経済産業委員会 第9号
- 発言数
- 94 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2025/05/20
会議録
○委員長(牧山ひろえ君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、白坂亜紀君が委員を辞任され、その補欠として浅尾慶一郎君が選任されました。 ─────────────
○委員長(牧山ひろえ君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、こども家庭庁長官官房審議官竹林悟史君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(牧山ひろえ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(牧山ひろえ君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○古賀之士君 おはようございます。立憲民主・社民・無所属の古賀之士でございます。 今日は、いわゆる一般の質疑でございます。様々な視点、観点から御質問させていただきます。 まず、一年になりますが、経産省さんが始められました書店振興プロジェクトチーム、これ設置されて一年余りが経過しております。これまでの成果と課題、今後何を進めていくのか、経産省さんにお尋ねをいたします。
○政府参考人(南亮君) お答え申し上げます。 まさに、書店プロジェクトチーム、設置して一年たっておりますが、まず、書店は町の文化拠点として、地域住民の方が様々な書籍を始めとするコンテンツに触れる場として重要であるという認識の下、昨年三月に経済産業省に書店活性化プロジェクトチームを立ち上げたところであります。 これまで、中小書店におきまして中小企業支援策の活用が進むよう、書店経営者向け支援施策活用ガイドの公表等を行ったほか、書店経営者の方を中心に車座やヒアリングを行いまして、今年一月に書店経営における課題を取りまとめたところであります。 さらに、現在、取りまとめた課題に対するアクションとして書店活性化プランを関係省庁とともに策定しているところでありまして、今後は、この本プランを基に書店振興を進めてまいりたいと考えております。
○古賀之士君 ありがとうございます。 一年余りたって、様々な御意見を取りまとめて、そして関係省庁と一緒に今後どうするかというのを今からというようなお話だと伺いました。 実は、あえてちょっと斜めの視点から申し上げますと、なぜ書店だけそうなんだと、ほかにも厳しい業界はあるし、厳しいお店もあるのに、なぜ書店なんだという声も実は逆説的に言うとあるわけですね。これに対してはどのように経産省さんは考えていらっしゃいますか。
○政府参考人(南亮君) お答え申し上げます。 様々な支援策、経済産業省を始めとして日本政府行っているところでありますが、書店につきましては、私たちは、本を読むことで、過去から学び、多様な思考に触れて自らの経験として蓄積することで創造性や独創性が育まれるということで、書店は様々な本に出会える一覧性がある点が非常に重要であると思っております。 また、我が国のコンテンツ制作の観点で見ましても、アニメや映画の原作は漫画や小説が非常に多くて、本は、私たち力を入れていますコンテンツの源泉とも言えると思っております。こうした中で、書店という流通の場がなくなってしまいますと、将来的なコンテンツの枯渇のつながるおそれもあると考えております。 そうしたことから、私たち様々な取組を経済産業省としては行っているところでありますが、書店につきましては重要と考えておりまして、プロジェクトチームをつくって一丸となって書店の振興にも取り組んできているところであります。
○古賀之士君 ありがとうございます。 出版文化産業振興財団の調べによりますと、全国の書店というのは今、一万九百二十七店と、一万一千店ぐらいです。二十年足らずで実は七千七百店も減っているという現状がございます。自治体に、市町村ごとの自治体レベルで書店が、町の本屋さんが一店もないというのも実は結構ありまして、県レベルで見ると二十一県も数えることができるわけですね。その割合、二七・九%です。だからこそ、逆に言うと、経産省さんが町の本屋さん何とか守り育てていかなければならないんだというプロジェクトチームの発足の意味合いも出てくるかと思います。 実は、この発足して、今年の二月の七日、読売新聞さんと講談社さんがこの書店に対する様々な提言を二月の七日に発表しております。提言は全部で十六ページあるんですけれども、例えば、町の本屋さんのためにキャッシュレスの手数料を減免できないだろうかと。やはり、通販などに比べるとポイントが多分付きづらい。実質的にはもう値引きができないこの再販制度の中で、どうしてもポイントをということでやっぱり有利不利が出てくるんじゃないだろうか。あるいは、その提言の中にも、ICタグを書籍に挟み込んでほしい、こういうことで粗利の利益を向上させることができるし、町の本屋さんにとってはなかなか棚卸しもままならない状況だったり、それから、万引きが実は全国で本だけでも百九十三億円の被害に上っているという数字もあるんですね。このICタグを付けることによって、その万引きの防止にもなるんじゃないだろうかというような提言もございます。 後でまとめて武藤大臣に様々なこの観点からの御所見をいただきたいと思っておりますので、今述べさせていただいております。 こういったことも考えると、やはり町の本屋さんを守っていくというのは大変重要なことだと思っております。と同時に、これ様々な観点の中でもう一つあるのは、書店と、それから自治体にはあるもの、これ実は図書館なんですね。ですから、二〇一三年だったと記憶していますが、佐賀県の武雄市で、図書館と、その中に本屋さんであるTSUTAYAさんとそしてスターバックスさんが入ったという、全国でもなかなか初めての試みの図書館がオープンしました。 ここやっぱり驚いたのは、まず、ウィン・ウィンの関係が構築されていると。自治体には家賃が入ってくるんですね。そして、TSUTAYAさんも利益を上げています。驚いたのは幾つもあって、まず、開いている時間帯が朝九時から夜の九時まで、年中無休なんですね。こういう大切な体系ですので入りやすくなる。したがって、実は総入場者が一千万人を超えているんです。 これは具体的に、元この武雄市長だった樋渡さんにもお話を週末、私、お電話でしましたけれども、やはり、これから生き残っていく、書店が生き残っていくための一つの方策としては、こういう図書館とそれから町の本屋さんとの共存というものを考えていく必要は当然あるんじゃないだろうかという御意見でした。 と同時に、私が今思っているのは、その樋渡さんも、まず最初は地元の本屋さんに声を掛けたんだそうです、図書館に入りませんかと。ところが、やっぱりなかなか、規模感ですとか、さらには、いや、元々無料で借りられる場所に行って本が本当に売れるんだろうかというようなこともあって、結局地元の本屋さんは断られたという経緯があったそうです。 ちなみに、でも、これから先は、共存を考えていくのであれば、町の本屋さんにまず声を掛けていくというのは大事なことですし、それから購入もそうです。既にやっていらっしゃる自治体もありますけど、図書館の、購入そのものをしっかり、その流通の経路をもう一度考えていくという考え方もあるんではないかと思っております。 さらに、また読売新聞さんと講談社さんの提言に戻りますが、この中で、私、ほおっと思ったのが、フランスが二〇二一年に若者文化をサポートするカルチャーパス制度というのを導入しております。これ、どういう制度かといいますと、十五歳から十八歳の年齢ごとに、日本円にしておよそ三千二百円から四万八千円を支給して、本屋代に、本代に、書籍代に使ってもらう。漫画の購入費もオーケーです。そのほか、コンサートですとか美術館ですとか、こういったところのチケット代に充てることができる仕組みですね。実際にこれでフランスは書籍の売上げを押し上げて、実は日本の漫画も広く購入されているという結果が出ております。 こういうことは、やっぱりできるのは、今経産省さんが主導しているこういうプロジェクトチームだからこそできるんじゃないかなということも思ったりするわけですね。実際に若者の文化をそうやって底支えする、下支えしていくということで、町の本屋さんも助かる、図書館の利用者も増える、さらに経済的にお金も回っていく、地方創生にもつながっていくという考え方です。 これは、ちょっと町の本屋さんを助けるという意味では別の視点にはなりますけれども、もう一つ驚いたのが、やっぱり自治体によって図書館の規模が全然違いますので、やっぱり知的な格差が生まれているという現実がありますが、先ほど申し上げた佐賀県の武雄市の図書館でなぜこんなに入場者が多いんだろう、トータルでもう一千万人超えているんですよ、多いんだろうなと思ったら、実は、TSUTAYAさんの私、回し者じゃないんですが、TSUTAYAさんのVポイントのカードを持っていると、どこの自治体に住んでいても、働いていても、武雄の図書館から本が借りられるんですよ。したがって、お客さんは、当然持ち帰ったりするのはなかなかできないけれども、でも、本をその場で借りて、スタバでコーヒー飲みながらそれをできる限り読んで、あるいは、場合によっては、読み切れなかった、やっぱりこれ面白いぞと思ったら、その場で買うとかいうような形でうまくビジネスモデルができ上がっているんですね。 こういったことをちゃんとやっぱり踏まえた上で、どんどんどんどん新しいことに取り組んでいただきたいという思いが、せっかくつくっているんですからやっていただきたいという思いがあります。 それで、済みません、この読売新聞さんと講談社さんの提言も是非参考にしていただくことをお願いをしたいと思います。ちなみに、読売新聞といえば、今はホークスの会長ですけど、今日、王貞治さんの八十四回目の誕生日でございます。尊敬する一人でございますので、申し述べさせていただきます。 実は、プロ野球も担当していました、私はアナウンサー時代だったときに驚いたことがあります。番組で、大体複数回、本を出させていただきました。当然ローカルです。福岡の地元の、あるいはできることなら九州ブロックで本が売れてほしいなという、そういう思いです。驚いたことが二つ。 一つは、まずは、一番売れているのは実は本屋さんではなくてコンビニなんですよということでした。コンビニも今、皆さんも行かれてお分かりのとおり、本屋さんが売っている、置いている売場面積がだんだん縮小傾向になってきているんですね。だんだん売れなくなってきているからなんでしょうか。コンビニのいわゆる書籍の売場面積もだんだん狭くなってきている現実があります。 それと、もう一点驚いたのは、福岡で印刷するんです、福岡で作っているので、地元の局でしたから。ところが、一旦取次ぎである会社に、一旦刷った何万冊の本を全部一回東京に送るんですよ。送って、そしてそこから全国のその配送システムの取次店に乗っかって、そしてまた福岡や九州に戻ってくるんですよ。こういう物流システムなんですね。私、ちょっと今確認しそびれているんですけれども、今も続いているという話も聞きました。なぜならば、やっぱり、そういう出版流通の拠点というのはやっぱり東京一極集中でしたし、それから一つ一つ変えづらいというのもあるので、いまだにそういうのが残っていると。 つまり、流通の問題もやはり根底的に考えないといけない時期に今来ているんじゃないかと思います。それは当然、流通の取次店さんも守っていくためにもこれ必要なことじゃないかと思います。いずれこれやっぱり大いなる無駄じゃないだろうかというふうにも思う驚きがありました。 こういったものも是非、経済産業省さんがせっかく立ち上げた書店振興のプロジェクトですので、こういう非効率な部分が残っているのもちゃんと認識していただいて課題に取り組んでいただきたいんですが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(南亮君) 委員御指摘のとおりでありますが、いまだに東京を経由する必要があるという出版流通の非効率な点は残っておりまして、これは業界の中でも課題として認識されているものであります。 ただ、もちろん改善もされてきておりまして、一部の出版社においてはデジタル印刷による小ロット印刷を進めて、注文が入ってから印刷し、それを東京の取次ぎを通さずに直接書店に届けるといった取組も始まっているところであります。 こうした流通を始めとした業界の商慣行の課題でありますが、まずは民間が主導して進めるということが基本ではありますけれども、政府としても必要な部分について協力をしてまいって、業界の方ともしっかり話し合っていきたいと思っているところであります。
○古賀之士君 そういったことで、あと紙ベースのもの、それから電子書籍化を進めるということも新しいビジネスモデルの中にあります。 で、これも聞いてみました、出版の関係者の方に。PDFファイル化してそれを売ったらどうですかということを聞きました、特に雑誌。ところが、このPDFファイルにして、そしてそれを課金システムにするというののコストがべらぼうに高いんだそうです。そして、なぜかというと、どれだけ売れるか分からないんですね、バックナンバーなどは。ですから、やはり取組に対して物すごくやはり怖い、おそれがあるということなんだそうです。 ですから、こういった電子書籍化を進める、一方で進めることも課題が特に出版の皆さんたちの中にもあるということなんですが、この点について、経産省さん、どのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(南亮君) まさに、今後の書店の活性化に向けて、委員御指摘のとおり、やはり新しい取組をしっかり進めていくというところが必要であります。ただ、これもまた委員の御指摘でありますが、やはりこうしたものの場合、先行的に投資があるものですから、やはり非常にビジネス、新しいビジネスについてリスクがあるということでございます。 そうした中で、経済産業省では、まさにこういった新しいチャレンジを行うことで売上げ拡大を目指していくことは大変重要であると思っておりますが、当省としても、そうしたことから令和六年度補正予算において、新たなビジネスモデルを構築するためのシステム開発などへの支援を行っているところであります。 また、先ほど申し上げましたけれども、新分野に取り組む書店に対しては、昨年十月に中小企業庁の支援策を整理したガイドブックを公表しておりまして、こうしたものも踏まえて中小企業支援策についてもしっかり活用していただきたいと思っております。 引き続き、こうした支援策をしっかり周知して、出版社や書店の新しいビジネスモデルの構築を支援してまいりたいと考えております。
○古賀之士君 以上のような観点から、武藤大臣に御所見をいただきたいんですけれども、町の本屋さんを何とか守りたい、そして活性化させていきたい、そして地方創生にもつながる何かいい方策はないだろうかと皆さん考えていらっしゃいますが、武藤大臣御自身は今どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(武藤容治君) そもそも本屋さんは好きな方でございまして、この案件について、私も正直言って、経産省の仕事として書店というものに対する扱いをするとは正直思っていなかったんですけれども、齋藤健前大臣から引継ぎ書の中に、御本人の気持ちとしてもしっかりこれをやってほしいということで承っているところであります。 先ほど委員からも御指摘ありましたけれども、二十年で約七千二百店減っているということで、これはもう岐阜県でも、ない市町村はございます。私自身も、本は書店へ行って、やはり、一覧性とさっき事務方からお話ありましたけど、やっぱり無防備に触りながら、現物感のあるものでちゃんと見させていただく、興味のあるものを買っていくという風習というのか習慣が昔はあったんですけど、最近ちょっとこういう時間が余りないものですから、本屋さんも余り行けなくなっちゃったんですけれども、例えば子供にしてもそうですし、孫に書籍を渡すという意味でも、これは大変すばらしいことだと思っております。 そういう意味で、今委員からいろいろ御指摘がありました。私どもも、取りまとめた書店経営における課題に対するアクションとして、出版産業のDX化などを盛り込んだ書店活性化プランというものを関係省庁とともに策定をしているところであります。今月にも一応公表を控えておる予定で、予定しておるところで、今後もこの活性化プランを踏まえて取組の具体化を進めていかなくてはいけないというふうに思っております。 コンテンツの方も、先ほどフランスの話もありましたけれども、日本の、要するにフランスの文化に非常に根差してきているというのも報道で承知をしておりますし、本屋さんそのものが日本のアニメを中心に大きな売上げを占めているということも知って、それが、日本に対するいわゆる親近感というものを非常にフランス・パリを中心としてあるという、これも歴史的にもう大分長くなってきていますけれども、そういうものも承知しているところで、是非、日本のコンテンツ産業としてもこれは育てていきたいというふうに思っているところです。
○古賀之士君 ありがとうございます。 ちなみに、今フランスのお話も出ましたけれども、大手の出版社の中には、いわゆるブランチ的な要素として、契約をしているフランスに会社を持っているんですね。そして、フランス語でコミックなどを販売するということです。そういう日本の文化に非常に興味のあるフランスのような国ではそれがビジネスとして成り立っているし、それからあと、経済産業的な分野で考えれば、旧フランスのいわゆるアフリカの諸国というのもこれフランス語圏ですから、こういったところにも販路が拡大できるというビジネスチャンスも広がってまいりますので、是非参考になさっていただければと思います。 それと、もう一点、これは本来は文科省さんがやることなのかもしれませんが、大学にも図書館がありまして、大学も、一般の公開をしている大学も結構ございます。こういったところと町の書籍、本屋さんがうまく結び付いていかないだろうか。それから、もっと言うと、小学校、中学校、高校にも実は図書館が大なり小なりございますので、そこと町の連携がうまくできないだろうかということも私の中の提案の中の一つにあります。それも引き続き前向きに考えていただきたいということをお願い申し上げておきます。 では、時間がありませんので、次の質問に参ります。 多くの参考人がちょっとほかの省庁からもお越しで、どこまで行けるか分かりませんが、よろしくお願いいたします。 まず、簡潔に御答弁をいただければ幸いです。 まず、武藤大臣は、ASEANの中で先日、タイなどに出張されました。実はタイというのは、東南アジアの友国でもございますが、一方で日本よりも今後少子化が問題になっているという、これを聞くと皆さん驚かれる方も多いんですけれども、こういった少子化のまさに勢いが増しているタイを御訪問されての印象などがありましたら、まずお話伺えないでしょうか。
○国務大臣(武藤容治君) お時間があれでしょうから、簡潔に申し上げます。 訪問したタイでは、ここはエネルギー・産業対話を開催をさせていただきました。今回の会合では、自動車を中心に、製造業の生産、輸出競争力強化に向けた取組の推進について議論を行ったところであります。また、ASEAN議長国であるマレーシアにも訪問し、日・ASEANの産業分野での連携強化を確認したところです。 今委員御指摘のタイとの協力の可能性として、これにとどまらず、少子高齢化という共通の社会課題というものに抱える日本とタイの間では、ヘルスケアというものも有望な協力分野であると思います。既にタイとの間では、両国政府間で締結しました協力覚書の下で、医療、ヘルスケア分野における協力連携を推進するため、メディカル・エクセレンス・タイランドという、これを二〇二四年九月に立ち上げ、これまでにフォーラムを二回開催するなど積極的に活動してまいりました。 世界経済の不透明性が増しており、ASEAN各国との連携が一層重要であると思います。タイとは、今回立ち上げたエネルギー・産業対話を中心に、ヘルスケア分野など有望分野の協力を更に進めていきたいというふうに思っております。
○古賀之士君 時間がないので、ちょっと幾つか質問を飛ばさせてください。 こども家庭庁さんに伺います。 そこで、少子化が進むという中で様々な対策を今までも講じてこられましたけれども、先日の報道でも、実は出生率が一・一五という過去最低を更新する形になりまして、出生数も年間七十万人切れるのではないだろうかという民間の調査が報道されておりました。 それを受けて、実は、これまたちょっとフランスの話なんですけれども、フランスには大家族パスというのがございます。三子以上の多子家庭に対して様々な特典のあるカードを発行している、パスを発行しています。これは具体的にどういうことなのか、日本の子育てパスポートとどのような違いがあるのか、簡潔に、済みませんが、御説明いただけないでしょうか。
○政府参考人(竹林悟史君) お答え申し上げます。 先生御指摘のありましたフランスにおけるいわゆる大家族カードにつきましては、内閣府が以前実施した調査研究によりますと、未成年の子供三人以上を有する大家族を対象としたものであり、国が主導して日用品、子供用品、宿泊、レストラン等の業種とオフィシャルパートナーシップを形成し、これらの店舗等における割引あるいは鉄道等の公共交通機関での料金の割引を受けることができる仕組みであるというふうに承知をしております。 あと、御指摘もう一つありました日本における子育て支援パスポートでございますけれども、こちらは、地方自治体が地域の企業、店舗に働きかけ、協賛を得た企業、店舗において子育て家庭に、世帯に対して各種割引、優待サービス等を提供し、子育て世帯は自治体が発行したパスポートを店頭で提示することによってこれらのサービスを受けられるという仕組みでございまして、地方自治体が主体となって実施しているということや、子供の数にかかわらず、子育て世帯の経済的負担の軽減、あるいは社会全体で子育て世帯を支えるという機運の醸成を図ることを目的としているというもので、少しフランスの仕組みとは違っているところがあるかと思います。
○古賀之士君 ありがとうございます。 次に、国税庁さんに伺います。 いわゆる食事手当、食事の手当に関しては、ずっと三千五百円の控除。通勤手当に関しては、もうコロナもあって、十万円から月十五万円まで控除が引き上げられました。ほかの委員会でも御質問あったかと思いますけど、この食事の控除額を増額する必要や考えというのは、国税庁さん、おありになるんでしょうか。
○政府参考人(高橋俊一君) お答え申し上げます。 委員から御質問のございました食事の現物支給の取扱いにつきまして、こちら、福利厚生的な性格があるとともに、少額なものは課税しないという観点から、通達において、執行上非課税として取り扱うこととしているものでございます。 この非課税限度額の取扱いにつきましては、物価動向のほか、金銭で食事手当が支給され、給与課税されている方々もいらっしゃるということなど、非課税の適用を受ける機会がない方々との公平性にも留意して、対応の必要性について検討してまいりたいと考えております。
○古賀之士君 キャッシュレスの時代ですから、是非検討してください。よろしくお願いします。 それと、もう一点、ちょっと簡潔にもう伺います、国交省さん、せっかくお見えですので。 少子化対策のために必要なのは住宅だと思うんですけれども、子供さんのいる家庭の平均的な住宅面積ってどれぐらいなんでしょうか。簡潔にお答え願います。
○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。 総務省が五年に一度実施をしております住宅・土地統計調査によりますと、夫婦と十八歳未満の者から成る世帯の一住宅当たりの延べ面積、令和五年の調査では、全国平均で約九十五・九平米と、九十五・九平方メートルとなってございます。
○古賀之士君 簡潔にありがとうございます。 以上のことをあえて網羅的に伺ったのは、ほかでもございません、大臣にまとめていただきますが、こういったことは、例えば文科省さんやこども家庭庁さんやそれから国交省さんやという様々な公務がもう複雑に入り組んでいるんですけれども、しかし、最終的には、経済回していく、あるいはこういったその少子化対策や地方創生というものを考えていくと、経産省さんがしっかりとやっぱりもっともっと前に出ていただいてもいいんじゃないかと思います。 時間がありませんので、大臣の御答弁で結びたいと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(武藤容治君) 少子化対策といいますか、人口減少というものを克服していかなくてはいけないというのが我が国の最も大きな課題だと承知をしています。 委員おっしゃられるとおり、経済産業省の役割というのも相当強くあります。こども家庭庁等々ありますけれども、しっかりこの縦割りをできるだけ我々は密につながるように、しっかりと政策をしていきたいというふうに思っています。
○古賀之士君 フランスの大家族パスの場合でしたら、例えばいわゆる鉄道は最大で七〇%の割引があります。一方で、自動車を購入する場合にもディスカウントがあります。 それからあと、住宅の面積が九十五平米という話でしたけれども、これで人口が、出生率が二・〇七を維持し、ならないと、結局人口の維持はできないわけですから、となると、九十五平米で本当に、お子さんたちを産み育てようというカップルが本当にこれから先、希望すればあるんだろうかということもしっかり考えていくと、国交省さんだけの問題じゃなくて、やっぱり経済産業省さんがしっかりとその辺も是非底上げをしていただいて、後押しをしていただいて、予算取っていただいて、やっぱり、そういう住環境を整えるためのやっぱり施策、それが物づくりの産業や様々な、住宅建材が必要としている、物づくり産業の活性化にもつながると思いますので、是非よろしくお願いをいたします。 結びます。ありがとうございました。
○村田享子君 皆さん、今日も御安全に。立憲民主・社民・無所属の村田享子です。 今日は、まさに御安全にのテーマを最初にお聞きしたいと思います。それは、今日は熱中症対策なんです。 今日、まさに朝のニュースで、今日は全国で三十度を超える真夏日となっているということで、朝のニュースでも、外出を控えて、クーラーをちゃんと使ってくださいねとか水分補給をしてくださいねといったことあったんですけれども、やっぱり働く場所でいうとなかなか思うようにいかないところもございます。 二〇二四年の職場での熱中症による休業四日以上の死傷者数の数が、二〇二五年一月の速報値でいうと一千百九十五名、そのうちお亡くなりになった方が三十名ということで、このお亡くなりになった方、二〇二二年以降、三年連続で三十人以上というふうになっております。 そういう意味では、今どんどん地球温暖化で暑くなっているということで、この職場の熱中症対策、私は是非もう早急にやっていただきたいと思っています。今年の三月の本委員会でも、古賀委員から職場の熱中症対策、指摘をいただいております。 今日は、この熱中症対策、厚生労働省の皆さん、職場で働く人の安全ということで来ていただいていますが、厚生労働省におかれましては、職場における熱中症対策を強化するため、今年の六月一日から改正労働安全衛生規則が施行されるということもお聞きをしていますが、まず、厚生労働省が特に働く皆さんや産業、企業向けに行っている熱中症対策、どんなものあるでしょうか。
○政府参考人(井内努君) 御指摘いただきましたとおり、令和六年の職場における熱中症による死亡者数は三十人となっており、令和四年以降、三年連続で三十人以上となっております。 このような状況を踏まえまして、労働安全衛生規則、省令の方を改正し、熱中症を生ずるおそれのある作業を行う際には、事業者に対し、電話等による報告や責任者等による作業場所の巡視等、熱中症のおそれがある作業者の早期発見のための体制整備、また、作業離脱をさせる、救急隊を要請する等、熱中症の重篤化を予防するための措置の実施手順の作成、事業所の見やすい箇所への掲示やメール送付等、これらの体制及び手順の関係作業者への周知を義務付けることとしております。 改正省令は本年六月より施行予定で、着実な施行に向けて事業者への周知啓発が重要となると考えており、五月から開始したSTOP!熱中症クールワークキャンペーンを始めとする機会を捉え、リーフレットの配布や労働基準監督署による説明会を実施してまいりたいと考えております。
○村田享子君 続いて、環境省の方にお聞きをします。 環境省で産業、企業向けに行っている熱中症対策、どんなものあるでしょうか。
○政府参考人(中尾豊君) 御質問ありがとうございます。 環境省では、令和六年四月に全面施行した改正気候変動適応法に基づきまして、国民の皆様に対し、先ほど先生からお尋ねのありました暑さ指数のメディアと連携した情報の発信、また、暑さへの気付きを呼びかけるための熱中症警戒アラート及び気温が特に著しく高くなることにより熱中症による人の健康に係る重大な被害が生ずるおそれがある場合に発表する熱中症特別警戒アラートを運用しております。これらの情報発信は、企業で働く労働者自身やその管理者を含む国民の皆様に熱中症予防を効果的に行っていただくことに資する有益なものだと考えてございます。 また、加えまして、国民への熱中症予防行動の広い呼びかけを促す目的で、関係府省庁や産業界とも連携して、ポスター、リーフレットなどを用いた普及啓発やSNSを活用した情報発信を実施してございます。例えば、環境省において作成している熱中症環境保健マニュアルにおきましては、労働環境での熱中症についての情報を記載しており、熱中症予防の取組事例なども紹介しております。 引き続き、こうした取組を通じ、関係省庁と連携しながら、熱中症から企業で働く労働者を含めた国民の命を守る対策を進めてまいりたいと考えております。
○村田享子君 続いて、経済産業省にお聞きをします。 経済産業省が行っている熱中症対策、どんなものあるでしょうか。
○政府参考人(湯本啓市君) お答え申し上げます。 経済産業省では、熱中症対策としまして、エアコンの適切な利用が特に重要だということでありまして、業界団体と連携してエアコンの早期点検を呼びかけてございます。例年、エアコンの設置や修理は暑くなってから急激に需要が増え、対応が後手に回る傾向にあるため、SNSや啓発ポスター等を通じまして、シーズン前にエアコンの試運転を行うよう広報を行っております。
○村田享子君 経済産業省でいうと、エアコンの適切な利用について呼びかけているということで、ここが私、本当に十分なのかなと思うところなんですね。 例えば、製造業でいいますと、私も製鉄所行ってまいりました。製鉄所のまさに鉄を造っているところですよね、あそこ、めちゃめちゃ暑いんですよ。なおかつ、厚生労働省の、先ほど言っていただいた労働安全衛生規則の改正に合わせてパンフレットも作っていただいて、私、そちらも拝見しました。 その中に、職場の作業管理の中で、服装についても、湿気をため込まなかったりとか、通気性のいい服装を着用させてくださいねと書いてあるんですが、その鉄を造るところはもう火がぼんぼん、火花も飛んでいますので、やっぱり耐火服着ています。耐火服って、大臣も御存じだと思いますが、やっぱり綿で作られていてとても暑い。もちろん長袖ということで、やっぱりこの製造業の働き方に合わせた熱中症対策をやっていただきたいですし、経済産業省としてはやっぱりここの製造業を中心とした職場の熱中症対策をしていくことで、より快適な環境で皆さんが働くことができれば労働生産性も上がっていく。なおかつ、ああ、暑さ対策もできているんだねということであれば、若い皆さんも、じゃ、物づくりの現場行ってみようかなということになると思うので、私は、このエアコンの呼びかけというのも大事です、もちろん試運転も今からやっていくべきだと思うんですが、あわせて、より現場に即した熱中症対策をやっていただきたいんですね。 例えば、この改正労働安全衛生規則のパンフレットの中で書いてある対策の中でも、今私が申した服装についてもということでいうと、冷却服ですね。よくファンが付いている服装とかを作業の方は使われていますが、この前の日曜日に、朝ニュースでやっていたんですけど、この六月にこの規則が改正されるということで、今各事業所でも熱中症対策やらないといけないよねということで取組進んでいます。それによってこの冷却服が売り切れ続出の店舗があるといったお話であったり、また、これも熱中症予防対策、厚労省のパンフレットの中にあるんですけれども、例えば屋外の作業をされているところについては簡易な屋根を付けてくださいねとか、あとは、そもそも熱中症の症状をちゃんとチェックするために、このウェアラブルデバイス、体に付けたものでちゃんと情報を管理をしておきなさいねとかいうことも書かれています。 あわせて、水分、塩分の摂取ということもここに載っていて、この水分、塩分の摂取ということでいうと、これも私がある製鉄所で見た例なんですが、そのまま水を飲むよりかもシャーベット状にして、例えば経口補水液みたいなものをシャーベット状にして摂取した方がより体内の温度が下がるそうなんです。だから、そうした機械を導入しているんだというお話がありました。 今私が挙げた例というのは、服装だったり、ウェアラブル端末だったり、屋根だったり、そのシャーベット状の機械であったり、実際物づくりにも直結する話なんですね。熱中症対策にはいろんなものが必要で、じゃ、こうした対策を国が進めていくのであれば、職場の熱中症対策はもちろんなんですけれども、じゃ、日本の物づくりの皆さんが、これから恐らくどんどん暑くなるし、熱中症対策に資する製品とかサービスを研究しようよ、その研究開発費を経済産業省でちゃんと支援していただくとか、実際そうした製品ができたときにその設備投資を経済産業省としてもちゃんと支援をしていただく、そうしたことも必要だと思います。(発言する者あり)ありがとうございます。 クーラーだけではなくて、いろんな製品が熱中症対策にはあるんです。先ほどのシャーベットを作れる機械の例でいうと、そこの会社の方に、これ、どこ製なんですかと聞いたらイタリアだと言われたんですよ。恐らくジェラートですかね、そうした技術は。せっかく日本の物づくりあるのにもったいないじゃないと思って、しかも数十万するそうなんですね。工場広いから、もちろん休憩所ごとに置くとなると、もう数十個単位で買いましょうとなると、これはちょっともったいないよね、日本でも作ってほしいよねということで質問につながるんですけれども。 やっぱりこうした熱中症対策、課題となっています。特に、先ほどお亡くなりになった方三十人ということなんですが、亡くなった方のうちのやっぱり七割は屋外作業の方でいらっしゃるということで、そうしたところも考えながら、経済産業省としては、やっぱりまずは国内産、国内の企業の皆さんに熱中症対策に資する製品とかサービスの研究開発の推進を行っていただいて、今実際、冷却服の品薄があるということであれば、ちゃんとそこも生産をしていただく。 あわせて、国内企業の皆さんに熱中症対策してくださいねということを国も言っています。であれば、そうした国内で作られた製品又はサービスを利用促進を行うことでやっぱり産業経済の活性化にもつながっていくと思いますので、研究開発であったり設備投資の支援策、これ経済産業省として私はやっていくべきだと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(武藤容治君) ありがとうございます。 ここ二年、三年かな、特に異常にちょっと暑い夏が続いている中で、委員おっしゃられるように、私もこういうところにファンが付いたやつとか、様々に民間の方々が独自で研究開発をされて製品化をして、僕が名前言っちゃいけないのかもしれないけど、何とかマンという会社でも相当好調な売行きをされているという話は承知をしているところであります。 委員おっしゃられるとおり、労働生産性の向上ということを考えれば、これは当然ですけど、私どもも熱中症対策のいわゆる商品化についての応援というものは、これは是非やっておかなきゃいけない話だろうと思います。 事務方から、この事前通告もあったので、状況今どうなのというところもある程度お聞きしたんですけれども、さっきの話のとおり、いろんなものが開発されているので、私どもとしては、革新的な新製品、サービス開発のための設備投資等の支援を進めているということであると思います。例えば、もの補助もありますけれども、熱中症の予防対策機器ですとか、今委員がおっしゃられるようにウェアラブルの熱中症予防のデバイス、こういうものもいろいろと今出てきているところであります。 こういうものを支援してきているところですが、更に熱中症対策、これをしっかりと資する取組を我が省としても取り組んでまいりたいと思っております。
○村田享子君 あともう一つ、ちょっと環境省の方にお聞きをしたいんですけれども、今、先ほどの御説明の中で、暑さ指数の周知であるとか警戒アラート、そうした国民の皆さんに呼びかけをされているといったお話、熱中症対策でありました。 これは今年の四月の参議院の厚生労働委員会で我が党の森本真治議員も指摘をされていたんですけれども、ある企業の労働組合の方から聞いたんですが、そこの方が環境省の工場における先導的な脱炭素取組推進事業というものを使ったと。これはCO2を出さないように機器の更新をしていきましょうねという補助金の事業になるんですけれども、この中で、CO2の排出削減につながる、より高効率の空調機の更新ができますよといったものがあるんですね。CO2削減のものではあるんですけれども、結果的に工場のクーラーの設備更新ができて熱中症対策になったであるとか、あとは遮熱の設備もこの事業で入れられて熱中症対策になったというお話もあったんですね。なので、脱炭素のための事業であっても、結果的に熱中症に資するような取組もございます。 これはどういうカテゴリーというのもあるのかもしれませんが、CO2削減にもなるし、熱中症対策にも使えますよ、そうしたPRもあるんじゃないかなと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(中尾豊君) お答え申し上げます。 今、環境省では、建築物のZEB化ですとか省CO2化普及対策を行ってございまして、この中で、業務用施設につきましては、省CO2化、熱中症対策などを支援する事業というのを講じてございまして、引き続きこのような事業を推進してまいりたいと考えてございます。
○村田享子君 熱中症対策、本当に省庁横断的なものでもございますし、やっぱり造船所とか行くと、もうほとんど外ですよ。もう暑い中で皆さん鉄板を加工されているということで、そうした作業の中で頑張っていらっしゃる皆さんも汗だくで、もう一日終わったときはなられているんですね。そうした皆さんが少しでも快適な環境で働けるように、大企業もそうです、特に中小企業の皆さんは、設備投資もう今なかなか回らないといった声も聞いていますので、是非そういったところを進めていただきたいと思います。 続いて、工業高校についてお聞きをします。 高校授業料の無償化が進むということで、教育の無償化自体は私も賛同するものでございますが、今、高校授業料の無償化によって工業高校の入学者が減少するのではといった懸念がございます。実際、全国知事会、教育長協議会が、専門高校、工業高校を始めとする専門高校への支援も充実していかないと本当に入学者減りますよといった要望も出されているんですね。 まず、この点について文部省の見解を伺います。
○政府参考人(今井裕一君) お答え申し上げます。 いわゆる高校無償化につきましては、私立高校への進学を希望する生徒が増加し、公立高校への進学者が減少する可能性があるなど、公立高校への一定の影響があるものと考えられます。 この中で、工業高校の生徒数については、約〇・三%が国立でございますが、約八八・四%が公立に、残りの約一一・三%が私立に在学しており、仮に公立の専門高校が減少した場合には、我が国の産業経済や物づくりを担い、地域産業の発展を支える人材の育成に影響を及ぼす可能性があると考えられます。 こうした点につきましては、本年二月にまとめられましたいわゆる高校無償化等に関する三党合意の中におきましても、工業高校を始めとする専門高校も含めまして、公立高校などへの支援の拡充を含む教育の質の確保が議論の一つ、論点の一つとされているところから、こうした、今後、議論の進捗状況なども含めて、また国会における御審議なども踏まえつつ、文科省としても引き続き工業高校を始めとする専門高校の教育の充実に取り組んでまいりたいと考えております。
○村田享子君 文部科学省や全国工業高等学校長協会、日本私学教育研究所のデータによると、工業の専門学科数又はその工業高校工業科に通う生徒の数も、もうずっと低下傾向にあります。その上で高校の授業料の無償化が始まっていくと、ますます低下してしまうんじゃないかといった懸念があります。 経済産業大臣にお聞きをしたいんですが、高校授業料の無償化で工業高校の入学者が減少をして、ゆえに、工業高校卒業後に、例えば、物づくりの現場で働く人が減少すれば現場の人手不足に拍車が掛かるといった、これも労働組合からも会社からも今聞いている声です。これへの見解であったり、こうした工業高校の課題について、産業、企業から要望お聞きされているのか、その点もお答え願います。
○国務大臣(武藤容治君) ありがとうございます。 高校無償化による工業高校入学者への影響については、今ほど文科省からも答弁がありましたとおりです。影響を注視してまいりたいと思います。 その上で、委員からこの事前通告いただいて、私の選挙区では岐阜県の工業高校って、これ非常にスーパーサイエンスの認定ももらったところで、特に地元からいうと、航空宇宙学とか、様々なところで人気がある工業高校なんですね。だから、今もそこからの求人倍率は非常に高い就職率を持っていますし、ちょっと、ああ、なるほど、こういうふうになって、全国はこういうふうになってくるのかなということを大変勉強させていただいたところであります。 製造業においては、高校を卒業して就職する人材は物づくりを担う重要な存在でありますので、人材育成を着実に進めることは当然重要だというふうに思います。工業高校に関する産業界のニーズ等については、経済産業省が橋渡し等をして立ち上げた半導体ですとか蓄電池とか、ロボット分野における産学官の人材育成コンソーシアム等の中で聴取をしているところであります。例えばロボット分野では、産業界が求める人材ニーズを踏まえながら、教員向け研修や教材開発等を行うため、主要ロボットメーカー等と全国工業高等専門学校とも橋渡しさせていただいているところであります。 いずれにしても、大事な人材ですので、しっかり、いろんなハレーションが起きないように注視してまいりたいと思います。
○村田享子君 令和五年度の高校の新卒者でいうと、工業系の専門高校の求人は全国で二十七・二倍ということで、やっぱり人材としてすごく必要とされています。だからこそ、やっぱり、来年から、特に私立の高校授業料の無償化が始まるそのタイミングまでにやっぱり工業高校の魅力を高めること、教える人材であったり、工業高校の中の設備投資、最新のものにしていくとかですね、その工業高校を卒業した後のキャリア、どんなものがあるんだよといったことをしっかりPRして工業高校の魅力を高めていただきたいということと、あと、工業というと何か男子のイメージというのがあるんですけれども、例えば、今、製造業でも現場で女性の皆さんすごく活躍をされています。企業でも女性活躍を進めているという中で、工業高校の生徒の男女比率、これを見てみると、女性比率ですね、平成元年は五%だったのが平成三十年は一一%になっているんですよ。女性は増えているんですね。だから、工業高校に女子生徒を増やすという取組も併せて必要だと思っています。 この点、文科省、いかがでしょうか。
○政府参考人(今井裕一君) お答え申し上げます。 文部科学省におきましては、工業高校を始めとする専門高校の特色化、魅力化を図るため、DXハイスクール事業を通じて工業高校における3Dプリンターを活用した物づくりや、AI等の最先端技術を活用したデータ解析などを含む実習、また、マイスター・ハイスクール事業を通じて産業界と一体となった職業人材の育成、さらには、地方創生二・〇に向け、専門高校を拠点とする地域創生支援、地域人材の育成などに取り組ませていただいているところであります。 さらに、全国の専門高校生が日頃の学習やその活動の成果を発表する場として全国産業教育フェアを毎年開催するとともに、特に本年二月からは、文部科学省のSNSを通じて、現役の専門高校生が自ら自分が学ぶ高校の魅力を紹介する動画、これを発信していただくなど、専門高校の魅力を広く伝える取組も進めさせていただいているところでございます。 また、令和六年度学校基本調査によりますと、工業高校における生徒の男女比につきましては、現在、男子生徒が八七・二%、女子生徒が一二・八%となっておりますが、十年前の平成二十六年度と比較をいたしますと、女子生徒比率が九・九%から約三%増加するなど、徐々にではありますが、上昇傾向にあるものと考えております。 こうした傾向を更に進めるため、各工業高校におかれては、学校が開設するホームページを通じて、工業科で学ぶ女子生徒の活躍や率直な意見などを積極的に発信をするとともに、工業科の魅力を中学生に広く知ってもらうための出前授業などを通じて、女子生徒を始めとする工業高校の生徒を増やすための取組、進めていただいているものと承知をしております。 文科省としては引き続き、女子生徒も含め、工業高校が今後とも我が国の産業経済の発展を担う人材を育成していくことができるよう、工業高校を始めとする専門高校の特色化、魅力化、そして魅力の発信に取り組んでまいりたいと考えております。
○村田享子君 ここはもう本当に、もう来年始まる話なので是非進めていただきたいということと、あと最後、もう指摘だけにしますが、工業高校を卒業した後のキャリアプランということでいうと、進路指導について、卒業後の就職先を決めるときに仕事内容ではなくて成績重視で決めていくような慣行があって、やっぱり就職した後に自分のやりたいことができないという理由で、せっかく高校卒業して就職しても離職を招いたり、また、進路で迷っているなら取りあえず大学に行ってみてはといった指導があったというようなことで、せっかく工業高校に入った後のキャリアプラン、どう描いていくのか、マッチングをどうしていくのか、そうしたところの指導も工業高校の中で必要ではないかというところ、併せて経済産業省の後押しもお願いをして、質問を終わります。 ありがとうございます。
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻健史です。よろしくお願いいたします。 今日は、トランプ関税についてお聞きしたいと思っております。 〔委員長退席、理事古賀之士君着席〕 トランプ大統領が絶えずおっしゃっていることは、日本は米を買ってくれない、日本は自動車を買ってくれない、これ絶えずおっしゃっていますので、この二つを解決しないとトランプ問題ちっとも解決できないんだろうと私は思っているわけですが、この前も申し上げましたけれども、他国はトランプ関税で解決できないと不況になるだけですが、日本の場合は、不況になる、かつ金融システム、中央銀行含め金融システムが危ないと思いますので、非常に危険な状況ですから、アメリカに譲歩をお願いするとか、そんなのんきなことを言っていられないんではないかなというふうに感じております。突っ張るのは格好いいけれども、決してそんな甘い状況には日本にはないんではないかということで思っています。 それで、財政金融委員会とか予算委員会でも、私は自動車の逆輸入を何度か提言してまいりました。要するに、日本のメーカーがアメリカに工場を造って、子会社をつくり、工場を造って、そこで造った車を逆輸入すると。これしかトランプの、日本は車を買ってくれない、アメ車を買ってくれないという非難を解消する道はないんではないかということを主張していたわけですが。 前回もちょっと申し上げましたけど、五月の十四日の毎日新聞で、トランプ政権の関税措置をめぐり、日本政府内で日本車メーカーが米国で生産する自動車を日本に逆輸入する案が浮上していることが分かったという記事が出たわけですね。この真偽を聞いてもお答えはできないと思いますので、ちょっと、それは十分承知しておりますが、それに関しての質問をさせていただきたいと思っています。 その前に、前回ちょっと触れましたけれども、アメリカで造った、日本の子会社がアメリカで造った車はアメ車と認定するはずだという前提ですが、この前申し上げました、アメリカのメーカーGMが今度二五%の自動車関税によって苦境に陥るというか、経営がかなり苦しくなるという話がありました。なぜならば、GMは、韓国を始めいろいろ海外でGM車を造って、それをアメリカに輸出している。つまり、アメリカにとっては逆輸入車なわけですけれども、それについて関税が掛かる。ということは、要するに、アメリカのGMが海外で造った外車は、アメリカにとって外車であるということなわけですね。ということは、逆に言いますと、日本のメーカーがアメリカで造った車、日本車は、日本車というか車は、向こうにとっては、トランプさんにとってはアメ車であるという話に通じるわけです。ですからこそ、逆輸入車を買えば、トランプ氏は、日本はちゃんとアメ車を買ってくれるというはずになるんだということになるということを前回ちょっと申し上げましたけれども、ちょっとこれから質問です。 日本の自動車メーカーのアメリカ子会社が、アメリカにとってどのようなメリットがあるというふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(田中一成君) お答え申し上げます。 日本の自動車メーカー、これまでアメリカにおきまして累計で六百十六億ドルの投資を行い、二十七州に生産拠点を立地させ二百三十万人に上る関連雇用を生み出し、また多くの部品を現地で調達してきております。 日本の自動車メーカー及びその米国子会社は、このような形で米国雇用の創出、地域経済の発展に貢献してきたと考えております。
○藤巻健史君 まさにそのとおりですね。アメリカ人たくさん雇っていますから、アメリカ人の所得税はアメリカ政府に入るし、それから、もうけの所得税はアメリカ政府に入るということで、極めて大きいメリットがアメリカにあるはずだと思います。 それでは逆に、今のその日本の自動車メーカー、アメリカのつくった自動車のメーカー、子会社ですけれども、それが日本にとってどのようなメリットがあるかをお答えください。
○政府参考人(田中一成君) お答え申し上げます。 一般論としましては、自動車メーカーにとって外国に子会社を設立して事業を展開することは、現地のマーケットや消費者のニーズの迅速な把握のほか、輸送費などのコスト削減、生産拠点の分散化によるリスク低減、こういったメリットがあると考えられます。 一方で、日系メーカーが海外において事業を展開することで日本国内における雇用にどのような影響が生じるか、こういった観点にも留意する必要があると考えております。
○藤巻健史君 そうですね。まさに雇用が減る、すなわち、日本人の雇用が減りますから、日本で造るものをアメリカで造るわけですから、日本人の雇用が減る。したがって、所得税が減るし、その分の法人税収も減るということだろうと思います。ですから、日本にとっては余り大きいメリットがないわけですよね。 すなわち、アメリカの子会社がもうかりました、日本に、親会社に配当金を送金しましたといっても、九五%の配当金、益金の不算入がありますから、ごく少数しか日本政府には入ってこない、日本人の所得税は入っていないということで、これは、メーカーがアメリカにつくるということは、日本にとっては非常にダメージがあるわけです。ということは、逆に言うとアメリカにとっては非常にメリットがあるわけで、だからこそ、逆輸入車をトランプ氏がアメ車であるということを理解、認めるのは当然のことだろうと思うわけです。 もう一つお聞きしますけれども、アメリカが製造業をいろいろ、アメリカに来い、来い、戻ってこいとか、アメリカに進出しろ、してこいというふうに言っていますけれども、アメリカは、製造業をアメリカで復活することによって、MAGAですね、メーク・アメリカ・グレート・アゲインを達成しようとしているのか、どう思われますでしょうか。
○国務大臣(武藤容治君) トランプ大統領が、アメリカは再び製造業の国になる、いわゆるMAGAですけれども、様々な場面で言及していると承知をしているところです。 三月、私がアメリカへ行ったときにラトニック商務長官やグリアさんとも会いましたけれども、米国側からは、米国内における製造業また雇用の復活を目指すために今般の関税措置を実施する、したいという説明が受けたところであります。
○藤巻健史君 まさにそうだと思うんですね。 よく私が、先ほどの主張なんかをしますと、アメリカは製造業なんかで復活しっこないということを言って、これは無駄であるというような、トランプ氏は何を考えているんだという批判が多いんですが、私自身は、アメリカは別に製造業で復活しようなんて思っているとは思いません。やっぱりソフトの産業とか金融業で成長していこうと思いますが、ただ、雇用は、ソフト産業とか金融業だけではアメリカ人全員を雇えないわけです。職場を提供しなくちゃいけない。ということで、アメリカに工場を造って製造業を呼び寄せるというのは、アメリカにとっては非常にメリットなんですね、失業率を落とすということで、というふうに私は理解しております。ですから、アメリカに日本の自動車メーカーをつくるということは、アメリカにとって非常にメリットがあるということは言えるかと思います。 ちょっと先に、順番に、時間を、やりますけれども、これで日本の問題って何かというと、やっぱり、先ほど最初に申し上げましたように、税収が減るということがありますよね。要するに、車を造るいろんな所得税とか法人税、アメリカに行っちゃうと、日本はほんの配当金の五%しか税収が入らないということで、まず税収がかなり、メジャーな産業からの法人税がかなり減ってしまうというデメリットが一つあると思います。 これに関しては、いろんな支出を減らして財政規律を守っていかなくちゃいけないんじゃないかなと私は思います。無駄なばらまきなんかやっている時代じゃないよというふうに思いますが、もう一つの大きい問題は、失業者、今まで日本の工場で働いていた労働者が要するに仕事を失ってしまうと、こういう大きいデメリットがあると思いますが、これについてちょっとお聞きしたいんですけれども、六番ですね、質問通告。 日本への対内直接投資は年間どのくらいあるのかと、G20の国で対内直接投資額は何番目かという点についてお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 財務省の国際収支状況によりますと、これ年によって変動はございますけれども、二〇二四年の我が国への対内直接投資額は二・六兆円でございます。 OECDによりますと、G20各国の同じく二〇二四年の対内直接投資額についてでございますけれども、データが取得できないEU、アフリカ連合、メキシコ、それからサウジアラビアを除く十七か国のうち、我が国は十一番目の大きさとなってございます。
○藤巻健史君 いや、かなり低いわけなんですよね。 アメリカは、外国の企業の子会社でもどんどんアメリカに来いと。要するに、アメリカにとっての対内直接投資を増やしている。要するに、労働者を吸収したいということ、労働力を吸収したい。日本が対内投資は少ない。日本人は、日本の会社、名前が付いた会社こそが日本の会社だと思っているからだと思いますけれども、何はともあれ対内直接投資に対していい顔をしない、アメリカは非常にいい顔をする。何が差かというと、きっと企業はアメリカにとっては株主のものだけれども、日本の企業というのはステークホルダーがたくさんいて、経営者かもしれないし、株主かもしれないし、労働組合かもしれないというこの差だとは思うんですが。 もし本当に逆輸入車でトランプの気持ちをなだめるのであるならば、あぶれた日本人労働者をどうするか、これはやっぱりトランプと同じ発想で、日本にどんどん対内直接投資を増やさなくちゃいけない。別に、これもう逆輸入車をすれば労働者があぶれちゃうということは明らかなんですから、その対策としてはもう対内直接投資を増やすという政策しかないと思うんですよね。 先ほど村田委員がジェラートの話、水のジェラートの話しましたけど、あれ別に日本の企業じゃなくてもいいわけですよ、雇ってくれるわけですから。日本に進出して日本で作ってくれれば。日本の子会社つくってくれれば税金も日本に払ってくれるわけです。労働者の所得税も日本に入ってくるわけで、この逆輸入車を提言するのであれば、これとは別な問題として、対内直接投資を増やすというのを一大命題にする。この二つが両立しないと、やっぱり逆輸入車するだけじゃ、ちょっと余りにも日本のダメージが大き過ぎていけない。 ですから、私は、逆輸入車をする、そして、かつもう一歩、対内直接投資を増やすというこの二本柱で走らないと日本の将来はないんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(武藤容治君) まず、逆輸入車の話でありますけれども、日本市場で個々の自動車、いわゆる逆輸入車が売れるかどうかは、これは日本の消費者に選択されるかどうかで決まるものと考えているところです。一般的に言いますと、価格ですとか品質、ブランド、用途、好みに合っているかどうかといった要素によって消費者の選択が決まってくるものと考えているところです。 米国で生産することでこうした消費者の選択を左右する要素に何らかの影響が出るのであれば、日本における販売に影響が出る可能性は出てくるんだろうと思っているところであります。 それから、対内直接投資をどう増やすかというところですけれども、これ実を言うと、経産省の調査が令和四年度にやっているところです。この調査によれば、多くの外国企業、先進国と比較した日本のビジネス環境というものについて、いわゆる強みとしては、整備されたインフラですとか、あるいは市場の大きさですとか、社会の安定性と回答されております。弱みとしては、いわゆる英語での円滑なコミュニケーション、そして事業活動コスト、また税率ということを回答いただいているところです。
○藤巻健史君 対内直接投資の方はまさにおっしゃるとおりだと思います。ですけど、強みを生かして是非対内直接投資を増やすという方向を前面に出していただきたいと思います。 それから、最初の方の質問と御答弁に関してですけれども、確かに、私、逆輸入車というと、アメリカで造ればコストが高いとか、安いカローラなんか絶対輸入しないなんという反論があるんですけれども、これ別に、全く日本仕様で造ればまず一つはいいということですね。要するに、全く同じ仕様を、もちろん右ハンドルを造って逆輸入をする。 もしそのコストが高いということであるならば、ちょっと、例えばレクサス、日本でいう、高級車というレクサスは全てアメリカで製造するということにすれば、高級車というのは、すごい、多少高くてもみんなが何かステータスシンボルみたいで買うわけですよ、ベンツだろうがアウディだろうが。同じように高いレクサスで全く同じ日本の性質であれば、多少高くても日本は買うと思うんですよね、一種の、値段余りセンシティブではない人たちが買うと私は思っていますので。 ということなので、特に高級車の工場をアメリカで造って逆輸入するということを御提案されるのではいいかなというふうに思っております。一種の御提案ですけれども、時間が参りましたので、これで終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史です。今日はどうぞよろしくお願いをいたします。 今日は、テーマとして、国際標準化というものをテーマに質疑をしていきたいと思います。 私も長らくこのテーマにずっと取り組み続けておりまして、なかなか皆さん、なじみが薄い方たちも多い分野ではあるんですけれども、実は大事だということで、もうかなり前から取り組んできておりますので、今日は、予算委員会でも一度武藤大臣に御質問したんですが、ちょっと尻切れとんぼになってしまいましたので、今日はしっかりとお時間使ってやり取りをさせていただきたいと、そのように思っております。 早速質問の方に入っていくんですが、まずは皆さんのお手元に資料をお配りをしております。標準化の種類ということで、なかなかぴんとこない方もいらっしゃると思いますので、そういった図表をお配りをさせていただきました。 〔理事古賀之士君退席、委員長着席〕 規格にもいろいろございまして、一つは国際規格で、国際的に認知されたものであったり、あるいは地域限定であったり、あるいは国限定、ですからJIS規格なんというのは日本独自の規格ということになっていきます。又は、団体規格ということで、例えばSAEというところでは自動車の安全性に関する様々な規格が作られていたりということで、いろいろな段階の規格があるということであります。 また、もう一つ、標準化に関しては、右の方にありますが、作成プロセスによる分類というのもありまして、デジュール標準というのは、これは公的な機関で公式に認められた規格ということで、例えばSuicaなんというのはこのデジュール標準で作られた規格で使われている実際のサービスということになりますし、また二番目のフォーラム基準というのは、これは企業ですとか団体で、産業団体で合意したものになります。例えば、ですから、ブルートゥースなんというのは実はこの企業団体で作られている標準ということになって、結果的には全世界で今使われているというものになります。また、最後のデファクト標準というものは、団体で作ったものではないんですけれども、市場競争原理の中で結果的に事実上の標準となった規格ということで、例えばウィンドウズというものがそれに当たるということで、実はこの規格あるいはこの標準というものにはいろいろな種類というものがあるというのが実情となってございます。 非常にこの標準、その意味では、これからグローバルマーケット相手にいろいろと経済活動を行っていく上では非常に重要なものになっていくんですが、なかなか日本はこの分野においては力を発揮できていないというのもこれも現実となっています。 そこで、実は政府の方では、こうしたことを改善していかなければいけないという課題意識、問題意識を持って、来月になりますね、本年六月をめどに、実は十九年ぶりとなる新たな国際標準戦略の策定に今取りかかっておられますというふうに承知をしてございます。内容はかなり多岐にわたっておりまして、特に経済安全保障の観点も含んだものとなってございまして、私としては非常に、内容も今フォローはしておりますけれども、期待をしているというところでございます。 そこの中でいろいろなことをやっていくというふうに課題も含めて書かれているんですが、その中の取組の中で、担い手の強化というものが書かれておりまして、私もこれ重要なポイントの一つだというふうに考えております。 そこで、改めて大臣にお伺いしたいのは、実際、日本においてはこの国際標準に携わる人材育成というものが進んでいないという実態があります。だからこそ担い手の強化というものが今後の課題の一つに上がっているわけですが、そもそもなぜ進んでこなかったのかというその理由について、まず大臣のお考え、確認させていただきたいと思います。
○国務大臣(武藤容治君) 委員御指摘のとおり、日本企業が戦略的に国際標準化に取り組む上で、その担い手の強化というものは大変重要な課題であります。国際会議での標準化の交渉を担う人材ですとか、標準化を組み込んだ経営戦略を立案できる人材を確保、育成していくことが必要であると思います。 これまで、我が国の標準化の人材は国際的な信用や一定のプレゼンスを確保してきておりますけれども、現状においては、産業界、アカデミア共に高齢化が進展しているところであります。そのため、中長期的には、次の世代の確保、育成がこれは課題となっているところです。 この背景としましては、企業において経営層が標準化を市場創出のための重要なツールと認識していないことにより、重要、失礼、経営戦略における位置付けが不十分であること、また、アカデミアにおいては標準化活動への従事が論文や業績につながりにくい、こういう活動が属人的になりやすいことといった実態があるものと認識をしているところであります。
○礒崎哲史君 大臣、今御説明いただきまして、認識も含めて御説明いただきました。ありがとうございます。 まさに、企業において経営者の皆さんのやっぱり認識がなかなか高まっていないというのがあります。私も実際物づくりの産業で働いていた立場でもありますし、特に開発部門にいた人間なので、その辺の感覚がすごく分かります。 私なりの解釈なんですけれども、これ、やっぱり過去の成功体験が足を引っ張っているんじゃないかなというふうに思っています。高度経済成長期含めて、日本は、この物づくりというものにおいて、本当に勤勉な国民性であったり、手先が器用であったり、そうしたところから海外にどんどん進出をして、現地のルールで現地の会社に技術で臨んで、どんどん勝ち進んでいくわけですよね。この成功体験から、多少ルールが不利であっても、それを技術で乗り越えていくんだと、それが日本の物づくりなんだという、そこにとらわれ過ぎているのではないかなと。ですから、この意識的なもの、意識的な壁がそもそもあるんじゃないかなというふうに思っています。 一つ日本が失敗してしまった事例として以前もここで紹介したんですけれども、洗濯機の事例がありまして、東南アジアで当時、日本は洗濯機、物すごい販売シェアを持っていたんですけれども、イギリスという国がルールを変えてしまいました。何かというと、洗濯機が回っているうちは蓋を開けられない構造でなければ売るのは駄目だというふうにしました。ところが、日本は二槽式の洗濯機で、内蓋が付いていて、実は洗濯機が止まらないと、そもそも蓋を開けないんですね。安全性は全く問題なかった洗濯機なんですけれども、止まってからじゃないと蓋が開かない構造にしないと駄目だというふうにされてしまったがために、実は日本の優秀な洗濯機は市場から締め出されるということになりました。まさに、技術的には全く問題ない、安全性も問題ないのにルール上締め出されたというのが、これが原因なんですね。 ですので、やはりいま一度、こういう過去の痛いというか、やられてしまった、こういった経験もしっかりと踏まえた上で、やはり経営者の皆さんにもいろんなことを考えていただかなければいけない状況にあろうかと思いますし、また、そういった人材を育てていく上で、今大臣の御答弁でいただきました、まさにアカデミアの世界でもこれ評価されないんですね。 実は、この社会実装を含めた研究というのをやっぱりやっていかなきゃ駄目だというふうに思っている実は学者さんいっぱいいらっしゃるんです、教授もいらっしゃるんですが、結果的に評価されないんですね。結果的に論文が評価される世界なので、社会実装についての研究というのは、ほぼこれアカデミアの世界では評価されないということもありまして、結果的にそういう人材を育てるというインセンティブが学界の中に働かない。働かないから、そういう人材は世の中に出てこない。経営者もそれ重要だと思っていないから、会社の中でも人育てない。ということで、今の状況に陥っているというのが私の理解です。ちょっと長くなりましたけれども、この後の質疑に重要な私なりの観点ですので、お話をあえてさせていただきました。 その上で、次の質問なんですけれども、やはりここは産学官でしっかりと協力をして、いま一度企業内での人材育成やアカデミアでの人材育成を強力に進めていくことが私はやっぱり重要だと、今、というふうに思っております。 その上で、今日は特に企業の中の人材育成という観点で御質問したいんですけれども、そのためにも、この企業におけます標準化の取組強化に向けて経営者の意識改革、さっき言ったとおり、過去の事例、過去の成功体験に壁がつくられているんじゃないかというのであれば、そういうのを変えていく意識改革がやはり必要不可欠だと考えているんですけれども、そういった課題解決に向けた政府の具体的な取組についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(武藤容治君) 企業内での標準化人材育成の取組、評価の前提として、経営層に対する標準化の重要性に関する認識の浸透、これは取組の途上であるということを認識しているところです。 これまで、標準化の重要性を経営層に認識してもらうため、経済産業省では、全社的な標準化戦略を推進する役員である最高標準化責任者、いわゆるCSOの設置を日本企業に慫慂してきました。また、CSO間の連携促進を強化する機会の提供も行ってきているところです。加えて、グリーンイノベーション基金等の大型の研究開発事業のフォローアップにおいて、企業に対し、経営層の関与や若手の育成を含め、標準化体制の構築を強く促してきているところであります。 今後とも、しっかり経営層に対する標準化の重要性の理解促進に向けた取組を強化しながら、企業内での標準化人材育成の取組強化についてはつなげてまいりたいというふうに思っています。
○礒崎哲史君 今大臣から働きかけについての具体的な中身を伺いました。 ちょっとお手元に資料をもう一点お配りをしていましたけれども、細かくは解説をいたしませんが、実際にこの国際標準化に関しては各国更に今力を入れてきています。 元々この標準化の世界では、世界でもうまくそれを活用してきたEUにおいても、更なるこの強化、活動の強化ということで、二〇二二年にこうした考え方を取りまとめをしています。非常にこのデファクト標準ということで経済的な強さを生かしていたアメリカにおいても、デファクトだけではなくて、今後はこういった、先ほどの言っていたデジュールですとかフォーラム基準、こういったものにも力を入れていこうということで、更に米国も力を入れようとしております。そして、中国も、中国標準二〇三五という国家目標を作りまして、今これ積極的に取り組んでいるということでありますので、こうした各国、やっぱりここが重要だということで認識を改めているということから、企業経営者にもしっかりこの辺、理解はしていただきたいというふうに思っています。 今大臣おっしゃられた点は非常に重要なので是非進めていただきたいんですが、その中で、意識してセットで経営者の方とお話をしていただきたいのは、これ、標準化に対する社内評価というのがないんですね、そもそも。だから、標準化をした人って何で評価されるかというと、評価基準がそもそもないんです。評価基準がないから評価されないので、これ給与に反映されていかないんですね。 だから、働く人もモチベーションにつながらないというのがありますので、実はこれ進めていこうとすると、単なる人材育成だけではなくて、社内評価をどういうふうにしていくのかということがセットで必要になっていきます。それをしっかり考えるのが標準化に対する経営の責任者の仕事だとは思いますけれども、是非そういった点も含めて、人材育成、企業経営者の方に働きかけを是非お願いをしたいと、そのように思いますので、これ一点、最後、お願いになります。 それともう一点、やはりこれ、実際に育てていくべき人材は、交渉人材をやっぱり育てていくという観点、これが大変重要になっていきます。 交渉する人材を育てるということでは、これ結構、経験知というものが大変重要になっていきます。その意味では、やはり海外出張の頻度ですとか、あるいは人を、やはりある程度の人数規模を向こうに送るとか、あるいは日本国内での国際会議を積極的にやっていくですとか、こういったこともしっかりと予算を含めて取り組んでいただきたいというふうに思うんですけれども、この点の政府のお考え、確認させてください。
○政府参考人(今村亘君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、国際会議の現場で活躍できる標準人材を育てるためには、標準人材が多くの交渉経験を積み、国内外の関係者と人的ネットワークを形成するということが必要でございます。 そのため、経済産業省では、産業基盤に関するテーマや社会横断的なテーマなど国の事業として行う規格開発におきまして、海外で開催されます国際標準化機関、ISOや、国際電気標準会議、IECの国際会議への参加のための支援を行い、標準化人材が国際交渉に積極的に参画するための環境整備を行ってきております。 また、国際規格開発を担いますISO及びIECの専門委員会につきましては、毎年相当数を日本で開催しておりまして、昨年度は化学や電子など約二十件の専門委員会の会合を開催いたしました。さらに、今週ですけれども、アジア太平洋の標準化機関が集まる年次会合を日本ホストで開催しているとともに、来週には量子分野の国際標準化を議論しますISOとIECの合同専門委員会の総会を日本で開催する予定でございます。 今後も、経済産業省としましては、国際規格開発に参画する我が国の団体などと連携しまして、ISOやIECへの参加活動に対する支援、各種会議への開催の支援、こういったことを進めるなどしまして、標準化人材を育成してまいりたいと考えております。
○礒崎哲史君 ありがとうございます。 えてして、こういう海外出張なんというのは一番最初に経費削られるんですよね。最小限の人数で行けと言われるんです。でも、それやると本当に人が育たないです。再度、やっぱり交渉人、実際に交渉の現場で活動している方に聞くと、これはもう経験なんだと、経験積まないと人脈もつくれないし、交渉の仕方も学べないので、授業でお勉強しただけじゃ交渉人できないんだというのが実際に現場でやっている方たちのやっぱり声なんですね。ですから、是非、一番最初に経費として削られたりする分野なんですが、本気でこれ取り組むのであれば、やっぱりここの予算しっかりと確保をしていただきたいというふうに思っています。 最後、今出張ベースの話をしましたけれども、人脈をつくっていくという意味では、もう出張だけではなくて、やっぱり現地に拠点つくるというのが一番重要だと思うんですね。日常的に現地の様々な交渉をしている人たちと日常的な会話ができる拠点がある、人がいるというのが、本当の意味でそういったネットワークがつくれることにつながっていくというふうに私考えています。 その意味では、ヨーロッパ、ここが標準化に関する一番の大きな市場になりますので、ここヨーロッパに拠点をつくって、そこにしっかりと人を出していくということも大変重要だと思うんですけれども、最後、この点お伺いをして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(武藤容治君) 委員御指摘の欧州についてですが、ISO、またIECの本部が設置をされております。標準に関する情報が集まる重要な地域の一つであると認識をしているところです。こうした背景から、日本産業標準調査会として、欧州標準化委員会、また欧州電気標準化委員会と協力協定を締結しました。本協定に基づいて情報交換、連携を長年継続しており、欧州の標準化コミュニティーとのネットワーク形成を進めてきております。 また、欧州のジェトロの拠点に経済産業省から職員を出向させて、欧州の標準化機関とのネットワークを構築しながら、標準化活動についても積極的に情報収集を行ってきているところであります。さらに、経産省としては、量子を始めとするフロンティア領域など、不確実性が高く、産業政策上重要な分野の標準化政策に力を入れていく方針です。 一昨日、総理とともに視察をさせていただきましたけれども、産総研の量子の拠点であるG―QuATでの車座においても、量子の標準化の重要性が議論になりました。こうした分野につきましても、欧州等の現地情報の収集機能の強化等の議論も行っており、具体化を進めてまいりたいというふうに思います。
○礒崎哲史君 大臣、是非よろしくお願いします。 終わります。ありがとうございました。
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。 今日は、長期脱炭素電源オークションについて質問をいたします。 昨年六月に、初回の約定結果を受けて質問しました。脱炭素といいながら、太陽光と風力はゼロ、火力が二割以上、原子力が三割以上だったことに、原発への支援が手厚過ぎる、こういう指摘を行いました。今年三月には、LNGをこの制度で支援している問題について質問をしてきました。 四月に、第二回目となる二〇二四年度の約定結果が公表をされました。このLNG以外の約定総容量と約定総額、そして電源ごとの約定結果と約定総容量に占める割合がどうなっているか、教えてください。
○政府参考人(久米孝君) お答え申し上げます。 長期脱炭素電源オークションは、脱炭素電源を対象に電源種混合の入札を実施いたしまして、落札電源には固定費水準の容量収入を原則二十年間得られるとすることで、巨額の初期投資の回収に対し、長期的な収入の予見可能性を付与するための制度でございます。 今年の一月に行われました長期脱炭素電源オークションの第二回入札の結果といたしまして、合計五百三万キロワットの脱炭素電源が落札されております。この内訳といたしましては、既設の火力発電所をアンモニア混焼に改修するための案件の落札量、これが九・五万キロワットで全体の約二%、蓄電池と揚水発電所の落札量は百七十三万キロワットで全体の約三四%、既設原発の安全対策投資の落札量は三百十五・三万キロワットで全体の約六三%、一般水力の落札量は五・二万キロワットで全体の約一%となってございます。
○岩渕友君 約定総額は、年三千四百六十四億円というふうになっています。 それで、資料を見ていただきたいんですけれども、これが約定結果の中身なんですね。それで、脱炭素といいながら、再生可能エネルギーはほとんどないわけですよ。原子力が今答弁あったように六割以上を占めているんですね。初回は原子力が最大だったんですけれども、それでも約定総容量に占める割合は三二・八%だったんですね。今回は約六三%ということなので、原子力の割合がもう倍近くになっているんですね。 原子力の落札案件名と落札容量について紹介してください。
○政府参考人(久米孝君) お答え申し上げます。 ただいま御紹介いただきましたように、長期脱炭素電源オークションの第二回入札におきましては、既設原子力発電所の安全対策投資、全部で三件落札されております。その内訳といたしましては、日本原子力発電株式会社の東海第二発電所が約百六万キロワット、北海道電力株式会社の泊発電所三号機が約九十万キロワット、東京電力ホールディングス株式会社の柏崎刈羽原子力発電所六号機が約百二十万キロワットとなってございます。
○岩渕友君 今答弁いただいた原発、全部既設原発なんですよね。 それで、この制度は、脱炭素電源を対象に巨額の初期投資の回収に対して長期的な収入予見可能性を付与するための制度だというふうにしています。それにもかかわらず、何で既設原発が適用をされるのでしょうか。
○政府参考人(久米孝君) お答え申し上げます。 長期脱炭素電源オークション制度を検討している資源エネルギー庁の審議会におきまして、第一回入札の結果も踏まえ、脱炭素電源の更なる新規投資促進の観点から、第二回入札に向けた制度の在り方を御議論をいただいたところでございます。この検討の中では、原子力に限らず様々な電源種について御議論いただきましたけれども、原子力発電所の安全対策投資についても、その投資回収の予見性確保が論点となりました。 この点につきまして、揚水の大規模改修や火力の脱炭素改修など、他の電源種については既設の改修もオークションの対象となっていたということなども踏まえ、脱炭素電源全体の投資を促進するという本制度の趣旨に鑑みまして、第二回入札からは既設原子力発電所の安全対策投資も対象に追加するということとされたものでございます。
○岩渕友君 今答弁いただいたんですけれども、これ、国民の納得到底得られない説明だと、中身だということですよ。 それで、原子力の入札上限価格、これは幾らになっているでしょうか。そして、落札容量に対して上限価格で落札したというふうに仮定をした場合、年間にどれだけの金額が支払われるのか、そして、二十年間ということなので、この二十年間で総額が幾らになるのか、落札案件ごとに紹介をしてください。
○政府参考人(久米孝君) お答え申し上げます。 長期脱炭素電源オークションの第二回入札におけます原子力発電所の新設案件と既設案件の安全対策投資案件の上限価格、これは、共に一年一キロワット当たり十万円というふうに設定されてございます。 また、落札電源の落札価格は非公表となってございますけれども、委員御指摘のように、仮に既設の原子力発電所の安全対策投資の落札案件について、この上限価格の一年一キロワット当たり十万円と制限、適用期間二十年ということで容量収入の計算をいたしますと、ちょっと全部まとめた数字となって恐縮でございますけれども、この原子力三百十五・三万キロワットにつきまして、二十年の容量収入を機械的に試算いたしますと、約六・三兆円というふうになってまいります。 ただ、実際には、この制度におきましては、落札電源が得る他市場からの収益の約九割を電力広域的運営推進機関に還付する必要がございます。このため、実質的に受け取る容量収入は抑えられるということになってございます。 例えば、この五年の市場価格を基に還付金額を試算いたしまして、この還付金額を考慮した後の金額を計算いたしますと、これ年によって違いがあるんですけれども、マイナス約千三百億円、すなわち、本制度から発電事業者に対して支払うのではなく、発電事業者から本制度に対して約千三百億円を支払っていただくという年もあれば、プラス三・二兆円、約三・二兆円、すなわち本制度から発電事業者に対して約三・二兆円を支払うというケースもありまして、幅のある数字となるという計算になってまいります。
○岩渕友君 今、ちょっとまとめての答弁だったのであれなんですけど、例えば柏崎刈羽を上限価格で落札した場合は、機械的に計算すれば年間一千百九十五億円、二十年間で二兆三千九百億円になるわけですよね。 今答弁の中で、運転開始後に九割は戻すんだというような答弁あったわけですけれども、運転開始がいつになるか分からない。電気の販売収益は、市場価格によっても変わるわけですよね。 現在行われている既設原発の改修について、政府は安全対策工事費用だというふうにしていますけれども、結局は事故対策費なわけですよ。原子力小委員会の議論の中では、この既設原発を追加するということに対して、原発の利用は安全性が大前提だと政府が繰り返し説明をしてきていると、安全対策が必要となる原発を選択したのは事業者であって、当然そのような投資は事業者が自己の責任で行うべきで、消費者に負担を寄せるべきではない、こういう意見が出されているんですね。私はそのとおりだというふうに思います。結局は、これ電気代に上乗せされることになるわけですよ。 それで、大臣、少なくてもこの既設原発の改修費は長期脱炭素電源オークションの対象から直ちに外すべきではないでしょうか。
○国務大臣(武藤容治君) これは、DXですとかGXの進展により電力需要増加が見込まれる中で、脱炭素電源の確保というものが国力を左右する状況にあるということであると思います。低いエネルギー自給率や火力発電への高い依存といった現状の課題を克服する観点でも、再エネや原子力といった脱炭素電源の確保が求められるところであります。 その上で、原子力を活用する上では、次世代革新炉の開発、設置とともに、既設炉の再稼働が重要であるのが現実であると思います。そして、再稼働に当たっては、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえて策定をされました新規制基準に対応するための安全対策投資が不可欠だということだと思います。 したがって、この長期脱炭素電源オークションでは、他の脱炭素電源の新設や改修の案件と同様に、既設原発の安全対策投資についても支援が必要であると考えているところであります。
○岩渕友君 先ほども言ったように、これ事業者が負担するべきですよ。 昨年十月に再稼働した女川原発の安全対策工事費は、約七千百億円にも上っているわけですよね。これ、原発には経済合理性がないということなんだと思うんです。 それで、今回落札をされた泊原発三号機は、新規制基準の適合性審査にいわゆる合格となっていないわけです。こうした原発も対象になるということなんでしょうか。
○政府参考人(久米孝君) お答え申し上げます。 長期脱炭素電源オークションの第二回入札で対象としております既設原発の安全対策投資の参加要件といたしまして、新規制基準に適合していることは要件とされておりませんで、二〇一三年七月の新規制基準導入後初めて再稼働する前の案件が対象となってございます。ただし、再稼働は原子力規制委員会が新規制基準への適合性を認めた場合のみ進められることになりますので、落札した既存原発が実際に発電する前には当然規制基準適合性が認められた状態になっているというふうに考えてございます。
○岩渕友君 審査に合格もしていない原発まで対象になっているということなんですよ。 それで、この制度で、原子力のリードタイム、供給力提供開始期限どうなっているかといいますと、新規で十七年というふうになっているんですよね。最長で十七年後に運転開始をする原発への巨額の投資に対する支援ということになるんですよ。 それで、大臣、これ通告はしていないんですけれども、こうした今議論してきたみたいな中身を見ていると、巨額の事故対策費は手当てするから心配せずに再稼働に邁進してねということだと思うんですよ。大臣、そういうことですよね、これね。いかがですか。
○国務大臣(武藤容治君) 先ほどのちょっと繰り返しになっちゃうと思うんですけれども、長期脱炭素電源オークションでは、やはり他の脱炭素電源の新設や改修の案件と同様に、既設原発の安全対策投資についても支援が必要であるという前提の中で来ているものですから、委員の御指摘もよく分かるんですけれども、やはりこれは、我々としては、しっかり電源を確保するという観点では、この中での脱炭素オークションの案件で進んできているというふうに思っています。
○岩渕友君 原発にどれだけ手厚くしているのかということなんですよね。 さらに、石炭火力の延命にも手厚い支援が行われています。 一回目の入札と二回目の入札で変更になった内容、さらに、次回オークションで更に追加される内容について紹介してください。
○政府参考人(久米孝君) 長期脱炭素電源オークションの第二回入札におきましては、水素やアンモニア等の脱炭素火力についても制度の見直しが行われまして、具体的には、初回入札では発電所の改造費等の国内の固定費のみを支援対象としておりましたけれども、第二回入札におきましては、水素、アンモニア等の燃料費のうち、テーク・オア・ペイ条項等により、固定的に支払う部分も支援対象に追加をされました。 また、現在審議会におきまして、第三回入札に向けた制度の見直しを御議論いただいております。例えば、脱炭素火力について、既設火力のCCS付き火力への改修を検討中の事業者もおられるということから、これを支援対象に追加すること、あるいは、黎明期のエネルギーであります水素、アンモニアにつきまして、その混焼の上限価格を引き上げるといったことの検討が行われているところでございます。
○岩渕友君 支援対象、どんどん広がっているんですね。 さらに、石炭火力に二〇%以上のCCSで、上限価格は年一キロワット当たり三十四・三万円なんです。新設の場合は水素専焼で年一キロワット当たり七十九・五万円とか、非常に高いんですよね。 もう実態見れば、この制度は原発、石炭火力の延命の制度になっていることは明らかです。直ちに見直すこと、省エネ、再エネにこそ予算と施策を集中するべきだということを求めて、質問を終わります。
○平山佐知子君 平山佐知子です。よろしくお願いいたします。 トランプ関税などの影響で、地元でいろいろ話を聞いても、先行きどうなるんだと不安を口にする方も多くいらっしゃいますし、国際的にこの不透明感、経済環境ある中で、私は、やっぱりしっかりと閣僚の、武藤大臣始め閣僚の皆さんが諸外国に戦略的に出向いて様々会談をするということ、これ重要なことだと思っています。 先ほども少しお話がありましたけれども、連休中はタイ、マレーシア、大臣行かれたということで、第一回のエネルギー・産業対話を行われたということです。これ、なぜタイにおいてこの第一回となるエネルギー・産業対話が行われたのかということ、先ほど少し内容も話がありましたけれども、中身プラスその感想、全体的な、こういう世界状況の中、どういう、相手方、お話をなさっていたのか、率直な感想などありましたら伺わせてください。
○国務大臣(武藤容治君) この訪タイにわたっては、いわゆるタイが、自動車分野では約六千社の日系企業が進出しています。六十年という大変長い間にわたって強固な自動車のサプライチェーンを構築されておられます。 自動車産業は、脱炭素化やデジタル化といった、この今大変革期にあるのはもう委員御承知のとおりだと思います。構築してきたサプライチェーンの強みを生かしながらこの変革期に対応するには、EV一辺倒ではなくて、ハイブリッドですとか水素ですとかバイオなど多様な選択肢を、これはマルチパスウエーといいますけれども、こういう選択肢を追求することが極めて重要だという中で、今回、タイ、お邪魔をさせていただきまして、エネルギー・産業対話を開催し、多様な選択肢の重要性について認識を共有してまいりました。自動車を中心に、製造業の生産、輸出、競争力強化について共同声明を発出させていただきましたし、タイとの連携を一層強化できたと考えているところであります。 また、米国の関税措置についてですけれども、委員おっしゃられるように、世界経済の不確実、不透明性が増大している中で、訪問先のタイと、またマレーシアとの閣僚とも意見交換を行いました。まさに共通の課題であります。ルールに基づく国際経済秩序の維持強化の重要性について確認をすることができました。 タイを始めASEAN各国とは緊密な経済関係を有しておりますし、今後も連携が重要だというふうに思います。ちなみに、タイには中国のEVが非常に今浸透してきておりますし、そういう意味でも連携が重要だという認識の下でお邪魔をさせていただきました。 ASEANの経済大臣とオンライン会議を今日行う予定であります。引き続き、日・ASEANの双方の成長に向けて協力を深めてまいりたいというふうに思っております。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 大変お忙しい日程の中だとは思いますけれども、今後も、戦略的に同じ価値観とか原則を有する国と関係強化、図っていただきたいとお願いも申し上げます。 自動車産業の話もありましたけれども、日本は二〇四〇年に向けて高齢化がピークを迎えて、もうこれからどんどん世界に先駆けて超高齢化社会に進んでいくわけですけれども、私も地元に帰れば、実家に、静岡の実家に高齢の父がおりまして、いろんな日常的なお話をする中でやっぱり課題になるのが移動の問題なんですよね。 本当に、今地方に行きますと、公共交通機関、廃止とか縮小が進んでいて、仕方がない部分はあるかもしれませんけれども、やっぱり不便を感じる。私も、皆さんの地域もそうかもしれませんけれども、私も、最寄りの駅から実家までバスで帰るというふうになりますと、曜日とか時間帯によっては二時間に一本とかですね、本当に、事前に時間を調べて行かないともう大変なことになったという経験も実際あります。 これが中山間地域になればもっと深刻ですよね。買物に行くにも病院に行くにも数十キロ離れていて、自家用車がなければ、これもう生活にならないという声も実際あります。それから、息子さんとか娘さん、子供さんがやっぱり外に出てしまって、その中山間地域に住んでいらっしゃるのは高齢夫婦、そして単身であったりということもあるわけですね。 そういうときにやっぱり期待されているのが自動運転技術だと思っています。この自動運転技術が確立されれば、高齢になって年齢を重ねても、やっぱりその住み慣れた地域でずっと住み続けることができるということで期待も大きいのではないかと思います。 そこで伺いたいんですが、現在の自動運転技術、どこまで進んでいるかといいますと、高速道路での車線維持とか、加速、減速支援といったことができるこのレベル2にまだまだとどまっていて、限定された条件の下での自動運転であるレベル3の実用化という意味ではまだまだ発展途上にあると言えます。また、地域的に限定したエリアなどでドライバーが運転をしなくてもいいという自動運転レベル4、この導入、まずは都市部から始めるのかなというふうに思いますけれども、地方でもこのレベル4が導入し始めるの、これはいつ頃だと想定されているのか。そして、完全自動運転ですね、レベル5、この実現に向けたロードマップ、どのように描いていらっしゃるのか、見通しを教えてください。
○政府参考人(蓮井智哉君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、自動運転は、地方における深刻なドライバー不足に対応し、さらに、地域におけるその移動の自由を確保する、そういった観点での社会課題の解決という極めて重要な柱だと認識してございます。 政府では、デジタル庁、我々が中心になりまして、自動運転の早期の事業化に向けて必要となる施策などをモビリティ・ロードマップとして取りまとめてございます。昨年六月に策定したモビリティ・ロードマップ二〇二四では、まずは自動運転レベル4の社会実装につきまして、今年度、二〇二五年度から二〇二六年度、二か年度を先行的な事業化ステージ、さらに、二〇二七年度以降を本格的な事業化ステージと設定をしまして、必要な施策を段階的、集中的に投入しているところでございます。 今後、可及的速やかに、御指摘の地方部を始め必要な地域で自動運転が事業化、実装できるように、関係府省庁と連携して取り組んでまいります。
○平山佐知子君 今、レベル4実証実験ということですけれども、まだまだレールの上を走らせるような状況であるかと思います。 世界に目を向けますと、アメリカの自動運転技術を開発している企業、ウェイモのロボットタクシー始め、一部の地域では既にこの自動運転レベル4の商用サービスが開始されているということを考えますと、日本は少しやっぱり遅れているのかなというふうに思います。 これについて経済産業省はどのように認識をされているのか。また、日本のこのレベル4、なかなか実証段階から抜け出せていないというのは、技術的な課題なのか、それとも、安全性確保のための法整備ですとか制度設計が実用化の足かせとなっているのか、どういうふうに考えていらっしゃるのか教えてください。
○政府参考人(田中一成君) お答え申し上げます。 自動運転移動サービスにつきましては、委員御指摘のとおり、アメリカや中国の一部地域において、ロボットタクシーの展開など、実装が先行していると認識しております。我が国でも、制度整備の観点では、道路運送車両法や道路交通法の改正などにより、幾つかの地域で自動運転バスの実装まで至っております。しかしながら、全国での持続的な実装に向けて、技術的な観点からは、各種技術の低コスト化が途上であることなどによる初期投資が大きい、こういった様々な課題がございます。 経済産業省といたしましては、自動運転システムについて、研究開発から社会実装まで一貫して取り組む官民プロジェクトや、これらプロジェクトで得られた成果や課題を取りまとめて、他の地域でも参照するための手引、こういったものを作成、周知、取り組んできております。このような取組を更に強化しつつ、我が国における自動運転移動サービスの早期の社会実装に取り組んでまいりたいと考えております。
○平山佐知子君 それから、もう一つ心配というか懸念をしているところが、この自動運転の実証実験にはたくさんの省庁が絡んでいるという、経産省のほか複数の省庁が関わって進めているということで、そうなりますと、研究開発、この重複であったり、ノウハウ、データの共有不足とか、そういう部分もあるんじゃないか、それが実装の遅れの原因と、まあ一つとなっているんじゃないかという心配の声も実際あるということで、自動運転、早い段階で社会実装をしていくためには、各省庁が連携をして、地方のニーズにも合った形で自動運転技術の実証をしていく、こういうことが必要だと思うんですが、その戦略について教えてください。
○政府参考人(蓮井智哉君) 自動運転に関しまして、御指摘のとおり、各府省庁が行っている実証は、技術開発ですとかインフラの整備、あるいは社会受容性の向上といった異なる政策目的から行っているものでございますけれども、まさに御指摘のとおりでございまして、これらの実証の知見や資源、こういったものを集約をして、施策間の相乗効果を高めて自動運転の早期事業化につなげることは極めて重要だと認識してございます。 こうした認識に基づきまして、今後、先行的な事業化に取り組む地域を特定をし、支援策を集中投入するといった自動運転の事業化加速に向けた取組を、現在、デジタル庁が中心となって改訂している、先ほど申し上げたモビリティ・ロードマップを今改訂してございまして、その中にも盛り込むことなどを検討してございます。 引き続き、自動運転の一刻も早い社会実装や事業化に向けまして、地域の実情も十分に踏まえつつ、関係府省庁と連携して取り組んでまいります。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 様々努力を重ねてくださっているということです。引き続きお願いをしたいと思っています。 この自動車産業というのは日本の基幹産業でありまして、自国で自動運転技術をしっかりと開発をして実装をしていくということは我が国の技術力の蓄積でありますし、それを世界に輸出をしていくことができれば世界での競争力強化にもつながるということで、大変重要だと思っています。 ただ一方で、やはり先ほどから申し上げているように、地方では深刻化しているこの移動難民の問題ですね、これをやっぱりいち早く解決していかなくてはいけないという中で、その課題解決を最優先ということを考えるのであれば、例えば、先ほど申し上げた既に実績のあるウェイモの技術を持ってくるというか、最大限活用して生かしていくということも一つの道筋ではないかと思っています。 こういう先進的な海外の技術を持ってくることに対してはどういうふうに考えているか、お願いします。
○政府参考人(田中一成君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、この自動運転による移動サービスの実現、これ、高い技術力に裏付けられたより付加価値の高い製品、サービスを創出するという自動車産業の国際競争力強化、その観点に加えまして、地域公共交通のドライバー不足解消などの社会課題の解決手段、こういった点からも重要と認識しております。 経済産業省としましては、昨年、モビリティDX戦略を策定し、それに基づきまして、関係省庁と連携しまして、国内での商用サービスの実現に向けた円滑な許認可取得のための関係省庁による会議体の立ち上げ、運営などにも取り組んでおるところでございます。この取組では、先進的な技術を持つ海外企業と日本の自動車メーカーが協業する案件についても議論してきたところでありまして、国内外の知見を組み合わせた先行事例が生まれてくることは重要だと考えております。 引き続き、このようにして得られた知見も活用しながら、自動運転の社会実装を進めてまいりたいと考えております。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 私も、ウェイモの実際走っている動画を見てみたんですけれども、アプリで呼んで、本当に無人の車がぱあっとやってきて、そして行き先ももう全部設定したとおりにさっと、もうスムーズなんですね、すごく。本当に普通の、人が運転席にいないだけで、普通のタクシーのように利用している。まだまだそういう世界が先の未来の話かなと思っていたんですけど、もう目の前に来ている、諸外国ではもう実際に走っているということで、夢の話だけではないんだなというふうに感じた次第です。 夢がある、技術力としてもしっかり夢のある話である一方で、先ほどから言うように、やっぱり地方ではそれを待ち望んでいる、期待をしている。本当に社会課題解決のためにも、一日も早く省庁連携をしていただきまして前に進めていただきますようお願いを申し上げます。 以上で終わります。ありがとうございました。
○委員長(牧山ひろえ君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(牧山ひろえ君) 脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律及び資源の有効な利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。武藤国務大臣。
○国務大臣(武藤容治君) 脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律及び資源の有効な利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 今、二〇五〇年カーボンニュートラル等の国際公約と産業競争力の強化を通じた経済成長を同時に達成するグリーントランスフォーメーション、いわゆるGXの実現に向けた投資競争が世界で加速しています。我が国でも、この成長分野への企業の投資を促進することが、コストカット型経済から高い付加価値を創出する経済へ移行し、賃上げと投資が牽引する成長型経済を実現していくためにも喫緊の課題となっています。 そのため、我が国では、二年前に成立した脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律において、十年間で二十兆円規模の大胆な先行投資支援を行うとともに、炭素排出に値付けを行う成長志向型カーボンプライシングの大枠を法定化しました。このGXに関する動きを更に加速するためには、投資のための支援措置に加えて、制度的措置を講ずることで、事業者が行う脱炭素投資の収益性に関し、中長期の時間軸で予見性を高める必要があります。 また、産業分野の中でも多くの二酸化炭素を排出する素材産業を中心に、再生資源の利用拡大等による資源循環の強化を通じて、製品のライフサイクル全体での排出削減を進めることが重要であり、このための制度的措置を講じていく必要があります。 本法律案は、こうした観点から成長志向型カーボンプライシングの制度の具体化及び脱炭素化に資する資源循環強化に関する措置等を講ずるものであります。 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。 まず、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律の一部改正です。 第一に、現在自主的に行われている排出量取引制度を法定化し、令和八年度から排出量の規模が一定規模以上の事業者に参加義務を課します。対象事業者に対しては、業種特性や産業の国外移転リスク等を考慮した実施指針に基づき排出枠の無償割当てを行い、その過不足を脱炭素成長型経済構造移行推進機構が設置する排出枠取引市場において取引を可能とすることや、排出枠の価格の安定化のために上下限価格を設定すること等を通じて、排出削減のための取組に向けたインセンティブを高めていく措置を講ずることとします。 第二に、令和十年度から適用を開始する化石燃料賦課金の円滑かつ確実な導入のため、納付手続の法定化や国内で使用しない燃料等を念頭に置いた減額等に関する規定等の技術的事項に関する措置を講ずることとします。 第三に、昨年措置した戦略分野国内生産促進税制のうち、GX分野の物資に係る税額控除に伴う一般会計の減収補填を脱炭素成長型経済構造移行債の発行収入をもって行うことを可能とする措置を講ずることとします。 次に、資源の有効な利用の促進に関する法律の一部改正です。 第一に、脱炭素化に資する資源循環を強化するため、再生資源の利用義務を課す製品を指定し、生産量が一定規模以上の製造事業者等に対し、当該製品における再生資源の利用に関する計画の提出及び定期報告を義務付ける措置を講ずることとします。 第二に、再生資源の安定確保や製品の環境負荷低減を促進するため、解体、分別が容易な設計等、製品のライフサイクルの観点から特に優れた設計を認定する制度を創設する措置を講ずることとします。 第三に、事業者による自主回収、再資源化が義務付けられている製品の回収率を高めるため、高い回収目標等を掲げて認定を受けた事業者に対し、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の特例措置を講ずることとします。 第四に、シェアリング等による製品の効率的な利用を促す、いわゆるサーキュラーエコノミーコマースを促進していくため、資源の有効利用等の観点から、サーキュラーエコノミーコマースを行う事業者が従うべき基準を設定する措置を講ずることとします。 以上が本法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
○委員長(牧山ひろえ君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時五分散会