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217回国会参議院2025/02/04

議院運営委員会 第4号

発言数
114
登壇者
15
会派数
6
開催日
2025/02/04

会議録

牧野たかお自由民主党

○委員長(牧野たかお君) ただいまから議院運営委員会を開会いたします。  まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  検査官の任命同意に関する件のため、本日の委員会に参考人として検査官候補者・上智大学非常勤講師田中淳子君及び検査官挽文子君の出席を求め、所信を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧野たかお自由民主党

○委員長(牧野たかお君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

牧野たかお自由民主党

○委員長(牧野たかお君) 次に、検査官の任命同意に関する件を議題といたします。  候補者から所信を聴取いたします。  まず、田中淳子君にお願いをいたします。田中淳子君。

田中淳子検査官候補者/上智大学非常勤講師

○参考人(田中淳子君) ありがとうございます。田中淳子でございます。  本日は、このような機会を与えていただきまして、厚く御礼を申し上げます。  まず、会計検査院につきましては、内閣から独立した憲法上の機関として、国の会計検査を実施し、その結果に基づいて、検査報告を作成し、内閣を通じて国会に御報告するという大変重要な使命を課されているというふうに認識しております。  また、検査官につきましては、三人で構成される検査官会議の一員として会計検査院の意思決定に関わり、事務総局を指揮監督するという非常に重い職責を負っているというふうに承知しております。  近年、日本の社会経済は、人口減少や少子高齢化に伴う社会保障費の増大、また安全保障環境が厳しさを増す中での防衛費の増額、さらに、物価の上昇や円安などを受けた国民の生活への不安といった現実への対応が喫緊の課題となっております。  そうした中、会計検査院では、不正不当な事案に対する正確性、合規性の観点からの厳正な検査に加えまして、こうした社会経済の動向を踏まえながら、経済性、効率性及び有効性といった観点からの検査を重視し、行財政の透明性及び説明責任の向上、さらに、事業運営の改善に資するための分析や評価を行うことが重要になっていると考えております。  私は、昭和六十三年に大学を卒業後、NHKに取材記者として入局し、去年まで三十七年間にわたって勤務しておりました。この間、ワシントン支局長を務めるなど、国際分野での報道に携わってきたほか、日本の外交や産業政策などの各分野、日本企業の動向など、国内外の政治、行政、経済について取材や報道に携わってまいりました。また、広報局長として広報の業務に従事したほか、複数の部局で組織のマネジメントに当たってまいりました。  仮に検査官に任ぜられるとするならば、私は、こうした活動を通して得た知識や経験を生かし、国民の皆様の御関心の所在や国会における御審議の状況に常に注意を払うなど、多様な御意見に耳を傾けながら、検査官会議における公平かつ均衡の取れた意思決定に寄与することによって、職責を全うしたいというふうに考えております。また、社会経済の動向を分析し、検査官会議の議論に貢献するとともに、国民の皆様の目線に立って会計検査の結果を少しでも分かりやすく御説明する方策などについて事務総局に助言していければというふうに考えております。  以上、簡単ではございますが、私の所信を述べさせていただきました。  本日は、このような機会を与えていただきまして、改めて厚く御礼を申し上げます。

牧野たかお自由民主党

○委員長(牧野たかお君) ありがとうございました。  次に、挽文子君にお願いをいたします。挽文子君。

挽文子検査官候補者/検査官

○参考人(挽文子君) 挽文子でございます。  本日は、このような機会を与えていただき、厚く御礼を申し上げます。  近年、我が国の社会経済は、急速に進行する少子高齢化や人口減少、潜在成長力の停滞、自然災害の頻発化、激甚化、厳しい安全保障環境、行政のデジタル化の遅れなどといった難しい問題に直面しており、これらへの対応が喫緊の課題となっております。  会計検査院は、このような社会経済の動向を踏まえつつ、内閣から独立した憲法上の機関として、国の会計検査を実施し、検査の結果に基づき、検査報告を作成して、内閣を通じて国会に御報告するという重要な使命を課されております。  会計検査院の組織は、意思決定を行う検査官会議と検査を実施する事務総局で構成されており、三人の検査官から成る検査官会議は、合議によって会計検査院としての意思決定を行うほか、事務総局を指揮監督しております。  私は、昭和六十二年に大学を卒業後、一橋大学大学院の教授等として、会計学、特に管理会計・原価計算について研究、教育を行うとともに、この間、政府の審議会等の委員を務めさせていただくなど、政府の施策等についても知見を深める機会を得ました。  そして、令和五年に両議院の御同意をいただいて検査官に就任し、以降、一年五か月弱、検査官会議の一員として会計検査院の意思決定に携わってまいりました。  前回の所信で申し上げたように、事務事業などのライフサイクルコストや品質コストを検討する際に、私は、安全性と有効性を重視し、中長期的な視野に立ち、経済性を追求することが重要であると考えております。また、行財政の透明性、国民に対する説明責任の向上や事業運営の改善に資する検査が必要と考えており、私は、検査官として、これらのことを常に意識しながら、現在の社会経済の動向、国民の皆様の関心や国会での御審議の状況などにも注意を払って、検査官の職務に専念してまいりました。  この間、三件の国会及び内閣への随時報告、一件の国会からの要請に係る検査結果の報告を行い、また、昨年十一月六日には、令和五年度決算検査報告を取りまとめて内閣に提出したところです。  そして、令和七年次の会計検査について、国会における審議の状況に常に留意するなど、引き続き国会との連携に努めることとするなどの基本方針を定め、これに基づく検査の実施について事務総局の指揮監督に当たっております。  仮に検査官に再び任じられるとするならば、私は、これまで研究者として、また検査官として職責を果たしてきた中で培った知識、経験を生かし、国民の皆様の関心の所在や国会における御審議の状況に常に注意を払うなど、国民の目線を大切にしながら、検査官会議における公平かつ公正な意思決定に貢献することによって、検査官としての職責を担ってまいりたいと考えております。  以上、簡単ではございますが、私の所信を述べさせていただきました。  本日は、このような機会を与えていただき、改めて厚く御礼を申し上げます。

牧野たかお自由民主党

○委員長(牧野たかお君) ありがとうございました。  以上で候補者からの所信の聴取は終了いたしました。  挽参考人は一旦御退席いただいて結構でございます。  それでは、まず、田中参考人に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

石橋通宏立憲民主・社民・無所属

○石橋通宏君 立憲民主・社民・無所属の石橋通宏です。  田中参考人に幾つか質問をさせていただきたいと思いますが、今、所信でもお述べいただいたとおり、御自身は長年にわたって、三十七年間という話もありましたが、日本放送協会、公共放送を担われる立場で、ジャーナリストとして様々国内外で活動されてきたというふうに理解をしておりますが、そのジャーナリストとしてこれまでいかに国家権力と向き合ってこられたか、田中参考人のその国家権力に対する姿勢、国民の代表としてのジャーナリズム、ジャーナリストとしての姿勢、少しお話をいただけないでしょうか。

田中淳子検査官候補者/上智大学非常勤講師

○参考人(田中淳子君) 御質問ありがとうございます。大変重い問いかけをいただきました。  国家権力への向き合い方ということで、まず、この検査官のお話をいただいた際、私は、実はメディアとして国家権力というのと常にやはり対峙しておりますので、そこで相通じるところがあるなというふうに思いました。そこに非常に共感したというのが第一でございます。  私、アメリカでの取材も長かったですけれども、アメリカではメディアのことをウォッチドッグ、番犬というふうにも言っておりますけれども、やはり国家の行財政をチェックする、それを、国民は知る権利を持って、有しておりますので、国民に代わってメディアがそれを取材し、分かりやすく伝える。その知る権利というのは、求められて伝えるだけではなくて、国民が知らないことも含めて、やはりこれは知っておくべきだと、安心、安全な生活、また、様々な判断をする上で必要な情報というのを国民が知る、その権利に応える、国民に代わって国家も含めた全ての権力に真正面から対峙するということが大事だというふうに常に思って仕事をしてまいりました。

石橋通宏立憲民主・社民・無所属

○石橋通宏君 今参考人からお話がありました。私も、ジャーナリズムというのは、まさに国家権力の監視装置、警報装置として、国民の代表としてのそういった役割が強くある。参考人御自身は、まさに今おっしゃられたその役割、三十七年間果たされたと思っておられるでしょうか。

田中淳子検査官候補者/上智大学非常勤講師

○参考人(田中淳子君) 恐らくその役割に終わりはないと思っております。  私自身が一〇〇%それを果たせたかと申しますと、そこは主観の問題になってしまいますけれども、自分なりに常にそこを一つの立脚点として向き合ってきたつもりではございます。  NHKという組織の中で、記者であったりあるいは監修者であったり、様々な立場で国家権力と向き合ったり、あるいは国家権力だけではなくていろいろな権力と向き合う場面がございました。そのときは、私の基本というか、何でしょう、生き方といいますか、そこは自律、自主自律ということを大事にしておりますので、自分なりにいつも正しい答え、正しいことを報道するというのが、正しい情報を提供する、そして信頼のできる分析を提供するというのがメディアの役割と思っておりますので、その点では全力を尽くしてきたというふうには言えると思います。

石橋通宏立憲民主・社民・無所属

○石橋通宏君 その上で、今回検査官候補となられたわけですけれども、先ほど所信の中でも触れられましたが、会計検査院、特に検査を行う際の観点として五つの観点を挙げておられます。正確性、合規性、経済性、効率性、有効性、幾つかの点について所信でも触れられましたが、中でもとりわけ、今おっしゃられたような立場で検査官になられた際に、何を一番力点を置いて国民の代表として臨まれるか。  私、やっぱり、国民の命を守り、国民の最低限度の文化的な生活を守り、国民の幸福を追求していく、そういう観点で会計検査院には頑張っていただきたいと日頃から思っております。時に、国の事業、様々な施策って効率性では測れないものがたくさんあります。経済合理性ではないものたくさんあります。むしろ、それが命を守るために必要なこと、合理的でもない、効率的でもない、でもやらなければいけないことってたくさんあるんだと思います。  そういう観点で本来有効性というものは審査されるべきものだというふうに個人的には思っておりますが、参考人の御意見お聞かせいただけますでしょうか。

田中淳子検査官候補者/上智大学非常勤講師

○参考人(田中淳子君) 大変深い御質問をありがとうございます。  私も、まさに国民の安心、安全というのは、やはり経済効率性だけでは守れないということは常日頃思っております。と申しますのは、公共放送においても、その国民の皆様の安心、安全というのはもう第一の重点分野でございます。その観点でいいますと、決して例えば視聴率は取れなくても必要な放送というのがございます。災害情報はもちろんですけれども、福祉であったり教育であったりというところ、そこを担うのが公共の仕事だというふうに私は考えております。  その観点で申し上げますと、委員が御指摘のとおり、私は有効性ということを非常に重要だなと思っております。今回、会計検査院について学ばせていただいた中でも、正しく会計が行われているかという検査だけではなくて、様々な政策、施策がその目的を達して、達成しているか、もし達成していないとすれば、どこが問題であり、原因であり、どうすれば改善できるかというところまで検査をしているというところに非常に感銘を受けております。その点でいいますと、やはり国民の安心、安全を守るという観点の施策というのはたくさんあると思いますので、それが本当にそこに資する効果を上げているかということを検査することは大変重要であると思っております。  加えまして、その五つの観点のほかにも幾つか観点がございまして、そのうちの一つがまさに安全性だというふうに考えております。会計検査院のその検査の中にも、まさにその安全性を主眼とした、安全性に照らした検査というのがたくさんございまして、一番分かりやすい例は、公共事業で橋や道路などの建造物が本当に安全か、耐震基準を満たしているかといったところを非常に専門的な検査を行っているということも知りまして、そういうところまで検査の対象になっているんだなということが分かりました。  どうもありがとうございます。

石橋通宏立憲民主・社民・無所属

○石橋通宏君 ありがとうございます。  最後の質問になろうかと思います。  今おっしゃられたようなこと、極めて大事なポイントだと思いますが、それをやる上では、やはり我々かねてから、会計検査院の人員体制もっと拡充すべきではないだろうか。特に国民の目線で、国民に寄り添って、安全、安心を守るということも含めて、そうすると、やっぱり検査実施部局にはよりその現場に入っていただいて、現場に寄り添っていただいて様々な施策を審査をいただくことが必要だと思います。  今の体制について、今後の拡充について、もしおなりになったときにどういった姿勢で臨んでおかれるか、そのことだけ最後にお聞きしたいと思います。

田中淳子検査官候補者/上智大学非常勤講師

○参考人(田中淳子君) ありがとうございます。  私も実は、千二百人の体制でこれだけ多岐にわたる、しかも時代の変化、社会のニーズに合わせて刻々と変わる検査を行っている、しかも表面的ではなくて非常に深い検査を行っているということに正直驚きました。仮に御同意をいただいて検査官に就任した場合は、そこに無理がないかということはしっかりと検証していきたい、確認していきたいというふうに考えております。  もちろん、政府全体で限られたリソースを配分しなくてはならないのでその限界もあるかと思うんですけれども、委員が御指摘のとおり、大変重要な機能を担っている会計検査院でありますので、十分にその機能を果たせるような体制というのは求めていくべきではないかなというふうに思っております。

石橋通宏立憲民主・社民・無所属

○石橋通宏君 ありがとうございました。

高木かおり日本維新の会

○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりと申します。今日はどうぞよろしくお願いをいたします。  私の方からも、この検査官の同意人事に当たりまして、田中参考人に御質問をさせていただきたいと思います。  先ほど御本人の所信の方からもこの検査院という職務についてるるあったかと思いますけれども、まず、やはりジャーナリストとして今まで国内外で御活躍をされてきたその専門分野の知見をどういった形でこの会計検査の分野にどのように生かしていくのかという点、まず最初にお伺いをしていきたいと思います。

田中淳子検査官候補者/上智大学非常勤講師

○参考人(田中淳子君) 御質問ありがとうございます。  先ほども少し触れさせていただきましたけれども、日頃から内閣から独立した立場で国の行財政のチェック機能を果たすというこの会計検査院の使命には、メディアの役割とも相通じる部分があるなというふうに感じておりました。また、国民の皆様にとって必要な情報、国民の皆様の知る権利に応えるという機能についても、これまで報道現場で内外の政府や企業の関係者を取材し、また行財政や産業界などについて理解を深めるとともに、得られた情報を適切に分析し、分かりやすく報告する訓練を受けてきたその経験が生かせるのではないかなというふうに感じております。  こうした経験ですね、仮に検査官に任ぜられた場合、私は、メディア、とりわけ公共放送の一員として得た知識や経験を踏まえて検査官会議に多様な視点を提供することで、公平かつバランスの取れた意思決定に貢献していきたいと考えております。  特に関心のあるテーマとしましては、先ほどもちょっと触れさせていただきましたが、やはり公共放送にとっても重点分野である国民の安全、安心に直結する分野ですとか、また持続可能な社会に貢献するような分野、そうした分野を意識して、税金等がどのように使われているのか、成果を上げているのかといったことを検査して、透明性、説明責任の向上を目指して職責を全うしたいというふうに考えております。

高木かおり日本維新の会

○高木かおり君 ありがとうございます。  昨今の物価高であるとか、重くのしかかる社会保障費、また防衛費に関しても、先ほど所信でも触れておられたかと思います。そういった中で、多様な声もしっかりと御意見にも耳を傾けていく、それから、この社会情勢の動向、しっかり目を向けていく、そういった姿勢でいらっしゃるんだなということ、改めて今お聞かせをいただいたかというふうに思います。それをやはり国民に分かりやすく情報を伝達していくということが大変重要なのかなというふうに思っております。  今どういったところに重点的にも取り組んでいきたいかということも併せてお話をいただいたかと思いますけれども、やはりこの今現在の会計検査の課題というのは田中参考人の中でどのように感じておられるか、この点についてもお聞かせください。

田中淳子検査官候補者/上智大学非常勤講師

○参考人(田中淳子君) 会計検査の課題ということで、まだ中に入っておりませんので、外から見た印象でお話しさせていただきます。  私は、三点ほどあるかなというふうに考えております。  一点目は、実効性でございます。  会計検査の報告を幾つか拝見いたしましたけれども、やはり毎年のように同じような案件が指摘をされている、その指摘の数も多いということが印象に残りました。せっかく検査をしているんですけれども、それが実際に生かされていくというサイクルを強化していくということが大事かなと思います。  既に会計検査院では、検査結果のフォローアップというのも非常に丁寧にやっております。そうした取組が非常に大切だと思います。それを続けていくことで、ほかの府省に対しても抑止効果のようなことが期待されるかなというふうに考えております。  もう一点は、やはり効率性ですね。  効率性と申しますのは、戦略性というふうに言い換えてもいいかもしれません。限られたリソースで、どこをターゲットに、どこにニーズがあるかということを正しく選定をして、それを戦略的な検査を組み立てて国民の知るニーズに応えていくということが、また行財政に役立つような情報を提供していくということが重要かと思っています。  三点目は、広報の強化ですね。  広報といいましてもいろいろあると思いますが、まず一義的には国会に御報告をするというのが第一ですので、国会の皆様に分かりやすく検査結果をお伝えする、もちろんその報告書の質を上げるということと同時に、分かりやすい説明というのが必要だと思います。さらに、国民の皆様にどのように分かりやすく伝えていって関心を持っていただくかというところが重要かなというふうに考えております。

高木かおり日本維新の会

○高木かおり君 まさに今おっしゃっていただいた、三点おっしゃっていただきましたけど、大変重要な視点だと思っております。  昨今の国会におきまして、本会議や委員会での質疑において、EBPM、証拠に基づく政策立案が取り上げられることが多くなってきたかと思います。その必要性については共通認識になりつつあるのかなというふうに思っておりますが、政府におきましても、EBPMの基本的な考え方や機動的で柔軟な見直しを可能とする政策形成、評価の実践を普及、浸透させるために、やはり、例えば基本解説書というガイドブックを作ったりですとか、各府省が行政事業レビューを行ったりしているかと思います。ただ、この検証なかなか難しくて、元々効果の指標として設定した数値、これの適正性であるとか、課題が多くあるのではないかなというふうに私自身思っております。  そこで伺いたいんですけれども、この政策打ち上げるとき大きく見せることということはある一方で、政策の効果の検証、これがまだまだでありまして、この数値を検証する会計検査院の役割というのはこれますます大きくなっていくのではないかなというふうに思うんですけれども、この点について何かお考えがあればお聞かせいただけますでしょうか。

田中淳子検査官候補者/上智大学非常勤講師

○参考人(田中淳子君) EBPMについて御質問ありがとうございます。  御指摘のように、EBPMを活用したその政策評価ということは、政府内でかなり取組が進んでいるというふうには伺っております。その評価というのを、それがどのくらい効果を上げているかという評価というのはまた大変難しいテーマかなというふうには思っておりますが、既に会計検査院でEBPMに関連する報告を幾つか出しておるというふうに聞いております。  直近では、令和七年一月、まさに先月ですけれども、報告いたしました、「租税特別措置における教育訓練費に係る上乗せ税額控除の適用状況、検証状況等について」というタイトルの報告書がございまして、この報告は、税制調査会の答申において、法人税関係の特別措置の必要性、有効性について、EBPMの観点も踏まえた不断の効果検証を行い、真に必要なものに限定する必要があるという提言が行われていた、それを踏まえて会計検査院におきまして検査を実施したというふうに承知しております。  政策立案の根拠となるデータ等のエビデンスは、会計検査院が会計検査において施策、事業の効果の検証を行う際にも重要なものであると私も認識しております。引き続き、各府省におけるEBPMの取組に留意しつつ、会計検査の充実を図る必要があるというふうに考えております。  なお、EBPM先進国のアメリカのこと、ちょっと触れさせていただきますと、ちょうど私がワシントンにおりましたオバマ政権の頃、リーマン・ショック後の世界金融危機、経済危機を受けたその大規模な景気対策を打つ際、エビデンスを基にした予算編成が重視されまして、そこで活用が進んだというふうに記憶しております。アメリカ政府では、省庁横断でそのEBPMのツールを導入したり、また専門人材の確保とか育成というのが進んでおりまして、そうした点も参考になるところがあるかなというふうに考えております。

高木かおり日本維新の会

○高木かおり君 時間が参りましたので、少しまだ質問もありましたが、これにて終了させていただきます。  本日は本当にありがとうございました。

浜野喜史国民民主党・新緑風会

○浜野喜史君 国民民主党の浜野喜史でございます。御質問させていただきます。  メディアにおける取材の御経験を踏まえて、日本の経済財政政策についての御見解をお伺いをしたいと思います。  田中候補は、NHKに入局後、二〇一三年からワシントン支局長として、二〇〇八年のリーマン・ショックを契機とした世界同時不況からの脱却過程にある米国オバマ政権の取材を行われたというふうにお伺いしています。オバマ政権は、GMを国有化するなど、政府支出を大幅に拡大する路線へと転換し、アメリカ経済の回復を実現したとの評価もあります。  我々国民民主党は、過去三十年にわたる経済停滞からの脱却のためには、経済停滞期の今は国民の負担を減らし、消費を喚起すべきであるというふうに考えているところであります。  候補の米国での御経験を踏まえて、我が国の経済財政政策についての御見解をお伺いしたいと思います。

田中淳子検査官候補者/上智大学非常勤講師

○参考人(田中淳子君) 御質問ありがとうございます。  日本の財政政策をどのようにしていくかということにつきましては、委員がおっしゃったような考えも含めまして、国会で様々な御意見があり、議論が行われているというふうに承知しております。  御紹介いただきましたオバマ政権下の大規模な財政出動につきましては、御指摘のとおり、最悪の事態を回避するのに一定の効果があったというふうに評価されております。一方で、自動車産業など特定の産業や企業への救済の長期的な影響ということにつきましては様々な見方があり、当時、オバマ政権も苦渋の決断というふうに言っていたのを覚えております。  お尋ねいただきました日本の財政については、経済再生と財政健全化の両立という難しい課題に直面して、国民の皆様の関心も高くなっております。予算の編成は立法政策の問題でありますことから、私、検査官候補者の立場でコメントすることは差し控えさせていただきたいと存じますが、国会での御審議には十分注意を払ってまいりたいというふうに考えております。  同時に、会計検査院の使命は、まさにそうした御議論に資するよう、予算の執行について検査を行い、行財政に関する問題提起も含め、検査の結果を国会に御報告することにあるというふうに理解しております。その役割は一層重要になっていると考えております。  今回、仮に任命について御同意いただいた場合は、会計検査院がその職責を十分に発揮できるよう全力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。

浜野喜史国民民主党・新緑風会

○浜野喜史君 ありがとうございます。  次に、メディアにおける御経験も踏まえて、政府による分かりやすい説明ということについてお伺いしたいと思います。  石破総理は今国会の施政方針演説で、賃上げと投資が牽引する成長型経済を実現すると宣言されました。我々国民民主党といたしましても大いに賛同するところであります。  その上で、経済成長の過程におきましてはデマンドプル型の適度の物価の上昇ということが必要になってくるというふうに考えるわけですけれども、そんな中で、デフレマインドが根付いた国民が物価の上昇を許容するのかといったような懸念もあるというふうに考えておるところであります。  そこで、メディアにおける御経験も踏まえまして、こういう適度なやはり物価上昇の必要性ということについて国民の皆様方に分かりやすく説明をしていく必要があるんではないかというふうに思うんですけれども、いかがお考えか、お伺いしたいと思います。

田中淳子検査官候補者/上智大学非常勤講師

○参考人(田中淳子君) 非常に難しい御質問をいただきました。  政策、施策などを進める立場の者がその内容を国民の皆様に分かりやすく説明する方法についてということと理解いたしました。一般化できる処方箋というのはなかなかないと思うんですが、これまでの経験を踏まえた私見ということでお話しさせていただきます。  私は、様々な政策ですとか施策について、短期的な影響だけではなくて中長期的な影響を含めたビジョンを示すことが重要だと常々思っております。これは言うはやすしで、人々の関心もメディアの関心もやはり目先のこと、分かりやすいことに集中する傾向が強まっている中で、かなり意識的、戦略的に行わなければならないというふうに考えております。  例えば、御指摘の物価についてですけれども、日々の生活に追われる中、どうしても目先の物価上昇ということに目を奪われがちなんですけれども、それが経済全体のサイクルにどういう意味を持ち、中長期的には個人の賃金ですとか暮らしにどう影響するのか、逆に、無理に価格を据え置いた場合、そのしわ寄せはどこに行くのかといったことを丁寧に御説明した上で、その先にどのような社会が待っているのか、どのような社会を目指したいのかといったビジョンを示すことが重要だというふうに考えております。  その際、データなどエビデンスを基にしつつ、受け手が自分事として捉えられるストーリーを伝えることが鍵になるというふうに考えております。人々のアテンションが短くなっている中で難しい面もございますが、国民にとってもその長期的な影響というのは知る権利があるというふうに思いますので、そこを丁寧かつ効果的に説明していく努力が必要かと思います。  これを国の収入支出の決算を検査する会計検査院に当てはめてみますと、検査の結果や国の財政状況に関する情報を国民の皆様に分かりやすく伝えていくことは重要な使命の一つであると考えております。仮に検査官に任ぜられた場合は、検査結果等についての広報の状況をよく聞き、ほかのお二人の検査官とも意見交換しながら、メディア出身というこれまでの経験を生かし、分かりやすく国民の皆様にお伝えしていくにはどうしたらいいかということを検討してまいりたいというふうに考えております。

浜野喜史国民民主党・新緑風会

○浜野喜史君 これで最後の質問にいたしますけれども、人材の登用についてお伺いいたします。  会計検査院におきましては、高度の専門性や多様な経験を有する民間人材の検査業務への登用拡大が必要ではないかというふうに私は考えておりますけれども、御見解をお伺いしたいと思います。

田中淳子検査官候補者/上智大学非常勤講師

○参考人(田中淳子君) 民間からの登用も含めて、時代のニーズに合った多様な人材を戦略的に確保、育成していくことは私も大変重要であるというふうに考えております。  私は、これまで取材者として活動してきましたが、DXやAIなど、社会の多様化や技術の進歩のスピードはますます加速していると感じております。そのような社会情勢の中で、非常に広範な国の行財政を検査対象とする会計検査院の仕事においては、職員それぞれの専門性を高めていくということが求められ、また外部から様々な有識者の知見を得ることが必要ではないかと推察しております。  組織マネジメントの点で申し上げますと、特定の人材に偏ることなく、多様な人材を受け入れることによって、新たな視点からの検査というのも生まれてくるのではないかというふうに思っております。

浜野喜史国民民主党・新緑風会

○浜野喜史君 終わります。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。田中参考人、今日はよろしくお願いいたします。  先ほど来出ているんですけれども、田中参考人はこれまで長年にわたってジャーナリストとして活動をしてこられたということです。検査官候補でジャーナリスト経験のある方はこれまではいなかったと、田中参考人が初めてだというふうに伺いました。また、情報分析であるとか組織マネジメントに見識をお持ちであると、広報活動にも精通をされているということです。  その上で、初めに二点お伺いをしたいんですけれども、これまでの質問とも重なるところもあるんですけれども、まず、御自身のこれまでの経験ですよね、それを検査官にどのように生かしていこうと、また生かせるというふうにお考えなのかというのが一点です。二点目は、会計検査に関わって、どのようなことに関心を今持たれているのかということについて伺います。

田中淳子検査官候補者/上智大学非常勤講師

○参考人(田中淳子君) 御質問ありがとうございます。  御指摘のとおり、メディア出身としては初めての検査官候補ということで、大変重責というふうに感じております。  私は、これまで報道の現場で内外の政府それから企業の関係者を取材しまして、行財政また産業界などについて理解を深めるとともに、得られた情報を適切に分析し、分かりやすく報告するという訓練を積んでまいりました。こうした経験は、会計検査院におきまして、検査を担う、実務を担う、事務総局が実務を担って、それを指揮監督するというのが検査官の立場、役割であるというふうに理解しております。  ですので、その際、もう本当に多岐にわたる多様な検査報告が上がってきますので、それを引いた目で見て俯瞰して、適切に理解し、そして分析し、さらに、どういうふうにそれを御報告、国会に御報告するか、国民にお伝えしていくかということの意思決定を行うのが検査官会議、検査官の役割であるというふうに認識しております。  ですので、取材者としての経験もさることながら、例えばニュースデスクですとか支局長ですとか、監修者の立場で、日々様々な、本当、毎日何が起きるか分かりませんので、入ってくる取材情報を的確に確認、まずは正確性の確認ですね、確認し、評価し、そして、その中でそれをどういうふうに放送という成果物として出していくかまでの一連のプロセスを責任を持つという訓練を受けてまいりましたので、そうした経験がその検査官会議における判断、公正な判断、公平かつバランスの取れた判断というのに役立てればいいなというふうに感じております。  もう一つ御質問いただきました関心のあるテーマということですけれども、先ほども少し触れさせていただきましたが、やはり公共放送でいつも意識しておりました国民の安心、安全に係る、直結する分野というのがまず第一にあり、それから、次世代に持続可能な社会を残していくために、例えば地域との格差の問題であったり、様々なその持続可能性に係る施策というところに関心を持っております。  検査でいいますと、もう一つ、その個別の検査も非常に多岐にわたっていて興味深いんですけれども、もう一つ、より大きな構造的な課題を明るみにする検査というのも行われております。例えば、その直近の令和五年度の決算検査報告の中では、予備費の使用であったり、補正予算の使途についての報告がございました。そういうところで、これまで国民から見てなかなか見えづらかった使われ方、繰越金が多額に上ったといった構造的な課題ですね、そうしたものを明らかにするというのも大変会計検査院の重要な使命、役割であるというふうに考えております。  ですので、様々なテーマに関心があるんですけれども、そうした大きな構造的なところに光を当てていくということも検査官に任ぜられた場合は取り組んでいきたいなというふうに感じております。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 ありがとうございます。  次に、今軍事費や防衛費が非常に膨らんでいるということに関わって伺いたいと思うんですけど、田中参考人が日本放送協会のワシントン支局長を務めた経験をお持ちだと。そのアメリカ政府から防衛省が防衛装備品を購入する有償軍事援助、FMSですよね、について昨年度の支出を会計検査院が調べたところ、為替レートの変動で当初の想定よりも一千二百三十九億円負担が増えたと、七千九百二十八億円だったということが分かったということなんですね。FMSは、安保三文書に基づいて軍拡が進められているこの三年間で見ると、一兆円前後で高止まりをしている状況になっています。  また、会計検査院は、防衛装備品などの購入契約について、支払が翌年度以降になる後年度負担の額が二三年度末時点で九兆四千五百五十八億円に上ると、二〇一九年度末に比べておよそ二倍になっているというふうに指摘をしているんですね。そして、後年度負担額などについて引き続き適切に管理をし、より適切な情報の開示を行うことということで防衛省に求めたということです。  今、その異次元の軍拡進めるということで、禁じ手とも言われている建設国債の発行について、来年度予算案でも七千百四十八億円が発行対象となって、二三年度以降で総額二兆九百四十億円に達しているということも分かっているんですね。  こういう禁じ手と言われているようなことも重ねてこの大軍拡ということが進められているということは問題だというふうに考えているんですけれども、参考人がどのように考えるか、教えてください。

田中淳子検査官候補者/上智大学非常勤講師

○参考人(田中淳子君) 防衛予算に関しての御質問と受け止めました。  政府は、防衛力を強化するため、防衛力整備計画において、令和五年度から九年度までの五年間で必要な防衛力整備の水準に係る金額を四十三兆円とするなどしていることを承知しております。  そして、その防衛力をどのように整備していくのかという点について、それはまさに政府で検討されるものであり、その裏付けとなる防衛予算の財源につきましては、政府で検討して国会で御議論するものであるというふうに理解しております。  会計検査院の役割としましては、まさにその議論に資する情報を提供していく、まあ予算の執行後の検証にはなりますけれども、それをまたその後の予算策定に参考にしていただく、その議論に資するような情報を提供していくことが大事だというふうに考えております。既に様々なFMSも含めて防衛予算に関する検査報告というのはしておりまして、令和五年度決算検査報告にも掲記しているというふうに承知しております。  なお、有償援助、FMSによる防衛装備品等の調達の状況については、令和六年六月に参議院決算委員会から検査の御要請があったというふうに承知しております。現在、まさにその検査を行っていると、進めているということで、私はその検査の中身まだ知る立場にございませんが、仮に検査官に任ぜられた場合は、その状況を速やかに把握して、ほかの二人の検査官とともに適切に事務総局を指揮監督してまいりたいというふうに考えております。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 以上で終わります。ありがとうございました。

神谷政幸自由民主党

○神谷政幸君 自由民主党の神谷政幸です。本日は質問の機会をいただき、ありがとうございます。  まずは、これまでのジャーナリストとして活動してこられた経験を基にお話を伺っていきたいというふうに思っております。  田中淳子候補者は、所信でもお話がありましたが、これまでに日本放送協会ワシントン支局長を務めるなど、国際的な視点を持ち、ある意味日本を外からも見るような形で報道の仕事に携わったことがおありだと思います。また、同協会の広報局長をお務めになった経験もあり、ある意味、大局的に組織を見つつ、同時に、長として組織の内外に向けた情報分析を行ってきたことと推察をいたします。  会計検査院は、国会及び裁判所に属さず、内閣に対し独立の地位を有して、会計を検査して監督するわけでありますが、これまで培ってきたジャーナリストとしての経験をどのように生かしていくことをお考えになっているのか、また、報道関係者としては初の検査官候補であることへの意気込みがあれば教えてください。

田中淳子検査官候補者/上智大学非常勤講師

○参考人(田中淳子君) 御質問ありがとうございます。  最後に聞いていただきました初めてのメディア出身の検査官候補の意気込みとしましては、先ほども述べましたけれども、大変重責であるというふうに認識しております。同時に、国の行財政のチェック機能、それから国民の知る権利に応えるというところでは、これまでのメディアの経験、メディアの人間として目指してきたところと重なるところ、相通じるところもあるかなと思っておりまして、そういう意味で、大変やりがいのあるミッションをいただいたというふうに思っております。もちろん、御同意をいただいた場合ですけれども。  長年報道に携わってきた中での知見をどのように生かすかという点でございますけれども、国内外の政治、行政、経済に係る取材を重ねてきまして、その対象は、例えば、ODAですとか貿易ですとか、それから農業政策、半導体産業などの各種の経済政策、また産業政策などに及んでおります。また、日本企業の国際戦略ですとか対外投資みたいなところも取材させていただきました。  一つ特に私が勉強になったのが、TPP、後のCPTPPの取材、交渉過程の取材でございます。御存じのように、貿易の自由化だけではなくて、投資、サービスの自由化、それから知財など、様々な分野のルールをアップデートをするということで、それを取材することによって、日本の様々な分野に係る政策ですとか、その産業の特性を勉強することができました。そうした経験も生かしていきたいというふうに感じております。  同時に、先ほども少し述べさせていただきましたけれども、やはり取材者よりも、監修者としての役割が検査官の役割に相通ずるところがあるかなというふうに感じております。様々な幅広い情報に触れて、その中で情報を分析し、評価し、分かりやすく伝えるというそのプロセスというのは、ジャーナリストといいますか、取材者として、また監修者としてのその柔軟な見方であったり、幅広い見方であったり、バランスの取れた見方というのが生かせるのではないかなというふうに感じております。

神谷政幸自由民主党

○神谷政幸君 ありがとうございます。  今、分析して伝えるというお話がありました。それも踏まえて、続いてもこれまでの経歴に関連をした質問をさせていただきます。  会計検査院は、憲法第九十条の規定に基づいて検査報告を作成しています。その決算結果報告は、国会での決算審査を行う場合の重要な資料になることもあり、内閣総理大臣へ手交する際はマスコミを通じて広く報道されることはもう御案内のとおりであります。そのため、ニュース番組や新聞報道を通じて多くの国民がその検査結果の、検査報告の存在を知ることとなり、関心を高めることにもつながっているというふうに感じております。また、会計検査が行われること自体が検査対象機関に対して相当な権威効果があるものでありますが、同時に、国民の目がしっかりと向けられているということも大切な要素であると思います。  一方で、釈迦に説法で大変恐縮ではありますが、情報へ触れる方法が今非常に多様化しており、テレビを持たずに動画配信サイトで情報を視聴する、新聞は取らずにネットニュースのみで文字情報を得るケースも増えつつあります。それにより、好みの情報に接する時間は増える一方で、関心の低い分野にはどうしても接する機会そのものが減る傾向にあるのではないかというふうに考えます。  幅広いアプローチとして、会計検査院でSNSによる情報発信を行う、またユーチューブチャンネルを立ち上げていることは承知をしておりますが、かつて報道に従事をし、情報の発信側であった立場から、今後の会計検査に対する国民の関心を高める必要性などをどのようにお考えか、また具体的に取り組んでみたいことなどがあれば是非お聞かせください。

田中淳子検査官候補者/上智大学非常勤講師

○参考人(田中淳子君) 御質問ありがとうございます。  御指摘の課題はまさに私もメディアにいた人間としまして日々向き合ってきた課題ですので、なかなかこれがいい処方箋ということを言い当てるのは難しいんですけれども、少し私見になりますが、考えていることを述べさせていただきます。  やはり、今、会計検査院に限らず、どこも、その情報発信の際、自分でお店を広げて見に来てくださいと言っても、なかなか来てくれない。やはり、その対象のところに自分で出ていって情報を伝える、しかも分かりやすく伝える、頭にインプットされるように伝えるということが課題になっているかなというふうに思います。  私は、特にやはり次世代を担う若い方には、自分たちが払っていく税金がどのように使われるのか、それがこの自分たちの将来にどう影響していくのかということに関心を、恐らく今触れていないので無関心になっているのかもしれないんですけれども、関心を持たざるを得ないというふうに思っているんですね。ですので、言ってみれば、そういう知る権利を持っているはずなので、そこにうまくアクセスする方法というのを本当によくよく戦略的に考えなくてはならないなというふうに考えております。  もちろん、SNSの活用もその一つですけれども、SNS、例えばSNSだったらば、それに適したコンテンツ、どのように伝えるかというのもあると思いますので、そうしたこと、若い方からの意見も聞きながら展開していくということは取り組むべきではないかなと思っております。  それから、やはり、直接顔の見える広報と私たち時々申し上げますけれども、信頼できる人から分かりやすい言葉でストーリーとして説明してもらうと頭に入るということがございます。例えば、既に会計検査院でも取り組んでおりますけれども、学校に訪問して授業をして、会計検査院の取組、それから税金の使われ方について説明する、そうするとやっぱり全然関心度が違うと思うんですね。あるいは、会計検査院に来てもらって見学してもらう。  そういうそのリアルの接点づくりというのもますます重要になってくるのではないかなと思っていますので、仮に検査官に任ぜられることになりましたらば、その辺もちょっと取り組んでみたいというふうに考えております。

神谷政幸自由民主党

○神谷政幸君 ありがとうございます。  最後に、組織マネジメントの経験を踏まえて質問をしていきたいと思います。  社会保障制度に関して関心が高いというお話がありましたが、今、医薬品や医療技術やAIなど、非常に技術の進歩が激しくなっております。専門的なものに関しては高度な研修で対応していると聞いておりますが、組織マネジメントの経験を踏まえて、技術の高度化に対応するための人材育成についてのお考えをお聞かせください。

田中淳子検査官候補者/上智大学非常勤講師

○参考人(田中淳子君) これまで報道現場におきましてデジタルも含め様々な手段を用いて取材活動を行ってまいりましたが、デジタル庁の設置に代表されるように、行政の分野におきましてもデジタル化が加速していると承知しております。また、デジタル技術の活用は会計検査院においても会計検査の重要なツールとなっており、その対象はデジタル関連施策以外の分野にも及んでいるというふうに伺っております。  一方で、各種のデジタル技術は日々進化しており、常に知識を新しくしていかなければ立ち所に役立たなくなってしまうということも認識しているところです。この点、会計検査院におきましては、これまでもデジタル技術を活用した検査能力の向上のための教育訓練などを積極的に進めてきたと伺っております。  今回、仮に御同意をいただいて検査官に任ぜられました場合は、検査官会議を構成するほかの二人の検査官の御意見も伺いながら、デジタル技術の活用を含む、事務総局職員の能力向上のために取り組んでまいりたいというふうに考えております。

神谷政幸自由民主党

○神谷政幸君 終わります。

安江伸夫公明党

○安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。  早速ですが、質問をさせていただきたいと存じます。ちょっと後半のバッターになりますので少し先ほどの委員の先生方とも趣旨が重複するところもございますが、ちょっと新たな視点をできれば付加していただければ幸いに存じます。  まず初めに、この度の検査官への就任を打診された際の御心境と、並びにお引き受けになった理由ですね、決意とも言い換えることができるかもしれませんが、改めてお答えいただければと思います。

田中淳子検査官候補者/上智大学非常勤講師

○参考人(田中淳子君) 御質問ありがとうございます。  まず、打診を受けたときの心境ということですけれども、非常に驚きました。それに尽きます。と同時に、会計検査院の使命と役割につきましては、報道に携わる者としてかねてより敬意を持って注目しておりましたので、このような重責を託していただいたということを大変光栄に感じました。  なぜ引き受けたかという理由でございますが、まず、会計検査院、そして検査官の使命が明確で大変共鳴できるものであったということです。また、会計検査院の使命である行財政のチェック機関、国民の知る権利に応えるという機能が、先ほども、繰り返しになって恐縮ですけれども、メディアの役割と相通じるものがあるなというふうに感じ、これまでの取材や情報分析の知見が生かせるかなというふうに感じました。私にとっては思ってもみなかったミッションではございますが、何かこの点と点がつながったような気がして、この目指しているところはこれまでの延長上にあるような気がしまして、挑戦してみたいというふうに感じました。  個人的には、前々から定年退職後はこれまでの経験を生かして何か公共的な分野で社会貢献的なことをしたいというふうに考えておりました。この定年退職後の半年、これまでの御縁ですとか新しい出会いもありまして、様々新しいことに挑戦している時期でございました。その中で、このように、まさに公共的な分野で非常にクリアな、明確なミッションを与えていただいたということで、これは有り難いことだなというふうに思っておりますし、仮に国会の御同意がいただければ、その期待に応えられるように全力を尽くしたいというふうに考えております。

安江伸夫公明党

○安江伸夫君 ありがとうございます。田中候補の強い思いが伝わってまいりました。  その上で、ほかの委員の先生方も御質問されておられますが、やはりジャーナリストとして長らく活動されてきたというところに期待がされているかというふうに思っております。とりわけ国際的な視点というところが特に生かしていけるポイントではなかろうかなというふうにも思っております。  そこで、いわゆる国内のジャーナリズムだけではなくて、幅広く国際的な視点で長らく報道に従事をされてきたということが、とりわけこの会計検査院の検査官としてどのように生かしていくことができるかという文脈でお伺いをしたいと思います。

田中淳子検査官候補者/上智大学非常勤講師

○参考人(田中淳子君) 国際的な視点をどういうふうに生かせるかという御質問で、大きく二つ述べさせていただきたいと思います。  まず、世界の中で日本を引いた目で見たとき、私見ですけれども、人口減少など様々な課題はあるものの、技術力や人材そして文化など、強みや魅力もたくさんあるというふうに思っております。私は、日本にはまだまだ潜在力があるし、今、世界で分断とか対立が深まっている中で、日本に果たせる役割というのがあるというふうに期待しております。  その潜在力を引き出すために、行政の力それから官民連携というのが重要な要因であると思うんですが、その政策の裏付けである予算が効果的に使われているか、有効に使われているかという点が非常に重要になっているかと思います。その議論や検討のベースとなるのが、この予算がどのように執行されているかというファクト、そしてその分析になるかと思います。まさにそれを提示するのが会計検査院というふうに私の中では捉えております。  仮に検査官に就任した場合は、そうした大きな視点も踏まえて、戦略的な検査というのを組み立てていくことに貢献したいと考えております。  もう一点は、国民目線に立ったとき、納税者に対する説明責任が十分果たされているかという課題があるかと思います。  例えば、アメリカでは、日常的に納税者としてというフレーズを聞きます。納税者が税金の使途について知る権利、そして改善を求める権利意識が非常に強く、それに対して政府も、アメリカ政府の場合はGAOという機関がございますけれども、非常に大きなリソースを投じて対応しております。  もちろん国によって事情は違いますが、政府の説明責任、アカウンタビリティーが増すほど、長い目でその国民との信頼関係が増すというふうに考えております。その意味で、海外の例も参考にしながら、国民に対する分かりやすい情報の仕方というのを探っていきたいというふうに考えております。

安江伸夫公明党

○安江伸夫君 ありがとうございました。  続きまして、やはり、メディアでの経験を生かした広報に精通しているということもやはり検査官としても期待されているポイントであることは、他の委員の先生方も御指摘されたとおりでございます。端的で結構ですので、広報に関しての候補の意気込みと、また、会計検査院の活動を広報する、広く国民に知らしめていくということの意義や重要性についての考えをお伺いしたいと思います。

田中淳子検査官候補者/上智大学非常勤講師

○参考人(田中淳子君) ありがとうございます。  これまでの答えと若干重複してしまいますが、広報といってもいろいろ広くございまして、まず一義的には国民の代表であられる国会に、正しい、そしてその議論に資するような充実した報告をするというのが一つあると思います。それ、もちろん会計検査院全体の使命ではございますが、その報告書の書き方ですね、どこにフォーカスをしてどういうふうに分かりやすく充実した報告書にするかというのも、広い意味で私は広報の一部、一部といいますか、一番大切なところかなというふうに思っております。  それに加えまして、やはりその財政民主主義を支える国民、国民が自分たちの税金がどのように使われるかということを知ることが健全な財政民主主義の一つの要素かな、ベースになることかなというふうに捉えております。そこに必要な情報を提供する、分かりやすく提供するということではまだまだ改善の余地があるかなというふうに考えております。  私、まだ外から見ている立場ではございますけれども、仮に検査官に任ぜられた場合は、現在いろいろと広報強化の取組も進めていらっしゃるというふうに聞いておりますので、その状況を確認した上で、更にどんなことができるかということを検討してまいりたいというふうに考えております。

安江伸夫公明党

○安江伸夫君 ありがとうございます。  今お話しいただいたとおりです。まず、今、外で見てきていろいろ問題意識、課題があるという思いを語っていただいたところでございますので、それを純粋に、この検査官に仮に同意されたとしたならば、最大限にその外の視点を生かした活躍を期待を申し上げるところでございます。  もう最後にさせていただきます。  やはり、情報分析、組織マネジメントに関しての高い識見というところも期待されている点の一つと伺っております。会計検査院という組織を捉えたときに、組織としてのまさに問題意識や改善していくべきだと思うところがあればお答えください。

田中淳子検査官候補者/上智大学非常勤講師

○参考人(田中淳子君) 私がこれまで心掛けてきたことは、まず報道の仕事では、第一に正しい情報、それから信頼できる分析を届けること、そして、その届ける、伝える際に広い視点と現場感覚、その両方を持ち合わせることを大事にしてまいりました。組織マネジメントの観点では、与えられた使命を遂行するためにメンバー一人一人が最大限の力を発揮する、それが組織の総力をアップすることにつながるというふうな思いでやってまいりました。こうした経験とそこで得た知見、それを生かしていければなというふうに考えております。  繰り返しになりますけれども、取材者としてだけではなくて監修者として、またマネジメントで得た知見とか経験というのは、その検査官会議という高い視点から、俯瞰した視点からその情報、多岐にわたる情報を分析して、皆様の国会での御審議、あるいは国民の知る権利に応える情報という、分かりやすい情報の形にしてお届けするという、その大事な役割と重なるところがあるかと思っておりますので、そこに注力してまいりたいというふうに考えております。

安江伸夫公明党

○安江伸夫君 終わります。

横沢高徳立憲民主・社民・無所属

○横沢高徳君 立憲民主・社民の横沢高徳でございます。田中淳子参考人、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  検査官というお立場は、企業でいうと取締役のような、要するに、組織をまとめ、方向性を示す重要なかじ取り役であるとともに、あらゆる検査対象を受け入れ、学ぶ柔軟性や想像力、そして知力、また偏りのない判断力、そして職員のやる気を引き出す人間力が最も求められるポジションであると考えますが、田中参考人は会計検査院のかじ取り役として何をこれから大切に取り組んでいかれるのか、お話を伺いたいと思います。

田中淳子検査官候補者/上智大学非常勤講師

○参考人(田中淳子君) 御質問ありがとうございます。  検査官の役割が会社でいうと取締役のような役割という表現は、もうなるほどなと思って今お伺いいたしました。御指摘のとおりで、やはり検査官会議の役割というのは、その検査の、会計検査のプロである専門家の、専門家集団である会計検査院のその検査結果ですね、その中でどういう情報をどういうふうに生かしていくかという、まさにその意思決定を行うという意味で、取締役会というそういう解釈はまさにそのとおりだなと思ってお伺いしておりました。  その際、やはり、特定の専門性もさることながら、その御指摘のとおり、広い視野であるとか柔軟性、バランスの取れた判断力というのが問われると思っております。それが自分にあるかどうかというのはなかなか申し上げにくいところですが、先ほど来申し上げてまいりましたけれども、まさに報道現場、それから組織のマネジメントでそのようなタスク、訓練というのはずっと受けてきましたし、自分も大切にしてきたところでございます。  組織のマネジメントとして、先ほど少し触れましたけれども、リーダーというのはいろいろなタイプのリーダーがいらっしゃると思いますけれども、自分は、やっぱり総合力を上げるためには一人一人に活躍してもらいたい、思い切りですね、力を発揮してもらいたいというのをすごく重視しておりまして、何でしょう、心理的安全性を確保して、コミュニケーション、風通しのいい組織というのが、実はそうするといい情報も悪い情報も入ってきますので、そうした形でこの会計検査院の大事な使命を、また、その国民の負託に受けるような働きをするようにできればなというふうに考えております。

横沢高徳立憲民主・社民・無所属

○横沢高徳君 ありがとうございます。一人一人を大切にというお話をいただきました。  それでは、今日は国会の場で緊張もされていると思いますので、ちょっと軟らかい質問になるんですが、会計検査院検査官は責任の重い仕事であると思います。私も、議員になってから、体調を気遣ってくださる機会が大分増えました。  田中参考人御自身の体調管理、そしてまた健康管理、そしてまた心と体のリフレッシュなどで特に取り組んでいることがありましたら、お聞かせ願いたいと思います。

田中淳子検査官候補者/上智大学非常勤講師

○参考人(田中淳子君) 軟らかい質問ありがとうございます。  報道現場も非常にストレスフルな現場と言われておりますが、私は割とそれを楽しんでしまうタイプなので、ストレスをため込まないでこれまで元気でやってくることができました。  その中で、自分のストレス解消法といいますと、身体的なところでは、シドニー支局にいたときから始めたヨガが一つございます。それからもう一つは、ちょっと最近はまっているのがお茶です。これは、もう全然自己流でございますが、若い頃少し学びまして、海外で簡単なお茶の道具を持っていってお手前をするとすごく喜ばれたという経験がございまして、私、ワシントンの、失礼しました、NHKで最後の方、国際放送という仕事で日本の文化を海外に伝えるという中で、そのお茶の心というのが非常に世界に評価されていて、私自身もちょっと再認識をして、最近では自分でまたちょっとたて始めて、それが癒やしになっております。

横沢高徳立憲民主・社民・無所属

○横沢高徳君 ありがとうございます。日本の文化が癒やしになっているという、すばらしいことだと思います。  それでは、今回、田中参考人が御就任されますと、三名の検査官のうちお二人が女性ということになります。我が国においても、組織の意思決定の場に女性の割合が増えることは望ましいことと考えます。  女性活躍という視点から、田中参考人のまずお考えと、また、田中参考人のお名前、通称を使用されていると承知しております。国際的な場でこれまでも活動されて、長年活動されてきた立場として、女性活躍の視点から、夫婦別姓また通称使用についてのお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。

田中淳子検査官候補者/上智大学非常勤講師

○参考人(田中淳子君) 難しい質問いただきました。  女性活躍一般について、私見になりますけれども、先ほど来申し上げております一人一人が力を発揮できるという中で、もちろん女性についても発揮してもらいたいなというふうに思っているのは当然でございます。  その中で、女性の、多くの女性が経験するライフイベント的なところもございますけれども、最近では本当に女性が増えておりますので、そういうライフイベントで一時的に働き方の配慮みたいなのが必要な場面も出てくるかもしれません。特に会計検査院は出張を伴う実地検査が多いというふうに聞いておりますし、女性のスペシャリストもたくさんいらっしゃるというふうに聞いておりますので、そうした、いかにその方たちに力を発揮していただくかということは一つ私の関心事でもございます。  今までマネジメントの立場から私が二、三、留意してきたことを申し上げますと、例えば子育て中の女性といっても、様々な、もうお一人お一人、育児環境であったり状況、目指すところ、目指すというか、自分のスタイルが違ったりしておりますので、その一人一人のやっぱりその状況と意向というのを丁寧に聞き取る、で、きめ細かく対応することが重要だなというふうに考えております。その中には私は出張も転勤もいとわないという女性もNHKでもおりましたけれども、やはりそれを尊重するということが必要かなと思っています。  もう一つは、短期的なその対応だけではなくて、やっぱり中長期的にその各自のキャリアパスというのを一緒に考えていく、どこを目指していくの、だから今はどうするんだというところですね、一緒に考えるということが重要かなと思っています。  もう一つ最後に、ちょっと留意していたのは、女性に限らずですけれども、勤務に配慮が必要な人というのを、今は育児も男性もしているケースも多いですし、例えば介護を担っているシニア世代もございますし、そういう方たちの働き方の配慮というところにだけに目が行きがちなんですけれども、そのことによって特定の人にその勤務のしわ寄せが行っていないかと、そういう全体的なところも含めて見つつ、女性の活躍を応援していきたいなというふうに思っております。  最後に聞いていただきましたその夫婦別姓のことですけれども、この場で検査官候補者である私が見解を述べるのは差し控えたいと考えております。ただ、この件は、国民生活に影響が大きいですし、一部国際的にも関心事となっておりますので、私自身も国会での御審議に注意を払ってまいりたいというふうに考えております。

横沢高徳立憲民主・社民・無所属

○横沢高徳君 以上でございます。ありがとうございました。

牧野たかお自由民主党

○委員長(牧野たかお君) これにて田中参考人に対する質疑を終了いたします。  田中参考人に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙の中、御意見をお述べいただき誠にありがとうございました。委員会を代表して御礼を申し上げます。(拍手)  田中参考人は御退席いただいて結構でございます。  次に、挽参考人に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

熊谷裕人立憲民主・社民・無所属

○熊谷裕人君 立憲民主・社民・無所属の熊谷裕人でございます。挽さん、どうぞよろしくお願いいたします。  最初に、挽さんは、一期一年五か月、検査官としてもう過ごされておるわけですが、御専門の管理会計の専門家として、先ほどの所信の中では、事業の安全性、有効性、そして透明性と説明責任、そして事業運営の向上に資することというようなことを挙げられておりましたけれど、専門家としてどのような点に今まで特に力点を置いて検査業務に当たられてきたのか、その点をお聞かせいただければと思います。

挽文子検査官候補者/検査官

○参考人(挽文子君) 御質問いただき、ありがとうございます。  検査官としての職責を果たす上で、問題意識についてのお尋ねですが、私は、会計検査院が重視している経済性、効率性及び有効性、つまり3Eの観点からの会計検査は、まさに管理会計・原価計算を専門とする学識経験者の知識が役立つ領域であると考えております。  検査報告に、検査報告の取りまとめに当たりましては、業務内容の見える化による無理、むら、無駄の排除、ライフサイクルコストや品質コストについての考察、多面的な視野から実効性の高い意味のある所見を掲記することにより、検査対象機関における是正や改善を促すことを通じて国民の期待に沿うことを心掛けてまいりました。  特に問題意識を持っているのは、その他の観点の一つである安全性です。安全性と経済性は二項対立となりがちですが、経済性はあくまでも安全性が担保された上で重要となるものであることを忘れてはなりません。  また、職務遂行に当たって興味を持っていたのは、会計検査院における検査や業務のやり方についてでございます。新型コロナ感染症の蔓延を契機として、会計検査院においては、実地検査の重要性を認識しつつも、効果的、効率的な在庁検査の在り方、実地検査の更なる工夫、新たな検査方法導入についての取組がなされてまいりました。それを一層後押しするよう心掛けてまいりました。  さらに、これまでの教育経験を生かして、現代の内外の環境にマッチした人材育成のための研修プログラム等の見直し、人事部門、能力開発部門、検査支援部門など官房横断的な取組を支援することも心掛けてまいりました。  こうしたことより、直接的に検査と検査報告の質の向上に寄与することはもちろん、中長期的に本院の力を上げることに多少なりとも貢献できているのではないかと考えております。

熊谷裕人立憲民主・社民・無所属

○熊谷裕人君 ありがとうございます。  次に、私、参議院議員になる前に地方自治体の議員をやっておりました。国会に来てちょっと驚いたのが、国会も霞が関も、予算を決めるまではすごい熱心なんですけれど、一度その予算を組んでしまうとその後の使い方とか使われ方については本当に関心が低く、いる立場で言っちゃいけないのかもしれませんけど、関心が低いなと感じておりまして、PDCAのサイクルが予算で回っていないんじゃないかというふうに私、常々思っておりました。  その予算のPDCAのサイクルを回すために、先生御専門の管理会計というのは私は大変効果があるんではないかというふうに思っておりまして、その点について、そのPDCAサイクルを回す予算の使い方、途中でその効果がどうなんだというような途中検証も含めて、そこについて挽さんのお考えというか、一年五か月やってみてどのような感想を持たれたのか、お聞きしたいと思います。

挽文子検査官候補者/検査官

○参考人(挽文子君) 管理会計は、予算管理を始めとする複数のマネジメントシステムを研究している学問になります。  検査官としてこちらに伺って職務に就いて思うことは、地方自治体も含めて、民間でいう予算管理というのはコインの裏表になります。重要なのは、事業計画、事業計画のために予算が使われると。事業計画をなぜやるかというと、大きな目的の下で行われるわけです。  会計検査院の役割は、PDCAの中での予算とか事業の執行、決算です。決算から見ていったときに、やはり有効性の観点からの検査を見ますと、その計画段階の事業計画の方の甘さがあるのではないかと思います。そういう問題点はありますし、また不用について、これ、不用は確かに計画がちょっと甘かったから出るものですけれども、民間だと不用と言わないで何かこじつけて使ってしまうことがあるんですけれども、そこはやっぱり公の組織というのはすごいなというふうに思っております。

熊谷裕人立憲民主・社民・無所属

○熊谷裕人君 ありがとうございます。  まさにその執行、目的を達成するための事業が本当にきちんと進行されているかどうかというところの管理が私は必要だなというふうに思っていまして、なかなかそれができていないのが国会なのかなというふうに思っています。  というのも、多分、財務会計のシステムが昔のまんま、古いまんまで、挽さんも先ほど行政のデジタル化が遅れているという話をしていましたが、そこが会計の分野でも大変遅れているんじゃないかなと思っておりまして、そこが進めばもう少しその事業の途中の進捗状況とかそういうものがきちんと分かって、国会にもすぐ答弁ができる状況ができるんではないかというふうに私は思っておりまして、その辺の、挽さんもさっきおっしゃられていた行政のデジタル化、財務会計のデジタル化というところについては、どのように今後再任をされたら取り組んでいくのか、お聞かせいただきたいと思います。

挽文子検査官候補者/検査官

○参考人(挽文子君) 行政のデジタル化の遅れについては、本当に議員のおっしゃるとおりかと思います。  会計検査院では東京国際会計検査に関しての議論をする場を毎年一回設けておりまして、その場で、特にドイツにおいてはデータベースを会計検査院がアクセスできるようになっておりまして、公共、地方の自治体を含む様々なデータがそこからアクセスできるようになっております。  それを見ると、どういうことが起こるかというと、内部牽制が地方自治体において進むと思うんですね。地方自治体は、特にコロナ禍にいろいろな仕事が上から降って湧いてきて、相当疲弊していると思います。やっぱり、そういうところのデジタル化を進めることによって、公会計だと管理会計、財務会計分かれていないんですけれども、管理会計の世界では、例えば、今回、予備費とか補正予算について、現場ではきちんと管理簿を付けて、事業別に管理をしているんですね。  その管理をするときに、エクセルで作っているというところでしたけれども、そこも、エクセルですと、やはり得意な人ばかりだと問題はないんですけれども、作るときに、じゃ、本当であればですよ、民間であれば、日次決算、当たり前になってきているところが企業によってはございます。少なくとも月次決算をやって、進捗管理をしていくことの重要性というのは、評価するためではないんです。月次の目標あるいは年次の目標を達成するために、じゃ、例えば、十日間でこれだけできた、残り二十日ある、三十日、月次の目標を達成するにはあと二十日どれだけ頑張ればいいのかということを自分たちで知るためなんですよね。そういうことをやっていると、結局、決算のときにも、途中が分かっていますので非常に楽だと思います。  それを、デジタル化を使いながら、現場の負担はなるべく掛けないようにしながら進めていただければいいなと、これは本院に関しても同じことですけれども。以上でございます。

熊谷裕人立憲民主・社民・無所属

○熊谷裕人君 終わります。ありがとうございました。

青島健太日本維新の会

○青島健太君 日本維新の会の青島健太と申します。よろしくお願いをいたします。  この一年余り、国会は、残念なことですけれども、自民党の派閥のいわゆる裏金の問題で、この追及と議論に終始してまいりました。大きく国政への信頼失墜していると感じております。  政治改革の議論の中で、ある国会議員の方は、この会計をめぐる国会議員のレベルを野球に例えて草野球だというふうに評した方もいらっしゃいますが、私も少し野球やっていましたので、いやいや、これ草野球以下じゃないかと私なんかは思っています、不記載ですから。ただ、これ、人ごとだと思っていません。もう全ての国会議員に問われていることだろうと思います。  こうした中で、挽参考人は会計の御専門でいらっしゃいます。まずもってこの会計における基本は一体何なのか、それから今国会議員に問われていることはどういうことなのか、お感じになっていることをまずお聞かせいただければと思います。

挽文子検査官候補者/検査官

○参考人(挽文子君) 御質問いただき、ありがとうございます。  まず、国会議員の皆様のことをどう思っているかということに関して、検査官候補者である私が申し述べるのは僣越であり、お答えは控えさせていただきたいと存じます。  会計経理、会計についてですが、これまで管理会計・原価計算についての研究に携わってきた経験を踏まえて申し上げますと、例えば、すごい古い話ですが、企業会計原則の第一に、真実性の原則がございます。企業なり組織なりの諸活動等に貨幣の光を当てて写像させると。つまり、適正な会計処理に基づいて損益計算書や貸借対照表などの財務諸表を作成して、ありのままを伝えるということがまずは重要であると考えております。  そのために、会計に携わる者にとって重要なのは、職業倫理でございます。また、私が重視しているのは、インテグリティー、誠実性でございます。

青島健太日本維新の会

○青島健太君 ありのままを伝える、職業倫理、インテグリティーという言葉もいただきました。そうした方向でやってまいりたいと思います。  挽参考人はもう既に検査官として御活躍をいただいております。ここまでの御自身の活動ぶり、どのように評価されているでしょうか。

挽文子検査官候補者/検査官

○参考人(挽文子君) 検査と検査報告の質の維持向上に向けて、職員が主体的に自信を持って仕事に取り組めるよう、管理会計・原価計算の専門家として理論的な裏付けをすることにより、事務総局を指揮監督してまいりました。  具体的には、私の専門である管理会計の知識、知見に基づいて、例えば、予算管理などのマネジメントシステムを使って、PDCAを回す際に、効果を上げるためのポイントや考え方を踏まえて検査をし、検査結果に対する所見を分かりやすく記述するよう発言したり、原価計算の知見から、大規模自然災害の頻発等に伴い安全性に対する国民の関心が一層高まっていることに鑑みて、安全性と有効性を重視し、短期的な経済性のみに着眼した検査に終始することがないよう繰り返し発言してまいりました。  この背景には、安全性、安全品質が重要になっている中で、ライフサイクルコスト、品質原価計算の背景にある考え方を広め、実践させることが大切であるという強い思いがございます。  また、検査の質が高くなければ良い検査報告を作ることは難しいのですが、仮に検査の質が高かったとしても、自動的に質の高い検査報告とはならないという認識の下、検査報告の質を向上させることは最終的には国民に貢献することであるという思いから、論文指導や学会賞等の審査経験を生かして積極的に発言してまいりました。  このように、これまでの長年にわたる管理会計・原価計算分野の専門性と研究者の経験を生かして事務総局を指揮監督することで、会計検査院がその役割を十分に果たすことに多少なりとも貢献できたのではないかと考えております。

青島健太日本維新の会

○青島健太君 ありがとうございます。  私たち、自分たちの党の話で恐縮ですけれども、日本維新の会は、大阪において、徹底した行財政改革を行って無駄をあぶり出して、その無駄を削減することで様々な改革を進めてまいりました。国政においては、歳出改革、これを打ち出しております。  国政においても、無駄なもの、あるいは検討を要するもの、たくさんあるんではないかと思います。御所見を伺えればと思います。

挽文子検査官候補者/検査官

○参考人(挽文子君) 歳出予算の中で何が無駄か、あるいは検討が必要かという点については、価値判断を含み、様々な考え方もありますことから、この場で何か申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じますが、経済財政運営と改革の基本方針二〇二四についてにおいて歳出改革努力を継続するとされ、また、現在、予算委員会において政府と各議員の間で様々な御議論がなされていると承知しております。  我が国の財政は厳しい状況にあると認識しており、会計検査院は、議員御案内の取組も含めて、国会での様々な御議論を踏まえながら検査を実施してきております。  会計検査院は、内閣から独立した憲法上の機関として、常時会計検査を行い、会計経理を監督することになっており、不適切な会計処理を発見したときは、単にこれを指摘するだけではなく、原因を究明して、その是正や改善を促すという積極的な役割を果たしています。そのため、会計検査院は、合規性、経済性、効率性、有効性等の多角的な観点から、契約額が割高になっていないか、事業の遂行、予算の執行が不経済、非効率なものになっていないか、建設された施設の有効な利活用が図られているかなど様々な点に着眼して検査を行っており、検査の結果に基づき検査報告を作成して、内閣を通じて国会に報告しております。  今後も、国会での議論等を十分に踏まえながら、多角的な観点から検査を実施していく必要があると考えております。

青島健太日本維新の会

○青島健太君 ありがとうございます。  さて、いよいよこの春、大阪・関西万博が始まります。二千億円を超える予算、経費が投じられて行われます大変大きなイベントであります。何としても成功に導かなければならないというふうに思っておりますが、会計検査院のお立場、検査院の立場から、この経費でありますとかあるいはこれから期待される経済波及効果とか、その辺りはどのように映っていらっしゃるでしょうか。お考えをお聞かせいただければと思います。

挽文子検査官候補者/検査官

○参考人(挽文子君) まず、検査官の立場からお答えしますと、委員お尋ねの経費や経済効果につきまして、この場で検査の結果に基づかずに見解を述べることが難しいことを御理解いただければと思いますが、一般論として申し上げますと、事業の実施に当たりましては、適正な会計経理の執行に努めていただくとともに、所期の目的を達成し、効果が上がること、効果を上げることが重要であると考えております。  一国民として申し上げますと、大阪・関西万博が開催されることを大変楽しみにしております。日本国内はもちろんですが、海外からも多くの方々にお越しいただき、良いイベントであったと喜んでいただける万博となることを心より願っております。

青島健太日本維新の会

○青島健太君 丁寧な答弁ありがとうございました。終わります。

浜野喜史国民民主党・新緑風会

○浜野喜史君 国民民主党の浜野喜史でございます。  挽候補は、二〇二一年から昨年の秋まで日本原価計算研究学会の第十三代会長をお務めになられました。この学会はどのような研究を行われているものなのか、御説明をいただきたいと思います。

挽文子検査官候補者/検査官

○参考人(挽文子君) 学会に興味を持っていただき、ありがとうございます。  私が会長を務めていた日本原価計算研究学会は、原価計算の理論及び実践の研究を促進し、原価計算の進歩と発展に貢献することを目的として一九七五年に設立された学会です。日本の学会の中では、日本会計研究学会に次ぐ古い伝統のある学会でございます。  その大きな特徴は、机上の理論というよりも、むしろ実践の研究であることであり、実際に、製造業や非営利組織などの本社はもちろんですが、現場に行って組織が抱えている課題を解決する、あるいは研究者の目で当事者も気が付いていない課題を見付けて、既存の理論を活用しつつ、時には新たな理論を模索しながら、一緒になって課題解決に資する新たな仕組みなどを検討していくというような研究を行っております。

浜野喜史国民民主党・新緑風会

○浜野喜史君 ありがとうございます。  その学会における研究も踏まえて、価格転嫁についての見解をお伺いしたいと思います。  私たち国民民主党は、手取りを増やすことを公約の第一に掲げるなど、賃上げを起点とした力強い経済成長、すなわち給料が上がる経済の実現を目指しているところでございます。賃上げのコストなどを適正に販売価格に展開することがそうした経済の実現には必要だというふうに考えているところでございます。  適正な価格転嫁のために政府がどのような対応を行うべきなのか、学会での研究も踏まえて御見解をお伺いできればと思います。

挽文子検査官候補者/検査官

○参考人(挽文子君) 我が国経済の長期停滞の原因に関しましては、委員の言われるようなことも含めて様々な見解があると承知しております。候補者として見解を申し上げることは僣越であり、控えさせていただきたいと存じますが、一般論として、原価の販売価格への転嫁が適切に行われることは経済の成長において重要なことであると認識しております。  具体的な経済政策や金融政策については、政府や日本銀行の所掌とするところであると認識しておりますが、会計検査院は、政府の支出に対して、合理性、経済性の観点だけでなく、効率性、有効性等の多角的な観点から検査を行い、政策目的が十分に達成されていないなどの問題があれば是正や改善を要求することによって、政府が国民に対するアカウンタビリティーを適切に果たすことに貢献することが求められていると認識しております。  今回、任命について御同意いただいて引き続き検査官に任ぜられました場合には、お尋ねいただいた視点なども踏まえながら、他の二人の検査官とともに事務総局を指揮監督してまいりたいと考えております。

浜野喜史国民民主党・新緑風会

○浜野喜史君 これで最後の質問にいたしますけれども、原価の価格への適切な転嫁が経済にとっても重要だというようなお話もいただきました。  その原価の販売価格への転嫁は、消費者の理解も必要であるというふうに考えております。販売価格の上昇が企業の売上げ、業績につながり、更なる賃上げにつながって、それが消費の拡大、更なる経済の発展につながっていくという成長モデルについて国民の理解を高める必要があるというふうに考えておりますけれども、どのような説明が適切というふうにお考えか、お願いしたいと思います。

挽文子検査官候補者/検査官

○参考人(挽文子君) 政策や事業を進める立場の者がその内容を国民の皆様に分かりやすく説明する方法についての御質問と認識してお答えいたします。  私は、長年研究活動に従事してまいりましたが、研究発表を行う際には、まず最初に当該研究を行うことにした問題意識と意義について丁寧に説明することを意識してまいりました。  特に、フィールドリサーチという方法を用いた経験的な研究に力を入れて取り組んでまいりましたので、研究対象となる様々な企業、非営利組織の経理部門や事業部門などに所属する方々にヒアリングするほか、時には職員の方々が利用する食堂にも赴いて多くの対話を交わすことで、様々な視点から状況の把握に努めてまいりました。  そして、取りまとめた研究成果については、現地、現物、現実のリアルな情報をありのままに、それに加えて自らの解釈を交えて報告するようにしておりました。その際、発表を聞いている方々との双方向のやり取りも重視しておりまして、特に関連する専門家がおられれば発言を求めるなど、その場にいる全員の理解が深まるように努めてまいりました。  会計検査院においても、検査の結果に関する情報を国民の皆様に分かりやすく伝え、国民の皆様に知っていただく、このことは重要な使命の一つであると認識しており、近年は、検査報告でも図表を積極的に活用するほか、報道に携わる方々の意見も取り入れて、案件説明用の分かりやすいスライドを作成するなどの工夫をしているところです。  御質問に対する直接のお答えとはなっていないかもしれませんが、私の研究者としての工夫及び会計検査院における近年の工夫を説明させていただきました。

浜野喜史国民民主党・新緑風会

○浜野喜史君 終わります。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。挽参考人、よろしくお願いいたします。  初めに、防衛省がアメリカ政府から防衛装備品を購入する有償軍事援助、FMSについてお伺いをいたします。  このFMSについて、昨年度の支出を会計検査院が調べたところ、為替レートの変動で当初の想定よりも一千二百三十九億円負担が増えたと、七千九百二十八億円だったということが分かったということです。FMSは、安保三文書に基づいて大軍拡が進められているこの三年間で見ると、一兆円前後で高止まりをしているという状況になっています。  前回、二〇二三年二月の質疑で我が党の議員がFMSについて参考人に質問をしたんです。そのときに、アメリカに都合のいい契約方法が問題になってきたということを指摘をして、米国政府の手数料であるとか管理費等も加算されるなど、なぜこうした費用を日本国民の税金で払わなければならないのかと、メスを入れる必要があるんじゃないかというふうに質問をしたのに対して、参考人が、防衛装備品等の調達は適切なものになっているのか、原価計算の専門家としての視点で検査をしていきたいというような答弁があったんですね。  そのことを踏まえて質問をするんですけれども、実際に検査をしてみて、その調達が適切なものになっているというふうに考えていらっしゃるのかということと、FMSについてしっかりメスを入れる必要があるというふうに思うんですけれども、参考人、どのようにお考えでしょうか。

挽文子検査官候補者/検査官

○参考人(挽文子君) 御質問いただき、ありがとうございます。  FMSについては、会計検査院はこれまでも重点を置いて検査をしてきており、装備品等の納入が大幅に遅延している事態や未精算額が多額に上っている事態、日本に返還可能となっている資金の返済請求が適切に行われていない事態などについて、意見表示事項や処置要求事項などとして複数回検査報告に掲記したり、平成三十年六月に参議院から国会法の規定に基づく検査の御要請をいただき、その結果を令和元年十月に御報告したりしております。  しかし、これらはいずれも私が検査官に就任する前に報告したものです。私が検査官に就任した後については、令和六年六月に参議院から検査の御要請をいただいて、現在検査を実施しているところであります。  FMSについては、このように現在検査を実施しているところであり、御質問には一般論としてのお答えになりますが、FMSを含む防衛費については一般競争入札になじまない装備品の調達も数多くあることから、原価計算の専門家として、民間企業のプロジェクト管理の視点も踏まえつつ、防衛装備品等の調達は適切なものになっているか、より少ないコストで実施できないかなどに着眼して検査していくことが考えられます。  これまでの検査で明らかとなった状況や国会での御議論、国会の関心等を踏まえつつ、FMSについて適切に検査を実施するよう、二人の検査官とともに事務総局を指揮監督してまいりたいと考えております。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 ありがとうございます。  FMSに加えて、会計検査院が、防衛装備品などの購入契約について、後年度負担の額が二三年度末時点で九兆四千五百五十八億円に上っていると、二〇一九年度末に比べておよそ二倍になっているということも指摘をして、適切に管理をし、より適切な情報の開示を行うことを防衛省にも求めています。  この異次元の大軍拡というような状況になる中で、禁じ手である建設国債の発行についても、来年度予算案で七千百四十八億円が発行対象となっていて、二三年度以降で総額二兆九百四十億円に達しているということも分かっています。  先ほどのFMSも含めてなんですけれども、その禁じ手を重ねて大軍拡進めているということは問題だというふうに思うんですけれども、参考人がどのように考えるか、教えてください。

挽文子検査官候補者/検査官

○参考人(挽文子君) 政府は、防衛力を強化するため、防衛力整備計画において、令和五年度から九年度までの五年間で必要な防衛力整備の水準に係る金額を四十三兆円程度とすることなどとしていると承知しています。  そして、防衛予算の財源をどのように確保するかという点につきましては、まさに政府で検討して国会で御議論するものであることから、候補者として見解を申し上げることは控えさせていただきたいと存じますが、会計検査院においても、防衛予算及びその決算はどのような状況となっているかなどに着目して検査し、令和五年度決算検査報告において、特定検査対象に関する検査状況として報告したところであります。  これまでの検査結果により明らかとなった状況や国会での御審議も踏まえて、防衛予算が適正かつ適切に執行されているかについて今後も検査してまいりたいと考えております。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 次に、官房機密費に関わって伺います。  官房機密費のうち、調査情報対策費と活動関係費は、領収書など支出先が確認できるものを保存するということになっていますけれども、政策推進費は官房長官自身が管理をしていて、いつ誰にどのような目的で幾ら支払ったのかということが適切に記録する仕組みがなくて、官房長官しか知り得ないということがあります。  二〇一八年に最高裁が官房機密費の支出関連文書の一部開示を国に命じましたけれども、いつ幾らが官房長官の金庫に入ったのかという記録の開示にとどまっています。  こうしたことを受けて、原告の方たちが政府に対して、官房機密費を国会議員やジャーナリスト、公務員に渡すことの禁止や、一定期間が過ぎた支出の公開すら実現していないというふうにして、官房機密費が政策買収や世論誘導などに使われないことが最低限のルールだというふうに述べています。  その上でお伺いするんですけれども、その透明性とか説明責任が重要だということ、議論で出てきていますけれども、この官房機密費について、会計検査院による適切な検査が行われているか、検査の強化など必要あるんじゃないかということと、また、その最高裁や原告の方たちの指摘について参考人がどのように受け止めていらっしゃるか、考えをお聞かせください。

挽文子検査官候補者/検査官

○参考人(挽文子君) 会計検査院は憲法九十条に規定された組織でありまして、国の収入支出の決算は全て毎年会計検査院が検査を行うと規定しております。したがって、官房機密費を含めて全て会計検査院の検査の対象になると承知いたしております。  官房機密費の検査については、会計検査院として、引き続き厳正に会計検査を実施してまいる所存でございます。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 ありがとうございました。以上で質問を終わりたいと思います。

山本啓介自由民主党

○山本啓介君 自由民主党の山本啓介です。本日は質問の機会をありがとうございます。  管理会計という観点から、会計検査院における決算検査、そして参議院における決算審査をどのように考えておられるか、また、このような観点から、御自身が検査官に就任することの意義をどのように認識されているかという問いを一年五か月前に馬場筆頭理事がされているんですね。  挽参考人は、今、各先生方から、理事からの、委員からの質問に対する答え、本当に今の、一年五か月前の回答とその決意に一番近い方だと思うんですけれども、その決意に対して、この一年五か月、本当に誠実に取り組んでこられたということが分かる今の答弁であったというふうに理解します。  その上で、PDCAサイクルを回すという点の話がありましたけれども、国の財政におけるPDCAサイクルを適切に回すために、国会の決算審査との連携に留意しつつ決算検査を行うように指揮監督してまいりたいと考えていますということで今の質問に対してはまとめていらっしゃいます。  一年五か月の取組でありますけれども、今お話を伺いながら感じていたことは、一つ一つの、御自身に課題を示しながら、それをクリアしていく、また、そのために必要な環境をつくるということに取り組んでこられたと思うんですけれども、ただ、その中で、一年五か月といえども、なかなかうまくいかない話というのもあられるんだと思います。そういった部分を中心に、一度、一年五か月の感想をお聞かせいただきたいと思います。

挽文子検査官候補者/検査官

○参考人(挽文子君) 御質問ありがとうございます。また、お褒めのお言葉もいただきまして、ありがとうございます。  私が気になっているところですけれども、会計検査院の職員は、検査については一流だというふうにフィールドリサーチをしてきた者から見ても思います。それはなぜかと考えますと、研修が充実しております。特に昨今は、デジタル化対応ということで、テクニカルスキルについての研修が相当充実していると思います。  その一方で、研修プログラム等を見て、若干、研究、教育に携わってきた者から見ると、会計で重要なのは、先ほども申し上げましたように、価値観、考え方の部分でございます。会計検査院は誰のために働いているのか、しかも、九十条に、憲法にのっとる権限のある組織でございますからこそ、一層その価値観、理念、存在意義というのを一人一人が認識しながら働いていくことが重要です。  そう考えたときに、検査報告について、あるいはその発信については、発信については業務改革の中でプロジェクトチームを立ち上げまして、そこに、皆さん報道見られると御存じかもしれませんが、院長自らが加わって率先して指揮監督をされて、大分、大分というか相当改善されつつありますけれども、まだまだ足りないというお言葉もいただいております。  そう考えますと、検査報告の作り込みのプロセスでの助言が私は一番今のところは多かったですけれども、それでもまだまだ足りないというのは、多分、職員の方々、検査、見付けるということに一生懸命だけど、見付けてどうするんだということを御理解いただくというところの視点が、伝統が長いだけに形式があるんですね。守らなければいけないというふうに思われている。  だけど、私、外部から来て思うのは、伝統のある組織で改革を進めるときに必要なのは、守らなければいけないところは守り抜く、でも、変えていかなければいけないところは聖域なしに変えていくことなんだということで、ちょっと気が荒いところもありまして、ちょっと見直し、見直すとある部署から言われる、じゃ、私が行って言ってくるみたいな感じになってしまう。それはまた検査官としてはもっと慎重にやっていかなければいけませんが、そこをもうちょっと頑張っていきたいと考えております。

山本啓介自由民主党

○山本啓介君 もう最後の質問にしたいと思います。  参考人の内面がよく分かりました。  先ほどのコメントで、進捗管理が大事である、重要なのは事業計画、今現在甘いんだというふうな感想も述べられました。  国、検査機関でありますけれども、それから各都道府県、そして市町村と連動する事業、国の事業でありますので、もうこの進捗管理が本当に一定、一元化されるならば本当にすばらしいものであろうかと思いますし、いろんなアドバイスが、国だけではなくて、市町村、都道府県、地方公共団体にもできるんだと思います。民間にも及ぶかもしれない。  そういったことから、先ほどおっしゃった、御自身がおっしゃった進捗管理、今年任命されたならばどのように進めていかれるか、決意を改めて最後にお聞かせください。

挽文子検査官候補者/検査官

○参考人(挽文子君) 進捗管理を進めていくに当たって重要なポイントは、計画で立てた単位と決算の単位を同じにすることというのが基本中の基本かと思います。また、測定にはコストが掛かっていきますので、そのコストを、コストには時間も含めたコストですけれども、地方自治体が大変なときに、その測定のために相当コストを掛けないと測定することができないもの、これについてはもうちょっと考えていく必要があるというふうに考えております。  いずれにしても、今回の指摘でもある案件でありましたけれども、実績報告書と計画を立てる、その提出先が違っている、あるいはその測定単位が違っているという基本的なところを最初からないようにするというようなことが結果的にPDCAを回していくときのポイントになってくるのかなと思いますが、いずれにしても、それを、コストを、人に無理をさせるとむらが生じて結果的にまた無駄が出てしまうので、無理をさせないようにするためにも、デジタル化というのがキーワードの一つになってくるかと考えております。

山本啓介自由民主党

○山本啓介君 ありがとうございました。終わります。

高橋次郎公明党

○高橋次郎君 公明党の高橋次郎と申します。挽さん、どうぞよろしくお願いします。  先ほどから重なる質問もあるかもしれませんけれども、御容赦いただきたいと思います。  まず初めに、先日、二〇二五年のプライマリーバランスが約四兆円の赤字になるという試算が発表されました。プライマリーバランスの黒字化は、国民に対して財政健全化へのメッセージであり、国際的な信用に関わることであるというふうに考えております。  予算は内閣が編成し議会が審議して成立するものではありますけれども、決算をつかさどる会計検査院の検査官として、このプライマリーバランス赤字の試算をどう考えているか、教えてください。

挽文子検査官候補者/検査官

○参考人(挽文子君) 御質問いただき、ありがとうございます。  国と地方の基礎的財政収支、二〇二五年のプライマリーバランスが四兆円程度の赤字になるとの内閣府の試算があることは承知しております。  プライマリーバランスの黒字化目標をどのように設定するかについては、まずは内閣において検討していただくべきことと考えておりますが、いずれにせよ、非常に厳しい状況にある我が国の財政を改善することは大変重要な課題であると認識しております。  会計検査院は、このような課題も念頭に置きながら、国の財政の状況について検査を実施してきております。例えば、決算で見た国の財政状況について毎年度の検査報告に掲記しており、令和五年度決算検査報告においては、一般会計PBは、平成二十一年度以降は改善傾向にあったものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う大幅な歳出の増加により特に令和二年度に大幅に悪化した、そして、その後は再び改善する傾向にあり、五年度は、前年度のマイナス二十三・六兆円から十五・二兆円改善してマイナス八・三兆円となっていることなどを記述しております。  今後とも、その職責を十全に果たすことにより、会計検査を通じて国の財政の改善に貢献してまいりたいと考えております。

高橋次郎公明党

○高橋次郎君 ありがとうございます。  続きまして、各省庁が予算を編成する際に、最終的な予算の執行率という観点から予算のこの見積りの適正化、適正性を検証することも期待されていると思いますけれども、所信にもありました、会計学また原価計算の研究されている挽さんから見て、適切な予算編成をするための視点、また考え方があれば教えてください。

挽文子検査官候補者/検査官

○参考人(挽文子君) 会計検査院は、国の収入支出の決算等を検査することを職責としておりますので、予算編成、予算の査定と策定のプロセスそのものを検査するものではございませんが、予算執行について検査を行ったその検査結果というのは、PDCAサイクルの中で次の予算編成や国会における御審議に活用されることが望ましいと考えており、予算執行の在り方、あるいは制度の改善につながるような適切な検査に努めていく必要があると考えているところでございます。  会計検査院といたしましても、これまでも、例えば、新型コロナウイルス感染症対策に関連する各種施策に係る予算の執行状況について、予備費の使用等の状況について、一般会計の補正予算の執行状況についてなどを検査報告などに掲記しているところです。  まずは、各種事業の執行状況等について明らかにし、その上で、多額の不用額等が生じた場合には発生原因等について究明し、次の予算編成に活用していただくことなどが重要であると考えております。

高橋次郎公明党

○高橋次郎君 ありがとうございます。  それから、挽さんの資料、主な活動というところに、国における企業会計制度の整備改善に関する審議に参加という、御参加されたということが載っておりますけれども、この国の会計を企業会計のような制度にするそのメリット、若しくはまたそのデメリットがあれば教えていただきたいと思います。

挽文子検査官候補者/検査官

○参考人(挽文子君) 公会計制度の現状と課題についての御質問と受け止めております。  現在、法律に基づき、特別会計、独立行政法人、国立大学法人、国が出資する株式会社等の会計で発生主義に基づく財務諸表が作成され、公表されており、また、一般会計については、法制化はされていないものの、国の財務書類や省庁別財務書類が作成、公表されているところです。  メリットについて、これらの発生主義に基づく財務情報は、政府の国民に対するアカウンタビリティーの向上に資するものと理解しております。会計検査においても、過去の予算執行の累積であるストックに着目した検査、財務分析等の検査を重視してきており、決算における様々な財務情報は会計検査においても有益な資料となっているところです。  デメリットについてですが、公会計制度をどのようにするかについては、我が国の決算制度の在り方や財政会計法令をどのように定めるかにも密接に関連するものであり、この場で検査官候補者としての私から見解を述べることは差し控えさせていただきたいと存じますが、会計検査院としては、政府の国民に対するアカウンタビリティーの向上に向けて、まずは現在の公会計制度を基に適切に職責を果たしていくことが重要であると考えております。

高橋次郎公明党

○高橋次郎君 ありがとうございます。  それでは、最後になりますが、先ほどの所信の中で一番最後の方に、今後の御決意ということだと思うんですが、国民目線を大切にされるというお話がございました。  この国民目線というのが実は非常に難しいというふうに私も実感しておりまして、国の中にはもう多様な意見があります。国会の中でも多様な意見がありますし、新聞やテレビ、またSNSなんかでももう本当にありとあらゆる意見があり、そこには一つ一つ国民目線があると思っております。  今回、二期目に当たって、その意気込み、国民目線ということに対してのまた意気込みや決意、教えていただければと思います。

挽文子検査官候補者/検査官

○参考人(挽文子君) 国民の目線というのは私も非常に難しいと考えておりますが、これまでフィールドリサーチをずっと重視してまいりました。それは、聞く耳を持つということです。その上で、公平で公正な判断を行っていくことが求められているかと思います。一つの情報源に偏らずに、様々な世代の方々、様々な所得階層の方々など、地域もそうですけれども、そういう、見るときは幅広に声を拾っていく、その上で、公平公正ということ、それからまた誠実にということが重要になってくるかと考えております。  いずれにしても、再び検査官に任ぜられましたら、他の二人の検査官とともに頑張っていきたいと思っております。

高橋次郎公明党

○高橋次郎君 御丁寧な説明ありがとうございました。以上で終わりにいたします。

三上えり立憲民主・社民・無所属

○三上えり君 会派、立憲民主・社民・無所属の三上えりです。本日は、挽文子検査官候補者に対する質疑を行わせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  会計検査院が、検査官、これ三名いらっしゃるんですけれども、挽参考人が再任されまして田中院長が御退任されましたら、検査官の中で一番長い期間になられます。その中で、より一層力を発揮していくために、一期目で得られた知見、そしてその課題を踏まえて、引き続き御尽力いただくことを期待しております。  まず、一期目の取組について伺います。  一期目の在任中、令和四年度と五年度の決算検査報告、そしてマイナンバー、新型コロナ特別貸付等に関する随時報告、そして参議院決算委員会からの検査要請に基づく旅行振興策に関する報告など、数多くの難題を報告をお受けになられたと思われます。  検査官就任以前は大学院の教授として、管理会計、そして原価計算を専門に研究されていらっしゃいましたが、検査官会議における審議の中で御自身の専門性をどのように生かされてきたのか、このことが表れている代表的な案件をお聞かせください。

挽文子検査官候補者/検査官

○参考人(挽文子君) 御質問いただき、ありがとうございます。  私は、検査官としての職務遂行に当たり、これまで管理会計・原価計算について研究に携わってきた中で得た知識、経験を生かし、所信でも申し上げましたように、ライフサイクルコストや品質コストを検討する際に、安全性と有効性を重視し、中長期的な視野に立って経済性を追求することが重要であると考えて、一つ一つの案件に真摯に向き合ってまいりました。  加えて、これまでの学士論文等の指導や科研費、学会賞等審査の経験を生かして、検査報告については、論理の一貫性、収集したデータの解釈、図表を効果的で分かりやすくするための工夫などについて事務総局と議論をして、検査報告の質向上に努めてまいりました。  九月に、一番忙しい時期に入ったものですから、令和四年度決算検査報告については最終の段階しか意見を申し述べることができなかったんですけれども、令和五年度については、検査の計画段階、中間報告の段階、それから最終段階ということで関与することができました。  その中で私が重視してきたのは、先ほど計画が重要であるというふうに申し上げましたが、検査も同じで、検査はプロジェクトで進めるわけですけれども、その最初のときの着眼点とか観点というのが重要になってまいりますので、そこでの助言というのを一生懸命やってきて、また進捗管理ということで、検査官会議は検査官室に閉じこもっていると思われていらっしゃるかもしれない、確かに閉じこもっているんですけど、人を呼べるんです。人を、前はこちらが行っていたんですけれども、余り出歩くのは好まれないみたいで、呼ぶことにしておりまして、進捗管理を行っております。そこで議論を、ディスカッションを行うことで、ただ、職員に主体性は失ってほしくないわけですから、いろいろ言って、どう思う、どう思うと引き出していって、最後は、私はこう思うと、私の言いたい方向にちょっと、こう。でも、いずれにしても、これ、私がそう思うんだということを職員の方、自分がということが非常に重要なので、そこを重視してまいりました。  先ほど、控室で雑談、雑談というか、仕事の話をしているときに、マイナンバーのところの報告で最初から意見をおっしゃっていただいたのが良かったって言われて、あっ、そうですかって、すごくいい気分でここに参った次第です。  どんな案件に対しても、自身の専門性を最大限生かして事務総局を指揮監督してきたと考えておりますが、一つ例を挙げるとすれば、昨年十月に国土交通大臣に意見を表示した「緊急輸送道路にある橋りょうの耐震補強の効率的な実施等について」がございます。  本件は、優先して耐震補強を実施する要対策橋梁の選定に当たり地震時に緊急輸送道路のネットワークとしての機能に及ぼす影響を十分に考慮していない事態等を指摘したものであり、安全性を第一としつつ、効率的な耐震補強の実施を促すことでより早く地震時の緊急輸送道路のネットワークとしての機能を確保することを求めているところに、先ほど申し上げた私の考えがよく表れていると思います。

三上えり立憲民主・社民・無所属

○三上えり君 大変フットワークの軽い挽参考人であることが伝わってまいりました。  その豊富な御経験等、一期目を経て、今強く御関心のある案件、またテーマがありましたら、私見でもいいのでお聞かせいただけますでしょうか。

挽文子検査官候補者/検査官

○参考人(挽文子君) 個人的に、茨城の出身でありまして、東日本大震災のときの被害も茨城でもありましたけれども、研究者時代に、先ほどの日本原価計算研究学会として石巻を訪問しまして、いろいろなところを見学させていただいたりした結果、やはり安全、安心というところで、本院におきましては国土交通省から出向で来てくださっている技術参事官もいらっしゃいまして、その方とは複数回にわたってお話しさせていただきますが、そういった案件に興味を持っております。  また、地方自治体の管轄にはなるんですけれども、上水道、下水道等について、まあこれは国民として、やっぱり予防ですね、品質コストの考え方、一部できているんですけれども、できない理由はやっぱり財政難にもあると思いますので、その辺をしっかり見ていきたいなと一国民としては思っておりますが。  検査官としては、七年次の検査方針というのを立てておりますので、そこが重点、そこで書かれている分野が重点的な領域ということになります。

三上えり立憲民主・社民・無所属

○三上えり君 一貫して研究職に従事されてこられたお立場で、検査官として大変多くの事務方をまとめていかなければならない、この点についての抱負をお聞かせいただけますでしょうか。

挽文子検査官候補者/検査官

○参考人(挽文子君) 私が検査官に就任してまず驚いたのは、霞が関の官僚制組織の中に飛び込んだと、まあ強い意思を持って飛び込んだんですけども、怖くもあったわけです。しかしながら、入ってみますと、会計検査院は健全な危機意識の下に中長期的な視点から業務改革を行っておりました。ですから、私としては、事務総局が進めている業務改革を後押しする形で応援していきたいと、指揮監督をしていきたいと思っております。  その中でも、若干、先ほども申し上げましたけれども、職業倫理とか価値観の共有というところについては、もうちょっと私もサポートできるかなというふうに思っております。  いずれにしても、職員が働きやすい、働きがいのある組織風土をつくることによって、なお一層検査の質と検査報告の質を維持向上させていければと考えております。

三上えり立憲民主・社民・無所属

○三上えり君 ありがとうございます。  また、我々国会の立場としては、検査要請、行政の実態を究明する強力な手段として頼もしく思っている一方で、検査を要してから報告がされるまでに一年半程度、長いもので二年以上掛かるものもあるんですね。先月末提出された旅行振興策に関する報告も、決算委員会が議決してから一年七か月を要しております。  非常にスピーディー感が必要だと思うんですけれども、この点に関してはいかがでしょうか。

牧野たかお自由民主党

○委員長(牧野たかお君) 時間が来ていますので、簡潔に御答弁をお願いします。

挽文子検査官候補者/検査官

○参考人(挽文子君) 国会から検査要請が行われた事項については、会計検査院としてもなるべく早期に御報告することができるよう努力しているところでございます。  しかしながら、検査に長い期間を要する要請もございます。そのような場合には、検査の状況を中間、複数回に分けて報告したりするなどの工夫を重ねているところです。  今後も適時適切に御報告の要請に対応してまいりたいと考えております。

三上えり立憲民主・社民・無所属

○三上えり君 ありがとうございました。質問、以上です。

牧野たかお自由民主党

○委員長(牧野たかお君) これにて挽参考人に対する質疑を終了いたします。  挽参考人に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙中のところ、御意見をお述べいただき誠にありがとうございました。委員会を代表して御礼を申し上げます。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後零時六分散会

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