厚生労働委員会 第15号
- 発言数
- 220 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2025/05/27
会議録
○委員長(柘植芳文君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、串田誠一君、藤井一博君及び新妻秀規君が委員を辞任され、その補欠として山口和之君、衛藤晟一君及び高橋次郎君が選任されました。 ─────────────
○委員長(柘植芳文君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律案外一案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省雇用環境・均等局長田中佐智子さん外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柘植芳文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(柘植芳文君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律案外一案の審査のため、本日の委員会に日本年金機構理事長大竹和彦君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柘植芳文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(柘植芳文君) 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律案及び労働安全衛生法及び特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○石田昌宏君 おはようございます。自由民主党の石田昌宏です。 今回の法改正では、カスタマーハラスメント対策が大きなテーマになっています。 ハラスメントは、人の心を傷つけ、時には人の人生を狂わせてしまうこともあります。ハラスメントをきっかけにして職場を去る人も多いです。この法律の目的は、労働者の職業の安定、経済的、社会的地位の向上ということですけれども、ハラスメントはこの逆を起こしてしまいます。 ハラスメント対策については、パワハラやセクハラについては法整備を進めてきましたけれども、カスハラについては、ようやくカスハラ防止を事業主の雇用管理上の必要な措置として義務付ける、国、事業者、労働者、そして顧客などの責務を明確化する、そして体系的な対策を始めるということで法整備が進むことになります。 特に医療や介護の現場では、カスタマーハラスメントは、患者さん又は利用者さんと直接接する機会が多い看護職員とか介護職員、又は窓口の事務職員の方とか、幅広く被害の訴えが上がってきています。 確かに、ほとんどの患者さん、また御家族は加害とは全く無縁の善良な方です。しかし、たとえ一人からであっても、ハラスメントが、ハラスメントを受けた職員の人生を変えてしまうこともあります。決して容認されるものではないと思います。 この医療、介護の現場でのカスタマーハラスメントの問題は関心もとても広がっています。 先日、一般社団法人日本男性看護師会というのがあるんですけれども、こちらの方が、今年起きた訪問看護師切り付け事件とか、女性タレントが看護師に暴力して逮捕された事件を受けて、オンラインの署名活動を今やっています。大変関心が高くて、僅か十日で五千筆以上が集まったそうです。現在はもう一万に近いといった形になっています。 コメントを一個一個見ても、看護師や医療従事者からのコメントだけじゃなくて、三分の一以上が患者さんなどの一般の方からのコメントが入っていて、医療従事者、介護従事者だけじゃなくて、広く関心が広まっていることがよく分かります。 確かに、病院などにおいて、看護職などは、患者さんや利用者の、またその家族から、身体的な攻撃又は意に反する性的な言動とか精神的な攻撃を受けることがあります。 日本看護協会が実態を調べているんですけれども、看護職員が暴力やハラスメントの被害を受けた人は結構いるんですけれども、誰から受けたかといった調査をすると、例えば、セクシュアルハラスメントに関しては、実は職場内じゃなくて、患者さんや家族からが大体四分の三を占めます。身体的な攻撃に関しても、九五%以上が患者さん若しくはその家族です。精神的な攻撃に関しても、半数以上が同じようになっていまして、かなりやはりカスタマーハラスメントの比率が圧倒的に高いといった状況にも現場はあります。 看護職員や介護職員のように、身体的接触が避けられない対人援助職に関しては特に被害に遭いやすい傾向があると考えられますけれども、この法律の施行に当たっては、より詳細な実態を把握するために、国として経年的に被害の実態と対策、そして効果を把握していただきたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(福岡資麿君) 御指摘の実態把握、大変大切な観点だと思います。 医療現場におけますハラスメントに関しては、令和元年度に厚生労働科学研究により、看護師等が受ける暴力・ハラスメントに対する実態調査と対応策検討に向けた研究を実施して、実態調査を行っております。 これを踏まえまして、各医療機関において適切な対策を講じることができるように、迷惑行為禁止のポスターであったりカスハラ防止マニュアルを備えておくべきことや、発生時に取るべき行動等をまとめましたe―ラーニング教材を作成し、厚生労働省のホームページや都道府県、関係団体等を通じて周知を行っております。 また、厚生労働省では、令和五年に、職場におけるハラスメントに関しまして、医療、福祉分野だけでなく各分野、業種の状況について一般的な調査を実施しておりますが、本法案の施行後の状況を把握していく際には、御指摘も踏まえながら、実態や対策の効果の把握に努めてまいりたいと考えています。
○石田昌宏君 是非、経年的にしっかりと追っていきながら、対策を深めていってほしいと思います。 日本看護協会の調査によれば、暴力やハラスメントを受けたときに職場の適切な支援がないと離職する傾向が強まるといった結果が出ています。例えば、暴力やハラスメントを受けた経験がある人は、ない人と比べて離職を考えている割合が一〇ポイント以上高いですとか、暴力、ハラスメント経験者への職場の支援があるかないかで就業の継続の意向が、ない場合はある場合と比べて一五ポイントぐらい下がってしまうんですね。やっぱり辞める方向に心理が動くという話です。したがって、とても支援というのは大事だと思います。 看護職や介護職員などが安全に、そして安心して働き続けられるようにするために、防止策に併せて被害に遭ったときの支援が重要で、国としても是非進めていただきたいと思います。
○政府参考人(森光敬子君) お答え申し上げます。 委員御指摘のように、医療、介護の現場において、ハラスメントの防止やハラスメントを受けてしまった従事者の方への対応、これは勤務環境改善、それから人材の定着という観点からも非常に重要だと考えております。 具体的な支援として、まず医療分野においては、医療機関や従事者向けの動画を作成し、その中で、患者や家族からのハラスメントについて、発生時に一人で対応しないといった従事者が留意すべき具体的な方法や、迷惑行為を受けた職員への対応として相談体制等を整備することといった内容を盛り込み、周知を図っているところでございます。 また、介護分野においても同様に、事業者向けのマニュアルにおいては、介護事業者が具体的に取り組むべきこととして、一対一や一対多の状態になるようなリスクの要因をできるだけ回避するための環境整備や対策を講じること、それから、ハラスメントを受けた職員や、相談、報告を受けた管理者が一人で抱え込まないように組織的に関与する体制を構築することなどが重要であるといった事項を記載し、周知を行っているところでございます。 医療、介護の現場において安心、安全にサービス提供ができるよう、引き続き、現場におけるハラスメントの防止や、ハラスメントを受けた医療、介護の従事者への対応が適切に行われるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○石田昌宏君 重要性を認識いただいて、周知していただくのは有り難いと思いますし、しているんだと思うんですけど、この法律、しっかりとできていくので、それが実態としてしっかりとできているかどうか、先ほどの質問にもかぶりますけれども、調査を継続してやっていただきながら、実態が進むように是非お願いしたいと思います。 今、本当、看護師やほかの職員足りなくて、少しでも働き続けられる職場をより多くしなきゃいけないというのはかなり大きなテーマになっていて、ハラスメントは結構大きな原因になっています。是非、周知だけじゃなくて、しっかりと対応できるところまでフォローして対策をお願いしたいと思います。 施設の場合なんですけれども、さらに密室性がより高い訪問看護とか訪問介護におけるカスタマーハラスメントについても質問したいと思います。 公益財団法人日本訪問看護財団と一般社団法人全国訪問看護事業協会が、四月に起きた、大阪で起きました訪問看護師が切り付けられるという事件を受けて緊急調査をやっています。 実際に約六割の訪問看護ステーションでカスタマーハラスメントを経験しています。ところが、そのステーションに対してその各地域で支援なりがあるんですけれども、仕組みがあるんですけれども、その補助事業などについては実は七割のステーションが分からないとか把握していないというふうに回答しているんですね。メニューはあれども、そもそも知らないので使われていない、こういった状況にあるんだというふうに思います。 こういった実態を考えると、現行の支援についても十分に現場で認知されていないわけですから、まず十分な周知が必要です。先ほどの政府の支援策、幾つかお話ありましたけれども、それが周知して実施されないと、先ほども言いましたけれども、意味がないと思います。 法案では、国の責務として、各事業分野の特性を踏まえつつ、広報活動、啓発活動その他の措置を講じることが求められています。この知らないとか分からないという状況をなくすためにどう取り組んでいくか、まずお伺いしたいと思います。
○政府参考人(森光敬子君) お答え申し上げます。 御指摘の訪問看護の現場でのハラスメント対策に対する支援につきましては、これまで、e―ラーニング教材の作成、周知や、医療従事者に対する研修やマニュアルの作成、それから訪問看護師のセキュリティー確保に必要な防犯機器の整備に関する財政支援などの取組を行っております。その一方、御指摘のように、その調査結果において、ハラスメント対策に関する補助事業等の周知が現場に十分に行き届いていないという状況にあると承知をしております。 こうした状況を踏まえまして、先日開催いたしました都道府県看護行政担当者会議において、各都道府県に対して、補助事業も含めた各種ハラスメント対策について改めて周知、活用を依頼したところでございます。 今後、法律が成立した場合には、改正法に基づく指針も踏まえ、更なる周知啓発に取り組んでいくとともに、引き続き、医療、介護の現場における従事者の安全を確保し、安心して従事できるよう、総合的に対策を推進してまいりたいと考えております。
○石田昌宏君 是非、対策の推進大事なんですけれども、どれぐらいできるかというのは正直心配なところはあります。特に、小規模事業所が多いこの分野に対する支援です。法案では、事業主が講じなければならない措置として、従事する労働者からの相談に応じ、適切に対応するための必要な体制を整備するというふうにあります。 例えば、訪問看護ステーションを例に取ると、全国平均で、もちろん規模は差はあるんですけれども、大体五、六人ぐらいの小さな小規模な事業所で、この人数で八十人から九十人、百人弱ぐらいの患者さん、利用者さんを対応しているというのが相場観かなというふうには思います。そのような場所で事業所内での相談体制とか必要な体制整備をやることはかなり簡単じゃなくて、実効性のある取組になるように外部からの支援というのは極めて大事だというふうに思います。 小規模事業者においても実効性ある体制整備を取り組めるように十分な支援が必要ですけれども、例えば、ストレスチェックのこの法案のときにもかなり議題になりましたけれども、地産保ですとか様々な場所からのことは想定はされますけれども、そもそも体制がかなり乏しいといった状況の中で、本当にどこまでできるのかという心配があります。 今回、立憲民主党さんと国民民主党さんから提案された労働安全衛生法改正案では、カスタマーハラスメントによって労働者の就労環境が害されることがないようにするための取組を事業者の講ずべき措置とした上で、厚生労働大臣はその適切かつ有効な実施を図るための指針を作成するという形になります。 この提案というか、この案が特に小規模の事業者に対して実効性のある体制整備の支援にどう寄与していくのか、お伺いしたいと思います。
○田村まみ君 御質問ありがとうございます。 今、石田先生から御質問をいただいた内容ですけれども、四月の八日から本委員会でも議論された労安衛法のときにも御指摘をされていて、小規模の事業者の労働安全衛生、ここをしっかりと守っていくための体制が脆弱だということは私も全て同意しておるところでございます。 そういう中で、本法律案では、事業者が講ずべき措置について、厚生労働大臣が指針を定めることとしており、事業者の事業規模に応じて、事業者が講ずべき措置の具体的内容や措置を講ずる際の留意事項などが記載されるものと想定しています。 これに加えて、中小企業や零細企業においてはカスタマーハラスメントに対する対策を十分に講ずることが難しいという今ほどもありました御指摘のため、改正後の労働安全衛生法第七十一条の八において、国は、事業者に対して、事業者の講ずべきカスタマーハラスメント対策のための措置の適切かつ有効な実施を図るための必要な援助に努めるものとしております。 この規定に基づき、労働基準監督署を始め、国は、希望する企業に対し個別に、カスタマーハラスメントとはどのようなものか、またカスタマーハラスメントに対する措置としてどのような措置を講ずるべきかなどの専門家による相談対応や担当者に対する研修の実施などを行うことや、小規模事業者における体制整備についての財政上の措置を講ずることなどを想定しております。 このようにして、本法律案は小規模事業者に対する実効性のある体制整備を支援することとしておりますが、あわせて、労安衛法に規定するということですので、これまで上司や仲間に相談できなかったという労働者も、この相談体制というところが、事業者の中で報告をしていいんだという認知に、この法律案が施行されれば広がっていくというふうに認識をしておりますので、是非御賛同いただければというふうに思います。
○石田昌宏君 ありがとうございます。 専門家による相談体制ですとか、担当者の研修ですとか、財政的な支援ですとかは、とても大事だというふうに思います。やはり、小規模なんでなかなか事業所の中で対応するのは難しいですから、外からの力は必ず必要だというふうに思います。 立憲民主党さん、国民民主党さんは労働安全衛生法という形でこの内容を提示していますけれども、この内容は、どういう法律でやるかは別にして、政府としてもう今の時点、またこの法改正の中でも是非やるということを明言していただきたいというふうに思います。 厚生労働省として、特に小規模事業者で実効性のある体制整備についてどう支援していくのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(福岡資麿君) これまで企業の自主的な取組に委ねてきたカスタマーハラスメント対策について、企業規模を問わず全ての企業において進めていただくこととなりますため、中小企業に対して支援を行うこと、極めて重要だと考えています。 カスタマーハラスメントに関する措置義務の具体的な内容につきましては、今後指針等においてお示しすることとなります。その際には、御指摘のような医療・介護分野も含め各事業分野の特性があることに留意しつつ、小規模な事業主であっても適切な対応を行うことができるよう、業所管省庁と連携しながら検討してまいりたいと思います。 中小企業等への支援といたしましては、都道府県労働局において法令等の内容に関する助言等を行いますほか、専門家がハラスメント事案が生じた企業等の事業主や人事労務担当者等からの相談に応じ、速やかにハラスメント事案を解決するための対応策を助言する事業を令和七年度から実施することとしておりまして、丁寧に対応してまいりたいと思います。 加えまして、医療・介護現場におけますカスタマーハラスメントの防止については、現在、地域医療介護総合確保基金の支援メニューといたしまして地方自治体を通じて看護、介護事業所の取組を支援をしているところでございまして、引き続き、医療・介護現場におけるハラスメント対策の充実強化に取り組んでいきたいと考えています。
○石田昌宏君 是非お願いします。 ここの部分に関しては、前回審議した労働安全衛生法とそれから今回の推進法は多分リンクしている話だと思います。やっぱり小規模事業者ほど大変なので、併せて体制としてしっかりと取り組めるように、若干不安はあるんですけれども、これ推していきますので、是非お願いしたいと思います。 ちょっと質問一問飛ばしますけれども、あわせて、財政支援するときに関しては、地域医療介護総合確保基金が一部ハラスメント対策に関しても事業が盛り込まれていますけれども、余り周知がされていない感じがしますので、そこもしっかりと周知していただきながら、この事業についても使っていただきたいということを申し上げて、ちょっと一問飛ばして、次の質問に行きたいと思います。 自宅を訪問する介護とか看護のサービスについては、やっぱり一対一である、密室であるといったリスクがあって、これに対して、やっぱり複数の人間で訪問することが効果的と言われています。これは、別にハラスメント対策だけじゃなくて、より質の高いケアを展開するためにも、一人よりも複数で行った方がいいわけですし、効率性も高くなります。早く終わります。そういった意味合いで進めていく必要があると思います。 ただ、診療報酬とか介護報酬は、複数人の訪問介護とか訪問看護は認めているんですけれども、範囲がかなり狭くなっています。また、診療報酬の訪問看護と介護報酬の訪問介護を一定条件では組み合わせて同時に提供することはできるということらしいんですけれども、介護保険同士だとそれがなかなか、同じ時間に行くというのはかなりハードルが高いというふうに聞いていまして、若干この制度間の、こちらからだと不備に見えちゃうんですけれども、不整合があるような気がします。是非、訪問看護複数、訪問介護の複数を進めていただきたいと思います。
○政府参考人(黒田秀郎君) お答え申し上げます。 議員御指摘のとおり、カスタマーハラスメント対策の観点からも複数名による訪問は重要であると考えてございます。診療報酬や介護報酬では、暴力行為、器物破損行為等が認められるような現場において複数名で訪問看護の提供を行った場合の加算が設けられてございます。 また、介護報酬につきましては、訪問看護に限らず、訪問系のサービス全てについて利用者が同一時間帯に利用できるサービスは原則一つとされているところではございますが、利用者の心身の状況やそれを踏まえた介護の内容に応じて、必要と認められる場合は同一時間帯であっても複数の介護保険サービスについて算定することが可能というふうになってございます。 引き続き、現場からの御意見も踏まえまして、社会保障審議会介護給付費分科会、中央社会保険医療協議会において関係者の御意見も伺いながら必要な検討を行ってまいります。
○石田昌宏君 これは是非進めていただきたいというふうに思います。 それから最後に、このカスハラについては最後ですけれども、今指針を作って対応していくといった趣旨の話がありますけれども、これはとても大事なことです。 ただ、指針とか作っても、ガイドラインとか作ってもなかなか進まないのが現実で、例えば日本看護協会は、保険医療福祉施設における身体的、精神的な暴力に対してもう対策指針出しているんですね。出したのが二〇〇六年ですから、もう二十年ぐらい前なんです。ある程度進んだのかもしれないんですけど、大きく進んだ感じはありませんし、まだ実態としては、最終的には人の心を傷つけ、又は職場を去るといった状況は減っていません。 したがって、より具体的で実効性のあるガイドラインや計画の策定が必要なので、是非指針についてはそのように、現場の実効性をちゃんと高めるところまで目いっぱいやって進めていただきたいというふうに思います。時間ないので、もうこれだけで終わります。 続きまして、違うテーマで質問したいと思います。女性活躍です。 本法案は、女性活躍の促進も大きなテーマです。この法改正案では、女性の職業生活における活躍の推進は女性の健康上の特性に配慮して行われるべきといった旨を基本原則に明確化していますので、是非進めていただきたいと思います。 看護、介護については特徴的な仕事の仕方があって、患者さん、利用者さんの命と暮らしを守るために二十四時間三百六十五日の仕事をしています。夜勤があるんですね。これはとても大変で、昔からこの在り方については多くの議論があります。 最近は子育て政策の方がそれなりに進んできていて、医療、介護の職場でも時間短縮がかなり導入されているし、場合によっては子育て中の夜勤免除とかも増えていて、それはそれで子育てしながら働くスタッフも増えてきたとは思いますけれども、一方で、その分、夜勤やる人間が偏ってしまって、特定の人に夜勤が偏るといった新たな問題が起きています。 医療現場である交代制勤務というのは、普通の人が眠る時間に働いているということだけじゃなくて、シフトがかなり頻回に変わるので、言ってみたら、今日は日勤、あしたは夜勤と、毎日時差ぼけ状態で働いているという、こういったことがあるので余計負担が大きくて、特に女性の割合が圧倒的に多いわけですから、特に政策的な負担軽減の取組が不可欠だと思います。 女性の多い職場の健康支援政策を推進するという観点から、改めて夜勤の在り方を検討して、夜勤の負担軽減のための支援政策、夜勤帯でのDXの導入の支援、夜勤のインターバル制度の導入、又は夜勤手当の拡充など、強力に推進していただきたいと思います。
○国務大臣(福岡資麿君) 私も委員と看護職の方と意見交換させていただいた際に、この夜勤の負担であったり、また事務の記録の負担だったり、そういったことについて御指摘いただいたというふうに記憶をしております。 看護であったり介護職の夜勤を伴う職場では、健康の観点からその負担軽減を図っていくことは大変重要だと考えています。 夜勤の負担軽減のためには、医療機関におけます取組事例等の周知であったり、仮眠室などの新設、拡張等に対する財政支援を行いますとともに、看護及び介護現場におけるICT機器の普及の取組として、例えば音声入力を活用いたしました看護記録の作成であったり、介護現場における見守り機器等のテクノロジー導入等を推進しているところです。あわせて、今言及がございました勤務間インターバル制度の導入促進に向けマニュアルを作成し、周知をしておるところでございます。 診療報酬におきましても、夜間の看護職員等の配置であったり勤務負担軽減に資する取組の評価を行い、過去の累次の改定において拡充するなど対応してきたところでありますが、引き続き、夜勤勤務の負担軽減、大変重要な課題だと認識しておりまして、様々な取組、進めてまいりたいと考えています。
○石田昌宏君 これは是非お願いします。古い課題ではありますけれども、より重要になっている課題でもありますので、お願いしたいと思います。 女性の健康問題をテクノロジーを使って解決しようという動きがあります。様々な製品とかサービスが今開発されつつあるなと思います。 いわゆるフェムテック、フィーメールとテクノロジー合わせたフェムテックということなんですけれども、例えば、生理のときにナプキンが不要な吸水ショーツとか月経カップ、またオンラインでのピルの処方ですとかオンラインの産後ケア、また妊活サポートアプリというのもあるそうですね。それから、昔からある基礎体温を管理するためのアプリですとか様々なものがあって、二〇二一年には新語・流行語大賞にも何かこのフェムテックという言葉がノミネートされたということです。この頃の市場が六百四十三億円だったらしいんですけれども、聞いてみると、もう二〇二五年には二兆円の規模に広がっていて、非常に有望だというふうに思っています。 一方で、女性の健康を進めることは、当事者の生活、個人個人の質の向上だけじゃなくて、職場の、言ってみたら労働生産性というんですかね、の向上にも寄与することになります。経産省の試算ですと、月経痛とか更年期症状などによっての経済損失は年間三・四兆もあるということですので、やっぱり対策としては非常に重要だと思います。 こういったテクノロジーも普及している中で、それを活用して職場における女性の健康推進政策、進めることはとても大事ですけれども、このフェムテックを推進する施策は経産省が結構積極的に取り組んでいるなという印象を持っているんですけれども、そもそもこの前提としては、労働行政を所管する厚生労働省としても、女性労働者が安心して働くことができる職場の整備、そしてそれによる生産性の向上の観点からしっかり取り組んでいくべきだと思います。 今回の法改正案は、女性の職業生活における活躍の推進に当たっては女性の健康上の特性に配慮して行うべき旨を女性活躍推進法の基本原則に明確化するということが盛り込まれていますけれども、厚生労働省として、フェムテックを活用して職場の女性の健康課題への対応を推進することに対してどう意義があるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(田中佐智子君) 職場における女性の健康課題についてですが、健康上の課題、男女を問わず全ての労働者が抱える可能性のあるものであります。職場においてそうした課題への理解を深めて、全ての労働者がその個性と能力を十分に発揮することのできる就業環境を整備をしていくことが重要であるというふうに考えておりまして、その上で、女性について言えば、女性の方が性ホルモンの変化による影響は生じやすいといった性差がありまして、健康上の課題の現れ方、男女間で差があって、特に女性については健康上の課題による就労への影響が大きい等の状況が明らかとなっております。 こうしたことから、本法案において、先生御指摘にありましたように、女性の職業生活における活躍の推進に当たっては女性の健康上の特性に留意して行わなければならない、こうした旨を法の基本原則として規定をした上で、事業主の取組を推進してまいりたいと考えております。
○石田昌宏君 是非、こういった施策を推進するに当たってはテクノロジーもとても重要だと思いますので、活用を進めていただきたいと思いますけれども、実際このように効果が期待できるフェムテックなんですけれども、認知度が、まあ流行語大賞のノミネートはあったんですけれども、その後そんなに広がっていない感じがしています。 二〇二三年の調査なんですけれども、八割以上の女性がフェムテックという言葉に対して、聞いたことがあるけれども言葉の意味は分からないとか、分からないというふうに、もう八割以上ですね、答えています。女性の健康課題への理解促進や、男性を含めたヘルスリテラシーの向上に企業としても取り組んでいく必要があると思います。 経産省では様々な補助金がフェムテックに対してもなされているんですけれども、厚生労働省としても、先ほどからある労働政策の推進の観点から積極的に女性の健康について対策を支援していってほしいと思います。例えば、女性の健康課題に取り組む企業への助成、まあ認定はしているんですけど、更に助成を広めてもらうとか、企業における女性の健康に係る取組の事例をもっともっと展開していくだとか、積極性がもっともっと必要じゃないかなと思っています。また、様々なキャンペーンですとか、フェムテック導入への補助ですとか、そういったものも考えられると思います。 フェムテックが持つ可能性を引き出して、女性が生き生きと活躍できる職場環境、そして持続可能な成長ができる職場づくり、この実現のために、労働政策においても積極的に企業における女性の健康への課題の対応を支援していっていただきたいと思います。 最後に大臣の見解をお伺いします。
○国務大臣(福岡資麿君) 御指摘のフェムテックの活用を含めまして、個々の企業が女性の健康課題への支援を推進していくことは、全ての労働者がその個性と能力を十分に発揮できる就業環境の整備に資するものだと考えています。 このため、女性の職業生活におけます活躍の推進に当たっては女性の健康上の特性に留意して行わなければならない旨を女性活躍推進法の基本原則として規定することとしています。 この改正の趣旨を踏まえながら、企業の取組を後押ししていくため、女性活躍推進に取り組み一定の基準を満たした企業を認定する、えるぼし認定制度において、女性の健康支援に関する上乗せの認定の仕組みを設けることを想定しておりますほか、女性の健康課題に対応するため、休暇制度等の両立支援制度を利用しやすい職場環境整備に取り組む事業主に対する助成金の支給、また、働く女性の心とからだの応援サイトにおける企業の好事例の周知などを行っております。 御指摘のフェムテックの活用に関しましても、例えばウェブサイトにおいて企業の事例を紹介する中で取組例の一つとして紹介するなど、事業主の実情に応じた積極的な取組を推進してまいりたいと考えています。
○石田昌宏君 時間が来たので終わりますけれども、安心して働ける環境というのはとても大事だと思います。この国会は労働政策幾つか議論していますけれども、是非それらを具体的に進めていただいて、より実効性のある政策を推進していきたいと、是非お願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○石橋通宏君 立憲民主・社民・無所属の石橋通宏です。 法案の質疑に入る前に、今、大きな問題になっておりました、障害年金の不支給が、年金センターの恣意的な職員さんの判断で不支給が二〇二四年に倍増していたという極めて重大な問題について新たな事実が発覚をしたので、今日、年金機構の理事長に再度お見えをいただいておりますけれども。 理事長、先週の決算委員会で私が新聞報道ベースに指摘をさせていただいた、内部データ、内部資料、週次の集計データがあるはずですと。理事長はないと断言をされましたが、昨日の我が会派の部会で、厚労省の担当の方、資料があることを認めました。資料の九に皆さんにお付けをしておりますが、これは厚労省から正式に提示をいただいた資料ですので、これがあったことはもう機構も厚労省も認めておられます。こういった週次のデータをセンター、機構と厚労省本省の担当課でやり取りをしながら物事を進めているということまで答弁で認めました。 理事長、決算委員会での御答弁、虚偽答弁だった、そういうことでいいですね。
○参考人(大竹和彦君) お答えを申し上げます。 五月十二日の決算委員会においては、議員の方から障害年金の不支給件数に係る週次データについてお尋ねがあったということで認識をしております。そのため、私としては、不支給件数等を取りまとめている障害年金業務統計、これに相当する週次データは存在しないと、こういう趣旨で、集計データとして存在は承知しておりませんと答弁申し上げたところでございます。 一方、本日議員から配付されております今御説明がありましたデータについては、お求めに応じて当機構から提出をしたものでございますが、このデータにつきましては、当機構から厚生労働省年金局に対して不支給等の処分を行う際に承認を依頼した件数を集計をした内部の文書でございまして、この件数について、例えば、同じ、同一人が請求日、(発言する者あり)はい。二件集計される、あるいは却下のようなものも含まれているということで、異なるものとなっております。 加えて、確定前の途中段階の数字でもありますので、この承認件数、依頼件数のデータから不支給件数等の増減を適切に把握することは困難であると考えておりまして、先般の決算委員会において私から誤った答弁申し上げたということではないものと考えております。 ただし、私の答弁には言葉足らずのところが多々ございましたので、率直におわびを申し上げたいというふうに思っております。
○石橋通宏君 理事長、申し訳ないけど、ごまかしの答弁にしか聞こえませんよ。 資料の八で、そのときの決算委員会の議事録、一部お付けしております。これ、誰がどう読んだって、私はまさにそのことを指摘したじゃないですか、理事長。何度も更問いを掛けて、九月に正式に、それとは別の、現場で仕事をしていただく、毎週毎週必ず週次でこういったデータがある、そのことを指摘したのに、理事長、今ごまかしの九月の云々なんて、そんなことを僕は聞いていません。にもかかわらず、理事長はそんなデータは絶対にないと断言をされた。でも、ある。 理事長、これ、今最後に謝罪をされましたが、重ねて、この問題、どれだけ極めて大きな問題か、障害年金の受給、障害ある方々にとっては命に関わる問題です。この間の決算での理事長の答弁を聞いて、多くの皆さんが憤りのメッセージを私のところにも届けていただきました。新聞報道を見てください。これ、内部の方が理事長の答弁は虚偽だとまた告発されているんですよ、理事長。それでこういうデータが出てきた。理事長、どう責任取られるつもりですか。
○参考人(大竹和彦君) 重ねて申し上げますけれども、決算委員会においては、業務統計の関係の御質問だというふうに思っておりまして、それと同レベルのものはないというふうに申し上げたところでございます。 ただ……(発言する者あり)
○委員長(柘植芳文君) 答弁中ですので、しばらくお待ちください。
○参考人(大竹和彦君) 今回重要なのは、そういうことが本当に行われているかどうかということでありまして、実態把握、これをしっかり行うように厚生労働大臣から指示をいただいているところでございまして、個別の内容について、認定、障害認定基準にのっとり適正に審査をされているかどうか、これをちゃんと確認していくことが重要であると考えておりまして、全力で取り組みたいと思います。
○石橋通宏君 極めて重大な、無責任、かつ年金に対する信頼性が問われている中で、機構に対する信頼性、これまた失墜させるような理事長の御答弁だったと言わざるを得ないと思います。 何で真摯に、正直に事実をこの国会の場で国民に対してちゃんと御説明いただけないのですか。このデータがあると。では、まず、我々が決算委員会でも累次申し上げたのは、こういう内部のデータがあるんだから、この内部のデータを二〇二三年の同様のデータとまずは突合していただければ、すぐにでも不支給の件数がどれだけ二〇二四年に増えていたかは分かるはずだと、それをお願いしたわけです。 理事長、それやっていただけますね。こういうデータがあること、これは認めたわけですね。であれば、このデータを二〇二三年の同様のデータと突合すれば、二〇二四年に不支給件数が増大していたかどうかの事実はすぐにでも分かります。理事長、すぐに出してください。
○参考人(大竹和彦君) お答え申し上げます。 先日の決算委員会でも申し上げましたとおり、重複の申請がある場合も含めてきちんと精査をするということが重要であるというふうに申し上げました。これが適切であると。したがいまして、しっかり調査をして御報告を申し上げたいと思っております。
○石橋通宏君 重複データ云々は、二〇二三年度の同様のデータも同じなんです。二〇二三年も二〇二四年もこのデータはあるので、それをまず、まず突合していただければ、どれだけ申請が増えたのか、どれだけ不支給決定が増えたのか、それは傾向として分かるんです。理事長、それを出してください。
○委員長(柘植芳文君) 挙手をしてください。
○参考人(大竹和彦君) それも含めましてきちんと精査をした上で、適切にお答え、公表したいというふうに、調査をしましてですね、今やっている最中でございますので、したいというふうに考えて、思います。
○石橋通宏君 理事長、分かりません。 このデータはもうあります。機械的に集計されたデータです。これを突合していただければまず傾向はすぐにでも分かります。それをやられない理由が分かりません。責任逃れをされようとされているのかどうか。これ、また不信感抱きますよ。障害年金申請されて却下された当事者の方々が極めて今重大な怒りを持って見ているんです。まずはちゃんと突合して、そういう事実があったのかどうか明らかにすればいいじゃないですか、理事長。 そんな中で、資料の七にもありますけれども、いや、私ね、こういうことをやっておられるんじゃないかなと思って、懸念したら、やっぱりこっそりと、こっそりと再判定をされていた。この問題が当初発覚をしてから、機構、センターの方で、千数百件について内部でひそかに判定をやり直していた。 理事長、これ何か取材に否定をされているようですが、これ再判定をしていた、これ事実あるんですね。
○参考人(大竹和彦君) お答えを申し上げます。 決定した案件について再判定を行っているという事実はないと私は思っておりますけれども、この点も含めまして、抽出検査、抽出調査の中で事実関係を確認していくということとしておりまして、今鋭意この内容についても含めて調査をしているところでございます。 以上です。
○石橋通宏君 いや、これ、再判定をこんな千数百件もしているかどうかなんて、機構理事長の責任においてセンターただせばすぐにでも分かる話じゃないですか。何でそれしていただけないんですか。すぐに調査をして、再判定の事実があったかどうか、それは是非この委員会にちゃんと報告してください。
○参考人(大竹和彦君) すぐに調査をして報告をしたいと。今調査をしている最中でございます。
○石橋通宏君 いや、重ねて、再判定の事実云々はすぐにでも分かるはずです。今、すぐに調査をしてと言っていただきましたので、すぐに調査をして、まずそういったこと行われていたかどうかの事実、委員会に是非すぐに報告してください。 委員長、お取り計らいよろしくお願いします。
○委員長(柘植芳文君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議をいたします。
○石橋通宏君 重ねて、大臣、この問題は極めて重大かつ深刻な問題です。障害年金を申請された、本当にそういった方々の命に関わる、生活に関わる極めて深刻、重大な問題です。だから今、この問題が発覚して、多くの皆さんが、いや、自分たちも実は不支給になったんです、本当に怒りを持って見ていただいています。事実を明らかにしましょう。正しい行政をやりましょうよ。 大臣、重ねて、今日のやり取り、こんな、機構が内部でこっそりと再判定のプロセスをやっていた、これも事実としたら極めて重大な問題です。大臣、重ねて、理事長に、ここおられますので、大臣の責任において速やかに、これ、やめてくださいよ、国会終わったらいつの間にかデータが出てくるとか。今こうやって厚生労働委員会の審議がまだこの国会続いているんです。この国会できちんと審議ができるように、今月中に調査の結果は出してほしい。再判定をしていたかどうかはすぐに分かるはずです。二〇二四年の、今回明らかになった、存在が明らかになったデータと、前年度、二〇二三年の突合はすぐにでもできるはずです。 大臣、すぐにやれと機構に命じてください。
○国務大臣(福岡資麿君) まず、その今回の事案等につきましては、その年金そのものに対しての、その信頼に関わるそういう問題だということですので、しっかり対応していく必要性については十分認識をしております。 その上で申し上げますと、先ほど委員御指摘いただきましたように、例えば、その重複を、重複しているんだったら、同じ重複しているもの同士で過去のデータと比べれば、それ、トレンドは分かるんじゃないかというふうなお話ありましたが、やっぱり出す数字というのは、本当にそうなのかということも含めて精査をした上でお出しをさせていただくことが必要かというふうに思います。 そういう意味ももちまして、六月中旬を目途に、しっかりサンプル調査をした上で、先ほどの事例も含めて公表するように指示をしているところでございまして、そういった背景等も含めてしっかり精査をさせていただいた上で公表させていただきたいと考えています。
○石橋通宏君 あのね、大臣、重ねて申し上げます。傾向は分かるんです、必ず傾向は分かります。だって、同じ機構が持っておられる、センターが持っておられるこのデータ、これを前年度と突合すれば、前年度だって複数のそういったデータはこの数字の中にはある。だから、それを精査する。でも、このデータ、この表、このテーブルを比較していただければ、傾向は必ず分かります。そんなのすぐ分かります。 何で、大臣、六月云々なんて言うんですか。大臣がその責任逃れをしようと、それは駄目でしょう。すぐにでも、これだけ重要な問題になっているんです。まず傾向があるかどうかを判断する、まず再判定こっそりやっていたかどうか、大臣、もう一回答弁してください。ちゃんと出してください、それ。
○国務大臣(福岡資麿君) 私自身もう一回きちっと説明を受けて、その過去のデータと重複も含めたところで比較すれば、ちゃんとそこの傾向として把握できるものかどうか、やっぱりお出しする以上、その数字というのがある程度意味を持つということでございますから、そういったことについて、しっかり私自身で精査をさせていただいた上で判断をさせていただきたいと思います。
○石橋通宏君 いや、本当に、大臣がそういう答弁されていれば、ますます厚生労働行政全般に対する信頼性を失いますよ、大臣。大臣の責任においてすぐにでも、重ねて、傾向は分かるんです、精査しなくても。大臣、サンプル調査、サンプル調査って言っているけど、全体の数字が分かるんです、傾向としては。それ、すぐ出してください。 大臣、今、改めてしっかり報告を受けて確認してって、大臣の責任においてすぐにでもデータ全部出させて確認して、そして国会に対してこれについても大臣の責任において出していただくこと、それお願いしておきたいと思いますので、それも併せて理事会で御協議ください。
○委員長(柘植芳文君) ただいまの件につきましても、後刻理事会において協議をいたします。
○石橋通宏君 ちょっとこの問題ばかりやるわけにいかないので、この問題は今日のところとどめますが、速やかに出していただくこと重ねてお願いをして、機構理事長については、これで結構ですので、退席いただいても大丈夫です。
○委員長(柘植芳文君) 日本年金機構大竹理事長さんは御退席願って結構でございます。
○石橋通宏君 それでは、法案の質疑に入らせていただきたいと思いますが、まず、先ほど石田委員からもいろいろ、るるやり取りがありました。 大臣、これから調査をする云々じゃなくて、既にもうカスハラの被害ってずっと前から深刻な問題だと、それによって労働者が働けなくなったり、時に本当に命に関わる問題にもなっている、これはずっともう前から分かっていたはずです。 厚労大臣、厚労省として、大臣として、カスハラ被害の実態、把握をされているんですか、されていないんですか。されているとすれば、どれだけの危機意識を持って、この法案、大臣、出しておられるんですか。
○国務大臣(福岡資麿君) まず、把握云々というお話がありました。 厚生労働省の調査によれば、過去三年間にカスタマーハラスメントを受けた労働者の割合は一〇・八%でございまして、またカスタマーハラスメントを受けたことによる労働者の方々への心身の影響については、怒りや不満、不安などを感じた、また仕事に対する意欲が減退したと回答した割合が高くなってございます。こうした状況は労働者の保護の観点からも大変問題が大きいということは十分認識をしております。 本法案では、こうした実態調査の結果も踏まえまして、カスタマーハラスメントを防止するため、事業主に雇用管理上の必要な措置を義務付けることとしておりまして、こういった取組を進めてまいりたいと思います。
○石橋通宏君 じゃ、なぜここまで遅れたんですか、厚生労働省の対応が。既に十年前には、少なくとも僕ら現場ではカスハラの被害について様々な分野で発生しているということ提起がありました。我々が最初に議員立法を提出したのは二〇一八年です。大臣、あれから七年、失われた七年、この間にどれだけの被害があったか。何で厚生労働省は今まで先送りしてきたんですか。
○国務大臣(福岡資麿君) カスタマーハラスメントに関しましては、職場におけるパワーハラスメントの防止を事業主に義務付ける等の内容を盛り込みました令和元年の改正法案の検討の際にも労政審において審議が、議論がなされたところでございます。 当時の議論におきましては、カスタマーハラスメントは、行為者が顧客や取引先等の第三者であることであったり、顧客等への対応業務には一定程度の正当なクレームへの対応も含まれ得ることから、どこからがカスタマーハラスメントに当たるのかといった判断が困難であるといった課題があることを踏まえ、建議において、指針等においてカスタマーハラスメント対策を望ましい取組として明確にし、周知啓発等に取り組むこととされたところでございます。 これを踏まえ、この間何もやらなかったわけではなく、ポスター、パンフレット等を作成し周知啓発に取り組むほか、関係省庁と連携してカスタマーハラスメント対策企業マニュアル等を作成、周知する、また業界団体における取組を支援するなど、社会における理解の促進や企業の取組の推進を図ってきたところでございます。
○石橋通宏君 十年近く遅れた理由にはならないと思います。我々は、重ねて、二〇一七年当時に検討を始めて、時間を掛けて二〇一八年に法案提出をさせていただきました。できるんです。やるべきだったんです。それが今まで先送りにされたこと、僕は極めて重大な問題だと言わざるを得ないと思います。 その上で、今回、労働施策総合推進法で提案されてきた、少しちょっと飛ばし飛ばしで行きますが、今回、じゃ、政府案が、提出をされた法案、措置義務を課すわけですが、先ほど石田委員の質問にもありましたけれども、これ、現場現場であらゆる産業分野、あらゆる業種、業態、あらゆる形態があるわけで、じゃ、そのあらゆるいろんな業種、業態がある中で、何が顧客の方々、ユーザーの方々からの正当な意見表明なり対応の要請であり、何が今回法律が規定するカスハラに当たるのか、これは本当にきちんと現場で、現場で事業主が精査をして、整理をして議論をして、そしてきちんとそれを決めて、決めて、で、それを実行していただかなければいけないということになるわけですが。 これ、全てのあらゆる業種、業態で、それぞれの業種、業態に応じた、何がカスハラに当たるのかということについてきちんと事業主が決め、定めること、これも措置義務に含まれるし、ただ、大事なのは、じゃ、そういって事業主が決めるところに現場の労働組合が関与するのか、できるのか、従業員代表が関与するのか、できるのか。一番顧客、お客さんたちと接するのは労働者当事者ですから、その当事者がこういう決定、議論、協議に参加、参画できなかったら絵に描いた餅になります。閣法はそれを求めますか。
○国務大臣(福岡資麿君) この法案では、カスタマーハラスメントから労働者を保護するため、雇用管理上必要な措置を講ずることを事業主に義務付けることとしています。 その上で、労政審の建議におきましても、事業主が講ずべき措置の具体的な内容の一つとして、カスタマーハラスメントに関して事業主が方針等の明確化であったり周知啓発を行うことなどが示されておりまして、事業主は現場の労働者が適切に対応できるよう、こうした措置をしっかり講ずることが重要です。 そして、先生御指摘のあったところでいいますと、その措置を講じるに当たりましてその措置が適切かつ有効なものとなりますように、労働者であったり労働組合等の参画を得ながらその運用の的確な把握や必要な見直しの検討等を進めることが重要であるというふうに考えておりまして、それぞれの職場において適切に対応できるよう、指針等においてその旨をお示しすることを含め検討してまいりたいと思います。
○石橋通宏君 法律上の義務としては、現場の労働組合の関与、労働者、従業員代表の関与は義務としては求められない、でも、指針には書いて、やってくださいねという、そういう理解ですか。それとも、措置義務の、法律上の義務として、現場の労働組合、従業員の関与というのは義務として求められるかどうか、その確認をお願いします。
○政府参考人(田中佐智子君) お答えいたします。 法律上は事業主が適切なその雇用管理上の措置をとっていただくこと、その具体化について指針で定めていくことになります。 それぞれの現場、それぞれ様々でございますので、法律上必ずその労働者なり労働者代表の意見を聞くということが定められているものではありませんが、適切に実施をしていただくということに当たっては、そのようにその現場の意見をしっかり踏まえたものであることは重要でございますので、そうした趣旨を指針の中でも書き込むというようなことが考えられると考えております。
○石橋通宏君 これ極めて重要な、大臣先ほど答弁でも触れていただいたけれども、やっぱり重ねて、現場で直接お客さんたちに接する、つまりカスハラの被害の矢面に立たされるのは常に労働者ですから、じゃ、そういった労働者、従業員の皆さんが、労働組合なり従業員代表を通じて、それぞれの事業主に課せられる義務、それを具体的にどう、その事業所において何がカスハラに当たるのか、それが行われたときにどう対処するのか、対応するのか、これ必ず従業員の皆さんが参加、参画する場でなければ本当に絵に描いた餅に終わりますよ、実効性のないものに。 なので、今、法律の義務ではないけれども、これ、やっぱりそれがふさわしいので指針等で対応すると、これ是非徹底していただきたいということは強く申し上げておきたいと思います。 その上で、そうやって決められた、定められた対応方針なり、何がカスハラに当たるのか、どういった対応をするのか、これをやはり当然ながら、実際にユーザーの皆さん、顧客の皆さん、利用者の皆さんに周知して、御理解をいただいて、こういうことがあったらこういう対応をさせていただきますよということを確実に知っていただかないと、これまた絵に描いた餅になります、抑止、予防ということも含めてね。それは措置義務に当然含まれるものだと理解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 御指摘の周知、大変重要な観点だというふうに認識しています。 カスタマーハラスメントの効果的な防止のためには、御指摘のとおり、顧客等の理解は大変、顧客等の理解であったり認識は重要であると考えています。 労政審の建議におきましても、事業主が講ずべき措置の具体的な内容として、カスタマーハラスメントに関して事業主が方針等の明確化や周知啓発を行うことなどが示されております。 その具体的な内容につきましては、恐縮ですが、指針等でお示しすることになりますが、審議会の建議であったり現場の実態等を踏まえて検討を進めてまいりたいと思います。
○石橋通宏君 これも極めて大事な要素だと思います。きちんと利用される方々に理解をしていただいて、協力をしていただいて、それが実効性あるものにするためにも重要だと思いますので、そこのところ、是非しっかりやっていただきたいということはお願いしておきたいと思います。 その上で、じゃ、職場に、事業所において、従業員の皆さんの参画も得て、じゃ、何がカスハラに当たるのか、それを決めて、今申し上げたように周知も徹底していただく、御理解をいただく努力もしていただく。で、実際に、実際にそういった、じゃ、カスハラ行為が発生をした、その発生したカスハラ行為に対して事業所若しくは従業員の方々がこうして対応するんだという対応方針に基づいて対応した。その結果どうなったか。 じゃ、ひょっとするとお客さんがそれに対して更に残念ながら過剰な行為にエスカレーションしてしまったとか、いや、これで対応で収まったので理解をいただけた。そういったことをやっぱり逐次事例として現場で記録していただいて、保存していただいて、そしてその結果をその後の職場における、じゃ、今のままでいいのか、こういう方針に変えた方がいいのではないのか、こういう対応をしたけれども、それはやっぱり適切ではなかったのではないか、だから今度同じようなことがあったらやっぱりこういうふうな対応をすべきではないのかというようなことを常に、常に現場で協議いただいてアップデートして、より従業員の安心、安全、命、そして健全な職場環境を労使でしっかりと、お客さん、ユーザーの皆さんの御協力、理解もいただきながら育てていく、そういうプロセスが極めて大事だというふうに思いますが、それも措置義務に含まれますか。 きちんと、どういった行為があって、どういった対応をして、それがどういう結果を生んで、それが適切だったのかどうかも含めてきちんと記録、保存し、その後の協議に生かす、それも措置義務に含まれるという理解でよろしいですか。
○国務大臣(福岡資麿君) 今お話しいただきましたその事案の記録であったり保存、またそれを活用した上で取組改善につなげていってその再発防止につなげていく、そういったことは極めて重要だという認識は共有をさせていただいています。 労政審の建議におきましても、事業主が講ずべき措置の具体的な内容として、事業主の方針等の明確化及びその周知啓発に加えて、事後の迅速かつ適切な対応を行うことなどが示されているところです。 その具体的な内容についてはまた指針等でお示しすることになりますが、審議会の建議や現場の実態等を踏まえて検討を進めてまいりたいと思います。
○石橋通宏君 ここも大事なポイントだと思っておりますので、大臣も大事なことは共有すると言っていただきましたので、実効性ある形にしていただくようにこれも是非お願いしておきたいと思います。 その上で、今、時として、こういう方針決めていただいた、それに基づいて現場でカスハラの加害側の方に対応いただいた、ところが、それが加害側の方、エスカレーションしてしまうことが間々あります。激高されたり、むしろそれによって別の形でのそういった行為が、例えばそれがストーカー行為につながってしまったりとかいうこともあり得るわけで、仮にそういう場合に、じゃ、事業主はどうやって、その時としてエスカレーションしてしまうカスハラの行為に対して従業員の命、健康、安心、安全を守ることができるのか、それをしっかりと守る義務も今回の措置義務に含まれているというふうに理解できるのかどうか、これ確認したいんです。 例えば、現行法においても、もちろんいろんな形があって、現行法制でいけば民事保全法の仮処分という制度があったり、さらには民法二百六条に施設管理権の行使など、もろもろあるんですけれども、問題は、じゃ、こういう制度をカスハラ対策として使っていいんだと、いや、使うべきなんだということを本来明記しなければならないのではないかと。 なかなか難しいんですよ、現場の事業主、日本はまだまだいわゆるお客様は神様ですというような、そういった風潮がやっぱりまだまだ根強いんですよ。だから、お客さんが正当な消費者としての行為は当然守られるべきですけれども、やっぱり行き過ぎた、過剰な、許容すべきではない、そういった言動が更にエスカレーションしてしまうこと、でも、それによって事業主、守らなきゃいけないんだけれども、いや、仮処分なんて制度使っていいのかな、いや、施設管理権の行使なんていいのかな、やっぱりそれちゅうちょされてしまうんですよ。 なので、カスハラ対策において、やっぱりいざ、ラストリゾートでもいいです、やっぱり従業員を守るための手段として、そういったものも含めて事業主は従業員を守ってくださいということも今回の閣法に含まれるという理解ですか。
○国務大臣(福岡資麿君) 事業主が講ずる措置の具体的な内容は指針等でお示しする予定でございますが、厚生労働省が作成したカスタマーハラスメント対策企業マニュアルにおきましては、顧客への対応は基本的に複数名で対応し、対応者を一人にさせないこと、深刻な場合は一次対応者に代わって現場監督者が対応すること、また、暴行等の行為の類型に応じて、対応者の安全を確保しつつ、直ちに警察に通報することなどの対応例を示しているところです。 また、指針等においては、マニュアルの記載であったり現場の実態なども踏まえながら有効な対策をお示しできるよう検討してまいりたいと思いますが、御指摘がありましたこの仮処分の命令の申立ては、民事保全法に基づくもので、実際に活用している例もあるというふうに承知しておりますし、この施設管理権の行使、これについても同様でございますが、事業主が講ずる具体的な措置であったり取組例を指針などでお示しする際に検討してまいりたいと思います。
○石橋通宏君 是非、従業員の方々の命、健全な就労環境を守る、これ事業主にせっかくこうして課すわけですから、それは最後、こういったときにはこれを活用してくださいということを政府がきちんと示すこと、大事だと思いますので、それは是非しっかりやっていただきたいと思います。 その上で、こういったいろんな措置を事業主に今回やっていただくことに方向性としてなるわけですけれども、ただ、これ事業主が本当にじゃ真摯に誠心誠意対応いただいて、カスハラから従業員の皆さんを守るんだということで実行していただいているのかどうか、実行していただいた措置が本当に有効なのか、正しいのか、適切なのか、それ誰がどうチェックするんでしょうか。誰がどうチェックをして、チェックをした結果、不十分だと。いや、実はやったふりで何もやっていないというようなことに、ちゃんと国は、厚生労働省は、指導、監督、是正、何らかの処罰、できるんでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 実効性が担保されていなければ意味ないという御指摘については、そのとおりだと思います。 事業主が講ずべき具体的な措置の内容につきましては今後指針などでお示しする予定でありますが、それぞれの現場において実効性ある措置を講ずることができるよう、実態を踏まえながら指針等の内容を検討してまいりたいと思います。 その上で、カスタマーハラスメントに関する事業主の措置義務の履行確保については、本法案では、他のハラスメントの措置義務と同様、まず都道府県労働局が事業主に対して報告を求めることができることとしておりまして、法違反が認められる場合には事業主に対し義務の履行に向けた助言や指導を行い、これに従わない場合には勧告を行った上で、勧告にも従わない場合には最終的に企業名の公表ができることとしております。 法案成立後には、改正内容について事業主に対しまして周知徹底を図るとともに、措置義務が遵守されるよう、指導等にしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○石橋通宏君 決して絵に描いた餅には終わらせないという厚労省の決意が必要だと思いますし、断固たる行動、態度を示していただくことが現場の実効性ある対応に必須だと思いますので、そこのところは是非、厚労大臣、今の答弁を踏まえて対応をお願いしておきたいと思います。 その上で、先ほど石田委員から医療、介護の現場の話もありましたけれども、公務・公共現場、自治体の窓口、こういった現場でも残念ながらカスハラ行為があり、それによって、公務・公共現場の労働者の皆さん、地方公務員の皆さん含めて疲弊をし、時に就労継続不可能な状況にもなってしまっていると。特にやっぱり行政の現場って、より、残念ながら住民の皆さんたちが、先ほどお客様は神様だみたいな話がまだあるという話もしましたけれども、行政に対して時に威圧的な行動を取られることが間々残念ながらあります。 これ、今回の政府の対応において、こういう公務・公共現場、自治体の窓口の現場、こういった皆さんも守ることができるんでしょうか。その保護、救済、ちゃんと含まれているんでしょうか。国家公務員は労働施策総合推進法の対象ではありません。国家公務員は守られるんでしょうか、守られないんでしょうか。大臣、御答弁お願いします。
○国務大臣(福岡資麿君) 御指摘があった公務・公共サービス現場、こういったところにおきましてカスタマーハラスメント対策は喫緊の課題であるという認識は共有しております。 厚生労働省が、総務省におけます調査の実施であったり、関係省庁が参画する関係省庁連携会議を通じまして、御指摘の業種等を含めまして、各業種、自治体等のカスタマーハラスメントの実態や取組等の把握に努めているところでございます。 御承知のとおり、この法案においては、カスタマーハラスメントから労働者を保護する観点から、事業主に対して雇用管理上必要な措置を講ずることを義務付けておりまして、今後、この具体的な措置の内容につきましては労政審における議論を踏まえ指針等においてお示しすることとなりますが、その際には、御指摘のカスタマーハラスメントの抑止であったり被害者保護のための取組についてお示しすることを含めて検討してまいりたいと思います。 なお、御指摘がありました国家公務員につきましては、人事院において、この法案の内容であったり公務職場の事情等を踏まえながら必要な対応が今後図られると承知をしております。
○石橋通宏君 国家公務員についても対応が図られることになるであろうと承知をしているという話ですが、対応しなきゃ駄目です。国家公務員の皆さんだって本当に現場で苦労してやっておられる方々もおられるわけですから、国家公務員だけが守られないなんてことは絶対にあってはならないというふうに思いますので、そこは我々もウォッチをしていかなければならないというふうに思っています。 もう一つ、この政府案に対象として含まれるのかどうかというところで、フリーランス、個人事業主等々の問題があります。 さきの労安衛法の改正案審議のときにも、同じ作業場で仕事をしておられるフリーランス等の方々についてはそこの管理者について云々という議論もさせていただいた。でも、じゃ、別の場所で仕事をされている方々はどうするのか、そういった方々が別の場所で、じゃ、カスハラの被害に遭ったときには誰がどう守るのか等々のそういった問題も生じ得るわけですけれども。 どうなんでしょう、今回の労働施策総合推進法、政府案においては、こういうフリーランスの方々、個人事業主の方々、我々かねてから問題にしてきた例えばコンビニオーナーの方々、コンビニオーナーの方々って、これ個人事業主なので直接には対象にならないのではないかと思うのですが、往々にしてコンビニオーナーの方々が深夜、アルバイトさんがおられないので自ら御夫婦でずっと深夜勤務をされているようなケース、多々あります。そういったときにお客さんから過剰ないろんなハラスメントを受けるという、そういうケースもあります。 そういった方々、閣法、守られるんでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 御指摘のうち委託、請負の場合については、受託、請負事業者が事業主としてその雇用する労働者をカスタマーハラスメントから保護するため雇用管理上必要な措置を講ずる義務を負うこととなります。 一方で、もう一つ御指摘がありました個人事業主であったりフリーランスにつきましては、労働者ではないことから、他の事業主がこれらの者を保護するための措置を講ずる義務を負うわけではございません。 その上で、フリーランス・事業者間取引適正化等法に規定する特定受託事業者に関しましては、本法案の衆議院での修正によりまして、政府は、特定受託事業者が受けた業務委託に係る業務において行われるカスタマーハラスメントを防止するための施策について検討することとされているところでございまして、仮に法案が成立すれば、この規定を踏まえ適切に対応を進めてまいりたいと思います。
○石橋通宏君 まだ個人事業主等、さっきのコンビニオーナーの方々等、それでは対処ができないのではないかという懸念を拭い切れません。こういった方々も併せて、やっぱりカスハラから命、健康、安心、安全を守るということは政府の責任においてやるべきだと思います。そのことは重ねて指摘しておきたいと思います。 最後になりますが、これまでいろんなハラスメント対策、これ、セクハラ、マタハラ、パワハラ、個別にやってきた、随時、ぽろぽろぽろぽろぽろと。でも、もはや今世界的にもハラスメントの撲滅、これをやらなければいけないと、ILO百九十号条約を批准すべきだということ、これはもう国内でも多くの皆さんの要請として大臣のところにも届いていると思います。この閣法では百九十号条約批准できませんね、まだ。できないでしょう。できるんですか。そのことを確認させていただいて、これできないとすれば、政府の決意として、やっぱりハラスメント全般を禁止する、そういう立法に進めていかなければいけないという決意があるべきだと思いますが、併せて、大臣、お聞きして、私の質問を終わりにします。
○国務大臣(福岡資麿君) 我が国では、これまで順次職場におけるハラスメント対策の充実を行ってきた中で、例えばセクシュアルハラスメント対策につきましては、男女の均等な雇用機会及び待遇の確保の前提条件を整備する観点から男女雇用機会均等法に位置付けるなど、それぞれのハラスメントの内容に関連する法律に規定を設けてきたところでございます。 この法案では、職場におけますハラスメントを行ってはならないことを法文上明確化し、国が規範意識の醸成に取り組むほか、カスタマーハラスメント対策の強化、就活等セクシュアルハラスメント対策の強化などの内容を盛り込んでおりまして、ILO第百九十号条約の締結に向けた環境整備に資するものというふうに考えております。 議員の御指摘あった点でいいますと、同条約は第七条において、暴力及びハラスメントを定義し、禁止する法令を制定することを求めておりますが、一方、第四条二におきまして、国内法及び国内事情に従って暴力及びハラスメントを防止し及び撤廃するための取組方法を取ることを条約の原則として規定をしているところでございます。 したがって、各国において採用する取組方法はそれぞれの法律や事情に応じたものとすることが可能であると考えておりまして、刑事罰や単一の包括的な禁止規定を採用することが条約上義務付けられているわけではないというふうに考えております。 この条約の締結に関しましては、引き続き、国内法制との整合性確保する観点から、関係省庁と連携して検討を進めてまいりたいと思います。
○石橋通宏君 これで終わりますが、ということは、今、これでもう百九十号条約の批准は可能であるというふうに答弁されたと理解しますので、であれば是非やりましょう。それ申し上げて、質問を終わりにさせていただきます。 ありがとうございました。
○大椿ゆうこ君 立憲・社民・無所属、社民党の大椿ゆうこです。 今回の法改定で、先ほどから議論になっていますハラスメントの対策の強化としてカスタマーハラスメントが加わりました。私もこれまで様々な仕事をしてきましたけれども、自分の経験の中で一番多かったハラスメントはやっぱりセクシュアルハラスメントだなと思っています。容姿のことを言われる、結婚しているかとか子供がいるかと、あっ、子供じゃない、彼氏がいるかとか子供がいるか、そういう個人的なことを聞かれるとか、体を触られる、あるときには性交渉を求められるみたいな、そういうことを経験してきた女性たちというのは、私だけでなく、本当にそういう経験している人たちはたくさんいると思います。とはいえ、そういう経験を持ちながらも、でも、今、候補者、政治家になってからの方が、私は圧倒的に様々な種類のハラスメントを受けているなということを感じるんですね。 今回いろいろ資料を見させていただいていましたら、UAゼンセンがカスタマーハラスメントの調査をされていました。その中に、加害者側、ハラスメントを行う側の対象はどういう人たちかという、圧倒的に、七割が男性だったという結果が表れています。そして、四十歳以上の人が、四十歳以上の男性がその加害者の対象者であるということも調査の中で明らかになってきています。 私自身は、その有権者とカスタマーを同一にすることは適切ではないというふうに思っているんですけれども、私自身が街頭とか活動をしていても、やっぱりその九割方が男性から嫌がらせを受ける、暴言を吐かれる、ぶつかってこられる、トラメガを蹴られるとか、そういったことを様々経験してきた結果、やっぱりこういった問題の議論の背景に、性差別、日本の性差別構造というものがしっかり存在し続けていることが、カスタマーハラスメントしかり、マタハラしかり、セクハラしかり、いろんなハラスメントを助長するところに力を貸してしまっているんじゃないかなという問題意識を持っているということをまずお伝えして、質問に入りたいと思います。 衆議院での修正において、労働者のみならず、フリーランスについてもカスハラ防止施策が取られる規定が盛り込まれたということです。特定受託事業者に係る取引の適正化に関する法律、通称フリーランス法第十四条においても、いわゆるセクハラ、マタハラ、パワハラについて、発注者側に所要の措置をとるように義務付けています。フリーランスもカスハラの被害を受けることが、受ける可能性というのはありますので、同法の三年の見直しを待たず、速やかに第十四条第一項に第四号を追加して、カスハラについても措置義務の対象にすべきではないかと考えます。 また、フリーランス法第十三条は、妊娠、出産、育児、介護について発注者の配慮を求めていますが、妊娠、出産を理由にした不利益取扱いを禁止する規定がありません。はっきり禁止する規定を入れるべきだと思いますが、いかがでしょうか。こちら、参考人お願いします。
○政府参考人(田中佐智子君) お答えいたします。 フリーランスにつきましては、先生御指摘のありましたフリーランス・事業者間取引適正化等法におきまして、業務委託を行う発注事業者に対して、発注事業者等が行うセクシュアルハラスメントやパワーハラスメント等、これらにつきまして相談体制の整備等の措置義務を設けております。この法律、昨年十一月から施行をしているところでございます。 その上で、フリーランスが顧客等から受けるハラスメントに対する対応につきましては、労働者との働き方の違いも勘案しつつ検討すべきでございますが、本法案の衆議院での修正によりまして検討する規定が設けられているところでございまして、仮に法案が成立いたしますれば、当該規定を踏まえて適切に対処をしてまいりたいと考えております。 また、妊娠、出産のその不利益取扱いの関係ですけれども、同法におきましては、フリーランスが妊娠、出産、育児、介護と業務を両立できるように、発注事業者に対して、フリーランスからの申出に応じて必要な配慮を行う義務を課しております。 御指摘の妊娠、出産を理由とした不利益取扱いの禁止につきましては、これ事業者間取引における契約自由の原則の観点から、事業者間取引に対する行政の介入は最小限にとどめるべきであることに加えまして、発注事業者に過度な義務を課した場合に、妊娠、出産による配慮が必要なフリーランスへの発注控えにつながりかねないことから、同法においては禁止規定を設けていないところでございます。 今後、施行状況等を踏まえて適切に対処してまいりたいと考えております。
○大椿ゆうこ君 最近では、雇用関係がある者であっても、フリーランス、個人事業主というふうに置き換えている者は、そういう働き方をしている方々はいらっしゃるというふうに思いますし、事業者と事業者といっても、圧倒的に力のある事業者と個人事業主、こういう関係性の中では、やはりハラスメントが起こり得るということも十分に考えられますので、やはり今言った点、非常に重要な点かと思っております。 今回の法改定で求職者に対するセクハラは事業者の措置義務の対象となりました。しかしながら、求職者の性的指向や性自認について侮辱的な発言をしたり本人の同意なく求職者の性的指向や性自認を暴露する行為は、セクハラではなくパワハラに該当するため、措置義務の対象になりません。措置義務の対象をセクハラに限定するのは合理的ではなく、あらゆるハラスメントを対象にすべきだと考えますが、大臣の御認識をお伺いします。 また、女子大生が就職活動の一環でOB訪問をしたところ、お酒を飲まされ、性的暴行を受けたという事例がありました。二〇一九年に起きた住友商事や大林組の事件がそれです。私、本当にこういうのがもう許せないんですね。絶対にやっぱりこのようなことが起きないように、これから社会に出ていく、そして働こうと思っている若い若者たちが本当にこの就職活動の場でつまずくことがないように、こんな目に遭わないように、やっぱりきちんと対策が必要ではないかと思っています。 その二点について大臣の見解を聞かせてください。
○政府参考人(田中佐智子君) 本法案、求職者等に対しますセクシュアルハラスメントを防止をするために、事業主に雇用管理上の必要な措置を義務付けることとしております。 法律上のその雇用管理上の措置として義務付けましたならば、こうした義務の履行確保に関しましては、国が報告徴収や助言、指導又は勧告を行うことを通じまして、法違反が認められる場合の速やかに是正に取り組んでいきたいと考えております。 また、求職者等に対しますセクシュアルハラスメント以外のハラスメント、具体的にはパワーハラスメントに類する行為などにつきましては、これをセクシュアルハラスメント以外のハラスメントに類する行為、これについてもどうするかということは、この法案を提出に当たりまして議論をいたしました労働政策審議会でも議論がございました。 これらにつきましては、どこまでが相当な行為であるかという点についての社会的な共通認識が必ずしも十分に形成されていない現状に鑑みて、パワーハラスメント防止指針等において記載の明確化などを図りながら、周知を強化していくことを通じて、その防止に向けた取組を推進するとともに、社会的認識の深化を促していくことが適当であるとされております。 これを踏まえまして、求職者等に対するパワーハラスメントに類する行為などにつきましても必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
○大椿ゆうこ君 大臣から何かないんですか。
○委員長(柘植芳文君) 大臣、よろしいですか。
○国務大臣(福岡資麿君) いや、今局長がもう答弁させていただいたとおりでございます。
○大椿ゆうこ君 特に求職者、この性暴力が起こっているというような事案に対して、大臣、どう思いますか。一言言ってくださいよ。
○国務大臣(福岡資麿君) 決して許されない行為でございますので、そういったことが起こり得ないような措置を講じていくことは大切だと認識しております。
○大椿ゆうこ君 ちょっと参考人の方の御説明聞いていても、ちょっと何か生ぬるいなというふうに正直思いました。それで本当に求職者の方に襲ってくるこのハラスメントを防ぐことができるのかというと、周知徹底ぐらいではやっぱり駄目なのではないか、生ぬるいなという印象を受けました。 ハラスメントは、同じ会社の労働者同士又は顧客と労働者の間だけで起こるわけではありません。取引先との間で起こる場合もあります。ある会社に雇用されている労働者が取引先の会社の労働者にハラスメント行為を行い、相手方から事実確認や再発防止のための協力を求められた場合、その会社は求めに応じて誠実に対応しなければならないことを国は徹底すべきではないでしょうか。対応を拒否する場合、国としてしかるべき指導を行うべきだと考えますけれども、どのような監督指導体制をつくるか、お答えください。
○政府参考人(田中佐智子君) 本法案におきましては、カスタマーハラスメント対策を強化をするために、事業主に対して相談体制の整備等の雇用管理上の措置を講ずることを義務付けております。加えまして、他の事業主からこれらの雇用管理上の措置に関する協力を求められた場合に、これに応ずるよう努めなければならないとする規定を置くこととしております。 こうした規定の趣旨について丁寧な周知を行うとともに、都道府県労働局において、労働者や事業主からの相談に応じ、必要な指導等を行うことによって、カスタマーハラスメントに係る事業主間の協力が図られるように取り組んでまいりたいと考えております。
○大椿ゆうこ君 次に、包括的なハラスメントの禁止について質問をすることにしておりました。 一番目に関して、先ほど話題になりました、石橋議員からもありましたILO第百九十号条約のことについては、先ほど石橋議員の方からも質問がありましたので質問自体は飛ばしますが、あの答弁を受けて、可能であるという答弁が得られたというふうに思っておりますので、是非、早期にこれを締結するということを、大臣、急いでいただければと思っております。まずそのことをお伝えしておきます。 日本のハラスメント法制の問題は、禁止法ではなく事業主に措置を求めるものばかりであること、行為の内容や主体によって個別の法律で措置することになっている点です。今の参考人からの御説明を受けていても、やはりその措置を求めるという発言が多かったかと思います。日本においても包括的なハラスメント禁止法を作る必要があると考えています。 二〇一九年の参議院厚生労働委員会における女性活躍推進法改正案の附帯決議第八条には、ハラスメントの根絶に向けて、損害賠償請求の根拠となり得るハラスメント行為そのものを禁止する規定の法制化の必要について検討することと書かれていますが、包括的ハラスメント禁止法制定の動きがなかなか見えてこないというか、全然見えてきません。 当時の附帯決議を踏まえて、包括的ハラスメント禁止法を作り、先ほど言ったような、先ほど言ったILO第百九十号条約、これを進めていくべきではないかと考えますが、海外の事例を踏まえて、これを実現していくために今国として取るべき方法をお答えください。
○政府参考人(田中佐智子君) 包括的なその禁止規定でございますが、前回のその改正時にも附帯決議をいただいておりまして、それも踏まえまして、令和六年二月から八月まで開催をいたしました厚生労働省の検討会においても有識者に御議論をいただきました。 検討会におきましては、我が国の法制度の下では、ハラスメントについて、刑法上の犯罪に該当する行為には刑事責任が生じ得るとともに、民法上の不法行為に基づく損害賠償の対象となり得ること、こうした中で、職場のハラスメントは許されるものではないという趣旨を法律で明確にした場合、社会規範としてハラスメントは禁止されていることが明確になると考えられることなどの指摘が有識者からなされてございました。 こうしたことを踏まえまして、その後のその審議会の議論も経まして、今回の法案では新たに、何人も職場におけるハラスメントを行ってはならないということを法文上明確にした上で、規範意識の醸成に国が取り組む旨を定めております。こうしたような形でハラスメントがない社会をつくっていくというようなことを法文上も明確化した法案であるというふうに考えております。
○大椿ゆうこ君 多少の前進はあるんでしょうけれども、やはり先ほどから石橋議員も提案をされている包括的ハラスメントの禁止法、これをしっかりとやっぱり作っていくための努力が今急がれているのではないかと思います。 それでは、今回、労働安全衛生法及び特定受託事業者に係る取引の適正化に関する法律の一部を改正する法律案ということで、議員提出の法案について質問をさせていただきたいと思います。 発議者は二〇一八年の働き方改革関連法審議でカスタマーハラスメント対策を含むパワハラ対策を提案され、当委員会で並行審議がされた経緯があると理解しております。カスハラ対策の必要性を訴えてこられたその背景をお答えください。
○石橋通宏君 御質問ありがとうございます。 先ほど私の質疑の中でも少し触れさせていただきました。私も元々労働組合の出身でありまして、議員になってからも全国各地の現場を歩かせていただいて、いろんな声を聞かせていただいてきました。その中で、やっぱり十年ぐらい前から顕著にいろんな現場でカスハラの問題が取り上げられるようになったんですね。 一番のきっかけは、石田委員もおられますけれども、札幌で病院労組にお邪魔したときに、看護師さんが、やっぱり残念ながらカスハラで若い看護師さんが疲弊して辞めてしまっていると、これやっぱり何とか国の方で対策を打っていただけないかというすごく切実な声を聞かせていただいたときに、これやっぱり何とかしなければいけないということで、当時パワハラ対策もなかったんですね、まだ。なので、二〇一八年の働き方改革のときに、まさに働き方改革の大きな柱として、そういったパワハラ、カスハラから労働者を守っていかなければいけないと、そのために、政府がやらないなら我々議員立法でやろうということで、当時、我々一年近く検討させていただいて、労働安全衛生法改正案ということで、パワハラ、カスハラを含むパワハラ対策の措置を提案をさせていただいた。残念ながらそのときは否決をされ成立しませんでしたが、その後のパワハラ対策にもつながったということで、大きな一石を投じることができたのではないかなというふうには思っております。
○大椿ゆうこ君 私は、大学時代、社会福祉を学んでいたということもあって、いろいろ現場実習とかも行かせてもらったんですね。精神保健福祉士の資格を取るために実習に行ったときに、病院のところにはっきりと、利用者さんからの暴言などは許しませんということを書いてあるのを見たときに、とてもほっとしたのを覚えているんです。それがもう十年以上も前だったと思うんですが、実際、福祉従事者というのは、相手の方が障害があるとか病気をお持ちだということで、暴言だとか暴力とかもある種受容をしなければいけないという立場に置かれがちな中で、しかしやっぱりそれが大きな負担に感じられて、職場に行くのがしんどいと感じられる人もいるだろうというのが、自分もそういったところで実習とかを受けてきた立場としては分かるので、とても重要な点だなと、重要な視点だなと思っています。 発議者が労働安全衛生法におけるカスハラ対策を発案した理由と、そのメリットを教えてください。
○石橋通宏君 労働者の命、安心、安全を守るというのは、これはもう当たり前ですが、新しい話ではなくて、もうずっと戦後、脈々と労使で従業員の命、安心、安全、健康な職場環境をつくっていく、これはずっと取組が確立をされてきた。その根幹を成したのが労働安全衛生法の取組でありまして、既に確立をされて、実行されて、運用されてきた、そういう制度をむしろ活用することがより実効性ある形でカスハラから労働者の命を守るということ、私たちはその方がよっぽど早いしメリットがあるというふうに思っております。 例えば、委員も御存じの、現場では既に、一定の要件はありますけれども、衛生委員会、安全委員会、労働安全衛生委員会、こうしたところに従業員も関わって、先ほど質疑でもやりましたけれども、そういった営み、取組を既にしていただいている。そこにカスハラ対策もしっかりとこの法律によって位置付けて、現場で実効性ある形を対応していただく。 そして、先ほど、何もしない事業主に対してという話もさせていただきましたが、それは労働基準監督制度、労安衛法でいけば労働基準監督官による制度を活用できるので、きちんと、何もしていない、義務を果たしていただけていない、そういった事業所に対しては基準監督官が現場に入って指導監督できるということも極めて大きなメリットだというふうに思います。 そういうこともあって、私たちは労働安全衛生法で提案をさせていただいたということでございます。
○大椿ゆうこ君 発議者は、今回の政策案のカスハラ対策が実効性が乏しく不十分な内容だと考えているのではないかと理解をしましたが、閣法のどこに問題があると考えているか、その点についてお答えください。
○田村まみ君 これまで、カスタマーハラスメントは、顧客等外部第三者からの行為によるため、行為者への対策を事業者が措置を講じることは困難とされてきました。今改正で事業主にその対応について措置義務が課されますが、事業主がカスタマーハラスメントへの対応の実効性を確保するために必要なその抑止のための措置の具体的な内容は指針を定めることにとどまり、事業主が講じる具体的な対策まで盛り込まれていません。さらに、その対象範囲も雇用労働者に限られています。 そのため、この法案では、カスタマーハラスメントへの対処の方針明示、実施や相談体制の整備を必須措置として、正確な事実の把握等の事後対応を、事業者のとるべき措置の例示を明記するとともに、カスタマーハラスメントの抑止のための措置として仮処分命令の申立てを明記することとさせていただきます。これらによって、より実効性のあるハラスメント対策になるというふうに考えております。
○大椿ゆうこ君 今回、議員立法のポイントの一つが、今お話しいただいたカスハラ対策として仮処分制度の活用を明記しているという点だと思います。 仮処分を活用することで具体的にどのような効果が期待できるのか教えてください。一方で、仮処分が乱発される可能性がないか、消費者の真っ当な権利が侵害、制限されてしまう可能性があるのではないかという懸念も片方でありますけれども、見解をお答えください。
○石橋通宏君 この点も先ほどの政府案に対する質疑で私も取り上げさせていただきましたけれども、我々議員立法を検討するに当たって、こういうケース、先ほど言った、残念ながらエスカレーションしてしまって極めて過激なそういった行為、言動に及んでしまうケースがあります。そういったときに、どうしたら事業主の皆さんに、従業員の安心、時にやっぱり命を守るという行動をしていただけるのかということを検討したときに、やはりきちんとした、まあこれ、最後の手段、我々ラストリゾートという言い方もしておりますが、最後の最後、そうしなければ従業員の命、安心を守ることができないといったときに使える制度として、新しいものを創設するのではなくて、既存の使える制度をきちんとカスハラ対策にも使えるのだということを明記をして、事業主の皆さんにそれを従業員を守るための一つの手段としてきちんと持っていただくということで、民事保全法に規定をされている仮処分制度の活用を明記をさせていただきました。 〔委員長退席、理事三浦靖君着席〕 これ、私たちも濫用につながったりするおそれはないのかということも検討させていただいたんですが、これ裁判所が、司法が関与するんです。事業主の皆さんが濫用できるような話ではなくて、あくまでそういう、もうそうしなければ守れないようなときにこれを裁判所に申立てをしていただいて、裁判所がそれが必要だと判断をされたときに裁判所がそういう処分を下すことができるということなので、濫用のおそれはないという判断をさせていただきました。 これ、例えば業種、業態によっていろんなケースがあり得るのでそれは裁判所の御判断なのですけれども、例えば、もう電話を掛けてはいけないとか、その場所に立ち入ってはいけないとか、もう面談しては、会いに来てはいけないとか、そういうそれぞれの事案に応じた処分を裁判所に御判断をいただくことができますので、より適切に実効性ある形で労働者の命、安心、安全をそういう本当に過剰な過激なカスハラから守ることができる手段として、私たちは必須の手段ではないかというふうに考えております。
○大椿ゆうこ君 議員立法のもう一つのポイント、ここは、フリーランス、個人事業主の方々、先ほどもお話にありました簡易郵便局長やコンビニオーナーのように、往々にしてカスハラの矢面に立たされる方々の法的措置を講じていることを義務付けている点だというふうに思いますが、先ほどもお話ししてくださいましたけれども、その必要性、ちょっと簡潔にお答えいただければと思います。
○田村まみ君 フリーランス、個人事業主などの方々は、労働者に該当せずに、労安衛法や政府案で改正される労働施策推進法には適用されないけれども、御指摘のように、カスタマーハラスメントが行われる場合に、労働者でないという一点をもって保護の対象としないのは適当ではないと考えております。 〔理事三浦靖君退席、委員長着席〕 ですので、フリーランス法のフリーランスに該当する方々については、現行のフリーランス法の第十四条第一項について、既にセクシュアルハラスメント、妊娠、出産等に関するハラスメント、パワーハラスメント等の既存のハラスメント類型に対応する形で特定業務委託事業者に措置義務を課していることも踏まえて、今般のカスタマーハラスメントに対応する措置義務も課すことにしました。 ただ、例えば、先ほど例にも出していただいた簡易郵便局長やフランチャイズのオーナー等やフリーランス法のフリーランスに該当しない方々、ここに対しても被害を防止することは大変重要です。このような方々に対しては、労働者に対する事業者のようにカスタマーハラスメントを防止するための措置義務を課す対象やそういう義務を課すべきかどうかについても必ずしも明らかになっておりませんので、この施策の在り方から検討を行う必要があるということで附則の第二条第二項に検討条項を設けたところでございます。
○大椿ゆうこ君 ありがとうございます。 もう一つ質問を用意していたんですけれども、残りの時間、女性活躍推進法の方に使わせていただきたいので、ここで皆さん、発議者の皆さんへの質問は終わりにしたいと思います。 大臣、通告していないんですけれども、まず大臣の認識についてお尋ねしたいと思います。 二〇一六年四月一日に施行された女性活躍推進法は、当初、二〇二六年三月三十一日までの時限立法でしたが、今回の法改定で十年間延長されることになりました。延長するに至った、そういう判断に至った理由、またその背景について簡潔にお答えください。
○国務大臣(福岡資麿君) 今御指摘ありましたその施行された平成二十八年度と直近の令和六年度における女性活躍の状況を比較いたしますと、男女間賃金差異は七二・九から七五・八に、部長相当職に占める女性の割合は六・三%から九・八%に、課長相当職に占める女性の割合は九・九%から一五・九%に、女性一般労働者の平均勤続年数は九・二年から十・〇年にそれぞれ改善するなど、全体的に上向いているとはいえ、まだ、女性活躍推進法や他の取組と相まって企業の取組が促進されたことにより、ごめんなさい、一定の効果が上がっていると考えられるその一方で、これらの指標の改善、上昇のペースは緩やかなものにとどまっておりまして、女性活躍の推進に向けて更なる取組の推進が求められる、そういった背景があるというふうに承知しています。
○大椿ゆうこ君 緩やかであるということで、ちょっとずつですが、歩みがまだまだ緩やかで劇的な改善が見られていない、まだ時間が掛かるだろうという背景が今回の法改正の中で期間を延ばすということに至ったのではないかと思います。 二〇二四年十月に公表された女性差別撤廃委員会、CEDAW第八十九会期第九次日本報告審議総括所見では、労働分野の女性差別の撤廃について様々な勧告がなされています。今日皆さんのお手元に資料としてお配りしております。これは、様々な分野がありますけれども、労働分野、雇用の分野に関してのみ出された勧告をピックアップしました。 厚労省はこの総括所見について当然承知していると思いますが、二〇二四年十月のこれを受け取ってからその内容が労政審の中で議論されたのか、そして今回の法改正にも反映されたのか、お答えいただければと思います。大臣、お願いします。
○国務大臣(福岡資麿君) 我が国が提出しました報告書に基づきまして、昨年十月に、女子差別撤廃委員会による対日審査が行われ、委員会の最終見解示された、委員が資料でお示しいただいているところでございまして、政府としてはその内容を踏まえながら適切に対応を進めてきたところです。 この内容が多岐にわたるのはお示しいただいたとおりでありますが、本法案との関係では、最終見解において示された男女間賃金格差の公表義務の大企業から中小企業への拡大について、これに対応する内容をこの法案に盛り込ませていただいております。
○大椿ゆうこ君 今回の法改定では、常時雇用する労働者の数が百人を超える一般事業主及び特定事業主に男女の賃金格差の差異及び女性管理職比率の情報公表を義務付けることになりました。 しかし、令和五年の働く女性の状況によれば、ちょっとここは飛ばします、四割以上の女性が従業員百人未満の事業所で働いているという結果がここからも表れています。常時雇用する労働者の数が百人以下の事業所においても情報公開を求めるべきだと考えますが、どうでしょうか。
○政府参考人(田中佐智子君) 女性の活躍につきましては、百人以上の企業のみならず、それよりその企業の規模が小さい事業所においてもしっかり取り組んでいただくことが必要である、この点については委員御指摘のとおりかと思います。 一方で、具体の義務をどういうふうに掛けていくかということですけれども、男女間賃金差異、女性管理職比率の公表義務、これについて今般、百一人以上の企業について義務付けることといたしました。 これを百人以下の企業にも拡大をすることについてでございますが、女性活躍推進法に基づきます一般事業主行動計画、この策定の義務が常時雇用する労働者百一人以上の企業に義務付けられていることでございますとか、審議会での審議の過程においても、やはり中小企業での取組重要であるけれども、大企業と比較して人員や組織体制に差があるというような意見などもございまして、これらを踏まえて、本法案では常時雇用する労働者百一人以上の企業に対する義務付けとしてございます。 一方で、常時雇用する労働者が百人以下の企業についても、情報公表等の取組につきましては努力義務という形にしておりまして、更に取組を進めるための支援といたしまして、主に中小企業を対象としたコンサルティングの実施、また、各企業において男女間の賃金差異の要因を簡単に分析できるツールとして男女間賃金差異分析ツールを作成し提供する、こういったような支援に取り組んでおりますので、引き続き、中小企業の取組を支援しながら、企業規模を問わず女性活躍が進むように取り組んでまいりたいと考えております。
○大椿ゆうこ君 女性活躍推進企業データベースには、全労働者、正規雇用労働者、非正規雇用労働者について、男性の平均年間賃金に対する女性の平均年間賃金の比率が公開されています。 しかし、実額は示されておらず、男女の賃金格差の最たる原因である男性正規労働者と女性非正規労働者の賃金比率も分かりません。ここをしっかり実態を明らかにしていく必要があると思うんですけれども、比率のみではなく、実額又は時間当たりの賃金を示すべきではないかと考えますが、見解をお尋ねします。
○政府参考人(田中佐智子君) 男女間賃金差異の公表の義務付けですけれども、求職者の職業選択に資するとともに、男女間賃金差異の情報公表を通じて事業主の自主的な取組を推進する、こういったような目的で実施をするものでございます。 実額や時間当たりの賃金を公表することですけれども、公表の目的が男女間の賃金差異を改善をするためであることに鑑みれば、その差異を示す比率を超えて公表を義務付けるということにつきましては、なかなかその理解も得られにくく、慎重な検討が必要であると考えております。
○大椿ゆうこ君 一つ飛ばします。 賃金格差の数値公開は、公開そのものが企業の取組状況の可視化や求職者が就職先を探す際の参考になるという意味があります。企業が男女差別を生み出している要因を見付け、是正するための指標として活用されるべきだと思います。 例えば、男女の賃金格差と男女別の労働時間のデータを組み合わせれば、賃金格差の原因が時給の違いにあるのか、あるいは労働時間の長さにあるのかが分かり、男性の長時間労働の是正の契機を見出すことができると考えます。 一月当たりの労働者の平均残業時間、雇用管理区分ごとの一月当たりの労働者の平均残業時間、年次有給休暇の取得率、雇用管理区分ごとの年次有給休暇の取得率は男女別に公表すべきではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。簡潔にお願いします。
○政府参考人(田中佐智子君) できるだけ多くの情報を公表していただくこと、これ自体は重要なことだと考えますけれども、今回の指標の公表は、先ほど申し上げましたように、企業がその実情を踏まえて改善に取り組むということでございます。 各企業による状況等々異なります。また、中小企業の負担も考慮をする必要があるということで、一定の取組の結果を示す項目を義務項目とするほか、企業の実情に応じて選択して公表しなければならない選択項目ということを設けておりますので、このような趣旨に鑑みますれば、御指摘の項目を含めたその他の項目の公表義務化については慎重な検討が必要であると考えております。
○大椿ゆうこ君 女性の低賃金の最大の要因は、女性の多くが非正規労働者で働いているということにあります。私自身も就職氷河期時代の一番最初の頃に社会に出ました。非正規雇用をずっと、二十代、三十代と非正規雇用で働いてきた一人です。総括所見でも指摘されたように、同一価値労働同一賃金が徹底されていないからこのようなことが起きているのではないかと思います。 短時間労働者及び有期労働者の雇用管理の改善等に関する法律は、職務の内容が通常の労働者と同一で、雇用関係が終了するまでの全期間において、職務の内容及び配置が通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されることが見込まれるパート、有期労働者のみに差別的取扱いを禁止するのでは、結局のところ、同一価値労働同一賃金は徹底できないと考えます。職務の内容が同じであれば同じ待遇にすることを義務付けるために更なる国として対策を打たなければならないと思いますが、ここ是非、大臣、どのような対策を取られるかお答えください。
○国務大臣(福岡資麿君) 正社員と非正規雇用労働者の不合理な待遇差を解消するいわゆる同一労働同一賃金につきましては、パートタイム・有期雇用労働法等に基づき、各都道府県労働局の雇用環境・均等部室等において報告徴収等を通じた施行状況の確認を積極的に行うとともに、法違反が認められる場合には助言、指導等を行っておりまして、これによって法の履行確保に向けて取り組んでいるところです。 この同一労働同一賃金につきましては、本年四月で働き方改革関連法の施行から五年を迎えましたことから、法附則の見直し検討規定に基づきまして、本年二月から労政審同一労働同一賃金部会を開催して議論を行っております。各委員の御意見を丁寧に伺いながら非正規雇用労働者の待遇改善につながるように検討を進めてまいりたいと思います。
○大椿ゆうこ君 この間、私はずっとこの委員会の中でも非正規雇用の問題に特に力を入れて質問をさせていただきました。非正規労働者の内訳を見ても約七割が女性だということであれば、この非正規雇用の問題は女性の問題であり、貧困の問題は女性たちの問題でもあるというふうに思っております。 もう時間が来ましたので終わりますけれども、やはり、引き続き、そもそもやっぱり非正規労働者を増やさないための対策を取らなければいけない、不本意非正規がどんどん減ってきているからこれでいいんだじゃなくて、非正規雇用で働いてきたような人たちがフリーランスや個人事業主に置き換えられてきているんじゃないでしょうか。こういった働き方をやっぱり根本的に変えていかなければ、女性活躍推進法、非正規雇用の問題に真っ正面から切り込まない限り、女性活躍推進、これは実現できないということを伝えて、私の質問を終わります。 ありがとうございます。
○委員長(柘植芳文君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十二分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(柘植芳文君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律案及び労働安全衛生法及び特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山口和之君 日本維新の会の山口和之です。 午前中からたくさん出ているんですけれども、私もまず最初に確認をいたします。 改正の背景にある調査やデータについて厚生労働省に伺います。 カスタマーハラスメント、いわゆるカスハラが深刻化している現状について厚労省としてはどのように認識されているのでしょうか。カスタマー対応労働者の何割がカスハラを経験しているかなど、今回の改正案の基となる調査なりデータがあれば説明をお願いします。 また、特にサービス業、医療、福祉現場、自治体窓口などで悪質クレームや威圧的な言動により心身の健康を損なう事例が相次いでいると聞いています。心身の健康まで損なうほどカスハラの顕著な業種について、他業種と比較できるような調査結果や相談件数の推移などがあれば御説明願います。
○政府参考人(田中佐智子君) 厚生労働省で令和五年度に職場のハラスメントに関する実態調査という調査を実施をしておりまして、このデータの御紹介をさせていただこうと思います。 企業が過去三年間に受けた従業員からのハラスメントに関する相談件数の傾向を見ますと、カスタマーハラスメントについては件数が増加していると回答した企業が二三・二%となっておりまして、件数は減少しているという回答をした企業の一一・四%よりも大幅に高くなっています。また、過去三年間にカスタマーハラスメントを受けた労働者の割合についても一〇・八%となっております。 また、企業調査の相談件数の有無ですけれども、顧客等からの著しい迷惑行為、いわゆるカスタマーハラスメントを受けた業種別に割合が高い上位を見ますと、医療、福祉、宿泊業、飲食サービス業、不動産、物品賃貸業等々となってございます。
○山口和之君 カスタマーハラスメント対策の法案化が進められる中で、介護現場における利用者からの暴言、暴力から職員を守るための議論が主流になっていますが、令和四年度厚生労働省の介護労働実態調査によれば、介護職員の離職理由の上位に、利用者や家族とのコミュニケーションの難しさや精神的、身体的負担の大きさが挙げられています。また、公益財団法人介護労働安定センターの調査では、介護職員の約三割が利用者からの暴言、暴力を経験していると回答しています。 一方で、認知症の利用者に対して職員が無意識に取ってしまう上から目線みたいな言葉遣いや一方的な対応が混乱や反発を招き、結果として暴力行動につながっているケースも現場から多数報告されています。その背景には、職員のケア技術や言葉遣いの未熟さもあるのですが、必要なサービスを提供するために十分な人員配置が取られずに利用者との関係づくりが不十分なことなども、制度的な課題も挙げられます。 このような現場の実情を踏まえて、以下の三つについて伺いますが、その前に、認知症高齢者との接し方、特に尊厳を損なわないコミュニケーションに関する職員教育を厚労省としてどのように進めるか、考えを教えていただきたいと思います。
○政府参考人(黒田秀郎君) お答え申し上げます。 介護現場におきまして、認知症の人の視点や立場に立って尊厳を保持したケアが提供できる人材を増やしていくことが大変重要でございます。このため、厚生労働省では、認知症介護に関する基本的な知識、技術を修得していただくために、全ての介護職員に認知症介護基礎研修を受講することを介護サービス事業者に対して義務付けを行ってございます。また、介護職員の経験年数や知識修得の段階に応じた研修も併せて実施しておりまして、認知症ケアに関する知識や技術、コミュニケーションの方法の向上などを図ってございます。 こうした取組を通じまして、介護職員の認知症への理解を深めて、認知症のケアの質の向上に取り組んでまいりたいと存じます。
○山口和之君 介護利用者からの言動を一律にカスハラと扱わないための仕組みづくりについて厚労省に伺います。 今回の改正でカスタマー側からハラスメント対策が進むと考えられますが、どのような言動がハラスメントに当たるのか、ガイドラインも整備されていくと思われます。しかし、利用者からの言動を一律にカスハラとして取り扱わないために、職員の対応内容や職場環境についても評価、検証する仕組みが必要と考えますが、御意見を伺いたいと思います。
○政府参考人(黒田秀郎君) お答え申し上げます。 議員御指摘のとおり、介護現場におきましては、利用者に対して職員一人でサービス提供を行う、一対一で対する場面がかなり多いということがございまして、実際にハラスメントが発生をしているかどうかという判断自身がかなり難しいケースもあるというふうに承知をしております。 このため、厚生労働省の委託事業で作成をいたしました介護事業者向けのマニュアルの中では、介護事業所が具体的に取り組むべき内容といたしまして、まず、ハラスメントが発生した際は、経緯を把握して問題の原因を分析し、明らかにすることに努めること、職員や管理者等が一人で抱え込まないように法人の代表や法人本部が組織的に関与する体制を構築することが重要である旨をお示しをし、周知を行ってきたところでございます。 こうした対応が徹底されることによりまして、職員と利用者、プラスアルファの目が入るということもございますので、利用者の言動がハラスメントに該当するかどうか組織的な判断を行うことが可能になるものと考えております。また、今回の法案でも、事業主に対しまして雇用管理上必要な措置を講ずる義務が盛り込まれているところでございます。 今回の法案が成立いたしますれば、こうした取組がより実効性のあるものとなるように支援してまいりたいと存じます。
○山口和之君 おっしゃるように、プラスアルファの目があると、質も向上しますし、介護の質も向上するし、対応の仕方も変わってくるんだろうと思いますが、なかなか現実的には難しいんですね。ですが、やはり質を上げていくことを考えたら、是非それを検討していただきたいなと思います。 認知症ケアの手法の普及、それから現場のトラブルを学びに変える体制づくりについて厚労省に伺いますが、認知症ケアの手法の普及や、現場で起きたトラブルをケースごとに学びへと変える体制づくり、事例集、研修、あとは振り返りみたいなことをすることが以前から重要だと考えられてはおりますけれども、それらの取組を国として支援していくお考えはないか、教えてください。
○政府参考人(黒田秀郎君) お答え申し上げます。 議員御指摘のとおり、発生をしたハラスメント事案について、その事案そのものを客観的に把握することも重要ですが、同時に、その発生の原因などをより具体的に把握をして、それを踏まえて、言ってみれば本当の原因というものを確かめながら、それを踏まえて体制や対策などを適宜見直していくことが重要でございます。 厚生労働省の委託事業で作成をいたしました介護事業者向けのマニュアルの中では、そうしたその発生の原因の方にアプローチをしていくということに加えまして、ハラスメントの現状やその対応などの事例を組織として蓄積をして再発防止の取組を行っていくこと、それから、再発を防ぐため、あるいは再発した場合を考慮したマニュアルやフローチャートが適切に作成されているか点検することなど、確認が必要と考えられるポイントをお示しをしまして周知を行ってきたところでございます。 また、別の委託事業の中では、介護現場における具体的なハラスメントの発生までの経緯、それからその後の対応などをまとめた事例集も御用意してございます。マニュアルなどと併せまして現場で更に活用されるように、自治体や介護事業者への更なる周知などに取り組んでまいりたいと存じます。
○山口和之君 認知症ケアの中にPDCAサイクル、例えばこういうケアを介入した場合こういう結果を生むんだよと、ですので次のケアにはこういうふうな対応をしていけばその症状が緩和するとか、いろんなことがあるわけですよね。 日本ではないですけれども、BPSD、周辺症状に対して評価をして、それを報告する国もあるんだそうです。それで、そこでどれだけ改善しているか、良くなっているかというのを把握するというのを国を挙げてやっている、スウェーデンですけれども、やっているところもあるわけですね。 そうすると、認知症の症状自体も軽減してくるというふうに考えられるとすると、そのPDCAサイクルに対してまた加算かという話になると、ちょっと現場としてはあれかもしれませんけれども、もうそれぐらいのレベルに上げていってもいいんじゃないかなと思います。 そこで、介護する側にもカスハラの原因があることについて福岡厚労大臣に伺いますけれど、その前に、全てではないんですけれど、全てではないんですけれども、医療、介護の世界には独特の文化があるんですね。 医療、介護の独特の文化というと、御本人たちは気付いていませんけれども、タメ口という言葉なんですけれど、全員が全員ではありませんよ。ですが、ジャケットをしてネクタイをしているときは丁寧語を使われるんですね。ただ、車椅子に座ってパジャマ姿になったり頭ぼうぼうしていたりすると、いつの間にかタメ口に変わってくるんですね。これ、なぜか分からないんですけれども、いつの間にかなんですが、多分、医療機関、昔は医療機関も結構ありましたし、介護のところもあります。 テレビで、よくNHKで放送している介護の現場を見ると、いきなり、初めて訪問した人に対しても、障害が、車椅子に座っている状態であったり高齢者であったりして、そういう雰囲気があると、タメ口を利いてしまうというのはあるんですね。これ、不思議なことなんですけれども、この業界だけなんですね。 しかも、今、病院は回転が早くなってきたので、長くは携わらないので、そんなにタメ口みたいなのは横行していないんですが、長期にわたる介護をしていると、いつの間にかタメ口になる。そういう方が初めて介護、世話する方に当たると、最初からタメ口を利いてしまう。うちの父ですけれども、もう亡くなりましたけれども、一番最初にお会いしたときに、ヘルパーさんが家族との話す言葉と対応する言葉が全く違うと。これ、どういうわけかこういう文化が広がっていますね。 それで、接し方が、先ほどのBPSD、資料のこの二を見ていただくと分かるんですけれども、ちょっとこの資料の二にタイトルが書いていなかったので失敗したんですが、認知症の中核症状と周辺症状というもので出しております。 中核症状そのものは、なかなかこれを外すこと、取ることは難しいんですけれども、その周辺症状については、ケアによってこの周辺症状というのは軽減できる、あるいは取り除くことができるというふうにも言われています。接し方が、BPSDというんですけど、周辺症状のことをBPSDというんですけれども、トリガーになることもあるんだそうです。 現場で暴言、抵抗などの行動が見られるとすぐにBPSDと判断されがちですが、その行動が職員の接し方の反応であることも少なくないです。タメ口や上から目線の言い方、ばかにされたと感じる。あるいは、選択の余地を与えない言い方、支配されると感じている。あるいは、無言でケアを始める、恐怖、混乱ですね。それから、これらは結果として、怒り、抵抗、拒否、暴言などの形で現れます。BPSDと誤認されることもありますが、BPSDを悪化させる。 あるいは、資料の一を見ていただくと、資料の一の例えば上の方です。これは介護での場面のハラスメントですよという話なんですが、認知症の方にも限らず、体をたたく、唾を吐く、大声でどなる、威圧的に文句を言い続けるとかとあるんですけれども、これというのは、例えば高齢になってどんなに認知機能が低下しても、人は敬意や言葉遣いの違いを感じるものなんですね。そのために、丁寧な声掛け、相手へのペースを合わせる、共感的な言葉を発することで、もうBPSDの予防にもつながりますし、ハラスメントの予防にもつながります。 自分の知り合いの利用者さんですけれども、ある施設では、暴力を振るう、セクハラをする、暴言を吐くということで手に負えないと。手に負えないから、どこか、そういう対応できる施設を紹介していただけないかと自分の方に連絡して、お会いしに行きました。お会いしに行きましたけれども、そこでどういうことが行われていたかというと、全員タメ口です、職員が、リハビリのスタッフもです。もう話にならぬですよね。そういうところで暴言を吐いていたんですが、別な施設に移ったらそれが良くなりました。認知症が良くなったのか何が良くなったのか分かりませんけれども、別な施設に行ったら暴言はなくなっていたということがあるわけですね。 そういうことを考えると、BPSDは、カスハラかと見極める前に、私たちの接し方は適切なのかということなんですね。この前、訓練について話させていただきましたけど、やっぱりどこかで上から目線になってしまうんですね、何年か過ぎると。 カスタマーハラスメントは介護される側に原因があるという議論に陥りがちになるんですが、しかし、一方的にどちらかが悪いという議論になることはなく、根本的に関係性のずれを修復していく視点が必要だと考えます。厚労省のリーダーシップを期待します。 この点について伺うんですが、先ほどBPSDに対して、スウェーデンでは、まず介護の現場で周辺症状の問題を評価します。この周辺症状は何で起きているかということを分析して、その分析について次の結果でどういうふうに生かしていくかということをやっています。日本でもやっているところはあると思いますけれども、ごく少ないと思っています。 こんなもったいないことしないで、しっかりと評価をして、介護の中にも、リハビリでは評価するのは当たり前になっているんですけれども、介護の中でもしっかり評価して、そういうのをやっていくということも大事だと思いますし、厚労省のリーダーシップを期待するんですが、この点について大臣の見解をお伺いします。
○国務大臣(福岡資麿君) 介護の現場等を知悉していらっしゃる委員のお立場で様々な事例について御紹介をいただきました。 介護保険法の理念を踏まえれば、介護サービスの契約に当たりましては、サービスに関する事業者と利用者、この相互の十分な理解が必要でございまして、事業者は利用者の家族の状況や心身の状況等を十分に把握し、利用者や家族に対して介護サービスの範囲や方法に関する契約内容の理解を図ること、利用者の方はこうした契約内容を十分に理解した上でサービス提供を受けることといったこの双方の観点が必要だというふうに考えております。 その上で、この介護現場におけますハラスメントが発生する要因としましては、利用者、家族、サービス提供者など様々な要因があるというのは御指摘いただいたとおりです。このため、介護事業者向けのマニュアル等によりまして、ハラスメントのリスク要因であったり、ハラスメント対応として施設、事業所が具体的に取り組むべきことなどを示し、ハラスメントに対する事業者、利用者の相互理解が促されるよう周知に取り組んでまいりたいと思います。
○山口和之君 ありがとうございます。 介護の現場で評価をして、PDCAサイクルを回して、自分の介護介入、そこの施設の介護介入がどういう結果を生み出すかということをもしやっていったら、まず離職者も少なくなりますし、介護への楽しさというのも分かってきますし、さらに、キャリアがアップすればそこで賃金として評価するというのも一つの方法ですし、いろんな策があると思います。それは全て相乗効果につながっていって、日本の介護を支える側、支えるようになっていくんだと思っています。 介護事業者の研修助成について、厚労大臣に続けてお伺いします。 介護現場での、本人の意思がないところでの上から目線みたいな態度ですね、高齢者や障害者がカスハラ化しないように、職員がカスハラの種をまくことがないように、職員に対する研修や教育を、雇用管理上、措置とすることが必要になってくると思います。しかし、先ほども石田委員の方からも出ましたけれども、小規模な介護事業者はアンガーマネジメントやストレスマネジメントの研修をする余地がないんですね、余裕がない。このような事業者にどのような、何か補助金や助成金とかがあるのか、今後拡充していることをお願いできるかということを大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(福岡資麿君) 介護保険法の理念踏まえれば、介護サービスの契約に当たりましては、サービスに関する事業者と利用者相互の十分な理解が必要です。事業者は利用者の方々やその御家族に対してサービスの範囲や方法に関する契約内容の理解を図ること、利用者の方は契約内容を十分に理解した上でサービス提供を受けることといった観点が重要であると考えています。 こうした考え方について介護現場における理解が深まりますように、介護事業者向けにマニュアル等を策定、周知しておりますほか、介護事業者が講ずることが望ましい取組として、今おっしゃったように、研修の実施などを通知で明記をした上で、地域医療介護総合確保基金の支援メニューとして地方自治体を通じた事業所の取組を支援しているところです。 今後とも、こういった法案の趣旨も踏まえながら、介護現場の実態に即したハラスメント対策の充実強化に取り組んでまいりたいと思います。
○山口和之君 地方が、介護事業所あるいは介護サービスを提供しているところの人員配置を減らしてほしいぐらい、配置基準を減らしてほしいぐらいの話が今出ているんですね。本当に人が集まらないんですよね。もう悪循環でどんどん落ちていくだけなんです。 実際、しっかりやりたいケアが十分できるような体制取ることによって逆にこういう問題も少なくなって、離職者も減って、相乗効果というのが出てくるんですけれど、根本的にしっかり介護というのをどういうふうにやっていくかというのを見極めないと、ガラガラポンするぐらいの勢いがないと日本の介護はもう成り立たなくなってきているところはあると思います。是非これ本気でいっていただきたいなと思います。 ハラスメント行為禁止規定の法制化に関する二〇一九年の衆議院附帯決議について、厚労省に質問します。 以上の問題意識を踏まえた上でカスハラ法案の内容について質問しますが、職場におけるハラスメントの禁止について、二〇一九年の女性活躍推進法のハラスメントに関する改正時の衆議院附帯決議では、ハラスメントの根絶に向けて、損害賠償請求の根拠となり得るハラスメント行為そのものを禁止する規定の法制化の必要性も含め検討することなどが盛り込まれています。 この附帯決議のハラスメントを禁止する規定の法制化の必要性に対して、厚生労働省政策審議会においてどのように議論されたのか、厚労省にお伺いします。
○政府参考人(田中佐智子君) 今先生から御指摘がございました平成三十一年の女性活躍推進法等の一部を改正する法律に対します附帯決議の中で、ハラスメントの根絶に向けて、損害賠償請求の根拠となり得るハラスメント行為そのものを禁止する規定の法制化の必要性も含め検討することとされてございました。 この附帯決議も受けまして、今般のその法律改正検討に先立ちます有識者の検討会の中で議論を行いました。その中では、我が国の法制度の下では、ハラスメントについて刑法上の犯罪に該当する行為には刑事責任が生じ得るとともに、民法上の不法行為に基づく損害賠償の対象となり得ること、それから事業主の雇用管理上の措置義務の内容として職場におけるハラスメントを行ってはならない旨の方針を明確化することとされていること、こうした中で、職場のハラスメントは許されるものではないという趣旨を法律で明確にした場合、社会規範としてハラスメントは禁止されていることが明確になると考えられること、こうしたことの指摘が有識者からなされまして、結論として、一般に職場のハラスメントは許されるものではないという趣旨を法律で明確にすることが考えられる旨報告書に盛り込まれました。 この報告書を受けまして、その後、労働政策審議会で議論を行いまして、新たに、何人も職場におけるハラスメントを行ってはならないということを法文上明確にした上で、規範意識の醸成に国が取り組む旨を定める、こういうふうに本法案でしたところでございます。
○山口和之君 では次に、ハラスメントに関して、現行刑事法で対応できない課題について厚労省に伺います。 カスタマーハラスメントが社会問題化している中で、度の過ぎたハラスメント行為が刑事罰の対象になってきました。これまでハラスメントが刑事罰の対象になるのは、パワハラの場合は暴行、脅迫、強要、名誉毀損、侮辱などの犯罪、セクハラの場合は不同意性交、不同意わいせつ、暴行、脅迫、強要、名誉毀損、侮辱などの犯罪になると言われています。 これらの現行の刑法などの刑事法制では対応できなかったのは、どのような課題によって対応できていなかったのか、厚労省にお伺いします。
○政府参考人(田中佐智子君) カスタマーハラスメントの対応は様々ございまして、今委員から御指摘のありましたようなもののほかに、刑法に必ずしも該当しないと考えられる言動としまして、厚生労働省が令和五年度に実施をしました職場のハラスメントに関する実態調査によるカスタマーハラスメントに関する言動で申し上げたいと思います。もちろんその態様様々でございますので、刑法には必ずしも該当しないと考えられるようなパターンのその例として御理解いただければと思いますが、まず威圧的な行動、言動ですとか、継続的な、何回も繰り返すような言動、それから、しつこいという、執拗な言動、こういったようなものが必ずしも刑法に該当するものではない言動の例としては考えられると思っております。
○山口和之君 ありがとうございます。 ハラスメントを刑事罰の対象とした場合に生じる問題について厚労大臣に伺いますが、ILOの第百九十号条約の暴力とハラスメントの撤廃に関する条約は、ハラスメントを身体的、精神的、性的、経済的危害を引き起こす行為と慣行と定義して、法的に禁止することを求めています。ドイツやフランスはセクシュアルハラスメント罪が規定され、他の多くの国でもハラスメントは犯罪となっています。 国際的な潮流としてはハラスメントを犯罪とする方向にあるとも言えますが、ハラスメントを刑事罰の対象とした場合、どのような問題が生じると認識されているでしょうか。厚労大臣に伺います。
○国務大臣(福岡資麿君) 我が国の法制におきましては、ハラスメントについて、刑法等に規定する犯罪に該当する行為には刑事責任が科され得るということです。その上で、こうした犯罪行為以外の行為について、刑事罰を伴って禁止する規定を設けることにつきましては、罪刑法定主義の下では違法となる行為の要件を厳格に明確化する必要がありますが、個々のハラスメントにより言動の内容や性質が様々である中で、どのように行為を特定するかといった点に難しい課題がありまして、また、特定できたとしても、対象となる行為が限られることとなるという課題があるというふうに考えています。
○山口和之君 ありがとうございます。 何というんですかね、鬱になったり、仕事ができなくなったり、自殺に追い込んだり、そういうことが許されるのかなとかという思いもあるんですよね。そう考えたときに、やはりちょっと世界の潮流からいくと、ハラスメントを刑事罰の対象としていく方向性にはあるのかなと感じるんですけれど、是非検討していただきたいなと思います。 今回の改正ハラスメント事前抑制効果について厚労省に伺いますが、ハラスメントが刑事罰となれば強力な抑止力が働くと思うんですね。ですが、ハラスメントに及んでも刑罰がないとなると、それほど抑止できないのではないかという思いもあります。 刑法に規定される暴行や脅迫などの行為に至らないけれども刑罰法規に触れない迷惑行為に当たるようなカスハラについて、今回の法改正で事前に抑止、本当にできるのかということを、事前に抑止できるのかということをどう思われるのか、お聞きしたいと思います。抑止できないけれども、今後、雇用管理上の措置でアフターケアできるようにする制度なのかということもお聞きしたいと思います。
○政府参考人(田中佐智子君) 職場におけるハラスメントですけれども、その未然防止、非常に重要だというふうに考えております。ハラスメントを未然防止をしていくためには、企業が主体的に予防から事後の対応までの一連の措置を講じるということが重要だというふうに考えております。 こういうようなことから、労働施策総合推進法等におきまして、ハラスメントの防止対策については雇用管理上の措置を講ずることを事業主に義務付ける、こういうような手法で進めてまいりました。今般のカスタマーハラスメントも同様に、こうしたその法律の体系の中でしっかり実効性を持たせていきたいというふうに考えております。 本法案、カスタマーハラスメント対策を新たに法律上その事業主の雇用管理上の措置として義務付けるわけでございますけれども、これまでは企業の自主的な取組に委ねてきたカスタマーハラスメント対策について、企業規模にかかわらず事業主に義務付けること、それからハラスメント一般について、何人も職場におけるハラスメントを行ってはならないということを法文上明確にした上で、規範意識の醸成に向けて国が周知啓発に取り組むとしているということ、こうしたような規定を踏まえて周知啓発に取り組むことで、ハラスメントの行為者に対しての抑止効果も期待できるものと考えております。 引き続きハラスメントのない職場づくりに向けて一層の取組を進めてまいります。
○山口和之君 介護の現場で離職者が多い、それから辞めていく人が多いですよね。それから、それをとどまっていただく、あるいは介護の現場に、何というんですかね、入りたいと思うような世の中をつくっていかなきゃいけないと思いますので、今回の法律を機に何とかハラスメントをなくして、それを分析して、どういうふうに対応していく社会をつくっていくかが、これは社会全体にも、介護の中においても、医療の中においても、まあ看護師さんも辞める人もたくさん、多いですし、そう考えていくと、これはすごい大事な話なのかなと思っておりますので、どうかちょっとこれ、本気入れて、通知して、研修等を行って、日本を大きく変えていただきたいなと思います。 ちょっと早いですけれども、以上で質問を終わらせていただきます。
○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。今日はよろしくお願いいたします。 私が二〇一九年に国会に送っていただいて初めての委員会、厚生労働委員会で、そのとき、十一月の十九日に質問をさせていただいたときの初質問が、まさしくカスタマーハラスメント対策を含むILO条約の百九十号、それがちょうどできたときで、是非質問したいということで、その当時与党の筆頭であった石田委員に大変御配慮もいただきながら、そのときは野党の筆頭が石橋委員で、お二人の御配慮、そしてそのときの委員長の御配慮で少し時間を多くしていただいて、委員会全体でやはり確認をした方がいいんだということで、本当に一期生で来たばかりの私にいろんな配慮をいただいて質問をしたのを今でも覚えています。 だけれども、まだ批准ができていないというのが本当に悔しいし、それが今日の委員会の中でいろんな議員がこのILO条約どうなっているんだという質問をしたことにつながっているんだというふうに私は思っていますし、福岡大臣もこれまで厚労の関係に長く携わってこられたので、恐らくじくじたる思いで今大臣としても御努力をされているんだというふうに信じて質問をしたいというふうに思います。 このILO条約、言わずもがなですが、仕事の世界における暴力及びハラスメントに関する条約は、二〇一九年に採択、二〇二一年に発効がされて、批准ができていません。条約第七条にある禁止規定について、雇用の分野における女性活躍推進に関する検討報告書では、一般に職場のハラスメントは許されるものではないという趣旨を法律で明確にすることが考えられるというふうに整理をされておりました。こうした趣旨を明文化することで、社会規範としての啓発や牽制、企業内対策の実効性が私は向上していくんだというふうに考えています。批准に向けた国内法の整備に当たって、職場のハラスメントは許されるものではないという趣旨を法律で明確にした場合、社会規範としてハラスメントは禁止されていることが明確になると考えられること、これもこうやって整理されております。 厚生労働省としては、今回の法改正でILOの百九十号の条約批准の要件を満たしたと考えているのでしょうか。明確にお答えください。
○国務大臣(福岡資麿君) 本法案では、職場におけるハラスメントを行ってはならないことを法文上明文化し、国が規範意識の醸成に取り組むほか、カスタマーハラスメント対策の強化、就活等セクシュアルハラスメント対策の強化などの内容を盛り込んでおりまして、ILO第百九十号条約の締結に向けた環境整備に資するものと考えています。 その上で、この条約の締結に当たりましては、条約で求められている内容と今回の改正法案を含めた国内法制全般との整合性について、更に詳細に検討していく必要があると考えています。 引き続き、関係省庁とも連携しながら、締結に向けた検討を進めていきたいと思います。
○田村まみ君 なので、ここからまた国内法制との整合性を調査していくという答弁で、環境整備には資するのではないかというような方向性は今答弁いただいたんですが、まだ環境が整ったとは言えないということが今分かりました。 私は、その関係法令との整合性とかいう以前に、今回の法改正案では条文上にハラスメント行為の禁止という文字があるわけではないのですよ。なので、実質的にはハラスメントの社会的許容を否定する効果があるというふうには思えないんですけれども、政府としては、この法律で、今言ったように実質的にはハラスメントの社会的な許容を否定する効果があるというふうに考えているんでしょうか。もしそうであれば、その条文もお示しください。
○国務大臣(福岡資麿君) 先ほど石橋先生のところでもお答えしましたが、ILO第百九十号条約は、第七条において、暴力及びハラスメントを定義し禁止する法令を制定することを求めています。 一方で、このILO第百九十号条約の四条二におきましては、国内法及び国内事情に従って暴力及びハラスメントを防止し及び撤廃するための取組方法を取ることを条約の原則として規定をしています。 したがって、各国において採用する取組方法はそれぞれの法律や事情に応じたものとすることが可能であり、刑事罰や単一の包括的な禁止規定を採用することが条約上義務付けられているわけではないというふうに考えております。 この法案では、労働施策推進法の第四条第四項におきまして、新たに、何人も職場における労働者の就業環境を害する行動を行ってはならないことを法文上明確にした上で、社会においてそうした規範意識の醸成がなされるように国が周知啓発に取り組む旨を定めることとしているものでございます。
○田村まみ君 ただ、先ほど、大椿委員の質問だったかな、求職者のところは例えば女活法にしか定められていないとか、結局どこで働いているか、どういう属性でいるか、社内なのか社外なのか、どういう行為なのかみたいなことが、結局まだまだ区別が残っているというふうにしか正直今回の法改正全般を見ると見受けられないというのも現実なんだというふうに思っております。 まさしく私、令和元年、その二〇一九年にも同じような指摘を、今、した覚えがあります。その当時は、カスタマーハラスメントを例に出して、行為者が社内なのか社外なのかということだけをもって、同じように暴言を吐くというようなことが起きてもこの法律には定められないというような区別をしっかりしながら答弁されていたということを考えると、その包括的に禁止というところが見受けられないこの条文の立て付けというところは、まだまだ私は足りないんじゃないかというふうに思っております。 今後、ILOの百九十号条約の批准に当たっては、条約が求めるところが広範だということは理解しているんですけれども、今回の法改正で批准をしっかりと目指すというんであれば、改めて具体的にどういった点が残る課題だというふうに思っているんでしょうか。それとも、課題だというふうには、もう課題は整理されていて、あとは各省庁とのその整合性を確認するだけで、批准に向けては事務的な準備を進めていくだけでいいというふうに受け止めているのか、ちょっと括弧三のところの要旨から少し大きくなっているかもしれませんが、批准に向けて今後どのような取組が具体的に大臣は必要だというふうに考えているのか。 さっきの答弁までだと、具体的にもう厚労省は何かもう、何もしなくていい、事務的な手続だけ進めていけばいいというふうにちょっと私受け止められたので、もう少しその辺り詳しくお答えいただければと思います。
○国務大臣(福岡資麿君) 詳細は必要であればまた局長から御説明しますが、ILO第百九十号条約につきましては、内容が非常に多岐にわたっておりまして、その内容の中には抽象的な内容も含まれるところでございますから、この条約の条文全体に関しまして、条約で求められている内容と国内法制全般との整合性について関係省庁とともに引き続き整理をしていくことが必要だというふうに考えています。 引き続き、そういった観点で関係省庁と連携を深め、締結に向けた検討を進めていきたいと考えています。
○田村まみ君 政府参考人で結構です。 一九年から、批准をして、締結に向けてって、全く動いていなかったわけじゃないはずです、日本も賛成したわけですので。そういう中で、じゃ、課題は明確になっていないのでしょうか。政府参考人、お答えください。
○政府参考人(田中佐智子君) この条約につきましては、議員御指摘のとおり、日本も採択のときに賛成をしておりますし、仕事の職場におけるハラスメントをなくしていこうというふうな方向性については、もちろん日本政府としても同じ方向を向いているというふうに思っています。 その上で、やはり条約を批准ということになりますと、日本のその批准の場合は、厳密にどういう法律でどこがどう担保されているのかということを精緻に精査をした上で条約の批准というふうなプロセスに入ることになります。 この法律は、かなり広く暴力とハラスメントということで定義をし、かつ包括的な規定でないにしても一定その禁止規定を置くというふうなことを言っておりますし、その範囲が労働者だけでない範囲も広く含むというふうに、大変広くなっております。 外国の批准をしているところの例を見ましても、じゃ、どういう形で担保しているのかというところがかなり状況も様々でございます。必ずしも労働法でないところで担保しているというようなものなどもありますが、それが条約の要請に沿ったものかどうかというのは少し、まだILOの条約のその批准のプロセスの中でもその報告が出始めたばかりというところもありますので、そうしたところの考え方についても、外国の例なども見ながら少し精査をしていくことが必要であるというふうに考えています。
○田村まみ君 私は、今日の委員会が始まる前の想定内の答弁だったなというふうに今、正直思いながら聞いていました。 午前中の答弁を聞いていて、まるで何かもう批准に向けて動けるんだみたいな答弁だというふうに期待と受け止めがあったんじゃないかなと思ったので、質問者がちょっといないんですけれども、質問を聞いていて、私、今日この質問このまましていいのかな、どうなのかなって迷ったんですが、ちょっと私の中で疑問が残ったので今質問させていただきました。 正直、前進していないとは申し上げませんけれども、やはりまだまだこの百九十号条約を批准するということに対しては相当な時間掛かるのかなというふうに今受け止めています。 ちなみになんですが、じゃ、スケジュール感みたいなところ、今の時点でこれ、この法律が全てじゃないけれども、何か参考人の方で目標感とか持って進められているのか、スケジュール感とか持って進められている、それが今のところは各省庁との連携なんですということなのか、そのスケジュール感をちょっと御答弁いただければと思います。
○政府参考人(田中佐智子君) 外務省ほか関係省庁との関係もございますので、今具体的にこういうスケジュールであるというふうなことを申し上げることはできませんけれども、このILOの百九十号条約の批准に向けて、国会でも多くの審議ございましたので、私たちもその関係省庁との調整などなどにつきまして努力してまいりたいと思います。
○田村まみ君 無理だということが分かった答弁だというふうに、これまでのやり取りで私はちょっと、何かちょっとがっかりだなというふうに思っています。 私は、その一九年のときに、実は自分の例を出して言いました。店舗で一つクレームをもらっていたときに、責任者を出せと言われて、責任者ですというふうに、ある顧客にその当時二十五歳の私が駆け付けたわけですね。その顧客に声を掛けようとしたら、声を掛ける前に、周囲の顧客が驚くぐらいの大声で、おまえみたいな女が責任者じゃないだろうと、バイトなんかじゃ話にならぬと、男性の責任者を出せというふうにどなられたわけですよね。 その当時、カスタマーハラスメントという言葉はもちろんなくて、二十五、六年前なので、それを言われたときに、クレームを言われているという認識もあったんですけれども、ハラスメントだというふうに即座には一致しませんでした。セクハラという言葉はその当時ぎりぎりあったかなというふうに思っているんですけれども、とてもセクハラには当たらないなというふうに思って、やっぱり区別がある限り、その自分が受けている行為がそういう、自分の尊厳であったりとか、何か身を守るために本当は行動を起こさなければいけない行為だということが、やっぱり名前が付かないと判断が付かないというのはやっぱり問題だと思うんですよね。 私、今回、このカスタマーハラスメントということが対策される法律が入っていくということは本当うれしいなというふうに思うんですけど、結局、今後もいろんなそういう行為があったときに、名前を付けないと、法律化されていったりとか、守られていかないということに結局つながるのかなというような一方の心配も出てきている法改正だなというふうに今思っているので、引き続き、私自身、このカスハラ対策自体が、今回、法に盛り込まれたことは相当前進したというふうに思っています、第三者からということが高い壁だったので。ですが、これはILOの百九十号条約の批准に向けての一つ一つの課題を今後も精緻に吟味しながら、改正に向けて動いていかなければ、努力しなければいけないなというふうに私自身も今思ったところです。 次の質問に行きたいというふうに思います。 次に、女性活躍推進法の改正についてお尋ねいたします。 今日は内閣府の参考人にもお越しいただいております。内閣府の男女共同参画局から、今回、済みません、失礼しました、もう一度。 まず基本的な整理として、男女共同参画基本法と女性活躍推進法、いずれも経済、労働分野であれば、賃金格差の是正や機会均等等といった取組を進める法律でありますし、例えば女性版骨太の方針も正式名称は女性活躍・男女共同参画の重点方針ということで、女活と男女共同が並列で記述されているわけです。二つの法案は重複する部分もあるように感じますけれども、それぞれの法律の関係、所管はどのように整理されているのか、また、今回の女性活躍推進法の改正内容は内閣府の男女共同参画局の所管にはどのような影響があるのか、お答えください。
○政府参考人(原典久君) お答え申し上げます。 女性活躍推進法は、男女共同参画社会基本法を踏まえた法律として位置付けられ、第一条、目的において、本法律が男女共同参画社会基本法の基本理念にのっとり、その趣旨に従うものであることを規定しております。その規定から明らかなように、女性活躍推進法は、男女共同参画社会基本法の基本理念に基づき、女性の職業生活における活躍に着目して、事業主の行動計画の策定の義務付け等について規定することにより、女性の職業生活における活躍を迅速かつ重点的に推進しようとするものであり、言わば個別法と位置付けられるものと考えております。 女性活躍推進法のうち、民間企業等の一般事業主については厚生労働省が、国、地方公共団体といった特定事業主については内閣府男女共同参画局が所管しており、本法案では、男女間給与差異と女性管理職比率の情報公表を特定事業主に義務付けること、また、特定事業主行動計画に係る手続を効率化することなどを盛り込んだところでございます。
○田村まみ君 その上でお尋ねしたいんですけれども、本国会では内閣府から独立行政法人男女共同機構法が提出されています。ナショナルセンターを新設して、各地域の男女共同参画センターに法的根拠を持たせるという内容になっております。特に、強化、機能の取組では、関係機関との連携が挙げられ、自治体関係部局や企業との連携も挙げられています。 独立行政法人男女共同参画機構法と今回の女性活躍推進法の二つの法律は、これ、どのような関係になるというふうに整理していけばいいんでしょうか。また、双方の法律があるということでどういった政策効果が今後期待されるのか、両省庁に聞きたいというふうに思います。
○政府参考人(原典久君) お答え申し上げます。 今般、女性活躍推進法については、女性の登用や男女間賃金差異など残された課題もあることから、更なる女性活躍の推進のため、各事業主の情報公表の充実などの強化を図りつつ、十年間の延長を行うこととしております。 地方公共団体においては、引き続き、国の基本方針を勘案して推進計画を定めるよう努め、各地域における女性活躍を推進していくことが期待されます。 また、今般国会に提出している男女共同参画機構法案等においては、御指摘のとおり、各地の男女共同参画センターに地域における関係者相互間の連携、協働の拠点としての法的位置付けを付与し、各地の実態やニーズを把握し、必要な取組を行っていただき、新たに設立される男女共同参画機構がそのための支援を行うこととしており、各地のセンターは、例えば、さきに述べた女性活躍推進法に基づく推進計画の策定であるとか、同法二十七条に基づく協議会の組織に当たって適切な役割を果たすことが考えられるところであります。 今後、国としては、女性活躍推進法に基づく基本方針の改定や、センターの設置、運営に関するガイドラインを策定していくことを考えており、センターに期待される役割についてもしっかりと周知、助言を行ってまいりたいと思います。
○政府参考人(田中佐智子君) 厚生労働省の方からお答えをさせていただきます。 女性活躍の推進は、社会全体で取り組んでいく必要がございます。先ほど内閣府からも答弁がありましたが、今般、その内閣府の方で提出をされております男女共同参画機構法案で、男女共同参画の推進に関するナショナルセンターが設けられて、各地の男女共同参画センターにおける各種取組が進められていく、こういうふうなこととなりましたら、社会全体で女性活躍に関する取組を進めていく、こうしたような機運が高まるものと考えております。 厚生労働省としても、内閣府と連携しながら、男女共同参画、それから女性活躍に向けた取組を推進してまいりたいと考えております。
○田村まみ君 企業や団体の中だけではなくて、地域、社会全体でのこの男女共同参画が進むことが女性活躍につながっていくんだというふうに思いますので、この法律、内閣府の方でできたときに、しっかりとセンターの方が地域の労働局、部局とも連携しながらこの内容進めていっていただきたいというふうに思うんですけれども。 今回、女活法の改正では、男女間賃金格差及び女性管理職の比率の情報公開を常時雇用する労働者の数が百一人以上の一般事業主及び特定事業主に義務付ける内容が盛り込まれていますので、各自治体のリソースの限界などを鑑みれば、基礎情報の収集に当たっては都道府県の労働局との連携や協力を仰いでいくのは大変必要だというふうに思いますが、改めて、今後の連携について内閣府の方からお答えください。
○政府参考人(原典久君) お答え申し上げます。 今国会に提出している男女共同参画機構法案等においては、地域の男女共同参画センターに地域における関係者相互間の連携、協働を促進するための拠点としての法的な位置付けを付与し、地域の実態を把握し、必要な取組を進められるよう、その機能強化を図ることとしております。 この地域における関係者には、他の関係施策に係る機関や企業、経済団体、学校など幅広く想定をしており、御指摘の地域の基礎情報の収集を行う場合を始め、都道府県労働局も連携、協働先として考えられるところであります。 男女共同参画機構法案が成立すれば、設立されることとなる機構や内閣府においては、今後、男女共同参画センターが幅広い関係機関、団体との連携、協働を円滑に進め、地域におけるネットワークを構築できるよう、しっかりと支援をしてまいりたいと考えております。
○田村まみ君 ありがとうございます。 文科との主管なので、厚労とじゃないので、一緒に協議できなかったのが大変残念なんですけれども、やっぱり私、これは、さっき言ったように、地域、社会全体が変わっていくことがその企業の中での取組も変わっていくというふうな取組なので、是非今後の連携強めていただきたいというふうに思いますし、人的リソースや経験など地域差が大きいというのがこのセンターの課題ですので、そういう意味でいけば、地方部局のある厚労省との連携というのは大変重要だというふうに思いますので、是非、厚労大臣も、その点については認識いただいて、その推進に当たっていただきたいというふうに思います。 今、その周りの推進の話をしたんですけれども、最後に一問お伺いしたいのは、そもそも女性自体が健康じゃないと、活躍も何も、就業の継続すらできないわけなので、健康課題について改めてお伺いしたいと思います。 自治体における男女共同参画センターでは、相談事業として女性の健康に関する相談も含まれています。一昨年の女性版骨太方針においても、女性の心身の状態は、年代によって大きく変化するという特性があり、性差医療の視点も持ちつつ、長期的、継続的かつ包括的な観点に立って健康の増進を支援することが必要であるとして、政府としても、女性特有の健康課題を社会課題の一つと捉えて、国立成育医療研究センター内に女性の健康総合センターを開設して、医学的な面での研究調査、ナショナルセンターとしてされているというふうに認識しております。 一方、一般定期健康診断における女性の健康に関する健診項目については問診の一部に含まれることと先般の労安衛法の改正になりましたけれども、例えば更年期症状や障害の治療に関する医学的なエビデンスがまだ不十分であることから、健診項目化までには至りませんでした。 個人的には、今後もエビデンスの収集を図りながら健診の項目化を目指すことが肝要だというふうに考えておりますけれども、労働安全衛生法令関連で検討、今後どういうふうな方向性で進めるのか、日程感というかスケジュール感も含めてお答えいただければと思います。
○政府参考人(井内努君) 労働安全衛生法に基づく一般健康診断におきましては、事業者に対し、常時使用する労働者を対象に年一回実施することを罰則付きで義務付けており、必要がある場合には、その結果を踏まえ、労働時間の短縮等の就業上の措置を講ずることも義務付けているものでございます。このため、労働安全衛生法に基づく一般健康診断の個々の労働者の健康診断結果につきましては、労働者本人の意思にかかわらず事業者が把握するということとなります。 また、一般健康診断は、その結果を踏まえた就業上の措置を講じることを事業者に義務付けていることから、検査によって検出できる疾患が業務に従事することで発生又は増悪するエビデンスがあるのかどうかといった観点からの議論が必要となってまいります。 こういったことを踏まえまして、月経随伴症状や更年期障害といった女性特有の健康課題を労働安全衛生法に基づく一般健康診断により対応することにつきましては、女性版骨太の方針二〇二三を踏まえ、有識者検討会議等で議論をしていただきました。 その結果、その中で出てまいりましたのが、事業者に知られたくないという労働者に配慮する必要があること及び女性特有の健康課題と業務との関係性を明らかなエビデンスがあるとまでは言えないことから、今般は法定項目ではなく一般健康診断問診票の項目として位置付けること、お困りの労働者に対し必要な情報提供や専門医への早期受診を促すこと等を示した健診機関向けマニュアルや事業者向けガイドラインを国において作成することとされ、労働政策審議会で建議が取りまとめられたということでございます。 まずは……
○委員長(柘植芳文君) 時間が来ておりますので、答弁を簡潔にしてください。
○政府参考人(井内努君) 労使間等の関係者と相談しながら、建議にあるマニュアル、ガイドラインの作成を進めてまいります。
○田村まみ君 時間ですので終わりますけど、だから職場で女性が調子が悪いときにその理由が申し出せないということをもう少し自覚して検討してください。よろしくお願いします。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。 今年は男女雇用機会均等法制定から四十年という節目の年になっております。そして、そういうときに二四年の世界経済フォーラムによるジェンダーギャップ指数、どういう位置にあるかと改めて申し上げますと、百四十六か国中、日本は百十八位となっております。政治、経済分野での遅れが大変際立っておりまして、経済分野百二十位と大きく立ち遅れているのが日本の現状です。 昨年十月には、女性差別撤廃委員会から日本政府は雇用分野において十一項目の勧告を受けております。先ほど大椿委員からも御紹介あったとおりです。 そこで、改めて大臣にお聞きしたいのは、雇用におけるジェンダー平等の実現に向けた決意なんですよ。いかがでしょう。
○国務大臣(福岡資麿君) 男女雇用機会均等法の制定以来、累次の改正を経て、雇用の分野における男女差別の禁止や事業主に対するセクシュアルハラスメント防止の義務付けなど政策の充実を図ってきましたほか、男女雇用機会均等法に基づき推進してきたポジティブアクションの実効性を高める観点から、女性活躍推進法を制定し、事業主の取組を促してきたところです。 こうした取組の結果、企業内の雇用管理において、制度面での男女の均等な取扱いは徐々に浸透している一方、男女間賃金差異や管理職に占める女性の割合は改善傾向にあるものの依然として課題が残っておりまして、国際的にも更なる取組が求められている状況でございます。このため、この法案におきましては、女性活躍の更なる推進を図るため、女性活躍推進法の有効期限の延長や情報公表の強化等の内容を盛り込んでいるところでございます。 引き続き、女性を含む全ての労働者がその個性と能力を発揮し活躍できる社会の実現に向けて、決意ということでございますので、しっかり取組を進めてまいりたいと思います。
○倉林明子君 男女の賃金格差は正社員でも男性の七八%にとどまっていると。そして、管理職に占める女性の比率、これ僅か一一・七%にとどまっていると。セクハラの措置義務が盛り込まれた均等法の改正からも十八年、一体現状はどうかというところですよね。労働局に寄せられるハラスメントの相談件数ということでは増加をし続けております。被害者は紛争解決の援助を申し立てることが可能というところもあります。 そこで、直近で数字を確認させてください。相談、申立て、調停、それぞれ何件になっているでしょうか。
○政府参考人(田中佐智子君) 令和五年度におけます数字をお答えをさせていただきます。 都道府県労働局へのハラスメントに関します相談件数は七万四千百三十一件、紛争解決援助の申立ての受理件数は千七百九件、調停申請受理件数は六百七十三件となってございます。
○倉林明子君 労働局への相談に至らない、ハラスメントを受けたけれども誰にも相談できなかったと、こういう件数少なくないですよね。四〇%というような数字もあったかと思います。 紛争解決まで進むと、先ほど数字の紹介あったけれども、紛争解決まで進めるというのは極めて少ないですね、相談に至った件数の中でも。私、まずは安心して相談できる、要は政府から独立した救済機関というのが必要だと、これは指摘をしておきたい。 そこで、改正案では、カスハラ、就活生などに対する新たな防止措置義務が導入されると、これによって相談しやすくなると、この点では前進だと思っているんですね。問題はその先の被害者の救済、これが余りにも不十分ではないかということなんですよ。現行の救済制度は、行政による紛争解決援助、調停あるいは裁判による損害賠償ということになります。これ、いずれも金銭解決、金額も低額にとどまっております。さらに、紛争解決や調停というのはハラスメントの判定をするものではないということですね。当事者間の譲り合い。裁判もですよ、これ立証責任は被害者が負うと、裁判中の反論や陳述書などによる二次被害も発生していると、深刻な状況あると思うんですね。 そもそも、被害者が求める被害の認定、ハラスメントだと認めてほしいんですよ。そして、謝ってほしいんですよ。こういうことを想定されていないという救済にとどまっている。現行制度が私は被害者の救済につながっているとは到底思えないけれども、認識はいかがでしょうか、大臣。
○国務大臣(福岡資麿君) 職場におけるハラスメントは、その未然防止が必要であることから、我が国ではハラスメントを個人間の問題にとどめず、事業主が雇用管理の問題として取り組むべきものとして位置付け、その防止のための必要な措置を講じることを事業主に義務付けております。 御指摘がございました紛争解決援助であったり調停の制度、これにつきましては、当事者双方の譲り合い、歩み寄りにより紛争の現実的な解決を図ることを特徴とする仕組みでございまして、労働者等からの申出により、都道府県労働局長又は調停委員が公平な第三者として紛争の当事者の間に立ち、両当事者の納得が得られるよう解決策を提示し、紛争の解決を図ることとしています。 様々な事案がございますが、例えば、職場でパワーハラスメントを受けた労働者が上司からの謝罪等を求めた事案において、紛争解決援助を行った結果、双方が納得し、事案が解決した事例などもあるところでございまして、紛争解決の一助にはなっているというふうに理解をしております。
○倉林明子君 均等法、労推法には包括的なハラスメントの定義もなければ、明確な禁止規定もない、様々委員からも指摘があったとおりです。事業主の措置義務でしかないわけですよ。肝腎な労働者の人権擁護規定がないと、ここが本当に被害者が納得できないという救済にしかつながっていないということを指摘したいと思うんです。 そこで、ILO百九十号、この前文では、ハラスメントが人権侵害又は濫用のおそれがあるとしているんですね。その上で、第一条で、先ほども紹介あったとおりですが、単発的か反復的であるかを問わず、身体的、精神的、性的、経済的害悪を引き起こすことを目的とした、又は結果を招く、若しくはその可能性のある一定の許容できない行為又は慣行又はその脅威であり、ジェンダーに基づく暴力及びハラスメントを含むもの、幅広い定義なんですよ、幅広い定義が要るんですよ。もう何か名前が付いたらやっと入れるみたいなことではあかんのですよ。 全体を、そういう包括的なハラスメントを、人権、人権を守るんだという観点から明確にして禁止すべきじゃないかと思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 職場におけるハラスメントはその未然防止が必要であることから、我が国では、ハラスメントを個人間の問題にとどめず、事業主が雇用管理の問題として取り組むべきものとして位置付け、企業が主体的に防止措置を講じることを男女雇用機会均等法等の雇用管理に関する複数の法律で規定しております。 こうした中で、御指摘のように、ハラスメント自体を包括的に禁止することにつきましては、現行の法体系との整合性などについて課題があると考えています。 また、この法案では、審議会の議論も踏まえ、何人も職場におけるハラスメントを行ってはならないということを法文上明確にした上で、規範意識の醸成に向けて国が周知啓発に取り組むことを盛り込んでいるところでございまして、これとは別に御指摘のような禁止規定を設けることは考えてございません。 なお、ILO百九十号条約の締結に当たりましては、条文で求められている内容と今回の改正法案を含めた国内法制全般との整合性について更に詳細に検討していく必要がございますので、関係省庁とも連携しながら締結に向けた検討を進めてまいりたいと思います。
○倉林明子君 いや、禁止規定はちゃんと考えるべきだということを申し上げたい。 労働者の人権を守り、被害者の認定、救済のためにも禁止規定が必要だと、これはILO条約の前文、定義、そして目的、はっきりしているんですよ。そういうことを擦り抜けるような環境整備で批准に向かおうというのはちょっといかがなものかと思います。 しかし、批准の環境整備と可能性を追求するということ、否定するものではありません。環境整備の上で、これで批准が可能だということに整ったとしても、私は、このILO百九十号の精神に沿った、規定に沿った抜本的な改正が求められると思いますよ。そういう考え方についてはいかがですか。
○政府参考人(田中佐智子君) ILO条約のその批准がどうかというのは、先ほど来お答えしておりますとおり、なかなかこのままで批准ができるかどうかということについては、関係省庁とも連携を取りながら精査をしていく必要があると思いますが……(発言する者あり)
○委員長(柘植芳文君) どうぞ。
○政府参考人(田中佐智子君) 議員おっしゃいますように、そのハラスメント、職場におけるハラスメントはあってはならない、その撲滅のためにしっかり取組を進めていくべきだということについては、全くそのとおりであると思います。
○倉林明子君 大臣の答弁では、環境整備に資するもので、ILOの批准ということも視野に入れた取組の姿勢というのは見えたと思うんですよ。本気でやれるように意思統一した方がいいかなと思います。 改めて、この改正案では、女性活躍推進法を十年間延長すると、そして新たに、企業規模百一人以上の一般事業主に賃金の差異の公表を義務付け、女性管理職比率も盛り込んだ、これは前進だと、これは評価したいと思うんです。しかし、比率の目標は三〇%としながら、達成状況というのは極めて低水準にとどまっております。 その要因は何かというときに、やっぱりコース別人事、説明できない男女の職能評価、こういうのがあるんじゃないかと考えられますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 管理職に占める女性の割合は、長期的には上昇傾向にあるものの、国際的に見ても依然として改善が必要な状況にございます。 その要因としては様々なことが考えられ、一概には申し上げられませんが、例えば採用や配置、育成における性別の偏りであったり、女性のロールモデルの不在、透明性が確保されていないといった評価、登用における課題などについて改善が必要であると考えております。加えまして、これらの背景には固定的な性別役割分担意識があると考えられます。 こうした課題の解消に向けまして、女性労働者や管理職を含む男性労働者、企業経営者などを対象とするセミナーの開催等を通じました職場におけるアンコンシャスバイアスを解消していくための周知啓発を進めるほか、男女雇用機会均等法の遵守であったり女性活躍推進法による取組の推進を始めとする各施策に総合的に取り組むことで、女性活躍の推進を図ってまいりたいと思います。
○倉林明子君 今日資料で付けたのは、中国電力事件原告と同期事務系社員の賃金格差図、男女の賃金格差が明確にあるということで争われた中国電力事件の裁判のときに原告側が出された資料なんです。このグレーといいますか、少し薄い色の棒が男性です。黒い、濃い色をしている賃金額の棒が女性職員なんです。これ一目瞭然で、男性と女性の賃金格差が表れているものとなっているんですよ。 こういう資料を提出されても、最高裁は判決でどういう評価をしたかと。男女が層として明確に分離していないと言ったんですよ、これ見て。男女を明確に区別していない、人事考課の結果として格差が生じたと、原告敗訴になったんですね。差別だと明確に認めていないんですね。 労基法四条は性別を理由とする賃金差別を禁止しているが、間接差別は禁止しておりません。均等法は賃金以外の間接差別を対象としている。女性管理職の拡大目標の達成のためにという点からいっても、賃金におけるこうした間接差別、これをなくす、禁止すべきだと思いますけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(福岡資麿君) 男女間の賃金差異というのは様々な要因によって生じると考えられまして、一概には申し上げられませんが、一般に、性別を理由とした差別と言えないものであったり合理的な理由がないとは言えないものについては、直接、間接の差別には当たるとは考えておりません。 一方で、そうした様々な要因を把握し、改善に向けた取組を進めることで男女間賃金差異の解消に向けて取り組んでいくことが重要でありますことから、男女雇用機会均等法の遵守であったり女性活躍推進法に基づく取組の推進を図っているところでございます。
○倉林明子君 均等法七条では、間接差別、規定はあるものの、三つということで、極めて限定的です。 そして、判例を重ねるということでおっしゃっていますけれども、AGCで昨年、初の間接差別が認められると、こういう判決出たんです。非常に大きな激励を、女性、働く女性の方々に与えました。ところが、判決が出た以降、AGCの対応というのは本当にひどいですよ。被害者は、それまでやりがいを持ってやっていた業務から外されました。嫌がらせ行為だと言わざるを得ません。閑職に就けて自主退職に追い込むような、まさにハラスメント行為をまた重ねてやっているんですよ。 こういう法で判決が出ても、ハラスメントがやまぬのですよ。私は、要は判例を待つまでもなく、こうした結果も受けて、間接差別の禁止事由、これを拡大していくべきだと。これは女性差別撤廃委員会からの勧告でもあるんですね。 間接差別の定義の拡大、これ今踏み出すときだと思います。いかがでしょう。
○国務大臣(福岡資麿君) 男女雇用機会均等法では、労働者の募集や採用に際しまして、性別以外の事由を要件とする措置のうち、厚生労働省令で定めるものとして、他の性の労働者と比較して一方の性の労働者に相当程度の不利益を与えるものを合理的な理由がないときに講ずることを間接差別として禁止をしております。 間接差別は、性別要件のような直接差別とは異なりまして、どのような要件でも間接差別に該当し得る広がりのある概念でありますため、行政指導等を行う上では対象となる間接差別の範囲を明確化する必要があることから、このように省令で列挙しているところです。 御指摘がありました更なる対象の追加につきましては、この間接差別として違法となる範囲についての社会的合意の形成状況等も踏まえながら、必要に応じて検討してまいりたいと思います。
○倉林明子君 冒頭紹介したように、経済分野での女性のジェンダーギャップ指数というのは百二十位だと申し上げました。管理職への登用は一一%台ということです。女性差別撤廃委員会からの勧告は、パリテを目指すべきだという目標なんですよ。つまり、五〇対五〇、半分の女性管理職の比率というのを目指すべきだという勧告ですよ。間接差別残したままで、判例の結果が出ても拡大できないというような状況で、どうやってこの遅れを達成するのかと、本当にそこ問われていると思いますね。 さらに、働く女性、実はこの四割が従業員の規模九十九人以下のところで働いております。つまり、賃金格差とか管理職比率の公表の対象外というところで多くの女性が働いているという実態があるんですね。こういうところで、企業規模が小さいほど女性の従業員の数が多いという特徴もありますし、賃金も低いです。格差拡大、ここを放置したら格差拡大にやっぱりつながりかねません。 速やかに改めて対象を広げるということが必要ではないかと思いますけれども、これ、いかがですか。
○国務大臣(福岡資麿君) 男女間賃金差異や女性の管理職比率の公表義務対象企業を拡大することにつきましては、一般事業主行動計画の策定が常時雇用する労働者百一人以上の企業に義務付けられていることや、労働政策審議会において、中小企業での取組は重要だが大企業と比較して人員や組織体制に差があるという意見があったことなどを踏まえ、本法案では、常時雇用する労働者百一人以上の企業に対し男女間賃金差異や女性の管理職比率の情報公表を義務付けることとしております。 一方で、常時雇用する労働者数が百人以下の企業につきましても情報公表等の取組を努力義務としているところでございますが、中小企業における取組を推進するための支援は重要であると考えております。このため、主に中小企業を対象として、個々の企業の雇用管理状況に応じたコンサルティングを実施する、各企業において男女間賃金差異の要因を簡易に分析することのできるツールとして男女間賃金差異分析ツールを作成し提供するなどの支援に取り組んでいるところでございまして、引き続きこういった取組を支援してまいりたいと思います。
○倉林明子君 世界とのギャップが何でこんなに大きいのかということを考えた場合、様々な要因があるというふうに説明されるんだけれども、ジェンダーギャップ指数第一位続いているアイスランドではどういう取組が進んでいるかというと、世界初の男女同一賃金証明法というのが、これ二〇一八年に制定されているんですね。同じ仕事をする男女に同一の賃金を支払うことを義務付け、二十五人以上の企業、組織に対して、年一回、これ第三者機関の監査を受けるということを義務付ける、賃金格差のないことの証明、そういうことをした上で認証するという仕組みを整備しているんですね。違反した者に対しては罰金もあるんです。 こういう強力な法整備によって確実な賃金格差の解消、ほぼ五割になっているんだけれども、まだ格差があるということでこういう取組の強化が取り組まれているんですよ。こういう先進的な取組にこそしっかり学ばないと、ますますジェンダーギャップが拡大すると、世界から立ち遅れるということを指摘しておきたいと思います。 賃金格差、女性管理職の公表にとどめず、差別是正のための私は行動計画の策定、アイスランドまではいかぬでも行動計画を策定する、是正措置をすると、ここまで、要は公表するだけじゃなくて是正計画、是正措置まで義務付けるというところに踏み出したらどうかと思います。いかがですか。
○国務大臣(福岡資麿君) 女性活躍推進法は、各事業主に状況把握、課題分析を行うことを義務付け、自らの組織が解決すべき課題を明らかにし、行動計画を定め、いわゆるPDCAサイクルの下で企業の実情に応じた自主的な取組を進めていくことを基本的な考え方としております。 その上で、女性の活躍に関する課題の状況が事業主ごとに異なる中で、賃金格差や女性管理職比率といった特定の項目について一律に是正のための行動計画の策定や是正措置まで義務付けることにつきましては、企業の自主的な取組を推進するという目的に鑑みますと慎重であるべきではないかと考えております。 その上で、厚生労働省においては、主に中小企業を対象として、個々の企業の雇用管理状況に応じたコンサルティング、また、各企業において男女間賃金差異の要因を簡易に分析することのできる男女間賃金差異分析ツールを作成し提供するなどの支援に取り組んでいるところでございまして、引き続き各企業の取組を支援してまいりたいと思います。
○倉林明子君 企業の自主的な取組に委ねてきたからこれだけ格差広がってきたんじゃないでしょうか。女性活躍推進法、十年延期しますよ。じゃ、三〇パーでも達成できるんですかと、自主的な取組に任せていて。だからこそ、是正措置までの義務付けに踏み込むべきではないかと申し上げましたので、これは重ねての指摘にしておきたいと思います。 現在の公表制度では、正規雇用男性、非正規女性の賃金格差は見えなくなっております。正規、非正規の賃金格差と併せて公表を義務化するものとして、採用、配置、子育て支援制度等の利用状況、公表項目として確かに増やしてきたんだけれども、それ拡大するということも検討すべきではないかと思います。いかがでしょう。
○国務大臣(福岡資麿君) 本法案におきましては、常用労働者数百一人以上の企業に対して男女間賃金差異の公表を義務付けることとしております。その上で、各企業の正規、非正規雇用労働者のそれぞれにおいても男女間賃金差異があり、それぞれの男女労働者の割合が全体の男女間賃金差異の状況にも影響を与えますことから、全労働者、正規雇用労働者、パート・有期雇用労働者の三区分で算出した三つの数値を全て公表することを義務付けています。 一方で、御指摘の雇用形態間の差を公表することにつきましては、正規雇用と非正規雇用というグループの間で対比させた賃金差異は必ずしも男女の差の影響に着目したものではなく、女性活躍の状況を公表するというこの法の目的に照らして適当であるかという課題があると考えています。 また、この法案で義務付けることとしております項目以外について情報公表を義務付けることにつきましても、中小企業等の負担も考慮する必要があることから、慎重な検討が必要ではないかと考えております。
○倉林明子君 企業任せで進まない課題なんだということをしっかり受け止めないといけないと思います。均等法四十年、本気でジェンダーギャップの解消に向けて、ジェンダー平等の実現に向けてということで、引き続きの議論は次回に回したいと思います。 終わります。
○天畠大輔君 れいわ新選組の天畠大輔です。 政府のハラスメント対策に実効性があるのか、質問していきます。代読お願いします。 事前のレクで厚労省は、抽出調査での令和二年度と令和五年度の間で勤務先でのハラスメント経験は約三〇%から二〇%に減ったと言いました。しかし、労働力調査に基づき労働者を六千五百万人程度と想定すると、職場でのハラスメントを受けた経験を有すると答えた方が一千三百万人とも推定されます。驚きの数字ではないでしょうか。 また、職場でのハラスメントに関する相談件数は、令和二年度の一・八万件から令和五年度は六・二万件にむしろ増えています。さらに、精神障害での労災認定も増えており、職場での悩みが精神疾患に結び付いたと医師が認めたケースが増えているということになります。ハラスメントの防止規定が被害者の数やその苦しみを激減させるほどの十分な効果をもたらしているのか、甚だ疑問です。 特に着目すべきは、令和五年度の厚労省委託事業における職場のハラスメントに関する実態調査報告書の内容です。 資料一を御覧ください。 勤務先、つまり一般の企業とほぼ言い換えられると思いますが、その企業のハラスメント対策の実施有無別にハラスメント経験を問い、その結果が示されたものになります。所属企業においてパワハラの予防、解決の取組を実施していると回答した人々のうちパワハラ経験率は二〇・三%、所属企業において取組を実施していないと回答した人々のうちパワハラ経験率は一八・七%でした。また、所属企業においてセクハラの予防、解決の取組を実施していると回答した人々のうちセクハラ経験率は六・二%、取組を実施していないと回答した人々のうちセクハラの経験率は六・四%でした。 労働施策総合推進法や男女雇用機会均等法において事業主に対してパワハラやセクハラの防止規定を設けたわけですが、それが実際に労働者のハラスメント経験を減らす効果があったとは読み取れません。防止規定のみではハラスメント問題の解決に有効的につながっていないと考えます。 更に言えば、事業主への防止規定があるにもかかわらず、パワハラの対策を所属企業において実施していると回答した方は約三七%、セクハラについては約三四%しかいません。防止規定があっても、働く人の三分の二は所属企業において取組がなされていないか、その取組状況が認識されていません。 本法案では、就活セクハラ、カスハラの防止規定を新たに設けるとのことですが、防止規定の創設のみで実効性を担保できるのでしょうか。 そこで、本法案を議論するに当たっては、ハラスメントの禁止を法的に位置付けることが焦点の一つでした。国際労働機関、ILOの仕事の世界における暴力及びハラスメントの撤廃に関する条約においても、ハラスメントに関する禁止規定の創設が求められています。しかし、結果として出た条文が改正案の四条四項です。 資料二を御覧ください。 まず、大臣、通告のとおり、労働施策総合推進法改正案四条四項をゆっくりと読み上げてください。
○国務大臣(福岡資麿君) 何かいつも早口なんで、ゆっくり読み上げるようにという御指摘ですので、ゆっくり読ませていただきます。 今回の改正法案による改正後の労働施策総合推進法の第四条第四項では、国は、第一項第十五号に規定する施策の充実に取り組むに際しては、何人も職場における労働者の就業環境を害する行動を行ってはならないことに鑑み、当該言動が行われることのない就業環境の形成に関する規範意識の醸成がなされるよう、必要な啓発活動を積極的に行わなければならないと規定してあります。 済みません、ごめんなさい。先ほど……
○委員長(柘植芳文君) 天畠大輔君。 何ですか。まだ続きますか。
○国務大臣(福岡資麿君) 済みません、言動を行動と言ってしまいましたので、訂正させていただきます。
○委員長(柘植芳文君) 分かりました。
○天畠大輔君 代読します。 大臣、読み上げていただき、ありがとうございます。 大臣も感じられたかもしれませんが、この条文、大変回りくどく、解釈も難しいので、政府に一つずつ確認します。 改正案四条四項、何人も職場における労働者の就業環境を害する言動を行ってはならないことに鑑みとありますが、これは法規範を示すのか、社会規範を示すのか、明らかにしてください。厚労省よりお答えください。
○政府参考人(田中佐智子君) 御指摘の本法案による改正後の労働施策総合推進法第四条第四項の規定、大臣が読み上げさせていただきましたが、この規定は、ほかの法律に定められたものを引用などしているものではなく、ハラスメントのない職場づくりに向けて更に取組を進めていくため、今回新たに、何人も職場におけるハラスメントを行ってはならないという社会における当然の考え方を前提として法文上明確にした上で、社会においてそうした規範意識の醸成がなされるよう、国が周知啓発に取り組む旨を定めたものでございます。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 ほかの法律にはない、当然の考え方と言いました。つまり、社会規範ということですよね。大臣、明確にお答えください。
○政府参考人(田中佐智子君) 申し上げましたとおり、既に何らかの法律で明確化されている規範を今回のこの条項で示しているのではなく、これまで社会には規定されていなかった一般常識としての社会的規範を今回の改正法案で示しているものでございます。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 大臣からもお答えいただけますか。
○国務大臣(福岡資麿君) 労働政策審議会における議論において、この社会規範としてハラスメントは禁止されていることが明確になると考えられるといった考え方が示されているところでございます。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 大臣は、社会規範とおっしゃりました。代読お願いします。 ハラスメントを行ってはならないことが社会における当然の考え方、つまり社会規範だとすれば、ハラスメントのない就業環境の形成に資する意識も既に醸成されているはずということになります。この条文は、その規範が当然の考え方というほど社会に浸透しているのに、それと同じ趣旨の規範意識を醸成する、つまりゆっくり時間を掛けてつくり出すと述べています。既にあるものをつくるなんて、おかしくないですか。 改めてお伺いしますが、改正案四条四項において、何人も職場における労働者の就業環境を害する言動を行ってはならないことと、当該言動が行われることのない就業環境の形成に関する規範意識は、両方とも何らかの規範を示しています。その違いを明確にしてください。厚労省よりお答えください。
○政府参考人(田中佐智子君) 御指摘の規定でございますが、まず、何人も職場における労働者の就業環境を害する言動を行ってはならないこと、この部分につきましては、端的に職場におけるハラスメントを行ってはならないということを意味するのに対しまして、当該言動が行われることのない就業環境の形成に関する規範意識の醸成という部分につきましては、職場におけるハラスメントを行ってはならないということが中心ではありますが、このほかに、他者の人格や尊厳を尊重することや差別的意識を持たないことなど、ハラスメントのない就業環境の形成に資する人々の意識や認識を含み得るものと考えております。 その上で、国において、こうした規範意識の醸成に向けて必要な啓発活動を行うことを通じてハラスメントのない職場づくりを推進していくことを想定をしております。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 条文の意味を意図的に曖昧にしているとしか思えません。代読お願いします。 結局のところ、違いが分かりません。ハラスメントを行ってはならないことが当然の考え方として社会にあるとすれば、他者の人格や尊厳を尊重することや差別的意識を持たないことも既に規範意識として醸成されているはずなんです。 しかし、冒頭で述べたように、現行の防止規定のみではハラスメントが効果的に減っているとは全く言えない状況なんです。やはり、明確な禁止規定なしに、ハラスメントを行ってはならないことが当然の社会規範として前提とされている点に強烈な違和感を覚えます。 端的に職場におけるハラスメントを行ってはならないということを意味するのであれば、なぜそこで一文を終えて、行ってはならないと明確に規定しないのでしょうか。明確な禁止規定を設けた上で、規範意識の醸成は禁止規定に基づき指針を作って周知啓発することができます。それがより効果的ではないでしょうか。わざわざこのような分かりにくい条文を作った意図が理解できません。結果的に、法文を作ったという意味しかなく、中身のない法案になってしまっていると考えます。 また、厚労省は、事前のレクで、禁止規定を設ける障壁の一つとして、各法との整合性について検討が必要とも述べていました。しかし、各法において定義付けたハラスメント行為を禁ずると規定すればよく、今回の法整備において十分検討可能であったはずです。やはり明確な禁止規定を設けなかった理由が判然としません。 そこで、厚労省に伺います。 ハラスメントの禁止規定については、雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会から労働政策審議会雇用環境・均等分科会の議論の過程において、どのような意見が出され、どのような理由で規範意識の醸成という条文にとどまったのか、明確にしてください。
○政府参考人(田中佐智子君) 御指摘のございました雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会、この報告書においては、一般に職場のハラスメントは許されるものではないという趣旨を法律で明確にすることが考えられるとされております。 その後、労働政策審議会において、報告書の内容も踏まえつつ議論がなされました。この中で、あらゆるハラスメントを行ってはならないことを法律で明確にし、職場だけでなく国として広く一般も含めて周知することが重要であるという御意見や、労働者も職場を離れれば消費者、生活者であることから、職場内のハラスメント対策と一体的に取組や周知啓発を進め、社会的合意を形成していくことが必要といった意見が見られたことを踏まえまして、本法案に盛り込んだような規定を設けるべき旨が建議の形で取りまとめられました。 これを踏まえまして、本法案において新たに、何人も職場におけるハラスメントを行ってはならないということを法文上明確にした上で、社会においてそうした規範意識が醸成されるよう、国が周知啓発に取り組む旨の規定を盛り込んでいるものでございます。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をいたしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 政府としてはILO百九十号条約の禁止規定に応える法整備と考えていますか。厚労省よりお答えください。
○政府参考人(田中佐智子君) まず、ILO第百九十号条約ですけれども、仕事の世界における暴力とハラスメント、働く人の尊厳や人格を傷つける、あってはならないことでありまして、これに対応するために新たな国際労働基準として設定をされたものでございます。当時、日本政府としても、この条約の採択に当たっては賛成をしております。 条約の締結についてでございますが、我が国におきましては、国内法制との整合性を確保する観点から、条約において仕事の世界におけるハラスメントを禁止するための法令の制定が求められていること、条約の保護の対象に求職者など雇用関係のない者が含まれていること等について検討を進めてきたところでございます。 本法案では、職場におけるハラスメント対策の強化として、職場におけるハラスメントを行ってはならないことを法文上明確化し、国が規範意識の醸成に取り組むほか、カスタマーハラスメント対策の強化、就活等セクシュアルハラスメント対策の強化等の内容を盛り込んでおりまして、同条約の締結に向けた環境整備には資するものと考えております。
○天畠大輔君 代読します。 では、国際労働機関、日本弁護士連合会、日本労働弁護団、全国労働組合総連合が日本にハラスメントの禁止規定を求めていること、損害賠償の根拠として不十分であるとの指摘もなされていること、そして救済機関の必要性について指摘がなされていることについて、政府の認識を示してください。厚労省よりお答えください。
○政府参考人(田中佐智子君) 職場におけるハラスメントにつきまして事後に裁判に訴えること、これは被害者にとって負担が大きい中で、そもそもハラスメントの未然防止を図ることが重要であると考えております。 こうした考えの中で、我が国では、労働法制による対応として、職場におけるハラスメントを個人間の問題にとどめず、事業主が雇用管理の問題として取り組むものと位置付け、事業主に対してハラスメントを防止するために必要な措置を講ずることを義務付けた上で、国が報告徴収や助言、指導又は勧告を行うことを通じて、こうした義務の履行確保を図っているところでございます。 今般の改正法案におきましては、こうした現行法制の体系を踏まえつつ、先ほどもお答えをいたしました、何人も職場におけるハラスメントを行ってはならないということを法文上明確にした上で、規範意識の醸成に国が取り組む旨を定めることとしているところでありまして、全ての労働者が安心して働くことのできるハラスメントのない職場づくりに向けて一層の取組を進めてまいります。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をいたしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 本法案の規定がハラスメント被害者の願いにそぐうものだと自信を持って言えますか。大臣、いかがでしょうか。
○政府参考人(田中佐智子君) まず、先に私から一言申し上げさせていただきたいと思います。 ハラスメントのない職場づくりということを進めるということでこれまで検討を重ねて、今回のその法案を提出をさせていただきました。様々なその御意見はあろうかと思いますけれども、ハラスメントのない社会づくりをするために国としてもしっかり取り組みたいという気持ちについては同じ方向を向いていると思っております。
○天畠大輔君 大臣からもお願いします。
○国務大臣(福岡資麿君) 全ての労働者の方々が安心して働くことができるように、ハラスメントのない職場づくりに向けて一層の取組を進めていく、その大きな一つの一歩だというふうに思っています。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 大臣は、ハラスメントの被害者に会って生の声を聞かれたことはありますか。
○国務大臣(福岡資麿君) そういう団体というわけではありませんが、直接、そういう被害を受けておられる、そういう方々の声を耳にしたことはございます。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 しかし、被害者の声が反映されているとは思えません。ハラスメントの禁止、救済を規定すべきです。代読お願いします。 今年二月の全労連主催のあらゆるハラスメントと女性や性的マイノリティ差別の根絶を目指すキャンペーン、キックオフ集会から、日本初のセクハラ裁判を始め多数の裁判に関わってきた角田由紀子弁護士の言葉を引用します。 ハラスメントは加害者と被害者の力の非対等が前提なのに、裁判では、双方を対等なものとして扱うことになる。交通事故と同じように双方の過失相殺を争うため、被害者は裁判の中でも更なる攻撃にさらされる。被害者の願いはハラスメントを受けずに働く権利を保障してほしいというものだが、民法の不法行為では加害者から賠償金を取ることしかできない。ハラスメントを小分けにせず法的に定義して禁止すること、ILO第百九十号条約の批准、ハラスメントを生み出す社会構造の変革が必要だ。 引用は以上です。 被害当事者の声に応えるには、ハラスメントの禁止規定を設け、人権侵害であることを明確にした上で、独立した人権機関の設置など救済措置の具現化が早急に必要です。本法案で労働者は守り切れません。必要なのは、冒頭で触れたハラスメントの禁止等を定めた国際条約、ILO百九十号条約の批准に向けた法整備の議論です。日本は議論が遅れています。二〇一九年に条約の採択に賛成したにもかかわらず、その後、六年間批准していないのです。 政府が二〇一九年のILO百九十号条約の採択に賛成した理由、そして、その後、六年間批准されていない理由を明確にしてください。厚労省よりお答えください。
○政府参考人(田中佐智子君) まず、ILO百九十号条約ですが、この条約のその採択に当たりまして日本政府としては賛成をしております。 これにつきましては、仕事の世界における暴力とハラスメントは働く方の尊厳や人格を傷つける、あってはならないことであり、これに対応するための新たな国際労働基準の必要性、意義は大きいと考えられたため、当時、日本政府としても採択に当たって賛成をしております。 現在もこのような考えに変わりはなく、条約の締結について、我が国において国内法制との整合性を確保する観点から検討する点がございますので、その検討を進めてきたところでございます。
○天畠大輔君 代読します。 資料三を御覧ください。 二〇二一年の東京新聞では、日本政府がILO百九十号条約の採択に賛成しながら、批准には後ろ向きな姿勢であると報じています。条約が求めるハラスメント行為の禁止規定を法律に盛り込むと、損害賠償の根拠規定となって訴訟が増えることを懸念する経済界への配慮が背景にあると断じています。事実、経団連は、ILO百九十号条約の採択に棄権した実態があります。 ILO百九十号条約について、国内法制と条約との整合性の検討を慎重にしてからとの話もありますが、昨年四月段階での第四十回ILO懇談会の記録を確認すると、採択から五年経過の時点でILO担当者と実務者レベルで協議したこともない上に、他国がどのような形で批准したのか調査したいと政府側から悠長な発言がされています。余りに検討のスピードが遅いです。 そのような中で、パワハラもセクハラも十分な解決を見ておらず、毎年何万人もの人権侵害が生じています。 大臣、通告なしですが、伺います。 これらの被害者はハラスメントの禁止規定と人権救済機関規定を一刻も早く求めていると考えますが、政府としてこの被害者の方々の思いをどのように受け止めていらっしゃいますか。
○国務大臣(福岡資麿君) そのILO第百九十号条約の批准を目指すに当たりまして、この条約は、今、内容が多岐にわたり、抽象的な内容も含まれるところでございますから、条約の条文全体に関しまして関係省庁とともに引き続き調整していく、整理していく必要がございまして、引き続き関係省庁とも連携しながら、条約の締結に向けた検討を進めてまいりたいと思います。被害に遭われた方々の声に対してもしっかり向き合っていきたいと思います。
○天畠大輔君 代読します。 迅速に禁止規定と救済規定を整備し、ILO百九十号批准を目指す必要がありますが、いつ頃、その法整備に至り、批准に至れそうかについて、人権の保護義務を有する政府から、これまでハラスメント被害者に対し、約束、明確な方向性、ロードマップを示すべきと考えますが、大臣の見解をお聞かせください。
○国務大臣(福岡資麿君) 本日ちょっと何回も答弁をさせていただきましたが、この条約の締結に当たりましては、条約で求められている内容と今回の改正法案を含めた国内法制全般との整合性について更に詳細に検討していく必要がございます。 その内容については多岐にわたりまして、抽象的な内容も含まれているところでございますので、条約の条文全体に関して関係省庁とともに引き続き整理をしていく必要がありますので、お尋ねのその明確な時期等についてお示しをすることは難しいと考えておりますが、引き続き条約の締結に向けた検討を進めてまいりたいと考えています。
○天畠大輔君 早急に批准に向けたロードマップを示し、中身のある法整備をすべきと申し上げ、質疑を終わります。
○委員長(柘植芳文君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時一分散会