経済産業委員会 第7号
- 発言数
- 206 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2025/05/13
会議録
○委員長(牧山ひろえ君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、藤井一博君、片山大介君及び臼井正一君が委員を辞任され、その補欠として長峯誠君、浅尾慶一郎君及び藤巻健史君が選任されました。 ─────────────
○委員長(牧山ひろえ君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(牧山ひろえ君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に長峯誠君及び藤巻健史君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(牧山ひろえ君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房米国の関税措置に関する総合対策本部事務局次長桐山伸夫君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(牧山ひろえ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(牧山ひろえ君) 下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。伊東内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(伊東良孝君) おはようございます。 ただいま議題となりました下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。 我が国の雇用の七割を占める中小企業が物価上昇に負けない賃上げの原資を確保できるようにするため、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させることが必要不可欠です。事業者間の対等な関係を推進して中小企業の取引の適正化を図るためには、協議を適切に行わない代金額の決定の禁止、規制及び支援の対象となる事業者の範囲の拡大等の措置を講ずる必要があるため、この法律案を提出した次第です。 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。 第一に、下請代金支払遅延等防止法について、禁止行為として、費用の変動等の事情が生じ協議を求められたにもかかわらず、代金の額に関する協議に応じず、一方的に代金の額を決定することや、代金の支払手段について手形を交付すること等を禁止する旨追加することとしています。 第二に、下請中小企業振興法について、振興事業計画における支援の対象として、二以上の段階にわたる委託関係にある事業者を追加することとしています。 第三に、下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法について、従業員数の大小による基準を新設して、代金の支払遅延禁止等の規制の対象や振興計画における支援の対象となる事業者の範囲を拡大するとともに、これらの規制や支援の対象として、特定の運送委託に係るものを追加することとしています。また、下請事業者その他の用語を中小受託事業者等の用語に改め、あわせて、法律名を改めることとしています。 以上が、この法律案の提案理由及び概要です。 政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院におきまして、施行期日に関する附則の修正が行われております。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(牧山ひろえ君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員山岡達丸君から説明を聴取いたします。山岡達丸君。
○衆議院議員(山岡達丸君) 衆議院議員の山岡達丸と申します。 本日は出席をさせていただきまして、ありがとうございます。 ただいま議題となっております下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分につきまして、提出者を代表し、その趣旨及び概要について御説明をさせていただきたいと思います。 近年の急激な労務費、原材料費、エネルギーコストの上昇を受け、発注者、受注者の対等な関係に基づき、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させる構造的な価格転嫁の実現を図っていくことは大変重要であります。中小企業の価格転嫁が道半ばの中で、原案の意義及び趣旨については大きく評価をしておるところであります。 一方で、春季生活闘争の労使協議は通例、毎年一月の経済団体及び労働団体との懇談会から始まっており、施行日を公布から一年以内の政令で定める日としている原案では、その効力が令和八年の春闘の労使協議に間に合うかどうかは微妙な日程となっておりました。むしろ、本法律案の施行期日を明確に定め、令和八年一月一日に確実に施行されるという予見性を高めることにより、令和八年の春闘の労使協議にその効果が発揮できるのはもちろんのこと、施行日より前においても、経済団体、労働団体等の準備や企業間の価格交渉にもその効果が及ぶことが期待でき、中小企業の賃上げ原資の確保に着実につなげていくことができるものと考えました。 折しも、米国トランプ政権による一律関税や相互関税措置が進められている現下の状況は、日本国内の成長マインドに水を差しかねず、価格転嫁を着実に行う環境を少しでも早期に整備することは、日本の産業のサプライチェーン全体が支え合い、困難な状況を乗り切って適正な賃上げにつなげていくためにも重要であります。 本修正は、施行期日を令和八年一月一日と明らかにすることで、春季生活闘争等での本法律の実効性を確保するため、所要の規定の整備を図るものであります。 次に、本修正の内容について御説明を申し上げます。 本修正は、附則第一条の施行期日について、「公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日」から「令和八年一月一日」に改めることとしております。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をいただけますようお願いを申し上げます。
○委員長(牧山ひろえ君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○森屋宏君 皆さん、おはようございます。自民党、森屋宏でございます。 私は、この十二年間の参議院の生活の中でこの経産委員会に所属させていただきますのは初めてでありまして、今日もまたこうして質問の機会をいただいたことを感謝申し上げたいと思います。そして何よりも、私は、昨年の秋から、そして今年の通常国会の中、今日まで、この経産委員会のそれぞれの委員の先生方の専門性の高さ、そして中身の濃さ、本当に感銘を受けております。 私の経済系の先生は松村さん、先生であったり、宮本さんであったり越智さんだったりが、それぞれいつも法案であったり、あるいはやっぱり、田舎出身の県会議員出で、私でありますから、地元の悩みをいつも相談させていただくのはこの三人なんですけれども、の方々に本当に御指導いただいてきたわけでありますけれども、こうして、こうして与野党の先生の御議論を聞いている中で、本当に私自身教えていただくことがたくさんあってすばらしいなと。 であるからこそ、やっぱり参議院というのは、衆議院の審議を得た上での参議院という形で、これは与野党ということではなくて、参議院経産委員会としてのやっぱり質疑の深さ、広さということで、やっぱり六年間の任期をいただいた参議院にある役割というものを改めて私自身も確認をしながら、そして皆さんとともにその役割を果たしてまいりたいというふうに思います。 今日は、法案に入ります前に、経済一般論というか全般論について若干、ちょっと私がふだん思っているところをお話しさせていただいて、そして後半で法案について質問させていただきたいと思います。 私は大学出まして、母が幼稚園を、小学校の音楽の先生をしていたんですけれども、私が小学校に上がる年に母は自分の、自らの夢でありました幼稚園を設立をいたしまして、私もその母の後を、一緒に、大学出て幼稚園を、ずっと現場で働いてまいりました。一応、経営という立場にいたんですけれども、普通の一般企業の経営というのとは少し違うところがあります。 ですから、私、一九九九年に県会議員に初当選をさせていただいたときに地元の方から御相談がありました。どういうときだったかというと、一九九〇年の後半に経済対策で、県の保証協会付けの担保をもらって五千万円上限の融資というのがあったんですね。それが三年の期間をもって、猶予期間があって、三年たって返済が始まるというときがちょうどその一九九九年の秋だったと思います。そのときに地元の会社の経営者の方から、いや、先生、いよいよ返済が始まるので保証協会に是非助言をしてくださいというふうな、何社か私のところにお話しに来た社長さんがおいでになりまして、実は私はそのときに保証協会って何するところかは知りませんでした、分かりませんでした。それで、初めて紹介されて、県の保証協会の出張所が私の地元にありまして、そこに行って、その当時の所長さんに、申し訳ありません、今度県会議員になった森屋と申します、保証協会は何をするところから教えてくださいと言ったら大笑いされまして、そんなことを聞きに来た県会議員は誰もいないと。 でも、それから、以来ずっとその方は私に親切に教えていただいてきたのは、ついこの間といってももう二十六年もたちましたけれども、そういう中で来た人間でありますので、本当に皆さん方のような見識を持っての質問ができるかどうかというのは不安なところでありますけれども、是非、ふだん、一人の参議員ですけれども、地方選出の議員としてふだん感じているところをお話しをさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。 まず最初に、これも大きな話から入りますけれども、世界経済というふうなことをちょっとお話しさせていただきたいと思います。 先進国各国、特にG7の首脳の皆さん方が今ずっと言われていることは何かというと、それぞれの国に格差があるんだと、格差はこれをどうやって乗り越えていくのかということを大きな問題点として抱えていらっしゃるなというふうに思います。そういう発言が多く出ている。まあ選挙のたびにそうであります。 その中で、要するに何かというと、格差は、要するに、従来、社会が、経済が発展したときにまさに産業クラスターができて、そしてしっかりとした中間層が、豊かな中間層がいて、この人たちがやっぱり積極的な消費者であったり健全な消費者であったりということで社会の経済が動いていくんだというふうに思いますけれども、今日、世界経済においてサプライチェーンのいわゆる国際分業化が進んでいって、そして各先進国においては特にこの空洞化が、中間層の空洞化が進んできたんではないか、そこに格差が生まれてきている。深刻な問題となっていて、失われた中間層をいかに取り戻すかというのが世界のリーダーたちの今日的な課題である。それに移民であったり外国人労働者の問題であったり、それぞれ事情はありますけれども、そういう現状があるんだろうなというふうに思っております。 そうした中で、特に、今日、米国のトランプ大統領が二期目をスタートした中において、まさにこの失われた中間層を取り戻すべく、流出をしてしまったサプライチェーン、国内の中で、米国内の中でしっかりとかつてはあったこのサプライチェーンの部分を取り戻す政治姿勢を私は強調されているんだろうなというふうに思います。 そこで、トランプ大統領が一月に誕生して以来、強烈なメッセージを世界に発して、世界中がこのトランプ大統領の発言に戦々恐々としているような中でありますけれども、一たび我が国の姿勢ということを考えたときに、これはやっぱり、アメリカとの関係性というのは大変重要な、経済にとっても安全保障にとっても大変重要な関係性であります。 トランプ大統領の一連の経済政策に対して、我が国への経済への影響について、経産省は特別相談窓口を設けるなど調査を行ってきたというふうに聞いておりますし、大臣、副大臣、政務官が各メーカーに自ら足を運ばれていろんな御意見も伺ってきているというふうに聞いております。 現状の政府の認識と今後の対応について総論としてお話を聞きたいと思います。よろしくお願いいたします。
○副大臣(古賀友一郎君) 平素からお世話になっております森屋委員の御質問、しっかりと御答弁申し上げたいと思います。 今、格差とか世界経済のグローバル化、こういった問題が背景にある中で今回のトランプ関税の問題も出てきているものだと、こう認識しておりますけれども、国内経済という観点で申し上げますと、今回の米国の関税措置は大変幅広い国内産業に影響を及ぼす懸念があると、このように警戒をしているところであります。 経済産業省におきましては、四月初めに設置をいたしました全国約一千か所の相談窓口やプッシュ型での現状把握によりまして、国内産業の現場に生じる影響の把握に今、把握を進めているという状況でございまして、私自身も先月七日に関税の影響を受ける自動車関連産業の製造事業者を訪問させていただきまして、現場の声を伺ってきたところであります。 これまでのこの企業からの声というのは、例えば今後の見通しの不透明さに対する不安でありますとか、あるいは将来の米国向けの販売減少や値下げ圧力等への懸念でありますとか、またあるいはこの資金繰りや雇用維持のための支援、それから新規投資への後押しへの期待など、様々なお声を頂戴しているという状況です。 こうした声も踏まえまして、先月の二十五日、政府といたしまして、五本柱の米国関税措置を受けた緊急対応パッケージ、これを決定したところでありまして、このパッケージに基づきまして支援に万全を期するということでございます。 現在のところ、その甚大な影響が現実化しているというわけではないと、このように認識しておりますけれども、引き続きその影響を注視しながら、追加的な対応につきましては、米国との協議の状況でありますとか、産業、地域経済、国民生活への影響を見極めた上でちゅうちょなく行っていきたいと、このように考えております。 以上です。
○森屋宏君 ありがとうございました。 どういう発言を、どういう思惑で発言をされているのか、あるいはその発言のもととなる米国内での経済の、いわゆる先ほどお話ししたクラスターの喪失、中間層の喪失、こういうところをやっぱり見て、あっ、こういう思いでトランプ大統領は発言されているんだというバックボーンを私は理解することが大切だなと思います。 とかく東海岸の情報を見てアメリカ全体を語ることがありますけれども、決してアメリカという国はそういう国ではなくて、あくまでも五十一の州の集まった集合体ですから、やっぱり、見失いがちのラストベルトと言われた地域や中西部とかですね、この辺の、やっぱり本当にこういう国内の労働者、産業はどうなっているのか、あるいは農業はどうなっているかということを見ることによって、私はトランプ大統領の発言の真意というものがそこに見えてくるのではなかろうかというふうに思いますので、どうかそうした観点からの御努力をお願い申し上げたいと思います。 一転、国内でございます。 これも、この十何年、いつも私は、宮本さんが私の本会議でいつも隣ですから、宮本さん、これ教えてくれ、これ教えてくれと言って、事業承継、あるいはMアンドA、これをやられてきたのをですね、本当に専門的なところから、知見からいつも御指導いただいてきたわけでありますけれども、地元の話をさせていただきますと、私のところは、山梨県というのは、山梨県全土がほぼ富士山、八ケ岳、その前に茅ケ岳というやっぱり大きな火山がありまして、ほぼ全土が火山灰で埋もれたような地質を持っています。ですから、古来、お米がなかなか取れない、砂地みたいなところですから、そういうところです。 江戸時代から織物が盛んで、桑畑が山梨県中にあったというふうなところです。それが、結局は、明治の後半になって、桑畑にあった中山間のこういう斜めのちょうど山の山腹みたいなところが、裾野みたいなところが、結局はそれがブドウや桃という果実に転換をされていって、今、日本を代表する果実の産地だというところです。 明治になりまして、まだこの織物が、江戸から作られてきた織物が明治になって殖産事業として大きな事業をし、山梨で作られた絹織物が八王子にまず集積をされて、群馬から作られた、富岡とかああいうところから来たものがまずは八王子に集積されたものが横浜に運ばれ、横浜から船に乗って海外、アメリカやヨーロッパに行って女性のストッキングになった。そのことによって山梨県は、産業の乏しいところでありましたけれども、そこで財を得た人たちが財閥化をしていって、例えば根津嘉一郎の東武鉄道であったり、小林一三の阪急ですか、であったり、それから若尾逸平。ですから、電力、金融、鉄道、こういうところに投資をして財閥を形成をしていくのが山梨県の歴史であります。 戦後もずっと続いてきたわけでありますけれども、実はこの戦後の高度成長期に乗った中でこの織物がだんだん衰退して何になっていったかというと、織物工場自体が、実は織物というのは、そこに置かれている機械はもう最先端のマシンです、マシンでありました。私の近所にも自動織機にされた織物工場がたくさんありました。ですから、中学校、高校辺りは二十四時間、私の家の周りは常にガッシャン、ガッシャン、ガッシャンという音が聞こえた中で育ってきた私でありますけれども、それが徐々に衰退をしていって何に転換していったかというと、織物工場の家屋は残したまんま、中の織り機を外して、そこに旋盤、NCみたいな機械を入れて、今度は機械工作の会社に転換していくというふうな時代を見てまいりました。 そういう中で、実は今日、理事会に行きましたら、岩渕先生がこういう資料を提出されて、先生、これ貸してもらって、向こうで話ししていますけど、貸してくれますかと言ったら、いいですよと許可もらったので。ですから、そういう意味で、かつての高度成長期にはこういう産業クラスターがあって、これは車社会ですけれども、大きな産業クラスターがあって、例えばトヨタというメーカーがあっても下に徐々に、中間があって、一番の下のところまでこういうしっかりとしたクラスターがあって、みんなが豊かに成長していくというのが高度成長期であったというふうに思います。 これが、高度成長期につくられてきたこの皆さん方がいよいよ七十代、八十代、九十代というところに来ているなと思います。ですから、いつも、事業承継という十年前ぐらいから始まった議論の中で、仕事もある、お客さんもいる、現場にはいい現場の工場長もいる、でも、創業した方が子供たちに継ぐ人もいない、もういいときだからもうこの会社は畳んで、しっかりと従業員たちに、ずっと自分の会社に尽くしてくれた人たちにしっかりとした退職金を払って、このもう仕事は私はやめるんだというふうなところがありました。 そのときには、恐らくその人たちに、頭の中には、事業承継とかMアンドAなんという手法があるなんということは恐らく想像力がそんなになかったと。真面目な人たち、機械を使って物を作って寝ずに仕事をするような人たちは本当に真面目な人たちですから、もう世間に迷惑掛けないように、いいときに畳んでしまおうというふうなマインドがあったというふうに思います。しかし、地域経済を支えたそういう人たちが、みんながそうやって、じゃ、今のうちに畳んでしまおうと思ったら、一気に経済、地域経済は崩壊してしまうわけですから、これを一たび立ち止まってもらって、いや、こういう方向、形で残していきましょう、従業員の皆さん方も雇用も守っていきましょうというのがこの続けてきた事業承継へのいろいろな税制支援であったりMアンドAであったというふうに思います。 改めてここで、これまでの取組、それから実績、成果あるいは課題をお聞きしたいと思います。
○副大臣(古賀友一郎君) 今、森屋委員から山梨県経済、産業の歴史をお伺いいたしまして、本当に、山梨県もそうでありますし、全国各地でそういった御努力をされてきた先人の方々に本当にまずもって感謝を申し上げたいと思います。 そして、現状、確かにおっしゃるとおり、事業承継にスポットが当たる時代となってまいりました。これまで経済産業省といたしましては、中小企業の事業承継、MアンドAの推進に向けまして、事業承継税制によります株式の相続時、贈与時の税負担の軽減でありますとか、あるいは四十七都道府県に設置しております事業承継・引継ぎ支援センターによります相談対応からマッチングまでのワンストップ支援でありますとか、またあるいは、事業承継・MアンドA補助金によります事業承継に当たりましての設備投資や販路開拓等の新たな取組やMアンドA時の専門家活用等に係る経費の支援でありますとか、そういった総合的な支援策を講じてきたところであります。 こうした取組の中で、後継者不在率の低下というものも一定見られておりますし、あるいは経営者年齢のピーク、これも十年前の二〇一四年には六十歳代であったものが、足下、二〇二四年には五十歳代になっておりまして、また加えて、中小MアンドAの件数も大幅に増加するなど一定程度の成果はあったものと、このように認識はしております。 その一方で、課題というわけでございますけれども、七十歳以上の経営者の割合はいまだ高い水準であると、こういったことになっておりまして、引き続きこの事業承継は喫緊の課題だと、こういうふうに認識をしております。 加えまして、この中小MアンドA市場が成長していく中で不適切な買手によりますトラブル等の課題も指摘をされておりまして、昨年八月に中小MアンドAガイドラインを改訂いたしまして、支援機関に対して不適切な買手の排除に向けた取組を求めることとしておりまして、引き続き、中小企業がMアンドAに安心して取り組むことができる、こういった環境整備を進めていきたいと、このように考えております。 以上です。
○森屋宏君 ありがとうございました。 日本型経営というのを、先ほどお話ししましたように、私の地元で見ると、かつては自宅の横に織物の工場があって、それを、織物の織機を外してそこに工作機械を入れてというふうな形で、それがだんだん大きくなっていって自宅敷地の中に、成功して大きく工場も拡大していくみたいな人の場合は、先ほど紹介したように、自宅と連結してそういう場所がありますから、なかなかこれを、お他人さんにこれを事業承継なりMアンドAでお渡しするというところの垣根というのは、日本の場合は、日本型と言って正しいのか、世界を知っているわけじゃありませんから。ただ、アメリカみたいのは、起業して大体が、僕もアメリカ、アイオワとか山梨が姉妹都市をしているところに何度も行っていますけれども、そういうところで見ても、自宅と大体そういう現場って離れているんですよね。大体、よく昔言われたのは、アメリカ人のは、起業して五十ぐらいになったら、その会社を売っ払って、あとは悠々自適に過ごすのがアメリカンドリームだと、だから自宅とそういうのは離れているんだ、みんなね。 ところが、日本型の、製造業だけじゃなくて、今、私の地元でどういうこと起きているかと。飲食業、飲食業で、自宅があって、奥に自宅があって道路沿いにいいお店があると、中華とかいろんな、それで、お客さん入っているんですよ。お客さん入って、みんな、地域の人も喜んでそこに行くんです。でも、店主が、もう八十近いし、もうここでやめるというふうなことで、じゃ、誰かにその場所を使ってもらえばと言っても、いやいや、自分の家と一緒だからこれはもう人には貸せないというふうなことで、だから、うまい、スクラップ・アンド・ビルドのこういう地域経済の好循環がそこには生まれてこないなというのが日本型のそういう、まあ日本型と言って正しいか、地域にはあるなというふうなことは思います。 ですから、いろいろ調べてみますと、先ほどした、本来だったら事業承継やMアンドAをしていただければもっと続いていくその会社なり企業あるいは雇用も失われてしまう、黒字にもかかわらずいまだに休廃業や解散をしたという割合は、先ほど副大臣のお話もありましたけれども、減少傾向にあるものの、まだ五〇%以上の高水準にあると。だから、この人たちが、まだ手を伸ばしていけば、地域の支援機構であったり金融機関だったりがしっかり相談に乗ってあげて支援をしていけば、まだ地域の経済を支えているそういう人たちを守っていくというか、次に好循環をそこに生んでいく余地は十分にあるなというふうに思っているわけであります。 是非、地域経済を支えている事業者が政府の用意した支援策をしっかりと理解をしていただいて、必要な事業者が、支援が行き届いていくようにこれからも引き続きの支援をお願いを申し上げたいと思いますけれども、政府の決意をお伺いいたします。
○副大臣(古賀友一郎君) 確かに、おっしゃることもごもっともだと、こういうふうに思っておりまして、この後継者不在等によりまして、黒字経営にもかかわらず休廃業を選択している中小企業が多い状況だということで、これは大変、我が国経済としてももったいない話だと、こういうふうに思っております。この地域経済、サプライチェーンへの影響も大きいということで喫緊の課題だと、こういう認識でございます。 この後継者不在によります黒字廃業への対応といたしましては、MアンドAによります第三者承継が有力な手段ではございますけれども、伺う意見といたしましては、自社がMアンドAで売れると思っていないでありますとか、あるいは信頼して相談できる先が分からないと、こういった声もございまして、検討すらできていない中小企業も少なくないものと、このように認識しております。 このため、今後策定する予定のこの中小MアンドA市場改革プランにおきまして、事業者への支援策浸透の観点から、後継者不在企業の経営者に対するMアンドAが有力な手段の一つである旨の働きかけを強化していくということや、この不安解消の観点から、公的な相談窓口である事業承継・引継ぎ支援センターの体制強化等を盛り込むとともに、この支援策が適切に行き届くよう、地域のメディアを通じた当該地域での成功事例の紹介など、広報活動の強化も予定しているところであります。 こうした取組を通じまして、引き続き、中小企業における事業承継やMアンドAを推進できるようにしっかり取り組んでいきたいと、このように考えております。
○森屋宏君 是非、まだ手を差し伸べていく余地はあるんだという是非認識を忘れずに御支援をいただきたいと思います。 それでは、法案について何点かお聞きをしてまいりたいと思います。 冒頭お話しさせていただいたように、参議院らしいということを常にずっと頭の中に置いて政治活動をさせていただいていますけれども、そうした意味でも、衆議院の法案の議事録を、まあゴールデンウイークもありましたので一通り読まさせていただいて、何か違う質問ができないかなというふうなことで考えましたのは、実は、いわゆるこれは受注者サイドを守っていく、当たり前のこと、発注者側の力をもって下請たたきなんということが起きてはいけないことです。しかしながら、一方において、やっぱり発注者と受注者のやっぱり健全なそこには関係がそこに築かれなければいけないということがあると思います。 当然、やっぱり受注者の方にも努力してもらって、技術革新をしたり、あるいは従業員の研修も進めていただいたり、努力をいただいた結果、そこには自由経済の中での競争ということもあるわけでありますので、これは、日本の自由主義経済国家あるいは資本主義の根本を守るためにも、お互いのウィン・ウィンの関係性をいかに築いていくのかということが私は大切な論点ではなかろうかというふうに思います。 そこで、今回の下請法改正では、受注者を保護する観点から、発注者に対して一方的な価格設定等を禁止をしますが、一方で、企業の経済活動の自由、健全な発展の観点からは、下請法の執行や価格転嫁対策や取引の適正化対策において、まあ何と言ったら、言い方が非常に難しいです、これどっちかを守るという意味じゃなくて、お互いがウィン・ウィンで、そこで健全な経済活動が行われてほしいというための、当然、親会社というか発注者側だって大きくなってもらわなければいけないわけでありますので、そこに配慮をしつつ、この法律の施行を進めていかなければいけないというふうに感じるわけであります。 どういう配慮が必要であるのかというところをお答えをいただければと思います。
○副大臣(古賀友一郎君) 御指摘のこの発注者側からの視点、大変重要な御指摘だと、このように認識しております。 我が国は資本主義、自由主義の経済でありますので、民間企業は調達も含めて経済活動の自由が認められるべきでありまして、それによって、まさにおっしゃったとおり、良い商品を作るでありますとか収益を上げるというこのインセンティブが働いていって企業や経済全体の成長にもつながると、このように考えております。 他方で、この経済的な力関係を背景に取引先が一方的に負担をしわ寄せすることは適当でないと、これが今回の法案の考えでございまして、適切な価格転嫁や取引適正化によりまして取引先も収益を上げて投資や賃上げの原資を確保していくことは、発注者も含めたサプライチェーン全体の強靱化、成長にもつながると、このように考えております。 そうした観点から、今回、一方的な価格設定の禁止など、価格転嫁を徹底するために下請法の改正を提案しているわけではございますが、法案の検討におきましては発注者側からも十分に御意見を伺ってきているところです。例えば、柔軟な価格設定を許容すべきでありますとか、あるいはその規制の対象を画する基準、これは把握しやすいものにすべきだと、こういった御意見もこの有識者研究会で伺いました。 この今回の改正法を成立させていただいた暁には、こうした発注者側からの御意見も踏まえながら、例えば議員御指摘のこの一方的な価格決定の禁止という点につきましては、何をもってその協議とするのかと、こういった点のその詳細等につきまして公正取引委員会とともに詳細な検討を進めていきたいと、このように考えております。 この価格転嫁対策を進めるに当たりましても、発注者が自らの意思に基づいて受注者とも協議をいたしまして取引方針を改善するように、下請法の執行、指導、助言、社名公表、広報や機運醸成などに取り組んでいきたいと、このように考えております。 以上です。
○森屋宏君 ありがとうございます。 次に聞こうとすることを若干触れていただきましたけれども、中小企業の従業員が賃上げの恩恵を手にすることができるよう、賃上げの原資の獲得を政府全体で後押しをすることが重要と、こういう思いで来たわけであります。 ですから、先ほども言いましたように、親会社というか発注者側は、やっぱりどんどんどんどん新しいところの技術革新をしながら新しい分野にどんどん挑戦をしていかなければいけない、そしてそれを受けていく受注者側も、中間のところが人件費が安いから、工場立地のための地価が安いから海外へ行ってしまうというふうなことではなくて、国内にこうしたしっかりとした産業のクラスターができることによってまた新たな、新たというか、従来あったこの中間層、ここのやっぱり中間層の人たちが健全な消費者、一番の消費者でありますから、この人たちが地域の中でやっぱり消費活動をしていただく、そしてまた地域が、経済が好循環をしていくというふうなことをまた再び、昔の私たちが、私、昭和四十年代が小学校、中学校、高校、五十年代で大学出てきて、家に帰って、そのときはバブルを経験したみたいな世代ですから、まさにまだあのときの日本にはしっかりとした健全なこの産業クラスターがあって、中間層の人たちも豊かであり、そういう中で生活をさせていただいた者としては、また再びそういう強い日本を取り戻す、そのためのやっぱり努力を進めていかなければいけないというふうに思っています。 もちろんそこには、先ほど来何度も言っておりますけれども、健全な自由経済の下での競争というものはこれは欠かすことのできない、競争がないところには新しいマインドは生まれてきませんから、新しいマインドをもっと応援するための競争、健全な競争ということだというふうに思います。 官邸の中においても、中小企業庁や公取の皆さん方と、先ほど来副大臣おっしゃっていただきましたけれども、いろんな議論をしてきたというふうに思っています。私もそれを見させていただいて、今回の法律がまさにそうでしたけれども、ああ、法律というのはこういうプロセスを通して最終的にはこの分野を法整備をしなければこの政策は進まないんだなという議論が役所や官邸の中であって、初めてそこに法律という形として皆さんに御理解をいただく、国会議員の皆さん方に御理解をいただくという、こういうプロセスで物が進んでいくのだなというのを初めてというか、そこで実感をさせていただいたところでございます。 是非、政府におかれましては、これまでの取組を、十分に積み重ねてきた調査や、それぞれの業界の発注者側、受注者側の意見もしっかり聞いてこられたということでございますので、是非、これまでのそうした実績を生かしてこれから十分な取組を進めていただきたいと思います。 改めて決意を伺いたいと思います。
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。 中小企業の賃上げ実現は、成長と分配の好循環の実現の観点からも重要な課題でございます。この賃上げの原資の確保の鍵となります価格転嫁、取引適正化を進めていくためには、個別企業だけではなく業界全体で、しかも幅広い業界で商慣行の改善を含めて取り組むことが極めて重要でございます。 政府全体で取引適正化を進めるため、官邸に中小企業等の活力向上に関するワーキンググループが設けられてございます。このワーキンググループにおきましては、森屋委員に直接御指導を頂戴しておりました。 このワーキンググループの下で、各事業所管省庁が幅広い業界に対して取引適正化を進めるべく、業界ごとの取引適正化に係る自主行動計画の策定や改定、その実施状況のフォローアップ等を行ってきたところでございます。これらの結果、価格転嫁率は改善をしてきてはおりますけれども、昨年九月時点では四九・七%でございまして、まだまだ道半ばでございます。サプライチェーンの深い層への価格転嫁の浸透など、課題も残っていると認識しております。 御審議いただいております下請法につきましては、事業所管省庁の協力もいただきながら、下請法の面的な執行を進めてまいる考えでございます。また、現在、石破総理からの御指示も踏まえて、各事業所管省庁から幅広い業界に対して商習慣の見直しも含めた取引適正化の徹底をハイレベルで要請しているところであります。 官邸のリーダーシップもいただきながら、幅広い業界に対する取引適正化対策を政府全体で進めてまいる所存であります。
○森屋宏君 ありがとうございました。 いろんな、この分野だけに限らず、経済関係でいろんな取組、施策あるいは税制措置、予算措置、財政措置、いろいろやっていただくんですけれども。 私、官邸にいるときに、総理補佐官として矢田稚子さん、おいでになりました。この方が、常に全国を回られて、それぞれ国や県のそういう機関を回ったり、あるいはそれぞれの企業を回ってきて、必ず帰ってくると私の部屋に来ていただいて、森屋さん、こんなでしたよ、残念ですよ、残念というかびっくりしましたよという、いつも報告されるのは何かというと、やっぱりなかなか地方の細かいところまで、そういう支援とかそういう情報が届いていないんですよ。特に、いつも宮本君や松村さんからも教えてもらっていますけど、商工会なんかも指導員の方がいて細かくやっているんだけど、でも現場に行ったら、親方、社長さんがいて、二人か三人の従業員がいて、もちろんそこに総務なんてやる人はいないわけで、奥さんが給料勘定したり書類勘定して、そんなようなところに、では、とてもじゃないけど、いや、インターネットで中小企業庁のホームページから見てくださいとか、そのレベルではやっぱり届かないんですよ。 だから、やっぱり、これだけせっかく今回のことも、下請の皆さん方を励まして、皆さんも努力してください、でも政府は皆さんを見捨てませんという宣言をしているわけですよね。でありますから、是非、これをいかに周知をしていく、今までのやり方ではもう足りないと思う。やっぱりこれをもう一工夫何か新しい工夫をして、例えば、そういう研修会をやりますから、地域で細かくやります、たしかブロックに分けて、そういうのをみんなで組んで、どうやったら周知できるかってやってもらってきましたよ。でも、実は、本当の現場の皆さん方の声を聞けば、実はせっかく用意したものでも、そこにやっぱり目詰まりが起きてしまっている。これは、ここまでやったから十分だというところは恐らくないと思うんですね。もう不断にこれを続けていくしかないというふうに思います。 この努力を是非忘れずに続けていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。 委員ただいま御指摘がございましたとおり、この改正法案を始め、中小企業政策は、地域経済を支えておられる中小企業・小規模事業者の皆様を含め、分かりやすい形でお届けし、御活用いただくことこそ極めて重要であると認識しております。 この改正法案につきましても、成立させていただきました暁には、その下位法令やガイドライン制定を進めてまいりますけれども、これらを含めて幅広く丁寧に周知広報をしてまいる必要があると考えてございます。具体的には、ただいま御指摘もございました改正法案に関する説明会の開催をしっかり開催していくこと。その際、分かりやすいパンフレットや、出席がかなわない方にも御利用が可能な広報動画の作成など、公正取引委員会ともしっかり協力をして進めてまいりたいと存じます。 さらに、今回の下請振興法の改正におきましては、地方公共団体の責務規定、国と地方公共団体の連携に関する規定を創設させていただきたいと考えております。 地域の取引実態に通じておられるのは地方公共団体の皆様だと思います。取引適正化対策や改正法案の周知につきましても、地方公共団体の皆様にもしっかり御協力をいただいて、全国津々浦々の中小企業に施策をしっかりとお届けしてまいりたいと考えてございます。
○森屋宏君 是非、先ほども言いましたけれども、従来のやり方にはやっぱり、欠陥と言ったら失礼だけれども、やっぱり行き届いていないという前提の中で、じゃ、何が新しくできるんだと。 それから、私はやっぱり、商工会の青年代表がいますけれども、商工会であったり、それから、あとは地方の金融機関のマインドが今変わっていますね。昔のようにお金を貸し付けるだけじゃなくて、やっぱりもう少し政策的な、そういうところにコミットして、地域でそういうお仕事の人が、さっき言ったように、まだ利益も出ているような会社が、工場が畳んじゃったら金融機関だって、地方の金融機関困るんですから。そこに一生懸命残ってもらって存続してもらわなきゃ困るというマインドは、相当今地方の金融機関に高まっているなと思います。 ですから、事業承継とかMアンドAとか、こういうのを一生懸命パンフレットを持って歩いていますよ、今。だから、こういう人たちに、そういうマインドを持った専門家を育てていくというのも一つのやり方ではないかなというふうに思います。 最後になりますけれども、こうして民間企業の皆さん方に対しては価格転嫁を強く求めてきたのが政府の姿勢でありますけれども、実は一方において、国や地方自治体自身が価格交渉や価格転嫁に応じていなかったりとか、そういう事例がたくさん出てきているわけであります。 最もここを、価格転嫁や交渉に応じないできたのは公的な機関がその最たるもの。実は、これは私は上月前経済副大臣に本当に強く言われて、このことを今やらなきゃ駄目ですよというふうな、彼のライフワークでしたからね。じゃ、副大臣会合をやりましょうということで、終盤になって副大臣会合開かさせていただいて、これを皆さん方で共有して取り組んでいきましょうというふうなことを着手はさせていただきました。 今、自民党の方で、新しい資本主義会議の中でこのPTを作っていただいて、上月さん中心にこの議論も、まずはいかに地方や国や県や市町村がやっていないかというのを表に出そうということをやられているようでありますけれども、国としてもこの問題については認識をしていただいて、政府全体で対策を講じるようにということでありますけれども、現在の進捗状況、今後の対策をお伺いをしたいと思います。
○副大臣(古賀友一郎君) 本当におっしゃるとおりだと、このように思っておりまして。 この価格交渉、価格転嫁の徹底を民間企業に呼びかける国あるいは地方自治体自身が、まず隗より始めよというわけでございまして、率先して取り組むことは極めて重要であろうかと、このように考えております。 そして、昨年八月、森屋委員が当時官房副長官でいらっしゃったときでありますけれども、各省副大臣による副大臣会議が開催をされました。おっしゃるその上月前副大臣が大変熱心に取り組んでおられる課題であります。私自身もその後任としてしっかり引き継がせていただいております。その副大臣会議の中で、地方の印刷業やビルメンテナンス業、警備業などを含めまして、国や地方自治体において適切に予算の編成や執行が行われるように国等の契約の基本方針を検討するよう指示がなされたと、このように受け止めております。 これを踏まえまして、今年三月の十四日でありますけれども、私自身、この官公需に関する副大臣会議を主宰させていただいておりまして、まず、国の機関等が発注者として少なくとも年一回以上の価格協議を行うよう努めること、それから、価格交渉の申出があった際に、予算がないとか前例がないとか、そういった理由で断ることがないように誠実に対応することと、こういったことなどを令和七年度の基本方針に盛り込むことで副大臣等の認識を共有させていただきまして、終了後速やかにこの基本方針のポイントを各省そして各地方自治体に対して周知をしたところであります。また、この基本方針につきましては、本年四月の閣議決定におきまして、各省庁それから地方自治体に対して周知を行っております。 今後とも、国はもとより、総務省とも連携いたしまして、自治体に対する周知徹底及び実態調査を行うことを通じまして、官公需における価格交渉、転嫁をしっかりと進めてまいる所存でございます。どうぞよろしくお願いします。
○森屋宏君 ありがとうございました。 私の何か直感的な質問に真摯にお答えをいただきまして、ありがとうございます。皆さん方のこれからの御努力を期待を申し上げますとともに、委員の先生方にはまた御指導をいただきますようにお願い申し上げまして、私の質問とさせていただきます。 本日はありがとうございました。
○古賀之士君 立憲民主・社民・無所属の古賀之士でございます。 今日も質問の機会を与えていただいて、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。 まず、下請法の改正案、衆議院で附則の修正がなされております。今日は、衆議院からその提案者の代表者でございます山岡達丸衆議院議員がお越しでございますので、冒頭、まずこの衆議院における附則の修正についてお尋ねをいたします。 衆議院における施行期日に関する附則の修正について、どのような経緯で修正提出に至ったのか、山岡達丸衆議院議員にお尋ねします。
○衆議院議員(山岡達丸君) 山岡達丸でございます。 本日は御説明させていただきまして、ありがとうございます。 今委員から御指摘いただきました今回の政府提出の下請法案に関する修正の内容について、経緯についてお伺いをいただきました。 政府提出の原案は、公正取引委員会や中小企業庁が開催した研究会において、労働団体も含めた関係業界団体も参加する中でその方針が定められたものであり、その重要性を踏まえて、労働者を代表する団体も、来年の春季生活闘争、春闘にその効果が及ぶよう、早期の成立を望んできたというものでありました。他方で、原案による改正は手形など様々な制度変更も伴うことから、一定の期間を設けてその円滑な施行を図るという、公正取引委員会や中小企業庁のそうした考え方も十分理解できるところでもありました。 しかしながら、趣旨説明でも申し上げさせていただきましたが、今、社会全体で賃上げの大きな流れをつくっていこうということにつきましては、与野党共にその思いをまた進めさせていただいているところであると承知しておりますが、こうした中で、米国トランプ政権による一律関税や相互関税措置が進められるなど、経済社会状況の先行きがますます不透明になっているところでもあります。 そこで、令和八年一月から行われる見込みの春季生活闘争、いわゆる春闘に本法律案の施行を確実に間に合わせるということを政治の責任をもって明らかにするべきであると、その考えを持って本法律の施行日を令和八年一月一日とする修正案の提出に至った次第でございます。 現下の状況において、価格転嫁を着実に行う環境を少しでも早期に整備することは与野党一致した考えでもありますし、本修正は、衆議院経済産業委員会において全会一致で可決をしていただいたものでもあります。 何とぞ、皆様にも広く御理解を賜り、また、この御賛同を賜れればということをお願い申し上げさせていただきたいと思います。
○古賀之士君 さらに、もう一点、山岡達丸衆議院議員にお尋ねをいたします。 全会一致ということだったそうでございますが、その施行期日に関する附則の修正の意義についてはどのようにお考えでしょうか。
○衆議院議員(山岡達丸君) 修正の意義について、修正案を提出した代表者としてお答えをさせていただきたいと思います。 本法律案の施行を来年の春闘に間に合わせることの意義は、このことについては様々衆議院でも国会質疑がございましたが、公正取引委員会、今日も委員長御出席でありますし、伊東大臣も御出席でもありますし、武藤経産大臣も御出席でありますけれども、政府の関係各所も、春闘に間に合わせることが非常に大切であるということについては理解をされているということは答弁をいただいたところでございました。 しかし、原案には、施行日を公布から一年以内の政令で定める日としているところでもありますので、仮に公正取引委員会の皆様を始め、政府が来年の春闘に間に合わせるという判断をして施行日を定めることがあったとしても、その閣議決定の日は、例えば一月一日であれば一月一日の直前にならなければその状況は明らかにならないという状況でありました。 その閣議決定の時期が、事業者、労働組合の立場から見ても十分に早いものであるということをあらかじめ明確にすることが非常に大切であろうということを考えたときに、今回の修正によって政治の責任で施行日を明確にすると、そのことによって、事業者、労働組合あるいは関係当局の政府の皆様も準備をそこに向けて進めていただくことができると、そうした意義があるものと考えております。 この点、国会審議、先日の参議院の本会議において、古谷公正取引委員会委員長からも、もう施行期日は令和八年一月一日となったと、そのことが、今回の改正法案が成立した場合には、実効的な規制となるよう速やかな施行準備と丁寧な周知広報を行う必要があると考えているということで、この成立後速やかに予見性を持って対応いただけるということも明らかにされているところでもございまして、そうした政治の責任でもって日にちを明確にするということに大きな意義があるものということで御答弁をさせていただきたいと思います。
○古賀之士君 山岡達丸衆議院議員、ありがとうございました。 そういったことの予見性という言葉がございましたように、ですから、この当参議院の経済産業委員会でも、かつて村田享子委員や私などからも、今後の見通し、施行に関しての見通しについて公正取引委員長にもお尋ねをした経緯もございます。そういった点も踏まえて、理解を更に含めて、予見性を今後考えていきながら審議を進めていきたいというふうにも感じております。 山岡達丸衆議院議員におかれましては、私からの質問は以上でございますので、委員長、お取り計らいをよろしくお願いいたします。
○委員長(牧山ひろえ君) 山岡衆議院議員におかれましては、御退席いただいて結構でございます。
○古賀之士君 では、引き続き質疑を続けさせていただきます。 米国のトランプ政権による関税政策と、それから、審議を今から行ってまいります下請法の改正案にも密接な関わり合いがございます。まず、そこの辺をしっかりとお互い共有していきたいと思っております。 まず、今年の四月二十五日、政府の米国の関税措置に関する総合対策本部が発表いたしました米国関税措置を受けた緊急対応パッケージの中にも、実はこういう文言が入っております。下請法等改正法案の早期成立に向けて着実に取り組む、その上で、今般の関税措置による影響を受ける中小企業に対して、既に優先採択を行うことにしているものづくり補助金や新事業進出補助金に加え、中小企業の生産性向上に係る幅広い補助金についても優先採択を行っていくとされております。したがって、様々な、今回のトランプ関税と言われている様々な米国の関税政策の措置についても、この下請法は密接な関わり合いがあるという理解を皆さんも当然持っていらっしゃると思います。 と同時に、先日、アメリカとイギリスがこの関税の交渉で一定の合意を見ました。さらに、昨日の夕方、米国と中国でも、一一五%の関税、相互関税を互いに引き下げるというニュースが入ってまいりました。こういったことも踏まえて、経産大臣にまずお尋ねをいたします。 つまり、米英両国政府というのは貿易交渉の合意を発表いたしまして、例えば米国は、イギリス製の自動車の輸出について十万台まで税率を一〇%とすると、本来は二七・五%でしたけど。一方、イギリスは、英国は、ボーイング社の航空機百億ドル相当を購入するなどの内容になっております。また、米中でも閣僚級の会合が行われたのは昨日のニュースで皆様御存じのとおりでございます。 こういった情報を政府としてどのように把握し、また、総理も分析を始めると昨日のニュースでもおっしゃっていたようでございますけれども、武藤経産大臣におかれては、特にこの米英の合意、それから米中の合意、こういったものを受けてどのような対応、対策を考えていらっしゃるのか、まずお尋ねいたします。
○国務大臣(武藤容治君) 御質問いただきまして、ありがとうございます。 米国と第三国との間の協議状況、また合意内容について、その評価というものを逐一コメントすることは差し控えたいと思いますけれども、御指摘の英国、中国を含め各国と、各国の米国との協議状況、これはまさに注視をしているところであります。また、米国と英国が発表した合意内容については引き続き交渉がまだこれからも行われるものと承知をしているところで、今後、この合意内容の詳細ですとか両国の産業への影響等をしっかり精査をしながら、その上で、参考となる部分があるのかよく見極めていきたいと思っておるところであります。
○古賀之士君 交渉事ですのでなかなか一つ一つつまびらかにできないというのも理解できますが、一方で、やはり七月の九日といういわゆる日本と米国との相互関税のタイムリミットも当然あるわけですので、その辺を、もしよろしければ、また今から深掘りをさせていただきたいと思います。 それで、実は、通告をしておりませんけれども、四月の三十日と五月一日に開催されました日本銀行、日銀の金融政策決定会合における主な意見ということがつい先ほど公表されております。お手元には情報入っていないかもしれませんが、このように書いてあります。 その意見の中に、日銀の主な意見として、金融政策決定会合の中で、全体としては、米国の関税政策は、我が国の経済、物価のいずれにも下押し方向に働く。下押し方向に働く。それから、これまでの見通しは、米国の関税政策によって大きく揺るがされている。米国の関税引上げは、我が国の経済と物価を下押しする。それは、我が国の輸出を下押しするだけではなく、貿易の縮小を媒介として、世界経済全体を下押しするためである。米国の関税政策は、物価の項目に変えると、こういうことも書いてあります。我が国経済を貿易面、コンフィデンス面から下押しすると、下押すと考えられる。物価面では経済の減速とサプライチェーンの混乱という上下双方向の要因があるが、いずれも賃金面ではマイナス要因となり得るため、基調的な物価には下押し要因となる可能性が高いと。 こういうふうに、米国の関税政策に関するだけでも、今日の午前九時発表、公表になったかと思いますが、四月三十日と五月一日の日銀の政策決定会合における主な意見の中の一部ですけれども、紹介させていただきました。 この方向性、このベクトルというのは、経産省や武藤大臣のお考えとも一致するという理解でまずよろしいでしょうか。
○国務大臣(武藤容治君) 委員おっしゃられるように、今年の経済情勢というものが、私どもとしては賃金を何とか物価を上回る水準に持っていかなきゃいけないという思いで去年からずっとやってきているわけですけれども、今回、関税がこういう形で発動されまして、今回こういう意味で、米中そして米英という形、そして今の日銀の予想というものもある意味で承知をしておるところであります。 まさに、我々としてもしっかり、この影響が行かないように、何とか物価を上回る賃金というものを、この前も私も業界の代表の方々にもお会いをしてお願いをしましたし、またこれもフォローアップしながら今の現状というものをしっかりと浸透していくように、ここのまた下請法の改正もあり、何とかこういう形で物価を上回る賃金というものができるような価格転嫁というものを更に深掘りしていかなきゃいけないという思いであります。 したがって、日銀の情報もまた精査していきますけれども、物価に対する影響というものは、これは私どもとしては承知、認識しているところであると思っています。
○古賀之士君 精査はこれからになるということでございますけれども、ただ、基本的には、やはり今の米国の関税政策というのは様々な面で下押し要因になるという意見が大勢を占めているということが言えるかと思いますので、是非その辺をしっかりと精査していただいた上で、今後の取組に反映させていただければと思っております。 ちなみに、次は内閣官房にお尋ねをいたしますけれども、前回の日米交渉の二回目ですね、これは、日本側が赤澤大臣がお一人だったのに対して、写真を見ますと、アメリカ側はベッセント財務長官、ラトニック商務長官、グリア通商代表と三人でございました。 これ、なぜ一対三なのかというちょっと素朴な疑問がありまして、米側が三人であることを内閣官房さんは事前に知っていたんでしょうか。我が国が一人というのは何か理由があるんでしょうか。この辺をまずお尋ねいたします。よろしくお願いします。
○政府参考人(桐山伸夫君) お答え申し上げます。 まず、本年四月七日に石破内閣総理大臣とトランプ大統領との間で電話会談が行われまして、日米双方におきまして担当閣僚を指名して協議を続けていくということになったところでございます。これを受けまして、我が国では赤澤大臣が米国との協議の担当閣僚として指名されましたので、赤澤大臣が米国との協議に対応しているところでございます。 米国側の体制の詳細につきましては我が国としてコメントする立場にはございませんが、米国との協議に際しましては、関係省庁が赤澤大臣を幅広くサポートしまして、十全な準備を行っております。引き続き、政府一丸となって最優先かつ全力で取り組んでまいる考えでございます。
○古賀之士君 そこでお尋ねしたいのが、米国側が三人の体制ですよね。当然、ある程度の想像は付くんですけれども、財務長官、商務長官、通商代表と、この三人体制の役割の分担というのはどのように把握していらっしゃるんでしょうか。また、交渉過程や決定のメカニズムというようなものが、交渉事ではあるとは思いますけれども、教えていただけないでしょうか。
○政府参考人(桐山伸夫君) お答え申し上げます。 一部繰り返しにもなりますけれども、アメリカ側、米国側の体制の詳細等につきましては、我が国としてはコメントする立場にはございません。日米間の協議の詳細につきましては、事前の米国とのやり取り含めまして、これも外交上のやり取りでございますので、つまびらかにすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○古賀之士君 それで国民の皆さんたちが不安にならなければいいんですけれども、せめて役割の分担は、御発言も米国側もおありになるわけですから、こういった大まかな役割として米国側がどういったものを持っているのか、それに対してどういう対応を行っているのか。 逆に言うと、ちょっとこれは通告をしていない部分もあるんですけれども、考えられるとすれば、複数のアメリカ側の対応者が出ているということは、日本側も複数必要な部分というのはないんだろうかとも思ったりはするんですけれども、これは突然の質問で大変恐縮ですけれども、現状ではお一人の担当大臣で大丈夫だという認識で行動されているということでしょうか。確認ですが、お願いします。
○政府参考人(桐山伸夫君) お答え申し上げます。 これにつきましても、先ほど申し上げましたところではございますけれども、アメリカ、米国との関税措置に関する米国との協議に際しましては、関係省庁が赤澤大臣を幅広くサポートする体制でございまして、十全に準備を行って臨んでおります。先般の協議におきましても、約百三十分にわたりまして時間を掛けて非常に突っ込んだ話ができたところでございます。 このように、十全な準備の上で、言うべきことは言うということも含めましてしっかりと協議に対応しておりまして、現状の体制で弱いといった考えはございません。
○古賀之士君 個人的には重大な懸念を感じている部分があるからでございます。 というのは、例えば、米国は四月の二十九日、自動車、自動車部品の関税修正と追加関税の重複適用の調整を公表しております。内容は、これ極めて複雑なんです。米国内で組み立てられた自動車について、その価値の一五%を占める自動車部品に対する関税を一年間の減免、二年目は一〇%に相当する自動車部品の関税を免除。具体的に言うと、今年の令和七年、西暦二〇二五年四月三日から来年の四月三十日の間は、米国で組み立てられた全ての自動車の製造者希望小売価格の合計額の三・七%に相当する輸入調整相殺額を受け取れると。なかなか一回では理解ができないです。そして、来年の五月の一日から再来年の四月三十日の間は、これ二・五%に相当する輸入調整相殺額を受け取れると。また、追加関税の重複適用の調整については、自動車及び自動車部品に関する追加関税の対象物品には、対カナダ、対メキシコの追加関税に鉄鋼、アルミ追加関税は課さない。もう何が何だかだんだん分からなくなってくると思います。さらに、必要な手続変更は今年の五月十六日までに実施。三月三日以降に輸入されたものについては、つまりもう始まっているものに対しては遡って適用するという、もう難解、複雑、どうしたらいいのという状況でございます。 で、懸念というのは当然出てきたわけです。日本企業はカナダやメキシコにも御存じのようにサプライチェーンを展開中ですし、米国の通関現場では、一連のトランプ関税の結果、理不尽なと言ったら言い過ぎかもしれませんが、そういう対応を余儀なくされていないんだろうかという心配も出てくるわけでございます、懸念が出てくるわけです。 複雑怪奇なこの税制、税率のために、通関処理日数が大幅に増加しているとか、面倒なので多少高額でも早く通関できる申請を選択しているとか、先行き不透明なので一時的に輸出量を減らすとかあるいは停止しているとか、こういったことが起きているのかいないのかというこういった現状把握をしていくだけでも、これかなり、かなり専門的にやっていかないと、一つ一つの交渉事はかなり大変になるかという理解を持っております。 そこでお尋ねなんですけれども、経産省さん、その辺についての懸念、私の懸念は払拭していただけたら大変有り難いんですが、お願いします。
○政府参考人(田中一成君) お答え申し上げます。 四月三日に完成車に対する関税が、今月三日には自動車部品に対する関税が発動されまして、さらに、四月二十九日には委員御指摘の自動車部品追加関税の減免措置、こういうものが大統領令で出されたところでございます。 経済産業省としましては、随時自動車メーカーなどに対してヒアリングを実施しておりまして、そこでは、今般の措置による大きな通関手続の遅れや滞りがあるといった声はこれまで聞こえてきておりません。一方で、現時点においては、幾つかの手続の詳細、例えば日本から輸入される自動車部品に係る関税の減免などの手続の詳細は明らかになっていないと承知しております。 今後とも、自動車メーカーなどにもヒアリングを随時行いながら、米国当局の動向や関税措置の影響について引き続き現場の声を把握してまいりたいと考えております。
○古賀之士君 是非、国税の皆さんたち、税関ですね、税関の皆さんたちのやはり現場の意見もしっかりと聞き取りなども行って、その辺が問題が生じていたりすれば速やかにその対応を取っていただくようお願いをいたします。 日本とそれから米国の関税政策のディール、いわゆる取引の中で注目をされているのがアラスカのLNG開発についてでございます。 まず、資源エネルギー庁にお尋ねをいたします。 トランプ政権の目指すアラスカのLNG開発の概略として、どのようなプランだと把握していらっしゃいますか。で、我が国にどのようなメリットあるいはデメリットがあるのか、資源エネルギー庁、お答えをお願いします。
○政府参考人(和久田肇君) お答え申し上げます。 まず、アラスカのLNGプロジェクトでございますけれども、アラスカ州の北部の既存のガス田から南部に向けまして新たに約千三百キロに及ぶガスパイプラインを敷設しまして、南部で約年間最大二千万トンの液化天然ガスを生産、輸出するプロジェクトであるというふうに承知をしてございます。また、アラスカガス開発公社の公表によりますと、パイプライン事業につきましては、二〇二五年の最終投資決定が期待されているというふうに承知をしてございます。 このプロジェクトにつきましては、我が国にとって、競争力の高いLNG供給が増加すれば、供給源の多角化に貢献すると。その一方で、長距離のパイプラインの建設等、今後難しい課題を解決していく必要があるというふうに認識をしてございます。 いずれにいたしましても、我が国のメリット、デメリットの検討に当たりましては、パイプラインの建設動向など、詳細について米国関係者からよく状況を伺う必要があるというふうに認識をしてございます。
○古賀之士君 ありがとうございます。 確かに、アラスカはアラスカでもかなり北の方で、しかもそのパイプラインは千三百キロという今お答えがありました。東京から鹿児島ぐらいまでなるんでしょうか。相当な長距離です。 ただ、それをやろうということも、実は今に始まったことではなくて、相当前にもこのパイプラインの計画というのが一回あって、そして立ち消えになったという経緯も詳しい方は御存じかと思います。 なぜまたこれが出てきたのかというと、一つは、例えばそういうアラスカの北方にあるLNGを活用する上で、例えば船を使ったりすると、それこそパナマ運河を通ったりとか、あるいは南米をもっとこうしてアジア、オセアニアの方に運ばなきゃいけないとかいうことを考えると、さあ、もしかするといいんじゃないだろうかというのが一つあるのではないかと。 もう一つは、いわゆる化石燃料であるところの石炭、これと比較をしてLNGというのはどうなんだというようなところも含めて、これが恐らく交渉のテーブルにのってきている部分はあるんじゃないかと思っています。 そこでお尋ねなんですけれども、さらに、これは資源エネルギー庁だと思うんですが、第七次エネルギー基本計画で示されましたこれ複数のシナリオの中で、今回のアラスカのLNGを生かせる役割など、どこか活路といいますか、光といいますか、こういったものがあるのかどうかちょっとお尋ねしますが、お答えいただけないでしょうか。
○政府参考人(和久田肇君) お答え申し上げます。 まず、二〇四〇年度のエネルギー需給見通し公表してございますけれども、この中では、二〇四〇年、温室効果ガス七三%削減を前提にいたしまして、再エネ、水素、CCSなどの分野において技術革新が実現することを想定した上で将来のエネルギー需給の姿を一定の幅でお示ししているところでございます。 御指摘もございました、いわゆるリスクシナリオと呼んでおりますけれども、これにつきましては、その二〇四〇年度時点で脱炭素技術の開発が期待されたほど進展せず、コスト低減等が十分進まないような事態におきましても、エネルギーの安定供給を確保するべく、参考値としての技術進展シナリオをお示ししたものでございます。このシナリオにおきましては、天然ガスの一次エネルギー供給量は七千四百万トン程度と見積もられておりまして、現状よりも増えるということでございます。 私どもといたしまして、このような場合におきましてもエネルギーの安定供給を確保するために、地理的な近接性、それから資源国との中長期的な協力関係などを総合的に判断をいたしまして、LNGの供給源の多角化をしていく必要があると考えてございます。この際、競争力の高い米国のLNGの供給増加につきましては、これは供給源の多角化に貢献する可能性があると考えてございます。 今後、具体的なプロジェクトの経済性、供給開始時期、供給量などを官民で精査することが必要だと考えてございます。
○古賀之士君 ありがとうございます。 そこで、武藤経産大臣にお尋ねしたいんですけれども、ベッセント長官は四月初旬のアメリカのCNBCの取材においてこう言っています。日本や、恐らく韓国、台湾が多くの資金を提供する、そうすれば関税引下げの代わりになるかもしれないとの発言なんですね。 アラスカのLNG開発の投資というので、例えばの話ですが、日本の自動車産業や基幹産業をしっかりと守っていくというこれ発想は、武藤大臣の中におありになるんでしょうか。
○国務大臣(武藤容治君) LNGの位置付けにつきましては、今事務方の方からもお答えしたとおりであります。 私からすると、この今のアメリカのベッセントの御発言も含めて、アラスカのLNG開発に関して、具体的な検討内容ですとか米国とどのような議論を行っているかについては、外交上のやり取りでありますのでお答えは差し控えなきゃいけないとは思いますが、引き続き、あらゆる選択肢の中で、我々としては、何が日本の国益に資するのか、何が最も効果的なのかというところをしっかり考えながら取り組んでまいらなきゃいけないということだろうというふうに認識しているところであります。
○古賀之士君 全ての選択肢は否定はしないという理解だと今思っております。 では、次の質問です。 LNG開発の投資というのが一つ俎上に上っていますが、昨日の報道にもありましたが、我が国は米国側に対して日米造船黄金時代計画という提案をしているというような報道が出ております。いわゆる米国の造船業の再興に向けて、修繕能力の拡大、サプライチェーンの強化、また北極圏などで使われる砕氷船での協力など、これ実際に、この日米造船黄金時代計画というのはどのような内容で、米国側の受け止めはこれまでどのような感じになっているのか、米国側の受け止めも含めて今の現状を、内閣官房ですね、伺います。よろしくお願いします。
○政府参考人(桐山伸夫君) お答え申し上げます。 御指摘の報道につきましては承知してございますが、協議の内容の詳細につきましては、外交上のやり取りでございますので、つまびらかにすることは差し控えさせていただきたいと思います。 いずれにしましても、何が日本の国益に資するのか、あらゆる選択肢の中で何が最も効果的なのかを考えながら取り組んでまいることとしております。
○古賀之士君 この日米造船黄金時代計画というのの詳細が私たち国民にはまだよく分からない部分もございますが、そこで一つ提案がございます。 実は、私は、各委員の中にも入っていらっしゃる方いるかもしれませんが、超党派の私は病院船議連という中に所属をしております、入っています。これはどういうことかというと、海洋国日本にあって、いわゆる病院船がないんですね。あるいは、災害国日本にあって病院船がないんですね。 御存じのように、米国には、これはアメリカの海軍が持っていますけれども、タンカーを改造した大型の病院船を持っています。と同時に、今、次世代型の病院船も設計しているとか建造する予定であるという情報も入ってきています。これはどういうものかというと、タンカーを改造する大型なものではなくて、双胴船という船がありますが、これ三胴船、三つの胴体をくっつけたような形で、しかも、それにジェットエンジン付けるんですね。つまり、スピード感を持った病院船。そして、規模はタンカーほど大きくはないんですけれども、即時性やそれから緊急性を重視したというものにある程度特化していくという次世代型の船を、現状、私が入ってきている情報の中では、アメリカは今三隻造ろうとしています。言ってみれば、病院船においてはトップランナーの一つと言ってもいいと思うんですね。 我が国の造船技術は、御存じのとおり、大変すばらしいものがあります。こことうまくミックスして、日本のこの黄金時代の造船計画というものの中に是非盛り込んでいただきたいというのが私の提案です。 もう記憶に新しいところですが、例えば能登半島の地震のときに、陸地からがなかなか救援物資が届かない、陸路が遮断されてしまった、だからこそ海の方から行けたらいいのにねというような御意見もいっぱいありました。それから、東日本大震災のときもそうです。海に面していましたので、逆に言うと、薬を運んだりするのに、物資を運んだりするのにどうしても陸路では限界があるので、それを海上から運んだという実績もあります。 やはり日本の、先ほど申し上げた海洋国あるいは災害国の日本にあって、やはり一隻も病院船がないというのは、正直お寒いというか寂しい限りだと個人的には思っております。なので、是非、こういう造船計画の一端の中で、例えば設計をもらって日本で造るという考え方もあるでしょうし、あるいは、それを日本がしっかりとメンテナンスをしていくというものにお金を払っていくということもあるでしょうし、そういう、それこそウィン・ウィンの交渉事として是非俎上に上げていただけたらいいかと思っております。 この辺に関してもし御所見がありましたら伺いたいんですが、いかがでしょうか、大臣。
○国務大臣(武藤容治君) 病院船、たしか私、議連には入っていなかったと思いますけれども、所管官庁と相談をしながら、その委員の問題意識は共有しているところであります。
○古賀之士君 是非よろしくお願いします。 そういった意味での海上の日本のやっぱり危機管理や、あるいはコロナのときもそうでした、病院船があったらなというような声もありました。やはり、いろいろな使われ方、大型のタンカーであれば接岸するところも限りがあるかもしれませんが、今米国が次期造ろうとしている三胴船という中規模のものであれば停泊できる港も増えてくると思いますし、また離島の振興にもつながってくるかもしれません。様々な活用の仕方が安全保障上も含めて出てくるかと思いますので、是非参考にしていただければと思いますし、できれば是非活用していただけたらいいと思っております。 それでは、済みません、お時間が迫ってまいりました。でも、今のところ、こういったお話が全てやはり今回の中小企業の支援や、それから価格転嫁や、それから賃上げに最終的には結び付いていくというのはどうぞ御理解いただきたいと思っております。 そこで、日米交渉というのはスケジュール的に、これ伺っておきたいんですけれども、今後どのような見通しなんでしょうか。ちなみに、六月、経産大臣に伺いますが、カナダではG7、七月には参議院選挙も予定されております。そして、その七月には、日本とのまだ解決に至っていない相互関税の発動が七月の九日に予定されています。こういうスケジュール感でいくと、時間は、日本とアメリカ、どちらに味方をしてくれるんでしょうか。様々な考え方があるかと思いますが、現時点での武藤経産大臣のお考えを教えてください。
○国務大臣(武藤容治君) 先般の赤澤大臣訪米時には、事務レベルで集中的な協議を行った上で、次回の閣僚間の協議ですが、これを五月中旬以降、集中的に実施すべく日程調整をしていくことで一致をしたところであります。 重要なことは、スケジュールありきではないんですが、日米双方にとって利益のある、利益となる合意を実現することであると認識しているところです。早期に合意することを優先する余り日本の国益を損なうものであってはならないんだということも思いますし、日本の国益をしっかり守りながら、できるだけ早く日米双方にとって良い結果を出すべく、引き続き政府一丸となって最優先かつ全力で取り組んでいかなければいけない課題であると思っております。
○古賀之士君 その上では、先月、四月の十八日になりますが、立憲民主党では、トランプ関税対策第一弾として中小企業の資金繰り支援策を発表しております。トランプ関税により大きな影響が出ることが想定される中小企業や製造業の資金繰りを支えるため、リーマン・ショック後の金融モラトリアム法の復活、コロナ禍のゼロゼロ融資、この再開の実現、それから雇用を維持する企業を支援するため、雇用調整助成金の要件をコロナ禍並みに緩和することなどが盛り込まれております。是非、この辺も含めてしっかりと現状を把握されて対応を、対策を練っていただけたらと思っております。 そして、伊東大臣、大変お待たせをいたしました。下請法の改正案について、趣旨説明によりますと、この改正案は、協議を適切に行わない代金額の決定の禁止、それから規制及び支援の対象となる事業者の範囲の拡大が核心部分と考えます。 それでは、サプライチェーン全体で適正な価格転嫁を定着させることや、我が国の雇用の七割を占める中小企業が物価上昇に負けない賃上げの原資を確保することにするということが改正案にとってどのような位置付けになるのか、伊東大臣に御答弁願います。
○国務大臣(伊東良孝君) ただいま委員がお示しされました、サプライチェーン全体で適正な、適切な価格転嫁を定着させる、また我が国の雇用の七割を占める中小企業が物価上昇に負けない賃上げの原資を確保するようになる、これはもう今回の改正法案の目的であります。 これを実現させるべく、改正法案には発注者による一方的な代金決定の禁止や法の適用対象の拡大といった事項を盛り込んでいるところであり、今回の改正によりまして、価格転嫁、取引適正化を更に徹底してまいりたいと、このように考えているところでございます。
○古賀之士君 時間になりましたので結びますが、いわゆるこの下請法の改正は、究極のところ、しっかりと価格転嫁ができる、そして賃上げに結び付くのかどうか、この辺を次回、木曜日にしっかりと深掘りさせていただきたいと考えております。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○村田享子君 どうも皆様、御安全に。今日もよろしくお願いします。立憲民主・社民の村田享子です。 〔委員長退席、理事古賀之士君着席〕 今日は、法案の審議に入る前に、昨日の衆議院の予算委員会でも議論になっておりましたが、五月の二日、秋田市の海浜公園で風力発電の風車のブレード、羽根が落下をする事故が起きました。この件について私もお聞きをしたいと思います。 この件、落下をした羽根の近くで男性の方が倒れているのが発見をされて、その後お亡くなりになられたとのことで、本当に心からお悔やみを申し上げます。 現在、この事故の調査状況、原因も含めてどうなっているのか、経産省から報告を求めます。
○政府参考人(湯本啓市君) お答え申し上げます。 経済産業省におきましては、御指摘の事故発生後、直ちに風車の設置者に対しまして原因究明や再発防止等を指示しておりまして、あわせて、現地に職員を派遣して原因究明を進めているところでございます。 現在まで原因の方はまだ明らかになっておりませんけれども、風車の設置者におきましては、当省からの指示を踏まえまして、メンテナンス事業者、風車メーカー、それから外部の専門家を含めた調査チームの方を立ち上げておりまして、現在事故の原因究明を行っているところでございます。
○村田享子君 今原因究明を行っているということですが、今回事故が起こった風力発電のこの発電ですね、風車、結構日本でもほかの場所でも使われているのではないかという指摘がございます。 今回の事故が起こったこの風力発電、ドイツのエネルコン社製の、機種でいうとEの82というものが今回事故を起こしたという。この同じ風力発電、国内で何基、現在使われているでしょうか。
○政府参考人(湯本啓市君) お答え申し上げます。 今回事故が発生しました御指摘のエネルコン社製の風車でございますが、これと同型の風車につきましては現在国内に二百八十七基施設されるということでございます。
○村田享子君 今御答弁ありましたが、国内で二百八十七基ということで、かなりの数使われております。 こちら、この風力発電、これ元々ドイツ社製のものになるんですけれども、こちらの日本で代理店というか保守点検をされている株式会社日立パワーソリューションズの会社の方のデータからも、国内でどんな場所にこの風力発電が納入されているかというのは見られるようになっているということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(湯本啓市君) 御指摘のとおりでございます。 日立パワーソリューションズ社のホームページの方で公開されておりまして、こちらで設置されている箇所を含めて確認ができる状況でございます。
○村田享子君 こちら、納入の場所を細かく書いていまして、北海道、鹿児島県、市町の名前の方まで載っております。 私の地元、鹿児島になりますが、その私の地元鹿児島の方でも同様の機種のものが使われております。今回使われている中、鹿児島県に薩摩川内市という市があるんですが、今回、この秋田の海浜公園でこの風力発電の風車のブレードが落下をされて男性の方がお亡くなりになられた、この因果関係については今警察の方で調査をされているということではあるんですが、そのブレードが落ちた近くで男性がお亡くなりになられたということで、やっぱりこの落下との何らかの関係性はあるんじゃないか。じゃ、風力発電のこの近くに何で男性の方がいらっしゃったのということでいうと、ここは秋田市の海浜公園だったということなんですよね。通常やっぱり風力発電、私もこのゴールデンウイークに東北の方を回らせていただきましたけど、山の方にあって遠くから風力発電を見るといったケースが多いんですが、今回の秋田市の海浜公園であったり、私の地元鹿児島県、この薩摩川内市は風力の公園というのが整備をされておりまして、地元の方が公園に行って、まさに真下からその風力発電を見られるように整備をされているそうなんです。 今回その事故が起きてしまった風力発電と同じ機種のものが鹿児島の薩摩川内市で公園として整備をされているということで、こちらについては御地元の風力発電事業者の判断で今公園の立入りは禁止というふうになっています。 どこに風力発電があるかというのはデータでも公表されているんですが、こうした形で公園の中に風力発電があって、もしかすると誰かが近くに行く可能性もあるんじゃないか。その点について全国でどれぐらいあるかというのは今経産省で把握はされておりますでしょうか。
○政府参考人(湯本啓市君) お答え申し上げます。 御指摘につきましては、今手元にはデータありませんけれども、次世代エネルギーパークといったような形でこうした風力発電設備とセットで施設されているような公園等もございますので、こういったものについては確認が可能かと思っております。
○村田享子君 今具体的な数字はないということなんですが、やっぱり同じようなことが起こるんじゃないかというのが御地元の皆さん、すごく御不安だと思います。 現在、このエネルコン社製のE82という機種で今回事故が起きたというのは分かっています。また、このエネルコン社製、ほかの機種についても全国で使われておりますので、トータルでいうと恐らく三百を超える同社製のものが入っているということで、このドイツのエネルコン社製の風力発電の利用であったり、今申し上げたその周辺の安全対策について、現在どのような方針でやられているんでしょうか。
○政府参考人(湯本啓市君) お答え申し上げます。 今般の事故を受けまして、メンテナンス事業者、今御指摘のありました日立パワーソリューションズ社でございますけれども、原因、事故原因が明らかになるまでの当面の対策といたしまして、事故と同型のE82につきましては、全ての風車の緊急点検を行うということにしてございます。経済産業省からも、この設置者に対しましては緊急点検への協力を行うように要請をしたところでございます。
○村田享子君 今、風車の緊急点検は要請されたということなんですが、先ほど伝えたその緊急点検とともに、そこに公園等が整備されていて、今、人が立ち入る可能性があるんじゃないかというのも至急点検すべきだと思いますが、ちょっと通告しておりませんが、大臣、いかがでしょうか。
○政府参考人(湯本啓市君) お答え申し上げます。 公園につきましては、まず、風車の設置者自身がまさに自主保安としてどういった対応をするかということが大事かと思っております。御指摘のありました九州の公園につきましても、風車の設置者の判断によりまして、風車そのものは今運転継続していると聞いておりますが、立入りの方を禁止したというふうに聞いております。この公園も、全部で十二基ある風車のうち一基が、ちょうどその周辺が公園になっているということですので、この公園へのアクセスを今禁止をしているというふうに考えております。 いずれにしましても、今申し上げた緊急点検への協力要請の方に対応していただいて、速やかに点検をしていただくということが一番大事かと思っております。
○理事(古賀之士君) 武藤経済産業大臣、よろしいですか。
○国務大臣(武藤容治君) もしあれでしたら。 この事故を受けて、私からも心から御冥福をお祈りしたいと思いますし、今後の対策についての御質問ということで、安全確保というのは、これはもう間違いなく、昨日の予算委員会でも私答弁させていただきましたけど、大前提であると思っています。 このため、今般の風車の緊急点検の進捗ですとか風車の設置者による原因究明の状況を確認するとともに、原因究明の過程で保安に関する新たな知見が得られた場合には随時情報提供を行ってまいります。さらに、今後、経済産業省の審議会においても、原因究明の結果を踏まえて必要な安全対策の検討を進めてまいります。 また、私どもとしても、引き続き、風車の設置者ですとか地元自治体とも緊密に連携をしながら、安全確保に万全を期してまいりたいというふうに思っております。
○村田享子君 今おっしゃっていただいたことはもう早急にやるべきだと思うんですが、その公園の件で、先ほどの参考人の御答弁の中で、やっぱり設置者の自主的な判断に、今回、鹿児島でいうと立入りを禁止したということで、今もうこの事故が起こってしまっている段階で、公園の立入りを禁止するというのを事業者の自主判断に任せるだけで本当にいいのかなと。今、国としてどれぐらい、そういった近くまで行けることのできる風力発電が何基あるのかというのも手元に数字がないということは、ちょっと私は今回の事件を本当に早急に対応されているのかなというふうに疑問に思ったんですが、その点いかがでしょうか。
○政府参考人(湯本啓市君) お答え申し上げます。 事故発生後から様々な問合せの方を地元の自治体からもいただいておりまして、我々、地方に産業保安監督部という出先を持っておりますが、こちらの方からの情報提供もしておりますし、自治体、あるいは県庁、こういったところとは緊密に情報をやり取りしながら、例えばそういった立入りの制限ですとか、必要な措置はそれぞれの公園の設置者の方でも御検討されているかと思いますので、引き続きこういった形で緊密に連携取っていきたいと思っております。
○村田享子君 自治体の方とも連携ということでお話ありましたが、こちら、五月の八日に秋田市長も経済産業省で、まさに審議官のところで御要請もされたというような報道も出ております。その面会を終えた市長のコメントとして、風車の運行、点検に関しては、今まで自治体が情報も含めて点検や安全状況、リプレースの状況、計画を把握する法的な仕組みはなかった、地域住民の命を預かる自治体としては、一定程度しっかり法的に担保された形で関わっていけることが望ましいといったこともおっしゃっているんですね。 〔理事古賀之士君退席、委員長着席〕 今、自治体と連携も取られているという話はあったんですけど、この市長のお話を聞くと、自治体が情報をなかなか把握できるような仕組みがないというふうにおっしゃっていまして、この点はいかがですか。
○政府参考人(湯本啓市君) お答え申し上げます。 まさに市長と面談した際にもそういったやり取りさせていただきましたけれども、規制のみならず、いわゆる推進ですね、新しい発電設備、風車を建設するような話に関しましても、いろんなやり取りを経産省としてもこれまでやってきたところでございますし、制度的にはまさに電気事業法という法律の中で規制をしておりますので、この中には地方自治体の関与はないわけですけれども、比較的そこの辺りのコミュニケーションはオープンにやらせていただいていますので、必要があればそういった情報提供はさせていただきたいというふうにお伝えをしたところでございます。
○村田享子君 今の答弁で確認ですが、現行の電気事業法では地方自治体とのそうした関わりについては規定がないということでよろしいですか。
○政府参考人(湯本啓市君) 御指摘のとおりでございます。
○村田享子君 風車を造る段階、今、国としても再生可能エネルギーを入れていこうと、それについては私も進めていくべきだと思っています。風力発電どうしていこうかという導入の段階では、いろいろ地域住民の方からもいろいろお声を聞いたり自治体とも連携されているというのも見ておりますけれども、今回のように、実際稼働が始まって、その中で事故が起きてしまった。やっぱり自治体の、今回の秋田市長のように、地元の住民の命を守らないといけないといったときに、やっぱり法的に今自治体が情報を把握できないというのはすごくやっぱり御不安になると思うんですよね。 日頃からコミュニケーションは取られているという話はあったんですけど、やっぱりちゃんと仕組みづくりをつくっていかないと、今回のような事故が起きたときに、恐らく今、本省の方でも各自治体との対応いろいろされていると思いますし、そうした意味でも仕組みをつくっていくということがやっぱり大事だと思うんですけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(湯本啓市君) お答え申し上げます。 まず、こうした事故を、保安に関わる事故が生じないようにしていくと、未然防止を徹底するということがまず大事だと思っております。そういった意味で、我々、規制を預かる部局としてしっかり責任を果たしていくということが大事だと思っています。 その上で、こうした事故が発生した場合の情報共有の在り方というのは、自治体もありますし、むしろ同じような設備、機器を持っていらっしゃる設置者の方々に対しても安全面についての注意喚起をするということも大事かと思いますので、情報提供の在り方については引き続きいろいろと検討していきたいというふうに考えております。
○村田享子君 今、警察で現場検証もされているということで、これから電気事業法に基づいて、設置者であったり、また有識者、また今回その風力発電を造った製造者、保守点検されている皆さん、そうした方にも入っていただいていろいろ検討もされるということなんです。現に同じ機種の風力発電が国内でこんなにたくさん動いているということですので、早急な対策を進めていただきたいということを申し上げたいと思います。 続いて、ちょっと私も米国の関税措置について、航空機について確認をさせてください。 報道の方で、米国が、航空機やエンジン、航空機向けの部品等の輸入について、国家安全保障に与える影響を調査始めたといったものがございました。五月一日の日米協議で航空機関連のやり取りはあったんでしょうか。
○政府参考人(田中一成君) お答え申し上げます。 米国との間では全ての米国の関税措置について協議を行っていると承知しておりますが、これ以上の詳細については、外交上のやり取りでありますので、つまびらかにすることは差し控えさせていただきます。 我々としては、引き続き、米国による一連の関税措置につきましてその見直しを強く求めていく必要があり、政府一丸となって最優先かつ全力で取り組んでまいります。
○村田享子君 この航空機なんですけれども、日本企業が多くの素材や部品を供給をしております。私も昨年、航空機の部品を作っている工場の見学させてもらったんですね。やっぱり航空機の製造って物すごく安全の基準が厳しい、安全認証といった制度もございます。それを日本企業の皆さん、もうクリアをされて、しかもメーカーの皆さんからいろいろ厳しいチェックも随時入っていく、それにも対応される。なおかつ、皆様御承知のとおり、コロナ禍で本当に航空機にまつわる産業の皆さん苦しかったんです。ようやくコロナが明けて、だんだんと注文が入ってきたねというところで今回の報道があって、物すごくこの航空機産業で働く皆さんが心配をされております。 まだこれ、関税どうなるかというのは決まっていないところですけれども、航空機関連の関税等が導入された場合の日本への影響、どう認識されているでしょうか。
○政府参考人(田中一成君) お答え申し上げます。 航空機の製造、これグローバルに分業する体制で行われておりまして、日米の航空機産業界もこれまで密接に連携して事業を行ってきております。また、関税は基本的に米国の輸入者が負担することが多いことや、航空機の製造においては、委員御指摘のとおり、これ航空当局の厳しい認証を経る必要がありまして、このサプライヤーを切り替えることは容易ではありません。 こういったことなどから、現時点では直ちに影響、直接的な影響が出る可能性は低いと考えておりますが、今後とも引き続き状況の把握を適切に行ってまいりたいと考えております。
○村田享子君 航空機関連の関税措置、こちらの導入も阻止すべきだと思いますし、仮にもし関税措置が導入された場合も国内企業向けの支援、こちら裾野の広い産業ですので、自動車産業、そのほかの産業とともに是非やっていただきたいです。その点、お聞かせください。
○政府参考人(田中一成君) お答え申し上げます。 米国による一連の関税措置、これ極めて遺憾でありまして、引き続き措置の見直しを求めてまいります。 航空機関連に関しましても、これ今、相互関税、これ除外の対象となって含まれておりませんので、現時点においてはこの相互関税一〇%を課せられるとは認識しておりますけれども、その上で、国内企業の支援につきましては、これ一般論でございますけれども、広範に影響が及ぶ可能性があることから、全国千か所に設置した相談窓口、プッシュ型での現状把握、国内産業の現場に生じる現況の把握を進めておりまして、これ、航空機産業につきましても、大串経済産業副大臣が航空サプライヤーの現場を訪問してヒアリングを行うなど状況把握を行っております。 これまで企業からは、今後の見通しの不透明さや不安や将来の米国向けの販売減少等の懸念など、様々な声をいただいておりまして、こうした声も踏まえまして、四月二十五日の、政府として五本柱の米国関税措置を受けた緊急対応パッケージを決定したところでございます。このパッケージに基づき、支援に万全を期することとしております。
○村田享子君 是非ともよろしくお願いします。 今米国の関税措置の話させていただきましたが、ここから下請法の改正案についてお聞きをしたいんですけれども、衆議院でも議論ございました、こうした米国の関税措置が今後の価格転嫁にも影響を与えるのではないかという指摘ございます。 今回の法案の第五条で、協議において必要な説明又は情報の提供をしないことによる一方的な代金の額の決定を禁止するとございますが、受注者が、原材料、エネルギー、労務費上がっているんです、価格転嫁してくださいと申出をしたときに、発注者の方が、いや、今米国の関税措置があるかもしれないと、いろんなその影響も出てきていると、なのでちょっと今価格転嫁は難しいですといったことであったり、若しくは、発注者の方から、米国の関税措置の影響があるかもしれないからちょっと代金額を引き下げてもらえないか、そういったことを言うような交渉も予想されますし、実際そのような話ももう出てきているというようなこともちらほら聞いております。 この点について、この米国の関税措置による影響、これを理由として発注者、今申したような価格転嫁の申出を認めないとか代金額の引下げをするといったこと、今回の法改正で違反となるんでしょうか。
○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。 改正法案に盛り込んでおります協議に応じない一方的な代金決定の禁止規定、これにつきましては、価格協議の際に受注者が求めた事項につきまして、発注者が必要な説明や情報の提供を行わずに一方的に価格を押し付けることを禁止をするというものでございまして、実効的な協議が行われるということを確保することを目的として追加をしようとするものでございます。 この協議に応じない一方的な代金決定につきましては、実質的な協議を行わずに価格を決定するということでありますので、御指摘のようなケース、例えば米国の関税措置の影響が現在不透明だというような状況にありまして、例えば価格のコスト上昇等を踏まえまして引上げを申し入れたと。一方で、発注者は、具体的な説明を一切せずに価格を据え置くとか、一方的に引き下げるというような場合には実質的な協議が行われておるというふうに認められないケースもあると思いますので、このような場合には新たな禁止規定におきまして違反となるおそれがあるということでございます。
○村田享子君 今御答弁の中で、発注者から具体的な説明があるのか、実質的な協議を行っているのかというのを見ていくというものありました。 ですので、ちょっと確認になりますけど、今、米国の関税措置の影響がありそうだからちょっと価格転嫁には応じられないよ、こういったのはもう具体的だと言えるのか。若しくは、もう米国の関税措置の影響といっても、じゃ、それによって幾らでとか、いや、関税措置が何%になってうちの事業もみたいな、その辺のやっぱり数字まで出さないと具体的な説明とは言えないのか。その辺も是非しっかり答弁いただきたいんですけど。
○政府参考人(向井康二君) 具体的な事案につきまして、この規定に基づきまして違反するかどうかということにつきましては、やはり詳細な事実認定が必要でございます。 例えば、当該商品につきまして、関税の影響で例えばアメリカに輸出できないということで、今、受注が、発注ができないんだというような状況とか、いろんな状況があると思います。そういうのも踏まえまして全般的な協議を行っていただく。その結果、関税措置が不透明だというのみだけで価格を据え置く、そして一方的に引き下げるというような場合には、場合によっては、必要な説明をしているとか情報の提供をしているというふうに認められないというケースもある、あり得ると思いますので、そのような場合には、新たな禁止規定におきまして違反となるおそれが生じるということだと思います。
○村田享子君 今答弁の中でいうと、はっきりと米国の関税措置でもう輸出ができない、もう米国からの発注がない、だからちょっともう、まあ発注がそもそもないんだから価格転嫁も応じられないよ、これはもう具体的な説明だよねという理解でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(向井康二君) お答え申し上げます。 今の私が申し上げた事例につきましてはあくまで一つのケースということでございますので、実際に違反行為かどうかという場合につきましては更に幅広い事実認定が必要となるということでございますので、今のようなケースも違反になる可能性もあるかもしれませんが、場合によっては、ほかの事情等も配慮いたしますと、もしかすると必要な説明や情報の提供をしておるというふうに認められるケースもございますので、そこはケース・バイ・ケースの判断になるということだと思います。
○村田享子君 先ほどの御答弁の中でもう一つあって、米国の関税措置が不明瞭、米国の関税措置がまだよく分からないから、今の段階では価格転嫁認められないよねといったケースも御答弁の中であったと思うんですけど、関税措置がよく分からないからといった説明はやはり具体的ではないということで、違反になる可能性もあるという理解でよろしいですか。
○政府参考人(向井康二君) こちらもケース・バイ・ケースということだと思います。 一時的に不透明ではあるんですが、その状況がすぐに解消されて、例えば米国に輸出ができるようになるというような蓋然性が高いというような状況であれば、そういうものにつきましては、必要な情報や説明になっていないというケースもあろうかと思います。 ということで、例えば最終商品に使われる部品ですね、そういうものの製造委託をしているという場合には、その最終商品が今どういう状況にあるのかとか、そういうところも総合的に踏まえて判断をするということになりますので、ちょっと一概に、現在不透明だというところの説明だけでこの法律の規定に違反するかどうかという判断をするということはなかなか難しいということでございますが、違反になるケースもあり得るということだと思います。
○村田享子君 この法案が成立をした場合、今の施行期日でいうと来年の一月一日ということで、その頃この米国の関税の措置がどういった状況になるかというのも今の段階では見通せないものではございますが、やはりもう現場では、米国の関税措置どうなるの、その影響で発注どうなるの、価格転嫁できるのということになっていますので、今、やはりケース・バイ・ケースで具体的な事実認定しないといけないというのは理解をしています。 その上で、今回、運用基準にいろいろ書き込んで、形式的な協議は認めないようにするんだといったお話もございましたが、こうした米国の関税措置の関する協議についても、しっかり運用基準の中でこうしたケースはこうだよというのも書き込んでいかれるということ、いただくべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(向井康二君) 運用基準につきましては、違反行為につきまして、その考え方、そして具体的にどういうケースが違反になるのかということを示しているものでございます。これにつきましては、現在、まだ法案が成立していないということもございますので、成立した後には、その内容につきまして検討いたしまして、パブリックコメントを経て最終的な成案を得たいというふうに考えてございます。 現時点では、どういう事例を盛り込むかどうかということにつきましてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○村田享子君 米国の関税措置についてのところはやっぱり現場の皆さん知りたいところだと思いますので、しっかり運用基準に盛り込むべきだと申し上げます。 あわせて、この五条のところで、中小受託事業者の給付に関する費用の変動その他の事情が生じた場合というもの、文言がございますが、今現場の方からは、皆様のお取組もあって、製品そのものの価格転嫁については大分前と比べると話ができるようになったと。 一方で、副資材と呼ばれるものございます。この副資材、刃物だったり油だったり、生産活動をサポートするために使われる資材になります。これについての価格転嫁が進んでいないという声お聞きするんですが、この副資材の費用変動というのは下請法第五条に含まれるでしょうか。
○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。 改正法案では、委員御指摘のように、給付に関する費用の変動その他の事情が生じた場合において、協議を適切に行わずに一方的に代金を決定することを禁止することとしておりますが、この給付に関する費用の変動とは、給付を行うに当たって必要となるコストというものの変動が生じた場合を意味するということでございます。 御指摘のような副資材ですね、その副資材を使用して委託を受けた商品を作りますと、その商品のコストの中に副資材というものも影響をしておるということになりまして、例えばその副資材、御指摘のありましたような刃物とか油、こういうものが価格が上がりましたと、それがその部品の製造コストに占める割合が高いということでありますと、それを反映させた形で協議を申し入れると。 一方で、それに対しまして、その部分は面倒見ませんということで合理的な説明をせずに拒否をするということで、それを考慮しない形で一方的な代金を決定するということになりますと、このようなケースにおきましては、新しい規定に基づきまして違反というふうに認定されるケースもあろうかと存じます。
○村田享子君 今、副資材の中で、製造のコストの割合を示してという言葉ありましたが、これやっぱり受注者側として、副資材の価格が上がったよという話だけではなくて、この製品を作るためにどれぐらいこの副資材も使われているんだと、その割合も示していくことも必要だという理解でなるんでしょうか。
○政府参考人(向井康二君) あくまでもケース・バイ・ケースということでございまして、例えばその副資材がないともうその製品が作れないんだというようなケースであったり、その副資材は汎用性があってほかの部品にも使えるんだというようなケースもあると思いますので、一概にそれがその部品の製造のコストといたしましてどれぐらい反映するのかということについて説明する必要があるかどうかというのはケース・バイ・ケースでございますが、場合によっては、それがコストの中で大きな割合を占めているというものでありますと、当然それを反映しなければ、その給付に関する費用の変動その他の事情が考慮して価格の決定をしたというふうには認められないということになりますので、問題になるというふうに考えてございます。 必ずしも正確にどれぐらいのコストを示しているのかということを表す必要はないとは思いますが、ある程度の、発注者が参考になるような情報を提供するという方が協議はスムーズに進むというふうに考えております。
○村田享子君 この副資材と加えてもう一つ、価格転嫁が進んでいないというものに補給品がございます。こちらの補給品は市場に出た製品の修理に使われる部品ということで、量産するものではないんですね、小ロットで作るものなので。そういった補給品になるんですけど、この補給品の価格転嫁が進んでいないとか、少量生産である補給品にもかかわらず、量産単価、価格が安く、発注が行われるといった問題が起きています。 この点、下請法との関係でどうなっているでしょうか。
○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。 量産終了後のいわゆる補給品につきましては、こちらも適切な価格転嫁の取組の対象ということは大前提でございます。 そして、どのように取り組んでおるかということでございますが、現行の法律が禁止しております買いたたきというものにつきまして、運用基準におきましてどういうものが問題になっているかということを示しているわけでございますが、その中の一つといたしまして、例えば、発注者が受注者に製造委託している部品につきまして、量産期間が終了し、発注数量が大幅に減少しているにもかかわらず、単価を見直すことなく一方的に量産時の大量発注を前提とした単価で代金の額を定めるというようなものは買いたたきに該当し得るということで運用基準上明記をしておるところでございます。 そして、改正法では、給付に関する費用の変動その他の事情が生じた場合において協議を適切に行わない一方的な代金決定を禁止するということでございますので、今のようなケースですね、その量産が終わりましたと、そして補給品になりますと生産コスト、生産数量が大幅に減ると、そうすると一単位当たりの製造コストというのは高くなるわけでございますので、そういうことを発注者に情報提供いたしまして価格の引上げを求めたというにもかかわらず、それを受け入れないということになりますと、新しい規定でも、新しい規定に基づきまして違反になるということでございます。 このように、現行にある買いたたきの規制、そして新たに追加される規定に基づきまして、このような問題につきましては今後積極的に取り組んでいきたいと考えてございます。
○村田享子君 時間になりましたので、終わります。ありがとうございます。
○委員長(牧山ひろえ君) 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時九分休憩 ─────・───── 午後一時十分開会
○委員長(牧山ひろえ君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。午後もどうぞよろしくお願いいたします。 まず、伊東大臣に御質問させていただきたいというふうに思います。 この今回の審議されております下請法ですけれども、独禁法を補完する法律として昭和三十一年六月に制定されて、来年で制定から七十年という節目を迎えます。当時、昭和三十一年といいますと、朝鮮戦争の特需が終わって日本の経済不況が深刻化する中で、製造業の下請代金の支払遅延が社会的、経済的に大変大きな問題となる中で、下請事業者を保護する法律として制定されたと伺っております。その後、時代の要請に応える形で累次にわたる改正がなされてまいりました。 大臣から、この制定から七十年という節目を迎える下請法、これまで下請取引の公正化あるいは下請事業者の利益保護のために様々な役割を果たしてきたというふうに認識をしておりますけれども、どのように評価をされているのか、また、今回、大幅な改正を行うわけですけれども、この改正案についての意義と狙いについて、大臣から御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(伊東良孝君) 石川委員の御質問にお答えしてまいります。 本法律は、御指摘のとおり、約七十年前の昭和三十一年に制定をされた法律であります。本法制定当時は、支払遅延などのいわゆる下請いじめが多く見られるという状況にあった一方で、独占禁止法だけでは解決が難しく、これに簡易迅速に対応するために、優越的地位の濫用規制の補完法としてこの法律が制定されたものであります。公正取引委員会におきましては、これまで本法を積極的に運用してきたところであり、また、これまでも規制の範囲や内容を適時見直してきており、本法はその役割を十分に発揮してきたと評価をいたしております。 一方で、現在、近年の急激なコスト上昇を受け、発注者と受注者の対等な関係に基づきサプライチェーン全体で構造的な価格転嫁を定着させることが重要な課題となっており、今回、本法を見直すことによりまして、事業者間における価格転嫁及び取引の適正化を図るものであります。 以上でございます。
○石川博崇君 ありがとうございます。 七十年近くこの法律は適用されてきたわけですけれども、今回、下請という用語の見直しを行うことになりました。したがって、この法律の題名自体も改めるという内容になっております。これは、昨年の三月五日の参議院予算委員会におきまして、我が党、公明党の西田幹事長、西田実仁幹事長、当時参議院会長でありましたけれども、の予算委員会の質疑の中で、この下請という用語自体見直すべきではないかという質問をさせていただきました。取引先との関係性において上下関係を類推させるようなことについて、業界あるいは各種企業の皆様からもこの用語の見直しということが求められていた中で、その下請という用語の見直しを提案させていただいたものでございます。 公取委から、この下請法の題名の改正について、これまでの経緯について説明をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。 現行法における下請という用語は、受注者が発注者よりも下であり対等な立場にないかのような語感を与えるという指摘や、昨今では、取引当事者間の間でも親や下請という用語は使わず対等な立場で適切な取引を行おうという意識の高まりが見られるというふうに指摘があると承知しておるところでございます。また、このような意識の変化につきましては、委員御指摘のとおりでございまして、西田議員から御質問等が国会でもございました。 そういうものも踏まえまして、昨年ではありますが、公正取引委員会と中小企業庁で開催いたしました企業取引研究会におきまして、用語の変更につきましても見直しの重要な論点の一つといたしまして議論をしたところでございます。 今回の改正法案では、このような議論を踏まえまして、下請事業者を中小受託事業者とするなど従属的な意味合いを含まない用語に改め、あわせて、法律の題名を改めることによりまして、取引の適正化に向けた意識改革をより一層推進させたいと考えておるところでございます。
○石川博崇君 西田実仁幹事長の提案受け入れていただいたこと、高く評価をしたいというふうに思います。 その上で、今回、この下請法の題名ですが、改正されますれば、製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律という法律名に変わることになります。率直に申し上げて非常に長い法律名になっているなというふうに思っておりますし、また、この下請という用語を中小受託事業者という言い方に変えているわけですけれども、この中小という用語を使わなくても、あえて使わなくてもいいんではないかという意見もございますけれども、どのような理由でこのような題名になっているのか、御説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。 改正後の正式な法律名につきましては、委員御指摘のように、長いという御意見もいただいているところでありまして、実際の周知広報に当たりましては、例えば、中小受託取引適正化法、それを縮めまして取適法といったような分かりやすい通称も用いていきたいと考えておるところでございます。 また、中小という用語を使わなくてもよいのではないかという御指摘があったところでございますが、この法律の性格が独占禁止法の優越的地位の濫用規制を補完するものであり、取引上の立場が弱い受注者の利益保護を簡易迅速に図るということを目的としておるものでございます。 このような法律の趣旨を踏まえまして、この法律は、規模の格差のある事業者間の取引を対象としておることが明らかになりますように、下請事業者という用語を中小受託事業者に改めるというような経緯でございます。
○石川博崇君 長いということから、中小受託取引適正化法、通称取適法といったことを考えているという御説明がありましたが、取引適正化法という用語を使いたいと言っている割には、その題名の中には取引適正化という言葉が全く入っておりませんし、通称取適法という場合にもその本文、本文といいますか、その題名の本体の中に取の字も適の字も含まれていないわけで、正式名称と略称の関係において分かりにくさを感じてしまうという意見もありますけれども、この辺はどのように認識されていますでしょうか。
○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。 御指摘のとおり、法律の名称、正式名称には取引適正化という文言はないことは御指摘のとおりでございます。 一方で、この法律でございますが、第一条に目的があるわけでございます。それを見てみますと、委託事業者の中小受託事業者に対する取引を公正にすること、そして中小受託事業者の利益を保護することというものが目的とされておるところでございます。そして、法律の内容を見てみますと、委託事業者に対しましては、取引条件を明確化するという観点から、発注書面の交付義務、保存義務を課しておったり、買いたたき等の行為を禁止をするということでございます。 このような内容を見ますと、取引の適正化を促進する法律というふうに評価できるのではないかということでございまして、分かりやすい名前といたしまして通称を中小受託取引適正化法といたしまして、周知を図っていきたいと考えておるところでございます。 また、法律の正式名称につきましては、御参考まででございますが、例えば公正取引委員会が所管する法律の中にも、入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律というものがございますが、これは通称官製談合防止法、官談法と言われておりまして、こういう官製とかそういう言葉が入っていないものにつきましても、通称ということを付けることによりまして、分かりやすいネーミングといたしまして周知広報を図ってきているという例があるというところでございます。
○石川博崇君 ほかの法律でも法律の正式名称と略称で違いのあるものはあるという御説明だったかというふうに思います。 この取適法という略称ですが、衆議院では焼き鳥をイメージさせるんではないかといったような、そういった議論もあったようですけれども、七十年間、下請法という用語が定着してきた中で、この略称を変えて社会の中で定着させるというのは容易ではなかなかないのかなというふうに思っておりますので、周知広報を是非徹底していただきたいというふうに思います。 その上で、もう一方の法律、下請振興法、これについては受託中小企業振興法とすることになっておりますけれども、こちらの略称はどういうふうに考えているのかということと、それからもう一つ、法律名、この法律の中からは下請という用語は全て見直すことになるわけですけれども、予算事業として例えば下請Gメンとか下請一一〇番とか様々な事業をこれまでもやってきたわけでございます。こうした下請Gメン、取適Gメンということになるのかどうかを含めて、今の考え方を教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。 改正後の下請中小企業振興法の名前は、御指摘のとおり受託中小企業振興法となります。略称といたしましては、現時点では、例えば受託振興法や、これはまた現時点でも俗称を呼びならわしておりますけれども、更に短く振興法といった呼び方などがなじむのではないかというのが現時点の考えでございます。 また、御指摘いただきました下請Gメン、下請かけこみ寺等々の予算事業もございます。こういったものにつきましても、改正法の施行までに、できるだけ早く中小企業の方及び関係者の御意見もよく伺いながら、その役割を的確に表す名称につきまして検討し、発表してまいりたいと存じます。
○石川博崇君 ありがとうございます。 これまで下請法と下請振興法ということで、連動性が類推できる略称だったわけですけれども、今後は取適法と、今お話ありましたが、受託振興法ということで、簡潔に言うと、その関係性がなかなか類推しにくい二つの法律になってしまうのかなというふうにも思いますが、いずれにしても、この周知徹底、非常に大事だと思っておりますので、お願いをしたいと思います。 その上で、この法律上は下請という用語は全て見直されるわけですけれども、ほかの法律にも下請という言葉は数多く用いられております。 今日は国土交通省お越しいただいておりますけれども、例えば建設業法の中には、建設業自体はこの下請法の対象ではないわけですけれども、建設業法上も下請契約とか下請負人とかいった用語が用いられております。 この建設業法における下請という用語の見直しについて、やはり検討していくべきではないかというふうに思っております。建設業法自体、昨年に抜本的な改正をやったばかりということは、また順次、今施行が行われてきている状況ということ、今年の年末には標準労務費とか大きな期待されていることも動いているのは十分承知しておりますけれども、この建設業法における下請という用語の見直しについてどう検討していくのか、御答弁をお願いしたいと思います。
○政府参考人(堤洋介君) お答えいたします。 現行の下請法における下請事業者や親事業者という用語につきましては、先ほど公正取引委員会からの答弁がございましたが、上下関係、主従関係を意味するような語感を与えることなどから、今回見直しが行われるものと承知しております。 建設業法における下請という用語についてお尋ねがありましたが、昨今、建設業界におきましても、取引の相手方を協力会社やパートナーと呼称する動きが見られているところでございます。今回の下請法改正の趣旨も踏まえつつ、業界の意見も十分に伺った上で、建設業法における下請という用語の見直しについて必要な検討を行ってまいります。
○石川博崇君 必要な検討を行ってまいりたいということを明確に答弁いただきました。ありがとうございます。是非よろしくお願いしたいというふうに思います。 論点変えまして、今回の法律案におきましては、一方的な代金額の決定を禁止するということが盛り込まれることになりました。現行の下請法においてはいわゆる買いたたきが禁止されております。通常支払われる対価に比べて著しく低い下請代金を不当に定めることが禁止されております。 この新しく定める一方的な代金額の決定の禁止につきまして、パブコメでは、現状のいわゆる買いたたき規制においても価格決定プロセスも含めた総合的な判断をして買いたたきを禁止しているので、別の行為類型を新設することは屋上屋を架すものになるんではないかというような意見もありました。 現行法の買いたたきと、新設される協議を適切に行わない代金額の決定の禁止、この違いについて具体的に分かりやすく説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。 現行法の買いたたきの禁止規定は、市価に比べて著しく低い代金の額を不当に定めることや、従来の取引価格から著しく引き下げた代金の額を不当に設定することなど、価格水準に着目し規制をするものであります。 一方で、改正法案の新たに盛り込もうとしております協議に応じない一方的な代金決定の禁止規定、こちらについては、価格水準そのものではなく、価格決定に至る交渉プロセス、それに着目して規制をするというものでございます。例えば、市価の把握が困難な場合、従来の取引価格を据え置く行為、コスト上昇分を十分に反映できない少額な価格の引上げ行為、こういうものにつきましては従来の買いたたき規制というものでなかなか対処がしづらかったというものでございますが、新たな禁止規定ですと、交渉プロセスに着目するということで対処がより容易になるのではないかというふうに考えてございます。 委員御指摘のパブリックコメントにもありますように、屋上屋を重ねるようなものだという意見があるということも当方も承知しておるところでございますので、こうした規定の違いにつきましては、今後、運用基準等で分かりやすく説明をいたしまして周知を図ってまいりたいと考えてございます。
○石川博崇君 買いたたき規制というのは、不当に通常支払われる対価に比べて低い代金を定めることに対して、今物価上昇局面でもございます、そのときに、本来だったらもっと引き上げてもらわなければいけないものがそれほど引き上がらなかったということも含めて、交渉プロセスに着目して規制ができることになるということも含まれるのではないというふうに思っております。是非、この点も分かりやすく今後説明をしていただきたいと思います。 一方で、交渉プロセスに着目して規制を行うということですが、法律上は、必要な説明若しくは情報の提供をせずに一方的に製造委託等代金の額を決定することと書かれております。これ、そのまま読むと、必要な説明若しくは情報の提供を何らかの形で形式的にもしていれば、この代金の決定を一方的にしてもいいというふうに読めてしまうんですけれども、公取委からは、形式的な説明や情報提供でよいとはならないように運用基準やガイドラインに考え方を記載したいと考えていると答弁されておりますけれども、具体的にどのような説明であればいいのか、あるいはどのような情報提供をすればいいのか明確化していくことが大事だというふうに、改正法の実効性を高めるためには必要だと思いますけれども、どのような内容を運用基準、ガイドラインに定めることを考えているのか、御答弁をお願いしたいと思います。
○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。 改正法案の協議に応じない一方的な代金決定の規定では、価格協議の際、受注者が求めた事項につきまして発注者が必要な説明若しくは情報の提供を行わずに一方的に価格を押し付けることを禁止しておりまして、実効的な協議を確保するというものでございます。 受注者がどの事項について説明等を求めているかにもよって必要な説明や情報の提供の内容も変わるということでございまして、一概に申し上げることは、一般的に申し上げることは困難ではありますが、例えば、受注者が、コスト上昇分につきまして経済の実態が反映されていると考えられる公表資料、例えば春季労使交渉の妥結額やその上昇率、都道府県別の最低賃金やその上昇率というようなものを具体的な引上げの根拠といたしまして提示をしたと、それに基づいて代金の額の引上げを求めたというようなケースに対しまして、そういうコスト上昇の状況を踏まえた理由、それにつきまして一切答えずに、説明をせずに従来の価格を据え置いたり、僅かな上乗せだけにするというようなものがこういう必要な説明若しくは情報の提供をしないというものに該当するというふうに考えられるところでございます。 具体的な考え方につきましては、今後、改正法が成立いたしましたら、運用基準などによりまして可能な限り分かりやすくお示しするように検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○石川博崇君 是非、現場が混乱しないように、今おっしゃっていただいた例も含めて分かりやすく説明お願いできればというふうに思います。 続いて、手形払いの禁止についても質問させていただきたいと思います。 今回の改正によって、下請法の対象取引については手形払いを禁止するということになっております。元々この手形払いにつきましては、二〇二一年の三月に閣議決定された成長戦略実行計画で、五年後、つまり二〇二六年に、手形の利用廃止に向けた取組、二六年に手形の利用廃止をしていくべく取組を促進するとされておりました。全国銀行協会におきましても、令和八年度末、つまり二〇二七年三月をもって手形の交換業務を全て終了するということも公表しているところでございます。 このように、既に閣議決定され、そして全銀協も取組を進めている、道筋が定まっている中で、今回下請法における手形払いの禁止をあえて法改正をする理由というのをまず御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。 約束手形については、発注者が支払を繰り延べる効果があり、また割引率を受注者が負担させられるといった問題、紙である約束手形を取り扱うことによる紛失のリスクや、管理や取立てに伴うコストの問題があるということでございます。 この法律の対象取引においては、さらに、受注者は立場が弱く不利な条件を押し付けられやすい構造にあるということでありまして、その手形、約束手形の交付というものは受注者へのしわ寄せがより大きなものと認識をしておるということでございます。こうした認識の下、この法律におきましては、従来から割引困難な手形の交付というものを禁止してきているところでございます。割引困難な手形のサイトにつきましては、段階的に手形サイトの短縮を図ってきたところでありまして、昨年の十一月には、六十日を超えるものが割引困難な手形ということで、サイトの短縮を図ってきたということでございます。 委員御指摘のとおりでございまして、政府においては、約束手形につきまして、令和三年六月に閣議決定された成長戦略実行計画におきまして、五年後の利用廃止を目標と定めまして、産業界や金融業界と連携をして、五年後となる令和八年の利用廃止に向けた取組を進めてきたところではありますが、取引上の立場の弱い受注者へのしわ寄せを防止するために、これに先駆けまして、今回の法律改正におきまして、この法律の対象となる取引においては約束手形による支払を禁止をしたいということで提案をさせていただいておるというところでございます。
○石川博崇君 御説明ありがとうございます。 今日、金融庁にも来ていただいておりますけれども、先ほど申し上げましたとおり、全国銀行協会さんは、二〇二七年三月、令和八年度末に手形の交換業務を終了させるべく、様々な取組を行ってこられております。 これまでどのような取組を行ってきているのかの御説明とともに、この法律の施行期日、衆議院での修正が入って、来年の一月一日に施行するという修正がなされております。この施行期日との関係で何らかの影響があるのか、影響が出るとすればどのような対応が必要となるのか、併せて御説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(尾崎有君) お答えいたします。 全国銀行協会は、二〇二一年に、手形・小切手機能の全面的な電子化に向けた自主行動計画を策定いたしまして、二〇二六年度末までに紙の手形、小切手の交換枚数をゼロとする目標を掲げて事業者への周知活動等に取り組んでまいりました。 御指摘の本法律の施行期日との関係につきましては、金融業界の目標時期であります二〇二六年度末より前に本法律が施行されれば、本法律の対象となる手形払いが先行して廃止されるということになりますので、紙の手形、小切手の交換枚数をゼロとする目標の達成に貢献するということであるというふうに承知しております。 また、その本法律の施行期日が前倒しになることの影響につきましては、各金融機関が自主行動計画の目標達成に向けまして、既に事業者への電子的決済サービスの導入支援や資金繰り支援などに取り組んできておりますことから、全国銀行協会からは特段の混乱は生じないというふうに聞いております。 金融庁としては、引き続き関係省庁と連携しながら、金融業界における約束手形や小切手の全面的な電子化に向けた取組を促していきたいと考えております。
○石川博崇君 全国銀行協会で取り組んでいらっしゃる全面廃止のうち、この下請法に関わる手形払いについてが禁止されるということでございますが、施行日が衆議院の方で修正されて前倒しになっておりますので、その点も現場で混乱することのないように丁寧な対応を是非お願いしたいというふうに思います。 続いて、運送委託の取引対象への追加について御質問させていただきたいと思います。 いわゆる物流の二〇二四年問題の対応として、今回、取引適正化法の対象取引に製造等の目的物の引渡しに必要な運送の委託を追加することとなっております。元々、部品メーカーや卸売業者など発荷主と元請運送事業者との取引については独禁法に基づく物流特殊指定というものが平成十六年に行われ、これに基づいて対応がなされてまいりました。 まず、この独禁法に基づく物流特殊指定により規制されることとなった経緯についての説明をお願いしたいと思います。また、この平成十六年以降、この物流特殊指定による排除措置命令、警告、注意、どれぐらい実績があるのかについても御説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。 この法律が平成十五年に改正された際に、運送事業者の間の運送委託が役務提供委託としてこの法律の適用対象に追加をされたところでございます。しかしながら、その上流の取引であります荷主と運送事業者との間の運送委託、これにつきましては、この法律の対象となります構造というものが、その請負の請負、下請負とか再委託と言われているものでございまして、そういう構造とはちょっと違うのではないかということで役務提供委託というところに整理をされなかったという経緯でございます。 一方で、この問題に対して対処するために、独占禁止法に基づきまして、物流特殊指定と、正式名称は特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合の特定の不公正な取引方法ということで指定をしておるということでございます。 そして、公正取引委員会は、これまでに物流特殊指定の規定違反といたしまして排除措置命令を行ったことはございませんが、物流特殊指定の規定に違反する疑いのある行為について、事業者から申請のありました確約計画を認定した事案が一件、そして警告を行った事案が三件あるほか、平成二十八年度以降、毎年十数件程度の注意を行っておるところでございまして、個々の事案に応じまして適切な措置を講じておるというところでございます。
○石川博崇君 物流特殊指定が平成十六年に行われましたが、実際に排除措置命令が出されたのはゼロ件、そして、申請があった確約計画の認定、これが一件と、法的処分というのは非常に少ないという現状だというふうに思っております。 令和六年十二月に建物の給排水設備、冷暖房設備といった設備機器の卸売業を営む事業者に対して、今あった一件の申請があった確約計画の認定が行われた、これが法的処分としては初適用というふうにお聞きをしております。 余り多くのこうした法的措置がなされてこなかった理由についてどのように考えているのか、御説明をお願いします。
○政府参考人(大胡勝君) お答え申し上げます。 公正取引委員会は、物流特殊指定において問題となる荷主の行為について、早期是正や抑止を図ることが重要であるとの観点から、違反行為につながるおそれがある行為に対して速やかに注意等を行い対処するというふうにしてきたところでございます。その結果としまして、注意等の措置が多くなってきたのが現状でございます。 公正取引委員会としましては、今後も個々の事案に応じて適切な措置をとることにより、物流の取引の適正化に図ってまいりたいと考えております。
○石川博崇君 今の御説明は、法的措置に至る前に注意とか警告を行ってきたことによって是正を図ってきたという御説明ではないかというふうに思います。 そういった取組をしてきた中で、今回、製造等の目的物の引渡しに必要な運送委託、特定運送委託を対象として追加をすることとしておりますが、これが、いわゆる二〇二四年問題、荷役の強要であったりとか荷待ちの問題に対してどのような効果を生むことになるというふうに考えているのか、御説明をお願いします。
○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。 今回の改正法案におきまして特定運送委託を規制対象の取引として新たに追加をすることになりますと、独占禁止法に基づく行政処分と比べて簡易迅速な手続により法令違反を認定することが可能となりまして、勧告、公表といった行政指導によって、問題行為に対してより一層実効的な対処が可能になるというふうに考えてございます。 そのほか、発荷主に対しまして発注内容の明示がこの法律で義務付けられるということになりますので、運送事業者が行うべき業務内容が明確になるということであります。 さらには、国土交通省を始めといたしました事業所管省庁におきましても、問題行為に対しまして直接指導、助言ができるような規定が盛り込まれるということでありまして、関係省庁との間で執行連携の強化も図られるという点がございます。 このような改正によりまして、発荷主によります運送事業者に対する荷役や荷待ちの強要というような問題につきまして、この法律が成立いたしまして執行された暁には取引の適正化が図られるというような効果が期待できるというふうに考えております。
○石川博崇君 今回の法改正によって、より実効的な対応が可能になるという御答弁でございました。 そこで、念のため確認ですけれども、今回特定運送委託を追加するわけですが、これまで行ってきた独禁法上の物流特殊指定はどうなるのか。この指定が解除されることになるのか、それとも存続させて、今回の下請法、中小受託取引適正化法と並行して運用することになるのか。もし、仮に解除せずにこのまま使い続ける場合にはどのような使い分けをすることになるのか、御説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。 今回の改正法案では、特定運送委託、これにつきましては、販売や製造などの対象となる物品を顧客へ引き渡すための運送の委託、そういうものが規制対象取引に追加をされるということであります。 一方で、独占禁止法に基づきます物流特殊指定では、このような取引以外にも、例えば自社の拠点間での資材の運送や自社の販売する物品の工場から倉庫への運送、そういうものについても対象になっておりますし、さらには、その物品の保管の委託についても対象となっておるということでございます。このように対象範囲が異なっておるということでございます。 物流特殊指定の在り方や運用方法につきましては、物流分野全体の取引の適正化の観点から、この改正法案が成立した後検討してまいりたいと考えているわけでございますが、ただいま説明させていただいたように、荷主と物流事業者との取引につきましては特定運送委託に含まれない取引があるということも踏まえまして、物流特殊指定を廃止することは現時点では予定をしていないということでございます。 公正取引委員会といたしましては、特定運送委託についてはこの法律に基づきまして適切に対処すると、そして、それ以外の取引につきましては引き続き独占禁止法に基づく物流特殊指定を効率的かつ効果的に運用をするということで、荷主と物流事業者間の取引の適正化に向けて取り組んでまいりたいと考えてございます。
○石川博崇君 ありがとうございます。 新設しても規制対象にならない分野があるので、今後とも並行して独禁法上の物流特殊指定も運用していくという御答弁かというふうに思います。 続いて、今回の法改正の中で従業員基準を追加することになりました。現行では、規制対象となる取引の発注者を資本金で区分して、優越的地位にあるものとそうでないものということで区分しておりましたけれども、その資本金基準に加えて従業員数による基準を追加することとなっております。この理由として、これまでの資本金基準ではいわゆる下請法逃れがあったというふうにも言われていますけれども、具体的にどういう事例があったのかということをお聞きしたいというふうに思います。 また、今回新設する従業員基準ですけれども、製造委託等であれば三百人、また役務提供委託等であれば百人ということを基準にしておりますけれども、どういう理由でこの三百人、百人という従業員数になったのかも併せて伺いたいと思います。
○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。 現行法では、規制対象を画する基準といたしまして資本金という基準が設けられておるところでございます。しかし、この資本金基準に関しましては、例えば、事業規模は大きいものの資本金が少額である事業者が存在をすると、そういう問題のほか、近年、資本金制度の柔軟化や減資手続の緩和などにより、自ら資本金を減資する事業者が増加しておるというような状況も見られるということでございます。 加えて、受注者の方からは、取引先からこの法律の対象となる事業者とは取引をしないというふうに言われまして、この法律の対象とならないように資本金の増資を求められたというような声も寄せられておるところでございます。 このため、このような問題に対応するために、今般新たに従業員基準を導入することということで改正法の中に盛り込んでいるわけでございますが、資本金基準と同様に、中小企業基本法の中小企業者の範囲などを参考とするとともに、過去の違反行為事例における従業員数の状況、そういうものを踏まえまして、現在、製造委託では資本金基準は三億円ということで、それに対応するものといたしまして従業員基準が三百人、五千万円という資本金基準が設けられております役務提供委託というものにつきましては百人という基準を採用するというふうに考えているところでございます。
○石川博崇君 規制逃れをしっかり取り締まるためにも新たに従業員基準というものを設けることになったわけですけれども、このことが事業者に過度な負担にならないように配慮していくことも重要だというふうに思います。 すなわち、資本金であれば、法務局に行って登記簿を入手すれば相手の事業者の資本金の額というのは分かりますけれども、従業員の数というのは登記簿には記載されておりません。相手方事業者がどういう従業員数であるか、どのようにして調べるのか、その方法について想定していることを御答弁いただけますでしょうか。
○政府参考人(向井康二君) お答えします。 取引の相手方の従業員数を調べる方法については、例えば、相手方事業者のウェブサイト等の公表情報で確認をする、直接相手方に問い合わせることにより確認をするというような方法が想定されるということでございます。また、相手方に確認する場合には口頭で行うことも可能でありますが、トラブル防止の観点からは、例えば電子メールなど記録が残る方法で確認することが望ましいというふうに考えてございます。 なお、現行の資本金基準につきましても、事業者の皆様においては、必ずしも登記簿によって確認をするのではなく、先ほど申し上げましたように、相手方事業者のウェブサイト等の公表情報で確認をするとか直接相手方に問い合わせるというような確認方法も取っているというふうに承知しておるところでございます。
○石川博崇君 これまでもウェブ情報や直接相手方に確認をしているケースが多いので、従業員数についてもそれで確認ができるのではないかということでございます。 その上で、この従業員数について、法律案文上は常時使用する従業員の数とされております。この常時使用する従業員の数について中小企業庁のQアンドA見ますと、パート、アルバイト、派遣社員、契約社員、非正規社員及び出向者については個別に判断されると解されるというふうに書いてあります。 個別に判断されるということであれば、その常時使用する従業員何人なのか、従業員数が何人なのか、非常に現場で戸惑うのではないかというふうに思いますけれども、これらのパート、アルバイト等の方々についてはどのように考えていけばいいか、御答弁いただけますでしょうか。
○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。 この従業員の数、つまり常時使用する従業員の数といたしましては、製造委託等では三百人、役務提供委託等では百人と、中小企業基本法でなじみのある数値を採用しておりまして、具体的な解釈は、事業者に過度な負担が掛からず、従業員の数を容易に把握できるようにする必要があるというふうに考えておるところでございます。 常時使用する従業員の定義につきましては、今後、中小企業基本法を始めといたしました他法令における解釈も参考にしつつ、把握のしやすさについて実際の事業者の声も踏まえまして、取引当事者の規模を測るために適切な解釈、範囲を運用基準等において示していければというふうに考えておるところでございますが、現時点におきましては、例えばいわゆるパートやアルバイトといった雇用形態の方につきましても、常時使用すると言える場合には従業員数の算定の対象とするというふうに考えているところでございます。
○石川博崇君 是非、現場の事業者の負担軽減になるように取りまとめていただきたいと思います。 時間が来ましたので、残りの質問については後日行わせていただきます。ありがとうございました。
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻健史です。よろしくお願いいたします。 まず、ちょっと一つお断りで、申し訳ないんですけれども、相変わらずまだこの法律成立していませんので、ちょっとしゃべりやすい親会社と子会社、下請企業という言葉で議論をさせていただきます。 〔委員長退席、理事古賀之士君着席〕 それで、今日は主として、約束手形の、支払手段として約束手形を使うことを禁止するということについてお聞きしたいと思います。 私も長い間銀行員だったんですが、銀行員辞めて、二十五年前に辞めてからヘッジファンドの業界の方に移ったりしたもので、現在の銀行がどういう状況になっているかということはちょっと疎くなっているんですが、今なぜその約束手形が禁止の方向になっているかということは石川議員の質疑で大体理解いたしました。理解はしたんですが、本当にそれでいいのかなと、この方向がいいのかなという疑問は相変わらず残っておりますので、その辺についてお聞きしたいなというふうに思っています。 なぜかというと、割引手形ってそんなに悪いものなのかという疑問がありまして、実務界ではやっぱり必要なんじゃないかなと、こういう疑問があるわけですよ。確かに、銀行協会が、全国銀行協会が禁止の方向で動いているというふうに先ほども答弁ありましたけれども、私も、最初は日本の銀行に入って、その後、外銀に行きましたから日本の銀行のカルチャー分かりますけれども、日本の銀行って、やっぱり免許事業ですから極めてお上に弱いんですよね。お上が問答無用、何か言ってくれば、必ず、はいはいって聞かざるを得ないわけで、例えば、約束手形が非常にビジネスになると思うし、また取引が企業の間でも重要であると思っても、政府の方で決められちゃったら、はいはいで従うわけです。銀行サイドとしてはきっと、割引という貸付業務の一つがなくなるぐらいで、まあ何とかなるかなということで、はいはいと聞いちゃうのではないかなというふうにも思っています。その辺をちょっとお聞きしたいなと思っているんですけど。 別に約束手形、今もお話聞いていると、下請いじめに使われているから約束手形を禁止するというような方向にあるように思うんですけれども、やっぱり約束手形って、日本の昔からあった取引慣行であって、それなりのメリットがあるからこそ今まで使われていたわけで、それを否定する、もし本当にそのメリットがなくなっていくのならば、おのずとフェードアウトしていくんだと思うんですよね。それを政府が強制的になくす、使えなくするというのは、本当にそれでいいのかなというふうに思っています。その辺をちょっと今日は聞いておきたいなというふうに思うんですが。 これは、別に約束手形って日本独特のものじゃなくて、私もちょっと調べなかったんで、今日、石川委員の答弁を聞きながら感じていたんですけど、別に欧米でもあるわけですよ。 正直言って、三、四年前、私ちょっとアメリカで不動産取引をやったんですけど、そのときに一種の分割払で取引をしたんですね、半分は今日払うけど後の半分は三年後だよとかですね。そういう約束をして取引をしようと思って契約書でやろうと思ったらば、エスクローという、アメリカには登記所ないですから、民間の団体がその取引は正しいんだよというふうに証明するエスクローという組織があって、それで、保険料、間違えたときに保険を払うというような仕組みがあるんですけれども、そのエスクローが、そういう契約書じゃ取引認めないというか、保険下ろせないというわけですよ。この取引は誰々のものだという証明するには、その単に書いた証明書じゃギャランティーできないと。じゃ、どうするんだと。私もどうしていいんだか分からなくて、どうするんだと聞いたらば、モーゲージバック、プロミサリーノートを書け、要するに不動産担保の約束手形を書いて張り出すと、こういう話をしてきたわけです。 それで、私、ああ、これがなかったらもうどうなるんだろうなと。一々契約書むちゃくちゃ書いて、それを、日本人ですからそれをアメリカの何か行って証明してもらって何とか、どうするんだと思ったんですけれども、要は約束、プロミサリーノート、要するにモーゲージバックの、不動産担保のプロミサリーノート、約束手形を書けばいいということで話が進んだわけで、ああ、やっぱり約束手形って実務的に非常に必要なものなんだと、こういう印象があったわけです。 ということを前提にちょっと質問をしたいんですが、本会議でも、約束手形の発行残高はかなり減少しているという質問があり、答弁をされていましたけど、もう一度、どのくらい発行手形が、残高が減っているのか、お教えいただけますでしょうか。
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。 委員お尋ねの約束手形の発行の残高に関しましては、その把握の手段といたしまして法人企業統計によることになります。こちらにおきまして、約束手形だけでなく、電子記録債務も含めた残高となりますけれども、こちらにおきましては、ピーク時の一九九〇年前後の約百兆円から、二〇二二年におきましては約二十三兆円となっておりまして、残高は約四分の一に減少しているということでございます。 また、全国銀行協会によりますれば、二〇二四年度の手形交換高は約二十兆円となっておりまして、ピーク時の一九九〇年に比べますと約四千七百八十兆円の減少とされていると承知しております。
○藤巻健史君 減少の理由は何だというふうにお考えなんでしょうか。ファクタリング等が発展してきたからかとか、若しくは、ちょっと私は必要だと言いましたけれども、金融業界で約束手形は必要ないものだというふうに認識したのか。どういう理由で減少してきたんだというふうに分析されていますでしょうか。
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。 約束手形の発行残高が減少している理由については様々な見解があるものと承知しております。例えば、資金不足であった法人、かつて資金不足であった法人が資金余剰に転じてきていること、また、今御指摘があったようなインターネットバンキングやファクタリング、電子記録債権など多様な決済手段が普及したことなど、様々な理由が挙げられ得ると存じます。 このように、現金払に代わる支払手段として約束手形を利用する意義は年々一般的には薄れてきているものと認識しておりますけれども、他方で、現在の取引で手形は要らないとまで思われているかどうか、そこは必ずしも明らかではないのではないかと認識しております。例えば、支払決済の手段だけでなくて、信用取引の手段としても、今も一定の機能を果たしているものと認識してございます。
○藤巻健史君 ちょっと、じゃ、その次の質問なんですけれども、質問の議論の展開上、八番のものを先にちょっとお聞かせいただきたいんですが、ほかに理由として、今ちょっと回答ございましたけれども、媒体、電子化が進んでいるという理由もあったでしょうけれども、印紙代が高いからというのも私の一つの理由だったかと思うんですけれども、若しくは、下請企業が非常に昔よりも、一九九〇年代よりも強くなって、もう約束手形受け取らないよというふうに下請企業が強くなったのかどうか。その辺について、武藤大臣、何かコメントございますでしょうか。
○国務大臣(武藤容治君) ありがとうございます。 発注者が手形による支払方法を変更する理由として、委員御指摘の印紙代の観点、また管理コストの軽減の観点から、でんさい等による支払への変更をする場合もあれば、手形の利用廃止の方針に関する閣議決定ですとか振興基準の改正を踏まえて現金払へ変更する場合、受注者から現金払への変更の要請があり、合意の上で変更する場合など、様々な理由があると承知をしているところであります。
○藤巻健史君 そういう理由だったら、まさに約束手形がフェードアウトしていけばいいだけの話で、政府が使用禁止ということを強制する理由はないと思うんですよね。 先ほどの山本さんからの回答ですけれども、私が、約束手形、先ほども申しましたように、最近のこと全然知りませんけれども、ぱっとこれ見て感じたのは、なぜ減ったかというと、一九九〇年というのはやっぱり金利高かったんですよ。今、それからずっとゼロ金利があって、約束手形使わなくても、現金で払っても同じじゃないかと、この要素がむちゃくちゃに強いんじゃないかなと私は思ったんですね。これ、第一印象で、別に調べたわけでもなくて読んだだけの感想ですけれども。 だとすると、この金利が安いからということで使われなくなったからといって約束手形が使用禁止になって、金利がこれからきっと上がってくると思うんですけれども、そのときの約束手形の意義というのは非常に大きくなるんじゃないかと思って心配するんですが、これ質問していないんですが、今ちょっとお聞きしたいんですけど、どなたかお答えになれますでしょうか。
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。 先ほども述べさせていただきましたように、約束手形の発行残高が減少している理由は様々だと承知しておりまして、委員御指摘の金利につきましても、金利が低くなったことが手形の利用が減少したことの一因であるかもしれないと存じますけれども、必ずしもそれが、それだけが要因かどうかということについては様々議論があり得ると思います。 今後、金融機関も手形の新規発行停止等を行っているような流れの中で、約束手形の発行残高が大きく増加していくということはなかなか考えにくいのではないかなというふうな認識でございます。
○藤巻健史君 何度も申し上げますけれども、それだったらば、単にその業界で約束手形を使わなくなったということに任せればいいわけで、政府がわざわざ禁止するわけですけれども、それには相当の害があるという認識がないと政府が強権を発動する必要はないと思うんですが、どういう害があるのか、お答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。 約束手形につきましては、発注者が支払を繰り延べる効果があるという点、そして割引率を受注者が負担させるといった問題、紙である約束手形を取り扱うことによる紛失のリスクや、管理や取立てに伴うコストの問題があるということが指摘をされております。 さらに、この法律の対象取引におきましては、受注者は立場が弱く、不利な条件を押し付けられやすい構造にあるということでありまして、受注者へのしわ寄せがより大きいというものでございます。 先ほども申し上げましたが、政府におきましては、約束手形につきましては、令和三年六月の閣議決定、こちら成長戦略実行計画ということでございますが、五年後の利用廃止を目標と定めておりまして、産業界や金融業界と連携して、五年後となる令和八年の利用廃止に向けた取組を進めてきたところであるわけでございます。 この法律では、取引上の立場の弱い受注者へのしわ寄せを防止するために、これを先駆けて、この法律の対象となる取引におきましては約束手形による支払を禁止をしようというようなものでございます。 〔理事古賀之士君退席、委員長着席〕 代金の支払手段といたしましては、手形の交付を禁止することによりまして、こうした受注者の負担が軽減されまして、事業者間の取引が適正化に向かっていくというふうに考えておるところでございます。
○藤巻健史君 だとすると、つまるところ、一番大きいのは、下請企業へのいじめになるというかしわ寄せが行くということになるかと思うんですが、まず資金繰りの問題ですけれども、普通、いいところが振り出した手形というのは、満期まで普通、下請業者は持っていませんよ。普通は銀行行って割り引いて、その日のうちに現金化できるわけです。だから、現金が足りなくなっちゃうなんというのは、それは理由にならないと私は思うんですけれども。 あえて言うならば、その割引率ね、割引率。例えば一か月後の手形であって、それを今日割り引くとなると、一か月分の利息を差し引いて払う。ですから、その利息が、本来あるよりも利息が高過ぎるとか、そういう話はあると思うんですが、約束手形を割り引く銀行としてはやっぱり振出人が重要であって、いろんな銀行が競争するわけですから、そんなに、ぼるとか、親会社が下請企業に対してぼるというようなことは競争社会ですから余りないと思うんですけれども、いかがですか。
○政府参考人(向井康二君) お答え申し上げます。 まず、この法律では、支払期日というものが定める義務があります。支払期日につきましては、例えば部品を納めまして相手方が受領いたしますと、それから六十日以内の期間におきまして代金の支払期日が定められるということでございます。この支払期日におきまして、例えば百万円の取引をしたといたしますと、百万円を支払わないと、この法律上は違反になるということでございます。 一方で、割引困難な手形ということで、手形で払う場合によりますと、その金利分につきまして、支払期日に現金化しようといたしますと、例えば百万円の金額につきまして全額が得られないということでございまして、これは受注者にとりましては不利益になるのではないかというふうに考えておるところでございます。 今回の改正法におきましては、約束手形を禁止をするということとともに、例えば電子記録債権とかファクタリング、そういうものについては禁止をしないわけでございますが、これで払う場合には、その支払期日にその満額、支払期日まで代金の額に相当する額が満額支払われるような方法ではないと認めないというようなルールにするということでございます。 ということで、今後、電子債権とかファクタリングでもし払うということになりますと、支払期日に満額が得られるような満期を設定するとか、場合によってはその手数料分を発注者が負担をするというような取引になるというふうに考えておるところでございます。
○藤巻健史君 支払期日と、例えば六十日後の支払期日か、それから今日もらってあした割り引いた場合と、当然受け取る金額違うの、これは当たり前ですよ、金融でいえば。別に不正でも何でもないです。それは当然のことながら金利が発生するんですから、二か月後の百万円とあしたの百万円では全然価値違うんですから、割り引くのが当たり前で、それは金融のABCですよね。だから、あした割り引くと金額が少なくて、期日だと百万円、元本が戻るのはおかしいなんて、それは何でもなくて、当たり前の話なんですよね、金融のね。 じゃ、そういう、当たり前なんですけれども、それをやっちゃいけないということになると、非常に今までの割引、約束手形のメリットというのが消滅しちゃうと思うんですね。 例えば、車、トヨタにしましょうか。トヨタが車を造りました。一年後に売れます。トヨタは一年後までお金入ってこないわけですよ。でも、例えばワイパーの会社たくさん、じゃないや、ワイパーじゃない、例えばフロントガラス仕入れて、三か月後に納入してもらいました。トヨタは、もし始めた、特に始めたばっかりの企業だったらお金ないわけですよ、一年後にしか売れないんですから。でも、フロントガラスを作った企業には、三か月後納入してもらうから払わなくちゃいけない。トヨタはお金ない。だったら、約束手形を出して渡して、そのフロントガラスのメーカーは割り引いて翌日お金入るわけですよ。だから、約束手形を渡しておけば、お金がなくてもちゃんと子会社入ってくるわけですよね。非常なるメリットがあるわけですよ。 それがやっぱり最初の二か月と後の十か月、どっちが利息を払うかというだけの問題であって、それは銀行間って非常にもうコンペティティブですから、そんなところで不正とか、ぼっちゃうなんて話はきっとあり得ないと思うんですよね。 となると、別に下請いじめじゃなくて、掛け取引の、要するにお金のキャッシュフローをうまく調整する極めて有益な手段だと私は思うんですけど、約束手形ね。それを、だから必要ないということでフェードアウトするならいいけれども、政府が駄目というのはどうなのと私は思います。 もう時間が来ましたので、また後で、後日にしたいと思います。ありがとうございました。
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史です。どうぞよろしくお願いをいたします。 今日は、テーマ一本に絞りました。下請振興法の改正についてで質問したいと思います。特に多段階の事業者連携支援ということで、この点について今日絞って議論をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 まず、本当にベーシックな質問になるんですけれども、大臣にお伺いしたいんですが、この下請振興法制定以来、この振興事業計画に基づく支援の実績、これ十二件ということで、本会議でも岩渕先生の御質問に大臣答えられていたんですけれども、十二件、率直に聞くと少ないなという印象を受けましたが、改めてなんですが、この実績の数及び内容に対する評価を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(武藤容治君) 委員御指摘のとおり、十二の振興事業計画を承認をしたところで、この効果についてでありますけれども、承認を受けた発注者や受注者は、共同事業の集約化ですとか、関連設備の相互利用とか、発注者による受注者への技術指導などを通じて生産性の向上というところでこれが認められるものと、一定の効果があったと認識をしているところです。 一方で、現状ではサプライチェーンの深い層まで、先生今おっしゃられた多段階というところになりますと、これは価格転嫁が浸透し切れていない状況であります。その点を踏まえて、今般の改正では、複数の取引段階にある事業者が共同で効率化や投資等を行う事業に対して承認、支援できる旨を盛り込んでいるところであります。この制度をつくることで、経済界の一部にある自らの取引先の更に先とは直接の接触や交渉を控えるとの意識や慣行を変えて、先を含めたサプライチェーン全体での取組を後押しする狙いも含めているところであります。 下請振興法の改正を踏まえて、振興基準にも直接の取引先の更に先の事業者との連携の重要性を盛り込み、振興事業計画のメリットと併せて経済界へ周知することで計画の活用を促し、振興法の実効性を高めてまいりたいと思っております。
○礒崎哲史君 大臣、ありがとうございます。 多分今の御答弁は次の質問の中身だったのかなというふうに、次の質問で実は今回の法改正の狙いと対応可能な中身ということでお伺いしようと思っていましたので、その点についても御答弁をいただいたんだというふうに理解をしました。 ちなみになんですが、この実績数十二件というのは、率直にどのようにお感じになられますでしょうか。
○国務大臣(武藤容治君) 今ちょっと御答弁させていただいた繰り返しになっちゃうけど、よろしいですか。(発言する者あり)済みません。
○礒崎哲史君 大臣、ありがとうございました。 これまでの振り返りと今回の法改正の中身、改めてちょっと基本的なことをお伺いをした意図は、今大臣からまさに御答弁いただきました適正な取引を行う上で、より影響力の強いメーカー含めた、ティア1ですとかそういった人たちも含めて交渉ができる、様々なことが話し合うことができるという、そういう環境づくりということで一点私も理解をしていますし、是非進めていただきたいなという思いがあるんですが。 もう一点は、そもそもこの振興法の法律の目的は何だったかというと、これ企業基盤の強化を効率的に促進するための措置を講ずるものだということと、あわせて、受託取引に係る関係を改善して、中小企業が自主的にその事業を運営する、かつ、能力を最も有効に発揮することができるよう、その中小企業の振興を図っていくことだということなんですね。とすると、まさに今ここの目的で言われているとおり、中小企業がしっかりと企業体質改善を図って、企業体力を向上してもらって、もうけられる体質をつくっていくという、ここにあるんだというふうに思います。 そうすると、今回の法改正含めて、本当に企業体質が改善できる施策につながっていくのかどうか。価格転嫁がしっかりできる、適正な取引ができるというのは企業体力を向上させていくための重要なステップではありますけれども、それは最終目標ではないと私は思っています。最終的には、そういう取引慣行を含めた改善を図ることで、最終的には人への投資、賃金が上がる、設備投資、生産性が上がる、企業がもうけられるようになるという、そこが最終的に目指すべきところだと思いますので、果たして今回の法改正でそれが成し遂げられるのかどうかということを確認したいということで、引き続きの質問に入っていきたいというふうに思います。 では、そういう観点で、今回の法改正を改めて見たときに、質問なんですけれども、法改正によってこの適正な取引を促進していくために必要な条件といいますか、やるべきこと、事業者側に期待していることは果たして何かということをお伺いしたいと思います。 あわせて、私が働いていた自動車産業でいくと、非常に裾野の広い産業ですので、どういう企業までしっかりと連携をしていくべきなのか、広がりを持たせていくべきなのか。今回法改正をしたということで、経産省さん、中企庁さんとしてはその連携の広がりというものをどういうところまで想定しているのか。いわゆる系列とかというのもありますので、どういう範囲でこれを行っていくべきというのを想定しているのか。これはちょっと細かい話ですので、参考人の方からお願いします。
○政府参考人(山本和徳君) まず、前段の御質問にお答えしたいと思います。 今回の振興法の改正案におきましては、下請法改正と同じく、運送委託と従業員基準の追加を行わせていただきます。またあわせて、下請等の用語の見直しを行います。さらに、協議を行わない一方的な価格決定の禁止など、下請法による発注者への規制は望ましい取引方針を示した振興基準にも反映させていきたいと存じます。 加えて、振興法独自の措置として、先ほど大臣からお答えいたしましたけれども、多段階の事業者が連携した取組を金融支援の対象に追加することによりまして、自動車業界のようなサプライチェーンが深い業界を念頭に、直接の取引先の更に先の取引先と共同での事業の効率化等に向けた取組を行うよう振興基準も改正する所存であります。 こうした改正された振興基準の遵守を自動車部品業界含めた幅広い業界団体に遵守を促してまいりまして、事業所管大臣名、これは経済産業省に限らず、各事業所管省の指導、助言も行うことによりまして、新たな規制に沿った取引慣行を下請法対象外の取引も含めて浸透させることが下請法改正により、失礼しました、下請振興法改正により可能となるものと承知しております。 後段の御質問でございます。 中小企業庁の調査によりますれば、サプライチェーンの取引段階が深くなりますほど価格転嫁の割合が低くなる傾向がございます。下請法対象外の取引までも含めてサプライチェーン全体で適正な取引慣行を浸透させていくことが重要と認識しております。 この際、これまで直接のやり取りのなかったサプライチェーンの先の事業者との連携の促進が有効でございます。この観点から、振興事業計画の対象拡大を含む対応を行ってまいりますけれども、発注事業者に対しましては直接の取引先の更に先まで価格転嫁が可能となるような価格決定とそのための予算確保をすること、また、そうした取引方針が取引先に伝わるような情報発信、これを期待してございます。とりわけサプライチェーンの頂点に位置すると言うことのできる事業者の皆さんにおかれては、こうした対応を明確にしていただくことが極めて重要ではないかと存じます。例えば、自動車業界におきましては、取引階層の深いサプライヤーも参加できる取引方針を説明するセミナーを実施しているような取組が行われてございますけれども、このような取組を更に拡大していただきたいと期待してございます。 これを踏まえて、受注側事業者におきましても、積極的な情報収集でございますとか価格交渉をお願いしたいと存じます。 経済産業省では、下請法や価格転嫁に関する講習会などを通じた情報発信や、全国に四十七ございますよろず支援拠点での価格転嫁サポート窓口の設置などを行っておりますので、こうして支援施策も御活用いただきながら、発注事業者、受注事業者のそれぞれの取組を振興基準の改正等を含めた取組によりまして後押しをしてまいりたいと存じます。
○礒崎哲史君 御説明ありがとうございます。 ちょっと確認なんですけれども、今、下請法の対象外の企業も含めてということで、かなり幅広い対象をここは想定しているというふうに理解をしました。ちなみに、そうすると、例えば資本関係でいわゆる一〇〇%子会社とかこういうものも、実際にその系列の、いわゆる系列という中で話合いをしていったときにはこれの対象になっていくのかどうか、この点いかがでしょうか。
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。 そのような取引関係においても対象となり得ると存じますし、現時点、下請法におきましては資本金基準がございますけれども、これの対象に入ってこない、例えば中小企業と中小企業の間の取引のようなものも、下請振興法に基づきます振興基準におきましてはこれを対象としておりますので、振興基準に基づく適正な取引を現時点でもお願いしているような状況でございます。
○礒崎哲史君 そうすると、これに対象にならない取引は何かほぼないような印象で今受け止めましたけれども、かなり幅広いことが対象になるということで確認ができました。ありがとうございます。 そうしますと、今のお話でいけば、当然、メーカー、OEMの、いわゆるピラミッドの頂点に来るようなそうした企業が率先して話をしていくということもあるでしょうし、その下の、一段下のティア1からティア2、ティア3、ティア4ということで、そこが固まっていくということもあろうかと思いますし、その形は余り政府としてこうだということを指導するのではなくて、そこに関してはあくまでも、業界内の自主的な活動をあくまでも求めていくという理解でよろしいですね。
○政府参考人(山本和徳君) 御指摘のとおり、業界内の創意工夫を多段階の二者を超えた事業者さんでの取組でもしっかり行っていただければということでございます。
○礒崎哲史君 前も多分この委員会でお話ししたと思うんですけれども、上部の方からはちゃんと適正価格で取引、話合いしてくださいよと、価格転嫁していいですよというふうな話は来るんですけれども、中小企業の社長さん、何か裏があるんじゃないかと、本当にこのとおりやったら後で何か痛い目に遭うんじゃないかということで、逆に勘ぐってしまって活動ができないとか交渉ができないという事例もちょっと幾つか実は聞いたことがあります。 ですので、是非こうした取組も含めて本当に適正な価格での話合いができるように、ここは是非期待をしていただきたいですし、そういうことがしっかり可能になるように、また情報発信も中企庁さんの方からしていただきたいというふうに思います。 次になんですけれども、ちょっと一問飛ばしまして、五つ目の質問になるんですが、この振興事業計画というものを提出することになります。その振興事業計画を政府、大臣の方で承認を得られた、得られると初めてそれで様々な支援が得られることになるわけですが、この事業計画として承認を得られる計画としてはどういうものがあるんでしょうか。何か基準があるのでしょうか。それについて確認をしたいのと、あわせて、承認されたことで受けられる支援として何があるのか、この点お伺いしたいと思います。
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。 今般の下請振興法の改正におきましては、複数の取引段階にある事業者が共同で効率化や投資等を行う事業計画も承認できる旨を盛り込んだところでございます。また、発注側企業に対しまして受注者側から計画の作成について協議の申出があったときは協議に応じ作成に協力しなければならない旨を併せて規定をさせていただきまして、受注者が計画の活用を主導しやすくなるよう発注者にも求めておるところでございます。 さらに、事業計画の承認の基準といたしましては、複数の取引段階にわたる場合には、事業者の抜け漏れがないことを規定をいたしております。発注者が恣意的に受注者を選別できないようにするという趣旨でございます。 この事業計画が承認された場合には、それに基づく事業として行われた設備投資等に必要な資金がございます。この必要な資金として、中小企業信用保険法の特例といった金融支援等を受けることができることになります。 今回の下請法、下請振興法の改正を踏まえまして、振興基準にも直接の取引先の更に先の事業者との連携の重要性を盛り込みたいと考えてございまして、振興事業計画のメリットと併せて経済界へ周知することで本計画の活用を促してまいりたいと考えるところでございます。
○礒崎哲史君 今、この事業計画を得られるものということで、代表例としては、この効率化ですとか設備投資ですね、こういった投資を進めていくものということでお話がありました。 これ実際に活動が始まって、この効率化や投資をしていこう、じゃ、どういうふうに業務改善をする、生産性向上するためにどこにどう投資をするか、何をそもそも効率化していくのかという、実はこういう分析が当然その前になきゃいけないんですが、今般お話で出ています階層の深いところに行くと、正直言うと、こういうことを分析するための人手が既にない状況に今なっているというのが実態です。経験知を持った人たちがもういない、あるいは指導できる人がいない、そういうことを考えている時間がない、考えたとしても設備を買うお金がないというのが今のもう深い階層に行ったところの企業の実態だというふうに思うんですね。 そうすると、設備を買うお金がないということであれば、確かに、今金融支援ということでお話ありましたので、そこの資金繰りの援助で対応可能にはなると思うんですが、その前の段階なんです。何をしたらいいんだろう、どこをどういうふうに改善したらいいんだろうということを考える人手と時間がないんですね。 恐らく、こういうことをやっていくと、メーカーですとかティア1の力のあるところが、じゃ、うちから経験知あるベテラン、監督者層を派遣しますよということで派遣していただけることになると思うんですが、一日、二日の出張ベースであれば、これは出張ですから大企業が自分たちの負担でできるんです。でも、今言ったような改善事業というのは、そんな短期間でやっぱりできません。まず、現場の情報分析から始まれば、それだけで一週間とか二週間とか。じゃ、次に改善の中身考えようというと、更に一週間、二週間。結果的に、これ一か月とか二か月とか掛かるんですね。そうすると、これ出張ではなくて出向あるいは派遣という形になります。そうなってしまうと、その人たちの人的な支援、人件費というのは、今度受け入れた側が払わなきゃいけなくなるんですよ。 そんなお金はどこにもないんですけれども、今言った人件費、派遣した人、出向した人に対する人件費の負担というのは今回の支援の枠組みの中で得られるんでしょうか。
○政府参考人(山本和徳君) 恐らくケース・バイ・ケースになろうかと思いますけれども、必要な資金ということで、そのようなソフト面での対応、人的な措置についても対象となり得るのではないかと現時点では承知しておりますけれども、具体的には、個別の事案について中小企業庁、また経済産業局でもしっかり御相談におあずかりしながら適切なアドバイスを私どもからも差し上げていきたいと存じます。
○礒崎哲史君 今までも実はこういう事例というのを現場で実際にやろうとしたことがあるんですね。そのときには、相談をしたんですが、企業が本当に傾いて厳しい状況にならないとやっぱりそういう資金出せませんということで断られているんだそうです。もう本当に企業倒れそうな状態のときにそういう支援やっても、もう救えないんですよ。だから、手遅れになったときに初めて支援しますよという、実はこういう今枠組みになっているというのも一方でありまして、ちょっと是非、こういう事例に対して支援ができるのかどうかということを是非お調べいただいて、是非こういうことができる枠組みを考えていただきたいんです。これは要望です。一点です。 あともう一つ、今回こうした事業計画を出して受けられる支援の中に、例えば、既に令和六年度の補正予算ですとか令和七年度予算の中で中小企業支援のメニューというのがあると思います。予算というのがあると思います。こういった予算も活用できるんでしょうか。
○政府参考人(山本和徳君) それらの、例えば設備投資に対する支援の補助金等とは当然併せて御活用いただけるメニューと承知しております。
○礒崎哲史君 一企業ではなくて、こういう固まりの支援事業ということでも大丈夫だということでよろしいですね。
○政府参考人(山本和徳君) 補助金によりまして、その申請の主体については様々その趣旨に応じて規定をされておりますので、個別に御相談にあずからせていただくことになろうかと存じます。
○礒崎哲史君 是非、実効性ある支援メニューにしていただけますことを改めてお願い申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。 本法案は、我が国の雇用の七割を占める中小企業が賃上げの原資を確保できるようにするため、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させるとしています。重要なのは実効性だと思うんですね。そこで、初めに執行力の強化について質問をいたします。 本法案では、親事業者が協議に応じず、一方的に代金の額を決定することが禁止をされるということです。 本会議の質疑で、古谷公取委員長からは、中小の受注者が価格交渉しやすくなり、賃上げをするための原資の確保につながることを期待するという答弁で、あくまで期待するということなんですよね。これで、本会議でも紹介をしましたけれども、二十五年間工賃上がっていないとか、交渉に応じないというふうに言われて値上げの要求さえできないという深刻な実態に対応できるのかということなんです。 下請法違反には、勧告、指導、そして五十万円以下の罰金を科すというふうになっています。けれども、罰金の対象となっているのは発注書面の交付義務違反などの場合なんですよね。 下請法に基づく直近の指導件数が何件になっているでしょうか。また、直近五年間の勧告件数、どうなっているでしょうか。
○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。 令和六年度におけます下請法に基づきます指導件数、こちらにつきましては八千二百三十件でございます。そして、直近五年間の勧告件数は、令和二年度が四件、令和三年度が四件、令和四年度が六件、令和五年度が十三件、令和六年度が二十一件、合計四十八件でございます。
○岩渕友君 二十一件が最多だということで、これ勧告件数、余りにも少ないんじゃないかというふうに思うんですよね。 何でこんなに勧告が少ないんでしょうか。
○政府特別補佐人(古谷一之君) 下請法の勧告は行政指導でありますけれども、勧告を受けた事業者が従わない場合には、独占禁止法に基づく行政処分に移行するものであるという事情があります。また、違反した事業者名や違反行為の概要などを公表するものでありますところから、発注者側や受注者側に違反事実の確認を行った上で慎重な事実認定を行って措置をしております。そのため、調査には、勧告のための調査には一定の時間を要しているというのが事実でございます。 一方で、指導の方は、発注書面の記載不備や少額の減額など、比較的軽微な違反のおそれのある行為などについて、私どもが行っております定期調査などを踏まえて措置を行っております。 こうした勧告と指導の違いがありますので、指導件数に比べると勧告件数は少なくならざるを得ませんけれども、令和六年四月に取引適正化担当の審議官を新設するなど、執行体制の強化を図りまして、令和六年度においては過去最多となる二十一件の勧告、公表を行ったところでございます。 今後とも、簡易迅速に下請事業者の利益保護、原状回復を図るという下請法の趣旨にのっとりまして積極的な法執行を行っていきたいと思いますし、そのための公正取引委員会の体制強化、これも図っていきたいというふうに考えております。
○岩渕友君 本会議で罰則の強化ということについても質問をしたんです。そのときに、迅速に違反行為をやめさせて受注者の原状回復がされるように、罰則ではなく勧告などで対応しているんですと、勧告に従わない場合は独禁法で対応するんですというふうな答弁がありました。今も答弁あったかと思うんですけれども。 それで、勧告に従わずに独禁法に基づく優越的地位の濫用が適用された事案、これはあるんでしょうか。
○政府参考人(大胡勝君) お答え申し上げます。 親事業者が下請法に基づき勧告に従わない場合には独禁法違反事件の調査に入りまして、調査の結果、優越的地位の濫用行為が認められれば、独禁法に基づく排除措置命令等が行われることになります。 これまでの下請法で勧告を受けた親事業者が勧告に従わなかった事例はございませんので、独禁法違反に基づく排除措置命令等が行われた事案はございません。
○岩渕友君 今答弁あったように、ないということなんですよね。ただ、実態はやっぱり問題だらけなわけなんですよ。 それで、本会議でも紹介をしましたけれども、全商連という中小企業団体、中小事業者の団体が下請事業者への緊急アンケートを行ったと。そのときに、自ら親事業者に価格交渉を申し出るつもりがないという回答が六割に上って、その理由として、取引が停止されると困る、仕事量が減ると困る、交渉しても価格は上がらないと諦めているという回答が多くなったということなんですよね。そもそも協議さえ言い出せないというのが現場の実態なわけですよ。これ、実態に見合った対応が必要だというふうに思うんですね。 だからこそ、独禁法ではなくて下請法に厳しい罰則があるということがやっぱり抑止力になるんだと思うんですけれども、伊東大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(伊東良孝君) 下請法にも厳しい抑止力となる罰則が必要ではないかという岩渕委員の御質問でありますが、この法律は、簡易迅速に公正な取引を確保し、受注者の利益保護を図るため、独占禁止法の優越的地位の濫用規制を補完する法律として適用対象やあるいは禁止行為を外形的に明確な形で定め、迅速な対応を行うことを主眼としているものであります。 このため、書類作成義務などの手続に関する義務違反に対しては罰則が設けられておりますが、買いたたきや減額などの取引の内容に関する禁止行為に対しては、受注者の利益保護を重視して、罰則ではなく被害金額の返還などを勧告し公表するという行政指導で対処する規制になっているところであります。加えて、先ほど話がありましたように、この法律の勧告に従わない場合には、より強い執行力を有する独占禁止法で対応することが可能であります。 このように、この法律は簡易迅速な事件処理を行うという点で独占禁止法との役割分担がなされていることを踏まえ、この仕組みを維持していくことが適当であると、このように考えているところであります。 引き続き、改正後のこの法律の運用状況等を踏まえ、不断の見直しを行っていく所存でございます。
○岩渕友君 今答弁にもありましたけど、勧告というのはあくまで行政指導にしかすぎないわけですよね。違反企業にとって痛みを感じない構図に今なっているんだと思うんです。不公正な取引がもう割に合わないというふうなものにするために、下請法の対象となる業種を拡大する、刑事罰の対象に下請法の禁止行為を組み込むこと、罰金の大幅な増額など、これが必要だというふうに思うんですね。これ、強く求めたいというふうに思います。 本会議では、下請法の適用外となる中小企業同士の取引についても質問をしました。この間の衆議院も含めた議論を聞いていますと、下請法の対象外となる取引も含めて、取引上の地位の優越関係が認められれば、独占禁止法の優越的地位の濫用規制や、中小企業同士の取引も対象となり得る、下請振興法の振興基準などの活用を通じて取引適正化を定着させる、こうした答弁がされているんですね。 この下請振興法をめぐっては、先ほども議論ありましたけれども、親事業者と一次下請事業者が振興事業計画を作成して金融支援などの措置を受けることができるようになっています。けれども、法律が制定をされた一九七〇年以降五十五年間で十二件しか承認されていないわけですよね。これ、率直に言って少ないと言わざるを得ないと思うんですよ。 これ、最新の振興事業計画の承認はいつでしょうか。また、計画期間はどのくらいでしょうか。
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。 振興事業計画を承認いたしましたのは、直近では平成五年八月二十七日となってございまして、この承認した振興事業計画に係る計画期間は、平成五年八月から平成十年三月までとなってございます。
○岩渕友君 今答弁あったように、直近の承認って三十年以上前なんですよね。初めて承認されたのが一九七一年の十二月二十八日なんです。それ以降、直近の一九九三年八月二十七日までの間に僅か十二件しかないと。直近の承認がもう三十年以上前だというのがこれ実態なわけですよね。 今回の改正で、二次、三次といった多段階の事業者が加わることができるようになるわけですけれども、こうした実態で中小企業の振興進むと言えるのでしょうか。これ、言えないんじゃないでしょうか。武藤大臣、いかがですか。
○国務大臣(武藤容治君) 今般の下請振興法の改正におきまして、複数の取引段階にある事業者が、先ほど申しましたけれども、共同で効率化や投資等を行う事業に対して承認、支援できる旨を盛り込んだところであります。 この制度をつくることによって、経済界の一部にある、自らの取引先の更に先とは直接の接触や交渉を控えるとの意識や慣行というものがあったと思いますけれども、これを変えて、そして、先も含めたサプライチェーン全体での取組を後押しする狙いを込めさせていただいたところであります。 この改正踏まえて、振興基準にも直接の取引先の更に先の事業者との連携の重要性を盛り込み、振興事業計画のメリットと併せて経済界へしっかり周知をすることで計画の活用を促してまいりたいと思っています。 さらに、適切な価格転嫁を促進し、中小企業振興を図るため、下請法の執行強化に加えまして、年二回、これも、これまでもお話し申し上げていますけど、価格交渉促進月間を踏まえた価格転嫁状況の実名入りの公表ですとか、指導、助言、各業界全体へのハイレベルでの適正取引の要請など、もう本当に様々な施策を講じて、しっかりこれからも粘り強く対応していきたいというふうに思っています。
○岩渕友君 ここでもやっぱり実効性が問われるということをもう指摘せざるを得ないわけなんですよね。 それで、次に、多重下請構造に関わって質問をしていきたいと思います。 日本では、大企業の下に中小・小規模事業者がピラミッド状に連なる多重下請構造、今日も何度も出てきていますけれども、この多重下請構造によって、買いたたきなど親事業者が下請事業者に不公正な取引を押し付けるやり方が横行してします。 資料を見ていただきたいんですけれども、これは自動車関連産業サプライチェーンのイメージ図ということで、もうまさにピラミッド状のような構造になっているということを図で示したものなんです。このサプライチェーン全体で下請法対象の企業というのは何件あるんですかと、それは全体の何割に当たるんですかというふうに聞いたんですよ。でも、分からないというふうに言われたんです。けれども、大企業同士とか中小企業同士の取引には下請法を適用されないわけですよね。下請法の対象から外れている企業とか事業者も多いんじゃないかなというふうに思ったわけです。 自動車関連産業のこのピラミッド構造のうち、過去五年間の下請法による勧告の実績、また過去五年間の独禁法違反、優越的地位濫用の実績、それぞれ何件あるでしょうか。
○政府参考人(大胡勝君) お答え申し上げます。 まず、独禁法に関してでございますけれども、お尋ねの令和二年度から令和六年度までの五年間において、自動車産業における独禁法の優越的地位濫用の規定の適用事例については、広い意味での自動車産業になってしまいますけれども、自動車メーカーによるディーラーに対する優越的地位の濫用の行為について法的措置をとったような事案はございますけれども、自動車の製造分野における自動車メーカーによる自動車部品メーカーに対する優越的地位の濫用行為について法的措置をとった事例はございません。
○政府参考人(向井康二君) 下請法についてお答え申し上げます。 過去五年間、令和二年度から六年度の自動車産業、具体的には自動車部品の製造委託取引におきまして、違反行為があるといたしまして発注者に対して下請法に基づく勧告が行われた事例、これにつきましては十一件でございます。このうち、完成車メーカーに対するものは二件、自動車部品メーカーに対するものは九件でございます。類型といたしましては、金型等の型の無償保管の要請、減額、そして返品というものが違反行為類型でございます。
○岩渕友君 独禁法はゼロだということなわけですよね。 それで、この資料のように下請業者が更に下請業者に委託するような多重下請構造というのは、欧米では余り見られないということなんですね。それは、事業者が水平的に連携をしていて、互いに協力し合う関係が一般的になっているからだということなんですよね。 武藤大臣に質問しますけれども、この構造そのものにメスを入れなかったら、適正な取引になっていかないんじゃないでしょうか。
○国務大臣(武藤容治君) これも、これまで中小企業の調査結果等々を答弁させていただいていますけど、取引段階が深くなればなるほどこの価格転嫁の割合低くなるという傾向であります。サプライチェーンの先まで価格転嫁を浸透させることが課題でありますし、他方、取引の構造は確かに業種によって異なるかと思います。今自動車の話がありますけれども、複数の事業者による分業が行われる業界では、取引の各段階で業務内容ですとか技術力等のそのものに応じた適切な価格交渉が行われる、この環境整備が要するに必要だということだろうと思っております。 業界の実態を踏まえた対応が必要でありまして、今の委員のおっしゃられるような水平、まあ水平構造というんですかね、そういうものもあろうかと思いますけど、今回、下請法、下請振興法の改正を通じた全種一律の措置に加えて、事業各所管庁とも連携をしながら、業種ごとにしっかりと取組を進めてまいりたいというふうに思っているところです。
○岩渕友君 この多重下請構造の下では、大企業と中小・小規模事業者の力関係というのは変わらないと思うんですね。結局、いつまでも中小・小規模事業者が苦しむということになるわけですよね。だからこそ、ここにメスを入れるべきだということを指摘したいというふうに思うんです。 トランプ関税をめぐっても、この多重下請構造が下請事業者苦しめるんじゃないかということでやっぱり懸念されるんですよね。 衆議院の審議で武藤大臣が、取引適正化の取組に影響を与えないようにすることが重要だとして、自動車業界各社のトップに、雇用維持や賃上げの原資の確保のため、直接の取引先の更に先まで価格転嫁が可能となるような価格決定することなどを直接要請したというふうに答弁されたことを私も本会議でも紹介をしました。大臣が直接の取引先の更に先までというふうに言っていることが、これ非常に重要だというふうに思うんですね。 本会議で各社の取組がどう具体化されているんですかというふうに質問をしたら、各社から、適正な価格転嫁を通じて、成長、雇用、分配に積極的に取り組むと発言があったと。各社は積極的に価格転嫁を呼びかけているというふうに答弁がありました。 積極的に取り組んでいるということなんでしょうけれども、問題は実際にちゃんと適正な取引やられているかということなんですよ。これいかがなのかということと、フォローアップがやっぱり非常に必要だと思うし重要だと思うんですね。このフォローアップにどう取り組んでいくんでしょうか。
○国務大臣(武藤容治君) この前も本会議で申しましたとおりであります。 中小企業からは、これから関税の影響、これがどういう形で、原価低減ですとか発注量の減少の形で現れないかというような不安の声が刻々と、日によってあるのも承知をしているところです。米国による関税措置が取引適正化に影響を与えることがあってはならず、私自身も、今申していただいたように、トップと面会、自動車業界のトップと面会をしながら、関税措置の影響が中堅・中小メーカーに及ばないように適正取引の確保を要請したところでもあります。 関税措置だけでなく価格転嫁を阻害する、今回も商習慣というものに随分、一掃する具体的な取組も求めておりますけれども、そのフォローアップ、先生がおっしゃるとおりです、フォローアップを行うとともに、下請振興法の執行ですとか業界の自主行動計画への反映や徹底を通じて更なる取引の適正化を図っていかなくてはいけないと思っています。 今回、関税措置の影響も含めて取引適正化が進んでいるかにつきましては、今後とも約一千か所の、全国一千か所の相談窓口を使ったり、またプッシュ型での現状把握をやったり、さらには下請Gメン、価格交渉促進月間における三十万社へのアンケート調査等を通じながら、現場の状況を引き続いて把握していきたいというふうに思います。 この取引実態も踏まえながら、また改めて業界トップへの要請など、今後とも必要な対応をちゅうちょなく実行してまいりたいというふうに思っております。
○岩渕友君 しっかりフォローアップしていただくということを求めて、質問を終わります。
○平山佐知子君 平山佐知子です。よろしくお願いいたします。 今日はIT業界について伺っていきたいと思います。 公取と中企庁が扱う下請法違反が疑われる事件の処理件数では、この情報サービス業というのがおよそ九%を占めて、最も深刻な業界となっています。業種となっているわけです。公取が二〇二二年六月に公表したソフトウェア業の下請取引等に関する実態調査報告書の中でも指摘されているのが、このIT業界における多重下請構造なんですね。ほかの業界でも、先ほどからあるように、多重下請構造の問題というのはあるわけですけれども、このIT業界というのはその次元がもうすさまじく、六次、七次下請までもが存在しているということなんです。 そもそもなぜこのIT業界はこのような多重下請構造が当たり前となっているのか、報告書の中でも問題があるとしながらも改善されていないその理由はどこにあるのか、まずは伺わせてもらいます。
○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。 公正取引委員会は、御指摘のとおり、二〇二二年六月にソフトウェア業の下請取引等に関する実態調査報告書、こちらを公表してございます。そして、この中を見てみますと、ソフトウェア業におきましては、エンドユーザーのニーズの多様化、プログラム言語等から生じる専門性、一社だけでは必要な人員を確保できないというような理由から外注取引が積極的に利用されておりまして、いわゆる多重下請構造と呼ばれる階層的な取引構造が形成されることが多いというふうに承知しております。 この実態調査におきましてはヒアリングを行っているところでありまして、実際のその外注を前提とした事業経営をせざるを得ない理由について聴取をしているところでございます。 具体的な声といたしますと、大規模プロジェクトであっても人手が必要なのはピーク時のみであり、一時的な繁忙期に備えて閑散期にもスタッフを雇用し続けるのは難しい、新しいIT技術が次々と生まれているほか、ユーザーのニーズも多様化しているため、全ての技術に精通した技術者をあらかじめ全て自社で雇用しておくのは難しいというような点が指摘されておりまして、必要な都度外注をしておるということが指摘をされておるところでございます。
○平山佐知子君 聴取をしてくださっているということで様々理由を挙げていただきましたけれども、やはりこの人繰りが難しいとかそういう理由によってこの多重下請構造が当たり前となっているというのは、本当にこれ当たり前ではなくて、やっぱりどうにか改善をしていかなくてはいけないと強く思っているところなんですね。やっぱりこういう構造というのはおかしいと思っています。 また、この多重下請構造の中でも最も問題なのが中抜き事業者の存在だと思っています。この報告書の中でも中抜き事業者の存在というのは認められていまして、商流上は形式的に関与するものの、実際には何ら業務を行うわけでもないのに利益を上げている者と定義をされていて、やはりこれおかしいと思うわけですね。 この中抜き事業者が入ることで、それが買いたたきの温床になっていたり、中にこの事業者が入れば入るほどやはり情報伝達の混乱につながっていくわけですから、これ百害あって一利なしと思うわけですけれども、こうした中抜き事業者がなぜここまで存在しているのか、それからまたなぜ法令で規制や取締りができないのか、伺います。
○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。 例えば、直接的に情報成果物、いわゆるシステムとかプログラムの作成を行わない事業者、そういう事業者につきましても、その顧客の多岐にわたる要求事項を踏まえた制作管理とか、与信の供与をするとか、そういうような貢献をしている場合もございますので、一概にそのような事業者が問題だというふうに評価することは難しいというふうに考えております。階層的な取引構造と同じく、ソフトウェア業におけるニーズの多様化、専門性、人員確保の困難性等もございますので、外注取引が積極的に利用されておるというような構造にあるというふうには考えておるところでございます。 このようなソフトウェア業界に対しまして公正取引委員会としてはどういう取組をしておるかということでございますと、例えば令和六年度には、公正取引委員会が実施しました特別調査、これは価格転嫁が行われているかどうかにつきまして大規模な調査を行っているところでございますが、優越的地位の濫用の未然防止の観点等から、ソフトウェア業等の情報サービス業を営む事業者に対しまして、労務費転嫁指針や独禁法のQアンドA、価格転嫁に関する考え方でございますが、こういうものが遵守されているかどうかというのを確認をいたしまして、問題がある事業者に対しまして注意喚起文書を送っておるところでございますが、こういうそのソフトウェア業等の情報サービス業におきましては千三百件の注意喚起文書を送付しております。そしてまた、本法、いわゆる下請法に違反する又はおそれのある行為につきましては、令和六年度におきまして、情報サービス業を営む事業者に対しまして六百件超の指導を行っておるところでございます。 公正取引委員会といたしましては、今後とも、独禁法に基づきます優越的地位の濫用、そして本法に基づきまして違反となる行為が認められた場合には、引き続き厳正に対処していく所存でございます。
○平山佐知子君 引き続き厳正に粘り強くということであると思いますけれども、いわゆる丸投げというのは、建設業においては建設業法第二十二条において明確にこれ禁止されているわけですね。一括下請負を容認しますと、中間搾取であったり工事の質の低下、労働条件の悪化、商業ブローカー的不良建設業者の輩出を招くことにもなりかねないということも記載をされています。全くそのとおりだと思うわけです。これ、全てのやはり業種に、しっかりとそういうことをどうにか規制含めてしていけないかということも思っているところです。 この二〇二二年十二月、公取の当時の小林事務総長は雑誌のインタビューでも、この下請法ですとか独禁法の違反行為はソフトウェア開発などの情報サービス業が最も多い産業の一つになっていると懸念を示した上で、情報サービス業を含む違反が多い十九の業種については、業界団体を通じて価格転嫁がしっかり進んでいるかなどの自主点検をお願いしているということ、その自主点検の結果は各団体から報告していただく予定だということをされていました。 この報告、全て上がってきているのか、また、来ているとしたらその受け止め、それから政府としてどういった手だてをすべきだと感じているのか、伺います。
○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。 御指摘のとおり、二〇二二年、令和四年でございますが、公正取引委員会、中小企業庁は、この法律、いわゆる下請法違反行為が多く認められる情報サービス業を含む十九業種につきまして、事業所管省庁と連名によりまして、関係事業者団体に対しまして傘下企業による法遵守状況の自主点検を要請をしておりまして、同年の十二月、二〇二二年の十二月、法令遵守状況の自主点検の結果を取りまとめて公表をしておるところでございます。そして、令和六年一月には、公正取引委員会の調査における注意喚起文書の送付件数又は割合が多かった業種も追加をいたしまして、法違反等が多く認められる二十七業種について、法遵守状況の自主点検フォローアップ結果として取りまとめております。 自主点検に対する総評といたしましては、一定程度価格転嫁円滑化の取組は進んでいると考えられる一方、発注者の立場では価格転嫁を受け入れているが、受注者の立場では価格転換ができていないという声も引き続き確認をされておるということでございます。そのため、サプライチェーン全体におきまして価格転嫁が円滑に進んでいない取引段階が存在することなどというものがうかがわれますので、円滑な価格転嫁のために引き続き粘り強い取組が求められるというような総評をしておるところでございます。 こうした点も踏まえまして、今回の改正法案におきましては、協議に応じない一方的な代金決定を新たな禁止類型として盛り込んでおるということでございまして、公正取引委員会といたしましては、この法律が成立しましたら、この一方的な価格決定規定、こういうものも積極的に利用いたしまして、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁が定着されるような取引環境の整備に努めてまいりたいと考えてございます。
○平山佐知子君 今も言っていただきましたけれども、私も問取りの後、このフォローアップ結果見てみましたけれども、やっぱり業種ごとのこの価格転嫁状況を見てみますと、この情報サービス業ですとか道路貨物運送業というのは発注者から見ても受注者から見ても価格転嫁できないというふうに言っていることがよく分かりますし、また、総評の中にもありましたけれども、受注者の立場からおおむね価格転嫁できているという回答割合が低いということはやっぱり問題、根深いのかなということも感じました。 公取は、二〇二三年十二月に独占禁止法上の優越的地位の濫用に係るコスト上昇分の価格転嫁円滑化の取組に関する特別調査の結果について公表しています。この報告書の中で最も問題だと感じるのは、資本金が一千万円以下のために元請として下請法の縛りを受けない情報サービス業が五五%も存在しているということなんです。本改正案では規制や保護の対象を拡充するための従業員規制、これが追加、新設されることになっていますけれども、それでもやはりこの下請法の縛りを受けない元請企業はその枠からも漏れる可能性が高いのではないかということも考えています。 多重下請が常態化している情報サービス業界において本改正案の実効性を懸念する声もあるわけですけれども、そうした声に対してはいかがでしょうか。
○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。 改正法案では、規制対象を画する基準といたしまして、御指摘のとおり、従来の資本金基準に加えまして、新たに従業員基準を導入するということとしております。これによりまして、例えば、ITベンダーといった情報サービス事業者が他の情報サービス事業者に対しましてプログラムの作成を委託する場合には、資本金が一千万以下であっても、そのような事業者が常時使用する従業員の数が三百人を超えるという場合になりますと、この法律の規制対象となる委託事業者となり得るということでございます。 また、この法律の適用対象とならない中小企業同士の取引でありましても、取引上の地位が受注者に優越している発注者がその地位を利用いたしまして、正常な商慣習に照らしまして不当に不利益を与えるというような場合には、独占禁止法上の優越的地位の濫用規制の対象となるということでございます。 さらには、従業員を使用していない個人事業者など、いわゆるフリーランスの問題でございますが、そういう方に発注をするという場合には、昨年の十一月から施行がされておりますフリーランス・事業者間取引適正化法の規制の対象ともなり得るということでございます。 公正取引委員会といたしましては、引き続き、これらの法律、独占禁止法なども含めまして、問題行為に対しまして厳正に対処するということで、情報サービス業におけます取引の適正化に努めてまいりたいと考えてございます。
○平山佐知子君 この情報サービス業界で、この労務費の価格転嫁、これ適切に行われないという原因は、もちろん先ほどから言っているように多重下請構造にもあると思いますけれども、それだけではなくて、各企業でのITシステムの保守運用の上流の発注者、こちらにもやはり問題があるんではないかと思っています。 このシステムの保守運用というのはIT技術者がその企業に常駐をして業務を行うもので、その人が下請業者だとしても、自社が保守運用に幾ら支払っているのかというのを確認をすれば、その技術者の給与水準というのは大体分かってくると思うんです。 このIT保守運用を委託する企業は優越的地位にあるわけですから、このシステムの保守運用部分に関しても、単価引上げの要請があれば応じるべきですし、たとえ要請がなくても何らかの手当てを講じていくべきというふうに考えますけれども、政府の見解をお願いいたします。
○国務大臣(伊東良孝君) 平山委員の御質問にお答えしてまいります。 価格転嫁につきましては、その事業者の主な事業分野についてだけでなく、全ての分野の調達、発注について取組を進めていくことが必要であります。したがいまして、御質問のように、例えば製造業者がシステムの保守運用などを委託する取引についても価格転嫁の取引の対象となるわけであります。 また、価格転嫁についての考え方は、労務費転嫁指針などでも明らかにしておるとおり、受注者から要請があった場合に協議に応じることはもちろん、要請がなくとも発注者が自ら協議の場を設けるべきであると考えており、引き続きその普及啓発に努めてまいりたいと考えております。
○平山佐知子君 やはりこの価格転嫁ができる状況にしっかり持ち込んでいくということ、本当にこれは今最も重要なことであると私は考えています。これができれば家庭での収入アップにもつながっていくわけですから、価格転嫁ができる状況をつくり出すことができるかどうかというのがもう今、肝だと私は考えています。 ここで、次に、最後、大臣にも伺いたいんですけれども、先日この委員会でも触れたVチューバーについてですけれども、去年、制作大手が下請のクリエーターなどに合わせて二百四十三回無償でやり直しをさせたとして、公正取引委員会が再発防止を求める勧告をしました。契約書にはない無償のやり直しが二百四十三回行われたということで本当に驚きましたけれども、また、その下請事業者のうち八割がフリーランスのクリエーターで、やり直しが終わるまで代金が支払われなかったり、それから経理処理を忘れて最大一年八か月支払われなかったケースもあったということで、深刻な事態だと思っています。 今、国内ではIT技術者、圧倒的に不足していると言われています。これ、フリーランスでやっていらっしゃる方は、本当に頑張って実力を付けて、本当に個人で高い技術力を持って現場で活躍している方だと思います。コンテンツ産業というのは半導体産業にも匹敵しているというふうに言われている、規模だと言われていますし、そこを支えているのは、やはりこのIT技術者の方だったり、フリーランスである、コンテンツの源泉でもクリエーターの皆さんであると思っています。 そうしたクリエーターの皆さんのこの才能が十分に発揮できるように支援をするということはやはり極めて重要なことだと私も思っています。先ほど申し上げたような状況が続けば、優秀な人材がどんどん海外に流出してしまうということも十分考えられると思います。 このIT技術者の海外流出を防ぐことなど総合的にIT技術者を守っていくことなど、我が国の重要な責務であるということも感じていますけれども、大臣の見解を伺わせてもらいます。
○国務大臣(武藤容治君) 委員御指摘のとおりだと思います。 技術を持つクリエーター等が公正な取引環境の下で御活躍いただくことは、委員もおっしゃられるように、海外への流出防止につながり、また、我が国コンテンツ産業をしっかりと基幹産業へと成長させていく観点からも重要だと思います。 このため、フリーランスのクリエーターやIT技術者等が支払遅延などで不利益を被らないよう、公正取引委員会と連携をし、フリーランス法、今御紹介ありましたけれども、また下請法も厳正に執行していきたいというふうに思っております。 また、クリエーターの就業環境の整備支援ですとかコンテンツ産業向けの下請法の説明会のほか、クリエーター等による取組をビジネス化する支援ですとかデジタル人材育成の指針策定など、引き続き国内での活躍の促進に今後とも取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 以上で終わります。
○委員長(牧山ひろえ君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時十一分散会