外交防衛委員会 第2号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2025/03/11
会議録
○委員長(滝沢求君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 議事に先立ち、一言申し上げます。 数多くのかけがえのない命が失われ、かつてない被害をもたらした東日本大震災の発災から本日で十四年を迎えます。 ここに、改めて、犠牲になられた方々に黙祷をささげたいと存じます。 どうぞ御起立願います。黙祷。 〔総員起立、黙祷〕
○委員長(滝沢求君) 黙祷を終わります。御着席願います。 ─────────────
○委員長(滝沢求君) 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、有村治子君が委員を辞任され、その補欠として猪口邦子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(滝沢求君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。 まず、外務大臣から外交の基本方針について所信を聴取いたします。岩屋外務大臣。
○国務大臣(岩屋毅君) 外交防衛委員会の開催に当たり、滝沢委員長を始め、理事、委員各位に御挨拶申し上げますとともに、外交政策の所信を申し述べます。 ウクライナ侵略が国際秩序を揺るがし、安全保障環境も厳しさを増しています。国際社会の随所で法の支配に大きな挑戦がもたらされる中、日米同盟の強化、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた同盟国、同志国との連携、グローバルサウスとの連携の三点を重視しながら、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持することにより、我が国の平和と地域の安定を実現し、国際社会を分断から協調に導いてまいります。 我が国の外交・安全保障の基軸である日米同盟の充実と強化は、石破政権の最優先事項です。先般の日米首脳会談の成果を踏まえ、日米同盟を新たな高みに引き上げてまいります。 日米同盟の抑止力、対処力の一層の強化、拡大抑止の信頼性と強靱性の強化、在日米軍の態勢の最適化に向けた取組を進めてまいります。同時に、普天間飛行場の一日も早い全面返還を目指して辺野古移設を進めるなど、沖縄を始めとした地元の負担軽減と米軍の安定的駐留に取り組んでまいります。 また、経済面では、双方に利益のある形で貿易を推進しつつ、両国における投資と雇用の拡大、先端技術分野における協力、そして、成長するインド太平洋の活力の取り込みを通じ、日米のパートナーシップを更に高い次元に引き上げてまいります。重層的な人的交流も拡充してまいります。 自由で開かれたインド太平洋の実現に向けては、G7、ASEAN諸国、豪州、インド、韓国、EU、NATOなどとの協力関係を更に強化し、日米豪印、日米韓及び日米比を始め、実践的な協力を進めてまいります。 我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、国家安全保障戦略の下、防衛装備移転、政府安全保障能力強化支援、OSAの推進や、サイバー対応能力の向上に取り組んでまいります。 また、テロ及びサイバー犯罪を含む国際組織犯罪分野での協力も強化してまいります。 サプライチェーンの強靱化や経済的威圧への対応、重要・新興技術の保全と促進など、経済安全保障の課題にも全力で取り組んでまいります。 偽情報の拡散などの情報戦には、情報の収集と分析、適時適切な発信、情報セキュリティー基盤の強化に取り組んでまいります。同時に、外交政策に対する国民の理解と支持を得るための発信にも努めてまいります。 近隣諸国などとは、難しい問題に正面から対応しつつ、未来志向の安定的な関係を築いてまいります。 中国との間では、様々な可能性とともに、尖閣諸島情勢を含む東シナ海、南シナ海における力による一方的な現状変更の試みや、我が国周辺での一連の軍事活動を含め、多くの課題や懸案が存在しています。台湾海峡の平和と安定も重要であり、さらに、中国の人権状況や香港情勢についても深刻に懸念しています。 同時に、日中両国は、地域と世界の平和と繁栄に対して大きな責任を負っています。価値を共有する同盟国、同志国との確固たる連携を前提とした上で、戦略的互恵関係を包括的に推進するとともに、建設的かつ安定的な関係を構築するという大きな方向性の下、課題と懸案を減らし、協力と連携を増やしていくために互いに努力していくことが必要です。 ALPS処理水の海洋放出と日本産水産物の輸入規制に関する日中両政府による発表に基づき、中国による日本産水産物の輸入の早期再開を引き続き求めてまいります。また、拘束されている邦人の早期釈放、在留邦人の安全確保にも全力を尽くしてまいります。 韓国は国際社会の様々な課題にパートナーとして協力すべき重要な隣国です。目下、韓国には内政上の動きがあり、また、日韓間には、隣国であるがゆえに難しい問題もありますが、現下の戦略環境の下、日韓関係の重要性はいささかも変わりません。北朝鮮への対応も含め、日韓、日米韓の緊密な連携を強化するべく、今後も緊密に意思疎通してまいります。 竹島については、歴史的事実に照らしても、国際法上も、日本固有の領土であるとの基本的な立場に基づき、毅然と対応してまいります。 日中韓の協力についても、議長国としての取組を着実に進めてまいります。 北朝鮮の核・ミサイル開発は断じて容認できません。また、北朝鮮兵士のウクライナに対する戦闘への参加といったロ朝軍事協力の進展は、ウクライナ情勢のみならず、我が国周辺地域の安全保障に与える影響の観点からも、深刻に懸念しています。引き続き、関連安保理決議の完全な履行に向け国際社会と緊密に連携してまいります。 日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化を実現するとの方針に変わりはありません。 全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現するとともに、北朝鮮との諸課題を解決するため、総理自身の強い決意の下、総力を挙げて最も有効な手だてを講じてまいります。 ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙です。 その上で、現在行われている米国、欧州を含む各国による外交努力が、国際社会の結束の下、長年にわたる戦闘行為の終結と一日も早い公正かつ永続的な平和の実現につながることが重要です。こうした我が国の立場に基づき、G7と連携しつつ、今後もウクライナ支援と対ロ制裁を継続してまいります。 日ロ関係は引き続き厳しい状況にあります。ロシア側による一方的な発信や措置には毅然と対応してまいります。同時に、漁業や我が国周辺の安全に係る問題のように、隣国として解決しなければならない懸案事項があり、ロシア側と適切に意思疎通を行っていく必要もあります。 北方領土問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持しつつ、最優先事項の一つである北方四島交流訪問事業の再開については、特に北方墓参に重点を置いて事業の再開を強く求めてまいります。 中東情勢は、引き続き予断を許しません。ガザ情勢については、人質の解放と停戦に関する合意の誠実かつ着実な履行が必要です。 シリアにおいては、シリア人による対話を通じた包摂的な政治的解決の実現のための支援を行ってまいります。イスラエルとレバノンの停戦合意の完全な履行も不可欠です。 引き続き、関係国、機関と緊密に連携しながら、事態の早期鎮静化、人道状況の改善、イスラエルとパレスチナの二国家解決の実現、そして中長期的な地域の平和と安定の確立に向け、外交努力を重ねてまいります。 グローバルサウスとの連携も極めて重要です。今月のルーラ・ブラジル大統領の国賓訪日、八月の第九回アフリカ開発会議、TICAD9などの機会も捉え、様々な課題への解決策を共につくり上げてまいります。ODAやOSAも活用し、対話を通じたきめ細やかな外交を進め、ODAについては、民間資金動員の促進などの新しい仕組みを導入したいと考えております。 東南アジアや太平洋島嶼国、中南米諸国とも連携を進めてまいります。 各国との人的交流の一層の推進、精力的な文化外交を通じ、対日理解の促進に注力してまいります。 日本企業の海外展開や日本産食品の輸出拡大、対日直接投資を後押ししてまいります。在外公館長自ら先頭に立ち、経済広域担当官や日本企業支援担当官も活用して日本企業をバックアップしてまいります。 本年の大阪・関西万博、二〇二七年国際園芸博覧会の成功に向けた取組を推進してまいります。 ルールに基づく自由で公正な経済秩序の維持拡大も重要です。多角的貿易体制の強化のためのWTO改革、CPTPPなどを通じた経済連携の推進、安全、安心で信頼できるAIの実現や信頼性のある自由なデータ流通、DFFTの推進を含む新興分野での国際的なルール作りにOECDなどとも連携し、取り組んでまいります。 本年、国連が創設八十周年を迎える中、安保理改革を始めとする国連の機能強化に取り組んでまいります。 女性・平和・安全保障、いわゆるWPSに関する国連加盟国ネットワークの共同議長国として、人権や女性参画に根差した外交を推進してまいります。 NPT体制を維持強化し、核兵器のない世界に向けた現実的で実践的な取組を行ってまいります。また、被爆八十年に当たる本年、被爆の実相の理解を一層促進してまいります。 ALPS処理水の海洋放出の安全性については、IAEAと緊密に連携し、科学的根拠に基づき、高い透明性を持って国内外に説明し、理解を得てまいります。 気候変動、国際保健、防災といった地球規模課題については、人間の安全保障の理念の下、SDGsの達成に向けた取組を加速し、ポストSDGsを見据えた国際的なルール形成を主導してまいります。国際機関における邦人職員の活躍も後押ししてまいります。 これらの取組に向けて、外交・領事実施体制の抜本的強化に取り組んでまいります。また、緊急事態対応や邦人保護、情報保全対策などに万全を期すため在外公館の強靱化を推進してまいります。 最後に、今国会において外務省から提出予定の法律案と条約について、御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。 これまで平和国家として築いてきた国際社会からの信頼の土台の上に、対話と協調の外交を全力で進めてまいります。議員各位、そして国民の皆様の御理解と御協力を心よりお願い申し上げます。
○委員長(滝沢求君) 次に、防衛大臣から国の防衛の基本方針について所信を聴取いたします。中谷防衛大臣。
○国務大臣(中谷元君) 防衛大臣の中谷元です。 滝沢委員長を始め、理事及び委員の皆様に防衛大臣としての所信を申し上げます。 今、我が国を取り巻く安全保障環境は、戦後最も厳しく複雑なものになっています。 中国は、国防費を急速に増加をさせ、軍事力の質、量を広範かつ急速に強化をしています。 このような軍事力を背景として、中国は、尖閣諸島周辺を含む東シナ海、日本海、西太平洋など、我が国周辺全体での活動を活発化させるとともに、近年、台湾周辺での大規模な軍事演習を複数回実施するなど、台湾に対する軍事的圧力を高め、さらに、南シナ海での軍事拠点化などを進めております。 このような中国の対外的な姿勢や軍事動向などは、我が国と国際社会の深刻な懸念事項であり、我が国の平和と安全及び国際社会の平和と安定を確保し、法の支配に基づく国際秩序を強化をする上で、これまでにない最大の戦略的な挑戦となっています。 北朝鮮は、体制を維持するため、大量破壊兵器や弾道ミサイル等の増強に集中的に取り組んでいます。近年は、低空を変則的な軌道で飛行する弾道ミサイルの実用化を追求するとともに、ICBM級弾道ミサイルの発射を繰り返し強行しており、今年に入ってからも弾道ミサイルの発射を行っています。 北朝鮮は一貫して核・ミサイル能力を強化をしていく姿勢を示しており、今後も、各種ミサイル発射や衛星打ち上げ、核実験など更なる挑発行為に出る可能性があると考えられます。 このような北朝鮮の軍事動向は、我が国の安全保障にとって、従前よりも一層重大かつ差し迫った脅威となっています。 ロシアは、ウクライナ侵略を継続するとともに、我が国周辺においても北方領土を含む極東地域において、新型装備の配備や大規模な軍事演習の実施など、活発な軍事活動を継続しております。 さらに、近年は、中国とともに、艦艇による共同航行や爆撃機による共同飛行、各種訓練を実施するなど、軍事面での連携を強化をしています。 こうしたロシアの軍事動向は、我が国を含むインド太平洋地域において、中国との戦略的な連携と相まって防衛上の強い懸念となっています。 また、ロシアによるウクライナ侵略が継続する中、北朝鮮はロシアと軍事面での協力を強化をしています。 北朝鮮兵士のロシアへの派遣、またウクライナに対する戦闘の参加など、最近のロ朝軍事協力の進展の動きは、ウクライナ情勢の更なる悪化を招くのみならず、我が国を取り巻く地域の安全保障に与える影響の観点からも、深刻に憂慮すべきものです。 このように、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中で、国民の命と平和な暮らし、そして我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くため、防衛力の抜本的強化を速やかに実現させる必要があります。 スタンドオフ防衛能力や統合防空ミサイル防衛能力といった将来の中核となる能力を強化をするとともに、無人アセット防衛能力、領域横断作戦能力、指揮統制・情報関連機能の強化に取り組みます。 また、部隊が迅速かつ粘り強く活動するためには、機動展開能力や持続性、強靱性の強化も重要です。現有装備品を最大限有効に活用するため、可動率向上や弾薬、燃料の確保、防衛施設への、防衛施設の強靱化への投資を加速してまいります。 既存の国際秩序への挑戦が続く中、こうした防衛力の抜本的強化に加え、同盟国、同志国等との協力、連携を深めていくことが不可欠です。 日米同盟は、我が国の安全保障政策の基軸であり、その抑止力、対処力の強化に向けた具体的な取組を着実に進めてまいります。 あわせて、普天間飛行場の辺野古移設や在沖米海兵隊のグアム移転を含む在日米軍再編を進める中で、抑止力、対処力の強化を図りながら、沖縄を始めとする地元の基地負担軽減を図るため、全力で取り組みます。 本年一月の米国のヘグセス長官就任直後に電話会談を実施をし、日米同盟の重要性について確認をするとともに、可能な限りの早期の対面での会談の実現に向けまして今調整をしておりますが、そこで一致をいたしました。引き続き、トランプ政権との間で、日米同盟を新たな高みに引き上げるために努力をしていく考えです。 同時に、日米韓や日米豪といった日米を基軸とした多国間協力の発展もこれまで以上に進めてまいります。 そして、自由で開かれたインド太平洋というビジョンの実現に資する取組を進めるため、多角的、多層的な防衛協力・交流を積極的に推進をします。 本年初め、インドネシアを訪問し、シャフリィ国防大臣との防衛相会談を行い、防衛当局間で閣僚級を含むハイレベルの協力と意思疎通の強化など、様々な形で具体的な取組を強化をしていくということで一致をいたしました。 また、イギリスを訪問し、ヒーリー国防大臣との日英防衛相会談を実施をし、アジア及び欧州における相互に最も緊密な安全保障上のパートナーとして、日英間での連携を深めていくことで一致をいたしました。 先月にはフィリピンを訪問し、テオドロ国防大臣との防衛相会談では、運用面における連携、人的交流、防衛装備・技術協力を更に強化をし、両国の防衛面での協力と連携を更に一段高いものに引き上げていくことで一致をしました。あわせて、日米比や日米豪比など多国間防衛協力を強化をしていくことも確認しました。 引き続き、こうした防衛相会談を積極的に実施してまいります。 加えて、現在、我が国は、日英伊三か国共同での次期戦闘機の開発を進めております。 このプログラムは、欧州及びインド太平洋地域の平和と安定のために不可欠な極めて重要なものであり、三か国で緊密に連携しながら進めていく考えです。 そして、韓国は、国際社会の様々な課題にパートナーとして協力すべき重要な隣国です。韓国における内政の動きについては、日本政府として注視をしていますが、日韓、日米韓の連携がますます重要になっていることには変わりはありません。 また、防衛生産・技術基盤は、言わば防衛力そのもので、そのものと位置付けられるものであり、その強化は不可欠です。 防衛生産基盤強化法等により、防衛生産・技術基盤の強化に向けた施策を引き続き強く進めてまいります。 そして、豪州政府が進める次期汎用フリゲートの最終候補に、我が国の「もがみ」型護衛艦の能力向上型である令和六年度型護衛艦が残っています。 最終選定に向けた良い提案ができるよう、官民合同での委員会も開催していますが、引き続き、関係省庁としっかり連携をし、官民一体となって取り組んでまいります。 人的基盤の強化も待ったなしの課題です。 防衛力の最大の基盤である自衛官が十分に充足されていないことは極めて深刻な課題です。少子化による募集対象人口の減少などを背景とした厳しい募集環境の中においても、自衛隊員を安定的に確保していくことが必要不可欠です。 昨年、自衛官の処遇・勤務環境の改善及び新たな生涯設計の確立に関する関係閣僚会議で取りまとめられた基本方針に基づき、必要な施策を速やかに実施をいたします。 最後に、国会提出案件について申し上げます。 防衛省設置法等の一部を改正する法律案は、自衛官の手当の新設、引上げを始めとする人的基盤の抜本的強化や、自衛官定数の変更を含む自衛隊の組織改編、物品役務相互提供協定に係る規定の整備といった同志国等との協力強化を主な内容とするものであります。 また、防衛の分野に係る円滑化協定に係る法制の簡素化及び円滑化協定の適確な実施を確保するための法律案も提出予定です。 委員各位におかれましては、御審議のほど、よろしくお願いを申し上げます。 以上、防衛省・自衛隊が直面する課題に対して、防衛大臣として、全身全霊、職務に邁進していく考えであります。 皆様方におかれましては、一層の御指導、御鞭撻を賜りますように、よろしくお願い申し上げます。
○委員長(滝沢求君) 以上で所信の聴取は終了いたしました。 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 政府側は御退席いただいて結構でございます。 ─────────────
○委員長(滝沢求君) 次に、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。塩村あやか君。
○塩村あやか君 委員派遣について御報告を申し上げます。 本委員会の滝沢求委員長、佐藤正久理事、若林洋平理事、三浦信祐理事、柳ヶ瀬裕文理事、榛葉賀津也委員、山添拓委員、伊波洋一委員及び私、塩村あやかの九名は、去る二月十七日及び十八日の二日間、我が国の外交、防衛等に関する実情調査のため、山口県及び広島県に派遣されました。 以下、概要を御報告いたします。 第一日目は、まず、航空自衛隊防府北基地を訪問し、同基地の概要、第十二飛行教育団の編成と任務遂行状況、宇宙作戦群の概要と所在部隊の任務の内容、所在する陸上自衛隊防府分屯地の概要等について説明を聴取いたしました。派遣委員との間では、令和七年度予算に計上されている防府北基地の施設整備の内容と金額、パイロット養成課程の一部が米国で実施されている理由、宇宙作戦群に関し東京の府中基地に所在する部隊との任務の違い、我が国の人工衛星への妨害が発生する頻度、妨害を把握した後の対応、宇宙作戦における諸外国との連携状況、地上から人工衛星が干渉される可能性等について意見が交わされました。 その後、宇宙作戦群の衛星妨害状況把握装置と第十二飛行教育団がパイロット養成に用いているT7初等練習機を視察いたしました。 次に、防府北基地から陸上自衛隊の輸送ヘリコプターCH47に搭乗し、上空より、米軍再編関係経費によって米軍家族住宅等が整備をされた岩国市愛宕山地区、米海兵隊岩国航空基地、防衛省が跡地に多機能な複合防衛拠点の整備を検討している日本製鉄株式会社瀬戸内製鉄所呉地区を視察いたしました。 次に、陸上自衛隊海田市駐屯地を訪問し、中部方面総監部より、中部方面隊の概要、災害派遣の状況、防衛力の抜本的強化と防衛体制の強化、人的基盤の強化の取組等について、第十三旅団より、同旅団の概要と災害派遣の状況、募集、生活勤務環境改善の取組等について、それぞれ説明を聴取いたしました。 その後、女性自衛官隊舎を視察し、居住する自衛官の意見も参考にするなどして、生活環境改善に取り組んでいる状況を確認いたしました。 次に、ジャパンマリンユナイテッド株式会社呉事業所を訪問し、同社の艦船事業等の概要と呉事業所において行われた護衛艦「かが」の特別改造について説明を聴取し、その後、同事業所の修理ドック等を視察いたしました。 次に、呉市役所を訪問し、新原市長、中田市議会議長等と意見交換を行いました。呉市側からは、前述の製鉄所の跡地における多機能な複合防衛拠点の整備に関する防衛省からの申入れに関して、これまでの経緯等の説明がありました。令和六年七月には、呉市長と呉市議会議長が、防衛省に要望書を提出し、その中では、多機能な複合防衛拠点の整備という提案は重要な選択肢であるとして、防衛省における今後の検討に当たり、裾野の広い産業についての誘致及び整備、安全と環境への配慮、広域防災機能の整備、自衛隊員等の増加による雇用拡大、スポーツ施設等の市民が利用できる地域に開かれた施設の整備、研究機関の設置、及び海上自衛隊呉教育隊の移転の七項目を要望していることが述べられました。 派遣委員との間では、製鉄所の跡地の整備に当たり必要となる土壌調査への呉市の対応、防衛省からの提案がある前に呉市が検討していた跡地の活用案の内容、呉教育隊の移転を求めている理由、自衛官募集等でも防衛省と呉市で更に連携し、ウィン・ウィンの関係を構築していく必要性等について意見が交わされました。 第二日目は、まず、前日に上空から視察をした製鉄所を車中から視察しつつ、防衛省から跡地の整備構想について説明を聴取いたしました。 次に、海上自衛隊呉地区を訪問し、呉地方総監部から、呉地方隊の担当警備区域とその所在部隊、呉を母港とする艦艇、関係機関等との連携の状況、自衛官の処遇改善の取組等について説明を聴取いたしました。 派遣委員との間では、在日米軍との協力、連携の状況、水上艦隊(仮称)が新編されることへの対応方針、海上自衛官の中途退職者を防ぐ方策等について意見が交わされました。 その後、護衛艦「うみぎり」に乗艦し、装備されている武器等を視察いたしました。 次に、海上自衛隊江田島地区を訪問し、第一術科学校及び幹部候補生学校より、それぞれの概要、任務、教育の現状等について説明を聴取いたしました。派遣委員との間では、自衛隊海上輸送群(仮称)の新編に向けた陸上自衛官への教育の状況等について意見が交わされました。 その後、同地区内の各種施設及び教育参考館を視察いたしました。 最後に、JICA中国を訪問し、まず、施設内を視察しつつ、JICA海外協力隊による海外での原爆展の開催状況について説明を聴取し、また、海外からの研修員と面談いたしました。 その後、JICA所長から、JICA中国の事業概要について、JICAと連携事業を進めている広島大学から、ザンビア特別教育プログラム及びミンダナオJICA草の根平和構築事業について、海洋建設株式会社から、JICA支援事業としてメキシコで実施をしているシェルナースを用いた持続可能な漁業に係る普及・実証事業について、それぞれ説明を聴取いたしました。 派遣委員との間では、ザンビアでの活動が現地の教育に与えた影響、ザンビア以外に同様の教育プログラムを展開するための課題、ミンダナオにおける武装解除、社会復帰の状況と地方議会選挙との関係、平和の定着に向けた日本の協力、ミンダナオ和平合意への貢献でマグサイサイ賞を受賞したミリアム・フェラー氏と広島大学の事業との関係、メキシコでの漁業事業にJICAの支援があったことの具体的なメリット、漁業資源の現地での活用方針等について意見が交わされました。 以上が今回の派遣の概要です。 最後に、今回の派遣が極めて有意義なものになったことに対し、御対応いただきました関係者の皆様方に御礼を申し上げまして、報告といたします。
○委員長(滝沢求君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時三十三分散会