厚生労働委員会 第7号
- 発言数
- 228 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2025/04/08
会議録
○委員長(柘植芳文君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省労働基準局長岸本武史君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柘植芳文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(柘植芳文君) 労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○石田昌宏君 自由民主党の石田昌宏です。 質問に入る前に、六日に、患者さんを運んでいた医療搬送用のヘリコプターが壱岐の沖合で不時着しまして、患者さん、そして御家族、医師の三名が亡くなったということです。心から御冥福をお祈りいたします。また、救助された機長、整備士、そして看護師にはお見舞いを申し上げたいと思います。 この事故が、原因解明などは国交省を中心に行われていくというふうに思いますけれども、今後、地方の過疎化がどんどん進んでいまして患者さんの行き来が難しくなってくる中で、ドクターヘリの重要性は更に増していくというふうに思います。命を守られるべき人、また守る人が命を失ってはなりません。厚生労働省でも高い関心を持ってこの問題につきまして対応していただきたいと思います。着水した場合に備えた対応ですとか、ヘリコプターの中に浸水があったときの対応などの準備がひょっとしたら足りないのかもしれませんし、また機材を確認する必要もあると思います。様々な観点から、患者さんの搬送中の事故が起きないように御対応をお願いしたいというふうに思います。 それでは、質問に入りたいと思います。 この労安法改正はとても重要な法律の改正だというふうに考えています。従業員の健康を守るために産業医や産業保健師、看護師たちの役割もとても大きくなっていきます。 まず、産業医の配置について確認したいと思いますけれども、産業医は常時雇用の従業員の数に応じて嘱託をするか若しくは専属の産業医を置くか、そんな基準がありまして、三千人以上の事業場では二人以上の産業医を選任するということになっています。 この労安法を所轄する厚生労働省本省、確認させていただきましたら、今五千三十六人の職員がいるということです。となると、専属の産業医が二人以上の対象になっていると思うんですけれども、確認したいと思います。実際はどうでしょう。
○政府参考人(村山誠君) お答え申し上げます。 委員御指摘のように、労働安全衛生法等の規定において、常時三千人を超える労働者を使用する事業場にあっては二名以上の専属産業医を選任することとされておりますが、一般職の国家公務員につきましては、国家公務員法の規定によりまして労働安全衛生法の適用が除外されているところでございます。同時に、国家公務員の保健や安全保持については人事院規則で一定のルールが設けられてございまして、職員の健康管理指導、具体的には職員を対象とする面接指導や職場改善に向けた助言等を行う方として健康管理医を配置することとされております。 厚生労働本省におきましては、専属ではございませんが健康管理医を十名配置しておりまして、そのうち九名につきましては産業医の資格を有している状況でございます。 以上でございます。
○石田昌宏君 公務員は、国家公務員は対象じゃないということなんですけれども、代わって、人事院の規則によって健康管理医を置いていると。ただ、それは専属で二名以上ということではなくて、非常勤だと思うんですけれども、十名といったことになりますし、産業医であるとは限らないといった話になったと思います。そういったルールであれば仕方ないのかもしれませんけれども、健康管理医が少なくとも労安法における産業医と同レベルのことをしていないといけないというふうには思ってはいます。 例えば、いろいろあるんですけれども、令和元年だと思うんですけど、厚生労働省の改革若手チームが緊急提言を出しています。それ、ずっと読ませていただいていますし、これに伴って人事制度ですとか業務とか職場の改善、様々な改善が計画的に工程表に沿ってなされています。 これ、やっぱり職場環境についてもかなりのことを言っていて、本当に大変な環境で働いていらっしゃるなとは思います。緊急提言の中には、とにかく暑いって、こういう表現で事例が載っているんですけど、夏のある職員の机の上の気温が三十二・八度だったとか、廊下が暗くて、廊下の明るさは六ルクスしかない。これ調べてみたら、寝室で瞑想するときに一番いい明るさだそうです。狭さもそう、残業も多い、待機も多い、非常に大変で、非常にストレスフルな職場であるというのはもう見ただけで分かると思います。 こういったことを改善したいというふうな思いなんですけれども、こういった環境に対して、当然、普通の産業医であれば、この環境を変えるために職場巡視を行って様々な勧告をしていますし、これにもそういった意味では反映されているというふうに思うんですけれども、実際、健康管理医はこの改革工程表のプロセスの中でどういう役割を取っていたんでしょうか。
○政府参考人(村山誠君) お答え申し上げます。 令和元年に厚生労働省改革若手チームから暑い、狭い、暗いといった執務環境の改善を求める声が上がったことを踏まえまして、冷房の温度調整の弾力化、廊下の間引き照明の緩和による照度、明るさの向上、オフィス文書の削減等、工程表に基づき執務環境の改善を省として進めてきたものの、その過程で健康管理医による助言は受けてきてはおりませんでした。 一方で、各部局の管理者から構成される委員会には健康管理医にも参画いただき、課室間の書棚の撤廃による物理的にも風通しのいい職場づくりやテレワークの効果的な活用等の改善に向けた指導、助言を受けてきたところでございます。 ただいまの石田委員の御指摘も踏まえ、毎年見直しを行う改革工程表に基づき執務環境の改善を実施する際には、今後は健康管理医からもアドバイスをいただくこととし、職員の心身の健康管理に一層万全を期してまいりたい、このように考えております。 以上でございます。
○石田昌宏君 是非そうしていただきたいというふうに思います。 厚生労働省がストレスチェックの拡大も含めてこれから産業保健が重要だといった意思を示す中で、まず自らのところでその体制ができていないというふうに思います。今後、ルール上の問題がありますから健康管理医が代わってということにするべきだと思うんですけれども、しっかりと対応していただきたいというふうに思います。 したがって、それがしっかりと担保できるような、本来であれば産業医に置き換えるんだと思うんですけれども、それが不可能であれば、人事院規則を丁寧に整備していくことも必要だというふうに考えていますので、人事院にお伺いしたいと思います。 健康管理医の業務規定が人事院規則でされているということになりますけれども、労働安全衛生法で産業医に定められているように、例えば、職場の巡視ですとか、又は課題があった場合に勧告するとか、そういったことについてまで定められていますか。
○政府参考人(前田聡子君) 人事院規則等において健康管理医に職場巡視は義務付けられておりませんが、その職務として、職員の健康の保持増進を図るための措置についての指導、職員の健康障害の原因の調査及び再発防止措置についての指導等が定められております。これらを踏まえ、各府省において、業務に必要な範囲で健康管理医による職場巡視が行われているものと認識しております。 なお、委員御指摘のような、健康管理医が各省各庁の長に勧告を行うことができるような旨は規定されておりません。
○石田昌宏君 やはり、国家公務員に対応しても、しっかりと産業医と同レベルの対応を健康管理医がするなり、産業医を置くなりといったルール改正は必要だというふうに思っています。人事院規則は是非見直していただいて、今言ったような対応ができるようにしていただきたいと思いますし、あわせて、人事院規則で職場の産業保健師についても触れられているかどうか確認したいんですけれども、是非触れていただいて、その業務を明確にしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(前田聡子君) 人事院が専門家から意見を伺った際にも、委員御指摘のような、健康管理医の質的向上や産業保健師の活用も含めた検討を進めることが必要ではないかとの提案をいただいております。 健康管理体制の充実に向けて、委員の御指摘の点も踏まえ、関係機関とも連携しながら前向きに検討してまいりたいと考えております。 以上です。
○石田昌宏君 是非お願いいたします。やはり、これから、特に厚生労働省についても、この労働安全衛生法を施行して、また運用していく立場ですので、自ら足下をしっかりと固めながら進めていただきたいというふうに思いますし、それが全体を引っ張っていく力にもなるというふうに思っています。 それでは、この労安法のストレスチェックの体制について今度は細かく聞いていきたいと思います。 ストレスチェックが今度五十人未満の事業場でも広がっていくわけですけれども、現在それに対応しているところが地域産業保健センター、地産保ですかね、が対応しているというふうに思います。今度広がっていく五十人未満の事業場は全事業者数の九五%を占めていて、従業員でいくと約五割の従業員を占めていますから、もう相当な拡大というふうに考えていいですし、これで最終形になるかなと思っています。是非進めていただきたいと思います。 ただ、その体制がまだまだ不十分です。地産保で、どういう実態で実際健康管理が進められているかをいろいろと調べたところ、よく分からないんですけれども、常勤でしっかりと対応しているところ自体はほとんどないと、実際は週に一回とか二回とか三回非常勤で来て、しかも来ても朝から晩までではなくて一時間か二時間しかいないといった状況でやっていることが多いというふうに聞いています。この対応をしないと、今回のストレスチェックへの十分な体制整備にはならないと思います。 まず確認したいんですけど、地産保で行われているストレスチェックの結果、高いストレスとされた者については面談、面接指導をするということになっていますけれども、実際地産保では一年間でどのぐらいの面接指導をやっていたんでしょうか。
○政府参考人(井内努君) 地域産業保健センターの産業医による労働者の面接指導は、平成二十八年度は全体で一万四千六百二十六件、このうちストレスチェック制度による高ストレス者の面接指導は七百六件でございました。その後、長時間労働による面接指導件数の大幅な減少によりまして、令和五年度は全体で三千六百四十九、そのうち高ストレス者の面接指導は四百八十九件となっております。
○石田昌宏君 一年間に四百八十九件行ったということなんですけれども、今後ストレスチェックの対象が広がることによって、高ストレスの方はそれなりにいるはずであって、年間四百八十九件しか対応していないような地産保の体制で本当にこれができるのかということだと思います。 実際に、今度の義務化によってどのぐらいの方が面接指導の増加があるというふうに見込んでいますか。
○政府参考人(井内努君) 新たに面接指導を受ける労働者は最大四・五万人と見込んでおります。
○石田昌宏君 四万五千人ですか。で、今五百人ということですよね。ちょっと全然足りないんですね。 今の試算をまともにやったとしても、それなりの数が必要だというふうに思いますし、というか、何十倍の数が必要ですし、これ試算の仕方はいろいろとあるんですけれども、いろいろと見てみたら、厚生省の試算は四万五千人ということなんですけれども、例えば日本看護協会の試算見ると、二十二・五万人が面接指導の対象になり得るんじゃないかというふうな試算もあります。 今の実績からすると、何十倍とか、場合によっては何百倍という規模感が必要であって、地産保の体制を大きく見直さなければ、この法律が施行されても机上の空論で終わってしまうというふうに思います。 この体制整備どうやっていくのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○政府参考人(井内努君) ストレスチェックの実施の対象者を五十人未満の事業場に拡大した場合、最大約四万五千人の労働者全員にどのようにストレスチェック後の面談をするかということでございますが、全国三百五十か所の地域産業保健センターにおきまして、現在約八千人いる登録産業医に対応していただきたいと思っております。 現在実際に活動いただいている登録産業医は約六千人と承知しており、厚生労働省としては、関係団体に協力をいただき、既に登録されている産業医の一層の協力や登録産業医の更なる拡充をお願いしていきたいと考えております。 法施行三年以内の施行に向けて、地域産業保健センターの体制の充実につきましても取り組んでまいりたいと思っております。
○石田昌宏君 令和五年度の高ストレスチェックの面接が五百件ぐらいしかなくて、地産保が今三百五十か所ぐらいあるということは、年間に一か所の地産保で一回か二回しかやっていない。登録医が六千人いると、産業医いるというふうに言ったけど、現実的には五百件ですから、ほとんど何もしていない状況にあります。ただ、対象は何百倍、何十倍とあるかもしれないというところなので、今、方向性はそのとおりだなと思うんですけれども、多分その必要なことのレベル感が全然違っていて、もっと強くしっかりと対応していかないといけないと思いますし、地産保フル稼働で頑張っていくような対応を是非していただきたいと思います。 この面接指導だけだったらまだそこなんですけれども、本来は、高ストレスになった人に対して面接指導する前に、そもそも高ストレスないような職場環境をつくっていくための助言が必要だというふうに思いますから、当然、地産保の役割としても、実際に訪問したりとかして事業所に対してアドバイスする、これ極めて大事ですが、こちらの方はどのぐらいの件数行われていますか。
○政府参考人(井内努君) 地域産業保健センターによる個別訪問支援は、令和五年度で全国七千四百十四事業所に対して行われております。
○石田昌宏君 その個別訪問は七千か所ぐらいという話ですけれども、メンタルヘルスも一つだと。ほかにも例えば化学物質の対応だとかその作業場の環境だ、いろいろとあるんですけれども、このメンタルヘルスに関してはどのくらいの訪問になりますか。
○政府参考人(井内努君) 助言、指導の内容が個別の事情によって多岐にわたりますので、その訪問目的の分類をした統計というのは現在取っておりません。全体で七千四百十四事業所ということでございます。
○石田昌宏君 この法案の今回の法整備の大きな目的の一つはやっぱりストレスチェックの拡大だと思いますし、これが非常に大きいと思います。ただ、それに対してどのような整備をするかに対して、今情報も取れていないという状況なんですね。なので、本当にここはしっかりともう一遍、足下見直していただきながらこの体制整備をやっていくことを覚悟していただかないと実効性がないというふうに本当に思います。 それでは、今度はこの体制について、個別訪問まで行うとすると、医師も当然大事ですけれども、それだけでは難しいです。三千人以上の事業所ですと、医師だけじゃなくて、例えば産業保健師も配置されていますけれども、同様のことを整備する必要があると思います。 産業保健師や看護師を積極的に配置し、機動的に訪問を増やすべきだと思いますが、この体制についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(井内努君) 御存じのとおり、事業場への個別訪問は事業場の実態に即した支援を行う上で効果的と考えております。 地域産業保健センターによる事業場への支援に当たりましては、メンタルヘルスのみならず、御指摘のとおり、化学物質の健康障害の防止等についてもその支援をしております。例えば、作業環境の改善や作業方法など、保健師や看護師が必ずしも得意としない分野もある一方、御指摘の保健師、看護師が必要な分野もございます。実態を把握して進めてまいりたいと思っております。
○石田昌宏君 今、実態を把握して進めていくということですけれども、これもやっぱりまだ言葉が躍っているなという感じがします。相当な規模感を持って、相当なエネルギー掛けていかないと対応できなくなると思います。 特に小さな事業所こそ重要であって、個別な面接指導を含めて職場巡視を行って、課題調べて、問題があったらしっかりと勧告して、ストレスフルな職場環境を変えるといった使命が特に地産保にはあるはずです。この在り方を丁寧に見詰め直していただきたいと思いますし、体制の充実をしていただきたいと思います。予算が必要であれば私たちも協力していきますから、是非、体制整備のための予算確保もしっかりと行いながら、この法律の改正の運用をしっかりとしていただきたいと思います。 今度はもっと広い全体の観点からお話ししますけれども、労働安全衛生法の実効性を高めるために、産業保健の体制を全体もやっぱり見直す必要があると思います。産業医の充実、まずこれが必要ですが、同時に産業保健師たちの役割や機能を明確にしていく、これもまだまだ不十分だというふうに思っています。 一九九六年に労働安全衛生法の改正で実施する人材として保健師が位置付けられてから、産業保健は確かに充実はしてきました。産業保健師たちは、職場の健康方針の策定、安全衛生管理の業務の企画立案、そしてまた総合評価を行っています。また、様々なコーディネートや情報提供を行って、職場を守ってきています。そのために、職場巡視や相談指導も行ってきています。職場での健康管理のキーパーソンになっているというふうに思っています。特に、今後職場のメンタルヘルスの推進には更に重要な存在となっていくと思いますし、今後の活躍が期待されています。 企業や地産保などへの産業保健師等の確保、配置の促進について、財源確保も含めてどのように進めていくのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(福岡資麿君) 労働者の健康確保の取組を促進するため、令和四年十月から産業保健のあり方に関する検討会を開催し、令和五年十二月に議論の概要を公表してございます。この議論の概要では、産業保健サービスが担う保健師、看護師は、臨床等とは違うスキルが求められることを踏まえると、今後の研修の充実が重要であるとされています。 この議論を踏まえまして、厚生労働省では、令和五年度及び六年度で、産業保健に従事する保健師、看護師に向けた研修プログラム案を策定し、さらには、本年度はプログラム案を用いて研修を行う講師を養成する予定でございまして、まず、この取組により、産業保健に関わる保健師、看護師の確保と質の向上を図っていきたいと考えています。 また、小規模事業場において保健師、看護師による労働者の健康管理等がどのように行われているかはまだ必ずしも把握できていないところから、今後はまず実態の把握にしっかり努めてまいりたいと思います。 関係団体ともしっかり連携しながらこうした準備を進め、必要に応じた予算の確保についても検討しながら、現場において保健師、看護師の方々が御活躍いただけるような環境整備、取り組んでまいりたいと思います。
○石田昌宏君 今お話しになりました概要についてもまだ、概要として発表はされていますけれども、かなりいいこと書かれているんですけれども、まだまだ実施、また突っ込みが足りないというふうに思っています。さらに、この活動についてしっかりと位置付けができるように検討を進めていただいて、また情報を集めていただいて、体制整備に進めていただきたいというふうに思っています。 最後になりますけれども、労働安全衛生法のこの改正はとても大事だというふうに思っていますし、そもそもこの法律自体が今後の労働行政を進める上に当たって極めて重要になっていくというふうに僕は考えています。 多くの労働者は、一日の三分の一の時間を仕事に費やしています。その三分の一がもしつらいということが前提であるのであれば、人生の多くをつらい時間で過ごすわけですから、それは余り、決していいことではないというふうに思います。しかし、もしこの仕事の時間が、何らかの格好でも、やりがいとか、また生きがいとかに通じるものであったらば、それは人生前向きになるために非常に大きな時間ですし、大きなことだというふうに思っています。 政策というのは、やっぱり人の人生に大きな影響を与えます。だからこそ、国民の幸福のためには、これからの労働政策というのは、言ってみたら、仕事がつらいから時間をどうコントロールするかというだけの話ではなくて、安全に仕事できるとか、更に進めて、仕事の時間をより意味のあるものにするという、こういった視点で政策を進めていくことが極めて重要だというふうに思います。 労働基準法は、基本的には労働者の労働時間の管理を重視して作られてきています。しかし、勤務形態もどんどん多様化しています。高齢者の労働参画も進んでいます。副業の解禁も進んでいます。また、人口減少社会に適した労働の在り方とは何か、もう一回見詰め直して考え直す必要があります。 労働の基準についても、時間も重要です。だけど、それだけじゃなくて、健康管理、健やかに労働ができるといった観点からの政策もとても重要だというふうに私は思います。その根っこになるべきがこの労働安全衛生法だと思います。これをもって産業保健の体制を大幅に強化すべきです。 今国会でメンタルヘルスやハラスメントの対応が進められていきますけれども、これは極めて重要であって、さらに、根本的に職場の健康管理を根っこにして政策を進めていくといった観点を是非考えていただきたいというふうに思います。 最後に、厚生労働大臣の御見解をお願いします。
○国務大臣(福岡資麿君) 全ての労働者の方がそれぞれの事情に応じて多様な働き方を選択でき、お一人お一人が生き生きと働くことができるような環境を整備していくこと、大変重要なことだというふうに考えています。そのためには、法令で定められました最低基準としての労働時間規制を守りながら、同時に産業保健制度を充実させていくことにより、心身の健康を維持しながら働き続けられる仕組みを構築していく必要があるという点については、委員が御指摘のとおりだというふうに思います。 まず、法案が成立した場合には、ストレスチェック制度の実施義務の拡大を着実に施行することでメンタルヘルス対策を強化するとともに、産業保健体制の充実にも取り組みながら、労働者の健康管理の強化につきまして引き続き検討をしっかり進めてまいりたいと思います。
○石田昌宏君 ありがとうございました。
○石橋通宏君 立憲民主・社民・無所属の石橋です。 早速、法案の質問に入らせていただきたいと思いますが、今、石田委員からも繰り返しありました、今回の法案、極めて重要な法案だと。これ、大臣、十年ぶりの労安衛法の改正ということで、改めて、今の日本の働く人たちの安心、安全、どういう状況にあるのかということ、立法事実も含めて確認しつつこの法案審議しなければいけないというふうに思いますが、今日改めて、資料の一、まあ二、三も含めてですけれども、この間、様々な取組を現場でもしていただきながら、ただ、残念ながら、死亡者数は減少傾向を維持していただいているのですが、全体の死傷者数がボトムから三割も増加を続けてしまっています。 大臣、改めて、この死傷者数がこれだけまたしても増加の一途をたどっている現状について、なぜ、なぜこんなにも死傷者数が増えてしまっているのか、原因がどこにあるのか、そのことについて、大臣、どういうふうに分析をされ、認識をされ、この法案を提出されてきたのか、そのことについてまず簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(福岡資麿君) 資料はお配りいただいたとおりでございますが、労働災害のうち死亡災害は過去十年で二九%と、減少傾向にございますが、その背景といたしましては、足場の規制強化等によります建設業における墜落であったり転落が減少していること、また、機械のリスクアセスメントの普及などによりまして製造業における挟まれであったり巻き込まれが減少していること、また、交通労働災害対策の進展等によります陸上貨物運送事業における死亡交通災害の減少などの要因があるというふうに考えています。 他方、御指摘ありましたように、休業四日以上の死傷災害は過去十年で一三%増と近年増加傾向にございますが、その背景といたしましては、労働災害の発生率が高い高年齢労働者の就労数の増加に伴う災害の増加であったり、また、第三次産業における転倒であったり腰痛など労働者の作業行動に起因する災害の増加、また、宅配便取扱個数の増加等によります陸上貨物運送事業における荷役作業中等の転倒災害の増加など、様々な要因が考えられるところでございます。 引き続き、発生状況や発生要因を調査分析し、労働災害防止に生かしてまいりたいと思います。
○石橋通宏君 今大臣、幾つかの分野も触れられました。資料の二と資料の三を皆さんにも見ていただければ、産業分野別の傾向というものが出てきます。 確かに、死亡者数でいうと製造業、特に建設業の減少が大きく寄与していただいているのだというふうに思いますが、ただ、運送事業では死亡者数増えています。それから、ちょっと本当に気になるのが、この資料の三でいうと社会福祉施設、資料の二でいうと保健衛生業で大幅に増加をしてしまっています。 大臣、なぜこの保健衛生業でこれだけ労働災害が拡大をしてしまっているのか、その原因分析はされているのでしょうか。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 御指摘のとおり、保健衛生業におきます労働災害発生件数は、令和二年から令和五年までに一万五千七百八件から一万八千七百八十六件まで三千七十八件、一九・六%増加をしているところでございます。このうち、社会福祉施設における労働災害が一万一千六百六十七件から一万四千四十九件まで二千三百八十二件増加、増加の大半を占めているところでございます。 社会福祉施設における労働災害の増加要因としましては、これらの様々な要因が複合的に考えられるところでございますが、介護需要の増大に伴って労働者数自身が増加しているとともに、対策のノウハウの蓄積にまだ不十分なところがあるのではないかと、そういったことが腰痛や転倒などの労働者の作業行動に起因する労働災害の増加につながっている、こういったことが考えられると考えております。
○石橋通宏君 今参考人から御説明ありましたけれども、ちょっと踏み込んで聞きますが、であると、今回の法案について、今言っていただいたような介護需要の増大によって多くの皆さんが介護現場で頑張っていただいている。ただ、そこでこれだけの労働災害が拡大して、健康被害も多くなってしまっている。この法案において、そこに対して具体的にどのような対策が講じられるという理解をすればよろしいですか。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 今回の法案、非常に多岐な内容にわたるものを御審議をいただいておるところでございますが、特に今申し上げたような労働災害との関係で申しますと、一つは、人口全体の高齢化が進む中で、様々な職場で働く方の高齢化も進んでおります。こういった状況の中で、若い方であれば余り災害の原因にならないような、例えばその職場の中の段差ですとかタイルの剥がれですとか、そういったことが災害の原因になるといったことも見られるところでございます。 こういったことを踏まえまして、一つは、今回の法案では、高年齢労働者の災害の増加傾向を踏まえて、高齢者の身体特性の変化に対応した安全管理の配慮を求めるような規定を設ける、こういったことを盛り込んでおります。 また、保健衛生業に必ずしも特化したものではございませんが、今回の改正内容の一つに、従来、建設業、造船業、製造業の三業種に限って設けておりました様々な事業者が雇用する労働者の方が混在して働く現場における安全管理のための連絡調整を三業種以外にも広げることとしておりまして、こういったことで、業種を問わない安全管理に今回一つ強化を図っているところが特徴であると考えております。
○石橋通宏君 大臣、是非、この分野別、そして多様な今業種、業態で本当に現場で労働者の人が頑張っていただいています。今、例えば局長から、介護の現場では極めて高齢者の方々が、ヘルパーさんなんかは、この委員会でも特に議論させていただきましたが、かなり御高齢でも頑張って現場でヘルパーの皆さんがやっていただいている。しかし、そこにきちんとした適切な対応ができなければ、若しくは過重労働で、本当に長時間労働で頑張って重労働やっていただいて、そこで健康被害が生じるようなことが現実に発生するとすれば、やっぱりそこにきちんとピンポイントで対策、対応していかないと、なくなりません。 なので、やっぱり分野別、業種、業態別、そこに、しっかりと状況を分析していただいて、具体的にどういう対策を講じなければならないのかということを、それぞれに応じたきめ細かい対応をやっぱりしっかり講じていかなければいけないし、そのための法制度改革でなければならないというふうに思いますが、大臣、そういう御理解でよろしいですか。
○国務大臣(福岡資麿君) 委員も資料でお示しいただいているように、全体のトレンドとは別に、その働く現場ごとにいろいろ置かれた状況って様々あるわけでございますから、それぞれの置かれた状況については子細に分析してまいりたいと思います。
○石橋通宏君 是非、特に多様な、新しいところで、福祉分野、介護分野含めて、地方でも若い世代の皆さんから御高齢の皆さんまで本当に担っていただいておりますので、こういったトレンドをしっかり見ていただいて、そこにきちんと対応するような対策、対応を今後是非やっていただきたいということを重ねてお願いしておきたいと思います。 その上で、やっぱり、なぜこれだけ労働災害がなくなってこないのかということの一つの大きな原因、要因は、やはり我々、過重労働、それから石田委員もちょっと触れられましたけど、現場のハラスメント、これが残念ながらなくならないどころか増加をしてしまっているのではないかという問題意識。これは二〇一八年の働き方改革関連法案の審議のときに、我々さんざん当時、対案も出して、政府の対策では極めて不十分だと、なぜ三百六十時間以上の労働時間を特例で認めてしまうのか、なぜ勤務間インターバル規制を義務化しないのか、こういったことを追及させていただいたんだけれども、政府は残念ながら過労死水準以上の残業時間が可能な制度をつくってしまって、結果的にこういう労働災害がなくならない、過重労働がなくならない、そういったところにもつながっているのではないかというふうに強い問題意識を持ちますが、大臣、この点、問題意識共有されていますかね。 やっぱり抜本的に、労働時間規制の強化、勤務間インターバル規制の義務化。これ、資料の四見てください。勤務間インターバル規制の導入、たった五・七%ですよ。政府は努力義務で何とかしますと言ったじゃないですか。五・七%、何にもなっていないじゃないですか。だから義務化しなきゃ駄目だって我々は強く訴えたんです。 大臣、今、働き方改革関連法、見直し議論が進められていますが、労働時間規制の抜本強化、勤務間インターバル規制の義務化、これもう、この労働災害をなくしていくためにも必須だと思いますが、大臣、どういうふうに思いますか。大臣の見解をお願いします。
○国務大臣(福岡資麿君) 私も、この厚生労働委員会に所属している中で、委員は一貫してそういう問題意識をお持ちでいらっしゃることについては承知をしております。 勤務間インターバルにつきましては、本年一月に取りまとめられました有識者によります労働基準関係法制研究会の報告書におきまして、抜本的な導入促進と義務化を視野に入れつつ、法規制の強化について検討する必要がある、その際、多くの企業が導入しやすい形で制度を開始するなど、段階的に実効性を高めていく形が望ましいと考えられるとの御提言をいただいているところでございます。 今、公労使三者で構成されます労政審において労働基準関係法制に関する議論を開始したところでございまして、この勤務間インターバル制度に限らず、この審議会において具体的な議論を深めてまいりたいと思います。
○石橋通宏君 大臣の政治家としての決意をお聞きしたかったのですが、これからどうしていくという大臣の思いが、決意がおありになるのかということを、やっぱり是非大臣、国民の皆さんにも我々議員にも示していただきたいんですよ。現在進行形で議論されていますじゃなくて、大臣の決意を、問題意識を是非やっぱり私たち示していただきたいということを重ねてお願いします。 その上で、さっきちょっとハラスメントの関係もありましたし、今回、労働施策総合推進法の改正案でカスハラ対策というのが出てきていますが、これも大臣も厚労委員会所属されていて御記憶ですね。 二〇一八年の我々が当時出した対案の中に、二〇一八年に既に我々はパワハラの総合的な対策が必要だ、その中にカスハラを、カスタマーハラスメントを一類型として位置付けて、カスタマーハラスメントで多くの労働者が本当に精神障害を負ってしまったり、時には命の問題にも関わっている、だから規制掛けなきゃ駄目だといって訴えたんだけれども、政府はそれをやらずに先送りして、七年遅れです、大臣、七年遅れ。この間にどれだけ多くの労働者の皆さんが過剰なカスハラで本当に苦しい思いをされてきたか。大臣、遅過ぎたと思いませんか。
○国務大臣(福岡資麿君) まず、そういった職場におけるハラスメント防止に向けた取組を進めていく、その必要性については認識をしてございます。 その取組につきましては、この七年前の話は、先ほど申し上げました、私この委員会に所属していない時期でございますが、いずれにしましても、そういった皆様方の御意見があることはしっかり受け止めた上で施策を進めてまいりたいと思います。
○石橋通宏君 いや、これは改めて与党の皆さんにも問題認識を、七年前に我々既に、まだ当時はパワハラの施策もなかったんですよ、だから、パワハラの対策、その中にカスハラを位置付けて、労働者の命、安心、安全、健康な職場環境、守らなきゃ駄目だといって訴えた。 その後、ようやく段階的にパワハラは進みましたが、カスハラはここまで先送りされてきたという問題意識は、改めて大臣、これ共有していただいて、これまたカスハラ対策のときに、我々今、こちらの方も政府案では不十分なので対案を用意をしておりますけれども、ちゃんとした労働者の命、安心、安全を守るんだという決意で議論させていただければと思っておりますので、大臣、そのことは是非大臣の政治家としてのイニシアチブをお願いしておきたいと思います。 その上で、この間、残念ながら、我々労災の問題、こういった労働災害がなくならない中で、多くの被害に遭った労働者の方々が労災による補償、救済を求めてきた。ただ、なかなか労災の認定が進まない、認められないという問題も起こってまいりました。新しい時代のいろんな事象に労災の認定基準が合っていないのではないかという、これ、当事者の方々や弁護士の、弁護団の皆さんからもずっと訴えがあって、ようやく政府も厚労省も見直しの検討していただいて、これまで、脳・心臓疾患について、それから精神障害についても累次見直しをしていただきました。 資料の五に、改めて、皆さんとも前回、直近の基準の改正の概要については共有をさせていただきましたが、資料の六に、それぞれ労災の補償状況、請求件数、それから支給決定件数の推移を示しておりますけれども、残念ながら、それぞれ請求件数が脳・心臓疾患についても改正後から大きく増加をしてしまっています。精神障害については、この間、これまた残念ながら一貫して急増してしまっています。 大臣、この脳・心臓疾患、精神障害、それぞれについてこれだけ労災の請求件数が増加をしてしまっている、しかしその一方で、認定件数はそんなに増えていないんです。請求件数のこれだけの伸びに比して認定された数は微増にとどまってしまっている。ギャップが広がっているんですね。大臣、何でこんなにギャップが広がってしまっているんでしょうか。支給決定のこの認定基準の見直しもしていただいて、より適切に認定をしていただける状況つくったはずなのに、やっぱりこのギャップが埋まらない。大臣、何でなんでしょうか。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 御指摘のとおり、まず、脳・心臓疾患の労災認定基準については、令和三年九月に労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合的に評価することの明確化などの見直しを行い、また、精神障害の労災認定基準につきましては令和五年九月に改正を行い、業務による心理的負荷に係る具体的な出来事としてカスタマーハラスメントなどを追加し、具体例の拡充等により、より評価をしやすくするといった改正を行ったところでございます。 その影響につきましては様々見ているところでございますが、例えばですけれども、従来と比べますと、労働時間の要因として、発症前一か月間におおむね百時間又は二か月ないし六か月にわたって一か月当たりおおむね八十時間を超える時間外労働の要件を満たさない形での認定されるケースというのが増加をしておりまして、こういったことはこの認定基準改正の効果ではないかというふうに考えているところでございます。
○石橋通宏君 いや、ギャップがこれだけむしろ拡大をしてしまっていることについて、ちょっと余り納得、説得力ある御説明ではなかったのではないかなと思います。 精神障害についても、今回直近で見直しをしていただきましたけれども、それ以前に、これだけ精神障害の請求が増えていながらなかなか決定が増えていかないという問題。今後、認定基準の見直しによって更に請求件数が増えていくのではないかということもありますが、これ是非、こうやって被害に遭われて救済のために労災請求される、速やかに、できるだけ迅速に救済が実現するような形でこれ対策をしっかり講じていただきたいということは重ねてお願いをしておきたいと思いますし、今後、この状況の推移についてはしっかり原因分析、要因分析していただいて、適切に迅速に認定が進むように、是非厚労省として取組を強化をしていただきたいということも併せて申し添えておきたいと思います。 その上で、ちょっと順番を変えまして、先に、今回の改正案の一つの大きな柱になりますが、個人事業主等に対する改正事項について少し確認をさせていただければと思います。 今回、アスベスト判決への対応も含めて、個人事業者等に対する安全衛生対策の推進ということが柱立てになっておりますけれども、今回の法案によって新たに労働安全衛生法の適用対象になる個人事業者というのは一体どれぐらいの人数、規模を想定、シミュレーションされているのか、特に産業分野別にそれぞれどういったぐらいの個人事業者の方々が適用対象になるのか、ざざっと御説明いただけないでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 令和四年の就業構造基本調査により初めてそのカテゴリーとして把握するようになりましたこのフリーランスの総数においては、本業の場合、副業の場合と合わせまして約二百五十七万人となっておりまして、有業者全体に占める割合は約三・八%となってございます。 フリーランスを本業とされる方は産業計で約二百九万人でございますが、産業別に見ますと、建設業が最も多く約五十万人、学術研究、専門・技術サービス業で約三十七万人、卸売業、小売業で約十八万人、製造業で約十六万人など、様々な分野で御活躍をされていると承知をしております。 今回の改正によりまして労働安全衛生法による保護や義務の対象といたしますのは、個人事業者等が労働者と同じ場所で就業する場合となりますため、これらの全数が対象になるものではございませんが、例えば建設業であったり製造業については、元請企業などの労働者と同じ場所で作業することが一般的でありますことから、その多くが対象になるものと考えております。
○石橋通宏君 今のような規模で今回対象になってくるわけですけれども、今回の法案では、注文者が講ずべき措置の義務付け、それから個人事業者等御自身に講じていただくべき措置の義務付け、両方の義務付けが生じてきます。 これ、そうすると、事業者と発注者、事業者等に対して事業を発注するときに、個人事業者、請け負っていただく個人事業者の方々が、今回義務付けとなる措置、これをきちんと知識を持っていただいているのか、義務を満たしていただいているのか、それを確認するということも併せて義務付けがされるのか、その確認をお願いいたします。
○国務大臣(福岡資麿君) 個人事業主の方が安衛法に関する知識を持っていただくということは大変重要でございまして、この個人事業者に対しまして機械の定期自主検査や特別教育の受講を義務付けております。 この個人事業者が安衛法に関する知識を有しているか否かの確認を注文者に法律で義務付けているものではございませんが、個人事業者が作業を行う際に、現場に持ち込む機械等が構造規格や安全装置を具備しているか、作業に必要な安全衛生教育を受講しているかを確認することは大変重要でございますため、注文者がこれらの状況を確認することが望ましい旨をガイドライン等により明らかにし、その周知に取り組んでまいりたいと考えています。 また、労働安全衛生法は、元方事業者に対しまして、請負人の労働者が請け負った仕事に関して労働安全衛生法令の違反をしたと認めたときは是正のために必要な指示を行う義務を課してございます。今回の法案ではこの指示の対象に個人事業者も追加いたしますため、個人事業者による労働安全衛生法令違反についても元方事業者が対応を行うこととなります。このことについても、元方事業者に対する周知であったり指導にしっかり努めてまいりたいと思います。
○石橋通宏君 そうすると、発注時に受注される個人事業者の皆さんが、その今大臣も御説明になった今回の法案によって要求される措置、義務、これをまだ満たしていないとか、要件が不十分であるというふうに認められた際には、発注側、事業者側にきちんと適切にそれを対応していただく、そういった義務も併せて課す、そういうことで改めてよろしいですね。
○政府参考人(岸本武史君) 御指摘のとおりでございまして、労働安全衛生法に元方事業者に対する義務といたしまして、請負人の労働者が請け負った仕事に関して労働安全衛生法令違反を認めたときは是正に必要な指示を行う義務というのが掛かっておりますが、この義務の対象を請負人の労働者だけではなくて個人事業者も含みますので、御指摘のような形になるところでございます。
○石橋通宏君 その上で、これ個人事業主の皆さんには、今大臣もちょっと触れられた危険な機械の使用禁止など、事業者側に課せられる義務と同様の義務を負うことになる。つまり、これ罰則が科せられるという理解でよろしいですかね。
○国務大臣(福岡資麿君) 今回の改正では、個人事業者に対し、危険有害な機械業務による災害の発生を防止するため、構造規格や安全装置を具備しない機械の使用の禁止、機械の定期自主検査の実施、危険有害業務に就く際の特別教育の受講などを義務付けております。 これらの措置は、労働者保護の観点から事業者に対して義務付けているのと同様、個人事業者に対しましても罰則付きで義務付けているものでございます。
○石橋通宏君 罰則も付されるということですので、そうするとなおさらなんですが、今回の法改正が実現した際には、これ個人事業者の方々に対してこの内容をもうきちんと、きちんとというか、もう徹底的に周知していただいて、これが徹底されるように様々な形で対策、対応を講じていただかないと、この改正内容が周知されないままに、個人事業者の方々が結局は法令違反に問われて罰則付きで罪に問われるようなことがあってはならないというふうに思いますが、これ具体的にどのようにこの周知徹底を確実に確保していくのか、これ具体的なプランがあるんでしょうか。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 御指摘のとおり、今回の措置で罰則付きでの義務化としておりますので、個人事業者の方には改正内容を十分周知をして、制度を御理解いただくため、十分な期間をまずは取らせていただきたいと考えております。 このため、今回の法案では、個人事業者等にこれらを義務付ける改正は、施行日を法案全体の施行日の一年後、令和九年四月一日という案としているところでございます。この周知期間を活用いたしまして、個人事業者等に向けた改正内容に関する説明会の開催、リーフレットの作成や特設ホームページの作成なども行い、丁寧な周知に努めてまいりたいと考えております。 また、実際のその施行されました後の労働基準監督署における監督指導でございますが、この考え方は、履行を確保すること、履行を担保することが最重要でございまして、違反が認められた場合には、まずはその是正を図ると、是正を指導していくと、その中で重大悪質な事案があった場合には送検も含め厳正に対処するということが労働基準監督の基本的な考え方でございますので、そのような考え方をこの件に関しても取ってまいりたいと考えております。
○石橋通宏君 今御説明がありましたけれども、十分な施行まで期間を確保していただいて、その間にもう確実に周知徹底をするのだということだと思います。 ただ、なかなか、大臣、個人事業者の方々、本当に様々な分野で様々な形で就労されている中で、どうやって全ての個人事業者の方々にこれ周知されるのか。いや、厚労省のホームページ見てくださいでは駄目なので、きちんと全ての方々に届くような形で、そして届いただけではなくて、それを履行していただくべく、様々なサポート、支援も含めてやっていただかなければいけない。 これ、支援、サポート体制ってどうされるんですか。
○国務大臣(福岡資麿君) 今御指摘いただきましたように、個人事業主の方々にもしっかり、その猶予とは別に、情報を知っていただくその必要性については御指摘のとおりでございます。 注文者の果たす役割が大きいというふうに考えておりまして、個人事業者が作業を行う際に、現場に持ち込む機械等が構造規格や安全装置を具備しているか、作業に必要な安全衛生教育を受講しているかなどの確認を行うことが望ましい旨を今後ガイドライン等により明らかにし、注文者側からも個人事業者に対する周知を図っていただきたいと考えています。
○石橋通宏君 それは是非徹底していただきたいと思います。 これ、法案の目的は、とにかく全ての労働者の安心、安全を守っていく、そして、これまで、ともすれば対応から漏れてしまっていた個人事業者の方々の健康、労働安全衛生を守っていく、そのための今回の措置ということは、みんなで協力して周知徹底していただいて、そして今回の法案が命を守るために有効に作用すること、そのことだと思いますので、それを様々な角度から徹底されるように是非これはお願いをしておきたいというふうに思います。 その上で、ちょっと戻りまして、その上で、さっき労働基準監督官の話も触れていただいたのですが、時間があれば後ほどその件も触れたいと思いますけれども、もう一つ、私たちやっぱり労働安全衛生法の重大な要素の一つが、安全委員会、衛生委員会だと思っています。 つまり、従業員、労働者の皆さんの命、安心、安全、健康、健全な職場をつくっていくためには、労使が協力してきちんとその環境をつくっていく。事業者の皆さんが、まあやったからいいだろうではなくて、現場の労働者の皆さんが一番、どこに危険がある、何が問題なのか、どういった有害な職場環境があるのか、それは一番知っておられるのは現場の労働者の方々ですから。そして、今回、個人事業者の方々は個人事業者の方々なりに、現場の環境についての問題意識を共有されている。つまり、既存のこの安全委員会、衛生委員会、若しくは安全衛生委員会、その労使の営みによってこの対策をきちんと強化をしていくことがまさに労働安全衛生法の根幹だというふうに思っております。 ただ、大臣、資料の七を御覧ください。資料の七で、改めて安全委員会、衛生委員会、若しくは安全衛生委員会の設置状況と開催状況について確認をさせていただきました。いずれかの委員会を設置、比較的多くの委員会が設置をされているわけですけれども、ただ、必置とされている職場でも、きちんと設置をされていない、若しくは、これ、厚労省、開催は月一回は最低やってくれと指導していただいているはずですが、やられていませんね。大臣、これが実態なんです。 この安全委員会、衛生委員会、これをきちんと機能させていく。現場の労働者、従業員の声、問題意識、これを労使できちんと対応していく。これ改めて、今回の法改正に伴って、安全委員会、衛生委員会の強化、徹底、これ必須だと思いますが、今回の法案にはほとんどそれ触れられていませんが、大臣、これについての問題意識、今後どうしていくのか、もし方向性あれば、決意お願いします。
○国務大臣(福岡資麿君) まず、委員が御指摘いただきました労使でしっかり話し合っていただく環境をつくっていくということは大変重要なことだというふうに思っています。 労働安全衛生法では、労働者の危険を防止するための基本となるべき対策に関することであったり、労働者の健康障害を防止するための基本となるべき対策に関することを調査審議するため、安全委員会、衛生委員会を設置することを事業者に義務付けています。今回の法案を踏まえれば、例えば個人事業者も含めた労働災害防止対策について議論することは、安全委員会であったり衛生委員会の調査審議事項にもなり得ることだというふうに思っております。 実態が伴っていないじゃないかというような御指摘もございました。しっかりそこは、是正させたりすることも含めまして、事業場について指導をしてまいりたいと思います。
○石橋通宏君 是非改めて徹底してください。きちんと月一回開催をいただいて、労使できちんと状況について把握をしていただいて、問題あれば速やかに改善していただいて、ヒヤリ・ハット含めて対策を講じていただく、極めて重要だと思いますので、これは是非、指導を徹底していただきたいと思いますが。 今大臣ちょっと触れていただいた、じゃ、今回の改正で、個人事業主の、個人事業者の方々の義務、発注側も含めて義務を課していただくわけですけれども、そうすると、この安全委員会、衛生委員会の議論の中で、議題としてきちんと、今回の法改正の中身、個人事業者の方々に対する対応、そこも含めて協議議題に入れていただいて、個人事業者、同じ職場で作業、働いていただく個人事業者の方々の安全衛生を守ることもこの委員会の重要な役割、義務の一つなんだときちんと位置付けて周知徹底していただきたいと思いますが、これは何らかの形で周知徹底されるという理解でよろしいですか。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 各社のその業種、業態によりまして個人事業者との混在が発生するかどうかというのは様々であろうかと思いますが、先ほどもお答えございましたとおり、労働安全衛生法で設置をしております安全委員会、衛生委員会の調査審議事項として、例えば個人事業者も含めた労働災害防止対策について議論することは、これは今回の労働安全衛生法で措置として義務付けるわけでございますので、調査審議事項となり得るものでございまして、こういったことも周知をしてまいりたいと考えております。
○石橋通宏君 職場によって個人事業者の方々がそれなりの一定多数同じ職場で働いていただいているような場合には、個人事業者の方々の代表に衛生委員会なりに来てもらって、御発言をいただいたり、御意見聴取をしていただいたりという、そういったやり取りも可能だし、やるべきではないかというふうに思います。 もう一つ、これ大臣も御存じのとおり、この衛生委員会、安全委員会での議事事項というのは全ての労働者に周知しなければならないということになっています。その対象には個人事業者は含まれるという理解でよろしいですね。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 安全委員会、衛生委員会は、その事業主の雇用する労働者の、要はそのボトムアップの、職場の現場目線の安全対策、衛生対策を進めていこうという趣旨で設置をしております。 個人事業者の方の声がそういった場に反映すること自体は、そういったことが必要な場面には望ましいことと考えますが、それを義務付けるということについては、どうしても会社と労働者との関係と比べますと、単発の場合もありますし、会社と請負契約を締結した個人事業者との関係というのはちょっと同じではない部分もありますので、どういった形でその声を反映することができるかについては、今後どういったことができるか、施行に向けた検討も、法案が成立した場合には、労使の御意見も伺いながら考えてまいりたいと思います。
○石橋通宏君 ちょっと消極的な答弁ですが、大臣、この間の政府が進めてきた雇用の多様化、同じ職場で多様な形態の労働者の方々が一緒に仕事をしていただいている。かつてはほとんど正社員で働いていただいていた。それが、どんどんどんどん非正規雇用の方々が増えて、時に、正社員の方々には様々な対策が取られるんだけれども、非正規の方々が置き去りにされてきたということがあったわけで、今でも多分あるわけですよ。今は、今度は、個人事業者の方々が請け負って一緒の職場で働いているんだけれども、形態が違う、契約が違う。 なので、岸本さんのような答弁されると、同じ職場で働いているんだけど、雇用形態、契約形態が違うからあっちは知らないみたいな話は違うでしょう。同じ職場で、いかに労働者、働いていただいている方々の安心、安全を守る。さっき申し上げたじゃないですか。みんなで協力して命を守っていくんだということが趣旨であれば、雇用形態の違いとか契約形態の違いでどうこうじゃないでしょう。是非検討してください。 安全委員会、衛生委員会、そこの対象、当然、今回義務を課していただく個人事業者の方々に対する様々な対応もきちんとした議事に含めていただいて、そこで議論されたことは周知していただかなければいけないし、いろんな意見をきちんと聞いていただく、そういった対応も是非具体的に検討いただきたいというふうに思いますので、そのことは今後ウォッチしていきますので、是非大臣、指示していただければというふうに思います。 その上で、ちょっと時間がなくなってきましたので、一点だけ触れておきたいと思います。今回の法律、法案の重要なテーマ、今の個人事業主、複数事業所における対応も含めて、ILOの百五十五号条約、未批准の中核条約です。 何度も取り上げてきましたので委員の皆さんは重々理解をいただいていると思いますが、改めて今日、資料の十、資料の十一で、中核五分野、十条約のうち二つの条約についてまだ批准がされていない、そのうちの一つ、百五十五号条約を、今回のこの改正によって国内法制の整備が整うので外務省からは批准条約も今回国会に提出をいただいておりますが、大臣、じゃ、なぜこれだけ長期にわたってこの百五十五号条約が批准されてこなかったのか、何で厚労省はこの批准に向けて後ろ向きだったのか、前向きじゃなかったのか、そのことを改めて問わなきゃいけない。 日本は、労働安全衛生分野って世界ですごく評価をされてきたんですよ。アジアで多くの技術協力をしてきたんですよ。でも、百五十五号条約は批准してこなかったんです。大臣、なぜ批准してこなかったんですか。
○国務大臣(福岡資麿君) 委員御指摘のILO第百五十五号条約は、二〇二二年のILO第百十回総会において新たにILO基本条約に追加することが決定されたものでございます。その批准の重要性は、もう委員も御指摘いただいたように、以前より御提言いただいていたところでございますが、本条約に規定される義務と我が国の国内法令との整合性について検討を行う必要があったものでございます。 具体的には、本条約第十七条に規定されます二以上の企業の同一の作業場における協力義務について、建設業、造船業、製造業のみにしか協力に関する労働安全衛生法上の規定が存在しないことが批准に際しての主要な課題であったというふうに認識をしています。 この点につきましては、労働災害の実態を踏まえまして危険性の高い業種から優先的に対応されてきており、建設業と造船業は昭和四十七年の安衛法制定当時より、製造業は平成十七年の安衛法改正により作業間の連絡調整等が義務付けられたところでございますが、近年、産業構造であったり就業形態の変化に伴いまして、これらの業種以外でも混在作業による災害が発生していることであったり、第百五十五号条約がILO基本条約に追加されましたことにより批准の機運が高まってきたことから、今回の法案では業種を限定することなく作業間の連絡調整等を義務付けることとしたものでございます。 法案が成立した際には、批准に際しての課題を解決することができると判断したところでございまして、批准に向けた手続を進めてまいりたいと思います。
○石橋通宏君 時間が来たので今日はこれで終わりにしますが、大臣、二十年遅いと思います。今回やった措置は、十年、二十年前にやっておくべきだったんです。それを先送り、棚上げにして、今までやってこなかったことが問題だと。中核条約になったから突然大事だからじゃないんです。そもそも大事だった条約を批准を先送りにしてきた、その責任は極めて重い。 今回、一歩前に進むことは前進として受け止めたいとは思いますが、今後、ほかのILOの中核条約、そしてさらには重要条約を含めて更に努力をしていただきたいということも申し添えて、今日の質問を終わりにさせていただきます。 ありがとうございました。
○大椿ゆうこ君 立憲・社民・無所属会派、社民党の大椿です。 法案の質問に入る前に、二点、大臣にちょっと質問をさせていただきます。 これも今日議論されるこの労働災害に関わる法案と関係していると思いますけれども、昨日、決算委員会の方で質問をさせていただきました。この委員会の中でも度々取り上げさせていただいておりますけれども、長生炭鉱の質問をしたところ、現場への福岡大臣並びに人道調査室の派遣を求めたところ、総理から、必要があれば現場に赴くことも私は選択肢としてあるのだと思っています、現場を見た方がより正確に事態が把握できる、あるいは関係者の方々の御納得が得られるということは、必要であれば私はちゅうちょすべきだとは思っておりませんとの御答弁をいただきました。これまでの福岡大臣、そして石破総理の発言からは一歩踏み込んだ発言だと捉えています。今日の神奈川新聞にもこの件が報じられております。 また、市民団体の潜水調査に関しても、自己責任ですからねみたいなことを言うわけにはならぬところでございますと、いかにして安全にそのような作業をしていただけるかということについて、政府としてもこれは勝手にやってくださいという話にはならぬと思っておりますとの御答弁を総理大臣からいただきました。 通告にはありませんけれども、この総理の答弁について、一言、大臣、どのようにお受け止めになったかお聞かせください。
○国務大臣(福岡資麿君) 昨日、そのやり取りにつきましては、私もその同じ場にいてやり取りを拝聴させていただいたところでございます。 昨日の今日の話でございますが、しっかり今後も、近く予定されています意見交換会もあるというふうに承っていますので、そういった場でもしっかり皆様方からのお声を受け止めさせていただきながら、今後の対応についてはしっかり検討してまいりたいと思います。
○大椿ゆうこ君 大臣の方から意見交換会のことを言ってくださるとは思っていませんでした。ありがとうございます。 四月の二十二日にこの意見交換会が予定されております。その場に大臣が直接来ていただくことは無理かもしれませんけれども、お時間取っていただければ、その前に、御遺族の方、そして市民団体の方との、短い時間でも結構です、面談の場を設けさせていただきます。こちらからも改めて要請させていただきますので、是非御検討をいただければと思います。よろしくお願いいたします。 そして、もう一つ、三月十四日の参議院予算委員会において、日本維新の会の柳ヶ瀬議員が、外国人の生活保護に法的根拠はない、見直すべきではないかとの趣旨の質問をされたときに、それを受けて大臣は、外国人に対する生活保護支給についての見解について、生活に困窮する外国人が存在している現状を踏まえれば、外国人を保護の対象外とすることは人道上の観点から適当ではないとの御発言をされましたが、その答弁に変わりはございませんでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 生活保護法におきましては、憲法二十五条の理念に基づきまして日本国民を対象と定めてございますが、生活に困窮する外国人については、人道上の観点から、日本人と同様に国内で制限なく活動できる永住者、定住者等の一定の在留資格を有する場合について、行政措置として生活保護の取扱いに準じた保護を行うこととしてございます。 実態についてはよく見ていく必要はございますが、生活に困窮する外国人の方が現に一定程度存在していらっしゃる現状を踏まえれば、外国人を保護の対象外とすることは人道上の観点から適当ではないというふうに考えています。
○大椿ゆうこ君 どうもありがとうございます。はっきりとその答弁をしてくださったことをうれしく思います。 私は、人口十二万六千人のうち五人に一人が外国人だと言われている大阪市生野区に今住んでいます。自分自身も連れ合いが外国人です。 この中で最も多いのは韓国籍、朝鮮籍の方ですけれども、制度のはざまで無年金になった方々、もう日本社会による差別の中で貧困と隣り合わせで生きてこられた方々もいらっしゃいます。今、外国人の生活保護受給に関しては批判的な声もありますし、排外主義のデモの中でこういったことを取り上げて扇動的に使われているという場面もあります。 けれども、この三月十四日の大臣の答弁を聞いていた地元の友人たち、外国籍の友人たちから、大臣の答弁は大変良かったというふうにお話があったこと、連絡があったことを今日は大臣に伝えておきたいと思います。大臣、ありがとうございます、この答弁。 それでは、法案の審議、法案について質問をしていきたいと思います。 今回の法改正のポイントは、労働者だけでなく個人事業主を労働安全衛生法による保護対象、義務の主体として位置付けるというところです。 今回の法改正の背景に影響を与えたのが二〇二一年五月十七日のアスベスト裁判の最高裁判決と、この私たちもいただいた資料の中にも書かれています。 厚生労働大臣が適切な権限行使を怠ったと判断されたこの裁判に対する大臣の認識をお尋ねするとともに、改めて、肺がん等重篤な病気に罹患された方々、そしてそれによってお亡くなりになられた方々に大臣から謝罪を求めたいと思います。
○国務大臣(福岡資麿君) 令和三年五月十七日の建設アスベスト訴訟の最高裁判決におきまして、労働安全衛生法に基づく規制権限行使が不十分であったことが国家賠償法の適用上違法と判断されたものと承知をしております。 国が規制権限を適切に行使しなかったことによりまして石綿による健康被害を被られたことにつきまして、被害者の方々であったり御遺族の方々の長期間にわたる御負担であったり苦しみ、悲しみに思いを致し、厚生労働大臣の職務を担う者として心からおわびを申し上げます。 政府といたしましては、最高裁判決において国の責任が認められた方々との、同様の方々について、令和四年一月十九日から施行されてございます特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金の支給に関する法律等により迅速に給付金を支給することとしてございまして、今後も適切に対応してまいりたいと思います。
○大椿ゆうこ君 その給付に関しての連絡等というのは順調に進んでいるでしょうか。受け止めをお願いします。参考人の方、通告にありませんけど、お願いします。
○政府参考人(岸本武史君) 給付金業務につきましては、法令にのっとって支給をしております。 また、給付金のその支給に充てるための財源として基金を造成しておりますが、これにつきましては令和六年度補正予算で一定の積み増しをいたしまして、この給付金の支給に支障がないように措置をしているところでございます。
○大椿ゆうこ君 このように、職場によって、職場でこの被害に遭われた方々が、あまねくこの給付を受けられるように、知らなかったということがないように、是非周知徹底をしていただければと思います。 今、個人事業主は様々です。多様化をしております。建設現場の一人親方は代表的ですけれども、先日、高木真理議員が取り上げた芸能界で働く方々、そしてITエンジニア、軽貨物輸送業など、多種多様な個人事業主の方々がいらっしゃいます。 多様な個人事業主の業務上災害に関する実態はどのように把握されているか、教えてください。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 現在、個人事業者による災害発生状況を網羅的に把握する仕組みは存在しておりませんで、任意加入による労災保険の特別加入者に対する給付データや都道府県労働局、労働基準監督署が任意に把握をした業務上災害等を基に集計を行っているところでございます。
○大椿ゆうこ君 今後、例えばこういう法改正が行われた場合、実態把握というものはより今よりもしやすくなるとお考えでしょうか。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 本法案が成立いたしました場合には、この法案の中に個人事業者等に係る災害報告制度の創設を盛り込んでいるところでございまして、個人事業者等の業務上災害の原因や災害の状況等についてこの報告制度を用いてより具体的に把握をし、個人事業者等の業務上災害防止に向けて様々な施策を検討するための基礎資料ともなると考えております。 令和九年一月一日施行とする案としてございますが、成立しました場合には施行に向けた準備をしっかりやってまいりたいと考えております。
○大椿ゆうこ君 今回の法改正によって多様化する個人事業主をあまねく保護することができるのかどうか。個人事業主が報告主体となることから、法令において不利益取扱いの具体例を例示し、不利益取扱いをしてはならないこと、不利益取扱いを受けてはいけないということを周知徹底していく必要があると考えていますが、それをどのようにされるのかというところを詳しく教えていただきたいと思います。 ただ、先ほど石橋議員からもありましたけれども、今回、個人事業主のことが大きくこの法改正の中に含まれました。でも、そもそも、非正規労働者、そして外国人労働者、こういった方々が労働災害に遭っても、申請をしても認められなかったというようなケースや、そもそもそんなもの出すなと言われたりとか、そういうものがあるんだということを知らなかったという方々もいます。個人事業主だけでなく、そもそも今、雇用関係がありながらもこういった法制度の中から職場の中で排除されてきたというか、排除されやすかった非正規労働者や外国人、そういった方々も含めてこの周知徹底をしていくということをどうお考えか、教えてください。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 まず、個人事業者の関係でございますが、今回の改正は、建設アスベスト訴訟の最高裁判決の趣旨や建設業の一人親方において一定の死亡災害が発生している実態などを踏まえまして、労働者と同じ場所で作業に従事する労働者以外の方を安衛法による保護や義務の対象に位置付けるものでございます。このため、いわゆるフリーランスの方々の全数が今回の改正で保護や義務の対象になるものではございませんが、建設業や製造業などにつきましては、元請企業などの労働者と同じ作業で、同じ場所で作業することが多いと考えられますので、その多くの方が対象になるものと考えております。 また、個人事業者等が労働者とは異なる場所で就業する場合につきましても、一定の措置といたしまして、請け負った仕事における安全な作業の遂行について、今回の法改正でも一部改正をしております労働安全衛生法の三条三項という規定がございますが、そこで注文者の責務としてガイドラインで示していくといったことによって対策を推進してまいりたいと考えております。 また、御指摘のあったその個人事業者の方だけではなくて、非正規雇用の方ですとか外国人の方ですとか、様々なその制度の保護が及びにくいという御指摘につきましては、法律的に申しますと、労災に遭ったのに労災の申請をさせないというのは労災隠しという、これは刑罰で担保された許されない行為でございまして、そういったものは労働基準監督署を通じてきちんと是正を図ってまいりたいと考えますし、また、安全対策、衛生対策はやはりトップの方針と職場のボトムアップの声、両方が重要であると考えておりますので、御指摘のとおり、様々なお立場で働かれる方の声がくみ上げられることが重要であると考えております。 法律上は決して、その労働安全衛生法の適用は、正規雇用か非正規雇用かですとか日本人か外国人かとか、そういった切り口で設けているものではございませんので、しっかり法律を執行してまいりたいと考えます。
○大椿ゆうこ君 とても丁寧な説明で、終盤のところはとても重要なことをはっきりと言ってくださったと思うんですけれども、じゃ、それをどうやって周知するのかというところを御質問させていただいたので、ちょっとそこが今の答弁でははっきりしなかったかなと思いますので、具体的に、そういった個人事業主、そしてもうそもそも対象だったけれども行き届いていなかった非正規労働者、外国人の方々にどのように分かりやすく伝えていくのかという点を教えていただけますか。
○政府参考人(岸本武史君) ちょっと一般的なお答えになりますが、労働者の方に対して労働法を広く知っていただくというのは様々な取組が必要であると考えております。 その一環として、もう就職する前に学校段階で労働法に関する知識を身に付けていただくということのために、労働局の職員が希望する学校に出向いて労働法の授業をさせていただくといった取組もしておりますし、また、就職されてからについては、様々なリーフレットとかホームページの周知ということになりますが、そういった機会を通じて、あるいはSNSの発信などを通じて、労働法によってどういうルールで保護されているかということを知っていただく機会を増やしてまいりたいというふうに考えております。 また、外国人につきましては、これ、在留資格によって様々な入国の手続がございますが、例えば技能実習で入られる方ですと、入国されるときに、入国前の講習、入国後の講習というのがございます。そういった機会で確実に一定のその制度の知識、技能実習の場合には技能実習制度に関することを知っていただくことがメインになりますけれども、そういった機会を設けることが可能な外国人の方、在留資格の方については、そういった機会を通じて労働法に関する知識も知っていただくようにしているところでございます。
○大椿ゆうこ君 今回の法改正についても広く個人事業主の方々にも届くように様々な発信が必要かと思います。そして、参考人の方から、職場に出る前にこの労働法について学ぶ機会が大切だということで、ワークルール教育法、非正規議連の中で是非それを、法案実現させていきたいということも議論している最中でございます。是非、厚労省の方からもそういう御意見があったということですから、これ是非進めていきたいなと思って今の答弁を聞かせていただきました。 もう一つ、とりわけ運送業者について、契約に含まれない附帯作業で業務上災害に見舞われることがありますけれども、こういった点、どのように防止をされていきますか。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 例えば運送業者が着荷先で荷役作業のような作業を行う場合、当該作業を行う場所の管理を行う事業者、例えば倉庫業者さんですとか、そういった事業者と運送業者の間に請負関係があれば、改正法により創設をしようとしております三十条の四という規定によりまして作業間の連絡調整の対象に新たになるところでございます。 また、御指摘のような危険な付随作業を現場で急に求められるといったこと、これは個々の事例によってケース・バイ・ケースかと存じますが、当初の契約条件に新たに条件を付すということに当たる場合もあると考えられます。そうした場合には、現在の労働安全衛生法の規定によりまして、発注者に、安全で衛生的な作業の遂行を損なうおそれのある条件を付さないように配慮しなければならないという規定がございますので、こういった規定の趣旨にのっとった対応が求められるものでございます。 こうした法の趣旨をガイドライン等で明確にし、周知してまいりたいと考えております。
○大椿ゆうこ君 現場の労働者は突然その場で言われて、ある程度の関係性がある中ではなかなか断りにくいということも起こりますよね。その結果としてこういう労働災害が起きてしまうということもありますので、労働者が自分たちが断ってもいいという権利を知るということ、そして事業者、発注者はそういうことをそもそも頼んではならないということをやはり厚労省も積極的に発信をしていただければと思います。 個人事業主の労災保険の特別加入について質問をしたいと思います。 特別加入の実態及び補償の実態について教えてください。とりわけフリーランスの特別加入の現状、教えてください。お願いします。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 特定フリーランス事業につきましては、令和六年十一月一日から新たな特別加入の対象となったところでございます。加入者数につきましては、毎年度末の数字を把握しているところでございまして、現在集計中でございます。現時点で正確な数は把握してございません。 また、特別加入団体という制度がございます。特別加入の対象者を構成員とする団体でございまして、都道府県労働局長の承認を受けて、特別加入者の加入や保険料の納付といった労災保険の事務手続、特別加入者の災害防止活動などを行う団体でございますが、特定フリーランス事業に関しましては、特別加入団体が令和七年三月末現在で六団体ございます。 以上でございます。
○大椿ゆうこ君 今集計段階だということでしたけれども、いつ頃その集計は出てくるんでしょうか。
○政府参考人(岸本武史君) 申し訳ございません。 例年同じ時期に集計、公表しておりますが、その予定時期、毎年度、前年度末の数字を当年度末に公表するというスケジュールでやらせていただいておりまして、そのスケジュールで公表してまいりたいと考えております。
○大椿ゆうこ君 年度末ですかね。はい、分かりました。ありがとうございます。 この特別加入制度についても、周知が十分にできているのかどうかというふうに思います。先ほども挙げましたけれども、様々な個人事業主が増えている状況で、この特別加入制度の周知徹底も必要だと思いますが、どのような方法で力を入れているか、教えてください。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 厚生労働省におきましては、特定フリーランス事業の特別加入につきまして、特別加入制度を分かりやすく記載したリーフレットを作成し、関係省庁及び関係団体に送付するとともに、厚生労働省ホームページに特別加入制度の紹介ページを設置をいたしまして、加入促進のための周知を行っております。また、都道府県労働局におきましても、様々な機会を捉え、周知、広報や丁寧な相談対応などを行っております。 さらに、厚生労働省ホームページにおきまして、特定フリーランス事業に係る特別加入に関する承認を受けている団体について、当該団体の一覧を掲載し周知を行いますとともに、加入を希望される方からの問合せがあった場合には、その特別加入団体の案内を行っているところでございます。 引き続き、特定フリーランス事業に係るこうした周知を実施いたしますとともに、より効果的な周知方法についても不断に検討してまいります。
○大椿ゆうこ君 個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討会第四回の中では、個人事業主が加入できる一人親方労災制度の保険料が高額なため加入率が上がりませんという意見が出ており、また、日本芸能従事者協会の陳情でも、保険料負担の事業者への転嫁を求める内容が入っています。こういった意見もこの検討会の中で出てきているので、より多くの個人事業主の方々に労災を受けたときの補償としてこの特別加入も勧めていく上でも、保険料負担の在り方も含めて検討することがあってもいいのではないかということを、今日は検討するという余地もあるのではないかということだけお伝えしておきたいと思います。 そこで、大臣にお尋ねします。 プラットフォーム労働者の保護について、大臣の考え方を教えてください。 今、例えばウーバーイーツとかそれからアマゾンの配達員の方々、いわゆる何かプラットフォームワーカー、ギグワーカーと言われるような働き方が今どんどん増えてきました。 海外では、プラットフォーム労働者の労働者性を認めるという裁判の判決も出て、そういう動きも出てきています。発注者等が、発注者の労働時間、内容、強度を管理、決定する権限が強い場合において、その権限に比例して受注者の安全衛生への配慮、業務災害の把握、報告を求めるべきではないかと考えますが、そういったことも含めて、大臣のプラットフォームワーカーの位置付け、安全性の確保などについてお尋ねします。
○国務大臣(福岡資麿君) 一口にプラットフォーマーといいましてもその様態は様々であるというふうに承知をしておりますが、実態としまして、その配達をされるような受注者に対して指揮命令を行っており、受注者に労働者性が認められる場合には、労働安全衛生法上の事業者として受注者に対する保護措置を講ずる義務を負うこととなります。 他方、労働者性が認められず、プラットフォーマーが労働安全衛生法上の事業者に該当しない場合でも、プラットフォーマー自らが受注者に仕事を請け負わせている場合には、労働安全衛生法第三条第三項に基づきまして、安全で衛生的な作業の遂行を損なうおそれのある条件を付さないように配慮しなければならないこととなります。 また、今回の改正で創設されます個人事業者等の災害報告制度におきまして、個人事業者等の災害発生場所における直近上位の注文者などが報告主体となりますことが想定をされておりまして、プラットフォーマーもこれに該当する場合には業務上災害の報告義務を負うこととなります。 法案が成立した際には、これら改正法の内容についてプラットフォーマーの事業者団体などへの周知にもしっかり努めてまいりたいと思います。
○大椿ゆうこ君 大臣の答弁で、プラットフォームワーカーといってもその実態によるというところだと思うんですけれども、やはり昨年フリーランス新法が議論されたときにも一番ポイントだったのは、その労働者性というものを、今その労働者性の拡大ということを考えていかなければいけないのではないかという議論が行われたと思います。 このプラットフォームワーカーに関しても、やはり日本でも真剣にその労働者性というものを今議論すべきときだと思っていますし、労働組合の方では既にこういった闘いが始まっているので、この法制度の方をしっかりと整えていくことが必要であるということを申し添えておきたいと思います。 そして、今回のもう一つ法案の中でありますストレスチェックについてお尋ねします。 ストレスチェックは予防を目的とするものであり、集団分析、それを受けた職場環境改善にまでつなげてこそ効果があるものだというふうに思っていますけれども、その点を事業者側にどう周知すべきだと考えているでしょうか。
○政府参考人(井内努君) ストレスチェック制度は、メンタルヘルス不調の未然防止のため、集団分析及び職場環境改善まで含めた一体的な制度であり、事業者にはストレスチェック結果を活用した集団分析及び職場環境改善を行うよう努めていただく必要があると考えております。 有識者の検討会におきましても、集団分析、職場環境改善につきましては、現時点では大企業においても試行錯誤しながら取り組んでおり、取組内容も極めて多様ということで、引き続き事業者の努力義務という方針がなされたところでございます。 厚生労働省といたしましては、事業者等に対するストレスチェック制度は集団分析及び職場環境改善まで含めた一体的な制度であることの周知、集団分析結果を活用した職場環境改善の取組事例の収集、取りまとめ、取組事例を含めた研修の実施などの対策を通じ、適切な取組の普及に取り組んでまいりたいと考えております。
○大椿ゆうこ君 ストレスチェック受けて、ああ、自分、今ストレスが掛かっているなって、今はしんどい状況だなって、もちろんその労働者本人が自分の状況を把握するということは重要なんですけれども、そのストレスの原因、起因しているものが職場の中にあるのか、それ以外なのか、職場の中であるならば何なのかということを、その職場のところに起因するのであればそこの問題解決をしない限りは、やはりその方々のストレスを解消するということ、メンタルヘルスを整えていくということにはつながらないのかなというふうに思いますので、やはり好事例というものを紹介していくことが各職場での広がりにつながっていくのではないかと思っています。 今回、ストレスチェックの対象を労働者五十人以上の事業所から全ての事業所に義務付けることになります。産業医の選任義務もなく家族経営のところも多い五十人未満の事業所に一律にストレスチェックを義務化するというのは現実的なのかどうか、ちょっとそこに疑問があるんですね。少なくとも大企業と同様のやり方を適用するのは不可能ではないかというふうに考えますけれども、その対策は何か考えていらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(井内努君) 今般、ストレスチェックを全ての事業所に適用するということにつきましては、労災支給決定件数が八百八十三件と、精神障害の場合で過去最多、労働者十人未満等の小規模零細事業場においても多数発生しています。また、ストレスチェック制度の効果につきましては、ストレスチェックの実施だけでも約七割の労働者からストレスチェックの個人結果をもらったことを有効とする回答が得られたこと、医師の面接指導を受けた労働者の過半数から対面で医師から面接を受けたことを有効とする回答が得られたことを踏まえ、今般の決定と至っております。 今御指摘ありましたように、この義務化に当たりましては、中小事業者がストレスチェック制度に円滑に対応できるよう、十分な準備期間を確保するため、施行期日は公布から最大で三年確保した上で、高ストレス者の面接指導を無料で行う地域産業保健センターの体制整備、中小企業における実施体制、実施方法についてのマニュアルの整備等の対応を行い、進めてまいりたいと考えております。
○大椿ゆうこ君 その今準備期間を設けているということではありますけれども、やはり具体的にこうやったら実現可能ですよということを厚労省の方から具体に提案していかなければ、やはりなかなかこれは実効性がないのではないかな、なじまない、定着しないのではないかなというふうに思いますので、これを義務化するのであれば、具体的な働きかけをしていく必要があると思っています。 小規模事業所にストレスチェックを義務付けるに当たり、個人の特定をいかに防止し、労働者のプライバシーを保護するかが課題だと考えます。小規模事業者では、集団分析をするのもなかなかこれできるのかなというふうに思いますし、労働者も面接指導を申し出るというのも言い出しにくいかなという懸念もあります。どのようにして、こういった集団分析だとか面接指導の申出、こういうことをしやすくしていくかということについてお考えを聞かせてください。
○政府参考人(井内努君) 今回義務化を検討している五十人未満の事業所におけるストレスチェックの実施に当たりましては、関係者や専門家の意見を聞きながら、今御指摘ありましたように、労働者のプライバシーが保護され、現実的で実効性のある実施体制、実施方法についてマニュアル等を整備する予定でございます。集団分析等につきましても、その際に関係者、専門家の意見を聞きながら、どのような留意事項があるかということも取りまとめてまいりたいと考えております。
○大椿ゆうこ君 これからマニュアルを作成するということですかね。まだ具体策があるというわけではなく、これからマニュアルを作成する中で具体策を提示していこうというお考えかというふうに思いますが、是非、小規模事業者ゆえの難しさというところも、その視点を捉えながらそのマニュアル作成をしていかなければなかなか実効性がないと思いますので、その点もよろしくお願いします。 先ほども、精神障害による労災申請というのが非常に増えていっているという指摘がありました。このストレスチェックというものが、この精神障害、とりわけ精神障害に関わる労災防止に役立っていると受け止めているのか、また、今でもずうっと上がり続けているこの状況を、ストレスチェックという方法だけでなく、ほかの方法を用いながら対応することはできないのか、何か厚労省としては考えているのか、お聞かせください。
○政府参考人(井内努君) 精神障害の発生は複合的な要因が関わるものであり、ストレスチェック制度が精神障害の労災申請の増減に及ぼす影響を確認するということは困難というふうに考えております。 他方、ストレスチェックは労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止する、労働者自身のストレスへの状況を気付きを促すとともに、職場におけるストレス要因を評価し、職場環境の改善につながることを目的としたものでございますので、一定の効果があるというふうに考えております。
○大椿ゆうこ君 根本的な解決というところよりも、自身の状況を把握するという程度のものではないかなというふうに思いますが、一つのきっかけにはなることは確かだとは思ってはいます。 それでは、高齢者の労働者の労災防止について、最後に質問をしたいと思います。 ちょっと質問を幾つか飛ばしますけれども、高齢者、高年齢労働者の中には短時間で働く人たちも多いと思いますけれども、健康診断の実施層について事業者側はどのように責任を持っているか、これについてまずお答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 労働安全衛生法に基づく一般健康診断につきましては、事業者に対し、常時使用する労働者を対象に年一回実施することを義務付けておりまして、必要がある場合には、その結果を踏まえ、労働時間の短縮等の就業上の措置を講じることも義務付けているものでございます。 この健康診断は、労働者の業務に関連する健康障害を防止するものでありますことから、その対象は一年以上の雇用契約等であり、一週間の労働時間数が事業場における通常の労働者の所定労働時間数の四分の三以上の労働者としているところでございます。
○大椿ゆうこ君 就労継続措置として、今回、正規雇用ではなく業務委託等の形態が取られている場合、事業者はどのように責任を負うのでしょうか。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 高年齢者の就労継続措置として請負契約の方式を取り、労働者に該当しない場合には、改正法に新設いたします高年齢者の労働災害防止措置義務などの努力義務も含めまして労働安全衛生法の適用はございませんが、この会社とその高齢者の方が請負契約の方式を取ります場合は、個人事業者への業務の発注という形になりますことから、業種や委託業務の作業内容に応じ、発注者として労働安全衛生法第三条三項に基づく作業方法や納期の配慮を行うことや、元方事業者として労働者と個人事業者とが混在して行う作業間の連絡調整を行うことなどが求められるものでございます。
○大椿ゆうこ君 この法案の中で、高齢者の労働災害、とりわけ女性たちの労働災害が、転倒による骨折等が増えているというようなことでデータも添えられておりました。 そもそも、高齢者の方が働く、御高齢になっても働くようになってきましたけれども、もちろん健康な方、意欲のある方、お年を召されてもしっかりと働きたいと思う人たちは働けるということは必要ではあると思いますけれども、実際問題として働かないと暮らしていけないという状況がある方々も多くいらっしゃると思います。 今回、この国会では、年金改革法案、これが出される予定ですが、いまだに出されていません。出し渋っているのではないかというふうに受け止めています。私たち就職氷河期世代、大臣もそうですけれども、この世代が低年金に、将来的に低年金になるということから、その問題を解決する一つの方法として、今、年金をもらっている方々に少し御負担をいただくというような法案の中身であるというようなことも伺っています。 そういうこともあって、参議院選挙を前にして出し渋っていらっしゃるのかなと思うんですけれども、今回法案出す気があるのかどうか、それを大臣に最後にお尋ねします。
○国務大臣(福岡資麿君) 御指摘いただきましたように、就職氷河期世代だけではありませんが、基礎年金水準を引き上げる方向性について、その必要性については前回のこの法成立時の附帯決議等においても党派を超えて御指摘をいただいているところでございます。 私どもとしては、将来の基礎年金給付水準の確保と現在の受給者の影響のバランスも考慮しながら、各方面に幅広く御理解をいただき、早く国会に法案を提出できるように検討を進めてまいりたいと思います。
○大椿ゆうこ君 今国会で法案提出されるんですか。提出してくれるんですか。
○国務大臣(福岡資麿君) 各方面の御理解いただけなければ提出に至りませんので、御理解をいただいて提出できるように今鋭意努力をしているということでございます。
○大椿ゆうこ君 各方面というのはどの辺りなのかちょっと聞きたいところですけれども、時間がなくなりましたのでまとめますけど、各方面というところをまたお聞きしますけれども、そういったところに惑わされず、厚労大臣としては、やっぱりこの法案、とっても重要な法案ですから、今国会で出していただくよう強く求めて、質問を終わります。
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てるように質疑をしたいと思います。 労働現場で手袋はよく使うものであります。ラテックス、その原料となるラテックスでアレルギーを起こすということが分かっている以上は、ラテックス手袋によるアレルギーが生ずるということも自明の理でありまして、医療現場等における手袋は感染症対策のイメージが強いんだろうと思いますけれども、一般的には例えば危険物質に触れないようにとか、これはアレルゲン、アレルギーの原因となるものにも触れないようにといったようなアレルギー対策でもあるということでありますけれども、まさかそのアレルゲンに触れないようにするための手袋の原料がアレルギーを起こすという状況があったということでありまして、中でもパウダー付きのものが特にアレルギーを起こすということで、ちょっと話が長くなりますが、手術を行った医療者だけでなくて患者さんも、そのラテックスあるいはパウダー付きラテックスの手袋に対するアレルギーがあった。手術をしたら癒着を起こす。どうして癒着を起こすのか分からないからもう一回再手術をして、ラテックス手袋、パウダー付きを着けて、ばりばりばり、ばりばりばりと癒着を剥がす、そうしたらまた癒着が更にひどくなる。どうしてこんなことが起こるのかということを調べていくと、ラテックス、中でもパウダー付きの手袋が原因であったということであります。それを流通停止に厚労省の御協力を得て導くことができたというのが資料の一であります。 ちょっと背景だけ振り返っておきたいんですけれども、当初は、当然一般的な、一般用の手袋の対応も重要だろうということで、資料の二の一見ていただきますと、経産省に対して質疑を続けてきたところであります。赤で囲った上の段の、ラテックスのグローブでアレルギーを起こすと、私がアメリカに住んでいたときにはラテックスフリーといった表示で手袋が販売をされていたということ。経産省においては、更に何か対策が必要で、水色ですけど、であればそういう対策をしたいと。もうちょっと踏み込んでほしいなと思いましたので、二週間後にもう一回同じような質問をいたしまして、資料二の二ですけど、必要に応じて一層の取組を促していきたいと。 だんだん踏み込んできていただきまして、その後、グローブ工業会と医学会などの平場も含めまして、けんけんがくがくといいましょうか、熱心な議論もさせていただきまして、資料の二の三でありますけれども、消費者庁についても質疑を行いまして、赤で囲った上の段ですけれども、労働現場においてもラテックスのアレルギーの発症の報告はあっているということでありまして、二段目には、当時の松本大臣からラテックスアレルギーが存在することは承知ということ、そして、下の段、厚労省としてもラテックスアレルギーは医療現場においてアナフィラキシーショックの原因となるなどその重要性は認識と。 だんだんだんだんこうやって認識も深まっていっているような状況の中で、資料二の四ですけど、経産省においても医療現場において同様の課題を承知をしているということで、グローブ工業会との調整も整いましたので、資料二の五を見ていただきますと、赤で囲った二段目ですけど、委員からの御指摘も踏まえて国内関連業界がパウダーフリー化というのを進めていると。業界の方も御協力をするということになりましたので、その後ですけど、国内の関連業界はパウダーフリー化への取組を更に強化すると、こういった方針を含めて、一番最初の資料一でありますけど、医療現場におけるパウダー付きのラテックス手袋は流通停止ということで、使わないということにしていただいた次第であります。 大変良かったと思っているんですけれども、今日、労働安全衛生法の審議でもありまして、医療現場のパウダー付きラテックスグローブは流通停止になったと、じゃ、一般用どうなるのかと。アレルギーは場所を選ばないと思いますし、その後消費者庁の音頭で様々な普及啓発は行っていただいておりますけれども、一般用の取組についてまず今どうなっているのか、経産省に確認をしたいと思います。
○政府参考人(浦田秀行君) お答えいたします。 御指摘のアレルギー問題につきましては、日本グローブ工業会におきまして、医療用手袋の出荷につきまして、パウダーフリーのものに切り替えると同時に、天然ゴムラテックス製の手袋の出荷量を低減させるなど、これまでの委員の御指摘も踏まえて対応してきているというところでございます。 日本グローブ工業会の統計によりますと、その結果、二〇一九年以降、パウダー付きの医療用手袋は出荷されてございません。また、二〇一九年から二〇二四年までの手袋の出荷量に占める天然ゴムラテックス手袋の割合でございますけれども、医療用で一六%から七%に、医療用以外につきましても一一%から七%に低減してきているという状況でございます。 引き続き、厚生労働省において公表されている家庭用品に係る健康被害の年次とりまとめ報告における天然ゴムラテックスによるアレルギー被害の発生状況などの実態も踏まえまして、関係省庁と連携しながらこうした業界の対応を見守ってまいりたいと思っております。
○秋野公造君 ありがとうございます。 こうして医療用については流通停止ということになったわけでありますが、一般用のものは使われているということであります。減っているということについて経産省の取組には感謝申し上げたいと思いますけれども、この労働現場で使用されているラテックス手袋、アレルギー症状を起こすということはもう分かっておりますので、こうした物質について労働者保護の観点から規制を行うべきであると私は考えますけど、御見解お伺いしたいと思います。
○政府参考人(井内努君) 労働者に危険や健康障害が生じるおそれのあるものについて事業者が他の事業者に対し譲渡する場合には、労働安全衛生法におきまして、譲渡する側が危険有害性情報を相手方に通知すること、通知を受けた側が危険有害性情報に基づいてリスクアセスメントを実施し、必要な対策を講じること等を義務付けております。 これらの物質は、化学物質の専門家の意見をいただきながら、厚生労働省、経済産業省、環境省等で構成する化学物質の危険性及び有害性等を検討する会議において有害性等の分類を行い、その結果、有害性等があると区分された化学物質につきましては、労働政策審議会に対する諮問、答申を経て追加を行うこととしております。 今回御指摘の物質でございますが、この物質の追加ということで、毎年定期的に行うこととしているところでございます。今回御指摘いただいた天然ゴム由来のラテックスにつきましては、厚生労働省として検証が必要な物質と認識しており、今後、本日の御質疑も参考にさせていただきながら、順次リスクアセスメント実施義務の対象物質に該当するかどうかの検討をしていくものと考えております。
○秋野公造君 ありがとうございます。これ是非よろしくお願いをしたいと思います。 一方で、資料の二の七を見ていただきますと、例えばラテックスの手袋を作るときに製造工程で使います加硫促進剤自体がアレルギーを起こすということが分かっておりまして、例えばその加硫促進剤として使用されるチウラムやジフェニルグアニジンと、こういった加硫促進剤についても有害性は認められておりますので、こういった物質についても労働者保護の観点から規制が必要ではないかと考えますが、御見解お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(井内努君) 御指摘の加硫促進剤として使用されているチウラムや1・3ジフェニルグアニジンについては、国の分類において有害性等があると区分されており、リスクアセスメント実施等の義務対象物質となっております。 今後も、化学物質の危険有害性情報の収集及び分類を行い、順次リスクアセスメント実施義務の対象物質に該当するかどうかの検討はしてまいりたいと考えております。
○秋野公造君 ありがとうございます。 これも是非お願いをしたいと思うんですが、今、井内部長さんから1・3ジフェニルグアニジンという御答弁もありましたけれども、例えばこれ、異性体、同じ化学式でも立体構造が全く違うような物質も存在をしているわけで、何を指しているかというのはまた今後検討していただくということになろうかと思いますけれども、そうなりますと、原因物質を解明する活動というのはやっぱり非常に重要でありまして、先般の大臣所信の質疑で、経産省におきまして、独立行政法人製品評価技術基盤機構、大変質の高い原因解明を行っていただいておりまして、本当に今までよくぞここまで見付けてくれたと、こうやって私たち国民の命は守られているんだということを実感する。 その中で、パッチテストという、本当にその患者さんがそれが原因なのかということを最終的に確認をする、そういったところについて再検討をしていただいているということでありましたけれども、年度も替わりました、その後の検討についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(殿木文明君) お尋ねでございますが、先月十三日の本委員会におきまして、委員から、独立行政法人製品評価技術基盤機構、いわゆるNITEが行ってまいりましたアレルギー性接触皮膚炎の原因物質探索の事業につきまして、大変重要な大事な仕事だという旨の御評価をいただくとともに、本事業の縮小に係る御指摘を頂戴したところでございます。 当日、委員からの御指摘に対しまして、私から、本事業が医療機関からの依頼を受け、製品中に含まれるアレルギー性接触皮膚炎の原因物質の検出や同定を行うものである旨、その結果を踏まえまして、医療機関が患者の方に対しパッチテストを行うことによりまして、患者の皆様がアレルギー性接触皮膚炎の疑いがある際の原因物質の特定に貢献している旨、また、本事業の位置付けにつきまして、目下、精査、再検討を行っている最中であり、引き続きNITEと検討を深め、真摯に検討してまいりたい旨の御答弁をさせていただいたところでございます。 その際にも御答弁申し上げましたとおり、当初、NITEにおきまして、体制の縮小も検討の俎上にのせられていたところではございましたが、御指摘を頂戴いたしました今年度の事故原因分析事業につきましては、先日の委員会での委員からの御指摘や周辺状況等も踏まえながら、その後も経済産業省とNITEとの間で精査、再検討を続けました結果、昨年度に引き続き実施していくことといたしましたことを、今この場におきまして委員に直接御報告申し上げます。
○秋野公造君 ありがとうございます。 これで引き続き国民の命が守られるということで、感謝申し上げたいと思います。どうぞ引き続きよろしくお願いをしたいと思います。 もう一点、日本芸能従事者協会の森崎めぐみ代表理事からちょっと懸念がありましたので質疑をしたいと思いますけれども、猛暑の屋外作業などで過酷な環境で就業する芸能従事者が熱中症にかからないようにと対策を講じるということは重要でありますけど、ちょっとここで強調しておきたいのは、注文者が、個人事業者である芸能従事者に業務を依頼する際には、熱中症予防に対する費用を見込んだ内容とする必要があると考えますが、どう実効性を担保するのか、確認をしておきたいと思います。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 個人事業者である芸能従事者が熱中症予防対策を講ずる際には、自身が服装や健康管理に気を付けていただくことが必要不可欠でございます。 熱中症予防対策に必要な費用も含む請負金の費目等につきまして、労働安全衛生法第三条第三項に基づき、注文者に対して、安全衛生を損なう条件を付さないよう配慮することを求めているところでございまして、こうした配慮が適切になされるよう、御指摘を踏まえ、業所管官庁や関係団体とも連携しながら周知啓発に努めてまいりたいと考えております。
○秋野公造君 ありがとうございます。これ、よろしくお願いをしたいと思います。 今回、クレーンに関する内容もございます。資料三の一、三の二に、私、無線操作式のクレーンの免許について御質問をさせていただいて、昨年の三月にさせていただいて、無線により運転される床上運転式天井クレーンに限定した新たな運転資格の創設といったような議論をさせていただいたところであります。 これに向けた検討状況、御答弁をお願いしたいと思います。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 床上無線運転式の天井クレーンにつきましては、現在、専門家検討会におきまして、床上無線運転式の天井クレーンの労働災害リスクを分析をし、どのような資格とするのか、学科試験や実技試験の内容をどうするのかなどについて検討を行っているところでございます。 またあわせまして、床上無線運転式天井クレーンの使用実態、当該クレーンの固有の労働災害リスクなどにつきまして、御要望元でございます福岡県鉄構工業会の事業場を含め、天井クレーンを使用する事業場への実態調査を行っております。実態調査の結果を踏まえまして、専門家検討会において資格の在り方についての検討を進めてまいりたいと考えております。
○秋野公造君 ありがとうございます。是非よろしくお願いしたいと思います。 大臣所信でちょっと積み残した質疑を行わせていただきたいと思います。今日、仁木副大臣、ありがとうございます。 資料四でありますけれども、二〇一三年にフィリピンのレイテ島とサマール島をヨランダ台風が襲いました。風速百メートルを超えるという大変な台風でありまして、周辺の医療機関も大きな被害を受けまして、国立病院が被災をいたしましたのでお産をする場がなくなってしまった、町立病院が被災をしましたので結核の診療の情報が全て失われてしまったということでありまして、資料の二段目には、国立病院の支援を行ってくださいということ、一番下の段には、結核の対策として顕微鏡の供与を御提案をさせていただきまして、当時の岸田外務大臣、全て対応してくださいまして、顕微鏡の供与はもう質疑を行ったその当日に、そして国立病院も立派なものができました。 残念だったのは、国立病院を日本の支援で建て替えられたのに、日本の優れた結核に係る医療機器も、そして医薬品も全く入らなかったということでありまして、それなりの手続が踏まれていなかったということもありますけれども、建て替えるだけ建て替えて、日本の優れたものは使われなかったという問題意識があります。 そういうことがあって、次のページになりますけど、今年の骨太の方針、Gaviワクチンアライアンスに対することも、ストップTBパートナーシップに対することも、こういったことに対して、そこできちんと日本産のものを使ってもらうということを決めてもらわないと、日本のものがいつまでも使われない、それは国際貢献の質を上げられないことにもつながりますので、そういったことも骨太の中にしっかりと書いていただいたところであります。 仁木副大臣には、Gaviワクチンアライアンスの対応等もしていただいておりますけれども、新たな拠出についての交渉等も今行っていただいていると承知をしておりますけれども、日本の優れたワクチンを使っていただいて国際貢献の質を上げるとともに、それは国益にも資す、こういった両立につながるのではないかと考えますけれども、今後の方針を含めまして御答弁をお願いをしたいと思います。
○副大臣(仁木博文君) 秋野委員の御質問にお答えします。 我が国は、ヒューマンセキュリティー、人間の安全保障の考え方に基づいて、今御指摘のあったような活動が一つの事例でございますが、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成に向けて、国際貢献、いわゆるこの国際保健の課題に取り組んでいます。取組を進めるに当たりましては、御指摘のこのことに関しましても、御党、公明党の国際保健推進委員会からもすばらしい提言をいただいておりますように、国際貢献とまさに並立していわゆる国益を両立させるという観点が重要であるということを考えております。 そういう中で、Gaviに関しましては、供給されたワクチンを途上国内の隅々まで運び一人一人に届ける、いわゆるラストマイル、このラストワンマイルデリバリーの分野において優れた日本製品が貢献されてきたというふうに承知されておりますが、これは実はある自動車メーカーの保冷剤であったりしますので、委員御指摘のワクチンそのものではないわけでございますが、そのことで、実際、これ価格の問題もあるわけでございますけれども、やはりそのことも踏まえながら、御指摘のあるように、ワクチン国内、この国内でのワクチン市場がシュリンクというかちっちゃくなることが想定される中で、将来的には日本のワクチンがGaviによる支援、ワクチンリストに追加されまして、そして途上国でも幅広く利用されるようなことになることが望ましいということ、これはワクチンの海外販売が拡大し、国内の研究開発や製造のキャパシティーの維持拡大に寄与するというふうに期待しておるというのが一応考え方でございます。
○秋野公造君 そうなりますと、Gaviの支援対象、支援ワクチンの対象のリストに追加してもらうということが大事なプロセスになろうかと思いますけれども、同じ医師同士でありますから、例えばB型肝炎のワクチンなどは日本が大きな貢献をできる一つの例として例示をしたいと思いますが、そのことに対する御見解、お伺いしたいと思います。
○副大臣(仁木博文君) 秋野委員の御指摘ありがとうございます。 私も個人的には産婦人科医師でして、発展途上国、周産期医療も多いわけでございます。母子感染、いわゆる垂直感染を予防するという観点でも、このB型肝炎ウイルスに対するワクチン、これ重要でございます。 ただ、先ほどの答弁で私申し上げましたが、価格の問題がある。ワクチンをこのGavi経由で、それで打つということは、今実際には、御指摘のあったこのB型肝炎、これ国内で、あるメーカーのものは二千円を超えて、一バイアルですね、買われているわけで、流通しているわけでございますが、これがGaviに至りますと一つ四十円程度になってしまうという、こういう価格差がやはり、この日本の製薬メーカーがそこの、Gaviの方にリストに載せていただくような形でアプライする障壁になっているとは思いますので、その辺、されど、やはり今のこの当事者国とその製薬メーカーとのバイでの販売以上に、願わくばこのGaviという国際貢献する機関を通じての、製薬メーカー、日本の製薬メーカーの参画もより高まって、それがひいては日本の国益になるような形になればいいということは考えておりますので、秋野議員も御意見またいただきたいと思います。
○秋野公造君 私は、仁木副大臣に直接後押しをいただきたい、直接働きかけを行っていただきたいと思いますが、そこの決意についてお伺いしたいと思います。
○副大臣(仁木博文君) 答弁の予定ではなかったんですけど、頑張ってその辺は取り組んでいきたいと思っております。 本当に、今、日本が様々な形で国際貢献することがあるわけでございますけれども、地方の特に国民とかにその内容、趣旨が、思いが伝わっているかというと、そうでない現実がありますので、やはり国益ということも、国際貢献がまず一番でございますけれども、その中でやはり満たしていく、冒頭におっしゃっております公明党の委員会での御指摘というのは本当にこれから我が省庁も取り組んでいかなければいけない一つのありようだと思っております。 ありがとうございます。
○秋野公造君 藤井副大臣、今日はありがとうございます。 資料の一番最後のページには、Gaviワクチンアライアンスだけでなく、ストップTBパートナーシップについても骨太の方針にて政府自ら記載をしていただいたものであります。 この心は、グローバルファンドで日本はたくさんの支援を行います。たくさんの支援を行いますが、ここでもやはり日本産の優れた医薬品や医療機器が使われておりません。それは、例えば、ストップTBパートナーシップ、ストップ結核パートナーシップがそこのリストに日本の優れた医薬品や医療機器を載せていないから扱われないということでありまして、私どもの提案でストップTBパートナーシップに対する拠出が始まると、そこで活躍をしている竹中伸一先生が、日本の優れた医薬品、デラマニドという世界が本当に欲しかった薬剤耐性の結核や、あるいは富士フイルムが使っているような撮影装置とか、こういったものがリストに載るとグローバルファンドを通じて世界に貢献をする、これはまさに国際貢献の質を上げながら国益に資する取組だと思っております。 昨年の骨太の方針に書いているわけでありますけれども、ストップTBパートナーシップに対してどのような支援を行ったのか、最後にお伺いをしたいと思います。これからどうするのか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(藤井比早之君) 秋野理事にお答え申し上げます。 我が国といたしましては、結核対策が国際社会にとって重要な課題であるという認識の下、フィリピンにおいても、これまで、国立結核研究所の設立といったハード面での支援や、結核対策分野の専門家派遣、研修といったソフト面での支援を実施してきているところでございます。 現在、在フィリピン大使館を通じ、フィリピン政府や現地のストップ結核パートナーシップを含む国際機関の関係者との間で事業の内容等の詳細について鋭意調整、確認を行っているところでございまして、具体的には、適正な形での予算の執行や事業の維持管理が可能となり、開発効果がしっかり発現することを確保する観点から、現地における実施体制、実施地域、資金の配分等について調整、確認を行っているところでございます。 我が国の対フィリピン国別開発協力方針、フィリピンのニーズや関係者の考えも踏まえつつ、今年度の実施に向け引き続き調整を進めていく考えでございます。
○秋野公造君 よろしくお願いします。 終わります。
○委員長(柘植芳文君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十一分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(柘植芳文君) ただいまから厚生労働委員会を再開をいたします。 休憩前に引き続き、労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○猪瀬直樹君 今回は、労働安全衛生法改正案の質疑ということですが、その前に、自民、公明と維新で行っている三党協議の主要テーマになっているOTC類似薬の保険適用の見直しについて、具体的にどのように検討を進めていくかという提案をしていきたいと思います。 まず、資料の一枚目見てください。これですね。(資料提示)これは、OTC類似薬の保険給付範囲をどのように見直していくか、民間で出されている幾つかの試算額を並べてあります。それぞれ試算の仕方があります。 一番左側が日本総研、これ出しているんですが、これは最も広い定義で試算していて、金額は一兆六百億円になります。その試算は先日の委員会でも紹介しました。ほかにも、どこまで対象範囲を広めるかといういろんな計算の仕方がありまして、東京大学の試算では、六千五百十三億円、あるいは三千二百七十八億円と、二千三百三十億円というのもあります。健康保険組合連合会の試算では、二千百二十六億円と五百九十七億円と。 こういういろんな試算があるんですけれども、この表を見ていただいて、この中に、文章として出てくる部分で、OTCと医薬品の成分や効能が一致する品目と、こういう言葉があります。これちょっと記憶にとどめておいていただきたいんですね。 そこで、まず質問ですけれども、このようなOTC類似薬の保険適用を見直すことによってどの程度の医療費が削減可能なのか、そういった試算は厚労省でこれまで行ってきましたか。お答え願います。
○政府参考人(鹿沼均君) お答えいたします。 その試算に際しては、やはりどういった制度設計をするかということがベースにあり、試算が出てくるものだというふうに思っております。 そういった意味で、御指摘のOTCの関係の保険適用の範囲の見直しにつきまして、直近では令和五年九月と十一月に関係審議会において議論を行いました。これは、薬剤自己負担の見直しに関する四つの項目の一つとして議論をさせていただきました。 その際、このOTCの関係につきましては、国民皆保険の持続可能性を確保する観点から保険料負担の軽減につなげるべきといった意見がある一方で、医療上の必要性に応じて患者の方が適切な医薬品を選択できるように何らかの担保措置が必要ではないかとか、医療用と市販薬では同一の成分であっても期待する効能、効果や使用目的、患者の重篤性が異なる場合があり、市販薬の有無で取扱いを変えることが適当かどうかと、こういった多岐にわたる御意見をいただいたことであり、結局、この四つの項目、薬剤定額一部負担、薬剤の種類に応じた自己負担の設定、長期収載品の保険給付の在り方の見直し、それとこのOTCの問題、これらについて議論をした上で、最終的には長期収載品の自己負担の在り方の見直しを行うこととしたものであります。 したがいまして、令和五年の議論の際には、このOTCの関係につきましては具体的な制度設計といった議論には至っておりませんので、その場合の財政影響試算についても行っていないという状況であります。
○猪瀬直樹君 厚労省はやっていないということなんだ、結局ね。 自公維の三党協議では、これ具体的な提案しないと進まないんでそういう具体的な提案をするんですけれども、自民党も公明党も病院や薬局の既得権を守ることが第一で、ユーザーである消費者や保険料を負担している被保険者、つまり国民の立場に立つという姿勢が感じられないんです。でも、これからだからね。だから、これ出していかないと進まないんだ。まあ一応、維新の会は医師会とか薬剤師会とかそういう圧力団体のしがらみないから具体的に提案するんですけれども。 今回の、その具体的な提案のために、厚労省の担当者に、OTC類似薬のうちOTC医薬品と一日最大分量が同一であるものをリストアップしてもらって、類似薬とOTCとつまり同じ分量、成分同じ、こういうものをリストアップしてもらいました。それが資料二です。 これ、非常に画期的な資料で、御覧になってくださいね。OTC類似薬というのは全部で七千品目あって、限られた時間で全て網羅するのは難しかったので、今回そのうちの一部のリストなんだけれども、ここで十八の有効成分とそのOTC類似薬の製品名と薬剤費、それからOTC医薬品の製品名書かれているんですね。 これ見ると、ちょっとあえて緑色にマーカー付けたのが、金額が多いので付けたんですけれども、例えば上から六つ目の緑色のところはエピナスチン、これはアレジオンという製品名の抗ヒスタミン薬、アレルギーの薬なんですけれども、これOTCとOTC類似薬と同じ成分です、全く、量もね。それで、左側に医療用と書いてあって、右側にOTCと書いてあるんですね。医療用とOTCと同じ成分であります、これはね。これだけで、数字、五十五と書いた、真ん中に、五十五億円なんです。 それから、金額の大きいもので、次に緑色のマーカー付けたのはカルボシステインという成分なんですね。これはムコダイン錠五百ミリグラムと、これは医療用で、右の方にムコダイン去たん錠、たんを取るやつですね、これだけで百十六億円あります。これ、同じ成分で医療用とOTC、それぞれあります。 それから次に、その下のフェキソフェナジンという、これはアレグラですね、皆さんよく知っている、花粉症のときに飲みますね。アレグラ、これは医療用でアレグラ錠六十ミリグラムと。OTC、普通の薬屋さんで買えるやつはアレグラFXと、これ全く同じものです。これ、大事なんですね。こういう全く同じものがこうやってあるんですね。このアレグラだけで二百三億円ですね。 次に、もう少し下の方で緑色のところ付けましたけど、ヘパリン類似物質は、次に右の方へ行くと、ヒルドイドクリームという塗り薬で、これ皆さん、使っている人いると思いますけれども、次にOTCで、名前はビーソフテンクリームといいます。ビーソフテンクリーム、女の人はよく知っていると思いますが、これ五百四十四億円ですね。この中で一番金額大きいんです、これは。 さらに、この名前皆さんよく知っていると思いますが、ロキソプロフェン、ロキソニン錠六十ミリグラムと、これはOTCでロキソニンSと、こういうふうに売っているわけですね。これが百十五億円と。 さらに、その一番下の緑のマーカーですけれども、酸化マグネシウム、これは便秘の薬ですよ。酸化マグネシウムで、これが医療用の名前とちょっとOTCの名前は少し違いますけれども、そういうふうに、成分が全く同じなのにもかかわらず、医療用とOTCでそれぞれ売っていると。 医療用の場合はお医者さんがいなければ、というか処方箋を書いてもらわなければなかなか売ってもらえない、買えないという、処方されないという薬で、OTCは一般のドラッグストアで買える商品でありますが、そういうことで、成分と量、全く同じ、それがなぜ医療用、つまり処方箋なければ買えないのかという、そういう分け方がそもそもおかしいんだということを言っているんですが。 ここで、その薬剤費、これ合計すると千三百七十億円と、赤い枠で囲ってあります。これが削減できる対象になります。この十八成分だけで千三百七十億円ありますよという、実証的に示しているわけですが、まだ全ての薬をここで載せたわけではありません。保険適用をどこまで見直すかはこれからの話なんですが、例えばこのリストのように、OTC類似薬の中で、繰り返しますが、成分も一日最大用量も同じ、つまり中身が一緒でリスクも市販薬と同じもの、成分も一日最大用量も同じ、中身が一緒でリスクも市販薬と同じもの、これをまず見直したらどうかという提案なんですね。 仮にこれら十八成分のOTC類似薬を保険適用から除外すると、千三百七十億円の、保険、皆さん窓口負担ありますから、七割とか九割の保険給付が削減できて、更に言うと、これは薬剤費だけの金額なので、ここからお医者さんの初診料とか処方箋料とか、あるいは調剤薬局の調剤技術料とか服薬管理指導料とか、これみんな乗ってくるわけですね。実際の削減効果はこの何倍かになるはずです。 つまり、質問ですが、金額も一千億円以上でそれなりの規模感もあるし、もうこれ取っかかりとしては良い案だと僕は思うんですね。この提案について福岡大臣はどういうお考えか。それで、これまで、こうしたファクトを示して議論していかなければいけないわけでありまして、一般論ではなくて、ちゃんとこういうファクト示してロジックで僕は説明しているわけですから、きちんとロジックで語っていただきたい。
○国務大臣(福岡資麿君) 委員が資料の二でも示していただいていますように、これ一定の仮定を置いた上での数字でございますが、一日最大用量が同じOTC類似薬とその薬剤費については千三百七十億円というのは御指摘のとおりでございます。 今、具体的な薬剤名についてもいろいろ御指摘がありました。例えばフェキソフェナジンとかについては、一日の最大用量はOTCとOTC類似薬とで同じでございますが、OTC類似薬にはOTCにはない効能、効果として、例えば皮膚疾患というのがございます。ですから、皮膚疾患の場合はOTCでは購入することができず、OTC類似薬で手に入れていただくしかない。 その理由としては、皮膚疾患、全身がかゆくなるときは、例えばがんだったり糖尿病だったり、ほかの疾患の可能性がありまして、自己判断でOTCの服用をし続けることはリスクがあること、また、皮膚疾患は治療のやり方として内用剤と外用剤の併用などのやり方もあり、OTCを漫然と服用することで手当ての遅れにつながる可能性も否定できないこと、こういったことから皮膚疾患は対象となっていないというようなことがございます。 また、ほかに例を挙げていただきましたこのヘパリン類似物質というものについて、ヒルドイドクリームというやつですね、これについては、例えば抗がん剤の副作用の予防としても今使われていたりというようなこともございます。 そういったことを考えますと、今機械的に試算した数字、それがそのまま、ここは全部なくしていいかどうかということについては様々な議論があることだと思います。まさに今三党で御議論いただいていますので、そういったことも踏まえて、また公党間で御議論いただくべきものと考えています。
○猪瀬直樹君 今の説明は、それは取説に書きゃいいことですよ、そんなのは。要するに、そのために取説というのはあるので。いずれにしろ、これはもちろん三党の協議で進めますけどね。ちょっと弁解みたいなことばっかりやっていると話は進まないんですよ。 それで、先日の質疑でも指摘しましたけれども、このOTC類似薬、正式名称は処方箋医薬品以外の医療用医薬品という名前ですよね。処方箋医薬品以外の医療用医薬品ですから、類似薬は、これってグレーゾーンなんですね。こういうグレーゾーンというのは、このカテゴリーがそもそもがおかしいんじゃないかと言いたいわけですけれども、こういうグレーゾーンのカテゴリーは日本以外に存在する国ってあるんですか。これ、参考人、お願いします。
○政府参考人(城克文君) お答え申し上げます。 各国の医薬品販売制度につきましては、それぞれの国の医療保険制度、医療提供体制、歴史的沿革、費用負担の在り方についての考え方等の社会経済状況を反映して様々な規制になってございます。そのため一概に比較ができないという状況でございまして、処方箋医薬品に指定されていない医療用医薬品と同様のカテゴリーが存在する国があるかについてお答えすることは困難であるということでございます。
○猪瀬直樹君 それ様々と言ったら切りがないんだよね。 それで、次に資料三なんですけれども、これ、財務省が財政制度審議会で去年の十一月十三日に出したものなんですけれども、諸外国の医薬品に対する保険適用の状況が記されています。 この紙ですけれども、セルフケア・セルフメディケーション推進と整合的な保険給付範囲の見直しと、この言葉どおりですね。つまり、例えばイギリスで全部保険適用しなくたっていいよという話を今言っているんですけれども、例えばイギリスでは、軽度な症状のときには、この赤い線引っ張ったところ見てくださいね、処方医薬品に制限を掛けてOTC医薬品の購入を勧めたり、そういうことをしている。 あるいは、フランスでは、薬剤の有効性に応じて患者負担割合を変えたりしていますね。このフランスのところで、ちょっと下の方に赤で囲っているのは、医薬品の有効性等の上の方に、これ大事な言葉ですけれども、国民連帯の観点から負担を行うべきと、国民連帯の観点からね。この言葉大事です。そういう言葉が付いていますね。だから、これは三五%とか七〇%とか、軽度だったら八五%とか、そういうふうな、要するに患者負担の割合を変えているんですね。 それから、右の方にスウェーデンありますね。スウェーデン、千百五十クローネまで全額患者負担と書いてあります。つまり、一定金額まで固定の患者負担額を設定しているんですが、この千百五十クローネというのは、ちょっと下の方に一クローネ十四円と書いてあるから、計算すると、これ一万六千円です。つまり、一万六千円までは自己負担になるわけです。このイギリスもフランスもスウェーデンも、様々なやり方で薬剤費の保険適用に歯止めを掛けているんですね。 先ほど言いましたけれども、成分が同じものが医療用であったりOTCで売っていたり、両方やっているんです、日本は。そうじゃなくて、きちんとめり張りを付けて保険財政が破綻しないように工夫しているんです。日本でもこういう諸外国のやり方、自己負担の在り方、それを参考にしながら、OTC類似薬の保険適用範囲を具体的に見直す案を作るべきなんです。 大臣、この表、説得力がありますよね。これに基づいて具体的な案を是非作っていただきたいということで質問しますが、よろしくお願いします。
○国務大臣(福岡資麿君) 薬剤の保険給付の在り方の見直しにつきましては、一昨年末の改革工程におきましても、医療保険制度の持続可能性を確保するための検討項目として掲げられてございまして、この改革工程に沿って改革を進めていくことになります。 その中でも、御指摘のいわゆるOTC類似薬の保険適用の見直しにつきましては、先ほども申しましたように、自民党、公明党、日本維新の会の三党合意においても検討を進めるべき具体策の一つとして掲げてございまして、患者にとって必要な医療へのアクセスに配慮しながら、OTC医薬品との負担のバランスの観点であったり、今後の三党の協議体での議論も踏まえながら検討を進めていくことになると思います。
○猪瀬直樹君 検討を進めるのはいいんだけど、三党協議でやるんだけど、厚労省が自分たちからもこうしたいという意見がないといけないと思うんですけれどもね。 今、繰り返すけど、外国の例見ても、お医者さんが処方する処方箋医薬品か、あるいはドラッグストアで普通に買えるOTC医薬品かのどちらかなんですよね、普通は。こんなグレーゾーンのOTC類似薬があるというのは日本だけなんです。このグレーゾーンのカテゴリーを抜本的に見直していく必要があると思うんですが、医者の処方が必須となる処方箋医薬品以外は全てOTC医薬品に統一してはどうですかということです。これは国際標準でもあるし、医療費削減にもつながるし、セルフメディケーション、つまりそれを更に推進すると、こうなるわけですね。一石二鳥、三鳥ですよ。そういう政策ということをもうちょっと、三党協議はやりますよ、だけど、厚労省として自分たちがどうしたいのか言ってくださいよ、大臣。
○国務大臣(福岡資麿君) 一番最初の議論に戻ってしまいますが、そのOTC医薬品とそのOTC類似薬では、仮に同じ成分であったとしても、用法、用量や効能、効果が違うこともあれば、包装や添付文書等、医薬品を適正に使用するための情報の記載の程度や方法等が違うなどの差があるわけでございます。 例えば、OTCよりもいわゆるOTC類似薬の方が用量が高い場合であったり、OTC類似薬を用いて医師による疾患コントロールが適切になされなければ重篤化されることが懸念される場合などについては、御指摘のその処方箋医薬品以外は全てOTC医薬品に統一するというような考え方については困難であるというふうに考えておりますが、先ほども申し上げましたように、その保険適用の見直しにつきましてはその三党の協議体での議論も踏まえながら検討は進めていきたいと思います。
○猪瀬直樹君 今のお答えは僕は不十分だと思うんですよ。先ほどの資料二に戻って、この資料二の中で大臣は二つぐらい事例挙げましたけれども、そうじゃないものがこれだけたくさんあると出しているわけですよ。これに今大臣が、これはこういうことがあるからちょっと違うんだという説明をされたけれども、これだけたくさんあるのを全部その説明できますか。できないでしょう、だって同じ成分並べているんですから。 それで、ちょっとこれはがんの何とかに関係あるからできないとかってちょっと説明はしたけれども、そのうち二つぐらい説明しただけで、これが今十八出てきたけれども、これ更にもっと追加して出すんですよ、僕はこれから。時間がないから十八出すだけで精いっぱいだ。これ大変なんだ、この作業は、これを全部調べてやるのはね。だけれども、今の弁明ではこれに対する反論にならないんです。お分かりになりますね。二つ三つこの中で違うと言っても、この全部が違うわけじゃないということがあるから説明にならないと言っているんですね。まあ無理にお答えしなくてもいいけれども、ただ、それは論理としては全く成り立っていませんからね、いいですね。いいです。 まあ、お答え願いましょうか、やっぱり、これについてもう一言ね。つまり、これロジックとして成り立っていないということを御説明、一度、もう一回してもらいましょう。
○国務大臣(福岡資麿君) 先ほどその二つ例を挙げましたが、ここに示している十八の中で、その二つ以外にもあると思います。ちょっと御通告いただいていなかったので、そういう意味でいうと、そのOTC薬とそのOTC類似薬と、その効能、効果も含めてどういう違いがあるかについては改めて整理させていただきたいと思います。
○猪瀬直樹君 分かりましたよ。これ十八並べましたが、これからもっと出しますから、全部それについて説明できるんですかということだけちょっと予告しておきますね。それに答えられるかどうか。答えられないですよ、だって同じなんだから、成分が。いいです、それでこの件は終わりにしますが、これは引き続き三党協議でもやりますから、秋野さん、よろしくね。 で、これからこの法案審議の話に入るんですが、今回の労働安全衛生法の改正案について質問しますが、資料の四です。 これ、個人事業者への安全衛生対策の推進について伺うんですが、今回の改正案では注文者の側に作業間の連絡調整等の必要な措置が義務付けられているわけですが、元請が自前で雇用している人と大工さんとか一人親方で仕事を請け負っている人が作業現場で混在していて、そのうち雇用している人向けだった対策を個人請負の人にも適用するという、こういう内容ですね。 僕も若い頃、工事現場の親方やったことあるんですよ。現場には、どこで誰が雇われているかとか、請負とか、確かに雑多な人たちが集まっていて分からないの、いっぱい。だから、今回適用対象を広げるということは現場の実態から見て良いことだとは思います。 今回の改正案で、元請側だけでなくて、請け負う側の個人事業者側にも各種措置が義務付けられますが、そのための必要な費用などが請負人にとって大きな負担になることは危惧されるわけです。そうならないために改正案においてどのようなことが担保されているか、参考人から説明をお願いします。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 今回の改正では、御指摘のとおり、個人事業者等に対しまして、危険有害な機械や業務による災害の発生を防止するため、機械の定期自主検査ですとか特別教育の受講を義務付ける内容を含んでおります。個人事業者といえども、自らが現場に持ち込む機械のメンテナンス不足ですとか危険有害業務に関する知識不足が原因で御自身の安全、それから周りで働く労働者の方に危険を及ぼすこと、こういったことは避けるべきであることから、そのために必要不可欠な検査などについては御理解をいただきたいと考えております。 例えばですけれども、特別教育、様々な種類ございますが、足場の組立ての特別教育で申しますと受講料約一万円程度でございまして、こういった負担については御理解いただきたいと考えております。 ただ一方で、これらの費用も含みます請負金の費目等につきまして、同じ労働安全衛生法の三条三項という規定によりまして、注文者の方に安全衛生を損なう条件を付さないよう配慮することを求めている。こういった配慮の中に請負金の費目等も含まれるということになっております。 したがいまして、こうした配慮が注文者の方において適切になされるよう、業所管官庁や関係団体とも連携しながら周知啓発を図ってまいりたいと考えております。
○猪瀬直樹君 分かりましたけど、現場で使う機械などがきちんと構造規格が合っていて安全装置が備わっているかとか、それから定期的に自主検査をしているかなども今回の改正案で一人親方の個人事業者にも義務付ける内容になっているんですが、それはいいんですけれども、これ、どうやって個人事業者に実効性を担保するのか。単に義務付けと言っただけでは足りないと思うんですけれども、参考人の見解はいかがですか。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 御指摘のとおり、今回の改正内容につきまして、個人事業者の方に構造規格や安全装置の具備などについて御理解いただくことは大変重要でございます。 法律全体の施行期日よりも一年遅らせた施行期日を設定しまして、周知に万全を期してまいりたいということが一つございますが、あわせまして、こういった制度の実効性を高めるためには、個人事業者の方が作業現場に機械等を持ち込む際に注文者の方が確認をするということが大変重要であるというふうに考えております。このため、注文者による確認が望ましいという旨をガイドライン等により明らかにいたしまして、その協力も得ながら周知に取り組んでいくといったことを考えております。
○猪瀬直樹君 次に、時間の関係でちょっと資料五を省略しますね。これメンタルヘルスに関する質問資料ですけれども、これ一回ちょっと省略させていただいて、次に、メンタルヘルスの対策として、お医者さんに相談することになったときに、五十人未満の事業場では産業医の配置が義務付けられていないので、その代わりに地域産業保健センターが産業医を紹介して、その費用は独立行政法人労働者健康安全機構という組織が負担することになっているということなんですが、資料六です。 この機構のホームページからこれ取りましたが、これ資料六ですね、これ機構ホームページ。これ、幾つかの組織を統合してできた機構で、労災病院もここで運営しているんですね。 それから、いろんな業務があって、労災病院は今全国に二十九か所あるんですけれども、実際にはこの労災病院というのは普通の病院なんですね。労災の患者さんは二%しかいない。つまり、これ独立採算で、普通のお客さんというか普通の患者さんを相手に運営、経営しているわけです。だから、もう労災病院という名前がなくたって、その場所の名前があれば、そこの地域の名前がある病院で十分なんですけれども、というのは、本当二%しかいないんですから。つまり、独立採算でやっているんですね、地域の患者さん相手に。 だから、そういうことで、実態はもうこれ、この機構の実態がちょっと奇妙な実態になっている。その病院があること自体を否定しているんじゃなくて、二%しか労災の患者さんを相手にしていなくて、地域の住民を相手にしているという一般病院ですねということを言っているんですね。それ、事実ですから。 それから、そこの横の医療リハビリテーションセンター、これ横に書いてある、医療リハビリテーションセンター。それから、総合せき損センター、脊髄損傷ですけど、総合せき損センターというのがこれあるんですね。これ一体何をやっているかというと、これは北海道と九州にあって、ルーツは炭鉱の労働者がたくさんいた地域なんですよ。それの施設なんです。 それから、左下、一番左下の労働安全衛生総合研究所というのは、これ、前身の組織が二つあって、これは一九四二年と一九四九年なんです。戦中戦後なんですね。これまだあるんです。 そこの横にある白いこの、もうちょっと横にある、日本バイオアッセイ研究センターというのがあるんです。アッセイというのは何だかこれ分からないでしょう。分析とか評価とかそういう意味なんですね。バイオアッセイ、そういう意味ですけれども。日本バイオアッセイ研究センター、この組織は二〇二一年に不祥事があって、で、一昨年かな、閉鎖になっているんですね。つまり、ろくなもの並んでいないんですよ、ここに。 そういう中で、こういう戦後の労働行政の名残がずっと続いているパッチワークのような、昔、特殊法人と言ったんだけど、これ、労働者安全機構という組織なんですよ。もはやこれ歴史的な使命を終えているんじゃないかと。 これ、全体の予算額が三百五十九億円で、労災病院は独立採算なんでこれに含まれないんですけれども、職員数も労災病院は一万四千八百名いるんだけど、これは含めないとして、そのほかのこの機構の人たち一千名いるんですね。 なぜこの機構が、今回、中小企業向けに産業医の紹介をやることになったのか。役目を終えた組織の延命策にも見えてしまうんですけれども、どうなんですかと。大臣、お答えください。
○国務大臣(福岡資麿君) 労働者健康安全機構に対しては、労働災害の原因調査や安全衛生に関する研究を行う労働安全衛生研究所であったり、労働災害からの職場復帰を目指した医療施設でございます医療リハビリテーションセンターなど、利益を生むことが困難な施設の業務運営に必要な経費として運営費交付金を約百二十億円、施設修繕や機器整備に必要な経費に対します施設整備補助金として約五十三億円を交付してございます。 一方で、労災病院は独立採算だというのは御指摘をいただいたところでございます。この労災病院については、平成十六年以降、独立採算化して、そこは予算措置をしていないということでございます。 御指摘ありましたように、それぞれ意味があって、使命感を持ってやっている組織だというふうに認識をしております。
○猪瀬直樹君 このストレスチェックというのは、はやりのメンタルヘルスにかこつけて仕事と予算を拡大しているだけで、その実効性というのは二の次に見えるんですね、紙に書くアンケートみたいにやっているから。せめてこんなのは、ストレスチェックをスマホで気軽にできるようにすればいいわけであって、デジタルツールを活用して手間暇を減らせばいいんですよ。 その辺りをちゃんと考えているかどうかということで、もう時間がないので、最後、もう一回大臣に確認します。 つまり、これ、本当にこのストレスチェックってアナログ過ぎるんじゃないですかということをちょっと確認します。スマホでできるんです。見れば、アンケートが紙に書くようになっているんです、これ。
○国務大臣(福岡資麿君) ストレスチェックの実施方法につきましては、厚生労働大臣指針におきまして紙又はデジタル媒体による調査票の両方をお示ししているところでございます。 令和三年に厚生労働省が行った実態調査によりますと、ストレスチェックの実態、形態はウェブでの実施が紙での実施を上回っているところです。 デジタルツールの活用につきましては、紙とは異なる負担感であったり情報の取扱いといった点に留意する必要があるものの、事務負担を軽減するためには有効な面があるというのは委員御指摘いただいたとおりでございます。 五十人未満の小規模事業場向けマニュアルを作成するに当たって、専門家の意見もよく聞きながら、デジタルツールの活用も含めた現場の実情に応じた実施方法を検討してまいりたいと思います。
○猪瀬直樹君 時間が来ましたのでこれで終わりにしますが、セルフメディケーションということを考えて、OTC類似薬のことはよくもう一度考えていただきたいというふうに思っております。 以上であります。
○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。よろしくお願いいたします。 ちょっと質問の順番を変えて、林業、一番目の林業を後にさせてもらって、二番目のストレスチェックの方から質問させてください。 メンタルヘルスの悪化を予防するために、先ほど来、今日も午前中も議論がありましたけれども、労働者個々人がセルフチェックを実施することで自身のストレス度合いを把握することが必要ですし、中小零細企業への実施義務拡大に合わせて全ての事業場で確実に実施してもらうようにいかに実効性を確保するかが重要ですし、セルフチェックは重要だと思うんですけど、いわゆる今定めているストレスチェックというものが完全にこの実施義務拡大に合わせて全ての事業場で本当に実効性が確保できるのかというところを視点に議論をしていきたいというふうに思います。 職場の人手不足感が本当に増大する中で、ストレスチェックの受検に関する労働者、使用者の負担感というのも大きく声として聞こえてきています。負担を軽減するための対策、そして費用負担も対策が求められているというふうに私自身考えております。 例えば、ストレスチェックの調査票は現在四種類用意されていまして、二十三項目の簡易版で五分程度、五十七項目の標準版で十分程度、百二十問、項目の詳細版では二十分程度の時間を要するというふうに言われております。ただ、私も実際職場にいたときにやっていたときには、この目安の時間より時間が掛かったというふうに経験しております。 それぞれの調査票にメリット、デメリットがありますけれども、中小零細企業では集団分析を行うだけの、私は労働者もそもそもいないんじゃないかというふうに思っています。五十人未満ということは、十人、顔が見えて、これ集団分析するということが本当に現実的というか、やれるやれないじゃなくて、集団分析の必要性が本当にあるのかというところも疑問として私は呈されるというふうに思っていますけれども、そういうことを前提にすると、集団分析を行えないものの、簡易版の二十三項目、この調査票でも私は、実際にはメンタルヘルスの対策をすることのためにやるわけなので、事足りるのではないかというふうに考えていますけれども、厚生労働省としてどのストレスチェック票を推奨していくお考えなのか、お示しください。
○政府参考人(井内努君) お答え申し上げます。 事業者がストレスチェックに用いる調査票については、厚生労働大臣告示により、五十七項目の職業性ストレス簡易調査票を用いることが望ましい旨を現在示しております。 また、二十三項目の調査票につきましては、中小規模事業場における実施可能性を考慮し、五十七項目の標準的な項目を更に簡略化した調査票として作成されたものでございます。 御指摘のように、二十三項目の調査票は、五十七項目の調査票と比べ、ストレス状況を詳細に把握できないものの、集団分析も行うことは可能であり、事業者及び受検者双方の負担軽減につながるものと考えております。 今後、五十人未満の事業者におけるストレスチェックの実施方法についてのマニュアルというのを作成する予定でございますが、その際に、関係者、専門家の御意見を伺いながら、いわゆる五十人未満の事業場における調査票の在り方というのも検討の一つだと、項目の一つだと思っておりますので、その際に検討させていただきたいと思っております。
○田村まみ君 その調査票とともに、先ほど口頭でも申し上げましたが、小規模事業場の集団分析をやることの必要性、そしてその効果についてもお答えください。
○政府参考人(井内努君) 小規模事業所のいわゆる集団分析の必要性と効果ということで、今委員御指摘の労働者の心理的ストレスの改善等があるということ、これにつきましては、学術論文、研究報告書を基に検証の結果、ストレスチェックの実施に加え、その結果を踏まえた集団分析、職業環境改善の取組により、労働者の心理的ストレス反応の改善等があるということが確認されています。 しかしながら、集団分析の単位は、対象者が少なくなると個人が特定される可能性が高まるため、十人未満の集団分析の単位は、指針により、原則として対象者となる全ての労働者の同意を取得しない限り集団分析の結果を事業者に提供してはならないということにしております。今後、五十人未満の事業場でストレスチェックを実施するためのマニュアルを作成すると、その際にこの方法についても検討してまいります。 今御指摘いただきましたように、例えば顔の見える関係の中で十人程度でやっているのに、それが本当に必要かどうか、少人数で必要かどうかというのは、例えば経時的な変化を見るというようなことで、いわゆるその作業所がどういった変化があるかというようなことも集団分析の一つの手法としてございますので、そのやり方については、関係者、専門家ともよく相談をし、プライバシーの問題にも配慮して、どんな方法がいいのかということは検討をさせていただきたいと思っております。
○田村まみ君 やはり小規模事業場の方でこれを実施していくというところで、そのストレスチェックをすることによってのメンタルヘルス対策が進むことは重要だというふうに考えていますけれども、一方で、費用負担であったりとか、少人数でやることに対してのその個人の特定というようなことなど、本当に問題がたくさんまだ指摘されている中で、今回、法改正、義務化の法改正だけがされるということですので、まだまだ中身については検討会も中間取りまとめしか出ていないというふうに見ております。ですので、しっかりとこれ現実的にそのメンタルヘルスを対策していくためのものにしていく、そしてそれが費用のためにやれなくなるということは防いでいただくような検討をしていただきたいというふうに思っております。 その上で、私は、もちろん専門家が入って集団分析をやっていって、様々な効能、効果を考えていくのも大事だと思うんですけれども、これも賛否あるんですが、セルフチェックをやっていくことによって自身の状況を把握するというところ、そこがまず徹底されるということ、私は相当重要だというふうに思っています。 日頃から実施している健康診断でも、メンタルヘルスに関する問診項目、関係するような問診項目というのがあるわけなので、例えば、その小規模事業者の徹底というところでいけば、健康診断の問診票に自身のストレス状況に関する診断項目を追加していくようなことによって、健康診断と一体的にストレスチェックを実施するみたいなことが可能になるようなことも私は考えるんですけれども、このようなこと検討されているでしょうか。
○政府参考人(井内努君) 今般のストレスチェックといわゆる一般健康診断との関係ということでございますが、一般健康診断におきましては、いわゆるその結果が事業主の方に伝えられ、事業主がそれを基に職場環境改善に取り組むという義務を負うということで、結果が基本的には事業主に伝わるということになります。 一方、ストレスチェックに関しましては、その結果というのは非常に機微なものでございますので、基本的には御自身の中で完結するということ、集団分析等でいわゆる匿名化をした場合にはそのデータとして活用するということもありだということではございますが、基本的にはそういった違いがございます。 そういった中で、ただ、具体的に一般健診とストレスチェック、どういった切り分けをしていくかということかと思っております。ただ、実際に検討会の中での審議の中で、一般健康診断は現在実施しているので非常になじみがあると、そういった中で、ストレスチェックというのをどういったやり方でするのかといったときに、いわゆる一般健康診断の方を入口にして何かできないかというような御意見等もいただいておりますので、健康診断とストレスチェック、いずれにしても円滑に、いわゆる五十人未満の事業所の方で運用、実施できるような方法というのは、今後、関係者、専門家とも相談しつつ具体的に検討を進めてまいりたいと思っております。
○田村まみ君 検討の余地があるというような御答弁で受け止めました。 しかも、課題が、結果が事業主に伝わるという明確なもう課題が見えているわけなので、そこをどうやって防ぐかということを考えれば、一般的にやっている健康診断の中で、そのメンタルヘルスのチェック、この辺も進めていけるような、メンタルヘルスの対策も進めていけるということができるというふうに思っています。 そういう中で、大臣に聞きたいんですけれども、今般の改正では、先ほど来ある労働者五十人未満の事業所に対して、労基署へのストレスチェックの実施結果の報告義務は課されないというふうになっています。この五十人未満の事業場においてストレスチェックが適切に実施されているかをどのように確認して、適切に実施していない事業場にはどのような対処をしていくのか、ここについてお答えください。
○国務大臣(福岡資麿君) 今御指摘がありましたように、今回、五十人未満の事業場の負担軽減の観点から、五十人以上には課しております労働基準監督署へのストレスチェック実施結果の報告義務は課しておりませんが、そうした中にあってもストレスチェックが適切に実施されるように、法案が成立した場合には、施行に向け事業者に必要な周知を行うとともに、施行後、五十人未満の事業場に対し自主点検調査票を送付いたしまして、回収した結果を基に労働基準監督署が管内の未実施事業場を把握し、それを対象に周知、指導を実施することを検討しております。 私も、この法案審議するに当たり、自分でホームページに載っている、その自分でストレスチェックやってみました。結構、自分の心身の状況が客観的に分析をされるということって自分自身にとってもすごく有用なことだなというふうに感じましたので、そういったことも含め、しっかり周知を図っていきたいと思います。
○田村まみ君 個人情報だったので、高ストレスな結果が出たかどうかは聞きませんけれども、心身共に健やかであられることを私は祈っております。 そういう中で、自主点検調査票を出してということなんですが、その返信がないところに対して、しっかりと労基署の体制整備も行っていただいて取組を進めていただくことが、私は実施の徹底について重要だというふうに思っています。 どうも、この審議をしていると、ストレスチェックを実施することが目的になりそうになりますけれども、メインは、これ労働者のメンタルヘルス、ここが健やかに保たれているかどうか、ここがポイントだというふうに思っているので、その視点で議論をしていただきたいというふうに、今後の議論進めていただきたいというふうに思いますし、今までも労働安全衛生調査の実態調査の中で、例えばメンタルヘルスの対策を打っているかというふうな設問がある中で、あっ、質問しないんで大丈夫です、がある中で、実は幾つか項目があるんですけど、それの一つがストレスチェックやっているかどうかであって、それ以外の環境整備やっているかどうかって幾つか項目あるんですよね。 残念ながら、何をやっていたらこのメンタルヘルスの対策をその事業場がやっているかという定義がないんですよね。今は検討の中で出てきた考え得る項目を挙げて調査をしているだけなので、このストレスチェックを義務化すると同時に、最低限どういうことをやっている事業場がメンタルヘルスの対策を打っている事業場なのかみたいなこと、そこをまず明確にしていく方が私は先だというふうに考えていますので、是非そこの御検討もいただきたいというふうに思います。 その上で、さっき労基署の体制整備のことはお伺いしましたが、午前中に石田委員がお話しされた産保センター、ここの、私、体制整備も大変重要だというふうに考えております。 厚労大臣、一問飛ばして最後の質問したいと思いますが、まず、この産保センターについては、地域での体制整備の状況、これも格差があるというふうに伺っています。特に、産業医始めとする産業保健スタッフの確保が困難になってきていることも事実だというふうに思います。登録していらっしゃる方で活動しているかどうかみたいな数字はありましたけれども、そもそも確保難しいということが挙がっているので、登録者数増やしていくなんというのは相当、私、机上の空論だと思っています。 そこで、一つ御提案なんですが、例えば、設置根拠は異なるんですけれども、各地域の保健所の設備や機能の活用、機能統合みたいなことも今後検討していくというのは、私は一つ、その地域の中での国民の健康を守るという意味でいくと検討の余地がある課題、問題提起だというふうに思うんですけれども、今の時点でのお考え、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(福岡資麿君) 労働者の方の健康管理進める上で、産業医を始めとする産業保健スタッフを確保することは大変重要な課題だと認識しております。 産業保健スタッフは、労働の現場における労働者の健康管理等について専門的な知識を身に付け、事業者から選任等をされて、例えば産業医についていえば、職場の巡視であったり作業方法の見直しに関する事業者への助言などを行っていただいているところです。 一方で、保健所は、疾病予防、健康増進、環境衛生の向上等を通じて地域住民の健康を支える公的機関であり、必ずしも労働者の健康管理に関する専門的な知見であったり分析装置等の設備を有しているとは限らないなどの課題があるというふうに考えてございますが、産業保健スタッフの確保に向けては、労働安全衛生法に基づく産業医のための研修の機会の確保、産業保健総合支援センターにおける専門的研修の拡充などを通じてしっかり対応してまいりたいと思います。
○田村まみ君 今でも地域で連携されているようなところがあるというふうには伺っております。ただ、連携だけでは、そもそも人口減少で資格者も少なくなっていくという中で現実的な対策を打っていくというときに、先ほど、もちろん労働者の特有の課題というのはありますけれども、その地域の住民の健康増進という意味でいけば私は共通しているというふうに考えますので、その体制整備の中での御検討には是非入れていただきたいということをお願いしておきたいというふうに思います。 それでは、一問目の方に戻りまして、個別の課題の方に入っていきたいというふうに思います。 この労働安全衛生の中でも、千人当たりの災害発生率が全産業の十・一倍、令和四年の結果ですけど、十・一倍である林業の労働者のその災害について取り上げていきたいというふうに思います。 まず一つ目に、振動障害の保険給付について、療養が一年以上にわたって継続している者に対して、保険給付の適正管理のための診療担当医からの所見書を年に二回程度徴取することになっています。振動障害は林業等に従事していた方に多く発生しており、過疎地のいわゆる限定的な地域で、その地域医療体制の維持が困難になる中で専門医が不在となっていて、空白地域が生まれて所見を求める医療アクセスに課題があるということで、その医師の確保については以前も私は質疑させていただいております。そういう中で、実際にこの振動障害の診断のための検査実施体制についてお尋ねをしたいというふうに思います。 専門医の確保が本来であれば必要ですけれども、それが難しいという状況の中では、例えば林災防においても所見書の提供を可能にするや、また、平時から、ふだんの振動障害の健康診断は事業者において実施をされておるというふうに実態として聞いております。こうした既存の体制を活用して検査の結果を医師に提供することで、所見書を徴することのない、この代替としてやっていく、こういう仕組みを検討してはいかがかということを御質問したいと思います。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 振動障害の治療につきましては、昭和五十六年に開催された振動障害の治療等に関する専門家会議の報告書に基づきまして振動障害の治療指針を策定をし、当該指針を踏まえて、症状の程度や経過を的確に把握するため、年に二回程度、振動障害診断所見書を提出していただくこととしております。 この所見書の作成のために遠方の医療機関へ通院せざるを得ないケースがあることは把握をしておりまして、厚生労働省といたしましては、被災労働者の方の利便性の向上を図るため、都道府県労働局に対し、各局の実情に応じて検査の実施を医師会や医療機関に実施していただくよう要請するよう指示を行っております。実際、それを受けて、検査を新たにやっていただけるようになった例も承知をしております。 一方で、今回御指摘いただきましたような林業・木材製造業労働災害防止協会のような団体が有している振動障害の検査の仕組みを活用しまして主治医が所見書の作成をすることにつきましては、その可否も含めて関係団体と相談してまいりたいと考えます。
○田村まみ君 関係団体と相談するというふうに言っていただいたので、是非相談していただきたいんですけれども、その相談の中でもう一つお願いしたいのが、この振動障害というのは経年で完治するとは言われていない障害であって、認定後の検査については本当にこの認定するときと同じ検査である必要がないのではないかというようなことも医師や患者の方からも話が出ております。具体的に幾つかの検査項目の削除なんかも要望が出ているというふうに伺っていますが、この認定や認定後の所見書の在り方など、検討がそもそも必要だというふうに考えております。 専門医が減少し、アクセスが確保されない中で、今後もこの検討については、していく場とか、していくという方向性、見える形でやっていただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 この所見書の提出に当たっての検査項目でございますが、これは私ども労働基準局が示しているものでございます。 一例でございますけれども、例えば、その振動障害に関する検査項目について冷水検査というのがございますが、これについて、原則五度の冷水でとなっているところ、治療指針において、被験者の苦痛、治療上の弊害等を考慮し、冷水温度十度で検査を行ってもよいというような取扱いも行っておりまして、こういった、これは、今申し上げたのは一例でございますが、こういった点、また新たに必要が出てくれば、それを受けて検討をしたいと思います。 〔委員長退席、理事三浦靖君着席〕
○田村まみ君 必要が出てくればということなんですけれども、先ほどの、所見が取りづらいような、専門医がいなくなっていることも踏まえながら、状況変化の中で全体をちゃんと見直す場をつくって議論していただきたいということをお願いしておきたいというふうに思います。 そして、今日、資料一枚だけ配らせていただきました。この労働安全衛生法の一部改正において、今回、個人事業者等が労働者と同じ場所で就業している場合というところの考え方、この議論がされております。 林業の場合、事業場とはまさにこの山林になりますので、この点がこの議論の中での製造業とかサービス業の事業場というところとは大きく異なるというふうに考えております。一貫するお仕事の中で、上の方で先行伐木というのを一人親方とかがされる場合があって、その上で、その下で、その先行伐木をされている方と離れたところで集材とか運搬作業をしているというところ、ここが雇用労働者のことがあるというようなパターンを聞いております。 こうやって離れている場合でも、労働者と同じ場所で就業する場合というふうな形にして保護の対象というふうに考えていくべきだというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 私の地元でも、もうかつてより大分減られたとはいえ、林業で生計立てていらっしゃる方いらっしゃいます。 この林業については、今御指摘ありましたように、一人親方が一人で作業するケースもあれば、労働者と一人親方が混在して作業するケースもあるのが常態であるというふうに承知をしておりますが、混在作業のケースであれば連絡調整等の義務がその場所を管理する事業者に課されることになり、その際には一人親方も保護対象となるものでございます。 御指摘がありました混在作業が行われる場所の具体的な範囲につきましては、個々の事業場の実態によって判断することとなりますが、法案成立後の施行に際しましては、現在、建設業や造船業、製造業についてお示ししているのと同じように施行通達などで考え方をお示しする予定でございまして、林業関係者の方々にとって分かりやすい周知に努めてまいりたいと思います。
○田村まみ君 いろんな職場というか、働く場が想定されるというふうに思いますので、幅広に、そして一回議論したから終わりではなく、追加等々も検討をするような形に法案成立後はやっていただきたいというふうに思います。 なぜこれを取り上げたかというと、林業で死亡災害が減少しない背景として、一人で作業されているがゆえに労働災害が発生した時点で発見が遅れて、結果として死亡災害に至るというような事態、これが多く発生しております。 林業における労働安全衛生確保のために、この安全衛生の法令において、一人親方を含む下請に対しても併せて、そして今やっている労働者の人たちもそうなんですけれども、一人作業のやっぱり排除や緊急連絡体制の整備、ここをやっぱり義務化していかなければ、発見が遅れて死亡みたいなところを防ぐということができないというふうに思いますので、ここの義務化をしていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 林業では、山林において作業されることから一人作業となることがあり、その安全確保については、労働者、個人事業者共に重要な問題だというふうに認識をしております。 このため、厚生労働省では、法令上の義務ではございませんが、林業の現場における労働災害の発生時の早急な救護等を図るために、作業中の労働者相互の連絡方法の策定、また連絡責任者の指示による労働者相互の安全確認などの措置をガイドラインで求めているところでございます。また、特に危険の程度が高い掛かり木処理、倒れるときにほかの木に引っかかってしまうような、そういうときの処理においては二人以上で行っていただくようガイドラインで求めさせていただいているところです。 これらを法律で義務付けることについては、またその現場の実情を踏まえた検討が必要でありますため、引き続き現場において、個人事業者を含めたガイドラインによりまして安全が確保されるように指導していきたいと思います。
○田村まみ君 もう現場の実態として分かっていることですので、もう義務付けの方向で議論していただきたいというふうに思います。 時間来たので終わります。ありがとうございました。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。 アスベスト訴訟の最高裁判決を受けまして、個人事業主を労安法の対象として位置付ける、これ前進だというふうに受け止めております。個人事業主も含めた労働災害の防止へ、そしてまた、先ほど紹介もありましたが、ILO百五十五号、この条約の批准へ道が開かれたということになると思っております。同時に、これを一歩として更なる安全な労働環境を整備していくと、こういう国の責任が改めて求められているということは指摘にとどめたいと思います。 その上で、法案では、特定機械等の労働災害を効果的に防止するためということで、今回、ボイラー、クレーン等に係る製造許可の一部、移動式クレーン等の製造時等検査について民間の登録機関が実施できる範囲を拡大するというふうにしております。特に危険な作業を必要とする機械等、特定機械等ということになりますが、これによる労災事故の発生状況、これが一体どうなっているかということを確認したいと思います。二〇一〇年及び直近二〇二三年、この死傷災害の発生状況が何件になっているか、クレーン等ということでどうか、移動式クレーン等ということでどうか、それぞれ何件か、数字でお答えいただきたい。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 まず、クレーン等に起因する休業四日以上の労働災害は、平成二十二年、二〇一〇年におきまして一千二十三件、令和五年、二〇二三年におきまして一千九件発生しており、うち死亡災害は、平成二十二年で三十三件、令和五年で十四件となっております。 また、移動式クレーン等に起因する休業四日以上の労働災害は、平成二十二年において六百三十一件、令和五年において五百七十四件発生しており、うち死亡災害は、平成二十二年で三十七件、令和五年で二十五件となっております。
○倉林明子君 これで見ますと、十三年の経過あるんだけれども、死傷災害件数というのは変わっていないというのが現状かと、若干減っているという数字ではあるんだけれども、余り変化ないですよね。特定機械の中でも、とりわけ移動式も含めたクレーン等での死傷者が、これ特定機械全体から見たら、ほぼ九割を占めているという状況にあろうかと思います。これ、一層の労災事故防止対策の強化が求められるところだというふうに私は思うんですね。 これらを民間移管にすると、拡大するということなんだけれども、労災事故減少にこれどうつながっていくのかよく分からない。御説明をいただきたい。
○国務大臣(福岡資麿君) 今回、製造許可申請の審査の一部であったり製造時等検査を民間移管するクレーンや移動式クレーン等の機械につきましては、死亡災害は長期的に見て大幅に減少してございまして、休業四日以上の死傷災害は、年によって変動はありますが、おおむね横ばいで推移してございます。 また、これらの災害につきましては、玉掛け作業、これ私も実際現場で拝見させていただきましたが、その玉掛け作業中の事故であったり、クレーンなどの取扱方法によるものでございまして、クレーンなどの構造上の欠陥を直接の原因とする事故は発生してございません。このような災害を防止するためには、作業現場において安全な玉掛けの実施など、関係法令が遵守されることが必要でありまして、労働基準監督署による指導を通じて違反の是正を図ってまいりたいというふうに思います。 一方で、設計審査であったり製造時等検査に求められる知識、経験が専門高度化していること、十分な知識、経験を持つ民間検査機関が存在することを踏まえますと、設計審査等を民間検査機関が担う仕組みを整備しながら、行政職員が事業者への指導など、権限行使を含む行政ならではの役割に注力できる環境を整えることで、より効果的に災害の防止、減少を図ってまいりたいと考えています。
○倉林明子君 機械のせいと違うて取扱いのせいで事故増えているというような説明だったかなと思うんですね。 改めて、これ資料で一枚目入れておきましたけれども、既に民間移管しているというその登録制の検査機関において、もう既に、このブルーで囲ってあるところは既に民間移管が進んでいるところですよね。こういうところで実態どうなのかということを確認したいと思うんですね。既に民間移管している登録制の検査機関、ここにおいて、法令違反行為による行政処分、これ何件あったのか、ボイラー、クレーン等、移動式クレーン等、それぞれ何件発生しているのか、御紹介を。 〔理事三浦靖君退席、委員長着席〕
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 運転中の機械の検査であります性能検査につきましては、現在の登録制度に移行いたしました平成十五年以降では、クレーンに関する行政処分は、改善命令が六件、業務停止命令が二件となっております。クレーン以外のその他の特定機械等に関する処分はございません。 また、これらの処分事案につきましては、いずれも違反内容に対する是正状況を確認し、再発防止対策を徹底しており、さらに、その後の定期的な監査等により、継続的に適正な検査の実施を確認しているところでございます。
○倉林明子君 登録性能検査機関であります社団法人ボイラ・クレーン安全協会、ここが、二〇一二年、クレーンの性能検査で、同協会、いわき、茨城、福岡、この三つの事務所で、荷重試験を行わなかったなどの法令違反で業務停止の処分を受けていることは私も確認しました。 さらに、二〇一六年、クレーンの作業中、労働者の死亡事故が発生しております。同協会は、二〇一一年から二年ごとに、この案件で二〇一一年から二年ごと三回の性能検査を実施し、法令に適合していないにもかかわらず性能検査に合格させていたことが判明し、二月の一部業務停止処分とされたと、これは報道で確認をしております。 今はないというようなお話だったけれども、こうした事案が民間登録検査機関で発生したという事実はあるわけですよね。検査しているということで言っていたのに、実際には適合していないのに合格ということをしていたという事案があったというのは重大だと思っているんですね。 今回の改正案では、移動式クレーン等の製造時等検査を新たに民間移管とすることになると。つまり、この真ん中のところ、青、青で囲ってあるその製造時等検査、今度は赤い、一番下の移動式クレーン等、ここが実際に民間移管ということになりますので、この真ん中の部分については全て民間移管していく。やれないところあるから、しばらくはやるということでフォローはするということなんだけど、そういう方向で出てきていますよね。 移動式クレーンというのは据付けの必要がないということになりますので、要は、監督署による落成検査がないというのが移動式クレーンになりますね。この三つの今御紹介したところの右のところですけれども、落成検査は、これ監督署がやるんですよ。上二つは行政の目が通るんです。全てを民間移管にされない。ところが、この移動式クレーン等、いまだ労災事案もあるというところについては、今度行政の目がなくなっちゃうんですよ。それ極めて重大だなというふうに思っているんです。 つまり、これ、行政の目に触れないままで現場で使用されるということになります。使い方の問題もありましょうけれども、実際にそういう労災事故防止という観点からいうと、事故リスクが高まりかねないという懸念があるんですけれども、大臣、認識いかがでしょうか。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 まず、御指摘の過去の事案については、これは大変遺憾なことであるというふうに私どもも思っております。 一方で、今回の改正におきまして、設計審査、製造時等検査に求められる知識、経験の専門高度化ですとか、民間検査機関の存在、また行政職員が行政ならではの権限行使などの業務により一層シフトしたいといったことから、今回の仕組みを提案しているところでございます。 また、あわせまして、今回の改正で、民間登録機関に対する審査や検査方法の斉一化のため、審査、検査方法に関する法定の基準を定めることにしておりますほか、不正防止のため、民間登録機関に対して都道府県労働局が定期的な監査を行い、登録要件に合致し適切な審査や検査を実施できることを確認しますとともに、登録要件を欠く場合には、登録の取消しや業務の一時停止を命ずるなど、厳重に処分をすることによりまして、登録機関の適正な業務遂行を担保してまいりたいと考えております。
○倉林明子君 これ、基になりました検討会の報告書の中でも、落成検査は法令に基づく安全措置の履行確保の確認が目的であることから、行政以外の者が行うべきではないということで指摘もされている。移動式クレーンの製造時検査、これ、落成検査と同様に、行政による安全性の確認のために重要な手順ということで規則で位置付けられていますよね。要は、さらに検討会でどういう指摘があったかというと、行政において落成検査を行う人材の育成が必要だという指摘もされています。 移動式クレーンのときは製造時検査等でこの落成検査の代わりになるような位置付けで検査しているんですよね。そういう意味でいうと、この移動式クレーン等のところで製造時等検査を外すということ、民間に移管するということの意味合いは違うと思っているんですね。幅広い技術的知見と豊かな実務経験、これが必要だし、キャリアが、積み重なったキャリアがあってこそ磨かれる専門性があると思うんですよ。それが安全衛生分野の専門職員である技官の役割だと。これ、極めて現場際でも大きいと思うんですね。 聞きたいのは、今回の法改正に当たって、第一線の現場で実務を担っている検査担当職員である技官、ここからの意見というのは聴取されたんでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 特定機械などの設計審査又は製造時等検査制度の改正の検討に当たりましては、令和六年一月から有識者による検討会を開催し、機械関係の専門家のほか、労働組合や使用者団体の代表を参集して検討を行いました。また、令和六年三月に本検討会の報告書がまとまった際には、これまで現場での実務を担ってきました、御指摘ありましたその厚生労働技官も含む職員の代表であります厚生労働省の職員団体との意見交換も行ってございます。 その後の労働政策審議会におきましては、こうした関係者からいただいた意見も踏まえて慎重に検討を行い、成案を取りまとめていただいたものと承知しています。
○倉林明子君 明確な、技官から聞いたのかということについては、労働組合から聞いたという回答だったと受け止めました。 厚労省は、二〇〇八年以降、各種検査業務を担ってきた技官の新たな採用を中止しております。人が足らないので民間にというようなことでいいのかと思うんですよ。現在、監督官が監督業務と検査業務を含む安全衛生業務も併せて担当するということになっております。現場からは、技官が積み重ねてきた知見、豊富な経験、これ引き継がれているのかという声です。さらに、製造時等検査を全てこれ民間に移管するということになりますと、行政の監視機能の弱体化、これ避けられないのではないかというふうに思います。 技官を計画的に採用し体制強化に取り組む、この方向で検討すべきではないかと思います。
○国務大臣(福岡資麿君) まず、労働基準監督官試験につきましては、法文系の方と理工系の方の区分がございます。この安全衛生業務に関する専門性を有する職員につきましては、この理系の試験区分で採用された労働基準監督官を中心に中長期的に育成をさせていただいているところでございます。 特定機械等の検査等の業務に従事する職員は、安全衛生部署に所属する職員の中から、研修機関での座学や実機による実地研修の受講、所属長や上司による検査結果の確認等によるOJTにより育成をしてまいりました。さらに、労働局で製造許可に従事する職員につきましては、理工系の知識を有する職員に追加の座学及び実地研修を実施してございます。 引き続き、必要な人材の確保及び育成を図りますとともに、検査を適切に行うための体制、維持してまいりたいと思います。
○倉林明子君 理系の中で位置付けはしているという御説明だったかと思います。 技官としてきちっと、本当に専門職としてキャリアも積み上げて知見も重ねてということが担保されるということ、本当に必要だというふうに思っております。 これ、厚生労働省の所管ではありませんけれども、耐震偽装、社会的な大問題になりました姉歯事件というものがありました。これ、行政も民間の指定確認検査機関、ここも偽装、改ざんを見抜くことができなかったんですよ。キャリアや経験を積み重ねてリスクを見抜くという力、これが後退するようなことがあってはならないと、同じ轍を踏んではならないということを強く警告したいと思います。現場際での技官含めた体制強化ということを重ねて求めておきたいと思います。 その上で、メンタル対策、先ほど来議論もありました。法案では、ストレスチェックについて、労働者数五十人未満の事業場についても実施を義務とするということです。 それでは、これまでの取組と効果はどうだったのかを確認したいと思います。第十四次労働災害防止計画で、メンタルヘルス対策として、ストレスチェックの実施にとどまらず、結果を基に集団分析を行い、職場環境の改善まで行うことでメンタルヘルス不調の予防を強化するというふうにあります。 ストレスチェック、集団分析の実施状況、そしてその効果についてはどのように検証されているんでしょうか。
○政府参考人(井内努君) 令和五年の労働安全衛生調査によれば、集団分析を実施した事業場の割合は、五十人未満の事業場も含めた全体で二八・七%となっております。 ストレスチェック制度の効果につきましては、学術論文や研究報告書等を基に検証の結果、ストレスチェックの実施に加え、その結果の集団分析、職場環境改善の取組により、労働者の心理的ストレス反応の改善等が見られており、令和六年三月から開催され、今回の実施義務の拡大を議論したストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会や、その後の労働政策審議会において確認されております。 今後も引き続き効果検証の方は行ってまいりたいと考えております。
○倉林明子君 私、実際の効果を見る場合の指標として大事なのは、やっぱり過労死ゼロ、労災を本当に減らしていくということだと思っているんですね。 ところが、これ二枚目に今日入れています、先ほども御紹介ありましたけれども、労働災害のこの資料のとおり、精神障害、これは労災件数というのは増加傾向に歯止めが掛かっておりません。自殺者も少なくありません。効果を上げているということがここを見ればとても言えないんじゃないかというふうに思うんです。 五十人未満の事業場への義務化の拡大を急いで進めるという根拠は一体何なのか、御説明いただきたい。
○国務大臣(福岡資麿君) こちらの表にも書いてございますが、精神障害の労災支給決定件数が令和五年には八百八十三件と過去最多で、そのうち五十人未満の小規模事業場においても多数、割合でいうと大体その半分程度発生してございまして、メンタルヘルス対策は事業場規模にかかわらず課題となってございます。 ストレスチェック制度は、高ストレス者に対する医師の面接指導と相まって、労働者が自身のストレスの状況への気付きを得る機会となるものでございまして、こうした機会は小規模事業場の労働者であっても与えられることが望ましいと考えています。 このようなことから、労政審において労使にも御議論いただいた上で、今般、ストレスチェックの実施義務の対象を五十人未満の事業場にも拡大させていただくものでございます。
○倉林明子君 否定するものではないんですね。ストレスチェックが無効だとまで言う気はないんです。気付きにもつながっているだろうし、それによって医師の面談というところにアクセスできているかもしれない。しかし、実際の精神障害や自殺というところにまで追い込まれる方が増えているということに対しての効果検証が要るんじゃないかということが主な指摘事項ですので、そこは受け止めていただきたい。 効果評価を行っている研究というのはとっても少ないということは検討会でも指摘がありまして、五十人未満の事業場に踏み出すという上では、その負担も大きいので、その点からもこの根拠ということ、効果ということについての検証を更に深める必要があるんじゃないかということです。 先ほども指摘ありましたけれども、本当に、じゃ、五十人未満の事業場でこのストレスチェックができるのかと、実施できるのかということでいいますと、産業医の選任は義務付けられておりません。対応できる医師をどうやって確保するかというのが大きな課題になってこようかと思います。無料で医師の面談が利用できるという地域産業保健センター、地産保、これについては担当医不足ということについて先ほど自民党の石田委員からも御指摘があったとおりかと思います。なかなか、予約して行くんだということになると、それが膨大に対象が増えるということになりますと、受皿として本当に機能するのかという御指摘、そのとおりかというふうに思います。 そうなると、どうやってその義務付けに見合った体制を確保していくのかという課題に対する解決策が見えておりません。さらに、センターが使えないということになりますと、医師面接に掛かる費用が大体一件一万円から五万円ということになるだろうと。こういう負担を一体誰がするのかということになるわけです。十人未満の事業場も例外じゃないし、その場合の集団分析についても指摘があった。これ、本当に、どうやって組み合わせて効果を上げるような実効性ある取組にしていこうというお考えなのか、いかがですか。
○政府参考人(井内努君) 労働者五十人未満の事業場に係る高ストレス者への面接指導は、地域産業保健センターにおいて無料で実施すると、これでいきたいと思っております。全国三百五十か所の地域産業保健センターにおきまして、現在、登録産業医自体は八千人おりますので、その方々にお願いをすると。 そのために、厚生労働省といたしましては、関係団体に協力いただき、既に登録されている産業医の一層の協力や登録産業医の更なる拡充をお願いしたいと考えており、法成立後三年以内の施行に向けて、地域産業保健センターの体制の充実に取り組んでまいりたいと思っております。
○倉林明子君 いや、とってもちょっと、今ので、できる体制の説明になっていたとは言い難いと思います。 早期に、その高ストレスを自覚した労働者に対して、小規模であったって医師の面接受けさせたいと思う事業主があるのはもう歓迎すべきことだと思うんですよ。その場合、地産保の予約が取れないということで、長期の放置、長期間放置することになり得ることもある。その場合であったら、早期に受けてもらおうと思ったら医師の面談料を負担しなければならないと。それは事業主の責任ですかということにもなってくるわけですよ。何だか形だけ整えているんじゃないかと。そういう意味でいうと、実効性をどうやって担保するのかということでは是非詰めていただきたいと思います。 その上で、労働災害として精神障害を引き起こす最大の要因は何か。先ほど石橋委員からも指摘があったとおり、私も、その最大の要因は、長時間労働、そしてハラスメントにありますよ。ここにこそ本気でメスを入れるということについて、最後、大臣の見解を伺って終わりたい。
○国務大臣(福岡資麿君) 精神障害による労働災害の防止に向けては、今回の改正内容でございます全事業場におけるストレスチェックの実施に加えまして、委員が御指摘いただきましたように、長時間労働の是正であったり、職場におけるハラスメントの防止も大変重要であるというふうに考えております。 長時間労働については、労働基準監督署における監督指導の徹底であったり、労働時間の短縮等に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主への助成金などを通じて、その是正を図ってまいりたいと思います。 また、職場におけるハラスメントに関しましては、都道府県労働局長による紛争解決援助であったり、事業主に対する助言、指導等を行ってございまして、また、この国会にハラスメント対策の強化を盛り込んだ労働施策総合推進法の改正法案を提出をさせていただいているところでございます。 これら様々な施策を通じまして、引き続き、長時間労働の是正であったり、ハラスメントの防止に全力を挙げたいと思います。
○倉林明子君 やっぱり過労死をどうやってゼロにしていくのかと。長時間労働、ハラスメント、指摘されて本当に長いわけですよ。本気でやれと言って、今日は終わります。
○天畠大輔君 れいわ新選組の天畠大輔です。代読お願いします。 労働安全衛生法の改正案のポイントの一つが、労働者数五十人以上の事業場に義務付けられていたストレスチェックを全ての事業場に義務付けるというものです。ストレスチェック制度は、労働者のストレスの状況を少なくとも一年に一回は検査し、その結果に基づいてストレス度の高い労働者への面接指導や分析をして職場環境を改善するなど、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防ぐための制度です。令和五年の労働安全衛生調査によれば、不安やストレスを感じる割合は八二・七%にも上る中で、事業場の規模にかかわらずストレスチェックを義務付ける改正は評価ができます。 一方で、契約期間が一年未満の労働者や労働時間が通常の労働者の所定労働時間の四分の三未満の短時間労働者には、ストレスチェックを行うべき労働者の範囲から外されております。もちろん、小規模事業場の負担を考慮する必要はありますが、対象から外している合理的な理由はあるのでしょうか。
○政府参考人(井内努君) 一般的に業務に起因して生じるストレスは、一定以上の時間業務に従事することによるものと考えられ、また、ストレスチェックは労働者に対し一年以内ごとに一回、定期に実施するものであることから、ストレスチェックを行うべき労働者の範囲については、一年以上の雇用契約等であり、一週間の労働時間数が事業場における通常の労働者の一週間の所定労働時間の四分の三以上の労働者としております。
○天畠大輔君 代読します。 ストレスの原因は複合的です。仕事の失敗や対人関係によるストレスは、労働時間の長さに関係なく生じます。実際、令和五年の労働安全衛生調査はパートタイム労働者も対象としており、ストレスを感じる人は六五・二%います。そのストレスの原因は、仕事の量や対人関係に次いで雇用の安定性も多くなっています。労働時間が短いからストレスが少ないのではなく、雇用が不安定だからストレスが増えることもあります。 このようにストレスの原因は複合的ですから、労働時間の多寡のみでストレスチェックの必要性を線引きするのは合理的ではないと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 先ほど政府参考人が答弁をさせていただきましたとおり、一般的に業務に起因して生じるストレスは、一定以上の時間業務に従事することによるものであるという考え方の下、一年以上の雇用契約等であり、一週間の労働時間数が事業場における通常の労働者の所定労働時間数の四分の三以上の労働者としてございます。 御指摘の労働時間数が四分の三未満の短時間労働者等をストレスチェックの対象とすることにつきましては、科学的な知見も含め今後の検討課題だというふうに認識をしております。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をいたしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 ところで、大臣、学生時代にアルバイトの経験はありますか。
○国務大臣(福岡資麿君) はい、ございます。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をいたしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 そのときにストレスはありましたか。
○国務大臣(福岡資麿君) 当然ストレスはございました。それは例えば、学生時代ですから、学業に関するものなのか、例えばクラブ活動によるものなのか、例えばそのアルバイトによるものなのか。 一般的に、職場で過ごす時間が比較的短い労働者の方々のストレスの要因というのは様々なところにある可能性があるというふうに承知をしています。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をいたしておりますので、しばらくお待ちください。
○天畠大輔君 そうです。学生も仕事でストレスを抱えています。代読お願いします。 資料一を御覧ください。 株式会社マイナビ、大学生のアルバイト調査二〇二三年によれば、週の労働日数は平均して週二日から三日が約六割以上、一日の労働時間は平均して三時間から五時間も約六割以上ですので、多くの学生はストレスチェックを受ける労働者の範囲に含まれません。 しかし、資料一の三のとおり、ストレスを感じる学生は約半数近くはおります。決して無視できる数字ではないと思います。同一の職場内にもかかわらず、ストレスチェックを受ける人と受けない人で分断してしまうと、短時間労働者のメンタルヘルス対策が後回しにならないか、懸念を抱きます。 資料一の四のとおり、学生アルバイトの早期退職理由のうち、上司、先輩から理不尽な指摘や指導があったが三〇・六%と最も高く、次いで、上司、同僚など職場の人間関係が合わなかったが二六・四%となっております。フルタイム勤務の労働者のストレスが低くても、そこから指示を受けて働くパートタイム労働者のストレスが見過ごされ、職場環境の改善につながらないおそれもあります。 何よりも、政府は同一労働同一賃金を推進し、雇用形態を理由とした不合理な待遇格差を是正することを目的として、パートタイム・有期雇用労働法を作ったはずです。労働時間によってストレスチェックの対象範囲を狭めることは、この法の趣旨に反するのではないでしょうか。福岡大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(福岡資麿君) 御指摘のあったその短時間労働者をストレスチェックの実施義務の対象とすべきかどうか整理する上では、その職場で過ごす時間が比較的短い労働者の高ストレスが、家庭環境などのほかの要因のものではなく、一義的にこの職場における業務に起因して生じているかどうかを考慮する必要があると考えています。一般的に、業務に起因して生じるストレスは一定以上の時間業務に従事することによるものであるという考え方の下、今回の制度は設定をさせていただいています。 このように、労働安全衛生を確保する観点からストレスチェックの対象として義務付ける範囲を定めることにつきましては、正社員と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差を禁止するパートタイム・有期雇用労働法の趣旨に反するものではないというふうに考えております。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 時間に関係しないストレスについて、もっと分析が必要という認識はされていますか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(福岡資麿君) 委員の御指摘もございます。これは専門家の意見も聞きながら、科学的知見を踏まえた検討が必要だというふうに考えております。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をいたしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 本改正案では分析が足りなかったことを指摘し、次に行きます。代読お願いします。 ストレスチェックの対象もさることながら、ストレスチェックの結果をどのように活用するかが最も重要です。しかし、本改正案でも、ストレスチェックの個々人の結果を集団ごとに分析し、職場改善につなげる取組は努力義務のままとなっています。 令和五年の労働安全衛生調査によれば、ストレスチェックを実施した事業所のうち、結果の集団ごとに分析した事業所の割合は六九・二%、前年よりも三ポイント下がっています。さらに、その結果を活用した事業所の割合は七八%、こちらも前年よりも二・二ポイント下がっています。つまり、ストレスチェックの結果を分析から活用までできている事業所は六割にも満たない現状です。 このような現状において、ストレスチェックを全事業所に義務付け、その後の集団分析を努力義務のまま改正しても、メンタルヘルス対策の更なる充実を目指す施策としては実効性に欠けるのではないでしょうか。ストレスチェックの結果を受けて、従業員個人への面接指導、そして集団分析を行った結果から職場環境の改善の指導、助言を行うのが産業医ですが、産業医を選任する義務は五十人以上の事業所に限定されています。 ストレスチェックを全事業所に義務付けるのであれば、ストレスチェックをして終わりにならないよう、その実効性の担保が急務です。そのためには、小規模事業所への国の財政支援の下、産業医の選任義務を全事業所に拡大し、全ての労働者が産業医による健康管理を受けられる仕組みの構築を検討すべきと考えますが、厚労省の見解はいかがでしょうか。
○政府参考人(井内努君) 高ストレス者への面接指導を行うのは必ずしも事業者が選任した産業医である必要はなく、登録産業医が高ストレス者の面接指導を無料で行う地域産業保健センターに依頼することができると考えております。 今回、ストレスチェックの実施義務対象を労働者数五十人未満の事業場にも拡大するに当たっては、新たに面接指導を受けることが見込まれる全ての労働者について、地域産業保健センターで対応できるよう、登録産業医の体制の更なる充実を行うこととしております。
○天畠大輔君 代読します。 日本と同様に産業医の資格と義務的配置を法律で定めているフランスの制度は参考になります。フランスの産業医の職務は予防的な活動が中心で、健康診断の実施とその結果に基づく適正配置、そして職業病や労働災害防止のための職場環境改善です。健康管理の重要性が社会的に認知されるようになり、その専門医養成数及び志望者は増加しているそうです。フランスはヨーロッパ諸国の中でも自殺死亡率が高く、日本と同様、その解決が長年の課題となっています。 そのような現状において、労働者のメンタルヘルス対策の推進が法制化されています。二〇一三年には、雇用主は、労働者の身体的健康及び精神的健康を守るために、企業内に予防対策を組織すること等が義務付けられました。産業医の権限も強化されており、労働者個人の健康診断を簡素化する一方で、事業場への立入り権を強化し、労働環境の改善による集団的な疾病予防を優先させています。そして、産業医だけではなく、看護師や臨床心理士、ソーシャルワーカーなど多職種による健康増進活動を推進し、産業医はそのリーダーとして企業における健康増進のための計画や評価に関わることが求められています。 こうした法整備は、産業医の機能強化だけではなく、民間の従業員支援プログラム組織の発展にもつながっているそうです。臨床心理士、ソーシャルワーカーなどの職員と外部協力専門家で構成されるPSYAというコンサルタント会社は、フランスの企業等に三百六十五日二十四時間体制で無料の電話相談を行うなどのメンタルヘルス支援業務を行っています。 資料二を御覧ください。 メンタルヘルス対策の重要性が年々高まる中、フランスと日本はそれぞれ産業医制度の法整備を進めているわけですが、その土台が異なります。 フランスでは、事業場の規模にかかわらず全ての労働者が産業医による健康管理を受けることができます。その前提で、企業の対策、産業医の権限、多職種との連携が強化されています。 日本医師会や連合も地域の小規模事業場への産業保健サービスを強化するため、産業医の選任義務を三十人以上に引き下げることも視野に入れた提起をされていました。 日本においても、フランスの制度を参考に、より多くの労働者が産業医による健康管理を受けられる仕組みづくりの検討を始めませんか。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 委員は海外の制度も大変詳しくていらっしゃって、私もそこまで詳しくは存じませんが、この制度そのものについては承知をしてございます。 産業医の選任義務の対象を労働者数五十人未満の事業場に拡大することにつきましては、このような小規模の事業場が産業医の支援を受けることによる効果とその負担の双方について検討する必要があるというふうに考えてございます。 このため、今年度、労働者数三十人から四十九人規模の事業場のうち希望するところに対しまして、地域産業保健センターの登録産業医が職場の巡視であったり、健診結果に対する意見聴取等のサービスをパッケージで提供するモデル事業を実施することとさせていただいています。 今後、このモデル事業が事業場の衛生管理体制に与えた影響であったり、費用対効果に関する事業者の考え方について実態を把握した上で、産業医制度の在り方について検討を深めてまいりたいと思います。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 小規模の事業場への財政支援の強化は検討できませんか。厚労省、お答えください。
○政府参考人(井内努君) 小規模事業所でのストレスチェックに関しましては、医師の面談のところにコストが掛かるという問題意識でございますので、そういったところに関しては、繰り返し申し上げておりますように、地域産業保健センターにおいて引き受けることができるように対応してまいりたいと思っております。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 産業医のなり手確保の重要性は理解されていますか。厚労省、お答えください。
○政府参考人(井内努君) 産業医に関しましては、事業場における労働安全衛生、特に衛生部門においてのリーダーシップを発揮していただいているということを考えており、そういった意味で非常に重要な位置付けであるということは我々も認識しております。
○天畠大輔君 代読いたします。 次に行きます。 本改正案では、高年齢労働者の労災防止対策の強化が盛り込まれております。まず、前提として、高年齢労働者の労災防止対策は重要課題ではありますが、働きたくなくても働かざるを得ない高齢者の現状も忘れてはいけないと考えます。 内閣府の令和四年高齢者の健康に関する調査結果によれば、仕事をしている主な理由として、収入が欲しいからが四一・六%と一位でした。民間のアンケート調査でも、約半数が働く理由として収入を挙げております。また、令和五年国民生活基礎調査の概況によれば、公的年金や恩給だけで総所得の一〇〇%を占める高齢者世帯は四一・七%にとどまり、約六割が年金だけの収入では生活ができない現状です。 就労の希望のあるなしにかかわらず、高齢者が安心して暮らし続けられる公的年金を始めとした社会保障の充実が必要ということは指摘をして、本題に入ります。 厚労省によれば、仕事中の事故で死亡や四日以上休むけがをした六十歳以上の方は、二〇二三年に三万九千七百二人と過去最多、しかも八年連続で増加し続けています。労災による死傷者に占める六十歳以上の割合も年々増えており、二〇二三年は二九・三%と、こちらも過去最高でした。 このような現状において、本改正案では、企業が高年齢労働者の労災防止に取り組むよう努力義務を課しています。政府は令和二年度に、高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン、通称エイジフレンドリーガイドラインを公表し、経営トップによる方針表明と体制整備、リスクアセスメントの実施、職場環境の改善、健康、体力状況の把握、個別対応、安全衛生教育など、具体的な対策を示しました。 努力義務化に伴い本ガイドラインを指針として法的に位置付ける方向とのことですが、実効性をどのように担保するのか、厚労省の見解をお答えください。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 今回の法改正では、高年齢労働者の労働災害防止のため必要な措置を講ずることを事業主の努力義務として法令上明確にするという内容としております。 現在、通達によるガイドライン、今お触れいただきましたエイジフレンドリーガイドラインを用いまして、高齢者の身体機能の変化などに着目をした労働災害防止対策の考え方を広めているところでございますが、これを法律に位置付けますことによって、事業者の取組をより一層進めていただく環境が前進するものというふうに考えております。 また、現行のエイジフレンドリーガイドライン、法定の指針に定めるに際しましては、その内容について説明会を開催する等により、労働基準監督署において、事業場が実効性のある対策を実施できるよう丁寧に対応してまいりたいと考えております。 さらに、エイジフレンドリー補助金という補助金制度もございますので、これを活用しながら事業者が対策に要する費用の一部を補助することによりまして、対策の取組の促進を更に図ってまいりたいと考えております。
○天畠大輔君 代読いたします。 答弁にもありましたように、ガイドラインに沿った企業の対策を支援するため、エイジフレンドリー補助金の制度が既にあります。 資料三を御覧ください。 厚労省も既に認識されていますように、ガイドラインや補助金があっても、身体機能の低下等による労働災害発生リスクに関するリスクアセスメントの実施や身体機能の低下を補う設備、装置の導入などが低調とのデータが示されており、高年齢労働者の労災リスクに対する理解、取組がなかなか進んでいません。努力義務化に伴い企業への財政支援の強化が必要です。 エイジフレンドリー補助金については、令和六年度は予算残額が厳しいという理由で十月末までの申請を一か月早く打ち切っています。エイジフレンドリー補助金については、上限額引上げや補助となる取組の対象拡大を含めて更なる予算措置が必要と考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 高年齢労働者の労働災害防止のための取組が進むよう、御指摘がございました令和七年度のエイジフレンドリー補助金においては、従来の職場環境の改善に向けた機械等の購入や工事の施工等を支援するコースに加えまして、中小企業が専門家を活用しリスクアセスメントを行った上で効果的な対策を講ずる際に要する費用の八〇%を補助する新たなコースを新設するなどにより補助対象の拡大、及び予算規模についても、令和六年度予算は六・九億円だったものを令和七年度予算では七・六億円に拡大をしているところでございます。 この法案が成立した際には、その内容も踏まえまして、令和八年度予算以降の対応について引き続き検討してまいりたいと思います。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 今年度の予算は一〇%アップにとどまります。更なる拡充を求め、次に行きます。代読お願いします。 ストレスチェック制度の対象拡大、そして高年齢労働者の労災防止対策について、改正の趣旨には異論ありません。一方で、この改正が労働者のメンタルヘルス向上と職場環境の改善、そして労災の減少につながっているのか調査分析をすべきと考えますが、厚労省の見解をお答えください。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 厚生労働省におきましては、労働者死傷病報告等により高年齢労働者の労働災害発生状況を随時把握いたしますとともに、国の統計調査である労働安全衛生調査により、労働者のメンタルヘルスの状況やエイジフレンドリーガイドラインの認知度、事業者における取組状況といったことを調査をしております。 改正法成立をいたしました場合には、今後とも引き続き、これらの調査により実態把握を続け、必要な分析を行ってまいりたいと考えております。
○天畠大輔君 代読します。 例えば平成二十九年労働安全衛生調査のストレスチェック制度の実施状況によると、ストレスチェックを受けた労働者のうち医師による面接指導を受けた労働者は〇・六%にとどまっています。ストレスチェックに詳しい産業医科大学の岩崎明夫氏によれば、面接指導を希望する場合には事業者にストレスチェック結果を開示することが可能となるため、希望をためらうことが要因として考えられるとのことです。しかし、平成二十九年以降、ストレスチェックを受けた労働者のうち医師による面接指導を受けた労働者の割合は調査がされていません。 また、高年齢労働者の労災防止の取組については、エイジフレンドリー補助金を申請、導入し、翌年度以降も同じ対策を継続する場合には再度補助金の申請ができません。補助金の運用面にも課題がありますが、調査する場合には、エイジフレンドリーガイドラインの認知度のみならず、補助金活用後も対策を継続しているかなどの追跡調査が必要と考えます。 大臣、法施行後の調査については、より効果的な実態把握に向けて調査項目を再検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 労働安全衛生の実態につきましては、労働安全衛生調査、この実態調査によりまして事業所の調査と個人調査を詳細に行っております。 例えばメンタルヘルスにつきましては、事業者のメンタルヘルス対策の取組状況であったり、メンタルヘルス不調により休業や退職された労働者がいるかどうかについて調べておりますし、また、高齢者の労働災害についてはエイジフレンドリーガイドラインの取組状況等について調査をしているところでございます。 仮に法案が成立いたしました場合に、改正法がどのような効果を上げているか等について把握していくことは大変重要であるというふうに考えてございまして、御指摘も踏まえ、より効果的な実態把握に向けてどのような対応があり得るのか考えてまいりたいと思います。
○天畠大輔君 是非検討してください。 質疑を終わります。
○委員長(柘植芳文君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時三十四分散会