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217回国会参議院2025/05/27

経済産業委員会 第11号

発言数
186
登壇者
23
会派数
8
開催日
2025/05/27

会議録

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律及び資源の有効な利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房GX実行推進室長兼資源エネルギー庁次長畠山陽二郎君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) 脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律及び資源の有効な利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

長峯誠自由民主党

○長峯誠君 おはようございます。自由民主党の長峯誠でございます。  まず、法案の質問に入る前に、日本製鉄によるUSスチールの買収について大臣にお伺いいたします。  トランプ大統領は、二十三日にSNSで、買収計画を承認するという考えを示しました。しかし、二十五日には、日鉄は部分的な所有権を持つと述べまして、全株の取得はできないようなことを示唆されております。USスチールについては米国がコントロールすると語っています。  今後詳細は明らかになっていくとは存じますが、一連の動きについて大臣の受け止めをお伺いいたします。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) トランプ大統領の、御指摘のトランプ大統領の発言等について承知はしているところでありますけれども、米国政府によるまだ正式な発表が出ておりませんので、ここはコメントを控えさせていただきたいというふうに思います。  いずれにしましても、本件につきましては、民間の関係者において具体的な投資計画の検討、調整が進められてきているものと承知をしているところです。政府としては、必要に応じて、関係者間の意思疎通の促進に今後とも努めてまいりたいというふうに思っております。

長峯誠自由民主党

○長峯誠君 国益に関することでございますので、私どももしっかり注視をしていきたいというふうに思っております。  では、法案についてでございます。  国会の質疑でも、あるいは業界の御意見でも、カーボンプライシングによって生じた負担を価格に転嫁すると競争環境が不利になるという御指摘がございます。では、カーボンプライシングを先行して導入している欧州では、その負担が価格に転嫁され、国際競争力が低下していると捉えてよろしいのでしょうか。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) お答え申し上げます。  欧州の産業競争力につきましては、例えば、欧州中央銀行前総裁のマリオ・ドラギ氏が報告した通称ドラギ・レポートでは、エネルギーの価格や貿易構造、イノベーションの促進に向けた環境がどう整備されてきているかなど様々な要因によって影響を受けるものとされており、総合的に決まっていくと整理されていること、また、個々の施策や取組も、ほかがどういう状況かによってプラスにもマイナスにも作用し得ると、こう考えられることから、カーボンプライシング導入による影響について一概に申し上げることは困難でございます。  ただし、国際競争力の文脈で申し上げれば、欧州で導入されている排出量取引制度では、排出枠の割当てに当たりまして業種ごとの国外移転リスクを考慮するなど、排出量が多く、国際競争のウエートが高い業種に対する一定の配慮、これが行われているものと承知してございます。  我が国における排出量取引制度などのカーボンプライシングは、将来に向けた競争力の確保と強化を図る我が国のGX政策の中核的措置として位置付けられてございます。したがいまして、経済成長に資する形になるよう、まずは二十兆円規模の先行投資支援を講じつつ、後から足下の競争力にも配慮しつつ段階的にカーボンプライシングを導入するという世界でも例を見ないやり方でGXを推進していくこととしてございます。  このカーボンプライシングの具体的な制度設計につきましては、業種ごとの特性などを十分に考慮した割当てを全量無償で行うことに加えまして、国際競争力を勘案して追加割当てを行うなど、足下の競争力を確保しつつ、GX投資などにより将来に向けた競争力を強化できる仕組みとしてまいります。

長峯誠自由民主党

○長峯誠君 カーボンプライシングの対象となる大手企業が、対象外である取引先の中小企業に設備の移転やあるいは排出活動の外部委託を押し付けて排出の付け替えを行うという懸念が、先週のこの委員会でも指摘をされているところでございます。  これにどう対応するのかということでございますが、これらの行為は外形上は通常の企業活動と見分けが付かないわけでございまして、カーボンプライシングの潜脱行為とどうやって峻別していくのかということにつきまして、お考えをお伺いしたいと思います。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) 排出権の不当な移転、それから排出活動の不当な委託についてのお尋ねでございますけれども、カーボンプライシングの対象事業者が中小企業に負担を押し付ける行為は、これ、言うまでもありませんけれども、GXの趣旨にも全く合致しておりませんので、厳正な対応が必要だと認識をしてございます。  実際、どのような不当な押し付けがあり得るのか、これから制度を導入していくということで、現時点で具体的、網羅的に想定することは困難ではございますけれども、まずはこうした行為が存在することがないよう政府において厳格に確認を行うとともに、取引上優位な立場を利用して中小企業に不当な負担を押し付けるような取引が現に判明した場合には、関係省庁とも連携をしまして、政府が一体となって必要な是正にしっかりと取り組んでいきたいと思ってございます。  その上でなんですが、少し広がりを持って申し上げれば、こうした中小企業への押し付けに限らず、制度逃れについては対応が必要だと考えてございます。  御指摘のとおりでございまして、通常の企業活動との見分けが大変難しいという大きな悩みはございますけれども、会社分割につきましては、これにより排出量が十万トン未満となる場合を想定しまして、分割後に残る事業と分割によって他社に承継される事業のいずれについても実績の排出量に相当する排出枠をそれぞれの者が翌年度に償却することを求めて、直ちに義務の対象外とならないような仕組みとすることで制度逃れのための分割を抑止しようとしてございます。  他方、外部委託による制度逃れ、これ、不当な押し付けであれば冒頭申し上げたような対応になりますので、例えばですけれども、対価を払って外部委託をすることで十万トン未満とするようなケースを想定しますと、こちらにつきましては、今回の措置が全量無償割当てでありまして、枠が不足した場合にその不足分に限り負担が生ずることになり、しかも、その負担を左右する炭素価格は、これ当初低い水準から始められる中にあって、わざわざ対価を払ってまで制度逃れを目的に生産プロセスを外部化するような事例が本当に出てくるのかどうか、これはよく見極めていく必要があると思ってございます。  いずれにしましても、更なる措置の必要性については、制度開始後の状況も注視をしながら継続的に検証していきたいと、こう思ってございます。

長峯誠自由民主党

○長峯誠君 外部委託についてちょっと今までにない答弁をいただきまして、ありがとうございます。  二三年から本格稼働しているGXリーグの加盟企業でございますけれども、CO2排出削減の目標を設定して、実績を開示するように求めるとのことでございます。そして、それに応じなければGX移行債の支援対象から外すという報道がございます。また、排出量十万トン未満の企業は、目標設定や実績開示をする際にスコープ3まで求められるということでございます。  御案内のとおり、排出量は三つに区分されます。自社で燃料を燃やしたりする排出量であるスコープ1、電力会社などから供給されたエネルギーに関する排出量であるスコープ2、そして、原材料や部品の調達、自社製品の使用や廃棄に伴う排出量まで含めたスコープ3と。  排出量十万トン以上の企業はスコープ1までしか求めていないのに、排出量十万トン未満の企業にはスコープ3まで求めるというのはちょっと過度な負担にはならないのかなという疑念がございます。  実際、民間の調査によりますと、有価証券報告書でスコープ1を開示している企業はまだ二割にすぎず、スコープ3まで開示している企業になるともう四%しかない状態でございます。せっかくCO2削減に有効なユニークな技術を持っている十万トン以下の企業も、スコープ3への対応ができず、GX債を活用できないということにならないのか、懸念がございます。  この点、どのようにお考えか、大臣にお伺いいたします。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) ありがとうございます。  排出量取引制度の対象となるような排出量の多い事業者がGX投資を果敢に行うためには、グリーン鉄、またグリーンケミカルなど、こういうGX投資の結果生み出される製品、サービスの市場を拡大していくことが必要となります。このため、今委員おっしゃられた1、1ですね、スコープ1、企業が自らの排出削減を進めていく枠組みであるGXリーグをサプライチェーン全体での排出削減に力点を置いた枠組みとなるように見直し、特に排出量取引制度の対象外となる企業に対してGX製品、サービスの積極調達等を行うことを促していくように検討を進めていきたいというふうに思います。  この枠組みにおいて、具体的にどのような取組を求めるのかや、あるいはまた先行投資支援との関係というものは現時点では決まっておりませんけれども、事業者に過度な負担を課すのではなくて、前向きなコミットをいただける枠組みとなるように検討を進めていきたいというふうに思っているところです。

長峯誠自由民主党

○長峯誠君 GX関連の研究開発のための投資額に応じて、排出枠不足分の範囲で割当て量を追加するという配慮が規定をされております。この点、ワーキンググループでも御指摘があったんですが、韓国では、この排出枠をめぐって多くの企業が異議を申し立てて、そして訴訟にまで発展しています。ですから、公平性というのがすごく大事なんですね。GXのための研究開発投資かどうかの判断はどのように行うのか、また、その投資額のどこまでが対象になるのかといった算出方法について御説明をいただきたいと思います。  さらに、当該研究開発費にGX債やあるいはほかの補助金を利用していた場合、これ二重の支援になっちゃうんですけれども、こういう場合どうするのか、お伺いいたします。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) 研究開発投資に対する追加割当てについては、足下の排出削減に加えまして、カーボンニュートラルに不可欠な中長期の研究開発をしっかり引き出していく観点で重要だと考えてございます。  研究開発には投資が必要である一方で、排出削減の効果が直ちに生じるものではないため、状況によっては事業者が研究開発投資にちゅうちょする、そうした可能性もあると考えてございます。それによって必要な研究開発がなされず、我が国のカーボンニュートラルに向けた動きが鈍化することを防ぐため、一定水準以上のGXに関する研究開発投資を行う事業者に対しては追加割当てを行うことといたしますけれども、一方で、足下の排出削減も同等に重要でございますので、公平性の観点もあり、排出枠が不足する場合に限りまして、足下での削減の取組を阻害しない範囲内で追加割当てを行うことを想定してございます。  その上で、当該措置の対象となる研究開発投資の範囲やその見極め方などの詳細については、現時点ではまだお示しできる段階にはございませんけれども、実際の割当て量が適正な水準となるよう、我が国のGXに関する研究開発の実態や関連する会計実務などを踏まえながら、産業構造審議会における有識者などとの議論を通じて検討していきたいと思ってございます。  御指摘のように、研究開発に当たってGX移行債による支援を含む補助金などを活用した場合につきましては、これ追加割当てを行うことにいたしますと、事業者は、補助金などと本制度の配慮によって、御指摘のとおり二重で利益を得ることになります。公平性の観点からそういった事態を回避する必要があるため、補助金などを活用した部分を除いた研究開発を対象とするということで検討してございます。  いずれにいたしましても、以上のような点をよく考えながら適正な制度設計をしていきたいと、こう思ってございます。

長峯誠自由民主党

○長峯誠君 非常にクリアな御答弁で、ありがとうございました。  ちょっと一問飛ばしまして、次に、サーキュラーエコノミーに関して一点お伺いいたします。  EUでは、廃自動車のリサイクルを規定するELV指令で、人体への悪影響がある鉛や水銀、カドミウム、六価クロムなどの使用を制限をいたしております。この改定案の中で、炭素繊維の文言が含まれるという報道がございました。炭素繊維とは、アクリル繊維やピッチを原料として、高温で炭化処理して得られる繊維上の炭素物質です。高強度で軽量、耐熱性に優れるなどの特徴があり、航空機、自動車、スポーツ用品など様々な分野で使用されています。  御案内のとおり、この炭素繊維の市場では日本勢が世界で高い存在感を誇っております。東レが世界シェア首位、そして帝人と三菱ケミカルグループを加えますと、世界シェアの五割前後を日本企業が占めているということでございます。この炭素繊維が規制されるということになりますと、日本企業、日本経済に大きな打撃となるわけであります。  この点、廃棄時に人体に悪影響の可能性があるというEU側の指摘は本当に妥当性があるのか、あるいは、かかる規制が実行されることがないように政府としてはどのような取組を進めているのか、お伺いをいたします。

浦田秀行経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(浦田秀行君) お答えいたします。  WHOは、呼吸とともに体内に吸収される吸収性繊維を直径などの指標で定義をしているところでございまして、我が国の事業者が製造している炭素繊維につきましては、これに該当いたしません。この点で、我が国の事業者が製造する炭素繊維は危険な物質であるとは一概には言えないというふうに考えてございます。  こうした中、業界団体におきましては、安全性をより確実なものとするために、一般的な粉じん同様、炭素繊維の粉じんなどの取扱い上の注意点を整理、公表しているところでございまして、政府といたしましては、引き続き、産業界と連携しつつ、必要な対応を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

長峯誠自由民主党

○長峯誠君 なかなか、内政干渉とかいろんなことになろうかと思いますので、政府が前面というのは難しいとは思うんですけれども、しっかり情報収集もしていただきまして、今の御答弁で科学的には正当性がちゃんとあるということでございましたので、業界も自信を持ってそれをEUの方にしっかり訴えていただければなというふうに思っているところでございます。  続きまして、ペロブスカイト太陽電池についてお伺いをいたします。  私は、日本の未来のエネルギーの切り札は、このペロブスカイト太陽電池と浮体式洋上風力発電だと思っています。浮体式洋上風力発電につきましては、昨年質疑をさせていただき、先日、海域利用に関する法律も成立をしたところでございます。そこで、今回は、ペロブスカイト太陽電池について質疑をさせていただきます。  ペロブスカイト太陽電池は、これまで主流だったシリコン太陽電池と比べまして、薄型軽量で、曲面にも搭載しやすく、柔軟性があります。国内研究者が開発した日本発の技術であり、主要な原材料であるヨウ素は日本が世界第二位の産出量、世界シェアの三割を占めているところでございます。したがって、経済安全保障の面からも大変優れているということが言えるかと思います。  現在、大阪・関西万博のバスターミナルの曲線の屋根に実装されているということでございます。とあるパビリオンでは、スタッフのユニホームにこのペロブスカイト太陽電池が貼ってありまして、ユニホームに備え付けられたファンを回したりとか、あるいはスマホを充電したりすることができるということでございます。そのうち、夏の選挙でも利用されるんじゃないかなというふうに思っております。  ただ、シリコン型太陽電池のときのように、技術で勝ってビジネスに負けるという失敗を繰り返してはいけません。  そこで、我が国のペロブスカイト太陽電池の現在地につきまして、大臣にお伺いいたします。発電効率、コスト、価格、官民の体制等につきまして、主要国との比較、特にやっぱり中国が何か先行しているというような話がありますので、その中国との比較も中心に御答弁をいただければと思います。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) ペロブスカイト太陽電池でありますけど、中国はガラス型ということで、中心に、これを研究開発や量産化に向けた動きを活発化していると承知をしているところであります。  我が国は、今委員おっしゃっていただいたように、ヨウ素、材料が国産比率が高いということもありますし、薄型で軽量で柔軟ないわゆるフィルム型について技術面や耐久性や大型化の面で世界をリードしているところであります。  我が国では、今年度よりフィルム型のペロブスカイト太陽電池の事業化が開始をいたしますけれども、性能面では発電効率一五%の量産技術、また、発電コストではキロワットアワー当たりの二十円を達成する技術の確立にめどが立ちつつあります。二〇三〇年度にシリコン型太陽電池相当のキロワット当たり十円の技術確立を目指し、引き続き官民で取組を進めているところです。  官民の体制につきましては、有識者、メーカー、業界団体、自治体、関係省庁などを集めた官民協議会を開催をいたしまして、昨年の十一月には次世代型太陽電池戦略を取りまとめたところでもあります。この中で、二〇四〇年に二十ギガワットの導入目標であるとか、二〇三〇年までに、二〇三〇年までの早期にギガワット級の生産体制の構築等を盛り込まさせていただきました。  海外の動向を注視しながらも、世界に引けを取らない規模とスピードで、量産技術の確立、生産体制の整備、また需要の創出に三位一体で取り組んでまいりたいと思っているところです。

長峯誠自由民主党

○長峯誠君 このペロブスカイト太陽電池の主たる原材料であるヨウ素は、先ほども触れましたが、日本が世界第二位の産出量、世界シェアの三割ということでございます。ちなみに、日本国内での生産量でいいますと、千葉県が一位、新潟県が二位、そして我が宮崎が三位でございます。現在は、うがい薬やレントゲン造影剤、液晶パネルの偏光フィルムや半導体材料などに使われております。  将来、ペロブスカイト太陽電池が量産体制に入ったときに、資源の埋蔵量とかあるいは生産体制というのはきちんと対応できるのか、また海外の需要家に輸出することにもなるのか、お伺いをいたします。

伊藤禎則資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長

○政府参考人(伊藤禎則君) お答え申し上げます。  ペロブスカイト太陽電池につきましては、今年度中に事業化が開始される予定でございまして、二〇三〇年までの早期にギガワット級の生産体制の構築を目指す中、サプライチェーンの中で特に重要なものにつきましては、国内において生産体制を確立させることが重要と承知をしております。  現在主流のシリコン型太陽電池で使用されるシリコンは海外に大きく依存しておりまして、一方で、ペロブスカイト太陽電池の主な原材料であるヨウ素につきましては、日本は、委員から御指摘いただきましたとおり、世界第二位の生産量を有し、複数の日本企業が生産をしてございます。そういったことから、安定的にヨウ素の供給が可能と考えてございます。  また、国内におけるヨウ素の産出量や埋蔵量全体を踏まえますと、ペロブスカイト太陽電池の生産に必要な量は限定的であると承知をしてございます。原材料を含めました強靱なサプライチェーンの構築を通じ、特定国に依存しない、より強靱なエネルギー供給構造の実現につなげてまいりたいと存じます。

長峯誠自由民主党

○長峯誠君 日本に埋蔵してあるヨウ素で十分量産には対応できるということで、これは非常に心強いなというふうに思っておるところでございます。  先日、イタリアの研究機関が、ビニールハウスの屋根にフィルム型ペロブスカイトを張ると、植物にとっていい光線だけを通して、悪い光線をはね返すという研究結果が出ておりました。それで植物の生育が良くなるというんですね。更に発電もするわけですから、これは本当にすごい話だなというふうに思っておりまして、ペロブスカイト太陽電池、もうあらゆる分野でいろんな可能性を秘めているということで、これからも政府を挙げて支援、そして一日も早い商用化実現していただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

越智俊之自由民主党

○越智俊之君 おはようございます。自由民主党の越智俊之です。  本日は、GX推進法改正法案の質疑の機会をいただきましてありがとうございます。  早速質問に移る前に、実は昨年十一月に、私は、アゼルバイジャンの首都バクーにおいて開催されたCOP29議員会議に日本国会代表団の団長として参加してまいりました。恐縮です。  同議員会議では、各国代表団を前に発言しました。その内容は、議会、国会の役割を、政府の温室効果ガス排出削減目標やエネルギー基本計画が、パリ協定の一・五度目標、エネルギー安定供給、そして経済成長の三つを実現するものであるかを確認し、これらの計画の達成に向けた法整備を進めていく必要があるとスピーチさせていただきました。  今、まさにその役割を果たすべく本法律案の質問に立っており、大変身の引き締まる思いでございます。  それでは早速質問に移りたいと思いますが、まず、世界全体での気候変動対策の強化について御質問いたします。  COP議員会議の成果文書では、各国議会に対し、革新的な資金調達を促進し、企業の気候変動プログラムを活性化させる法的メカニズムの創設の必要性を強調しております。  本法律案により排出量取引制度が法定化され、成長志向型カーボンプライシング構想を前進させることは、この合意内容に合致していると考えます。本法律案が、パリ協定の一・五度目標の実現に対し大きなインパクトを与えると思います。  また、本年十月にはブラジルでCOP30が開催されます。COP30において、本法律案の内容を含め、GXの取組をどのように国際社会にアピールして、世界全体での気候変動対策の強化、さらには日本の国際競争力の向上につなげていくのか。地元広島県の同郷であり、同志であります小林環境副大臣にお答え願います。

小林史明自由民主党・無所属の会環境副大臣

○副大臣(小林史明君) 答弁に入る前に、まず越智議員に対して感謝を申し上げたいと思います。COP29に御出席をいただきまして、日本の主張を明確に発言をいただいて、しっかりと書き込んでいただいたということで、御活躍いただいたと伺っております。本当にありがとうございました。  その上で、今の御質問にお答えしますと、御指摘いただいたCOP30は、各国が新しい温室効果ガスの削減目標であるNDCを提出した後の初めてのCOPでありまして、気候変動対策の強化に向けての議論が行われることが期待されております。  我が国は、本年二月に一・五度目標と整合する野心的なNDCを提出し、また、地球温暖化対策計画やGX二〇四〇ビジョン等に基づき、脱炭素と経済成長、国際競争力の強化の同時実現に取り組んでいるところです。COP30では、このような我が国の決意や政策について積極的に発信し、世界全体での気候変動対策の前進に向けて貢献してまいりたいと思いますし、同時に、国内の大企業だけではなくて中小企業やスタートアップ、この方々の成長につながるように取り組んでまいりたいと思っております。

越智俊之自由民主党

○越智俊之君 ありがとうございます。COP30での御活躍を心より期待しております。  次に、アメリカのパリ協定再離脱によるGXへの影響について御質問させていただきます。  アメリカのトランプ政権は、パリ協定からの再離脱を表明しました。気候変動枠組条約からは離脱していないものの、WHOからの離脱も表明していることから、多国間の枠組みを通じた地球規模の課題には極めて消極的、否定的な態度、姿勢を示しております。  このGXの取組に関して世界規模で取り組んでいく必要があると考えますが、アメリカの再離脱により、GX推進においてどのような懸念があるでしょうか。また、今後、GX分野によって、日本はリーダーシップを発揮し、影響力を持つことができるのか、産業政策の観点から武藤経産大臣にお伺いいたします。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) ありがとうございます。  米国のパリ協定の再離脱というものについてですけれども、世界全体の脱炭素に向けた取組を後退させるのではないかとの懸念があることは承知をしているところであります。ただ、もっとも、企業や各国の動向を見れば、ここは世界全体で脱炭素に向けて取り組んでいく必要性、またその方向性というものは変わらないものと今は認識しているところであります。  こうした世界的な投資競争の中で、今後のGXの市場を獲得していくためには、他国に先んじてGX投資を進めていく必要があると思います。引き続き、十年で二十兆円規模の大胆な投資支援策等により民間企業の予見可能性を高めていく、そしてGXに資する国内投資を促していく、こうした先行投資支援策により、ペロブスカイトの太陽電池ですとか浮体式洋上風力など、革新的な技術開発を後押ししながら世界の市場獲得にもつなげてまいらなくてはいけないというふうに思います。  さらに、AZEC等の枠組みを活用した日本の脱炭素技術の国際展開にも取り組んでおります。私もAZECの会合にも参加をし、各国から非常に期待をいただいたところでもありますけど、こういう形の中で世界の脱炭素にも、ここも日本から貢献をしつつ、GXの分野で国際的なリーダーシップを発揮していきたいというふうに思っているところです。

越智俊之自由民主党

○越智俊之君 ありがとうございます。引き続き、何とぞよろしくお願いいたします。  では、今度は、この気候変動交渉における環境政策における日本のリーダーシップについてお尋ね申し上げます。  このCOP30では、各国が提出した新たな排出削減目標、NDC等を考慮して、更なる緩和策について議論される予定と承知しております。気候変動対策は一国の取組だけでは不十分であり、世界全体で排出削減に取り組んでいくことが不可欠です。特に、今後は中国とかインドといった新興国の対策強化が急務でございます。国内において、排出量取引を始め、脱炭素への移行に伴うコスト負担が懸念される中、日本だけが負担を強いられるようでは国民の理解は得られません。  昨年の議員会議において、我々日本国会代表団は、脆弱な途上国が気候変動の悪影響により、台風、干ばつ、洪水、海面上昇、そして気温上昇など、緩和策や適応策だけでは回避できない、また回避できなかった損失や損害に対する支援、いわゆるロス・アンド・ダメージ支援に対する資金拠出対象について、先進国だけじゃなくて中国やインドを含んだ全ての国を対象とするべきと提案し、粘り強い交渉の結果、成果文書に盛り込むことができました。  アメリカのパリ協定再離脱により、国際社会における足並みの乱れ、対策の後退が懸念されている今だからこそ、日本が気候変動交渉においてリーダーシップを発揮し、新興国、途上国も含め、世界全体での対策強化を前進させなければいけません。小林環境副大臣の御見解を伺います。

小林史明自由民主党・無所属の会環境副大臣

○副大臣(小林史明君) 今、越智委員が御指摘いただいた今こそ日本がリーダーシップを取るべきだというのは、もう大変重要な御指摘だと思っています。  そもそも日本は資源が少ないということで化石燃料を輸入しているという点、そして一方で、日本は、大企業を始め中小・小規模事業者の皆さん、大変すばらしい省エネ・環境技術を持っているという点、さらには、ASEANを中心にこれから成長するこの国々との地政学的な近さ、この三つにおいても我々が主導する意義が本当にあると思っています。  だからこそ、我が国としては、我が国の経験や技術を生かして途上国を支援しつつ、各国に対して野心的なNDCの提出を働きかけていきます。加えて、COPなどの場を通じて欧州やアジア諸国と連携し、国際協調の下、世界全体の気候変動対策を前に進めていきたいと考えております。  また、世界の気候変動対策への米国の関与はやはり引き続き重要であり、今後、様々な機会で米国の関係者と話をし、州政府や産業界も含め、米国と協力していく方法も探求してまいりたいと思います。

越智俊之自由民主党

○越智俊之君 ありがとうございます。  この気候変動問題に対して、産業政策の観点からも、環境政策の観点からも、是非とも、今こそ日本のリーダーシップを発揮していくことを心から期待しております。  次に、日本国内に目を向けてみようと思いますけれども、この国内における再生材の利用について御質問させていただきます。  今、日本のプラスチックのリサイクル率は、総排出量の八六%が有効利用されているといいますが、その内訳は、材料として再利用するいわゆるマテリアルリサイクルが二二%、化学的処理で原料に戻すケミカルリサイクルが三%、そして、ごみ発電などの熱回収であるサーマルリサイクルが六二%になっています。この中で、OECDなどの基準では、このサーマルリサイクル、ごみ発電などのリサイクルはリサイクルとして認められていないため、このサーマルリサイクルを除いた日本のプラスチックリサイクル率は二五%程度となります。  GX推進の観点からいえばリサイクル率を高めていく必要がありますが、そこで、材料として再利用するマテリアルリサイクルであるこの国内で製造された再生プラスチックは、先ほど言った二二%のうちの、再生プラスチックは百七十一万トン、そのうち国内利用は、四分の一の四十六万トンしか国内利用していなくて、残りの四分の三は中国などへの海外へ多く流出していると聞いています。  また、EVバッテリーの工程端材を中間処理してできたリチウムやコバルトなどが混合状態で濃縮された粉末体であるこのブラックマスも、ほぼ全て韓国へ流出していると聞いています。今、先ほども御答弁いただきましたが、資源の多くを海外に依存しているこの日本において、こうした国内資源の海外流出は経済安全保障上大きな問題であると思います。  そこで、政府にお伺いいたします。まず、プラスチックリサイクル、そもそも、プラスチックリサイクル率の向上への取組をどう進めていくのか。そして、再生プラスチックやブラックマスなどの国外流出はなぜ起きていて、そして早期に国内で資源が循環する仕組みをつくっていく必要があると考えますが、これら政府の御見解をお伺いいたします。

田尻貴裕内閣官房GX実行推進室次長兼経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(田尻貴裕君) お答え申し上げます。  今委員から御指摘のあったとおり、国内で製造された再生プラスチックやブラックマスについては、その多くが海外に流出をしているというふうに認識をしてございます。  日本から再生材が流出している大きな理由といたしましては、その再生材の品質や価格面での現状から国内でこの再生材の積極的な利用に踏み切れないというような需要側、これ例えば自動車や家電などの再生材利用製品の製造者側の課題と、こうした需要側の品質や価格面のニーズに十分対応し切れていない供給側、これは再生材のまさに提供者側の課題の両面が挙げられるというふうに考えてございます。  このため、需要面に対しましては、今回の法改正により、再生材利用製品の製造者に再生材利用に関する計画の策定を求めることで国内での需要の創出を図り、再生材の供給に係る投資予見性を高め、その投資を促すという効果を期待しているところでございます。  あわせて、供給面の課題に対しましても、再生材の品質向上やコストの低減につながるような技術開発や設備投資の支援を実施することで需要側のニーズを満たした再生材の提供を促進していきたいというふうに考えているところでございます。  こうした需給両面での取組によりまして、早期に国内で再生材が循環する仕組みを構築し、資源小国である我が国の資源安全保障の強化と持続可能な経済成長の実現を目指してまいりたいというふうに考えているものでございます。

越智俊之自由民主党

○越智俊之君 是非、国内での循環の取組を通じて資源が海外に流出しないような取組をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、CO2排出量取引制度導入による中小企業や小規模事業者への影響についてお伺いいたします。  先ほど長峯委員も御指摘いただきましたけど、少し観点を変えて質問させていただきますが、このGXの推進を目的とした排出量取引制度の導入によって、特にその対象となる大企業のGX投資が促されることになると思いますが、その際、その脱炭素に向けた何かしらの機械や設備を新しく造っていく必要があると思います。その設備投資に資金を向けてしまうことで全体的な利益を確保することが仮に難しくなった場合、結果、サプライチェーンである中小企業・小規模事業者への取引代金の減額を迫ったり、あるいは価格転嫁を拒否したりする、二酸化炭素の付け替え以外の事例が発生するのではないかというふうな懸念があります。  こういった懸念に対し、大臣のお考えをお聞かせ願います。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) カーボンプライシングの対象となる発注事業者が、今委員おっしゃられるように、GX等に関する設備投資を進める中でも、それを理由として一方的に受注者へ代金減額を迫ることがあったり、また価格転嫁を拒否するということはあってはならないんだというふうに承知をしているところです。  こうした事態が生じないよう、代金の減額を禁じる現行の下請法や、来年一月から施行される一方的な価格設定を禁じる中小受託取引適正化法を公正取引委員会始め各所と連携をしながら厳正に対処してまいりたいというふうに思います。  さらに、経済産業省としては、年二回の、これももう委員御承知のとおりですけど、価格交渉促進月間に基づく価格交渉、転嫁の状況の公表ですとか、事業所管大臣名での指導、助言、また三百三十名体制の下請Gメンによる取引実態の把握など、受注者、中小企業に負担が一方的にしわ寄せがされることがないよう、価格転嫁、取引適正化対策を引き続き継続してまいりたいというふうに思っております。

越智俊之自由民主党

○越智俊之君 この前のちょうど法案の審議だったと思いますが、このGXの分野においても、この下請法改め取適法がしっかりとグリップが効くような政策につなげていってもらいたいので、よろしくお願いいたします。  次に、もう少し地域に目線を落として御質問をさせていただきたいと思いますが、地域の脱炭素の推進についてでございます。  地域には、皆様も御承知のとおり、中小企業や小規模事業者も多いです。その中で、これからはGXだとか脱炭素だと言われても、GXって何というところからだと思いますし、何でそれを取り組まなきゃいけないのか、どうやって取り組んだらいいんだなど、理解を深めていくのはもう少し時間が掛かると思っています。  また、このGXに取り組んでいくとして、取り組むことによってコスト増につながってしまうんじゃないかと、そして利益を圧迫してしまうんじゃないかという心配される事業者もいらっしゃると思います。  この地域を支える中小企業・小規模事業者へのGXの推進の理解増進をどう進めていくのか。また、省エネとか生産性の向上に取り組むことそのものがGXの推進であり、さらにはコストカットや利益の確保につながっていくというポジティブな政策を届ける必要があると考えますが、そのためにどのような対策を取っていくのか、環境省、経済産業省のそれぞれの御見解をお聞かせください。

堀上勝環境省大臣官房審議官

○政府参考人(堀上勝君) お答えいたします。  地域経済を支えている中小企業につきましては、日本全体の温室効果ガス排出量のうち二割程度を占めております。そういう現状におきまして、二〇五〇年ネットゼロを実現していくという上で、中小企業の方々を取り残すことなく、地域の実情に応じた形で脱炭素経営を推進していくことが重要と考えています。  脱炭素経営のメリットでありますけれども、先行して脱炭素経営に取り組んでいる中小企業におきましては、光熱費、燃料費の低減、知名度、認知度向上、それから好条件での資金調達、そういったメリットを獲得しています。それから、最近では、就職先を探す要素として企業の気候変動の取組を挙げる学生が一定数あると、そういう人材確保においても重要な要素となりつつあります。こうしたメリットを認識いただくことが中小企業における脱炭素経営を推進する上で重要と認識しております。  そういった上で、環境省では、中小企業向けの脱炭素経営導入ハンドブックの作成、あるいは先行企業の事例紹介などを脱炭素経営に取り組むメリットとして、経済産業省とも連携して情報発信をしているところでございます。  また、日頃から中小企業と接点が多い地域金融機関、地方公共団体、商工会議所が連携をして、中小企業の脱炭素経営を地域ぐるみで支援する体制を構築するモデル事業、これを各地で実施しておりまして、そのモデル地域内の中小企業の意識向上あるいは具体的な削減対策につながっていると考えております。さらに、今年度、支援体制構築を周辺地域に波及させるモデル事業も実施していくこととしております。  今後とも、官民連携の下で、地域の中小企業の状況を踏まえたきめ細かい支援を行ってまいります。

田尻貴裕内閣官房GX実行推進室次長兼経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(田尻貴裕君) 経済産業省の取組を御紹介させていただきます。  中小・小規模事業者がGXに取り組むことが省エネや生産性の向上によるコスト削減や受注の拡大につながる可能性があるというのは御指摘のとおりでございまして、それをしっかりまず周知広報していきたいと考えてございます。  その一方で、委員御指摘のございましたとおり、こうした事業者において、具体的に何をやっていいか分からない、取り組める人材の不足や投資コストの負担といった課題もございますことから、一つ目として、省エネの専門家がアドバイスを行う省エネ診断の拡充強化、中小機構の相談窓口による対応と、二つ目には、省エネ設備への更新についてはGX経済移行債を活用した三年で七千億円規模の省エネ補助金による支援、三つ目といたしましては、GXに資する革新的な製品、サービスの開発についてはものづくり補助金による設備導入支援などの各種の措置を講じているところでございます。  また、今御紹介もありました、環境省とも連携をいたしまして、地域の商工会議所や支援機関、金融機関等から中小・小規模事業者へのプッシュ型でのサポート体制の構築も取り組んでございます。  こうした取組を通じて、中小・小規模事業者のGXの取組を後押ししてまいりたいというところでございます。

越智俊之自由民主党

○越智俊之君 ありがとうございます。  このGXの取組が、是非、その中小企業・小規模事業者に対して、利益につながるんだという強いメッセージが伝わるような政策をつくっていただきたいというふうに思います。  最後、もっと深掘りして地域の運搬まで考えていたんですけれども、時間が来ましたので、バッテリーの話を二件したかったんですが、せっかく答弁作っていただきましたのに、大変申し訳ありません。また次の機会に質問させていただきたいと思います。  このGXの分野において、やっぱり日本が、先ほど申し上げた環境政策の観点、そして産業政策の観点からも強いリーダーシップを持って活躍していただいて、日本が豊かになることを心から期待申し上げて、質問とさせていただきます。  ありがとうございました。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 おはようございます。立憲民主・社民・無所属の古賀之士でございます。  テーマは異なりますが、昨日の決算委員会でも武藤大臣とはやり取りをさせていただきました。二日連続でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  まず、成長志向型と言われるカーボンプライシング構想について、いわゆる制度全体についての論点についてお尋ねをいたします。  まず、武藤大臣に伺います。  政府は、どのような意味で成長型カーボンプライシングですとか脱炭素成長型経済機構などの言葉遣いをされているんでしょうか。そもそもカーボンプライシングも、化石燃料賦課金、これは税金ではありませんけれども、シンプルにコストが掛かるものです。ある専門家に言わせますと、例えば常葉大学の山本名誉教授の話によれば、成長型カーボンプライシングと言っていますが、消費者と産業に負担を求めるカーボンプライシングが成長につながるわけがありませんとのことでございます。  政府は、カーボンプライシングの導入について、早期に取り組むほど将来の負担が軽くなる仕組みとすることで意欲ある企業のGX投資を引き出すとしていますが、原理的に考えて、脱炭素のコストは増えますが、製品そのものは変わらないのに成長志向や成長型経済構造につながるのだろうかという素朴な疑問が生まれます。その理屈を御説明願います。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 古賀委員、ありがとうございます。本当、連日御苦労さまでございます。  今日は経産委員会ということで、CPに、カーボンプライス、先週に続いての第二回目ということで答弁させていただきたいと思います。  今の理屈の件でありますけど、カーボンプライシングにつきましては、事業者に過度な負担を課せば、これは産業の国外流出につながる等の悪影響も懸念されるため、慎重に検討を重ねてきたところであります。二〇二〇年頃からは、今度は各国がカーボンニュートラル実現に向けた大規模な投資競争を展開してきておりました。我が国も、GXを経済成長の原動力とする経済構造への移行に向けて、官民協調で百五十兆円を超えるGX投資を実現する方針を示したところであります。こうした方針を実現させるために、成長に資するカーボンプライシングの在り方について検討し、二〇二三年、おととしに成立をいたしました現行GX推進法において措置することとさせていただきました。  成長志向型カーボンプライシング構想は、現行GX推進法の下で、カーボンプライシングを財源とした二十兆円規模の先行投資支援を行うと同時に、炭素価格を最初は低い水準で導入しつつ、徐々に引き上げる予見性を示すところでありますという措置を一体的に講じたものです。これにより、企業のGX投資を引き出し、経済成長を阻害することなく、排出削減と競争力強化の同時実現を目指す制度としたところであります。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 武藤大臣、ありがとうございます。  一方で、今お話の中でやっぱりありましたように、柔軟性を持って、そして徐々に引き上げていくという、こういうやっぱり考え方というのはとても重要であります。ですから、例えば一方で、一つしかない、一つの市場経済を複数化していく、複線化していく、Gマーケットという言葉を使う方もいますが、グリーンマーケットを創出していくというようなアイデアも生まれてくるんではないかと思われます。そのやり方が、まだいま一つ理解し切れていない部分もありますし、国民の皆様方からもよく分からないという、不透明な部分もあるかと思います。  そこで、内閣官房にお尋ねをいたします。  成長志向型カーボンプライスや脱炭素成長型経済構造のロジックには暗黙の前提がありまして、企業などプレーヤー全員が同じ脱炭素の制約や条件の下に入る要件がそこになっているのではないかと。先ほども言いましたように、グリーンマーケットを創出した方がいいんではないかという考え方も、実はそこの要件といいますか、背景があっての話です。  すなわち、脱炭素化を同様に義務付けられれば、そのコストは全員平等に課せられるわけなんです。それならば、脱炭素に優れたもの、それから秀でたサービスや商品、あるいはマーケットの中で勝ち上がっていきますよね、当然。そうした前提があって初めて成長志向型カーボンプライシングの概念が成立するんではないかと思ったりもするんですが、内閣官房のお考えはいかがでしょうか。

田尻貴裕内閣官房GX実行推進室次長兼経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(田尻貴裕君) お答え申し上げます。  我が国がGXを進めるのは、国内投資を喚起し、事業者の産業競争力を高めることで排出削減と経済成長の同時実現を目指すということは、大臣から先ほど答弁させていただいたとおりでございます。  このように、GX投資が事業者の競争力強化につながるのは、国際的に二〇五〇年カーボンニュートラルなどの目標に向けた脱炭素の動きが官民で加速する中で、GXに関する取組を先んじて行うことがグローバル市場で優位に立つために不可欠な要素となっているからでございます。仮にGXに関する取組が遅れれば、国際的なサプライチェーンからも排除されるリスクもあるというふうにも言われてございます。  排出量取引制度に関しましても、既に三十六の国と地域で導入をされてございまして、我が国において制度の導入を進めることは待ったなしの状況であるとも考えてございます。  こうしたGXをめぐる激しい国際環境がまさに委員御指摘のその前提というふうになっているというふうにも考えている中で、その中で事業者がGX投資を前向きに行うことを後押しするために、大臣が先ほど答弁したような成長志向型カーボンプライシング構想に基づき、本法案において排出量取引制度の詳細を措置することとしているところでございます。  本法案の策定に当たりましては、既に先行する国、地域の制度内容や実施状況などを参考にしているところでございますけれども、今後詳細の設計をするに当たりましても、国際的な動向を踏まえるのはもちろんのこと、我が国としてエネルギー安定供給、経済成長、脱炭素が同時に実現できるように検討を進めてまいりたいと考えてございます。  その上で、成長志向型カーボンプライシングを始めとしたGX政策を進めるに当たりましても、グローバルな政治、経済や排出削減の進捗状況も含めて継続的に点検を行っていく中で、必要に応じて不断の見直しをしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 いわゆる様々な動向を注視しながらやはり柔軟に考えていくという田尻次長の御答弁だったと思います。  当然、GX推進を反対するものではもちろんありませんが、懸念がそこでやっぱり生まれてくるわけです。この法案で措置される排出量取引制度を国として持つのは当然で、例えばEUのCBAM、これはカーボン・ボーダー・アジャストメント・メカニズムの略で、炭素国境調節措置というふうに訳されるそうですけれども、EU域外から輸入される製品にEU同様の炭素価格に相当する価格を課す制度などが実際にこれ始まってしまえば、我が国も同様の制度なしには海外市場では通用しなくなってくるんではないでしょうか。  ただ、前述の前提が不十分のうちは、現実の制度運用やその強度などは、先ほど田尻次長からもお話があったように、気候変動の実態や各国の動向の度合いなども注視しながら適切に行っていくという理解でよろしいんであれば、これ、キャップの設定の議論もそこに関連して考えているということで理解してよろしいんでしょうか。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) CBAMの話がございました。  世界全体で見れば、脱炭素の取組、これはもう産業競争力に直結するものとの認識が国際的な潮流となり、この傾向は変わらないものと認識をしています。  今事務方からもお話しいただきましたけど、三十六の国と地域でもう先行して、我々もしっかりこれ取り組んでいかなきゃいけないという中で、議員御指摘のように、世界大で平等に脱炭素を義務付ける枠組みが形成されていなくても、我が国として、他国に先駆けてGXを推進し、脱炭素投資促進や産業競争力を強化を進めることが重要だというふうに思っています。  他方で、今御指摘いただいたとおり、日本の産業競争力を失わない形で排出削減を進めていくことが重要だというふうに思います。このため、実際のカーボンプライシングの設計、運用に当たっては、日本だけが突出しないように、国際動向、これをよく注視、見極めつつ、制度の在り方を点検、見直しをしてまいりたいというふうに思っているところです。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 武藤大臣の御答弁、ありがとうございます。  つまり、いわゆる産業競争力を失わないように、つまりは、やはり国民の皆さんたちの暮らし、働く皆さんたちの生活、これに大きな影響を及ぼさないような配慮をしつつ、このGX推進も当然行っていかなきゃいけない。もちろん、究極の目的は、GX推進も世界のグローバル的な温室効果ガスの削減ということにはなってくると思いますが。  そこで、内閣官房に伺います。制度設計の話に出ていますベンチマーク方式について伺います。  いわゆる、各業種ごとに、例えば上位の二〇%―三〇%の中でこの排出削減量の中の線引きをして、きちんと守られている、あるいはそれ以上にしっかりとやっていくというところに対してはしっかりと評価をし、足りないところは頑張ってねと、もっともっとカーボンの削減、カーボンニュートラルの方、向かって削減をしてくださいねというような制度でございます。これは、行き過ぎると業界内で企業の中の優勝劣敗を付けることになりかねないだろうかというふうにつながってくるんではないかと思います。  内閣官房に伺っておりますが、つまり、脱炭素化でリードする優良企業に対しまして、それを追いかける企業は、未達の排出削減義務を補うためによりパワフルに、よりエネルギッシュに脱炭素を先行する企業に対して頑張らなきゃいけない、むしろそしてお金も支払わなきゃいけないという、逆転の一手がなければ企業の体力はなかなか続いていくのが難しいのではないかという懸念につながってくるわけです。  例えば、生物学のダーウィンの理論に例えれば、適者生存、弱肉強食のごとく、格差が企業間で更に拡大していくという要因にもなりかねないということです。そうなると、先ほど武藤大臣がおっしゃったお話とはまた逆行するような形になっていきます。そこが懸念として考えられるわけです。そういう点を政府、内閣官房はどの程度考えているのでしょうか。  そして、ベンチマーク方式というのは、言わば会社同士で脱炭素化を争うという制度というふうな見方もできます。一方、もう一つ、年率削減方式、これはグランドファザリングと言われますけれども、過去の自分よりも脱炭素化を改善するという方式であって、適者生存、弱肉強食という話ではなくて、受容性はベンチマーク方式に比べると比較的高いとも考えられるんですが、その点ももしお考えがまとまっていれば内閣官房に伺います。お願いします。

田尻貴裕内閣官房GX実行推進室次長兼経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(田尻貴裕君) お答え申し上げます。  今御指摘のございましたベンチマーク方式につきましては、業種特性による排出削減の難易度や代替技術の有無を考慮するための仕組みでございまして、これにより異なる業種に属する事業者間の公平性を確保することが可能になることから、排出枠の割当てに当たって基本となる方式というふうに考えてございます。  ベンチマーク方式によりまして、業種内の各社の生産プロセスや排出原単位を公平に比較した結果、排出枠の余剰や不足が事業者ごとに生じてしまうということは事実でございますけれども、足下で排出原単位が劣後する事業者でありましても、脱炭素の取組が産業競争力に直結するという認識の下で思い切ったGX投資を行う場合には、政府としても、二十兆円規模の先行投資支援を行うことで、当該企業が原単位を改善し、排出枠の余剰を生み出すということも可能になるかと考えてございます。  加えて、特に排出枠が不足する事業者につきましては、更なる事業が国外移転する可能性がある業種に該当する場合やGX分野の研究開発投資に積極的に取り組む場合には一定の範囲内で割当て量を調整するということも想定してございまして、業種や事業者の状況を細かく見ることで、排出原単位の視覚だけでは捉えられない事情もしんしゃくしてまいりたいというふうに考えているところでございます。  また、御指摘のありましたベンチマーク方式からグランドファザリング方式への切替えということにつきましてでございますが、先ほど申し上げたとおり、ベンチマーク方式が業種内の各社の、済みません、業種間の公平性を確保することができるということから、排出枠割当てに当たっての基本となる方式と考えてございまして、業種内の各社の生産プロセスを公平に比較することが難しく、ベンチマークの設定が困難な場合にはグランドファザリング方式を採用するというようなことを考えてございます。  したがいまして、このように業種特性を踏まえたベンチマーク方式を基本とするということを考えている中で、グランドファザリング方式への切替えということについては余り可能性は高くないんじゃないかなというふうに認識しているところでございます。  ただ、いずれにいたしましても、実際の排出量取引制度の運用に当たりましては継続的に点検を行っていくことが重要でございまして、必要に応じた不断の見直しを図ってまいりたいというふうに考えているものでございます。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 ありがとうございます。  一方で、その今のベンチマーク方式で、グランドファザリング方式はううんというような、そういうような御答弁でしたけれども、海外の例を御紹介します。内閣官房に更に伺います。  実際、EUでも、これ最初、グランドファザリング方式で始めて、後のフェーズでベンチマーク方式に切り替えたという経緯がございますね。それから、韓国では、ベンチマークは当初、排出量の多い石油精製、セメント、それから航空で適用されました。ほかの分野はグランドファザリングとして、徐々にベンチマークの適用分野を拡大していった経緯があります。つまり、韓国では、最初二本立てで始めて徐々に一本化を目指していくと。  我が国の方式の切替え等やあるいは適用対象の変更、拡大は、内閣官房はどのようにイメージしていますでしょうか。

田尻貴裕内閣官房GX実行推進室次長兼経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(田尻貴裕君) お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたとおり、排出枠の割当てに際しましては業種特性を踏まえたベンチマーク方式を基本といたしますが、なかなかその各業種の中で各排出原単位などが比較できないような場合にはグランドファザリング方式を取るということで、私どもも並列でスタートするということを考えてございます。  その中で、今後の脱炭素技術の発展の動向などを踏まえまして、一定の業種や生産プロセスにつきましては、御指摘の海外、諸外国の例と同様に、グランドファザリング方式からベンチマーク方式への切替えということも検討することは可能と考えてございます。例えば、排出量取引制度の運用を踏まえまして、生産プロセス、各社間の生産プロセスの公平な比較を行う方法が確立されれば、そうしたプロセスについてベンチマークの方に移行するということも考えられるというふうに考えてございます。  いずれにいたしましても、繰り返しですけれども、制度の運用に当たりまして継続的に点検を行っていくということの中で、委員御指摘の点も踏まえまして、制度の在り方を不断に見直しをしていきたいというふうに考えているところでございます。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 続いて、内閣官房には、いわゆる憲法との整合性について伺います。  排出量取引制度というのは、企業活動に対して、申し上げているように、優勝劣敗の起こり得る新しい理論、理屈の、大きなコスト負担を課す制度の導入とも言えます。法案作成のベースとなりましたこの審議会、産業構造審議会においては憲法との整合性も議論されたと伺っています。特に、憲法第二十二条の営業の自由、第十四条の平等原則、第二十九条の財産権の観点から、どのような議論、そして整理がなされたのか、内閣官房、お答えください。

田尻貴裕内閣官房GX実行推進室次長兼経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(田尻貴裕君) お答え申し上げます。  排出量取引制度の検討に当たりましては、憲法を始めとした我が国の法体系に当てはめた際の論点について、各法律分野を専門とする学識者や実務家をメンバーとする法的課題研究会というものを開催し、議論を重ねてまいりました。研究会におきまして、御指摘の営業の自由等の憲法上の権利保護規定と整合した形で排出量取引制度を設計するために留意すべき点についても議論がなされました。具体的には、排出削減と経済成長を両立させるという点で複合的な目的を有する排出量取引制度の設計には専門技術的かつ政策的な判断が必要であることから、広範な立法裁量が認められるとしつつ、その制度の設計に当たりましては、当該措置と目的との合理性や事業者の予見性の確保などの配慮が求められるといった指摘があったところでございます。  こうした指摘を踏まえまして、本法案におきましては、排出枠の割当て量の決定方法につきましては、法令上明確に定め、その詳細についても審議会のプロセスを経て決定するということで、行政裁量を可能な限り排除するという措置であったり、価格安定化措置の発動要件、方法につきましても、法令上明確に定め、排出枠の価格が当該措置により変動し得ることをあらかじめ企業に対し予見をさせるといったような措置を講じることとしておりまして、こうした制度内容であれば憲法上の権利の不当な侵害にはならないというような有識者からの意見も付されたというところでございます。  引き続き、本研究会での意見を踏まえながら、制度の設計を進めてまいりたいと考えているものでございます。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 制度の各論について、引き続き内閣官房に伺ってまいります。  いわゆるカーボンクレジットの扱いについて、法案説明では、二〇二六年度から開始する排出量取引制度では政府が運営するとなっています。政府の運営するJ―クレジット、それからJCM、いわゆる二国間でのクレジットの制度ですね、の活用も認める、そして活用可能量の上限についても、諸外国における議論の動向を踏まえつつ、次年度以降に検討するとされています。  一部は認めつつも量的上限を今後検討するとされていますが、いかなる観点で、どう検討するのでしょうか。例えばEUでは、安価なクレジットの流入で排出枠が余って価格が下がり、EU域内で削減インセンティブがなくなるため、外部クレジットの使用不可となったと聞いております。  可能な限り外部クレジットの活用を認める考えと、排出者自らの削減努力を促す観点から無制限のクレジット活用を認めない考え方がありますが、我が国の政府はどのような整理、検討をなされているんでしょうか。

田尻貴裕内閣官房GX実行推進室次長兼経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(田尻貴裕君) お答え申し上げます。  カーボンクレジットは、多様な主体による脱炭素の努力をクレジットとして取引を行うことで、社会全体で費用対効果の高い取組を進める手法でございます。  今回導入する排出量取引制度におきましては、制度対象者のみならず、中小企業などの幅広い主体が脱炭素投資を行うためのインセンティブを高めるという観点から、排出実績に当たって、J―クレジットやJCMといった国が運営する制度に基づき、品質が担保されたカーボンクレジットの活用を可能とするという方針で考えてございます。  他方、今委員から御指摘のございましたとおり、諸外国の類似の制度におきましては、カーボンクレジットの流入による排出枠の需給バランスへの影響を回避するという観点から、その活用を認めつつも、活用できる量に一定の制限を設けるという例もございます。  我が国の排出量取引制度におきましても、カーボンクレジットの活用を認めつつ、その量に制限を設けるかどうかにつきましては、我が国のクレジットをめぐる状況や国際的な動向を踏まえつつ、今後、産業構造審議会において有識者に議論をいただき、丁寧に検討してまいりたいと考えているものでございます。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 次は、驚いたことに、世界的な統一なルールが実はなかったという事例からお尋ねをいたします。  引き続き内閣官房に伺います。  カーボンクレジット、今御答弁いただいたこの問題に類似する論点として、石炭火力とCCS、いわゆるCO2の貯留の組合せを認めるかの議論がございます。これを認めると石炭使用の拡大につながるとして、禁じる国もあるんですね。  トータルとして排出量を削減できるのであればそれでよいという議論も当然あり得るわけで、我が国ではこの点についていかなる理由で整理を行っているのか確認したいので、御答弁願います。

田尻貴裕内閣官房GX実行推進室次長兼経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(田尻貴裕君) お答え申し上げます。  石炭火力を含む火力発電は、CO2を排出するという環境面での課題があり、非効率な石炭火力を中心に発電量を引き下げていくというのが我が国の方針でございます。他方、必要な供給力が必ずしも十分に確保されていない段階で直ちに急激な石炭火力の抑制策を講じることになれば、電力の安定供給に支障を及ぼしかねないと考えてございます。こうした状況を踏まえまして、非効率な石炭火力のフェードアウトを着実に進めるとともに、二〇五〇年に向けて、CCSや水素、アンモニアを活用した火力の脱炭素化を推進していくのが方針でございます。  特に、CCSにつきましては、電化や水素などを活用した非化石エネルギーへの転換では排出削減が十分に進まない分野において脱炭素を実現できる技術としてGX実現に不可欠と考えてございます。今般導入する排出量取引制度におきましても、将来的にCCSによる排出削減量が評価されるように取り組んでまいりたいというふうに考えているものでございます。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 今、田尻次長が答弁されたように、やっぱりこれから日本型のそういう理屈といいますか、ルールをどれだけ国際的に理解をしていただくかというのは大きな課題になってくるかと思います。ですので、それもしっかり日本が独自でやっていって、それでオーケーだよと、でも、世界的にはそれは認められないよという話になりますとなかなか厳しい状況にもなってまいりますので、是非、公平性や公共性も含めて、是非その辺も御検討、更なる取組をよろしくお願い申し上げます。  さあ、続いては、今回の法案、前回、村田享子委員からも指摘がありましたが、今回の法案のGX推進法と資源法のいわゆる一括化、束ねについてお尋ねをいたします。  内閣法制局にお尋ねします。  今回の法案はGX推進法と資源法が一括法案、いわゆる束ね法案で提出されましたが、内閣法制局ではどのような場合に一括化できるとの基準を持っていますでしょうか。例えば、一、政策の統一性基準、二、条項の相互関連性基準、三、委員会所轄事項基準というのはどのような意味なんでしょうか。また、どのように判断されるのでしょうか。こういった位置付け等も御説明いただければ、お願いします。

山影雅良内閣法制局第四部長

○政府参考人(山影雅良君) お答えいたします。  政府といたしましては、従来より、法案の立案段階におきまして、今御指摘のございました、まず一点目でございますけれども、法案に盛られた政策が統一的なものであり、その結果として法案の趣旨、目的が一つであると認められること、あるいは、内容的に法案の条項が相互に関連して一つの体系を形作っていると認められること、また、できる限り同じ委員会の所管に属する事項に関するものであることが望ましいこと、こういった点を検討いたしまして、一つの改正法案として提案することが適当であるという結論に達した場合、そのような形で提案してきてございます。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 更に確認ですが、内閣法制局、伺います。  この三つの基準が全部オーケーで初めて束ねになるという理解でよろしいんでしょうか。

山影雅良内閣法制局第四部長

○政府参考人(山影雅良君) 今の点でございますけれども、必ずしも、かつという形ではなくて、いずれにつきましても、説明としてはお伺いします。三つそろっている方が好ましいのは事実でもございますけれども、特に同一所管の委員会の基準ございますけれども、私どもはできる限り同じ法律改正では同じ委員会の所管に属する事項に関するものが望ましいと考えていると先ほど御説明申し上げました。  他方で、法律案の具体的な内容におきましては、一括した方がむしろ取ろうとする政策趣旨、目的がかえって明確になるようなケースもございます。こういった場合におきましては、同一の委員会の所管に必ずしも属しないような場合であっても複数の法律改正を一括して御提案申し上げると、こういうこともございますので、そういうことも含めまして、従来より御説明申し上げているところでございます。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 内閣官房に、では今度、お尋ねします。  今回のGX推進法と資源法とは持続可能な発展という幅広いロジックでは関連をすると思いますが、厳密には、GX推進法は地球温暖化、気候変動対策の一つで、資源法は廃棄物対策、リサイクル対策の中に位置付けられていると理解しております。実際、廃棄物対策、リサイクル制度の法体系の中には数多くの法律が複雑に存在しておりまして、まずはその資源法とほかの法律との関係を整理して御説明いただきたいと思っております。よろしくお願いします。

田尻貴裕内閣官房GX実行推進室次長兼経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(田尻貴裕君) お答え申し上げます。  循環型社会の形成を推進する基本的な枠組みである法律として環境省が所管する循環型社会形成推進基本法というものがございまして、この基本法の下で、廃棄物の排出抑制、適正処理に関する廃棄物処理法を環境省が所管し、資源の循環、利用促進に関する資源法を経済産業省が、それぞれ基本的な法令として所管をしているところでございます。  資源法につきましては、事業者に対しまして、廃棄物の排出抑制、これリデュース、部品等の再利用、これはリユース、原材料としての再利用、これリサイクルと、いわゆる3Rとなりますけれども、この製品のライフサイクル全体に着目した資源の有効利用の促進に関する具体的な措置を講じているところでございます。  このほかに、個別の物品の特性に応じて、特に廃棄後の処理が問題化している物品として個別のリサイクル法を制定してございまして、例えば家電リサイクル法、自動車リサイクル法、小型家電リサイクル法等が設けられてございまして、これらは主に経済産業省と環境省の共管となってございます。  この資源法とこれらの個別リサイクル法との関係につきましては、まず資源法は、いわゆる3Rの推進に当たりましての横断的な基本法令としての役割を担う一方、個別のリサイクル法では、資源法では対応できないような特定の物品の特性に応じたような詳細な措置を講じる際に制定されるものでございまして、ただ、お互いに、相互に補完をしながら循環型社会の形成を推進していると、そういう構造になっているものでございます。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 今お話がありましたように、五つの法案ですとか、五つ以上の法案ですね、それに所轄も複数またがっているということで、一般的に、この一括化について、更に決められた内閣官房に伺いますが、審議は国会の御判断でとはいえ、この法案の一括化、いわゆる束ね化は、議院内閣制の下、私たちが求めております充実審議の観点で大きな制約となるのはこれ明らかでございます。ですので、行政を担う内閣が立法府の言わば上流で法案を束ね、審議の在り方にも影響を及ぼすということはどうなのかと思ったりもします。  また、一括法案、いわゆる束ね法案といっても、可決、成立をすれば、一つの法律ではなくて、別々の法律となって歩み始めます。となると、審議段階においてのみ法案を一括化する、束ねるということにそもそもいかなる意義があるのか、お考えを伺います。

田尻貴裕内閣官房GX実行推進室次長兼経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(田尻貴裕君) お答え申し上げます。  今回のGX推進法と資源有効利用促進法の改正は、政府といたしましては、いずれもGX政策の柱であると考えてございまして、我が国がエネルギー安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現を目指す上で重要と考えてございます。  具体的には、GX推進法に基づくカーボンプライシングは、二十兆円規模の先行投資支援の原資となるだけではなく、低い水準から始まり徐々に上昇していくという炭素価格の姿を示し予見可能性を高めることで、企業に早期にGX投資を行うインセンティブを与えるものでございます。  また、資源法で講じる再生材の利用拡大や環境配慮設計の促進の措置は、天然資源の投入量の削減を通じ、製造プロセスにおけるエネルギー消費量や二酸化炭素の排出量を抑制できることから、排出削減の早期かつ確実な手段として有効であり、GXを推進する上でも重要な役割を果たすことになると考えてございます。  このように出自の法体系は異なるとはいえ、GX実現に向けて両法案が政策的な一体性を有する中で、GX政策の大きな方針の中で両法に基づく措置を一貫して進めるということをお示しする点が重要かと思ってございまして、先ほど法制局からの答弁でございましたとおり、その政策の趣旨、目的が明確になるような場合には一括した方がよいというものも否定し得ないという御答弁もありましたとおり、こういう観点で、一括してお示しすることが束ね法案として提出する意義があるというふうに私どもは考えて今回の法案提出に至ったという次第でございます。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 先ほども申し上げましたけれども、今回のGX推進法と資源法は、一つは、持続可能な発展というロジックでは関連はするんですけれども、地球温暖化、気候対策の一つの法案、それから廃棄物対策、リサイクル対策の法案、それぞれやっぱり方向性が微妙に異なってくるというのもあるので、束ねはどうだったのかなというような問題提起だけはしておきます。  続いて、環境省にお話伺います。  環境制約、リスクについて、政府は、カーボンニュートラルの実現には原材料産業によりますCO2排出の削減が不可欠として、その資源循環による削減貢献の余地がある部門は全体の三六%に及ぶと言ってありますけれども、現在のNDCの目標達成に具体的な数値目標などの検討は入っているのか、環境省、お答えください。

角倉一郎環境省環境再生・資源循環局次長

○政府参考人(角倉一郎君) お答え申し上げます。  国連環境計画国際資源パネルの世界資源アウトルック二〇二四では、世界の天然資源の採取と加工が地球全体の温室効果ガス排出量の要因の五五%以上を占めていると、このように指摘をされているところでございます。このように、資源循環を進め、天然資源の利用の削減を進める取組は気候変動対策としても極めて重要であると考えております。  こうした観点から、ただいま御指摘いただきましたとおり、第五次循環型社会形成推進基本計画では、資源循環の取組を進めることで我が国の温室効果ガス排出量のうちの三六%に相当する部門由来の排出量の削減に貢献できる余地があると、このようにさせていただいているところでございます。  こうした観点を踏まえ、本年二月に閣議決定いたしました地球温暖化対策計画におきましても、資源循環の取組が温室効果ガス削減目標達成のための施策の一つとして位置付けられており、例えばでございますけれども、廃プラスチック及び廃油のリサイクルの促進に伴う廃棄物焼却量の削減によって、二〇三〇年度にそれぞれ六百四十万トン、七十万トンのCO2排出削減量を見込んでいるところでございます。  環境省といたしましては、こうした計画に基づき、経済産業省を始めとする関係省庁と連携しつつ、循環経済への移行を加速化させることで温室効果ガス削減目標の達成に貢献してまいりたいと考えております。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 二〇五〇年のカーボンニュートラルという大きな大きな目標があって、その具体的なやはり数値目標というのは各論で当然出てくるべきだと思っておりますので、引き続きよろしくお願いをいたします。  同様に、内閣官房でも、この資源制約リスクについては具体的な数値目標などを検討していらっしゃるでしょうか。お尋ねをいたします。

田尻貴裕内閣官房GX実行推進室次長兼経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(田尻貴裕君) 資源制約リスクが特に高いのは、例えば蓄電池や半導体など、GX実現に不可欠な製品に使われる資源でありながら供給が特定国に集中しているレアメタルであったりとか、今後途上国を中心に大量に消費され、需給が逼迫するプラスチックなどの石油由来資源でございます。これらは地政学的リスクや価格変動リスクが高く、我が国の産業競争力に大きな影響を与える可能性がございます。  このため、今回の資源法改正におきまして、再生材の利用を義務化する資源としてまずはプラスチックを対象とすることとし、これにより石油由来の新品材への依存度を一定程度低減できると考えてございます。また、将来的には、特に中国などの特定国に依存しているリチウムなどのレアメタルについても同様の措置をとることを検討してございまして、これらの資源の海外調達を段階的に引き下げていくことを目指しているものでございます。  こうした取組を通じまして、資源の安定確保と経済安全保障の強化を図ってまいりたいと考えておるところでございます。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 時間が迫ってまいりましたので、結びに、GX担当大臣でもいらっしゃいます武藤経済産業大臣にお尋ねをいたします。  やはり具体的な数値目標をしっかりと挙げて、そして都度都度、今、公表、発表もされておりますけれども、ある意味、工程表というものをしっかりと作り上げて、そしてそのロードマップをチェックしていくという作業がやはり国民の理解を得る上でも必要だと思います。大臣におかれましては、そういった、我が国にとって、あるいは国際社会にとってもまさにここが踏ん張りどころだということも踏まえて、御覚悟を伺います。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) ありがとうございます。  このGX実現には、中長期的に腰を据えて取組が必要であると思います。支援や制度などの政策を活用しつつ、経済成長と脱炭素が両立させることが世界的に見ても鍵となるところであります。まずは、我が国においてGX経済移行債を活用しました先行投資支援策や排出量取引制度の導入等の様々な施策を活用しながら、GX実現に必要な国内投資を国民の理解を得ながら進めてまいりたいというふうに思います。  加えて、AZEC等の枠組みも活用しながらGXに資する日本の製品技術を国際展開をし、GXの分野で国際的なリーダーシップを発揮したいと思います。  このような取組により、世界の脱炭素化に貢献しつつ、我が国の経済成長を実現してまいりたいと思います。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 申し上げていますが、GX推進を反対するわけではございませんが、引き続き、国民の理解をしっかりと得るための取組をお願いをいたしまして、質問を終わります。  ありがとうございました。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 どうも皆様、御安全に。立憲民主・社民・無所属の村田享子です。今日もよろしくお願いします。    〔委員長退席、理事古賀之士君着席〕  ですが、今日、長峯委員、越智委員、古賀委員とかなり質問がかぶってしまいましたんで、ちょっと質問を入れ替えます。  というわけで、最初に、今日、長峯委員と越智委員も御指摘いただいた中小企業の排出の付け替えへの懸念、ここを私もまず最初にお聞きをしたいと思います。  なので、GX推進法改正案の方からお聞きをしますが、今回、脱炭素成長型投資事業者排出枠というもので、これに関して、やはり制度対象者の多排出企業から対象外である取引先中小企業を含む取引先企業への排出の付け替えが起こり、付け替えられた排出量に伴う負担を将来的に取引先企業、特に中小企業が負うことが懸念されるとの指摘がございます。  本日の御答弁の中でも、先日改正された下請法であったり、また来年の一月一日から施行予定の取適法ですね、そうしたものの活用、また年二回の価格転嫁交渉月間、このようなものを活用するといった御答弁ございましたが、先日、この委員会で下請法が改正されたということで、ちょっとここの部分で、今日、公正取引委員会の方にも来ていただきました。  ちょっと詳しく聞いていきたいんですけれども、独占禁止法や中小受託取引適正化法、改正下請法を活用していくといったこと、これまで御答弁もあったんですけれども、こうした法律において、発注者における排出量に伴う負担増を理由に発注者が、受託事業者から原材料等の価格転嫁の求め、応じないということ、受託事業者の方が原材料とかエネルギーとか労務費が上がったんで価格転嫁してくださいよと言ったときに、交渉には応じますと、その上で、発注者の方が、いやいや、国の法律が変わってですねと、排出量に伴って我々も負担増が今起きているんですといったことを理由に、いや、ちょっと価格転嫁、今回は応じられませんねといったことを回答として述べて価格転嫁に応じないといったことは、独占禁止法や現在の下請法、今後改正される中小受託取引適正化法において違法となるんでしょうか。

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。  委員御指摘のような行為が独占禁止法や中小受託取引適正化法において問題となるか否かにつきましては個別の事案の具体的内容に即して判断するということでございますので、一般論といたしましてお答えをしたいと思います。  まず、独占禁止法でございますが、取引上の地位が優越している発注者が受注者に対しまして一方的に著しく低い対価での取引を要請し、受注者が今後の取引に与える影響等を懸念してそれを受け入れざるを得ない場合には、優越的地位の濫用として独占禁止法上問題となり得るものでございます。  そして、先ほど指摘がございましたように、今国会で成立いたしました改正法によりまして、来年の一月一日に施行されます中小受託取引適正化法におきましては、協議に応じない一方的な代金決定が新たな禁止行為として追加をされておるものでございます。  例えば、原材料費などのコスト上昇を理由といたしまして受注者から価格転嫁の協議の申出があったというような局面におきまして、発注者は、その排出量取引制度への参加に伴う費用負担が増えると、それのみを理由といたしまして、それ以外の理由も説明せずに受注者から価格転嫁に関する協議の申出に応えないと、そして、必要な情報提供をしない、一方的に代金の額を決定するということになりますと、それは新しい施行後の法律の当該規定上問題となり得るということでございます。  いずれにせよ、発注者と受注者の間で、原材料、エネルギー、労務費等のコストの上昇の状況、排出量取引制度の参加による負担増につきまして、例えば根拠となる公表資料などに基づきまして双方で具体的かつ実質的な協議が十分行われるということが重要というふうに考えてございます。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 個別のケースにはなるんですけれども、これまで価格転嫁というと、原材料、エネルギー、そして労務費、そうした観点から考えておったんですが、今回の改正案が成立すれば、新たに、排出量に伴う負担増という新たなカテゴリーができてくるわけなんです。ということでいうと、先ほど大臣からも引き続き下請法等使いながらここには対処していくといったことだったんですけれども、こうした二酸化炭素や温室効果ガスの排出量に伴う負担増、これについての価格転嫁がどうなっているんだろうか、この調査も新たに仮にこの法律が成立した暁には必要ではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 大変重要な要素だと思いますので、検討させていただきたいと思います。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 これに関連をして、あと、今日、中小企業の皆様もやはりこうしたGXに対応していかなければならないといった御指摘もありました。  独占禁止法や中小受託取引適正化法において、受託事業者の皆さんが発注者に対して、私たちも排出量に伴う負担増が起きましたと、これを理由に価格転嫁求めていきたいんだと、排出量に伴う負担増についてはこの分をちゃんと価格転嫁していきたいんだと、これもしっかり言っていただいて、発注者はこれに対して、価格転嫁の求めに対してしっかり応じる、中小企業の皆さん、受託事業者の皆さんが排出量に伴って負担が増えた場合であっても、ちゃんとその分を価格転嫁していきましょうと発注者は応じるべきだと思うんですが、この見解について公正取引委員会に伺います。

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。  現在、政府においては、原材料、エネルギー、労務費等の価格上昇につきまして、適切な価格転嫁の推進という取組を重点的に進めておるところでございます。排出量取引制度の導入に伴いまして受注者に生じたコストの上昇分につきましてもこのコスト上昇というものに含まれるというふうに考えているところでございます。  したがいまして、排出量取引制度の導入に伴いまして、受注者サイドですね、それがその負担を負うことになった場合につきましては、そのコスト上昇分を理由といたしまして価格転嫁を求められた発注者につきましては、やはり適切な価格転嫁に向けまして協議のテーブルに着くことが求められるというふうに考えているところでございます。  先ほど御指摘のございました中小受託取引適正化法、これは来年の一月一日から施行ということになりますが、この中で、協議に応じない一方的な代金決定というものが新たに導入されるわけでございます。その中で、受注者の方が排出量取引制度の導入に伴いましてコストが上がるということを理由といたしまして価格転嫁を発注者に求めるという局面におきまして、発注者はそれにつきまして検討もせず、協議に応じず、必要な情報提供もせず、一方的に据え置くということになりますと、この新しい禁止規定に該当し得るということでございます。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 今、排出量に伴う負担増、これを価格転嫁としてどう扱っていくのか、これについて議論させていただきましたが、今日の御答弁で私が理解しました、まずこの排出量に伴う負担増については価格転嫁の対象になるということで、しっかり協議にまずは応じていくんだと。そういった意味でいうと、今回の改正のGX法が成立した、排出量取引制度が始まった場合に、こうした排出量に伴う負担増についてもちゃんと価格転嫁していってくださいねという、ここの周知がまず必要だと思います。  そして二つ目、先ほど公取の御答弁の中で、この排出量に伴う負担増について、価格転嫁、発注者と受注者で交渉するときに根拠となる公表資料を使いながらといったお話がありました。  これは今まで、今日、中小ものづくり労働組合、JAMの皆さんも傍聴に来ていただいているんですけど、やっぱりこの価格転嫁の交渉の中で一番難しいのが、何の資料を出してその価格転嫁の根拠を示すかということなんですね。これについては労務費が一番大変で、やっぱりこれまでは、じゃ、労務費上げたいんだったら、おたくの会社の労務費の資料を出しなさいよと、で、それを見せたら、いや、むしろこの労務費もっと削れるじゃないというようなことになってしまったので、政府の方でも検討いただいて、労務費の転嫁指針作っていただいて、春闘や最賃がどれぐらい上がったかという公表資料を使って労務費の価格転嫁してくださいねという指針を作っていただきました。  その意味でいうと、今回、この排出量に伴う負担増、この価格転嫁を進めるためにどういった根拠となる公表資料が使えるのか、その作成とその周知ですね、そこのところも是非これから検討をいただきたいと思います。  そして、三つ目が、もう先ほど大臣に検討いただきますと言ってもらいましたけれども、この排出量に伴う負担増の価格転嫁が実際にできているのか、これもしっかり調査をしていただきたいということをまず申し上げたいと思います。  中小企業の皆さん、脱炭素に向けて一生懸命取組をされています。この排出量取引が新たな中小企業の皆さんの負担増とならないようにということと、既にいろんな施策進められておりますが、脱炭素の事業転換、中小企業の皆さんができるような支援も引き続き求めていきたいと思います。  続いて、これに関連することでもあるんですけど、脱炭素の事業転換ということでいうと、公正な移行というのもやっぱり重要な観点です。  これについて、先週、礒崎委員も指摘をされましたし、GX推進法の議論を行ったときには礒崎委員が中心になって修正案をまとめていただきまして、GX推進法第三条の基本理念に、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行は、中長期的なエネルギーに係る負担の抑制及び公正な移行の観点も踏まえつつ行わなければいけないという、この公正な移行という文言が追加をされたわけなんです。  脱炭素成長型経済構造への円滑な移行について、この公正な移行の観点を踏まえた取組、これまでどのように行われてきたのかということと、また、実際公正な移行の政策を考えていく上で、失業や労働移動による労働条件の低下などの雇用への悪影響が生じ得る産業、地域、またその影響度をどのように現在分析していらっしゃるでしょうか。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) お答え申し上げます。  GXは、我が国の競争力を確保、強化し、将来の雇用や所得の維持拡大を図るために取り組むものではございますけれども、その過程で影響を受ける産業や労働者、地域が取り残されることがないよう公正な移行の取組を進めていく必要がございまして、おっしゃったように、GX推進法の基本理念、それからGX二〇四〇ビジョンにおきましてもその推進を明確に位置付けてございます。  具体的には、GX推進法を通じて新たに生まれる産業への労働移動を適切に進めていくとともに、GX産業構造への転換に伴い高度化されたサプライチェーンで労働者の皆様が引き続き活躍できるように必要な取組を進めることが重要でございます。  このため、これまでも企業がGX分野の取組を進めるに当たり、従業員にこれに関連する知識や技術を習得してもらうための訓練を実施した場合に助成を行います労働者のリスキリングの支援、それから、排出削減が困難な産業の製造プロセス転換を支援する補助金ございますけれども、これにおきまして、対象事業を実施することによる労働需給や地域経済への影響を把握をして、公正な移行に向けた取組の実施をこの支援の必須項目として要件化するなど、省庁横断的に各種の支援策を活用しつつ、対応を進めてございます。  お尋ねの産業や地域でございますけれども、黎明期の現時点におきまして、GXの本格的な進展、それから産業構造の転換、労働需給の変化などによりまして、どの産業、それから地域で特に大きな影響を受けるかにつきましては、個別具体的に申し上げることは現時点では困難ではございますけれども、これは細心の注意を払って継続的に状況の把握に努めまして、必要に応じて対策を講じていく必要はもちろんあると思ってございます。  このため、足下の経済産業省の調査では、多排出産業などGXにより将来事業転換が大きく進むと想定される業種を対象に、製造プロセス転換に関する検討状況や、それに伴う社内の雇用や周辺のサプライチェーンへの影響の見込み、それからそうした影響への対応策に関する企業の検討状況など、地域やサプライチェーンへの影響にも着目しつつ、きめ細かな課題把握に取り組んでございます。  最新の調査結果ではまだGXによる大きな影響は生じていないとされているところではございますけれども、引き続きしっかりと状況の把握に努めていきたいと、こう思ってございます。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 今、雇用への悪影響が生じる産業とか地域、現時点ではその把握は困難とおっしゃったんですけれども、私はこれすごく問題だと今思いました。  だって、GXの推進法が成立してもう二年です。そのときも、やっぱり公正な移行が大事なんだとこの委員会でも議論になりましたし、今、現時点でGXによる大きな影響は把握されていないといったこともおっしゃいましたけれども、例えば自動車産業であったり、また鉄鋼業であったり、町によっては、鉄鋼でいうと、もう高炉が止まると。これはもちろんGXだけではなくて、国内の需要だったり世界の動向だったり、いろんな影響によってその経営判断あったかと思うんですけれども、その理由の一つに、やっぱり脱炭素にどうやって対応していくのか、その中で産業、企業どうしていくのか、そうした要因もあって経営判断されたところもあると思います。  また、企業や産業として、まだ会社が丸ごとなくなったというようなことじゃなかったとしても、実際に働いている皆さんからは、例えば自分は石炭を扱っている会社にいると、で、今、国もカーボンニュートラルやっているから、ということは、若い方ですよ、二十代の、自分はこの会社にいても先どうなるか分からないからといって転職する人が現場では増えているんですよね。  実際もう影響出ているし、公正な移行の取組は先を見据えてどんどんやらないといけない。産業がなくなった、企業がなくなった、じゃ、地域の雇用、経済どうしようといって、その後に何か対策を打とうとしてもやっぱり遅いんです。もう既にGXの影響は出ていると私は思っていますが、その点どうでしょうか。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) まず、しっかり取り組んでいきたいということと、把握が困難というよりも、まだ、例えばですけれども、革新的な技術開発をやっているとか、実装がこれからの部分もございますので、大きな影響が特定の地域とか産業に特に顕在化して出ているかという意味では、これは実態把握の調査でもそこまでではないとされてはおりますけれども、随時、着実に把握をしまして、必要がありましたら対策をきちっと講じていくと、こういうことだと思ってございます。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 EUでは、企業向け、労働者向けの支援のために百七十五億ユーロ、これ二〇一八年の金額にはなるんですが、日本円で二兆円強の公正な移行基金というものが設置をされています。    〔理事古賀之士君退席、委員長着席〕  では、我が国では、公正な移行に関して、労働移動への支援、地域経済への影響緩和に向けた予算措置は検討をされているのか。また、今取組の御紹介、先ほどありましたけれども、労働者に対する教育訓練の実施、特に公正な移行では、単に新しい職場に移れましたよではなくて、やっぱり良質な雇用に移行をする、良質な再就職先のあっせんが重要です。また、もしその地域を離れないといけないということになれば、住居や生活の支援、そうしたものも必要です。  こうしたことへの検討、GX担当大臣としてされているんでしょうか。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) ありがとうございます。  今、龍崎さんというか事務方がお答えさせていただきましたが、GXを通じたこの公正な移行に向けて、GX分野のリスキリングの支援ですとか、製造プロセス転換を支援する際の事業者の取組の確認などを既に実施してきていますが、加えて、今後GXの取組が本格化する中で、こうした施策にとどまらず、公正な移行の観点から必要な取組を進めることが重要だというふうに承知をしています。  今委員御指摘の点、よく分かります。私どもも、各局全国でいろいろ毎月のように、今ちょうど関税の問題もありますので、情報収集していますので、私からちょっと改めてこの件については、また事務方と相談しながら先に進めさせていただきたいと思います。  そのため、ここ、答弁ちょっと読まさせていただきますけど、労働需給ですとか地域経済への影響ですとか、GX推進の過程で生じる様々な課題を把握しながら、セーフティーネットに係る施策の活用も含めて公正な移行を後押ししてまいります。関係省庁ともこれはもう連携をしながら、必要に応じて予算を含めて適切な措置を検討するなど、しっかり対応してまいりたいというふうに思います。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 GX推進法の議論を二年前にしたときに、やっぱりそのときも公正な移行がテーマになって、当時はGXの実現に関する政府内の会議のメンバーに厚生労働省の方がいらっしゃらなかったんですね。やっぱり公正な移行を考える上では、労働大事だということで、厚生労働省の方も入れてほしいといったことで、その後、対応をいただいて、今、厚生省の方も一緒になってGXに向けた取組進めていると聞いていますので、せっかくメンバーに入れていただいたので、省庁横断的に、今大臣からもしっかり御答弁いただきましたので、やっぱり何かあったからでは本当に遅い。今、トランプ関税、大臣も言われた、そこもありますので、しっかり連携を取っていただいて政策を進めていただきたいと思います。  地方の話をしましたので、条例との関係についても一つお聞きをします。  条例との関係がGX推進法第七十六条において定めております。そもそもGX推進法第七十六条において条例との関係を定めた理由は何なのか、また、具体的にどのような条例が規定されるものと想定されていますでしょうか。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) 今般導入いたします排出量取引制度の中で制度対象者に適用される炭素価格は、これ産業競争力の強化と脱炭素の実現という国全体の目的の下で一律の考え方に基づき定められるべきものでございまして、ここに地域差が生じたり、自治体と国の両制度で事業者に二重負担が生じるような事態は回避する必要がございます。  その際、憲法第九十四条では、地方公共団体の条例の制定は法律の範囲内となっていることから、仮に、今般導入する排出量取引制度と、既に導入されています、若しくは今後導入される可能性がある自治体の制度に重複がある場合には、その重複が解消されるように措置を行うことが必要と考えてございます。  こうした観点から、国と自治体制度の関係を明確にするために、本法律案では、国の制度の直接的な対象とならない間接排出に関する措置や、国の制度対象も含めた事業者に対します排出量の報告に関する義務を条例に基づき事業者に課すことについては妨げないと、こうした旨を規定することとしてございます。  具体的にどのような自治体制度を想定しているか、網羅的にお答えすることは困難ではございますけれども、例えば、東京都と埼玉県では先行して独自の排出量取引制度が導入されているところでございます。GX推進法第七十六条のこの規定の趣旨を踏まえまして、法律と当該制度との間で矛盾が生じないようにする必要がございます。  いずれにいたしましても、自治体の排出削減に向けた取組と、それから今回の措置とでうまく連携をして、GX全体を推進していくことが重要でありますので、東京都や埼玉県とは丁寧に議論してまいりたいと、こう思ってございます。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 今、龍崎次長からも、憲法第九十四条の条例と法律の関係についても言及がございました。こちら、今回のGX推進法に関する法的課題研究会の報告書においても、法律が国で一律に排出量取引制度の中で対応すべきと考える事項につき、条例によって異なる負担等が課されることとなると、法律の目的や効果を阻害することにならないか、ひいては条例が法律の範囲を逸脱することにならないかにつき慎重に精査をされることが必要であるとの指摘がなされています。  今、先ほど詳しく御答弁もいただきましたけど、この指摘についてはしっかりこの法律で対応できているというようなことでよろしいんでしょうか。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) 委員御指摘の研究会でございますけれども、その中では、御指摘のように、条例が法律の範囲を逸脱することにならないかについて慎重に精査されることが必要、こうした指摘があったほかにも、条例による制度を許容する範囲を明確にするなど法律に規定することも考えられるのではないか、こうした指摘とか、それから、制度の在り方などについて国と自治体との間で対話をきちんと深めることが地方分権の趣旨によりかなうのではないかと、こうした指摘もございました。  この点は、私ども政府としても、本制度に基づいて国全体としての炭素価格が一律の考え方で定められるようにしつつ、これと矛盾しない形で自治体独自の排出削減の取組も進められるようにしていくことが重要と考えたところでございます。このため、こうした考え方を法文上明確にすべく、先ほども申し上げましたように、GX推進法第七十六条のような規定を設けることといたしました。  すなわち、お尋ねの法律の範囲内かどうかにつきましては、政府としては、この規定の範囲で自治体が何らかの制度を実施する限りにおいては憲法九十四条に言うところの法律の範囲内であると、こう考えてございます。この規定に基づきまして、国と自治体の役割分担が整理されまして、全体としてGXの取組がうまく進むよう関係自治体とは引き続き丁寧に対話をしたいと、こう思ってございます。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 今、関係自治体とも丁寧に協議をされるということで、この研究会では、やはり制度の在り方など、国と自治体との間で対話を行うということが地方分権の趣旨によりかなうといった指摘もされています。やっぱり国であり地方であり、今日話させてもらっている大企業であり中小企業であり、いろんな関係者の皆様と、やっぱりこの排出量取引制度を含め、GXを国としてどうやっていくのか、その辺の連携もしっかりやっていただきたいと思います。  あと、次、登録確認機関についてお聞きをします。  今回のGX推進法では登録確認機関についても規定がされていますが、今具体的に登録確認機関としてどのような機関が想定をされているのか、また、この登録は確認業務を行おうとする者の申請により行うこととされているが、制度開始当初に対象事業者の排出量の確認業務を行うのに必要な機関数がちゃんと確保できるのか、また人員等の体制を十分に整備した上でこの業務を開始できるのか、その見込みについて教えてください。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) 本法案で措置することとしております、事業者が排出量を適切に算定しているか、これを確認する登録確認機関としましては、既にこれ足下のGXリーグの自主的な排出量取引の枠組みにおいて排出量の第三者検証を行っている主体がおりまして、監査法人系の会社とかISO認証機関など、こうした事業者が今回の制度においても登録を受けまして確認業務を行うことを想定してございます。  その上でなんですが、御指摘のとおり、制度を円滑に運用していくためには十分な数の機関に活動していただくことが重要だと思ってございます。したがいまして、今後、登録要件や確認業務の実務的ルールを定めていくに当たりましては、こうした潜在的な事業者の声をよく聞くとともに、GXリーグにおける排出量検証の実態なども踏まえながら、適切な水準の設計としていきたいと、こう思ってございます。  また、制度の運用におきましても、必要となる一定の質の確保、これは大前提でございますけれども、確認業務に関する基準を当初から必要以上に厳格に設定するのではなくて、制度の運用状況を見ながら徐々に引き上げていけるような設計とすることで、確認業務に従事する人材や体制を確保しつつ、実際に業務を行う中でその質を更に高めていくと、こうしたことができるようにしたいと思ってございます。  こうした視点を含めまして、今後、関係者と丁寧に議論しながら準備を進めることで、制度開始時に十分な体制を構築できるようにしっかりと取り組んでいきたいと、こう思ってございます。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 それで、次に、長峯委員と丸かぶりしてしまいました研究開発投資への配慮について、私もちょっと聞きたいんですけれども。  長峯委員もおっしゃったように、研究開発投資を考慮した排出量の追加割当てをしていくということも法律に書かれておりますが、長峯委員への御答弁も踏まえると、既に補助金をもらっているところは配慮をしていくんだというような御答弁がありましたが、私、加えて、この研究開発投資、いつの期間のものを考慮するのかというのを長峯委員への御答弁を聞きながら思ったんですけれども。  いろんな資料を見ると、前年度の研究開発投資額というものも見付けたんですが、企業にとっては、もうGXに向けてずうっと前から研究開発投資やっているところもございます。で、いざこの取引制度が始まったら、じゃ、ここで加味されるのは前年度の研究開発投資だけだよということになると、むしろ昔からこのGXの研究開発に取り組んできた企業にとっては、ええっ、ちょっと自分たち損じゃない、今から始めた方がこの研究開発投資を考慮してもらえるんであれば、その今まで何年も前にやっていたものは何なのと。特にそれが補助金もらわずに研究開発したものであれば加味されないというようなことになるので、一体いつからの研究開発投資を考慮するのか、この点を教えてください。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) そのいつからという点を含めて、制度の詳細設計についてはこれからよく詰めた上で固めていきたいと思ってございますけれども、おっしゃるように、前からというのもありますが、一方で、どこまできちっとデータが取れてそれが正しいのかとか、その検証も、これ制度ですので必要になりますので、ちょっとそうしたこととのバランスも考えることが必要かと思ってございますし、余り恐らく前の研究開発になりますと、その成果というのは、表れて排出削減につながっているような場合もあるかとは思いますけれども、いずれにしましても、適切なバランスを取る形で制度設計をしていくと、こういうことではないかと思ってございます。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 いつからの研究開発投資を認めるかというのもこの支援の事業間の公平性につながっていく話だと思いますので、検討をお願いをいたします。  それでは最後に、資源有効利用促進法、一問になりますが、大臣にお聞きをします。  私、先週末に自分の地元の鹿児島に行きました。そこは希金属のリサイクルを行っていまして、電子基板のリサイクルをやっているんですけど、今は海外から輸入ができているが、今世界中でこうした再生資源の需要が高まっていて、もう取り合いが起こっていると。本当にこうした再生資源がこれから確保し続けられるのかというのが、これ会社の皆様からも課題としてあったんですね。  今後、再生資源の需要が世界的に高まっていく中で日本としてどのようにこの再生資源を確保していくのか、大臣にお聞きします。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 今委員おっしゃられるように、世界的に再生資源の需要が高まっているという中で、まあ争奪戦とは言いませんけれども、ある意味で事実だというふうに思います。我が国としては、国内での資源循環システムの構築により再生資源の安定確保を図っていく必要があると思います。  今回の改正資源法では、製造事業者等に対する再生材の利用の義務化により、一定の国内需要を安定的に創出することで再生材供給に係るいわゆる投資予見可能性というものを高め、国内供給能力の拡大につなげていきたいというふうに思っています。同時に、供給面では、関係省庁とも連携をしながら、再生材の安定供給は、品質向上につながる技術開発や設備投資支援を実施することで国内の再生材供給産業の育成強化を進めてまいります。  こうした需給両面での取組により、質の高い再生材が国内で循環する仕組みを構築し、必要な再生資源を安定的に確保できる体制を整備してまいりたいというふうに思っています。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 終わります。ありがとうございます。

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時一分休憩      ─────・─────    午後一時開会

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律及び資源の有効な利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

石川博崇公明党

○石川博崇君 皆さん、こんにちは。午後もどうぞよろしくお願いいたします。公明党の石川博崇でございます。  先週に続きまして、GX推進法改正につきまして質問させていただきたいというふうに思います。  先週から多くの先生方が質問された論点でもありますが、やはり第二次トランプ政権誕生による脱炭素政策への影響というものはしっかりと議論しなければいけないなというふうに思います。今年一月に就任したトランプ大統領は、早速パリ協定からの離脱表明、あるいは、バイデン政権が進めてきたインフレ抑制法、IRAによる気候変動対策、またエネルギー安全保障に関連する三千六百九十億ドル、約五十兆円ですね、この投資も即時停止するといった大統領令に署名しております。  我が国にとって主要な貿易相手国であるアメリカの脱炭素政策が大転換しているという中にあって、国民の皆様が抱く素朴な疑問として、果たして我々、このままGX進めていって本当にいいのかと。確かに、GX推進法、二年前に法律として成立をし、枠組みは決まっておりますけれども、ちゃんと政府はこういったアメリカの大きな変化に当たって、政府がリスク分析も行っているのかといった疑問は抱かれるかというふうに思います。  私は、こういう状況だからこそ、日本政府がしっかりと、アメリカの状況あるいは欧米の状況、こういったことについてしっかりと分析をしている、そして戦略的に我が国のGXを推進しているということをしっかりと説明をしていくことは極めて重要ではないかと思いますけれども、冒頭、武藤大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 午後もよろしくお願いいたします。  今、石川委員から御指摘いただきましたように、米国の脱炭素政策の転換を含めて世界の動向は注視をしていると思いますが、そうした状況を踏まえても、脱炭素をめぐる国際的な潮流というものは変わらないものと思っております。  世界的な投資競争の中で今後の市場を獲得するには、GX投資を他国に先んじて進めることが必要であります。そのためには、御指摘のように、民間企業の予見性を高めることが極めて重要であると思いますし、GX経済移行債を活用しました大胆な投資支援策や排出量取引制度等の導入に向けて、通じましてGXの投資を促してまいりたいというふうに思っております。  その上で、GXの取組を進める際は、各国の政策動向等にも留意しつつ、戦略的かつ柔軟に取組を進めることが重要であると思います。官民でのGX投資の進捗状況、グローバルな政治経済情勢、技術開発の動向などを踏まえて、必要に応じた見直し等も効果的に行ってまいりたいというふうに思っております。

石川博崇公明党

○石川博崇君 大臣から、各国の政策動向も見極めつつという御答弁をいただきました。  そういう観点から何点か引き続き御質問させていただきたいんですが、まず、EUが導入しようとしているCBAMについてでございます。  これは、EUが行うカーボンリーケージ対策として特定の品目の輸入品に対して課金をするというもので、セメント、アルミニウム、肥料、電力、水素、鉄鋼などが今のところ対象製品になっております。実際に課金されるのは二〇二六年からということですけれども、それに先立って、二〇二三年の十月一日から、移行期間として情報を報告する義務が特定の企業に対して課せられております。  実際に対応した在欧系の、欧州在住の日系企業からは、これは非常に負担が大きいという声が出ていると伺いました。報告内容が非常に多い、内容が大変難しい、排出量データをそもそもまだ算定していないとか、そういった企業の声があろうかというふうに思いますが、こういった声を政府としてどう受け止めていって、またどのような支援を行っているのか。  さらには、現在は対象製品は限定的ですけれども、今後、このCBAMの対象製品について、例えば有機化学品とかポリマー等も、拡大するというふうに聞いております。そうした今後拡大する可能性に関してどのように影響を分析しているのかについても御説明をいただけますでしょうか。

畠山陽二郎内閣官房GX実行推進室長兼資源エネルギー庁次長

○政府参考人(畠山陽二郎君) お答え申し上げます。  御指摘のように、いわゆるEU―CBAM、これは二〇二五年末までの移行期間ということになってございますけれども、対象となる鉄鋼製品等を輸入している在欧、ヨーロッパに存在する日系事業者から、報告義務への対応に当たって、炭素排出量の実データを日本の事業者から入手する際の事務的な負担が大きいなどの声があると承知をしております。  例えば、ねじやボルトといったEU―CBAMの対象製品を製造する事業者が中小・小規模事業者の場合には、製品の炭素排出量の算定に関する知見や経験が不足しておりまして、データ提供が難しいといった課題があると、このように認識しております。  このため、経済産業省といたしまして、中小企業比率が高く、商流も複雑であるねじ、ボルトを対象といたしまして、炭素排出量の算定範囲や計算方法を解説したガイドラインやサプライチェーン間で排出量の情報連携を行う共通フォーマットの作成を行ったところでございます。これによりまして、在欧の日系企業は炭素排出量の実データを入手しやすくなり、移行期間における事務負担の軽減につながっているものと認識しております。  また、欧州との対話を継続的に実施しておりまして、本年二月に欧州委員会が提案したEU―CBAMの簡素化の法案におきましては、二〇二六年一月に予定されている課金の開始以降、対象製品の輸入量が年間五十万トン以下の輸入者が除外されるなど、欧州への働きかけが反映されたものと認識をしております。  それから、もう一つお尋ねの件、御指摘の対象製品の拡大についてでございますけれども、欧州委員会が二〇二五年末までにレビュー及び報告を実施することとなり、その対象として有機化学品とポリマーが挙げられていると承知をしております。EU―CBAMの対象がこのような製品に拡大した場合、輸入時に新たに負担額が課せられることとなるため、当該製品の日本からEU向けの輸出が一定量あることを踏まえれば、関連する企業への一定の影響は避けられないものと認識をしております。今後も、産業界とも対話を続けて、EUの動向とその影響を注視していくと考えております。  それから、先ほど、済みません、EUの簡素化法案のところで、その対象製品の輸入量を年間五十万トン以下と申し上げましたけど、五十トン以下でございます。失礼いたしました。  以上でございます。

石川博崇公明党

○石川博崇君 このEU―CBAMは、EUのカーボンリーケージ対策、つまりEUの域内の企業に負担を課すことで、域外に逃げて結局排出削減が進まないということの対策として輸入製品に対して課金を取るというやり方をしております。  我が国は、カーボンリーケージ対策として、業種に該当する事業者に対して一定の排出量、割当て量を追加するという仕組みを考えています。鉄鋼や化学、セメント等、エネルギー多消費型産業というのはグローバル市場で激しい競争にさらされておりますので、炭素価格の負担が直接的に国際競争力に影響を及ぼす可能性もありますので、この追加割当てを行うということは私も妥当だというふうに思いますけれども、この追加割当てを行う発動基準というものはどういうふうに考えているのか。これ、排出削減をしっかり促すということとのバランスも大事だと思いますけれども、どう考えているか、御説明をいただけますでしょうか。

畠山陽二郎内閣官房GX実行推進室長兼資源エネルギー庁次長

○政府参考人(畠山陽二郎君) 御指摘のように、産業競争力、国内雇用の維持強化と排出削減を両立していく観点からは、排出量取引の導入に当たりまして、公平性を確保しつつも、産業の流出を防ぐため、企業に対して対応不可能な過度な負担を課さない仕組みとすることが重要だと考えております。  まず、今回導入する排出量取引制度につきましては、割当て量の決定に当たりまして、業種ごとの目指すべき水準を定めるベンチマーク方式を基本とし、その水準に相当する排出枠を企業に無償で割り当てることとしてございます。これによりまして、累次答弁しておりますけれども、業種特性による排出削減の難易度や代替技術の有無を考慮した排出枠の割当てが可能となるだけでなく、割り当てられた排出枠の範囲内で排出量を抑制すれば排出枠を売却できるため、排出削減のインセンティブともなるというふうに考えております。  加えて、産業の国外移転を防止し、成長分野に対する国内投資を促進するような制度設計とするため、製造拠点を国外に移転するリスクのある貿易財の製造事業者の排出枠が不足する場合には、御指摘のように、無償割当てを追加する等の措置を講じてまいります。  こうした点につきまして、昨年度、内閣官房に設置したGX実現に向けたカーボンプライシング専門ワーキンググループにおきまして、多排出産業を中心に産業界から集中的にヒアリングを行った上で検討してきたところでございます。  その上で、御指摘のリーケージ業種や追加割当ての基準等の詳細につきましては、産業競争力への影響等を考慮しつつ、諸外国制度も参照しながら産業構造審議会において今後検討してまいりたいと、このように考えております。

石川博崇公明党

○石川博崇君 諸外国の動向を見つつという文脈でもう一点質問させていただきたいのが、これまで諸外国で既に行われてきた排出量取引制度で得られた教訓というものをしっかり我が国も生かしていかなければならないのではないかという点でございます。  例えば、EUとかあるいはニュージーランドでは、既に二〇〇五年、二〇〇八年に排出量取引制度が導入されておりますけれども、こうしたところでは、過剰な排出枠の割当てが行われた結果、市場価格が低迷して、その際発生した余剰排出枠が現在も市場に残っているというふうな課題があるというふうに指摘されております。  韓国におきましては、この制度導入した当初に多くの企業から多数の異議申立てあるいは訴訟が提起されたという事例も紹介されておりまして、この民間事業者の理解、納得を得ていくということがいかに難しいかということも象徴的な事案ではないかと思います。  こうした諸外国の教訓をどのように踏まえて今回制度設計を考えているのか、御説明をお願いいたします。

畠山陽二郎内閣官房GX実行推進室長兼資源エネルギー庁次長

○政府参考人(畠山陽二郎君) 御指摘のとおり、我が国の排出量取引制度を設計するに当たりましては、先行する諸外国の制度に生じた課題や教訓を十分に踏まえることが重要だと考えております。  御指摘のように、欧州では排出枠の余剰が発生いたしまして、制度開始当初から数年間にわたって価格が低迷したものと承知をしております。また、韓国では、制度開始当初から排出枠の割当て総量に厳格な上限を定めたため、政府が決定した割当て量に対して訴訟が多発をいたしまして、制度の安定性、信頼性に影響を与えかねない事態になったと、このように認識をしております。  我が国といたしましては、こうした諸外国の先行事例を踏まえつつ、排出枠の割当てにつきましては、業種ごとの特性や各事業者の生産活動の規模の増減などを考慮した柔軟な割当てを行うことを可能とする基準にすることで、実効的な排出削減と事業者の競争力の維持強化の両方の観点を配慮した制度設計にするとともに、排出枠の余剰による価格低迷の懸念への対処といたしまして、排出枠の下限価格を設定いたしまして、市場価格がこれを下回った場合には、GX推進機構による排出枠の買い支えを行うことによりまして排出枠の需給調整を行うなどの制度上の工夫を講じることとしてございます。  今後、制度の詳細設計を進めるに当たりましても、こうした諸外国制度における教訓を十分に踏まえながら実効的な制度となるように検討してまいりたいと、このように考えております。

石川博崇公明党

○石川博崇君 今御説明ありましたとおり、海外の教訓を踏まえて様々な制度設計をやっているという話ですが、その中で、特に排出枠の割当てについて言及もございました。  今回のGX二〇四〇におきましては、排出枠の割当ての実施に当たって、エネルギー多消費分野等を中心に業種別のベンチマークに基づいて割当て量を決めるベンチマーク方式と、技術的な理由でこれを策定することが困難な分野については排出実績に基づいて配分するグランドファザリング方式を活用するとされております。  これらはそれぞれどのような業種に適用されるのか、また、ベンチマークの水準あるいはグランドファザリングの削減率について、それぞれどのような考え方で決定していくのか、事業者にとって納得感のある説明というのが必要ではないかと思います。具体的な現在の検討状況について御説明をお願いいたします。

畠山陽二郎内閣官房GX実行推進室長兼資源エネルギー庁次長

○政府参考人(畠山陽二郎君) お答え申し上げます。  本法案で導入する排出量取引制度におきましては、御指摘のようにベンチマーク方式による排出枠の割当て、これを基本といたします。このベンチマーク方式の対象となる事業活動は、エネルギー多消費分野を中心に、当該事業活動の所管省庁において今後定めていくことになりますけれども、例えば、諸外国の類似制度におきましては製鉄業や石油化学業が対象となっているところでございます。その上で、当該ベンチマーク対象業種が目指すべき水準については、異なる業種間で達成の難度が公平になるように検討をしてまいります。  一方で、業種内の各社の生産プロセスを公平に比較することが難しく、ベンチマークの策定が技術的に困難である事業活動につきましてはグランドファザリング方式を適用していくこととなります。このグランドファザリング方式で求められる削減水準は、我が国における脱炭素の進展状況や国際動向等を踏まえて一律の削減率を検討してまいります。  いずれにいたしましても、ベンチマーク、グランドファザリングを含めまして、割当て量を決定するための方法の詳細につきましては、特定の業種に過度な負担が課されることで、事業規模を縮小したりですとか、あるいは投資の原資が奪われたりすることのないよう、業種特性や脱炭素技術の導入状況などを十分に踏まえたものとすべく、産業構造審議会において有識者の御意見を聞きながら丁寧に検討してまいりたいと考えてございます。

石川博崇公明党

○石川博崇君 もう一つ、民間事業者の予見可能性をしっかり確保していくという観点からは、削減水準について、今後脱炭素技術が一層進展していくこととか、あるいは国際的な動向を踏まえて随時見直しを行っていくということは十分考えられるんですが、一方で、頻繁にその削減水準が見直されるようなことがあっては事業者の投資判断に予見可能性の確保が難しくなるということがあろうかと思います。  この柔軟性と、そして継続性、このバランスを取るというのは非常に難しいのではないかというふうに思いますが、この点、どのように制度設計をしていくのか、事業者の不安払拭のためにも丁寧な御説明をいただきたいと思います。

畠山陽二郎内閣官房GX実行推進室長兼資源エネルギー庁次長

○政府参考人(畠山陽二郎君) この排出量取引制度におきまして、事業者が求められる排出削減の水準は、排出枠の割当て基準として採用されるベンチマーク方式やグランドファザリング方式に基づき定められていくことになります。その上で、対象事業者のGX投資を後押しする観点からは、将来においてどのような削減水準を達成することが必要かについて予見可能性を確保するということが極めて重要だというふうに考えております。  こうした点を踏まえて、ベンチマーク方式やグランドファザリング方式で求められる削減水準につきまして、単年度ではなく一定期間分の削減水準を示すこととしたいと考えております。これによりまして、対象事業者が将来割当てを受ける排出枠の量が一定程度予見可能となり、この割当て量の見込みを踏まえて脱炭素投資の実施の判断が促されるというふうに考えております。  一方で、排出量取引制度は、諸外国の例を見ても、制度当初、制度設計当初の想定と照らし合わせて進捗を評価する中で、必要に応じて制度の変更が行われてきたと認識をしておりまして、我が国においてもこうした柔軟性を確保することも重要だというふうに考えております。  したがって、議員御指摘の削減水準を含めた排出量取引制度の在り方につきましては、脱炭素技術の進展や国際的な動向を踏まえて継続的に点検を行っていく中で必要に応じて不断に見直しをいたしますけれども、その過程におきましても、事業者の予見性を確保することを前提に、事業者への影響を緩和する措置等も含め、産業構造審議会において透明な議論をする中で検討してまいりたいと考えております。

石川博崇公明党

○石川博崇君 事業者の間で不公平が、不公平感が高まってこの制度全体の信頼性が揺らぐようなことがあってはならないと思いますので、民間事業者、対象事業者との対話を是非きめ細やかに行っていただきたいというふうに思います。  また、その不公平感という観点でもう一点お聞きしたいのが、今回は、排出量取引制度の対象事業者は、年間平均排出量が十万トン以上となる企業が対象となりますと想定されています。今後、この脱炭素化の取組が進展すれば、対象事業者の排出二酸化炭素量は減少していくことが想定されます。そうしますと、十万トンに近い、近いというか、ちょっと上回っているようなところというのは、十万トンからすぐ下回って、そして制度対象から外れてくる企業が出てくるのではないかということも思います。制度から外れると、排出削減努力が減速して、結果としてこのネットゼロへのインセンティブが働かなくなる可能性があることも指摘されておりますので、この制度対象者の排出規模の閾値、今十万トンというのを段階的に引き下げていくことも考えなければならないのではないかという声もございます。  また、専門ワーキングでも声が出ておりましたが、対象になっている企業と対象になっていない企業の間でどういう負担の関係になるかということは重要な論点になるという指摘もございました。このような対象企業と対象外の企業の負担の公平性、制度対象外の企業も排出削減を行っていく、インセンティブ等仕組みづくりについて検討すべきというふうにも考えますけれども、この点、今後の方針について御説明いただけますでしょうか。

畠山陽二郎内閣官房GX実行推進室長兼資源エネルギー庁次長

○政府参考人(畠山陽二郎君) 排出量取引制度におきましては、事業者の事務手続や行政コストも踏まえ、排出量が一定規模以上の事業者に絞って制度対象とするための一定の基準が必要でありまして、各国の排出量取引制度でもこうした裾切り基準が設けられているところでございます。  この制度において検討している直接排出量十万トンによる裾切りは、他国でも対象となっているような、大規模排出源をカバーし、事業者の排出削減を実効的に進めていく上で遜色ないレベルと考えてございますけれども、御指摘のとおり、裾切り基準を下回る事業者が増えた場合など、制度の在り方につきましては、事業者の脱炭素投資の実施状況や技術の進展動向を踏まえ、不断の見直しを行っていきたいと考えております。  他方で、足下でも、GXの実現に向けては、今回の排出量取引制度の対象外企業への排出削減も重要と考えておりまして、二十兆円規模の先行投資支援等を活用して、こうした事業者の脱炭素投資を後押ししているところでございます。  また、我が国のGXの加速に向けまして、排出量取引制度の対象となる排出量の多い事業者がGX投資を果敢に行うためには、排出量取引制度の対象外となる企業も含めてより多くの企業が、GX投資の結果生み出される製品、サービスを積極調達して、その市場を拡大していくことも必要でございます。このため、二〇二三年度から開始しておりますGXリーグを見直し、こうした自社の排出量は少ない企業がサプライチェーン全体での排出削減に取り組み、GX製品、サービスの需要拡大に寄与する、その枠組みに発展するよう検討しているところでございます。  このように、今回の制度対象外の企業も含めて幅広い事業者がその実態に即して排出削減の取組を進めていくようにGX政策を進めていきたいと考えております。

石川博崇公明党

○石川博崇君 別の論点で、午前中、村田先生からも御質問のありました登録確認機関について、私からも質問をさせていただきたいというふうに思います。  登録確認機関については、対象事業者が排出目標量の届出及び排出実績量の報告を行う際に確認を行う、確認を受け付けることが義務付けられることになります。幅広い保証業務提供者が想定されておりまして、具体的には、ISO等が定める基準に準拠してサステナビリティー情報開示の支援業務を行っているコンサルタント等が該当すると想定されているところでございます。  午前中、村田先生からもありましたが、この確認業務を行っていただく登録確認機関の人材確保というのは極めて重要ではないかというふうに思います。午前中の龍崎さんからの答弁では、最初は緩やかにやるので、何か、いいんだみたいな話にちょっと聞こえたんですけれども、やはりここでしっかりとした質を担保していくためには、人材確保、そして質の担保、これを同時に進めていく必要があるかというふうに思います。  ちょっと午前中の質問と重なってしまったんで、若干通告した質問と異なりますけれども、この点、念のため確認させていただいてもいいでしょうか。

畠山陽二郎内閣官房GX実行推進室長兼資源エネルギー庁次長

○政府参考人(畠山陽二郎君) 排出量取引制度におきまして、事業者が算定する排出量は、排出枠の割当て及び償却の基礎となる重要な情報となります。このため、この法案では、その算定が適切に実施されているかについて、第三者である登録確認機関による確認を受けなければならないこととしてございます。  このような制度としている中で、議員御指摘のとおり、全ての対象企業が適切に確認を受けるために、十分な数の機関に登録確認機関として登録いただくことは制度を円滑に運用するために極めて重要だと考えております。  今後、登録要件や確認業務の実務的ルール等を定めていく中で、現在既に排出量の第三者検証を行っている機関、これ例えば監査法人系の会社ですとかISOの認証機関などがございますけれども、こういった機関の声ですとか、民間で自主的に取り組まれている排出量の検証の取組状況なども踏まえ、多くの機関に登録いただけるような制度設計としていきたいと考えております。  また、御指摘のとおり、こうした登録確認機関による確認業務が適切かつ効率的に行われるためには、確認業務に関する専門性を有する事務担当者の質、量を向上させていくことが不可欠でございます。  午前中に龍崎からも答弁をさせていただきましたけれども、確認業務に関する基準を当初から余り厳しく設定し過ぎて事業者がなかなか参入できないということになってはいけないということと、今まさに先生御指摘の、そうはいっても、緩いもので、そのぬるい基準になってはいけないというものの双方を考えて、それで人材の育成、能力向上、そういうことにもつながるよう、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。  このような視点も念頭に確認業務に関する制度の詳細を検討してまいりたいと、このように考えております。

石川博崇公明党

○石川博崇君 これから検討なので余りはっきりしたこと言えないんでしょうけれども、是非、人材の確保、また質の担保ということには意を用いていただきたいということを要望しておきたいというふうに思います。  また、別の論点ですけれども、この排出枠の取引市場への取引参加者の拡大に向けた検討も進めていく必要がございます。今回、排出枠取引に参加できる者については、市場参加者としては、制度対象事業者のほか、金融機関等の参入も想定されております。  このように金融機関等の市場参加を認めることによって市場の流動性確保にどのような効果が期待されるのか、御説明をいただけますでしょうか。

畠山陽二郎内閣官房GX実行推進室長兼資源エネルギー庁次長

○政府参考人(畠山陽二郎君) お答え申し上げます。  排出量取引制度におきましては、排出枠の取引を通じて形成、公示される炭素価格が、企業がGX投資の判断を行う際の重要な情報となります。このため、排出枠取引市場において排出枠の取引価格が適切に形成、公示される環境整備が必要なところ、このために金融機関や商社が一定の役割を果たすことが期待されるところでございます。  例えば、先行して排出量取引制度を導入した韓国におきましては、義務対象者のみに市場取引を認める形で制度を開始したところ、取引頻度の低迷ですとか特定期間に取引が集中する事態が発生いたしまして価格が安定しないといった課題が生じたため、金融機関等の市場参加を徐々に認めてきたものと承知をしております。  また、東京証券取引所が設置、運営するカーボンクレジット市場におきましても、取引の活性化、市場の流動化のためにマーケットメーカー制度を導入いたしまして、金融機関や商社が取引活性化のための行動を取ったことで、クレジットの取引量増加ですとか取引価格の安定化などの効果が見られております。  このため、排出枠取引市場の設置、運営に当たりましては、対象事業者が円滑な取引機会を得られるよう、取引に関する一定の経験を有することなどを要件に、一部の金融機関や商社等に参加を認めることとしたいと考えております。これによりまして、排出枠の取引が活性化し、その価格が適正かつ安定的に形成されることが期待されると、このように考えているところでございます。

石川博崇公明党

○石川博崇君 韓国での教訓等を踏まえて、今回、金融機関等の参加を認めるということになり、市場の流動性確保の観点から重要だということでございますが、一方で、専門ワーキングにおいては、この金融機関等の参加において、現物あるいはスポット取引のみでは金融機関の積極的な参加が見込めなくなってしまうのではないかと、必要に応じて先物デリバティブについても用意できる体制を考えておくことが大事なんではないかという指摘もございました。  このような御指摘についてどのように考えているのか、政府の見解を御説明いただけますでしょうか。

畠山陽二郎内閣官房GX実行推進室長兼資源エネルギー庁次長

○政府参考人(畠山陽二郎君) 本法案の排出量取引制度の目的は、炭素価格を予見可能な形で提示し、事業者のGX投資を促すことでございます。それを踏まえれば、実需と懸け離れた高い価格で投機的な取引が行われるような市場にならないよう制度設計することが重要だと考えております。  この点、デリバティブ取引を認めることは、より多くの金融機関等の市場参加につながることが予想される一方で、投機的資金の流入によりまして取引の過熱を引き起こすリスクも高まるというところでございます。こうした点を踏まえまして、排出量取引市場の運用を安定的に開始するため、一部金融機関や商社の参画を認めつつ、現物の取引に限定する制度設計を行いたいと考えているところでございます。  他方で、諸外国の制度を見ますと、例えば韓国では、これまで段階的に講じられてきた市場における排出枠の取引活性化対策の一つとして、今後、デリバティブ市場の開設が予定されているほか、ヨーロッパ、欧州では既にデリバティブ取引が活発に行われているものというふうに承知をしております。  このような他国制度の設計も参考にしつつ、我が国におきましても、制度開始後の現物市場における取引の状況ですとか制度対象事業者のリスクヘッジニーズなどを見ながら、投機的取引の抑制の観点も踏まえ、今後、将来的なデリバティブ取引導入の必要性について判断していきたいと考えているところでございます。

石川博崇公明党

○石川博崇君 まずは現物で市場をちゃんと構成してから将来的に検討するという御答弁だったかというふうに思います。  続いて、GX経済移行債の将来の償還財源についてお聞きをしたいと思います。  この仕組みでは、償還財源というのは、二〇二八年度から徴収することになる化石燃料賦課金と、それからその五年後、二〇三三年度から徴収される特定事業者負担金によって、二〇五〇年までの間に償還するものとされております。この点、二〇三三年から開始される特定事業者負担金というのは、排出枠を有償でオークションで売り出したことによって価格が決定していきますので、二〇二六年度から始まる排出量取引制度の排出枠の価格がこの将来始まる有償オークション価格の単価にうまくつながっていくことが必要である、必要ではないかという指摘もございます。  日本エネルギー経済研究所の試算なんかによりますと、この化石燃料賦課金の単価と特定事業者負担金の単価が、試算が、大きく乖離しているというような試算もございますが、二〇二六年から本格導入される排出量取引制度の価格シグナルを二〇三三年度から開始される有償オークションの価格形成へどうつなげていくのか、また両制度の相互補完性というのをどういうふうに担保していくのか、政府の説明をいただきたいと思います。

畠山陽二郎内閣官房GX実行推進室長兼資源エネルギー庁次長

○政府参考人(畠山陽二郎君) お答え申し上げます。  本法案に基づきまして二〇二六年度より導入する排出量取引制度は、二〇三三年度から発電部門を対象に開始する予定の有償オークションにおける法的枠組みの基盤として機能するものだというふうに考えております。  具体的には、二〇二六年度より、目指すべき排出量の水準に相当する排出枠を無償で割り当てる無償割当て型の仕組みとして制度を開始しつつ、二〇三三年度以降は、同じ制度的枠組みの中で、発電事業者を対象にオークションを通じて排出枠を割り当てる有償割当ての仕組みを段階的に導入していくこととしてございます。  その上で、排出枠の市場価格やオークション価格が企業がGX投資を行う際の指標となることを踏まえれば、これらの価格水準が大きく乖離することのないように制度設計を進めていくことが重要だと考えております。  二〇二六年度より導入する排出量取引制度では排出枠の上下限価格を設定することとしておりますけれども、これらの具体的な水準につきましては、国民生活、産業への影響やGX投資の促進等の観点に加え、二〇三三年度以降のオークションの導入も見据えながら検討を進めていきたいと考えてございます。

石川博崇公明党

○石川博崇君 私から、資源法の改正についても質問をさせていただきたいと思います。  今回の法律案では、再生材の利用促進を図るために、再生材の利用に関する計画の作成あるいは定期的な報告、これを特定の事業者に義務付けるということになっております。この計画の作成とか定期の報告義務付けの対象となる事業者というのは国内の全事業者のうちおよそどれぐらいと見込んでいるのか。  また、この中には中小・小規模事業者も対象に含まれるのかということをお聞きをした上で、もし仮に中小・小規模事業者も含まれるということであれば、これらの事業者にとって過度な負担が生じないような適切な配慮とか支援を講ずることも必要ではないかというふうに考えていますけれども、どのように取り組んでいく予定でしょうか。

畠山陽二郎内閣官房GX実行推進室長兼資源エネルギー庁次長

○政府参考人(畠山陽二郎君) 再生材の利用に関する計画作成や定期報告の義務は、指定製品の生産量又は販売量が一定以上の事業者が対象となるというところでございます。対象となる事業者につきましては、指定する製品の生産量又は販売量の六割から七割程度をカバーする水準で設定することを想定してございます。    〔委員長退席、理事古賀之士君着席〕  この水準であれば、主に大企業は計画作成及び定期報告の義務の対象となる見込みでありますけれども、企業の過剰な負担にならないよう、関係業界としっかりコミュニケーションを取りながら具体的な水準を検討してまいりたいと考えております。  他方で、計画作成や定期報告の義務によりまして製品のサプライチェーンに位置する中小企業に間接的な影響が生じた場合には、こうした影響を低減するべく、引き続き価格転嫁や高付加価値化の取組を後押ししていくとともに、地域の商工会議所や支援機関、金融機関等による伴走支援体制の強化にも取り組んでまいります。  経済産業省といたしましては、今後も、中小企業者を含め企業に過度な負担が生じないよう配慮を行いつつ、資源循環と経済成長の両立を図っていきたいと考えてございます。

石川博崇公明党

○石川博崇君 この資源法について、大臣にも御質問をさせていただきたいというふうに思います。  昨年十二月に改定されたGX分野別投資戦略では、我が国の循環経済の市場規模は二〇三〇年に八十兆円、二〇五〇年に百二十兆円になるというふうに試算されております。また、世界全体のこの循環経済の市場規模は二〇三〇年に四・五兆ドル、また二〇五〇年に二十五兆ドルになるというふうにも見込まれております。  成長志向型の資源自律経済戦略では、循環経済への移行を環境と成長の好循環につなげる新たなビジネスチャンスと捉えて、我が国の企業がこれまでの3R、リデュース、リユース、リサイクルの取組の中で培った強みをグローバル市場でいかに発揮していくか、これが重要だというふうにも考えております。  我が国がこれまで取り組んできて、また培ってきた強みというのは一体どのようなものがあるというふうに考えておられるのか、また、国内のみならずグローバルな市場を獲得していく、あるいは国際協力等を踏まえて、どのようにその強みを生かしていくのか、大臣の御見解をお伺いをしたいと思います。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 我が国は、他国に先駆けて、リデュース、リユース、リサイクルの3R政策に取り組み、最終処分量は一九九〇年から二〇二〇年にかけて約十分の一に減少するなど、大きな成果を上げてまいりました。この過程で培われた日本の強みとして、環境配慮設計に関する製造事業者のノウハウの蓄積、そして国民の高い分別意識と協力体制、また世界トップレベルのリサイクル技術などが挙げられます。  今回の法改正は、トップランナー認定制度による環境性能の見える化やCEコマースと呼ばれる環境に優しい新たなビジネスモデルの振興を通じて、日本の強みを一層強化するものであります。世界的に循環経済への移行が進む中、日本の高品質な循環配慮型の製品が一層競争力を持つよう、今回の法改正に加え、国際協力や国際標準の整備も進め、新たな成長機会をつくり出してまいりたいと思います。

石川博崇公明党

○石川博崇君 是非、大臣の強いリーダーシップを求めておきたいと思います。  ちょっと時間余らせておりますが、切りがよいのでここで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻健史です。よろしくお願いいたします。  前回も申し上げましたけど、法案の賛否は党の意向に当然従いますけれども、個人的に言いますと、私はこのGX法を、トランプがパリ協定脱退し、かつ日本の財政状況のときに、一生懸命推し進めるというのは極めて疑問に思っているんですね。特に財政赤字も大きいですし、やっぱり集中するべきところは集中していかなくてはいけないのではないかということで、今の日本のエネルギー安保と、それから脱炭素の二本立てではなくて、エネルギー安保に集中しなくてはいけないんではないかというのが私の考え方です。  特に、今、トランプ氏の関税の影響で、日本のやっぱり国力は多少なりとも弱まるでしょうし、それから物価も上昇していく。物価が上昇していくということはお金の価値が下がっていくということで、お金とは日本では円ですから、為替も円安が進む可能性は私は強いと思っていますし、それから、日銀が債務超過になるリスクも、危機もかなり迫っていると私は思っているんですね。この点を財政金融委員会で植田総裁に聞くと大丈夫だとおっしゃいますが、まあ日銀総裁として駄目だなんて言えっこないんですけれども。  これは個人的な意見、私の個人的な見解なので、それはもう政府等に押し付ける気は毛頭ありませんが、万が一財政危機になって日銀がおかしくなったときには、円の当然のことながら大暴落が起こるわけで、そうなると、本当にエネルギー危機というのに陥るわけですよ。  それこそ、為替円安になって、石油、石炭が買えないということになるわけで、それがはるかかなたのことであるならまだいいんですけど、こういうことが起こるのが、この前も申し上げましたけど、テールリスク、すなわち起こる確率は非常に低いけれども、起これば大変になるということから、それなりのリスク、私はむちゃくちゃに高いリスクだと思っているんですけど、まあ一般的に言えば、全くのテールリスクじゃなくて、それなりのリスクを持ち始めたと考える方も多くなっていると思うんですよね。  そういうときにそのエネルギー安保を考えない、集中しないということは、ちょっと私は政府としては無責任かと思いますので、エネルギー安保に全エネルギーとお金を集中するべきだと思っているんです。  今日の質問にもありますけれども、脱炭素でアメリカが脱退している。アメリカだって、トランプ氏だって、まさか本当に気温が上がるんだったらばやめたなんて言うわけないですし、いろんな、後でちょっと質問しますけれども、方も、人為的な上昇、気温上昇については疑問を呈している方もいらっしゃるわけでね、そういうときにそれが、そういう疑問が杞憂であるならばいいですけれども、やっぱり当たっていて、日本だけは目的を達成したけれども、世界中は付いてこなくて何とも影響がなかったということになると本当に金の無駄遣いで、貧乏くじを日本が引いてしまうことになるわけで、そういうことになると、この財政悪化のときに国債を発行して、国債を日銀が買い取ってお金をばらまいて、ますます円安が進んで、石油、石炭が買えないという本当の危機に向かってしまうんじゃないかと思うがゆえに、私自身は、ここでGXは一歩立ち止まり、正直言って、再生エネルギー、この前も申し上げましたけど、次世代型原発しかないのかなと、残念ながらね、残念ながらって言っちゃいけないのかもしれないですけど、と思いますので、そこに全エネルギーとお金を集中すべきであるというふうに考えます。  その前提に基づいてちょっといろんなことを質問させていただきたいんですが、まず、前回の委員会で私日銀に聞きましたところ、GX債は三九・五%、発行高の三九・五パー、約四〇%を日銀が買っていて、既にですね、一兆一千八百三十八億円の保有だっておっしゃっていました。  ということは、今までGX債は二十兆円の発行予定に対して三兆行っていないわけですよ。まだあと十七兆とか発行しなくちゃいけないんですが、日銀は、この前質問したときに、GX債だからといって特別扱いはしないという話でした。だとすると、これからやっぱり日銀が買いオペを減らしていくということを言っているときに、GX債はやっぱり購入枠が減っていっちゃうと思うんですよね。そうすると、本当に二十兆円をGX発行債で、発行しても買手がいるのか、物すごい高い金利になっちゃうかもしれませんし、ひょっとすると売れないかもしれない、日銀以外、日銀が買わないんだったらやっぱり買わないよということでね。  そういうリスク、もしそうなっちゃうと一般債で賄うことになるのかな、また財政赤字が巨大になるなというようなことを考えてしまうんですが、そういうリスクというのは考えたことはないんでしょうか。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) ありがとうございます。  先週の委員会でも質問にちょっとお答えできなかった部分ですけれども、GX経済移行債のうち、個別銘柄として発行されておりますクライメートトランジション利付国債、いわゆるCTという国債につきましては、これまで六回入札を行っておりますけれども、いずれの回も資金調達に支障は生じていないということであります。また、通常の国債とは異なり、CT国債につきましては、都市銀行、地域金融機関、保険会社、投資運用会社など、投資の実行を積極的に発信している投資家層もあるということであります。  一方で、国債市場の状況というものは日々変化をしておりますし、更なる投資家の裾野の拡大や需要開拓は重要と認識をしているところであります。引き続き、CT国債の使途や効果などについて、国内外の投資家への発信を積極的に実施するなどの努力を続けてまいりたいというふうに思っております。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 民間に売ろうと国債であろうと、今後かなり厳しくなっていくのかなと思うんですが、本当に財源を確保できるのかどうかというのは私は一応、極めて疑問に思っていますので、それは指摘しておきたいと思います。  先ほども申し上げましたように、アメリカ、パリ協定から再脱退したわけですし、先ほど来、国際的にはカーボンニュートラルへの態度は変化なしと何度もおっしゃっていらっしゃいましたけれども、やはりマスコミやその他聞いていますと、国際機関が背を向け始めたという方が正しい分析かなというふうに思うんですよね。  それにもかかわらず、まあさっきの質問と同じですけれども、最初に私が申し上げたことと同じですが、日本政府はエネルギー安保と脱炭素を並行して同様に力を入れていくつもりなんでしょうか。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 今日の答弁もいろいろさせていただいていますけど、やはり米国の動向も含め、脱炭素をめぐる国際的動向は注視していますけれども、世界全体でやはり脱炭素に向けての取り組む必要性、また方向性というものは変わらないものと認識をしているところです。  実際に米国では、脱炭素電源への大規模投資やサプライチェーン全体の脱炭素化がトランプ政権誕生後も変わらず進められているものと承知をしております。また、欧州でも、今年二月に欧州委員会が発表いたしましたクリーン産業ディールにおきましても、気候変動の目標を維持しつつ、産業競争力強化を実現するための方針を打ち出してきているところであります。  また、我が国が実施しております先行投資支援には、企業が経営革新にコミットすること、また国内の投資拡大につながるものといった観点で審査を行い、企業や経済の成長につながる形で支援を実施しているものと思っております。  このように、現在進めているGX投資が無駄になることはないと考えています。むしろ、GX投資を進めなければ、日本の競争力が劣後する事態を招く懸念があります。ぶれることなく中長期の視点で取組を進めながら、企業に予見可能性を持たせ、GX投資を促していくことが我が国の将来にとって重要だというふうに考えているところであります。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 お金がじゃぶじゃぶにあるのならば、やって失敗しました、無駄になってしまったかもしれない、無駄にならなくてよかったねぐらいで済むのかもしれませんけれども、これほど財政赤字が拡大しているときに、無駄にならなくてよかったようなプロジェクトというのはやっていいのかということは非常に疑問なんですよね。    〔理事古賀之士君退席、委員長着席〕  それと、やっぱり先ほど申しましたように、本当に、脱炭素というか、二酸化炭素が地球の温暖化の主たる原因なのかということをやはりきちんとしておかないと、この時点、まあ今までかなりあやふやだったんじゃないかなとは思うんですよね。ビジネスベースでどうしても、何か言ってきたんですけど。  お聞きしますけれども、トランプ氏がなぜパリ協定から脱退したのか、その理由をどうお考えなのかをお教えいただければと思います。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 米国のパリ協定脱退に関する大統領令によれば、パリ協定は資金支援を必要としない又は資金支援に値しない国に米国納税者の資金を振り向けるものとされていると承知をしております。  米国の現政権のパリ協定に対する考えについてコメントする立場にはございませんが、世界全体で脱炭素に向けて取り組む必要性や大きな方向性は、先ほど申したとおり、変わらないと考えているところであります。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 全世界で一緒にやらないと達成できない目標でありながら、お金を支援する必要がない。本当にその脱炭素を、気象温暖化を止める、そして炭素がその原因であるならば、どこどこの国に支援しないとかそういう話じゃなくて、やっぱりトランプが協定から脱退したというのは、元々、アメリカにあります気温上昇人為説に対しての疑問を彼は元々持っていたという話はよく聞きますし、そうじゃないかなというふうに私は思っております。共和党なんかも特に、ゴア副大統領が言い出したこともあるんでしょうけれども、人為説を信じていない方はかなりいるというふうな話は聞いております。  次の質問なんですけれども、いろいろ気象問題に関する、気象に関する問題って、いろいろ今まで非常に騒がれていて、全部どこかへ行っちゃっているんですよね。例えば南極のオゾンホール、それから酸性雨の問題もどこかへ消えちゃいましたし、アメリカのSNSでは、一九八二年三月二十五日のCBSニュースで、石油、石炭等の炭素を燃やすのをやめなければ、気温上昇でフロリダの二五%などが海に沈むだろうとアメリカのメインのテレビで危機をあおっていたんですけれども、フロリダはまだ海面下じゃないわけですよ。  ということで、気象温暖化問題って、かなり、ちょっとするとなくなっちゃったということがあるんですが、今回の脱炭素問題というのは絶対になくならないという、そういう問題が重大問題と、未来永劫、長い間残っていくというふうに政府はお考えでしょうか。

田尻貴裕内閣官房GX実行推進室次長兼経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(田尻貴裕君) お答え申し上げます。  気候変動の関係では、気候変動に関する政府間パネル、いわゆるIPCCにおきまして、最新の報告書におきまして、人間活動が主に温室効果ガスの排出を通じて地球温暖化を引き起こしてきたことは疑う余地がないことと、人為的な気候変動は既に世界中で全ての地域において多くの気象と気候の極端現象に影響を及ぼしているということを報告しているところでございます。  IPCC報告書は、世界の第一線の科学者と加盟国政府のコンセンサスを得た気候変動に関する科学的知見の蓄積でございまして、気候変動に関する国際交渉はもとより、国内政策のための基礎情報として活用されていくことが期待されていると、そのように認識しているところでございます。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 今のお話を聞いていると、政府というのは、気象温暖化は人為的なものに、人為起源であるということを疑う余地はないというふうに理解いたしました。  先日の本委員会で古賀委員が東京大学公共政策大学院有馬教授の気象温暖化の人為起源説には疑問との主張を紹介されていましたけれども、そのほかにも結構あるんですよね。  例えば、二〇二三年一月十三日の東洋経済オンライン、御社のOBである、経済産業省OB、この方は東京大学理学部卒で通産省主任研究官をやられた京都大学名誉教授の鎌田浩毅先生、これ二〇二三年の一月ですけれども、人間が大量の二酸化炭素を排出しても、地球にはもっと大きなフィードバック機能が備わっています、そもそも二酸化炭素量が増大しても、それらの多くは海に溶けるでしょう、バッファーシステム、緩衝装置もあるからです、それから、人口増大が原因ではなく、二酸化炭素減少や寒冷化による食料危機が生まれるかもしれません、人間のスケールのみで地球を判断すると大きく誤ってしまいます、そして、地球温暖化は先ほど述べたように長尺、長い尺の目で捉えることが重要です、そうしないと、目先の国内外の政治状況、経済状況に振り回されている事態から脱却できなくなりますと書いていらっしゃるわけです。これ読んでみると、何となく今の状況が、目先の国内外の政治状況や経済状況に振り回されているんじゃないかという気が極めてするんですが。  これとは別に、私の個人的なあれなんですが、私の高校に成績トップで入ってきた人がいまして、それがもうめっちゃくちゃに真面目な人で、あの人の言うことなら私は間違いないというような本当に真面目な方だったんですが、その方が天文学の教授になりました。太陽学専門なんですけど、私、聞いたんですよね、CO2が本当に気象温暖化の理由かと聞いたら、彼は、違うと思うと。彼は、地軸の傾きなんじゃないかと。まあ太陽学やっているせいもあるんでしょうけれども、一度地軸が傾くと、太陽に向かっている地面と海の比率が変わって、それで地球の温度が変わるというようなことをおっしゃっていた。  専門がそっちだからそういう意見が強いのかもしれないですけど、彼は、経済的なこととか、それから政治的なとか、そういうことに影響されるような男じゃないがゆえに、私は全く科学的バックグラウンドがないんですが、彼が言ったということだけで非常に信じてしまうバイアスが掛かっているのは事実なんですが、少なくても気象は絶対であるというような考えが科学者の間において当然のことであるという理解は私はしていないんですが、それでも、先ほどの回答、疑う余地がないという回答を続けられますでしょうか。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 今、先ほど事務方からもちょっとお答えさせていただきました、今の人為起源というお話でありますけれども、気候変動に関する科学的知見の集積であるIPCCの最新の報告書においては、人間の影響による温暖化には疑う余地がない旨報告をされているものと承知をしております。  私も、委員おっしゃられるような、いろんな、地軸が曲がったとか、いろんな話も過去いろいろお話を聞いておりますけれども、本法案は、そういう中でも、おいても、昨今のやはり異常気象というのか、いろんなところ、アメリカでもそうですけど、日本でも、大変残念ですけど、ああいう森林火災が起きるような、こういう状況というのは、確かにある意味でちょっとこの異常気象はおかしいなというところは、正直なところ認めざるを得ないのかなという気がしております。  この法案というのは、こうした科学的な知見を踏まえながら推進しているGX政策というものを、これを一つとして、GXを経済成長の原動力とする経済構造への移行を通じながら、脱炭素のみならず、エネルギー安定供給、そして経済成長と、これを同時に実現することを目的としたものでございますので、是非委員の御理解もいただきたいというふうに思っているところであります。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 ちょっと先に、一問飛ばして、先後、前後しますけれども、せっかく環境庁もいらしていますんですけど、今の大臣にお聞きしても、それはやっぱり、お金がじゃぶじゃぶであるならこういうのもやってみるべきだとは思うんですが、この財政が厳しい折にやっている余裕があるのかなと思うんですが、気象温暖化に対する予算というのはどのくらい、あと民間のお金は随分あると思うんです、掛かっているお金があるんですけど、国だけでは予算はどのくらいあるんでしょうか。教えていただければと思います。

堀上勝環境省大臣官房審議官

○政府参考人(堀上勝君) お答えいたします。  関係府省庁全体の地球温暖化対策関係予算につきまして、環境保全経費のうちの地球温暖化の緩和に資する予算についてお示ししますけれども、令和六年度当初予算で計一兆二千四百六十五億円となっております。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 分かりました。国の予算はその程度ですね。あと、民間の投資が、これが本当にリターンがあるのかということもあるし、それから、最初に申し上げましたように、GX債が本当に、発行したはいいけれども売れるか、それから返ってくるのかと。そうすると、税金が投入されるわけですから、そういう問題もあるかと思います。  そしてもう一つ、日経新聞の「経済教室」に書いてあった記事なんですけれども、論説なんですけれども、まあ日経新聞だからどうかという話ではないんですけれども、二〇二二年七月十三日、日経新聞「経済教室」に、アメリカ・スタンフォード大学フーバー研究所シニアフェローのジョン・コクラン氏が書いた「楽観できぬインフレ対策」という論考があるんですが、中で氏は、欧米の政府は、代替エネルギーが大規模に利用可能になる前に欧米の化石燃料開発を停止し、原子力を締め付け、カリフォルニア州の高速道路計画のような著しく非効率なプロジェクトに補助金を供給した、このような手法の愚かさは今や明白であると書いてあるわけですね。  やっぱり、原子力、安保、エネルギー安保に是非注力していただきたいと私は要望して、時間が来ましたので終わりにしたいと思います。  ありがとうございました。

礒崎哲史国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史です。どうぞよろしくお願いをいたします。  私も、今日は、前回質問し切れなかったので、まず排出量取引制度ですね、この点について質問していきたいというふうに思います。  まず、ちょっとシンプルにお伺いをしたいと思います。  排出量取引制度におきまして、今回、その参加を義務付ける事業者を二酸化炭素の直接排出量が十万トンというふうに切ったわけですけれども、何で十万トンだったのかというのをちょっと改めて教えていただきたいということと、あわせて、これ業種によって、参入基準によって細かい違いがあるのかどうかという、その点をお聞かせいただきたい。  それと、もうちょっと加えてでいくと、海外でいきますと、例えばEUでは、直接排出量を二・五万トン以上の設備ですとか施設という形で切っています。また、韓国では、直接と間接合計して排出量十二・五万トン以上の企業が対象ということで、それぞれ国によっても違うんですけれども、今回、日本ではこの事業者を単位とした理由は何か、ちょっといろいろとお尋ねしましたけれども、併せて御答弁願います。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) お答え申し上げます。  排出量取引制度においては、事業者の事務手続の負担、それから行政の執行可能性なども踏まえまして、一定規模以上を排出する設備、事業者を対象とするのが一般的でございまして、諸外国の制度でも対象の閾値が設定されてございます。  この閾値について、本制度では、御指摘のとおり、企業単位で設定をいたします。これは、多くの企業においてGX投資や排出削減の意思決定というのは、これは事業所とか設備、施設単位ではなくて企業全体の経営資源を踏まえて戦略的に行われていると、こういう実態があることに加えまして、本制度が先行投資支援を始めとしたほかの措置と併せて企業単位の脱炭素投資の意思決定を後押しする、そうしたものであることを踏まえたものでございます。  また、企業単位を前提に直接排出十万トンを具体的な水準といたしますのは、これ生産拠点の海外移転リスクなどを踏まえつつ、実効性の高い制度設計にするには、我が国の制度もEUとか韓国などの諸外国の制度と同等のものにすることが適当であると、そう考えられるからでございます。  その上で、統計データなどから一定の仮定を置いた上で試算をいたしますと、EUが対象とする直接排出二・五万トンに相当します事業所を保有する我が国企業の標準的な直接排出量は、これ企業全体で見ると大体九・五万トンになるということ、それから、韓国の直接・間接排出、合計で十二・五万トンの閾値、これは直接排出のみで見ますと九万トン程度に相当すると、こう推計されます。こうした推計に基づきまして、諸外国と同程度の排出源を捕捉する観点から、今回、直接排出が十万トン以上の企業を制度対象としたということでございます。  もう一つのお尋ねで、本制度では、業種によって異なる参入基準を設けることにはしてございません。これは、業種間での公平性を図る観点に加えまして、業種問わず一定の排出規模以上の事業者を制度対象として市場で排出枠の取引を行うことで、脱炭素の経済価値としての炭素価格、これが適正に形成、公示されることを期待するためでもございます。  その上で、排出削減のためのコストや技術的な難易度が業種によって異なりますので、こうした異なる業種の事業者間でひとしく脱炭素投資のインセンティブを働かせるために、割当ての基準は例の業種特性を十分に考慮したものとするということで、これによりまして、業種間で達成の難度が公平になるようにしていくと、こういうことでございます。

礒崎哲史国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 ちょっと確認ですけれども、EUの考え方によると大体九・五万トンぐらいで、韓国は九万トンということでお話がありました。実際にこれ排出量の量としては今回の十万トンというところで閾値を切ったことで、実際どれぐらいの企業が対象になっているのか。企業数なのか若しくは排出量レベルなのか、ちょっとそれを、もしEUの状況も分かれば教えてください。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) まずEUの方は、排出量のカバー率が大体四割と言われております。私ども、今回は対象となる事業者の数はこれ三百から四百ぐらいでして、カバー率は大体六割ぐらいになると想定をしてございます。

礒崎哲史国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 ありがとうございます。  六割ということですから、EUよりもより多くの企業といいますか、それをカバーしているということですから、しっかりとそれが取り組めていければ効果も大きいんだろうというふうには受け止めたいと思います。  また、企業単位にしたというのは、確かに事務手続等の負担も考えれば、さらには、戦略的な全体戦略考えれば、施設ですとか機械ベースよりも事業所、事業者単位にした方がより効率的な投資に結び付くんだろうということで、そこは理解をいたしました。ありがとうございます。  では、もう少し制度の中身、いわゆる予見可能性を高めていくという意味で、こういう場合だったらどうなのかというちょっと細かい点も含めて確認をさせていただきたいと思います。  まず、今後この十万トンという参入基準そのものを見直しをしていく計画はあるかどうかです。つまり、今六割というお話がありましたけれども、この対象拡大を図っていく計画というものはそもそもお持ちなのかどうかということと、あわせて、順調に事業が、商売が繁盛しまして、生産量が増えましたということで、増産増産ということで右肩上がりになっていった場合の企業が新たに参入対象になるということはあるのかどうか。逆に、今アメリカの相互関税によって、まああってはほしくないんですけれども、仮にアメリカで生産しますというようなお話になった場合に、国内の事業規模が縮小していくような場合に、そうした減産事業者は果たしてこの枠組みからいなくなることになるのかどうか。  少し細かい点も含めてになりますけれども、全体計画も含めて、大臣、お答えいただいてよろしいでしょうか。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 先ほど参考人から御答弁させていただきましたけれども、本制度では、諸外国の制度等を踏まえて、二酸化炭素の直接排出が十万トン以上の事業者を制度対象とすることとしております。  この制度の下で、議員御指摘のような事業者の事業環境に変更がある場合につきましては、例えば工場の増設や業績が好調で生産量が一定以上増加する場合には無償割当てを追加をさせていただきます。また逆に、今おっしゃっていただいたように、米国関税の話があったりして、この影響によって工場の閉鎖ですとか生産量の一定以上減少が生じる場合には排出枠を減少させるなど、企業の事業環境の変化に応じた措置を導入します。  その上で、国際的な動向や経済状況等を踏まえて、制度の不断の点検を行うことが重要であるというふうに思っておりますし、この中で、議員御指摘の制度対象事業者の排出量の水準を含めて柔軟に見直しを検討していきたいというふうに思っております。

礒崎哲史国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 ちょっと確認なんですけれども、今十万トン以下の事業者が生産拡大して十万トン以上になった場合に、新たに参入するということはあり得るんでしょうか。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) これ、十万トン以上かどうか、これ三年平均で見るということでございますので、十万トン切ったところから始めて、ただ、三年平均で十万トンを超えてくれば、当然これ、そういう企業はひとしく参加していただくことになっていますので、対象になってくるということでございます。逆に、切ってくればですね、十万トンを切ってくるようになれば、そこは制度の対象外になっていくと、こういうことでございます。

礒崎哲史国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 確認させていただきました。これに入らないと、既に入っているところと入らないところと生産量一緒なのに差が付いてしまいますので、企業競争力にも影響出ますので、今、扱いとしては一緒になっていくということで確認をさせていただきました。  では、ちょっともう少し違う観点で、例えばの、もう例えばの話なんですけれども、仮に今回参入基準は満たしていない企業なんですけれども、もう非常に先進的な取組をもって排出量を大幅削減する、こういう設備、技術を導入しましたといった企業が、是非うちの余っている排出枠を使ってくださいということでこの枠組みに入りたいというふうに手を挙げたときに入れるんでしょうか。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) まず、本制度は、二酸化炭素の直接排出量が十万トン以上ということでございます。  その上で、委員御指摘のような、その水準には満たない企業が自発的に制度対象に加わることにつきましては、これ、本制度が対象事業者との関係では義務的な制度である一方で、一旦加わった事業者につきましては、例えばうまく排出削減できないタイミングで、じゃ、任意に退出するのはどうなんだとか、さらに、再度有利なタイミングでまた参加をしたいと、こうしたことも場合によっては認める制度になってくると思いますので、なかなかこうした法制度の設計というのは法技術的にも困難ではないかと考えております。  他方ですけれども、GXの実現に向けましては、本制度の対象となる事業者以外も含めまして社会全体で排出削減を促すことはこれ当然重要でございますので、制度対象外の企業へのインセンティブを働かせる取組につきましても併せて検討を進めていく必要が、これはもちろんあると思ってございます。  したがいまして、二十兆円の投資支援策によるインセンティブの付与に加えまして、例えばですけれども、対象外の企業が脱炭素投資を行い取得したJ―クレジットにつきましては、これ、この制度においても活用を認める方向で検討を行うなど、しっかりと対応していきたいと、こう思ってございます。

礒崎哲史国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 今お答えいただきました。ありがとうございます。  投機的な参入ですとか、そういうのはそもそも駄目だというふうな基本的な考え方はあるというふうに思いますので、ただ、その一方で、先ほど石川委員とのやり取りの中で、デリバティブはちょっと将来的な話であって、最初は直接、現物取引というお話もありました。ただ、やっぱり、じゃ、現物取引でうち実際使えるよという方たちがいたときに、果たしてその人たちの参入はどうするのかな、まあまだ実際にそういう運用が始まっていませんので、どうなるかというのはまた分からない状況ではありますけれども、そういうこともあるのかなというふうに思いましたのでちょっと質問をさせていただいたというところでありますので、まあ今後の一つの検討課題になるかもしれませんので、一つそういうことを御意見として、質問としてさせていただいた次第です。  ちょっと一問質問飛ばしまして、実際にこの排出量取引をしたときにですね、今回の制度を導入したときに、こういう企業の実態があるときにこれどう考えるかということで、石油化学産業に関してのちょっとお話をさせていただきたいんですが、例えばこの石油化学産業は、例えば今後航空機燃料で使うSAF、こういったものの開発をしていたり、あとは合成燃料なんかも開発をしています。あと蓄電池の材料なんかを作っていたり、さらには、今後自動車ですとか航空機で使われていくと思います軽量な部材ですね、炭素繊維の話が今日午前中もありましたけれども、こういう炭素繊維を作っている。この素材を作るときに化学反応でどうしても出るんですよね、二酸化炭素。ただ、代替材料がないんですね。だから絶対に出るんです、二酸化炭素が。  じゃ、ほかの企業の省エネであったり、あるいは脱炭素に協力できる、こういう素材を提供している化学産業、石油産業のこういう貢献というものはどういうふうに今回の制度の中で反映されていくのかとかですね。  これ、電機産業でも同じようなことがありまして、もう物すごい性能のいい省エネの空調設備、これをほかの企業さんが導入していただいた場合には、その企業はその空調設備を増産します。で、増産すると、そこの電機産業は、企業はどういう扱いになるかというと、増産したのでCO2が増えるんで、CO2排出量が増えたという評価になっちゃうんですよ、現時点では。マイナス評価なんですね、実は。物すごく性能のいい空調設備を世の中にいっぱい出したんだけれども、CO2削減にはマイナスという評価を受けてしまうという、こういう状況が今実際あるし、今後も更にこういうのが出てくる可能性があるんですが、この点に関してはどういうふうに整理をされていかれますでしょうか。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) GX実現に向けましては、委員御指摘のような自社の直接排出量はこれ製品の製造によって増加してしまいますが、他社がその製品を利用することで全体としては排出削減に寄与するようなものについて、それが適切に評価、選択されるような市場をつくっていくことが非常に重要だと思ってございます。  このため、経済産業省では、国内産業界や世界的な経済団体でありますWBCSDと連携をしまして、こうした製品の社会への貢献を評価する指標であります削減貢献量、これのグローバルスタンダード化を後押しをしてきてございます。WBCSDのガイダンスとして位置付けられたことによりましてこの削減貢献量は世界的に普及しつつございまして、こうした見える化などの取組を通じまして市場創出を積極的に推進をしてございます。  お尋ねの排出量取引制度との関係では、こうした他社の利用を通じた削減効果をこれ直接この制度の対象とした設計を行うことは、これ諸外国の例を見ても困難ではございますけれども、本制度では、こうした製品に対するニーズが高まることによりまして、お話あったように、生産、製造規模が拡大をして生産量が一定以上増加する場合にはこれ割当て量の調整を行うこととしているほか、こうした自社製品が利用されることによる削減量を自社で取りまとめてJ―クレジット化できれば、これ当該クレジットを本制度で活用することを可能とするなど、利用による社会的な貢献を勘案し、この制度に取り込むことができる制度設計をすると、こういう方針でございます。  加えまして、本制度の外の取組にはなってしまいますけれども、先ほどあったように、今後GXリーグの見直しを通じて、こうした製品の積極的な利用を含め、GX製品、サービスの市場の拡大に向けたサプライチェーンワイドの取組を重点的に進めることにしてございます。  このように、排出量取引制度のみならず様々な取組と組み合わせ、活用することで、社会全体への削減に寄与するそうした製品が適切に評価されて選好されていくように、引き続きしっかりと取り組んでいきたいと、こう思ってございます。

礒崎哲史国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 今回のこの排出量取引制度というのはどうしてもスコープ1のところなんですよね。評価がスコープ1なので、いや、スコープ3まで入れると間違いなく貢献しているという企業がやっぱり正しい評価を受けて、やはり投資であったり、いろいろな意味でメリットがそこに発生するようなやはり制度構築を早くしていただく必要があるというふうに思いますので、その点、改めてお願いをしたいと、そのように思います。  あと一問行けると思いますので、最後、資源循環の強化について、私も一問質問させていただきたいと思います。  まず、二〇二三年の三月には、成長志向型資源自律経済戦略、これが策定をされまして、産官学のサーキュラーエコノミー・パートナーシップ、こうした新設なども取組、継続をしてきているというふうに承知をしてございます。  一方で、欧州では、欧州グリーンディールの中核的な位置付けとして、サーキュラーエコノミー・アクションプランというものがまずは二〇一五年にでき、そして五年たって二〇二〇年には第二弾というものが策定をされて、経済戦略と密接に関係した取組ということで欧州では動き出しています。  今後、このサーキュラーエコノミーを促進していく上で、経済性はもちろんなんですけれども、経済安全保障をやはり強く意識した具体的な戦略を伴った取組としていくべきだというふうに考えております。特に欧州では、欧州バッテリー規制のようなものもできていて、何%、再生のレアメタルを何%使わないといけないというようなものを、具体的な数値をセットすることによって、一回欧州域内に入ってきたものはリサイクルして使わないと駄目よということですから、海外に持ち出せないようなルールをあえてサーキュラーエコノミーの中に組み込んでいるというふうに私は思っているんですね。だから、完全に経済安全保障の観点だというふうに思います。  こうしたことをしっかりと意識して今後取り組んでいくべきと私考えているんですけれども、政府の認識あるいは今後の具体的な計画についてお伺いしたいと思います。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) ありがとうございます。  二〇二三年に策定しました成長志向型の資源自律経済戦略でありますけれども、世界的な資源需要の増大と地政学的なリスクの高まりといった資源制約の観点から、経済安全保障に資することも視野に入れて策定したものであります。同戦略を踏まえて、今回の法案では、製造事業者等に対する再生材の利用義務を強化することで国内のサプライチェーン強化を目指しているところです。  また、対象となる資源としてまずはプラスチックを想定しておりますけど、将来的にはレアメタルについても対象に加えることを検討しているところです。  なお、一律の定量的な目標を義務付けることは事業者に対する過度な負担につながり、かえって競争力を毀損するおそれがありますので、このため、まずは再生材利用に関する計画において自主的な定量目標の設定を求めつつ、産官学連携の枠組みであるサーキュラーパートナーズにおいて素材や製品ごとのロードマップの策定に官民協力して取り組んでまいります。

礒崎哲史国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 もうヨーロッパは動き出しています。遅れないように是非よろしくお願いいたします。  終わります。ありがとうございました。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。  初めに、資源有効利用促進法について質問をいたします。  その前に、今回法案がGX推進法改定案との束ね法として提案をされていますけれども、本来はそれぞれ時間を掛けて議論するべきだということを私からも指摘をしておきたいというふうに思います。  それで、法案ですけれども、法案では、資源法改正の理由として、二酸化炭素の排出が多い素材産業を中心に、再生資源の利用拡大による資源循環の強化を通じて、製品のライフサイクル全体での排出削減を進めるための制度的措置を講じるというふうにしています。  けれども、大前提として、大量生産、大量消費、大量廃棄の問題があります。日本は世界第二位の資源輸入国なんですよね。一人当たりの年間輸入量は中国の三・二倍になっています。資源採取量が急増をしています。このままでは、このまま素材の需要が増え続けると、たとえエネルギー最大効率化とか再エネ転換を実現しても、鉄鋼、セメント、アルミニウム、プラスチックによる温室効果ガスの発生が増加し続けるということになります。資源の大量採取を前提にしたままでは、素材生産だけで一・五度未満の達成に残されたカーボンバジェット超過してしまうんですよね。  大臣にお聞きしますけれども、本法案では資源循環強化のための制度設計を提案していますけれども、大前提である新たな資源の採取の最少化、これを、法の目的を定める第一条、そして第二十九条にこれ明確に位置付けるべきではないでしょうか。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 委員御指摘の新たな資源採取の最少化ということは、資源法の重要な目的の一つであります。  循環型社会形成の基本方針を定める循環型社会形成推進基本法において、天然資源の消費を抑制し、環境への負荷をできる限り低減する旨が規定されております。これに基づき、資源法では、企業に対して天然資源の投入量の削減につながるリデュース等を具体的に求めているところです。  また、今般の改正で措置します再生材利用義務の強化、また環境配慮設計の促進等も、新たな天然資源の投入量を削減をし、資源採取を最少化することが可能となります。今回の改正を通じて、企業活動における資源循環をより一層強化をし、天然資源の消費抑制に貢献してまいりたいというふうに思っております。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 新たな資源の採取の最少化、大事だというお話だったので、これ明確に位置付けるべきだというふうに思うんですね。  資源循環の強化を目指していますけれども、資源採取、消費は現在年間約一千億トンです。それに対して、リサイクルは約百億トンで、技術的なポテンシャルが完全に活用されたとしても循環されるのは三割から四割というふうにされているんですね。素材のリサイクル、部品の再生だけじゃなくて、第二十六条で製品全体の再生、リユースを対象に含めるべきではないでしょうか。

畠山陽二郎内閣官房GX実行推進室長兼資源エネルギー庁次長

○政府参考人(畠山陽二郎君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、製品全体をリユースしていくことは、脱炭素化の観点に加えましてリデュースなどにもつながるものでございまして、製品の効率的、長期的な利用を通じて資源生産性の向上に大きく貢献するため、極めて重要だというふうに考えております。こうした点を踏まえまして、製品のシェアリングやリユース、さらには修理して使うことにより長期利用を促進するなど、いわゆるサーキュラーエコノミーコマースを促進したいと考えているところでございます。  このため、今回の法改正におきましてサーキュラーエコノミーコマース事業者の類型を新たに位置付けまして、資源の有効活用等の観点から満たすべき基準を明確化することでその健全な発展を促進していくこととしているところでございます。これによりまして、適切な規律の下で製品の長期利用ですとかリユースなどを通じた資源の有効な利用を促進してまいりたいと考えてございます。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 EUの廃棄物管理政策では、環境保全の視点から、リサイクルよりもリユース、さらに発生抑制を優先するべきだというふうにされていて、これは世界的にも共有をされているわけですよね。  これ、サーキュラーエコノミーを推進するために、解体、分別しやすい設計、長寿命化につながる設計、これが重要です。  第二十九条に、対象事業者が取り組むべき事項ということで、設計段階、この設計段階を明記するべきではないでしょうか。

畠山陽二郎内閣官房GX実行推進室長兼資源エネルギー庁次長

○政府参考人(畠山陽二郎君) お答え申し上げます。  環境配慮設計に係る設計指針、これ法律上は資源有効利用・脱炭素化促進設計指針と申しますけれども、この設計指針は、ライフサイクル全体での環境負荷低減に資する特に優れた製品設計を促進するため、まさに委員御指摘の製品の設計において事業者が取り組むべき事項を定めるものでございまして、設計指針という名称もその趣旨で付けているところでございます。  その上で、実際の設計指針の中では、設計において講ずべき措置であることを明記することを想定してございます。具体的な設計指針の内容につきましては、環境配慮設計の高度化に向けて、関係する事業者と密にコミュニケーションを取りながら検討していきたいと、このように考えてございます。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 修理可能性も組み込んで長寿命化が可能な設計にすることで資源の流れる速度を遅らせていく、さらに、リユース、リサイクルの優先順位で廃棄と生産をつないでいくということが重要です。  このことを指摘して、ここからはGX推進法の改定案について質問をしていきたいと思います。  前回の質疑で、排出枠の割当ての問題で追加排出枠について質問をいたしました。この排出枠の設定に関わって、石油連盟が、排出量取引制度の制度設計ではエネルギー転換部門としての役割に十分配慮することが必要というふうに要望をして、日本鉄鋼連盟は、今後の指針策定に向けては引き続き業界と丁寧な対話プロセスをいただきたいというふうに要望しています。また、経団連ですけれども、排出枠の割当てに関し、過去の削減努力、カーボンリーケージの防止、GXに関する研究開発投資を勘案する方針に賛同をする、こういう意見を述べているんですね。まさに、この産業界の要望どおりの制度設計が進められています。  排出量の割当ての方法で最も公平になるというふうに言われているのがオークション、オークションです。改定案では、二〇三三年度以降に開始となる発電事業者への排出枠が有償配分ですけれども、それ以外の事業者も早期に有償に移行するべきではないでしょうか。

畠山陽二郎内閣官房GX実行推進室長兼資源エネルギー庁次長

○政府参考人(畠山陽二郎君) お答え申し上げます。  御指摘の有償オークションに関しまして、その導入に当たりましては、代替技術の導入可能性等を踏まえつつ、国民生活や産業への影響を踏まえて対象業種等の制度設計を行うことが重要だと考えてございます。有償オークションによりましてカーボンリーケージが発生すれば、国内の産業基盤に悪影響を与えることに加えまして、世界全体の排出量を削減する観点からも望ましい事態とは言えないというふうに考えてございます。  その上で、発電部門、これ対象になります発電部門でございますけれども、排出量の四割を占め、脱炭素の重要性が高く、再エネなどの商用化された代替技術を有しているという特徴がございます。諸外国でも、発電部門において先行的に有償割当てを導入している一方、産業部門におきましては無償割当てが行われているものと承知をしております。  このため、我が国におきましても、発電部門を対象にすることが適切と判断をいたしまして、二年前の現行GX法でそのように規定をしているところでございます。現時点でそれ以上に対象業種を拡大させるとの方針があるわけではございません。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 EUでも、二〇一二年までは九割が無償割当てだったんですけれども、二〇一三年以降は全体の五七%がオークションになっています。  さらに、外部クレジットの問題について伺います。EUの排出量取引制度でも、クリーン開発メカニズム、CDMですね、から安価なクレジットが大量に流入をしたことが炭素価格が下がることにつながって、温室効果ガスの排出量削減効果を抑えてしまうということになりました。  こうした教訓から、この外部クレジットの扱いについては過度な利用は抑制するべきではないでしょうか。

畠山陽二郎内閣官房GX実行推進室長兼資源エネルギー庁次長

○政府参考人(畠山陽二郎君) お答え申し上げます。  我が国のGX実現のためには、この法案の排出量取引制度の対象者のみならず、中小企業等の幅広い主体が脱炭素投資を行うためのインセンティブを高める観点も重要だと考えておりまして、外部クレジットをこの制度において活用できるようにすることも一定の役割を果たすものであるというふうに認識をしてございます。  このため、この制度では、排出実績の算定に当たって、国が運営する制度に基づき、品質が担保されたJ―クレジット、そしてJCMクレジットという二つの外部クレジットについては活用可能とする方針でございます。  委員御指摘の海外制度におきましても、例えばカリフォルニアや韓国は、一定の範囲でこうした外部クレジットの活用を認めているものと承知をしております。他方で、御指摘のEUにおきましては、制度開始当初は外部クレジットとして京都議定書に基づく国際的なカーボンクレジットの使用を認めていたものの、大規模なクレジットの流入が炭素価格の低下の一因になったとして、その使用を認めない方針に転換したというふうに承知してございます。  我が国におきましては、二つの外部クレジットのみは利用を認める方針でございますけれども、その活用の在り方は、こうした諸外国の状況を踏まえつつ、事業者の脱炭素投資を促進していく観点から検討していきたいと、このように考えてございます。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 今後検討するということでしょうけれども、過度な利用は抑制するべきです。  今もちょっと答弁ありましたけど、JCM、二国間クレジットの活用を想定しているというふうにしていますけれども、このJCMの事業では、アジアなどで化石燃料を延命するための事業が含まれるなどの問題もあるということを指摘しておきたいというふうに思います。  次に、化石燃料賦課金の問題について質問をします。  この化石燃料賦課金について、減免規定、配慮規定が検討されていますけれども、負担額は政令委任で、これ経産省の裁量に委ねられるということになるわけですよね。結局は、事業者に負担とならない水準に抑え込まれることになるんじゃないでしょうか。大臣、いかがですか。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) GX実現に向けて、国内の事業基盤の縮小や撤退、また国民負担の過度な負担増大を招かないように制度設計することが重要だと思っております。こうした観点から、化石燃料賦課金における減免措置ですけれども、石油石炭税と同一の扱いとなるよう今後適切に決定をしていく方針です。  仮にこの減免措置を講じない場合ですが、脱炭素に関する代替技術を有しない事業者は海外に製造拠点を移転せざるを得ないなど、我が国経済や雇用への悪影響を及ぼすおそれがあるところです。こうした事業者につきましては、必要な減免措置を実施しつつ、代替可能な技術の開発、実装に向けた投資支援策を講ずることを通じて、むしろ脱炭素のための大胆な投資を可能とすることで排出削減を進めていくことが可能と考えているところです。  なお、減免措置を講じたとしても、我が国における石油燃料利用に伴う二酸化炭素排出の約八割は、引き続き化石燃料賦課金の適用対象となる見込みであります。付け加えました。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 これ、最小限の負担で化石燃料を使い続けたい財界や大企業の要望に応えるものになりかねないと思うんですね。  審議の中で、我が国は経済成長と両立する形で排出削減に向けた取組を進めていくという答弁がされています。経済成長が強調されているように思えるんですね。ただ、EUなどでは、脱炭素と経済成長が両立するデカップリングという現象が見られています。なので、排出削減と経済成長は対立するものではないわけですよね。  成長志向型カーボンプライシングとして、排出量取引制度と化石燃料賦課金の収入はGX経済移行債の財源としています。この国債で移行債を発行しているのは日本だけなんですね。ドイツやフランスなどが発行するグリーン国債は、銀行や一般企業が発行するESG債よりも高いプレミアムで、グリーニアムが付く場合がほとんどです。一方、GX経済移行債ではグリーニアムが発生しないというふうに報じられているんですね。GX政策に原子力開発や化石燃料の延命策などがあって、ESG投資を重視する投資家の中には二の足を踏むところもあるからだというわけですよ。  こうした指摘を大臣、どう受け止めていらっしゃいますか。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) グリーニアムの件で御質問いただきました。  通常の国債とGX経済移行債の個別銘柄であるクライメートトランジション利付国債、いわゆるCT国債との利回りの差に関しては、両者が同じ年限、同じタイミングで発行されているわけではないので、単純な比較は困難である点に留意が必要だと思っています。  その上で、CT国債の資金使途でありますけれども、第三者評価機関の評価も得た上であらかじめ国内外の投資家にしっかり説明をしているところであり、市場からも一定の理解を得られているものと認識をしています。また、例えば今委員御指摘の原子力でありますけれども、カナダやフランスのグリーン国債でも対象になっておりまして、日本のCT国債だけが特殊というわけではないということで考えております。  いずれにしましても、引き続き、幅広い投資家に丁寧に説明をしてまいりたいと思っているところです。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 支援の対象には、脱炭素だけではなくて低炭素も含まれているんですよね。投資がCO2を多く出す産業を延命させるんじゃないかという懸念が示されています。  クライメート・インテグレートという気候政策のシンクタンクがGX経済移行債の資金使途を分析しています。それを見ると、二〇二三年度にはアンモニア混焼事業が含まれていませんでしたけれども、二四年度には水素やアンモニアと既存燃料との価格差支援を、価格差を支援する事業が含まれていること、グリーンイノベーション基金に関する充当額の明細がない事業が十三もあって、情報が不透明だというふうに指摘をしているんですね。こうした実態を見ると、GX経済移行債に対する不信感はより増すんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。  そして、二〇二五年度のGX推進対策費、エネルギー予算の分析を見ると、二四年度と比較して、化石燃料と原子力の割合が急増する一方で、再エネ予算は全体の四%と非常に少ないことが指摘をされているんですね。これではエネルギー転換進まないんじゃないでしょうか。大臣、いかがですか。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) GXの経済移行債の開示情報について御指摘を、民間シンクタンクかな、受けているところであります。  また、昨年末に政府が公開をしたレポートにおきましては、代表的事業について、資金充当状況に加えて削減効果のインパクトを試算するなど、積極的な開示を行ってきているところであります。投資家からも好意的な反応を得ていると認識をしています。GI基金で支援をしています個別事業の予算規模につきましても、産業構造審議会での審議を経て決定をされて、これは順次公開をしております。このように、十分な情報を開示していると認識をしております。  また、予算の使途につきましては、御指摘のシンクタンクは、化石燃料分野に水素、アンモニア、CCUSを含めて定義をされておられるようで、政府とは異なる集計をされているものと認識をしているところです。政府としては、水素やCCSは脱炭素社会を実現する上で不可欠な分野と考えており、予算を増額して対応しているところであります。  また、ガソリン等の価格支援を化石燃料分野として計上していると推測をされますけれども、この事業は、足下の物価高に苦しむ国民の皆さんの現状に対応すべく措置をしているものであります。ただ、脱炭素に向け、いつまでも続けるべきものではないと考えているのはいつも答弁させていただいているとおりです。  今後とも、エネルギー安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現を図るため、適切に予算措置を講じてまいりたいと思っているところです。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 イギリスでは、一九八〇年代、石炭火力発電が電力の七割を供給していたわけですけれども、昨年九月に完全にフェードアウトしたわけですね。この二十年間で再エネが急速に拡大をして、約五割にまでなっています。  これ、脱炭素の移行というのであれば、国際的に通用しないグリーントランスフォーメーションという政策に固執するんじゃなくて、石炭火力発電の廃止、原発ゼロ、再エネの導入こそ目指すべきではないでしょうか。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 政府としては、GX実現に向けた取組を通じて、エネルギーの安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現を目指していく方針の下、二〇五〇年ネットゼロに向けて、二〇三五年度六〇%、二〇四〇年度七三%削減という一・五度目標と整合的で野心的な目標を掲げてきております。  その上で、DXやGXの進展による電力需要増加が見込まれる中で、それに見合った脱炭素電源を国際的に遜色のない価格で十分確保できるかがまさに国力を左右する状況にあると。脱炭素電源を拡大をしながら、我が国の経済成長や産業競争力強化を実現できなければ、雇用の維持や賃上げも起こらないようになると思っているところです。  政府としては、徹底した省エネに加え、再エネや原子力などの脱炭素電源を最大限活用してまいります。また、火力発電についても、水素、アンモニアですとかCCUS等を活用した脱炭素化を進めながら、エネルギー安定供給と脱炭素の両立に向けて引き続きしっかりと取り組んでまいります。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 石炭開発を止めるという決断をしないから、使い続ける制度設計になるんですよね。  エネルギー政策の転換求めて、質問を終わります。     ─────────────

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、浅尾慶一郎君が委員を辞任され、その補欠として岩本剛人君が選任されました。     ─────────────

平山佐知子各派に属しない議員

○平山佐知子君 平山佐知子です。よろしくお願いいたします。  前回、この委員会の中でファッション業界の資源循環ということで質問をさせていただきましたが、それに関連して、今日は冒頭、一問、ファッションと外交についてちょっと伺わせてもらいたいと思います。    〔委員長退席、理事古賀之士君着席〕  皆さんも記憶に新しいと思いますけれども、今年の二月、ウクライナのゼレンスキー大統領とトランプ大統領との歴史的な会談がありまして、その中でゼレンスキー大統領が着用なさっていたポロシャツも大きな話題となりました。  外交ということでいえば、石破総理の服装とか着こなしというのも、実は私の周りからいろんな御意見が届いています。これは、事前の問取りで外務省の方にこういう意見ありますかというふうに問い合わせてみたんですけれども、全く届いていないというふうにお答えいただいたんですが、少なくとも私の周りからは意外と多くの御意見があるということで、改めて、やっぱり国民の皆さんは、この日本のトップが、服装、立ち居振る舞いとか、そういうことを諸外国からどう見られているのかということをすごく気になさっていますし、また日本人として、やっぱり我が国はマナーを重んじる国なんだという誇りを持っていらっしゃるんだなということ、改めて皆さんの声から感じたところでございます。  それから、諸外国でも、例えばエグゼクティブ層はファッションマナーについて大変厳しい視点を持っていると言われているんです。これはやっぱり、それぞれの国に様々な民族ですとか宗教、そういう背景、複雑な背景を持つ人が混在しているために、自身の衣装とか振る舞いがどういうふうに見られているかというのを非常に気にして常に注意を払っているということで、特に政治家は個別にスタイリストを付けていらっしゃる方も多いと伺いました。日本では余りないことだと思いますけれども、ヨーロッパ、特にイギリスでは、幼い頃からドレスコードとかこのファッションマナーについて各家庭で身に付けていくという文化もあるというふうに聞いています。  G7など各国のトップが集まる場面ではもちろんなんですけれども、閣僚の皆さんも外交の中で集まる際には、例えば歴史とか文化、こういう背景とした服装マナーについても実はこれ重要な視点の一つではないかと考えています。  大臣、いつもおしゃれになさっていますし、先日も委員会の中で、御地元、繊維産業が盛んだというお話もありました。この服装と外交について何かお考えがあれば聞かせてください。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 御質問ありがとうございます。  石破総理がどうという話は、私の口からはちょっとコメントを差し控えさせていただきますが、御指摘のとおり、外交において、相手国の歴史的、文化的背景等も踏まえて服装やマナーについて細心の注意を払うことは必要な配慮と、これは当たり前の話だというふうに思っています。  私も外務副大臣やらせていただいたりして海外行きましたし、私の父も外務大臣をやらせていただきましたけれども、やはり外国の要人と会うときはそれなりの気構えと、そして配慮というものがやはり日本の国益に結び付くものと、これは当たり前の話だと思っていますので、しっかりまた委員から御指摘をいただいて、しっかりやらせていただきたいと思っております。

平山佐知子各派に属しない議員

○平山佐知子君 ありがとうございます。  本当に服装というのは言葉を介さない外交だとも言えると思います。失礼ながら質問させていただきましたけれども、国民の皆さんも、私たちが多分思っている以上にそういうところをしっかりと見ていらっしゃいますし、注視していらっしゃいますので、一言申し上げさせていただいて、質問にさせていただきました。ありがとうございます。  それでは、法案に関連した質問をさせていただきます。  カーボンニュートラルに向けて避けて通れないのが再生可能エネルギーの導入拡大だと思います。今年二月十八日に閣議決定された第七次エネルギー基本計画でも、この再生可能エネルギーの主力電源化うたっています。  その柱の一つが洋上風力だと思います。二〇三〇年までに十ギガワット、そして二〇四〇年までに浮体式を含めて三十から四十五ギガワットの案件形成を目指すとされています。  しかしながら、現状を見てみますと、世界的なインフレですとか資材価格の高騰の影響で、日本もその影響を受けていますけれども、北米でも欧州でもこの洋上風力事業に逆風が吹いて、撤退が相次いでいるということも聞いています。  政府として、この洋上風力を取り巻く現状、どのように認識をされているのか、それから、エネルギー基本計画で示されたこの風力の電源構成、二〇四〇年度四%から八%、これに影響はないのか、伺います。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 洋上風力発電でありますけれども、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた重要な電源であります。  二〇二四年の三月末時点では約三十万キロワットの導入量でありますけれども、第七次エネルギー基本計画では、二〇三〇年までに一千万キロワット、二〇四〇年までに三千万から四千五百万キロワットの案件の形成目標を掲げ、積極的な導入拡大を進める方針に来ております。  一方で、委員御指摘のとおり、このインフレなどの影響を受けて世界的にも一部プロジェクトの中断等が発生しているということも承知をしているところであります。  こうした中、国内の洋上風力プロジェクトを確実に完遂させるための環境整備が重要となってきております。このため、昨年の九月以降、関係審議会において、入札後の物価変動リスクに対して価格を調整する仕組みの導入など制度の見直しを行ってきております。  引き続き、国民負担に中立的な形で事業実施の確実性を高めるための環境整備を進めていくとともに、案件形成目標達成に向けての取組を進めてまいりたいというふうに思っております。

平山佐知子各派に属しない議員

○平山佐知子君 この風力、風車ですね、風車の価格は二〇二〇年と比較しても一・五倍から一・八倍まで上昇しているということです。洋上風力というのは、発電量当たりのコンクリートですとか鉄鋼の使用量というのが火力発電などとは桁違いで多くて、資材価格の影響も大変大きいかと、この辺りも懸念しているところなんです。  なぜこうしたことを申し上げるかといいますと、今年の一月、経産省は、国が指定した海域で行われる次回の公募から建設コストの上昇分の一部を電力の買取り価格に上乗せできるように制度を変更するということなんですけれども、この世界的なインフレとか円安などがあっても完遂させる、確実に目標を達成するんだということになれば、やっぱり心配してしまうのが電気料金の値上げなんです。  脱炭素に対する国民の理解はだんだんここ数年高まっているとは思いますけれども、じゃ、一方で、そのために一人一人コスト払いますよ、電気料金高くてもいいですよという思いの方はなかなかいらっしゃらないと思います。  その中で、発電に係るコストを必ずこの電気料金に跳ね返ってくるということ、再エネ賦課金は、制度が導入された二〇一二年度から二〇二二年度までは上がり続けまして、二〇二三年度は初めて減額となりましたけれども、翌年二〇二四年度は過去最高のキロワットアワー当たり三・四九円、そして二〇二五年度には更に増えて三・九八円となるなど、これは家計の大きな負担にもつながっていくと懸念をしているところなんです。  今後更に大規模な洋上風力を推進していくとなれば、その影響でもっとこの電気代が上がってしまうのではないかと考えているんですけれども、この点、経産省としての考えを伺います。

山田仁資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官

○政府参考人(山田仁君) お答え申し上げます。  カーボンニュートラルの実現に向けまして、国民負担を抑制しつつ再エネの最大限の導入を図ることが政府の基本方針でございます。この基本方針の下で、政府としては、再エネの導入拡大に向けて、再エネ特措法に基づきまして、そのメリットを受ける電気の利用者の負担の下で再エネ電気の買取り等を行っているところでございます。  大規模な洋上風力につきまして、公募における落札価格が高くなるほど電気の利用者が負担する再エネ賦課金が大きくなることが考えられるところでございまして、このため、適切な上限価格の設定や入札制度の活用に加えまして、グリーンイノベーション基金を通じた革新的な技術開発の実現や、企業への大規模な設備投資支援を通じた国内サプライチェーンの構築によりまして抜本的なコスト低減を実現することで、国民負担の抑制を図りながら、洋上風力の導入に取り組んでまいりたいと考えております。

平山佐知子各派に属しない議員

○平山佐知子君 ありがとうございます。国民負担を抑制しながらとおっしゃっていただきました。  もう、もちろん私も脱炭素を進めることは大賛成ですし、やらなくてはいけないことだと思っています。ただ、一方で、やっぱり国民の暮らしの上でとっても大きな課題となりますこの電気料金ですとか国民負担の問題、それから安定供給、これは絶対なんだという、こちらにも重きを置いていただきたいとお願いも申し上げます。  この風力発電ですけれども、自動車産業などと似ていて部品点数がとても多くて、その製造とかメンテナンスなどでも経済の波及効果が高いということで事前に経産省の方からレクを受けました。再エネ海域利用法の促進海域に指定された秋田県、青森県について、秋田県は高齢化率が全国一位で、青森県についても高齢化率が全国に比べてかなり高くて、やっぱりこの地元の方々、洋上風力に期待する声が大きいということを聞いています。    〔理事古賀之士君退席、委員長着席〕  第七次エネルギー基本計画でも、この洋上風力に関わる一連のサプライチェーンについて、国内調達比率を二〇四〇年までに六〇%とすることが目標として掲げられています。昨年度からは、GXサプライチェーン構築支援事業において洋上風力発電機の組立て工場の建設などの支援も始まったと聞いていますけれども、こうした国内産部品の利用というのは製品価格の更なる引上げにもつながる可能性というのもやっぱり指摘されているところだと思います。  先ほども申し上げましたが、欧州でも洋上風力事業から一時中断、撤退が相次いでいる中、この風力発電に関わる部品の国内サプライチェーン確立の道筋、そして地方活性化の波及効果について教えてください。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 国内に洋上風力産業を支えるサプライチェーンを構築することは、電気の、電力の安定供給への貢献だけでなく、地方創生の観点でも大変極めて重要なことだと思います。特に洋上風力発電は、部品点数が今委員おっしゃられたように数万点に及ぶなど、産業の裾野が広く、発電設備の維持管理も数十年にわたることから、地域経済への大きな波及効果も期待をされるところであります。  今回、再エネ海域利用法に、これが成立したと思いますけれども、発電事業者の選定プロセスにおいて、特に洋上風力については、国内における製造や調達が考慮されたサプライチェーン形成計画を高く評価することとしております。こうした取組により、例えば今おっしゃっていただいた秋田県ですけれども、重要な部品を地元企業が開発する方針を示し、新工場を建設するなど、地方創生に資する一つのモデルケースとなっております。  地方創生に寄与する形でも洋上風力の導入拡大が進むよう、企業の設備投資など積極的に支援をしながら国内に強靱なサプライチェーンを構築してまいりたいというふうに考えています。

平山佐知子各派に属しない議員

○平山佐知子君 ありがとうございます。雇用も含めて地域が豊かになるような政策支援が必要だと思っています。  そうしたことの中で、一方で、ちょっと厳しいことも申し上げるとすれば、風の吹き方ですね、その状況は、日本は欧米と比べても劣っているわけです。そこと競合して洋上風力にしっかり取り組んでいっても、やっぱり国際競争力という意味では負けてしまうという懸念もやはりあると思います。  世界の環境の変化、インフレとか資材高騰とか、先ほど申し上げましたけれども、そういうところもしっかり見ながら、時には引き返す勇気ということも必要だと思っています。最終的に費用負担するのは国民でございますので、是非、常にそういう視点とかを持って、その都度方向性を見極めながら進めていただきたいとお願いも申し上げます。  それでは最後に、大規模に風力発電を取り入れたときの送配電整備について伺います。  北海道と本州を結ぶ送電線、日本海ルートですね、この事業者公募に手を挙げていた東京電力ホールディングスなど四社連合は、インフレによって一・五兆円から一・八兆円とされる整備費の膨張を不安視して撤退もあり得るという報道がありました。  先月の内閣委員会の竹詰委員への御答弁、そのまま言いますと、このようにおっしゃっていました。第七次エネ基で示しているとおり、大規模な整備となる場合の託送料金制度における費用回収の在り方に加え、公的な信用補完の活用や政府の信用力を活用した融資などの資金調達を円滑化する仕組みや、各エリアの一般送配電事業者が地内系統等を計画的に整備する仕組みなど、制度面を含めた対応の検討を進めるというふうにお答えをそのときされていました。  これ、ちょっと分かりにくいので、もう少し具体的に、分かりやすい説明をお願いしたいと思います。

久米孝資源エネルギー庁電力・ガス事業部長

○政府参考人(久米孝君) お答え申し上げます。  再エネの導入拡大や電力の安定供給確保のためには、送配電網の着実な整備が重要でございます。第七次エネルギー基本計画におきましても、ただいま御指摘いただいたような地内系統の計画的整備や大規模系統整備のための資金調達環境整備などの必要性をお示ししているところであります。  具体的に申し上げますと、一般送配電事業者等が地内系統、すなわち各一般送配電事業者のエリア内の系統整備に関する計画等を策定し、これに基づき整備を進める枠組みや、大規模な系統整備において、現在は運転開始以降からのみ回収が認められている託送料金について、工事着工時点から一部の回収を認める仕組みなどについて検討することとしておりまして、国の審議会において議論を開始いたしております。これらと併せまして、公的な信用補完の活用や政府の信用力を活用した融資などについても、今後審議会での議論等を進め、制度を具体化してまいりたいと考えております。

平山佐知子各派に属しない議員

○平山佐知子君 審議会でまだ議論の途中とか、まだこれからというものもありますというお話でしたけれども、詳しく説明をしていただきましてありがとうございました。  以前から私、常々申し上げていることなんですけれども、私は、何より電力の安定供給、これが絶対だと思っています。再エネを最大限活用するというのはもちろんそのとおりだと思いますけれども、しかしながら、電力の大消費地である、特に首都圏に対しての大規模なこの送配電設備の莫大な費用を、これ国民全体でひとしく負担するというのはどうしても納得がいかない部分もあります。  大規模なこの発電設備を受け入れた地方には、それ相応のインセンティブがなければならないということを強く思いますし、送電網、発電所から遠い地域の消費者は、その託送料を余分に徴収する仕組みがあってもこれいいのではないかということも考えます。それは、ひいては東京一極集中を是正するということにもつながるのではないかと考えていますので、時間があれですけれども、この御意見だけ申し上げまして、また検討をいただきたいとお願いを申し上げます。  ありがとうございました。

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 私は、日本共産党を代表して、GX推進法及び資源法改正案に反対の討論を行います。  地球の平均気温上昇は、昨年、産業革命前より一・五五度の上昇が報告されました。既に気候変動による災害が多発し、健康への影響も懸念されています。現在どのような対策を取るかが将来世代にも大きな影響を与えることになり、一刻も早い温室効果ガスの排出削減と化石燃料からの脱却が不可欠です。  ところが、本法案は化石燃料を使い続けることを前提としており、パリ協定に基づく排出削減目標と整合性がないばかりか、国際的に見て極めて不十分な我が国の排出削減目標さえ達成できる裏付けがないものであり、容認できません。  反対理由の第一は、本法案の柱である排出量取引制度が、確実なCO2排出削減に必要な総排出量、キャップを定めない上に、産業界の要望を丸のみして、業種特殊性や研究開発分野に追加の排出枠を認めているからです。EU始め各国では、制度の肝であるキャップを決め、気候危機の深刻化に対応する削減目標達成のための重要な推進力と位置付けています。  一方、質疑の中で、本法案が排出削減にどの程度貢献するか不明であるだけでなく、化石燃料の発電所増設に当たり、無償で排出枠を追加割り当てすることまで明らかになりました。排出削減どころか化石燃料延命を後押しするものであり、到底許されません。  第二は、想定炭素価格が一・五度目標に整合する推計価格の十分の一程度にすぎず、必要な排出削減が起こらない可能性が高いからです。EU始め各国のカーボンプライシングは、炭素に価格を付け、排出削減を強力に推進することを目的としていますが、本法案ではGX経済移行債の償還財源を主な目的としています。成長志向型カーボンプライシングとしていますが、カーボンプライシングとは言えないものです。  第三は、化石燃料賦課金の具体化に当たり、政令委任の減額規定を置いていることです。経産省に白紙委任することになり、化石燃料を使い続けたい産業界の要望に応えるもので、脱化石燃料、再エネへの転換を妨害するものにほかなりません。  原発推進と化石燃料延命含むGX経済移行債に対し、国内外問わず不信感が示されています。GXが国際的に通用しないことはいよいよ明らかになっています。  原発ゼロ、石炭火発の全廃を決断し、省エネ、再エネに予算と施策を集中してこそ、世界にも将来世代にも責任を果たせることを指摘し、反対討論といたします。

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律及び資源の有効な利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、古賀君から発言を求められておりますので、これを許します。古賀之士君。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 私は、ただいま可決されました脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律及び資源の有効な利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民・無所属、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派並びに各派に属しない議員平山佐知子君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律及び資源の有効な利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一 我が国が国際的に約束した二〇五〇年カーボンニュートラル等の実現に向けては、産業部門・運輸部門を始めとする社会全体において、本法で措置する排出量取引制度等の幅広い取組が進むよう、実効的な施策を総動員すること。その実施に当たっては、エネルギーの移行を始めとする産業構造の転換に伴う経済・社会・雇用への負のインパクトを最小化するため、地域社会を始め産業界、労働界等関係当事者と積極的な社会対話を行い、広く意見を聴取し、その意見を十分に尊重するとともに、中小事業者や雇用への影響に配慮しつつ、公正な移行を実現するための取組を進めること。とりわけ中小事業者の雇用に対しては、政府による強力な目配りと中小事業者に対する移行支援を行うこと。  二 成長志向型カーボンプライシングの実施に当たっては、制度の安定的な運営と確実な財源の確保を通じて、民間事業者の予見性を高めることに注力し、民間事業者による脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する投資が確実に推進されるよう、最大限取り組むこと。その際には、これまでの実施状況を確認し、技術の進捗等を考慮する中で、定期的に費用対効果等の評価分析を行い、必要に応じてその対象範囲等について、柔軟な見直しを行うこと。  三 脱炭素社会への移行に係る必要なコストは、広く社会全体で公平・公正に負担することを前提に、石油石炭税や地球温暖化対策税等の税制、再生可能エネルギー発電促進賦課金その他関連する制度全体の適正化による負担の抑制に努めつつ、円滑かつ適正な価格転嫁等を通じて、特定の事業者に負担が偏重することのないよう配慮し、国民全体にその理解が広がるよう積極的に取組を進めること。  四 脱炭素社会への移行に係るコスト負担に対する国民の理解の醸成に向けては、脱炭素に資する製品やサービスが広く受け入れられる市場を創造する観点から、公共調達に加え、様々な層に対する消費者教育の実施、カーボンニュートラルに対応した製品であることが消費者に分かりやすく伝わるような表示や仕組みの構築、原燃料の転換、ヒートポンプ技術など省エネルギーに資する商品や熱効率が高い設備の導入を促すための措置の検討等に率先して取り組むこと。  五 排出量取引制度の実施に当たっては、脱炭素成長型投資事業者が、取引上優位な立場を利用し、取引関係にある事業者に対して不当な負担を押し付けることがないよう、政府が責任を持って対応すること。とりわけ、中小事業者に対する負担の不当な押し付けが行われていないか、公正取引委員会及び中小企業庁において厳格に確認するとともに、こうした行為が存在する場合には厳正に対応すること。  六 電力等のエネルギーの脱炭素化に当たっては、社会全体の電化やデジタル化の進展等の中で見込まれる電力需要の増加に対し、安定した供給力を確保するとともに、地域住民の理解と中長期的な国民負担の抑制を前提に、再生可能エネルギー等の脱炭素電源を最大限活用していくことや、省エネの普及拡大、蓄電システムの導入拡大等に取り組むこと。その際には、物価上昇等による影響に配慮しつつ、需要家に安定した価格水準で電力等のエネルギーを供給できる環境の整備に努めること。  七 脱炭素成長型投資事業者排出枠の割当ての実施に関する指針を定めるに当たっては、各国の動向や、国内における代替技術の有無、カーボンリーケージの可能性等も踏まえ、足下の地域の産業基盤や雇用への悪影響がないよう配慮しつつ、日本企業による脱炭素分野での競争力の維持・強化及び国内における脱炭素技術の開発や実装が着実に進み、我が国の継続的な成長につながる制度とするため、適切な水準となるよう、手続の透明性、公平性、公正性を確保するとともに、学識経験者や有識者、産業界、労働界等から広く意見を聴きつつ、丁寧に検討を進めること。  八 排出枠取引市場の取引価格が、実需を伴わない投機的取引によって経済実態から著しくかい離することがないよう、その動向を注意深く監視するとともに、取引価格の水準が、我が国の産業や国民生活、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する投資活動に悪影響を及ぼすと認められる場合には、これを是正するために機動的かつ的確に対応すること。  九 地方自治体が実施している排出量取引制度や既存のエネルギー関係諸税等との関係を適切に整理し、事業者の事務負担の軽減を図るとともに、その運用に際して実務上の問題が生じないよう、現場レベルの視点から制度の予見性と実効性の確保に努めること。加えて、エネルギー価格が高騰する状況下においては、過度な国民負担を抑制するため、必要に応じて制度の見直しを行うこと。  十 脱炭素成長型投資事業者排出枠の割当量については、全体として、パリ協定の一・五度目標及び国が決定する貢献における温室効果ガス排出量の削減目標の達成に貢献しているかを検証し、その結果を公表すること。また、当該検証の結果を踏まえて、必要があると認めるときは、所要の措置を講ずること。  十一 排出量取引制度におけるカーボンクレジットについては、中小事業者等の排出削減を促す効果を勘案するとともに、過度な流入による価格の不安定化や脱炭素成長型投資事業者の排出削減意欲の低下等を招かぬよう留意しつつ、適切に利用されるよう、必要に応じて適宜見直しを行うこと。また、対象となるカーボンクレジットの選定については、国際的に必要とされる環境十全性及び持続可能な開発への貢献が確保されたものとすること。  十二 脱炭素成長型投資事業者排出枠及び化石燃料賦課金について、脱炭素成長型経済構造への移行の状況、事業活動に伴う二酸化炭素の排出量の削減の状況その他の制度の実施を定期的に評価すること。その際、脱炭素成長型投資事業者にとどまらない幅広い事業者、労働者、気候変動や環境経済学等に関する学識経験者、将来世代及び市民団体の意見を聴取するほか、当該評価の結果を公表し、透明性を確保すること。また、その結果を踏まえて、必要があると認めるときは、所要の措置を講ずること。  十三 廃プラスチックの化学的な分解や再合成、使用済太陽光パネルやリチウムイオン電池等の高品質かつ安全性の高い再利用、低品位の鉄スクラップの活用、レアメタル等の効率的な回収等の資源循環社会の推進に資する高度なリサイクル技術の国内における研究を推進し、一日も早い社会実装に向けて、最大限取り組むとともに、再生資源の不適切な処理及び輸出の防止に向けた取組を確実に実施すること。  十四 再生資源の利用義務化に当たっては、企業活動の実態に十分配慮しつつ、適切な制度設計を行うとともに、日本企業の競争力の維持・強化につながる仕組みとすること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) ただいま古賀君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) 多数と認めます。よって、古賀君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、武藤国務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。武藤国務大臣。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) ただいま御決議のありました本法律案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時十四分散会

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