厚生労働委員会 第16号
- 発言数
- 266 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2025/05/29
会議録
○委員長(柘植芳文君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、高橋次郎君が委員を辞任され、その補欠として新妻秀規君が選任されました。 ─────────────
○委員長(柘植芳文君) 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律案及び労働安全衛生法及び特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 本日は、両案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。 御出席をいただいております参考人は、弁護士中井智子さん、独立行政法人労働政策研究・研修機構副主任研究員内藤忍さん、久留米大学保健管理センター・久留米大学医学部神経精神医学講座准教授大江美佐里さん及び全国労働組合総連合副議長高木りつさんでございます。 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙のところ御出席賜りまして、誠にありがとうございました。 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。 次に、議事の進め方について申し上げます。 まず、中井参考人、内藤参考人、大江参考人、高木参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。 また、発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきを願います。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず中井参考人からお願いいたします。中井参考人。
○参考人(中井智子君) 皆様、おはようございます。私は弁護士の中井と申します。 本日は、労働施策総合推進法等の改正法案の審議に際しまして、同法案に対する意見を述べさせていただく機会をいただきまして、誠にありがとうございます。 私は、弁護士として、日頃、主に使用者側からの御相談を受けて相談あるいは紛争に対応している弁護士でございます。昨今、やはりハラスメントに関する相談が増えてきているという実感を持っております。 ところで、本改正では様々な点に関する複数の法律の改正案が提起されておりますけれども、私からは、自身の実務上の経験を踏まえまして、その改正点のうち一部を取り上げさせていただき、意見を述べさせていただきます。 さて、初めに、今回の労働施策総合推進法等の改正の目玉の一つとも言うべきカスタマーハラスメントに関する意見を述べさせていただきます。 昨今、カスタマーハラスメントに関するトラブル事例が報告、報道されたり、あるいは東京都ではカスタマーハラスメント条例の施行が本年四月より開始しております。また、皆様、普通にスマートフォンを持っているというのが普通の時代になりました。これによって、例えば、無断で写真撮影をされる、動画撮影をされるというようなことも増えてまいりましたし、こういったことがSNSにアップされて拡散をしていくという、こういうおそれが格段に高くなっているという、こういう時代になっています。 やはり、今回、この時代においては、一個人の発言や発信力というのが非常に力を増しているということがあって、この対応に苦慮しているという場面が多くなってきていると、このように実感をしております。 ただ、カスタマーハラスメントという事象がかつて全くなかったかというと、そういうことではないというふうに思います。かつてよりそういう問題はあって、これまでも対応してきたという経緯はあったと思います。しかし、過去は、どちらかというと対応がうまい、あるいはあしらいがうまいと、こういう労働者がその対応を一身に背負っていると、こういう個人の力量に頼っていた面もあったのではないかと私は考えます。 しかし、事業主側としては、今後、人材の獲得が難しくなると、少子高齢化によって難しくなると、こういう時代を迎えて、こういった対応を見直す必要があるというふうに考えます。カスタマーハラスメントを個人の力量に頼る時代はもう終わったというふうに考えます。使用者は、カスタマーハラスメントについて組織をもって対応するということに切り替え、そして、労働者の職場環境を良好なものにしていかなければならないというふうに考えます。カスタマーハラスメント問題に直面して対応に困って困惑すると、こういった労働者が離職をしていくというようなことは絶対避けるべきであり、事業主側としては、必要な人材を確保し育てていくこともこういうことでは困難になってしまうということを危惧します。そういう点では事業主にとっても大きな損失を被る可能性があると、こういう問題だというふうに認識をしております。 したがいまして、カスタマーハラスメントについて、事業主に一定の雇用管理上の義務を、措置義務を義務付けるということをして、そして、もってカスタマーハラスメントの対策を図るという本改正の方針については、事業主としては、人材を確保し、そして育て、そしてその価値を最大限に引き出していくということのその前提として、事業主に求められる具体的な行為規範を示すものであるというふうに評価をいたします。これは、別の面から言えば、事業主の危機管理体制の整備の一つになるということも言えると考えております。私は、その点で、このカスタマーハラスメントに関する法改正の方針について賛成をいたします。 カスタマーハラスメントの法改正に関して、少々細かい実務上の問題について以下述べさせていただきます。 カスタマーハラスメントについては法令でその定義が整備される予定となっております。もちろん、事業主にカスタマーハラスメントの一定の措置義務を設ける以上は、その対象、ターゲットたるカスタマーハラスメントの概念が明確になっているという必要はあります。ただ、法令案では、社会通念上許容される範囲を超えたというものになっておりますが、これは多分に評価を含む概念ということになります。この概念を事業主が分析していくためにはどういうアプローチをすればいいのかということについては、今後より具体的に示していただく必要があると、このように考えています。 また、事業主によってはその業態、それから業種、そして商慣習、そういったものも実に様々でございまして、最終的には個々の事業主が検討しなければならない課題であろうということは認識をしております。もうその検討に当たって、業界ごとに共通するような類似事例を共有して分析をするということは効率的な対応に資すると、このように考えます。 また、もう一つ、カスタマーハラスメントに関しては、各種法令等抵触する場面というものもあります。例えば、その例としては、医師、医師法に定める応招義務などに関しては、カスタマーハラスメントと応招義務のぶつかり合いの場面が出てくるということになります。これは、法令上は正当な理由というものがあれば応招義務は免れると、こういうふうに定められておりますし、現時点でも患者の迷惑な行為に関して例として挙げられています。しかし、今後、カスタマーハラスメントの法整備がされた場合には、更にこの法制度との整合性の観点から、より解釈について整合性を取ったものを作っていくことも有用ではないかなというふうに思います。そのために、これは今例を申し上げましたけれども、その他の業態においても各種監督官庁との調整といったものは必要になってくる場面が多いと、このように私は考えます。 また、先ほど業界ごとに検討するのもよいということを申し上げましたけれども、これは、抵触する法令があるかどうかということに限らず、適切に対応するために必要な体制の整備というのは何なのかというのを事業主として検討するために、効率的な検討に資するということが業界での取組ということがつながると私は考えます。業界が同じであれば同じ問題を抱えている、必ず共通点があるはずでございまして、この共通点を業界をまたいで、失礼、業界の中で事業主をまたいで共有することで、連携して有効な対応策を確保することができるのではないかと、このように考えております。 次の問題ですけれども、カスタマーハラスメントについては、他のハラスメント類型とは異なる点があります。今から申し上げたいのは、国、事業主、労働者、そして顧客等についての責務について定めている規定に関する私の意見になります。 これまで法で整備されてきたセクシュアルハラスメント、マタニティーハラスメントあるいはパワーハラスメントというのは、原則として事業主の中で起きたものに対する対応です。行為者も、そして被害者と目される者も同じ事業主の中にいるというのが原則でございます。カスタマーハラスメントはそうではありません。類型上は必ずその行為者というのは事業主の外にいると、こういう関係にあると。ここが今までのハラスメント法制とは決定的に違います。 そのために、今まで、三つの申し上げたハラスメントではその予防策というのを取るというのも有効だというふうに言われてきていますけれども、カスタマーハラスメントに関してはなかなかその行為者に対する予防教育というのを実効的に行うというのは難しい面があります。 最近では、例えば駅、そして例えばタクシー、店、そういったところにカスハラはいけないという趣旨のポスターが貼られているというのを御覧になった方も多いかと思います。これは、業界あるいは一事業主としてカスハラ予防のために一生懸命啓蒙活動を行っているという一つの表れでございます。こういったことは一定のカスハラ予防のための意義はあると思いますけれども、やはり限界もあるというふうに考えます。 国が、顧客等に対しても、カスハラはいけないんだと、啓蒙活動取り組んでいくんだと、こういう趣旨の条項を取り込んでいただくということは、事業主が今後カスタマーハラスメントに対する対応策を検討していく、そして対応策を推進していくに当たって追い風になっていただくというふうに、私はそのように捉えております。 それからもう一点、カスタマーハラスメントについては、もう一つ、先ほど行為者が外部、事業主の外部にいるということを申し上げましたけれども、事業主の内部に行為者がいるのであれば、注意、懲戒処分、配置転換、そういった、労働者ですから、指揮命令に基づいて一定の措置がとれますけれども、カスタマーハラスメントはそういった関係にはございません。 それから、緊急事態というか、もっと緊急的に対応しなければいけないというようなケースというのも多く想定されるということになります。そういった場合は、例えばですけれども、警察などの外部機関とも連携して対応することが必要になるということも十分考えられます。 こういった対応を事業主が速やかに行うことができるように、例えば指針その他で外部連携との重要性をうたっていただくということも事業主の取組の一つの後押しになっていただくのではないかと、このように考えております。 最後に、私からは、主に就活生、就職活動をしている学生などを想定していると思いますけれども、求職者等に対するセクシュアルハラスメントの対応措置についての法改正について意見を述べさせていただきます。 今、例えば就職活動を行っている学生、あるいはインターンシップによって企業内で就業体験をするという学生に対するセクシュアルハラスメントの問題がよく報道等でされることもあります。 就職活動を行う学生というのはOBやOGと例えばマッチングアプリを使って個人的につながるといったこともありまして、企業が完全に活動を把握できていないというようなケースもあります。そういった場面で個人的に連絡を取り合ったり連絡先を交換したりして、その後にその問題がセクシュアルハラスメントにつながっていくという可能性があります。 せっかく自分の企業に興味を持って、そして就職の意欲を示してくれたという者に対してこの自社の社員がセクシュアルハラスメントなどを行えば、その企業について失望しますし、就業する意欲はなくすというのは当然の流れだと、こういうふうに思います。事業主にとっては、大事な求職者を失うという点で大きな損失だというふうに考えます。そして、事業主の信用失墜も大きいと、このように考えます。これは事業主にとっても大きな法的なリスクということが言えます。 また、もう一つの問題として、就職活動等の場面のセクシュアルハラスメントというのはなかなか問題が表面化しないという問題もあります。就職活動をやめるということで問題が終わりになってしまうということも多いというふうに認識をしております。その結果、事業主、企業にとっては認識していない法的リスクは実はたくさんあると、こういうことが起きてしまうと。こういう問題もこの求職者等のセクハラ問題にはあるというふうに考えています。 ということで、こういう事態になると後で大きなリスクになるというのは、跳ね返ってくるのは事業主でございますので、今回議論されている求職者に対するセクシュアルハラスメントの雇用措置をとるということについては、これは、教育や周知、労働者に教育や周知を行っていくことはとても大事だと思います。したがいまして、私は、今回初めて事業主の外の求職者に対するセクハラについて防止に向けた雇用管理上の措置をとるという考え方、この本改正の方針について賛成をいたします。 以上、私より意見を述べさせていただきました。ありがとうございました。
○委員長(柘植芳文君) ありがとうございました。 次に、内藤参考人にお願いをいたします。内藤参考人。
○参考人(内藤忍君) おはようございます。労働政策研究副主任研究員の内藤忍と申します。 今日は、貴重な場で意見陳述の機会を賜りまして、ありがとうございます。 私は、労働法分野で、主に仕事上のハラスメントの防止策についての研究を進めてきた者でございます。ハラスメント関係では、これまで過去に、厚労省でパワハラ関係の複数の会議の委員を務めてきたほか、二〇二一年度から自治労のカスハラのマニュアル作成に関わりまして、その後、二〇二三年度からは東京都のカスハラ条例の検討部会の委員などを務めております。 さて、今回は労働施策総合推進法等の改正法案ということで、幾つかの改正点が含まれていますが、今日は時間の制約上、私からは主に現行のハラスメント法制の課題について意見を述べさせていただきたいと思います。 最初に、残念なことをお伝えしなければなりません。それは、今日の準備のために現行のハラスメント法制を見て意見を述べるべき項目を書き出してみますと、それは二〇一九年の前回のハラスメントの法改正時に衆議院厚労委員会で参考人としてお話しした項目とほぼ同じでした。六年もたったのに指摘する内容もほとんど変わっておりません。今のままのハラスメント法制、若しくは改正するにしてもこのように余りにも時間が掛かる法改正のスピードでは、ハラスメントや、その被害の深刻さに対する無理解からくる不適切な対応や、二次被害に苦しむ人は減りません。 そして、適切な救済制度がない日本において、多くのハラスメント被害者が泣き寝入りを強いられています。被害者は我慢し続けるので、結果、心身に影響を及ぼすことも多く、今、中井参考人からもお話ありましたが、人材の流出にもつながるということで、企業のリスクにもなり得る問題です。 今回、カスハラ、求職者等へのセクハラへの対策として提案されたのは、これまでも日本のハラスメントの法規制の中心であった事業主の措置義務という形です。これらについて、指針で事業主は取り組むことが望ましいとされている現段階からすれば、事業主の義務化自体は良い方向と考え、私は賛成いたします。 しかし、そもそも現行のハラスメントの措置義務には、履行率が低いという問題点があります。現在、ハラスメント指針で義務化されている十項目の措置のうち全義務を履行している事業主の割合はといえば、セクハラの場合は、措置は、三十人以上の規模の企業で四八・三%が全て取り組んでいるであり、つまり、四五・九%が一部取り組んでいない取組がある、五・八%が取り組んでいないと回答しています。パワハラもほぼ同様の割合です。 つまり、現在、過半数の企業が義務違反の状態にあるというわけです。セクハラの場合、二〇〇七年に均等法の措置義務が施行されて十八年もたちます。それなのに、半数以上の事業主が法を守れていないのです。これが日本のハラスメントの中心的な規制なのにです。 事業主がハラスメントを予防したり対応したりすることはハラスメントをなくしていく上で大切なことなので、この措置義務という手法がハラスメント法の中に取り込まれることは評価すべきです。 仕事の世界における暴力とハラスメントに関するILO百九十号条約でも、使用者に防止措置を求める法整備は求められています。だとすれば、措置義務という手法を取ると同時にこの措置義務の取組率を高める仕組みも考えなければ、実効性は低いものとなってしまい、ハラスメントは減らないでしょう。 本法案の措置義務化も、これまでのハラスメントと横並びに法律に盛り込むことだけが目標化してしまっていなかったでしょうか。措置を遵守しない場合、法に基づき、行政は事業主に対し是正指導することができますが、不遵守に対する罰則はなく、唯一の制裁と言える企業名の公表制度でも、ハラスメントの措置義務違反で企業名が公表されたことはありません。その理由は、指導されれば是正する事業主がほとんどだからですが、企業名公表規定が措置義務履行を促進するよう、より機能する方向で運用の在り方についての検討を進めるべきと考えます。 なお、前回、二〇一九年の法改正時の参議院の附帯決議で、指導に従わない場合の企業名公表の効果的な運用方法について検討を行うことと、既に政府に注文が付いていたことを付言しておきます。 法が求めている措置に関する別の問題点としては、それらの義務が必ずしもハラスメント防止や解決に有効なものとなっているわけではないということです。国は、均等法や労働施策総合推進法で事業主にハラスメントの相談窓口の設置、周知を義務付けていますが、実際に相談するハラスメント被害者は非常に少ないのです。 厚労省調査では、例えばセクハラでは、社内の相談窓口への相談は被害者の二・八%、被害者のです。人事等の社内の相談部署にも三・八%の被害者しか相談していません。職場でセクハラを受けて、何もしなかった、つまり我慢している人が含まれますが、と回答した人は五一・七%と、事後の対応としては最も多いままです。 つまり、法は相談窓口の設置と周知を求めていますが、ただ形ばかり窓口を設置、周知しても、利用されない、実効的でないということです。ハラスメント対策として事業主に措置を課すということであれば、どのような取組をどう取り組めば社内風土が変わって、ハラスメントを実際に防止できたり、当事者が納得できる解決が得られたりするのかをきちんと検証した上で企業に義務化する必要があると考えます。 次に、救済です。前回、こちらの参議院の附帯決議でも、ハラスメント被害の救済状況について民間、地方公務員の両方について調査をし、実効性ある救済手段の在り方について検討することとされましたが、私が知る限り、実効性ある救済手段の在り方の検討はなされていないと思います。 民間労働者はハラスメントの紛争解決のため労働局を使用することができるわけですけれども、セクハラの相談は七千四百十四件ありますけれども、紛争解決の援助申立ては九十件、調停は七十六件と、紛争解決、救済に至るケースというのは非常に少ないです。裁判や労働審判を利用するのは非常に大変ですので、行政の紛争解決が利用しやすいようにしなければならないというふうに思っています。 先ほど述べたILO百九十号条約では、加盟国は暴力やハラスメントが生じた場合に適切かつ効果的な救済、安全かつ公正で効果的な報告並びに紛争解決のための制度等を利用できることを確保する措置をとると加盟国に求めています。しかし、現在の日本の労働局の紛争解決の特徴の一つは互譲性とうたわれ、当事者同士が譲り合う、歩み寄りによる紛争の現実的な解決を図るというふうに書かれています。 ハラスメントはあってはならないもの、この社会からなくすべきものとして法制化を進めていると思いますけれども、いざハラスメント事案が起きた際の解決において被害者が譲らなければならない制度が適切なものなのか、ILOの言う適切かつ効果的な救済なのかは検討が必要だと思います。 地方公務員の救済についてです。 今年度行われた総務省が行った地方公共団体における各種ハラスメント対策の取組状況に関する調査によれば、ハラスメントについて第三者による紛争解決援助として人事委員会、公平委員会への苦情相談が可能な旨の周知を行っている市区町村は約七割のみでした。つまり三割はやっていません。 しかし、同じく二〇二四年度に行った別の地方公共団体における各種ハラスメントに関する職員アンケート調査では、地方公共団体の職員に聞くと、パワハラもセクハラも二、三割しか周知されていないと回答しています。同調査でセクハラ被害を受けて人事委員会、公平委員会に相談、通報したと回答した人は、被害者のうち〇・〇%でした。パワハラ被害では〇・二%でした。つまり、地方公共団体側の回答と異なり、制度の周知も二、三割にしか届いておらず、制度は被害者に全く使われていません。 地方公務もハラスメントの措置義務の対象でありますけれども、第三者による紛争解決制度である労働局の相談、紛争解決制度については地方公務員は適用除外されています。したがって、この人事委員会、公平委員会が使いやすいものでなければならないのではないでしょうか。 地方公務員にとって第三者による救済制度が保障されていない状態です。国が批准を目指すILO条約に言う適切かつ効果的な救済をどう地方公務員にも保障するか、課題であると思います。 ハラスメントの抑止の観点から、本法案で提案されている規範意識を醸成するための国の啓発活動といったものにとどまらず、法が明確にハラスメントを禁止することを併せて検討すべきだと考えます。 なお、ハラスメントの禁止規定については、海外の多くの国で禁止されており、ILO百九十号条約でも法律で禁じることが盛り込まれております。さらに、国連の女性差別撤廃委員会は、複数回にわたり日本政府に対し禁止規定の導入を勧告していることも併せて付言しておきます。 二次被害対策についてです。 禁止規定がないことも関連しますが、ハラスメント、特に性被害であるところのセクハラの深刻さを軽視することや無理解につながっている可能性があります。前回法改正時に附帯決議に入っていたように、政府の宿題だったと思われますが、検討は進んでおりません。 「#私が退職した本当の理由」というものを御存じでしょうか。このハッシュタグの名前が表すように、多くの人は本当の理由を、ハラスメントを受けても本当の理由を告げずに去っています。先ほど中井参考人からもそのようなお話がありましたけれども、告げずに去っています。その理由は、相談担当者とか周囲の人の無理解に傷ついて、本当の退職理由を言えずに辞めているということです。こういうハッシュタグが数か月前にはやって、テレビ番組でも取り上げられたところです。 第三者からのセクハラ対策についてです。 今回、カスタマーハラスメントについてが本法案の中で措置義務化盛り込まれていますけれども、第三者からのセクシュアルなハラスメントについては均等法、男女雇用機会均等法で既に措置義務の対象となっております。これについては、セクハラ的カスハラについては既に措置義務なのに知られていないという側面があります。 フジテレビのような事案が起きた場合に、均等法では、事業主は相談に迅速かつ適切に応じ、事実確認しなければなりません。これをしない場合には行政指導の対象になるはずです。そして、相手方に調査への協力を求めたり、調査の結果次第では取引の中止等、自社の社員を守るための何らかの対応をしなければならないことになっています。 しかし、フジテレビほどの大企業でもこれが知られていなかったのではないでしょうか。今回のカスハラとともに、セクハラ、第三者からのセクハラについても措置義務の対象に既になっていることについて広めていただいた方がいいのではないでしょうか。 最後に、求職者等へのハラスメントについてです。 性別、性的指向、性自認、ジェンダーアイデンティティー等の属性に関するハラスメントも、労働者から求職者等に対して起きています。前回法改正時にパワハラにこれらの属性に関するハラスメントは類型化されております。指針や通達に記載されております。 パワハラに類型化されたこれらのハラスメントは、求職者等に対してあっていいというわけではありません。今回、セクハラが対応されるということですが、セクハラだけではなく、あらゆるハラスメントについても対応される必要があるというふうに考えます。 以上です。
○委員長(柘植芳文君) ありがとうございました。 次に、大江参考人にお願いをいたします。大江参考人。
○参考人(大江美佐里君) おはようございます。久留米大学の大江美佐里と申します。 本日は、参考人として発言させていただく機会をいただき、ありがとうございます。 私は、精神科医の立場より、パワーハラスメント及びセクシュアルハラスメントが精神面に及ぼす影響についてお話をさせていただきたいと思います。 本日は、その影響の疾患、どのような疾患になるかというところに関しまして、適応反応症、これは、病名に関しましては以前より適応障害と呼ばれて、現在もそのように呼ばれているところございますが、適応反応症という病名に今後変わっていく過渡期にございまして、今ちょっと両方とも併記させていただいております。そして、うつ病、そして心的外傷後ストレス症あるいは心的外傷後ストレス障害、PTSDという疾患、三つの疾患が今日の焦点を当てる疾患としてお話をさせていただきたいと思います。 令和五年度の職場のハラスメントに関する実態調査の結果によりますと、パワハラ、セクハラに関しましては、怒りや不満、不安などを感じた、仕事に対する意欲が減退したといった心身への影響が多く見られます。特にメンタルヘルスに関しては非常に大きな影響を受けていると。不眠になったり、実際に会社を休む、あるいは会社に出勤していても集中力に欠けてしまうといったようなことが認められるかと思います。 こういったハラスメントという現象について、ストレス、人間にストレスが掛かるということで、ハラスメントというのは、その原因としてストレッサー、あるいはストレスの原因、ストレス因というような言い方をしますけれども、そのようなストレッサーが人間に与える影響ということに関しましては、心身面の影響に関して、ストレス脆弱モデルということが精神科領域では言われております。 図に、横軸にストレスに弱い強いといったような脆弱性、縦軸にストレスが掛かるような出来事というようなグラフを作ってストレス脆弱性モデルを示しますと、個人によってストレスに弱い方、強い方というのはいらっしゃいますが、どんなにストレスに強い性質をお持ちの方であっても、非常に強いストレス因、ストレッサーに接しますとメンタルヘルス不調になるというふうに言われております。これがストレス脆弱性モデルでございます。 そして、そのような心理的ストレッサーというものが、ストレス因というものを、もう少し非常に重いものになりますと、これが心的外傷的出来事あるいはトラウマ体験といったようなところになってございまして、PTSDという疾患になる出来事というのは心的外傷的出来事というふうに決まっておりまして、例としましては身体的暴行、性的暴行などがございますが、このように考えますと、パワハラ、セクハラに関しましては、ストレッサーの範囲に収まるものと、非常に程度が重いものになりますとトラウマ体験、心的外傷的出来事として捉えるべきものが両方合わさってハラスメントとなる原因の行動というものがあるというふうに考えられます。 職場のハラスメントに関する令和五年の実態調査によりますと、パワハラの種類として最も多いものは精神的な攻撃ということですけれども、過大な要求、そして、まあ数は若干少ないかもしれませんが、明らかな身体的な攻撃なども入っておりますので、このような出来事の中にストレッサーに入るものとトラウマに入るものがあるというふうに言えるかと思います。 そして、その対象、パワハラの場合の対象となる、それを行う者ですけれども、最も多いのが上司あるいは会社の幹部ということで、もちろん同僚などほかの方もいらっしゃいますけれども、上下関係があって、相手を、自身が相手の方をコントロールできるのではないかというふうに、その職務上の権限とその相手との関係性というのをやはり少し上司に当たる方が取り違えてしまうということも背景要因としてあるかと思います。 セクハラに関しましても、同様の令和五年の調査では、最も多いものは性的な冗談やからかいというところになってございますが、身体への接触、性的な関係の強要とまでなりますと、これは明らかにトラウマ体験というふうに言えるのではないかというふうに思います。 そして、このトラウマ、心的外傷的出来事に関して二〇二三年に改定されたアメリカの診断基準のDSM―5―TRというものがございます。DSM―5というのはアメリカの診断、精神科に関する診断基準ですけれども、その解説の部分がテキストリビジョンということで二〇二三年に改訂になりまして、そこに性的なトラウマ、要するに性的なことに関するトラウマ体験に関して新たに段落が追加されております。 性的トラウマには、現実の又は差し迫った性的暴力又は強要とあるんですけれども、その例が、内容の広がりが、その以前のバージョンよりも内容が広がっておりまして、すなわちそれは、強制的な性的挿入、アルコール、薬物による合意のない性的挿入、他の望まない性的接触、接触を伴わない他の望まない性的体験、すなわち、ポルノ鑑賞を強制される、露出狂による性器の露出を目撃する、望まない性的内容の写真やビデオ撮影及びこれらの写真やビデオの望まない流出の被害者となるということで、こういった内容、特に今動画とかそういったものの影響というのが非常に、技術の発達にもよりましてこういった問題というのは非常に広がってきております。そして、アルコールや薬物などによって合意のない性被害に遭ってしまうといったようなことも含まれて表現されています。このように、セクハラに関してはトラウマ体験というところも併せて考える必要がございます。 適応反応症、うつ病、PTSDの簡単な、どのような病気かというところでございますけれども、適応反応症、適応障害は、はっきりと確認できるストレス因に反応して、そのストレス因の始まりから三か月以内に情動面、例えば気分の落ち込みや不安、又は行動面の症状、例えば出勤できないといったことが出現する疾患です。 うつ病は、思考が十分働かない、気分が落ち込む、興味や関心の低下、眠れない、食欲がないといった症状が二週間以上ほぼ毎日続くという症状を示す疾患です。 PTSDは、ポスト・トラウマティック・ストレス・ディスオーダーと申しまして、心的外傷後ストレス症又は心的外傷後ストレス障害という疾患でして、心的外傷的体験、トラウマ体験の後に、その体験の記憶が当時の恐怖や無力感とともに自分の意思とは無関係に思い出される、また、出来事に関する物事を避けたり自分自身を責めたりするという疾患になってございます。 このような疾患に罹患しますと、もちろん症状によって治療を行ったりするわけですけれども、その結果、改善するということはもちろんございますが、非常に重症な場合に自殺の危険性というのが非常に高いということを私としては非常に懸念をいたしております。 定義上は、適応反応症という、適応障害という疾患は、もしその同じ方がうつ病という診断が付きますと、適応反応症の診断は該当せず、うつ病の診断になるということになるわけです。ですので、定義上、うつ病の方が疾患としては重いわけですが、張先生らの御研究によって、重症の自殺企図の方のどのような疾患によって自殺企図に至ったかというのを研究しているものがございますけれども、そちらの研究の結果を見ますと、必ずしも適応障害、適応反応症が軽いというわけではございませんで、二三%、その自殺企図をした方五百六十四名中、うつ病などの気分障害の方が二三%でしたけれども、適応障害の方も一九%いらっしゃいました。ですので、適応障害、適応反応症の方も直接自殺に至る可能性が非常に高いということで、見かけの疾患として軽く見えても、実際には自殺といった非常に重い、精神科医としては最も避けたい出来事であることの一つに至ってしまう可能性があるというふうに言われております。張先生によりますと、自殺のプロセスというのは、ライフイベントがあり、その上でサポートが不足した場合にうつ状態になって、それが加速して自殺というふうな状況になるということですので、一部には、適応反応症の方の一部にはうつ病になっていてもそれが見逃されているという可能性もございますけれども、適応反応症という疾患も自殺を及ぼす可能性が高いというふうなことが言えます。 PTSDに関しましては、うつ病の併存率が五一から八二%と非常に高いことが知られておりまして、PTSDにおいても自殺の問題、非常に大きく取り上げられてございます。 海外研究ですけれども、海外の先進国での自殺の理由となる精神疾患のPTSDは三位を占めており、発展途上国という表現にこの論文ではさせていただいておりますが、では、自殺する可能性の高い疾患の一位がPTSDということになってございます。 そして、PTSDとなるようなトラウマ体験と自殺の関連で、どのような出来事が自殺と結び付くかということになりますと、性暴力が一位、対人間暴力が二位ということでして、やはりこれ、この研究に関しましてはパワハラ、セクハラ以外の、もちろん性暴力、対人間暴力も含みますけれども、暴力といったものが非常に自殺との関連が強いというところが示されております。 PTSDとうつ病が合併しますとなお重くなりまして、PTSDとうつ病が合併しますと自殺の既遂率というのも非常に高くなることが知られております。 で、PTSDに関して言いますと、自然災害のような出来事においてももちろんPTSDというのは発症するんですけれども、人との関係における、他者が何らかの意図を持って他者を傷つけるような意図的に引き起こすトラウマ体験とそうでないトラウマ体験を比較した場合に、意図的に誰かの、他者が意図的に起こす、例えば大規模なものでいえばテロ攻撃みたいなものになりますけれども、そういったものであると人は非常に傷つくということで、PTSDの有病率もそれ以外の出来事に関して比較しますと、時間の経過とともにPTSDの発症率が下がらずむしろ上がるといった、一年以内の間にどのように変化するかということに関して解析している海外論文によりますと、人との関係によって起こされたトラウマ体験ですとPTSDの影響は長く続くということが言われております。 しかし、そういったことはございますが、回復の過程という、トラウマ体験後の自殺に対してどのようなことが予防できるのかということの、予防、それを防ぐ因子、あるいはトラウマ体験後にそれを緩衝させる因子というのは研究されていますけれども、ソーシャルサポートというのが非常に強くPTSDの経過に対して良い影響を与えると。つまり、人は人によって傷つくんですけれども、人は人との関係によって回復するというようなことが言われております。 適応反応症の方の同僚とどのように接したらよいかということに関しましては、薬をやめさせようとしないこと、困ったことがあれば早めに声を掛けてもらうように伝えていただく。これは心理的安全性といって、組織の中で自分の考えが周囲と違っていても罰せられないといった感覚、そして健康的な側面があることを忘れないというところが重要でございます。 久留米大学では、心が傷ついても、その後違う形で、器、心の器というのを、器の比喩として「こころの金継ぎ」という回復像を久留米大学の私たちの研究グループでは提唱しておりまして、一度心が壊れても人と人との間のつながりでよみがえっていくということを考えておりますけれども、そうは申しましても、やはりこのハラスメントというものがなくなることが一番大切であるというふうに考えております。 私からは以上です。ありがとうございました。
○委員長(柘植芳文君) ありがとうございました。 次に、高木参考人にお願いをいたします。高木参考人。
○参考人(高木りつ君) 全国労働組合総連合副議長の高木りつと申します。 本日は、このような貴重な機会を頂戴しまして、誠にありがとうございます。 全国の公務と民間の職場で働く者の立場から、仕事の世界におけるハラスメントや暴力、差別を根絶するための更なる修正を求め、以下申し上げます。 まず、この場にいらっしゃる皆さんに、私たちの仲間の声をお伝えし、問いかけます。皆さんそれぞれのお立場で、この現状について御尽力いただけることは出し尽くされているでしょうか。法案審議に当たって、より一層労働者の置かれている実態を踏まえた議論となりますよう、お願い申し上げます。(資料提示) 働く仲間からの訴えです。おまえはやる気があるのか、おまえには期待していなかったなどと毎日のように嫌みや圧を掛けられる。休みの日に相談があると呼び出されて車に無理やり乗せられ、挙げ句の果てにホテルに連れていかれる。また、日本自治体労働組合総連合の実施した調査では、公務職場でカスハラを受けたことがあるという職員が四七・六%と約半数に上り、受けた内容として最も多いのは、侮辱、大声で威圧するなど乱暴な暴言が八四・四%でした。 医療、介護の現場からは、体を触られたり卑わいな言葉を掛けられたり、看護師なんだから言うとおりにしろと言われたり、殴られたり蹴られたりする、入浴介助中、排せつ介助中、検温中などに体に触ってくる、自分の局部を触らせようとする、私生活や体のサイズを異常に聞いてくるなどです。医療系三組織による労働実態調査によると、セクハラはこのような患者からのものが最も多く七八・七%、次に医師からのセクハラが二〇・九%、患者家族からのセクハラは二・一%でした。 御存じのように、医療、介護の現場で働く仲間は、この間、賃金、待遇が非常に厳しい状況が続いています。その上このようなハラスメントの被害に遭っていれば仕事を続けることは難しいケースも少なくなく、ケア労働の現場での人手不足に拍車が掛かる原因の一つにもなっています。 厚生労働省が公表した過労死等の労災補償状況においても、医療、福祉の分野で精神障害に関する事案の請求件数、支給決定件数が一番多く、他業種の約二倍程度です。全体の支給決定件数も増加しており、業務における強い心理的負荷、精神障害の発病に関与した事象には、パワハラを受けた、セクハラを受けたがトップスリーに入っており、働く人を守るためにハラスメントを禁止する法律が必要です。 さらに、加盟の地方組織が運営する労働相談センターに寄せられたハラスメントに関する労働相談事例から三つのケースを御紹介します。 一つ目は、会計年度任用職員として市役所で働く仲間からです。上司のわがままや気分に振り回されていて、精神的に疲弊している。仕事時間外の飲み会への送迎を強制される。プライベートの時間に個人的なLINEが来たり、社内メールで自分が飲んだペットボトルを捨てろとか空気を読んで休めと言われる。会計年度任用職員は使い捨てとばかり、精神を病むと解雇するという契約上の規約がある。そのため、夜も眠れなくて安定剤を服用したときもある。送迎の件は前の上司にも相談したが、我慢してほしいと言われた。 二つ目は、小売営業職の仲間からです。店長のハラスメントで店員が辞めていく。店長の陰口がひどい。会社にハラスメントの相談窓口がない。長く勤めているが健康診断が行われていない。就業規則を見たことがなく、出退勤はパソコン管理だが、店長が勝手に改ざんし、労働時間どおりの賃金が支払われていない。 三つ目は、公務の職場で働く仲間からです。内部通報が議員のところにあり、議員が担当部局に問合せをした。担当部局長は、管理職に同通報があったことを伝え、犯人捜しをしないようにと指示した。しかし、管理職の一人が同通報者の特定に動き、Aさんを通報者の協力者ではないかと疑い、執拗に通報に協力したのではないかと聞いてきた。Aさんは執拗な問いかけに恐怖を感じたが、穏やかに対応し否定した。その後、Aさんは業務の忙しさもあって精神疾患を発症し、休職。職場のハラスメント委員会に調査を依頼したが、ハラスメントに該当しないとの判断をされた。 このように、職場内で弱い立場の労働者に対する暴言や仕事上でのしわ寄せ、仕事外しが頻発しています。心身の健康が損なわれ、休職に追い込まれたり、改善を求める声を上げればたたき潰され、上司に相談してもまともに取り合ってくれない場合が多く、当事者がますます孤立感を深めていく事例もあります。加えて、経営側は会社都合で退職させたくないので、ハラスメントで自己都合退職に追い込もうとするケースや、解雇や労働条件切下げを行う事例も少なからず存在しています。 ハラスメントは人権侵害であること、憲法で定められた基本的人権の問題であることを皆さんと共有し、皆さんお一人お一人の人権意識が問われているという点をまず申し上げたく存じます。 私たち全国労働組合総連合は、性別や性自認にかかわらず全ての労働者が働き続けられる職場環境を整えること、全てのハラスメントと暴力を禁止する禁止法を罰則規定付きで制定すること、国の責任で個人通報できる独立した人権機関の設立、ILO第百九十号、仕事の世界における暴力及びハラスメントの撤廃に関する条約を日本も批准することを求めています。 今回の法律案では、労働施策総合推進法改正案でカスハラ対策の強化、男女雇用機会均等法改正案で求職者等に対するセクハラ対策の強化等、前進面があり、私たちも一定、職場からの声に応えるものであると受け止めております。しかし、そもそも、カスハラも就活生へのセクハラも、その他あらゆるハラスメントもないのが本来あるべき姿です。 労働施策総合推進法改正案の職場におけるハラスメントを行ってはならないことについて、国民の規範意識を醸成の部分については、セクハラがどのようなものであり、してはいけないことだという規範意識は十分醸成されていると考えていますが、被害は増え続けています。 現行法では事業主に相談窓口の設置と対処を義務付けていますが、被害者は職場を辞めざるを得ず、キャリアも人生も棒に振ることになる一方、加害者は変わらず勤務し続けられます。力の強い者が弱い者に対して行うのがハラスメントの本質です。弱い側が心身共に傷つけられて、泣いて泣いて何キロも痩せて、心療内科に通って、仕事も辞めて、トラウマになって、時には自死に追い込まれてというこのサイクルをもう止めなければいけない。そのために、事業主に任せるだけではなく、法的に定義し禁止することが必要です。 女性活躍推進法改正に関わっては、男女間賃金差異及び女性管理職比率の情報公表について、対象事業主の規模拡大や女性の健康上の特性への配慮、基本方針へのハラスメント対策の位置付けなど前進面があります。しかし、同法の下、様々な施策が取られてきたにもかかわらず、国際的に見て、男女間賃金差異が依然として大きく、縮まらないこと、女性管理職比率が依然として低いことに加え、同法施行から十年、日本のジェンダーギャップ指数がG7最下位と低迷が続いていることを踏まえれば、まだ不十分です。 さらに、情報公表の対象について、日本企業の九九・七%を中小企業が占めている上、従業員の構成比で女性が四割以上を占める卸・小売業、生活関連サービス業、医療、福祉等は百人未満の企業規模が多いことからも、全ての企業、事業主を情報公表の対象とし、実効性を担保すべきです。 ほかにも不十分な点として、以下申し上げます。 労政審で挙げられていた職場のハラスメントは許されるものではないという趣旨を法律に明記するものではない点、ハラスメントの定義がなく、罰則規定付きで包括的にハラスメントを禁止する法律ではない点、独立した人権機関の設立について触れられていない点です。さらに、二〇一九年、第百九十八国会、女性活躍推進法改正の附帯決議で、ILO第百九十号条約に関連して、ILO総会において条約成立後は批准に向けて検討を行うこととされていましたが、現在まで条約批准がされておらず、その間にも被害は増え続けています。 世界に目を向ければ、暴力とハラスメントのない仕事の世界に対する全ての者の権利を尊重、促進、実現することを求めるILO第百九十号条約は、二〇一九年六月に採択され、フランス、ドイツ、カナダ、オーストラリアなど、四十九の国が批准しています。 日本の職場にも正規、非正規など契約の違いもあり、様々な条件で働く労働者、就活生等の求職者、インターンシップ、外国人技能実習生、移住労働者、ボランティア等がいます。ILOは、百九十号条約で明確に暴力とハラスメントは人権侵害であると定めた上で、これらを始めとする全ての働く人に対して、民間、公務、都市、農村、取引先、顧客、患者、公共空間にいる人など第三者行為や、メール等オンライン上、通勤時、休憩時も含め、仕事の世界においてハラスメントと暴力を撤廃する必要があるとしています。日本で暮らしていても、世界水準で人権が尊重されていてハラスメントも暴力もない職場環境実現を求めます。 昨年六月、国連人権理事会に国連ビジネスと人権作業部会による二〇二三年訪日調査報告が提出されました。その報告によると、日本における構造的な人権課題がビジネスと人権分野における国や民間セクターの取組の一環として十分に対処されていないことを懸念するとした上で、日本の女性やLGBTQI+の人々、技能実習生や移住労働者などマイノリティーグループはリスクにさらされているグループと指摘されています。不平等と差別の構造を完全に解体することが急務と報告されており、人権を保護する国家の義務として、独立した国内人権機関の設立やデューデリジェンス法の採択等が勧告されました。国際水準に見合う国家の義務を果たすとともに、勧告にある企業の責任や救済アクセスを整えるために必要な制度、支援を行うことを求めます。 LGBTQI+等の性的マイノリティーの仲間が感じている職場での働きづらさを少しでも解消できるよう、SOGIハラに関わる施策も求めます。LGBTQI+の人々は日本に一〇%前後いるとされていますが、差別や偏見によって言い出せない、言えない人がまだ圧倒的に多いのが現状です。あるNPO法人の調査によると、就活時にトランスジェンダーの八九%の人が困難、ハラスメントを経験し、そのうち九六%が相談できなかったとのことです。働く仲間からは、カミングアウトして解雇されないか不安で職場に言えない、職場での更衣室、トイレの使用で困っているなどの声が上がっています。当事者が相談したい場合に抵抗なく相談できる制度、安心して働き続けられる職場環境の充実が急がれます。 仕事の世界で最もひどいジェンダー不平等はハラスメントと差別と暴力です。女性や性的マイノリティーであることに加えて、相手側がパワーを持っていることも複雑に絡み合っています。セクハラ掛けるパワハラ、SOGIハラ掛けるパワハラで被害は増大です。これに加えて、マタハラ、イクハラ、ケアハラ、カスハラ、ジタハラ、モラハラと掛け合わさっていくと、被害は更に膨れ上がります。 私は教員として学校現場で働いていたので、全ての取組に子供たちの未来をイメージしています。子供たちが働くようになったとき、職場に差別やハラスメントはあるけれど、昔よりはジェンダーかいわいましになってきているからもういいわけはありません。差別はあるかないか、ハラスメントはあるかないか、暴力も性暴力もあるかないかです。私たちはもう我慢したくないし、我慢させたくありません。 改めて、今後の御審議において、以下五点の内容が盛り込まれた法案となるよう、修正を期待するものです。 第一に、ハラスメントの定義です。職場では様々な種類のハラスメントが複合的に絡み合っているのが実態です。複合的であるからこそ現行法に収まるものではありません。全体像を包括的に見る必要があります。 第二に、包括的ハラスメント禁止法を罰則規定付きで制定されるよう強く求めます。事業主の雇用管理上の防止措置義務が課されて十八年たちますが、昨年の厚生労働省の調査では、セクハラ、パワハラ対策に取り組んでいない勤務先が六〇%を超えています。労働者がセクハラ、パワハラを受けていることを認識した際の勤務先の対応として、特に何もしなかったがセクハラで四〇%以上、パワハラでは五〇%以上に上っています。 第三に、国連が指摘するように、国の責任で独立した人権機関の設立を求めます。 第四に、賃金や管理職比率など、男女格差を縮め、最終的には実質の平等となるよう、実効ある取組を求めます。 第五に、日本にいても国際水準レベルで安心して働き続けることができるよう、ILO百九十号条約の批准を求めます。仕事の世界に暴力もハラスメントも要りません。 最後に、国際水準に見合う職場での人権意識を底上げする政策、国の責任であらゆる差別とハラスメント及び暴力を構造的に根絶するための法改正となることを強く求めます。 御清聴ありがとうございました。
○委員長(柘植芳文君) ありがとうございました。 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。 質疑のある方は順次御発言願います。
○こやり隆史君 自民党のこやりと申します。 四名の参考人の皆様方には、本当にお忙しい中、貴重な御意見を賜りまして、ありがとうございます。 時間も短いですので、早速質問をさせていただきたいと思います。 まず、大江参考人にお話を、質問させていただきます。 ストレス脆弱性モデルの御説明、そしてストレッサーであったりトラウマの要因の御説明を頂戴をいたしました。ハラスメントについては、やっぱり難しい、非常に、制度的にどうやって、なくすという目的は多分みんな一緒だと思います、その中でどうやってなくしていくか、あるいはどういう手法でなくしていくかということを具体的に措置を規定することが大変難しい分野であるなというふうに思っています。 このストレス脆弱性のモデルでも、受け手とストレスそのものの強度の相乗効果、これは多分個人によっても違います。先生、だけど、例えば規制をするときにはどこかで線を引くことになります。科学的にまずこういうどこかで線を引くということ、で、線を引くと、この線までは禁止だ、駄目だけど、ここまではぎりぎりとかですね、ごめんなさい、少し、何というか、線があることゆえに、何というか、そのできることも明らかになってくるわけですね。 そういうことも含めて、科学的に一般論として、そのハラスメントにおいて線を引くということの可能性というか妥当性というか、そういうものについて御見解を少し教えていただければと思います。
○参考人(大江美佐里君) 御質問ありがとうございます。 非常に難しい点の御質問でございまして、例えば、私、先ほどストレス因とトラウマ体験といいますか、そういったものの違いというようなことも申し上げましたけれども、実際の事例に関して、これは心的外傷的出来事に該当するのかという御質問に関して講義などをする際には、もう個別具体的な事案において決まるので、簡単にこの出来事であればこれというふうに決められないというふうに申し上げるわけです。そういうふうに申しますと、その受ける側、受講されるその方は、決まってほしい、例えばこういう事例であればもう必ずトラウマである、必ずストレッサーであるというふうに決めてほしいというところではありますけれども、なかなかそういう具合にいかないというところがございます。 先ほどのストレス脆弱性モデルに関しましても、では、このぐらいのストレッサーであればというところが簡単には申し上げられないというところになっているかと存じます。
○こやり隆史君 ありがとうございます。 様々な事例が積み重なっていけば、またそういう、ある程度の線を引くということは科学的にできる可能性があるかもしれませんけれども、現状、やっぱり個々のケースによって大分違うというのがやっぱり基本的な現状であるというふうに承知をいたしました。 それで、今回、今日、参考人の皆様も、罰則付きの禁止を措置すべきだというような御意見もありました。多分そこが一番の、法律を構成する上で、どういう手法でこのハラスメントというのをなくしていくかと、何が一番近道になるのか、あるいは何が現実的かということを考えながら多分法体系つくっていかないといけないと思います。 やはり、罰則付きの禁止規定を設ける以上、多分、これ特に、日本の法体系では特にそうだとは思うんですけれども、やっぱり厳格に、構成要因であったり、厳格にこれ線を、罰則がある以上ですね、引いていかなければならないという現実があると思います。 海外の例も、海外では禁止規定措置されているということをお話をいただきましたけれども、その海外の事例も含めて、今回、そのハラスメント全般に対する禁止規定というのを入れようとする場合、何というか、その現実的な困難性はある、まあ重々承知だとは思いますけれども、具体的に今現実にこの線を引くということについて、何というんですかね、質問も難しいんですけど、具体的に、可能、できるのかどうかということの見解を、中井参考人、内藤参考人、高木参考人に、済みません、短いコメントで結構ですので、コメントいただければと思います。中井参考人からお願いします。
○参考人(中井智子君) 御質問いただきましてありがとうございます。 特に罰則付きのハラスメント禁止規定を入れていけるかどうかという点について、私の考えを述べさせていただきます。 私も弁護士、実務家でございますので、罰則というのであればその対象が明確になっていなければならない、こういう価値判断で物を考えます。そういった場合に、例えばなんですけれども、既に法制度でできているパワハラを例にしますけれども、パワハラは、社会通念上相当性を超えたかどうかというところは、パワハラ指針で様々なものを総合考慮するとなっています。例えばその言動、言動に至る経緯、それからどんな、労働者の属性は何だ、それから労働者の心身の状況はどうか、そういった個別具体的なものも総合考慮してハラスメント該当性を出しています。 これを考えると、やっぱりケース・バイ・ケースになってしまうんですね。なので、ハラスメントしてはいけないという考え方を浸透させていこうということは私は全く反対しません。そのとおりだと思います。しかし、罰則付きということになりますと、既に法制度で整備されているパワーハラスメント一つ取っても、そのターゲットを一義的に線を引くと、線を囲むというちょっとそういう表現をします、これをすることは非常に難しい面があるのではないかと。私はその点は、罰則付きについては消極的な意見でございます。 私からは以上でございます。
○参考人(内藤忍君) 御質問ありがとうございます。 よく禁止規定といいますと必ず罰則の話が出てきて、これが必ずセットでなくてはならないかのような話になっているのですが、必ずしもそうではないと思います。まあ、もちろん罰則が付いているものもあり得るし、その方がいい場合もあります。 しかし、私はイギリスの労働法が専門なんですけれども、イギリスにおいては、このハラスメントの禁止については、一つは二〇一〇年平等法という反差別法、差別禁止法制の下で禁止される行為として規定されているんですが、その効果としては、雇用審判所というところに訴えることができる、そしてそこで補償金、賠償金が得られることになるという、そういう法的効果があると。だから、司法的効力、司法的効果がある、を有する規定ということになります。 こちらでも、前回、二〇一九年の法改正のときに、損害賠償請求ができる、の根拠規定となる法規定の検討をすべしということを政府に対して御注文付けられていますが、そういうことと似ているのかなというふうに思います。 あと、関連することとして、先ほど私、東京都のカスハラ条例の委員をやっているというふうに申しましたが、東京都のカスハラ条例では、カスタマーハラスメントの話ではありますが、第四条において、何人もあらゆる場においてカスタマーハラスメントを行ってはならないという禁止規定を入れました。これは罰則が付いているわけではなくて、メディアには罰則がないというふうに書かれましたけれども、今カスハラのこの段階を考えますと、啓発が重要であるということでして、こういった規定ぶりもあるのかなというふうに思っております。
○こやり隆史君 済みません、高木参考人にも御意見を伺いたかったんですけど、時間が来てしまいましたので、ほかの質問者に譲りたいと思います。 ありがとうございました。
○高木真理君 参考人の皆さん、参考になる大変貴重な御意見ありがとうございました。 まず最初に内藤参考人に伺いたいというふうに思いますけれども、今回も含めて、これまでこのハラスメント関係は事業主の措置義務という形で対応する体系でやってきたけれども、しかし、その履行率が低いという点についての御指摘がありました。 これなんですけれど、私、この後に行われる質問の準備をしているときに、今回も措置義務なので、それでは弱いのではないかということを厚労省にレクの段階で伺いましたところ、いえいえと、すごくやっていますと、みんな措置に応じていただいていますということで、資料ももらったんですね。もう、セクハラで、規模によって違うけれども、全体で八六%、五千人以上のところはもう一〇〇%です。マタハラも、全体で八二・七%、五千人以上は一〇〇%だし、規模が小さいところでも八割近くやっているとか、パワハラも似たような感じの数字がデータでもらいまして、こんなに認識が、実態が、やっていますと思っていたら、こういう方向でしかやらないんじゃないかというふうに思ったんですけど、研究していらっしゃる中で、先ほどはそうじゃない数字を御紹介いただきましたけれども、この政府側の認識の違いみたいなところを感じたことはありますでしょうか。
○参考人(内藤忍君) 御質問ありがとうございます。 厚労省が間違っているわけではありません。認識の違いといいますか、ちょっと注目しているポイントが違いまして、先ほど申し上げましたが、措置義務というのはハラスメント指針に書いてあるんですけど、セクハラやパワハラの場合は十項目書かれています。この十項目全てを履行しなきゃいけないということになっています、事業主は。 で、厚労省の言ったのは、このうちどれかを取り組んでいる場合はその高い割合で取り組んでいるというわけで、それ自体は間違っていません。そういう聞き方もしています。でも、私が先ほど申し上げたように、全て取り組んでいるかといいますと、セクハラの場合ですと三十人以上規模で四八・三%ということで、過半数が全部は取り組んでいないということになります。ですから、法違反が生じているということになるというわけです。
○高木真理君 ありがとうございました。 でも、いろいろ取り組まないと前に進まないというのもあるので、やっぱりこれ、厚労省も本当、認識をそういう意味でもしっかり持ってほしいなと思いながら今のお答えを聞きました。 もう一つ内藤参考人に伺いたいんですけれども、被害者の救済のところで、制度も知られていないし、さらに利用もされていないという実態についての御報告をいただきました。 これ、だから制度をもっと広めて利用してもらう方に行こうということもあろうかとは思うんですけれども、制度自体が余り期待できないシステムであるためこういう結果が生まれてしまっているのではないかということも考えられるのではないかとお話を伺っていて思いました。 ここに相談をしてこういうふうにやっていけば解決するということが成功事例、好事例としてみんながそれをやっていけばそれが広まっていくけれども、結果、それ使ってもなというようなことだと広まらないんじゃないかなというふうにも思ったんですけれども、その点についていかがでしょうか。
○参考人(内藤忍君) そうですね、確かに、そこのその救済制度を利用したい被害者、被害を訴えている人と制度側のミスマッチが生じていると思っています。制度側が提供しているのは、調整的な手続、譲り合う手続。しかし、被害者たちにインタビューしますと、自分たちが求めているのは、私たち、私が受けた行為はハラスメントであると、いけない行為であるということ、それから謝罪や補償、そして、私たちの職場でもう二度と起きてほしくないということなんですが、それがこの労働局、行政の現在の紛争解決制度では得られるものとなっておらず、先生おっしゃるとおり、ここにそのミスマッチが生じているということがあるかなというふうに思います。
○高木真理君 ありがとうございました。 次に、大江参考人に伺いたいんですけれども、お話の中で、自殺に至るような大変重いケースでは、PTSDは性暴力あるいは対人暴力によるところが大きいという話があったんですけれども、セクハラとかカスハラというのは、その受けた暴力のところに加えて、要素として、自分の対応が少し違っていたら、違う行動がちょっとどこかで取れたら違う結果だったかもしれないとか、周りの反応がそういうことを言ってくるみたいなことがあって、更に心に重い負荷になってしまうような傾向があるのではないかなというふうに思うんですけれども、そういった点どうでしょうか。
○参考人(大江美佐里君) 御質問ありがとうございます。 自分が別の行動が取れたのではないかというような被害を受けた方の御発言というのは、PTSDの症状として、症状の、このことが必ずしもそのトラウマ体験だったかというのはちょっと出来事によって違うところもございますが、もしトラウマ体験ということになりますと、PTSDの症状の診断基準の中に、自分のやったことを過度に責めるような症状というのも、状態も記載がありまして、それが、その後から思い出してこうすれば良かったというのは、その実際体験している中では予測ができなかった、実際のところではできないわけですけれども、後から、結果が出てから思い返してみると、そういうことができたんじゃないだろうかといって御自身を責めて、それがうつ症状につながりというところはございます。
○高木真理君 ありがとうございました。 そういうこともあるので、もう行為自体が悪い、やっちゃ駄目なことなのであって、被害者のせいではないということをしっかり禁止規定とかでうたっていくことがこれからますます必要になっていくなというふうに思いました。ありがとうございます。 次に、中井参考人に伺いたいんですが、業種ごとにいろいろ様態も違うので、細かくそういったところを規定をして、同じ業界同士の知恵なども集めていくべきだというようなお話もあったんですけれども、これ、個々の業種ごとにそれを伝えていくというような手法も必要なんですが、それをやっていったときに、結果的に、事業主側もあるいはカスハラをしてしまうかもしれない国民の側もいろいろな対応があるということで、なかなか周知という意味では分かりにくくなるというような側面があるのではないかなというふうにも思うんですけれども、そういったときに、今回カスハラのことですけれども、ほかのハラスメントも含めて包括的に、もうこういうこともハラスメント、こういうこともハラスメントだから駄目ということを、大きくそれに国が取り組んでいるんだというようなことがぱあんと出ていくこととかがこのカスハラにとっても有効な方法になっていくのではないかなというようにも思うんですけど、その点いかがでしょうか。
○参考人(中井智子君) 御質問いただきましてありがとうございます。 カスタマーハラスメントに関してまずお話をすれば、今御指摘をいただいたように、外に向かって発信をしていくと、こういったことは駄目だという問題提起を外に向かってしていくというのは大変有効な手段ではないかなというふうに思います。 業界での検討と申し上げたのは、これは各事業主の検討の一助になればという趣旨で申し上げた次第でございまして、例えば業界全体でのメッセージを出していくということも一つの方法ではないかなというふうに私は思います。事業主側の個々の検討の中でそれが役に立てばという趣旨で先ほど申し上げました。 以上でございます。
○高木真理君 最後に、高木参考人に伺いたいと思うんですけれども、先ほど内藤参考人にもお伺いをした、なかなか救済の今ある制度も使われていないといういろいろ事例の中でも出てきていたかと思うんですが、これはどうして使われないようになっているのかというところ、現場で感じていらっしゃること簡単にお願いします。(発言する者あり)
○委員長(柘植芳文君) 挙手をしてからお願いします。 高木さん、時間が来ておりますので、簡潔にまとめていただきたいと思います。
○参考人(高木りつ君) はい。失礼しました。 パワーバランスで弱い側が受けるものですので、相談そもそもしづらい。相談すると解雇されるのではないか、仕事外しに遭うのではないかというのが、パワーバランス、弱い側にいる者の立場です。
○高木真理君 ありがとうございました。
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。 今日は、本当に、四人の先生方、ありがとうございました。 大江先生にお伺いをいたします。 先生は、国際トラウマティック・ストレス学会の理事として世界的にも御活躍をされた日本を代表するお立場の先生であります。海外のことをよく知る先生に、私たちが議論をしているハラスメントの防止とは日本独特の課題なのかということをちょっと浮き彫りにしたく、海外のハラスメントの状況とか海外のハラスメントが起きたときの対応、こういったものが異なるかということをまずお伺いをしたいと思います。
○参考人(大江美佐里君) 御質問ありがとうございます。 まず、他国と日本とのハラスメントの状況についてどうかというところでございますけれども、ちょっと私の知る限りにおきまして、パワーハラスメントという言葉は日本の言葉でございまして、和製の言葉でございまして、海外では、モビング、バリイング、モラルハラスメント、様々な用語で捉えられておりまして、訳によっては職場いじめといったような表現もあったりするところもございます。 〔委員長退席、理事三浦靖君着席〕 そうしますと、若干定義が異なっておりまして、直接の比較という報告を論文などで探したりするのはちょっと難しい状況にありますが、セクシュアルハラスメントに関しましては、二〇一八年の調査によりまして、二十七か国比較したものでは、日本では女性に関して一八%、男性に関して二二%ということで、例えばアメリカの、女性に対して三五%、男性について三〇%といったものよりは低いという結果になってございまして、欧米より若干低い、パーセントとしてですね、報告は低いかもしれませんけれども、このことがすなわちセクハラが日本で少ないというところを示しているとは限らず、社会規範としてセクハラを容認するような風土があるかどうかというところで、もしかすると、セクハラに対する認識、職場での認識が低いために報告数が少なくなっている可能性があるかと思います。 欧米では、LGBTQI+を含めて、例えば性自認の多様性に対する認識も強くて、個を尊重するという傾向がありますので、そういう傾向があるということで、問題が生じたときにハラスメントというふうに認識しやすいというようなことがもしかしたらあるのかもしれません。 対応に関しましては、私が二〇〇九年から二〇一一年にスイスに留学していたときに感じたところからの見解に、私的な見解になりますけれども、例えば労働条件に関しまして、平日の週五日を一〇〇%というふうに考えたときに、半日が二〇%ということになりますけれども、週の中でどのぐらい時間働くかということが人によって細かく違っておりました。 スイスでは、例えば、上司が六〇%勤務、部下の方は一〇〇%勤務といったような、ちょっと勤務の仕方が違っているような場合に、相手の勤務の時間帯を、しっかり労働時間を守る、御自身の労働時間もきちっと守られる傾向ありましたけれども、相手の労働時間や、相手の労働の役割といったものと相手の人物そのものといった、それを分ける、そして職階と労働時間も違っているということで、個々人を尊重するという労働環境がつくられていると。これが対応の違いにもつながっているのかもしれないというふうに感じておりました。 以上です。
○秋野公造君 先生、ありがとうございます。 二点目に、研究でもよろしいんですが、ハラスメントが起こりやすい風土、その人の背景といいましょうか、組織の背景といいましょうか、そういったものを先生どのようにお考えになっておりますでしょうか。
○参考人(大江美佐里君) 御質問ありがとうございます。 陳述の中でも心理的安全性というところを申し上げましたけれども、これはエイミー・エドモンソンが提唱している概念で、組織の中で自分の意見や気持ちを表現したり、間違ったことを言ったとしても拒絶されたり罰したりされたりしないというふうに感じるといった、その心理的安全性が損なわれているようなところであります、ような場合、あるいは、最近の総説によりますと、既に衝突が起きている、パワハラなどを受けている状態、リーダーが不在である、チームが機能不全に陥っている、そしてタスクに、やるべきことに過度に焦点を当てた職場環境というのが加害行為を引き起こす要因となっているというふうに言われております。 以上です。
○秋野公造君 ありがとうございました。 内藤先生にお伺いをしたいと思います。 先生の論文等も読ませていただきました。我が国の法体系が、禁止されるべきこと、防止といったところに力が入れられていて、一方で、海外、先生の場合、イギリスになるのかもしれませんが、その救済を定めるということが中心的な法制度になっているというところには大変感銘を受けたところでありますけれども、先生、その救済的な手法として定められているものについて適用可能なもの、先生のお考えをお伺いしたいと思います。
○参考人(内藤忍君) 御質問ありがとうございます。 〔理事三浦靖君退席、委員長着席〕 そうですね、イギリスの場合は、先ほど申し上げたとおり、イギリスの場合は雇用審判所という、日本でいうと労働審判、労働審判がイギリスの雇用審判所をまねてというか、参考にして導入したものでありますので、司法に近いものでありますけれども、日本においては都道府県労働局、厚生労働省の所管の労働局がありますので、こちらを何らかの形で救済をできるような形にできたら実現可能性が高いのではないかなというふうに思っております。 ただ、しかし、現状は先ほど申し上げたように調整的な手続になっているので、その手続を、ただその調整だけじゃなくて、救済を出せるようにするだけではなくて、その際には禁止される行為にして、ハラスメントを、そしてその定義を書かないと判断することができないので、やはり禁止して定義を書くということが必要になってきます。その上で、判断できる法律家のいる労働局で判断するということで救済命令が出せると、そういうふうになれてもいいのではないかなというふうに思っております。
○秋野公造君 その上で、その救済のメニュー、こういう方法で救済をするといったメニューみたいなものがあれば御紹介いただけたらと思います。
○参考人(内藤忍君) もし、これは行政がやる場合ですけど、そうしますと、賠償金などを命じるという形ではなくて、ハラスメントの差止め命令等ですとか、オーストラリアの例なんですけれども、ハラスメントについて、差止め命令ですとか、それから働く場所を移動させるとか、こちらのビルディングとこちらのビルディングにするとか、働く時間帯を変えよと、そういう命令を即時に、二週間以内に出すとか、そういったことをやっている国もありまして、そのようなことでしたら行政はやりやすいのかなというふうに思っております。
○秋野公造君 ありがとうございました。
○猪瀬直樹君 猪瀬直樹です。 中井参考人にちょっとお尋ねします。 中井参考人は企業の中でハラスメントの防止対策とかいろいろおやりになってきたわけですが、少し考え方、観点をちょっと変えさせていただいて、御存じだと思いますけれども、人権デューデリジェンスという言葉御存じですね。つまり、我々が企業価値を測る場合に、その企業の資産がどのくらいあるかとかいろいろ調べます。デューデリといいますけれども、そのデューデリの中に人権というものを入れると。人権というものを入れて、その企業が、例えばサプライチェーンの中でウイグル族の、まあユニクロなんかありましたね、ウイグル族の綿を使っているかどうかとか。それはなぜウイグル族の綿を使っていたらいけないのかといえば、それは児童労働であったり強制労働であったり、極めて奴隷的に近い労働をさせているとか、そういう人権侵害があるということで、つまり、ハラスメントというのは、セクハラとかパワハラとかいろんな名前あるけれども、要するにその人権侵害ということのバリエーションだと思うんですね。 ですから、企業が、その企業価値を人権という概念を入れてデューデリをするという、そういう時代に今来ているんではないかと。サプライチェーンがグローバル化しているということもあるわけですね。国内の人権だけじゃなくて海外の人権も考えるという、そういう意味ですね。 そこで、今、経済産業省がそのデューデリを義務付けるか法制化するか、そういうふうなことを考えているということはあるようですが、今起きているこのハラスメントやセクハラ、いろんなパワハラ、いろんなものを入れて国内で普通にデューデリとしてその企業価値を高めていくという発想を、今、日本の企業はどのぐらいやろうとしているのかということをお尋ねしたいんですけれども。
○参考人(中井智子君) 御質問ありがとうございます。 私が、その人権デューデリに関する知見がそれほど高くないです。申し訳ございません。ですので、以下のようなお答えの仕方をさせていただきます。 現在では、かつてと違って、企業の価値というものが、いわゆるPL、損益、数字で表せる損益計算書のようなもので企業の健全性を測るだけではなくて、人的な資本をどう投入して、どういう人的な活用しているかということに対する評価、いわゆる私は非財務と呼んでいるんですけれども、その財務的な数字での企業の価値判断ではない時代になってきているなということは大変よく理解をしていますし、それから企業もそのような動きになっていると思います。 その企業の動きに関しては、今私が申し上げられるのは、例えば多様性の問題、それからハラスメント撲滅の問題、こういったものに取り組んでいるというのは、通常、私が日常拝見しているのは比較的大きな規模の企業が多いという現実はありますけれども、そういったことを前提にすれば、今おっしゃったようなデューデリジェンスに近いもの、特に人的な資本に関して労働者が健全に働けているかどうか、離職率がどうか、こういったことに対して神経をそちらに向けている企業というのは増えてきていると、これは言えると思います。 済みません、私からはこのようなお答えになります。
○猪瀬直樹君 だから、そういう具体的にセクハラ、パワハラ、何とかハラという、カスハラとかいろいろあるんだけど、やっぱり企業価値をどのように見て評価していくのかと。そこによって、投資家も、あるいは銀行も融資するというふうな、そういう経済活動の根本が変わってくるということが、やっぱり企業価値の問題として、これからこういう問題解決する方向性の一つだと思います。 それから、じゃ、ちょっとその流れで内藤さんにお尋ねしますね。 企業の場合は、そういう企業価値というものを、セクハラ、パワハラ、カスハラ、そういうものは企業価値を損なうということであれば、その企業は、経営がある意味では悪い方向になっていってしまう可能性もあるということになりますね。そうしたら、公務員とその企業と、これどういうふうな、差が出てくると思うんですが、この間ずっとそういう現場を見ていらして、公務員と民間の、今のところ、セクハラ、パワハラ、カスハラの違いとか、そういうものはありますか。
○参考人(内藤忍君) 御質問ありがとうございます。 そうですね、地方公共団体も、この今回のこちらで話し合っていただいている均等法や労働施策総合推進法の適用対象になると。で、もちろん地方公共団体も、こういったことを守っていかなければ、その自治体としての信用を失う、求職者も来なくなる、そこに住む人も少なくなる。そういったことになり得ると思いますので、それは企業と同じことが起こり得るのではないかと私は思います。(発言する者あり)
○委員長(柘植芳文君) 済みません、指名してから発言ください。
○猪瀬直樹君 済みません。 内藤さん、ステークホルダーが必ずしもイコールではないというふうに思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○参考人(内藤忍君) おっしゃるとおり、ステークホルダーは変わってくるのかなと思います。 そういった意味で、少しハラスメントだけではない話になりますけど、本法案に入っている女性活躍推進法の仕組みというのも、そういったそのステークホルダーの目を利用した法制度でありますね。一定の情報を公開して、それを投資家とか、それから求職者とか消費者とか、そういった方々に見ていただいて、そのホームページに公表しているものですとか、それから国のデータベースに公表しているものですとか、そういったもので、もうそれは地方公共団体も発表していますし、企業も発表しているので、そういったところの組織の本気度を見て、そして消費行動や投資行動に移していただく。株主も利用していただきたいし、こういったことが、今回この期間が延長されたわけですけれども、もっと国民に知れ渡ってほしいと思います。 ただし、済みません、ただし、こういったソフトロー的な、それから自律的に企業や地方公共団体が取組を行っていく仕組みというのは、ベースにやはり一定の差別やハラスメントは禁止というのがあると、そういう立法があるのが欧米の仕組みです。ですから、さっき先生がおっしゃったような人権DDとかビジネスと人権の話というのは、そのベースがあっての上乗せ部分だということに御留意いただければというふうに思います。
○猪瀬直樹君 分かりました。どうもありがとうございました。
○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。今日はよろしくお願いいたします。 四名の参考人の皆様、大変示唆に富んだお話、ありがとうございました。 少しだけ私の背景をお話しすると、元々スーパーでサラリーマンとして働いていて、売場で肉切ったり豆腐並べたり、そういう仕事をしている中で、自分自身も二十六歳のときに売場のその時間帯の責任者で立っていたんですけれども、お客様の勘違いで職場で大きな声で、売場で大きな声でどなられて、謝るんだけれども、おまえのような若い女が責任者なわけがないと、男の責任者を出せと、延々三十分その繰り返し。もう大声で、営業中だったんですけれども、謝り続けるというような体験をする中で、私自身、その当時はカスタマーハラスメントという言葉がなくて、何ハラスメントなのか分からないけれども自分は大変つらい思いをしたというのを今でも覚えていますし、その当時は有り難いことに周りの従業員とか上司がいろいろと対応してくれたので今ここにいるんだというふうに思いますけれども。 今回、そういう意味でいけば、カスタマーハラスメント対策というのが法整備をされたというのは大変うれしいんですけれども、一方で、さっき言ったように、何ハラスメントかが分からないというのが、今後もハラスメントの名前ごとに法整備をされているということに大きな課題があるのかなというふうな思いで、今日も私、ここの方に座らせていただいています。 そういう中で、まず中井参考人にお伺いしたいんですけれども、大変難しい質問かもしれませんが、先ほど来ちょっと罰則付きの禁止という話が議論あったんですけれども、そもそもハラスメント自体を包括的に禁止をする、罰則はセットじゃないけれども包括的に禁止をしていくというようなところは、今回、残念ながら禁止ではなくて、法文第四条の四項に、何人も職場における労働者の就業環境を害する行動を行ってはならないことを明文化をしたというところまでは来ているということも鑑みると、包括的な禁止みたいなことに向けての議論ということについてはどのようなお考えをお持ちなのかということをお答えいただければと思います。
○参考人(中井智子君) 御質問いただきましてありがとうございます。 大変おつらい経験をされるというのは、こうやって何年たっても忘れないという問題で、やはりハラスメントをなくしていくということについて私は賛成だと申し上げました。 ただし、私の意見はなんですけれども、今の御経験からすると少し突き放したようなコメントになってしまったら申し訳ないんですけれども、そういう趣旨ではございませんで、例えばカスタマーハラスメントに関しては、正当なクレームは排除されてはならないと思います。 顧客が言いたいことも言えなくなる、過剰反応を起こしては困ります。それから、パワーハラスメントももう法制度もされて、その前から問題意識はあるんですけれども、企業が教育をしてもまだ過剰に反応する、何か物も言えなくなるんじゃないかと上司が悩むと、こういうことを私は日常的に接触しているんですね。ですので、ハラスメントはいけないということは大変いい考えなんですけれども、過剰反応を起こされてしまうのは私としては困る、困るというか、正しく進まないということを懸念しています。 ですので、セクハラに関しては大分進んだという認識はございます。相談数、相当減ってきました。ただ、パワーハラスメントはまだちょっと、何か別にパワハラでも何でもないことでこんなことしていいんだろうかというふうに悩んでいる上司を見ている私としては、もう少し正しい、本来の社会からなくしていくべきハラスメントの姿がもっと具体的に現れてくるという時代に、禁止規定に入っていくという、そういう姿でうまく入っていきたいという個人的な考えは持っています。 以上でございます。
○田村まみ君 ありがとうございます。 そういう意味でいくと、政府の答弁は、今後は社会において規範意識の醸成が必要だということで、国が周知啓発をしていくんだみたいなことを先ほどの条項を挙げた上でおっしゃっています。 内藤参考人にお伺いしたいんですけれども、参考人は東京都で全国の自治体初のカスタマーハラスメント条例作るというところに大変御尽力をいただいて、私も敬意表したいというふうに思います。そういう中でも、やっぱり今言ったみたいに線引きの難しさであったりとか、例えば、今はどうしても第三者からの行為の中ではいわゆる外食や小売などの消費者からのカスハラが主眼で議論されているんですけど、東京都の議論の中には、しっかり取引先の交渉の中での行為も対象ということで、正直私そこは、両方とも企業、雇用されている労働者がほぼ対象なので、それパワハラじゃないかというふうな思いもありながらも、カスハラに分類しながら、するという大変難しい議論をされていた中で、改めて、先ほどはその罰則は、少し、検討は当初必ずしも必要じゃないという中で、禁止というところは早く決めて、何でしょうね、法律として禁止規定のようなものは検討すべきじゃないかというふうに、私、御意見として受け止めたんです。 私もまだ規範醸成は難しいと思うので、禁止までは確かに今のタイミングは難しいかなと正直に思いながらも、今回のこの罰則、禁止、両方がないこの法整備の中で、今後、一九年と変わらない課題だったとおっしゃったんですけど、改めて、今、この第三者からのハラスメントが入った中での課題を、済みません、改めて、変わったという視点を、ちょっと無理やりかもしれませんが、入れていただいて、一九年からちょっと変わったよというところの前進のところをお話しいただければと思います。
○参考人(内藤忍君) 難しい御質問ありがとうございます。 今回、社会的にもいろいろメディアでもカスハラの問題取り上げていただいて、労働組合からもこういった実態があるんだということで声を届けていただいて、このような形になったのかなというふうに思っております。東京都の条例もそういった声に応えるものであったと。そういう意味で、これまでのセクハラやパワハラを超えるような盛り上がりといいますか、の中でいろんなことが提案できたのかなというふうに思いますし、東京都においては禁止ということが入ってきたのかなと思います。 決して罰則がなくていいよと言ったつもりではなくて、日本においては、その罰則が必ず禁止規定にマストで付いてくるとなると、その範囲が狭まる危険性もあると思いまして、現段階においてはこういったことも労働者は受けてはいけないハラスメントの一つなんだというしっかり認識を社会全体で、働いている人もですし、カスタマーである人も取引先も、みんなが持つと。東京都の条例はすごく広くて、就業者に地域団体で働く人も含むと、だからPTAの役員なんかも含むというふうにされているぐらいなんですけど。あらゆる人が対等な人間関係を築くというところに力点が置かれていまして、そういったことから、カスハラのこういった取組からほかのハラスメントにつながっていくといいかなというふうに思っております。
○田村まみ君 ありがとうございます。ちょっと質問が明確じゃなくて申し訳なかったです。 ただ、私もやっぱり第三者からのハラスメントというところが一九年は大変争点になって、なかなかほかのハラスメントについても認められなかった中では相当な前進だったんじゃないかなというふうに受け止めています。 そういう中で、大江参考人にお伺いしたいんですけれども、やっぱりさっき私が受けたところで、もちろんハラスメント自体が起きないのも大事なんですけれども、もしそのときに私が周りの方にいろんなケアしてもらえなかったらどうなっていたんだろうという思いで今日お話聞いておりました。 そういう中で、最後の方にソーシャルサポート大事だよというところを言っていただきました。今回余りちょっと議論になってないんですけど、治療と仕事を両立できるというところでの取組も法律の中に入っておりまして、その両立支援ガイドラインなんかをしっかりとまた豊富にしていくというようなところが主眼になっているというふうに思うんですけれども、なかなか、今回、この労働施策推進法とか事業者だけの取組というよりかは、私は例えば労働安全衛生委員会とかでの議論で取り扱うことがまさしくソーシャルサポートなんかにつながるんではないかなというふうには思っているんですけれども、職場においてシステム的にこのソーシャルサポートを入れていくような手段とか何か方法みたいなのがあれば御示唆いただきたいと思います。
○委員長(柘植芳文君) 時間が参っておりますので、答弁は簡潔にお願いしたいと思います。
○参考人(大江美佐里君) はい。 御質問ありがとうございます。 職場で、例えば誰もが支え、支えられるような関係性をつくって考えていく。委員会などの制度をつくることも大事かもしれませんが、自分がいざというときに話せる、あるいは自分がいざというときには誰かを支えるといった関係性をつくっていくという風土づくりが大事かと思います。
○田村まみ君 終わります。ありがとうございました。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子でございます。 今日は、四人の参考人の皆さんに御意見をいただきまして、本当にありがとうございます。 限られた時間ですので、私の方からは高木参考人と内藤参考人にお伺いしたいと思いますが、いただいた御意見は是非生かしていきたいと思っております。 まず、内藤参考人の方からは被害者の救済の在り方について御意見いただいたので、今度、現場の方でどんな声が出ているのか、そして被害者が望む救済の在り方というのはどういうものなのか、これは現場際で、高木参考人の方からお伺いしたいと思います。
○参考人(高木りつ君) ありがとうございます。 セクハラ事件に精通している角田由紀子弁護士と、あと被害に今も遭っている被害者の声によれば、被害者が求めていることは四つあります。一つ目はハラスメントだったと認定されること、二つ目は事業主と加害者が謝罪すること、三つ目はもう二度と起こらないようにしてほしいということ、四つ目が元の職場で名誉を回復して安心して働き続けることです。 被害者の願いをかなえることができるよう、法改正をお願いいたします。
○倉林明子君 多くの被害を受けた労働者が元の職場で自分のキャリアを積み重ねたいというのは、本当にそれができなくなっているという状況が一刻も早く救済されるような対応が必要だろうなということを改めて思いました。 そこで、高木参考人に続きでお伺いしたいのは、包括的ハラスメントの禁止法の制定ということと独立した国内人権機関の設立ということの御提案ありました。そしてあわせて、日本で取り入れるべきものということでの御提案があるということで伺ってはいるんですけれども、その点御説明いただけるでしょうか。
○参考人(高木りつ君) 国連人権理事会の結語及び勧告にあるとおり、構造的な人権課題、あらゆるハラスメントと差別を根絶するために、包括的で率直なマルチステークホルダーダイアローグの機会を設け、国際水準を実現すること。そして、そのマルチステークホルダーダイアローグには、全ての労働者の実態とリアルな声を届けるため、私ども全国労働組合総連合も含めていただき、つくっていただきたいと求めております。 ありがとうございます。
○倉林明子君 ありがとうございます。 内藤参考人にお伺いしたいと思います。 最初のお話の中でも少し触れられたんですけれども、自治体職場のところでの、複雑なといいますか、ちょっと対応、ハラスメントの法制上の課題があるというお話だったと思うんですね。 その課題というところについて幾つかというか、具体的に御紹介いただきたいのと、解決に向けてどうしていけばいいかという辺りも併せて御紹介いただければと思います。
○参考人(内藤忍君) 御質問ありがとうございます。 まず、先ほども話の中で申し上げたんですけれども、まず、地方公務員は、この労働施策総合推進法とか均等法とかのハラスメント規定の部分は適用対象になっているということが知られていないというのが最大のことで、地方公共団体においても、それを知らずに、国家公務員対象の人事院規則の方に準拠するべきだと勘違いされているところもあって、地方公共団体の規定を見ますと人事院規則に準じたような規定ぶりになっているところもあるぐらいです。そうしますと、実は民間法制の方が進んでいるところもありまして、違法なところが生じてきてしまうという問題が一つ。 それから、先ほど申し上げたんですが、人事委員会、公平委員会が全く使われないということは、つまり、地方公務員の人たちは民間労働者のような労働局を使うようなことができないということなので、もう泣き寝入りしかないということが大きな問題でして、当然ILO条約の言うところの適切かつ効果的な救済ということになりませんので、ここをどうにかしないといけないというところになるかと思います。総務省がいかに監督できるかというところに懸かっているかなというふうに思っております。
○倉林明子君 とりわけ、自治体の職場の中で、先ほど高木参考人からも御紹介あったように、会計年度職員という制度が導入されて以降、本当にそういう意味での、職場で働く女性たちの中にも分断もあるし、救済ということでいうと非常に、おっしゃったとおり地方公務員のところでの遅れというか、対応の遅れがあるのに加えて、そういう課題もあるということで、そういうところ、会計年度職員というような働かせ方をどうするのかということとも併せて取り組んでいきたいというふうに思いました。御提案ありがとうございます。 その上で、内藤参考人と高木参考人にそれぞれお答えいただきたいと思うんですが、相談窓口での二次被害ということでいいますと、これ深刻だなというふうに思っておりまして、現状について是非、つかんでおられる話で具体的に御紹介いただければみんなで共有できるなと思いますのと、被害防止、二次被害の防止のために具体的な御提案、対策の御提案ということで伺えればと思います。内藤参考人からお願いします。
○参考人(内藤忍君) 私も今すぐに出るのは報道ベースのものになりますけれども、アエラデジタルによれば、相談窓口へ相談したら、役員から、まさかと思うけどお金が欲しいわけじゃないよねなどとセクハラの被害者が言われたりですとか、こういったセクハラ、性被害、まあセクハラだけではないですけど、ハラスメントの深刻さを軽視した無理解からくるその対応ですね、不適切な対応というのは間々見受けられます。 そして、どういったことが必要かということについてなんですけど、こういった無理解も、やはりハラスメントはあってはならないもの、禁止される行為なんだということが浸透していない、まあ浸透していないというか、そういう法規範が、立法規範がないですので、なので、やはりそのためにも必要なのではないかと思っている次第です。
○参考人(高木りつ君) ありがとうございます。 既にある相談窓口の体制がなかなか十分ではないということと、人事異動ですとか、相談窓口にいらっしゃる方が非正規雇用で、なかなか高い専門性を維持しながらということも難しいことがあると思います。 私たちの組織としては、職場に組合があれば相談をしていただけるように勧めているところです。今日のお話にも出ましたとおり、職場の中での人間関係、労使関係高めていくことが、そもそもハラスメントを許さないというものを職場でつくっていくことが重要であると考えています。
○倉林明子君 本当に労働組合の役割って大きいと、労使の対等な関係が職場の中できちんと醸成されているということが、物が言えずにやっぱり泣き寝入りということになっている労働者の救済にもつながっていくし、相談窓口として是非頼れる闘う労働組合であってほしいと、これ期待込めて、終わります。
○天畠大輔君 代読いたします。 れいわ新選組の天畠大輔です。 参考人の皆様、本日は貴重なお話をありがとうございます。 まず、内藤参考人、高木参考人のお二人に伺います。 本改正案の四条四項についてです。当該言動が行われることのない就業環境の形成に関する規範意識の醸成について、政府はおとといの質疑で、職場におけるハラスメントを行ってはならないということが中心であるとしつつも、このほかに、他者の人格や尊厳を尊重することや差別的意識を持たないことなど、ハラスメントのない就業環境の形成に資する人々の意識や認識を含み得るものとわざわざ曖昧な心得の概念を付け加えています。 これによって、ハラスメントを行ってはならないという法目的の中心部分がぼやける改正になっていると思いますが、内藤参考人、高木参考人の順に御意見をお聞かせください。よろしくお願いいたします。
○参考人(内藤忍君) 御質問ありがとうございます。 端的に言いますと、非常にこの条文は分かりにくいと思います。ぼやけるものになっていると、答弁は、思います。
○参考人(高木りつ君) おっしゃるとおりで、シンプルに、何人も職場においてあらゆるハラスメント、差別を行ってはならないと一言入れていただきたいと思っております。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、しばらくお待ちください。
○天畠大輔君 内藤参考人と高木参考人にお伺いします。 政府はなぜハラスメントを禁止できないとお考えになりますか。
○参考人(内藤忍君) 御質問ありがとうございます。 これは想像ですけど、まず一つは、法規定をどこに、何の法律に置くかということが技術的に問題になっているかなというふうに思います。 現在の労働施策総合推進法や均等法は、名宛て人が事業主である行政指導の根拠規定、根拠法なんですね。ですから、人に対してハラスメントを行ってはならないというような規定がなじみにくい、そういった法律ですので、どういった法律を作って、あるいはこの法律の中に落とし込めるのかどうか、そういったところの大きな検討が必要なんだと考えているというふうに思っています。
○参考人(高木りつ君) 世界水準で人権が尊重される、例えばILO百九十号条約批准もそうですが、世界水準で人権が尊重されて、そもそも職場で差別もハラスメントも暴力もないということを目指すという認識がやや遅れているからでしょうか。 以上です。
○天畠大輔君 代読いたします。 ありがとうございます。 次に、中井参考人、内藤参考人のお二人に伺います。 昨年七月、大手自動車メーカーの系列会社が、金型の費用を下請に対して不当に押し付けていたとして公正取引委員会から下請法違反の指摘があり、是正勧告を受けたというニュースが流れました。このような事例においては、発注側が会社が利益を出してこそ自分たちの生活があると考えるのか、発注側の労働者が、会社が利益を出して自分たちの生活があると考えるのか、それとも、下請業者の企業や労働者がハラスメントに苦しむような社会で加害の側で生きていくのかということが問われるのではないでしょうか。 私は、全てのステークホルダーが真摯な対応を重ねることでしかこの問題の解決の糸口は見えてこないと思います。私たちは、多くの場合、何らかの意味で買手でもあり売手でもある、そんな社会の中で暮らしているからです。例えば、私のような障害当事者が差別に抗議したり合理的配慮を求めたりするとき、障害への理解がない受け手がカスハラではないかと受け止める場面が想定されます。しかし、そんな瞬間こそ対話が一番重要だと私は考えます。 カスハラ対策を強化する上では対話の重要性を喚起することが極めて重要と考えますが、中井参考人、内藤参考人の順にお考えをお聞かせください。
○参考人(中井智子君) 御質問いただきましてありがとうございます。 パワーハラスメントにも共通しているかと思われますが、今御質問の前提で例示を挙げていただいたような取引先との問題、あるいは障害者の方が何かを求める場合の問題、全てコミュニケーションがその間に介在をしているということがあります。このコミュニケーションの在り方、あるいはどちらか一方のコミュニケーションが余り上手ではないという場合に紛争が起きてくるということ、これは私も実務上大変よく実感をしております。その点では、御指摘のとおり、対話が重要というのは私もそのとおりだというふうに認識をします。 問題意識、カスタマーハラスメントの問題に最後お話を持っていくとすれば、相手方も、自分側も相手方も同じ問題意識を持っていただくということによって対話が同じ方向を向いていただくということに少しでもなればいいという考えは私は持っております。 以上でございます。
○参考人(内藤忍君) 御質問ありがとうございます。 カスハラに限らずですけれども、対話が重要というお話ありましたが、もちろんそれを否定するものではないのですが、この社会はマジョリティーがつくっています。そして、マジョリティーのこの尺度で判断しているところがありまして、いろいろ決めているところがありまして、そこで対話といったときに、少数派が、何というんですかね、合わせるような形というのは私は違うのではないかなと思います。 そういった意味で、まだ日本はマイノリティーをマイノリティーにしているのがマジョリティーであるという認識が欠けていると思っていまして、その前提がないところでの対話というのはちょっと危険かなというふうにも感じております。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 対話は指針作りから重要です。障害当事者の参画は不可欠と考えますが、いかがですか。中井参考人と内藤参考人と高木参考人にお伺いします。
○参考人(中井智子君) カスタマーハラスメントに関してということを前提にお答えをいたしますけれども、もちろんいろいろな要因がある中で、障害者の方への対応というのは当然ですけれども一定の配慮が必要であるというふうに考えます。そこは、そうではない、健常者という言い方をして申し上げます、そういう方とそうじゃないという方に対する対応方針が全く同じでいいということではないというふうに思います。 その点では、御指摘のように指針等で、様々な方からのいろんな接触というのがあるのだと、そしてそれはどういう考え方でやってほしいということを指針の中に取り入れていただくということ自体は私は賛成でございます。そういった視点も当然必要だと考えます。 以上です。
○参考人(内藤忍君) 御質問ありがとうございます。 関連して、東京都のカスハラ条例のときは消費者団体がそういった障害者の方の立場代弁することを言っていたと思います。ですから、こちらのカスハラの今回の措置義務のところでも障害者の方の意見が反映されることが望ましいと考えます。
○参考人(高木りつ君) 国連人権理事会も報告しているとおり、障害者の方々もリスクにさらされているグループの中にいます。対話づくりのときに、是非、障害のある方々、合理的配慮はもちろん当然ですが、対話の中に参画していただいて、多少不快な思いをされるかもしれませんが、一緒につくり上げていっていただきたいと考えております。
○天畠大輔君 代読いたします。 ありがとうございます。 次に、大江参考人に伺います。 先生は、PTSDを始めトラウマティックストレスに関する研究を専門とされています。例えば、何らかのハラスメント経験によるトラウマを既に抱えている方が職場で新たなハラスメントを受ければ、その影響は極めて大きいと思います。 二割ないし三割の方がハラスメントを経験している現状を考えれば、トラウマインフォームドケアの観点から、誰もがハラスメント経験によるトラウマを抱えているかもしれないという意識が必要と考えますが、大江参考人の御意見をお聞かせください。
○参考人(大江美佐里君) ありがとうございます。 本日、私の陳述においてはトラウマインフォームドケアのお話はしておりませんでしたけれども、もう非常に有益な御指摘をいただきましてありがとうございます。 トラウマインフォームドケアの観点、これを、済みません、話そうとするとまたお時間が非常にたってしまいますが、非常に重要な観点でして、こういったことも企業や皆様、もう皆様、本当に企業だとか職場とかそういったことを超えて、トラウマインフォームドケアというのは非常に重要な概念であるというところだけを本日はお答えさせていただきます。
○天畠大輔君 代読いたします。 参考人の皆様、ありがとうございました。終わります。
○委員長(柘植芳文君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。 参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表しまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十五分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(柘植芳文君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律案外一案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省雇用環境・均等局長田中佐智子さん外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柘植芳文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(柘植芳文君) 休憩前に引き続き、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律案及び労働安全衛生法及び特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○高木真理君 立憲民主・社民・無所属の高木真理です。 通告に従って質問してまいりたいというふうに思いますけれども、今日、時間の割にたくさん通告をしてしまって、なので、ちょっと順番を大幅に変えていきたいというふうに思います。 まず、二というふうに通告したところから行きたいと思いますけれども、ハラスメントというものは個人の尊厳や人格を傷つける行為であって許されないものだというふうに強く思うところです。 労働施策総合推進法等改正案、これに対する前回の大椿議員の質疑に対する答弁のところから質問をさせていただきたいというふうに思いますけれども、大椿議員の方から、包括的ハラスメント禁止法が必要ではないかという趣旨で、女活法が令和元年改正時の参議院附帯決議、これを引いて質問をされていたところです。ところが、その回答が、私は聞いているだけでは、刑法上の犯罪云々とか、民事上の損害賠償請求云々とかっていうふうに出てきて、検討したけれど、何人もやってはいけないと法文上に明記をすることにしましたみたいな回答になっていて、いや、これは何を言っているんだろうかというのが、ちょっと私はその場では理解できませんでした。 レクで伺ったところ、附帯決議に損害賠償という単語があったため、刑法上の犯罪や民事上の損害賠償は裁判所の管轄なので、それ以外の部分について対応をするハラスメントに関する法案としては、法文上に何人もしてはならないと書けばよいのではないかというような意味のことではなかったかというふうに理解をするに至ったところです。 しかし、まさに裁判までやらなくても救済されるような制度を持つ必要があるのではないか、それは午前中の参考人の方々からの御意見の中にもありました。この救済されるような制度を持つ包括的ハラスメント禁止法策定が必要ではないか、ILO百九十号条約の批准に向けてもやはりこの包括的ハラスメント禁止法策定が必要ではないか、なぜ個別にしかやらないのか、大臣、お答えください。
○国務大臣(福岡資麿君) まず、御指摘の損害賠償請求の根拠となり得るハラスメント行為そのものを禁止する規定の法制化の必要性に関しましては、令和六年二月から八月まで開催いたしました厚生労働省の検討会において有識者に御議論をいただきました。 この検討会におきましては、我が国の法制度の下では、ハラスメントについて刑法上の犯罪に該当する行為には刑事責任が生じ得るとともに、民法上の不法行為に基づく損害賠償の対象となり得ること、こうした中で職場のハラスメントは許されるものではないという趣旨を法律で明確にした場合、社会規範としてハラスメントは禁止されていることが明確になると考えることなどの御指摘が有識者からなされたところでございます。 この法律につきましては、こうした議論やその後の労政審の議論も踏まえまして、新たに、何人も職場におけるハラスメントを行ってはならないということを法文上明確にした上で、規範意識の醸成に国が取り組む旨を定めておりまして、御指摘のILO第百九十号条約の締結に向けた環境整備にも資するものと考えております。 なお、この同条約におきまして単一の包括的な禁止規定を採用することが義務付けられているわけではないというふうに考えています。 また、個別に規定していることについての御指摘がありました。それに関しましては、我が国ではこれまで順次職場におけるハラスメント対策の充実を図ってきた中で、例えばセクシュアルハラスメント対策については、男女の均等な雇用機会及び待遇の確保の前提条件を整備する観点から男女雇用機会均等法に位置付けるなど、それぞれのハラスメントの内容に関連する法律に規定を設けてきたところでございます。 そのハラスメント行為の認定であったり解決を司法ではなく別の機関において行うということの御指摘につきましては、裁判所以外の機関が正確な事実認定を行い得るか、また、裁判制度等との関係性の整理、組織体制の確保など様々な論点であったり課題がございますため、その必要性も含めて慎重な検討が必要だというふうに考えております。
○高木真理君 裁判に訴えられる人は限られておりますし、ほかの国でも、先ほどイギリスの例などを参考人の方からは紹介ありましたけれども、やっぱりそういう制度をつくって、別の制度でできるというのをやっています。現在の労働局による調整ですか、それをやるというのは、双方譲り合うという原則に基づいてやろうとすると。ハラスメントを受けてもう被害に遭っている側が何を譲るんですかという話もあるわけですよね。 こういった最終的に救われないというような仕組みが、相談とかにも行きにくいというような悪循環にもつながりかねないというふうにも思いますので、先ほど百九十号条約の批准に向けても資するものだというのはありましたけど、それは一部を満たすという意味であって、足りないところがまだあるから批准はできないというのが、これまでのこのやり取りを聞いてくるとそういうことなのかなと受け取れるところであったわけですけれども、まさにこうした救済の制度とか、ちゃんと禁止をするとか、そういったところの制度を整えて向かっていってほしいというふうに強く思います。 次に、大変飛ばして、議員立法の方について伺います。労安衛法の改正案です。 医療、介護、福祉の現場や教育現場、自治体の行政窓口などを含む公務・公共サービス現場においてもカスタマーハラスメントが横行し、健康被害が発生をしております。こういった状況でありますけれども、議員立法にはこうした公務・公共現場の労働者を守る措置も含まれているのか、伺います。
○石橋通宏君 委員御指摘のとおり、公務・公共現場、自治体の窓口含めて、残念ながらカスタマーハラスメント、かなりの被害が出ているという現場からの報告も受けております。我々も何とかそういった方々を守らなければいけないという思いで、だからこそ、実は労働安全衛生法の改正案というアプローチを取らせていただきました。 地方公務員の皆さんや、地方の公務・公共現場でも公務員でない皆さんには、これ労働安全衛生法の適用が既にありますので、既に多くの自治体、ほとんどの自治体では安全衛生委員会設置されておりますし、実は、小規模で衛生委員会の設置義務がないところでも、これ必ず安全衛生対策において従業員、労働者の意見を聞かなければならないと、聞いてほしいという努力義務も課せられておりますので、これによって既存のそういったメカニズムを活用していただいて、公務・公共現場の皆さんをカスタマーハラスメントから守るということを労使挙げてやっていただけるということで、このアプローチを取らせていただいています。 国家公務員の皆さんについては労安衛法の適用がありませんので、私たちの法案では、附則の第二条第一項において、この労安衛法に基づいてきちんと国家公務員の皆さんに対しても同様の措置を講ずべしということを政府に義務付けるということで置かせていただいておりますので、より全ての公務・公共現場、公務員の皆さんにもカスタマーハラスメント対策が講じられるように、私たちとしてはこのアプローチを取らせていただいているということで御理解をいただければと思います。
○高木真理君 労安衛法の枠組みを使っていくことの有用性、メリットというものを感じさせていただきました。 もう一点、労安衛法改正案で伺いますけれども、この医療、介護、福祉、教育、自治体などの窓口においては、ハラスメントを行ってくる当事者にハラスメントをやめさせて労働者を守る対応、これ必要なんですが、かといって、その当事者がハラスメントをやめないからということで、最終的にそのカスハラを行っている当事者が医療、介護、福祉、行政のサービスが受けられないという結論でもよいのかという問いが待っているかと思います。サービスの代替性が、例えば、ここのお医者さんで診療を断っても、別の医者に行けて何とか助かればいいけれども、そうじゃないときどうするのかとか、自治体などだと、そこに住所があって、そこで手続をしなければいけないことが、ハラスメント行為がひどいからといってそこで手続がその後できなくなるというわけにもいかないのではないかという、ちょっと難しい問題があろうかと思います。 当事者の中には、障害特性によってハラスメントと受け止められる行動を自身で制御できないという可能性もあったり、そういう懸念点もありますけれども、これらにこの法案はどのように対応するか、伺います。
○田村まみ君 御質問ありがとうございます。 今ほど御指摘いただいたように、対応困難なケースが生じるということは、実際に医療、介護、福祉の現場などから特に声が上がっておるところでございます。精神障害や認知症というようなところを起因するというところなんかは、単に区別をするということも難しいというのはもう現場の声で聞いております。 だからこそ、それを最もよく把握する労働者が、その意見が反映される措置が必要だというふうに思いますので、この労働者の意見が事業主の措置の内容に反映されていく仕組み、これを入れていくことが私たちは重要だというふうに思っております。 既にセクハラやパワハラについては様々な法律によりマニュアルの作成や研修などをやるようにと言われているんですが、それが浸透していないのが現実です。ですから、本法律案では、労働安全衛生法にカスタマーハラスメント対策を規定していて、衛生委員会や安全衛生委員会などで、既存の社内体制で御指摘のような困難なケースをちゃんと従業員から聞くことによってマニュアルに入れて、そもそもサービスの提供ができないという状況をつくらないということを目指していくというのが重要だというふうに考えております。 また、事業者がカスタマーハラスメントに関わる正確な事実の把握や記録などを残すことも私たちは求めています。これが蓄積されることによって次の対策にしっかりと生かされるということで、この法律は今のような困難な対応にも応じられるというふうに考えております。
○高木真理君 ありがとうございました。 次は、もう残り少なくなってしまいましたけれども、女活法の方を伺いたいと思います。 今回の法改正で女性の職業生活における活躍に関する情報公表の強化が図られます。男女間賃金差異、女性管理比率が百一人以上の企業に義務化され、さらに、規模によりますけれども、一、二項目公表、更にすることになります。これは、求職者に資する情報となるのみならず、企業の中身に社会の目が向けられることに極めて大きな意義があると、この当該データベースの掲載記事に東洋大学村尾准教授も言及されておりました。 見える化の効果に期待したいというふうに思いますけれども、そもそもこのデータベースの認知度が低くては利用されず効果を発揮できないのではないかと危惧するところであります。 時間がないので、一と二まとめて聞きますけれども、えるぼし認定の認知度、くるみん認定の認知度と併せてお答えください。それからもう一点が、当該データベースの認知度、併せてお願いします。
○政府参考人(田中佐智子君) えるぼし認定とくるみん認定の認知度でございますけれども、厚生労働省の令和五年度の女性活躍に関する調査で認定を取得していない理由を尋ねております。 えるぼしにつきましては、マークの存在を知らなかったということを挙げている割合が、三百人以上の企業では一七・九%ですけれども、百から二百九十九人ですと三〇・四%、三十から九十九人ですと六五・八%となっております。 また、くるみんについても同様に、三百人以上の企業では一六・一%がよく知らないと挙げておりますけれども、百から二百九十九人では二二・二%、三十から九十九人では四〇・六%になっております。 また、女性の活躍推進企業のデータベースですけれども、公表が義務となっております百一人以上の企業のうちでデータベースを活用して公表している企業の割合は五三・一%になります。特に、三百一人以上であれば八〇・五%ということで一定以上の規模の企業については活用が進んでいるところですが、一方で利用していない企業にその理由を尋ねたところ、データベースの存在を知らなかったと答えた企業、五二・四%となっております。
○高木真理君 くるみん認定は子育てしやすさというところで違いますけれども、私が、別の民間の調査ではくるみんの方が認知度が高かったんですけど、必ずしもそうではないというのが今お答えにありました。 いずれにしても、これ、本当誰もが知っているような制度になって、就職しようとか考える、あるいは先ほどの投資とか、そういうときの社会から向けられる目ということでも猪瀬議員からも言及ありましたけれども、そういった面でもこの認知度の向上というのは非常に重要だというふうに思っておりますが、認知度向上にこれからどのような取組をしていくお考えか、伺います。
○政府参考人(田中佐智子君) 認知度を高めるということは非常に重要だというふうに考えます。 今現在やっていることとしては、認定を取得している企業名をデータベースとか両立支援のひろばといったような、厚生労働省それから各都道府県労働局のホームページなどにおいて公表しておりますし、また、学生などの求職者に対してはパンフレットやリーフレットなどの配布などをやっております。 また、女性の活躍推進企業のデータベース、学生などに知ってもらうために効果的と思う広報方法について、令和四年度に学生等に対してアンケートを実施をしております。その内容によりますと、就活サイトで案内するとかSNSで情報発信する、学内のキャリアセンター経由で案内というようなことが挙げられておりますので、企業、それからその求職者、両方の側面での認知度の向上を図るために、先ほど申し上げましたホームページやリーフレット等による周知のほかに、就職関連のその企業ですとか大学の就職支援担当課等との連携の更なる促進やハローワークにおける利用促進などについて取り組んでまいりたいと考えております。
○高木真理君 時間なので終わりますけれども、この女活法が引っ張り上げていく女性活躍の幅、広がってほしいと思うと同時に、その水面下で働き方だったりいろいろ、ここ、働く環境に行くまでの問題もまだまだ大きいと思っておりますので、併せてお取組をお願いしたいと申し上げまして、終わります。
○森本真治君 立憲民主党の森本真治でございます。高木委員に続いて質問をさせていただきたいというふうに思います。 午前中に参考人の皆さんからの意見陳述を聞かせていただきました。大変重要な指摘が幾つも出されまして、私も理事としてこの委員会の日程を決める役割を担わせていただいておりますが、やっぱりこの参考人の皆様の意見も踏まえた質疑というものをしっかりと議論しなければいけないということを痛感をさせていただいて、今日以降質疑が続けられるかどうかというところもあるんで、今日はちょっと通告していませんが、やっぱりこの参考人の皆さんの意見も踏まえた質疑というのもさせていただきたいと思いますので、そこは、局長の方でも結構でございますが、大変、通告していないことも含めて対応していただければというふうに思います。 それで、一昨日の委員会で石橋議員が、このカスハラの問題についてはもう十年ぐらい前から問題意識をというか実態について大変危機意識を持たれて、二〇一八年ですかね、議員立法も提出をしたということで、そのときは私は厚生労働委員会ではなかったので関わってはなかったんですけれども、もう長きにわたってこの問題についてのやはり危機感ということが続いたわけでございます。 大臣、そのときの答弁では、この対策というものをやっていなかったわけではありませんということですね。ポスター、パンフレットなどを作成してきて周知啓発にも取り組んだし、対策の企業マニュアル等も作成してきたんだというお話がありました。 この間のハラスメント対策についてのいろんな状況について、課題についても今日は午前中に参考人からもいろいろあったわけでございますが、そういう中で、ようやくといいますか、今回立法措置をされるということでございますね。 じゃ、今回、今までもしっかりやってきたんだという中で、今回、法律にしっかりとこれが明記されて、具体的にどのようなことの効果が期待できるのかということですね。例えば、対策予算などがしっかりとこれまで以上に多く確保できるとか、新たな施策というものがしっかりとできるんだということなどがいろいろあるかと思うんですが、厚労省としては、今回、法律が制定された以降何が変わっていくのかということ、特に、事業者とか当事者の皆さんではなくて、政府として、行政として何がこれやっぱり大きく違うんだということを御説明いただければと思います。
○国務大臣(福岡資麿君) カスタマーハラスメントや求職者などに対するセクシュアルハラスメントにつきましては、これまで関係指針におきましてその対策を望ましい取組と位置付けるほか、御指摘の企業マニュアル等を作成、周知するなど、社会における理解の促進や事業主の取組の推進を図ってきたところでございます。 今回の法改正で何が変わるのかというようなお話がございました。 まず、それらのハラスメントの防止措置を事業主に法律上義務付けることで、企業規模にかかわらず全ての事業主が対策に取り組んでいただくことになります。事業主の取組を支援しながら、社会全体で足並みをそろえた取組を進めてまいりたいと考えております。 また、治療と仕事の両立支援につきましては、これまで法的根拠のないガイドラインによって周知啓発を行ってまいりました。今回の改正によりまして、事業主に対して治療と仕事の両立支援のための必要な措置を講ずる努力義務を課すとともに、同法に基づく指針を示すことで事業主の意識を高め、取組が進むことが期待できます。 国は何をするのかという御指摘ありました。 都道府県労働局が事業主に対して法律に基づく指導、援助等を行うことが可能となりますことから、そうした指導等の機会も通じて事業主への指針、ガイドラインの周知をしながら取組を支援してまいりたいと考えています。
○森本真治君 そのような措置の中で、指導などはこれから更にできるように法律に基づいてということは、当然ながら、その体制などもこの充実がしっかりされていくと、人員確保、人員の体制なども含めてという認識でよろしいんでしょうか。局長でも結構ですよ。
○政府参考人(田中佐智子君) 法律が成立をいたしましたら、その措置義務をしっかりその企業に守っていただけるように、相談、援助、それから指導について徹底してまいりたいと考えております。 人員について、なかなか予算上の問題ですとか定員上の問題等々ございますけれども、担当局としましては、必要な人員が確保できるように最大限努力をしてまいりたいと考えております。
○森本真治君 後ほど、被害者の救済の中で、やっぱり、当事者の方と行政の対応のやっぱりこのニーズのミスマッチがあるのではないかと、本来その被害者の方が求めていることが十分対応できていないんだという話があったので、これはちょっと後ほどまた議論をさせていただきたいと思いますが。 いずれにしても、やっぱりこれ、法律にしっかりと書かれることによってしっかりとしたいろんな効果がやっぱりこれまで以上に期待されるんだろうということは私も認識をしているところでございます。ですから、やっぱり、しっかりとこの法律の中に様々な、より具体的な項目を書くことによって、よりこの対策というのが私は加速するのではないかというふうに思っております。 その中で、今日は、衆議院の提出者、修正提出者、岡本議員にお越しいただきました。ありがとうございます。 今回、衆議院の方で修正がなされておりますこの事業主の雇用管理上必要な措置ということで、当初の政府案の中に新たに、これは「労働者の就業環境を害する当該顧客等言動への対応の実効性を確保するために必要なその抑止のための措置」ということを新たにこの条文の中に加えられ、衆議院の方で加えられました。このことについて大変私も意義があることだと、やっぱり、先ほどのお話のように、具体的なものがどんどんこれ書き込まれることによって、より実効性が高まってくるという意味では意義があるというふうに思うんですけれども、新たにこういう具体的なことを盛り込んだその意義とか、あとは、じゃ、具体的なところとして、今後、これの法律が通りましたら、この法律に基づいて政府の方で指針などが示されていくんだというふうに思いますが、その中で想定されるような具体的な内容、このことについて提出者としてはどのように考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○衆議院議員(岡本充功君) 御質問ありがとうございます。 今回の修正においては、顧客等からの過剰な要求等が実際にあった場合に、労働者の就業環境が害されることのないように実効性のある措置が講じられることが重要であるという、そういった観点から、「労働者の就業環境を害する当該顧客等言動への対応の実効性を確保するために必要なその抑止のための措置」を事業主の雇用管理上の措置として例示をしています。 その具体例は今後指針等で示されることになりますが、修正案提出者としては、例えば、加害者に対する警告文の発出や、契約の自由の範囲内において顧客等に対しての商品の販売、役務の提供等をしないことなどを想定しています。
○森本真治君 先ほどの質疑の中で、参議院の方でも議員立法が提出をされておりまして、実はちょっと私も発議者ですので直接やり取りができないところがあるんですけれども、この具体的な中身、内容として、仮処分命令というところを今回この議員立法の方、参議院の方の議員立法の方には明記をされているということでございます。 ちょっと私、衆議院の参考人質疑、その議事録見たら、その参考人の方からも、この仮処分命令というもののやっぱり活用ということについての意義については衆議院の参考人の方も述べられていたというふうに私は理解しておるんですけれども、これも提出者の方、今後想定される中に、この仮処分命令ということの効果などについてはどのように認識をされているのか、お伺いしたいと思います。
○衆議院議員(岡本充功君) 参議院の方に提出されている法律案では、仮処分命令の申立てが明記されていると承知をしております。その趣旨は、過剰な顧客等からの要求等に対し、事業主が取り得る実効的な手段であるから書かれているんだというふうには承知をしております。 実際に、カスタマーハラスメント対策として仮処分命令の申立てが活用される事案もあると承知をしており、修正案提出者としては実効的な雇用管理上の措置の一つであると認識をしています。 事業主の雇用管理上の措置の具体的な内容は、私どもの修正案でも今後指針等で示されることになりますけれども、仮処分命令の申立てについての記載も含めて、是非厚生労働省に御検討をお願いしたいと考えています。
○森本真治君 ちょっとこの議員立法の採決がどうなるのかというところはまだ分かりませんけれども、先ほどの衆議院の提出者としての思いというのもお話をいただきました。 それを踏まえて、今後の指針への対応について、これ局長で結構でございますが、この仮処分命令などについてもやっぱりしっかりと、やっぱりこれ抑止という意義も非常に大きいわけでございますから、広くこれが皆さんに認識をしてもらうということですね。実際に今使われているケースもあるということで答弁ありましたけれども、その辺りについても是非お考えをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(田中佐智子君) 仮処分命令の申立てにつきましては、衆議院でもるる御議論をいただいたかと思います。 今もお答えがありましたように、実際にその仮処分ということでカスタマーハラスメントのその抑止のために使われている例があるということについても承知をしております。ただ、その使われるケース、様々なケースがありますので、全ての場合というわけにはいかないのでしょうけれども、一つの選択肢というふうなことだというふうに考えております。 今後、指針を策定を、その法律が通りましたら指針を策定をすることになりますが、そのときには、この国会での議論も踏まえまして、より分かりやすく盛り込むというふうなことがどういうふうな形でできるかということについてしっかり検討してまいりたいと思います。
○森本真治君 このハラスメントの防止という観点と、やっぱりもう一つは、実際にこのハラスメントに被害が遭われた方に対するやっぱり救済というところ、ちょっと冒頭申し上げましたけれども、そこが午前中の参考人の方々からもいろんな課題認識ということが述べられたところでございます。 それで、非常に私も、改めてこのハラスメントという事の重大さということを認識したのが、午前中のこれは久留米大学の大江先生が、このハラスメントによって精神面に及ぼす影響ということで、適応反応症、うつ病、そしてPTSDからもうこれ本当に命を落としていくという、自殺につながっていくということの、本当にこれ警鐘が鳴らされたわけでございます。 実際に、じゃ、これ本当に被害に遭われた方のこの救済制度がどのように、本当に確立をされているのかということ、これもある意味、これ法律の強化をされていく上でいえば、しっかりとこのシステムも構築をしていくことが非常に求められているのではないかなというふうに思います。 現状、例えば労働局への相談というようなことはやられているんだと思います。紛争解決制度などもありますが、やっぱりこういう命に関わるような部分も含めて、体制をしっかり構築していく必要があろうかと思うんですが、この辺り、今後しっかりと取り組んでいただきたいと思いますが、これも局長になりますか、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(田中佐智子君) ハラスメントにつきまして、相談体制の確保ほか、その雇用管理上の措置をとっていただくことになります。その中には、やはりハラスメントが起きた場合の適切な事後対応というのも含まれてくると思っております。 そういうことを含めまして、やはり企業がしっかり取り組んでいただけますように、都道府県労働局で相談、それから紛争解決援助、行政指導についてしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○森本真治君 雇用主の方に求めるということ、私が今言いたかったのは、そこはしっかりやってもらうのは当然です。加えて、やっぱり、本当これ命に関わるような問題まで発生したときに、その被害者の救済の仕組みというものを新たにやっぱりきちんと体制を整えていかなければならないんではないですかと。 これちょっと、午前中の参考人の意見だったので通告は十分できていませんけれども、そこについてもしっかりと対応してもらいたいと思うんですが、答弁よろしくお願いします。
○政府参考人(田中佐智子君) 我が国のその法制におけますハラスメントの対応につきましては、事業主に雇用管理上の措置ということで義務を課し、ハラスメントのその予防、それから起きた場合の事後の対応等々を義務付ける形でやっております。 ハラスメントに関します相談につきましては都道府県労働局で相談をお受けをいたしますので、そういう相談を受けて、必要に応じて事業主に働きかける等々のことを取り組んでいきたいというふうに考えております。
○森本真治君 ちょっとこれ、局長の所管だとその答弁を踏み込めれないのかなとちょっと思ったりして、大臣、ちょっと申し訳ないんだけど、急で申し訳ないんですけど、これ、やっぱり保険分野とかも含めての話にちょっとなってくるかもしれないので、厚労省の中の横断的な対応ということになるとこれちょっと局長を超えてしまうかもしれないので、あっ、でも、答弁できますか。はい、よろしくお願いします。
○委員長(柘植芳文君) 挙手願います。(発言する者あり) 指名してからお答えください。
○政府参考人(田中佐智子君) 済みません。 私の所掌をやや超えてしまうところもありますけれども、例えばパワーハラスメント等々で精神障害などというような場合については労災保険給付というようなその道もございますので、必要に応じてそういうようなところについてもしっかり周知、またその享受ができますように取り組んでいきたいと考えております。
○森本真治君 それと、やっぱりこの対策の中で、これもちょっと局長の対応の範囲だと超えてしまう話になるかもしれないけれども、局長に答弁していただけるか、場合によっては大臣の方になるかですけれども。 今回は労働者のやっぱりハラスメントということに対してということで、これ、労働者以外のところについては、これまで答弁などでは、やっぱり今回、規範意識の醸成というようなことが何度か答弁にあった、そこまでがというふうなことだというふうに思うんですが、今回、これも衆議院の岡本議員の方にお伺いしたいと思うんですが、今回、附則で、今後の検討ということで、フリーランスの方々についてその対策をするということの修正もされておるんですけれども、当然ながらこれ、このハラスメントの問題というのは、労働者、またフリーランス以外にもいろんな関係の中であるわけでございます。 例えば、最近よくニュースなどで言われているのは、例えば新たな女性の起業家が、例えば資本家から不当なそういう圧力を掛けられていくというようなこともよく最近はニュースなどにもなってきました。 そして、これも衆議院の方の、ああ失礼、参議院の議員立法の提出書の中にはあるんですけれども、例えばフランチャイズのオーナーの店長さんであったり簡易郵便局の局長さんなどについてもやっぱりこれは全て広く対策をしていかなければならないということでございますけれども、衆議院の方ではこれフリーランスの方ということで、そこに範囲をとどめた修正がなされたということについて、その理由と、先ほど私が申し上げましたように、このハラスメントの問題というのは幅広くいろんな問題があって、全てのやっぱりそういう皆さんに対して対応していく必要があるというふうに思いますが、岡本議員の認識をお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(岡本充功君) 御質問ありがとうございます。 御指摘のように、フリーランスの方々以外の事業形態においてカスタマーハラスメントが行われているのだとすれば、その実態を踏まえて必要な対策が取られなければならないと、こういうふうに思いますし、それは検討されるべきだと思います。 しかしながら、対象となるいわゆる事業形態の範囲がどこまでか、そして誰が誰に対する措置義務を負うのか等について、それぞれの事業形態におけるカスタマーハラスメントの実態を踏まえ検討する必要があり、その検討には相応の時間を要すると考えられるため、まずはフリーランスそして事業者間取引適正化等法に定める特定受託事業者に関して、その業務委託に関わる業務について行われるカスタマーハラスメントを防止するための措置について検討をするということにしたところでございます。
○森本真治君 様々な議論が要するだろうということで、まずはできるところから、それでもやっぱり急いでやらなければいけない部分という判断の中で衆議院の方で修正がされたんだというふうに思いますが、じゃ、それを、答弁も踏まえまして、これも局長の方になりますでしょうか、当然これで衆議院の方で修正がされて参議院でも成立すれば検討が始まるんだというふうに思いますが、ただやっぱり、いろんな難しい課題があるんであれば早め早めに検討というのも進めなければいけないということでいえば、今回、参議院の方で提出された案のように、フリーランスに準ずるような方々も含めての検討はもうこれ速やかに始める必要があろうかというふうに思いますけれども、厚労省の方の認識をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(田中佐智子君) まず、労働者以外の方につきましても、他者から尊厳それから人格を傷つけるような言動を受ける場合があると、そういうようなことについて、一般論として申し上げればそういうようなことはあってはならないことだというふうに考えます。 ただ、そういうような人、労働者以外の方、フリーランスにつきましてはそのフリーランス法ができまして、一定のハラスメントについてのその規定も盛り込んでおるところでございますけれども、更にそこを超えて労働者を雇用する事業主というようなことになりますと、なかなかそこ、労働法制の範囲を超えるものですので、ハラスメントだけではなく、そういうふうな人をどういうふうに扱うのだということについてはなかなかちょっと労働法制だけで考えるというふうなことが難しいものかというふうに思ってございます。
○森本真治君 済みません、労働法制の局長さんの答弁はそこまでかなというふうに思って、先ほどと同じになりますけれども、最初から大臣に聞けばよかったんですけれども、やっぱりこのハラスメント撲滅というところはこれ厚労省としても非常に大きなテーマだという部分でいえば、先ほどのちょっと繰り返しの答弁になりますけれども、やっぱり検討については速やかにこれは始めるべきだというふうに思いますが、厚労省として、是非その辺についての認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(福岡資麿君) 衆議院で可決されました修正によりまして、政府は特定受託事業者が受けた業務委託に係る業務において行われるカスタマーハラスメントを防止するための施策について検討することとされているところでございまして、仮に法案が成立すれば当該規定を踏まえ適切に対応してまいりたいと思います。しっかり、そういう意味では、議論を早めにスタートしながら適切な対応を行っていきたいと思います。
○森本真治君 それと、ちょっと時間がなくなってきまして、これもちょっと厚労省の所管を超えるような話になるかもしれませんけれども、実際に現場から寄せられている中で是非検討してもらいたいというのが、今回、仮処分ということ、一つの抑止としてあるんだけれども、やっぱりサービスの提供中止ということですね。これ、実際に今でも、例えば旅館業法とか、あとこれ、航空業界でいえば、例えば、具体的に言っていいと思うんだけど、ANAさんなんかは約款でこれについてサービスの提供を中止しますということが示されておるわけでございますけれども、やっぱりこの抑止という観点からもいうと、これちょっと厚労省以外のところの所管の法律にも関わってくる話かもしれませんけれども、例えばこれ業法上の、業法ですね、業法上のその辺りについてもしっかりとこのハラスメント対策という観点の中で対応していくということも必要ではないかなと私自身は思っておるんですが、これは局長、大臣、どちらでも。
○国務大臣(福岡資麿君) 御指摘の取組は大変重要だと思います。カスタマーハラスメントの様態は業種、業態によって異なりますほか、御指摘のように顧客等への対応に関して業法による規律がなされている場合もございますから、業所管省庁と連携して各業界の実態を踏まえた対策を進めることが重要だと考えています。 本年一月に関係省庁連携会議を設置し、カスタマーハラスメント対策の取組事例等について継続して情報共有等を図ることとしておりまして、関係省庁が密接に連携し、カスタマーハラスメントの防止対策の推進に取り組んでおります。 引き続き、この関係省庁との連携深め、業界ごとの特性を踏まえ、法令改正等含めた必要に応じた対策を促進することにより、労働者の方々の就業環境を守るための取組、進めてまいりたいと思います。
○森本真治君 ちょっと時間になったので終わるんですけれども、今日の朝の、午前中の参考人の方の中には、これ二〇一九年、ハラスメント対策ということで、この間なかなか実効性が上がっていないんではないかというようなところも指摘もありました。そういう中でいうと、今回もし法改正がなされたら、しっかりとやっぱりこれは加速をしていくという部分において、今るる幾つか御答弁も、指摘もさせていただきましたけれども、これは省庁をまたがって、しっかりと厚生労働省、音頭を取って、リードをしていただきながら前に進めていただきたいということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○新妻秀規君 まず、ハラスメント対策の強化のうち、カスハラ防止のためのキャンペーンなど、意識改革の取組について厚労省に伺います。 今年の四月、東京都や群馬県で日本初のカスタマーハラスメント防止条例が施行され、何人もあらゆる場でカスハラを行ってはならないと明記されました。しかし、罰則はなく、顧客側のモラル向上を社会全体で図る内容にとどまっております。現場からは、顧客にもマナー遵守を求めてほしいという声が上がっております。労働施策総合推進法の改正案では、カスタマーハラスメントについて、国、事業主、労働者及び顧客等の責務を明確化するとともに、ハラスメント全体について、何人も職場で労働者の就業環境を害する言動、つまりハラスメントを行ってはならないという規範意識の醸成を図る旨も盛り込まれました。しかし、罰則のない中で実効性を持たせるには周知徹底と社会的風潮の転換が重要です。 政府として、顧客によるハラスメントを抑止するためにどのような啓発キャンペーンや指針を予定しているのか、また、被害を受ける企業や自治体と連携して顧客側の意識改革をどう促進するのか、伺います。
○政府参考人(田中佐智子君) お答えいたします。 今御指摘がありましたように、本法案の中では、事業主に対してのカスタマーハラスメントのその防止対策、これを義務付けるだけではなくて、顧客等のカスタマーハラスメントの防止に向けた責務、それから社会全体でのその意識の醸成といったようなことを盛り込んでおりまして、社会全体で足並みをそろえて取り組むというようなことにしたいというふうに考えております。 この防止に向けたその周知啓発につきましては、これまでは関係省庁と連携して啓発ポスターの作成、配布を行いまして様々な企業で御活用をいただいております。また、十二月には職場のハラスメント撲滅月間ということで設定をいたしまして、シンポジウムにおきましてもこの問題を取り扱っております。こういうような様々な機会を捉えて取組を進めてきたところでございますが、本法案を踏まえまして引き続き内容の充実を図ってまいりたいと思っております。 また、カスタマーハラスメント、その態様、その業種、業態によって異なっておりますので、それぞれの特性を踏まえて広報活動や啓発活動に取り組んでいただけますように、大臣からも申し上げました関係省庁の連絡会議設けておりますので、この枠組みの中で関係の、その業所管省庁とも協力をしながら周知啓発を図ってまいりたいと思っておりますし、その中には消費者庁にも参加をしていただいております。 顧客等への効果的な広報や周知啓発等の在り方につきまして、必要に応じて意見を交わしながら進めていきたいと考えております。
○新妻秀規君 関係省庁と連携して総力を挙げて取り組んでいただきたいと思います。 次に、職場のハラスメント根絶に向けた啓発活動と効果測定、国民の規範意識醸成について、これもまた厚労省に伺います。 令和五年度の労働局の統計では、パワハラ関係の相談が六万件余りに上っております。パワハラ防止措置義務施行後もなお職場のハラスメントは根強く、被害を訴えられない労働者も多い現状です。 こうした中、社会全体でハラスメントをしてはならないという規範意識を醸成する必要性が指摘されております。労働施策総合推進法の改正案では、国の責務として、職場のハラスメント根絶に向けた必要な啓発活動を積極的に行う旨が明文化されます。 そこでお尋ねしますが、今後どのような啓発活動を展開する予定でしょうか。
○政府参考人(田中佐智子君) 法案成立後の広報活動についてでございますけれども、先ほど申し上げましたようなポスター、パンフレット等の作成、周知や十二月の職場のハラスメント撲滅月間における啓発活動の全国集中取組等々をやってございます。このほか、SNSを活用した広報等々についても取り組んでいるところでございます。 本法案によります改正の内容を含めまして、これらの内容については充実を図り、またどのような方法が広報していくことに効果的か等々については絶えず検討をしてまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 トライ・アンド・エラーもあろうかと思いますけれども、是非とも効果的な方法を編み出していただきたいと思います。 次に、パワハラ防止に向けた中小企業への支援策について、これも厚労省に伺います。 二〇一九年の法改正でパワハラ防止措置が事業主の義務となり、二〇二二年の四月から中小企業にも全面適用されました。しかし、社内のハラスメント相談窓口が機能していない、形だけの研修にとどまっているといった声もあり、特に専門人材のいない中小企業での実施が課題とされております。ハラスメント対策は社内体制の整備が鍵でありますけれども、人的、資金的リソースの限られる企業ほど対応が遅れがちであります。 今回の改正によって、カスタマーハラスメントや就活生へのセクハラ防止措置も全事業主に課せられます。全ての企業に新たなハラスメント防止義務を浸透させるには、中小企業への支援が不可欠です。政府としてどのように支援策を講じるのか伺います。また、商工会議所などと連携したサポート体制構築の考えがあるか、お聞かせください。
○政府参考人(田中佐智子君) ハラスメント防止対策、企業規模を問わず取り組んでいただく必要がありますので、特にそのリソースの少ない中小企業への支援、大変重要だというふうに考えております。 厚生労働省が今実施をしておりますパワーハラスメントに関してですけれども、総合的ハラスメント防止対策事業という事業を行っております。事業主やハラスメント相談窓口担当者などを対象とした研修の実施や、就業規則の規定例などを示した職場のハラスメント防止パンフレットを作りまして周知をしている。また、ハラスメントに関しましての情報提供のポータルサイト、あかるい職場応援団ということで名前を付けて運営をさせていただいております。また、今年度からは、労務管理に精通する専門家が、ハラスメント事案が生じた企業等からの相談に応じて対応策を助言する事業を新たに実施をすることとしております。 本法案が成立いたしましたら、各事業者の取組を推進していくために、御指摘ありましたような商工会議所等々の関係団体とも連携をしながら周知啓発に取り組んでまいります。
○新妻秀規君 是非お願いします。 次に、ハラスメント防止に向けた是正措置の発動基準、手続と法施行後の監督指導の方針について、これは福岡大臣に伺います。 ハラスメント対策の実効性を高めるには、法規制だけではなく、現場での運用とフォローアップが重要です。厚労省によると、今回の改正では、企業が防止措置を怠った場合、是正措置や勧告、企業名公表といった手段を用いることが可能となります。しかし、実際に被害が発生しても、労働者が報復を恐れて内部相談や申告をちゅうちょするケースも多々あります。内部通報や労基署への申告を促し、企業に是正を求める仕組みづくりが課題です。 ここで、改正法に基づく企業名公表などの措置は極めて強いペナルティーとなり得ますが、その仕組みはどのように考えていらっしゃるでしょうか。また、被害を受けた労働者が事業主に安心して相談できる体制づくりや都道府県の労働局の体制強化などは検討されているでしょうか。ハラスメント根絶に向け、法施行後の監督指導の方針について福岡大臣の見解を伺います。
○国務大臣(福岡資麿君) 本法案におきましては、カスタマーハラスメントや求職者等に対するセクシュアルハラスメントについて、事業主に相談体制の整備等の雇用管理上必要な措置を講ずることを義務付け、具体的内容については指針等でお示しすることとしております。 そして、この法違反が認められる場合には、都道府県労働局において、事業主に対して義務の履行に向けた助言であったり指導を行い、これに従わない場合には勧告を行った上で、勧告にも従わない場合には最終的に企業名の公表を行うこととしております。 また、措置義務となります事業主の相談体制につきましては、具体的には指針等でお示しすることになりますが、現行のパワーハラスメント防止指針なども踏まえつつ、相談内容であったり状況に応じて適切かつ柔軟に対応するために必要な体制が整備できるように検討してまいりたいと思います。 あわせて、改正法案におきましては、被害を受けた労働者が事業主に安心して相談をすることができるよう、事業主に対して、相談を行ったことなどを理由として事業主が解雇その他の不利益取扱いを行うことを禁止することとしておりまして、こうした規定が遵守されるように周知や指導に取り組んでまいります。 体制強化についても御指摘がありました。 改正法案成立後に指導等に当たる都道府県労働局の体制に関しましては、事業主に対しての指導であったり周知啓発等を十分に行うことができるよう、必要な体制の確保に努めてまいりたいと思います。
○新妻秀規君 是非お願いいたします。 次に、女性活躍の推進に移ります。 まず、女性管理職比率の公表の活用方策について厚労省に伺います。 二〇二一年時点の日本の企業における女性管理職比率は一三・二%にとどまり、諸外国の三〇%以上と比べ極めて低水準です。政府はかつて、二〇二〇年までに指導的地位の三割を女性にという目標を掲げましたが、二〇二〇年時点で達成を断念し、二〇二〇年代のできるだけ早期に先送りをいたしました。現在でも管理職層への女性登用は進まず、ガラスの天井の存在が指摘をされております。人材不足の中、女性の潜在力発揮は経済成長にも不可欠であります。 今回の女性活躍推進法の改正案では、常時百一人以上の企業に女性管理職比率の公表を義務付けます。この見える化による企業努力の促進策でありますけれども、目標の未達が続く中で実効性を疑問視する声もあるため、支援措置、インセンティブ措置が必要と考えます。例えば、今回の女活法に基づく認定制度、えるぼし認定を更に活用するなどの取組はできないか、見解を伺います。
○政府参考人(田中佐智子君) 今御指摘のありました女性の管理職の比率ですけれども、長期的には上昇傾向にあります。しかしながら、依然として低い水準にとどまっておりまして、また、御指摘のとおり、政府の成果目標についても達成に至っていない状況にございます。 厚生労働省、これまでの取組としては、個別企業の雇用管理状況に応じたコンサルティングなどの実施や、ロールモデルが不在であることを主な背景として、女性自身が昇進を望まない場合があることを踏まえたメンター制度の導入等についてのマニュアルを作成して企業に対して普及を図る、こうしたことによりまして女性管理職比率の向上に取り組んでまいりました。 御指摘のとおり、インセンティブを設けるということで推進を図るということも適切でございますので、女性活躍推進法の枠組みの中では、女性管理職比率等に関して取組の実施状況が優良な企業に対する認定制度、えるぼし認定を設けております。企業認定を取得することで、認定マークの、企業のホームページや広告等に表示をして求職者に対してアピールができるようになること、それから国などが行う公共調達において加点評価を受けることができるといったようなメリットを得られることになります。 また、認定取得のメリットの一つであります公共調達における優遇措置に関しましては、これまでの国の機関における加点評価の実施状況などを踏まえながら、各機関における取組の実施の更なる推進を図るというふうにしております。 こうした内容を改正内容と併せまして周知をして認定取得を促進していくことによって、女性管理職比率の改善を含めて女性の活躍推進できるように取り組んでまいります。
○新妻秀規君 次に、法の有効期限延長に伴い、その間に達成すべき目標とロードマップについて厚労省に伺います。 女活法の有効期限を十年延長することで、腰を据えて女性活躍策に取り組む環境が整います。その間に達成すべき具体的な目標や指標は何でしょうか。延長後の二〇三〇年代前半までに女性の就業環境や地位向上についてどの水準を目指すのか、政府のロードマップをお示しください。 また、進捗が思わしくない場合に、中間見直しなどの機会を設けて軌道修正を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(田中佐智子君) 女性活躍の推進のために、この今十年延長いたします女性活躍推進法に基づく取組のほか、男女雇用機会均等法でございますとか育児・介護休業法に基づく両立支援、こういったような取組についても重要でございます。 このために、政府全体で男女共同参画社会基本法に基づきまして男女共同参画基本計画を策定をしております。二十五歳から四十四歳までの女性の就業率ですとか、各役職段階に占める女性の割合等の成果目標、それからその達成に向けた施策の基本的方向や具体的な取組、これを定めまして、計画的に取り組んでいるところでございます。 今、この男女共同参画基本計画ですけれども、第五次計画ですが、計画期間が二〇二五年度末となっておりまして、昨年十二月以降に次の第六次の計画の策定に向けた検討を進めておりますので、御指摘の点を含めまして必要な検討を行ってまいりたいと考えております。 また、施行状況を見て見直すべきではないかということでございますが、本法案の中には、施行後五年を経過した場合に、施行状況等々について検討を加えて、必要に応じて所要の措置を講ずるという規定を盛り込んでございます。御指摘のとおり、取組の進捗を確認した上で必要な対応を検討してまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 次に、女性の健康上の特性への配慮に係る企業支援への具体策と実効性確保について厚労省について伺います。 女性の生理や妊娠、出産、更年期等に伴う健康上の問題が職場で十分に理解、配慮されていないとの指摘がございます。例えば、日本には法定の生理休暇制度がありますけれども、取得率は〇・九%と極めて低水準です。多くの女性が症状を我慢して勤務を続けており、職場の雰囲気や上司の理解不足から休めない実態が浮き彫りとなっております。また、更年期の不調などに対する支援策を導入する企業もまだ少数であります。 改正法案の基本原則において、女性の職業生活における活躍の推進に当たっては、女性の健康上の特性に配慮して行われるべきことが明記されることにより、企業や社会が女性特有の健康問題に理解を示し、就業上の配慮を行うべき理念的な指針となります。しかし、実際の企業文化や職場環境に変化をもたらすには具体策が必要です。 政府は、この規定を受けて、企業に対しどのような取組を促していくのでしょうか。
○政府参考人(田中佐智子君) お答えいたします。 今御指摘のありました基本原則の規定ですけれども、この趣旨を踏まえまして、具体的な取組といたしましては、女性活躍推進法に基づきまして事業主が策定をいたします行動計画に関しまして、基本的な事項等を示します事業主行動計画策定指針という指針がございます。この中に、新たに女性の健康課題に係る取組例といたしまして、例えばヘルスリテラシー向上のための取組ですとか、性別を問わず使いやすい休暇制度の整備ですとか、女性の健康課題を相談しやすい体制づくり、こういったような取組をお示しをして事業主の取組を促していくことを想定をしております。 また、企業の取組を後押しをしていくために、今年度から、女性の健康課題に対応するために休暇制度等の両立支援制度を利用しやすい職場環境整備に取り組む事業主に対する助成金を支給開始をいたしました。また、先ほど申し上げましたえるぼし認定においても、女性の健康支援に関する上乗せの認定の仕組みができないかと考えておるところでございまして、今後具体的な内容については検討を行いたいと考えております。
○新妻秀規君 次に、プラチナえるぼしの認定基準に就活セクハラ防止の情報開示が加わる新要件の周知、取得の奨励と認定取得への支援策について厚労省に伺います。 先ほどのえるぼしの更に高いバージョンがプラチナえるぼしであります。この改正案では、プラチナえるぼしの認定要件に、求職者等に対するセクシュアルハラスメント防止措置の内容を公表していることが追加されます。これによって、トップランナー企業における透明性が高まり、他企業への波及効果も期待できます。 政府としては、この新要件の周知とともに、より多くの企業がプラチナ認定取得を目指すよう奨励する考えはありますでしょうか。
○政府参考人(田中佐智子君) プラチナえるぼしですが、議員御指摘にありましたように、えるぼし認定の中でレベルとしては取組が一番進んでいる企業についての認定制度でございます。そういうような企業の認定でありますからこそ、求職者等に対するセクシュアルハラスメントの防止というような点についてもしっかり盛り込んでいくということを内容としてございます。 プラチナえるぼし認定を含めまして、えるぼし認定の取得、促進していくということが非常に重要であるというふうに考えております。やはり、認定を取得をしている企業名などの公表ですとか求職者に対する周知度アップということを通じて、認定制度の認知度の向上というのが非常に重要だと思います。そういうことに取り組むとともに、やはり事業主に対しましての認定を取得するメリットの周知、これも重要ですので、これも併せて取り組んでいるところでございます。 それから、先ほど申し上げました認定取得のメリットの一つであります公共調達の優遇措置です。これまで国の機関における加点やってまいりましたが、実施状況を踏まえまして、各機関における取組状況の更なる促進を図ることとしておりますので、一層の取組が進みますように努めてまいります。
○新妻秀規君 それでは、特定事業主行動計画に関する手続の効率化への具体策、これは内閣府に伺います。 女性活躍推進法では、国や自治体などの特定事業主に対し女性活躍の行動計画策定が義務付けられていますが、その策定手続が煩雑との指摘があります。限られた人員で業務遂行する中、より効率的にPDCAを回せる仕組みが求められております。 改正案では、特定事業主行動計画に関する手続の効率化を図る規定が盛り込まれております。ここで、特定事業主の行動計画策定についてどのような効率化の内容を考えているのか、また、手続を簡素化することで浮いたリソースを各機関が計画策定の際の状況把握と分析に一層振り向けられるようになるのかも伺います。
○政府参考人(原典久君) お答え申し上げます。 現行の女性活躍推進法では、特定事業主行動計画について軽微な変更をする場合でも、新たに策定する場合と同様、職員に対するアンケートやヒアリングの実施により課題を洗い出すなど、丁寧な状況把握、分析等を要することとなっております。 特定事業主行動計画につきましては、公的機関としての性質上、引用する法令、通知、計画等や、当該機関の組織、役職等の名称変更等に伴い、内容に関係しない形式的な変更を余儀なくされることが生じ得ます。こうした軽微かつ形式的な変更を行う場合にもさきに述べたような丁寧な状況把握、分析等を求めることは、女性の職業生活における活躍を推進するという本来の目的に沿うものではなく、いたずらに事業主の負担を増やし、迅速な計画変更を阻害することとなります。 このため、本法案においては、軽微な変更をしようとする場合には状況把握、分析等を行う義務を課さない旨の規定を盛り込んだところでございます。形式的な変更について手続の簡素化を図り、負担を軽減することで、実質的な内容の変更に当たっては十分な状況把握、分析等が可能になる環境をつくっていきたいと考えております。 今後、御審議いただいている改正法案の趣旨を踏まえ、各特定事業主の取組がより実効性のあるものとなるよう進めてまいります。
○新妻秀規君 続いて、治療と仕事の両立支援の推進のうち、治療と就業の両立支援に係る努力義務に係る指針の周知徹底や企業への働きかけ、これは福岡大臣に伺います。 がんや難病など、働きながら治療が必要になるケースが増えてきております。患者体験調査では、がんと診断された就労者の約二〇%が離職を余儀なくされており、その半数以上は初回の治療までに退職してしまっております。 また、労働政策研究・研修機構、JILPTの患者ウェブ調査では、がん以外の疾病も含めると、疾病を理由に前職を退職した人は全体の七・六%に上るとの報告もございます。症状や体力の不安から仕事を続ける自信がなくなったという声が最も多く、治療と両立できる勤務の配慮が得られず、優秀な人材がキャリア途中で離脱している実態がございます。 今回の改正案では、事業主に対し、治療と就業の両立を支援するための必要な措置を講ずる努力義務を課します。ここで、努力義務という性質上、企業での対応が進まない懸念もありますが、いかがでしょうか。フォローアップ体制についても併せてお聞かせください。
○国務大臣(福岡資麿君) 令和四年の労働安全衛生調査によれば、治療と仕事を両立できるような取組があると回答した事業所は五八・八%となってございます。 今回のこの改正法案が成立した場合には、その施行状況をフォローアップし、企業の取組がどのように進展しているのか確認していくということは、御指摘がありましたように、大変重要なことだと考えています。 このため、引き続き、労働安全衛生調査におきまして、仕事と治療の両立支援に関する企業の取組状況を把握、公表しますとともに、企業であったり労働者、医療機関を対象に、支援の効果であったりニーズ等に関する実態調査を行うことも検討しております。 これらの実態把握を行った上で、その結果を踏まえて、更に必要な対策があれば検討を進めてまいりたいと思います。
○新妻秀規君 今大臣がおっしゃったこと、極めて重要ですので、是非とも前向きにお願いしたいと思います。 続いて、治療と就業の両立支援制度の企業による周知が低調という現状への改善策について、これ厚労省に伺います。 先ほどのJILPTの調査によれば、従業員が治療と仕事を両立できる制度について特段周知はしていないという企業が三八・八%にも上ります。この現状を踏まえ、政府は企業に対しどのような改善策を促す方針でしょうか。
○政府参考人(井内努君) 治療と仕事の両立支援に関する企業内周知の取組につきましては、現行のガイドラインでも、事業者の基本方針の表明と労働者への周知、労働者や管理職に対する研修等による意識啓発、相談窓口の明確化等を取り組むことが望ましい事項として示しております。 また、ポータルサイト、治療と仕事の両立支援ナビにおきましては、企業内周知の取組を含めた企業の好事例を掲載し、周知や相談窓口の明確化などの取組内容ごとに事例を検索できるよう、利便性の向上も図っているところでございます。 法案が成立した場合、現行のガイドラインを参考に新たに指針を策定することになりますので、その中で企業内周知にどのように言及できるのか、今後開催する労使や有識者から成る検討会において検討していきたいと考えております。 また、御指摘の具体的な周知方法や相談窓口設置のモデルの掲示につきましては、どのような方法が効果的かについて検討してまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 企業は問題意識を持ってやらなくちゃいけないというような、そうした切迫感が生まれるような、そうした対応を是非ともお願いしたいと思います。 次に、職場と医療をつなぐ両立支援コーディネーターの活用と配置促進について、これも厚労省に伺います。 労働者側から見ると、治療と仕事の両立には主治医と会社との円滑な連携が重要です。しかし、主治医に職場での仕事内容や勤務条件を相談していない、会社側が医師から必要な助言を得られなかったというケースも少なくありません。 厚労省は二〇一七年以降、医療機関に両立支援コーディネーターを配置し、患者である労働者、そして主治医、企業の三者をつなぐ取組を進めております。これによって、治療内容に応じた勤務の調整、例えば通院日の配慮とか業務の軽減がスムーズに検討できることになります。 ここで、両立支援コーディネーターの活用をどのように広げていくお考えか、また、今後、医療機関だけではなく企業内や相談支援機関にもコーディネーターを配置する構想はあるかどうか、また、医療と職場の橋渡し役を育成、配置する支援策を強化し、個々のケースに応じた柔軟な対応が全国で受けられるようにする方針についてもお聞かせください。
○政府参考人(井内努君) 両立支援コーディネーターは、治療と仕事の両立支援におきまして、患者である労働者に寄り添い、職場と医療機関の間の情報の橋渡しを行いながら、継続的な相談支援等を行う役割を担うものでございます。 コーディネーターの養成のための研修は、独立行政法人労働者健康安全機構におきまして希望者に対し実施しており、平成二十七年から令和六年度までに約二万九千人が研修を修了しております。研修修了者の勤務先は、令和五年度に実施したフォローアップ調査によりますと、企業が約四割、医療機関に約三割、相談支援機関に二割となっており、様々な機関で支援が受けられる態勢が整いつつあると考えております。 引き続き、いろいろな立場で両立支援に携わる方に研修を受講してもらえるよう、企業、医療機関、労働者等に周知を図り、コーディネーターを養成していくとともに、コーディネーターの活動実態も把握しながら、その活用を促してまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 次に、メンタルヘルスと仕事の両立支援に係る施策について厚労省に伺います。 就業中に疾病を抱える労働者は今後増加が見込まれ、また、メンタルヘルス不調による休職、退職も後を絶ちません。企業がこれら多様な疾病と向き合うには、個々のケースに応じた柔軟な制度の運用と職場理解が不可欠です。 政府は、メンタルヘルスと仕事の両立支援についてどのような施策を講じる予定でしょうか。
○政府参考人(井内努君) 精神疾患につきましても、一般的に反復継続して治療が必要となるものでございますので、両立支援の対象となると考えており、治療と仕事の両立支援を行うことは重要と考えております。 治療と仕事の両立支援におけるメンタルヘルス不調への対応につきましては、両立支援コーディネーター研修にメンタルヘルスに関する知識等の科目を設定をすることや、メンタルヘルス不調者の主治医向け両立支援マニュアルを作成し、メンタル不調者の職場復帰や就業継続に関する事業場と主治医との情報交換の強化に取り組んできたところでございます。 なお、職場におけるメンタルヘルス対策の一環として、事業場向けに、心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引きを平成十六年十月に作成し、周知を図っておるところでございます。 引き続き、メンタルヘルス不調者の職場復帰や就業継続に向けた事業場の取組を促進してまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 最後に、病気になっても働き続けられる職場づくりを評価、推進する方策について伺います。 治療と仕事の両立支援に熱心な企業が正当に評価される環境をつくることが他社への刺激にもなると思いますが、どのような取組があるでしょうか。
○政府参考人(井内努君) 治療と仕事の両立支援に積極的に取り組んでいただいている企業を評価する仕組みとして、安全衛生優良企業公表制度の評価項目の一つにしているほか、経済産業省とも連携し、同省の推進する健康経営顕彰制度の評価項目の一つとしても評価していただいているところでございます。また、求職活動を行う際に閲覧できる情報ということで、ウェブサイトで、しょくばらぼというもので各企業における安全衛生優良企業公表制度等の認定状況を掲載できることとしております。 治療と仕事の両立支援に積極的に取り組んでいただいている企業名やその取組内容が社会で情報共有できるよう、更に取組が広まるよう、引き続き制度の活用を促してまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 終わります。
○山口和之君 日本維新の会の山口和之です。 まず最初に、パワハラの自覚について厚生労働省に伺います。 資料の一を見ていただきたいと思うんですけれど、二〇二〇年よりパワハラに対する雇用管理上の措置が義務付けられていますが、しかし、ハラスメントの件数、相談件数は二〇二〇年以降増え続けております、この資料一ですけれど。その理由として、パワハラの自覚がない場合が多いと言われていますが、パワハラに罰則がない以上、パワハラは減らないのではないでしょうか。 自覚がない者に自覚を促すにはどうすればよろしいのか、どう考えているのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(田中佐智子君) パワーハラスメントについてしっかり自覚していただくことは重要だというふうに考えております。 パワーハラスメントにつきまして、その防止のために、事業主に対して、方針等の明確化や労働者に対するその方針の周知啓発などを義務付けております。具体的に申し上げますと、パワーハラスメントの内容や職場におけるパワーハラスメントを行ってはならない旨の方針など、これを労働者に対し周知啓発する必要があります。そのための取組としては、例えば研修、講習等を実施をすることが考えられることなどを指針でお示しをしております。 各企業におきましてこうした取組を実施していただくことで、その職場におけるパワーハラスメントに関する理解を広めて、その防止を図っていくことが重要であると考えております。
○山口和之君 このグラフは途中からパワーハラスメントが増えてきているんですけれども、元々はいじめ、嫌がらせという相談件数、それが置き換わってきているんだと、パワハラに置き換わっていると思うんですけれども、結局はやっぱり増えているので、これを本当に促す方法を本気で考えていかないと変わらないでしょうねと思います。 次に、休職後の復職の職場環境について厚労省に伺います。 ハラスメントでうつ病だと診断されて休職した労働者のうち、午前中の久留米大の大江参考人、大江先生がおっしゃっていましたけれど、適応反応症、適応障害の主症状はうつ状態のため、うつ病だと誤診されていることも少なくないと言われています。適応障害の場合、復職したら違う環境に置くことが必要で、環境が改善されなければ症状をぶり返す可能性があるわけですね。しかし、誤診してしまうことが多いと言われている。 厚生労働省では、復職後の職場環境について、事業者に対して何か基準を提供したりしているのでしょうか。
○政府参考人(井内努君) 厚生労働省では、精神疾患により休業した労働者に対する職場復帰を促進するため、事業場向けマニュアルとして、心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引きを作成しております。手引きにおきましては、精神疾患で休職した労働者の復職先について、新しい環境への適応にはある程度の時間と心理的負担を要することから、まずは元の職場への復帰を原則としつつ、職場にうまく適応できなかった場合として発症した場合には、他の適応可能と思われる職場への異動を積極的に考慮した方がよい場合もあり、本人や職場、主治医等から十分に情報を集め、総合的に判断しながら復職先を検討する必要がある旨を示しているところでございます。以上を踏まえまして、ハラスメント状況等個別の事情に配慮し判断していただくことになると思っております。 なお、個別の相談につきまして、産業保健総合支援センターでも個別にお話をお聞きして対応をするということもしております。 引き続き、精神疾患で休職した労働者の職業復帰が円滑に実施されますよう、本手引きの周知啓発に努めてまいりたいと考えております。
○山口和之君 そもそも、うつ病と、あとそこにも含まれるかもしれませんけれども、適応反応症、適応障害というのが違うとすると対応の仕方も変わってくるので、ここら辺もしっかり把握しなければ、ちょっと間違うと違う方に転んでいってしまうので、是非しっかりお願いしたいと思います。 それから次ですが、高ストレス者の医師面談の実施率を高める対策について伺います。厚労省に伺います。 ハラスメントは、そのストレスにより労働者のメンタルヘルスに影響を与えます。労働安全衛生法の職場のメンタルヘルスという枠組みは、うつ病などの精神疾患の予防としてストレスチェックを行い、高ストレス者に医師の面談を行うこととなっています。 しかし、ストレスチェックテストは、高ストレス者が一〇%に、大体一〇%ぐらいになるようになっているんですけれども、まあ一〇%であったり二〇%であったり、企業によっては違うと思いますが、その一〇%ぐらいいるはずなのに、医師の面接実施率は〇・六%ということが厚生労働省の平成二十九年度の調べで報告されています。 これではとてもうつ病などの精神疾患を予防できないと思われますが、うつ病になって重くなってから本当に治療するのとこの段階で防御するのではえらい違いとは言われておりますので、これはどういうふうに対策を考えていますでしょうか。
○政府参考人(井内努君) ストレスチェック制度における医師の面接指導は、高ストレス者と選定され面接指導を受ける必要があると実施者が認めた労働者が御自身で申し出た場合に実施されるというものでございます。労働者のリスクを評価し本人に指導を行うとともに、必要に応じて事業者による適切な措置につなげる観点から、できるだけ申出を行い、医師による面接指導を受けていただくことが望ましいというのは御指摘のとおりでございます。また、指導の申出を行う労働者に対して、実施者が申出の勧奨ということも望ましいというふうにしております。 労働者が不安なく面接指導を申し出ることができるよう、面接指導を申し出たことを理由とする不利益な取扱いを事業者が行うことは労働安全衛生法で禁止するとともに、ストレスチェックの実施に係る厚生労働大臣指針において、面接指導の結果を理由に労働者に対して不利益な取扱いを行うことについては、一般的に合理的なものと言えないため行ってはならない旨を記載しております。 まずは、引き続き、労働者が安心して面接指導を申し出ることができるよう、労使双方に丁寧に周知してまいりたいと考えております。 あわせまして、今般、労働安全衛生法改正におきまして、五十人未満の事業場におけるストレスチェックの義務化という機会もございましたので、本日の御指摘も踏まえまして、労働者が面接指導を申し出ない理由も含め、より詳細な実態把握に努めてまいりたいと考えております。
○山口和之君 申し出ないんだから面談はできないですよね。だから、申し出れるようにするしかないんだとは思うんですけれども、もう一つ方法があるのかなと思うのは、心理支援専門員の活用についてということなんですけれど、産業医の先生がいらっしゃっても、職場巡回頻度というのは二か月に一回程度ぐらいだというふうに聞いております。これはハラスメントで悩んでいる労働者が気軽に相談できる環境でもないのではないかと思います。 小中学校に九割のスクールカウンセラーが設置されています。これはすごくいいことだと思います。社会人になって職場カウンセラーがいないと、社会人になった場合ですけれども、職場はカウンセラーがいなくて、相談するところはありません、社会人になったときにですね。子供の頃はこういうふうな聞いてくれるところもあるので、ちょっと入りやすいかなと思います。 資料二を見ていただくと、これ職業別自殺者数の年次推移なんですけれど、有職者、無職者、あと学生生徒、自殺者の比率なんですが、無職者が多いようですけれど、元々働いていて恐らく無職になったのかもしれませんし、そういう方はたくさんいらっしゃると思いますので、かなりの数の大人の人の自殺者が多いというふうに考えると、子供の支援と同等に大人の支援もやるべきじゃないかと、やった方がいいんじゃないかなというふうに思います。 公認心理師などの心理支援の専門員の配置やオンライン契約などによって、より身近に相談できる体制が構築できないでしょうかというふうに思ってしまいます。企業としても、社員が、社員一人が休職すると約四百万円の追加費用が発生するとも言われています。 法令で設置することを検討していただけないでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 職場のメンタルヘルス対策におけます心理職の活用につきましては、研修を修了した公認心理師、精神保健福祉士はストレスチェックの実施者としての役割を担いますほか、指針において、公認心理師等の心理職等が産業医等と連携しつつ、高ストレス者等に対する相談対応を行う体制を整備することが望ましいことを示し、周知を行っているところです。 また、都道府県の産業保健総合支援センターでは、メンタルヘルス対策の専門スタッフ等として心理職の配置を増やしておりまして、メンタルヘルスに係る研修や相談対応、また事業場への訪問によるメンタルヘルス対策の導入支援等の支援を担っていただいています。 引き続き、職場のメンタルヘルス対策が円滑に実施できるように、心理職の活用についても図ってまいりたいと思います。 その上で、義務化をというような御指摘がございました。先ほども申しましたように、五十人以上の事業場については産業医の選任を義務付けているところでございまして、それに加えまして心理職の配置を義務付けるということにつきましては、事業者の負担等にも考慮する必要があると考えております。
○山口和之君 なかなか日本はカウンセリングは遅れているというふうに言われています。一般的に、我慢が足りないとか根性がないとかと思われるからカウンセリングに行ったり心療内科に行ったりすることをためらう傾向があるし、それから、やっぱり職場には言えないから、例えばカウンセリングが広がってきたとしても、どこかこっそり行こうかなというふうに考えたりします。 一方で、じゃ、日本はどうかというと、民間の資格のカウンセリングも結構多くて、これ質の担保されているのかというとちょっと疑問が残るところもあります。ほんのちょっと研修して、何とかカウンセラーと名のっていたりします。 そう考えると、このカウンセリングを受けることが当たり前でとか、そういうことは悪いことではないというような文化というのをつくっていかなきゃいけないし、まずは企業体からそういうことをしっかりやっていくことによって世の中に広がっていくとすると、先ほどのグラフの自殺者の数もかなりの数減ってくる可能性もあると思います。厚生労働省としては、是非これを積極的に進めていただいて、自殺者の減少にもつなげていただきたいと思います。 続きまして、取引先のハラスメントについて厚労省に伺います。 取引先の相手先の言動もカスハラとなる場合があって、事業主は、取引先の従業員の言動がカスハラになっていないか注意を払うよう努めなければなりません。取引先の従業員の言動が自社の従業員にハラスメントとなっているとき、今回の改正ではどのように変わっていくのか、教えてください。
○政府参考人(田中佐智子君) 今回の改正法案におきましては、いわゆるカスタマーハラスメントにつきまして、職場において行われる顧客、取引の相手方、施設の利用者その他の当該事業主の行う事業に関係を有する者の言動というふうに規定をしておりますので、今回のその法案の中のカスタマーハラスメントの中には、先生御指摘のありましたような取引先の労働者が行うハラスメントも含まれてくるということになります。 本法案におきましては、事業主に対します措置義務のほかに、顧客等々についての責務、それから事業主についても顧客等言動問題、カスタマーハラスメントに対しての理解の増進というような責務を設けますとともに、事業主、他の事業主からそのほかの事業主が講ずるカスタマーハラスメント防止の措置の実施に関し必要な協力を求められた場合には、これに応ずるように努めなければならないという努力義務を置いておりますので、顧客から、取引先からの労働者によるカスタマーハラスメントについても適切に対応ができるように取り組んでいただけるような形にしておるところでございます。
○山口和之君 ありがとうございます。 これも、そもそも自覚がない、上に立つ側ですね、取引先で受注、仕事を受ける側としては弱い立場なんですけども、それをやっぱり自覚がないことが大事な問題なんだろうと思うんですよね。日本はまだまだそういう文化がずっと続いているんでしょうね。 求職者がセクハラを受けたときについて厚労省に伺います。 午前中にも参考人質疑でも出ておりましたけれども、求職者へのセクハラを受けたときどのようにしたらよいのでしょうか。就職先の企業にはなかなか相談できるものではないと思われますが、どのような対応をしていくのでしょうか。
○政府参考人(田中佐智子君) 本法案の中で、就職活動中の学生を始めとします求職者等に対するセクシュアルハラスメントを防止をするための、事業主に対しまして相談体制整備などの雇用管理上の措置を義務付けることにしております。 そのため、企業は求職者等からの相談に応じる必要がございますが、御指摘のありましたように、求職者の方でございますので、その企業に就職したいということで活動、就職活動を行われていますから、その企業の相談窓口に、おたくの企業さんの労働者からセクハラを受けましたというのはなかなかに相談ためらわれる場合があろうかというふうに思います。 こうした点、厚生労働省が把握をしております企業の取組の例ですけれども、人事部とは独立した相談窓口ですとか社外相談窓口を整備をするというような例もございます。また、コンプライアンス部門が相談窓口として相談に対応する、こういったような取組を行っている例がございまして、こういうような取組ですと、採用を担当する部門とは別の部署が相談に乗るということに、対応するということになりますので、相談をしやすくするような取組であろうかと思います。 また、求職者等に対するセクシュアルハラスメントにつきましては、これまでも都道府県労働局、それから新卒応援ハローワーク、学生向けのハローワーク、それから大学のキャリアセンターなどでも相談に対応をしておりまして、引き続き、事業主による相談だけではなくて、こうした窓口でも相談対応を行うということで、被害を受けられた方に寄り添った相談ができるように取り組んでまいりたいと考えております。
○山口和之君 ほとんどが泣き寝入りだという話と、あと、今日の午前中にも話がありましたけれども、企業としての損失というのは大きなものがあるわけですから、これは、大学であろうがどこか駆け込み寺があって、それをしっかりフィードバックするような体制というのをつくっていって、それが企業の価値として大きな指標になるんだというところを是非広めていただきたいなと思います。 次に、カスハラの社会通念上許容される範囲について厚労省に伺います。 カスタマーハラスメントは、社会通念上許容される範囲を超えたものとされています。社会通念上許容される範囲とはどういう範囲なのか、教えていただきたい。 また、カスハラに当たるかどうか判断するときに、カスハラを受けた個々の労働者の主観面、どのようにカスハラを受け止めたかと、どう感じたかとか、いわゆる閾値の問題になるかもしれませんけれども、どのように考慮されるのかを教えていただきたいです。
○政府参考人(田中佐智子君) 御質問の社会通念上許容される範囲を超えた言動というこの要素につきましては、これまでの議論の中では、社会通念に照らして当該顧客等の言動の内容が契約内容からして相当性を欠くもの、又は、手段、態様が相当でないものが考えられるということや、言動の判断においては、言動の内容と手段、態様に着目し、総合的に判断することが適当であることなどが示されております。基本的にはこうした考え方で整理をするものと考えております。こうした点につきましても指針などの中にしっかり盛り込んでいきたいと考えております。 また、御質問のありました労働者の主観面です。労働者の就業環境が害されるということに関してですけれども、既存のハラスメントの例を見ますと、例えば、事業主の措置義務を今課しておりますパワーハラスメントについて申し上げましたら、労働者の主観ということではなく、平均的な労働者の感じ方を基準として判断することとしておりまして、基本的には同様の整理が成り立つものと考えております。
○山口和之君 社会通念上許容される範囲の基準についてですが、また、具体的な基準や診断の指針はどのように示す予定なのかを教えてください。実際に社会で顧客に対して従業員や事業主から丁寧にヒアリングするのでしょうか。
○政府参考人(田中佐智子君) まず、本法案の検討に当たったプロセスについて申し上げたいと思います。 令和五年度にまず職場のハラスメントに関する実態調査ということで調査を実施をいたしまして、業種別の状況等を含むカスタマーハラスメントの実態を把握をいたしました。また、令和六年二月から雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会を開催をいたしまして、小売業、情報通信業、医療・福祉業、運輸業のこの労使団体にヒアリングを実施するなどの、実態を踏まえて検討を進めてきたところでございます。 先ほど申し上げました社会通念上許容される範囲を超えた言動という要素につきましても、申し上げた内容につきましても、こうしたようなヒアリングを踏まえた検討会の中、またその検討会の報告を踏まえた審議会の中で議論となったものでございます。 その上で、事業主の講ずべき措置に関する指針の策定に当たりましては、実態に即したものとするべく、業種、業態ごとの特性などに留意をしながら、現場の実態を踏まえながら検討を進めてまいりたいと考えております。
○山口和之君 ありがとうございます。 次に、雇用管理上必要な措置について厚生労働省に伺います。 カスハラ対策として事業主の雇用管理上必要な措置を義務付けておりますが、事業主が必要な措置を講じなかった場合、行政はどのような対応を取るのでしょうか、教えてください。
○政府参考人(田中佐智子君) カスタマーハラスメントに対します事業主の措置義務の不履行に関しましてですが、ほかのハラスメントの措置義務と同様に、まず都道府県労働局が事業主に対して報告を求めることができることとしております。法違反が認められる場合には、事業主に対して義務の履行に向けた助言や指導を行います。これに従わない場合には勧告を行うと、勧告にも従わない場合には、最終的に企業名の公表ができる、こういうような履行確保の体系を取ってございます。 改正内容につきましては事業主に対して周知徹底を図るとともに、措置義務が遵守されるように指導等にしっかりと取り組んでまいります。
○山口和之君 午前中にも話題が出ましたけれども、正当なクレームとカスハラの境界について厚生労働省に伺います。 消費者の正当な意見やクレームがカスタマーハラスメントとして扱われる危険が憂慮されています。正当なクレームとカスハラの境界は、余り具体化すると、かえって、それ以外はやっぱりやってもいいんだというような誤解を生むようなことも、まあ午前中も質問ありましたけれども。ガイドラインを作るとしたらどこまで具体的にするつもりなのでしょうか、お伺いします。
○政府参考人(田中佐智子君) 全てのその顧客の言動がカスタマーハラスメントというわけではございませんので、やはり正当なクレームとカスハラの境界というのは非常に重要になってくると思います。一方で、余りその個別具体の、どの例かどの例かというのも、その態様が様々な中で、なかなか難しい問題があろうかと思います。 一点今申し上げることができますのは、審議会の議論の中でも、やはりカスタマーハラスメントについて、顧客等からのクレームの全てがカスタマーハラスメントに該当するわけでなく、客観的に見て、社会通念上相当の範囲で行われたものは言わば正当なクレームであり、カスタマーハラスメントに当たらないことに留意する必要があることというようなことも提言をいただいております。 この内容につきましては、指針等で示すことは適当であるとされておりますので、そういう点については盛り込んでまいりたいというふうに思います。 具体的な考え方について、社会通念上許容される範囲の判断方法等々になりますので、どういったような例を示すことが適当なのかどうか、指針等の策定に当たりましてしっかり検討してまいります。
○山口和之君 ありがとうございます。 次に、規範意識の醸成について厚労大臣にお伺いします。 何人も労働者の就業環境を害する言動を行ってはならないので、そのような言動が行われることのない就業環境形成に関する規範意識の醸成がなされるよう、国に啓発活動を積極的に行うことを義務付けています。 カスハラによるストレスでうつ病になる人も多いので、規範意識の醸成は急ぐ必要があるかと思っております。以前よりセクハラやパワハラが社会に浸透してきた経験があるのでカスハラも早く浸透するとは思われますが、過去の例からして効果的な方法はあるのでしょうか。その具体的な方策はあるのでしょうか。厚労大臣にお伺いします。
○国務大臣(福岡資麿君) これまでも、職場におけるハラスメントから労働者を保護するため、順次事業主に未然防止のための措置を講ずることを義務付け、その履行確保を図るとともに、法の内容や趣旨についての周知啓発に継続して取り組んでまいりました。 この事業主の講ずる雇用管理上の措置の内容として、職場におけるハラスメントに関する方針の明確化であったり、また労働者に対する周知啓発を行うこととされておりまして、法的義務としてこうした取組が全国で行われることにより、職場におけるハラスメントを行ってはならないという認識が社会に定着してきたものだと考えてございます。 この法案におきましては、これまでのハラスメント防止の措置義務に加え、新たにカスタマーハラスメントや求職者等に対するセクシュアルハラスメントに関する雇用管理上の措置を事業主に義務付けますほか、何人も職場におけるハラスメントを行ってはならないということを法文上も明確にした上で、社会においてそうした規範意識の醸成がなされるよう、国が周知啓発に取り組むこととしてございます。 この法案が成立すれば、法の着実な施行を図りますとともに、これまで取り組んできた周知啓発の取組についても新たな規定を踏まえて内容の充実を図り、ハラスメントのない社会の実現に向けて一層取組を進めてまいりたいと考えています。
○山口和之君 効果を期待します。 次に、ハラスメントの包括的禁止について厚労大臣にお伺いします。 ハラスメントの種類は、セクハラ、パワハラ、マタハラ、カスハラと増えてきました。ハラスメントのような人権を無視する行為は、個別ではなく包括的に禁止する時期に来ているのではないでしょうか。 今日の午前中の猪瀬委員が参考人に質問しましたが、最近の企業では、企業価値を測る場合に人権をデューデリジェンスの項目に入れる動きが先進国の常識になってきています。単に金銭的なバランスシートではなく、人権が企業価値として評価され、融資の対象になっているとのことです。 セクハラ、パワハラ、カスハラなど、個別ではなくて人権として、世界に遅れることなく、日本の企業体全体の質の向上を図る必要があると思いますが、厚労大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(福岡資麿君) 我が国におきましては、これまで順次職場におけるハラスメント対策の充実を図ってきた中で、例えばセクシュアルハラスメント対策については、男女の均等な雇用機会及び待遇の確保の前提条件を整備する観点から、男女雇用機会均等法に位置付けるなど、それぞれのハラスメントの内容に関連する法律に規定を設けてきたところです。 こうした中で、御指摘のようにハラスメント自体を包括的に禁止する規定を設けることにつきましては、現行の法体系との整合性などについて課題があると考えてございます。 一方で、この法案におきましては、審議会での公労使の議論を踏まえ、新たに、何人も職場におけるハラスメントを行ってはならないということを法文上明確にした上で、規範意識の醸成に国が取り組む旨を定めることとしておりまして、こうした規定を踏まえまして、ハラスメントのない職場づくりに向けて一層の取組を進めてまいりたいと思います。
○山口和之君 是非とも、世界標準、企業体の価値を考える上でも包括的な支援というのが大事になってくると思いますので、是非取り組んでいただきたいと思います。 次に、疾病通院者について厚労省にお伺いします。 資料三ですが、労働者のうち何らかの疾病で通院している者の割合は高まってきているんですが、高まっている理由は何かということと、精神疾患で通院する者の割合も高まっているのかを教えていただきたいと思います。もし高まっていないならば、その理由は何なのか、教えていただきたい。
○政府参考人(井内努君) 何らかの疾病により通院しながら働く労働者の割合は、近年増加傾向でございます。令和四年には四〇・六%となっていることについては、高齢化の進展、医療技術の進歩等の背景があると考えております。 精神疾患に関しましてですが、最も気になる傷病がうつ病やその他心の病気ということで、通院しながら働く労働者の割合も近年増加してきております。国民生活基礎調査によれば、平成二十五年の一・〇四%から令和四年には一・四八%と増加をしてきております。
○山口和之君 まずは早い段階から予防すること、それから、病気になったとしても早い段階から治療すること、通院しながら仕事ができるのであればそれを続けていただくこと、これめちゃくちゃ大事なことで、重くなってからはもう戻るというのなかなか大変になってくるので、是非お願いしたいと思います。 次に、精神疾患と仕事の両立について。 厚生労働省は、事業場における治療と仕事の両立支援のガイドラインを作っていますが、このガイドラインは精神疾患に当てはまるのか、当てはまらないとしたら、精神疾患と仕事の両立についてはどう支援しているのか、教えてください。
○政府参考人(井内努君) 精神疾患につきましても、一般的に反復継続して治療が必要となる疾病であることから、治療と仕事の両立支援の対象と考えており、職場における対応をやっていただくということは重要だと考えております。 治療と仕事の両立支援における精神疾患への対応につきましては、両立支援コーディネーター研修に精神疾患に関する知識等の科目を設定することや、メンタルヘルス不調者の主治医向け両立支援マニュアルを作成し、メンタルヘルス不調者の職場復帰や就業継続に関する事業場と主治医との情報交換の強化に取り組んできたところでございます。 なお、職場におけるメンタルヘルス対策の一環として、事業場向けに、心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引きについても作成をし、周知を図ってきたところでございます。 引き続き、精神疾患の職場復帰や就業継続に向けた事業場の取組を推進してまいりたいと考えております。
○山口和之君 最後に、治療と仕事の両立について厚労省にお伺いします。 治療と仕事を両立するために事業主に相談を行うと、健康面で職務に支障があるとみなされ、昇進や異動などで不利益な扱いを受ける場合があります。相談したがゆえに不利益な取扱いをされないための対策はどのようになっているでしょうか。
○政府参考人(井内努君) 支援の申出をしたことや相談内容により労働者に不利益がないよう担保することは重要だと考えております。 現行のガイドラインにおきましても、本人からの両立支援の申出が円滑に行われるよう、管理職等への研修による意識啓発や相談窓口の明確化など、申出しやすい環境を整備することを示すとともに、個別の対応の検討に当たり、労働者にとって不利益な措置を事業主が一方的に判断してしまわないよう、就業継続の希望や配慮の要望を聴取し、十分な話合いを通じて本人の了解が得られるよう努めること、疾患の罹患をもって安易に就業を禁止せず、主治医や産業医の意見を勘案し、できるだけ必要な措置を講じて就業の機会を失わせないよう留意することを示しており、周知啓発を行っております。 法案が成立いたしました場合には、事業主の取組が進展をすると考えております。一層の周知啓発を図ってまいりたいと考えております。
○山口和之君 個人の人生、あるいは自殺者が増えないように、それから企業の価値が損なわれないように、そして世界から遅れることがないように、是非思い切って取り組んでいただきたいと思います。 ありがとうございました。
○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。よろしくお願いいたします。 本改正案の条文、第三十三条二では、事業主は、労働者が顧客等の言動に起因する問題に関する相談や相談対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益取扱いをしてはならないと規定されています。 この不利益な取扱いに例えば配置転換は含まれるのでしょうか。具体的にこの不利益な取扱いとは何を指しているのか、お答えください。
○政府参考人(田中佐智子君) 解雇以外の不利益な取扱いに該当するものとしましては、御指摘の不利益な配置転換のほかに、例えば、期間を定めて雇用される者の契約更新をしないこと、降格させること、減給や賞与の不利益な算定を行うことなどが挙げられるものと考えています。
○田村まみ君 済みません、通告に明確にはしていないんですけれども、今の不利益な取扱いの具体例出していただきましたけれども、それは労働者が立証責任を負って証明しなければいけなくなるという不利益取扱いの内容なのかというところをもう一度お答えください。
○政府参考人(田中佐智子君) 労働法制の中で、この不利益な取扱いについてのどういうような証明方法をするかということの規定の、特段の規定はありません。ですので、これについては、通常の裁判の立証責任の分担の例に従うものというふうに考えております。
○田村まみ君 これ、よくこの条文を読むと、取引先の中での事業者同士の議論の中での状況に当たる条文なのかなというふうに思うんですけれども、なかなか、いわゆる下請会社の労働者がそういういわゆるカスハラを受けたということで自分のところの事業者に伝えるとか、もう一つは、その例で今ちょっとお伺いしたんですけど、やっぱりちょっと裁判になって、確認しなきゃ結局不利益な取扱いを受けたかどうかが分からないというところには及ぶんだなということで、なかなか守られるのも厳しいかなというふうに思いました。 一方で、もう一つこの不利益な取扱いに当たるのが、もう一つの三十三条の三の方ですね。事業主は、他の事業主から当該他の事業主が講ずる措置の実施に関し必要な協力を求められた場合には、これに応ずるように努めなければならないというふうにしています。 今日、中企庁から参考人お越しいただいております。 カスタマーハラスメントの対象に取引先も含まれますが、私自身はこれは事業者間のパワハラであるというふうには以前から捉えているんだということをお伝えしておりますけれども、この担当者間での、担当者の社員同士の中でのハラスメントがあったとして、その背景にある事業者間の優越的な地位の濫用であったり下請の中での関係性ということを鑑みたときに、今回、この条文が入ったことで、今、政府全体で企業間取引の適正化というところ進めているんですけれども、この推進に資するものになるかというのを中企庁としてどう受け止められているか、お答えください。
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。 御指摘の規定の趣旨は、取引の相手方等からのカスタマーハラスメントに関し、被害を受けた労働者を雇用する事業主が事実関係の確認等の措置を行うに当たりまして、問題となり得る行為をした者を雇用する事業主がこれに協力することが望まれるということから、このような努力義務が設けられているものと承知をしております。 これを事業者間の取引において想定をしてみますと、例えば、取引先である発注者の担当者から本法で問題となるハラスメント行為が行われ、円滑な価格交渉が実施できていないといった場合に、当該担当者を雇用する事業主に対しまして本規定による努力義務を課すことによって、迅速な事実確認など、問題行為の是正に向けた協力を取引先、発注者から得られる可能性が高まり、企業間取引の適正化に資する面もあるのではないかと認識しております。
○田村まみ君 資することになりますっていうふうに明言されなかったのを、もし少しその行間があれば教えていただきたいんですけれども、私は、なかなか、下請で厳しい状況に置かれた事業主が幾ら労働者から訴えられても、その取引相手の事業主の方に、この状況を改善したいからおたくの労働者がやった行為も含めて調査して明確にしてくれって言い出せるのかなっていうのが相当私の中では疑問なんですね。それができていたら、この中に入れなくとも、今の、何でしょう、優越的地位の濫用であったりとか下請法の中で対策できているんじゃないかなというふうに思うんですけれども、いかがですかね。
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。 ただいま委員御指摘になったような場面も当然想定されますし、様々、発注者と受注者の様々な関係においてケース・バイ・ケースであるとは存じますけれども、いずれにいたしましても、このような条文が新設されることによりまして、まず第一に、抑止的な行為というのは周知を事業主側にすることによって生まれると存じます。 それによりまして、適切な、例えば価格転嫁の交渉などにおいてこういったハラスメントが絡むような事態というのが避け得るようになるというのは、価格転嫁の様々な議論におきましても資するものであると認識をいたします。
○田村まみ君 ありがとうございます。 是非、中企庁や公正取引委員会で、様々、皆さんにそういう企業間の取引適正化に向けてマニュアルや御連絡いただいていると思うんですけど、この法案成立後には、是非、こういうのも決まったんだということで、中小企業も含めてこの措置が広く認識されるという御努力をお願いしておきたいというふうに思います。 その上で、厚労省にも伺いたいというふうに思います。 取引先間のカスハラの背景には、今言ったような企業間取引における優越的地位の濫用とか下請法など、こういう蓋然性、この違反の蓋然性がうかがえるという場合もあるんだというふうに思います。 カスハラの相談を相手先の事業主に言えなかったときに、地方の労働局に相談に行くという可能性はあるというふうに思います。地方の労働局としては、この企業間取引の中でのカスハラに対しての訴え、相談があったときに、今のような蓋然性がうかがえる場合に、中企庁や公取といったような行政機関に報告や対策の連携を求めるということはされるんでしょうか。
○政府参考人(田中佐智子君) まず、都道府県労働局ですが、労働者、それから事業主からの雇用管理上の措置義務の内容などに関しましての相談に応じて必要な指導等を行うことになります。 相談には様々なケースがございますし、相談者の意向も様々異なります。雇用管理上の指導を行う都道府県労働局でございますので、下請法等に関する判断を行っていく、つなげていくということにはなかなか難しい面あろうかというふうに思います。ただ、法案成立後、実際に施行していく中で、本年一月に設置しました関係省庁連絡会議等々も設けておりますので、そういうふうな場も活用しながら、必要に応じて、その連携どういうふうなことができるのかということについては模索していきたいと考えております。
○田村まみ君 雇用管理上の措置なんですけれども、今言ったような企業間の取引に大きく影響していくというところも、この取引先同士の中での対応についてもカスハラに入れるというふうにマニュアルにしているので、是非その対応策というのは関係省庁連絡会議の方で御議論いただきたいと思います。 ここで中企庁の参考人には質問を終わりますので、御退室お願いします。
○委員長(柘植芳文君) 山本事業環境部長には、御退室願って結構でございます。
○田村まみ君 今回の改正では、職場における顧客等の言動に起因する問題に関する国、事業主、労働者及び顧客等の責務がそれぞれ盛り込まれています。今日もそれ、よく議論になりました。改正法の条文三十四条五項では、顧客等は、顧客等の言動問題に対する関心と理解を深めるとともに、労働者に対する言動が当該労働者の就業環境を害することのないよう、必要な注意を払うように努めなければならないとなっております。 努める規定とはいえ、あらゆる顧客がカスハラをしないよう注意を払う責務を負うことになるわけですけれども、この条文が効果的に推進されるように、大臣としては、何ができるのか、何が必要だというふうに考えていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 御指摘の規定案は、顧客自らがカスタマーハラスメントやそれに起因する問題に対する関心と理解を深めるとともに、自らの言動がカスタマーハラスメントに該当することのないよう注意を払うことをその責務として定めるものでございまして、これは顧客等自身の責務でございます。 その上で、本法案では、国の責務として、カスタマーハラスメントに起因する問題に対する事業主その他国民一般の関心と理解を深めるため周知啓発に努めることを規定しておりますほか、職場におけるハラスメントを行ってはならないということについて、規範意識の醸成に向けて国が周知啓発に取り組む旨を定めているところです。 こうした規定を踏まえまして、厚生労働省において、関係省庁とも連携しながら、御指摘の顧客等の責務の規定の趣旨を含め周知を図り、カスタマーハラスメントを行ってはならないという認識を社会に広めてまいりたいと思います。
○田村まみ君 二つ同じような質問なのでちょっとまとめて聞きたいんですけど、この必要な注意を払うということが顧客ができているかどうか、これをどうやって測っていくのか。努力義務とはいえ、努める規定とはいえ、法文に入れるわけなので、この必要な注意を払ったということをどうやって測っていくのか。それで、今答弁にありましたけれども、周知啓発、普及等々やっていくということなんですけれども、もう一問まとめて聞きます。 消費者教育による今までの普及啓発では、三十四条の五項の求めに対して不十分であるというふうに私は考えておりますが、今後、厚労省として消費者庁とどのように連携を進めていくのか。 二つ併せてお答えいただければと思います。
○国務大臣(福岡資麿君) まず、そのカスタマーハラスメントに該当し得る具体的な言動の内容については、今後指針等においてお示しする予定でございますが、こうした言動の例も含めて改正法の趣旨や内容について周知啓発を行うことで、顧客等の意識啓発に向けた取組を進めてまいりたいと思います。 また、御指摘ありました顧客等の理解であったり認識の程度を測ることにつきましては、それをどのように把握するのかという点など大変難しい面があるのは御指摘のとおりでございますが、本法案の施行後の状況などを把握していく際には、今の御指摘も踏まえながら、実態であったり対策の効果の把握に努めてまいりたいと思います。 消費者庁とも連携していく必要については、私どもも十分認識をしております。消費者庁におきましては、本年三月に閣議決定を行いました第五期消費者基本計画にカスタマーハラスメント対策の記載を盛り込んだほか、従業員向け消費者教育の推進、カスタマーハラスメントに関する消費者の意識に関する実態調査の実施とその実態を踏まえた啓発の資料であったり教材の作成などの取組を行われていると承知をしています。 こうした消費者庁における消費者教育等の取組がカスタマーハラスメントの効果的な防止にも資すると期待をしておりまして、消費者庁ともしっかり連携して対策を推進してまいりたいと思います。
○田村まみ君 ありがとうございます。 労働者、職場におけるハラスメントの防止、労働者というふうに区切ると、いわゆるカスタマーハラスメント、消費者から何か受けるハラスメントというのは、三次産業や公共、公務のところで実は結構限られているので、そのカスタマーハラスメントということ自体をまだ知らない人って意外と多いんです。 私はこうやって皆さんと議論する場にいるのでよく知っているような感覚に陥るんですけれども、思っている以上に知らない人たちもまだまだいるというところがあると思いますので、是非その件については消費者庁と連携して進めていただきたいんです。 そういう中で、本改正案に向けて実質的な検討の中で、当たっていた検討会、雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会報告書では、カスタマーハラスメントに関わる今後の対応の方向性で、総合的な対応の必要性として、警察への通報を含めた対応方針をあらかじめ定めて労働者に周知しておくことが重要と提言があります。今後、指針を決めていくんですけれども、この指針にはきちっと警察への通報を含めた対応方針を盛り込むべきだと考えています。 その上で、現場の声としては、残念ながら、今も対応マニュアルには警察を頼ってくださいということは書かれているんですけれども、警察に通報するんだけれども、応じてもらえなかったとか、サービス業であるんだから顧客からのいろんな要求は我慢するのが当然なんじゃないかみたいなことを逆に現場で言われたという事例も耳にしております。 警察行政の中でもカスハラの対応の理解が進んでいない、及んでいないというのが実情だというふうに私自身思っております。少なくとも、都道府県警、実際に現場に駆け付けてもらう所轄まで、今回の改正法を機に対応の浸透が図られるように、指針の作成のときには関係省庁会議もちろん入っていただいて、指針も入れるんですけれども、それを待たずに厚労省から警察庁にしっかりと対応を求めていただきたいと思いますし、警察との具体的な連携、現時点での大臣のお考え、お願いいたします。
○国務大臣(福岡資麿君) 厚生労働省が作成しましたカスタマーハラスメント対策企業マニュアルにおきましても、カスタマーハラスメントの類型に応じた対応の例として、長時間にわたり顧客等が従業員を拘束する等の場合に状況に応じて警察への通報等を検討すること、殴る、蹴る等の行為を行う場合には複数名で対応し、直ちに警察に通報することなどをお示ししているところでございまして、御指摘ありましたこの改正法に基づく指針におきましても、警察への通報について具体的にお示しをする方向で検討をしてまいりたいと考えています。 また、顧客等による犯罪に該当し得る行為について事業主等から通報があった場合には、警察において適正に、適切に対応いただいているものと承知をしておりますが、御指摘もありましたように本年一月から開催しています関係省庁連携会議においては警察庁にも参画いただいているところでありまして、こうした場を通じまして警察庁とも更に連携を深めてまいりたいと思います。
○田村まみ君 是非よろしくお願いいたします。 福岡県警など県警でもカスハラ対策をしなきゃいけないというふうな形で対策進めているような県警もある一方で、そもそもそういう通報を受けたときに理解が及んでいないところもありますので、是非ここは連携しっかり深めていただきたいと思います。 今回の、事業者が幾ら頑張って対応を拒否してもそれが止まらないところで今やれることとすれば、やっぱり警察に介入していただくしかないというのが現場の切実な声ですので、今の法の範囲の中での最終的な手段として確保できるように対応お願いしたいというふうに思います。 その上で、済みません、幾つか質問飛ばして、最後から二番目、インターネット上でのいわゆる個人の動画をアップしていくというところの問題です。 私、二〇二二年の予算委員会でも、このSNS上やインターネット上にいわゆる自分が写っている動画や写真を一方的な言い分でアップをしていくというようなことで、何とか会社もその従業員のことを守ろうとして、いわゆる削除要請等々をプラットフォーマーに求めるけれども、本人じゃなきゃまずできないというようなハードルがあったりとか、会社として守ろうとしても限界があるんだというような声をお伝えして、これまでも総務省を始め、誹謗中傷、インターネット上の誹謗中傷への対策というのは進んでいるんですけれども、今回の改正によって、こうしたインターネット上のカスハラ行為に対して事業者として何らかの対応、何か具体的に可能になるのでしょうか。
○政府参考人(田中佐智子君) 本法案ですが、労働者保護の観点から事業主に対して雇用管理上必要な措置を講ずることを義務付けるものでございまして、事業主が何らかの措置を行う法的な権利や権限を新たに設けるというものではございません。
○田村まみ君 この問題については、やはり、一個人、動画をアップさせられるというのはどういうことかというと、例えば、私が名札を付けて接客をしていて、一方的に写真や動画をその場で撮られて、不当な要求は抜きにして、私が、いや、それはできませんって言っているところだけを切り取られてアップをされて、サービスや対応が悪いとか、いろんな個人的な攻撃というのがアップされてしまうと。あくまで、誹謗中傷であったり、もっと個人的な攻撃的な言葉が載っていたりというようなことがあると。 で、事業主は、その従業員が、お店の名前とかも一緒に上げられているので、個人守ろうとして、何とか削除してあげようと思って、事業主が一生懸命プロバイダーとかにも訴えるんだけれども、まずは個人、その載せられている個人の訴えじゃないとできないと、まず画像が載っているというところ。あとは、相手先が納得して掲載やめるということにまでたどり着かなきゃ下ろせないということで、まだまだこの問題については大変厳しい状況だというふうに思います。 事業会社によっては名札を、もう名前をやめていくというような形で対応進めたりというようなことで、今やれることは現場ではやっているんですけれども、このSNS上での誹謗中傷、広くはそういうふうに言われていますけれども、カスタマーハラスメント、真面目に働いている人たちがそういうことにさらされるということに対しての具体的な対策、これも関係省庁の連絡会議で法務省や総務省と併せて進めていただかなければいけない内容ですので、是非進めていただきたいというふうにお願いしておきたいと思います。 最後に、私もILOの百九十号条約の批准に向けて前回何問か質問させていただいて、今日もこれ質問出ましたけれども、要は、批准ができるのかできないのかというと、今このままじゃできないということは明確になったのかなというふうに思っています。 一方で、おとといの議論の中で、福岡厚労大臣は、石橋委員の質問に対しては、このILO百九十号条約の締結に向けた環境整備に資するものだというふうに考えているというふうに、何ですか、法文上、職場におけるハラスメントを行ってはならないということを明確にしたから資するんだというような答弁もいただいております。 ただ、今後細かくいろんな省庁との連携も必要だということなんですが、改めて、このILOの百九十号条約の批准に向けて、厚労省の現状と課題、そして検討状況について改めてお示しいただきたいと思うんですけれども、厚労大臣、いかがでしょうか。参考人でもいいですけど。
○国務大臣(福岡資麿君) 詳細につきましてはまた局長から答弁をしていただきますが、この法案では、職場におけますハラスメントを行ってはならないことを法文上明文化し、国が規範意識の醸成に取り組むほか、カスタマーハラスメント対策の強化、就活等セクシュアルハラスメント対策の強化などの内容を盛り込んでございまして、ILO第百九十号条約の締結に向けた環境整備に資するものと考えてございます。 他方で、これまでも申し上げてきたとおり、このILO第百九十号条約につきましては、内容が多岐にわたりますし、また抽象的な内容も含まれます。そのため、この条約の締結に当たりましては、条約の条文全体に関して、条約に求められている内容と今回の改正法案を含めた国内法制全般との整合性について引き続き整理をしていくことが必要だと考えています。 引き続き、関係省庁とも連携しながら、締結に向けた検討を進めてまいりたいと思います。
○田村まみ君 締結に向けた動きをされているということは理解しているんですけれども、この今回の改正法案議論する中で、もちろん附帯決議にも前回載っていたわけなので、批准に向けての議論も並行して考えていらっしゃったんだと思っています。 参考人にお伺いしますが、現行の法文上の課題と関係者との検討状況というところが今どういう状況になっているのか、お答えください。
○政府参考人(田中佐智子君) お答えいたします。 大臣からも御答弁させていただきましたとおり、このILO百九十号条約、大変長うございますし、また内容が多岐にわたります。現在、関係省庁と連携をしながら、一条ずつ、その条文の解釈、またそれぞれの法律でどういうことが担保できるのかというふうな整理を行っているところでございます。
○田村まみ君 整理が終わった後はILOの事務局とのいろいろなやり取りがあると思うので、プロセスとか期間とか難しいと思うんですけれども、今言ったような国内法との整合性みたいなところの整理というところ、そこはせめて期間を目標感として出していただきたいんですけれども、そこは今のところないんでしょうか。
○政府参考人(田中佐智子君) 関係省庁も多岐にわたりますので、なかなかいつまでというようなことを申し上げるのは難しいかと思います。
○田村まみ君 厚労大臣、私、思いは、批准に向けての動きは伝わってはいるんですけど、今の実務的なところの答弁を聞くともうみんな首をかしげるという状況がこの委員会続いていると思うんですよね。是非、厚労省内での整理みたいなところは具体的に御指示いただけないでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(福岡資麿君) 当然、対応急いで進めるように私もしっかり指示していきたいと思いますが、その上で、いろいろな関係省庁等も含めて整理をする、それをいつまでにやるかというのは当然厚労省内だけでは決められる話ではございませんので、そういう制約があった上でなるべく早く進めていきたいということでございます。
○田村まみ君 済みません、委員長、厚労省としての今の批准に向けてのプロセスであったりスケジュール感というところをもう少し明確にして出していただくということを求めたいと思います。その協議をお願いして、質問を終わりたいと思います。
○委員長(柘植芳文君) ただいまの御提案につきましては、後刻理事会で協議をいたします。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。 初めに、教育分野でのアウティングの問題について、衆議院でも議論がありまして、私の方からも確認をさせていただきたいと思います。 性的マイノリティーの機微な個人情報の扱いについては、使用者が労働者である当事者の了解を得ずに他の労働者に性自認等を暴露、情報提供する、いわゆるアウティングについてはパワーハラスメントに該当するとされております。 そこで、文科省に確認したいのは、教師等と児童生徒の場合についても同様だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(松坂浩史君) お答えいたします。 本人の同意なくその人の性的指向や性自認に関する情報を第三者に暴露する、いわゆるアウティングは人権擁護上あってはならない行為と認識しております。性的マイノリティーとされる児童生徒に対しても教職員が正しい理解に基づき対応することが重要です。 このため、文部科学省では、生徒指導提要や通知等におきまして、性同一性障害に係る児童生徒についてのきめ細かな対応の実施に当たっての具体的な配慮事項等を周知してきたところでございます。引き続き、各学校において児童生徒の心情等に十分配慮した適切な対応が行われるよう努めてまいります。
○倉林明子君 本当にアウティングというのはもう自死につながるような結果も生んできております。命に関わるという問題なんだということをしっかり受け止めていただきたいと思うんです。 きめ細かな提要になっているんだという御説明でしたけれども、衆議院でも議論されたように、この紹介もあった文科省の生徒指導提要、ここでは、当該児童生徒の支援は、最初に相談を受けた者が抱え込むことなく、組織的に取り組むことが重要として、チームをつくって対応すると、こういう記載になっているんですね。これ、アウティング推奨とも取れるという指摘が衆議院でありました。それに対して留意するという答弁があったんですけれども、圧倒的な力関係の違いから、生徒本人の同意、これが不本意ながら、でも同意してしまうと、こういうこと十分起こり得ると思うんですね。支援の名目でアウティングが容認される、こんなことあってはならないと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(松坂浩史君) お答えいたします。 性的マイノリティーとされる児童生徒に対しては教職員が正しい理解に基づき対応することが必要です。 ただいま御指摘いただきましたように、生徒指導提要においては、適切な支援がなされるよう組織的に取り組むことが重要という記載はございますが、あわせて、当事者の理解を得ずに他人に暴露する、いわゆるアウティング等が生じないよう、児童生徒自身が可能な限り秘匿しておきたい場合があることなどに留意することや、当事者である児童生徒やその保護者に対し情報を共有する意図を十分に説明、相談し理解を得る働きかけ、これも忘れてはならないことについても併せて記載しているところでございます。
○倉林明子君 いや、併せて記載してあるからね、最初からチームとよく相談してというところに行きがちだと思うわけですよ。 そして、保護者とも共有するというけれども、子供はそういう状況を保護者にもカミングアウトできていないという場合だってあるわけですよね。だから、そういう意味でいいますと、情報共有ということと、その当事者である児童生徒に対する配慮と両方書いていて逆に分かりにくくなっているんじゃないかと。明確に指導提要の中で、アウティングとなる危険性、ここの徹底が要るんだと思うんですよ。 その点での、今のどちらとも取れるような細かな記載ということ、丁寧な記載とおっしゃるんだけれども、どこが勘どころなのかということを押さえた提要の見直しが要るんじゃないか。いかがでしょう。
○政府参考人(松坂浩史君) 生徒指導提要におきましては、先ほど申し上げましたように、当事者である児童生徒や保護者などの意向を踏まえて、個別の事情に応じて対応を行うことが必要である旨を記載しているところでございます。 教職員の理解は重要でございますので、その促進していくことは、文部科学省ではこれまで、児童生徒等に対するきめ細かな対応ですとか、学校生活の各場面における支援の例など、これらを記載した通知、パンフレット、啓発資料の周知、また研修動画等の配信等を行いまして、これらの中でも、当事者である児童生徒に対して情報を共有する意図を十分に説明、相談し、理解を得つつ対応を進めることの必要性などについて周知をしております。
○倉林明子君 アウティングが自死にもつながるような危険な行為なんだということが一番に先生の間で共有される必要があると、その点での指摘なんです。 そういう意味では、今の指導提要では逆に誤解を招き、危険につながりかねないという指摘ですので、十分に受け止めていただきたい、これ強く要望しておきたいと思います。 委員長、今日、文科省についてはここまでとなりますので、取り計らいお願いします。
○委員長(柘植芳文君) 文科省の松坂文部科学戦略官は御退室願って結構でございます。
○倉林明子君 続いて、男女の賃金格差の是正という観点から質問したいと思います。 現在、働く女性の半数以上が非正規労働者ということになっておりまして、パートタイム労働者の平均時給、これ二四年で千二百五十二円にすぎません。異次元の物価高が今続いております。非正規で働くシングルマザー、若い世代、こういう非正規で働かざるを得ないという状況、非正規で働かざるを得ず、低賃金が本当にまさに暮らしを脅かしている状況があります。 これ、男女の賃金格差を是正する上でも、全国一律の最低賃金の引上げ、これ待ったなしの課題になっていると思いますけれども、認識いかがでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 最低賃金の地域間格差の是正に取り組んでいくことは大変重要だと考えておりまして、令和六年度において、各地方の最低賃金審議会で地域間格差是正の観点も含めて御議論いただいた結果、地域間格差について最高額と最低額の比率は八一・八%と、十年連続で改善したところです。 一方で、全国一律の最低賃金とすべきとの御指摘につきましては、地域の経済状況等が異なります中で、引上げ幅が地方ほど高くなり、特に地方の中小企業の負担感が大きくなるということにも留意する必要があると考えております。 地域別最低賃金の最高額に対する最低額の比率を引き上げるなど、引き続き地域間格差の是正に取り組んでまいりたいと思います。
○倉林明子君 やっぱり物価高に追い付いていないんですよ。とりわけ、最低賃金で働いている人たち、女性が多いという問題意識を持って取り組むべきだと思います。中小企業のところの支援が、直接支援が必要だと、踏み出してもらうには、そういうことを行ってこそ、時給千五百円、遠い先の目標にするんじゃなくて、直ちに実現に踏み出していただきたい。そして同時に、物価高を反映したら千五百円でいいのかという議論もされるべきだと思うんですね。千七百円、これ、目標をしっかり持つべきだと、これは指摘にとどめておきたいと思います。 そこで、有期雇用契約で働く女性たち、もう本当に多いです。どれだけ非正規で有期雇用契約の下で働いている女性たちが差別的な人権侵害になっているかということを、私、率直に指摘したいと思うんです。 非正規、有期雇用契約で働いている人たちというのは、名前で呼んでもらえません。非正規さんとか、名前があるのに非正規さん、会計年度さんと、こういう呼ばれ方するんですよ。仕事のスキル、これは正規以上にあるということで、新規採用の男性職員に仕事を教えると、これもよくあるんだというんですよ。にもかかわらず、給与は正規職員の半分。これ、スタートからどんどん追い越されると。もう屈辱ですよ。そういう扱いを受けて、さらに、雇用契約の切れ目が迫るたびに雇い止めの不安に追い詰められる。三月の場合が多いですから、クリスマスも正月も不安な気持ちで過ごすというわけですよ。上司の評価を恐れて物も言えないと、そういう実態にあるんですね。 有期雇用契約が女性の低賃金な働き方生んでいるという認識、大臣おありかと聞きたい。そして、恒常的な業務があるにもかかわらず、有期雇用契約が、有期雇用にしているということは蔓延しているんですよ。こういうこと自体問題ではないかと。いかがでしょう。
○国務大臣(福岡資麿君) 正社員、正職員の方とそれ以外の方との間の雇用形態間の賃金格差につきましては、近年縮小傾向にあるものの、依然として課題があるということについては認識をしております。 また、非正規雇用労働者のうち女性の割合は六七・九%と、男性と比べて高くなっておりまして、非正規雇用労働者の待遇改善を図ることは男女間賃金差異の解消につながる側面もあると考えています。 有期労働契約に対するいわゆる入口規制につきましては、平成二十三年に労政審において公労使の三者で丁寧に議論を行った結果、導入すべきとの結論に至らず、現行の無期転換ルールにより有期労働契約者の方々の雇用の安定を図る形となってございます。 厚生労働省としましては、パートタイム・有期雇用労働法に基づく同一労働同一賃金の遵守の徹底を通じて、非正規雇用労働者の方々の待遇改善を進めてまいりたいと思います。(発言する者あり) 〔委員長退席、理事三浦靖君着席〕
○倉林明子君 いや、なってないんですよね。声も上がりましたけれども、当事者、経験者からも声上がりましたけれども。 私、やっぱりこういう、名前があるのに非正規さんとか会計年度さんとか、賃金格差がこれだけどんどん広がる、首切りに、あっ、雇い止めの不安にずっとさいなまれながら多くのそういう働き方をしているのは女性なんですよ。人間性を否定すると、こんな働かせ方を容認するなんということはあってはならないと申し上げておきます。 特に公務の現場、ここでの矛盾というのはより深刻になっております。一年契約を原則とする会計年度任用職員として働く自治体の非正規公務員、そして国家公務員では期間業務職員、大体時給千百円と最低賃金に張り付いている。本当、これ少なくないですよ。 圧倒的に女性が多くを占めている公務のこの非正規に対する処遇、これ抜本的に改善していくべきだと思います。いかがでしょうか。
○政府参考人(小池信之君) 複雑化、多様化する行政需要に対応するため、常勤職員に加え、非常勤職員も地方行政の重要な担い手となっているものと認識をしております。 このため、会計年度任用職員の給与につきましては、制度創設時から期末手当の支給を可能とし、勤勉手当につきましても令和六年度から支給できるように法改正を行うとともに、給与改定について、改定の実施時期を含め常勤職員の給与の改定に係る取扱いに準じて改定することが基本となる旨助言するなど、適正な処遇の確保、改善に取り組んできております。 また、会計年度任用職員の任用に当たっては、地方公務員法に定める平等取扱いの原則や成績主義を踏まえ、できる限り広く募集を行うことが望ましいと考えています。 ただし、客観的な能力の実証を経た再度の任用や選考において、前の任期における勤務実績を考慮することも可能であることなどについて自治体に対しこれまでも通知をしております。さらに、昨年六月に国のいわゆる公募三年ルールが廃止されたことを受けて、総務省においても自治体に対しその旨を通知をしております。 今後とも、会計年度任用職員が十分力を発揮できるよう、環境や制度の整備に取り組んでまいります。
○倉林明子君 いろいろ改善されていると、それは否定しません。ただし、根っこにある有期雇用契約ということが、延長もできるよと言うけれど、一年一年の契約の更新にやっぱりなっているんですよ。それが雇用不安を強烈に拡大している根本の問題だからこそ、これ指摘しているんです。 国が率先して、期間の定めのない直接雇用を原則として、少なくとも一年以上の有期雇用は無期雇用に切り替えると、こういうことで雇用の安定、まずここを図るべきだと思うんです。いかがでしょう。
○政府参考人(荒竹宏之君) お答えいたします。 人事院においては、昨年六月に、期間業務職員としての高い適性を有する人材が三年を区切りに公務外に流出するなどの弊害が生じていたことなどに鑑み、各府省の実情に応じて必要な人材を迅速、柔軟に確保できるよう、公募によらない再採用の上限回数を撤廃したところであります。 見直し後の期間業務職員制度が適切に運用されるよう、制度の理解、促進を図り、丁寧に照会に応じるなど、引き続き各府省の取組を支援してまいります。
○倉林明子君 それは歓迎もされているんだけれども、ルールの撤廃にとどまらず無期雇用に転換していくと、そこまでの見直しが要るんだと。そして、人事院そこまで踏み切っていただいたけれども、地方自治体のところでの会計年度任用職員の、それの三年公募、五年公募、これは変わっていないところ多いですよ。そういう意味では、総務省の方も人事院でのこうしたルールの見直しをしっかり地方に徹底していただきたいと思います。 女性労働者が公務の現場で尊厳をおとしめられるような、そして雇用の調整弁として働かせるようなやり方はきっぱり改めるべきだと申し上げておきます。 委員長、ここで人事院と総務については質問を終わりますので、お取り計らいをお願いします。
○理事(三浦靖君) 御退室願います。
○倉林明子君 男女の賃金格差の背景に何があるかと。男女の固定的役割分担に基づいた企業主導の働かせ方があるというふうに思います。女性が家庭でのケアを担うことを前提とした男性の異常な長時間労働、全国転勤制度、これはやっぱり女性自身の労働者としてのキャリア形成、明らかに阻害している要因になっていると思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(福岡資麿君) 女性活躍を推進するための取組を進めていくに当たりましては、固定的な性別役割分担意識であったりアンコンシャスバイアスの解消は大変重要であると考えております。 このため、男女雇用機会均等法の遵守であったり女性活躍推進法による取組を推進しますとともに、管理職を含めて、企業で働く方々、人事労務担当者、経営者などを対象としまして、アンコンシャスバイアスの是正であったりメンター制度の導入等についてのセミナーを開催するなどの周知啓発などに取り組んでおります。 〔理事三浦靖君退席、委員長着席〕 引き続き、この固定的な性別役割分担意識であったりアンコンシャスバイアスの解消に向けて粘り強く取り組んでまいりたいと思います。
○倉林明子君 意識のところを強調されたんだけれども、働かせ方の実態、ここに問題があると、長時間労働、転勤、これ、ここが改まらないと変わらないんですよ。女性の低賃金構造も変えようがないと、ここを指摘したので、しっかり受け止めていただきたい。 現在、労政審で労働時間法制についても議論されているということでお聞きしております。五月十三日の議論では、時間外労働や休日労働、この上限規制に使用者側から慎重意見が出されたという報道もありました。 そもそも、なぜ時間外労働の上限規制を設けたのか、簡潔に御説明を。
○国務大臣(福岡資麿君) 時間外労働の上限規制は、平成三十年に成立した働き方改革関連法による労働基準法の改正によって導入したものです。これは、働く方の健康確保を図ることや、仕事と子育てや介護を無理なく両立でき、女性や高齢者を含め労働者が働きやすい環境を整備するには長時間労働の是正が必要であることから、当時の労使が合意した水準を踏まえて、罰則付きで時間外労働の上限を定めることとしたものです。
○倉林明子君 働き方改革も進めてきたというものの、過労死ラインを超えるような上限規制に収まっているような医師の働き方はそのままです。過労死も決して減っていません。そういう意味でいうと、長時間労働の上限規制、これ強化するということは、ジェンダー平等を実現していくという観点からも避けて通ってはいけないという問題であると改めて指摘をしたいと思います。 その上、賃上げとセットで、今こそ労働時間の短縮に踏み出すべきだと思うんですよ。いかがでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 今の一日八時間労働、これは国際基準でも採用されております標準的な水準でありまして、我が国の法定労働時間が決して、他国と比べても適切なものだというふうに考えてございます。 他方、働く人の健康であったりワーク・ライフ・バランスを確保しながら、女性や高齢者を始め、希望する誰もがより一層労働参加できるように長時間労働を是正するとともに、付加価値を最大化し、より短い労働時間でより多くの賃金を得られるようにすることは重要だと考えております。 このため、労働基準監督署による時間外労働の上限規制の履行確保や働き方改革推進支援センターによります丁寧な相談支援に取り組みますとともに、生産性向上のための設備投資等を行う企業への助成を始めとした賃上げ支援助成金パッケージの周知に努め、労働市場全体の賃上げを支援してまいりたいと思います。
○倉林明子君 一日八時間の規制は世界並みだとおっしゃるんだけれど、一九一九年、ILOの一号条約は八時間の労働時間ということで、最初にできた条約ですよね。これ日本はいまだに批准しておりません。それは三六協定があるからですよ。一日の労働時間の規制がありながら、例外として青天井で働けるように認めているということがあるわけですよ。だからこそ、改めて、一日の労働時間がきちんと規制される、そういうところを目指すべきだと、実態としてもですね。労働時間の上限規制という点で一日の労働時間の規制、これしっかり踏み出すということをやっていかないといけないということは指摘したいと思います。 さらに、女性が働き続ける上で必要なのがケアの社会化、社会保障の充実、そのために直ちに踏み出すべきはケア労働者の賃上げですよ。国が公定価格や報酬で決めている医療、介護、福祉、この分野で働いているのは圧倒的に女性が多いんですよ。この分野の賃上げ、これは男女の賃金格差の是正にもつながるし、今、人手不足、崩壊の危機にあると言われているところの離職の防止にもつながっていくという側面もあるんですよ。繰り返しこの分野での賃上げの要求が他の委員からもあります。 男女の賃金格差を是正していくんだと、この観点からも急いで取組が求められると思いますけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(福岡資麿君) 医療・福祉分野の賃上げの必要性については再三委員からも御指摘をいただいておりますし、私どもとしてもその賃上げが重要だという認識はございます。 その上で、恐縮ですが、これまで申し上げてきましたとおり、令和六年度の報酬改定で一定の措置講じて、それでもまだ依然として他産業との差があるということは御指摘のとおりです。報酬改定の措置が最大限活用されるように取り組むことに加え、令和六年度補正予算において更なる賃上げの支援を盛り込み、全国へ速やかに行き届かせるよう今取り組んでいるところでございます。 こうした措置を着実に実施し、現場における更なる賃上げにつながるよう取り組んでいくとともに、賃上げの状況や経営状況について実態をよく把握した上で、次期報酬改定を含め必要な対応を検討してまいりたいと思います。
○倉林明子君 現状でもそういう認識だというところが本当に問題だと思いますよ。 財政審の建議の準備がされているようですけれども、さらに、予算の枠についてはフレーム掛けるという考え方維持されていますよね。医療や介護のところでも、メニューは負担増を引き上げるというようなところまで出てきているんですよ。ちょっと本当に、医療や介護の崩壊まで招きかねない危機的な状況だという認識、改めて持たないといけないと思います。 ケア労働者の賃金が低いのは、女性の役割の延長線上とされてきた、ほかならないんですよ。ここを抜本的に改善する、これが雇用の場におけるジェンダー平等、前進にもつながっていくということを指摘したい。雇用におけるジェンダー平等の遅れを本気で取り戻すと、抜本的な法改正が必要だと指摘して、終わります。
○天畠大輔君 れいわ新選組の天畠大輔です。 カスハラ対策と障害者の権利保障の両立について伺います。代読お願いします。 本法案にはカスタマーハラスメント対策の強化が盛り込まれています。労働者をカスハラから守るため、事業者に対してその対策を義務付けるものです。 昨年十二月の厚生労働委員会において、我々障害者が、障害者差別解消法に基づき社会的障壁の除去、つまり合理的配慮を求めることは、一般的にカスタマーハラスメントには当たらないと大臣は答弁しました。それを前提に質問いたします。 カスハラ対策の必要性については異論がありません。一方で、カスハラ対策は、労働者の保護と同時に、顧客等の権利保障が侵害されないよう配慮することが求められる点で、他のハラスメント対策と一線を画すと考えます。特に私は、障害当事者の立場から、いまだ差別や偏見は解消されず、合理的配慮を受けられない場面が多い中で、カスハラ対策の強化が障害者の正当な権利要求を萎縮させる懸念を拭えません。 本日は、労働者の保護と障害者の権利保障を両輪として対策をいかに進めていくのか議論したいと思います。 資料一を御覧ください。 改正案三十三条では、カスタマーハラスメントについて雇用管理上必要な措置を講じることが事業主に義務付けられています。そこで、カスハラに当たる行為は、社会通念上許容される範囲を超えたものにより当該労働者の就業環境が害されることと定義されています。社会通念上相当な範囲という文言には注意が必要です。 資料二を御覧ください。 雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会報告書に、社会通念上相当な範囲を超える言動の内容及び手段、態様の例が示されています。 まず、社会通念上相当な範囲という文言は極めて曖昧で、事業者側の判断の余地に広がりがあり過ぎる点に懸念を抱きます。さらに、言動の内容が正当な権利要求でも、その手段に問題がある場合はカスハラに該当する可能性が示唆されています。 例えば、障害者が事業者に社会的障壁の除去を求め、時にそれが難しいとき、理由の説明や代替手段の検討には相当な時間を要する場合があります。それが長時間の拘束と捉えられないでしょうか。また、障害特性による行動が外形的には社会通念上相当の範囲を超えている場合もあり得ます。その際も、付き添っている介助者などに事情を聞き取り、配慮が可能な場合が必ずあります。その判断を事業者が適切にできるでしょうか。 資料三を御覧ください。 昨年三月二十日付けの東京新聞朝刊です。車椅子利用者が映画館で車椅子席以外の席を希望し、段差があったためスタッフの手を借りて利用することができました。しかし、上映後にスタッフから、この劇場は御覧のとおり段差があって危ない、手伝えるスタッフも時間があるわけではない、今後はこの劇場以外で見てもらえるとお互いいい気分でいられると思うと言われました。その後、映画館の運営会社はこの対応を不適切として謝罪したわけですが、本件について御本人がSNSへ投稿すると、特例対応はハラスメント、優遇されて当たり前の考えは捨てろといった誹謗中傷があふれました。 ここで内閣府に確認します。一般論として、本件のような事案は、障害者差別解消法における合理的配慮の不提供に該当する可能性があり、また建設的対話の不足であると考えますが、内閣府の見解をお聞かせください。
○政府参考人(江浪武志君) お答え申し上げます。 御指摘の個別の事案についてお答えすることは困難ですが、一般に障害者差別解消法では、事業者に対し障害者から社会的障害の除去の求めがあった場合、その実施に伴う負担が過重でないときは合理的配慮を提供することを義務付けております。 同法の基本方針には、過重な負担の基本的考え方が示されており、事務事業への影響、物理的、技術的制約や人的、体制上の制約などの実現可能性の程度などを考慮し、具体的場面や状況に応じて総合的、客観的に判断することが必要であるとしております。 仮に過重な負担であると事業者が判断した場合であっても、事業者と障害者の双方がお互いに相手の立場を尊重しながら建設的対話を通じて相互理解を図り、代替措置の選択も含めた対応を柔軟に検討することが求められるものと考えております。
○天畠大輔君 代読します。 御答弁いただいた法律の趣旨に照らせば、本件は合理的配慮の提供義務を怠っており、建設的対話の重要性を現場が理解していなかったことは明白です。 ここで分かることは三点です。 一点目は、SNSでの反応が示すように、障害者への合理的配慮は社会に浸透しているとは言い難く、いまだにわがままとか特別扱いだと捉える人がたくさんいることです。 私もよく映画館に行きますが、車椅子席は前方に配置されていることが多く、スクリーンを長時間見上げるのは首への負担が大きいです。なので、席に移乗できるのであれば、自分の好きな席で見たいと思うのは、わがままではなく、当たり前の願いだと思います。 二点目は、たとえ合理的配慮の内容について対応が難しいケースでも、代替案の提示など合意できる一致点を探る建設的対話が法令上求められているわけですが、その意識がいまだ醸成されていないことです。 昨年四月八日付けの朝日新聞の記事によれば、この方が問題の映画館を利用したのは四回目で、過去三回は同じ合理的配慮を受けられたそうです。仮にそのとき対応が難しかったとしても、その理由の丁寧な説明や代替案の提示などの対話がまず先であり、利用の拒否は明らかな差別です。 三点目は、内閣府が先ほど答弁で触れていた、過重な負担が合理的配慮を断る言い訳に使われる懸念があることです。 これは記事の中で日本障害者協議会の藤井克徳代表も言及されています。この事例では、スタッフの時間がないという理由で利用を断ったわけですが、その後の話合いで劇場内のスロープ設置や車椅子スペースの増設につながったそうです。ここでも建設的対話の重要性が分かるかと思います。対話なしに過重な負担だから断るということが不当にカスハラ扱いすることにも発展しかねないと考えます。このような状況において、障害者差別解消法で合理的配慮の提供が義務付けられているから問題ない、大丈夫だと自信を持って言えるでしょうか。 障害当事者団体のDPI日本会議は、昨年十一月にカスハラ対策の法制化に当たっての要望書を厚生労働大臣宛てに提出しています。社会的障壁の除去を求めること等はカスタマーハラスメント行為に当たらないと明記すること、合理的配慮の提供義務の遵守については合理的配慮の具体例を列記して周知することなどを求めています。 やはり、カスハラ対策を進める上で、正当な権利要求との線引きを明確化することが極めて重要です。この法文からそのメッセージが明確には読み取れません。大臣、障害者の権利要求が萎縮しないよう、差別が生まれないよう国がしっかり指針を示していく重要性を認識されているか、明確にお答えください。
○国務大臣(福岡資麿君) 本法案において事業主に義務付けることとしておりますカスタマーハラスメントに関する雇用管理上の措置につきましては、労働政策審議会における議論を踏まえまして、指針等において具体的な内容をお示しをすることを予定をしております。 この労働政策審議会の議論におきましても、障害者差別解消法に基づく合理的配慮の提供義務を遵守する必要があることは当然のことであることを指針等で示すことが適当であるとされておりまして、この指針の策定に当たりましては、こうした建議の内容も踏まえまして検討していく予定でございます。
○天畠大輔君 代読します。 指針で示すと言いました。 迷惑客の宿泊拒否を可能とした改正旅館業法においては、指針の策定に当たって、障害当事者が検討会のメンバーとして参画した上で、様々な障害種別の団体にヒアリングを行い、多くの具体例を引き出し、指針に盛り込むことができました。 カスハラ対策に関する指針の策定に当たっても、障害者への偏見、差別がなくならない社会において現場で正しい運用がなされるよう、障害当事者が委員として検討会に参画し、様々な障害種別の団体へヒアリングを行うと約束してください。大臣、いかがですか。
○国務大臣(福岡資麿君) まず、先ほど申し上げましたとおり、指針の策定に当たりましては、建議の内容も踏まえまして検討していく予定です。この指針の策定に当たりましては、実態をよく把握して検討することが重要であると考えておりまして、何らかの形で当事者の方々の御意見を伺いながら進めてまいりたいと思います。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 何らかの形ででは不十分です。障害当事者とともにしっかり議論するとお答えください、大臣。
○国務大臣(福岡資麿君) 御指摘がありましたように、その障害当事者の方々の御意見を聞くということは大変重要であるという認識は共有をしております。 ただ、このカスタマーハラスメントにつきましては全ての業種に関係するものでありますため、当事者というのは当然多岐にわたります。全ての関係者の方々に労働政策審議会に参画いただくことはおのずと限界がございまして、現実的ではないというふうに考えております。 そういった意味で、障害当事者の方々については何らかの形でしっかり御意見を伺ってまいりたいということを申し上げたところでございます。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 障害当事者の意見は重要であると認めますね、大臣。
○国務大臣(福岡資麿君) 当然、今回このハラスメントを定めるに当たりまして、いろいろな、様々な関係者の方々いらっしゃいます、その当事者の方々も含めて、様々な方々の御意見というのは重要であるというふうに認識しています。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 ならば、対話を通じて指針を作るべきです。代読お願いします。 本日の参考人の御意見からも、障害者などの視点が指針に盛り込まれる必要性は共有できたかと思います。特に高木りつ参考人からは、対話の中に障害者の方々も参画し、言いにくいことも含めてしっかり議論して一緒に指針を作り上げてもらいたいとの趣旨の発言がございました。指針の策定が双方の立場や状況を理解し合いながら社会全体で共存、共生できる仕組みやマインドをつくる一つのきっかけになればと考えておりますので、大臣には引き続き前向きな検討を重ねて求めます。 時間の関係で質問四は飛ばします。 次に、カスハラ対策に当たっては、正しい障害特性の理解、接し方を学ぶ研修の実施は両輪であると考えます。法施行に当たっては、カスハラ対策の推進と両輪で研修の実施促進を行うべきと考えますが、厚労省の見解をお聞かせください。
○政府参考人(田中佐智子君) カスタマーハラスメント対策を講じるに当たりましても、障害者差別解消法に基づく不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供義務を遵守する必要があることは当然のことでございます。カスタマーハラスメントに関する指針等に明記した上で、誤った対策がなされることのないよう、しっかり周知を図ってまいりたいと思います。 障害者差別解消法においては、事業所管ごとに主務大臣が事業者が適切に対応するために必要な事項を定めた対応指針を策定をすることとされており、現場で本法の趣旨が徹底されることが求められております。また、内閣府では、企業における対応指針の職員への周知、研修等の取組状況の調査を行い、好事例の紹介等を行うこととしていると承知をしております。 厚生労働省としても、こうした調査や好事例の収集、発信にも協力し、改正法の施行に当たっては、合理的配慮等についての事業主の理解促進や企業における研修の着実な実施が図られるよう取り組んでまいります。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 旅館業法のときのように国が研修ツールを作成すべきと考えますが、厚労省、いかがですか。
○政府参考人(田中佐智子君) お答えいたしましたように、合理的配慮の提供義務を遵守をする必要があることは当然のことでございますので、指針等に明記をした上で、誤った対応がなされることのないよう、しっかり周知を図ってまいります。
○天畠大輔君 代読します。 改正旅館業法の施行に当たっては、迷惑客の宿泊拒否が可能となることから、迷惑行為に当たらない合理的配慮の具体例を含めて改正の趣旨を理解するためのパンフレットや、障害者に対する接遇マニュアル、動画など、国が率先して研修ツールを作成しました。その検討会には障害当事者も委員として参画していました。指針策定への当事者参画はもちろんですが、研修の実施をただ促すのではなく、カスハラ対策を一つの契機として指針を分かりやすく伝えること、そして、障害者への合理的配慮もより一層進めるために研修ツールの作成も検討すべきと重ねて申し上げます。 また、指針を定め、研修もして周知啓発に努めたとしても、カスハラの判断がされて、合理的配慮の不提供につながるおそれはなくなりません。そのような場合は、事業者に問題を指摘して改善を促すことが必要です。厚労省は、誰もがアクセスしやすい相談窓口を設置し、その周知を図るべきと考えますが、厚労省の見解をお聞かせください。
○政府参考人(田中佐智子君) 重ねてになりますが、障害者差別解消法に基づく合理的配慮の提供義務を遵守する必要があることは当然のことでございますので、これらの点について誤った対応がなされることのないよう、しっかり周知を図ってまいりたいと思います。 また、障害者差別に関します相談対応については、障害者差別解消法等に基づき、地方公共団体が障害者差別に関する相談を受け付けるとともに、国は事業分野ごとに相談窓口を設置することとし、事業を所管する大臣等に事業者への助言、指導、勧告等の権限が定められております。加えて、これらの相談が適切な窓口に取り次がれるよう、メールや電話での相談が可能なつなぐ窓口を設け、必要な対応を行っていると承知をしております。 まずは障害者の方の言動が不当にカスタマーハラスメントとして扱われることがないようにすることが重要ですが、仮にそのような事案が生じた場合には、こうした窓口に相談し、必要な支援を受けることができるよう、法律の施行に当たっては、御指摘の改正旅館業法の例も参考に、内閣府等の関係省庁と連携して周知に取り組んでまいります。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 既存の相談窓口の周知は絶対に必要です。一方、つなぐ窓口だけでは不十分です。代読お願いします。 つなぐ窓口の実効性について障害者団体にお話を伺うと、実際には自治体の窓口に回すことが多く、中央省庁にはつながりません。社会的障壁除去の求めがカスハラ扱いされた事案であれば、障害者差別解消法だけでなく、労働施策総合推進法に関する理解もなければいけません。 自治体の障害者差別に関する相談窓口だけで適切な対応ができるのか疑問です。厚労省内にも相談窓口を設置し、法施行に当たって併せて周知しつつ、相談が来れば指針に基づいて事業者に適切な指導、助言ができるのではないでしょうか。また、内閣府のつなぐ窓口にカスハラ関連の相談が来れば厚労省につなぐことができ、おっしゃるような連携の更なる強化を図ることができます。この点は今後も追及します。 次に行きます。 就活セクハラについて伺います。 昨年行われた雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会において示された資料によれば、就活等セクハラは、男女問わず三割が経験しているとのデータがあります。就活生を四十五万人と仮置きすれば、毎年十三万人以上が被害に遭っていることにもなります。立場の弱い就活生に対して行われる深刻な人権侵害と考えます。しかし、厚労省の説明資料では、就活セクハラに対して、男性、女性とも一定程度見受けられるとの表現にとどまっており、厚労省が深刻に受け止めているのか疑問を持ちます。 大臣は、就活セクハラが就活生の尊厳を著しく傷つける行為であり、人権侵害であると認識していますか。
○国務大臣(福岡資麿君) 求職者等に対しますセクシュアルハラスメントは、求職者等の尊厳や人格を傷つけるものでありまして、あってはならないものであると認識をしております。 厚生労働省の調査によれば、過去三年間に就職活動又はインターンシップを行った経験がある方のうち、約三割がインターンシップ中又は就職活動中にセクシュアルハラスメントを経験したという結果となっております。また、同じ調査においては、過去三年間に就活等セクシュアルハラスメントを受けた経験のある者の心身への影響について、怒りや不満、不安などを感じた、また、就職活動に対する意欲が減退した、眠れなくなったと回答した割合が高くなっております。 本法案では、こうした実態調査の結果も踏まえまして、求職者等に対しますセクシュアルハラスメントを防止するため、職場における雇用管理の延長として捉えた上で、事業主に雇用管理上の必要な措置を義務付けることとしております。
○天畠大輔君 代読します。 では、本法案の防止規定で、大幅に就活セクハラが抑止されると考えているのでしょうか。定量的に示してください。
○政府参考人(田中佐智子君) お尋ねの点につきまして定量的な見込みをお示しすることは困難でございますが、既に事業主に雇用管理上の措置を義務付けておりますセクシュアルハラスメントの状況を見ますと、厚生労働省の調査によれば、セクシュアルハラスメントの被害を受けた労働者の割合は減少傾向にあり、またセクシュアルハラスメント対策に取り組んでいると労働者から評価されている勤務先においては労働者がセクシュアルハラスメントを経験した割合が低くなっていることから、求職者等に対するセクシュアルハラスメントについて今般事業主に対策を義務付けることで、その防止につながり、求職者等の保護に資するものであると考えております。
○天畠大輔君 代読します。 求職者等の尊厳や人格を傷つけるものであり、あってはならないものであると認識していながら、セクハラは減っていると悠長な発言をされています。しかし、前回の質疑で示したとおり、企業におけるセクハラ対策の実施有無によってセクハラの経験率は変わらないというデータもあります。防止規定のみでは実効性がないと言わざるを得ません。 やはりハラスメントの禁止と救済措置の具現化を早急に検討すべきと申し上げまして、質疑を終わります。
○委員長(柘植芳文君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時三十七分散会