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217回国会参議院2025/05/22

経済産業委員会 第10号

発言数
133
登壇者
18
会派数
8
開催日
2025/05/22

会議録

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律及び資源の有効な利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房GX実行推進室長畠山陽二郎君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律及び資源の有効な利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本銀行理事中村康治君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) 脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律及び資源の有効な利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

北村経夫自由民主党

○北村経夫君 自由民主党の北村経夫でございます。  武藤大臣とは党内の会議ではいろいろ一緒になることがあるわけでございますけれども、質問するのは今日が初めてでありますので、どうかよろしくお願いいたします。  さて、赤澤大臣ですけれども、週内にも訪米し、二十四日にも日米関税交渉に臨まれるという報道があります。この関税交渉をめぐりましては予測困難な状況が続いており、多くの日本企業も大いに困惑をしているところであります。特に自動車関税、五月三日からは自動車部品に対し二五%の追加課税が課せられております。それまで二・五%の課税が課せられておりますので、合計で二七・五%という関税が掛かっているわけでございます。  一昨日、地元山口県のマツダ防府工場に行ってまいりました。マツダ、昨年度は、生産台数の六割強を国内で生産する一方、グローバル、世界での販売台数約百三十万台、そのうち三分の一の四十三万台がアメリカで販売されているということであります。それだけアメリカ市場の動向に大きな影響を受ける状況にあるわけであります。既に公表されていますけれども、四月のこの関税影響、九十億から百億の影響が出ているということが発表されているわけでございます。その私が行きました防府工場においては、関税交渉のリスク、それを考えまして、固定費の削減、あるいは、県内に四十四社の協力会社があるわけでありますけれども、その雇用を守るためにどのようなことができるかという様々な検討がされていることでありました。  一方、日産でありますけれども、工場閉鎖というものも取り沙汰されているわけでございます。  このアメリカ関税政策の影響によって、全国で約五百五十万人と言われる自動車関連産業の雇用、これへの影響が大変心配されるところでございます。そのことを前提にいたしまして、武藤大臣に伺いたいと思います。  日本の基幹産業である自動車産業の国内サプライチェーン、そして雇用、これを守るためにこれまでどのような対策を講じているのか。また、今後の情勢に応じて更に追加的な対策を打っていくべきだというふうに考えておりますけれども、その辺についての御所見を伺います。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) おはようございます。  北村委員から御質問をいただきました。主に米国関税の国内対策という意味の御質問だと思いますけれども、経済産業省は、四月の三日に自動車関税が発動された直後から、全国約千か所の相談窓口や、またこちらから出向くプッシュ型での現状把握、これを始めております。国内産業の現場に生じる影響の調査、これはもう継続して今も行ってきているわけでありますが、委員の御地元の今お話もございました山口県、マツダの工場が立地していること、承知していますけど、そのティア1、ティア2までサプライヤーの方々のお声も伺ってきているところであります。  現状、現場では、関税の影響が、今先生がおっしゃられるように今後どうなるのかという心配、先行きの不透明感や不安というものが強いと、これはもう山口県だけじゃなくて、国内それぞれの関係者の方はみんなそうだと思います。  また、最近発表されております自動車メーカーの決算報告でも、関税影響の動向の不透明感から、通期の見通し、この営業利益の見通しを未定とするメーカーもあることも承知をしているところです。  現在、短期的な対策としてはセーフティーネット貸付けの要件緩和などを実施してきておりますけれども、影響を見極めた上で、追加的な対応をちゅうちょなく行ってまいりたいと思っています。  政府全体で取りまとめた緊急パッケージにも、関税措置による影響を見極めた上で、自動車関税の影響に係る国内需要対策などを検討すると明記をさせていただいているところです。日本の屋台骨である自動車産業を守るために必要な対策を、必要な対策に万全を期してまいりたいと思っています。

北村経夫自由民主党

○北村経夫君 いろいろプッシュ型で情報収集をしておられるということでございます。情報収集をされた後、情報の提供、これは大事だと思いますので、しっかりやっていただきたいというふうに思っております。  それでは、GXについてでありますけれども、このGX、日本において九〇年代のバブル崩壊後以降続きましたいわゆる失われた三十年を打破するために必要な取組だと私は理解をしております。世界がカーボンニュートラルに取り組む中で、経済成長を確保する、そのためには何が必要かでありますけれども、それはこの脱炭素をきっかけに日本国内で投資を生み出すこと、これが必要なんだろうというふうに思っております。  一方で、トランプ政権が誕生して様変わりしております。トランプ政権はパリ協定からの脱退を表明しております。そして、化石燃料への回帰を鮮明にしているわけであります。  また、民間に目を向ければ、ネットゼロ・バンキング、NZBAという、これは脱炭素を目指す金融機関の枠組み、バイデン政権のときにできたタスクフォースでありますけれども、このネットゼロ・バンキングから多くの金融機関が離脱をしております。我が国においても離脱が進んでおり、残り、一行だけが残っているという、そういう状況になっているわけであります。  また、気候変動交渉を牽引していたヨーロッパにおいても、ウクライナ戦争が起きて以降、軸足がCO2削減から安定供給というものに移ってきているように見えるわけであります。この点については、藤巻委員も過日、参議院の資源エネルギー調査会で同じような認識で質問をしておられたわけでございます。  このように、世界的な脱炭素政策の転換が起きている中で、日本がGXに取り組み続けることで市場を失うようなことがあってはならない、そして国際競争力を失うようなことがあってはならないというふうに思うわけでありますけれども、そこで、そういった基本認識について伺いたいと思います。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 委員御指摘のとおり、米国のパリ協定離脱などの動きはあるものの、世界全体で脱炭素に向けて取り組む必要性ですとか方向性は変わらないものと認識をさせていただいております。  米国内でも、巨大IT企業による脱炭素電源への大規模投資ですとか、サプライチェーン全体の脱炭素化が進められているものと承知をしています。欧州においても、今年二月に欧州委員会が発表しましたクリーン産業ディールにおいても、気候変動の目標を維持しつつ、同時に産業競争力強化を実現するための方針を打ち出しているところであります。  こうした投資競争の中で今後のGX市場を獲得するためには、他国に先んじてGX投資を進める必要があるものだと。そして、我が国では、GX経済移行債を活用しながら十年で二十兆円規模の投資支援策等を進めて、GX時代の核となるような技術を生み出す国内投資が進んできているところでもあります。今般のGX推進法の改正も含めて、官民で施策の具体化を進め、引き続き、エネルギー安定供給、経済成長、脱炭素と、この同時実現を目指してまいりたいというふうに思っております。

北村経夫自由民主党

○北村経夫君 ありがとうございました。脱炭素の動きというのは世界的にはまだ続いているということだろうというふうに思いました。  今も大臣が触れられました二十兆円でございますけれども、十年で百五十兆円の官民投資実現に向けた二十兆円の先行投資でございます。この支援状況、進捗状況はどうなっているのか、そしてこれに連動して地方ではどのような動きがあるのか、伺いたいと思います。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) お答え申し上げます。  GX経済移行債を活用した二十兆円規模の先行投資支援でございますけれども、これ、GX分野への百五十兆円を超える官民投資を実現しまして、将来に向けた我が国の競争力を確保、強化していく上で大変重要だと認識をしてございます。  これまで重点分野で取りまとめた分野別投資戦略に沿いまして、例えば、ペロブスカイトや水素還元製鉄などの革新技術開発への支援、それから次世代再エネの国内サプライチェーン構築に向けた設備投資支援、断熱窓、高効率給湯器といった家庭部門におけますGXの取組に関する導入支援などを実施してきておりまして、予算措置済みの約五兆円を含めまして、これまでに約十四兆円の支援規模の見通しを示してございます。革新的な技術開発については、世界に先駆けて実装に至る案件も出てきているということでございます。  これらの投資支援策に呼応する形で、地方でも民間企業のGX投資が着実に進み始めておりまして、例えば、中国地方では製鉄企業が高炉から革新電炉への転換のため三千億円規模の投資を始めたほか、東北地方では製紙企業が石炭からバイオマスへの燃料転換に向けて五百億円規模の投資に着手するなど、様々な地域で案件が動き出してございます。  こうした動きと並行しまして、自治体でも地域の脱炭素電力を活用した新規の産業団地などの整備、これを行う動きが複数顕在化してきてございます。こうした自治体の取組も踏まえまして、地方創生につながる新たなGX産業集積の在り方に関する議論を加速しまして、必要な制度面での対応についてはその具体化を進めていきたいと、こう考えてございます。

北村経夫自由民主党

○北村経夫君 今お話がありましたように、この二十兆円の先行投資支援というものが地方にも広がっているという、そういうお話でありました。  私の地元である宇部市、ここにおいてもUBE、宇部興産が中心となり、カーボンニュートラルコンビナート、このグランドデザインの策定を進めているというふうに聞いております。山口県でありますけれども、地域経済の核であるコンビナート群、これも国内需要が減少して地盤沈下というものが懸念されております。  しかし、今のお話のように、GX分野において、海外の先端企業あるいはスタートアップを含めた新規投資、これが進めば、これまで失われた三十年の停滞を打破する起爆剤になると私は思っております。その意味で大変期待をしているところでございます。  次に、今回のGX法の改正について質問をしたいというふうに思います。  今回の法案、大きく分ければ、排出量取引制度に関するもの、そして資源循環に関するもの、この二つになっているものと思います。これらの改正がGX政策全体の中でどのような役割を果たしていくのか、伺いたいと思います。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) 我が国のGX政策でございますけれども、先行して二十兆円規模の投資支援を講じつつ、これと御指摘のカーボンプライシング等を一体的に講じていくことにより、化石燃料への依存度低減や産業競争力の強化を図りまして、将来の雇用、所得の維持拡大などを実現していくものでございます。  特に、カーボンプライシングはこの二十兆円規模の先行投資支援の原資となるだけではなくて、低い水準から始めまして徐々に炭素価格が上昇していく設計とすることで、企業に早期に投資を行う更なるインセンティブ、これをもたらすものでございまして、まさにGX政策の中心的役割を担うことになります。  本法案で措置する排出量取引制度は、化石燃料賦課金とともにこのカーボンプライシングを構成する手法の一つでございまして、企業の足下の競争力への影響などにしっかり配慮しつつ、二〇二六年度から導入をしていくことにしてございます。  それから、資源循環につきましては、再生材の利用拡大や環境配慮設計の促進により天然資源の投入量を削減できますれば、これ製造プロセスにおけるエネルギー消費量や二酸化炭素排出量も抑制できることから、排出削減の早期かつ確実な手段として有効でありまして、GXを進めていく上でも重要な役割を果たすことになると考えてございます。

北村経夫自由民主党

○北村経夫君 ありがとうございました。  今回の改正によりまして、製造業などの企業は、割り当てられた排出枠、その範囲に排出量を抑えるように取り組まなければならないということになるわけであります。これによってGX投資が進む面もありますけれども、一方で、排出枠の調達が重荷になる、その投資が抑制される、そのようなことも考えられるわけであります。  こうした投資が抑制されるような事態を防ぐためにどのような措置を講じているのか、また、措置の実効性を確保するためにどのように進めていくのか、見解を伺いたいと思います。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) 御指摘のとおり、排出量取引の導入に当たっては、対象企業に過度な負担を課すことなく、投資を抑制しない制度設計とすることが大変重要だと思ってございます。  このため、今回導入します排出量取引制度では、割当て量の決定に当たりまして、業種ごとに目指すべき水準を定めるベンチマーク方式を基本とし、かつ、その水準に相当する排出枠を企業に無償で割り当てることとしてございます。これによりまして、業種特性による排出削減の難易度、それから代替技術の有無を考慮した排出枠の割当てが可能となるだけではなくて、割り当てられた排出枠の範囲内で排出量が抑制されれば排出枠を追加で調達する負担は生じないと、こういう仕組みとしたいと思ってございます。  加えて、産業の国外移転を防止し、成長分野への投資を促進する制度設計とするために、製造拠点の国外移転リスクやGX分野の研究開発投資の実施状況を勘案して割当て量を決定することとし、また、工場を新設する場合には無償割当てを追加するなどの措置を講じていきたいと思ってございます。  このような割当てに関する措置と併せまして、排出枠の上下限価格、これを政府が設定することとしまして、足下の低い水準から徐々に炭素価格が上昇していく設計とすることで、事業者の足下の負担と競争力には配慮する一方で、脱炭素投資の促進を通じて将来の競争力の獲得と強化を図ることができるようにしていきたいと思ってございます。  こうした措置の詳細につきましては、実効的な制度にする必要ございますので、今後、専門的、技術的知見を有します有識者から構成される産業構造審議会において丁寧に議論を行った上で決定をしていきたいと思ってございます。

北村経夫自由民主党

○北村経夫君 今の説明では、エネルギー多消費分野を中心に、業種特性を考慮した業種別のベンチマークというものを設定して企業ごとの割当て量を決定すると、それによって投資の抑制が起こらないようにするという、そういう説明でございました。いろいろ制度的裏付けを含め様々な措置がされているという御説明であったわけであります。  しかし、実際のこのイメージというのがいま一つ持てないところがあります。今回の排出量取引制度の対象となる企業についてどんな企業があるのか、そして、事業者の主な対象と同時に、その数はどのくらいあるのか、その辺を教えていただければと思います。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) 今回の排出量取引制度でございますけれども、諸外国の制度におけます対象事業者の範囲も踏まえまして、二酸化炭素の直接排出量十万トン以上の事業者を業種にかかわらず対象とする方針でございます。具体的に申し上げれば、制度の対象となる事業者は三百から四百社程度、これを見込んでございまして、その業種としては、排出量の大きい電力会社や鉄鋼、化学、製紙などを想定してございます。

北村経夫自由民主党

○北村経夫君 大企業が中心になってくるんだろうというふうに思いますけれども、しかし、GXを進める上で、中小企業の役割、これも大きいかと思います。  中小企業単体での排出量というのに加えまして、中小企業は大企業のサプライチェーンでも大きな役割を果たしているわけであります。しかし、中小企業の中には、投資力がある余裕のある企業と、そうではない企業、それがあるんだろうというふうに思っております。  こうしたことを踏まえまして、政府として、中小企業のGX、これをどのように支援していくのか、その点について伺います。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) GX推進により我が国の競争力の強化を図り、それにより将来の雇用、それから所得の維持拡大を実現していく上で、委員御指摘のとおりでございまして、サプライチェーンに連なる中小企業の取組は大変重要だと考えてございます。また、GXに取り組むことは、これ中小企業にとっても省エネによるコスト削減や受注の拡大につながる可能性があるといったメリットがあると、こう認識をしてございます。  他方ですが、中小企業がGXに取り組む上では、投資コストの負担の問題、それから具体的に何をやったらよいのか分からないといった課題があるものと認識してございまして、このため昨年度の補正で、省エネの専門家が工場などの現地で状況確認、分析をしまして今後の改善点とか取組の提案を行う省エネ診断の拡充強化を行うとともに、省エネ設備への更新につきましては、これGX経済移行債を活用した三年で七千億円規模の省エネ補助金による支援、それからGXに資するような革新的な製品、サービスの開発につきましては、ものづくり補助金による設備導入支援など各種の措置を講じてきてございます。  また、中小企業の、中小機構の専門家によるハンズオン支援などに加えまして、より地域に根差したきめの細かいサポートを行うために、各地域の商工会議所、支援機関、それから金融機関などによるプッシュ型のサポート体制の構築などにも取り組んでございます。  こうした取組を引き続き充実強化していく中で、中小企業に寄り添いながらGXの取組を後押しをしてまいりたいと、こう思ってございます。

北村経夫自由民主党

○北村経夫君 ありがとうございました。  中小企業の多くはその規模から排出枠取引の対象とならないと思うわけでありますけれども、サプライチェーンの中で大企業から負担の押し付け、これが行われる可能性もあるのかなというふうに思っておりまして、それはあってはならないと思います。  その意味で、そういうことで中小企業に対する負担の押し付けが起きないようにいかに策を講じていこうとしておられるのか、伺います。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) 排出量取引制度の導入に当たりましては、中小企業に炭素価格に関する負担が不当に押し付けられるようなことがないように十分に留意をしていく必要があると思ってございます。  現時点でどのような不当な押し付けが実際あり得るのか、具体的、網羅的に想定することは困難ではございますけれども、例えばですけれども、大企業が適切な対価を払わずに排出源となる設備を、これ取引先の中小企業に移転する、こうしたケースも想定はし得るかなと思います。  具体的な対応につきましては、これ個別の事案ごとに判断をしてまいりますけれども、まずはこうした行為が存在していないか、政府におきまして厳格に確認をさせていただくとともに、取引上優位な立場を利用しまして中小企業に不当な負担を押し付けるような取引につきましては、これ必要に応じまして関係省庁とも連携をしまして、政府が一体となってこの是正に取り組んでいきたいと、こう思ってございます。

北村経夫自由民主党

○北村経夫君 GXというのは企業の取組、これが重要なんですけれども、それだけでは理解されないと思います。やはり、社会全体で取り組んでいく、これが重要だというふうに思っております。  また、ほとんどの国民の皆さん、GXって何と、企業の方もそうなんですけれども、国民の皆さんはもっともっと理解が進んでいないだろうというふうに思っています。その意味で、GX政策の意義、しっかりと国民に説明をお願いしたいと思いますけれども、龍崎次長、その点についてはいかがでありましょう。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) もう御指摘のとおりでございまして、これもう国民の理解がないとGXを進めることは難しいと思ってございます。  それで、GXの総合的な戦略を定めますGXの二〇四〇ビジョンを定めるに当たりましても、全国で説明会を開催するとかいうことをやってございますし、それから、機会を捉えまして国民に理解を求めるような説明会を含めてやってございます。  引き続き、こうした説明を丁寧に進めるとともに、例えば私ども政府の方でGXの製品を率先調達をするとか、こういった国民に分かりやすい形で取り組んでいく、こうしたことが大事だと思ってございます。引き続き、しっかりとやってまいりたいと思います。

北村経夫自由民主党

○北村経夫君 しっかりと周知をしていただきたいというふうに思います。  次に、資源循環に関連して伺いたいと思います。  この資源循環に向けた動き、既に世界で具体化しております。ヨーロッパにおいては再生材利用義務化の動きもあります。そして、アメリカでも、皆さんアップルウォッチを使っていらっしゃいますけれども、その筐体、ケースでありますけれども、これが一〇〇%再生アルミニウムになっているというふうに聞いております。  このような取組というのは、環境保全だけではなく、安全保障の観点からも非常に重要な政策だというふうに考えております。過去、中国はレアメタルを外交上の取引として使ったこともあります。これからも使っていく可能性は大いにあるわけでありますけれども、この再生資源ということもその辺をよく考えていかなければならないというふうに思います。  そのためには、再生資源の活用によるサプライチェーンの強靱化、このことは安全保障上大変重要だと思いますので、今回検討されております再生材利用の義務化の対象となる資源は何なのか、そして、経済安全保障上重要でありますレアメタル、このレアメタルも対象としているのか、その辺を伺いたいと思います。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) 対象となります再生材についてのお尋ねでございますけれども、技術的にはこれ利用できる状態にはあるものの、品質やコストなどの問題から市場原理だけでは十分にその利用が行われていないことや、それから、天然資源から再生資源に利用を切り替えることでライフサイクル全体の排出削減効果が大きいことなどを総合的に勘案をいたしまして指定をしていきたいと、こう思ってございます。  現時点では、まずはプラスチックを考えてございますが、続きまして、委員御指摘のとおり、レアメタルについても検討していくことを想定してございます。国内の資源循環の実現に向けまして、こうした指定をするに当たりましては、関係業界や事業者とのコミュニケーションを密に行いながら検討を進めていきたいと、こう思ってございます。

北村経夫自由民主党

○北村経夫君 今の説明だとレアメタルも視野に入れているということでありますけれども、時間軸とすればどのくらいのことを考えておられますか。いつ頃からこの視野に入ってくるのか。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) 多少技術的になって申し訳ございませんが、レアメタルにつきましては、現状、例えばバッテリーを生産するときの工程端材として、いわゆるレアメタルを作った後の副産物の形で出てくるものがまだ現状ほとんどでございます。これにつきましては、実はこの今の資源法の中で、副産物の発生の抑制やリサイクルをできます別の類型がありますので、そちらの方で実態を踏まえましてまずは対応をしてまいります。  しかしながら、今回改正いただければですけれども、例えば、バッテリーが使われて廃棄をされて、そこからレアメタルが取り出せるようになってくると、これはもう副産物の類型ではございませんので、その段階では、今回措置いただくこの類型の中で新たにレアメタルを追加をしまして、こちらの方で対応をしてしっかりと再生利用を進めていくと、こういう形にしたいと思います。  したがいまして、お尋ねですけれども、ちょっと実態を見ながら、工程端材じゃない形でいつ頃どれぐらい出てくるのか、それを見ながらこちらの類型にも移していきたいと、こう思ってございます。

北村経夫自由民主党

○北村経夫君 冒頭、私はGXが産業の競争力低下に向かってはならないというふうに言いましたけれども、この再生材の利用義務化ということは産業競争力の強化につながるのかどうか、その辺はどういうふうに分析をしておられるのか、見解を伺います。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) 近年、脱炭素化や天然資源の枯渇リスクへの対応などを契機といたしまして、再生材の利用に対する要請が国際的に高まっていると、そう認識をしてございます。  こうした中で、EUでは再生材利用を義務化するような規制を導入したり、それから、アップルなんか顕著ですけれども、グローバルなメーカーが自らのブランド価値を向上するために再生材利用を強化する動きがございます。こうした国際的潮流の中で、再生材利用に対応していかなければ、今後海外の市場や国際的なサプライチェーンから排除されていくおそれがございます。  それから、資源小国である我が国が、資源を国内で循環させずに、資源高の中で輸入に頼り続ければ、いたずらにこれ国富の流出を招くだけでもあると、こういうことだと思ってございます。  資源を国内でうまく循環させるためには、純度の高い高品質の再生材の供給が必要となりますけれども、それが高度なリサイクル技術などの技術革新を促し、新たな市場や需要機会の創出にもつながります。  このように、再生材がうまく循環する仕組みづくりは我が国の国際競争力を強化する上で必要不可欠だと、こう考えてございます。

北村経夫自由民主党

○北村経夫君 最後に、大臣の決意を伺いたいと思うんですけれども、GXとしてサーキュラーエコノミー、循環経済、これを進めることは大変重要だというふうに思っております。そのためには国民の皆さんに理解してもらう、先ほども言いましたけれども、そのことが重要だというふうに思っております。  引き続き、政策を前に進めて、失われた三十年のくびきを断ち切って、日本が世界をリードするように全力を尽くしていただきたいと思うのでありますけれども、それについて大臣の決意を伺いたいと思います。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) ありがとうございます。  まさにパラダイムのこの時期にあって、日本が世界をリードできるように、しっかりこれを国民の理解とともに進めていきたいというふうに思います。また今後ともよろしく御指導お願いしたいと思います。

北村経夫自由民主党

○北村経夫君 時間ありますけれども、これで終わりたいと思います。ありがとうございました。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 おはようございます。立憲民主・社民・無所属の古賀之士でございます。  先ほど北村委員からも冒頭、日米の関税に関する様々な御所見を大臣にお尋ねがあったかと思いますが、今、今朝方、日経の電子版が六時頃伝えている速報によりますと、日本製鉄とUSスチールの交渉、これはいわゆる当局が今審査をしているわけですけれども、いよいよこれ大詰めを迎えまして、もうトランプ大統領が最終決断へというような記事が出ております。記事によりますと、その締切りが、当局の締切りが昨日、今日という、日本時間でございますので、それから恐らく二週間以内にはトランプ大統領がその決定を下すと。  御存じのように、バイデン政権時に一旦この話は頓挫をいたしまして、再び復活をして今に至っていると。私も決算委員会で直接総理にお尋ねしましたが、トランプ大統領は、これはいわゆる買収案件でもあると同時に、実は米国への投資なんだと、そういうことをしっかり理解してやってほしいと。そして、その交渉自体が、実は、うまくいかないのであれば、これからのやっぱり日米の関税の交渉についても、やはり決してこれは楽観ができない状況が更に続くんじゃないかと思いますし、また、この話がしっかりまとまることによって、やはりお互いがウィン・ウィンになり、そして今後の日米の交渉がうまくいくためのある意味その証左であると、きっかけであってもほしいと思うんですが、武藤大臣の御所見を現時点で伺います。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 報道、承知をしているところでありますが、この案件、米国での手続中の案件なのでコメントは差し控えなきゃこの場ではいけないと思います。  まさに委員と問題意識は私は共有するところで、あと二週間ぐらいでトランプ、判断が出るんだと思いますけれども、できるだけ我々としてもバックアップはしますけれども、是非そういう形でいい結果に出れるように思っているところであります。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 通告なしで突然の質問で、大変失礼をいたしました。  そういう形で、前向きな結果が出ることを是非、欲しいというふうに私も思っております。  と同時に、今カナダでは財務省レベルでの交渉も今行われていると伺っておりますし、これも一つ大きな大きな材料、懸念材料とはなっています。  もう一点ちょっと伺っておきたいのは、やはり、昨日なども米国の三十年国債などの金利が上がっています。そして、主要な各国の金利も上がっていて、藤巻委員の方が専門だとは思うんですけれども、日本の実は金利も上がってきているんですよね。  そして、どういう状況が生まれているかというと、簡単に言うと、悪いインフレの懸念が出てき始めています。この悪いインフレと言われているインフレへの懸念と、しかし、日本はこれまでずっとデフレの中で過ごしてきたという部分があって、非常にこれバランス取るのが難しいところです。とはいえ、金利が上がるということは、ある意味、例えば住宅を購入したいという人にとってはやっぱり大きな影響を与えてくるし、産業全体にもやはり、金利が高いとやはりお金も借りにくくなってくる、そういう影響も出てくると思います。  現状のこの世界的なインフレ懸念について、これも、済みません、通告がありませんけれども、今お持ちの御所見で結構ですので伺えないでしょうか、武藤大臣。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 昨今、日本がここ数年の中でエネルギーが非常に、貿易収支の関係がありますけど、あったことも、これも為替の影響も大きく影響している話だろうと思います。燃費そのものの値段もありますけれども、いずれにしても、為替というものに対して、我々は別にそこ操作しているわけでも何でもなく、多分、今日辺りですかね、加藤財務大臣がベッセント長官と向こうでまたお話をされているんだと思いますけれども、ある意味で、我々、産業競争力とか産業振興という形でいうと、できるだけ相場が落ち着いていた方がいいなというのが正直なところであります。  これ以上は所管外ですので、もう答えないようにさせていただきます。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 そういった、今、冒頭通告なしで伺った鉄鋼業や、それから様々な住宅の産業もそうでしょうし、いわゆるインフレの懸念にも関係がしてくるいわゆるこのGXの推進法、これについてまた深掘りをさせていただこうと思っております。よろしくお願いいたします。  まず、私は、このカーボンニュートラルの必要性やそれからGXの推進について、これは決して反対している立場ではございません。ただ、やっぱり幾つか、いや、相当懸念もありますので、そこを一つ一つ、環境省を含め、お尋ねをしていきたいと思っています。  まず、パリ協定に基づいて各国が五年ごとに作成、提出を義務付けております温室効果ガスの排出削減目標でありますNDC、いわゆる国が決定する貢献、ナショナリティー・ディターミンド・コントリビューション、略してNDCですが、この法案の中核であります排出量取引制度の今後の制度設計の前提となりますこの我が国のNDCの位置付けについてまずお伺いをしてまいります。  環境省に伺います。  排出量取引制度というのは必要ですが、その前提にちょっとしたずれや何らかのぶれが生じただけで実際の制度に、まあ詳細設計も含めてですけれども、運用の効果は大きく影響されると考えられます。新しい制度を論じる前に、この前提に揺らぎといいますか、変動幅といいますか、ぶれといいますか、そういった程度が、どの程度を考えていらっしゃるのか、国益に直結する議論をこれからしっかりと行っていきたいというのが私の議論の大前提でございます。  まずは環境省に伺います。  我が国のNDCは現在どのような内容になっているでしょうか。パリ協定の目標というのは、今世紀末までに気温上昇を産業革命前と比べて摂氏二度以下、できれば一・五度以下に抑えるに沿ったものなんでしょうか。また、どのような意味でこの一・五度目標に整合的で野心的な目標と政府は述べていらっしゃるのか、御説明をいただきたいと思っています。お願いいたします。

五十嵐清自由民主党・無所属の会環境大臣政務官

○大臣政務官(五十嵐清君) お答え申し上げます。  我が国は、二〇五〇年ネットゼロの実現に向けまして、官民が予見可能性を持って排出削減と経済成長の同時実現に向けた取組を進めるため、たゆまず直線的に排出削減を進める経路として、二〇一三年度比で二〇三五年度六〇%減、二〇四〇年度七〇%減という新たな目標設定をいたしました。  気候変動に関する科学的知見の評価結果をまとめましたIPCC第六次評価報告書では、地球規模のモデル解析において、世界の気温上昇を一・五度に抑える多数の削減経路を基に、科学的な不確実性に基づき、幅を持って必要な削減率が示されているところでございます。我が国の新たな目標及び直線的な削減経路については、この削減率の幅に収まっていることから、一・五度目標と整合的であり野心的な目標であると認識をしております。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 いわゆる整合性があって、なおかつその幅広い中にも収まっているという言い方で、理解でよろしいということですね。  今お話にも出ましたが、IPCC、これ、世界の気象機関及び国連環境計画が設立しました政府間組織で、気候変動に関する政府間パネル、これをIPCCというわけですが、この第六次評価の報告書では、二〇三〇年までをクリティカルディケード、二〇三〇年といいますと、もうあと五年しかないんですけれども、残り五年しかないんですが、その当時は勝負の十年、クリティカルディケードと位置付けて、で、二〇二三年開催のCOP28で決定されました第一回グローバルストックテーク、いわゆるパリ協定の掲げる目標に対して世界全体でどの程度達成できたか進捗を確認する制度においては、一・五度を実現するため、世界全体の温室効果ガス排出量を二〇三〇年度まで、ちょっとお話が出ましたが、一九年比、二〇一九年比で四三%削減、二〇三五年に六〇%削減、そして二〇五〇年に排出量を実質ゼロとする必要があるとされているわけです。  政府は、自らが基準年といたします二〇一三年の排出量から目標とする二〇五〇年の排出量ゼロを直線的で結んだ経路に沿っているから整合的そして野心的というふうにおっしゃっているというふうに理解をいたしましたけれども、例えば、IPCCが用いる二〇一九年比で言い換えるとどうなっているのか。例えば、政府のNDCの二〇三五年の六〇%削減、これは我が国にとっては二〇一三年からの比較になっています。これを二〇一九年比によって換算すると、これ六〇%削減ではなくて五四%削減となるのではないでしょうか。  立憲民主党では今年の二月二十日に、二〇三五年の温室効果ガス削減目標については、国際社会が求める一・五度目標に整合する目標設定が必須であり、IPCCが示す科学的知見などを踏まえて、世界平均で二〇一九年比六〇%削減が求められている、政府が基準とする二〇一三年比に置き換えれば六六%に相当することから、日本は二〇一三年比六六%以上の削減目標を設定するべきであるとの談話を出したんですけれども、これは環境省、政府としてはどのように考えていらっしゃいますか。

五十嵐清自由民主党・無所属の会環境大臣政務官

○大臣政務官(五十嵐清君) お答えする前に、先ほどの質問で、ちょっと答弁で数字が間違っておりました。二〇四〇年度に七〇%減と申し上げましたが、実際はNDCとしては二〇四〇年度で七三%減ということですので、訂正をさせていただきたいと思います。

堀上勝環境省大臣官房審議官

○政府参考人(堀上勝君) ただいま御質問のありました、まず二〇一九年度比で換算するとどうかというところについてお答えをいたします。  世界全体の排出削減の取組によって実現を目指す一・五度目標につきましては、各国がまずそれぞれの目標設定に当たって整合性を検討して説明していくというものであると承知をしております。  IPCC第六次評価報告書が示しております二〇一九年比で二〇三五年六〇%削減と、これ地球規模のモデル解析におきまして世界の気温上昇を一・五度に抑えるたくさんの削減経路が示されておりまして、その中の中央値を示しているものでございます。この報告書では、より正確には、科学的な不確実性に基づきまして、世界全体で必要な削減率としては四九%から七七%までの幅がありまして、それをもって示されてございます。  それで、我が国の目標ですが、二〇三五年度目標につきまして機械的に二〇一九年度比に換算するとしますと、これは約五三%削減ということになりまして、中央値、IPCCの中央値は下回りますけれども、我が国の新たな目標、その削減幅の中に含まれてまいります。そういう意味で一・五度目標と整合しているということを示しているということでございまして、国際社会に対しても、このような我が国の考え方、様々な機会を捉えてしっかり発信していきたいというふうに考えてございます。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 ありがとうございます。  今申し上げたように、その二〇一三年比なのか二〇一九年比かによってもまた数字が変わってまいりますし、かつてこの経産委員会でも取り上げさせていただきましたけれども、やっぱり各国が、今御答弁ありましたように、結構ばらばらで、基準がそれぞれ比較できないような状況に今なっていまして、今、先ほど北村委員からの御質問があって、環境省さんとしても国民の理解に努めていくということもとても大事なことなんですが、一方で、現状、環境省さんが悪いわけではなくて、世界的な結局グローバルスタンダードがまだでき上がっていない状況なんですよね、現実。だからこそ懸念を感じているわけでございます。  例えば、国際的な枠組みでは、九七年の京都で開かれましたCOP3で採択されました京都議定書が画期的なスタートでありましたけれども、これは最大の問題点としては、先進国のみに削減義務が課せられたということと、それから米国や中国、インドが削減義務を負いません、それから、これ第一約束期間と言われるんですが、二〇〇八年から二〇一二年、もう十年以上前に終わった話なんですけれども、排出削減義務を負う国の排出量が世界全体の四分の一にとどまってしまうことなどが挙げられておりました。  結果、我が国は地元でこれ開かれた議定書の批准国であり続けるんですけれども、議定書の延長、つまり第二約束期間、二〇一三年度以降は不参加なんですよね。京都議定書から実質離脱しているという現状でございます。これを決定した経緯があるわけです。  一方、現在のパリ協定では、全ての国が温暖化防止に取り組むんですけれども、削減目標は各国が国情に応じて自主的に設定して、報告は必要だが、目標未達の罰則はないということです。まあ小学校と比較すると申し訳ないんですけれども、よく学級委員会などで、お互いに気を付けましょうみたいな形で終わる結論なんですよね。そういう状況ですので、もう本当に、各国のモラルや、各国のそれこそいわゆるオネスティーにもう任せるしかないというのが現状でございます。この非常に受皿がつくりにくい今環境の中で、まさに私たちはこのGXを推進をしていく。  そして、各国のNDCも、削減率の数字は大きいんですけれども、これも取り上げさせていただきました、基準年が見事にばらばらなんです。  例えば、我が国の基準年は二〇一三年と先ほどから申し上げておりますが、米国やカナダ、オーストラリア、中国、インド、ブラジルは二〇〇五年がスタートです。そして、これだけでも八年ずれがあります、日本と。で、EU、イギリス、ドイツ、ロシアは一九九〇年と、基準年がもう相当古いんですね。そして逆に、トルコは二〇一二年、そして韓国は二〇一八年、サウジアラビアが二〇一九年と、日本よりも基準年が新しいという現実もあります。  この中には、またちょっとこれも驚くべきことなんですけれども、基準年そのものを設けてない国もあるんですよ。つまり、現状維持とか従来どおりと書いてあるだけで、もう数値的なエビデンス全く書いてないところ、国もあるんですね。  そういう形で削減率を公表する国さえもあるという現状の中で、この各国の目標の削減率を同一年比で比較していくと、各国の公約の削減率というのを、まあ疑っちゃいけないんでしょうけれども、やっぱり検証していく必要は当然あると思いますし、お互いが確認をしていくやっぱりシステムも必要になってくると思います。  ちなみに、翻って我が国のNDCについては、先ほどちらっとお話は出ましたけど、もう一度確認させてください。このNDCそのものは厳しいんでしょうか、それともこのそれぞれの基準年からすると、足して計算すると、緩い方なんでしょうか、それともほぼほぼ平均値なんでしょうか。お願いします。

堀上勝環境省大臣官房審議官

○政府参考人(堀上勝君) まず、基準年について御説明をさせていただきます。  パリ協定におきましては、各国はNDCの策定に当たりまして、各国の今いろんな事情があるという中で、その事情に照らしてできる限り高い野心を反映するということとされております。ただ、野心的かどうかについての明確な基準がないということで、なかなか各国のNDCの野心度が高いのか低いのかということについて比べるのは難しいという状況です。  また、NDCの基準年について、各国がそれぞれの事情に基づいて決めています。そういうことですので、ある特定の基準年ベースに各国のNDCを比較するというのはちょっと適当ではないかなというふうに考えてございますが、その上で便宜的に二〇三五年目標を二〇一九年比に換算したとした場合、例えば我が国、先ほどもお話ししました約五三%減、英国が約六六%減、それからカナダは約四四から四九%減と、そういう数値になりますが、なかなか、先ほどお話ししたとおり、比較自体がちょっと難しいという状況でありますので、我が国の新たな目標自体は、先ほどお話ししたとおり、一・五度目標とは整合的であるというふうに認識をしております。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 まあ本当に難しいですよね。各国が基準年がばらばらな上に、分からないとか現状維持ですとか従来どおりと答えている国があったら、それはもう計算のしようがないというのは重々理解ができます。だからこそ、この問題の難しさがあると思うんですが。  各国のそのNDCの一覧によりますと、これも取り上げさせていただいたことがありますが、ネットゼロの長期目標の欄は、これは皆様もよく御存じのように日本は二〇五〇年となっておりますが、中国が二〇六〇年、インドが二〇七〇年、そして米国はトランプ政権でパリ協定離脱を宣言したわけでございます。中にはトルコの二〇五三年とか、二〇五〇年カーボンニュートラルの目標についてこれ地球全体で考えた場合、これ、排出量の大きい、いわゆる排出量大国抜きでこれ計算できるんだろうかと。そしてまた、分母そのものがやはり、排出量の大きい国がやはりかなり大きなパーセンテージを占めています。日本のパーセンテージは数%という話も聞き及んでいますけれども、その辺の確認も含めて、この辺も含めてですね、本当にこの排出量大国抜きでこういうカーボンニュートラルがしっかりと実現できるんだろうかということをお尋ねいたします。

堀上勝環境省大臣官房審議官

○政府参考人(堀上勝君) まず、IPCCの六次評価報告書でございますけれども、ここで、二〇五〇年代初頭に世界全体での二酸化炭素排出量ネットゼロということで、その際、一・五度に抑える排出経路ということで示されております。  その一・五度に抑える排出経路でありますけど、国の個別の施策の目標を加味したというものではないということで承知をしておりますので、御指摘いただいた排出量大国を抜いた場合にどうかというところをお示しすることはちょっと難しいというふうに考えてございます。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 いや、本当、だから難しいんですよね。分からないで、これで、だからやっぱり国民に説明していく側も大変だと私は思います。実際に、いや、もっといっぱいのところはもうどんどん二酸化炭素出しまくっているじゃないのといったときに、いや、私たちだけコスト掛かるんですよみたいなお話を理解していただくというのは結構大変なことではないかと思います。ただ、一旦ここはやっぱり問題を共有しておくということはとても大事なことですし、その上で、私たちの国民性を踏まえたら、これは将来的に必ず役立つんだという思いの中で進めていかなければいけないお話だとも理解をしております。  我が国では、昨年の十一月、このNDC原案を示して、賛否の対立は当然起きたわけでございますが、世界に目を転ずれば、より激しい活動を展開しました。例えばスウェーデンのグレタさん、当時十代だった方ですが、かなり話題になりました。その思想はいわゆるクライメットジャスティス、環境正義というのにも驚かれた方も多いと思います。  最近、同様に衝撃だったのは、国連の気候変動枠組条約の元首席交渉官をされていた、現在は東京大学の公共政策大学院特任教授の有馬純さんが、パリ協定のせいで高コストの温暖化政策を強いられているとの議論があるが、問題は、パリ協定の枠組みそのものではなく、五〇年、いわゆる全地球的なカーボンニュートラルという実現不可能な温度目標からバックキャストした非現実的なエネルギー転換を自国にも他国にも強いようとする環境原理主義者たちであると。これ、私が言っているんじゃないですよ、有馬さんが言っているんですよ、有馬さんが言っているんです、誤解のないように。続きがあります。五〇年、その全球、いわゆるその全地球的なカーボンニュートラルは妄想にすぎないが、地球温暖化を防止するという方向性は間違っていないというペーパーを電力政策研究会のEPレポート、今年の四月の中で表明をしていらっしゃいます。  発言内容を見ると、もう本当にううっと驚くわけですが、しかも、その内容というのを述べた方が、もう一度申し上げますと、現在は東京大学の公共政策大学院の特任教授であり、そして元国連気候変動枠組条約の首席交渉官であったということは、これ決して軽くはない話だと思っているわけです。  この辺も含めて、こういった中で、ちょっと質問しづらいんですけれども、二〇五〇年、地球全体のカーボンニュートラルの実現というのは、これは、こういう方のように妄想なんですか。それから、それでもクライメットジャスティス、環境正義を追求するべきなんでしょうか。その達成の見通しは、これどの程度立っているのか。  今日は環境省にお尋ねをしたいと思っておりますけれども、よろしくお願いいたします。五十嵐政務官、よろしくお願いいたします。

五十嵐清自由民主党・無所属の会環境大臣政務官

○大臣政務官(五十嵐清君) 二〇二三年のCOP28におきましても、一・五度の削減目標の実現に向けた行動の重要性、これが改めて強調されたところです。この一・五度目標の実現のために世界で取り組むことが重要という認識を持っております。  このために、百四十か国以上の国が年限付きのカーボンニュートラル目標を掲げ、このうち主として先進国は、二〇五〇年までにその達成に向けて取り組んでいるところでございます。この一・五度目標実現に向けた脱炭素の取組は、現在の世界的な潮流になっているという認識を持ってございます。  我が国としては、二〇五〇年カーボンニュートラル実現に向けまして、脱炭素と経済成長の同時実現を目指し、揺らぐことなく気候変動対策に取り組むとともに、我が国の経験や技術等を生かして世界の脱炭素化にも貢献してまいりたいと考えております。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 今御答弁いただいた中には、若干事実と異なる部分もあるかと思うんですね。例えば、主要な中がやっぱりとか、世界の潮流がという中で、その中でやはり、申し上げたとおり、米国がもうパリ協定から離脱、それから、中国やそういう排出量の多い国々もどうなるか分からないような状況の中で、やっぱり、どちらかというと、なっているではなくてなってほしいという思いが正確な御答弁ではないかなと私自身は思ったりもいたします。五十嵐政務官が悪いわけではないわけですけれども、とにかくそういうふうな私は立場で今申し上げておきます。  一方で、これ、実は金融機関にも大きな動きがあります。例えば、もう時間がありませんので、私、三十分でしたよね、そうですよね。もう最後の質問にしますね。(発言する者あり)じゃ、三十五分、ありがとうございます。済みません。  脱炭素を目指す国際的な枠組みの金融機関の大手が相次いで脱退をしていて、なおかつ、日本の金融機関もそれに追随しているという流れが今あるんですね。  これどういうことかというと、排出量取引制度は必要なんですけれども、前提にこのずれやぶれが今生じていて、実際の制度設計や運用効果が大きく影響され得るというふうに申し上げましたけれども、この問題の難しさは、気候変動をやめるという地球規模の命題を追いかけつつも、国家として産業の国際競争力や国民の生活レベルを落とさずにそれを達成できるかという、言わば連立方程式にあると考えております。  そうした中で気になるのが、先ほどから申し上げている米国トランプ政権のパリ協定離脱、そして、トランプ大統領がそれを標榜したのか、再選が決まった後に、去年の末から、米国の大手金融機関がNZBAからの脱退を始めています。  このNZBAというのは、ネットゼロ・バンキング・アライアンスの略で、国連環境計画が事務局を務める、二〇五〇年度までに銀行の投融資のポートフォリオにおける温室効果ガス排出量をネットゼロにするための国際的な金融機関の連合なんですね。  この連合から、二〇二四年十二月にゴールドマン・サックス、同じく十二月にウェルズ・ファーゴ、年末の大みそかにシティグループとバンク・オブ・アメリカ、年明けに、一月二日にはモルガン・スタンレー、一月八日にはJPモルガン・チェースが脱退しました。そして、我が国でも連動するように、大手金融機関が三月からドミノ倒しのように、三井住友、三菱UFJ、みずほ、野村ホールディングス、農林中金が脱退して、今や残っているのは三井住友トラストグループのみと聞きます。  この事態を、金融庁さん今日お見えでございます、これ結びの質問にさせていただきます、どのようにお考えでしょうか。

川崎暁金融庁総合政策局審議官

○政府参考人(川崎暁君) お答え申し上げます。  NZBAをめぐる状況につきましては、委員御指摘のとおり、昨年十二月に米国の金融機関大手がNZBAを脱退しまして、我が国金融機関においても現在は一社のみが加盟を継続している状況であるというふうに認識しております。  個々の金融機関のNZBAからの脱退につきましては各社の経営判断に属する事柄ではありますけれども、状況といたしましては、これらのNZBAから脱退したいずれの我が国金融機関におきましても、引き続き二〇五〇年までに投融資ポートフォリオの温室効果ガス排出量をネットゼロにするというコミットメントを維持するとともに、アジア等における脱炭素に向けた移行金融を通じた支援を行うなど、国際的な取組等についても引き続き貢献をしていく方針、をしているという状況になっていると認識をいたしております。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 様々なところにやはりこれ影響が出始めているということを皆さんと共有をして、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 おはようございます。御安全に。今日もよろしくお願いします。立憲民主・社民・無所属の村田享子です。  今日、まずは冒頭、やはり私もGX、グリーントランスフォーメーションのところ聞いていきたいです。    〔委員長退席、理事古賀之士君着席〕  この今回の改正案の背景になる部分でございますが、我が国では、二〇二三年に成立をしました脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律に基づきまして、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現と経済成長の両立、まさにここがグリーントランスフォーメーション、GXでございます。これを実現するための施策が行われ、産業、企業においても取組が進められております。この二〇二三年に今回の改正案にも入っておりますGX推進法が成立をしたとき、私も当時この参議院の経済産業委員会のメンバーとして審議をさせていただきました。  あそこから二年たったわけなんですけれども、最初に、二〇二三年にGX推進法が成立したときの、あのときもいろんな議論ございました、今後どのようにして国はGX進めていくよ、そうした当時の見込みと比較をしまして、現在の我が国のGX実現に向けた進捗状況をどのように認識をされているのか。  あわせて、先ほど古賀委員からも海外の状況についてもいろいろお話ございましたが、国外を見てみますと、これ、こちら、第七次エネルギー基本計画に書いてございます。欧米各国を中心に、二〇五〇年カーボンニュートラル実現に向けた野心的な目標を堅持しながら、エネルギーの量、価格両面での不安定化を受け、多様かつ現実的な取組を採用する傾向であったり、またトランプ大統領による米国のパリ協定からの再離脱、米国の関税措置等の情勢の変化、この二〇二三年以降もいろいろ国外の情勢変化も起きております。  このような変化が我が国のGX推進戦略に与える影響、また、この情勢変化を踏まえて今後どのようなGX推進戦略を行っていくのか、GX担当大臣でいらっしゃいます武藤大臣にお尋ねをします。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) GXの進捗状況と、それから国外、国外の状況も踏まえての御質問いただきました。  進捗の方ですけど、このGX実現に向けて、GX経済移行債を活用したいわゆる二十兆円規模の先行投資支援と制度的措置を一体的に講ずることで百五十兆円を超える官民GX投資を実現していく方針をお示ししたところの中で、先行投資支援につきましては、先ほども答弁ありましたけれども、既に約十四兆円の支援規模の見通しを示しているところであります。  こうした政策によって、鉄鋼業における高炉から革新電炉への転換ですとか、ペロブスカイト太陽電池の開発、社会実装を始め、大規模な投資が進み始めているということであります。カーボンプライシング等の制度の具体化も今まさに、今日も御審議いただいているところであります。  海外の状況でありますけれども、トランプ政権による、さっき古賀先生のお話もありましたパリ協定の脱退、これは、もう欧米における動きは承知しているところであります。世界全体で脱炭素に向けて取り組んでいく必要性や方向性は、私も変わらないと認識しているところです。  先般もASEANのオンライン会議やったり、またAZECもそうなんですけれども、それぞれの国、それぞれ非常に困惑をしている状態ですけれども、この世界の方向というものは、日本の技術というものに対しては大変期待をしておられる国ばかりでございますので、是非こういう必要性は、我々もしっかり頑張っていかなきゃいけないなという思いでおります。  そして、GXの実現に向けては、中長期の視点でぶれずにまさに取組を進めていることが重要と考えておりまして、官民で施策の具体化を進め、引き続き、エネルギー安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現を目指してまいりたいと思います。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 もちろん、世界の状況に変化があっても日本として脱炭素を進めていく、併せて経済成長も行っていく、今大臣がおっしゃっていただいた日本のこのGXに関する技術、環境と経済を両立していく技術についてはこれまでずっと磨いてきたもので、今大臣からも言及のあったASEAN中心に、やっぱり日本の技術を生かしながら、自分たちも経済成長、そして脱炭素やっていくんだ、そこの連携も私も非常に重要だと思っています。  その上で、じゃ、今回の法律案、改正案の議論となっていくわけなんですが、まず大前提として、今回の法律案は、GX推進法及び資源有効利用促進法の二つの法律を一つの法律案として改正をする、これ、及びという言葉でつないでいます、及び法案とも呼ばれるものでございます。こうした二つの法律を一つの法律案として改正をするその理由は何でしょうか。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) お答え申し上げます。  今回のGX推進法と資源有効利用促進法の改正は、これいずれもGX政策の柱でございまして、我が国がエネルギー安定供給、経済成長、それから脱炭素の同時実現を目指す上で極めて重要だと思ってございます。  具体的には、GX推進法に基づくカーボンプライシングは、二十兆円規模の先行投資支援の原資となるだけでなく、低い水準から始まり徐々に上昇していくという炭素価格の姿を示して、予見可能性を高めることで企業に早期にGX投資を行うインセンティブを与えるものでございます。また、資源法で講じます再生材の利用拡大や環境配慮設計の促進の措置、こちらは、天然資源の投入量の削減を通じて、製造プロセスにおけるエネルギー消費量、それから二酸化炭素の排出量、これらを抑制できることから、排出削減の早期かつ確実な手段として有効でございまして、GXを推進する上でも重要な役割を果たすことになります。  その上で、いわゆる束ね法案、及び法案としての提出には、こうした今御説明したような政策的な一体性があることに加えまして、条文上の牽連性があること、それから付託委員会が同一であることが必要であると認識をしてございます。  この点、条文上の牽連性につきましては、今まで御説明した政策的な一体性の効果が十分に発揮されるように、資源法の法目的に、GX推進法と相まって再生材利用による脱炭素化を図る旨を規定したことに加えまして、今回の資源法で対象となりますメーカーなどが製品を作る際には、大口の排出者として推進法の排出量取引制度の方の対象となる素材メーカーの再生材を使うことの配慮を求める、それから、今言った素材メーカーとそれから製品のメーカー、この両者を仲介する役割としてGX推進機構が必要なサポート業務を行えるようにするなど、GX推進法と資源法とは密接な牽連性を有してございます。  加えまして、付託委員会につきましては、これGX推進法、資源法のいずれも過去に本委員会で御審議いただいたという経緯があることから、今回束ね法案として提出させていただいてございます。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 詳細な御答弁、ありがとうございます。  法律の概要というところでいうと、排出量取引制度、こちらがGX推進法がメインだと、資源循環の強化、資源法とGX推進法、そして三つ目が化石燃料賦課金の徴収、GX推進法、そして財政支援がGX推進法ということで聞いてあります。  確かに関連があるということ、私も理解をいたしましたが、今回、衆議院の議論も議事録読みましたけれども、排出量取引制度、ここもかなりいろんな論点があります。あわせて、資源循環、こちらも大事だというところで、確かにGXということではあるんですけれども、やっぱりそれぞれ結構重要な産業、企業に取組を求めるところでもございますので、私はやっぱり、より充実した審議、できるなら別々に議論を進めても、出してもよかったのではないかというところを最初に言わせていただきます。  その中で、まず、今日は化石燃料賦課金のところについてお聞きをいたします。  GX二〇四〇では、化石燃料の賦課金は、石油石炭税と同一の対象に対して賦課するところ、必要な事務を担う執行関係事業者の執行可能性の確保、関係機関との連携、代替技術の有無や国際競争力への影響といった観点を踏まえて、その減免の在り方を検討していく必要がある、こうしたことから、執行関係事業者の一元的な数量管理や執行の連携などを通じた賦課金の円滑かつ確実な制度運営のため、石油石炭税と同一の扱いを化石燃料賦課金に講ずるべく、詳細設計の検討を進めていくとされております。  化石燃料賦課金についても、今のここにありました石油石炭税において措置されている減免等と同一の扱いが講じられるよう検討が進めているのか。  また、今日の議論の中でも、CO2の排出が多い産業として鉄鋼業挙がっております。鉄やコークス、セメントの原料として使う石炭については、石炭以外の原料への代替が不可能であることや、経済への影響を踏まえて石油石炭税が今免除されておりますけれども、化石燃料賦課金についても免除となるんでしょうか。大臣、お願いします。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 本年二月に閣議決定いたしましたGX二〇四〇ビジョンでは、化石燃料賦課金について、石油石炭税において措置されている減免等と同一の扱いが講じられるよう検討を進めていくこととしているところです。  石油石炭税では、ここは、我が国経済への影響や国際競争力の観点、そして代替可能な技術が存在しないという観点から減免措置が講じられております。石油石炭税と類似の制度である化石燃料賦課金でも、同様の観点での検討は必要と考えています。鉄鋼、コークス、セメントの製造に用いる石炭については石油石炭税で免除措置が講じられておりますが、化石燃料賦課金においても免除措置を講ずるべく、詳細の検討を進めてまいります。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 化石燃料賦課金については導入初年度が二〇二八年度というふうにお聞きをしています。  やはり、事業者の予見可能性の確保、これが大事です。今日も御答弁の中で高炉が革新的な電炉に変わっていくと。これ、恐らく岡山の事例だというふうに私もマスコミの発表で承知をしておりますけれども、今、鉄鋼の事業者の方にお聞きをすると、もちろんカーボンニュートラルも進めないといけない、その上で、今、高炉の建て替えの時期というのも、それぞれ事業者があられる中で、高炉の建て替えと、じゃ、二〇五〇年カーボンニュートラル、どうしていくのと、その投資の決断をしていく時期です。その上で、国からの支援がどうなっていくかもそうですし、化石燃料賦課金、また排出量取引、負担ですよね、企業にとっては、そこをどうやっていくのかという上で今後の事業計画を立てていきますので、やっぱり事業者の予見可能性の確保が産業の発展にも重要だと思っています。  その上で、化石燃料賦課金について、導入初年度となる二〇二八年度の価格水準及びその後の見通しを示すことが必要だと思います。どうでしょうか。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) 化石燃料賦課金でございますけれども、これ、足下の負担や競争力への十分な配慮が必要なことから、現行のGX推進法上、エネルギーに係る負担を中長期的に減少させていく中で、その負担が総額として増えない範囲内で二〇二八年度から導入をすると、こうされてございます。    〔理事古賀之士君退席、委員長着席〕  その中で、賦課金の各年度の価格水準につきましては、これ、二〇二二年度の石油石炭税収からの差分などを基礎として設定することとなってございまして、導入開始時は、これ石油石炭税収の減収幅は大きくないため低い価格水準となり、一方で、将来的にGXの進展により化石燃料の使用量が減少し、この税収の減収幅が大きくなる中で、それに応じて徐々に価格水準が上がっていくことを想定した制度設計となってございます。  他方、二〇二八年度の税収の具体額は、これ明らかでは現時点ございませんので、賦課金のその時点での個別具体の価格をお示しすることは困難ではございますけれども、民間のこれシンクタンクが一定の仮定の下に試算をした結果ですと、これ二〇二八年度の導入当初の価格水準は、これガソリン価格に換算した場合ですけれども、リッター当たり一円未満の範囲であるとの見通しが示されてございます。  いずれにいたしましても、御指摘のとおり、予見性、それから透明性は大変重要でございますので、二〇二八年度の税収見通しが明らかになり次第、可及的速やかに価格水準を示すことができるようしっかりと準備をしていきたいと、こう思ってございます。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 化石燃料賦課金の議論については、先ほど私が申しました石油石炭税もございますし、揮発油税、軽油引取税、航空機燃料税、石油ガス税、電源開発促進税など、やっぱり化石燃料に関連する税制との重複を整理すべきといった意見もございます。この点、いかがでしょうか。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) 化石燃料賦課金を含みます今回のこの成長志向型カーボンプライシングは、これ二十兆円規模の先行投資支援の原資となるだけではなくて、炭素価格の予見性を示すことで企業のGX投資を更に後押しする役割を担うものでございます。  御指摘のような燃料課税、いろいろございますけれども、これ電源開発促進税等は措置の目的、手法、使途などが異なると考えてございます。  少し具体的に申し上げますと、燃料課税や電促税は、これ燃料や電気の使用量に応じた負担を求めるものである一方、化石燃料賦課金は、これカーボンプライシングとして化石燃料に由来するCO2の量に応じて負担を求めるという点で基本となります賦課対象の考え方が異なります。  それから、その水準につきましても、化石燃料賦課金は税と異なりまして、先ほどから申し上げていますように、エネルギーに係る負担の総額を中長期的に減少させていく中で導入していくと、こういうことが現行のGX推進法で既に明記をされてございまして、毎年度、したがいまして機動的に単価を決定することとなります。  さらに、化石燃料賦課金は、これ使途は、これGX経済移行債による二十兆円規模の先行支援の償還財源としての役割を持つことになりますけれども、この先行支援の方は、これは排出削減に加えて、経済成長と産業競争力強化にも貢献する事業に活用されることとされておりまして、先ほど来出ている革新電炉等への支援が行われるのに対しまして、税の方は、例えば石油石炭税でございますけれども、この歳入であれば石油の備蓄等の燃料の安定供給対策にも活用されるなど、これ税によって使途はまちまちだということでございます。  このように、化石燃料賦課金は、既存の税制とはその趣旨や具体的な設計、手法などが異なるものであり、重複するものではないと認識しておりますけれども、いずれにいたしましても、賦課金が事業者や国民にとって恩恵があるものになるように適切に制度は運営をしていきたいと、こう思ってございます。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 続きまして、排出量取引制度についてお聞きをします。  私、やっぱり、今日も出ていますけれども、カーボンリーケージをいかに防ぐのかというのがもう一番重要だと思っています。このカーボンリーケージ、規制の厳しい地域から緩い地域への生産拠点の移転であったり、規制地域外から物が入ってきて、そうした物の輸入が増加して、安い、CO2出した安い製品が入ってくることで日本のメーカーが立ち行かなくなる、これは絶対避けないといけないです。  今、国内でいうと、需要もどんどん減っていく中で、じゃ、もう工場自体を海外に移そうかみたいなことにもつながってはやっぱり一番いけないと思っていますし、これはもう企業だけの問題じゃなくて、例えば高炉が一つなくなってしまえば、働く場所もない、その町も衰退してしまうということで、ここはもう重々御承知だとは思うんですが、だからこそ今回の制度設計が私は非常に重要だと思っています。  GX二〇四〇でも、やっぱりこのカーボンリーケージに、業種に該当する事業者について、ちゃんと我が国の産業特色も踏まえていろいろ検討してくださいねといったものございますが、例えば、今回、追加割当てを行う業種であったり、こうした措置をどのように発動していくのか、こうした制度の詳細についてどのような検討を行われているでしょうか。

龍崎孝嗣内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(龍崎孝嗣君) 御指摘のとおり、産業競争力、国内雇用の維持強化や世界全体での排出削減の実現の観点から、カーボンリーケージの回避がされるような制度設計にすることが重要でございます。  まず、今回導入する排出量取引制度につきましては、排出量の決定に当たりまして、業種ごとに目指すべき水準を定めるベンチマーク方式を基本としまして、その水準に相当する排出枠を企業に無償で割り当てることとしてございます。これによりまして、業種特性による排出削減の難易度やそれを解決できるまでの時間軸、それから代替技術の有無などを考慮した排出枠の割当てが可能となるだけではなく、割り当てられた排出枠の範囲内で排出量を抑制することができれば排出枠を追加で調達する負担は生じない、こうした仕組みでございます。  加えて、産業の国外移転を防止し、成長分野に対する国内投資を促進するような制度設計とするために、製造拠点の国外移転リスクを一定の方法に基づき把握しまして、リスクの高い事業者については、排出枠が不足する場合、追加で無償割当てを行うなどの措置を講じていく方針でございます。  こうした点につきまして、昨年度、内閣官房に設置しましたGX実現に向けたカーボンプライシング専門ワーキンググループ、こちらにおきまして、多排出産業を中心に産業界から集中的にヒアリングを行った上で検討してきてございます。  その上で、御指摘のどの業種が対象になるかや、具体的にどういう基準で追加割当てを行うかの詳細につきましては、これまだお示しできる段階にはございませんけれども、産業競争力への影響などを考慮しつつ、諸外国の制度も参照しながら、今後、産業構造審議会で技術的、専門的な議論も行いながら固めていきたいと、こう思ってございます。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 今後、具体的な制度設計、議論が行われるということでございましたが、冒頭、背景のところで聞いたように、この二年の中でも、もう国内外いろんな変化がございます。  また、国内の企業も、例えば鉄鋼業でいうと、水素還元製鉄であったり電炉であったりといった研究開発されていますが、もちろん、研究、スケジュールはあっても、その進捗がどうなっていくのか、私も随時聞いてはいますけれども、やっぱり予想外のことが起きたりとかいうこともあるので、本当に常に業界の、産業の皆様のお声も聞きながらそうした制度設計していただきたいと申し上げて、私の質問を終わります。  ありがとうございます。

石川博崇公明党

○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。質問の機会をいただきまして、大変ありがとうございます。  今回の法律案につきましては、二年前の五月に成立したGX推進法において導入された成長志向型カーボンプライシング、これを具体化することなどを通じて、脱炭素化あるいは資源循環を推進し持続可能な経済社会の構築を目指すものであり、極めて重要な取組であるというふうに考えております。  我が党におきましても、昨年十二月、総理に対しまして、脱炭素社会の実現に向けて、地域共生型の再エネ導入促進など地方創生にも貢献する地域脱炭素の取組を一層促進することなども要望させていただきました。また、資源循環につきましても、我が党にはサーキュラーエコノミー・循環型社会推進会議というものがございまして、この会議体で一昨年の六月、循環経済への移行を目指して、国民生活に密着した製品の資源循環の推進を求める提言なども行わせていただいたところでございます。  そういった観点から、以下、法案の内容について質問をさせていただきたいと思います。  まず、武藤大臣に、排出量取引制度導入の意義についてお伺いをしたいと思います。  排出量取引制度については諸外国でも例があるわけですけれども、どちらかというと経済効率性を重視している制度が多いというふうに言われておりますが、我が国におきましては、この排出量取引制度本格導入に向けて、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行ということを目的に掲げております。経済効率性のみならず、経済成長というものを同時に満たすということに力を入れている。  長年にわたってこのカーボンプライシングの議論、経産省、環境省で行われてきたわけですけれども、今般、この排出量取引制度、本格的に導入するに至った経緯、また今申し上げたような意義について大臣から御説明をいただきたいと思います。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) いつもいろいろ与党の中でお世話になっております。御指導いただきまして、済みません。  GXの意義ということについての御質問をいただきました。  このGX政策をめぐっては、二〇二〇年頃から各国で、カーボンニュートラル実現に向けた大規模な投資競争が行われるようになりました。我が国も、GXを経済成長の原動力とするために、官民協調で百五十兆円を超えるGX投資を実現する方針を示しました。こうした中で、カーボンプライシングについても、経済産業省や環境省を中心に政府内での議論を重ねて二年前に成立をいたしました現行GX推進法では、カーボンプライシングを企業の先行投資の更なるインセンティブを創出する手段として規定するに至ったところです。  カーボンプライシングは、先行投資支援と一体とすることで、効率的な排出削減の推進にとどまらず、企業のGX投資を引き出し、まさに今委員がおっしゃったように、経済成長、これを阻害することなく、排出削減と競争力強化の同時実現を目指すという世界でも例のない制度となっているところであります。

石川博崇公明党

○石川博崇君 是非、今後の本格的な導入に向けて御尽力賜りたいというふうに思っておりますし、今おっしゃっていただいた経済成長目指すんだというこの目的を是非実現できるように我々も後押しをしていきたいというふうに思います。  一点、ちょっと問題意識として皆様とも共有させていただき、質問させていただきたいのが、カーボンニュートラル実現していくために、排出削減、これを後押ししていくというのは極めて重要です。脱炭素電源とかライフスタイルの転換とか、二酸化炭素の排出をできるだけ抑制していくということも大事ですが、同時に、やっぱりどうしても二酸化炭素排出ゼロにできない産業もございます。航空などのセクターもございますので、やはり排出をゼロにできない場合どうするかという、大気中にある二酸化炭素をどう回収していくのかということが極めて大事です。  直接空気回収技術、ダイレクト・エア・キャプチャー、DACと言われておりますけれども、このDAC技術、現在のところ、技術的にも経済的にも発展途上にありますが、国際社会においては、このDAC技術に対する支援が加速、急速に拡大をしております。一方で、我が国のこのDACの研究開発あるいは実証、商用化が遅れているという指摘もございまして、これをいかに加速化していくかということは今極めて重要な論点ではないかというふうに思っております。  このような中で、今年の二月の第七次エネ基、エネルギー基本計画においては、DACを含む二酸化炭素回収技術について、GI基金等により研究開発を後押しをしていくということが明記されたことは評価をしたいと思います。一方で、このDACに対して、GX推進法あるいはエネ特で規定を見ますと、果たして支援の対象になるのかならないのか、この点が不明瞭であるという現場の声がございます。  私は、是非、このDAC、二酸化炭素回収技術をGX投資支援の中核技術の一つとして明確に位置付け、研究開発から社会実装に至るまで継続的な資金支援を行うべきではないかというふうに考えております。  もちろん、この二酸化炭素除去といっても、例えば森林吸収、植林をするとかですね、そういったことも含むとすると余りにも多様になってしまいますので、例えば、そういう自然プロセスに由来するものではなくて、今私が申し上げたようなDACのような工学的プロセスによるもののみを支援対象にするということも一案ではないかというふうに思いますけれども、この点も含めて政府の御見解をお伺いしたいと思います。

畠山陽二郎内閣官房GX実行推進室長

○政府参考人(畠山陽二郎君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、DACは大気中の二酸化炭素を回収、除去するいわゆるCDR技術の中でもCO2の回収量が正確に測定できますことから、排出削減が困難な製造プロセスを持つ企業などがDACを活用したカーボンクレジットを購入する動きも実際出てきているというふうに認識をしております。  経済産業省といたしましても、DACにつきまして、CDR技術についての検討したネガティブエミッション研究会を開催をいたしまして、産業化に向けた戦略ですとかクレジット化に向けた測定方法など、関係省庁とも連携して、DACの産業化やカーボンクレジットが市場で評価される環境整備に向けて取り組んでいるところでございます。  さらに、技術的な課題を解決するため、複数年にわたって、内閣府のCSTIによるムーンショット基金などを活用した研究開発を後押ししております。例えば、公益財団法人、これRITEという公益財団法人ございますけれども、ここと共同で研究開発を行う三菱重工は、ムーンショット基金を活用し、大阪・関西万博でも装置を展示しながら実証を行っているところでございます。  こうした取組を中心に、引き続き、DAC技術の開発と産業化に向けた事業環境整備に政府全体としてしっかり取り組んでいきたいと、このように考えております。

石川博崇公明党

○石川博崇君 大臣、是非、今説明がありましたとおり、ムーンショットなどで予算措置はしておりますけれども、このDAC等の研究開発あるいは商用化への支援を行うことは、将来の脱炭素社会を支える中核的な技術でもございますので、GX推進法の理念にまさに合致するものでございます。より一層の支援に向けた大臣の御決意を伺いたいと思います。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) ありがとうございます。  二酸化炭素の回収、除去技術はカーボンニュートラル実現のための不可欠な技術です。その中でも、先生御指摘のこのDACというやつですけれども、世界でもスタートアップ企業が参入するなど成長可能性を大変秘めた技術だというふうに、分野というふうに私も認識しているところです。  例えば、米国でも、安価で豊富な再生可能エネルギーや、枯渇のガス田などのCCS適地でDACで吸収した二酸化炭素をCCSによって埋める、これだとDACCSというそうでありますけれども、この商用化に向けて動きもあると認識をしているところです。  DACを始め、二酸化炭素回収、除去技術の取組は、地域の自然状況や既存産業を基に新たな産業の創出の可能性もあると言えます。本年二月に閣議決定したGX二〇四〇ビジョンにおいても、こうした特性を踏まえて、政府として地方創生にもつながる新産業創出につなげていくとしているところでもあり、引き続き、研究開発を始め、必要な支援を行ってまいりたいと思っています。

石川博崇公明党

○石川博崇君 是非よろしくお願いいたします。  続きまして、排出量取引制度、これから本格化するわけですけれども、これによって事業者の負担が過度なものとなって、かえって産業競争力をそぐ結果とならないように配慮していかなければなりません。この点、GXビジョンでは、省エネ法などによって課せられている様々な報告、類似のものがあるわけですけれども、こういったものとの法制度の関係を整理する方針が示されているところでございます。  省エネ法あるいは温対法など、本制度との間で類似する報告あるいは書類提出が求められることをどのように避けていくのか、具体的にどのような検討がなされているのか、御所見を伺いたいと思います。

畠山陽二郎内閣官房GX実行推進室長

○政府参考人(畠山陽二郎君) お答え申し上げます。  現行の制度といたしまして、まさに御指摘をいただきました省エネ法あるいは温対法におきましては、約一万二千者に上る広範な事業者に対しまして、経済的、社会的環境に応じたエネルギーの有効な利用の確保に資するため、エネルギー使用に関する報告ですとか、あるいは排出削減を促す観点から排出実績の算定、公表などを求めているところでございます。  また、今般導入する排出量取引制度におきましても、対象事業者には毎年度の排出量の報告を義務付けておりまして、御指摘あったとおり、実務的な観点からは、これらの間には報告事項に一定の重複が生ずる可能性がございます。  したがいまして、本制度の導入に当たりましては、対象事業者の事務負担の軽減のため、システム上の工夫によりまして制度間で入力情報の連携を可能とすることなどによりまして、手続を簡素化するための検討なども進めてまいりたいと、このように考えております。

石川博崇公明党

○石川博崇君 是非精力的に整理を進めていただきたいと思います。  ところで、この排出量取引制度について、価格水準がどうなるのかについて非常に大きな関心が寄せられております。気候変動問題が年々深刻化する中で、我が国が導入する排出量取引制度の価格水準、これが国際動向に照らして遜色ないものでなければ国際的な信用の低下を招くおそれもあるという指摘もございます。また、事業者からいたしますと、この炭素価格の将来的な価格水準の見通しがあることによって、事業者にとって予見可能性を確保することができるという点でも重要でございます。  現在、世界で炭素価格見てみた場合、最も高いのが、二〇二四年時点ではEUETSが六十一・三ドルで最も高い、次いでスイスETSが五十九・二ドル等となっておりますけれども、我が国の排出量取引の市場価格の水準、なかなか明確な答弁というのは難しいと思うんですが、どの程度となることが想定されているのか、御答弁いただけますでしょうか。

畠山陽二郎内閣官房GX実行推進室長

○政府参考人(畠山陽二郎君) お答え申し上げます。  排出量取引制度の価格水準につきましては、官民でのGX投資の進捗ですとか、世界経済などの国際的な動向、技術開発の動向などに大きく左右されるものだと考えております。また、我が国のカーボンプライシング制度では、足下の競争力などとの関係から、長期的なエネルギーに係る負担の総額が減少する範囲内で導入することに加えまして、二十兆円規模の先行投資支援の償還財源としての位置付けもございます。  こうした制度設計や不確実性の中で、民間のシンクタンクが一定の仮定を置いた上で価格水準の分析を行ってございます。この分析におきましては、制度対象者の排出削減経路ですとか排出量取引制度におけるオークションの有償比率などについて仮定を置いた上で試算をしておりますけれども、例えば二〇四〇年における排出量取引制度のオークション単価をトン当たり約七千円から一万円と試算をしているところでございます。  こうした分析も参考にしながら政府としても検討を進めてまいりたいと、このように考えております。

石川博崇公明党

○石川博崇君 この排出量取引におきまして、今回の法律案では、価格安定化措置として、毎年度、排出枠の上下限価格、上限として参考上限取引価格、下限として調整基準実施価格を定めるというふうにされておりますが、詳細については今後検討するというふうになっております。  これまで、内閣官房の専門ワーキングでは、この上下限価格を考えるときには東証のカーボンクレジット市場を参照するというふうに説明があったと承知をしておりますけれども、この東証のカーボンクレジット市場、クレジットの種類によっても価格にはかなり開きがございます。省エネであれば二千円台、あるいはJ―クレジット森林であれば五千八百円台というふうに三倍近い差があるわけでございます。この点についてどう考えるのか。  また、専門ワーキングの委員を務められた早稲田大学の有村教授によれば、脱炭素のイノベーションを促進するためにはこの下限価格を低くし過ぎないことが重要であるという指摘も行われております。この点につきましてもどのように考えているのか、説明をいただきたいと思います。

畠山陽二郎内閣官房GX実行推進室長

○政府参考人(畠山陽二郎君) お答え申し上げます。  この排出量取引制度でございますけれども、GX投資の促進の観点から、まさに先生御指摘のように、炭素価格の予見性を高めるために排出枠の上下限価格を設定することとしてございます。この上下限価格につきましては、御指摘のイノベーション投資を含むGX投資の促進の観点ですとか、東京証券取引所におけるJ―クレジットの取引価格に加えまして、国民生活、産業への影響等も踏まえながら定める必要があると考えておりまして、今後、産業構造審議会での議論を通じて適切に検討していきたいと、このように考えてございます。  また、J―クレジットの取引価格、参照する際の方法、これいろんな価格があるという御指摘もございました。まさにこのJ―クレジット、これコストによって、クレジットの創出のためのコストのみによって決まるわけではなくて、需要家にとってどう評価されるかということによっても左右されます。  特にこのJ―クレジットにつきましては、企業の自主的な情報開示ですとか、温対法に基づく算定・報告・公表制度における報告にも用いることができるものですから、そういう複数の用途を持つことから、排出量取引制度のみに用途が限定される排出枠に比べて取引価格が高価、高値になり得ると、そういう面もございます。また、省エネや再エネなど、どのようなプロジェクトを通じて創出されたクレジットであるかによっても、先生御指摘のとおり、その価格が違う、あるいは種類によって需要家の評価額が違うと、こんな状況になってございます。  こうした点も踏まえて、もう一点、余り低くなり過ぎないようにということもGXに取り組むインセンティブを確保する意味では大事だと思っておりますので、そういったことも含めて、今後、産業構造審議会での議論の中で有識者の意見を聞きながら検討していきたいと、このように考えております。

石川博崇公明党

○石川博崇君 今のような答弁を踏まえてしっかり検討していただきたいと思います。  このカーボンプライシングは特定の事業者の方々が負担されるという意識を持ってしまいがちですけれども、最終的にはやはり適切な価格転嫁を経て社会全体で負担していくというものであろうかと考えます。  ただし、この社会全体で負担するという点について気になる指摘があったのは、仮に価格転嫁が行われたとしても、実際の負担には地域的な様々なばらつきが出てくるんではないかと。例えば、冬場の灯油需要が多い寒冷地、あるいは公共交通機関が余り整っていない地方では負担が大きくなってしまうのではないか。さらには、夏の冷暖房需要が大きい西日本以南、南西地域では特定事業者負担金による影響が相対的に大きくなるのではないか、こういった指摘もあったところでございます。  このような社会全体で負担していくべきものということについての政府の認識と、地域によって負担の差が生じるという指摘についてどういうふうに考えているのか、政府の御答弁をいただきたいと思います。

畠山陽二郎内閣官房GX実行推進室長

○政府参考人(畠山陽二郎君) お答え申し上げます。  カーボンプライシングは、我が国における炭素の排出に値付けを行い、排出削減に向けた行動変容を促すものでございます。社会全体の脱炭素化に向けた意欲を高め、脱炭素製品が高く評価される市場をつくり出すためにも、委員御指摘のように、カーボンプライシングを特定の業種や地域の負担のみに偏らせることなく社会全体で受容していくことが重要だと、このように考えております。  他方で、この法案に基づきまして、カーボンプライシングを導入することで、直ちに特定の地域に負担が偏ることにつながるわけではないと承知しております。例えば、こうした負担は、エネルギー供給事業者の経営状況ですとか、燃料価格や為替の動向、各需要家が選択するエネルギーの構成あるいはエネルギー消費設備の効率など、複合的な影響により決まるものであるため、予断を持ってお答えすることはなかなか難しいというふうに考えております。  その上で、政府といたしましては、カーボンプライシングにつきまして、関連産業、国民生活への影響にも最大限配慮いたしまして、エネルギーに係る負担の総額を中長期的に減少させていく中で導入していく方針でございます。  加えまして、予算措置などによりまして、例えば、国民生活においてもGXの取組を進め、光熱費の負担を軽減する観点から、住宅での断熱窓への改修支援など、エネルギー使用量の削減、これ負担の軽減にもつながるわけですけれども、あるいはエネルギーコストの低減にも取り組んでいるところでございます。  引き続き、制度が社会全体の脱炭素への意欲を高め、事業者や国民がGXの恩恵を享受できるよう取組を進めてまいりたいというふうに考えております。

石川博崇公明党

○石川博崇君 断熱材等への支援によって消費者にも広く支援をしていくというお話でしたけれども、そうはいっても、やっぱり国民一人一人の負担に関わる問題でございますので、広く国民の皆様の理解を得ていくということは極めて重要ではないかというふうに思っております。  そういう意味で、社会全体で排出削減を進めていくために、カーボンフットプリント、製品やサービスの温室効果ガス排出量の見える化を進めて、消費者が環境負荷の少ない製品あるいはサービスを選択するように促していく、またライフスタイルの転換を図っていくことも重要ではないかというふうに思っております。  環境省、今日来ていただいておりますけれども、こうした観点からの取組について御説明をいただけますでしょうか。

堀上勝環境省大臣官房審議官

○政府参考人(堀上勝君) お答えいたします。  御指摘のとおり、製品、サービス単位のライフサイクル全体の温室効果ガス排出量、これを見える化すると、それがカーボンフットプリントでありますが、その普及は消費者による脱炭素型製品の積極的な選択を促進すると、そういう重要な取組の一つというふうに認識をしています。  環境省では、製品等へのカーボンフットプリントの表示を促進するために、その算定、表示に取り組む企業、業界を支援するモデル事業を実施いたしております。具体的な表示方法の指針を示したカーボンフットプリント表示ガイド、これを今年の二月に公表いたしました。今年度からは、カーボンフットプリントの算定に関する人材育成を支援するモデル事業、これも実施する予定でございます。  また、消費者のライフスタイル転換に向けては、国民運動、デコ活におきまして、カーボンフットプリントが表示された製品等も含めて、製品、サービス等を国民、消費者に提供する取組を後押ししているところでございます。さらに、脱炭素製品等について消費者により分かりやすく訴求するための表示ルールを始めとした需要の創出策、そういったことを深掘りしていこうということで、先週、新たに検討会を立ち上げまして、その検討を進めていこうということでございます。  引き続き、脱炭素に貢献する企業、製品が積極的に選択される社会を目指して取り組んでまいりたいと考えております。

石川博崇公明党

○石川博崇君 ちょっと時間の関係で質問飛ばさせていただきまして、先ほど北村先生からも御指摘がございましたが、私からも、中小企業の事業者に対する支援について御質問させていただきたいと思います。  日本商工会議所が昨年六月に公表した中小企業の省エネ・脱炭素に関する実態調査によれば、従業員二十人以下の小規模事業者において、エネルギーの使用量あるいは温室効果ガス排出量の把握、測定を実施している企業は僅か一割にも満たないという実態でございました。その理由としては、大半がマンパワー、ノウハウが不足しているということで、取り組みたくても取り組めないという実態がうかがえます。  こうした実態を考えれば、特に小規模事業者における脱炭素化の取組をいかに支援をしていくのかということが不可欠であるというふうに思っております。既に中小企業基盤整備機構とかよろず支援拠点等において様々な支援体制を整備していただいているということは承知しておりますけれども、これをいかに現場まで確実に届けるか、その更なる工夫と実行力が求められるのではないかというふうに思っております。  サプライチェーンの上流に位置する大企業への強力な働きかけなど、政府においてどのように取り組んでいくのか、御説明をいただけますでしょうか。

畠山陽二郎内閣官房GX実行推進室長

○政府参考人(畠山陽二郎君) お答え申し上げます。  産業競争力の強化とカーボンニュートラルの実現を同時に達成するためには、大企業のみならず、御指摘の中小企業も含めたサプライチェーン全体でGXの取組を支える環境整備が不可欠でございます。中小企業も、GXに取り組むことで、省エネによるコスト削減ですとか受注の拡大につながる可能性があるといったメリットもございます。他方で、中小企業におきましては、具体的に何をやったらよいか分からないですとか、あるいは、まさに御指摘があったように取り組める人材が不足しているといった課題があることを承知しております。  このため、省エネの専門家がアドバイスを行う省エネ診断の支援に加えまして、こうした中小企業のGXの取組に関する支援策をまとめたパンフレットによる周知広報の実施、そして地域の商工会議所や支援機関、金融機関等から中小企業へのプッシュ型でのサポート体制の構築にも取り組んでございます。そして、自らその省エネの取組をされるという中小企業に対しては各種補助金も準備をしていると、こういう状況でございます。  加えまして、サプライチェーン全体での取組を進めることも大事だと思っておりまして、受託中小企業振興法に基づきまして、望ましい取引の在り方を定めた振興基準におきまして、親事業者、下請事業者の双方が連携してグリーン化に取り組む旨を記載しているところでございます。  加えまして、グリーン化の取組も対象にしているパートナーシップ構築宣言におきましては、サプライチェーンでの新たな連携に取り組む優良事例を表彰する制度を設けているところ、二〇二三年度より、テーマ特別賞としてGX表彰というものを創設いたしまして、サプライチェーンの脱炭素の取組を支援した企業を表彰し、大企業における中小企業のGX支援の機運醸成に取り組んでございます。さらに、GXリーグの参加企業と中小企業が連携してサプライチェーンでの排出削減に取り組むことを後押しするための検討も進めてございます。  こうした取組を通じて、中小企業の省エネあるいはGX、この取組を後押ししていきたいと、このように考えております。

石川博崇公明党

○石川博崇君 また、これも北村先生からもございましたが、多排出企業から中小企業にその排出が付け替えられたりとか負担を押し付けられたりとか、そういったことがあってはならないというふうに考えております。十万トンというのが一つの基準なんですが、その制度から制度逃れをするために、会社分割等によって工場を移転したりとか、あるいは排出活動の外部委託で排出を他の関連法人に切り出したりとか、こういったことをするおそれもございます。あるいは、取引協力関係にある中小企業に対して排出を伴う製造を押し付けるなどの行為、こういったことも許されるものではございません。  こういったことを規制するために具体的にどのような検討が行われているのか、御答弁いただけますでしょうか。

畠山陽二郎内閣官房GX実行推進室長

○政府参考人(畠山陽二郎君) お答え申し上げます。  会社分割などの組織再編成や排出活動の外部委託などは通常の企業活動の一環だというふうに考えておりまして、義務の回避が目的であるかの判断は非常に難しいというのが実情だとは思っております。制度の検討に当たりましては、こうした通常の企業活動を抑制するものでないか、慎重に検討していく必要があると思ってございます。  その上で、本法案では、分割によって排出量が十万トン未満となる場合におきましても、分割後に残る事業と分割によって他社に承継される事業、このいずれにつきましても実績の排出量に相当する排出枠をそれぞれの者が翌年度に償却することを求めてございまして、直ちに義務の対象外とはならない仕組みとしてございます。  現時点ではこれ以上の措置は不要と考えておりますけれども、制度開始後の状況を踏まえて、更なる措置の必要性については継続的に点検、検討してまいりたいと考えております。  加えまして、御指摘のとおり、中小企業に炭素価格に関する負担が不当に押し付けられることがないよう留意する必要もあると考えております。現時点でどのような不当な押し付けがあり得るのか、具体的、網羅的に想定することは困難ではございますけれども、例えば原材料費のコスト上昇分の転嫁を拒むケースなども想定をし得るところでございます。  このため、こうした行為が存在することがないよう政府において厳格に確認を行うとともに、取引上優位な立場を利用して中小企業に不当な押し付け、不当な負担を押し付けるような取引に対しては、必要に応じて関係省庁とも連携いたしまして、政府が一体となって是正に取り組んでいく、このように考えております。

石川博崇公明党

○石川博崇君 ありがとうございます。  最後に、武藤大臣にもう一問お伺いをしたいと思います。  循環経済につきましては、昨年七月に循環経済に関する関係閣僚会議が設置されて、昨年の十二月には取組内容を具体化した政策パッケージが公表されました。今後、このパッケージに沿って様々な取組が進展することと考えておりますが、やはりこの循環経済、これも先ほども指摘しましたが、これも消費者、国民の理解なくしては進めることは困難であろうかというふうに思います。  いかにこの循環経済の移行に向けた社会全体の機運を高めていくのか、武藤内閣府GX担当大臣の御決意を伺いたいと思います。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 議員御指摘のとおり、循環経済の構築には、事業者や消費者など、国民始め関係各者の理解促進が極めて重要であります。  まず、事業者の理解促進と機運醸成のため、産学官のパートナーシップであるサーキュラーパートナーズにおいて、多様な主体の参画を得て、製品や素材ごとのロードマップの策定等の議論を深めているところです。  また、消費者への普及啓発も重要であり、環境配慮設計の価値や資源循環の意義について、ラベリングによる見える化を通じて国民の理解を深めていきたいというふうに思います。  また、大阪・関西万博では、日本の優れた資源循環技術や再生材を利用した製品を国内外に広く紹介をし、サーキュラーエコノミーへの理解促進を図る絶好の機会として活用しているところであります。  このような取組を進めることで、事業者、国民の幅広い理解を得ながら国内での資源循環の促進に取り組んでまいります。

石川博崇公明党

○石川博崇君 時間が来たので終わりたいと思います。残りの質問につきましては次回に譲りたいと思います。  ありがとうございました。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。  この法案の賛否については、我が党の意向に反論するものではないし、当然従うんですけれども、私自身、この環境下においてGXを推進、ばく進していくというのはかなり疑問を持っていますので、その観点から質問させていただきたいと思います。  今までのエネルギー政策というのは、エネルギー安保とそれから脱炭素の二本立てだったと思うんですよね。ところが、まずトランプ大統領はパリ協定から脱退したということ、それからトランプ関税で、まあ大げさに言えば、日本の飯の種である自動車産業がかなり苦境に陥っていく可能性もあるということ、それから財政赤字が非常に大きくて、幾らでも金があるんなら何でも追求していけば、少しでもプラスがあれば何でも追求していけばいいんですけれども、そういう状態ではないというときに、果たしてこのエネルギー安保と脱炭素、二本立てで行っていいのかという疑問があるわけですね。  特に、先ほど申しましたように、車、飯の種である自動車産業が苦境に陥って、それから、かつ円安が更に進んでいくというリスク、これはいろんなところで申し上げているんですけれども、今まではテールリスク、要するに、起こったら大変なことが起こるけれども、起こる確率は非常に低いだろうというテールリスクから、円安、それから買うべきお金がないというリスクは、かなり高い可能性のあるリスクに変わってきたと思うんですよね。  そうなると、やはり喫緊の課題は、どうやって日本人のエネルギーを確保するか。本当だったら、そこに全人材と資源とエネルギーを費やすべきだろうと私は思っているわけなんです。かつ、先ほどちょっと古賀委員も申し上げたように、アメリカがちょっと一歩引いちゃって、世界も一歩引いちゃっているときに日本だけ一生懸命邁進していくと、貧乏くじを引いて、結局無駄金、ただでさえ財政が苦しいのに無駄金を払ったということになって、とんでもないことになるんじゃないかなというふうに思うわけですね。  そうなると、やっぱりそういうリスク、テールリスクがリスクに変わってきたということになると、やっぱり日本のエネルギー安保を第一に考えなくちゃいけない。そうすると、やっぱり原子力しかないのかなと私は思っちゃうんですよね。    〔委員長退席、理事古賀之士君着席〕  実際、個人的なことを言いますと、私、スリーマイルアイランドのときに、シカゴだったんですけど、そのニュースを毎日見て怖いなと思い、そして東海村事件のときに、東海村のあの事件のときにですね、日本人は全くもうのうてんきにしていましたけど、私の部下の外国人はみんな大慌てで、西の方とか、それからシンガポール等にみんな家族逃がしていたんですよね、そういう危機があった。  そうしたら、今度三・一一なんで、三度原子力事故が続き、見てきましたので、もう嫌だという思いが長くあったんですが、いろんな事故、環境が変わっていきますと、やっぱり日本が、日本経済が生き延びていくためにはもう原子力しかないんじゃないかなと、こう思ってきたわけです。それも、やっぱりそれは事故があるのを最小限に抑えるということですから、近代的な、何というかな、小型、未来型の原子炉に全ての金と人力を費やしてですね、そうしていかなくちゃいけないんじゃないかというふうに今は思っています。  確かに、あと自動車事故だって、リスクがあるといって怖がっていると、自動車だって時速五キロで走れば事故ないわけですけれども、それじゃ経済が回らないわけで、その辺のリスクとリターンのバランスだと思うんですけれども、そういうことを考えながら、原子力発電にしていかざるを得ないんだろうなと。それも、特にその辺の安全なものをつくり出すというところに注力すべきではないのかなというふうに思っています。  そういう観点でちょっと質問させていただきたいんですけれども、今日からまたガソリン補助金が出るわけですね。確かに今日から出るわけで、今、最終的には十円の補助金が出るというわけですが、これ自身は、ガソリン補助金自身はGXとは関係ないといえば直接関係はないんですけれども、このガソリン補助金というのは、まず一つにはインフレにつながるリスクがある。そして、これ、補助金があればお金が、ガソリン代が安くなりますから、ドライブに行かなくてもいい、行かない人も安いんだったらドライブに行こうとか、当然ガソリン需要は増えるわけで、GXに逆行すると思うんですよね。  それで、去年の十一月に、電気・ガス補助は不適切という、経済学者四十七人の調査を日経新聞がしましたけれども、七七%が不適切だというふうに述べているわけです。この記事、日経新聞の記事の中には、アメリカ・プリンストン大学の清滝信宏教授、これはマクロ経済学ですけれども、彼は、清滝教授というのは、しばしばというか、ノーベル経済学賞の話になると必ず出てくる日本人で、日本人でノーベル経済学賞を取るならば清滝教授だろうという枕言葉が付くような方なわけです。日経新聞はそういう枕言葉でよく清滝教授を紹介していらっしゃいますけれども、その清滝教授が、これらの電気、ガスの補助金は物価抑制には逆効果で、環境保全にも悪影響を及ぼすと答えていらっしゃるわけです。  まさにそのガソリン補助、これは環境保護にも逆方向、脱炭素に逆方向だということだと思うんですけれども、それに対して経産省は、こんな補助金駄目だと大いに反論したのかどうか、それとも、GX法というのは軽いもので、そんなこと無視してこの補助を進めたのか、大臣、いかがでしょうか。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 委員御指摘いただいた、今日、本日二十二日から実施しております燃料油価格の定額の引下げ措置でありますが、足下の物価高に苦しむ国民の皆さんの現状に一刻も早く対応すべく講じているものであります。  一般的に、生活必需品であるガソリンにつきましては需要の価格弾力性が小さいと言われているということを承知しています。このため、定額引下げ措置によるガソリン価格の低下に伴うガソリン需要の増加というものは限定的であって、これがガソリンの価格上昇をもたらす効果も限定的だというふうに考えているところであります。  また、委員御指摘のとおり、脱炭素の観点からは、ガソリン価格等への補助というものはこれいつまでも続けられるものではないと考えております。暫定税率に関するこれ政党間の協議というものが今も続いていると思いますけれども、脱炭素の論点も含めて議論されているものと承知をしているところであります。  以上です。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 ガソリンに補助金は、物価上昇にはさほど影響ないという、限定的であるとお話しだったんですが、では、化石燃料賦課金の徴収、それから、二番、三番一緒にしますけれども、あとGX法が目指している再生エネルギーの援助とか、そういうものはかなり物価上昇に、もう実際電気代で相当高騰していると思いますけれども、物価上昇に関与してくるのではないかと思いますけれども、何か先ほどはすぐ免除という話が出ていましたけれども、物価上昇にはどうなんでしょうか。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 今日も、御答弁先ほどからさせていただいておりますが、化石燃料の賦課金を含むカーボンプライシングの導入に当たっては、物価高を含めて国民負担に配慮をした制度設計としていきます。具体的には、石油石炭税や再エネ賦課金といったエネルギーに係る負担の総額を中長期的に減少させる範囲内で徐々に導入することを二年前に成立した現行GX推進法で明記をさせていただき、そして、化石燃料賦課金については、エネルギーに係る負担に伴う我が国経済や国際競争力への影響等を踏まえ、石油石炭税と同一の減免措置を講ずるべく検討を進めております。  このような工夫によりまして、物価を含めた国民負担に配慮した制度となるよう運用してまいります。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 二年前は、私はかなり予想していましたけど、世間的にはこんなに物価上昇が起こると思わなかったでしょうから、かなり甘い前提の下に法律等を作ってきたんじゃないかと思うんですが、今お聞きしていますと、減免、減免とかそういうことをおっしゃっていますと、じゃ、財源はどうなるのかなと。  要するに、この法律ができた段階では、このプロジェクト、二十兆円の原資はGX債であると、原資というか、GX債で取りあえず賄う。GX債は結局、炭素税の税収とか、あるいは政府による排出権の売却で賄うという話になっていましたけれども、そういうお話を聞いていると、GX債が満期になったときに返済できないんではないかと。借換債を発行すると、そうすると、その借換債は普通国債になるんじゃないかということになると、法律を作ったときに、このプロジェクトはきちんとした収入目的があるから大丈夫というのが、うそとは言いませんけれども、そういう説明が成り立たなくなってくるんではないかなと思うわけですね。  それで、ちょっとお聞きしますけれども、日本銀行にお聞きしますけれども、現在日本銀行はGX債をどのくらい買っていらっしゃるんでしょうか、保有しているんでしょうか。そして、その保有高というのはGX債発行高全部のうちの何%なんでしょうか。

中村康治日本銀行理事

○参考人(中村康治君) お答え申し上げます。  日本銀行は、GX移行債のうち、個別銘柄といたしましてクライメートトランジション利付国債、いわゆるCT債を保有しております。  五月九日時点で、CT債の保有残高は一兆一千八百三十八億円、また、CT債の発行残高に対する日本銀行の保有割合は、五月九日時点で三九・五%でございます。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 約四〇%がこのGX債のファイナンスを日本銀行がやっているという理解になるわけですけれども、そうすると、今、日本銀行というのは普通国債の日銀買いオペを減らしていくと、こう公言しているわけですから、当然GX債も、今までちょっとお聞きしていると、普通、一般債と同じ扱いですから、結局、どんどん日銀がファイナンスを減らしていくということになるという理解していますけれども、それで大丈夫、よろしいでしょうか。    〔理事古賀之士君退席、委員長着席〕

中村康治日本銀行理事

○参考人(中村康治君) 委員御指摘のとおり、日本銀行が買い入れておりますこのCT債でございますけれども、これは利付国債に該当しますので、日本銀行による国債買入れの対象というふうになっております。  その上で、このCT債でございますけれども、発行額は少額でございますことから、買入れに当たりましては市場の流動性に十分配慮する必要があるというふうに考えております。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 GX債だからといって特別な配慮をするわけではないということでよろしいですか。

中村康治日本銀行理事

○参考人(中村康治君) 他の国債と同様と取り扱うということでございます。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 ということは、やっぱりGX債というか、GX、このプロジェクトの財政面がすごい気になってくるわけですよね。普通国債でも、日本銀行はこの十何年間のうちの発行国債のほぼ九五%、九八%ぐらいかを買っているわけで、日本銀行がこれからフェードアウトしていくということになると、いろんな面での財政の問題が出てくるわけで、その二十兆円出す、じゃ、GX債発行して何とか、いろんな税収があったり、排出権の売却で原資が出るのを待つと言っても、途中で日銀がもう買わないよなんて言い始めたら、若しくは減額し始めたらどうなっちゃうのというふうに思うんですが。これは、今六番飛ばしましたけれども、じゃ、質問もうちょっとしますと、要するに、プレミアム付きでGX債が売れるんだという最初の法案作成時に説明があったというふうに記録を見ていますと書いてあるんですが、何かプレミアムどころじゃないということになってしまうんではないかというふうに思いますが、内閣官房の方、どういうふうにお答えでしょうか。

田尻貴裕内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(田尻貴裕君) お答え申し上げます。  GX先行投資支援の財源として、通常国債ではなくて、あえて個別の債券として資金使途を特定した上でクライメートトランジション利付国債を発行した目的につきましては、必ずしもプレミアムということではございませんで、世界で初めて国が発行するトランジションボンドの発行という象徴的、政策的意義を発信することで、国内外のトランジションファイナンス市場の拡大にも貢献するという点にあったと考えてございます。実際、世界初の国によるトランジションボンドといたしまして国内外の投資家からの注目を集めてございまして、画期的な取組として国際的な賞も複数受賞しているところでもございます。  引き続き、幅広い投資家に受け入れられるように努力をしてまいりたいと考えているところでございます。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 時間来たのでもうこれ以上議論しませんけど、これ、名前だけ変わっても、投資家の立場から見るとみんな同じですからね。まあそういうことで、今日はこれで終わりにしておきます。  ありがとうございました。

礒崎哲史国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史です。どうぞよろしくお願いをいたします。  私からは、ちょっとまず全般的なお話から私も入っていきたいと思います。これまでるる先生方、委員の皆さん御質問の中で、経済性とどうやって両立させていくかというところがやはり皆さん関心だというふうに受け止めましたし、私もまさにそこだというふうに思っています。  そこで、最初に大臣にお伺いをしたいんですけれども、今回のこのカーボンニュートラル、この実現に当たっては、やはりこれまで皆さんおっしゃられていたとおり、企業の競争力、こうしたものへの影響、あとは最終的にそれが国民負担としてどのように跳ね返ってくるのか、そしてやはり全体的な経済への影響というもの、こうしたものを全て高次元で成立させていかないといけない一大プロジェクトなんだというふうに思っています。  その意味で、これ衆議院の委員会、衆議院側の質疑の中でも、やはり制度上の予見可能性を高めていくと、見通しを立たせるということが重要だということは議論がずっと進んでいました。確かにそのとおりだというふうに思います。  ただ一方で、同時に、技術動向であったり経済環境の変化、そうしたものというのも目まぐるしく変わっていきますので、ですから、今言った予見可能性が重要だと言いつつも、実はフレキシブルな対応も同時に必要になってくるのではないかという、その意味でも非常に高次元でのやり取りが必要になってくる多分活動なんだというふうに思っているんですけれども、改めて、そういった考え方について、経産省のお考え、大臣のお考えを確認させていただきたいと思います。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) この脱炭素をめぐる世界的な投資競争ですね、この中でGXを通じてエネルギーの安定供給ですとか経済成長、脱炭素というこの三つ同時に実現するためには、本当に今後のGX市場を獲得するためのGX投資を他国に先んじて進めていかなければならないということが必要だというふうに思っています。そのために、御指摘のような民間企業の予見性、これを高めることが極めて重要でありますので、GX経済移行債を活用した大胆な投資支援策や排出量取引制度等の導入を通じてGXへの投資を促してまいりたいというふうに思っているところです。  その上で、当然、こうした取組を進める際に、国民負担であるとか経済への影響というものも十分に配慮をしていくことは重要であり、本法案の下でも、急激な事情の変更に伴う過度な負担が国民や事業者に生じないよう制度上の工夫を講ずるとともに、GX政策についても、官民でのGX投資の進捗状況ですとかグローバルな政治経済情勢、技術開発の動向など、本当にこれらを踏まえたものの中で必要に応じた見直し等を、ここも先生おっしゃられるように柔軟的に、なおかつ効果的にこれを行っていかなければならないと思っているところです。

礒崎哲史国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 今大臣から答弁いただきました。アメリカは大統領が替わって真逆に動きとしてなりましたし、ヨーロッパなんかも実はこれ変えてきているんですよね。自動車でいけば、例えば二〇三〇年で全て電気自動車だと、二〇三五年で電気自動車だと言っていたヨーロッパの各国がもう今変わっていて、内燃機関認めますよと、ハイブリッドでもいいんじゃないですかという話になってきました。  これを見て、世の中の反応は、それ見たことかという反応もあるんですが、一方で、その意味では、だから、ヨーロッパですとかアメリカというのは、現状をやっぱり見た上で柔軟に変えてきているという言い方もできるんだというふうに思います。  その一方で、日本人って律儀なので、積み上げの文化なので、一度決めると、とことん追求するんですよね。頑張るんですよ、みんな。そうすると、変えられないんですね、方向性が。  それがとりわけ強いのが、こう言っちゃなんなんですけれども、役所の皆さんが更にそれが強いと思うんですよ。よく無謬性という言葉がありますね。一度変えたことが変えられない、失敗を認められないという、こういう体質です。そうすると、いざ変えなきゃいけないって産業界も思ったときに、役所が一度立てた方向性を変えられなくなる。そうすると、そこの呪縛から逃れられなくなって、変えたんだけれども、前決めちゃったことを引きずっていびつな制度になるなんということがきっとこれまでもいっぱいあったんじゃないかというふうに思いますので、ここは本当に、我々の考え方も含めて結構本当に柔軟にやっていかないといけない世界になるんではないかなということを危惧して一問目の質問をさせていただいたという次第でありますので。  まだまだ変化も大きいと思います。是非柔軟な対応も含めて、さっき言いました予見可能性も本当に重要ですので、こういった点も含めて、是非引き続き大臣にはリーダーシップ取っていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。  もう一つ、今回の法律に関しては、前回のこの法律を制定した際に、公正な移行という言葉を盛り込むということになりました。これは、過去の産業革命ですとかエネルギー革命における経験知から本法にこの公正な移行という考え方が盛り込まれたと、そのように承知をしています。  そこで、この公正な移行に関するこれまでの取組の内容ですとか、あとは現状での課題認識についてお聞かせをいただきたいと思います。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 公正な移行についての御質問をいただきました。  GX推進法の基本理念やGX二〇四〇ビジョンにおいて、その推進を明確に位置付けております。その実現のためには、GX推進を通じて、新たに生まれる産業への労働移動を適切に進めていくとともに、GX産業構造への転換に伴い、高度化されたサプライチェーンでの労働者が引き続き活躍できるよう、必要な取組を進めていくことが重要であると思っています。  こうした考えの下で、これまでも、GX分野のリスキリングの支援や、排出削減が困難な産業の製造プロセス転換を支援する場合に公正な移行に向けた取組を確認するなど、省庁横断的に各種の支援策を活用し、対応してきております。  今後、GXに向けた取組が本格化する中で、多排出産業であるとか、中小企業はもちろんですけれども、産業や社会における課題をきめ細かく把握していく考えであり、関係省庁と連携しながら引き続き丁寧に対応していきたいというふうに思っております。

礒崎哲史国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 今大臣から御説明をいただきました。  今、実際の対応で、リスキリングですとか、そうした企業内の動きも含めた支援ということでメニューも御紹介をいただいたんですが、その中で、やはりこのリスキリングですとかリカレント教育という、こういった人材育成、やはりこれが重要だろうということ、これはもう私も全く同じ考えなんです。  ところが、今日ちょっと皆さんのお手元に資料をお配りをしました。これは、企業がどれぐらいこの人材育成を行ってきたかという過去の推移をまとめたもので、厚労省さんの能力開発基本調査というところから引っ張ってきました。  オフJTと書いてあります。OJT、オフJTという言葉がありますけれども、OJTは基本的には現場で作業をする、あるいはそうした経験知を積みながら自分の技術を更に高めていくということで、実際の今の仕事に即したものがOJT。オフJTというのは、まさにそれとは違う観点で学びをしていくということですので、まさに今回、公正な移行を行っていくという意味では、このオフJTという部分が大変重要になってくるというふうに思いまして、実際に過去、これがどれぐらい盛んに行われてきているのかという推移を実は調べてみますと、一ページ目は、オフJTに費用支出した企業割合の推移という意味でいくと、平成二十年から書いてありますけれども、ほぼ変わっていない、かつ、コロナの令和二年のときにはこれが落ち込んで、余りまだこれが戻ってきていないという状態であったり、あと、二ページ目は、実際にその費用の金額ですね、平均金額で見ると、やっぱりこれも余り変わっていないですし、やはりこれもコロナのときに落ち込んだ傾向からまだ浮上していないということになります。  これ、グローバルで見るとどうかということで、三ページにお付けをしました。これも厚労省さんからの資料になるんですけれども、人材投資という、GDP比という観点でいくと、各国は何とか、GDP比でいくと、でこひこはありますけれども、何とか維持をしている中で、英国と日本は右肩下がり、かつ日本はその水準そのものがかなり低いレベルにあるということで、相当人材育成に関しては、この間、海外に対しても遅れてきてしまっているし、それが全く挽回できる傾向にないというのが足下だと思うんですね。  ですので、大臣、そこで御質問なんですが、これやはり企業に対する働きかけというのは、これ大変力を入れないといけないんじゃないかなという危機感を私持っています。その意味では、今、足下で賃上げと景気拡大の好循環、これも道半ばの状態とすると、特に中小企業は、人材育成に向けて費用を費やしていくという体力もないし、お金もないというのが現状じゃないかなというふうに思います。  そういう状況にある企業に対して、その企業内の人材育成、こうしたリスキリングも含めて働きかけを行っていく、大変な作業だと思いますが、どのようにしてこれ働きかけ、取組を行っていくのか、その点を確認させてください。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 委員、いい資料をありがとうございます。  いつも人材にはいろいろと関心持っていますけれども、こういうのを見ると寂しくなります。ということの中で、御指摘のとおりであります。日本企業の競争力強化のためには、人材育成投資というものはこれ極めて重要です。こうした機運を官民連携して醸成していく先行事例とするためにも、GXというこの分野における人材育成投資を促進していきたいというふうに思います。  具体的に、まず、GXに関連する幅広い分野においてどのような人材が求められているかを把握することが重要であります。経産省では、中小企業を含めて幅広い業種でGX推進を担う人材像やその育成、確保方法についての事例を収集しまして、GXを進める企業が参照できるように、本年四月に事例集を公表いたしました。あわせて、GX人材が適材適所で活躍できる労働市場の創造や人材投資の推進に資するよう、民間企業七百者以上が参加するGXリーグが策定をいたしましたGXスキル標準というものにおいて、GXに関するスキルレベルを具現化、具体化しております。  こうした取組や産業分野別に進んでいるこれまでの人材育成の取組を踏まえつつ、今後も取組の拡充に向けた施策を検討してまいります。

礒崎哲史国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 ここ、やはり最後肝になると思っています。普通の公正な移行という観点でもそうですし、企業のまさに競争力を維持していく、更に向上させていくという意味でもここはもう欠かせない点だと思いますので、ここは是非強力に、本当に強力に進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。  では、次、排出量取引制度についてお伺いをしたいと思います。  GXの実現に向けたコスト負担という観点でまず最初に確認をさせていただきたいんですが、本法案においては、この排出量取引制度、これがもう具体的な取引制度としてスタートをしていきます。その一方で、この取引制度の後、さらには化石燃料賦課金であったり、あるいは発電事業者向けの有償オークション、これも二〇三三年からスタート、また、既に今再エネ賦課金、これもあります。そうすると、この企業ですとか個人のコスト負担というものはかなり幅広い範囲に掛かっていますし、それも、今後更にいろんな制度が出てきて積み上がっていくということも考えられます。  そうしますと、このコスト負担の増加分というものは、最終的にはこれは消費者にサービスであったり商品という形で転嫁されていくもの、つまりは社会全体で負担すべきものとの理解でよいかどうか、その点を確認させてください。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 我が国のGX政策でありますけれども、先行投資支援とともにカーボンプライシングを足下低い水準から徐々に導入していくことで、事業者のGX投資を促し、脱炭素や産業競争力の強化、エネルギー安定供給の実現等を目指すもので、今日ずっとお話をさせていただきました。  その上で、カーボンプライシングの導入等によって促進されるGX投資が事業者にとって単なるコストとして認識されれば投資は進まない、そして社会全体の排出削減も進まないことが懸念をされるところであると思います。したがって、GX投資を後押しするためには、脱炭素に要する費用を事業者だけでなく消費者を含めた社会全体で分担をする仕組みであることが必要であるということに思います。  こうした仕組みを実現するためには、脱炭素型の製造プロセスによって生み出された製品が高く評価をされ、消費者から適正な対価を得られる環境を整備することが重要であるというふうに思っているところであります。

礒崎哲史国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 今大臣から説明いただきましたけれども、その対価であったり、これは環境負荷対応でということで、最終的にはやはりサービス、商品に乗ってくるわけですよね。  そうすると、そこの説明責任というのは誰が負うのかというと、それは果たして企業が行うのか政府が行うのかということでいけば、これは大きい方針ということでいけば政府が行おうとしている方針ですので、まずはやはり日本政府として、そういうものの負担はやっぱり今後あるんですよということ、これをやはりしっかりと発信をしていただいて消費者に理解をしていただくということは、やはりまずは政府に責任があるんだと思いますので、是非取り組んでいただきたいと思いますし、また、今日、村田委員とのやり取りの中で、それこそさっき言った化石燃料賦課金ですとかこういったもの、それぞれ意義が違いますから、こっちはこういう理由で取っています、こっちは理由でこれ取っていますということで、それは理屈上はそうですけれども、最終的に全部消費者が払うお金はお財布一緒ですからね。  だから、そのお財布へのダメージがどうなのかということを本気で考えていかないと、これはこういう理由だから出してくださいということを積み上げていけば、これは冒頭の御質問で言ったとおり、経済が成り立たなくなりますので、そこをしっかりと考えた上で、今後様々、運営あるいは情報発信をしていただきたいということをお願いをしたいというふうに思います。  残りの質問は次回に行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。  気候危機が深刻になっていることを受けて、各国は、パリ協定の一・五度目標達成のためにCO2の排出削減目標を引き上げる、で、対策を拡充し、前倒しで取組を加速、強化しています。こうした下で、日本でもカーボンプライシングの具体化が始まります。  EUでは、二〇〇五年、今から二十年前にもう制度をスタートさせているんですよね。日本はただでさえ国際的な取組が遅れています。しかも、排出量取引制度は二〇二六年度開始、化石燃料賦課金の徴収は二〇二八年度開始ということで、二〇三〇年までに思い切ったCO2の排出削減が求められていることから見ても余りにも遅過ぎるんですよね。それだけに、排出削減に実効性のある制度設計が問われています。  本法案では、CO2排出量が十万トン以上の事業者に排出量取引制度への参加を義務付けるということです。排出量取引制度の肝は、キャップ、総排出量を決めることです。先行するEUを始め各国の排出量取引制度は、このキャップを決めてCO2の削減目標達成のための制度設計を行っているんですよね。ところが、本法案ではこのキャップ決めていないんですよ。  これ、なぜ決めていないのでしょうか。キャップを決めずにどの程度の削減量を見込んでいるのでしょうか。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 排出量取引制度の導入は、企業のGX投資を促進をし、脱炭素と経済成長が両立する環境を整えていくためのものであります。中長期的に炭素価格を徐々に引き上げる必要はありますが、短期的な炭素価格の高騰というものは国民生活や産業に大きな影響を与える懸念があるので、回避するこれは必要があるというふうに思っているところです。  排出量の総量を厳格に管理した場合、排出枠の需給の状況次第で炭素価格の大幅な高騰が生じ得るところと思っています。一方で、排出枠を追加的に割り当てることができないため、高騰を確実に今度は鎮静化することができないだろうと。このため、今回の法案では排出枠の総量を制限することはしておりません。むしろ、炭素価格に上限を設けることで高騰を防止することとしているところです。  その上でですが、成長志向型カーボンプライシング構想の下で先行投資支援と一体的に排出削減を進めることとしており、他の制度や支援策も組み合わせ、政策を総動員しながらGXを進めていくものであることから、今回の排出量取引制度のみの削減効果を切り出してお答えすることは困難でありますが、いずれにしましても、二十兆円の規模の支援と組み合わせ、事業者の精力的な取組を引き出す制度となるように詳細を検討してまいりたいというふうに思っています。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 先行している国々を見ると、国々の排出量取引制度を見ると、このキャップを決めていないということで炭素価格が低迷をして排出削減が進まないということは明らかなんですね。オーストラリアでは当初、制度全体の排出上限を設定していませんでしたけれども、二〇二三年の改正で国の削減目標とリンクをする排出上限が設定をされました。  で、この国の排出削減目標とリンクをしないと。先ほど、どの程度の削減量を見込んでいるかということについては具体的な答弁ありませんでしたけれども、排出削減にどの程度貢献するかということも示せないということでは、これ、深刻化する気候変動への危機感がないというふうに言わざるを得ないんですね。一・五度目標を達成するための排出削減目標、そしてこの目標と整合する排出総量を決めて、それに基づく制度にするべきです。  実施指針でこのキャップを設定すること、キャップをNDCの削減目標に整合するように段階的に強化していくこと、これを明示的に定めるべきだということを求めておきたいと思います。  次に、カーボンプライシングについて確認をしていきます。  先行する諸外国のカーボンプライシングは、国の排出削減目標と整合性を持つように、目的に排出削減が位置付けられているんですね。一方、日本のカーボンプライシングの目的、これはどうなっているでしょうか。

畠山陽二郎内閣官房GX実行推進室長

○政府参考人(畠山陽二郎君) お答え申し上げます。  排出量取引制度を始めとしたカーボンプライシングにつきましては、排出削減と経済成長の同時達成を目的とした我が国のGX政策の中核的措置として導入をいたしております。したがって、排出削減のみならず経済成長に資する形で導入するということが、二年前に成立させていただいたGX推進法においても明確になっているところでございます。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 EUの排出量取引制度ではその目的をこんなふうに決めていて、危険な気候変動を回避するため科学的に必要と考えられる削減レベルに貢献するよう、温室効果ガスの排出削減量を増加させる、こういうふうに明確に位置付けているんですよね。そして、二〇三〇年の温室効果ガス排出量を二〇〇五年比で六二%に削減をするために割当て総量の削減係数も引き上げているんです。イギリスでは、二〇三〇年までに一九九〇年比で六八%削減、二〇三五年までに八一%削減を目標として排出量取引制度をその重要な推進力というふうに位置付けています。  でも、一方、日本の制度は、先ほども答弁ありましたけれども、脱炭素と経済成長を両立させるというんだけれども、排出削減よりもGX経済移行債の償還財源という位置付けになっているんですね。炭素価格について、排出削減目標の達成に必要な価格水準に設定をするということが求められています。低過ぎる場合は必要な排出削減は起こりません。  この二十兆円のGX経済移行債の償還財源として設定されることが想定されますけれども、どのくらいの価格を想定しているのでしょうか。

畠山陽二郎内閣官房GX実行推進室長

○政府参考人(畠山陽二郎君) お答え申し上げます。  排出量取引制度におきます排出枠価格の水準については、官民でのGX投資の進捗、世界経済などの国際的な動向、技術開発の動向などに大きく左右されるところでございます。また、我が国のカーボンプライシング制度は、足下の競争力などとの関係から、中長期的なエネルギーに係る負担の総額が減少する範囲内で導入することに加えまして、御指摘のように二十兆円規模の先行投資支援の償還財源としての位置付けもございます。  こうした制度設計や不確実性の中で、そういう中でも、民間のシンクタンクでは一定の仮定を置いた上で価格水準の分析を行っております。この分析におきましては、制度対象者の排出削減経路ですとか排出量取引制度におけるオークションの有償比率などについて一定の仮定を置いた上で、例えば二〇四〇年における排出量取引制度のオークション単価につきましては、CO2一トン当たり約七千円から一万円と試算をしているところでございます。こうした分析も参考にしながら政府として検討を進めてまいりたいと、このように考えております。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 今の試算は、日本エネルギー経済研究所の試算なのかな。あっ、済みません、答弁はいいんですけど。その試算を見ると、二〇三三年は、今二〇四〇年お答えいただいたんですけど、発電事業者の有償オークションにおける炭素価格というのは一トン当たり三千三百円から三千五百円というふうにしているんですね。  一方で、IPCCは、二〇二二年、一・五度目標に整合する二〇三三年の限界削減費用を一トン当たり二百二十六から三百八十五USドルというふうに推計しているんです。これ、比較をすると、日本の想定炭素価格というのは十分の一程度になっちゃうんですよね。これでは国際的に必要な排出削減にならないということです。  これ、排出枠の割当てに当たって、先行するEUETSの教訓を学ぶべきだというふうに思うんですね。EUでは、二〇一七年頃までは、排出枠が実際の排出量に比べて過剰で、炭素価格が低迷をして排出削減も十分に進まなかったと。排出枠の割当ては非常に重要だということです。具体的な排出枠の設定について、業務特殊性、製造拠点の国外移転、カーボンリーケージのリスク、GX関連研究開発の実施状況等を勘案した政府指針に基づいて定めるというふうにしていますけれども、それぞれ過剰な追加排出枠が認められるんじゃないかということで懸念をしています。  例えば、GX関連研究開発というふうに言いますけれども、このGX分野に貢献しそうな分野、研究、技術開発を行っている分野ということになると、もう重要産業分野のほとんどが対象に入ることになるんじゃないかというふうに思うんですね。研究及び技術開発をこれ公平に指標化できるのでしょうか。

畠山陽二郎内閣官房GX実行推進室長

○政府参考人(畠山陽二郎君) お答え申し上げます。  本制度では、業種ごとに目指すべき水準を定めるベンチマーク方式と、それから、基準とする年度の排出量から毎年度一定率の削減を求めるグランドファザリングによる割当てを行うことを基本といたします。  これらの割当て基準につきまして、制度対象事業者の実態を踏まえつつ、適正な範囲内で徐々に強化をしていくことによりまして、事業者の脱炭素投資を着実に後押ししていくことを想定しておりまして、排出枠の割当てが過剰に行われるものとは考えておりません。  その上で、産業競争力、国内雇用の維持強化の観点から、カーボンリーケージの回避ですとか、中長期的な革新技術への投資に対するインセンティブが確保されるよう、製造拠点の国外移転リスクやGX分野の研究開発投資の実施状況等を勘案して割当て量を決定することとしてございます。  このうち、御指摘ありました研究開発投資についてでございますけれども、この追加割当てにつきましては、足下の排出削減に加えまして、カーボンニュートラルに不可欠な中長期の研究開発、これをしっかり引き出していくことが大事だと思っております。  一方で、研究開発は、投資が必要である一方で、排出削減の効果がすぐ出てくるわけではございません。このため、企業によってはこの研究開発の投資にちゅうちょする可能性もございます。そういうことになりますと、その必要な研究開発がなされず、全体としてカーボンニュートラルに向けた動きが鈍化をするということも考えられることから、一定水準以上のGXに関する研究開発投資を行う事業者に対しまして、排出枠が不足する場合に限って、足下での排出削減の促進を阻害しない範囲内で限定的に追加割当てを行うことを想定してございます。  この措置の対象となる研究開発投資の詳細につきましては、産業構造審議会における有識者等との議論を通じて決定する、検討することとなりますけれども、我が国のGXに関する研究開発の状況や関連する会計実務等を踏まえながら、客観的に把握可能な情報に基づいて割当て量の算定が可能となるよう、明確かつ公平な基準を定めていきたいと、このように考えております。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 排出量の割当てが公平かを判断する上で、個別企業の排出割当て量の公表など情報開示必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。

畠山陽二郎内閣官房GX実行推進室長

○政府参考人(畠山陽二郎君) 排出量取引制度につきましては、今後、公平性、実効性を高める観点から詳細を設計することとしてございまして、制度の点検や見直しの検討を適切に行う観点から、透明性の観点も考慮されることになります。  例えば、排出量取引制度の将来的な発展を見据えて制度の点検を行っていく観点からは、対象事業者の排出量についての見通しを把握することが重要だと考えておりまして、対象事業者に対しては、各社の中長期での直接、間接の排出削減目標等を記載した移行計画、この提出を求め、政府はこれを公表することを法定したところでございます。  御指摘の個別企業の割当て量の公表につきましても、諸外国の事例等も踏まえながら今後検討してまいりたいと、このように考えております。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 この排出枠の割当ての問題で、追加排出枠について、武藤大臣は衆議院で、発電事業者がLNG火力発電所を増設した場合には、事業者の脱炭素化の努力を阻害しないよう、無償割当てを追加するなどの負担にならない工夫をしていく予定だというふうに答弁をしています。  大臣、これ無償割当ての追加は認められないんじゃないでしょうか。いかがですか。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 今回の法案で措置する排出量取引制度では、工場の新増設があった場合や生産量の一定程度の増減が生じた場合に割当て量の追加や縮小を行い、事業者の事業構造の変化を割当て量に配慮、割当て量に反映することとしています。  LNG、これ先般の委員会の御質問は多分LNG火力発電の増設についてだと思いますが、これはあくまで一例として説明したものでありますが、無償割当てが行われている他国の制度でも多排出設備に対して類似の措置が認められており、国際スタンダードの制度と認識しているところであります。  その上で、電源脱炭素化を進める上でLNG火力というものはトランジションの手段として重要な電源だと考えており、実際にLNG火力の新設等により足下の電源を低炭素化する動きも進んであるところですから、事業者の努力を阻害するべきではなく、このような割当て量の調整措置を導入することは適当と考えているところであります。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 LNGは、ライフサイクル全体で見れば、CO2の排出量、必ずしも少ないとは言えないデータもあります。  産構審で透明性を持って議論していくと言うんですけど、結局は化石燃料を使い続ける政策の下での具体化ということになります。これでは、削減目標の全体緩和につながるだけじゃなくて、排出削減に貢献する制度にはならないということを述べて、続きは次回にしたいと思います。

平山佐知子各派に属しない議員

○平山佐知子君 よろしくお願いします。  資源の有効な利用の促進に関して伺っていきたいと思います。  今回の改正案では、特にプラスチック使用製品に関して、再生材の利用に関する計画の提出及び定期報告を義務付けされるということです。  プラスチック製品の資源循環もとても大事だと思っているんですけれども、私がもう一つ懸念しているのがファッション業界の廃棄物なんです。  実は、国連貿易開発会議では、ファッション業界が世界第二位の汚染産業とみなしているということなんです。繊維を染めるには水質汚染がありますし、大量の水を使ったり、温室効果ガスに至っては、その排出量というのは国際航空業界と海運業界を足したものよりも多い量を排出しているということで深刻だと思っています。  そうして地球環境に負荷を付けて作っている衣服なんですけれども、実は新品のまま捨てられているものも多いということで、やはりこれは問題視されているということなんですね。  今、国内のファッション業界はといいますと、縮小傾向にあるんですが、供給量は増えているということで、需要が落ち込んでも生産量が減らなければ、保管スペースが減少して、結果、大量廃棄へとつながってしまうということになります。  我が国としてこのような現状ですけれども、どういうふうに認識をされているのか、まずは大臣に伺います。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 平山委員におかれましては、いつもいろいろ教えていただきましてありがとうございます。  国連開発貿易会議において、ファッション産業、世界で二番目に環境負荷が高い産業という指摘を受けていることを承知をさせていただきました。私の岐阜県は五番の、日本で五番の指に入るという繊維の町だったんで、大変そういう意味ではある意味でショックを受けているところでもありますが、国際社会において繊維産業のサステナビリティーの関心は高まっていると認識をしております。我が国の繊維産業においても、環境配慮に向けた取組を一層進めていく必要があると考えているところであります。

平山佐知子各派に属しない議員

○平山佐知子君 大臣の御地元も繊維産業盛んということで、私の地元もやはり繊維産業盛んですのでショックでもあり、私もファッションが好きで、若い頃は特に流行を追い過ぎて、翌年にはもう古く感じてしまってもう着られないということも実はありました。今は、そういうことも反省をしつつ、長く着られるようなデザインであったり素材をできる限り選びたいなと心掛けてはいるんですけれども。  国内では、二〇〇八年のリーマン・ショック以降、海外のファストファッションが入ってきて流行をしています。これ、SNSの普及もあって、そこで皆さんすばらしいスタイルを披露して、だからこそ、安く、そして短く着るというのが大体そのSNSで発信をする方々には広まってきているのかなという印象も持っています。  例えば、それが一概に悪いとは言えないと思うんですけれども、例えば、安い衣類が市場に出回って消費者が購入単価安く買っていくということ、しかしながら、メーカーは利益を得なくてはいけませんので、一着当たりのコストを削減するために大量に生産をしていく、それで売れ残れば廃棄をするという、この悪い循環が生じているということも言えると思います。  地球環境への悪影響、それから企業への不利益という二つのデメリットが生じていて、企業にとっても、これは消費者にとっても良くないことではないかと思うんですが、これに対して経産省としての見解を伺います。

浦田秀行経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(浦田秀行君) お答えいたします。  我が国の衣料品市場は、安価な衣料品の輸入増加によりまして供給点数は増加している一方で、価格は大きく下落をしてございます。  一方、環境省の調査によりますと、売れ残ったアパレル商品のうち廃棄されるものの割合は、二〇二二年ですけれども、約二%という数字でございます。他方、二〇二四年の数字になるんですけれども、家庭などから手放された衣類のうち廃棄されたものが国内新規供給量に占める割合は約六八%という数字になってございます。  こうした状況を踏まえまして、衣料品の生産や消費に伴う環境負荷を低減するため、資源循環の取組を進めていくということが必要だというふうに考えてございまして、昨年六月、産業構造審議会繊維産業小委員会において、繊維製品における資源循環ロードマップを策定、公表させていただいたところでございます。  このロードマップでは、二〇四〇年度の資源循環システムの構築、適量生産、適量消費の達成、こうした目標を掲げておりまして、二〇三〇年度をターゲットイヤーといたしまして具体的な目標を幾つか掲げさせていただいております。例えば、リサイクルにつきましては、事業所や家庭から手放される衣料品のうち繊維から繊維へのリサイクルで五万トンを処理するという、そういうKPIを設定させていただいております。また、繊維製品の環境負荷低減に向けまして、環境配慮設計ガイドラインの企業普及率を高めていこうということで、これも八〇%というKPIを設定させていただいております。今後、業界の取組を定期的にフォローアップし、報告をしていきたいというふうに思っております。  引き続き、繊維業界や関係省庁と連携し、繊維産業のサステナビリティーの推進を着実に進めていきたいと思っております。

平山佐知子各派に属しない議員

○平山佐知子君 資源循環の取組、様々行われているということを教えていただきましたけれども、経産省が二〇一八年四月に発表した我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備の中で示されているこのリユース市場の全体像、これを見ますと、リユース市場は二兆一千億円もの大規模市場になっているということが載っていました。また、アパレル事業者がやはり要らなくなった洋服をお店で回収をするという取組も行われているということで、様々アパレル廃棄を減らすための取組が行われているというのが分かると思います。  この本改正案では、サーキュラーエコノミーコマース、リユースなど効果的な物品の利用を促進するビジネスを指しますけれども、このサーキュラーエコノミーコマースの促進が盛り込まれていて、事業者が従うべきこのサーキュラーエコノミーコマースビジネスの判断基準を設定することとされていますけれども、具体的にどんな事例があるのか、また、サーキュラーエコノミーコマースの促進によってどれだけの環境負荷軽減ですとか経済波及効果を生むと想定されているのか、伺います。

田尻貴裕内閣官房GX実行推進室次長

○政府参考人(田尻貴裕君) お答え申し上げます。  今御指摘ありましたサーキュラーエコノミーコマース、これCEコマースと称しておりますけれども、シェアリングとかリメークなどの業態で、物品の稼働率を高めて寿命を延ばすということなどを目的とするようなビジネスでございまして、資源生産性の向上であったり、またGXの推進にとっても大きく寄与するものと考えてございます。  他方、まさに成長途上にこのビジネスはあるものでございますものですから、一部に資源の有効利用や消費者保護の観点で必ずしも適切とは言えないような事業者も見られるということもございますものですから、本改正案におきまして、事業者が従うべき判断基準を設けることで資源循環に資する質の高いCEコマースの取組を促すということとしているものでございます。  具体的な判断基準といたしましては、例えば、御指摘のあった衣料品などのレンタルやシェアリングなどの賃貸事業者に対しまして、資源循環に配慮をした製品の調達をすることであったりとか、使用済製品などの再資源化を促進することだったりとか、利用者への適切に情報提供を行うことということなどを定めることを想定してございますけれども、具体的な内容につきましては、関係業界とも丁寧なコミュニケーションを取りながら検討してまいりたいと思っているところでございます。  また、CEコマースの促進によりまして製品の長期の使用や再利用が進むということで、新品の生産に必要な資源、エネルギーの消費が抑制されたり、また廃棄物が削減されたりといったような環境負荷軽減効果が期待されることに加えまして、経済効果といたしましても、CEコマースの一部であるリユース市場の規模が二〇三〇年に四兆円、現在と比べて約三〇%拡大するという試算もございまして、循環経済関連産業の成長の重要な一翼を、一角を担うというものと期待されるものでございます。  経済産業省といたしましては、環境負荷軽減と経済成長の両立に貢献をするこのCEコマースという新たなビジネスを今回法的に位置付けることで、市場の信頼性を向上させるとともに業界の健全な発展を促進してまいりたいと、そのように考えているところでございます。

平山佐知子各派に属しない議員

○平山佐知子君 じゃ、諸外国はどうなのかというふうに見ますと、二〇二三年十二月に、EUでは、売れ残りの服や靴の廃棄を禁止とする法案を二〇二五年に施行することで大筋合意をしたということです。フランスでは、既に二〇二二年一月から衣類廃棄禁止令というのが施行されているということなんですね。  このサーキュラーエコノミー、強力に推し進めるにはこれぐらいの措置というのも必要なのではないかと思うんですが、我が国でもこうした法制化は検討しているのかどうか、また今後検討する余地はあるのか、大臣に伺います。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 我が国では、二〇二四年三月に、環境配慮設計項目に長期使用やリペア、リユースサービスの活用等を位置付けた繊維製品の環境配慮設計ガイドラインというものを策定をしています。製品の長寿命化等の繊維製品の環境配慮設計を推進しているところであります。  その上で、御指摘の衣料品等の廃棄問題については、廃棄を低減させるための企業の自主的な取組も始まっている実態を踏まえ、まずは事業者の創意工夫を促す観点から、現時点ではフランスのような法規制は検討しておりません。  引き続き、同ガイドラインに基づきまして製造された製品の普及や更なる利用拡大を図っていく、そして衣料品の廃棄量の削減等について産業界と連携をしながら取組を進めてまいりたいと思っています。  現在御審議いただいています資源法を活用し、衣料品等を環境配慮設計の推進を行う製品の対象とするかどうかについても関係者と議論を進めてまいりたいと思います。

平山佐知子各派に属しない議員

○平山佐知子君 ありがとうございます。  二〇二〇年ですね、二〇二〇年に日用品メーカーが行った衣類への価値観に関する意識調査を見ますと、長く着られるようなお気に入りの服を少しだけ持ちたいという人が増えてきているという結果も見られました。先ほどのファストファッションに対してこのことをスローファッションと呼ぶそうなんですけれども、このスローファッションをおよそ六割の方が既に取り入れている、また今後取り入れていきたいと回答しているという、こういう状況も見られたわけです。  先ほどの話にもありましたけれども、私の周囲にも、数年に一回あるかどうかというパーティーとかにはもう着ていく服はレンタルをしたりとか、先ほどもありましたサブスクですよね、一月に定額料金を払えば好きな洋服が送られてきて一定期間楽しむことができるというものですけれども、自宅の洋服を増やさずに好きなファッションを楽しめるということで、利用している友人に感想を聞いてみたんですが、購入するわけではなくて気軽に楽しめるので、ふだん着ないようなちょっと新たなスタイルにも挑戦できて楽しいよということで感想を聞きました。  こういうスローファッションとか、こういう考え方が広まってきていることとか企業の取組についてどういうふうな受け止めがあるのか、政府の御答弁を願います。

浦田秀行経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(浦田秀行君) お答えいたします。  今委員の方から消費者の意識についてお話がございましたけれども、一方、企業側でも、衣料品を取り扱う事業者の中には、効率的なシェアリング、サブスクリプション、リペア、リユースなどなど、繊維製品の廃棄量削減に寄与する取組が見られているところでございます。こうした企業の創意工夫による衣料品の廃棄削減ということについて大いに経済産業省としても期待をしているところでございます。  こうした取組を更に進めるため、環境配慮設計項目に長期使用やリペア、リユースサービスの活用などを位置付けました繊維製品の環境配慮設計ガイドラインを策定をしております。委員御指摘のような取組を踏まえつつ、製造事業者等に環境配慮設計を促していきたいというふうに考えてございます。

平山佐知子各派に属しない議員

○平山佐知子君 ありがとうございます。  もちろんそれぞれの考え方がありますし、安い洋服を、価格の安い洋服を買って流行を楽しみたいという考え方、これを一概に否定をするわけではないんですけれども、衣類のこの大量廃棄が地球環境の悪化にもつながっているというこの事実を多くの人に知っていただいて、その上で行動変容につなげてもらうということ、また、周知、今日もたくさんの話が出ましたけれども、周知ということも必要だと思っていますので、引き続きよろしくお願いいたします。  ありがとうございました。

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後一時三分散会

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