国会でも御議論があるように、一方でインフレ、今は物価上昇もこうした具体的に今進んできている中において、そういったリスクをどう考えていくのか、まさに現下の経済あるいは社会情勢を見ながら、いろんな意味における必要なこと、それは要するに国民の生活、暮らしを守る上において必要なこと、これをしっかりやっていくというのはこれまでもそうでありますし、今後ともそうした意味で財政の運営に当たっていきたいというふうに考えています。
○西田昌司君 今の答弁ですと、プライマリーバランス黒字化にこだわらないという意味でいいですか。
○国務大臣(加藤勝信君) まさにプライマリーバランスを図っていくというのも財政健全化という意味においては大事なことであります。 しかし、この間もプライマリーバランスというものを念頭に置きながらも、コロナへの対応等々においてはそちらを重視してきたということで取り組んできたと私は認識をしておりますので、そういった姿勢で、基本的には今ある、財政あっての経済、あっ、ごめんなさい、財政、逆ね、経済あっての財政、失礼いたしました、経済あっての財政ということで申し上げておりますように、やはり経済再生をしっかり図る中においてやはり財政の健全化も図るということが現下への対応、そして将来への課題の対応につながっていくものというふうに認識をしております。
○西田昌司君 何か本音を言われたような気がします。 それで、今の答弁にもよるんですけど、もう一つ、大臣所信でこういうふうにお話しになっているんですね。日本の財政は、債務残高対GDP比が世界最悪の水準にあるなど、引き続き厳しい状況にあることも踏まえと言って、財政危機であることをあおっておられるんですよ。しかし、問題は、確かに債務残高対GDP比は二〇〇%を超えちゃうというふうになっていますが、日本政府には七百五十兆円に上回る金融資産があるわけですね。 そういう金融資産等を差し引いた純粋なネットの純債務額対GDP比、同じような基準でG7各国比較するとどうなるかというと、G7各国とほとんど遜色がないんですよ。これが事実じゃないですか。だから、それを考えると、財政危機だと、財政あっての経済だというようなことも今本音で言われたような感じになりますが、このやっぱり今の日本の状況の現状の捉え方が少々間違っているんじゃないですか。
○政府参考人(吉野維一郎君) お答え申し上げます。 先生の御指摘は、IMFのPSBS、パブリック・セクター・バランスシートという統計におきまして、グロスの総債務残高から金融資産、非金融資産を差し引きましたネットの数値、純資産の対GDP比を比較いたしまして、G7各国に比べても日本の財政状況は遜色ないという御趣旨だと理解しております。 この統計につきましては、金融資産に加え、非金融資産も差し引かれておりますけれども、国の財政状況を評価するに当たりまして、金融資産、非金融資産も併せて控除する、考慮するということにつきまして、IMF自身もレポートで言及しておりまして、総債務での評価が財政政策において重要であること、非金融資産の多くは公的資本ストックであり、概して流動性、市場性に乏しいことにも留意する必要があるというふうに言及しております。 他方で、IMFのWEO、ワールド・エコノミック・アウトルックにおきましては、総債務残高の数値の対GDP比に加えまして、総債務残高から金融資産のみを差し引いたネットの数値、純債務残高の対GDP比も公表されておりまして、そのネットの数値につきましては、やはり世界最悪の水準というふうになっております。 なお、財務省といたしましても、金融資産や非金融資産につきましては、道路やダムなどの非金融資産は流動性や市場性に乏しく、売却が困難であり、金融資産につきましても、年金積立金など見合いの負債が存在しますことから、単純に負債と相殺することや、新たな財政支出に充てることができる財源として認識することは必ずしも適切ではないと考えております。 いずれにしましても、先ほど大臣からも御答弁ありましたとおり、我が国財政は、グロスの債務残高GDP比が最悪の水準にありますことから、こうした状況の中で財政健全化の取組を進めるに当たっては、PB、プライマリーバランスの黒字化を目指す、債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指すという目標を掲げてまいりました。 引き続き、市場や国際社会における中長期的な財政の持続可能性の信認が失われることのないよう、経済あっての財政という考え方の下で、力強く経済再生を進める中で財政健全化も実現し、経済再生と財政健全化の両立を図ってまいりたいと考えております。
○西田昌司君 ちょっともう少し簡潔に答弁してもらいたいんですがね。 要するに、今、こういう答弁ばっかり繰り返しているんですよ。そして、あなた方が何をしたかというと、経済をどんどん毀損してきたという事実ですよ。今言っているように、この今の吉野さんの説明で間違っているのは、非金融資産、例えば道路とか、そんなもの売れないから、換金性ないからとか言うんだけど、そもそもそんなこと言っていないんです、私が言っているのは。金融資産と債務残高を比べて差し引いて考えるのが、普通、返済しなければならないのは何かということですが、それなんですよ。そして、しかも、返済と言っているけれども、国債の返済、つまり償還はどこかから借りてやるんじゃなくて、要するに借換債発行してやりくりしているわけですね。これ、日本だけじゃないですよ。全世界共通のルールで、国債償還は借換債でやっているんじゃないんですか。
○政府参考人(吉野維一郎君) その点につきましては、委員の御指摘のとおりであります。
○西田昌司君 じゃ、何をね、何を、その国債の返済ができなくなるとかという、困ることないじゃないですか。だから事実に基づいて、あなた方、頭はせっかく優秀な頭で生まれてこられているんだから、政策やるときももう少し頭を柔らかくしなきゃいけないですよ。 それを指摘した上で、要するに、国債を発行させて予算を作っていくことに対して、そういうリスクはないんです、返済できなくなるというような。むしろ、そのことによってお金をたくさん出しますから、出すことによってインフレがどんどんなると。それはありますよ、もちろん。だけど、今の状況がインフレどんどんなって大変な状況なのかというと、そうじゃないわけですよ。むしろ国民側の手取りが増えなくて困っているという現実があるわけですからね。 だから、そういうことを考えると、国債発行により国費の負担を増やして、雇用者と被雇用者の負担を減額すると、国民の手取りを増やすことを真剣に検討すべきと考えます。 プライマリーバランスの黒字化を掲げている限り、こういう発想になれない。しかし、現実の財政はまだまだ余裕あるんですからね。そのことをちょっと大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 委員の御指摘の中で、まず一つは、借換債発行、おっしゃるとおりでありますけれども、その借換債発行が円滑に行われていると、現下、消化が順調に進んでいると認識をしております。 やはりその背景には、やっぱり日本の財政に対する市場関係者のある意味では信頼があって、そしてその信頼のベースについては、こうした財政運営をしているということもその一つにあるというふうに認識をしているところでございますし、また、今日は、大変、この後いろんな御質問を頂戴するところでありますけれども、一つは、やはりこの現下のインフレの問題ございました。今、日本のインフレ率、この間四%という全体出てきております。やっぱりその水準というものが、賃金の上昇等も考えると、それなりに国民生活に影響を及ぼしているというのは、この間の実質賃金がマイナスであるということも言えるんだろうと思っておりますので、こうした物価の動向等も踏まえながら適切な財政運営を図っていく必要があるんだろうというふうに思っています。
○西田昌司君 今大臣が、今はいいけれども将来も借換債の消化がちゃんとできるかどうか、そこにリスクがあるという趣旨の発言されているわけですよ。しかし、そういうリスクがあるとしたら、どういう状況なんですか。 つまり、国債を、日本の国債がやばいから買いませんと、その状況というのはどういう状況なんですか。具体的に考えてくださいよ。その状況は、つまり、国債、持っている国債を売るんですよ、買わないということは。ということは、何に換わるんですか、円に換わるだけですよ。円と国債と同じものですから、円を持っていたって駄目なんですよ。それを金に換えるとかドルに換えるとか、そういう話になるんだったら分かりますよ。しかし、そんな状況は絶対あり得ないんですよ。なぜか。それは、日本国内で経済活動をする限り、税金を払わなきゃなりません。その税金は円でないと納付できないんですよ。日本で暮らしている限り、円を使わないと経済活動できないんですよ。それができない状況というのはどういうときですか。それは日本の国がないときですよ。まさに、本当に日本が沈没してしまったとか、そういうときは知りませんよ。しかし、日本の国がある限りは、それは問題ないわけです。 特に、今のこの数十年は、少なくとも海外からお金を借りるんじゃなくて、海外がお金を日本に対して借金を持っていますから払わなきゃならない。だから、結局は海外の方も円を持たなきゃできないんですよ。それが事実じゃないですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今のお話、ちょっとかなり広範な話になってくると思うんですけれども、実際、私どもが国債を発行していく中で、これが円滑に消化できるかどうか。そして、例えばその発行金利が上がるということになると、それがまさに財政をまた厳しくしていくということも事実ではないかなというふうに思っておりますし、また、今おっしゃるような流れの中で、やっぱり経済は生き物でありますから、そうした経済運営というものが経済全体にどういう影響を与えていくのか、こういった点もしっかり見ていく必要があるんだろうと思います。
○西田昌司君 今日は四十分のところを三十分になっちゃったんで、この程度でこの話は終わりますが、また機会を見て質問させていただきたいと思います。 それで、あと幾つか質問しますが、一つは、まあ今回少数与党であるがゆえに、野党の皆さん方にも予算成立には協力いただかなきゃならないというので、いろんなこの妥協、自公等も、与党にするとあるんですけれどもね。その中で、四兆円の医療費を削減するということを自公と維新さんとですか、何か合意したというような報道ありましたけれども、これはとんでもない話だと思いますよ。 もし、そのままこの四兆円を本当に減らしちゃうと何が起こるかと。まさに、病院は、コロナの補助金のときはまだ良かったけれども、今はもう経常赤字が、赤字割合が二二・七%から五一%と言われていまして、もう大変なこれ倒産の危機ですよ。そして、そういう状況ですから、医療に従事されているエッセンシャルワーカーにも給料あげられないんですよ。そのことによって、人手不足というか、存在そのものができなくなる。まさに、医療の供給力が破綻してしまう、そういう可能性がありますから、絶対にこれは、そういうことはすべきでないと。 大臣も、所管外ですけれども厚労大臣経験者ですから、いたずらにこういう形でやるのは、乱暴な議論は駄目だと思いますが、大臣の御所見をお願いします。
○国務大臣(加藤勝信君) 何か厚生労働委員会に立っているような雰囲気になってまいりましたけれども。 まさに少子高齢化、先ほど申し上げましたけれども、進展やまた高額な薬剤が普及されていく、医療費は増加傾向続いていることは事実であります。 現役世代を含む国民の保険料の負担の抑制を図っていくためには、社会保障制度改革、これは不断に実行していくということは、これは多分共通の認識だと思っております。 その上で、医療制度を始めとした社会保障分野の制度の見直しに当たっては、医療提供の現場の皆さん方、あるいは患者、国民の皆さん、幅広い方々に影響を与えるものでありますから、関係者等の丁寧な調整を図って進めていかなきゃならないというふうに認識をしております。 今回の三党合意においては、設ける協議体では、現役世代の増加する保険料負担を含む国民負担を軽減するための具体策について検討を行うこととされており、その検討に当たっては、政府・与党の方針や提言に加え、日本維新の会が公表した改革案を念頭に置くということで合意したものと承知をしておりますので、どう考慮しながら結論を出していくかはこれからの協議によるものと考えておりますが、政府としては、そうした協議も踏まえながら、社会保障制度を所管する厚労省ともしっかりと連携図りながら、必要な検討を引き続き進めていきたいというふうに考えております。
○西田昌司君 どうもありがとうございます。 それで、最後にちょっと消費税について質問します。 消費税はヨーロッパの付加価値税をモデルとしてつくられたんですけれども、ヨーロッパの付加価値税は、要するに、赤字法人でも粗利はあるだろうと、だから粗利について僅かな税率で掛けていったら、社会全体のコストを赤字法人にも払ってもらおうという発想から来ているはずなんですね。 それを日本でも取り入れたんですが、実はこの転嫁の仕方が外税方式で、まあ法律事項じゃないんだけど、事実上そうなっていますからね。そうすると、大企業を始め、コンビニなんかは一〇〇%転嫁しているわけですよ。そうすると、負担しているのは誰かというと、転嫁できない最終消費者若しくは免税事業者のような方々なんですね。ですから、いわゆる大企業は一銭も払っていないんですよ。 そして、今回、インボイスを導入しましたね。インボイス導入したから、今度はいわゆる小規模事業者が大変な負担をするようになってくる。転嫁がまともにできない人が、インボイスを発行しないと大企業から取引してもらえないと、そういう形で、インボイスを選択すると、例えば四百万円ぐらいの売上げで粗利が、利益率が二〇%だとしたら八十万円の利益になって、所得税の場合は、八十万円ぐらいの所得だったら、実質上、基礎控除等がありますからね、税金払わなくていいですよ。ところが、消費税はそのまま、八十万円の一〇%の八万円払わなきゃならない。そういう税負担が所得の低いところで出ているわけですね。 こうしたことが財務省解体デモの私は遠因になっていると思っています。ですから、この元々想定していた第二法人税と違うようになったこと自体が想定外の問題だったんですからね。これ、宮沢税調会長も私と同じ意見なんです。 ですから、是非、財務大臣もこのことについて、そろそろ、廃止も含めですよ、制度の見直しをすべきじゃないかというふうに考えますが、いかがでしょう。
○国務大臣(加藤勝信君) 今の御指摘は、ある意味では価格転嫁の部分だと思います。 消費税はそもそも最終消費者が負担するということをベースに制度設計がされているところでございますが、価格転嫁ができること、消費税が円滑に価格転嫁できるということは、小規模事業者が不当な扱いを受けることを防ぐ観点からも重要と考えており、これまでも公正取引委員会等が指導、勧告等を適正に実施するなど取組を進めてきたところでもございますし、令和五年七月の経産省の調査では、従業員五人以下の小規模事業者の大半が消費税増税分を価格できていると回答していると承知をしております。 また、インボイスのお話がありましたけれども、この導入に当たっても、消費税の適正な転嫁分の取引価格への反映の必要性について、価格交渉の場において明示的に協議することなく、従来どおりに取引価格の総額を据え置く場合、独占禁止法や下請法との関係で問題になるおそれがあることを公表するなど、政府一体として取り組んできたところでございます。 消費税についての廃止というお話もありましたが、御承知のように、社会保障給付費をこれによって賄っているわけでございますので、そういったことも踏まえ、この廃止は適当でないと、これは石破総理も申し上げているところでございますが、政府としては、財務省としてはですね、今回の様々な御意見、これをしっかりと受け止めつつ、事実とデータに基づいた政策論議をしっかり行い、持続可能な経済財政運営、これをしっかりと努めていきたいというふうに考えております。
○西田昌司君 これはもう一つ欠点が、要するに輸出企業にとりましては、この国内で払った消費税、転嫁できないからというので還付対象になるんですよ。これが、国税庁の統計によると七兆円ぐらいあるらしいんですけれども、これ、トランプさんに言わせると、これ要するに、事実上、補助金じゃないかと。非関税障壁だと言われる可能性ありますよ。 ですから、そのことをしっかり認識して、制度もう一度考えるべきだということを申し上げて、私の質問を終わります。
○熊谷裕人君 立憲民主・社民・無所属の熊谷裕人です。 早速質問に入らせていただきますが、まずは、租税特別措置の適用を受ける企業名を公表するか否かというところ、衆議院の方でも議論ありましたけれど、そこについてまず質問をさせていただきたいと思います。 昨年来、政治資金問題を始め、政治と企業との、政治資金の献金問題で国民の不信感が増えているところでありますが、租税特別措置においても、減税額が大きい企業が献金を多くしているのではないかというような疑念が増しているところであります。 我々立憲民主党としては、法案を提出をしておりますけれど、これまでも繰り返し指摘しているとおりに、国から補助金を受ける企業については原則企業名が公表されている一方で、実質的に効果が同じ、補助金と変わらない租税特別措置については企業名が公表されないというのはいかがなものかというふうに考えておりまして、企業名を公表する法案も提出をさせていただいているところでございます。 その前提に基づいて幾つか質問をさせていただきたいなというふうに思っておりますが、この租税特別措置については、かなり昔から行われている措置でもあります。この特別措置を受けた企業が減税効果がどれくらい出ているのかというのを果たして検証しているのかどうか。そして、減税額と、もうかっている企業があるとすれば、利益の配分、再配分をしたりとか、内部留保をしたりというふうにしていると思いますが、減税額と内部留保の関係を検証したことがあるのかどうかをまずお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(青木孝徳君) お答え申し上げます。 租税特別措置の適用額の明細書を含めました現行の法人税の申告におきまして、直接的には当該企業の内部留保の金額の記載は求められておりません。このため、租税特別措置の適用により税負担が軽減されている企業の内部留保の推移については把握をしておりません。 その上で、把握している情報から可能な範囲でお答えを申し上げますと、令和五年度に租税特別措置に係る適用額明細書を提出した約百四十八万法人のうち、約四分の三に当たる企業が黒字でございますので、そうした企業につきましては、基本的には内部留保は純増方向に変動しているのではないかというふうに考えております。
○熊谷裕人君 今、報告書の方には記載がないので把握をしていないということでありました。 ただ、ちょっと私の手元、私自分で、事前に資料を要求したら、そういうことは調べていないということだったので、私が調べられる可能な範囲で調べたところ、財務省の財務総合政策研究所が出しているところの資料に、法人企業統計からみえる企業の財務指標という中に利益剰余金の記載がございます。この利益剰余金の記載のところに財務指標の説明で、この剰余金はいわゆる内部留保の金額だというふうに書かれておりまして、いろいろと、いろんな業態、そして企業規模、そういったところで調査がされております。 一番新しいのが令和六年九月二日に財務省で公表されている資料だと思いますが、そこに利益剰余金の推移が書いてありまして、令和元年から令和五年までのトータルの金額書いてあるんですけれど、そこには今、約、令和五年度で六百一兆円の内部留保があるという記載がございます。 これというのは、一つ一つの企業を今、租税特別措置を受けている企業ではないところの積み上げ金額がこの報告になっていると私は思っているんですが、それで、その私の理解、個別のものを積み上げてこの金額を報告しているということでよろしいかどうかお答えいただければと思います。
○政府参考人(青木孝徳君) 今御指摘をいただきました六百一兆円、二〇二三年度、この数字は恐らく法人企業統計から取られた数字だと思います。 租税特別措置の先ほど申し上げました調査につきまして、適用実態の調査につきましては、それはそれでいただいているんですけれども、この統計の基が違うものですから、こちらの方は租税特別措置を適用されたか否かにかかわらず、全ての法人の内部留保の総額だというふうに考えます。
○熊谷裕人君 今の答弁ありましたけれど、これ、個別の企業を一つ一つ積み上げてこの六百一兆円というか、この財務省の財務総合政策研究所が公表しているこの数字になっていると私は理解しているんですが、これ積み上げですよね。そうじゃないんですか。 きちんと一個一個の企業さんの内部留保を積み上げてこの金額が出ているという理解で、私の理解違いますかね。
○政府参考人(青木孝徳君) お答え申し上げます。 済みません、法人企業統計、担当外ではございますが、恐らく、サンプル調査をして幾つかの企業の内部留保の状況を調べて、その上で、オールジャパン、日本全体に引き伸ばした、引き伸ばして計算をされているものだというふうに思います。
○熊谷裕人君 いや、これ財務省の研究所の公表資料で、サンプルで金額を出しているというのはあり得ないと私は思うんですよ。 これ、委員長、私は、これ、きちんとこの資料に基づいて、一つ一つの企業の内部留保の金額をきちんと、ここには資本金別だったりしてきちんと統計が出ていますので、この数字について資料を提出を求めたいと思いますので、理事会で協議していただければと思います。
○委員長(三宅伸吾君) 後刻理事会にて協議いたします。
○熊谷裕人君 ありがとうございます。 やっぱり減税を受けている企業がどれだけその従業員等の給与で再配分をしながら、そしてこの純利益を積み上げているのか、そして株主も、どう還元しているのかというのは、やはりこの租税特別措置が本当にその企業にとって有効なのかどうかというところの指標というか、検証に必要なものだというふうに思っておりますので、是非資料提出していただいて、個別の企業でこうだという資料は要りませんので、例えば、A社だったら、この大きな租税特別措置だったら、研究開発、その租税特別措置が多分一番大きなものだと思うんですが、そういったものについて、その変遷を、これくらい受けて、これぐらい利益が出ていてというところの資料を是非いただきたいと思いますし、そういう資料ができてこそ、その減税効果があったのかどうかという検証になるんではないかなというふうに思っていますので、是非資料を出していただければと思っております。 ですから、そのブラックボックスになっているような形で、どの企業がどれだけ減税効果があって、どれだけ内部留保をし、そしてどれだけ今言ったようにきちんと還元をされているかというところの効果を測るためにも、私は個別の企業にどれだけの租税特別措置が効果を受けているかということを公表していかなければいけないなというふうに思っておりますが、この質問も何度もというか、衆議院でもされていると思いますが、この租税特別措置の適用実態の透明化を図っていくために個別企業の企業名の公表を義務付けるということを考えるべきだというふうに私は思っておりますし、党としてもそのように考え、法案を出しておりますが、財務大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) ちょっとこれまでの答弁の繰り返しという形になることはお許しをいただきたいと思いますけれども、一つは、先ほど補助金との関係ありましたが、補助金は特定のことに対してというのと、これは言わばその制度にのっとった使途という違いなどなどあって、一概に同じ理屈が適用できるものではないということは申し上げておきたいと思いますし、その際、これまでも申し上げてきたように、こうした情報を開示することが企業におけるどういった分野でどの程度の規模の設備投資を行っているかなど経営戦略上の情報を明らかにすることになり得るということでありまして、そうしたことも踏まえて現行の租税特別措置透明化法においては個別企業名まで公表する必要はないという整理がなされたものと承知をしております。これを明らかにするということは、今申し上げたような問題があり、そのデメリットを上回る公益上の必要性があるかどうかという観点から考えていかなければならないと思います。 他方で、近年、租税特別措置の適用額が大変大きくなってきているという御指摘もいただいております。そういった観点も踏まえて検討していく必要があると思っております。
○熊谷裕人君 私の手元に租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書、今国会に提出された報告書の写しを私ダウンロードしました。ここにも個別の企業名は書いておりませんけれど、かなり細かいことが書かれておりますし、先ほど言いました財務省の財務総合政策研究所の資料も同じような形で資料公表されております。 我々は個別企業名までというふうに言っていますが、是非、この効果の検証のために、企業名要りませんので、是非その照らし合わせるというか、両方を突き合わせる検証もしていただきたいなというふうに思っております。 次の質問に移ります。今度は揮発油税の当分の間税率、暫定税率についてであります。 三党合意で暫定税率は廃止をするということを決められていると承知をしております。石破総理自身も三党の合意、約束ですから必ずやるというふうに答弁をされておりますが、期限がいつまでやるのかということが議論になっていまして、我々は今年の春から、四月一日からと求めておりますが、それを求めない党もあって折り合いが付いていないところでございます。 そこで、なぜその期限が切られなかったのかなというふうに思っておりまして、三党合意で廃止をするというふうに決めているんですから、検討期限と、それから廃止時期を明示をしてスケジュール表を今からでも作るべきだというふうに思っておりますが、財務大臣の見解をお聞かせをいただければと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) まさに三党合意でございますから、それに対して政府が、例えば今後の検討の目途等について申し上げるのは、これは差し引きたいと思っておりまして、私ども承知している限りで申し上げれば、昨年十二月の三党幹事長合意を踏まえ、諸課題の解決策、具体的な実証等について関係者間で真摯な議論が行われていくものと考えておりまして、我々としてはそれをしっかり踏まえて対応させていただきたいと考えております。
○熊谷裕人君 政府・与党、政府と与党一丸となって取り組むべきだというふうに私は考えておりますし、そういうことであれば、政府としていつの時期までという目途をきちんと決めて、次に、結構大きな財源ですから、この財源が廃止をされた場合の代わりの財源というものを洗い出すのか、若しくは予算全体、その少なくなった分をどこかで切り詰めるという作業をしなきゃいけないというふうに思っているんですが、その廃止をされた場合のこの財源に代わるもの、それの洗い出し作業というものはどのように取り組むおつもりなのか、財務大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。 そして、もう一つついでに、この暫定税率を廃止をすることでガソリン税、ガソリンの価格が下がるということになりますと、物流コストも下がりますし、今の物価高の要因になっている物価の高騰にもある一定の抑制効果があるんではないかというふうに思っております。農業関係の皆さんも、燃料費とかいろんなもの上がって、それで野菜が天候不順も相まって上がっているようなこともありますけれど、この暫定税率を廃止をしてガソリン税を下げるということは、私は物価高騰を抑制する一助にもなるんではないのかなというふうに思っております。その点も含めて財務大臣の御所見をお伺いできればと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) まず、財源をどうやって洗い出すのかというお話でありますが、まさにこの暫定税率廃止の具体的な実施方法等については政党間で協議が行われるものというふうに考えておりますし、三党合意の中にも明記をされているところでありますので、先ほど申し上げたように、それを踏まえて政府として対応させていただくということになると考えております。 また、暫定税率廃止に伴う物流コストの縮減、あるいは物価高騰への抑制効果というお話でございますが、揮発油税、地方揮発油税はガソリンの製造者に対して課税しているわけでありますから、仮にいわゆる暫定税率を廃止した場合には、本則税率のみが適用され、その分製造者の税負担を下げるという効果、これあることは明白であります。 では、その負担がどういうふうにガソリン価格に、更に物価につながっていくかというのは様々な事情があるので一概には言えないと思いますが、それに加えて、最初の御質問のように、その財源をどこからどういう形で引き出していくのか、またそれがどういう影響を及ぼしていくのか、それらも併せて考えていく必要があるんだろうと思っております。
○熊谷裕人君 この問題も引き続きやっていきたいなというふうに思います。 次の質問に移ります。金融機関を取り巻くAI活用の進展と懸念について幾つか質問させていただきたいと思います。 金融庁は、今年三月にAIディスカッションペーパーを公表しています。そして、そのペーパーの中でも、生成AIが自然な日本語での文面や音声、映像を生成できるようになっていることから、金融犯罪の利用される懸念もあるんではないかというリスクが拡大しているというふうにその中でも言っています。その中で、ハルシネーション、幻覚と呼ばれる実際のデータに基づかない出力が生成する事象によって犯罪に使われるんではないかといったこと、そして、そういうことが金融機関の信用リスクにもつながるんではないかという懸念をペーパーでも書かれております。 このペーパーで指摘をしているハルシネーション等のリスクに、このAIのリスクについてどのように考えているか、金融担当大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 生成AIがもたらす新たな課題の一つとして、今お話がありました、事実と異なる回答を出力してしまうハルシネーションという課題がございます。例えば、金融機関がそれによって誤った情報を顧客に提示してしまうリスクがあるものと認識をしております。 こうしたリスクに対応するため、金融機関においては、生成AIが出力した回答をそのまま顧客に提示するのではなく、職員がその内容を確認した上で顧客対応に活用する形にするなど、生成AIにより得られる業務の効率化等の利点を生かしつつ、適切な顧客サービスの構築に取り組んでいるものと認識をしております。 また、金融庁として、今月初め、AIディスカッションペーパーを公表させていただきました。当ペーパーにおいて、金融機関が技術進展の動向も踏まえつつ、生成AIの活用に当たって、ハルシネーション等の新たなリスクに適切に対応できるよう、生成AI活用に当たっての課題や対応事例の共有、また規制の明確化等を進めていく方針をお示しをしたところであります。 今後、六月から官民の勉強会を開催し、来年三月までに具体的な課題や対応事例をお示しするとともに、必要に応じて規制の明確化も図っていきたいと考えております。
○熊谷裕人君 ありがとうございます。しっかりとそこは対応していただきたいなというふうに思っております。 次に、一つ質問カットさせていただいて、AIの進展を踏まえた金融犯罪に対する金融庁と警察庁の対応状況についてどのようになっているかをお聞かせいただきたいんですが、生成AIで、金融市場でハーディング、群集心理を起こしてというようなこともあるのではないのかなというふうに思っておりまして、様々な金融市場でその生成AIによる混乱だったりいろんなリスクというものは考えられておりますし、つい先日も、山形銀行で、その電話、自動音声データで企業情報の電話が掛かってきて、それに答えてしまって詐欺被害に遭ったというようなこともあると思います。 生成AIによる音声だったり映像だったり、いろんなものでこれから金融犯罪というものがかなり複雑化していくというふうに思っておりますので、その辺の対応、金融犯罪に対する対応について、金融庁と警察庁、それぞれどのように対応していくか、お聞かせいただければと思います。
○政府参考人(屋敷利紀君) お答えいたします。 AIの利用が、先生御指摘の金融システムの安定にもたらす影響、また犯罪にもたらす影響等につきましては国際的にも議論が進展しておりまして、例えば金融安定理事会の報告書におきましては、生成AIで作成した偽情報、誤情報をSNS等で流布すること、AIが広く用いられることで市場参加者が似通った投資判断を行うことなどを通じて金融商品の急激な価格変動を引き起こすといったリスクが指摘されているところでございます。 金融庁といたしましては、こうしたリスクに対応するために、偽情報、誤情報の拡散等について、市場参加者への注意喚起の実施、AI等の新たな技術の活用状況等の情報収集といった取組を行っているところでございます。 今後とも、市場参加者等との意見交換、国際的な議論への参画を通じまして、AIの利用が金融システムの安定に与える影響等について把握を進め、適切に対応してまいりたいと思っております。
○政府参考人(阿部文彦君) お答えいたします。 金融犯罪を含め、生成AIといった新たなサービスや技術を悪用して行われる犯罪に対して、警察におきましては、法と証拠に基づき厳正な取締りを行っているところであります。 また、金融庁を始めとする関係省庁と連携をして、犯罪の実態を踏まえた被害の未然防止のための注意喚起や広報啓発を行っているところであり、引き続きこのような取組を進めてまいりたいと考えております。
○熊谷裕人君 時間が少なくなってきたので、次の質問に移りたいと思いますが、これもリスクの問題で、口座不正利用対策でございます。いろいろな今犯罪が複雑化している、AIも使ってということですが、資金をここへ振り込めというようなことが、先ほどの山形銀行の例も出しましたけれど、多いんだというふうに思っております。 個人銀行口座、そして法人口座も含めて不正利用が増えている要因をどのように考えているのか。そして、犯罪にその口座が利用されないように、今、私の地元の埼玉県なんかも、警察と金融機関が連携してデータの共有をしている埼玉モデルというモデルがあったりしておりますので、こういったところの対策について、それぞれ、金融担当大臣、そして警察でどのように対応していくつもりなのか、見解をお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) まず、預貯金口座の不正利用が増加している背景、いろいろあるというふうに思っておりますが、昨今増加している特殊詐欺、SNS型投資・ロマンス詐欺等の犯罪において、被害金の授受のために不正に開設、譲渡された預貯金口座等が用いられていることが挙げられているところでございます。 金融庁としては、銀行等の預金取扱金融機関に対し、不正利用の手口や対応事例に係る金融機関間の情報共有、また、警察との連携強化を含め、預貯金口座の不正利用などの防止に向けた対策の強化をこれは警察庁と連名で昨年八月に要請をさせていただきました。この要請を踏まえ、不正利用口座に係る情報を県警と金融機関において迅速に共有し、対応につなげる枠組みを構築するなど、都道府県警察と金融機関の連携が進んでいるものと承知をしております。 金融庁では、近隣金融機関の連携、課題解決に資する情報交換を目的とした情報交換会、マネロンフォーラムと呼んでおりますが、の開催を後押しし、各地域における金融機関間のノウハウ等の情報共有を促しているところでございます。 こうした警察と金融機関の連携、また金融機関間の情報共有を促すことで、金融機関における預貯金口座の不正利用防止に向けた対応を金融庁としても推進をしていきたいと考えています。
○政府参考人(阿部文彦君) 警察といたしましては、取締りを推進いたしますとともに、捜査その他の警察活動を通じて得られた知見や分析結果等を踏まえつつ、一般の方や関係する事業者等に対しまして犯行手口の周知を図るなどの注意喚起を行っているところであります。 今後とも、金融庁等の関係省庁と緊密に連携をしながら、このような注意喚起等による被害の防止を図ってまいりたいと考えております。
○熊谷裕人君 もう時間になりますので、これでやめたいと思います。 通告をしておりました政策保有株式のウォッシュにつきましては、次の機会に回させていただきたいと思います。 是非、租税特別措置のところはこれからも議論したいと思っておりますので、資料の提出をよろしくお願い申し上げまして、私の質問を終わりにします。 ありがとうございました。
○柴愼一君 立憲民主・社民・無所属の柴です、柴愼一です。 加藤大臣、連日の対応、本当にお疲れさまです。よろしくお願いします。 まずは、資産運用立国を目指す我が国政府として、投資家保護の取組の一環として、今も解決せずに苦しんでいる多くの方がいらっしゃるスルガ銀行による不正融資問題について伺いたいというふうに思います。 まずは、本件のおさらいのために、事案の概要とともに、これまでの取組を踏まえた現在の状況について御説明ください。
○政府参考人(伊藤豊君) お答え申し上げます。 スルガ銀行におけるいわゆるシェアハウス融資、それからアパマン向け融資、これは関係書類の改ざんなどによってその被害が発生したということでございますけれども、金融庁といたしましては、経営管理態勢及び内部管理態勢の問題が認められたことから、二〇一八年の十月にスルガ銀行に対して一部業務停止命令を含む業務改善命令を発出したところでございます。金融庁といたしましては、この業務改善命令に基づきまして、スルガ銀行に対して個々の債務者への適切な対応を行うよう繰り返し求めてきたところでございます。 シェアハウス向け融資につきましては、同行と、スルガ銀行と債務者で合意した民事調停に基づき既に問題解決が図られたものと承知しておりますけれども、アパマン向け融資については現在も係争中であるというふうに承知をしておりまして、現在、スルガ銀行と債務者との間で民事調停の協議交渉と並行して保有する物件の任意売却による債務の弁済を実行するなど、具体的な解決方法について調整が行われているものと承知をしております。 金融庁といたしましては、債務者にとって可能な限り早期に問題解決が図られることが重要であると考えておりまして、引き続き、スルガ銀行の経営陣に対しまして、様々な機会を通じて債務者との協議に真摯に応じるなど適切な対応を求めていきたいと考えているところでございます。
○柴愼一君 シェアハウス問題は、今御説明あったとおり、全面解決が図られているんですね。残された課題は、アパート、マンションに関わる不適正な融資の問題です。 アパート、マンションの不適正融資の被害者数や被害額などについてはどのように把握されていますか。
○委員長(三宅伸吾君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(三宅伸吾君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(伊藤豊君) 申し訳ございません。 被害物件数が、申し訳ありません、直ちに答えられますけれども、七百九十一物件ということでございますが、被害額につきましては、現在係争中のものでございますので、申し上げることができません。
○柴愼一君 細かく丁寧に通告しなかったということで、ちょっと私も申し訳ないなというふうに思いますが、被害者団体が把握をしている被害の実数を集計したものとしては、被害者数は四百三十八名、被害物件七百九十三件で、千五十一億円が被害額だということになります。 シェアハウス問題が解決した一方で、アパート、マンションのこの問題が解決進まないというのはなぜなんでしょうか。その要因についてお聞かせください。
○政府参考人(伊藤豊君) 私の聞いておりますのは、それぞれの融資の状況、対応が区々であるというふうに聞いておりまして、シェアハウスのように一律に扱うのはなかなか難しいという問題であるというふうに聞いているところでございます。
○柴愼一君 対象物件の違いだということなんですが、ただ、不正融資のスキームですね、スルガ銀行の行員が関与をし、本来の価値に見合わない物件を銀行融資オーケーという優良物件と称して勧誘をするとか、入居率とか収益見込みを偽装して融資額をつり上げるとか、あとは通帳の残高を偽装するなど組織ぐるみで融資を進めたというスキームは同じなんです。手口といったらちょっと悪いのかもしれないですけど、同じなんですよね。そして、今も被害を受けた多くの方々が苦しんでいるということなんです。 先ほど説明あったとおり、二〇一八年、平成三十年の十月に金融庁は業務改善命令を出しています。ただ、行政処分を行ってから六年がもう経過をしているんですよね。それが今も解除する状況にないことについて、加藤大臣、認識をお聞かせください。
○国務大臣(加藤勝信君) まず、金融庁として、基本的には債務者にとって可能な限り早期に問題解決が図られることが重要だと考えております。 その上で、個別具体的な解決方法については、先ほどちょっと事務局からお話ししましたように、特にアパマンですか、に関しては区々事情が違うということもあるようでありますが、当事者間の協議、交渉に委ねるべきものと考えています。 スルガ銀行に対しては、従来より様々な機会を通じて債務者との協議に真摯に応じることを求めてきたところであります。引き続き、適切に対応することを経営陣に対し直接求めていくとともに、その進捗を確認をしてまいります。
○柴愼一君 私も仕事をしていたときは、郵便局に働いていたときは金融庁さんから業務改善命令いただいたりとかして、その対応は本当に大変なんですよね。それが六年も継続しているということ自体が、どうなっているのかというのが、なかなか理解ができないです。金融庁としての万全の体制をいただきたいということと、行政として、民民間での調停が進むのを見ているという他人事ではなくて、一方で、当時の森長官がスルガ銀行ってすばらしい銀行だと褒めたことも被害を拡大する要因にもなっていたとすると、金融庁に当たっても責任を一定感じていただいて、解決に向けて取組をいただきたいというふうに思います。 被害に遭われた皆さんの多くは、投資家とか事業家、投資家ではないです、普通のサラリーマンや医療従事者なんです。将来の年金やお子さんの養育費や教育費用や親御さんの介護の費用を含めて、少しでも副収入を確保したいという投資の一環として被害に遭われました。銀行のお墨付きの物件だと、収支計画も銀行がしっかりと評価しているんだという誘い文句で、不動産業者だけではなくて銀行も一体となって、この銀行が不適正スキームの中心となって勧誘を進めてきたんだということだと思います。 このような事案の解決、投資家の保護が図れなければ、資産運用立国を実現しようもありません。どうかスルガ銀行不正融資問題の一日も早い全面解決に向けて政府としての一層の取組をお願いしたい。大臣、もう一回見解いただけますか。
○国務大臣(加藤勝信君) 同じことになりますけれども、金融庁としては、債務者にとって可能な限り早期に問題解決が図られるよう、経営陣に対してもしっかりとそうした求めをしていくなど行っていくとともに、その進捗状況を把握をして、確認をしていきたいと考えています。
○柴愼一君 よろしくお願いいたします。 続いて、予算委員会でも質問させていただきましたが、ちょっとうまく議論が、かみ合った議論にならなかったかなというふうにちょっと反省していまして、本委員会で加藤大臣とのやり取りをさせていただきたいというふうに思います。 今の日本経済の現状と物価に対する認識なんです。加藤大臣の物価、経済状況に対する認識をお聞かせいただけますか。
○国務大臣(加藤勝信君) まず、物価でありますけれども、足下の消費者物価は上昇しております。そういった点を見て、デフレではなくインフレの状態であると考えています。特に、食料やエネルギー等の国際的な高騰を契機に、円安の進行も相まって輸入物価の上昇を起点とする物価上昇が続いていると認識をしておりますし、食料品などの身近なものの価格上昇率が高い状況がそうした中で続き、国民や事業者の皆さんが物価上昇による負担を強く実感されていること、これは政府として認識をしているところでございますので、こうした状況を解消するためにも、足下で物価に苦しむ方々を支援しつつ、物価上昇に負けない賃上げを定着させていくこと、このことが重要だというふうに考えております。 それから、経済ですね。経済の状況でありますけれども、基本的にマクロの需給バランスは、需要不足という局面から供給制約という局面に変化をしている、こういうように認識をしているところでございます。
○柴愼一君 ありがとうございます。 インフレの状況にあるということについては共通認識を図れるということですが、それをどう対応していくのかというところで、もう少し議論していきたいというふうに思います。 ちょっと前までは、物価が上がっている、これコストプッシュ型のインフレの悪いインフレというふうに言われていましたが、最近余り聞かなくなったなと。今はコストプッシュ型、悪いインフレなんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) いい悪いという言い方が、私も時々分かりやすくするために使わせていただいていますけれども、基本的に、今回の物価上昇は、先ほども申し上げましたが、食料やエネルギー等の国際的な高騰を契機に、円安の進行も相まって輸入物価が上昇してきたことを起点に進んできた、そして、その結果として身近なものの価格が上昇する中で国民の生活の負担となっているものと承知をしておりまして、こうした対応には、エネルギー、食料品等に重点を置いた対策を講じるとともに、物価高の影響を受ける低所得者世帯向けの給付金等々、総合的な対応を図ってきているところでございます。 これちょっと、財務省だけでの見解というのはちょっとなかなか難しいところでありますけれども、政府全体、あるいは先般、この後また日銀の総裁がおいでになられて、またお話もされる、そういったところも踏まえて御議論いただければなというふうに思っております。
○柴愼一君 今、やっぱり転換点にあるんだと、デフレ脱却をして好循環を回す転換点にあるということは、よく政府の見解をお聞きをして、やっぱりそういうタイミングにはあるのかなということは認識しつつも、いいインフレと悪いインフレがあるのかということを言いつつも、実質賃金が上がっていけば好循環が回るんじゃないかという、賃金が上がればこの問題が解決するかのごとく言っていることについては少し違和感があるというふうに思います。賃上げが物価を上回る、実質賃金が、賃金が上がっていけば悪いインフレが良いインフレに変わるというようなことじゃないんじゃないかというふうに思っているんです。 政府が目指す、賃金が上がり、家計の購買力が上がることで消費が増え、その結果、物価が適度に上昇する、賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行を目指すという政府の認識については私も異論はありません。ただ、それをどうやって実現していくのかということだというふうに思います。 今は、まずは円安によるエネルギー価格、原材料高によるコストプッシュ型の物価高というのは今も続いているとすれば、一旦それを是正するような取組が必要ではないかというふうに思っているんです。このまま行くと、コストプッシュ型のインフレに今度は賃上げが牽引する物価高がプラスされてしまうんじゃないかというふうに思うんですが、加藤大臣の認識、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) かなりちょっと財務大臣としての部分を、のりを越えてしまうかもしれませんが、全体として申し上げると、今おっしゃるように、今の局面はいわゆるこれまでのコストプッシュ型から賃金と投資が牽引する成長型経済に移行し得るかどうかという大事な局面、これは同じ認識だと。その中で、物価をどう考えるのかということだと思います。 物価の中においては、特に海外からの燃料あるいは食料等、いわゆるコストプッシュ型の物価上昇と、他方で、国内における例えばサービス産業等における、人件費率の高い分野で人件費が上がり、また、それに伴うサービスメニューが価格が上がり、それが受け入れられることによってまた賃金が上がっていくという、ある意味では基調的な物価上昇、この二つがあるんだろうというふうに思っております。 したがって、前者ではなく、特に前者の場合は、海外からの物価上昇ということになると、海外の市況が落ち着けばその分だけ、逆に言うと物価が鎮静化してしまうということにもつながるわけでありますから、その点をよく見極めながら、日銀あるいは政府においても対応していかなきゃいけない。大事なことは、後者における、内在的な賃金が上がり、物価が上がり、またそれが賃金が上がっていく。そして、その過程において生産性の向上等が図られることによって、いわゆる実質賃金がプラスの状況を継続的に進めていく、こういった取組が必要だというふうに考えています。
○柴愼一君 ありがとうございます。 大臣所信、今回の大臣所信においても、総合経済対策の文脈の中で、物価高の克服というワードがありました。現在の政府の物価高対策、克服に向けた物価高対策について、もう一回整理して教えてください。
○国務大臣(加藤勝信君) そういった意味において、今の食料やエネルギー等のこうした上昇に対して、当面の対策として、今、ガソリンに対する価格を百八十五円をベースに支援をしていく、あるいは電気・ガスに対する支援策、そして今農水省においては米価の上昇に対する備蓄米の放出等の対応がされているものと承知をしております。 そうした個々の対応に加えて、先ほど申し上げましたけれども、特に物価高の影響を受ける低所得者世帯向けの給付金の支給、また地域の実情に応じた物価対策を後押しする重点支援地方交付金の活用、こうしたことも含めた対策を取っているところでございます。
○柴愼一君 今いただいたものについてはやっぱり対症療法的な対策だと。現在の厳しい状況を見ると、まあそれはそれで大切だと、必要だというふうに認識しますが、しかし、悪い物価高そのものを是正する対応、さっき言われたように、前者と後者と言われたとすれば、前者の物価高の要素をどうやって是正していくのかと、この悪い物価高を一旦断ち切るということ、根本的な物価高対策を講じるべきだというふうに思います。その上で賃上げの流れを止めずに行くということで、まさに賃上げと物価の好循環が生み出せるというふうに思っています。 コストプッシュ型のインフレの大本は円安です。為替水準の云々についてはちょっとこの場では余り言いませんが、先ほどもありましたが、政府にできる有効な物価高対策にガソリンの暫定税、当面の間税率の廃止があります。これ、悪い物価高対策として実施すべきではありませんか。
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げたように、政府としても今、例えばガソリンについて言えば、百八十五円になるような形での対応をさせていただいているということでございます。 暫定税率の話については、先ほどから議論がありますように、道路財源を含めてその維持管理をどうやっていくのかという問題、また、その財源そのものをどうしていくのか、それから、これ地方自治体の業務等も絡む、あるいは予算、今審議していただいていますが、そういったことに対する影響をどう考えていくのか、そういった課題に対してもよく検討していく必要があるんだろうと考えております。
○柴愼一君 三党合意云々ではなくて、やっぱり政府としての対応として是非御判断いただきたいというふうに思います。 続いて、物価の話をすると、物価の安定は物価の番人たる日銀の役割だというふうに思いますが、これまで政府と日銀は、物価目標二%としてアコードを結び、それぞれ政策の運営をしてきました。そして、現状は二%を上回る物価水準で推移をしていて、国民は物価高騰に苦しんでいる状況ということです。 これまでも日銀は二%にこだわって、様々、いろいろ意見交換したときでも、今はまだ一・九%なんですと、まだ駄目なんですと言って金融緩和を続けてきて、そして今度は、今も高い水準、二%を超える水準ですが、二年後、二〇二六年にはまた二%に落ち着くという見通しなので、緩和的環境を維持するというふうにしています。これ、やっぱりアコードが、政府との共同宣言ですから、アコードが金融政策を一定縛っているんじゃないのかというふうに思ったりもするんです。 物価高に苦しむ国民生活を鑑みて、物価安定に向けた金融政策の運営が求められるというふうに思うとすれば、アコードが日銀の金融政策に一定の影響を与えているとすれば、現在の状況から一定の役割を果たしたとして見直すべきだというふうに考えますが、加藤大臣、認識いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今お話のあった平成二十五年一月の共同声明、おっしゃるいわゆるアコードでありますが、政府と日銀の間で公表させていただきました。それ以降、これに基づき、政策目標や方向性を共有しながら、それぞれの役割の下で必要な政策を遂行してきました。その結果、先ほどお話を申し上げたように、デフレではない状況がつくり出されてきたということ、また、GDPや企業収益を高め、雇用環境を改善するなど、いわゆるコストプッシュ型の経済から成長型の経済に移行する、こうしたまさに兆しと言ってもいいんだろうと思いますが、見える状況まで来た。そういった意味での成果は私は上げてきたという認識をしております。 他方で、現在、日本経済、先ほどあります円安などに伴う輸入物価の上昇もあり、賃金上昇を通じた持続的な物価上昇へ移行できるかどうか、その途上にあるものと認識をしております。 こうした意味で、物価の基調、また背景を総合的に考慮すると、現時点では再びデフレに戻る見込みがないと言える状況には至っていない、これはこれまでも申し上げてきたところでございますので、そうした状況認識の下で、引き続き政府として、また日銀と共同声明の下、デフレ脱却と持続的な経済成長の実現に向け連携を続けていくことが重要というふうに考えておりまして、現時点において共同声明を見直すといったことは考えておりません。
○柴愼一君 デフレに戻らない、戻る見込みがないということを責任持って宣言できる人ってどこかにいるのかというふうに思うと、やっぱり現状を踏まえてそのときそのときの判断を示していくということが私は必要だというふうに思います。 世界は、トランプ大統領が打ち出す政策で不確実性が増しています。関税政策は自由貿易体制を揺るがすものとして到底容認できるものではありませんが、もう鉄鋼、アルミニウムに対する関税が発動されたと、今後は我が国経済の屋台骨とされる自動車への関税もされるというふうに言われています。政府において外交努力を重ねているというふうに認識していますが、予断を許さない状況です。 通告していませんが、自動車への関税二五%が課された場合の日本経済に与える影響をどのように見積もっているのか、お聞かせいただけますか。
○国務大臣(加藤勝信君) いずれにしても、まずは経済産業省において分析をしていただくということになるのではないかと思っておりますが、政府としては、こうした状況をしっかりと見極めながら必要な対応をするとともに、これまでもそうですが、我が国の立場をしっかりと、先般も経産大臣が訪米されましたけれども、引き続き、そうしたレベルも含めて、我が国の立場をしっかりと先方に対して申入れをしていかなきゃいけないというふうに考えています。
○柴愼一君 通告しなかったということは申し訳ありませんが、そのことを言いたいことではなくて、やっぱり我が国の経済に大きな影響を及ぼすことも懸念をされているということで、不確実性が増している今こそ、デフレ脱却とか物価目標二%と言っている場合じゃないんじゃないかと、次の段階の危機にも対応できる持続可能な経済財政構造を確立するために、アコードを発展的に解消して政策の枠組みを打ち出すべきだというふうに思っています。是非、そんな対応を是非検討いただきたいというふうに思います。そして、その場合も、アコードもう結ばずに、アコードなくても日銀は元々日銀法第四条で政府と連携をするということになっていますから、政府がしっかりと政策打ち出せば、それが、日銀も連携してしっかり取り組んでくれるというふうに思います。 最後に、企業の内部留保を好循環の原資とする政策を是非検討していただきたいということを申し上げます。 これまでアベノミクスの機動的財政出動により様々な財政出動をしてきました。企業には内部留保が、先ほどの話、いっぱいたまったんですよねと。ただ、アベノミクスが目指して実現しなかったのが、そのたまった内部留保がトリクルダウンしなかったんだということです。この企業の巨額の内部留保、アベノミクスの成果として、経済の好循環を回すための原資とすることが必要だというふうに思います。 その内部留保を原資とすることができれば、国民に増税などの新たな負担を求めずに必要な政策を推進できるというふうに思います。共産党さんは内部留保に課税しろと、した方がいいんじゃないかと提案いただいていますが、様々な検討、幅広い検討が必要だということを、時間が参りましたので、このことはまた引き続き議論させていただくということを申し上げて、質問を終わりたいというふうに思います。 ありがとうございました。
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。 本日は大臣所信に対する質疑ということで、順次質問をしてまいりたいと思いますが、初めに、三月十一日には東日本大震災から十四年目の節目を迎えることとなりました。一昨日の本委員会の冒頭にも黙祷がささげられたところでございますが、改めて、犠牲となられました皆様に哀悼の意を表しますとともに、この十四年間、震災の風化にあらがいながら、日々心の復興、そして人間の復興を支えてくださいました全ての皆様に心からの敬意を表したいと思います。 その上で、震災で大きな痛手を受けた地域の一つでございます岩手県の大船渡市では、先月二十六日以降、大規模な森林火災が発生しましたが、政府の迅速な災害救助法の適用によりまして、避難所の設置を始め自衛隊や消防による空と陸からの懸命な消火活動のおかげで、先週末には火災が鎮圧され、三月十日には火災に伴う避難指示が全て解除されたところでございます。 この場で改めて、消火、救援活動をいただきました全ての皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。 そこで、まず、財務省及び金融庁に質問をしたいと思いますけれども、今回の岩手県大船渡市で発生をいたしました大規模山林火災によって被災された被災事業者等に対する金融面からの支援措置について確認をしたいと思います。
○政府参考人(寺岡光博君) 今般の大規模火災に対する金融面での支援措置ですが、まず日本公庫等におきまして、去る二月二十六日の災害救助法の適用を受け、直ちに大規模火災に関する特別相談窓口を岩手県内の全支店を含めて五か所に設置し、現在、事業者の方々からの既往債務に係る返済猶予を始めとした相談に応じているところでございます。 被災された中小・小規模事業者の方々への資金繰り支援としましては、通常の貸付けより低利となる災害復旧貸付けも併せて開始されておりまして、事業者の資金繰りに重大な支援が生じないよう、適時適切な貸出しや既往債務に係る相談など、窓口における親身な対応を含め、日本公庫等が事業者の実情に応じた十分な対応に努めていきますよう、財務省としても関係省庁と連携しながら対応してまいりたいということでございます。
○政府参考人(伊藤豊君) 金融庁の対応をお答え申し上げます。 金融庁といたしましては、日本銀行と連携をいたしまして、二月二十七日付けで民間金融機関に対する金融上の措置要請を発出しております。具体的には、民間金融機関に対しまして、今般の災害等の状況、応急資金の需要等を勘案して、融資相談所を開設することや、融資審査で求める提出書類を必要最小限にとどめること、融資の迅速化を図ること、既存融資の返済猶予等の貸付条件の変更に柔軟に対応することなど、被災事業者等の便宜を考慮した適時的確な措置を講ずることを要請しているところでございます。 実際に、被災地の金融機関におきましては、こうした要請も踏まえまして、取引先である被災事業者等の被害状況を確認し、休日相談窓口の設置や災害復旧のための特別な融資商品の提供を行うなど、被災事業者等の支援に積極的に取り組んでいるものと承知をしております。 金融庁といたしましては、引き続き、関係省庁とも連携をいたしまして、民間金融機関に対し、被災事業者等に対する柔軟かつきめ細かな支援を徹底するよう促してまいりたいと考えております。
○杉久武君 火災こそ鎮圧をされましたが、震災後に再建をされました倉庫や水産加工場が全焼などの被害を受けるなど、今後の調査によっては更なる被災状況が明らかになる可能性がございます。 石破総理には、今回の火災を激甚災害の対象に指定する方針を明らかにされておられますので、加藤大臣を始め政府一丸となっていただきまして、今御答弁いただきました措置はもとより、地域の企業や産業を守るためにも、なりわいの再生や生活の再生につきましても引き続き手厚い対応をいただきますようお願いを申し上げたいと思います。 金融庁に対する質問は以上になりますので、金融庁、御退席していただけるよう、委員長、お取り計らいをお願いいたします。
○委員長(三宅伸吾君) 金融庁関係者は御退席いただいて結構でございます。
○杉久武君 次に、納税環境の整備という観点から質問してまいりたいと思いますが、現在、令和六年分の所得税の確定申告でございまして、来週十七日が納税申告の期限となっておりますが、確定申告の初日となりました先月十七日に、私は、地元大阪天王寺にございます納税協会で開催された税務相談会場をお伺いをし、併せて、相談会場と隣接をしております天王寺税務署を訪問をいたしました。相談会場では税理士の先生方が相談に来られた方々に丁寧なアドバイスを行っておられました。また、天王寺税務署では山口尚子署長と懇談の機会をいただきましたが、税務署の職員の方々には、国家存立の基盤である税を支え、日々使命感を持って職務に邁進されているということを実感をしたところでございます。 また、ここ数年はパソコンやスマホによる申告も普及していることから、納税者の皆様の利便性向上や手続の迅速化、そして納税業務の効率化も一定程度進んでいることを実感したよい機会となりましたが、その主軸を担っているのがe―Taxでございまして、私自身も自分の確定申告で先週利用したところでございますけれども、全般的には年々使いやすくなっているように感じております。 そこで、国税庁に質問いたしますけれども、e―Taxによる国税に関する利用状況について、特に申告手続については法人税申告や所得税申告など税目ごとの利用状況について確認をするとともに、e―Taxの更なる利用拡大と利便性向上に向けた対策についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(小宮敦史君) お答え申し上げます。 e―Taxの利用状況につきまして、令和五年度の実績を申し上げますと、法人税申告は対前年比プラス一・三ポイントの八六・二%、所得税申告は対前年比プラス三・六ポイントの六九・三%、消費税申告は、法人が対前年比プラス二・九ポイントの八八・七%、個人が対前年比プラス三・六ポイントの七三・五%となっておりまして、順調にe―Tax利用が拡大しているものと認識してございます。 国税庁といたしましては、更なるe―Taxの利用拡大に向けまして、令和六年分の確定申告から、国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーにおいて、所得税の全ての画面でスマホでも操作しやすい画面を提供していますほか、アンドロイド端末のスマホ用電子証明書搭載サービスに対応することで、マイナンバーカードをかざすことなくe―Taxへのログインや送信を可能とするなど、税務行政の効率化を図りつつ、納税者利便の向上に取り組んでおります。 また、中期的なオンライン利用率の目標を掲げて取組を推進しておりまして、引き続きこうした取組の周知、広報を徹底するなど、e―Tax利用拡大に取り組んでまいりたいと考えております。
○杉久武君 利便性の向上に向けて引き続き強力に推進していただきたいと期待しておりますけれども、他方、取引自体もグローバル化やデジタル化が著しいため、納税のための徴収や調査実務など、年を追うごとに複雑になっていることから、増大する事務量に対応する国税職員に対する負荷というものが相当程度厳しいものになっているというふうにも伺っております。 そこで、引き続き国税庁に質問いたしますけれども、国税庁の定員について過去二十五年間の推移を確認をするとともに、あわせて、過去二十五年間の所得税の申告者数、法人税の申告件数、個人事業者の消費税の申告件数、そして法人税の実調率の推移についても確認をしたいと思います。
○政府参考人(小宮敦史君) お答え申し上げます。 国税庁の定員は、厳しい行財政事情の中、平成十年度以降しばらく純減が続いてまいりました。平成二十九年度からは純増に転じてはおりますものの、現状と二十五年前を比較いたしますと、年度末定員ベースで七百二十人の減、国家公務員の定年引上げに伴う特例的な定員措置による一年間の時限定員三百八十一人などを除きますと千人を超える減となるなど、依然厳しい状況が続いております。 また、所得税の申告者数は、令和五年分で約二千三百二十四万人と、二十五年前と比較しておよそ三百万人程度の増加、法人税の申告件数は令和五年度に約三百十八万件と、二十五年前と比較いたしましておよそ五十万件程度の増加、個人事業者の消費税申告件数は令和五年度に約二百三万件と、二十五年前と比較しておよそ百四十万件程度の増加となっておりまして、国税庁の定員が減少している一方で、申告件数の増加が見られるところでございます。 法人の実地調査割合、いわゆる実調率でございますが、経済活動のグローバル化、デジタル化に伴う調査事務の複雑困難化などによりまして実地調査一件当たりの日数が増加していること、また法人数が年々増加傾向にあることなどから、近年低下傾向にございまして、令和五事務年度時点で一・七%と、二十五年前より四・〇%減少しているところでございます。
○杉久武君 今御答弁いただきましたとおり、所得税の申告者数は二千三百万人を超えておりまして、法人税の申告件数も三百万件を超えている。申告件数が三百万を超えまして高水準で推移をしている一方、国税庁の定員につきましては、ここ数年増員が認められているとはいえ、二十五年というスパンで見ますと千人以上も減少しているという事実がございます。 またさらに、法人税の実調率に至っては近年二%を下回っているという、今こういう御答弁がございました。この実調率二%が表す意味につきましては、簡単に言ってしまえば、ある企業が五十年に一度税務署の方に調査に来られるという、まあ単純に頭割りをするとそんなイメージになるのかなというふうに思いますし、仮に企業寿命三十年説というのもよく言われるところですけれども、それが前提とすれば、一度も国税職員と接する機会がないということにもなりかねないわけでございまして、納税意識の希薄化やコンプライアンス意識の低下に直結しかねないのではないかというふうに危惧も抱いているところでございます。 さらに、我が国を取り巻く経済環境が劇的な変化を遂げる中で、仮想通貨であったり消費税の不正還付といった匿名性や潜在化する新たな経済活動に対処していくために必要な専門家集団である国税職員が果たして十分に足りているのかという疑問を抱かざるを得ません。 そこで、国税庁に続けて質問いたしますけれども、国税庁の現在の定員について率直な見解を伺うとともに、来年度の定員査定を受けて、国税庁として機能維持や調査体制の整備、充実を図ることができるのか、確認をさせていただければと思います。
○政府参考人(小宮敦史君) お答え申し上げます。 国税庁の定員につきましては、厳しい行財政事情の中、適正、公平な課税、徴収を実現するため、これまでも所要の体制確保に努めてきたところでございますが、税務行政を取り巻く環境は厳しさを増している中、引き続き税務執行体制の強化を図っていくことが重要と考えているところでございます。 こうした中、令和七年度予算案におきましては、消費税不正還付への対応、インボイス制度の円滑な実施への対応などを図るための所要の体制整備を盛り込みまして、国税庁の定員は五十三名の純増となっているところでございます。 今後とも、適正かつ公平な課税、徴収を実現すべく、業務の効率化を図りつつ、必要な機構、定員を確保し、税務執行体制の強化を図ってまいりたいと考えております。
○杉久武君 国税職員の皆様と立場こそ違いますけれども、私は公認会計士として様々な現場を入ってまいりました。その監査の現場で不可欠なものは、やはり最後はマンパワーになってくるのかなというふうに感じております。 デジタル化とかAIとか様々な新しい技術によって効率化できる点はあろうかと思いますけれども、やはりこの専門性の高い、また経験豊富な職員による、私、最後はやっぱり嗅覚みたいなものは養っていかないといけないんではないかと。その意味においては、国税職員の充実というのは不可欠であるということは言うまでもないというふうに思っております。 そこで、具体的にお伺いをしていきたいと思うんですけれども、そもそも我が国の租税収入の中で今最も大きい金額の税目は消費税でございます。多くの納税者が正しく消費税の申告や納税を行う一方で、報道等でも散見されるとおり、消費税の制度を悪用し、虚偽の内容を申告して消費税の還付を不正に受けようとする事案が増加をしております。 そこで国税庁に質問いたしますけれども、消費税の還付申告税額の推移及び不正還付の件数について確認するとともに、具体的な不正還付の手口についても確認をしたいと思います。
○政府参考人(小宮敦史君) お答え申し上げます。 消費税の還付申告税額について直近三年度の金額を申し上げますと、令和三年度は約五・九兆円、令和四年度は約七・一兆円、令和五年度は約七・三兆円となっております。 不正還付の件数につきましては、令和五事務年度におきまして、消費税還付申告法人に対して五千四百二十五件の実地調査を行い、このうち不正計算を把握したものが八百四十六件ございます。 不正還付の手口につきましては、個別の事案については、守秘義務の関係上、お答えができませんので、事案を一般化して申し上げますと、例えば、輸出免税制度を悪用いたしまして、商品を国内で仕入れて国外へ輸出したかのような虚偽の申告をいたしまして不正に還付金を受けようとしていた事例などを把握しているところでございます。
○杉久武君 言うまでもなく、消費税は国民生活に直結をする極めて関心の高い税目でございますので、今答弁いただいた消費税の不正還付事案などは消費税に対する国民の信頼を著しく損なう重大な犯罪でございますので、税に対する信頼を維持するためにも、間断なき対応を行う必要があるというふうに思います。 そこで、引き続き国税庁に質問いたしますけれども、消費税の不正還付に対する取組をどのように行っているのか。特に、消費税還付申告法人に対する消費税調査の状況について確認をするとともに、消費税の不正還付の告発件数や不正還付額の推移について確認をしたいと思います。
○政府参考人(小宮敦史君) お答え申し上げます。 消費税の不正還付事案は、輸出免税制度を悪用するなど、事案が複雑巧妙化しております。国税当局としても、重点課題と位置付け、取り組んでいるところでございます。 具体的に申し上げますと、消費税に係る還付申告書につきまして、申告書の添付書類や保有する資料情報等に基づいて厳格な審査を行います。その上で、申告内容に疑義があれば、還付を保留し、書面照会や実地調査を行うなどして還付原因等の解明、確認を実施し、申告内容に誤り等が認められた場合につきましては確実に是正をするとともに、特に悪質な脱税者につきましては、刑事責任を追及するため査察調査を行うなど、国税当局として厳正に対応しているところでございます。 消費税還付申告法人に対する消費税調査の状況につきましては、令和五事務年度におきまして、五千四百二十五件の実地調査を行いまして、約三百九十億円を追徴課税したところでございます。このうち不正計算を把握したものが八百四十六件でございまして、その不正計算に係る追徴税額は約八十一億円となっております。 また、検察庁に告発をいたしました消費税不正還付事案の告発件数及び不正還付額の推移につきまして、これは直近三年度の状況を申し上げますと、令和三年度が九件、四億三千四百万円、令和四年度が十六件、十三億四千七百万円、令和五年度が十六件、四億五千四百万円となっております。 今後とも、不正還付事案の対応や手口も見極めながら、厳格な審査と的確な税務調査等を通じて不正還付の防止に努めてまいりたいと考えております。
○杉久武君 不正還付に関する調査には複雑な取引形態が多いために、消費税調査を専門に担当する部署の設置や定員を増員するなど、相当なマンパワーを確保した上で様々な資料の収集や分析を行っていると伺っておりますけれども、こうした調査そのものが長期化しているのではないかという指摘もございます。調査の長期化を始め告発件数が少ないように感じるのは、結果のところ、マンパワー不足によるところも大なのではないかと個人的に感じるところもございます。 そこで、国税庁に引き続き質問いたしますけれども、消費税調査を専門に担当する消費税専門官の人数と設置税務署の数、そして消費税専門官の増員、増設についてどのような認識を持っているのか、確認をさせていただければと思います。
○政府参考人(小宮敦史君) お答え申し上げます。 消費税専門官につきましては、令和六年度時点で国税庁全体では三十九措置されておりまして、全国で五つの国税局と十八の税務署に設置をしております。令和七年度予算案におきましても、消費税の不正還付への対応を重点課題として位置付けて取り組んでいることを踏まえまして、新たにプラス二の増設を行うこととしているところでございます。 今後とも、消費税の不正還付事案への厳正な対応のため、所要の体制強化に努めてまいりたいと考えております。
○杉久武君 どの部署であれ大変な労力を必要とすることは承知しておりますが、その上で、まずもって消費税専門官の増員、増設は必要ではないかというふうに感じておりますので、よろしくお願いします。 今からもう九年ほど前になりますけれども、私は、財務大臣政務官を仰せ付かりました際に、埼玉県和光市にございます税務大学校を視察をさせていただきました。そこで私が目にした光景は、国税職員の皆様が本当に熱心に、また真剣に研修を受けられている姿でありまして、その使命感と強い責任感に感銘を受けたことを覚えております。 しかしながら、こうしたプロフェッショナルを育成することは一朝一夕には成りませんので、税務大学校での研修はもとより、ベテラン職員が培ってきた現場での調査や徴収といった貴重な経験、ノウハウというものを連綿と継承していく必要があるわけですので、そのためにも、毎年滞りなく、かつ継続的に職員数を確保していくことは組織の機能を維持するために不可欠であるということは言うまでもございません。 そこで、加藤大臣に質問いたしますけれども、国税職員の定員確保と処遇改善に向けた大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 今、委員の御質問のある中でおいても、今の国税の状況について一つ一つ御指摘を頂戴したところでございます。 適正、公平な課税、徴収、これを実現していくためには税務執行体制の日々の強化を図っていくということが重要と考えております。令和七年度予算案においても、先ほど御説明させていただいたように、所要の体制整備を図るため、国税庁の定員を五十三名の純増としたところであります。 今後とも、適正、公平な課税、徴収を実現をしていくため、国税職員の定員確保、処遇の改善を図り、税務執行体制の強化に日々努めていきたいと考えております。
○杉久武君 繰り返しになりますけれど、やっぱりマンパワーの確保というのは、我が国の根幹である税を維持する生命線となろうかと思います。我が国の財政基盤である歳入確保の最前線で奮闘いただいております国税職員の皆様に対し、大臣も思いを致していただいて、増大する事務量に見合った定員の拡充を始め、処遇改善や職場環境の整備に向けて御尽力賜りたいというふうにも思います。 次に、消費税に関連して、外国人旅行者向けの消費税免税制度について確認をしたいと思います。 現在の輸出物品販売場制度では、免税販売を行う時点で消費税をあらかじめ免税をした上で販売していたものでございましたが、こうした販売の結果、いわゆる転売ヤーといった言葉に象徴されるように、免税された購入品が国内で横流しされるといった不正販売が多発しているとの指摘がされてまいりました。 そこで、国税庁に質問いたしますけれども、輸出物品販売場制度を悪用した不正購入事案の件数と金額、制度を悪用した購入者の手口とその対処について確認するとともに、ペナルティーを受けた免税店の許可取消し件数についても確認をしたいと思います。
○政府参考人(小宮敦史君) お答え申し上げます。 国税当局として、輸出物品販売場制度を悪用した不正事案につきましては、電子化された購入記録情報を含め様々な資料情報の収集、分析等を行い、課税上問題があると認められる場合には税務調査を実施するなどして、不適正な免税販売の是正に努めているところでございます。 このうち、購入者に対する税務調査につきましては、令和三年七月から令和六年六月までの三年間に四十九件実施しておりまして、消費税額合計十六億円を賦課決定しております。また、不適正な免税販売を行った輸出物品販売場につきましても、追徴課税を行うことと併せましてその許可取消しなどの対応を行っておりまして、令和三年度から令和五年度までの三年間では二十二件の許可取消しを実施しているところでございます。 不正の手口につきましては、先ほども申し上げましたとおり、守秘義務の関係上、個別の事案についてはお答えできないため、事案を一般化して申し上げますと、ブローカー等の指示の下、多量多額の免税購入を行った上で、国外に持ち出さずに国内転売することで不正利益を得るといった事例があると承知しているところでございます。 国税庁といたしましては、引き続き、制度を悪用した不正事案に対しまして、税関当局とも緊密に連携し、厳正に対応してまいりたいと考えております。
○杉久武君 こうした転売ヤーへの販売防止は免税店の義務となっておりますけれども、そもそも購入者の把握自体が難しい上に、仮に購入者の確認ができなかった場合、追徴課税が免税店に課せられるという点では、ある意味理不尽な部分もあるんではないかというふうに感じております。 そこで、昨年末に閣議決定された令和七年度税制改正大綱に盛り込まれましたのが輸出物品販売場制度の見直しでございますけれども、本制度の見直しによりまして、現在の免税制度に伴う不正利用を排除するとともに、免税店における業務負荷を解消し、免税手続の利便性の向上が図られるものと期待をしているところでございます。 そこで、財務省に質問いたしますけれども、輸出物品販売場制度の見直しの概要及び免税手続の手順について確認をするとともに、見直しに伴う制度導入に向けたスケジュール感について確認をしたいと思います。
○政府参考人(青木孝徳君) お答え申し上げます。 外国人旅行者向けの免税制度につきましては、免税購入品の国内転売といった制度の不正利用を防止する観点から、物品の購入時に免税の適否を判断するのではなく、課税で販売し、出国時に税関で購入品の持ち出しを確認した場合に消費税相当額を返金するリファンド方式に見直すこととしております。その際、外国人旅行者の利便性向上や免税店の事務負担の軽減の観点から、消耗品か否かの区分をなくして、消耗品に関する購入上限額や特殊包装要件を廃止するなどの見直しも行うこととしております。 また、免税を受ける旅行者の手続について申し上げますと、出国時に、空港に設置されました専用の端末で持ち出しの確認手続を受けまして、その確認後に消費税相当額が返金されることになります。 リファンド方式への移行につきましては令和八年十一月からの施行を予定しておりますが、それまでに、免税店の事業者や国税庁でのシステム改修や混雑防止に向けた空港等での体制の整備が必要と承知しております。 この新方式の実施に向けまして、引き続き、関係省庁や業界団体と緊密に連携して対応してまいりたいと考えております。
○杉久武君 今御答弁もありましたとおり、従来の免税店における免税から、一旦課税をした状態で販売をした後に、外国人旅行者が出国時に自ら返金手続を行っていただくというリファンド方式への変更によりまして、従来の不正利用を解消できることは高く評価できると考えております。 また一方で、制度の移行に伴うコスト増やシステム変更といった新たな負担が生じると思いますし、また出国時における税関における業務も増えるのではないかというふうに考えております。課税の公平性や透明性を担保するためにも、リファンド方式の導入は不可欠であると考えますので、円滑な施行に向けて、政府からも適切な対応をよろしくお願いしたいと思います。 その上で、税関業務についてお伺いをいたします。 言うまでもなく、税関は我が国の玄関口を担っていただいておりまして、激増するインバウンドや輸入貨物への円滑な対応を始め、金地金の密輸入や知的財産侵害への対処など、名実共にあらゆる犯罪に対する水際での取締りをしていただいております。 そこで、本日は、税関における不正薬物の取締りについて伺いたいと思いますけれども、近年、不正薬物の押収量が劇的に増加し、昨年は不正薬物の押収量が初の二年連続二トン超えとなり、大麻、麻薬の摘発件数が過去最高を記録をしております。これら押収量は、ひとえに税関職員の皆様による高度な摘発能力のおかげであるということは言うまでもございませんが、他方、摘発量の急増は密輸量の総体の増加であるとも考えられますので、非常に憂慮すべき事態であるということも言うまでもございません。 そこで、財務省に質問いたしますけれども、令和六年の全国の税関における関税法違反の取締り状況、特に不正薬物の取締り状況について確認をするとともに、不正薬物の押収量が急増している背景についてどのように認識をしているのか、また税関における検査・摘発体制について確認をしたいと思います。
○政府参考人(高村泰夫君) お答え申し上げます。 令和六年の税関による不正薬物の押収量は初めて二年連続で二トンを超えており、また、大麻、麻薬の摘発件数が過去最高を記録するなど、日本への不正薬物の流入は依然として極めて深刻な状況となっております。 近年の不正薬物の押収量の急増は、中東や中南米からの大口の覚醒剤の摘発が相次いだこと、タイなどアジアからの大麻の摘発が増加したことなどを背景としております。 こうした状況に対応するため、税関では、人員の適正配置を行いつつ、所要の人員確保等、必要な体制整備を図ることに加え、国内外の関係機関との情報交換や乗客予約記録などの情報の活用、エックス線検査装置、不正薬物・爆発物探知装置などの取締り検査機器の活用、警察や海上保安庁などの関係機関との合同取締りなどの対策を講じているところです。 今後とも、不正薬物などの密輸防止のため、水際対策に万全を期してまいります。
○杉久武君 税関の皆様の御奮闘にも感謝申し上げますとともに、引き続きの取組をお願い申し上げまして、時間が参りましたので、以上で質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻健史です。よろしくお願いいたします。 質問通告をしていたんですが、今日の今までの議論を聞いて、お聞きする内容等をがらりと変えたいと思いますが、質問通告にはそれほどそごがないと思いますので、お許しいただきたいということと、もう一つ、質問通告をした中でかなり残っちゃうものがあると思いますので、それは次回以降お聞きしますので、お許しいただければというふうに思います。 いつも政府は経済あっての財政とおっしゃるんですが、今朝、加藤大臣がちょっと言い間違えられましたように、私は、財政あっての経済だと思うんですよね。要するに、もう財政がかなり厳しくて、財政こければ日本経済は終わりという意味では、まさに財政あっての経済ではないかなというふうに思います。 今日、朝、国家存亡の危機という言葉が自民党議員の方から出ましたので、ちょっとそれに触れますけれども、私もそれは同感です。ただ、全く真逆に、国会議員、自民党議員の方は、財政出動を十分していない、減税をしていないということで国家存亡の危機に陥るというふうにおっしゃっていましたけれども、私は逆に、財政が危機であり、中央銀行が危機であるがゆえに現在国家存亡の危機ではないかと、こういうふうに考えております。 先ほど来、借換債を発行し、中央銀行が買い続ければ財政に問題がないと、他の国も中央銀行が買い付けているではないかという話がありましたが、他の国で日本ほど中央銀行が国債を買いまくっている国はないということは指摘したいと思います。何せ発行残高の半分以上をもう日銀が持っているわけですからね。 それに関してちょっと、先ほど加藤大臣が、日本の国債、市場の信認を得ているというふうにおっしゃいましたが、信認なんか得ているわけではなくて、国債を二〇一二年以降、九五%を新発国債を日銀が買っているからこそ値段が上がる、長期金利は低いということで、決して日銀、市場の信認を得ているわけではないということも申し続けておきたいと思います。 これは、日銀が買い続けているというのが、今まで私の長いマーケット経験でも初めてです、世界、歴史的にも初めてだと思うんですけれども。これ買い続けていると何が起こるかというと、当然、物価高ですよ、悪性インフレ。例えば、加藤大臣にしろ私にしろ、給料、もう財政赤字ですから、税収からは払ってもらえない。だから、しようがないから日銀が紙幣を刷って、そのほっかほっかの紙幣を我々にくれて、そうやって生きてきているわけですよ。 しかしながら、物やサービスと同じように、供給過多になればその価値が落ちるのは当たり前なんです。お金も供給過多になればその価値だって下がる。それは、例えば薩摩藩、昔、薩摩藩が鉄砲を買おうというときに、買うために裏で藩札を刷っていれば、もういずれ誰もその藩札なんか信用しなくなる。同じように、お金を刷りまくれば、そのお金の価値が毀損する、物価高が続くという意味で、まさにその薩摩藩の例と同じだと思うんですよね。ですから、日銀が国債を買っているから大丈夫なんていう議論には全くならないと私は思うんです。 その一方、逆に買わないとどうなるかという話なんですけれども、長期金利は急騰して、日本のもう予算なんかは組めなくなりますよね、金利支払増で。 それから、昨日、私も予算委員会で質問をしましたけれども、今、日銀の債務超過、国債保有の評価損どのくらいあるかと聞きましたところ、日銀の加藤理事が昨年度上期で十三兆円と。それから、〇・一%上がるごとに三兆円の評価損が増えるとおっしゃったんです。ただ、十三兆円というのが去年の九月ですよ。今はそのおっしゃったとおりに計算して三十一兆円もの評価損ですよ。とんでもない評価損。これから金利が上がったら〇・一%ごとに、長期金利が上がったら〇・一%ごとに三兆円もの評価損が出てきちゃって、そんな中央銀行を世界の人々が信用してくれるのかなという不安が出てくるわけで、日銀が買わなくても買っても、とんでもない時代が来るんではないかなというふうに私は思っています。 じゃ、質問に入る前にもう一つだけコメントさせていただくと、税金は円で払うから大丈夫だという御意見もありましたけれども、今は円は必ず必要だって、そんな、今、それは外為市場があるんですから、私なんかも、円を払う十七日に、引き落としだからもうちょっと先ですけど、そのときにドルを円に換えればいいだけの話であって、円を持っていなかったら何ともならないという話では全くないと思います。 ということで、質問に入りたいと思うんですが、世界最大の借金国でありながら財政は大丈夫だというふうにおっしゃる日本と比べて、アメリカではイーロン・マスク氏がDOGE、政府効率化省を設立して、五年間で三分の二、政府歳出を減らすというふうにおっしゃっているわけですよ。まさにそれは、このままでいくと財政が回らないと、とんでもないことになるからということが一つと、もう一つは、今までの政府主導の経済から民間主導の経済に変えようということで歳出を三分の二にしようと言っているわけです。 一方、もう一つ、アルゼンチンのミレイ大統領、アメリカのトランプと言われてましたけど、我々には金がない、政府支出を削減すべきということをキャッチフレーズにまさに実行して、アルゼンチンの経済、回復しつつあるわけです。 その一方、日本、まさに毎年毎年赤字国債発行されるし、どんどんどんどん支出が大きくなっちゃって、対GDP赤字の半分のアメリカでさえそれだけ必死になってやっているのに、日本は何にもやらないで皆さんのうてんきと。これ大丈夫でしょうかね、大臣。
○国務大臣(加藤勝信君) 米国においては、政府効率化省が設立をし、歳出削減に取り組んでおり、またその背景には、今委員御指摘のそんな思いがあるんだろうというふうには思っております。 また、アルゼンチンのミレイ大統領においても、これもアルゼンチンは度重なってデフォルトを経験されておりますが、こうしたことも踏まえながら対応されているものと承知をしております。 〔委員長退席、理事船橋利実君着席〕 我が国の財政についてお話がありました。 財政の状況は、債務残高対GDP比が世界最悪の水準にあるなど厳しい状況にあるということは申し上げさせていただいているところでございます。 そうした中で、持続可能な形で歳入歳出のバランスを保つことが重要ということ。そして、財政運営に当たっては、先ほど、経済あっての財政、また、財政あっての経済というお話がありました。ある意味では、財政も、先ほど申し上げたように、国民の生活、暮らしを守り、経済活動を維持していくという役割を担っているというのはそのとおりだと思っておりますが、現下の状況を考えると、まずは経済再生をしっかり進めていく、そしてその中で、やはり財政の健全化も図っていくことが重要ということで、経済再生と財政健全化の両立を図るということで今取組をさせていただいているところでございまして、財政健全化ということが全く念頭にないわけではなく、これまでも財政健全化の取組一つ一つ進めさせていただいているというふうに認識をしております。
○藤巻健史君 忘れているわけではないどころではない状況じゃないかなと私は思いますので、財政健全化を本当に必死で考えるべき時期じゃないかなというふうに思っています。 ということで、PB黒字化の話も今日、先ほど出ていましたので、今と関連して、PB黒字化、質問通告八番と九番の方にちょっと先に飛ばさせていただきますけれども。 PB黒字化が出てきたのは二〇一〇年のトロント・サミットのときだったと私は理解しているんですが、あのときは、他の国はもっと厳格なる赤字対策を約束したんですが、日本だけPB黒字化という甘っちょろい目標が出てきたわけですが、これはなぜでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 二〇一〇年のトロント・サミットでは、二〇〇八年のリーマン・ショック、また二〇〇九年のギリシャの債務危機を経験する中で、世界経済の回復のための経済政策の必要性に加えて、各国による健全な財政運営の重要性についても議論が行われたと承知をしております。 同サミットの首脳宣言において、景気回復と財政健全化のバランスを踏まえ、各国の状況に合わせた財政健全化計画を作る必要性が指摘をされております。 そして、この宣言の中において、御指摘のように、先進国については、二〇一三年度までに少なくとも赤字を半減させ、二〇一六年までに政府債務の対GDP比を安定化又は低下させるとされていく中で、日本については、金融危機以前から構造的に債務が累増していること、また、他の主要国と比べて債務残高が突出して高いこと等の構造的な問題を踏まえ、フロー面では、二〇一五年までにプライマリーバランスの赤字の対GDP比を二〇一〇年度の半分以下とし、二〇二〇年度までにプライマリーバランスを黒字化すること。また、ストック面では、二〇二一年度以降において公的債務残高の対GDP比を安定的に低下させるという当時の日本政府の財政健全化計画が認められたものと承知をしております。 〔理事船橋利実君退席、委員長着席〕
○藤巻健史君 認められたとおっしゃいましたが、私に言わせると、日本は他国のような厳しい財政黒字化目標は到底できないから、まあ五周遅れでしようがないけれども、PB黒字化を目標として認めてもらったというふうに私は理解しておるんですが。要するに、他国に比べてその時点で五周遅れなわけですが、そのPB黒字化でさえ全く達成される気配がないわけですよね。 で、その後、ところが日本では、PB黒字化が達成されると財政再建が成ったかのような印象がもう蔓延しちゃっているわけですけれども、これ、ドーマーの定理によりますと、PB黒字化になった後に、GDPの成長率が長期金利よりも高ければその後の財政が収縮してくるというわけです、というのがドーマーの定理なんですけれども、要するに、経済成長の方が長期金利よりも高い。経済成長というのと税収って大体大ざっぱに言えば比例しますから、要するに、税収の方が長期金利の支払よりも多ければ借金は減っていくと、まあこれは当然の話だと思うんですけれどもね。この前提が、PB黒字化が達成した後の前提は、GDP成長率が長期金利よりも高いというのが大前提なわけですよ。 ところが、今、先ほど来というか、昨日から今日ずっと申し上げていますように、今、日本の長期金利が低いのは日銀がもうめちゃくちゃに爆買いしているからであって、これは日銀が手を引き始めたらどうなっちゃうのと。私は、長期金利暴騰しちゃうと思うんですけど。そうすると、長期金利の方がいつまでたってもGDP成長率よりも高いという状態、だから、PB黒字化が達成したところでどんどんどんどん損は拡散していっちゃう。非常に重要な問題であって、その辺をまだ全然国民理解していないんじゃないかと私は思うんですよ。 だから、PB黒字化はまさに財政黒字化へのスタートラインであって、そのスタートラインさえも日本は到着していないということをきちんと認識させるべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) PB黒字化は利払い費を除く政策的経費と税収とがバランスする状態であります。 今お話がありましたように、将来の名目経済成長率と名目金利の水準、この状況によって動向変わってきますが、ただその水準について政府として確たることが申し上げることができないと。こうした中において、債務残高対GDP比を安定的に引き下げるための重要な指標としてPB黒字化を財政健全化指標の目標としているところでありますし、そこは意義があるものと考えております。 その上で、現下の厳しい財政事情を踏まえれば、中長期的な財政の持続可能性の信用を確保していく観点から、骨太方針においてPB黒字化を目指すとともに債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指すとされているところでありまして、こうした対応が重要だと考えております。 PB黒字化自体は目的ではなく、財政を健全化させる過程においてPBの黒字化が必要となるものと考えており、PBの黒字化のみをもって財政健全化が達成されるということは全く考えておりません。
○藤巻健史君 それはそうお聞きしまして安心いたしましたけれども、ちょっと時間がもう余りないので簡単なことを幾つか質問をさせていただきたいと思います。 ちょっと世の中にとんでも理論がまかり通っているんで、その辺をちょっとただしたいと思っているんでお聞きいたしますけれども、よく国と家計の借金は違うという議論がありますが、それについて大臣はどうお思いでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 家計と国の財政を全く同一に論じられるとは考えておりませんが、国家であっても際限なく国債を発行して財源が調達できるというものではないと認識をしております。 仮に、中央銀行が紙幣を発行して、国債を無限定に引き受ける前提で財政金融政策の運営が行われることになれば、財政の持続可能性や財政運営に対する信認が失われ、金利の急上昇や過度のインフレによる国民生活に深刻な悪影響が生じるおそれがあります。また、大規模災害、パンデミックなどの不測の事態に対応し、国民生活を守るための財政余力も失われるものと考えております。 そういった意味においても、政府としては、先ほどから申し上げておりますように、経済の再生と併せて財政の健全化に取り組む必要があるということを申し上げているところでございます。
○藤巻健史君 まさに同じ意見でございますけれども、要するに、返さないと、どちらにしたって、家計にしろ政府にしても借りた金は返さなくちゃいけないと。返さなければ二度と誰もお金なんか貸してくれないよという話だろうと思います。唯一の違いは、国には徴税権があるけれども個人にはないと、それだけの違いかなというふうに思っています。 最後の質問、時間がないんで最後の質問にいたしますけれども、よく統合政府論、政府と日銀を一緒にすれば財政は健全化であるという話を聞きますが、それについて大臣どうお考えでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 政府と日銀のバランスシートを連結した統合政府の考え方についてであります。 日銀は政府から独立して金融政策を決めているにもかかわらず、政府は日銀が永久に国債を購入、保有し続けることを念頭に置いているのではないか、したがって、結果的に財政ファイナンスを狙っているんではないかといった誤解といいましょうか、そういったことを生じさせるおそれもあり、財政の現状を統合政府で考えることは適切であるというふうには考えておりません。
○藤巻健史君 考えるのは適切ではないんですが、考えてみると、日本の統合政府というのは、長期運用、短期調達という極めて金利上昇期に危ない状況になっているという事実はあると思うんです。アメリカのシリコンバレーバンクが倒産したのはまさに長期運用、短期調達ですが、それにも増してひどい状況になっているのは日本の統合政府だろうというふうに思います。非常に危険だと思いますので、是非財政再建のことを力を入れてしていただきたいというふうに思います。 以上です。
○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。 植田総裁、連日ありがとうございます、お越しいただきまして。 植田総裁にちょっと質問させていただく前に、また、今のハイパー藤巻氏と同様に、西田先生にちょっとだけ、さっき言及がありましたので、三党協議のことについて言及がありました。私たちも、給料表を見たら、給料から所得税が引かれて、住民税が引かれて、社会保険料が引かれていると。この社会保険料の方が税金より大きいやんかと、だからこの社会保険料を何とか安くできないかという問題意識を持っているというところは共通です。 だから、この社会保険料を下げるために我が国の社会保障制度を改革していく必要があるのではないかと。その一つに、医療費、国民医療費を四兆円下げる、一人頭六万円と提言させていただいていますけれども、自民党の方でも念頭に置いていただくという御発言がありますけれども、例えば、これベッドを減らすとかいきなりそういう話ではなしに、OTC類似薬品とかいうのがあって、七千品目一兆円と言われています。だから、こういうところ、処方箋があってもなくても同じような医薬品が提供されるわけですから、それでは保険適用の中からそれを外して一兆円軽減できるんではないか、こういう提案でございますので、是非御理解をいただきたいと思います。 それでは、植田総裁、ありがとうございます。今日、植田総裁に質問をさせていただきたいなと思いましたのは、実は、先日、衆議院の公聴会で渡辺努東大教授にお越しいただきまして、それで、渡辺先生におかれましては、私たち、普通に考えると、二〇一三年から異次元の金融緩和をやって、バランスシートすごく膨らませてしまって、それでマネタリーベースもこんなに増えていると。だから、それを収束させるためには、まずそのマネタリーベースを減らして、当預残を減らして、それから、日銀発行券は余り変わりませんけれども、当預残高を減らして、その上で金利の上昇に、金利を上げるべきではないかと、普通に考えるわけですけれども、今、日銀がされていること、それから渡辺先生の御発言、またお書きになっているものの中にもあるんですけれども、別にその当預残、マネタリーベースは減らす必要はないと、マネタリーベースを減らさずとも金利を上げていくことはできるんだという、今、日銀がされておるようなオペレーションと同じような発言をされておりますので、そこに関して質問をさせていただきたいというのが私の問題意識でございます。 まず、物価のことからお尋ねいたします。 消費者物価の上昇率、これは、内閣府の試算でも日銀の試算でも、二四年に二・五%上がって、それから、二五年は二%、二六年も、これは二%から一・四%まで開きありますけれども、そういう上昇を続けるという予測をされております。日銀もよく似た予測をされているんですけれども、その理由を教えていただけませんでしょうか。
○参考人(植田和男君) 今委員が御指摘されました私どもの見通しの背景でございますけれども、足下はインフレ率高いわけでございますが、この中には、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響がまだ残っていること、それから、様々な食品の価格が値上がりしていること等が含まれております。これらは、時間とともに、少なくともインフレ率という次元では低下していくであろうというふうに見ております。 一方では、そうした一時的な要因を除いた、私どもが基調的な物価上昇率というふうに呼んでいるインフレ率につきましては、現在、ちょっと下、二%を下回っているというふうに思っておりますが、景気が緩やかな回復を続ける下で、徐々に二%に向けて高まっていく、この両方を合わせると、御指摘いただいたような見通しになるという姿でございます。
○浅田均君 ありがとうございます。 輸入物価とか食料品の上げが収まっても、これは一時的なことであって、それが収まって、景気が回復するから二%ぐらいのCPIが想定されるという回答でございました。 それで、総裁は、この一月二十四日の会見のときに、政策金利の変更、このとき〇・二五%程度から〇・五%程度まで上げるという判断をされまして、その後も、実質金利は大幅なマイナスが続き、緩和的な金融環境が維持されると発言されております。 今伺ったように、実質金利というのは名目金利から物価上昇率を引いたものでありますので、この名目金利が〇・二五%から〇・五に上がっても、物価上昇が二%、二・五%あるのだから、実質金利はマイナス二%とかマイナス一・五%の状態であって、これはまだ緩和的な状況であるという御認識をされているのだと思いますけれども、ちょっと確認をさせてください。
○参考人(植田和男君) そこは委員のおっしゃるとおりでございます。
○浅田均君 何かそっけないですね。 何か海外に行かれたときのインタビューとか聞かせていただいていて、非常に植田総裁、ユーモアもあるし、英語で話しておられるときは物すごくよくおしゃべりになっているのに、この場では余りお話しにならないんで、一発英語で聞いたろうかなとも思うんですけれども、国内でございますので御容赦いただきたいと思います。 それで、緩和的な状況が続いていると。私たちは、マネタリーベースで判断するのか、あるいは金利で判断するのかだと思っていますし、マネタリーベースがすごくまだ減っていませんので、そういう状況で、先ほども申し上げましたように、金利を果たして上げるのか、上げることができるのかどうかという疑念を持っておるわけでございます。 それで、バランスシート、日銀のバランスシートを見ますと、バランスシートのうちマネタリーベースでございますが、これが二〇二四年三月末の内訳を見ますと、日銀券が百二十兆円。で、今、さっきネットで見ましたら、現在は百十九兆円になっておりました。それから、日銀当座預金残高、これが五百二十五兆円。二四年三月末では五百六十一兆円です。 これを、二十五年前、一九九九年のバランスシートのうちのマネタリーベースですね、日銀券がこれ、二十五年前の日銀券が五十一兆円、それから日銀当座預金残高が六兆円です。だから、このときのマネタリーベースというのは五十七兆円であります。だから、二十五年間で約十一・五倍に膨らんでいるマネタリーベース、このマネタリーベースに関してどういうふうな評価をされているんでしょうか。
○参考人(植田和男君) マネタリーベースが膨らんだことでございますが、これは、二十五年くらいになりますか、長期間にわたって物価の安定の実現が課題となる下で様々な金融緩和政策を日本銀行が実行してきたことの結果でございます。 特に二〇一三年から昨年三月までの間、二%の物価安定目標の持続的、安定的な実現という観点から、御案内のように、国債買入れを含む大規模な金融緩和を進めてきたところでございます。バランスシートの拡大は、こうした政策運営の結果として生じたものでございます。
○浅田均君 いや、それは事実関係は分かるんですけど、でか過ぎるとか適切だとかなんとか植田総裁としての評価があると思うんですけれども、それをお聞かせいただきたいんです。
○参考人(植田和男君) マネタリーベースはどれくらいの水準が適正かという御質問でしょうか。 これは、バランスシートの拡大の局面から、利上げとかバランスシートの縮小の局面に入った中央銀行は世界中で今直面している問題でございまして、端的に申し上げますと、どの中央銀行もまだ自信を持ってこの辺が正解であるという水準を見出せていないというところかなと思います。 例えば、FRB、アメリカの中央銀行でございますと、現状、バランスシートの規模は、例えば銀行券の発行残高をまだ大きく上回っている水準にありますけれども、適切な準備預金残高への円滑な移行を実現するという観点から、去年の六月くらいから、債券保有額の削減ペース、あるいはバランスシートの削減のペースをややゆっくりにしてございます。 私どもも国債の買いオペの減額を始めていますので、当面バランスシートの大きさは少しずつ縮小をしていくということになると思いますが、最終的にどの辺が望ましい着地点かということについては、海外の経験も参考にしつつ、ある程度時間を掛けて検討していきたいと思っております。
○浅田均君 こういう御発言、質問に対する御発言は難しいなとは思うんですけれども、今、日銀券の発行残高と、それからその当預残の比較をされました。 今、日銀券発行残が大体百二十兆円として、当預残が五百六十一兆円だったら、五倍弱ですよね、五倍弱の当座預金残高があるわけですけれども、これは多過ぎるということと判断されていると理解していいんですよね。
○参考人(植田和男君) 現状では、マネタリーベース、あるいはバランスシート規模、あるいは当座預金の金額、やや大き過ぎるということで、それを減らすために国債買いオペの減額を続けております。
○浅田均君 だから、大き過ぎるという御判断をされていて、ということは、着地点というか、どの程度がベストというか、一番適切かという御判断もおありだと思うんですけれども、その辺は言うたらまずいですか。
○参考人(植田和男君) 分かっているけれども申し上げにくいというよりは、適切な水準を見出すのがなかなかそう簡単ではないということだと思います。 英語というお話もありましたので、FED等の表現ですと、しばらく前まではアバンダントであった。それがアンプルな領域に入ってきたというくらいの大ざっぱな表現で捉えつつあるかなと思います。で、少しアバンダントからアンプルな領域に入ってきたので、もっと下がるとアディクエイトということになるんだと思うんですけれども、少し注意深く進めたいというような考えかなというふうに理解しております。
○浅田均君 アバンダントであって、アンプルであって、で、イナディクエイト、アディクエイトですか。その次はイナディクエイトになるはずで、アディクエイトとイナディクエイトの間って大体どれぐらいでしょうか。
○参考人(植田和男君) そこは試しに行ってこの辺だというのが分かると理論的には興味深いわけですが、試しに行くときにマーケットが混乱するという事態がかなりの確率で予想されますので、皆さん、そこはぎりぎり試しに行こうということはなかなかちゅうちょされる、ゆっくりその手前くらいまで進めたいというお考えかなと推察しております。
○浅田均君 そうしたら、アバンダントでなくてアンプルの状態でそのマネー供給がされていると、マネタリーベースがあると。こういう状態でやっぱり下げていくのが望ましい、減らしていくのを、当預残をある程度までは下げて減らしていくのが望ましいというお考えの下でありますけれども、なかなか徐々にしか減っていかないと。それで、徐々にしか減っていかない今の状況で利上げをするということが、僕ら普通に考えると矛盾しているんではないかと思うんですけれども、日銀はそうでなしに、一月に〇・二五から〇・五に上げられた。渡辺先生も同じようなことをおっしゃっていますので、その辺の理由というか、理屈を教えてほしいんですが。
○参考人(植田和男君) これは今、利上げをどうやってしていくのか、ここまでしてきたのかという点につきましては、マネーの供給量を絞って金利を上げていくというところを使っているのではなくて、民間の銀行が日本銀行に置いております当座預金、超過準備のところに付利をする、その付利を調整するということによって市場の短期金利に影響を及ぼすというメカニズムを使っておるということでございます。
○浅田均君 それは、だから日銀付利を政策金利とするということはあるときまでおっしゃっていましたけれども、日銀付利が政策金利ではなしに、これから、オーバーナイト物、これを政策金利としていくというふうに変更されたと思うんですけれども、いかがですか。
○参考人(植田和男君) そこは、公式の政策金利として日銀の当座預金に対する付利の水準を用いるか、あるいはコール市場の金利を用いるか、選択肢があったわけですが、基本的にはどちらもあり得たと思いますが、過去、金利がプラスのときに市場金利の方を用いていたので、その慣行に戻ったということでございます。
○浅田均君 時間が来ましたので、今日はこれぐらいにさせていただきますけど、また次回お願いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 終わります。
○上田清司君 国民民主党・新緑風会の上田清司です。どうぞよろしくお願いします。 令和五年の十月二十三日に岸田総理の所信表明でびっくりしたんです。何にびっくりしたかというと、三十年ぶりの変化を果たすまたとないチャンスを迎え、人への投資や賃金、さらに未来への投資、設備投資までがコストカットの対象とされ、この結果、消費と投資が停滞、更なる悪循環で低物価、低賃金、低成長をコストカット経済で進めてきたと。デフレ脱却と言いながら、ずっとデフレを進めようということを吐露されたというふうに私は理解しました。 同じく、翌年の一月三十日にも、三十年間続いたコストカット型経済からの脱却。石破内閣におかれましても、令和六年の十月四日、コストカット経済から高付加価値創出型経済へ。同じく、六年の十一月二十九日、三十年前、日本の世界でのGDPは一八%のシェアを持っていた、ところが現在は四%ですと。競争力も一位から三十八位まで落ちましたと。コストカットではなく、付加価値の創出に力点を置いた経営、経済への転換が必要と。また、令和七年の一月二十四日にも、コストカット型経済から高付加価値創出型経済への移行と言われました。 言わば、デフレ脱却とずっと安倍内閣のときも言われて、アベノミクスの成果を強調され、菅元総理もそのことを強調されておられたわけですが、突然、岸田内閣から現在の石破内閣までに至っては、今度はそうじゃなかったというようなことを言っておられるんですが、加藤財務大臣は、官房副長官、官房長官、厚生労働大臣、そして現在財務大臣という形で常に政府の中枢に座っておられた方でございますが、まさにデフレ脱却をしなければならないという日本の現状だったと思いますが、実は政府としてはコストカット型の経済をずっと進めていたということを吐露されたわけですが、この点について大臣としてどのようにお考えになられますか。
○国務大臣(加藤勝信君) まず、一九九〇年代のバブル崩壊以降に生じたデフレの下で、家計は今後も物価下落が続くことを予想し、消費を将来に先送りするため、物が売れなくなっておりました。こうしたことを受けて、企業の生産は停滞し、新たな設備投資も抑制され、販売価格を上げることができない企業は、人への投資、賃金、設備投資、研究開発費などのコストカットの対象としたことで消費と投資が停滞する、まさにこれをコストカット型経済に陥ったということを言われたということでありました。委員おっしゃるように目指したのではなくて、その状況をコストカット経済だというふうに言われたということだと認識をしております。 アベノミクスでは、こうした状況からデフレでない状況をつくっていくということで、GDPを高める、雇用を拡大する、企業収益の増加傾向にもつながったと認識をしておりますが、コストカット型経済の完全な脱却には残念ながら至らなかったと認識をしております。 一方で、今、足下の日本経済については、昨年の春闘における三十三年ぶりの高水準の賃上げ、また、今日の新聞を見ると去年を上回る賃上げの傾向が報道されておりましたけれども、加えて、過去最高水準の設備投資、六百兆円を超えた名目GDPなど前向きな動きが見られているところでございますので、まさに、長年にわたったこのコストカット型経済から賃上げと投資が牽引する成長型経済に移行できるかどうか、こういう分岐点に立っているというふうに現状を認識をし、そして、それに対して政府として、まず足下の物価高に苦しむ方々に対する支援をしっかり進めていくと同時に、物価上昇を上回る賃金上昇の実現に向けて、価格転嫁の後押し、省力化投資の促進などの賃上げ環境の整備、成長分野への投資の促進など、あらゆる施策を総動員して対応しようとしているところであります。
○上田清司君 資料一を御覧いただきますように、経済成長率の推移でありますが、安倍、菅政権においても一%を上がったり下がったりで、せいぜい、成長を全くしていない状況であります。お手元にありませんか。バックヤード、よろしく。三枚紙で裏表使っております。 少なくとも、経済成長ということに関しては成功していないと。金融緩和を始め大胆な財政政策等もなさったわけですが、結果的にはアベノミクスは成功しなかったというふうに私は理解せざるを得ない。外交面などで故安倍総理の成果を評価するものでありますが、事経済に関しては全く形が出ていないと、こんなふうに思っておりますが、このことについて加藤大臣と植田総裁に伺いたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 御指摘のように、経済成長率の推移はまさにこの表に示されたとおりということでございます。 ただ、この間も、先ほど申し上げましたように、雇用が増加をし、また雇用者総報酬そのものは実質においてもプラスになっていく等々、そうした改善に向けての傾向、これは出ていたものと認識をしております。
○参考人(植田和男君) 私どもの立場からいたしますと、先ほども御指摘がありましたが、デフレ経済の中では、政策としてそれを目指したということではなくて、経済の状況として、やはりコストが上昇しても顧客を失うことを恐れて価格を据え置く企業が増え、物価が上がりにくい傾向が強まり、これが賃金についても波及していたということだと思います。 これが先にあって、人手不足感の強まりなどから、こうした賃金、物価が上がりにくいことを前提とした慣行や考え方に変化が出てきております。こうした変化が続くことは、私どもにとって、二%の物価安定の目標を持続的、安定的に実現するために重要だと考えております。
○上田清司君 ややうやむやの答弁であります。 先ほど加藤大臣は雇用なんかは増えたと言われますが、労働市場の流動化というんでしょうか、人材派遣法の改正等で非正規雇用を増やした、そして、賃金が上がらなくて家計が苦しいので共働きが増え、あるいは高齢者も働くという形での雇用が増えたという実態があります。ただ雇用の人数が増えただけでは、それは経済が良くなったという話ではない、このように私は申し上げたいと思います。ここでまた論争すると時間が掛かりますので、あえて申し上げておきます。 また、これはもう大本で言えば、橋本内閣から構造改革特別委員会を設置して財政の健全化、ある意味では公共事業の抑制、もうずっと一貫してやっていること、金融緩和はもちろんこのデフレ脱却の一つの方法でありますが、労働市場を流動化させて必要以上に賃金を下げさせていくという、あるいはまた、消費税増税を次から次にやっていくということで、まさにデフレを進行させる政策をやってきた、こんなふうに私は思っているところでございます。 その証拠に、二枚目、ちょうど、二枚目というよりも資料一の裏側であります。これも財務省が法人企業の統計を整理したものであります。 三十年間の、大企業に特化した形でやっておりますが、売上げは微増、売上原価は微減、結果として売上総利益が拡大しているけれども、設備投資は微減、人件費は微増、配当金は拡大。この配当金の拡大、まさに企業の経常利益は長期的には増加して、足下では最高まで行っているんですが、個人の懐に行き渡っていないということを財務省自身がはっきりと資料で整理していただいています。 したがって、日本経済の六割が消費経済、つまり国民が物を買ったりあるいは消費したりする、そういう経済の大宗でありますから、どうしてもデフレ脱却ができないという形になっているものだと思っております。今のインフレは国民が好んで消費をしているわけではありません。むしろ、輸入物価の値上がりや、あるいは原材料費の値上がりによってインフレになってデフレが抑えられているというふうに思わざるを得ない、こんなふうに思いますが、この点について財務大臣と日銀総裁の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 確かに、物価上昇の中で例えばエンゲル係数を見れば、それが上がってきている、そういった一面はあると思いますが、しかし、他方において、こうした賃金の上昇を含めた形での購買意欲が上がってきている、こういった指摘もなされているものと承知をしているところでございます。 まさに今、こうした企業の利益といったものは、これ二〇二一年度までの数字でありますから、二〇二二、二〇二三という形で今改善されていく中で、そうしたものを、去年においてもこれまでにない春闘の賃上げがあり、今年もそうしたことを既に第一陣が出されておりますけれども、こうした傾向が続くということで、まさに今ここに転換点を迎えてきているというふうに認識をしております。この流れを着実なものにしていくということが大事だというふうに考えております。
○参考人(植田和男君) 委員御指摘のように、今回のインフレ、このグラフでいいますと右端の二二年度頃から始まったものでございますが、特に当初は大きな要因の一つが輸入インフレであったということで、そちらが先に上がって賃金が遅れて付いてくるという中で、実質賃金あるいは消費になかなか強い動きが出てこなかったという局面が続いてきたんだと思いますが、先ほど申し上げましたように、今後は輸入インフレの部分については収まってくると。他方で、賃金の上昇率については引き続き強い姿が続いているということで、今後、実質賃金あるいは消費についてはもう少し良い姿が見込まれる状態にあるのかなというふうに思っております。
○上田清司君 植田日銀総裁、ありがとうございました。 委員長、お許しをいただければ退室をしていただいてもよろしいかと思いますが、日銀総裁は。
○委員長(三宅伸吾君) 植田総裁は御退席いただいて結構でございます。ありがとうございます。
○上田清司君 ありがとうございました。 今度、経済再生の担当でもあります内閣府にお伺いします。 今の資料の一、二を参考にされながら、今財務大臣と日銀総裁の議論も踏まえて、私はどうしても、この三十年ぶりの賃上げで、コロナ経済からの回復基調、この機を捉えてまさに経済再生をしなければならないと。しかし、資料二に見られますように、個人の方に賃金が、個人の懐の方に企業の利益が回ってきていないという現実、企業が六百兆からの内部留保をためていて、必ずしもこれが設備投資やあるいは従業員、社員の給与に回っていないと。これが動かないことには本当の意味での日本経済の再生はないというふうに私は認識するものでありますが、内閣府が全体としてまさに経済の方向を持っていく、政府で、政府というか部門でありますので、六割を占める個人消費をどう動かすかと、この点についてどのような考え方を持っておられるか、改めてお伺いしたいと思います。
○副大臣(瀬戸隆一君) 先生御指摘のように、この内部留保の問題というのは非常にまた大きい問題だというふうには思っております。 そういった中で、やはりその個人消費を増やしていくことが非常に重要でありまして、アベノミクスにおいてはデフレでない状況というのはつくってこれたんだというふうに思っておりますが、まだまだこの家計や企業に根強く染み付いたデフレマインドを払拭することはできていないというふうに思っております。この低物価、低賃金、低成長という悪循環から完全に抜け出すようにしていかなければならないというふうに思っています。 今、ちょうどGDPも、名目GDPは五百兆円超えるというところで、賃上げも三十三年ぶりの高水準の、済みません、六百兆を超えました。三十三年ぶりの高水準の賃上げということも今できてきているところではあります。そういった中で、このデフレマインドを払拭して、賃上げと投資が牽引する成長型経済、移行できるかの分岐点であります。 ここのところを政府としましても、岸田内閣が進めてきた取組を着実に引き継ぎまして、更に発展、加速させることで国民に根強く染み付いたデフレマインドを払拭し、賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行を実現していくという所存でございます。
○上田清司君 ありがとうございます。 先ほどからの議論で申し上げたいんですが、もちろん政府がコストカット型の経済を目指していたわけではありません。デフレ脱却のために様々な形を取っておられましたが、結果的に、三十年間、日本の社会においては企業を中心にコストカット型経済は進められていた。私は、政府の中にも一部そういうものがあったと思っております。 それは、やっぱり労働市場の流動化、非正規を増やして給料を少なくさせていく、まさにデフレに進めということです。消費税をどんどん上げていく、これは買物しなくなるの当たり前でありまして、当然、これもデフレにしていく方法ですし、あるいは必要以上に公共事業を減らしたら地方が疲弊するの当たり前であります。こうした論点はやっぱり政府として反省しなければならない。 その上で、今回、一番話題になりましたところの百三万円の壁の見直しの問題であります。 まさに、今、副大臣が申されましたように、個人の消費を拡大していく仕組み、これが日本経済の強さを表していく。幸い昨日のニュース辺りでも大企業を中心に昨年を上回るような賃金上昇の回答が出ていると。この流れがそのまま進んでいけばいいわけでありますが、しかし、一般の国民にしっかり、減税を含む様々な形で懐が温かくなるようなことをしていかなきゃならないと。 そこで、資料三を見ていただきたいと思います。国民民主党案と新与党案と与党案が出ております。 上限を百六十万にして百七十八万に近づけたようなふりをして、非常にテクニカルな作業ができたみたいでありますが、新しい壁を四つつくって、以前随分流行したんですが、迷路があったんですが、迷路みたいな話になってきたんじゃないかというふうに思っておるところです。 資料三で見られますように、ちょうど国民民主党案が段階的に減税の額が増えていく。この点について、より豊かな人に、何というんでしょうか、豊かさを更につくるのかという批判もありますが、しかし、常に、そこそこの豊かな人たちは社会保険料等々で、あるいは税金等でたくさん負担をしている。これも事実でありますので、そうしたものも還元するという意味である程度は御理解を賜りたいと思います。 新与党案に関しては、大方二万円から三万円ぐらいだと、こんなふうに思うところでありますが、そこで注目していただきたいのは④であります、資料の④。これは、みずほリサーチ&テクノロジーズというところが七月、昨年の七月の十七日だったでしょうか、に出した資料の一部であります。 二〇二四年の春以来、賃上げが五・一%で、三十三年ぶりだと。実質賃金が、しかし、二〇二四年四月以来直近まで、春闘後の二四年の六月、七月の二か月以外はずっと連続してマイナスだと。いわゆる可処分所得が増加しない状況になっていて、この間、食料、エネルギー等の価格上昇でどの程度国民負担が増えたかということを、これもまた年間収入別にそれぞれ丁寧に分析した表でございます。注目していただきたいのは、政府の追加物価対策、とりわけガソリン等々ですね、あるいは電気代等の抑制策によって、ざっくり平均で一万円程度は減額になっていると、こういう資料であります。 したがいまして、追加物価対策なしであれば、合計で平均で十万程度の実質的な負担増になっていると。しかし、この一万円を引くと九万円だと。そうすると、仮にこの九万円が平均だとすると、まさに国民民主党のこの減税案、まさに百七十八万まで基礎控除をしっかりやっていくと、この案とぴったりする、このように思うんですが、この点について、加藤大臣、どのように思われますか。
○国務大臣(加藤勝信君) それぞれの各党の御案に対して、余り政府からこうだああだと言うのは差し控えさせていただかなきゃならないと思っております。 それで、その上で、衆議院の修正案については、もう委員御承知のとおり、低所得者層の税負担に対して配慮する観点、また、物価上昇に賃金上昇が追い付いていない状況を踏まえ、中所得者層を含めて税負担を軽減する観点から所得税の基礎控除の特例を創設したところでございまして、またその結果が、ちょっと若干財源額が違っているところございますけど、ほぼこんな形になっているというふうに承知をしております。 政府としては、中間層以上も含めた継続的な所得という観点からは、所得税による対応のみならず、まさに賃上げが、国民一人一人が実際の賃金、所得の増加という形で豊かさを実感できるよう、必要な予算措置も講じながら、賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る経済の実現、そして賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行、これを確実にしていくことが重要ということで取り組んでいきたいというふうに思っております。 ただ、一点申し上げるのは、これは経費が増えているのはおっしゃるとおりで、他方で、この間、特に去年でいえば五%、これは全ての方ではありませんけれども、収入増も図られているという、こうしたことも考えていく必要があるのではないかと思っております。
○上田清司君 ありがとうございます。 内閣府の副大臣についても、今申し上げたように、個人の懐が温かくなると、しかも、一昨年以来のエネルギーあるいは物価の高騰による懐の部分が引かれた部分をこのいわゆる百三万円の壁の是正によってペイできるという、こういう考え方について、まさに国民の懐が温かくなれば、今行われている賃金の引上げと相まって、より具体的な形で経済政策が前向きになっていくんではないかというふうに私は思うんですが、いかがでしょうか、この点については。
○副大臣(瀬戸隆一君) 政府としましても、この月例経済報告等に関する関係閣僚会議の資料や経済財政白書等におきまして、物価動向を詳細に確認するということは行っているところでもあります。また、食料品などの身近な品目の物価上昇が続く中で、相対的に収入の低い世帯におきまして食料品等が消費全体に占める割合が高い、そういった点につきまして、様々いろいろ分析などは行っているところでもあります。物価上昇が家計に与える影響についてきめ細かく分析し、随時お示ししているところでもありまして、引き続き丁寧な分析は行っていきたいというふうに思っています。 こうした分析も踏まえつつ、昨年の十一月ですけれども、総合経済対策におきましては、低所得者世帯の方々に対しまして、世帯当たり三万円、子供一人当たり二万円を加算する給付金も出させていただくこととしております。また、地域の実情に応じまして、エネルギーや食料品価格の高騰に苦しむ方々、学校給食費への支援等を行う重点支援地方交付金なども盛り込んでおりまして、こういった施策について、一日も早く国民の皆様にお届けし、効果を実感していただけるよう、迅速に執行していく所存でございます。
○上田清司君 ありがとうございます。 よく、国民民主党案だと財源が大変だということで、これについてどう考えるという考え方もあるんですが、私たちは、そもそも基礎控除というのの存在理由というのが最小限度の生活をするために必要なものの額、そこには課税しないという、こういう大原則というんでしょうか、慣例かもしれません、世の中的にこれ以上のものがなければ生活できない、そこの部分に関しては課税をしないと。かつては百三万円でもこの生活ができていたので、それが上限になっていたのかもしれませんが、現在ではとても百三万円で暮らせるという話ではないと思います。 この点について、私はやっぱり政府が責任を持ってこうした部分に関して財源を探すことが必要ではないかというふうに思っております。党が探すとか各党が探すということではなくて、やっぱり基礎的な生活ができる、俗に言う憲法二十五条の最低生活を保障する、まあプログラム規定ではありますよ、もちろん、絶対的な規定ではありません、目指す規定でありますけれども、ただし、やはりそこを目指さなければ世の中は良くならないわけですから、この財源に関しても、私は、しっかり政府として考えていかなければならない。各党が合意したやつを、しようがないからそれを政府として受け止め、それをまた財源の仕組みをつくっていくというふうな考え方で受け止めておられるみたいですが、やっぱり現実には、日本国政府として一人一人の国民の最低生活を守っていくという考え方を持って、これは通告していないかもしれません、大臣、申し訳ありません、私の持論です、プログラム規定であるというふうに私は思っております。ただし、これを目指す必要があるということだけは強く強調したいと思いますが、この点について、感想でも構いませんので、どうぞお願いいたします。
○国務大臣(加藤勝信君) まず、課税最低限の考え方でありますけれども、確かに憲法二十五条の趣旨に応えて具体的にどのような立法措置を講ずるか、これは立法府の広い裁量に委ねられており、ただ、ある政策単位単独のみによって健康で文化的な最低限の生活を保障しなければならないと要請されているものではないと考えております。もちろん、税制も憲法二十五条に反してはならないことは言うまでもありませんが、政府税制調査会においても、基礎控除などから成る課税最低限については、生計費の観点のみではなく、公的サービスを賄うための費用を広く分かち合う必要性などを踏まえて総合的に検討すべきとされております。 また、基礎控除は、高所得者や多額の資産を有する富裕層にも適用されることなども踏まえた水準の設定が必要であることなどについて勘案しなければならないと考えております。 その上で、この財源をどうするかというお話がございました。 三党合意においても、その具体的な手法において三党間で協議される、また、引き続き協議されるものと私ども承知をしておりますので、もちろん、そこにおける協議、それをしっかりと我々受け止めさせていただきながら対応させていくということでございます。
○上田清司君 ありがとうございます。 最後の質問であります。 いろいろとまだあるんですが、時間が限りがありますので、資料の六番目、正規、非正規雇用の割合の推移を棒グラフで青の線と、ダイダイ色というんでしょうか、黄色の線で明らかにしているところですが、大体以前は二〇%程度だったものが、今三七%程度になっていると、非正規がですね。恐るべきは、正規雇用と非正規雇用で有婚率、言わば結婚される率、この差がかなり出ております。 国を挙げて子育て支援、あるいは地方自治体を挙げて子育て支援、少子化対策に頑張っておられるわけですが、ある意味じゃ的が外れております。日本の場合は婚外子が一般的には認められておりませんので、やっぱり結婚されるというのは非常に重要なファクターであります、少子化対策では。 そういう意味で、大変恐縮ですが、有婚率という概念があって、非正規の方は有婚率が二〇%で、正規雇用が六〇%だと、ざっくりですよ、小さな数字はコンマで勘弁していただきたいんですが、こういう事態が起こっておりますので、私は子育て支援の大きな的というのは、やはり結婚できるような仕掛け、つまり、正規雇用を望む人は正規雇用にいけるような仕組みづくり、これをやっぱり政府を挙げてやることが少子化対策だと、私はそう思っているところであります。 これについて、大臣の感想を聞いた上で、質問を終わりたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(加藤勝信君) 出生率の低い背景として、一つは、有婚率というんでしょうかね、結婚する割合が低いという御指摘があることも事実でありますし、また、正規、非正規で比べますと、非正規の方々のそうした結婚されている率が低いということも指摘をされているところでございます。 そういった意味において、特に若い世代が将来に向けてやっぱり明るい未来をしっかりと展望できる、そういった意味においては、仕事が安定をしている、そして、その中で賃金が上昇していく、これが非常に大事だと思っております。 政府においても、非正規で働いている方で正規で働きたい方等に対する支援、これまでも進めているところでございますし、特に、氷河期世代についてもそうした指摘がありました。氷河期世代だけ見るとかなり他の世代と近似はしてきたところはありますけれども、引き続き、その世代のみならず、若い世代含めて、非正規で働きながら正規で働きたい方、こういった方々を支援をしていくべく、厚労省主体となると思いますけれども、様々な施策を展開をしていきたいと思っております。
○上田清司君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(三宅伸吾君) 午後二時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後一時四分休憩 ─────・───── 午後二時三十分開会
○委員長(三宅伸吾君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、財政及び金融等に関する調査を議題とし、財政政策等の基本施策及び金融行政に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。よろしくお願いします。 昨年十二月に経団連から注目すべき提案がありました。フューチャーデザイン二〇四〇という政策提言なんですが、富裕層への課税強化を打ち出したわけです。 お配りしている資料の一枚目がその経団連の提言からの抜粋なんですけど、これ見ると、我が国の所得格差を示すジニ係数が、ドイツ、フランス、カナダはもちろんなんですが、韓国やイタリアよりも高い。それから、右のグラフでいいますと、可処分所得の上位一〇%、下位一〇%の比率が、これ米国に次いで二番目なんですね。 大臣、我が国が国際的に見ても格差の大きな国になってきているということはお認めになりますか。
○国務大臣(加藤勝信君) 格差の問題がこれいろんな形で指摘されているということ、特にここに来て格差の拡大ということも指摘されていること、このことは認識をしておりますが、他方で、こういった国際比較をするときに、今委員この経団連の資料をお示しになられました。ただ、他方、他の統計で、あるいは他の学術研究所のデータではイタリアや韓国よりも日本のジニ係数が低く推移しているというものを示すものもございますし、また、このOECDの調査では現物給付が考慮をされていないということもございますので、そういったことを踏まえると、幅を持って見ていくことは必要だと思っています。 また、日本のジニ係数については、高齢化の影響により再分配前の所得格差が中長期的に拡大する傾向にある、これは右側でお示ししているのもその一つなんだろうと思いますが、他方で、税制や社会保障による再分配後の所得格差は再分配前のものと比較して大きく抑制されておりますし、最近、国内の資料を見ますと、一定の水準でこの……(発言する者あり)いや、その水準は推移しているものと認識をしております。
○小池晃君 これ経団連の資料ですからね。私、国会議員になって経団連の資料使うの初めてですよ。経団連がこういう指摘しているんですからね、やっぱり素直に認めたらどうですか。やっぱり全体として、それは厳密に言えばいろんな問題はあると思いますけど、全体としてはやっぱり日本の格差拡大してきていると、国際的に見ても、これは間違いない。 そして、今、再分配という話がありました。税が格差を解消しているのか、拡大しているのかです。 二枚目見ていただきますと、これは国会図書館に調べていただいてグラフにしたものなんですが、これは三つあるんですけど、真ん中が税による所得再分配効果なんですね。日本は、税によるジニ係数の改善率はG7で最も低い。これはやっぱり所得税の累進構造を弱めて、消費税を一〇%に増税してきた、これはやっぱり税による、私、税のこと聞いていますから、あれこれ言わないで税について。税による所得再分配効果は弱まってきているということは事実だと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 税によるということであります。消費税のことをおっしゃっているんだと思いますが、(発言する者あり)じゃ、税全体について申し上げさせていただきますと、所得税については、近年、再分配機能の回復を図る観点から、例えば最高税率の引上げ、極めて高い所得について最低限の負担を求める措置の導入などを行っております。また、消費税は、確かに逆進性があることは御指摘のとおりでありますが、緩和を図るために食料品に軽減税率を適用している。また、消費税財源が充当されている社会保障給付費には再分配効果があるわけであります。 ただ、いずれにしても、この図の中で指摘しておかなきゃいけないのは、いわゆる消費税の影響については考慮されていないという記述がなされている点は留意をする必要があると思います。
○小池晃君 税の問題を私聞いているんですから、再分配、社会保障の問題は、それは後の話。 これはどう考えたって、やっぱり日本の税が、まあ逆進性を認められましたけれども、やっぱりこの間進めてきたのは、税における逆進性が推進されてきて、累進構造壊れてきたということはこれ間違いない事実だと思うんですね。 それから、税と社会保障を合わせると改善していると言うけど、これも、これはOECDの平均よりは上なんですけど、G7の平均よりは下回っているし、新自由主義の最先頭を行っているアメリカ、イギリスより上回っているということは、これ決して自慢できる話じゃないというふうに私思うんですね。 大臣は経団連の資料をなかなか認めようとしないんですが、経団連は経済的格差が広がっているという事実認識に基づいて富裕層への課税強化を提言したんですね。これ、消費増税への理解を得るために富裕層に課税するというところは、これは合意できないんですけど、でも、富裕層に対する増税ということを経団連が言っているということは、これは重要だと私は思うんですよ。 我が党も、富裕層への資産課税として富裕税というのを提案しています。我が党の提案は、富裕層の純資産五億円を超える部分に〇・五から三%程度の累進課税をすると。課税対象資産の算定には、自宅用、事業用の資産は除外するという提案をしているんですね。 日本の政府税調のメンバーも、かつて富裕税の導入を提案したことがあります。世界でも、スペイン、フランス、スイス、ノルウェーなどが採用しているんですね。 私、これ、今後の方向性として、やっぱり富裕層への資産課税ということについて、大臣、これ検討すべきじゃありませんか。
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げたのは、経団連の資料についても、必ずしも、幅を持って見る必要があるということを申し上げたのであって、私ども、格差の是正に向けた取組の重要性、それを否定するものでは全くございません。その上で、税制、社会保障制度の双方を通じて適切な再分配がなされるよう取り組むことで、格差の拡大、あるいは固定化、これを回避していくことは必要だと思っております。 その上で、富裕税のお話がございました。どういう中身なのかというのは御説明がないので何とも申し上げられませんが、(発言する者あり)いやいや、具体的なやり方です。資産の把握の問題に加えて、資産の評価の問題など、富裕税を導入した諸外国でも多くの問題点が指摘をされているというのは御承知のとおりだと思います。 古い話になりますけれども、日本でも昭和二十五年に導入をされた経緯がありますけれども、財産の評価や把握等の執行面における困難が大きく、徴税コストの高い税とならざるを得ないなど問題が生じたことから、三年で廃止をされたところであります。 税制の再分配機能の強化を図る観点から、平成二十五年度税制改正では、所得税や相続税の最高税率の引上げなどの見直し、また、一億円の壁への対応については、極めて高い水準の所得を対象として追加的に負担を求める措置を導入するなど累次の改正も行ってきているところでありますので、引き続き、経済社会の情勢変化などを踏まえつつ、再分配機能をどの程度発揮させるべきかという観点も含めて、今後の税制の在り方については検討する必要はあると考えています。
○小池晃君 予算委員会でやったじゃないですか。一億円の壁と言いながら、三十億しかやっていないじゃないかと。三十億、二百人しかいないと。一億円だと二万八千人だと。何でこの腰の引けた対応なんだということを言ったじゃないですか。全然駄目ですよ。 やっぱり、こういう格差の拡大に対して税制で是正するという本気の取組が私は必要だと思う。そのことを強く求めたいと思います。 消費税にインボイス導入されて、実施されて一年以上がたちます。今、確定申告真っ最中。これまで免税事業者だった方がインボイス発行事業者になったことで、昨年は三か月分で二万九千円、今年はその四倍の十二万六千円、消費税を納めなければならなくなったという声もあります。 財務省として、インボイスで苦しんでいる小規模事業者、フリーランスの実情、これ把握する全国調査やっていますか。
○国務大臣(加藤勝信君) 令和五年十月のインボイス制度導入を機に消費税の課税事業者になった方は、令和六年度確定申告で初めて通年分の取引を申告することとなることが多く、昨年に比べて納税額が増える場合が多いと見込めることから、そうした方に対するダイレクトメール等の発送等、国税当局において対応させていただいております。 その上で、インボイス制度の運用状況に関しては、インボイス導入に伴う事務負担の状況をソフトウェアベンダーが調査した結果などを分析をしているほか、各省庁において各業界が実務上抱えている課題の把握に努めてきたところであります。さらに、依頼に応じて可能な範囲で各種団体との意見交換に主税局の職員も出席をし、直接関係者のお考えも伺っているところであります。インボイス制度への対応を各業界の取引慣行などを踏まえて行えることを踏まえますと、各省庁を通じた実態把握が効果的であると考えております。 財務省としても、各種団体との意見交換の場などを活用した実態把握を継続しつつ、引き続き、把握した課題に対してはきめ細かく丁寧な対応を行っていきたいと考えております。
○小池晃君 各省庁というので、ちょっと聞きます、中小企業庁。 二〇二四年度、インボイス制度導入に係る取引実態調査、これ、昨年十二月初旬に調査中止になっているんですが、ホームページでは現在アンケートの回答受付を停止していますとなっています。何でこうなっているんですか。
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。 中小企業庁が実施したインボイス制度導入に係る取引実態等調査、今御指摘の調査でございますが、インボイス制度の導入を契機とした取引関係の変化等に関する実態把握を目的に、免税事業者として可能性がある事業者五万社に対しアンケート調査を行ったものでございます。 この調査でございますが、開始後、アンケートフォームに誰でも何度でも回答できる設計となっている旨の御指摘がありまして、令和六年十一月二十九日に回答の受付を停止しているところでございます。
○小池晃君 そういうことなんですね。これ、私の事務所にフリーランスの方から連絡があって、これ、ホームページ見たら誰でも回答できるようになっているよと。だから、中小企業庁に私の事務所からそうなっているぞと指摘をしたんですよ。そうしたらば中止になったと。 これ、実態調査やり直すんですか。
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。 今回の調査、不備があったことを踏まえまして、正確な実態把握を行う必要があると認識しております。今後、改めて入札により事業者を選定し、調査をやり直すことといたしております。
○小池晃君 これ、一般競争入札で、エーフォース、株式会社エーフォースというところが千百万円で落札したんですね。で、こういう事態になっている。 これ誰でも入力できましたから、これ、誰かが大量に組織して入力して変な結果が出ていたら、これ大変なことになっていたと思うんですね。こういう指摘が私の事務所に来て、中小企業庁に言わなかったら今も続いていた可能性があるんですよ。何のための実態調査かと。 これ、グーグルの回答フォームで、ID、パスワード、セキュリティーチェックないんですね。これ、エーフォースが仕様を提案したときに中小企業庁はチェックしなかったんでしょうか。
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。 委託先事業者からの提案におきましては、信頼性の高いアンケートシステムの活用やセキュリティー対策の実施に関する提案をうたっておりまして、中小企業庁としてもこの旨は確認をしておりましたけれども、実際に事業を進めていく中で、双方の間でアンケート設計に関する共通認識や十分な確認が遺憾ながら不足していたものと認識してございます。
○小池晃君 大変ずさんだというふうに思うんです。 この中企庁が契約解除したエーフォース、株式会社エーフォースは、元中企庁長官の福水健文さんの御子息が経営する企業だと。父親の健文さんは同社の顧問を務めているということも明らかになっています。 大臣、不備が発覚して契約解除に追い込まれたわけです、これ。同庁OBに近しい企業が請け負っていたと。もうそもそも公正な入札が行われたんだろうかという疑念も生まれているんですね。大臣、このようなことは絶対あっちゃいけないと思いますが、どうお考えになりますか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今の御指摘、中小企業庁の実施する事業ということでございまして、財務省として、どういう不備等が具体的にあったか、必ずしも詳細を把握しているわけではございません。改めて調査を実施する際にはそういった不備等が再び生じないよう、中小企業庁によって責任持って対応されるものと承知をしております。
○小池晃君 ちょっと他人事っぽい話ですよ、今のは。だって、インボイスというのは財務省が始めたんですから。これやっぱり財務省が本当は責任を持って調査しなきゃいけない問題でしょう。さっき、いろんな省庁がやっていますからいいですと言ったけど、そういう問題じゃ私ないと思うんですよ。 財務省に聞くと、中小企業庁や公取がやっていますと。公取に聞くと、例えば、これ、実際に事業者間のものだったら公取は独禁法の関係で出ていけるけど、役所が発注した事業なんかはこれ公取の管轄外になるといって、もう全部門前払いですよ。 やっぱり私は、このインボイスによる実態が本当に様々な問題が起こっている。実際に、これは私どもに来ている声でいうと、もう本当に取引先から課税事業者になるように圧力掛けられたとか、免税事業者のままなら報酬下げると言われたような声もいまだに来ますよ。 私は、これは財務省が始めた、財務省、国税庁が始めたのがインボイスなんだから、これはやっぱり中小企業庁にやらせるというんじゃなくて、きちんと財務省として責任を持って実態調査をやるべきだというふうに思いますが、重ねて伺います。
○国務大臣(加藤勝信君) 政府における対応ということでございますけれども、先ほど申し上げましたように、インボイス制度への対応、これは各業界の取引慣行などを踏まえて行われていることを考えますと、それぞれの省庁において実態把握をしていただくことが効果的であるというふうに考えており、財務省としては、各種団体との意見交換の場なども活用した実態把握を継続しながら対応していきたい。また、もちろんそれ以外においても、先ほど申し上げたソフトウェアベンダーの調査あるいは東京商工リサーチが実施したアンケート調査、そういった様々な調査も分析をしながら実態の把握に努めているところでございます。
○小池晃君 何でほかの調査のことしか言わないんですか。これは、やっぱりこういう事態になった、中小企業庁のやった調査はこういうもうていたらくになっているわけですよ。 私はやっぱり、それはもちろんその業界団体、様々な慣行があると、それはそのとおりだと思います。だから、そういうところときちんと、経産省なり中小企業庁なりに話聞いて、そしてその上でやっぱり財務省として責任を持ってインボイスについて、これだけいろんな声が上がっているわけですから、いろんな声が上がっているということは予算委員会でも総理もお認めになりましたからね、これ財務省としてやっぱり、国税庁として財務省として調査をすべきだというふうに思うんですけど、それを絶対やらないということなんですか。やるべきですよ。是非やっていただきたい。
○国務大臣(加藤勝信君) もちろんインボイス制度を導入したのは私どもでありますから、そこに起きたそういった問題、これに対しては一つ一つ丁寧に対応していくこと、これは当然であります。ただ、それをどう把握していくかという点においては、どういう把握の仕方が有効なのか、そういった意味においては、先ほど申し上げさせていただいたように、こういった制度への対応、やっぱり各業界ごとの取引慣行等を踏まえていろいろということでもございますから、そういった点を踏まえて、その業界に精通をしている各省庁とも連携をしながら対応していく、こういうことでこれまでもやってきたところでありますし、今後とも、そうした形で効果的な実態把握を行いながら、そして浮かび上がってきた課題に対してはきめ細かく丁寧な対応をさせていただきたいというふうに考えております。
○小池晃君 インボイス登録をしない免税事業者への減額、買いたたき、取引排除、これ行われていないか、やはり中小企業庁や公取任せにしないで、財務省として、インボイスを所管する役所として責任を持って調査をすべきだということを重ねて申し上げて、私の質問は終わります。
○神谷宗幣君 参政党の神谷宗幣です。 まず、財政健全化の観点から、財政規律に関して加藤大臣にお聞きしていきたいと思います。 トランプ・アメリカ大統領が、アメリカはもはやヨーロッパの安全保障の主な保証人であるべきではないと主張したことを受けて、EUの首脳は欧州委員会に対し、財政規律を定めた安定成長協定の改革に向けて更なる措置を検討するよう要請し、その一環として防衛費の制限を一時的に停止する案が今検討されています。この措置により、加盟各国は財政規律を気にすることなく対GDP比で一・五%程度まで必要な国防費を増額できるようになります。 これは、危機時には財政規律を一時停止し、必要な歳出を拡大することが国家の役割であることを示す一つのいい例ではないかというふうに考えるんですが、このようなEUのリーダーの判断について加藤財務大臣はどのようにお考えか、見解をお聞かせください。
○国務大臣(加藤勝信君) 今お話がございました、EU加盟国首脳が欧州の防衛力強化を目指す欧州委員会の欧州再軍備計画を推進していくことで合意したということは承知をしております。他方、そのEUと我が国では安全保障環境、財政状況、財政規律維持に関する枠組み、これが異なるため、これをもって一概に我が国に比較するということはなかなか難しいというふうに考えております。
○神谷宗幣君 ちょっと聞き方が悪かったかもしれませんが、私が聞きたかったのは、こういった危機時に財政規律を外すんだということに関してどうなのかということを聞きたかったわけですけど、それは後の方でお話ししたいと思います。 このEUの防衛費の増強は、ウクライナへの支援の継続を一つの目的としているわけですけれども、日本はこれまで、ウクライナに対し総額幾らの資金援助を行ってきたのか、また、今トランプ大統領が停戦を進めようとしていることについて、日本政府は賛同の姿勢なのか、それとも戦争継続に向けた資金提供をこれからも続けていこうという姿勢なのか、どういった方向性になるのか、予算も絡むことですので、大臣のお考え、方針を聞きたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほどの質問でございますけれども、危機において、例えばこれまでもコロナ対応とかそういった場合において、まさにそれに必要な予算を確保していく、対応することをまず第一に掲げて対応してきたというふうに考えております。 その上で、今の御質問でありますが、二〇二二年二月のロシアによるウクライナ侵略開始以降、我が国においては、これまでも総額約百二十億ドルのウクライナに対する支援を実施してきているところであります。ロシアによるウクライナ侵略、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であり、このような力による一方的な現状変更の試みは世界のどこであれ許されることではないと考えており、こうした問題意識の下、我が国は先ほど述べたようなウクライナ支援を強力に推進をしてきたところであります。 現在ウクライナをめぐっては国際社会において今お話があった様々な動きがあることは承知をしておりますが、ウクライナにおける公正かつ永続的な平和の実現につながるよう、引き続き、G7を始めとする国際社会と緊密な連携を取り、対応していきたいと考えております。
○神谷宗幣君 ありがとうございます。 参政党は、当初からウクライナ戦争への援助に対しては余り積極的ではない、消極的な姿勢を取ってきました。けれども、日本はアメリカと同盟国ですから、その関係も考慮して、隣国のロシアとの直接的な衝突は避けつつ慎重な支援にとどめるべきだというのが我が党の主張でした。ところが、その同盟国のアメリカが今停戦を進めようというようにしているわけですから、我が国はアメリカとはかなり近しいはずですので、そこはアメリカと歩調と合わせていくべきなんではないかと、停戦の方向に日本も協力していくべきではないかというふうに、これは提案ですけども、意見を申し述べておきます。 そして、危機のところ、危機時には財政規律もということでした。これ、ずっと我が国、財政規律、財政規律とやってきているわけですけども、戦争があるとか、それからコロナの対策のときは、これは危機だからということで膨大な資金を投入してくるわけですね。そのときの口実は危機的な状況だから仕方がないということなんですけども、でも、戦争かコロナだけが危機なのかという話です。 今、日本の少子化、経済の停滞、これ相当危機的な状況ではないかというふうに考えています。実質賃金下がっていますし、倒産は増えています。生活保護の受給も増えています。そして人口は激減しています。この状況で財政規律を口実に減税とか必要な歳出拡大をしないというのは、これ、国民にとっての危機が認識できていないのではないかというふうに感じるんですね。 海外の戦争やパンデミック以上に国民経済や足下の国民の生活が危機的だという認識を持って、もう少し、財政規律、財政規律と言わずに、歳出等を改めていっていただきたいという要望で、次の質問に行きたいと思います。 この日本国民の経済状況、国民経済を危機的な状況に追い込んでいる元凶の一つが、これやっぱり景気に左右されず国民から徴税できる消費税だというふうに参政党は考えています。 日本経済を支える中小企業は本当に消費税を適切に価格転嫁できているのかということを考えているわけですけども、令和五年四月に経産省が公表した消費税の転嫁状況に関するサンプル調査の結果によると、九二・二%の事業者が全て転嫁できているというふうに回答しており、政府でもこれを根拠に価格転嫁は適切に行われているというふうに繰り返し答弁されているわけですけども、この調査、四万者を対象に調査をしていながら回答率が僅か二六・七%ということで、残りの七三%の事業者は回答していないんですね。 これ、私の感覚からすると、価格転嫁できていない企業はこの調査自体がばかばかしくて回答してもらえなかったのではないかというふうに感じるほどであります。そう考えると、この調査というのは、声を上げられる企業だけの数字を基に作られた、政府にとっては都合のいいデータになっていないかということなんです。 もし未回答の事業者の多くが本当に価格転嫁が十分にできていないとすると、そういった業者は自分たちの利益を削って消費税を納めているということになりますね、赤字でも払わないといけませんから。これすごく理不尽な税制であって、これが日本の企業の成長を阻害をしているというふうに考えます。 消費税を廃止するとどうなるかと。これ、価格に転嫁できていないところが多かったとすれば、物の価格はそんな変わらないんですね、消費税をなくしたとしても物の価格は変わらないということになります。そうなると、中小企業、大企業もそうかもしれませんけれども、利益は増えて、その結果、法人収入が、法人税収入ですね、が増えるはずなんですけれども、財務省として、消費税を廃止した場合、法人税収入がどれぐらい増加するのかとか、そういった計算を過去にしているのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) まさに、先ほどから申し上げておりますように、消費税は、急速な高齢化などに伴い社会保障給付費が大きく増加する中で全世代型社会保障制度を支える重要な財源と位置付けられていることから、廃止することは適当でないと考えております。 したがって、廃止を前提としたそんな試算は全くしておりません。
○神谷宗幣君 これ、やっぱり危機的な状況だと私たちは言っているわけですね。二十四兆円、今税収、消費税あるはずなんですけど、本当にこれなくしたら丸々二十四兆円なくなるのかというと、私そうではないと思っていまして、財源が財源がとおっしゃいますので、一度、消費税をなくすとどういったプラスマイナスがあるのかということを自主的にちょっと調査をしていただけないかなということを要望しておきたいと思います。 そして、消費税を適切に価格に転嫁できていない企業は自らの利益を削って納税していると我々考えているわけですね。一方で、輸出企業には還付金という形で何と直近九兆円が支払われているということになります。 今輸出企業は、円安の追い風を受けて空前の利益を上げています。こういった状況で、これ以上消費税の輸出還付を続けるのは不公正ではないかなというふうに感じるわけですね。 この点については、午前中も出ていましたけれども、アメリカのトランプ大統領も指摘していまして、日本の消費税と輸出還付金が日本の輸出企業を有利にし、アメリカからの輸入に対する障壁になっているというふうに捉えられているようです。もし、こういった点を口実にアメリカが関税を強化してくれば日本経済全体のダメージにもなりますから、こういった、アメリカの大統領も替わり、問題を指摘されたということを契機に、日本の輸出企業への補助金というふうにもなっていて国内の中小企業を苦しめている消費税を廃止すべきだというふうに考えますけれども、どうでしょうか、大臣。繰り返しになりますけれども、消費税の廃止、検討できませんか。
○国務大臣(加藤勝信君) まず、米国から言われたから我が国の根本を変えるというのは、まずあり得ないことだと思っております。我が国は我が国として必要な税の体系をつくっていく、このことがまず基本だというふうに思っております。 その上で、輸出還付金のお話がありましたけれども、余り長くしゃべりませんけれども、まさにこれ自体は、要するに国内での消費をベースとした、我が国でいえば消費税あるいは付加価値税においては、こうした措置がとられていくというのは、これは別に我が国に限ったことではなくて、世界百七十の国・地域で行われているところでありますし、また、こういった仕組みを取ること自体は国際的にも認められているということでございます。この点については、しっかり説明をしていく必要があるというふうに考えております。
○神谷宗幣君 まあ石破総理も、アメリカに国防費を上げろと言われたから上げるわけじゃないんだというふうにおっしゃっていましたけど、でも、相当の分野で日本はアメリカに言われていろんなことを変えてきていますから、こういった国民にとってプラスになることは、そういった契機を、外圧ですね、外圧をきっかけに検討する余地はあるんではないかなと思いますので、要望しておきます。 次に、国庫短期証券についてお聞きします。 国庫短期証券とは、政府が二〇〇九年二月から発行を開始した償還期限一年以内の短期国債のことですが、この発行総額が今百四十二兆円に達し、うち五三%を外国が保有しています。一般の国債の海外保有率は六・五%ということですから、それと比べると極めて高い比率持たれていることになります。 なぜ外国による保有がここまで増えたのか、その理由を教えてください。また、経済的、政治的な問題から仮に外国が償還時に再投資を拒否した場合、ロールオーバーですね、を拒否した場合に日本政府は国家運営に必要な短期資金をどのように確保しようと考えているのか、併せてお聞かせください。
○政府参考人(窪田修君) お答えいたします。 国庫短期証券につきましては、海外保有比率が大きくなっておりますが、その理由ですが、海外投資家の中には中央銀行や年金基金、生命保険など様々な投資家が存在しております。外貨準備や余剰資金の安全な円建て運用手段として利用されておる場合もございますし、あるいは海外投資家の方が国内の投資家の方に外貨を提供することにより、上乗せ金利を受ける形での有利な運用手段の一環として投資対象にされていることによるものと承知しております。 海外投資家が投資を停止する場合という仮定の御質問についてですが、これまでも市場に無用の混乱を生じさせないことからということでお答えを差し控えさせていただいておりますが、もちろんその時々の状況がどのようなものによるか、どのようなものであるかということによるかとは思いますが、国庫短期証券に関する投資需要につきましては、海外投資家以外にも、国内銀行の担保目的での保有ニーズや国内機関投資家による短期運用ニーズも強く、全体としては旺盛な需要があることを確認しております。
○神谷宗幣君 回答ありがとうございます。 これ、海外の保有率、この間まで七割ぐらいだったのが五三%に減っているので、是非これからも減らしてもらいたいんですね。 何でこれを心配しているかというと、一九九七年にアジア通貨危機というのがありまして、お隣の韓国が破綻をしました。その原因がこの短期資金のショートだったわけですね。その結果、韓国はIMFの監督下に置かれて、国の富がかなり流出したということがありますので、こういった教訓がありますから、短期国債もできる限り国内で保有しておいていただきたいと。今、国際情勢不安定なので、是非そういった方向で進めていただきたいと要望しておきます。 最後に、外国人の不動産購入についてお聞きしたいと思いますが、現在、日本の不動産市場は、外国人投資家、特に中国を始めとする相続税のない国の富裕層による不動産取得が急増しています。日本の相続税は最高税率五五%と非常に高いんですけれども、高くて三代で資産がなくなると言われているような重税の仕組みになっています。一方、中国、インド、シンガポール、マレーシア、オーストラリアなど、多くの国では相続税そのものが存在していません。 その結果、日本では相続税の負担のない海外の富裕層が投資用の不動産購入で圧倒的に有利な立場に立ち、日本人は相続税によって保有資産の売却を迫られたりしますので、不動産が外国人の手に渡るという不公平な状況が生まれてきています。 そこで、財務省にお聞きしたいんですけれども、日本の税制はこういった不動産取引において外国人と日本人との間でかなり不利に働き、資産形成を阻害しているという面が日本の税制の中にあるんですが、こういった問題について検討したことがあるのか。 それから、シンガポールで導入されているような加算印紙税、これでシンガポールは外国人、非居住ですね、非居住の外国人が不動産を買いにくくしているんですけど、日本ではそのような対策は打てないのか。 それから、この相続税自体が国庫の四%を占めているわけですけれども、税収の。これ、これから、海外、どんどんどんどんと外国人入ってきて買うとなると、相続税自体が本当に大きな足かせになりますので、そういったものの見直しを考えていないのか。 三点、端的にお聞かせください。
○政府参考人(青木孝徳君) お答えします。 まず、日本人の資産形成が不利な状況になっているのではないかという御指摘でございますが、一般論として申し上げますと、税制は各国それぞれの考え方に基づいて制度が構築されておりまして、どのような税目でどの程度納税者に負担いただくかにつきましては、各国の裁量に委ねられているものでございます。 例えば、日本人の資産形成を促進するため、所得税におきまして、令和五年度改正でNISAの抜本的な拡充を行ったところでありまして、相続税という一つの税目だけを取り上げて資産形成の有利、不利を判断することは適当ではないのではないかというふうに考えております。 なお、各国と締結しております租税条約におきまして、自国と相手国の国民を差別できない条項が含まれていることも踏まえ、国籍にかかわらず、日本人と外国人に同様の課税を行っているところでございます。 例えば、国内の不動産について申しますと、外国人が相続する場合には日本の相続税が、外国人が売買する場合には日本の所得税が課税される仕組みとなっておりまして、一定の公平性は担保されているものと考えております。 次に、非居住外国人による不動産取引抑制のための新たな課税方法の御提案でございますが、委員御指摘のとおり、シンガポールにおきましては、住宅用不動産を取得する際に課される加算購入印紙税について、永住権を持たない外国人に対して、シンガポール市民などと比べまして高い税率が課されているものと承知しております。 住まいというのは生活の基盤でございまして、購入者が日本人か外国人かにかかわらず、投機的な取引が好ましくないことは事実でございます。我が国において、同様の税制の導入について、現段階で具体的な検討を進めているわけではございませんが、自国と相手国の国民を差別できない条項との関係なども併せて考えていく必要があるというふうに考えております。 最後に、相続税の廃止などについてでございます。 少子高齢化が進む我が国において、再分配機能を有する相続税は税制の中でも重要な役割を果たしているというふうに考えておりまして、その廃止や基礎控除の大幅な引上げについては慎重な対応が必要であるというふうに考えております。
○神谷宗幣君 ありがとうございます。 税制それぞれの国にあるんですけど、今どんどんグローバル化してきて、市場がもう一つになってきていますので、やっぱりそこで足かせになるようなものはしっかり見直していかないと日本人が負けるので、やはり国の制度としては日本人を有利にするような仕組みにしないといけないんですが、ちょっと今日は時間がないので、せっかく用意してもらって、まだ外務省とか国交省の質問聞けないんですけど。 やっぱり、今ばらばらなんですね、外国人に対することが、土地の問題、法律の問題、税の問題、ばらばらですので、是非、これ大臣にお願いしたいんですけど、今外国人の問題いろいろ出てきていますから、外国人の問題を一括して扱うような庁をつくっていただいて、土地の問題とか社会保障の問題とか治安維持の問題とか、各省庁またがっていて結構ばらばらで、どこに聞いても、皆さんあんまり触りたくないようなことをおっしゃるんですね。 でも、国民の不満どんどん高まっていますから、是非、どこかのタイミングで、次の総裁選に出られるときでも結構だと思うんですけれども、外国人の総合政策庁みたいなものをつくって、外国人問題を一括して管理できるような、そういったことを税制を含めて考えていただきたいというふうに要望しまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(三宅伸吾君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(三宅伸吾君) 所得税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。加藤財務大臣。
○国務大臣(加藤勝信君) ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 政府は、物価上昇局面における税負担の調整及び就業調整対策、地域経済の好循環の実現、国際社会の変化への対応等の観点から、国税に関し、所要の改正を一体として行うため、本法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、物価上昇局面における税負担の調整及び就業調整対策の観点から、所得税の基礎控除の控除額及び給与所得控除の最低保障額の引上げ並びに特定親族特別控除の創設を行うこととしております。 第二に、成長意欲の高い中小企業の設備投資を促進し地域経済に好循環を生み出すため、中小企業経営強化税制の拡充を行うこととしております。 第三に、国際環境の変化等に対応するため、防衛特別法人税の創設等及び外国人旅行者向け免税制度の見直しを行うこととしております。 このほか、相続に係る所有権の移転登記等に対する登録免許税の特例等について、その適用期限の延長や整理合理化等を行うこととしております。 政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院におきまして一部修正が行われております。 この法律案が現下の我が国の経済社会に果たす役割に御理解を賜り、何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(三宅伸吾君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員後藤茂之君から説明を聴取いたします。後藤茂之君。
○衆議院議員(後藤茂之君) ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分につきまして、その趣旨及び概要を御説明申し上げます。 第一に、低所得者層の税負担に対して配慮する観点や、物価上昇に賃金上昇が追い付いていない状況を踏まえ、中所得者層を含めて税負担を軽減する観点から、所得税の基礎控除の特例を創設することとしております。 具体的には、まず、給与収入二百万円相当以下の者について、恒久的な措置として三十七万円の基礎控除の上乗せを行うこととしております。また、給与収入二百万円相当超八百五十万円相当以下の者については、令和七年分及び令和八年分の二年間において、各年の所得金額に応じて基礎控除の上乗せを行うこととしております。 第二に、政府は、物価上昇局面における税負担の調整を含め、所得税の抜本的な改革について検討を加え、その結果に基づき、必要な法制上の措置を講ずるものとしております。 第三に、政府は、令和七年度末までに、所得税の基礎控除の特例の実施に要する財源の確保について検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとしております。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(三宅伸吾君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時十分散会