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217回国会参議院2025/04/24

国土交通委員会 第12号

発言数
134
登壇者
15
会派数
8
開催日
2025/04/24

会議録

小西洋之立憲民主・社民・無所属

○委員長(小西洋之君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、中条きよし君及び安江伸夫君が委員を辞任され、その補欠として石井章君及び新妻秀規君が選任されました。     ─────────────

小西洋之立憲民主・社民・無所属

○委員長(小西洋之君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  船員法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省海事局長宮武宜史君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小西洋之立憲民主・社民・無所属

○委員長(小西洋之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

小西洋之立憲民主・社民・無所属

○委員長(小西洋之君) 船員法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

宮崎雅夫自由民主党

○宮崎雅夫君 おはようございます。自由民主党の宮崎雅夫でございます。  質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。  今日は船員法等の改正案の質疑でありますけれども、それに先立ちまして、中野大臣に国土強靱化についてお伺いをまずしたいと思います。  ちょうどまさしく一か月前でありますけれども、本年度予算の委嘱審査で、国土強靱化実施中期計画の策定に向けまして、私からは、今、加速化対策、五年で十五兆円、これを大幅に上回る額が必要ではないかというふうに申し上げましたけれども、その後、新年度早々でありますけれども、国土強靱化推進本部が開催をされまして、石破総理からは事業規模についても二十兆円強というお話があったわけであります。中野大臣からも御尽力をいただいたことと思います。ありがとうございます。  加えて、これも申し上げたんですけれども、昨今のやはり資機材でありますとか人件費の高騰を踏まえれば、これらについては予算編成過程で検討するというふうになっておりますけれども、もう二十兆円強は必要な事業の積み上げの額でありますので、それとは別にやはり物価高に対応して総額をしっかりこれ上げていかないと必要な事業ができなくなるというおそれがあるわけであります。  また、国土強靱化、いろんな対策がございます。ハード、ソフト、これいろいろあるわけでありますけれども、重要な取組の一つとして流域治水があるわけであります。推進本部でも大臣から発言もされたというふうに承知をしております。国交省の取組を中心にして、関係者が一体となって、それぞれの役割の中で連携をして取り組んでいこうということで、既に各流域で具体的な取組も進んでおります。例えばですけれども、利水ダムの事前放流でありますとか農業用ため池の低水位管理、田んぼダムを始めとして、農家の皆さんを中心にした地域の取組も行われているところでございます。  必要な事業を行うための予算の確保でありますとか、他省庁、他分野の皆さんとの連携を含めて、実施中期計画の策定でありますとかその後の実施に向けて、改めて中野大臣の意気込みをお伺いをしたいと思います。

中野洋昌公明党国土交通大臣

○国務大臣(中野洋昌君) 宮崎委員にお答えを申し上げます。  先日の予算委員会でも委員からも御要望、御指摘いただいた国土強靱化でございます。  四月一日の国土強靱化推進本部においては、国土強靱化実施中期計画の素案が公表されました。これは、今後推進すべき国土強靱化の施策と目標のほか、裏付けとなる事業規模ということで、これは、資材価格、人件費の高騰や能登半島地震での教訓などを踏まえて、今後五年間でおおむね二十兆円強程度を目途とするということで示されたことであります。  今後の物価高騰の影響という御指摘もございます。これは、今後の資材価格、人件費高騰等の影響については、これは予算編成過程で適切に反映をすると、こういうことでございますので、しっかりとやってまいりたいと思いますし、また、流域治水の取組、気候変動の影響を踏まえながら流域のあらゆる関係者が協働をしていくと。堤防整備などの治水事業に加えまして、委員が御指摘いただいた利水ダムの事前放流、そして田んぼダムなど、これは、やはり他機関との連携も含めて、ハード、ソフト対策を総動員しなければならないと思っております。この加速化、深化に引き続き取り組んでいきたいと、こう考えております。  流域治水対策の推進に必要な対策をしっかりと盛り込ませていただき、国土強靱化実施中期計画の策定に向けまして、国土交通省としても引き続き全力を尽くしてまいりたいと考えております。

宮崎雅夫自由民主党

○宮崎雅夫君 中野大臣、ありがとうございます。  引き続き、やはり関係者がこれ一体になって進めていくと、いろんな取組ございますので、是非大臣からもよろしくお願い申し上げたいと思いますし、最初にお答えをいただきました今後の物価変動についても、適切に状況を把握をしていただいた上で、しっかりとやるべきことができるような、そういう予算にもなるように御尽力を引き続きお願い申し上げたいと思います。  次に、船員法改正案についてお伺いをしたいと思います。  今回のSTCW―F条約の加盟に合わせて、生存訓練及び消火訓練の実技講習、五年ごとの能力維持証明について一定の漁船員を対象に加えるとともに、漁船員に対する安全社会訓練について漁船特有の知識を追加をすることになるわけであります。生命の安全にこれ関わることでありますので、実技講習を義務付ける意義ということはもう皆さん理解をされているところでありますけれども、やはり新たな義務ということになりますので、関係の皆さん方からはその実施について懸念の声もやはりあるわけでありまして、私もそのような声を伺っております。  まず、今回の改正におきまして、実技講習の対象となる漁船員及び船員については国際総トン数三百トン以上かつ限定水域外を航行する漁船及びその全ての漁船員ということになっておりますけれども、我が国の漁船、漁船員全体からすればどの程度が対象になるのか、また既に義務付けをされております商船では年間どの程度の船員が実技教習を受けているのか、お伺いをしたいと思います。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) お答えいたします。  御指摘ありました実技講習の対象となるまず漁船でございますけれども、現在対象となる漁船隻数といたしましては最大で三百八十隻程度を想定しております。日本に存在します漁船が約十一万隻と想定しておりますので、それに比べると大分少ない数になろうかと思います。  また、実技講習の対象となる日本人漁船員の数でございますけれども、これは、済みません、水産関係団体に確認したところによりますと、約二千三百人が日本人の漁船員として対象になるというふうに伺っております。  また、既に実技講習が商船に対しては義務付けられておりますけれども、これについて調べましたところ、対象となる日本人船員の数は約二万六千人と試算しております。このうち、五年に一度の受講が必要となりますので、毎年五千二百人程度、平均的に五千二百人程度が受講されるということになると認識しております。

宮崎雅夫自由民主党

○宮崎雅夫君 実技講習の義務付けについてちょっと具体的に伺いたいと思いますけれども、まず訓練体制、それから経済的負担についてでありますけれども、今、局長からお答えをいただきましたけれども、既に義務付けられている商船対象に二万六千人と、五年間でということでありますけれども、十三機関実施機関があるというふうに承知をしております。その所在地が西日本に偏っているということでありまして、地域の格差なく受けれるようにしてほしいでありますとか、受講に待機が生じないようにしてほしいといった御意見があります。新しく二千三百人が発効すればすぐに受けないといけないと、で、年間五千二百人程度というようなことになりますので、やっぱりそれだけのキャパと体制、そういうことがあるということでありますので、やはりそういう御意見もまあごもっともだなというふうに私も思うわけであります。  それから、加えて、既存のこの民間の訓練機関を利用すると、五年ごとにでありますけれども、一人当たり十二万から十六万円ぐらい必要になると。当然、そこに行くまでの交通費とか滞在費もこれは必要になってくると、別途必要になるということでありますので、やはり費用負担が結構重たいというようなこと、そういう御意見もあるわけでありますけれども、これらについてどういうふうに対応していくのか、お考えを伺いたいと思います。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) 実技講習は、非常時に船員の安全を確保するために必要となる基本的な知識、技術を習得するための重要な訓練であります。STCW―F条約の締結に際しまして、一定の漁船員に義務付けされるものであります。  一方で、御指摘ありましたように、実技講習の実施場所や費用などについて、一部の漁業関係団体から、受講場所の多くが西日本に所在しており、漁船の基地港が集まる東日本などに少ない、既存の民間機関であれば受講費用が一人当たり十二万から十六万円程度になるならば負担感が大きいといった懸念の声をいただいております。  このため、国土交通省といたしましては、水産庁や水産関係団体と連携いたしながら、漁船の基地港の周辺地域で低廉に実技講習を実施できる体制を整備するための方策について現在検討を進めております。具体的には、令和七年度中に漁船の基地港の周辺地域でモデル事業を実施いたしまして、関係者が主体となって地元の施設や自社の機材などを活用することにより、低廉な費用で実技講習を実施する方策を検証いたします。  また、モデル事業の成果を踏まえてガイドラインを作成いたしまして漁船の基地港の周辺地域に広く展開する、こういうことに取り組むことによりまして、できる限り低廉に実技講習を受けることができる環境整備を図ってまいります。

宮崎雅夫自由民主党

○宮崎雅夫君 モデル事業を今年度から始めていただいているということであります。是非早急に実施を、モデル事業進めていただいて、やはりモデル事業だけだと駄目ですので、お話があったように、これ広げていかないといけないということでありますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  次に、訓練の内容なんですけれども、漁業者の皆さん方も大分やっぱり高齢化が進んできているということでありまして、その実技訓練の中で水中への飛び込みというものも例示されているわけでありますけれども、熟練した高齢者にこれ負担にやっぱりならないようにしてほしいということでありますとか、これは先ほどの費用との関係もありますけれども、訓練の内容もできるだけ必要最小限、簡素化もお願いをしたいと、そういう意見もあるわけでありますけれども、これらについてはどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) 先ほど申し上げました懸念について、さらに高齢者に関する懸念についても伺っております。御指摘ありました生存訓練において、水中に飛び込むための訓練、これは高齢者にとってけがを招くかもしれないという御懸念でございます。  このため、国土交通省といたしましては、高齢者など健康上の理由により訓練を実施困難な場合には見学で代替するということを考えております。また、御指摘ありました訓練の内容につきまして、船内での訓練や、過去の履歴などで代替できる講習内容を省略することも考えております。  こうしたことで、実技講習の実施方法の合理化について現在検討を進めておるところでございます。

宮崎雅夫自由民主党

○宮崎雅夫君 内容についても検討いただいているということでありますので、これは先ほどお話があったモデル事業との関連もあるんだろうと思います。  全般的にということになりますけれども、そのモデル事業の中で、やはり安全は非常に大切なことではありますけれども、やはりほかのもので代替できるものがあればそれをやっていただくとか、是非いろんな工夫も引き続き検討をいただきたいと思います。  次の質問に移らせていただきますけれども、これ先ほどお伺いをした訓練体制の整備というふうなものと大きく関わることでありますけれども、条約の発効が来年一月を予定されているということでありますので、今そのモデル事業とか実施体制の整備にも、既存のやつとは別にそういう努力もしていただいているということでありますけれども、二千三百人、これ一挙にという言い方がどうかはあれですけれども、やっぱりすぐ受けないといけないということでありますので、早急にこの実施体制を整備をしていっていただかないといけないということになるわけでありますけれども。  そこで、今後のスケジュールということになるわけでありますけれども、まず、来年一月の条約の発効の後にもうすぐ外国に寄港する予定の漁船の船員の方であれば、寄港したその外国の政府から、我が国も同様のことができるわけですけれども、監督を受けるわけであります。つまり、実技訓練を受講していることなど、検査をこれ受ける可能性がありますので、まず優先的にそれまでに訓練を受けられるように体制を整えてもらいたいということでありますとか、それがなかなか難しいということであれば、それらの船員に対して、寄港した外国で不利益が生じないように、書面の交付等万全の対策を取っていただきたいというようなこと、また、これは、それは海外に、外国に寄港した場合の話ですけれども、国内のことでも、陸上の滞在期間でありますとか寄港のタイミングはやはりそれは限られるわけでありますので、訓練体制の整備の状況も踏まえて、環境が整った後義務付けをしてほしいと。つまり、訓練を受けたいと思っていてもなかなか受けられないような状況の中で義務付けをされたら、これ違法の状況ということになりますので、そういうようなことにならないようにしてほしいというような意見もあるわけでありますけれども、これらにつきまして国交省の考えを伺いたいと思います。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) 御指摘の点につきましても、関係者から御懸念をいただいているところでございます。  まず、スケジュールにつきましてですけれども、御指摘にありましたように、現在、まだ訓練を受け入れるための能力、キャパシティーが足りないところでございます。これにつきましては順次整備を進めてまいりますので、その訓練実施体制の整備状況を踏まえて、義務付けのスケジュールについては決定してまいりたいと思っております。  また、各漁船が操業、魚種によって違うようですけれども、日本に滞在する期間がごく短いですとか、その間で訓練を受けるチャンスがなかった、こういったことに対する御懸念もいただいておりますので、そういった場合に、例えば訓練できずに外国の港に寄港するような場合、こういうことが想定されます。こういった場合に対しましては、外国の港での検査、これポートステートコントロールという検査でございますけれども、これに備えまして、必要な人に国交省の書面を交付することで、それをクリアするような形を考えたいと思っております。

宮崎雅夫自由民主党

○宮崎雅夫君 今お話がありましたように、やっぱりキャパの問題があるので、努力はもちろん最大限していただきたいと思うんですけれども、現実的には年内に二千三百人受けるというのはなかなかやっぱり難しいんじゃないかというような感じがしますので、優先的にこれやっていくべきことというようなこと。  それから、スケジュールについては、今御答弁もいただきましたけれども、是非、いろんなことについて、これまでも漁業関係の皆さん方とはコミュニケーションを取っていただいているというふうに思いますけれども、引き続き、よく意見を聞いていただいて、連携、これ協力をしながら是非進めていっていただきたいということを要望させていただきたいと思います。  それから、書面についても、これ当たり前でありますけれども、幾ら日本政府が発行したと、国交省が発行したといっても、向こうの政府が知らないと、こういうことであれば結局不利益を被るということになりますので、事前によく、どこに行くかというのはお分かりだと大体思いますので、是非、事前の相手国政府との調整も進めていただきたいと思います。  次の質問に移らせていただきますけれども、今回の法改正の大きな背景として船員不足の深刻化というものがあります。このような状況を踏まえて対応していこうと、今回の法改正でも具体化していこうということでありますから、大変重要な改正だと思います。  この国交委員会でも、道路法とか港湾法の改正でも、技術者の不足、地方公共団体、そういうことも多く質問で取り上げられました。私も前回の質疑でも取り上げさせていただきましたけれども、全てのこれ分野において技術者が特に不足しているという状況にあります。船員も技術者でありますので、まさしくその不足が大きな課題だということでありますけれども、やはりそれぞれの分野で業務を効率化していかなければ、これはもうパイの奪い合いになってしまうということになります。船員作業の自動化でありますとか自動航行といった、こういった取組も更に進めていかないといけないと思います。  国交省として、関係の皆さんと協力しながら、これからどのような取組を行っていく予定なのか、お伺いしたいと思います。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) 船員不足が深刻化する中で、船員が継続的に就業できる職場環境を実現していくためには、船内作業の自動化などを通じて船員の労働負担の軽減を図ることが重要だと考えております。  今回の法律案では、船舶所有者に対して快適な海上労働環境の形成のための措置を講ずることを努力義務として求めることとしております。船員の労働負担を軽減するための自動化などの船内の作業方法を改善するための取組を促進してまいります。  また、自動運航船につきましては、船舶運航の安全性の向上のみならず、運航業務の効率化による労働負担の軽減を通じて船員の労働環境改善や職場の魅力向上にもつながるものと期待しております。

小西洋之立憲民主・社民・無所属

○委員長(小西洋之君) 時間が参りました。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) はい、分かりました。  現在、安全基準や検査の方法などに関して官民一体となって検討を進めているところでありまして、二〇三〇年頃までの本格的な自動運航船の商用運航の実現に向けて取り組んでまいります。  以上です。

宮崎雅夫自由民主党

○宮崎雅夫君 時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。

杉尾秀哉立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 立憲民主・社民・無所属の杉尾秀哉でございます。  今回は船員法等改正案ということで、実は、今日の質疑は森屋理事から振られたんですけれども、たまたま私の父親が船員でございまして、これも何かの因縁ということで、ちょっと今日は気合を入れて質問をしたいというふうに思っております。  ちなみになんですけど、これ旧制で、戦前の旧制の高等商船学校卒業しまして、船会社にそのまますぐ就職をして、戦後間もなく、南洋諸島ですね、パプアニューギニアとかあの辺とか、それからアメリカとか世界中航海していたらしいんですけれども、やっぱり船員の仕事というのは過酷でありまして、当時はジストマという、余り今は聞いたことないんですが、大変な病気にかかりまして、命は取り留めたんですけれども、船乗り続けられないということで転職をして、造船会社のサラリーマンになったということでございます。  ちょっとそれはさておきまして、父親がよく言っておりましたけれども、船員は、船乗りは花形の職業だったと、給料も高かったと。年金、今は統合されていますけれど、船員の年金ってやっぱり別で、どうもやっぱり高かったらしいんですね。長くいなかったので、そんなにはもらえていなかったのかもしれませんけれども。そうした当時と比べると、今は船員を取り巻く状況というのが本当に大きく様変わりしているということで、先ほど宮崎委員の質問にもありましたけれども、こうした事情ですね、船員不足、法改正の背景にあるというのは理解をしております。  今回の法改正のポイント三つあるということなんですけれども、この法案の閣議決定ちょっと遅れたようですが、その直前の二月の上旬に、今日いらっしゃいます参考人の宮武海事局長が海事立国フォーラムというところで講演されていました。私もその模様をちょっと見させていただいて、船員などいわゆる海技人材の重要性を訴えておられます。その発言のポイントと背景を説明してもらえますか。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) 御指摘ありましたように、今年二月の海事立国フォーラムにおきまして、私の方でプレゼンテーションさせていただきました。その中で、恐らく船員の関係で申し上げると、私の発言いたしました、船員というものはやはり国際あるいは国内の物流を支える要になります、この人たちが不足すれば物流が混乱するどころか日本の経済は立ち行かなくなるであろうことは自明でありますという発言をさせていただきました。恐らくこの部分を指しておられるんだと思います。  これは、もちろん私の、背景といたしまして説明いたしますと、我が国経済、国民生活に大きな役割を果たす海運の安定的な活動を確保する上では、船員の確保、育成は大変重要と考えております。現時点においては、船員不足により国内、国際の海上物流に大きな支障が生じている状況にあるとは認識しておりませんけれども、今後もそのような事態が起きないように対応していく必要があると考えております。そういう考え方の下に発言させていただいた次第でございます。

杉尾秀哉立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 おっしゃったとおりですね。内航の海運は国内輸送の四割、輸出入に限れば九九%ということなんですね。  中野大臣にも伺いますけれども、今船員をめぐる現状の厳しさ、発言がありましたけれども、大臣はどういう認識でしょうか。

中野洋昌公明党国土交通大臣

○国務大臣(中野洋昌君) 杉尾委員にお答えを申し上げます。  先ほど海事局長のフォーラムでの発言ということで今答弁をしていただきましたけれども、私も、特に船員をめぐる現状ということで、例えば有効求人倍率などを見ますと、非常に上昇傾向にあると、特に直近の数年間で大きく上昇をしているという状況でございます。具体的には、令和六年九月時点の数字が約四・六七倍ということなんですね。これは陸上に比べても大変に高い倍率であります。そういう意味では、非常に不足感が現場で高まっているということだと、そのような認識をしております。  恐らく、背景には、この船員の働き方改革ということもございまして、一人当たりの労働時間数が減少しますので、これは交代要員等の必要性の増加ということもあろうかと思いますし、また、船員がより労働環境の整った事業者へ就労したいと、こういう志向をされるということで、船員の採用が困難と感じている事業者が増えているのではないか、こういう背景があるのではないかというふうに考えております。

杉尾秀哉立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 もう先に答えていただきました、配付資料の一ですね。右が、これ、今、先ほどの答弁ですと、令和六年が四・六七倍ですかね。(発言する者あり)ですね。ですから、これ四・五九になっているけれども、直近の数字は四・六七ということで、全産業平均の四倍ということです。それから、働き方改革ということで、左ですね、労働時間の変化ですけれども、特にここ五年ほどですね、この働き方改革が言われてから急速に大分短くなっている。労働環境の問題もあるというふうなお話でもありました。  これが今回の法案の背景ということなんですが、もう一つ、いわゆるモーダルシフトですけれども、物流の二〇二四年問題というのを皆さん御存じだと思いますけれども、長距離輸送をトラックから鉄道それから内航海運に切り替える、いわゆるモーダルシフトということなんですが、この目標ですけれども、今、政府はどういう目標を立てているんでしょうか。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) お答えいたします。  令和五年十月に我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議において策定されました物流革新緊急パッケージなどにおきまして、国内海運については輸送量を令和二年度から十年程度で五千万トンから一億トンに倍増するという目標を掲げております。

杉尾秀哉立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 これからの十年間で五千万トンを一億トンということ、倍、倍増ですね。  大臣に伺いますけれども、これ後で資料も御覧いただきますが、現状のような船員不足の状況がやっぱりそんなに急激に緩和はできないと思いますので、そうすると、十年間で倍増というようなことがこれ現実的に可能なのかどうなのか、これについて大臣の見解聞かせてください。

中野洋昌公明党国土交通大臣

○国務大臣(中野洋昌君) 先ほど局長から、国内海運、モーダルシフトの目標ということで、五千万トンから一億トンに倍増という数字を答弁いたしました。この目標につきましては、国内の貨物の輸送量の約一割を占めますフェリー、ローロー船あるいは内航コンテナ船等による輸送の伸び率などを踏まえて設定をしたというものでございます。もちろん、内航海運、こうしたコンテナとかフェリー以外のものもいっぱいありますので、こうしたところの輸送の伸び率等を踏まえて設定をしたということであります。  そして、この達成に向けましては、やはり一つは、既存の航路を最大限活用して積載率を向上させるということが必要かと思います。そして、船舶の大型化など、船舶の新造も進めていくということとしております。  この船舶の大型化等を進めるに当たっては、やはり運航に必要となる船員が一定数増加をするということでありますので、その確保、育成をしっかり取り組んでいかないといけないという考えでございます。具体的には、昨年十二月、海技人材確保のあり方に関する検討会の中間取りまとめで、海技人材の養成ルートの強化でありますとか海技人材確保の間口の拡充などの施策など、こうしたことを着実に進めることで、官民を挙げてモーダルシフトの推進目標を実現するように取り組んでまいりたいというふうに思います。

杉尾秀哉立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 船の大型化、これも後で言いますけれども、やっぱり小規模事業者が多くて、一杯船主というんですかね、一隻しか持っていないという、こういう事業者も非常に多いんですね。実は内航海運というのはそれが現実と。  これ課題だらけなんですけれども、船員不足の問題をもう少し掘り下げたいんですが、去年四月の衆議院の国交委員会の議事録を読んでおりましたら、こういうやり取りがありました。これは現在の宮武局長の前任者の方ですけれども、こういうふうな発言しているんですね。最近十年間で見ると、若年船員は数、割合とも増えていて、全体として内航船員の数も増加している、内航海運の輸送需要は全体として漸減傾向にあって、現時点では国内物流に大きな支障が生じる状況ではないと、こういうふうに言っているんですが、ちょっとこの本当に状況認識を局長さんがされていたというのは私はちょっと驚いたんですが、先日組合の皆さんとも話ししていてやっぱり驚かれていましたけど、大臣、どう思われます。

中野洋昌公明党国土交通大臣

○国務大臣(中野洋昌君) 昨年四月の、局長からこのような、大きな支障は生じていないという答弁があったということだというふうに思います。  大きな支障は生じていないと、国内海上輸送の全体が滞るような大きな支障が生じてはいないという現状の答弁をしたのであろうというふうに思いますけれども、しかし、船員の、先ほど私もお話しさせていただいた有効求人倍率を見ても、やはり直近数年間で大きく上昇ということは、船員不足は深刻な状況であるというふうに私は認識をしております。不足感が非常に高まっていると。その背景としては、先ほど来お話が、委員からも資料を提示していただいたような働き方改革等々、いろんな要因はあるかとは思いますけれども、深刻な状況であるというふうに私は思っております。  現時点で大変に大きな支障が生じているということではありませんが、そうした事態が起きないようにやはりしていく必要があるということかと思います。今回の法改正を含めて必要な対策を講じてまいりたいと思います。

杉尾秀哉立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 やっぱり今深刻だということをおっしゃっていただきましたが、これは去年もそういう状況は変わらなかったと思うので、ちょっとやっぱり危機感が実は足りなかったのではないかというふうに思われます。  内航海運の船員数は、一九九〇年で大体五・六万人ぐらい、それが二・七万人程度に今半減をしております。ただ、輸送量自体は、ここ二十年間はほぼ横ばいで変わっておりません。一方、外航船の日本人の船員の数が、私の父がそうだったんですが、一九七二年がピークで五・六万人いたんですが、バブルの崩壊前後に一万人を切って、ここ二十年ほどは二千人台で推移していると、こういう状況ですね。  そこで、資料二と三なんですけれども、資料二は内航の船員なんですが、ここ、確かに全体としてはそんなに減ってはないんですが、やっぱりここ、令和に入ってからやっぱり減少傾向が続いている。これは新規の就業者の数ですね。ここを何とかしなければいけない。それから、三の方は外航船員。こちらの方は、やや新規も増えておりますけれども、やっぱり全体として見ると横ばいかやや下がっているということで、これを何とかしなければいけない。  これまでの船員確保策、本当に十分だったんだろうかというふうに言わざるを得ないんですけれども、大臣、この点については、これまでの取組って十分だったと思われますか。

中野洋昌公明党国土交通大臣

○国務大臣(中野洋昌君) 委員御指摘のとおり、従来、船員の確保、育成というところでは、グラフでも示していただきました例えば内航船員においては、将来高齢船員が大量に退職をされて船員不足が非常に懸念されるのではないかということも大きな課題とされてきました。ですので、今まで、例えば海技教育機構における船員の養成に必要な予算の確保、段階的な入学定員の拡大であるとか、日本船舶・船員確保計画制度を創設をし、また支援をする、あるいは六級海技士短期養成コースの創設及び支援等の取組を進めてまいりました。  こうした取組を通じて、新規就業者の増加もございまして、近年、内航船員でいうと、全体の年齢構成が五十歳以上の方の割合が全産業並みとなるまで若返りが進むということと、内航船員の総数も、平成二十六年約二万七千百人を底に、直近の令和五年には約二万八千六百人まで少し増加もしまして、一定の効果はあったのではないかというふうには思っておりますが、ただ、いずれにしても、先ほど来申し上げている有効求人倍率等を見ますと、平成二十四年に一倍を超えて、そこから上昇が続きまして、直近数年間では大きく上昇という状況、船員不足が深刻化をしているということでございますので、先ほども紹介させていただいた海技人材の確保のあり方に関する検討会を立ち上げ検討をしていると。そして、中間取りまとめ、昨年十二月、五つの方向性ということで出させていただきまして、対策を講じていくということでございます。  そういう意味で、この方向性に沿った措置ということで今回本法案も提出をさせていただきましたので、この法案も含めまして対策を総合的にしっかり講じてまいりたいというふうに思います。

杉尾秀哉立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 先ほどの資料二なんですけれども、今大臣の答弁にありましたとおり、若干やっぱり平均年齢は下がっていて、全産業平均とほぼ一緒のところまで来ているんですが、ただ、ボリュームゾーンを見ると六十歳以上の方がやっぱり非常に多くて、この人があと十年、二十年、まあ八十歳で乗っている人もいらっしゃるらしいんですが、あと十年、二十年、三十年続けられるかといえば、ちょっとやっぱり無理だろうというふうに思いますので、やっぱりこれは本当に喫緊の課題なんだなということがよく分かるんですね。  あと、それから、今回は外国人の船員の方もいわゆるF条約でも対象になるわけですけれども、女性なんですけれどもね、海は男の職場なんてよく言いましたけれども、女性のいわゆる船員の対策、増員、これってどうなっていますか。現状どうなっていますか。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) 女性船員を採用するための対策という御質問と理解いたしました。  船員不足が深刻化している中で、女性も含めた船員にとって働きやすい環境整備を図ることが重要だと考えております。  これまで、女性船員にとって働きやすい環境整備に向けまして、女性のライフステージに合わせた柔軟な配置転換、あるいは女性専用の居室、浴室の設置など業界における先進的な取組事例を収集し、それを発信するという取組、あるいは、就職説明会におきまして女性活躍企業が見えるような、そういう見える化を進めるという、そういう取組を進めてまいりました。  引き続き、女性船員などが活躍する事業者の社内環境や実際に働く女性の生の声といった情報発信を強化するとともに、船員分野におけるハラスメント対策の充実など、女性はもとより多様な人材にとって働きやすい環境整備を進めてまいりたいと思っております。

杉尾秀哉立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 資料四を御覧ください。  これも内航船ですけれども、女性船員数ですが、令和五年で六百九十人ということで、左の下にも書いてありますけど、二%。何かグラフが右肩上がり風になっていますけど、全然右肩上がりじゃないんですよ、赤いグラフがこうなっていますが。  ちなみに、元々やっぱり男性の職業と言われた自衛官、これが女性の割合が今八・三%、それから警察官が七%で、それぞれ十年間で大体三ポイントぐらい調べてみると上がっているんですね。で、女性の船員数というのが、今申し上げたとおり二%でほぼ横ばいでしょう。ここの部分もやっぱりこれから取り組んで、力を入れていただきたいというふうに思います。  ちょっと前置きが大分長くなりましたけれども、こうした現状を打開するために、本法律案の第八十三条の二十で、船内における職場環境並びに船員室の居住環境やインターネットの利用環境を海上労働環境というふうに位置付けて、快適な海上労働環境づくりに向けた取組の促進を船舶所有者の努力義務としたということでございます。六つの措置挙げられておりますけれども、これらは、当該船舶の航行区域、航路その他航海期間や態様などを勘案すると、こういうふうに条文には書かれております。  いずれもこれ抽象的な表現なんですけれども、具体的に言うとどういうことになるんでしょうか。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) 御指摘いただきました船員法第八十三条の二十でございます。  御紹介いただきましたとおり、船舶の航行区域、航路その他の航海の期間及び態様を勘案するものとするというふうに条文で書いております。  これにつきまして、例えば短距離の航路を航行する、運航する船舶、例えば十分、十五分で往復するような船舶につきましては、個別の船員室を設けるという必要性が少ないであろうということもあります。このように、航路ごと、あるいは船の大きさごと、いろんな特性があろうかと思います。それを反映できるような条文としております。

杉尾秀哉立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 まあ個別の事情に応じてということですよね。それから、内陸に近いところを通る船だと、いわゆる無線というか携帯の電波のことを余り考えなくていいとかですね。最近、だけど、何か聞くところによると、スターリンクを使って大体どの船舶もインターネットを使えるようになっているとは聞いていますけれども。  いずれにしても、そういったような努力をしていただきたいということなんですが、ただ、冒頭に触れましたけど、内航海運は九九・七%が中小企業ということで、今回何らかの措置をするということになると新たな負担が生じるというふうに思います。国としてどういう支援を考えているんでしょうか。

中野洋昌公明党国土交通大臣

○国務大臣(中野洋昌君) 今回の法律案では、船舶所有者が講ずる措置が適切かつ効果的なものになるようにということで、国がまずはガイドラインを作成、公表するとともに、必要な指導及び助言を行うということとしております。まずは、これらを通じて船舶所有者による自主的な取組を促してまいりたいというふうに思います。  もう一つ、さらに、快適な海上労働環境の形成に資する支援措置といたしまして、荷役作業の遠隔自動化など船員の労働負担の軽減等に資する技術開発や実証への支援を行うほか、鉄道・運輸機構の船舶共有建造制度がございますので、船内の居住環境や通信環境を向上し、労働負担を軽減する設備を導入する船舶の建造支援などに取り組んでいるところでございます。  こうした支援措置の積極的な活用も呼びかけてまいりたいというふうに思います。

杉尾秀哉立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 それから、人員対策として、本法案においては地方公共団体による職業紹介事業の創設というのが規定をされております。これ自体は大いにやってほしいんですけれども、船員として働くには海技免許の取得が一般的でありますから、未経験の人にとってはやっぱりハードルはそんなに低くない、むしろやっぱり高いんだろうと。簡単に転職するというわけにはなかなかいかないんじゃないかと思われるんですね。  資料二の下段なんですけれども、国交省としてはこうした施策を取ることで、内航船員の新規就業者数、このグラフを見て、令和五年で七百六十一人と、こういうふうになっております。下段の方ですね、資料二の、なっておりますけれども、これを二〇三〇年に九百人、だからピークの頃になりますね、平成三十年、令和一年、この頃、同じ水準に戻すという目標を立てておられるようですけれども、この達成というのはこれだけで本当に可能なんでしょうか。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) 法案に盛り込ませていただきました地方公共団体による無料の船員職業紹介事業の解禁、あるいは快適な海上労働環境の形成の促進、こういったものは船員の採用に効果があると思っておりますけれども、これだけで全てが解決するものではないと思っております。  大臣からも御紹介ありました、昨年十二月に海技人材の確保のあり方に関する検討会におきまして中間取りまとめを行っております。その中には、これ、今申し上げたもののほかにも、海技人材の養成ルートの強化、これは既存の船員育成の教育機関あるいは教育ルートについてパイプを太くしていくということでございます。あるいは、海技人材確保の間口の拡充ということで、ハローワークと連携強化して陸からの人の招き入れを強化していく、こういったものも盛り込ませていただいております。  国土交通省としましては、今後の船員の新規就業者の増加に向けて、官民一体となりまして、中間取りまとめで示された取組内容を着実に進めてまいりたいと思っております。

杉尾秀哉立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 何としてもこの目標を達成してもらいたいというか、達成してもらわないと困るということだと思います。  それで、先ほど宮崎委員が触れられました、今回の航行の安全確保のための国際規制の強化ということなんですけれども、これは二つ目の大きな目的になりますが、政府はこれまで、我が国の海技資格の体系や漁業実態に合っていないということを理由に、STCW―F条約、いわゆるF条約を締結しておりませんでした。しかし、漁船員の高齢化や国際競争の激化などを受けた関係団体の要望も踏まえまして、条約締結を目指すことになったということでございます。今回の法改正もその一環というふうに認識をしております。  そこで、まず基本的な質問なんですけれども、我が国がこのF条約を締結した場合に我が国に及ぶと見込まれる効果、あるいは、もし仮に締結に至らなかった場合に見込まれる不利益、これをそれぞれ説明してもらえますか。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) STCW―F条約の締約国は、自国に寄港している外国漁船の船員が同条約に規定する要件に適合しているかどうかを検査し、適合していない場合は航行を差し止めることができます。この検査はポートステートコントロールと呼ばれております。  我が国がSTCW―F条約を締結した場合でございますが、同条約に適合する資格証明書を政府が発行いたしますので、我が国の漁船が外国でポートステートコントロールを受けた場合におきましても検査を短時間で終了することが可能となります。  一方、STCW―F条約を我が国が締結しなかった場合、これは同条約に適合する資格証明書が発行できませんので、我が国の漁船が外国でポートステートコントロールを受けた場合において、検査に時間を要する、あるいは航行が差し止められる可能性があるという、漁業活動に支障が出ることが懸念されます。

杉尾秀哉立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 このF条約の締結国が発給した資格証明書、これがあれば、ポートステートコントロール、PSCというんですかね、が、これが免除されるとかいろんな特典がある。そうしたこともあって、今回、F条約を締結しよう、それに合わせて法整備をしようということなんですが、これまで商船の船員には、このSTCW条約、Fが付いていない元々の、W条約というふうに言っておるそうですが、この担保措置として非常時に備える教育訓練が義務付けられておりました。今回、F条約を締結するに当たっては、新たに、これも先ほどの質疑の中にありましたけれども、基本訓練や実技講習などを受けなければならない、こういうことになります。これによって経済的、物理的負担が生じるため、十二万円から十六万円という話もありましたけれども、特に高齢者が、先ほど言いました、六十歳以上が多いという話もしました、こうした人たちがこれを機に退職することを検討する、こんなことになりはしないかということが心配をされております。  そこで伺いますけれども、海上労働という職場を就職、転職の選択肢にできるよう、また、訓練の義務付けによって、かえって船員の退職を促す事態、こういうことにならないように国として負担軽減策を講じる必要があると考えますけれども、これについての取組を伺います。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) 高齢船員に対する訓練への配慮ということで御質問いただきました。  私、先ほど若干触れましたけれども、実技講習につきましては、まず場所がない、あるいは費用が高い、こういった御懸念を水産関係団体からお受けしましたけれども、あわせて、高齢者に対する負担が大きいと、特に高所から水中へ飛ぶ訓練が負担が大きいという御懸念もいただいております。  国土交通省といたしましては、訓練場所あるいは費用についての軽減措置を講じるとともに、あわせまして、高齢者に関しましては、健康上の理由により実施困難な場合の見学への代替など合理的な方法を取らせていただくことを考えております。

杉尾秀哉立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 高齢者にも配慮した、これ、訓練内容というのはこれから決めるんですよね。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) ある程度、既に商船で義務付けられたものがありますので、メニューとしてはそろっております。それをどういうふうに軽減していくかという検討になろうかと思います。

杉尾秀哉立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 分かりました。これもお願いします。  先ほど述べましたように、現行の船舶職員法ではW条約の規定に準拠した海技免許を規定しておりますけれども、新たにこのF条約を締結するということになりますと、この元々のW条約の免許に上乗せをする形でF条約の漁船特有の知識を講習として行う、こういうことになると理解をします。  一方、既にあるF条約の条約締結国、例えばインドネシアみたいな国が多いと聞きますけれども、W条約に準拠した資格証明書とF条約に準拠した資格証明書を別々に発行している国がほとんどで、一緒に発行している国は基本的にないという話も聞きました。したがって、こうしたF条約締結国の外国人の船員、漁船員ですね、が、これから日本人の漁船員と一緒に同じ船に乗り組む場合は、日本人の船舶職員と同様に、F条約準拠とW条約準拠の資格証明書、いずれも必要になるというふうに考えられますけど、これについての政府の見解はどうでしょうか。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) まず、我が国の一定の漁船に船長又は航海士で乗り組む日本人の船舶職員に対しましては、STCW条約で求められているものとSTCW―F条約で求められているものの両方の知識、能力を有することになります。  外国人の場合どうなるかということでございますけれども、この考え方にのっとりまして、STCW―F条約に基づき外国が発給した資格証明書を受有している外国人が我が国の一定の漁船に船長又は航海士で乗り組む場合につきましても、STCW条約で求められているものとSTCW―F条約で求められているものとの両方の知識、能力を有することを求めてまいりたいと考えております。

杉尾秀哉立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 両方の知識、能力とおっしゃいましたけれども、両方の資格証明書は要らないんですか。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) 能力を備えるということが重要だと考えております。  資格証明書をそのまま受け入れるかどうか、これについては、やり方は方法論になろうかと思いますので、これはまた私どもの方で考えさせていただきたいと思っております。

杉尾秀哉立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 ちょっと最後のところ聞き取りにくかったんですが、両方の知識、能力を有する、これをどうやって調べて、どうやって証明するんですか。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) これは商船の場合もやることになろうかと思いますけど、相手国政府が認めている機関における訓練の内容ですとかを確認し、やっぱりちゃんと水準を満たしているかということを確認することなど、いろんなプロセスを経て決まっていくことになろうかと思います。

杉尾秀哉立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 今後は関係者の意見なども十分聞きながらしっかりと検討するというふうに衆議院でも答弁されておられますので、それは確認させていただきたいというふうに思います。  次に、これも衆議院で質疑をされました漁船員条約、F条約ですね、締結国資格証明書を受有する、受けて有するですね、受有する者の特例というのが船舶職員法二十二条の三に今回新たに規定をされることになりました。この条文では、船舶の運航又は機関の運転に関する資格証明書を有する者が対象、こういうふうに条文上書かれております。  この条文について、これまで国内法制化検討会、正確に言いますと、STCW―F条約についての国内法制化検討会というのがありました。ここの中では、このくだりについてどういう議論が行われてきたんでしょうか。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) この取りまとめ、検討会における取りまとめでございますけれども、報告書の中におきまして、F条約においても、W条約と同様に、済みません、ちょっと長くなりますので省略しますと、W条約に基づく資格証明書を持って、ちょっと済みません、F条約に基づく資格証明書を受有すべき船長及び甲板部職員に限ったものとするというふうになっております。

杉尾秀哉立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 今、だから、読まれているとおり、この中に、機関部の職員についてはこれ議論もされていなかったんじゃないですか。その議論もされていない機関部がいきなりこの条文の中に出てきたので、私がヒアリングをしました海員組合の皆さんなんかはここに違和感持っているわけですよ。  これ、どういうことでこうなったんですか。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) STCW―F条約におきましては、他の締約国が発給した資格証明書を承認することで自国の漁船の船舶職員になることを認めるという仕組みが設けられていますけれども、条約の規定では甲板部、機関部等の部門による区別が設けられておりません。この検討会の中におきましても、この趣旨は御紹介させていただいております。  今般の法律改正案におきましても、STCW―F条約の当該規定の趣旨を踏まえまして、甲板部、機関部等の部門による区別なく、他の締約国が発給した資格証明書についての国土交通大臣の承認に関する規定を定めたところでございます。  しかしながら、実際の運用につきましては、STCW―F条約国内法制化検討会の取りまとめを踏まえまして、今後、関係者の御意見を伺いながら検討してまいりたいと思っております。

杉尾秀哉立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 条約上は、その機関部と、それから甲板部ですね、航海士とそれから機関士というふうに言い換えてもいいかも分かりませんけれども、区別がない、そういう理由で今回条文にはこう書きましたということなんですが、やっぱりちょっと議論が私は足りなかったというか、きちっと関係者の方も認識をしていないんですね。  できれば本当はこの条文、この機関部、機関の運転に関するという部分を削除してほしいということをおっしゃっているんですが、削除できないということであれば、条約上区別がないからということで削除できないということであれば、これはやっぱり、制度の運用に当たって、ここの取りまとめにも実は書かれておりますけれども、労使合意を前提とした上で、その詳細を、官、国交省と、それから労、働く者と、それからその使、使用者側、これでその詳細を検討するというふうに書かれて、この取りまとめの中にもあります。こうしたその取りまとめの趣旨、それから、今回、衆議院でも城井委員が同じことを質問しておりますけれども、衆議院での、衆参の議論などを十分に考慮して、関係者の意見も十分に聞きながら慎重に対応してもらいたいというのが、仮に削除できないということであればこれはお願いしたいんですけれども、いかがでしょうか。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) 御指摘の点、深く受け止めたいと思っております。  この検討会、国内法制化検討会の取りまとめを踏まえまして、慎重に対応させていただきたいと思っております。

杉尾秀哉立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 慎重に対応するということなので、これからそこの点については注視をさせていただきたいというふうに思っております。  もう一つ、その外国人の、漁船に限ることなんですが、現在も実は外国人で漁船に乗っている人はいらっしゃるわけですね。マルシップ制度というのはありますけれども、それを除いても、在留資格の特定技能かあるいは技能実習を取得する必要が現在はある、これが現在の外国人の船員が乗り込むその資格なんですけれども、今回のその法改正におけるF条約のいわゆる締結国資格受有者承認制度によって外国人が我が国の漁船に新たにその船舶職員として乗り込むことになった場合、この従来からある在留資格との関係、これについてはどうなりますでしょうか。水産庁に来てもらっていると思うので、答弁お願いします。

河南健水産庁漁政部長

○政府参考人(河南健君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、現在、我が国の漁船漁業におきましては、技能実習制度あるいは特定技能制度といった制度を利用いただいて外国人材を受け入れているところでございます。  これらの外国人材の方々、現在、海技資格が必要とされます航海士や機関士としてではなく、一般の乗組員として乗船をいただき、漁ろう作業等に従事をしているということでございます。このため、海技資格受有者に係る承認制度と直ちに関係が出てくるものではないと、このように認識をしております。

杉尾秀哉立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 直ちにというふうに今おっしゃいましたけれども、将来的には何か支障が出てくるというか、問題になることが考えられるんでしょうか。

河南健水産庁漁政部長

○政府参考人(河南健君) お答え申し上げます。  海技資格の受有に係る取扱いにつきましては、所管をされております国交省さんの方でこの後様々な検討を進められるというふうに私どもとしては認識をしているところでございます。

杉尾秀哉立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 分かりました。  ちょっと時間がないので、国交省の方でそこのところは整理をしていただきたいというふうに思います。  ちょっと最後の方になりますけれども、ここまで担い手の問題を中心に、海運が抱える問題、それから今回の法改正について、幾つかの論点について論じてきました。だけど、高齢化というのは、ずっとここまでは船員のことで申し上げておりましたけれども、実は船舶自身も、船自身も古くなっていると。こちらの問題も、二つの高齢化なんていうふうに言うそうなんですが、これも深刻ということです。  先ほどから何度か紹介しておりますが、小規模事業者が多くて、一杯船主が六、七割、また、四百九十九トン以下の小型船、全体の隻数の八割を占めている。更に言いますと、この内航海運、業界の利益率が非常に低くて、一・三%ということで、全産業平均の三分の一というふうに聞いております。勢い、船の更新がなかなか進まなくて、老朽化が進んでいる。法定耐用年数十年から十五年というふうに聞いておりますが、大体十四年を超えているのが、船が七割に上るということで、こうした現状を変えて、海運業、特に内航を発展させるためには、これ、用船料の適正化とともに、小さな船会社の集約、合併を進めていく必要があるんじゃないか、こういう指摘があります。  この辺の対策はどうなっていますでしょうか。

中野洋昌公明党国土交通大臣

○国務大臣(中野洋昌君) 委員御指摘のとおり、内航海運事業者九九・七%が中小企業ということでありますので、主として大手企業でございます荷主に対して交渉力が弱いという現状ですので、取引環境の改善やそれによる生産性の向上が進みにくいといった構造的な課題があります。船齢十四年以上の船舶が約七割という状況でございます。  現在、国土交通省では、内航海運業者による船舶の建造というのを後押しをするために、中小企業投資促進税制等を措置しているところであります。あわせて、船舶建造の原資の確保に必要となる適正な運賃や用船料の収受を促進をするための取組を進めております。本年度は、運賃や用船料を構成する費目に係る標準的な考え方というのを策定をするという予定もしております。  国土交通省として、各種施策を総動員をして、内航海運業者による船舶建造を促進してまいりたいと、このように考えております。

杉尾秀哉立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 コスト転嫁がきっちりとできるように、今年度から調査は開始するということを事前のレクでも伺いましたので、そこはきっちりやっていただきたいということ。  それから、冒頭の話に戻りますけれども、私の父は旧制の高等商船なんで、今商船大学ですね。それから、商船関係の高専もあります。それと海技教育機構所属の学校が幾つかあります。ただ、年々応募者、それから倍率共に低下をしていて、さらに水産高校に至っては、生徒数、倍率ともがくんと減っていて、七年前に定員割れをして、ここ数年の倍率が〇・七から〇・八倍ぐらいで推移をしているんですね。  こういうふうに見てきて、今日もるる質疑させていただきましたけれども、海運産業の基盤は脆弱で、ここをいかにてこ入れをするか、できるかということが日本の経済にとっても極めて重要な問題。それにしては、船員の確保、育成強化のための予算が、今年度で八千六百万円でしたっけ、ぐらいしか、幾らでしたっけね、何か非常に少ないんですよね。八千六百万円ぐらいじゃなかったでしたっけ。本当にこれで、一億円もなかったんじゃないですか。ですよね。いや、これ少な過ぎませんか。ここ何とかしなきゃいけないんじゃないですか。  ちょっと、大臣、最後にこれだけ答弁してください。

小西洋之立憲民主・社民・無所属

○委員長(小西洋之君) じゃ、大臣、時間が来ておりますが、答弁お願いします。

中野洋昌公明党国土交通大臣

○国務大臣(中野洋昌君) はい。  様々、例えば海技教育機構やあるいは大学、その教育機関に運営に必要な経費というのは、海技教育機構で約六十四億ですとか、それはございます。様々、陸上からの転職者を増やす、あるいは一般の卒業生からの養成ルート等、いろんな取組をしていかないといけないということで、これは必要な予算の確保も含めて、しっかり関係省庁と連携して取組を着実に進めてまいりたいと、このように考えております。

杉尾秀哉立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 法改正もすることですから、予算はしっかり確保しましょう。我々もそれは全面的に協力しますので、よろしくお願いします。

里見隆治公明党

○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。  船員法について質問をさせていただきます。  我が国は、周囲を海に囲まれ、貿易量の九九・六%、国内の貨物輸送量の四三・七%、これらを海上輸送が担っておりますが、この海運、水産産業を支える日本人船員の確保、育成は待ったなしの課題となっております。  本日は、人材確保という観点を中心にして質問させていただきます。  今回の改正案には、船員職業安定法の改正によりまして、船員の職業安定制度の拡充のために地方公共団体による無料の船員職業紹介事業の創設が盛り込まれております。もちろん、地域に密着し、地域の実情に詳しい地方公共団体にも是非職業紹介頑張っていただきたいと思いますが、その上で、元々船員の経験があった方を含めて、業界横断的に人材確保していくためには、多職種の職業紹介を行っている厚生労働省所管のハローワークとの連携も大変重要ではないかという問題意識を持っております。  私も実は三十年以上前に、当時の労働省の地方研修でハローワークの求職窓口に就いていた経験がございます。ハローワークでは職種をまたいでの再就職はむしろ通常でありまして、転職に必要な職業訓練も受講していただきます。その意味では、もちろん地方公共団体も頑張っていただいた上で、ハローワークとの連携強化、これも是非取り組んでいただきたいと思います。  国土交通省としての御認識、また現在の取組状況、さらに、今後取り組むとしたらどのようなことが考えられるか、お伺いいたします。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) 深刻化する船員不足に対応していくためには、船員教育機関の新規学卒者のみならず、陸上からの転職者などの求職も増やしていくことが必要と考えております。そのためには、御指摘ありましたように、ハローワークの利用者が船員の求人情報にアクセスできるよう、ハローワークとの連携強化を図ることも重要と考えます。  ハローワークとの連携につきましては、これまで、ハローワークでの船員の未経験者求人情報の掲示や船員に関するポスター掲示、リーフレット備置き、あるいはハローワーク主催の就職セミナーでの船員ブースの出展などの取組を実施してまいりました。今年度は更にこれを一歩進めまして、国土交通省の職員がハローワークに出向きまして、ハローワークにおいて船員の職業紹介を行う事業を実施する予定としております。  こうした取組を通じまして、ハローワークとのより効果的な連携を実現してまいります。

里見隆治公明党

○里見隆治君 組織的な、また業務的な連携ということも今御答弁いただいたとおり大事だと思いますが、さらに、厚労省が持っている制度、ハローワークの制度を、こちらも十分活用していくということが重要だと思います。一例を挙げますと、職業訓練、あるいは訓練に係る教育訓練給付など、せっかく船員の皆さん、その前後で雇用保険の保険料払っていらっしゃるわけですから、これらも十分、他省庁の所管制度とはいえ、これも十分活用いただきたいというふうに思っています。  船員になることを希望される求職者の方々が地方運輸局で求職活動を行う場合に支給を受けられるのは、雇用保険による失業中の給付、これは生活費になるわけですが、それとともに、やはり転職、あるいは更に腕に磨きを掛けるという意味で職業訓練を受けていただく、その間、例えば、これは延長給付ということもありますし、また費用の一部を教育訓練給付として受給ということもございます。  地方運輸局では、教育訓練給付を積極的に活用いただいて、他職種からの転職ということも後押しをしていただく必要があると思います。また、この教育訓練給付、様々な訓練対象がございますけれども、これを更に広げていく必要も、これは随時見直していただく必要があると思います。  その活用について、国交省のお取組、また今後の方針についてお伺いいたします。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) 厚生労働省が所管する教育訓練給付金制度は、労働者の主体的なスキルアップを支援するため、一定期間の雇用保険の被保険者期間を有する方が厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講し修了した場合に受講費用の一部を保険給付として受け取れる制度と承知しております。  船員関係におきましては、海技士の資格取得について、令和七年四月時点で、海技大学校、海上技術短期大学校、これいずれも海技教育機構の組織になりますけれども、こういった学校が提供しています十八の講座につきまして教育訓練給付金の対象として指定されていると承知しております。  国土交通省といたしましては、地方運輸局において船員としての就職を希望する方が窓口に訪れた際に、こういう教育訓練給付金が使えますよという周知活動を行っておりまして、活用を促しているところではあります。  また、この教育訓練給付金は、陸上職から船員への転職を後押ししていく上でも有効であると考えております。今後、先ほど申し上げましたハローワークとの連携強化のための事業におきまして、地方運輸局職員がハローワークに出向いて職業紹介を行う際に教育訓練給付金の周知を行い、更に活用を促してまいりたいと考えております。  また、教育訓練給付金の対象となる指定講座の拡大に向けましても、厚生労働省と連携して取り組んでまいります。

里見隆治公明党

○里見隆治君 先ほど来、職業訓練、また、この転職の際の技術の付与ということについてお話をしておりますが、海運業を支える皆さんの事情をお伺いしますと、船員の人手不足もさることながら、その人材育成の担い手、教官、教員をどう確保していくのかと、これも大変重要な課題となっているということであります。  この船員養成の専門機関の一角を成す国交省所管の独法法人、今日も何度か出てまいりました海技教育機構では、国からの運営交付金、これを省庁的に見ますと、先ほど令和七年度六十四億という金額出ておりましたが、これは独立行政法人に移行した平成十三年度の予算でいいますと百五億もあったということで、まさに一・五倍あったわけですね。それが六十四億まで大幅に削減をされていると。その意味では、教官、教員の確保、また処遇の改善、そして施設や練習船の老朽化、そうしたものがままならないといったお話も伺っております。  独立行政法人、この機構の予算をしっかり確保して、また事業をむしろ拡充していくべきだと考えますけれども、国交省の御認識、今後の対応についてお伺いします。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) 独立行政法人海技教育機構の令和六年度の事業費につきましては、全体で約八十八億円となっております。その収入で見ますと、国費が七十四億円、民間企業の負担金が八億円、その他自己収入となっております。この国費でございますが、御指摘ありましたように、当初予算として六十五億円、そのほか学校施設や練習船などの老朽化対応という緊急性の高い事業として補正予算九億円を確保しておるところでございます。  またさらに、教官あるいは学校の教員、練習船の教官の不足という現象も起こっております。これにつきましては、具体的に取組といたしまして、教員や教官などの採用要件、これを、現在、三級海技士という一番高いレベルの海技士の資格を求めておりますけれども、四級、一つ下の四級の海技士であっても一定の知識、能力、経験を有すると認められる方についても教官、教員として採用、活用していけるように見直す、あるいは、教員、教官などの処遇につきまして、個人の希望に配慮した勤務地とすることなどを現在検討しているところであります。  国交省といたしましては、引き続き、質の高い船員の養成に必要な事業費の確保も含めまして、我が国の船員養成の中核を担う海技教育機構の安定的な運営が図られるよう、官民一体となって取り組んでまいります。

里見隆治公明党

○里見隆治君 今るる人材確保という、またその養成、教育ということでお話を伺いましたが、せっかく人材確保しても早々に辞められては困りますし、また、ベテランの方にもなるべく長く働いていただきたいと。そういう意味では、高齢者になっても働きやすい職場にしていくということが大変重要な課題だというふうに思っております。  今回の改正事項の一つでありますこのSTCW―F条約の締結の対応で、例えばですけれども、生存訓練というものがあって、この中では、四・五メートルの高さからの飛び込みというものもその中に入っていると。なかなか、六十、七十でこの飛び込みというのは大変なことだと思いますけれども、実際に、今の商業用の船の中では高齢者など健康上の配慮が必要な人には一定の配慮をすることというふうになっていて、そういう意味では高齢者に優しい対応になっていると思いますけれども、それ以上にも、業界また行政を挙げて、なるべく高齢期まで働ける職場にする必要があると考えます。  この点についての国交省の御認識、お伺いいたします。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) まず、御指摘ありましたSTCW―F条約の締結に際しましての実技講習の件でございますけれども、まさに御紹介ありましたように、高齢者などの健康上の理由により実施困難な場合の見学での代替など、その実施方法の合理化について現在検討を進めておるところであります。  また、内航海運を中心に多くの高齢船員が海上労働に従事されております。安定的な海上輸送を支える一翼を担っていただいている中で、高齢船員がより安全で働きやすい職場環境を整備していくことが大変重要だと思っております。  今回の法律案におきましては、船員の労働負担を軽減するための自動化などの船内の作業方法の改善を始め、快適な海上労働環境の形成のための措置を講じるよう船舶所有者に努力義務を課すこととしており、その実効性を確保するため国が指針を定めるということにしております。この指針の具体的内容の検討に当たりましては、委員御指摘の高齢船員にとっても働きやすい環境を整備するという観点を含めて、関係業界の御意見を伺ってまいりたいと思います。  また、快適な海上労働環境の形成に資する支援といたしまして、荷役作業の遠隔自動化など船員の労働負担の軽減などに資する技術開発や実証への支援、あるいは、鉄道・運輸機構の船舶共有制度による、船内の居住環境、通信環境を向上し、労働負担を軽減する設備を導入する船舶の建造支援などに取り組んでいるところでありまして、これらの支援措置の積極的な活用も呼びかけてまいりたいと思っております。  国土交通省といたしましては、こうした枠組みを通じまして、高齢船員がより安全で働きやすい職場環境の整備に取り組んでまいります。

里見隆治公明党

○里見隆治君 どうぞよろしくお願いします。  最後に、中野国土交通大臣に、海の安全、また海難防止の取組についてお伺いしたいと思います。  昨日、四月二十三日は、知床遊覧船沈没事故の発生からちょうど三年の日でございました。様々昨日も報道がございました。私、当時、ちょうどその当時の斉藤国交大臣を地元でお迎えする行事を予定しておりましたが、急遽キャンセルということで、この四月二十三日、大変記憶深い日でございます。  国交省では、この海難事故を調査、検証して、そして旅客船の総合的な安全・安心対策に取り組んでこられたと思います。改めて、中野大臣の海の安全また旅客船の安全に対する決意、お伺いいたします。

中野洋昌公明党国土交通大臣

○国務大臣(中野洋昌君) 昨日、四月二十三日、知床遊覧船事故の発生から丸三年が経過ということであります。改めて、この事故においてお亡くなりになられた方に対して心よりお悔やみを申し上げます。御家族の皆様に対して心からお見舞いを申し上げる次第でございます。  国土交通省としては、知床遊覧船事故のような痛ましい事故が二度と起こらないよう、旅客船の安全・安心対策に取り組んでいるところであります。  具体的には、改正海上運送法に基づきまして、船員の資質の向上、監査の強化などの対策を行うとともに、今年の四月からは改良型の救命いかだ等の旅客船への搭載を義務化が始まり、また安全統括管理者、運航管理者に対する試験制度の創設なども行ってまいりました。知床遊覧船事故対策検討委員会で取りまとめられた項目、六十六ありますけれども、その大部分が実施中又は実施済みになっているところであります。  船舶の安全運航は、運航事業者にとっては最も基本的かつ最も重要な使命であると考えております。私を始め関係職員が一丸となって、旅客船の安全確保に向けて強い決意を持って取り組んでいきたいというふうに思います。

里見隆治公明党

○里見隆治君 安全確保、どうぞよろしくお願いいたします。  質問を終わりますけれども、最後、大臣にお願いがございます。  ちょうど一週間前のこの委員会では、トラック、自動車など物価高騰また価格転嫁で御苦労されている分野を中心に質問させていただきました。その際、時間がなくて、タクシー業界のことについて触れることができませんでした。  タクシーも、コロナ、またLPガスの価格高騰などで苦しんできた分野であります。ここ数年の物価高騰、また燃料の価格高騰と、これらについては今週火曜日に、与党として自民、公明から提言を受けて石破総理から発表いただいた対策、この中で、ガソリン、軽油、重油、灯油、航空機燃料、こうしたものは明言いただいておりますが、これらは五月二十二日、ちょうど一か月後から引下げということで言及いただいております。ただ、タクシーでいいますと、これはLPガスの使用でありますから、まだ明言されていないわけですね。  これ、五月二十二日、同日でしっかり引下げができるように御調整、これもう質問ではありません、要望だけさせていただいて、質問とさせていただきます。  ありがとうございました。

青島健太日本維新の会

○青島健太君 日本維新の会、青島健太でございます。  唐突ですが、いらっしゃる皆様方、ポパイは御存じでしょうか。若い方は御存じないかも分かりませんが、我々の頃の一つの憧れのヒーローでございます。元々このキャラクターが生まれたのは一九一九年だそうであります。ニューヨーク・ジャーナルで、新聞で始まったキャラクター、日本では一九六〇年代、NHKでも民放でもテレビアニメとして放映をされました。私も子供の頃、よく見ました。  御存じのない方もいらっしゃるかと思いますので、ポパイとは何者かということでございますが、まあ歌を一節思い出せばすぐ分かります。ポパイ・ザ・セーラーマンですから、セーラーマンで、水兵さん、船乗り、船員というところでございます。  アニメのキャラクターは、いつの時代もその時代のヒーローや価値観を映してきているというものだろうと思います。まさに我々が子供の頃は、ポパイがセーラーマンとして憧れの存在としてあった。世界中を船で渡り歩いて、そして行った先で悪い連中がいると懲らしめて、そして力が足りないと、スピナッチ、ホウレンソウの缶詰を食べるとパワーアップしてやっつけられるという、まさに、ある意味では漫画の世界ですが、我々子供の頃憧れたわけであります。先ほど杉尾委員からは、お父様が外航船で御活躍、まさにポパイとして活躍があったんだろうと思います。  さて、今般、この法改正に向き合っています船員法でありますけれども、大きな眼目として、この船員不足の深刻化、ここまでいろんな委員の方がお尋ねになりました。要は、一言で言えば、ポパイが足りないと、目指す人がいないという状況であります。  まずは現状を把握させていただきます。どのように深刻なのか、御説明いただきたいと思います。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) お答えを申し上げます。  近年、船員の有効求人倍率は上昇傾向でありまして、直近数年間では大きく上昇しておりますので、船員不足は深刻な状況であると理解しております。具体的には、令和六年九月時点で有効求人倍率は約四・六七倍と陸上に比べて非常に高い水準になっており、不足感が高まっているものと認識しております。  その背景には、船員の働き方改革により一人当たりの労働時間が減少する中で、交代要員などの必要性の増加、あるいは、船員がより労働環境の整った事業者への就労を志向することにより船員の採用が困難と感じている事業者の増加といったことがあろうと考えております。

青島健太日本維新の会

○青島健太君 現状の把握ということで、水産高校にもお尋ねさせていただきます。  水産高校の学生の推移、そして就職先、今どのようになっているんでしょうか。

今井裕一文部科学省大臣官房審議官

○政府参考人(今井裕一君) お答え申し上げます。  水産高校で船舶運航等を学ぶ学科に在籍する生徒数につきましては、全国水産高等学校長協会の調べによりますと、その専攻科を含め、令和四年度二千六百四十四名、令和五年度二千四百四十三名、令和六年度二千三百十六名となっているところでございます。  一方、その水産高校で船舶運航等を学ぶ学科に在籍する生徒の就職状況でございますが、最新のデータでは、水産高校の生徒につきまして、令和六年三月に卒業した生徒につきましては、その専攻科を含め四一・三%となっているところでございます。

青島健太日本維新の会

○青島健太君 減少傾向にあるとはいえ、まだまだこの時代も海で働きたい、海で活躍するんだという若い人たちが水産高校に集っているという現状もございます。  そうした中で、独立行政法人、先ほど名前も出ましたけれども、海技教育機関という、ある意味ではすばらしい国を挙げての取組もあるわけであります。どのような機関で、どう機能しているのか、こちらも御説明をお願いしたいと思います。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) 独立行政法人海技教育機構は、二つの機能を有しております。一つ目は、全国に配置した八つの学校において船舶の運航に必要な教育を全日制で行う機能、二つ目は、同機構の学生に加えまして、文部科学省所管の商船系大学、高専の学生に対し大型練習船による航海訓練を行う機能でございます。  これらの機能を用いまして、同機構は我が国の船員養成の中核を担う養成機関として新人船員を安定的に供給する役割を果たしております。

青島健太日本維新の会

○青島健太君 これは、ちょっと順番が逆になってしまって恐縮なんですが、資料を付けさせていただきました。  資料三を御覧いただきますと、非常にあっさりではありますが、海技教育機構と黄色で囲まれたところ、本当におおよその情報でございますが、こうした機関がございます。持っている船は日本丸や海王丸、帆船でいうとかなり立派な船も持って訓練等々をしているという状況があります。海技のレベルと、そして短大のレベルと大学校ということで、大学校の方を出れば機関も、そして航海も三級の資格ということで、日本ではもうかなりレベルの高いこうした学校も用意されているわけであります。  こうしたところにもっともっと若い人たちが来てもらうということがこれから進まっていかなければいけないわけですが、その中で、やっぱり今言われています、その船舶の中での働き方、また環境はどうなっているのかというところが改まらなければ、やはりなかなか来てもらえないという状況が続いていく。  STCWのF条約については、ここまで多くの議員の皆さんが触れられましたが、私は漁業に限ってちょっと伺おうと思います。  この条約を批准することで、漁業関係者の環境、働き方はどんなふうに変わるんでしょうか。

河南健水産庁漁政部長

○政府参考人(河南健君) お答えいたします。  今般のSTCW―F条約の締結に伴う船員法等の改正によりまして、排他的経済水域外を航行する比較的大型の漁船等を対象といたしまして、乗組員に対する生存・消火訓練の実施、また、船長あるいは航海士として乗り組む者に対する漁ろう操船講習の修了などが義務付けられることになります。これらのことは、漁船の運航、操業の安全性を高め、最も重要な労働環境とも言えます漁船員の命を守ることにもつながっていくものと、このように考えてございます。  このため、農林水産省といたしましても非常に重要と考えておりまして、水産業界からの意見も丁寧にお聞きしつつ、国土交通省と連携して対応してまいりたいと考えております。

青島健太日本維新の会

○青島健太君 大きな船から小さな船まで、またそれに伴うリスクも様々で、船で働く皆さん、とりわけ漁業に携わっている方々、大変なやはり難しさと向き合いながらお仕事していただいているわけでありますが、そうした方々の働く環境、もっともっと向上させていかなければならないというふうに思います。  その中で、今は学校におけるその教育の部分を今触れさせていただきましたが、民間でもいろいろな取組が始まっております。  資料を御用意させていただきました。  資料一枚目をお読みいただきたいと思いますが、長いので内容はもし御興味ある方は後刻目を通していただければと思いますが、かいつまんで申し上げますと、東北の地震で被災をしました石巻で、阿部さんという方になりますけれども、仲間がお二人亡くなって、いつ死ぬか分からないなら生きたあかしを残したいということで、仲間と一緒に漁業者を育てるというプロジェクトをスタートさせました。この法人自体はフィッシャーマン・ジャパンというところですが、トリトンプロジェクトということで、これまで石巻だけでも五十人以上の漁師の方を輩出、また、全国に赴いていろいろなところでこれは活動されているわけですが、これまでの約十年間で漁業に就業した方の数は五百六十人に上るという、本当にある意味ではこの漁業関係に貢献をしているという活動でございます。残念ながら、まだここ私お邪魔していないんですけれども、でも、なかなか本当に大事な取組だと思います。  今日は農林副大臣にもお越しをいただいています。この取組、どのように見ていらっしゃるのか、お願いいたします。

笹川博義自由民主党・無所属の会農林水産副大臣

○副大臣(笹川博義君) 御質問いただきましてありがとうございました。  実は、私も、このフィッシャーマン・ジャパンの皆さんお会いをして、そしてまたお話もお伺いをさせていただきました。非常に意欲的に取り組んでいただきまして、今委員が御指摘いただいたこのトリトンプロジェクトの、今、昨年現在で五十三人ということで、石巻市だけで、そのほかにも大変取り組んでいただいて、北海道、富山、静岡、三重県、高知県ということの人材育成事業を実施していただいているということでございますので、今政務の方からも、本省の方からもいろいろ答弁させていただきましたけど、人材を確保していく、育てていく、このことは非常に難儀をしておりますが、こういった民間での取組ということは大変私は意義のあるものというふうに思います。  特に今日は国会で取り上げていただいたということでございますので、フィッシャーマン・ジャパンの皆さん方も非常に誇りに思い、同時に有り難く思っておるんじゃないのかというふうに、励みにもなるというふうに思います。

青島健太日本維新の会

○青島健太君 これは、国交省としても、中野大臣もどういうふうに見ていらっしゃるか、伺いたいと思います。

中野洋昌公明党国土交通大臣

○国務大臣(中野洋昌君) 先ほど、笹川農林水産副大臣の答弁もお聞きをいたしました。  また、私も、復興政務官もやっていたこともございますので、石巻は何度か行かせていただいたことがあるんですが、このトリトンプロジェクトという取組、今回私初めてこれ拝見させていただきました。  やはり、こうしたいろんな民間の方々が主体となって、こうした担い手不足というのは国土交通省の我々の商船の船員の方もやはり同じでございますので、やはりこの魅力をいかに伝えていくというのが大事だなというふうにこれを拝見させていただいて感じましたし、また、民間の方々が主体となったこういう取組というのも非常に重要だというふうに感じました。  国土交通省においても、やはりこうした関係の業界の皆様としっかり連携をして、船員の確保、育成ということは取り組んでいきたいというふうに改めて感じた次第でございます。

青島健太日本維新の会

○青島健太君 いろいろな業界ともコラボしています。アパレルの業界と組んで、もう格好いい漁師さんのウェアを作って、それを着てもらって作業するとか、取り組んでいるこの代表の方は、まだまだ漁業伸び代があるんだということで、本当に力強く活動をしていただいております。  また、資料二枚目も御用意させていただきました。  これも割と大きなニュースになったと私は感じているんですが、東京の中学を卒業したばかりの人が、今はもう十七歳になっているんですが、福島の相馬の漁師さんに弟子入りをして、今漁師になろうとしている、こういう取組もございます。これも中身は後刻もしよければお読みいただきたいと思います。  また、あるいは、もっともっと遠くへ出る人で、マグロ漁船、ある意味一獲千金みたいな部分のところもあるんです。若い人でそういうので船に乗り込むというような人たちもいるとも聞いております。  漁業まだまだ伸びるんですが、何か工夫が足りないという気もいたします。この辺り、人材確保の取組が本当に重要だと思いますが、もう一度、農林水産大臣に、もし、副大臣にこの辺り伺えればと思います。

笹川博義自由民主党・無所属の会農林水産副大臣

○副大臣(笹川博義君) 今御指摘ございました、我が省といたしましては、漁業に興味を持つ方に向けた漁業就業支援フェア、それから漁業学校等で学ぶ者への資金の交付、同時にまた、それぞれ漁業現場での漁ろう技術や経営ノウハウの取得する長期研修などの取組を行っており、就業前から就業後までの切れ目なく支援ということで実施をさせていただいておりますが、委員からの御指摘もございましたが、実は漁師の家以外からの参入、新規就業というのは七割ぐらいの方がいらっしゃるということでありますので、先日、先日というか昨晩、たまたまなんですけど、宿舎でテレビを見ていましたら、BSで「魚が食べたい!」という番組がございました。たしか須崎漁港、漁協の方でした。この方が何かその現場のインスタ、動画を配信しというようなことで、やっぱり現場からの配信ということもこれ大事だと。先ほどのフィッシャーマン・ジャパンもそうでしょうけど、現場の若い人たちの、そういう世代の人たちの声がいろんな媒体を通して発信をされることによって、それに触れることによって興味を持ってもらう。そしてまた、我々自身のその支援策がそこにまた後押しをするような形で連携ができればというような思いもございます。  いろいろな御指摘いただきましてありがとうございます。

青島健太日本維新の会

○青島健太君 私、意外といろんな議連に入らせていただいているんですが、ノルウェー議連というのも入らせていただいています。クリスティン・イグルム駐日大使、何度かお会いして、光栄なことにいろんなお話をさせていただくんですが、ノルウェーでは若い方が漁業にどのように関わっているんですかということを聞いたことがあります。もちろん、言うまでもなく、皆さん、おすしで食べるノルウェーサーモン、大変今、日本にはたくさん入ってきているわけですが、大変若い人たちがノルウェーでは漁業に向き合っているという話を聞きました。非常に、そのサーモンを捕る、魚を捕るところが機械化をされていて、役割分担が決まっていて、また非常に高給なので、それこそ若い人がやる仕事なんだということで、ノルウェーでは本当に若い人たちがこの漁業に取り組んでいるという話を聞きました。  もちろん年配の方とかいろんな取組があるんだろうと思うんですが、やはり機械化をしたり、合理化をしたり、働きやすさをつくったり、そういうことの中で漁業はもっともっと魅力的になっていく、その可能性が十分あるんだというふうに思っていますので、笹川副大臣も是非よろしくお願いをいたします、お取組を。  さて、ここまで養成機関の話を聞いてまいりました、学校、聞いてまいりました。ただ、これ、私、届いている話では、先生がいないと、船員を育てる先生が足りない。もちろんその生徒たちの集まりというのも減ってきている部分はあるんですが、もう一つは、あとは練習をする練習船も足りないという話もございます。  教員と練習船の不足、これどういうふうに解決していくのか、これは学校関係ですので文科省に伺った方がいいですか、お願いいたします。

武部新自由民主党・無所属の会文部科学副大臣

○副大臣(武部新君) 船員養成を含めて、海洋人材の育成というのは大変重要だと思います。認識しております。  水産高校や高専、大学等における練習船や教員の数については、学習指導要領や大学設置基準等に基づいた教育を行うために必要な数を各学校設置者において確保されていると承知しておりますが、現場では様々な工夫をして教員の確保に努力する等、御苦労もあるというふうに聞いております。  文部科学省としては、水産高校、高専、国立大学が所有する練習船について、使用年数に応じた計画的な更新に必要な経費に対して補助を行っております。また、教員の確保に向けても、企業等から転職して水産高校始め専門高校の教員や実習助手になった方々の声を集めたサイトの開設、運営、また高専や大学に対する運営費交付金の確保など、各学校における取組を支援してまいります。  引き続き、国交省などと、関係省庁と連携を図りながら、海洋人材の育成にしっかりと取り組んでまいります。

青島健太日本維新の会

○青島健太君 先ほど中野大臣から、新しい商船の建造といいますか、そういうものも加速化させていきたいというお話もありました。学生たちが学ぶ船が足りない、教員が足りないということですが、これについても、中野大臣、コメントいただけますでしょうか。

中野洋昌公明党国土交通大臣

○国務大臣(中野洋昌君) 海技教育機構、今、大型練習船五隻ございます。海技教育機構が運営する学校や商船系大学、商船系高専等の学生の航海訓練を実施しておりますので、現状こうした訓練には対応できているのかなというふうに考えておりますが、他方で、やはり学校教員、練習船の教官、こういう不足というお声ございまして、具体的には、この教員や教官等の採用条件、これを、三級海技士以上という現行のものを、四級海技士であっても一定の知識、能力、経験を有する者については活用していけるように見直す、あるいは、教員、教官等の処遇について、個人の希望に配慮した勤務地とすることなどを今検討しているというところでございます。  国土交通省としても、引き続きこの船員の安定的な確保、育成図られるようにしっかり取り組んでまいりたいと、このように考えております。

青島健太日本維新の会

○青島健太君 私は今日はちょっと漁業にこだわってお話伺いましたけれども、でも、貨客、それから先般質問させていただきましたクルーズ船もそうです。とにかく、日本は海に囲まれています。この漁業、そして商船、こうしたものが充実することは間違いなく日本が豊かになる道であります。  人手が足りない、これ、もうどうやっても解決していかなければいけない課題だと思います。最後に、中野大臣にこの向き合い方を是非伺いたいと思います。

中野洋昌公明党国土交通大臣

○国務大臣(中野洋昌君) 四面を海に囲まれた我が国であります。委員御指摘のとおり、船員の安定的な確保、育成、これは非常に重要でございます。  昨年度、海技人材確保のあり方に関する検討会を開催をし、そして中間取りまとめをした中で五つの方向性というものを打ち出させていただきました。船員養成ルートの強化、海技人材確保の間口の拡充等でございますが、本法案はこうした方向性に沿って必要な措置を講じるためのものでもございます。  これも含め、対策を総合的にしっかり講じていくことで、船員の将来にわたる安定的な確保、育成の実現というものを図ってまいりたいと、このように考えております。

青島健太日本維新の会

○青島健太君 時間が来ました。終わります。ありがとうございました。

浜口誠国民民主党・新緑風会

○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。  今日は、船員法の改正に併せて、船のカーボンニュートラル、そして船の安全という観点から質問をさせていただければというふうに思っております。  まず、船員の確保ということで、少子高齢化は日本全体で進んでおりますが、そうした中で、船員の皆さんの高齢化、あるいは後継者不足、これは本当に深刻な状況になってきているというふうに思っております。  外航海運においては、経済安全保障という観点から、日本船籍あるいは日本人の船員についての目標数というのが設定をされています。この目標に対して現状どういう状況になっているのか、目標数をちゃんとクリアできているのか、もしできていないんであれば、その要因をどのように政府として考えているのか、この点について確認をさせていただきます。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) 四面を海に囲まれました我が国にとりまして、貿易量の九九・六%を担う外航海運は、我が国経済、国民生活を支える基盤として極めて重要でございます。また、我が国における安定的な国際海上輸送の確保を図る上で、日本船舶、日本人船員、これはその中核となるべき存在であると認識しております。  平成十九年十二月の交通政策審議会答申におきまして、安定的な国際海上輸送を確保するために必要な外航日本船舶及び外航日本人船員の規模につきましては、まず外航日本船舶につきましては約四百五十隻、外航日本人船員は約五千五百人、これが必要であるというふうに試算されております。  一方、これらの必要規模を短期間で達成することは困難であるという理解の下に、日本船舶及び船員の確保に関する基本方針というのを策定しております。当面、現在におきましては、外航日本船舶の隻数につきましては令和五年度からの五年間で一・二五倍、外航日本人船員の人数につきましては平成三十年度から十年間で一・五倍ということを目標として定めております。  現在、この目標を目指して、目標の達成を目指して進めておるところでございますが、現状につきまして申し上げますと、外航日本船舶については、最も減少した平成十九年の九十二隻から令和五年には三百十一隻まで増加しております。一方で、日本人船員につきましては二千人程度で推移しており、横ばいの状況でございます。  外航日本人船員の人数を実際に増加させるためには、船員を雇用する立場にある使用者側の理解と関係者の協調が必要であるため、関係者の御意見を伺いながら、外航日本人船員の増加に向けて尽力してまいりたいと考えております。

浜口誠国民民主党・新緑風会

○浜口誠君 ありがとうございます。  船員の方は五千五百に対して二千人程度ということなんで、本当、相当開きがあるなというのが今の目標に対しての現在地だと思いますので、引き続き、法案の改正も含めて船員の確保を、喫緊の課題になってきているというふうに思います。  そんな中で、これ中野大臣にお伺いしますけれども、やはり船員ですとか漁船員の方の数を増やしていくためには、やっぱり働き方改革、こういった仕事がやっぱり魅力ある仕事、職種になるようにしていくということが極めて重要だと思います。若い皆さんから見たときに、やっぱり、船に乗りたい、漁業でなりわいを立てていきたいと思っていただく若い方が増えていくかどうかというのが大変重要だと思います。  その観点からすると、やっぱり働き方改革、これしっかり進めていく必要があると思いますが、大臣として働き方改革の重要性についての御所見をお伺いしたいと思います。

中野洋昌公明党国土交通大臣

○国務大臣(中野洋昌君) 浜口委員にお答え申し上げます。  先ほども、船員の魅力を高めるような、そういう議論もるる委員会でもさせていただきましたけれども、やはり、委員の御指摘のとおり、この船員不足が深刻化をしている中で多様な人材をこうした海上労働市場に呼び込まないといけないと、将来にわたって船員を確保しないといけないという中では、やはり海上労働の職場そのものの魅力を高めることが非常に重要だと、これまさにおっしゃるとおりだというふうに思います。  働き方改革ということで、令和三年に成立をした海事産業強化法では、これは船員法等の改正をいたしまして船員の労務管理の適正化などの措置を講じ、労働時間の短縮など、これはまさに船員の働き方改革の実現に取り組んでいるというところでございますし、今回の法律案では、船舶の所有者に対しまして、船内作業の自動化でありますとか船室内の通信環境の改善などの措置を講ずるということで、これは快適な海上労働環境を形成をすると、これを努力義務として求めることとしております。  こうしたこと、取組、非常に重要だというふうに思っておりますので、国土交通省としても、関係省庁と連携の上、船員にとって働きやすい職場環境の改善に取り組むということで、船員という職業の魅力が高まるように取り組んでまいりたいというふうに思います。

浜口誠国民民主党・新緑風会

○浜口誠君 ありがとうございます。  そうした中で、いかにこの海事人材を育てていくかという観点は非常に重要だと思います。先ほど来先生方からも御質問がありましたが、まさに水産高校とか商船学校等を含めて、この海事人材を育成するこういった学校が、過去と比べて学校の数増えているのか減っているのか、あるいは定員数や入学者数どんな推移になっているのかという点を具体的な数字で確認をさせていただきたいと思います。  さらには、こうした学校への、海事人材を育成する学校をしっかりと国として応援していく、養成ルートを強化していく、こういった支援策もこれからますます重要になってくるというふうに思っておりますので、どんな学校等への支援を政府として国として行っているのか、結果としてその成果が出ているのかどうかについて確認をさせていただきたいと思います。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) 商船の船員を養成する主な学校であります独立行政法人海技教育機構、商船系大学及び商船系高専の学校の数は全部で十五校ございます。これら十五校の定員及び入学者数の推移、直近十年、平成二十七年度から令和六年度の直近十年間の推移について申し上げますと、定員につきましては、合計九百四十人から九百四十三人、ちょっと横ばいでございます。入学者数につきましては、九百八十七人から九百二十七人と、やや減少傾向にございます。  また、漁船員を養成する主な学校であります水産高校につきましては、これは、済みません、船員養成のみを目的とする学校ではございませんけれども、全国に四十二校ございます。全国水産高等学校長協会の調べによりますと、これら四十二校の定員、入学者数の同じく十年間の推移といたしましては、定員につきましては三千八百九十一人から三千六百三十四人、入学者数につきましては三千三百六十七人から二千六百四十七人と、減少傾向にあると伺っております。  国土交通省といたしましては、商船分野における船員の確保、育成に関しまして、海技教育機構における船員の養成に必要な予算の確保及び段階的な入学定員の拡大、あるいは日本船舶・船員確保計画制度の創設及び支援、六級海技士短期養成コースの創設及び支援などの取組を進めてまいりました。  この結果といたしまして、内航船への新規就業者が堅調に増加した結果として、商船分野における船員数の直近十年間の推移といたしましては、平成二十六年度の二万九千三百四十九人から令和五年度三万六百四十六人に増加しているというところでございます。

浜口誠国民民主党・新緑風会

○浜口誠君 ありがとうございます。  引き続き、こうした海事人材を養成する学校等への支援強化というところは、予算面も含めて強化していただきたいというふうに思っております。  もう一点だけ、海上の労働環境を快適にしていくということの中で、通信環境の整備、海上だと家族と離れて長い期間船の上で仕事をされると、家族とのコミュニケーションを深めていくためには通信環境の整備というのは極めて重要な要素だというふうに思います。  スターリンク等ができて相当活用されているというようなことも言われていますけれども、具体的にこういった通信環境の整備というのはどこまで進歩しているのか、進展しているのか、その点について確認させていただきたいと思います。

中野洋昌公明党国土交通大臣

○国務大臣(中野洋昌君) 船員不足が深刻化していく中で、将来にわたって船員を確保していくためには働きやすい環境整備が重要だということは申し上げてまいりました。  本法案におきましては、船舶の所有者に対して、船内における職場環境で、船員室の居住環境や、これはインターネット利用環境も含めて、快適な海上労働環境の形成のための措置を講じるということで、これは努力義務として求めるということでございます。  この実効性の確保に向けましては、国が指針を作成、公表するということでありまして、この指針の中身については、これは施行日までに関係者の御意見も伺いながらしっかり検討してまいりますが、こうした指針の作成などを通じて、船舶所有者による自主的な取組を促していきたいということでございます。  通信環境の整備、委員御指摘の特に点ですが、これまでも関係省庁と連携をしまして、低軌道衛星を活用した安価な、安い海上ブロードバンドの普及に向けた取組を、これを進めております。海運業界においても自主的な活用が私は進みつつあるというふうな認識でございます。  加えて、今後の支援措置ということで、これは荷役作業の遠隔自動化など船員の労働負担の軽減等に資する技術開発や実証への支援ですとか、鉄道・運輸機構の船舶共有建造制度の支援の中では、船内の居住の環境、そして通信環境を向上させる、こういう設備を導入する船舶の建造支援なども取り組んでまいりますので、引き続き、こうした措置の積極的な活用も含めて、しっかり取り組んでまいりたいというふうに思います。

浜口誠国民民主党・新緑風会

○浜口誠君 ありがとうございます。  是非、海上での労働環境をより快適に、働きやすい職場づくり、しっかりと進めていただきたいと思います。  では、続きまして、カーボンニュートラルの関係ですね。  船のカーボンニュートラル、資料を先生方にもお配りしていますが、船のカーボンニュートラルということでは、これまで重油、燃料でいうと重油が主体でしたけれども、将来的にはバイオ燃料とか、あるいはアンモニア、水素のような燃料に切り替えていくというような方針も示されております。  二枚目のところですね、将来的には船自体がアンモニアや水素で動くような船というのも導入していこうという計画も示されておりますが、今後、この船舶の脱炭素、カーボンニュートラルをどういう戦略で日本として取り組んでいくのか、また船舶のカーボンニュートラルを進める上での課題認識を政府としてどう持たれているのか、その点について中野大臣の方から御所見を伺いたいと思います。

中野洋昌公明党国土交通大臣

○国務大臣(中野洋昌君) お答え申し上げます。  国際海運のカーボンニュートラル、今、国際海事機関、IMOにおきまして、二〇五〇年頃までに国際海運からの温室効果ガス排出ゼロというのが国際目標でございます。  我が国の戦略、この目標の実現に向けまして、ゼロエミッション船等の技術開発、普及に積極的に我が国として取り組むということとともに、IMOにおいて国際ルールが策定されますので、これに戦略的に関与をしていくということをやっております。  技術の開発については、令和三年度から、グリーンイノベーション基金を活用しまして、アンモニア、水素といった代替燃料を使うゼロエミッション船等への開発支援を実施をし、昨年度からは、ゼロエミッション船等の建造体制の構築を進めるということで、環境省と国交省の連携事業として、GX経済移行債を活用して生産設備投資への支援というものを実施をしているところでございます。  国際ルールの策定については、四月の十一日、IMOにおきまして、我が国が欧州と共同で提案した内容を基に、船舶の燃料を代替燃料に転換していくことを促す制度を導入する条約改正案というのが基本合意されたというところであります。  この新たな制度が発効すれば、我が国が官民挙げて開発をまさに進めているゼロエミッション船等の技術的な優位性が発揮をされることが期待をされますので、こうした取組を通じまして、カーボンニュートラルの実現と我が国の海事産業の国際競争力の強化というものに取り組んでまいりたいと思います。

浜口誠国民民主党・新緑風会

○浜口誠君 ありがとうございます。  最後、これ質問はもうしませんけれども、船の安全確保ということで、EVを運ぶ船での火災というのが非常に増えてきております。  原因はまだ特定されていないんですけれども、資料の三ページ目に、これは日本船籍で二〇二二年に火災があったというニュースです。船で自動車運ぶときは、ドア・ツー・ドア十センチ、バンパー・ツー・バンパー三十センチ、もうきっちり並べて、もうこれプロの技です、そういう積込みをして船運ぶんですね。したがって、火災が起きると、もうこれ本当に乗組員の皆さんの命に関わる、極めて重要なこれ対策だというふうに思っていますので、今後、政府としても、このEV、電動車が増えていくに当たっての輸送の安全確保については、国際社会としっかり連携取って、しっかりとした対応をしていただくことをお願い申し上げて、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 大門です。  今回の改正は船員の深刻な人手不足解消が一番の眼目ですけれども、資料の一枚目に、船員の職業紹介事業を解禁すると、地方自治体においてですね、が出ておりまして、具体的に言いますと、求人票を示して、求職者がそれを見て応募するという形になるかと思います。  ただ、普通の陸上の会社、通常の会社と違って、通常の会社ですと、求人情報、求職票に書かれた労働条件と実際の労働条件が大きく乖離するというのは余りないんですけど、この船の船員さんの場合は、この求人票には大枠の、大枠の労働条件書かれて、実際には、乗船する、乗る船ごとに、雇入契約書というんですかね、結ぶという形になりますので、求人票で事業主が示した労働条件と実際に乗る船の雇入契約の内容が異なってくる場合も考えられるということですね。それで、法案としても第百条とかで手当てがされるんだと思いますけれど、大きくそれが乖離しますと、せっかく船員になろうと思って応募した人の心も生活も砕くことになりかねないわけであります。  そういう点で、その求人票における虚偽の記載、釣り広告とか、あるいは誤解を生じさせるような表示、あってはならないと思いますが、これはどうやって防ぐ仕組みになっているのか、御説明をお願いします。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) 昨年、国土交通省におきまして、船員や海運事業者などを対象として求人情報サイトなどにおける船員の募集情報についてアンケート調査を行いましたところ、虚偽の労働条件、これは休暇期間でありますが、あるいは給与水準について誤解を生じさせる表示が求人情報サイトに掲載されていた事例、あるいは最新でない求人が修正されないまま掲載され続けていた事例、いわゆる釣り求人といいますか、などが存在することが明らかになりました。  このような事例のうち、例えば給与水準について、実際の雇入契約において提示することを予定していないような高額な条件を提示していたような場合とか、募集する企業が親会社か関係会社又はグループ会社からかどうかが混同されるように表示していた場合などは、それぞれやはり虚偽の表示、あるいは誤解させる、生じさせる表示に該当するものと考えております。  これらにつきましては、求人票を私ども地方運輸局の方で受け付けて、それを基にあっせんしていきますので、その中で最終的にこれが虚偽かどうかというのを判断していくことになろうかと思います。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 第百条ですかね、そういう虚偽の広告、労働条件の虚偽の表示があった場合は、求職者の方からも大臣に対して申告をできると、大臣は是正のための指導監督ができると、従わない事業者には罰則規定もあるというふうに厳しくされておりますので、こういうことは余りないようにしたいわけですけれども、そういうことがあれば柔軟にというかスムーズに対応していただいて風通しよくして、できるだけ船員になりたい人たちがやりがいのある環境にしていただきたいなと思います。  二つ目に、資料の二枚目でございますけれど、先ほど里見先生からもありました、私もやっぱり今日のこの時点で取り上げておかなきゃいけないと思っております。  昨日が知床遊覧船、KAZUⅠの沈没事故から三年目でございまして、乗員乗客合わせて二十六名、子供が二人含む全員が死亡、行方不明となった痛ましい事故でございます。  私は学生時代から知床好きで、この遊覧船には大小含めて、小さいのも含めてもう五回乗っていますので、この事故聞いたときは非常にショッキングな受け止めをしたものでございます。  先ほども里見先生から質問ありましたが、ちょっと事務方で結構ですので、この事故の原因をどう捉えておられて、具体的にどういう対策を今進めておられるか、ちょっと簡潔にお願いしたいと思いますが、説明をお願いします。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) 知床遊覧船事故を踏まえまして、令和五年九月に運輸安全委員会において取りまとめられました調査報告書がございます。この中で、今回の事故は、船体構造、発航及び運航継続の判断、安全管理規程の遵守、監査、検査の実効性などの問題が重なった結果発生したとされております。  私ども国土交通省といたしましては、こういった事故が二度と起こることがないよう、旅客船の安全・安心対策に取り組んでおるところでございます。  具体的には、改正海上運送法に基づきまして、船員の資質向上や監査の強化などの対策を行うとともに、本年四月より、改良型救命いかだ等の旅客船への搭載義務化、安全統括管理者、運航管理者に対する試験制度の創設などを行ってまいりました。この結果、知床遊覧船事故対策検討委員会で取りまとめられました六十六の項目のうち、大部分が実施中又は実施済みとなっております。昨年のJR九州高速船の違反事案は、この対策の一環であります抜き打ち監査を通じて確認されたものであります。  船舶の安全運航は、運航事業者にとりまして最も基本的かつ最も重要な使命だと考えております。今後とも、旅客船の安全確保に向けて万全を期してまいります。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 ありがとうございます。  抜き打ち検査等など対策強化されているということで、本当に強化してほしいと思います。  ただ、大事なのは、運輸安全委員会の事故調査報告書の百五十三ページ、百五十四ページ辺りに載っておりますけれど、当時の原因の一つとして、北海道運輸局は、抜き打ち確認などの際、表面的な評価しか行っていなかったものと考えられると、監査の実効性に問題があったものと考えられるということで、運輸安全委員会は大変厳しい指摘をしているわけでございます。  ですから、対策をいろいろ、メニュー強化していただくのは結構なんですけど、やらなきゃいけないんですが、結局、メニューいっぱい並べるといいますか、対策は取るんですけど、一番大事なのは絶対事故を起こさないというような安全モラルといいますか、そのことがないと、形だけやってもまた同じようなことが起きかねないという点がありますので、その点、是非留意して取り組んでいただきたいというふうに思います。対策強化されているのは承知しております。  もう一つ、最後に、三枚目の資料でございますが、船の関係で、離島航路の問題を取り上げさせていただきます。  二〇二三年の二月四日に、東京都ですけど、新島と式根島が一日三往復で結んでいる、新島村村営の定期連絡船「にしき」というのが座礁事故を起こしました。数か月間船が使えなくなったと、新島と式根島の村営の定期船が使えなくなったわけでございます。このときに、民間の船をチャーターしてほしい、チャーターする支援をしてほしいと住民の方々から声が上がりまして、当時、我が党の国会議員団も国交省に要請をしたりしたところであります。  ただ、今どうなっているかというと、資料の三枚目にございますように、国の離島航路の支援策というのが頭に書いてあります。全て、唯一かつ赤字の航路と、その唯一の船で赤字というふうなことが、条件が付いているわけなんですね。実は、式根島には定期連絡船「にしき」以外にも一応週に数回来る民間の船があったので、この唯一ということに該当しなくて支援の対象にならなかったわけですね。このことによって住民の方々は通学にも通院にも困るということを強いられたわけであります。  離島航路というのは、本当に住民の皆さんにとってはかけがえのない、命をつなぐ船なわけでありまして、この離島振興という点からも、唯一かつ赤字というふうなこの要件は、ケース・バイ・ケースもありますけど、これのために大変な困難を迫るという場合もあるわけでありますので、この要件を緩和することをケース・バイ・ケース見て検討してほしいと思いますが、これはちょっと大きな方向なので、大臣から答弁をお願いしたいと思います。

中野洋昌公明党国土交通大臣

○国務大臣(中野洋昌君) 離島航路事業者に対する運営費の補助につきましては、地域公共交通確保維持改善事業のメニューということで、これはナショナルミニマムを確保する観点ということから、委員の御指摘のように、唯一かつ赤字の航路を対象に支援を実施をしているということでございます。  他方で、このような運営費補助の要件を満たさない離島航路におきましても、例えばキャッシュレス決済の導入でありますとか、あるいは環境性能に優れたエンジンに換装をするといった、DX、GXの推進によって経営改善をしていくと、こういう取組についても支援をさせていただいているところではございます。  いずれにしても、国土交通省としては、離島の住民の足の確保のために必要な予算の確保ということは努めてまいりたいというふうに考えております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 今申し上げた例は、定期船が、村営の定期船が座礁するというふうな事故の事例なんで、こういう場合のときはちょっと柔軟に対応できるように考えていただきたいというふうに思います。  以上申し上げて、今日は質問を終わります。ありがとうございました。

木村英子れいわ新選組

○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。  本日は、船員法等の改正案について質問する前に、二〇二三年五月の国交委員会において取り上げさせていただいた旅客船などにおける緊急時の避難対応についてお聞きしたいと思います。  交通機関のバリアは交通弱者にとって尽きることのない問題ですけれども、船のバリアについては、特に障害者や高齢者などにとっては、設備の不便さや事故や災害時などの緊急時の避難への不安から、利用を控えたり諦めてしまう方もいます。  障害者や高齢者が安心して船を利用できるように、小型旅客船の乗組員の初任者教育訓練のガイドラインに障害者や高齢者に配慮した避難誘導の方法を盛り込むことを要望させていただきました。  国交省からは、初任者教育訓練のガイドラインにおいて、緊急時における避難の際、個々の障害者の態様に応じた留意点などをしっかり盛り込んでいくとの答弁をいただきましたが、その後、この初任者教育訓練のガイドラインについてはどのような検討がなされたのか、また障害者や高齢者への配慮についてはどのようなことが盛り込まれたのか、教えてください。

宮武宜史国土交通省海事局長

○政府参考人(宮武宜史君) 令和五年の海上運送法等の一部を改正する法律により、小型の旅客船における船員の資質向上を目的とし、新たに初任の船長などについて船舶の航行する水域の特性に応じた操船方法などに関する教育訓練の実施を義務付けたところでございます。その際、国土交通委員会において委員より、教育訓練に係るガイドラインの作成に当たり、緊急時の避難誘導における障害者や高齢者への配慮に関して、特に障害当事者の意見を聞くよう御指摘をいただいたところでございます。  国土交通省におきましては、この御指摘も踏まえまして、当該ガイドラインとその教材の策定に際しまして障害者団体に対してヒアリングを実施いたしました。ヒアリングでは、あらかじめ避難経路や避難方法を教えてほしい、障害の特性も踏まえつつ、まずはコミュニケーションを取ってほしいなどとの御意見がございました。  こういったことを踏まえまして、この教材におきまして、高齢者の特性や障害の特性を踏まえた緊急時の避難方法に加えまして、円滑にコミュニケーションを取るための留意点などを盛り込み、改めて障害者団体に内容を確認していただきまして、御意見を反映したところでございます。  さらに、文字だけではなく絵も活用し、簡潔かつ分かりやすく解説する内容として完成させまして、令和六年四月より周知し、現場での教育訓練に活用いただいているところでございます。

木村英子れいわ新選組

○木村英子君 ガイドラインに盛り込んでいただきまして、ありがとうございます。  それぞれの障害特性に応じた避難誘導が行われ、今後も障害者や高齢者が安心して船を利用できるようにまた周知をお願いしたいと思います。  次に、同じく二〇二三年の国交委員会での質疑において、障害者や高齢者への配慮した避難誘導がなされるように旅客船の乗組員に義務付けられている定期的な教育訓練で使われる教本の見直しについても求めてきました。  しかし、二年たった現在においても教本の見直しはされていないと聞いております。突然の事故などに備えるためにも、そして障害のある人たちが安心して旅客船に乗ることができる体制をつくっていくためにも、乗組員の教育訓練の教本について早急な見直しをお願いしたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

中野洋昌公明党国土交通大臣

○国務大臣(中野洋昌君) 木村委員にお答えを申し上げます。  令和五年五月の国土交通委員会におきまして、委員から、国土交通省が監修をし日本旅客船協会が作成をした、これは大型船も含めた旅客船の乗組員に対する教育訓練に係る教本につきまして、当事者の意見を最大限に取り入れ、見直しをするべきだという旨の御指摘をいただきました。  国土交通省では、知床遊覧船の事故を契機とした旅客船の総合的な安全・安心対策に万全を期する観点から、まず、先ほど答弁がありました小型旅客船に係る教育訓練のガイドラインを策定をするとともに、その内容の周知に取り組んでまいりました。  御指摘の教本の見直しにつきましては、この小型旅客船に係る教育訓練のガイドライン等において盛り込んだ内容も踏まえまして、これは日本旅客船協会と連携をして、早急にということでございますので、今年度中の改訂を目指して対応してまいりたいと、このように考えております。

木村英子れいわ新選組

○木村英子君 大臣、ありがとうございます。  今後も、やっぱり障害者の方が船を安心して利用できますように、緊急時の備えは重要ですので、早急な見直しをお願いしたいと思います。  次に、今回の船員法等の改正案に盛り込まれた船員不足解消に向けた施策についてお聞きしたいと思います。  今回の改正案では、船員の人手不足が深刻化している中で、若い人や女性など幅広い層にとって働きやすく魅力のある職場環境づくりのため、船の所有者に対して、快適な海上労働環境をつくることに努力義務を課すなどを盛り込まれています。  また、障害者の方が船上において働く場合は、レストランサービスや売店スタッフ等の業務に就いている方が多いと聞いています。今回の改正案では国として指針を作っていくことが規定されていますが、船員の人手不足解消のためにも、障害者の法定雇用率を守っていくためにも、障害がある方も安心して船員として働ける労働環境づくりが必要だと思います。  ですから、今回の指針作成に当たっては、障害当事者の意見を踏まえ、障害のある船員への配慮についても盛り込んでいただきたいと思っておりますが、大臣、いかがでしょうか。

中野洋昌公明党国土交通大臣

○国務大臣(中野洋昌君) お答えを申し上げます。  船員不足が深刻化をする中で、将来にわたり安定的に船員を確保していくためには、海上労働に従事をするあらゆる船員にとって働きやすい環境整備を図ることは重要であるというふうに考えております。  このため、今回の法律案におきましては、船舶所有者による快適な海上労働環境の形成が進むように国が指針を定めるということとしております。指針の作成に当たりましては、船員として働く障害当事者の方の意見も踏まえつつ、この具体的な内容の検討については今後進めてまいりたいと、このように考えております。

木村英子れいわ新選組

○木村英子君 ありがとうございます。  障害者の方が快適に働ける環境を整備していただきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。  最後に、船員不足の解消に向けた国の財政的な支援について質問します。  船員の人手不足の大きな原因として、ネット環境が当たり前になっている今日において、若い人たちなどにとってはネット環境がないことが船の仕事を選択しない理由の一つであるのではないかと考えます。  今回の改正案では、快適な海上労働環境整備の具体例として、船員室におけるインターネットの利用を確保するための措置が挙げられています。航海中などにおいては、何か月も友人や家族と離れて過ごすことで、肉体的あるいは精神的に厳しい生活を余儀なくされます。そのため、航海中のストレス解消やリフレッシュをする機会を確保し、船員の健康を保つためにも、インターネットへのアクセスの確保は重要であると考えます。  また、障害者への就労の促進を図ることも重要であり、資料一のように、聴覚障害者の方がスマートフォンのマイク音声を拾いWiFiでつないだ機器に表示するシステムを活用して労働環境を整備している事例もあり、障害者の方が働きやすい環境づくりにもインターネットの環境は欠かせないものとなっています。  しかし、インターネットの環境を整備するには初期費用や毎月の通信費などが掛かり、中小企業にとっては大きな負担となり、導入できない事業者も少なくはありません。その上、インターネット環境を導入するための国の財政的な支援が盛り込まれていないことは船員不足の解消につながらないと思います。  財政支援については、資料二にあるように、二〇二四年に日本財団が取りまとめた船員養成の改善方策提言において、船上通信環境の整備について、インターネットなどの環境整備のための財政的支援が必要だと提言されています。  今回の法案において、船員の確保のためにインターネット利用の環境整備について事業者に対して努力義務を課すのであれば、財政的な支援を国の責任として法律に明記し、事業所への補助を付けるべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

中野洋昌公明党国土交通大臣

○国務大臣(中野洋昌君) お答えを申し上げます。  国土交通省では、総務省や農林水産省とともに、海上ブロードバンド対応関係省庁連絡会議や同フォローアップ会合を開催をしてまいりました。これは、低軌道衛星を活用しました海上ブロードバンドの効率的な普及に向けた取組というのを今まで進めてきたところであります。  昨年の二月には、電波法の関係審査基準も改正をされまして、日本籍船において低軌道衛星を利用した衛星ブロードバンドサービスをこの領海の外で利用することが可能となったということもございます。これによりまして、従前と比較をしまして、非常に安価に、安い値段で海上ブロードバンドサービスの利用が可能となり、海運業界にも普及が進みつつあるという認識をしております。  本法案では、国が快適な海上労働環境の形成のために船舶所有者が講ずべき措置の指針を定めることとしておりまして、本法案の施行に当たっては、この指針の中にインターネット利用環境の改善のための措置を定めまして、安価な海上ブロードバンドサービスの普及というものを一層促進をしてまいりたいというふうに考えております。  国土交通省としましては、引き続き、関係省庁と連絡をしまして、船舶における海上ブロードバンドの普及に努めてまいりたいと、このように考えております。

木村英子れいわ新選組

○木村英子君 安価で導入できるというお話ですけれども、やはり初期費用とか通信などで数十万掛かるということもありますので、中小企業の方が払うには困難なこともあると思います。ですので、改めて検討をしていただきたいなと思っております。  以上で私の質問を終わります。

小西洋之立憲民主・社民・無所属

○委員長(小西洋之君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  船員法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

小西洋之立憲民主・社民・無所属

○委員長(小西洋之君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、森屋隆君から発言を求められておりますので、これを許します。森屋隆君。

森屋隆立憲民主・社民・無所属

○森屋隆君 私は、ただいま可決されました船員法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民・無所属、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     船員法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。  一 漁船員条約締約国が発給した資格証明書の受有者が特定漁船に乗り組むための特例の適用に当たっては、商船と漁船の区別なく高度な技能を求める我が国の海技免許制度が、航行の安全確保に大きく貢献していることを踏まえ、他の締約国における商船と漁船との海技資格の在り方の異同に留意し、航行の安全を損なうこととならないようにすること。  二 漁船員条約の締結に伴う各種講習の五年ごとの受講が漁船員及び船舶所有者に過度な負担をもたらすことのないよう、受講料の軽減等を図るために必要な措置を講ずるとともに、受講者の利便のため、各登録講習機関の増加及び偏在の解消に努めること。また、本法律案の提出の経緯を踏まえ、今後も、船員に関する国際条約の締結等に伴い、国内の関係団体等に影響が及ぶ場合には、当該団体等の理解・納得が得られるよう、緊密な連携の下、丁寧な説明や対話等に努めること。  三 最短で令和八年一月に漁船員条約が我が国について効力を生じ、漁ろう操船講習に関する規定が施行されることを踏まえ、漁ろう操船講習の具体的な内容を早期に明らかにし、関係者に周知すること。  四 漁船員条約に係る国内法の運用に当たっては、同条約に定める安全の確保に配慮しつつ、日本船舶の深刻な船員不足に対応し、「労働力の流動性」を最重要事項として考慮する観点から、官労使の意見交換を行った上で、主体的に運用の基本的な方向性を示すこと。  五 船員職業安定窓口と特定地方公共団体がそれぞれの特性を生かした船員職業紹介事業を行えるよう、相互の協力を促進するとともに、異業種からの転職者も視野に入れ、公共職業安定所との連携を強化し、船員の確保に寄与するものとなるようにすること。  六 船員室のインターネット環境を始めとする快適な海上労働環境の形成の促進に向け、国として支援を行うとともに、船舶所有者による取組の原資が確保されるよう、内航海運業における取引環境改善及び生産性向上等の取組をより一層推進すること。  七 深刻な船員不足の解消に向けて、働き方改革の推進及び労働環境の改善・整備を図るとともに、商船高等専門学校や水産高等学校等への支援の拡充を始めとした船員養成ルートの強化及び船員確保の間口の拡充並びに幼少期からの体験乗船等を通じた海事広報・海事教育といった長期的な取組を強力に推進すること。また、企業・業界と連携し、一体となって取り組むこと。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いをいたします。

小西洋之立憲民主・社民・無所属

○委員長(小西洋之君) ただいま森屋君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

小西洋之立憲民主・社民・無所属

○委員長(小西洋之君) 多数と認めます。よって、森屋君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、中野国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中野国土交通大臣。

中野洋昌公明党国土交通大臣

○国務大臣(中野洋昌君) 船員法等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝申し上げます。  今後、本法の施行に当たりましては、審議における委員各位の御意見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。  ここに、委員長を始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。  誠にありがとうございました。

小西洋之立憲民主・社民・無所属

○委員長(小西洋之君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小西洋之立憲民主・社民・無所属

○委員長(小西洋之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十三分散会

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