P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
217回国会参議院2025/05/15

経済産業委員会 第8号

発言数
177
登壇者
21
会派数
8
開催日
2025/05/15

会議録

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、公正取引委員会事務総局官房審議官向井康二君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) 下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 おはようございます。立憲民主・社民・無所属の古賀之士でございます。  おとといの五月十三日火曜日に引き続いての下請代金支払遅延防止法、中小企業振興法改正案についての審議を始めさせていただきます。  まず、審議会の企業取引研究会、本当におまとめいただきましてありがとうございます。その報告書の最終ページについて、まずお尋ねでございます。  公正取引委員会に伺います。  本日審議されている下請法改正案は、昨年、令和六年、二〇二四年七月から十二月まで、合わせて六回にわたって開催されました審議会、企業取引研究会の議論をベースに作成されました。  報告書の最終ページ、「おわりに」というところに、ロックバンド、懐かしいという方もいらっしゃるでしょう、ザ・ブルーハーツの大ヒット曲、「トレイン・トレイン」の歌詞が引用されております。一九八八年の十一月発売で、まさに昭和から平成へ移るときの大ヒット曲ということで、その「トレイン・トレイン」、引用されている歌詞は、「弱い者達が夕暮れ さらに弱い者をたたく」が引用されております。  この経緯、またそこに込められた意図、思いなど、審議官、補佐をした事務局より、まず御説明をお願いします。

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。  委員御指摘の企業取引研究会、こちらにつきましては、公正取引委員会と中小企業庁によりまして開催をしたものでございまして、我々が事務局を務めたものでございます。  この研究会におきましては、適切な価格転嫁を我が国の新たな商慣習としてサプライチェーン全体で定着させていくために、優越的地位の濫用規制の在り方につきまして幅広く御議論をいただくということで開催をしたものでございます。  本研究会では、強い事業者であれば、自社の商品、サービスについて十分な対価を顧客から得られることができると、その一方で、取引先の事業者を買いたたかなければ利益を上げられない弱い事業者も存在しており、このような弱さからくる行動が社会規範化し、サプライチェーンを通じて連鎖することで問題が生じておると、そのため、サプライチェーン全体で取引の適正化を進めていくことが必要であると、こういうような問題意識を踏まえたものでございます。  こういう問題意識を踏まえまして、これまでの社会規範や商慣習を一掃し、価格転嫁を進めて賃金と物価の好循環を生み出したり、人材や設備への投資を促進し、イノベーションや付加価値を高めることにつなげなければならないという強い危機感が研究会の会員の中で共有をされたということでございます。  このような強い危機感というものを象徴的に表現するために、こちらの報告書の「おわりに」におきまして、ザ・ブルーハーツの「トレイン・トレイン」の歌詞を引用していただいたものと承知しておるところでございます。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 ありがとうございます。  この「トレイン・トレイン」という歌詞、そして作曲は、当時、マーシーという愛称で人気があった真島昌利さんの作品でございます。企業取引研究会報告書、令和六年の十二月の「おわりに」の中にはこう書いてあります。「弱い者達が夕暮れ さらに弱い者をたたく その音が響きわたれば ブルースは加速していく 見えない自由がほしくて 見えない銃を撃ちまくる 本当の声を聞かせておくれよ」と、トーンは比較的暗めなんですけれども、実はメロディーは極めて皆さんと元気になるような、頑張ろうぜというような気持ちになるようなメロディアスです。  歌が得意なら歌うんですけれども、なかなかそうはいきませんので、あえて歌詞だけ引用させていただきますが、三十年ほど前にヒットしたこの一曲ですが、現代に生きる私たち、改めてこの歌詞を聞くとき、問いかけられている課題が幾つかこの歌詞の中からも見えてまいります。  例えば、本研究会が議論してきたテーマにおいて、弱い者たちとは、企業規模の大小を問わず、商品やサービスの価値向上を追求し、顧客に対してその価値に見合う対価を訴求するという本筋での努力を避け、自社の商品やサービスの価格を据え置く原資を確保するため、取引上の強い立場を利用して立場の弱い受注者や労働者の仕事の価値を評価することなく、買いたたく者のことである、これは私が言っているんじゃなくて、報告書にそう書かれているんです。  つまり、弱い者たちが夕暮れと、更に日が沈むような形容をたたえていて、弱い者の皆さんたちが団結して頑張ろうよという意味合いがある一方で、弱い者が更に弱い人たちをたたいているという現実をきちんとこれ直視した歌詞でもあるわけです。そして、その音が響き渡ればブルースは加速していく。御存じのように、ブルースというのはアメリカの黒人音楽が発祥で、日々のつらさやその寂しさを歌うジャンルとしても有名で、あえてブルースという言葉を使われているということで、様々な声を皆さんたち、聞かせてくれよという歌詞がありますように、本音でこの取引慣習をきちんと見直していく必要があるんだということを切々と訴えているというふうに私は理解をさせていただきました。極めてまとまった「おわりに」、結びの言葉を分かりやすく表現していただいているんではないかと思っております。  御存じのように、一九九〇年代半ばをピークに生産年齢人口が減少しまして、国内市場が成熟期を迎えてまいります。こうした中で、高度経済成長を支えた商習慣は、今日においては、人目の付かない夕暮れに弱い者たちが更に弱い者をたたいて利益を確保していく要因になってしまっているのではないか、すなわち、企業は設備や労働に投資し、新しい付加価値を高めて利益を上げていくという行動ではなくて、自社の商品やサービスの価値を据え置いて、その原資を取引先と労働者に求めるという行動を取ってきたのではないか、そうした中で、弱者にしわ寄せして構わないという暗黙の了解が生まれ、それが社会的規範と言えるまで定着してしまったのではないかとまでこの報告書は書かれています。  さらに、企業の努力、経営努力だけではいかんともし難い、不可避的に生じる原材料等のコストの上昇があっても、転注、いわゆる別の業者に切り替えたり、それから失注、商談成立がしたにもかかわらず契約には至らなかったといったものをほのめかされて、コスト負担を受注者だけがのまざるを得ないような取引、納品された商品に瑕疵がないのに協賛金等と称して契約で定めた代金を減額するような取引、契約にない荷積みや荷降ろしに当たり前のように無償で行わせる取引、納品したのに約束手形によって百八十日間も支払を受けられないような取引等々、本研究会で取り上げた論点は、これまで中小企業庁を始めとする関係省庁のGメンが多くの中小企業を訪問し、現場から一つ一つ拾ってきた取引先を恐れて言い出せない本当の声に基づいて提起されたものであるというところまで書かれております。  そういったことをしっかりと、あの報告書の中に明文化された中で今この審議に入っているということを皆さんとともに共有して、次の質問に移らせていただきます。  公正取引委員長、そして経産大臣、内閣府特命担当大臣、それぞれにお尋ねをいたします。  お三方は、行政機関の長として本日御出席でございますが、一個人として今、通告はしていますけれども、審議会の締めくくりとなるこの文章や、引用されましたザ・ブルーハーツの「トレイン・トレイン」の歌詞を読んで、率直にどのような思いが頭に浮かばれたんでしょうか。  例えば、あの当時カラオケで歌って一緒に盛り上がったことがあるとか、自分も当時は、今の立場ではなくて、いわゆるここに、この歌詞に書かれているような弱い者で、悔しい経験があったとか、くじけそうになってもこの歌で励まされたとか、そういった個人の体験やパーソナルなもしエピソードがありましたら是非お聞かせ願いたいと思います。よろしくお願いいたします。お三方に伺います。

古谷一之公正取引委員会委員長

○政府特別補佐人(古谷一之君) この歌がヒットいたしました昭和最後の年でございます。私、三十代前半でございまして、大蔵省で深夜遅くまで仕事をしておりまして、その合間にごくたまにカラオケに行って気分転換をするような生活をしておりました。残念ながら、このロックグループの歌は知りませんでした。  この締めくくりの文章を読みまして、研究会の報告書とはいえ、役所の文章にしては珍しいなと思って読ませていただきましたけれども、この歌詞で、受注者を買いたたいて利益を確保するというデフレ型の取引慣行の課題を表しているということにつきましては、この歌詞を引用した執筆者の熱い思いを感じましたし、私自身は、引用されました、弱い者が夕暮れ、さらに弱い者をたたくということで、サプライチェーンの深いところで中小企業、中小の発注者が同じ中小の発注者をたたいている、たたかざるを得ない、そういった情景を思い浮かべたところでございます。  この歌をヒット曲として聞いた当時の私よりも若い人たちというのは今、企業の第一線で、経営とか調達、あるいは法令遵守など重要な役割を担う幹部になっておられるんだと思います。継続的な取引関係の下で、とかく同調圧力の働きやすい従属的な取引慣行ですので、なかなか声を上げにくいということも現実には根強くあるんだと思います。今回の下請法改正を一つの契機としまして、事業者の皆さんの意識変化も促されて、是非、人の知らない夕暮れではなくて、明るいところで声を上げられる、対話や協議ができる、そういう取引環境が広がっていくように、この歌の引用が効果的な問題提起として響いてくれればいいなというふうに期待をいたしております。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) おはようございます。  古賀委員のおかげで久しぶりに三十年前の話を思い出させていただきまして、大変懐かしく思うんですけど、ちょうど東京で宮仕えを約十年務めて、某フィルムメーカーにいましたけれども、そこから、地元の会社に戻れということもあって戻らせていただいて一、二年たった頃がこの歌だったというふうに思います。  歌詞を読めということでありまして、事前通告いただいたんですけど、当時から余り歌詞を読まないタイプでございまして、秘書官からちゃんと情報をいただいて、ユーチューブ見させてもらって歌を聞いて、ああ、これかと。「リンダリンダ」はよく覚えていたんですけど、「トレイン・トレイン」で、ああ、そうだったなというのを久しぶりに思い出させていただいたところですけれども。  大手の会社から中小企業へ行って、そして、まだ、当然社長で入ったわけじゃないんで、課長から、宮仕えから入って、ずっと地元の会社へ入っていたわけですけれども。建築の生コン屋ですから、うちは。ですから、どちらかというと、ゼネコンさんからたたきにたたかれてきているときでありますので、そういう意味でいうと、今回、こういう形の立場で下請法という形で携わっていますけれども、先輩方が、こうやって三十年前から来たものがやっとここで一つの転換期をまた迎えているし、そして、我々からすると、今の立場で言わせていただければ、とにかく価格をしっかり、物価を上回る賃金を確実にするためにもこの価格転嫁というのを実現していかなきゃいけないと。  そういう意味で、この歌詞というのは、今は、先生のおかげで読まさせていただけると、非常に時機を得た、まさに皆さんとともにこれを周知していく、そして、中小、小規模、これ全国またがっていますので、そういう意味では、こういう歌のようにすっと落ちるような形で皆さんに御納得をいただきながら、やはりこれを広めていくことが大変大事な今日はこのきっかけになるんだろうと思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 同様の質問を伊東良孝大臣にも伺います。

伊東良孝自由民主党・無所属の会内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・消費者及び食品安全・地方創生・アイヌ施策)

○国務大臣(伊東良孝君) この企業取引研究会の報告書、極めてユニークな報告書の在り方だなと思っておりました。今の古谷委員長もお話しのとおり、本当に、こうした研究会の報告書で歌を披露するというのはなかなか余り聞いたことがなかったものでありますからびっくりしたんでありますけれども、この「トレイン・トレイン」という曲が発表されたのが一九八八年ということでありまして、ちょうど私、三十代後半から四十にかけての頃でありまして、地元の釧路で市会議員一期生の頃であります。諸課題の解決に没頭していた時期でもありまして、この曲でありますとか「リンダリンダ」とか、このグループの、ブルーハーツの曲は何度も聞いた思い出がございます。  当時、バブル経済に沸く一方で、私どもの地方都市におきましても、一次産業の衰退や都市部との格差、あるいは全国的にも学校でのいじめや不登校など、現在に続く問題が生じ始めていた時期でもありました。個人的に当時特にこの曲に親しんだわけではございませんけれども、改めて歌詞を見ると、当時の社会環境の中で生じていた一部の社会やあるいは若者世代の閉塞感、また歌われておりました弱い者の立場、こうしたものがあり、それを打ち破って生きていこうというポジティブな意思も感ずるものがあったところであります。  現在の経済社会におきましても、自社の商品やサービスの価値、価格を据え置き、その原資を取引先と労働者に求めるという、社会的規範やそれに基づく商慣習による閉塞感が中小企業の方々の本当の声として表れており、規範や商慣習を変えて閉塞感を打ち破らなければならないという強い危機感と、それを乗り越えて成長することへのポジティブな意思が効果的にこの歌でもまた表現されたものと、このように思う次第であります。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 それぞれの皆様方の当時の思いを語っていただきまして、本当ありがとうございます。  古谷一之公正取引委員長は御存じなかったということですが、「リンダリンダ」の一節が出るときには大きくうなずいていらっしゃったので、ああ、「リンダリンダ」は御存じなんだなと思いましたし、武藤容治大臣は、やはりいわゆる買いたたかれた思いが、やっぱり、いわゆる生コン屋さんとあえておっしゃいましたけれども、そういう時代もおありになった。それから、武藤大臣におかれましても、市議会一期生で若いながら、で、やはり議員生活の中で、あっ、伊東大臣もですね、一期生のいわゆる新人議員として、それぞれやはり上下関係など御苦労があったんじゃないかと拝察をいたしたところでございます。  そして、明るい歌にしていきたいというような思いも伺いました。ですので、せっかくこういう取りまとめをしっかりとしていただいて、本当に有り難いと思っております、中小企業さん。だからこそ、逆に言うと、この新しい法案をやっぱりしっかりと広報していくというのがとても大事なことだと思いますので、皆さんに分かりやすい言葉で、例えばイメージソングを作ったりとか、あるいはBGMを作ったりとか、そういうワンフレーズで広報を果たしていくということも是非御提案をさせていただきます。それが、逆に言うと、この皆さんたちがかつて、私も含めた、いわゆる昭和のあの時代の中では、今とは考えられなかったような様々な事象が変わらなきゃいけないということを、やっぱり改めてそういった新しい歌やイメージソングで感じていただければと思っております。  この研究会では、以下、このようにも記述があります。なぜお三方にわざわざその話を伺ったかというと、「なお、本研究会では、主に法規制の観点から議論を行ったものであるが、デフレ型の商慣習から脱却することは法的手当てのみを行うだけでは十分とは言えない。法的手当てと併せてより一層の価格転嫁対策に係る施策を推進していくことが求められる。」と、まさに今、公正取引委員長や大臣のお二人がおっしゃったところに通じてくると思います。法令遵守は重要であるが、下請法さえ守っていればよいという意識が仮にあるとすれば、それは事の本質を捉えていないとまでこの報告書書かれているんですね。つまり、この法律ができただけでは、やっぱり実効性が伴っていなければ駄目なんだということを、あえてやはり警告といいますか注意も、しっかりとただしているということも明記されていることも共有させてください。  前回の委員会で、私は伊東大臣にこうお尋ねしました。趣旨説明によれば、改正案の中核は協議を適切に行わない代金額の決定の禁止や規則及び支援の対象となる事業者の範囲の拡大であろう、ならば、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させることや、我が国の雇用の七割を占める中小企業が物価上昇に負けない賃上げの原資を確保できるようにすることは改正案にとってどのような位置付けなんでしょうかと。答えはシンプルですが、それは法改正の目的とのことでした、御答弁でした。  本日の質問で御理解いただけたと思うんですが、価格転嫁や、価格転嫁の実現によって実現される中小企業の物価上昇に負けない賃上げが法的手当てのみによって自動的に達成されるというのは、この報告書の結びを見ても、「おわりに」見ても、やはりなかなか難しいということはもう想像されていらっしゃるわけですね。  ですから、私たち一人一人の意識の変革を始め、政府のあらゆる政策資源も含めて総動員しないと、社会に長年しみ込んだ慣行は変わらないのかもしれない。それゆえ、冒頭であえて法律論に踏み込んで、そしてそれぞれの委員長やあるいは大臣お二方の感情や思いの領域に立ち入らせていただきまして行政機関の長の共感力を述べていただいて、弱い者に思いをはせながら、真の目的である価格転嫁、賃上げの実現に少しでも近づけられないかと考えた次第でございます。  それでは、以下、法改正の具体的な内容についてお尋ねをいたします。  まず、中小企業庁にお尋ねいたします。  法改正が必要となった背景、我が国の産業構造についてですが、法改正のベースとなった企業取引研究会の報告書の記載にもございますが、我が国の企業規模別のここ二十年間の労働生産性や価格転嫁力について説明をいただき、そこから大きな構図として何が読み取れるのか、解説をお願いします。

山本和徳中小企業庁事業環境部長

○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。  企業取引研究会報告書におきましては、我が国の経済は、一九九〇年代以降、物価と賃金がほぼ横ばいで推移しており、諸外国に例のない価格据置型経済とも言われる状況であったと整理されております。そうした経済におきましては価格転嫁が困難でございます。そのような状況下での大企業と中小企業の労働生産性や価格転嫁力の推移も分析されておりまして、詳細を申し上げますと、実質の労働生産性の上昇率は大企業と中小企業で大きな差異はございません。そういった中で、価格転嫁力、これは仕入価格の変化分をどの程度販売価格に転嫁できているかを示すものでありますけれども、この価格転嫁力は、大企業の方が中小・小規模事業者と比べて全ての期間において高いということになってございます。その結果、中小・小規模事業者の従業員の一人当たりの付加価値の伸び率は大企業に比べて低い傾向となり、イノベーションの果実が立場の強い大企業側に吸収されている可能性を示唆しているものでございます。  こうした状況を踏まえ、価格転嫁が進まない商習慣を改め、取引条件を交渉で決めることが前提とされる市場メカニズムを有効に機能させるため、協議に応じない価格決定の禁止等を盛り込んだ下請法改正案に結び付いて提出させていただいたものでございます。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 山本部長、ありがとうございました。  いわゆる労働生産性は大中小規模にそれほど差はないが、価格転嫁力については、やはり企業規模の大きさによって格差が生じているというような内容だったと理解しております。  さらに、それを受けまして、武藤経産大臣に伺います。  価格交渉が十分改善しない、価格転嫁も企業によってはなかなか大幅アップしない中で、各種統計によりますと、この五年で、仕入価格が上昇したことや価格転嫁できなかったことに起因する物価高倒産について、二〇二〇年の九十七件から、二〇二一年の百三十八件、二〇二二年の三百二十件、二〇二三年の七百七十五件、そして昨年、二〇二四年には九百三十三件と過去最多を大幅に更新をしております。十一年ぶりに一万件を突破した倒産件数の一割近くに及んでいる模様でございます。業種別では、建設業が二六・八%、製造業が二〇・八%、運輸・通信業一六・六%、小売業一六・一%でございます。  この御時世でございますので、私的整理や廃業、MアンドA、合併吸収などの倒産以外の選択肢も増えていて、昨年の倒産一万件は、過去の水準ならば一万五千件ぐらいに相当するんではないかと危機感を強めている専門家もいるほどです。  武藤経産大臣は、現行の下請法の下で起きている物価高倒産の急速な増加現象についてはどのような認識をお持ちなんでしょうか。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 市場経済というものには新陳代謝があるということも、これは現実だと思いますけれども、倒産の増加によって、日本の経済、社会を支える雇用の場ですとか貴重な技術が喪失することは、これは絶対避けていかなきゃならないと思っています。  民間の調査機関によれば、倒産の多くは販売不振を原因としたものでありますけれども、近年は、委員おっしゃられるように、物価高倒産というものが増加している傾向にあるとの分析がされているとも承知をしているところであります。そのため、中小企業が直面をする仕入価格の上昇というものを適切に発注企業に転嫁できる取組の必要性がますます高まってきているものだというふうに思うわけです。  今回の改正案では、仕入価格の上昇分も含めて価格転嫁が行われるように、協議に応じない一方的な価格決定の禁止等を盛り込んでいるところであります。法律が成立した暁には、改正内容を幅広く経済界に周知をしながら、厳正な法執行を行う等によって価格転嫁というものを徹底してまいりたいというふうに思っています。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 今、武藤大臣がおっしゃった、今回の改正案の核心部分であります協議を適切に行わない代金額の決定の禁止、これ条文では下請法改正案の第五条第二項第四号に規定されていますが、中小企業庁に伺います。これ、一般の方でも分かるように、この条文の読み方、どういう場合が禁止に当てはまるのか、認定要件、体系的に解説をお願いします。

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。  御指摘の協議に応じない一方的な代金決定の禁止、これにつきましては、大きく分けまして五つぐらいの要件で構成されているというふうに考えます。  まずは、給付に関する費用の変動その他の事情が生じた場合ということでございます。例えば、製造委託をいたしまして部品を委託をしておりますといいますと、部品の原価ですね、こういうものに対しましてそれが変動をするというような事情があるのかどうかと、そして、そういうような状況がございますので、代金の額に関しまして協議を求めるということでございます。受注者の方が協議を求めるということでございます。それに受けまして、受注者といたしましては、それに、協議の申出に関しまして、協議に応じない、そして協議におきまして、またその受注者が求めた事項につきまして必要な説明や事情を説明をしないというようなものでございます。そして、最終的には一方的に代金を決定をするということでありますので、例えば据え置くとか、その求めた割合に該当しないような僅かな引上げしか実現をしないというようなことでございます。そして、そのような状況が最終的に受注者の利益を不当に害するという場合、こういう場合にこの禁止行為に該当するということになるわけでございます。  このように、この規定につきましては、双方が実効的な協議をしましょうということを確保するというようなことを目指す規定でございます。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 向井審議官、ありがとうございます。その仕組みは今分かりやすく説明をいただきました。  一方で、協議を求めるのは受注者側であるというお話でした。つまり、受注者側がその発注者側に協議を求めるというのがこれスタートラインという理解でよろしいんでしょうか。そうなると、逆に言うと、なかなかこれは勇気の要ることじゃないかなと思ったりも現実的にするんですが、いかがでしょうか。

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) 御指摘のとおりでございまして、今回につきましては、受注者ですね、受注者の方から協議を申し入れるというところがスタートになっているというわけでございます。  我々といたしましては、その発注者につきましても、受注者からの声を聞くように、真摯な態度、対応を求めるということでございまして、そして受注者といたしましても積極的に協議をしていただくと、そういうような環境を整備をしていきたいというふうに考えてございます。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 ですので、やはりここは一つ、受注者側がスタートラインで協議を求めるというやり方にはやっぱり若干現実的に厳しさも感じつつも、ここを法的にきちっと明文化することによって別な意味でのスタートラインができ上がってきたということは言えるんじゃないかとは思っております。  さらに、公正取引委員会に伺います。  改正案の成立によって、協議を適切に行わない代金額の決定が禁止されると、法の目的でありますサプライチェーン全体で適切な価格転嫁は実現するとお考えでしょうか。我が国の雇用の七割を占める中小企業が物価上昇に負けない賃上げの原資を確保できるようになるんでしょうか。  仮に、一〇〇%自動的に価格転嫁の実現、賃上げ原資の確保となるわけではない、先ほどの御答弁も、山本部長の御答弁もありましたけれども、なかなか価格転嫁は企業の規模によって現実感ずれがあると、格差があるというようなお話もありましたが、そのような場合、どのような状況になるのでしょうか。そして、そういうふうに一〇〇%実現するとはならない事情というのを今どういうふうに把握されているのか、御説明をお願いしたいと思います。

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) お答えします。  今回の改正法が成立いたしますと、適切な価格転嫁を我が国の新たな商慣習といたしましてサプライチェーン全体で定着させていくことにつながるというふうには考えてございます。そして、この法律以外にも独占禁止法というものがございまして、そちらの優越的地位の濫用につきましても積極的に運用をするということによりまして、サプライチェーン全体で、適切な価格転嫁を商慣習としてサプライチェーン全体で定着させていきたいというふうに考えてございます。  一方で、こうした法的な手当てのみだけでは、価格転嫁を促進させ、デフレ型の商慣習から脱却するために必ずしも十分ではなく、今後、事業者において、自社の商品やサービスの価格を据え置き、その原資を取引先に求めるといういわゆるデフレ型の社会的規範、ノルムというものについても変えていくということが必要でございます。  公正取引委員会といたしましては、この法律や独禁法の規定を厳正に執行するということに加えまして、その適切な価格転嫁が進むように、いわゆる労務費転嫁指針というものの周知、そういうものにつきまして、中小企業庁や事業所管省庁、関係省庁におきまして連携して周知に努めていきたいということでございます。  こうした取組によりまして、社会全体で適切な価格転嫁の必要性というものの機運を醸成いたしまして、事業者にとりましても御理解いただけるというような雰囲気づくりをしていきたいということでございます。  そして、そのコスト上昇分が一〇〇%価格転嫁できるかどうかということでございます。これにつきましては、やはり取引事業者間の協議によるということでございます。  例えば、最終商品の需給状況というもの、例えば価格をそのまま転嫁いたしますと、もう売上げが激減して、実はその製造委託の発注量も減ってしまうというような局面もあったり、逆に据え置くということになりますと、取引数量というものが伸びまして発注が増加する、そうしますと、価格据え置きましても受注者にとりましては利益になるというケースもあるのではないか。さらには、生産性向上による原価低減というものも、努力を双方がいたしまして、コストをせずにその従来の利益を達成するというようなケースもあるというふうに考えてございますので、そう考えますと、コストの上昇分一〇〇%転嫁しないからというような場合でありましても、直ちにこの法律や独禁法上、問題となるということではないと考えておるところでございます。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 ありがとうございます。  さらに、じゃ、公正取引委員会に伺います。  文化ですとか商習慣の違いは重々承知の上で、韓国ではおととし、二〇二三年、中小企業や下請業者等との取引価格に原材料価格の変動を反映させる内容に下請法が改正されました。この下請代金連動制度というのは、取引価格の一〇%以上を占める原材料価格が一定割合以上に変動したとき、これに連動して取引価格を調整する制度と聞くんですけれども、これは実際に政府は把握しているんでしょうか。そして、この今回の法改正においては、この制度の導入というのはどこかで議論されたんでしょうか。

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) 委員御指摘のいわゆるその下請代金連動制、そこにつきましては、韓国で導入されておるということにつきまして認識をしておりまして、そういうものにつきましても内部的には検討を行ったところでございますが、改正法につきましては、御指摘のような制度というものは盛り込んでいないということでございます。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 連動制というのは、先ほども言いましたが、商習慣や文化の違いによってはかなり取り組みにくい部分もあるかと思うんですが、ある意味逆に、そこをダイレクトに、企業間で、先ほどお話があったように、価格転嫁がうまくいっていないというのを直接、ダイレクトに連動させる制度の方がより効率的にも思えるんですが、それが今回見送られた理由というのは何かあるんでしょうか。例えば、憲法の経済的自由権などに抵触するからとか、そういった何か思いがあって今回見送ったんでしょうか。

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) 御指摘の下請代金連動制につきましては、コストを自動的に価格に反映させる、そういうような仕組みと承知しておるところでございます。  一方で、その商品、役務の質やその商品の競争力を反映した価格設定がこのような制度が導入されますと難しくなるという面もありまして、価格そのものを法律で規制するということは、生産性や質を向上させるといった事業者の意欲、そういうものを損なうのではないかと、そして価格変動の結果を最終的に負担する消費者の理解も得られるのかと、最終的には買い控えなどによりまして企業の売上げにも悪影響が及び得るんじゃないかというようなところも懸念がされておるところでございます。こういうようなことも考え、検討いたしまして、今回はこの法律案の中に盛り込まないということとしたところでございます。  一方で、先ほど来申し上げておりますように、やはり双方の積極的な価格協議に基づきまして適切な価格転嫁をするということが重要ということでございますので、一方的な価格決定の禁止というものを今回改正法案に盛り込まさせていただいたということでございます。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 時間が残り少なくなってまいりましたので、端的にちょっとお答えください。  前回、藤巻委員からも御指摘がありました手形払いの禁止ですね、これ、特に受取人の利用意向調査におけるやめたくないという層が九・八%、一割近く存在するんですけれども、これ何か対応を検討しなくてもいいんでしょうか。これ中小企業庁にお尋ねをいたします。

山本和徳中小企業庁事業環境部長

○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。  御指摘の調査によりますれば、手形受取をやめたくない理由として、例えば受取手形を自社の取引先への支払に使用する、いわゆる裏書、回し手形に使うという回答があったものと承知しております。こうしたやめたくない層への対応といたしましては、下請法が適用されない取引も含め、サプライチェーン全体で、支払条件の改善、それにより現金を早く確保する取組が重要と認識しております。  具体的には、下請振興法に基づく振興基準への規定、各業界団体の自主行動計画の遵守の促進、現金払に移行する中小企業向けには低利融資といった対策を講じていく所存でございます。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 是非またその辺の改善の余地があるならばお願いしたいと思います。  時間がなくなってまいりましたので結びますが、先ほど、ブルーハーツ、今回、「トレイン・トレイン」から始めさせていただきました。一方で、実は、弱い者が更に弱い者をいじめるというような歌詞の内容もあった一方で、今、ちょっと環境は異なりますが、教育現場では、ある学校の先生から伺ったり、文科省の調査分析に見ますと、いじめる人がいじめられるときもある、いじめられる人がいじめる人もいる、そういうケースもあるわけですね。ですから、一概に、一面的ではなくて、それぞれの多様的な問題をこれから、この法律の改正案によってより多面的な部分も一層審議していく、考えていく必要があるということを申し上げて、私の質問を結びます。  御清聴ありがとうございました。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 皆さん、おはようございます。今日も御安全に。立憲民主・社民・無所属の村田享子です。  今日はですね、(発言する者あり)はい、頑張ります、下請法のところをまた聞いていきたいんですけれども、政府のお取組、パートナーシップ構築宣言であったり労務費転嫁の指針などの取組によって、本当に現場からは、価格転嫁以前より進んできている、そうしたお声多いです。  なんですが、その一方で、やっぱり抜け穴、抜け道を、やっぱり出てきているんじゃないかと思います。その一つが、本会議でも取り上げさせていただきましたが、この取引については交渉をして価格転嫁が実現をしました、良かったね、あれっ、しばらくたって、最近あそこの会社から注文が来ないよね、若しくは注文が減ったよねということで、交渉し価格転嫁が認められたものの、その次の取引において失注や減注をされた場合というものが、これたくさん今声として上がっているんですね。  ここのところをしっかり防いでいかないと、一回価格転嫁すればいいんじゃないということになってしまうと思うんです。この点、今回の下請法の改正案、違反となるんでしょうか。

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。  その事業者がどの事業者と取引するかにつきましては事業者の判断によるものでありますので、事業者が別の事業者と取引を行わないこと自体を規制するということは、事業者間取引におけます契約自由の観点から適切ではないと考えておるところでございます。  発注者が受注者に対しまして、例えばその取引を減らしたり打ち切ったりすることを示唆した上で、その協議のところでそういうことを示唆した上で価格を据え置くというようなこととか僅かしか上げないというような一方的な価格決定をするという場合につきましては、今回導入しようとする規定、そういうものや独禁法に違反するおそれがあるということでございますが、実質的な価格協議の結果、最終的にそれが失注したり減注したりするということ自体を本法で違反として規制をするということは困難というふうに考えてございます。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 ちょっと確認ですけれども、ある取引で価格転嫁が実現をしました、その上で、その後、失注、減注が起きたという場合については、今回の改正案の下請法については違反にはならないということでよろしいんでしょうか。

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) それにつきましても実はケース・バイ・ケースでございまして、ならないケースもありますが、なるようなケースも現行法の規定でもございます。  例えば、そういうような情報を、違反をされたと、違反行為があったということを例えば当局に情報提供しますと、それを理由といたしましてその取引を減額をするとかやめるとか、そういうような報復措置というのはこの法律で禁止をしておるということでございます。  このような報復措置があるかないかというものにつきましては、毎年やっております定期調査の中におきましてもそういうものの質問というものを入れておりますので、その失注とか減注とか、そういうような状況についても一定程度、実態調査というところ、毎年やっております定期調査の中で把握をしておるというところでございます。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 今、情報って、受注者側が行政の方に情報提供をして報復措置をされたというようなケースをお話しになったんですけれども、今私がお聞きをしているのは、ある取引でちゃんと価格転嫁できましたよ、しばらくしてから、あれっ、注文がないよね、あそこの会社から、であったり、以前より注文数が減ったよねというような失注や減注が起きた場合、これについては下請法の違反になるのかということです。

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) そのようなケースですと、今回の新しい規定では違反となりません。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 私はここが非常に問題だと思っていまして、今はっきりと違反にならないとおっしゃったので、これを御覧になった方、ああ、じゃ、それでいいんだなと、一回価格転嫁オーケー出しておけば、次、注文別のところに変えてもいいんだなというふうになってしまうんですよね。  ここのところの対策をやっぱりしていかなければいけないと思うんですが、この点いかがでしょうか。

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) この法律で規制ができないということではございますが、価格転嫁につきましては、例えば労務指針等を公表いたしまして、その適切な価格転嫁というものを進めていこうということで政府全体で取り組んでおるところでございますので、そういうような社会的な規範、ノルムというものを醸成をするということによりまして、そういうような行為が余りなされないような雰囲気をつくっていくということが政府としては重要ではないかというふうに考えておるところでございます。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 雰囲気つくっていく、商習慣を変えていく、非常に大事ですけど、先ほどの古賀委員のお話にもありました、今まで長く続いてきたものをやっぱり変えていくというのは難しい、だから法律でしっかりそこを規定しないといけない、法律からちゃんとやっていくんだというところを見せるべきだと思います。  これ実際に、これJAM、物づくりの中小企業で働く仲間が集まった組合ございます。そこの山陰、JAM山陰という鳥取、島根の皆さんのところからの声なんですけれども、今後の受注とか、その受注が取消しになるとか、失注になるとか、新しい引き合いをいただけなくなる、そうしたリスクを常に考えて交渉するような必要がある、そうなると、もう価格転嫁の申出自体を諦めてしまう企業だって出てくると、これが今現場の声なんです。特に、鳥取、島根、地方です、地方の中小企業の皆さんが困っている中で、本当に今回の法律が十分だったのかと私は思うんですが、いかがですか。

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) 先ほども申し上げましたように、どの事業者と取引するかどうかということにつきましては、契約自由の原則というものもございますので、その範囲でどのような制度が適切かということを、先ほど来議論されております企業取引研究会、そういうものの中でも検討してきたということでございます。  そのような中で、今回はその協議に応じない一方的な価格設定というものを導入をすると、そういうことによりましてその価格転嫁を促進していこうと、そして、社会的全体で、サプライチェーン全体で商慣習として定着させていこう、社会的な規範を変えていこうというような方向で動いていこうというような結論に至ったというところでございます。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 ちょっと伊東大臣にお聞きをしたいんですけれども、やっぱり今のようなケースをちゃんと防いでいかなければいけないと思います。  先ほどから御答弁いただいている契約自由の原則、それがあるということももちろん承知をしています。  その上で、例えば運用基準の中に、一度価格転嫁をしたと、その上で、次の取引、失注や減注につながるようなことはなるべくないように努めた方がいいとか、そのような書きぶりで何らかこのケースを防ぐような取組が、私は、運用基準の中であったりガイドラインであったり、そうしたところで示していくべきだと思うんですが、大臣、いかがですか。

伊東良孝自由民主党・無所属の会内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・消費者及び食品安全・地方創生・アイヌ施策)

○国務大臣(伊東良孝君) これ民間の取引の話になるわけでありまして、事業者がどの事業者と取引するかにつきましては、これ事業者間のどうしても判断によるものが主たるものでありまして、一度、今まで取引しているんだけれども、少し条件が変わったからやめるやめない、あるいは次回の発注がある、あるいは量が減らされる等々まで役所が介入する、あるいはこうした事例を、何というんですか、取り決めするというのは難しいことだというふうに思うところでもあります。  契約自由の原則の観点がやはり優先されるのではないかなという、そんな思いであります。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 それでは、次は武藤大臣にお聞きをします。  やっぱり中小企業、大臣も中小企業で働かれた御経験、先ほどおっしゃっていただきました。やっぱり中小企業の皆さん、もちろん継続的な取引というのもございますが、やっぱりほかの同業のメーカーの皆様とも競争しながらされている中で、だからこそ、じゃ、うちの価格をどうしようか、じゃ、相みつを取られたらほかの企業に負けてしまうんじゃないかという御不安の中でやっていて、今ずっと、今日このテーマでやっていますけど、一度価格転嫁できたけれども、じゃ、次はどうなるの、ほかの会社に注文取られちゃうのというような気持ちで皆さんやられているわけなんですよね。  なので、こういったケースをどうやって防いでいくかというのは、中小企業をやっぱり応援する立場からも、しっかり経済産業省としてもやっていくべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 私の立場からちょっとお話を申し上げさせていただいて、これ、実を言うと、要するにその価格転嫁、いわゆる多層までのやつも含めてですけれども、今委員がおっしゃられるように、従来というのは、いいよ、おまえのところ、できないんだったらいいよと、ほか幾らでもいるからというのが原理原則で、過去の歴史にはありました。  そういう中でいろいろ淘汰をされながら来ているわけで、その中で、すばらしい一つの、ワン・オブ・ゼムの技術をうちは持っているんだというので、それぞれしのぎを削りながらやってきているというのが現状ですけど、そうはいっても、今委員おっしゃられるように、いや、価格転嫁交渉しました、じゃ、その後話が来ないな、最近、とかいうのは、これは当然ですけどあり得る話だというふうに思います。  公取さんも伊東大臣もおっしゃられたように、確かに政府がそこに介入するというのは正直言って非常に難しい話かとは思います。ただ、そのガイドライン、これ、まずは、今おっしゃっていただいたように、社会の規範をどう変えていこうかということで、今回相当この下請法の改正については、大分、市場の方も受け止めていただいていますし、その中で、私もこの前、自動車会社のトップさんにはお会いして、これ是非よろしくお願いしますよということを申し上げているところです。  そこの中で、六つについて、労務費の指針の遵守とか、いろいろお話を申し上げました。一つだけちょっとここでお話ししておきたいのは、どことは言いませんが、各社それぞれ更に先への価格転嫁に取り組んでいるということで、ある完成車のメーカーさん、OEMですけれども、ティア1に対して、その先であるティア2以降へ転嫁する分も含めて取引価格を設定した上で、自社の取引先、またティア2にも適切に交渉、転嫁するように伝えているとの話を聞いています。またさらには、先の分も含めて転嫁を受け入れている旨を、ティア1、失礼、ティア2、ティア3以下も参加できるセミナーの場で、これはそのOEMさんのセミナーですけど、広く情報発信していると承知をしているところです。  こういう形の、いわゆる社会的な規範を一つを超えていくというのは、やっぱり企業さんの自主活動の中でだんだんだんだんやっぱり浸透していかなきゃいけない話だろうと思いますし、その中で、労務費指針もありますけど、その取引先との取引価格を適正化すべき立場を常に意識しながら価格決定すべきとか、こういう形で醸成されながらしっかりと動いていってもらわないといけないのかなと。  その中で、今委員おっしゃられたようなことも含めて、また我々としてもこれは周知をしていきたいというふうに、注視をしていきたいというふうに思っています。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 今こうしたことも注視をしていただきたいということで、一つ、例えば今、下請Gメンであったり書面による調査、大規模なものされていますが、今言った事例ですよね、価格転嫁した後、その後、失注したり減注したりということないですかということも調査の中で是非入れていただきたいんですが、武藤大臣、いかがですか。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 検討させていただきます。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 ありがとうございます。  その運用基準がやはりこの法律を実効性あるものにする上で大事だと思っております。この運用基準なんですけれども、現在、やっぱり協議が、今私が冒頭の例で申し上げたのは協議はできたけどその後の問題ということだったんですが、やっぱり協議そのものが形骸化をしないようにといったことがもう一つポイントだと思っています。  これまでの御答弁の中でも、法律の運用基準などで想定される問題事例を分かりやすく示すということでしたが、現時点ではどのような問題事例を想定しているんでしょうか。

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。  この法律の運用基準の内容につきましては、今回の改正法案が成立した場合にはその後具体的に検討していくということでございますが、現時点で想定しているものにつきまして申し上げますと、先ほど来御指摘がございましたように、受注者に対し取引を減らしたり打ち切ったりすることを示唆した上で一方的に、その価格を据え置いたり僅かしか上げないというような一方的な価格の決定をするというような行為、そして、協議の求めを拒み、無視し、又は繰り返し先延ばしにしたりして協議に応じずに価格を据え置く等の決定をするということ、そのほか、受注者が、コスト上昇分につきまして経済の実態が反映されていると考えられます公表資料、例えば春季労使交渉の妥結額やその上昇率、都道府県別の最低賃金やその上昇率など、そういうものに基づきまして具体的な引上げ額を提示をしましたと、提示をいたしまして従来の代金の額の引上げを求めたと、それに対しまして、発注者がそれに対しまして、その理由や根拠資料を一切示すことなく、代金の額を据え置いたり、僅かに上乗せした額で決定、一方的に決定をするというような場合がこのような新しい規定の中で問題となるというようなことを想定しておりまして、そういうものが今後改正法が成立した後には運用基準に盛り込むというようなことも検討しておるところでございます。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 伊東大臣にお聞きします。  運用基準について、じゃ、どのような会議体で、またスケジュールで策定を行っていく見込みでしょうか。

伊東良孝自由民主党・無所属の会内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・消費者及び食品安全・地方創生・アイヌ施策)

○国務大臣(伊東良孝君) 今回の改正法案が可決、成立した場合でありますけれども、来年一月一日の施行に向けた準備を速やかに進めていくこととなります。具体的には、公正取引委員会と中小企業庁が開催いたしました企業取引研究会、これにおきまして昨年十二月に取りまとめられた提言も踏まえつつ、公正取引委員会において運用基準の原案を策定し、パブリックコメント手続を経た上で、十月頃には決定、公表できるよう準備を進めていくこととなる予定であります。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 やはり、この法律が施行されて実際に現場でそれに基づいて動き始めたときに、冒頭申し上げたようなその抜け穴、抜け道というのが出てくる可能性があります。  そうした状況に合わせてやはり随時運用基準というのも見直すべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

伊東良孝自由民主党・無所属の会内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・消費者及び食品安全・地方創生・アイヌ施策)

○国務大臣(伊東良孝君) この法律の運用基準につきましては、主に違反行為についての具体的な解釈や想定される違反例を示すものでありまして、これまでも公正取引委員会において必要に応じて内容の見直しを行ってきたところであります。例えば、平成二十八年には、型等の無償保管要請、これ金型、木型等でありますけれども、この無償保管要請など、多くの違反事例を追加しているところであります。  今回の改正法を踏まえた運用基準の改正事項につきましても、今後、商慣習の変化など対応すべき事情が見られる場合には、公正取引委員会において検討した上で、必要に応じて見直していくことになるところであります。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 続いて、グループ会社間の取引について、経産大臣にお聞きをします。  先日の本会議でもお尋ねしました。グループ会社間での取引は下請法や独占禁止法の対象にはならないということですが、現状として、私のところには、グループ会社間といっても価格転嫁が進んでいないというお声があります。こうしたグループ会社間での取引における価格転嫁の現状についてどのように認識をしているのか、また、いろいろな調査からこうしたグループ間の取引について課題があるというような声は寄せられていくか、あわせて、じゃ、このグループ会社間の適切な価格転嫁をどう進めていくのか、お聞きをします。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) グループ会社間の件につきましては、この前も本会議で御質問いただきました。  この価格転嫁の状況については、中小企業の経営者からは、親会社と子会社との取引で価格転嫁が進まない結果、その先の取引先への価格転嫁が進まないという声も伺っているところであります。  同一グループの会社間の取引については下請法や独禁法では問題とならないものと承知をしておりますけれども、様々な取引適正化対策により、それら取引も含めたサプライチェーン全体で価格転嫁を徹底することは賃上げ原資の確保の観点から大事だと、重要なものだと思います。  このため、幅広い業界全体で取引適正化に向けたいわゆる自主行動計画の改訂ですとか遵守の徹底、また労務費の価格交渉、転嫁の在り方を示した労務費転嫁指針の政府挙げての繰り返しの周知と徹底、まさにこれをやり続けながら、各事業所管省庁と連携をしました幅広い価格転嫁対策に努めてまいりたいと思っております。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 グループ会社間からの御相談もう一つありまして、子会社が中小企業だった場合、今政府の方でも中小企業の支援として様々な補助金であったり政策ございますが、中小企業であってもグループ会社間の場合はみなし大企業とされて、補助金が使えず困っている、この声、物すごく多いんですね。  こうしたみなし大企業、中小企業の皆さん、いらっしゃいます。補助金その他の支援策の対象とすべきだと思うんですが、いかがですか。

山本和徳中小企業庁事業環境部長

○政府参考人(山本和徳君) 今御指摘ございましたいわゆるみなし大企業でございますが、一律の基準は存在をいたしませず、各制度や補助金等の目的に照らしてそれぞれ定められております。一般的には、出資や役員の関係等を踏まえまして、実質的に大企業が所有、管理する企業を指すことが多いものと認識しております。  中小企業基本法におきましては、独立した中小企業者の自主的な努力の助長や、多様で活力ある成長発展の促進が規定されております。こうした中小企業政策の目的や趣旨を踏まえますと、実質的に大企業が所有、管理する企業であるいわゆるみなし大企業に対して中小企業向けの支援を広く認めることは難しいと考えておりまして、御理解をいただければと存じます。  経済産業省といたしましては、それぞれの政策目的、趣旨を踏まえつつ、中小企業の多様で活力ある成長、発展につながる支援を進めてまいる所存であります。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 多分、みなし大企業の中小企業の皆さんはなかなか御理解はされていないと思っています。やっぱり、いろんなところ回っても、これは労働組合もそうなんですが、会社の方から何で使えないのということを直接私も言われます。  そうした理解というか、もそうなんですが、やっぱり実際みなし大企業と言われている皆さんも本当に補助金求めているし、困っているんだよと、そうしたところのやっぱりお声もしっかり聞いていただいて、本当に今のままでいいのかというのも検討をお願いをしたいと思います。  製造業の皆さんから、これも本会議でお聞きをしましたが、やっぱり海外と取引をされている方もたくさんいらっしゃいます。海外の企業が発注先、日本の企業が受注者である場合に、なかなか価格転嫁ができないという問題です。海外との取引で下請法や独占禁止法が適用されるのはどのようなケースでしょうか。

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。  海外の事業者との取引につきまして、この法律や独占禁止法が適用できるかどうかにつきましては、その取引が日本市場に与える影響を踏まえて判断されるため一概には言えないものの、一般論でございますが、外国法人との取引であっても、日本国内において行われた取引ということでありますと、これらの法律の適用対象となるということでございます。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 今、日本市場に与える影響を踏まえてということでございますと、恐らくこちらもケース・バイ・ケースになってくると思います。  例えば、海外企業と取引をされていて、なかなか価格転嫁できないんですといった御相談があった場合に、じゃ、例えば公取の皆さんのところに相談に行って、うちの企業はこういう取引やっているんですけどというふうに相談に行くと、じゃ、このケースは下請法、独占禁止法適用されますねというような相談に乗っていただいてということも可能でしょうか。

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。  公正取引委員会では、従来からこの法律や独禁法に関する事業者からの相談を受け付けておるところでございますが、令和三年には、特に取引先から不当なしわ寄せを受けるおそれのある中小事業者の皆様に相談窓口をより活用していただくために、フリーダイヤル経由での窓口も設置したところでございます。  令和六年度におきまして、この法律、そして独占禁止法上の優越的地位の濫用規制に関する相談ということにつきまして、合わせて二万二千九百五十六件の相談を受けておるというところでございます。  相談窓口では、事業者の方から転嫁に関する相談だけではなく、例えば相談者の取引にこの法律が適用されるのかといった、その法律の適用対象に関する相談など、幅広くこの法律や優越的地位の濫用規制についてお問合せをいただいておるということでございます。  公正取引委員会といたしましては、引き続き、事業者の皆様へしっかりと本法及び改正内容を御理解いただくために、積極的に周知広報活動に努めてまいりたいと考えてございます。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 こちらも同じくJAMの皆様からで、海外取引ではやはり地域の相場が基本となって、やっぱり価格転嫁の交渉が困難であるといった相談があります。  また、先日の委員会では、航空機のトランプ関税もお話しさせていただきましたが、航空機もまさに日本の企業が受注者となって皆さん頑張っていらっしゃっているところなので、しっかりそうした窓口もあるということも私の方からも周知をしていきたいと思います。  次に、入札についてお聞きをします。  入札でやっぱりどうしても仕事を取りたいというときには、やっぱり皆さん、価格を下げて仕事を取りに行っていて、利益が出ないといった声ございます。やっぱり、入札における価格転嫁を進めて、事業者が利益を確保して賃上げにつなげていく、これも大事だと思いますが、対策いかがですか。

山本和徳中小企業庁事業環境部長

○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。  低い価格での入札は、各事業者による財務状況や履行能力も踏まえた判断であり、それだけでは直ちに不適切ではないという見方もございます。他方で、物価上昇を上回る賃上げの定着のためには、例えば官公需の発注においても適切な予定価格の設定や価格交渉、転嫁が行われることが重要でございます。  国等の官公需につきましては、あらかじめ設定した基準価格よりも低い価格での入札に対しては、契約の内容に適合した履行がされないおそれがないか等を調査いたしまして、おそれが認められれば落札者としない低入札価格調査制度がございます。また、地方自治体の官公需におきましては、最低制限価格を設定し、それより低い価格の入札者を失格とする最低制限価格制度もございます。  これらの適切な運用に加えまして、入札等で決まる官公需におきまして交渉、転嫁を促す観点から、少なくとも年一回以上の価格協議を行うように努める、また価格交渉の申出があった際に誠実に対応することなどを盛り込んだ令和七年度の国等の契約の基本方針が本年四月に閣議決定され、各省庁や地方自治体に周知をさせていただいたところでございます。  今後とも、自治体との関連において、総務省とも連携をしっかりいたしまして自治体に関する周知を徹底するとともに、実施状況をフォローアップすることによりまして、官公需における価格交渉、転嫁を進めてまいる所存であります。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 やっぱり、入札においてもやっぱり労務費の部分がなかなか価格転嫁難しい、働いている皆さんの賃上げにつながっていないという声聞いていますので、引き続きの取組をお願いします。  あと、防衛産業もちょっとお聞きしたいんですけれども、こちらも、防衛産業で働いている皆さんから、価格転嫁を国に申し入れたときに、予算で決まっているので変更できないと言われたと。こうした防衛産業の価格転嫁対策、どうなっているでしょうか。

伊吹英明経済産業省製造産業局長

○政府参考人(伊吹英明君) お答え申し上げます。  委員から御指摘があったとおり、防衛産業基盤を強化するには、まず防衛省から直接契約しているプライムコントラクター、この人たちがちゃんと利益を上げることも大事なんですけど、大企業に対して部品とか加工役務の提供を行う中小企業、いわゆるサプライヤーさんですね、サプライチェーン全体で利益率を改善をしていくということが適正取引のために必要だというふうに思っています。  こうした観点から、経産省では、防衛省さんと合同で有識者会議を設置をしまして、二年ぐらい検討させていただきまして、今年の三月に防衛産業における下請適正取引等の推進のためのガイドラインというのを作って公表させていただいているところでございます。  この中では、もちろん民間企業同士のいろんな取引について留意点というのを、ベストプラクティスなんかを説明しているわけですけれども、もう一個は、先生から御指摘があったとおり、この民間同士の取引に国の調達、こちらが影響を及ぼしている場合というのは少なからずあるというふうに思いますので、この場合は防衛省が事業者と率直に意見交換をすると、で、適正な調達の実現に向けて取り組むという方針をこのガイドラインの中に規定をさせていただいていますので、今後、このガイドライン、実際にしっかり周知をしてフォローアップをしていかなきゃいけないんですが、その中で、経産省側にはGメンとか地方経産局とか業界団体からいろんな企業の声が集まってきますので、こういった声を、特に調達そのものについて問題があるような場合は防衛省の方にしっかり伝えて、防衛産業における適正取引の推進に取り組んでいきたいというふうに思います。  経産省としては、こうした取組を通じて、防衛省の装備政策と当省の産業政策の連携を深めて、防衛産業全体のサプライチェーン、基盤強化を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 防衛産業で働いている皆さん、やはり日本を守るんだという、すごくもうそういったお気持ちで一生懸命現場で頑張っていらっしゃいますが、やはりある企業の中で、ほかの事業と比べると、防衛部門がほかの事業と比べてこれまでなかなか利益が上がらなかったというようなやっぱりお悩みも持っていらっしゃいます。今いろいろな取組、防衛産業基盤強化法を始めとして取組はされているのは理解はしていますが、しっかり進んでいくようにお願いをいたします。  ちょっと地方のところをお聞きをします。  下請企業振興法のところ、改正案で地方公共団体との連携強化というところが規定をされました。やっぱり各地域の事業者に身近な存在であって、その取引実態を詳細に把握し得るのが地方公共団体だと私も思います。具体的にどうやって地方公共団体と連携を取って価格転嫁を進めていくのかと。  ちょっと先ほどJAMの山陰、島根、鳥取の例をお話ししたんですけれども、やっぱり地方の中小企業の現状というのは、やっぱり価格転嫁が本当にできていくのかといった御不安もすごく持っています。価格転嫁できても需要がなければやっぱり仕事が減らされるんじゃないかとか、あと、今回、運送委託についても下請法で物流問題に対応するということで規制対象の追加になったんですけど、例えば、その鳥取、島根の方がおっしゃるのが、自分たちは結構その発注先から遠いと、そうなってきて、もちろんその物流の部分の価格転嫁もしていかないといけないんですけど、運賃の話になっていって、じゃ、鳥取、島根はちょっと遠いよねと、今ガソリンも高いしと、であれば、もっと近いところから仕入先を変えようかと言われるんじゃないかというのも皆さん危惧されているんですね。  地方創生ということも今、石破総理もすごくおっしゃってはいますが、本当に、今回の価格転嫁も含めて地方創生につながるような、地域の中小企業が元気になって来年の賃上げにつながるような、今年も今交渉中の方もいらっしゃいますが、今年、来年の賃上げにつながるようなやっぱり今回の法改正にしてほしいという思いがあります。なので、地方公共団体の役割というのがより一層重要だと思います。この点いかがでしょうか。

山本和徳中小企業庁事業環境部長

○政府参考人(山本和徳君) 地方公共団体の役割の重要性については委員御指摘のとおりと存じます。  この地方公共団体との連携につきましては、例えば、労務費転嫁指針を始め取引適正化に関する国の様々な施策、これらについては足下大きな変化もございます。こういったものにつきまして、自治体から地域の企業の皆さんへ更に一層周知をいただくことなども期待をいたします。  加えまして、下請Gメンを活用した都道府県ごとの施策認知度の調査、さらには地方公共団体が収集した取引情報を国にも共有いただきまして、取引適正化に関する施策の立案や法執行へ活用することなども想定しておりますし、また、各都道府県が独自に先進的な価格転嫁促進に係る取組を実施しておられることもございます。これらにつきましても、各地方経済産業局が収集し、全国の自治体にまた展開させていただくなど、自治体相互の連携も深めることを促進させていただいて、全国津々浦々で価格転嫁を浸透させていく取組を進めてまいる所存であります。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 最後に、中小企業憲章についてお聞きをしたいと思います。  中小企業憲章、二〇一〇年六月に閣議決定をされたものでございます。中小企業政策に取り組むに当たってはこの中小企業憲章の基本理念を踏まえてというようなこともこの中にございますが、この中小企業憲章の内容について御説明お願いします。

山本和徳中小企業庁事業環境部長

○政府参考人(山本和徳君) お答えします。  中小企業憲章は、中小企業の重要性、役割、中小企業への支援の姿勢につきまして中小企業や国民にお示しする、言わば中小企業の経営者や従業員へのメッセージとして平成二十二年六月に閣議決定されたものでございます。  具体的には、中小企業が経済や暮らしを支え、牽引する重要な存在であるとの基本理念や、経済活力の源泉である中小企業が思う存分に力を発揮できるよう支援するという中小企業政策の基本原則などが記載されているものでございます。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 この中小企業憲章の中には、「中小企業は、国家の財産ともいうべき存在である。」といった一文もあります。ただ、これ二〇一〇年に閣議決定されて、もう今二〇二五年ですけど、本当にこの間、中小企業の皆さんを国が支えてこれたのか、そこで働く人を守ってこれたのかというのは、私は本当に疑問です。  地方公共団体、先ほどお話ししましたが、今この中小企業憲章を地方でも広めていこうというようなJAMの皆さんも活動をされておりまして、例えば、条例でいいますと、中小企業振興基本条例というものを制定している地方自治体もございます。  この基本条例では中小企業に関する施策の基本となる理念、方針を定めておるものなんですが、この中小企業振興基本条例、現在、幾つの自治体で制定をされているのか、また、こうした基本条例含め、やはり価格転嫁につながる取組を地方公共団体に周知すること重要だと思いますが、いかがでしょうか。

山本和徳中小企業庁事業環境部長

○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。  中小企業振興基本条例につきまして、民間団体の調査によるものでありますけれども、令和六年十一月時点で四十七都道府県と七百二十一の市町村で制定されているものと承知をしております。  基本条例の内容は自治体によって様々でありまして、下請取引の適正化を盛り込んでいる条例もございます。残念ながら盛り込まれていない条例もありますけれども、自治体における取引適正化の推進には寄与をしていただいているものと認識をしております。  この中小企業振興基本条例につきましては、地方自治の原則の下、各自治体において議論され制定されるものではありますけれども、経済産業省といたしましては、今回の改正で盛り込んだ地方公共団体の中小企業振興の責務や労務費指針などの国の施策を自治体に周知すること、また、各都道府県が実施している先進的な取組の全国の自治体への経産局を通じた展開など、連携を深めて地方公共団体における価格転嫁推進の取組を促進、期待してまいりたいと存じます。

村田享子立憲民主・社民・無所属

○村田享子君 今御答弁ございました。今条例を制定しているところ八百弱ということで、日本国内の地方公共団体の数、約千七百を超えていますので、まだ半分にも行ってないという状況で、こうした取組も是非紹介をしていただきたいと思いますし、やっぱり今日の御答弁聞いていても、周知をするとか、雰囲気を醸成していくんだと。やっぱりちょっと、どうしてもまだまだ、もう一押しなんじゃないかなと思うところございます。しっかりその点も考えていただいて、私の方もしっかりチェックもしていきたいと思います。  ありがとうございます。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻健史です。よろしくお願いいたします。  前置きというか、今まだこの法律通っておりませんので、前回同様、親会社、子会社という言葉を使わせていただきます。私、口が回らないもんですから、新しい用語だとちょっと口がもつれてしまいますもんですから、親会社、子会社でやらせていただきたいと思います。    〔委員長退席、理事古賀之士君着席〕  もう一つ、ちょっと前置きなんですけれども、正直言って、私は経済に関しては新自由主義者です。要するに、マーケットが決めるべきであって、政府はなるべく出しゃばらない方がいい。ですから、規制緩和とか国営企業禁止とか、それから財政出動の縮小というものがよろしいというふうに思っています。その観点からすると、この法律の賛否は、私も党に属しておりますので党の方針に従いますけれども、その新自由主義的な考え方の私としてはそれなりに不満というかフラストレーションがたまる法律であるということだけは申し上げておきたいなというふうに思っています。  本論に入る前に、日本って四十年間で世界断トツのびり成長なわけですよね。GDP約二倍にしかなってない、三十年間でも一・五倍にしかなってない。ほかの大国は七倍、八倍になっているのに、たった二倍なんですよ。中国なんてたしか二百二十倍ぐらいになっているのに、日本はたった二倍なんですよね。これ、この優秀な、そして誠実な国民から成る日本が世界断トツのびり成長しかできていないというのは、これは手先の問題じゃなくて、枝葉末節の問題じゃなくて、何か根本的な間違いがあるからだと私は思っているんです。平均的にしか成長しなかったというのは、いろんな小手先の問題というか、枝葉の問題あるかもしれないですけれども、この優秀な民族が断トツのびり成長しかできてないというのはやっぱり大きい問題だろうと思うんですよね。  その結果が、よく皆さん、労賃が上がらないって言っていますけれども、それは当たり前ですよね。GDPが、全体の、アップルパイのパイ、パイですから、が大きくならないんだったらば、誰かの収入を増やせば誰かの収入は減らないんだったらば計算合いませんし、税収も例えば増えるわけないんですよ、みんな、GDPが増えないんだから当たり前の話であって。政府のやるべきことというのは、そのGDP、パイを大きくする、大きくすれば分配率が変わらなくても皆さん豊かになるわけですよ。その辺が欠けていてですね。  私は、お話ししたかどうか分かりませんけれども、日本の銀行からアメリカの銀行に行って、最後の五年間は東京支店長兼在日代表でしたけれども、その部下、当時私の勤めた銀行というのは、これは個人を相手にしなくて、大企業と政府相手だったんで、なかなか知っている方はいらっしゃらないんですけれども、一応世界では最高の銀行と言われていた銀行で、優秀な欧米人がたくさん私の部下にいたわけです。かなり部下は東京でもいたんですけど。というのは、私が勤めた頃って、日本はやっぱり落ち始めてはいましたけれども、日本を経由して行くというのはニューヨークでの要するにエリートコースだったもので、非常に優秀な人たちがたくさんいました。  その人たちが勤務して帰るときにほとんどみんな言っていたことは、日本は世界最大の社会主義国家である、そう言って帰っていったわけです。私自身も、いろいろ海外、いろんなところへ行ってみて、本当にそう思うんですよね。私自身は、これが、日本が四十年間断トツのびり成長、資本主義といいながら全ての経営のシステムが社会主義的であると、まあ外国人がそう見ている、生活し、働いた上での彼らの感想ですから、まさにそうだと私は思っているし、私自身の経験からもそう思っているんですよね。  この法律も、多少そういうところが色濃く出ているのかなという感じがしています。なので、ちょっと、党の方針に従いますけれども、フラストレーションはたまるなということであります。  もう一つちょっと言っちゃいますと、うちの次男がアメリカに二年半、二年三か月ぐらい行って帰ってきたときに言った言葉が、割と印象的に覚えているんですよね。もうちょうどコロナの頃、向こう、アメリカへ行ってたんですけれども。  帰ってきたときに次男が言った言葉、お父さん、やっぱり経験からすると、九五%の人たちは日本の方がよっぽど優秀だ、だけど、上五%はアメリカ人の方がはるかに優秀で、その五%がシステムをつくって下の九五%を引っ張り上げている、だからアメリカの経済は強いんだと。  その五%って誰かというと、GAFAで分かるように、移民なんですよ。イーロン・マスクだってそうですよね。GAFAの経営陣見ると、非常に移民が多い。世界の天才がアメリカは集まっているんですよね。そして、その世界の天才たちがアメリカのシステムを持ち上げて、日本人より優秀でない人たちまで豊かになっていると、これがアメリカの仕組みだと息子が言っていて、まあ私も、私の経験からしても確かにそうだなと思ったわけですけど。  じゃ、なぜアメリカに優秀なその移民が集まるかというと、夢があるんですよね。成功すれば大もうけできる。それから、相続税もほとんど、まあ一人十億円とか、合わせて三十億円ぐらいまで無税ですから、子供にもお金残せる。夢がある、だからアメリカへ行くわけですよ。日本に来たって、税金もそうだし、それから成功報酬だってほとんど差がなくて豊かになるわけないですから、日本なんか来っこない。アメリカはちゃんと資本主義の雄で、ちゃんとそういう人たちを引き受けて、引き付けて成長している。これがアメリカなんです。  で、いろんなことを考えると、日本はこの格差是正が金科玉条で、分配しか考えていない、成長を考えていない、だから四十年間最小。ということで、やっぱり、どこかで大きい軌道修正をしなくちゃいけないのが日本だと思うし、本来であれば、その先頭に立つのは経産省じゃないかなと思っております。  前置きはそのぐらいにして質問に入りますが、先日、割引手形の話をしました。ちょっと続けさせてもいただきたいんですが、まず一つ、ちょっと確認、復習ですけれども、下請企業が約束手形をもらいました。納品したのでもらいました。本来であれば、すぐ割引にして銀行からもらいます。六十日間の約束手形って、支払期日まで待てば百万円ですけれども、即日割り引いたら九十九万円でしたと。これは別に下請いじめでも何でもないですよね。  これは金融の当たり前の話で、今日の百万円と六十日後の百万円というのは価値が違う、当たり前です。今日もらえれば、まあ低金利だから余り関係ないかもしれませんけど、普通だったら、金利は高い金利をもらえるわけですから、今日より、お金の方がいいに決まっているわけです。逆に言うと、六十日後にもらうお金を今日もらえば、きちんと割り引いて、金利を割り引いて受け取る。だから、支払日と振出日、振出日と支払日、期日ですね、満期手形の受け取る金額が違うというのは当たり前の話で、これは金融論、金融でいえば当たり前の話で、いじめでも何でもないわけですよ。  もう一つ言っちゃうと、これも復習ですけれども、自動車会社が自動車を造るのに一年二か月掛かる、一年二か月掛かるということは、自動車、親会社の方にお金が入ってくるのは一年二か月後なんです。で、生産を開始してから二か月後にフロントガラス、下請からフロントガラスを入れました、お金まだないですよ、親会社は。でも、お金もないけど下請企業も大変だろうからということで、六十日後に支払うという手形を出して、百万円の、でもすぐ割り引くから九十九万円にしかならなかった。これ、親会社が別に子会社をいじめているわけでもないですよ、入っていないんですからね、お金ね、親会社は。  だから、どちらがどの程度その費用を、まあこれ全部金利ですから、一案として、親会社がお金を、その百万円を借りて自動車生産して、お金入っていないけれども、その百万円を借りて、金利払って借りて子会社に払うか、それとも約束手形を使って妥協するかということで、その金利をどちらが支払うかということだけで、決して明確な下請いじめではないわけです。  それにもかかわらず、約束手形を廃止するというのは疑問かなと思うんですが、先ほど古賀委員から質問ありました、一〇%はやっぱり会社自身が約束手形使いたい、裏書という非常に、これ裏書という非常に便利な方法ですよ。  それから、私は約束手形っていいなと思うのは、下請企業が受け取って銀行に持っていくと、銀行としては、これ親会社の信用ですからすぐ割り引いて、信用調査、割り引いてくれるわけですよね。しかも、二回親会社がその約束手形を出さなかったら倒産ですよ。だから、物すごい約束手形というのは信用力があるというか、使いやすいものなんですよ。  今は、確かにファクタリング会社、ちょっと私経験ないんで、もう机上の、余りないんですけれども、ファクタリングをやるんだったら、そのきっと契約、細かい契約書を作らなくちゃいけないんだろうし、その手形みたいな信用力ないから、きっと保証料を随分高く取られるんじゃないかと思うんですよね。  そういう観点からすると、本当に子会社にとって約束手形を廃止するということはメリットがあるのかという疑問を持つんですけれども、いかがでしょうか。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 藤巻先生、ありがとうございます。  本当、藤巻先生の御意見拝聴していると、さっきも古賀先生から話があったけど、三十年前を思い出しまして、毎月、営業会議、役員会議、おまえ、金利幾らだと思っているんだと、もうその話ばっかりして、とにかく手書きしたこのいわゆる手形を、裏書はどうなんだとか、いろいろそういう話ばっかしのときがあったのをよく思い出させていただきました。  先生おっしゃられる問題意識も、これは政府がここまでやることはおかしいんじゃないかというのもよく分かるんですけれども、私も数年、もう当然ですけど、今大臣職ですから、兼職全くしていませんけれども、話をたまに聞くと、やっぱり、大分世の中の趨勢というものがやっぱりこのデジタル化の動きと、様々な、おっしゃられるように、金融機関、ここが主導でやはり中小企業も大分入り込んできているというのが現実のところで、様々な業界あるんだと思いますけれども、それぞれの業界の中でやはりこの手形をやめて現金決済にするという一つの流れというものは、もうこれ正直避けられないものが大きく、やっぱりDXの流れなのか、やっぱり日本の中で浸透してきているなというものも正直認めざるを得ないんだと思います。  その中で、政府としても御答弁申し上げているとおり、この約束手形による支払というものは、受注者の側の中小企業がいわゆる早期に現金を得る、先生おっしゃられたように、裏書ですぐ割り引いちゃえばいいじゃないかという話もありますけれども、やはり金利というのはいろいろありまして、今はちょっと金利がずっと低かったんでよかったんでしょうけれども、そういう現金を得るためには一定の割引料が発生するので、中小企業の資金繰りの観点からは、現金での支払について、ここも強いニーズがあるのも一つのファクトだというふうに思います。  今回の下請法の改正で約束手形を禁止することにさせていただいております。このように、約束手形による支払が禁止されますと、中小の受注者にとってメリットが、まあ逆に言うと、バランスですけど、大きいというものもあり、こういう声があるのも事実ですから、基本的には不利はないんだろうと。  この世の中の趨勢の中で、皆さんが経営改善を図っていただきながら、手形が現金という形になって即支払われるという形の中で、現金の資金繰りが良くなり、そういう意味では世の中が回転していくだろうというものもあります。具体的には、申し上げますと、現金で得るまでの期間が短くなって資金繰りが改善される、これも一つのファクトだと思います。手形を割引して現金化していた事業が、割引料の負担が軽減されるなどのメリットもあるところだと思います、これも金利次第なんですけれども。  約束手形の廃止によって、発注者が支払を現金化する際に一方的に代金の減額を要請する等により受注者へ不利益が発生するおそれも、これも否定もできません。こうした一方的な減額がないように、下請法というものを周知しながら、厳正に執行してまいりたいというふうに思っています。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 大体理解しましたけれども、ただ、現金化が進んでいるという、約束手形の問題は、やっぱり印紙税とか、それから世の中がデジタル化が進んでいるときに紙媒体を残していいのかとか、そういう問題はあるのは十分認識しているんですけれども、現金化している理由って、今大きいのはやっぱり金利が低いせいだと思うんですよね、今まで異常に金利が低い。私が、銀行員、マーケットにいた頃というのはやっぱり相当金利が高かったですけれども、金利が低ければ銀行から借金して先に払っても構わないわけですよ、親会社としては。だけど、金利が高くなったときにちょっと話はまた別になってきて、やっぱり手形やりたいよねなんという話になるんじゃないかなと私は思っているということだけは申し上げておきたいと思います。    〔理事古賀之士君退席、委員長着席〕  それから、じゃ、次の質問ですけれども、公正取引委員会のホームページには、市場メカニズムが正しく機能していれば、事業者は、自らの工夫、創意工夫によって、より安くて優れた商品を提供して売上高を伸ばそうとしますし、消費者は、ニーズに合った商品を選択することができ、事業者間の競争によって、消費者の利益が確保されることになります、このような考え方に基づいて競争を維持、促進する政策は競争政策と呼ばれていますと書いてあるわけですね。  要するに、競争によって値段が、いろんな事業者にも消費者にもメリットがあるということが書いてあるわけですけれども、一方、今回、トラック法に基づく標準的な運賃について荷主企業者への周知徹底をさせると政府が決めるわけですけれども、それって、ちょっと最初に申し上げた計画経済じゃないかと、資本主義じゃないんじゃないかと。要するに、やっぱり競争をきちんと、完全なる、独禁法があるわけですから、競争を追求して、競争社会の中で、マーケットで価格が決まるのが本筋であって、政府が適正なる標準的な運賃を示すなんというのは、この国、社会主義かなと私は思っちゃうんですけど、いかがですか。  やっぱり運賃、そこを、労賃も、この前、何でしたっけ、勤務時間が減るというような労働時間の短縮というの、法律通りましたけど、あれによれば、当然供給が減って、運送という供給が減って賃金が上がるわけで、物価上昇というのはあの法律を通した段階で当たり前であって、それによっていろいろトラック運賃も決まるし、運賃が上がれば下請業者も上がるというのが、それが普通の姿であって、それを、値段を表示するなんということ自身が資本主義の理念に反しているんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

古谷一之公正取引委員会委員長

○政府特別補佐人(古谷一之君) 御指摘のトラックの標準的な運賃自体は、運送事業者が自社のコスト等を適切に把握して、荷主と運賃交渉を行えるようにするための参考指標ということで設定されているものでございまして、政府が実際の取引価格を設定するものではありませんので、公正取引委員会の方の競争政策上も問題とするものではないとは考えております。  ただ、釈迦に説法で恐縮でございますけれども、議員から御指摘がございましたように、価格というのは市場における基本的な競争手段であります。公正で自由な競争環境の下で取引当事者間の協議や交渉を通じて価格が決まるということが重要でありまして、このような市場の価格調整メカニズムというものに政府が介入するということは基本的に慎重であるべきであるというのが私ども公正取引委員会の立場でございます。  一方で、今、下請法の議論もしていただいておりますけれども、取引当事者間の力関係が対等ではないなど市場の機能が有効に働かない場合には、政府が政策的に介入をして、事業者の事業活動に対して一定の補助や規制等が設けられるということがありますけれども、そのような場合でありましても、公正取引委員会としましては、そうした規制が競争にもたらす影響が政策目的を達成する上で必要最小限となるように、政府内においては必要な調整を行っているつもりでございます。  私どものウェブサイトを御紹介いただきましたけれども、公正取引委員会としましては、まさにそうした考え方で引き続き独禁法の運用や競争政策に当たらせていただきたいというふうに思っております。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 政府が価格に介入しなくちゃいけないということは、取りも直さず独禁法はきちんとワークしないと、完全競争、完全なる競争がワークしていない証拠であると私は理解しております。ですから、完全競争は、競争がもっと厳しくなるように、きちんと独禁法の趣旨に合ってやるべきであるというふうに考えております。  ちょっといろいろまだ質問があるんですけど、ちょっと時間がなくなってきたので。  今回の法案とは関係ないんですが、今日、朝、毎日新聞の方で、私が財政金融委員会とか予算委員会でしばしば申し上げていた、トランプ氏は、日本は米を買ってくれない、自動車を買ってくれない、だったら日本の車をアメリカで、右ハンドルの日本仕様の車をアメリカで造って逆輸入すればいいじゃないかということを随分申し上げて、何か赤澤大臣が取り上げたから非常に、その意見を、それを聞いたからかどうか知りませんけれども、取り上げてくださって、非常にうれしく思っておるんですけれども。  その議論の中で、新聞の中にもちょっと書いてあったと思うんですけど、それはアメリカがアメ車として認めてくれるのかと。要するに、その逆輸入車をアメリカからの日本への輸出として認めてくれるのかというような疑問が書いてあったので、一つだけちょっとその交渉のときに参考になるかなと思うことを申し上げておきたいと思うんですが。  数日前に、ブルームバーグ、五月七日のブルームバーグに、トランプ関税でGM大打撃と書いてあるんです、ゼネラル・モーターズ。これは、ゼネラル・モーターズってアメリカなのになぜ関税大ダメージ受けるのかというと、GMというのは大分もう韓国で造っていると。韓国で造ったGM車をアメリカに輸出すると、アメリカにとっては国外車だから関税が掛かるという話だと書いてあるわけですね。これ、逆に言うと、今の逆ですよね、それで関税掛けるんだったら、アメリカで造った日本の名前が付いた車を逆輸入したら、ちゃんと、きちんとトランプはアメ車と理解してくれるはずなんです、このロジックからいえばね。ということを頭に入れて交渉していただきたいなというふうに思っています。  ということで、ほぼ時間が来ましたから、あとの質問は次回の一般質疑のときにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

礒崎哲史国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史です。どうぞよろしくお願いをいたします。  今日は、まず、下請代金法改正の中の面的執行の強化という観点で質問をさせていただきたいと思います。  ちょっとまずは基本的な点からの確認になりますが、関係行政機関による指導及び助言に係る規定、それから総合情報提供に係る規定というものが今回新設をされるということになります。改めてなんですけれども、現時点において想定している具体的な関係行政機関というものが果たしてどこになるのか、具体的にこの関係行政機関とどういう話をしているのかという、関係する業種であったり業法と併せて伺いたいと思います。

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。  今回の法改正におきましては、所管する業界についての知見を有しますそれぞれの事業所管省庁においても、この法律に基づきまして、対象取引につきましてその調査をした上、指導や助言が行えるということでございます。事業所管省庁と中小企業庁、そして公正取引委員会の間で相互に情報提供を行うこととすることが可能となるものでございます。そのため、関係行政機関については特定の省庁に限ったものではございませんで、事業や業法を所管している全ての省庁が対象となるということでございます。  具体的な例を申し上げますと、例えば、貨物自動車運送事業につきましては、国土交通省におきまして貨物自動車運送事業法などを所管しております。貨物自動車運送事業における取引の適正化も図っているというふうに承知しておるところでございますが、実際には、既に我々公正取引委員会との間で、いわゆるトラック・物流Gメンとの相互の情報提供スキームなどによる連携も進めておるというところでございます。  その他の業種につきましても、事業所管省庁、それぞれの取引適正化に向けた取組を現在も進めているものと承知しておりますが、改正法案が成立した場合には、そうした取組も足掛かりといたしまして関係省庁間の連携を深めてまいりたいと考えてございます。

礒崎哲史国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 今、改めて確認をさせていただきました。具体的には、取引研究会の方の報告書なんかも見ましたけれども、今お話をまさにいただいた貨物自動車運送事業法に係る国交省さんとのやり取りですとか、その点についての議論というのが進められているということは私も確認をいたしました。  あえて今回この点を取り上げたのは、今回、まさに面的執行を強化していくというのは、私、いいことだと思っています。まさに、下請法あるいは業法の中で、もしかして、はざまに落ちてしまっているような取引、守られていない取引ですとか、しっかりとフォローしてもらえないような立場の人たちが出てしまうのではないかというおそれはないのか。基本的にはそういうのがない状態に私はしなければいけないと思っていますので、そういった観点で今日はこの点質問もさせていただきますので、どうぞ引き続きの質問、お願いをしたいというふうに思います。  今、具体的に貨物自動車運送事業法に関係する物流についてということで御説明がございました。お手元に資料をお配りしました。資料一をちょっと御覧いただきながらまたお話聞いていただきたいんですけれども、本法改正で発荷主から運送事業者に対する物品の運送委託を新たな類型として追加をしています。この皆さんにお配りをした図は現行の法制度を示しておりますので、今お話ししました発荷主から元請の運送事業者に関しては、現在、独禁法の中の物流特殊指定ということでフォローがされているということです。  下請法でフォローされているのは、その先の元請から下請の運送事業者、運送事業者間の取引に関しては下請法でフォローされるんですが、今言った荷主から運送事業者に対しては今、独禁法ということになりますが、ここの点が今回新たに下請法でもフォローがされるということになったというのが新たな追加点になります。  ここに関係してもう一つ注目したのが、これは本会議でも質問したんですけれども、着荷主、右上のところですね、着荷主と運送事業者の間には依然としてこれは法律で契約がされていないというところになります。でも、実際は物品なりサービスというものが運送事業者を通じて着荷主に渡されるということで、現物としては取引はあるわけですよね。でも、そこには契約はない。  では、ここの間の取引についてはどのようにフォローされていくことになるのかということで、本会議で質問をさせていただきました。そのときの伊東大臣の御答弁が、事業所管省庁において、発荷主や運送事業者など取引関係にある当事者間で適切な、失礼しました、適正な契約が結ばれるよう働きかけを行うという御答弁でした。  ということは、まあ法律上はないんですけれども、働きかけを行っていくんだということでしたので、では、その実行に向けてどのような働きかけを行うのかということを確認をさせてください。

伊東良孝自由民主党・無所属の会内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・消費者及び食品安全・地方創生・アイヌ施策)

○国務大臣(伊東良孝君) 今回の法改正によりまして、発荷主から運送事業者に対する運送の委託がこの法律の対象とすることとしておりますが、運送事業者が荷待ちや荷役を無償で強要され得るなどといった問題に対しては、まずは業法において適切に対応されることが重要であると考えております。  例えば、令和七年四月に施行された改正貨物自動車運送事業法におきましては、運送事業者に運送を委託する場合には運送の役務の内容やその対価などについて記載した書面の交付する義務が課せられたところであります。この書面の内容には、運送契約に荷役作業や附帯業務などが含まれる場合にはその内容と対価についても記載しなければならないこととされているものと承知をしているところであります。  こうした事業法の規定の遵守について、事業所管省庁である国土交通省などが業界に働きかけることにより、取引当事者間において運送事業者が附帯業務を提供した場合の費用負担についても取決めがなされることにつながり、取引の適正化に資するものと考えております。

礒崎哲史国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 今大臣御説明いただきました。  今の御説明の中にもありました、この着荷主のところに荷物を運んだときに、荷降ろしだけではなくて、倉庫への搬入であったり、場合によっては倉庫の整理、さらにはお店の棚に陳列をするというところまで実はこの業者、運送事業者の方が作業を求められることが実際に起きているということで、今大臣から御説明をいただきましたが、ちょっと確認にはなりますけれども、そうしますと、本来であれば発荷主と着荷主の間で結ばれた契約の中身の中にこの運送事業者に関することなども含めて、最終的には運送事業者と着荷主の間にも、法的なといいますか、この契約書の効力が及ぶことができるように今回の整理でなるという理解でよろしいでしょうか。

伊東良孝自由民主党・無所属の会内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・消費者及び食品安全・地方創生・アイヌ施策)

○国務大臣(伊東良孝君) 発荷主から運送事業者に対する運送の委託をこの法律の対象にすることによりまして、発荷主が運送事業者に対して荷待ちや荷役を無償で強要させるなどといった問題について取引の適正化が図られるものと考えております。  また一方、直接の取引関係がない着荷主と運送事業者との間で生じる問題についても適切に対処していくことが重要であります。  今後、公正取引委員会においては、例えば着荷主が運送事業者に対して荷待ちや荷役をさせるにもかかわらず、その費用を適切に発荷主に支払われない場合など、着荷主と発荷主との間での契約が不公正であるような場合について独占禁止法によって対応していくことなど、より一層の取引の適正化に向けた方策を検討していくことといたしております。

礒崎哲史国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 としますと、今大臣にも御答弁いただきましたとおり、その運送事業者と着荷主の関係で実際に荷役が発生するという場合には、その他の契約の中できちんと確認もされますし、そこに発生する費用についても発荷主側の方で支払うということ、失礼しました、発荷主が契約を運送事業者と結ぶときにちゃんと着荷主の方にそれを求めることができるということ、ということで理解をいたしました。  とすると、やはり今後、様々なこの実務関係、お話を進めていくときには、しっかりと着荷主側の理解が進むようなことを情報発信もしていただく必要がこれはあろうかというふうに思いますので、その点、是非、市場に誤解のないようにここは進めていただく必要があるんだというふうに思います。  そこで、もう一個、これちょっと事前の通告等はしていないんですけれども、一つちょっと問題提起ということで受け止めていただきたいんですが、この着荷主にはいろんな種類があります。ここには、例として完成品メーカーですとか、そういうことが書いてあります。当然、完成品メーカーということは立場の強い人たちということになりますので、着荷主側が立場が強いということですから、どちらかというと、これが優越的な立場にあるということになると思います。あと、小売業者というのも書いてあります。大手スーパーですとか、そうした小売のところは確かに強いお力をお持ちだというふうに思います。  ただ一方で、この小売業者もいろいろな人たちがおりまして、本当に本当に、町の小売業者さんとなると、実は実はそこまで強い立場でないこともあります。正直、従業員含めて人数もそこまで多くないとすると、実は、運送事業者さんの方に荷降ろし含めて少し御負担をしていただいて実はやっと商売成り立つというようなぎりぎりのことをやっている業者さんもあることも可能性ありますし、じゃ、そういうところがすぐに人を雇えるのかといえばなかなか難しいところもあるし、じゃ、費用負担を求められたときに、じゃ、運送事業者さん、荷役向けに、じゃ、分かりました、費用負担するかというと、なかなかすぐにできるわけでもない。  ですから、実はこの発荷主と着荷主の関係というのは、実は強い弱いという立場でいくと、かなり状況、取引関係においては立場が、余り、逆転してしまうといいますか、強い立場で物が言えないというようなところもありますので、多分これはもう個別の状況になってくると思います。一概に法律で決められるというわけでもありませんので、そこは状況状況に応じた対応が必要になってくるというふうに思いますので、是非そういう点も含めての情報発信をしていただきたいと思いますし、現場で対応いただきたいと思いますけれども、この点いかがでしょうか。

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) 委員御指摘のとおりでございまして、現場が混乱しないように、この法律につきましてどういう規制になっておるのかということにつきましては、改正法が成立した暁には周知徹底、そして関係する事業者団体等とも意見交換をしながら対処してまいりたいというふうに考えてございます。

礒崎哲史国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 是非よろしくお願いをいたします。  あと、もう一つ大臣にお伺いしたかったのが、これも本会議の答弁でありまして、もしかすると先ほどの御答弁とかぶってしまうのかもしれませんが、本会議でお答えいただいた中に、取引当事者間の契約が不公平なものであるときは公正取引委員会において対応する旨の答弁がこれもございました。これは具体的にどのような対応を想定しているのかということで、やはりそこは独禁法で対応していくということになっていくのか、それとも下請法での対応ということになるのか。  加えて、もし御答弁いただけるのであれば、実際に違反が見付かったという場合、運送業者と着荷主の間で違反が見付かったときには、これは着荷主側にその違反行為についての責任が問われるのか、それとも、契約は発荷主と着荷主で行っているので、じゃ、その契約した発荷主側にも何らかの責任が求められるのか、この点について、どこに責任が発生するのか、もし御答弁いただければと思います。

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) お答えします。  今のようなケースですと、発荷主、いや、着荷主、発荷主、運送事業者、そういう取引があるような場合で何か問題が生じた場合にはどこに対しましてその規制をするのかというような御質問だと思いますが、これにつきましては、やはり個別ケースを踏まえまして、どこの要請が問題なのか、そして契約がどうなっておるのかというところを踏まえまして、適切なところにそういう問題につきまして改善措置等をとるということになりますので、着なのか発なのか運送事業者なのかというのは、もうケース・バイ・ケースで判断をしまして適切な対応をすると、取引の適正化を図るような対応をしていきたいというふうに考えてございます。

礒崎哲史国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 まさにここの取引というのは、実際の取引はあるんだけれども、法律的にははざまとなり、誰からもフォローされていなかったところが今回新たに対象で見ていくということになります。ですので、これから実績を積んでいくということになると思いますので、是非、様々場面想定しながら御対応いただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。  続いての質問に行きたいと思います。  今物流という関係でお話を進めさせていただきましたが、それ以外にも、冒頭の御質問でも確認をしましたが、この業法と下請法の適用を含めて、どちらで見ていくかということになる業種がたくさんございます。  例えば、建設関係なんかでいきますと、建設現場というのは当然、電気事業ですとかガスですとか水道ですとか、いろんな事業者さんが入ります。電気事業でいけば、電気関係の業種の方は電気事業法というものもございますので、そうした産業の中でその法律に基づいて事業されるんですけれども、実際に、じゃ、電気設備等の設置を行おうとすると、それは建設業法的な扱いになっていくのではないか。若しくは、建設業の方たちから仕事を請け負ったときには、それは建設業法の中で対応していくことになるのか、それとも電気事業法の中での対応になっていくのか。それとも、普通に図面の作成ですとか、建材、資材の発注ですとかというふうになると、これ下請法の適用になっていきますので、そうすると、こういった他業種との関わりの中でお仕事をされる皆さんというのは一体どうやってフォローされていくのか。  今建設のお話しましたけれども、それ以外にも、例えば鉄道事業で、鉄道車両のメンテナンスですとか、あとは修理ですとか、そういうのもあろうと思いますし、それこそ、そこにおける電気事業者の関わり合いどうなるか。あとは、空港なんかもそういうのが入ると思うんですね。航空法の中で空港事業を営まれていますけれども、じゃ、空港におけますグランドハンドリングというお仕事があります。この方たちは全て業務委託を受けてお仕事をされていることになるんですけれども、じゃ、こういう方たちのお仕事というのは請負業になりますので、これ下請で、下請法で見ていくことになるのか、それとも業法の中で何らかフォローされていくのかということで、いろいろと組合せを見ていきますと、誰がどう面倒を見てくれるんだろうという、そういうものが実はたくさんございます。  ということで、改めて、今回この面的なフォローをしていくということで、今申し上げました業法ですとか下請法、独禁法の適用によって所管省庁はどういうふうに仕分がされていくことになるのかということで、ちょっと全体的な構図を教えていただきたいと思います。

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。  今回の改正法が成立いたしますと、公正取引委員会や中小企業庁、そして事業所管省庁、そちらの相互間で必要な情報提供を行うというような規定が入るわけでございまして、相互に情報提供をしながら有機的に連携をしていきたいというふうに考えているところでございます。  例えば、事業者が違反行為を行っておりますと、それに対しましてどういう措置をとれば取引の適正化が図られるのかというものにつきましては、それぞれ業法なのか、この法律なのか、独禁法なのか、それぞれとり得る措置の内容というものも変わってくると思いますので、そういうものも見ながら、どこの省庁が対応するのが一番適切なのかということを調整していきたいというふうに考えてございます。  現在でも、中小企業庁と公正取引委員会ではこの法律を運用しておりますが、例えば一つの事業者に両方が調査をしないように調整をしておるということもございますので、そのような非効率な調査、そして事業者に負担を掛けるような調査をしないような調整もしたいと考えてございます。  そのほか、どこに相談すればいいのかというようなところもあるわけでございますが、事業者によりましては、やはりどことなじみがあるのかというところで相談をしていくということになると思います。その相談結果につきましては、公正取引委員会、中小企業庁、各事業者で相互に情報共有をいたしながら対応をしていきたいというふうに考えてございますので、事業者の皆様におかれましては、まずは相談しやすい窓口に相談いただくということが重要ではないかと。そして、その情報を受けまして、我々といたしましても、その情報を有効に活用するというような取組が重要ではないかというふうに考えております。

礒崎哲史国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 この相談の窓口に関しては相談しやすいところにと。まあどこでも受け入れますよという姿勢だと思うんですが、これ、逆に、当事者だと困るんですよね。どこに相談していいんだろう、どこでもいいですよというのは余り答えになっていないという場合もあります。  今、事前にちょっとやり取りさせていただいた中で、所管省庁において、それぞれまた業種ごとでガイドラインも作られているというお話も伺っています。是非そういうガイドラインの中にも、こういうことの事案についてはどこに相談してくださいということも含めて記載をしていただくと、業者側の方としては、ああ、じゃ、何でもいいからここでいいんだねというふうに安心できると思いますので、こういった点も是非手厚いフォローということで考えていただければと思いますので、要望ということでさせていただきたいと思います。  最後、何とかまだ時間あると思いますので、もう一問したいと思います。  ちょっと話、全くがらっと変わりまして、今度は金型ですね、型取引の適正化について御質問させていただきたいと思います。  今回、この型の取引に関しましても、従来金型ということで進めてきたものに対して、木型ですとかあるいは治具、こういったものも含まれるということで法改正がなされています。大変重要なポイントだと思っています。業種によっては、実は金型よりもこの木型ですとか樹脂型、これを大量に持っているという方たちもいらっしゃって、今までこれがそっくりそのまま抜け落ちていたということからすると、もう一歩も二歩も前進だと、そのように思っていますので、是非これは積極的に進めていただきたいと思うんですが、質問したいのはそこではなくて、今お手元に、皆さんのお手元には細かい図表を含めたものをお配りをしました。  これは、自主行動計画フォローアップ調査ということで従来から定期的に行っていただいている資料です。資料二、三、四ということでお付けをさせていただいておりますけれども、今回、その資料二のところにありますが、上から四種類のアンケート結果が載っております。書面による取引条件の明確化をされているか、あるいは早期の支払がされているか、あとは保管費用が払われているか、あとは不要な廃棄の発注側負担がなされているかということで、四種類の調査が定期的に行われております。  時系列でも見れるようになっているんですけれども、このオレンジ色の右側のところですね、上から見ていきますと、書面については随分改善が進んでいるというふうに見ていいというふうに思います。また、型費の早期の支払についても、これも改善が随分進んできているというふうに見受けられるんですけれども、下側の二つですね、保管費用の負担と廃棄時の費用負担、ここは特にこの赤枠で囲みました。実施されていない、全く対応してもらっていないというのが余り変わっていないんです、数字が。  ということで、少し傾向としても改善ができている部分とできていない部分というものが明確になってきているのかなと。これは中企庁さん含めて取り組んでいただいている、逆に言うと成果だというふうに思います。  であるならば、このタイミングで、依然として実施されていない割合が四〇%も超えている、こうした部分について、より積極的に改善してくださいよということを促していくようなことの方が効果が高いのではないかなというふうにも思いましたので、そういった考え方、いかがでしょうかということでお伺いしたいと思います。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 委員御指摘のとおり、中小企業庁の調査によりますと、型の保管費用等を発注者側企業が負担しなかったとする受注者からの回答が四割超えでありました。  経済産業省としては、型の保管費用を発注側が負担する旨を振興基準に盛り込んでいるところであります。また、それに従って適切に取引するよう、自動車業界を始めとする各業界の自主行動計画への反映ですとか徹底等を促してきたところであります。二〇二三年三月以降、金型等を無償保管をさせた事業者に対する下請法上の勧告が十件以上行われています。  中小企業庁では、勧告を受け、公正取引委員会と連名で、同様の違反行為が起こることのないよう関係業界に文書で要請をしておりまして、これを踏まえて業界全体で型取引の適正化に取り組んでいるものと承知をしています。現状、保管されている型の多さですとか、型の保管者を突き止めることの大変さ等によりまして、依然として受注者に保管、廃棄費用を負担させている案件も見られるところであります。  下請法の厳正な執行に加え、各業界の自主行動計画の遵守状況をより一層把握しながら遵守の徹底を促すなど、型取引の適正化に引き続いて努力をしてまいりたいというふうに思います。

礒崎哲史国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 大臣、是非お願いをいたします。  ここに来て物価上昇の中で、家賃なんかも上がっています。これ倉庫の家賃の支払価格も上がっちゃうんですね。  そういう意味でいくと、今後これやっぱり改善進んでいかないと、ますます中小企業負担重くなってきますので、是非、是非こういう点も含めて積極的な働きかけしていただきますことを改めてお願い申し上げまして、質疑終わります。  ありがとうございました。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。  初めに、中小企業の価格転嫁、下請単価の改善と賃上げの原資確保に関わって質問をいたします。  具体的には、自社株買いについて聞いていきたいと思うんですね。  日本の上場企業が過去一年間に取締役会で決議をした自社株買い計画の合計額が二十一・五兆円に上ったということが我が党の集計で分かりました。この額は、前年と比べると、もうほぼ倍になっているんですね。  自社株買いは、企業が過去に発行をした自社の株式を、自らの資金を使って市場から買い戻す行為です。株主還元の一環というふうに位置付けられて、株価をつり上げて、株主の売買差益を増大させるのが目的だというふうに言われています。  この決議した主な企業見てみますと、金額が最も多いのが本田技研工業で一兆五千億円、次いで多いのがトヨタ自動車で一兆二千億円ということで、自動車業界のトップ企業が一位、二位占めているわけです。ティア1でもあるデンソーが四千五百億円など、自動車関連産業が巨額の自社株買いを決議しているんですね。  自社株買いに使われた資金の多くは、内部留保から出たというふうに考えられます。労働者の賃上げに使えたはずのものなんですよね。  武藤大臣に伺いますけれども、大臣が、この間何度もやり取りしていますけれども、自動車業界の各社トップに賃上げの原資の確保を、このことを直接要請している一方で、そのトップの企業が労働者や下請事業者の賃上げの原資を奪って株主に差し出すと、こんなことでいいのかということ問われていると思うんですよ。大臣、いかがでしょうか。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 御質問いただきましてありがとうございます。  物価上昇を上回る賃金上昇の実現のためには、企業が過度に内部留保を保有するのではなくて、失礼、設備投資や賃上げ、取引先への価格転嫁等に効果的に活用することが重要だというふうに承知しています。  従業員あるいはまた取引先等のステークホルダーとの適切な協働というものが、持続的に企業価値を高めることにもつながるものと認識をしているところです。企業価値を高めるために収益をどう分配するかは各社の経営判断でありますけれども、その前提の下で、政府としては、設備投資や賃上げ、価格転嫁などに大企業が資金を振り向けるような様々な施策も講じてきているところでもあります。  こうした施策の効果もありまして、足下ではありますけれども、設備投資や賃上げにおいて約三十年ぶりの高い水準が続いており、そして、デフレ経済からの脱却、賃上げと投資が牽引する成長型経済の実現に向けて明るい兆しがやっと見えつつあるところだというふうに思います。  今後とも、こうした施策を講じてまいりたいというふうに思っております。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 前回やりましたけれども、自動車関連産業はもう非常に多重下請で、この下の下のところになかなか届いていないという実態があるわけですよね。  大臣は、ティア1とかティア2以下の中小部品メーカーとの取引適正化、これについても要請をしたというふうに述べているわけですけれども、トップの企業だけじゃなくてティア1の企業もこんなことをしていたら、これ賃上げできないんじゃないかというふうに思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 先ほど申し上げましたとおり、上場企業には、賃上げに向けて適正取引を徹底しながら発注者としての責任を果たしていただきたい旨をお伝えしてきているところであります。  中小企業の持続的な賃上げに向けてサプライチェーン全体で取引適正化を進めることが重要でありますし、そのため、今般の下請法改正や、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させる取引環境の整備に取り組んできているところです。これらに加え、中小企業の賃上げ原資確保に向けて、中小企業の稼ぐ力を強化するため、生産性向上支援や成長投資支援も行っています。  さっきも村田先生の御質問にちょっと答えたんですけど、いろいろと取組もそれなりに某社はやっていただきながら、そのティア1、ティア2、ティア3、その深いところまで浸透するように新しい試みも始めていただいているようですから、是非こういう形を止めないように、これからも拡大していかなきゃいけないというふうに思っていますので、是非また委員の理解もいただきたいというふうに思います。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 とりわけ中小・小規模事業者の皆さんの賃上げが求められているときですよね。そのときに、賃上げに使えるはずの原資が減って、一方で経営者含めて株主に回っていくというのは、やっぱりこれ経済停滞させるということになるんだと思うんです。アメリカなんかでは、自社株買いへの課税が行われているんですね。この課税含めて検討必要だということを指摘しておきたいというふうに思います。  次に、建設業の問題について質問をしていきたいと思うんですね。  建設業も、自動車産業と同じように多重下請構造になっていると。建設業法あるので下請法の対象外となっているわけですけれども。  実は、岩手県の一関市というところで建設業の方々から話を伺ってきました。そこで出された声というのは非常に深刻で、原価が三割以上上がっているのに単価は上がってないとか、技術を磨いていいものをつくりたいというふうに思っていると、仕事をして普通に暮らしたいだけなのに、それさえ難しいんだと。こうした実態、次々出されたんですね。  話を伺う中で出された問題について、幾つか聞いていきたいと思います。  まずは、不当な扱いを受けた受注事業者が救済を求める場合、発注事業者が建設業の許可を得ている知事に対して相談をすることになります。ところが、相談や告発を行った時点で受注が切られたと、こうした実態があるというんですね。こうした実態に対して、国交省ではどんなふうに取り組んでいるんでしょうか。

堤洋介国土交通省大臣官房審議官

○政府参考人(堤洋介君) お答えいたします。  建設業法では、元請負人が受注者に原価割れ契約を強いるなど建設業法に違反する行為をした場合において、受注者がその事実を国や都道府県に通報したことを理由として取引停止等の不利益な取扱いを行ってはならないと規定をしております。こうした規定を始め、建設業に関連する法令違反の疑いがある場合の情報を収集する上で、通報者が相手方から不利益を被ったり、報復を恐れて通報をためらったりすることがないよう、通報者の保護を図ることが極めて重要でございます。  この点、国の職員で構成されております建設Gメンは、通報窓口として地方整備局に設置している駆け込みホットラインに寄せられた通報を一つの端緒として違反の疑われる建設業者の調査を行っておりますが、通報があった際には必ず通報者が秘匿を希望するかを確認し、希望する場合には通報者が特定されないよう調査方法を工夫するよう努めているところでございます。こうした工夫につきまして、都道府県が立入検査等を行う場合の参考となるよう情報提供を行ってまいります。  また、今し方申し上げました建設Gメンは、大臣許可業者のみならず、都道府県知事許可を受けた建設業者も対象に活動を行っております。こうした活動が地域における中小の専門工事業者にも周知されるよう、併せて努めてまいります。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 取組はされているということなんですけど、実態はそうなってないという面もあるわけですよね。  次にお聞きしますけれども、建設業でも二次、三次の下請事業者に対する中抜きが横行しているというふうに聞きました。これに対してはどういう対策されているんでしょうか。

堤洋介国土交通省大臣官房審議官

○政府参考人(堤洋介君) お答えいたします。  建設業では、多種多様な専門工種を組み合わせて施工する必要があること、また、業務の繁忙期、閑散期に対応する必要があることから、工事の一部を専門工事業者に依頼して施工体制を確保するというケースが多く存在いたします。  こうした中でも、現場で施工を担う専門工事業者において必要経費が適切に確保されるよう、昨年六月に成立した改正建設業法におきまして、国が適正な労務費の基準を示した上で、個々の工事について資材費や労務費等が著しく低い積算見積りや請負契約を禁止すると、こういった制度を創設したところでございます。  また、この改正建設業法では、受発注者間のみならず建設業者同士の取引も対象に、資材費や労務費を転嫁する際の協議円滑化ルールを導入しておりまして、このルールを周知徹底することで資材費等の必要経費の確保を図ってまいります。  これらの取組を通じまして、建設業、建設工事に係る各段階の取引において適正な対価が確保される、そういった環境を整備してまいります。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 大手ハウスメーカーを頂点にして下請に対する単価が低過ぎるんだと、こうした訴えも寄せられたんですね。  国交省は、国の発注工事における労務単価を基準とした最低価格を設けて、これを守るように各社に指導する、こうした対応必要じゃないでしょうか。

堤洋介国土交通省大臣官房審議官

○政府参考人(堤洋介君) 今し方申し上げた答弁と一部重複しますけれども、昨年の改正建設業法におきまして、国が公共、民間問わず適正な労務費の基準を示し、これを著しく下回る積算見積りや請負契約を禁止するという制度を創設するとともに、資材費や労務費の転嫁ルールを導入したところでございます。  こうした措置を通じまして、ハウスメーカーから建築工事を受注するような場合であっても各段階の取引において適正な対価が確保される、そういった環境を整備してまいります。  その上で、建設Gメンが個々の請負契約を実地調査し、違反がある場合には改善を求めることで改正建設業法の実効性を高めてまいります。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 今いろいろ答弁をいただいたんですけれども、強化されているということは大事だと思うんですけれども、ただ、現場の実態がもう非常に深刻なだけに、これ実効性が問われるんだというふうに思うんですよ。そこは指摘しておきたいなと思うんです。  一関では林業の方からも話を伺ったんですね。ここでもいろんな声が出されて、三十年前から単価が据え置かれているとか、元請から単価の提案があるけれども上げてくれとは言えないと、だから言い値で決まっちゃうんだと。仮に単価が上がっても、ほかの部分が減らされて、受け取る単価は以前と同じ水準にさせられるとか、元請から一日の単価を口頭で言われてそれで決まってしまうと、価格交渉をしたら契約を打ち切られるので絶対にできないと、こういう方もいらっしゃったんですね。  この林業のこうした今紹介したような実態に対してはどう取り組んでいくんでしょうか。

清水浩太郎林野庁林政部長

○政府参考人(清水浩太郎君) お答え申し上げます。  木材につきましては、近年の住宅需要の減少によりまして製品価格が下落傾向となっておる中で、原料となります丸太の価格についても押し下げられているという構造にございます。また、昨今、資材費、人件費、あるいは物流費ですね、様々なコストも上昇しておりまして、こうしたことも相まって木材のサプライチェーン全体が利益が出にくいというような厳しい状況にございまして、委員御指摘のような現場の声もこうした中で出てきているものと考えております。  ですので、林業事業体につきましては、元請、下請にかかわらず、経営は非常に厳しい状況にあると考えておりまして、林野庁といたしましては、その林業の収益力の向上、これをしっかり図っていくということが基本であり、喫緊の課題であるというふうに考えてございます。  林野庁といたしましては、この林業の生産性の向上を図るために、高性能林業機械の導入ですとか路網整備、あるいは緑の雇用事業による林業従事者の技能の向上、こうした支援を行うとともに、住宅需要の減少に対応して、木材需要拡大を図るために、輸入材が多く使われております住宅の横架材等について国産材への転換を推進するとともに、中高層や非住宅の建築物でも木造化を推進するといった取組を行っているところでございます。  こうした取組通じて林業の収益力の向上を図って、林業事業体の経営、しっかりサポートしてまいりたいと考えております。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 元請も下請も大変だということだったんですけど、先ほどもちょっと触れたように、大手のハウスメーカーなんかがトップにいて、ここが価格決定に関わったりもしているわけですよね。だからこそ、答弁いただいたようなやっぱり対応の実行力というのが問われるということだと思うんですね。  それで、地方ではとりわけ小規模事業者の方々が多いわけですよね。小規模事業者は、地域の雇用を守って経済支える非常に重要な役割果たしているわけです。  小規模企業振興基本法に基づいて小規模企業の振興に関する施策が定められている小規模企業振興基本計画三期の見直しが行われて、三月に閣議決定をされています。事務局案に対してパブリックコメントでは、小企業者等への配慮に関する記述が必要だ、こうした意見が寄せられて、基本計画にはおおむね五人以下の事業者である小企業に対する特段の配慮、これが引き続き盛り込まれたんですね。  それで、武藤大臣に伺うんですけれども、五人以下の事業者は地域、日本経済においてどういう役割を果たしているでしょうか。また、五人以下の事業者に対する特段の配慮の必要性について大臣の認識をお聞かせください。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 今委員から御紹介ありました、今回見直しを行いました小規模企業振興基本計画であります。委員御指摘の小企業者を含む小規模事業者の意義として、多様な事業を創出し、地域経済を支える重要な存在であります。また、地域生活に欠かせない生活関連サービスの提供、また地域文化の担い手など、地域コミュニティーに欠かせない存在と位置付けているところであります。  こうした小規模事業者の中でも、特に従業員数が、おっしゃられるよう、おおむね五人以下である小企業者は、事業環境変化に脆弱なため特段の配慮が必要である旨、新たな基本計画においてもしっかりと盛り込んだところであります。  引き続き、地域にとって重要な存在である小企業者を始めとする小規模事業者の振興に全力で取り組んでまいります。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 今大臣が答弁いただいたとおりだというふうに思うんですね。非常に重要な役割果たしていると。その小規模事業者の皆さんが適正な取引をできるということがやっぱり重要だと思うんです。  それで、本改正案ですけれども、下請という名称を見直して、下請事業者を中小受託事業者、親事業者を委託事業者に改めるというふうにしています。これ、下請という名称が発注企業と下請企業の間で上下関係をイメージさせるからということなんですけれども、これ、名称が変われば関係が変わるということにはならないわけですよね。  これ、かえって実態が見えにくくなるんじゃないかと思うんですけれども、公取委員長、いかがでしょうか。

古谷一之公正取引委員会委員長

○政府特別補佐人(古谷一之君) 議員から御指摘がありましたように、今回、用語を変えましょうということになりましたのは、従属的な関係が固定されるような語感を与える用語、これを改めたいという議論を踏まえましてお願いをしているところでございますけれども、御指摘がありましたように、用語を改正したとしても、この法律が独占禁止法の優越的な地位の濫用規制を補完する法律であるという点において変わりはございません。取引上の立場が弱い受注者を保護し、迅速かつ効果的に受注者の利益の保護を図るというこの法律の役割について何ら変わりはありませんので、公正取引委員会の執行方針もこれまでと変わりはございません。中小企業庁や事業所管省庁との連携を更に緊密にしながら、引き続き、この法律に違反する行為に対しては厳正かつ積極的に対応してまいりたいと考えております。  下請という用語、これ、下請法が制定された後、約七十年にわたって使用されてきた言葉でございます。大変訴求力や粘着力はあるんだろうと思います。  改正法案が成立しました場合には、この用語が改正されたことやその改正の趣旨、あるいはこの法律の目的も含めて、改正全体の内容について丁寧な周知広報を行って、改正法の実効的な執行に努めてまいりたいと考えております。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 名称だけじゃなくて、やっぱり実態変わるということが重要だということを重ねて述べておきたいと思います。  最後に、中小・小規模事業者への直接支援について幾つか質問をします。  岩手県が、物価高騰対策賃上げ支援金ということで、賃上げのための直接支援を行っているんです。岩手県から直接話を伺ってきました。二〇二四年度に実施をされた一回目は、最低賃金上がったことを受けて、時給五十円以上賃上げした中小企業に、一人当たり五万円、一事業者当たり二十人を上限に最大百万円支援するという中身なんですね。二回目も行われていて、時給六十円以上賃上げした事業者に、一人当たり六万円、一事業者当たり五十人を上限に最大三百万円支援するという中身で、一回目より拡充されたんです。  一回目の実績見ますと、事業者数二千八百八十九件に十億一千五百六十五万円が支給をされて、支給対象者二万人を超えているんですね。これ大規模に活用されているんですよ。事業実績、規模を見ると、五人以下が二八%、二十人以下が四二%ということで、二十人以下が七割を超えている。とりわけ小規模事業者に多く活用されているということなんですね。利用をした事業者の方々からは、以前から従業員の給料をもっと出してあげたいと思っていたんだということで、非常に歓迎をされているということです。  岩手県だけではなくて、都道府県レベルで決断している県も出てきています。今後も賃上げは続くことになりますので、これ支援継続してほしいというふうに望む声が上がっているんです。けれども、県も財政的に大変なわけですよ。だから、交付金の引上げ、これ必要だと、やるべきだということですね。  直接支援の効果があるということは、この岩手の取組見ても明らかだと思うんですよ。やっぱり国が直接支援に踏み出すべきではないでしょうか。武藤大臣、いかがですか。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) ありがとうございます。  中小企業・小規模事業者の持続的なかつ構造的な賃上げに向けては、取引適正化や生産性の向上を伴うことが必要であって、これまでもいろいろな形で皆さんに議論をいただいてきているところです。その直接支援がその点に効果を発揮する施策なのかどうか、これは慎重に見極めなきゃいけない必要があるんだというところもあります。  経済産業省としては、中小企業・小規模事業者の稼ぐ力を向上させて賃上げ原資を確保することが本質的なアプローチだというふうに思っているところであります。まずは、本改正法案の厳正な執行を始めとする取引適正化や生産性向上の支援といったまずは施策に取り組んでまいりたいというふうに思っております。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 効果見極めてということですけど、現場の実態見ればもう効果があるのは明らかなので、現場で求められているこの直接支援も是非国がやるべきだということです。  そして、今、社会保険料を納めることができずに倒産する社保倒産が増えています。賃上げを行えば社会保険料の負担も増えることになるわけですよね。賃上げで社会保険料などの事業主負担がどう変わるかというと、従業員五人の場合で見ると、最低賃金から時給千五百円に引き上げた場合、私の地元の福島県では五百六十万円を超える負担増になるんです。一番低い東京は約三百五十万円の負担増なんですね。東京の負担増も大変ですけれども、地方の方が負担がより大きくなるんですね。  武藤大臣に伺いますが、こうした状況で中小企業が、中小事業者が賃上げできるかということなんですよ。社会保険料の負担の軽減必要じゃないでしょうか。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 所管は厚生労働省になるんだと思いますけれども、中企庁の担当の所管として、経産省として申し上げるならば、中小企業への社会保険料軽減のための直接支援につきましては、社会保険料の負担が医療や年金の給付を通じて労働者を支えるための事業者の責任であることなどから、これも慎重な検討が必要なことかというふうに思っております。  経産省といたしましては、中小企業の稼ぐ力を、重ねて申し上げますけど、底上げをしながら、賃上げ原資を確保することが本質的なアプローチだと思うところであります。稼ぐ力の底上げは社会保険料の支払原資の確保にもつながると思っております。稼ぐ力の向上に向けて、本改正法案の厳正な執行、先ほど申したとおり、取引適正化や生産性向上の支援に努めてまいりたいというふうに思っております。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 賃上げ支援もしない、社会保険料の負担も軽減しないということでは、これどうやって賃上げしろっていうのかってことなんですよね。なので、直接支援をやっぱりやるべきだということを強く求めたいというふうに思います。  それで、今回の質疑を通して、やっぱりまだまだ問題、課題があるということを感じました。その大本には、やっぱり多重、重層下請構造、ピラミッド構造があって、中小・小規模事業者は非常に弱い立場にある下で、このピラミッド構造の頂点にいる発注元の大企業の責任問うためにも、この下請法の抜本的な改革必要だというふうに思いますし、新たな法制定も検討するべきじゃないかということも述べて、質問を終わります。

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) 午後一時四十分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時三十六分休憩      ─────・─────    午後一時四十分開会

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

越智俊之自由民主党

○越智俊之君 お疲れさまです。自由民主党の越智俊之です。  本日は、小規模事業者からも非常に期待が高い下請法の改正案について質問の機会をいただきまして、心から感謝申し上げます。ありがとうございます。  質問の前に、一言申し上げたいなというふうに思っております。質疑時間の関係上、本当は最後にお話ししたかったんですが、ちょっと冒頭にお話をさせていただきたいと思います。  公正取引委員会古谷委員長におかれましては、最後だと時間が足らなくなったときにですねと思いまして、古谷委員長、長年にわたり行政官として御尽力をいただきまして、また公正取引委員長として、中小企業も含めた取引適正化に多大なる御尽力をいただきましたこと、この場をお借りしまして心から敬意と感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。  明日、誕生日でございまして、委員長が、そして誕生日の前日に退任をされるということで、今日が最後の日でございます。そのことを言うのを忘れておりまして、大変申し訳ありませんでした。改めまして、本当にありがとうございました。  ありがとうございます。(発言する者あり)あと、まだありますから、たくさん、いっぱいあります。  皆様も御承知とは思いますけれども、私は、これまで十五年間、商工会青年部の活動に携わり、広島県の会長であったり、全国の会長も務めさせていただきましたけれども、その後も、この立場になっても、四十七都道府県、全国を回って、地域の雇用と生活を守る中小企業の皆さんや小規模事業者の皆様といろいろと課題を、日々直面している課題をですね、現場の声を数多く聞いてきました。  今日は、傍聴にこの商工会青年部の私のかわいいかわいい後輩が来てくださっておりますけど、彼らもまた地域の未来を担う非常に誇らしい仲間でございます。ありがとうございます。  本日は、下請法及び下請振興法の改正法案の審議でございます。この法律案は、自民党の中小企業・小規模事業者政策調査会でも議論が重ねられ、商工会や商工会議所からも委員として参画していただいた企業取引研究会でも議論されてきたものでありますが、取引の適正化を図り、中小・小規模事業者の皆様の取引環境を改善するという点で大変意義があるものだと考えております。その一方で、中小・小規模事業者の現場からは懸念点や確認しておきたい点があるとの声も聞こえておりますので、そのような観点から今回は質問をさせていただきたいというふうに思います。  まず、多重下請構造についてでございます。  この実際の取引現場では、サプライチェーンの二次、三次、四次といういわゆる多重下請構造が存在しています。自動車産業でいえば自動車部品メーカーなどが多くありますが、この中小・小規模事業者の経営者の皆様にお話を伺うと、こうした多重構造の深い層にある事業者と、とりわけ町工場のようなところでは、なかなか価格転嫁を受け入れてもらえないと。このサプライチェーンの取引段階が深くなればなるほど価格転嫁が進まず、より厳しい立場に置かれているということでした。  先ほど古賀委員の方からブルーハーツの「トレイン・トレイン」の話を聞かせていただいて、私もこの昼休みの間にその歌詞を確認して、よく見たら、一九八八年だから僕が十歳のときの曲でございまして、まあ僕もその歌詞の中身を知らないまんま、乗り乗りでカラオケ歌っていたような気がするような、気がしないような思いでございましたけど、その歌詞の中に、言われておりましたけど、弱い者が夕暮れ、さらに弱い者をたたくというようなことが確かに含まれておりました。  ただ、私、先ほど昼休みの間に見ていると、やはりその中でも、いわゆるその構造を乗り越えて前に進んでいこうと、自分の前にしっかりと列車を走らせていこう、あるいは乗っていこうという前向きなメッセージも入っているかなというふうに思いました。  是非この多重下請構造に関しても、この価格転嫁も含めて、政府はこの政策でもってメッセージとしてこの中小企業・小規模事業者に伝えていってほしいというふうに思いますけど、具体的な対策をこの問題に対してどのように講じていくのかをお聞かせ願いたいと思います。

山本和徳中小企業庁事業環境部長

○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。  昨年九月の価格交渉促進月間における調査に基づきますと、サプライチェーンの取引段階が深くなるほど価格転嫁の割合が低くなる傾向が見られております。こうした層への価格転嫁の徹底が課題であることは委員御指摘のとおりと存じます。  そうした課題に対応するには、大企業同士の取引も含め、サプライチェーン全体で目詰まりなく価格転嫁を推進するとともに、直接の取引先の更に先を意識した価格転嫁を浸透させることが重要であります。とりわけ中小企業などは、大企業からの不適切なしわ寄せを受けやすい存在であります。引き続き、下請振興法をしっかりと執行していくほか、そのほかの取引につきましても独禁法上の違反行為が見られれば、公正取引委員会において厳正に対処していくものと承知しております。  また、今般の下請振興法の改正におきましては、複数の取引段階にある事業者が共同で効率化や投資等を行う事業に対し、承認、支援できる旨を盛り込んでおります。あわせて、振興基準におきましても、直接の取引先の更に先の事業者との連携の重要性、これを盛り込みまして、サプライチェーン全体で連携した取組を促してまいりたいと存じます。さらに、現在、関係業界に対し、価格転嫁を阻害する商慣習の一掃に向けて、直接の取引先の更に先を意識した価格決定を含めまして、更なる価格転嫁取引適正化を要請しているところであります。  こうした取組によりまして、深い層も含めたサプライチェーン全体での価格転嫁を促進してまいりたいと存じます。

越智俊之自由民主党

○越智俊之君 ありがとうございます。  この問題は非常に難しい問題だと理解しておりますが、やはり、様々な切り口でこの課題に対して総合的に対策を講じていくべきだというふうに理解しました。  その上で、今回の下請法改正案における規制対象の拡大範囲についてですが、例えばアマゾンジャパンさんなどは、従業員が一万人近くいる中でも、資本金が一千万円であるということで今までは本法の規制対象外となっていました。そういった事実も鑑みて、今回、従来の資本金基準に加えて従業員基準が導入されることとなっています。  そこで、規制対象となる事業者の範囲についてお伺いいたします。  今回の改正では、従業員三百人や百人という従業員規制が導入され、規制及び保護の対象が拡充することは評価できます。しかし、地方の企業の実態からいえば、従業員数三百人あるいは百人といった企業はごく一部であり、まだまだ基準としては大きいとも思われます。私のところにも、もっと小さな五十人、二十人程度の事業者からの発注にも規制対象とすべきではないかという声も届いております。  まず、今回、三百人、百人という基準を導入した理由については、先日、石川委員の方からも御質問いただいておりますのでお聞きしませんけれども、例えば従業員が五十人から十人の企業の委託といった取引については今後どのように対応していくのか、中小企業庁からお答え願います。

山本和徳中小企業庁事業環境部長

○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。  地域経済を支えておられる小規模事業者にも賃上げの原資を確保いただくためには、従業員五十人規模の発注者から十人規模の受注者への委託取引など、中小企業同士の取引適正化が重要であることはもう委員御指摘のとおりだと存じます。  今回、下請振興法におきましては、受注側の中小企業に対して、従業員数が一人でも多い発注事業者との取引も振興法の対象とする旨の改正を盛り込ませていただいております。これによりまして、望ましい取引の方針を示した振興基準に照らしまして不適切な取引を行っている場合には、事業所管大臣からの行政指導の対象となり得ることとなります。  加えまして、例えば中小企業同士の取引であっても、取引依存度や地位などを総合的に考慮した上で、先ほどもお答え申し上げましたとおり、取引上の立場が優越していると言える場合には独禁法の優越的地位濫用規制の対象にもなり得るものと承知しております。  引き続き、公正取引委員会と連携し、中小企業同士の取引も含めたサプライチェーン全体の取引適正化を促してまいりたいと存じます。

越智俊之自由民主党

○越智俊之君 ありがとうございます。  この点についても、独占禁止法やあるいは下請振興法の振興基準の活用などを通じて総合的に取引の適正化を進めていくと理解させていただきました。  続いて、今回新設される一方的な代金決定という禁止行為の解釈について確認したいと思います。  今回の改正案では、価格協議に応じないことや協議の場を設けない、あるいは協議において必要な説明や情報の提供をしないことによって一方的な価格決定がされることを禁止しています。  さて、この価格転嫁に関して、コンビニエンスストアを始めとするフランチャイズビジネスの問題について触れたいと思います。  この価格転嫁の取組の大きな目的の一つは、労務費をしっかりと取引先に転嫁できる環境を整えて賃上げにつなげていくということがあると思います。しかし、これがなかなかうまくいかない業態がございます。その一つがコンビニエンスストアじゃないかなというふうに思っております。  このコンビニの多くはフランチャイズシステムによって経営されていて、各店舗ごとにオーナーさんがいらっしゃいます。通常の商店であれば経営者の判断で商品の値段を決めることができますが、コンビニではどの店舗でも大体同じ商品が同じ値段で売られていて、実質的には各オーナーが独自に値段を決めるという仕組みにはなっていません。  さて、ここ数年、賃金が上がり始めておりますが、コンビニでもアルバイトの時給を上げなければなかなか従業員が集まらないという状況になっております。しかし、コンビニでは、先ほど申し上げたように、商品の値段は決まっている中で、運営の本部には手数料、いわゆるロイヤリティーを納める必要があります。さらに、店舗の維持や販売促進のためにも様々なコストが掛かります。売上げ自体が今増えているわけではない中で、このように人件費などの経費だけが上がってきてしまっており、大変苦しい経営状態に陥っております。オーナーさんに話を聞きますと、従業員雇えないので、社長自らが二十四時間店頭に立って何とか維持を、お店を維持しているという状況も度々生じているというふうに聞こえてきます。このような状況は特に地方において深刻になっているという声が寄せられています。  このように、現在のフランチャイズビジネスは価格転嫁や賃上げを進めていく上で大きな問題を抱えていると思います。公正取引委員会ではこのようなフランチャイズをめぐる問題についてどのような取組をしてきているのか、具体的な制度を含め教えていただければと思います。

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。  公正取引委員会では、フランチャイズにつきまして、特に本部と加盟店との取引につきまして独占禁止法上の観点から関心を持っておるところでございます。  昭和五十八年でございますが、フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方、いわゆるフランチャイズガイドラインというものでございますが、そういうものを策定、公表したところでございます。その後、平成に入りまして、フランチャイズシステムのうち主要な分野でありますコンビニエンスストア、これにつきまして、平成十三年、平成二十三年、令和二年と三回にわたりまして取引の実態調査を行っているところでございます。  平成十三年の調査に基づきまして、このいわゆるガイドライン、フランチャイズガイドラインにつきまして、コンビニエンスストアにおけますいろんな取引があったわけでございますが、そういうものにつきましてもガイドラインに反映をさせる形で改定をしているところでございます。例えば、廃棄になるような商品について見切り販売を禁止するとか、そういうものにつきまして、具体的に何が問題になるのかということをガイドラインに明記をしたところでございます。  その後、令和二年でございますが、さらに大手コンビニエンスストアにつきまして、加盟店の約五万七千社を対象とする大規模な実態調査を行っているところでございます。そして、それを調査報告書まとめまして公表をしております。  この調査に基づきまして、このガイドラインについても改正をしておるところではございますが、具体的には、年中無休、二十四時間営業に係る時短営業の協議の拒絶など、そういうものについて違反になり得るということを違反想定事例に加えるような改正を行ってきたということでございます。  公正取引委員会といたしましても、フランチャイズシステムにおけます本部と加盟店の取引の適正化を図るという観点から、独禁法に違反する行為がありましたら厳正に対処してまいりたいと考えております。

越智俊之自由民主党

○越智俊之君 ありがとうございます。  この独禁法のガイドラインの遵守についても引き続きしっかりと指導していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  そしてまた、今度はちょっと少し逆の目線で考えてみると、例えばウーバーイーツとか出前館など、このフードデリバリー業界を見ると、アプリでサービスを提供する事業者が非常に多くの配達員に対して食べ物などの配送を約款に基づいて委託するという取引があるようです。一人一人なかなか直接協議の場を設けるというのが難しいこの業界、このような約款で多数の取引をしている事業者にとっては、協議の申出全てに応じなくてはいけないとなると、これまた逆に大きな負担となるのではないかというふうな懸念もございます。  例えば、事前に十分に報酬体系を説明しているであるとか、定期的に取引先と意見交換をしているなどの事情があれば、一方的な代金決定には当たらないのではないかなというふうに思うわけですけれども、見解をお伺いします。

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。  御指摘のフードデリバリーサービスにおきましては、一般的に、アプリ上で当該サービスを運営する事業者があらかじめ定める代金の決定方法に基づきまして個別の委託ごとに代金額が決定されるというような仕組みということを承知しているわけでございます。  このように、多数の事業者と取引を行うために代金の決定方法を一律に定めて取引に適用すると、それ自体はこの法律上直ちに違反となるというものではございませんが、留意するべき点があるわけでございます。  例えば、この法律ですと、委託をする際に代金の額、そういうものを定める必要がありますし、仮に代金の額が定まらないという場合でありますと、その具体的な金額が自動的に算定されることとなる算定方式、そういうことを明示をする必要があるということでございまして、それにつきましても、取引先によく相談、事前に説明をして納得をしていただくということが重要ということでございます。

越智俊之自由民主党

○越智俊之君 ありがとうございます。  公正取引委員会においては、この一方的な代金決定の禁止の具体的な解釈について、運用基準などで分かりやすく示していくとともに、無理のある規制とならないよう十分に配慮していただきたいというふうに思います。  次に、価格転嫁全体の問題についても質問させていただきます。  ただいま一方的な代金決定の禁止規定について確認しましたが、受注側の中小企業は発注側の大企業と比べてやはり価格交渉力がなくて、協議の義務を設けても、その力の差が埋まらない限り、完全にフェアな取引にならないのが実態だというふうに私は感じております。  二〇二三年十一月に、公正取引委員会と内閣官房が受注側の価格力を強化すべく労務費転嫁の指針を作成しまして、そこには価格交渉のフォーマットという、こういうものが付録されております。なかなかこれ、地元中小企業に話を聞いてみますと、このフォーマットの活用になかなかやはり踏み出せないようです。  これどういうことかと申し上げますと、確かにこのフォーマットを使えば、労務費が幾らとか書いてあるんで、その交渉をしやすくなるのかもしれませんが、逆にコスト構造を発注者側に丸裸にされてしまうという一面もあります。また、受注側からすると、このコスト構造を完全に確認できるので、コストを逆にぎりぎりまで、まだ行けるんじゃないかとぎりぎりまで詰められてしまうのではないかという懸念があるようです。逆に、一方、政府としては、一定程度コスト構造を示してコスト上昇分の価格転嫁を進めやすくしたいという意図があるのだと思いますが、それも理解できます。  だから、ひとえに価格交渉といっても良い面と悪い面の両方があって、さじ加減が難しいのが現実で、結局は経済全体で価格を転嫁していこうというこの機運の醸成をしていくことが価格転嫁推進の根本的な対策だと私は考えています。そのためには、国や自治体自身も、今ずっと言われておりますが、官公需でこの価格交渉を行っていくのも、まず隗より始めよと言われるように大事だと思います。  少し話は変わるんですけど、私の先輩の経営者の皆さん、七十代以上の方々、七十から八十の経営者の方々に、中小企業の方々にお話を伺うと、昔どうでしたかと聞くと、越智君、三十年前は、価格転嫁というか、値段を簡単に上げてくれていたよと、いい時代だったよというような声を何人にも聞くんですよ。  なぜ、じゃ、三十年前良かったのか。この件について政府はどういうふうに捉えて、何で、当時は価格転嫁ができていたのに何で今難しくなっているのかというのを改めて確認したいと思いますので、よろしくお願いします。

山本和徳中小企業庁事業環境部長

○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。  三十年前、一九九〇年頃の価格転嫁の状況について、詳細までは明らかではございませんけれども、あえて申し上げれば、当時は経済成長とインフレが続く中で販売価格を引き上げやすく、その分、価格転嫁しやすかったものと考えられます。  その後、デフレ経済の下で企業がコストカットに注力し、設備や人への投資が進まず、新しい価値を創出する取組も十分に進まなかったものと認識しております。そうした中では、販売価格を据え置き、様々な負担を取引先に求めるデフレ型の商慣行が根付いてしまったものと認識しております。  サプライチェーン全体での価格転嫁の実現にはこうした商慣習を一掃していく必要があり、これは一朝一夕で進むものではありませんけれども、難しい課題ではありますが、あらゆる施策を粘り強く講じていく必要があるものと認識しております。

越智俊之自由民主党

○越智俊之君 ありがとうございます。  三十年といえば、やはり、新入社員からもう幹部になるまでぐらいの長い間、このコストカット、コストカット、コストカット、言い続けられて、コストカットのこの商慣行が本当に根付いてしまった、定着してしまったのだなというふうに非常に強く感じています。  まさに今、このデフレからの脱却に向けて政府一丸となって取り組んでいるところだと思いますが、この価格転嫁の機運の醸成に向けて、官公需も含めた政府全体の取組について、私の同期でもあり、経済産業政務官の加藤政務官にお聞かせ願います。

加藤明良自由民主党経済産業大臣政務官・内閣府大臣政務官

○大臣政務官(加藤明良君) お答えいたします。  越智委員のおっしゃるように、価格転嫁の機運醸成というのは大変重要なテーマだと思っております。  これに向けて政府も一丸となって取組を行っているところでございますが、御質問の政府の取組につきましては、一つには、先ほど山本部長からもお話がございました価格交渉促進月間を年二回、三月と九月に設けております。これは二〇二一年から取組を行っておりますが、これによりまして、定期的に価格交渉を行う、取引慣行の定着を目指してまいりました。  二つ目には、業界自ら取り組み、取引適正化の自主行動計画を策定、また実施に取り組んでいただいてきました。この中で、改訂、さらにはフォローアップにつきましては、各省庁との連携を欠かさずに行ってきたところでございます。  さらには、業界団体に直接出向くことで取引の適正化についての要請を直接伺ってまいりました、お願いをしてまいりました。この中で、越智委員がおっしゃる直接の取引先の更にその先、多重構造の深い層にいる事業者の皆様方にもしっかりと配慮をしていただくような適正化に向けての価格決定を要請してまいったところでございます。  これらの取組につきまして、政府全体で粘り強く行ってきたところでございますが、引き続きまた粘り強く行っていきたいと思っております。  さらに、官公需につきましてでございますが、官公需の価格転嫁につきましては、少なくとも年に一回以上の価格協議を行うよう努めるということ、さらに、価格交渉の申出があった際に誠実に対応することが盛り込まれました令和七年度の国等の契約の基本方針を閣議決定をしたところでございます。さらに、総務省とも連携をして、自治体に対する周知徹底、実態調査を行うことによって、官公需の価格転嫁にも進めてまいりたいと思っております。

越智俊之自由民主党

○越智俊之君 引き続き、何とぞよろしくお願いいたします。  次に、建設業界について、少しこの価格転嫁についてお聞かせ願いたいと思いますけれども、この価格転嫁に関しては、今回の法改正により、より一層推進していくことを期待しておりますが、先ほど岩渕委員からも言われたと思いますが、建設工事においては建設業法の中で規律されており、下請法の適用除外となっております。そのため、今回の法改正とは直接関係がないということになっております。  そこで、国土交通省にお伺いいたします。  建設業についての価格転嫁の状況や、今後の取引適正化に向けた国交省としての取組についてお聞かせいただけますでしょうか。今回の下請法改正に含まれるような手形の禁止やファクタリングの場合の支払条件の改善といった事項も含めて、お願いいたします。

堤洋介国土交通省大臣官房審議官

○政府参考人(堤洋介君) お答えいたします。  建設業におきましては、近年、資材価格が高騰しておりまして、その価格上昇分を労務費にしわ寄せすることなく、サプライチェーン全体で適切に価格転嫁することが重要であると考えております。  このため、国土交通省としましては、これまで、最新の実勢価格による契約を関係者に広く求めるとともに、契約後の資材高騰に対応した適切な価格転嫁を働きかけてまいりました。加えて、昨年六月に成立した改正建設業法においては、資材費や労務費を転嫁する際の協議ルールを導入したところであり、今後は制度運用上の留意点の周知を徹底することで価格転嫁の円滑化を図ってまいります。  また、手形につきましては、建設業法において特定建設業者に対し割引困難な手形の交付を禁止しておりまして、昨年十一月からは手形期間が六十日を超える手形を割引困難手形として指導の対象とするなど、手形期間の短縮を図っているところです。  今回、下請法では、委託事業者に対し手形払い等を禁止するものと承知しておりますが、建設工事の特性として、一件当たりの取引金額が大きく、また工期が長いため、請負代金の支払を受けるまでに長期間を要するという事情があること、建設業法上、元請負人は下請代金のうち労務費に相当する部分について現金で支払うよう配慮義務が課されていることなどを踏まえますと、手形払い等を禁止した場合における建設業者の資金繰りについて、その影響を十分見極めていく必要があると考えております。  このため、建設業における対応といたしましては、建設業者に対し、請負代金をできる限り現金で支払うことですとか、手形やファクタリングを利用する際には割引料等のコストについて専門工事業者と十分協議して請負代金を定めることを要請する、また、民間発注者に対し前払や期中払いによる支払条件の改善について働きかける、こういった取組を進めてまいります。加えまして、手形払いの利用状況等については、建設Gメンによる実地調査や必要な助言、指導を行ってまいります。  こうした取組を通じまして、建設業における手形払い等の利用廃止に努めてまいります。

越智俊之自由民主党

○越智俊之君 ありがとうございます。  本当、公共工事というのは非常に地域の活性化に必要なものだと思います。  最後に、吉井政務官、この官公需に向けた意気込みを教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

吉井章自由民主党国土交通大臣政務官

○大臣政務官(吉井章君) 越智委員の御質問にお答えをいたします。  公共工事の発注に当たっては、市場における労務費及び資機材等の実勢価格を的確に反映した予定価格を適正に定めるとともに、物価変動が生じた場合には適切な契約変更を行うことが重要であり、国土交通省直轄工事において適切に取り組んでいきたいところであります。  引き続き、国土交通省直轄工事において、担い手確保のための週休二日等の働き方改革の推進や、労務費及び資機材等の高騰に対応した適時適切な積算基準の改定などの先導的な取組を推進することで、地方公共団体や民間の発注工事を含め、地域の建設業の環境改善を図ってまいりたいと思います。  現場を知っておられる、そしてまた、現場に寄り添い、現場の声を大切にされている委員の御指摘しっかりと踏まえて頑張ってまいります。  以上であります。

越智俊之自由民主党

○越智俊之君 ありがとうございます。業界全体が取引適正に努めて、日本全体の景気回復、心から期待しております。  同時に、改めまして、古谷委員長、心より、御尽力、改めまして心より敬意と感謝を申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。  ありがとうございました。

石川博崇公明党

○石川博崇君 皆様、こんにちは。公明党の石川博崇でございます。おとついに続きまして質問の機会をいただいて、大変ありがとうございます。  冒頭、武藤大臣にお伺いをしたいと思います。  先ほど越智先生からもございましたけれども、この三十年間のデフレ経済の中で染み付いてきたこの商慣行、これをどう脱却し、また価格転嫁という経済社会構造に変えていくのかというのが今回の法案の大きな目的でもあろうかというふうに思います。  この法案の提出に向けて行われてきた企業取引研究会の報告書では、この一九九〇年代以降の我が国経済について、価格据置型経済というふうに称されて、これほど長い期間にわたって社会全体で個別の価格が据え置かれた経済はほかの国にもないし、また、それ以前の我が国にも例がないというふうに指摘をしております。異例中の異例、三十年間価格が据え置かれたということをこのように言っているわけでございます。  是非、武藤大臣、このような三十年続いた価格据え置かれた経済というものになってしまった要因、あるいはそれから脱却するために必要な経済産業政策について担当大臣としてどのような所感をお持ちか、お伺いをしたいと思います。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) ありがとうございます。  価格が据え置かれた経済となってしまった要因でありますけれども、デフレ経済というものの中で、企業がコストカットに注力をし、設備や人への投資が進まず、新しい価値を創出する取組が進まなかったことがあると考えているところであります。政府の政策も、企業活動の制約を取り除き、市場に委ねる政策を中心に据えてまいりましたけれども、新たな価値創出を後押しする取組が結果として不十分であったというふうに思っております。  こうした状況から脱却をし、賃上げと投資が牽引する成長型経済、これに転換すべく、近年は、GXやDXなど、社会課題を成長のエンジンと捉え、企業の予見可能性を高め、国内投資を引き出しながら経済の好循環を生み出していく方向で経済産業政策展開、政策を展開してきているところであります。  この下請法の改正、執行強化等も含めた価格転嫁、取引適正化の取組は、こうした方向性の中で、賃上げや投資に必要な原資を確保するための重要な施策と認識しているところであります。

石川博崇公明党

○石川博崇君 このデフレ経済からの脱却、そして後戻りしない、そのための力強いリーダーシップを御期待申し上げたいというふうに思います。  それでは、法案の具体的な中身について質問させていただきたいと思います。  おとついは下請法を中心に質問させていただきましたが、本日は下請振興法の方の質問を多少中心にさせていただきたいと思います。  下請振興法の中で、今回は、これまで二つの取引相手の間で作成する振興事業計画を承認するというものがありましたが、今回、多段階のサプライチェーン全体で振興事業計画を策定するという法改正が行われることになります。  これまでのこの下請振興法における振興事業計画の承認実績というのは、これまで何年間で何件ぐらいあったのかということをまず御説明いただけますでしょうか。

山本和徳中小企業庁事業環境部長

○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。  下請振興法が制定されて以降、これまで十二の振興事業計画を承認し、金融支援等を講じてきているところでございまして、実際に承認を受けた振興事業として、例えば自動車の部品製造業の発注者一社とその受注者十八社が共同で配送センターを設置し、また品質管理の講習会を共催することで生産性を向上させるといった取組がございました。  このように、認定を受けた発注者や受注者は関連する設備の相互利用などを通じまして生産性の向上が認められるなど、一定の効果を上げてまいったものと認識しております。

石川博崇公明党

○石川博崇君 今、一定の効果を上げてきたというふうに今評価されましたが、下請振興法ができてから承認されたのは僅か十二件という状況でございます。決して多いとは言えない状況だというふうに思います。これまで、取引相手二者の間で振興事業計画を作ることも十二件しかできていなかったわけで、サプライチェーン全体で、多段階で作ろうとすることは容易ではないのではないかというふうに懸念をいたします。  この改正法の施行後に二以上の多段階の取引段階の事業者がどのような内容の取組を行うことを期待しているのか、また、どの程度の件数を増加させていくことを期待しているのか、御答弁いただけますでしょうか。

山本和徳中小企業庁事業環境部長

○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、改正後の振興事業計画については、具体的には、例えば、いわゆるティア1、ティア2、ティア3に当たる事業者の皆さんが共同で製品の改良や生産の効率化に取り組む事業計画を想定しているところでございます。  承認件数の見込みでございます。更に先の取引先との対話自体が現在余り行われていない商慣行がございまして、これを変えていく試みでもあります。率直に申し上げて明確なお答えが難しいことは御理解をいただければと存じますけれども、事業者からヒアリングした際には、複数の取引段階にある事業者が共同で対話して、効率化への取組に対して国のお墨付きがあれば有り難いとの声を承っているところでもございます。振興事業計画と併せ、振興基準に直接の取引先の更に先の事業者との連携を促す旨も反映させていただきまして、サプライチェーン全体で取引適正化を促してまいりたいと存じます。

石川博崇公明党

○石川博崇君 共同で対話してという期待の声もあるとおっしゃいますが、私はそんな簡単じゃないと思います。そういう意味で、今回、新たに改正されることになるこの多段階の事業者が連携した取組について、積極的な支援メニューも用意してインセンティブを与えていくことが大事なんではないかというふうに思います。  今後の申請件数の状況を見ながらだと思いますけれども、例えば各種中小企業さんが持っていらっしゃる補助金で加点措置、こういう計画を作ったところには加点措置をつくっていくなど、検討すべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

山本和徳中小企業庁事業環境部長

○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。  振興事業計画の承認を受けた中小の受託者に対して、現在、債務保証等の資金繰り支援を用意しているところでありますけれども、この制度を御活用いただくためには、まずは計画策定のメリットを広く経済界に周知させていただきたいと存じます。  また、先ほど申し上げた振興基準に、直接の取引先の更にその先の事業者との連携の重要性も併せて周知をすることで計画の活用を促してまいる所存でありまして、委員御指摘のような補助金の加点措置なども含め、適切な対応を必要に応じ検討してまいりたいと存じます。

石川博崇公明党

○石川博崇君 是非御検討いただきたいと思います。  続いて、この下請振興法の改正で、今回、地方公共団体との連携強化が盛り込まれました。地方公共団体による価格転嫁を進める取組として非常にすばらしいなと思ったのが、埼玉県で行われている価格転嫁サポーター制度というものがございます。これは、令和五年の九月から、埼玉県内の金融機関の職員の方々を価格転嫁サポーターとして養成して、国や県の支援制度の周知であったりとかパートナーシップ構築宣言の紹介あるいは登録サポートなどをその職員の方々が行っていただく、功績が顕著なサポーターを県知事が表彰するという取組でございます。この取組によって、現在、今年一月末現在で、この価格転嫁サポーターの方は四千三百十二名活躍されていて、この間にパートナーシップ構築宣言を行った企業数は三・八倍に増えて五千七百社になっているということでございます。こうした地方公共団体の取組、好事例が積極的に他の都道府県にも展開されるといったことは重要ではないかというふうに思います。  中企庁では、ほかの地方公共団体の取組、どの程度把握されているのか、また、こうした好事例を横展開させる必要性についてどう考えているのか、御答弁をお願いします。

山本和徳中小企業庁事業環境部長

○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。  委員御指摘の埼玉県以外にも、例えば大分県におきましては、九州経済産業局などの国の地方機関、経済団体、労働組合、金融機関が価格転嫁の円滑化に関する協定を締結して、価格転嫁の状況に関する情報収集やパートナーシップ構築宣言の促進などの取組を行っておられるものと承知しております。  また、愛知県におきましては、下請法だけでなく、振興法に基づく振興基準も踏まえた行動を促すということに加えまして、関係者間で共同宣言をしており、その宣言には公正取引委員会や国土交通省も入っているという形を取っておられ、より深く、より幅広い取組を行っておられるものと承知しております。  全国津々浦々で価格転嫁を推進していくためには、こうした先進的な事例を横展開していくことが極めて重要と認識しておりまして、地方経済産業局などを通じて全国に展開するとともに、国の施策についての情報提供をしっかり行わせていただくなど、綿密に連携してまいりたいと存じます。

石川博崇公明党

○石川博崇君 是非それぞれの地方自治体の前向きな努力を後押しをしていただければというふうに思います。  我が党におきましては、一昨年十月に、構造的な賃上げを実現するための中小企業等の賃上げ応援トータルプランというものを取りまとめて、官房長官に提言をさせていただきました。その中の一つに掲げたのが、独禁法や下請法に違反する事案について、命令あるいは勧告など事案に応じた法的措置に基づいて厳正に対処していただきたいということを提言をさせていただきました。  そのことも重く受け止めていただいた結果かと思いますが、昨今、公取委における下請法に基づく勧告は年々増加しております。令和四年度が六件、令和五年度が十三件、令和六年度は二十一件と、平成以降最多の勧告が行われました。また、今年度はこの四月だけで四件という勧告が行われております。  このように、勧告数の急増というものにはどのような背景があって、最近の勧告はどのような特徴があるのか、御説明をいただけますでしょうか。    〔委員長退席、理事古賀之士君着席〕

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。  公正取引委員会におきましては、近年、執行体制の強化を図るとともに、調査方法も工夫しつつ、社会的に意義のある事案について積極的に調査を行うなど、この法律の効果的かつ積極的な運用に努めているところでございまして、最近の勧告数の増加についてはその成果であるというふうに考えてございます。  また、このことにつきましては、公明党から御提言いただいた中小企業の賃上げ応援トータルプランにおいても、独占禁止法や下請法に違反する事案については、命令や勧告など事案に応じた法的措置に基づき厳正に対処することが盛り込まれているということも踏まえたものでございます。  最近の勧告事案について言いますと、例えば令和六年度におきまして行った勧告は二十一件でございます。対象となった業種や違反行為の類型が例年に比べて多岐にわたっておるわけでございますが、その中でも特に製造業におけます金型等の無償保管行為、これは不当な経済上の利益提供要請に該当するものでございますが、これにつきまして九件の勧告を行ったというところが特徴でございます。  そのほか、違反行為の類型といたしましては、最近は減額に加えまして、大手出版社が、雑誌に掲載する記事及び写真の作成を委託している事業者に対しまして、十分な協議を行うことなく従前の単価から引き下げた委託代金を一方的に決定するという買いたたきを行っていた事案についても勧告をしたところでございます。  これらの違反行為につきましては、適切な価格転嫁を阻害するものでございますので、その価格転嫁に、促進するという観点から、こういうような問題についても積極的に対応してきたところでございます。

石川博崇公明党

○石川博崇君 このように勧告が増えている、厳正に対処していただいているということは評価を申し上げたいというふうに思います。  一方で、公取委においては、一定の要件の下に、親事業者から、発注者から自発的な申出があった場合には勧告を行わないという運用を行っているというふうに承知をしております。そもそも違反行為がないことが望ましいんですけれども、こういう違反行為があった場合に自発的に申し出てくる、こういうことを積極的に促すことも私は重要ではないかというふうに思います。  どういう要件の場合に勧告が行われないことになるのか、また、自発的に申し出た親事業者の取扱いについて、運用を始めた経緯とか、これまでの実績等についてお答え願います。

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。  委員御指摘の自発的申出制度、これについては、平成二十年の十二月から運用を行っておるものでございます。  通常、公正取引委員会では、この法律に違反いたしまして受注者に重大な不利益を与えた発注者というものが認められますと、本法の第七条の規定に基づきまして、不利益を回復するための必要な措置をとるということを勧告をするということが基本でございますが、発注者の自発的な改善措置が受注者の不利益の早期回復に資するということに鑑みまして、公正取引委員会が調査に着手する前に違反行為を自発的に申し出、かつ、受注者の不利益を回復するなど一定の要件を満たしていると認められる事案につきましては、発注者の法令遵守を促すという観点から勧告をしないという取扱いをしているところでございます。  具体的な要件につきましては幾つかございますが、例えば、公正取引委員会が当該違反行為に係る調査に着手する前に違反行為を自発的に申し出ていると、当該違反行為を既に取りやめている、当該違反行為によって受注者に与えた不利益を回復するために必要な措置を既に講じておると、いわゆる原状回復ということでございます、当該違反行為を今後行わないための再発防止策を講じることとしておる、当該違反行為について公正取引委員会が行う調査及び指導に全面的に協力していただいていると。この要件を満たす場合には、この申出につきまして、申出があった事案につきましては勧告をしないということでございます。  最近の運用状況でございますが、令和元年から令和六年度、この六年間ではございますが、様々な業種の事業者から申出がありまして、合計二百二十八件の申出がございます。そして、延べ八千三百六十三名の受注者に対しまして合計約十六億円の原状回復が行われており、特に減額や下請代金の支払遅延の禁止に関する申出が多いということでございます。

石川博崇公明党

○石川博崇君 この自発的な申出があった場合に勧告を行わないという運用を行っているということ、是非広く周知していくことも重要ではないかというふうに思います。  公取と中企庁で作成した「知って守って下請法」というガイドブックがございますが、これ見てみると、自発的に申し出た親事業者について勧告を行わないという運用について、もう小さく右下に米印で簡単に紹介されているだけでございました。是非改善をしていただいて、広く周知を図っていくべきではないかというように思いますが、いかがでしょうか。

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。  公正取引委員会は、これまで自発的申出制度につきまして周知広報を図ってきたわけでございますが、最近の取組といたしましては、例えば、発注者に対する定期的な書面調査、これ毎年やっておるわけでございますが、その中に自発的申出制度の概要、そして最近の実績状況というものを記載をしております。個別案件の記者説明や本法のパンフレットにおきましても、自発的申出制度を積極的に紹介をしております。そして、毎年公表しております本法の運用状況というものにおきましても、自発的申出件数を記載を、掲載をするというようなことを通じまして周知活動を行ってきておるということでございます。  引き続き、事業所管省庁とも連携をいたしまして、この制度の周知活動にしっかり取り組んでまいりたいと考えてございます。

石川博崇公明党

○石川博崇君 先ほど申し上げた「知って守って下請法」のガイドブック、この改訂の際にも是非留意をしていただきたいというふうに思います。  続いて、団体協約の活用について御質問させていただきたいと思います。  先ほど触れさせていただいた我が党の中小企業等の賃上げ応援トータルプランでも提言をさせていただきましたが、適正な価格転嫁を図っていく上で、中小企業組合による団体協約の積極的な活用が有効であるというふうに考えております。組合員と取引関係にある事業者と中小企業組合、○○事業協同組合というのは様々あるわけですが、その組合が団体協約を結ぶことによって、例えばその○○事業協同組合の組合員が納入する製品やサービスの最低価格を決めることができる、あるいは支払期日や支払方法など支払条件の取引条件を協約で決めることができるというふうにされております。  この行為については、一定の要件を備えて、また、法律に基づいて設立された組合である場合にはカルテルなどを規制する独禁法の適用が免除されるという仕組みになっております。この一定の要件とは一体どういう要件なのか、また独禁法の適用がこの場合免除される理由についても御説明をいただきたいと思います。

岩成博夫公正取引委員会事務総局経済取引局長

○政府参考人(岩成博夫君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、中小企業等協同組合法の規定に基づいて設立され、かつ独占禁止法の一定の要件を備えた事業協同組合等が組合員の経済的地位の改善のために締結する団体協約につきましては、原則として独占禁止法の適用が除外されております。  組合の行為が独占禁止法の適用除外となる要件でありますけれども、独占禁止法第二十二条におきまして、小規模の事業者又は消費者の相互扶助を目的とする組合であること、組合への加入、脱退の自由が認められていること、また各組合員が平等の議決権を有することなどを規定しております。  このような要件を満たした組合の行為が独占禁止法の適用除外とされている趣旨でありますけれども、小規模の事業者が単独では大企業に伍して競争することや大企業と対等に交渉することが困難でありまして、そのような小規模の事業者が相互扶助を目的とした協同組合を組織して、市場において有効な競争単位として競争することでありますとか、大企業に対して取引条件について対等な交渉力を持つことは、独占禁止法が目的とする公正かつ自由な競争、秩序の維持、促進に資するという考え方によるというところでございます。

石川博崇公明党

○石川博崇君 先ほど申し上げた我が党のトータルプランでは、この団体協約について、活用のための指針を作るなど、積極的に周知、活用を促すことと提言させていただいております。  これ、どの程度活用されているのか、その実態を御説明いただけますでしょうか。

山本和徳中小企業庁事業環境部長

○政府参考人(山本和徳君) 昨年七月に、全国約三万の事業協同組合等のうち三千四十四組合を対象に行った調査がございます。この調査におきまして、団体協約を締結していると回答した組合は、回答のあった千七百六十五件のうち百七十一件でございました。  また、団体協約を知らないと回答した組合につきましては四百九十五件でございまして、約三割程度存在しておりまして、本制度の活用に向けて更なる周知が課題であると認識しております。

石川博崇公明党

○石川博崇君 回答のあった千七百余りのうち一割程度が使っているということですが、やはりまだまだこれを活用いただく余地というのはあるんじゃないかというふうに思いますので、積極的に周知広報等も努めていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。  続いて、価格交渉促進月間についても、価格交渉促進月間のフォローアップ調査についてお伺いをしたいと思います。  毎年九月と三月を促進月間と設定して、終了後にフォローアップ調査を行っていただいております。  このフォローアップ調査では、十社以上の受注側の中小企業から主要な取引先として挙げられた発注側の企業について、例えば回答企業数がどれぐらいあったかとか、価格転嫁の回答状況についてどうだったかとかということを整理をして、企業リストとして公表し、平均値が七点以上であればア、あるいは四点から七点であればイ、零点から四点であればウ、零点未満であればエというふうに、アイウエの四区分に分類されております。  しかし、このリストは法人番号順で公表されていまして、どの企業が点数が低いか、あるいは点数が高いかということが非常に分かりにくくなっておりますので、この評価基準順で直感的に分かりやすいリストを公表することも一案かと思いますけれども、この点いかがでしょうか。

山本和徳中小企業庁事業環境部長

○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。  企業リストは、それぞれの企業が自社に対する受注者からの率直な評価を御認識いただき、取引方針を自主的に改善するきっかけとしていただくことを狙いとしてございます。このため、掲載順は評価基準の順番とはいたしませず、機械的に法人番号順に並べている状況でございます。  企業リストの公表につきましては、発注者や受注者からの御意見、取引方針の改善状況等を踏まえながら、目的であります発注者による取引方針の自発的、意欲的な改善に効果が上がる方法で実施をしてまいりたいと存じます。委員の御指摘も踏まえてまいりたいと存じます。

石川博崇公明党

○石川博崇君 効果がある方法で検討していきたいという御答弁でございました。是非よろしくお願いいたします。  この適正な価格転嫁を今後進めていく上でやはり我々も認識しておかなければいけないのは、最終的にコストを負担するのは国民、ある意味消費者の方々であって、その消費者がこの価格転嫁についてどの程度納得感をいただけるのかということも大事な要素ではないかというふうに思います。  企業取引研究会の報告書では、「最終的に負担を受け止める消費者としても適切な説明がなされ、価格について納得感が得られれば、価格の上昇も受け入れるとの指摘もある。」というふうに記載がされております。  この消費者の価格上昇を受け入れるための納得感を高めるために政府としてどのように取り組んでいくのか、消費者庁お越しですので、御答弁いただけますでしょうか。

藤本武士消費者庁政策立案総括審議官

○政府参考人(藤本武士君) お答えいたします。  消費者庁といたしましては、成長と分配の好循環の実現に向けた持続的な賃金上昇のためには、商品、サービスにおいて付加価値やコストを適切に価格に転嫁できる環境が必要であると考えております。こうした環境をつくるには、委員御指摘のとおり、賃金などのコスト上昇が価格上昇をもたらすという共通理解を消費者を含めた社会全体で醸成することが重要だと認識をしております。    〔理事古賀之士君退席、委員長着席〕  このため、消費者庁では、賃金上昇と物価上昇との関係につきまして消費者の理解増進を図るため、消費者にも分かりやすい動画コンテンツ等を作成し、消費者庁のSNS等で発信するほか、消費者団体等への周知を行うなど、普及啓発に取り組んでおります。  引き続き、消費者に御理解いただけるよう取組を進めてまいりたいと考えております。

石川博崇公明党

○石川博崇君 引き続きよろしくお願いいたします。  最後に、先ほど越智先生からもございましたが、今日は古谷公正取引委員長の退官日でございます。本当に長年にわたって御活躍されたこと、心から敬意とまた感謝を申し上げたいというふうに思います。先般、本院、参議院におきましても後任である茶谷栄治さんの国会同意人事の承認も得たところでございまして、明日がお誕生日ということで、本日がたまさか退官日というふうになりました。  二〇二〇年九月に委員長に就任されて以来、四年八か月の在任中、この下請法の抜本的な改正、あるいはフリーランス法、スマホのソフトウェア競争促進法の制定など、本当にこの期間、四年八か月の間に多くのことを成し遂げていただいたというふうに高く評価をしております。  最後に、古谷委員長から、是非、この四年八か月を振り返っていただいてこれまでの活動について所感をお述べいただきたいとともに、次の委員長であります茶谷栄治さん、あるいは職員の皆様に向けてのメッセージをいただければというふうに思いますので、思いのたけを是非述べていただければと。よろしくお願いします。

古谷一之公正取引委員会委員長

○政府特別補佐人(古谷一之君) 在任中の所感をという御質問でございますが、まだ審議を続けていただいている中で大変恐縮ではございますが、一言だけ答弁をさせていただきたいと思います。  私の委員長としての在任期間は五年弱でございましたけれども、この間、デジタル経済が急速に進展をいたしました。また、グローバル経済が、グローバル経済の様相が大きく変容をしてきつつあります。そういう中で、国内では、コストカット型のデフレ経済から物価も賃金も上がる成長経済へと日本経済のステージが移れるかどうか、そういう分岐点にあると。そういう状況の下で、公正取引委員会の競争政策の守備範囲も大きく広がっております。そういうタイミングで委員長を務めさせていただきました。  そういう中で、デジタル分野を始めとしまして、独占禁止法を執行をいたしましただけでなく、昨年にはスマホソフトウェア競争促進法を成立させていただきましたし、また、適正な価格転嫁の実現という課題に取り組む中で今まさに下請法の改正法案について御審議を進めていただいているなど、新しいルール整備という点でも着実に進んできたのではないかと思っておりまして、大変充実した五年間を過ごさせていただいたと思っております。  今後、公正取引委員会は、このような新しいルールの円滑な運用を含めて、これまで以上に独占禁止法や下請法などの実効的な執行ということが大きな課題になると思います。そのためには、公正取引委員会の体制面での更なる充実強化にも取り組んでいかなければならないというふうに考えております。  委員長始め経済産業委員会の委員の皆様には、これまで様々な御指導や御激励をいただきましたことに心より感謝を申し上げます。  公正取引委員会という役所は、大きな組織ではありませんけれども、今後の日本経済が成長し、社会が活力を維持していくためには大事な役割を担う組織だというふうに思っております。  今後とも是非公正取引委員会のことを御支援をいただくことをお願い申し上げまして、答弁とさせていただきます。  ありがとうございました。

石川博崇公明党

○石川博崇君 ありがとうございました。  明日の本会議採決の議場に政府特別補佐人としてお座りになられないこと、大変寂しく思いますけれども、是非今後とも健康に御留意をいただいて御活躍いただきますことを御祈念申し上げまして、私の質問にさせていただきます。  どうもありがとうございました。     ─────────────

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、浅尾慶一郎君が委員を辞任され、その補欠として白坂亜紀君が選任されました。     ─────────────

平山佐知子各派に属しない議員

○平山佐知子君 平山佐知子です。よろしくお願いします。きれいにまとまった後に、あと一人質問で大変恐縮でございますけれども、よろしくお願いいたします。  下請、これまでずうっといろんな議論があったわけですけれども、この下請Gメン、二〇一七年度に八十人で発足をして、その後徐々に増やしていって、昨年末には、全国に四十八か所ある無料相談窓口、下請かけこみ寺の相談員に権限を与えて、現在は三百三十人体制で行っているということです。また、公正取引委員会は、優越的地位の濫用のおそれがある企業を調べる専門の部隊、優越Gメンを二〇二二年に設けて、こちらは現在は百人程度の体制ということでした。  去年十月の第三回企業取引研究会によりますと、この下請Gメンは、全国の中小企業から年一万件を超えるこの取引実態をヒアリングしたということです。さらに、下請かけこみ寺では、これまた年間一万件を超える各種相談を受け付けたというふうに伺っております。具体的にどのような相談が多かったのか、またどういうふうに対処されたのか、教えてください。

山本和徳中小企業庁事業環境部長

○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。  下請Gメンは、プッシュ型で中小企業にアプローチをさせていただきまして、全国の中小企業の取引実態についてヒアリングを実施しております。委員ただいま御紹介いただきましたように、年間一万件を超える件数で対応しております。お伺いする内容は、価格交渉や価格転嫁ができているか、支払は手形払いか現金払か等々、取引適正化に関する幅広い事項に及んでおります。  下請Gメンの調査結果については、例えば自動車などの業種別に取りまとめ、各業界団体に問題点、改善点等を指摘し、自主行動計画の見直しや遵守を促すために活用するほか、価格交渉、転嫁の状況の芳しくない発注事業者への指導、助言にも活用をしておるところでございます。  次に、下請かけこみ寺でございます。こちらも委員から御紹介を頂戴しました。取引関係でお困り事を抱える中小企業が相談できる窓口であり、全国四十七都道府県で年間一万件程度の御相談をお受けしている状況でございます。その内容は代金の未払や減額、単価の引下げ要求など、こちらも様々な分野にわたっておるところでございます。  これらの御相談に対しまして、下請かけこみ寺の相談員は、下請法の規定や振興法に基づく振興基準など中小企業に有益な情報の提供をさせていただくとともに、下請法違反のおそれがある事案に接した場合には中小企業庁への情報提供、また無料の弁護士相談の実施などを行っております。例えば、建設業やトラック運送など、より専門的で適切な相談窓口へのつなぎをさせていただく場合もございまして、きめ細かにトラブル解決に向けた支援を行っているところでございます。

平山佐知子各派に属しない議員

○平山佐知子君 今伺っただけでも本当に幅広いことをあの少ない人数でやっていらっしゃるということに改めて敬意を表しますけれども、これから更に細かく込み入ったことをやっていくにはやっぱりあの人数ではなかなか、大丈夫なのかなという心配もやはりするところでございます。  今、アメリカのトランプ関税の影響で大企業もこれから業績がどうなるのかと不安感抱いている中で、下請企業というのはやはりその親事業者を見て忖度をしてしまって価格交渉しづらいなという状況になるかもしれないということも考えて、やはり価格転嫁の道が閉ざされることがないように踏み込んだ引き続き対応をお願いをしていきたいと思っています。  こうした中、大分増員されたとはいえ、全国のあらゆる業種の事柄を対象に価格転嫁の状況を調査していくと。しかも、本改正案には従業員基準も追加をされますから、この調査対象更に広がるということもやはり予測をするところでございます。それなのに、令和七年度機構・定員等審査結果によりますと、この下請法執行体制強化のための増員が八人であるということで、やはり少ないなという印象を持ってしまいます。  地方の中小企業が、ここに行けば解決するんだという、もうワンストップで安心して相談ができるようにすることがやはり大事であって、まだまだこの認知度というか、周辺に聞いても知らないという方もいらっしゃいますこの下請かけこみ寺が全国各地にあるんだよということ、身近にあるということをしっかり周知していくこともやはり重要だと思っています。  困っている相談者に対してきめ細やかなこの対応をしていくためには、今後の更なる人員増、それから体制の強化必要だと思いますが、経産大臣の考えを伺います。

武藤容治自由民主党・無所属の会経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○国務大臣(武藤容治君) 委員御指摘のとおりです。下請かけこみ寺の認知度向上ということは極めて重要だというふうに思っています。  支援を必要とする全国の中小企業に下請かけこみ寺を活用いただくために、下請Gメンのヒアリングに際して御紹介をさせていただいております。  また、改正法が成立した暁にはですが、中小企業の方を始め関係者の御意見もよく伺いながら、下請の用語を使わないなじみやすい名称に変更して、改正法案の内容と併せて経済界に広く周知をしてまいりたいと思います。  また、中小企業庁では、下請かけこみ寺での相談対応に加えて、約三百三十名の体制の下請Gメンによるヒアリング、また価格交渉促進月間については、三十万社の中小企業へのアンケート調査などによりまして中小企業の取引実態把握を幅広く行ってきているところであります。  下請かけこみ寺の今後の体制につきましては、これらの取組の効果も踏まえながら適切に対応してまいりたいと思います。また、委員皆様の御支援、御協力をお願い申し上げたいと思います。

平山佐知子各派に属しない議員

○平山佐知子君 ありがとうございます。丁寧にというふうにおっしゃっていただきました。相談する側は本当に切実な思いで、何とか助けてほしいという思いで相談をされると思いますので、その相談者に寄り添った体制づくりということも含めてお願いをしたいと思います。  さあ、それでは、どうやってこの違反の防止ですとか是正を強化していくのかについてお聞きしていきます。  昨年末に発表された企業取引研究会報告書におきまして、公取内に各事業省庁との連絡を行うためのポストを設置するということですとか、公取委員会、そして中企庁が厳正に法執行していくため、下請法事件連絡会議の設置、運用を開始したことが紹介をされています。  公取内に設置されたポストですけれども、今後どういう業務を行うのかということ、それから下請法事件連絡会議の試験運用で見えてきた課題、それから対処方法などを教えてください。

伊東良孝自由民主党・無所属の会内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・消費者及び食品安全・地方創生・アイヌ施策)

○国務大臣(伊東良孝君) 平山委員御指摘のとおり、公正取引委員会では、事業所管省庁との更なる連携強化を図るため、令和七年度に執行連携担当の企画官を新設したところであります。  また、公正取引委員会と中小企業庁は、本法の一層の厳正な執行に向けて深掘り調査をすべき案件の発掘や、あるいはノウハウの共有等を行う下請法事件連絡会議を試行的に設置をし、運用を開始しているところであります。この連絡会議の試験運用におきましては、現在のところ大きな課題は見られておりませんが、課題が見られた場合には、継続的に検討、改善してまいりたいと考えております。  また、改正法案が成立した暁には、各省が連携して本法の執行に取り組むために、執行連携担当の企画官を活用し、執行体制の企画や調整を行い、事業所管省庁との連携を深めていくこととしております。  以上です。

平山佐知子各派に属しない議員

○平山佐知子君 ありがとうございます。これからが本格的な運用だと思いますので、しっかり進めていただきたいと思います。  今回、物品の運送の委託が規制対象に加わって、国土交通省は事業所管省庁として、委託事業者に対しての指導それから助言の権限が追加をされました。  国交省は、二〇二三年七月にトラックGメンを発足させて、その後、各都道府県のトラック協会にGメン調査員を配置、現在は総勢三百六十人規模の体制となっていると伺っています。また、全国にある最寄りの運輸局ですとか運輸支局も相談窓口となっていますので、運送業に関しては、一つの業種でなかなか細やかに対応、手当てできているのかなという印象を持っています。  しかしながら、この運送業というのは製造業に比べて、私の知り合いもそうなんですけれども、小規模、個人ですとか数人で営んでいらっしゃる方が多くいらっしゃると思います。本改正案では、従業員基準、これが追加されましたけれども、三百人又は百人といった下請法の適用基準では不十分ではないかという声もあります。  例えば、百人以下の物流業者が別の小規模物流業者に委託する場合など、現場ではこういうことたくさんあると思いますけれども、これは下請法の適用には当たらないということで、小規模とか個人で営んでいるような弱い立場に置かれている事業者を今回の法案でも救うことができないんじゃないかという懸念の声があります。こういう声に対してどういう対処をするお考えか、聞かせてください。

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。  委員御指摘のように、今回従業員基準というのが追加されたわけでございますが、それで全ての取引がカバーされているということではございません。  小規模な事業者が取引当事者であると、そしてこの法律の新しい基準にも合致をしないというケースにつきましても、例えば発注者が受注者に対しまして、取引上、優越的地位に立ち、その地位を利用して受注者に不当に不利益を与えるというような行為がありますと、これは独占禁止法に基づきます優越的地位の濫用というものに該当いたしますので、そういうもので対処していくというのが一つでございます。  また、従業員を使用していない個人事業主が受注者となる場合につきましては、昨年の十一月から施行がされてございますが、フリーランス・事業者間取引適正化等法に違反する行為が認められますと、その法律によりまして厳正に対処していくということでございます。  これらの関係する法律に基づきまして対処していくことに加えまして、中小企業庁の振興法に基づきます指導、助言など様々な取組とも連携することで、これまで以上に運送事業者におけますサプライチェーン全体で取引適正化が図られるように取り組んでまいりたいと考えてございます。

平山佐知子各派に属しない議員

○平山佐知子君 ありがとうございます。これまで以上に適正化が図られるということに、また取り組んでくださるということですから、お願いをしたいと思います。  前回の委員会でも申し上げたIT事業者とかこの運送業者というのは、やっぱり小規模で運営している方がたくさんいらっしゃる、そんな業種だと思います。是非、弱い立場の方々に寄り添った対応を是非お願いをしたいと思っています。  また、トラック・物流Gメンの皆さんに今、下請法のレクをまさに行っているということをお聞きしました。Gメンの方々のこの対応力の向上ももちろんなんですけれども、国交省、それから公取、中企庁と、更にこの連絡体制を密にするなど連携を強めていくこともやはり必要だと思いますので、よろしくお願いいたします。  それから、従業員数の基準導入、資本金よりもやはり把握するのが難しい、人が増えたり減ったりということがあると思いますので、この難しい中で、下請法の適用対象のこの判別が複雑になるんじゃないかということも懸念をしているところです。  大企業ではこの従業員の皆さんに下請法の研修を行っているところも多いかと思いますけれども、中小企業ではまだまだ知識が少なくて、例えば、下請法は大企業が対象になるものだと考え込んでしまって、悪気はなくても、昔からの慣習で行っていることが実は下請法違反だったということもあると伺っております。また、発注元から遠い下請事業者になればなるほど、やはり基礎的な知識がなかなか足りないということもあって、この下請法違反によって自らに不利益が生じていたとしても、それが実は下請法に抵触しているんだということに気が付かないという懸念もあるかと思います。  資本金一千万円を一円でも超えている委託業者は対象なんだよといったことですとか、多くの下請事業者にどのような行為が下請法に違反するかを積極的に周知をしていく、これもやはり重要だと思っています。全国各地で例えば勉強会開催するなど、取組強化していくことが必要だと思いますけれども、これについてはいかがでしょうか。

向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) お答えします。  改正法の幅広い遵守というものをするためには、やはりきめ細かい普及啓発は極めて重要ということでございます。  公正取引委員会におきましては、これまで、本法の趣旨や規制内容を分かりやすく説明した動画を作成しウェブサイトにおいて公開をしたり、本法において詳細に解説したパンフレットや、いわゆる講習会テキストというものがありまして、かなり詳細にこの法律を解説したものを作成して配布をしてございます。  そして、事業者団体が主催する研修会等に対しまして、小規模な会合も含め、申出がありましたら、当方の職員を講師として派遣をいたしまして説明会をしておるところでございます。そして、電話相談にも丁寧に対応をするという取組をしております。  そして、令和六年度、昨年度からではございますが、プッシュ型の取組も行っておりまして、具体的には、全国各地の商工会議所や中小企業団体中央会に協力をお願いいたしまして、出張!トリテキ会議と称する中小事業者団体向けの広報、広聴企画を開催をしておるということでございます。こちらは、求めがなくてもこちらからお願いをして、こういう取組もやります、関心がございますかということで、そういう会合が開かれますと、当方の職員を派遣いたしまして、この法律につきまして周知活動をしておるということでございます。  このように、事業者が本法を理解し遵守するように取り組んできたところでございますが、今回の改正法案が可決、成立した場合には、改正内容につきまして全国の事業者に理解を深めていただけるよう、更に積極的な周知広報活動に努めてまいりたいと考えてございます。  具体的には、例えば事業所管省庁に今回、指導、助言権限が新たに追加されたということも踏まえまして、普及啓発活動におきましても、事業所管官庁と更に連携をすると。そして、委員御指摘のように、地域に密着した経済団体との勉強会、そういうものも活用していくということも含めて、積極的な広報に努めてまいりたいと考えてございます。

平山佐知子各派に属しない議員

○平山佐知子君 ありがとうございます。積極的にというふうにおっしゃっていただきました。  私もいろいろ資料読んでみましたけれども、この資本金基準、これ理解するだけでも本当に難しいんですよね。親事業者の場合と下請事業者側の場合の違いとか、これやっぱり丁寧にきちんと整理をして、理解をしてもらう必要があると思いますので、その辺りもまたお願いをしたいと思います。  企業取引研究会報告書に対する意見などを見ますと、我が国は、一回限りのスポット的な取引というのは少なくて、やはりずっと長年にわたって、何世代にもわたってずっと取引をしているというものが多いということです。そうした環境ですと、なかなか下請事業者側から取引環境のやっぱり改善訴えにくい、言い出しにくいというところがやはりどうしても出てくると思います。  今回の改正では、命令の導入や罰則の強化は盛り込まれていないと先日も話がありました。例えば、重罰者が処分されたことが報道されれば抑止力にもつながるという意見もあるのが実際あります。  ほかの委員でもありましたけれども、やはり下請法違反についても行政処分を導入したりするべきではないかと、今後そういった可能性はあるのかどうかということも聞かせていただきたいと思います。

伊東良孝自由民主党・無所属の会内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・消費者及び食品安全・地方創生・アイヌ施策)

○国務大臣(伊東良孝君) この法律は、簡易迅速に公正な取引を確保し、受注者の利益保護を図るため、独占禁止法の優越的地位の濫用規制を補完する法律として、適用対象や禁止行為を外形的に明確な形で定め、迅速な対応を行うことを主眼としているものであります。このため、買いたたきや減額などの取引の内容に関する禁止行為に対しましては、受注者の利益保護を重視して、罰則や行政処分ではなく、被害金額の返還などを勧告し、公表するという行政指導で対処する規制になっております。  委員御指摘のように、この法律におきましても、命令や罰則の導入により執行力を強化すべきとの意見もあることは承知しているところでありますが、この法律の勧告に従わない場合にはより強い執行力を有する独占禁止法で行政処分などの対応をすることが可能であり、簡易迅速な事件処理を行うという、独占禁止法との役割分担がなされていることを踏まえ、この仕組みを維持していくことが適当であると、このように考えております。  引き続き、改正後のこの法律の運用状況等を踏まえまして、不断の見直しを行ってまいる所存であります。  以上です。

平山佐知子各派に属しない議員

○平山佐知子君 ありがとうございます。今回の法案に関しては受注者の利益保護を重視するということで理解をいたしました。  前回も申し上げましたけれども、フリーランスとかやっぱり小規模事業者というと、やはりどうしても弱い立場に置かれてしまいます。社会の中で他者との価格競争に勝っていかなくてはいけない、これ当然のことですけれども、こういう中で、それを理由に価格転嫁に踏み切れないとか交渉することさえも難しいという企業があることをやっぱりしっかり認識した上で、適正な取引ができるように環境整備、努力をしていかなくてはいけないのかなと思っています。  それから、先日も取り上げましたけれども、法遵守状況の自主点検フォローアップ結果、これを見ましても、例えばパートナーシップ構築宣言について、そもそもそうしたことが行われていること自体知らなかったという受注者も多くいらっしゃってびっくりしたんですが、この自分の事業が適正な取引ができているかどうかとか、価格転嫁をどのようにして、どう交渉していけばいいのか分からないという事業者もたくさんいらっしゃるということですので、是非今回の法改正によって、そういう方々が言いやすい状況を、しっかりまた周知をしていくという話も今日もたくさんありました。そういう方向性で進めていただきたいと思います。  今日はありがとうございました。

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、古賀君から発言を求められておりますので、これを許します。古賀之士君。

古賀之士立憲民主・社民・無所属

○古賀之士君 私は、ただいま可決されました下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民・無所属、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会及び日本共産党の各派並びに各派に属しない議員平山佐知子君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一 中小企業憲章において、「困っている中小企業を支え、そして、どんな問題も中小企業の立場で考えていく」との理念が示されていることを踏まえ、我が国の経済活力の源泉である中小企業が、その力を最大限発揮できるよう、労務費や原材料費、エネルギーコストの価格転嫁を更に推進するため、必要な措置を検討すること。  二 取引の適正化による価格転嫁から賃上げにつながる好循環が継続する社会の実現について、国民全体の理解の醸成が図られるよう、取組を進めること。  三 協議を適切に行わない代金の額の決定等の禁止について、その違反に対して迅速かつ的確に対処するために必要な措置を講ずること。特に、該当する違反行為については、具体的な基準を示すこと。さらに、委託事業者と中小受託事業者の代金の額に関する協議が形骸化することのないよう、必要な措置についても併せて検討すること。  四 本法施行後には、「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」及び「受託中小企業振興法」の適用基準として従業員数の基準が追加されるが、今後も両法の適用対象の見直しを検討し、本法による改正の効果を高めるよう努めること。  五 本法施行後に、新たな手段による適用逃れなどの事例が起こらぬよう、中小事業者や中小企業団体などとの情報共有や連携強化に更に努めること。また、適用逃れと見られる事例が発生した場合には、速やかに対策を講ずること。  六 本法に基づく検査等が実効的に行われ、あまねく全国において適正な取引の確保が図られるよう、公正取引委員会の体制の抜本的な強化を図ること。また、本法施行後三年を目途に、執行体制について、人員の増員や更なる関係省庁間の連携の強化を含めた必要な見直しに努めること。  七 本法に基づく施策を始めとする価格転嫁等の取引適正化推進に関する諸施策や「下請」等の用語の見直しについて、委託事業者及び中小受託事業者に対する一層の広報等の充実に努め、周知徹底を図ること。  八 「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」は、価格転嫁の促進に効果が認められているものの、その認知度は低い状況であるため、政府を挙げて周知徹底を図ること。  九 中小受託事業者まで適正な労務費を確保する等の観点から、本法の施行と並行して、各業界における理解の醸成に努めるとともに、現時点で二十一業種に限られている「下請適正取引等推進のためのガイドライン」の策定を幅広い業種に拡大するよう努めること。各省庁にあっては、所管する業界についてガイドラインの策定を進めること。あわせて、既に策定されているガイドラインにおいても、本法の趣旨が反映されているかどうかを点検し、適宜更新をすること。  十 サプライチェーン全体で価格転嫁等の取引適正化を推進するため、「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」の対象とならない取引における優越的地位の濫用行為に対し、引き続き独占禁止法に基づき、厳正に対処すること。  十一 中小企業・小規模事業者が個々では解決できない課題に対応するため、全国中小企業団体中央会を通じた中小企業組合の設立指導や運営指導に取り組むこと。また、中小企業組合が主体となって、事業者と交渉を行うことで価格交渉力を強化できる団体協約の活用について周知を図ること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) ただいま古賀君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) 全会一致と認めます。よって、古賀君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、伊東内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。伊東内閣府特命担当大臣。

伊東良孝自由民主党・無所属の会内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・消費者及び食品安全・地方創生・アイヌ施策)

○国務大臣(伊東良孝君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいります。  ありがとうございました。

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧山ひろえ立憲民主・社民・無所属

○委員長(牧山ひろえ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時十分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗