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217回国会参議院2025/06/12

厚生労働委員会 第21号

発言数
254
登壇者
20
会派数
9
開催日
2025/06/12

会議録

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、天畠大輔君及び高橋次郎君が委員を辞任され、その補欠として舩後靖彦君及び塩田博昭君が選任されました。  また、本日、永井学君及び豊田俊郎君が委員を辞任され、その補欠として石田昌宏君及び衛藤晟一君が選任されました。     ─────────────

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省年金局長間隆一郎君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に日本年金機構理事長大竹和彦君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

山田宏自由民主党

○山田宏君 おはようございます。自由民主党の山田宏でございます。  いよいよこの大事な年金改革法案も審議が大分進んでまいりました。今日は幾つか課題を、短い時間ですけれども、お伺いしたいと、こう思っております。  この法案、紆余曲折ありました。厚労省の案がまずあり、その後、自民党にかかって、主にこの基礎年金の給付の底上げ、基準の底上げというものについていろいろと危惧が出され、そしてその結果、この部分が抜けて政府案となり、その後、三党協議、自民党、公明党、立憲民主党と、三党の協議によってまたこの基礎年金の給付水準の底上げ部分が戻ってくるということで、二転三転して現在と。  結果としては良かっただろうと、こういうふうに思っているんですけれども、この法案、この修正で、野党側はあんこのなかったまんじゅうにあんが入ったというふうに称したんですが、大臣はどのような御認識でございますか。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 委員御承知のとおり、今回の法案には、被用者保険の適用拡大であったり、また在職老齢年金制度の見直し、またiDeCoの加入可能年齢の上限の引上げといった、将来の受給者の給付も充実させながら現在の受給者の年金を増額させる重要な改正事項を多数盛り込んでおります。  御指摘いただいたこのあんこというのは、衆議院で盛り込まれました三党による修正案におきまして、今後、経済が順調に推移せずに基礎年金の給付水準の低下が見込まれる場合に、マクロ経済スライドを早期に終了させる措置を講じることを指していることと理解しておりまして、これは当初予定していた様々ある柱の中の一つではございますが、この措置がないことをもって法案としてあんこがないとまでは言えないのではないかと考えております。  この修正案は、経済が好調に推移しない場合の備えとして、将来の幅広い世代の基礎年金の給付水準の確保につながるものと認識しておりまして、厚生労働省としても、国会での御議論を踏まえ、その改正の趣旨や効果についてしっかり説明してまいりたいと思います。

山田宏自由民主党

○山田宏君 そうですよね。いろんな柱がある中で、一つ慎重に対応したということでしたが、あんこはあったんだけれども、ちょっと足りなかったということかもしれませんね。  そういった中で、このあんこ議論に対して、自民党のある議員が、いや、これはあんこといっても毒入りあんこだというふうに評した方がいますね。なぜ毒入りかというと、厚生年金積立金の流用という目的外使用が入っている、又は流用分に相当する税投入の財源の不透明さを指摘されております。  この毒入りあんこについて、大臣はどのようにお考えでしょうか。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 毒入りと申しますと、その年金を受け取る多くの方に悪い影響を及ぼすように聞こえますけれども、基礎年金のマクロ経済スライドの早期終了は、基礎年金の給付水準の低下が見込まれる場合に、将来の幅広い世代の基礎年金の給付水準の確保を可能とするものでございまして、将来世代の多くの方々にとってメリットがありますことから、この毒入りという表現には違和感を感じているところでございます。

山田宏自由民主党

○山田宏君 結果としては三党協議で元あった柱が戻ってきたということで、昨日の参考人質疑でも、高齢化に伴う年金の制度設計等については各国も大変な苦労をして社会保障制度の改正を行ってきたというお話がたしか駒村先生からありました。スウェーデンの事例などもあったわけであります。  しかし、今般こういう経緯をたどって、結果としては、野党の皆さんにとっても、まあ百点じゃないけれども反対する案ではなくなったという意味では、与野党の対決という部分は結果的には消えた。そして、年金改革法案も、スムーズと言っていいと思うんですけれども、本来は対決になりそうな法案だったのにうまくここまで議論が進んできたと、問題点の指摘も前向きにあったと、こういうふうに、私は結果としては良かったなと、こういうふうに認識をしております。  その上で、様々な委員から御指摘がございました点について、私、もう年金、本当難しくて、なかなか細かく理解できないのが正直なところでございまして、ほかの委員の方々の御質問を聞きながら、よくあそこまでできるなというふうに、私も大変勉強になったところであります。  その中で、やはり幾つかそうだなと思う点について、幾つか課題、今後の課題で取り組んでほしい課題について、私も御質問させていただきたいと思います。  まず第一点は、被用者保険の適用拡大であります。  適用拡大は、保険料の半額負担やその手続等について、それを行う、これから従業員が五十人以下の小規模な事業所に対応を広げていくということなんですけれども、そういった保険料の負担とか、また、昨日も出ましたけど、その手続を進めるぐらいの会社の余力がないとか、そういった指摘がございました。これから、やっぱりそういうところの支援をしっかりしていかないとできないということはもう各委員から指摘あったんですけれども、まず、どんな支援を今後そういった実情に踏まえながら行っていかれるのか、お答えをいただきたいと思います。

間隆一郎厚生労働省年金局長

○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。  今回の法案では、ただいま御指摘ありましたように、企業規模要件を撤廃していくと、従業員五十人以下の企業で働かれる短時間労働者の方にも被用者保険に入っていただくと、また、個人事業所につきましても非適用業種の解消を行っていくといった形でございます。  その意味では、今回の見直しは今まで以上に小規模の企業を対象といたしますので、企業経営に与える影響や事務負担の増加等も踏まえて、施行までの十分な準備期間の確保や段階的な施行により必要な配慮を行うこととしてございます。加えて、キャリアアップ助成金や中小企業のための様々な助成措置等を活用できるよう、例えば中企庁でありますとかあるいは農林水産省でありますとか、こういった他省庁とも連携をしながら支援体制を整備することなどにより、円滑に施行できる、そういう支援措置を使いやすいような状態を、そういう環境を整備していきたいというふうに考えております。  また、今回の法案による適用拡大の対象となる中小企業の人材確保の取組を支援する観点から、短時間労働者が被用者保険の適用を回避するために就業調整をすることがないよう、労使折半を超えて事業主が負担した保険料を全額その支援の対象とすることとした保険料調整制度を設けたいというふうに、このように考えております。

山田宏自由民主党

○山田宏君 ちょっと早口だからなかなかよく聞き取れないんだけれども、次はもうちょっとゆっくり、私にも分かるようにお話しいただきたいと思いますが。  十年という期間ですね、これから、これやっぱり長過ぎるなと思いますよ。しかし、各事業所から見れば、なかなか対応するのに時間が掛かるということですけど、これまでも任意で適用の拡大を図ってきたということで、それをそれなりに国の方は支援をしてきたと思うんですね。  しかし、これまで支援してきてもいろいろと課題がまだ残っているんじゃないかと思います。なるべく早く任意で適用拡大ができるように、もう少しやっぱり支援を拡充してもらいたいと、こういうふうに考えているんですけれども、例えば、保険料の負担だとか、昨日もありましたように手続上の事務、こういったものに対する支援だとか、そういったことについて今後どのように拡充されるのか、その点についてお答えいただきたいと思います。

間隆一郎厚生労働省年金局長

○政府参考人(間隆一郎君) お答えをいたします。ゆっくり御説明申し上げたいと思います。(発言する者あり)はい、分かりました。  ただいまの御質問に対しまして、企業における人材確保や定着の観点からは、いわゆる法施行によって、言葉はきついですけれども、強制適用というふうになる前に適用拡大を希望する企業もあるだろうというふうに考えております。実際にそういった企業もこれまでもあったわけでございますが、そのため、従前より、事業所単位でございますが、任意での被用者保険の適用も可能としております。そういう制度的な枠組みはあるということでございます。  その上で、今委員御指摘になられましたように、これまでの支援以上にどういう応援があるのかということだと思いますので、その点については、一つは、今回の法律の中で、先ほど御紹介しましたような本人の保険料負担を軽減する保険料調整制度を創設すること、そして、現在の年収の壁への対応としてキャリアアップ助成金による支援を行っておりますけれども、これまでは、例えば労働時間延長コースという特定のコースでいくと、一人当たり三十万円というのが基本になっております。これを、令和七年度中には新たなコースを設け、労働者一人当たり最大七十五万円の支援を行うということを予定しているところでございます。  こういう支援措置について、適用拡大になったところ、法律によって適用拡大になったところだけが使えるということではございませんで、この企業規模要件が見直される二〇二七年十月よりも前にこういったものを準備、施策を準備いたしまして、任意適用で、うちの従業員のために被用者保険にうちも事業所単位で入るよというような事業所の方も御利用できるようにすることで早期の被用者保険の適用を支援したいと、このように考えているところでございます。

山田宏自由民主党

○山田宏君 そういう支援策をメニューとして並べながら、今後、この強制適用になる十年後に目指して、どれぐらい任意で広がってきたのかということについては定期的にやっぱり報告をしていただきながら、支援策の検証などもやっぱりやっていく必要があるんじゃないかと、これ質問項目に、質問の中に通告してございませんので大体でいいですからお答えいただきたいと思うんですけれども、そういった形で定期的に何か今の状況というものを、どこまで適用拡大がこの制度、支援によって行われてきたのかというようなこともやっぱり報告をしていただきながら、やっぱりなるべくスムーズにこれができるようにということをしてもらいたいと、こう思っているんですけれども、その点についてどうでしょう。

間隆一郎厚生労働省年金局長

○政府参考人(間隆一郎君) 現在、これまで任意で短時間労働者の方に被用者保険適用するよというふうに手を挙げられた事業所が約一万二千ほど実はあるんですね。  今後、委員御指摘のように、こうした新たな追加的な施策も含めてどうなっているのかというのはしっかり把握をしたいというふうに思いますし、調査結果についても公表するようにしていきたいというふうに考えてございます。  その中で、この施行状況をちゃんとウォッチをしまして、そして、何か必要なものがあるのかどうかというのはしっかり検討し、必要なものについては対応していきたいと、このように考えております。

山田宏自由民主党

○山田宏君 よろしくお願いいたします。  それでは次、私も感じている課題なんですけれども、在職老齢年金制度の見直しについてであります。  これは、今回の改正によって、月額、その賃金に比例部分を足した部分が、五十万から六十二万に基準額が引き上げられるということで歓迎すべきものだと思っておりますが、まずは、今回の見直しで新たにどれぐらいの数の方が全額支給となり、制度全体で給付は幾ら増えていくのかということについてお聞きをしたいと思います。

間隆一郎厚生労働省年金局長

○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。  六十五歳以上の在職老齢年金の対象者の方は、この在職老齢年金という仕組みの中でその年金の一部又は全部が支給停止になっている方は、令和四年度末時点で約五十万人いらっしゃいます。このうち、今回の在職老齢年金の見直し、基準額を六年度価格で五十万円だったものを六十二万円にしてはどうかという御提案を申し上げているわけですが、これを行いますと、約二十万人の方が新たに厚生年金を全額受給できるようになると。さらに、それ以外にも一部停止額が減るというような方もいらっしゃると思いますが、全額支給、もらえる方が二十万人増えるということでございます。  こうしたことに伴いまして、この今回の見直しによりまして、年間約一千六百億円の報酬比例部分の給付が増えるという形になると見込んでございます。

山田宏自由民主党

○山田宏君 二十万人これからまた全額支給が増えるということで、更に働くということを促進をしていくエネルギーになっていくと思うんですが、一方で、この見直しで所得代替率はマイナス〇・二の影響を受けるとされていますけれども、制度全体で見るとこの所得代替率はどうなっていくんでしょうか。

間隆一郎厚生労働省年金局長

○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。  ただいま委員御指摘になられましたように、今回の在職老齢年金制度の見直しだけを取り上げて試算しますと、所得代替率の影響は報酬比例部分についてマイナス〇・二%でございます。  その上で、今回の政府案全体で見ますと、被用者保険の適用拡大など将来の年金給付水準の確保に資する施策も盛り込まれておりますことから、所得代替率の影響、政府提出法案全体の影響でございますが、は実質一%成長の成長型経済移行・継続ケースの場合にはプラス一・三%、そして実質ゼロ成長の過去三十年投影ケースの場合にはプラス一・四%と試算しているところでございます。

山田宏自由民主党

○山田宏君 このように、在職老齢年金の対象拡大をされた場合でも、〇・二のマイナスがあったとしても、一・三ないし一・四のプラスと、全体としては維持できると、こういったことですよね。  そういうことを考えていきますと、在職老齢年金制度は、言わば保険料の納付に応じた給付をしていくという、この保険制度の原則の例外となっているものなんですけれども、やっぱりこういう例外をずっと続けていっていいのかという疑問は湧いてまいります。やっぱりこれからの時代、人口減の中で、国としてはなるべく生産人口を増やしていかなきゃいけない。そのためには、まず生産性を上げる様々な改革をする。二番目は、やっぱりこれまで働きたくても働けないという方々、特に高齢者の方々をなるべく働きたい人は働けるようにしていかないと、日本の経済に大きな影響を与えてくるだろうと。  もちろん外国人労働者の問題もありますけれども、ヨーロッパなどの状況を見ると、一定パーセンテージ以上の外国人労働者が入ってくると国内的にいろんな問題が起きてくるというのは、ヨーロッパの事例でも感じているところであります。  そういった意味では、高齢者がなるべく働き続けられるように、働きたい人はですね、していくというのはこれからの国の流れでありまして、こういった制限自体、例外自体を残しておくこと自体も私は問題だと。  このように、やはり所得代替率でものみ込んでいける、例えば高齢者が増えていって成長していく、高齢者じゃない、高齢者が働くようになって経済が成長していく、又は様々適用拡大で被保険者が増えてくる、外国人労働者の方も来られる、こういったことで年金制度を考えていったときに、そろそろもう、猪瀬委員からもお話があったように、私はこれは廃止すべきだと、もう廃止を前提に議論を進めていく必要があると、こう考えております。  この在職老齢年金制度を廃止するということを前提にこれから議論を進めていただきたいと、こう思いますけれども、廃止した場合の財政的な影響はどれぐらいになりますか。

間隆一郎厚生労働省年金局長

○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。  仮に在職老齢年金制度を廃止した場合に所得代替率に与える影響で見ますと、現行制度との比較になりますが、報酬比例分でマイナス〇・五%、先ほど、今回の見直しは〇・二%と申し上げました。令和四年度末時点の受給状況から試算しますと、報酬比例部分の年金給付額は現行制度よりも約四千五百億円増加するというふうに見込まれます。

山田宏自由民主党

○山田宏君 時間が参りましたので、この在職老齢年金はなるべく速やかに廃止するように検討を進めていただくようお願いを申し上げ、質問を終わります。     ─────────────

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) この際、委員の異動について御報告をいたします。  本日、舩後靖彦君が委員を辞任され、その補欠として天畠大輔君が選任されました。     ─────────────

高木真理立憲民主・社民・無所属

○高木真理君 立憲民主・社民・無所属の高木真理です。早速質問してまいりたいと思います。  まず、修正案の提出者に伺いたいというふうに思いますけれども、この修正案の部分について前回も質問をさせていただきましたけれども、まだまだなかなか、国民の皆さんに伝えていく方法として工夫をしていった方がいいかな、御理解を広げていきたいなというところから質問をさせていただきたいと思います。  今回のこの修正案は、このまま修正がないと基礎年金が将来三割減ってしまう、これでは大変だということで提出をしているわけですけれども、全体としては、資料一でお示しをしているように、若い世代を中心に年金が、基礎年金が底上げされるという内容になっています。一人一人年金というのはその方の稼いできた生涯の報酬によっても違うので、細かいのは資料の三の①、三の②のところにある程度のシミュレーションが出ているわけでありますけれども。  聞こえてくる声の中に、提出者の皆さんのところにも聞こえているかなというふうにも思いますけれども、年金が増える増えるというふうに言われても、年金、そもそもなかなか、信用がなかなか届いていなかったりする中では、増える増えるというのは信用できないという声も聞こえてきているそうなんですけれども、その辺はどうでしょうか。

井坂信彦立憲民主党・無所属

○衆議院議員(井坂信彦君) ありがとうございます。  今回の修正案で確かに我々、まず当初は、現役世代がまた損をするんではないかと思われていたので、いや、現役世代の方ほど増えるんですよということを一生懸命説明をしてまいりました。お配りいただいた資料の二でもあるように、例えば六十歳男性でも、今回の修正案がないときとあるときを比べれば、六十歳男性でもプラス二十六万、五十歳男性はプラス百七十万円、四十歳男性はプラス二百四十六万円と、増えますよということを前半、主にお伝えをしてまいりました。  ただ、その結果、何かもう増える増えるばっかりで、本当に増えるのかと、怪しいじゃないかと、どこからお金持ってくるんだとか、まあ私のところにもいろいろなお問合せをいただいておりまして、今日はそこの点に絞ってお答えをしたいと思います。  より正確に申し上げますと、このまま修正案なしでいくと、現役世代の方、年金がひたすら減り続けますよということであります。令和六年財政検証でいえば、マクロ経済スライドの調整が続くと、厚生年金の方も含めた全ての方の年金の給付水準が二〇五七年まで続きますと。  で、今回の修正で、マクロ経済スライドを早く止めましょうと。早期終了することによって、これは厚生年金も含めた全ての方の基礎年金が、ほっといたら三割減ってしまうはずだったところが、八%減でかなり早期に食い止めて、後はそのままいくことができますよということであります。  だから、みんなが今物すごい増えるというよりも、減りを止めましょうと申し上げています。何もしなかったときに比べれば若い方ほど大幅に増えますが、今の金額より大幅に増えるという話ではないということを答弁をさせていただきます。

高木真理立憲民主・社民・無所属

○高木真理君 誤解なく正しく伝わるといいなというふうに思います。丁寧にありがとうございました。  次に、再び修正案提出者に伺いたいと思いますけれども、資料の五を御覧をいただきたいと思いますが、これ、似たような形のものをおとといの質疑の際にも出させていただきましたけれども、これ、なかなかこの修正案について理解が広がっていないということで、この間は、若い世代の方が恩恵が多い修正案なんだけれども、そこについての賛同が余りないのはどうしてかというふうに伺いましたら、やっぱりこれ、質問の聞き方の問題なんじゃないか、なかなかこの制度の中身が伝わっていないからじゃないかということでお答えをいただいたところであります。  これ、調査はこの間出した資料より一週間後に行われているわけでありますけれども、五月二十四日、二十五日に行われた調査においても、会社員らが入る厚生年金の積立金を使い、就職氷河期世代などが低年金になるのを防ぐ対策の扱いが焦点です、あなたはこの対策を法案に盛り込むべきだと思いますか、思いませんかという聞き方だと、盛り込むべきではないが結構多いという結果になってしまっています。  これ、やっぱり説明のせいではないかというふうに思うんですけれども、この説明、もう少し正確に修正案を説明できないか伺いたいと思います。

山井和則立憲民主党・無所属

○衆議院議員(山井和則君) お答えを申し上げます。  私たちも、この年金の広報、国民の皆様に誤解がないようにお伝えすることの重要性というのは、今回身にしみてひしひし感じております。  多くの世論調査あるいはマスコミ報道でも、ここにありますように、会社員らが入る厚生年金の積立金を使い、就職氷河期世代などが低年金になるのを防ぐ対策の扱いが焦点です、賛成ですか、反対ですかとなるんですね。それほど年金に詳しくない人が読むと、会社員らが入る厚生年金の積立金を使うということは、減るのかなと類推というか、するんですよね。それで増えるのは、就職氷河期世代などが低年金になるの、あっ、厚生年金が減って、そのお金を使って就職氷河期の低年金の人を底上げする改正かなと。これだけ読むと、別にどこのマスコミが悪いとかそういうことじゃなくて、一般論としてね。  そうなるとですよ、就職氷河期世代の若者や五十五歳以上の方とか低年金でない方は、直感的に、あっ、自分たちの年金が減りかねない改正を就職氷河期の低年金の人だけを救うためにやる改革かなと、普通に読めば、うがった見方じゃなくて、普通に読めばそう読めてしまうんですよ。そうすれば、多くの厚生年金受給者の方は反対となるわけなんですね。  ところが、何が深刻かといいますと、私たちの修正案というのは、就職氷河期世代の基礎年金だけを底上げするという修正案ではなくて、基礎年金の底上げ効果は会社員を含む厚生年金の受給者を含めた全ての方に及ぶわけであって、決して就職氷河期世代だけの恩恵ではないわけです。  具体的に言いますと、就職氷河期、四十歳から四十五歳ぐらいと言われておりますが、それより若い二十代や三十代の方が年金はより大きく増えるんですね。さらに、就職氷河期前の五十五歳以上の方も、モデル年金の方であれば、男性六十二歳、女性六十六歳までは増える。就職氷河期より上の世代の方もモデル年金であれば増えるわけなんですよね。  そういう意味では、かつですね、ここに厚生年金の積立金が使われて厚生年金が減ると誤解する方が多いんですけれど、現在三十八歳以下の方については、石破総理も答弁されたように、九九・九%の厚生年金の受給者の方の年金が増えますし、五十歳以下においても九五%以上の厚生年金受給者の方の年金は増える。つまり、この修正案というのは、先ほどの説明で受ける厚生年金の人が損するのかなという印象とは真逆で、大多数の現役の厚生年金受給者の年金を増やすための、増える修正なんですよ。  私は、微妙にニュアンスが違うぐらいだったら分かるんだけれど、現役の大多数の厚生年金受給者の年金を増やす修正案なのに、あたかも、あたかも厚生年金受給者の年金が減るかのように説明をされるのは、これは別に誰が悪いと言っているんじゃないんです、基礎年金という言葉を一般の国民の方は国民年金と思われる方が多いからこういう誤解の、これ誰が悪いわけでもないんです。でも、この説明の仕方というのは、今後、仮に法案が成立したら厚生労働省もこの法律の広報をされると思うんですけど、是非その辺り、厚生年金受給者の、厚生年金の大多数の現役の方の年金が増える改革なんだということを是非強調していただければと願っております。

高木真理立憲民主・社民・無所属

○高木真理君 その辺り正確に把握した上で、法案の審査も、その成立後も、お取組をいただきたいということでありました。  ここまでで修正案提出者の皆さんの答弁は終わりますので、御配慮願います。

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 山井衆議院議員、井坂衆議院議員は御退席いただいて結構でございます。

高木真理立憲民主・社民・無所属

○高木真理君 それでは、伝え方が難しいというところで、次の質問に参りたいというふうに思いますけれども、百年安心というのが二〇〇四年の改正時に、これ伺ったら、私、あのとき、もう政府全体でそういうふうに言っていたのかなというふうに思ったんですけれども、与党の政党さんが作られたキャッチフレーズだったそうであります。  これ、とてもインパクトが強くて、いい、インパクトが強いという意味ではすごく強烈なキャッチフレーズだったので、今もみんながそれを印象にすごく残っているわけですけれども、こうしていろいろ年金を詳しく見ていくと、やっぱりマクロ経済スライドというものを入れることによって財源を長もちさせる、そのことによって百年もつよという意味であって、その裏腹に、逆に給付水準は下がっていってしまう、物価どおりにはスライドしない年金になっているということがあったわけですけれども、いい面だけとかを分かりやす過ぎる形で強調しちゃうと、なかなか誤解も生むかもしれないし、あと、私なんかはその当時、百年安心と聞いて、率直にそんなわけないだろうというふうに思って、逆に年金不信の種を自分の中にもそのときつくってしまっていたなということを感じているわけであります。  質問は、そういうことがあるということを踏まえた上で、こうした伝え方というのはどうあるべきと考えるか。今後、五年ごとの見直しの際に必要なのは不断の見直しによる時代への対応であって、これで大丈夫ということだけを伝えていくと逆に間違ってしまうのではないか、不断の見直しが必要だから国民も一緒にこの年金のことを考えていきましょうということを共有しながら進んでいくべきではないかということを考えますが、この国民への伝え方、フレーズ、キャッチフレーズのことも含めて伺いたいと思います。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 今不断の見直しということをおっしゃったのは、そのとおりだというふうに思います。  公的年金制度については、二〇〇四年の年金制度改正におきまして、マクロ経済スライドを導入し、将来の現役世代の負担が過重なものとならないよう保険料の上限を固定しつつ、その収入の範囲内で給付することで、おおよそ百年間の長期的な給付と負担のバランスを確保し、将来にわたって持続可能な仕組みとしております。  この年金財政の健全性につきましては、これも御指摘ありましたように、財政検証におきまして五年に一度確認をしております長期的な給付水準の見込みに基づいて客観的に説明をすべきものと考えております。  社会経済は常に変化するものでありますから、年金制度についても時代に合った不断の見直しに取り組んでいくことが重要でございまして、そういったことを国民の皆様にも丁寧に説明をしてまいりたいと思います。

高木真理立憲民主・社民・無所属

○高木真理君 ちょっと飛ばして順番を入れ替えて、六番で通告していたところに飛びますけれども、先ほども、被用者保険の適用拡大、五十人以下の従業員の企業にもというところについて山田委員からも御質問ありました。昨日の参考人の皆さんからの意見にもたくさんあったわけですけれども、やっぱり私は今でも、十年と言わずに、早期に適用拡大をする道をしっかり模索していただきたいというふうに思います。でも、政府の答弁では、強制加入前の段階の規模の企業にも任意加入できる制度の利用を後押しして進めるという答弁でありました。  現在、強制適用の対象とはならない事業所の中で任意適用になった事業所数どのくらいかということをまず質問の通告でさせていただいておりましたけれども、先ほど回答の方で一万二千社というような回答がありました。これは割合でちょっと知りたいなというふうに思って通告はしていたわけなんですけれども、割合で答えようとすると、分母の企業数はちょっと分かっていないということだったので、こういうところもしっかり調べて、この適用拡大を任意でもなるべく取り組んでもらうように進めるべきだというふうに思います。  その上で質問ですが、現在もこの適用拡大の任意適用というのは進める、なるべくそうしてほしいということを広報をしているのかどうか。制度はキャリアアップ助成金を使えるということありましたけれども、どのくらい進める体制を取っているのか、これ今後どのように行っていくのか、伺います。

間隆一郎厚生労働省年金局長

○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。  数字のところ若干だけ補足させてください。令和五年度末で申し上げますと、法律に基づいて、いわゆる強制適用で短時間労働者が適用になっている事業所が約八万二千ございまして、それに対して、任意で適用されて、労使合意で任意で適用事業所となった数が約一万二千ということでございます。その一万二千の分母が正確に把握できていない点についてはおわび申し上げますが、そういう全体、規模感ということでございます。  その上で、日本年金機構では、これまでもホームページにおいて任意での適用拡大の仕組みについて掲載を行い、その周知に努めてございます。また、厚生労働省におきましても、これまでの被用者保険の適用拡大に当たり、社会保険適用拡大特設サイトなどにより社会保険加入のメリット等について周知を行っています。  その上で、今回の法案では、任意で短時間労働者への被用者保険の適用拡大をする事業所につきましても、本人の保険料負担を軽減する保険料調整制度を活用可能としてございます。  こうしたことも含めて、日本年金機構や業界団体とも連携しながら、こうした支援措置について分かりやすく丁寧に周知していくこと、また、任意で適用した事業所の事例なども御紹介をしながら、ああ、こういう小規模な企業、事業所でもやっているんだねといったことも御紹介しながら、任意での適用拡大に取り組む事業所を後押ししたいと、このように考えております。

高木真理立憲民主・社民・無所属

○高木真理君 是非強力に推し進めていただきたいと思います。  そして、もう一問、時間も迫っているんですけれども、今回五年ごとの見直しの課題というのを資料の中、調査室からもらった資料の中で見ていると、やっぱりこの問題、解決されないまま時間切れでこの問題をキャリーオーバーしているなというふうなことを強く感じます。  第三号被保険者についても、二〇一二年のときの資料にも課題として挙がっておりますし、今回の年金部会では結論まで至らないで宿題持ち越しという状況になっています。部会の取りまとめでは、今回の取りまとめでも、基礎年金の拠出期間の延長、四十五年化、障害年金について、残された課題として記載されています。  これ、先送りせずに次回でもう成案を得るところまで行くというふうにするには、今回もトータルで二十四回開かれていますけれども、同じようなスケジュールではまた課題が解決できないと思いますけれども、どのように工夫をしていくか、伺います。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) この第三号の被保険者制度につきましては、年金部会においても複数回にわたって議論をお願いしてきたところでございますが、多様な属性の方が混在している中で、将来的な見直しの方向性については意見がまとまらず、引き続き検討することとなったものでございます。  今回の年金制度改正に当たりましては、年金部会では二年間で二十四回にわたって精力的に御議論いただきました。その結果、被用者保険の適用拡大であったり、在職老齢年金や遺族年金の見直しなど、長年の課題について一定の見直しの結論が得られたものもあれば、意見が集約できなかった事項もございます。  この第三号被保険者制度の在り方につきましては結論には至っておりませんが、法案には、第三号被保険者制度の在り方であったり、基礎年金の拠出期間の延長について検討規定を設けることとなってございます。  今後、この第三号被保険者の方々について、必要な調査、今まで様々な属性の方がいらっしゃると言いましたが、具体的にどういった方々がいらっしゃるのか、子細な調査を行わせていただいた上で議論を重ねることとしておりまして、年金部会の委員の御協力を得ながら議論を進めてまいりたいと思います。

高木真理立憲民主・社民・無所属

○高木真理君 スケジュール感のところの御回答はなかったんですけれども、やっぱり回数増やすとか、もう少し前倒しでやっていくとかやらないと解決しないと思いますけど、いかがですか。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) まず、そういう意味では、先ほども申しましたどういった属性の方がおられるのかといったその実態の把握が必要でございますから、そうした実態把握のための調査をなるべく急ぎ行うこととしておりまして、見直しに向けた議論はその結果を踏まえて行わせていただきたいというふうに考えております。

高木真理立憲民主・社民・無所属

○高木真理君 三号被保険者のことだけではないので、是非ちゃんと課題として出たものにはけりが付けられるように進めていただきたいと思います。  終わります。

森本真治立憲民主・社民・無所属

○森本真治君 立憲民主党の森本真治でございます。  まず、昨日の理事会に厚労省さんの方から、令和六年度の障害年金の認定状況についての調査報告書というものを提出をいただきました。これにつきましては、これは共同通信が、報道がきっかけでありまして、障害年金を申請して二〇二四年度に不支給と判定された人が二三年度の二倍以上に急増し約三万人に上ることがこの共同通信さんが取材をされて分かったという報道、そしてこれは過去最大になるということの報道がきっかけであったわけでございます。  これを受けて、福岡大臣が、これは、この参議院の厚生労働委員会、我が会派の大椿議員の答弁で、実態把握に向けた抽出調査というのを行うということで、一か月後をめどに公表できるよう作業を進めたいということで大臣が指示をされて、そして昨日提出をいただいたということでございます。  本当にこの短期の中で、担当の方も寝る間を惜しんで調査をされたということについては敬意を表したいというふうに思います。私も、この法案審議に関わってくる問題だということで、この審議中に提出を求めてきた中で昨日提出をしていただいたということでございます。  それで、ちょっとこのことについてまず幾つか確認をさせていただきたいと思いますが、今回の報告書をちょっと読ませていただいたんですが、この報道にあります、不支給とこの二〇二四年度判定された人三万人、二三年度の約二倍となっているということについて、この報告書の中では読み取れなかったんですね。  本当にこれ、障害者の方、大変今不安に思われている状況がある中で、まずこの事実関係について御報告をいただきたいと思います。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 障害年金に係る一連の報道を踏まえまして、令和六年度におけます認定状況の実態把握のため、抽出調査であったり日本年金機構職員へのヒアリングを実施し、その結果を取りまとめ、昨日公表をさせていただきました。  その結果、抽出調査、この結果では、新規裁定のうち不支給割合は一三・〇%ということで、この令和五年度の障害年金業務統計の八・四%より上昇している。この抽出した数字だけを見れば、二倍までは至っていないですが、その令和五年度の八・四%よりは高い数字となっているということでございます。  特に、その内訳を見ますと、精神障害の上昇が大きいということが確認をされたということでございます。不支給割合がなぜ上昇したかにつきましては、障害等級の目安よりも下位等級に認定されて不支給となっているケースなどが寄与している可能性が示唆をされたところでございます。  こうした結果を踏まえまして、今回、今後この審査プロセスの運用改善を徹底するとともに、精神障害の方などの令和六年度以降の不支給などの事案について速やかに点検を行うこととしているものでございます。

森本真治立憲民主・社民・無所属

○森本真治君 これも昨日の共同通信の記事でございますけれども、先ほど大臣答弁いただきましたが、サンプル調査の結果といたしましては、一三%、対前年比で増えたということで、この記事では約一・五倍というふうに書かれておりまして、さらに、精神、発達、知的障害では約一・九倍ということが記事には書かれておるところでございますが、これ局長で結構で、局長か審議官の方になるのかどうかあれですけれども、参考人で結構ですが、大体もう実数としてもおおむねこのような数字になるというふうにそのまま大体判断をしていいのかどうか、最終的にはまた後日確定というか、してくるとは思うんですけれども、その辺り、大体この一・五倍、また精神、発達、知的障害で約一・九倍、大体おおむねこういう実数にもなっていくというふうに理解してよろしいんでしょうか。

巽慎一厚生労働省大臣官房年金管理審議官

○政府参考人(巽慎一君) 大臣からお答えしましたように、あくまで抽出調査の結果の割合ということでございます。障害業務統計は、年金業務統計はあくまでも全数調査の割合ですけど、その蓋然性は高いということでございます。

森本真治立憲民主・社民・無所属

○森本真治君 要因についてちょっと大臣の方から考えられることということでさっきお話があったんだけれども、この報道では、いわゆるこの担当の幹部の、その年金機構センターの幹部の方の指示があったのではないかという、これは取材の中で報道はされたわけでございまして、この指示についてはここには、報告書では、審査を厳しくすべきといった指示を行っていた等の事実は確認できなかったという報告がありますが、認定の根拠を明確にすべき等といった指摘はあったがというふうにあるんですけれども、この認定の根拠を明確にすべき等といった指摘というのはちょっとよく理解できないんですけど、これは指示とは違うんですか。厳しくするということの指示とはちょっと違うんですか。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) まず、この日本年金機構の職員へのヒアリングにおきましては、障害年金センター長から認定の根拠を明確にすべきといった意図の指摘はあったなどの話はございましたが、このセンター長を含めまして特定の職員が審査を厳しくすべきといった指示を行っていた事実については確認ができてございません。  なお、この障害の認定基準においては、具体的かつ客観的な情報を収集した上で認定を行うなどとしてございまして、この認定の根拠を明確にすべきというセンター長の指摘ということは、この基準と照らし合わせても問題ないというふうに考えてございます。この具体的かつ客観的な情報を収集した上でということは、この医師等への照会などを通じましてその認定の根拠を明確にするようにといったようなことが含まれているというふうに承知をしております。

森本真治立憲民主・社民・無所属

○森本真治君 ちょっとそこが、本当に指示、何というかな、その指示が結果的にはこのように不認定につながったのかどうかというところがちょっと分かりづらいところが、まだこの報告書では分かりづらいんですが。  これ参考人で結構です。例えば、根拠が明確にできないということがこれ個別の認定においての審査書類の判断に影響があって、なかなかその中でこれを認定するというところまで結び付けないということが発生してしまったのかどうか、これが結局認定されなかったことに、増加につながったのかどうかというところが、ちょっと思うんですけれども、その辺りはどうなんでしょうか。

巽慎一厚生労働省大臣官房年金管理審議官

○政府参考人(巽慎一君) 基本的に、認定の疑義があった場合は、証拠書類を調べて、当然医師とか、カルテを見たりというようなことにもなったりするわけです。  そこは、今回のヒアリングの中では、審査はしっかりやっていたんだけれども、特にその記載事項、これ事前確認票とか、あるいは認定調書の中で書かれていないというようなところが一部あったというようなことでございまして、実態的にはちゃんとなされたんだけれども、やっぱり手続上の、運用上の問題があるということで認識しております。

森本真治立憲民主・社民・無所属

○森本真治君 やっぱり運用上の問題があったという認識という答弁がありまして、結果的にはやっぱりそれぞれの担当者がある程度、何というかな、個人の判断というか、それに頼らざるを得ないような今仕組みになっているのかどうかというところですよね。だから、このセンター長のしっかりと根拠を、認定の根拠を明確にしっかりと示してやりなさいというところに対して、なかなかそこの中でもう判断ができずに、判断ができないんだったらもうこれ認定しないという方に行ってしまったのかどうかというところは、ちょっとやっぱり課題として考えていかなければならない問題が明らかになったんではないかなというふうに思っておりますけれども。  それで、今後の対応ということも幾つか示されておるんですけれども、ちょっと確認なんだけど、これ、二〇二四年度で不支給となった人たちに対して、もう決定がなされた皆さんに対してはやっぱり、そういう状況の中でもう既に決定されてしまっている人たちに対しての対応ということは、もう一度見直していくということでよろしかったんでしょうか。

巽慎一厚生労働省大臣官房年金管理審議官

○政府参考人(巽慎一君) 今回、六年度の不支給事案、それと目安よりも下級等級のものにつきましてもう一回点検をするということになっております。それと、四年度、五年度につきましても、その点検の結果、その整理をした上でまた見直すということになっております。  そこで、これ実際は年金機構の方で、その認定医もセカンドオピニオンみたいなものをやりまして、チームをつくってもう一度丁寧に見直しましょうと、そういうことになっております。

森本真治立憲民主・社民・無所属

○森本真治君 ちょっと本当に、これやっぱり障害をお持ちの皆様のことを考えたときに、非常にやっぱり速やかな対応をまずはしなければいけないということが一つあるのと、やっぱりこれ制度的な、運用的な問題についてもしっかりと改善をしていくということの重要さということだというふうに思います。  ちょっと今日、時間が限られているので、法案のこともしっかり大切なことをやらせてもらいたいんで、ちょっと私、それぞれ委員の皆さんも非常に問題意識持っていると思いますから、やっぱりこれはこの国会中しっかりと我々議論をしなければいけないということで、私も理事の一人でございますから、やっぱりほかの会派の皆さんにも相談をさせていただいて、しっかりとしたこの審議の場というものをやっぱりつくっていく必要性ということは申し述べさせていただいて、そのときにはしっかり対応していただくということをお願いをさせていただきたいというふうに思います。  それでは、法案の方に入らせていただきたいというふうに思いますが、今日はちょっと配付資料でもお配りをさせていただいているんですけれども、この間、いろいろと議論の方をしてまいりまして、衆議院の提出者の皆さんからもいろんな答弁していただいた中でございます。先ほど高木委員も世論調査の数字をお示しをされて、今日私は、資料一ですけど、NHKですね、これは六月八日、九日調査ということで、こちらの方はもっとちょっと厳しい評価になっているというふうに私理解するんですが、余り評価をしない、全く評価をしないという方がこちらはもう五〇%、半分を超えているということで、これちょっと先ほども議論ありましたけど、質問内容とか調査によってやっぱりこれはかなりばらつきがあるんで、正確な世論というの、これなかなか把握しづらいんだけど、だけれども、一つのやっぱりこの状況については私たちも真摯に受け止めながら、しっかりと理解をしてもらうということが必要だというふうに思うんですが。  それと併せて、これは資料の二なんですけれども、これは昨年の世論調査、二四年の七月ですけれども、これは、そもそもの、今回の改正内容に限らず、公的年金制度のことですよね、この公的年金制度に対する政府の説明が信用できないという方が七七%にもなっているということですね。今の年金制度、所得代替率五〇%以上というところだけれども、これが本当に確保できるとする政府の説明が信用できないという方が、もうこれ八割近くの方がそのような、そもそもの制度論に対しての信頼度が低いということ。  それと、資料の三は、こちらは各国の、これは内閣府の調査でございますけれども、年金の信頼感の各国比較というところで、これ日本が極端に信頼がないんですよ。大いに信頼している、どちらかといえば信頼しているで二〇%ですね。信頼していないを合わせてもこれもやっぱり八割近くという状況になっているんですけれども。  そもそも論として、これは政府の方にお伺いしましょう、年金の信頼度がこれだけ低いということについてはどのように今認識をされていらっしゃいますか。

間隆一郎厚生労働省年金局長

○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。  我が国の公的年金制度について、諸外国と比較して少子高齢化が早く進んでまいりました。そんな中で、二〇〇〇年頃までは給付と負担双方にわたって累次の制度改正を行う、これ財政再計算と当時は申しておりました、こういうことの中で、大丈夫なのかという、若い世代を中心に年金に対する将来不安が語られてきたのは事実だと思います。  現在の制度につながります二〇〇四年度の制度改正により、保険料負担、保険料率の上限を設け、基礎年金の国庫負担を二分の一に高め、マクロ経済スライドを導入することにより制度の持続可能性を高めたわけですけれども、複雑な仕組みで分かりにくいとの御指摘をいただいているのもまたこれは事実だというふうに思っています。  私どもとして、こういう公的年金の意義や制度についてしっかりとお伝えする努力を重ねていかなきゃいけないと、このように考えております。

森本真治立憲民主・社民・無所属

○森本真治君 それで、これちょっと配付資料で出さなかったんですけど、海外のシンクタンクが年金の総合評価ということで、各国のですね、これ、給付の十分性、制度の持続可能性、制度管理の健全性ですね、これで総合評価をしたランキングというのをちょっと私見たときに、これ、たしか四十か国ぐらいの各国の年金制度の総合評価をしたときに、日本の制度って三十六位になっているんですよ。一番最下位のランクに入っていたというような調査結果というのもあって、これは、調査の仕方というのはいろいろ議論があるかもしれませんが。  少なくともこの間、例えば消えた年金問題などの管理の問題とかも含めて、やっぱり我が国のこの年金制度の国民の評価ということが、やっぱり今お話をしていても、本当に今の年金では生活ができないという方が本当に多くいらっしゃるという状況の中で、やっぱり年金に対するこの期待というか信頼というか、そこが本当に今のままは厳しいなというところを感じざるを得ないんです。  でも、その中でやっぱり国民の皆さんに信頼される年金制度をどう構築していくかということが、これは政府はもとより国会としても非常に大きな役割があって、今回、こうして国会が主導してこの年金制度、信頼回復に向けても努力をしているという私は認識でおります。  その中で、これは衆議院の方の修正案の提出者の方にお伺いしたいと思うんですけれども、今回のこの修正内容は、もう既に議論がありましたけれども、今回、そのマクロ経済スライドの一致というところに限ったことになってしまったんだけれども、これはやはり重要広範議案の審議がここまで遅れてしまったということも私は大きな原因だということで、政府に対しては改めて猛省を促したいというふうに思いますが、これはやっぱり、もう既にお話もされているんだと思うんだけれども、あくまでも改革の一里塚ですね。まずこれでスタートということで、やっぱり緊急的にでも何とかここは進めなければいけないという思いだったと思うんですけれども、この改革全体についてのやっぱり引き続きスピード感を持って行っていく必要性ということについては、国会としてもやっぱり非常にこれは重要だというふうに思いますが、修正案提出者の御認識をお伺いしたいと思います。

山井和則立憲民主党・無所属

○衆議院議員(山井和則君) お答え申し上げます。  今、森本議員が御指摘されました年金の信頼性のなさ、特に、圧倒的に若い世代から年金が信頼されていない。まさにこの最大の問題が、今回問題になっております基礎年金が二〇五〇年代に向かって三割低下していく。国民年金満額が、今六万八千円が、二〇五〇年代には五万五千円になる、五万五千円じゃ生活できないだろうと。やっぱりそれを放置していること自体が年金不信の最大の元凶だと思うんですね。  そういう意味では、今、森本議員から、なぜ今回こういう内容になったのかということですけれど、参議院厚生労働委員会で、昨日も、私も傍聴しておりましたけれど、駒村参考人も発言されておりましたように、基礎年金の所得代替率を上昇させるのに一番効果が大きい、底上げ割合が一番高い。具体的に言いますと、例えば国民年金の四十年から四十五年化よりも倍程度年金底上げ効果が高いんですね。これを最優先でやると。  しかし、同時に、この委員会でも議論になっておりますように、国民年金の四十五年化、これもやるべきだと私たち考えておりますし、厚生年金の適用拡大も遅過ぎる、スピードアップさせるべきだ、こういうことは中小企業や小規模事業者への支援とセットで、もっとスピードアップさせるべきだと考えておりますので、今超党派で年金の協議会を開こうという話も出てきておりますので、四年後、五年後を待つことなく、積み残された課題についても速やかに議論をすべきだと考えております。

森本真治立憲民主・社民・無所属

○森本真治君 それで、私も地元でいろんな皆さんとお話をする中で、一つやっぱり認識として持たれているのは、やっぱりこれから我が国の将来ということを皆さん認識されているわけです。高齢者の方がどんどんどんどん増えていく、そして若者は減っていく。そうすると、これ年金に限らずですけど、やっぱり財政的にも非常に厳しい未来ということで、大変その辺が、まあ何というかな、やっぱり不安というか、やっぱりネガティブな将来に対するイメージが多くの国民が持っているということですね。  ですから、私、今回のこの改正についての評価ということを考えたときも、私なりにいろいろお話をして考えるのは、結局改革って言うけど改悪になるんだと、もう前提として。とにかく、もう痛みを伴わなければならないんだという、やっぱりそういう認識が多くの国民の皆さんが持っているというのは、私、これ正直な私の実感としてあるんですね。  そういう中で、じゃ、今回の、ちょっと個別の、やっぱり今批判がされていることについて一つ一つ修正案提出者の皆さんに確認したいんですが、まずはこの大前提として、もうそもそもこれから制度を変えるのはやっぱり改悪につながっていくんだという認識を持っているというところを考えたときに、今回の改革で確かに国民の皆さんに痛みを覚悟してもらわなければならないような部分があるのかですよね、そういうところとか、負担をしてもらわなければならない部分があるのかというところですね。この辺りについて、実際、修正案提出者の皆さんはどのようにお考えになっていらっしゃるのかということをお伺いしたいと思います。

山井和則立憲民主党・無所属

○衆議院議員(山井和則君) 御質問ありがとうございます。  例えば、今回の中で痛みの部分については、マクロ経済スライドの早期終了を講ずる場合、一時的に、高所得の高齢者の方々などを中心に一時的に給付水準が低下するというような影響が考えられます。  ただ、これを具体的に申し上げますと、例えば、男性は、モデル年金でいいますと、現在六十三歳以上、女性は六十七歳以上の厚生年金受給者の方は、年金受給総額が一生涯で、一生涯で最大二十三万円程度マイナスになりますが、これは、一生涯で二十三万円程度ですから、年まあ一万円程度で、月額にすると八百円程度の給付水準の低下となりますし、かつこの八百円程度というモデル年金のこの額に関しましても、今回の修正の中で緩和措置を講ずるということになっておりますので、できるだけマイナスの影響が出ないように今後変えていきたいというふうに考えております。  具体的に言いますと、かつこれも、すぐあしたから年金が減るんですかとかでは全くなくて、この制度が実施されたとしても、二〇三一年度以降は少しマイナスの影響出るかもしれませんが、逆にそれは、二〇三八年度以降は順次低年金の方から含めて逆に増え出すんですね。そういうことでは、ある意味でそのマイナスの影響は限定的だと考えておりますし、もう一点だけ付け加えますと、痛みは伴うんですけど、私は強調したいのは、この改革をしない痛みの方がはるかに大きいんです。  先ほど森本議員御指摘されましたように、一歩間違うと、この改革をせずに基礎年金が三割低下するというのを放置したら、もう若い世代の方は下手したら年金保険料払わないと、年金信用できないとなって、一歩間違うと年金制度が崩壊しかねないぐらいの激痛を受けるかもしれませんし、また、駒村参考人も昨日おっしゃっていましたけれど、例えば最大百万人というか、二兆円程度生活保護費が、今回の改革をしなかったら、高齢者の生活保護の方が大幅に急増して高齢者の貧困化が進み、二兆円ぐらい国庫負担が増える可能性があるということを駒村参考人も昨日御指摘をし、今までからされております。  そういう意味では、もちろん改革には痛みは伴いますけれど、重要なのは、改革を今しなかったら、大変な生活保護の高齢者の急増とか、必要な医療が受けられない、必要な食料を買えない、そういう悲惨なと言ったら言い過ぎかもしれませんが、悲惨な老後が二十年、三十年後に来ていると。その激痛、その激痛を抑えるためには今回の私たちの改正案の痛みというのは許容すべき、許容できる痛みではないかと考えております。

森本真治立憲民主・社民・無所属

○森本真治君 御答弁いただきましたように、一時的にはマイナスとなるけれども、トータルで考えていくということですよね。トータルで、やっぱり長い老後の人生の中でいけばプラスになっていくというお話があったというふうに思います。さらには、やっぱり本当に放置しておいた場合のもっと悲惨な状況の中を何とか食い止めていかなければならないんだという御説明だったというふうに思います。  それで、もう一つは、じゃ、一時的なこのマイナスの部分についても、今回修正の中でやっぱり措置をしっかりとっていこうということも、併せて今回修正案の中では盛り込んでいただいているということかなというふうに思っておるんですが、それで、先ほど来の本当に今回の法案の評価が厳しい中で、この間もいろいろありましたけれども、やっぱりネット上であったり報道の中でこの改正についての批判的な意見がまだあるわけですね。  特にやっぱりその中でも有識者の方とか専門家の方がそういう発言をすると、じゃ、その人の発言というのが正しく報道されたり、例えば新聞や雑誌できちんと書かれているのかという前提がありますけれども、読んだ人からすれば、やっぱりそれなりの知識のある方、有識者の専門家の方の意見だから、ああ、やっぱりそうなのかというふうに思うところがあると思うんですよ。  それで、私は、やっぱりそういう今こういう誌上などで上がっている意見について、一つ一つ、やっぱり修正者、提出者の皆さんからもどうなのかというところはちょっとただしていきたいというふうに思っておるんですね。  それで、ちょっと幾つか具体的にその意見について取り上げたいと思うんですが、これ一つ、ちょっとお名前はあえて控えましょう。ただ、シンクタンクの専門家の方です。その方は、これ解説ということで、例えば年収六百十一万円で厚生年金に四十年加入した場合で試算したら、現行制度を続けた場合、現在五十五歳の人は、六十五歳時点での年金月額の見通しは、現行制度でありましたら、十六・七万円、二・七%減るんですよ。ただ、今回の底上げ策を実施したら、十六・一万円、六千円減って、六・一%目減りしますという解説があるんです。  これについての提出者の方の認識というか、これやっぱり正しいという理解でよろしいんでしょうか。

井坂信彦立憲民主党・無所属

○衆議院議員(井坂信彦君) ありがとうございます。  私もこの論文というか記事読みまして、この記事に書いてあるのは、要は、今五十五歳の方が十年後、六十五歳になったその年の一年間の年金額が多いのか少ないのか、増えるのか減るのかということで比較をされたと思います。  先ほど山井提出者からも御説明したとおり、正確に言うと、二〇三一年から二〇三七年までの間は、実は底上げ策をしたときの方がその年にもらえる厚生年金の額は、これは僅かではありますが、減ります。まさに十年後というと、まさにその一番、単年度では一番減る年のことをおっしゃっているので、その年であればこれぐらい減るんですけれども、ただ、その方もそれからまた更に平均寿命まで生きている間にはそこから後はまたプラスに変わっていって、一生の間ではそれを取り戻していくということになる。最終的には、五十五歳の方、モデル年金の方はやっぱりプラスになるんですね、一生涯でもらえる年金額総額という意味では。  この書いてあることは正しいです。ただ、これは、その年の年金額は僅かに減りますけれども、しかし、この方も一生を通してもらえる年金額はちゃんと後半で取り返せますよというのが正しい説明であります。  ちなみに、この先生、私も名前は申し上げませんが、この先生自体も、今回の修正案、基礎年金の底上げ策はやった方がいいという先生だというふうに承知をしております。

森本真治立憲民主・社民・無所属

○森本真治君 その方の他の新聞などでの論文というか解説を見ると、やっぱりいいということを強調されているんですけれども、ここに私が紹介したそもそものこの記事のタイトルが、厚生年金の流用、世紀の年金大改革を許さない、サラリーマン、公務員よ、今こそ怒るときだという、そういうテーマの記事の中で今の一部分だけを掲載されているから、この流れで読んでいくと、やっぱり多くの読者の方は、ええっというふうにもなるんだということを一つ一つやっぱり私も確認をしないといけないなというふうに思ったところでございます。  さらに、この中で、これも大学の教授です、名前言いません、大学の教授の方。もう大学の教授ですからね、やっぱり、おおっと、この人の言うことはやっぱりそうなんだと皆さん思うんじゃないんですか。厚生年金の報酬比例部分が減れば、基礎年金が増えても、多くの保険料を払っている人ほど損をするわけですと、これはとんでもないというようなことがこの特集の中では書かれております。  これも事実なんですか。損をするんですか。

山井和則立憲民主党・無所属

○衆議院議員(山井和則君) おっしゃるように、こういう批判は非常に多いんですね。でも、正確に言いますと、大多数の厚生年金受給者の厚生年金は現役世代においては増えるんです。これは、もう石破総理も福岡大臣もるる答弁されているとおりなんですね。  ただ、一部減る場合はもちろんございます。これ、ファクトに基づいて言わないと水掛け論になりますので、あえて説明をさせていただきますと、今日、森本議員配付していただいておりますけど、その配付資料の資料五の二の五十歳の男性を見てみたいと思います。五十歳ですね。  そうしたら、この比例報酬部分、五段階に分けてありまして、一番少ない人は、五十歳の方で、今回の底上げによって生涯に二百二十三万円年金が増えるんですね、二百二十三万円。そして、この一番比例報酬が高い方は三十万円増えるんです。  ですから、例えばこの一例ですけど、正確に言うと、報酬比例部分が少ない人の方が年金が増える幅は大きいけれど、最も報酬比例部分が多い方も増えると、増えるけれど年金の増え幅は少ないということなんですよね。ここを、仮に五十歳と考えた場合、ここを損をすると言うと、ちょっとミスリードになるんではないかと思っております。  もう一つの事例で言いますと、五十歳以下、今五十歳の話をしましたけれど、五十歳以下では、九五%以上の厚生年金受給者の厚生年金は増えるわけです。裏返せば、上位五%の方は確かに減るわけなんですよね。  でも、これは、一般的にはそれをどう表現するかなんですけれど、やはり、非常にフラットに言えば、サラリーマンの方が損をする、大変だじゃなくて、現役の九五%の厚生年金受給者のサラリーマンの人の年金は増えるんですねと、良かったという見方も当然できると思いますし、もっと言えば、石破総理も答弁されましたように、三十八歳以下、現在三十八歳以下の方は九九・九%厚生年金受給者の厚生年金は増えるわけです。ということは、確かに〇・一%の三十八歳以下の方、生涯の年収が四十年平均して一千万円以上、ほとんどおられませんよね、その人は損はするんです、〇・一%。でも、九九・九%の厚生年金受給者の三十八歳以下の方は得をするわけですね、年金が増えるんですよ。  だから、井坂議員もおっしゃいましたように、別に有識者や大学教授の方が虚偽を言っておられるわけではありませんけれど、そういう部分のコメントを集めて、あたかも報道全体では、サラリーマンが損をする、年金が減るということはミスリードだと思いますし、今申し上げましたように、事実としては、大多数の現役の厚生年金受給者の厚生年金は増える、あるいは減るのはごく一部の高所得者だけであるということを申し上げたいと思います。

森本真治立憲民主・社民・無所属

○森本真治君 本当、サラリーマン、公務員よ、今こそ怒るときだというような、だけど、今御答弁いただいたように、多くの厚生年金、もうほぼ全ての厚生年金の皆さんの年金が現状であれば減ってしまうところを底上げをしていくんだというところをもっともっとやっぱり理解に努めなければいけないなというふうに思います。  確かに、上がる幅が、高いほど低くて、それを損だというふうに言われてしまうと、もう、ちょっとなかなか厳しいところはあるかもしれませんけれども、やっぱり強調したいのは、公的年金ですから、幅広い国民の皆さんの年金を支えていこうという、そういう思いだということを是非やっぱり国民の皆さんにも伝えていかなければならないというふうに思います。  それともう一つ、ちょっとやっぱり事実関係きちんと提出者の方にも確認をしたいというふうに思うんですが、これ議員の方の発言です。やっぱり政治家の発言も、多くの国民の皆さんは、ああ、そうなんだというふうにやっぱり思われるというか、やっぱり影響力、発信力はあるんだというふうに思います。今回の法案の修正案の問題点としてここに掲載されているのは、今回、この改正をすることによって、修正をすることによって伴う国庫負担ですね、国庫負担が増えるということ、試算では毎年、毎年ですよ、二・五兆円が必要になりますというふうにこれ掲載されています。これも本当に事実、この方が発言したのかどうかは別にしてですけれども、ここから出るんです、このようにですね。で、この財源を捻出するために将来的な増税がビルトインされているんだと、この法案にはですね、これは時限爆弾であり、消費増税への布石だというふうにコメントをされております。  修正案提出者としては、やっぱりこういう増税、さらには消費税の増税ということ、これが必要なんだというふうに思われているのかどうか、そのことについてお伺いしたいと思います。

井坂信彦立憲民主党・無所属

○衆議院議員(井坂信彦君) 今回の修正は、増税とか消費税の増税ということを前提に考えているものではなく、消費増税への布石となるという批判は、もうこれは全く当たらないということは明確にお答えをしたいと思います。  これ、多分、どういうことをおっしゃっているかというと、この修正によってマクロ経済スライド早期終了したら、要は底上げされるから国庫負担が増えるじゃないかということだと思うんですが、これは、ほっといたら減る基礎年金、同時に、ほっといたら、その二分の一は国庫負担ですから、国庫負担もどんどん減っていくんですね。だから、財務省にどんどんどんどん皆さんの年金に行くはずだったお金が抜けていく予定だったのを止めて、ちゃんと年金に使われ続けるようにしようというのが我々の修正案であります。  ですから、実際数字申し上げると、今年の国庫負担額は十三・四兆円、そして、いわゆるこの修正案あるなしのときの差額のピークと言われる二〇五二年の国庫負担も同じく現在額で割り戻して十三・四兆円ということで、やっぱり同じぐらいの、同程度の国庫負担をこれからもキープしましょう、維持しましょうというのが我々の修正案であります。加えて、これをもしやらなければ、先ほど答弁したように、今度は生活保護でも国庫負担掛かってしまうと。  もっと言えば、これ来年からいきなり差額が出るわけではなくて、もう本当に二〇三〇年代の後半から初めて修正案のあるなしで差額が出てきて、ピークは二〇五二年という話でありますから、何かこう来年から何兆円の何かをするからという、そういう政策の方がよっぽどこれは増税につながり得る話で、我々はもう本当に長期に、しかも減りを止める、国庫負担の減りを止めるという案だということであります。

森本真治立憲民主・社民・無所属

○森本真治君 今御答弁いただきました。  昨日、駒村参考人、先生も言われていたけど、今回、やっぱりトータルで、社会保障全体の財政のことも含めてのものを見なければいけないんだというときに、今、井坂議員が御答弁いただいたように、ほっといたら場合によっては社会保障費がどんどん増大しての増税、そちらのリスクの方が高いかもしれないという部分ですね、やっぱりそこはしっかりと私たちもお伝えをしなければいけないというふうに思います。  ちょっと時間がもうなくなって、最後、どうしてもちょっとこれ確認をしておきたかったことが、やっぱり今、地元の皆さんで、特に今の年金受給者の皆さん、もうそれでもやっぱり大変なんだ大変なんだという話をよく聞かされた中で、今回のこの修正で、今の受給者の方とか、これまでもプラスの効果でありましたけれども、六十三歳未満、六十七歳未満の方はプラスになるという話だったけど、今の高齢者の皆さんにとってのリスクというかマイナス、これは今回修正することによって何か影響が出るかどうかだけ、そこだけ確認させてください。

山井和則立憲民主党・無所属

○衆議院議員(山井和則君) 御質問ありがとうございます。  先ほどの答弁と少し重なりますけれど、今すぐ減額ということは全くございません。この底上げを実施すると決まった場合、その一時的な減額が始まりますのは二〇三一年度以降でありまして、二〇三〇年度まではマイナスには一切なりません。  さらに、先ほども申し上げましたように、二〇三八年度以降になりますと、低年金の方を中心に逆にマイナスからプラスに、増加に移っていきますので、そういう意味では、この一時的な年金の減額というのは、二〇三八年度以降は低年金の方を中心に今回の修正案によって年金が増えるという高齢者も増えていくわけでありますし、先ほども言いましたように、モデル年金の場合でしたら、減るといいましても生涯で二十三万円、月八百円程度でありまして、それについても私たちは今回の修正案の中で緩和措置を講ずるということを政府に求めております。  具体的に言いますと、よって、二〇二九年の夏以降……

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 時間が来ておりますので、簡単にお願いします。

山井和則立憲民主党・無所属

○衆議院議員(山井和則君) はい。  年金の財政検証を踏まえて、年金審議会や厚生労働省や、また与野党の協議を踏まえて、緩和策もしっかりやってまいります。

森本真治立憲民主・社民・無所属

○森本真治君 終わります。ありがとうございました。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 今ほど森本委員からもありましたが、年金財政の持続可能性と社会保障全体の中の位置付けについて、これは福岡大臣に伺います。  今回の基礎年金の底上げ措置が発動される場合、その財源としては厚生年金の積立金が活用されることが想定をされております。しかし、基礎年金の原則として給付の二分の一は国庫負担となっていることから、厚生年金の積立金を基礎年金に充てれば、同額の税金、つまり国庫負担も新たに必要となると承知をしております。制度設計上、これは年に約二兆円規模の国費の負担の増加につながる可能性もあると指摘されておりまして、将来世代への影響や財政の持続性への懸念もございます。  ここで、こうした国民の不安に応えるためにも、まず、今後の年金財政運営の方向性と、税財源も含めた制度の持続可能性をどのように考えるのか、二〇二九年の財政検証結果を踏まえた発動可否判断の際、生活保護など社会保障全体とのバランスの中で今回の基礎年金の底上げをどう位置付けるのか、福岡大臣の見解を伺います。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 先ほどのやり取りとも関連しますが、少し丁寧に御説明をさせていただきます。  公的年金制度では、平成十六年の制度改正で、将来世代の負担が過重にならないよう保険料の上限を定めるとともに、その負担の範囲内で長期的な給付と負担のバランスを確保する仕組みとしてマクロ経済スライドを導入しておりまして、この仕組みの下で着実に年金を受給していくということが基本だというふうに考えております。  その上で、昨年公表いたしました財政検証では、実質ゼロ成長を見込んだ過去三十年投影ケースにおいて、今回の法案と同様の適用拡大を織り込むと、仮に厚生年金の積立金と追加的な国庫負担を活用して基礎年金のマクロ経済スライドの早期終了を行った場合に、追加的な国庫負担は二〇三八年度から発生し、その規模は当初の二千億ということでございまして、それから徐々に年度を経るごとに増加してまいります。そして、二〇五二年度に約二兆円程度となる見通しとなってございます。  具体的な制度設計であったり今後の経済状況によりまして追加的な国庫負担が必要となる時期であったりその規模は変化しますことから、現時点でこの財源の具体的内容について予断を持って申し上げることは難しいと考えておりますが、次期財政検証後の判断に向けて、制度を支える安定した財源の在り方についてもしっかり検討してまいりたいと考えております。  なお、生活保護と年金の関係につきましては、それぞれの役割であったり仕組みが異なっておりますため比較できるものではございませんが、いずれにしましても、基礎年金の給付水準を確保していくということは大変重要なことだと考えております。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 是非とも分かりやすい情報発信をポイントポイントでお願いしたいと思います。  続きまして、国民年金保険料の納付期間の延長に係る判断と負担軽減策について、これも大臣に伺います。  現在、二十歳から六十歳までの四十年間と定められている納付期間を六十五歳までの四十五年間に延長する案が検討されておりました。この延長によって全加入者の年金額が増え、単純計算で給付水準は約一・一二五倍に向上するメリットがあると試算をされております。一方で、自営業者やフリーランスなどの第一号被保険者には、六十歳以降五年間で約百万円もの追加保険料の負担が生じ、特に低所得の方には重い負担増となることが課題として指摘をされてもおります。  実際、今年の夏の社会保障審議会の年金部会では、負担増への懸念からこの延長案は一旦先送りをされました。しかし、昨日の参考人質疑でも、全ての参考人からこの先送りについては疑念の声が上がっておったところでございます。また一方、国民からは、負担ばかりが増えて本当に将来の給付につながるのかという不安の声も聞かれているところであります。私自身としても、やはり六十歳から六十五歳まで納め続けなくちゃいけないのであれば、やはりきちんとした稼ぎがないと厳しいんじゃないかな、このようにも考えます。  この点、昨日の参考人質疑で伊藤仁参考人、日本商工会議所の専務理事でありますけれども、今回のこの検討された延長案、この六十五歳までの四十五年間に延長する案には賛同という、そうした意見も出されたところでもございます。  ここで、この六十五歳、五年間の延長、この判断というのは、いつ、何を基準に、誰が判断するのか、また、仮に今延長を決める場合、低所得者への配慮や保険料の負担軽減策、また、今私が申し上げたような六十歳以上の方への就労環境整備など周辺政策との連動など、国民の理解と納得を得るためにどのような措置を講じるお考えか、大臣の見解を伺います。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 今委員おっしゃったように、国民の方々の理解と納得をいただいた上で進めていくということが大変重要だと考えています。  その上で申しますと、健康寿命が延伸し、高齢者の方々の就労が進む中で、基礎年金の保険料拠出期間を延長することについては、基礎年金の給付水準を向上させるための一つの有力な方策であると考えております。  今回の法案にはこの措置についての検討規定も盛り込まれておりまして、今後、この次の財政検証の結果も踏まえながら、仮にこの措置を実施する場合には、社会保障審議会年金部会での議論や与党、国会での御議論も踏まえて決定されるものと考えております。  年金制度は老後の生活を支える柱でありますことから、様々な関連施策との整合性も踏まえた検討が必要だと考えております。例えば、高齢者雇用安定法では、企業における六十五歳までの雇用確保を義務付け、雇用と年金との接続を図るとともに、働く意欲のある高齢者の労働参加を促進してございます。また、世帯の所得が少ないなどの理由で保険料の納付が困難な方々に対しましては、国民年金制度で保険料の免除制度を設けていたりしているところでございます。  こうした施策との関連性も含めた全体像を国民の皆様にもお伝えしながら、御理解を得られるように努力することが重要だと考えております。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 やはり、分かりやすい情報の発信が極めて重要ですし、また、産業界とも連携をした、産業界の理解を是非とも促すような、そうした取組は重要かと思いますので、是非とも前向きに進めていただきたいと思います。  続いて、中小企業における企業年金の導入促進における課題と対応方針について、これは参考人にお伺いをいたします。  年金制度の隙間を埋めて、全ての働く人が安心して老後に備えられる制度設計がこれは急務と考えております。  現在、中小企業における企業年金の導入率は依然として低く、パートタイムや有期雇用などの非正規労働者が企業年金から漏れているのが実情と承知をしております。  政府は、中小企業向けに簡易型DC制度やiDeCo+、中小事業主の掛金納付制度を導入いたしました。簡易型DC制度は、設立条件をある程度パッケージ化することで必要書類を削減して設立手続を簡素化し、制度運営について負担も少ないものにするなど、中小企業向けのシンプルな制度設計とした年金制度であります。iDeCo+、この中小事業主掛金納付制度は、企業年金を実施していない従業員数三百名以下の事業主が、iDeCoに加入している従業員の掛金に上乗せをして掛金を拠出できる制度です。従業員の老後を豊かにできることに加え、事業主が拠出した掛金は全額が損金算入されるというメリットもございます。  しかし、この簡易型DC制度、創設以来、利用実績がなく、iDeCo+も導入事業主が約七千四百社にとどまっております。このままでは多くの労働者が公的年金だけに頼らざるを得ず、老後の生活に不安を抱きかねません。昨日の参考人質疑でも、伊藤仁参考人が、iDeCo+は重要な制度であるとの御発言もあったところであります。  ここで、簡易型DC、簡易企業型年金の導入実績がないことを踏まえ、企業年金の導入促進策としてiDeCo+の活用の現状と課題についてお聞かせください。

間隆一郎厚生労働省年金局長

○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。  ただいま委員御紹介いただきました簡易型DCは、残念ながら実績がない、企業ニーズにマッチしなかったということでございますが、一方で、その手続の簡素化のニーズはあるということでございますので、今回の法案では、一部添付書類の省略など、簡易型DCで簡素化した手続の一部を企業型DCにも反映するということで、中小企業でもより取り組みやすい環境を整えたいと思っています。これが一点でございます。  また、iDeCoでございますけれども、iDeCo+でございますが、iDeCo+については、企業年金を実施していない従業員三百人以下の事業主が従業員の老後の所得保障に向けた支援を行うことができるよう、iDeCoに加入する従業員の掛金に追加的に拠出するものでございますが、二〇二五年三月末時点で八千八百四十七事業主が実施されておりまして、対象者の方は五万六千二十四人ということでございます。  このiDeCo+につきましては、関係団体から、福利厚生を充実させる余力が低い中小企業に対しては、これが、iDeCo+が非常に有用だということで、そのiDeCo+の拠出限度額を企業年金と同水準に引上げしてほしいといった要望もいただいていたところでございます。つまり、拠出限度額が低いと追加拠出する余地が低いという意味だと思っています。  このため、企業年金がない方のiDeCoの拠出限度額については、令和七年度税制改正におきまして、月額二・三万円から六・二万円への引上げの方針が決定されたところでございます。この拠出限度額はiDeCo+においても同様に活用ができるものでございます。  こうした内容も含めまして、iDeCo+の更なる普及に向けた広報が重要と考えておりますので、商工会議所、中小企業団体等と連携した説明会、セミナーの開催、パンフレットの作成、配布などに引き続きしっかり取り組んでいきたいと、このように考えております。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 是非お願いします。  続いて、iDeCo加入年齢の拡大への広報と金融機関への指導方針、また七十歳以降の運用について伺います。  個人型確定拠出年金、iDeCoの加入可能年齢が今回の改正で六十五歳未満から七十歳未満まで拡大されましたが、これに伴って制度の周知、広報や取扱い金融機関への指導はどのように行われているのか、あわせて、七十歳を超えても運用継続を希望する方への今後の対応策について方針をお聞かせください。

間隆一郎厚生労働省年金局長

○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。  今回の法案では、御指摘のように、iDeCoにつきまして、誰もが長期的に老後資産が形成できるように加入可能年齢の上限を七十歳未満に引き上げることを提案しております。この加入可能年齢の上限の引上げによってiDeCoを活用する選択肢が拡大するというふうに考えています。  高齢期に向けた資産運用は、個々人の家計や資産、就労などの状況を踏まえた上で、御自身のライフステージに応じて行っていただくということが大事だというふうに思っておりまして、今回の改正内容につきましても、J―FLEC、金融経済教育推進機構でございますが、そういったところとも連携して、個人とかあるいは職域に対するセミナーの開催、あるいは年代別のセミナー、こういったものを行いながら引き続き周知、広報を行うとともに、金融機関などiDeCo関係の機関におきましても丁寧な説明がなされるように働きかけていきたいと、このように考えております。  また、七十歳以降のこと、運用の話でございますが、現行制度におきましても、七十歳以降運用を継続希望する方について、掛金の拠出ができる年齢の上限に達した以降も掛金を拠出しない運用指図者として受給開始年齢の上限である七十五歳まで運用を継続することができますし、また年金での受取を選択した場合にも、受給開始以降も運用を継続しながら受け取ることも可能となっています。  今般の改正で七十歳未満に拠出できる上限を引き上げることと併せて、こうしたことも丁寧に周知していきたいと、このように考えております。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 是非周知に努めてください。  次に、無年金、低年金をなくすための対応について、これは大臣に伺います。  かつて年金の受給資格期間は二十五年と定められておりましたが、これが平成二十九年の制度改正で受給資格期間が二十五年から十年間に短縮され、一定の救済が図られました。なお、社会保障審議会の年金部会では、保険料の納付意欲のある方の年金受給権を確保するため、新たに六十五歳に達する世代でも特例で任意加入できるよう、制度、いわゆる高齢任意加入の延長を行う方針が示されております。  それでもなお、経済的な理由などで必要な納付期間を満たせず、将来的に年金を受け取れない高齢者が生じる懸念があります。また、免除や猶予をした期間について追納が進まなければ、結果的に受給できる年金額が減少する懸念もあります。  無年金、低年金者をなくすため、具体的にどのような対応を取るのか、またどのような周知、広報を行っていくのか、大臣の見解を伺います。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 老後生活の柱として、年金の給付水準の確保は大変重要な課題であると考えております。  短時間労働者の方含めまして、より手厚い年金を受け取ることにつながります被用者保険の適用拡大を、平成二十四年の改正以降、順次進めてきておりまして、今回の法案でも更なる適用拡大を盛り込んでいるところです。また、現在、低年金、低所得などで厳しい生活を送られている高齢者の方々に対しましては、年金生活者支援給付金の支給などを通じて社会保障全体で総合的に支援をしていきたいと考えております。  その上で、この年金制度につきましては、視覚的に分かりやすく図解した資料であったりSNSを活用した動画配信、将来受給可能な年金額を簡便に試算できる公的年金シミュレーターなど、多様な広報を行ってまいりました。加えまして、ねんきん定期便として、現役世代である被保険者の方に、年金制度への理解を深めていただくため、毎年誕生月に保険料納付実績であったり将来受け取る年金額の見込みなどをお伝えをしておりまして、引き続きこうした取組によりまして制度の周知であったり広報に取り組んでまいりたいと思います。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 是非お願いします。  最後に、外国人労働者の年金受給権確保への取組と脱退一時金制度の見直しについて、参考人に伺います。  外国人労働者が受給資格期間十年を満たさないまま日本を去る場合、脱退一時金として最長五年分の保険料が払い戻される制度があります。しかし、近年、外国人の在留期間が長期化していることを踏まえ、年金部会で脱退一時金制度の見直しが検討されました。その内容は、再入国許可を受けて出国した外国人は、許可有効期間中は脱退一時金を請求できず、また脱退一時金の支給上限期間を五年から八年に延長するというものです。  今、外国人労働者の増加に伴い、日本での年金加入後に帰国する際、脱退一時金を受け取る制度の利用件数が年々増えております。一方で、二国間の社会保障協定を締結していれば、日本と相手国の双方で加入期間を通算でき、将来年金を受給することも可能になるため、脱退一時金制度に依存しない形での保障も可能です。  現在、日本は米国、ドイツ、中国など二十三か国と協定を締結しておりますけれども、最大の労働者送り出し国であるベトナムなどとは未発効、未締結の状態が続いております。今回の制度改正で再入国許可中は脱退一時金の請求を不可とする措置が導入されましたが、根本的にはこの社会保障協定の拡充が急務であります。  ここで、外国人労働者の年金受給権に結び付けるために、社会保障協定の拡充により一層取り組むべきではないかと思いますが、政府の対応方針を伺います。

間隆一郎厚生労働省年金局長

○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。  委員御指摘のとおりだと思っています。  国際的な人的移動が活発になる中、企業から一時的に他国に派遣された労働者等に係る年金保険料等の二重負担を解消することや、両国の保険期間を通算することにより年金受給権を確保するため、社会保障協定の締結を進めております。これも委員から御紹介いただきましたように、既に二十三か国と締結しているほか、一か国と署名済み、現在五か国と交渉等を行っております。  その上で、例えばベトナムに関しましては、外国人に対しても社会保険の適用が一部開始された中、相手国ですね、ベトナムで、それ二〇一八年でございまして、それ以降、両国の当局間において作業部会を五回開催してございます。ハイレベルでやっていこうというような、何というんでしょうか、方針は確認しておるわけですが、現在、外交ルートを通じて今夏をめどに政府間交渉を開催するための調整も行ってございます。  今後とも、外務省とともに社会保障協定の締結に向けた取組をより一層進めたいと、このように考えております。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 是非前向きに進めてください。  終わります。ありがとうございました。

猪瀬直樹日本維新の会

○猪瀬直樹君 日本維新の会の猪瀬直樹です。  今回は年金法質疑の三回目になります。在職老齢年金制度の問題をやりました。第三号被保険者の問題をやりました。今度、今日やるのは第一号被保険者で、ここが一番問題なんですね。    〔委員長退席、理事三浦靖君着席〕  もう早速資料でお見せしながらお話進めますけど、この一枚目の紙ですけれども、(資料提示)先ほどからいろいろありましたが、毎日新聞が行った世論調査では、政府が行った財政検証において、公的年金の給付水準についての、現在の経済状況が続くなら将来も現役世代の収入の半分を確保できる、つまり所得代替率五〇%を確保できるという説明を政府が行っているけれども、これは信用できるかという問いに対して、信頼できるというのは八%、信頼できないが七七%と。  こういうのはいろいろありますけれども、信頼できないというふうに思いやすいのは何かということもちょっと考えていきたいんだけど、根本的な問題もあるし、誤解もあるかもしれないし、だけど、やっぱり根本的な問題があるんでしょうね。  つまり、これ一枚目の紙ですけれども、右側ですけれども、毎日新聞の横の右の方ですけど、昨年の三月に連合が行った調査の結果では、今の年金制度に感じることという問いに対して、年金がもらえない、減るかもしれないということが不安と答えた人が全体の五一%いて、特に四十代、五十代のそろそろ年金受給を意識する年代では六割を超えています。これも、政府は大丈夫だと説明しているのにもかかわらず、不安を感じている人が多数いるということで、やはり信頼されていないんじゃないかということですね。  まずは、こういう制度への国民の信頼の低さについて、政府としてはまず何が理由か、どうすればその信頼を取り戻せると考えているのか、福岡大臣の御認識を伺います。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 我が国におきましては、諸外国と比較しても少子高齢化が急速に進んでいる中で、これまで若い世代を中心に年金に対する将来不安が語られてきたところでございます。  そのような中で、平成十六年の制度改正では、保険料率の上限を固定しながら、基礎年金の国庫負担を二分の一に高め、マクロ経済スライドの仕組みを導入することによって制度の持続可能性を高める見直しを行ったところですが、複雑な仕組みで分かりにくいとの御指摘をいただいているところです。  厚生労働省としては、公的年金の意義であったり役割について国民の方に御理解、御信頼いただけるように、SNSや動画等を効果的に組み合わせながら、学生を含めた若い世代を始め幅広い世代に分かりやすく丁寧な広報により一層努めますとともに、今回の法案についても重要な改正事項も盛り込んでおりますことなどを分かりやすく説明するように努めてまいりたいと思います。

猪瀬直樹日本維新の会

○猪瀬直樹君 それで、問題は、国民年金保険料の納付率の問題を特に今回取り上げたいんですね。  資料二ですけれども、国民年金第一号被保険者の保険料納付率の推移なんですけど、これ見ると、納付率には数字が二つあって、一つが最終納付率、もう一つが現年度納付率というんですね。この最終納付率の方は、期限を過ぎてから納付された分も含めた数字ですから最終納付率というんですけど、これ直近で八三・一%、この一番上のところにあります。このところですね、八三・一%、分かりますね。国民年金はその納付率の低さが問題になっていると思っていたんだけれども、その認識とこの数字とは大分乖離があります。  これからその理由を明らかにしていきますが、まず、大臣、これ八三・一%と納付率が上がっている理由について説明してください。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 今、表でお示しいただきましたように、令和五年度の国民年金保険料の最終納付率は八三・一%と、平成二十二年度から十一年連続で上昇し、日本年金機構発足後最高となっております。  国民年金に加入される際には納付の義務であったり年金制度の周知を行っておりまして、加えまして、納付率の更なる向上に向けまして、年代、所得、未納月数などに応じた納付勧奨の取組であったり、また未納者の多い大都市部を中心に人員増などの年金事務所の体制強化を図ったり、またスマートフォンの決済アプリによります納付など納付環境の整備といった対策を行っておりまして、こうした取組が納付率の向上につながっているものと認識をしております。

猪瀬直樹日本維新の会

○猪瀬直樹君 実は、この八三%の納付率というのはトリックなんですね。これ重大な問題なんですけれども、この国民年金の支払を免除されている人や猶予されている人の分は計算から外したんですよ。この八三・一%、もうすごい納付率だけれども、この下の方の赤く囲ったところ見ていただきたいんですけれども、法定免除月数、申請全額免除月数、学生納付特例月数、納付猶予月数及び産前産後免除月数を含まないと、こういうふうに書いてあるんですね。これ統計のトリックですから、これ非常に重要だと思うんですがね。  資料三の方をちょっと行ってみましょうね。つまり、これを、分母を変えているんですよね。資料三で国民年金の免除と猶予と書いてあるんですね。学生さんが卒業するまで免除してもらうとか、それいろいろあるんですけれども、それ以外にいろんな免除の項目がありまして、こういうふうにちょっと並べてあるわけですよ、この資料三に。  どういう場合に保険料の支払が免除されたり猶予されたりするのかという、その制度の説明を、参考人、ちょっとこれやってくださいね。

間隆一郎厚生労働省年金局長

○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。  我が国の公的年金制度は、働いている方だけでなくて無業の方や学生の方も対象とした国民皆年金でございます。このために、国民年金制度におきましては、全ての被保険者の方に、定額、月額約一万七千円でございますが、定額の保険料を納付していただくことを原則としつつ、被保険者の負担能力に応じて保険料の免除又は猶予する制度が設けられているところでございます。先ほどの保険料納付率につきましては、言わば義務の掛かっている部分について集計したものということでございます。  今委員から配付してくださったこの資料の三が有り難いんですけれども、これを御説明いたしますと、まず免除制度でございますが、この配付いただいた資料でいくと、この緑色のところなんですけれども、まず生活保護を受給している場合や障害年金を受給している方の場合には申請なく保険料の納付が免除されると、こういう法定免除というのがまずあります。  そのほかに、所得が低くてなかなか負担するのが、納付するのが難しいよといった場合には、申請いただきまして、その申請に基づいて所得状況に応じて保険料の全部若しくは一部の納付が免除される申請免除というのがあります。この申請免除につきましても、全部免除、四分の三を免除する、半額を免除する、四分の一を免除するといったような段階があるわけでございます。    〔理事三浦靖君退席、委員長着席〕  また、その下の、一つ下の納付猶予、オレンジ色のところでございますが、保険料の納付猶予制度につきましては、オレンジ二つですね、保険料の納付猶予制度につきましては、学生や若年者等で就職が困難であったり失業中であったりするなどの理由で所得が低い方について、保険料納付を猶予すると、そして払えるようになったときに追納していただくと、こういう仕組みがございます。  この保険料の免除あるいはその猶予の制度、いずれの場合も、老齢年金の受給資格期間、十年という年金をもらうための資格期間がございますが、ここには算入をされるということであり、かつ当該期間中で障害の状態になられたとかあるいは亡くなられたという保険事故が生じた場合でも、障害年金や遺族年金の対象となるということでございます。これが配付していただいた資料の一番右側の列の御説明でございます。  なお、当該免除と、また猶予とされた期間については給付額が満額とはならない、国庫負担の二分の一は最終的には納付された分に応じて付いてまいりますが、その後、保険料が納付できるようになったような状況になった場合には過去十年以内の期間について保険料を追納することが認められておりまして、後になって経済状況が良くなった場合には年金の給付水準が確保できるような仕組みとなってございます。

猪瀬直樹日本維新の会

○猪瀬直樹君 皆さん、だんだんこれおかしいなとお気付きになりつつあると思うんですね。  この資料四を次に見ていただくと、第一号被保険者のうち免除や猶予を受けている人の推移のグラフなんですけど、これ見ると、年々割合が上がっていくんですね。直近だと実に四四%になっています。つまり、この四四%は、さっきの納付率八〇%の計算の分母に入っていないんですね。それなら納付率も見かけ上は八三%とか高く見えますよね。でも、これ四割入っていないんですよ。これ様々な理由があるにせよ、これだけの人が保険料の猶予や免除を受けているのなら、制度として正常な形とは言えないんじゃないかと思うんですね。  なぜこんなに免除や猶予が増えているのか、理由を知りたいんですよ。確かに、学生だとか、ちょっと病気になったとかというのは分かるけれども、四割というのは異常じゃないですか。これやったら、この例外が中心になっていってしまって、本体がほとんど疎外されてしまっていますよね。これって一体どういう現象なのか理解できませんが、この理由説明してください、なぜこんなに免除や猶予が増えているのか。

巽慎一厚生労働省大臣官房年金管理審議官

○政府参考人(巽慎一君) お答えいたします。  国民年金第一号被保険者が減少する中で、国民年金の全額免除、猶予者につきましては、ここ数年では横ばいに推移しており、割合としては増加傾向にございます。  第一号被保険者に占める全額免除、猶予者の割合が増加していることの理由については、確たることは述べることは困難でございますが、一つの要因としては、適用拡大によりまして短時間労働者が厚生年金に加入するようになったことで、第一号被保険者の総数が減少する中で、全額免除、猶予者の総数はおおむね横ばいとなった結果、相対的に全額免除、猶予者が占める割合が高まったものと考えられます。

猪瀬直樹日本維新の会

○猪瀬直樹君 その厚生年金の人が増えたからということでこれを説明しているわけ、今の言っているのは。もう一回、ちょっと意味分からない。

巽慎一厚生労働省大臣官房年金管理審議官

○政府参考人(巽慎一君) 今述べましたように、適用拡大により短時間労働者が厚生年金に加入するようになったことで、第一号被保険者も総数が減少します。その中で、全額免除等の総数はおおむね横ばいとなった結果、相対的にその全額免除等が占める割合が高まったと考えております。

猪瀬直樹日本維新の会

○猪瀬直樹君 第一号の総数が減ったけど、この猶予者とか免除者の数は全然減らないよね。これはなぜ全然減らないんですか。

巽慎一厚生労働省大臣官房年金管理審議官

○政府参考人(巽慎一君) 全額免除、猶予者の内訳を見ますと、ここ数年で学生納付特例が減少する一方で、法定免除者、あるいは申請全額免除者、あるいは納付猶予者が増加しておりまして、これら全体として見たときは横ばいの動き、大体四三%ぐらいで動いていると、そういう状況でございます。

猪瀬直樹日本維新の会

○猪瀬直樹君 次の資料五でありますが、これ、年齢階級別の納付状況のグラフなんですけれども、少し前の、これ、平成二十九年の国民年金被保険者実態調査のデータですけれども、これ見ると、まず全体の中で納付者が四八%しかいませんね、これまずね。で、その中に一部納付者も含まれていて、完納しているのは、更にこの納付四八%と書いたちょっと上のところに完納者が三七・二%と書いています。それしかいないんだなというふうには思うんですがね。さらに、また赤で、ちょっと上の方に二十五歳から二十九歳というふうにちょっと赤で囲いましたけれども、若い世代を見ると完納者はたった二八%なんですね。これ二十五歳ですから大学は卒業していますよ、ここはね。それなのに完納者は二八%なんですね。  先ほどの、いいですか、納付率八〇%と全く違いますよね。これは、全体でも過半数、若者では七割以上が払っていないということなんですね。これすごいね、これ、全体で過半数払っていなくて、若者の七割払っていないんですよ。  もちろん、払えないとかあるいは払わない人には理由があると思うんですよ。だけど、こういうファクトも厚労省はちゃんと国民に説明すべきじゃないですか。まあ少し古いデータだけど、状況は今も変わっていないので、参考人、これ、何でこういう、何というかな、こんなに払わなくていいんですかみたいな、何でも猶予あれば猶予していいんですよというふうなことではないでしょう。だから、そういうことについて、これどうするのかとか、こういうデータをどのように扱うのかとか、先ほど八〇%というところにちゃんと例外的に何か注記を付けるなり何かしないと、おかしいですよね、これね。参考人、お願いします。

巽慎一厚生労働省大臣官房年金管理審議官

○政府参考人(巽慎一君) 今の状況も、やはり若人の未納率がやっぱり高いという傾向はあると思います。  先ほども大臣がおっしゃったように、特に若人世代に対する未納者対策というのが大事だと思います。特に、大学等を卒業してから就職する際には、厚生年金に一般的に入るわけですけれども、やはり先ほどの特に基礎年金の場合については、国庫負担が付いて給付が反映されるというようなことも喚起しながら、今、若人対策、追納対策をやっている状況でございます。

猪瀬直樹日本維新の会

○猪瀬直樹君 よく分からない説明ですね。まあ納付率はだんだん上がっていくでしょうと言いたいわけだよね、それはね。  次の資料六ですけれども、これを見ていただくと、無職者についての同じデータなんですけど、第一号被保険者のうち三人に一人が無職なんですね。この赤で囲ってあります一番上のところですね。その人たちの納付率は当然更に低くなるわけですが、それは、ちょっと一番下のところ、赤で囲ってある、三八%という数字を出しておきますけれども、更にこのまた横の方に棒が引っ張ってあって、上に棒が引っ張ってあって、完納者は三一%。確かに無職の人に毎月一万七千五百円の保険料を納めてもらうのは厳しいかもしれないけれども、しかし、その三分の一しか払っていない状況というのは、これは、だから年金制度そのものがある意味では崩壊しているわけで、これを何かごまかしていったらいけないんじゃないかというふうに思うんですね。  こういう状況が続くなら、仮に生活が厳しくてもルールどおり支払っている人が不公平感や不信感を抱くのも当然じゃないですかね。ちゃんと払っている人は真面目に払っているし、払っていない人はこんなに払っていないというと、これルールの崩壊だから、ちゃんとルールどおりに支払わない人が半分以上いるんならば、そもそもその制度設計自体がもはや破綻しているということになっちゃいますよね。これ非常に深刻な問題なので、ここまで来ちゃっているのでいいのかなと、この不公平感を、モラルハザードになりますね。福岡大臣、御答弁お願いします。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 国民年金は、世帯の所得が少ないなどの理由で保険料の納付が困難な方に保険料の免除や猶予の制度を用意することで全ての国民に年金の保障を及ぼす国民皆年金となってございます。  保険料の免除であったり猶予を利用されている方もルールにのっとってやっていただいているわけですから、その何かルールどおりの手続を行っているという委員のその定義のやり方がちょっと私どもとはまた違う認識でありますが、猶予や免除をされている方も当然ルールにのっとって行っていただいています。こうした方々も含めて、一号被保険者の半数しか保険料を納付していないと評価すること自体が適当かどうかというと、私どもは適当でないと考えています。  保険料が未納の場合には基礎年金は給付されませんため、年金財政に与える影響は限定的でございますし、また、免除や猶予を利用された方は事後的に保険料を追納することで満額の基礎年金を受け取ることができるなど、制度として給付と負担のバランスが保たれているというふうに考えています。そういう意味では、その実質的に破綻しているというような御指摘については当たらないと考えています。  一人でも多くの方に国民年金保険料を納めていただくことは、制度の信頼確保はもちろん、御本人の生活保障の観点からも重要でございます。このため、日本年金機構において、国民年金保険料が未納等の方の収納対策として、制度の周知でああったり納付勧奨、そして追納の勧奨などを進めさせていただいているところでございます。

猪瀬直樹日本維新の会

○猪瀬直樹君 後でつじつまが合うというふうな言い方だけど、それは若いとき払っていなかったから後で年取ったら払うようになったとか、そういうふうにつじつまが合っているかどうかという問題を更に考えていかなきゃいけないんだけど。  資料七ですが、基礎年金の財政構造という資料です。これは二〇二三年十一月の年金部会の資料なんですね。後で触れますが、今回の厚生年金積立金の流用を検討したときの部会です。それで、資料七、ちょっと一見分かりにくいんですけれども、国民年金財政のくくりと厚生年金財政のくくり、この両方から基礎年金部分を拠出して、一つにまとめて給付しているのが大きな流れです。それぞれに国庫負担が入っております。この黒っぽい線が国庫負担の流れです。  ここで問題なのは、真ん中の、ちょっとまた赤く印付けたんですけど、国民年金の、第一号被保険者は、とても小さい文字で、納付者に限るとあるんですね。納付者に限る、真ん中ね。つまり、先ほどから指摘している免除者は、猶予者とか免除者はカウントに入っていない、されていないんですね。これが拠出金の計算をするときに影響するんですね。  右上の黒い点々々、こっちの、ここのところですけど、右上の黒い点々々の、点線部分の囲みで、字を読みますと、年間の給付費を現在の被保険者数で割って単価を算出し、これに一号の保険料納付者数を乗じて拠出とあります、説明ね、最後のところ、赤く囲ってありますけれども、つまり、国民年金のくくりから拠出金を計算するときには、四割以上いる免除者を計算に入れていないんですね。それでは、もう実態よりも人数が減って拠出金は少なくなりますよね。分かりますね。では、その部分、誰が負担するかというと、下の方にあるこの厚生年金財政のくくりの方なんです。こちらは被保険者数全体分を拠出していますから不利になるんです、不利になりますね。  実は、今回の法案の前から厚生年金財政の流用は既に行われていたということなんですね。厚生年金財政の流用だという話を実は前からやっているということで、こういうからくりをいろんなところに隠していて、ちゃんと国民に説明していないんですよ、厚労省は。これ通告してありませんが、どなたがお答えになるのかな、この場合は。僕にはこれ不思議でしようがない。

間隆一郎厚生労働省年金局長

○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。  基礎年金は、もう委員御案内のように、国民共通の給付でございますので、これは皆で支え合うという観点から基礎年金拠出金という仕組みをつくり、それを国民年金財政、厚生年金財政それぞれから拠出するようにしているわけですが、そのときに、就業構造が変化しても、例えば自営業者の方のお子さんは必ずしも自営業者とは限らないわけですから、受給する世代とそれからその現役世代はその就業構造はかなり違うと。その中でどうやって支えていくかというと、その現役の方の負担能力に応じて拠出金を出していくと、こういう構造になっているわけです。  そうなった場合に、国民年金財政の方から拠出するものについては、その負担能力を表すものとして、一号被保険者、納付者の数に応じて御負担いただくというような構造にしておりますので、これ自体は極めて合理的なものだというふうに私どもは考えているところでございます。

猪瀬直樹日本維新の会

○猪瀬直樹君 次に、資料八ですが、先日、衆議院の厚労委員会で参考人として、八代尚宏教授が作成したグラフなんですね、参考人として来ていただいた。先ほどから指摘してきた免除者を分母に入れて実際の納付率を計算し直したものなんですが、政府が出している数字とは全然違うんですね。この免除者も含めた納付率は四〇%前半のままです。これ、だから、本当の納付率と政府が示している納付率とこれだけ乖離がある。これ、大変なやっぱり数字だと思うんですね。四〇%と八〇%ですからね。  こういう都合の悪い数字を覆い隠して、もう破綻している制度があたかもうまくいっているように説明を続けていていいのかどうか。何かこれ、年金制度の国民の不信感が大きくなるのは、こういうやっぱりおかしなことが起きているからじゃないでしょうかね。これ、どう解決するかという問題もこの後申し上げますけれども、これは大臣、この図を見て素直に感想を述べていただきたいですね。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) ちょっと繰り返しで恐縮ですが、国民年金保険料の免除であったり猶予を利用されている方も、これはルールにのっとった手続を行っていただいている方々でございます。そして、こうした免除であったり猶予の仕組みによりまして、低所得であったり無業の方など保険料負担が困難な方も含めた国民皆年金を実現しているものであって、破綻しているというのをどういう根拠でおっしゃっているのかは理解できませんが、破綻しているという指摘には当たらないというふうに思います。  保険料の免除であったり猶予の仕組み、利用状況に関するデータ、保険料納付率の算定における免除であったり猶予の取扱いについては、これまでもずっと一貫して公表してきておりまして、委員が御指摘いただいたような隠すようなことということは一切してございません。  また、御指摘のように、その制度に対する不信感を持たれないようにするということは重要であると考えておりまして、引き続き、保険料の収納対策であったりに着実に取り組みますとともに、こうした制度の背景や仕組みも含めて、公的年金制度の意義についても広報に取り組んでまいりたいと思います。

猪瀬直樹日本維新の会

○猪瀬直樹君 御説明はいいけど、やっぱり論理として崩れているんですよ。ですから、僕がその論理として崩れていることに対してちゃんとした論理でこれから説明を続けますが。  資料九、次に資料九ですね。これ、皆さん御存じの絵ですけれども、一階部分の基礎年金は二分の一ずつ税金と保険料で成り立っていると。いいですね、当たり前ですね。しかしながら、この保険料部分についても、今指摘してきた第一号被保険者や前回指摘した第三号被保険者の分まで厚生年金の加入者である第二号被保険者が負担しているというのが実態なんですが、国民それぞれが自分が払った分に応じて将来受け取るという年金のあるべき形が既に成り立っていないわけですが。  ちなみに、二〇〇四年度まではこの国庫負担割合は税金が三分の一でした。それが引き上げられて税金が二分の一になったわけです。だから、これを二分の一から全額、引き上げればいいんですよ。この最低保障年金は、民主党政権のときの公約の目玉だったんですよ。実現に至りませんでした。  今日指摘してきたように、今後更に免除や猶予者も増える一方で、現状の制度はもはや持ちこたえられないということが先ほどから僕がファクトで示していることなんですね。だから、もはや実質破綻している基礎年金制度を抜本的に見直して、国民にも分かりやすい税方式による最低保障年金の導入に向けてかじを切れば、今の問題は解決するんです。これ非常に分かりやすいでしょう。  ということで、大臣、先ほどからるる述べてきた、きちんとした僕はファクトとロジックでお話をしていますから、それについてお答え願いたい。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) まず、今また実質破綻しているとおっしゃいましたが、私どもとは見解を異にしているということを明確に申し上げさせていただきたいと思います。  その上で、最低保障年金といたしまして、保険料の納付実績とは無関係に一定額の年金を保障するという御主張であるとすれば、それには多額の税財源が必要になることであったり、また、これまで保険料を払ってきた方々と払ってこられなかった方々との間の公平性を確保できるのかといった課題があると認識をしております。

猪瀬直樹日本維新の会

○猪瀬直樹君 これまで払ってきた人と払ってこなかった人の調整の問題があると、これは分かります。だけど、それは調整の問題ですから。  この間の衆議院の厚労委員会で、石破総理が答弁の中で、最低保障年金の導入についての課題として、今言った保険料の既納付者と未納付者との不公平を確かに挙げているんです。それは確かに解決すべき課題ではありますが、保険料を納付しなかった無年金や低年金の高齢者が生活に困窮すれば、これ生活保護受けるんです。  資料十です。これですね。これ、基礎年金で約七万円近くもらうわけですけれども、更に納付率が低い人はこの七万円の半分ぐらいになっちゃう人もいるわけだよね。そうすると、こっち側の生活保護が十三万円じゃないですか、これ。これ東京二十三区の場合だけど、大体そんなもんです、十二、三万なんです、十二、三万円なんですよ。これ、結局、払った人よりも、結局、国民年金納付しないで、結局ずっと払わないで、猶予だとかいろんなこと言ってやらなくて、それで生活保護になったら、生活保護の人がいっぱいもらって、真面目に納付した人がその半分近くになっちゃってというふうなおかしなことが生じているわけですよ、これ。  だから、この生活保護の人も基礎年金と同じ扱いにすべきだし、税金だったら同じだからね。そして、ちゃんと払っている人もというか、もうちゃんと払っているよりも、ここはもう一階、二階の一階はみんな基礎年金にしちゃえば、そうすれば生活保護もみんな一緒になっちゃうじゃないかと。分かりやすいでしょう。分かんない。分かりやすいでしょう。(発言する者あり)まあ、ちょっと。そういうことで、僕の提案は、基礎年金部分は税金にして、払わない人が半分いるんだから、理由付けていろいろと。(発言する者あり)いや、払えないから、払えないからって言って、そして結局は、それは払っている人がいるわけだから、おかしなことになるわけですよね。  そういうことで、まあここで議論するテーマじゃないので、そちらに向けてお話ししますが、この矛盾ですね、七万円と十三万円の矛盾をどういうふうに解決するかということについて、もう時間がないので、福岡大臣に、個人的感想でもいいですよ、これ、矛盾しているということで、何とかなりませんかということですよね。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 基礎年金とこの生活保護の費用の関係については度々国会でも御議論いただいているところですが、この生活保護と年金の関係につきましては、生活保護は、年金を含めた収入であったり資産、働く能力など、あらゆるものを活用した上でもなお生活に困窮する方を対象に、最低限度の生活を保障する最後のセーフティーネットでございます。一方、老齢基礎年金は、現役時代に構築した生活基盤であったり貯蓄などと合わせて老後に一定の水準の生活を可能にするという考え方で設計されておりまして、また、収入であったり資産にかかわらず、保険料の納付実績に応じた給付が権利として保障されるものでございます。  それぞれの役割であったり仕組みが異なりますため、この給付水準の単純な比較というのは適切ではないと考えておりまして、その給付水準についてはそれぞれの制度において適切に設計されるものと考えています。  その上で、基礎年金も含めた年金の給付水準を確保することは重要であると考えておりまして、まずは成長型経済への移行を目指しながら、被用者保険の適用拡大などの着実な実施や衆議院における修正も踏まえまして、基礎年金水準の確保を図ってまいりたいと思います。

猪瀬直樹日本維新の会

○猪瀬直樹君 どういうふうに説明しても、この矛盾は小学生でもおかしいと思うような矛盾です。ですから、真面目に働いてお金を払った人よりも、基礎年金を払わないで結局老後お金がなくなって生活保護になった人の方が二倍の収入になるということはおかしなことなんです。だったら、そういう不公平がないように基礎年金は税金に統一してしまえばいいわけです。  以上、僕の意見を述べて、これで質問を終わりにさせていただきます。どうもありがとうございました。

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時十九分休憩      ─────・─────    午後一時三十分開会

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。今日もよろしくお願いいたします。  まず初めに、先日の残余の質問からしたいというふうに思います。  先日資料付けたんですけれども、同じような議事録を何枚も皆さんにお渡ししてもと思ったので、今日は自分で口頭で言いますし、ここにいらっしゃる皆さんは昨日の参考人のところで、四十五年、五年延長の話が一体審議会で何が起きたかというのもう御存じだというふうに思いますので、そのことについて一問、問いをしたいと思います。  その審議会での年金局長の発言です。五年間で百万円の保険料負担の増額だけを切り取った報道やネット上での批判が絶えず行われてきました、私ども厚労省としては、四十五年化はあくまでも基礎年金の給付水準を確保するための方策であり、負担と給付増はセットであることをあらゆる場で繰り返し説明し、アピールしてまいりましたが、残念ながら今日の時点に至ってもそのような批判を一掃できているとは言えません、力不足をおわびしたいと思いますというふうにまず審議会でおっしゃいました。  その上で、四十五年化の議論を続けていっても、最終的に法案として取りまとめて閣議決定をし、国会に提出して成立させるか、できるか、年金当局の責任者として確たる見通しを持つことができません、そのような点も含めて総合的に考えた中で、苦渋の判断として先ほど申し上げたような認識、これ四十五年化、五年延長をやめるという認識に至ったということを御説明されています。  そして最後に、委員の皆さんには、四十五年化どうやったら実現できるか、熱心に議論いただいておりましたが、そのお気持ちに応えられていないということに大変申し訳なさを感じております、こういう年金局長の話があったわけなんですね。  私は、なぜこの四十五年化やめたのかというところで、先日質問したときに、間局長の方からは、この更なる拡大のところ、今回の財政検証を見たときに、追加的な負担を求めてまで基礎年金の給付水準を改善する必要がこの手段を用いては乏しいということで省いたんだというふうに御説明いただきました。  私、厚生労働大臣に聞きたいんですけれども、その説明も、もちろんオプション試算見ればその説明も当たるとは思うんですけれども、ただ、一番問題なのは、今回そもそも年末に法案出せなかったのもマクロ経済スライドの部分での批判に対して耐えられないというところが一つの原因だったというふうに思っています。今後もこの先、この社会保障の問題議論していくときに、批判があって、その説明を私たち国会議員も含めて議論して国民に理解してもらって、やるべき制度を入れていくというのが私たち仕事だと思うんですけれども、批判があるから議論すらもやめていく、このような形じゃ、今後とも社会保障全体の改革とか法改正できないというふうに思うんですよね。  今回のこういう形での取下げというのは私はふさわしくなかったと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 年金制度は、給付した保険料に基づき給付を行う、ごめんなさい、納付していただいた保険料に基づき給付を行うことが原則の社会保険制度でございます。したがいまして、給付と負担につきましては、被保険者の方々に納得いただけるように説明を尽くすことは重要と考えておりまして、基礎年金の拠出期間の延長につきましては、昨年の年金部会において検討を行っていた際にも、負担の増加は給付の増加を伴うものであることも説明していたところでございます。  こうした中で、基礎年金の保険料拠出期間を六十五歳まで延長することにつきましては、昨年の財政検証におきまして、前回の検証と比べて所得代替率が改善したことを踏まえ、追加的な保険料負担をお願いしてまで給付水準を改善する必要性は乏しいと判断し、今回の改正での対応を見送ることとしたものでございまして、将来にわたって議論をしないということをしたわけではございません。  先ほども申しましたように、しっかり説明を尽くしていくということが大事だということを考えれば、そういった意味では、しっかり時間を掛けて説明をしていくという姿勢は大事だというふうに思っております。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 最後の部分は答弁書見ずに答えていただいたんですけれども、以前も別のタイミングでも申し上げましたけど、審議会の中で厚生労働省の年金局長の役割が一体何なのかということと、審議委員の皆さんの役割は何なのか、そして国会で法律を議論するということのプロセスの中で、やっぱりほぼ参加されている審議委員の皆さんはこれは有効な手段だということで、どちらかの選択をするとか、今の保障の中で必要ないからやめるというよりかは、同時にやっていくみたいなことも検討としてされていたと思うんですよね。  やっぱり厚生労働省だけの判断で、国民の批判に耐えられないとか、説明が尽くせないかもしれないというような前提でこの審議の中から議題として落とすということ、これについて、ちょっともう少し具体的に御意見というか、厚労大臣としての見解を述べていただきたいと思います。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 当然、その審議会での御議論につきましては、昨日の参考人とのやり取り、様々あったということについては承知をしております。当然、審議会においてしっかり議論をしていただいた上で検討していく。  あわせて、法案化をさせていただくに当たりましては、私たちは様々な声を踏まえた上で判断をしているということでございまして、そういった上で総合的に判断をしたということでございますが、引き続き、委員の御指摘も受けまして、どうやったらきちっと説明ができるか、御納得いただけるかということについては、引き続き検討を深めてまいりたいと思います。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 厚生労働省の皆さんが責任感を持ってやっていただいているということは十分この議論の中でも伝わってくるんですけれども、やはりこれ政治の場なので、やはり、そこの中での判断とか、政府として、じゃ、この先というときの、本当に今の総合的な判断ということで丸めていいのかというのは、私、大変今回の審議会の議論の中でのやり取りを見ていて疑問を感じるところがありました。  常々、そのマクロ経済スライドの早期終了も、さんざん後でも出てきますが、手法も議論して、やっていくような前提で皆さん細かく議論していたのに、法案から落とされた形で最終的に提出された、しかも遅れた形で。本当に、審議会の軽視として指摘されても私はこれ批判免れないんじゃないかと思います。本当に厳しい状況の中で審議委員務めていただいている皆さんのことも考えれば、もう少し、私たち、政府側と私たち国会議員がこの説明について責任を持つ必要があるんじゃないかなというふうに私も本当に思っているところです。  その上で、四十五年化、今の五年延長の話をさせていただいたときに、今回、年齢のところでいきますと、在職老齢年金の見直しも行われているところでございます。六十歳以上の方が就労意欲をそがれないようにということで、今の労働環境を考えたときに、労働市場を考えたときに、私もこの改正は必要なことだというふうに思っています。  でも、そうであれば、やはり厚生労働省としては支給開始年齢の引上げも正面から議論するべきだったというふうに思います。高齢者の雇用安定法の改正により本年四月から企業に対し六十五歳までの雇用確保は義務化されたのですから、定年制や複数の事業所での雇用される高齢者の把握といった複数事業者の合算とか、こういう雇用労働政策全体と平仄を合わせて議論していく、それが今回のこの法案を出す目的であり、根拠にもなっていくと思うので、そういう議論も同時に進めるべきだったというふうに考えますが、大臣、いかがでしょうか。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 委員が御指摘いただきましたこの雇用であったり労働政策全体との見合いで考えるということは大事な観点だと思います。  その上で申し上げますと、今回の在職老齢年金制度の見直しは、少子高齢化の進行であったり人手不足を背景に高齢者の活躍の重要性が一層高まる中で、高齢者の方が年金の支給停止を意識せずより働きやすくすることを目的としております。  その上で、この公的年金制度では、御承知のとおり、現在でも六十歳から七十五歳の間で受給開始時期を自由に選べる仕組みとなっておりますことから、健康状態など、高齢期の方々の状況は個人差がある中で、希望に応じて就労と年金を組み合わせた生活を送ることができるようになっておりまして、就労の促進という観点から一律に支給開始年齢を引き上げるということは考えてございません。  一方で、老後の生活の安定という観点から雇用と年金との接続を図ることは重要であると考えておりまして、高齢者の雇用施策の動向も踏まえまして年金制度の検討を進めてまいりたいと考えています。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 今の、考えているというか、スタンスが少し違うので、これ以上議論してもというふうに思うんですけれども、その上で、複数の事業所での雇用される方、高齢者にも多くなっていて、今もその実態把握し始めていると思いますので、そこを早く、じゃ、今後範囲も広げていくということも議論を進めていっていただきたい。それが今後の年金や社会保障についてもセーフティーネットが広がるという重要なポイントだというふうに思いますので、そこだけはお願いしておきたいというふうに思います。  次に、厚生年金の積立金の活用の話をさせていただきます。  マクロ経済スライドの調整の早期終了については、次の財政検証を踏まえた上で判断を行うと政府側は繰り返し説明をされていました。なので、あくまでも今後の経済が好調に推移しない場合の備えという位置付けというふうな受け止めでした。  それであるのであれば、仮定なんですけれども、この先、日本での経済成長が持続するならば、マクロ経済スライドのこの調整、これが自然終了するまで、将来にわたって早期終了を実施しなくてもいいという認識なのでしょうか。要は、経済動向によっては早期の終了の何か施策を実施しなくてもいいというふうにお考えなのかどうなのか、そこを、厚労大臣、お答えください。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 衆議院における修正で盛り込まれました基礎年金のマクロ経済スライドの早期終了の措置につきましては、今後の社会経済情勢の変化を見極めた上で、基礎年金と厚生年金の調整期間の差が著しく、基礎年金の給付水準の低下が見込まれる場合に実施することとされていると承知をしております。  このため、実施の判断につきましては、現時点で具体的に予断を持って申し上げることは難しいものの、あえて申し上げれば、社会経済情勢に加え、基礎年金と厚生年金の調整期間の差や将来的な基礎年金の給付水準の見通しを踏まえて総合的に判断を行うことになるものというふうに考えております。  ですから、ちょっとなかなかその仮定のことは申し上げづらいんですが、実施しないというケースも場合によってはあり得るということでございます。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 そういうことであれば、やはりますます、審議会であれだけ、やり方、計算式、係数も含めて議論していた時間が何だったのかなというふうに思います。基本的にはやっぱり法案出すつもりでやっていて、批判であったりとか、そのいろんな事情によって出さなかったというところが、今後審議会でどれだけそこで必要性を議論するということに注力したらいいのかというのは、審議委員の人たちも疑問に思うんじゃないかというふうに思います。  その上で、厚生労働省の事務方から、その審議の中で、審議委員の皆さんに提出していた現行の加入者割合から積立金の額による按分方式となる算定方式、これの見直しですよね、これを厚生労働省側から出していたと思いますけれども、もう一つ、保険料の財源比率と基礎年金の金額の按分部分、比率、この二つの係数については財政検証ごとに設定するというような提案がありましたけれども、あそこの計算式ですよね、あの全てのやり方、今回議論されていたやり方、あれ以外に方法、具体的な算定方式とかそういうものが考え得るのかどうなのか、そこを参考人の方からお答えいただければと思います。

間隆一郎厚生労働省年金局長

○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。  御指摘の基礎年金拠出金の仕組みの見直しについては、社会保障審議会年金部会において基礎年金のマクロ経済スライドの早期終了を行うための方法として御提示申し上げました。  今般、衆議院における修正案で盛り込まれた規定は、今後の社会経済情勢を見極め、基礎年金の給付水準の低下が見込まれる場合に基礎年金と厚生年金のマクロ経済スライドを同時に終了させる措置を講ずるものと認識しておりまして、その意味では、積立金を活用していくと、その基礎年金への配分を増やしていくということだと思いますが、その際の具体的な仕組みの詳細については、今国会での御審議も踏まえて今後改めて適切に検討したいというふうに考えております。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 済みません、財政検証によって掛ける係数が変わっていくのはそうだと思うんですが、今般のこの審議も踏まえて考えていきますとおっしゃったんですけど、今回の審議で、この間まで出ていた審議会のあの係数に何か大きく影響を及ぼすような議論って、逆に今のタイミングで何か認識されておりますか。

間隆一郎厚生労働省年金局長

○政府参考人(間隆一郎君) 積立金の活用についていろんな御議論があったわけですけれども、昨日の是枝参考人の御発言の中にも適用拡大を進めていく等というような、そういう御指摘もあったと思うんです。実は、そういったようなことも含めて詳細について言えば、いろいろ詰めるべきことは更にあるだろうというふうには思っております。  いずれにしても、基本的な構造については、要するに、積立金、厚生年金の積立金を、報酬比例と、基礎年金部分でいけば、基礎年金部分の方により多く配分し、そして国庫も合わせて、そして基礎年金を充実していくということについては何ら変わるものではないだろうというふうに思っております。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 全く前回までの審議の、審議会の議論を踏まえないとは思わないんですけれども、やはり経済状況も変わってくるということと、適用拡大の範囲も広がっていくという中で、あらゆる方法を考えて議論を進めていく可能性があるということはお答えとしてあったというふうに受け止めました。  私は、やっぱり、昨日是枝参考人がおっしゃっていただいたとおり、適用拡大というところを、一番そこを大きく進めていくことが、実は流用というふうにやゆされているようなところの疑念も払拭されるというふうに思っています。  そして、もう一つは、やっぱり働き方に中立な社会保障制度と思ったときに、やはり厚生年金に加入していただく方たちが増えていくということでも大変私は有用な手段だというふうに改めて昨日の参考人の議論でも受け止めましたので、是非、政府におかれましては、今回の適用範囲の十年というところだけではなくて、その適用拡大のところについては大いに議論をしていただきたいというふうに思うんですよね。  そこで、済みません、一問飛ばして適用拡大のところの括弧一の質問に行きたいと思いますけれども、被用者保険の適用拡大について、賃金要件が撤廃されるという法施行は三年以内の政令で定める日というふうになっております。  衆議院の厚生労働委員会では、全ての都道府県で時給が千六十円以上になると、週二十時間以上働く方は必然的に八・八万円ないしは百六万円の要件を満たすことになり、賃金要件を設定する意味が実質的になくなるというふうに局長も答弁されておりました。  このところの最低賃金の改定額の目安額は五十円ということを鑑みたときに、地域別の最低賃金が最も低い、今年度で低い秋田県の九百五十一円だったとしても、この目安の五十円が維持されれば三年後にはおのずと要件を満たしますので、そもそも法改正の必要があったのか、やっぱり賃上げの方が大事だなというふうに今思いながら、私は思っていますし、この答弁聞きながら思っていました。  ただ一方で、これだけ社会保険料の負担が厳しいから中小企業は加入の適用を遅らせてくれといって要望を出してきていて、十年先延ばししているわけですよね。ということは、本当にこの目安が五十円って出ても、賃上げかなわない可能性もゼロじゃないというふうに思っております。  そのときに、厚生労働大臣にお伺いしたいんですけれども、三年後であっても、いわゆる二十時間働いても八・八万円に至らない方、こういう方への対応というのは今何か考えていらっしゃるのでしょうか。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 繰り返しになりますが、月額八・八万円以上としている賃金要件につきましては、最低賃金が引き上がり全ての都道府県で時給千十六円以上となれば、週二十時間以上働く方は必然的にこれを満たすこととなりまして、要件としての実質的な意味がなくなりますことから、今回の法案では最低賃金の動向を踏まえて賃金要件を撤廃することとしております。  その結果、週の労働時間が二十時間以上の場合には賃金にかかわらず被用者保険に加入していただくことになりまして、適用条件がシンプルになることで加入に向けたハードルが下がると考えております。  加えまして、この被用者保険の加入には、年金であったり医療の給付の充実といったメリットもありますことから、こうした点の周知、広報に取り組み、現状では週の労働時間が二十時間に満たない方につきましても、希望に応じて労働時間を延ばすことで被用者保険に加入していただけるように促してまいりたいと考えています。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 いや、促しても入らない人たちがいるので、年収の壁の支援パッケージとかそういうこととかを今支援するというふうにやっているんですよね。  なので、この八・八万円に至らない方への対応というのは別に設けずに、今言った促しだけでやっていくということでいいんでしょうか。局長でもいいんですけど、もう一度答弁お願いします。

間隆一郎厚生労働省年金局長

○政府参考人(間隆一郎君) 八・八万円は結局、時給掛ける労働時間で決まってくるわけでございますので、労働時間の方をどう考えるのか、時給をどう考えるのかというのでいけば、今二十時間要件をまず据え置いておりますので、その意味では、時給が千十六円を超えると、皆様八・八万円を超えてくると。まずは、やはりその最低賃金の動向を見ながら、そちらの方のクリアというのを考えるべきなんだろうというふうに思っています。  その上で、委員の御提案につきましては、むしろ、その千十六円仮に超えたとしたって、十九時間の人、十八時間の人どうなるんだということですので、労働時間の要件をどうするかという問題であると思っています。この点については、年金部会に、審議会におきましてもこれは今後の課題だということになっておりますので、そうした中で、適用拡大の、今後の適用拡大という中でこの論点についても検討していきたいというふうに思っています。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 その上でなんですけれども、今日資料一枚お配りしていますけれども、標準報酬月額、今回引上げのところだけは法改正で入っているんですけれども、そのときに、今日の表を配ったとおり、健康保険の標準報酬月額、この等級も参考にしながら今回の上限の引上げについても議論されたというふうに承知をしております。  そういう中で、上限のところ、右側に厚生年金の三十二等級のところ、赤していますけれども、三つ今回繰上げするようになっているんですよね。で、左側見ていただいたら、今私、八・八万円に満たない人出てくるんじゃないかという懸念を言っています。  そういう中で、実は厚生年金のところは八・八万円が一等級で、下がないんですよね。今後のその労働時間要件等々を様々検討していく中でいけば、ここ、健康保険等級、健康保険の等級を参考にするのであれば、本当は下の線まで引っ張ってもよかったんじゃないか、こういう議論があったのかなかったのか。もし今後、この件についても十時間に適用拡大を広げていこうと思ったときには有用な議論になるというふうに思うんですけれども、この辺りの課題認識、局長の方からお答えください。

間隆一郎厚生労働省年金局長

○政府参考人(間隆一郎君) 今回、標準報酬の下限を下げるという議論は具体的には行っておりません。すなわち、その八・八万円がニアリーイコールその百六万円と結び付いておりましたので、百六万円の壁をどうしていくのだと言われたときに、これを更にもっと低い壁をつくるみたいな受け止めになることについて積極的な議論はなかったというふうに考えています。  その上で、今後、十時間とか労働時間の要件をどうするのかというときには検討する必要があると思っておりますが、今回の法案では、むしろその上限に該当している人の世代内の公平ということを図る必要があるだろうというような観点から、現状、上限該当者の方は負担能力に対して相対的に軽い保険料負担となっていることから、上限等級に該当する者が占める割合に着目して等級を追加することができる、具体的には、今回は六十五万円を段階的に七十五万まで引き上げますが、さらにその七十五万に該当する人が四%を超えた場合には更にもう一つ上の等級を追加できるというルールの見直しを行うこととしております。  これによって、加入者の方も、それから企業側も、事業主側もですね、予見可能性があるというふうに考えておりますが、今回の法改正ではこの標準報酬月額の下限を見直すということは盛り込まれていないということでございます。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 理屈は一つ合っているとは思うんですけれども、やっぱりここ、今度これ、負担、もちろん給付も増えるということなんですけど、全て、負担だったりとか、いろんな財源の話をするときには全て負担がある。ただ、給付があるから負担をお願いするんだという中でいけば、今回、明らかに負担なんだけれども、きっちり入っているのがこの標準報酬月額の等級のところだけなんですよね。  私、これはやっぱり、批判が少なかったところは入るんだけれども、そうじゃないところは入らないみたいなところの象徴的な議論だなというふうに思っています。この標準報酬月額の等級の上限の見直しの議論の過程自体は私は賛成なんですけれども、やっぱりあらゆる手段を全て洗い尽くした中で議論ができているのかというところには、今ほどのその下限のところの議論も、適用拡大のところをもう十時間やらない前提で話していたからこういうところにも議論が及ばなかったのかなというふうに、これは私の勝手な想像ですけれども、そういうふうに受け止めてしまう一つの改正事項でした。  済みません、最後に、ちょっともう時間がなくなったので言及だけして、最後の一問に行きたいと思います。  私がこの適用拡大にこだわっているのは、やはり非正規の労働者の中での男女別の割合でいけば、これ、四十五歳から五十四歳のところでやはり非正規の女性が三百六十万人いて、三号被保険者が二百六十七万人いるんですよね。これ、働いている非正規の女性というところ、そこが加入できていないというところがあるわけなので、やっぱりここの加入をしっかりとさせていくというところが、今問題になっている高齢女性の貧困というところに、今すぐ対応はできないけれども、大切な視点だというふうに思っています。  是非、適用拡大については、改めて、五年以内にやること、そして早く十時間以上の雇用労働者が入れる形にしていく、それをもう一度申し上げて、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございます。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。  コロナの後遺症について、身体障害者手帳の問題等、以前にもお聞きしたことがあるんですが、年金も含めて、コロナ後遺症に絞って幾つか確認をしておきたいと思うんです。  これ、二〇二一年十月までの国立国際医療研究センターが後遺症を調べておりまして、感染から一年半後の時点でも四人に一人が後遺症があったと、見られる症状があったということです。さらに、厚労省の研究班では、成人の一割から二割に後遺症があったという結果もあるということです。  後遺症として確認した主な症状、発生率、発症率はどうなっているでしょうか。

鷲見学厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部長

○政府参考人(鷲見学君) お答え申し上げます。  新型コロナウイルス感染症の罹患後症状、いわゆる後遺症につきましては、二〇二〇年度から、厚生労働科学研究及び日本医療研究開発機構、AMEDで支援している研究におきまして、実態把握や診断方法、治療法に関する研究を行っております。  二〇二三年度の厚生労働科学研究では、大阪府八尾市、北海道札幌市の住民を対象とした調査を行っており、新型コロナに感染した者のうち何らかの罹患後症状を有したと回答した者の割合は、経時的に低下しながら、感染から十八か月後には、成人では約五%、小児では約一%という結果が得られております。  また、感染から十八か月後に多い罹患後症状としましては、八尾市では睡眠障害が一・三%、集中力低下が一・二%、札幌市では疲労感、倦怠感が一・二%、嗅覚障害、呼吸困難感が一・一%という結果でありました。  引き続き、罹患後症状で悩む方々の実態の把握に努めるとともに、国民への情報提供を行ってまいります。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 今、八尾と札幌の分の報告ありました。この国立国際医療研究センターということで、二〇二一年十月までですので、この時点ではどうだったかというと、記憶障害は先ほどもあったとおり、集中力低下、嗅覚障害、ブレーンフォグも七・五%であったと。これ多いんですよね、割とね。深刻にもなっている。  この感染した人ということでいいますと、二三年の五月八日確認できた分でいうても三千三百八十万人という罹患があって、これ四人に一人ということでいうと八百四十五万人に達するし、一割でも三百八十万人が何らかの後遺症に苦しんでいる。先ほど五パーという報告もあったけれども、それでも百万を超え、二百万規模に後遺症で苦しんでいる人がいるということになろうかと思うんですね。  重篤な後遺症が出てほとんど寝たきりという症状になっている方、学校にも職場にも戻れないという方、少なくないです。日常生活に重大な支障を来すと、収入の道も閉ざされる、学びの道も閉ざされると、こんな事態も生じております。  そこで、コロナ後遺症による障害年金受給の決定件数、トータルで何人になっているのか、非該当ということでいうと何人か、何件か、そして同時に、身体障害者手帳の申請状況、認定状況、これについて把握されているでしょうか。

巽慎一厚生労働省大臣官房年金管理審議官

○政府参考人(巽慎一君) お答えいたします。  まず、障害年金につきましては、個別の傷病名ごとの受給者数を統計的に把握しておりませんので、新型コロナウイルス感染症罹患後症状、いわゆる後遺症による障害年金の決定件数や非該当件数はお答えすることは困難でございますけれども、障害年金の業務統計におきましては、コロナ後遺症による受給者を含む形で、血液・造血器・その他の種別により新規裁定された方の件数をお示ししておりまして、令和五年度の件数は三千七百六十九件となっており、コロナ後遺症の件数はその内数となるということでございます。三千七百六十九件の内数となるということです。

野村知司厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長

○政府参考人(野村知司君) 身体障害手帳の件につきまして私の方からお答えを申し上げます。  御指摘の身体障害者手帳の申請や認定の状況につきまして、全国的な件数については恐縮ですが把握をしてございません。ただ一方、任意で御協力をいただいた九つの自治体において、令和四年四月からの一年間分、約一年間分のこの障害者手帳の申請に際して必要になります医師の意見書、こちらの確認をしていただきました。その結果、コロナの後遺症を原因とした身体障害の認定例というのは七十一例であったというふうに承知をしております。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 先ほど紹介したように、五%でも二百万人規模になる後遺症と、そういう規模感からいうと、つかめているだけの範囲で見ますと、非常にこれフォローし切れていないんじゃないかというふうに思うわけです。  重篤な後遺症であっても身体障害者手帳の交付に至らないという相談が引き続き寄せられています。寝たきりなのに福祉サービスが使えないと、こういう実態が続いているんですね。指定医にたどり着いても診断書や意見書が書いてもらえないと、そういうことで、申請さえできないと、こういう声なんですよ。  疲労、消耗による障害、先ほど紹介したブレーンフォグ、あわせて、起立する、立ち上がるということが耐えられないなどの症状が適切に診断書に反映されないということで、これが大きな認定のハードルになっている状況が後遺症の会の皆さんからも寄せられているという状況なんですね。  私、指定医に対する理解促進ということで、この取組を本当に強化すべきだと思うんだけれども、いかがでしょう。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 身体障害者福祉法に基づく身体障害の認定に当たりましては、原因となる疾病に関わらず、障害の状態が認定基準に該当するかどうか、都道府県知事等の指定を受けた指定医の診断書、意見書も踏まえながら都道府県等において判断されるものでございます。  その上で、いわゆるコロナ後遺症の患者さんに関する診断であったり支援につきましては、医療従事者に対する診療等に関する手引であったり、障害認定基準に該当する場合に障害者手帳の取得が可能であることを含め、これまでも厚生労働省のホームページで周知を行ってきております。あわせて、こうした内容につきまして、関係団体に対して周知を依頼するとともに、全国の都道府県等を対象とした関係課長会議の場においても周知をしてございます。  引き続き、新型コロナウイルスに感染した方の身体障害認定が適切に行われるように、指定医に対する周知を行ってまいりたいと考えています。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 いろいろやっていただいているということなんだけれども、認定されないと、診断書さえ書いてもらえないと、こういう状況が余り変わったというふうになっていないから申し上げているんですね。  そこで、一つ改善してはどうかという提案があるんです。それが、指定医が提出する診断書、意見書、この様式の見直しなんです。  これ、患者の会からも要請があったことなんですけれども、資料としてお示ししています一枚目、これが身体障害者手帳の診断書で、記載例、これコロナの後遺症の記載例ということになっております。これ、障害名がありまして、四と五、ここに経過や現症、総合所見ということでこれ全部書いていただかないといけないという書式、様式になっているんです。  ところが、これ二枚目のやつ見ていただきたいのは、これ障害年金の方の診断書なんですけれども、これ赤で囲っております左下の方ですが、これ臨床所見が、特徴的なものを列記してあるんですね。そして、ここに「無」、あるかないかということを、あとは顕著にあるかという意味ですね、「著」ということで、これ丸付けたらいいだけということになっていて、非常に記入もしやすいし、症状についても、該当チェック、進むと思うんですね、診断についても。そういう意味でいうと、これ慢性疲労症候群の診断書を、年金用の診断書を入れていますけれども、これは四つの疾患については既にこういう丸を付ければいいと、主な症状に対してですね、こういう指定になっているんです。  こういう個別の診断書の様式があるわけで、年金の方ではね、改めて、障害の状態として臨床所見に丸だけ付けたらいいと、こういうような書式に身体障害者手帳の診断書、コロナ後遺症についても工夫が要るんじゃないかと、こういう様式の検討も要るんじゃないかと思うんですけれども、具体的な検討、いかがでしょうか。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 御指摘については受け止めさせていただいた上で申し上げますと、この身体障害の原因となる疾病は非常に数が多うございます。ですから、その原因となる疾病ごとの診断書、意見書様式の作成を行うことは現実的ではないと考えておりまして、コロナ後遺症に関する様式を作成することは難しいと考えております。  一方で、この新型コロナウイルスに感染した方に関する身体障害者認定が適切に行われますように、新型コロナウイルスに感染した方の身体障害の認定状況等の実際の事例を踏まえまして、肢体不自由であったり呼吸機能障害などの具体的な障害に関して身体障害者手帳の交付申請に必要となる医師の診断書、意見書の記入例の作成、周知を進めているところでございます。  引き続き、新型コロナウイルスに感染した方に関する身体障害認定が適切に行われますように、指定医に対する周知を図ってまいります。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 いや、後遺症、コロナ後遺症が相当数いるんだけれども、そこに福祉サービスも年金も届かないと、そしてこの診断書を書いてもらえないと、ここがすごいハードルになっているということなんですよ。  今やっていただいていることを否定するつもりはないんです。更に医師のところで診断が付きやすい、そして診断書書きやすいという工夫としては本当にこれ進めていただきたい。ずっと受けられないままで二年、三年という状況経過してきているからこそ、検討を進めていただきたいということを重ねて要望しておきたいと思います。  次、被用者保険の適用拡大、様々議論もありました。中小企業の保険料負担の軽減について、総理は慎重な検討が必要だという答弁で、否定はされなかったんですね。  消費税の増税がありました。インボイスの導入もされました。そこで増えているのが税や社会保険料の滞納、そして滞納が加速しているという状況あります。適用拡大とセットで中小零細企業に対する保険料負担の軽減を、やっぱり今、今こういう状況だからこそ検討すべきじゃないか、そして適用拡大の促進につながっていくんじゃないか、いかがでしょう。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 社会保険料の事業主負担を軽減すべきとの御提案につきましては、社会保険料は医療や年金の給付に充てられ、労働者を支えるための事業主の責任であり、また働く人の健康保持や労働生産性の増進を通じ事業主の利益にも資するものであることから、慎重な検討が必要であるというのは従来から同じ考えでございます。  その上で、中小企業に対しましては、非正規雇用労働者の正社員転換であったり処遇改善を実施する事業主に対しましてキャリアアップ助成金による支援などを行っておりまして、引き続きこうした支援に取り組んでまいりたいと思います。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 適用拡大を前に進めるためにもという提案です。是非、今社保倒産が過去最多という状況になっている状況でこれ適用拡大に踏み出すと。十年掛けたらそういう状況解消するかという議論もありましたよ。やっぱりこれ本当に進めようと思ったら、重い負担になっていて、倒産を選ぶか適用拡大を選ぶかなんということを迫るようなことはあってはならないと思うからこその提案だということです。  社保倒産が過去最多となる中で、年金事務所による強権的な徴収、差押え、やみません。大臣からは、関係法令に基づき事業所の状況に応じた対応が行われるよう指導すると、こういう答弁ありました。繰り返されています、この答弁は。しかし、指導が現場で徹底されているとちょっと言い難い状況も起こっているんですね。各年金事務所の現場まで徹底するために、踏み込んだ具体的な指導が求められると。いかがでしょう。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 社会保険料の納付が困難な事業所につきましては、昨年四月に、日本年金機構に対し、事業所の経営状況や将来の見通しなどを丁寧に伺いながら、猶予や分割納付の相談等に応じることであったり、納付計画どおりに納付がされない場合でも、直ちに猶予を取り消し、財産を差し押さえるのではなく、やむを得ない理由があると認められる場合には猶予を取り消さないことができることなどの対応を求めているところでございます。  委員の御指摘は、その指示が徹底されていないんじゃないかというような御指摘でありました。引き続き徹底されるように指導を行ってまいりたいと思います。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 これ、申請による換価の猶予というのが法制化されましたのは二〇一六年、このときに税務署の対応が変わらなかったんですよ、申請できるということになったにもかかわらず。それが大きく変わりましたのは、今では本当に申請件数も増えているんですけれども、何が変わったかというと、申請書を窓口に置きました、そして制度を周知するチラシも窓口に置かれるようになったんです。これによって申請件数がぐっと増えるという変化を、指導の変化をつくることができたんですね。  これ、私、同様なことを各年金事務所でもやった方がいいと思います。大臣の趣旨を記載したポスター貼ったらどうかと。さらに、換価の猶予の申請、事業者の権利、できるんですから、権利だということをお知らせする。字も大きくして、そういうチラシを置いてはどうかと。で、手続のための申請書類、こういう、すぐ窓口にあるという体制に変えたらどうかと。いかがでしょう。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 社会保険料は事業主から被保険者分も含めて保険料全体を納付いただいておりまして、年金給付等の保険給付を行うためにも、その保険料を確実に納付いただくことは重要だと考えております。その上で、社会保険料の納付が困難な滞納事業所への対応につきましては、関係法令等に基づき公正かつ適正な運用が行われることが重要でございます。  今具体的な例の御提案もございました。個々の事業所の状況に応じて換価の猶予の説明など丁寧な対応を行うように、日本年金機構に対して指導を徹底してまいりたいと思います。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 いや、そういうこと全然関係なくやっているんですよ、差押えか、一括納付かと。で、差し押さえられたら事業が継続できないと、そういう事態にいっぱい追い込んでいる例が、相談来ますよ。だからこそ、徹底するというためにはチラシを作ると。ポスターまで作らぬでもいいですけれども、周知徹底のための申請書類とチラシというのは既に国税のところで実践してやっていることなんですよ。国税徴収法に基づいた徴収の手続なんですから、これ是非徹底していただきたい。改めての検討を強く求めたいと思います。  あと、女性の年金について改めて質問をしたいと思うんです。  現在の高齢女性の窮状、低年金の実態ということを繰り返し取り上げてまいりました。私は、年金の制度上、支払った分で受け取る分が決まるのは、それは制度上平等にできているという答弁繰り返されているんだけれども、給付の実態を是非、ここの現実を見ないと駄目だと思っていて、給付の実態見れば、明らかな男女間格差が今々本当に深刻な状況になっているんですよね。  こういう現在の高齢女性の低年金の問題をどうやって解決していくのかということを改めて聞いておきたい。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 従来から申し上げていることですが、この年金制度は、基本的に制度上の給付の男女差はなく、保険料納付実績が給付に反映されることから、就労の有無であったり、雇用形態、賃金水準などにより、老後の平均年金額の差が生まれているものと考えております。  このため、引き続きこの男女間の賃金差異の是正に取り組みますとともに、今回の法案にも盛り込みました被用者保険の適用拡大を進めることで、仮に短時間労働者の方であっても、より手厚い年金を受けられるような取組を進めていくことが必要だと考えております。  その上で、高齢の単身女性も含めまして低所得の方々に対しましては、社会保障全体で総合的に支援していく観点から、年金生活者支援給付金の支給であったり、介護保険における低所得者の方を対象とした補足給付の支給、医療保険、介護保険における低所得の方への保険料軽減措置や自己負担の上限額の設定などによりまして経済的な支援を行っているところでございまして、引き続き必要な支援に取り組んでまいりたいと存じます。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 今度の年金法案には、そういう意味でいうと、今の貧困な低年金の女性というところについての具体的な中身でないと思うんですよ、追加的な中身はないと思うんです。  そこで、参考人の質疑の中でも、駒村参考人だったと思います、低所得者の年金受給者に対して、今も御紹介あったけれども、年金生活者支援給付金、これを拡充するということも御提案としてあったと思います。私、今ある制度の中で緊急的にやっぱりここを上げていくと、拡充していくということについては、現在の年金の給付額の男女の格差と女性差別撤廃委員会からも明確に勧告受けているというところの改善に一歩進むということにつながると思うんだけれども、思い切った拡充、検討すべきではないでしょうか。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 年金生活者支援給付金は、基礎年金を受給しながら生活をしている高齢者の方々などで、年金を含めても所得が低く、経済的な援助を必要としている方について、その生活の支援を図ることを目的としてございます。  今御提案の、その対象者の拡大であったり支給額の引上げといった御提案につきましては、安定的な財源の確保といった課題があるのではと考えてございます。無年金を含めた低所得の高齢者の方々には、先ほども申しましたように、医療、介護の保険料軽減等も実施してきているところでございまして、社会保障全体で総合的に支援してまいりたいと思います。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 いや、総合的な支援で財源の問題言い出すと一歩もやっぱり進まぬから、具体的にここの引上げ要るんじゃないですかということを申し上げているんですよね。  改めて、修正はされました。しかし、今日、修正部分の提出者である議員から説明あったとおり、これは下げ止めなんですよ。下げ幅を小さくするという中身であって、下がるんですよ。今後もマクロ経済が続くわけですから、十年以上は継続するということになるわけで、少なくともですね、これ以上貧困の拡大、これ以上に貧困、格差が続くということでいいのかと、こんな、こういう貧困、低年金状態を継続するということを放置してはならないと、だからこその提案させていただいているということです。  下がらない年金、こういう転換するためには、マクロ経済スライド、これ直ちに廃止するということが必要だと、本当の意味で底上げにつなげるような転換要るんだと最後申し上げたいと思いますが、いかがでしょう。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 委員かねてからこの問題意識をお持ちなのは十分承知しています。  この年金制度につきましては、前年の物価等の変動に応じて年金額を改定することを基本としながら、将来世代の負担が過重にならないように、マクロ経済スライドによって長期的な給付と負担のバランスを確保することで、将来にわたって持続可能な仕組みとしているところです。仮にこのマクロ経済スライドを行わないこととした場合には、その分、将来世代の年金の給付水準の低下につながることとなりますため、現行の仕組みの下で確実に給付を行っていくことが重要であるというふうに考えています。  また、年金の給付水準は今後の経済状況によって変わり得るものでございまして、賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行を目指しながら、今回の法案に盛り込んだ被用者保険の適用拡大などの改正事項を着実に実行することで、年金給付水準の確保に努めてまいりたいと思います。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 今の女性の低年金の実態、生活の実態、この窮状を改善するということで踏み出すべきだということを、今の話していますので、これ指摘して、最後、終わります。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 代読します。  れいわ新選組の天畠大輔です。  長年の障害年金無改革のツケが回ってきました。障害年金の認定は、時代に合わない不合理な点が多いにもかかわらず、長年放置されてきました。その結果、障害年金センター長の個人的な方針次第で不支給の割合が大幅に増えているのではないかというスキャンダルが報道で明らかになりました。命に関わる生活保障を受けられず困難にさらされる人たちを生み出す行政の不作為を到底許せません。真実を明らかにすべきです。  昨日、障害年金の不支給増加問題をめぐる調査報告書が厚労省から公表されました。二〇二四年度の不支給割合は、サンプル調査で前年度比約一・五倍、精神障害に限れば約一・九倍でした。  本日は、日本年金機構の理事長に実態を伺いながらこの問題を整理していきます。  まず、資料一は、現在の障害年金認定の業務フローです。  基本の流れを御覧ください。障害年金センターの職員による事前審査の後に認定医による医学的な審査が行われています。  次に、資料二を御覧ください。  この事前審査の体制は令和四年四月から導入されました。年金機構が障害年金業務や組織体制の見直しを行い、始まった取組です。  しかし、調査報告書によれば、組織ぐるみでの、認定医の傾向と対策文書の存在や職員による等級案の提示といった極めて不適切な運用が明らかになっています。  そこで、まず日本年金機構に伺います。  調査結果では不支給の割合が増えているのは確かです。しかも、千二百件の不支給判定を見直した結果、約一割が支給に変更されました。専門性を持たない事務職員による事前審査の危険性を認め、認定の仕組みを再検討すべきではありませんか。

大竹和彦日本年金機構理事長

○参考人(大竹和彦君) お答えを申し上げます。  精神障害につきましては、障害等級の目安と診断書等の内容を基に総合的に認定する仕組みとなってございます。  今般の調査においては、事前確認票は、職員が等級等を記載する欄があり、等級案も含め認定医が審査する際の参考情報という位置付けではあるが、認定医のヒアリングでは、事前確認票は助かっているが、等級案を見て決めているわけではないといった旨の話があったとされております。  今般の調査における認定医へのヒアリングを踏まえると、精神障害について、認定医が障害等級の目安と病状の経過、具体的な日常生活状況といった診断書等の内容を基に総合的に認定する仕組みの中では、職員が等級案を作成する必要性は高くないということでございますので、廃止することとされたというところでございます。  以上でございます。

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をいたしておりますので、しばらくお待ちください。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 そんなマイナーチェンジでいいのでしょうか。代読お願いします。  次に、通告なしですが、大臣に伺います。  今回の調査結果では、不支給割合が上昇している理由を十分に分析していません。しかも、等級案の数字を見て等級を決めているわけではないと、認定医のヒアリングのみで事前審査自体は問題ないことになっており、調査が不足していると考えます。事前審査が認定に与える影響をもっと掘り下げて再検証すべきではないでしょうか。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 今、その事前、今回のヒアリングの結果につきましては、この認定プロセス自体はその認定基準からは逸脱をしておりませんが、その新規裁定のうち不支給割合は一三・〇%と、令和五年度の八・四%より上昇しておりまして、特にその精神障害の上昇が大きいということでございます。  この不支給割合の上昇は、障害等級の目安より下位等級に認定され不支給となっているケース等が寄与している可能性が示唆をされたところでございます。また、審査書類に判断の理由が書かれていないなど丁寧さに欠けるものが見受けられたということでございます。  こうした結果を踏まえまして、今後のこの運用改善、運用改善につきましては、先ほどもお話ありましたように、この精神障害について、職員が等級案を付すことの廃止であったり、審査書類に判断の理由などを丁寧に記載することの徹底であったり、不支給事案について複数の認定医による審査をしっかり行うというようなことを行うこととするものでございます。

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 再検証をすべきです。また、データで不明点もあります。  委員長、この二点について理事会協議をお願いいたします。

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) ただいまの事項につきましては、後刻理事会で協議をさせていただきます。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 代読します。  続いて、資料三を御覧ください。  年金機構は事務目標としていわゆるサービススタンダードを定めています。サービススタンダードとは、年金請求書を受け付けてから年金が決定され年金証書が請求者に届くまでの標準的な所要日数のことです。障害年金では、三か月、その達成率九〇%以上を目指しています。機構が発足したときの平成二十二年一月より実施しています。報道により、認定医が申請一件に一分ほどしか掛けられないという現場の御苦労が分かりました。  また、サービススタンダードの達成状況は職員の人事評価にも影響するといいます。そんな中で、果たして正しく認定ができるのでしょうか。迅速性を求めたことで本当に必要な人が障害年金を受給できないのであれば、このサービススタンダードの考え方や運用は見直すべきだと考えます。  年金機構に伺います。サービススタンダードが障害認定の審査へ与える影響についてどうお考えですか。

大竹和彦日本年金機構理事長

○参考人(大竹和彦君) お答えを申し上げます。  当機構におきましては、正しい年金をできるだけ早くお届けするという観点から、年金請求書を受け付けてから年金が決定され年金証書がお客様に届くまで、これの標準的な所要日数をサービススタンダードとして設定をし、取り組んできているところでございます。  老齢年金や遺族年金のサービススタンダードについては一か月としている一方、障害年金につきましては、年金請求書のほか、診断書や病歴・就業状況等申立書等の提出書類、これが適切にそろっているかどうかの確認であるとか、提出された診断書等の記載内容の事前確認票への整理であるとか、障害認定医による障害等級の認定など、慎重かつ適切な決定を行うために一定のプロセスが必要となることを考慮して、老齢年金であるとか遺族年金と比較して長い三か月と設定しているところでございます。  今回の調査結果では、ヒアリングによれば、精神障害グループは特に業務量が多いと感じるなどといった話もあり、こうした環境が審査書類に丁寧さに欠けるものが見受けられたことに影響している可能性も考えられるとされたところでございます。  この結果を踏まえまして、審査書類に丁寧に記載することの徹底等の対応策、これを実施することとしておりまして、こうした対応策、これを踏まえた審査が滞りなく行われるよう、速やかに必要な体制の整備を進めてまいりたいと考えております。  以上です。

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 答えになっていません。調査報告書でサービススタンダードの影響を検証していないのは大問題です。代読お願いします。  次に、質問一つ飛ばします。  次に、現在の認定制度の枠組みの中で、少なくとも変えるべきことについて伺います。  まず、認定医についてです。障害認定基準や認定事例について認定医が情報共有する会議はあるものの、適切な認定を行うための実務研修はないと伺っています。認定医の採用時にはどのようにして認定基準や認定方法を指導し、それらへの習熟度を測っているのでしょうか。年金機構の理事長よりお答えください。

大竹和彦日本年金機構理事長

○参考人(大竹和彦君) お答えを申し上げます。  新たに障害認定医に御就任をいただいた際には、障害年金センターの職員から障害認定基準あるいは認定事務の流れ等につきまして丁寧に御説明を申し上げているところでございます。  また、認定事例の共有や審査基準に対する意識の統一を図るため、毎年、障害認定医会議を開催をし、認定事例や障害認定基準の考え方等について情報共有を行っているところでございます。  さらに、今般の調査結果を踏まえまして、判断のポイントを付した具体的な認定事例を作成をし、認定医に周知を実施することとしております。  こうした取組を通じて認定医の習熟を図り、より適切な認定が行われるように努めてまいりたいと考えております。  以上です。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 代読します。  それは進めてください。  引き続き年金機構に伺います。  認定医の専門分野に応じて年金機構がどのように審査を割り振っているのか、外からは分からないことも不信感の原因の一つです。担当した認定医の専門分野などの情報を申請者が確認できるようにするのはいかがでしょうか。

大竹和彦日本年金機構理事長

○参考人(大竹和彦君) お答えをいたします。  障害年金の認定においては、障害の種別に応じて必要な知識、経験のある認定医に障害認定の審査を依頼しているところでございます。認定医に関する情報につきましては、審査の公平性の観点から、公平性を確保する観点から開示を差し控えさせているところでございまして、御理解を賜りたいと願います。  以上です。

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 ならば、認定医の専門分野を公表してもよいのではないですか。代読お願いします。  認定医の専門分野公表だけでも、申請者の納得や不適切審査の抑制にもつながります。是非お願いします。  さて、もう一度資料一を御覧ください。  認定医が認定に迷った際には複数人で考える仕組みも用意されています。もし職員の意見と認定医の判断が一致しない場合は、もう一人の認定医が審査するセカンドオピニオン、さらに、その二人の認定医の判断が異なった場合には認定審査委員会に回る仕組みです。ただ、令和五年度の実績では、審査すべき申請数が約三十八万件だったのに対して、セカンドオピニオンは三千七百十一件、認定審査委員会は僅か十九件にすぎず、非常に限定的でした。ほとんどの案件で複数の専門家の視点は入っていないということです。  また、現在の認定審査委員会はメンバー全てが年金機構関係者で構成されています。障害年金センター長、機構内部で高度専門職と呼ばれている医師、年金機構が委嘱する障害認定医です。調査報告書では、全ての不支給事案について複数の認定医が審査を行うこととするとされています。しかし、セカンドオピニオンにしても認定審査委員会にしても、医学的視点に偏り過ぎなんです。  大臣、障害年金認定の透明性、公平性を高めるためにすぐできることとして、認定審査委員会を改善し、更に活用すべきではないですか。私は、今回の報道を受けて調査が開始される前から、認定審査委員会に社会モデルの視点を取り入れるために外部の福祉職の専門家を入れるべきだと厚労省に提言してきました。本調査を受けて、大臣の考えをお聞かせください。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 障害年金の認定に当たりましては、認定医の医学的な総合判断を特に要するものについては複数の認定医による審査を行っており、また、複数の認定医が審査した事案についてその意見が分かれた場合は障害認定審査委員会に付議することとなっております。  今般のこの調査報告書においては、この委員会について、複数の委員の意見を確認することができる有意義な仕組みであり、委員会の客観性であったり透明性を高め、本仕組みを更に活用していく観点から、福祉職などの外部の者の委員会への参画などの取組を進めることとされております。日本年金機構においてこうした取組が速やかに行われるように指導をしてまいります。

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 社会モデルの視点を取り入れるということですね、大臣。一歩前進ですが、できることはまだあります。代読お願いします。  ここまでのやり取りの中で、やはり現在の障害年金制度は客観性や透明性に欠けるという構造上の問題があると思います。たとえ障害認定基準があっても、具体的な認定のプロセスは日本年金機構の内規で定められており、その実態を厚労省が把握していないのも問題だと改めて指摘いたします。  さて、二〇〇六年、社会モデルの考え方をベースとした障害者権利条約が国連で採択され、二〇一四年に日本も批准しました。しかし、いまだにこの視点は障害年金制度に落とし込まれていません。  資料四を御覧ください。  障害年金の認定を医師が行うと規定したのは、五十年以上前のこの社会保険庁通知です。ただ、ここでは認定医が医学的事項の審査をするとしか書かれていません。生活、就労上の困難など社会モデルの視点が入っていないこの通知が今まで改正されていないことは象徴的です。現状の認定の仕組みは医学的視点に偏り過ぎています。診断書作成医の診断書により認定医が障害程度を認定し、ごく僅か認定審査委員会に回っても、まだ機構内部の医師が話し合います。  さらに、認定医一人が認定を行う仕組みそのものに問題があります。社会福祉関係者の所見が書面だけでは、認定の視点が医療モデルに偏っている点は変わりません。障害者の生活支援や障害者の権利擁護に詳しい専門家が認定の判断そのものに加わる仕組みがなければ総合的な判断は難しいはずです。御存じのとおり、この点は、私だけではなく、精神、発達、知的障害の当事者団体、障害年金の専門家団体が訴えているものです。早急に改善策を講じるべきです。  認定医一人による審査ではなく、医師と社会福祉職の合議体での審査、書類による形式審査からヒアリングなどを含む実質審査にしてください。厚労大臣、いかがですか。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 障害年金の認定に当たりましては、請求者の状況をよく知る主治医が記載していただいた診断書や請求者本人や家族が記載する病歴、就労状況等の申立書などにより、障害の状態や日常生活の状況等を確認の上、審査をしております。この申立書は社会福祉職の方が記入いただくこともございまして、総合的な判断を行うこととしております。  その上で、今回の調査結果では、障害認定審査委員会について、客観性や透明性を高める観点から、福祉職などの外部の方の参画を進めることとしておりまして、まずはこの対応にしっかりと取り組みたいと思います。  また、障害年金の審査は、以前は都道府県ごとの事務センターも活用しておりましたが、認定業務の標準化等の観点から、現在は東京の障害年金センターで集約して審査を行っておりまして、全国からの請求に対し書面審査を基本としているところでございます。  こうした中で、実地調査を行うということにつきましては、市町村で認定している障害福祉サービスとは事情が異なり、審査件数が年間四十万件近くある中で、審査に相当の時間を要することとなり、運用上の課題があると考えております。

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 自治体の障害福祉課と連携して、希望する方にヒアリングをするぐらいはできるのではないでしょうか。大臣、いかがですか。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) まず、以前はその都道府県ごとの事務センターを活用してやっておったわけですが、そうするとかなりばらつきがあったために、この標準化の観点から現在はその東京の障害年金センターで集約して審査を行っているところです。  その上で、まずはその請求者本人であったり御家族が記載する病歴、就労状況等の申立書、こういったことをしっかり記入していただいて、そこをしっかり見させていただくということ、また、この障害認定審査委員会等につきましては、客観性であったり透明性を高める観点から福祉職等の外部の方に参画を進めることとしておりまして、まずはこうした対応にしっかりと取り組んでまいりたいと考えています。

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 申請者に会ったことのない認定医がふだんの生活まで審査するのは無理がありますよね、大臣。代読お願いします。  もちろん、社会モデルの視点を入れれば全てが解決するわけではありません。しかし、当事者の生活、就労上の困難さを認定する側も分かるようになれば、外部への説明しやすさも増します。より公正で透明性の高い支給ができるのではないでしょうか。  就労できると、障害が軽い、生活上の困難さが低いという見方が蔓延している可能性も指摘します。厚労省も日本年金機構も、就労の可否のみをもって不支給にすることはないと言い張りますが、現場で申請のサポートをする社労士や、不支給となり認定調書の開示請求をした当事者からは、就労が不支給の要因になったとの声が上がっています。これも社会モデルの視点に立てば、職場の環境整備や合理的配慮、家族のサポートによって就労が可能になっているだけであって、障害が軽くなったり生活上の困難さがなくなっているわけではないのです。  そもそも、これまで、社会モデルの視点も含め、障害年金の認定の仕組みに関する議論が十分なされてこなかったことが問題です。  かねてより私は、年金部会の中に障害年金の専門家がいないことを指摘してきました。今こそ障害年金を議論する会議体をつくり、そこに当事者団体、障害者権利条約に詳しい弁護士や当事者の生活実態に詳しい社会福祉士などの障害年金の専門家も参画し、障害認定基準や認定審査方法などを具体的に議論すべきと考えます。大臣、簡潔に御答弁願います。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 今般の令和六年度の認定状況の調査結果におきましては、認定プロセスは認定基準等から逸脱していないが、新規裁定のうち不支給割合が特に精神障害で大きく上昇しており、これには障害等級の目安より下位等級に認定され不支給となっているケースなどが寄与している可能性が示唆されたところです。また、審査書類に判断の理由が書かれていないなど、丁寧さに欠けるものが見受けられました。  こうした結果を踏まえまして、認定プロセスにおいて、審査書類であったり申請者に対する決定通知書を丁寧な記載とすることを徹底すること、職員が精神障害の等級案を付すことを廃止すること、今後の全ての不支給事案について複数の認定医により審査するといった取組を行うこととしておりまして、まずはこの対応を進めたいと考えております。  その上で、この障害年金につきましては、昨年、社会保障審議会年金部会において引き続き整理が必要とされた事項などについて、まずは論点の整理であったり議論の進め方について検討を進めるとともに、この認定の在り方についても様々な御意見を聞きながら検討を進めてまいりたいと思います。

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 当事者参画について否定はしなかったと理解しました。  不公正な不支給は生じさせないこと、障害年金の論点整理を速やかに着手すること、以上二点、大臣、約束してください。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 今後、社会保障審議会年金事業管理部会であったり日本年金機構運営評議会といった外部有識者の方々に対しまして、この報告書について報告をいたしますとともに、過去の事案の点検状況であったり今後の改善の実施状況について報告し、その意見を踏まえて対応を考えてまいりたいと思います。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 まとめます。  当事者は声を聞かれるだけの存在として扱うのではなく、議論の主体となることが大事です。  質問を終わります。

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 暫時休憩といたします。    午後二時五十八分休憩      ─────・─────    午後三時一分開会

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案を議題とし、内閣総理大臣に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

比嘉奈津美自由民主党

○比嘉奈津美君 自由民主党の比嘉奈津美でございます。  本日は、内閣から提出されました社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案につきまして、総理に質問をさせていただきます。  世界有数の長寿国である我が国において、高齢期の生活の根幹を支える公的年金制度の社会経済に対応した時代に合った制度にしていくこと、また、長期的にその役割を果たし続けられるようにすることは大変大事な課題であります。我が党としても、国民の皆様の暮らしと密接に関係があり、その関心も高い年金改正法案については、これまで丁寧に議論を進めてまいりました。具体的には、昨年の財政検証の公表後、法案の提出まで、党の部会や委員会、計十五回を開催し、専門家の皆様のヒアリングも含めて議論を重ねてまいりました。  さて、総理にお伺いします。  今般の提出法案では、被用者保険の適用拡大、在職老齢年金制度の要件緩和、標準報酬の上限引上げ、それからiDeCoの加入可能年齢の拡大など、現在の年金受給者に配慮しながら今の若い方が老後に受ける年金をより厚くしていく大事な改正内容が含まれております。また、改正案により、社会経済情勢を見据えながら基礎年金の水準の向上を図るための措置が盛り込まれてきました。  改めて、こうした内容を盛り込んだ法案を今国会で成立させることの意気込みと、今後も健康寿命の延伸や共働きの増加などの社会経済の状況等を踏まえて年金制度の改革を行っていく決意について、総理にお伺いしたいと思います。

石破茂自由民主党・無所属の会内閣総理大臣

○内閣総理大臣(石破茂君) 今回御審議いただいております法案の内容は、今、比嘉委員が御説明になったとおりでございます。  要は、将来の受給者の給付を充実させると、それと同時に現在の受給者の年金を増額させる、さらに経済が好調に推移しない場合における将来の給付水準の確保にもつながると、これを目指した極めて重要なものだということで御審議をいただいておるわけでございます。これらについて着実に私どもとして実行していく必要があると考えております。  その上で、今回の法案の検討規定に盛り込んでおります基礎年金の拠出期間の延長、第三号被保険者制度の在り方について議論を進めるなど、引き続き、五年に一度実施する財政検証の結果も踏まえながら、おっしゃいますように社会経済の状況が大きく変化をしておりますので、それに対応した年金制度の見直し、これを行ってまいりたいと思っておるところでございます。

比嘉奈津美自由民主党

○比嘉奈津美君 ありがとうございます。社会経済情勢を見ながら進めていただきたいと思います。  次に、基礎年金水準についてお伺いします。  基礎年金は全国民が対象となる一階部分であるため、基礎年金の水準が将来にわたり確保されることは、老後の所得保障の観点からも重要な課題であります。  基礎年金の受給額の底上げを図ることについては我が党の公約にもこれまで載せてきたところではありますが、本法案については、自由民主党、公明党、立憲民主党の三党による衆議院での修正において、今後の社会経済情勢の変化を見極め、次期財政検証において基礎年金の給付水準の低下が見込まれる場合には、基礎年金と厚生年金のマクロ経済スライドによる調整を同時に終了させるために必要な法制上の措置を講じることとされ、成長型経済への移行を目指すことと併せて基礎年金の水準の確保の方向性がより明確になったものだと思います。  そこで、総理に伺います。  衆議院において三党提出による衆議院案により盛り込まれた基礎年金のマクロ経済スライド早期終了措置等も踏まえ、将来の基礎年金の給付水準を確保するためにどういう検討を進めていくつもりであるか、その決意をお聞かせください。

石破茂自由民主党・無所属の会内閣総理大臣

○内閣総理大臣(石破茂君) 比嘉委員御指摘のように、基礎年金の給付水準、これを確保することは重要な課題でございます。  一方におきまして、その水準は経済状態によって変わり得るものでございますので、政府といたしましては、これはいつも申し上げることでありますが、賃上げと投資が牽引する成長型経済、これを目指して、年金の給付水準が将来も維持できるように努めてまいりたいと考えております。  衆議院で盛り込まれました三党の修正案は、将来の幅広い世代の基礎年金の給付水準の確保の方向性、これをより明確にするものでございまして、私どもといたしましては、この国会での御議論も踏まえまして、今後の社会経済情勢の変化を見極めた上で、仮に経済が好調に推移しない場合には、修正案に規定された法制上の措置等について具体的な内容を検討し、必要な措置を講じてまいりたいと、このように考えておるところでございます。

比嘉奈津美自由民主党

○比嘉奈津美君 ありがとうございました。時間が参りましたので、終わらせていただきます。

石橋通宏立憲民主・社民・無所属

○石橋通宏君 立憲民主・社民・無所属の石橋通宏です。  石破総理、早速質問させていただきたいと思うのですが、資料の一に、改めて、この委員会でも、総理、さんざんこの議論させていただきました。極めて残念ながら、この間、御高齢世帯の貧困がすごく拡大をしてしまっている。特に高齢女性の貧困率がこれだけ跳ね上がっている。総理、これよく御存じだと思います。  ここまで高齢女性の貧困率が跳ね上がっている。これ、歴代自民党政権の失政じゃないでしょうか。総理、どうお考えですか。

石破茂自由民主党・無所属の会内閣総理大臣

○内閣総理大臣(石破茂君) 政治は結果責任でございますので、このように今委員がグラフでお示しをいただきましたが、この高齢女性の方々の貧困というものが急激に高まっておるということについて、それは政府として、なぜこのようになったか、それをどのようにして改めていくかということについては、責任の認識の下に適切な施策を講じなければいけないと思っております。

石橋通宏立憲民主・社民・無所属

○石橋通宏君 これ、総理、急に高まったんじゃないんですよ。もう二十年も前からだんだんだんだんと高齢女性の貧困化、これ拡大してきた。ここでもずうっと、私ももう十五年この議論をさせていただいてきた。しかし、一向に状況が改善しない。  資料の二を御覧ください、総理。これもさんざんこの委員会で議論させていただいた。結局、自民党歴代政権が一九九〇年後半以降、とりわけ二〇〇〇年代以降、雇用の非正規化をどんどんどんどん拡大させてしまった。最もそのマイナス影響を受けてしまったのが女性の方々なんです。被用者年金に入れず、国民年金一号、でも保険料がなかなか納めていただけない。今回もさんざんその議論がありましたね。  保険料の猶予、免除、そういった状況の中で退職期を迎えられる。でも基礎年金の満額すら受け取れない方々が拡大して貧困率が跳ね上がった。にもかかわらず、歴代自民党政権、適用拡大を遅々として進めなかった。だから、今なお多くの労働者の皆さんが国民年金一号で、そして老後を迎えておられる。  まさに、総理、さっき政治は結果責任だとおっしゃった。であれば、この歴代自民党政権が適用拡大を進めてこなかった、結果的に高齢女性の貧困化がここまで悪化している。総理、自民党の責任ですね。

石破茂自由民主党・無所属の会内閣総理大臣

○内閣総理大臣(石破茂君) 先ほど申し上げましたように、政治は結果責任でございます。  それは、非正規がこれだけ拡大したということは、その当時はそれも社会経済情勢から必要なことだという認識を持っておりました。  しかしながら、非正規の方々、なかんずく女性の方々が、不安定な雇用状態の下で十分な給与が正規社員に比べて受けられていないということは実際にございます。それが結果としてこのようなことになっているということは、冒頭申し上げましたように、政治は結果責任でございますので、そのことをよく認識しながら、これからそういうことが少しでも改善するように努力を重ねていかねばならない。少しでもという言い方は余りよくないですね、きちんと改善するようにしていかねばならない、それは私どもの責任だと思っております。

石橋通宏立憲民主・社民・無所属

○石橋通宏君 総理、石破総理、さっき必要なことだったと。雇用の非正規化が進められた、それ、誰のために必要だったんですか。それを聞いて今、当事者の皆さん、誰のためだったのかというふうに今怒っておられると思いますが、一体誰のために非正規雇用の拡大をされたと、総理、さっき答弁されたのか。結局、非正規雇用の拡大を許した。結局、被用者保険に入れない方々がどんどんどんどん増えてしまった。にもかかわらず、それを放置してきた歴代自民党政権の責任を今問うているわけです。  先ほど比嘉委員の質疑でもやり取りありました。総理、去年の財政検証の結果と言いますが、我々、歴代の、この間の財政検証の結果、そのたびごとに今のままの年金制度でいったら基礎年金はどんどんどんどんカットされる、そうすると、今申し上げたように、国民年金加入者がとりわけ、女性の非正規雇用の方々がとりわけ貧困化が進んでしまうから底上げが必要だとずうっと言い続けてきた。特に、二〇一六年、年金カット法案と我々が批判した、そのときにこれを言ったのに、それをやらなかったのは当時の自民党政権です。  結果、去年の財政検証の結果、資料の三、今のままではこれだけ所得代替率が大幅に減少してしまって、さらに、とりわけ女性の方々の貧困化がもっと進んでしまって、生活保護受給者がどんどんどんどん拡大してしまうということに警鐘が鳴らされたわけです。  総理、であれば、今回本当にやるべきは、政府・自民党が責任を持って、この将来の基礎年金のこれだけ大きくカットされるのを防がなければならなかった。そうでしょう。そのために厚生労働省は当初、このまさにマクロ経済スライドの調整期間を一致させてこれだけの目減りを何とか歯止めを掛ける、そのための法案を提出してきたにもかかわらず、それを自民党の事前審査で、まさにそれをカットしてしまったのは政府・自民党ですよね。  総理、なぜそんなことを自民党総裁として、そして総理大臣として、石破総理、許したんですか。

石破茂自由民主党・無所属の会内閣総理大臣

○内閣総理大臣(石破茂君) 御指摘、それは謙虚に承るところでございます。  希望される方の正社員への転換支援と、こういうことを行ってまいりました。したがいまして、二〇一五年以降、正規雇用労働者の増加は続いております。また、いわゆる不本意非正規、この割合は減少しておるということでありますが、その上で、短時間の労働者、ほとんど非正規かと思いますが、でありましても将来手厚い年金が受給できますように、これまでも被用者保険の適用拡大を順次進めてきたところでございます。結果として低年金、無年金となられました方に対して、年金生活者支援給付金の創設、年金の受給資格の短縮と、このような取組を行ってまいりました。  被用者保険におきましては、事業主の保険料負担、これも当然生ずるものでございます。手厚い保障の実現と事業主への影響と、これを両方考えていかねばなりません。そのような観点から段階的に取組を進めてきたことは、着実に適用拡大するために必要な対応であったと考えておりますが、今回の適用拡大につきましては、国会の御指摘も踏まえつつ、今回の法案の検討規定に基づき議論を進めたいと思います。  自由民主党の中におきましても、また政府の中におきましても、この問題につきましては意見が分かれておりました。これを、基礎年金部分、国民年金、そして厚生年金、これとの関係をどういうふうに整理をすべきかということについて意見が分かれておりました。そこにおいて慎重な議論を積み重ねてきたということでございまして、決して遅延させてきたというわけではございません。

石橋通宏立憲民主・社民・無所属

○石橋通宏君 総理、前段部分は聞いていないこと御答弁されて長々とやられましたが、最後の部分、私が聞いているのは、もし総理がそれだけ将来の基礎年金の底上げ、女性の貧困のこういった状態をやっぱり政治の責任としてとおっしゃるのであれば、なぜ総理大臣として、自民党の事前審査でカットされてしまったこの基礎年金の底上げ案、これを、総理の責任として、これじゃ駄目だと、自分の責任において、これ絶対に将来の底上げは必要なんだからそれを出さなきゃいけないと言って逆に止めなかったんですか、総理。

石破茂自由民主党・無所属の会内閣総理大臣

○内閣総理大臣(石破茂君) それは、自由民主党の政務調査会におきまして真剣な議論を重ねてきたものでございます。私どもの党、私も四十年議員やっておりますが、その私どもの党の議論の進め方というのは、総裁の鶴の一言によって右や左に変わるものではございません。それぞれ、厚生労働部会に属する、ある意味専門的なことにずっと取り組んできた議員たちが真剣な議論をずっと積み重ねてきたものでございます。これに答えをきちんと出さねばならないし、国会における御議論、これに供するために結論を得なければならないが、そこにおいて慎重な議論を重ねた結果、自由民主党として今のような状況になっているということでございます。

石橋通宏立憲民主・社民・無所属

○石橋通宏君 つまり、自民党としてこの大事な部分をカットする判断をしてしまった、自民党の議論の責任だということを総理が今おっしゃっているんだろうというふうに思いますが、であれば、総理、その結果、極めて大事な部分がカットされた法案を総理の責任において国会に提出されたわけです。  しかし、衆議院段階で、私たち立憲民主党、私たちが、これはもう絶対に取り戻していかないといけないと。だから、自民党、公明党の皆さんと協議をさせていただいて、改めて修正によってこれを取り返した。マクロ経済スライドの調整期間を一致させる、それによって、将来これだけ、放置していたら、政府案のままだったら、これだけ将来世代の年金、とりわけ就職氷河期世代、それ以降の未来世代の年金がこれだけカットをされてしまう、それを防ぐための修正を実現した。  総理大臣として改めてお聞きします。その衆議院の修正、どう評価されるんですか。

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 石橋、違う、石破内閣総理大臣。

石破茂自由民主党・無所属の会内閣総理大臣

○内閣総理大臣(石破茂君) 恐れ入ります。似たような名前なので、委員長を混乱させて恐縮なことでございます。  それは、御党からいろいろな御提案をいただきました。私どもは、公明党さんともよく御相談をいたしました上で、より良い形でこの法案を御審議いただくためにこのような形になっているものだと承知をいたしております。  私どもは、本当にそれが専門家の中でも意見が分かれておったことは石橋委員も御存じのとおりでございます。これは、厚生労働省の中に設けられた、専門家の中でも意見が分かれていたということでございますし、自由民主党の中でこのことを一生懸命やってきた議員の中でも意見が分かれておったと。それを御党の御提案受けまして、私どもとして修正という形で今日に至っているということだと承知をいたしております。

石橋通宏立憲民主・社民・無所属

○石橋通宏君 いや、総理、余り逃げの答弁されない方がいいと思いますよ。その専門家の様々な意見、でも、それを踏まえて厚生労働省がそういう案を出してきたんでしょう。それを削ったのは自民党の事前審査でしょう。それは認められた方がいいと思いますよ。それがしっかりと衆議院の修正協議において復活をさせて、そして参議院でこうやって審議をさせていただいている。総理大臣としてそれは評価すべきですよ、積極的にきちんと。  その上で、総理、今日もるる議論がありました。先ほど比嘉委員も触れられた。これ、このマクロ経済スライドの一致による調整、これは一定の効果がある。でも、それだけでは駄目なんです。  これも、昨年の財政検証の結果、総理もこれ何度も、資料の五、資料の六、こういった情報はきちんと見ていただいていると思いますが、本来であれば、今回、十年も掛けてやるという、遅過ぎるんですよ、企業規模の撤廃とか。本当はもっと速やかにやらなきゃいけない。さらには、本来であれば、国民年金保険料の四十年納付四十五年化、これも併せてやらなければならなかった。でも、これ全部、政府・与党、先送りしてしまったんですよ。  総理、これ早急にやらないといけません。もし、先ほど総理が、今の高齢世帯の貧困問題、女性のとりわけ貧困問題、これ以上拡大させてはいけないと、これは政治は結果責任だとおっしゃるのであれば、これ速やかに実現しないといけない。その政治責任をまさに総理、総理大臣として果たしていただけないでしょうか。そのために一刻も早く与野党で協議の場をつくって、そして、与野党で政争の具にするのではなくて、その実現のために真摯に議論してその実現を果たしていく、総理大臣としてその指令を出していただけないでしょうか。

石破茂自由民主党・無所属の会内閣総理大臣

○内閣総理大臣(石破茂君) この被用者保険の適用拡大につきましては、これも委員会で随分御議論いただいたことだと承知をいたしておりますが、これまでよりも小さな規模の企業を対象といたしております。そうでございますから、事業主への負担には配慮しなければなりません。そのためにきちんとした準備期間を設けて段階的に進めるということは必要なことだと考えております。  基礎年金の保険料拠出期間の延長、あるいは被用者保険適用の労働時間要件の見直しについては、今回は改正に至らなかったというふうに承知をいたしておりますが、今回の法案の検討規定に基づきまして、国会での御議論、次期財政検証の結果も踏まえつつ議論を深めるべきだと思っております。  与野党の協議の場を設置するべきだという御提案でありますが、年金制度は国民の皆様全体に関わる大きな仕組みでございまして、国会でも各党から多くの御意見を頂戴をいたしております。どういう協議の在り方が望ましいのかは国会において適切に御議論いただくのがふさわしいと考えておりますが、与野党において広範な合意を形成していただくべく、私どもとしても必要な対応は行ってまいります。  どうかこの国会におきまして広範な合意が得られますよう、よろしくお願いを申し上げます。

石橋通宏立憲民主・社民・無所属

○石橋通宏君 時間が来ましたのでこれで終わりにさせていただきますが、先ほど言ったように、この間ずうっと適用拡大先送りにしてきたにもかかわらず、また十年掛ける。待ったなしですよ、総理。総理のリーダーシップ、是非お願いして、質問を終わりにさせていただきます。  ありがとうございました。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 公明党の新妻秀規です。  まず、基礎年金の引上げの措置の発動の判断に係る時期、基準、透明性確保と支給額の引上げ開始時期について伺います。  年金改革法案における自民党、立憲民主党、公明党の三党の修正合意に基づいて、附則に、二〇二九年の次期年金財政検証で経済状況が好転しない場合、厚生年金の積立金を活用して基礎年金の給付水準の底上げをする旨が盛り込まれました。  資料一は、厚生労働省から入手した資料を基に、経済が実質ゼロ成長でこの措置が発動した場合の年金受給総額に係る影響額を年齢別、男女別に示したグラフであります。なお、ここで、令和六年財政検証オプション試算のうち適用拡大二のケースに基づく機械的な試算でありまして、六十五歳時点の平均余命を男性二十年、女性二十四年とし、モデル年金一人分を、基礎年金部分を六・七万円、プラス報酬比例部分四・六万円、合わせて十一・三万円と仮定しております。  この資料に示すように、男性では六十二歳以下で、女性では六十六歳以下でこの措置の発動で年金の受給額の総額が増え、若年層であればあるほど、また男性よりも女性の方が受給総額が大きく増えることが分かります。したがって、この措置は、将来世代の年金水準の低下を防ぎ、就職氷河期世代に多く見られる低年金問題にも対処する重要な方策であり、国民の年金に対する安心感の確保にも資するものと考えております。  そこで、お伺いいたします。  この底上げ措置の実施判断は、二〇二九年の年金財政検証を経て、具体的にいつ判断されるのか。経済状況の好転は、賃金の伸びや物価など、どのような経済指標と基準値で誰が判断するのか、すなわち、政府なのか、それとも社会保障審議会といった専門家機関なのか。判断のプロセスの透明性をどう確保するのか。実際にいつから基礎年金の底上げは実施されるのか。  ここで、三党の協議の段階では、就職氷河期世代を含む将来世代の低年金への懸念が議論の焦点の一つだったと伺っております。したがって、物価など全体的な経済指標に併せて、こうした世代の実質賃金の動向なども勘案すべきではないかと考えます。  総理の見解をお伺いします。

石破茂自由民主党・無所属の会内閣総理大臣

○内閣総理大臣(石破茂君) 衆議院で盛り込まれました三党提出の修正案には、仮に経済が好調に推移せず、基礎年金の給付水準の低下が見込まれる場合には基礎年金のマクロ経済スライドを早期に終了させる措置を講ずると、これが規定をされておるわけでございます。  お尋ねのこの措置を講ずるかどうかということでございますが、これは今後の社会経済情勢の変化を踏まえて判断することになりますので、この時点で、判断に必要な指標、プロセスについて詳細にお答えすることは難しいと考えております。  物価や現役世代の賃金などの動向も注視しながら、今後の社会経済状況を見極め、次期財政検証の結果を踏まえ、社会保障審議会年金部会において議論し、その後、法案の形で国会にお諮りすると、こういうような過程でございまして、ここにおきましては透明な決定過程ということが担保されるものだと考えておるところでございます。  なお、社会経済情勢によりましてマクロ経済スライドの調整終了年度の見通しは変わり得るものでございますが、令和六年財政検証の実質ゼロ成長ケースにおいてこの措置を実施いたしますと、二〇三七年度に基礎年金のマクロ経済スライド調整が終了する、ということは、つまり二〇三八年度以降の基礎年金が底上げされると、そういう見通しでございます。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 次に、厚生年金受給額が低下する世代と、その緩和措置について伺います。  今回の修正案では、厚生年金の積立金を財源として活用し、基礎年金の給付水準を底上げすることが計画されております。しかし、これに伴う財源の確保のために厚生年金の積立金を活用することによって、一時的に老齢厚生年金の受給額が低下する方が生じかねないとの指摘がございます。  資料一に示す先ほどの試算においても、この措置が発動することで、男性で六十三歳、女性で六十七歳以上の年代では受給額が低下してしまう見込みとなっております。  この点、昨日の参考人質疑では、駒村参考人より、この問題につきまして、親ガチャになぞらえて、氷河期世代という世代ガチャをめぐる社会連帯として捉えることはできないかとの問題提起がありました。氷河期世代及びその下の世代の不利な基礎年金を大幅に引き上げるため、その上の世代が少し我慢する社会合意が取れないものか、世代間連帯は若い世代から高齢者への仕送りだけでなく、世代の運、不運を均衡するもので、社会の安定に寄与する効果があるとし、加えて、その上の世代の中で困窮する世帯は補償する、こういう御意見でした。基礎年金の底上げの措置がもし発動されるようであれば、こうした説明というか呼びかけをしていく必要性を強く感じます。  ここで、法案の修正案には、影響を緩和するための措置を講ずると明記されております。ここにおいて、具体的にどのような方々にどの程度の影響が生じると見込んでいるのか、また、政府として、その影響を緩和するために具体的にどのような措置を、どのような緩和措置を講じるお考えか、いつ頃、どのようなプロセスを経て決定をしていくのか、総理の見解をお伺いします。

石破茂自由民主党・無所属の会内閣総理大臣

○内閣総理大臣(石破茂君) 仮に経済が好調に推移せず、基礎年金の給付水準の低下が見込まれる場合に基礎年金のマクロ経済スライドを早期に終了させる措置を実施すると、厚生年金のいわゆる報酬比例部分のマクロ経済スライドが現行制度の見通しより継続されることになります。一時的に報酬比例部分の給付水準が低下する方がおられます。御指摘のとおりです。  令和六年財政検証の実質ゼロ成長を見込んだケースを前提に、モデル年金で平均余命まで受給すると仮定をして機械的に試算をいたしましたところ、男性で現在六十三歳以上、女性で現在六十七歳以上の方で最大二十三万円程度受給総額が減少する、そういう見込みでございます。  その上で、衆議院の修正で盛り込まれましたこうした影響を緩和する措置につきましては、現時点であらかじめ具体的な措置の内容をお答えすることは難しいのですが、今後の社会経済情勢を見極めつつ、次期財政検証の結果も踏まえ、国会での御指摘も踏まえて具体的な議論を進めてまいります。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 終わります。

猪瀬直樹日本維新の会

○猪瀬直樹君 日本維新の会の猪瀬直樹です。  石破総理とは医療費の削減について度々議論を重ねてきました。その議論を通じて、総理とは、医療費を始めとした社会保障費の膨張を食い止めなければ、あの昭和十六年のようにこの国は滅びかねないという、そういう深刻な危機意識を共有できていると思います。  そこで、重ねて今日は申し上げたいのは、総理はGDP一千兆円を目指すとおっしゃっています、宣言している。全く賛成です。そこで、人口減少社会の中で、人手不足の解消が非常に難しい、労働市場をより深掘りするしかないだろうと思うんですね。言わば労働力不足のための平和的な国家総動員体制ですよね、必要なのは。それが年金と関係あるということを申し上げたいんですね。  まず、その一つですが、在職老齢年金制度。これは、深刻な人手不足を補うために必要な高齢者の就業促進、それから仕事を続けて健康を維持して医療費を減らして、さらには経済成長にも貢献すると。言わば一石三鳥のメリットがあると。  ところが、今回の厚労省の案では、在職老齢年金制度の撤廃、それから七十一万円の上限額、六十二万円の上限額と、こういう三つ案を出して、普通は、そういうときは官僚は真ん中の七十一万円ぐらいを考えているんだけど、実際に決まったのは六十二万円で、一番下なんですよ。  だから、こういうことをやっていると、働けば損しちゃうという認識が広まっていくだけであって、六十、七十、八十、みんな働いてもらうときに、在職老齢年金制度というのはそういう労働市場へ有能な労働力が現れてくることを阻止するようなものだし、労働意欲を阻止する気持ちになるわけですから、これ、やめていただけませんか。それをちょっと今回おっしゃっていただきたい。

石破茂自由民主党・無所属の会内閣総理大臣

○内閣総理大臣(石破茂君) 猪瀬委員の御所論にはいつも感銘を受けることが多いところであります。私も、三十年前からずっと委員の御著書を読ませていただいて勉強させていただいておるところでございます。  その上でのお尋ねでございますが、在職老齢年金制度は高齢者の就業意欲を阻害するんだと、そういう御指摘もあったことから、今回の法案では、現役世代の収入水準や高齢者の就労実態等に照らしまして、年金の減額を行う水準を今の五十万円から六十二万円と、このように緩和する見直しを行ったところでございます。  これで高齢者の方々の就業行動に関する変化がどうなるのか、これあらかじめ見込むのは難しいのですが、今回の法案では、支給停止の基準額を平均的な五十代の賃金に年金収入を足し上げた水準に見直すということで、就労促進効果が一定程度あるものと考えておるところでございます。  委員がおっしゃいますように、制度の廃止を政治決断すべきという御指摘はあるのでございますが、今回の改正の経緯あるいは就業に与える影響、今後の給付水準等につきましてよく検討はする必要があると思っております。今後の在職老齢年金制度の在り方について、今回の改正の結果を踏まえて引き続いて議論を深めてまいりたいと思います。  委員の御所論に説得力があることも私よく承知をいたしておりますが、実際これを行った場合にどうなっていくのかということを見極めるというスタンスに現在私としてはおるところでございます。

猪瀬直樹日本維新の会

○猪瀬直樹君 六十二万円と七十一万円と全廃と三つあったら、一番低いところに落としちゃったんですよね。だから、もうちょっとやり方あったと思うんですね。  そこで、もう一つ今回の法案に含まれなかった国民年金の納付期間を六十五歳まで五年間延長する件なんですけど、これだけ仕事を持つ高齢者が増えている中で、七十歳まで納付が続く厚生年金との公平性を考えても妥当な改正なはずなんですが、昨年七月にこれ見送りになっているんですよ。この納付期間延長案というのは、昨年の七月の財政検証結果においても、今回の法案にある厚生年金積立金の流用案よりも所得代替率の改善効果が高いことが示されているんですね。  そういうことなので、六十から六十五までやっぱり払っていただくと。そして、六十五から一千万円でも二千万円でも稼いでも年金減らされないと、そういうふうに、もう少し何か労働力を深掘りして、本当に人手不足で一千兆円目指すには、こういうそれこそこの労働力の埋蔵金がある場所をきちんと年金の問題で片付けていかなきゃいけないんじゃないかということなんですが。  時間がないから続けて言いますが、さらに同じ問題で、第三号被保険者制度の問題なんですね。これも、やっぱり労働時間を減らして適用を回避する動きが出ることは間違いないんですよ。これも、いろんな理由を挙げて、家に病気の人がいるとか、引きこもりの人がいるとか、だからできないとかいろんなこと言うけれども、やっぱりこれもきちんと廃止する方向で考えないと。ということで、平和的な国家総動員、労働力の総動員が必要ですよと、一千兆円目指すには。  三号被保険者の問題も、ちょっと前向きにお答えをいただきたいですね。

石破茂自由民主党・無所属の会内閣総理大臣

○内閣総理大臣(石破茂君) 今がいわゆる静かな有事という状況であるという認識は、私は委員と共通して持っておるところでございます。  基礎年金の保険料拠出期間を四十年から四十五年に延長するということは、基礎年金の給付水準を向上させるために有効な方策ではあります。また、委員御指摘のように、前回の検証と比べて所得代替率は改善をいたしました。追加的な保険料負担をお願いすることになります。  こういうことを踏まえまして、昨年に取りまとめました社会保障審議会年金部会の議論の整理では、引き続き議論を行うという形で、今回の改正での対応を見送ったというふうに聞いておるところでございますが、この措置につきましての、今回の法案にはこの措置についての検討規定も盛り込まれておりまして、引き続き、国会での御議論、次期財政検証の結果も踏まえつつ議論を深めてまいるところでございます。  なお、三号被保険者の話でございます。これも委員御指摘になりましたように、病気、育児、介護などの理由で働けない方、そういう属性の方々がおられることはこれまた事実でございまして、今般の年金制度改正では将来的な見直しの方向性について意見がまとまりませんでした。引き続き、被用者保険の適用拡大を進めることで第三号被保険者の対象者を縮小していくということを基本とした上で、今回の年金改正法に付されました検討規定に基づき、第三号被保険者の実態、これを精緻に分析をしていかねばならぬと思っております。  定性的に病気、育児、介護、そういうような理由で働けない方ということは、おられるということは分かるんですけど、これはどういうふうな実態なのかということを精緻に分析をいたしませんと議論は進みませんので、これを精緻に分析をしながら、国会での御指摘も踏まえて議論を深めてまいりたいと思っております。  問題意識は委員と共有するものでございます。

猪瀬直樹日本維新の会

○猪瀬直樹君 だから、今の第三号被保険者も、精緻な分析すれば、例外は幾つかあっても、大きな塊としてはやっぱり労働力市場に参入できるはずだし、大変、その必要なリスキリングなどをやりながらの有効な労働力になるはずだと僕は思っております。  それで、もう時間もありませんので最後に一言申し上げておきますが、やっぱりこれ、年金というのは余りその圧力団体とかないので、やっぱり国民会議というのをつくって、超党派で、こういうことやったらいいんじゃないかと思うんですね。社会保障国民会議みたいのを超党派でつくって国会でやりたいというふうに思っておりますので、それについて前向きに一言お願いできればと思います。

石破茂自由民主党・無所属の会内閣総理大臣

○内閣総理大臣(石破茂君) これは昨日の党首討論において前原共同代表にもお答えをしたところでございますが、そういうような議論をする場というのは私は必要なんだと思っております。  委員御指摘のように、何かの圧力団体があってということでもございません。これは政争の具にするものでもございません。その在り方についていろんな御議論を賜りたいと思いますが、そういうような会議体になるのかどうか、そういうように、誰でも見える、そして多くの人が参加をする、意外と自分と関係のない分野については何も知らないということが多いので、そういうことがないように、透明性を持った、そして多くの方が参加する会議体、議論の場というものの必要性は私は委員と認識を共有するものでございます。

猪瀬直樹日本維新の会

○猪瀬直樹君 時間が来ましたので、終わりにします。どうもありがとうございました。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。よろしくお願いします。  総理にお尋ねします。  年金法改正案の提出が二か月も遅れて、その内容をめぐっても大きく混乱したこの背景は、負担に対する国民への理解を求める説明、これを政府も政治も避けたから、それが私は一番大きな原因だというふうに思っております。年金に限らず、社会保障、これは給付と負担がセット。なぜ正面から向き合ってしっかりと法案として提出して国会で議論を求めなかったのか。納付を国民に説明して求めること、それをしなければ年金制度の運営も給付もあり得ません。  国民の納得、年金への信頼を醸成するために、総理は一体何が必要だというふうに思っていらっしゃるんでしょうか。

石破茂自由民主党・無所属の会内閣総理大臣

○内閣総理大臣(石破茂君) これはもう随分前のことになりますが、消費税を導入するときから、社会保障と税、税と社会保障の一体改革と言ってもいいのですが、これをいかに理解していただくかというのは大変なことだと思ってまいりました。要は、どうすれば分かっていただけるか、みんなが得する話ではございませんので、みんなに少しずつ御負担をいただきながら、この人口構成が急激に変化をする中において、医療であっても年金であっても介護であっても、いかにこれを維持するかということを御理解いただくというのは非常に困難なことでございます。  それは、私、平成二年の当時海部内閣でございました。私、当選二回になるときでしたが、消費税の選挙で痛感をしたことでございました。私、とにかく消費税は要るんだと、自分の当時鳥取全県区でございましたが、叫びまくって、これはもう絶対落選だとみんな思ったんですが、あに図らんやトップ当選をいたしたことがございます。やはり、いかにして現状を御理解いただき、この制度を続けていくためには御負担は必要なのですということをきちんと訴える真摯さというのが必要なのだと思っております。  この手のものにみんなが得するというお話はございませんが、みんなが少しずつ負担をしながら制度の根幹を急激な人口構成の変化の中で守っていくということをちゃんと御説明する、そういう努力は私ども政府が最も持たねばならないところだと認識いたしております。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 今のお話があったのに、なぜ、マクロ経済スライド、基礎年金の引上げ含めて必要な措置だという議論があったのに提出法案として抜かれたのか、私はこれは矛盾しているというふうに今思っています。今の総理のお答えであれば、先ほど来、超党派も含めて議論を進めるべきだというところに御理解は示されているんですけれども、やっていくという総理としての決意は一切お述べになっておりません。  一番最後の通告にはしてありますけれども、私は今の答弁聞いて、年金だけじゃなくて、やはり社会保障全体ですよね、医療も介護も、そして雇用、税、そこも含めての会議、しっかりとやっていくということを決意として明言されるべきだと思いますけれども、いかがですか。

石破茂自由民主党・無所属の会内閣総理大臣

○内閣総理大臣(石破茂君) 私はそれは政治の使命なんだろうと思っております。それは、選挙にプラスだのマイナスだのという話ではなくて、なぜこれが必要なのかということの、それは、渡辺美智雄先生風な言い方をすれば、勇気と真心をもって真実を語るんだという気概を持てるかどうかということだと思っております。  それは、それを語ったときに国民は必ず応えてくれると思っておりますので、それが足らないという御指摘であれば、そこは真摯に反省をして改めてまいりたいと存じます。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 また明言いただけませんでした。  もう時間がないので、ちょっと早口になりますが、最後に一問。  私は、適用拡大をしなかったこと、十年先延ばしにしたことも大変な罪だというふうに思っています。働き方に中立な社会保障制度、十年掛けても二百万人にしか実現せず、八百六十万人、ここには到達しない。このことに対しての総理の問題意識、働き方に中立な社会保障制度、二十年以上時間掛けるんですか。このことに対しての問題意識、どうぞ。

石破茂自由民主党・無所属の会内閣総理大臣

○内閣総理大臣(石破茂君) これは、より広範な御理解をいただくために、あるいはそれに備えるためのいろいろな対応のためにそれなりの時間は必要だと思っております。  ただ、その間にいかにどれだけ理解を深めるかということは、それは政治の責任として、こういう御負担がありますということもきちんと申し上げなければならないことだと思っております。そこが足りないということであるならば、更に改めたいと存じます。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 委員会で私は述べましたけれども、残念ながらどの企業も、大きくても小さくても、制度が適用するって、目の前になるまでは準備始めません。幾ら準備期間を長く取ってもなかなか理解をするというところへ進まない。早く期限を区切って、しっかりとした支援をするということを約束してやっていくという方が私は確実に進むということ、このことを最後に御提案申し上げて、今後の適用拡大、スムーズに、早期に進めていくということをお願い申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。  総理、会期も僅かになりました。ところが、新たに税収の上振れ分を活用した所得制限なしの給付金を検討しているとの報道がありました。  なぜ今なのか、そして何のためか、御説明をいただきたい。

石破茂自由民主党・無所属の会内閣総理大臣

○内閣総理大臣(石破茂君) 御指摘の報道は承知をいたしております。政府といたしまして新たな給付金を検討しているという事実はございません。  六年度補正予算や七年度予算に盛り込みました働く世代向けにお一人二万円から四万円の所得税減税、あるいは一世帯当たり三万円にお子様一人当たり二万円を加算する低所得世帯向けの給付金、これらを執行しておるところでございまして、与党とも適切に連携しつつ、引き続き、家計や事業活動に与える影響に細心の注意を払いながら、物価高対策に取り組んでまいります。  政府としてそのような検討をしている事実、ことを検討しているという事実はございません。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 物価高に本当に悲鳴の声が上がっております。とりわけ年金生活者の暮らしは大変な状況に追い詰められています。やるかやらぬかはまだというようなお話でしたけれども、それでも、そういう国民にとっても給付金って評判悪い、悪かったですよね。改めて、物価高に効き目のある対策を国民は求めているということを強調したいと思います。  その上で、総理は、自民党に対して、参議院選挙の公約に、二〇四〇年にGDPを一千兆円に、平均所得を五割以上上昇させるということを参議院選挙の公約に掲げるよう指示したと、これも報道で見ました。  今や年金生活者は三割に達しているわけですね、人口の。平均所得の引上げ、大幅な引上げを目指すということであれば、年金そのものの思い切った底上げ、私はこれは避けては通れない、避けてはならないと思いますけれども、いかがでしょう。

石破茂自由民主党・無所属の会内閣総理大臣

○内閣総理大臣(石破茂君) これは、自由民主党総裁としてお答えをしておるわけではございません。  その上でのお答えと相なりますが、我が国の年金制度は、毎年度の年金額改定におきまして、賃金や物価の変化に応じて改定することを原則としつつ、マクロ経済スライドによる給付調整を行っているものでございます。したがいまして、現役世代の賃金が上昇することは年金を受給しておられる方々の受給額の増額にもつながると考えております。  このため、政府といたしまして、成長型経済への移行を目指すとともに、より手厚い年金が受けられますように、受けられるようにする被用者年金の、被用者保険の適用拡大の着実な実行というものを通じて年金の給付水準の確保に努めてまいりたいと思っております。  それは、おっしゃいますように、じゃ、賃金と、それは賃金を受け取っておられる方々の所得の増加にも寄与するものではございますが、いかにして物価が安定したねというような実感を持っていただけるか、昨日の党首討論で申し上げましたが、米あるいはガソリン、着実に下がったねと、安定してきたねという実感を持っていただける、そのために政府としては尽力を最大限しておるところでございます。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 いや、総理、正面から答えてほしいと思うんですよ。  所得を六割以上二〇四〇年まで引き上げるんだと、五割以上ね、引き上げるんだという話ですよね。だから、この年金の、大きな年金生活者のところをどうするのかと、今の話しているんですよ。  二〇三〇年代まで、後半までですね、今回マクロ経済スライドの終了期間を調整したとしても、終了するのは、そこまでマクロ経済スライド掛かっていくわけですよね。つまり、この間ずっと年金の水準は下がり続けるんです。じゃ、ここをどうするんですかということなんですよ。  物価高騰が今続いています。いろいろ対策は打ったけれども、物価高騰に対して年金は水準下がり続けるというのが続くんです。そこに具体的に二〇四〇年までに五割以上の所得を上げるといったときに、この年金で暮らしておられる方々を外すということにはならないんじゃないかと思うんですよ。そこ聞いたんですよ。

石破茂自由民主党・無所属の会内閣総理大臣

○内閣総理大臣(石破茂君) ですので、年金だけで暮らしておられる、あるいは少ない貯蓄の中でそれを取り崩しながら暮らしておられるという方々が困窮しておられるということはよく承知をいたしております。ですから、いかにして物価を安定させるかということ、この異様な高騰を止めるかということと、年金の基礎年金というものが確実に受け取れるように、底上げも含めまして今この法案の御議論をいただいておると政府としては承知をいたしております。この法案が成立の暁には、その趣旨を生かしながら政府として確実に対応いたしてまいります。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 だから、二〇四〇年まで五割所得は引き上げていくと、GDP一千兆円を目指すといったときに、二〇三七年まではマクロ経済スライドで年金の水準は下がるんですよ。だからどうするんですかという答えがなかったと私思います。  とりわけ、女性の高齢者の年金暮らしの方々で八五%以上が十万円以下ですよ、月々。クーラーだってつけないって、そんな暮らしですよ。そういう人たちの所得も含めて、視野に入れて、引上げが要るんじゃないかと。やっぱりマクロ経済スライド、これ直ちに廃止すると、こういう検討すべきだと思います。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) 度々の問題意識として受け止めさせていただきます。仮にマクロ経済スライドを行わないこととした場合には、現在の受給者には想定より多くの年金積立金を取り崩すこととなり、その分、将来世代の年金の給付水準の低下につながることとなりますため、現行の仕組みの下で確実に給付を行っていくことが重要であると考えています。  その上で、低年金の方等については、支援の給付金であったり社会保障全体で支えていくことが必要だと考えております。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 二百九十兆円という巨額な積立てに膨らんでいるんです。使うなら今だ、指摘して、終わります。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 代読します。  れいわ新選組の天畠大輔です。  先ほどの福岡大臣への質問に続き、石破総理にも障害年金について伺います。  昨日の参考人質疑において、社会保障審議会年金部会の委員でもある駒村康平参考人は、現行の障害の認定は医学モデルに偏っている、世界的には生活機能や社会参加、環境因子という生活や就労上の問題を社会との関係から捉える社会モデルが広がりつつあり、社会モデルを適用した障害年金の制度もドイツ、スウェーデンなどでは既に反映されていると述べました。  私は、障害年金の認定基準については、医学モデルと社会モデル、両方の視点のバランスが大変重要と考えていますが、総理のお考えをお聞かせください。

石破茂自由民主党・無所属の会内閣総理大臣

○内閣総理大臣(石破茂君) 現行の我が国の障害年金は、個人の心身の機能障害に着目する医学モデルか、社会における障壁に着目する社会モデルかと、こういう二者択一ではなく、主治医が作成する診断書に加え、本人や家族が記載する申立書を提出していただくことにより、機能の障害だけではなくて日常生活の状況なども考慮して障害等級の認定を行っていると、このようなことでございます。  障害年金の認定につきましては、昨日、実態把握のための調査報告書が公表され、今後これを踏まえて運用改善を着実に行ってまいりますが、その中では、より客観的かつ公平な認定となるように障害認定審査委員会に福祉職を参画させると、このような運用改善を図ってまいります。  障害認定基準の在り方については、各種の御指摘、今御紹介がございました諸外国の動向も含めまして、今後様々な御意見を伺いながら議論を行うべきものだというふうに考えております。

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 早く次のステップに進んでください。社会モデルをもっと取り入れてください。代読お願いします。  私は、障害年金の不支給増加問題の背景には、障害認定における構造的な不透明性はもちろんのこと、障害当事者や社会モデルの視点の欠如も一因と考えています。  認定基準は五十年以上前の数値に基づき、いまだに医学モデル中心、当事者の生活実態や社会的困難さは診断書の記述にとどまり、実質的に審査には反映されづらい、これは障害者権利条約が掲げる社会モデルの理念からも大きく乖離しています。これは運用の問題だと矮小化することは許されません。これまでも指摘してきましたように、障害年金の認定基準、審査体制に社会モデルの視点をいかに取り入れるか、根本的な見直しを議論するときです。  昨日、駒村参考人も、障害年金を議論する上での社会モデルの重要性、それを当事者の意見を聞きながら議論していく必要性を訴えておりました。また、福岡大臣も、障害年金の論点整理には早期に着手すると答弁していました。  私は、意見を聞くだけでなく、障害当事者や社会モデルの専門家が委員として参画した障害年金に関する新たな会議体の設置が必要と考えます。総理がリーダーシップを発揮し、速やかな会議体の設置をお願いいたします。総理、いかがですか。

石破茂自由民主党・無所属の会内閣総理大臣

○内閣総理大臣(石破茂君) ちょっと言葉の定義を間違えますと議論が混乱いたしますので、私なりの理解でございますが、医学モデルというのは、障害を個人の病気などの医学的要因から生ずるものと、このようにみなす考え方だと承知をいたしております。一方におきまして、社会モデルというのは、障害を個人の特性だけではなくて社会に起因するものとみなす考え方というような理解の下で答弁をさせていただきたいと存じますが、障害年金につきましては、厚労省におきまして取りまとめました令和六年度の障害年金の認定状況についての調査報告書の不支給事案の分析を踏まえまして、今後、審査書類の丁寧な記載の徹底、認定審査委員会における福祉職などの外部の方の参画など、透明性の確保に向けた運用改善を行うということといたしておるところでございます。  この運用改善は着実に行います。運用改善を着実に行いつつ、障害認定基準の在り方の見直しにつきましては様々な御意見を伺いながら議論を行ってまいる、そのような方針でございます。

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 曖昧な態度ではなく、具体的な中身を示してください。もっと踏み込んだ答弁をお願いいたします。  大臣ではなく、総理からもう一度お願いします。

石破茂自由民主党・無所属の会内閣総理大臣

○内閣総理大臣(石破茂君) 繰り返しの答弁になって恐縮でございます。  御趣旨は、障害認定基準の在り方については社会モデルを更に取り入れることが大切であると、こういうような御指摘かと承りました。  そういうような御指摘でございますので、これ、諸外国の動向も踏まえまして、これから先、本当に障害をお持ちの方々にとってユニバーサルな社会になっていくように我々政府として努力をしていかねばならないと思っております。  それが障害者権利条約の趣旨にもかなうものでございますので、御指摘を踏まえまして政府において真剣に検討し、より良きを目指してまいりたいと存じます。

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 最後に、障害年金の公平公正な審査を取り戻すというメッセージを貧困に苦しむ障害者に是非お願いをいたします。

石破茂自由民主党・無所属の会内閣総理大臣

○内閣総理大臣(石破茂君) 障害年金につきましては、厚生労働省におきまして、令和六年度の障害年金の認定状況についての報告書の不支給事案等の分析を踏まえておるところでございます。これを踏まえまして、先ほど申し上げましたが、審査書類の丁寧な記載の徹底、認定委員会における福祉職等の外部の方々の参画、透明性の確保に向けた運用改善を行うことといたしております。  精緻な分析というお話を先ほど猪瀬委員との間でさせていただきましたが、障害をお持ちの方々の経済的な状況、今貧困という表現をお使いになりましたが、そのことにつきましてもより精緻な分析をしながら、ユニバーサルな社会の実現に向けて政府として更に取り組んでまいりたいと思っております。  御指摘、御意見、ありがとうございました。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 よろしくお願いします。  終わります。

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。  速記を止めてください。    〔速記中止〕

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 速記を起こしてください。  暫時休憩いたします。    午後四時十一分休憩      ─────・─────    午後四時二十五分開会

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。  他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

猪瀬直樹日本維新の会

○猪瀬直樹君 日本維新の会の猪瀬直樹です。  反対の討論をいたします。  先ほど石破総理に対して質疑をしましたように、在職老齢年金制度の引上げ上限額が一番低い額で決まっているということとか、あるいは、基礎年金の納付期間を、国民年金の納付期間を六十歳から六十五歳までに延長することによって厚生年金積立金の流用案よりも所得代替率の改善効果が高いことが示されていたにもかかわらず、それが採用されていないこと、あるいは、三号被保険者の改革について不徹底であること等をもって、その他幾つかありますけれども、この法案に対して反対いたします。  以上です。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 私は、国民民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました法律案に対し、反対の立場から討論を行います。  本法案については、基礎年金の底上げ措置の審議に多くの時間が割かれましたが、働き方に中立な年金制度の構築に向けた施策への踏み込みが不十分であることを指摘し、以下、本法律案に反対する主な理由を申し述べます。  まず、被用者保険の適用拡大において、企業規模要件について十年間掛けて段階的に撤廃と、被用者の加入を十年後に先送りしたことです。  政府は、今まで以上に小規模の企業や個人事業所を適用拡大の対象とするためと答弁をしますが、最長十年の準備期間を設けると、事業主の理解、納得が醸成されて、負担分の稼ぐ力が付くとの根拠が明らかになりませんでした。  また、短時間労働者への被用者保険の適用拡大における労働時間要件は、現在、週二十時間以上とされていますが、労働時間要件の見直しが全く盛り込まれていません。政府の審議会でも、今後施行される雇用保険に合わせた被用者保険の要件を週十時間以上にすべきとの意見が多数派でしたし、見直しにおける課題は事業者の負担増と負担と給付のバランスだと明確でしたが、本法案に見直しは盛り込まれませんでした。  週十時間以上の被用者八百四十万人への適用拡大は、積立金の活用への影響も少なく、マクロ経済スライドの一致への有用な手段である上に、加入者の納得も得やすく、被用者の保険加入も実現できる策です。財政検証が五年ごとに行われることを踏まえ、中小企業への支援を講じ、企業規模要件の完全撤廃を五年後に完了し、労働時間要件を週十時間以上とすべきです。  もう一つの理由は、基礎年金拠出期間の四十五年化を見送ったことを含めて、国民への説明と理解を促すことを棚上げし、法案提出も遅れ、一部修正されましたが、議論が不十分だということです。  今回の財政検証及びオプション試算で、基礎年金の拠出期間を四十年から四十五年に延長することが年金給付水準の底上げに大きな効果があることも参考人質疑で示されました。しかし、負担増に対する世論の批判を一掃できていないとし、拠出期間の四十五年化を早々に断念したことは大変遺憾です。  その一方で、標準報酬月額の上限引上げによる負担増は今回の法律案に盛り込まれており、批判のない施策については入れ込むなど、改正をすべきことを改正するのではなく、批判の少ないことだけを盛り込み、現在も起きている給付水準の低下に対する施策が不十分な法律案には賛成できません。  国民に理解される年金制度、社会保障制度を構築するためには、政府がそうした議論に前向きに取り組むことが必要で不可欠であることを申し上げ、私の反対討論とさせていただきます。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。  会派を代表し、国民年金法一部改正案に反対の討論を行います。  反対する最大の理由は、マクロ経済スライドを継続し、今後十数年にわたり年金水準が下がり続けることです。  物価高騰に多くの国民が今苦しんでいます。特に年金で暮らす高齢者、障害者は、健康や命に関わる出費の切り詰めを強いられています。マクロ経済スライドは年金の自動引下げ装置であり、導入からこの二十年間で公的年金の給付水準は実質約一割も削減されました。法案は修正されたものの、今後十年以上、年金削減が継続することとなります。年金水準は更に実質一割引き下げられるものであり、年金底上げには値せず、到底容認できるものではありません。  長引く物価高騰の中で年金生活者の暮らしを守るとともに、現役世代の大幅減額を避けるために、今こそマクロ経済スライドを直ちに廃止し、物価高騰に見合った年金額に引き上げることを求めるものです。  高齢者の貧困は深刻です。特に女性の貧困率は上昇を続けています。生活保護利用者のうち高齢者は五割を超えています。就職氷河期世代を含め、現在と将来の低年金、無年金者をなくすために最低保障年金制度の創設に踏み出すべきです。  障害年金の見直しは、またも見送られました。多くの無年金障害者が生み出されている認定基準の抜本的な見直し、市民の平均所得に比べ障害年金が著しく低額で親に依存しなければ生活ができない年金額の引上げが必要です。障害年金の不支給問題は、いまだ全容が解明されたとは言えません。徹底した調査、公表とともに、必要な再判定、救済措置が実施されるべきです。  巨額の年金積立金を計画的に活用する、高額所得者の年金保険料の頭打ちを見直すなどの改革を行い、高齢者も現役世代も減らない年金にまずすることこそ緊急に求められることを指摘し、討論といたします。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 人権を軽視し、庶民を欺く年金議論は許せません。代読お願いします。  私は、れいわ新選組を代表し、社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案に反対の立場から討論いたします。  厚労省の調査では、生活が苦しいと答える世帯が六割に達しています。老後不安が深まる中で、政府は、年金を老後の所得保障の柱と位置付け、実質的価値が保障されていると述べますが、大うそです。国民年金のみの受給者は、納付期間二十五年以上で月平均五・八万円、二十五年未満では二万円程度しか得られず、年金は生活の柱どころか、もたれたら倒れる朽ち木です。物価が上がっても給付を抑制するマクロ経済スライドにより年金は実質的に目減りしており、この仕組みを見直さない改正案には反対せざるを得ません。  二〇二四年の財政検証では、基礎年金へのマクロ経済スライド適用が影響し、今後の年金水準を著しく低下させる可能性が指摘されました。導入から二十年、物価は一三%上昇したのに対し、年金は四・四%しか上がらず、実質八・六%減。制度の構造的欠陥が明白です。  政府はデフレの影響でスライド適用が長期化したと説明しますが、そのデフレが続いた責任は政府にあり、制度設計の責任も免れません。その結果、急遽底上げが必要になったのです。  しかし、この底上げ案は名ばかりです。底上げをもってしても、厚労省は、二〇五〇年の基礎年金満額を約六・七万円、その所得代替率を三三・二%と見込んでいます。それに対し、現在の満額は約六・九万円、所得代替率は三六・二%です。つまり、底上げどころか下がっているではないですか。  また、精神障害を理由に障害年金を申請した人に対する不支給認定が一年間で一・九倍以上に急増し、大問題になっています。公平公正であるべき審査への信頼が大きく揺らいでいます。このような問題の根本には人権軽視があります。  日本は一九七九年に社会権規約を批准し、社会保障実現のために最大限の資源活用が義務付けられていますが、防衛費は五年で三兆円増えています。人権の視点が予算に反映されていません。  日本国憲法二十五条、生存権の理念を政府は真摯に受け止めるべきです。現行制度の枠内での微修正では生活は改善されません。厚生年金積立金流用の批判を受けて一度は頓挫しかけた法案を与党と野党第一党が共謀して復活させ、マクロ経済スライドの延命に手を貸したのです。  れいわ新選組は、積極財政により最低保障年金を実現し、高齢者も、子供も、貧困者も、金持ちも、障害者、障害がある人もない人も、誰もが生きていて良かったと思える社会をつくります。  以上、反対討論といたします。

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。  この際、森本君から発言を求められておりますので、これを許します。森本真治君。

森本真治立憲民主・社民・無所属

○森本真治君 私は、ただいま可決されました社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民・無所属及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。  一、企業規模要件の撤廃などの適用拡大に伴う経過措置として実施する、事業主が労使折半を超えて社会保険料を負担し、労使折半を超えて負担した社会保険料を制度的に支援する特例措置が円滑に行われるよう、必要な措置を講ずること。とりわけ、この特例措置が、事業主及び保険者に多大な事務負担を課すものとならないよう、システム改修等を含めた事務負担の軽減に配慮すること。また、被用者保険の適用拡大により保険料負担が増加する中小企業及び小規模企業者に対しては、政府が実施する各種の支援措置の十分な周知に努めること。  二、被用者保険の適用拡大により被用者保険に加入することとなる標準報酬月額の比較的低い短時間労働者の中には、国民年金の第一号被保険者から第二号被保険者になることで社会保険料の被保険者負担が軽減する者がいることから、被用者保険制度内で財源を賄うこととしている被用者保険の適用拡大に伴う経過措置として行われる事業主支援を一律に行うことは合理性に問題があるのではないかとの指摘があることを考慮しつつ、第一号被保険者の中には、就業調整をすることで被用者保険の加入を回避しようとする者や国民年金保険料の免除制度利用者など被用者保険に加入することに伴い社会保険料負担が増加する者もいることなどを踏まえ、支援を受ける中小企業及び小規模企業者の実務的な課題も整理しながら、支援の対象となる第二号被保険者の範囲について整理すること。  三、短時間労働者への被用者保険の適用拡大について、企業規模要件の撤廃を待つことなく早期に任意の適用を進めるための方策について検討を加え、必要な措置を講ずるよう努めること。また、国民健康保険制度の在り方等に留意するとともに、雇用保険の加入要件が令和十年十月から週十時間以上になることなどを踏まえ、労働時間要件の週十時間以上への引下げ等、更なる短時間労働者の被用者保険への適用拡大について検討を加え、必要な措置を講ずること。  四、遺族厚生年金の見直しについては、見直しの対象者や給付への影響等の具体的内容に加えて、配慮が必要な者には有期給付の原則五年間の支給期間経過後に継続給付が行われること等について、国民への分かりやすい周知・広報を行い、不安の解消に努めること。  五、子どもの権利やジェンダー平等の観点から社会通念上妥当性を欠くことのないよう、遺族年金制度の見直しを引き続き検討すること。  六、障害年金の判定に際しては、恣意的な判定がなされないように透明性を確保するための検討を行い必要な措置を講ずること。併せて、「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」を踏まえ、就労継続支援B型事業所又は障害者雇用で働く者等について、就労していても、その状況等を考慮し、二級などの可能性がないかを検討した上で等級を判断すること。また、障害年金制度については、医学モデルのみならず社会モデルも踏まえて、機能障害のみならず、日常生活の状況等を把握した上で障害等級の認定を行うこと。  七、低所得者及び中堅所得者の高齢期における所得の確保を図るための方策を検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。また、高額所得による老齢基礎年金の国庫負担相当分の支給停止について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。  八、老齢基礎年金と老齢厚生年金の給付水準の調整を同時に終了するために必要な措置及び当該措置により老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計額が減少する者への影響を緩和するために必要な措置を講ずるに当たっては、その安定した財源を確保するための方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。  九、次期財政検証では、四十年を超えた厚生年金被保険者期間の基礎年金における取扱いを含め、基礎年金の四十年から四十五年への拠出期間の延長について、その実施に伴う安定した財源の確保も含めて速やかに検討し、その結果を踏まえ必要な措置を講ずること。  十、第三号被保険者制度の在り方の見直しについては、国民的な議論に資するような実情に関する調査研究を行うこととし、調査研究に当たっては、現行制度に関わる当事者の意見を聴取するよう努めること。  十一、年金制度改革は五年に一度の財政検証後に遅滞なく行うことを検討すること。  十二、次期財政検証に当たっては、今回の財政検証の前提は楽観的過ぎるとの指摘を踏まえ、出生率、経済成長、女性の社会進出などについてより厳しい前提で検証を行い、その結果を踏まえ必要な措置を検討するとともに、令和二年法改正時の附帯決議で指摘があったように、全要素生産性上昇率や実質賃金上昇率の長期の前提について足下の状況を踏まえ、現実的かつ多様な経済前提の下での結果を示すこと。  十三、次期年金制度改正に向けては、年金制度が国民生活に深く関わるものであるという認識の下、広く国民的な議論を喚起するような進め方について工夫すること。  十四、年金制度の基本的な仕組みや本法の趣旨及び内容について、国民への分かりやすい周知・広報を行うとともに、学校教育段階での年金制度を含むワークルール教育の推進について取組の強化を行うこと。  十五、日本国内にある約百八十か国・地域の外国公館(大使館・領事館など)で働く日本採用の労働者の多くが長年にわたって被用者保険に加入していない状況を踏まえ、被用者保険の適用について、本件に係る昭和三十年厚生省通知の見直しや、被用者保険を強制適用にすることも含めて検討し、その結果に基づき、関係省庁等との調整を行った上で速やかに必要な措置を講ずること。   右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) ただいま森本君から提出されました附帯決議案を議題として、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 多数と認めます。よって、森本君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、福岡厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。福岡厚生労働大臣。

福岡資麿自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(福岡資麿君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいります。

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

柘植芳文自由民主党

○委員長(柘植芳文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十五分散会

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