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213回国会参議院2024/02/07

外交・安全保障に関する調査会 第1号

発言数
106
登壇者
14
会派数
8
開催日
2024/02/07

会議録

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) ただいまから外交・安全保障に関する調査会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、齊藤健一郎君及び長谷川英晴君が委員を辞任され、その補欠として浜田聡君及び越智俊之君が選任されました。     ─────────────

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に越智俊之君を指名いたします。     ─────────────

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  外交・安全保障に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  外交・安全保障に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) 外交・安全保障に関する調査を議題といたします。  本日は、「21世紀の戦争と平和と解決力~新国際秩序構築~」のうち、「LAWS(自律型致死兵器システム)に関する国際的なルール作り及び対人地雷禁止条約の履行確保に係る取組と課題」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。  御出席いただいております参考人は、前軍縮会議日本政府代表部特命全権大使小笠原一郎君、京都産業大学法学部客員教授・世界問題研究所長岩本誠吾君及び地雷廃絶日本キャンペーン代表理事清水俊弘君でございます。  この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。  本日は、御多用のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。  皆様から忌憚のない御意見を承りまして、今後、調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。  次に、議事の進め方について申し上げます。  まず、小笠原参考人、岩本参考人、清水参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までをめどに質疑を行いますので、御協力よろしくお願いいたします。  また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず小笠原参考人からお願いいたします。小笠原参考人。

小笠原一郎前軍縮会議日本政府代表部特命全権大使

○参考人(小笠原一郎君) どうもありがとうございます。  ただいま御紹介にあずかりました小笠原一郎でございます。  このような機会を与えていただいて、大変光栄に存じます。  私、昨年十二月に外務省を四十年間奉職しまして退官いたしました。外務省奉職中は、参議院の先生方に本当に御指導、御鞭撻いただきまして、特に私、そのうち二年間は参議院を担当する国会担当の参事官、審議官という役割を演じておりましたので、もうその期間も含めまして、もう大変なお世話になっておりました。この場を借りて厚く御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。  私、昨年退官するまで四年ほどジュネーブにございます軍縮会議日本政府代表部の特命全権大使を務めておりまして、今回の議題である二つのテーマ、自律型致死兵器システムに関わる議論、それから対人地雷禁止条約に関わる議論、これに関する国際会議に参加をして、日本政府を代表して活動してまいりました。今日は、特にその期間の出来事、昨年末までの最新の出来事を含めて皆様に御説明をさせていただきたいと思います。  まず、お手元に資料を配っております。前半が自律型致死兵器システムに関するものでございまして、後半に地雷に関する資料を御用意しております。  この資料に入る前に一言、どのような国際環境の下で我々の議論が行われていたかということを一言申し上げたいと思います。  特に、このLAWS、なかなか遅々として合意形成が進まないということでいろいろ批判をされておりますが、やっぱり、非常に大国間の対立、競争というものが前面に出る国際環境の中で、国際約束を形成する、国際合意を形成するということが非常に難しくなっている、そういった環境の中でLAWSに関する議論は営々と進められてきておりました。  私は、個人的には、その中でも、特に私どもがやっております議論は全会一致で決定を行わなきゃなりませんので、全ての人が同意してくれる、逆に言うと、一か国、全ての国が拒否権を持っているという中で議論を進めてまいりましたので、一定の成果は生んだのではないかと思っております。  他方、対人地雷の方は、そのような大国間の競争、対立というものから比較的自由な状況に置かれております。この対人地雷禁止条約ができた経緯から申し上げましても、冷戦が終わって、対立の時代が終わって、その後二十年間ほど国際協調の時代、特に西側の勝利によって終わった冷戦の後の二十年間の協力の時代、そういった背景の中から出てきたものだというふうに考えております。  今現在も、この対人地雷に関する条約の方も全会一致で意思決定をしておりますが、実は主要な大国が加盟国に含まれておりません。中国、それからロシア、アメリカ、インド、パキスタン、イスラエル、そういった国々はいずれもこの対人地雷禁止条約には含まれていないということで、合意形成が比較的容易な分野でございます。  そういった大きな違いがある二つの条約、条約体、交渉体でございますが、まず、資料に沿って、LAWS、自律型致死兵器システムに関わる議論の現状と、私どもLAWSと呼んでおりますので、ちょっと長うございますので、この場ではLAWSというふうに呼ばせていただきたいと思います。  まず最初、この経緯でございますけれども、人間の関与なしに自律的に攻撃目標を設定する完全自律兵器のキラーロボット、こういったものの危険性というものがヒューマン・ライツ・ウォッチ等のNGOから指摘がございました。そういった国際社会における問題意識の高まりを受けて、特定通常兵器使用禁止制限条約という枠組み条約がございまして、その下で二〇一四年から非公式会合が行われ、二〇一七年からは政府専門家の会合が行われるということになっております。  このCCWの考え方というのは、国際人道法の原則を個別の兵器に適用していくという考え方でございまして、国際人道法の主たる原則というのは、一つは、無差別な効果ですね、文民に対しても被害を及ぼすような形での害敵行為はやめようと、それからもう一つが、過剰な傷害、同じ軍事目的を達成できるのであれば人道的なコストのより少ない方法を選ぶべきではないかと、そういった観点から議論を続けておりまして、これまでに五つの議定書がそれぞれ個別の兵器についての禁止、制限の国際約束を結んでおります。  したがって、経緯から申しますと、第六の議定書になることが念頭に置いて議論を続けているということではないかと思います。特にこの議論を行っている中で、この自律型兵器というものが実際に実戦で使用されるケースが増えてきております。最初はナゴルノ・カラバフ紛争における使用というものが注目されましたが、今やウクライナ戦争においては、自律性の多寡はいろいろ異なっていると思いますが、ドローンの多用というものが一つの特徴になっておりまして、まさに今後のゲームチェンジャーとしての大きな位置付けを持っているのではないかと思います。  この十年ほど議論を続けまして一体何が決定されたのかということですが、その最初のページの一番下に飛んでいただきますが、二〇一九年に十一の指針というものが決定されまして、これはお配りした資料の後ろの方にくっつけてございますけれども、その中でも特に、国際人道法がLAWSにも適用されること、人間の責任が確保されなければならないことといったことが合意されました。  昨年、また更に進歩がございまして、まず、国際人道法の遵守の観点からの禁止、規制の考え方等について記載したLAWSの報告書が採択されております。この考え方というのは、本来的に国際人道法を守れないようなLAWSは使っちゃいけないということです。これは、考えてみると、本来駄目なものは駄目と言っているだけで、一種トートロジーではないかという意見もあろうかと思いますが、国際人道法がしっかり適用される、それが両立できないものは禁止されるということで一定の合意ができたということは一つの成果ではないかと思います。  さらに、同じこの昨年の政府専門家会合の報告書におきまして、どういう点で国際人道法とLAWSが抵触する可能性が高いのかということについての合意ができてきております。それは、害敵行為を及ぼす対象である標的、これを機械に、標的の選択、これを機械に委ねるということは国際人道法との関係で非常に機微な問題を生じるのではないかということがこの報告の中に一致した認識として示されているということでございます。  日本は、その次のページをめくっていただきます、この議論の当初から、基本的な考え方といたしまして、人間の関与が及ばない完全自律型の致死性を有する兵器は開発する意図はないということを宣明しております。  この完全自律型の致死性を有する兵器、これは自分のところでやるつもりはございませんよということは、ほとんど全ての国は言っているところでございます。ただ、それをどのように定義していくのかといったようなところが非常に難しい問題になっていると。  それから、この十年間の経緯、議論の中でも具体的な取組としまして、アメリカ等と協調して幾つかの作業文書を提案しております。  最後には、この二枚目の資料の一番下でございますけれども、国際人道法を基礎とした禁止と制限の方法に係る自律型兵器システムに関する条項案というものを提示しておりまして、かなり成果物に近い内容のものを我々は提示するということを行ってきております。昨年の報告の中での採択、国際人道法に遵守できるような、遵守するような形で使えないようなLAWSは使用すべきじゃないという考え方も、私たちのこの条項案というものの中にも含まれております。  今どのような形で国際議論がいろいろ分かれているかと申しますと、その次のページをめくっていただきますと、そこに、矢印ですね、ポンチ絵を置かせていただいております。  これ、今、議論の推進派、規制推進派と規制慎重派というふうに大きく分かれる、分けることができる、できようかと思いますが、主として、この成果文書が法的に拘束力のある文書とすべきか、法的な拘束力がある文書は志向しないかというところが一つの分かれ目となっております。  これは、簡単に申し上げますと、LAWSに関する技術を持っている国々は国際的な規制を受けるということに対して非常に慎重、技術を持っていない国々はむしろ国際的な規制によって自分たちがそういった兵器の犠牲となることを避けたいというふうに思っているということで、大体このベクトルは分かれているのではないかと思います。  慎重派の一番最右翼には、ロシア、あるいはインド、イスラエルという国々がおられます。その後ぐらいにアメリカですとか日本ですとか、この六か国がまとめて合同の提案を出しておりますが、こういった国々が続いてまいります。他方、非常に国際的な規制を推進しようという国々を見ていただくとよく分かると思うんですが、例えばインドに対するパキスタン、あるいはイスラエルに対するパレスチナといった関係で、隣国に自国の脅威となるような国々がそのLAWSに関する技術を持っているというところで非常に懸念を持っているという国々が規制の推進派の最右翼になっているというふうに私は感じております。  次に、ちょっと紙を離れて申し上げますが、なかなかこの議論が進捗しない理由としては幾つかあると思います。  一つは、これだんだん、今、私どもがやっております議論というのは、かなり軍備管理条約に近いような、使用のみならず、開発ですとか設計ですとか、そういったものにも踏み込んだ議論をしておりますけれども、そういった安全保障にやっぱり直結してくる、そういった議論、領域で議論をする上では、お互いに正直者がばかを見ないような、自分が正直者になって相手に裏をかかれるということを非常に懸念しますので、やはり、その国際的な規制に自分が服することで自分の安全保障上の立場が弱まるということをやっぱり強く懸念していると。先ほど申し上げましたように、国際的に対立の風潮が強まっておりますので、そういった信頼のレベルが低い中で、なかなかそういった安全保障に直結する分野での合意は形成しにくいと、これがやっぱり一番の基本だと思います。  二つ目の難しさとして、このLAWSというのは、まだその完全自律型の兵器というものは存在しないと。特に、この議論が始まった当初はかなりその距離は、実現までの距離は遠かったと思います。したがって、存在しない兵器について議論するということの難しさ、特に実戦でどういうふうに使われるかということの見地がない中で議論をしなければなりませんので、それをどういうふうに規制していくのかということについても非常に困難があったのではないかと思います。  それから第四番目に、この分野は非常に技術進歩が速うございまして、私も感じるんですが、この十年前にLAWSの議論をここで始めたときには、多分、生成AIといったようなものがこれだけ広く使われるという状況には想定していなかったのではないかと思われます。したがって、私、この議論に参加していて、一定の成果、一定の広いコンセンサスの領域は広げてきたとは思うのですが、今の技術進歩に果たしてこれまでの蓄積の延長線上で議論をしていて意味のある成果ができるのかということは若干懸念されるところでございます。また、そういった懸念は広く共有されておりまして、このLAWSの枠を超えて、ごめんなさい、特定通常兵器使用禁止制限条約の領域を超えて今いろいろ議論をしようという試みも行われております。  取りあえず、今のがLAWSに関する説明でございます。  次に、対人地雷に関しての説明でございますが、もう時間もございませんので簡単に申し上げますと、対人地雷禁止条約というのは、通常兵器の分野で日本がこれまでも非常に成果を上げてきた分野でございます。日本は、この対人地雷禁止条約、オタワ条約というものでございますが、また、この地雷も、対人地雷禁止条約も非常に大きな成果を上げてきまして、この枠組みの中で、ここに書いてございますように、多くの対人地雷が廃棄され、また、多くの大変広範な領域にわたって対人地雷の汚染から解放されるということが進んでおります。  特に私申し上げたいのは、この四ポツの我が国の取組のところでございますが、二〇二五年のこの対人地雷禁止条約、オタワ条約の第二十二回の締約国会議、この議長を私の後任の軍縮代表部大使である市川とみ子さんが務めるということで、既に去年の、昨年の十一月の段階で選出をされております。  その前の、今年は五年に一回の運用検討会議の年でございまして、この運用検討会議はカンボジアが行うということになっております。昨年、二〇二三年の締約国会議の議長はドイツが務めているということで、私、この選出に当たっては私が参加しておりましたけれども、このドイツ、カンボジア、そして日本という三者がしっかりスクラムを組んで、この対人地雷禁止条約のより良い履行に努めていこうということで一致をしているところでございます。  特に、カンボジアというのは日本の対人地雷禁止条約の取組において非常に重要な舞台となってきております。カンボジアに関しましては、その紛争を停止する政治的なプロセスに日本は深く関与いたしまして、その後の、紛争停止後の平和構築、この中で非常に重要な役割を演じた、地雷の廃棄、地雷の除去というところに非常に日本は官民を挙げて大きな取組をしております。その中では、例えば重機のコマツが、新しい、面で対人地雷を除去するような技術を開発してくれるとか、そういったことも行われております。  それからまた、今、日本は非常にODAの分野で対人地雷に関して進めておりますことに、第三国、三国間協力というのがございます。これは、日本とカンボジア、そこでつくり上げたこれまでの知見とか実績を第三国にも共有していきたいということで、アンゴラですとか、あるいは今はウクライナ、そういった国々に第三国間、三国間の協力を進めるということをしておりまして、まさにこの日本とカンボジアで培ってきた地雷取組のモデル、これを世界的に広げていく、そういう非常に大きな良い機会になるのではないかと思っております。  議長になりますと非常に忙しくなりますので、私は本来自分でやるべきだったんではないかと思いますが、後任が快く受けて、非常に意気に感じてくれていることを非常にうれしく思っております。  取りあえず、私の方からは以上で冒頭の御説明に代えさせていただきたいと思います。

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) ありがとうございました。  では次に、岩本参考人にお願いいたします。岩本参考人。

岩本誠吾京都産業大学法学部客員教授・世界問題研究所長

○参考人(岩本誠吾君) 京都産業大学の岩本でございます。  国際法の中でも、国際人道法、従来の戦争法、戦時国際法を専攻しております。  本日は、LAWSに関する意見陳述の機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。  最後に対人地雷についても一言付け加えさせていただきます。大使とのお話とかぶる部分もあろうかと思いますが、国際人道法の観点から、お手元の資料に基づきまして報告させていただきます。  近年、人工知能、AIの研究開発は急速に進み、二〇四〇年から五〇年の間に人間と同等の汎用型人工知能、AGIが開発され、その三十年後には人間を凌駕するほどの超知能、スーパーインテリジェンスが出現すると言われております。最近では、十年前倒しとなっているとの研究者の発言もございます。  AIは、当然、民生用だけでなく軍事用にも活用されます。もっとも、AIの軍事利用の自律性全てが国際法的に問題となるわけではなく、問題となりますのは、兵器自体が標的を選定し、追尾し、攻撃するという戦闘用の完全自律型兵器です。  兵器に関する国際法は、武力紛争時の兵器使用の使用禁止に関する国際人道法と、平時に兵器の廃棄・削減、開発・生産・保有などの禁止に関する軍縮法があります。  国際人道法には、兵器自体に関する兵器法、例えば不必要な苦痛を与える兵器、無差別的な性格を有する兵器、環境を破壊する兵器を禁止する法原則があります。また、兵器は合法でもその使用によって違法行為となる標的化法、そこには、区別、比例、予防の法原則があります。お手元の資料の三ページの図一、二にありますように、無人兵器の中でも遠隔操作型の兵器や起動後に中止することができる半自律・監視型兵器は、人間の判断が介入するので、従来の兵器と同様に合法兵器となります。  他方、人間の判断、関与、制御なく機械が判断して攻撃する完全自律型兵器、特にLAWSは兵器法及び標的化法に違反するので禁止すべきではないかと、ジュネーブにおいて二〇一四年以降、CCW締約国会議の枠内でその規制について議論されてきました。しかし、この十年間、LAWSに関する指針原則以外に具体的な成果がなく、今日に至っております。  その主な原因として五つ考えられます。  第一に、十か国ほどのAI兵器開発国とそれ以外の非開発国の対立です。図三にありますように、兵器開発国は法規制に消極的であり、非開発国は法規制に積極的となります。消極派の中にも、追加的な法規制が不要と考える国と、まずは政治宣言や行動準則といった非法的な文書を作成しようとする国に区分されます。積極派も、兵器使用の人道法条約派と、兵器の研究開発を禁止しようとする軍縮条約派に分かれます。  第二に、非開発国は機械が区別原則や比例原則を適用できないから違法だと主張しますが、開発国は、状況により、例えば海域では区別原則や比例原則の適用は可能であると反論します。  第三に、自律型兵器の危険性から、人間の制御、ヒューマンコントロールや人間の関与の必要性は合意されていますが、その場面について意見対立があります。研究開発、生産、配備、訓練、戦場への投入、そして兵器の起動までのそれぞれの段階で人間の制御が働いているので十分であるとする考えと、兵器の起動後も誤作動や機能不全から意図しない行動や結果をもたらす場合には修正や中止させるために起動後も介入できなければならないとする考えが対立しております。  第四に、議論の中で国際人道法と軍縮法の混乱、混同があります。CCWはあくまで通常兵器の使用禁止、制限の国際人道法の枠の条約であるにもかかわらず、そこに兵器の開発、製造、配備の禁止といった軍縮法を盛り込もうとするから議論がまとまらないということになります。  第五に、CCWの手続規則はコンセンサス方式で、軍事大国も小国も同意が必要となります。そのため、成果物は望ましいことと可能なことの妥協となりますが、軍事大国が参加することで、一〇〇%は満足はないとしても、軍事大国も法的に拘束されることになります。  今後のLAWS規制の議論に対する教訓となる事例として、対人地雷規制とクラスター弾規制が挙げられます。対人地雷は、地雷使用の緩やかな法規制の、一九八〇年、CCW第二議定書、それと厳しい法規制となった一九九六年の改正地雷議定書は、使用の禁止、制限に関する人道法の枠内で合意されました。しかし、CCW枠内は前述したようにコンセンサス方式の手続規則のために完全禁止という一〇〇%の要求は実現できず、CC枠外の有志連合方式で完全に対人地雷を全廃するために一九九七年の対人地雷禁止条約という軍縮条約が策定されました。  このように、ホップ・ステップ・ジャンプ方式で二つの人道法条約の後に一つの軍縮条約が成立しました。軍事大国は今でも対人地雷禁止条約に加入していませんが、厳しい法規制の改正地雷議定書という法的受皿があるためにそれには加入しており、一定の法規制が軍事大国にも働いています。  他方、クラスター弾規制も当初CCW枠内で議論されていましたが、CCW枠内での合意、すなわち人道法条約の成立を待たずに途中で、CC枠外の有志連合方式でクラスター弾条約という軍縮条約が採択されました。クラスター弾条約に加入しない軍事大国は、法的受皿となる国際人道法条約がないために、慣習法の国際法原則を除き、無法状態のまま放置される結果となりました。  目的はあくまで軍事大国の法規制であって、軍縮条約は非常に重要な条約でありますが、条約であり、未加入の軍事大国に汚名化、スティグマタイゼーションの政治的効果はありますが、しかし、軍事大国が加入しなければその国には法規制が及びません。LAWS規制も、最終的には軍縮条約が望ましいとしても、まずは軍事大国の法的受皿を準備することが最重要課題であると思います。ましてや、現在は、人道法条約か軍縮条約かという法文書、いわゆる条約、これはハードローとよく言われますが、ハードローの議論に至る前の段階の政治宣言やベストプラクティス、行動準則といった非法的文書、いわゆるソフトローの議論ですらコンセンサスが成立していない状況です。  このような閉塞的な状況の中で、昨年は大きな動きが見られました。それは、CC枠内での議論だけでなく、国連総会という別の議論をする場、プラットフォームが新たに追加されたということです。  昨年の国連総会で、今年九月までにLAWSに関する各国の見解をまとめた報告書を事務総長に提出するよう要請するとともに、LAWSを今年度の国連総会の暫定議題として決定しました。今後、CCWが何も成果を上げなければ、多数派のAI非開発国により、核兵器禁止条約を成立させたようなプロセス、委任事項、マンデートとしてLAWSに関する条約交渉を進める総会決議を多数決で採択することも考えられます。この別のプラットフォームの存在は、存在意義を問うという意味でCCWに大きな刺激となります。  昨年のもう一つの変化は、LAWSというAI兵器規制だけの議論ではなく、AIの軍事利用の国際会議、二月の軍事領域での責任あるAIサミット、それに関連する米国提案のAI、自律性の責任ある軍事利用政治宣言が公表されました。AIの軍事利用は、迅速な状況認識や脅威評価、被害評価など、様々なところの意思決定支援システムで既に実施されています。AIの軍事利用に関するベストプラクティスや行動準則などのソフトローの策定が進んでおります。  さらに、LAWS議論は二〇一三年、一四年からですが、AI規制の議論は、資料の二十ページ、この水色の二十ページの表にありますように、二〇一九年から急速に進化してきました。特に、二〇二二年十一月末のチャットGPTのような生成AIが出現してから、昨年の広島プロセスといったように国際会議や各国において急速にAI規制が喫緊の課題となっております。  このレジュメの図五のように、AIの民間利用や軍事利用の法規制がLAWS規制と同時並行して議論されており、LAWS規制の議論もそれらの動きに大いに影響を受けております。AIの全体的な規制動向やAIの軍事利用のベストプラクティスに共通した合意事項、例えば人間中心主義、人的制御、リスクベースアプローチ、意図せざる結果の検知、回避機能や機能不全時の不活性化機能などの安全装置を参考にLAWS規制の在り方を考えることができます。  国連事務総長は度々、二〇二六年までにLAWSの禁止、制限に関する法文書作成を強く要求しております。CCW締約国会議も、政府専門家会議に、五年ごとに開催される二〇二六年の再検討会議に何らかの報告書を提出するように要請しております。この二〇二四年、二五年、二六年の三年間の間にCC枠内で何らかの成果を上げなければ、議論の中心が国連総会に移り、軍事大国を巻き込まない軍縮条約の議論になる可能性があります。そのために、人間の関与が及ばない完全自律型致死兵器を開発する意図がないと表明している日本は、CC枠内で重要な役割を果たすことができます。  日本の役割として六点挙げました。  第一の点は、CCWの議論の整理です。二一年頃から、LAWSの致死性、リーサルを外して、AWS、自律兵器システムが議論されるようになりましたが、対人殺傷用の自律型兵器を規制するのか、対物破壊用の自律型兵器までも規制しようとするのか、区別して議論をする必要があります。対人用と対物用では、区別原則や比例原則の適用において法的義務の差が存在すると思われます。それと、人道法と軍縮法を区別して、あくまで軍事大国も同意する人道法の枠内、兵器使用の禁止、制限で議論する必要があります。  第二点は、例えば包括的AI規制動向の中のリスクベースアプローチは、LAWS議論での人道法違反の自律兵器の禁止とそれ以外の合法的な自律兵器の規制という二層アプローチに通ずるものであり、包括的なAI規制やAIの軍事利用規制の動向を参考にする必要があります。  第三点は、中国もロシアもAI規制では人的制御に賛成であり、LAWS規制においても、中ロを含む、まずは政治宣言、行動準則といったソフトローの合意形成に注力すべきであると思います。  第四点は、CCW枠内でのコンセンサス形成の努力が必要であり、成果物なく途中でCCW枠外の有志連合方式、今回それが国連総会の場になるかもしれませんが、それを回避すべきだと思います。  第五点は、ソフトローからハードローへ、それも、まずは人道法条約を、その成立後に軍縮法へと議論を進めるべきであります。あくまで、法規制レベルが低く甘いとしても、軍事大国規制の法的受皿が最重要課題であります。  第六点は、最近のCCW議論の焦点が自律兵器の合法的使用に向けた具体的な条件設定に移りつつあるように思います。今後は、兵器の起動後も人間が介入できるような人的制御、機能不全の不活性化装置などのリスク軽減措置、昨年の政府専門家会議の報告書にも言及された自律兵器システムの標的タイプ、対人殺傷に限定するのか対物破壊も含むのか、運用の時間的期間、地理的範囲、使用回数、兵器の攻撃力の規模などが議論の対象となります。  運用期間の制限事例として、改正地雷議定書では、遠隔散布地雷は投射後三十日以内の自己破壊装置、百二十日以内の自己不活性化装置が義務付けられております。運用領域の制限事例として、CCW第三議定書での空中投下の焼夷兵器は人口密集地での使用が禁じられています。今後、具体的な、このような制限条項を考慮して自律兵器の使用の禁止、制限を詰めていく作業が必要となってきますので、日本はその議論をリードすることが求められております。  それでも、兵器、自律兵器自体が危険であり、禁止すべきと判断すれば、全面禁止の軍縮条約を国連総会で策定することも考えられます。いずれにせよ、LAWS規制はステップ・バイ・ステップ方式で進めるべきであると思います。  最後に、対人地雷に関して一言述べたいと思います。  この本資料の八十一ページの記事にありますように、ロシア・ウクライナ戦争において、対人地雷禁止条約未加入国であるロシアはウクライナに対して対人地雷を使用しております。他方、ウクライナは対人地雷禁止条約に関し加入しているために、対世的な義務として対人地雷は保有できません。ウクライナは条約当事国でありながら対人地雷の使用疑惑があるので調査する必要があり、もし保有し使用していれば条約違反となります。ここに対人地雷使用の非対称性が存在します。  第二次世界大戦前であれば、諸国家間の紛争で条約当事国でない国が存在すれば、条約当事国であってもその条約義務を履行しなくて済むという総加入条項がありました。しかし、今は総加入条項は条約に加入されることなく、挿入されることなく、対人地雷禁止条約当事国は非当事国との戦闘行為において不利な立場に置かれます。それを不利と考えれば、条約当事国は条約から脱退するかもしれません。  対人地雷禁止条約の当事国を増やすことも重要ではありますが、条約当事国が脱退しなくても済むように、核兵器の場合のように対人地雷禁止条約非当事国は条約当事国に対して対人地雷を使用しないと約束させる消極的安全保証、ネガティブ・セキュリティー・アシュアランスを検討することも必要ではないでしょうか。  日本は、対人地雷禁止条約及びクラスター弾条約の当事国でありますから、それらの条約非当事国との戦闘において非対称的な立場、不利な立場に置かれる可能性があります。事前にこの非対称性問題を検討しておく必要があると思います。  以上で御報告を終わらせていただきました。どうもありがとうございました。

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) ありがとうございました。  では次に、清水参考人にお願いいたします。清水参考人。

清水俊弘地雷廃絶日本キャンペーン代表理事

○参考人(清水俊弘君) 本日は、このような貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。  私自身は、実は山梨の韮崎市というところに自宅がありまして、この雪の予報があったんでどうしたものかと思いまして、月曜日のうちに東京の自宅に、東京の実家に移動しまして、今日この日まで待機しておりました。よろしくお願いいたします。  私自身は、この地雷廃絶日本キャンペーンというのは、日本の、ICBL、地雷禁止国際キャンペーン、ICBLの日本の構成団体の一つでありまして、私自身は、一九九二年、カンボジア駐在中にこのICBLのメンバーとなり、その後、九七年に帰国した際にこのジャパンキャンペーンを立ち上げ、今に至っております。  九七年といえば、日本がオタワ条約に署名した年でもありますが、その年には私自身も小渕外務大臣とお話をさせていただきまして、十二月の調印式に間に合うように日本も是非準備してほしいというお話をさせていただきました。  また、その後、二〇〇八年には、クラスター爆弾禁止条約の成立、そして日本の署名に際しては、今日いらっしゃる猪口先生、それから河野洋平先生に大変お世話になりまして、日本政府のオスロ条約署名にこぎ着けるというところで議員の皆さんにも大変御尽力いただいた記憶がまだ新しく残っています。  今日は、私自身はその市民社会の立場からオタワ条約のことを中心に現状と課題について述べさせていただきたいと思います。簡単なレジュメを用意いたしておりますので、そちらを御覧ください。  一九九七年にオタワ条約が成立し、そして九九年三月に発効してからはや四半世紀がたっております。この四半世紀の間の成果は、先ほど、前にお話しされたお二方からもあるとおりなんですが、現在の加盟国百六十四、これは実は二〇一七年にスリランカが加盟して以来増えていないという、まあ現状横ばい状態で、残りまだ三十三か国の加盟は待たれているところです。  その中で特に私たちが問題視しているのは、ロシアとミャンマーの使用、それから、今、岩本先生からもお話がありましたウクライナの使用あるいは使用疑惑に関する問題点であります。  この点に関して、昨年十一月に行われました締約国会議において、どの国もですね、一般論として、この条約第一条でうたっています、いかなる状況下でも地雷の使用、生産等は許されないということに関して触れつつも、ウクライナに対して具体的にその調査あるいはその現状の報告を求めることを明確に示した国はありませんでした。  私たちICBL全体の見解としましては、今、岩本先生おっしゃったこととはちょっと反する部分もあるかもしれませんけれども、やはり条約違反は違反として、ウクライナに対してもしっかりと報告と調査を求めるべきであると思っています。なぜならば、いかなる理由であれ、対人地雷を使うということは、その国の市民の命、そしてその後の復興の大きな障害になるということがもう明白であるからですね。特に、日本はウクライナの地雷除去、不発弾除去の支援を始めているということもありますので、今度の締約国会議においても議長の立場から一定程度の進言があってもいいんじゃないかというふうに私は考えます。  それから、そういったことが条約の規範力、つまり、条約に加盟していようが加盟していまいが、やっぱりその国際法でこの兵器は禁止されているんだということがやっぱりしっかりと根付いていくためにも、このいかなる状況下でもというところにより強いメッセージを向けてもいいんじゃないかというふうに思っています。  それから、生産能力を有する国は十二か国、その中でも今も生産を続けている国が幾つかありますが、やはりミャンマー、ロシアに関しては私たちも非常に大きな問題だと思っております。まあ、もちろんほかも問題なんですけれども。  犠牲者の数、九九年の発効当時に比べれば半分以下に減っているというふうには言えますが、やはり依然として相当な数のレベルの犠牲者がいて、そのうち民間人の割合はこれも依然として八〇%を超えているという状況にありますので、うち子供がやはりそのうちの半分を占めている。そういった意味でも、この地雷の使用による犠牲者を早くゼロにするという意味でも、より強い取組が必要かと思っております。  そんな意味で、国際協力の部分に関しましては結構高いレベルで、日本を含めて世界各国から毎年相当数、相当額の支援が届いているということは報告されております。特に、二〇二一年度よりも二〇二二年度は四七%増加をしていると。条約ができてから既に四半世紀ぐらいたっているのにまだこの支援レベルが増えるということは、これは相当いいことだと思いつつ、その増えた分の大半はウクライナに対する除去支援などの部分が多く占めているということを考えると、やはりウクライナ、もちろんロシアに対して地雷あるいはクラスター爆弾の使用に関してがっつりとやっぱり糾弾すべきだと思いますけれども、やはり同様にウクライナに対しても一言言う必要があるんじゃないかと、かように思っているところであります。  同じく国際協力の中の大きな課題として私たちが認識しているのは、犠牲者支援の部分です。この支援総額自体は合計七億ドルを超える大きな額になっておりますが、実はこの中で被害者支援に向けられている支援額は全体の五%にすぎません。ほとんどが地雷対策、地雷除去、探査、そういった対策の方に振り分けられてしまっていて、非常に少ないパイを地雷被災国の犠牲者たちの支援に分けざるを得ないと。で、そのうちの多くはアフガニスタン、シリア、イエメンといったようなやはりその国に限られていることもありまして、やはりバランスの良い配分、地域のバランスであったり、それから地雷対策と犠牲者支援のバランス、この辺に関してはこれはもうずうっと長い期間課題となっていることでもありますので、やはり、これは本当繰り返し繰り返し私たちも言っていることですが、このバランスの見直しは必須であろうというふうに思っております。  また、地雷の被害国の中でも特に都市レベルから地方遠隔地にやっぱりその支援が伸びるということも滞っておりまして、地方レベルで生存している地雷犠牲者に対する義足などの支援であったり、リハビリ、それから社会復帰に向けての様々な支援は相当遅れています。こういった事実もありまして、私たちも五年ほど前からミャンマーの地雷犠牲者に対する義足の提供、リハビリ、社会復帰の支援をやっておりますが、私たちにできることは相当限られていることでもありますので、やはり政府レベルに、の認識を新たにしていただいて、より地方レベルにアウトリーチできるだけのボリュームと認識を持っていただければというふうに思っています。  そういうことも踏まえまして、今年の十一月にカンボジアのシェムリアップで開催されます第五回運用検討会議についてですが、カンボジアで第五回目の運用検討会議が開かれるということ自体非常にシンボリックなことだと思っておりますけれども、その大事な会議に日本政府の、これは本当に大きなことだと思っています。そういった意味でも、ここで日本のやっぱりプレゼンスというものをよりしっかりと示していただきたいということもありまして、特にこの地雷対策支援以外の分野、もちろんその犠牲者支援ということも含めてやってほしいということ以外に、普遍化の部分あるいは条約のコンプライアンスなどでもより積極的な姿勢を示していただければと思っています。  繰り返しになりますが、ウクライナに対してもやはり厳しい態度で臨むべきだと思います。そして、ミャンマーは未加盟国でありますけれども、やはりオブザーバーとして参加してもらうなど事前の働きかけがあってもいいんじゃないかと思っています。  そして、二〇一四年でしたか、第三回の運用検討会議、モザンビークのマプートで開催されました。私自身も参加しましたけれども、そこで非常に記念すべき宣言として、二〇二五年までにこの問題を終わらせようという期限目標が掲げられました。この条約ができる前は一体この問題は何十年、何百年掛かるんだと言われていたことが、条約ができて本当に数十年の間に期限目標が掲げられるところまで来たということは非常に条約ができたことの大きな成果だというふうに思いますけれども、実際のところ、地雷除去のその作業工程から考えて、既に二〇二五年を超えた範囲で、二六年、二七年まで延長を申請している国もある中で、二〇二五年、つまり来年に全てを終えるということは現実的には不可能であろうというふうには思いますが、やっぱり一方で、やっぱりその目標ができるだけ、なし崩し的に、ただだらだらっと延びるのではなくて、やっぱりこの目標は目標としてありますよねということ、そして、じゃ、延ばすんだったらばどのぐらいなのかということをより強い形で、この期限目標を、二〇二五年と一度うたった期限目標をできるだけ肯定的なイメージで更新していただくような雰囲気づくりというのが求められているんじゃないかというふうにも思っています。  これに関連しまして、次のページ、二番目のアジアの地雷被災国、ミャンマーの現状についても少し報告させていただきます。  御承知のとおり、二〇二一年二月一日にクーデターが発生してから三年、私自身、昨年十二月にタイでミャンマーの現地NGOのメンバーと会いまして、特に地方レベルでの戦闘状況、それから地雷の犠牲者、国内避難民の状況、そういったことを聞いてきました。その報告につきましては事前にお配りした資料の中にも入れさせていただいておりますけれども、非常に若い人たちが、本来であれば、クーデターがなければ普通に学生をやっている、普通に勤めていたであろう学生たちが、戦闘に関わりながら非常に致命的なけがをしているという状況が今も増え続けています。  やっぱりこのミャンマー国軍の暴挙を一刻も早く止める必要があろうかと思いますが、ほかの国、欧米と日本も歩調を合わせて、やはりより厳しい制裁措置をとるべきではないかと。日本もやはり、新規のODAをやっていなくとも、過去に契約したODAは今続いているということ、それから、日本の企業が依然としてミャンマー国軍に利するような経済活動をしているというような現状もありますので、ここに関しては政府としてもより厳しい目で見ていただければと存じます。  その意味でも、日本は今ASEAN諸国とのいろいろ協調関係模索していると思いますけれども、やはりASEAN諸国と協調して、このミャンマー問題、一緒になって解決していくということ、これをオタワ条約の文脈の中でも幾らか実現できる部分があるんじゃないかというのが、先ほど申し上げましたとおり、運用検討会議あるいは締約国会議に、ミャンマー政府の代表団に対して、是非オブザーバーでいいから参加して議論しようよというような働きかけ、呼びかけがあってもいいんじゃないかというふうに思っております。  そして、今回、地雷の話を超えてしまいますけれども、私たちの認識では、同じく人道的軍縮条約の流れとして、クラスター爆弾禁止条約についても非常に大事なものだと思っておりますので、少しだけ付け加えさせていただきたいと思います。  クラスター爆弾禁止条約、オスロ条約は、二〇一〇年八月に発効して、現在十三年半がたったところになりますが、加盟国が百十二と、いま一つ伸び悩みがあるところです。昨年の夏に南スーダンが加盟して以降伸びていません。この辺では、日本も締約国の一つとしてオスロ条約の普遍化にもよりまた御尽力いただければというふうに思っています。  一点だけ大事なこととして申し上げたいのは、この条約の一条(c)項でうたっております一般的義務の、一条の一般的義務というのは、そもそもいかなる状況であってもクラスター爆弾を使用、生産等してはいけないということなんですが、その(c)項として、本条約において締約国に対して禁止されている活動を行うことにつき、いずれかの者に対して援助し、奨励し、又は勧誘することをしてはならないという中で、この中で私たちは、このクラスター爆弾製造企業に例えば日本の金融機関が投融資をするということもこれは当然禁止されるべき行為だなというふうに僕らは思っているんですが、外務省の担当の方とこの件に関してはずっと平行線をたどっております。現在、世界ではこういった解釈ができるという国は既に二十八か国ありますし、日本がその批准している条約のことでもありますので、是非より厳しい対応をお願いしたいと思っています。  そんな意味で、民間の金融機関は全てそういったことに対してはもう行わないという指針を二〇一七年に出しておりますが、残念なことに、年金積立金の運用管理独立行政法人、GPIFに関してはいまだにそういった指針を示していず、アメリカのクラスター爆弾製造企業、をしている会社、テキストロン社の株式を保有しております。  そういった意味でも、法改正までは必要ないかもしれませんが、GPIF自身がこうやってうたっているこの括弧内の文言がありますが、こういったそのうち活動原則の中でやっぱり一定の制約というものは考えるべきではないかということがあってもいいんじゃないかというふうに思っております。  あとの四番、五番にあることは今日のこととは直接関係ありませんが、この資料の中で、OSA、政府安全保障能力強化支援に対して私たちNGOが感じている懸念点に関しては、このお配りした資料の中に掲載させていただいております。日本政府が人間の安全保障というものを一つ大事にしていく中で、こういったことに関しても是非考えていただければと思います。  もう一つの、パレスチナ難民救済機関、UNRWAに対する資金停止の問題に関しても非常に私たちは懸念しておりますが、これに関しましては、一昨日、日本国際ボランティアセンターのメンバー等が深澤外務政務官に直接お会いしてこの声明をお渡ししておりますので、またそれに関してはまた別途お話しする機会があればと思います。  以上、私からの報告になります。ありがとうございました。

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) ありがとうございました。  以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。  まず、大会派順に各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。  なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。  また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくとともに、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますよう、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるよう御協力をお願いいたします。  質疑のある方は順次御発言願います。  岩本剛人君。

岩本剛人自由民主党

○岩本剛人君 済みません、ありがとうございます。自由民主党の岩本剛人と申します。どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。  大変、参議院のこの調査会でなければ聞けないいろんな御意見、御所見を伺いまして、本当にありがとうございます。また、参考人の先生方におかれましては、本当に日頃からこういったことについて研究をされていることに心からの敬意を申し上げたいと思います。  時間も十分ということなので、実は三人の先生方のいろんな資料を寝ずに読まさせていただきまして、いろんなことをいろいろ考えてきたんですけれども、時間がありませんので。  先ほど小笠原参考人の方から、冷戦が終わってということでいろいろお話がありました。そうした中で、このLAWSの関係ですけれども、実際はその実在しないという御説明があって、その実在しないものに対してルールを、国際ルールを作るのは非常に難しいと。CCWでいろんな議論がされているということは先ほど岩本参考人からもお話があったんですけれども、この世界的な安全保障がいろんな形で大きく変化をしてきている中で、その実在しない国際ルール、これから、先ほど岩本参考人の話だと、生成AIを含めて将来的には様々な実戦配備がされてくるだろうという可能性は十分考えられるというお話がありました。  そうした中で、自分は、個人的な見解として、国会におりますので、じゃ、対人地雷もそうでありますけれども、この我々の安全保障を考えた中で、その国会として、今日いろんなお話をお伺いしました、そうした中で、じゃ国会としてどういう議論が必要なのか、予算が必要なのか、活動が必要なのか。それぞれ三人の参考人の方々から、国会に対して、こういう活動をすることによって国際協力に及ぶというような、先ほど市川とみ子さんのお話も出ていたんですけれども、その点について、要望ではないんですけれども、御意見があればそれぞれお伺いをさせていただければ有り難いなと思います。

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) それでは、小笠原参考人からどうですか。

小笠原一郎前軍縮会議日本政府代表部特命全権大使

○参考人(小笠原一郎君) 御質問どうもありがとうございます。  今、岩本先生の方からの御質問は、LAWSとそれから地雷、それぞれについての国会の演じる役割というふうに理解いたしました。  まず、LAWSについては、今なかなか国際的な規制が国際約束の形で実現していないという中で、我々、特に日本なんかは、アメリカ等と一緒に国際的に強く言っているのは、一定の共通の認識、国際的に醸成した共通の認識に基づいて、各国がそれぞれ自分の国の中でしっかりとそういったLAWSに対する規制を行っていくべきだというところが重要でございます。  そのためには、いろいろな国会をお煩わしするような立法プロセスが必要なのかどうかは分かりませんが、そういった国内的な基盤をしっかりつくっておくことが必要。そして、日本も、これはもう防衛省さんがなさっておられると思いますけれども、関係の諸法律を、また交戦法規、ごめんなさい、ルール・オブ・エンゲージメント等の中でしっかりとそういった規律を行っていらっしゃると思いますけれども、それを対外的に説明できるようにいつでもしておくということが非常に重要なので、この部分は今のいろんな形で国際的にも議論は広がってきておりますので、日本はどうしているんだというふうに聞かれたときにきちんと答えられるようにしておくということが非常に重要ではないかと思います。  それから、地雷につきましては、これまでも日本は主要のドナー国として実績を積んでまいりましたけれども、実はODAの枠組みの中では、その相手の軍隊に対して直接支援するということにいまだに一定の制約があるのではないかと思います。  この対人地雷を除去するという場合、現地で活躍していらっしゃる方々、やっぱり軍隊は出ていらっしゃるというようなこともございますので、そこの運用をどのように柔軟にしていくか。先ほど、ODAの次のものというか、新しくできたOSAの話もございましたけれども、多分、その両方のはざまに陥りかねない種類の対人地雷の分野での協力というものもあろうかと思います。そういった制度設計については、国会の方でもお心配りいただければいいのかなというふうに考えます。

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) では、岩本参考人、どうぞ。

岩本誠吾京都産業大学法学部客員教授・世界問題研究所長

○参考人(岩本誠吾君) どうも質問ありがとうございます。  私が考えるのは、まずその国内において条約に至るまでの考え方を理解してもらうというか、国民によく分かってもらう。そのためには、例えば、原則についてはここまで合意した、その次が政治宣言とか、その次にはベストプラクティスを作るとか、その次の段階として法律の議論をするということで、同時並行、科学技術の進歩とともに同時並行して、国会でもそのような議論をしていって固めていく。  例えばアメリカは、倫理原則って、AIの倫理原則、大まかな倫理原則を作った後に、軍事利用の倫理原則、それからAIの軍事利用に関する政治宣言と、ホップ・ステップ・ジャンプ方式で固めていくと。それも、議会の中でそういった議論を固めていって、日本が最終的にどのような方策を取るのか、条約はどうあるべきなのかという、そういった条約になる前の議論をしっかりしていただければ、例えば外務省にしても防衛省にしても行動しやすくなるといいますか、そういう意味では、まずその国民全体に対してとか各官庁に対しても原則から固めていく。  日本は、二〇一九年に人間中心主義のAI利用について原則宣言を作ってから、その後に広島プロセスというような形になっていったので、少しずつそういった議論を深めていっていただければと思います。  以上です。

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) それでは、清水参考人、お願いします。

清水俊弘地雷廃絶日本キャンペーン代表理事

○参考人(清水俊弘君) 私から申し上げたいことは、オタワ条約、オスロ条約のときの経験からも、できれば政治主導で、政治決断でやっていただくというのがやっぱり一番早道だというような気もしております。  特に、議員の皆さんには、まさにこのような勉強会も非常に大事だと思いますし、それから、できれば是非超党派でそういう例えばLAWSならLAWSを考える議員連盟とかやっぱりつくっていただいて、広範囲な情報を持つ市民社会のグループと是非対話を続けていただければと思います。

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) ありがとうございます。

岩本剛人自由民主党

○岩本剛人君 ありがとうございます。  もうほぼ時間がないのでもうあれですけれども、大変有り難いお話をいただきましたので、広島プロセスもありますけれども、やっぱり今、生成AIの関係で今国際ルールを何とかという形になってきておりますので、ただ一方では、次世代半導体ですとか様々な可能性のことを疑われるような議論もあるのも承知をしておりますので、そういった点につきまして、今日参考人から貴重な御意見を賜りましたので、これからの国会議論の中で生かしていきたいというふうに思いますので、また機会がありましたら是非御指導のほどよろしくお願い申し上げたいと思います。  自分からは以上です。ありがとうございました。

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) それでは、続きまして、大椿ゆうこ君。

大椿ゆうこ立憲民主・社民

○大椿ゆうこ君 ありがとうございます。立憲・社民会派、社民党の大椿ゆうこです。  参考人の皆さん、本日は貴重な御意見を本当にありがとうございました。  私は、武力で平和はつくれない、人道的な兵器などは存在しないと考えてはいますが、国際人道法と軍備管理体制の強化を願う立場から参考人の皆さんに質問をさせていただきます。  時間が限られておりますが、一応お一人ずつ三問の質問を考えてまいりました。  まず、岩本参考人にお尋ねします。  昨年から続くイスラエルによるガザへの軍事侵攻は終わりの見えない状況です。死者は二万五千人を超えたと言われ、その多くが女性と子供であり、死者数の数も過去に類を見ないほどの速さで増えていっていると言われています。  イスラエルのガザ侵攻攻撃で、AIシステムによって攻撃目標が自動的に設定されていることが民間人の死者が極端に多い背景にあるとの報道も聞きました。AIが次々と標的を提示して、ハマスの報復を際立たせるために意図的に巻き添え被害の許容件数も多く設定されているため、民間人の被害が従来の戦闘時より極端に多くなってしまっているという指摘もあります。  国際的なルールを作るよりも前に現実は既に進んでしまっているのではないか、ガザの現状はAI活用の未来を既に表しているような現状ではないかなというふうに感じるんですけれども、岩本参考人といたしましては、これを、この現状をどうお受け止めになっているか、御所見をいただければと思います。

岩本誠吾京都産業大学法学部客員教授・世界問題研究所長

○参考人(岩本誠吾君) どうも質問ありがとうございます。  実際、そのガザ地区でどこまでAIが標的を選定して、追尾して、攻撃しているのかって、ちょっと事実関係は把握しておりませんので、ただ、今現在AIは、例えばその情報を、ビッグデータを処理して、より効率的な指揮命令系統に反映するような瞬時の判断を指揮官にサポートするような幕僚的なシステムは存在します。ウクライナでも、ゴッサムシステムといって、情報を集めて、それを瞬時に一番いい、効率的な部隊に対して命令をするという、そういったAIは実際に存在します。  ただ、そのガザ地区でAIが自律的にやっているかどうかちょっと分かりませんが、ガザ地区での問題は、人口密集地における爆発性兵器の規制問題だと思います。  エクスプローシブ・ウエポン・イン・ポピュレーテッド・エリアという、これが二〇二二年に政治宣言として、法的義務ではないんですけれども、人口密集地においては爆発性兵器は使用しないでおこうというようなソフトローができております。今後、ウクライナにしてもガザにしても、民間人が殺傷が増えていると、それは単に兵器規制だけではなくて、それを包括的に規制するような、今現在ではソフトローですけれども、人口密集地における爆発性兵器に関する政治宣言のようなものを増やしていく。日本もそれには賛同してサインしているんですけれども、今八十一か国ぐらい入っていると思うんですけれども、そういったものを広げていく、そして最終的には条約化するというようなことも将来考えていいんではないかというふうに思っております。  以上です。

大椿ゆうこ立憲民主・社民

○大椿ゆうこ君 どうもありがとうございます。具体的な方向性を示していただき、ありがとうございます。  引き続きまして、小笠原参考人にお伺いをいたします。  調査参考資料五十五ページ、外務省の資料には、人間の関与が及ばない完全自律型の致死性を有する兵器は開発する意図はないと日本の政府の基本的な考えを明言しておりますし、今日も小笠原参考人からその部分説明がございました。  一方、二〇二二年十二月のいわゆる安保三文書の一つに、国家防衛戦略四章三では、無人アセット防衛能力として、この無人アセットをAIや有人装備と組み合わせることにより、部隊の構造や戦い方を根本的に一変させるゲームチェンジャーとなり得ることから、空中、水上、水中等での非対称的な優勢を獲得することが可能として、無人アセットを戦闘支援等の幅広い任務に効果的に活用するなどの明記をしています。  日本政府が目指す無人アセットとは、LAWSとどう違うのか、同じではないのか違うのか、その辺りの御所見をお伺いいたします。よろしくお願いします。

小笠原一郎前軍縮会議日本政府代表部特命全権大使

○参考人(小笠原一郎君) ありがとうございます。  無人アセットとそれからLAWSとの関係でございますけれども、無人アセットの全てが自律性を、LAWSの議論で行われているような高い自律性を備えているかどうかというのは分かりません。ほとんどの場合は備えていないと思います。  無人アセットの場合の多くのものは遠隔操作、遠隔操作によって行われていますので、この場合、遠隔でも人間がそれをコントロールしていれば、これはLAWSで議論しているような自律性のある兵器というふうには考えられておりません。LAWSの議論におきましては、兵器の判断ですとかコントロール、これを人間と機械の間に、まあゼロサムの考え方で考えておりますけれども、その無人アセット、遠隔でも操作をしていれば、先ほど申し上げましたように、決して、我々が先ほど述べたところの決して開発するつもりはないという完全自律型のLAWSというものとは全く異なるものだというふうに理解します。

大椿ゆうこ立憲民主・社民

○大椿ゆうこ君 御見解をお聞かせいただき、どうもありがとうございます。  最後の質問にしたいと思います。  地雷廃絶に向けて取り組んでこられた清水参考人にお尋ねします。  昨日、カンボジアのキャンドルライト党という野党の方がですね、と会談をさせていただいたときも、日本が長年にわたってこの地雷除去に関し支援をしてきたことに関して感謝の言葉をいただいたところです。  核兵器のような巨大な破壊力を持つものではなくても、先ほどお話にありましたクラスター爆弾や紛争後に人を傷つけるおそれのある対人地雷は非人道的兵器とされています。人間の意図を離れて人間を殺す、殺傷する危険性が伴う、そういう可能性を持つLAWSは、国際人道法上の敵対行為に対する四つの原則、区別、予防、均衡性、軍事的必要性を満たすことはできず、非人道的兵器となり得ると考えられますが、長年地雷除去の活動に携わってこられたお立場から、こういった今の流れに対してどのような御意見をお持ちか、お聞かせいただけますでしょうか。よろしくお願いします。

清水俊弘地雷廃絶日本キャンペーン代表理事

○参考人(清水俊弘君) 端的に申し上げまして、やはりこのような兵器が使われれば必ず市民の犠牲は避けられないというふうに思いますので、これはこれまでの無差別兵器同様に、そのAI兵器が無差別、そんなに無差別ではないという議論もあるかもしれませんけれども、やはりそういったことは確約、もちろんできることではありませんので、そういったものが実戦配備され犠牲が出る前にやっぱり止めるべきだと思いますし、そういう予防的措置の文化を築いていくべきではないかというふうに考えます。

大椿ゆうこ立憲民主・社民

○大椿ゆうこ君 三人の参考人の皆さん、御意見を聞かせていただきまして、ありがとうございます。  冒頭に述べましたように、武力で平和はつくれない、これ私たちの立場でもございます。皆さんの御意見を参考にしながら、非常にこれから、どのように、急激に発展していく分野かと思いますけれども、国会の中でも皆さんの御意見参考にして議論を進めていく努力をしたいと思います。  どうもありがとうございます。

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) それでは、新妻秀規君。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 三人の参考人の先生方、ありがとうございました。  まず、小笠原参考人にお伺いをしたいと思います。  先ほどの小笠原先生の話の中で、技術の急速な進歩の中、議論がこのままでよいのかという問題意識が提示されました。  そこで、まさにこの急速な技術の進歩の中で、どのような技術の進歩を特に問題視されていらっしゃるのか、また、どのような点に留意をして今後議論を深めなくてはいけないとお思いなのか、以上二点についてお伺いしたいと思います。

小笠原一郎前軍縮会議日本政府代表部特命全権大使

○参考人(小笠原一郎君) ありがとうございます。  私が先ほど申し上げました、これまでのCCWの下での政府専門家会議におけるLAWSに関する十年余りの議論、この蓄積の上に議論が積み重ねられてきておりますけれども、それでは新しいなかなか技術の進展に追い付かないのではないかという御指摘に関する質問だったという、指摘に関する御質問だと思います。  私、生成AI、これの軍事利用というのは、非常に今まで私どもが、私どもというか、この政府専門家会合の中で議論されていたものとは超える、大きな軍事利用の可能性を秘めているのではないかと思います。  例えば、これ全く私の素人の考えでございますけれども、今までは自律性を、一定の機能を持った兵器がこれを、民間人あるいは戦闘員に対して危害を加えるという場面を想定していたんですけれども、生成AIには、例えばその作戦オペレーション、作戦に関する計画そのものを生成AIに頼んで作ってもらうというようなことは今後可能になってくるのではないかと。そういったもっと大きな、現場における兵器としての自律性ではなくて、もっと高次元の指揮命令系統の中での一定のより大きな判断、こういったものが生成AIによって取って代わられる、このことの危険性というものがあろうかと思います。  こういうことは、だんだん議論が様々な形で、今までの私どもの兵器に特化した議論ではなくて、広くAIの軍事利用というところについて議論が開始されております。  特に注目されるのは、グテーレス事務総長が昨年出された平和への課題という文書の中で、新しいAIガバナンスのための国際機関をつくるのだと、そのためにはIAEAとかこれまでの国際機関を例に考えるべきではないかという提言をしておられます。それを受けて、昨年、三十人ほどから成るパネルがつくられて、その中でまたこういったことも議論されております。若干、当初のグテーレス事務総長の問題意識から離れて、いかにしてむしろAI技術の利益に均てんしていくのかといったことを、途上国に対する環境をつくっていくべきではないかといったようなところに議論が広がっておりますけれども、だんだんそういったことにも今議論が広がりつつあるということ。  それから、もちろん設計とか開発の部分においても我々議論しておりますけれども、先ほど大椿先生から御指摘のあった報道にもありますように、一定のバイアスが掛かっていくということ、それからもう一つは、生成AIによって偽情報を発出して、それによって戦争をめぐる情勢を変えていくという、こういう偽情報の問題、バイアスの問題、こういった広い、兵器、狭い意味での兵器を超えた、広い軍事オペレーションの中での生成AIが今後演じる役割というものは注目していかなければいけないのかなと思っております。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 ありがとうございます。  続きまして、岩本参考人にお伺いをしたいと思います。  先ほどは、岩本剛人先生からの質問の中で、国会はどのような議論をしていったらいいのか、こういう問題提起がありました。  先生のレジュメのこの一ページ目の下の方ですね、特定通常兵器条約の枠内でのLAWS規制議論の経緯とありますけれども、やはり市民社会からすると、やはり言葉が結構難しかったり、専門家の間で交わされている議論というのはなかなかこの市民社会には伝わりにくいのかなという、そんなような感じもいたします。  気候変動の問題に関しましては、例えば、グレタさんが分かりやすい運動を展開して、多くの市民がこれは大変なことになったぞということで、こうした活動がある意味こうした専門家の議論にも火を付けるような、そういう側面もあったかと思うんですけれども、こうした市民社会にこうしたこの問題を、関心を呼び起こして、そして分かりやすくこうした方々に議論の材料を提供するためにどのような工夫が求められるのか、岩本先生の御見解をお伺いをしたいと思います。

岩本誠吾京都産業大学法学部客員教授・世界問題研究所長

○参考人(岩本誠吾君) 御質問ありがとうございます。  具体的な話はなかなか今すぐ思い付かないんですけれども、ただ、今現在、AIが身近なものとなっていると。例えば、自動走行車両にしても、空飛ぶタクシー、車だとか、様々な面でAIが民生利用されていると。その延長上に軍事利用があり、その延長上に兵器利用があるということで、我々が、例えば、これから買物をするためにロボットが使われるようになる、それが戦場では偵察用のロボット犬になると。そういうことからすると、我々の、AIの民間利用における様々な場面を通して、これが民間であるけれどもそのまま軍事転用ができるんじゃないか、そして兵器転用ができるんじゃないかというような、まあ連想ゲームですけれども、そういったものから身近に感じていただけるようになるんじゃないかなと。  だから、自動車もそうなんですけれども、民間で走る自動車は普通の商業自動車でありますけれども、それが戦場であれば軍用車になると。それと同じように、様々なAIも様々な場面で、民間だけではなくて、そのまま軍民両用ということで、デュアルユースということで、そういったことを考えていただければ、より具体的な身近な問題として民生用も軍事用も兵器用も考えられるんじゃないかなというふうに思います。  以上です。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 ありがとうございます。  最後に、清水参考人にお伺いしたいと思います。  先生の資料の一ページ目の中よりちょっと下のところに、被害者支援に向けられたその支援額が、地雷対策支援総額の僅か五%が被害者支援ですという問題提起がされております。さらに、その少し下のところに、この犠牲者支援の課題として、バランスの良い配分、地雷対策と犠牲者支援、地域バランス、あと地方の遠隔地へのアウトリーチ、こうした論点も示されています。  これについてもう少し詳しく教えていただきたいのと、あと、日本の役割として、先ほども大椿先生からもお話がありましたけれども、この地雷除去の技術というところは一目置かれているような側面もあろうかなというふうに思います。こうした犠牲者を出さないために、我々としてこういう貢献ができるというようなことがあれば是非とも教えていただきたいと思います。

清水俊弘地雷廃絶日本キャンペーン代表理事

○参考人(清水俊弘君) 今の二番目のお話から言いますと、有名なのは、日本の日建さんですか、造っている、重機を改造した地雷除去機の話もありますけれども、あのような高額なハードのものに偏りがちな気がしています。  もちろんあれはあれで現場で使えないものではなくて、もちろん利用はされていますけれども、そういった高額のもの、ハードを中心にだけ割と傾注している気もします、傾向があると思いますので、やっぱりそういったものも含めて、もう少しバランスよく、他の地雷除去はもう少し手作業でやる部分も多いですので、様々な地雷対策に配分するということも必要でしょうし、それから、犠牲者支援に関しましては、やはりその地方になかなか届かない、それはその支援を受ける国の仕組みの問題ということもありますけれども、そういった、今、国家プログラムというのを、どの国も地雷の被災数の多い国はそういったものを作る、今カンボジアなんかはそういうのができていますけれども、そういった国も含めて、そういう国家プログラムを作っていく、形成していく中で、また、そういったものを促す形でこういった支援がうまく活用されるということがいいんじゃないかなというふうに思います。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 ありがとうございました。以上で終わります。

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) それでは、串田誠一君。

串田誠一日本維新の会・教育無償化を実現する会

○串田誠一君 日本維新の会の串田誠一でございます。今日はどうもありがとうございます。  この自律型致死兵器システムという問題、六年前に文科省の委員会で質疑をさせていただいたことがございました。当時、林大臣でございまして、大変ロボットに詳しくて、ロボット三原則の御紹介をいただいたところでございますけれども、私自身の、まあ国際的に議論をされていたんですが、私としては、映画で有名な「ターミネーター」とかウィル・スミスの「アイ,ロボット」、非常に怖いなという思いをいたしまして、文科省に、その科学的な部門でそういったものを製造することに対して何らかの規制が必要ではないかと、そういう趣旨で質問させていただいたんですが、先生の方のこの資料にもLAWSの国際的な定義は定まっていないということなんですが、これはどのような問題があってまだ定義ができていないんでしょうか。小笠原参考人、お願いいたします。

小笠原一郎前軍縮会議日本政府代表部特命全権大使

○参考人(小笠原一郎君) ありがとうございます。  LAWSの定義に関しましては、一つ大きな考え方としまして、その自律性を備えた兵器の自律の程度、これが完全に自律型のものに関してはこれは禁止しようという一つの考え方がございまして、これは多くの国、フランスですとかあるいはドイツといったもの、国々が提案をしている中にも含まれております。したがって、その自律の程度によって定義をするというアプローチ、もう一つは、実は自律の程度だけでは定義しづらいのではないかというふうに考えている国々もおりまして、例えば、これアメリカ、日本もそれに近い部分がございますけれども、むしろ国際人道法の遵守可能性、可能性の程度いかんによって、その定義を、カテゴリーを決めていこうという考え方もございます。  ただ、いずれの国も完全自律型の兵器システムを開発するつもりは自分のところはございませんとほぼ全ての国が言っていますので、何らかの、今先生が御指摘になったキラーロボットですとか、あるいは「アイ,ロボット」に出てくるようなああいう状況を現出するような恐ろしい兵器を造ることは考えていないという一般的な私はコンセンサスはあると思います。ただ、それをどういうふうに定義をしていくのかというのが、今申し上げたような幾つかの流れがございまして、なかなか議論がまとまっていないというところでございます。

串田誠一日本維新の会・教育無償化を実現する会

○串田誠一君 岩本参考人に、今の小笠原参考人の御答弁の続きなんですが、「アイ,ロボット」も出てきたんですけど、「アイ,ロボット」は、映画を見ていただくと分かるんですが、人間のために働いているんですね。ところが、だから人間のコントロールが及んでいるんですけど、ある一時、ある一点で急に謀反を起こす映画なんですよ。AIがどんどん進んでいくことによって、ロボットが人間のコントロール下でありながらいつしか自律していくんではないかという映画だったと思うんですけど、科学が発展していくと、そのロボット自身が最善の方法を選択するようなシステムが続くことによって、ついには人間のコントロールを遮断していくということもあり得るのではないかという危惧を私は思うんですが、岩本参考人、その点はいかがでしょうか。

岩本誠吾京都産業大学法学部客員教授・世界問題研究所長

○参考人(岩本誠吾君) 御質問ありがとうございます。  先ほど最初に御説明しましたように、テクニカルシンギュラリティー、技術的特異点、人間と人工知能が同じになる地点が大体四〇年から五〇年の間、二〇四五年ぐらいと言われておりまして、それ以上になりますと、あと三十年ぐらいたつと、スーパーインテリジェンス、超機能ということで、超知能ということで、人間をだましてしまう、人間の情に訴えて、例えば、ロボットであれば切るスイッチというのを付ける必要があると思うんですけれども、切るスイッチを押さないようにさせるとか、そういう意味で人間を凌駕するようなものが出てくるというその予測があります。  最近のコンピューターの科学者たちは、そういった超知能というものの出現も、十年前倒しということですから、二〇七〇年の十年前、二〇六〇年ぐらいにはそういった人間を凌駕してしまうような人工知能ができるであろう、だからその前に、人間が支配される前に人間を、あっ、人間が支配される前にAIを支配しようと、それがヒューマン・セントリック・アプローチって、人間中心主義と、それを今の段階でつくろうということで、私も、人間を凌駕するような人工知能ができるんではないかというふうに、先生と同じような考えです。  以上です。

串田誠一日本維新の会・教育無償化を実現する会

○串田誠一君 小笠原参考人に同じような質問なんですが、私、将棋が大好きで将棋議連にも入っているんですけれど、まさかコンピューターが人間を超えるとは思わなかったのがあっという間にもう超えてしまっている状況ですけれど、人間を凌駕するようなAIが作られるときにそれを抑えることというのが人間にできると小笠原参考人はお思いでしょうか。

小笠原一郎前軍縮会議日本政府代表部特命全権大使

○参考人(小笠原一郎君) ありがとうございます。  まさに今、そこの部分がこのLAWSの議論の中でも一番重要な部分の一つとなっておりまして、このLAWSの、先ほど申しましたけれども、自律の程度というものが非常に重要だというふうに申し上げましたが、特にその中でもマシンラーニング、機械が自分で考えてしまう、特に機械が自分で考えて、自分に与えられたマンデートというか命令を自分で書き換えてしまう、これが非常に恐ろしいと。そういう状況になったらば、本当に機械がその軍事利用されている場合に指揮、軍隊の指揮命令系統から逸脱してしまうと、そういうおそれが出てくると。そういったものはしたがって設計すべきでもないし、開発の、マシンラーニングを備えたような高い自律性を備えたものについては一定の規制を考えるべきであるという多くの意見がございます。  それに対してどういうふうに対応していくかという手段なんですけれども、まず禁止、制限規範をしっかり作るということだと思いますが、その内容としては、例えばディアクティベート、そのスイッチをオフにしたりオンにしたりして、予想可能が、予想できないような行動に出た場合にそれを人間がスイッチをオフにできるとかですね、あるいは、そういった予想可能性のない行動に出ることを妨げるために、その自律性の機械を、兵器を使う時間的なフレームワークあるいは場所的なフレームワーク、そういったものをしっかりあらかじめ限定してその中でだけ動かすのだといった、こういった考え方、文脈的なコントロールをあらかじめ及ぼしておくという、こういった考え方、こういったことで対処をすべきではないかという考え方が議論の中で出てきております。

串田誠一日本維新の会・教育無償化を実現する会

○串田誠一君 ありがとうございます。  次に、清水参考人にお聞きしたいんですが、先ほど、オタワ条約でいかなる状況でも対人地雷は使用しないというのは非常にそのとおりかなと思うんですけど、今、ロシアとウクライナのときに、大国がその条約に入っていなくて、小国だけが条約に入って、そしてその小国が大国が利用しているのも利用してはいけないというのは、いかなるというところで分からなくはないんですけれど、何かすごく、何か平等ではないなというちょっと感じもするんですけれども、じゃ、使っていいかというのとはまた違うとは思うんですが、このいかなるという文言を入れるときに、そういう大戦が起きて、その条約に加入していない大国が使用したときにもこのいかなるというものになるんだということを、条約、その作成時において議論がなされていたものなんでしょうか。

清水俊弘地雷廃絶日本キャンペーン代表理事

○参考人(清水俊弘君) そこに関しては、私自身、記憶に定かではないので正確なお答えはできないんですけれども、やっぱり、その地雷の使用に関しては、例えば、今のロシアとウクライナの状況を、じゃ、もうこういうときはしようがないよねという形で、もし締約国というか、このオタワ条約の締約国がそういう状況を認めていくような形になっていくと、やっぱりそもそも条約の持つ規範力の弱体化につながるということと、例えば、じゃ、イスラエルとパレスチナの問題を考えても、パレスチナは加盟国、イスラエルは未加盟国と、こういう、まあパレスチナは国、まだ国ではないですけれども一応批准しているんですけれども、じゃ、イスラエルは使う、でもパレスチナには使うな、ハマスには使うなというようなまた同じような話が出るとしたときに、やっぱりそのときには、やっぱり大事なことは、その加盟国には自制を促しながら、やっぱり利用している国に対してもっと大きな声を上げていくということが大事だと思っていまして、その辺に関して、やっぱりオタワ条約に加盟している国がやっぱりもっと一丸となって、例えばロシアなりに対してしっかりとこの件、声を上げていくべきではないかということは二年前から思っていると、感じているところではあります。

串田誠一日本維新の会・教育無償化を実現する会

○串田誠一君 大変参考になりました。どうもありがとうございました。

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) それでは、浜口誠君。

浜口誠国民民主党・新緑風会

○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。  今日は、三人の参考人の皆様、ありがとうございました。いろんな、LAWSについて、あるいは対人地雷の条約の履行状況についてお話しいただきました。ありがとうございました。  まず最初に、小笠原参考人にお伺いしたいと思います。  今日配付された資料の中に、LAWSの規制に関する各国の立場という資料がございます。この資料を拝見しますと、中国の立ち位置が結構微妙というか、文書規制に対して積極派の辺りに位置しているんですけれども、中国としてこういう立ち位置を取っている理由とか背景、この辺りを解説をしていただければというふうに思います。

小笠原一郎前軍縮会議日本政府代表部特命全権大使

○参考人(小笠原一郎君) 中国の立場に関する御質問でございますが、これ非常に独特のものがございまして、実はこの一元的な右から左に広がるスペクトラムの中できちんと位置付けること、必ずしもできないような立場であります。  中国は中国の独自のLAWSに関する提案をしていまして、実は中国自身、非常に高い自律性兵器の能力を持っていると言われています。したがって、この持っている者と持っていない国々との間の綱引きでは、どちらかというと持っている国の立場に立っておかしくないというふうに考えられるんですが、中国は元々途上国の代表ということで外交場裏では振る舞ってきているということもございまして、非常にプレゼンテーションはそういったところにも配慮をした形になっています。  中国の提案というのは非常に厳密に、その禁止すべきLAWS、彼らは受け入れられるものと受け入れられないものということで二分しようとしていますけれども、その受け入れられないLAWSを非常に厳しい六つの指標を作って、条件を付して限定しようと。その中には、致死性、殺人兵器でなければならない、それから自律性、ごめんなさい、エボルブですから、自分で考えてだんだん発展するような能力を含めた自律、高い自律能力を持っていなければいけない、それからさらに、無差別性、その攻撃するやり方が文民あるいは戦闘員の区別なく無差別にそもそも攻撃するような性格のもの、こういったものは受け入れられないことにしようという、非常に、禁止される、受け入れられないLAWSの範囲を厳しく限定することによってそれを禁止していこうと。法的に拘束力のある文書であってもそれは差し支えないと、かなりそこの部分については柔軟性を示していると、こういうのが中国の立場でございます。

浜口誠国民民主党・新緑風会

○浜口誠君 ありがとうございました。大変理解が深まりました。ありがとうございます。  では、続きまして、岩本参考人にお伺いしたいと思います。  参考人の最初のお話の中で、日本の役割ということで何点か挙げていただいていますけれども、その中で最重要課題として、ソフトローからハードローへの見直しというのをしっかりやるべきだというような御指摘がございました。重要な点だというふうに改めてお話聞いて受け止めましたけれども、具体的に日本政府としてどのような行動を取ればこういったソフトローからハードローへの流れをつくることができるのか、政府としての行動という面で何か御示唆であったり御提言があったらお願いをしたいなというふうに思います。

岩本誠吾京都産業大学法学部客員教授・世界問題研究所長

○参考人(岩本誠吾君) CCWでも、日本は、アメリカと一緒に条文案というか、その条約の手前の、こういった条項を入れるべきだという案文を提出しているんですね。それがまだ、その条約というか、その法形式なのかどうかは別にして、そういった具体的な内容の詰めの作業をしていると。それを、例えばほかの国に対して賛同国を増やして、それをソフトローという、政治宣言の方に持っていって、最終的には、それをハードロー、法律の方に持っていくと。  例えば、今アメリカがAIの責任ある利用に関する政治宣言というのを作りまして、これはCCW枠外ですけれども、そこで作って、その賛同国を増やしていって、それが最終的にはソフトローからハードローに行くということで、日本もCCW枠内において、まずはそのコンセンサス、ロシアも中国も参加するようなコンセンサスを目指す条文案といいますか、そういった具体的な条文案を出していって賛同国を増やすと。その場合に、一〇〇%の基準でいうと不十分かも分からないんですけれども、大国がのめるようなものを作っていくという作業を詰めていくべきではないかと思います。

浜口誠国民民主党・新緑風会

○浜口誠君 ありがとうございます。ありがとうございました。  では、続きまして、清水参考人にお伺いしたいと思います。  清水参考人から、クラスター爆弾の禁止条約の件についてもお話ございました。その中で、クラスター爆弾製造企業への投融資の問題ということで具体的な御指摘ありましたが、民間企業は、日本においては民間銀行は投資していないけれども、GPIF、日本政府の方が消極的だというお話ございましたが、今までずっと日本政府と向き合ってきて、どういう立ち位置、どういう考え方で政府側はこういった投融資に関し否定的なのか、その辺りの状況についてもう少し詳しく教えていただけますでしょうか。

清水俊弘地雷廃絶日本キャンペーン代表理事

○参考人(清水俊弘君) ありがとうございます。  この件に関しましては、民間に関しては、二〇一七年に私たちがこの世界のクラスター爆弾の製造企業に対する投融資状況に関する記者会見を東京でやったことが大きく報道されたことに端を発しまして、三菱、住友、第一生命等の民間金融機関が一斉に方針転換にということがあったのが二〇一七年でした。  その際に、私たちは、併せてこのGPIFに対しても同様の措置をお願いするという申入れをしたんですが、同年、当時民進党の長妻議員が安倍内閣に対して質問主意書でこの件質問出しているんですけれども、特に規制は設けないという閣議決定がなされて以降、そのまままだ変わっていない状況になっています。  ただ、世の中的にやっぱりESG投資に対するやっぱり盛り上がりといいますか、ESG投資を重視することであったり、もとより日本の金融機関も責任投資原則に皆さんサインしているわけですから、そういったその規範の範疇の中で、こういった無差別兵器の製造、あるいは、もっと具体的に言えば、日本がその禁止に、条約を批准しているというような関係にあるものに対して、もうそのまま素直に、ではこれも駄目だねというふうに向き合っていただければいいかなと思うんですが、GPIF、年金基金に関しましては、やっぱりその被保険者の利益を第一に考えるという立場からということで、特に法改正は考えないという状況が続いております。ですので、私たちとしては、引き続き、この件に関してはやっぱり検討をお願いしたいと思っています。  特に、昨年、バイデン政権がウクライナ・ゼレンスキー政権に対してクラスター爆弾の供与をしたことがありました。それもありまして、テキストロン社などアメリカのクラスター爆弾製造企業も、製造自体はここのところしていなかったんですが、こういったことが起こればまた再び製造が再開されるということも懸念されますので、であれば、やっぱりこういった企業に対する投融資というのもやっぱりやめるべきではないかというのが私たちの立場です。

浜口誠国民民主党・新緑風会

○浜口誠君 ありがとうございます。  では、最後、岩本参考人に、対人地雷条約の非対称性について問題提起ございました。国際社会全体でこの問題に対してはどのような議論になっているのか、現時点での国際社会の受け止めという視点で何か御意見がありましたらお聞かせいただきたいと思います。

岩本誠吾京都産業大学法学部客員教授・世界問題研究所長

○参考人(岩本誠吾君) 対人地雷条約もクラスター弾条約も両方が禁止されていて、そういう意味では、入ればこういう場合には条約適用できないというような議論はできないわけです。軍縮条約は非常に重要なんですけれども、ただ、その非対称性という問題を今まで議論してこなかった。そういう意味では、核兵器の場合、核保有国が非核保有国に対して核兵器を使わないという、消極的安全保証という、ネガティブ・セキュリティー・アシュアランスというのが議論あったんですけれども、それをもう一度、この対人地雷、クラスターにも適用できるような、そういった考え方を提言していきたいというのが私の考えで、今までそういった議論は私の見た限りではございません。  以上です。

浜口誠国民民主党・新緑風会

○浜口誠君 時間が来ましたので、終わります。  ありがとうございました。

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) それでは、岩渕君。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。  参考人の皆様、本日はありがとうございます。  初めに、お三方にそれぞれお伺いをするんですけれども、自律型致死兵器システム、LAWSですよね、この規制について様々な論点があるということを今日のお話伺って感じました。それで、このLAWSが実用化、配備されるようになると、自国の兵士の犠牲を考慮する必要が薄くなるので、戦争のハードルが低くなる可能性もあるんだというような指摘もあって、非常に怖いなというふうに思ったんですね。世界各国のAIの専門家であるとか、あと開発者であるとか、企業や団体などからも懸念が示されていますし、さらに、このAIに人の命を奪う権限を与えていいのかということで、倫理的な問題も指摘をされています。  先ほど御紹介あったんですけれども、昨年末の国連総会の中で、国際的なルール作りを進める決議が初めて採択をされるということになって、グテーレス事務総長が二〇二六年までにLAWSを法的に禁じる枠組みをつくるということを各国に求めているわけですけれども、私は、その開発や製造や使用の禁止に向けたルール作りがやっぱり必要だというふうに思っています。  その上でなんですけれども、なかなか議論が進んでいないと、ルール作り進んでいないという上で、ルールを作る上で、議論を進める上で日本がどのような役割を果たすかということで、先ほど来お話いろいろいただいているんですけれども、改めて三人のお考えをお聞かせいただければと思います。

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) どなたから。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 どなたからでも大丈夫です。三人、順番でいいです。

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) では、小笠原参考人からどうぞ。

小笠原一郎前軍縮会議日本政府代表部特命全権大使

○参考人(小笠原一郎君) 日本の果たすべき役割ということでございますが、日本は、先ほど岩本参考人からも御紹介がございましたけれども、アメリカ等と一緒になりまして、今、条項案というものを具体的に提示しております。その中では、国際人道法を遵守できないような形でしか使用できないようなLAWS、これは使ってはならないということを訴えているのみならず、具体的な国際人道法の比例原則ですとか区別原則、あるいは予防原則、そういった原則をどのように確保していくのかということを非常に実践的、具体的に示しております。  これは、我々はアメリカ等と提案しておりますけれども、しておりましたが、発展していく文書であって、今後のいろいろな状況、あるいは技術の進歩等によって、今後もこれをどんどん変えていきたいということで、国際的なコンセンサスの形成になるべく資すような形で提供するということを考えてまいりました。  この一つ前には、原則とグッドプラクティスという別の文書を提案しておりまして、これは過去の政府専門家会議での合意を分野別にまとめたものです。これは、毎回毎回同じ議論について新しい議論が起こるので、それではなかなか議論が進まないから、既に合意のある部分についてはもうこれ以上議論をしない、その更に先に進めていこうという観点から出したものです。ただ、国際社会では、条約の形にしてこれを禁ずる、そういった方向に動きたいという大きな意見もございましたので、それを踏まえて、新たにそれを改定いたしまして、昨年提出したものは条項案という形で、御覧になっていただけますと、具体的な条文に近いような形の案文を提出してきております。そういった具体的な提案を行いながら、我々の考えているところをしっかり、国際的な、日本の考えていること、同志国とともに考えているところを国際的なコンセンサスの基盤にしていくということを続けていくのが非常に重要なことだと思います。  そして、昨年のこの政府専門家会議で一定の、私、先ほど進展があったと申し上げましたが、その進展の中に含まれた要素というのはほとんど私どもの条項案。ほかの提案にも含まれているんですけれども、私どもの条項案にも同じような、国際法の遵守できないようなLAWSというものは使ってはならないといったメッセージ、こういったものはその基盤として使われております。

岩本誠吾京都産業大学法学部客員教授・世界問題研究所長

○参考人(岩本誠吾君) 御質問ありがとうございます。  私の考えは、まずはCCW枠内で、まあ穏健なものになるかも分からないですけれども、最大公約数の人道法条約を作っていくと。で、軍縮条約というのは、本当に望ましいんですけれども、今の段階でCCWの枠外に出て一足飛びに軍縮条約を作っていく、これは可能だと思います。というのは、軍事大国を見放せればそれはできるわけです。ただ、それをすれば軍事大国を規制する条約がない。法的な受皿を一度つくっておいて軍縮条約につなげるべきであろうという意味では、CCWの枠内での議論を詰めていって成果物を出すと。同時並行でもいいんですけれども、最終的には軍縮条約のようなものがあればいいんですけれども、今の段階としてはステップ・バイ・ステップ方式で進める方がいいんではないかというのが私の考えです。  以上です。

清水俊弘地雷廃絶日本キャンペーン代表理事

○参考人(清水俊弘君) 私自身はLAWSに関しての内容に余り踏み込めるだけの知識がありませんが、先ほど小笠原大使がおっしゃったように、この規制の合意形成のプロセスに日本が粘り強く参加して、そこに資するような貢献ができるといいなというのはもちろん思います。  その件に関しましては、クラスター爆弾禁止条約ができるときに、やはりその定義をめぐっては相当な長い議論がありまして、最初はこういったものは駄目というようなリストが、長いリストがあったものが、だんだんだんだん、いろんな国の意見があって、最終的に五項目程度の加重方式という形での定義付けになり、その中で日本の、私、ダブリンの会議にも参加していたんですが、外務省、防衛省から来られた外交官の方がその定義の内容を詰めるときに結構積極的な発言をされていたことが記憶にありますので、そういった経験踏まえて最後まで粘り強く合意形成に貢献していただければというふうに思います。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 ありがとうございました。  次に、清水参考人に伺います。  対人地雷が国際条約として違法化されてきて、条約に参加していない国も含めて、その対人地雷は使ってはならない兵器だというふうになってきました。これは、やっぱり世界の市民であるとかNGOなどの運動が大きな力になって変化をつくってきたんだというふうに思っていて、非常に重要だなというふうに思うんですね。でも、同じように、核兵器禁止条約も、被爆者の皆さんを先頭にした市民の運動が世界を動かして、まあ経済力とか軍事力がある大国ではない国々が平和をつくるために国際社会の中でも力を発揮しているという今状況になっているのかなと思うんですね。  そうした中で、今、ロシアのウクライナ侵略であるとかイスラエルによるガザ攻撃が続いていて、ロシアが核兵器の使用を口にしたりだとか、対人地雷などによる死傷者数も増えているという下で、その侵略や攻撃、その対人地雷や核兵器の使用などをやめさせていくというために、やっぱりその世論の高まりが世界的に必要なんだというふうに思っているんですけれども、こうした事態を変えていくために参考人が大事だと思っていることについてお聞かせください。

清水俊弘地雷廃絶日本キャンペーン代表理事

○参考人(清水俊弘君) ありがとうございます。  いずれにしても、一番大事なのは、犠牲になる方の声、犠牲者の声、あるいは潜在的犠牲者の声をやっぱりできるだけ早く、いち早く広く伝えていくと。今は特にSNSなどの利用でリアルタイムでそういったものが流される時代にもなってきていますし、そういった人たちにまずしっかり目を向けて、そういうこと、人たちが泣き寝入りしないようなやっぱり社会をつくっていくというのが大前提だと思っています。  そういった意味で、日本も、核兵器禁止条約の、もちろん批准すべきだと私は思っていますが、その手前でも、締約国会議にオブザーバー参加をして、日本が長年培ってきたやっぱり被爆者支援の経験あるいは具体的な制度などについてしっかりと共有していくような役割を果たせる、とにかくその被害者目線で万事考えていくということが最も有効な抑止力になるんではないかというふうに考えています。

岩渕友日本共産党

○岩渕友君 ありがとうございました。以上で終わります。

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) それでは、伊波洋一君。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一です。  今日は、御三名の参考人を通して、このLAWSやあるいはクラスター爆弾、そしてまた地雷廃絶の、禁止条約のことについて学ばせていただきました。  最初に、清水参考人にお伺いしたいと思うんですが、地雷禁止条約は大変成功したキャンペーン、そして実態として着実に進んできていると思います。かつて、東南アジアでの地雷であるとか、様々な課題がありましたし、またクラスター爆弾も禁止条約がしっかりと根付こうとしています。  こういう運動の取組のですね、やはり、これ一九九九年ですから、僅かこの二十何年か前のこの提起が現実に着実に広がっているという、大きな実績というふうに見ているんですけれども、運動のありようといいますかね、その取組の広がりや、あるいは、先ほど来からお話は聞いているんですけれども、いま一度、何がこのような成功をもたらしているのかということについて是非お伺いしたいと思います。

清水俊弘地雷廃絶日本キャンペーン代表理事

○参考人(清水俊弘君) ありがとうございます。  私たち、よく言うことですけれども、まず、その市民社会と政府のパートナーシップといいますか、やっぱりその市民の声をどういうふうに政治に届けるか、あるいはやっぱり、市民がやっぱり把握している犠牲の状況をできるだけ包括的に把握し、それをやっぱり迅速に意思決定、そのローメーカーの人たちに伝えていくかというような、その関係性が、やっぱりこの問題をより広い、広範囲にわたって認識を広め、そして、やっぱりその犠牲になる市民の立場からの取組が継続していることがこの条約の確固たる基盤になっているんじゃないかというふうに今も考えています。  締約国会議の第一回目が開かれて以降、ICBLはランドマインモニターというレポートを作っているんですけれども、やっぱり、市民のイニシアチブでその条約の状況や課題を、毎年しっかりと通信簿のような報告書を作成し、全加盟国あるいは未加盟国の皆さんに見てもらい続けているというような取組は非常にユニークであり、重要かと思っています。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 それじゃ、次に岩本参考人にお伺いしたいんですけど、先ほど来、CCWを通して、やはり、このLAWSも含めてやはり兵器の規制というものをやはり理念としてつくるべきだということは、やはりこのオタワ条約のとき、対人地雷についても、みんなが分かる、ある意味で、何を自分たちがやろうとしているかというのが分かっていくことによって、その現実の被害と、そして、これから将来的なこの被害等を対照しながら、まだ分かっていないLAWSのありようについてもイメージができるという、そういうものになろうかなと思っているんですけれども。  いま一度、このCCW、要するに特定通常兵器禁止制限条約の仕組みといいますか、それをしっかりつくっていく、理念をつくっていくという考え方、もう一度お聞かせいただけませんか。

岩本誠吾京都産業大学法学部客員教授・世界問題研究所長

○参考人(岩本誠吾君) 御質問ありがとうございます。  CCWは、あくまで、一九八〇年にできた条約で、そのときの手続規則として、コンセンサスという、大国も小国も含めた同意を形成して条約を作ると、そういうことが大きな枠組みにあります。  それと、CCWはあくまで人道法の枠組みということで、兵器を、兵器自体の禁止又は兵器の使用の方法を制限するということで、開発とかという、生産とかそういった枠組みではできていないんですね。最初から人道法の枠組みで作って、その中で追加的に、三議定書から始まって四、五と今進んでいるわけですけれども、そういう意味では、そのあくまで人道法の枠組み、使用の禁止、制限という枠組みは大きな枠組みがあって、それに入らないような軍縮条約はもうCCWから出ていって議論せざるを得ない。  今回は、アメリカも提案しているんですけれども、使用だけじゃなくて開発もということで、部分的にその軍縮条項的な要素も今回アメリカ提案、まあ日本もそれに賛同しているんですけれども、それを入れております。そういう意味では、CCWの中で人道法プラスアルファ軍縮的な議論を入れて使用と開発を規制、禁止しようという、そこでまず理念といいますか、そのコアな部分を固めるという作業が今後必要になるんではないかというふうに思います。  以上です。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 次に、小笠原参考人にお伺いしたいと思います。  小笠原参考人はもう軍縮大使でもあられたということで、私、大変今懸念しておりますのは、今、日本は大軍拡に入ろうとしている。五兆円を十兆円に膨らます、そして様々な、先ほど委員からも質疑がありましたように、いろんな兵器をやはり整備をして、日本全国三百の駐屯地等に弾薬を積み重ねていろいろと装備も整備をしていくという作業に入っています。私は、やはりあのガザのような形で、例えば戦争が起こると完全装備の兵隊がどこかに目標をつくってそこに誰がいようと撃って壊していくという、ああいうことが今目の前で、我々の目の前で起こっているのを見ますと、やはり戦争こそが最大に我々が避けるべきことであると思っているんですけれども、軍縮という観点からも、今、日本が、何といいますかね、攻めてくるということを前提にしながらいろんな装備をぎっしり造っていこうという、そういう作業を今もう理念にして、安保三文書も作って、もう大きな四十三兆円の予算でね、五年間でやろうとしているわけです。  こういうことに対抗するような考え方を私たちはやはりどこかで持たなきゃいけないんじゃないかなと思っていまして、私は先月中国へ行ってきたんですけれども、中日友好協会あるいは中国国際交流協会などの副会長などともお話をして、中国が日本を攻めてくると言っているんだけれどもどうなんだと言ったら、いや、日中平和友好条約もあるので我々は条約の観点から攻めることはないと、こういうことをきちんと言うんですよね。でも、そういう話合いの場が日本にはない、日本は今そういう話合いの場を持てていない。一方、ASEANでは、年に千回以上の話合いが諸国間で行われていると。私たちは、やはりどこかで転換しなきゃいけないんじゃないかなと。  今、ドローン、このLAWSのいろいろ検討していますけど、これとて日本がどういうLAWSを持てるのかということにつながっていくんでしょうし、いろんな意味で日本が平和の方向から戦争の方向に今シフトしているというのを沖縄にいて感じる、私沖縄にいますので、感じるんですよ。あちこちで基地が造られて、そして先島の人たちも九州に避難する計画が具体的に作られつつあって、そういうことに対してやはり我々が対抗する、つまりその兵器を規制することも大事だけど、その戦争を規制して平和的な方向に、やはり国として、外交として取り組んでいく。  で、その外交官としてお伺いするんですけれども、やはりそこが今とても大事な時期に来ているんじゃないかと。さきに赴任した金杉大使にもお会いしていろいろお話をしてきましたが、是非、軍縮、つまりこういう兵器のこの案、規範ということとは別に、国としての近隣諸国とのやっぱり話合い、熱心な話合いを今我々日本は必要としているのではないかという思いがとても強いものですから、そういう国際的な会議とともに、そういう周辺諸国との話合いをどのように実現するべきかということについて、もしアドバイスがありましたらよろしくお願いします。

小笠原一郎前軍縮会議日本政府代表部特命全権大使

○参考人(小笠原一郎君) 大変大きな枠組みでのお話をいただきましたので、簡単に私の歴史的な観点を踏まえて、今の御質問にお答えさせていただきたいと思いますが、私も四十年も外交官をやってまいりましたけど、最初は冷戦の時代でございました。国際社会は対立と協力の側面が表に出たり裏に行ったりという中で展開してきたと思いますが、冷戦の時代というのは本当に東西対立の時代でございまして、東西のそれぞれのブロックの中でしか協力はあり得ないと、東西のブロックの間ではほとんど没交渉という状況が続いておりました。冷戦が終わりまして、その以降の二十年間、これは西側の勝利の形で終わったというふうに広く認識されているのではないかと思いますが、その間、大きな協力の時代が私は訪れていたと思います。  この二十年間、単に大国間で紛争の可能性が低くなったということのみならず、大国間が協調していろいろな国際的な問題を解決するということに大きな役割を果たしてきた。特に安保理でもいろいろな決議ができまして、国際社会が直面している大きな問題に対していろいろな解決策を提示してきた。私どもが、私が取り組んでまいりました軍縮・不拡散の分野でも、安保理決議一五四〇というものがございますが、これは非国家主体に対する拡散を防止するための、ほとんど条約にしてもいいような内容に踏み込んだ決議でございます。これが安保理の決議の形で行われていると。  当時は、国際……

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) 恐縮でございますが、時間の関係もございますので、答弁簡潔に。

小笠原一郎前軍縮会議日本政府代表部特命全権大使

○参考人(小笠原一郎君) 分かりました、はい。  今は、また大国間の対立の時代にまた入ってきていると思います。ただ、今までの時代と、最初の冷戦時代と違うのは、対立だけじゃなくて協力も同時にマネージしていかなくちゃいけないと。したがって、対立と協力、双方をマネージしなければいけないというのは非常に今大きな課題で、まさに先生がおっしゃられたような近隣国との対話、これも非常に重要なその一つの要素だというふうに思っております。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 ありがとうございました。

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) それでは、浜田聡君。

浜田聡NHKから国民を守る党

○浜田聡君 NHKから国民を守る党会派、浜田でございます。  本日は、三人の先生方、どうもありがとうございました。  特に、LAWSに関しては、AI技術を始めとした技術の進歩が速いという点であったり、それがゆえかもしれないんですけど定義がはっきりしていないということで、対応が非常に難しいんだなということが私は印象に残りました。それだけに、やっぱりしっかり今後も議論は続けることが必要だと思いますし、私としてはやっぱり幅広い考え方を持つことが必要かなと思います。その観点から、幅広いところから質問させていただければと思います。  まず、小笠原参考人にお聞きしたいんですけれど、これまで軍縮会議の日本代表として活動されたということでございます。非常にお疲れさまでした。  私としては、活動のされた経歴でのアピールする観点から質問させていただければと思うんですけれど、前軍縮会議日本代表として、日々成果出され続けていたと思うんですけれど、特にこの点は皆さんにアピールしたいという点があれば、あるいはまた、ちょっとこの点はもうちょっとこうすべきだというのがあれば教えていただければと思います。

小笠原一郎前軍縮会議日本政府代表部特命全権大使

○参考人(小笠原一郎君) どうもありがとうございます。  私、軍縮会議日本政府代表部大使として特に時間と精力を割いたのは、やはり核の問題でございます。  私が任期中に非常にこの核兵器をめぐる状況が大きく変わりました。悪い方向に変わってしまいました。それは、二〇二二年二月のロシアによるウクライナ侵攻です。  そのロシアによるウクライナ侵攻の際、ロシア側は核による恫喝というものと取られても不思議のないような言動を弄しております。これは、歴史上始まって以来初めて、核兵器国が非核兵器国に対して核兵器を恫喝の手段として自分の政治的な意思を押し付けようとしたということで、これは非常に大きい。今までは核兵器は抑止のための兵器だというふうに捉えられておりまして、その二〇二二年の一月には、プーチン大統領も含んだ五核兵器国の首脳が、レーガン・ゴルバチョフ宣言に盛り込まれていた、核戦争に勝者はなく、これ戦ってはならないということをうたって、その中で核兵器は抑止のためのものだと言っておりました。  それを、そういった大きな転換がある中で、私どもは一貫して核軍縮を進めておりまして、国連総会に対して核兵器廃絶決議案というものを出しております。この中で実践的、現実的な核軍縮の道のりを示しておりまして、特にこのウクライナの侵攻の後は、そのウクライナへの核による恫喝に対する国連総会としての深い懸念というものをその総会、我々が提案した総会決議によって表明することができたということ、これは、非常に状況が悪化する中で、日本が核軍縮それから核に対するしっかりした立場を国連の中で打ち出せたということで、一つの成果ではなかったかというふうに思っております。

浜田聡NHKから国民を守る党

○浜田聡君 ありがとうございます。やはり核による恫喝に関しては、やっぱり私も非難を広げていくべきだと考えております。ありがとうございました。  次に、清水参考人にお聞きしたいと思います。  本当に、ミャンマーを始めとして、実際に被害となられた、被害を受けられた方の支援活動をされているのだと認識をしております。  特にミャンマーについてお聞きしたいと思います。  ミャンマーの方でも実際に現地の方とも交流をされていたんではないかと思うんですけれど、クーデターが起こりまして、大分状況が一変した、悪化したと思います。以前は現地の方と連絡取れていたんですけれど、それが今どうなっているのかであったり、現状、今、清水参考人の活動で困っていること、今後の展望などをお聞かせいただければと思います。

清水俊弘地雷廃絶日本キャンペーン代表理事

○参考人(清水俊弘君) ありがとうございます。  先ほどちょっと紹介させていただきましたが、二〇一七年から、私たちはタイに近いカヤー州というところで義足工房を運営しておりました。カヤー州のロイコーという州都なんですけれども、やはり、その地域はカレンニー民族の自治政府が強いところでもありまして、クーデター以降、国軍の攻撃を非常に強く受けているということもありまして、今、町全体がほぼもぬけの殻、工房自体も閉鎖状態で、その工房に勤めていた義肢装具士、これ全員が実は地雷の犠牲者の人たちだったんですが、そのピア・ツー・ピア、まあピアサポートということで、地雷犠牲者自身が地雷の犠牲者を支援するという非常にユニークな取組として続けていたんですが、今彼らとは全く連絡が取れなくなっています。  一方で、この状態を放置するわけにはいかないということで、山間地に避難していらっしゃる多くの避難民の方がいらっしゃいますが、その人たちに食料、あるいは学校の授業を受けられない子供たちへの教育活動をやっている現地のNGOを通じて、今支援を再開しているところであります。  その中で一番困るのは、私たちが日本で募金を集めたとしても、それをミャンマーに送ることができないわけです。全て国軍が銀行を管理しておりまして、その支援金が届けられないという問題があります。ですので、その都度私たちはタイまで行って、タイに出てきてもらって、その国境近くでお金を直接受け渡すということで、今、円安ということもあって、一万ドル支援するにも二百万近いお金が掛かって、何やかんやでですね、掛かってしまうというすごいやりづらい状況になっておりまして、ただ、ウクライナ情勢やあるいはイスラエル、パレスチナの問題と違って、内戦のことというのはなかなか余り表に出ないということも、もちろん大手メディアで報道されることはありますけれども、やっぱり非常に表に出づらい状況にもありますので、やっぱり一刻も早くやっぱりそういった人道支援が避難民の人たちにも届くように、少なくとも今の軍政に対して攻撃をやめるように求めるなど、政府からも一定のお声掛けがしていただければ非常に心強いなと思っています。

浜田聡NHKから国民を守る党

○浜田聡君 ありがとうございました。  最後に、岩本参考人にお伺いしたいと思います。  岸田政権の評価であったり、足りない点みたいなのがあればと思うんですけれど、私は、やはり岸田政権、私は評価をしております。といいましても、やっぱり日本の近隣には三国、核保有国がある、しかも独裁体制と言っていい状態であるというわけで、そういった観点からは、やはり岸田政権の取られた防衛費増額であったり、地方自治体の軍の利用を進めている点などはしっかり評価、現実的観点から評価すべきかとは思うんですけれど、まあ私の評価はそれとして、岩本参考人の岸田政権の現実的観点からの評価をお聞かせいただければと思います。

岩本誠吾京都産業大学法学部客員教授・世界問題研究所長

○参考人(岩本誠吾君) ありがとうございます。  岸田政権に対して考えがあるわけではなくて、むしろ私の関心は日本の近隣諸国の中で条約に入っているか否か。例えば、対人地雷条約、クラスター爆弾条約に例えば朝鮮半島の国は入っていない、中国は入っていない、ロシアが入っていない。日本はそこへ入っていると。先ほど申しましたように、善人を縛る条約だという批判もあるんですけれども、私は軍縮条約に入ること自体はいいというふうに、理想と思っているんですけれども、ただ、その非対称性について準備なり議論なりしていく必要があるだろうという、そういう意味では、日本が置かれた地理的な要因ですよね、そういうことについて配慮しているという点に関してはまあ評価できるんではないかなというふうに思います。  以上です。

浜田聡NHKから国民を守る党

○浜田聡君 ありがとうございました。  いただいた御意見の方を踏まえて、今後の活動にしっかり生かしていこうと思います。本日はありがとうございました。

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) 以上で各会派の一巡目の質疑は終了いたしました。  他に質疑のある方は挙手をお願いいたします。  水野素子君。

水野素子立憲民主・社民

○水野素子君 立憲民主・社民、水野素子です。  本日は、大変貴重な勉強の機会をいただきまして、ありがとうございます。  私は、JAXA、宇宙機関二十八年勤めておりましたので、大変似ていると感じました。安全保障に関わる日々進化していく技術をどのように国際的に規制していくか。宇宙におきましても、御案内のように、国連の宇宙空間平和利用委員会、コンセンサス方式でございますし、GGEもございます。似たような状況にあると感じております。  そういった中で、今日は私は三点類似の質問を皆さんにさせていただきたいので、手短に全て三つ質問をお伝えいたしますので、岩本参考人、小笠原参考人、清水参考人の順で御見解を、全てでなくても結構ですので、いただければと思います。  まずは、定義につきまして、LAWSの定義、これ、小笠原参考人の資料によりますと、有意な人間の関与が確保された自律性を有する兵器システムはむしろ意義があるというふうに日本政府は方針を持っている中で、それでは自律型致死兵器システムは技術の進歩とともに近接してきて非常に峻別が難しくなってくるのではないかと思います。  実は宇宙でも、例えばスペースデブリ、宇宙のごみの定義あるいは規制に関しまして、同じように、なかなかいろんな意味で技術の進歩とともに基準作りが難しくなっていく中でどのようにしているかといいますと、ソフトローとして行動規範のようなものを国連で総会決議で作った上で、具体的な定義、あるいは、その技術の進歩で変わってしまうので、そこはむしろ別の場におけます宇宙機関間のルールメーキングによるガイドラインを参照するという形を取っています。そうでないと、再びコンセンサスをつくるのが技術の進歩とともに難しくなるからですね。  このようなやり方がよろしいんではないかというか、宇宙では行われているので、LAWSの議論におきまして、そのような専門家における議論というのが、むしろ参照するという形で常に、置き換える中において更に新しくなっていきますので、そういったことをやられているかということにつきましてが一点目でございます。  二点目は、今度は岩本参考人のこの表、大変整理されて分かりやすいと感じまして、特に図三ですね、各国の立場、宇宙も似たような形を、似たような形になっているようなことを感じます。  そういった中で、コンセンサス方式を、ある意味国連という全ての国がほぼほぼ入っている場で全員がカバーされるルールを作ることが大事だと思うんですけれども、なかなかコンセンサスは難しい、特にハードローの形では難しい。そういった中においては、国連総会決議、やはり宇宙では頼らざるを得なく、頼っております。  先ほど国連総会決議はどうかという御意見もちょっとあったように伺うんですけれども、そういったことも含めて、昨今の中東紛争、ロシア・ウクライナ紛争において国連何をしているんだと、安保理改革も含めてなかなか進まない。二点目の御質問は、国連改革についてどのような御意見があるのが二点目です。  三点目が、岩本参考人の提起された非対称性、これ大変重要なことだと感じます。  宇宙でも先ほどのようなスペースデブリのような問題があると。その規制に入る国、入らない国、入らない方が産業上有利ですので、基本は入りたくないわけです。このように、安全保障のような話になってきますと、なかなか国益を感じて入らない国というのが特に大国で出てきてしまう。実際にそれをハードローで一部の国でやった場合には、基本的には入らない国を規制する、に対して義務付けることはできないので、入った国を攻撃するなというのはなかなか難しい。  逆に言うと、入っていない国に対してはこの法律は適用しないというやり方にすると攻撃をする国が出てきてしまうのはどうかという議論がある中で、どういうようなやり方が可能なのか、私も先ほど来考えていて、一案としては、そのような国で造られている兵器に対しては買わないという、ある意味そういった形で産業界が不利になるような状況をつくるとか、そういったこともあるのではないかと思うんですけれども、三点目は、この非対称性、これに対応するためにはどのようなアイデアなりやり方があるか。  一点目は定義について、特にどんどん変わっていく技術における定義を国連のような場でどのように対応できるか。二点目が国連改革ですね、国連総会に頼りがちな、になっていますけれど、国連改革どうなのか。三点目が非対称性に対する対応策につきまして。岩本参考人、小笠原参考人、清水参考人の方に、順々に可能な範囲でお答えをお願いいたします。

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) それでは、岩本参考人、どうぞ。

岩本誠吾京都産業大学法学部客員教授・世界問題研究所長

○参考人(岩本誠吾君) どうもありがとうございました。  宇宙法におきまして、平和利用委員会のメンバーが増えることによってもう条約はできない、五つの宇宙条約ができて以来、あとはガイドラインとかということを、今先生が御指摘されたとおりです。  ということで、今、昔、八〇年とか九〇年代は条約ができたような雰囲気があったんですけれども、最近は国家の攻撃を追及するような国が増えて、そのなかなか条約ができない。そういう意味では、ソフトロー、例えばガイドラインであり、マニュアルですね。サイバー攻撃におきましては、タリン・マニュアルで今一、二で、三番目を作っております。また、海戦法規もアメリカ海軍大学の中でニューポート・マニュアルを作って、要するに実務家としては、条約がない状態でいかに実務を動かしていくかという意味でソフトローに頼る傾向があると。  このLAWSにしても、やはりそのハードローができたらいいんですけれども、その手前でも実務家として何らかの政治宣言で規制する方がいいんじゃないかということで、先生御指摘のとおり、なかなか科学技術が進歩すれば法律作るのが時間が掛かってハードローまで行かない、そうしたらソフトローでとにかくその現場を規律していこうというのが必要ではないかなということです。  それと、二番目の国連改革に関しましては、なかなかその枠組みが、二〇〇五年に安全保障理事会改革ということで小泉政権のときに努力されましたけれども、なかなか大国の壁は打破できないということで、やはり今の既存の枠内で総会を利用していく。そこで重要なのは、多数決でやってしまうとどうしても大国が乗ってこなくなるので、できる限りコンセンサス方式を決議で誘導していく必要があるんじゃないかなというふうに思います。  三番目の非対称性に関しましては、専制国家が、軍事企業イコールまあ国営ですから、なかなか、その兵器を買わない、例えば北朝鮮がロシアに弾薬を提供するということもありますので、そういう意味では、その対人地雷にしてもクラスターにしても、その非加盟国のものを買わないといってもその非加盟国同士で融通してしまうことがあるので、そういう意味で、私、最後に発言させていただきましたが、核兵器と同様に、条約に入っている国に対しては使わないような政治宣言を作っていく、ソフトローを作っていくということが重要ではないかというふうに思います。  以上です。

小笠原一郎前軍縮会議日本政府代表部特命全権大使

○参考人(小笠原一郎君) どうも質問をありがとうございます。  ちょっと順番が途中、二つ目からお答えしたいと思いますが、まず国連改革です。  私もこのLAWSも広い意味で軍縮・不拡散の枠組みの一つだと思っておりますけれども、軍縮・不拡散の枠組み、まず交渉をして、それを各国が批准、締結して、それを国内的に実施をして、お互いに検証し合うと、ちゃんと守られているか、最後に、不遵守の状態が出た場合、それに対して対応していくという一連の側面がございます。今一番弱いのは、この不遵守に対してどういうふうに対応していくかということで、やはりこの安全保障と直結した軍縮の分野での国際約束が破られた場合に出てくるのは、期待されるのは安保理です。この安保理が機能しないという状況では、果たして新しい条約が作って意味があるのかと、作った端から破られているではないかという率直な疑問が出てくると思います。  したがって、そういう意味で、法の支配によってこういった軍縮あるいは不拡散、そういったものを規律していくという意味では、この不遵守を対応するための安保理が機能するようにするということが非常に重要なので、そこの部分は国連改革が引き続き必要だと思っております。  それと関係いたしますが、その入る国、入らない国が出てきて、まあ非対称性が出てきてしまうという御質問でございますけれども、これは規範の内容を薄めれば多くの国が入ってくることができます。他方、規範の内容を高くすれば入ってくる国は数が限られてくるということで、そこの部分はトレードオフの関係にございますので、どこを狙うのかというバランスの問題は一つございます。ただ、軍縮・不拡散の場合は、やはりきちんとそれが遵守されているのかどうか、一方が遵守している、他方は遵守していないと、その安全保障上の立場が脅かされますので、しっかり検証して、その遵守されているということに確信を持てるようにしておかないといけないと。これはやっぱり検証を伴ったそういった条約を作れるかどうかというのは非常に重要になると思います。  検証をつくるためのそういった条約を作るためには、今度、交渉、個々の間での非常に高いレベルでの信頼があることが必要なので、今現在はなかなか、大変残念なんですけれども、そういった状況にはなかなかないのかなと。したがって、今ここでそういった法的な拘束力のある文書を作るのがいいのか、あるいはもっと信頼のレベルが高まった時点でより踏み込んだ実効性のある条約を作っていくのがいいのかという、そのタイミングの問題もあろうかと思います。  それから、最初の御質問でございます……

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) 時間です。お答えは簡潔にお願いいたします。

小笠原一郎前軍縮会議日本政府代表部特命全権大使

○参考人(小笠原一郎君) 済みません。じゃ、二つで。  一番目の質問は今の二つの中に大体答えが含まれると思いますので、これで終わりにさせていただこうと思います。

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) もう時間となりましたが。申し訳ございません。

水野素子立憲民主・社民

○水野素子君 時間なのでいいです。別途お伺いしたいと思います。

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) では、よろしいですか、水野さん。

水野素子立憲民主・社民

○水野素子君 はい。ありがとうございました。

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) それでは、金子道仁君。

金子道仁日本維新の会・教育無償化を実現する会

○金子道仁君 日本維新の会・教育無償化を実現する会、金子道仁です。  本日は、貴重な御説明、本当にありがとうございました。私自身、余り知見のない世界だったので、本当によく知らないところをたくさん教えていただいて、感謝いたします。  一点だけ質問させていただきます。  このLAWSの定義に関して、累次委員の皆様からも質問があった点なんですが、ちょっと確認をしたいと思いまして、先ほど小笠原大使がドローンについてはLAWSに入らないというような説明をされていたときに、私、岩本参考人の資料の三ページ目の図一、図二を見ながら、この図一の中の左側、遠隔操作兵器等と、これはドローンに入るんじゃないのかなと思いながら聞いておりました。  そこで、岩本参考人にお伺いしたいんですが、この図一、図二は、いずれもこれは全てLAWSに入るという理解なんでしょうか、それともここが全部LAWSに入るかどうか自体がもう議論の対象になっていて範囲がコンセンサスが取れていないということなのか、その辺りちょっと教えていただきたいのと、あと、小笠原参考人の方にお伺いしたいのが、個人的には、そのLAWSの範囲を広くしながら、その中の規制の対象をどうしていくのかということで、その自律性の程度のアプローチというのがあるというのはよく分かるんですが、そもそも自律性のアプローチによってLAWSの範囲を狭めてしまうという議論になっているんでしょうか。その辺りと、あともう一つ違うアプローチとして、先ほど国際人道法遵守の可能性のアプローチということがありました。もう少しその点を詳しく教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。

岩本誠吾京都産業大学法学部客員教授・世界問題研究所長

○参考人(岩本誠吾君) どうもありがとうございます。  図一の遠隔操作というのは、ドローンというのは、空中だけじゃなくて地上でも海上でも海中の中でもあるもので、無人兵器なんですけれども、遠隔操作ですから、リモートコントロールですから、これは人間が操作するので合法兵器だと。それから、ペトリオットとかイージス艦、イージスシステムは、途中で、その標的が間違っていたり違う方向に行けば、途中で関与するというか止めさせることができると。マン・オン・ザ・ループということで、ループの中、意思決定のループの中に人間が監視していると。これも人間の関与があるので合法だろうと。  で、今問題の自律兵器というのは、例えばハーピーみたいにレーザー源に突入すると、これは自分でレーザー源を見るんですけども、これは狭いAIということで、これも物理的な対物破壊ということで合法だろうと。今言われているLAWSは、リーサルオートノマスですから、対人用の汎用型のAI搭載ということで、現存せずというところで灰色にしている部分が、今度、今現在、LAWSで議論されているところです。  ですから、ハーピーのような特化型のAIを搭載した自律型兵器は、これは合法兵器として認められております。図の二のところで、斜線のところで、汎用型というのが、要するに、選択、追尾、攻撃という、これ全てAIが判断するということで、これは現在のCCWで議論されていると。ですから、今の灰色の部分が存在しないので、対物も含めて議論するのか、対人だけに議論するのかということで、LAWSとAWSという、ちょっと使い分けて書いてありますが、現在、CCWではその灰色の部分が議論されているということです。  以上です。

小笠原一郎前軍縮会議日本政府代表部特命全権大使

○参考人(小笠原一郎君) 自律性とIHLの関係について二つ御質問いただきました。  まず、自律性の方でございますけれども、実は自律性というのは非常に幅広い概念でございまして、例えばカメラのオートフォーカス、あれも一定の自律性を、というふうに考えられております。あるいは、自動車のブレーキの自動制御、こういったものも自律性の一部と考えられております。  したがって、国際人道法の観点から特に兵器として禁止あるいは制限しなければいけないものは何なのかというと、生殺与奪の核心の部分、標的を選ぶ、あるいは標的に対して交戦あるいは攻撃を行う判断をする、そういった部分まで自律的に機械に任せるということはいかがなものかということで、そういった意味で、広い自律性ではなくて、国際人道法と問題になるような自律性というものを今抽出して議論をしようとしているところでございます。  それから、国際人道法との関係でございますけれども、国際人道法の中でも特に焦点になっておりますのは無差別性あるいは過度な傷害といったような論点でございまして、例えば機械が文民と戦闘員を本当に区別して戦闘員のみ攻撃の対象として選ぶことができるのかと、そういった機械の判断能力、そういったものがあるのかといったことが、このIHL、国際人道法との関係では我々の議論の中でも論点になっております。

金子道仁日本維新の会・教育無償化を実現する会

○金子道仁君 ありがとうございました。  以上にさせていただきます。本日は本当にありがとうございました。

猪口邦子自由民主党

○会長(猪口邦子君) 他に御発言はありますか。──他に御発言もなければ、参考人に対する質疑はこの程度といたします。  参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。  参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。調査会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十四分散会

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