国土交通委員会 第2号
- 発言数
- 8 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 2025/03/11
会議録
○委員長(小西洋之君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。 議事に先立ち、一言申し上げます。 東日本大震災の発災から本日で十四年を迎えます。 ここに、改めて、避難生活者の方々など、今なお困難な生活を余儀なくされている被災者の皆様に思いを致すとともに、犠牲になられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。 どうぞ御起立願います。黙祷。 〔総員起立、黙祷〕
○委員長(小西洋之君) 黙祷を終わります。御着席願います。 ─────────────
○委員長(小西洋之君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題といたします。 国土交通行政等の基本施策について、中野国務大臣から所信を聴取いたします。中野国務大臣。
○国務大臣(中野洋昌君) 第二百十七回国会における御審議に当たり、国土交通行政の諸課題について、私の所信を申し述べます。 能登半島地震の発生から一年余がたちました。本年は阪神・淡路大震災から三十年の節目に当たりますが、その後も、東日本大震災を始めとした地震災害、豪雨や台風、大雪による災害、林野火災など、大規模な災害が相次いでいます。 国土交通省として、復旧復興の途上にある能登半島地震などの被災地の早期再建に引き続き全力を尽くすとともに、激甚化、頻発化する災害に備え、制度や体制などを含め災害対応力を一層強化し、国民の安全、安心を確保してまいります。 また、先般、埼玉県八潮市において、下水道管の破損が原因と見られる道路の陥没事故が発生しました。運転手の方の救助に最大限協力し、地元の方々の御負担や御心配を一刻も早く取り除けるよう、応急復旧にも地元自治体とともにしっかりと対応してまいります。また、加速度的に老朽化が進むインフラについて、国土強靱化五か年加速化対策も活用し、緊急度に応じた優先的、集中的な対策を進めてまいります。 こうした防災・減災、国土強靱化について、国土交通省の現場力、総合力を生かし、強力に推進してまいります。 羽田空港での航空機衝突事故から一年余がたちました。航空分野に限らず、輸送の安全確保は、安全で安心な国民生活に不可欠であり、国土交通省及び交通事業者の極めて重要な使命です。事業者や施設管理者などにおける安全管理体制の強化も含め、対策に万全を期してまいります。 持続的な経済成長を実現し、将来に希望が持てる、活力ある社会の構築も重要です。地域を支える基幹産業の活性化、戦略的な社会資本整備や地域間のネットワークの強化、物流、建設業を始め各分野における担い手確保や生産性向上などに取り組んでまいります。 また、各地域が持つ魅力や潜在力を最大限引き出し、多様で持続可能な社会をつくり上げていくため、二地域居住等の促進、観光地の高付加価値化、移動の足の確保などを進め、地方への人の流れを拡大し、地方でのにぎわいづくりや雇用の拡大を促すなど、地方創生二・〇を進めてまいります。 こうした日常生活を支える経済活動や、多様な暮らし、働き方を実現する地方創生の基盤となるインフラ整備を着実に進めてまいります。 国土交通行政は、国民の命と暮らしを守り、我が国の経済や地域の生活、なりわいに直結しています。国土交通大臣として、現場の声によく耳を傾け、国民の皆様のニーズにしっかり応えるとともに、災害や事故などの有事の際は機敏に対応することを含め、全力で任務に取り組んでまいる所存です。 続いて、国土交通行政において重点的に取り組む三本の柱について申し上げます。 一つ目は、国民の安全、安心の確保です。 激甚化、頻発化する自然災害、深刻な状況にあるインフラの老朽化、災害時の人流、物流機能の確保など、山積する課題への対応は待ったなしです。東日本大震災や能登半島地震等の被災地の復旧復興を着実に進めるとともに、インフラの老朽化対策も含め、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策に基づく施策を、デジタルも活用して、効率的かつ集中的に講じてまいります。 インフラの老朽化については、計画的、集中的な修繕等を確実に実施するとともに、予防保全への本格転換に取り組み、特に人的な制約で課題を抱える小規模な自治体に対しては、広域、複数、多分野のインフラを群として捉え、施設管理者が連携して対応する地域インフラ群再生戦略マネジメントなどを進めてまいります。 また、五か年加速化対策後も必要な事業を着実に進めることができるよう、国土強靱化実施中期計画については、能登半島地震や八潮市の道路陥没事故も踏まえ、施策の評価や資材価格の高騰等を勘案し、現行の五か年加速化対策を上回る水準の事業規模で、本年六月をめどに策定できるよう、関係省庁と連携し取り組んでまいります。 災害発生に備え、テックフォース等の災害支援体制・機能の充実強化を行うとともに、トイレコンテナ等の配備の促進、発災時における道路啓開や港湾の施設利用についての事前の取決めや、道路、港湾、上下水道、空港について、地方公共団体が行う災害対応や適切な管理等に対する国の直接支援を制度化してまいります。 災害対応の支援強化に向け、次期気象衛星やレーダー等の観測機器の整備、学官連携による技術開発などにより、線状降水帯、台風等の予測精度向上を着実に進めるとともに、洪水、高潮の予測の高度化や、分かりやすい防災気象情報の再構築を図ってまいります。 また、防災力向上に向け、地震、津波や火山噴火に係る観測・監視体制の強化、気象台における地域防災支援体制の充実にも取り組んでまいります。 気候変動により水災害が激甚化、頻発化する中でも国民の安全、安心を確保するため、河川整備に係る計画等の見直しを早急に進めるとともに、流域治水の取組を加速化、深化してまいります。また、流域のあらゆる関係者が協働し、流域治水、水利用、流域環境に一体的に取り組む流域総合水管理を推進してまいります。 上下水道については、令和六年能登半島地震や八潮市の道路陥没事故を踏まえ、上下水道一体での耐震化を計画的、集中的に進めるとともに、点検手法の見直しを含めた施設管理の在り方などについて検討し、老朽化対策を着実に推進してまいります。 また、広域連携や官民連携による事業運営基盤の強化や、DX技術の実装によるメンテナンスの高度化、効率化等により、強靱で持続可能な上下水道システムの構築を図ってまいります。 港湾については、災害時の輸送拠点としての機能を確実かつ迅速に確保するための措置や、気候変動により増大する高潮リスク等に対し関係者が協働して施設を防護する取組の促進などにより、その機能の保全及び円滑な利用の確保を図ってまいります。 輸送の安全確保にも着実に取り組んでいく必要があります。 羽田空港航空機衝突事故や、災害時における航空輸送の確保の要請等を踏まえ、航空の安全を確保するための対策を推進します。旅客船の安全・安心対策についても、知床遊覧船事故を受けて一昨年改正した海上運送法等に基づく対策を着実に実行し、万全を期してまいります。 自動車の型式指定申請における不正を防止するため、検討会で取りまとめられた内容を踏まえ、実効的な対策を講じるほか、改正物流法等に基づき、自動車運送事業の更なる安全性向上に向けた取組を進めてまいります。 こうした対応に加え、運輸分野におけるモード横断的な安全対策にも取り組んでまいります。 交通安全については、通学路などにおいて、速度抑制対策と速度規制を組み合わせたゾーン30プラスの導入など面的な対策を推進し、こどもまんなか社会の実現を図るとともに、自賠法に基づき、自動車事故被害者支援や事故防止をより一層充実し、被害者などが安心して生活できる社会、事故のない社会の実現に取り組んでまいります。 誰もが安心して参加し、活躍することが可能な、若者、女性を含む共生社会の実現を図ることが必要です。 公共交通機関、建築物などにおけるバリアフリー化、心のバリアフリーなどのハード、ソフト両面からの着実な取組や、障害を理由とする差別の解消に向けた国土交通分野における取組を推進します。その際は、旅客施設等で提供される情報の円滑な伝達や的確な意思疎通の確保にも努めてまいります。また、公共交通機関などにおいて、子供、子育てに優しい社会づくりに向けた意識改革に取り組んでまいります。 海上保安能力強化に関する方針に基づき、巡視船等の増強、国内外関係機関との連携を図るとともに、人材の確保、育成、処遇、職場環境の改善など、海上保安能力の一層の強化を進めてまいります。 また、国民保護、総合的な防衛体制の強化等に資する公共インフラの整備にも取り組んでまいります。 経済安全保障の確保のため、船舶の重要機器の供給確保や高度な船舶設計・建造技術の研究開発を進め、国民生活や経済に不可欠な海上輸送の確保を図ってまいります。 また、紅海などにおける船舶への攻撃事案も踏まえ、関係国等と緊密に連携し、船舶の自由かつ安全な航行と安定的な国際物流の確保に取り組んでまいります。 二つ目は、持続的な経済成長の実現です。 我が国の持続的な経済成長のため、国内投資の拡大、生産性向上、災害対応力の強化等に資する社会資本整備が不可欠です。ストック効果の高い社会資本整備を戦略的、計画的に推進してまいります。 その際、近年の資材価格の高騰の影響等を考慮しながら、必要な事業量を確保するとともに、遊休公的施設を利活用するスモールコンセッションやウォーターPPPなどによる民間活力の活用を推進してまいります。 新しい技術も積極的に活用しつつ、高規格道路、整備新幹線、リニア中央新幹線、港湾、空港などの整備により、国土形成計画に掲げるシームレスな拠点連結型国土の構築を進めてまいります。 また、半導体等の戦略分野に関する国家プロジェクトの推進や地域の産業立地促進に必要なインフラの整備について、企業のニーズも踏まえつつ、迅速かつ集中的に推進してまいります。 地域を支える基幹産業を活性化していくためには、担い手の確保に向けた賃上げ等の処遇改善の実現や生産性の向上が不可欠です。 建設業の担い手の確保に向け、現場技能者への適正な賃金支払の実現に向けた制度の具体化や建設キャリアアップシステムの利用拡大により処遇改善を進めるとともに、工期の適正化等による働き方改革やICTを活用した生産性向上を推進してまいります。 トラック運送業の取引環境の適正化や物流の生産性向上を図るため、改正物流法を円滑に施行するとともに、トラック・物流Gメンの活動による取締りの強化、多重構造の是正、物流拠点の整備や省力化投資の促進、陸海空の新たなモーダルシフトの促進、自動物流道路構想の早期実現等も含め、二〇三〇年度に向けた政府の中長期計画に基づく物流の効率化、商慣行の見直し、荷主、消費者の行動変容を推進してまいります。 また、バス、タクシーやトラック、鉄道の担い手確保や経営力強化に向け、早期の賃上げや人材確保、養成の取組、経営効率化に向けた投資への支援等を推進するとともに、これらの分野における特定技能外国人の受入れに向けた準備を進めてまいります。 旅客運送事業者及び貨物運送事業者におけるドライバー不足の解消に向け、業種の垣根を越えたドライバーの兼業を進めるため、ドライバーシェア推進協議会において実証実験の取組を進めてまいります。 今年は、海の日が祝日化されて三十回目となる節目の年です。海事分野では、造船、海運の事業基盤や競争力の強化、生産性向上、人材の確保を図るとともに、採用間口の拡充等による船員の確保、船員分野の国際ルールの見直しへの対応、船員等の負担軽減に資する海事行政のDX化等を進めてまいります。 航空分野では、持続可能で利便性の高い航空ネットワークの維持、確保を図るため、グランドハンドリング等の空港業務の人材確保や処遇改善等を進めるとともに、脱炭素化を推進してまいります。 世界の旺盛なインフラ需要を取り込むため、政府全体のインフラシステム海外展開戦略二〇三〇に基づき、質の高いインフラシステムの海外展開を重点的、戦略的に推進してまいります。また、我が国の経験を踏まえた災害対策の知恵や技術を海外に発信し、世界の防災に貢献してまいります。 二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向け、あらゆる分野でGXの推進に総力を挙げて取り組むことが必要です。 暮らしや町づくりの分野では、住宅、建築物の省エネ化や都市緑地の質、量両面での確保による都市の脱炭素化を推進してまいります。 運輸の分野では、次世代自動車の普及や、ゼロエミッション船の開発や生産体制の整備等を進めるとともに、国際海運分野の温室効果ガス排出削減に向けたルール作りを推進してまいります。 インフラの分野では、グリーンインフラの活用、洋上風力や再生可能エネルギーの導入促進、カーボンニュートラルポートの形成、道路の脱炭素化、ハイブリッドダムの推進、上下水道の施設配置の最適化を進めてまいります。また、下水汚泥資源の肥料利用の拡大や、港湾を核とする広域的な物流システムによる資源循環ネットワークの形成を図ってまいります。 あわせて、藻場、干潟や多様な海洋生物のための定着を促す港湾構造物など、ブルーインフラの保全、再生、創出、建設リサイクルの高度化にも取り組んでまいります。 世界水準のデジタル社会の形成に向け、国土交通分野におけるDXの推進が必要です。 地理空間情報の充実や高度活用、インフラ分野ではi―Construction、建築・都市分野では建築BIM、PLATEAU、不動産ID、交通・物流分野では交通分野のデータ活用や標準化を進める地域交通DX等、各分野におけるDXを推進してまいります。 特に、自動運転については、社会実装を加速するため、制度整備とサービスの事業化を推進してまいります。また、自動運航船の実現も進めてまいります。 加えて、ドローンについて、多数機同時運航を安全に行うための要件などの制度の見直し、環境整備を継続的に行い、事業活用を推進してまいります。 行政手続のデジタル化、国土交通データプラットフォームやProject LINKS等による行政情報のデータ化、活用も進め、併せてサイバーセキュリティーも確保してまいります。 大阪・関西万博が四月から開催されます。万博の成功と、万博を契機とした地方への誘客促進などに向け、取り組んでまいります。 また、二〇二七年国際園芸博覧会が、気候変動等の地球規模の課題解決にも貢献するグリーンな国際博覧会となるよう、万全の準備を進めてまいります。 三つ目は、地方創生二・〇の推進です。 観光は地方創生の切り札です。昨年の訪日外国人旅行者数は約三千七百万人、消費額は約八兆円と、共に過去最高となりました。今後も地方誘客の促進等によって、全国津々浦々にその恩恵を行き渡らせることが重要です。 引き続き、オーバーツーリズム対策等、総合的な人材不足対策等にも取り組みつつ、コンテンツ造成や持続可能な観光地域づくり等を推進し、二〇三〇年訪日外国人旅行者数六千万人及び旅行消費額十五兆円を目指してまいります。 地域交通は地方創生の基盤であり、交通空白の解消は待ったなしの課題です。私を本部長とする国土交通省「交通空白」解消本部の下、地域の足、観光の足の確保を強力に進めるとともに、「交通空白」解消・官民連携プラットフォームを通じた幅広い連携を基に、全国各地の課題解決に取り組みます。これと併せて、全国各地の交通空白の一つ一つの解消に向けて、令和七年度から九年度までの三か年を交通空白解消・集中対策期間として対策を強化いたします。また、本年五月頃をめどに、この集中対策期間における取組の方針を取りまとめます。さらに、多様な関係者との連携、協働、ローカル鉄道の再構築、MaaSや自動運転の社会実装などデジタル技術を活用した省力化投資や担い手確保などを通じ、地域交通のリデザインを全面展開してまいります。 誰もが安心して暮らせる住生活の実現に向け、良質な住宅確保への支援や空き家対策の推進、改正住宅セーフティーネット法の円滑な施行に努めます。 また、建物と居住者の二つの老いが進行しているマンション等の管理、再生の円滑化等に向けた施策の強化に取り組むなど、多様なニーズに対応した安全で安心できる住まいの確保に取り組んでまいります。 地域の生活機能の誘導や防災指針を軸とした防災・減災対策などを推進し、稼ぐ力のあるコンパクト・プラス・ネットワークの町づくりを進めてまいります。あわせて、地域資源を活用した地方都市の再生等にも取り組んでまいります。 国土形成計画の下、新時代に地域力をつなぐ国土を目指します。 その実現に向け、シームレスな拠点連結型国土の構築を図り、二地域居住等の促進により関係人口の拡大による地方への人の流れを創出、拡大するとともに、地域生活圏の形成を通じた持続可能な地域づくりなどを推進してまいります。 また、北海道について、第九期北海道総合開発計画に基づく、食や観光の一層の強化、ゼロカーボン北海道の実現、デジタル産業の集積促進などの取組や、誘客促進戦略に基づく、ウポポイへの来訪を通じたアイヌ文化の復興、創造等を促進してまいります。 半島、離島、豪雪地帯などの条件不利地域について、その振興を図るとともに、特に半島について、能登半島地震等の教訓を踏まえ、安心して暮らし続けられる災害に強い半島地域を実現してまいります。 土地のサステーナブルな利用、管理の実現を図るため、昨年六月に改定した土地基本方針に基づき、土地の円滑な利活用や適正管理の確保等に着実に取り組むとともに、所有者不明土地対策等を推進し、早期の災害復旧や社会資本整備の迅速化等に役立つ地籍調査を進めてまいります。 以上、三本の柱に掲げた各施策について、しっかりと取り組んでまいります。 次に、特定複合観光施設区域、IRの整備に関する事務を担当する国務大臣として、私の所信を申し上げます。 IRの整備推進は、滞在型観光の促進に資するなど、観光立国の実現に向けた重要な施策です。 二〇二三年四月に認定を行った大阪の区域整備計画について、実施状況評価を行うとともに、依存症対策などの弊害防止対策に万全を期すなど、IR整備法に基づく対応を進めてまいります。 以上、私の所信を申し述べました。 今国会におきましては、ただいま御説明した重要政策を確実に推進するための関連法案を提出し、御審議をお願いしたいと思います。 委員長、委員各位の格別の御指導をよろしくお願い申し上げます。
○委員長(小西洋之君) 以上で所信の聴取は終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 大臣、副大臣及び大臣政務官は御退席いただいて結構でございます。 ─────────────
○委員長(小西洋之君) 次に、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。森屋隆君。
○森屋隆君 去る二月十七日、十八日の二日間、愛知県及び岐阜県における国土の整備、交通政策の推進等に関する実情調査のため、両県を訪問しました。 派遣委員は、小西委員長、朝日理事、安江理事、青島理事、浜口委員、井上委員、そして私、森屋の七名であります。 以下、調査の概要を御報告いたします。 初日は、まず愛知県名古屋市に赴き、名鉄名古屋タクシー株式会社から日本版ライドシェアの取組について説明を聴取した後、運行前の運転者との確認を遠隔で行う様子を視察するとともに、実際に日本版ライドシェアで使用されている車両に試乗しました。 派遣委員との間では、タクシー会社が運行管理等を通じて安全性を確保することの重要性、ライドシェアの規制が撤廃された場合の影響、タクシードライバーの賃金等の処遇改善の動き、日本版ライドシェアの認知度向上に向けた課題等について、意見が交わされました。 その後、名古屋タクシー協会の天野会長、浅野副会長、愛知県バス協会の瀧会長、名古屋鉄道株式会社の高崎代表取締役社長と懇談し、地域交通の持続に向けた国への要望、交通空白地解消に向けた課題等について、派遣委員との間で意見交換が行われました。 次いで、豊田市上下水道局上水運用センターにおいて、水道デジタルトランスフォーメーションの取組について説明を伺いました。職員数の減少等の中、水道管の老朽化対策として、AIや人工衛星を活用した効率的な維持管理を行っているとのことでした。 派遣委員との間では、職員による検査が必要な箇所の業務効率化及び技術継承の課題、山間部の調査精度が低い理由、デジタルトランスフォーメーションを先駆的に進めることによる市役所全体の意識の変化等について、意見が交わされました。 次いで、飛島村に移動し、名古屋港の飛島コンテナ埠頭株式会社の西村代表取締役社長から、自働化機器によるターミナルの生産性向上及び脱炭素化の取組について説明を伺いました。 派遣委員との間では、港湾の国際的な競争力を高めるための課題、港湾のサイバーセキュリティに関する国への要望等について、意見が交わされました。 その後、コンテナを運搬するタイヤ式門型クレーンの遠隔操作を行っている現場を視察しました。室内での遠隔操作になったことにより、労働環境の改善や、安全性の向上等の効果があったとのことです。 次いで、常滑市の中部国際空港において、航空管制官の業務及び代替滑走路の整備事業について説明を聴取した後、管制塔の管制運用室及びレーダー管制運用室を視察しました。 派遣委員との間では、昨年の羽田空港航空機衝突事故を踏まえた管制官の人員配置等について、意見が交わされました。 二日目は、岐阜県に赴き、まず、八百津町の新丸山ダムの建設現場を視察しました。新丸山ダムの建設事業は、既設の丸山ダムをかさ上げし、洪水調節の強化、発電量の増量、下流の河川環境保全を図るダム再生事業です。当事業では、骨材の製造からコンクリート打設までの一連の工程を自動・自律させるデジタルトランスフォーメーションや、低炭素型コンクリートの使用等のグリーントランスフォーメーションを推進するなど、新たな取組に挑戦しているとのことです。現場では、AR技術によってダムの完成イメージを確認すること等も含め、ダム事業における技術革新を実感いたしました。 次いで、四月開通予定の東海環状自動車道岐阜インターチェンジ周辺を視察しました。岐阜大学附属病院の直近にインターチェンジが開通することによって救急搬送時間の短縮を期待する医療現場の声を始め、岐阜市のライフサイエンス拠点の構想や本巣市の企業誘致など、開通に伴う沿線地域の活性化の動きについて説明を伺いました。 最後に、防災道の駅「パレットピアおおの」を視察しました。大野神戸インターチェンジ周辺のまちづくり施策の一環として開設された「パレットピアおおの」は、地域振興や子育て支援だけでなく、防災道の駅として、災害発生時には自衛隊等の活動拠点となるよう整備されているとのことでした。 また、様々な備えの一つである耐震性貯水槽を視察し、派遣委員との間では、耐震性貯水槽の強度、整備に係る予算等について、意見が交わされました。 以上が調査の概要であります。 今回の調査では、地域交通、水道、港湾、建設事業等の国土交通分野において、人繰りや予算が厳しい状況の中でも、持続可能な将来に向けて、最新の技術を活用しながら数々の取組に挑戦している姿に感銘を受けました。また、航空の安全対策、防災道の駅等の国民の安全を守る取組について、理解を深めることができました。お会いした現地の方々の御要望等をしっかりと受け止め、国政に取り組んで参りたいと考えております。 特に担い手不足に関しては、国土交通省の職員の採用が厳しい環境にあるとの声を伺いました。技術職員を目指す人材を増やす取組をより一層進めるとともに、国家公務員の採用試験の実施時期や処遇の改善等については一考を要するものと存じます。 また、国民生活を支えている公共事業の意義やその社会的な重要性の理解を促進するため、国土交通省及び地方支分部局が創意工夫を凝らした事業等について、SNS等を活用しながら広報活動を強化していく必要があると感じた次第であります。 加えて、各事業者や地方公共団体が先駆的に取り組んでいる事例についても広く周知し、全国に横展開できるよう支援する必要性を実感いたしました。例えば日本版ライドシェアについては、既存のタクシーを補完するという特性や安全性等に関する正しい認識の普及が求められていると存じます。 時には雪の降る場面もあった中、今回の調査に当たり御協力をいただきました皆様に心から御礼を申し上げ、派遣報告といたします。
○委員長(小西洋之君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時二十九分散会