P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
216回国会参議院2024/12/19

文教科学委員会 第2号

発言数
226
登壇者
26
会派数
8
開催日
2024/12/19

会議録

堂故茂自由民主党

○委員長(堂故茂君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、こども家庭庁長官官房審議官高橋宏治さん外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堂故茂自由民主党

○委員長(堂故茂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

堂故茂自由民主党

○委員長(堂故茂君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に独立行政法人日本スポーツ振興センター理事長芦立訓さんを参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堂故茂自由民主党

○委員長(堂故茂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

堂故茂自由民主党

○委員長(堂故茂君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

本田顕子自由民主党

○本田顕子君 自由民主党、本田顕子です。第二百十六回国会における文部科学大臣挨拶に対して質問をさせていただきます。  大臣は所信の中で、人づくりこそ国づくりと述べられました。そこで、私は人材育成の観点から質疑を行わせていただきます。  まず、教師を取り巻く環境整備について大臣に質問をさせていただきます。  学校現場の教師の方々を取り巻く環境は、いじめや不登校、特別な支援や日本語指導を要する子供たちの増加など、取り巻く環境は複雑化、困難化しています。厳しい勤務環境も各種報道等で取り上げられる中、教員採用選考試験の倍率は低下し、例えば小学校では平成十二年に十二・五倍あった競争倍率が令和五年度には二・三倍と過去最低を更新するなど、危機的な状況にあります。  昭和四十九年に制定されたいわゆる人材確保法では、教師に優れた人材を確保するために教師の給与を一般の公務員より優遇することが定められ、昭和五十五年には一般公務員と比較して七・四二%あった優遇分が現在では〇・三五%まで低下しています。このような状況では、我が国の将来を担う子供たちを育てる教師に優れた人材を確保することができません。  学校現場の教師を取り巻く学校等の環境が複雑化、困難化する等の状況を踏まえ、志ある優れた教員人材を確保するための環境整備について大臣の見解をお聞かせください。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 本田委員にお答えさせていただきます。  今、本当に学校の先生方、大変厳しい状況にある中にありまして、教師、学校教育の充実発展にはまさに欠かせない存在でございます。そうした厳しい勤務実態のある中でございますが、教師を取り巻く環境整備のために、まずは学校における働き方改革の更なる加速化、また教師の処遇改善、学校の指導、運営体制の充実を一体的、総合的に進める必要がございます。  文部科学省といたしましては、学校における働き方改革の加速化に向けまして、学校、教師が担う業務に関わる三分類、こちらに基づく業務の更なる厳選、見直し、また自治体ごとの在校等時間の公表の制度化、また働き方改革に関わる観点を校長の人事評価に導入をさせていただきまして、マネジメント力を強化することに取り組んでまいります。  さらに、小学校教科担任制の拡大におきまして、教職員定数の改善、まず人がいないということもございまして、また、この改善や教職調整額の引上げ等の処遇改善の要求を今まさにしているところでございまして、まずは教師を取り巻く環境整備をしっかりと進めてまいります。

本田顕子自由民主党

○本田顕子君 予算委員会での御答弁と同様、大臣の並々ならぬ決意を感じることができました。今後教師を希望する方々も私たちも応援していきたいと思います。  次に、今後成長分野に寄与する高度専門人材の育成について武部副大臣に質問させていただきます。  本年七月、次世代半導体のアカデミアにおける研究開発等に関する検討会にて報告書をまとめられており、地球規模課題の解決や未来社会の創造に資する半導体技術の応用、活用領域などが議論され、研究施設や設備の充実に加えて、人材育成の重要性、大学間の連携や国際連携の必要性が報告されています。  そのような中、私の地元熊本も動き出しておりますが、北海道のラピダスについて、更に高度な半導体を国産していく意義は大きく、激烈な国際競争に打ち勝つには、理数系を中心とした高度専門人材のたゆまぬ育成を急ぐ必要があると考えます。  そこで、高度専門人材の育成について、検討報告書の内容も踏まえつつ、速やかに、かつ確実に実効性を持って人材育成を推進していくに当たり、文部科学省として具体的にどのような施策に進めていくのか、お伺いいたします。

武部新自由民主党・無所属の会文部科学副大臣

○副大臣(武部新君) 委員が文部科学大臣政務官をお務めのときに取りまとめに御尽力いただきました次世代半導体のアカデミアにおける研究開発等に関する検討会、こちらの報告書においては、二〇三〇年代以降を見据えた研究開発、研究基盤整備、人材育成を一体としてアカデミアへの支援を抜本的に強化すべきと、する必要があると指摘をいただいております。  これまでも文部科学省では、大学・高専機能強化支援事業を通じまして、意欲ある大学、高専がデジタルそれからグリーン等への成長分野への学部転換等を行う改革を支援してまいりました。例えば、本事業に選定されました御地元熊本大学におきましても、半導体人材育成を強化するため、今年度から新たな課程への学生受入れを開始されておると承知しております。  これに加えて、検討会の報告書を踏まえまして、次世代半導体の研究開発、研究基盤の整備、人材育成に一体的に取り組むために、今般の補正予算におきまして、研究基盤整備と人材育成に七十六億円を計上するとともに、令和七年度の当初予算もしっかり予算を確保してまいりたいと考えております。  こうした支援を通じまして、特に半導体産業の高度人材や基盤人材につきましては、各大学等の特色や地域性等を踏まえた教育プログラムの展開など、産学協同の実践的な教育体制の構築に取り組んでまいりたいと思います。  文部科学省としましては、これらの取組を通じて半導体人材の育成を推進してまいります。

本田顕子自由民主党

○本田顕子君 ありがとうございます。  半導体関連産業界の持続的な振興のためには、若年者の地元定着も必要と思います。地元の企業が進路の選択肢になるような機会をもっと増やしていけることも、是非文科省で環境整備を更に取り組んでいただくこともお願いさせていただきます。  次に、我が国の研究力の現状と強化に向けた取組について文科省に伺います。  各国の研究力を比較する上で用いられる指標の一つに論文数があります。主要学術誌への投稿論文数について、二〇〇〇年から二〇〇二年までの三年間の実績を二十年前と比べると、日本も掲載論文数は増加しているものの、六位から一位になった中国を始め、米国など他国の伸びが上回り、二十年前二位だった日本は、当時十一位のインドと三位のドイツにも抜かれて五位に落ちています。さらに、注目度の高い論文の指標として活用されている被引用件数が高い論文に限ると、下落傾向はより顕著です。  研究力が低下傾向にあることの原因をどのように評価し、今後我が国の研究力を伸ばすためにどのように取り組んでいくのか、お伺いします。

井上諭一文部科学省科学技術・学術政策局長

○政府参考人(井上諭一君) お答えいたします。  委員御指摘の研究力低下の原因については、諸外国の研究開発投資の著しい増加に加えまして、キャリアパスの不透明さなどによる博士後期課程学生、研究者数の伸び悩み、また、研究者が腰を据えて研究できる環境の不足、国際頭脳循環の流れへの出遅れなどが課題であると認識しております。  これらを踏まえまして、博士人材や女性研究者など多様な人材の活躍促進、自由で挑戦的な研究への支援の強化、研究を支える人材や研究機器等の基盤の整備、国際共同研究や人的交流などを通じた我が国の研究者の国際ネットワークへの参画の促進などに取り組むことが重要であると考えております。

本田顕子自由民主党

○本田顕子君 ありがとうございます。  世界の国際頭脳循環のネットワークに日本が積極的に入っていける、今いただきましたような対策を更に進めていただくようお願いいたします。  次に、STEM分野を担う女性人材育成について、あべ大臣に質問いたします。  私は、十二月四日の参議院本会議で、理系の魅力を発信する必要性、女性のSTEM分野での活用の必要性について質問をさせていただきました。石破総理からは、理科や数学が好きではない生徒が男子に比べて多いと、などの答弁をいただきましたが、私は、好きではないのではなく、好き嫌いを知るところに至っていない点に課題があると思っています。  ちょっと紹介させていただきますと、二〇二一年二月に自民党のデジタル人材育成・確保小委員会で、当時東京大学総長の五神真先生から、二〇二〇年三月の学生の就職者数は、五十二万人のうち理系は十七万人、政府が求めるAI人材の毎年の目標数は二十五万人であるので、全ての人材を投入しても届かないというようなお話を伺いました。  そうだとすれば、固定的に考えずに、様々な学問の分野や領域に触れる機会を増やしていくことが今後更に必要になってくると考えます。既に文部科学省では女子中高生向けの理系進路選択支援プログラムは進めていただいているところでありますけれども、できれば小学校の低学年から触れる機会があることが望ましいと考えます。  現在進められているSTEM分野を担う女子中高生向けのプログラムの現状評価とより若い世代へのアプローチの必要性についてのお考え、また、そのような環境づくりについて文部科学省としてどのように取り組まれていくのか、お伺いいたします。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 御指摘の女子中高生の理系進路選択支援プログラムでございますが、文理選択を迷っている女子中高生の科学技術に対する関心を高めて、理系の進路選択を後押しするものになっているというふうに受け止めております。  一方で、委員御指摘のように、中学校、高等学校に限らず、初等中等教育段階により、低学年から女子児童生徒が科学技術に親しむ機会を増やしていくこともまさに重要であるというふうに考えます。  文部科学省といたしましては、現在、小学校段階から理数系教科における探求的な学習の充実、また大学の最先端のこの研究等に触れていくことによって、意欲と能力、更なる伸長を図る取組をしながら、また科学技術週間を始め、大学、研究機関における科学技術コミュニケーション活動の展開などを行っておりまして、今後とも様々な取組を積極的に推進してまいります。

本田顕子自由民主党

○本田顕子君 将来の可能性を広げる対策に引き続き取り組んでいただくことをお願いいたします。  次に、医療系分野の研究力強化と人材育成について文科省に伺います。  ライフサイエンス分野や医学、薬学等の医療系分野の研究は、健康増進や医療水準の向上に資することに加え、基幹産業として我が国の経済を支えるポテンシャルを十分に持っていると思います。  他方、医療系の場合、臨床での実務などに取られる時間が多く、臨床研究や研さんに充てる時間がつくることが困難な状況にあるのも事実でございます。  研究力を身に付ける上でできるだけ早い時期から研究に興味を持つことが大切と考えますけれども、医学、薬学などの医療系分野やライフ系分野における研究力について、その多くの研究力を高め、多くの人材を輩出するためにどのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。

塩見みづ枝文部科学省研究振興局長

○政府参考人(塩見みづ枝君) お答えいたします。  御指摘いただきましたように、医学系研究などのライフサイエンス研究、ライフサイエンス研究につきましては、国民の健康、医療に直接的に貢献するとともに、創薬力の向上等を通じ、我が国の産業競争力にも直結する大変重要な研究領域と考えております。  このため、創薬力構想会議における議論も踏まえまして、令和六年度補正予算におきまして、医学系研究支援プログラム、これを計上いたしまして、国が定める国家戦略上重要な研究課題に取り組む研究者の研究活動と、研究時間の確保、他分野、他機関との連携強化、流動性の確保といった、大学病院、医学部としての研究環境改善に係る取組を一体的に支援することとしております。  また、ライフサイエンス研究を担う人材を育成、確保していくためには、医学部、薬学部等の学部教育の段階から研究マインドの醸成を図ることが重要でありまして、大学におきまして、研究室配属や論文執筆指導、学会発表等の機会の提供を行い、継続的に研究に触れる機会を設ける取組を行っております。  今後、関係府省とも連携しながら、このような取組を通じ、医学系研究の研究力の抜本的強化や医学、薬学教育を通じた研究人材の確保を図ってまいります。

本田顕子自由民主党

○本田顕子君 医療系分野やライフ系分野というのは成果につながるまで大変時間が掛かるものでございますので、息長い支援をお願いいたします。  次に、原子力に関する専門人材の育成について文科省に伺います。  本年二月、私は、当時の東京工業大学を視察させていただき、ゼロカーボンエネルギー研究所実験施設である広領域線質放射線照射実験室やニュークリアセラミックス実験室で行われている最先端の現場ならではの取組について理解を深めることができました。改めて、関係の皆様に感謝をいたします。  視察後の意見交換会で、原子核工学の大学院生に、原子力関連学科が減少していく流れがある中でなぜこの学科を選んだのか伺ったところ、小学六年生のときに東日本大震災の福島のニュースを見て、この分野の研究を僕はしていきたいと思ったと答えた若い研究者の言葉に私は大変感銘を受けました。  世界のエネルギー情勢が不安定な状況におって、気候変動や環境影響なども踏まえながら、現代の国民生活や経済活動になくてはならないエネルギーを安定的に確保していくことは、経済安全保障の面においても大変重要です。おとといの第七次エネルギー基本計画の原案においても、そのことに関することもしっかり書いてあります。  それと、加えまして、原子力の依存度を高めるだけでなく、将来的な廃炉についても念頭に置いて専門人材を育成していくことは、次世代のためにも大変、今を生きる私たちが取り組んでいくことが重要だと考えます。  そこで、文部科学省として、将来のエネルギー需給の見通しも踏まえて原子力人材の育成に取り組む必要があると考えますが、御見解を伺います。

堀内義規文部科学省研究開発局長

○政府参考人(堀内義規君) お答えいたします。  原子力は発電を始めとするエネルギー利用等の観点から重要な分野であり、これまで培われた技術及び人材を適切に継承していくとともに、将来にわたって技術革新を推進していくため、原子力分野の人材育成は大変重要と考えております。  このため、文部科学省では、国際原子力人材育成イニシアチブ事業を通じまして、産学官が連携した人材育成コンソーシアム、私どもはANECというふうに呼ばせていただいておりますが、を構築しまして、原子力に関するカリキュラムを参加機関共同で開発し、提供するなど、原子力に興味を持つ学生に対する体系的な教育研究基盤の整備を進めております。  また、原子力分野におけるキャリアパスを提示し興味を持ってもらうということも重要だというふうに考えております。  文部科学省におきまして、先ほど申しましたANECの活動と連携しまして、高校生や高専生を対象にした原子力オープンキャンパスを開催し、本年は百七十名を超える参加を得ております。  文部科学省としまして、産学官を挙げた取組が重要と考えております。引き続き、日本原子力研究開発機構や資源エネルギー庁を始めとした原子力関係機関と連携をしっかりしまして取り組んでいきたいというふうに思っております。

本田顕子自由民主党

○本田顕子君 生活に必要不可欠なエネルギー分野を学ぶ学生の皆さんや、またこの研究の重要性を知らない方たちの知的好奇心が高まるように、今の取組を更に進めていただくことをお願いいたします。  最後に、子供たちが文化芸術に触れる機会の充実について文科省に伺わせていただきます。  実際、学校教育において、音楽や美術の授業で行うのはもちろんですが、本物の文化芸術に触れる機会を充実していくことは大変重要だと考えております。  体験型の教育をより一層推進していくための文科省の文化芸術に触れる機会の重要性について、御見解をいただければと思います。

合田哲雄文化庁次長

○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。  文化庁では、全ての子供たちが文化芸術に触れ、知ることができる機会を確保するため、学校教育における舞台芸術それから伝統芸能等の多様な文化芸術の鑑賞、体験機会を提供する取組を支援しており、令和五年度には三千九百八十三公演を行い、うち五百三十一公演を離島や山間へき地等で実施をしているところでございます。その中では、障害のある子供たちの文化芸術の鑑賞体験を提供するユニバーサル公演も含まれており、令和五年度には百九十六公演を実施をいたしてございます。  さらに、伝統文化親子教室の実施のほか、自ら選んで本格的な公演を鑑賞するいわゆる子供チケット事業を行っており、令和五年度には三百三十一公演を行い、約七万人の子供たちが本物の文化芸術を体験をしたところでございます。  来年度以降におきましても、こうした事業を通じて文化芸術の裾野を広げ、次代の芸術家やクリエーターを生み出し育むとともに、一人一人の個人の尊厳に不可欠な文化芸術の土壌の形成につなげてまいりたいと考えているところでございます。

本田顕子自由民主党

○本田顕子君 ありがとうございました。質問を終わります。

進藤金日子自由民主党

○進藤金日子君 自由民主党の進藤金日子です。  早速、質疑に入りたいと思います。  先般のあべ大臣の所信では、科学技術人材育成の重要性に触れられているわけでございますが、学際的人材の育成が強調されている反面、業際的人材、いわゆる現場の技術者育成には言及されていないということであります。こうしたことを踏まえて質問したいと思います。  まず、技術士に関してでございます。  技術士は、科学技術に関する技術的専門知識と高度の応用能力及び豊富な実務経験を有し、公益を確保するため高い技術者倫理を備えた優れた技術者のことを指し、科学技術の応用面に携わる技術者にとって最も権威のある最高位の国家資格であります。技術士は、産業経済、社会生活の科学技術に関するほぼ全ての分野、二十一の技術分野をカバーし、先進的な活動から身近な生活まで関わっているわけであります。しかしながら、いわゆる士業でありながらも技術士の国民的認知度は必ずしも高くありません。  そこで、あべ大臣にお尋ねしたいと思います。  国家資格である技術士について、文部科学省としての御認識をお聞かせ願いたいと思います。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 進藤委員にお答えさせていただきます。  まさに、委員が御指摘のとおり、技術士、技術士法に基づきました我が国の国家資格でございまして、委員が御指摘のように専門的な知識、さらには高度な応用能力、豊富な実務経験、高い倫理観を持った技術者として、文部科学大臣が認定しているところでございます。毎年の技術士試験を通じまして、これまで約十万人の方々が資格を取得されておりまして、建築、農業始め、二十一の多様な技術部門におきまして、その専門性を生かして幅広い活動に携わっていただいているものと私どもも承知しているところでございます。  文部科学省といたしましては、公益社団法人日本技術士会等とも連携をさせていただきながら、技術士の産学における一層の活躍促進と技術士制度の普及、展開に更に努めてまいりたいというふうに思います。

進藤金日子自由民主党

○進藤金日子君 ありがとうございます。  お手元の資料、私の資料を配付してございますが、横紙でございますけれども、資料一を御覧いただきたいと思います。  文部科学省に設置されている科学技術・学術審議会の技術士分科会では、これまで技術士制度に関する検討や技術士の国際通用性の確保、若手人材の参入促進、技術士の資質能力向上に向けて制度の見直しを行ってきております。  こうした中で、時代に即応した資質能力開発支援を積極的に推進する観点から、若手技術者が技術士として求められる資質能力を早期に修得し、技術士として活躍できることを社会全体で支援するためのコミュニティーの構築とともに、IPD、これはイニシャル・プロフェッショナル・ディベロップメントということでございますが、この初期能力、初期専門能力開発、このIPDシステムの社会実装に向けた具体的な検討を行うため、文部科学省にIPD懇談会が設置され、これまで六回開催されておりまして、本年七月二十六日に議論のまとめがなされました。資料一は、この議論のまとめで整理されたものであります。  そこで、IPDシステムの構築に当たって、文部科学省としての見解と支援の現状及び方向性についてお聞きしたいと思います。

井上諭一文部科学省科学技術・学術政策局長

○政府参考人(井上諭一君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、このIPDシステムの構築につきましては、本年七月に報告書を取りまとめたところでございます。  そこのポイントといたしましては、このIPDシステムの目的や利用者の明確化、また運営主体や認証、評価の仕組みの必要性、多様なコンテンツの整備、提供の在り方、また産業界や教育機関、学協会等との連携といった点を盛り込んでございます。  これらの点に基づきまして、今後、これは文部科学省、そして日本技術士会におきましてこのシステムの構築と実現に向けたこの具体化の検討を進めておりまして、来年度から順次取組を開始していく予定でございます。

進藤金日子自由民主党

○進藤金日子君 ありがとうございます。今御答弁ありましたけれども、これから是非文部科学省としてもしっかりと支援をいただきたいというふうに思います。  次に、資料一の左上にありますように、修習技術者の供給側に位置付けられているJABEE、これジャビーと言っています、JABEE、日本技術者教育認定機構でございますが、このJABEEについてお聞きしたいと思います。  IPDシステムへの技術者の供給に大きな役割を果たすJABEEの位置付けと、JABEEに対する国の支援の現状と方向性についてお聞かせ願いたいと思います。

井上諭一文部科学省科学技術・学術政策局長

○政府参考人(井上諭一君) 今委員御指摘の点でございます。  文部科学省といたしましては、このJABEEによる技術者育成の教育プログラムの認定、これは技術者教育の国際的な質保証の確保のために非常に重要と認識しておりまして、技術士制度におきましても本認定プログラムの修了生については技術士の第一次試験を免除するなど、活用をしているところでございます。  JABEEとの協力、支援につきまして、文部科学省におきましては、高等教育機関の卒業、修了時の人材の質保証を重視する観点から、大学等でのJABEEを含む国際的な質保証の枠組みの活用を促しているところでございます。また、IPDシステムの構築におきましても、JABEE認定プログラム履修生へのIPDの重要性理解に向けた教育を行うなど、JABEEと連携、協力してまいりたいと考えております。

進藤金日子自由民主党

○進藤金日子君 今JABEEのお話ございました。実はJABEE自体は非常に財政的に厳しい状況に置かれていて、このプログラムの数がだんだん減っていっているんですね。これはゆゆしき事態でございまして、JABEEはそういう自立的な組織でありますから、もちろん国の助成だとかそういうことというのは限界があるわけであります。しかしながら、いろいろな知恵を絞っていただいて、是非、JABEEを放置するんじゃなくて、しっかりと支援いただきたい、このように思います。  次に、資料一の上段の一番左にあります大学エンジニアリング課程修了者について、例えば土木建築系における社会のニーズ、これ極めて高いんですけれども、この社会のニーズに応じた充足度合いに関する認識をお聞かせ願いたいと思います。

伊藤学司文部科学省高等教育局長

○政府参考人(伊藤学司君) 土木建築業は、インフラの整備を通じ、防災・減災、また国土強靱化を担う我が国にとって大変重要な産業であると認識してございます。  これらを支える就業者につきましては、全体としては人手不足の状況にあると承知してございますが、工学を学ぶ学生のうち、大学の土木建築工学に関する分野の学部卒業生は近年は一・三万人程度を維持しているところでございます。  各大学では、社会的なニーズも踏まえた上で様々な教育研究の取組が行われてございますが、文部科学省としても、意欲を持って学部改組等の改革に取り組む大学をしっかり支援するなど、土木建築分野も含めた理工系人材の育成に努めてまいりたいと考えてございます。

進藤金日子自由民主党

○進藤金日子君 土木工学系で一・三万人というお話ございました。  もちろん、この方々全てこの専門分野に行くわけではなくて、実は金融に行ったり、いろいろなところに行くわけでございます。全国的に防災・減災、国土強靱化を担う土木系学生の減少によりまして、現場の人手不足が深刻化しているんだという声が多い状況でございます。  もちろん、これはICTだとかの、その人が減った分をICT技術などで補っていくような取組をなされているわけでございますけれども、本年八月の全国ベースの有効求人倍率を見ますと、有効求人五万人以上の職種で見ると、建築、土木、測量技術者が五・五七と突出している状況であります。まさに需要に供給が追い付かない、人手不足になっているということなんだろうと思います。  そこで、現場技術者についてでございますが、全国的に土木、建築系の求人倍率が高いにもかかわらず募集人員を充足しないのは、志願者の減少のみで専門学科を廃止して普通科に再編した、特にこれ高校でございますが、多く見られるわけです。  もういわゆる志願者が少ないからこの学科に対するニーズはないんだと、それでもうそこを廃止して普通科に再編している、そういうこと多いわけですが、そういうこともやはりこの今の充足できない一因と考えられるというふうに私思っているんですが、このことに対する見解をお聞かせ願いたいと思います。

武部新自由民主党・無所属の会文部科学副大臣

○副大臣(武部新君) 今委員御指摘のとおり、高校新卒者の土木、建築系の求人倍率も非常に高くて、通常、全国の高校新卒者の求人倍率が三・七九なんですが、工業高校に対する求人倍率は二十七・二倍となっている、非常に高くなっています。  ただ、総務省の人口統計によりますと、我が国の十五歳人口でありますけれども、一九五五年には約百七十九万人おられました、いました。これが二〇二三年には百八万人になっておりまして、七十一万人減少しています。  こうした中で、国公立の、あっ、公立高等学校の配置につきましては、配置者である都道府県等が適切に判断いただくものと承知しておりますが、統廃合に当たっては、複数の学科を併置したり総合学科にしたりするなどして専門教育を残す工夫をしている例も多く見られます。  私の地元の美幌の美幌高校も、美幌農業高校も統合したんですけれども、美幌高校の中で普通科と未来農業科というのを残していただいて、高校生による会社を設立するような面白い取組をしている学校もあります。  また、高等学校の学科別生徒数の割合について、一九五五年と現在を比較すると、専門高校生の生徒の割合は大きく減少していますけれども、平成以降は、今お話しさせていただいたように、総合学科も含めて専門学科の生徒の割合については大きな変動はありません。  御指摘の企業の募集人員の未充足につきましては、専門学科の廃止も一つの要因かもしれませんが、それだけではなくて、やはり、急速な少子化による人口減少、専門高校生の進路の選択が多様化して進学する生徒が増えているという、こういった実態もありますので、そういったことも影響しているのではないかと考えられます。  いずれにしましても、文部科学省としては、地域の産業を支える多くの人材を輩出してきました専門高校が引き続き産業界の期待に応えられるように様々な支援を行うとともに、専門高校の魅力発信もしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

進藤金日子自由民主党

○進藤金日子君 武部副大臣、御答弁ありがとうございます。しっかりとまた、一義的には、高校に関して、地方の判断、地方の教育委員会の判断であると思いますが、是非しっかり取り組んでいただきたいと思います。  やはり、いま一度、地域に応じた社会のニーズを踏まえて、地方創生を担う地域人材の育成という観点から、例えば、今、武部副大臣からもございましたけれども、中学生に、画一的な偏差値等でなく、社会で活躍できるキャリアパスの選択肢を提示するなどのそういった多様な努力が必要なんだなというふうに思います。  もちろん、進路の選択は自由でありますから強制するわけにはいきませんけれども、これまでの延長ではやはり職業学科は更に減少して、指導する教官も減っていくわけです。まさに負のスパイラルに陥ることが危惧されますので、是非この辺、よろしくお願い申し上げたいと思います。  そうした中で、資料二を御覧いただきたいと思います。  文部科学省は、令和元年五月から令和二年一月までに、高校と地域をつなぐ人材の在り方に関する研究会、開催しております。これ、非常に奥深い検討をされているわけですが、こうした知見もベースにしたと思うのですけれども、新しい地方創生交付金における専門高校を拠点とした地方創生支援、地域人材の育成のための制度についてお聞きしたいと思います。  この制度は、専門高校や職業学科の生徒を地域の担い手として活躍できるように国が支援するという画期的なものでございまして、これはあべ大臣肝煎りの制度というふうにお聞きしているわけでございますけれども、この制度の今後の運用の方向性につきまして、大臣自らのお考えをお聞かせ願いたいと思います。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) ありがとうございます。進藤委員にこの資料を出していただきまして、心から感謝を申し上げます。  実は私、農業高校を応援する会を十年以上しておりまして、実は会長が石破茂、今の総理でございます。地方において、やはり人材育成が大切、特に高校がやはり地域産業を守る上で要になるんだというふうに考えておりまして、石破内閣における地方創生二・〇、ここを起動いたしまして、我が国の社会、経済の起爆剤とするための地方創生の交付金を当初予算ベースで倍増することを目指している。だったら高校ではないかというふうに思いまして、いわゆる大臣室と文科省の中でいろいろ話合いをさせていただきました。  地域づくりは人づくり、人材育成こそ全てであるという認識の下に、農林水産業を支える農業高校を始めとする、工業高校、商業高校なども含めた専門高校を拠点とした地方創生支援、地域人材育成を、この支援をしていくことが極めて重要であるというふうに考えました。特に、地方の方では、高校がどんどんなくなっていく中、そこの高校に行くのすら下宿をしないといけない子たちが、だったら、あそこに行くんだったら、都道府県の県庁所在地に行こうかという思いを、地域に何とかとどまってもらいながら地域産業を支える人材になってもらえないかということをずっとみんなで考えてまいりました。  委員御指摘のこの資料につきましては、この文部科学省においての検討中のイメージ案でございますが、新しい地方創生交付金を、高校生の寮、これも含めた、特に今、地方においては特に貧富の格差が広がっている、高校に行くのも大変ないわゆる財政状況の方々もいらっしゃる中にあって、この地方活性化のための交流拠点としての設立も活用できるようにというふうに考えています。  そうした中で、特に、私自ら伊東地方創生担当大臣にもこの資料をお持ちしまして、これこそが地方創生なので御一緒に考えていただけませんかとお願いをしたところでございまして、今後とも内閣府と調整をしてまいりますので、是非ともこれからも御指導をよろしくお願いします。

進藤金日子自由民主党

○進藤金日子君 大臣、ありがとうございます。  これ、検討中のイメージ案ということでございますが、是非、このイメージを現実のものとして是非やっていただければと。我々もしっかりと協力させていただきたいというふうに思います。  次に、国立大学運営費交付金等の基盤的経費の確保についてでございますが、大臣所信では同経費を十分に確保する旨明言しておられるわけでございます。これに関するあべ大臣の決意をお聞かせください。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 国立大学の法人運営費の交付金でございますが、特に安定的、継続的に人材の育成、教育研究環境の整備を行うためにまさに不可欠な基盤的な経費でございます。  昨今、大学におきまして、人件費増、また物価上昇に対応する中、設備の更新が間に合わなくて老朽化が大変厳しい状況になっています。こういう状況を踏まえまして、今般の補正予算で、設備の更新の支援といたしまして昨年度を大きく上回る百八十億円を計上させていただいているところでございまして、文部科学省といたしましては、各大学が安定的、継続的に教育研究活動を実施できるように、今般の補正予算と、さらには令和七年度の当初予算を合わせて、必要な経費、これを十分に確保してまいりたいというふうに思っております。

進藤金日子自由民主党

○進藤金日子君 ありがとうございます。是非よろしくお願いしたいと思います。  私も複数の地方の国立大学の学長さんたちと意見交換いたしました。現在の運営費交付金では人事院勧告に見合った教員の給料は確保できないと、結果的に教員の減員に踏み込まざるを得なくて提供する教育の質の低下が必至だというこの悲痛な声が多いわけです。もう乾いた雑巾を絞っているんだと、こういったこともありますので、是非とも、今大臣、力強い決意を述べていただきましたけれども、しっかりと予算を確保していただくことを強く要請したいと思います。  最後に、お願いでございます。  全国を巡回する中で、所有者不明の農地や林地が増加しており、その有効活用に大きな支障を来しております。所有者不明土地は九州の面積を今上回っているんですね。このままの傾向だと、あと二十年足らずで北海道の面積に匹敵すると言われております。こういったことから、本年四月一日から相続登記の申請は義務化されたわけです。是非、この義務教育の中で相続登記の必要性と重要性をしっかり教育してほしいという声がありますので、この辺につきましても是非よろしくお願い申し上げまして、私の質問を終えさせていただきます。  どうもありがとうございました。

水野素子立憲民主・社民・無所属

○水野素子君 立憲民主党、神奈川選出の水野素子です。会派、立憲民主・社民・無所属を代表いたしまして、トップバッターで質問させていただきます。  私は、JAXA、宇宙機関出身でございますので、念願の文教科学委員会の初めての質問でございます。よろしくお願いいたします。たくさん聞きたいことがありますので、テンポよく進めてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。  まず、あべ大臣は所信御挨拶で、教師を取り巻く環境整備を進めることが喫緊の課題と述べられました。教員の定員増や仕事の縮減に加えまして、教えること以外の負担を減らすこと、支援要員の増強が必要と考えます。  例えば、ICT支援員の配置が遅れています。四校に一人の目標から各校一人以上配置と目標を高めて必要な予算を措置すべきではないですか。労働基本法などの様々な課題は、後日、特給法の審議で行いたいと思っておりますが、まずは本日、この点につきましてよろしくお願いいたします。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 委員にお答えさせていただきます。  ICTの支援員につきましては、今、四校に一人配置できるように、教育のICT化に向けた環境整備計画に基づき地方財政措置が講じられているところでございますが、実際のICT支援員の配置に関しましては、一人が複数校を兼ねて支援している地域もございますれば、一校に一人配置して支援している地域も実はございます。  ただ、学校のICT環境の支援には多様なニーズ、また支援形態があると承知しているところでございまして、こうした状況を迎えまして、令和五年度の調査によりますれば、今、ICT支援員の配置状況は全国平均で四・六校に一人にとどまっているところであります。これを文部科学省としては、まず引き続き全体として四校に一人の配置基準を満たされるように配置を促進をしていきながら、地方公共団体、また学校のニーズや実情に応じたICTの支援体制の構築に進めてまいります。

水野素子立憲民主・社民・無所属

○水野素子君 あべ大臣御案内のように、教育の現場、本当に大変人材不足でもあり、皆さん大変なことになっておりますので、是非支援要員をどんどん拡充して子供と向き合う時間をしっかりと持っていただけるようにお願い申し上げたいと思います。  次ですけれども、私も二人の子供の親なんですけれども、近年、授業時間数や教科書のページ数が増えておりまして、子供たちや教育の現場の負担が増えています。カリキュラムオーバーロードの問題に対しましてどのような対策を考えているか、お聞かせください。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 質の高い教育を実現していく上では、やはり教育課程の実施に伴う負担の指摘にも真摯に向き合っていく必要があるんだというふうに考えています。  このため、令和五年に通知を発出いたしまして、標準の授業時間数を大幅に上回って教育課程を編成している場合には見直すことを前提に点検を今行っているところでございまして、指導体制に見合った計画とすることを今求めさせていただいているところでございます。これによりまして、全国の学校において取組が進んでいると承知しているところではございますが、より一層の改善を促していきます。  また、令和六年九月の有識者検討会の論点整理におきましても、実は、学習指導要領や解説のみならず、教科書、入試、さらには教師用指導書などの影響も含めた全体を捉えた上で、過度な負担が生じにくい仕組みを検討すべきだというふうにされているところなんでございます。  今後は、こうした視点も踏まえまして中央教育審議会に諮問を行わせていただき、また、次期の学習指導要領等の在り方について丁寧に検討を行ってまいりたいというふうに思います。

水野素子立憲民主・社民・無所属

○水野素子君 学習指導要領の改訂もございますので、是非丁寧に御検討いただけましたらと思います。  次の質問、奨学金の返済軽減に関しまして、移りたいと思います。  日本における公的な教育支出につきましては、対GDP比でも国際的に低い水準にとどまっておりますけれども、さらに、私費負担割合に着目いたしますと、高等教育段階では六四・五%、OECD平均の二四・九%と比較して大変高い水準となっています。  闇バイトの問題など、若年層の貧困化が社会問題化しています。奨学金を抱える若年層の救済策を至急打ち出すべきではないでしょうか。未返済は総額で七兆五千二百八十三億円にも上りますので、直ちに全額を免除するのは難しくとも、段階的に日本学生支援機構の財投分等を補填するために予算措置を行うなど、奨学金返済の負担軽減策を積極的かつ具体的に検討するべきではないでしょうか。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 委員が御指摘のように、様々な事情によって厳しい経済状況に置かれ奨学金の返還が困難な方々に対しては、従来から、この返還の期限の猶予の制度、また減額返還制度により対応をさせていただいているところでございます。  また、減額の返還制度に関しましては、実は令和六年度より、利用可能な年収の上限を三百二十五万から四百万円に引き上げるとともに、月々の返済額を最大で四分の一まで減額できるように見直しをさせていただいたところでございます。  文部科学省としては、引き続き、この返還の猶予や、毎月の返還額、これを減額する制度によりまして、様々な事情により、お仕事をしていても途中でキャリアのパスの中で何があるか分からないということも含めた形で、返還が困難な方々に対してきめの細かい対応に努めてまいりたいというふうに思います。

水野素子立憲民主・社民・無所属

○水野素子君 大臣おっしゃられておりますように、人づくりは国づくりでもあります。また、若年層の貧困というのはやはり少子化の根本的な課題でもございます。  例えば、ヨーロッパでは教育が大学まで無料で提供されている国もございますし、あるいは、アメリカのような国では給付型の奨学金が大変発達しております。日本は今、悪い言い方ですけれども、悪いとこ取りのような形になっていて、大変教育費が高く、そのため、お子さんを抱えている家庭やあるいは若い方々の負担がひどくなっていますので、是非とも、教育費の無償化に加えて、今奨学金を抱えている方々の救済策も積極的に御検討いただきたいと思います。  委員長、続けて次の質問、よろしいでしょうか。

堂故茂自由民主党

○委員長(堂故茂君) はい。

水野素子立憲民主・社民・無所属

○水野素子君 ありがとうございます。  それでは、私、理科教育につきましてお尋ねしたいんですね。  あべ大臣は、まず、日本は科学技術立国であると考えていらっしゃいますか。実は、あべ大臣の所信挨拶で、文化芸術立国の実現に努めるという力強い意思表明があったのに対しまして、従来よく聞いていた科学技術立国とか科学技術創造立国という言葉がないのを実は私はとてもさみしいなと思って聞いておりまして、まず、日本は科学技術立国でしょうか。お答えください。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 済みません、所信の中に全部入り切らなくて申し訳ありませんでした。  政府の第六期の科学技術・イノベーション基本計画におきましては、国民の安全と安心を確保する持続可能で強靱な社会、また、一人一人の多様な幸せが実現する社会を目指すこととしているところでございまして、その実現に向けましては科学技術イノベーションが不可欠でございます。  そうした中で、所信の中で申し上げましたように、私自身も、科学技術イノベーションは人類の夢と希望、ここの源泉であるとともに、社会課題解決、まさにこの経済成長の原動力であるというふうに考えておりまして、我が国は科学技術イノベーションを基盤として発展する科学技術立国であると考えています。

水野素子立憲民主・社民・無所属

○水野素子君 力強い御発言ありがとうございます。  是非、様々な場所で、科学技術立国あるいは科学技術創造立国と大臣自ら是非是非うたっていただきたいんですね。これ、私もJAXAに九四年入社でした。科学技術立国、科学技術創造立国の夢を持って業界に入りました。失われた三十年を越えて、また再び技術で安心な社会をつくって、そして産業をつくっていく、この夢を子供たちにも、是非ともしっかりと夢を持っていただきたいんです。ですから、是非とも常にこれをうたっていただきたいと思っております。  そして、そのために理科教育でございます。理科人材の促進、あるいは理科、科学技術リテラシーのために、高等学校におきまして、地理総合、歴史総合が導入されました。理科の総合科目を導入すべきではないでしょうか。  二〇一六年に日本学術会議がこれからの高校理科教育のあり方という提案を行っています。それには、今の四科目から統合する総合科目の導入を提案されているわけですけれども、検討状況はいかがでございましょうか。

堂故茂自由民主党

○委員長(堂故茂君) 望月総合教育政策局長。

望月禎文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(望月禎君) 過去の検討経緯に係りますので、私の方から御答弁させていただきます。  現行の学習指導要領の内容を検討しておりました平成二十八年の二月、まさに日本学術会議の方からの御提言もいただきまして、その際、物理、化学、生物、地学の四領域全てを網羅する総合科目を創設する、六から八単位を割り当てて必履修化すべきとの御提言でございました。  この提言も含めまして、中央教育審議会、前回、実際日本学術会議の提言に関係した委員の方からの追加説明もいただきまして検討を行いました。その結果、科目を総合化したりあるいは必履修科目の単位数をこれ以上増やしたりするということに関しては、高校生の多様な学習ニーズへの対応、学校裁量の拡大、あるいは教師の確保、また、まさにさっき水野委員からもおっしゃられましたいわゆるカリキュラムオーバーロード的な観点、これも含めまして、四領域の基礎が十分理解できるように高校生全員に行うことは難しいという結論に至ったということでございます。  こうした検討を踏まえまして、平成三十年に告示されました高等学校の学習指導要領、現行でございますけれども、この高等学校の理科におきましては、科学と人間生活に加えまして、物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎の四つから一つ、又は物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎の中から三つのいずれかを選んで履修することとしたものでございます。  近日中に開始する次期学習指導要領の改訂に向けた検討におきましても、こうした現行制度の成果や課題も踏まえまして、様々な御意見を拝聴しながら、丁寧に検討してまいりたいと考えてございます。

堂故茂自由民主党

○委員長(堂故茂君) 失礼しました。望月初等中等局長の答弁でした。失礼しました。

水野素子立憲民主・社民・無所属

○水野素子君 社会は総合科目ができて、一通りの社会科の基本を学びながら社会に出ていくと。やはり技術立国ですから、理科の基本的なところを学ぶということも大事であり、そこから科学技術の道をやはり選ぼうという子も増えてくる。間口を広げていく必要があると思いますし、私の周りでは是非ともという声も多いので、今の御検討の中で改めて是非御検討をいただきたいと申し上げまして、次の質問に移ります。  同じように、科研費ですね。科研費が近年補正予算を除けば横ばい、何年も二千三百七十七億円でぴっちり固定されていて、一円も増加していないんですね。  これ、科学技術立国でもございますし、円安や物価の影響もあって、特に理工系は資材を買ったり大変なんですよ。科研費の増額を強力に進めるべきではないですか。大臣、お願いいたします。

塩見みづ枝文部科学省研究振興局長

○政府参考人(塩見みづ枝君) 済みません、お答えいたします。  御指摘いただきました科学研究費助成事業、科研費でございますけれども、科研費は研究者の自由な発想に基づく学術研究を幅広く助成する競争的研究費でございまして、これまで知的、文化的価値の創造やイノベーション創出に貢献してまいりました。  文部科学省としましては、我が国の研究力の強化に向けまして、この科研費の改善充実が必要と考えております。現在、科学技術・学術審議会におきまして、中長期的な観点も含めまして、科研費の質的、量的な充実のための方策について審議をいただいておりまして、そうした議論も踏まえましてしっかり取り組んでいきたいと考えております。

水野素子立憲民主・社民・無所属

○水野素子君 是非、大学は独法化、独立法人化してから一般管理費削減の中で、結局、研究者の皆様は競争的資金によるところしかない部分もあって、大変厳しい状況になっておりますので、是非とも強力に増額、検討をして進めていただきたいと思います。  次に、大学ファンドについてお尋ねいたします。  大学ファンド、予算化されてから約三年経過していますけれども、いまだに研究の現場に資金は一円も提供されていないのではないでしょうか。国がファンドを設立、運用して、その運用益から資金提供する仕組みは適切なんでしょうか。ファンドの運営自体が目的になっているような印象を受けるんですね。このホームページを見ると、まさに証券会社か投資会社かというような様々な投資に関する項目が並んでおりまして、これ研究関係のページなのかと思うほどです。  民間金融機関等から人材をたくさん集めていますけれども、これまで大学ファンドを設立、運営して一銭も現場に提供できていませんけれども、この運営、設立に関して要した費用は幾らほどでしょうか。お答えください。

塩見みづ枝文部科学省研究振興局長

○政府参考人(塩見みづ枝君) お答えいたします。  この大学ファンドでございますけれども、諸外国のトップレベルの研究大学におきましては、数兆円規模の独自の基金を持ちまして、その運用益を活用して研究基盤や人材への投資を行っているということ、このような海外大学との資金力の差を各大学の取組のみで直ちに解消することは困難であるということから、国が十兆円規模の大学ファンドを創設いたしまして、その運用益を用いて大学の研究基盤への長期的、安定的な支援を行うというものでございます。  科学技術振興機構、JSTにおきまして、令和三年度末から運用を開始いたしまして、令和五年度末までの通算で千八百四十八億円を将来の助成財源として確保しております一方で、その期間の運営に係る人件費につきまして、今、先ほど人材のお話ございましたが、人件費につきましては約十六億円となっております。  大学ファンドの支援対象の選定につきましては、大学との丁寧な対話を通じながら審査を行いまして、また改正国立大学法人法に基づくガバナンス体制の確保というものも経まして、先般、東北大学を初の国際卓越研究大学として認定をいたしました。  今後、東北大学の体制強化計画が認可されました場合には今年度中の助成開始を予定しておりまして、こうした取組を着実に進めまして我が国の研究力の強化を図っていきたいと考えております。

水野素子立憲民主・社民・無所属

○水野素子君 あのですね、教育、研究の現場ってもう本当にお金なくて大変なんです、ポスドクの方も含めまして。そんなに多額の人件費でファンドを運用して、国が、海外はおおよそ大学が運用していますよ。それも含めまして、この運用の仕組みに関しましては、今後もう少し調べて質問させていただきたいと思います。  最後の質問移りたいと思います。  防災研究につきまして、私は、三月の予算委員会におきまして、能登半島地震など多発する激甚災害受けまして、岸田総理、当時、に対しまして防災復興庁の設置を提言いたしました。今般、石破総理が防災庁設置に着手されたということ、まあ遅きに失する感はございますけれども、喜ばしいと思って、今後もその詳細を注視してまいりたいと思っております。  一方で、文部科学省の防災科学技術研究所あるいは地震本部は、この防災庁設置においてどのように位置付けられるのですか。専門的知見の獲得と人材育成、これは本当に大事です。継続的に行っていく必要があります。防災の研究ニーズ、防災の技術ニーズ、大変高まっています。今ございます防災科研、雪氷に関するセンターが二か所、耐震工学が一か所のみ、本所以外はですね、とても古そうにも見えるんですけれども、防災ニーズに合わせて研究施設をぐっと拡充すべきではないかと思いますけれども、御回答をお願いいたします。

堀内義規文部科学省研究開発局長

○政府参考人(堀内義規君) お答えいたします。  防災庁の設置につきましては、内閣官房で検討が進められているところであります。現時点では予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきたいというふうに思います。  また、国立研究開発法人防災科学技術研究所につきましては、地震、津波、火山、気象災害といったあらゆる自然災害を対象として、基礎、基盤的な研究開発を推進しております。これまでの研究成果は、気象庁の緊急地震速報等の防災対策に活用されております。また、現在、南海トラフ海底地震津波観測網、私どもN―netと呼んでおりますけれども、こういったものの整備等を進めております。  引き続きまして、必要な研究開発及び施設整備の推進にしっかり努めてまいりたいというふうに考えております。

水野素子立憲民主・社民・無所属

○水野素子君 是非お願いしたいんですね。  私もこの間、能登半島地震のときに国土地理院さんがいらっしゃって状況を説明いただいたら、あそこにもやはり研究者がいらっしゃるんですね。ですので、内閣府の方あるいは防災庁をつくってそういう知見を集めていくこと、常に専門家を育てていくこと、そこは研究者のキャリアにもなっていきますし、そういったことをやっていく必要があるんですけれども、是非とも、今、私も先般福島にも行きましたけれども、いわゆる放射線に関する被災というのもありますし、様々な防災に関する研究、それがしっかりと復興から防災までPDCAに回っていく、あるいは自治体が困ったときには専門家がすぐ行けるような、そういったことのニーズに合わせた研究領域の設定、設備の更新、そしてそういった体制の設置が必要であると思っていますので、是非とも、この防災科研、あるいは地震本部も文部科学省の下にあると、論文を書くことが目的、だけではないと思いますけれども、是非、地震においても、地震の予知、減災につながるような、実利用の方にも足を踏み入れていただきたいですし、是非とも、防災に関する研究、技術をつくっていくこと、それを産業に、安心社会のためにつなげていくということを意識してしっかりと予算を獲得していただきたいと思います。  私の質問はこれで終わります。ありがとうございました。

宮口治子立憲民主・社民・無所属

○宮口治子君 立憲民主・社民・無所属の宮口治子でございます。  あべ大臣、どうぞよろしくお願いいたします。  十月二日の文部科学省での大臣就任会見で、私自身が看護師ということもあり、やはり障害を持った子供たちの教育、学校に行けなくて困っている子供たちの教育、また、外国人の子供たちも大変増えている中で、誰も取り残さないということは大切だと思っている、文部科学省が行う行政分野は個人と社会の未来を切り開くために極めて重要な分野である旨を語られました。大変重要なことであり、その実現に向けて大いに力を発揮していただきたいと思っております。  それでは、具体的な質問に入らせていただきます。  私は、広島県選出、そして広島県で生まれ育った者の議員の一人として、そして文部科学委員の、委員として三年半やってまいりました。そういった、歴代の大臣に必ず聞いていることがございます。  これまでに、あべ大臣は「はだしのゲン」を見たことあるでしょうか。見ていれば、いつなのか、その御感想を少しお聞かせいただきたいと思います。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 委員にお答えさせていただきます。  「はだしのゲン」については、拝見させていただいたことがあります。いつだったか、何回か実は見ておりますので、ただ、原爆による被爆体験を基にしたというもので、詳細までは記憶をしておりませんが、戦争また核兵器の悲惨さが描かれていたというふうに承知しているところでございます。

宮口治子立憲民主・社民・無所属

○宮口治子君 ありがとうございます。  何度も見ていると言われたんですけれども、覚えていないというところの今言葉が気になりました。  最初の受けた印象というのを何となく覚えていらっしゃいますか。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 大変その悲惨さに衝撃を受けました。実は、何度も申し上げますが、何度か見ている中で、いろんな局面があるんだということを記憶をしています。

宮口治子立憲民主・社民・無所属

○宮口治子君 ありがとうございます。  私も小学校一年生のときにあのアニメーションを見ました。本当に、子供、風船を持った子供が溶けていくシーン、お母さんがベランダから本当に落ちていくシーンといったところが心の中に焼き付いております。  大臣は宮城県の石巻出身ということで、国会議員としての選挙区は、長く中国ブロック、そして今回は九州のブロックからの選出ということになりますが、どちらも広島と長崎、選挙区内に入っているかと思います。また、大臣は、衆院選のときのマスコミのアンケートにおいて、非核三原則については維持すべき、日本は核共有をすべきではないとの考えをお示しされました。  私、今年の八月六日、そして八月九日、長崎の平和祈念式典に出席しております。大臣、こういった行事、参加されたことございますでしょうか。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 広島での平和記念式典には参加させていただいたことがございます。

宮口治子立憲民主・社民・無所属

○宮口治子君 ありがとうございます。  私もずっと広島しか行っていなかったんですが、今年の夏、初めて長崎の方にも行かせていただきました。思いは広島も長崎も同じなんですけれども、資料館等は本当にそれぞれの特徴もありますので、是非長崎の方にも行っていただきたいと思います。  御存じかと思いますけれども、「はだしのゲン」が副教材から削除された問題にも見られますように、平和教育そのものが相対的地位が下がってきているのではないかなというふうに私は感じております。かつてであれば、平和教育というのは何にも、何事にも先んじて行うべき、そして一丁目一番地だったものが、様々教育内容というものがどんどん膨らんでいく中で、落としてもいいのかなといった時間的な余裕のなさの中で、相対的に地位が低下しているといったような指摘もございます。  しかし、現実として、今ウクライナの侵攻を続けるロシアのこと、そして北朝鮮の関与、中東での紛争で何万人もの罪のない子供たちが、民間人の多くの方が亡くなられているという状況で、それどころか、核兵器の使用の脅威というのが高まっているのではないかと思います。広島、長崎での決して繰り返されてはならない過ちの危険性というのが高まっているんじゃないでしょうか。  そういった事態だからこそ、この平和教育の重要性というのはあると思います。大臣の平和教育への思いというのを少しお聞かせいただけたら幸いです。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 実は、副大臣をさせていただいたときにも、広島の方に平和教育の観点で資料館をお訪ねさせていただきました。献花もさせていただいたのでございますが、大変人が多く入っていらっしゃいまして、外国人の方々が、やはり様々な影響で、やはりこの未曽有の惨禍をもたらした、資料館を是非とも見たいという思いで海外の方々がいらっしゃっているのを拝見をさせていただきました。  やはり、私ども今を生きている世代の責任として、決してこういうことは忘れてはならないと私自身は思っておりまして、戦争が未曽有の惨禍をもたらしたことを理解してもらい、二度と、二度と悲惨な戦争を繰り返さないようにするためには、学校教育、ここで平和で民主的な社会の実現、また国際協調、国際平和の実現に努めることの重要性を教えていくことが極めて重要でございます。  私自身、実はガザにも何度か訪れておりまして、教育どころか食事すらままならない状況の子供たちを見ていきながら、私たちは、こういう子供たちを決して、決して、しっかりと子供たちの学ぶ権利を与えていく必要が、私たちが保障していく必要があるんだということを本当に心から思っているものでございまして、平和教育、まさに重要でございまして、この学校教育におきましては、学習指導要領に基づきまして、例えば社会科などにつきまして、日本国憲法のこの平和主義の原則、また国際協調と世界平和の実現に努めていくことがまさに大切であること、また、国際貢献を含む国際社会における我が国の役割などについて学習が行われております。各学校において平和に関する教育が一層充実するように、様々な機会を捉えて優れた取組事例の普及に努めてまいります。  本当に私たち、今外交が大変なときに、安全保障が大切なときに、この平和教育、まさにまさに重要だと私自身は思っておりますので、御一緒に頑張ってまいりましょう。

宮口治子立憲民主・社民・無所属

○宮口治子君 ありがとうございます。  本当に重ねて重ねての言葉、私もちょっと今心を打たれました。平和教育、平和学習、とても重要だと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。協力いたします。  それでは、日本原水爆被害者団体協議会、日本被団協のノーベル賞の授賞式が十二月十日に行われました。  被爆者の健康手帳を持つ人の平均年齢というのが八十五・五八歳で、十年前から約八万六千人減少しています。日本被団協の地方組織は、被爆者の減少や高齢化を理由に解散や活動休止が十一県において広がってきております。  平和賞の受賞理由に、いつの日か被爆者は歴史の証人ではなくなるでしょう、しかし、記憶をとどめるという強い文化と継続的な取組により、日本の若い世代は被爆者の経験とメッセージを継承していますとありました。  若い世代は、核廃絶に取り組む活動というのが広がっています。大臣は、高校生平和大使とかそういった若者の活動というのは御存じでしょうか。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 例えば、高校生の平和大使の方が核廃絶を求めて集めた署名、これを国連の欧州本部に届ける活動などを実施されていることは承知をさせていただいています。また、過去に大使を務めたことのある大学生がちょうど昨日、十八日、小学生に対して核兵器をめぐる課題などを伝える活動をしたことも報道を通じて承知をしているところでございます。  このような若い世代の方々が世界各地で核兵器廃絶と平和な世界の実現を訴え、行動されることは、極めて意義深いというふうに考えています。

宮口治子立憲民主・社民・無所属

○宮口治子君 そういった署名活動がかなり政治的であるといって学校から認めてもらえないといったような話も実は聞いております。どうかそういった若者たちを支えてあげてください。  私は恥ずかしながら今回初めて知りましたが、ノルウェーにあるノーベル平和賞を運営する組織の関連団体のノーベル平和センターは、平和賞の受賞者について若い人たちにも知ってもらって教育に役立てようと、毎年地元の公共放送とともにその功績などをまとめた映像とかスライドというのを作っていて、各地の学校にその功績などをまとめた教材が配られて、生徒たちが様々な平和について学んでいるとのことです。今年は日本被団協に関する教材というのが作られて、ノルウェーの子供たちが核兵器廃絶を訴えている日本被団協の活動などについて学びました。ノーベル平和センターの担当者は、被爆者の証言を知ってもらうことに重点を置いた、生徒たちには原爆の投下がどんな大惨事だったのかを理解し、語り継いでいってほしいと話しているとのことです。  この件についても、あべ大臣は、私ども、唯一の被爆国ということで、今回の特にノーベル賞に関しましては深くしっかりと受け止めさせていただきながら検討させていただきたいと思いますと十二月六日の参議院予算委員会で御答弁をされています。しっかりと受け止めさせていただきながら検討するということですけれども、具体的にどうしていくのか、お答えください。

望月禎文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(望月禎君) 先日の参議院予算委員会におきまして、委員の方から、大臣の方からの答弁の紹介をいただきました。  その後、ノーベル平和センターに直接文部科学省としましても連絡を取りまして、ノルウェーの学校で配布された教材を一旦取り寄せまして、現在、教科の専門家に内容を分析をしてもらっているところでございます。  その教材自体がどうなのかはやはり分析をしないと分からないところはございますけれども、平和教育を一層推進する取組の一環としてどのような対応が適当かは検討してまいりたいと考えてございます。

宮口治子立憲民主・社民・無所属

○宮口治子君 ありがとうございます。  前任の盛山大臣からも、平和教育の在り方について学習指導要領全体の検討の中で考えていきたいとの発言もいただいております。どうか、非核三原則を守って、核脅威に反対されているあべ大臣に期待をさせていただくとともに、核兵器禁止条約についても是非オブザーバー参加をするべきということを私から訴えさせていただいて、平和教育についての質問は終わります。  それでは続いて、障害者教育に対する大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。  冒頭にも申しましたけれども、大臣は就任会見で、私自身が看護師ということもあり、やはり障害を持った子供たちの教育、誰も取り残さないということが大切だと思っている旨をおっしゃりました。知的障がい者の明日を考える議員連盟にも所属されており、障害者の支援についての提言などもされてこられましたよね。  大臣は、障害を持った子供たちの教育、これをどのようにしていこうとされているんでしょうか。お答えください。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 学校教育におきましては、共生社会の形成に向けまして、障害のある子供と障害のない子供が可能な限り同じ場で共に学ぶことを目指すとともに、この障害のある子供一人一人の教育的ニーズ、的確に応えていきながら、適切な指導、また必要な支援を行う特別支援教育の充実を図ることが重要だというふうに思います。  実は、私自身が日本看護協会の副会長をしていたときにも、いわゆる医療的ケアをどこまで学校の先生にしていただくか。実は、そのときは、親御さんたちが、自分の子供たちの、たんが出る子供たちのサクションをしなきゃいけないために、本当にお疲れの中、学校に張り付いていたのを私は何度も何度も拝見させていただきながら、この子たちがしっかりと社会の中で一緒に生きていくためには何が必要なのかということを一生懸命考えてきました。  そのため、今回は、文部科学省といたしまして、障害のある子供を誰一人取り残さず、特に医療的ケアが必要な子供が安全、安心に学校生活を送るための実施体制の整備、特に人工呼吸器をしている子供たちがなかなか学校に行くことができない状況もまだまだある中、発達障害のある子供たちに対しても就学前から切れ目のない支援体制の構築に進めていきたいというふうに考えています。  加えて、今年より、特別支援学校と地域の小中学校などを一体的に運営するモデルの構築に向けまして実証的な研究に取り組んでいるところでございます。  医ケア児の、医療ケアの必要な子供たちをお持ちの御両親がどうしてもその医ケア児を見ている学校の近くに引っ越していくという状況もある中にあって、様々な取組を全力で進めさせていただきながら、共生社会の形成を目指す特別支援教育の充実をしっかりと図ってまいりたいと思います。  御一緒に頑張りましょう。

宮口治子立憲民主・社民・無所属

○宮口治子君 ありがとうございます。  とても具体的な話、していただいたと思います。可能な限り多様性をというところでございましたけれども。  大臣、先日の大臣挨拶で、特別支援教育の充実のため、インクルーシブな学校運営モデルの構築、発達障害のある子供や特別支援学校等に約一万人在籍している医療的ケアが必要な子供に対する支援の充実などに取り組みますと述べられましたが、大臣、インクルーシブ教育についてはどのようにお考えですか。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 文部科学省といたしましては、この共生社会の形成に向けまして、インクルーシブ教育システムの構築のための特別支援教育の推進を図る必要があるというふうに考えています。そのため、障害のある子供とまた障害のない子供が可能な限り共に過ごすための条件整備、ここが大変難しいところでございますが、しっかりと考えていきながら、一人一人の教育的ニーズに応じまして、また通常の学級、また通級による指導、特別支援学校、また特別支援学級と、両方の連続性のあるこの多様な学びの場の整備が必要だというふうに考えておりまして、両輪として取り組ませていただきます。  引き続き、障害のある子供の自立、また社会参加を見据えたインクルーシブ教育の推進に、教育システムの推進に向けた取組をしっかりと進めてまいります。

宮口治子立憲民主・社民・無所属

○宮口治子君 ありがとうございます。  国連の方からも特別支援学校をなくすようということで四度ほど通告が来ておりますけれども、私にも重度の発達障害を持った長男がおります。そういった子が、実は双子の片割れになります。次男と同じ地域の小学校に同じ制服で通わせてやりたかった、そういった思いは今でもあります。ただ、特別支援学校に行かせて今はよかったなと思っています。なぜなら、やはり地域の学校ではなかなか支えてもらえなかったんではないかというような現実、今の学校の問題があるからですね。  これからの教育の在り方として、特別支援教育の先にインクルーシブ教育があるのではなくて、全ての子供たちが様々な特性を持つ子供たちと共に学んで共に育てていくということが私も大切であるというふうに思います。  それでは、質問変わります。  学校に行けなくて困っている子供たちの教育、誰も取り残さないということは大事だと思っているという旨述べられた大臣でございますが、学校に行けなくて困っている子供たちの教育、不登校の問題についてお伺いします。  十月末に公表されました令和五年度児童生徒の問題行動・不登校等の生徒指導上の諸課題に関する調査、通称問題行動等調査によると、不登校の小中校生が過去最多、三十四万六千人というふうになっております。これ、十年前の二・九倍となっています。病気による長期欠席者数の数も十万六千人という数字、これも大変深刻だと思いますが、大臣は不登校の問題について具体的にどのように取り組んでいくお考えでしょうか。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 令和五年度の小中高等学校における不登校の児童生徒数は、四十二万人でございます。過去最多となるなど、極めて憂慮すべき状況が継続しているというふうに思っております。実は、私の友人のお子さんも学校に行けなくて私自身が何週間かお預かりした経験もありますが、やはりそのときは、本人以上に親御さんが大変苦しんでおりまして、うちの子は学校へ行けないということを、すごい前でございましたから、いろいろ苦しんでいるお話も一緒に涙流しながら聞かせていただいていました。  そうした中、文部科学省としては、今回の調査結果をしっかり踏まえた上で、COCOLOプランに基づきまして、学びの多様化の学校の設置促進、また、学校内外の教育支援センターの機能強化による学びの場の確保、またスクールカウンセラー、またスクールソーシャルワーカーの配置の充実とともに相談体制を強化していきたいというふうに思っておりまして、それを進めていきながら、やはりその保護者の方の支援体制の強化、ここもまさに重要だと思っておりまして、情報発信の強化にも努めていくこととしております。  文部科学省としては、引き続き、こども家庭庁と連携しながら、不登校児の学びの継続、相談体制の充実に全力を尽くしてまいります。

宮口治子立憲民主・社民・無所属

○宮口治子君 大臣おっしゃられたとおり、不登校で苦しむまた保護者というのが二割離職しているという報道もございます。不登校を含む長期欠席は、子供が学校に適応できていない結果であるとの見方をされることもありますけれども、逆に、今、戦後から変わっていない、皆が同じように学んで詰め込んで、そして大学進学ありきといったような学校のシステム自体が子供に対して適応できていないんじゃないでしょうか。時代に合っていないんじゃないでしょうか。私、ここ大きく変えていく必要があると思っております。  学校が子供に適応できるように変化していくためには、子供一人一人の個性を尊重する多様な学びを全ての学校において行っていく必要があると思います。文科省は、令和五年八月、不登校児童生徒を対象とする不登校特例校の名称を学びの多様化学校と変更しましたが、学びの多様化は、一部の学校だけではなくて全て、全ての学べる環境とか居場所において私は必要だと思っております。学びの多様化におきましては、本当にしっかりと考えていただきたいと思います。  時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。

水岡俊一立憲民主・社民・無所属

○水岡俊一君 立憲民主・社民・無所属の水岡俊一です。久々、当委員会で質問させていただきます。ありがとうございます。  まず、大臣、大臣の御就任おめでとうございます。医療に極めて明るい大臣が文部科学大臣に就かれたということに対して、全国の学校の皆さんは期待をするところ大だというふうに思っております。医療の専門家として文部科学大臣に就かれた今のお気持ち、これ通告をしておりませんけど、今のお気持ち聞かせていただければ有り難いと思いますが、いかがでしょう。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 大変緊張しております。頑張ります。  以上です。

水岡俊一立憲民主・社民・無所属

○水岡俊一君 そうですか。  学校現場が期待をしているということの中には、例えば全ての学校に学校保健室が設置をされていながら、全ての保健室に養護教員が配置をされているわけではありませんが、多く配置をされている状況があります。しかし、例えばですね、大臣、一年生、一学年に百三十人います。六学年いて七百八十人ですか、いますね。それに特別支援学級の子たちが例えば十人いたとする。これは七百九十人のある小学校が目の前にあるとしますね。大臣、大臣が養護教諭としてそこに赴任をされたということを例えば仮定をすると、どんなふうな業務内容、困難さ、あるいは展望というようなもの、何か今お感じになっていることってありますか。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 私は養護教諭の資格を持っておりませんが、いろんな学校をお訪ねしたときに、今、本当に子供たちが多様で課題もたくさん抱えていて、またいろんな状況がある中にあって先生方が大変お忙しい中、昔は、何かあると保健室に行ってちょっと休んでいた子がいる中で、今、いろんな学校では、そうじゃないスペースも持ち込んでいきながら、やっぱり子供たちの多様性を受容していくために先生方が本当お忙しくされていて、大変だなと思っております。  そうした中で、やはり先生方の処遇を変えていきながら、また全体を見回させていきながら、子供一人一人に合わせた学びの多様性ができる体制を本当にしっかりとつくっていかなければいけないというふうに感じておりますが、水岡先生が大変御専門が深いので、私は今日緊張しながら質問を受けさせていただきたいというふうに思っております。

水岡俊一立憲民主・社民・無所属

○水岡俊一君 私は今、具体的に一つの学校の規模のお話をいたしました。私の思うことは、一つの学校の子供たちが、例えば小学校であれば、八百五十一人以上にならないと養護教諭は複数配置にならないんですね。つまり、八百名もの子供たちがいる中で、一人で養護教諭は頑張らなきゃいけないんですよ。これ、どう思われます。  養護教諭、今いろんな仕事がある。忙しいということは言うまでもないことです。アレルギー対応あります。子供たちのけがの緊急対応もあります。熱中症対応もあります。今おっしゃったように、教室に入れない子たちが、保健室に来る子たちもいます。一人ですよ、八百人。大臣、どう思われます。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 養護教諭という資格が非常に私は学校の中でも重要だというふうに考えておりますが、やはり子供たち一人一人にしっかりと目を向けていきながら、みんな違ってみんないいという学び方を実現していくためには様々な人員配置が必要だというふうに思っております。  養護教諭の中でも、実は、資格を持っている方と、看護の資格を持っている方とそうじゃない方がいらっしゃる中で、私は、人員配置、特に大切だと思いますが、これまでも計画的に配置改善を行ってきたところでもございますが、複数配置の基準に関しても実は緩和をさせていただきました。  しかしながら、なかなか、いじめ、保健室登校の、心身の健康の対応のための養護教諭の加配の配置を行っているところでございまして、実は令和六年の予算におきましても加配定数の改善を計上しているところでございますが、まだまだ複雑化する学校の環境に対応していくために、私どもは、中央教育審議会の質の高い教師の確保特別部会の答申も踏まえていきながら、全体の学校の指導、運営体制、養護教諭だけじゃない形でしっかりと、全体をどう考えていくかをしっかり御一緒に考えていきたいというふうに思います。

水岡俊一立憲民主・社民・無所属

○水岡俊一君 養護教諭だけではないですね。学校の定数増を皆さんが願っているところでありますけれども、例えば、今、学校保健室で養護教諭が一人で八百名もの子供たちの対応をしているという状況の中で、これ、医療にお詳しい大臣だからこそ、これは無理だよね、やっぱり複数にしたいよねというようなことをやっぱり推進していただきたいというすごい願いがあるわけですよ。  そして、養護教諭だって一人の公務員ですので、有給休暇もあるわけですよね。年間二十日は保障されているはずです。繰越しがあれば四十日あるはずですね。そんな中で休んだらどうします。誰が対応するんですか。そんなときにアレルギー疾患を起こした子供たちが出てきた、さてどうするか。これは大変な問題だと思うからこそ、複数配置を含めて定数の問題を大臣にしっかりとお考えをいただきたいというふうに思っているところです。  そんな中で、具体的なお話をしたいと思います。今、アレルギー疾患というのは非常に多うございます。学校給食あるいは御家庭で摂取をしたその食物のアレルギーで子供たちがアレルギー症状を起こしていくということがありますね。学校でエピペンというものを使いながら、子供たちにその対応をするというようなことが今求められているんですよね。これ、基本的には医療行為、医療的ケアという範囲に入るので、本来は許されていないことだと思いますが、緊急的ということでいろいろとそれの対応を文科省も示しておられるわけですね。  そんな中で、もっと大変なことといいますか、非常に緊急というか切迫する事象というのが中には起こってきます。てんかんという症状を起こす子供たちが出てきます。このてんかんを起こした子供たちが学校で発生をしたときに、このてんかんを抑えるといいますか、薬というのは、今販売をされているんですけれども、これってなかなか厳しい薬なんですよね。  私、資料、今日用意しましたが、資料の三枚目、これ配ってもらいましたね、資料の三枚目、右下に③と書いてあるこのブコラムの使用についてという一枚のホームページ、これは消防教育研究会というところのホームページから引用したものですが、元々は文科省や厚労省から出ている通知文を基にしたものですが、この中で、上から六、七行目に、「この事務連絡では、現場に居合わせた教職員等が、自ら投与できない本人に代わってブコラムを投与することについて、次の四つの条件を満たせば、医師法に違反しないことを示しています。」と、こういうようなことで御紹介があるんですね。  本当に医師法に違反しないんでしょうか。医師法十七条との関わり、これ、大臣、どういうふうにお考えでしょうか。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 学校におきまして、児童生徒がてんかんによる引き付けを起こしまして、まさに生命が危険な状態になることがあります。そうした場合に、現場に居合わせた教職員が緊急やむを得ない措置として口腔用液等の投与について個別に厚生労働省と協議をさせていただきました。  それで、一定条件の下でこの対応できることと私ども文部科学省としてはさせていただいておりまして、文部科学省としては、こうした対応、また製薬会社のガイドブックがございまして、これをしっかり周知することによって現場、学校現場での対応が組織的かつ円滑に行われるよう、また、子供、児童生徒の命をしっかりと守るように努めてまいります。

水岡俊一立憲民主・社民・無所属

○水岡俊一君 今の御答弁、余りにもきれい事過ぎるんじゃないですか。実際、医師法第十七条に違反するかどうかという厳しい問題について、厚労省と文科省とやり取りができて、それについて御紹介があったと、こういうことなんですね。  で、私が疑問に思う論点を言いますと、この三枚目の資料の中で後段を見てください、下の段ですね。消防庁の対応というところです。結論言いますね、下から四行目ぐらいのところに、「この事務連絡には、次のような但し書きがあります。 「救急現場において、救急救命士を含む救急隊員が、傷病者やその家族等に代わって当該医薬品を投与することはできないことを申し添える。」」と書いてある。  救急救命士を含む救急隊員がこの薬を投与することができないというふうに消防庁が言っている。つまり、極めて、この薬を投与することが医師法十七条に違反することではないのかということを消防庁は厳しく言っているわけですね。  これ、どういうふうに大臣お考えですか。学校は、何の資格もない人たちが、医療的ケアをできる資格もない養護教諭がこれをやっていいよと厚労省と文科省はおっしゃる。消防庁は救急救命士すらやっちゃいけないと言っている。これ、どういうふうに考えたらいいんですか。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 救急救命士の件に関しましては、実は厚生労働省の所管になりまして、文部科学省から回答することは控えさせていただきます。  学校における対応に関しましては、私ども文部科学省として個別に厚生労働省と協議した結果、いわゆる教職員が一定の条件の下で対応できるものとさせていただいたところであります。

水岡俊一立憲民主・社民・無所属

○水岡俊一君 その文科省の対応が本当に医師法十七条違反を問われないということを保証できるものかどうか、私は疑問があるところでありますけれども、しかしながら、学校でてんかん発作を起こした子供を目の前に、医師法に違反するかもしれないからといって何もできないというのも、これは人としていろいろ考えるところだと思うんですね。  それで、私が次に申し上げたいことは、アレルギー対応のときは、文科省は、学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインというのを令和元年に改訂をしながら出しておられる。きちっと、この緊急対応の手順だとか、いろんなことを御紹介をして、学校現場に安心感を与えているわけですね。  なぜこのブコラムについては、今さっき大臣おっしゃいましたけど、薬品メーカーが出した、そんなことでは駄目なんじゃないですか。文科省が、厚労省が、学校現場に対して、こういったことの条件をしっかり守りながらやるべしですよ、緊急的にはこうしたらどうですか、なぜガイドラインを出さないんですか。出してほしいんですが、いかがでしょう。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 文部科学省といたしましては、こうした対応や、また製薬会社のガイドブックについて周知することによりまして、これで学校現場の対応が組織的かつ円滑に行われるように努めているところでございます。

水岡俊一立憲民主・社民・無所属

○水岡俊一君 私は、それはいささか文科省として努力が足りないと思います。もっと言えば不作為じゃないですか。やればいいじゃないですか。文科省として、厚労省として、学校現場で。もしかすると死に至るような発作になっているかもしれない、そういった子たちに対応する学校職員のために、しっかりとした裏付け、あるいはその手順をしっかりと示すことが私は望まれているので、強くこのことを要請したいというふうに思います。  更に言えば、人間というのは、大変な場面にぶち当たったときに、そのときにどうしたらいいか、分かっているつもりでもその手順を省いてしまう。  水野さんはJAXA出身とおっしゃっておりますけれども、JAXAで、いろんな、宇宙開発であったり、極めて瞬間瞬間に判断を求められるときに、人間はどうするか、判断を誤るかもしれない。だから何があるかというと、チェックシートがあるんですね。宇宙開発なんかでは特にそうです。チェックシートで一つ一つをチェックしていく、そういうことをやりながらこの対応、てんかん発作の対応をしていくというのも、私は意味があるように思うんですね。  だから、顔、目の状態はどうか、熱はどうか、吐き気はあるのか、そういうようなチェックシートを作っていくということが、私は、学校現場の非常に、何というか、やりやすさ、対応のしやすさをつくっていくことではないかと思うんですね。  実際、都道府県の教育委員会では、エピペンを打つべきか打つべきでないかというようなことについてチェックシートを作って、そのチェックシートに従ってチェックをしていく、その結論として今すぐにエピペンを打つべきだという判断をして対応するというような、そういうものも作って頑張っているところもあるんですね。  これは文科省で、ブコラム、これは商品名ですけれども、こういった薬剤投与について、更に踏み込んでこういったチェックシート等を作っていくということは、大臣、御検討願えませんか。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 委員の御指摘の点についてはしっかりと受け止めさせていただきます。また、多分委員の方が各教育委員会におけるチェックリストなどを多分たくさん御覧になっていると思いますので、是非それも拝見させていただけたらと思います。

水岡俊一立憲民主・社民・無所属

○水岡俊一君 それからもう一つ、これは通告をしておりましたからもう大臣のお手元に答弁もあると思うんですけれども、フッ素洗口、フッ化物を使って口をゆすぐ、これ、虫歯予防ということで学校でよく行われていることなんですけれども、これ、ずっとこの文科の委員会でも議論してきました。しかし、必ずこれを学校でしなければいけないという根拠がないんですよね。文科省が言われている法令等で学校に義務付けられている業務等一覧をずっと私も見ましたけど、ありません。文科省が学校に求める業務としてないのに、なぜフッ化物洗口を行おうとするのか、これをお答えいただきたいと思います。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) この学校におけます集団フッ化物洗口の実施は各自治体で判断される事柄であるというふうに考えているところでございまして、実施に当たりましては、関係者間での適切な役割分担も含めて考えているところでございます。  ただ、この洗口に、フッ化物洗口に関しては、厚生労働省のこのフッ化物洗口の推進に関する基本的な考え方においては、高い齲蝕、すなわち虫歯の予防効果があって、安全性が確保されているというふうにされているものとされています。

水岡俊一立憲民主・社民・無所属

○水岡俊一君 まあそれは文科省と厚労省の範囲が違うんだということかもしれませんが、学校現場関係ありませんよ、文科省であろうが厚労省であろうが。やるのかやらないのか、やらなければいけないのかという問題で、私は文科大臣だからお尋ねをしているんです。  学校の業務としてこれを取り扱わなきゃいけないという根拠はどこにあるんですかとお聞きをしております。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 先ほど申し上げたように、フッ化物の洗口は、いわゆる齲蝕、虫歯の予防対策として効果があるというふうに考えているところから、各自治体また学校の判断により実施されているというふうに承知をしているところでございます。  フッ化物洗口を、学習指導要領に基づいて、体育科における口腔の衛生を保つこと、また、特別活動の心身の健康の保持増進に関する指導として実施する場合においては教育活動として位置付けられ、教員の職務になるものと考えているところであります。

水岡俊一立憲民主・社民・無所属

○水岡俊一君 このやり取り幾らしていても終わりませんけれども、そういった、もしする場合にはとかいうようなことで通知を出したりするということは少なからずインセンティブになりますよ、そういったことを求める人たちもいるんですから。だから、いろいろな考えはあると思うんですよ。だけど、これを文科大臣として、文科省としてどう考えるかというのは極めて重要です。だから、文部科学省が決してそれを誘導するようなことはしていないというんであれば、またこれからいろいろと協議をしていきましょう。  それで、一つ、このことについてもう一つだけ申し上げたいのは、フッ化物というのは、フッ素そのものは、皆さん御案内のとおり、もう常温で気体なものですから、化合物にして、この現在状況にあるわけですね。  そうなると、これを溶かしてその洗口液にするんですけれども、この溶かすというのは、私は、昔、溶かした液が売っていて、それを学校が買って、それをうがいに使うというのはまあありかなとも思いました。そういったことも考えたことはありました。ところが、今はもうその薄めた液ないんですよね。だから、みんな、元の濃度の濃いものがフッ化物としてあるんですよ。これは、実はこの粉末自体は劇薬なんですよ。劇薬指定なんです。だから、この劇薬を扱うということ、調剤をするというのは薬事法で禁じられていることなんですね。  だから、これについても文科省はいろいろ手だてをもう既に組んでおられて、こういったことでやれば問題ないですよと書いてありますが、通知文にはありますが、いずれにしても、薬剤師の指導が要る、そして最終的には薬剤師のチェックが要る、確認が要るとまで書いておられる。学校現場で薬剤師が来て指示を、調剤の指示をして、そしてその薄めたものを確認をして、これなら子供に大丈夫ということをやっていると大臣はまさか思っておられないでしょうね。どうでしょう。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 文部科学省におきましては、都道府県教育委員会等に対しまして、学校でのこのフッ化物洗口の実施に当たりましては、市町村の歯科保健担当部局、また保健センターによる実施、また歯科医師会や薬剤師会の協力、また医薬品等販売会社への業務委託など、関係者間で適切な役割分担を検討して、教職員の負担軽減に配慮するように依頼しているところでございまして、加えまして、また、学校薬剤師が業者からフッ化物洗口製剤を購入し、また保管及び洗口液の作成を行うフッ化物洗口製剤の調達、またこの洗口液の作成等を医薬品等販売会社に委託するといった事例の周知を通じまして、教職員の負担軽減に努めさせていただいているところでございます。

水岡俊一立憲民主・社民・無所属

○水岡俊一君 今の御答弁では納得できるわけではないと思います。  何か、今、先ほどからの御答弁は、全て地方公共団体というところに責任を押し付けているように思えてならないですね。これ、事故が起こったら誰の責任なのかという話で、文科省はそのことを誘導していなかったかと私は問われると思いますよ。現に、学校の養護教諭が薬剤を薄め損ねて、間違って違った濃度のうがい薬を作ってしまって、子供がそれを口に入れたという事件も起こっておるんです、事故も。  そういった中で、それを未然に防ぐためにどうしたらいいか、本当に文科省も考えましょうよ。そんなことが起きるんだから、それもやはりその正当性が疑われている。学校としての業務として認めていないんだからやめましょうということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。  大臣、所信をお述べになった中で、私、どうしても気になることがあったので、お聞きをしたいです。  大臣は、公教育の再生という言葉を使われました。覚えておられますよね。大臣、再生ってどういう意味か御存じですよね。再生。再生というのは、衰え、又は死にかかっていたものが生き返ること、あるいは滅びかけていたものが生き返ることというのを再生というんですが、公教育はもう死んじゃっているんですかね。そして、その公教育を再生するというその意味合いで大臣はおっしゃったんか、その辺りを聞かせてください。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) いえ、私自身は、我が国のこの公教育が衰退しかねないという危機感で申し上げたところでございまして、特に社会変化が厳しい中にあって、教師の長時間の勤務、また教師不足、さらには不登校児童生徒の増加などの様々な課題が顕在化している中で、公教育の再生という表現は、我が国の公教育が衰退しかねないという危機感から私は申し上げさせていただきました。

水岡俊一立憲民主・社民・無所属

○水岡俊一君 ちょっと違うように思いますね、それは。しかねないなら、それは、その考えは分かります。しかねないと思っているとしたら、公教育は衰退していないんですよね、今。なのに、再生なんですか。それ、矛盾していませんか。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 公教育が衰退しかねないということは、実は公教育がしっかりとしているものもありまして、かなりのばらつきがあると私は思っておりまして、日本全体としてこの衰退しかねない状況に、今、特に教師の働き方などを含めた形で考えているところでございまして、そういう意味も、そういう危機感、危機意識から再生という表現を使わせていただきました。学校がたくさんある中、教育というのが様々なものを網羅する中、一点を申し上げたことではなくて、全体としてしかねない状況にあるという危機感でございます。

水岡俊一立憲民主・社民・無所属

○水岡俊一君 そうお聞きをしても、再生という言葉を使うというのは適切だとは思えません。文部科学省ですから、そういうワーディングはやっぱりしっかりしないと駄目だと思いますよ。誤解を招きます、それは。  次に、ちょっと、一冊の本をちょっと御紹介をしたいと思いますが、大臣、この本覚えておられますか。(資料提示)「先生を、死なせない。」。これ、誰が書かれたかというと、妹尾昌俊さんと工藤祥子さんのお二人がお書きになった本です。  これ、先ほど妹尾さんにお会いをしたら、大臣に御紹介をしたというふうにおっしゃっていましたが、これ、大臣、お読みになりましたか。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 御本は、御著書はいただきました。実は、ちょっと目次をさらっと見ただけで、まだしっかり中身読んでいません、ごめんなさい。

水岡俊一立憲民主・社民・無所属

○水岡俊一君 工藤祥子さんというのは、二〇〇七年でしたか、公立学校のその夫が過労死をされて、それから五年以上にわたって公務災害を認めてもらう闘いを続けてきた方で、やはり学校現場における過労死を本当にこれ以上発生させてはいけないという立場で一生懸命活動されていて、その妹尾さんと一緒に書かれて、対談をした本なので、是非大臣、お読みをいただいて、今の学校現場の過労死という問題に真っ正面から取り組んでいただきたいというふうに思いますが、この過労死、なぜ起こるか、これ、大臣、どういうふうにお考えでしょうかね。過労死を許してしまうような時間外勤務を強いているこの学校現場、大臣はどういうふうにお考えですか。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 令和四年度の教員の勤務実態調査におきましては、教師の月当たりの平均時間の在外、時間外の在校等の時間が小学校で四十一時間、また中学校で五十八時間と、平成二十八年の教員の勤務実態調査の結果より実は三割は減っているところでございますが、まだまだ大変な状況でございまして、他方、依然として在外、時間外の在校時間等が長い教員も多いことが明らかになっているところでございます。  教師の時間外在校時間に関わる状況、全国的に改善すべき喫緊の課題でございますと認識をしているところでございまして、御指摘の点に関しましては、特に中教審の答申において、時間外の在校等時間が月八十時間の教師を、八十時間の教師をゼロにすること、これを最優先で目指すことと提言されているところでございます。  文部科学省としても、時間外在校等時間が月八十時間を超える教師をゼロにすることを最優先にさせていただきながら、学校の指導、運営体制の構築とともに、また、学校におけるこの業務の適正化における働き方改革の取組を徹底して総合的に対策を進めてまいりたいと思います。  今日、委員が御提示してくださった本も、済みません、事前に言っていただいたらゆうべ急いで寝ないで読んだんですが、本当に申し訳ありませんでした。

水岡俊一立憲民主・社民・無所属

○水岡俊一君 大臣としては、年が明けると給特法の改正案を提出をなさる予定だというふうに思うんですね。この給特法の改正について、今日は中身を論じる時間がございませんが、私は文科省の姿勢を伺いたいというふうに思っています。  資料をちょっと皆さん御覧になってください。資料の私の①のところで、私が赤線を引っ張っておりますけれども、真ん中の段、①、この給特法の仕組みが、中央教育審議会で指摘されたとおり、学校において勤務時間管理の必要性の認識を希薄化させ、学校における長時間勤務の歯止めにもならなかったのは事実だと思いますと、こういうふうに、これ、令和元年十二月三日の当委員会での文部科学大臣、萩生田大臣の御答弁なんですよ。  ですから、この給特法がこの過労死を生んでいる大きな要因ではないかということを示唆していると思いますけれども、大臣、どうお考えですか。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 御指摘の点に関しましては、当時の中教審の議論の前提となった当時の勤務実態調査におきましてその当時の教師の厳しいこの勤務の実態が明らかになったことを踏まえまして、その時点での大臣の認識として、本来、長時間勤務を抑制するための仕組みが定められている給特法の趣旨が十分に機能していないという認識を述べたというふうに考えているところでございます。

水岡俊一立憲民主・社民・無所属

○水岡俊一君 機能していない。  じゃ、この次、②の後段の部分を見ていただいたらと思いますが、給特法の仕組みは労働基準法の考え方とはずれがあると認識されている、御指摘のとおりだ、つまり、給特法は労基法ともずれがあって、これを根本的に直していかなきゃいけないということをこのときの文科委員会で大臣は述べられたと、その記録がこれです。  ですから、機能するとかしないとか、そういう問題ですか。労基法ともずれがあって、給特法には問題ありということを文科省も認識をされて、根本的に修正をしていく、あるいは改廃も考えながらしていくということではないんでしょうか、大臣。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) この今般の教師を取り巻く環境整備に関しては、中教審におきまして、一年以上にわたりましてこの給特法の法制的な枠組み含めて総合的に御議論いただいたものでございまして、具体的に今回のところに、具体的にその教師の厳しい勤務実態のある中にあって、先ほども申し上げた働き方改革の更なる加速化と処遇改善と指導、運営体制の充実を一体的、総合的に進めるものでございます。

水岡俊一立憲民主・社民・無所属

○水岡俊一君 これ、二〇一九年に給特法の改正を行いました。このとき文科省は、言わば応急措置と、応急処置としてやったということをお述べになったから、私たちはそういう理解をしたんです。  資料の④、一枚目の資料の④という赤線のところを見てください。  この応急処置の実効性を高めつつ、これから省内でも検討チームを設けて、しっかり教師にふさわしい処遇の在り方の検討を重ね、三年後に実施される教師の勤務実態状況調査を踏まえて、給特法などの法制的な枠組みについて根本から見直します。その際、現在の給特法が昭和四十六年の制定当初に想定されたとおりには機能していないことや、労働基準法の考え方とのずれがあるとの認識は見直しの基本となる課題、このように述べておられます。  根本的に見直す中身、それだけでもちょっとお述べになっていただけませんか。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 繰り返しになりますけれども、一年以上議論させていただいた中で、いわゆる中教審におきましては、先ほどの、申し上げました、この厳しい勤務実態に関しての働き方改革と処遇改善と指導、運営体制の充実を一体的、総合的に進めるということで議論をさせていただきながら、私ども、この議論を進めてきたところでございます。

水岡俊一立憲民主・社民・無所属

○水岡俊一君 もう時間ですので終わりますが、萩生田大臣がおっしゃった、法制的な枠組みについて根本から見直しますとおっしゃったのは事実ですからね。これをよく文科省の方は、大臣始め皆さん、肝に銘じて、来年の通常国会に提出する給特法の改正案については根本から見直していただくものを出していただかないと、大臣がうそをついたことになりますからね。よろしくお願い申し上げまして、質問を終わります。

堂故茂自由民主党

○委員長(堂故茂君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時二分休憩      ─────・─────    午後一時開会

堂故茂自由民主党

○委員長(堂故茂君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

下野六太公明党

○下野六太君 公明党の下野六太でございます。  本日、質問の機会を与えていただきまして、感謝申し上げます。  今日、午前中にも様々な質問がありましたが、私も平和教育、長崎、広島、私は九州ですから先長崎って言ってしまうんですが、長崎、広島における現場、非常に重要ではないかというふうに思っておりまして、実は、教員時代に八月六日が出校日、登校日でありました、教員になった当初ですね。  ところが、八月六日に登校する児童を狙った不審者、変質者が出まして、そのことを重く受け止めて、以来、平和教育を目的とした八月六日の出校日がなくなってしまうというような状況にありまして、これは問題だというふうに思いまして、私は、個人的な話になるんですけど、我が子が小学校三年生になったときに、夏休みのお盆を利用して、一緒に自転車で太宰府から長崎まで途中一泊して行きまして、そして平和公園に行って原爆資料館を訪ねました。そして、小学校四年生になった長男とともに、今度はもちろん広島に自転車で二人で参りまして、途中二泊して平和公園に行き、原爆資料館を訪ねた記憶を思い出しておりました。  苦労をせずに長崎にも行って広島に行く、それももちろん重要かもしれませんが、やはり、汗をかいて苦労をして、思い出に残るという形で命に刻むんだと、平和の大切さを命に刻ませるというような思いがこれは親としては重要ではないかというふうに思いまして、今その長男は小学校の教師になって五年目を迎えておりますが、結婚をして子供ができたら我が子を連れて自分も行きたいというふうに言っておりまして、やはり、平和教育は学校だけではなくて、社会、家庭全体でやり続けていかねばならないということを改めて今日、先ほどの宮口委員からの答弁、質問等を聞きながら実感していたところであります。  さて、質問に入らせていただきたいと思います。  昨年度、教師の病休の現状について伺いたいと思います。  先日、新宿にある精神科医の元を訪ねまして懇談をさせていただいたところ、その精神科医は、教師の精神疾患が非常に多いということを言われました。地元の福岡においても、精神科医の方は同じことを言われております。  そこで調べてみたんですが、教育公務員とほかの公務員とを比較したときには教育公務員だけが突出して多いわけではないということが分かってきておりますが、このような中で、人数が、国家公務員とかいろんな地方公務員とかの比較しての人数がやはり教育公務員が多いということで、精神科医は多いというようなイメージを持っておられるのだろうと思っておりますが。  昨年度、病気休職、あっ、これ、あした何か公表されるということで、あしたですね。今日はまだ一昨年度の情報で構いませんので、休職された、教師の休職ですね、小学校と中学校でそれぞれ何人おられたのかということ、そしてそれは全体の何%に当たるのかということを教えていただきたいと思います。

望月禎文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(望月禎君) お答え申し上げます。  令和四年度公立学校教職員の人事行政調査によりますと、令和四年度における公立学校の教育職員の精神疾患による病気休職者は、小学校では三千二百二名、在職者数に占める割合は〇・七七%、中学校につきましては千五百七十六名で、同じく在職者数に占める割合は〇・六八%になってございます。

下野六太公明党

○下野六太君 三千人を超える小学校と、千五百人を超える中学校の病気の休職者の数ですね。  私は、やはり、社会では、子供たちにおいて一人も置き去りにしないということをこれだけ社会全体で当たり前のように言ってきているこの現状の中にあって、教師のメンタルヘルスにおいても、これはやはり人数として非常に多いというふうに受け止めねばならないというふうに思っております。  教育公務員の病気休職者、休職職員、病気休職取得者が他の公務員と比較して割合として多いわけではないということが、先ほど申し上げたとおり、分かっている状況にありますが、それでは、教育公務員のこのメンタルヘルスにおける病気休職者の割合ですね、最近、直近五年間でどのようになっているのかというのを教えていただけますか。

望月禎文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(望月禎君) お答え申し上げます。  最近五年の比較ということでございますけれども、教育職員の精神疾患による病気休職者数、平成三十年度、これは五千二百十二名、〇・五七%でございましたが、令和四年度には六千五百三十九名の〇・七一%になっているところでございます。

下野六太公明党

○下野六太君 今の話だけ聞くとちょっと分かりづらいかと思いますが、直近五年間にしても右肩上がりで増え続けているということでよろしいでしょうか。

望月禎文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(望月禎君) はい。増加傾向にございます。

下野六太公明党

○下野六太君 直近五年間を見ても、この教師ですね、子供を教える一番大事な先生方がメンタルヘルスにおいて病気の休職をしているという数が増え続けているというこの現状を私は重く受け止めていかねばならないというふうに思っておりますが、この中においてどのような施策を実施してきているのか、そして、これからまたどのような形でこのメンタルヘルスにおける病気休職者の数を反転させて減らしていくように努めていくのかという、このことを教えていただけますでしょうか。

望月禎文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(望月禎君) 教師が過度な負担により心身の健康を害することなく生き生きと子供たちの教育指導、生徒指導に当たることができるように、教師のメンタルヘルス対策を一層進めていくことは重要であるというふうに考えてございます。  文部科学省では、これまで、各教育委員会におけるストレスチェックの実施、相談窓口の整備などのメンタルヘルス対策の充実、学校における働き方改革の推進、学校への過剰な要求も含めました諸課題について助言等を行う法務相談体制、行政による学校問題解決のための体制の整備などを進めてきておりますが、さらに、令和五年度に引き続きましても、令和六年度に公立学校教員のメンタルヘルス対策に関する調査研究事業を実施をしておりまして、採択自治体におきまして、専門家等と協力しながら、まさに病気休職の原因の分析、メンタルヘルス対策に関する効果的な取組の調査研究、そして他の自治体への展開を見据えたモデル事例の創出などにも取り組んでいるところでございます。  さらに、令和六年度の補正予算におきまして、医療機関とも連携し、医学的見地から精神疾患による休職者の復職支援や再発防止に係る取組の効果検証などを行うための事業に必要な経費も計上してございます。  教師が心身共に健康な状況で、状態で児童生徒と向き合うことができますよう、様々な観点からの教師のメンタルヘルス対策に取り組んでいきたいと考えてございます。

下野六太公明党

○下野六太君 今答弁いただいたように、様々な施策を通して教師のメンタルヘルス対策に乗り出していくということはよく分かりました。問題は、それがきちんと機能するか、効果が上がるかということにあると思っておりますので、どうか大臣、リーダーシップの下で、教師のメンタルヘルス対策についてもしっかりと取組を進めて、教師のこの病気休職者の割合を一転して減らしていくということで、どうかこの一年取組を前に進めていただきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いします。  次に、小学校高学年の実技教科専科教員の配置についてお尋ねしたいと思います。  小学校の高学年に、理科専科、体育専科、音楽専科教師を配置するように計画をしているというふうに思いますが、専門性を持つ中学校の教科担任が校区の小学校に出向いて授業を行っていくということは、中一ギャップの解消をするというような意義も込めて非常に有効ではないかと思っておりますし、実際、私も教員時代に、校区の小学校に、六年生に教えに行きまして、そして、その子たちが中学校に上がって、入学式に私の顔を見たらにこにこするという、まあどういう意味かちょっと分かりませんけど、まあいろんな意味があったと思いますが、にこにこして、やはり知っている先生が上がっていく中学校にいるというのは子供たちの安心感にもつながるかというふうにも思っておりますし、また、専門性を持っている中学校の教科担任が小学校に出向いていくというのは、その先生が教えるスキルをアップするという意味合いも込められていると思います。  小学生により丁寧に教えていかないと分からないだろうというところの細かないろんな配慮が中学校での授業実践のスキルアップにもつながるというふうにも思っておりますので、このような形を文科省もしっかりと、最終的には地域でお決めになることだというのは承知しておりますが、こういった形でしっかりと、実践事例として、好事例として非常にいい事例を紹介をしていただくということで後押しをしていただけたらというふうに思いますが、文科省としての見解を伺いたいと思います。

望月禎文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(望月禎君) お答え申し上げます。  小学校における教科担任制の実施に当たりましては、小学校に対する専科教員の充実のために、加配定数の活用、学級担任間の授業交換のほかに、今先生から御指摘いただきました小中連携によりまして、中学校の教師が小学校に乗り入れる方法等によって実施することなどを考えているところでございます。  このため、これまでも小中連携を含めた教科担任制に関する事例集を作成をしているところでございますけれども、改めまして、小中連携による中学校の先生、教師が小学校の授業にも参加をするような、そうした事例も含めまして、学校、教育委員会の方には事例を紹介するということをしたいと思っております。

下野六太公明党

○下野六太君 もうしっかり進めていくようによろしくお願いします。  次に、教職調整額についてお尋ねをしたいと思います。  教職調整額のアップについては様々な形でマスコミ等でも取り上げられているところでありまして、私も教職調整額を上げるということについてはもう賛成であります。  その中で、公明党では、文部科学部会の中で有識者によるヒアリングを計四回行わさせていただきました。様々な形で有識者からヒアリングをやって実践してまいりました。  その中で、やはり、一律に今の四%を一三%にそのまま上げるということにおいては、様々な形でやはり問題があるのではないだろうか。ある一定のところまで上げた状態で、その上の分はめり張りとして、学級担任手当の創設や様々な主任としての手当の増額等でめり張りをしっかりと付けていくということが現場で働く先生方の意欲につながっていくのではないかというふうに思っておりますが、この点について文科省の見解を伺いたいと思います。

望月禎文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(望月禎君) 教師の置かれている現在の状況を考えますと、学校が対応する課題が複雑化、困難化をしているという中におきまして、教職調整額という教師という職責の重要性を踏まえた給与につきまして、これを改善していくこと、そして職務や勤務の状況に応じた処遇を実現するために、学級担任への手当の加算、若手教師のサポートなどを行う新しい職の設置や新しい級の創設などを図ることを考えているところでございます。  また、一人一人の教師の能力と業績を適正に評価し、その結果が昇給や勤勉手当等の個々の教師の処遇に反映されるよう、教育委員会、学校にも取組の徹底を図ってまいりたいと考えてございます。  こうしたことによりまして、真に頑張っている先生方、教師に報いる職務や勤務の状況に応じた処遇改善となるように努めてまいります。

下野六太公明党

○下野六太君 頑張っていることが認められる、評価される、そして、様々な形でそれが給与に反映されるというようなことが更なるやはり教師のやりがいにつながると思いますので、是非ともよろしくお願いをしたいと思います。  次に、教員の出身大学に対する評価についてお尋ねしたいと思います。  若い先生方の中でも出身大学によって実践に差が出てきているのではないかというふうに思っています。文科省は、教員養成系学部、学科のある大学ごとの評価をされていらっしゃるでしょうか。もし、それを実施しておられるのでありましたら、その状況をお知らせいただきたいというふうに思います。

茂里毅文部科学省総合教育政策局長

○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。  教員養成を行う大学につきましては、令和四年四月より、その教育課程などにつきまして、自ら点検を行いその結果を公表することを義務付けているところでございます。また、各大学が自己点検評価を実施する際の参考となります自己点検評価の観点から、失礼いたしました、自己点検評価の観点や全学的に教職課程を実施する組織体制の在り方などを示したガイドライン、これを作成し周知を図っているところでございます。  このような自己点検評価により教職課程の課題を明らかにすることで、教職課程の改善につなげていくことが重要であると考えています。これらに加えまして、さらに、例えば自己点検評価の結果を基に第三者の評価を導入する、そういった仕組みを検討することなども考えられるかと思ってございます。  なお、各大学が教職課程を置くに当たりましては、文部科学大臣の認可が必要となってございます。認可の際、またその後においても質の維持について文部科学省としてチェックする、そういう構造となってございます。

下野六太公明党

○下野六太君 今の答弁の中で出ておりました第三者機関等でその評価をしていただけると非常にいいのではないかというふうに思っておりまして、これは非常に難しい問題であるということはよく承知した上での質問なんですが、しっかりと、やはり大学、教員養成系学部、学科のより実践的なスキルをその四年間で身に付けて、そして、その実践的なスキルを持って、大いなる希望を持って教育現場に躍り出ていただくというような、そういうふうな意欲のある大学からの出身者、卒業生を各地に送り出していただきたい。  そうするためには、やはり大学の教員養成系学部、学科の何をどのように教えて、どういったスキルが身に付いた状態で現場に出ているのか、これをどう検証するのかということは非常に重要なことになってくると思いますので、是非とも、この難しいということは非常によく分かっています。しかし、ここにもしっかり挑んでいただいて、そしてそれが評価を受けたその本人、そして出身大学によっては非常に大きな次へ、次なるエネルギーに変える、つながるというふうに思っておりますので、是非とも果敢にチャレンジをしていただきたいというふうに思っております。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  次に、大臣に質問なんですが、抽象的な質問で非常に申し訳ないんですけれども、大臣がお考えになっている最高の学校とはどのような学校を指すのでしょうか。済みません、お答えいただきたいと思います。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 先生に、委員にお答えさせていただきます。  何よりも、子供たち一人一人が最高って感じられる学校だと思ってます。具体的に申し上げますと、学習状況、興味また関心、多様な子供たちが誰一人取り残されない、それぞれが尊重されて、一人一人の可能性を最大限伸ばすことができる教育活動が行われている学校だと思っています。そのためには、学校の先生がまず大切であります。  以上です。

下野六太公明党

○下野六太君 ありがとうございます。全く、大臣のおっしゃるとおりだと私も思っております。  しかし、現実はなかなかそうはなっていないという厳しさ、それが右肩上がりで増え続けていく不登校の数に私は如実に数字として表れてしまっているのではないかというふうに思っております。  大臣のおっしゃるとおりのような学校をどのように実現をしていくのかということ、それを目指してはいると思います、どの学校も。しかし、なかなかそうはなっていない。その分の弊害について、学力テスト、全国学力テストのことについて質問したいと思います。  全国平均より、平均よりも上なのか下なのかというようなところで、各教育委員会や自治体がもう躍起になっているような姿がもう散見されます。非常に、見ていて、こちらまで何か心が苦しくなってくるような、そういうふうな状況にあります。  平均で考えたならば、平均より上と下というのは、相当数の数が上も下もあるわけで、平均で考えていくということ自体に無理があるのではないかというふうに思っておりますが、そもそも文科省が学力テストを導入した時点で、子供たちの学力が、教えてきたその学力が知識としてどのくらい身に付いているのかということを調べ、そしてそれを学習指導に反映させるという当初の目的が、それが独り歩きをしてしまっているのではないかというふうにも思っています。  子供たちがそれによって追い込まれていくような現状がいろんなところで見受けられます。ある学校では、不登校の子供がやっと学校にやってきた。やっと学校にやってきてテストは受けられる状態にある。しかし、無理して受けなくていいよというようなことを言う教師がいるわけであります。やはり、そこにはいろいろな力関係が働いているとしか思いようがないような、そういうふうな実態もあります。  全国学力テストにおいて様々な形での弊害が私はあるのではないかと思っておりますが、この点について、文科省、どのようにお考えになっているでしょうか。

茂里毅文部科学省総合教育政策局長

○政府参考人(茂里毅君) 申し上げます。  今ほど御指摘ございました全国学力・学習状況調査につきましては、御指摘のとおりでございます、その趣旨につきましては。一人一人の学力課題を把握いたしまして、エビデンスに基づく学習指導に生かすということを目指して実施しているところでございます。  このため、調査の結果の公表に当たりまして、序列化や過度な競争が生じないよう配慮するとともに、結果の活用に当たりましては、平均正答率のみならず、個々の問題に着目して課題を把握したり、挑戦心等に係る質問調査の結果とクロス分析をしたり、そういった取組を行っているところでございます。  その上で、平均正答率ばかりに注目が集まりがちな現状につきましては、先般、全国知事会からも課題提起をいただいたところでございます。今後、文科省の中に有識者会議を設置いたしまして、関係者の意見を丁寧に聞きながら改善の方策を検討してまいりたいと思ってございます。  また、御指摘ありました不登校児童生徒につきましても、一人一人の学力や学習状況を把握するということは極めて重要だと考えています。  令和七年度からCBTを導入することを踏まえまして、自宅など学校外からも調査に参加できる機会を確保することとしております。今後、このことを学校や教育支援センターなどの関係者にしっかりと周知し、これまでの調査に、これまで調査に参加できなかった児童生徒の参加をしっかりと促してまいりたいと思います。

下野六太公明党

○下野六太君 ありがとうございます。  もうしっかりと、当初の目的が達成されていくように、独り歩きしてしまって、これが自治体間の過度な競争にならないような方向で十分な配慮をいただきたいというふうに思っております。  次に、多様性を認める取組について伺いたいと思います。  学校は、多様性を認め合える場所、助け合える場所にせねばならないと思います。福岡市の東光中学校に先日から何度も授業の視察等で訪問させていただいておりますが、非常に感銘を受けております。それはどういうところかというと、学校の行事の中で大きな行事である体育祭に全員参加をしております。そして、どの学校にも今用意しているのが、教室に入りづらい生徒の居場所として、いわゆる学校ごとによって、自治体によって名前は変わっていますが、ステップルームというような名前の場所が、空間がどの学校も用意されています。そこにも行きました。居心地のとってもいいようなソファーや壁、壁紙等も、こういう無機質な感じではなくて、温かい雰囲気で用意しています。  しかし、そこには生徒は誰もいませんでした。なぜか。教室が居場所になっているからです。用意した、その不登校や生きづらさを抱えている子供たちは、学校に来たときに居場所は教室になっています。そのステップルームが居場所にはなっていないという、そういう状況であって、じゃ、学校でどういった教育がなされているのか。それは、子供たちがお互いの多様性を認め合える、認め合った上で、学び合いが当たり前に毎時間の授業で行われているというようなことでありました。  この学び合いの今までのイメージは、分かっている子が分かっていない子に教える上下の関係が今までの学校教育の中でのいわゆる学び合いだというふうに、私もそう思っていましたし、多くの方もそう思っているんじゃないかと思っていますが、この東光中学校では、なかなかまだ分かっていないかもしれないであろう仲間同士が知恵を振り絞りながら問題解決に向けて一緒に汗を流しながら教え合おうと努力している、これが非常に横の関係として、上下の縦の関係じゃなくて、横の関係がどこの教室に行っても見られました。  中には、こんなだらんとした姿をしている子もいました。やはり、しかし話を聞いてみると、家庭の中で様々な問題を抱えて、それでも学校に来ている、で、教室が居場所になって、そういう形でいてもみんなが受け入れている、おい、そこでそんな格好するなよとかっていうような指摘をする子がいないわけです。温かい場所に教室がなっているということで、学校が楽しいと言っているんですね。  その上で、企業に、進路学習の一環で企業に訪問したときに、企業の方がですよ、その東光中学校の生徒に、あなたみたいな子が我が社に入ってきてほしい、中学生に言うんですからよっぽどだろうなと思って、要するに、多様性を認めて、そして向上心を持って努力をするという、そしていろんな形で堂々としているような、そういうふうな人材が育ってきているのではないかというふうに思っています。  企業人の目はやはり確かだと思いますので、そういった学校は学びの多様化学校ではないけれども、普通の学校の中で大きな挑戦をされて、そして大きな成果を今上げてきておりますので、かつては福岡市の中でも指折りの荒れていた学校でありました。それが、やはり認め合う、学び合うということが当たり前になって、お互いを尊重するという心地よさ、教室が居場所になっていくということのすばらしさを教えてくれている、そういう学校でありますので、是非とも、そういったことについても文科省しっかり調べていただいて、文科省もそこからどのような形で普通の公立学校に展開をしていくのかということを進めていただきたいと思いますが、文科省の見解を伺いたいと思います。

望月禎文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(望月禎君) 下野先生今御指摘の福岡市立の東光中学校、私は残念ながら訪問させていただいたことはございませんけれども、今回、改めましてそのホームページ等でその授業や行事、生徒会などの状況につきまして拝見をさせていただきました。生徒同士が多様性を認め合いながら主体的に学ぶ授業実践であるいわゆる学び合い、もちろん教師の指導の下ではございますけれども、非常に生き生きとした生徒たちの姿がホームページにも載ってございました。こうした実践は、全ての子供たちが学校で自分らしさ、自分の良さ、自分の可能性といったものを認識しながら、他者を尊重したり他者の考えを聞くといった、そういう観点から注目すべき取組の一つであろうというふうに思ったところでございます。  多様な個性が輝く、あるいは可能性が輝く教育課程の在り方につきまして、次期学習指導要領の中でもしっかり検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。

下野六太公明党

○下野六太君 もう是非とも、やはり、学びの多様化学校でないと多くの子供たちの多様性は認められないのかということじゃなくて、普通の学校であったとしても、それは多様性を認め合えるような取組、そしてお互いに学び合い成長し合うというような取組で子供たちの大好きな学校になり得るということについて、しっかりとこれからまた様々調べていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  ちょっと時間がなくなってきましたので、質問の十と十一をちょっと飛ばしまして十二に行きたいと思います。  引きこもりですね、私は非常に気になっておりまして、不登校の状態であった子供たちが大人になって引きこもりになっている方は少なくないというふうに思っております。  この引きこもり、社会全体に私は遊びが不足しているのではないかと危惧しています。子供たちの不登校、大人の引きこもりの当事者、家族と懇談をさせていただいたところ、非常に引きこもりの当事者の方に真面目な方が多い、思いやりにあふれている優しい方が多い。そういった青年たちが引きこもりになっていることが多くありますので、そういう状態の青年の支援について厚労省はどのようにされていらっしゃるでしょうか。

岡本利久厚生労働省大臣官房審議官

○政府参考人(岡本利久君) お答え申し上げます。  厚生労働省におきましては、これまで都道府県、指定都市にひきこもり地域支援センターを設置をいたしまして、自治体における引きこもりの相談窓口の設置や居場所づくり、地域のネットワークによる支援などを進めてきているというところでございます。さらに、令和四年度からは、より身近なところで相談ができ、支援につながることができるよう、このひきこもり地域支援センターの設置主体を市区町村に拡充するなど、その取組の充実を進めているところでございます。  引きこもり状態にある方やその御家族の支援に当たりましては、背景でありますとか置かれた状況が様々であるということを踏まえまして、世代を問わず、居場所づくりなどの多様な取組、あるいは民間団体、関係機関との連携を生かした一人一人の状況に応じた支援が可能となるように、引き続き取組を進めてまいりたいと考えております。

下野六太公明党

○下野六太君 引きこもり状態にある若者、青年たちへの支援として私は有効ではないかなと思っているのが、保護者が愛情を掛けて子供、お子さんに接する、そしてお子さんはその愛情を受けて依存をしてしまう、そういう親子関係が行き詰まった状態になったのが私は引きこもりではないかなというふうに思っておりますが、これらの問題を解決するために、一時的に家から自立のために離れて共同生活をやって、そして自立に向けての訓練を行っていくということ、これが非常に有効ではないかと思っておりますが、この分についての支援のメニューが今のところないというような状況で、引きこもり状態にある青年たちへの支援は、目的が、就労を目的として、就職を目的とした形での合宿生活は期間限定であります。しかし、そこに行くまでのハードルが高いんですね。  引きこもり状態からそこに行くまでに、まず元気にならなければならない。元気にならなければならない状態への支援がないと。それを預かって、全国から青年たちを預かって、三食付いて、そして農業や農福連携等で支援をしていらっしゃる施設が全国に少なからずあります。まあ少ないですけど。そこでの一か月での経費が十五万円ぐらい掛かっています。この十五万円は全部手出しです。ですから、行かせてあげたいなと思っていてもなかなか利用することができない。そこで、元気になった人たちがその次の段階として若者サポートステーション等を活用するというのはあると思いますが、その引きこもり状態で本当にやっぱり苦しい、元気がなくなっている状態の人たちを支援をしていくというメニューが今のところないというのが、私はこれ問題ではないかというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。

岡本利久厚生労働省大臣官房審議官

○政府参考人(岡本利久君) お答え申し上げます。  引きこもり支援というものは、その背景とか支援内容も様々でございますけれども、不登校あるいは引きこもりの若者を対象に、先生がおっしゃっているような中で、共同生活による農作業を通じた就労であるとか社会参加支援といった取組の事例もあるというふうに承知をしております。現時点におきましては、先生御指摘のように、共同生活型の施設という形での財政支援というのは行っていないということでありますが、そういった施設を運営している団体の一部において、地域若者サポートステーションが行う合宿形式での就労のための訓練プログラムと、こういったものの予算を活用している事例というのはあるというふうには承知をしております。  厚生労働省としましては、先ほど申し上げましたような相談窓口の設置に加えて、居場所づくりでありますとか、こうした先生のおっしゃるような民間団体の取組と連携をすることで、一人一人の状況に応じた支援に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

下野六太公明党

○下野六太君 今の答弁の中にあったように、しっかりとした形で、その若者サポートステーションは就労を前提とした、目的としての支援なので、そこになるとやはり苦しいんですね。ですから、その前段階をしっかりメニューとして充実させねばならないというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、青少年の健全育成における自然体験についてお尋ねしたいと思います。  青少年の健全育成のためには、仮想現実のバーチャルの世界ではなくて、直接体験の重要性を繰り返しこの委員会でも訴えてまいりましたが、その中にあって、日本釣振興会が青少年健全育成に乗り出しました。日本釣振興会は、あっ、最後の質問に今入っています、済みません、青少年の健全育成を目的として、生きづらさを抱えている青年、青少年に対して健全育成を目的として釣りを体験をさせていくことでこの青少年を育成していくということに乗り出していただきました。  具体例を申し上げますと、福岡県の児童養護施設で暮らす子供たちに七月、釣り体験教室を行っていただきました。そして、十月には、東京福生市にある引きこもりから自立する訓練の共同生活をしている青年たちに対しての釣り体験教室を開いていただきまして、両方ともに非常に大きな成果を上げることができております。  こういった団体による青少年の健全育成が非常に重要ではないかと思っておりますが、大臣の見解を伺いたいと思います。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 委員の御指摘のとおり、子供たちに豊かな自然体験活動機会をより多く提供するためには、国公立のこの青少年教育施設だけではなくて、様々な活動を行っている民間団体の取組もまさに重要でございまして、文部科学省といたしましては、独立行政法人国立青少年教育振興機構などとも協力させていただきまして、この自然体験活動、また読書活動など多様な活動への助成を通じまして、体験活動の裾野を広げまして、子供たちが活動に参加しやすい環境づくりに向けた取組を進めてまいります。

下野六太公明党

○下野六太君 様々な形で、社会に、あらゆる団体が手をつないで、子供たち、青年たちへの支援を、直接体験での機会をしっかり創出することができるような取組を進めていただきたいと思っておりますので、どうぞ引き続きよろしくお願い申し上げます。  ありがとうございました。以上で終わります。

中条きよし日本維新の会

○中条きよし君 日本維新の会の中条きよしでございます。  先日、十二月六日の予算委員会で、維新から金子議員が、石破総理の子供の頃の夢や教育に対する思いというのを質問しました。総理の御家族が教員として働かれていたことや、教師に対する尊敬の思いというのを総理の自ら言葉で話していただくという非常に貴重な機会でございました。  あべ文科大臣におかれましても、経歴を拝見いたしますと、働きながら看護学校に通われたり、苦心して海外の大学に通われたり、大学で教鞭を執られたりと、様々な御経験をされて、教育や学びに対してとても強い思いをお持ちかと存じます。  そこで、是非、大臣の子供の頃の夢や教育に対する思いというのを大臣の言葉でお聞かせください。お願いします。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 大変、何か個人の夢を話すのはちょっと恥ずかしい感じでございますが。  実は私、看護師はセカンドキャリアでございまして、最初から看護師になりたかったんですが、ちょっと反対をされまして、実はミッションスクールに行っていたので、そのまま、卒業してから考えろと言われて、道を、看護師になりたいと思った。実は中学校のときに、発展途上国の児童労働、子供たちが学校に行けないという本を、お話を聞かせていただいて、何でこの子たちが学校行けなくて、ずうっと働きながら、挙げ句の果てには歩けなくなっちゃった子の話を私は見て、すごくびっくりして、この子たちのために一体自分が何ができるんだろうというお話をしたときに、あっ、看護師だと世界中でいろんな人にしっかりお話ができるよという話を聞いて、私は実は、途上国を、行こうと思って看護師を目指しました。  また、留学もさせていただいたんですが、実は、留学するときは、私は、途上国に行くには英語ができないと思いつつ、できれば、途上国行くなら、看護師として行くよりは看護師の先生になった方がいいと言われて、そのために留学をして教員になろうかと思ったときに、実は尊敬しているのがマザー・テレサでございまして、マザー・テレサを尊敬しているときに、私の友人もマザー・テレサに会いにインドに行ったりとかしていたんですが、マザー・テレサに必ず言われるのが、あなたの国にはあなたの国の貧困がある、あなたの国の貧困をまず考えろと言われて、みんな怒られて帰ってきたので、私は怒られないようにまず考えてから行こうと思ったら、テレサ亡くなっちゃってしまいましたけれども。  その思いを受けながら、日本の貧困を考えたときに、やはり制度が問題であるということを考えながら、実は私、国会議員を目指し、最初は国会議員じゃなかったんですけど、目指させていただきまして、続けさせていただいているときでございます。  やはり、政府、政治が変わらないと、また制度が変わらないと、いろんな方々がお困りで、特に、私は、政治は貧困の方々、また困っている方々のために、弱者のためにあるということをまさに信じておりまして、そこを今、本当に厳しい中で、ずっとこうして政治家をさせていただいているところでございます。  ですから、志は一つでございまして、どんな子でも教育にアクセスができる、誰一人取り残さないということが課題であるというふうに思っておりまして、たまたまちょっと文部科学大臣という役をいただきましたので、できることは委員の皆様と一緒に精いっぱいさせていただきますので、これからもよろしくお願いします。

中条きよし日本維新の会

○中条きよし君 ありがとうございます。非常に貴重なお話を聞かせていただきました。  それでは次に、政府・与党の教育無償化に対する考え方についてお聞きをいたします。  現在、中学校を卒業する生徒の九九%が高校に進学をしております。日本に生まれた全ての子供たちが、生まれた場所、親の経済状況によって学びたいと思う学校を受けられないというような教育の機会の差というのは絶対につくってはならない、日本維新の会はそのような強い思いで教育無償化の実現をマニフェストに掲げてきました。  この高校進学率九九%という事実に関して、衆議院の予算委員会では、岩谷幹事長から石破総理に、政治家の決断で無償化を実現すべきではないかと質問がありました。しかし、石破総理は、既に高校に通えているのだからと回答されました。この回答では、無償化や負担軽減ではなくて、むしろ現状九九%が既に高校に通えているんだから無償化は必要ないだろうと、今困っている人はいないだろうと、無償化には否定的に聞こえました。  政府・与党としてのお考えを明確にお聞かせをいただけないでしょうか。もちろん、安定的な財源といった課題はありますけれども、課題解決に向けてどうしたらよいのか、お聞かせを願います。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 中条委員のおっしゃるように、大変御家庭によっては厳しい状況のある方がいらっしゃることも私ども存じ上げておりまして、また、そうした中、委員がおっしゃってくださったように、財源の厳しい状況にあって、どのようにこの財源を考え、どのようにこれをしっかりとしていくかということに関して、特に高校生の修学支援に関しましては、実は所得制限を今求めているんですが、その求めている中のそこから捻出したお金を低所得者の方々に支援を拡充するという財源の捻出の仕方を今させていただいております。  限られた財源で、実は、幾らでも出せるんだったら私もそうしたいところでございますが、やっぱり有効に活用させていただいて、実は財源を出せば出すほど次世代の負担になってくるかもしれないということを併せて考えながら、でも教育の機会均等だけは大切だということで、そういう支援を充実させてきていただいたところでございます。  また、この高校の授業料を支援する高等学校等就学支援金のこの所得制限を撤廃して高校授業料を無償化すべきという御意見もいただいているところなんでございますが、高校の進学率が九九%に達している中にあってどこまで家計のこの負担軽減を図るべきかという観点がなかなか厳しい状況で、特に教育に関する重要施策が実は様々、様々ございまして、いろんな様々ある中で総合的な観点から考えるということを私どもやっておりまして、文部科学省としては、高校段階における教育費の負担軽減については、中央教育審議会におきましての高等学校教育の在り方ワーキンググループにおいて今御議論をいただいている最中でございますので、またよろしくお願いします。

中条きよし日本維新の会

○中条きよし君 ありがとうございました。  では次に、高校無償化について、地域差というのが生じている件についてお聞きをいたします。  現在、東京都や神奈川県といった都道府県単位で、高等学校等就学支援金という名前で高校の無償化が進んでおります。これは、国の制度に加えて、都道府県単位で追加する金額を決めて支援をしています。そのために、県境では、川を挟んだ向こう側は無償だけれどもこちら側には負担が掛かるといった差が生じておりまして、生徒たちは川のあちらもこちら側も同じ高校に通えるわけで、同じ学校に通っている子供たちの間で住所によって学費の負担額に差が出ています。自分が高校生であったらこれは不平等な制度だと思うわけで、ならば関東圏でも一番支援が手厚い東京都に引っ越して暮らそうと考えるんじゃないでしょうかと、こう思うわけですね。これは東京一極集中が進む原因にもつながっているんではないでしょうか。  このような観点からも、国が一定の基準で無償化を実施することに意義があると考えますが、いかがでしょうか。例えば、全国の私立高校の授業料と設備整備費の平均である六十万円といった数値に引き上げることは、多少とはいえ人口の流入や流出に影響を与えると考えます。その点はいかがでしょう。

望月禎文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(望月禎君) お答え申し上げます。  中条先生今御指摘いただきましたように、各自治体によりまして、また地域によりまして、私立高校の授業料の平均額、それから私立高校に進学する生徒数や割合が大きく異なるという事情もございまして、その地域の実情を踏まえた形で、各自治体のお考えによる国の基盤的な支援に上乗せをする形での支援が行われているものと認識してございます。  具体的には、令和五年度の私立高校の生徒数の割合でいきますと、一番多い東京都では五七・六%が私立高校に通っている一方で、最も私立高校に通う少ない割合の県は四・四%となってございます。  文部科学省といたしましては、教育の機会均等を図るために、基盤としての国の支援と、先ほど申し上げました上乗せして取り組まれる自治体の独自支援が一体となって教育費負担の軽減が図れるということが望ましいというふうに現在考えているところでございます。

中条きよし日本維新の会

○中条きよし君 では次に、所得制限についてお聞きをしたいと思います。  高校の就学支援金制度というのは、五百九十万円、九百十万円といった親の所得によって子供が幾らまで支援を受けられるかが決まりです。このような所得制限というのは子供関連の手当でよく見られますが、考えてみるとおかしい話で、例えば人口減少で人手不足だから女性は社会に出て働いてくださいねと言っているのに、もう一方では子供の支援というのは年収で制限しますよと、たくさん働いたらもらえませんよという制度ですよね。  子供を育てる親御さんというのは、みんな一生懸命頑張って子供を育てています。少しでもおいしいものを食べさせてあげたいとか、習い事に通わせてあげたいとか、そんな思いで育休が明けたらすぐにフルタイム勤務で復職する人も多いと聞きます。本来、子供に対する支援制度というのは、条件などなくて平等に子供一人一人に与えられていいものだと考えます。  文科省の方は、親が頑張ってお金を稼いだら保障が少なくなる、このような制度では働く意欲というのを奪うことになるとは考えないんでしょうか。実際にそのような働き控えといいますか、そういうのは起きていないんでしょうか。それは、全国、国全体で考えたときにやはり損失になると思うんですが、そこのところはいかがでしょう。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 中条委員のおっしゃる中身に、ことに関連いたしまして、高校の修学支援制度に所得制限があるということによって保護者の働き控えにつながっているということを裏付けるデータは実は承知していないところでございまして、高校生の修学支援は所得制限を、先ほども申し上げたように、設けるところで捻出した財源、これで低所得者世帯の支援を拡充するなど、限られた財源を有効活用させていただいていまして、教育の機会均等に向けてこれまでも支援の充実に取り組ませていただいた上で、その上で、高等学校の就学支援金の更なる拡充につきましては、教育に関する重要施策が様々ある中でございますが、総合的な観点から考える必要があるというふうに考えております。

中条きよし日本維新の会

○中条きよし君 ありがとうございます。  東京都の子育て世帯の平均年収というのは、二〇二二年では九百八十六万円というデータがございます。この平均収入というのは、二〇一七年は七百九十九万円でしたので、五年間で実に百八十七万円上昇しています。つまり、東京では、先ほどの高校の就学支援金というのは、五年前なら半数以上の家庭がもらえていたものがもらえなくなる。ちなみに、東京都では独自財源によって令和六年度から高校就学支援金というのを所得制限を撤廃したようです。  そこで、子育て世帯の平均収入ですけれども、全国平均が二〇二二年において六百八十六万円との数値が出ていますが、こちらも五年前の六百七万円に比べて七十九万円上がっています。しかし、若者の手取りが増えたという話はほとんど聞かれません。これは、子供を持つことができるというハードルがどんどんどんどん上がっているということだと思います。  世間一般では、頑張って働けばその分返ってくるものが多いと考えるのが普通じゃないでしょうか。少なくとも子供を持ち働く子育て世帯が、頑張って働く方が損をすると感じるようなこの制度というのはやめていただかないと、やっぱり少子化は進む一方じゃないかと思います。高校の就学支援金制度においても、五年で子供を持つことのできる人の年収がこれだけ上がっているんですから、所得制限の撤廃、少なくとも制限の見直しというのはできないんでしょうか。

望月禎文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(望月禎君) お答え申し上げます。  中条先生今御指摘のデータにつきましては私どもちょっと見付からなかったところでございますけれども、別の、厚生労働省の国民生活基礎調査によりますと、二〇一七年、平成二十九年と二〇二二年、令和四年の間では、児童のいる世帯の所得金額の中央値がやはり高く変化してきていることは承知をしているところでございます。  こうした中で、文部科学省といたしましては、令和二年度に、高等学校等就学支援金の支給上限額を引き上げることによりまして、いわゆる中間所得層というところまで、いわゆる年収約五百九十万未満世帯の支援まで拡充をしてきているところでございます。  その上で、その所得制限を撤廃することなどにつきましては、様々な教育政策がある中で総合的な観点から考える必要があるのではないかというふうに考えているところでございます。

中条きよし日本維新の会

○中条きよし君 ありがとうございます。  続いて、大学に関してお聞きしたいと思います。  これまで高校について無償化無償化と申してきましたけれども、大学に関しては、大学生全員を対象に無償化にするべきという立場ではございません。本当に勉強したいという意欲ある学生には無償にするべきです。少子化の時代、大学側も学生の獲得に苦労していて、大学教育の価値については大いに議論が必要です。  次に、大学の数についてお聞きをします。  以前、今年生まれる子供の数が七十万人を切るだろうというニュースが話題になっていました。ここ数年というのは、予想をはるかに上回るスピードで生まれる子供の数が減っています。大学の数についても、若者の数が今よりはるかに少なくなるのは確実なわけですから、今と比べてどのぐらい減らすのが適正だとお考えでしょうか。

伊藤学司文部科学省高等教育局長

○政府参考人(伊藤学司君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、急速な少子化の進行によりまして、二〇四〇年の大学入学者数は現在と比較し二五%以上減少すると見込まれております。  大学の数につきましては、各大学の規模も大小様々であり、また、学生数だけではなく各地域での大学へのアクセス確保等にも留意する必要がありますので、二十年後の適正な大学の数を一概にお答えすることは困難でございますが、先ほど申し上げましたとおり、大学入学者数の減少など大学を取り巻く厳しい状況は全ての大学に共通する重要な課題だというふうに承知してございます。  このため、現在、中央教育審議会において、大学へのアクセス確保等も留意しつつ、大学の連携、再編統合、縮小、撤退への支援も含め、急速な少子化など社会の変化を踏まえた将来的な高等教育全体の在り方について御議論をいただいているところでございます。  文部科学省といたしましては、この答申がまとまり次第、必要な施策を速やかに講じてまいりたいと考えております。

中条きよし日本維新の会

○中条きよし君 ありがとうございます。  これまで大学の数は増える一方だったわけですけれども、撤退に関して検討されているのかを聞かせていただきました。  大学の将来や在り方に関して、議論の場というのは、高等教育の在り方に関する特別部会といった名前で文科省内にたくさん存在していると承知しておりますが、一般の人の知らないところで一流の研究者の方たちが集まって話合いをしている印象がございます。これらは政治の意思決定にも関わってくる話だとは思いますが、是非オープンな場で議論をされてはいかがでしょうか。公の場で皆が納得するルールが決まっていくという意思決定の過程というのは非常に大切なものだと思っております。  また、その際に、どのような観点で大学を評価すべきかといった話になると思います。我が会の金子議員は、起業する学生を増やす、大学ベンチャーを増やすのはどうかといった提案をしておりましたが、大学生のうちに起業に挑戦してみる、たとえ成功しなくても、判断力を養うとか挫折する経験も大切だと私は思います。  人生において必要である様々な力というのは、実際に挑戦し経験することによってのみ身に付いていくのではないかと思います。失敗してもいいから若者が挑戦するチャンスというのを与える、そんな学びの場が増えてほしいと願っております。  次に、教員の働き方改革についてお聞きをいたします。  今、先生という職業が非常に大変でありブラックであるということで、教師になりたいという人が減っています。採用試験の倍率が一・一倍になってしまったとか一・二倍になってしまったというニュースも耳にします。  文科省の教員の処遇の改善として教職調整額を現在の四%から一〇%以上へと引き上げたいということに対して、財務省の方から、一〇%ではなくて段階的な引上げ、そして働き方改革を確実に実施するといったことが条件とされていると伺っております。文科省と財務省との交渉というのはなかなか難しいことだとは存じますが、ここは未来を担う若者のためにも踏ん張りどきだと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。  そこで、先日、あべ大臣が衆議院の文科委員会の挨拶の中で、公教育の再生、中でも教師が要であり、教師の育成支援が文科省の最重要課題とおっしゃっておられました。  国づくりは人づくり、もちろんです。是非、日本国のためにも今こそ粘り強く財務省と話合いをしていただきたいところですが、予算要求に当たって一番の課題というのはどのようなことでしょうか。働く教員の不満について、評価方法の不満の声も届いております。評価基準というのは、意欲的に取り組もうとしているとか、自らの責任の重さを理解し、誇りを持って指導に取り組もうとしているといった主観的な判断で点数付けをしているといった内容でした。  こうした評価方法というのは平等性に欠ける、どれだけ努力しても報われないといった不満となっているようですが、こうした評価方法の不満に対して改善をする予定というのはないんでしょうか。是非そこのところを教えていただきたいと思います。

望月禎文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(望月禎君) お答え申し上げます。  中条先生から、教師が学校教育にとって非常に大事な存在であって、教師の現在なり手不足が深刻化しているという状況について御披露いただいておる、そのとおりでございます。  各自治体において教師を取り巻く環境を整備をしながら、学校における働き方改革あるいは指導、運営体制の充実を進めてございますので、それをしっかり国としてもバックアップをしながら大きな制度改正もしていかなきゃいけないというふうに考えているところでございます。  一方、財務省の見解についても御指摘がございました。  財務省の見解につきましては、財務省ともいろんなコミュニケーション取りながら交渉もしているところでございますけれども、やはり学校が十年、二十年前と比べまして子供たち一人一人の状況をしっかり見なければいけない、つまり指導をきめ細かくする必要があるということ、あるいは学校における課題が複雑化、困難化しているという状況がある中で、教師がやはり多忙になっている実態がございます。そうした教師の働きがいと働きやすさというのをしっかり両立をしていきながら、真に必要な子供たちに対する教育が行われるような観点での環境整備を進めていくことが大事であるというふうに考えてございます。  また、御指摘がございました教師の評価ということに関してでございますけれども、これは、それぞれの学校に置かれている状況が異なると思いますけれども、学校、それから服務監督権者である市町村教育委員会の方で、やはり本当に子供たちと向き合い頑張っている教師という点に着目した形での評価というものをしっかりしていただいて、それを適切な形で処遇等に反映させていただければというふうに考えてございまして、その点に関しては引き続きこちらも周知をしていきたいというふうに考えてございます。  いずれにしても、そうした環境整備を進める中で教職の魅力を向上をさせていきたいというふうに考えてございます。

中条きよし日本維新の会

○中条きよし君 よろしくお願いをいたします。  最後に、財源に関連してもう一つお聞きをいたします。  高校の無償化というのは、大阪のやり方であれば、全国の高校生を対象とするためにはまだ六千億ぐらいが必要です。また、小学校、中学校における学校給食の無償化には五千億円が必要だといった計算がございます。これらの財源の考え方についてお聞きをいたします。  十二月の十一日の衆議院の予算委員会で、維新の前原共同代表から石破総理に、財源の確保に当たっては、教育国債を発行することや日銀の持っている上場投資信託の資産を活用するやり方、外国為替資金特別会計の活用といった提案をいたしました。石破総理からは、これらの財源を活用することに関して明確にお答えをいただけなかったものですから、今こちらでお聞かせをいただきたいと思います。  これらの財源確保案についてどのようにお考えなんでしょうか。もし課題があるようであれば、具体的にどういった部分で問題があるんでしょうか。お聞かせを願います。

土田慎自由民主党・無所属の会財務大臣政務官

○大臣政務官(土田慎君) 御質問賜りまして、ありがとうございます。  まず、日銀保有のETFについて御質問を賜ったというふうに思っております。  先生御承知のとおり、日銀が金融政策の一環として所有しているものでございますので、まずその前提としては、その取扱いについては日銀において検討をされるものだというふうに思っております。  その上で、現状においても日銀が保有するETFの分配金収入については、一旦日銀の収入となった上で、法律上の納付義務規定に基づき、日銀から国への国庫納付金の一部として一般会計の歳入に計上をされており、既に国の一般財源として活用されております。  また、仮に日銀がETFを売却したとして、その売却益によってその年の国庫納付金の増加はあり得るものだというふうに思っておりますが、一方で、その後は分配、要は売却するものですから、分配金収入の減少によってそれ以降の国庫納付金は下押しされる、減少することもしっかりと検討していかないといけないというふうに思っております。  また、外為特会についても御質問をいただきました。  外為特会の外貨資産は、為替の安定を目的として、将来の為替介入等に備え、将来の危機等に備えて保有しているものでございます。為替市場の急激な変動の際には、機動的な対応を取ることができるよう十分な規模を確保するとともに、流動性及び安全性に最大限留意して運用を行うことが大事だというふうに考えております。  こうした観点からも、外為特会の保有資産について、一部あったとしても、財源確保を目的として基金化することや、また、流動性及び安全性の確保に支障を来すような運用を行うことについては慎重に考える必要があるというふうに考えております。

中条きよし日本維新の会

○中条きよし君 ありがとうございます。  我々維新の会は、十二月一日、代表選を行って、吉村新代表の下、改めて教育無償化を実現しようと一致団結しております。  財源の話も含めて、是非、建設的な議論ができるように御提案ができればと思っておりますので、引き続きお力添えのほどよろしくお願い申し上げて、早めですが終わりたいと思います。  ありがとうございました。

伊藤孝恵国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 今日は大臣に、こちら、(資料提示)セーブ・ザ・チルドレンが行いました「二〇二四年能登半島地震子どもアンケート~震災から半年 いま伝えたい子どもたちの声~」に寄せられた、これ二千五十三人の小学生、中学生、高校生の声を基に質問をさせていただきます。  と申しますのも、今日皆さんにお配りしております資料二を御覧いただくと、この声を一番誰に届けたいですかと子供に聞いたら、一番は総理大臣なんです。二番が県知事、そして三番目が国会議員とあります。国会議員の皆さん、委員の皆さん、お配りしております資料、よくよく御覧いただきたいというふうに思うんですが。  これ、地震の発生から半年もたっているのに水道が使えないのは何でなのか、東京や大阪だったらこんなふうになっていないだろうといういら立ちや、私たちの故郷をなくさないでくださいというような、こういったいろいろな不安も含めて、子供たちがふだんは口にせずともきっとずっとずっと心に留めていたんだろうなと思うような言葉がたくさん記されています。  そのほかにも、今、グラウンドや体育館にいろいろな建物が建っているので今使えないんだと、だから小学校最後の年にスポーツ少年団の活動ができなくて悲しいですとか、地震があって仕方ないと思うけど、子供たちが公園などいつもは自分たちで行けていた場所がどんどん仮設住宅になっているので、みんなで集合する場所が欲しいんだといった具体的な要望を確認することもできます。  資料一を御覧いただきますと、盛山前大臣に、被災した子供たちが、例えば広域避難、それから避難所運営について何を感じていたのか、私、聞いていただきたい、記録を残していただきたい、政策に反映していただきたい、同様の事案が起こったとき知見として生かしていただきたい、私たちにもフィードバックをしていただきたいというふうにお願いをいたしました。検討状況いかがでしょうか。

笠原隆文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部長

○政府参考人(笠原隆君) お答えいたします。  能登半島地震におきましては、子供の学び継続のために、まず文部科学省職員の現地派遣ですとか、被災地外からの自治体による学校支援チームの派遣ですとか、被災地の教育委員会の要請なども踏まえまして被災地外からの応援教職員やスクールカウンセラーの派遣調整などを行わせていただきました。  これらの取組から得られる教訓を次につなげるため、今回の震災対策の実績ですとか課題ですとか今後の取組事項につきまして検討いたしまして、大規模災害時における早期の学び確保に向けた教職員等を派遣する枠組み、D―ESTの構築について、まず八月に中間取りまとめを行っているところでございます。今、年内にも最終取りまとめを行う方向で検討しております。  引き続き、被災自治体に寄り添った対応が可能となるように努めてまいりたいと思います。

伊藤孝恵国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 では、重ねてお伺いいたします。  こちらのD―EST、今回の補正予算にも五千万円の計上、確認させていただきました。ここでは、子供たちの声は聞いていただいているんでしょうか。

笠原隆文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部長

○政府参考人(笠原隆君) 今回取りまとめておりますD―ESTの報告書の中でも、まずは文部科学省の職員等が現地に行っていろんな声を引き上げるということを整理をしております。  で、今後具体的にどういう形でいろんな声を吸い上げるのかというのは、今後、まさに先生の御意見などを踏まえながら、子供たちの意見もどうやって吸い上げるのかということも検討してまいりたいとも思います。

伊藤孝恵国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 是非とも、いつも後回しになるんですよね、子供たち、当事者の声というのが必ずこちらに反映されるようにお願いを申し上げます。  そして、このD―ESTの概要を拝見いたしますと、心のケアとありましたので、子供のPFA、心理的応急措置についても大臣の御所見を伺いたいと思います。  PFAは、子供の心を傷を付けずに対応する心構えのことでありますけども、これ子供を守るだけじゃなくて、大人もですね、子供たちが被災後、思い掛けないような反応をしたときにぎょっとしないでちゃんと落ち着いて対応できるというような効果もございます。  いろいろな、被災後には子供たちには反応が現れます。そういったことを知識として備えていただくということが非常に効果的である。そんなに何十時間も何百時間も学ばずとも、すぐに学んでいただいて、東日本大震災の直後には、これ宮城県の教員研修にも取り入れられたそうです。  こういったPFAの必要性について御所見伺います。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 委員御指摘のように、本当に、このような災害があると、子供たちの心には本当に本当に大きな影響があるわけでございまして、この御指摘の心理的応急措置、PFAでございますが、災害などによって特に深刻な危機的出来事に見舞われた人に対して行う人道的、支持的、かつ実際的な支援であるというふうにWHOが定義をしているところでございます。  特に、東日本大震災のときも、私ども実は野党だったんでございますが、消防団の方、子供たちが大変な心のいわゆる傷を負っているので何とか話を聞いてあげてくれないかと言われて、私、知人の心理学をやっている人たちに被災地に入ってもらい、やはり、自分たちは頑張んなきゃいけないと思い過ぎてその今感じていることが出せない状況を何とか、何とか聞いてほしいということで、取組をさせていただいたところでございます。  そうした丁寧な関わりと観察を通じまして、特に子供たちが言語化できない問題に関しても、心身の変化、的確に把握をして支援を行う考え方につきましては、やはり生徒指導提要の考え方ともまさに共通する部分があるというふうに私どもも認識しておりまして、文部科学省といたしましては、引き続き、生徒指導提要のこの周知を通しまして、平素から、平素から各教職員に生徒児童との、児童生徒との丁寧な関わりの重要性を伝えるとともに、また災害時には心理の専門家であるスクールカウンセラーを学校等に追加配置することなどを通して、児童生徒への支援に努めてまいりたいというふうに思います。

伊藤孝恵国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 医療や看護の専門家である大臣に申し上げるのも甚だ恐縮ではございますが、やっぱり傷の手当てというもの以上に、心の傷の手当て、目には見えないけれども、実は心の方が重症だったりいたします。そういったところにも目配りをいただきたいというふうに思います。  また、資料二を見ていただきますと、学びの継続についても困難があったこと、被災地に残った子と離れた子の間に大きな学力の差ができてしまったというふうに訴える子供たちの声もあります。一月から四月まで授業はほとんどできなかったということが、特に受験生にとっては四か月の空白は大きい。  実態を把握していますかというふうにお伺いしましたけれども、特段そういった実態は把握していないというふうに、中で、今回、こども家庭庁の概算要求で、こども・若者意見反映調査研究、二千八百万円が計上されていました。この調査、特に非常時の取扱い、自然災害時を念頭に子供の意見聴取や反映について国内外の事例について広く調査研究をするとのことでした。  これ、是非とも文科省との連携が必要だというふうに思いますし、その際、障害がある若しくは外国をルーツとする子供たち、こういった子供たちも抜け漏れのないように付言していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

笠原隆文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部長

○政府参考人(笠原隆君) 委員御指摘のとおり、こども家庭庁では、子供、若者の意見聴取に係るガイドラインの改訂を踏まえまして、あっ、見据えまして、令和六年度補正予算で、主に自然災害を念頭に置いた子供、若者の意見聴取、意見反映の取組状況の調査を行うというふうに承知をしてございます。  この調査につきましては、現在、こども家庭庁で具体化の検討がされているというふうにお聞きをしております。今後、調査研究の中でどのような調査、ヒアリングをされていくのか、文部科学省といたしましても積極的に情報収集をしながら連携をさせていただきたいというふうに思っております。

伊藤孝恵国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 連携してくださいね、確認させていただきますので。よろしくお願いいたします。  それから、大臣、資料二の一番最後を御覧いただきたいというふうに思います。  子供たち、特に大人や社会に伝えたいことがあるかという質問に対して、いいえ、分からないと回答した子供たちにどうしてというふうに尋ねたところ、例えば、話す機会がない、子供の話を聞いてくれない、どこで話したらいいか分からない、一番最後がぐっときました。話しても何も変わらない。そういうふうに訴える子供たちの声を見るにつけ、毎年日本財団が行っておりますけれども、十八歳意識調査、自分の行動で国や社会を変えられるというふうに答える子供たち、諸外国と比べて我が国は低い、そんな心の中の、子供たちの心の模様がかいま見えるところであります。  ふだんからこの子供の声を聞く土壌はあるのかという課題意識の中で、例えば国連子どもの権利条約ですとかこども基本法というのはよくよく話に出るところではありますが、今回これ、二〇一五年第三回国連防災世界会議で採択された仙台防災枠組二〇一五―二〇三〇のところで、子供と若者は変革の主体であり、法律、国内での慣行、教育カリキュラムにのっとり、防災に貢献できるように、物理的空間と手段が与えられる必要があると書いてあります。  まさに今回のような被災に対して、自分たちは本当はどうしてほしかったのか、自分たちにちゃんと意見を聞いた上でこの避難所を変えてほしかった、学校を運営してほしかった、そんな子供たちの声を聞くということがこれ定められているところであります。この枠組みに対して、大臣、どのように対応されていきますでしょうか。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 委員御指摘の法令等に関しまして、子供の意見表明について規定されていることは承知をしているところでございます。  繰り返しになりますが、私としても、教育政策、子供に大きく関わるものであって、その検討に当たっては、当事者である子供、当事者である子供の意見に耳を傾けることは大変重要なことであるというふうに思っています。  そのため、文部科学省としても、例えば、審議会また有識者会議の大学生の委員に参画いただいているほかに、また、教育振興基本計画の策定に当たりまして高校生や大学生の意見を発表してもらったり、小学校、中学校、この対象とした意識調査の結果を今後の義務教育の在り方に関する審議に活用したりしている取組を着実に進めてきたところでございます。  また、被災地に関しましては、実は輪島が、輪島市が主催をいたしまして、わじま未来トークというのをやっておりまして、これからの輪島をどうしていくか、この町に関わる当事者みんなで考えることをコンセプトとした対話の場として、輪島市内で六月に三回、八月に三回、対象は年齢を問わないという形の子供、未成年も出ている会も実はされているところでございます。  引き続き、こども基本法の趣旨を踏まえつつ、子供の意見を適切な形で聞いて施策の検討に生かしていけるよう、しっかり取組を進めてまいります。

伊藤孝恵国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 能登町などでは、集まった義援金をどういうふうに使うかというのを子供たちに決めてもらって、そして、それらを使っているというような事例もあったりですとか、あと、何かあったら言ってねと子供言われても、何かって何だろうと思って言えないと思うんですよ。ですから、何もなくても何でも言えるように、どういうふうに子供たちの意見が言いやすいか、子供たちの意見を聞きに行けるか。  先ほど、大臣、昼休みにここ、普通、大臣そこに座っているんですけど、こっちまで歩いてきて野党議員と懇談されておりましたが、私は与党議員と立ち話をする大臣は見たことありますけれども、野党席に来て野党議員と交流する大臣を見たのは初めてです。その行動力で子供たちの意見を聞きに行っていただきたい、心の底からお願いを申し上げます。  さて、望月局長、お待たせいたしました。  給特法改正に向けた財務省との予算折衝について伺いたいと思います。  財務省と文科省、時間外在校等時間に対する認識と教職員定数についての考え方など、前提条件が折り合っていないのにどうやって教職調整額について結論を出すんだろうと余計な心配をしております。戦い、戦略というのは戦いを省略することですから、文科省がどういった戦略を持っているのか、そういった視点で今日はお伺いしたいというふうに思います。  まず、残業時間です。財務省は減少していないと言っています。一方、文科省は、平成二十八年以降およそ三割縮減をしていると言っています。この擦れ違い、何で起こるんでしょうか。

望月禎文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(望月禎君) 御指名ありがとうございます。  財務省の案なんでございますけど、時間外在校等時間を我々詳細に調査いたしました勤務実態調査がございます。財務省は、平成十八年、二十年前と比べて、最新の令和四年の数値と比べていて、学校の状況が、つまり時間外在校等時間が全然減っていないんじゃないかということをおっしゃっているところでございますけれども、実際は、その令和四年と平成十八年の間に、平成二十八年に一度調査をしてございまして、平成二十八年、つまり令和四年から六年前の調査でいきますと、学校現場のいろいろな努力等によりまして三割削減されているというのが実際というところで、その在校等時間、時間外在校等時間の減少の量によっての認識の差があるということでございます。

伊藤孝恵国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 いや、ですから、財務省と文科省の言い分が食い違っていて、ここがボタンを掛け違ったままで議論をするからずっと永遠に擦れ違うので、ここをまず合わせなきゃいけないですよね。この認識をどうやったら合わせられますかね。

望月禎文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(望月禎君) 学校側の不登校あるいはいじめ、日本語指導が必要な児童生徒の急増等もございまして、学校のその困難度、複雑化が増してきている。また、いろいろな社会から求められる教育の部分もかなり増えてきているというところございまして、その学校の置かれている状況というものをやはり共通認識を持つことというのがまず一つ必要かと思っております。

伊藤孝恵国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 違うんです、違うんです。もう先生方が大変なの私本当によく分かっていて、でも、財務省は、文科省はほっといたらいつまでもギア入れないので、段階的に引き上げることにしようと、縮減というのとこの教職調整額のアップはバーターねとすれば、それは血相を変えてやるだろうというふうに言っているんです。というような、学校現場のこの多様化、複雑化、高度化、深刻化する課題を顧みないようなこのインセンティブ施策ができてしまうのは、まず最初の前提が折り合っていないからだと思うんです。これをどうしていきましょうというふうに先ほどから聞いています。

望月禎文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(望月禎君) 財務省の考えについては、実際、時間外在校等時間の縮減が容易でない地域や学校も存在している中で、時間外在校等時間の縮減が図れれば教職調整額の引上げを条件とすると、それすると結局子供たちの指導や支援というのをおろそかになってしまうケースもある、つまり真に必要な指導が行われなくなってしまうんじゃないかという懸念を持っているところでございまして、また、その学校が課題が複雑化、困難している中においてのやはり教職員定数の改善等について、やっぱり学校現場への支援が見られないということも大きな、やはり今回財政審での課題が多いというところの一つであろうということを思っていますので、やはり教師のこういう職場の環境を変えていくためには、ベースアップとなる教師の職責に見合った処遇の改善と定数の、教職員定数の改善によること、そして教師の働きやすさを確保するための学校の働き方改革と、これをしっかり進めていくということがまあ前提というか、全体の総合的な政策ということになろうと思います。

伊藤孝恵国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 財務省は、その雑巾まだ絞れるだろうと言っているわけですよ。でも、局長は、もうこの乾いた雑巾絞れないんですと、見てください学校現場と、もうこれ以上絞れない、これ以上絞るんだったら先生増やしてもらわないとというようなことを言っているんです。だから、この雑巾が乾いていることを証明しなきゃいけないんですよね。そういった戦略はあるんですかというふうにお伺いをしておりますし、一部、私、財務省の言い分も理解できるところもあるんです。  例えば、じゃ、なぜ一三%なのかというところにおいても、中教審の答申の目標でも一〇%となっています。骨太にも一〇%と書いちゃいました。財務省は、今一〇%、つまり二十時間というところにするのか、そのいつまでにするのかという期間を明示して、集中改革の期間を定めて、そしてそれについて中間検証を入れるというふうに言っています。これ、まあ普通の会社だったら、民間の会社だったら普通のこれ言い分だというふうに思います。  だから、いつまでにやるんだ、で、それまでにその集中改革期間には、じゃ、何をするんだ、そしてどういうふうな物差しでこれをチェックしていくんだというふうにおっしゃるのは、これは普通だというふうに思いますし、先生がやるべき仕事とそうでない仕事を切り分けと予算委員会でも加藤大臣おっしゃっておりましたけれども、これはもう大賛成です。これ反論する人いないと思います。  けれども、これ、じゃ、どうやってやるんだの話ですよね。文科省が例えば通知を出すなどして言い切ることが必要だと思います。財務省の資料を見ると、イギリスの教育省が、例えばモンスターペアレンツの対応は教員の仕事ではありませんと、専門知識を必要としない事務を教師に求めることは不適切ですと、これ原則です、対応不可ですというふうに言い切って通知を出しているわけですね。こういうふうに文科省もやっていかないと、自治体間格差が生まれるのはこれ当たり前。そこまでできないというんだったら、自治体の取組の差というのを可視化したり公表したりする必要があると思うんです。  ただ、そうすると、自治体には負荷になってしまいますねとか、文科省がまるで圧を掛けているようですねとか言う人もいるかもしれない。でも、これゴールを見失っちゃいけないんです。誰を見ているんですかという話で、教育委員会ですか、首長部局ですか、団体ですか、先生を見ているんですよね。先生の今働き方改革を、先生たちは子供たちに伴走してくれる唯一無二の方たちです。その人たちの働き方改革を推進したいんだったら、こういった自治体評価、学校評価、時には校長評価、こういった物差しを用意して測っていかないと学校現場変わらないと思うんです。  局長、いかがでしょうか。

望月禎文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(望月禎君) ありがとうございます。  学校の働き方改革、これは何のために進めるかというと、子供たち一人一人のきめ細かな教育をしっかり行っていく体制をつくっていく、そのために教師が生き生きと働いて、そして子供たちに自分たちのこれまでの学んできた体験も含めてしっかり教えられる体制をつくるということだと思います。  そのために、教師に、ある程度自分たちで考える時間、あるいは本来の業務である教科指導や生徒指導といったことにできる限り専念できる体制をつくることが大事であると思っています。  そのためには、一人一人の教師のそうしたいわゆる余裕的なものを生み出すための教職員定数の改善とか、あるいは教師しかできないこと以外の業務につきましては、首長部局とか、あるいは地域とか、あるいは場合によっては保護者等も御支援をいただきながら、地域でチームとして教師を、というか学校を支える体制というのを取っていく必要があるんじゃないかというふうに、つまり、その支援スタッフなんかも含めまして、教師が教師しかできない業務に専念できる体制をつくっていくことが必要だと思っています。  一方で、時間外在校等時間の縮減に関しては、もちろん教職員定数の改善ということ、あるいは支援スタッフの増員ということは、これは必要であると思っておりますけれども、それは加速化をすることであって、働き方自身は、これはこれでしっかりやっていかなきゃいけないこと。そのために、委員御指摘のような、校長の、働き方改革をちゃんと進めているかどうかという観点、つまりマネジメントの観点での、視点での評価の強化であるとか、あるいは、その学校の置かれている状況をちゃんと可視化して、見える化して、地域の協力を得ながら進めていくということが大事であるというふうに考えてございます。

伊藤孝恵国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 局長、分かっていますとも。  過去十年に施行された教師や学校に対して義務を課している法律、これ文科省に調べていただきましたら、議員立法十四本、閣法も含めれば二十本に及びます。それだけ新たな対応が必要になっているということですので、もちろん財務省との交渉に当たっては、教職員のみならず、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど専門職の増員はもちろん求めていくんですが、それに当たっては、効果検証や定数改善、フルタイム化などのこういったモデルの提示や工程表など、先ほど申し上げました、戦略とは戦いを省略することですから、それはやっぱり必要だねと言わせしめる、そういった資料やそういった数字が必要なんじゃないかなというふうに思ったわけです。  そういった資料を御用意しているんですかという質問と、先ほど一三%、私、応援団ですからね、一三%先生の給料増やしたいですよ、手取り増やしたいですよ。でも、それがなぜ一三なのかという合理的な意味、中教審の答申でも骨太でも一〇と書いている中で、なぜそれが一三%なのかというこの合理的な説明どうなさったんですかという質問です。

望月禎文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(望月禎君) まず、後者の方からの御説明になりますけれども、説明させていただきますけれども、骨太の方針等において大体一〇%以上ということでありましたけれども、一三%というふうに教職調整額を概算要求させていただきましたのは、昭和四十九年に、いわゆる人材確保法、教職の魅力を向上させるため、あるいは教師不足に対応するという観点から、一般の行政職よりも比較して教師の給与を高めなければいけないという、そうした法律に基づきまして改善を、教師の手当等の改善を行った結果、七%以上の一般行政職に対して高い水準での給与というのが達成されていたわけでございますけれども、累次の行政改革等のあおりの中で、一般行政職に対して教師の給与が今は一%未満の差ぐらいになっているというところがございまして、その四十九年の人材確保法の趣旨を具体化するために、教職調整額を一三%にすることによってそのときの最高の七・四二%を超えることができるという水準に持っていきたいという気持ちから概算要求をしたところであります。  前半のところの御質問についてでございますけれども、スクールカウンセラーやあるいは支援スタッフの効果につきましては、こちらについてもエビデンスを持ってしっかりそこは説明をしているというふうに考えてございます。

伊藤孝恵国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 財務省の資料にはこうありました。働いた時間と給与が見合う世界を早期に実現、つまりは労働基準法の考え方とのずれを指しています。こういった労基法と、先ほどおっしゃったような、局長がおっしゃったような給与体系のずれがあればあるほど人材は民間に行ってしまう、その危機感を申し上げ、質問を終わります。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。  初めに、私は、この間、この委員会でも何度も取り上げておりますが、神宮外苑の再開発について伺っていきたいと思います。  総選挙が終わった直後、十月二十八日からこの神宮外苑再開発に向けた樹木の伐採が始まっており、ヒマラヤスギ、スダジイを始めとした百年の歴史ある樹木が次々と伐採されていることに悲しみと怒りの声が広がっています。何より、この計画については、この樹木の保全を求める声が広がっているだけでなく、七月の世論調査では七割の都民が反対の声を上げ、また事業の見直しの求める声も広がっているわけです。  ユネスコ、国連教育科学機関の諮問機関であり、世界文化遺産の保護等を行うICOMOSからは、ヘリテージアラート、警告が出され、国連ビジネスと人権作業部会からも人権侵害の影響があるとの指摘もあったものです。  しかし、この事業者、四者あるわけですけれども、四者は、国連からの警告に対して正面から回答もしない、住民の声も無視したまま伐採を強行しているわけで、東京都や新宿区がこれらを追認していると。私これ大問題だと思っているわけですが、大臣は、この神宮外苑の再開発、そして進んでいる樹木伐採というのが、こうした住民の声を無視して、国連からの度重なる指摘も無視して進んでいるということを御存じでしょうか。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 神宮外苑地域のこの再開発事業につきましては、様々な御意見があることは承知をしております。また、本再開発事業に関しましては、基本的には事業に関連する許認可権限を持つ東京都及び新宿区、港区において、地権者を始めとする関係事業者と協議しながら適切に対応していくべきものだと考えておりまして、スポーツによる町づくりを推進する文部科学省としても関心を持って見守ってまいります。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 文科省としても関心を持って見守っていくというお話がありました。  ちなみに、この樹木保全をめぐっては、九月に事業者側から変更案というものが出されていて、お配りした資料で変更後の案というものも示されているんですが、これは抜本的な見直しにはなっておらず、樹木保全としては不十分と。切らなくなる樹木の本数も数本程度、このラグビー場のところに関して言うと、ですし、その残った樹木も保全できるのかという疑念があると。しかも、その見直し案を公表後、事業者が行った説明会というのは新宿区や港区の住民だけが対象で、神宮外苑を避難場所にしている渋谷区の住民は対象外でという意味では、適切に協議をしながら進められている状態とは到底言えないと、そういうことは是非大臣には御認識いただきたいと思うんです。  その上で、この計画、ここでもう終わりということではなくて、これからこの秩父宮ラグビー場の移転が進むわけです。これを運営管理するのは文科省の所管するJSC、日本スポーツ振興センターであるわけです。その移転に伴う、このラグビー場を移転することに当たる財産処分については、認可をするのが文科大臣とされているわけです。なので、注視するだけではなくて、当事者であると思うんですね、文科大臣は。  だから、この計画、樹木伐採だけではなくて、このラグビー場の機能もこれ本当に維持できるのかと、客席数なんかが減らされるという話もあるわけで、こうした財産処分はやっぱり認可の段階、認めるべきではないんじゃないかと思いますが、大臣いかがですか。

寺門成真スポーツ庁次長

○政府参考人(寺門成真君) 法手続の点でございますので、事務方からの御答弁をお許し賜れればと存じます。  一般論として申し上げますれば、財産処分の認可に当たりましては、日本スポーツ振興センターからの申請に基づきまして、処分等の内容が、方法が適正であるか、また、申請にあった財産を処分等することによって日本スポーツ振興センターの業務運営が阻害されないかといった内容を確認をすることになります。  その上で、委員御指摘の点につきましては、現時点におきまして日本スポーツ振興センターから認可申請がなされておりませんので、仮定の質問にはお答えできない点、御理解を賜れればと存じます。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 大臣のお考えを伺いたかったんですけれども、また後で伺いたいと思いますが。  先ほど、適正かどうかを確認していく手続なんだということでした。改めて伺いますけれども、じゃ、この事業者からの認可申請が出された場合、文科省は何を審査することになるのか、端的にお答えください。

寺門成真スポーツ庁次長

○政府参考人(寺門成真君) お答えをいたします。  日本スポーツ振興センターが財産処分認可申請に当たりましては、独立行政法人日本スポーツ振興センターに関する省令第十六条に基づきまして、申請書に、処分等に係る財産の内容及び評価額、処分等の条件、処分等の方法、センターの業務運営上支障がない旨及びその理由を記載することになってございまして、文科省といたしましては、これらの事項について申請書に記載された内容を確認をする、このようになっているところでございます。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 四点、その通則法、そしてそれにのっとった省令に基づくもので四点記載を求めていると、で、その中身を審査していくことになるというお話だったと思うんですけれども、つまり、先ほどお話あった処分に係る財産の内容及び評価額などの話があるわけですけど、つまり、このJSCの土地、建物、ラグビー場を含むそれは国が出資したものであって、国の土地に準ずるような扱いだと、だからそれを処分するに当たっては国が、文科大臣が認可をする必要が出てくるということになるわけですけれども、じゃ、その評価額、その権利変換後もちゃんとそのまま事業が継続できるのかということは本当に公正に審査される必要があるわけですね。  現在、この権利変換に伴う不動産の評価というのを進めているのは、再開発を進めている四事業者のうちの一つ、三井不動産だと聞いているわけですけれども、しかし、国の独立法人であるJSCの財産の評価ですから、これをJSC以外の事業者が行う、三井不動産が行ったものをそのまま受け入れて認可するというのはあり得ないと思うんです。少なくともJSC側が、ちゃんと適切な評価なのか、JSCとしても独自のこの財産評価というのをやるのは当然の前提になるんじゃないのかと、そういう経過が必要じゃないかと思いますが、次長、いかがですか。

寺門成真スポーツ庁次長

○政府参考人(寺門成真君) お答えを申し上げます。  神宮外苑地区の再開発事業におきましては、都市再開発に基づく権利変換を行い、JSCは事業の対象区域に現在保有する資産の評価額に見合う資産を取得することになると承知をしてございます。  この資産の評価につきましては、例えば御指摘のようなJSC独自の評価を行うことなどによりまして、当該財産処分が適正であるか、JSCの申請書において説明がなされるものと承知をいたしております。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 JSC独自で、当然ですよね。三井不動産言いなりではなくて独自で評価をする、そして妥当性を判断していくというプロセスが必要になっていくと。  で、JSC理事長にも来ていただきました。当然、三井不動産とは別個にJSC独自でその財産評価をするということでよろしいですね。

芦立訓独立行政法人日本スポーツ振興センター理事長

○参考人(芦立訓君) お答え申し上げます。  私ども独立行政法人日本スポーツ振興センターの従前従後の資産に係る価額の妥当性の確認につきましては、私どもとして、独立行政法人都市再生機構、いわゆるURでございますが、そこに依頼するということにしておりまして、その結果を踏まえて行う。したがいまして、三井不動産だけではないということでございます。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 URに依頼をすることになっているということですが、確認です。それはつまり、JSCとして、JSCが主体的にこの不動産価格について評価、判断するということでよろしいですね。もう一度お願いします。

芦立訓独立行政法人日本スポーツ振興センター理事長

○参考人(芦立訓君) 私どもとして依頼いたしますのは、主体性を持って依頼するということでございます。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 当然、JSCとしての評価、判断が必要になってくると。やっぱりそういうプロセスをきちんと取るというのは当然だと思うわけです。そういう姿勢が問われている問題だということは重ねて指摘をしておきたいと思います。  そして、やはりこの計画、今後の財産処分の認可に当たっては業務運営上支障がないことについても確認することとなっていると聞いているわけですけど、先ほども申し上げましたが、今回、樹木の伐採というのは単に樹木を伐採するということだけじゃなくて、明治時代から続く百年の森と言われる、文化遺産とも呼ばれるような森を壊す、そういう計画になっているわけで、文化、文化財を保護しようという文化庁、文科省としても、その点からもこの問題を見ていかなきゃいけないんだということは指摘しておかなきゃいけないし、業務運営上支障ということでいうと、このラグビー場なんですね。ラグビー場を移転する先で、じゃ、本当にそのラグビー場としての業務が継続できるのかということでいうと、先ほど申し上げたとおり、客席数が減ります。芝生は人工芝になってしまいます。そして、ラグビーをしない日にはイベントをすることで収益を上げることを中心としていく。  ラグビーよりもイベントホールとして様変わりしてしまうんじゃないかと、そういう指摘もあるわけで、そういうラグビー関係者からも、これはラグビー場としては適切じゃないんじゃないかという声も上がっている、そういう計画なわけで、改めて、このような事業を進める財産処分の認可というのは、やはり文科大臣としてすべきじゃないんじゃないかと私は思うんですが、その点、是非お立場はっきりお答えいただければと思います。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) この再開発の事業に関しましては、先ほど申し上げたように、基本的には事業に関連する許認可権限を持つ東京都及び新宿区、港区において、地権者を始めとする関係事業者と協議しながら適切に対応すべきものだと考えております。その上で、JSCから許可の申請がありますれば適切に対応してまいります。  以上です。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 適切に対応するということでしたけど、来たものをそのまま認可するじゃ困るわけで、やはり文科大臣もそういう財産処分の認可をする役割を負っている以上、こうした計画全体、どういう動きなのか、そして市民からどういう声が出ているのか、そしてその権利変換の正当性まで含めてしっかり調査をしていただきたいですし、やはり私は、こうした住民の声を無視した、また文化とも言える百年の森を壊すような計画というのはそのまま認可すべきではないということを強く申し上げておきたいと思います。  その上で、次に教員の働き方、残業代の問題についても私も伺っていきたいと思うわけです。  先ほど来、この委員会でも教員の働き方の問題ということが議論をされているわけですけど、今年夏に中教審答申が出され、その中教審の中身というのは、教員の働き方や処遇に関して、残業代を支払わないまま調整額を引き上げる、定額働かせ放題と言われるような状態を温存するという方向性が示されたわけです。  それを踏まえて、文科省は、残業代を払うというやり方ではなく、基本給の一端を担う調整額というのを一三%に引き上げるという概算要求を出したと。それに対して財務省が、調整額を一三%ではなく一〇%を目指して段階的に引き上げるという案を示した上で、その後、残業代を支給する方向性も示しているということが言われているわけなんですけれども。  初めに、財務省の方に先に伺っておきたいと思うんですけれども、これ財務省の案では、この調整額の引上げが終わった後に所定外の勤務時間に見合う手当への移行を検討というふうに書いてあるわけですけれども、それというのはつまり、この財務省案を採用していくとするならば、残業代支給の制度を導入することを確約すると、必ず残業代を払うと、そういうことを示したということなんですか。

中山光輝財務省主計局次長

○政府参考人(中山光輝君) 先日の財政制度等審議会の建議におきましては、教職調整額につきまして、一〇%を目指して段階的に引き上げつつ、時間外在校等時間が月二十時間に達する際に教員ごとの所定外の勤務時間に見合う手当に移行することを検討することが考えられるとされたところでございます。  こうした建議の内容も踏まえまして、教員の働き方改革や給与の在り方について、予算編成過程において文部科学省と丁寧に調整を進めてまいりたいと考えております。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 いや、私が聞いているのは、引き上げ方とか様々議論がある、最後にその残業代の支給ということをすると、約束をするということなんですか。

中山光輝財務省主計局次長

○政府参考人(中山光輝君) 繰り返しになりますが、建議において提言いただいておりますのは、一〇%を目指して段階的に引き上げつつ、時間外在校等時間が月二十時間に達する際に教員ごとの所定外の勤務時間に見合う手当に移行することを検討するということがされたところでございまして、文部科学省と予算編成過程においてしっかり調整を進めていきたいと考えております。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 同じ答弁を繰り返されたわけですけど、要するに確約はされないんですね、検討すると、そして文科省と相談をすると。だから、決して、財務省案を採用するということがあり得るのか分かりませんけれども、その残業代払うことを明言しているわけでは決してないというところが問題で、じゃ、文科省と相談した暁には残業代を支払うのかというと、そういうことは文科省は一切言っていないわけですよね。  私、これが本当に問題だと思っていて、中教審では、この残業代を教員に払うということについて、教師の職務の特殊性を踏まえるとなじまないということを言っているわけです。しかし、公立学校以外、つまり国立や私立の学校で働く教員にはもう既に残業代が支払われているわけです。ガイドラインなどで、残業と認められる業務とか、その残業する場合の手続というのを事前に定めながら、ちゃんともう今支払っている。だから、教員に残業代が支払えないなんてことはあり得ないということはもう既に明らかだと思うんですね。  しかし、中教審は、いや、国立や私立は公立校と違うんだと。非公務員だとか、より公立の方が多様性の高い児童集団への対応になるから無理だとか、さらに、公立は学校をまたいだ人事異動があることをもって残業代が払えないという説明をしていて、私、これ全く理解ができないんですけれども、確認をしたいと思うんです。  国立大学附属校で公立学校と人事交流を行っていない学校というのはあるのかと。大半の国立大附属の学校が教員の人事交流行っているのではありませんか。

茂里毅文部科学省総合教育政策局長

○政府参考人(茂里毅君) お答えいたします。  国立大学附属学校の教員につきましては、公立学校の教員と人事交流が行われている例が多々あることは承知してございます。大学関係者からは、人事交流を行っている学校は多く、約七割という声もございます。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 約七割というようなお話もあったわけですけど、それもそのはずで、この間、文科省は、通知なども出しながら、国立大附属学校で教員人事が固定化しているところについては地域の教育委員会との間で教員人事交流を行うことを積極的に検討するようにということなども言っていて、そういう中で、公立学校の教員の方が国立大附属に行くなんていうことも含めて学校をまたいだ人事異動というのはやっているんです。  だから、それをもって、何か、いや、公立にしか異動がないから残業代が払えないというような言い分なんていうのはもう絶対に通用しないと思いますし、公務員か公務員じゃないかということでも、教員以外の公務員にも残業代は払われていることを思えば残業代を払わない理由にはならないですし、公立の方がより多様性のある児童集団に臨機応変に対応する必要があるというのであれば、なおさらそれに見合う手当、働いた分の残業代支給というのは私は必要だと思うわけで、大臣、改めて、こうした現場の実態踏まえれば、公立校の教員にだけ残業代を支払わないという理由というのはもはやないんじゃないかと思いますが、いかがですか。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 委員御指摘の点でございますが、中教審の答申におきましては、社会的、経済的背景が異なる地域、学校への異動があった場合等の対応等を差異の一例として挙げているというふうに承知をしているところでございます。  特に公立学校におきましては、通学区域内に居住する多様な子供たちを受け入れている、教育の機会を保障する役割を担っているところでございまして、国立、私立学校に対しまして相対的に多様性の高い児童生徒集団となっている現状がございます。  また、公立学校の教師は、地方公務員の公務として職務を遂行することとされておりまして、加えて、勤務条件は条例で定めることとされているといった公的な性質が強い職務であると考えているところでございまして、文部科学省としては、こうした理由を教職の調整額と、支給とするという仕組みは合理性を有しているというふうに考えております。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 いや、だから、私が先ほどこれは理由になりませんでしたよねと言ったことを繰り返し御説明になられたんじゃないかなと思うんですけれども、石破首相はできない理由ではなくどうすればできるかを議論したいということをよくおっしゃっていたと思うんですけれども、大臣、今お話しされているのはできない理由ばっかりだと思うんですね。もうそれじゃ話にならないんだということを私、指摘したいと思うんです。  何より、この残業代を支給するようになった国立大附属の学校では、確実に教員の長時間労働が改善されているという声を聞いているということを紹介したいと思うんですよ。残業代を払い始めたら、その前の月の残業は五十時間を超えていたと、それが今は月三十時間程度になったとか、以前は十九時まで会議が続くのが当たり前だったが、様々な会議が短くなったという声もあります。また、部活の先生の負担を減らすということになって、休養日も取れるようになったと、そのための部活指導員も増員されたんだという声も上がっていると。それこそ公立校との人事交流もあるわけで、公立校から来た先生は、いや、本当にその労働時間は短いし残業代も支払われるし、公立に戻りたくないという声が出ているなんていう声も聞くわけですね。  いずれにしても、残業代を支給してこそ教員の長時間労働を改善できる、短縮できる。これは国立大附属の実践例を見れば明らかであり、その効果は認めるべきではありませんか。大臣、いかがでしょう。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 委員に御指摘をいろいろいただいているところでございますが、中教審の答申におきましては、時間外勤務手当ではなく、この勤務時間の内外を包括的に評価するものとして教職調整額を支給するという仕組みは合理性を有しているとされているところでございまして、一方で、教師の時間外在校等時間の縮減を確実に進めることはまさに重要でございまして、そのためには、学校における働き方改革の更なる加速化、また学校の指導、運営体制の充実を一体的、総合的に進めることが必要でございまして、具体的には、学校教師が担う業務に関わる三分類に基づく業務の更なる厳選、また見直し、授業時間数の見直し、校務DXの加速化、また長時間勤務を縮減するメカニズムの構築に向けまして、自治体ごとの在校時間の公表の制度化などに取り組んでまいります。同時に、学校の指導、運営体制の充実に関しましては、教師の持ち時間数の軽減に資する小学校の教科担任制の拡大などの教職員定数の改善のため、令和七年度概算要求に関しては必要な経費を要求しているところでございます。  文科省としては、教師を取り巻く環境整備に向け、総合的な対策をしっかりと進めてまいります。  以上です。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 いや、お答えになっていないので、もう一回ちゃんと聞きますね。国立大附属校で残業代を支払うようになったら長時間労働が改善された、短縮されたと、そういう実績がありますよと。やはり残業代を払うということが働き方改革に資すると、そういう御認識はありませんかと聞いています。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 時間外勤務手当ではなく教職調整額を支給するという仕組みは合理性を有しています。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 調整額って何度もおっしゃいますけど、調整額というのは残業代ではないですね、基本給の一部というのが文科省の扱いですよね。それを今回引き上げる、そういう概算要求を出したという話ではないんですか、大臣。いかがですか。調整額は残業代なんですか。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 委員御指摘の点につきましては、しっかりと受け止めさせていただきます。  また、先ほど申し上げましたように、時間外手当ではなく教職調整額を支給するという仕組みは合理性を有しているというふうにされているところでございます。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 調整額というのは基本給扱いなんですよね。それとは別に、働いた時間分の残業代分をちゃんと支給するべきだというお話をしているわけです。残業代をちゃんと払うようになれば、働いた分の給与が先生方もらえるだけではなくて、やはり残業代を支払う必要がないようにということで、業務改善だって学校現場で進みやすくなって、必要な部分、部活指導員であるとかの増員などにもつながっているという話なんですね。  そういう意味では、教員の採用、定員を増やすというインセンティブにもなるでしょうし、やはり、教員の長時間労働を改善するというのであれば、残業代を支払う、そして人員を抜本的に増やす、もうこれは欠かせないんだと、そういう改革こそ進めるべきであり、やはりそういう姿勢がない文科省案、そして財務省案も残業代を払うと確約されないという点ではやはり問題があるということを私指摘させていただいて、質問を終わります。

舩後靖彦れいわ新選組

○舩後靖彦君 れいわ新選組、舩後靖彦でございます。  あべ大臣御就任後、初めての質疑となります。これからどうぞよろしくお願い申し上げます。  大臣は、今国会の挨拶において、公教育再生の要は教師です。学校における働き方改革の更なる加速化、教師の処遇改善、学校の指導、運営体制の充実、教師の育成支援について、文部科学行政の最重要課題として一体的に進めますとおっしゃいました。  ブラック職場のイメージが定着してしまった学校では、教員の多忙化、長時間労働ゆえに教員を目指す人が減少し、教員不足がますます深刻化しています。全国公立学校教頭会の調査によると、二〇二四年の始業式時点で、全国二割の学校で教員不足が生じていたとのことです。文科省が初めて教員の欠員を調査した二〇二一年度の五・八%よりかなり悪化していることが分かります。  教員に限らず、多くの職種で人手不足が深刻化している中、職業としての人気がなくなった教員の採用試験の倍率は低下し、二〇二三年度は過去最低の三・四倍、小学校に限れば二・三倍です。中でも、小学校教員採用試験の倍率が一・五倍に満たない秋田、福岡、長崎、大分、鹿児島県などでは、教員の質、量共に確保することが難しい現状です。  実は、私のおいも教員をしております。学校が忙し過ぎて人生設計すらままならない状況では、どんなに教員という仕事にやりがいや魅力を感じていても、燃え尽きてしまったり、そもそも教員になろうという気になれないのではないでしょうか。  文科省としても、教員の多忙化、教員不足を深刻に受け止め、様々な対策をされてきたことは承知しております。そして、二〇二五年度予算の概算要求で、残業代の代わりに一定割合を上乗せする教職調整額について、現行の基本給の四%から一三%へと大幅引上げを求めました。しかし、財政制度審議会では、調整額の引上げが実効性ある学校業務の縮減策と連動していない、各教員の在校時間に差があるが、その差に応じためり張りがない、とりわけ若手教員へのインセンティブにはならないという理由で現行の四%から一〇%への段階的引上げを提案しています。  財務省は、調整額引上げの条件として教員の働き方改革の進捗状況を挙げ、将来的に調整額でなく残業手当として支払う案も打ち出しています。  大臣、財務省のこの認識をどう受け止めていらっしゃいますか。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 舩後委員にお答えさせていただきます。  今回の財務省の見解に対しての私の意見、見解でございますが、教師、本当に、舩後委員のおいごさんも今教師ということでございますが、学校教育の充実発展に欠かせない存在でございます。厳しい勤務実態がある中で、教師を取り巻く環境整備のためにやらなきゃいけないことはたくさんございまして、まずは学校における働き方改革の更なる加速化、もう待ったなしでございます。また教師の処遇改善、また学校の指導、運営体制の充実を一体的、総合的に進めないといけないというふうに考えているところでございます。  財務省の見解に関しましては、時間外在校等時間の縮減が容易でない地域と学校もあるんです。非常に複雑なお子さんたちがたくさんいるところ、また、いろんな教員の手当てが、なかなか人数が加配ができていないところもある中であって、そういう非常に厳しいところもある中で時間外在校等時間の縮減を教職調整額の引上げの条件とすると、真に必要な教育指導が行われなくなるおそれが確かにあります。  学校が対応する課題が複雑化、困難化していって教師が非常に多忙になっている中にありまして、また、教職員定数の改善の学校現場の支援が見られないこともあり、子供たちや教師の支援という観点から大変大変課題の多い提案であるというふうに考えています。

舩後靖彦れいわ新選組

○舩後靖彦君 ありがとうございます。  私も常々、日本は教育予算が少な過ぎる、教職員定数の基準を大幅に改善し、少人数学級で教師の負担を減らし、教員が子供一人一人にきちんと向き合える時間を確保すべきと主張してまいりました。財務省には、教育に必要な予算はけちけちせずに積極財政で出すべきと申し上げたいです。  その一方で、残業代の代わりに調整額を引き上げる給特法のやり方では、現場の教員たちが定額働かせ放題と批判するように、長時間労働の抑制にはなりません。財務省案について、教員の中には、残業削減の実効性が期待できる、労働基準法への将来的な切替えを示唆しているとして評価する声もあります。しかし、調整額の割合を増やすにせよ、労働時間に合わせて残業代を支給するにせよ、教員の多忙化、長時間労働の根本原因にメスを入れないで残業代を払えばいいというものではないはずです。  私は、昨年の通常国会で、たとえ予算が付いて教員の定数改善がされても、ブラック職場と言われる学校に教員のなり手が即座に増える見込みはない、教員の負担を減らし子供たちが安心して学べる環境を維持するには、教員の本来業務である教える内容を精選し、授業のこま数を減らすしかない、次期学習指導要領の改訂に向けて早速取りかかっていただきたいとお願いしました。それに対して当時の盛山大臣は、学習指導要領の内容については、教師の業務改善のみを理由として削減するというものではなく、子供の学びの観点から考えていくべきものと答弁されました。  私は、外国語や道徳が教科化され、教科書がどんどん分厚くなって、教える内容や時間数が増えている現在の状況は、教員の業務負担だけではなく、子供たちにとっても容量オーバー状態だと見ています。カリキュラムにおいて学校や教師、生徒に過大な負担が掛かっている状態、いわゆるカリキュラムオーバーロード、教育課程の過積載については、教育課程、学習指導及び学習評価等の在り方に関する有識者検討会においても言及されています。  資料を御覧ください。東京学芸大学大森直樹研究室が、一九八九年学習指導要領改訂の実施時期より二〇一七年改訂時期までの間勤務した教員を対象に、その時期の標準時数が子供たちの生活に合っていたかどうか調査した結果です。  それによりますと、第一次ゆとり教育の一九八九年の場合、週六日制で一日の平均授業時数は五時間、そのときは、子供の生活に合っていた、やや合っていたが七七%であったのに対し、第二次ゆとり教育が始まり週五日制となった一九九八年では五割弱まで減っています。さらに、外国語科の時間が年七十時間増えた二〇一七年改訂では一日六時間制となり、やや合っていない、合っていないが九割を占めています。  調査に応じた教員は、六時限目になると子供も自分も集中力が続かない、子供がいらいらしてトラブルが起きる、放課後の習い事や塾がある子供は休む暇がないと、子供たちの負担感を指摘しています。  子供たちは、情報化、グローバル化した複雑な時代に合わせて、主体的、対話的に学び、未来を創造する力を求められ、あれも必要、これも大事と、授業時間数と教科数、学ぶ内容がどんどん増やされます。教員にとっては、教える内容だけでなく、アクティブラーニングだ、ICT活用だと授業方法に変化を求められ、現場への要求は高まるばかりです。  しかし、学習指導要領で教育現場を縛るのであれば、それを実現するための人手の確保などの条件整備が先ではないでしょうか。学習指導要領の詰め込み過ぎを解消することが、子供たちの過重負担を減らすとともに、教員が本来の業務である授業準備や子供に向き合う時間を確保し、教員の働き方改革、教員不足解消を進めることになると考えます。  大臣、学習指導要領の改訂に向けて、学習内容の精選と週五日制の下での授業時数削減について、中教審に諮問していただけませんか。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) 舩後委員がおっしゃるように、本当に今の教育課程のいわゆる部分が、教員だけじゃなく子供にとっても大変負担になっているというふうに私自身も感じているところでございます。  今回の教育課程、その際、この教育課程の実施に伴う負担の指摘に関しましても、私ども文部科学省としても真摯に向き合う必要があるというふうに感じておりまして、この検討に際しましては、負担、さらには負担感が生じている構造を丁寧に議論していくことがまさに重要だというふうに感じているところでございまして、この点、学習指導要領のこの検討に先立って行われた論点整理のところでも、また総授業時間数は現在以上に増やすべきではないとした上で、この学習指導要領や解説のみならず、実は、教科書、入試、教師用の指導書などの影響も含めた全体を見据えた上で、過度な負担が生じにくい、そういう仕組みを検討すべきだという指摘が、まさに委員がおっしゃったように指摘がされたところでございます。  十二月二十五日に実は予定されている中央教育審議会におきましては、こうした委員がおっしゃったところの論点、また、それまでに話し合われた論点整理の内容も踏まえていきながら諮問を行う予定でございます。

堂故茂自由民主党

○委員長(堂故茂君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕

堂故茂自由民主党

○委員長(堂故茂君) 速記を起こしてください。

舩後靖彦れいわ新選組

○舩後靖彦君 代読いたします。  まさに現場では明らかに詰め込み過ぎと感じています。以下、事前に用意した原稿を読み上げます。  コロナで一斉休校となり授業時間が減ったとき、学校現場で教える内容にめり張りを付け、内容を削減して乗り切りました。学習内容の精選、標準時数の削減など、学習指導要領の検討に向け、是非現場からの声を中教審に反映していただくようお願いし、次の質問に移ります。  次に、海外で暮らす子供たちのための在外教育施設、日本人学校についてお伺いいたします。  海外で暮らす子供たちのため、日本から多数の先生方が海を渡り、物価高騰、円安環境で大変な中、志を持って取り組まれていることに改めて敬意を表します。  この日本人学校をめぐり、当事務所に管理職、すなわち校長によるハラスメントについての相談が寄せられました。個別の内容についての言及はここでは避けますが、相談を受け、在外教育施設におけるハラスメントへの対応、相談、被害者への支援体制に課題があると感じました。  こんな声をいただきました。海外日本人学校に勤務する教員は、とても狭い人間関係の中でストレスを感じながら勤務しています。そのとおりだと思います。少しでも改善につなげるべく、質問をいたします。  まず、在外教育施設に派遣された教員のフォロー体制について質問いたします。  派遣教員がハラスメント被害に遭ったり、職場環境に悩んだりしている場合、どのような相談体制があるのでしょうか。在外教育施設の多くは、日本人会や進出企業の代表者、保護者の代表などから成る学校運営委員会によって運営されており、一義的には学校運営委員会の責任で行われると承知はしておりますが、文科省としてはどのように関与しているのでしょうか。

茂里毅文部科学省総合教育政策局長

○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。  在外教育施設は、一般に日本人会等が設置主体となって設立されており、その運営を行う学校運営委員会にハラスメント等の相談を受けて対応を行う責任が一義的にございます。  その上で、文部科学省では、派遣職員に対して、これ全ての派遣職員でございますが、職員に対しまして、派遣教員に対しまして文部科学省の派遣担当の連絡先を紹介しており、文科省に個別に御相談いただいた場合、元校長やスクールカウンセラー、スクールロイヤーから成る文科省委託の、委嘱の在外教育アドバイザーなども活用しながら、学校運営委員会が適切に対応できるよう支援しているところでございます。

舩後靖彦れいわ新選組

○舩後靖彦君 質問を続けます。  今回事務所に寄せられたケースは校長によるハラスメントの被害の訴えでした。文科省によると、校長として派遣される教員に対してはハラスメント防止を含めた研修を行っているとのことです。  ハラスメント防止に向けて実際にどのような研修を行っているのでしょうか。御説明ください。

茂里毅文部科学省総合教育政策局長

○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。  文科省では、在外教育施設への派遣が内定した教師に対し内定者研修会を行っております。  昨年度の研修会におきましては、派遣教師全体に向けまして、ハラスメントを含めた服務に関する講義を行うとともに、さらに、管理者向けには管理者研修を実施して、教職員間のトラブルへの対応を始めとする管理職としての心得について講義を行ったところでございます。  今年度の研修会におきまして、これは来年の一月の二十二日から二十六日の五日間予定しておりますが、この研修会においては、グループワークによるハラスメント事案のケーススタディーを追加いたしまして、現在御指摘いただいたような内容なども踏まえた上でより充実した研修を行いたいと考えております。

堂故茂自由民主党

○委員長(堂故茂君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕

堂故茂自由民主党

○委員長(堂故茂君) 速記を起こしてください。

舩後靖彦れいわ新選組

○舩後靖彦君 代読いたします。  服務に関することという一部ではなく、ハラスメントという一段上の項目を設け、研修を充実したものにしてください。大臣、いま一度お願いします。

茂里毅文部科学省総合教育政策局長

○政府参考人(茂里毅君) 御指摘も踏まえながら、より充実したものにしてまいりたいと思います。

舩後靖彦れいわ新選組

○舩後靖彦君 質問を続けます。  文科省が認識している在外教育施設におけるハラスメント件数、相談件数、処分された件数について御教示ください。  その上で、被害者へのフォローアップについて文科省はどのように行っているのでしょうか。さらに、発生の原因分析、再発防止策を文科省としてどのように行っているのでしょうか、お答えください。

茂里毅文部科学省総合教育政策局長

○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。  令和二年度以降、文科省の担当に直接寄せられたパワハラに関する相談は全部で十三件ございます。ハラスメントによる処分に至った事案は一件でございます。  文科省では、個別の事案に応じて先ほど申し上げました文科省委嘱の在外教育アドバイザー、これも活用しながら、学校運営委員会との連携の上、職務環境の改善につなげるなどの対応をしているところでございます。  御指摘ありましたハラスメント事案の原因につきましては様々だと考えられ、一概に申し上げることはできませんが、文科省といたしましては、教育委員会等に対して適切な人材の推薦を行うよう要請しつつ、選考におきましてもハラスメント防止の観点を一層重視するとともに、研修内容の一層の充実等により、ハラスメント事案の発生防止に努めてまいりたいと考えております。

舩後靖彦れいわ新選組

○舩後靖彦君 代読いたします。  ハラスメント被害を訴えた現場の教員からはこんな意見もありました。文科省は運営委員会に調査を丸投げし、調査方法、調査結果、処分について当事者の説明が全くありません。ヒアリングについては当該者のみでした。調査を担当した運営委員会には、せめて半分の教員からのヒアリングやアンケート調査をお願いしたが、無視された、運営委員会は穏便に解決したいようだ。以上です。  教員を日本から派遣している文科省がより中立的に相談を受け、調査を行うような体制が必要なのではないでしょうか。文科省は国内から教員を派遣しており、教員が健康で不安なく働けるための環境づくりの責任があると感じます。この点について、文科省の見解をお聞かせください。

あべ俊子自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(あべ俊子君) ありがとうございます。  在外教育施設、本当に私ども重要だと思っております。日本から海外に転勤をして一生懸命企業で頑張っている方々を教育をしてくださるその在外教育施設での先生方に対しては、私ども文部科学省として、各教育委員会から出されている方々に対して対応させていただいているところでございますが、まだまだ実は私個人としても足りないというふうに思っておりまして、まず、在外教育施設に関して、一義的には学校運営委員会にハラスメントの相談を受け、調査を行う責任があるものと承知をしているところでございます。  その上で、文部科学省におきましても、やはり派遣教師に対して文部科学省の担当の連絡先は御紹介をしているところでございますが、ハラスメントの相談を受けた場合には学校運営委員会と連携して適切に対応することにしているところでございます。  ただ、やはりこの教員の対応に関しては、まだまだ私どももできることがあるのではないかというふうに考えているところでございまして、今回の舩後委員の御指摘も踏まえまして、文部科学省として、引き続きこの派遣の先生方、教師が在外教育施設において活躍できるような、本当にしっかりとした環境の整備を努めてまいりたいというふうに思っておりまして、まさにこの在外教育施設の先生方が日本から出かけていって海外で勤務している親御さんたちのそのお子さんたちを、やはり文部科学省としてもしっかりと対応していくことをさせていただきますので、これからも御指導よろしくお願いします。

舩後靖彦れいわ新選組

○舩後靖彦君 海外に暮らす子供たちのため、志を持って取り組んでいる先生方が不安なく働ける環境となるよう、文科省も主体的に関わっていただきたいと申し上げ、質問を終わります。

堂故茂自由民主党

○委員長(堂故茂君) それでは、本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時三十分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗